JP7352925B2 - 圧力変動吸収構造体 - Google Patents

圧力変動吸収構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP7352925B2
JP7352925B2 JP2018226694A JP2018226694A JP7352925B2 JP 7352925 B2 JP7352925 B2 JP 7352925B2 JP 2018226694 A JP2018226694 A JP 2018226694A JP 2018226694 A JP2018226694 A JP 2018226694A JP 7352925 B2 JP7352925 B2 JP 7352925B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
thin film
sound absorption
panel
pressure fluctuation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018226694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020091324A (ja
JP2020091324A5 (ja
Inventor
達哉 石井
秀司 生沼
健一郎 長井
俊治 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Original Assignee
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aerospace Exploration Agency JAXA filed Critical Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority to JP2018226694A priority Critical patent/JP7352925B2/ja
Priority to PCT/JP2019/033834 priority patent/WO2020115960A1/ja
Publication of JP2020091324A publication Critical patent/JP2020091324A/ja
Publication of JP2020091324A5 publication Critical patent/JP2020091324A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7352925B2 publication Critical patent/JP7352925B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B5/00Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
    • B32B5/22Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by the presence of two or more layers which are next to each other and are fibrous, filamentary, formed of particles or foamed
    • B32B5/32Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by the presence of two or more layers which are next to each other and are fibrous, filamentary, formed of particles or foamed at least two layers being foamed and next to each other
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C1/00Fuselages; Constructional features common to fuselages, wings, stabilising surfaces or the like
    • B64C1/40Sound or heat insulation, e.g. using insulation blankets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D33/00Arrangements in aircraft of power plant parts or auxiliaries not otherwise provided for
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/16Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/16Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/162Selection of materials
    • G10K11/168Plural layers of different materials, e.g. sandwiches
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K11/00Methods or devices for transmitting, conducting or directing sound in general; Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/16Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general
    • G10K11/172Methods or devices for protecting against, or for damping, noise or other acoustic waves in general using resonance effects

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、例えばジェットエンジンのファン騒音、燃焼器騒音、タービン騒音を騒音の伝播経路で減衰させるためのダクト内壁に設置される圧力変動吸収構造体及びこのような圧力変動吸収構造体などに適用される薄膜に関する。
吸音パネルは、表面に入射する音波のエネルギーを吸収する機能を有している。吸音パネルは、基本的には、パネル表面から表面板、セル(cell)構造及び背後壁の三層の構造からなる。表面板には、孔が穿孔されており、孔を介して表面板に接する空気とセル構造とを連通する。
共鳴型吸音パネルは、上記の構造から定まる音響的な共鳴周波数の下で、吸音性能を高める働きを有する。一般に空気中を伝播する音は、周波数によって時間的に再現性のある波を形成する。音には複数の周波数とそれに伴う振幅や位相を有する音が含まれていることが通常である。共鳴型吸音パネルは、特定の周波数を中心とする周波数帯域で吸音性能を高める。
従来から、共鳴型吸音パネルに関していくつかの技術が開示されている(特許文献1~7参照)。
特開2007-309326号公報 特表2013-522511号公報 特表2011-530675号公報 特開2006-2869号公報 特開2002-337094号公報 特開2010-84768号公報 特開2013-140248号公報
本発明者らは、共鳴型吸音パネルに関して、パネル表面に気流が存在すると静止条件で期待したほどの吸音性能が得られないことから、鋭利検討したところ、以下の知見を得た。
パネル表面を流れる気流、特にパネル表面すれすれを流れるGrazing流の存在が吸音性能を低下させ、また共鳴周波数も変化させる。すなわち、Grazing流が増加すると吸音率のピークが低下する一方で吸音する周波数帯域が増加する傾向を示す。吸音率のピークに相当する周波数(共鳴周波数)もGrazing流速の増加と共に変化する。これらの傾向は設計点からの吸音性能のずれを示しており、せっかく共鳴周波数にて最適化された吸音性能をGrazing流の存在によって劣化させることになる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、表面の気流による圧力変動吸収性能の低下及び共鳴周波数の乖離を抑制することができる圧力変動吸収構造体を提供することにある。
また、本発明の目的は、表面の気流の流れを乱すことなく圧力変動を抑制することができる圧力変動抑制用の薄膜を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る圧力変動吸収構造体は、圧力変動吸収用の孔が表面に設けられた有孔部材と、前記有孔部材の表面に配置され、少なくとも前記孔に対応する領域に複数の小孔が穿孔された薄膜とを具備する。
本発明の一形態に係る圧力変動吸収構造体では、有孔部材の表面に、当該孔に対応する領域に複数の小孔が穿孔された薄膜を配置することで、典型的には表面に気流(Grazing流)が存在する場合に吸音率の低下や共鳴周波数の推移を抑制でき、音響性能が従来技術に比べて改善される。
前記小孔は、圧力変動を透過させ、かつ、表面の流体の流れの透過を規制する孔径であることが好ましい形態である。
前記薄膜の厚さを前記小孔の孔径で除したアスペクト比が2より小さいことが好ましい形態である。
前記小孔の直径は、前記圧力変動吸収用の孔の直径の1/2より小さいことが好ましい形態である。典型的には、小孔の直径は、0.6mm以下であることが好ましい。圧力変動吸収用の孔の直径1~1.5mmに対して、小孔の直径は、0.15mm~0.35mm以下がより好ましく、小孔の直径は、0.15mm~0.25mm以下が更に好ましい。
前記薄膜に前記複数の小孔が実質的に均一に穿孔され、前記複数の小孔による前記薄膜の開口率は、15%以上であることが好ましい形態である。
前記複数の小孔は、前記孔に対応する領域及び前記領域の周囲に分布していることが好ましい形態である。
前記複数の小孔は、前記領域の直径の3倍程度の直径の範囲に分散していることがより好ましい形態である。
前記薄膜は、積層構造であることが好ましい形態である。
前記有孔部材は、圧力変動吸収用の孔としての吸音用の孔が表面に設けられたハニカム型のような共鳴式吸音パネル本体であることが好ましい形態である。
また、別の形態としては、有孔部材は、圧力変動吸収用の孔が表面に設けられた圧力変動吸収材であってもよい。圧力変動吸収材は、典型的には多孔質材又は金属繊維状吸音材である。例えば、多孔質材の表面に前記薄膜を貼付するこれにより、機体表面などの境界層騒音や反射騒音を抑制しつつ、機体周りの流れを保持することができる。
本発明の一形態に係る圧力変動抑制用の薄膜は、圧力変動を透過させ、かつ、表面の流体の流れを透過させない孔径の小孔が多数穿孔されている。これにより、表面の気流の流れを乱すことなく圧力変動を抑制することができる。本発明の一形態に係る圧力変動抑制用の薄膜は、圧力変動吸収用の孔が表面に設けられた有孔部材の表面に配置され、又は圧力変動吸収材の表面に配置される。
本発明によれば、表面の気流による圧力変動吸収性能の低下及び共鳴周波数の乖離を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る吸音パネル1を示す斜視図である。 図1に示した吸音パネル1の一部の拡大縦断面図である。 図2に示した吸音パネル1の孔14付近の拡大図である。 小孔21の形状の他の態様を示す概略的平面図である。 小孔21の分布の他の形態を示す概略的平面図である。 他の形態に係る孔14付近の拡大図である。 他の形態に係る薄膜20の平面図である。 図5AのA-A断面図である。 一般的な吸音パネル1'の作用を説明するための断面図である。 フローダクト式吸音性能試験装置の構成を示す概略図である。 薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流による吸音率の変化を測定した結果であって、主流と同一方向の吸音率を示すグラフである。 薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流による吸音率の変化を測定した結果であって、主流と反対方向の吸音率を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の静止場における吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態における吸音率であって、主流のマッハ数を0.2として、主流と同一方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態における吸音率であって、主流のマッハ数を0.2として、主流と反対方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態における吸音率であって、主流のマッハ数を0.3として、主流と同一方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態における吸音率であって、主流のマッハ数を0.3として、主流と反対方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の共振周波数とピーク吸音率を算出した結果であって、主流と同一方向の共振周波数とピーク吸音率を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の共振周波数とピーク吸音率を算出した結果であって、主流と反対方向の共振周波数とピーク吸音率を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の静止場における吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態(開口率は40%及び17%の場合)における吸音率を測定した結果であって、主流のマッハ数を0.2として、主流と同一方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態(開口率は40%及び17%の場合)における吸音率を測定した結果であって、主流のマッハ数を0.2として、主流と反対方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態(開口率は40%及び17%の場合)における吸音率を測定した結果であって、主流のマッハ数を0.3として、主流と同一方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態(開口率は40%及び17%の場合)における吸音率を測定した結果であって、主流のマッハ数を0.3として、主流と反対方向の吸音率を測定した結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態(その1)に係る構造物の構成を示す正面図である。 図16Aの断面図である。 本発明の他の実施形態(その2)に係る翼の構成を示す正面図である。 図17Aの断面図である。 本発明の他の実施形態(その3)に係る翼列の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態(その4)に係る移動体の一例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態(その4)に係る移動体の他の例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態(その4)に係る移動体の更に別の例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態(その5)に係る構造物の一例を示す概略断面図である。 本発明の他の実施形態(その5)に係る構造物の他の例を示す正面図である。 図21Aの断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る圧力変動吸収構造体としての吸音パネル1を示す分解斜視図である。図1Bはその吸音パネル1の一部の拡大縦断面図である。図1Cはその孔14付近の拡大図である。
<吸音パネル1の概略構造>
図1A~図1Cに示すように、吸音パネル1は、吸音パネル本体10の表面に、薄膜20を例えば接着剤(図示を省略)を使って貼付して構成される。
吸音パネル本体10は、表面に圧力変動吸収用の孔としての吸音用の孔14が設けられている。
薄膜20は、多数の小孔21が穿孔され、少なくとも上記の孔14に対応する領域R14には複数の小孔21が穿孔されている。
<吸音パネル本体10について>
吸音パネル本体10は、従来からある共鳴型の吸音パネルであり、その表面に気流がない場合では表面を通過する音波のエネルギーを吸収する機能を有している。吸音パネル本体10の表面は、音波が入射する空間側から見れば、平面のみならず、曲面、任意の形状を有していてもよい。
共鳴型吸音パネル本体10は、パネル表面から三層の構造で成り立つ。これらは、表面板11、セル(cell)構造12、背後壁13として認識される。表面板11には吸音用の孔14が穿孔されており、孔14を介して表面板11に接する空気とセル構造12とを連通する。
セル構造12は、表面板11、背後壁13及びセルを区画する隔壁15に囲まれた小空間である。すなわち、吸音パネル本体10は、複数のセル構造12を有する。
なお、吸音パネル本体10の用途によっては、セルを区画する隔壁15の一部にセル内に浸入した水を抜くための小孔を設けてもよい。
背後壁13に小孔を設けてその背後にセルと背後層を設ける多層吸音パネル、所謂マルチレイヤー吸音パネルという構造も存在する。
セル構造12が表面板11と背後壁13によって挟まれていることから、「サンドイッチ構造」と呼ばれることもある。
セル構造12の断面形状は任意であって、三角形、四角形、多角形でも円形でもよい。六角形のものを特に「ハニカム(honeycomb)」構造と呼ぶ。
セル構造12は、基本的には表面板11に設けた孔14を介して外部と連通する。背後壁13は空気の振動に対して十分剛性を有するものと仮定する。また、通常の扱いでは、セル構造12を取り囲む隔壁15はすべて、内部の空気に比べて十分剛性があるものとして扱われる。
本実施形態に係る吸音パネル本体10は、共鳴型であり、上記構造から定まる音響的な共鳴周波数の下で、吸音性能を高める働きを有する。
一般に、空気中を伝播する音は、周波数によって時間的に再現性のある波を形成する。音には複数の周波数とそれに伴う振幅や位相を有する音が含まれていることが通常である。共鳴型の吸音パネル本体10は、特定の周波数を中心とする周波数帯域で吸音性能を高める。
ここで、共鳴型の吸音パネル本体10の共鳴周波数fは、セル構造12の体積V、セルに対応する表面板11の孔14の面積の合計s、孔14の長さ(言い換えれば表面板11厚さに相当)dによって、次のように定義される。ここで、d'はdに対して開口端補正量を加えたものである。
f=c/2π√(s/Vd')
吸音パネル本体10の表面板11に音波、即ち微小な圧力変動が到達すると表面板11の孔14の内部の空気が変位する。孔14の内部の空気がセル構造12側に押されるとセル構造12の内部の空気が圧縮され、セル構造12の内部の空気が孔14の内部に引っ張られてセル構造12の内部の空気が膨張する。
ただし、孔14の体積は、セル構造12の体積に比べて十分小さいので、上記圧縮と膨張による体積変化量はセル構造12の体積に比べて十分小さい。孔14への入射音は周期(或いは周波数)で変動するため、孔14の内部の空気も入射音波の周波数で変位し、結果としてセル構造12の内部の微小圧力も入射音波の周波数で変動することとなる。
<薄膜20について>
吸音パネル本体10の表面板11に貼られた薄膜20は、表裏を貫通する多数の小孔21を有する。
本実施形態では、薄膜20は、吸音パネル本体10の表面板11の1つの孔14に対応する領域R14に2個以上の小孔21を有する。基本的には、小孔21の孔径D21は、表面板11の孔14の孔径D14によって定まる。一般的な吸音パネルの孔径が1mm~1.6mmであることを想定すると、一つの孔14に対して2個以上の小孔21を設けることを条件とし、1mm径の孔14に小孔21を2個設置する場合の小孔21間の余裕を考慮すると、小孔21の孔径D21は0.4mm以下である必要がある。より好ましくは、孔14の孔径D14は1mm程度以上であるのに対し、小孔21の孔径D21は0.2~0.25mm以下である。
薄膜20の開口率は、できるだけ大きいことが望ましい。薄膜20に均一に小孔21が穿孔されているとした場合に、薄膜20が貼られる表面板11の開口率と薄膜20の開口率の積が実質開口率((孔14に対応する領域R14の面積に対する小孔21の面積))となることから、薄膜20の開口率はできるだけ大きい方が好ましい。具体的には、薄膜20に均一に小孔21が穿孔されているとした場合に、薄膜20の開口率は、15%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。後述する実験結果によれば、薄膜20の開口率は40%の例があるが、それよりも小さな開口率(17%)でも薄膜20がない場合に比べて吸音率の改善効果が見られた。なお、小孔21の開口率を維持するためには、孔径を小さくするほど、孔数を増やさなければならない。
小孔21は、典型的には円形であるが、円形以外の形状であってもよい。例えば、図2に示すように、小孔21は、主流F方向に長い矩形としてもよい。
小孔21は、表面板11の全面に対して穿孔してもよいが、表面板11の孔14に対応する領域R14に穿孔し、それ以外の領域には穿孔しなくてもよい。例えば、図3に示すように、薄膜20の小孔21は、表面板11の孔14に対応する領域R14とその周辺、例えば対応する領域R14の直径の3倍程度のみの領域R21に分布するようにしてもよい。これによって、小孔21が存在しない領域での小孔21による擾乱を抑制し、マクロ的に抵抗軽減を見込むことができる。3倍程度としたのは、面積で10倍、小孔21のコンパクト性を考慮しても、面積のオーダが変わらない範囲(10倍以下)に影響をとどめるためであるが、本発明は3倍程度に限定されない。
薄膜20の厚さは、小孔21の孔径と同じオーダであることが好ましい。すなわち、薄膜20の厚さt20と小孔21の孔径D21との比(アスペクト比=厚さ/孔径)が2より小さいことが好ましい。アスペクト比が2以上となると、薄膜20での流れ抵抗が急増する結果、吸音率改善効果が見込めなくなるおそれがあり、一方アスペクト比が小さくとも音響的にはマイナス効果は見込まれないと考えられる。具体的には、薄膜20の厚さt20は、0.2~0.4mmであることが好ましい。
薄膜20の材質は、金属、プラスチックスを含めた硬質材料を用いることが好ましい。小孔21を有する薄膜20は、典型的には、エッチング処理などの積層過程を経て形成される場合を含む。エッチング処理などの積層過程を経て形成することで、機械加工の限界とされる直径0.2mm以下の小孔21を形成することができ、また円形以外の形状の小孔21を容易に形成できる。
少なくとも以上の構成の薄膜20は、Grazing流による流れをセル構造12内への導入を規制する流体非透過性で、かつ、流路(表面)を伝播する音波による圧力をセル構造12内に導入することを許す音響透過性を有することとなる。
なお、表面板11と薄膜20との間には、図4に示すように、隙間G11-20を設けてもよい。
また、薄膜20の表面には、図5A、図5Bに示すように、主流Fに沿う溝22を複数形成してもよい。その場合、溝22の深さd22は小孔21の直径D21よりも小さいことが好ましい。
また、セル構造12を二自由度或いは多自由度のセルとする場合にも、薄膜20を表面板11に設置すると共に、異種セル間の孔空隔壁(セプタム)の一部または全てに薄膜20を設置してもよい。この場合、薄膜20の小孔21の孔径及び開口率を上記の表面板11に設置する場合と異なるものとしてもよい。
<実験結果>
本実施形態に係る吸音パネル1は、上記構成の薄膜20を有することで、表面に気流(Grazing流)が存在する場合に吸音率の低下や共鳴周波数の推移を抑制でき、音響性能が従来技術に比べて改善される。
本発明らは、このような効果を確認するため、以下の実験を行った。なお、以下では、図6に示す薄膜20が貼られていない吸音パネル1'を本実施形態に係る吸音パネル1との比較のために用いた。
図6を使って説明すると、吸音パネル1'の表面に気流(Grazing流)が存在する場合、この主流Fは吸音パネル1'の表面近くで境界層を形成し、表面で速度ゼロという条件を有する。また、主流Fと同方向及び逆方向に伝播する音波SWが存在する。音波SWの波長は吸音パネル1'のセル構造12の寸法に比べて大きいものと仮定し、その音波SWを吸音対象とする。音波SWが吸音パネル1'の孔14の空部を通過すると、孔14からセル構造12の内部に圧力が伝わると共に、孔14の空気層が変動する結果、音波SWの吸収が起こる。音波の吸収メカニズムには音圧によって類型があるという報告もある。
本発明者らは、Grazing流がある状態での吸音パネルの吸音性能を、図7に示すフローダクト式吸音性能試験装置で実験的に調べた。
図7に示すように、ダクト100に主流F(方向は矢印の如く図中左から右である。)を流す。中心部分の速度を代表値として、これを音速で割ってマッハ数とする。
ダクト100内壁(通常、4面のうちの3面)には吸音パネル1又は1'を設置する。吸音パネル1又1'の両サイドのドライバーユニット101、102から音を入力して、ダクト100の両サイドに設けたマイクロホン103,104で音を計測するとダクト100内の定在波P 、P 、P 、P を算出できる。吸音パネル1又1'の前後の定在波P 、P 、P 、P から進行波t、t、反射波r、r成分を算出して、最終的にエネルギー散逸率(ここでは吸音率)を求める。吸音率には主流に対して方向がある。
実際に使用したフローダクト式吸音性能試験装置では、主流マッハ数は0.3まで、周波数は2000Hzまで測定可能であり、ダクト内面は60mm×80mmのダクト100である。
吸音パネル1又1'は、外形寸法63mm(幅)×280mm(長さ)×55mm(厚さ)、セル形状10.16mm×10.16×50mm(厚さ)、板厚0.76mm、孔14の径1.0mm、孔14による実質的な開口率6.8%とした。なお、セル構造12間には壁面を有することから、これも含めた見かけの孔14による開口率3.9%とした。
図8A及び図8Bは薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流による吸音率の変化を測定した結果である。図8Aは主流と同一方向の吸音率、図8Bは主流と反対方向の吸音率である。主流に反して伝播する方が、音が伝わりにくい感覚的な傾向にも沿っている。Grazing流がない場合は、伝播方向の有意な差はない(図8Aと図8Bの白抜き○)。以上の結果からGrazing流による特徴は以下のとおり3つあることが分かる。
(1)Grazing流速が増加すると、主流に沿った方向では共鳴周波数(吸音率がピークとなる周波数)が増加する。
(2)Grazing流速が増加すると、吸音率の極大値(以下「ピーク吸音率」とも表記)はGrazing流がない場合に比べて低下する。主流に沿った方向だと、目視で0.96から0.6まで、約40%も低下する。この例は、ジェットエンジンのバイパス排気ダクトに吸音パネルを設置するケースに相当する。
(3)Grazing流速が増加すると、広帯域の吸音率が増加する傾向を示す。しかし、これは本来の設計値に沿わない上、主流方向ではこのブロードバンド化の効果は限定的である。
図9は本実施形態に係る吸音パネル1、すなわち薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の静止場における吸音率を測定した結果である。音波の伝播方向による差はないので、ゼロである主流Fと同じ方向の結果のみを示す。薄膜20の小孔21の孔径0.17mm、膜厚は0.15mm、開口率は孔14の開口率よりも十分大きく40%とした。以上の結果から、Grazing流がない静止場の状態では、薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の吸音率の相違はない。薄膜20は、この周波数帯域では、"音響透過性"の膜としての機能を示している。
図10A及び図10Bは薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態における吸音率を測定した結果である。ここでは、主流のマッハ数は0.2とした。なお、上記と同様に、薄膜20の小孔21の孔径0.17mm、膜厚は0.15mm、開口率は孔14の開口率よりも十分大きく40%とした。図10Aは主流と同一方向の吸音率であり、図10Bは主流と反対方向の吸音率である。以上の結果から以下の2つの特徴があることが分かる。
(1)Grazing流による共鳴周波数のシフトは、薄膜20が貼られている吸音パネル1の場合は殆どみられない。つまり、設計共鳴周波数を再現することができる。また、主流と逆方向でも共鳴周波数位置はほとんど変化しない。
(2)Grazing流によるピーク吸音率の低下は、薄膜20が貼られている吸音パネル1ではみられない。つまり薄膜20が貼られている吸音パネル1は、薄膜20が貼られていない吸音パネル1'に対して吸音率が改善している。図10Bの如く主流と逆方向に伝播するケースでも同様である。
図10A及び図10Bは主流のマッハ数が0.2のケースであったが、マッハ数を0.3としたケースを図11A及び図11Bに示す。図11A及び図11Bにおいて、その他の条件は図10A及び図10Bと同様である。薄膜20が貼られている吸音パネル1では、マッハ数0.2の場合と同じ効果を有する。薄膜20を貼ったときの吸音率の回復効果はGrazing流速が増加するほど顕著である。例えば、主流と同一方向では薄膜20が貼られていない吸音パネル1'では吸音率が0.62程度であるのに対し、薄膜20を貼ったときには吸音率は0.92となり、吸音率が50%改善した。また、主流に反対方向では、薄膜20が貼られている吸音パネル1では、共鳴周波数周りに吸音率が極大の帯域が広がる結果、薄膜20が貼られていない吸音パネル1'と比べて高い吸音性能が見込まれる。
図12A及び図12Bは薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の共振周波数とピーク吸音率を算出した結果である。ここで、ピーク吸音率とは、周波数に対して吸音率は変化するが、その場合に極大値を取る吸音率のことである。図12Aは主流と同一方向の結果である。図12Bは主流と反対方向の結果である。ここでは、共鳴周波数(吸音率のピークとなる周波数、静止場の共鳴周波数をF0とする)とピーク吸音率をプロットした結果を示す。薄膜20が貼られていない場合は、Grazing流が増加するにつれて、共鳴周波数が増加し、吸音率の低下が起こり、主流と同一方向の音の伝播に対してその傾向が強い。薄膜20が貼られている場合は、周波数、吸音率ともに維持され、パネルの形状設計から予測される性能から逸脱せず、音響性能を維持し続ける。
図13は薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'の静止場における吸音率の比較結果である。図9に示した場合に比べて、薄膜20の小孔21の孔径0.17mm、膜厚は0.10mm、開口率は17%と絞った。Grazing流がない静止場の条件では、薄膜20が貼られている場合であっても薄膜20が貼られていない場合に比べて、ピーク吸音率は同じ、共鳴周波数もほぼ同じである。薄膜20が貼られている場合には広帯域で吸音率を上昇させるが、これはセル開口部の見かけのレジスタンスが増加したためである。
図14A及び図14Bは薄膜20が貼られている吸音パネル1と薄膜20が貼られていない吸音パネル1'のGrazing流がある状態(開口率は40%及び17%の場合)における吸音率の比較結果である。図14Aは主流と同一方向の結果である。図14Bは主流と反対方向の結果である。ここでは、主流のマッハ数は0.2とした。薄膜20が貼られ、開口率が17%の吸音パネル1の定性的効果は開口率が40%のそれと同じである。薄膜20が貼られ、開口率が17%の吸音パネル1は、薄膜20が貼られている場合には、ピーク吸音率が低下する場合があるものの、薄膜20が貼られていない場合よりもピーク吸音率の回復効果が認められる。
図14A及び図14Bは主流のマッハ数が0.2のケースであったが、マッハ数を0.3としたケースを図15A及び図15Bに示す。薄膜20が貼られ、開口率が17%の吸音パネル1は、主流と同一方向でピーク吸音率が、開口率40%の場合よりも低下し、 主流と逆方向ではピークの吸音率を示す帯域が減少した。薄膜20が貼られ、開口率が17%の吸音パネル1では吸音性能が少し劣化するものの、薄膜20が貼られていない場合よりも十分な回復効果を認められる。
以上の結果、薄膜20が貼られた吸音パネル1は、特に、孔径0.2mm程度で膜厚が孔径のオーダの場合、開口率17~40%では薄膜20が貼られていない場合に比べて吸音率が改善されることが分かる。
<作用・効果>
ダクト等に使う従来の吸音パネルについては、以下の技術課題があった。
(1)気流中に置かれた条件(Grazing条件)での吸音性能の低下
(2)孔空表面板の存在による流体機械や吸音パネルの性能低下(圧損、入口乱れ、吸音率)
(3)金属製以外の表面板を使うことへの衝撃強度不足
(4)吸音パネルのメンテナンス性能、寿命
(5)既存吸音パネルに対しても適用可能な付加性、簡便性
(6)セルに対する撥水性、コンタミネーション
すなわち、例えば伝播経路の壁面に吸音パネルを設置して騒音の伝播を妨げる場合には、通常、吸音パネルの表面に気流が存在する。気流中を音波が伝わり、吸音パネルと反応して音圧を低減するのに加えて、気流の存在によって吸音性能が変化する。共鳴周波数を定義された吸音パネルが静止場で示す吸音率は、気流速度の増大によってそのレベルを低下させ、時に共鳴周波数を変化させる傾向がある。
図8A及び図8Bを用いて、Grazing流による吸音性能と共鳴周波数の変化を説明する。一般に、Grazing流が増加すると吸音率のピークが低下する一方で吸音する周波数帯域が増加する傾向を示す。吸音率のピークに相当する周波数(共鳴周波数)もGrazing流速の増加と共に変化する。これらの傾向は設計点からの吸音性能のずれを示しており、せっかく共鳴周波数にて最適化された吸音性能をGrazing流の存在によって劣化させることは、吸音パネルの適用においてマイナス効果となる。図8A及び図8Bに示した例では、主流マッハ数0.3ではエネルギー吸音率が30~40%低下しており、音の対数スケールの単位であるデシベル(dB)換算すると2dBの損失となる。
吸音パネルの孔14はGrazing流が増加すると、孔14の存在による後流そのものが散逸効果を有する他、下流の孔14と干渉して吸音パネルの音響性能に影響する。マクロ的に見れば、気流を生じさせる流体機械、例えばファンへの流入乱れを増加させて性能に影響を及ぼすおそれがある。
Grazing流のある流路には、異物が流入して吸音パネルに衝突することが考えられる。衝突の結果、パネルが損傷することは音響性能の劣化に直結するし、破損したパネル片は新たな機器故障の原因となる。一般に孔空表面板は衝撃に対して脆弱であって、特に金属など硬質材料以外の樹脂などを用いると破断の可能性を有している。破断せずとも表面摩耗はパネルの性能を劣化させ、その交換時期を早めるという問題がある。また、ダクトに装着した吸音パネルを維持管理する観点では、1~数mmの孔径を有する吸音パネルの表面板の汚れやダスト混入も課題となる。
既存の吸音パネルの性能を向上させたい場合、既存の吸音パネルを取り外すとか別の形状の吸音パネルを新たに製作すると、費用や所要時間の点で不利である。既存パネルを装着した状態で付加的な措置を講じることができるかが実用上の課題の一つである。付加的な措置には簡便な手法であることも望ましい。
これに対して、本実施形態に係る吸音パネル1は、表面に吸音用の孔14が設けられ吸音パネル本体10、つまり例えば既存の吸音パネルの表面に、多数の小孔21が穿孔され、少なくとも上記の孔14に対応する領域R14には複数の小孔21が穿孔された薄膜20を例えば接着剤(図示を省略)を使って貼って構成される。
これにより、本実施形態に係る吸音パネル1は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る吸音パネル1は、Grazing流がある条件でピーク吸音率を改善する。通常は、Grazing流が増加するにつれて、吸音率のピークが低下し、かつ共鳴周波数が変化するため、当所のパネル設計性能が予測しづらい課題を解決する。上記の試験結果では、流れ場中で吸音率を測定する特殊な装置を用いて吸音パネル1、1'の計測を行った。Grazing流の条件として主流中心マッハ数を0.3まで増加させた例を示した。薄膜20として、孔径0.17mm、開口率17%と40%を使用した。主流と同じ方向では、主流マッハ数0.3にて40%以上の吸音率改善効果が得られている。
(2)本実施形態に係る吸音パネル1は、吸音パネル本体10の孔14によってその表面に生じる流れの乱れを抑制する。流れの乱れはその下流に存在する吸音パネル本体10の孔14とそのセル構造12の音響特性に影響を与える(流れの干渉)。薄膜20は乱れを抑制する結果、流れの干渉による吸音性能の低下を抑制すると予想される。乱れの抑制は、その下流にある流体機械、例えばファンの作動を安定させてシステム全体の効率改善に寄与する。
(3)本実施形態に係る吸音パネル1は、吸音パネル本体10に貼られる薄膜20は、吸音パネル本体10への衝撃を緩和し、飛散物による裂傷を避ける効果がある。薄膜20は、その小孔21のために流体力学的に不透過性が強く、塵などのセル構造12への混入を抑制する。薄膜20の交換をもって吸音パネル1の清掃を済ますことができ、吸音パネル本体10の取り外し更にはダクトを含むエンジン等のオーバーホールを伴わないことが期待され、吸音パネル1の長寿命化に貢献する。
(4)本実施形態に係る吸音パネル1は、吸音パネル本体10に小孔21有する薄膜20を貼ることことを基本的な構成とし、既存の吸音パネルに付加的に適用することができ、その方法は簡易である。
(5)本実施形態に係る吸音パネル1は、薄膜20の表面の水滴がセル構造12の内部に浸透することを防ぐ効果がある。水滴の表面張力を考慮して、小孔21の径を選定することで、水滴の進入を防ぐことも可能である。
<吸音パネルの設置の類型>
本実施形態に係る吸音パネル1は、以下の類型が考えられる。
(類型1)
伝播経路の壁面に吸音パネル1を設置して、騒音の伝播を妨げる。
伝播経路は通常、ダクトのような流路である。本類型では、伝播経路の壁面に表面板11が設置され、その背後にセル構造12と背後壁13が存在する。伝播経路内部に気流が存在してもよく、気流には経路断面方向に速度分布や温度分布が存在してもよい。騒音は気流と同じ方向に伝播する場合と反対方向に伝播する場合がある。また、騒音に経路断面形状に応じた音響モード(音圧の腹と節が存在する音圧分布であって、同一の周波数に複数の音圧分布が存在することや、音圧分布の空間的位置が時間変化することを含む)が存在することがある。具体例として、
・航空機用ジェットエンジンの吸入ダクトや排気ダクト内壁に吸音パネル1を設置することで、ファンで発生する騒音をエンジンの外部に放出される前にその音圧を軽減すること
・既存の吸音パネルの表面に本件発明の薄膜を設置することで、ファン騒音の軽減効果を増加させること
・ガスタービンの燃焼室内壁や排気流路内壁の一部に吸音パネル1を設置することで、燃焼器やタービンで発生する音をエンジンの外部に放出する前にその音圧を軽減すること
・ジェットエンジンの地上運転設備にて、冷却後の高速排気ジェットを導入して外部に排気するダクト内壁に吸音パネル1を設置することで、ジェット騒音による高音圧騒音を軽減すること
・発電設備にて、同じく空気吸入側ダクト内壁に吸音パネル1を設置して、ブロア、圧縮機などから発生する騒音を外部に放出する前に減衰させること
などが挙げられる。
(類型2)
騒音が入射する壁面に設置して、騒音の反射を妨げる。
本類型は、開放空間に置かれた壁や塀、構造物の表面に吸音パネル1を設置するものである。パネル表面に気流があってもよい。入射騒音の進行方向は、パネル表面板と垂直方向でなくともよい。具体例として、
・静粛性を要求する部屋の壁面に吸音パネル1を設置し、室内の反響を抑制すること
・車両が通行する路線に設けた塀の表面に吸音パネル1を設置して、車両や路面から発生して塀に入射する騒音の反射を弱めて、周囲への騒音暴露量を減らすこと
・航空機の機体(胴体表面、フラップなどの高揚力装置、脚や格納ドアなどの着陸装置)表面に吸音パネル1を設置して、空力騒音の発生、境界層騒音の減衰、エンジンなど他の部位からの音の反射を抑制して、機体遠方への騒音放射を抑制すること
・前記機体は航空機に限定せず、自動車、鉄道車両も想定する。自動車であれば、吸音パネル1を車体の一部に設置することで、ドアミラーからの剥離音、ボデイ後部の剥離音、車体表面の境界層音の発生抑制と吸音を抑制し、車外及び車内への騒音を軽減すること
・鉄道車両であれば、その表面に吸音パネル1を設置することで、高速走行時にパンタグラフ、車体隙間や段差から発生する空力音の発生を抑制し、かつ表面反射を抑制し、車内車外への騒音を抑制すること
・前記吸音パネル1は本件発明にかかる薄膜の背後を共鳴型の吸音パネルとすることに限定しない。これ以外にも多孔質材や繊維状の吸音性素材を設置すること
などが挙げられる。
(類型3)
閉空間を覆う境界面の全部または一部に吸音パネル1を設置して、内部の騒音を低減する。
閉空間であって、騒音源を含むゆえに騒音場が形成される場合と、騒音源を含まないが、外部騒音源から振動を通じて導入された騒音場が形成される場合を想定する。閉空間の全部または一部に吸音パネル1を設置することで、閉空間内を伝播する騒音の振幅をパネル表面で減衰させることで、閉空間内の騒音をパネルがない場合に比べて低減させることを想定する。具体例として、
・ボイラや燃焼器の内壁に耐熱性の吸音パネル1を設置して、燃焼室内部で発生する不安定燃焼振動や燃焼騒音を吸音することで、不安定振動の抑制や外部に伝播する燃焼騒音低減を図ること
・ロケットフェアリング内壁に吸音パネル1を設置することで、ロケット打上時に発生する外部音響がフェアリングの振動を介してフェアリング内部に励起する音場を軽減すること
・航空機の機内壁に吸音パネル1を設置して、外部から伝搬するエンジン騒音、機体騒音、境界層騒音を機内で軽減すること
・自動車、鉄道の車内壁に吸音パネル1を設置して、車内に吸音壁を意識させることなく、外部から伝搬する音を車内で軽減すること
・居住並びに労働空間において壁面に吸音パネル1を設置すること。これらには、音楽スタジオ、コンサートホール、街中の建造物壁面も含まれる。本件発明の吸音パネル1の表面の微細孔故に、吸音壁という印象を与えずに静粛性を得ることができる他、壁面の塗装などが自然に行えて、壁面の吸音効果とデザイン効果を得ることができる。
などが挙げられる。
<本発明に係る吸音パネルの適用例>
本発明に係る吸音パネルは、航空機、航空機エンジン、発電装置、原動機、空調冷凍機、など空気流中を騒音が伝播する系の騒音低減能力の改善、自動車、鉄道、航空機など輸送用機器器全般であって、その表面に気流と騒音が混在する状態を有するものの吸音性能の改善、騒音低減装置の構造強度改善、騒音低減装置による本体装置の性能改善等に適用できる。以下にその適用例を示す。
(適用例1) 航空機用ジェットエンジン吸入及び排気ダクト
ダクト内壁面の吸音パネル表面に薄膜を設置する。薄膜に空ける小孔は0.25mm程度以下であって、パネル孔に複数個存在するように開口率はパネル孔のそれよりも大きくする。パネル孔の存在する部分にのみ小孔群がくるように薄膜への穿孔位置を変えても良い。薄膜はパネル表面板との間に隙間なく設置しても良く、隙間を設けても良い。
(適用例2) 発電機器、原動機などの吸入・排気ダクト
蒸気・ガス発電装置、車両等エンジン、航空機の補助動力装置など、原動機では外気を導入し、熱機関等で用いた後で排気している。外気を吸入する流路(ダクト)或いは排出する流路(ダクト)の内壁に吸音パネルを設置する場合があり、これの表面で気流と接する面に本発明に係る薄膜を設置する。
(適用例3) 高温排気ダクト
ガスタービン、エンジンなどの高温部分から排出される音が伝播する流路に、金属製ハニカム構造や耐熱性吸音材が用いられる場合に、耐熱性を有する本発明に係る小孔付薄膜を設けることで、Grazing流が増加しても、吸音性能の改善、吸音部材の熱保護、損失軽減を図ることが期待される。
(適用例4) 燃焼器
地上用、航空用ガスタービン及びロケットエンジンなどの燃焼器内部では高温ガスの燃焼に伴う中~低周波数の高振幅の圧力変動が生じる。これを軽減するために、レゾネータと呼ばれる共鳴室を燃焼器壁面に設けることがある。燃焼器内部も気流が存在することから、レゾネータの開口部に本発明に係る薄膜で耐熱性を有するものを設置することで、レゾネータを通過する圧力変動の緩和を促進することができる。
<本発明に係る薄膜の適用例>
本発明の小孔付きの薄膜が示す、音などの圧力変動を透過させつつ表面の流体の流れを極力透過乃至実質的に透過させない、つまり透過させない性質を活用して、吸音ダクト以外に以下にも適用可能である。
(適用例1)
翼端表面や構造物表面に本発明に係る薄膜を貼付する。表面の流れの剥離を防止して、揚力低下や抵抗増加を回避する。航空機の主翼やフラップ、脚構造表面、風力発電動翼の主に(翼)端部に向かって、本発明に係る小孔を有する薄膜を貼付することで、貼付されていない場合に発生する剥離を防止して、急激な揚力低下、抵抗増加、騒音発生を抑制する。
本発明は、これら構造物表面を多孔質材料で覆っておき、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付する構造も含む。
例えば、図16A及び図16Bに示すように、円柱周りの流れが円柱表面で剥離を生じ、騒音発生源となる、例えば航空機降着装置(脚)の支柱や鉄道車両の集電装置支柱(パンタグラフ)、風力発電設備の風車支柱、風切音を発生させる建造物、橋支柱などの円柱50の表面の全部又は一部を吸収材51に置き換えて、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜52を貼り付ける。吸収材51は、軽石のようなポーラス材、ハニカム型吸音パネル、金属繊維状吸音材等であり、圧力変動を内部で減衰する。薄膜52の小孔の孔径は、0.2~0.25mm以下が好ましい。なお、円柱50としているが、その形状は円に限定されない。
また、図17A及び図17Bに示すように、翼60の表面の全部又は一部を吸収材61に置き換えて、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜62を貼り付ける。つまり、従来の単なる翼形状(航空機の翼の一部を含む)に対して、翼形状の一部(翼後縁、翼前縁、翼端、上面など)の表面をポーラス材等の吸収材61に置き換え、置き換えた部分の表面に本発明に係る薄膜62を密着する。本発明は様々な分野の翼型の翼60に適用できる。例えば、航空機の主翼や尾翼、高揚力装置(フラップ、スラット)、ヘリコプターブレード(主、補助)、風力発電風車のブレード、ジェットエンジンのファンブレード、ターボプロップエンジンのプロペラ、産業用送風機ファン、扇風機や換気扇のファン等に本発明を適用できる。
これによって、表面で発生する音や入射する音を吸収する一方で流れを乱さず、付加的な騒音の発生も抑制する。表面に多孔質材を取り付ける考えは研究されているが、低周波数の騒音軽減には効果が認められる。空力的性能劣化と高周波数騒音の発生を伴うことが一般的である。多孔質材の効果を維持しつつ、空力性能や高周波数での騒音発生を抑制し、付加的な質量増加を抑え、メンテナンス性に優れた本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付することは、有意義である。
(適用例2)
翼前縁表面に多孔質材を配し、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付する。
例えば、図18に示すように、動翼71及び静翼72からなる翼列70の静翼72の前縁の一部を多孔質材等の圧力変動吸収材料73に置き換え、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜74を貼り付ける。
本実施形態では、エンジンの圧縮機やファンなどの動静翼列にある静翼において、従来の単なる静翼形状に対して、静翼72の前縁の一部をポーラス材等の圧力変動吸収材料73に置き換え、ポーラス材等の圧力変動吸収材料73の表面に本発明に係る薄膜74を密着する。本発明は、様々な分野の翼列に適用可能である。例えば、ガスタービンの軸流圧縮機や航空エンジンのファン、軸流圧縮機、送風機、換気扇の支柱構造、排気サイレンサの気流スプリッタ(偏向装置)等に本発明を適用することができる。
圧縮機やファンなど軸流回転機械では、前段の翼列から発生する後流が後段の翼列に衝突することで大きな圧力変動を生じ、これが干渉騒音として外部に放出されることがある。このように翼前縁に多孔質材を配すれば、後流が翼列に衝突してもその圧力変動を緩和することができる。しかし、多孔質材を配しただけでは、その粗い表面構造がゆえに流れ場が乱れ、空力性能を損なうことが知られている。空力性能劣化と干渉騒音発生を天秤にかけて後者のメリットが大きい場合はよいが、両者のバランスを取るべき条件では、多孔質材のみの適用は不十分である。そこで、本発明に係る小孔付きの薄膜を多孔質材の表面に貼付することで、後流の衝突のみを吸収して、全体的な流れを乱すことを回避することができ、空力性能維持と干渉騒音軽減の両者をバランスよく達成することが期待できる。この応用例としては、風車の動翼と支柱との干渉騒音が挙げられる。動翼が支柱付近を通過すると、動翼周りの圧力場が支柱と干渉して圧力変動を増加させ、風車騒音の増大となる。支柱表面の一部を多孔質等の材料で覆い、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付すれば、多孔質材の劣化を防止しつつ、騒音軽減を果たすことができる。
(適用例3)
胴体、車両など移動物の表面に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付する。
例えば、図19A、図19B、図19Cにそれぞれ例示するように、車両、航空機など移動体80の表面の一部又は全部を多孔質材等の圧力変動吸収材料81に置き換え、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜82を貼り付ける。
本実施形態では、移動体(車両、航空機)の表面において、従来の単なる表面形状に対して、表面形状の一部をポーラス材等の圧力変動吸収材料81に置き換え、ポーラス材等の圧力変動吸収材料81の表面に本発明に係る小孔付きの薄膜82を密着させる。本発明は、様々な分野の移動体表面に適用可能である。例えば、自動車や大型車両の車体表面、ドアミラー、ドアや窓、段差部など、鉄道車両のドア、窓、車両間の段差、車体前方部でトンネル突入時の圧力変動を受ける部分など、更に航空機の機体表面で境界層騒音の発生部分、エンジンの暴露を受ける部分などに本発明を適用することができる。
航空機の場合、胴体表面には境界層が形成されるため、境界層騒音が客室内に伝播することが知られている。高速鉄道車両では、車体表面の微小な段差(窓など)が原因で空力音が車内に影響しうる。自動車でもボデイ表面の段差やドアミラーからの騒音が車室内音環境に影響する。段差構造で生ずる渦放出が抗力増加を生み出すことも問題となる。そこで、胴体や車体の表面の適応する箇所に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付する、或いは、表面を多孔質材など吸音や圧力変動を抑制する下地として、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜を貼付することで、境界層騒音、剥離による音を抑制しつつ、空力的性能の維持更には改善が見込まれる。
(適用例4)
本発明に係る小孔付きの薄膜は、建造物外壁、塀、特殊な風洞設備の風洞内壁にも適用できる。
例えば、図20、図21A及び図21Bに示すように、建造物外壁、塀、風洞内壁などの構造物90の一部又は全部を共鳴型或いは多孔質材等の圧力変動吸収材料91に置き換え、その表面に本発明に係る小孔付きの薄膜92を貼り付ける。ここで、図20は建造物外壁、塀などに本発明を適用した例であり、図21A及び図21Bは風洞内壁などに本発明を適用した例である。
本実施形態では、建物外壁や道路の塀などの構造物90の表面において、従来の単なる表面形状に対して、その表面形状の一部をポーラス材等の圧力変動吸収材料91に置き換え、ポーラス材等の圧力変動吸収材料91の表面に本発明に係る小孔付きの薄膜92を密着させる。本発明は、様々な分野の構造物表面に適用可能である。例えば、表面に塗装を施し、建造物近傍の静粛性をもたらしつつ、建造物表面の塗装等による視認性、芸術性をもたらすもの、遮音壁の表面での吸音を確保しつつ、壁面に標識など視認性をもたらすもの、風洞内壁に適用し、内部の気流による音の発生や音の反射を弱め、空力音響計測の精度を高めるもの、更に車両、鉄道などのトンネル内壁などに本発明を適用することができる。
例えば、気流中で物体などから発生する騒音を気流中で計測することは一般に困難である。対策として、風洞の壁面を音響透過性の膜に置き換えて、膜の外側(気流の無い環境)で音を計測することが行われている。現状では、ケブラー製膜が使われることがある。ケブラー膜は、音響透過特性が十分ではない(低周波数音は高い率で透過するが高周波数音では透過率が十分とはいえない)。更に、重大な課題として、最適な透過率をもたらすためにケブラー膜に課する張力を調整しなければならない。そこで、代替品として、本発明に係る小孔付きの薄膜を音響透過性膜として使用する。これにより、通常の風洞試験で対象とする高周波数までの音響透過性能を担保しつつ、張力設定が不要となることが期待できる。ここで、風洞壁に固定し、本発明に係る薄膜を固定するフレーム構造は大きな開口率を有する有孔部材である。
(適用例5)
本発明に係る小孔付きの薄膜は、防風スクリーンにも適用できる。マイクロホンを屋外で使用して環境騒音を計測する場合、風や降雨に曝される。風は低周波数騒音として観測データに影響するため、マイクロホンに当たる風を減らす措置が必要となる。現行では、織布のスクリーンや発泡材のスクリーンが使用され、一定の防水効果を見込んでいる。風など流れを透過せず、音を透過させる小孔空薄膜である本発明に係る薄膜をスクリーンのフレームに貼付することで、防風スクリーンの役割を果たすことができる。前述したように、水滴径に対して小孔径を選択することで撥水性を得ることも可能である。この場合、上記フレームを大きな孔空構造の有孔部材である。
<その他>
本発明は、上記の実施形態に限定されない。本発明は、その技術思想の範囲内で様々に変形や応用をしての実施が可能であり、その実施の範囲も本発明の技術的範囲に属する。
1 :吸音パネル
10 :吸音パネル本体
12 :セル構造
14 :孔
20 :薄膜
21 :小孔
14 :領域

Claims (7)

  1. 表面を流れる流体の圧力変動を吸収する圧力変動吸収構造体であって、
    圧力変動吸収用の孔が表面に設けられた有孔部材と、
    前記有孔部材の表面に配置され、少なくとも前記孔に対応する領域に、前記表面を流れる流体のGrazing流の発生を抑圧するための複数の小孔が実質的に均一に穿孔された薄膜と、
    前記有孔部材と背後壁によって挟まれたセル構造を有し、特定の周波数を中心とする周波数帯域で吸音性能を高めるように構成された共鳴型の吸音パネル本体と
    を具備し、
    前記複数の小孔が表れる薄膜の表面に沿って流体が流れる環境に配置し
    前記薄膜の厚さを前記小孔の孔径で除したアスペクト比が2より小さい
    圧力変動吸収構造体。
  2. 前記小孔は、圧力変動を透過させ、かつ、表面の流体の流れの透過を規制する孔径である請求項1に記載の圧力変動吸収構造体。
  3. 前記小孔の直径は、前記圧力変動吸収用の孔の直径の1/2より小さい請求項1又は2に記載の圧力変動吸収構造体。
  4. 前記複数の小孔による前記薄膜の開口率は、15%以上である請求項1、2又は3に記載の圧力変動吸収構造体。
  5. 前記複数の小孔は、前記孔に対応する領域及び前記領域の周囲に分布している請求項1、2又は3に記載の圧力変動吸収構造体。
  6. 前記複数の小孔は、前記領域の直径の3倍程度の直径の範囲に分散している請求項5に記載の圧力変動吸収構造体。
  7. 前記薄膜は、積層構造である請求項1、2、3、4、5又は6に記載の圧力変動吸収構造体。
JP2018226694A 2018-12-03 2018-12-03 圧力変動吸収構造体 Active JP7352925B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018226694A JP7352925B2 (ja) 2018-12-03 2018-12-03 圧力変動吸収構造体
PCT/JP2019/033834 WO2020115960A1 (ja) 2018-12-03 2019-08-29 圧力変動吸収構造体及び圧力変動抑制用の薄膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018226694A JP7352925B2 (ja) 2018-12-03 2018-12-03 圧力変動吸収構造体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020091324A JP2020091324A (ja) 2020-06-11
JP2020091324A5 JP2020091324A5 (ja) 2021-12-02
JP7352925B2 true JP7352925B2 (ja) 2023-09-29

Family

ID=70974931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018226694A Active JP7352925B2 (ja) 2018-12-03 2018-12-03 圧力変動吸収構造体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7352925B2 (ja)
WO (1) WO2020115960A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4239626A1 (en) 2020-10-30 2023-09-06 Japan Aerospace Exploration Agency Pressure fluctuation absorbing structural body

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003295867A (ja) 2002-02-01 2003-10-15 Ngk Insulators Ltd 吸音構造体
JP2015007791A (ja) 2008-04-22 2015-01-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 複合吸音シート
JP2016536624A (ja) 2013-09-25 2016-11-24 パナシアン マイクロベント テック(ジアンスー)コーポレーションPanasian Microvent Tech(Jiangsu)Corporation 交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法
JP2016213829A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 日東電工株式会社 高分子樹脂フィルムとこれを備える通気膜、通音膜、音響抵抗体、通気膜部材、通音膜部材、音響抵抗体部材および音響機器ならびに高分子樹脂フィルムの製造方法
JP2019028176A (ja) 2017-07-27 2019-02-21 富士フイルム株式会社 防音構造

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6182787B1 (en) * 1999-01-12 2001-02-06 General Electric Company Rigid sandwich panel acoustic treatment

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003295867A (ja) 2002-02-01 2003-10-15 Ngk Insulators Ltd 吸音構造体
JP2015007791A (ja) 2008-04-22 2015-01-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 複合吸音シート
JP2016536624A (ja) 2013-09-25 2016-11-24 パナシアン マイクロベント テック(ジアンスー)コーポレーションPanasian Microvent Tech(Jiangsu)Corporation 交通音遮断用高吸音複合材料及びその製造方法
JP2016213829A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 日東電工株式会社 高分子樹脂フィルムとこれを備える通気膜、通音膜、音響抵抗体、通気膜部材、通音膜部材、音響抵抗体部材および音響機器ならびに高分子樹脂フィルムの製造方法
JP2019028176A (ja) 2017-07-27 2019-02-21 富士フイルム株式会社 防音構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020091324A (ja) 2020-06-11
WO2020115960A1 (ja) 2020-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6182787B1 (en) Rigid sandwich panel acoustic treatment
CN101675226B (zh) 消音特性可变的消音板
Yi et al. Design and characterization of a multifunctional low-speed anechoic wind tunnel at HKUST
US20080295518A1 (en) Airfoil acoustic impedance control
US20030057017A1 (en) Sound-proofing panel, in particular a rotorcraft structural or lining panel
US9670878B2 (en) Cellular acoustic structure for a turbojet engine and turbojet engine incorporating at least one such structure
US9057329B2 (en) Turboprop engine systems with noise reducing inlet assemblies
JP7352925B2 (ja) 圧力変動吸収構造体
US11402123B2 (en) Microperforated conduit
Angland et al. Use of blowing flow control to reduce bluff body interaction noise
Palleja-Cabre et al. Downstream perforations for the reduction of turbulence-aerofoil interaction noise: Part I-Experimental investigation
WO2022091542A1 (ja) 圧力変動吸収構造体
CN111741899B (zh) 具有声音可透过壁的涡轮机短舱
US20170291681A1 (en) Composite insulation for reducing broadband aircraft noise
Devenport et al. Design and operation of hybrid aeroacoustic wind tunnels
Mathew et al. Characterization of an anechoic wind tunnel facility
Chow Design and characterization of the UTIAS anechoic wind tunnel
Duell et al. Progress in aeroacoustic and climatic wind tunnels for automotive wind noise and acoustic testing
Best et al. The Honda Automotive Laboratories of Ohio Wind Tunnel
US20220099022A1 (en) Noise reducing device having an obliquely pierced honeycomb structure
JP2019138977A (ja) 共鳴型吸音パネル
Azam et al. Noise abatement system in commercial aircraft by using Bias Acoustic Liner on nacelle lip-skin
CN114856816B (zh) 航空发动机降噪声衬及航空发动机
Best et al. Lockheed Martin Low-Speed Wind Tunnel Acoustic Upgrade
Clair et al. Turbulence interaction noise from a rectilinear cascade of airfoils and effects of porous material inclusions

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211022

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211022

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20211022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230529

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7352925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150