JP7337285B2 - ロボット制御装置およびロボット制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、対象物を落とさないように把持するために、ロボットおよびそのロボットの指先部に備え付けられるエンドエフェクタに対して動作指令を行うロボット制御装置およびロボット制御方法に関する。
従来のロボット制御装置では、対象物に対するエンドエフェクタ(ロボットハンド)の把持点を決定するために、対象物の計測情報に基づいて対象物の形状および重量を計測し、対象物の重心位置を推定し、その重心位置の近傍を通過する点を把持点とする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-49459号公報(第9~10頁、第2図)
「形状制御のためのレオロジー物体の変形モデリング」徳本真一、平井慎一:日本ロボット学会誌 Vol.18 No.8(P1143、式(1)~(3))
従来のロボット制御装置では、2個以上配置された不定形物体を対象物としたピッキング作業を行う場合に、干渉を考慮すると必ずしも重心位置を通過するような位置をつかめず、把持に伴う変形によってロボットハンドから対象物が落下してしまうことがある。その結果、ピッキング作業の成功率が下がり、生産効率が低下するという課題があった。
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、柔軟性を持った対象物や不定形物体を対象物としたピッキング作業において、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高く維持できるロボット制御装置を得るものである。
本開示に係るロボット制御装置は、対象物を把持するためにロボットおよびロボットのロボットハンドを制御するものであって、ロボットハンドが把持する対象物の把持点を生成する把持点生成部を備え、把持点生成部は、ロボットの把持動作によって対象物の形状が変形する際の形状変形情報を算出する変形評価部と、形状変形情報と、対象物の変形後の幾何的な拘束条件とに基づいて対象物の把持点を決定する把持点決定部とを有するものである。
本開示によれば、柔軟性を持った対象物や不定形物体を対象物としたピッキング作業において、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高く維持できる。
実施の形態1に係るロボットシステムの全体図である。 実施の形態1に係るロボット制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る把持点生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るフィンガと対象物との位置関係を示す図である。 実施の形態1に係る対象物が動ける場合のフィンガと対象物との位置関係を示す図である。 実施の形態1に係るロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るばね要素およびダンピング要素を組み合わせた物性モデルである。 実施の形態3に係る把持点生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係るロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態4に係るフィンガと対象物との位置関係を示す図である。 実施の形態5に係るフィンガと対象物との位置関係を示す図である。 実施の形態6に係る把持点生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態6に係る別の把持点生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態7に係る把持点生成部の構成を示すブロック図である。 実施の形態9に係る把持前の対象物の模式図である。 実施の形態1から9に係るロボット制御装置のハードウェア構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本開示を実施するための実施の形態1に係るロボットシステムの全体図である。ロボットシステムは、ロボットとそれを制御して動作させるロボット制御装置の構成を基本としている。ロボット10は対象物を把持するようなマテリアルハンドリングと呼ばれる作業を実施することがある。この場合、対象物70の位置情報および形状情報を取得するために対象物70の形状等の情報を計測する計測装置60と、対象物70を把持するためのロボットハンド20(エンドエフェクタ)とを備える構成が追加される。計測装置60に基づいて計測された対象物70の情報は計測装置コントローラ50において処理され、ロボット制御装置30に対象物70の情報が入力される。
ロボット制御装置30は、対象物70を把持するためにロボット10およびロボット10のロボットハンド20を制御するものであり、ロボットハンド20が把持する対象物70の把持点を生成する把持点生成部31を備えている。ロボット制御装置30は、入力された対象物70の情報に基づいてロボットハンド20が対象物70を把持するために、対象物70を把持する位置におけるロボット10への位置指令値およびロボットハンド20のフィンガ(指先部)の開き位置を演算する。ロボット制御装置30は、ロボットハンド20のフィンガが所望の位置に制御されるよう、ロボット10のアームの関節とロボットハンド20のフィンガとをそれぞれ制御する。以下、ロボット制御装置30は、ロボットハンド20のフィンガが適切な位置に移動するように、ロボット10のアームの関節およびロボットハンド20のフィンガのうちの少なくとのいずれか一方を制御するものである。対象物70の情報として対象物70の位置形状および形状情報が例示される。
さらに、ロボット制御装置30は、ロボット10に対して、演算した位置指令値およびロボットハンド20のフィンガの開状態の位置指令値と閉状態の位置指令値とを出力する。ロボット制御装置30は、ロボット10の位置指令値に対してロボットハンド20に対する位置指令値が実行されるタイミングを定め,各時刻tにおける位置指令値としてロボット10に送信する。これにより、ロボットハンド20のフィンガを開状態にして接近し,対象物70の把持点においてロボットハンド20のフィンガを閉状態にせしめる動作を実現することができる。ここで、ロボット10の位置指令値とは特に断りがない限り、並進3自由度と回転3自由度の6自由度に関するものとする。また、ロボットハンド20のフィンガの位置指令値については、ハンドの種類に依存するが、リンク構造であればフィンガ先端位置あるいは開き幅で定義されるものとする。他に、各駆動部の位置指令値を指す場合もあるが、ここでは、特にハンドの構造に限定せずに指定できる位置指令値を広く指すものとする。また、ロボットハンド20のフィンガはアクチュエータが圧力制御、力制御、あるいはトルク制御可能な場合は、把持力が制御可能である。以下、把持力を指定している場合は、把持力指令値を把持点候補に対して与えているものとする。
「把持点」は、ロボットハンド20が対象物70を掴むことができるフィンガの位置姿勢を意味している。実際のロボット制御においては、前述のとおり把持点の位置姿勢以外にも各時刻tにおける位置指令値が必要であるが、ロボットハンド20が対象物70の把持点に到達できるようなロボット10の各関節の位置目標値については別途計算されるものとする。なお、対象物70の把持点を算出するために用いることができる情報として、対象物70の位置形状および形状情報に限定する必要はない。すなわち、対象物70の情報としては、位置情報や形状情報といった直接的な情報以外にも、対象物70の温度情報、距離情報、色情報など間接的な情報を利用して対象物70の位置情報や形状情報を推定することが可能である。
図2は、ロボット制御装置30の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ロボット制御装置30は、主に把持点生成部31と、指令値生成部39とによって構成されている。図2に示すように、ロボット制御装置30は、ロボット10が移動するべき把持点の位置を演算し、ロボットハンド20を把持点に移動させ、ロボット10が把持動作するようロボット10を制御する。把持点生成部31は、ロボット10の把持対象である対象物70の形状情報を用いて、対象物70の把持点を出力する。
対象形状情報については、具体的には、計測装置60として視覚センサによって得られた対象物70の画像情報あるいは距離情報を点群として獲得し、計算することによって得られる。他にも、実際にロボットハンド20を用いて対象物70をロボットハンド20のフィンガで一度把持して、把持時のフィンガの位置情報に基づいて形状情報を獲得してもよい。また、計測装置60として距離計測センサを用いて対象物の断面形状に基づいて形状情報を獲得してもよい。また、計測装置60として温度センサを用いて対象物70のおよその位置や形状に基づいて形状情報を獲得してもよい。このように計測装置60として視覚センサに限ることはない。また、計測装置60以外から位置情報、形状情報、温度情報、距離情報、色情報などを入手してもよい。
図3は、把持点生成部31の構成を示すブロック図である。図3に示すように、把持点生成部31は、把持点候補生成部32と、変形評価部33と、把持点決定部36とによって構成されている。変形評価部33は、ロボットハンド20の把持動作によって前記対象物70の形状が変形する際の形状変形情報を算出する。また、把持点決定部36は、把持点決定部は、この形状変形情報に含まれる対象物の変形量と、対象物の変形後の幾何的な拘束条件とに基づいて対象物の把持点を決定する。以下、それぞれの構成部について説明する。
把持点候補生成部32は、ロボット制御装置30に入力される対象形状情報に基づいて、ロボット10が装着しているロボットハンド20が把持可能な把持点候補を生成する。この際、把持点候補の生成方法として、ロボットハンド20のフィンガのストローク(開き幅)に基づいて、対象形状情報から全周の任意の2点間を全探索する方法で探索することができる。例えば、2フィンガグリッパを例にした場合を後述する図4に示す。
対象物の探索は楕円形状すなわち対象物の外周の任意の2点を選定する処理となる。変形評価部33は、選ばれた2点に対して対象物の内側に指を移動させ、把持を行うものとして後述する変形評価を行う。この時、フィンガには拘束条件として指の可動方向や可動範囲があるため、探索自体は全探索ではなく、フィンガの開閉距離L0を制約条件として候補点の2点間の距離と開閉距離L0との比較による制約の下で探索する方法などが実行でき、探索方法自体を限定するものではない。
次に、変形評価部33では、把持点候補生成部32で生成された複数の把持点候補のそれぞれの場合に対して、図4に示すように期待される形状変形情報を評価して、出力する。形状変形情報には、変形後の形状情報が含まれる。形状変形情報を評価するために、各フィンガによる点接触による把持を仮定して、それぞれが対象物70に対して変形を生じるモデルで期待される形状変形情報を算出することができる。
さらに、ロボットハンド20に備えられたフィンガの数だけ存在する点接触部については、生じている点i(i=1、2、3…)に対して適当な固定把持力Fiを仮定して、力に対して変形が生じる力学的な関係を、それぞれの点接触地点において計算することができる。この際、力に対する変形量の計算のために、対象物70を均質な形状として取り扱い、ばね乗数をK、ダンピング係数をCとして、フィンガの力が発生する方向に対し、剛体、弾性体あるいはレオロジー物体として対象の特性を近似して形状変形情報を評価することができる。例えば、レオロジー物体であれば、非特許文献1に記載されているように、変位と力との関係式が成立することが知られている。以上のように、把持点を指定し、適当な条件の下で形状変形を生じさせることで、期待される形状変形情報を得ることができる。
最後に、把持点決定部36では、変形評価部33によって生成される形状変形情報に基づいて把持点を決定する処理が行われる。把持点決定部36では、複数の把持点候補に対して生成されたそれぞれの形状変形情報に対し、幾何的に拘束されているものを把持点として抽出する。具体的には、図4が拘束されている事例であり、図5に示すような場合が拘束されていないものの事例である。ここで、図4は、ロボットハンド20のフィンガと対象物70との位置関係を示す図である。図4(a)は、ロボットハンド20のフィンガが対象物70を把持する前、図4(b)および図4(c)は、ロボットハンド20のフィンガが対象物70を把持した後の位置関係を示している。図5は、対象物70が動ける場合のフィンガと対象物70との位置関係を示す図である。図4および図5において、ロボットハンド20のフィンガが開閉する方向をX軸、フィンガに沿った方向に垂直で、X軸に垂直である方向をY軸とする。
図4および図5に記載の対象物70から外側に向いた黒い矢印は、対象物70を外部から力を作用させて移動させようとする方向を示すものである。この場合、図4の把持方法であれば、対象物70の変形後の形状情報に基づくと、X軸方向およびY軸方向に対して外部から力を作用させたとしても対象物は幾何的に拘束されているため把持状態を維持しやすい。これは、対象物70の変形後の形状情報と対象物70の変形後の把持するフィンガの位置関係とから、幾何的な拘束が成立しているためである。本実施の形態は、この点に注目して安定把持を実現する把持点候補を抽出することが特徴である。一方で、図5において、対象物70の変形後の形状情報およびフィンガの位置関係をみてみると、X方向には同様に幾何的な拘束による把持安定性が作用して動けない状態である。しかし、マイナスY方向に対しては、幾何的な拘束が作用せず把持安定性が低い状態であり、対象物を動かせる状態である。
以下、把持点決定部36が把持安定性を評価する方法の一例を示す。図4(c)に示すように、変形評価部33は、対象物70の形状変形情報として、複数の離散点DP1,DP2,・・・を出力する。離散点DP1,DP2,・・・は、対象物70に対して変形を生じるモデルで期待される形状の輪郭に基づいて設定される。一例として、把持点決定部36は、離散点DP1,DP2,・・・の位置とフィンガの位置FP1,FP2との関係から、幾何的な拘束が成立するか否かを判定することで、把持安定性を評価する。
別の一例として、把持点決定部36は、フィンガの位置FP1の近傍に位置する複数の離散点について第1の近似曲線を求める。把持点決定部36は、位置FP1におけるフィンガの輪郭に基づいて、フィンガに関する複数の離散点(図示しない)を設定し、複数の離散点について第2の近似曲線を求める。把持点決定部36は、第1の近似曲線と第2の近似曲線とに基づいて、フィンガの位置FP1近傍の対象物70の形状(凸凹情報など)と位置FP1におけるフィンガの形状(円弧、長方形など)とを比較して、幾何的な拘束が成立するか否かを判定することで、把持安定性を評価する。比較方法としては、対象物70の形状とフィンガの形状との曲率の大小関係、及び第1の近似曲線が持つ極大点と極小点との高低差などが挙げられる。把持点決定部36は、フィンガの位置FP2の近傍に位置する複数の離散点、及び位置FP2におけるフィンガに関する複数の離散点(図示しない)についても同様に近似曲線を求め、上記と同様の方法で把持安定性を評価する。
更に別の一例として、把持点決定部36は、仮想的な力Fvirを対象物70に加えた時の離散点DP1,DP2,・・・の位置座標を確認し、加える前からの位置座標の変化量が所定値以下であるか否かを判定することで幾何的な拘束が成立するか否かを判定し、把持安定性を評価する。把持点決定部36は、複数の離散点のうち一つでも変化量が所定値を超えた場合に把持安定性が低いと判定してもよいし、複数の離散点のうち一部における変化量が所定値を超えた場合に把持安定性が低いと判定してもよい。仮想的な力Fvirは、対象物70に対し任意の方向から加えられるものとする。
把持点決定部36が把持安定性を評価する方法として、上記3つを挙げたが、これらに限定されない。
複数個の把持点が抽出された場合は、例えば最も重心位置に近い把持点を選択することができる。重心位置と把持点の距離が近い場合は、把持点近傍の把持力が外乱等で揺らいだ時にも偶力を小さく抑えることができることが期待される。
ここで、ロボット制御装置30の動作を説明する。図6は、ロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、対象形状情報を入力する。次に、ステップS102において、把持点候補生成部32は、入力した対象形状情報に基づいてロボットハンド20が把持可能な把持点候補を生成する。次に、ステップS103において、変形評価部33は、複数の把持点候補のそれぞれの場合に対して、形状変形情報を評価して、出力する。そして、ステップS104において、把持点決定部36は、形状変形情報に基づいて把持点を決定する。
以上のように、把持点生成部31を備えたロボット制御装置30において、特に把持点生成部31は、ハンドの把持動作によって対象物の形状が変形する際の形状変形情報を算出する変形評価部33と、形状変形情報に基づいて対象物の把持点を決定する把持点決定部36とを有することによって、柔軟物体のような不定形物体を対象物に対して、選定された把持点を把持することによる把持失敗が大幅に低減され、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高く維持できるという格別な効果が得られる。
なお、生産効率とは、ピッキング作業など作業の速さを指している。例えば、生産効率の一例としてはタクトタイムを指しており、1回1秒の作業を100回試行して100回成功すると平均1秒/回のタクトタイムとして評価し、同様の作業を100回試行して50回しか成功しない場合は平均2秒/回のタクトタイムとして評価する。以上により失敗が少ないほど生産効率が上がることになる。
実施の形態2.
本実施の形態では、変形評価部33が、対象物70に加わる力と対象物70の変位との関係式に基づいて算出される力の上限値を超えたかどうかを評価する構成をさらに加えることが実施の形態1と異なる。実施の形態1に記載のロボット制御装置30では、幾何的に拘束されている条件を満たした上で、把持点候補生成部32において複数の把持点候補が抽出される。変形評価部33が、これらの把持点候補の中から、対象物70が許容される変形量を超えるか否かを、時系列表現された把持力F(t)(時刻tで変化する値)に対して評価し、拘束条件に加えることが本実施の形態の特徴である。
変形評価部33は、対象物70に加わる把持力と対象物70の変位との関係式および対象物70が許容できる対象物70の変形量に基づいて対象物70に加わる把持力の上限値を算出する。そして、変形評価部33は、ロボットハンド20から対象物70に加わる把持力が上限値を超えたかどうかを評価する。また、変形評価部33は、形状変形情報の一部として、対象物70に加わる把持力と対象物70の変位との関係式に基づいて算出される把持力の時系列情報を把持点決定部36に出力する。
一般に、柔軟物体のカテゴリーとして変形の方法で3つに分類できる。変形としては、変形後に把持力を除荷すると形状が元に戻る弾性体、形状が完全には戻らないレオロジー体、力をかけた分だけ変形してしまう塑性体がある。一方で、柔軟物体には許容される変形の上限がある。変形の条件を超えた場合は、対象物70が破損あるいは商品価値を損なうという事象が生じる。
なお、変形量は、力とその力を加える時間とによって計算される。力と変形量との関係式は例えば非特許文献1の記載により、数式的に表すことができる。例えば、レオロジー体や塑性体においては、元の形状に戻らないため、マクスウェルモデルのように弾性要素とダンピング要素を直列に接続したような構成によって、物性モデルを模擬できる。
図7は、ばね要素およびダンピング要素を組み合わせた物性モデルである。図7に示すように、ばね要素やダンピング要素を組み合わせることによって物性モデルは構成される。図7において、ばね要素のばね乗数をK1で示し、ダンピング要素のダンピング係数をC1、C2で示す。複数個を直列・並列に接続することで例えば図7に示すような物性モデルが表現できる。ここで、図7(b)に示した「マクスウェルモデル」を例に、力と変形量の計算について説明する。
初めに、固定点をP1、力を作用させる点をP2とし、P1とP2との間にばね乗数K1としたばね要素、ダンピング係数C2としたダンピング要素を配置した物性モデルを設定する。ばね要素、ダンピング要素のそれぞれの係数については、対象とする柔軟物体によって値を事前に入力しておくものとする。また、それぞれの係数について対象物70の物性として、既知の力(1N、2N、3N…といった値)を入力して得られる時系列の位置情報を用いることによって、ばね要素、ダンピング要素のそれぞれの係数を推定することもできる。また、計測などが困難な場合は、対象物70の物性に基づき、事前に得られている類似の柔軟物についての係数を利用することもできる。
2フィンガハンドを用いる場合は、フィンガに対する把持点が2つ与えられる。これらを把持点PG1、PG2とおく。このとき、把持点PG2と力を作用させる点P2とを一致させる。また、ベクトル(P1P2)とベクトル(PG1PG2)とが平行になるように設定する。変位については、ばね要素とダンピング要素のつなぎ目の変位をx1、把持点P2の変位をx2で定義する。変位x1および変位x2の原点は、双方が自然長の状態を定義することができる。その際、初期の位置関係として、k1のばね要素の長さをX10、ダンピング要素の長さをX20としている。
このような条件の上で、把持力の時系列データF(t)を外部から作用させたときに、運動方程式を演算することで、変位x1および変位x2の時系列データとして求めることができる。非特許文献1に記載の通り、ダンピング係数C2に非線形特性を持たせることでレオロジー物体の特性(残留変位を持つ)を模擬することができる。ただし、物性モデルの定義についてはこれに限定することなく、係数や構成を変更することで、剛体、弾性体、レオロジー物体、塑性体に適用可能とする。
以上の演算結果として、変位x2の位置の変化を取得できるため、適当な把持力の時系列データF(t)に応じてどのような変形が生じるのかを求めることができる。特に、ダンピング要素を含む場合は、除荷後の位置が元の位置(x1=0かつx2=0)にならないことがある。
実際には弾性要素とダンピング要素とを直列に接続した後で、弾性要素と並列の関係でダンピング要素をさらに加えるようなモデル化など、対象物の特性によって様々なバリエーションのモデル化がある。このため、本実施の形態では特に物性モデルの形式は限定しない。
以上、説明したように、本実施の形態によると、変形評価部33が、対象物70である把持物体の許容される変形を考慮した把持点のみを抽出することができるため、把持失敗する把持点を選択する割合が低減し、生産効率を向上するという格別な効果を得ることができる。また、ロボットハンド20で柔軟な不定形物体である対象物70を把持する場合に、変形後の対象物70の形状とそれに至るまでの力の時系列情報に基づいて、対象物70を破損させることなく把持安定性が高い把持点を選択することができる。特に、ロボットハンド20が多少大きな把持力で対象物70を把持した場合でも、既定の時間内に把持力を除荷すれば対象物70の変形が許容される場合を含めることができる。このため、失敗が低減し、高い成功率で対象物70を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高く維持できるという格別な効果が得られる。
次に、本実施の形態の別の変形例について説明する。対象物70として食品の把持を考える場合、見栄えの観点で商品価値を損なうという理由で、許容される変形量が存在することがある。この場合、先に挙げたような一定の上限値を超えたかどうかだけで判定すると把持点候補が非常に少なくなることがある。この場合、わずかな時間上限を超えただけであれば、変形量が許容される範囲内に収まることを利用することができる。
すなわち、本実施の形態では、変形評価部33は、形状変形情報の一部として、把持点に作用させる力の大きさである把持力F(t)と許容負荷以上の力をかける時間tとを出力する。この場合、最終的に許容される変形量に至るかどうかを時系列表現された把持力F(t)に基づいて評価することができる。例えば、把持点決定部36は、形状変形情報としては、把持点、把持力、把持時間を用いて変形量が許容範囲内であるかどうかを、力と時間の閾値との大小関係で判定する。これにより、把持点決定部36は、食品の形状を一定の範囲内に保った状態を実現する把持点および把持力を取得することができる。この構成の場合は、把持点情報の中に、把持点の位置と把持点における把持力(作用力)の情報を含む。
また、把持力や時間に関する閾値は、対象物70の変形量の許容範囲に基づいて把持力および把持時間に換算され求めることができる。変位と力との関係は非特許文献1の記載を参考にすることができる。ただし、対象物70の変形量が許容範囲内か否かの判定は、把持点、把持力、把持時間を用いて、変形量を算出し、変形量に基づいて上限値を設定しても構わない。対象物70の変形量の上限値は、予め本システムのユーザによって食品毎に提供される。この場合も、ロボット制御装置30が、対象物70である把持物体の許容される変形を考慮した把持点のみを抽出することができるため、把持失敗する把持点を選択する割合が低減し、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高く維持できるという格別な効果を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、さらに把持点近傍の変形後の力のつり合いに対して、予め定めた外力に対する力学的安定性によって把持安定性評価を行う把持安定性計算部をさらに備えることが実施の形態2と異なる。図8は実施の形態3に係る把持点生成部の構成を示すブロック図である。図3に示した把持点生成部31の構成に加えて、把持点生成部31aは、把持安定性計算部34と、結果DB(結果データベース)35とによって構成されている。
把持安定性計算部34は、対象物70の把持点の近傍における対象物70の変形後の力のつり合いに対して、予め定めた外力に対する力学的安定性を評価する。また、把持安定性計算部34は、対象物70の把持点の近傍における対象物70の変形後の力のつり合いを評価し、ロボットハンド20の対象物70に対する把持力が最小になる対象物の把持点を抽出する。
把持安定性計算部34は、形状変形情報を入力する。まず、把持安定性計算部34は、ロボットハンド20のフィンガ各点と把持対象について変形後に把持対象に生じる力ベクトルに基づいて算出する。次に、把持安定性計算部34は、対象物70の把持点における力のつり合いから、対象物70が移動しないかどうかを評価する。この際、変形した対象物70とロボットハンド20のフィンガとが幾何的な拘束(動けない)を生じている場合は、ロボットハンド20のフィンガの把持力以外の力の作用によって対象物70とフィンガとが押し付けられた状態になり、安定している状態とみなす。
把持安定性計算部34は、「安定状態」を維持できるか否かを判定する。安定している状態(安定度)について説明する。予め定めた外力をFdisとし、ロボットハンド20のフィンガの力に応じて対象物70が変形しただけの状態を外力Fdis=0の状態とする。Fdis=0の状態での安定度は、力学的な力のつり合いに基づいて、偶力や加速力が対象物70に発生しないかどうかに評価できる。偶力や加速力が対象物70に発生する場合でも、偶力や加速力が発生した方向への対象物70の移動を妨げるようにロボットハンド20のフィンガと対象物の変形後の形状とが構成されていれば、すなわち幾何的拘束が成り立っていれば偶力や加速度は打ち消されるものとして、指定した把持点での対象物の把持について「安定状態」と判定する。
さらに、把持安定性計算部34は、外力Fdisを0以外に定めた場合にも、「安定状態」を維持できるか否かを判定する。外力Fdisを加えた場合は、形状変形情報に対してさらに把持力F(t)と外力Fdisを足し合わせた場合の変形を追加する。変形は前述の物性モデルを利用して変位と力との関係で求める。この形状変形情報に基づいて「安定状態」を判定する。
さらに、把持安定性計算部34は、ロボット10が加減速した条件における「安定状態」も判定することができる。まず、把持した状態で加速あるいは減速すると対象物には慣性力が発生する。慣性力の場合、慣性力による外力Fdis(t)は対象物70の質量mと対象物70の加速度α_obj(t)とによって式1のようにあらわすこともできる。対象物70の加速度α_obj(t)は時間tの関数になっているが、基本的にはロボット10のフィンガに関する指令値に基づいて求められる。
Fdis(t)=m・α_obj(t) (式1)
慣性力Finrに対して対象物70がロボットハンド20のフィンガから滑り落ちる事象、すなわち、幾何的な拘束が無くなるための拘束力上限Flimを対象物70の物性(弾性係数Kとダンピング係数C)に応じて定めておき、拘束力上限Flimを超えた場合は、幾何的な拘束が無くなったとして、安定している状態ではなくなる。把持安定性計算部34は、「安定状態」を維持している場合は、把持安定度の評価値を高く設定し、安定性評価結果として結果DB35へ出力する。また、把持安定性計算部34は、「安定状態」でなくなった場合は、把持安定度の評価値を低く設定し、安定性評価結果として結果DB35へ出力する。
なお、安定している状態が無くなる拘束力上限は、対象物70とロボットハンド20との摩擦係数μによって規定することもできる。ロボットハンド20の把持点における押しつけ力をFiとすると、拘束力上限Flimを式2のように定義することもできる。
Flim=μ・Fi (式2)
この場合、例えばロボットハンド20のフィンガの把持点iに対する「安定状態」を把持安定度Siとすると、把持安定度Siを式3のように定義することもできる。
Si=(Flim-max(Fdis(t))) (式3)
把持安定度Siを用いることで、把持点同士を比較することができるようになる。把持安定性計算部34は、これを安定性評価結果として結果DB35へ出力する。安定性評価結果はこの方法に限定するものではない。
以上のルールに基づいて、把持安定性計算部34は、結果DB35を介して算出された把持点候補と安定性評価結果を把持点決定部36へ出力する。把持点決定部36は、複数記憶された把持点候補と安定性評価結果とに基づいて、最も安定性評価結果が高い把持点を選択することができる。
ここで、ロボット制御装置30の動作を説明する。図9は、ロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。図9のステップS101からステップS103までは図6と同じであるので、説明を省略する。ステップS201において、把持安定性計算部34は、「安定状態」を維持できるか否かを判定する。「安定状態」を維持できる場合は、ステップS202へ進み、把持安定性計算部34は、把持安定度の評価値を高く設定する。「安定状態」でなくなった場合は、ステップS203へ進み、把持安定性計算部34は、把持安定度の評価値を低く設定する。そして、ステップS204において、把持点決定部36は、複数記憶された把持点候補と安定性評価結果とに基づいて、最も安定性評価結果が高い把持点を選択し、把持点を決定する。
このような構成によって、ロボットハンド20が対象物70を搬送している途中の形状変形による落下を考慮して、落下しにくい把持点を抽出することができるようになる。この場合も、対象物70である把持物体の許容される変形を考慮した把持点のみを抽出することができるため、把持失敗する把持点を選択する割合が低減し、生産効率を向上するという格別な効果を得ることができる。
次に、本実施の形態の別の変形例について説明する。変形評価部33において、各把持点における把持力Fi(t)を様々に変化させたシミュレーションを行うことを考える。把持力Fi(t)が小さくなるものが含まれる場合は、式2によると、拘束力上限Flimが小さくなり、結果として把持安定度Siは小さくなりやすくなる。一方で、各把持点における把持力Fi(t)が小さくなると変形評価部33で算出される形状変形情報として出力される変形量が小さくなる。この時、式3のような「安定状態」と別の指標として「変形最小」という指標を含め、把持安定度Siを式4のように定義することもできる。
Si=w1*(Flim-max(Fdis(t)))+w2/max(Fi(t)) (式4)
ここで、w1およびw2は適当な重み係数である。重み係数は安定状態を維持しやすい方を評価するか、最小把持力で把持しているかのいずれを重要視するのかによってユーザが設計する。
把持安定性計算部34が、把持安定度Siに基づいて把持安定性を評価することによって、ロボットハンド20で柔軟な不定形物体を把持する場合に、変形後の対象物70の形状に基づいて、対象物70を破損させることなく把持安定性が高い把持点を選択することができるようになる。結果として、把持失敗が低減し、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率が上がるという格別な効果が得られる。
実施の形態4.
本実施の形態では、把持安定性計算部34として、ロボットハンド20のフィンガの形状と形状変形情報とに基づいて幾何的なずれにくさを評価し、把持安定性評価結果として出力する。実施の形態3では、把持点が点で表現されていたが、本実施の形態では、把持点に幾何的な形状を与える。この場合、接触点は1つのフィンガに対しても複数生じる。把持安定性計算部34は、ロボットハンド20のフィンガの形状と形状変形情報とに基づいてロボットハンド20に対する対象物70の幾何的なずれにくさを評価する。
図10は、ロボットハンド20のフィンガと対象物70との位置関係を示す図である。対象物70の把持に伴う接触点が複数個である場合の物性モデルを導入することで、幾何的な拘束に関する拘束力上限Flimを定義した式2を式5のように置き換えることができる。
Flim=μ・A・Fi (式5)
ここで、Aはロボットハンド20のフィンガと対象物70との有効接触面積である。有効接触面積とは、図10に示すようにフィンガが点接触ではなく対象物に対して面接触する場合の接触面積を示している。一般に、点接触の状態の摩擦係数に比べて面接触の状態の摩擦係数の方が大きい。これを反映させるためのモデル化が本実施の形態となる。対象物70の変形に伴って、増加するフィンガの接触面積量を示している。一定以上変形するとA=1となり、軽くつまんでいる状態で把持力Fi(t)が小さい場合は、0<A<1となるような物性モデルである。
すなわち、対象物70の変形後の形状とロボットハンド20のフィンガとの接触量に基づいて、有効な摩擦係数を変動させているのと等価である。このように、把持安定性計算部34が、有効接触面積に基づいて摩擦係数を定義し、この摩擦係数に基づいて把持安定性を計算することが本実施の形態の特徴である。
上記物性モデルを導入する構成では、把持力Fi(t)が弱いほど有効接触面積Aも小さくなるため、拘束力上限Flimが把持力Fi(t)に応じて変化しやすくなる。結果として、実際の把持状態の変形評価および把持安定性計算部の模擬精度が向上する。
本実施の形態によれば、ロボットハンド20で柔軟な不定形物体を把持する場合に、変形後の形状に基づいて計算される把持安定度の精度が高まり、従来よりも対象物を破損させることなく把持安定性が高い把持点を選択することができるようになる。結果として、失敗が低減し、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率が上がるという格別な効果が得られる。
実施の形態5.
本実施の形態は、把持力を印加してから一定時間後に把持力を取り除いた場合の形状変形情報を出力することが実施の形態3と異なる。変形評価部33は、ロボットハンド20が対象物70に対して把持力を印加してから一定時間後の把持力を除荷した後の形状変形情報を出力する。そして、把持安定性計算部34は、対象物70の元の形状と対象物70の除荷した後の形状との差分量を求め、差分量と予め定めた変形許容値とを比較して評価する。
ロボットハンド20が対象物70に対して把持力を印加し続けている場合は、把持力Fi(t)=F0(一定)とすることができる。この場合、形状変形情報はある一定形状に収束することが期待される。一方で、完全な塑性変形でない限りは、把持力を除荷すると形状がさらに変化する。
ここで、例えば0秒からt0秒までの間、把持力F0という力を印加し、t0秒経過後に除荷する場合を考える。除荷後はFi(t+t0)=0となる。このとき、本実施の形態では、除荷後十分な時間が経過したのちの形状を「除荷後の形状変形情報」として、変形評価部から形状変形情報の一部として「除荷後の形状変形情報」を出力する構成を追加するものである。
変形評価部33から出力される把持力Fi(t)=F0が印加されている状態での形状変形情報を第1の形状変形情報とし、一定時間t0経過後に把持力を除荷し十分な時間が経過した後の形状変形情報を第2の形状変形情報と呼ぶ。この時、対象物70の元の形状と第2の形状変形情報における形状との差分量を演算し、その差分量について予め定めた変形許容値と大小関係を比較して、変形許容値を超過しているものについては、把持安定度を低く評価し、超過していないものについては把持安定度を高く評価することを特徴とする。
図11は、フィンガと対象物70との位置関係を示す図である。以下、把持力が印加されている前後での形状の差分を取る方法について、図11を用いて一例を例示する。把持安定性計算部34は、対象物70の元の形状の曲率と対象物70の除荷した後の形状の曲率との差分量を求め、曲率の差分量と予め定めた変形許容値とを比較して評価する。曲率の差分量は、次のようにして求めることができる。第1の形状変形情報と第2の形状変形情報とについて、変形していない点(把持点から遠い点)を基準として重ね合わせる。重ね合わせたうえで、変形している点から変形していない点に変わる点を2つ選ぶ。すなわち、変形前後で位置が変わっている曲線の線分が初めて変形していないために重なっている点(図11の場合、離散点DP3,DP4に相当)である。この時、この2点間の曲線の長さを求める。2点間の曲線は、離散点DP3から離散点DP5を通って離散点DP4に至る長さL1の曲線と、離散点DP3から離散点DP1を通って離散点DP4に至る長さL2の曲線との2つである。それぞれの長さL1と長さL2とに基づいて、一定比率毎に対応点を定義する。例えば各曲線において、端点から0.25×L1と0.25×L2に相当する地点を対応する点として定義し、それぞれの対応点間の距離を求める。その距離それぞれ求め、最大値を「曲率の差分量」として定義する。図11の場合、曲率の差分量は、離散点DP1と離散点DP5との距離DC1である。変形評価部33は、この差分量が予めユーザが定めた「変形許容値」よりも大きいか小さいかを評価し、評価した結果を、形状変形情報の一部として出力する。なお、図11の場合、2点間の曲線の間にそれぞれ3点の離散点が設けられるが、3点に限定されず、例えば9点であってもよい。離散点が9点の場合、各曲線において、端点から0.1×L1と0.1×L2に相当する地点が対応点として定義される。
本実施の形態において、把持安定性計算部34では、形状変形情報を用いて、「変形許容値」よりも大きい場合は、把持点候補として棄却するラベルを付けて出力する。
本実施の形態によれば、ロボットハンド20で柔軟な不定形物体を把持する場合に、除荷後の形状すなわち作業後の最終形状に基づいて許容可能な形状かどうかを評価することで、結果的に作業失敗として取り扱われる把持力あるいは把持点を選択しているものを抽出対象から除外することができる。結果として、失敗が低減し、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率が上がるという格別な効果が得られる。
実施の形態6.
本実施の形態では、シミュレーションあるいは実際に把持点に対して作業を実施した結果ラベルである成功失敗ラベル(成功失敗情報)と、その際の形状変形情報、把持力、把持点、対象物の物性を入力として学習を行い、対象物の形状を入力として把持点を出力することができるニューラルネットワークを構築する把持点候補学習部を把持点生成部が備えることが実施の形態1と異なる。
図12は、実施の形態6に係る把持点生成部31bの構成を示すブロック図である。図3に示した把持点生成部31の構成に加えて、把持点生成部31bは、把持安定性計算部34と、結果DB(結果データベース)35とによって構成されている。また、ロボット制御装置30は、把持点候補学習部37、学習DB(学習データベース)38を備えている。把持点候補学習部37は、ニューラルネットワーク40を有している。把持点候補学習部37は、把持安定性計算部34から出力される把持点候補および安定性評価結果である結果データと実作業で得られる結果ラベルとを入力し、形状変形情報から対象物の把持点候補を出力する関係を学習する。図12に示すように対象形状情報(変形前)を入力として、把持点、把持力、把持安定度を出力するようなネットワークを学習することが例示される。
把持点候補学習部37について、シミュレーションと実機実験とを活用した事例で説明する。シミュレーション(数値計算処理)を活用して、対象物70の把持直前に得られた把持対象である対象物70の形状情報に基づいて把持点候補を定め、実際に把持操作を試行することを考える。実施の形態5までに記載の構成に基づいて、実機にて作業すると高い確率で把持が成功することが期待される。ただし、実機で作業する場合にモデル化できていない要因で把持失敗することが想定される。
この場合、変形評価部33と把持点決定部36とで設計された把持点候補すべてに対して、成功と失敗の結果ラベルがある。しかしながら、一般的には、成功と対象物の形状(変形前と変形後)と把持点と把持力との因果関係を数式化するのは難しい。そこで、例えば、ニューラルネットワークのフレームワークを使って、非線形な関係を学習し、関係性を獲得することができる。
複数回の試行に関する成功失敗ラベル、把持点、把持力、対象物の物性、対象物の変形形状(変形前の形状と変形後の形状情報)と把持安定度を、それぞれの試行に関する成功失敗ラベルを用意して、ニューラルネットワークを学習させる処理を行う。
ここで、把持点生成部31bは、対象物70に作用する力と対象物70の変位との関係をばね乗数とダンピング係数とを使ったモデルによってモデル化する物性モデル定義部(図示せず)を有している。物性モデル定義部は、対象物70に時間によって変化する力を印加し、印加された力に対して対象物70の変形に基づく変位の時系列情報に基づいて設定したモデルの物性モデル(ばね乗数Kとダンピング係数C)を推定する。なお、この際、予め定めておいた、ばね乗数Kとダンピング係数Cとに対して、実機作業によって獲得された変形結果に基づいて、ばね乗数Kとダンピング係数Cとを更新することもできる。また、他の方法として、ばね乗数Kとダンピング係数Cとを仮定せず、力と変位との関係を実際に得られた変形情報と把持力との時系列情報のみから学習によって獲得することもできる。例えば、変形情報と把持力との時系列情報を与え、把持力の時系列情報から変位情報を出力するようなニューラルネットワークを構築することが例示できる。
また、把持点候補学習部37は、対象物70に作用する力と対象物70の変位との関係をニューラルネットワークによってモデル化して学習する物性モデル学習部(図示せず)を有している。物性モデル学習部は、対象物70に時間によって変化する力を印加し、印加された力に対して対象物の変形に基づく変位の時系列情報に基づいて設定したニューラルネットワーク40を学習する。
把持点候補学習部37は、結果DB35に保存されている把持点候補と安定性評価結果とに基づいて学習処理を行う。例えばニューラルネットワーク40の学習が例示される。ニューラルネットワーク40には図示しない学習部と推論部とがある。学習部での学習パラメータを使って、推論部において学習パラメータを反映させたニューラルネットワーク41を組み込む。すると、対象形状情報を入力として、把持点および把持力を出力とするようなことができる。学習パラメータはニューラルネットワークのネットワーク構造を定義する係数が例示される。
図13は、実施の形態6に係る別の把持点生成部31cの構成を示すブロック図である。図13に示すように、上記プロセスで獲得されたニューラルネットワーク41を把持点候補生成部32aとして適用し、対象形状情報を入力すると複数の把持点候補と把持安定度を把持点候補生成部32aが生成し、把持点決定部36に出力する。把持点決定部36は、把持安定度を用いて把持点候補を1つ選んで出力する。
本実施の形態によれば、実際の作業で獲得されたモデル化誤差を修正した把持点生成アルゴリズムを学習によって獲得でき、結果として、把持点候補を算出する計算コストが低減し、把持点を算出する時間が短くなるため、生産効率が上がるという格別な効果が得られる
次に、本実施の形態の別の変形例について説明する。シミュレーションによって得られた把持点候補から上記に記載したのと同様の処理を行う方法を説明する。先の説明で、シミュレーション(数値計算処理)を活用して、把持直前に得られた把持対象の形状情報に基づいて把持点候補を定め、実際に把持操作を試行することを考える。この時、把持対象の形状情報もシミュレーションによって生成された形状である。また、対象物70の把持を行う試行自体は物理的な接触現象なども模擬し、形状も精緻に観測されている物理シミュレーション上で実施される。このため、外乱や不確定要素がない物理シミュレーションを用いる場合は、最も成功率が高い把持点は既知でありすべて成功するラベルが貼ってあることが期待される。
複数回の成功ラベルが貼られた試行に対し、把持点、把持力、対象物70の物性、対象物70の変形形状(変形前の形状と変形後の形状情報)と把持安定度を、それぞれの試行に関する成功失敗ラベルを用意して、ニューラルネットワークを学習させる処理を行う。
物理シミュレーションモデルに基づくものの、実機を用いたときと同様に、形状情報(変形前)を入力として、把持点、把持力、把持安定度を出力するようなネットワークを学習することが例示される。
上記プロセスで獲得されたニューラルネットワーク41を把持点候補生成部32aとして適用し、対象形状情報を入力すると複数の把持点候補と把持安定度を生成し、把持点決定部36に出力する。把持点決定部36は、把持安定度を用いて把持点候補を1つ選んで出力する。
本実施の形態によれば、ロボットハンド20が柔軟な不定形物体である対象物70を把持する場合に、形状情報を入力するだけで最も把持安定度が高い候補点を1つ抽出することができ、把持の失敗が低減する。また、対象物70の変形に関する物性情報を実際の対象物から取得することができ、シミュレーションに基づく変形評価部の変形模擬精度が高まる。このように、複雑な物理シミュレーションモデルに基づいて決定される把持点や安定把持点について、対象形状を入力とすると自動的に把持点が出力される把持点生成アルゴリズムを学習によって獲得でき、結果として、把持点候補を算出する計算コストが低減し、把持点を算出する時間が短くなるため、タクトタイムを短くして生産効率が上がるという格別な効果が得られる。
実施の形態7.
本実施の形態では、把持点候補生成部が、第一の把持力を定義し、把持点に対して第一の把持力で把持する条件で評価し、有効な把持点を抽出した後で、第一の把持力より小さい第二の把持力で対象物を把持することで効率的に把持点を探すことのできることが実施の形態3と異なる。
図14は、実施の形態7に係る把持点生成部31dの構成を示すブロック図である。図8に示した把持点生成部31aの構成に対して、結果DB35から把持点候補生成部32に把持点候補が入力されている。図14に示すように、把持安定性計算部34で出た把持点候補および安定性評価結果による結果データベースが再び把持点候補生成部32に入力されている。そして、把持点候補生成部32は、安定性評価が高いものを有限個抽出し、それらの有限個抽出された把持点候補として、第二の把持力(ただし第一の把持力よりも小さい)を規定する。
把持点生成部31dは、複数の把持点候補を保存する結果DB35と、ロボットハンド20が対象物70に出力する第一の把持力を定義し、第一の把持力で把持されることが指定された第一の把持点候補を変形評価部に出力する把持点候補生成部32を有している。把持安定性計算部34は、第一の把持点候補に対する安定性評価結果を計算し、第一の把持点候補および安定性評価結果を結果DB35へ出力する。把持点候補生成部32は、安定性評価結果に基づいて結果DB35に保存される第一の把持点候補から複数の把持点候補を抽出し、複数の把持点候補に対して第二の把持力を定義して、変形評価部33に再度出力する。
なお、把持点候補生成部32は、同様の処理を3回以上繰り返すことも可能である。例えば、第三の把持力、第四の把持力、・・・、第kの把持力、と繰り返し、探索する把持力を小さくしていくことで、最小の把持力で有効な対象物70の変形が得られる把持点を抽出することが可能となる。これにより、最も小さい把持力で安定把持できる点を効率的に探索することができ、把持失敗にくい候補点の抽出が短時間で行える結果として、ロボット1回動作あたりの作業時間が短縮し、タクトタイムを短くして生産効率を高くできるという格別な効果を得ることができる。
実施の形態8.
本実施の形態では、把持安定性計算部34が、対象物の輪郭の情報から対象物を安定に把持する把持点候補の組み合わせを求めることが実施の形態1と異なる。把持安定性計算部34は、対象物70の物体の輪郭の点群座標から対象物70の輪郭の情報を取得し、把持点候補の組み合わせを対象物70の輪郭の上から選択する。そして、把持安定性計算部34は、ロボットハンド20が所定の把持力で対象物70を把持した際の評価値を組み合わせ毎に求め、評価値に基づいて対象物70を安定に把持する把持点候補の組み合わせを求める。
対象物70を安定に把持するための対象物70の把持点候補の組み合わせの探索のための評価手法について説明する。把持安定性計算部34は、対象物70を把持するために最低限必要な把持力の大きさの評価に基づいて、安定把持点の組み合わせを導出する。対象物70を把持するために最低限必要な把持力の大きさとは、対象物70に働く重力に抗するために最低限必要となるロボットハンド20の指先力の大きさのことである。対象物70の壊しにくさの観点から、この値は小さい方がよい。評価は把持力と摩擦力とから求めた指先力の値を用いて行うこととし、安定把持点の組み合わせの探索を以下の手順で行う。
まず、対象物70の輪郭の点群座標から、Spline補間法で二次元平面内に配置した点を滑らかに結び、対象物70の輪郭の情報を取得する。対象物70の輪郭上に把持点候補を取り、その中の二点の組み合わせをすべて保存する。
次に、把持力をある値に設定し、すべての把持点候補の組み合わせについて評価値を求め、その結果から、その把持力での安定把持点の組み合わせを得る。そして、把持力を変更し、すべての把持点候補の組み合わせについて評価値を求め、その結果から、その把持力での安定把持点の組み合わせを得る。この作業を繰り返し、最適な把持力での安定把持点の組み合わせを得る。
以上のように、把持安定性計算部34が対象物70を安定に把持するための対象物70の把持点候補の組み合わせを求めることによって、柔軟物体のような不定形物体を対象物に対して、選定された把持点を把持することによる把持失敗が大幅に低減され、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高くできるという格別な効果を得ることができる。
実施の形態9.
本実施の形態では、把持安定性計算部34が、把持後の対象物70の形状変形情報だけでなく、把持前の対象物70の形状情報に基づいて評価値を求める。図15は、実施の形態9に係る把持前の対象物70の模式図である。具体的には、変形評価部33は、把持前の対象物70の形状情報として、複数の離散点DPB1,DPB2,・・・を出力する。複数の離散点DPB1,DPB2,・・・は、対象物70の輪郭に基づいて設定される。把持安定性計算部34は、複数の離散点DPB1,DPB2,・・・の位置関係から、対象物の窪みの程度を定量的に評価し、評価値として出力する。図15の場合、離散点DPB1,DPB2において窪みが発生しているため、把持安定性計算部34は、離散点DPB1,DPB2を把持安定性が高い把持点候補として出力してもよい。
以上のように、把持安定性計算部34が把持前の対象物70の形状情報に基づいて評価値を求めることによって、把持点を精度よく選定できる。これにより、高い成功率で対象物を把持することができ、タクトタイムを短くして生産効率を高くできるという格別な効果を得ることができる。
ここで、ロボット制御装置30のハードウェア構成について説明する。ロボット制御装置30の各機能は、処理回路によって実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備える。
図16は、実施の形態1から9に係るロボット制御装置のハードウェア構成を示す図である。ロボット制御装置30は、図16(a)に示した制御回路、すなわちプロセッサ81およびメモリ82によって実現することができる。プロセッサ81の例は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。
メモリ82は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性若しくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
ロボット制御装置30は、プロセッサ81が、メモリ82で記憶されている、ロボット制御装置30の動作を実行するためのプログラムを読み出して実行することによって実現される。また、このプログラムは、ロボット制御装置30の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ロボット制御装置30で実行されるプログラムは、把持点生成部31、および指令値生成部39を含み、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
メモリ82は、障害物情報、対象形状情報や形状変形情報などを記憶する。メモリ82は、プロセッサ81が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。
プロセッサ81が実行するプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。また、プロセッサ81が実行するプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由でロボット制御装置30に提供されてもよい。
また、ロボット制御装置30を専用のハードウェアで実現してもよい。また、ロボット制御装置30の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
また、ロボット制御装置30は、図16(b)に示した専用の処理回路83によって実現してもよい。把持点生成部31、および指令値生成部39の少なくとも一部は、処理回路83によって実現されてもよい。処理回路83は、専用のハードウェアである。処理回路83は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。ロボット制御装置30の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、残りの一部が専用のハードウェアで実現されてもよい。
10 ロボット、20 ロボットハンド、30 ロボット制御装置、31,31a,31b,31c,31d 把持点生成部、32,32a 把持点候補生成部、33 変形評価部、34 把持安定性計算部、35 結果DB、36 把持点決定部、37 把持点候補学習部、38 学習DB、39 指令値生成部、50 計測装置コントローラ、60 計測装置、70 対象物、81 プロセッサ、82 メモリ、83 処理回路、FP1~FP6 フィンガの位置、DP1~DP5,DPB1,DPB2 離散点。

Claims (18)

  1. 対象物を把持するためにロボットおよび前記ロボットのロボットハンドを制御するロボット制御装置であって、
    前記ロボットハンドが把持する前記対象物の把持点を生成する把持点生成部を備え、
    前記把持点生成部は、前記ロボットハンドの把持動作によって前記対象物の形状が変形する際の形状変形情報を算出する変形評価部と、
    前記形状変形情報と、前記対象物の変形後の幾何的な拘束条件とに基づいて前記対象物の把持点を決定する把持点決定部とを有する
    ことを特徴とするロボット制御装置。
  2. 前記把持点決定部は、前記形状変形情報に含まれる前記対象物の変形量と、前記対象物の変形後の幾何的な拘束条件とに基づいて前記対象物の把持点を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット制御装置。
  3. 前記変形評価部は、前記形状変形情報として複数の離散点を出力し、
    前記把持点決定部は、前記複数の離散点と前記ロボットハンドのフィンガとの位置関係に基づいて前記幾何的な拘束条件を判定することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御装置。
  4. 前記変形評価部は、前記形状変形情報として複数の離散点を出力し、
    前記把持点決定部は、前記対象物に対し仮想的な力を加えた時の前記複数の離散点の位置の変化量に基づいて前記幾何的な拘束条件を判定することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御装置。
  5. 前記変形評価部は、前記対象物に加わる把持力と前記対象物の変位との関係式および前記対象物が許容できる前記対象物の変形量に基づいて前記対象物に加わる把持力の上限値を算出し、前記ロボットハンドから前記対象物に加わる把持力が前記上限値を超えないかどうかを評価する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  6. 前記変形評価部は、前記対象物に加わる把持力と前記対象物の変位との関係式に基づいて算出される把持力の時系列情報を前記形状変形情報の一部として出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  7. 前記把持点生成部は、前記対象物の把持点の近傍における前記対象物の変形後の力のつり合いに対して、予め定めた外力に対する力学的安定性を評価する把持安定性計算部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  8. 前記把持安定性計算部は、前記対象物の把持点の近傍における前記対象物の変形後の力のつり合いを評価し、前記ロボットハンドの前記対象物に対する把持力が最小になる前記対象物の把持点を抽出する
    ことを特徴とする請求項7に記載のロボット制御装置。
  9. 前記把持点生成部は、前記ロボットハンドの指先の形状と前記形状変形情報とに基づいて前記ロボットハンドに対する前記対象物の幾何的なずれにくさを評価する把持安定性計算部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  10. 前記変形評価部は、前記ロボットハンドが前記対象物に対して把持力を印加してから一定時間後の把持力を除荷した後の前記形状変形情報を出力し、
    前記把持安定性計算部は、前記対象物の元の形状と前記対象物の除荷した後の形状との差分量を求め、前記差分量と予め定めた変形許容値とを比較して評価する
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  11. 前記変形評価部は、前記ロボットハンドが前記対象物に対して把持力を印加してから一定時間後の把持力を除荷した後の前記形状変形情報を出力し、
    前記把持安定性計算部は、前記対象物の元の形状の曲率と前記対象物の除荷した後の形状の曲率との差分量を求め、曲率の前記差分量と予め定めた変形許容値とを比較して評価する
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  12. 前記把持点生成部は、前記対象物の物体の輪郭の点群座標から前記対象物の輪郭の情報を取得し、前記対象物の把持点候補の組み合わせを前記対象物の輪郭の上から選択し、前記ロボットハンドが所定の把持力で前記対象物を把持した際の評価値を前記対象物の把持点候補の組み合わせ毎に求め、前記評価値に基づいて前記対象物を安定に把持する前記対象物の把持点候補の組み合わせを求める把持安定性計算部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  13. 前記把持点生成部は、複数の把持点候補を保存する結果データベースと、
    前記ロボットハンドが前記対象物に出力する第一の把持力を定義し、前記第一の把持力で把持されることが指定された第一の把持点候補を前記変形評価部に出力する把持点候補生成部を有し、
    前記把持安定性計算部は、前記第一の把持点候補に対する安定性評価結果を計算し、前記第一の把持点候補および前記安定性評価結果を前記結果データベースへ出力し、
    前記把持点候補生成部は、前記安定性評価結果に基づいて前記結果データベースに保存される前記第一の把持点候補から複数の把持点候補を抽出し、前記複数の把持点候補に対して第二の把持力を定義して、前記変形評価部に再度出力する
    ことを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  14. 前記把持点生成部は、前記把持安定性計算部から出力される結果データと実作業で得られる結果ラベルとを入力し、前記形状変形情報から前記対象物の把持点候補を出力する関係を学習する把持点候補学習部を有する
    ことを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  15. 前記把持点生成部は、前記対象物に作用する力と前記対象物の変位との関係をばね乗数とダンピング係数とを使ったモデルによりモデル化する物性モデル定義部を有し、
    前記物性モデル定義部は、前記対象物に時間によって変化する力を印加し、当該力に対して前記対象物の変形に基づく変位の時系列情報に基づいて設定した前記モデルのばね乗数とダンピング係数とを推定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  16. 前記把持点生成部は、前記対象物に作用する力と前記対象物の変位との関係をニューラルネットワークによりモデル化する物性モデル学習部を有し、
    前記物性モデル学習部は、前記対象物に時間によって変化する力を印加し、当該力に対して前記対象物の変形に基づく変位の時系列情報に基づいて設定したニューラルネットワークを学習する
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のロボット制御装置。
  17. 前記変形評価部は、把持前の前記対象物の形状情報として複数の離散点を更に出力し、
    前記把持安定性計算部は、前記複数の離散点の位置関係から、前記対象物の窪みを評価して窪み評価値とし、前記窪み評価値に基づいて前記把持点候補を出力することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のロボット制御装置。
  18. 対象物を把持するためにロボットおよび前記ロボットのロボットハンドを制御するロボット制御方法であって、
    前記ロボットハンドの把持動作によって前記対象物の形状が変形する際の形状変形情報を算出するステップと、
    前記形状変形情報と、前記対象物の変形後の幾何的な拘束条件とに基づいて前記対象物の把持点を決定し、前記ロボットハンドが把持する前記対象物の把持点を生成するステップとを含む
    ことを特徴とするロボット制御方法。
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