JP7342004B2 - スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム - Google Patents

スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERRUPTION OF ENERGY DUE TO INADVERTENT CAPACITIVE COUPLING」と題する2018年6月28日出願の米国仮特許出願第62/691,227号に対する優先権を主張する。
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,887号、「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,877号、「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,882号、及び「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH 882SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,898号の優先権の利益を主張する。
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国仮特許出願第62/640,417号、及び「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する2018年3月8日出願の米国仮特許出願第62/640,415号の優先権の利益を主張する。
本出願は更に、米国特許法第119条(e)の下で、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号、「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,340号、及び「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,339号の優先権の利益を主張する。
(発明の分野)
本開示は種々の外科用システムに関する。
外科用システムは、制御回路と、外科用器具と、を備える。外科用器具は、複数の構成要素と、センサと、を備える。外科用器具の複数の構成要素の各々は、装置パラメータを含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータを制御回路に送信するように構成されている。センサは、外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを制御回路に送信するように構成されている。制御回路は、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析するように構成されている。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具が提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
外科用システムは、外科用ハブと、外科用ハブに通信可能に結合された外科用器具と、を備える。外科用器具は、複数の構成要素と、センサと、を備える。外科用器具の複数の構成要素の各々は、装置パラメータを含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータを外科用ハブに送信するように構成されている。センサは、外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを外科用ハブに送信するように構成されている。外科用ハブは、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備える。メモリは、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具が提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令を記憶し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、システム定義の制約に基づいて、外科用システムの外科用器具の複数の構成要素の各々の装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析させ、検出された組織パラメータは、外科用器具の提案される機能と関連付けられている。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具を含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータをマシンに送信するように構成されている。外科用システムは、検出された組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータをマシンに送信するように構成されたセンサを更に含む。命令は、実行されると、マシンに、複数の構成要素を含む外科用器具が外科用システムの提案される機能を実行するのに適切であるかどうかの指示を提供するユーザインターフェースを生成することを更に行わせる。
様々な態様の特徴が、添付された特許請求の範囲で詳細に説明される。ただし、機構、及び動作の方法の両方についての様々な態様は、それらの更なる目的及び利点と共に、以降の添付図面と併せて、以下の説明を参照することにより最もよく理解することができる。
本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を行うために使用される外科用システムである。 本開示の少なくとも1つの態様による可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールの部分斜視図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、双極、超音波、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ生成器モジュールの斜視図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの制御システムの論理図を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具の回路図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。 本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の回路図である。 関節運動角度に基づいて掴持組立体のストロークの長さを修正する制御システムの一例を示すストロークの長さのグラフである。 関節運動角度に基づいて閉鎖管組立体の長手方向位置を修正する制御システムの一例を示す閉鎖管組立体位置付けグラフである。 制御された組織圧縮を用いたステープル留め方法と、制御された組織圧縮を用いないステープル留め方法との比較の図である。 セクションAに示される力グラフ、及びセクションBに示される関連する変位グラフであり、力グラフ及び変位グラフは、時間を画定するx軸を有し、変位グラフのy軸は、発射ロッドの移動変位を定義し、力グラフのy軸は、発射ロッドを前進させるように構成されたモータに対する感知されたねじり力を定義する。 一対の離間した接触プレートとの接触時の回路の完成を示す組織接触回路の概略図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、動作可能にそこに連結された交換式シャフト組立体を有する外科用器具の斜視図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、図25の外科用器具の一部の分解組立図で示した組立体の図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、交換式シャフト組立体の一部の分解組立図で示した組立体の図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、図25の外科用器具のエンドエフェクタの分解組立図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、2つの図面にまたがる、図25の外科用器具の制御回路のブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、2つの図面にまたがる、図25の外科用器具の制御回路のブロック図である。 本開示の一少なくとも1つの態様による、ハンドル組立体と電源アセンブリとの間、並びにハンドル組立体と交換式シャフト組立体との間のインターフェースを示す、図25の外科用器具の制御回路のブロック図である。 本開示の1つ又は複数の態様を含み得る一例の医療装置を描く図である。 本開示の1つ又は複数の態様による、組織を取り囲む医療装置の一例のエンドエフェクタを描く図である。 本開示の1つ又は複数の態様による、組織を圧縮する医療装置の一例のエンドエフェクタを描く図である。 本開示の1つ又は複数の態様による、組織を圧縮する医療装置のエンドエフェクタによって及ぼされる一例の力を描く図である。 これもまた、本開示の1つ又は複数の態様による、組織を圧縮する医療装置のエンドエフェクタによって及ぼされる一例の力を描く図である。 本開示の1つ又は複数の態様による一例の組織圧縮センサシステムを描く図である。 これもまた、本開示の1つ又は複数の態様による一例の組織圧縮センサシステムを描く図である。 これもまた、本開示の1つ又は複数の態様による一例の組織圧縮センサシステムを描く図である。 これもまた、本開示の1つ又は複数の態様による一例の回路図を描く図である。 これもまた、本開示の1つ又は複数の態様による一例の回路図を描く図である。 本開示の1つ又は複数の態様による一例の周波数変調を描くグラフである。 本開示の1つ又は複数の態様による、合成されたRF信号を描くグラフである。 本開示の1つ又は複数の態様による、フィルタ処理されたRF信号を描くグラフである。 関節運動可能な交換式シャフトを備えた外科用器具の斜視図である。 外科用器具の先端部の側面図である。 空隙サイズの経時的な変化(図46)、発射電流の経時的変化(図47)、組織圧縮の経時的な変化(図48)、アンビル歪みの経時的変化(図49)、及びトリガ力の経時的変化(図50)をプロットするグラフである。 空隙サイズの経時的な変化(図46)、発射電流の経時的変化(図47)、組織圧縮の経時的な変化(図48)、アンビル歪みの経時的変化(図49)、及びトリガ力の経時的変化(図50)をプロットするグラフである。 空隙サイズの経時的な変化(図46)、発射電流の経時的変化(図47)、組織圧縮の経時的な変化(図48)、アンビル歪みの経時的変化(図49)、及びトリガ力の経時的変化(図50)をプロットするグラフである。 空隙サイズの経時的な変化(図46)、発射電流の経時的変化(図47)、組織圧縮の経時的な変化(図48)、アンビル歪みの経時的変化(図49)、及びトリガ力の経時的変化(図50)をプロットするグラフである。 空隙サイズの経時的な変化(図46)、発射電流の経時的変化(図47)、組織圧縮の経時的な変化(図48)、アンビル歪みの経時的変化(図49)、及びトリガ力の経時的変化(図50)をプロットするグラフである。 正常な組織についての組織圧縮を関数として組織変位をプロットするグラフである。 正常な組織と病変組織を見分けるために組織圧縮の関数として組織変位をプロットするグラフである。 第1のセンサ及び第2のセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 図53に示されるエンドエフェクタの第2のセンサからの入力に基づいて第1のセンサの測定値を調節するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 第2のセンサからの入力に基づいて第1のセンサのルックアップテーブルを決定するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 第2のセンサからの入力に応答して第1のセンサを校正するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に掴持された組織の一部分の厚さを判定し表示するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に掴持された組織の一部分の厚さを判定し表示するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 調節されたホール効果厚さ測定値と、無修正のホール効果厚さ測定値との比較を示すグラフである。 第1のセンサ及び第2のセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 第1のセンサ及び複数の第2のセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 複数の二次センサに応答して第1のセンサの測定値を調節するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 第1のセンサ及び複数の二次センサからの信号をプロセッサによって受信可能なデジタル信号に変換するように構成された回路の一実施形態を示す図である。 複数のセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 複数のセンサに基づいて1つ又は複数の組織特性を判定するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 第2の顎部材に結合された複数のセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 中に一体式に形成された複数のセンサを備えるステープルカートリッジの一実施形態を示す図である。 エンドエフェクタ内で掴持された組織の一部分の1つ又は2つ以上のパラメータを判定するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 複数の冗長センサを備える別のエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 複数の冗長センサから最も信頼性が高い出力を選択するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 疑似信号を制限又は排除する特定のサンプリング率を含むセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に位置する組織の一部分の厚さ測定値を生成するためのプロセスの一実施形態を示す論理図である。 異なるタイプのステープルカートリッジを識別するためのセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 異なるタイプのステープルカートリッジを識別するためのセンサを備えるエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタの顎部材に固定式に取り付けられるように構成されたセグメント化フレキシブル回路の一態様を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタの顎部材に取り付けられるように構成されたセグメント化フレキシブル回路の一態様を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、組織間隙GTを測定するように構成されたエンドエフェクタの一態様を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、セグメント化フレキシブル回路を備えるエンドエフェクタの一態様を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、顎部材とステープルカートリッジとの間に組織を掴持している顎部材を備える、図78に示されるエンドエフェクタを示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、センサ機構を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える、外科用器具の絶対位置決めシステムの図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、磁気回転絶対位置決めシステムを備える位置センサの図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタ内に把持された組織に対する発射部材ストロークを示す、外科用器具のエンドエフェクタの断面図である。 閉鎖段階における厚い組織及び薄い組織上で閉鎖するように閉鎖部材に加えられる力を描く2つの閉鎖力(FTC)プロットの第1のグラフと、発射段階における厚い組織及び薄い組織を貫通するように発射するように発射部材に加えられる力を図示する2つの発射力(FTF)プロットの第2のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、発射部材が遠位に前進し、掴持アーム内に連結する発射ストローク中に閉鎖部材の漸進的な閉鎖を行うことで、閉鎖部材上の閉鎖力負荷を所望の比率で低下させ、発射部材上の発射力負荷を減少させるように構成された制御システムのグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、比例積分微分(PID)コントローラフィードバック制御システムを例示する図である。 本開示の少なくとも一態様による、閉鎖部材の速度を判定するための制御プログラム又は論理構成のプロセスを描く論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブの状況認識を示す時間線である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科機能を制御するように構成された外科用システムのブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科機能を制御するように構成された状況認識外科用システムのブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科機能を制御するためのアルゴリズムに基づいた状況認識を描く論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科機能を制御するためのアルゴリズムを描く論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、腫瘍、並びに腫瘍に関して定義された手術マージンを含む患者組織の一部分を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、装置選択問題に対処するための制御プログラム又は論理構成のプロセス背背宇を描く論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、装置パラメータ及び感知されたパラメータに基づいて、外科用器具の妥当性を判定するように構成された外科用システムのブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具のブロック図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、掴持された組織の整合性に従って外科用器具を制御するためのプロセスの論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のための閉鎖するためのエンドエフェクタの力と時間を描く第1のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のためのエンドエフェクタの力と時間を描く第2のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、掴持された組織の生理学的タイプに従って外科用器具を制御するためのプロセスの論理フロー図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタが軟組織との初期接触位置にある、軟組織を把持するエンドエフェクタの側部立面図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタが閉鎖されている、軟組織を把持するエンドエフェクタの側部立面図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタが血管との初期接触位置にある、血管を把持するエンドエフェクタの側面立面図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタが閉鎖されている、血管を把持するエンドエフェクタの側面図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、軟組織を把持する外科用器具の例示的な発射に関する、閉鎖するためのエンドエフェクタの力及び閉鎖速度それぞれと、時間を描く第1のグラフ及び第2のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、血管を把持する外科用器具の例示的な発射に関する、閉鎖するためのエンドエフェクタの力及び閉鎖速度それぞれと、時間を描く第3のグラフ及び第4のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射に関する、閉鎖するためのエンドエフェクタの力及び閉鎖速度と時間を描く第5のグラフを示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射に関する、閉鎖するためのエンドエフェクタの力及び閉鎖速度それぞれと、時間を示す第5のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射に関する、閉鎖するためのエンドエフェクタの力及び閉鎖速度それぞれと、時間を示す第5のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の顎部が組織及び/又はステープルと接触するときを判定するインピーダンスと時間を描くグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタの閉鎖を制御するための様々な組織閉鎖閾値を描く第1のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、エンドエフェクタの閉鎖を制御するための様々な組織閉鎖閾値を描く第2のグラフである。 本開示の少なくとも1つの態様による、閉鎖速度アルゴリズムを調節するための制御プログラム又は論理構成のプロセスを描く論理フロー図である。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTSと題する、米国特許出願第 __________号、代理人整理番号END8542USNP/170755、
・CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERSと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8543USNP/170760、
・SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATIONと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8543USNP1/170760-1、
・SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLINGと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8543USNP2/170760-2、
・SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLINGと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP3/170760-3、
・SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIESと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8543USNP4/170760-4、
・SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUEと題される、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8543USNP5/170760-5、
・SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIESと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号、END8543USNP6/170760-6、
・VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLYと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号、END8543USNP7/170760-7-7、
・SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODEと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号、END8544USNP/170761、
・SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUITと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8544USNP1/170761-1、
・SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLYと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8544USNP2/170761-2、
・SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIESと題される、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8544USNP3/170761-3、
・SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROLと題される、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8545USNP/170762、
・SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTSと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号、END8545USNP1/170762-1、
・SURGICAL EVACUATION FLOW PATHSと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号、END8545USNP2/170762-2、
・SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROLと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8545USNP3/170762-3、
・SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAYと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8545USNP4/170762-4、
・COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORMと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8546USNP/170763、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8546USNP1/170763-1、
・SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8547USNP/170764、及び
・DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERSと題する、米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8548USNP/170765。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/691,228号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国仮特許出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国仮特許出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国仮特許出願第62/691,251号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、及び
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、及び
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国仮特許出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国仮特許出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国仮特許出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国仮特許出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国仮特許出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国仮特許出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国仮特許出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国仮特許出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,323号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国仮特許出願第62/659,900号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月30日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」と題する米国仮特許出願第62/650,887号、
・「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」と題する米国仮特許出願第62/650,877号。
・「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/650,882号、及び
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する米国特許出願第62/650,898号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月8日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「TEMPERATURE CONTROL IN ULTRASONIC DEVICE AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国仮特許出願第62/640,417号、及び
・「ESTIMATING STATE OF ULTRASONIC END EFFECTOR AND CONTROL SYSTEM THEREFOR」と題する米国仮特許出願第62/640,415号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号、及び
・「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号。
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な態様を説明する。これらの態様の1つ又は2つ以上の例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付図面に例示される装置及び方法が、非限定的な例示的な態様であり、様々な態様の範囲が請求項によってのみ規定されることを理解するであろう。1つの例示的な態様に関連して例示又は説明される特徴は、他の態様の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100は、1つ又は2つ以上の外科用システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科用システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科用システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科用システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
図3は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科用システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科用システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するよう用いることができる。
他のタイプのロボットシステムを、外科用システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと1つ又は2つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
撮像装置124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないとみなされる特定の領域とみなされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域とみなされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を使用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科用システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号における。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科用システム102と共に用いるのに好適な例示的外科用器具については、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で説明されている。
ここで図3を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ生成器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ生成器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ生成器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションとを含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
図3~図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、統合された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成され得る。或いは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ生成器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ生成器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ生成器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ生成器モジュール145は、図5に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含み得る。例えば、図4に示すように、組み合わせ生成器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ生成器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、それぞれ特定のモジュールを収容するように設計される。
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
図4に示されるように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。或いは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。或いは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールは走査されたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましからぬ結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
様々な実施例で、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、そのそれぞれの開示が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図8は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えばストレージ装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切替式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
手術室に配置されるモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として用いられ得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、ストレージ、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(MAC/IP)は記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こす恐れがある。
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科用システム202を含む。各外科用システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室を走査する。
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算器システム・インターフェース(SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(複数可)のうちのいずれかであっってもよい。
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、ストレージ媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。ディスクストレージ装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカー、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリストレージ装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9~図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するためのインターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
外科用器具のハードウェア
図12は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータ駆動器492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材に動作可能に連結してIビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、プロセッサ462に提供され、プロセッサは、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラムされ得る又は構成され得る。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密な制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電気モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスをとる好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
一態様では、モータ482は、モータ駆動器492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ482には、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが含まれてよい。モータ駆動器492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジ駆動器を備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源組立体の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
モータ駆動器492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。駆動器492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
追跡システム480は、本開示の少なくとも1つの態様による、位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。それに応じて、本明細書で使用されるとき、変位部材という用語は、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具の任意の移動可能な部材を総称して指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な変位センサに連結されてよい。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
電気モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表す。
位置センサ472に関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向の直線変位d1に相当し、この場合d1は、変位部材に連結されたセンサ素子が1回転した後、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態はマイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を決定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に用いられる技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数化)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに適用される閉鎖力を測定することもできる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具の発射ストローク中にIビームに適用される発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含む。或いは、モータ482による電流引き込みを測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に相当し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、掴持動作中にエンドエフェクタの顎部部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮の指標であり得る。測定された歪みはデジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を操作するのに用いられる力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図8~図11に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ502は、技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性のストレージ媒体を含んでもよい。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
図14は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含み得る。
図15は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図13のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば図14の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
図16は、様々な機能を実行するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフト組立体を介してエンドエフェクタに伝達することができる。
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生じた発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてよい。特定の例では、モータ602によって生じた発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内に配置させる、及び/又はIビーム要素の切刃を前進させて捕捉された組織を切断してもよい。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させることもできる。
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ又は2つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ又は2つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。或いは、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に連結及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ又は2つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図16に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
モータ602、603、606a、606bのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
様々な例では、図16に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ又は2つ以上のHブリッジFETを備え得るモータ駆動器626を備えてもよい。モータ駆動器626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実行させることができる。特定の例では、メモリユニット624の1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
様々な例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータ駆動器626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されたモータを停止及び/又は使用不能にすることができる。用語「プロセッサ」は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合したその他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な特性の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータをそれぞれ制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
特定の例では、例えば、センサ630などの、1つ又は2つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
図17は、本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で説明される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具700の概略図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、及び/又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラムされる、又は構成されてもよい。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a~704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びIビーム714(鋭い切刃を含む)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、及び1つ又は2つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、Iビーム714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成されてよい。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a~704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a~704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に操作することができる。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ又は2つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ回路731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して、位置センサ734によって判定されたIビーム714の位置をタイマー/カウンタ回路731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、Iビーム714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるIビーム714の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に説明されるように、直接又は間接のいずれかで厚さなどの組織の状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、及び/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、及び/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に加えられる閉鎖力を制御し得る。その他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
一態様では、制御回路710は、モータ設定値信号を生成する場合もある。モータ設定値信号は、様々なモータコントローラ708a~708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a~708eは、本明細書で説明するように、モータ704a~704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a~704eを駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a~704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a~704eの1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a~708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a~704eのそれぞれを、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a~704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a~704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
一態様では、モータ704a~704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a~704eは、それぞれの伝達装置706a~706eを介して、Iビーム714、アンビル716、シャフト740、関節運動部材742a及び関節運動部材742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に連結されてよい。伝達装置706a~706eは、モータ704a~704eを可動機械的要素に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、Iビーム714の位置を感知し得る。位置センサ734は、Iビーム714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ734は、Iビーム714が遠位及び近位に並進するとき一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡してIビーム714の位置を判定してよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサが、Iビーム714の運動を示す他の信号を提供する場合もある。また、一部の実施例では、位置センサ734が省略される場合もある。モータ704a~704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによってIビーム714の位置を追跡する場合もある。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に配置されてよい。モータ704a~704eのそれぞれの出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a~744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のIビーム714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定値を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結される。トルクセンサ744aは、Iビーム714に連結された伝達装置706aに連結される。伝達装置706aは、エンドエフェクタ702の長手方向の軸線に沿った遠位及び近位のIビーム714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに連結されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、Iビーム714を発射させる、又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったIビーム714の位置又は発射部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてよい。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整ったら、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進するとき、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるIビーム714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定値を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、アンビル716に連結された伝達装置706bに連結される。伝達装置706bは、開放位置及び閉鎖位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに連結される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に適用される閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に位置付けられる。使用する準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応答して、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ制御部708cにモータ設定値を提供し、モータ制御部708cがモータ704cに駆動信号を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達装置706cに連結される。伝達装置706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで、及びそれを超えて制御するために回転要素などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達装置アセンブリに連結される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に適用される回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ制御部708dにモータ設定値を提供し、モータ制御部は、モータ704dに駆動信号を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達装置706dに連結される。伝達装置706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
別の態様では、ロボット外科システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bのそれぞれは他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル連結部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
一態様では、1つ又は2つ以上のモータ704a~704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電気モータ704a~704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ704a~704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710と連携して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置付けられ、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。センサ738は、分割電極を使用して組織の位置を判定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に配置されてもよい。トルクセンサ744a~744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管が受ける閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、及び(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ738は、掴持状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージを備える場合もある。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって生じた圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織の一部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は完全性を示す。
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ又は2つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成されてもよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル716に及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織の一部分が受ける組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に位置付けることで、閉鎖駆動システムによってアンビル716に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a~704eのそれぞれによって引き込まれる電流を測定することができる。Iビーム714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a~704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。この力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内のIビーム714を目標速度で又はそのあたりの速度で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
図18は、本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、アンビル766、Iビーム764(鋭い切刃を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備えてよいエンドエフェクタ752を備える。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。Iビーム764は長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を利用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載されるような位置センサ784によって達成することができる。制御回路760は、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させることで、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成してもよい。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信してもよい。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、或いはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に連結されてよい。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知してよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってよい、又はそれを含む場合もある。いくつかの例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進するとき一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサが、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供する場合もある。また、一部の実施例では、位置センサ784が省略される場合もある。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡する場合もある。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に配置されてよい。
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信してもよい。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置付けられ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離と時間、組織圧縮と時間、及びアンビル歪みと時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含んでもよい。
1つ又は2つ以上のセンサ788は、掴持状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生じた圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織の厚さ及び/又は完全性を示す、それらの間に位置する組織の一部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよい。
センサ788は、閉鎖駆動システムによってアンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてもよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が受ける組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に位置付けることで、閉鎖駆動システムによってアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内のIビーム764を目標速度で又はそのあたりの速度で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム764を駆動するように構成されている。別の例は、例えば交換式シャフト組立体の変位部材及び関節運動駆動器を操作する電気モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ754に反して作用する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って遠位及び近位に変位部材を駆動してよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成された場合、アンビル766の反対側に位置決めされるステープルカートリッジ768とを備えてよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持することができる。器具750を使用する準備が整ったとき、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供してよい。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置から、ストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位に駆動することができる。変位部材が遠位に並進するにつれて、遠位端に位置付けられた切断要素を有するIビーム764が、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断することができる。
様々な実施例で、外科用器具750は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に説明されるように、直接又は間接のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
図19は本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、Iビーム764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ768と、を備えてよいエンドエフェクタ792を備える。
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ784は、制御回路760と連携して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、Iビーム764は、上に組織切断刃を動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装されてもよく、アンビル係合タブ又は機構と、通路係合機構又はフットを更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ768は、標準的な(機械的)外科用締結具カートリッジとして実装されてよい。一態様では、RFカートリッジ796はRFカートリッジとして実装されてもよい。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する、2017年6月20日出願された、所有者が共通の米国特許出願第15/628,175号に記載されている。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ784として表される位置センサによって測定することができる。Iビーム764は長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を使用する長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成することができる。制御回路760は、本発明に記載されるようにIビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させることで、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成してもよい。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、或いはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に連結されてよい。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよい、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進するとき一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサが、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供する場合もある。また、一部の実施例では、位置センサ784が省略される場合もある。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡する場合もある。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に配置されてよい。
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信してもよい。センサ788は、エンドエフェクタ792上に位置付けられ、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ792の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含む場合がある。
1つ又は2つ以上のセンサ788は、掴持状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備える場合もある。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生じた圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織の厚さ及び/又は完全性を示す、それらの間に位置する組織の一部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよい。
センサ788は、閉鎖駆動システムによって、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に適用される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織の一部分が受ける組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に位置付けることで、閉鎖駆動システムによってアンビル766に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサ部分による掴持動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に適用される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
RFエネルギー源794はエンドエフェクタ792に連結され、RFカートリッジ796が、ステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792に装填される際、RFカートリッジ796に適用される。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
図20は、制御システムが、関節運動角度θに基づいて閉鎖管組立体のストロークの長さをどのように修正することができるかを示すストロークの長さのグラフ20740を示す。このようなストロークの長さの修正は、関節運動角度θが増加するにつれて(例えば、x軸に沿って定義される)ように、ストロークの長さを補正後のストロークの長さ(例えば、y軸に沿って定義される)に縮小することを含む。補正後のストロークの長さは、エンドエフェクタの顎部を閉鎖するための遠位方向への閉鎖管組立体の移動の長さを規定し、これの長さは関節運動角度θに依存しており、又閉鎖管組立体が過剰に移動し、外科用装置に対する損傷を引き起こすのを阻止する。
例えば、ストロークの長さグラフ20740に示されるように、閉鎖管組立体のストロークの長さは、エンドエフェクタが関節運動していないときに約0.250インチであり、関節運動角度θが約60度であるとき、補正されたストロークの長さは約0.242インチである。このような測定は、一例としてのみ提供されており、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な角度、並びに対応するストロークの長さ及び補正後のストロークの長さのいずれかを含めることができる。更に、関節運動角度θと補正後のストロークの長さの関係は非線形であり、関節運動角度が増加するにつれて、補正後のストロークの長さが短くなる比率も増加する。例えば、45度~60度の関節運動の補正後のストロークの長さの縮小は、ゼロ度~15度の関節運動の補正後のストロークの長さの縮小よりも大きい。この手法では、制御システムは、関節運動角度θに基づいてストロークの長さを調節することで外科用装置への損傷(例えば、閉鎖管組立体の遠位端を遠位位置に詰まらせる)を防止してはいるが、遠位閉鎖管はそれでもなお関節運動中に前進することが可能であり、それによって顎部を少なくとも部分的に閉鎖する可能性がある。
図21は、制御システムが、関節運動角度θに基づいて閉鎖管組立体の長手方向位置を修正する一態様を示す閉鎖管組立体位置付けグラフ20750を示す。閉鎖管組立体の長手方向位置のこのような修正は、閉鎖管組立体を、エンドエフェクタが関節運動するときの補正距離(例えば、y軸に沿って規定される)だけ、関節運動角度θ(例えば、x軸に沿って規定される)に基づいて近位に後退させることを含む。閉鎖管組立体が近位に後退される補正距離は、遠位にある閉鎖管の遠位の前進を阻止し、それによって関節運動中に顎部を開放位置に維持する。閉鎖管組立体を関節運動中に補正距離だけ近位に後退させることによって、閉鎖管組立体は、閉鎖組立体が作動すると、顎部を閉鎖するために、近位に後退した位置から始まるストロークの長さを進むことができる。
例えば、閉鎖管組立体位置付けグラフ20750に示されるように、エンドエフェクタが関節運動していないときの補正距離はゼロであり、関節運動角度θが約60度であるときの補正距離は約0.008インチである。この例では、閉鎖管組立体は、関節運動中に0.008インチの補正距離だけ後退される。したがって、顎部を閉じるために、閉鎖管組立体は、この後退位置から始まるストロークの長さを前進することができる。このような測定値は、例えば目的のためのみで提供されており、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な角度及び対応する補正距離のいずれかを含むことができる。図21に示されるように、関節運動角度θと補正距離との関係は非線形であり、関節運動角度θが増加するにつれて補正距離が長くなる比率も増加する。例えば、45度~60度の補正距離の増加は、ゼロ度~15度の補正距離の増加よりも大きい。
患者の組織を掴持する際、掴持装置(例えば、リニアステープラ)を介して及ぼされる力は、容認できないほど高いレベルに達する場合がある。例えば、一定の閉鎖速度が採用された場合、力が、掴持された組織に対して過剰な外傷を引き起こすのに十分な大きさになる場合があり、掴持装置の変形を引き起こすことで、許容可能な組織の間隙がステープル留めの経路にわたって維持されない場合がある。図22は、一定のアンビル閉鎖速度で(すなわち、制御された組織圧縮(CTC)を利用しない)圧縮中に組織に加えられる電力と、可変のアンビル閉鎖速度(すなわち、CTCによる)で圧縮中に組織に加えられる電力を示すグラフである。閉鎖速度は、組織に付与される電力が圧縮の一部にわたって一定のままであるように、組織圧縮を制御するように調節されてよい。図22による組織に付与されるピーク電力は、可変アンビル閉鎖速度が利用された場合、はるかに低くなる。付与される電力に基づいて、外科用装置によって及ぼされる力(力に関連するパラメータ又は力に比例するパラメータ)を計算することができる。この点に関して電力は、例えばリニアステープラの顎部などの外科用装置を介して及ぼされる力が、顎部が外に広がることで、完全に閉鎖した位置にあるとき、組織の間隙がステープル留めの長さ全体に沿って許容可能な範囲内ではなくなる降伏力又は圧力を超えないように、制限されてよい。例えば、顎部は、組織間隙が、顎部の全長に沿った全てのステープル位置に対して許容可能な範囲又は標的範囲内に留まるように平行であるか、又は十分に近くなるべきである。更に、及ぼされる電力の制限は、組織に対する外傷又は損傷を回避するか、又は少なくとも最小限に抑える。
図22において、CTCを用いない方法において及ぼされる総エネルギーは、CTCを用いる方法において及ぼされる総エネルギーと同じである、すなわち、図22の電力曲線下の領域は同じであるか、又は実質的に同じである。しかしながら、利用される電力プロファイルの差は、CTCを用いる例と比較して、ピーク電力がCTCを用いる実施例でははるかに低いため、かなり大きい。
電力の制限は、線20760によって示されるように、閉鎖速度を減速させることによって、CTCを用いる実施例では達成される。圧縮時間B’は閉鎖時間Bよりも長いことに留意されたい。図22に示されるように、一定の閉鎖速度を提供する装置及び方法(すなわち、CTCを用いない)は、可変閉鎖速度(すなわちCTCを用いる)を提供する装置及び方法と同じ1mmの組織間隙で同じ50lbの圧縮力を達成する。一定の閉鎖速度を提供する装置及び方法は、可変閉鎖速度を使用する装置及び方法と比較して、より短い期間で所望の組織間隙における圧縮力を達成することができるが、これは、図22に示されるように、組織加えられる電力にスパイクをもたらすことになる。対照的に、CTCで示される例示的な態様は、閉鎖速度を減速させて、組織に加えられる電力の量を特定のレベルを超えないように制限する。組織に加えられる電力を制限することにより、CTCを使用しないシステム及び方法に関して組織の外傷を最小限に抑えることができる。
図22及び追加の例示は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月1日出願の「DEVICE AND METHOD FOR CONTROLLING COMPRESSION OF TISSUE」と題する、2013年8月6日発行の米国特許第8,499,992号に更に記載されている。
いくつかの態様では、制御システムは、制御システムが、Eビームの位置及び/又は発射シャフトの関節運動を判定し、そのような判定に基づいて少なくとも1つのモータを適切に制御することを支援する複数の事前定義の力の閾値を含むことができる。例えば、力閾値は、発射シャフトを並進させるように構成された発射バーの移動の長さに応じて変化することができ、そのような力閾値は、制御システムと通信する1つ又は2つ以上のモータの測定されたねじり力と比較することができる。力閾値に対する測定されたねじり力の比較は、制御システムが、Eビームの位置及び/又はエンドエフェクタの関節運動を判定するために依存することが可能な方法を提供することができる。これにより、制御システムは、1つ又は2つ以上のモータを適切に制御する(例えば、ねじり荷重を低減又は停止する)して、発射組立体の適切な発射及びエンドエフェクタの関節運動を確実にすること、並びにシステムへの損傷を防止することを可能にする。
図23は、セクションBにおける測定された変位に関連する、セクションAにおける測定された力を含む、力と変位のグラフ20800を示す。セクションAとBは両方とも時間を定義する(例えば、秒)x軸を有する。セクションBのy軸は、発射ロッドの移動変位(例えばミリメートル単位)を定義し、セクションAのy軸は、発射バーに加えられ、それによって発射シャフトを前進させる力を定義する。セクションAに示されるように、第1の関節運動範囲20902(例えば、最初のおよそ12mmの移動)内での発射バーの移動が、エンドエフェクタを関節運動させる。例えば、12mmの変位位置において、エンドエフェクタは、右に完全に関節運動しており、更に関節運動することは機械的に不可能である。完全に関節運動した結果として、モータに対するねじり力が増加し、制御システムは、セクションAに示されるように、事前定義の関節運動閾値20804を超える関節運動力ピーク20802を感知することができる。制御システムは、2つ以上の最大関節運動方向(例えば、左関節運動及び右関節運動)を感知するための、2つ以上の事前定義の関節運動閾値20804を含むことができる。制御システムが、所定の関節運動閾値20804を超える関節運動力ピーク20802を検出した後、制御システムは、モータの作動を低減又は停止し、それによって少なくともモータを損傷から保護することができる。
発射バーが関節運動範囲20902を越えて前進した後、外科用ステープラ内のシフト機構が、発射バーを更に遠位移動させることで発射シャフトの遠位移動を引き起こすことができる。例えば、セクションBに示されるように、移動変位の約12mm~70mmの移動は、Eビームを発射ストローク20904に沿って前進させ、顎部の間に捕捉された組織を切断することができるが、他の移動の長さも本開示の範囲内である。この実施例では、Eビームの最大発射ストローク位置20906は、70mmの移動のところで生じる。この時点で、Eビーム又はナイフはカートリッジ又は顎部の遠位端に当接し、それによってモータ上のねじり力を増加させ、セクションAに示されるようなナイフ移動力ピーク20806を制御システムによって感知させる。セクションAに示すように、制御システムは、モータ閾値20808と、モータ閾値20808から分岐し、Eビームが最大発射ストローク位置20906に近づくにつれて減少する(例えば、非線形に)、ナイフ移動閾値20810とを含むことができる。
制御システムは、最大発射ストローク位置20906に到達する前に、Eビームの少なくとも遠位移動部の最後の部分20907(例えば、発射ストローク904の最後の10パーセント)の間に感知されたモータねじり力を監視するように構成され得る。遠位移動部のそのような最後の部分20907に沿って監視する間、制御システムは、モータにねじり力を低減させ、それによってEビーム上の負荷を低減させることができる。これは、Eビームが最大発射ストローク位置20906に近づくにつれてEビーム上の負荷を低減することによって、Eビームを含む外科用ステープラへの損傷を防御することができ、それによりカートリッジ又は顎部の遠位端に対するEビームの衝撃が低減される。上述したように、このような衝撃は、ナイフ移動力ピーク20806を引き起こし、これは、ナイフ移動閾値20810を超える場合があるが、モータ閾値20808を超えることはないため、モータを損傷させることがない。したがって、制御システムは、ナイフ移動力ピーク20806がナイフ移動閾値20810を超え、ナイフ移動力ピーク20806がモータ閾値20808を超える前に、モータの作動を停止し、それによってモータが損傷から保護される。更に、ナイフ移動閾値20810の低減を大きくすることは、制御システムがEビームが最大発射ストローク位置20906に到達したことを事前に推論することを阻止する。
制御システムがナイフ移動閾値20810を超えるナイフ移動力ピーク20806を検出した後、制御システムはEビームの位置(例えば、70mm変位及び/又は発射ストローク20904の端部)を確認することができ、そのように変位位置を知ることに基づいて発射バーを後退させて、最も近位の位置20908(例えば、0mm変位)でEビームをリセットすることができる。最も近位の位置20908において、セクションAに示されるように事前定義のナイフ後退閾値20814を超えるナイフ後退力ピーク20812を制御システムによって感知することができる。この時点で、制御システムは、必要に応じて再校正することができ、発射ロッドの遠位方向へのその後の前進(例えば、およそ長さ約12 mm)が、シフタを発射バーからEビームの係合を解除させるホーム位置にあるように、Eビームの位置を関連付けることができる。係合が解除されると、発射バーが関節運動範囲20902内を移動することで、エンドエフェクタの関節運動が再び引き起こされる。
したがって、制御システムは、発射バーの移動を制御し、そのような感知されたねじり力を複数の閾値と比較して、Eビームの位置又はエンドエフェクタの関節運動角度を判定し、それによってモータを適切に制御してモータへの損傷を防止することができ、また発射バー及び/又はEビームの位置付けを確認することもできる。
上述したように、組織接触センサ又は圧力センサは、顎部材が組織「T」と最初に接触するときを判定する。これにより、外科医は、組織「T」の初期の厚さ及び/又は掴持前の組織「T」の厚さを判定することができる。上述の外科用器具の態様のいずれにおいても、図24に示されるように、組織「T」との顎部材の接触は、顎部材上に設けられた一対の対向するプレート「P1、P2」との接触を確立することによって、そうでなければ開いている感知回路「SC」を閉じる。接触センサはまた、センサに適用される力の量を判定する力に敏感な変換器を含んでもよく、これは、組織「T」に加えられる力の量と同じであると仮定することができる。このような力が組織に加えられた後、組織圧縮の量に変換されてもよい。力センサは、組織が受ける圧縮の量を測定し、組織「T」に加えられる力に関する情報を外科医に提供する。過剰な組織圧縮は、手術されている組織「T」に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、組織「T」の過剰な圧縮は、組織壊死をもたらし、特定の処置では、ステープルラインの破損をもたらす場合もある。組織「T」に加えられる圧力に関する情報は、外科医が組織「T」に過剰な圧力が加えられていないことをより良好に判定することができる。
本明細書に開示される任意の接触センサは、これに限定するものではないが、組織と接触しているときに、そうでなければ開いている感知回路を閉じる、顎部の内面に配置された電気接点を含み得る。接触センサはまた、掴持されている組織が圧縮に抵抗するときを検出する力に敏感な変換器を含んでもよい。力変換器としては、これに限定するものではないが、圧電素子、ピエゾ抵抗素子、金属膜又は半導体歪みゲージ、誘導圧センサ、容量性圧力センサ、及び、抵抗要素上のワイパーアームを駆動するためにブルドン管、カプセル又はふいごを使用する電位差圧変換器を挙げることができる。
一態様では、前述の外科用器具のうちのいずれか1つは、顎部材上で発生する圧力の変化を検出するための1つ又は2つ以上の圧電素子を含んでもよい。圧電素子は、応力を電位に変換する双方向変換器である。元素は、金属化石英又はセラミックで構成されてもよい。動作中、結晶に応力が適用されると、材料の電荷分布が変化し、材料全体に電圧が発生する。圧電素子は、顎部材のいずれか1つ又は両方が組織「T」と接触し、接触が確立された後に組織「T」に及ぼされる圧力の量を示すために使用されてよい。
一態様では、前述の外科用器具のうちのいずれか1つは、その本体内又はその本体の一部分上に配置された1つ又は2つ以上の金属歪みゲージを含んでもよい、又はこれらを備えてもよい。金属歪みゲージは、材料の抵抗が長さ、幅、及び厚さに依存する原理で動作する。したがって、金属歪みゲージの材料が歪みを受けると、材料の抵抗が変化する。したがって、この材料で作製された、回路に組み込まれた抵抗器は、歪みを電気信号の変化に変換する。望ましくは、歪みゲージは、組織に加えられる圧力が歪みゲージに影響を及ぼすように外科用器具上に配置されてもよい。
或いは、別の態様では、1つ又は2つ以上の半導体歪みゲージが、上記の金属歪みゲージと同様の方法で使用される場合もあるが、変換のモードは異なる。動作中、適用される応力の結果として、半導体歪ゲージの結晶格子構造が変形すると、材料の抵抗が変化する。観察される現象は、「ピエゾ抵抗効果」と称されることがある。
更に別の態様では、前述の外科用器具のうちの任意の1つは、圧力又は力を、誘導要素の互いに対する運動に変換するために、1つ又は2つ以上の誘導圧センサを含んでもよい、又はそれを備えてもよい。この誘導要素の互いに対する運動は、全体的なインダクタンス又は誘導結合を変える。静電容量式圧力変換器も同様に、圧力又は力を、全体的な静電容量を変化させる容量性素子の運動に変換する。
更に別の態様では、前述の外科用器具のうちの任意の1つは、圧力又は力を、全体的な静電容量を変化させる容量性素子の運動に変換するために、1つ又は2つ以上の静電容量式圧力変換器を含んでもよい、又はそれを備えてもよい。
一態様では、前述の外科用器具のうちのいずれか1つは、圧力又は力を運動に変換するための1つ又は2つ以上の機械的圧力変換器を含んでもよい、又はそれを備えてもよい。使用中、機械的要素の運動は、ゲージ上でポインタ又はダイヤルを偏向させるために使用される。このポインタ又はダイヤルの移動は、組織「T」に加えられる圧力又は力を表すことができる。機械的要素の例としては、ブルドン管、カプセル又はふいごが挙げられるが、これらに限定されない。例として、機械的要素は、ポテンショメータ圧力変換器などの他の測定及び/又は感知素子と結合されてもよい。この実施例では、機械的要素は、可変抵抗器上のワイパーと連結される。使用中、圧力又は力は、加えられた圧力又は力を反映するためにポテンショメータ上でワイパーを偏向させ、これにより抵抗を変化させて加えられた圧力又は力を反映する機械的運動に変換されてもよい。
上記の態様の組み合わせ、特に間隙と組織接触センサとの組み合わせは、手術部位及び/又は標的組織「T」の状態に関するフィードバック情報及び/又はリアルタイム情報を外科医に提供する。例えば、組織「T」の初期の厚さに関する情報は、適切なステープルサイズを選択する際に外科医を誘導することができ、組織「T」の掴持された厚さに関する情報は、選択されたステープルが適切に形成されるかどうかを外科医に知らせることができ、組織「T」の初期の厚さ及び掴持された厚さに関する情報を使用して、組織「T」に対する圧縮又は歪みの量を判定してもよく、また組織「T」に対する歪みに関連する情報を使用して、過剰な歪み値及び/又は過剰な歪みを受けた組織へのステープル留めを避けることもできる。
加えて、力センサを使用して、組織に加えられる圧力の量を外科医に提供してもよい。外科医は、この情報を使用して、過剰な歪みを経験した組織「T」への過剰な圧力の適用を回避するために、この情報を使用してもよい。
図24及び追加の例示は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月27日に出願され、「SURGICAL INSTRUMENT EMPLOYING SENSORS」と題され、2012年5月5日に発行された米国特許出願第8,181,839,号に更に記載されている。
開示される装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の理解を提供するために、特定の態様が示され説明される。1つの実施例で示される又は説明される特徴は、他の実施例の特徴と組み合わされてもよく、修正形態及び変形形態は、本開示の範囲内にある。
用語「近位」及び「遠位」は、外科用器具のハンドルを操作する臨床医に対する用語であり、「近位」は臨床医により近い部分を指し、「遠位」は、臨床医からより遠い部分を指す。外科用器具は様々な向き及び位置で使用され得るので、便宜上、図面に関して使用される空間的な用語「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」は、限定及び/又は絶対的であることを意図していない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、例示的な装置及び方法が提供される。しかし、そのような装置及び方法は、例えば開腹外科手術を含む、他の外科的処置及び用途に使用することができる。外科用器具は、自然開口部を通して、又は組織内に形成された切開又は穿刺穴を通して挿入することができる。器具の作用部分、すなわちエンドエフェクタ部分は、体内に直接に挿入することができ、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを前進させることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することができる。
図25~図28は、再利用され得る、又は再利用されない場合もある、切断及び締結用のモータ駆動式外科用器具150010を描いている。図示した実施例では、外科用器具150010は、臨床医によって把持され、操作され、作動されるように構成されたハンドル組立体150014を備えるハウジング150012を含む。ハウジング150012は、1つ又は2つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成されたエンドエフェクタ150300が動作可能に連結された交換式シャフト組立体150200に動作可能に取り付けられるように構成されている。本開示によると、様々な形態の交換式シャフト組立体が、ロボット制御された外科用システムと関連させて効果的に使用され得る。したがって、「ハウジング」という用語は、交換式シャフト組立体を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成及び加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似部分を包含することができる。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表す場合もある。交換式シャフト組立体は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」と題される米国特許第9,072,535号に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
図25は、本開示の少なくとも一態様による、動作可能に連結された交換式シャフト組立体150200を有する外科用器具150010の斜視図である。ハウジング150012は、外科用ステープルカートリッジ150304をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ150300を含む。ハウジング150012は、様々なサイズ及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合されたたエンドエフェクタを含み、様々なシャフトの長さ、サイズ及び種類を有する交換式シャフト組立体と接続して使用するように構成されてもよい。ハウジング150012は、他の運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いるように適合されたエンドエフェクタ構成に適用するように構成された組立体を含めた、多様な交換式シャフト組立体と共に用いられてもよい。エンドエフェクタ、シャフト組立体、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、組織を締結するために任意の好適な締結具を利用できる。例えば、中に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフト組立体のエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。
ハンドル組立体150014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互接続され得る一対の相互接続可能なハンドルハウジングセグメント150016、150018を備えてよい。ハンドルハウジングセグメント150016、150018は協働して、臨床医によって掴持され操作され得るピストルグリップ部分150019を形成する。ハンドル組立体150014は、制御運動を生成し、ハンドル組立体に動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分にこれを加えるように構成された複数の駆動システムを動作可能に支持している。ディスプレイがカバー150045の下方に設けられてもよい。
図26は、本開示の少なくとも一態様による、図25の外科用器具150010の一部分の分解組立図で示した組立体の図である。ハンドル組立体150014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム150020を含んでもよい。フレーム150020は、「第1の」、すなわち閉鎖駆動システム150030を動作可能に支持することができ、閉鎖駆動システムは、交換式シャフト組立体150200に対して閉鎖及び開放運動を適用することができる。閉鎖駆動システム150030は、フレーム150020によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ150032などのアクチュエータを含んでもよい。閉鎖トリガ150032は、枢動ピン150033によってハンドル組立体150014に枢動可能に結合されることで閉鎖トリガ150032が臨床医によって操作されることを可能にする。臨床医がハンドル組立体150014のピストルグリップ部分150019を掴持する際、閉鎖トリガ150032は、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置に、より具体的には完全に圧縮された位置又は完全に作動された位置に枢動することができる。
ハンドル組立体150014及びフレーム150020は、それらに取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分に発射運動を適用するように構成された発射駆動システム150080を動作可能に支持してもよい。発射駆動システム150080は、ハンドル組立体150014のピストルグリップ部分150019に設置された電気モータ150082を利用してもよい。電気モータ150082は、例えば約25,000RPMの最大回転スピードを有するブラシ付きDCモータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。電気モータ150082は、取り外し可能な電源パック150092を備え得る電源150090によって給電されてもよい。取り外し可能な電源パック150092は、遠位ハウジング部分150096に取り付けるように構成された近位ハウジング部分150094を備えてもよい。近位ハウジング部分150094及び遠位ハウジング部分150096は、その中で複数の電池150098を動作可能に支持するように構成される。電池150098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分150096は、制御回路基板150100に取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるように構成されており、制御回路基板は電気モータ150082に動作可能に結合されている。直列に接続されたいくつかの電池150098が、外科用器具150010に給電することができる。電源150090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。カバー150045の下方に位置するディスプレイ150043は、制御回路基板150100に電気的に結合されている。ディスプレイ150043を露出させるために、カバー150045は取り除かれてもよい。
電気モータ150082は、長手方向に移動可能な駆動部材150120上にある駆動歯150122のセット又はラックと噛合係合で装着されるギア減速機アセンブリ150084と動作可能に連携する回転式シャフト(図示せず)を含み得る。長手方向に移動可能な駆動部材150120は、ギア減速機アセンブリ150084の対応する駆動ギア150086と噛合係合するために、その上に形成された駆動歯150122のラックを有する。
使用の際、電源150090によって提供される電圧極性によって電気モータ150082を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ150082を反時計方向に動作させるために反転させることもできる。電気モータ150082が一方向に回転されると、長手方向に移動可能な駆動部材150120は、遠位方向「DD」に軸方向に駆動されることになる。電気モータ150082が反対の回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材150120は、近位方向「PD」に軸方向に駆動されることになる。ハンドル組立体150014は、電源150090によって電気モータ150082に印加される極性を反転させるように構成され得るスイッチを含むことができる。ハンドル組立体150014は、長手方向に移動可能な駆動部材150120の位置、及び/又は長手方向に移動可能な駆動部材150120が移動される方向を検出するように構成されたセンサを含んでもよい。
電気モータ150082の作動は、ハンドル組立体150014上に枢動可能に支持される発射トリガ150130によって制御され得る。発射トリガ150130は、非作動位置と作動位置との間で枢動されてよい。
図25に戻ると、交換式シャフト組立体150200はエンドエフェクタ150300を含み、エンドエフェクタ150300は、外科用ステープルカートリッジ150304をその中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル150302を備える。エンドエフェクタ150300は、細長いチャネル150302に対して枢動可能に支持されるアンビル150306を含んでもよい。交換式シャフト組立体150200は、関節継手150270を含んでもよい。エンドエフェクタ150300及び関節継手150270の構成及び動作は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」と題される米国特許出願公開第2014/0263541号に記述されている。交換式シャフト組立体150200は、ノズル部分150202、150203から構成される近位ハウジング又はノズル150201を含んでもよい。交換式シャフト組立体150200は、シャフト軸SAに沿って延びる閉鎖管150260を含んでもよく、閉鎖管150260はエンドエフェクタ150300のアンビル150306を閉鎖及び/又は開放するために利用され得る。
図25に戻ると、前述の参考文献である米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている方法で、例えば閉鎖トリガ150032の作動に応答して閉鎖管150260を遠位方向(方向「DD」)に並進させてアンビル150306を閉鎖する。アンビル150306は、閉鎖管150260を近位方向に並進させることによって開放される。アンビルの開放位置において、閉鎖管150260は、その近位位置へと動かされる。
図27は、本開示の少なくとも一態様による、交換式シャフト組立体150200の一部分の別の分解組立図で示した組立体の図である。交換式シャフト組立体150200は、スパイン150210の内部で軸方向に移動するように支持された発射部材150220を含んでもよい。発射部材150220は、遠位切断部分又はナイフバー150280に取り付けるように構成された中間発射シャフト150222を含む。発射部材150220は、「第2のシャフト」又は「第2のシャフト組立体」と呼ばれる場合もある。中間発射シャフト150222は、その遠位端に、ナイフバー150280の近位端150282にあるタブ150284を受容するように構成された長手方向スロット150223を含んでもよい。長手方向スロット150223及び近位端150282は、それらの間で相対移動が可能なように構成されてもよく、スリップ継手150286を備える場合もある。スリップ継手150286は、発射部材150220の中間発射シャフト150222が、ナイフバー150280を動かさずに、又は少なくとも実質的に動かさずに、エンドエフェクタ150300を関節継手150270を中心に関節運動させることを可能にし得る。ひとたびエンドエフェクタ150300が適切に配向されると、長手方向スロット150223の近位の側壁がタブ150284に接触するまで中間発射シャフト150222を遠位方向に前進させてナイフバー150280を前進させ、チャネル150302内に位置するステープルカートリッジを発射することができる。スパイン150210は内部に細長い開口部又は窓150213を有することで、スパイン150210の中への中間発射シャフト150222の組み付け及び挿入を容易にする。ひとたび中間発射シャフト150222がそこに挿入されると、頂部フレームセグメント150215がシャフトフレーム150212と係合されて、中間発射シャフト150222及びナイフバー150280を中に封入し得る。発射部材150220の動作は、米国特許出願公開第2014/0263541号に見出すことができる。スパイン150210は、発射部材150220と、スパイン150210の周りに延びる閉鎖管150260とを摺動可能に支持するように構成され得る。スパイン150210は、関節運動駆動器150230を摺動可能に支持してもよい。
交換式シャフト組立体150200は、関節運動駆動器150230を発射部材150220に選択的かつ取り外し可能に連結するように構成されたクラッチ組立体150400を含み得る。クラッチ組立体150400は、発射部材150220の周りに位置付けられたロックカラー又はロックスリーブ150402を含み、ロックスリーブ150402は、ロックスリーブ150402が関節運動駆動器150230を発射部材150220に結合する係合位置と、関節運動駆動器150230が発射部材150220に動作可能に結合されない係合解除位置との間で回転させることができる。ロックスリーブ150402がその係合位置にあるときは、発射部材150220の遠位方向の移動によって、関節運動駆動器150230を遠位方向に移動させることができ、またそれに対応して、発射部材150220の近位方向の移動によって関節運動駆動器150230を近位方向に移動させることができる。ロックスリーブ150402がその係合が解除された位置にあるときは、発射部材150220の移動は関節運動駆動器150230に伝達されず、その結果、発射部材150220を関節運動駆動器150230とは無関係に移動させることができる。ノズル150201は、米国特許出願公開第2014/0263541号に記載されている様々な方式で、関節駆動システムと発射駆動システムとを動作可能に係合させ、かつ係合を解除させるために用いることができる。
交換式シャフト組立体150200は、スリップリング組立体150600を備えることができ、スリップリング組立体150600は、例えば、エンドエフェクタ150300に及び/エンドエフェクタ150300から電力を伝え、かつ/或いはエンドエフェクタ150300に及び/又はエンドエフェクタ150300から信号を通信するように構成することができる。スリップリング組立体150600は、ノズル部分150202、150203内に画定されたスロットの内部に配置された近位コネクタフランジ150604及び遠位コネクタフランジ150601を備えることができる。近位コネクタフランジ150604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジ150601は、第1の面に隣接して配置され、第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジ150601は、シャフト軸線SA-SA(図25)を中心にして近位コネクタフランジ150604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ150604は、その第1の面に画定される、同心の、又は少なくとも実質的に同心の複数の導体150602を備えることができる。コネクタ150607は、遠位コネクタフランジ150601の近位側に装着することができ、複数の接点を有してもよく、各接点は、導体150602のうちの1つに対応し、それと電気的に接触している。そのような構成により、近位コネクタフランジ150604と遠位コネクタフランジ150601とが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対的に回転することが可能になる。近位コネクタフランジ150604は、例えば、導体150602をシャフト回路基板と通信させることができる電気コネクタ150606を含み得る。少なくとも1つの事例では、複数の導体を備える配線用ハーネスが、電気コネクタ150606とシャフト回路基板との間に延びる場合がある。電気コネクタ150606は、シャーシ取り付けフランジ内に画定されたコネクタ開口部を通って近位方向に延びてもよい。「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する、米国特許出願公開第2014/0263551号が、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する、米国特許出願公開第2014/0263552号が、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。スリップリング組立体150600に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2014/0263541号に見出されてよい。
交換式シャフト組立体150200は、ハンドル組立体150014に固定可能に取り付けられている近位部分と、長手方向軸を中心に回転可能である遠位部分とを含み得る。回転可能な遠位シャフト部分は、スリップリング組立体150600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリング組立体150600の遠位コネクタフランジ150601は、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。
図28は、本開示の少なくとも一態様による、図25の外科用器具150010のエンドエフェクタ150300の一態様の分解組立図である。エンドエフェクタ150300は、アンビル150306と、外科用ステープルカートリッジ150304とを含んでよい。アンビル150306は、細長いチャネル150302に結合されてよい。アンビル150306から延びるピン150152を受容するように、細長いチャネル150302の中に開口150199を画定することで、アンビル150306を細長いチャネル150302及び外科用ステープルカートリッジ150304に対して開放位置から閉鎖位置まで枢動させることを可能にすることができる。発射バー150172は、エンドエフェクタ150300の中に長手方向に並進するように構成される。発射バー150172は、1つの中実部分から構築されてもよく、又は鋼板のスタックを含む積層材料を含んでもよい。発射バー150172は、Iビーム150178と、その遠位端にある切刃150182とを備える。発射バー150172の遠位方向に突出する端部をIビーム150178に取り付けることで、アンビル150306が閉鎖位置にあるときに、細長いチャネル150302内に位置付けられた外科用ステープルカートリッジ150304から空間を空けてアンビル150306を配置するのを補助することができる。Iビーム150178は、Iビーム150178を発射バー150172によって遠位に前進させる際に組織を切断するために鋭利な切刃150182を含んでもよい。動作時に、Iビーム150178は、外科用ステープルカートリッジ150304を発射する場合がある、又は発射する。外科用ステープルカートリッジ150304は、ステープルドライバ150192上に載置された複数のステープル150191を、それぞれ上向きに開いたステープルくぼみ150195内に保持する成形されたカートリッジ本体150194を含むことができる。楔形スレッド150190がIビーム150178によって遠位方向に駆動され、外科用ステープルカートリッジ150304のカートリッジトレイ150196上を摺動する。楔形スレッド150190は、Iビーム150178の切刃150182が掴持された組織を切断する間、ステープルドライバ150192を上向きにカム作用して、ステープル150191を押し出してアンビル150306と変形接触させる。
Iビーム150178は、発射中、アンビル150306に係合する上部ピン150180を含むことができる。Iビーム150178は、カートリッジ本体150194、カートリッジトレイ150196、及び細長いチャネル150302の一部に係合するために中央ピン150184及び底部フット150186を含んでもよい。外科用ステープルカートリッジ150304が細長いチャネル150302内に配置されたとき、カートリッジ本体150194内に画定されたスロット150193を、カートリッジトレイ150196内に画定された長手方向スロット150197、及び細長いチャネル150302内に画定されたスロット150189と位置合わせすることができる。使用時、Iビーム150178は、位置合わせされた長手方向スロット150193、150197、及び150189を通って摺動することができ、図28に示されるように、Iビーム150178の底部フット150186は、スロット150189の長さに沿って細長いチャネル150302の底面に沿って通っている溝に係合することができ、中央ピン150184は、長手方向スロット150197の長さに沿ってカートリッジトレイ150196の上面に係合することができ、上部ピン150180は、アンビル150306に係合することができる。発射バー150172が遠位方向に前進して外科用ステープルカートリッジ150304からステープルを発射する際、及び/又はアンビル150306と外科用ステープルカートリッジ150304との間に捕捉された組織を切開するとき、Iビーム150178は、アンビル150306と外科用ステープルカートリッジ150304との間に間隔を空けるか、又はそれらの相対移動を制限することができる。発射バー150172及びIビーム150178を近位方向に後退させ、それによりアンビル150306が開かれ、ステープル留めされ切断された2つの組織部分を解放することが可能になる。
図29A及び図29Bは、本開示の少なくとも一態様による、2枚の図面に及ぶ、図25の外科用器具150010の制御回路150700のブロック図である。主に図29A及び図29Bを参照すると、ハンドル組立体150702は、モータ150714を含んでよく、このモータは、モータ駆動器150715によって制御され得るものであり、また外科用器具150010の発射システムによって利用することができる。様々な形態において、モータ150714は、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってよい。別の構成において、モータ150714はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータ駆動器150715は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)150719を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ150714は、制御電力を外科用器具150010に供給するためにハンドル組立体150200に解放可能に取り付けられた電源組立体150706により給電されてもよい。電源組立体150706は、外科用器具150010に給電するための電源として使用され得る、直列に接続された複数の電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体150706の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体150706に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。
シャフト組立体150704は、シャフト組立体150704と電源組立体150706がハンドル組立体150702に連結されている間、インターフェースを介して安全コントローラ及び電力管理コントローラ150716と通信可能であるシャフト組立体コントローラ150722を含むことができる。例えば、インターフェースは、シャフト組立体150704及び電源組立体150706がハンドル組立体150702に連結されている間、シャフト組立体コントローラ150722と電力管理コントローラ150716との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフト組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ又は2つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインターフェース部分150725と、対応する電源組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ又は2つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインターフェース部分150727とを備えてもよい。インターフェースを介して1つ又は2つ以上の通信信号を送信して、取り付けられた交換式シャフト組立体150704の1つ又は2つ以上の電力要件を電力管理コントローラ150716に伝達することができる。それに応じて、電力管理コントローラは、取り付けられたシャフト組立体150704の電力要件に従って、以下に更に詳細に記載されているように、電源組立体150706の電池の電力出力を変調してもよい。コネクタは、ハンドル組立体150702のシャフト組立体150704及び/又は電源組立体150706への機械的連結係合の後に作動されることで、シャフト組立体コントローラ150722と電力管理コントローラ150716との電気的通信を可能にすることがスイッチを備える。
インターフェースは、例えば、ハンドル組立体150702の中にあるメインコントローラ150717を通して通信信号の経路指定を行うことにより、電力管理コントローラ150716とシャフト組立体コントローラ150722との間の1つ又は2つ以上の通信信号の伝達を容易にすることができる。他の状況下では、インターフェースは、シャフト組立体150704及び電源組立体150706がハンドル組立体150702に連結されている間、ハンドル組立体150702を介した電力管理コントローラ150716とシャフト組立体コントローラ150722との間の直接ラインの通信を容易にする場合もある。
メインコントローラ150717は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、メインコントローラ150717は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
安全コントローラは、やはりTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのコントローラベースファミリを備える安全コントローラプラットフォームであってよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
電源組立体150706は、電力管理コントローラ150716、電力変調器150738、及び電流感知回路150736を含み得る電力管理回路を含んでよい。シャフト組立体150704及び電源組立体150706がハンドル組立体150702に連結されている間、電力管理回路は、シャフト組立体150704の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。電力管理コントローラ150716は、電源組立体150706の電力出力の電力変調器150738を制御するようにプログラムすることができ、電流感知回路150736を利用して、電源組立体150706の電力出力を監視して、電池の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ150716に提供することができることで、電力管理コントローラ150716は、電源組立体150706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。電力管理コントローラ150716及び/又はシャフト組立体コントローラ150722はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶可能な1つ若しくは2つ以上のプロセッサ、及び/又はメモリユニットを備えることができる。
外科用器具150010(図25~図28)は、感覚フィードバックをユーザに提供するための装置を含み得る出力装置150742を備えてもよい。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況下では、出力装置150742は、ハンドル組立体150702に含まれ得るディスプレイ150743を備えてよい。シャフト組立体コントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716は、出力装置150742を介して外科用器具150010のユーザにフィードバックを提供することができる。インターフェースは、シャフト組立体コントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716を出力装置150742に接続するように構成することができる。出力装置150742は代わりに、電源組立体150706と一体化される場合もある。このような状況下では、シャフト組立体150704がハンドル組立体150702に連結される一方で、出力装置150742とシャフト組立体コントローラ150722との間の通信はインターフェースを介して成し遂げられてよい。
制御回路150700は、電動外科用器具150010の動作を制御するように構成された回路セグメントを備える。安全コントローラセグメント(セグメント1)は、安全コントローラ、及びメインコントローラ150717セグメント(セグメント2)を備える。安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717は、加速度セグメント、ディスプレイセグメント、シャフトセグメント、エンコーダセグメント、モータセグメント、及び電力セグメントなどの1つ又は2つ以上の追加の回路セグメントと相互作用するように構成されている。回路セグメントのそれぞれは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結されてよい。メインコントローラ150717もまた、フラッシュメモリに連結される。メインコントローラ150717は、シリアル通信インターフェースもまた備える。メインコントローラ150717は、例えば、1つ若しくは2つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに連結された複数の入力を備える。セグメント化回路は、例えば、電動外科用器具150010内のプリント回路基板組立体(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。メインコントローラ150717は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。制御回路150700は、本明細書で記載される1つ又は2つ以上のプロセスを実装するように構成されてもよい。
加速度セグメント(セグメント3)は加速度計を備える。加速度計は、電動外科用器具150010の移動又は加速度を検出するように構成されている。加速度計からの入力は、スリープモードとの間での遷移、電動外科用器具の配向の識別、及び/又は外科用器具が落下したときの識別に使用されてもよい。いくつかの例では、加速度セグメントは安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結される。
ディスプレイセグメント(セグメント4)は、メインコントローラ150717に連結されたディスプレイコネクタを備える。ディスプレイコネクタは、ディスプレイの1つ又は2つ以上の集積回路ドライバを通してメインコントローラ150717をディスプレイに連結している。ディスプレイの集積回路ドライバは、ディスプレイと一体化されてよく、かつ/又はディスプレイとは別個に配置されてよい。ディスプレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの例では、ディスプレイセグメントは安全コントローラに連結される。
シャフトセグメント(セグメント5)は、外科用器具150010(図25~図28)に連結された交換式シャフト組立体150200(図25及び図27)用の制御部、及び/又は、交換式シャフト組立体150200に連結されたエンドエフェクタ150300用の1つ若しくは2つ以上の制御部を備える。シャフトセグメントは、メインコントローラ150717をシャフトPCBAに連結するように構成されたシャフトコネクタを備える。シャフトPCBAは、強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)、関節運動スイッチ、シャフト解放ホール効果スイッチ、及びシャフトPCBA EEPROMを有する低電力マイクロコントローラを備える。シャフトPCBA EEPROMは、交換式シャフト組立体150200及び/又はシャフトPCBAに固有の、1つ若しくは2つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBAは交換式シャフト組立体150200に連結されてよい、及び/又は外科用器具150010と一体であってもよい。いくつかの例では、シャフトセグメントは、第2のシャフトEEPROMを備える。第2のシャフトEEPROMは、電動外科用器具150010と連携され得る1つ又は2つ以上のシャフト組立体150200及び/又はエンドエフェクタ150300に対応する複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
位置エンコーダセグメント(セグメント6)は、1つ又は2つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダを備える。1つ又は2つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダは、外科用器具150010(図25~図28)のモータ150714、交換式シャフト組立体150200(図25及び図27)、及び/又はエンドエフェクタ150300の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの例では、磁気式角度回転位置エンコーダは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結されてよい。
モータ回路セグメント(セグメント7)は、電動外科用器具150010(図25~図28)の移動を制御するように構成されたモータ150714を備える。モータ150714は、1つ又は2つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)、及びモータコントローラを備えるHブリッジドライバにより主マイクロコントローラプロセッサ150717に連結される。Hブリッジドライバはまた、安全コントローラにも連結される。モータ電流センサは、モータの電引き込み電流を測定するため、モータと直列に連結している。モータ電流センサは、メインコントローラ150717及び/又は安全コントローラと信号通信している。いくつかの例では、モータ150714は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタに連結されている。
モータコントローラは、第1のモータフラグ及び第2のモータフラグを制御して、モータ150714のステータス及び位置をメインコントローラ150717に示す。メインコントローラ150717は、バッファを介して、パルス幅変調(PWM)高信号、PWM低信号、方向信号、同期信号及びモータリセット信号をモータコントローラに提供する。電力セグメントは、セグメント電圧を回路セグメントのそれぞれに提供するように構成される。
電力セグメント(セグメント8)は、安全コントローラ、メインコントローラ150717、及び追加の回路セグメントに連結された電池を備える。電池は、電池コネクタ及び電流センサによってセグメント化回路に連結されている。電流センサは、セグメント化回路の合計引き込み電流を測定するように構成されている。いくつかの例では、1つ又は2つ以上の電圧変換器が、所定の電圧値を1つ又は2つ以上の回路セグメントに提供するように構成されている。例えば、いくつかの例では、セグメント化回路は、3.3V電圧変換器及び/又は5V電圧変換器を備えてもよい。ブースト変換器は、例えば最大13Vなど、既定量までのブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
複数のスイッチが、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に結合されている。スイッチは、セグメント化回路の、外科用器具150010(図25~図28)の動作を制御する、及び/又は外科用器具150010のステータスを示すように構成されてよい。緊急離脱ドアスイッチ、及び緊急離脱用のホール効果スイッチは、緊急離脱ドアのステータスを示すように構成される。例えば、左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、及び右側関節運動中央スイッチなど、複数の関節運動スイッチが、交換式シャフト組立体150200(図25及び図27)及び/又はエンドエフェクタ150300(図25及び図28)の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ及び右側反転スイッチが、メインコントローラ150717に結合される。左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、及び左側反転スイッチを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタによってメインコントローラ150717に結合される。右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、右側関節運動中央スイッチ、及び右側反転スイッチを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタによってメインコントローラ150717に結合される。発射スイッチ、掴持解除スイッチ、及びシャフト係合スイッチが、メインコントローラ150717に結合される。
任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチを用いて、任意の組み合わせで、複数のスイッチを実装してよい。例えば、スイッチは、外科用器具150010(図25~図28)又は対象体の存在と関連付けられた構成要素の運動により作動される制限スイッチであってよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具150010と関連付けられた様々な機能を制御することができる。制限スイッチは、一組の接触部と機械的につながったアクチュエータからなる、電気機械装置である。対象体がアクチュエータと接触すると、装置はその接触部を操作して、電気的接続を作成する、又は破壊する。その丈夫さ、取り付けの容易さ、及び動作の信頼性により、制限スイッチは様々な用途及び環境で用いられる。制限スイッチは、対象体の有無、通過、配置、及び移動の終了を判定することができる。他の実装形態においては、スイッチは、とりわけホール効果装置、磁気抵抗性(MR)装置、巨大磁気抵抗性(GMR)装置、磁力計などの、磁場の影響下にて稼働する、固体スイッチであってもよい。他の実装形態では、スイッチは、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他のスイッチは、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを含んでもよい。
図30は、本開示の少なくとも一態様により、ハンドル組立体150702と電源組立体150706との間のインターフェース、及びハンドル組立体150702と交換式シャフト組立体150704との間のインターフェースを示す、図25の外科用器具の制御回路150700の別のブロック図である。ハンドル組立体150702は、メインコントローラ150717、シャフト組立体コネクタ150726、及び電源組立体コネクタ150730を備えてよい。電源組立体150706は、電源組立体コネクタ150732と、電力管理コントローラ150716、電力変調器150738及び電流感知回路150736を備えてよい電力管理回路150734とを含んでよい。シャフト組立体コネクタ150730、150732はインターフェース150727を形成する。交換式シャフト組立体150704及び電源組立体150706がハンドル組立体150702に連結されている間、電力管理回路150734は、交換式シャフト組立体150704の電力要件に基づいて電池150707の電力出力を変調するように構成することができる。例えば、電力管理コントローラ150716は、電源組立体150706の電力出力の電力変調器150738を制御するようにプログラムすることができ、電流感知回路150736は、電源組立体150706の電力出力を監視して、電池150707の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ150716に提供するために利用することができることで、電力管理コントローラ150716は、電源組立体150706の電力出力を調節して所望の出力を維持することができる。シャフト組立体150704は、不揮発性メモリ150721及びシャフト組立体コネクタ150728に連結されてシャフト組立体150704をハンドル組立体150702に電気的に連結する、シャフトプロセッサ150720を備える。シャフト組立体コネクタ150726、150728は、インターフェース150725を形成する。メインコントローラ150717、シャフトプロセッサ150720及び/又は電力管理コントローラ150716は、本明細書で記載されるプロセスの1つ又は2つ以上を実装するように構成することができる。
外科用器具150010(図25~図28)は、感覚フィードバックをユーザに送る出力装置150742を備えてもよい。このような装置は、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでよい。特定の状況下では、出力装置150742は、ハンドル組立体150702に含まれ得るディスプレイ150743を備えてもよい。シャフト組立体コントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716は、出力装置150742を介して外科用器具150010のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェース150727は、シャフト組立体コントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716を出力装置150742に接続するように構成され得る。出力装置150742は電源組立体150706と一体化される場合もある。交換式シャフト組立体150704がハンドル組立体150702に連結されている間、出力装置150742とシャフト組立体コントローラ150722との通信はインターフェース150725を介して成し遂げられ得る。外科用器具150010(図25~図28)の動作を制御するための制御回路150700(図29A及び図29B並びに図6)を記載したが、本開示はここから外科用器具150010(図25~図28)及び制御回路150700の様々な構成に転じる。
図31を参照すると、外科用ステープラ151000は、ハンドル構成要素151002、シャフト構成要素151004及びエンドエフェクタ構成要素151006を含んでよい。外科用ステープラ151000は、図25に関連して記載されるモータ駆動式外科用切断及び締結器具150010と同様に構築され装備される。したがって、簡潔かつ明快にするため、動作及び構造の詳細はここでは繰り返さない。エンドエフェクタ151006は、組織を圧縮、切断、又はステープル留めするために使用されてよい。次に、図32を参照すると、エンドエフェクタ151030は、圧縮、切断、又はステープル留めの前に、医師によって組織151032を取り囲むように位置付けられてよい。図32に示されるように、エンドエフェクタを使用する準備をしている間、組織に圧縮は加えなくてもよい。次に、図33を参照すると、外科用ステープラのハンドル(例えば、ハンドル151002)に係合することによって、医師は、エンドエフェクタ151030を使用して組織151032を圧縮してよい。一態様では、組織151032は、図33に示すように、その最大閾値まで圧縮されてもよい。
図34を参照すると、エンドエフェクタ151030によって様々な力が組織151032に加えられる場合がある。例えば、組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034とチャネルフレーム151036との間で圧縮されるとき、垂直力F1及びF2がアンビル151034及びチャネルフレーム151036に加えられてよい。次に、図35を参照すると、エンドエフェクタ151030によって圧縮される際、様々な斜め方向及び/又は横方向の力が組織151032に加えられる場合もある。例えば、力F3が適用されてよい。外科用ステープラ151000などの医療装置を操作する目的のために、エンドエフェクタによって組織に加えられている様々な形態の圧縮を感知する、又は計算することが望ましい場合がある。例えば、垂直方向又は横方向の圧縮を知ることは、エンドエフェクタがステープルの動作をより精密に又はより正確に加えることを可能にし得る、或いは外科用ステープラをより適切に又はより安全に使用することができるように外科用ステープラの情報を操作者に知らせる場合もある。
組織151032を貫通する方向の圧縮は、組織151032のインピーダンスから判定されてよい。様々な圧縮水準において、組織151032のインピーダンスZは増加又は減少し得る。電圧V及び電流Iを組織151032に印加することによって、組織151032のインピーダンスZは、圧縮の様々な圧縮水準で判定されてよい。例えば、インピーダンスZは、印加された電圧Vを電流Iで除することによって計算され得る。
次に図36を参照すると、一態様では、RF電極151038が、エンドエフェクタ151030の上(例えば、エンドエフェクタ151030のステープルカートリッジ、ナイフ、又はチャネルフレームの上)に位置付けられてよい。更に、電気接点151040が、エンドエフェクタ151030のアンビル151034の上に位置付けられてよい。一態様では、電気接点は、エンドエフェクタのチャネルフレームの上に位置付けられ得る。組織151032が、エンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えばチャネルフレーム151036との間で圧縮されるとき、組織151032のインピーダンスZは変化する。エンドエフェクタ151030によって生じる垂直方向の組織圧縮151042は、組織151032のインピーダンスZの関数として測定されてよい。
次に図37を参照すると、一態様では、RF電極151038が位置付けられるとき、電気接点151044は、エンドエフェクタ151030のアンビル151034の反対側の端部に位置付けられてもよい。組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えば、チャネルフレーム151036との間で圧縮されるとき、組織151032のインピーダンスZは変化する。エンドエフェクタ151030によって生じる横方向の組織圧縮151046は、組織151032のインピーダンスZの関数として測定されてよい。
次に図38を参照すると、一態様では、電気接点151050は、アンビル151034の上に位置付けられてもよく、電気接点151052は、チャネルフレーム151036においてエンドエフェクタ151030の反対端の上に位置付けられてもよい。RF電極151048は、エンドエフェクタ151030の中央部に側方に位置付けられ得る。組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えば、チャネルフレーム151036との間で圧縮されるとき、組織151032のインピーダンスZは変化する。RF電極151048の両側における横方向の圧縮151054又は角度のある圧縮151056は、エンドエフェクタ151030によって生じてよく、RF電極151048、電気接点151050及び151052の相対的な位置付けに基づいて、組織151032の様々なインピーダンスZの関数として測定されてよい。
図39に示されるように、周波数発生器151222は、電源151221から電力又は電流を受け取ってよく、1つ又は2つ以上のRF信号を1つ又は2つ以上のRF電極151224に供給してよい。上記で論じられたように、1つ又は2つ以上のRF電極は、ステープルカートリッジ又はチャネルフレームなど、エンドエフェクタ又は外科用ステープラ上の様々な位置又は構成要素に位置付けられてよい。電気接点151226又は151228など、1つ又は2つ以上の電気接点は、エンドエフェクタのチャネルフレーム又はアンビルの上に位置付けられてよい。更に、フィルタ151230又は151232など、1つ又は2つ以上のフィルタが、電気接点151226又は151228と通信可能に結合され得る。フィルタ151230及び151232は、周波数発生器151222によって供給される1つ又は2つ以上のRF信号を、単一のリターン経路151234に合流する前にフィルタ処理してよい。1つ又は2つ以上のRF信号に関連付けられた電圧V及び電流Iは、1つ又は2つ以上のRF電極151224と電気接点151226又は151228との間で圧縮され得る、及び/又は通信可能に結合され得る組織に関連したインピーダンスZを計算するために使用されてよい。
更に図39を参照すると、本明細書に記載される組織圧縮センサシステムの様々な構成要素は、外科用ステープラのハンドル151236内に配置されてよい。例えば、回路図151220aに示されるように、周波数発生器151222は、ハンドル151236内に配置され、電源151221から電力を受け取ることができる。また、電流I1及び電流I2が、電気接点151228及び151226に対応するリターン経路上で測定され得る。供給経路とリターン経路との間で印加される電圧Vを使用して、インピーダンスZ1及びZ2が計算され得る。Z1は、RF電極151224の1つ又は2つ以上と電気接点151228との間で圧縮される、及び/又は通信可能に結合される組織のインピーダンスに対応し得る。更に、Z2は、RF電極151224の1つ又は2つ以上と電気接点151226との間で圧縮される、及び/又は通信可能に結合される組織のインピーダンスに対応し得る。式Z1=V/I1及びZ2=V/I2を適用すると、エンドエフェクタによって圧縮された組織の様々な圧縮水準に対応するインピーダンスZ1及びZ2が計算され得る。
次に図40を参照すると、本開示の1つ又は2つ以上の態様が回路図151250に記載されている。一実装形態では、外科用ステープラのハンドル151252にある電源は、周波数発生器151254に電力を供給し得る。周波数発生器151254は、1つ又は2つ以上のRF信号を生成してよい。1つ又は2つ以上のRF信号は、マルチプレクサ151256において多重化される、又は重ね合わされてもよく、マルチプレクサは、外科用ステープラのシャフト151258内にあり得る。このようにして、2つ又は3つ以上のRF信号は、重ね合わされ(又は、例えば、共にネスト又は変調され)、エンドエフェクタに伝達され得る。1つ又は2つ以上のRF信号は、外科用ステープラのエンドエフェクタ151262における(例えば、ステープルカートリッジ内に位置付けられる)1つ又は2つ以上のRF電極151260に通電し得る。組織(図示せず)は、1つ又は2つ以上のRF電極151260と1つ又は2つ以上の電気接点との間で圧縮される、及び/又は通信可能に結合され得る。例えば、組織は、1つ又は2つ以上のRF電極151260と、エンドエフェクタ151262のチャネルフレーム内に位置付けられた電気接点151264又はエンドエフェクタ151262のアンビル内に位置付けられた電気接点151266との間で圧縮され得る、及び/又は通信可能に結合され得る。フィルタ151268は、電気接点151264に通信可能に結合されてよく、フィルタ151270は、電気接点151266に通信可能に結合されてよい。
1つ又は2つ以上のRF信号に関連した電圧V及び電流Iは、ステープルカートリッジ(及び1つ又は2つ以上のRF電極151260に通信可能に結合され得る)と、チャネルフレーム又はアンビル(電気接点151264又は151266の1つ又は2つ以上に通信可能に結合され得る)との間で圧縮され得る組織に関連付けられたインピーダンスZを計算するために使用され得る。
一態様では、本明細書に記載される組織圧縮のセンサシステムの様々な構成要素は、外科用ステープラのシャフト151258内に配置され得る。例えば、回路図151250に示されるように(及び周波数発生器151254に加えて)、インピーダンス計算器151272、コントローラ151274、不揮発性メモリ151276、及び通信チャネル151278が、シャフト151258内に配置されてよい。一実施例では、周波数発生器151254、インピーダンス計算器151272、コントローラ151274、不揮発性メモリ151276、及び通信チャネル151278は、シャフト151258内の回路基板上に位置付けられる場合もある。
2つ又は3つ以上のRF信号は、電気接点を経由して共通経路上で返され得る。更に、2つ又は3つ以上のRF信号によって表される別々の組織インピーダンスを差異化するために、2つ又は3つ以上のRF信号は、共通経路上でRF信号が合流する前にフィルタ処理され得る。電流I1及び電流I2は、電気接点151264及び151266に対応するリターン経路上で測定され得る。供給経路とリターン経路との間で印加される電圧Vを使用して、インピーダンスZ1及びZ2が計算され得る。Z1は、RF電極151260の1つ又は2つ以上と電気接点151264との間で圧縮される、及び/又は通信可能に結合される組織のインピーダンスに対応し得る。更に、Z2は、RF電極151260の1つ又は2つ以上と電気接点151266との間で圧縮される、及び/又は通信可能に結合される組織のインピーダンスに対応し得る。式Z1=V/I1及びZ2=V/I2を適用すると、エンドエフェクタ151262によって圧縮された組織の様々な圧縮に対応するインピーダンスZ1及びZ2が計算され得る。実施例では、インピーダンスZ1及びZ2は、インピーダンス計算器151272によって計算され得る。インピーダンスZ1及びZ2は、組織の様々な圧縮水準を計算するために使用され得る。
次に図41を参照すると、周波数グラフ151290が示されている。周波数グラフ151290は、2つのRF信号をネストする周波数変調を示す。2つのRF信号は、上述したように、エンドエフェクタにあるRF電極に到達する前にネストされ得る。例えば、周波数1を有するRF信号及び周波数2を有するRF信号は、共にネストされ得る。次に図42を参照すると、結果として得られるネストされたRF信号が、周波数グラフ151300に示されている。周波数グラフ151300に示される合成信号は、合成された、周波数グラフ151290の2つのRF信号を含む。次に図43を参照すると、周波数グラフ151400が示されている。周波数グラフ151400は、(例えば、フィルタ151268及び151270によって)フィルタ処理された後の、周波数1及び周波数2を有するRF信号を示す。結果として得られるRF信号は、上述したように、リターン経路上で別個のインピーダンス計算又は測定を行うために使用され得る。
一態様では、フィルタ151268及び151270は、フィルタ範囲が狭くなり得るような(例えば、Q=10)、高Qフィルタであり得る。Qは、中心周波数(Wo)/帯域幅(BW)によって定義され得、Q=Wo/BWである。一実施例では、周波数1は150kHzであり得、周波数2は300kHzであり得る。実行可能なインピーダンス測定範囲は、100kHz~20MHzであり得る。様々な実施例では、RF信号を分離するために、相関、直交検波など、他の高度な技術が使用され得る。
本明細書に記載の技術及び特徴のうちの1つ又は2つ以上を使用して、エンドエフェクタのステープルカートリッジ又は孤立したナイフの上にある単一の通電電極は、複数の組織圧縮測定を同時に行うために使用され得る。2つ又は3つ以上のRF信号が、重ね合わされるか、多重化される(又はネストされるか、変調される)場合、それらは、エンドエフェクタの単一電源側に伝達され得、エンドエフェクタのチャネルフレーム又はアンビルのどちらかの上で折り返し得る。それらが共通リターン経路に合流する前に、アンビル及びチャネルの接点にフィルタが組み込まれていれば、両経路によって表される組織インピーダンスは差異化されることができる。これは、垂直方向の組織圧縮対横方向の組織圧縮の測定を提供し得る。この方法はまた、フィルタの配置及び金属リターン経路の位置に応じて近位及び遠位の組織圧縮も提供し得る。周波数発生器及び信号プロセッサは、(外科用ステープラ内に既に存在し得る)回路基板又はサブ基板上の1つ又は2つ以上のチップ上に配置され得る。
一態様では、本開示は、様々な感知システムで構成される器具150010(図25~30に関連して記載される)を提供する。したがって、簡潔かつ明快にするため、動作及び構造の詳細はここでは繰り返さない。一態様では、検出システムは、ナイフ加速度、インピーダンスの変化率、及び組織接触の変化率を監視するために、粘弾性/変化率検出システムを含む。一実施例では、ナイフ加速度の変化率は、組織タイプの測定として使用され得る。別の実施例では、インピーダンスの変化率は、パルスセンサで測定され得(can be measures)、圧縮率の測定として用いられ得る。最後に、組織接触の変化率は、ナイフ発射率に基づいて組織流動を測定するセンサで測定され得る。
検出されたパラメータの変化率、又は別の方法で規定される、組織パラメータが漸近的な定常状態値に達するのにどのくらい時間が必要か、は、それ自体別個の測定であり、導出元の検出されたパラメータよりも貴重であり得る。測定を行う前に既定の時間を待つことなど、組織パラメータの測定を改良するために、本開示は、組織パラメータの変化率など、測定の微分係数を用いるための新規な技術を提供する。
単独で用いてステープル形成を劇的に改良できる単一の測定は存在しないという理解のもと、微分技術又は変化率測定は最も有用となる。それは、測定を有効なものにする複数の測定の組み合わせである。組織の間隙の場合、関連する間隙測定を行うために、顎部が組織によってどのくらい覆われているかを知ることが役に立つ。インピーダンスの変化率測定は、アンビル及びステープルカートリッジなどのエンドエフェクタの顎部材間で把持される組織に加えられる力及び圧縮を関係付けるために、アンビルでの歪み測定と組み合わされてよい。変化率測定は、組織圧縮はもとより、組織タイプも決定するために、体内外科用デバイスによって用いられ得る。胃組織及び肺組織は、ときに類似の厚さを有し、また肺組織が石灰化したときに類似の圧縮特性さえも有するが、器具は、間隙、圧縮、加えられた力、組織接触面積、及び圧縮の変化率又は間隙の変化率などの測定の組み合わせを用いることによって、これらの組織タイプを見分けることが可能であり得る。これらの測定のいずれかが単独で使用された場合、体内外科用デバイスが組織タイプを見分けることは困難となり得る。圧縮の変化率はまた、組織が「正常」であるか否か、又は異常が存在するか否かをデバイスで判定可能にすることにも役に立ち得る。経過した時間だけでなく、センサ信号の変動も測定し、信号の微分係数を決定すると、体内外科用デバイスがその信号を測定することを可能にする別の測定が提供されるであろう。変化率情報はまた、いつ定常状態に達したのかを判定し、プロセスの次の工程に信号を送るためにも用いられ得る。例えば、アンビル及びステープルカートリッジなどのエンドエフェクタの顎部材間で組織を掴持した後、組織圧縮が定常状態に達すると(例えば、約15秒)、デバイスの発射を開始するインジケータ又はトリガが使用可能にされ得る。
本明細書ではまた、外科用器具動作中の組織の安定特性、クリープ特性、及び粘弾性特性を決定するセンサデータの時間依存性評価のための方法、デバイス、及びシステムも提供する。図25に示されるステープラなどの外科用器具は、顎部の間隙の大きさ又は距離、発射電流、組織圧縮、組織によって覆われる顎部の量、アンビル歪み、及びトリガ力などの動作パラメータを測定するために多様なセンサを含むことができる。これらの検出された測定値は、外科用器具の自動制御のため、及びフィードバックを臨床医に提供するために重要である。
図30~49に関連して示される実施例は、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出されたパラメータを測定するために用いられ得る。モータ電流は、電池2308と直列の電流センサを用いて監視されてもよい。
次に図44に移ると、再使用され得る、又は再利用されない場合のある、モータ駆動式外科用切断及び締結器具151310が描かれている。モータ駆動式外科用切断及び締結器具151310は、図25~30に関連して記載されるモータ駆動式外科用切断及び締結器具150010と同様に構築され装備される。図44に示される実施例では、器具151310は、臨床医によって把持され、操作され、作動されるように構成されたハンドル組立体151314を備えるハウジング151312を含む。ハウジング151312は、1つ又は2つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ151600が動作可能に連結された交換式シャフト組立体151500に動作可能に取り付けられるように構成されている。モータ駆動式外科用切断及び締結器具151310は、図25~30に関連して記載されるモータ駆動式外科用切断及び締結器具150010と同様に構築され装備されるので、簡潔かつ明瞭にするために、ここでは動作及び構造の詳細を繰り返さない。
図44に描かれるハウジング151312は、外科用ステープルカートリッジ151304をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ151600を含む交換式シャフト組立体151500と接続されて示されている。ハウジング151312は、様々なサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、様々なシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフト組立体と接続して使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング151312はまた、他の運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いるように適合されたエンドエフェクタ構成に適用するように構成された組立体を含めた、多様な他の交換式シャフト組立体と共に用いられてもよい。更に、エンドエフェクタ、シャフト組立体、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具を利用して組織を締結することができる。例えば、中に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフト組立体のエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。
図44は、交換式シャフト組立体151500が動作可能に連結された外科用器具151310を示している。図示の構成において、ハンドルハウジングは、臨床医によって掴持され、操作され得るピストルグリップ部分151319を形成する。ハンドル組立体151314は、様々な制御運動を生成し、ハンドル組立体に動作可能に取り付けられた交換式シャフト組立体の対応する部分に加えるように構成された複数の駆動システムを動作可能にその中に支持している。トリガ151332は、種々のこれらの制御運動を制御するために、ピストルグリップと動作可能に関連付けられる。
続けて図44を参照すると、交換式シャフト組立体151500は、ステープルカートリッジ151304をその中で動作可能に支持するように構成された細長いチャネル151302を備える外科用エンドエフェクタ151600を含む。エンドエフェクタ151600は、細長いチャネル151302に対して枢動可能に支持されるアンビル151306を更に含んでもよい。
本発明者らは、導出されたパラメータは、導出されたパラメータの基礎となる感知されたパラメータよりも、図44に例示される器具などの外科用器具を制御するのに更に有用であり得ることを見出した。導出されたパラメータの非限定的な実施例には、検出されたパラメータの変化率(例えば、顎部間隙距離)及び組織パラメータが漸近的な定常状態値に達するまでの経過時間(例えば、15秒)が挙げられる。変化率などの導出されたパラメータは、測定精度を劇的に向上させ、更に、他の形では検出されたパラメータから直接に明らかでない情報も提供することから、特に有用である。例えば、インピーダンス(例えば、組織圧縮)変化率は、アンビルの歪みと組み合わされて、圧縮及び力を関係付けることができ、これにより、マイクロコントローラが、組織圧縮の量はもとより、組織タイプも決定することが可能になる。この実施例は一例に過ぎず、いずれの導出されたパラメータも、1つ又は2つ以上の検出されたパラメータと組み合わされて、組織タイプ(例えば、胃と肺)、組織の健康状態(石灰化と正常)、及び外科用デバイスの動作状態(例えば、掴持完了)に関するより正確な情報を提供することができる。異なる組織は、独自の粘弾性特性及び独自の変化率を有し、したがって、これら及び本明細書に記載される他のパラメータは、外科処置を監視し、自動的に調節するための有用なしるしとなる。
図46は、間隙距離の経時的変化を示している例示的なグラフであり、間隙とは、顎部間で、掴持された組織が占める空間である。垂直(y)軸が距離であり、水平(x)軸が時間である。具体的には、図44及び45を参照すると、間隙距離151340は、エンドエフェクタのアンビル151306と細長いチャネル151302との間の距離である。開放した顎部位置では、時間0において、アンビル151306と細長い部材との間の間隙151340は、その最大距離にある。間隙151340の幅は、組織を掴持している間など、アンビル151306が閉鎖するにつれて減少する。組織は非一様な弾力性を有するため、間隙距離変化率は変動し得る。例えば、ある組織タイプは、急速な圧縮を初期に示し、結果としてより速い変化率となる。しかしながら、組織が持続的に圧縮されると、組織の粘弾性特性により、組織がそれ以上圧縮できなくなるまで変化率が減少し得、それ以上圧縮できなくなると、間隙距離は実質的に一定のままになる。間隙は、組織がエンドエフェクタ151340のアンビル151306とステープルカートリッジ151304との間で押しつぶされるとき、時間の経過と共に減少する。例えば、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、例えば渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサなど、図31~図43に関連して記載される1つ又は2つ以上のセンサは、図46にグラフで表されるように、アンビル151306とステープルカートリッジ151304との間の間隙距離「d」を時間「t」にわたって測定するように適合され構成されてよい。時間「t」にわたる間隙距離「d」の変化率は、図46に示される曲線の勾配であり、勾配=Δd/Δtである。
図47は、エンドエフェクタの顎部の発射電流を示している例示的なグラフである。垂直(y)軸が電流であり、水平(x)軸が時間である。本明細書で論じられるように、図25に関連して示され説明したような外科用器具及び/又はそのマイクロコントローラは、組織の掴持、切断、及び/又はステープル留めなど、様々な動作中に利用される電流を検出する電流センサを含み得る。例えば、組織の抵抗が増加すると、器具の電気モータは、組織を掴持、切断、及び/又はステープル留めするために、より多くの電流が必要になり得る。反対に、抵抗が減少すると、電気モータは、組織を掴持、切断、及び/又はステープル留めするために、より少ない電流が必要になり得る。結果として、発射電流は、組織の抵抗の近似として使用することができる。検出された電流は、単独で又はより好ましくは他の測定と組み合わせて使用して、標的組織に関するフィードバックを提供することができる。なおも図47を参照すると、ステープル留めなど、いくつかの動作中、発射電流は、時間0では最初は高いが、時間の経過と共に減少する。他のデバイスの動作中、増大する機械負荷に打ち勝つために、モータがより多くの電流を引き出す場合、電流は時間の経過と共に増加し得る。加えて、発射電流の変化率は、組織がある状態から別の状態に遷移中であることのインジケータとして使用することができる。したがって、発射電流及び、とりわけ、発射電流の変化率は、デバイス動作を監視するために使用することができる。ナイフが組織を切り進むと、発射電流は時間の経過と供に減少する。切断されている組織が、組織の特性又はナイフ151305(図45)の鋭さに起因してより大きい又はより小さい抵抗をもたらす場合、発射電流の変化率は変動し得る。切断条件が変動すると、モータによってなされる仕事は変動し、その結果、発射電流が時間の経過と共に変動する。電流センサを利用して、図47にグラフで表されるように、ナイフ151305が発射している間の経時的な発射電流を測定するために利用されてよい。例えば、電流センサを用いてモータ電流が監視されてもよい。電流センサは、図47にグラフで表されるように、モータ発射電流「i」を時間「t」にわたって測定するように適合され、構成され得る。時間「t」にわたる発射電流「i」の変化率は、図47に示される曲線の勾配であり、勾配=Δi/Δtである。
図48は、インピーダンスの経時的変化の例示的なグラフである。垂直(y)軸がインピーダンスであり、水平(x)軸が時間である。時間0においてインピーダンスは低いが、操作(例えば、掴持及びステープル留め)を受けて組織の圧力が増加すると、時間と共に上昇する。エンドエフェクタ151340のアンビル151306とステープルカートリッジ151304との間の組織はナイフによって切断される、又はエンドエフェクタ151340のアンビル151306とステープルカートリッジ151304との間に位置する電極間でRFエネルギーを用いて封着されるため、変化率は時間と共に変動する。例えば、組織が切断されるにつれ、電気インピーダンスは上昇し、組織がナイフによって完全に断絶されると無限大に達する。また、エンドエフェクタ151340が、RFエネルギー源に連結された電極を含む場合も、エンドエフェクタ151340のアンビル151306とステープルカートリッジ151304との間の組織を通してエネルギーが送達されるとき、組織の電気インピーダンスは上昇する。組織を通るエネルギーが組織内の水分を蒸発させることによって組織を乾燥させるので、電気インピーダンスは上昇する。最終的に、好適な量のエネルギーが組織に送達されると、インピーダンスは非常に高い値まで、又は組織が断絶される場合は無限大まで、上昇する。加えて、図48に示されるように、異なる組織は、圧縮率など、組織を区別する独自の圧縮特性を有し得る。組織インピーダンスは、第1の顎部材9014と第2の顎部材9016との間に把持される組織を通して副治療的なRF電流を駆動することによって測定され得る。1つ又は2つ以上の電極は、アンビル151306及びステープルカートリッジ151304のいずれか又は両方の上に位置付けられ得る。アンビル151306とステープルカートリッジ151304との間にある組織の組織圧縮/インピーダンスは、図48にグラフで表されるように時間と共に測定され得る。例えば、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、例えば渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサなど、図31~図43に関連して記載されるセンサは、組織圧縮/インピーダンスを測定するように適合され構成され得る。センサは、図48にグラフで表されるように、組織インピーダンス「Z」を時間「t」にわたって測定するように適合され、構成され得る。
図49は、アンビル151306(図44、図45)の歪みの経時的変化の例示的なグラフである。垂直(y)軸が歪みであり、水平(x)軸が時間である。例えば、ステープル留め中、アンビル151306の歪みは最初は大きいが、組織が定常状態に達し、アンビル151306に及ぼす圧力が小さくなると減少する。アンビル151306の歪みの変化率は、アンビル151306とステープルカートリッジ151304との間に把持された組織に加えられる圧力又は歪みを測定するために、アンビル151306及びステープルカートリッジ151304(図44、図45)のいずれか又はその両方の上に位置付けられる圧力センサ又は歪みゲージによって測定され得る。アンビル151306の歪みは、図49にグラフで表されるように経時的に測定され得る。時間「t」にわたる歪み「S」の変化率は、図49に示される曲線の勾配であり、勾配=ΔS/Δtである。
図50は、トリガ力の経時的変化の例示的なグラフである。垂直(y)軸がトリガ力であり、水平(x)軸が時間である。特定の実施例では、トリガ力は漸進的であり、臨床医に触覚フィードバックを提供する。したがって、時間0において、トリガ151320(図44)の圧力はその最も低い値にあってよく、トリガ圧力は、動作(例えば、掴持、切断、又はステープル留め)の完了まで増加し得る。トリガ力の変化率は、アンビル151306とステープルカートリッジ151304との間に把持された組織を貫通するようにナイフ151305(図45)を駆動するために必要な力を測定するために、器具151310(図44)のハンドル151319のトリガ151302上に位置付けられる圧力センサ又は歪みゲージによって測定することができる。トリガ151332力は、図50にグラフにより表されるように経時的に測定することができる。時間「t」にわたる歪みトリガ力「F」の変化率は、図50に示される曲線の勾配であり、勾配=ΔF/Δtである。
例えば、胃組織及び肺組織は、これらの組織が類似の厚さを有し得、また肺組織が石灰化した場合に類似の圧縮特性を有し得るとしても、区別することができる。胃組織及び肺組織は、顎部間隙距離、組織圧縮、加えられた力、組織接触面積、圧縮の変化率、及び顎部間隙の変化率を分析することによって見分けることができる。例えば、図51は、様々な組織の組織圧力「P」と、様々な組織の組織変位のグラフを示している。垂直(y)軸が組織圧力であり、水平(x)軸が組織変位である。組織圧力が0.50~100ポンド/平方インチ(psi))などの所定の閾値に達したとき、組織変位の量、並びに閾値に到達する前の組織変位率を使用して組織を区別することができる。例えば、血管組織は、結腸、肺、又は胃の組織よりも小さい組織変位及び速い変化率で既定の圧力閾値に到達する。加えて、血管組織の変化率(変位に対する組織圧力)は、閾値50~100psiにおいてほぼ漸近的であるが、結腸、肺、及び胃は、閾値50~100psiにおいて漸近的ではない。理解されるであろうが、例えば、1~1000psi、より好ましくは10~500psi、及びより好ましくは更に50~100psiなど、任意の圧力閾値が使用され得る。加えて、類似の粘弾性特性を有する組織タイプの更なる解決を提供するために、複数の閾値又は漸進的な閾値が使用され得る。
圧縮変化率はまた、組織が「正常」であるか否か、又は石灰化など、異常が存在するか否かをマイクロコントローラで判定することも可能にし得る。例えば、図52を参照すると、石灰化した肺組織の圧縮は、正常な肺組織の圧縮とは異なる曲線をたどる。したがって、組織変位及び組織変位の変化率は、石灰化肺組織を診断し、及び/又はそれを正常な肺組織と区別するために使用することができる。
加えて、特定の検出された測定値は、追加の知覚入力から利益を受けることがある。例えば、顎部間隙の場合、顎部が組織によってどのくらい覆われているかを知れば、間隙測定をより有用かつ正確にすることができる。顎部の小部分が組織によって覆われている場合、組織圧縮は、顎部全体が組織で覆われている場合よりも小さいように見えることがある。したがって、顎部被覆量は、組織圧縮及び他の検出されたパラメータを分析するとき、マイクロコントローラによって考慮され得る。
特定の状況では、経過時間もまた、重要なパラメータであり得る。検出されたパラメータと共に経過時間を測定すること及び微分係数パラメータ(例えば、変化率)は、更なる有用な情報をもたらす。例えば、設定期間(例えば、5秒)後に顎部間隙の変化率が一定のままである場合、このパラメータは漸近値に達している可能性がある。
変化率情報はまた、いつ定常状態に達したのかを判定し、プロセスの次の工程に信号を送るためにも有用である。例えば、掴持中、組織圧縮が定常状態に達すると、例えば、設定期間後に有意な変化率が発生しないと、マイクロコントローラは、ステープル発射など、動作の次の工程を開始するよう臨床医に警告する信号をディスプレイに送信し得る。或いは、マイクロコントローラは、定常状態に達したら、動作の次の工程(例えば、ステープル発射)を自動的に開始するように、プログラムされ得る。
同様に、インピーダンスの変化率は、アンビルの歪みと組み合わされて、力及び圧縮を関係付けることができる。変化率により、デバイスは、単に圧縮値を測定することが可能になるというよりはむしろ、組織タイプを決定することが可能になるであろう。例えば、胃及び肺は、ときに類似の厚さを有し、また肺が石灰化した場合に類似の圧縮特性さえも有する。
1つ又は2つ以上の検出されたパラメータと導出されたパラメータの組み合わせは、組織タイプ及び組織の健康状態のより信頼できかつ正確な評価をもたらし、より効果的なデバイス監視、制御、及び臨床医へのフィードバックを可能にする。
図53は、第1のセンサ152008a及び第2のセンサ152008bを備えるエンドエフェクタ152000の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152000は、上述したエンドエフェクタ150300に類似している。エンドエフェクタ152000は、第2の顎部材152004に枢動可能に結合された、第1の顎部材、すなわちアンビル152002を備える。第2の顎部材152004は、中にステープルカートリッジ152006を受容するように構成されている。ステープルカートリッジ152006は、複数のステープル(図示せず)を含む。複数のステープルは、外科手術中、ステープルカートリッジ152006から配備することが可能である。エンドエフェクタ152000は、第1のセンサ152008aを備える。第1のセンサ152008aは、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。例えば、一実施形態では、第1のセンサ152008aは、アンビル152002と第2の顎部材152004との間の間隙152010を測定するように構成されている。第1のセンサ152008aは、例えば、第2の顎部材152004及び/又はステープルカートリッジ152006に埋め込まれた磁石152012によって生成される磁界を検出するように構成されたホール効果センサを備えてもよい。別の例として、一実施形態では、第1のセンサ152008aは、第2の顎部材152004によって、及び/又はアンビル152002と第2の顎部材152004との間に掴持された組織によってアンビル152002に及ぼされる1つ又は2つ以上の力を測定するように構成される。
エンドエフェクタ152000は、第2のセンサ152008bを備える。第2のセンサ152008bは、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。例えば、様々な実施形態では、第2のセンサ152008bは、掴持された状態の間のアンビル152002の歪みの大きさを測定するように構成された歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。様々な実施形態では、例えば、第1のセンサ152008a及び/又は第2のセンサ152008bは、例えばホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、例えば渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又はエンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。第1のセンサ152008a及び第2のセンサ152008bは、直列構成及び/又は並列構成で配置されてもよい。直列構成では、第2のセンサ152008bは、第1のセンサ152008aの出力に直接影響するように構成されてもよい。並列構成では、第2のセンサ152008bは、第1のセンサ152008aの出力に間接的に影響するように構成されてもよい。
一実施形態では、第1のセンサ152008aによって測定される1つ又は2つ以上のパラメータは、第2のセンサ152008bによって測定される1つ又は2つ以上のパラメータと関連する。例えば、一実施形態では、第1のセンサ152008aは、アンビル152002と第2の顎部材152004との間の間隙152010を測定するように構成されている。間隙152010は、アンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に掴持された組織の一部分の厚さ及び/又は圧縮性を表す。第1のセンサ152008aは、例えば、第2の顎部材152004及び/又はステープルカートリッジ152006に結合された磁石152012によって生成される磁界を検出するように構成されたホール効果センサを備えてもよい。単一箇所での測定は、組織の校正された完全な噛み合いの場合の圧縮された組織の厚さを正確に表現するが、組織の部分的な噛み合いがアンビル152002と第2の顎部材152004との間に位置する場合、不正確な結果がもたらされる場合がある。組織の部分的な噛み合いは、近位の部分的噛み合い又は遠位の部分的噛み合いのどちらでも、アンビル152002の掴持の幾何学形状を変化させる。
いくつかの実施形態では、第2のセンサ152008bは、組織の噛み合いのタイプ、例えば完全な噛み合い、部分的な近位の噛み合い、及び/又は部分的な遠位の噛み合いを示す、1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第2のセンサ152008bの測定値は、近位又は遠位に位置付けられた部分的噛み合いにおける真の圧縮された組織の厚さを正確に表すように、第1のセンサ152008aの測定値を調節するのに使用されてよい。例えば、一実施形態では、第2のセンサ152008bは、掴持された状態の間のアンビルにおける歪みの大きさを監視するように構成された、例えば微小歪みゲージなどの歪みゲージを備える。アンビル152002の歪みの大きさは、近位又は遠位に位置付けられた部分的噛み合いにおける真の圧縮された組織の厚さを正確に表すように、第1のセンサ152008a、例えばホール効果センサの出力を修正するのに使用される。第1のセンサ152008a及び第2のセンサ152008bは、掴持動作の中、リアルタイムで測定されてもよい。リアルタイムの測定によって、時間ベースの情報を、例えば一次プロセッサ(例えばプロセッサ462(図12))によって分析することが可能になり、また組織の特徴及び掴持の位置付けを認識して組織の厚さの測定値を動的に調節するために、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを選択するのに使用することが可能になる。
いくつかの実施形態では、第1のセンサ152008aの厚さ測定値は、エンドエフェクタ152000に連結された外科用器具150010の出力装置に提供されてもよい。例えば、一実施形態では、エンドエフェクタ152000は、ディスプレイ(例、例えばディスプレイ473(図12))を備える外科用器具150010に連結されている。第1のセンサ152008aの測定値は、プロセッサに、例えば一次プロセッサに提供される。一次プロセッサは、第2のセンサ152008bの測定値に基づいて第1のセンサ152008aの測定値を調節して、アンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に掴持された組織の一部分の真の組織の厚さを反映させる。一次プロセッサは、調節された組織の厚さの測定値、及び完全な噛み合い又は部分的噛み合いの指示をディスプレイに対して出力する。操作者は、表示された値に基づいて、ステープルカートリッジ152006内でステープルを配備するか否かを判断してもよい。
いくつかの実施形態では、第1のセンサ152008a及び第2のセンサ152008bは、例えば、第1のセンサ152008aが患者の体内の治療部位に配置され、第2のセンサ152008bが患者の体外に配置されるなど、異なる環境に配置されてもよい。第2のセンサ152008bは、第1のセンサ152008aの出力を校正及び/又は修正するように構成されてもよい。第1のセンサ152008a及び/又は第2のセンサ152008bは、例えば、環境センサを備えてもよい。環境センサは、例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、及び/又は任意の他の好適な環境センサを備えてもよい。
図54は、第2のセンサ152008bからの入力に基づいて第1のセンサ152008aの測定値を調節するプロセス152020の一実施形態を示す論理図である。第1の信号152022aは、第1のセンサ152008aによって捕捉される。第1の信号152022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は他の任意の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の所定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号152022bは、第2のセンサ152008bによって捕捉される。第2の信号152022bは、1つ又は2つ以上の所定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号152022a及び第2の信号152022bは、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。プロセッサは、第2のセンサからの第2の信号152022bに基づいて、第1の信号152022aによって表されるような、第1のセンサ152008aの測定値を調節する。例えば、一実施形態では、第1のセンサ152008aはホール効果センサを備え、第2のセンサ152008bは歪みゲージを備える。第1のセンサ152008aの距離測定値を、第2のセンサ152008bによって測定される歪みの大きさによって調節して、エンドエフェクタ152000における組織の噛み合いの完全性が判定される。調節された測定値は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図55は、第2のセンサ152008bからの入力に基づいて第1のセンサ152008aのルックアップテーブルを決定するプロセス152030の一実施形態を示す論理図である。第1のセンサ152008aは、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを示す信号152022aを捕捉する。第1の信号152022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は他の任意の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の所定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号152022bは、第2のセンサ152008bによって捕捉される。第2の信号152022bは、1つ又は2つ以上の所定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号152022a及び第2の信号152022bは、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。プロセッサは、第2の信号の値に基づいて、1つ又は2つ以上の利用可能なルックアップテーブル152034a、152034bからルックアップテーブルを選択する。選択されたルックアップテーブルは、第1の信号を、アンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に位置する組織の厚さの測定値へと変換するのに使用される。調節された測定値は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図56は、第2のセンサ152008bからの入力に応答して第1のセンサ152008aを校正するプロセス152040の一実施形態を示す論理図である。第1のセンサ152008aは、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを示す信号152022aを捕捉するように構成されている。第1の信号152022aは、例えば、平滑化関数、ルックアップテーブル、及び/又は他の任意の好適な調整パラメータなど、1つ又は2つ以上の所定のパラメータに基づいて調整されてもよい。第2の信号152022bは、第2のセンサ152008bによって捕捉される。第2の信号152022bは、1つ又は2つ以上の所定の調整パラメータに基づいて調整されてもよい。第1の信号152022a及び第2の信号152022bは、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、第2の信号152022bに応答して第1の信号152022aを校正する152042。第1の信号152022aは、エンドエフェクタ152000における組織の噛み合いの完全性を反映するように校正される152042。校正された信号は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図57は、エンドエフェクタ152000のアンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に掴持された組織の一部分の厚さを判定し表示するプロセス152050の一実施形態を示す論理図である。プロセス152050は、例えば、アンビル152002の遠位先端に位置するホール効果センサを通して、ホール効果電圧152052を取得することを含む。ホール効果電圧152052は、アナログーデジタル変換器152054に提供され、デジタル信号に変換される。デジタル信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、ホール効果電圧152052信号の曲線入力を校正する152056。例えば、微小歪みゲージなどの歪みゲージ152058は、例えば、掴持動作の間にアンビル152002に及ぼされる歪みの大きさなど、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定された歪みは、デジタル信号に変換され152060、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、歪みゲージ152058によって測定された歪みに応答してホール効果電圧152052を調節することで、アンビル152002及びステープルカートリッジ152006によって掴持された組織の真の厚さ及びその噛み合いの完全性を反映させる。調節された厚さは、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
いくつかの実施形態では、外科用器具は、ロードセル又は負荷センサ152082を更に備えることができる。負荷センサ152082は、例えば、上述したシャフト組立体150200内に、又はこれもまた上述したハウジング150012内に配置することができる。図58は、エンドエフェクタ152000のアンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に掴持された組織の一部分の厚さを判定し表示するプロセス152070の一実施形態を示す論理図である。プロセスは、例えば、アンビル152002の遠位先端に位置するホール効果センサを通して、ホール効果電圧152072を取得することを含む。ホール効果電圧152072は、アナログーデジタル変換器152074に提供され、デジタル信号に変換される。デジタル信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、ホール効果電圧152072信号の曲線入力を校正する152076。例えば微小歪みゲージなどの歪みゲージ152078は、例えば、掴持動作中にアンビル152002に及ぼされる歪みの大きさなど、エンドエフェクタ152000の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定された歪みは、デジタル信号に変換され152080、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。負荷センサ152082は、ステープルカートリッジ152006に対するアンビル152002の掴持力を測定する。測定された掴持力は、デジタル信号に変換され152084、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、歪みゲージ152078によって測定された歪み及び負荷センサ152082によって測定された掴持力に応答して、ホール効果電圧152072を調節することで、アンビル152002及びステープルカートリッジ152006によって掴持された組織の真の厚さ及びその噛み合いの完全性を反映させる。調節された厚さは、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図59は、調節されたホール効果の厚さ測定値152092と無修正のホール効果の厚さ測定値152094との比較を示すグラフ152090である。単一のセンサでは遠位/近位の部分的な噛み合いを補正することができず、その結果として不正確な厚さの測定値がもたらされるため、図59に示されるように、無修正のホール効果の厚さ測定値152094は、より厚い組織測定値を示す。調節された厚さ測定値152092は、例えば、図57に示されるプロセス152050によって生成される。ホール効果の厚さ測定値152092は、例えば歪みゲージなど、1つ又は2つ以上の追加センサからの入力に基づいて校正される。調節されたホール効果の厚さ152092は、アンビル152002とステープルカートリッジ152006との間に位置する組織の真の厚さを反映する。
図60は、第1のセンサ152108a及び第2のセンサ152108bを備えるエンドエフェクタ152100の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152100は、図53に示されるエンドエフェクタ152000と類似している。エンドエフェクタ152100は、第2の顎部材152104に枢動可能に結合された第1の顎部材、すなわちアンビル152102を備える。第2の顎部材152104は、中にステープルカートリッジ152106を受容するように構成されている。エンドエフェクタ152100は、アンビル152102に結合された第1のセンサ152108aを備える。第1のセンサ152108aは、例えば、アンビル152102とステープルカートリッジ152106との間の間隙152110など、エンドエフェクタ152100の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。間隙152110は、例えば、アンビル152102とステープルカートリッジ152106との間に掴持された組織の厚さに相当し得る。第1のセンサ152108aは、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ152108aは、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ152100は、第2のセンサ152108bを備える。第2のセンサ152108bは、第2の顎部材152104及び/又はステープルカートリッジ152106に結合されている。第2のセンサ152108bは、エンドエフェクタ152100の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、第2のセンサ152108bは、例えば、第2の顎部材152104に結合されたステープルカートリッジ152106の色、ステープルカートリッジ152106の長さ、エンドエフェクタ152100の掴持状態、エンドエフェクタ152100及び/又はステープルカートリッジ152106、使用回数/残りの使用回数、並びに/或いは他の任意の好適な器具状態などの、1つ又は2つ以上の器具状態を検出するように構成されている。第2のセンサ152108bは、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は他の任意の好適なセンサなど、1つ又は2つ以上の器具状態を検出する任意の好適なセンサを備えてもよい。
エンドエフェクタ152100は、図54~57に示されるプロセスのいずれかと併せて使用されてもよい。例えば、一実施形態では、第2のセンサ152108bからの入力を使用して、第1のセンサ152108aの入力が校正されてもよい。第2のセンサ152108bは、例えば、ステープルカートリッジ152106の色及び/又は長さなど、ステープルカートリッジ152106の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されてもよい。ステープルカートリッジ152106の色及び/又は長さなど、検出されたパラメータは、例えば、カートリッジデッキの高さ、ステープルカートリッジに使用可能/最適な組織の厚さ、及び/又はステープルカートリッジ152106内におけるステープルのパターンなど、カートリッジの1つ又は2つ以上の特性に相当してもよい。ステープルカートリッジ152106の既知のパラメータを使用して、第1のセンサ152108aによって提供される厚さ測定値が調節されてもよい。例えば、ステープルカートリッジ152106がより高いデッキの高さを有する場合、第1のセンサ152108aによって提供される厚さ測定値は、追加のデッキ高さを補正するために低減されてもよい。調節された厚さは、例えば、外科用器具150010に結合されたディスプレイを通して、操作者に対して表示されてもよい。
図61は、第1のセンサ152158及び複数の第2のセンサ152160a、152160bを備えるエンドエフェクタ152150の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152150は、第1の顎部材、すなわちアンビル152152と、第2の顎部材152154とを備える。第2の顎部材152154は、ステープルカートリッジ152156を受容するように構成されている。アンビル152152は、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間に組織を掴持するため、第2の顎部材152154に対して枢動式に可動である。アンビルは、第1のセンサ152158を備える。第1のセンサ152158は、例えば、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間の間隙152110など、エンドエフェクタ152150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。間隙152110は、例えば、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間に掴持された組織の厚さに相当し得る。第1のセンサ152158は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ152158は、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ152150は、複数の二次センサ152160a、152160bを備える。二次センサ152160a、152160bは、エンドエフェクタ152150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、二次センサ152160a、152160bは、掴持処置の間にアンビル152152に及ぼされる歪みの大きさを測定するように構成されている。様々な実施形態では、二次センサ152160a、152160bは、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。二次センサ152160a、152160bは、アンビル152152の異なる位置における1つ又は2つ以上の同一のパラメータ、アンビル152152の同一の位置における異なるパラメータ、及び/又はアンビル152152の異なる位置における異なるパラメータを測定するように構成されてもよい。
図62は、複数の二次センサ152160a、152160bに応答して第1のセンサ152158の測定値を調節するプロセス152170の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、ホール効果電圧は、例えば、ホール効果センサによって取得される152172。ホール効果電圧は、アナログーデジタル変換器によって変換される152174。変換されたホール効果電圧信号が校正される152176。校正された曲線は、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間に位置する組織の一部分の厚さを表す。複数の二次測定値が、例えば複数の歪みゲージなど、複数の二次センサによって取得される152178a、152178b。歪みゲージの入力は、例えば、複数の電子μ歪み変換回路によって、1つ又は2つ以上のデジタル信号に変換される152180a、152180b。校正されたホール効果電圧及び複数の二次測定値は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、例えば、アルゴリズムの適用及び/又は1つ又は2つ以上のルックアップテーブルを適用することによって、二次測定値を利用してホール効果電圧を調節する152182。調節されたホール効果電圧は、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間に掴持された組織の真の厚さ及びその噛み合いの完全性さを表す。調節された厚さは、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図63は、第1のセンサ152158及び複数の二次センサ152160a、152160bからの信号を、例えば一次プロセッサなどのプロセッサが受信可能なデジタル信号に変換するように構成された回路152190の一実施形態を示している。回路152190は、アナログーデジタル変換器152194を備える。いくつかの実施形態では、アナログーデジタル変換器152194は、4チャネル18ビットのアナログ-デジタル変換器を備える。アナログーデジタル変換器152194は、1つ又は2つ以上の入力をアナログ信号からデジタル信号に変換する、任意の好適な数のチャネル及び/又はビットを備え得ることが当業者には認識されるであろう。回路152190は、例えばホール効果センサなど、第1のセンサ152158からの入力を受け入れるように構成された1つ又は2つ以上のレベルシフト抵抗152196を備える。レベルシフト抵抗152196は、第1のセンサからの入力を調節して、入力に応じて値を、より高い電圧へ、又はより低い電圧へとシフトさせる。レベルシフト抵抗152196は、第1のセンサ152158からのレベルシフトされた入力をアナログーデジタル変換器に提供する。
いくつかの実施形態では、複数の二次センサ152160a、152160bは、回路152190内の複数のブリッジ152192a、152192bに結合されている。複数のブリッジ152192a、152192bは、複数の二次センサ152160a、152160bからの入力のフィルタ処理を提供してよい。入力信号をフィルタ処理した後、複数のブリッジ152192a、152192bは、複数の二次センサ152160a、152160bからの入力をアナログ-デジタル変換器152194に提供する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のレベルシフト抵抗に結合されたスイッチ152198は、アナログ-デジタル変換器152194に結合されてもよい。スイッチ152198は、例えばホール効果センサからの入力など、1つ又は2つ以上の入力信号を校正するように構成されている。スイッチ152198は、例えばホール効果センサの入力を校正するなど、1つ又は2つ以上のレベルシフト信号を提供してセンサの1つ又は2つ以上の入力信号を調節するように係合されてもよい。いくつかの実施形態では、調節は必須ではなく、スイッチ152198は、レベルシフト抵抗を切り離すために開位置のままにされる。スイッチ152198は、アナログ-デジタル変換器152194に結合されている。アナログ-デジタル変換器152194は、例えば一次プロセッサなど、1つ又は2つ以上のプロセッサに出力を提供する。一次プロセッサは、アナログ-デジタル変換器152194からの入力に基づいて、エンドエフェクタ152150の1つ又は2つ以上のパラメータを計算する。例えば、一実施形態では、一次プロセッサは、1つ又は2つ以上のセンサ152158、152160a、152160bからの入力に基づいて、アンビル152152とステープルカートリッジ152156との間に位置する組織の厚さを計算する。
図64は、複数のセンサ152208a~152208dを備えるエンドエフェクタ152200の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152200は、第2の顎部材152204に枢動可能に結合されたアンビル152202を備える。第2の顎部材152204は、中にステープルカートリッジ152206を受容するように構成されている。アンビル152202は、その上に複数のセンサ152208a~152208dを備える。複数のセンサ152208a~152208dは、例えばアンビル152202など、エンドエフェクタ152200の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。複数のセンサ152208a~152208dは、1つ又は2つ以上の同一のセンサ及び/又は異なるセンサを備えてもよい。複数のセンサ152208a~152208dは、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサ、或いはそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、一実施形態では、複数のセンサ152208a~152208dは複数の歪みゲージを備えてもよい。
一実施形態では、複数のセンサ152208a~152208dにより、ロバストな組織の厚さの感知プロセスを実現することが可能になる。アンビル152202の長さに沿って様々なパラメータを検出することによって、複数のセンサ152208a~152208dが、例えば部分的な噛み合い又は完全な噛み合いなどの噛み合いにかかわらず、例えば外科用器具150010などの外科用器具が顎内における組織の厚さを計算することが可能になる。いくつかの実施形態では、複数のセンサ152208a~152208dは、複数の歪みゲージを備える。複数の歪みゲージは、アンビル152202の様々な地点において歪みを測定するように構成されている。アンビル152202の様々な地点それぞれにおける歪みの大きさ及び/又は勾配は、アンビル152202とステープルカートリッジ152206との間の組織の厚さを判定するために使用することができる。複数の歪みゲージは、組織の厚さ、組織配置、及び/又は物質の特性を判断するため、掴持の力学に基づいて、大きさ及び/又は勾配の最大差を最適化するように構成されてもよい。掴持の間における複数のセンサ152208a~152208dの時間ベースの監視によって、例えば一次プロセッサなどのプロセッサが、アルゴリズム及びルックアップテーブルを利用して、組織特徴及び掴持位置を認識し、エンドエフェクタ152200、及び/又はアンビル152202とステープルカートリッジ152206との間に掴持された組織を動的に調節することが可能になる。
図65は、複数のセンサ152208a~152208dに基づいて1つ又は2つ以上の組織の特性を判定するプロセス152220の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、複数のセンサ152208a~152208dは、エンドエフェクタ152200の1つ又は2つ以上のパラメータを示す複数の信号を生成する152222a~152222d。複数の生成された信号は、デジタル信号に変換され152224a~152224d、プロセッサに提供される。例えば、複数の歪みゲージを含む一実施形態では、複数の電子μ歪み(微小歪み)変換回路が、歪みゲージ信号をデジタル信号に変換する152224a~152224d。デジタル信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、複数の信号に基づいて、1つ又は2つ以上の組織の特徴を判定する152226。プロセッサは、アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを適用することによって、1つ又は2つ以上の組織の特徴を判定してもよい。1つ又は2つ以上の組織特徴は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって操作者に対して表示される152026。
図66は、第2の顎部材3254に結合された複数のセンサ152260a~152260dを備えるエンドエフェクタ152250の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152250は、第2の顎部材152254に枢動可能に結合されたアンビル152252を備える。アンビル152252は、例えば組織の一部分152264などの1つ又は2つ以上の物質を間に掴持するように、第2の顎部材152254に対して移動可能である。第2の顎部材152254は、ステープルカートリッジ152256を受容するように構成されている。第1のセンサ152258は、アンビル152252に結合されている。第1のセンサは、例えば、アンビル152252とステープルカートリッジ152256との間の間隙152110など、エンドエフェクタ152150の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。間隙152110は、例えば、アンビル152252とステープルカートリッジ152256との間に掴持された組織の厚さに相当し得る。第1のセンサ152258は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定する任意の好適なセンサを備えてもよい。例えば、様々な実施形態では、第1のセンサ152258は、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを備えてもよい。
複数の二次センサ152260a~152260dが、第2の顎部材152254に結合されている。複数の二次センサ152260a~152260dは、第2の顎部材152254及び/又はステープルカートリッジ152256と一体式に形成されてもよい。例えば、一実施形態では、複数の二次センサ152260a~152260dは、ステープルカートリッジ152256の外側列上に配設される(図67を参照のこと)。複数の二次センサ152260a~152260dは、エンドエフェクタ152250、及び/又はアンビル152252とステープルカートリッジ152256との間に掴持される組織の一部分152264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。複数の二次センサ152260a~152260dは、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサ、或いはそれらの組み合わせなど、エンドエフェクタ152250及び/又は組織の一部分152264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出する任意の好適なセンサを備えてよい。複数の二次センサ152260a~152260dは、同一のセンサ及び/又は異なるセンサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、複数の二次センサ152260a~152260dは、2つの目的を兼ねたセンサ及び組織安定化要素を備える。複数の二次センサ152260a~152260dは、例えば掴持動作中など、複数の二次センサ152260a~152260dが組織の一部分152264と係合されたとき、安定した組織状態を作り出すように構成された電極及び/又は感知形状を備える。いくつかの実施形態では、複数の二次センサ152260a~152260dのうち1つ又は2つ以上が、非感知型の組織安定化要素と置き換えられてもよい。二次センサ152260a~152260dは、掴持、ステープル留め、及び/又は他の治療プロセス中の、組織フロー、ステープル形成、及び/又は他の状態を制御することによって安定した組織状態を作り出す。
図67は、中に一体式に形成された複数のセンサ152272a~152272hを備えるステープルカートリッジ152270の一実施形態を示している。ステープルカートリッジ152270は、ステープルを中に格納する複数の穴を包含する複数の列を備える。外側列152278の穴のうち1つ又は2つ以上が、複数のセンサ152272a~152272hのうち1つと置き換えられる。センサワイヤ152276bに結合されたセンサ152272fを示すため、切欠き部分が示されている。センサワイヤ152276a、152276bは、複数のセンサ152272a~152272hを、例えば外科用器具150010など、外科用器具の1つ又は2つ以上の回路に結合するための複数のワイヤを備えてもよい。いくつかの実施形態では、複数のセンサ152272a~152272hのうち1つ又は2つ以上は、組織の安定化を提供するように構成された電極及び/又は感知形状を有する、2つの目的を兼ねたセンサ及び組織安定化要素を備える。いくつかの実施形態では、複数のセンサ152272a~152272hは、複数の組織安定化要素と置き換えられ、かつ/又は共同設置されてもよい。組織安定化は、例えば、掴持及び/又はステープル留めプロセスの間の、組織フロー及び/又はステープル形成を制御することによって提供されてもよい。複数のセンサ152272a~152272hは、外科用器具150010の1つ又は2つ以上の回路に信号を提供して、ステープル留め性能及び/又は組織の厚さの感知のフィードバックを向上させる。
図68は、例えば図66に示されるエンドエフェクタ152250などのエンドエフェクタ内で掴持された組織の一部分152264の1つ又は2つ以上のパラメータを判定するプロセス152280の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、第1のセンサ152258は、エンドエフェクタ152250、及び/又はアンビル152252とステープルカートリッジ152256との間に位置する組織の一部分152264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。第1の信号が、第1のセンサ152258によって生成される152282。第1の信号は、第1のセンサ152258によって検出される1つ又は2つ以上のパラメータを示す。1つ又は2つ以上の二次センサ152260は、エンドエフェクタ152250及び/又は組織の一部分152264の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。二次センサ152260は、第1のセンサ152258と同じパラメータ、追加のパラメータ、又はそれとは異なるパラメータを検出するように構成されてもよい。二次信号152284が、二次センサ152260によって生成される。二次信号152284は、二次センサ152260によって検出される1つ又は2つ以上のパラメータを示す。第1の信号及び二次信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。プロセッサは、二次センサ152260によって生成される入力に基づいて、第1のセンサ152258によって生成される第1の信号を調節する152286。調節された信号は、例えば、組織の一部分152264の厚さ及び噛み合いの完全性を示してもよい。調節された信号は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって操作者に対して表示される152026。
図69は、複数の冗長センサ152308a、152308bを備えるエンドエフェクタ152300の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152300は、第2の顎部材152304に枢動可能に結合された第1の顎部材、すなわちアンビル152302を備える。第2の顎部材152304は、中にステープルカートリッジ152306を受容するように構成されている。アンビル152302は、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に、例えば組織の一部分などの物質を把持するためにステープルカートリッジ152306に対して移動可能である。複数のセンサ152308a、152308bが、アンビルに結合されている。複数のセンサ152308a、152308bは、エンドエフェクタ152300、及び/又はアンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に位置する組織の一部分の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のセンサ152308a、152308bは、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間の間隙152310を検出するように構成されている。間隙152310は、例えば、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に位置する組織の厚さに相当し得る。複数のセンサ152308a、152308bは、例えば、第2の顎部材152304に結合された磁石152312によって生成される磁界を検出することによって、間隙を152310を検出してもよい。
いくつかの実施形態では、複数のセンサ152308a、152308bは、冗長センサを備える。冗長センサは、エンドエフェクタ152300、及び/又はアンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に位置する組織の一部分の同じ特性を検出するように構成されている。冗長センサは、例えば、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間の間隙152310を検出するように構成されたホール効果センサを備えてもよい。冗長センサは、例えば、一次プロセッサなどのプロセッサが、複数の入力を評価し、最も信頼性が高い入力を決定することを可能にする、1つ又は2つ以上のパラメータを表す信号を提供する。いくつかの実施形態では、冗長センサは、ノイズ、疑似信号、及び/又はドリフトを低減するために使用される。冗長センサはそれぞれ、掴持の間にリアルタイムで測定されて、時間ベースの情報を分析し、アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルが、組織特徴及び掴持の位置付けを動的に認識することを可能にしてもよい。冗長センサのうち1つ又は2つ以上の入力が、調節される、及び/又は選択されて、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に位置する組織の一部分の真の組織の厚さ及び噛み合いを識別してもよい。
図70は、例えば、図69に示される複数のセンサ152308a、152308bなど、複数の冗長センサから最も信頼性が高い出力を選択するプロセス152320の一実施形態を示す論理図である。一実施形態では、第1の信号が、第1のセンサ152308aによって生成される。第1の信号は、アナログ-デジタル変換器によって変換される152322a。1つ又は2つ以上の追加信号が、1つ又は2つ以上の冗長センサ152308bによって生成される。1つ又は2つ以上の追加信号は、アナログ-デジタル変換器によって変換される152322b。変換された信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、冗長入力を評価して、最も信頼性が高い出力を決定する152324。最も信頼性が高い出力は、例えば、アルゴリズム、ルックアップテーブル、追加センサからの入力、及び/又は器具状態など、1つ又は2つ以上のパラメータに基づいて選択されてもよい。最も信頼性が高い出力を選択した後、プロセッサは、例えば、アンビル152302とステープルカートリッジ152306との間に位置する組織の一部分の真の厚さ及び噛み合いを反映させるために、1つ又は2つ以上の追加センサに基づいて出力を調節してもよい。調節された最も信頼性が高い出力は、例えば、外科用器具150010に埋め込まれたディスプレイによって、操作者に対して表示される152026。
図71は、疑似信号を制限する、又は排除する固有のサンプリング率を備えるセンサ152358を備えるエンドエフェクタ152350の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152350は、第2の顎部材152354に枢動可能に結合された、第1の顎部材、すなわちアンビル152352を備える。第2の顎部材152354は、中にステープルカートリッジ152356を受容するように構成されている。ステープルカートリッジ152356は、アンビル152352とステープルカートリッジ152356との間に位置する組織の一部分に送達され得る複数のステープルを収容している。センサ152358は、アンビル152352に結合されている。センサ152358は、例えば、アンビル152352とステープルカートリッジ152356との間の間隙152364など、エンドエフェクタ152350の1つ又は2つ以上のパラメータを検出するように構成されている。間隙152364は、例えば組織の一部分などの物質の厚さ、及び/又はアンビル152352とステープルカートリッジ152356との間に位置する物質の噛み合いの完全性に対応し得る。センサ152358は、例えば、ホール効果センサなどの磁気センサ、歪みゲージ、圧力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ、及び/又は他の任意の好適なセンサなど、エンドエフェクタ152350の1つ又は2つ以上のパラメータを検出する任意の好適なセンサを備えてもよい。
一実施形態では、センサ152358は、第2の顎部材152354及び/又はステープルカートリッジ152356に結合された電磁波源152360によって生成される、磁界を検出するように構成された磁気センサを備える。電磁波源152360は、センサ152358によって検出される磁界を生成する。検出された磁界の強度は、例えば、アンビル152352とステープルカートリッジ152356との間に位置する組織の厚さ及び/又は噛み合いの完全性に対応し得る。いくつかの実施形態では、電磁波源152360は、例えば1MHzなど、既知の周波数で信号を生成する。他の実施形態では、電磁波源152360によって生成される信号は、例えば、第2の顎部材152354に設置されたステープルカートリッジ152356のタイプ、1つ又は2つ以上の追加センサ、アルゴリズム、及び/又は1つ若しくは2つ以上のパラメータに基づいて調節可能であってよい。
一実施形態では、信号プロセッサ152362は、例えばアンビル152352など、エンドエフェクタ152350に結合されている。信号プロセッサ152362は、センサ152358によって生成される信号を処理して、疑似信号を排除し、センサ152358からの入力を昇圧するように構成されている。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ152362は、例えば、外科用器具150010のハンドル150014内など、エンドエフェクタ152350とば別個に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ152362は、例えば一次プロセッサなどの汎用プロセッサと一体式に形成され、かつ/又は汎用プロセッサによって実行されるアルゴリズムを含む。信号プロセッサ152362は、電磁波源152360によって生成される信号の周波数と実質的に等しい周波数でセンサ152358の信号を処理するように構成されている。例えば、一実施形態では、電磁波源152360は1MHzの周波数で信号を生成する。信号は、センサ152358によって検出される。センサ152358は、信号プロセッサ152362に提供される検出された磁界を示す信号を生成する。信号は、1MHzの周波数で信号プロセッサ152362によって処理されて、疑似信号が排除される。処理された信号は、例えば一次プロセッサなどのプロセッサに提供される。一次プロセッサは、受信した信号を、例えば、アンビル152352とステープルカートリッジ152356との間の間隙152364など、エンドエフェクタ152350の1つ又は2つ以上のパラメータに相関させる。
図72は、例えば図71に示されるエンドエフェクタ152350など、エンドエフェクタのアンビルとステープルカートリッジとの間に位置する組織の一部分の厚さ測定値を生成するためのプロセス152370の一実施形態を示す論理図である。プロセス152370の一実施形態では、信号は、変調された電磁波源152360によって生成される152372。生成された信号は、例えば1MHzの信号を含んでもよい。磁気センサ152358は、電磁波源152360によって生成される信号を検出するように構成されている152374。磁気センサ152358は、検出された磁界を示す信号を生成し、その信号を信号プロセッサ152362に提供する。信号プロセッサ152362は、信号を処理して152376、ノイズの除去、疑似信号の除去、及び/又は信号の昇圧を行う。処理された信号は、デジタル信号に変換するため152378、アナログ-デジタル変換器に提供される。デジタル信号は、例えば、校正曲線入力アルゴリズム及び/又はルックアップテーブルの適用によって校正されてもよい152380。信号の処理152376、変換152378、及び校正152380は、1つ又は2つ以上の回路によって行われてもよい。校正された信号は、例えば、外科用器具150010と一体式に形成されたディスプレイによって、ユーザに対して表示される152026。
図73及び図74は、異なるタイプのステープルカートリッジ152406を識別するセンサ152408を備えるエンドエフェクタ152400の一実施形態を示している。エンドエフェクタ152400は、第2の顎部材又は細長いチャネル152404に枢動可能に結合された第1の顎部材又はアンビル152402を備える。細長いチャネル152404は、ステープルカートリッジ152406をその中で動作可能に支持するように構成されている。エンドエフェクタ152400は、近位領域に位置するセンサ152408を更に備える。センサ152408は、光センサ、磁気センサ、電気センサ、又は任意の他の好適なセンサのいずれかであり得る。
センサ152408は、ステープルカートリッジ152406の特性を検出し、それによってステープルカートリッジ152406のタイプを識別するように動作可能であり得る。図74は、センサ152408が光エミッタ/検出器152410である一例を示している。ステープルカートリッジ152406の本体は、色がステープルカートリッジ152406のタイプを識別するように、異なる色である場合がある。光エミッタ/検出器152410は、ステープルカートリッジ152406本体の色を問い合わせるように動作可能であり得る。例示される例では、光エミッタ/検出器152410は、等しい強度の赤色、緑色、及び青色スペクトルの反射光を受け取ることによって白色を検出することができる152412。光エミッタ/検出器152410は、緑色及び青色スペクトルの非常にわずかな反射光を受け取る一方で、より高い強度の赤色スペクトルの光を受け取ることによって赤色を検出することができる152414。
代替的に、又はそれに加えて、光エミッタ/検出器152410、又は別の好適なセンサ152408は、ステープルカートリッジ152406上の他の何らかの記号若しくは印を問い合わせ、識別することができる。記号又は印は、バーコード、形若しくは文字、色別の模様、又は任意の他の好適な印のいずれか1つであることができる。センサ152408によって読み取られた情報は、例えばマイクロコントローラ(例、例えばマイクロコントローラ461(図12))など、外科用デバイス150010のマイクロコントローラに通信することができる。マイクロコントローラは、ステープルカートリッジ152406に関する情報を器具の操作者に通信するように構成することができる。例えば、識別されたステープルカートリッジ152406が、所与の用途に対して適切でない場合があり、そのような場合、器具の操作者に通知することができ、かつ/又は器具の機能が不適切である。かかる例では、マイクロコントローラは任意選択で、外科用器具の機能を使用不能にするように構成することができる。代替的に、又はそれに加えて、マイクロコントローラは、外科用器具150010の操作者に、例えば、ステープルカートリッジ152406の長さなど、識別されたステープルカートリッジ152406のタイプのパラメータ、又は高さ及び長さなど、ステープルに関する情報を、通知するように構成することができる。
図75は、エンドエフェクタの顎部材153434に固定式に取り付けられるように構成されたセグメント化フレキシブル回路153430の一態様を例示する。セグメント化フレキシブル回路153430は、局所的な組織の存在の検出を提供するために、個々にアドレス指定可能なセンサを含む遠位セグメント153432a及び側方セグメント153432b、153432cを備える。セグメント153432a、153432b、153432cは、セグメント153432a、153432b、153432cの各々の内部に位置する個々のセンサに基づいて、組織を検出し、組織パラメータを測定するために個々にアドレス指定可能である。セグメント化フレキシブル回路153430のセグメント153432a、153432b、153432cは、顎部材153434に取り付けられ、かつ導電性素子153436を介して電気回路などのエネルギー源に電気的に結合される。ホール効果センサ153438又は任意の好適な磁気センサが、顎部材153434の遠位端に配置される。ホール効果センサ153438は、別途、図77に詳細に示される、それ以外では組織間隙と称され得る、顎部材153434によって画定された開口の測定値を提供するために磁石と共に機能する。セグメント化フレキシブル回路153430は、エンドエフェクタ内の組織の厚さ、力、変位、圧縮、組織インピーダンス、及び組織の場所を測定するために用いられてよい。
図76は、エンドエフェクタの顎部材153444に取り付けられるように構成されたセグメント化フレキシブル回路153440の一態様を例示する。セグメント化フレキシブル回路153440は、組織制御のために、個々にアドレス指定可能なセンサを含む遠位セグメント153442aと、側方セグメント153442b、153442cとを備える。セグメント153442a、153442b、153442cは、組織を処置するために、またセグメント153442a、153442b、153442cの各々の内部に位置する個々のセンサを読み取るために、個々にアドレス指定可能である。セグメント化フレキシブル回路153440のセグメント153442a、153442b、153442cは、顎部材153444に取り付けられ、かつ導電性素子153446を介してエネルギー源に電気的に結合される。ホール効果センサ153448又は他の好適な磁気センサが、顎部材153444の遠位端に設けられる。ホール効果センサ153448は、図77に詳細に示されるエンドエフェクタの顎部材153444によって画定された開口又は組織間隙の測定値を提供するために磁石と共に機能する。加えて、複数の側方の非対称型温度センサ153450a、153450bが、セグメント化フレキシブル回路153440上に取り付けられるか、又は形式的にそれと一体化されて組織温度フィードバックを制御回路に提供する。セグメント化フレキシブル回路153440は、エンドエフェクタ内の組織の厚さ、力、変位、圧縮、組織インピーダンス、及び組織の場所を測定するために用いられてよい。
図77は、組織間隙Gを測定するように構成されたエンドエフェクタ153460の一態様を例示する。エンドエフェクタ153460は、顎部材153462及び顎部材153444を備える。図76に説明されるフレキシブル回路153440が、顎部材153444に取り付けられる。フレキシブル回路153440は、組織間隙Gを測定するために、顎部材153462に取り付けられた磁石153464と共に機能するホール効果センサ153448を備える。このような技法は、顎部材153444と顎部材153462との間に画定された開口を測定するために利用することができる。顎部材153462は、ステープルカートリッジであってもよい。
図78は、セグメント化フレキシブル回路153468を含むエンドエフェクタ153470の一態様を例示する。エンドエフェクタ153470は、顎部材153472及びステープルカートリッジ153474を備える。セグメント化フレキシブル回路153468は、顎部材153472に取り付けられる。セグメント1~5の内部に配設されたセンサの各々は、顎部材153472とステープルカートリッジ153474との間に位置付けられた組織の存在を検出し、組織区域1~5を表すように構成されている。図78に示された構成では、エンドエフェクタ153470は、顎部材153472とステープルカートリッジ153474との間に組織を受容するか、又は把持する準備ができている開放位置で示されている。セグメント化フレキシブル回路153468は、エンドエフェクタ153470内の組織の厚さ、力、変位、圧縮、組織インピーダンス、及び組織の場所を測定するために用いられてよい。
図79は、顎部材153472が、顎部材153472、例えばアンビルとステープルカートリッジとの間に組織153476を掴持している、図78に示されるエンドエフェクタ153470を例示する。図79に示されるように、組織153476は、セグメント1~3の間に位置決めされ、組織区域1~3を表す。したがって、組織153476は、セグメント1~3内のセンサによって検出され、組織の不在(空の状態)が、セグメント4~5によって区間153469において検出される。特定のセグメント1~3及び4~5内に位置決めされた組織153476の存在及び不在に関する情報は、それぞれ、例えばインターフェース回路を介して本明細書に説明されるような制御回路に伝達される。制御回路は、セグメント1~3内に位置する組織を検出するように構成されている。セグメント1~5は、ある特定のセグメント1~5内に位置する組織の組織パラメータを測定するための任意の好適な温度、力/圧力、及び/又はホール効果磁気センサと、ある特定のセグメント1~5内に位置する組織にエネルギーを送達するための電極とを収容してもよいことが理解されよう。セグメント化フレキシブル回路153468は、エンドエフェクタ153470内の組織の厚さ、力、変位、圧縮、組織インピーダンス、及び組織の場所を測定するために用いられてよい。
図80は、本開示による、外科用器具又はシステムと共に使用することができる絶対位置決めシステム153100の図である。絶対位置決めシステム153100は、本開示の少なくとも一態様による、センサ機構153102を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム153100用のセンサ機構153102は、変位部材153111の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材153111は、切断器具又はナイフ(例えば、切断器具、Iビーム、及び/又はIビーム153514(図82))に連結された長手方向に可動な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材153111は、駆動歯のラックを含むように適合され構成され得る、切断器具又はナイフに連結された発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材153111は、発射バー又はIビームを表しており、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され構成され得る。
したがって、本明細書で使用されるとき、変位部材という用語は、駆動部材、発射部材、発射バー、切断器具、ナイフ、及び/若しくはIビーム、又は変位され得る任意の要素などの、外科用器具又はシステムの任意の可動部材を総じて指すために使用される。したがって、絶対位置決めシステム153100は、実際には、長手方向に可動な駆動部材の変位を追跡することによって、Iビーム153514(図82)の変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材153111は、変位を測定するために好適な任意のセンサに結合されてもよい。したがって、長手方向可動駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な変位センサに連結され得る。変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又は固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、或いはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
電気モータ153120は、変位部材153111上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリ153114と動作可能に連携する回転式シャフト153116を含み得る。センサ素子153126は、センサ素子153126の1回転が、変位部材153111のいくらかの直線の長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリ153114に動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ153118の構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源153129は、絶対位置決めシステム153100に電力を供給し、出力インジケータ153128は、絶対位置決めシステム153100の出力を表示することができる。
位置センサ153112と関連付けられたセンサ素子153126の1回転は、変位部材153111の長手方向変位dに相当し、dは、変位部材153111に連結されたセンサ素子153126が1回転した後、変位部材153111が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の距離である。センサ機構153102は、位置センサ153112が変位部材153111のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ153112は、変位部材153111のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
位置センサ153112の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ153122a~153122n(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、又はギア減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチ153122a~153122nの状態はコントローラ153110にフィードバックされ、コントローラは論理を適用して、変位部材153111の長手方向の変位d+d+...dに対応する固有の位置信号を決定する。位置センサ153112の出力153124は、コントローラ153110に提供される。センサ機構153102の位置センサ153112は、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、アナログホール効果素子のアレイを備えてもよく、これらは位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する。コントローラ153110は、マスターコントローラ内に収容されてもよく、又は本開示による外科用器具又はシステムの器具装着部ハウジング内に収容されてもよい。
絶対位置決めシステム153100は、モータ153120が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材153111をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、外科用器具又はシステムの電源投入時に変位部材153111の絶対位置を提供する。
コントローラ153110は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、コントローラ153110は、プロセッサ153108及びメモリ153106を含む。電気モータ153120は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムに対する機械的連結部を備えたブラシ付きDCモータであってもよい。一態様では、モータ駆動器153110は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステム153100で使用するために容易に置き換えることができる。
コントローラ153110は、変位部材153111及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密な制御を提供するようにプログラムされてもよい。コントローラ153110は、コントローラ153110のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質を、測定による応答と釣り合わせる好適な同調された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
絶対位置決めシステム153100は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれらを実装するようにプログラムされてもよい。電源153129は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は、電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のパルス幅変調(PWM)が挙げられる。位置センサ153112で測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数可)153118が設けられてもよい。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステム153100がデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステム153100の出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステム153100は、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
モータ駆動器153110は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941駆動器153110は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。駆動器153110は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を提供するために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動器を、絶対位置決めシステム153100で使用するために容易に置き換えることができる。
図81は、本開示の少なくとも一態様による、磁気回転絶対位置決めシステムを備える、絶対位置決めシステム153100’用の位置センサ153200の図である。絶対位置決めシステム153100’は、多くの点で絶対位置決めシステム153100と類似している。位置センサ153200は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ153200は、コントローラ153110と連携して絶対位置決めシステム153100’を提供する。位置センサ153200は、低電圧低出力の構成要素であり、例えば、ナイフ駆動ギア及び/又は閉鎖駆動ギアなどの変位部材と関連付けられた回転要素上に位置決めされた磁石の上方に位置する位置センサ153200の領域153230に、4つのホール効果素子153228A、153228B、153228C、153228Dを含み、それにより、発射部材及び/又は閉鎖部材の変位を精密に追跡することができる。高解像度ADC 153232及びスマート電力管理コントローラ153238もまた、チップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照操作のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、1桁毎の方法とボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、CORDICプロセッサ153236(座標回転デジタルコンピュータの略)が設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、SPIインターフェース153234などの標準的なシリアル通信インターフェースを介してコントローラ153110に伝送される。位置センサ153200は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ153200は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
ホール効果素子153228A、153228B、153228C、153228Dは、回転磁石のすぐ上に設置されている。ホール効果は、周知の効果であり、便宜上、本明細書では詳細に説明されないが、一般に、ホール効果は、導体内の電流を横断する電気導体と、電流に直交する磁場との間の電圧差(ホール電圧)を生成する。ホール係数は、誘導電場と、電流密度に印加磁場を掛けたものとの比として定義される。その値は、電流を構成する電荷キャリアの種類、個数、及び特性に依存するので、ホール係数は、導体を作る材料の特徴を示す。AS5055位置センサ153200において、ホール効果素子153228A、153228B、153228C、153228Dは、磁石の絶対位置を、磁石の1回転にわたる角度で示す電圧信号を生成することが可能である。この角度値は固有の位置信号であり、CORDICプロセッサ153236によって計算され、レジスタ又はメモリ内にAS5055位置センサ153200のオンボードで記憶される。一回転にわたる磁石の位置を示す角度値は、例えば電源投入時に、又はコントローラ153110によって要求されたときに、様々な技術でコントローラ153110に提供される。
AS5055位置センサ153200は、コントローラ153110に接続されているときは、動作するために少数の外部構成要素のみを必要とする。単一の電源を使用する単純な用途には、6本のワイヤ、すなわち電力用に2本のワイヤ、及びコントローラ153110とのSPIインターフェース153234用に4本のワイヤ153240が必要とされる。割り込みをコントローラ153110に送信して、新たな有効な角度が読み込まれ得ることを知らせるために、7番目の接続が加えられてもよい。電源投入時に、AS5055位置センサ153200は、1回の角度測定を含む全ての電源投入シーケンスを実施する。このサイクルの完了は、INT出力153242として示され、角度値は、内部レジスタに記憶される。この出力が設定されると、AS5055位置センサ153200は一時停止してスリープモードに移る。コントローラ153110は、SPIインターフェース153234を介してAS5055位置センサ153200から角度値を読み取ることによって、INT出力153242におけるINT要求に応答することができる。コントローラ153110によって角度値が読み取られると、INT出力153242が再びクリアされる。また、コントローラ153110によるSPIインターフェース153234によって、「角度読み取り」コマンドを位置センサ153200に送信すると、チップが自動的に電源投入され、別の角度測定が開始される。コントローラ153110が角度値の読み取りを完了すると、直ちに、INT出力153242がクリアされ、新たな結果が角度レジスタに記憶される。角度測定の完了は、INT出力153242及びステータスレジスタの対応するフラグを設定することによって再度示される。
AS5055位置センサ153200の測定原理により、単一の角度測定のみが、各電源投入シーケンス後のごく短い時間で(~600μs)実施される。1つの角度の測定が完了するとすぐに、AS5055位置センサ153200は一時停止して電源オフ状態に遷移する。デジタル平均化による角度値のオンチップフィルタリングは、複数回の角度測定を必要とし、その結果、電源投入時間がより長くなり、低電力用途には望ましくないので、このオンチップフィルタリングは実施されない。角度のジッターは、コントローラ153110内でいくつかの角度サンプルを平均化することによって低減され得る。例えば、4つのサンプルを平均化すると、ジッターは、6dB(50%)低減する。
図82は、本開示の少なくとも一態様による、エンドエフェクタ153502内に把持された組織153526に対するIビーム153514の発射ストロークを示すエンドエフェクタ153502の断面図である。エンドエフェクタ153502は、本開示による外科用器具又はシステムのいずれかと共に動作するように構成されている。エンドエフェクタ153502は、アンビル153516及び細長いチャネル153503を備え、ステープルカートリッジ153518が細長いチャネル153503内に位置付けられている。発射バー153520は、エンドエフェクタ153502の長手方向軸153515に沿って遠位及び近位に並進可能である。エンドエフェクタ153502が関節運動していないとき、エンドエフェクタ153502は、器具のシャフトと一直線になっている。切刃153509を含むIビーム153514が、発射バー153520の遠位部分に図示されている。楔形スレッド153513は、ステープルカートリッジ153518内に位置付けられている。Iビーム153514が遠位に並進すると、切刃153509が、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間に位置決めされた組織153526に接触し、それを切断し得る。また、Iビーム153514は、楔形スレッド153513に接触し、それを遠位に押し、楔形スレッド153513をステープルドライバ153511に接触させる。ステープルドライバ153511は、テープル153505内に入るように押し上げられ、ステープル153505を、組織を貫通しアンビル153516内に画定されたポケット153507内に進ませ、このポケットがステープル153505を成形する。
例示的なIビーム153514の発射ストロークは、エンドエフェクタ153502と整列されてチャート153529によって図示されている。例示的な組織153526もまた、エンドエフェクタ153502と整列されて示されている。発射部材のストロークは、ストローク開始位置153527及びストローク終了位置153528を含み得る。Iビーム153514の発射ストローク中、Iビーム153514は、ストローク開始位置153527からストローク終了位置153528まで遠位に前進してよい。Iビーム153514は、ストローク開始位置153527の1つの例示的な場所で示されている。Iビーム153514の発射部材ストロークチャート153529は、5つの発射部材ストローク領域153517、153519、153521、153523、153525を例示する。第1の発射ストローク領域153517では、Iビーム153514は、遠位に前進し始め得る。第1の発射ストローク領域153517では、Iビーム153514は、楔形スレッド153513に接触し、それを遠位に移動させ始め得る。しかしながら、第1の領域にある間、切刃153509は、組織に接触しない場合もあり、楔形スレッド153513が、ステープルドライバ153511に接触しない場合もある。静止摩擦に打ち勝った後は、第1の領域153517内のIビーム153514を駆動する力は、実質的に一定であり得る。
第2の発射部材ストローク領域153519では、切刃153509は、組織153526に接触して切断し始めてよい。また、楔形スレッド153513は、ステープル153505を駆動するためにステープルドライバ153511に接触し始め得る。Iビーム153514を駆動する力は、上昇し始めてよい。示されるように、最初にぶつかった組織は、アンビル153516がステープルカートリッジ153518に対して枢動する方式のために、圧縮され得る、及び/又はより薄くなる場合がある。第3の発射部材ストローク領域153521では、切刃153509は、組織153526と連続的に接触し、切断してよく、楔形スレッド153513は、ステープルドライバ153511に繰り返し接触し得る。Iビーム153514を駆動する力は、第3の領域153521内では横ばい状態であり得る。第4の発射ストローク領域153523によって、Iビーム153514を駆動する力は、低下し始め得る。例えば、第4の発射領域153523に対応するエンドエフェクタ153502の部分における組織は、アンビル153516の枢動点により近い組織ほど圧縮されず、切断するのにより少ない力しか必要とされない場合がある。また、切刃153509及び楔形スレッド153513は、第4の領域153523にある間、組織153526の端に到達し得る。Iビーム153514が第5の領域153525に到達すると、組織153526は、完全に切断されてよい。楔形スレッド153513は、組織の端又はその近くで1つ又は2つ以上のステープルドライバ153511に接触し得る。Iビーム153514を第5の領域153525を通過するように前進させる力は低減されてよく、いくつかの例では、第1の領域153517内のIビーム153514を駆動する力と同程度であってよい。発射部材のストロークの終わりに、Iビーム153514は、ストローク終了位置153528に到達し得る。図82の発射部材のストローク領域153517、153519、153521、153523、153525の位置付けは、単なる一例である。いくつかの例では、例えば、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間の組織の位置付けに基づいて、異なる領域が、エンドエフェクタの長手方向軸153515に沿った異なる位置で開始してもよい。
上記で論じたように、及びここで図80~図82を参照すると、エンドエフェクタ153502内に捕捉された組織をステープル留め及び/又は切開するために、外科用器具のマスターコントローラ内に位置決めされた電気モータ153120を利用して、Iビーム153514を含めた、シャフト組立体の発射システムを、シャフト組立体のエンドエフェクタ153502に対して前進させる、及び/又は後退させることができる。Iビーム153514は、所望の速度で、又は所望の速度の範囲内で前進される、又は後退されてよい。コントローラ153110は、Iビーム153514の速度を制御するように構成され得る。コントローラ153110は、例えば、電圧及び/若しくは電流などの、電気モータ153120に供給される電力の様々なパラメータ、並びに/又は電気モータ153120の他の動作パラメータ若しくは外部の影響に基づいて、Iビーム153514の速度を予測するように構成され得る。コントローラ153110はまた、電気モータ153120に供給される電流及び/又は電圧の以前の値、並びに/或いは速度、加速度、及び/又は位置など、システムの以前の状態に基づいて、Iビーム153514の現在の速度を予測するように構成され得る。コントローラ153110は、本明細書に記載される絶対位置決めセンサシステムを利用して、Iビーム153514の速度を感知するように構成され得る。コントローラは、Iビーム153514の予測された速度と、Iビーム153514の感知された速度とを比較して、電気モータ153120への電力を、Iビーム153514の速度を増加させるために増加させるべきか否か、及び/又はIビーム153514の速度を低下させるために減少させるべきか否かを判定するように構成され得る。
Iビーム153514に作用する力は、様々な技術を使用して判定され得る。Iビーム153514の力は、モータ153120の電流を測定することによって判定されてよく、モータ153120の電流は、遠位に前進するときのIビーム153514が受ける負荷に基づいている。Iビーム153514の力は、駆動部材、発射部材、Iビーム153514、発射バー上、及び/又は切刃153509の近位端上に歪みゲージを位置決めすることによって判定され得る。Iビーム153514の力は、所定の経過期間T後にモータ153120の現在の設定速度に基づいて予測された速度で移動するIビーム153514の実際の位置を監視し、Iビーム153514の実際の位置を、期間T終了時のモータ153120の現在の設定速度に基づくIビーム153514の予測位置と比較することによって判定されてもよい。したがって、Iビーム153514の実際の位置が、Iビーム153514の予測された位置に満たない場合、Iビーム153514上の力は、公称力よりも大きい。逆に、Iビーム153514の実際の位置が、Iビーム153514の予期される位置を超過する場合、Iビーム153514上の力は、公称力よりも小さい。Iビーム153514の実際の位置と予想された位置との差は、公称力からのIビーム153514上の力の偏差に比例する。
閉鎖管及び発射部材の閉ループ制御技術の説明を参照する前に、説明は、図83を簡単に参照する。図83は、閉鎖段階における厚い組織及び薄い組織上で閉鎖するように閉鎖部材に加えられる力を描く2つの閉鎖力(FTC)プロット153606、153608を描くグラフ153600と、発射段階における厚い組織及び薄い組織を貫通するように発射するように発射部材に加えられる力を描く2つの発射力(FTF)プロット153622、153624を描くグラフ153601である。図83を参照すると、グラフ153600は、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間に把持された組織に対してエンドエフェクタ153502を閉鎖するために、閉鎖ストローク中に厚い組織及び薄い組織に加えられる力の例を描いており、この場合、閉鎖力は、時間の関数としてプロットされている。閉鎖力プロット153606、153608は、2つの軸上にプロットされている。縦軸153602は、ニュートン(N)単位のエンドエフェクタ153502の閉鎖力(FTC)を示す。横軸153604は、秒単位で時間を示し、説明を明確にするために、t~t13でラベル付けされている。第1の閉鎖力プロット153606は、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間に把持された組織に対してエンドエフェクタ153502を閉鎖するために閉鎖ストローク中に厚い組織に加えられる力の例であり、第2のプロット153608は、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間に把持された組織に対してエンドエフェクタ153502を閉鎖するために閉鎖ストローク中に薄い組織に加えられる力の例である。第1の閉鎖力プロット153606及び第2の閉鎖力プロット153608は、3つの段階、すなわち、閉鎖ストローク(閉鎖)、待機区間(待機)、及び発射ストローク(発射)に分割される。閉鎖ストロークの間、閉鎖管は、閉鎖モータによる閉鎖ストロークの作動に応答して、例えば、ステープルカートリッジ153518に対してアンビル153516を移動させるために遠位(方向「DD」)に並進される。他の例では、閉鎖ストロークは、閉鎖モータの作動に応答して、アンビル153516に対してステープルカートリッジ153518を移動させることを伴い、他の例では、閉鎖ストロークは、閉鎖モータの作動に応答して、ステープルカートリッジ153518と、アンビル153516を移動させることを伴う。第1の閉鎖力プロット153606を参照すると、閉鎖ストロークにおける閉鎖力153610は、0から最大力Fまで、時間t~tで増加する。第2の閉鎖力グラフ153608を参照すると、閉鎖ストローク中の閉鎖力153616は、0から最大力Fまで、時間t~tで増加する。最大力FとFとの間の相対差は、薄い組織に対する厚い組織に必要な閉鎖力の差に起因するものであり、薄い組織に対して、厚い組織上でアンビルを閉鎖するためにより大きな力が必要とされる。
第1の閉鎖力プロット153606及び第2の閉鎖力プロット153608は、エンドエフェクタ153502内の閉鎖力が、時間(t)で終了する初期掴持期間の間増加することを示す。閉鎖力は、時間(t)で最大力(F、F)に到達する。初期把持期間は、例えば、約1秒であり得る。待機区間が、発射ストロークを開始する前に適用され得る。待機区間は、エンドエフェクタ153502によって圧縮された組織からの流体排出を可能にし、これは、圧縮された組織の厚さを減少させ、アンビル153516とステープルカートリッジ153518との間のより小さい間隙及び待機区間終了時のより低下した閉鎖力をもたらす。第1の閉鎖力プロット153606を参照すると、t~tの待機区間中にFからFへの閉鎖力153612のわずかな低下が生じている。同様に、第2の閉鎖力プロット153608を参照すると、閉鎖力153618は、t~tの待機区間中にFからFにわずかに低下する。いくつかの実施例では、約10秒~約20秒の範囲から選択される待機区間(t~t)が典型的に用いられる。第1の閉鎖力プロット153606及び第2の閉鎖力プロット153608の例では、約15秒の期間が用いられる。待機区間の後は、発射ストロークであり、これは、例えば、約3秒から、例えば、約5秒までの範囲から選択される期間で持続する。閉鎖力は、Iビーム153514が、発射ストロークの間エンドエフェクタに対して前進されると、減少する。第1の閉鎖力プロット153606及び第2の閉鎖力プロット153608の閉鎖力153614、153620によって示されるように、閉鎖管に及ぼされる閉鎖力153614、153620は、およそ時間t~およそ時間tまで急激に低下する。時間tは、Iビーム153514がアンビル153516内に結合し、閉鎖負荷を受け始める瞬間を表す。したがって、閉鎖力は、第1の発射力プロット153622及び第2の発射力プロット153624によって示されるように、発射力が増加するとき、減少する。
図83はまた、本開示による外科用器具又はシステムの発射ストローク中にIビーム153514を前進させるために加えられる力をプロットする第1の発射力プロット153622及び第2の発射力プロット153624のグラフ153601を図示する。発射力プロット153622、153624が、2つの軸上にプロットされる。縦軸153626は、発射ストローク中にIビーム153514を前進させるために適用されるニュートン(N)単位の発射力を示す。Iビーム153514は、ナイフ又は切断要素を前進させ、発射ストローク中にステープルを配備するためにドライバを推進するように構成されている。横軸153605は、上のグラフ153600の横軸153604と同じ時間スケールでの秒単位の時間を示す。
先に記載したように、閉鎖管力は、時間t~およそ時間tで急激に低下し、この時間は、第1の発射力プロット153622及び第2の発射力プロット153624によって示されるように、Iビーム153514がアンビル153516内に結合し、負荷を受け始め、発射力が増加する際に閉鎖力が減少する瞬間を表している。Iビーム153514は、時間tでのストローク開始位置から、薄い組織に対する発射力プロット153624のt~t、及び厚い組織に対する発射力プロット153622のt13のストローク終了位置まで前進させられる。Iビーム153514が発射ストローク中に遠位に前進させられると、閉鎖組立体は、発射組立体に対するステープルカートリッジ153518及びアンビル153516の制御を放棄し、これにより、発射力を増加させ、閉鎖力を減少させる。
発射区間(発射)中の厚い組織の発射力プロット153622では、プロット153622は、3つの別個のセグメントに分割される。第1のセグメント153628は、tでの0からtの直前にピーク力F’まで増加するときの発射力を示す。第1のセグメント153628は、Iビーム153514が組織に接触するまで、Iビーム153514が閉鎖傾斜路の頂部から遠位に前進する、発射ストロークの初期段階における発射力である。第2のセグメント153630は、発射ストロークの第2の段階における発射力を示しており、Iビーム153514は、遠位に前進し、ステープルを配備し、組織を切断する。発射ストロークの第2の段階において、発射力は、およそt12でF’からF’まで低下する。第3のセグメント153632は、発射ストロークの第3の、すなわち最終段階における発射力を示しており、Iビーム153514は、組織を離れて、組織が存在しない区域内のストロークの終わりまで前進する。発射ストロークの第3の段階において、発射力は、Iビーム153514がストロークの終わりに到達する、およそt13でF’からゼロ(0)まで低下する。要約すると、発射ストローク中、発射力は、Iビーム153514が組織区域に進入するとき劇的に上昇し、ステープル留め及び切断動作中は組織区域内で徐々に減少し、Iビーム153514が組織区域を出て、ストロークの終わりに組織が存在しない区域に入るとき劇的に低下する。
薄い組織の発射力プロット153624は、厚い組織の発射力プロット153622と同様のパターンをたどる。したがって、発射ストロークの第1の段階において、発射力153634は、およそtで0からF’まで劇的に増加する。発射ストロークの第2の段階において、発射力153636は、F’から、およそtでのF’まで一様に低下する。発射ストロークの最終段階では発射力153638は、t~tでF’から0まで劇的に低下する。
第1の発射力プロット153622及び第2の発射力プロット153624に示されるように、Iビーム153514がアンビル153516内に結合し、負荷を受け始め、発射力が増加するときに閉鎖力が減少する瞬間を表す時間t~およそ時間tの閉鎖力の急激な低下を克服するために、閉鎖管は、Iビーム153514などの発射部材が遠位に前進させられている間、遠位に前進させられてよい。閉鎖管は、アンビル153516に閉鎖力を加える伝達要素として表される。本明細書に説明されるように、制御回路は、モータ設定値をモータ制御部に適用し、これが、モータ制御信号をモータに適用して伝達要素を駆動させ、閉鎖管を遠位に前進させて、アンビル153516に閉鎖力を加える。モータの出力シャフトに結合されたトルクセンサは、閉鎖管に加えられる力を測定するために使用され得る。他の態様では、閉鎖力は、歪みゲージ、ロードセル、又は他の好適な力センサで測定され得る。
図84は、本開示の少なくとも一態様による、発射部材(例えば、Iビーム153514)が遠位に前進し、掴持アーム(例えば、アンビル153516)内に結合したときに、閉鎖部材(例えば、閉鎖管)に対する漸進的な閉鎖を行うことで、閉鎖部材上の閉鎖力負荷を所望の比率で低下させ、発射部材上の発射力負荷を減少させるように構成された制御システム153950の図である。一態様では、制御システム153950は、ネスト化PIDフィードバックコントローラとして実装されてもよい。PIDコントローラは、所望の設定点と測定されたプロセス変数との間の差として誤差値を連続的に計算するための制御ループフィードバック機構(コントローラ)であり、比例、積分、及び微分項(それぞれP、I、及びDで示される場合がある)に基づいて補正を適用する。ネスト化PIDコントローラフィードバック制御システム153950は、一次(外側)フィードバックループ153954内の一次コントローラ153952と、二次(内側)フィードバックループ153956内の二次コントローラ153955とを含む。一次コントローラ153952は、図84に示されるようなPIDコントローラ153972であってもよく、二次コントローラ153955もまた、図85に示されるようなPIDコントローラ153972であってもよい。一次コントローラ153952は、一次プロセス153958を制御し、二次コントローラ153955は二次プロセス153960を制御する。一次プロセス153958の出力153966(出力)は、第1の加算器153962によって一次設定値SPから減算される。第1の加算器153962は、一次コントローラ153952に適用される単一の和出力信号を生成する。一次コントローラ153952の出力は、二次設定値SPである。二次プロセス153960の出力153968は、第2の加算器153964によって二次設定値SPから減算される。
閉鎖管の変位を制御する文脈においては、制御システム153950は、一次設定値SPが所望の閉鎖力値であり、一次コントローラ153952が、閉鎖モータの出力に結合されたトルクセンサから閉鎖力を受け取り、閉鎖モータの設定値SPのモータ速度を決定するように構成されるように構成されてよい。他の態様では、閉鎖力は、歪みゲージ、ロードセル、又は他の好適な力センサで測定され得る。閉鎖モータの速度設定値SPは、二次コントローラ153955によって決定される閉鎖管の実際の速度と比較される。閉鎖管の実際の速度は、位置センサを用いた閉鎖管の変位の測定と、タイマー/カウンタを用いた経過時間の測定とを比較することによって測定され得る。リニアエンコーダ又は回転エンコーダなどの他の技術を用いて、閉鎖管の変位を測定することができる。二次プロセス153960の出力153968は、閉鎖管の実際の速度である。この閉鎖管の速度出力153968は、閉鎖管に作用する力を決定する一次プロセス153958に提供され、測定された閉鎖力を一次設定値SPから減算する加算器153962にフィードバックされる。一次設定値SPは、上限閾値又は下限閾値であってもよい。加算器153962の出力に基づいて、一次コントローラ153952は閉鎖管モータの速度及び方向を制御する。二次コントローラ153955は、二次プロセス153960によって測定された閉鎖管の実際の速度と、実際の発射力と発射力の上限及び下限閾値との比較を元にした二次設定値SPとに基づいて、閉鎖モータの速度を制御する。
図85は、本開示の少なくとも一態様による、PIDフィードバック制御システム153970を例示する。一次コントローラ153952若しくは二次コントローラ153955、又はその両方は、PIDコントローラ153972として実装されてもよい。一態様では、PIDコントローラ153972は、比例要素153974(P)、積分要素153976(I)、及び微分要素153978(D)を含んでもよい。P要素153974、I要素153976、D要素153978の出力は、制御変数u(t)をプロセス153980に提供する加算器153986によって加算される。プロセス153980の出力は、プロセス変数y(t)である。加算器153984は、所望の設定値r(t)と測定されたプロセス変数y(t)との差を計算する。PIDコントローラ153972は、所望の設定値r(t)(例えば、閉鎖力閾値)と測定されたプロセス変数y(t)(例えば、閉鎖管の速度及び方向)との差として、誤差値e(t)(例えば、閉鎖力閾値と測定された閉鎖力との差)を継続的に計算し、それぞれ比例要素153974(P)、積分要素153976(I)、及び微分要素153978(D)によって計算された比例項、積分項、及び微分項に基づいた補正を適用する。PIDコントローラ153972は、制御変数u(t)(例えば、閉鎖管の速度及び方向)を調節することによって、経時的に誤差e(t)を最小限に抑えることを試みる。
PIDアルゴリズムによると、「P」要素153974は、誤差の現在の値に相当する。例えば、誤差が大きくかつ正である場合、制御出力も大きくかつ正となる。本開示によれば、誤差項e(t)は、閉鎖管の所望の閉鎖力と測定された閉鎖力との間で異なる。「I」要素153976は、誤差の過去の値に相当する。例えば、電流出力が十分に強くない場合、誤差の積分は経時的に蓄積し、コントローラは、より強い動作を適用することによって応答する。「D」要素153978は、その現在の変化率に基づいて、誤差の可能な将来動向に相当する。例えば、上記のPの例に戻ると、大きい正の制御出力が誤差をゼロに近づけることに成功すると、それはまた、プロセスを近い将来の大きな負の誤差に至る経路上に置く。この場合、微分は負になり、Dモジュールは、このオーバーシュートを防止するために動作の強さを低下させる。
他の変数及び設定値が、フィードバック制御システム153950、153970に従って監視及び制御される場合もあることが理解されよう。例えば、本明細書に記載される適応型閉鎖部材速度制御アルゴリズムは、とりわけ、発射部材ストローク位置、発射部材負荷、切断要素の変位、切断要素の速度、閉鎖管ストローク位置、閉鎖管負荷のパラメータのうちの少なくとも2つを測定することができる。
図86は、本開示の少なくとも一態様による、閉鎖部材の速度を判定するための制御プログラム又は論理構成のプロセス153990を描く論理フロー図である。本開示による外科用器具又はシステムの制御回路は、閉鎖部材の実際の閉鎖力を判定するように構成されている153992。制御回路は、実際の閉鎖力を閾値閉鎖力と比較し153994、この比較に基づいて閉鎖部材を変位させるための設定値速度を決定する153996。制御回路は、設定値速度に基づいて、閉鎖部材の実際の速度を制御する153998。
ここで図84及び図85も参照すると、一態様では、制御回路は、比例、積分、及び微分(PID)フィードバック制御システム153950、153970を備える。PIDフィードバック制御システム153950、153970は、一次PIDフィードバックループ153954及び二次PIDフィードバックループ153956を備える。一次フィードバックループ153954は、閉鎖部材の実際の閉鎖力と閾値閉鎖力SPとの第1の誤差を判定し、第1の誤差に基づいて閉鎖部材速度設定値SPを設定する。二次フィードバックループ153956は、閉鎖部材の実際の速度と設定値速度との第2の誤差を判定し、第2の誤差に基づいて閉鎖部材速度を制御する。
一態様では、閾値閉鎖力SPは、上側閾値及び下側閾値を含む。設定点速度SPは、実際の閉鎖力が下側閾値未満であるときに、閉鎖部材を遠位に前進させるように構成され、設定点速度は、実際の閉鎖力が下側閾値よりも大きいときに、閉鎖部材を近位に後退させるように構成されている。一態様では、設定点速度は、実際の閉鎖力が上側閾値と下側閾値との間にあるときに、閉鎖部材を定位置に保持するように構成されている。
一態様では、制御システムは、制御回路に結合された力センサ(例、例えば、センサ472、474、476(図12)のいずれか)を更に備える。力センサは、閉鎖力を測定するように構成される。一態様では、力センサは、閉鎖部材に結合されたモータの出力シャフトに結合されたトルクセンサを備える。一態様では、力センサは、閉鎖部材に連結された歪みゲージを備える。一態様では、力センサは、閉鎖部材に連結されたロードセルを含む。一態様では、制御システムは、閉鎖部材に連結された位置センサを含み、位置センサは、閉鎖部材の位置を測定するように構成されている。
一態様では、制御システムは、閉鎖部材に結合するように構成された第1のモータを備え、制御回路は、発射ストロークの少なくとも一部分において閉鎖部材を前進させるように構成されている。
本明細書に記載される機能又はプロセス153990は、本明細書に記載される処理回路のいずれかによって実行されてもよい。電動外科用器具の態様は、本明細書に開示される具体的な詳細を伴わずに実施されてもよい。いくつかの態様は、詳細ではなくブロック図として示されている。
本開示の一部は、コンピュータメモリに格納されたデータ上で動作する命令として、表されてもよい。アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、記憶、伝達、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量の操作を指す。これらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、用語、数字と称され得る。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、またこれらの量に適用される好都合な標識であるに過ぎない。
一般に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものとみなすことができる。結果として、「電気回路」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)電気回路、及び/又は、通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ、又は光学電気機器)を形成する電気回路を含む。これらの態様はアナログ形態若しくはデジタル形態、又はこれらの組み合わせで実装することができる。
前述の説明は、1つ以上の機能及び/又は動作を含み得る、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例の使用による、装置及び/又はプロセスの態様を説明している。このようなブロック図、フローチャート、又は実施例における各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は実質上これらの任意の組み合わせにより、個別に、かつ/又は集合的に実装することができる。一態様では、本明細書で記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジック装置(PLD)、回路、レジスタ及び/又はソフトウェア構成要素、例えばプログラム、サブルーチン、論理及び/又はハードウェアとソフトウェア構成要素の組み合わせを介して実装されてよい。論理ゲート、又は他の統合された形式。その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、或いは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者には理解されよう。
開示される主題のメカニズムは、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される特定の種類の信号搬送媒体に関係なく用いられる。信号搬送媒体の例としては以下:記録可能型の媒体、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信論理、受信論理など)が挙げられる。
これらの態様の前述の説明は、記載及び説明を目的として提示されている。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。これら態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な態様を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
状況認識
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推定するための、外科用システムのいくつかの態様の能力である。情報は、実行される処置の種類、手術される組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報により、外科用システムは、例えば、それに接続されたモジュール式装置(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)を制御し、外科処置の過程において外科医に状況にあてはまる情報又は提案を提供する方法を改善することができる。
ここで図87を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206などのハブの状況認識を示す時間線5200が描かれている。時間線5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によってとられるであろう典型的な工程を示す。
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を使用するたびに生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推論(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によってとられている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸郭処置であることを判定する。
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸郭処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び用いられている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために用いられ得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を使用し、これはVATS肺葉切除術では使用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に用いられ、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に用いられるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にロボットツールを使用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を使用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
状況認識については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/又はその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/或いはクラウド104からの情報に基づいてハブ106、206によって制御され得る。
スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム
本開示の様々な態様は、外科用器具の1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された組織パラメータに応答して、外科用器具の内部駆動動作を適応させる、制御する、及び/又は同調させることが可能な改善された安全システムを対象とする。少なくとも1つの態様によれば、エンドエフェクタの顎部において、1つ又は2つ以上のセンサを介して検出される力は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上の後続の/更なる機能が実行されることを妨げる大きさである場合がある。別の態様によれば、1つ又は2つ以上のセンサを介して、エンドエフェクタの顎部内などで、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上の後続の/更なる機能が実行されるのを妨げる金属製の物体が検出される場合もある。図88は、外科用器具23002と、外科用ハブ23004と、ユーザインターフェース23006とを備える外科用システム23000を示す。そのような態様では、外科用器具23002は、1つ又は2つ以上のセンサ23008を備えてよく、外科用器具23002の1つ又は2つ以上のセンサ23008によって検出されたパラメータは、外科用ハブ23004の制御回路23010に送信/通信(例えば、無線で)されてよい。更に、そのような態様では、外科用ハブ23004は、外科用器具23002の構成要素(例えばエンドエフェクタ、シャフトなど)と関連付けられた外科的機能(例えば、切開、掴持、凝固、ステープル留め、切断、回転、関節運動など)が、外科用器具23002の1つ又は2つ以上のセンサ23008によって検出されたパラメータに基づいて安全に実行され得るかどうかを判定するように構成されてもよい。特に、そのような態様では、外科用ハブ23004は、その判定に関連付けられた結果(複数可)(すなわち、外科的機能に関連する警告、外科的機能が阻止される理由など)をユーザインターフェース23006に伝達/通信するように構成されてよい。更に、様々な態様によれば、本明細書に開示される様々なユーザインターフェースは、任意の警告及び/又は阻止をサポートする理由があるにもかかわらず、外科的機能を進めるために選択可能なユーザインターフェース特徴部(例えば、オーバーライド要素23012)を含んでもよい。特に、このような態様では、そのようなユーザインターフェース特徴部(例えば、オーバーライド要素23012)は表示されない場合もある(例えば、外科的機能を行うことが、患者を危険にさらす可能性がある)。
本開示の様々な態様にかかる図89を参照すると、外科用システム23100は、制御回路と(23112、23122、23132及び/又は23142、例えば任意の位置(複数可)を示すために仮想線での)、ユーザインターフェースと(23118、23128、23138、23148及び/又は23158、例えば、任意の位置を示すために仮想線での)、例えば、ハンドル組立体23110、シャフト組立体23120、及びエンドエフェクタ組立体23130を含む外科用器具23102とを備えてよい。そのような態様では、制御回路は、外科用器具23102の1つ又は2つ以上の構成要素(例えば、ハンドル組立体23110、シャフト組立体23120及び/又はエンドエフェクタ組立体23130など)に組み込まれてもよく(例えば、23112、23122及び/又は23132)、かつ/又は外科用器具23102とペアリングされた(例えば、無線で)外科用ハブ23140に組み込まれてもよい(例えば、23142)。特に、様々な態様によると、外科用器具23102及び/又は外科用ハブ23140は、状況認識外科用器具及び/又は状況認識外科用ハブであってもよい。状況認識は、データベースから受信したデータ(例えば、外科処置に関連する履歴データ、例えば23149及び/又は23150)及び/又は外科用器具から受信したデータ(例えば、外科処置中のセンサデータ)から、外科処置に関する情報を判定する、又は推定する外科用システム、例えば23100の能力を指す。例えば、判定された又は推定された情報は、実行される処置の種類、手術される組織の種類、処置の対象となる体腔などを含むことができる。外科処置に関連付けられたそのようなコンテキスト情報に基づいて、外科用システムは、例えば、ペアリングされた外科用器具23102又はその構成要素(例えば、23110、23120及び/又は23130)を制御することができ、及び/又は(例えば、ユーザインターフェース23118、23128、23138、23148及び/又は23158を介して)外科処置の過程を通して、外科医に状況にあてはまる情報又は提案を提供することができる。状況認識に関する更なる詳細は、例えば、見出し「状況認識」の下に見出すことができる。
また、一態様にかかる図89では、状況認識外科用ハブ23140は、外科処置を行うために利用される外科用器具23102とペアリングされる(例えば、無線で)。そのような態様では、外科用器具23102は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、エンドエフェクタ23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを外科用ハブ23140の制御回路23142に送信するように構成されたセンサ23134とを含むエンドエフェクタ組立体23130を備えてよい。
更に、かかる態様では、外科用器具23102は、シャフト組立体23120の機能(例えば、回転、関節運動など)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを外科用ハブ23140の制御回路23142に送信するように構成されたセンサ23124を含むシャフト組立体23120を更に備えてもよい。特に、本明細書及び他の開示される態様で参照されるセンサは、複数のエンドエフェクタ組立体及び/又はシャフト組立体機能に関連付けられた複数のパラメータを検出するように構成された複数のセンサを備える場合もあることを理解されたい。したがって、更に、そのような態様では、外科用ハブ制御回路23142は、外科処置の過程を通して、そのようなセンサ23134及び/又は23124から検出されたパラメータ(例えば、センサデータ)を受信するように構成されてもよい。
検出されたパラメータは、関連付けられたエンドエフェクタ組立体23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)及び/又は関連付けられたシャフト組立体23120の機能(例えば、回転、関節運動など)が実行されるたびに受信され得る。外科用ハブ制御回路23142は、内部データベース(例えば、外科用ハブデータベース23149)及び/又は外部データベース(例えば、クラウドデータベース23150から)からデータを受信するように更に構成されてもよい。様々な態様によれば、内部及び/又は外部データベースから受信されたデータは、処置データ(例えば、外科処置を実行する工程)及び/又は履歴データ(例えば、外科処置に関連付けられた履歴データに基づいて予測されたパラメータを示すデータ)を含み得る。
様々な態様では、処置データは、外科処置のための現在の/認識された標準的な治療手順を含んでもよく、履歴データは、外科処置に関連付けられた履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいて、好ましい/理想的なパラメータ及び/又は好ましい/理想的パラメータ範囲を含んでもよい。受信されたデータ(例えば、センサデータ、内部及び/又は外部データなど)に基づいて、外科用ハブ制御回路23142は、進行中の外科処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてよい。すなわち、状況認識外科用ハブは、例えば、レポートを生成するための外科処置に関するデータを記録し、外科医が外科処置を実施するためにとる工程を検証し、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを提供し(例えば、外科用ハブ及び/又は外科用器具に関連付けられたユーザインターフェース、例えば、23148、23158、23118、23128及び/又は23138を介して)、外科用器具の機能を制御するなどに構成されてよい。様々な態様によれば、状況認識外科用ハブ23140は(例えば、エンドエフェクタ組立体23130又はシャフト組立体23120の最初の外科的機能が実行された後)、内部データベース23149及び/又は外部データベース23150から受信した処置データに基づいて実行される次の外科的機能を推定してよい。
更に、そのような態様では、状況認識外科用ハブ23140は、内部データベース23149及び/又は外部データベース23150から受信した履歴データ(例えば、好ましい/理想的なパラメータ)に基づいて、検出されたパラメータ(例えば、最初の外科的機能に応答してセンサ23134及び/又は23124から受信される)を評価することができる。ここで、検出されたパラメータが、好ましい/理想的なパラメータを超えず、かつ/又はそれぞれの好ましい/理想的パラメータ範囲内にある場合、状況認識外科用ハブ23140は、次の外科的機能を実行することを可能にしてもよい、及び/又は次の外科的機能を実行することを阻止/制御しない場合もある。或いは、検出されたパラメータが好ましい/理想的なパラメータを超え、かつ/又はそれぞれの好ましい/理想的なパラメータ範囲内にない場合、状況認識外科用ハブ23140は、次の手術機能が実行されることを先んじて防止することができる。
本開示の別の態様によれば、状況認識外科用ハブ23140は、特定の外科的機能が試されている/要求されている/行われていることの通信を(例えば、外科用器具23102の構成要素、例えば、23130及び/又は23120から)受信し得る。そのような態様では、状況認識外科用ハブ23140は、現在の/認識された標準的な治療手順に忠実であることを確実にするために、特定の外科的機能を推測された次の外科的機能と比較してもよい。その場合、状況認識外科用ハブ23140は、次いで、(例えば、記載されるような)特定の外科的機能が進行することを可能にする前に、検出されたパラメータ(記載されるような)を評価することができる。そうでない場合、状況認識外科用ハブ23140は、特定の外科的機能が実行されることを阻止するか、又は特定の外科的機能が、オーバーライドが受信されるまで実行されることを阻止してもよい(例えば、ユーザインターフェース23158、23148、23138、23128及び/又は23118を介して、例えば、図88の選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照されたい)。そのような態様では、オーバーライドが受信された場合、状況認識外科用ハブ23140は、その後、特定の外科的機能が進行することを可能にする前に、検出されたパラメータを評価することができる。
別の態様にかかる図89を再び参照すると、状況認識外科用器具23102を利用して外科処置を実施してもよい。そのような態様では、外科用器具23102は、ハンドル組立体23110と、シャフト組立体23120と、エンドエフェクタ組立体23130とを備えてよい。エンドエフェクタ組立体23130は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、エンドエフェクタ組立体23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142に、例えば、任意の位置(複数可)を示すために仮想線での)に送信するように構成されたセンサ23134とを含んでよい。
例えば、そのような態様において、検出されたパラメータは、エンドエフェクタ組立体23130の制御回路23132に送信されてもよい。ここで、エンドエフェクタ組立体制御回路23132は、外科処置の過程にわたってセンサ23134から検出されたパラメータ(例えば、センサデータ)を受信するように構成されてもよい。検出されたパラメータは、関連するエンドエフェクタ組立体23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)が実行されるたびに受信され得る。
エンドエフェクタ組立体23130は、外科処置の過程を通して、内部データベース(例えば、エンドエフェクタメモリ23136)及び/又は外部データベース(例えば、外科用ハブデータベース23149から外科用ハブ23140を介してクラウドデータベース23150から)データを受信するように更に構成されてもよい。様々な態様によれば、内部及び/又は外部データベースから受信されるデータは、ステープルカートリッジデータ(例えば、エンドエフェクタ組立体内に位置付けられたステープルカートリッジに関連付けられたステープルのサイズ及び/又はタイプ)及び/又は履歴データ(例えば、予測された組織、及び/又は履歴データに基づいたそのようなサイズ及び/又はタイプを有するステープル留めされる組織の種類を示すデータ)を含んでよい。様々な態様では、受信されるデータは、履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいた、そのようなサイズ及び/又はタイプのステープル、或いはそのような予測された組織及び/又は組織の種類に関連付けられた好ましい/理想的なパラメータ及び/又は好ましい/理想的なパラメータ範囲を含み得る。受信したデータ(例えば、センサデータ、内部及び/又は外部データなど)に基づいて、エンドエフェクタ制御回路23132は、進行中の外科処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてもよい。特に、代替的な態様によれば、エンドエフェクタ組立体23130のセンサ23134は、検出されたパラメータを、別の外科用器具23102構成要素、例えばハンドル組立体23110及び/又はシャフト組立体23120に関連付けられた制御回路(例えば、23112及び/又は23122)に送信してもよい。そのような態様では、他の外科用器具の構成要素の制御回路(例えば、23112及び/又は23122)は、上述のエンドエフェクタ制御回路23132の様々な態様を実行するように同様に構成されてもよい。更に、様々な態様によれば、外科用器具23102のシャフト組立体23120は、シャフト組立体23120の機能(例えば、回転、関節運動など)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを、上述のエンドエフェクタ制御回路23132の様々な態様を実行するように同様に構成された制御回路(例えば、23112)に送信するように構成されたセンサ23124を含んでもよい。最後に、状況認識外科用器具23102は、例えば、そのユーザに不一致を警告するように構成されてよい(例えば、エンドエフェクタ組立体23130のユーザインターフェース23138を介して、別の外科用器具23102の構成要素、例えばシャフト組立体23120及び/又はハンドル組立体23110のユーザインターフェース(例えば23128及び/又は23118)を介して、並びに/或いは外科用器具23102に結合された外科用ハブ23140に関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)。例えば、不一致には、検出されたパラメータが、これらのサイズ及び/又はタイプのステープル、或いはそれらの予想された組織及び/又は組織の種類に関連付けられた好ましい/理想的なパラメータ、及び/又は好ましい/理想的なパラメータ範囲を超えることが含まれてよい。更なる例として、状況認識外科用器具23102は、不一致に基づいて外科用器具23102の機能を制御するように構成されてもよい。少なくとも1つの態様によれば、状況認識外科用器具23102は、不一致に基づいて外科的機能を阻止することができる。
状況認識機能性制御
本明細書で強調されるように、本開示の様々な態様は、機能(例えば、掴持)を実行し、その機能に関連付けられたパラメータを検出し、状況認識態様を利用して、制御回路を介して、その検出されたパラメータが事前定義のパラメータ(例えば、理想的/好ましいとみなされる)未満である、又はそれを超える、或いはそのパラメータに関する事前定義の範囲(例えば正常とみなされる)未満である、又はそれを超えるかどうかを評価し、かつ検出されたパラメータが事前定義のパラメータ及び/又は事前定義のパラメータ範囲の外にあることに応答して、アクションを実行する(すなわち機能(複数可)を停止する、ユーザに警告する、ユーザに可能性のある原因を知らせるなど)外科用器具に関する。例えば、図90は、制御回路が、外科用器具によって実行される外科的機能に関連付けられた検出されたパラメータ(複数可)を受信し23202、内部及び/又は外部データベースから状況認識データを取り出す23204、そのような態様を実施するアルゴリズム23200例示する。次いで、制御回路は、状況認識データを考慮して検出されたパラメータを評価し23206、評価に基づいてアクションを実行する23208。
本開示の様々な態様によれば、エンドエフェクタ組立体の顎部において検出される力(例えば、1つ又は2つ以上のセンサを介して)は、エンドエフェクタ組立体の1つ又は2つ以上の後続の/更なる機能が実行されることを妨げる大きさである場合がある。例えば、図12に戻って参照すると、力はセンサ474、476及び/又は478を介して検出されてもよい。そのような態様では、センサ474は、エンドエフェクタに結合された歪みゲージであってもよく、歪みゲージは、顎部(複数可)に加えられている閉鎖力を示す、エンドエフェクタの顎部(複数可)における歪みの大きさ/振幅を測定するように構成されている。更に、このような態様では、センサ476は、閉鎖駆動システムによって顎部に加えられる閉鎖力を測定するように構成された負荷センサであってもよい。更に、そのような態様では、センサ478は、顎部に加えられる閉鎖力に相関する、モータによって引き込まれる電流を測定するように構成された電流センサであってもよい。これに加えて、又は更なる例として、図17に戻って参照すると、力はセンサ744a及び/又は744bを介して検出されてもよい。そのような態様では、センサ744a及び/又は744bは、閉鎖駆動システムによって顎部に加えられる閉鎖力を表す発射力フィードバック信号を提供するように構成されたトルクセンサであってよい。
一態様では、図58に戻って参照すると、負荷センサ152082(例えば、シャフト組立体又はハンドル組立体内に位置付けられる)は、シャフト組立体をハンドル組立体に取り付けた後、負荷を検出するように構成されてもよい。そのような態様では、検出された負荷は、事前定義の負荷及び/又は所定の負荷範囲を超える場合がある。そのような態様において、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、検出された負荷を評価し、(例えば、履歴データに基づいた)状況認識を使用して、シャフト組立体及び/又はエンドエフェクタ組立体が損傷を受けていること/損傷を受けているにちがいないことを判断することができる。そのような態様では、制御回路は、シャフト組立体23120及び/又はエンドエフェクタ組立体23130に関連付けられた固有の識別子を記録し、その固有の識別子を更なる使用及び/又はハンドル組立体23110への取り付けが禁止されたものとして指定するように構成されてよい。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価し、エンドエフェクタ組立体の発射機能/サイクルを阻止するように決定するように構成されてもよい。具体的には、制御回路は、(例えば、履歴データに基づいた)状況認識を使用して、顎部で検出/感知された力(例えば、発射機能/サイクルが開始する前に検出された)が、事前定義の力及び/又は事前定義の力の範囲を超えることを判定してもよい。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルが開始することを阻止するように構成され得る。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)、発射機能/サイクルを実施することができないことユーザに警告する、及び/又はユーザに可能性のある原因を知らせるように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された力が事前定義の力まで低下した場合、及び/又は事前定義の力の範囲内に低下した場合、発射機能/サイクルの開始を可能にするように構成され得る。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、負荷センサ、トルクセンサなどを介して)評価し、エンドエフェクタ組立体の発射機能/サイクルを可能にするように最初に決定してもよい。しかしながら、発射機能/サイクルを開始した後、制御回路は、(例えば、履歴データに基づいた)状況認識を使用して、発射するための力(例えば、発射機能/サイクル中に検出される)が、事前定義の発射するための力及び/又は事前定義の発射するための力の範囲を超えることを判定する場合もある。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを停止するように構成されてもよい(例えば、発射機能/サイクルが継続するのを阻止する)。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は、限度を超えた発射するための力又は限度を超えた発射するための力の範囲に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを受信して(例えば、ユーザインターフェース(複数可)を介して、図88、選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照されたい)、発射機能/サイクルが継続することを可能にするように更に構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、(例えば、履歴データに基づいた)状況認識を使用して、第2の発射力(例えば、継続された発射機能/サイクル中に検出される)が、第2の所定の発射力及び/又は第2の所定の発射力の範囲(例えば、より高い閾値)を超えることを判定してもよい。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを再び停止し、外科医に警告する、及び/又は記載されるようにオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具に関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してもよい。加えて、制御回路は、シャフト組立体内で検出/感知された力を更に評価してもよい(すなわち、記載されるように、1つ又は2つ以上のセンサを介して)。ここで、様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された力、及び/又はシャフト組立体内で検出/感知された力を外科的処置が実行されている状態で相互に参照してもよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、シャフト組立体内で検出/感知された力が事前定義のシャフト力及び/又は事前定義のシャフト力の範囲を超えることを判定してもよい。一実施例では、シャフト組立体は、特定の外科処置において特定の組織タイプと共に使用するように構成された特殊シャフト組立体を備えてもよい。そのような態様では、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、特殊シャフト組立体内で検出/感知された力が高すぎること(例えば、事前定義のシャフト力及び/又は特殊シャフト組立体に関連付けられた事前定義のシャフト力の範囲を超える)、及び/又は顎部で検出/感知された力が、事前定義の力ではない、及び/又は事前定義の範囲内(例えば、実行されている外科処置に履歴的に関連付けられた予測された力)にないことを判定してよい。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを停止するように構成されてもよい(例えば、発射機能/サイクルが開始及び/又は継続するのを阻止する)。更に、このような態様では、図89を再び参照すると、制御回路は、限度を超えたシャフト力及び/又はシャフト力の範囲に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様では、警告は、外科医に、例えば、ハンドル組立体23110から特殊なシャフト組立体23120を取り外し、別のシャフト組立体のハンドル組立体23110に取り付けること(例えば、検出/感知された力及び遭遇する組織に対して構成された規則的な再負荷)を外科医に知らせる場合もある。そのような態様では、制御回路は、適切なシャフト組立体が取り付けられたときに発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続することを可能にするように構成されてもよい。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、外科処置中に顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してもよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、組織クリープ待ち時間が、外科処置中に掴持されている特定の厚さ及び特定の組織に関連付けられた事前定義のクリープ待ち時間及び/又は事前定義のクリープ待ち時間の範囲を下回ることを判定してよい。別の言い方をすれば、本明細書の図83及び図84を考慮すると、初期の閉鎖するための力は、予想されるよりも早く減衰し、より低い閉鎖するための力でクリープ安定に達し得る。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを停止する(例えば、発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続するのを阻止する)ように構成されてもよい。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)、短縮されたクリープ待ち時間に関する警告を外科医に与えるように構成されてもよい。様々な態様では、警告は、外科医に、例えば、ハンドル組立体からエンドエフェクタ組立体、例えば23130を取り外し、別のエンドエフェクタ組立体(例えば、検出されたクリープ待ち時間を有する組織を処理するように構成されたエンドエフェクタ組立体)をハンドル組立体23110に取り付けることを外科医に知らせる場合もある。そのような態様では、制御回路は、適切なエンドエフェクタ組立体が取り付けられたとき、発射機能/サイクルが開始及び/又は継続することを可能にするように構成されてもよい。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具に関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブの構成要素に組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してもよい。加えて、制御回路は、関節運動部材に対して検出/感知された位置を(すなわち、1つ又は2つ以上のセンサを介して)更に評価することができる。例えば、図12に戻って参照すると、位置は、関節運動部材に結合されたセンサ472によって検出/感知され得る。一態様では、センサ472は、直線変位を測定するように構成された位置センサであってもよく、センサ素子の単一の回転は、関節運動部材の特定の線形変位に対応する。別の実施例では、図17に戻って参照すると、位置は、エンドエフェクタ内に位置する位置センサ734によって感知/検出されてよい。ここで、位置センサ734は、制御回路によって追跡可能な一連のパルスを提供して関節運動部材の位置を決定するように構成されたセンサであってもよい。ここで、様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された力、及び/又は外科処置が行われている関節運動部材に関して検出/感知された位置を相互に参照してもよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、関節運動部材が所定の前進位置及び/又は所定の前進位置の範囲を超えて前進したことを(例えば、シャフト組立体内で)判定してよい。様々な態様では、所定の前進位置及び/又は所定の前進位置の範囲は、顎部において検出/感知される閉鎖するための力に相関し得る。そのような態様では、指定された所定の前進位置を超えた状態で、制御回路は、発射機能/サイクルを停止する(例えば、発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続するのを防止する)ように構成され得る。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)、限度を超えた前進位置及び/又は前進位置の範囲に関する警告を外科医に与えるように構成されてもよい。様々な態様では、警告は、所定の前進位置まで、及び/又は所定の前進位置の範囲内に関節運動部材を後退させることを考慮するように外科医に知らせることができる。ここで、一実施例では、所定の前進位置及び/又は所定の前進位置の範囲は、対応する閉鎖するための力に関して、履歴により実現された所望の及び/又は成功した発射機能/サイクルを有し得る。そのような態様では、制御回路は、適切な前進位置が達成されるときに発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続することを可能にするように構成され得る。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、外科処置中に顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、閉鎖するための力が、外科処置中に掴持されている特定の組織に関連付けられた事前定義の閉鎖するための力及び/又は事前定義の閉鎖するための力の範囲を上回ることを判定してよい。別の言い方をすれば、本明細書における図83及び図84に照らして、検出/感知された閉鎖するための力は、発射機能/サイクルが進行することを可能にするために予想されるものよりも高い。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを停止する(例えば、発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続するのを防止する)ように構成され得る。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は、上昇した閉鎖するための力に関して、外科医に警告を与える(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様では、警告は、外科医に発射モータ速度を調節することを考慮することを通知してもよい。一実施例では、特定の組織が硬組織である場合、警告は、外科医が発射モータの速度を低下させて剛性組織が引き裂かれるのを回避することを提案し得る。そのような態様では、下方調節は、実施されている外科処置に関連する履歴データに基づいてもよい。別の実施例では、特定の組織が弱い剪断強度の柔らかい組織である場合、警告は、外科医が発射モータ速度を調整して組織が適切に掴持されていることを確実にすることを提案し得る。そのような態様では、上方調節は、実行されている外科処置に関連する履歴データに基づいてもよい。そのような態様では、制御回路は、適切な発射モータ速度が設定されたときに発射機能/サイクルが開始する、及び/又は継続することを可能にするように構成され得る。
別の態様では、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、外科処置中に顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、発射システム上の周期的な力が、外科処置中に事前定義の周期的な力及び/又は事前定義の周期的な力の範囲を上回ることを判定し得る。別の言い方をすれば、検出/感知された周期的な力が予想したものよりも高く、履歴データに基づいてモータ故障が差し迫っていることを示す場合がある。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを停止する(例えば、発射機能/サイクルの開始、及び/又は継続的な前進を阻止する)ように構成され得る。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は、上昇した周期的な力及び可能性のあるモータ障害に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路はオーバーライドコマンドを受信して、(例えば、ユーザインターフェースを介して、例えば図88、選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照されたい)、発射機能/サイクルが継続することを許可するように更に構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、外科処置中に、発射システムに対する周期的な力が事前定義の周期的な力及び/又は事前定義の周期的な力の範囲を上回るかどうかを監視し続けることができる。そのような態様では、制御回路は、発射機能/サイクルを再び停止し、外科医に警告する、及び/又は記載されるようなオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。
本開示の別の態様によれば、例えば、図89を参照すると、外科用器具に関連する制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してよい。加えて、制御回路は、エンドエフェクタ組立体23130を関節運動させるための力/トルクを更に評価してもよい。そのような態様では、関節運動力/トルクは、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、関節運動部材に関連付けられた力センサ、関節運動部材に関連付けられたトルクセンサ、関節運動部材を駆動するように構成されたモータに関連付けられた電流センサなど)を介して検出されてもよい。例えば、図17に戻って参照すると、関節運動力/トルクは、関節運動駆動システムに結合されたトルクセンサ744d及び/又は744eによって検出/感知され得る。これに加えて、及び/又は代替として、再び図17を参照すると、関節運動力/トルクは、センサ736によって測定される、モータ704d及び/又は704eによって引き込まれる電流と相関されてもよい。ここで、様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された力、及び/又は外科処置が行われている関節運動部材に関して検出された関節運動力/トルクを相互に参照してもよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、関節運動部材に関して検出された関節運動力/トルクが、事前定義の関節運動力/トルク及び/又は事前定義の関節運動力/トルク範囲を超えることを判定してもよい。様々な態様では、事前定義の関節運動力/トルク及び/又は事前定義の関節運動力/トルク範囲は、顎部において検出/感知された力に相関し得る。そのような態様では、指定された関節運動力/トルクを超えた場合、制御回路は、エンドエフェクタ組立体の関節運動を停止する(例えば、関節運動が継続するのを阻止する)ように構成されてもよい。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は、超音波力/トルク及び/又は関節運動力/トルク範囲に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを受信して(例えば、ユーザインターフェースを介して、例えば、図88、選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照されたい)、発射機能/サイクルが継続することを可能にするように更に構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、外科処置中に関節運動力/トルクが事前定義の関節運動力/トルク及び/又は事前定義の関節運動力/トルク範囲を上回るかどうかを監視し続けることができる。そのような態様では、制御回路は、関節運動を停止させ、外科医に警告する、及び/又は記載されるようにオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。
本開示の更に別の態様によれば、例えば、図89を参照すると、外科用器具に関連する制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、或いは結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された力を(例えば、記載されるように1つ又は2つ以上のセンサを介して)評価してよい。加えて、制御回路は、シャフト組立体23120(例えば、シャフト部材)を回転させるための力/トルクを更に評価してもよい。このような態様では、回転力/トルクは、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、回転/シャフト部材に関連付けられた力センサ、回転/シャフト部材に関連付けられたトルクセンサ、回転/シャフト部材を回転させるように構成されたモータに関連する電流センサなど)を介して検出されてもよい。例えば、図17に戻って参照すると、回転/シャフト部材駆動システムに連結されたトルクセンサ744cによって回転力/トルクを検出/感知してもよい。これに加えて及び/又は代替として、再び図17を参照すると、回転力/トルクは、センサ736によって測定される、モータ704cによって引き込まれる電流と相関されてもよい。ここで、様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された力、及び/又は外科処置が行われている回転/シャフト部材に関して検出された回転力/トルクを相互に参照してもよい。このような態様によれば、制御回路は、(例えば、処置データ及び/又は履歴データに基づいた)状況認識を使用して、回転/シャフト部材に関して検出された回転力/トルクが事前定義の回転力/トルク及び/又は事前定義の回転力/トルクの範囲を超えることを判定してもよい。様々な態様では、事前定義の回転力/トルク及び/又は事前定義の回転力/トルクの範囲は、顎部で検出/感知された力に相関し得る。他の態様では、事前定義の回転力/トルク及び/又は事前定義の回転力/トルクの範囲は、回転/シャフト部材自体が耐えることができる力/ねじれに対応してもよい。そのような態様では、指定された回転力/トルクを超えた場合、制御回路は、シャフト組立体の回転を停止する(例えば、回転/シャフト部材の回転が継続するのを阻止する)ように構成されてもよい。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は、超過した回転力/トルク及び/又は回転力/トルク範囲に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを受信して(例えば、ユーザインターフェースを介して、例えば、図88、選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照されたい)、回転が継続するのを可能にするように更に構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、外科処置中に、回転力/トルクが事前定義の回転力/トルク及び/又は事前定義の回転力/トルクの範囲を超えるかどうかを監視し続けることができる。そのような態様では、制御回路は、回転を再び停止し、外科医に警告する、及び/又は記載されるようにオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。
本開示の更に別の態様によれば、例えば、図89を参照すると、外科用器具と関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具の構成要素に組み込まれた23132、23122及び/又は23112、及び/又は結合された外科用ハブに組み込まれた23142)は、顎部で検出/感知された開放力を(例えば、記載されるように1つ以上のセンサを介して)評価し、顎部が開くことを阻止するように決定するように構成されてもよい。具体的には、制御回路は、(例えば、履歴データに基づいた)状況認識を使用して、顎部で検出/感知された開放力が事前定義の開放力及び/又は事前定義の開放力の範囲を超えることを判定してもよい。そのような態様では、制御回路は、顎部を、掴持された位置又はある程度掴持された位置に維持するように構成されてもよい。更に、このような態様では、再び図89を参照すると、制御回路は(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェースを介して23148及び/又は23158を介して)、顎部を開くことができないことをユーザに警告する、及び/又は可能性のある原因をユーザに知らせる(例えば、ユーザが、顎部で検出/感知された開放力を低減しようと試みることができるように)ように構成されてもよい。様々な態様によれば、制御回路は、顎部で検出/感知された開放力が事前定義の開放力及び/又は事前定義の開放力の範囲内に低減された場合、顎部が開くことを可能にするように構成されてもよい。
短絡検出及び機能性制御
本開示の様々な他の態様によれば、外科用器具の機能性は、短絡を検出するように構成された1つ又は2つ以上のセンサに基づいて制御されてもよい。すなわち、金属物体が顎部内で検出された場合、少なくとも1つの外科用器具の機能/作動(例えば、切断、凝固など)が阻止/禁止され得る。例えば、図91は、制御回路が、短絡を示す検出されたパラメータ(複数可)を受信する23302、そのような態様を実施するためのアルゴリズム23300を示す。制御回路はまた、内部及び/又は外部データベースデータを取り出してもよい23304。次いで、制御回路は、検出されたパラメータ(複数可)及び/又はデータベースデータ23306を評価し、評価に基づいてアクションを実行する23308。
本開示の態様による図89を再び参照すると、外科用システム23100は、制御回路と(23112、23122、23132及び/又は23142、例えば、任意の位置(複数可)を示すために仮想線での)、ユーザインターフェースと(23118、23128、23138、23148及び/又は23158、例えば、任意の位置を示すために仮想線で)、例えばハンドル組立体23110、シャフト組立体23120、及びエンドエフェクタ組立体23130を含む外科用器具23100とを備えてよい。そのような態様では、制御回路は、外科用器具23102(例えば、23112、23122及び/又は23132)の1つ又は2つ以上の構成要素(例えば、ハンドル組立体23110、シャフト組立体23120及び/又はエンドエフェクタ組立体23130など)に組み込まれてもよく、及び/又は外科用器具23102とペアリングされた(例えば、無線で)外科用ハブ23140(例えば、23142)に組み込まれてもよい。そのような態様では、エンドエフェクタ組立体23130は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、エンドエフェクタ組立体23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを制御回路(例えば、23112、23122、23132及び/又は23142)に送信するように構成されたセンサ23134とを含んでもよい。様々な態様において、第1の顎部はアンビルを含んでもよく、第2の顎部は、ステープルカートリッジを受容するように構成された細長いチャネルを備えてもよい。更に、そのような態様では、外科用器具23102は、シャフト組立体23120の機能(例えば、回転、関節運動など)に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを制御回路(例えば、23112、23122、23132及び/又は23142)に送信するように構成されたセンサ23124を含むシャフト組立体23120を更に備えてもよい。そのような態様では、制御回路は、外科的処置の過程を通して、そのようなセンサ、例えば、23134及び/又は23124から検出されたパラメータ(例えば、センサデータ)を受信するように構成され得る。検出されたパラメータは、関連するエンドエフェクタ組立体23130の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)及び/又は関連するシャフト組立体23120の機能(例えば、回転、関節運動など)が実行されるたびに受信され得る。制御回路は、内部データベースから(例えば、外科用器具23136、23126及び/又は23116の構成要素のメモリ内、或いは外科用ハブデータベース23149)及び/又は外部データベース(例えば、外科用ハブデータベース23149、クラウドデータベース23150などから)データを受信するように更に構成されてもよい。様々な態様によれば、内部及び/又は外部データベースから受信されたデータは、処置データ(例えば、外科処置を実行する工程)及び/又は履歴データ(例えば、外科処置に関連する履歴データに基づいて予測されるパラメータを示すデータ)を含み得る。様々な態様では、処置データは、外科処置のための現在の/認識された標準的な治療手順を含んでもよく、履歴データは、外科処置に関連する履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいた好ましい/理想的なパラメータ及び/又は好ましい/理想的パラメータ範囲を含んでもよい。受信したデータ(例えば、センサデータ、内部及び/又は外部データなど)に基づいて、制御回路(例えば、23112、23122、23132及び/又は23142)は、進行中の処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてもよい。すなわち、外科用器具は、例えば、レポートを生成するための外科処置に関するデータを記録し、外科医が外科処置を実施するためにとる工程を検証し、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを提供し(例えば、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158、並びに/或いは外科用器具に関連付けられたユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118を介して)、外科用器具23102の機能を制御するなどに構成されてよい。
一態様では、図89を再び参照すると、エンドエフェクタ組立体の顎部の間で標的組織を掴持する間及び/又掴持した後に、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、後続の機能(例えば、発射、凝固など)を可能にする前に、顎部間の連続性をチェックするように構成されてもよい。ここで、様々な態様によれば、外科用器具は、顎部のうちの少なくとも1つに電極を備える(例えば、アンビル及び/又はステープルカートリッジと一体化されている)電気外科用器具を備えてよい。このような態様では、電極間に短絡が存在する場合、顎部の間に把持された組織を電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)で治療することが困難になる場合がある。一実施例では、電極間の導電性物体(例えば、クリップ、ステープル、金属要素など)は、顎部間の連続性をもたらし得る。別の実施例では、顎部間に十分な間隙が存在しない場合(例えば、標的組織を掴持した後)、電極が接触して、顎部間の連続性をもたらす場合もある。図53を再び参照すると、例えば、本開示の一態様では、センサ152008aは、エンドエフェクタの顎部間の間隙を測定するように構成されている。そのような態様では、第1の顎部のセンサ152008aは、第1の顎部と第2の顎部との間の間隙を測定するために、第2の顎部の磁石152012によって生成された磁場を検出するように構成されたホール効果センサを備えてもよい。特に、間隙は、第1の顎部と第2の顎部との間に掴持された組織の厚さを表すことができる。ここで、顎部の間に連続性が存在する場合、望ましくない外科的結果が(例えば、不完全な組織の治療、導電性物体の過剰な加熱など)もたらされる可能性がある。
一態様(例えば、双極モード)によれば、第1の顎部はアンビルを含んでもよく、第2の顎部は、図25に示されるようなステープルカートリッジを受容するように構成された細長いチャネルを備えてもよい。一実施例では、ステープルカートリッジは、把持された組織に電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)を送達するための活性電極を含んでもよく、アンビルの少なくとも一部分は、リターン電極として作用し得る。別の例では、アンビルが、電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)を把持された組織に送達するための活性電極を含んでもよく、細長いチャネルの少なくとも一部分は、リターン電極として作用し得る。別の態様(例えば、単極モード)によれば、第1の顎部はアンビルを含んでもよく、第2の顎部は、ステープルカートリッジを受容するように構成された細長いチャネルを備えてもよい。一実施例では、ステープルカートリッジは、把持された組織に電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)を送達するための活性電極を含んでもよく、リターン電極(例えば、接地パッド)は、患者の身体上に別々に配置されてもよい。別の例では、アンビルは、把持された組織に電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)を送達するための活性電極を含んでもよく、リターン電極(例えば、接地パッド)は、患者の身体上に別個に配置されてもよい。短絡を検出するための様々な構成は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「DETECTING SHORT CIRCUITS IN ELECTROSURGICAL MEDICAL DEVICES」と題された、米国特許第9,554,854号に記載されている。
様々な態様にかかる図89を再び参照すると、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、多くの方法で連続性を確認するように構成されてもよい。一態様では、電気外科エネルギーを生成する発生器及び/又は外科用器具に組み込まれたセンサ、例えば23134は、電極間のインピーダンスが、閾値の期間にわたって閾値を下回るまで低下するとき(すなわち、短絡を示すインピーダンスの低下)を検出するように構成されてもよい。ここで、図48に戻って参照すると、センサ、例えば23134は、経時的なインピーダンスを測定するように構成されてもよい。一実施例では、電極が導電性ステープルのラインにぶつかったとき、電流がスパイクする可能性があり、一方、インピーダンス及び電圧は急激に低下する。別の実施例では、連続性は、電圧の変化を最小限に抑えた電流シンクとして存在してもよい。「DETECTING SHORT CIRCUITS IN ELECTROSURGICAL MEDICAL DEVICES」と題された、米国特許第9,554,854号に記載されているものなど、連続性を確認する/短絡を検出するための様々な代替方法が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる(例えば、一連のパルスのパルス内の異なる位置でのインピーダンス値を比較する)。
そのような態様では、連続性が検出された場合、導電性物体(例えば、クリップ、ステープル、ステープルライン、金属要素など)が、顎部の間に把持された組織内に存在する/露出している可能性がある。特に、このような導電性物体は、現在の外科処置及び/又は以前の外科処置からのものである可能性がある。そのような態様では、制御回路は、導電性物体の検出に関して、外科医に警告を与える(例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは導電性物体の検出に関する外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。例えば、警告は、電極がいずれの導電性物体とも接触していないように、及び/又は短絡を引き起こす導電性物体を除去するように、外科医がエンドエフェクタ組立体23130を再配置することを提案してもよい。様々な態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを受信して、例えば、ユーザインターフェースを介して、例えば図88、選択可能なユーザインターフェース要素23012を参照のこと)、導電性物体(例えば、クリップ、ステープル、ステープルライン、金属要素など)が検出されたにもかかわらず、その後の機能(例えば、切断、凝固など)を可能にするように更に構成されてもよい。
一態様によれば、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、クリップを横に切開するのを回避するための連続性をチェックするように構成されてもよい。そのような態様では、短絡が検出された後、制御回路は、顎部間の導電性物体の検出に関して、外科医に警告を与える(例えば外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。一態様では、外科医は、ユーザインターフェース(例えば、外科用器具上のインタラクティブユーザインターフェース要素、外科用ハブ、発生器など)を介して制御回路の感度を調節することができる。このような態様では、調節に基づいて、制御回路は、顎部間で導電性物体が検出された場合に発射を阻止するように構成されてもよい。
別の態様にかかる図89を再び参照すると、制御回路23142は、電気外科用器具23102とペアリングされた(例えば、無線で)外科用ハブ23140に組み込まれてもよい。そのような態様では、外科用ハブ23140は、顎部間の導電性物体の検出に関する外科医/ユーザ設定で予め装填されてもよい。一実施例では、外科医/ユーザ設定は、顎部間で導電性物体が検出された場合に発射を阻止することを含む。別の実施例では、外科医/ユーザ設定は、導電性物体が顎部の間で検出された場合に発射を許可する前に警告することを含む。更に別の態様では、外科医/ユーザ設定は、外科医/ユーザが警告をオーバーライドすることを可能にすることを含む。更に別の態様では、外科医/ユーザ設定は一時的なリセットを含み、外科医/ユーザは、連続性を再度チェックする前に、状況を改善する(例えば、顎部を移動させる、導電性物体を除去する)ことを可能にする一時リセットを含む。
更に別の態様にかかる図89を再び参照すると、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、ステープルラインを意図的に横断するように連続性をチェックするように構成されてもよい。ここで、いくつかの外科処置では、連続する横切開(例えば、肺切除、特に複数の角度からの楔形、スリーブ処置など)を確実にするために、交差するステープルラインを有することが有益な場合がある。そのような態様では、連続性が検出された後、制御回路は、顎部間の導電性物体(例えば、既存のステープルライン)の検出に関して、外科医に警告(例えば、可聴及び/又は視覚的合図)を与える((例えば、外科用器具の構成要素のユーザインターフェース23138、23128及び/又は23118を介して、並びに/或いは外科用ハブと関連付けられたユーザインターフェース23148及び/又は23158を介して)ように構成されてもよい。
他の態様にかかる図89を再び参照すると、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、外科処置の過程を通して、内部データベース(例えば、外科用器具の構成要素のメモリ23136、23126及び/又は23116或いは外科用ハブデータベース23149)、及び/又は外部データベース(例えば、外科用ハブデータベース23149、クラウドデータベース23150など)かたデータを受信するように構成されてもよい。様々な態様によれば、内部及び/又は外部データベースから受信されたデータは、手術履歴データ(例えば、患者に対して実行される以前の外科的処置に関するデータ、現在の外科処置に関するデータなど)を含み得る。一実施例において、手術履歴データは、ステープルが以前の手術で使用されたこと、及び/又はステープルがどこで使用されたかを示してよく、現在の外科処置データは、クリップを適用するためにクリップアプライヤが使用されたかどうかを示してよい。受信されたデータ(例えば、手術履歴データなど)に基づいて、制御回路(23112、23122、23132及び/又は23142)は、進行中の処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてもよい。すなわち、外科用器具23120は、状況に応じて認識してもよく、例えば、検出された連続性が、以前の外科処置からのステープルライン、又は現在の外科処置からのクリップであり得ることを推定/判定するように構成されてもよい。別の例として、患者がこれまで一度も外科処置を受けておらず、クリップアプライヤが現在の外科処置において使用されておらず、かつステープルカートリッジが現在の外科処置では発射されている場合、制御回路は、顎部間で検出された導電性物体は以前のステープルラインであると推定/判定するように構成されてよい。更に別の例として、患者がこれまで一度も外科処置を受けておらず、クリップアプライヤが現在の処置で使用されており、及びステープルカートリッジが現在の外科処置においてまだ発射されていない場合、制御回路は、顎部間で検出された導電性物体はクリップであると推測/判定するように構成されてよい。
(実施例)
「スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム」という見出しの下で本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例に記載される。
実施例1-外科用システムは、制御回路と、外科用器具と、を備える。外科用器具は、ハンドル組立体と、ハンドル組立体から遠位に延在するシャフト組立体と、シャフト組立体の遠位端に連結されたエンドエフェクタ組立体と、を備える。エンドエフェクタ組立体は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、センサと、を備える。センサは、エンドエフェクタの機能に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを制御回路に送信するように構成されている。制御回路は、システム定義の制約に基づいて、検出されたパラメータを分析し、分析の結果に基づいて外科用器具の少なくとも1つの機能を阻止するように構成されている。外科用システムは、外科用器具の少なくとも1つの阻止された機能に関する現在の状態を提供するように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
実施例2-システム定義の制約は、外科用システムによって実行されている外科処置に関連付けられた履歴データに基づいて、事前定義のパラメータ又は事前定義のパラメータ範囲のうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の外科用システム。
実施例3-現在の状態は、外科用器具の少なくとも1つの機能が阻止されるという第1のメッセージと、外科用器具の少なくとも1つの機能が阻止される理由を示す第2のメッセージと、を含む、実施例1又は2に記載の外科用システム。
実施例4-ユーザインターフェースは、外科用器具の少なくとも1つの機能を可能にするために、制御回路をオーバーライドするように選択可能なユーザインターフェース要素を備える、実施例1、2又は3に記載の外科用システム。
実施例5ー-センサは、エンドエフェクタに結合された力センサを備え、検出されたパラメータは、エンドエフェクタの第1の顎部又は第2の顎部のうちの少なくとも1つに加えられる力を含み、制御回路を介して阻止される少なくとも1つの機能は、取り付けられたシャフトの使用を阻止すること、発射サイクルが開始することを阻止すること、エンドエフェクタの関節運動を阻止すること、シャフトの回転を阻止すること、或いは第1の顎部又は第2の顎部のうちの1つ又は2つ以上が開放するのを阻止することのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例1、2、3又は4に記載の外科用システム。
実施例6-検出されたパラメータに関連付けられたエンドエフェクタの機能は、掴持機能を含み、制御回路を介して阻止される外科用器具の少なくとも1つの機能は、切開機能、凝固機能、ステープル留め機能、又は切断機能のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例1、2、3、4又は5に記載の外科用システム。
実施例7-外科用器具に通信可能に結合された外科用ハブを更に備え、外科用ハブが制御回路を備える、実施例1、2、3、4、5又は6に記載の外科用システム。
実施例8-ハンドル組立体又は外科用ハブのうちの1つは、ユーザインターフェースを備える、実施例7に記載の外科用システム。
実施例9-外科用器具のハンドル組立体、シャフト組立体、又はエンドエフェクタ組立体のうちの1つは、制御回路を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の外科用システム。
実施例10-シャフト組立体は、シャフトの機能に関連付けられたシャフトパラメータを検出し、検出されたシャフトパラメータを制御回路に送信するように構成されたセンサを備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の外科用システム。制御回路は、検出されたシャフトパラメータに更に基づいて、外科用器具の少なくとも1つの機能を阻止するように更に構成されている。
実施例11-外科用システムは、外科用ハブと、外科用ハブに通信可能に結合された外科用器具と、を備える。外科用器具は、ハンドル組立体と、ハンドル組立体から遠位に延在するシャフト組立体と、シャフト組立体の遠位端に連結されたエンドエフェクタ組立体と、を備える。エンドエフェクタ組立体は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、センサと、を備える。センサは、エンドエフェクタの機能に関連付けられたパラメータを検出し、検出されたパラメータを外科用ハブに送信するように構成される。外科用ハブは、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備える。メモリは、システム定義の制約に基づいて、検出されたパラメータを分析し、分析の結果に基づいて外科用器具の少なくとも1つの機能を阻止するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。外科用システムは、外科用器具の少なくとも1つの阻止された機能に関する現在の状態を提供するように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
実施例12-システム定義の制約は、外科用システムによって実行されている外科処置に関連付けられた履歴データに基づいて、事前定義のパラメータ又は事前定義のパラメータ範囲のうちの少なくとも1つを含む、実施例11に記載の外科用システム。
実施例13-現在の状態は、外科用器具の少なくとも1つの機能が阻止されるという第1のメッセージと、外科用器具の少なくとも1つの機能が阻止される理由を示す第2のメッセージと、を含む、実施例11又は12に記載の外科用システム。
実施例14-ユーザインターフェースは、外科用器具の少なくとも1つの機能を可能にするために、外科用ハブをオーバーライドするように選択可能なユーザインターフェース要素を備える、実施例11、12又は13に記載の外科用システム。
実施例15-センサは、エンドエフェクタに結合された力センサを備え、検出されたパラメータは、エンドエフェクタの第1の顎部又は第2の顎部のうちの少なくとも1つに加えられる力を含み、外科用ハブを介して阻止される少なくとも1つの機能は、取り付けられたシャフトの使用を阻止すること、発射サイクルが開始することを阻止すること、エンドエフェクタの関節運動を阻止すること、シャフトの回転を阻止すること、或いは第1の顎部又は第2の顎部のうちの1つ又は2つ以上が開放するのを防止することのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例11、12、13又は14に記載の外科用システム。
実施例16-検出されたパラメータに関連付けられたエンドエフェクタの機能は、掴持機能を含み、外科用ハブを介して阻止された外科用器具の少なくとも1つの機能が、切開機能、凝固機能、ステープル留め機能、又は切断機能のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例11、12、13、14又は15に記載の外科用システム。
実施例17-ハンドル組立体又は外科用ハブのうちの少なくとも1つは、ユーザインターフェースを備える、実施例11、12、13、14、15又は16に記載の外科用システム。
実施例18-シャフト組立体は、シャフトの機能に関連付けられたシャフトパラメータを検出し、検出されたシャフトパラメータを外科用ハブに送信するように構成されたセンサを備える、実施例11、12、13、14、15、16又は17に記載の外科用システム。メモリは、検出されたシャフトパラメータに更に基づいて外科用器具の少なくとも1つの機能を更に阻止するように、プロセッサによって実行可能な命令を更に記憶する。
実施例19-非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令を記憶し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、システム定義の制約に基づいて、外科用システムのエンドエフェクタの機能に関連付けられた検出されたパラメータを分析することであって、外科用システムは、ハンドル組立体と、ハンドル組立体から遠位に延在するシャフト組立体と、シャフト組立体の遠位端に連結されたエンドエフェクタ組立体とを含むことを行わせる。エンドエフェクタ組立体は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、検出されたパラメータを検出し、検出されたパラメータを機械に送信するように構成されたセンサと、を備える。命令は、実行されると、マシンに、分析の結果に基づいて、更に機械に外科用システムの少なくとも1つの機能を阻止することと、ユーザインターフェースを生成することと、を行わせる。ユーザインターフェースは、外科用システムの少なくとも1つの阻止された機能に関する現在の状態を提供する。
実施例20-実施例19の非一時的コンピュータ可読媒体は、実行されると、マシンに、ユーザインターフェース上に、オーバーライド要素を生成させる命令を更に含む。オーバーライド要素は、外科用システムの少なくとも1つの機能を可能にするように選択可能である。
スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム
動作パラメータを評価するための安全システム
本開示の様々な態様は、外科用器具の1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された組織パラメータに応答して、外科用器具の内部駆動動作を適応させる、制御する、及び/又は同調させることが可能な改善された安全システムを対象とする。より具体的には、様々な態様は、組織パラメータを感知し、感知された組織パラメータに対する現在の装置パラメータの妥当性を示すことを目的とする。
例えば、感知された組織パラメータは、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、患者の解剖学的な構造上の組織の位置、組織の血管新生などを含んでもよく、現在の装置パラメータとしては、カートリッジの色、カートリッジの種類、補助部、掴持負荷、間隙、発射速度などを含んでもよい。したがって、本開示の態様によれば、生理学的感知は、デバイス若しくはその構成要素の不適切な使用、及び/又は装置の不適切な位置決めを示す場合がある。
一実施例では、外科用器具若しくはその構成要素の不適切な使用、及び/又は外科用器具の不適切な位置付けは、エンドエフェクタの顎部における1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された生理学的感知に基づいて、関連付けられた制御回路を介して判定されてよい。そのような実施例では、不適切な使用の判定及び/又は不適切な位置決めの判定後、関連付けられた制御回路は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上の機能(例えば、ステープル留め)が実行されることを阻止することができる。更に、このような実施例では、関連付けられた制御回路は、関連付けられた制御回路が外科用器具若しくはその構成要素及び/又は外科用器具の位置決めが修正されたと判定した場合(例えば、不適切なステープルカートリッジの交換、外科用器具の再配置など)、又はオーバーライドが受信された(例えば、外科用器具上、外科用器具に結合された外科用ハブ上、手術室にあるユーザインターフェースを介して)と判定した場合、関連付けられた制御回路は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上の機能を可能にしてよい。
本開示の様々な態様による図94を参照すると、外科用システム24200は、制御回路と(24212、24222、24232及び/又は24242、例えば任意の場所(複数可)を示すために仮想線での)、ユーザインターフェースと(24214、24224、22234、24244及び/又は24254、例えば、任意の場所(複数可)を示すために仮想線での)、外科用器具24202とを備えてもよい。外科用器具24202は、エンドエフェクタ組立体24210の構成要素A-24216~構成要素-N 24218と、同様に例示のために省略された形態での、それぞれシャフト組立体24220及びハンドル組立体24230の構成要素-A(C-A)~構成要素-N(C-N)などの複数の構成要素を含む。様々な態様において、外科用器具24202の各構成要素は、少なくとも1つの装置パラメータを含み得る。例えば、エンドエフェクタ組立体24210の構成要素Aー24216は、パラメータPAa-PAn24217を含むことができ、エンドエフェクタ組立体24210の構成要素-N 24218は、パラメータPNa-PNn24219を含むことができるなどである。別の例として、シャフト組立体24220のC-A~C-N、及びハンドル組立体24230のC-A~C-Nの各々も同様に、少なくとも1つの装置パラメータを含むことができる。各構成要素は、その対応する装置パラメータを制御回路に送信するように構成することができる。外科用器具24202は、外科用器具の機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを制御回路に送信するように構成されたセンサ(24213、24223及び/又は24233)を更に含む。制御回路は、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析するように構成され得る。
再び図94を参照すると、制御回路24212、24222及び/又は24232(例えば、それぞれエンドエフェクタ組立体24210、シャフト組立体24220及びハンドル組立体24230の要素としてそれぞれ示される)は、様々な態様において、外科用器具24202の複数の構成要素のうちの1つ又は2つ以上(例えば、ハンドル組立体24230のハンドル、シャフト組立体24220のシャフト、エンドエフェクタ組立体24210エンドエフェクタ、エンドエフェクタ組立体のステープルカートリッジなど)に組み込まれる、又は外科用器具24202とペアリングされた(例えば無線で)外科用ハブ24240に組み込まれてもよい(例えば24242)。同様に、センサ(複数可)24213、24223及び/又は24233、ユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234並びにメモリ24215、24225及び/又は24235(例えば、それぞれ、エンドエフェクタ組立体24210、シャフト組立体24220及びハンドル組立体24230の要素として示される)は、様々な態様において、複数の構成要素のうちの1つ又は2つ以上に組み込まれてもよい。特に、様々な態様によれば、外科用器具24202及び/又は外科用ハブ24240は、状況認識外科用器具及び/又は状況認識外科用ハブであってもよい。状況認識は、データベースから受信したデータ(例えば、外科処置に関連付けられた履歴データ)及び/又は外科用器具(例えば、外科処置中のセンサデータ)から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推定する外科用システム(例えば24200)の能力を指す。例えば、判定された又は推測された情報は、実行される処置の種類、操作される組織の種類、処置の対象となる体腔などを含むことができる。外科処置に関連するそのようなコンテキスト情報に基づいて、外科用システムは、例えば、ペアリングされた外科用器具又はその構成要素を制御することができ、及び/又は外科処置の過程を通して、外科医に状況にあてはまる情報又は提案を提供することができる。
一態様によれば、状況認識外科用ハブ(例えば、24240)は、外科処置を行うために利用される外科用器具24202とペアリングされる(例えば、無線で)。そのような態様では、外科用器具24202は、エンドエフェクタ(例えば、構成要素Aー24216)を含む複数の構成要素を備えてもよい。エンドエフェクタ24216は、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、切断ブレードと、エンドエフェクタ24216の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを外科用ハブ24240の制御回路24242に送信するように構成された一体型センサ24213と、を備えてもよい。エンドエフェクタ24216を含む外科用器具24202の複数の構成要素(例えば、構成要素-N 24218、例えばステープルカートリッジなど)は、それぞれの装置パラメータ(例えば、それぞれ24219及び24217)を外科用ハブ24240に送信するように構成されている。特に、本明細書及び他の開示される態様で参照されるようなセンサ(例えば、24213)は、複数のエンドエフェクタ24216に関連付けられた複数の組織パラメータを検出するように構成された複数のセンサを備えてもよいことを理解されたい。したがって、更に、そのような態様では、外科用ハブ制御回路24242は、外科的処置の過程を通して、そのようなパラメータデータ(例えば、検出された組織パラメータ(複数可)、エンドエフェクタを含む各構成要素の装置パラメータなど)を受信するように構成されてもよい。検出された組織パラメータは、関連付けられたエンドエフェクタ機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)が実行されるたびに受信され得る。外科用ハブ制御回路24242は、内部データベース(例えば、外科用ハブデータベース24249)及び/又は外部データベース(例えば、クラウドデータベース24269から)からデータを受信するように更に構成されてもよい。様々な態様によれば、内部データベース24249及び/又は外部データベース24269から受信されたデータは、処置データ(例えば、外科処置を実行する工程、外科処置に関連するそれぞれの装置パラメータを示すデータ)及び/又は履歴データ(例えば、外科処置に関連する履歴データに基づいて予測される組織パラメータを示すデータ、患者の手術履歴データなど)を含んでよい。様々な態様では、処置データは、外科処置のための現在の/認識された標準的な治療手順を含んでもよく、履歴データは、外科処置に関連する履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいた、それぞれの受信された装置パラメータに対する好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を含み得る。受信されたデータ(例えば、パラメータデータ、内部及び/又は外部データなど)に基づいて、外科用ハブ制御回路24242は、進行中の外科処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてもよい。すなわち、状況認識外科用ハブは、例えば、レポートを生成するための外科処置に関するデータを記録し、外科医が外科処置を実施するためにとる工程を検証し、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを提供し(例えば、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244及び/又は24254、並びに/又は外科用器具に関連付けられたユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して)、外科用器具の機能を制御するなどに構成されてよい。
別の態様によれば、状況認識外科用器具(例えば、24202)は、外科処置を行うために利用されてもよい。そのような態様では、本明細書に記載されるように、外科用器具24202は、エンドエフェクタ24216を含む複数の構成要素を備えてもよい。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第1の顎部に枢動可能に結合された第2の顎部と、切断ブレードと、エンドエフェクタ24216の機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを制御回路に伝達するように構成された一体型センサ24213と、を備えてもよい。特に、そのような態様では、検出された組織パラメータは、エンドエフェクタ24216の一体化された制御回路24212に送信されてもよい。エンドエフェクタ24216を含む外科用器具の複数の構成要素(例えば、構成要素-N 24218、例えばステープルカートリッジなど)のそれぞれは、そのそれぞれの装置パラメータを統合エンドエフェクタ制御回路24212に送信するように構成されている。そのような態様では、統合されたエンドエフェクタ制御回路24212は、外科的処置の過程を通して、そのようなパラメータデータ(例えば、検出された組織パラメータ(複数可)、エンドエフェクタを含む各構成要素の装置パラメータ(複数可))を受信するように構成されてもよい。検出された組織パラメータは、関連するエンドエフェクタ機能(例えば、切開、掴持、凝固、切断、ステープル留めなど)が実行されるたびに受信されてもよい。統合されたエンドエフェクタ制御回路24212は、外科処置の過程を通して、内部データベース(例えば、エンドエフェクタメモリ24215)及び/又は外部データベース(例えば、外科用ハブデータベース24249から外科用ハブ24240を介してクラウドデータベース24269から)データを受信するように更に構成されてもよい。様々な態様によれば、内部データベース及び/又は外部データベースから受信されたデータは、ステープルカートリッジデータ(例えば、エンドエフェクタ制御回路24212によって装置パラメータ(複数可)が受信されたステープルカートリッジ(例えば24218)に関連付けられたステープルのサイズ及び/又は種類)、及び/又は履歴データ(例えば、履歴データに基づいたそのようなサイズ及び/又は種類でステープル留めされるべき予測される組織及び/又は組織の種類を指すデータ)を含んでよい。様々な態様では、内部データ及び/又は外部データは、外科処置に関連付けられた履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいた、それぞれの受信した装置パラメータに対する好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を含み得る。一実施例では、内部データ及び/又は外部データは、好ましい/理想的な組織パラメータ、及び/又は予測される組織及び/又は組織の種類のための好ましい/理想的な組織パラメータ範囲、或いは履歴データ(例えば、システム定義の制約)に基づいて、ステープルカートリッジ(例えば、24218)の装置パラメータに関連付けられたステープルのサイズ及び/又は種類のための好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を含んでもよい。受信したデータ(例えば、パラメータデータ、内部データ及び/又は外部データなど)に基づいて、エンドエフェクタ制御回路24212は、進行中の処置に関する推論(例えば、コンテキスト情報)を継続的に導出するように構成されてもよい。特に、代替の態様によれば、エンドエフェクタ24216の一体化されたセンサ24213は、検出された組織パラメータ(複数可)を、別の外科用器具の構成要素、例えばハンドル組立体24230のハンドルに関連付けられた制御回路(例えば、24222及び/又は24232)に送信してもよい。そのような態様では、他の外科用器具の構成要素の制御回路(例えば、24222及び/又は24232)は、上述のようにエンドエフェクタ制御回路24212の様々な態様を実行するように同様に構成されてもよい。最後に、状況認識外科用器具(例えば、24202)は、そのユーザに不一致を警告する(例えば、エンドエフェクタ24214のユーザインターフェースを介して、別の外科用器具の構成要素、例えばハンドレル組立体24230のハンドレルのユーザインターフェース24224及び/又は24234を介して、或いは、外科用器具24202に結合された外科用ハブ24240に関連付けられたユーザインターフェース24244を介して)ように構成されてよい。例えば、不一致には、検出された組織パラメータが、これらのサイズ及び/又はタイプのステープル、或いはそれらの予想される組織及び/又は組織の種類に関連付けられた好ましい/理想的な組織パラメータ、及び/又は好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を超えることが含まれてよい。更なる例として、状況認識外科用器具(例えば、24202)は、不一致に基づいて外科用器具の機能を制御するように構成されてもよい。少なくとも1つの態様によれば、状況認識外科用器具(例えば、24202)は、不一致に基づいて手術機能を阻止することができる。
不適切なデバイスの配置
本開示の様々な態様によれば、生理学的感知(例えば、1つ又は2つ以上のセンサを介して検出される)は、デバイス配置の懸念を示す場合がある。より具体的には、このような態様によれば、エンドエフェクタの第1の顎部及び第2の顎部内/それら間に(例えば、掴持後)、生理学的不適合が存在する場合があり、エンドエフェクタの更なる機能(例えば、凝固、切断、ステープル留めなど)が禁止/阻止され得る。
様々な態様によれば、外科処置は、標的組織(例えば、腫瘍)の切除を含み得る。図92を参照すると、例えば、患者組織24000の一部分は、腫瘍24002を含む場合がある。そのような態様では、手術マージン24004は、腫瘍24002を囲むように画定されてよい。特に、外科処置中に、腫瘍を取り囲む健康な組織の切除を回避及び/又は最小限にすることが理想的である。しかしながら、腫瘍の完全な除去を確実にするために、その外科処置に関連付けられた現在の/認識された標準的な治療手順は、腫瘍を取り囲む距離によって画定される所定の手術マージン、及び/又は腫瘍を取り囲む距離範囲によって画定される所定の手術マージンの切除を承認する場合がある。一態様では、承認される手術マージンは、腫瘍に依存してもよい(例えば、腫瘍の種類、腫瘍のサイズなどに基づいて)。別の態様では、承認される手術マージンは、周囲組織への腫瘍の微小浸潤の程度に依存する場合もある。他の態様では、承認される手術マージンは、その腫瘍及び/又は外科処置に関連付けられた履歴データに基づいて、長期生存の改善に相関される場合もある。更に他の態様では、関連付けられた制御回路(例えば、図94を考慮して、外科用器具内で、外科用器具の構成要素内の24212、24222、24232、外科用器具に結合された外科用ハブ内24242)は、内部24215、24225及び/又は24235から、並びに/或いは外部データベース24249及び/又は24269から受信したデータ(例えば、クラウドから、外科用ハブなどからの患者の手術履歴データ、患者の病歴データ、再発腫瘍に関する標準的な治療手順)に基づいて承認される手術マージンを先んじて調節してもよい。そのような態様では、図92に戻って参照すると、通常の最終的な手術マージン(例えば、24004)は、そのような受信されたデータに基づいて調節された手術マージン(例えば、24012)に対して決定された量/距離(例えば24010)だけ変更されてもよい(例えば、その患者の手術及び/又は病歴データは、腫瘍が周囲組織を更にわずかに冒している可能性があることを示唆する場合があり、その患者は、再発性腫瘍などの事例を既に有する可能性があることを示唆し得る)。
更に、様々な態様では、外科処置のために標的手術マージン(例えば、24004及び/又は24012)が確立された後、外科処置中に腫瘍及び/又はその標的の手術マージンを効率的かつ/又は正確に識別し切除することは困難な場合がある。本開示の様々な態様による図94を再び参照すると、外科用器具24202のエンドエフェクタ(例えば、24216)は、第1の信号を測定し、関連付けられた制御回路(例えば外科用器具において、外科用器具の構成要素内の24212、24222及び/又は24232、外科用器具に結合された外科用ハブ内の24242)に第1の信号を送信するように構成された第1のセンサ(例えば、24213)を備えてよい。そのような態様では、第2の信号を測定し、関連付けられた制御回路に第2の信号を送信するように構成された第2のセンサは、腫瘍を切除するために外科用器具を使用する前に、腫瘍上/内に配置されてよい(図92を参照、例えば24006、腫瘍に対する中心位置)。ここで、様々な態様によれば、第2のセンサは、外科用器具とは別個であってもよい。加えて、及び/又は代替的に、そのような態様では、第2のセンサは、腫瘍を切除するために外科用器具を使用する前に、腫瘍の周辺に位置付けられたセンサを備えてもよい(図92、例えば、24008参照)。別の態様によれば、複数の第2のセンサが、腫瘍の周辺部の周囲に配置されてもよい。ここで、このような態様では、制御回路は、第1の信号及び第2の信号に基づいて、第1のセンサと第2のセンサとの間の距離を動的に計算するように構成されてもよい。様々な態様によれば、第1のセンサは、エンドエフェクタの切断ブレードに/その近くに位置付けられてもよい。標的手術マージンを検出するための更なる例示的方法は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SYSTEM AND METHOD FOR A TISSUE RESECTION MARGIN MEASUREMENT DEVICE」と題された、米国特許出願公開第2016/0192960号に記載されている。
一実施例では、第2のセンサが腫瘍上/内(例えば、中心位置24006)に位置付けられている場合、制御回路は、外科処置のために確立された第2のセンサと標的の手術マージンとの間のマージン距離を決定するように更に構成されてもよい。このような例では、制御回路は、動的に計算された距離(例えば、第1のセンサと第2のセンサとの間)を、その決定されたマージン距離と比較することで、エンドエフェクタ(例えば切断ブレード)を標的手術マージンに効率的かつ正確に配置することができる(例えば、動的に計算された距離が決定されたマージン距離に等しい、又は実質的に等しいとき、エンドエフェクタは適切に位置付けられる)。制御回路は、そのような技術を利用して、標的手術マージンの周囲(例えば、切除中)にエンドエフェクタ(例えば、切断ブレード)を効率的かつ正確に配置するように構成されてもよい。
別の例では、第2のセンサが腫瘍の周辺に位置付けられるか、又は複数の第2のセンサが腫瘍の周辺部、例えば、24008の周りに配置される場合、制御回路は、第2のセンサと外科処置のために確立された標的手術マージンとの間のマージン距離を決定するように更に構成されてもよい。このような例では、制御回路は、動的に計算された距離(例えば、第1のセンサと第2のセンサとの間)を、その決定されたマージン距離と比較することで、エンドエフェクタを標的手術マージンに効率的かつ正確に配置することができる(例えば、動的に計算された距離が決定されたマージン距離に等しい、又は実質的に等しいとき、エンドエフェクタは適切に位置付けられる)。制御回路は、そのような技術を利用して、標的手術マージンの周囲(例えば、切除中)にエンドエフェクタ(例えば、切断ブレード)を効率的かつ正確に配置するように構成されてもよい。そのような態様は、腫瘍が異常な形になっているときに有益であり得る。
再び図94を参照すると、様々な態様によれば、制御回路は、エンドエフェクタ(例えば、又はその切断ブレード)が、標的手術マージン(例えば24004及び/又は24012)に対して適切に配置された/位置付けられたとき、外科医に知らせるように構成されてよい(例えば、外科用器具上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用器具に結合された外科用ハブ上のユーザインターフェース24244、及び/又は手術室のユーザインターフェース24254などを介してリアルタイムで)を通知するように構成されてもよい。例えば、ユーザインターフェースは、i)エンドエフェクタ(例えば、24216)が標的手術マージンに位置付けられていることを視覚的に確認するため、及び/又はエンドエフェクタ(例えば、又はその切断ブレード)を標的手術マージンに対して移動させるために、外科医に標的手術マージンを示すデジタルオーバーレイを備えた手術部位のビデオ画像、ii)エンドエフェクタの切断ブレードが標的手術マージンに位置付けられたことを示すために、外科用器具24202自体にある触覚フィードバック、及び/又はiii)エンドエフェクタの切断ブレードが標的手術マージンに位置付けられたことを示す聴覚フィードバックのうちの少なくとも1つを備えてよい。
更なる態様にかかる図94を再び参照すると、制御回路は、エンドエフェクタ(例えば、切断ブレード)が癌マージン(例えば、標的手術マージンの内側で、腫瘍によってわずかに冒された周囲組織に近接する)に近すぎる、及び/又はその範囲内にある場合、外科用器具24202が発射するのを阻止するように構成され得る。このような態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを受信して(例えば、外科用器具にあるユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234、外科用器具に結合された外科用ハブ上のユーザインターフェース24244、並びに/或いは手術室のユーザインターフェース24254などを介して)、発射を継続することを可能にするように更に構成されてもよい。一実施例では、このようなユーザインターフェースは、発射が継続することを可能にするように選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。そのような態様では、制御回路は、癌マージンに対してエンドエフェクタ(例えば、その切断ブレード)を監視し続けることができる。更に、このような態様では、制御回路は、発射を再び停止する、外科医に警告する、及び/又は記載されるオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。他の態様によれば、制御回路は、リセットイベントが生じる(例えば、エンドエフェクタの顎部を開放し、癌マージンに対してエンドエフェクタの顎部を再配置する)まで発射を阻止するように構成されてもよい。
本開示の他の態様による図94を再び参照すると、外科用システム24200の1つ又は2つ以上のセンサは、エンドエフェクタ(例えば、24216)の第1の顎部と第2の顎部との間に掴持された組織を通る血流を検出し得る(例えば、24216)。例えば、ドップラー撮像検出器(例えば、外科用ハブに連結されたエンドエフェクタ上に組み込まれた24213、例えばドップラー撮像検出器を備えるパラメータ感知構成要素24253など)は、そうでなければ手術部位で(例えば、赤色、緑色、及び/又は青色レーザ光を介して)見ることができない血管を特定し、識別するように構成されてよく、スペックルコントラスト分析を実行して、そのような血管を通る血流の量及び/又は速度を決定することができる。特に、一例では、いくつかの血管(例えば、腫瘍に関連付けられる)を封止するが、他のもの(例えば、健康な組織/臓器に関連付けられる)は封止しないことが望ましい場合がある。したがって、関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具において、外科用器具の構成要素内24212、24、222及び/又は24232、外科用器具に結合された外科用ハブ内24242など)は、血流が血流の所定量及び/又は速度を超えた場合に外科用器具24202が発射することを阻止するように構成され得る。このような態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを(例えば、外科用器具24214、24224及び/又は24234上のユーザインターフェース、外科用器具に結合された外科用ハブ上ユーザインターフェース24244、並びに/或いは手術室のユーザ24254などを介して)受信して、(例えば血流が腫瘍に関連する場合)発射を継続することを可能にするように更に構成されてもよい。一実施例では、このようなユーザインターフェースは、発射が継続することを可能にするように選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。このような態様では、制御回路は、血流のために掴持された組織を監視し続けることができる。更に、このような態様では、制御回路は、発射を再び停止する、外科医に警告する、及び/又は記載されるオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。他の態様によれば、制御回路は、リセットイベントが生じる(例えば、エンドエフェクタの顎部を開放し、血流の所定の量及び/又は速度を超える血流を有する血管に対してエンドエフェクタの顎部を再配置する)まで発射を阻止するように構成されてもよい。
本開示の他の態様による図94を再び参照すると、外科用システム24200の1つ又は2つ以上のセンサは、エンドエフェクタ(例えば、24216)の第1の顎部と第2の顎部との間の組織の掴持と同時に、及び/又はその直後に、血圧の上昇を検出し得る。例えば、血圧モニタ(例えば、外科用ハブに結合される、例えば、血圧モニタを備えるパラメータ感知構成要素24253など)は、掴持と同時に血圧の上昇を検出し得る。様々な態様によれば、外科用システム24200は、状況認識され、検出された血圧の増加が、エンドエフェクタの顎部の間/顎部内で組織を掴持することによって引き起こされたことを推測し得る。例えば、臨界血流を含む血管が顎部の間/顎部内に捕捉され、狭窄した血流をもたらす場合がある。そのため、様々な態様によれば、関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具において、外科用器具の構成要素内にある24212、24、222及び/又は24232、外科用器具結合された外科用ハブ内の24242など)、血圧上昇が所定の量及び/又は所定の範囲を超えた場合、外科用器具24202が発射することを阻止するように構成され得る。そのような態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを(例えば、外科用器具上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234、並びに/或いは外科用器具に結合された外科用ハブ上のユーザインターフェース24244、並びに或いは手術室のユーザインターフェース24254などを介して)を受信して、発射が継続することを可能にするように更に構成されてもよい。(例えば、外科医は、組織がまだ掴持されている間に血圧が低下したことを観察し、状況に応じて外科用システムが、血圧の上昇が別の原因をもたらすなどと認識する)。一実施例では、このようなユーザインターフェースは、発射が継続することを可能にするように選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。このような態様では、制御回路は、患者の血圧を監視し続けることができる。更に、このような態様では、制御回路は、発射を再び停止する、外科医に警告する、及び/又は記載されるオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。他の態様によれば、制御回路は、リセットイベントが生じる(例えば、顎部を開放し、掴持された組織に対してエンドエフェクタの顎部を再配置する)まで発射を阻止するように構成されてもよい。
本開示の他の態様による図94を再び参照すると、外科用システムの1つ又は2つ以上のセンサは、エンドエフェクタ(例えば、24216)の第1の顎部と第2の顎部との間に掴持された組織内の重要な神経束を検出することができる。例えば、心拍数モニタ(例えば、外科用ハブに結合されたエンドエフェクタ上に統合されている24213、心拍数モニタを含むパラメータ感知構成要素24253など)は、第1の顎部と第2の顎部との間の組織の掴持と同時に、及び/又は直後に心拍数の増加を検出してもよい。様々な態様によれば、外科用システム24200は、状況認識され、内部24215、24225、24235、24249及び/又は外部データベース24249及び/又は24269から受信したデータ(例えば、実施されている外科処置の手術部位に関連付けられた解剖学的情報)の文脈において、心拍数の検出された増加は、エンドエフェクタの顎部の間/顎部内で組織を掴持することによって引き起こされていることを推定してよい。そのような態様によれば、関連付けられた制御回路(例えば、外科用器具において、外科用器具の構成要素内の24212、24 222及び/又は24232、外科用器具に結合された外科用ハブ内の24242など)は、外科用器具24202が推論に基づいて発射するのを阻止するように構成され得る。更にこのような態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを(例えば、外科用器具上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234、外科用器具に結合された外科用ハブ上のユーザインターフェース24244、並びに/或いは手術室のユーザインターフェース24254など)受信して、発射が継続することを可能にする(例えば、外科医は、組織が依然として掴持されている間に患者の心拍数が減少したことを観察し、外科用システムが、心拍数が別の原因に起因すると考えると状況認識する)ように構成されてよい。一実施例では、このようなユーザインターフェースは、発射が継続することを可能にするように選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。このような態様では、制御回路は、患者の心拍数を監視し続けることができる。更に、このような態様では、制御回路は、発射を再び停止する、外科医に警告する、及び/又は記載されるオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。他の態様によれば、制御回路は、リセットイベントが生じる(例えば、顎部を開放し、掴持された組織に対してエンドエフェクタの顎部を再配置する)まで発射を阻止するように構成されてもよいように構成されてもよい。
本開示の他の態様による図94を再び参照すると、外科用システム24200の1つ又は2つ以上のセンサは、外科用器具24202が通電された装置(例えば、RF器具/装置)と接触していることを検出し得る。一実施例では、外科用器具及び通電された装置は、外科用システム24200内の外科用ハブ24240に通信可能に結合されてもよい。例えば、図9に戻って参照すると、装置/器具235並びにエネルギー装置241は、外科用ハブ206のモジュール式制御タワー236に結合されてもよい。そのような実施例では、通電された装置241の電気外科エネルギーを生成する発生器240、及び/又は通電された装置に組み込まれたセンサは、通電されたデバイスに関連付けられたインピーダンスが、閾値の期間にわたって閾値を下回る場合(例えば、短絡を示すインピーダンス低下)を検出するように構成されてもよい。図48と同様に、通電された装置の一体型センサは、経時的なインピーダンスを測定するように構成されてもよい。電気外科用医療装置における短絡を検出する、DETECTING SHORT CIRCUITS IN ELECTROSURGICAL MEDICAL DEVICESと題する米国特許第9,554,854号に記載されているものなどの、短絡を検出するための様々な代替方法が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる(例えば、一連のパルスのパルス内の異なる位置におけるインピーダンス値を比較するなど)。様々な態様によれば、外科用システム24200は、状況認識され、検出された短絡が、内部24215、24225、24235、24249並びに/或いは外部データベース24249及び/又は24269から受信したデータ(例えば、外科処置の特定の工程及び/又は現在の工程が、別個の外科用器具(例えば、電気外科用器具/装置)の使用を伴うことを示す処置データ)の文脈で、別個の外科用器具の使用に関連する(例えば、外科用器具の導電性の表面が、通電装置と接触して、短絡を引き起こす)ことを推定してよい。そのような態様によれば、関連する制御回路は(例えば、外科用器具において、外科用器具及び通電された装置の構成要素内の24212、24、222及び/又は24232、外科用器具に結合された外科用ハブ内の24242など)、外科用器具24202が推論に基づいて発射することを阻止するように構成され得る。短絡が存在する場合、電気外科エネルギー(例えば、RFエネルギー)で組織を治療(例えば、凝固)することが困難な場合があり、望ましくない外科的結果(例えば、不完全な組織治療、導電性物体の過剰な加熱など)を生じさせる場合がある。そのような文脈において、制御回路は、(例えば、外科用器具24244に結合された外科用ハブ上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234、並びに/或いは手術室24254のユーザインターフェースなどを介して、リアルタイムで)通知するように構成されてもよい。は、短絡が存在し、外科用器具24202の発射が中断されていることを外科医に知らせるように構成されてよい。更にこのような態様によれば、制御回路は、オーバーライドコマンドを(例えば、外科用器具上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234、外科用器具に連結された外科用ハブ上のユーザインターフェース24244、並びに/或いは手術室のユーザインターフェース24254などを介して)を受信して、発射が継続することを可能にする(例えば、外科医は、短絡が存在せず、標的組織は低インピーダンスを含むことを検証するなど)ように構成されてもよい。一実施例では、このようなユーザインターフェースは、発射が継続することを可能にするように選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。このような態様では、制御回路は、短絡を監視し続けることができる。更に、このような態様では、制御回路は、発射を再び停止する、外科医に警告する、及び/又は記載されるオーバーライドコマンドを受信するように構成されてもよい。他の態様によれば、制御回路は、リセットイベントが発生する(例えば、再配置された外科用器具がもはや接触しないように、通電された装置に対して再配置される)まで発射を阻止するように構成されてもよい。
不適切な装置の選択/提案される使用
本開示の様々な態様によれば、生理学的感知(例えば、1つ又は2つ以上のセンサを介して検出される)は、外科用器具/装置の選択に関する懸念を示し得る。より具体的には、このような態様によれば、外科用器具と組織の不適合が存在する場合があり、エンドエフェクタの更なる機能(例えば、凝固、切断、ステープル留めなど)が禁止/阻止される場合がある。
本開示の一態様による図94を更に参照すると、外科用器具24242に連結された外科用ハブ内の制御回路は(例えば、外科用器具24212、24、222及び/又は24232の構成要素内の)、組織に特異的ステープラ(例えば、血管ステープラ)、及び感知された情報の任意の組み合わせが(例えば、1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された)、標的組織が、組織に特異的ステープラに不適切であり得る(例えば、反対のことを示す)ことを示唆する場合、警告を提供するように構成されてもよい。
図93は、本開示の様々な態様による装置選択の懸念に対処するための例示的な安全プロセス24100を示す。少なくとも1つの態様によれば、安全プロセス24100は、外科用システム(例えば、図94の24200)の状況認識外科用ハブ(例えば、図94の24242)に関連付けられた制御回路によって実行/実施されてもよい(例えば、外科処置の間)。他の態様によれば、安全プロセス24100は、外科用システム(例えば、図94の24200)の状況認識外科用器具(例えば、図94の24212、24222及び/又は24232)に関連付けられた制御回路によって実行/実施されてもよい(例えば、外科処置の間)。
図93を参照すると、組織識別プロセス24108は、装置選択24102(例えば、ステープラ選択、例えば、軟組織に発射するのに適したステープラ、血管に発射するのに適したステープラ、気管支に発射するのに適したステープラなど)、1つ又は2つ以上のセンサによって検出された種々の装置測定値24104(例えば、エンドエフェクタ閉鎖角度、エンドエフェクタと接触している組織の長さ、近接/圧縮曲線など)、及び状況認識情報24106(例えば、手術情報、外科医の傾向など)を含む入力を受信してよい。
図93を考慮すると、デバイス選択24102で、安全プロセス24100を実行/実施する制御回路は、選択されたステープラ/装置からの装置パラメータ、及び/又は選択されたステープラ/装置の各構成要素(例えば、ステープルカートリッジ)に関連付けられた装置パラメータを受信して装置選択を指示するように構成されてもよい。例えば、ステープルカートリッジに関連付けられた装置パラメータは、カートリッジの種類、カートリッジの色、カートリッジへの補助部、カートリッジの掴持負荷限界、カートリッジの間隙範囲、カートリッジの発射速度などを含んでもよい。一態様によれば、装置パラメータは、外科用システムに結合されると、ステープラ/装置によって制御回路に送信されてもよい。代替的な態様によれば、装置の選択は、ユーザインターフェース(例えば、外科用ハブ及び/又は手術室に関連付けられた、例えば図94の24244及び/又は24254)を介して入力されてもよく、及び/又は内部及び/若しくは外部データベース(例えば、実施されている外科処置及び/又は利用できる外科用器具に関するデータ、例えば図94の24249及び/又は24269)から受信されてもよい。
更に図93を考慮すると、装置測定値24104は、エンドエフェクタ(例えば、図94の構成要素-A、24216)及び/又は外科用器具の他の構成要素(例えば、図94の構成要素-N、24218、例えばステープルカートリッジ)に関連付けられた1つ又は2つ以上のセンサを介して(例えば、図17、図18、図53、図78などで本発明に記載されるように)検出されてよい。例えば、1つ又は2つ以上の組織センサが、エンドエフェクタと接触している組織の長さを評価するために、エンドエフェクタの長さに沿って連続性をチェックする、及び/又は組織インピーダンスを測定するように位置決めされ、構成されてもよい(例えば、分割電極を使用して組織の位置を判定する図17のセンサ(複数可)738、及び/又はエンドエフェクタの長さに沿った組織の存在を判定するために組織インピーダンスを測定する図78のセンサ153468など)。更なる例として、1つ又は2つ以上のセンサは、顎部/エンドエフェクタの閉鎖角度を検出/推定するように位置付けられ、構成されてもよい(例えば、掴持アクチュエータ/駆動部材の変異を検出する変位センサ、例えば図17の位置センサ734、エンドエフェクタの第1の顎部と第2の顎部の間の間隙を検出するなど間隙センサ、例えば図53のセンサ 152008a)。更なる例として、1つ又は2つ以上のセンサは、第1の顎部と第2の顎部との間で組織を圧縮/閉鎖する力を検出するように位置付けられ、構成されてもよい(例えば、組織が掴持されるときの力を検出するために第1の顎部及び/又は第2の顎部の組織面上に力センサ、例えば力センサを備える図17のセンサ738、組織に加えられる力に相関される駆動部材の電流引き込みを検出するセンサ、例えば図17の電流センサ736、閉鎖するための力を測定するためのトルクセンサ、例えば図17の744bなど)。エンドエフェクタ閉鎖角度、エンドエフェクタと接触している組織の長さ、及び閉鎖/圧縮する力を検出するための様々な更なる態様が本明細書の他の箇所で説明されている。
次に、図93を考慮すると、外科認識情報24106は、図94に照らして、外科用ハブ24242に関連付けられた内部データベース24249及び/若しくは外部データベース24269を介して、並びに/又は外科用器具24202に関連付けられた内部24215、24225、24235及び/若しくは外部データベース24249、24269を介して受信されてよい。
図93に戻ると、組織識別プロセス24108は、外科用器具(例えば、軟組織、血管、血管、気管支など)が遭遇する組織タイプを決定するように構成されている。一実施例では、組織識別プロセス24108は、様々な入力(例えば、顎部が完全に開いているとき、顎部の長さに沿って検出された組織接触、閉鎖と開口の曲線が、組織が軟組織と一致することを示唆するなど)に基づいて組織の種類が軟組織であると判定してよい。別の例では、組織識別プロセス24108は、様々な入力(例えば、閉鎖中にほぼ直ちに検出された組織接触、ステープラの小さい領域の上でのみ検出され、かつ遠位側で区切られて検出された組織接触、初期に検出された閉鎖力は、組織構造が血管と一致すること示唆するなど)に基づいて、組織の種類が血管(例えば、PA/PV)であると判定する場合もある。更に別の例では、組織識別プロセス24108は、様々な入力(例えば、閉鎖中にほぼ直ちに検出された組織接触、ステープラの小さい領域上でのみ検出され、かつ遠位側及び近位側の両方で区切られて検出された組織接触、初期に検出された閉鎖力は、組織構造が気管支と一致することを示唆するなど)に基づいて、組織の種類が気管支であると判定してもよい。様々な態様によれば、このような組織の種類の決定は、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置(例えば、患者に対する)、及び本明細書に記載される1つ又は2つ以上のセンサによって取得された測定値から検出される、及び/又はそれに由来する組織内の血管新生を含む組織パラメータに更に基づいてもよい。特に、組織識別プロセス24108は、組織識別の出力/結果に到達する前に、更なる入力(例えば、ステープラの選択、手術情報、外科医の傾向など)との関連で、そのような初期の組織決定を更に評価してもよい。そのような状況認識は、最終的には組織識別の出力/結果をもたらす。ここで、遭遇した組織を識別するための様々な態様が、本明細書の他の箇所で更に議論されている(例えば、胸部手術の例など)。
図93に戻って参照すると、組織識別の出力/結果は、選択されたステープラ/装置、及び/又は選択されたステープラ/装置の各構成要素が(例えば、ステープルカートリッジ、シャフトなど)、外科処置に対して最適であるかどうかを判定する24110ために利用されてよい。そのような態様では、制御回路は、内部及び/又は外部データベース(例えば、図94を参照して、外科用ハブ24242に関連付けられた内部24249及び/又は外部データベース24269、並びに/或いは外科用器具24202に関連付けられた内部24215、24225、24235及び/又は外部データベース24249、24269)から更なる情報24112を受信することができる。より具体的には、更なる情報24112は、他の利用可能なステープラ、他の利用可能なエネルギー装置、他のステープラ構成要素(例えば、ステープルカートリッジ、シャフトなど)を含んでもよい。少なくとも1つの態様によれば、利用可能性は、手術場所における現在の在庫状況次第である場合もある。特に、更なる情報24112はまた、各々の他の利用可能なステープラ、各々の他の利用可能なエネルギー装置、選択されたステープラ/装置と共に使用するために利用可能な各々の他のステープラ構成要素などを含み得る。
様々な態様によれば、選択されたステープラ/装置が最適であるかどうかを評価するとき24110、安全プロセス24100を実行/実施する制御回路は、システム定義の制約に基づいて、選択されたステープラ/装置24102に関連付けられた各々受信した装置パラメータと連携して、各検出された各組織パラメータ(例えば、本発明に記載される1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された)を分析するように構成されてよい。加えて、このような態様によれば、制御回路は、システム定義の制約に基づいて、各々の他の利用可能なステープラ、各々の他の利用可能なエネルギー装置、選択されたステープラ/装置と共に利用可能な各々の他のステープラ構成要素に関連付けられた受信した装置パラメータで、それぞれの検出された組織パラメータ(例えば、本明細書に記載される1つ又は2つ以上のセンサを介して検出された)を分析するように構成されてもよい。そのような態様によれば、制御回路は、検出された組織パラメータに基づいて、他の利用可能なステープラ、他の利用可能なエネルギー装置、及び/又は選択されたステープラ/装置と共に使用するために利用可能な他のステープラ構成要素のうちの1つ又は2つ以上が、選択されたステープラ/装置24102及び/又は選択されたステープラ/装置24102の構成要素より最適であるかどうかを判定するように構成されてもよい。
様々な態様では、検出された組織パラメータ(複数可)は、例えば、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置、組織内の血管新生などを含んでよく、受信された装置パラメータは、例えば、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、及びステープルカートリッジの発射速度などを含んでよい。様々な態様によれば、システム定義の制約は(例えば、状況認識外科用システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいた)、各受信された装置パラメータに対する好ましい/理想的な組織パラメータ及び/又は好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を含んでもよい。例えば、好ましい/理想的な組織の厚さ及び/又は好ましい/理想的な組織の厚さの範囲は、各ステープルカートリッジの色と関連付けられてもよい。そのような例では、各ステープルカートリッジの色は、ステープルカートリッジ内のステープルの種類及び/又はサイズを示してもよい。ここで、短いステープルを含むステープルカートリッジは、厚い組織に対して最適ではない場合がある。更なる態様によれば、システム定義の制約(例えば、状況認識外科用システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいた)は、各検出された組織の種類に対して好ましい/理想的な掴持負荷限界及び/又は好ましい/理想的な掴持負荷限界範囲を含み得る。例えば、それぞれの掴持負荷限界に関連付けられた各ステープルカートリッジは、最適にステープルをステープル留めすることができる組織の種類を示し得る。ここで、受信した装置パラメータ(例えば、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、ステープルカートリッジの発射速度など)、及び検出された組織パラメータ(例えば、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置、組織内の血管新生など)、及び確立されたシステム定義の制約(例えば、状況認識外科用システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいて、受信した装置パラメータ及び/又は検出された組織パラメータに関連付けられた)が、本開示によって企図される。
再び図93を参照すると、選択された装置24102が最適であると判定された場合、安全プロセス24100を実行/実施する制御回路は、最初は何もしない(例えば、後に推奨する)、及び/又は分析が実行されたことを実証するように構成されてもよい24114。代わりに、選択されたデバイス24102が最適でないと判定された場合、制御回路は、安全性の問題が存在するかどうかを判定するように構成されてもよい24116。様々な態様によれば、選択されたステープラ/装置24102に関して安全性の問題が存在するかどうかを評価するとき、制御回路は、システム定義の制約に基づいて、選択されたステープラ/装置24102に関連付けられた各受信した装置パラメータと連携して各検出された組織パラメータを分析するように構成されてもよい。
上記と同様に、検出された組織パラメータは、例えば、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置、組織内の血管新生などを含んでよく、受信した装置パラメータは、例えば、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、及びステープルカートリッジの発射速度などを含んでよい。様々な態様によれば、システム定義の制約(例えば、状況認識手術システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいた)は、それぞれの受信した装置パラメータに対する好ましい/理想的な組織パラメータ及び/又は好ましい/理想的な組織パラメータ範囲を含み得る。例えば、好ましい/理想的な組織の厚さ及び/又は好ましい/理想的な組織の厚さの範囲は、各ステープルカートリッジの色と関連付けられてもよい。そのような例では、各ステープルカートリッジの色は、ステープルカートリッジ内のステープルの種類及び/又はサイズを示し得る。ここで、実施例を続けると、選択されたステープラ/装置24102の受信した装置パラメータがステープルカートリッジの色(例えば、短いステープルを示す)を含み、検出された組織パラメータが、選択されたステープラ/装置24102のステープルカートリッジの色に関連付けられた好ましい/理想的な組織の厚さ、及び/又は好ましい/理想的な組織の厚さの範囲を超える組織の厚さを示す場合、選択されたステープル/装置24102には安全性の問題が存在する。不適切なステープルカートリッジを利用することにより、不十分な結果及び/又は望ましくない結果(例えば、ステープル留め、滲み出し、出血など)を招く恐れがある。そのような例において、制御回路は、安全性の問題を外科医に警告する24118(例えば図94を参照して、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)ように構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、オーバーライドコマンド24120を受信して、(例えば、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)外科処置を進めることを可能にするように更に構成されてもよい。一実施例では、図94を参照すると、そのようなユーザインターフェースは、例えば、続行することを可能にするために選択可能なユーザインターフェース要素、例えば24251を含んでもよい。代替的な態様では、警告に応答して、外科医は、通知された安全性の問題を修正することができ、(例えば、不適切なステープルカートリッジを別のステープルカートリッジと交換する)、この時点で、装置選択安全プロセス24100は再び実行/実施され得る。
上記と同様に、更なる態様によれば、システム定義の制約(例えば、状況認識外科用システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいた)は、検出された各組織タイプに対して好ましい/理想的な掴持負荷限界及び/又は好ましい/理想的な掴持負荷限界範囲を含み得る。例えば、それぞれの掴持負荷限界に関連付けられた各ステープルカートリッジは、最適にステープルをステープル留めすることができる組織の種類を示し得る。ここで、実施例を続けると、選択されたステープラ/装置24102の受信した装置パラメータが、そのステープルカートリッジ掴持負荷限界を含み、組織識別プロセス24108によって識別された組織が、より高い掴持負荷限界を有するステープルカートリッジを必要とする組織の種類を示す場合、選択されたステープラ/装置24102には安全性の問題が存在する。不適切なステープルカートリッジを利用することにより、不十分な結果及び/又は望ましくない結果(例えば、ステープル留め、滲み出し、出血など)を招く恐れがある。そのような例において、制御回路は、安全性の問題を外科医に警告する24118(例えば図94を参照して、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)ように構成されてよい。そのような態様では、制御回路は、オーバーライドコマンド24120を受信して(例えば、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)、外科処置を進めることを可能にするように更に構成されてもよい。一実施例では、図94を参照すると、そのようなユーザインターフェースは、処置を続行することを可能にするために選択可能なユーザインターフェース要素、例えば、24251を含んでもよい。代替的な態様では、警告に応答して、外科医は、(例えば、不適切なステープルカートリッジを別のステープルカートリッジと交換する)ことができ、この時点で、装置選択安全プロセス24100は再び実行/実施され得る。ここでもまた、受信した装置パラメータ(例えば、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、ステープルカートリッジの発射速度など)、及び検出された組織パラメータ(例えば、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置、組織内の血管新生など)、及び確立されたシステム定義の制約(例えば、状況認識外科用システムにおいてアクセスされる履歴データ及び/又は処置データに基づいて、受信した装置パラメータ及び/又は検出された組織パラメータに関連付けられた)が、本開示によって企図される。
再び図93を参照すると、選択されたステープラ/装置に安全性の問題が存在しないと判定された場合24116、安全プロセス24100を実行/実施する制御回路は、外科医に推奨を提供する24122ように構成されてもよい。本開示の少なくとも1つの態様によれば、別の利用可能なステープラ、別の利用可能なエネルギー装置、及び/又は別のステープラ構成要素(例えば、選択されたステープラ/装置と共に使用するために利用可能なステープルカートリッジ、シャフトなど)24112がより最適である、又は任意選択である場合、制御回路は、その利用可能性を外科医に気づかせ(例えば、図94を参照すると、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)、現在の外科処置でのその使用を推奨するように構成されてもよい。そのような態様では、制御回路は、(例えば、選択されたステープラ/装置上のユーザインターフェース24214、24224及び/又は24234を介して、外科用ハブに関連付けられたユーザインターフェース24244を介して、手術室のユーザインターフェース24254を介してなど)推奨の受諾を受け取るように更に構成されてもよい。受諾されると、制御回路は、より最適である他の利用可能なステープラ、他の利用可能なエネルギー装置、及び/又は他のステープラ構成要素24112(例えば、図94の構成要素A~N、例えば、選択されたステープラ/装置と共に使用するために利用可能なステープルカートリッジ、シャフトなど)に関する情報を提示する24124ように構成されてよい。拒絶されると、制御回路は、装置選択安全アルゴリズムを終了するように24126、及び/又は後続のプロセスを実行するように構成されてもよい。
様々な他の態様によれば、本明細書のステープラ/装置に関して具体的に論じられているが、本開示はそのように限定されるべきではない。より具体的には、開示される態様は、エネルギー装置(例えば、RF器具及び/若しくは超音波外科用器具)及び/又はそれらのそれぞれの構成要素並びに/或いは内視鏡デバイス及び/又はそれらのそれぞれの構成要素を含む他の外科用器具にも同様に適用される。
(実施例)
本明細書に記載される主題の様々な態様「スマート電動外科用ステープル留めのための安全システム」は、以下の実施例において見出しの下に設定される。
実施例1ー外科用システムは、制御回路と、外科用器具と、を備える。外科用器具は、複数の構成要素と、センサと、を備える。外科用器具の複数の構成要素の各々が装置パラメータを含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータを制御回路に送信するように構成されている。センサは、外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを制御回路に送信するように構成されている。制御回路は、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析するように構成されている。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具が提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
実施例2-検出された組織パラメータは、組織の種類、組織の厚さ、組織の堅さ、組織の位置、又は組織の血管新生のうちの少なくとも1つを含む、実施例1に記載の外科用システム。
実施例3-外科用器具の構成要素はステープルカートリッジを含み、装置パラメータは、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、及びステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、実施例1又は2に記載の外科用システム。
実施例4-外科用器具の構成要素はエンドエフェクタを含み、検出された組織パラメータは、組織上のエンドエフェクタの閉鎖角度、エンドエフェクタの組織接触面と接触する組織の長さ、及びエンドエフェクタ内の組織を圧縮するための力のうちの少なくとも1つを含む、実施例1、2又は3に記載の外科用システム。
実施例5-制御回路は、少なくとも1つの検出された組織パラメータに基づいて、組織を軟組織、血管又は気管支として特定するように更に構成されている、実施例4に記載の外科用システム。
実施例6-制御回路は、提案される機能を実行するために外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替構成要素を推奨するように更に構成されている、実施例1、2、3、4又は5に記載の外科用システム。
実施例7-システム定義の制約は、各送信された装置パラメータに関連付けられた所定の組織パラメータ又は所定の組織パラメータ範囲のうちの少なくとも1つを含む、実施例1、2、3、4、5又は6に記載の外科用システム。
実施例8-制御回路は、システム定義の制約を超えたときに提案される機能を阻止するように更に構成されている、実施例1、2、3、4、5、6又は7に記載の外科用システム。
実施例9-ユーザインターフェースは、外科用器具の提案される機能を可能にするために、制御回路をオーバーライドするように選択可能なユーザインターフェース要素を備える、実施例8に記載の外科用システム。
実施例10-外科用器具の提案される機能は、組織を掴持すること、組織を凝固させること、組織を切断すること、及び組織をステープル留めすることのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の外科用システム。
実施例11-外科用器具に通信可能に結合された外科用ハブを更に備え、外科用ハブは制御回路を備える、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の外科用システム。
実施例12-外科用器具又は外科用ハブのうちの1つは、ユーザインターフェースを備える、実施例11に記載の外科用システム。
実施例13-外科用システムは、外科用ハブと、外科用ハブに通信可能に連結された外科用器具と、を備える。外科用器具は、複数の構成要素と、センサと、を備える。外科用器具の複数の構成要素の各々は装置パラメータを含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータを外科用ハブに送信するように構成される。センサは、外科用器具の提案機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを外科用ハブに送信するように構成されている。外科用ハブは、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、を備える。メモリは、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具が、提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを更に備える。
実施例14-検出された組織パラメータは、組織の種類、組織の厚さ、組織の剛性、組織の位置、又は組織の血管新生のうちの少なくとも1つを含む、実施例13に記載の外科用システム。
実施例15-外科用器具の構成要素はステープルカートリッジを含み、装置パラメータは、ステープルカートリッジの種類、ステープルカートリッジの色、ステープルカートリッジに対する補助部、ステープルカートリッジの掴持負荷限界、ステープルカートリッジの間隙範囲、及びステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、実施例13又は14に記載の外科用システム。
実施例16-外科用器具の構成要素はエンドエフェクタを含み、検出された組織パラメータは、組織上のエンドエフェクタの閉鎖角度、エンドエフェクタの組織接触面と接触する組織の長さ、及びエンドエフェクタ内の組織を圧縮するための力のうちの少なくとも1つを含む、実施例13、14又は15に記載の外科用システム。
実施例17-命令は、提案される機能を実行するために外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替構成要素を推奨するように、外科用ハブのプロセッサによって更に実行可能である、実施例13、14、15又は16に記載の外科用システム。
実施例18-命令は、システム定義の制約を超えたときに提案される機能を阻止するように、外科用ハブのプロセッサによって更に実行可能である、実施例13、14、15、16又は17に記載の外科用システム。
実施例19-非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令を記憶し、コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、システム定義の制約に基づいて、外科用システムの外科用器具の複数の構成要素の各々の装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析することであって、検出された組織パラメータは、外科用器具の提案される機能に関連付けられていることを行わせる。外科用システムは、複数の構成要素を含む外科用器具を含む。各構成要素は、そのそれぞれの装置パラメータをマシンに送信するように構成されている。外科用システムは、検出された組織パラメータを検出し、検出された組織パラメータを機械に送信するように構成されたセンサを更に含む。命令は、実行されると、マシンに更に、複数の構成要素を含む外科用器具が外科用システムの提案される機能を実行するのに適切であるかどうかの指示を提供するユーザインターフェースを生成させる。
実施例20-命令は、実行されると、マシンに更に、ユーザインターフェース上に、外科用器具の提案される機能を可能にするように選択可能なオーバーライド要素を生成させる、実施例19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
感知された閉鎖パラメータによる外科用器具の制御
組織の整合性を判定するための圧縮率
様々な態様において、外科用器具は、外科用器具の顎部の閉鎖に関連付けられた様々な異なる変数又はパラメータを検出することができ、これを使用して、外科用器具がどのように機能するかを決定する様々な動作パラメータを調節する、又はそれに対して影響を与えることができる。外科用器具の顎部が、それらの間の組織を掴持するために開放位置から閉鎖位置へと遷移される速度は、掴持速度又は閉鎖速度として定義され得る。様々な態様では、閉鎖速度は、顎部閉鎖の例の課程において可変又は一定であり得る。顎部の閉鎖に関連付けられた特定のパラメータが比較される閾値は、閉鎖閾値として定義され得る。
不適切な閉鎖速度で組織を掴持すること、又は不適切な閉鎖閾値で掴持することは、組織への損傷をもたらす可能性がある(例えば、組織に過度に強い力を加えることに起因して組織が裂かれる場合がある)、及び/又は外科用器具による動作障害が生じる恐れもある(例えば、ステープルが発射される際に組織が顎部によって固定されて保持されていないことに起因して、ステープルを変形させる場合がある)。したがって、いくつかの態様では、外科用器具は、外科用器具によって掴持されている組織の特徴を検出し、それに応じて閉鎖速度(複数可)、閉鎖閾値(複数可)、及び他の動作パラメータを調節するように構成される。更に、各外科処置は、複数の異なる組織の種類及び/又は異なる特徴を有する組織を含む場合がある。したがって、いくつかの態様では、外科用器具は、組織が掴持され、閉鎖速度(複数可)、閉鎖閾値(複数可)、及び他の動作パラメータをこれに対応して調節するたびに、組織の特徴を動的に検出するように構成される。
本開示は、少なくとも1つの解決策を提供し、外科用器具は、エンドエフェクタによって掴持されている組織の圧縮に関連するパラメータを検出するように構成される。外科用器具は、検出された組織圧縮の特徴に従って異なる整合性を呈する組織を区別するように更に構成され得る。次いで、モータは、顎部の閉鎖速度に影響を及ぼすように、及び/又は組織の整合性に従ってフィードバックをユーザに提供するように制御され得る。例えば、検出された組織圧縮の特徴が組織が硬いことを示す場合、顎部の閉鎖速度を低下させる、及び/又は組織圧縮の特徴が組織が低い剪断強度を有することを示す場合、補助補強材を利用するようにユーザに提案を提供するように構成することができる。
図95は、本開示の少なくとも1つの態様にかかる、外科用器具21000の斜視図を示す。一態様では、外科用器具21000は、モータ21006に結合された制御回路21002と、ユーザインターフェース21010と、センサ(複数可)21004とを含む。モータ21006は、モータ21006が、例えば図26に関して論じられるようにエンドエフェクタ21008の顎部(例えば、図25に示される外科用器具150010のアンビル150306及び/又はチャネル150302)を第1の開放構成と第2の閉鎖構成との間で遷移させるように、エンドエフェクタ21008に結合されている。センサ(複数可)21004は、制御回路21002がデータ及び/又は信号を受信するように、制御回路21002に通信可能に結合され得る。制御回路21002は、例えば、センサ(複数可)21004から受信したデータ及び/又は信号に従って、制御回路21002がモータ21006の動作を制御するように、モータ21006に通信可能に結合されてよい。ユーザインターフェース21010は、ディスプレイ又はスピーカーなどの外科用器具のユーザにフィードバックを提供するように構成された装置を含む。
様々な態様では、センサ(複数可)21004は、エンドエフェクタで掴持された組織の圧縮パラメータを検出するように構成され得る。一態様では、センサ(複数可)21004は、エンドエフェクタ21008の顎部を閉鎖するための力(FTC)、すなわち、顎部を開放構成から閉鎖構成に遷移させるために適用される力を検出するように構成され得る。例えば、センサ(複数可)21004は、図12、図18又は図19に関して論じられるように、モータによって引き込まれた電流を検出するように構成されたモータ電流センサを含む場合もある。DCモータの場合、モータによって引き込まれる電流は、モータトルク(例えば、モータ21006の出力シャフトのトルク)に対応し、これは、エンドエフェクタ21008のFTCの代表的なものである。エンドエフェクタ21008が組織上で閉鎖するとき、エンドエフェクタ21008のFTCは、エンドエフェクタ21008から、掴持された組織に伝達される力を表すことから、FTCは掴持された組織の組織圧縮に対応している。組織に加えられる力が大きくなるほど、組織はより圧縮されることになる。別の態様では、センサ(複数可)21004は、図36~図38に関連して説明されるように、対応する第2の電極からRF信号を受信するように構成された、エンドエフェクタ21008上に配置された第1の電極を含む。組織の電気インピーダンスは、その組織の厚さに対応することができ、組織の厚さは、掴持された組織の組織圧縮に対応し得る。更に別の態様では、センサ(複数可)21004は、図24に関して論じたようなセンサ(複数可)21004に加えられている力の量を判定するように構成された力反応性変換器を含む。FTCに関する上記の考察と同様に、エンドエフェクタ21008が組織上で閉鎖するとき、変換器によって検出される力は、エンドエフェクタ21008から、掴持された組織に伝達される力を表す。組織に加えられる力が大きくなるほど、組織はより圧縮されることになる。ユーザインターフェース21010は、ディスプレイ又はスピーカーなどの外科用器具のユーザにフィードバックを提供するように構成された装置を含む。更に他の態様では、センサ(複数可)21004は、上述したセンサと、エンドエフェクタで掴持された組織と関連付けられた圧縮パラメータを検出することが可能な他のそのようなセンサとの様々な組み合わせを含む場合がある。例えば、図53に示されるエンドエフェクタ15200などのエンドエフェクタは、力反応性変換器を備える第1のセンサ152008aと、インピーダンスセンサを備える第2のセンサ152008bとを含むことができる。
制御回路21002は、異なる組織タイプに適応するようにエンドエフェクタ21008の顎部の閉鎖速度を調節するように構成され得る。制御回路21002は、初期圧縮期間にわたって、組織に及ぼされる圧縮力(例えばFTC)、又は組織の圧縮(例えば、組織インピーダンス)に関連付けられた別のパラメータ(例えば、組織インピーダンス)を監視し、組織圧縮パラメータの変化率に基づいて、顎部の閉鎖速度又は時間を適宜調節するように構成され得る。例えば、図22に関して上記で論じたように、短期間の間に全圧縮力を適用するのではなく、より粘弾性の組織の場合には閉鎖速度を低下させるか、又は閉鎖時間を増加させることが有益であり得る。
図96は、本開示の少なくとも1つの態様による、掴持された組織の整合性に従って外科用器具を制御するためのプロセス21050の論理フロー図を示す。プロセス21050の以下の説明においては図95も参照されたい。図示されるプロセスは、例えば、外科用器具21000の制御回路21002によって実行され得る。したがって、プロセスを実行する制御回路21002は、それによって感知された組織圧縮パラメータに関連するセンサ(複数可)21004からデータ及び/又は信号(例えば、デジタル又はアナログ)を受信する21052。様々な態様では、組織圧縮パラメータは、そこで手術されている組織の特徴、種類、特性及び/又は状態に関連付けられたパラメータ、内部動作及び/又は外科用器具21000の特性に関連付けられたパラメータ又はその構成成分を含むことができる。一態様では、組織圧縮パラメータは、例えば、エンドエフェクタ21008のFTCを含み得る。別の態様では、組織圧縮パラメータは、例えば、掴持された組織の厚さを含み得る。制御回路21002は、センサ(複数可)21004によって送信された1つ又は2つ以上の離散値としての組織圧縮パラメータに関するデータ、関連する値(複数可)にその後相関させることができる、センサ(複数可)21004によって送信された信号を受信することができる21052。
したがって、制御回路21002は、どのように感知された組織圧縮パラメータの値を1つ又は2つ以上の閾値と比較し、その後それに従って応答を生成するかを判定する。一態様では、制御回路21002は、感知された組織圧縮パラメータの値を第1の閾値に対して判定する21054。例えば、制御回路21002は、感知された組織圧縮パラメータが第1の閾値又は上限閾値を超えるか、或いはそれよりも大きいかどうかを判定することができる21054。一態様では、感知された組織圧縮パラメータが第1の閾値を超える場合、プロセス21050は、はいの分岐に沿って進み、制御回路21002は、モータ21006を制御して21056、エンドエフェクタ21008の顎部を閉鎖する時間の長さを増加させる。制御回路21002は、例えば、顎部が閉鎖される速度を低下させる、顎部の移動が組織の初期の掴持後に休止される時間の長さ(すなわち、組織クリープ待ち時間)を増加する、又は掴持段階を終了させるための安定化閾値を下げることによって、顎部の閉鎖時間を増加させるようにモータ21006を制御することができる21056。感知された組織圧縮パラメータが第1の閾値を超えない場合、このときプロセス21050は、いいえの分岐に沿って進み、様々な態様では、プロセス21050は終了することができる、又はプロセス21050は続行することもでき、制御回路21002は、感知された組織圧縮の値を1つ又は2つ以上の追加の閾値と比較するか、又は組織パラメータデータ及び/又は信号の受信を継続する21052こともできる。
別の態様では、制御回路21002は、感知された組織圧縮パラメータの値を第2の閾値に対して更に判定する21058。例えば、制御回路21002は、感知された組織圧縮パラメータが第2の閾値未満であるか、又は第2の閾値よりも小さいかを判定することができる21058。一態様では、感知された組織パラメータが第2の閾値を下回る場合、プロセス21050は、はいの分岐に沿って進み、制御回路21002は、例えばユーザインターフェース21010を介して対応するフィードバックを提供する21060。提供される21060フィードバックは、例えば、スピーカーによって提供されるディスプレイ又は音声フィードバックを介して提供される視覚フィードバックを含むことができる。一態様では、フィードバックは、感知された組織圧縮パラメータが予想外に低い状態になる状況を改善するために、ユーザが1つ又は2つ以上の矯正処置をとることを示唆し得る。そのような矯正動作は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、TISSUE THICKNESS COMPENSATOR FOR A SURGICAL STAPLER」と題された、米国特許出願第8,657,176号に開示されているような補助補強材(すなわち、組織の厚さ補正器)を利用することを含み得る。補助補強材は、様々な態様において、アンビル150306(図25)とステープルカートリッジ150304(図25)との間に捕捉された組織に追加の圧縮力を適応する、及び/又は適用するように構成された圧縮性材料の層又は一連の層を含むことができる。
上記で論じた閾値は、例えば、センサ(複数可)21004によって感知されたパラメータ(複数可)21004、及び/又はセンサ(複数可)21004によって感知されたパラメータ(複数可)の微分値(例えば、感知されたパラメータの時間の変化率)を含み得る。組織圧縮パラメータがエンドエフェクタ21008のFTCを含む態様では、第1の閾値は、それを超えると、掴持された組織が堅いとみなされる記述を示し得る。硬組織は、組織上に顎部の機械的作用、又は再膨張中の肺組織のためのいずれかによって、比較的裂かれやすい場合がある。更に、第2の閾値は、掴持された組織が弱い剪断強度を有する(すなわち、柔らかい)とみなされる記述を示すことができる。弱い剪断強度を有する組織は、切断部材(すなわち、切断縁部150182を有するIビーム150178)のステープル留め中及び/又は発射中に、エンドエフェクタ21008が定位置にしっかりと把持するか、ないしは別の方法で保持することが相対的に困難であり得る。
図96のプロセス21050の特定の実施例の工程は、特定の順番又は順序で生じるものとして示されているが、そのような描写は単に例示の目的のためであり、特定の工程の特定の順序が上記の説明から明確に必要でない限り、プロセス21050の特定の順序は意図されていないことに留意されたい。例えば、プロセス21050の他の態様では、制御回路21002は、感知された組織圧縮パラメータが第1の閾値又は上限閾値を超えるかどうかを判定する21054前に、感知された組織圧縮パラメータが第2の、又はより低い閾値を下回るかどうかを判定する場合もある21058。
図97は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具21000の例示的な発射のためのエンドエフェクタFTC 21104と時間21102を示す第1のグラフ21100を示す。第1のグラフ21100の以下の説明では、図95~図96も参照されたい。第1のグラフ21100は、図96に関して上述したプロセス21050を実行する制御回路21002によって制御された外科用器具21000による例示的な発射である第1の発射21110及び第2の発射21114を示す。この例示的な例では、第1の閾値21106は、FTCの特定の時間の変化率(すなわち、ΔFTC)を含み、第2の閾値21108は、特定のFTCを含む。様々な態様では、閾値21106、21108は、1つ又は2つ以上の他の変数に関して定義されるか、又は外科用器具21000のユーザによってプログラム若しくは設定され得る。
第1の発射21110では、図96に示すプロセスを実行する制御回路21002は、組織圧縮パラメータデータ及び/又は信号を受信し21052、FTCが時間tにおいて第2の閾値21108を下回ることを判定する21058。したがって、制御回路21002は、ユーザが特定の動作をとるための提案を含む、及び/又はエンドエフェクタ21008が低剪断強度を有する組織を把持していることを示すフィードバックをユーザに提供する21060。一態様では、提供されるフィードバック21060は、低剪断強度の組織を補強及び/又は補正するために、エンドエフェクタ21008に加えられた組織補正器(例えば、米国特許出願第8,657,176号に記載されている組織補正器)によってユーザが外科用器具21000の掴持を解除し、再度発射させることを示唆することができる。一態様では、制御回路21002は、FTCが第2の閾値を下回る場合、モータ21006にエンドエフェクタ21008の顎部の閉鎖を停止させるように更に構成され得る。別の態様では、制御回路21002は、FTCが第2の閾値を下回る場合、ユーザがエンドエフェクタ21008の顎部の閉鎖を停止することを示唆するように構成される場合もある。提供される21060フィードバックは、例えば、手術室ディスプレイ107、109、119(図2)及び/又は外科用器具ディスプレイ上に表示されたプロンプト、手術室及び/又は外科用器具に位置するスピーカーを介して発せられる可聴メッセージ、外科用器具を介した触覚フィードバック、又はこれらの組み合わせを含む様々な形態をとることができる。
第2の発射21114(第1の発射21110の後に組織補正器を利用する発射であってもよい)については、図96に示されるプロセス21050を実行する制御回路21002は、組織圧縮パラメータデータ及び/又は信号を受信し21052、FTCが第2の閾値を下回ること、又はエンドエフェクタ21008を閉鎖する過程におけるいずれかの時点で第1の閾値を超えることは判定しない。したがって、制御回路21002は、顎部の閉鎖速度に影響を与えることはなく、ユーザにフィードバックを提供するか、又は任意の他のそのような動作を行う。
図98は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具21000の例示的な発射のためのエンドエフェクタFTC 21102のバース時間21104を示す第2のグラフ21116を示す。第2のグラフ21116の以下の説明では、図95~図96も参照されたい。第2のグラフ21116は、図96に関して上述したプロセス21050を実行する制御回路21002によって制御される外科用器具21000による例示的な発射である第3の発射21118を示す。この例示的な実施例では、第1の閾値21106は、FTCの特定の時間の変化率(すなわち、ΔFTC)を含む。
第3の発射21116では、図96に示すプロセスを実行する制御回路21002は、組織圧縮パラメータデータ及び/又は信号を受信し21052、ΔFTCが時間tにおいて第1の閾値21106を超えることを判定する21058。したがって、制御回路21002は、顎部の閉鎖速度を低下させることなどによって、顎部閉鎖時間を増加させるようにモータ21006を制御し21056、それに応じて、FTC 21102が増加する比率も低下させる。顎部閉鎖時間を増加させることは、例えば、短い期間にわたって組織により大きい量の力が及ぼされることを阻止することによって、硬い組織に対して損傷を引き起こすのを回避することが有益であり得る。一態様では、第1の閾値21106は、FTC(ΔFTC)の規定値の変化率、すなわち、組織の種類及び他のそのようなパラメータに従う制御アルゴリズムによってFTCに対するいかなる修正もない、外科用器具21000の規定値又はベースラインFTC比率を含むことができる。この態様では、外科処置の間に、外科用器具21000が受けるFTCがFTCを超える場合、プロセス21050を実行する制御回路21002は、モータ21006を制御して21056顎部閉鎖時間を増加させることができる。
前述のアルゴリズム又はプロセスを実行する制御回路21002がセンサ(複数可)21004によって感知されたパラメータを1つ又は2つ以上の閾値と比較する時間は、外科用器具21000の発射ストローク中に、発射ストローク中の一連の別々の実例、及び/又は発射ストローク中の連続する時間間隔を含むことができる。制御回路21002によって監視され、閾値と比較される組織圧縮パラメータは、例えば、FTC値(例えば、図97に示される第2の閾値21108)又はΔFTC値(例えば、図97~図98に示される第1の閾値21106)を含むことができる。
一態様では、制御回路21002は、外科用器具21000の発射に関連するデータを保存し、次いで、任意選択的に、前の発射からのデータを利用して、掴持された組織の組織の整合性を判定するためのアルゴリズムを調節するように更に構成され得る。例えば、前の発射からのデータを利用して、図96に示すプロセス21050の第1及び/又は第2の閾値を調節することができる。一態様では、「状況認識」という見出しの下で上述したように、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題され、2018年3月29日に出願された米国特許出願第15/940,654号に記載されるように、外科用器具21000は、状況認識システムを実行する外科用ハブ106(図1~図3)と対をなすように構成される場合もある。この態様では、状況認識システムは、外科的処置中に手術されている組織の種類を判定し、それに応じて掴持される組織の整合性を判定するためのアルゴリズムを調節することができる。別の態様では、外科用器具21000は、手術されている組織の種類を示すユーザ入力を受信し、それに応じて組織の整合性を決定するためのアルゴリズムを調節するように構成される場合もある。例えば、外科用器具21000は、ユーザによって入力される組織の種類に従って、図96に示されるプロセス21050の第1及び/又は第2の閾値を規定値から調節するように構成され得る。
上述の技術により、外科用器具21000は、掴持される組織の損傷を回避し、手術されている組織の特定の特徴にとって不適切であるか、又は理想的ではない顎部の閉鎖速度から生じる動作不良(例えば、成形不良ステープル)を防止することを可能にする。更に、本明細書に記載される技術は、外科処置の過程において遭遇する組織の特徴に適切に応答する外科用器具の能力を改善する。
組織の種類を判定するための組織の初期接触
不適切な閉鎖速度で組織を掴持すること、又は不適切な閉鎖閾値で掴持することは、組織への損傷をもたらす(例えば、組織に過度に強い力を加えることによって組織が裂かれる場合がある)、及び/又は外科用器具による動作障害(例えば、ステープルが発射される際に組織が顎部によって固定されて保持されていないためにステープルが変形され得る)をもたらす場合がある。したがって、いくつかの態様では、外科用器具は、外科用器具によって掴持されている組織の特徴を検出し、それに応じて閉鎖速度(複数可)、閉鎖閾値(複数可)、及び他の動作パラメータを調節するように構成される。更に、各外科処置は、複数の異なる組織の種類及び/又は異なる特徴を有する組織を含み得る。したがって、いくつかの態様では、外科用器具は、組織が掴持され、閉鎖速度(複数可)、閉鎖閾値(複数可)、及び他の動作パラメータをこれに対応して調節するたびに、組織の特徴を動的に検出するように構成される。
本開示は、少なくとも1つの解決策を提供し、そこでは、外科用器具は、顎部の表面に対する組織の接触の度合い、及び組織と接触する最初の地点における顎部の相対位置に従って掴持されている組織の組織の種類を特徴付けるように構成されている。顎部の閉鎖速度及び顎部閉鎖速度を調節するための閾値を次いで、検出された組織の接触の度合い及び検出された顎部の位置によって特徴付けられる組織の種類に対して適切なレベルに設定することができる。例えば、外科用器具は、軟組織はより大きな度合いの顎部の表面と接触し、血管と比べて初期の接触点においてより大きい角度の顎部が接触するため、軟組織と血管を区別するように構成され得る。次いで、外科用器具は、検出された組織の種類に応じて、顎部の閉鎖速度及び調節閾値に影響を及ぼすようにモータを制御することができる。
図95を再び参照すると、一態様では、外科用器具21000は、モータ21006、ユーザインターフェース21010、及びセンサ21004に連結された制御回路21002を含む。モータ21006が、エンドエフェクタ21008の顎部(例えば、図25に示される外科用器具150010のアンビル150306及び/又はチャネル150302)を、図26に関して考察したように、第1の、すなわち開放構成と、第2の、すなわち閉鎖構成との間で遷移させるように、モータ21006は、エンドエフェクタ21008に結合される。センサ(複数可)21004は、制御回路21002がデータ及び/又は信号を受信するように、制御回路21002に通信可能に結合され得る。制御回路21002は、例えば、センサ(複数可)21004から受信したデータ及び/又は信号に従って、制御回路21002が、例えばセンサ負荷21004から受信したデータ及び/又は信号に従って、モータ21006の動作を制御するように、モータ21006に通信可能に結合され得る。
様々な態様では、センサ(複数可)21004は、エンドエフェクタ21008の顎部の表面に対する組織の物理的接触を検出するように構成され得る。一態様では、センサ(複数可)21004は、アンビル及びカートリッジ又はチャネルなどのエンドエフェクタ21008の組織接触面に沿って配置された1つ又は2つ以上の組織接触センサを含むことができる。組織接触センサは、例えば、図75~図79に関連して上記で論じたように、組織がそこに当たるように位置付けられているかどうかを判定するようにそれぞれ構成された、顎部の表面に沿って連続して配置されたセグメント化回路の複数のセンサ又はセグメントを含むことができる。一態様では、センサ(複数可)21004は、図36~頭38に関して論じられるように、対向する顎部上に配置された対応する電極からRF信号を受信するようにそれぞれ構成された複数の電極を含む。したがって、制御回路21002は、エンドエフェクタ21008の長さに沿って連続性試験を実行して、組織が、その対応する電極から信号を受信することができる各電極に対応する位置に組織が存在することを判定することができる(信号伝送媒体、すなわち、組織は、その対応する電極から信号を受信するために電極の間に配置されなければならないため)。別の態様では、センサ(複数可)21004は、図24に関して説明されるように、センサ(複数可)21004に加えられている力の量を判定するようにそれぞれ構成されている、複数の力反応性変換器を含む。したがって、制御回路21002は、組織が、それに対するゼロ以外の力を検出する各力反応性変換器に対応する位置に存在すると判定することができる。他の態様では、センサ(複数可)21004は、複数のロードセル、圧力センサ、及び/又はそれに対する物理的接触を検出するように構成された他のセンサを含む。力反応性変換器に関する上記の考察と同様に、制御回路21002は、組織が、各ロードセル、圧力センサ、及び/又はそれに対するゼロ以外の力を検出する他のセンサに対応する位置に存在すると判定することができる。更に別の態様では、センサ(複数可)21004は、図12、18又は19に関して論じられるように、モータ21006によって引き込まれる電流の量を検出するように構成された電流センサを含む。したがって、制御回路21002は、図83に関して説明されるように(すなわち、FTCは、顎部が組織を掴持するときに増加し153610、153616、FTCはモータ電流に対応している)、モータ21006によって引き込まれる電流が増加して、顎部が組織に接触するときにモータ21006が被る増加した掴持負荷を補正し、それに対して掴持力を及ぼし始めるときに従ってエンドエフェクタ21008の顎部が最初に組織に接触する点を判定することができる。上述の様々な態様は、エンドエフェクタ21008と、把持されている組織との初期の接触点及び/又は組織とエンドエフェクタ21008との接触の度合いを判定するために、個別に、又は他の態様と組み合わせて利用することができる。
図99は、本開示の少なくとも1つの態様による、掴持された組織の生理学的タイプに従って外科用器具を制御するためのプロセス21200の論理フロー図を示す。以下のプロセス21200の説明においては図95も参照されたい。図示されるプロセスは、例えば、外科用器具21000の制御回路21002によって実行され得る。したがって、図示されるプロセス21200を実行する制御回路21002は、上記で論じられ、図100 A~図101Bに描かれる組織接触センサなどのセンサ(複数可)21004から組織接触データ及び/又は信号を受信する21202。受信した21202組織接触データ及び/又は信号は、組織がセンサ21004の少なくとも1つに接触しているかどうかを示す。したがって、制御回路21002は、エンドエフェクタ21008と掴持されている組織との初期接触点を判定することができる21204。一態様では、制御回路21002は、顎部のそれぞれに配置されたセンサ21004のうちの少なくとも1つが、そこに当たる組織接触を検出するときを検出することによって、初期組織接触が生じるときを判定する21204。
したがって、制御回路21002は、初期組織接触点における顎部の位置を判定する21206。一態様では、制御回路21002は、図77に関して論じられるように、対向する顎部上に配設された対応する磁気素子の相対位置を検出するように構成された、エンドエフェクタ21008の顎部のうちの1つの上に配設されたホール効果センサに通信可能に結合される。したがって、制御回路21002は、感知された距離又はそれらの間の間隙に従って顎部の位置を判定することができる21206。別の態様では、制御回路21002は、図20~図21及び図25に関して論じたように、閉鎖管が第1の位置又は近位位置から第2の又は遠位位置へと駆動されるときに顎部を閉じるように構成された閉鎖管の絶対位置又は相対位置を検出するように構成された位置センサに通信可能に結合される。したがって、制御回路21002は、閉鎖管の感知された位置に従って顎部の位置を判定することができる21206。更に別の態様では、制御回路21002は、顎部の少なくとも1つが配向される角度を検出するように構成された、Infineon TechnologiesからのTLE5012B 360°角度センサなどの角度センサに通信可能に結合される。したがって、制御回路21002は、顎部(複数可)が配向される感知された角度に従って顎部の位置を判定することができる21206。
したがって、制御回路21002は、把持された組織と顎部の組織接触面との接触の度合いを判定する21208。組織接触の程度は、図79に関して論じられるような組織の存在(又は非存在)を検出したセンサ21004の数又は比率に対応することができる。一態様では、制御回路21002は、組織の存在を検出しなかったセンサ(複数可)21004に対する組織の存在を検出したセンサ(複数可)21004の比率に従って、組織接触の程度を決定することができる。
したがって、制御回路21002は、判定された顎部の21206位置及び判定された組織接触の度合い21208に従って、モータ21006のための制御パラメータを設定する21210。モータ制御パラメータは、例えば、顎部を閉じるための時間及び/又は閉鎖閾値を含むことができる。一態様では、制御回路21002は、顎部の特定の位置及び様々なセンサを介して感知された組織接触の特定の度合いに関連付けられたモータ制御パラメータ(例えば、顎部閉鎖速度及び閉鎖閾値)を取得するために、メモリ(例えば、ルックアップテーブル)にアクセスするように構成され得る。様々な態様において、制御回路21002は、例えば、顎部が開放位置から閉鎖位置へと遷移される速度を調節すること、組織の初期の掴持の後(すなわち、組織クリープ待ち時間)に顎部が休止される時間の長さを調節すること、及び/又は掴持段階を終えるための安定化閾値を調整することとによって顎部閉鎖時間を調節するようにモータ21006を制御することができる。様々な態様において、閉鎖閾値(複数可)は、例えば、制御回路21002が顎部の閉鎖を駆動するモータ21006を停止するか、又は例えば、「組織の整合性を判定するための圧縮率」の見出しの下に上記で論じたように、他の動作をとる、最大の許容可能なFTCエンドエフェクタ21008又はFTCに関する変化率(すなわち、ΔFTC)を含み得る。制御回路21002は、次いで、プロセス21200によってモータ制御パラメータセット21210に従ってモータ21206を制御することができる。
組織との接触の初期点における顎部の位置及び組織との接触の度合いは、把持される組織の厚さ又は幾何学的形状に対応しており、これは組織の生理学的タイプに対応している。したがって、制御回路21002は、組織の種類を区別し、次いでモータ21006の制御パラメータを適宜設定するように構成され得る21210。例えば、制御回路21002は、軟組織又は血管組織がエンドエフェクタ21008によって把持されているかどうかを判定し、次いで、検出された組織の種類に適切なモータ制御パラメータを設定する21210ように構成され得る。
いくつかの態様では、顎部の閉鎖速度は、最大FTCを維持する、及び/又はΔFTCを特定の閉鎖閾値下で維持するように各組織の種類に対して選択することができ、特定の閉鎖閾値も同様に、各組織の種類に対して選択され得る。一態様では、制御回路21002は、顎部の閉鎖運動が恒久的に停止されないように、最小の掴持率を設定するように構成され得る。一態様では、制御回路21002は、顎部の閉鎖が少なくとも規定値の速度で進行することを確実にするために最大休止時間を制御するように構成され得る。一態様では、制御回路21002は、閉鎖閾値(複数可)を超えたとき、又はそれ以外で外科用器具21000の使用中に行き詰まった場合、モータ21006を停止する、及び/又はユーザにフィードバックを提供するように構成され得る。
図99のプロセス21200の特定の実施例の工程は、特定の順番又は順序で生じるものとして示されているが、そのような描写は単に例示の目的のためであり特定の工程の特定の順序が上記の説明から明確に必要でない限り、プロセス21200の特定の順序は意図されていないことに留意されたい。例えば、プロセス21200の他の態様では、制御回路21002は、初期接触点における顎部の位置を判定する21206の前に、組織の接触の度合いを決定することができる21208。
図100A~図101Bは、本開示の少なくとも1つの態様による、組織との初期の接触位置と閉鎖位置の両方における、軟組織21030及び血管21032を把持するエンドエフェクタ21008の種々の側部立面図を示す。描かれる態様では、エンドエフェクタ21008は、アンビル21012と、チャネル21014とを含む、顎部の組織接触面に沿って配置された複数の組織接触センサ21016を含む。他の態様では、組織接触センサ21016は、外科用器具21000のチャネル21014に沿って配置されるのに加えて、又はその代わりにカートリッジ150304(図25)に沿って配置されてもよい。簡潔にするために、組織接触センサ21016は、以下の説明ではチャネル21014に沿って配置されるものとして論じられる。しかしながら、本明細書で論じられる概念は、組織接触センサ21016がカートリッジ150304に沿って配置される態様にも同様に適用されることに留意されたい。組織接触センサ21016は、例えば、上記で論じたように、インピーダンスセンサ、ロードセル、力反応性変換器、及びこれらの組み合わせを含むことができる。組織接触センサ21016は、外科処置における外科用器具21000の使用する際の作動センサ21018(すなわち、組織の存在を感知するセンサ)と、非作動センサ21020(すなわち、組織の存在を感知しないセンサ)に視覚的に示すことができる。
図100A及び図101Aは、それぞれ、実質的に軟組織21030及び血管21032とのエンドエフェクタ21008の初期接触点を示す。一態様では、エンドエフェクタ21008と組織との間の初期接触点は、アンビル21012及びチャネル21014の両方に少なくとも1つの作動センサ21018が存在する点として定義され得る。上述のように、組織の種類は、顎部(すなわち、アンビル21012及び/又はチャネル21014)の位置と、組織と組織との初期接触点における顎部との接触の度合いに従って区別することができる。例えば、図100A及び101Aは、初期組織接触点においての作動センサ21018の割合に基づいて、どのようにして軟組織21030と血管21032を区別することができるかを示す。すなわち、血管21032を掴持することは、軟組織21030を掴持するのに対して、作動されるセンサ21018の数がより少なくなることになる。アンビル21012上の作動された組織センサ21018と、チャネル21014上の作動された組織センサ21018の数は、初期組織接触点において等しくなくてもよいことに更に留意されたい。更なる例として、図100A及び101Aは、初期組織接触点において、アンビル21012がチャネル21014に対して配向される角度に基づいて、軟組織21030と血管21032をどのように区別することができるかを示す。すなわち、アンビル21012は、軟組織21030との初期接触点において第1の角度θで、血管21032との初期接触点において第2の角度θで配向される。作動されるセンサ21018の割合の差と、アンビル21012が配向される角度の差を個別に、又は組み合わせて(例えば、図99に示されるプロセス21200によって)利用して、掴持されている組織の生理学的種類を特徴付け、次いで適切な顎部の閉鎖速度、閉鎖閾値、及び組織の種類に対する他のモータ制御パラメータを設定することができる。
図100B及び図101Bは、エンドエフェクタ21008が、軟組織21030及び血管21032をそれぞれ完全に掴持した位置を示している。そこに見ることができるように、エンドエフェクタ21008が組織を掴持する際の作動センサ21018及び非作動センサ21020の数又は割合の変化を同様に利用して、組織の種類及び/又は組織の物理的特性、組織が圧縮される度合い、及び/又はアンビル21012とチャネル21014との間の距離、並びに様々な他のパラメータを決定することができる。例えば、血管21032は、完全に掴持されたときに軟組織21030よりも大きく変形し、これにより、エンドエフェクタ21008が血管21032を掴持する際に、作動されるセンサ21018の数は相対的に大きく変化することになる。いくつかの態様では、制御回路は、エンドエフェクタ21008を掴持させるときに作動されるセンサ21018の数の変化又は変化率に従って、組織の種類(すなわち、生理学的組織の種類又は特定の物理的特徴を有す組織)を決定するプロセスを実行することができる。いくつかの態様では、制御回路は、エンドエフェクタ21008を把持させるときに作動されるセンサ21018の数の変化又は変化率に従って、組織が圧縮及び/又は変形される度合いを決定するプロセスを実行することができる。
外科用器具21000が、図99に記載されたプロセス21200を実行する制御回路21002を含むいくつかの態様では、顎部21013が最初に組織に接触していると制御回路21002が判定したとき、制御回路21002は、顎部の間の隔たりθ、及び組織と顎部との間の組織接触の長さ又は度合いLを検出する、又は測定するように構成され得る。閉鎖閾値(例えば、FTC閾値又はΔFTC閾値)、初期閉鎖速度、及び調節された閉鎖速度(複数可)(すなわち、閉鎖閾値を超えた後に顎部21013が閉鎖される閉鎖速度(複数可))はそれぞれ、θ及びLの関数であり得る。図100A~図100Bに示されるように、第1の組織(例えば、軟組織21030)との初期接触点において、顎部の隔たりは、θと定義することができ、組織接触の度合いは、Lとして定義することができる。図101A~Bに示されるように、第2の組織(例えば、血管21032)との初期接触点において、顎部の隔たりは、θと定義することができ、組織接触の度合いは、Lとして定義することができる。したがって、θ>θ及びL>Lであるいくつかの態様では、実質的に軟組織FTC閾値FTC>血管FTC閾値FTCであり、軟組織ΔFTC閾値ΔFTC>血管勾配閾値ΔFTC、及び血管初期閉鎖速度vV1>軟組織初期閉鎖速度vP1である。これらの閾値間の機能上の違いは、図102~図103に関して以下に更に詳細に論じられる。
図102は、本開示の少なくとも1つの態様による、軟組織21030を把持する外科用器具21000の例示的な発射に関する、エンドエフェクタFTC21304及び閉鎖速度21306のそれぞれと、時間21308を描く第1のグラフ21300及び第2のグラフ21302を示す。第1のグラフ21300及び第2のグラフ21302の以下の説明において、図95及び図99~図100Bを参照するべきである。本明細書に記載される例示的な発射は、図95及び図99~図100Bに関連して上記に論じた概念を実証する目的のためのものであり、いかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
外科用器具21000の第1の発射は、第1の発射の過程における経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第1のFTC曲線21310と、対応する第1速度曲線21310によって表すことができる。第1の発射は、例えば、外科用器具21000、又は図99に示されるプロセス21200を実行する制御回路21002を含まない外科用器具21000の規定値の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21012の閉鎖速度を初期又は規定値の閉鎖速度vd1に急増させる21318。アンビル21012が開放位置から駆動されると、それは、この特定の発射に関しては軟組織21030である掴持された組織と接触する。アンビル21012が時間tで掴持されている組織に接触すると、FTCは、時間tにおいて、初期FTC(例えば、ゼロ)からピーク21314まで増加する21312。時間tにおいて、外科用器具21000の制御回路21002は、FTCがFTC閾値(例えば、組織の種類とは独立した規定値閾値であり得る)に達したか又は超えていることを判定し、モータ21006がアンビル21012の移動を停止するように制御し、閉鎖速度をゼロに低下させる21320。アンビル21012の移動は、持続時間pの間に休止されてもよく、その間、閉鎖速度はゼロに維持される21322。休止中、FTCは、掴持された組織が弛緩するにつれて徐々に減少する21316。
外科用器具21000の第2の発射は、第2の発射の過程の間の経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第2のFTC曲線21324と、対応する第1速度曲線21324′によって表すことができる。第1の発射とは対照的に、第2の発射は、例えば、図99に示すプロセスを実行する制御回路21002を含む外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御してアンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21014の閉鎖速度を急増させる21336。軟組織21030の相対的な厚さ及び/又は幾何学的形状により、組織(すなわち、軟組織21030)と顎部21013との初期接触点は、アンビル21012がモータ21006によって駆動され始めた直後に生じる。したがって、図99に示されるプロセス21200を実行する制御回路21002は、軟組織21030が掴持されていることをほぼ直ちに判定し、これに対応して、顎部を閉鎖するための時間、閉鎖閾値(複数可)、及び他の閉鎖パラメータを閉鎖プロセスにおける比較的早い時点で設定することが可能である。したがって、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21014の閉鎖速度を、軟組織21320に固有の初期閉鎖速度vp1まで急増させる21336。
アンビル21012が開放位置から駆動されると、それは、この特定の発射に関しては軟組織21030である掴持された組織と接触する。アンビル21012が時間tで掴持されている組織に接触すると、FTCは、時間tにおいて最初のFTC(例えば、ゼロ)から第1のピーク21328まで増加する21326。FTCは、第1の発射と比較して、第2の発射ではより時間をかけて増加するが21326、これは、プロセス21200を実行する制御回路21002が、第2の発射では、掴持されている組織の種類に適した第1、すなわち初期閉鎖速度vp1を選択するためであり、これにより、外科用器具21000の修正されない発射と比較して、組織に及ぼされる力の量が削減されることに留意されたい。時間tにおいて、外科用器具21000の制御回路21002は、FTCがFTC閾値FTC(制御回路21002が、軟組織21030が掴持されていると判定したとき、又はt後に、制御回路21002によって設定されている)に到達したか、又はこれを超えたと判定する。軟組織FTC閾値FTCは、例えば、軟組織21030に対して安全に又は望ましく及ぼされ得る最大力を表すことができる。したがって、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21012の移動を停止して閉鎖速度をゼロに低下させる21338。アンビル21012の移動は、持続時間pの間に休止されてもよく、その間、閉鎖速度はゼロに維持される21340。休止中、FTCは、掴持された組織が弛緩するにつれて徐々に減少する21330。休止持続時間pは、軟組織21030に関して制御回路21002によって選択される既定値の休止持続時間(例えば、p)又は閉鎖パラメータと等しくなり得る。
休止持続時間pが時間tにおいて経過した後、制御回路21002はモータ21006に再び関与し、アンビル21012を閉鎖することを再開する。したがって、閉鎖速度は、第2の閉鎖速度vp2まで増加する21342を。いくつかの態様では、軟組織FTC閾値FTCを最初に超えた後、制御回路21002は、アンビル21012が閉鎖される閉鎖速度を、軟組織21030に特異的な第2の閉鎖速度vp2まで低下させ、この場合にvp2<vp1である。制御回路21002は、軟組織FTC閾値FTCを超えた後で、より低い速度でアンビル21012を閉鎖するように構成することができ、その理由は、それは、検出された組織の種類について予測されるよりも、組織に厚みがある、又はそれ以外ではアンビル21012からの閉鎖力に対してより抵抗力があることを示す場合があるためである。したがって、掴持されている組織に対してその後及ぼされる閉鎖力の量を削減しようと試みるために、閉鎖速度を低下させることが望ましい場合がある。
アンビル21012が時間tで閉鎖を再開すると、FTCは、時間tで21332に達するまで再び増加し始め、再び軟組織閾値FTCに達するか又はそれを超える。時間tにおいて、外科用器具21000の制御回路21002は、FTCがFTC閾値FTCに到達したか又は超えていると判定する。したがって、制御回路21002は、モータ21006がアンビル21012の移動を停止し、閉鎖速度をゼロに低下させる21346。アンビル21012の移動は、持続時間pの間に休止されてもよく、その間、閉鎖速度はゼロに維持される21348。休止中、FTCは、掴持された組織が弛緩するにつれてを徐々に減少する21334。
図103は、本開示の少なくとも1つの態様による、血管21032を把持する外科用器具21000の例示的な発射に関するエンドエフェクタFTC21354及び閉鎖速度21356それぞれと、時間21358を示す第3のグラフ21350及び第4のグラフ21352を示す。第3のグラフ21350及び第2のグラフ21352の以下の説明において、図95、図99、図101A~図101Bも参照すべきである。本明細書に記載される例示的な発射は、図95、図99、図101A~図101Bに関して上記で論じた概念を実証する目的のためであり、いかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
外科用器具21000の第3の発射は、第3の発射の過程における経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第3のFTC曲線21360と、対応する第1の速度曲線21360’とによって表すことができる。第3の発射は、例えば、外科用器具21000の規定値発射、又は図99に描かれるプロセスを実行する制御回路21002を含まない外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21012の閉鎖速度を初期又は規定値の閉鎖速度vd2に急増させる21370。初期閉鎖速度vd2は、図102の初期閉鎖速度vd1と等しい場合、又は等しくない場合もある。アンビル21012が開放位置から駆動されるとき、それは、この特定の発射に関しては血管21032である掴持された組織と接触する前の一定期間の間移動する。これは、図102に描かれるように、外科用器具21000が軟組織21030を掴持している発射とは対照的であることに留意されたい。血管21032は比較的薄いため、アンビル21012は概して、血管21032との初期接触を行う前に一定の距離を移動する必要があり、その一方で、軟組織21032は、血管21032よりも概ね厚いため、アンビル21012はほぼ直ちに血管21032との接触を行う。したがって、組織に接触することなく、アンビル21012が一定期間移動するため、FTCは最初は平坦なである21362。アンビル21012が時間tにおいて組織に接触すると、FTCは、初期又は平坦な21376 FTC(例えば、ゼロ)から、時間tにおけるピーク21366まで増加する21364。時間tにおいて、外科用器具21000の制御回路21002は、FTCがFTC閾値(例えば、組織タイプとは独立した規定値閾値であり得る)に達したか又は超えていることを判定し、モータ21006がアンビル21012の移動を停止して、閉鎖速度をゼロに低下させる21372。アンビル21012の移動は、持続時間pの間、休止されてもよく、その間、閉鎖速度はゼロに維持される21374。休止中、FTCは、掴持された組織が弛緩するにつれて徐々に減少する21368。
外科用器具21000の第4の発射は、第2の発射の過程における経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第2のFTC曲線21375と、対応する第1速度曲線21375′とによって表すことができる。第1の発射とは対照的に、第4の発射は、例えば、図99に示すプロセス21200を実行する制御回路21002を含む外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御してアンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21014の閉鎖速度を急増させる21386。血管21032の相対的な薄さ及び/又は幾何学のために(例えば、軟組織21030と比較して)、組織(すなわち、血管21032)と顎部21013との初期接触点は、アンビル21012がモータ21006によって一定期間駆動されるまで発生しない。したがって、図99に示されるプロセス21200を実行する制御回路21002は、閉鎖プロセスが一定の期間にわたって実行されるまで、血管21032が掴持されていることを判定し、それに対応して、顎部を閉鎖する時間、閉鎖閾値(複数可)、及び他の適切な閉鎖パラメータを設定することができない。アンビル21012は、一定の期間にわたって血管21032のより薄い組織に接触せず、よって制御回路21002はそれ故、掴持されている組織の種類を検出することができないため、制御回路21002は、アンビル21014の閉鎖速度を規定値速度vに急増させるように21386モータ21006を制御する。
アンビル21012が開放位置から駆動されると、アンビル21012が組織に接触せずに一定期間にわたって移動するため、FTCは最初は平坦である21376。アンビル21012が時間tにおいて組織に接触すると、FTCは初期FTC(例えば、ゼロ)から増加する21378。血管21032に接触した後、図99に示されるプロセス21200を実行する制御回路21002は、血管21032が掴持されていると判定することができ、それに対応して、顎部の閉鎖、閉鎖閾値、及び閉鎖プロセスのその時点における他の閉鎖パラメータを設定することができる。時間tにおいて、制御回路21002は、ΔFTCが、ΔFTC閾値ΔFTC(制御回路21002が血管21032が掴持されていると判定したとき、tで又はその後、制御回路21002によって設定された)に達したか、又はこれを超えたと判定する。血管ΔFTC閾値ΔFTCは、例えば、血管21032の組織に安全に又は望ましく及ぼすことができる力の最大変化率を表すことができる。したがって、制御回路21002は、モータ21006を制御して、血管2032組織に特異的な血管閉鎖速度vv1まで閉鎖速度を低下させ21388、この場合vv1<vである。
アンビル21012が下部血管閉鎖速度vv1で前進すると、FTCは、時間tにおいてピークに達するまで21382、これまでより増加する21380。時間tにおいて、制御回路21002は、FTCが、FTC閾値FTC(制御回路21002が血管21032が掴持されていると判定したとき、tで又はその後、制御回路21002によって設定される)に達したか、又はこれを超えたと判定する。血管FTC閾値FTCは、例えば、血管21032の組織に安全に又は望ましく加えることができる最大力を表すことができる。したがって、制御回路21002は、モータ21006がアンビル21012の移動を停止し、閉鎖速度をゼロに低下させる21932。アンビル21012の移動は、持続時間pの間、休止されてもよく、その間、閉鎖速度はゼロに維持される21394。休止中、FTCは、掴持された組織が弛緩するにつれて徐々に減少する21384。休止持続時間pは、血管21032組織のための制御回路21002によって選択される規定値の休止持続時間(例えば、p)又は閉鎖パラメータと等しくてもよい。
要約すると、図102~図103は、外科用器具21000が、図99に示すプロセス21200を実行する制御回路21002を用いて機能する方法と、それを用いないで機能する異なる方法を強調する。
図104は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のためのエンドエフェクタFTC21402及び閉鎖速度21404それぞれと、時間21406を示す第5のグラフ21400を示す。第5のグラフ21400の以下の説明では、図95及び図99~図101Bもまた参照されたい。本明細書に記載される例示的な発射は、図95及び図99~図101Bに関連して上記で論じた概念を実証する目的のためのものであり、いかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
外科用器具21000の第5の発射は、第5の発射の過程の間の経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第5のFTC曲線21408と、対応する第5速度曲線21408’とによって表すことができる。第5の発射は、例えば、図99に描かれるプロセスを実行する制御回路21002を含む外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21014の閉鎖速度を、それが特定の閉鎖速度での横ばい状態になるまで21418急増させる21416。アンビル21012が閉鎖するとき、FTCは、それが特定の時間にピーク21412をピークに達するまで増加する21410。ピーク21412から、組織が完全に掴持されるまでFTCは減少し21414、この時点で、制御回路21002は、モータ21006を制御してアンビル21012の閉鎖を停止し、閉鎖速度をゼロに低下させる21420。
したがって、第5の発射は、顎部21013の閉鎖中にFTC閾値、ΔFTC閾値、又は任意の他の閉鎖閾値のいずれにも到達しない、又は超えられない、外科用器具21000の発射を表す。換言すれば、第5の発射は、顎部21013の閉鎖中に全ての制御パラメータ内に留まる。したがって、制御回路21002は、アンビル21012がアンビル21012の閉鎖速度を調節するか、又は顎部21013の閉鎖中に任意の他の矯正動作を行う。
図105は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のためのエンドエフェクタFTC 21402と時間21406及び閉鎖速度21404と時間21406を示す第6のグラフ21422を示す。第6のグラフ21422の以下の説明では、図95及び図99~図101Bもまた参照されたい。本明細書に記載される例示的な発射は、図95及び図99~図101Bに関連して上記で論じた概念を実証する目的のためのものであり、いかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
外科用器具21000の第6の発射は、第6の発射の過程中の経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第6のFTC曲線21424と、対応する第6速度曲線21424′とによって表すことができる。第6の発射は、例えば、図99に描かれるプロセス21200を実行する制御回路21002を含む外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21014の閉鎖速度を、それが特定の閉鎖速度に達するまで急増させる21432。アンビル21012が閉鎖するとき、FTCは、特定の時間にピーク21428に達するまで増加する21426。この特定の例では、外科用器具21000の操作者は、その中で組織を再度調節するために、外科用器具21000の顎部21013を開放することを選択する。したがって、閉鎖速度は、それが負の閉鎖速度に達するまで低下し21434、このことは、例えば、組織が顎部21013内で再度調節されることを容易にするために、顎部21013が開放されていることを示す。次いで、閉鎖速度は、ゼロまで戻り21436、顎部21013は停止する。それに対応して、顎部21013が組織から解放されると、FTCはゼロに減少する21430。
図106は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の例示的な発射のためのエンドエフェクタFTC 21402と時間21406及び閉鎖速度21404と時間21406を示す第7のグラフ21438を示す。第7のグラフ21438の以下の説明では、図95、及び図99~図101Bもまた参照されたい。本明細書に記載される例示的な発射は、図95及び図99~図101Bに関連して上記で論じた概念を実証する目的のためのものであり、いかなる方法でも限定するものとして解釈されるべきではない。
外科用器具21000の第7の発射は、第7の発射の過程の間の経時的なFTC及び閉鎖速度の変化を示す、第7のFTC曲線21440と、対応する第7速度曲線21440’とによって表すことができる。第7の発射は、例えば、図99に描かれるプロセス21200を実行する制御回路21002を含む外科用器具21000の発射を表すことができる。外科用器具21000の発射が開始されると、制御回路21002は、モータ21006を制御してアンビル21014をその開放位置から駆動し始め、アンビル21014の閉鎖速度を、第1の閉鎖速度vへと急増させる21450。アンビル21012が閉鎖すると、FTCは、時間tまで増加する21442。時間tにおいて、制御回路21002は、図99に描かれるプロセス21200に従って制御回路21002によって検出された特定の生理学的組織タイプについて、規定値のΔFTC閾値又はΔFTC閾値のいずれかであり得るΔFTC閾値ΔFTC閾値に到達する、又はそれを超えることを判定する。別の例として、ΔFTCは、他の感知されたパラメータに応じて、又は別のアルゴリズムに従って、制御回路21002及び/又は外科用器具2100の別の制御回路によって実行される別のプロセスによって設定することもできる。例えば、顎部閉鎖が図99に例示されるプロセス21200の動作パラメータ内に進行するが、外科用器具21000の別のセンサ及び/又は別のプロセスは、それにもかかわらず、掴持されている組織が、何らかの方法で予想されるパラメータから逸脱する(例えば、組織は、所与の組織タイプについて予想されるよりも厚いか又はより薄い)と判定した場合、この場合、顎部21013を閉鎖する時間、閉鎖閾値、及びそれに応じた他の制御パラメータを設定する。一実施例では、第2のセンサは、組織が予想されるよりも薄いことを時間tで検出する。したがって、制御回路21002は、新たなΔFTC(この例では、前のΔFTCよりも低い)を設定し、制御回路21002はその後、その時点tにおいて到達される、又は超えていると判定する。
したがって、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21012の閉鎖速度を第2の閉鎖速度vに低下させ21452、この場合v>vである。tから、閉鎖速度の低下は、FTCがより遅い速度で増加することになる21444。FTCは、それがFTC閾値FTCより下のピーク21446に達するまでを増加し21444、その後減少する。第7の発射が、t後に全ての閉鎖パラメータ内に留まっているので、閉鎖速度は、組織が完全に掴持されるまで、第2の閉鎖速度vに維持され21454、制御回路21002は、モータ21006を制御して、アンビル21012の閉鎖を停止し、閉鎖速度がゼロに低下する21456。
図107は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具の顎部が組織及び/又はステープルに接触するときを判定するためのインピーダンス21502と時間21504を描くグラフ21500を示す。第7のグラフ21438の説明においては図95も参照されたい。上記で論じたように、エンドエフェクタ21008によって掴持された組織の圧縮の度合いを検出するように構成された、及び/又は組織との初期接触を検出するように構成されたセンサ(複数可)21004は、例えば、インピーダンスセンサを含むことができる。インピーダンスセンサ(複数可)によって検出される、組織のインピーダンスのインピーダンス及び/又はインピーダンスの変化率を利用して、掴持されている組織の状態を判定することができる。例えば、検出されたインピーダンスが、開回路状態を示すインピーダンスZOCにおいて横ばい状態21506を有する場合、インピーダンスセンサに結合された制御回路21002は、顎部が開放している及び/又は組織に接触していないと判定することができる。別の例として、検出されたインピーダンスが開回路インピーダンスZOCから最初に減少する際21508、インピーダンスセンサに結合された制御回路21002は、組織との初期接触がなされたと判定することができる。別の例として、検出されたインピーダンスが開回路インピーダンスZOCから減少するとき21510を、インピーダンス曲線と時間の形状、及び/又は検出されたインピーダンスの変化率を、インピーダンスセンサに結合された制御回路21002によって利用して、組織圧縮の速度及び/又は組織が圧縮されている度合いを判定することができる。更に別の例として、検出されたインピーダンスがゼロに低下した場合21512、インピーダンスセンサに結合された制御回路21002は、エンドエフェクタ21008の顎部が、インピーダンス検出システムを短絡させるステープルと接触していると判定することができる。
(実施例)
「感知された閉鎖パラメータに従って外科用器具を制御する」という見出しの下で本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例に記載される。
実施例1-外科用器具は、開放構成と閉鎖構成との間で遷移可能な顎部を備えるエンドエフェクタを備える。外科用器具は、顎部に動作可能に連結されたモータを更に備える。モータは、開放構成と閉鎖構成との間で顎部を遷移させるように構成されている。外科用器具は、顎部の間の組織に関連付けられた組織圧縮パラメータを示す少なくとも1つの信号を送信するように構成されたセンサを更に備える。外科用器具は、センサ及びモータに連結された制御回路を更に備える。制御回路は、少なくとも1つの信号を受信し、顎部が開放構成から閉鎖構成に遷移するときに、少なくとも1つの信号に基づいて組織圧縮パラメータの値を判定し、組織圧縮パラメータの値が第1の閾値を上回るかどうかに応じて、モータに、顎部を閉鎖構成に遷移させるための時間を増加させ、かつ組織圧縮パラメータの値が第2の閾値を下回るかどうかに応じて、フィードバックを提供するように構成されている。
実施例2-組織圧縮パラメータは、顎部を閉鎖構成に遷移させるためにモータによって及ぼされる力を含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例3-組織圧縮パラメータは、顎部を閉鎖構成に遷移させるためにモータによって及ぼされる力の時間の変化率を含む、実施例1に記載の外科用器具。
実施例4-フィードバックは、補助補強材の提案を含む、実施例1、2又は3に記載の外科用器具。
実施例5-制御回路は、モータが顎部を閉鎖構成に遷移させる速度を低下させることによって、顎部を閉鎖構成に遷移させる時間を増加させるように構成されている、実施例1、2、3又は4に記載の外科用器具。
実施例6-制御回路は、顎部を閉鎖構成に遷移させるときにモータが休止される時間の長さを増加することによって、顎部を閉鎖構成に遷移させる時間を増加するように構成されている、実施例1、2、3又は4に記載の外科用器具。
実施例7-制御回路は、モータが、顎部を閉鎖構成に遷移させるのを停止するための安定化閾値を下げることによって、顎部を閉鎖構成に遷移させる時間を増加するように構成されている、実施例1、2、3又は4に記載の外科用器具。
実施例8-外科用器具はエンドエフェクタを備える。エンドエフェクタは、開放構成と閉鎖構成との間で遷移可能な顎部と、顎部の各々の組織接触面に沿って配置された1つ又は2つ以上のセンサと、を備える。1つ又は2つ以上のセンサは、組織との接触を検出するように構成されている。外科用器具は、顎部に動作可能に連結されたモータを更に備える。モータは、開放構成と閉鎖構成との間で顎部を遷移させるように構成されている。外科用器具は、1つ又は2つ以上のセンサ及びモータに連結された制御回路を更に備える。制御回路は、組織が顎部の組織接触面に接触する初期接触点を判定し、初期接触点における顎部間の隔たりを判定し、組織接触面と組織との間の接触の度合いを判定し、初期接触点における顎部間の隔たりと、組織接触面と組織との間の接触の度合いに対応する速度で、モータに顎部を閉鎖構成に遷移させ、顎部を閉鎖構成に遷移させるためにモータによって及ぼされる力が閾値を超えるかどうかに応じて、モータに、顎部が閉鎖構成に遷移される速度を調節させるように構成されている。閾値は、初期接触点における顎部間の隔たりと、組織接触面と組織との間の接触の度合いに対応している。
実施例9-1つ又は2つ以上のセンサは圧力センサを備える、実施例8に記載の外科用器具。
実施例10-1つ又は2つ以上のセンサはインピーダンスセンサを備える、実施例8に記載の外科用器具。
実施例11-顎部間の隔たりは、顎部間の角度を含む、実施例8、9又は10に記載の外科用器具。
実施例12-顎部間の隔たりは、顎部間の間隙を含む、実施例8、9又は10に記載の外科用器具。
実施例13-外科用器具はエンドエフェクタを備える。エンドエフェクタは、開放構成と閉鎖構成との間で遷移することで組織を把持するように構成された顎部と、そこに当たる組織を感知するように構成された接触センサ組立体と、を備える。外科用器具は、顎部の構成を感知するように構成された位置センサと、顎部に連結されたモータと、を更に備える。モータは、開放構成と閉鎖構成との間で顎部を遷移させるように構成されている。外科用器具は、接触センサ組立体、位置センサ、及びモータに連結された制御回路を更に備える。制御回路は、組織が顎部に接触する初期接触点を判定し、初期接触点において位置センサを介して顎部の構成を判定し、初期接触点において接触センサ組立体を介して組織と顎部との間の組織接触の量を判定し、初期接触点における顎部の構成及び組織接触の量に従って、モータが顎部を閉鎖構成に遷移させる閉鎖速度を設定し、初期接触点における顎部の構成及び組織接触の量に従って閉鎖閾値を設定し、閾値に対して顎部を閉鎖構成に遷移させるように、モータによって及ぼされる力に従ってモータを制御するように構成されている。
実施例14-センサ組立体は圧縮センサを備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例15-センサ組立体は、インピーダンスセンサを備える、実施例13に記載の外科用器具。
実施例16-顎部の構成は、顎部間の角度に対応する、実施例13、14、又は15に記載の外科用器具。
実施例17-顎部の構成は、顎部間の間隙に対応する、実施例13、14、又は15に記載の外科用器具。
術前情報に基づいてエンドエフェクタパラメータを調節するためのシステム
本開示の態様は、外科用器具の制御回路によって実行される閉鎖制御プログラムによって履行される閉鎖閾値及び閉鎖速度の調節のために提示され、この調節は、術前情報に基づいて行われる。閉鎖閾値の調節は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム(1つ又は2つ以上の外科用システム102と、明瞭性のためにクラウド104と称されるクラウド104、204などのクラウドベースの分析医療システムとを含む)による状況認識の実行の一例であり得る。例えば、閉鎖閾値は、クラウド104から受信された、又は外科用ハブ若しくは外科用器具によって判定された周術期情報に基づいて、患者固有の閉鎖閾値に合わせて調節することができる。本明細書で使用するとき、周術期情報は、術前情報、術中情報、及び術後情報を含む。
術前情報は、外科用器具を用いた外科手術の実行前に受信された情報を指し、術中情報は、外科手術中(例えば、外科手術の1つの工程が実行されている間)に受信された情報を指す。具体的には、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、特にハンドヘルド式インテリジェント外科用器具のための適切なエンドエフェクタ閉鎖閾値及び閉鎖速度アルゴリズムなどのエンドエフェクタ閉鎖パラメータを判定又は推定することができる。そのような推論は、実行される外科的処置に関連し、かつ対応する患者に関連するコンテキスト情報に基づくことができる。コンテキスト情報は、周術期情報を含むか、又はその情報に基づいて判定することができる。外科用器具は、外科用器具112、600、700、750、790、150010など、本開示に記載される任意の好適な外科用器具であってよい。明確にするために、外科用器具112が参照される。
周術期に診断された疾患及び治療などの周術期情報は、外科用器具112によって治療されている組織の特性又は特徴に影響を及ぼし得る。例えば、患者は、以前に癌と診断されており、癌を治療するために放射線治療を受けている場合がある。したがって、この周術期情報は、患者の組織が増大した堅さの特徴を有し得ることを示す。しかしながら、現在適用されている閉鎖制御プログラムは、この増大した堅さに対処していない場合がある。したがって、一般的な閉鎖速度アルゴリズムに従って外科的処置を実行するための閉鎖制御プログラムを使用することによって、患者の組織の過剰な圧迫により組織への不必要な外傷又は損傷をもたらす可能性がある。加えて、外科手術中に、複数の潜在的な組織の種類のうちのどの組織の種類が治療されているかを識別するなどによって、術中情報が分析される場合もある。異なる種類の組織はまた、組織の堅さなどの異なる組織の特徴を有する場合もある。従って、周術期調節の代わりに、又はそれに加えて、術中調節を実施するために周術期情報の変化が使用されてもよい。要するに、閉鎖制御プログラムは、組織の種類、外科的処置、及び既に実行されている外科的工程など、周術期情報に応じて、異なる閉鎖速度閾値が適用されるべきであると考える訳ではない。
外科用器具は、外科手術が外科用器具112で行われる際の組織の種類、及びそのような異なる組織の種類の様々な特徴を考慮することが望ましい場合がある。具体的には、外科用器具112は、臨床医が外科用器具によって外科手術を実行する前に、並びに外科手術の実行中に、組織の種類及びその組織の種類の特徴を効果的に判定することが望ましい場合がある。
したがって、一部の態様では、クラウドベースの分析医療システム(例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100)が提供され、この場合、周術期情報は、治療されるべき組織の種類及び治療前に処置された組織の特徴を判定するために考慮されてよい。例えば、実行されるべき外科処置及び他の患者情報は、外科処置が実行される前に取得された周術期情報の事例であり得る。外科手術のこれまでに実行された工程、他の手術履歴、及び組織の種類の変化は、考慮され得る周術期情報の例である。一般に、この周術期情報報は、外科用器具112のエンドエフェクタパラメータ(例えば、閉鎖変化率及び閉鎖閾値)を判定、推定又は調節するための閉鎖パラメータを示すセンサ信号と共に使用されてもよい。エンドエフェクタは、エンドエフェクタ702、151600、150300、151340、152000、152100、152150、152200、152300、152350、152400、153460、153470、153502など、本開示に記載される任意のエンドエフェクタであってもよい。明確にするために、エンドエフェクタ702が参照される。
閉鎖速度に関連する状況認識のための周術期情報を分析することは、多くの方法で達成することができる。周術期情報に基づいて、外科用器具の制御回路500、710、760、150700(図12、図15、図17及び図29A~図29Bに関連して上記で論じた)などの制御回路は、選択された閉鎖制御プログラムで使用される閉鎖変化率及び閉鎖閾値入力を調節することができる。明確にするために、制御回路500が参照される。制御回路500はまた、周術期情報に基づいて異なる制御プログラムを選択することもできる。追加的に又は代替的に、外科用ハブ106、206(明確にするために外科用ハブ106と称される)などの外科用ハブは、クラウド104又は外科用器具112から周術期情報を受信してもよい。例えば、外科用ハブ106は、クラウド104、又はこれは、外科用器具112の組織接触又は圧力センサ(例えば、図24に示すように)に基づいて判定される初期の組織の厚さ測定値から患者の電子医療記録(EMR)を受信してもよい。
次いで、外科用ハブ106は、受信された周術期情報を分析することができる。この分析に基づいて、次いで、外科用ハブ106は、選択された閉鎖制御プログラムで使用される閉鎖変化率及び閉鎖閾値入力を調節するために、外科用器具112に信号を送信することができる。外科用ハブ106はまた、制御回路が異なる制御プログラムを選択することなどによって、外科用器具112に異なる閉鎖制御プログラムを選択するように指示することもできる。異なる制御プログラムの選択は、ハブ106から受信した信号、又はハブ106から更新された制御プログラムを受信する外科用器具112によって受信される信号に基づく場合もある。クラウド104はまた、使用される閉鎖速度及び最大閾値を調節するための分析を実行することもできる。具体的には、クラウド104のプロセッサは、周術期情報を分析して、例えば、閉鎖制御プログラムへの入力を変更するために、又は外科用器具によって実施されるべき異なる好適な閉鎖制御プログラムを選択するために組織の種類及び特徴を判定することができる。
このようにして、外科用器具112は、好適な閉鎖速度アルゴリズム及び閉鎖最大閾値を適用するように、クラウド104によって(例えば、ハブ106を介して)指示されてよい。組織の種類及び特徴は、閉鎖パラメータを示すセンサ信号に基づいて更に判定されてもよい。センサは、組織接触又は圧力センサ、力センサ、モータ電流センサ、位置センサ、負荷センサ、又は上述のセンサ472、474、476、630、734、736、738、744a~744e、784、788、152408、153102、153112、153118、153126、153200、153438、153448、153450a、153450b、153474などの他の好適なセンサであってもよい。明確にするために、センサ474が参照される。センサ474は、外科用器具112のパラメータを示すセンサ信号を送信するように構成される。組織の種類及び特徴を判定する前に、一部のタイプの周術期情報をクラウド104内に記憶することができる。例えば、患者EMRは、クラウド104のメモリ(例えば、クラウドデータベース)に記憶され得る。一般に、外科用器具112、ハブ106又はクラウド104は、周術期情報を分析して、組織の種類及び状況認識のための特徴を判定することができる。
従って、周術期情報に基づいて判定された組織の種類及び特徴は、使用される閉鎖率及び最大閾値を先んじて調節するために使用されてよい。すなわち、周術期情報を使用して、より有効な閉鎖パラメータ(例えば、エンドエフェクタ702パラメータ)を予測し得ることで、外科用器具112によって適用される閉鎖制御プログラムが、治療されている組織の患者固有の組織の特徴及び種類を考慮する閉鎖速度及び閾値を使用することになる。したがって、本明細書に記載される閉鎖速度及び閾値状況認識を使用することにより、外科用器具112が、治療されるべき組織を過剰圧縮することなく、調節された閉鎖速度及び閾値を適用することを有利に可能にし得る。過剰な圧縮は、エンドエフェクタ702の第1及び第2の顎部材に基づく場合もある。第1及び第2の顎部材は、例えば、第1の顎部材152002、152152、152154及び第2の顎部材152204、152254、152304であってもよい。第1及び第2の顎部材はまた、アンビル716、766及びステープルカートリッジ718、768を指す場合もある。明確にするために、第1の顎部材は152002と称され、一方、第2の顎部材は152204と称される。第1の顎部材152002及び第2の顎部材152004は、第1の顎部材152002と第2の顎部材152004との間の距離として画定されるエンドエフェクタ702の開口部を画定してもよい。
例えば、エンドエフェクタ702の開口部が不必要に小さい場合、不必要な組織損傷又は過剰圧縮からの外傷が生じる可能性がある。このような過剰圧縮を低減又は防止することは、センサ474からの周術期情報及び/又はセンサ信号を使用して調節することによって達成されてよい。また、初期閉鎖パラメータ測定中に加えられる圧縮を、負荷センサ474(閉鎖力を測定する)及び位置センサ474(第1の顎部材152002及び第2の顎部材152004の位置を測定する)に基づいて最小限に抑えることもできる。一般に、センサ474は、外科用器具112のエンドエフェクタ702によって及ぼされる閉鎖力を測定するように構成されてよい。周術期情報から組織の特徴及び種類を先んじて推定することに加えて、外科用器具112、ハブ106及びクラウド104のうちの1つ又は2つ以上は、(図12に示すように)センサ474からの感知された測定値を使用して、必要に応じて加えられる閉鎖力、閉鎖速度、及び閉鎖閾値を検証する、又は更なる調節を行ってもよい。具体的には、接触センサを使用して、変形されていない組織の厚さを判定することができる。また、位置センサ474と組み合わせた負荷センサ474が、第1の顎部材152002及び第2の顎部材152004のそれぞれの位置に対する適用された閉鎖力に基づいて、組織の厚さを判定するために使用されてもよい。これらの検証又は更なる調節は、術前又は術中に実行することができる。
閉鎖パラメータ状況認識は、継続的に実行されてもよい。したがって、臨床医又は外科医は、エンドエフェクタ702の閉鎖パラメータ(例えば、閉鎖制御プログラム)を適切に調節するために(例えば、外科処置の工程が実行されるとき)、周術期情報を継続的に使用してもよい。臨床医履歴(例えば、外科医の日常的な業務)に基づいて、例えば、実行されている外科処置の次の工程が血管組織に関与すると判定された場合、周術期情報を使用してエンドエフェクタ702の閉鎖パラメータを調節する場合もある。このような状況では、状況認識外科用器具112は、一定の閉鎖変化率で閉鎖力を適用してよい。そのような周術期情報は、エンドエフェクタ702の閉鎖パラメータ(例えば、制御プログラムの閉鎖変化率及び閉鎖閾値)を調節するために、外科用器具112の閉鎖パラメータを示すセンサ信号と共に使用されてもよい。術中情報などの周術期情報は、患者が放射線療法によって以前に治療されたことを示す場合がある。
この情報に基づいて、制御回路500は、外科処置の工程全体を通して考慮され得る組織の特徴である、組織の堅さの増加を推定し得る。一実施例では、この増加した組織の堅さは、より適切なエンドエフェクタ702の閉鎖パラメータ値に対する調節が達成され得るように、組織の厚さを示すセンサ信号を補うために使用される周術期情報であってもよい。周術期情報はまた、適用される外科処置が、葉切除処置であることを示す場合もあり、これは、クラウド104内に記憶されたデータから決定され得る。葉切除処置の知識に基づいて、処置される(例えば、ステープル留めされる)可能な組織の種類には血管、気管支組織、及び軟組織が含まれることが特定されてよい。
したがって、周術期情報に基づいて、外科用器具112によって現在処置されている組織の特有の組織の種類及び特徴は、組織の治療上の処置の開始前に予測又は推定され得る。例えば、治療情報、診断情報、及び患者情報と併せて、初期の組織の厚さ(現在治療されている組織が最初にエンドエフェクタ702に接触したときに測定される)を考慮すると、これまでに照射された軟組織が治療されているという推論を可能にし得る。治療されている組織の種類及び特徴は、外科処置を開始する前にコンテキスト上決定され得るため、外科用器具112の制御回路500によって実施される閉鎖制御プログラムは、治療上の処置が開始する前に、有利に調節され得る(例えば、推定された組織の種類又は特徴に従って入力パラメータを変更することによって)、又は(例えば、異なる制御プログラムを選択することによって)変更され得る。具体的には、治療されている照射された軟組織の堅さ及び脆弱性に対処するために、最大組織閉鎖閾値を低下させてもよい。最大閾値は、適用され得る最大閉鎖力、又は最大の閉鎖変化率を指すことができる。更に、閉鎖制御プログラムの閉鎖アルゴリズムはまた、照射された軟組織の識別に基づいて、より遅い、より保守的な閉鎖速度を適用するように調節される場合もある。
また、外科用器具112が、例えば、照射された軟組織に適切なステープル用留め用外科用器具112であるかどうかを判定することができる。周術期情報が、選択された外科用器具112がその意図された使用に適していないことを示す場合、警告が生成され得る。例えば、現在処置されている組織が気管支組織であり、不適切な血管ステープル留め外科用器具112が選択されていることが周術期情報に基づいて推定され得る場合、臨床医に対して警告が生成される。一般に、外科用器具112は、外科用器具の種類、周術期情報、及びセンサ信号の間の、判定、予測又は推定された不一致に基づいて警告を生成してもよい。更に、上記で論じたように、術中情報はまた、外科処置全体の中で調節に使用され得る。例えば、全体的の処置手術における現在の工程は、硬い気管支組織を治療する場合があり、これは典型的には、より遅い閉鎖速度になるであろう。更に、初期調整の後に更なる調整を行うこともできる。具体的には、追加の術中情報(例えば、感知された情報)が分析され、現在適用されている閉鎖アルゴリズムに適用される閉鎖するための力が修正又は調節されるべきと推定されたとき、より遅い閉鎖速度をより速い閉鎖速度に調節するように、手術中に更なる調節を行うことができる。このような調節はまた、特定の状況では手術後に行われる場合もある。
したがって、閉鎖速度及び閾値は、治療上の処置の開始前又は治療上の処置中に、判定された組織の種類、組織の特徴、及び周術期情報に基づいて有益に調節され得る。したがって、この調節は、過剰な歪みに起因する組織損傷を有利に回避又は最小化し、ステープル留め外科用器具112からのステープルの適切な形成を容易にすることができる。
図108及び図109は、本開示の様々な態様による、周術期情報に基づいて使用され得る様々なエンドエフェクタ閉鎖閾値関数を示すグラフ22000と、調節されたエンドエフェクタ閉鎖制御アルゴリズムを示すグラフ22100である。グラフ22100は、グラフ22000を考慮して拡大されている。図108及び図109では、エンドエフェクタ702に適用される掴持力として理解することができる掴持するため又は閉鎖するための力(FTC)が、グラフ22000、22100のy軸22002、22102上に示されている。外科サイクルの経過した時間又はそれにわたる時間は、x軸22004、22104上に示される。図108のx軸22004は、例えば、サイクルが13秒にわたることを示す。対照的に、図109のx軸22104は2秒未満である。図108に示されるように、規定値の普遍的組織閉鎖閾値関数(FTC22006として示される)が、一般的な外科処置で使用される外科用器具112のエンドエフェクタ702の閉鎖を制御するために適用されてよい。
規定値のFTC22006よりも保守的な他の閾値もグラフ22000、22100に示されている。しかしながら、これより保守的でない閾値を使用することもできる。FTCL122008及びFTCL222010によって表されるように、より保守的な閉鎖閾値は、規定値の閉鎖力機能に対して外科用器具の閉鎖力を低減するために使用可能である。FTCL122008及びFTCL222010は、外科用器具112、ハブ106又はクラウド104のメモリに記憶される閾値であり得る。追加的に又は代替的に、FTCd222006は、外科用サイクル中の好適な時点で動的に調節され得る。動的調節は、制御回路500、対応するハブ106又はクラウド104によって実行され得る。また、グラフ22000、22100は、異なる閉鎖閾値関数FTC、FTCL1、及びFTCL222006、22008、22010の対応する勾配を示す。閉鎖閾値は、対応する外科サイクルにおける時間の関数として変化し得るため、閉鎖閾値の勾配は、外科サイクルの間全体にわたって一定であるか、又は必要に応じて変化する場合もある。
換言すれば、特定の閉鎖閾値関数によって定義される瞬間的な変化率は、外科サイクルにおける異なる時間の範囲の間で異なってもよい。例えば、特定の閉鎖閾値関数は、外科サイクルの開始時の比較的遅い増加率及び外科サイクルの真ん中あたりの比較的速い増加率を定義してよい。閉鎖閾値関数ΔFTC22106、ΔFTCL122108及びΔFTCL222110は、関数FTC22006、L122008及びFTCL222010の図で変倍されており、閉鎖閾値関数の対応する勾配を例示する。図109の態様では、勾配は一定であるが、勾配は適宜変化し得ることが分かる。閉鎖変化率は、選択される閉鎖閾値関数に従って調節され得る。調節の一例が、図108及び図109の「x」によって例示され、グラフ22100を考慮すると変倍されたより大きなサイズで示されている。この例では、ライン22012、22112によって表されるような閉鎖変化率は、ΔFTCL222110を超えないように調節される。
一態様では、外科用器具112のモータ482、704a~704e、754、150082、150714などのモータは、エンドエフェクタ702の第2の顎部材152004に対して第1の顎部材152002を移動させることができる。明確にするために、モータ482が参照される。モータ482は、ライン22012、22112によって表されるような閉鎖変化率に従って、及び選択された閉鎖閾値に従ってエンドエフェクタ702を移動させる、又は閉鎖してもよい。この目的のために、制御回路500は、モータ482によって引き込まれた電流を調節して、選択された閾値に基づいてモータ482の速度又はトルクを変化させてもよい。例えば、グラフ22000、22100は、外科用器具112の閉鎖変化率パラメータを選択された閾値FTCL222010内に留まるように変化させるように、制御回路500が時点「x」(グラフに示すように)でモータ482をどのように調節し得るかを示している。患者固有の閾値であり得るFTCL222010は、周術期情報に基づいて選択及び決定されてもよい。
グラフ22000、22100に示されるFTC閾値22006、22008、22010は、制御回路500によって実行される異なる又は同一の閉鎖制御プログラムのパラメータであってもよい。これらの閉鎖制御プログラムは、外科用器具112のメモリにローカルに記憶されてもよく、又はハブ106又はクラウド104上にリモートに記憶されてもよい。一般に、閉鎖閾値関数は、そのサイクルにおける任意の時点に関して、瞬間的に適用可能な閉鎖閾値が示されるように、閉鎖閾値がサイクルにおける時間の関数としてどのように変化するかを定義する。閉鎖閾値は、例えば、エンドエフェクタの顎部を閉鎖するために適用され得る最大閉鎖力、又は使用される閉鎖力の最大変化率を定義することができる。図108は、使用される閉鎖力の最大変化率として閾値を使用することを示す。グラフ22000、22100上の選択された時点で、x軸22004、22104上の時間及びy軸22002、22102上のFTCに対してプロットされたライン22012、22112は、時間内のその時点で顎部152002、152004を閉鎖するために適用される瞬間的な力を示す。
ライン22012によって示されるように、適用される力は時間ゼロから時間tまで経時的に増加し、その後増加率はゼロになり、次いで力を減少させる一定の比率に達する。時間tの少し前は、減少率は非常に急である。時間tの後、顎部を閉じるために適用される力は、ゼロ比率に遷移し始め、その後、ゼロ以外の比率で減少する。グラフ22100のライン22112によって示されるように、顎部152002、152004を閉鎖するための適用される閉鎖力は、時間ゼロから0.5秒のわずかに前まで増加する(x軸22104上に示される)。グラフ22100上の「x」に対応する時間において、制御回路500は、閉鎖の増加率が減少するように、選択された閉鎖アルゴリズムを調節するようにモータ482を調節してもよい。このようにして、モータ482は、選択された患者固有の閾値ΔFTCL222110内に留まるように制御回路500によって制御され得る。加えて、グラフ22100に示されるように、「x」に対応する時間の後は、適用される閉鎖力のよりゆっくりとした増加率は一定の比率になる。
一態様では、適用されるFTCの同一の全体量が、外科サイクル中に適用されてもよい。しかしながら、エンドエフェクタを閉鎖するために適用される力は、必要に応じて、より段階的に又は即座に加えられてもよい。これは、ライン22012、22112などの閉鎖変化率によって表される変化率によって示される。図109は、3つの図示した閾値ΔFTC22106、ΔFTCL122108及びΔFTCL222110のそれぞれを、FTC22006、FTCL122008及びFTCL222010の図で変倍されるように示しており、一部の態様では、ΔFTC22106、ΔFTCL122108及びΔFTCL222110は、異なる閉鎖閾値関数を表す。換言すれば、制御回路500は、閾値FTC22006、FTCL122008及びFTCL222010のいずれか1つから、閾値ΔFTC22106、ΔFTCL122108及びΔFTCL222110に調節してよく、これらはこの状況において完全に異なる閾値である。
上述のように、閉鎖閾値関数の勾配は、1回の外科サイクル中に変化することが可能である。そのような状況において、動的勾配は、外科サイクル全体にわたって一貫して又は個別に調節され得る。一般に、閉鎖閾値パラメータの調節は、現在の閉鎖制御プログラムのパラメータを変更する(例えば、制御回路500によって履行されている閉鎖閾値関数を直接変更する制御回路500によって)、又は全体的に新たな閉鎖制御プログラムに切り替えることによって達成され得る。切り替え又は調節は、周術期情報に基づいて、制御回路500、ハブ106又はクラウド104によって実行される場合もある。例えば、制御回路500は、現在の制御プログラムから、クラウド104から受信した第2の閉鎖制御プログラムに切り替えることができる。第2の閉鎖制御プログラムはまた、クラウド104からハブ106に送信される場合もある。
上述したように、組織を治療するために使用される外科用器具112のうちの1つ又は2つ以上を使用して、現在治療上処置されている組織の種類及び特徴を判定する、推定する、又は予測するために、対応するハブ106及びクラウド104を使用して、周術期情報を受信する、推定する又は判定することができる。これらの閉鎖状況認識推論及び予測は、閉鎖変化率閾値を調節するのに有用である。したがって、FTC22006、ΔFTC22106に加えて、グラフ22000、21000は、例えば、外科用器具112によって使用される閉鎖アルゴリズムが自動的に組み込むことができる、例えば、第2の組織閉鎖変化率閾値関数FTCL122008、ΔFTCL122108も示す。すなわち、外科用器具112は、入力を現在の閉鎖制御プログラムに合わせて調節するか、又は制御回路500によって実行される異なる制御プログラムに合わせて調節することができる。例えば、状況認識外科用ハブ106は、現在適用されている外科処置が胸腔内にある標的領域に基づく肺外科処置であると判定することができる。次に、胸腔が、例えば、手術室で使用される別の装置からの通気出力に基づいて標的領域として推定され得る。よって、治療される組織の種類は、肺組織であると判定される。従って、外科用器具112は、これまでに使用された閾値FTC22006、22106からの肺組織に対する規定値の閉鎖閾値関数FTCL122008、22108を使用するように調節することができる。このような調節は、y軸22004、22104にまたがる外科サイクル中に行われてよい。
例えば、状況認識外科用ハブ106は、患者の肺が比較的脆い組織を含むことを予測し得る。したがって、図108及び図109に示されるように、閉鎖閾値関数は、より低いFTC閾値関数に調節され得る。閉鎖閾値は、例えば、エンドエフェクタによって適用される最大許容FTC値、又は最大許容FTC変化率であり得る。肺組織の比較的高い堅さの推論が、他の周術期情報によって確認されてよい。例えば、クラウド104内に記憶された患者のEMRを分析して、患者が癌と以前に診断されており、放射線治療を受けていると判定する場合がある。この種の術前情報を使用して、肺組織の組織の特徴が、相対的に高い堅さ及び有意な液体含有量(例えば、組織内の水の割合)を含むことを推定し得る。
初期予測を確認することに加えて、周術期情報を使用して、不正確な初期予測に適応することもできる。例えば、外科用器具112は、組織が実際よりも柔軟であるという誤った仮定に基づいて、次善最適な閉鎖アルゴリズムを適用する場合がある。このような状況では、患者履歴の術前情報が、誤った仮定に対する補正の一部として使用されてもよい。一般に、周術期情報は、閉鎖パラメータを示すセンサ信号と併せて使用されてよい。有利には、周術期情報は、センサ信号に基づいて決定された初期閉鎖アルゴリズムを確認することができ、又は初期閉鎖アルゴリズムを異なるより適した閉鎖アルゴリズムに調節するために使用される場合もある。例えば、センサ信号は、感知された適用された閉鎖力とエンドエフェクタ702の開口位置(例えば、第2の顎部152004に対する第1の顎部152002の位置)の関係を示すことができる。このような信号は、組織の堅さを判定するために使用することができ、外科手術の前又は外科手術中に閉鎖アルゴリズムを調節するために、他の周術期情報と併せて使用される場合もある。
従って、図108及び図109のグラフ22000、22100は、患者固有の組織の特徴に基づいて、規定値の肺組織閾値関数FTCL1が更に調節され得ることを示す。図108及び図109に示されるように、外科用器具は、例えば、患者の固有の周術期情報に基づいて、閾値関数FTCL122008からFTCL222010又はFTC22006に更に調節することができる。従って、調節は、外科処置が開始する前に、又は外科処置中に行われる場合がある。更に、調節は、FTC22006からFTCL222010、又は閾値関数FTCL2 22010からなされてもよく、又は閾値関数FTCL222010が単純に直接実装される場合もある。周術期情報に基づいて、利用可能な閉鎖閾値関数のいずれにおける調節も可能である。
図108及び図109は、より低い閾値に対する調節、より高い閾値への調節も可能である。図108及び図109に示される閾値関数は、特定の閉鎖制御プログラムによって実装され得る特定の制御プロセスに対応し得る。或いは、制御プロセスは、異なる閉鎖制御プログラムに対応することもできる。制御回路500は、例えば、選択された閉鎖制御アルゴリズム自体を直接変更するか、又は異なる閉鎖制御アルゴリズムに切り替えてもよい。すなわち、特定の閉鎖制御アルゴリズムの閉鎖閾値関数、又はライン22012、22112によって表される特定の適用された閉鎖変化率に関する閉鎖閾値関数は修正されてよい。閉鎖閾値関数の修正は、周術期情報に基づいて外科処置中に実行することができる。また、閾値機能は、時間の他の、又は時間に加えて何らかの更に他のパラメータの関数、例えば使用されるステープルサイズなどであってもよい。
追加的に又は代替的に、閉鎖の調節は単に、入力を閉鎖閾値関数に合わせて調節するだけでよい。例えば、組織の厚さなどの組織の特徴が閉鎖閾値関数に対する入力である場合、周術期情報を使用して、予測される又は推定される組織の厚さの入力に従って出力閉鎖閾値が修正されるように、予測により、又は推論により入力修正してもよい。したがって、適用される閉鎖閾値関数は周術期情報に基づいて修正され得る。上記で論じたように、適用される閉鎖閾値関数は、適用される閉鎖制御アルゴリズムによって定義される。また、適用されるFTC又は閉鎖力ライン22012、22112は、周術期情報に基づいて調節され得る。
一態様では、FTC又は閉鎖力ライン22012、22112は、制御回路500によって実行される対応する閉鎖制御プログラムの閉鎖変化率パラメータを表す。FTCライン22012、22112はまた、適用される閉鎖制御アルゴリズムによっても定義される。一態様では、適用される閉鎖力は、図108及び図109における「x」によって示されるように、実行される外科処置のサイクル中に動的に調節され得る。この動的調節はまた、状況認識の適用であってもよい。換言すれば、外科処置における閾値又は閾値関数に対する調節を推定又は予測するために、周術期情報を取り入れてもよい。このようにして、図108及び図109に示されるように、図108及び図109に表示される「x」に対応する時間又は複数の時間で、適用されるFTCは、対応する瞬間的な閉鎖閾値内に留まるように調節又は修正される。要するに、適用される閉鎖制御アルゴリズムは、閉鎖閾値関数及び閉鎖変化率の両方を含むことができ、それらの両方とも周術期情報に基づいて調節され得る。
一般に、異なる閉鎖閾値又は異なる閉鎖閾値関数に対する調節は、治療されている組織の判定された、推定された又は予測された特徴又は種類に基づいて実行されてよい。上記で論じたように、組織の特徴又は種類は、周術期情報に基づいて決定する、推定する、又は予測することができる。別の閉鎖閾値に対する調節は、外科用器具112のモータ482によって生成される最大トルク、又はモータ速度の変化率に対して最大閾値を調節するものとして理解され得る。周術期情報の様々な例を使用して、組織の種類又は組織の特徴を決定する、推定する又は予測することができる。例えば、組織の水分量、筋肉特性、及び脈管構造は、適用される閉鎖速度アルゴリズム(閉鎖閾値を含む)に影響を及ぼし得る。一態様では、これらの特性、並びに他の組織の種類及び組織の特徴的特性は、規定値の閉鎖閾値FTC22006又は任意の他の初期閉鎖制御プログラムパラメータを決定するために使用される。
したがって、高度な脈管構造は、比較的低い勾配を有する規定値の閉鎖閾値関数を推定するのに使用される組織の特徴であり得る。初期制御プログラムパラメータを決定することに加えて、適用されている外科処置及び手術履歴(例えば、処置の手術工程に対して処置を実行する臨床医の典型的なルーチン)などの術前情報が使用されて、高いヘモグロビン含有量を有する血管組織が標的化されていることを推定した場合、このとき、外科用器具によって適用される閉鎖変化率は、より遅くなるように調節され得る。従って、これらの特性を使用して、制御プログラムパラメータを術前及び術中に決定することができる。また、周術期情報は、好適な血管用ステープラが血管組織に対する処置に使用されていることを確認するために使用される場合もある。
図110は、本開示の一態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100によって閉鎖速度アルゴリズムを調節する一態様のフロー図22200である。ステップ22202で、現在の閉鎖アルゴリズムが決定される。これは、外科用器具112の制御回路500によって現在実行されている閉鎖制御プログラムを決定することを指してよい。図108及び図109に関連して上述したように、現在の閉鎖アルゴリズム又は制御プログラムは、閉鎖閾値関数(例えば、閉鎖閾値パラメータ)及び適用される閉鎖力(FTC)関数(例えば、閉鎖変化率パラメータ)を含んでもよい。フロー図22200は、工程22204に進み、ここで、術前情報が受信され、分析される。上記で論じたように、術前情報は、組織接触センサ474に基づいた初期の組織の厚さ、以前の診断及び治療を含む患者履歴(例えば、ハブ又はクラウドに記憶された患者情報EMR記録上にリストにされた)、外科医の典型的な手術ルーチンなどの臨床医履歴、識別された外科用器具、及び関連する材料、並びに識別された現在の外科処置を含んでもよい。この術前情報は、工程22206で組織の種類又は組織の特徴を判定する、推定する又は予測するために使用することができる。
例えば、組織接触センサ474によって測定される変形前の初期の組織の厚さは、初期閉鎖アルゴリズムを決定するために使用され得る。肺の問題の患者履歴などの術前情報を使用して、実行されている現在の外科処置が胸部処置であり、組織の種類が肺組織であることを判定する場合がある。この術前情報は、初期閉鎖アルゴリズムに対する調節を決定するために更に使用され得る。追加的に又は代替的に、非治療的(又は準非治療的)初期の組織圧縮測定値と閉鎖部材の位置測定値(例えば、エンドエフェクタの第1及び第2の顎部の位置)を術前情報と併せて使用することもできる。手術室内の通気装置から受信した通気の術前情報を更に使用して、現在の処置が胸郭であることを推定することができる。他の術前情報もまた、実行される特定の胸部処置を更に予測するために使用され得る。例えば、患者が癌であることを示す、クラウド内の患者EMR記録に基づいて、胸部処置が肺葉切除であり、肺葉内の癌組織を切除することができることが工程22206で推定され得る。
更に、患者EMR記録は、患者が癌に対する放射線治療を以前に受けたことを患者履歴が示すことを更に示すことができる。このような状況では、照射された肺組織は堅いであろうが、例えば、外科用器具112による単極RFエネルギーの印加を受けやすいことが推定又は予測され得る。これは、推定される組織の特徴の一例である。また、肺葉切除が実行されていることの推論はまた、外科用器具112によるステープル留めが可能な組織が血管(PA/PV)、気管支、及び軟組織を含むと判定する場合もある。ステップ22208において、現在の閉鎖アルゴリズムに対する調節が、術前情報に基づいて決定され、適用される。上記で論じたように、閉鎖閾値及び適用されるFTCは、組織の種類及び組織の特徴に基づいて調節されてもよい。例えば、高い組織の堅さは、適用されるFTCのより保守的な変化率(例えば、FTCライン22012、22112によって表されるように)並びにより低い最大閾値を一般に出力する閉鎖閾値(例えばFTCL222010及びΔFTCL222110によって表されるような)を必要とする場合がある。
最大閾値は、第1及び第2の顎部材152002、152004がステープルを発射するために外科用器具112に対して十分な位置にある閾値を示してもよい。比較的厚い組織は、例えば、よりゆっくりとした閉鎖力の変化率に対応してよく、また、例えば、概してより高い最大閉鎖閾値に対応し得る。また、組織の種類又は構造は、工程22208で他の閉鎖アルゴリズムの調節を特定するために決定された外科処置及び臨床医履歴に基づいて推定される場合もある。例えば、治療する外科医の臨床医履歴は、最初に血管を治療する事例を示してもよい。組織の種類及び構造は、高い血中含量(すなわち、高脈管構造)を有する血管肺組織であると推定され得る。この推定された組織の種類及び特徴の情報に基づいて、よりゆっくりと適用されるFTC変化率に対する調節が有益であると判定することができる。要約すると、現在の閉鎖アルゴリズムに対する調節は、推定される情報に基づいて決定され、工程22208で適用される。したがって、現在の外科手術は、調節された現在の閉鎖アルゴリズムを使用する外科用器具112によって実行され得る。
フロー図22200は次に、判定動作22210に進み、この判定動作22210で、識別された外科処置の任意の工程が残っているかどうかが判定される。ステップが残っていない場合(すなわち、判定動作22210に対する答えはいいえ)、フロー図22200は、一部の態様では終了する。しかしながら、判定動作作22210に対する答えがはいである場合、外科処置の更なる工程が残っている。したがって、フロー図22200の現在の状態は、手術中である。この場合、フロー図はステップ22212に進み、術中情報を受信し、分析することができる。例えば、術中情報は、外科処置のこの工程において治療された組織の種類が軟組織であることを示し得る。具体的には、組織は、例えば、臨床医の履歴に基づいて軟組織であると推定され得る。この推論は、組織接触センサ474の測定値、及び負荷センサ474と閉鎖部材位置の測定値と併せて行われ得る。更に、臨床医の履歴は、単極RFエネルギー外科用器具を用いて切開した後、治療する外科医が、肺亀裂(肺の軟組織を覆うために内側に折り畳まれる内臓ひだの二重折り)を型どおりに完了することを示してもよい。このような状況では、以前に完了した単極RF切開に基づいて、外科処置の現在の工程が肺の軟組織であることが推定されてよい。
加えて、外科用ハブ106は、使用される外科用器具112が、例えば、軟組織に発射するための適切なステープラであるかどうかを判定してもよい。初期組織接触センサ474の測定値は、エンドエフェクタ702が完全に開いているとき(最大顎部開口部で)、第1及び第2の顎部材152002、152004の長さに接触する組織に基づいて、組織が比較的厚いことを示してもよく、このことは軟組織と一致し得る。更に、顎部開口曲線と比較して閉鎖部によって表されるような閉鎖部材位置測定値に対する負荷センサ474は、比較的高い組織の堅さを示し得る。このような堅さの特徴は、照射された軟組織と一致することができ、これは、クラウド内の患者EMRデータを参照することによって確認することができる予測である。このようにして、例えば工程22212では、センサ信号と周術期情報を併せて使用することができる。
この受信及び分析された術中情報に基づいて、判定動作22214において、更なる調節が必要であると判定することができる。一方、判定動作22214で答えがいいえの場合、フロー図は判定動作22210に戻る。判定動作22214における回答がはいであるとき、組織の種類及び組織の特徴は、工程22206で上述したものと同様に、軟組織の組織構造及び堅さの特徴を判定するなどと推定される。続いて、現在適用されている閉鎖アルゴリズムの調節を決定し、工程22208で適用することができる。具体的には、硬く脆い軟組織が治療されていることの推論は、適用される閉鎖力のよりゆっくりとした、より保守的な変化率への調節を生じることができる。
したがって、現在の閉鎖アルゴリズムは、閉鎖閾値及び変化率を最小化するアルゴリズムに調節され得る。すなわち、調節された閾値は、最大閉鎖力閾値の低減、閉鎖力のより緩やかな変化率、閉鎖力閾値の変化率の低減、又は上記のいくつかの組み合わせ若しくは部分的組み合わせを有し得る。臨床医が不注意に閉鎖閾値を超える状況では、例えば、待機時間を設けることができる。閉鎖閾値を超えると、組織又は圧縮されている材料が、例えば、ステープルを発射するために厚すぎることを示す場合がある、この待機時間が必要であり得る。したがって、待機時間は、エンドエフェクタ702内のいくつかの組織材料又は流体が排出する又は退出することを可能にし得る。好適な待ち時間の際、組織は適切に圧縮されて、ステープル留め外科用器具112がステープルを発射できるように適切なエンドエフェクタ702の構成を達成することができると判定される。調節された閉鎖アルゴリズムはより保守的であるため、長い待機時間が使用され得る。しかしながら、臨床医は、外科用器具112上のより迅速な掴持プロトコルの使用を手動で選択することによって、この長い待機時間又は保守的な調節された閉鎖アルゴリズムをオーバーライドすることが可能であり得る。
工程22208において、この修正された閉鎖アルゴリズムを軟組織に適用すると、フロー図は再び判定動作22210に進む。ここで、外科処置の残りの工程が存在するため、回答は再びはいであってもよい。例えば、葉切除処置は、次いで、血管ステープル留め工程に進むことができる。ここでも、ステップ22212において、術中情報が受信され、分析される。例えば、外科用ハブは、臨床医が血管ステープラ外科用器具を選択したことを判定することができる。また、組織接触センサ474からの初期測定は、組織接触が閉鎖中にほとんど直ちに起こることを示し得る。加えて、組織接触は、血管ステープラ112の小さい領域を包含するように決定されてもよく、ステープラ112の遠位側に画定されてもよい。負荷センサ474の測定値はまた、適合性組織構造を示す場合もある。更に、組織は、肺血管と一致し得る比較的低い堅さを有し得ることが推定され得る。更に、臨床医の履歴は、治療する外科医が、肺亀裂を完了した後の工程として、血管用の血管ステープラ112を使用することを示し得る。したがって、術中情報は、例えば、閉鎖パラメータセンサ信号と共に、組織の種類及び組織の特徴を推定するために使用されてもよい。特に、血管組織は、選択された血管用ステープラ112の特定の特徴に基づいて治療されることが予測され得る。初期組織接触及び負荷センサ474の測定値は、例えば、この初期予測を確認することができる。
その結果、更なる調節が必要であることを判定動作22214で判定することができ、これによりフロー図22200はステップ22206に進む。工程22206において、組織は、比較的低い組織の厚さ及び堅さを有する血管組織であると推定され得る。したがって、フロー図22200は工程22208に進み、ここで、以前に適用された保守的な閉鎖アルゴリズムが、通常の閉鎖アルゴリズムに調節される。通常の閉鎖アルゴリズムは、一定の閉鎖変化率を含んでもよい。また、閉鎖閾値は、軟組織の制御アルゴリズムで使用される閾値よりも高くてもよい。換言すれば、通常の閉鎖アルゴリズムは、より高い最大適用閉鎖力に達することができ、閉鎖変化率は、軟組織の場合よりも速くてもよい。外科用器具はまた、特定の色を表示する発光ダイオード(LED)インジケータなどの好適なインジケータを介して、通常の閉鎖アルゴリズムへの調節を臨床医に通知することができる。別の例では、患者が完全な肺亀裂を有することを工程22206で判定することができる。したがって、外科処置においてまだ行われている軟組織のステープル発射は存在しない。この判定に応答して、外科用器具は、外科用器具のディスプレイを介して、この推論が正しいことを確認するように臨床医に促すことができる。臨床医は次に、外科処置のこの工程又は段階のための適切な閉鎖制御アルゴリズムを手動で選択することができる。追加的に又は代替的に、外科用器具112は、工程22206で実行された推論が最終的でなくてもよいため、保守的な閉鎖アルゴリズムに対する規定値であってもよい。いずれの場合でも、調節された閉鎖アルゴリズムは、工程22208で適用される。
葉切除処置例の説明を続けると、フロー図は判定動作22210に進む。判定動作22210では、外科処置の残りの工程が存在すると判定され得る。したがって、工程22212において、術中情報が受信され、分析される。術中情報に基づいて、治療されている組織の種類が気管支組織であると推定され得る。更に、初期組織接触センサ474の測定値は、エンドエフェクタ702間に把持された組織が、エンドエフェクタ702の初期閉鎖中にほとんど直ちに第1及び第2の顎部材152002、152004に接触し、そのような接触がステープル留め外科用器具112の小さい領域に対応することを示し得る。また、このような接触部は、顎部部材152002、152004の両側に画定される。
その結果、この組織接触シナリオは気管支組織に対応することが予測され得る。上記で論じたように、これらの初期組織接触センサ474の測定値は、非治療的又は準非治療的であってもよい。更に、閉鎖の開口曲線と比較して閉鎖によって表される閉鎖負荷センサ474の測定値は、気管支組織と一致する硬い組織構造を示し得る。外科処置で既に血管用ステープラ112が使用されているという外科的処置履歴による指示もまた、軟組織のステープル発射が既に行われており、著しい単極RFエネルギー使用が生じている可能性が高いことを意味する場合がある。この手術処置履歴は、例えば、医師が気管支組織を治療することを予測するために使用されてもよい。この予測は、葉切除処置における最後の工程として気管支をステープル留めする外科医の通常の業務と一致するであろう。工程22212でこのタイプの及び他の好適な術中情報を分析することに基づいて、更なる調節が必要であることを判定動作22214において判定することができる。判定動作22214に対する回答がはいであるため、フロー図は工程22206に進み、治療された組織が正常な組織の堅さ及び厚さを有する気管支組織であると推定される。
一態様では、外科用器具112が特定の組織タイプに対してのみ構成されているため、処置された組織が気管支組織であると結論付けやすくなり得る。例えば、外科用器具112は、気管支に使用されるステープルを発射するように適応可能であってもよい。反対に、外科用器具112は、軟組織に使用されるステープルを発射するように適応可能であり得る。そのシナリオでは、外科医が、軟組織に使用されるステープルで気管支組織を治療しようと試みるため、外科用器具112によって警告が発生され得る。この警告は、聴覚的、視覚的、又は何らかの他の適切な警告であり得る。別の例では、血管ステープラ112が気管支組織と共に使用するために選択された場合に、血管ステープラ112によって警告が提供されてもよい。上記で論じたように、処置されている組織が気管支組織であり、血管ステープラが禁忌であることを、周術期情報に基づいて決定することができる。同様に、閉鎖負荷及びステープラカートリッジの選択などの他の周術期情報が、外科用器具112が、それが適用しない組織の種類又は特徴に対して使用されたときに警告を提供するために使用されてもよい。上記で論じたように、周術期情報を使用して行われる推論は、閉鎖パラメータセンサ信号と併せて行われてもよい。全ての状況において、使用されている外科用器具112が治療される組織に対して安全であることを確実にするために、安全チェックが実施されてもよい。
推定される組織の種類及び特徴に従って、工程22208において、現在の閉鎖アルゴリズムに対する調節が行われる。一定の閉鎖速度が好適であると判定されてもよいが、閉鎖速度は、例えば、気管支の推定された組織の特徴に応じて、より速く又はより遅くなるように調節されてもよい。閉鎖閾値は、同一又は同様の方法で修正され得る。更に、外科用器具112が即座に適用可能な閉鎖閾値を超える場合、より長い待機時間が自動的に有効になる、又は提案されるように現在の鎖アルゴリズムを調節することもできる。例えば、気管支組織のこの待機時間は、軟組織に使用される待機時間より長くてもよい。上記で論じたように、外科医は、例えば、LEDインジケータを介して、選択された調節を閉鎖アルゴリズムに通知する。臨床医は、外科医がステープラ外科用器具112を適切な状況で発射することを許可され得るように、より長い待機時間に対する臨床医のオーバーライドも可能である。フロー図22200は次に、工程22212に進み、外科的処置の更なる工程が残っていないと判定され得る。
一態様では、フロー図22200は、制御回路によって実装されてもよい。しかしながら、他の態様では、フロー図22200は、外科用ハブ106又はクラウド104によって実装され得る。加えて、ステップ22204及び22212は、それぞれ、術前情報及び術中情報報に関して記載されているが、このように限定されるものではない。具体的には、周術期情報は、特定の術前情報又は術中情報報ではなく、全体的に受信及び分析されてよい。上記で論じたように、周術期情報は、術前情報、術中情報、及び術後情報を包含する。更に、センサ信号は、コンテキスト及び基準閉鎖アルゴリズム調節のために周術期情報と併せて使用されてもよい。
(実施例)
「術前情報に基づいてエンドエフェクタパラメータを調節するためのシステム」という見出しの下で本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例で提示される。
実施例1-外科用システムは、外科用器具を備える。外科用器具は、第1の顎部と、第2の顎部と、を備えるエンドエフェクタを備える。第1の顎部は、第2の顎部に対して移動するように構成されている。外科用器具は、閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに従って、第1の顎部を第2の顎部に対して移動させるように構成されたモータを更に備える。外科用器具は、エンドエフェクタの閉鎖パラメータを示すセンサ信号を送信するように構成されたセンサを更に備える。外科用システムは、センサに通信可能に結合された制御回路を更に備える。制御回路は、周術期疾患、周術期治療、及び外科処置の種類のうちの1つ又は2つ以上を含む周術期情報を受信するように構成されている。制御回路は、センサからセンサ信号を受信し、周術期情報及びセンサ信号に基づいて、閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに対する調節を決定するように更に構成されている。
実施例2-制御回路は、周術期情報及びセンサ信号のうちの1つ又は2つ以上に基づいて、外科用器具によって治療されるべき組織の特徴を判定するように更に構成されている、実施例1に記載の外科用システム。
実施例3-組織の特徴は、組織の種類の特徴、筋肉特徴、脈管構造特徴、含水量の特徴、堅さの特徴、及び厚さの特徴のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例2に記載の外科用システム。
実施例4-制御回路は、閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに対して決定された調節に基づいて、モータの速度を変更するように更に構成されている、実施例1、2又は3に記載の外科用システム。
実施例5-制御回路は、外科用器具の種類と、周術期情報及びセンサ信号のうちの1つ又は2つ以上との不一致に基づいて警告を生成するように更に構成されている、実施例1、2、3又は4に記載の外科用システム。
実施例6-周術期情報は、外科用器具によって治療されるべき組織の種類、組織の特徴、臨床医履歴、及び外科用器具と共に使用するためのステープルカートリッジの種類のうちの1つ又は2つ以上を更に含む、実施例1、2、3、4又は5に記載の外科用システム。
実施例7-閉鎖閾値パラメータは最大閉鎖力閾値であり、制御回路は、最大閉鎖力閾値に達することに基づいて所定の期間モータを使用不能にするように更に構成されている、実施例1、2、3、4、5又は6に記載の外科用システム。
実施例8-外科用システムは、クラウドコンピューティングシステムのリモートデータベースから送信される周術期情報を受信するように構成された外科用ハブを備える。外科用ハブは、クラウドコンピューティングシステムに通信可能に結合される。外科用システムは、外科用ハブに通信可能に結合された外科用器具を更に備える。外科用器具は、第1の顎部と、第2の顎部と、を備えるエンドエフェクタを備える。第1の顎部は、第2の顎部に対して移動するように構成されている。エンドエフェクタは、外科用ハブから受信した閉鎖制御プログラムの閉鎖の変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに従って、第1の顎部を第2の顎部に対して移動させるように構成されたモータを更に備える。エンドエフェクタは、エンドエフェクタの閉鎖パラメータを示すセンサ信号を送信するように構成されたセンサを更に備える。外科用ハブは、センサからセンサ信号を受信し、周術期情報及びセンサ信号に基づいて、閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに対する調節を決定するように更に構成されている。
実施例9-閉鎖制御プログラムは、第1の閉鎖制御プログラムであり、外科用ハブは、第2の閉鎖制御プログラムを外科用器具に送信するように更に構成されており、第2の閉鎖制御プログラムは、閉鎖変化率パラメータに対する調節及び閉鎖閾値パラメータに対する調節を規定する、実施例8に記載の外科用システム。
実施例10-クラウドコンピューティングシステムは、第2の閉鎖制御プログラムを外科用ハブに送信するように構成され、第2の制御プログラムの閉鎖変化率パラメータに対する調節及び閉鎖閾値パラメータに対する調節は、周術期情報に基づいて調節される、実施例9に記載の外科用システム。
実施例11-外科用器具は、外科用器具の種類と、周術期情報及びセンサ信号のうちの1つ又は2つ以上との不一致に基づいて警告を生成するように構成されている、実施例8、9又は10に記載の外科用システム。
実施例12-閉鎖閾値パラメータは最大閉鎖力閾値であり、外科用ハブは、最大閉鎖力閾値に達することに基づいて、所定の期間モータを使用不能にするように更に構成されている、実施例8、9、10又は11に記載の外科用システム。
実施例13-周術期情報は、周術期疾患、周術期治療、外科処置の種類、臨床医履歴、外科用器具の種類、外科用器具によって治療される組織の種類、及び組織の特徴のうちの1つ又は2つ以上を含む、実施例8、9、10、11、又は12に記載の外科用システム。
実施例14-外科用ハブは、閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに対して決定された調節に基づいて、モータの速度を変更するように更に構成されている、実施例9に記載の外科用システム。
実施例15-外科用器具は、第1の顎部と、第2の顎部と、を備えるエンドエフェクタを備える。第1の顎部は、第2の顎部に対して移動するように構成されている。外科用器具は、外科用ハブから受信した第1の閉鎖制御プログラムの閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに従って、第1の顎部を第2の顎部に対して移動させるように構成されたモータを更に備える。外科用器具は、エンドエフェクタの閉鎖パラメータを示すセンサ信号を送信するように構成されたセンサと、センサ及びモータに通信可能に結合された制御回路と、を更に備える。制御回路は、センサからセンサ信号を受信し、周術期情報及びセンサ信号に基づいて閉鎖変化率パラメータ及び閉鎖閾値パラメータに対する調節を決定するように構成されている。
実施例16-外科用器具は、外科用器具の種類と、周術期情報及びセンサ信号のうちの1つ又は2つ以上との不一致に基づいて警告を生成するように構成されている、実施例15に記載の外科用システム。
実施例17-制御回路は、第1の閉鎖制御プログラムから、クラウドコンピューティングシステムから受信した第2の閉鎖制御プログラムに切り替え、第2の閉鎖制御プログラムに基づいてモータの速度を変更するように更に構成されている、実施例15又は16に記載の外科用システム。
実施例18-制御回路は、周術期情報及びセンサ信号のうちの1つ又は2つ以上に基づいて、外科用器具によって治療されるべき組織の特徴及び種類を判定するように更に構成されている、実施例15、16又は17に記載の外科用システム。
実施例19-閉鎖閾値パラメータは最大閉鎖力閾値である、実施例15、16、17又は18に記載の外科用システム。
実施例20-閉鎖閾値パラメータは最大閉鎖力閾値である、実施例19に記載の外科用システム。
様々な態様では、特定のセンサ配列のセンサは、本開示に従って、ステープルカートリッジ上に配置され得る。接着マスクが、所定の位置でセンサを埋め込んでもよい。様々な態様では、センサは、ステープルカートリッジ上の隆起に装着されることで、センサは、組織との接触を確実にするためにステープルカートリッジのカートリッジデッキより高い位置に位置付けられる。接着マスクは、例えば、スクリーンプリント技法を用いてポリエステル基板上にまとめて形成することができる。導電パッドが共通の場所にプリントされ得る。
様々な実施例において、癌組織に対する近接した検出に加えて、本開示のエンドエフェクタはまた、特定の組織内の特定の癌のタイプを標的とするように構成され得る。参照によりその全体が本発明に組み込まれる、Altenberg B and Greulich KOの誌刊行Genomics 84(2004)pp.1014-1020に指摘されるように、特定の癌は、解糖系遺伝子の過剰発現によって特徴付けられるのに対してその他の癌は、解糖系遺伝子の過剰発現によっては特徴付けられていない。従って、本開示のエンドエフェクタは、肺癌又は肝臓癌など、解糖系遺伝子の過剰発現によって特徴付けられる癌組織に対して高い特異性を備えたセンサ配列を装備することができる。
様々な態様では、本開示によるセンサ配列のセンサ読み取り値は、追加の分析及び/又は状況認識のために、外科用器具によって外科用ハブ(例えば、外科用ハブ106、206)に伝達される。
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いて装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理機構(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の素子は、それら1つ以上の特徴を有するが、それら1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、或いは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
制御回路と、
外科用器具であって、
複数の構成要素であって、前記外科用器具の前記複数の構成要素の各々が装置パラメータを含み、各構成要素が、そのそれぞれの装置パラメータを前記制御回路に送信するように構成されている、複数の構成要素と、
センサであって、
前記外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、
検出された前記組織パラメータを前記制御回路に送信するように構成されたセンサと、を備える、外科用器具と、を備え、
前記制御回路は、システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、前記検出された組織パラメータを分析するように構成されており、かつ
前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを備える、外科用システム。
(2) 前記検出された組織パラメータは、前記組織の種類、前記組織の厚さ、前記組織の堅さ、前記組織の位置、又は前記組織の血管新生のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(3) 前記外科用器具の構成要素は、ステープルカートリッジを含み、前記装置パラメータは、前記ステープルカートリッジの種類、前記ステープルカートリッジの色、前記ステープルカートリッジに対する補助部、前記ステープルカートリッジの掴持負荷限界、前記ステープルカートリッジの間隙範囲、及び前記ステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(4) 前記外科用器具の構成要素はエンドエフェクタを含み、前記検出された組織パラメータは、前記組織上の前記エンドエフェクタの閉鎖角度、前記エンドエフェクタの組織接触面と接触する前記組織の長さ、及び前記エンドエフェクタ内の前記組織を圧縮する力のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(5) 前記制御回路は、前記少なくとも1つの検出された組織パラメータに基づいて、前記組織を軟組織、血管又は気管支として識別するように更に構成されている、実施態様4に記載の外科用システム。
(6) 前記制御回路は、前記提案される機能を実行するために前記外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替の構成要素を推奨するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用システム。
(7) 前記システム定義の制約は、各送信された装置パラメータに関連付けられた所定の組織パラメータ又は所定の組織パラメータ範囲のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(8) 前記制御回路は、前記システム定義の制約を超えたときに前記提案される機能を阻止するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用システム。
(9) 前記ユーザインターフェースは、前記外科用器具の前記提案される機能を可能にするために、前記制御回路をオーバーライドするように選択可能なユーザインターフェース要素を備える、実施態様8に記載の外科用システム。
(10) 前記外科用器具の前記提案される機能は、前記組織を掴持すること、前記組織を凝固させること、前記組織を切断すること、及び前記組織をステープル留めすることのうちの1つ又は2つ以上を含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(11) 前記外科用器具に通信可能に結合された外科用ハブを更に備え、前記外科用ハブは前記制御回路を備える、実施態様1に記載の外科用システム。
(12) 前記外科用器具又は前記外科用ハブのうちの1つは、前記ユーザインターフェースを含む、実施態様11に記載の外科用システム。
(13) 外科用システムであって、
外科用ハブと、
前記外科用ハブに通信可能に結合された外科用器具であって、
複数の構成要素であって、前記外科用器具の前記複数の構成要素の各々が装置パラメータを含み、各構成要素が、そのそれぞれの装置パラメータを前記外科用ハブに送信するように構成されている、複数の構成要素と、
センサであって、
前記外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、
検出された前記組織パラメータを前記外科用ハブに送信するように構成されたセンサと、を備える、外科用器具と、を備え、
前記外科用ハブは、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、
システム定義の制約に基づいて、各々のそれぞれの装置パラメータと連携して、前記検出された組織パラメータを分析するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリと、を備えており、かつ
前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が、前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを備える、外科用システム。
(14) 前記検出された組織パラメータは、前記組織の種類、前記組織の厚さ、前記組織の堅さ、前記組織の位置、又は前記組織の血管新生のうちの少なくとも1つを含む、実施態様13に記載の外科用システム。
(15) 前記外科用器具の構成要素は、ステープルカートリッジを含み、前記装置パラメータは、前記ステープルカートリッジの種類、前記ステープルカートリッジの色、前記ステープルカートリッジに対する補助部、前記ステープルカートリッジの掴持負荷限界、前記ステープルカートリッジの間隙範囲、及び前記ステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、実施態様13に記載の外科用システム。
(16) 前記外科用器具の構成要素は、エンドエフェクタを含み、前記検出された組織パラメータは、前記組織上の前記エンドエフェクタの閉鎖角度、前記エンドエフェクタの組織接触面と接触する前記組織の長さ、及び前記エンドエフェクタ内の前記組織を圧縮する力のうちの少なくとも1つを含む、実施態様13に記載の外科用システム。
(17) 前記命令は、前記提案される機能を実行するために前記外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替の構成要素を推奨するように、前記外科用ハブの前記プロセッサによって更に実行可能である、実施態様13に記載の外科用システム。
(18) 前記命令は、前記システム定義の制約を超えたときに前記提案される機能を阻止するように、前記外科用ハブの前記プロセッサによって更に実行可能である、実施態様13に記載の外科用システム。
(19) コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、
システム定義の制約に基づいて、外科用システムの外科用器具の複数の構成要素の各々の装置パラメータと連携して、検出された組織パラメータを分析することであって、前記検出された組織パラメータは、前記外科用器具の提案される機能に関連付けられており、前記外科用システムは、各構成要素がそのそれぞれの装置パラメータを前記マシンに送信するように構成された、複数の構成要素と、前記検出された組織パラメータを検出し、前記検出された組織パラメータを前記マシンに送信するように構成されたセンサと、を含む前記外科用器具を含んでいる、ことと、
前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が、前記外科用システムの前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかの指示を提供するユーザインターフェースを生成することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
(20) 前記命令は、実行されると、前記マシンに更に、
前記ユーザインターフェース上に、前記外科用器具の前記提案される機能を可能にするように選択可能なオーバーライド要素を生成させる、実施態様19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

Claims (20)

  1. 外科用システムであって、
    制御回路と、
    外科用器具であって、
    前記外科用器具に交換可能に接続可能な複数の構成要素であって、前記外科用器具の前記複数の構成要素の各々が装置パラメータを含み、前記装置パラメータは前記複数の構成要素のうちの各々の構成要素を識別する、複数の構成要素と、
    センサであって、
    前記外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、
    検出された前記組織パラメータを前記制御回路に送信するように構成されたセンサと、を備える、外科用器具と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記複数の構成要素のうちの構成要素の、前記外科用器具への接続を検出し、
    接続された前記構成要素に関連付けられた装置パラメータに基づいて、接続された前記構成要素の識別要素に関連付けられた固有の識別子を記録し、
    前記固有の識別子に基づいて、接続された前記構成要素に関するシステム定義の制約を決定し、
    前記システム定義の制約と連携して、検出された前記組織パラメータの分析をするように構成されており、前記システム定義の制約は、各々の送信された装置パラメータと関連付けられた、所定の組織パラメータ又は所定の組織パラメータ範囲のうちの少なくとも一方を含み、かつ
    前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が、前記分析の結果に基づき、前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを備え、
    検出された前記組織パラメータは、組織の圧縮特性、又は、組織の位置のうちの少なくとも1つを含む、外科用システム。
  2. 前記外科用器具の前記複数の構成要素は、ステープルカートリッジを含み、前記装置パラメータは、前記ステープルカートリッジの種類、前記ステープルカートリッジの色、前記ステープルカートリッジに対する補助部、前記ステープルカートリッジの掴持負荷限界、前記ステープルカートリッジの間隙範囲、及び前記ステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  3. 前記外科用器具の前記複数の構成要素はエンドエフェクタを含み、検出された前記組織パラメータは、組織上の前記エンドエフェクタの閉鎖角度、前記エンドエフェクタの組織接触面と接触する組織の長さ、及び前記エンドエフェクタ内の組織を圧縮する力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  4. 前記制御回路は、少なくとも1つの検出された前記組織パラメータに基づいて、組織を血管、結腸、肺、又は胃として識別するように更に構成されている、請求項3に記載の外科用システム。
  5. 前記組織が、肺であり、前記外科用システムは、正常な肺と石灰化された肺とを識別するように構成されている、請求項4に記載の外科用システム。
  6. 前記制御回路は、前記提案される機能を実行するために前記外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替の構成要素を推奨するように更に構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
  7. 前記制御回路は、前記システム定義の制約を超えたときに前記提案される機能を阻止するように更に構成されている、請求項1に記載の外科用システム。
  8. 前記ユーザインターフェースは、前記外科用器具の前記提案される機能を可能にするために、前記制御回路をオーバーライドするように選択可能なユーザインターフェース要素を備える、請求項7に記載の外科用システム。
  9. 前記外科用器具の前記提案される機能は、組織を掴持すること、組織を凝固させること、組織を切断すること、及び組織をステープル留めすることのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項1に記載の外科用システム。
  10. 前記外科用器具に通信可能に結合された外科用ハブを更に備え、前記外科用ハブは前記制御回路を備える、請求項1に記載の外科用システム。
  11. 前記外科用器具又は前記外科用ハブのうちの1つは、前記ユーザインターフェースを含む、請求項10に記載の外科用システム。
  12. 前記外科用器具は、長さ方向を有する第1の顎部及び第2の顎部を備えるエンドエフェクタを備え、前記第1の顎部又は前記第2の顎部は、前記長さ方向における中央部近傍に前記センサを備え、前記センサは前記第1の顎部又は前記第2の顎部の歪みの大きさを測定するように構成された歪みゲージを備える、請求項1に記載の外科用システム。
  13. 前記外科用器具は、長さ方向を有する第1の顎部及び第2の顎部を備えるエンドエフェクタを備え、前記第1の顎部又は前記第2の顎部は、前記長さ方向において複数のセグメントに分割されるセグメント化フレキシブル回路を備え、前記複数のセグメントの各々は前記第1の顎部と前記第2の顎部との間における組織の存在又は不在を検出するように構成された前記センサを備える、請求項1に記載の外科用システム。
  14. 外科用システムであって、
    クラウドコンピューティングシステムと通信する外科用ハブと、
    前記外科用ハブに通信可能に結合された外科用器具であって、
    前記外科用器具に交換可能に接続可能な複数の構成要素であって、前記外科用器具の前記複数の構成要素の各々が装置パラメータを含み、前記装置パラメータは前記複数の構成要素のうちの各々の構成要素を識別する、複数の構成要素と、
    センサであって、
    前記外科用器具の提案される機能に関連付けられた組織パラメータを検出し、
    検出された前記組織パラメータを前記外科用ハブに送信するように構成されたセンサと、を備える、外科用器具と、を備え、
    前記外科用ハブは、
    プロセッサと、
    前記プロセッサに結合されたメモリであって、
    前記複数の構成要素のうちの構成要素の、前記外科用器具への接続を検出し、
    接続された前記構成要素に関連付けられた接続された装置パラメータに基づき、接続された前記構成要素の識別要素に関連付けられた固有の識別子を記録し、
    前記固有の識別子に基づいて、接続された前記構成要素に関するシステム定義の制約を決定し、
    前記システム定義の制約と連携して、検出された前記組織パラメータの分析をするように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリと、を備えており、前記システム定義の制約は、各々の送信された前記装置パラメータと関連付けられた、所定の組織パラメータ又は所定の組織パラメータ範囲のうちの少なくとも一方を含み、かつ
    前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が、前記分析の結果に基づき、前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかを示すように構成されたユーザインターフェースを備え、
    検出された前記組織パラメータは、組織の圧縮特性、又は、組織の位置のうちの少なくとも1つを含む、外科用システム。
  15. 前記外科用器具の前記複数の構成要素は、ステープルカートリッジを含み、前記装置パラメータは、前記ステープルカートリッジの種類、前記ステープルカートリッジの色、前記ステープルカートリッジに対する補助部、前記ステープルカートリッジの掴持負荷限界、前記ステープルカートリッジの間隙範囲、及び前記ステープルカートリッジの発射速度のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の外科用システム。
  16. 前記外科用器具の前記複数の構成要素は、エンドエフェクタを含み、検出された前記組織パラメータは、組織上の前記エンドエフェクタの閉鎖角度、前記エンドエフェクタの組織接触面と接触する組織の長さ、及び前記エンドエフェクタ内の組織を圧縮する力のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の外科用システム。
  17. 前記命令は、前記提案される機能を実行するために前記外科用器具と共に使用するための少なくとも1つの代替の構成要素を推奨するように、前記外科用ハブの前記プロセッサによって更に実行可能である、請求項14に記載の外科用システム。
  18. 前記命令は、前記システム定義の制約を超えたときに前記提案される機能を阻止するように、前記外科用ハブの前記プロセッサによって更に実行可能である、請求項14に記載の外科用システム。
  19. コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、
    前記コンピュータ可読命令は、実行されると、マシンに、
    構成要素の、外科用器具への接続を検出することと、
    接続された前記構成要素により前記マシンに送信された装置パラメータに基づき、接続された前記構成要素の識別要素に関連付けられた固有の識別子を記録することと、
    前記固有の識別子に基づいて、接続された前記構成要素に関するシステム定義の制約を決定することと、
    前記システム定義の制約と連携して、検出された組織パラメータを分析することであって、検出された前記組織パラメータは、前記外科用器具の提案される機能にさらに関連付けられており、前記外科用器具は、
    前記マシンに連結される前記外科用器具に交換可能に接続可能な複数の構成要素であって、各構成要素がそれぞれの前記装置パラメータを前記マシンに送信するように構成された、複数の構成要素と、
    検出された前記組織パラメータを検出し、検出された前記組織パラメータを前記マシンに送信するように構成されたセンサであって、前記システム定義の制約は、送信された前記装置パラメータの各々に関連付けられた、所定の組織パラメータ又は所定の組織パラメータ範囲のうちの少なくとも一方を含む、センサと、
    を含んでいる、前記分析することと、
    前記複数の構成要素を含む前記外科用器具が、前記外科用器具の前記提案される機能を実行するのに適切であるかどうかの指示を提供するユーザインターフェースを生成することと、を行わせ、
    検出された前記組織パラメータは、組織の圧縮特性、又は、組織の位置のうちの少なくとも1つを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
  20. 前記コンピュータ可読命令は、実行されると、前記マシンに更に、
    前記ユーザインターフェース上に、前記外科用器具の前記提案される機能を可能にするように選択可能なオーバーライド要素を生成させる、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
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