JP7345149B2 - 課題レコメンドシステム - Google Patents

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Description

本発明は、学習する際の課題をレコメンドするシステムに関し、より詳細には、自習型システムにおいて学習者が明示的に苦手な課題のみならず潜在的に苦手と考えられる課題をも、専門家の知見と人工知能技術等を用いた情報推薦技術を用いた学習結果に基づきレコメンドすることで、高い学習効果をもたらす課題レコメンドシステムに関する。
コンピュータの開発黎明期より様々な自習支援システムが開発されてきており、学習者のレベルに応じた適切な課題を提供するサービスについては実用化されて久しい。これらのサービスへのアクセスには、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット等を用いることができるため、多くの時間を費やすことが必要な各種試験対策を目的とした各種サービスが提供されており、高等学校受験対策、大学受験対策、各種資格試験受験対策、語学試験対策などがその典型である。
いずれも一定以上の点数を取得する必要があるため、これらの試験で出題される問題について正解を解答するだけの知識、学力を身につける必要がある。したがって、上記サービスの目的は、知識、学力を効率よく取得することを支援する点にある。
正解した問題について次回も正解できるとは必ずしも限らないが、誤った問題を次回正解する可能性よりは高い。そのため、誤った問題のみを繰り返し取り組むことで、次回は誤りを正解へと変えていく学習方法が、限られた学習時間を有効に活用するために重要である。
そのため、多くのサービスでは、誤った問題についての再学習機能を備えている。誤った問題をそのまま再出題することでも一定の効果は得られるが、解答直後に再学習した場合では、選択肢の関係等から、本質を理解していないにも関わらず正解を選んでしまう可能性を排除できない。そのため、誤った問題が真に問うていたテーマと同じテーマに属する別の問題を再出題することで、ユーザに当該テーマの学習を促すことが効果的である。
特許第6618226号公報 特開2017-134184号公報
この点について、英語学習を例にして考えてみたい。我が国では、英語の学習にあたっては
1 基本文法 動作動詞と状態動詞、現在形と現在進行形、過去形と過去進行形など、
2 助動詞 推薦のmayとcanとmust、助動詞と完了形、助動詞の慣用表現など、
3 仮定法 仮定法過去、未来に関する仮定、倒置法による仮定法など
4 動名詞 動名詞の用法、動名詞の否定形など
といった体系を順に学習することが一般的である。
そのため、英語の関する試験も文法を習得できているかの確認という観点が強い。英語に関する多くの問題集や学習支援システムも、どの文法に関する問題を出題しているのかという観点から分類されている複数の問題から構成されている。例えば、次に示す問題である。
問題1 以下の( )に適切と考えられる選択肢を選びなさい。
The wedding party ( ) a lot of money. There were a lot of guests, and the hotel was the best in the city.
1 must have cost
2 cannot have cost
3 could not cost
4 will cost
この問題であれば、空欄に入る正解選択肢であるmust have costに関わる文法項目である「助動詞+完了形」が問題を示すテーマとなり、この問題が属するのは上記の体系でいうと2 助動詞の「助動詞と完了形」ということになる。
しかし、この問題の解答のポイントは第2文の”were”や”was”にあり、これらが過去形であることの理解が必須である。すなわち、過去形を理解していないユーザは、助動詞の理解があってもこの問題の正解にたどりつくことはできない。
従来の学習支援システムが再出題を行う際は、この点を無視して、解答欄に関わる文法項目である助動詞や完了形という点に”のみ”依拠して次に解くべき問題が推薦されるため、本質的な対策とはいえない問題を推薦するばかりである。そのため、過去形についての問題を解答することによる学力の向上につなげることはできないままとなり、学力の向上、知識の習得という観点からは効率的とはいえない状態であった。
さらには、教師が生徒の達成状況を判断する際には、問題の文法上のテーマのみならず、問題の背景知識を事前に知っているか否という他分野要素、出題形式や空欄数といった形式的要素、問題文の長さや単語の難易度、迷いに迷って解答したのか運否天賦の鉛筆ころがしで解答したのかといった心理的要素なども勘案することが行われているが、そのような要素も考慮されてはいなかった。
ところで近年、人工知能が大規模に実用化されている状況である。人工知能の得意分野としてパターンマッチングがあるが、学習支援システムにおいてはユーザが誤答した問題がどのパターンに属するのか、すなわち誤答した問題と類似する問題を計算するために用いられる。人工知能を用いると一見理解できないが実は重要な関連があり、テーマ理解に資する問題を推薦できる可能性も秘めており、有望な技術である。一方、人工知能技術等を用いた情報推薦技術の一番の弱点は、なぜその問題が類似していると計算されたのか、”理由”を明示できないし、専門家の”知見”を”理由”とからめて出力結果にうまく反映させるのが困難である点にある。
そこで本発明では、タグを各問題に付することを特徴とする課題レコメンド提供システム、すなわち、
問題、タグ、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術等を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術等を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
を備えた課題レコメンドシステムであって、
予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とすることを特徴とする課題レコメンドシステム。
を提供する。
本発明の課題レコメンドシステムは、各問題に専門家によってタグを複数付することで様々な観点からの分類を行うことが可能となり、画一的な観点ではなく、ユーザの知識習得にあたって真に必要なテーマに属する問題を効率的に提供することが可能となる。さらに、人工知能技術等を用いた情報推薦技術による判定された類似ユーザが苦手とした問題をレコメンドすることで、ユーザが苦手とする可能性の高い問題、かつ、ユーザが未だ解答していない問題のみをレコメンドすることができ、知識の習得にかかる効率を大幅に向上させることが可能となる。特に、これまで文法という体系にのみ依存することの多かった語学学習において、文法以外の観点からのレコメンドを行うことで、学習効率を極めて上昇させることができる。
本発明を実施するシステムの概要 本発明の動作を説明するフローチャート
本発明の課題レコメンドシステム1について、以下図を参照しながら説明する。課題レコメンドシステム1は、配信サーバ2、クライアント端末3から構成されている。図1は、課題レコメンドシステム1の概要を示した図、図2は、フローチャート図である。
ここで、本実施形態の課題レコメンドシステム1では、語学をはじめとする様々な分野の知識を学習対象として、英語の有する様々な文法について、長文、短文、多肢選択式、択一式、自由記述式など様々な出題形式にて問われる問題を解いていくシステムとして機能し、効率的に語学の学習が可能となる問題をレコメンドしていくものとする。以下、説明にあたっては語学学習、とくに英語を対象として説明を行うものとする。
本実施形態の課題レコメンドシステム1は、図1に示すとおり、インターネット1000に接続され、英語学習に有用な問題集コンテンツ4を難易度別に記憶し、当該問題集コンテンツ4をインターネット1000を通じて配信可能な配信サーバ2と、配信サーバ2によって配信された問題集コンテンツ4をユーザ1001に表示し、ユーザ1001の解答を入力可能なクライアント端末3から構成される。配信サーバ2は、課題レコメンドシステム1を運営する英語学習支援サービスを実施する企業によって設置され、クライアント端末3はユーザ1001によって各々管理されるものとするが、クライアント端末3をも企業が教室等に一括設置し管理するものとしてもよい。なお、インターネットの代替としてイントラネットであってもかまわないし、ネットワーク接続をもたないスタンドアローンにて動作するシステムとしてもよい。
配信サーバ2は、CPU、RAM、HDDやSDDなどのストレージ、ネットワークカード、電源などから構成されたハードウェアであり、当該ハードウェア上にて実行されるソフトウェアと協働することによって英語に関する様々な問題である問題集コンテンツ4が管理された問題データベース21、問題データベース21から抽出された問題41をWebページとして動的に生成するWebページ生成手段22、クライアント端末3との送受信を行う通信手段23、ユーザ1001からの解答状況を管理する解答状況データベース24、ユーザが誤答した問題41と類似する問題を抽出するレコメンドシステム25として機能する。また、配信サーバ2自身への制御を可能とするためのキーボードやマウス、トラックパッドなどのポインティングデバイス、配信サーバ2自身の情報を表示するためのディスプレイ等を備えても良い。なお、データベースは既存のDBMSを用いてもよいし類似の機能を有する代替ソフトウェアを用いても構わない。Webページ生成手段22はHTMLを生成するものであるが、PDFやPSなどの他の言語を用いてもよく、問題41をユーザが認識可能な情報に加工するものであればよい。
配信サーバ2は、ユーザ1001が操作するクライアント端末3からの問題集配信要求を通信手段23を介して受け取ると、ユーザ1001が配信を要求するテーマに沿った問題41を問題データベース21から抽出し、当該抽出された問題41をWebページ生成手段22によって問題表示画面としてレンダリング可能なWebページ表示用データへと加工した上で、通信手段23を介してクライアント端末3へ配信する。
クライアント端末3は、パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどであり、より具体的にはCPU、RAM、HDDやSDDなどのストレージ、ネットワークカード、電源、ディスプレイ、スピーカーなどから構成されたハードウェアであり、当該ハードウェア上で実行されるソフトウェアと協働することで、英語に関する問題41が表示される表示手段31、配信サーバ2への問題集配信要求やレコメンド要求といった各種制御指示に加えて表示された問題41への解答を受け付ける等の各種の入力を受け付ける入力手段32、配信サーバ2と通信可能な通信手段33、ユーザ1001の解答状況を一時的に記憶する記憶手段34として機能する。表示手段32はディスプレイ及びスピーカーとソフトウェアの協働により構成されており、問題41を視覚的に表示することや聴覚的に再生することでユーザ1001に問題41の内容を提示する。
入力手段32は、キーボードやマウス、トラックパッドなどのポインティングデバイスであってもよいし、表示手段と一体化したタッチパネルであってもよい。入力手段32は、これらに加えて、ユーザ1001の視線を捉えるカメラ、ユーザの音声を捉える集音マイクに加えてユーザが解答に有した時間を計時する計時機能をも有している。
課題レコメンドシステム1が従来技術に対してもっとも異なる点は、問題データベース21で管理する問題それぞれに、教育専門家からによってタグが付されている点にある。タグは、多肢選択問題の解答を行う際に、解答者が正答を判断するのに必要な要素や解答活動に影響を及ぼす要素(以下、「解答要素」という。)を抽出したものであり、一つの問題に複数のタグが付される。
タグは、文法属性、形式属性、心理影響要素の3つの属性から構成されたタグブックとして難易度別に管理されている。文法属性は、文型、態、助動詞、不定詞、動名詞、分詞、関係詞、比較、仮定法、接続詞、時制といった英文法の大分類に応じて設定される。これらの各分類には中分類、小分類が設定されており、例えば大分類「助動詞」のもとに中分類「must」や中分類「can」などが配され、中分類「must」のもとに小分類「時制」や小分類「可能性」が配される。他にも大分類「時制」には、中分類「現在形」、中分類「過去形」、中分類「大過去」などが配され、中分類「過去形」には小分類「基本」、小分類「その他」などが配される。各小分類には、その文法項目のもつ重要性に鑑みて重要度が付されている。たとえば、大分類「助動詞」、中分類「must」、小分類「可能性」には重要度として3が付されている。タグとしては、「助動詞ーmustー可能性,重要度3」といった形式で表現される。
各問題には、一次文法として、解答欄を埋めるのに直接的に必要と考えられる要素についてのタグが、関連度の高いものから順に付される。さらに、二次文法として、一次文法以外に解答に必要と考えられるタグが、関連度の高いものから順に付される。
最も優しい難易度1のタグブックでは、仮定法や態といった高度な文法に関する高いタグは含まれていない。難易度1が想定する問題において、これらの文法要素が問われることがないためである。だが、中程度の難易度2や最も難しい難易度3のタグブックには、仮定法、態に属するタグも含まれる。同じタグであっても、重要度は難易度に応じて変化する。例えば、「時制ー過去ーbe動詞」は難易度1のタグブックでは、最も重要である重要度3であるが、難易度3のタグブックでは最も重要でない重要度1である。難易度3に取り組むユーザにとってbe動詞の過去形は確実に習得済みであると考えられる為である。
形式属性は、出題形式、設問形式、答える要素、日本語の有無、空欄数、問題文の語数、文形式といった問題の中身ではなく形式的側面に着目した大分類に応じて設定される。これらの各分類には、小分類が設定されており、例えば大分類「出題形式」には、小分類「記号型」、小分類「記述型」、小分類「並び替え型」、「それ以外」などが配され、設問形式には「文選択型」、「空所補充型」など、大分類「答える要素」には、小分類「正しい語句」、小分類「誤っている語句」、小分類「語句補充」、小分類「語句訂正」、小分類「並び替え(文全体)」、小分類「並び替え(文一部)」、などが配され、大分類「空欄数」には小分類「0」、小分類「1」、小分類「2以上」、大分類「問題文の語数」には小分類「20語未満」、小分類「20語以上40語未満」、小分類「40語以上」、大分類「文形式」には小分類「通常文」、小分類「対話文」などとなっている。タグとしては、「答える要素ー語句補充「、「問題文の語数ー41語以上」といった形式で表現される。形式属性に属するタグは、各問題にて該当するタグがすべて付される。
心理影響要素は、解答根拠、問題文のジャンル、単語の難易度、特殊な出題形式などから構成される。大分類「解答根拠」には、小分類「文法」、小分類「語法」や小分類「語彙」、小分類「文脈」、「英語論理」などが配され、大分類「問題文のジャンル」には、小分類「抽象文」、小分類「社会科学「、小分類「外国文化」、小分類「ビジネス」などが配され、大分類「単語の難易度」には、小分類「1級以上」、小分類「準1級」、小分類「2級」、小分類「2級未満」などが配され、大分類「特殊な出題形式」には、小分類「類似選択肢」、小分類「固有名詞」、小分類「No error型」、小分類「文頭空欄型」となっている。なお、大分類「特殊な出題形式」は、形式属性としての出題形式とは観点が異なり、長年の英会話指導にともなう経験や研究から認識された心理的に正解を得ることの困難性が高いとされる出題形式についてのものである。すなわち、当該出題形式によることで正確な知識を要求される、連想が働きにくいなどといった事から難易度が高いという認識が先に立ち、苦手意識が刺激されネガティブな心理状態に陥りやすいとの観点からタグが付けられる。タグとしては、”解答根拠ー語法”といった形式で表現される。心理影響要素に属するタグは、ユーザの苦手意識などを惹起する可能性が考えられるタグが、その関連度の高いものから順に付される。
以下、数例の例題を通じてタグの付し方についてさらに説明を行う。
問題1 以下の( )に適切と考えられる選択肢を選びなさい。
The wedding party ( ) a lot of money. There were a lot of guests, and the hotel was the best in the city.
1 must have cost
2 cannot have cost
3 could not cost
4 will cost
問題1では、一次文法として「助動詞ーmustー時制,重要度3」、「助動詞ーmustー可能性,重要度3」のタグが付され、二次文法として「時制ー過去形ー基本,重要度2」が付される。形式属性として「設問ー空所補充型」、「答えるものー正しい語句」、「解答数ー1」、「設問語数ー21語以上40語未満」、「日本語の有無ー無」、「文形式ー通常文」が付される。心理影響要素としては、「解答根拠ー文脈」が付される。
問題2 日本文に相当する意味になるように語句を並び替える際に、不足する1語を選びなさい。
「明日までに宿題を済ませるのはほとんど不可能だ。」
It is (impossible,finish,to next) the homework tomorrow.
1 the
2 with
3 of
4 to
問題2では、一次文法として「不定詞ー名詞的用法ー特殊表現,重要度2」のタグが付され、二次文法は存在しない。形式属性として「設問ー並び替え型」、「答えるものー正しい語句」、「解答数ー1」、「設問語数ー20語未満」、「日本語の有無ー有」が付される。心理影響要素としては、「解答根拠ー語彙」が付される。
問題3 Muhammad Yunus, an idealist who wanted to ensure that loans are available to the poor, set up Grameen Bank; most of its lending is ( ) such as street vending and farming.
1 for income-generating activities
2 making significant profits
3 to help excluded but motivated people
4 an alternative to large bank funding
問題3では、一次文法として、「文型ー2文型ー補語の種類,重要度1」のタグが付され、二次文法として「その他ー語彙ーイディオム」のタグが付される。形式属性として、「設問ー空所補充」、「答えるものー正しい語句」、「解答数ー1「、「設問語数ー20語以上40語未満「、「形式ー通常文「、「日本語ー無「が付される。心理影響要素としては、「解答根拠ー文脈」、「解答根拠ー英語論理」、「文内容ー外国文化」、「特殊な出題形式ー固有名詞」が付される。
この問題では、英文法知識の観点からは2文型の知識がないと解答できない問題であり、従来の英語学習においては文法の観点が重視されてきた。追加すると、「同格」、「関係詞」、「挿入」といった文法上の知識も同時に必要になるため、その観点を考慮することも行われてきた。
だが、英文法知識が十分なレベルで存在すれば確実に正解できると考えられるが、必ずしも十分な文法知識を有していない場合であっても正答できる場合もありうる。問題3においては、グラミン銀行が実施しているマイクロファイナンスに関する知識があれば、末尾のstreet vending and farmingなどのやや日本人英語学習者には親しみの薄い言い回しも少なくとも意味を類推しやすく、文章全体のイメージもわきやすい。同銀行の総裁であるムハマド・ユヌス氏はノーベル平和賞を受賞しており、我が国においても広く報道されていることから、その可能性は十分高い。
このように、背景知識がある場合は、ある程度の英語の実力、特に語彙についての力量があれば問題文の内容を正しく推定でき、その結果として正答に結びつくことが、実は多いことが本発明者らによって見いだされた。本発明者らが英語指導を行う中で、このような背景知識を利用し、あとは部分部分の英語知識を足がかりに文章全体の内容を類推、推定することで高い正答率を達成する学習者のタイプの存在も確認できている。
本発明では、この点に着目し文法知識や語彙に代表される英語知識とは関わりがないが、正答につながる要素が強い項目をタグ化することとした。その結果、当該タグの解析をすすめることで、このタイプの得手不得手を判断し、より効率的なレコメンドを可能とした。すなわち、正答している場合であっても十分な文法知識がないと考えられる場合は同種の文法問題をレコメンドすることも可能となっている。
問題4 次の設問の(a)から(d)のうち、誤った英語表現を含んだ部分がある場合には(a)から(d)のいずれか一つを選び、誤りがない場合は(e)No errorを選びなさい。
(a)Having been in disagreement (b)for some time, the two sides made a temporary pact, but as everyone knows (c)all too well, the quarrel is (d)far from over.(e)No error
問題4では、一次文法として「分詞ー分詞構文ー時制,重要度2」のタグが付され、二次文法は存在しない。形式属性として「設問ー下線型」、「答えるものー誤っている語句」、「解答数ー1」、「設問語数ー21語以上40語未満」、「日本語の有無ー無」が付される。心理影響要素としては、「解答根拠ー文脈」、「解答根拠ー英語論理」、「文内容ー外国文化」、「特殊形式ー固有名詞」、「特殊な出題形式ーNo error型」が付される。
ここで、No error型について説明すると、選択肢にNo errorが含まれる事で問題に対する内容把握力や解答力が落ち、正答率が明らかに下がる学習者のタイプが存在することが、出願人の長年にわたる英語学習指導の経験や研究から判明している。なお、No errorが含まれる事により、より正確な知識が必要とされ難易度が上がることで正答率が下がるのではなく、難易度が高いという認識が先にたち、苦手意識にともなうネガティブな心理作用が先にたち、正解率が下がると分析している。No errorと同様に、問題文が長い、選択肢が多い、選択肢が長いといった要素も同様であり、これらを心理影響要素としてタグ化している点に本発明の特徴がある。
こういったタイプの学習者には、英語以外のネガティブな心理作用を排除する経験を積む、すなわち、同じ出題形式だが英語レベルの低い問題を繰り返し集中的に解く経験を積むことが極めて有益である。そのため、本発明では、心理影響要素が共通する問題を効率的にレコメンドするべく、心理影響要素のタグを導入している。心理影響要素タグの導入にともない、心理影響要素が共通するものの、文法知識や単語知識といった英語に関する学習内容が異なる問題集合を作成できるため、英語レベルを下げることも容易な実装となっている。
問題5 以下の( )に適切と考えられる選択肢を選びなさい。
After leaving the room, he suddenly remembered that he ( ) the important papers behind.
1 leaves
2 has left
3 left
4 had left
この問題は、「時制ー過去形ー時制の一致」、「時制ー過去形ー完了形」のタグが付されているが、難易度1のタグブックでは、「時制ー過去形ー時制の一致,重要度4」、「時制ー過去形ー完了形,重要度4」、難易度3のタグブックでは、「時制ー過去形ー時制の一致,重要度1」、「時制ー過去形ー完了形,重要度2」と、難易度によってその重要度が異なるよう設定されている。
難易度の変化によって重要度を変化させることによって、ユーザの学習状況に応じた最適な問題をレコメンドしやすくなる。問題5を正解するには、「時制の一致」「過去完了」の意味、用法が完全にマスターできていることが必須である。しかし、このような文法運用が日本語の文法ではそれほどシビアな問題として存在しないため、初学者がこれらの英文法項目の直感的に理解することは難しい。その理解には、英文法理論の理解と、これらに関するある程度の英語経験値(習熟)が必要となる。
だが、上級者になると、これらの事項は頻出の項目であるため、立ち止まることなく、半ば無意識的に処理できる事項となっていく。すなわち、上級者にとっての重要度は非常に低いものとなる。したがって、この問題を解くべき必要性は少なく、レコメンドの優先順位を低くすることが合理的であり、これを難易度別にタグブックを設定することで達成している。
問題データベース21では、上述したタグを問題41のそれぞれに付して管理している。すなわち、問題ID、問題文、当該問題の解答、1つまたは複数の一次文法に関するタグ、1つまたは複数の二次文法に関するタグ、形式属性に関するタグ、心理影響要素に関するタグである。
解答状況データベース24では、ユーザごとにある問題IDと当該問題に正答したのか、誤答したのか、未回答であるのかが記憶されている。具体的なデータ形式は公知技術を用いて自由に設計可能であるが、例えばあるユーザの解答状況について、その成分が0であるものは未解答、1を正答、-1を誤答などとすればよい)。
次に、課題レコメンドシステム1における配信サーバ2とクライアント端末3のそれぞれの処理の流れについて、図2に基づいて説明する。ここでは、あるユーザ1002が解答者であるものとする。
配信サーバ2では、予めタグ付けがなされた問題を問題データベース21にて管理しておき、Webページ生成手段22及び通信手段23を通じてクライアント端末3に送信可能な状態としておく。このとき、問題データベース21ではクライアント端末3に固有のIDや、ユーザIDとパスワードを用いた認証システム等を備えるものとする。ただし、一般のインターネットに接続しないクローズドな環境など、セキュリティが確保できる場合はその限りではない。
ユーザ1002は、クライアント端末3にログインを行い、入力手段32を通じて難易度を選択するとともに、当該難易度に属する問題の問題配信要求を行う。クライアント端末3は、当該難易度とともに、問題配信要求を通信手段33を通じて配信サーバ2へ送信する。なお、このときに難易度に加えてタグを選択するものとしてもよい。たとえば、難易度2のタグ「時制」に関する問題などと選択してもよい。
クライアント端末3から問題配信要求を受信すると、配信サーバ2では問題配信要求に応じた問題を選定し、当該選定された問題を問題データベース21より読み出しWebページ生成手段22によってクライアント端末3での表示に適したデータとした上で通信手段33を通じてクライアント端末3へ送信する。なお、問題配信要求としては、ある難易度に属する問題であったり、文法項目において限定するものであったり、複数の文法項目に限定するもの、ある出題形式に限定するなど、問題データベースによって管理されているタグの種類に応じて自由に選択可能である。
クライアント端末3では、通信手段33を介して受信した配信サーバ2からのデータを用いて表示手段31に問題を表示する。ユーザ1002が問題について検討を行った結果入力した解答を、入力手段32を通じて受信し、当該解答を記憶手段34に一時記憶する。
ユーザ1002が全ての解答が入力すると、表示手段31に採点開始の指示を受け付けるための表示を開始する。ユーザ1002が入力手段32を通じて採点開始の指示を入力すると、クライアント端末3はユーザ1002が入力した解答に対する採点を行い、採点結果を表示手段31に表示する。あわせて、通信手段33を通じて採点結果を配信サーバ2へと送信する。通信手段23を通じて配信サーバは採点結果を受信し、ユーザ1002のユーザIDとともに各問題の問題IDと正誤について解答状況データベース24に記録する。
このとき、記憶手段34に記憶している解答を配信サーバ2へ通信手段33を通じて送信し、通信手段23を通じて受け取った当該解答を配信サーバ2において採点を行い採点結果を得て解答状況データベース24に記録、あわせて通信手段23を通じてクライアント端末2へ送信、通信手段33を通じて得た採点結果を表示手段31へ表示してもよい。その場合、採点に必要なデータをクライアント端末3で保持する必要がなくなる。
採点結果の表示にあわせて、表示手段31には、レコメンド要求を受け付けるための表示を開始する。ユーザ1002によるレコメンド要求の入力を入力手段32によって受け付けると、クライアント端末3は通信手段33を通じてその旨配信サーバ2へと送信する。通信手段23を通じて配信サーバ2が当該レコメンド要求を受け付けると、直近において誤っていた問題IDに付されていたタグをレコメンド用タグ候補43として特定し、通信手段33を通じてレコメンド用タグ候補43をクライアント端末3へ通信手段23を通じて送信する。
クライアント端末3は、通信手段33を通じて受信したレコメンド用タグ候補43を表示手段31に表示する。ユーザ1002は表示手段31に表示されたレコメンド用タグ候補43に接し、どのような問題のレコメンドが必要であるのかに基づいてレコメンド用タグ候補43のなかからレコメンド用タグ44を入力手段32を用いて選定する。クライアント端末3は、通信手段33を通じてレコメンド用タグ44を配信サーバ2へ送信する。あるいは、ユーザ1002が自由にレコメンド用タグ44を選定することや、上記レコメンド用タグ候補43をそのまますべてレコメンド用タグ44と選定するように構成してもよい。
このとき、クライアント端末3においてレコメンド要求の入力を入力手段32によって受け付けた時点で、配信サーバ2と通信することなく、直近において誤っていた問題IDに付されていたタグをレコメンド用タグ候補43として表示手段31に表示させ、入力手段32を用いて選定させてもよい。この場合、クライアント端末3に配信される問題に問題ID、タグに関する情報も予め配信しておく必要がある。
配信サーバ2は、通信手段23を通じてレコメンド用タグ44を受信すると、レコメンド用タグ44が付された問題であって、ユーザ1002がまだ解答を行っていない問題をレコメンド問題候補44として問題データベース21から抽出する。
配信サーバ2は、ユーザ1002と誤答状況が類似していると考えられるユーザの集合1003を計算する。この計算には、広く知られている人工知能技術等を用いた情報推薦技術を応用して行うものとしてもよい。すなわち、ユーザの誤答に関するデータを入力信号として複数層からなるネットワークを学習させる。そして学習済みネットワークを用いて、ユーザ1002の誤答に関するデータを入力として類似しているとされるユーザを計算すればよい。ユーザとユーザの類似性は、各ユーザの誤答に関する状況を要素としてユーザごとのベクトルを設定し、当該ベクトルのなす角によって表現すればよい。
なお、これらの計算には莫大な計算量を要求されるため、配信サーバにおいてソフトウェアがCPU、メモリといったハードウェア資源を用いて自動的に計算を行うことが必要となる。こういったハードウェア資源を用いてもな大きな計算力を必要とすることから、配信サーバ2の処理能力に余裕がある時間帯に行うことが望ましい。その場合、計算結果は類似度テーブルとして配信サーバ2に保存しておき、あるユーザと類似するユーザを選出する必要が発生して場合は都度類似度を計算するのではなく、類似度テーブルから読み出すようにする。
この計算には、各ユーザが一定数の共通する問題を解いておく必要がある。さもないとユーザ間の類似、非類似を計算することが困難である為である。そのため、各ユーザには、複数分野、複数難易度から構成される必須問題を解くよう慫慂するといった構成とすることで、ユーザ間の類似度を計算するための基礎資料とするようにしてもよい。なお、必須問題がなくとも、各ユーザ間で共通する問題が十分な数回答されていれば類似度の計算は可能であることから、あくまでユーザにまかせるものとしてもよい。
次に、レコメンド問題候補44のそれぞれの問題について、ユーザの集合1003に属するそれぞれのユーザが、誤答している場合はユーザ1002との類似度を乗じた値を加点し、誤答していない場合は加点しないものとし、ユーザの集合1003に属する全てのユーザについて演算を行った後に、ユーザの集合1003で割った商を誤答率とする。つまり、ユーザの類似度を重みとして各問題の誤答状況の加重平均を求める。なお、あるユーザが同じ問題を複数回誤答している場合は、その都度上記の加点を行う。
上記誤答率の高いものから一定数の問題をレコメンド問題42として確定させる。このときに、誤答率に加えて重要度を加味してもよい。たとえば、重要度の高い問題については、当該重要度を誤答率に加算したり乗じたりすればよいし、ユーザがタグを指定している場合は当該タグにふされている重要度のみを誤答率に加算したり乗じたりすればよい。なお、一定数としては、復習に適した問題数、ユーザが自らの嗜好によって設定した数、学習状況から適していると専門家によって指定された数など、様々な数を設定可能である。
サーバ2は、レコメンド問題42に確定された問題IDを用いて、問題を問題データベース21より読み出しWebページ生成手段22によってクライアント端末3での表示に適したデータとした上で通信手段33を通じてクライアント端末3へ送信する。
その際に、まったくランダムな分野からの問題を混ぜこんでもよい。これは、いわゆる過学習を防ぐという観点から有効であるばかりか、ユーザが予期しない問題をレコメンドすることで、英語学習に関する新たな気付きの材料を提供する意味からも意義深い為である。ランダムではなく、何らかの関連性を有する問題、例えばユーザの集合1003に属するユーザがよく誤答している問題であってレコメンド用タグ44が付されていない問題
や、ユーザの集合1003に属するユーザがよく誤答している問題であってレコメンド用タグ候補43が付されていない問題を混ぜ込むことは極めて有用である。
以上のとおりであるが、本発明の本質は配信サーバ2において、ユーザがレコメンドを求める分野を特定することが可能であり、しかも、当該分野に属する問題であって、ユーザが未だ解答していない問題のうち、ユーザとよく似た別ユーザが誤ることが多い問題を推薦可能である点にある。当該計算は人間には処理不可能な計算量であるが、現在広く普及しているコンピュータ、すなわちハードウェア資源と当該ハードウェアを動かすためのソフトウェアが協働することにより実施可能である。
レコメンド計算そのものは上述のとおりハードウェア資源及びソフトウェアを必要とするものの、その余の部分については本発明の本質を失わずに変形実施可能である。例えば、ユーザ、あるいはユーザに問題を出題する者が直接配信サーバ2を操作することを受け付け、これによるレコメンドを求めるタグや難易度に関する情報を得て当該情報に基づいてレコメンドを行うことが考えられる。この場合、ニュラーラルネットワークを用いた演算にはコンピュータが必須であるため、配信サーバ2についてはハードウェア資源を用いることが必須であるものの、クライアント端末3としては紙を採用してもかまわない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
問題、タグ、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術等を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術等を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
を備えた課題レコメンドシステムであって、
予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とすることを特徴とする課題レコメンドシステム。
[付記2]
コンピュータを、
問題、タグ、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術等を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術等を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
を備えた課題レコメンドシステムとして機能させるプログラムであって、
予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とする処理を行わせることを特徴とするプログラム。
[付記3]
タグ、問題、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術等を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術等を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
を備えた課題レコメンドシステムにおいて用いるデータ構造であって、
予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とする処理に用いられる、タグ、問題、当該問題の正解及び解答内容を含むデータ構造。
[付記4]
付記1に記載の課題レコメンドシステムであって、
前記問題のそれぞれに対して複数のタグが付されていることを特徴とする課題レコメンドシステム。
[付記5]
付記4に記載の課題レコメンドシステムであって、
前記複数のタグには解答根拠、問題文のジャンル、単語の難易度、特殊な出題形式のいずれかからの観点から付された心理影響要素タグが含まれることを特徴とする課題レコメンドシステム。
1 課題レコメンドシステム
2 配信サーバ
21 問題データベース
22 Webページ生成手段
23 通信手段
24 解答状況データベース
25 レコメンドシステム
3 クライアント端末(CPU、
31 表示手段
32 入力手段
33 通信手段
34 記憶手段
4 問題集コンテンツ
41 配信された問題
42 レコメンド問題
43 レコメンド用タグ候補
44 レコメンド用タグ
45 レコメンド問題候補
1000 インターネット
1001 ユーザ
1002 解答者であるユーザ
1003 誤答状況が似ているユーザ集合

Claims (6)

  1. 問題、文法属性、形式属性、心理影響要素の3つの属性から構成されたタグブックとして難易度別に管理されているタグ、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
    複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
    予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
    を備えた課題レコメンドシステムであって、
    予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で解答の正誤に関する類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
    前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
    前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とすることを特徴とする課題レコメンドシステム。
  2. 請求項1に記載の課題レコメンドシステムであって、
    上記タグには重要度が付されており、
    かつ、上記重要度は、タグブックの難易度に応じて変化可能であることを特徴とする課題レコメンドシステム
  3. 請求項1に記載の課題レコメンドシステムであって、
    前記レコメンドする問題として、ユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグとは異なるタグが付され、かつ、前記ユーザと類似する別のユーザが誤答している問題を混ぜることを特徴とする課題レコメンドシステム。
  4. コンピュータを、
    問題、文法属性、形式属性、心理影響要素の3つの属性から構成されたタグブックとして難易度別に管理されているタグ、当該問題の正解及び解答内容を複数管理している問題データベースと、
    複数のユーザそれぞれの前記問題に対する解答の正誤についての情報を管理している解答状況データベースと、
    予め前記複数のユーザのうち一部のユーザの解答の正誤に関する情報を入力信号として人工知能技術を用いた情報推薦技術の学習を行っておくことで、あるユーザについての解答に関する正誤に関する情報を前記人工知能技術を用いた情報推薦技術に入力すると当該あるユーザに類似する解答の正誤に関する情報をもつユーザを出力可能であることを特徴とする演算装置と、
    を備えた課題レコメンドシステムとして機能させるプログラムであって、
    予め前記演算装置を用いて、前記あるユーザと前記複数のユーザの間で解答の正誤に関する類似度を計算して類似度テーブルを作成しておき、
    前記あるユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグと同一のタグが付された問題であって、前記あるユーザが未だ解答していない問題を前記問題データベースから抽出し、
    前記抽出した問題のうち、前記あるユーザと類似する別のユーザを前記類似度テーブルから複数選出し、当該別のユーザが誤っている問題のうちから複数選択し、前記あるユーザに対してレコメンドする問題とする処理を行わせることを特徴とするプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムであって、
    上記タグには重要度が付されており、
    かつ、上記重要度は、タグブックの難易度に応じて変化可能であることを特徴とするプログラム。
  6. 請求項4に記載のプログラムであって、
    前記レコメンドする問題として、ユーザがレコメンドを求めるテーマを表現したタグとは異なるタグが付され、かつ、前記ユーザと類似する別のユーザが誤答している問題を混ぜることを特徴とするプログラム。
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