本開示を通して、「液滴」という用語は、本発明に従って提供されるなどの「エマルション液滴」を指し得る。
本開示を通して、「例」という用語は、本発明による実施形態を指し得る。
中間チャンバを除く、各流体導管ネットワークの容積は、0.05μL~2μL、例えば、0.1μL~1μL、例えば、0.2μL~0.6μL、例えば、およそ0.3μLとすることができる。
1つ以上の乳化ユニットは、8つの乳化ユニットなどの、複数の乳化ユニットを含み得る。1つ以上の容器群は、8つの容器群などの、複数の容器群を含み得る。マイクロ流体デバイスによって提供される乳化ユニットの数は、マイクロ流体デバイスによって提供される容器群の数に等しい。複数の乳化ユニットおよびマイクロ流体デバイスの対応する複数の容器群の提供などの、本発明の利点は、いくつかの試料の個々のおよび/または並列処理が容易になり得ることである。試料材料を含み得る第1の流体は、単純に「試料」と示され得る。エマルション液滴の提供のための、本発明によるマイクロ流体デバイス、または本発明によるキットのうちのいずれかの使用を含む、エマルション液滴を提供するための本発明による方法を使用する利点は、複数の液滴エマルションの同時および並列生成が達成され得、時間の使用および/または操作を低減することを含み得る。本発明による方法を使用することの代替または追加の利点は、方法を使用して生成された並列試料が、より均質であり得ることを含み得、このことは、並列試料からより比較可能な結果物を結果的にもたらし得る。
第1の流体が第1の流体接合部に提供される前に、第2の流体が第1の流体接合部に提供されることが望ましい場合がある。これは、第1の流体接合部に提供される第1の流体の第1の部分でさえ乳化され得ることを容易にするためである。全ての第1の流体(試料)が乳化されることが望ましい場合がある。
少なくとも第1の流体接合部、および第1の流体接合部の直後に続く移送導管の部分は、マイクロ流体/乳化部分または区分と呼ばれ得る。
中間チャンバは、二次供給容器に提供される第1の流体の意図される量などの、一度に二次供給容器に提供される第1の流体の量よりも大きい容積を有することが望ましい場合がある。
中間チャンバは、一次供給導管の一部を形成し得る。一次供給導管は、中間チャンバと第1の流体接合部との間に提供され得る。一次供給導管は、圧力差が二次供給容器と収集容器との間に適用されてから、第1の流体が第1の流体接合部に到達するまでに掛かる時間を延長するように構成され得る。これは、第2の流体が第1の流体の前に第1の流体接合部に到達することを容易にし得、結果的に、第1の流体の全てが第2の流体中に乳化されることを結果的にもたらし得る。
一次供給導管は、二次供給導管の容積よりも大きい容積を備え得る。一次供給導管の容積は、0.05μL~1μL、例えば、0.1~0.5μLとすることができる。
各流体導管ネットワークは、一次供給導管の流体抵抗が二次供給導管の流体抵抗よりも大きくなるように構成され得る。
第1の流体の処理は、第1の流体の乳化を指し得る。
中間チャンバの容積が、一度に処理される第1の流体の量の上限を画定し得るため、中間チャンバは、少なくとも一定サイズの容積を有することが望ましい場合がある。中間チャンバは、例えば、少なくとも2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、10μL、15μL、20μL、50μL、または100μLの容積を有し得る。しかしながら、中間チャンバに最大で一定サイズの容積を提供する数個の理由が存在し得る。中間チャンバは、例えば、最大で1mL、500μL、400μL、200μL、または100μLの容積を有し得る。
例えば、特に乳化区分などのマイクロ流体デバイスの製造の容易化のために、各中間チャンバが、「中間チャンバ層」と示され得る、共通層内に提供されることが望ましい場合がある。そのような中間チャンバ層は、第3の直交軸に沿うよりも2つの直交軸に沿ってより長い広がりを有し得る。
中間チャンバの長さは、意図される流れ方向に沿った広がりとして画定され得る。中間チャンバの幅および深さは、それぞれ、互いに直交し、中間チャンバの長さに直交して画定され得る。中間チャンバの深さは、中間チャンバ層の第3の軸に沿って画定され得る。
各中間チャンバは、少なくとも2mm、3mm、4mm、もしくは5mm、および/または最大で8mm、7mm、もしくは6mmの幅を有し得る。各中間チャンバの最大幅は、例えば、標準的なマルチチャネルピペット、例えば、9mmのノズル間隔を有する標準的なマルチチャネルピペットとの使用のために構成されている複数の試料ラインを有するマイクロ流体デバイスに関連し得る。
各中間チャンバは、少なくとも0.02mm、0.05mm、0.1mm、0.25mm、0.5mm、もしくは0.7mm、および/または最大で2mm、1.5mm、1mm、もしくは0.7mmの深さを有し得る。
各中間チャンバは、少なくとも5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、もしくは20mm、および/または最大で150mm、120mm、100mm、80mm、もしくは50mmの長手方向の広がりを有し得る。
各中間チャンバは、少なくとも0.1mm2、0.2mm2、0.25mm2、0.5mm2、1mm2、もしくは2mm2、および/または最大で4mm2の長手方向の広がりに対して直交する断面積を有し得る。
各中間チャンバは、0.1mm~1mmの深さ、3mm~8mmの幅、および5mm~25mmの長さとすることができる。
各中間チャンバは、0.25mm~0.8mmの深さ、4mm~7mmの幅、および7mm~15mmの長さとすることができる。
各中間チャンバは、丸みを帯びた角部および/または傾斜した側壁を有し得る。
中間チャンバの提供は、例えば、より構造的に複雑な溶液と比較して、マイクロ流体デバイスの生産を単純化し得る。
各乳化ユニットの中間チャンバは、複数の中間チャンバを含み得る。複数の中間チャンバは、並列に提供され得る。複数の中間チャンバの各中間チャンバは、少なくとも5mm、6mm、8mm、10mm、15mm、もしくは20mm、および/または最大で150mm、120mm、100mm、80mm、もしくは50mmの長手方向の広がりを有し得る。
複数の中間チャンバの各中間チャンバは、長手方向の広がりに対して直交する断面積を画定し得、複数の中間チャンバの集計された断面積は、少なくとも0.1mm2、0.2mm2、0.25mm2、0.5mm2、1mm2、もしくは2mm2、および/または最大で4mm2である。
各容器群の二次供給容器は、平坦な底部分などの底部分を含み得る。底部分は、一次オリフィスおよび二次オリフィスを有し得る。一次オリフィスは、二次供給容器と、対応する乳化ユニットの中間チャンバとの間の流体連通を提供し得る。二次オリフィスは、二次供給容器と二次供給導管との間の流体連通を提供し得る。二次供給容器の一次オリフィスおよび二次オリフィスは、少なくとも2mm間隔、例えば、少なくとも3mm間隔、例えば、少なくとも5mm間隔で提供され得る。二次供給容器の一次オリフィスおよび二次オリフィスが可能な限り互いに離れて提供されることが望ましい場合がある。したがって、二次供給容器の底部分の幅は、二次供給容器の一次オリフィスおよび二次オリフィスの可能な分離を決定し得る。二次供給容器の底部の幅は、例えば、直径7mmとすることができる。
本発明によるマイクロ流体デバイスは、ベースマイクロ流体片およびベース容器構造片を備え得る。ベースマイクロ流体片およびベース容器構造片は、同じ材料、例えば、PMMAで提供され得る。
ベースマイクロ流体片を含むなどの乳化区分の少なくとも一部は、PMMAと略される、ポリ(メチルメタクリレート)を含むか、またはそれから作製されるか、またはそれで提供され得る。ベース容器構造片を含むなどの、容器区分の少なくとも一部は、PMMAを含むか、それから作製されるか、またはそれで提供され得る。例えば、ベースマイクロ流体片およびベース容器構造片は、PMMAで提供され得る。
乳化区分の少なくとも一部および容器区分の少なくとも一部を同じ材料で提供することが望ましい場合がある。
PMMAは、プロトタイピングと、射出成形、レーザ切断、機械加工などの大量生産との両方に関連する多くの異なる方法を使用してパターン化され得るため、製作に有利な場合がある。
PMMAは、低いガラス転移温度を有するため、製作に有利な場合がある。したがって、PMMAは、低温で結合され得る。
PMMAは、可視スペクトル内で十分に透明であり、所望され得る、マイクロ流体デバイス内で進行中のプロセスの目視検査を可能にし得るため、有利な場合がある。
PMMAは、十分な耐UV性であり得るため、有利な場合がある。これは、例えば、直射日光下における保管、および/または生産中にUV硬化工程を必要とするコーティングと共に使用する場合に関連し得る。
ベースマイクロ流体片は、乳化区分のベース部分を形成し得る。ベースマイクロ流体片は、マイクロ流体デバイスの各流体導管ネットワークのベース部分を提供する複数の分岐凹部を有する第1の平坦表面を備え得る。
ベース容器構造片は、容器区分のベース部分を形成し得る。各容器の側壁は、ベース容器構造片の広がりを突き出すことによって形成することができる。ベース容器構造片は、例えば、成形されることによって、一体に形成され得る。ベース容器構造片は、ベースマイクロ流体片の第1の平坦表面に面する第2の平坦表面を形成し得る。マイクロ流体デバイスは、第1の平坦表面と第2の平坦表面との間に接着剤層を備え得る。これは、容器区分および乳化区分が固定的に接続されたユニットを形成すること、および/もしくは各流体導管ネットワークがベースマイクロ流体片とベース容器構造片との間のいかなる境界にもいかなる望ましくない漏れを有しないことを容易にし得る、ならびに/または耐圧接続を容易にし得る。第2の平坦表面は、乳化区分の一部を形成し得る。第2の平坦表面は、マイクロ流体デバイスの各流体導管ネットワークのキャッピング部分を提供し得る。
各流体導管ネットワークの1つ以上の部分または全ては、鋭角台形断面を形成し得、より長いベース縁が、キャッピング部分によって提供される。鋭角台形断面は、等脚台形断面を形成し得、等しい長さの側壁は、平行なベース縁のいずれかの法線に対して少なくとも5度および/または最大で20度の先細りを有し得る。
各中間チャンバの大部分は、マイクロ流体デバイスの底部分から所望の距離で提供され得る。この所望の距離は、中間チャンバの大部分とマイクロ流体デバイスの底部分との間の任意の材料が5mm未満、例えば、2mm未満、例えば、1mm未満であるような距離であり得る。
各中間チャンバの大部分は、マイクロ流体デバイスの底部分から4mm以内、例えば、2mm以内に提供され得る。
マイクロ流体デバイスは、熱表面に最も近いマイクロ流体デバイスの一部を冷却することなどによって、マイクロ流体デバイスとの熱伝達を提供し得る熱表面上に配置および/または熱表面と連結されるように構成され得る。乳化区分の底部分などのマイクロ流体デバイスの底部分は、平坦であり得る。乳化区分の底部分は、容器区分から最も遠い部分、および/または離れて面する部分であり得る。マイクロ流体デバイスの平坦な底部分は、平坦な熱表面上に配置され得る。第1の流体、例えば、試料を含む水性流体は、中間チャンバ内に注入され得る。低温の熱表面は、例えば、感熱性であり得る試料を含む、第1の流体への熱伝達を提供し得る。したがって、反応は、第1の流体が乳化されるまで、防止または妨害され得る。マイクロ流体デバイス全体が冷却されると、第2の流体、例えば、油もまた冷却され、より粘性になり、その流量が減少または完全に停止し、第1の流体の乳化を妨げるかまたは困難にすることになる。
本発明の利点は、エマルションの形成前にマイクロ流体デバイスによって収容される流体に対して起こり得る、いくつかの反応の容易化または阻害であり得る。例えば、マイクロ流体デバイスと共に使用される異なる流体が、例えば、少なくとも、流体のエマルションがデバイスによって提供されるまで、異なる温度に保たれることが望ましい場合がある。例えば、試料を含むなどの水ベースの流体などの第1の流体は、油ベースの流体などの第2の流体よりも低い温度に保たれることが望ましい場合がある。第1の流体は、感熱性試料を含み得る。試料内の反応が、エマルションの形成前に発生することが望ましくない可能性がある熱によってトリガーされ得る、および/または強調され得るため、試料は、例えば、感熱性であり得る。第2の流体が第1の流体よりも高い温度を有することが望ましい場合があり得、例えば、第2の流体は、例えば、油の粘度が低下した温度で増加し得るため、およそ20°Cなどの室温であることが望ましい場合があり、これは、油がマイクロ流体デバイスのそれぞれの流体導管ネットワークを通って流れることを防止するか、もしくは妨害し得る、および/または流体導管ネットワークを通して油を送り込むために、より高い適用される圧力などの、より高い力を必要とし得る。本発明によるマイクロ流体デバイスは、特に本発明による二次供給容器と組み合わせた中間チャンバの提供によって、上述のいくつかまたは全てを容易にし得る。
二次供給容器に提供される一次供給導管の一部は、「一次供給入口」と示され得る。
二次供給容器に提供される二次供給導管の一部は、「二次供給入口」と示され得る。
収集容器に提供される流体導管ネットワークの一部は、「収集出口」と示され得る。
本発明によるマイクロ流体デバイスは、ダブルエマルションなどの、多重エマルションの提供のために構成されてもよい。各流体導管ネットワークの複数の供給導管は、三次供給導管を含み得る。各乳化ユニットは、収集導管および第2の流体接合部を備え得る。各乳化ユニットの第2の流体接合部は、三次供給導管、移送導管、および収集導管の間の対応する流体導管ネットワーク内の流体連通を提供し得る。各流体導管ネットワークの移送導管は、第1の水に対する親和性を有し、かつ対応する第1の流体接合部から延在する、第1の移送導管部分を備え得る。各流体導管ネットワークの収集導管は、対応する第2の流体接合部から延在し、かつ第1の水に対する親和性とは異なる第2の水に対する親和性を有する、第1の収集導管部分を備え得る。各容器群の1つ以上の供給容器は、対応する乳化ユニットの三次供給導管と流体連通している三次供給容器を含み得る。収集容器は、対応する乳化ユニットの収集導管を介して、対応する乳化ユニットの移送導管と流体連通し得る。
第1の水に対する親和性を有する第1の移送導管部分、および第1の水に対する親和性とは異なる第2の水に対する親和性を有する第1の収集導管部分の提供などの、本発明の利点は、ダブルエマルション液滴が1つの乳化ユニット内で生成され得ることを含み得る。これは、結果的に、より均一な、および/または単分散の液滴をもたらし得る。先行技術の解決策に従って提供され得るように、異なる表面特性を有する2つの個々のマイクロ流体部を接続することは、液滴間の不等間隔を有する液滴の流れを結果的にもたらし得、これは、多分散液滴の生成を結果的にもたらし得る。
室温で有意な活性を有する酵素が、本明細書で有利に使用および/または提供され得る。低温熱表面への接触は、酵素を含有する第1の流体との熱伝達を提供し、それによって、第1の流体が乳化されるまで反応を妨害し得る。本発明による酵素は、Phi29などの、多重置換増幅ポリメラーゼなどのポリメラーゼ、リガーゼ、またはCas9などの制限酵素から構成されるか、またはそれらを含み得る。
エマルション液滴を提供するための本発明による方法は、本発明によるマイクロ流体デバイスの使用を含み得る。方法は、第1の容器群の二次供給容器に第1の流体を提供することと、その後、第1の容器群の二次供給容器に第2の流体を提供することと、その後、第1の容器群の二次供給容器内の圧力が、第1の容器群の収集容器内の圧力よりも高くなるように、第1の容器群の二次供給容器と第1の容器群の収集容器との間に圧力差を提供することと、を含み得る。
したがって、第1の容器群の二次供給容器と第1の容器群の収集容器との間の圧力差は、
対応するマイクロ流体ユニットの中間チャンバから対応する第1の流体接合部への第1の流体の一次流を提供し、第1の容器群の二次供給容器から二次供給導管を介して第1の流体接合部への第2の流体の二次流を提供し得る。
一次流および二次流は、移送導管を介して収集容器に第1の流体および第2の流体の収集流を提供し得る。
本発明の利点は、1つ以上の供給容器と収集容器との間の圧力差の適用が、本発明によるマイクロ流体デバイスよりも、例えば、各試料ライン毎に、より多くの容器を有する先行技術のマイクロ流体デバイスと比較して、より単純および/またはより容易であり得ることであり得る。
各流体導管ネットワークは、複数の供給導管と、移送導管と、収集導管と、第1の流体接合部と、第2の流体接合部と、を備え得る。複数の供給導管は、一次供給導管、二次供給導管、および三次供給導管を含み得る。移送導管は、第1の水に対する親和性を有する第1の移送導管部分を備え得る。収集導管は、第1の水に対する親和性とは異なる第2の水に対する親和性を有する第1の収集導管部分を備え得る。第1の流体接合部は、一次供給導管、二次供給導管、および移送導管の間の流体連通を提供し得る。第1の移送導管部分は、第1の流体接合部から延在し得る。第2の流体接合部は、三次供給導管、移送導管、および収集導管の間の流体連通を提供し得る。第1の収集導管部分は、第2の流体接合部から延在し得る。
各容器群は、収集容器および複数の供給容器を含む、複数の容器を含み得る。複数の供給容器は、二次供給容器および三次供給容器を含み得る。容器区分および乳化区分は、互いに固定的に接続され得る。各容器群は、それぞれの対応する乳化ユニットに固定的に接続され得る。
各容器群の収集容器は、対応する乳化ユニットの収集導管と流体連通し得る。したがって、収集導管は、収集容器と第2の流体接合部との間の流体連通を提供し得る。
各容器群の二次供給容器は、対応する乳化ユニットの一次供給導管と流体連通し得る。したがって、一次供給導管は、二次供給容器と第1の流体接合部との間の流体連通を提供し得る。
各容器群の三次供給容器は、対応する乳化ユニットの三次供給導管と流体連通し得る。したがって、三次供給導管は、三次供給容器と第2の流体接合部との間の流体連通を提供し得る。
各容器群の二次供給容器は、対応する乳化ユニットの二次供給導管と流体連通し得る。したがって、二次供給導管は、1つの供給容器と第1の流体接合部との間の流体連通を提供し得る。
本発明によるマイクロ流体デバイスは、「カートリッジ」または「マイクロ流体カートリッジ」と示され得る。複数の乳化ユニットを含むマイクロ流体デバイスの第1の部分は、「乳化区分」と示され得る。複数の容器群を含む、マイクロ流体デバイスの第2の部分は、「ウェル区分」と示され得る。マイクロ流体デバイスの第2の部分は、マイクロ流体デバイスの第1の部分とは異なり得、マイクロ流体デバイスの第1の部分を含まなくてもよい。乳化区分および/または乳化ユニットは、「チップ」、「マイクロチップ」、または「マイクロ流体チップ」と示され得る。
ベースマイクロ流体片は、成形されるなど、射出成形を介して提供されるなど、一体に形成され得る。ベースマイクロ流体片は、乳化区分の一部を形成し得る。ベースマイクロ流体片は、マイクロ流体デバイスの各乳化ユニットを含み得る。
ベース容器構造片は、成形されるなど、射出成形を介して提供されるなど、一体に形成され得る。ベース容器構造片は、容器区分の一部を形成し得る。ベース容器構造片は、マイクロ流体デバイスの各容器を含み得る。
乳化区分および容器区分は、互いに固定的に接続され得る。
各乳化ユニットは、対応する容器群の個々の容器間に流体接続を形成し得る。容器群および乳化ユニットは、それらの間に流体接続が提供される場合、「対応する」と示され得る。複数の容器群の各容器群は、複数の乳化ユニットのそれぞれの対応する乳化ユニットと組み合わせて機能ユニットの一部を形成し得る。そのような機能ユニットは、「液滴生成ユニット」および/または「試料ライン」と示され得る。試料ラインは、いかなる液体の共有も防止されるように、互いに隔離され得る。
複数の試料ラインの提供は、いくつかの試料の個々のおよび/または並列処理を容易にし得る。
マイクロ流体デバイスは、単回使用を意図され得、すなわち、各試料ラインは、一度だけ使用されることを意図され得る。これは、低汚染リスクの結果物を提供し得る。
「マイクロ流体」という用語は、それぞれのデバイス/ユニットの少なくとも一部が、1mm未満である、幅および/もしくは高さなどの少なくとも1つの寸法、ならびに/または1mm2未満の断面積を有するなどの、マイクロスケールの1つ以上の流体導管を備えることを意味する。導管、開口部、または接合部などの流体導管ネットワークの少なくとも一部の高さまたは幅などの最小寸法は、500μm未満、例えば、200μm未満とすることができる。
「マイクロ流体」という用語は、それぞれの部分の体積が比較的小さいことを意味し得る。いかなる中間チャンバも除く、各流体導管ネットワークの容積は、0.05μL~2μL、例えば、0.1μL~1μL、例えば、0.2μL~0.6μL、例えば、およそ0.3μLとすることができる。
本発明のデバイスの流体導管ネットワークによって提供され得るなどの、マイクロスケールにおける流体の挙動は、システムを支配し始め得る、表面張力、エネルギー散逸、および/または流体抵抗などの因子の「マクロ流体」挙動とは異なり得る。移送導管などの本発明による導管がおよそ100nm~500μmの直径、高さ、および/または幅を有するときなどの小規模では、レイノルズ数が非常に低くなり得る。ここでの重要な結果は、流れが乱流ではなく層流になり得るため、並流流体が必ずしもマクロスケールで混合するとは限らないことであり得る。その結果、2つの非混和流体、例えば、水性相などの第1の流体と、例えば、油相などの第2の流体が、接合部で交わるとき、平行な層流が結果的に生じ得、これは、単分散液滴の安定した生成を再び結果的にもたらし得る。より大きい規模では、非混和液体が接合部で混合し得、多分散液滴を結果的にもたらし得る。
本発明によるマイクロ流体デバイスは、ダブルエマルション液滴の提供のために構成され得る。ダブルエマルション液滴は、内側の分散相が非混和相によって取り囲まれ、非混和相が再び連続相によって取り囲まれる、液滴を指し得る。内側分散相は、1つの液滴を含む、および/またはそれから構成され得る。内相は、塩、ヌクレオチド、および酵素が溶解され得るか、または溶解される、水性相であり得る。非混和相は、油相であり得る。連続相は、水性相であり得る。
本発明によるマイクロ流体デバイスの一実施形態は、トリプルエマルション、クアドラプルエマルション、またはより多重のエマルションのために構成されてもよい。
マイクロ流体デバイスは、上側および下側を備え得る。上側は、例えば、ピペットによって、各容器にアクセスするように構成され得る。
複数の乳化ユニットは、8つの乳化ユニットを含む、および/またはそれらから構成され得る。正確に8つのユニットの提供の利点は、8チャネルピペットなどの最先端の設備の使用の容易化であり得る。
各乳化ユニットの下部分および/または上部分は、ベースマイクロ流体片によって提供され得る。
流体導管ネットワークは、第1の流体接合部および第2の流体接合部を含む接合部で交差する導管のネットワークを形成し得る。
流体導管ネットワークの任意の1つ以上の導管は、実質的に均一な直径を有するチャネルなどの1つ以上の部分を備え得る。
流体導管ネットワークの任意の部分の直径は、流体導管ネットワークの幅および/または高さおよび/または任意の他の断面寸法を指し得る。
流体導管ネットワークは、様々な直径を有する導管を備え得る。比較的高い直径を有する流体導管ネットワークの部分は、比較的低い抵抗における液体の輸送を提供し得、より高い体積流量を結果的にもたらす。比較的小さい直径を有する流体導管ネットワークの部分は、生成された液滴の所望のサイズの提供を可能にし得る。
流体導管ネットワーク導管などの流体導管ネットワークの一部の断面積は、例えば、それぞれの導管の1つ以上の壁、または、例えば、それぞれの導管の少なくとも1つの壁部に直交して画定される断面の面積を指し得る。
流体導管ネットワークは、様々な断面積を有する導管を備え得る。比較的大きい断面積を有する流体導管ネットワークの部分は、例えば、導管の対向する端における異なる圧力の適用で、比較的低い抵抗における液体の輸送を提供し得、より高い体積流量を結果的にもたらす。比較的小さい断面積を有する流体導管ネットワークの部分は、生成された液滴の所望のサイズの提供を可能にし得る。
第1の移送導管部分は、150~300μm2の断面積を有し得、第1の収集導管部分は、200~400μm2の断面積を有し得る。これは、生成された液滴が10~25μmの内側液滴の直径、および18~30μmの内側液滴プラスシェル層の総外径を有することを容易にし得る。
流体導管ネットワークは、ノズルおよび/またはチャンバを備え得る。ノズルは、ノズルの両側の導管よりも小さい断面積の導管内の収縮部を備え得る。ノズルは、導管断面積から別様に予想され得るよりも小さいサイズの液滴の生成を容易にし得る。これは、結果的に、より低い抵抗を伴うより大きい断面積を有する導管の使用を可能にし得る。チャンバは、液体を遅延させるために、または乳化ユニット内に液体を一時的に貯蔵するために、ある量の液体を保持するように設計された乳化ユニット内のエリアであり得る。そのようなチャンバは、他の導管と比較して1つ以上の導管からの液体を遅延させ得、それぞれの接合部における液体の正しいタイミングを確保し得るため、有利であり得る。
乳化ユニットの供給導管は、一次供給導管、二次供給導管、および三次供給導管のうちのいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
乳化ユニットの供給入口は、一次供給入口、二次供給入口、および三次供給入口のうちのいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
乳化ユニットの供給開口部は、一次供給開口部、二次供給開口部、および三次供給開口部のうちのいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
乳化ユニットの導管は、移送導管、収集導管、一次供給導管、二次供給導管、および三次供給導管のうちのいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
乳化ユニットの導管の開口部は、第1の移送開口部、第2の移送開口部、収集開口部、一次供給開口部、二次供給開口部、および三次供給開口部のうちのいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
第1の流体接合部および/または第2の流体接合部は、「流体接合部」と示され得る。各流体接合部は、導管の複数の開口部によって画定され得、これらの導管は、互いに交差するか、または交わるとみなされ得る。
各流体接合部は、流体を接合部内に導くための複数の開口部と、流体を接合部から外に導くための1つの開口部と、を備え得る。
各流体接合部は、2つ以上の導管からの非混和流体が直接流体接触して相互作用するようになることを可能にし得る。したがって、交互の液体部分の流れが提供され得る。比較的狭い導管内にある間、液滴は、長方形であり得る。
ダブルエマルション液滴を含む液滴の形成は、第2の流体接合部から始まって開始され得、接合部を出る流体の方向、すなわち、収集導管に沿って、接合部内または接合部の後に完了され得る。
第1の移送導管部分は、第1の液体から形成された液滴が第2の液体と非混和性である、移送導管の一部であり得る。第1の移送導管部分は、第1の移送導管部分内の液滴の形成および/または耐久性を可能にする第1の水に対する親和性を有し得る。水に対するこの第1の親和性は、フッ化炭素油などの油内における水滴の形成を可能にする疎水性に対応し得る。
水に対する親和性は、水に対する濡れ性として知られ得る。水に対する高い親和性は、水に対する高い濡れ性を指し得る。水に対する低い親和性、または水に対する親和性の欠如は、水に対する低い濡れ性を指し得る。
第1の収集導管部分は、ダブルエマルション液滴を含むエマルションが形成される収集導管の一部であり得る。第1の収集導管部分は、第1の収集導管部分内のダブルエマルション液滴の形成および/または耐久性を可能にする第2の水に対する親和性を有し得る。水に対するこの第2の親和性は、連続水性相中の油シェルによって取り囲まれた水滴の形成を可能にする親水性に対応し得る。
二次供給導管は、第2の二次供給導管を含み得る。そのような第2の二次供給導管は、二次供給入口から第2の二次供給開口部まで延在し得る。第1の流体接合部の第1の複数の開口部は、第2の二次供給開口部を含み得る。本明細書の提供は、第1の接合部で1つよりも多い側部からピンチングすることによって液滴の生成を改善し得る。
したがって、第1の流体への第2の流体のピンチングは、第1の流体接合部から、第1の二次供給導管および第2の二次供給導管の組み合わせによって実施され得、第1の二次供給導管および第2の二次供給導管は、両方、二次供給容器と第1の供給導管との間に延在し得る。
第1の二次供給導管および第2の二次供給導管などの、任意のピンチング部分は、それぞれの流体、例えば、第2の流体に対して同じ流体抵抗を有するように構成され得る。これは、それぞれの流体接合部内およびその後の均一な効果を容易にするためであり得る。任意のピンチング部は、それぞれの流体、例えば、第2の流体が、それぞれの流体接合部、例えば、第1の流体接合部に、同時に到達することになることを容易にするために、同じ容積を有するように構成され得る。したがって、第1の流体および第2の流体の混合物への第3の流体のピンチングは、第2の流体接合部から、第1の三次供給導管および第2の三次供給導管の組み合わせによって実施され得、第1の三次供給導管および第2の三次供給導管は、両方、三次供給容器と第2の供給導管との間に延在し得る。
三次供給導管は、第2の三次供給導管を含み得る。そのような第2の三次供給導管は、三次供給入口から第2の三次供給開口部まで延在し得る。第2の流体接合部の第2の複数の開口部は、第2の三次供給開口部を含み得る。本明細書の提供は、第2の接合部で1つよりも多い複数の側部からピンチングすることによって液滴の生成を改善し得る。
第1の移送導管部分は、第2の移送開口部まで延在し得る。あるいは、移送導管は、例えば、第1の移送導管部分の第2の端から延在する、第2の移送導管部分を含み得、第2の端は、第1の移送開口部の反対側にあり得、例えば、第2の移送開口部まで延在する。そのような第2の移送導管部分は、第1の水に対する親和性とは異なる水に対する親和性を有し得る。
1つ以上の実施形態について、移送導管の一部および/または収集導管の一部は、流体のさらなる供給を有し得る。
第1の収集導管部分は、収集出口まで延在し得る。
第1の移送導管部分は、油担体流体中の水滴の形成が起こり得る、流体流の意図された方向に沿った第1の流体接合部の直後の第1のゾーンを指し得る。
第1の収集導管部分は、水性担体流体中の油シェルによって取り囲まれたダブルエマルション水滴の形成が起こり得る、流体流の意図された方向の第2の流体接合部の直後の第2のゾーンを指し得る。
第2の流体中で乳化された第1の流体のシングルエマルションの形成は、第1の接合部で開始され得、第1の移送導管部分内で継続され得る。したがって、第1の移送導管部分の後、第1の流体は、分散相にあり得、これに対して、第2の流体は、連続相にある。ダブルエマルションの形成は、第2の接合部で開始され得、第1の収集導管部分内で継続され得る。したがって、第1の収集導管部分の後、第3の流体は、連続相にあり得、第2の流体を乳化し得、第1の流体の周囲にシェル層を形成し得る。
第1の水に対する親和性は、水に対する親和性の欠如を有する、すなわち、疎水性であるなどとして、定義され得る。第1の水に対する親和性は、60°超、例えば、65°超、例えば、70°超、例えば、90°超の水に対する接触角を有する表面を表し得る。より高い接触角は、液滴、すなわち、シングルエマルションの油中水滴などの、より安定した供給を提供し得る。これは、結果的に、より広い範囲の圧力が利用されること、および/または所望の寸法に従って提供されるダブルエマルション液滴のより高いパーセンテージを可能にし得る。
接触角は、Yuan Y.,Lee T.R.(2013)Contact Angle and Wetting Properties.In:Bracco G.,Holst B.(eds)Surface Science Techniques.Springer Series in Surface Sciences,vol 51.Springer,Berlin,Heidelbergに説明されるように表面上で測定され得る。導管などの閉鎖容積内の接触角は、Tan,Say Hwa et al.Oxygen Plasma Treatment for Reducing Hydrophobicity of a Sealed Polydimethylsiloxane Microchannel.Biomicrofluidics 4.3(2010):032204.PMCに説明されるように測定され得る。
第1の水に対する親和性は、水に対する強い親和性を有する、すなわち、親水性であるなどとして、定義され得る。第2の水に対する親和性は、60°未満、例えば、55°未満、例えば、50°未満、例えば、40°未満、例えば、30°未満の水に対する接触角を有する表面を説明し得る。より低い接触角は、ダブルエマルション液滴、すなわち、水中油中水ダブルエマルション液滴のより安定した供給を提供し得る。これは、結果的に、より広い範囲の圧力が利用されること、および/または所望の寸法に従って提供されるダブルエマルション液滴のより高いパーセンテージを可能にし得る。
水に対する別の親和性と異なる水に対する1つの親和性を有することは、水に対する反対の親和性、または高親和性対低親和性などの反対に定義された親和性を有することとして理解され得る。例えば、第1の水に対する親和性が疎水性である場合、第2の水に対する親和性は、親水性であり得、逆も可である。
第1の水に対する親和性の提供は、例えば、PMMA(ポリ(メチルメタクリレート))、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、TOPASも含むCOC環状オレフィンコポリマー(COC)、ZEONOR(登録商標)を含むCOP環状オレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびネガティブフォトレジストSU-8などのポリマーによって提供され得る。
第1の水に対する親和性の提供は、代替的に、または追加的に、シリコン化、シラン化、またはアモルファスフルオロポリマーによるコーティングを使用する処理などの、例えば、表面を疎水性にする方法を使用して処理されるガラスなどの材料によって提供され得る。
第1の水に対する親和性の提供は、代替的に、または追加的に、Aquapel、ソルゲルコーティングの層を適用することによって、またはガス状コーティング材料の薄膜の堆積によって、表面を疎水性にするために表面をコーティングすることによって提供され得る
第2の水に対する親和性の提供は、例えば、ガラス、シリコン、または親水性を提供する他の材料を含む材料によって提供され得る。
第2の水に対する親和性の提供は、代替的、または追加的に、酸素プラズマ処理、UV照射、UV/オゾン処理、ポリマーのUVグラフト、二酸化ケイ素(SiO2)の堆積、化学蒸着(CVD)またはプラズマ化学気相成長(PECVD)による二酸化ケイ素などの薄膜の堆積を使用して表面を改質することによって提供され得る。
任意の供給容器または収集容器は、「ウェル」と呼ばれ得る。「ウェル」という用語は、収集容器、二次供給容器、および三次供給容器のいずれか1つ、複数、または全てを指し得る。
ウェルまたは容器は、水性試料、油、緩衝液、またはエマルションなどの液体を受け入れて収容するために好適な構造であり得る。
ウェルは、1つ以上の開口部を有し得る。1つの開口部は、例えば、ピペットを使用した上部装填/抽出によって、ウェルに液体を提供するか、またはウェルから液体を抽出するために構成され得る。別の開口部は、圧力差を受けたときなど、それぞれのウェルによって保持された液体がウェルを、例えば、能動的に出ることを可能にし得る。
二次供給容器は、試料緩衝液などの第1の流体を保持するように構成され得る。二次供給容器によって保持された流体は、対応する乳化ユニットによって、対応する収集容器に向かってガイドされ得る。
三次供給容器は、緩衝液などの第3の流体を保持するように構成され得る。三次供給容器によって保持された流体は、対応する乳化ユニットによって、対応する収集容器に向かってガイドされ得る。
二次供給容器は、対応する乳化ユニットの二次供給入口と流体連通している。二次供給容器は、油などの第2の流体を保持するように構成される。二次供給容器によって保持された流体は、対応する乳化ユニットによって、対応する収集容器に向かってガイドされ得る。
収集容器は、供給容器から流体を収集するように構成され得る。この流体は、使用中に本発明によるデバイスによって提供されるダブルエマルション液滴を含み得る。ダブルエマルション液滴は、緩衝液などの連続流体中に懸濁され得る。
二次供給容器は、第1の供給量を収容するように構成され得る。三次供給容器は、第3の供給量を収容するように構成され得る。収集容器は、収集量を収容するように構成され得る。収集量は、第1の供給量、第2の供給量、および第3の供給量などの、対応する供給容器によって収容される量の合計よりも大きくてもよく、例えば、少なくとも5%大きくてもよい。
第1の供給量は、例えば、100~500μL、例えば、200~400μLとすることができる。
第3の供給量は、例えば、150~800μL、例えば、300~500μLとすることができる。
収集量は、例えば、250~1000μL、例えば、400~800μLとすることができる。
本発明によるデバイスの使用中に、液体は、供給容器の各々から収集容器に移送され得る。
収集容器によって収容される液体は、ピペットを使用して収集され得る。ピペットの先端が、液体を収集するために収集容器内に挿入されたとき、液体は、ピペット先端によって変位され得る。したがって、供給容器によって収容される量の合計よりも大きい収集量を有することは、この収集中に収集容器からの液体のオーバーフローを防止し得る。
第1の供給容器の底部分は、丸みを帯びてもよい。これは、圧力が容器に適用されたときに、対応する乳化ユニット内への第1の供給容器によって収容された第1の液体の本質的に完全に入ることを確保するためであり得る。第1の液体が試料を含有し得るため、全てのまたは本質的に全ての第1の液体が利用されることが有利であり得る。
容器、例えば、各容器群の各供給容器または各容器は、例えば、行および列などのグリッドで提供され得、隣接する容器間の間隔は、2つの直交する方向に沿って同じであり得る。
容器、例えば、各容器群の各供給容器または各容器は、生体分子スクリーニング学会に代わって米国規格協会によって発行されたものとして定義されるなどの、標準的な容器プレートレイアウトで提供され得る。したがって、2つの直交する方向のいずれかにおける隣接する容器の中心間の距離は、9mmであり得る。
隣接する乳化ユニットの第1の供給容器の中心間の距離は、9mmであり得る。
容器は、例えば、上部に丸い開口部を有する円筒などの、任意の好適な形状を有し得る。容器は、容器の底部に向かって先細りになり得る、すなわち、底部よりも上部により大きい開口部を有する。先細りの容器または容器の先細りの底部の利点は、操作中に液体の完全な回収を確実にすることであり得る。上部の容器の開口部は、標準的なマイクロピペットを使用して液体を分注および除去するために好適なサイズを有し得る。
各容器の上部は、同じ高さにあり得る。これは、それぞれの容器からの流体の供給/抽出を容易にし得る。
収集容器の底部は、収集出口よりも低い高さで提供され得る。この利点は、流体導管ネットワーク内のダブルエマルション液滴の逆流を防止するために、ダブルエマルション液滴が、流体導管ネットワークから隔離され得る収集容器の一部の中に、流体導管ネットワークから移動され得ることであり得る。したがって、低液滴損失が提供され得る。収集容器の下部、例えば、底部分の容積は、少なくとも200μLであり得る。
各容器群の下部および/または上部は、ベース容器構造片によって提供され得る。
ベース容器構造片の上部は、実質的に平坦なガスケットを収容し得る。
ガスケットは、別個の部分であり得、ベース容器構造片は、ガスケットの可逆的固定を可能にする特徴/突起を有し得る。突起は、任意の好適な形状およびサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、各列は、一組の突起を有し得る。本明細書の利点は、一度に単一または定義された数の列のみが開放され得ることであり得る。
一組の突起は、1つ、対、またはそれ超などの任意の数の突起によって構成され得る。一対の突起は、2つの同一の構造、またはフックおよびピンなどの2つの異なる構造を含み得る。一対の突起を使用することの利点は、例えば、出口容器のみの開口を可能にすることであり得る。
「固定的に接続される」とは、例えば、1つ以上の追加の構造を介して、例えば、1つ以上のインターフェース構造を介して、および/またはベースマイクロ流体片に固定されたか、もしくはその一部を形成するキャッピング片を介して接続されることを含み得る。
ベース容器構造片およびベースマイクロ流体片は、例えば、ねじなどの1つ以上の取り付け要素を使用して、および/またはクランプ構造によってクランプされることによって、互いに固定的に接続され得る。
互いに固定的に接続されたベース容器構造片およびベースマイクロ流体片を有する利点は、マイクロ流体デバイスがユーザによって単一片として取り扱われ得る。
マイクロ流体デバイスは、ベースマイクロ流体片、またはベースマイクロ流体片を含むか、もしくはそれに連結された構造などの、複数の乳化ユニットを、ベース容器構造片などの複数の容器群に連結するように構成された1つ以上のインターフェース構造を備え得る。そのような1つ以上のインターフェース構造は、それぞれの容器の各々と、対応する乳化ユニットの対応する入口/出口との間に気密および液密連結を提供し得る。
1つ以上のインターフェース構造は、ベース容器構造片などの、複数の乳化ユニットまたは複数の容器群の一部を形成し得る。
1つ以上のインターフェース構造は、エラストマー材料の平坦なシートなどのガスケットの形態で提供され得る。ガスケットは、流体接続の提供のために、例えば、直径0.2~1mmの連結穿孔を有し得る。容器と、対応する乳化ユニットの対応する入口/出口との間の各流体接続毎に1つの連結穿孔が存在し得る。例えば、各容器群毎に4つの容器、および8つの乳化ユニット、したがって、8つの容器群の場合、4×8の連結穿孔が存在し得る。
1つ以上のインターフェース構造は、例えば、ベース容器構造片などの複数の容器群の一部を含むか、またはその一部を形成する、構造上に成形され得る。これは、カートリッジの組み立てを容易にし得る。
1つ以上のインターフェース構造は、エラストマー材料で作製され得、これは、液滴、例えば、油および緩衝液を生成する目的を有するデバイスの容器などのデバイスに適用される化学物質および試薬に対して耐性を有することが所望され得る。エラストマー材料は、例えば、天然ゴム、シリコン、エチレンプロピレンジエンモノマースチレン系ブロックコポリマー、オレフィンコポリマー、熱可塑性加硫物、熱可塑性ウレタン、コポリエステル、またはコポリアミドのいずれか1つ以上であり得るか、またはそれらを含み得る。
1つ以上のインターフェース構造は、ねじなどの取り付け要素がガスケットを通過することを可能にするための1つ以上の取り付け穿孔を備え得る。そのような1つ以上の取り付け穿孔は、直径が1~8mm、例えば、6mmとすることができる。
液滴は、意図される流れ方向の第1の流体接合部の後に提供される、第1の移送導管部分の断面積よりもわずかに大きい、液滴中心、すなわち、内側液滴における断面積を得る傾向があることが本発明者らによって観察されている。これは、液滴が、それぞれの導管内の流れに供されている間に伸長されるためであり得る。同様に、液滴が、意図される流れ方向の第2の流体接合部の後に提供される、第1の収集導管部分の断面積よりもわずかに大きい断面積、すなわち、内側液滴プラス外殻を得る傾向があることが本発明者らによって観察されている。
これよりも小さい液滴を得るために、ジェット気流が必要とされ得、これは、それぞれ、多くの第2の流体および/または第3の流体を必要とし、これは、望ましくない場合がある。緩衝液および油の量の必要性が低いデバイスおよび方法を提供することが利点であり得る。
したがって、それぞれ、第1の移送導管部分および第1の収集導管部分の意図される流れ方向に直交して画定された断面積は、関連し得る。各々は、それらのそれぞれの液滴中心を通して画定されるように、それぞれの液滴、すなわち、内側液滴および内側プラス外側液滴の所望の断面積よりも断面積がわずかに小さいことが望ましい場合がある。
各乳化ユニットの第1の移送導管部分および第1の収集導管部分は、それぞれの部分の提供時から少なくとも1か月の貯蔵の間、水に対するそれらのそれぞれの親和性を保持するように構成され得る。
水に対するそれぞれの親和性は、本明細書のそれぞれの接触角が、水に対するそれぞれの親和性について本開示で定義された限界値内に留まる場合、保持されているとみなされ得る。
水に対するそれぞれの親和性は、本明細書のそれぞれの接触角が下限未満から上限を超えるまで変化しない場合、またはその逆に変化しない場合、保持されているとみなされ得る。下限および上限は、60°など、等しくてもよい。下限は、例えば、55°または50°であり得る。上限は、例えば、65°または70°であり得る。
貯蔵条件は、18°C~30°C、0.69atm~1.1atmであり得る。
第1の移送導管部分は、例えば、PMMA(ポリ(メチルメタクリレート))、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、TOPASも含むCOC環状オレフィンコポリマー(COC)、ZEONOR(登録商標)を含むCOP環状オレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびネガティブフォトレジストSU-8などのポリマーから生成されたベース材料を提供されることによって、第1の水に対する親和性を保持するように構成され得る。
第1の移送導管部分は、例えば、シリコン処理、シラン化、またはアモルファスフルオロポリマーによるコーティングを使用するなどの、表面を疎水性にする方法を使用して処理されたガラスまたはポリマーなどの材料を提供されることによって、第1の水に対する親和性を保持するように構成され得る。
第1の移送導管部分は、例えば、Aquapel、ソルゲルコーティングの層を適用することによって、またはガス状コーティング材料の薄膜の堆積によって、コーティングされたベース材料を提供されることによって、第1の水に対する親和性を保持するように構成され得る。
第1の収集導管部分は、例えば、ガラス、シリコン、または親水性を提供する他の材料を含む材料を提供することによって、第2の水に対する親和性を保持するように構成され得る。
第1の収集導管部分は、例えば、酸素プラズマ処理、UV照射、UV/オゾン処理、ポリマーのUVグラフト化、二酸化ケイ素(SiO2)の堆積、化学蒸着(CVD)またはPECVDによる二酸化ケイ素などの薄膜の堆積を使用して改質されたベース材料を提供されることによって、第2の水に対する親和性を保持するように構成され得る。
マイクロ流体デバイス用のベース材料は、熱可塑性のPDMSなどのエラストマー、熱硬化性のSU-8フォトリスト、ガラス、シリコン、紙、セラミック、または、材料の混成、例えば、ガラス/PDMSのうちのいずれかを含み得る。熱可塑性プラスチックは、PMMA/アクリル、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、COC、COP、ポリウレタン(PU)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、およびポリテトラフルオロエチレンのいずれかを含み得る。
それぞれの部分の提供時間は、コーティングが第1の収集導管部分および第1の移送導管部分のうちの一方のみに適用される場合でも、コーティングの提供時間として定義され得る。
第1の移送導管部分および第1の収集導管部分の表面特性の高度の安定性は、マイクロ流体デバイスの長い保存寿命を可能にし得る。
ベース容器構造片および/またはベースマイクロ流体片などの、マイクロ流体デバイスの1つ、複数、または全ての部分は、射出成形を使用して提供され得る。射出成形は、より多くの量でより費用効率が高くなり得、これは、在庫におけるより多くの量につながり得、それゆえに、長い保存寿命を必要とし得る。
各乳化ユニットの第1の移送導管部分の表面特性は、例えば、基板の上部上に提供される、コーティングによって提供され得る。あるいは、または組み合わせて、各乳化ユニットの第1の収集導管部分の表面特性は、例えば、基板の上に提供される、コーティングによって提供され得る。基板は、各乳化ユニットの第1の移送導管部分または第1の収集導管部分のいずれかの表面特性を提供し得る。基板は、本開示に説明されるようなベース材料で提供され得る。
したがって、コーティングは、コーティングが第1の移送導管部分または第1の収集導管部分のいずれかを構成し、一方、基板が他方を構成するように、基板上に提供され得る。
コーティングは、ポリマーをプラズマ処理、続いて、化学蒸着、例えば、プラズマ化学気相成長に供することによってポリマー上に提供され得、化学蒸着は、SiO2を使用することを含み得る。
コーティングは、代替的に、または追加的に、第1の移送導管部分および第1の収集導管部分の両方を、シリコン処理、シラン化、またはアモルファスフルオロポリマーによるコーティングなどのコーティング、続いて、例えば、水酸化ナトリウムなどの化学物質を使用する、第1の収集導管部分からのコーティングの除去に供することによって、ガラスまたはポリマー表面上に提供され得る。
コーティングは、1μm未満、例えば、500nm未満、例えば、250nm未満の厚さを有し得る。薄いコーティングは、物理蒸着ではなく化学蒸着を使用して達成され得る。
薄いコーティングを提供することの利点は、流体導管ネットワークのそれぞれの部分の直径または断面積が、低い程度に影響を受け得ることであり得る。したがって、流体導管ネットワークは、コーティングがその後に適用され得ることを無視して、直径を備え得る。したがって、コーティングされた部分およびコーティングされていない部分に同様の断面積が提供され得る。
第1の移送導管部分は、安定した疎水性表面特性を備え得る。第1の収集導管部分は、安定した親水性表面特性を備え得る。
乳化区分は、各乳化ユニットの一次供給導管、各乳化ユニットの二次供給導管、各乳化ユニットの三次供給導管、各乳化ユニットの移送導管、各乳化ユニットの収集導管、各乳化ユニットの第1の流体接合部、および各乳化ユニットの第2の流体接合部の各々の少なくとも一部を提供するベースマイクロ流体片を備え得る。
ベースマイクロ流体片は、第1の水に対する親和性に対応する表面特性を有するベース材料で提供され得、第1の収集導管部分を提供するコーティングの少なくとも一部は、ベースマイクロ流体片のベース材料の上部に提供される。あるいは、ベースマイクロ流体片は、第2の水に対する親和性に対応する表面特性を有するベース材料で提供され得、第1の移送導管部分を提供するコーティングの少なくとも一部は、ベースマイクロ流体片のベース材料の上部に提供される。
ベースマイクロ流体片は、各乳化ユニットの一次供給導管、各乳化ユニットの二次供給導管、各乳化ユニットの三次供給導管、各乳化ユニットの移送導管、各乳化ユニットの収集導管、各乳化ユニットの第1の流体接合部、および各乳化ユニットの第2の流体接合部の各々の少なくとも一部を提供し得る。
ベースマイクロ流体片は、第1の水に対する親和性に対応する表面特性を有するベース材料で提供され得る。
コーティングは、第1の収集導管部分の少なくとも一部を提供するエリアで、ベースマイクロ流体片のベース材料上に提供され得る。コーティングは、第2の水に対する親和性を呈する表面を提供し得る。
異なる材料が、容器区分および乳化区分に使用され得る。したがって、容器区分のより大きくより深い特徴、および乳化区分の非常に微細な特徴の両方に最適な材料が提供され得る。2つ以上の部分の提供は、ベース容器構造片およびマイクロ流体区分用の工具が異なる公差を有し得るため、生産コストを低下させ得る。
異なる材料が、容器区分および乳化区分に使用され得る。容器区分および乳化区分に対する異なる材料の使用は、それぞれの部分に異なる所望の材料の使用を可能にし得る。
容器区分は、比較的大きくて深い特徴を含み得るが、一方、乳化区分は、非常に微細な特徴を含み得る。
後で固定的に接続され得る、異なる構造の容器区分および乳化区分の提供は、容器区分およびマイクロ流体区分の提供に必要とされる工具が異なる公差を有し得るため、生産コストを低下させ得る。
乳化区分は、例えば、ガラスまたはポリマー材料から作製され得る。
乳化区分に使用され得るポリマー材料の例は、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のうちのいずれかを含み得る。ポリマーの使用は、例えば、NOVEC油を含む、本発明による使用における試料、油、および連続相緩衝液と適合可能であるようにそれらの特性によって制限され得る。さらに、ポリマーの使用は、適用可能な先行技術の製造およびパターン化技術によって制限され得る。例えば、PDMS上のCOPおよびCOCは、それらが優れた透明性、ほぼゼロの複屈折、低密度、低吸水率、優れた耐薬品性、タンパク質の低結合、ハロゲンフリー、BPAフリーを有する利点を有し得、一軸および二軸スクリュー押出、射出成形、射出ブロー成形およびストレッチブロー成形(ISBM)、圧縮成形、押出コーティング、二軸配向、熱成形などの標準的なポリマー処理技術に好適である。COCおよびCOPは、処理後の変化がほとんど見られない、高い寸法安定性が知られている。COCは、いくつかの用途では、COPよりも好ましい場合がある。COPは、本発明による使用を意図され得る油などの油に曝される場合、クラックを生じさせる傾向があり得る。COPは、NOVEC油などのフッ化炭素油に曝されるときに、クラックを生じさせ得る。COPは、酵素およびDNAなどのPCR用試薬と互換性があり得る。COCおよびCOPは、典型的には120~130℃の範囲内であるガラス転移温度を有する。これは、CVDプロセスが典型的には300°C超で操作され、それゆえに、COCまたはCOP材料を溶融することになるため、典型的なCVDコーティングに不適切になる場合がある。COCおよびCOPのこの不利な点は、例えば、85°Cで操作する改質されたPECVD手順を適用することによって、本発明で克服され得る。COCは、レーザが材料の「燃焼」を引き起こし得るため、レーザ切断と互換性がない可能性がある。この不利な点は、例えば、射出成形を使用して、本発明によって克服されている。
ガラスは、代替的に、または追加的に、乳化区分で説明されているように、所望のコーティングを有する基板として使用され得る。
ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、多くの場合、マイクロ流体部に利用される。しかしながら、本発明の発明者は、PDMSを使用することの以下の不利な点を関連付けた:
-経時的な材料特性の変化(出典:http://www.elveflow.com/microfluidic-tutorials/cell-biology-imaging-reviews-and-tutorials/microfluidic-for-cell-biology/pdms-in-biology-researches-a-critical-review-on-pdms-lithography-for-biological-studies/)
-長いプロセス時間(PDMSの硬化時間:温度、必要な材料の剛性に依存して、30分~数時間。(出典、Becker2008)
-高い製造コスト(出典:Berthier,E.,E.W.K.Young,et al.(2012).“Engineers are from PDMS-land,Biologists are from Polystyrenia.”Lab on a Chip 12(7):1224-1237.)
-より多い生産量でも、デバイスあたりのコストが同じである(出典:Becker,H.and C.Gartner (2008)“Polymer microfabrication technologies for microfluidic systems.”Analytical and Bioanalytical Chemistry 390(1):89-111.およびBerthier,E.,E.W.K.Young,et al.(2012).“Engineers are from PDMS-land,Biologists are from Polystyrenia.”Lab on a Chip 12(7):1224-1237.)
-PDMSは、表面でいくつかの分子(例えば、タンパク質)を吸収し得る。(出典:Berthier 2012およびhttp://www.elveflow.com/microfluidic-tutorials/cell-biology-imaging-reviews-and-tutorials/microfluidic-for-cell-biology/pdms-in-biology-researches-a-critical-review-on-pdms-lithography-for-biological-studies/)
-PDMSは、水蒸気に対して透過性であり、これは、導管内における蒸発につながる。(出典:http://www.elveflow.com/microfluidic-tutorials/cell-biology-imaging-reviews-and-tutorials/microfluidic-for-cell-biology/pdms-in-biology-researches-a-critical-review-on-pdms-lithography-for-biological-studies/)
-PDMSは、変形可能である。したがって、流体導管ネットワークの形状は、圧力下、すなわち、デバイスの操作下で変化/変形し得る(出典Berthier 2012)
-非架橋モノマーが導管内に浸出するリスク(出典Berthier 2012およびhttp://www.elveflow.com/microfluidic-tutorials/cell-biology-imaging-reviews-and-tutorials/microfluidic-for-cell-biology/pdms-in-biology-researches-a-critical-review-on-pdms-lithography-for-biological-studies/)
各乳化ユニットの第1の流体接合部の第1の複数の開口部の任意の開口部は、2500μm2よりも小さい断面積を有し得る。各乳化ユニットについて、任意の供給導管と第1の流体接合部との間の任意の開口部の断面積は、2500μm2よりも小さくてもよい。本明細書の利点は、本発明によるデバイスによって提供される液滴が、蛍光活性化セルソーティング(FACS)のために十分に小さくてもよいことであり得る。
各乳化ユニットの第1の移送開口部は、2500μm2よりも小さい断面積を有し得る。各乳化ユニットについて、第1の流体接合部と移送導管との間の開口部の断面積は、2500μm2よりも小さくてもよい。本明細書の利点は、本発明によるデバイスによって提供される液滴が、蛍光活性化セルソーティング(FACS)のために十分に小さくてもよいことであり得る。
各乳化ユニットの第1の移送開口部は、対応する乳化ユニットの第2の移送開口部の断面積の50%~100%である断面積を有し得る。各乳化ユニットについて、第1の流体接合部と移送導管との間の開口部の断面積は、第2の流体接合部と収集導管との間の開口部の断面積の50%~100%であり得る。本発明の利点は、本発明による装置によって提供される液滴が、FACSに対して大き過ぎない安定した液滴を結果的にもたらすシェル厚さを有し得ることであり得る。
第2の接合部につながる開口部の断面積が第1の接合部から外につながる開口部の断面積以下である場合、液滴生成は、不安定になり得る。第1の接合部よりも大き過ぎる場合、油シェルが所望されるよりも厚くなり得る。
乳化区分は、ベースマイクロ流体片によって提供され得る第1の平坦表面と、第2の平坦表面を提供するキャッピング片と、を備え得る。ベースマイクロ流体片の第1の平坦表面は、マイクロ流体デバイスの各流体導管ネットワークのベース部分を提供する複数の分岐凹部を有し得る。第2の平坦表面は、第1の平坦表面に面し得る。第2の平坦表面は、マイクロ流体デバイスの各流体導管ネットワークのキャッピング部分を提供し得る。キャッピング片は、容器区分に面する第3の平坦表面を含み得る。
ベースマイクロ流体片は、マイクロ流体デバイスの流体導管ネットワークの各々のベース部分を提供する複数の分岐凹部を有する第1の平坦表面を備え得る。マイクロ流体デバイスは、ベースマイクロ流体片の第1の平坦表面に面する第2の平坦表面を有するキャッピング片をさらに備え得る。キャッピング片の第2の平坦表面は、マイクロ流体デバイスの流体導管ネットワークの各々のキャッピング部分を提供し得る。キャッピング片は、ベース容器構造片に面する第3の平坦表面を有し得る。
ベースマイクロ流体片は、ベース基板によって提供され得る。キャッピング片は、キャッピング基板によって提供され得る。
各流体導管ネットワークの1つ、複数、または全ての部分は、鋭角台形断面を形成し得、より長いベース縁が、キャッピング片の第2の平坦表面によって提供され得る。
流体導管ネットワークの断面は、ネットワークの異なる部分間で変化し得る。それは、長方形、正方形、台形、楕円形、または液滴形成に好適な任意の形状とすることができる。いくつかの例では、導管は、4つの壁を有し得、壁のうちの2つは、互いに平行または同一平面上に提供される。より長いベース縁がカバー区分によって形成されるなどの、鋭角台形断面は、例えば、正方形、長方形、または楕円形と比較して、コーティングの堆積が導管の壁および底部上でより均一であり得るという利点を有し得る。導管壁のより高い抜き勾配は、より低い抜き勾配よりもコーティングのより均一な層を結果的にもたらし得る、および/または導管の寸法を変えずに、型からの導管構造の排出を容易にし得る。導管壁は、5~45度、例えば、10~30度の抜き勾配を有し得る。
鋭角台形断面は、等脚台形断面を形成し得、等しい長さの側壁は、平行なベース縁のいずれかの法線に対して少なくとも5度および最大で20度の先細りを有し得る。これはまた、「抜き勾配」とも示され得る。本明細書の利点は、所望の厚さが、側部と同様に、底部分に適用されるように、ベースマイクロ流体片にコーティングを適用することがより容易であり得ることであり得る。さらに、ベースマイクロ流体片が射出成形などの成形によって提供される場合、マイクロ流体デバイスの製造中に型からベースマイクロ流体片を取り出すことがより容易であり得る。
5~20度の先細りを伴う底部の鋭い角部を射出成形する典型的な結果。キャッピング片に向かう壁の上部は、丸みを帯びていてもよいが、これは、5度超の先細りを依然として提供し得る。ミリングされた導管は、ほとんどの場合、先細りではないが、ガラスで縁取られた導管は、Uの底部などのような、底部に丸みを帯びた角部を有し得る。
各乳化ユニットは、一次供給導管に、またはその中に一次フィルタを備え得る。各乳化ユニットは、二次供給導管に、またはその中に二次フィルタを備え得る。各乳化ユニットは、三次供給導管に、またはその中に三次フィルタを備え得る。
一次フィルタ、二次フィルタ、および三次フィルタのうちのいずれか1つ、複数、または全てが「フィルタ」と示され得る。
各または任意のフィルタは、フィルタ閾値よりも高い寸法を有する粒子の通過を妨げる構造を含み得る。フィルタ閾値は、例えば、第1および第2の流体接合部の最小の体積、および/または流体導管ネットワークの最小の直径または断面積であり得る。フィルタは、フィルタ閾値よりも小さい流れライン/導管のネットワークを提供し得る。フィルタは、例えば、複数の柱によって提供され得る。
各または任意のフィルタは、柱における導管の深さに等しい高さ、5~16μmの直径、および15~100μmのピッチ、すなわち、各柱の中心間の距離を有する複数の柱の複数の列として提供され得る。柱は、シリンダの形態、すなわち、高さ全体を通して一定の直径を有するか、または導管の上部に向かって先細り、すなわち、柱の上部の直径と比較して柱の底部により大きい直径を有し得る。柱フィルタは、多くの異なるサイズの粒子を捕集するが、導管抵抗に最小限の影響のみを与える利点を有する。
各または任意のフィルタは、マイクロ流体の分野で知られている堰を含み得る。それによって、フィルタを含むエリア内の導管の高さが低減され得、それによって、堰の位置にある導管の高さよりも大きい、いかなる粒子も乳化ユニットの残部に入ることを遮断し得る。
第1の移送導管部分は、少なくとも200μm、例えば、少なくとも500μm、例えば、少なくとも1mmの広がりを有し得る。第1の移送導管部分は、最大で3mmの広がりを有し得る。
第1の移送導管部分の広がりは、移送導管の長さ以下であり得る。
第1の移送導管部分の所望の広がりは、以下に説明されるように、複数の態様の妥協であり得る。
導管が短いほど、抵抗が小さくなる。低抵抗が所望される場合がある。第1の移送導管部分が長いほど、コーティングの位置合わせ、およびベースマイクロ流体片およびキャッピング片などの、下部および上部マイクロ流体部分の位置合わせの変動を補償することが可能であるため、結合時に位置合わせが容易になり得る。さらに、結合は、第1の移送導管部分が長い場合、より強くなり得る。
したがって、第1の移送導管の所望の長さは、異なる、そしておそらく矛盾する要件の間の妥協として選択され得る。
深さ、および/または幅、および/または断面積は、流体導管ネットワークの1つ以上の部分に沿って変化し得る。移送導管は、例えば、第1の移送導管部分と第2の流体接合部との間に、より広い部分を有し得る。これは、チップのいくつかのエリアで抵抗を低減する、および/または流量を増加させるためのものであり得る。
移送導管の断面の最大面積は、移送導管の断面の最小面積の10倍未満、例えば、5倍未満または2倍未満とすることができる。移送導管が第1の流体接合部と移送導管との間の開口部と比較して大き過ぎる場合、液滴は、位置合わせが緩くなり、等間隔で、または等間隔を伴って、第2の接合部に到達しない場合があり、これは、不均質な油シェル厚さおよび/または液滴サイズを結果的にもたらし得る。各流体導管ネットワークの深さは、乳化区分全体を通して同じであり得る。これは、モールド、エッチング、および/または乳化区分を生成する他の手段の生成を容易にするためのものであり得る。流体導管ネットワークの深さは、変化し得る。これは、例えば、マイクロ流体区分の部分の抵抗を減少させるためのものであり得る。一次供給導管の最も狭い区分は、10~5000μm2、例えば、50~500μm2、例えば、150~300μm2の断面積を有し得る。
導管の狭い部分は、円筒形であってもよく、またはそれは、ノズルの形態であってもよい。一次供給導管は、試料が二次供給導管からの油と流体接触する場所で終端するように画定され得る。
二次供給導管の最も狭い区分は、10~5000μm2、例えば、50~500μm2、例えば、150~300μm2の断面積を有し得る。第1の二次供給導管および第2の二次供給導管を含むなどの、二次供給導管は、油が一次供給導管からの試料と流体接触する場所で終端するように画定され得る。チップ内の任意の位置における導管の平均幅対平均深さのアスペクト比は、5:1未満、例えば、3:1未満、例えば、2:1未満であり得る。深さよりも幅広である導管の提供によって、生産が容易化され得る。
三次供給導管の最も狭い区分は、10~5000μm2、例えば、50~500μm2、例えば、150~300μm2の断面積を有し得る。第1の三次供給導管および第2の三次供給導管を含むなどの、三次供給導管は、緩衝液が、移送導管からの担体相、例えば、油と流体接触する場所で終端するように画定され得る。
移送導管の最も狭い区分は、10~5000μm2、例えば、50~500μm2、例えば、150~300μm2の断面積を有し得る。
収集導管の最も狭い区分は、一次供給導管の最も狭い区分よりも5~80%大きい、例えば、10~50%大きい、例えば、15~30%大きい断面積を有し得る。収集導管の最も狭い区分は、10~5000μm2、例えば、50~1000μm2、例えば、200~400μm2である断面積を有し得る。これは、生成された液滴が10~25μmの内径、および18~30μmの外径を有することを容易にし得、このことは、その後の液滴の処理、定量化、取り扱い、または分析のために細菌またはヒトの細胞用に設計された標準設備の使用を容易にし得る。内径は、例えば、第1の流体、例えば、試料の内側液滴の直径として理解され得る。外径は、第2の流体、例えば、油のシェルの外径であり得る。
本システムで生成された比較的小さいサイズの液滴は、細胞との使用のために設計された機器を使用して、分析、定量化、および処理を容易にし得る。DE液滴、すなわち、例えば、油層および水性内相の組み合わせが、40μm未満または25μm未満などの十分に小さい場合、ダブルエマルション液滴の収集は、フローサイトメーターおよびセルソーターなどの、細菌または哺乳類細胞用に開発された設備を使用して、分析および処理され得る。
第1の移送導管の断面積は、抵抗に影響を及ぼし得る。断面積が小さいほど、抵抗が高くなり得る。
任意の供給導管の断面積は、対応するフィルタの任意の開口部または平均開口部よりも大きい最小断面積を有し得、これは、フィルタ定格またはフィルタサイズとしても示される。これは、フィルタ内の粒子による導管の閉塞を緩和するためのものであり得る。
第1の流体接合部と第2の供給導管との間などの、供給導管と対応する流体接合部との間の開口部は、指定された断面積範囲または値を有することが望ましい場合がある。さらに、供給導管は、それぞれの流体接合部内への開口部の断面積として、それぞれの流体接合部に至る隣接部に同じ断面積を有することが望ましい場合がある。そのような隣接部は、例えば、少なくとも50μmであり得る。しかしながら、それぞれの導管内の全体的なより低い抵抗を容易にするために、それぞれの供給導管の残部、または少なくともその大部分は、より高い断面積を有し得る。
移送導管の断面積は、供給導管の断面積よりも小さくてもよい。移送導管の大きい断面積は、導管内の液滴の周期的な流れを妨げ得る。移送導管は、断面積が第1の移送開口部の断面積の2倍よりも大きい、任意の区分を欠いてもよい。
収集導管の断面積は、第2の移送開口部よりも大きくてもよい。これは、導管内の抵抗を減少するためのものであり得る。
第1の収集導管部分は、第2の流体接合部の中心から、第1の流体接合部の中心から250μmまでの領域、または液滴の形成が発生するエリアに対応する流体流の意図される方向の第1の流体接合部の中心から少なくとも25μm~75μmまでの領域を含み得る。
移送導管の長さに対応し得る、第1および第2の流体接合部の間の距離は、少なくとも200μm、例えば、少なくとも500μm、1000μm、または1500μmであり得る。より長い距離は、マイクロ流体デバイスの大規模生産を容易にし得る。コーティングの配置、および、例えば、ベースマイクロ流体片およびキャッピング片の配置/位置合わせの変動が予想され得る。第1の移送導管部分および第1の収集導管部分が正しい表面特性を有することを容易にするために、2つの接合部の間に十分な距離を有することが望ましい場合がある。第1の接合部と第2の接合部との間のより大きい距離は、二次供給導管、三次供給導管、および移送導管に隣接するベースマイクロ流体片とキャッピング片との間の不十分な結合/取り付けのリスクを低減し得、これは、臨界結合面積であり得る。
本発明によるキットは、ダブルエマルション液滴を生成するために十分な水性液体、試薬、緩衝液、必要な油、カートリッジ、チップ、ガスケット、および機器と共にキット構成要素を使用するための命令を含み得る。液滴の内側水性相に好適な水性液体は、dNTP、1つ以上のポリメラーゼ、および塩などの、PCR試薬を含み得る。外側担体相に好適な水性液体は、液滴の内側水性相に好適な水性液体と本質的に同じ浸透圧を有し得る。水性液体は、ポリエーテル化合物および共乳化剤などの、乳化安定剤を含み得る。水性液体は、増粘剤を追加的に含み得る。
本システムに従って生成された液滴の担体相、すなわち、三次供給容器によって提供される流体が、水性である場合、細菌または哺乳類細胞などの細胞との使用のために設計された標準的な機器を使用する分析および処理が容易化され得る。
試料緩衝液は、第1の流体と示され得る。第1の流体は、試料緩衝液を含み得る。油は、第2の流体と示され得る。第2の流体は、油を含み得る。緩衝液と呼ばれ得る連続相緩衝液は、第3の流体と示され得る。第3の流体は、緩衝液を含み得る。
酵素は、試料緩衝液中に、または試料緩衝液とは別個に提供され得る。別個の提供の利点は、酵素が、安定性を向上し得る、高グリセロール濃度などの異なる条件下で貯蔵され得ることであり得る。試料緩衝液中の提供の利点は、ピペッティング工程を簡素化し、エラーのリスクを減少させることで使用を容易にすることであり得る。
ヌクレオチドは、試料緩衝液中に、または試料緩衝液とは別個に提供され得る。別個の提供の利点は、dNTPが、安定性を向上し得る、より高い濃度などの異なる条件下で貯蔵され得ることである。試料緩衝液中の提供の利点は、ピペッティング工程を簡素化し、エラーのリスクを減少させることで使用を容易にすることであり得る。
試料緩衝液は、本質的に同じ浸透圧のものであり得る、および/または連続相緩衝液と本質的に同じ濃度のイオンを含み得る。そのような特徴の提供は、試料の構成要素の濃度が、油膜を通じた浸透に起因して別様に変化し得るため、有利であり得る。試料または緩衝液構成要素の濃度の変化は、後続の工程で、液滴内で実施される反応の減少した効率につながり得る。浸透に起因する液滴の膨潤は、例えば、セルソーターで取り扱うには液滴が大きくなり過ぎることにつながり得る。試料緩衝液の例は、Na+、Ka+、Ca++、Mg++、NH4+、SO4
--およびCl-などのイオン、Tris-HCl、グリセロール、Tween、ヌクレオチド、および酵素などの緩衝化合物を含み得る。対応する連続相緩衝液は、本質的に同じ濃度のKa+、Ca++、Mg++、およびCl-、グリセロール、および試料緩衝液としてのTris-HClなどの緩衝化合物を含み得るが、場合によっては、反応が液滴内で起こる際にヌクレオチドまたは酵素を含まない。
好適な試料緩衝液の例は、10mMのTris-HCl、57mMのTrizma-base、16mMの(NH4)2SO4、0.01%のTween80、30mMのNaCl、2mMのMgCl2、3%のグリセロール、および25μg/μLのBSAを含む緩衝液である。対応する好適な連続相緩衝液の例は、20mMのTris-HCl(pH9)、57mMのTrizma-base、16mMの(NH4)2SO4、0.11%のTween80、30mMのNaCl、2mMのMgCl2、3%のグリセロール、1%のポリエチレングリコール(PEG)35K、および4%のTween20を含むか、またはそれらから構成される緩衝液である。
別の好適な試料緩衝液の例は、10mMのTris-HCl、57mMのTrizma-base、16mMの(NH4)2SO4、0.01%のTween80、30mMのNaCl、2mMのMgCl2、3%のグリセロール、および25μg/μLのBSA、0.2mMのdNTP、0.2μL のプライマ、および2単位のTaq DNAポリメラーゼを含むか、またはそれらから構成される緩衝液である。対応する好適な連続相緩衝液の例は、20mMのTris-HCl(pH9)、57mMのTrizma-base、16mMの(NH4)2SO4、0.11%のTween80、30mMのNaCl、3%のグリセロール、1%のPEG 35K、および4%のTween20を含むか、またはそれらから構成される緩衝液である。
緩衝液は、2倍濃縮、10倍濃縮、または他の濃度で提供され得る。次に、使用中、緩衝液は、マイクロ流体デバイスのそれぞれの容器内に装填される前に、上記の例の濃度などの所望される濃度を達成するために、濃縮された緩衝液の希釈によって提供され得る。
ダブルエマルション液滴を提供するための方法は、本発明によるマイクロ流体デバイスの使用を含み得る。
ダブルエマルション液滴を提供するための方法は、本発明によるマイクロ流体デバイスの使用を含み得る。方法は、第1の容器群の二次供給容器に第1の流体を提供することと、場合によっては、その後、第1の容器群の供給容器に第2の流体を提供することであって、二次供給容器などの供給容器が、対応する乳化ユニットの二次供給導管と流体連通している、提供することと、第1の容器群の三次供給容器に第3の流体を提供することと、第1の容器群の個々の供給容器の各々の中の圧力が、第1の容器群の収集容器の中よりも高くなるように、第1の容器群のそれぞれの供給容器の各々と第1の容器群の収集容器との間に個々の圧力差を提供することと、を含み得る。
ダブルエマルション液滴を提供するための方法は、一次供給入口、一次供給導管、および一次供給開口部を介して、二次供給容器から第1の流体接合部への第1の流体の一次流を提供することと、二次供給入口、二次供給導管、および二次供給開口部を介して、対応する乳化ユニットの二次供給入口と流体連通している複数の供給容器のうちの1つの供給容器から第1の流体接合部への第2の流体の二次流を提供することと、を含み得、一次流および二次流が、第1の移送開口部、移送導管、および第2の移送開口部を介して、第1の流体接合部から第2の流体接合部への第1の流体および第2の流体の移送流を提供する。
ダブルエマルション液滴を提供するための方法は、三次供給入口、三次供給導管、および三次供給開口部を介して、三次供給容器から第2の流体接合部への第3の流体の三次流を提供することを含み得、三次流および移送流が、収集開口部、収集導管、および収集出口を介して、収集容器への第1の流体、第2の流体、および三次流体の収集流を提供する。
本発明によるマイクロ流体デバイスを製造するための方法は、乳化区分の2つの部分の各々の一部の表面特性を変化させることと、熱結合および/またはクランプによって乳化区分の2つの部分を接合することと、を含み得る。第1の部分は、ベースマイクロ流体片であり得、第2の部分は、乳化区分のキャッピング片である。方法は、第1の移送導管部分または第1の収集導管部分に対応する第1の部分および第2の部分のエリアを部分的にコーティングすることと、2つの部分を接合することと、を含み得る。
乳化区分の表面改質が、導管の壁上の特定の表面特性を達成するために必要であり得る。表面改質は、導管の壁上への酵素、ヌクレオチド、またはイオンなどのタンパク質の吸着を防止するか、または疎水性もしくは親水性の液体の流れを制御することを助け得る。
ダブルエマルション液滴の提供は、2つの工程で実現され得る。油中水滴が第1の流体接合部で生成され得、第1の流体接合部に続くエリア/導管に疎水性表面を必要とする。油部が水を含み得る水中油滴が第2の流体接合部で形成され得、第2の流体接合部に続くエリア/導管のこの点で親水性表面を必要とする。したがって、導管の表面の空間的に制御された改質が必要とされ得る。あるいは、材料の固有の特性が流体導管ネットワークの全ての位置で、必要とされる表面特性を与えるように、異なるエリア内で異なる材料が使用され得る。
流体導管ネットワークの局所部上の表面改質には、異なる技術が使用され得る。選択方法は、表面改質に必要とされる安定性、改質する材料、使用時の化学物質との表面改質の適合性、および表面改質を行うときのマイクロチップの構成に依存し得る。導管の全周、例えば、全ての4つの壁を改質することが望ましい場合がある。表面改質方法の選択の重要な基準は、表面改質の方法が材料を損傷させないか、またはその粗さを増加させないべきであるため、材料に対する影響であり得る。
ポリマー材料は、一般に疎水性であり、90°よりも大きい接触角を有することによって画定され得る。表面上への化学物質、例えば、ポリマーの堆積、または、例えば、プラズマへの曝露を介した表面自体の改質などの、表面を疎水性から親水性に変化させるための異なる技術が存在する。
導管の表面は、プラズマ、例えば、酸素または空気プラズマに適切な時間量、例えば、1、2、5、10分、またはそれ超の間、曝され得る。反応種/ラジカルが表面と接触することになり、それによって、表面が親水性になる。さらなる分子のグラフト化に使用され得る表面上の開放反応部位。
このプロセスの欠点は、表面が時間と共にそれらの固有の疎水性に戻ることであり得る。これは、処理されたデバイスが表面改質の直後に使用される必要があり得ることを意味する。
疎水性表面は、代替的に、または追加的に、親水性表面を得るために適切な時間量の間、UV光に曝され得る。例えば、Subedi,D.P.;Tyata,R.B:;Rimal,D.;Effect of UV-treatment on the wettability of polycarbonate.Kathmandu University Journal of science,engineering and technology,Vol 5,No II,2009,pp 37-41は、ポリカーボネートをUV光で25分間処理し、82°~67°までの接触角の減少を得ることを示している。
より安定した表面改質、すなわち、長期間持続する表面の改質を達成し、それによって、デバイスの改善された、すなわち、より長い、保存寿命を提供するために、分子を表面上に恒久的に付着させることが所望され得、この付着は、表面を親水性にすることになる。
ポリマーへのUVグラフト化は、数個の工程を伴い得、例えば、ベンゾフェノンなどの光開始剤が、最初に表面上に堆積され、次いで、コーティングポリマーが添加される。これは、次いで、ポリマーが表面に共有結合する、UV光による照射に続き得る(Kjaer Unmack Larsen,E.and N.B.Larsen(2013).“One-step polymer surface modification for minimizing drug,protein,and DNA adsorption in microanalytical systems.”Lab on a Chip 13(4):669-675.)。
いくつかの例では、化学物質のUVグラフト化は、例えば、プラズマ酸化を伴う、表面前処理と組み合わせられ得る。
薄膜は、物理蒸着(PVD)を使用して基板上に堆積され得、例えば、https://www.memsnet.org/mems/processes/deposition.htmlで説明されている。この技術では、堆積される材料は、標的から放出され、コーティングするために基板上に向けられ得る。スパッタリングおよび蒸発は、標的から材料を放出するための2つの技術である。
蒸発に対するスパッタリングの利点は、低温であり得、低温で材料が標的から放出され得る。スパッタリングでは、標的および基板は、真空チャンバ内に配置される。プラズマが、2つの電極間に誘導され得る。これが、ガスをイオン化する。標的材料は、ガスのイオン化されたイオンによって蒸気形態で放出され、チャンバの全ての表面、とりわけ基板に堆積し得る。
スパッタリングは、酸化クロムの薄膜をポリマー上に堆積させ、それらの表面を親水性にするために使用され得る。
PVDとは対照的に、薄膜は、異なるソースガス間で発生する化学反応に起因して、化学蒸着(CVD)によって堆積される。生成物は、次いで、基板だけではなく、チャンバの全ての壁にも堆積し得る。CVDには、異なる技術が利用可能である。例えば、プラズマ化学気相成長法(PECVD)は、化学反応の前にプラズマを使用してガス分子をイオン化する。PECVDは、他のCVD技術よりも低い温度を使用し、これは、高温に耐性のない基板をコーティングするときに大きな利点を示す。PECVDは、半導体用途における薄膜の堆積に広く使用されている。堆積され得る材料は、とりわけ二酸化ケイ素(SiO2)および窒化ケイ素(SixNy)である。プラズマ化学気相成長法(PECVD)は、例えば、http://www.plasma-therm.com/pecvd.htmlで説明されている。
液体コーティングは、スピンコーティングを使用して平坦な表面上に堆積され得る。スピンコーティングでは、液体材料が基板の中央上に配置され得る。スピン中、液体コーティングは、基板の表面全体に均一に広がる。回転速度または時間などの異なるパラメータが、堆積した膜の厚さに影響する。
この技術は、例えば、ウエハ上へのフォトレジストの堆積に一般的に使用される。
コーティングを基板上に堆積させるさらに別の技術は、噴霧を介するものであり、液体材料の小さい液滴を含む流れを基板上に向け得る。開放導管を含む基板上に噴霧されるとき、導管のキャッピング片または天井が追加される前に、液体コーティングが乾燥することを可能にされ得る。正確に塗布された場合、基板上への液体コーティング材料の噴霧および乾燥は、基材のマスキングを回避し得、プロセスは、大規模生産に、より費用効果が高い場合がある。
例えば、http://www.vetaphone.com/technology/corona-treatment/で説明されているコロナ処理は、プラズマが電極の先端で生成され得る技術である。このプラズマは、基板の表面のポリマー鎖を改質し、それによって、表面エネルギーを増加させ、したがって、材料の濡れ性を増加させる。さらなる処理なしでは、基板は、その固有の特性に戻ることになる。
ポリマー表面を親水性にする別の技術は、UV/オゾン処理である。この技術は、典型的には、有機残留物から表面を洗浄するために使用される。UV/オゾン処理下で、表面は、UV光および原子状酸素によって光酸化され、表面分子が改質される(A.Evren Ozcam,Kirill Efimenko,Jan Genzer,Effect of ultraviolet/ozone treatment on the surface and bulk properties of poly(dimethyl siloxane)and poly(vinylmethyl siloxane)networks,In Polymer,Volume 55,Issue 14,2014,Pages 3107-3119)。UV/オゾン処理は、プラズマ処理などの他の処理よりも表面への損傷を少なくする。
マイクロ流体チップは、ガラスから作製され得る。ガラスの表面は、親水性であり、水が表面上に広がる。本発明の場合、ガラス製のマイクロ流体導管の場合、第1の移送導管部分または第1の収集導管部分の表面は、親水性から疎水性に改質されなければならない。ガラス表面は、表面の恒久的な改質を得るために、例えば、シランで改質され得る。https://www.pcimag.com/ext/resources/PCI/Home/Files/PDFs/Virtual_Supplier_Brochures/Gelest_Additives.pdfに説明されるように、疎水性につながり得る異なるタイプのシランが存在する。
所定のエリアにおける流体導管ネットワークの表面特性を改質する、例えば、疎水性から親水性に改質することは、キャッピング片を含む基板とのベースマイクロ流体片の組み立ての前に実現され得る。
金属またはガラスプレート、ポリマーシートまたは任意の適切な材料などの物理的マスクが、コーティング/表面改質処理に曝されるべきではないエリアを保護するために使用され得る。マスクは、ハードまたはソフトコンタクトマスクなどの、任意の好適なやり方で表面に取り付けられ得る/表面と接触させられ得る。マスクは、例えば、表面から除去されるときに損傷/破壊されるマスクの場合、一度のみ使用され得る、または複数回再使用され得る、任意の材料であり得る。
この戦略は、ガス形態で堆積されたコーティング、またはUV露光などの物理的処理、または表面上へのスパッタリングもしくは噴霧によって堆積された液体コーティングを伴う方法に使用され得る。
マスクの除去後、部分的にパターン化された導管が得られ得る。
流体導管の全ての、例えば、4つの壁を改質するために、キャッピング片およびベースマイクロ流体ピースの両方が処理されることを必要とし得る。疎水性/親水性の遷移が全ての4つの導管壁について同じ位置で行われることを確保するために、正確な位置合わせが必要であり得る。第1の移送導管部分/第1の収集導管部分の端、すなわち、意図される流れ方向において、正確な位置合わせが必要ではない場合がある。
この戦略の利点は、多数のデバイスが同時に処理され得ることであり得る。さらに、堆積されたコーティング材料は、例えば、厚さ測定、コーティングプロセス後のコーティング均質性を分析され得る。
流体導管ネットワークが、ベースマイクロ流体片の分岐凹部の上に位置付けられているキャッピング片によって形成される場合、すなわち、閉鎖構成である場合、あらゆる液体コーティングが導管内に非常に正確に堆積され得、流体導管ネットワークの全ての4つの壁を濡らすことになる。
空間的に制御された改質を達成するために、不活性流体、すなわち、液体コーティング流体と混合または相互作用しない流体を使用して、流れの閉じ込めが使用され得る。
液体コーティング材料は、三次供給導管を介して導入され得るが、一方、流体導管ネットワークの残部は、水または油などの、不活性液体または空気による流れの閉じ込めを使用して、コーティング材料への暴露から保護され得る。導管内を流れている間、コーティングは、流体導管ネットワークの全ての壁上に堆積され得る。この技術は、正確な流れ制御を必要とし得、堆積された層の厚さの測定を可能にしない。
いくつかの例では、空間的パターン化は、ガス処理が流体導管ネットワークのいくつかのエリアに到達することを遮断することによって達成され得る。例えば、流体導管ネットワークの閉鎖部分について、プラズマ酸化は、拡散によって制限され得る。したがって、流体導管ネットワークのいくつかのエリアで拡散が制限され得る場合、プラズマは、他のエリアと比較していくつかのエリアでより高密度になる。したがって、いくつかの領域は、改質されることになるが、他の領域は、プラズマの影響を受けないことになる。
プラズマ酸化のために閉鎖導管のいくつかのエリアへの拡散を制限することは、保護するエリアに近い入口を遮断するか、または保護するエリアに近い入口に長い導管を接続することによって、導管の抵抗を増加させ、プラズマがマイクロチップのこれらの領域内に入ることを防止することになる、異なるやり方、または任意の他の方法で行われ得る。このプロセスは、プラズマの正確な空間制御を必要とし得、疎水性および親水性エリア間で段階的な遷移が発生する。さらに、この処理は、使用されるポリマー材料に依存して、処理された領域が数時間以内に固有の疎水性に戻るため、経時的に安定しない場合がある。
カートリッジのマイクロ流体区分は、少なくとも第1の移送導管部分または第1の収集導管部分で部分的にコーティングされ得る。
第1の移送導管部分は、油担体流体中の水滴の形成が起こり得る、流体流の方向の第1の流体接合部の直後のゾーンを指し得る。第1の移送導管部分は、第1の流体接合部の体積の中心から、第2の流体接合部の中心までの領域、または流体流の方向の第1の流体接合部の中心から少なくとも25μm~75μmまでの領域を含み得る。
第1の収集導管部分は、水性担体流体中の油シェルによって取り囲まれたダブルエマルション水滴の形成が起こり得る、流体流の方向の第2の流体接合部の直後のゾーンを指す。第1の収集導管部分は、第2の流体接合部の体積の中心から、第2の流体接合部の中心から250μmまでの領域、または流体流の方向の第1の流体接合部の中心から少なくとも25μm~75μmまでの領域を含み得る。
第1の移送導管部分は、少なくとも70°、例えば、80°または90°の、水で測定された接触角を有する疎水性であり得る。第1の移送導管部分がポリマーなどの疎水性材料から生成される場合、第1の移送導管部分は、コーティングされていなくてもよい。第1の移送導管部分は、接触角が処理後に少なくとも70°、例えば、80°または90°になるように、処理され得る。
第1の収集導管部分は、40°以下、例えば、30°または20°以下の、水で測定された接触角を有する親水性であり得る。第1の移送導管部分がガラスなどの親水性材料から生成される場合、第1の移送導管部分はコーティングされていない場合があり、すなわち、第1の移送導管部分は、処理後に接触角が40°以下、例えば、30°または20°以下であるように、処理され得る。
流体カートリッジは、全ての部分がポリマーで作製されるか、または異なるポリマーの混成またはポリマー-ガラス混成などの異なる材料間の混成であり得る。ポリマー-ガラス混成が使用される場合、ベース容器構造片は、ポリマーで作製され得るが、一方、マイクロ流体デバイスは、ガラスで作製され得る。
マイクロ流体カートリッジは、3つ以上の別個の部分から製造され得、これらは、その後、カートリッジに組み立てられる。別個の部分は、ベース容器構造片、マイクロ流体構造、およびキャッピング片を含み得る。部分の組み立ては、熱結合、熱スタッキング、または同様の技術を使用して実施され得る。エラストマーは、機器とカートリッジとの間、およびマイクロ流体構造とベース容器構造片との間の耐圧封止を確保するために、ベース容器構造片、マイクロ流体構造のいずれか一方またはその両方にオーバーモールドされ得る。
ベース容器構造片は、射出成形を使用して作製され得る。射出成形について、型は、例えば、金属の1つ以上のブロック内でベース容器構造片のネガ形状を機械加工することによって作成され得る。ポリマーは、溶融されて型に流れ込み得る。冷却すると、ポリマーは、型の形状を保持し、使用のために型から排出されることになる。型は、多くの部分に再使用され得る。射出成形について、使用する化学物質との適合性に依存して、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、または環状オレフィンコポリマー(COC)、または環状オレフィンポリマーなどの異なる熱可塑性プラスチックが使用され得る。
ベース容器構造片は、3D印刷技術を使用して提供されてもよい。ステレオリソグラフィまたは溶融フィラメント印刷などの、様々な3D印刷技術を利用可能である。材料の層が互いに堆積および硬化されて、物体を作成する。ベース容器構造片は、マイクロ流体区分上に3D印刷されてもよい。
マイクロ流体デバイスの製作は、生成する量、選択する材料、およびパターン化/作成するために必要な解像度/最小の特徴に依存して、異なる微細加工方法によって実現され得る。
少量の場合、ソフトリソグラフィおよび/またはレーザアブレーションが使用され得る。例えば、PDMSのソフトリソグラフィは、代替的に、または追加的に、マイクロ流体デバイスの2つの基板を製作するために使用され得る。PDMS混合物が、微細構造のネガ形状を含む型の上に注がれ得る。硬化後、PDMS部分および型が分離される。
代替的に、または追加的に高精度の微細機械加工が、ポリマー基板に微細構造を作成するために使用される。しかしながら、典型的には、微細構造のサイズは、50μmを下回ることができず、この技術は、時間が掛かる場合がある。
大量生産に関して、ホットエンボス加工、とりわけ、射出成形、またはLIGA(ドイツ語の略語:lithographie(リソグラフィ)、Galvanoformung(電気めっき)、Abformung(モールド成形))を含む複製方法が多くの場合使用される。これらの方法は、分岐凹部などの構造のネガ形状と、場合によっては、基板上の任意の追加の特徴、例えば、流体接続用の孔、位置合わせ特徴などと、を含む型の製作を伴う。
型は、高精度微細機械加工、放電加工(EDM)、またはフォトリソグラフィなどの異なる技術を使用して生成され得る。
フォトリソグラフィは、型の製作のための第1の工程であり得、その後に本明細書に説明されるように電気めっきが続く。シリコン基板は、フォトレジストの層でコーティングされ得、次いで、クロムマスクを通してUV光に露光されて、分岐凹部のポジ形状を作成し得る。次いで、電気めっきによってニッケルがフォトレジスト上に堆積され得る。次いで、シリコンウエハが、例えば、KOHを使用して、化学的に溶解され得る。型インサートは、ダイシングされ、マイクロ射出成形ツールに挿入され得、マイクロ射出成形ツールは、分岐凹部のネガ形状を含む空洞を形成する。
型の製作後、ポリマーは、溶融され得、型の微小空洞内を流れる。ポリマーが冷却するとき、型の形状を保持する。型の良好な複製および型からの微細構造化された部分の正しい離型/除去を達成するために、充填圧力および/または温度などの重要なパラメータが最適化される必要がある。
導管を含むポリマー基板の、およびポリマーキャッピング片基板の組み立てが、閉鎖された液密導管を作成するために必要であり得る。基板の組み立てまたは導管の閉鎖は、例えば、熱結合超音波またはレーザ溶接、積層を介して、様々な技術を使用して不可逆的に行われ得る。熱結合では、ポリマー基板は、ガラス転移温度をわずかに下回って加熱され、高圧が、2つの基板を組み立てるために適用され得る。プロセスによって微細構造が損傷しないように、温度、時間、および圧力パラメータが最適化される必要があり得る。積層の場合、接着表面、例えば、感圧接着剤を伴う、例えば、30μm~400μmの厚さの薄い積層体が、導管の一部の上に配置され得る。圧力は、例えば、ローラを使用して、積層体を封止するために、表面全体に均一に適用され得る。
導管の不可逆的閉鎖の別の方法は、PDMSで作製された微細構造に使用され得る。PDMS部分は、平坦なPDMS部分またはガラス基板で組み立てられ得る。溶剤、例えば、エタノールおよび/またはイソプロパノールを使用する、これらの部分の洗浄後、部分は、酸素プラズマに1分間曝され得る。次いで、2つの表面が接触させられて、不可逆的結合を形成する。
ベースマイクロ流体片を含むなどの、マイクロ流体デバイスの1つ以上の部分は、ガラスで作製され得る。この場合、流体導管ネットワークは、フォトリソグラフィおよび異方性エッチングを使用して作製され得る。入口孔は、サンド/パウダーブラストを使用して作製され得る。
ポリマー製のマイクロチップと同様に、ガラスマイクロチップは、液密導管を作成するために閉鎖される必要がある。
ガラス基板の組み立ては、例えば、陽極結合を介して行われ得る。
乳化区分は、第1の移送導管部分および第1の収集導管部分を含み得る。第1の移送導管部分は、油担体流体中の水滴の形成が起こる、流体流の方向の第1の流体接合部の直後のゾーンを指す。第1の移送導管部分は、第1の流体接合部の中心から、第2の流体接合部の中心までの領域、または流体流の方向の第1の流体接合部の中心から少なくとも25μm~75μmまでの領域を含み得る。
第1の収集導管部分は、水性担体流体中の油シェルによって取り囲まれたダブルエマルション水滴の形成が起こる、流体流の方向の第2の流体接合部の直後のゾーンを指す。第1の収集導管部分は、第2の流体接合部の中心から、第2の流体接合部の中心から250μmまでの領域、または流体流の方向の第1の流体接合部の中心から少なくとも25μm~75μmまでの領域を含み得る。
マイクロ流体デバイスの生産を容易にすることが本発明の目的であり得る。
本開示全体を通して、上/下、より上/より下、上部/底部、および上側/下側のいずれかなどの用語は、その意図された使用中、すなわち、エマルション液滴の提供のための流体の処理中のマイクロ流体デバイスの配向に関連し得る。高さ/幅/長さおよび水平面などの用語にも同様のことが当てはまり得る。高さおよび深さは、互換的に使用され得る。さらに、傾斜表面は、水平面に対する傾斜を指し得る。
しかしながら、平坦表面部分の凹部によって提供され、例えば、図23に例示されるように別の平坦表面部分によって覆われている導管または別の流体/マイクロ流体構造を指すときはいつでも、底部という用語は、凹部の最も低い部分を指し得、上部という用語は、それぞれの導管または別の構造のキャッピング部分を提供する別の表面部分を指し得る。
材料が「同じ」であると定義されるときはいつでも、それは、実質的に同じであると理解され得る。例えば、上部片やおよび底部片などの片は、1つ、複数、または全てが、適用されたコーティングを有する場合でも、同じ材料であると言及され得、コーティングは、2つの片の任意の材料とは異なり得る。
「ベース材料」という用語は、例えば、コーティングされてもよく、またはコーティングされなくてもよい、例えば、その表面の一部にコーティングされ得る、基板を指し得る。
任意の導管部分の直径は、疑似直径(Dp)として理解され得る。疑似直径は、それぞれの部分の断面積(Acs)に基づき得る。それぞれの部分がそれぞれの部分の広がり全体を通じて同じ断面積を有しない場合、平均断面積が利用され得る。疑似直径は、それぞれの断面積に基づいて次のように定義され得る:
Dp=2√(Acs/π)。
本開示全体を通して、第1、第2、および第3の用語、ならびに一次、二次、三次、かつこれらの任意の組み合わせは、必ずしもそれぞれのイベント、工程、または機能のタイミングおよび/または優先順位を示すものではない。したがって、第1のイベントなどの1つのイベントは、第2のイベントなどの別のイベントの前、最中、または後に発生してもよく、または1つのイベントは、他のイベントの前、最中、および後の任意の組み合わせで発生してもよい。
本開示全体を通して、範囲が第1の値と第2の値との間にあると定義されるときはいつでも、別途明記されない限り、第1の値および第2の値は、その範囲の一部であるとみなされる。
オリフィスは、流体通路などの通路として理解され得る。
少なくとも第1の移送導管部分および/または第1の収集導管部分および/または「マイクロ流体部分」全体の高さ(または深さ)対幅の比率は、少なくとも0.7および/または最大で1.4、例えば、少なくとも0.8および最大で1.2、例えば、少なくとも0.9および最大で1.1、例えば、およそ0.9の値を有し得る。これは、生産を容易化するためのものであり得る。比率が1をはるかに超えると、例えば、1.4を超えると、生産が困難になり得る。例えば、射出成形について、比率が所望の範囲外である場合、型と型によって形状化される物質とを分離することが困難である場合がある。例えば、ミリングについて、所望の範囲外である場合、必要とされる強度対長さの比率を有する、ミリングデバイス、例えば、ドリルを提供することが困難であり得る。高さ対幅の比率が低いと、導管を形成する凹部のカバー部分の「たるみ」のリスクのために、導管部分の高さが低くなり得るか、または導管を完全にもしくは部分的に遮断し得、これらの影響が増加し得るため、比率は、1よりも低くなり過ぎない、例えば、0.7よりも低くならないことが望ましい場合がある。
導管は、チャネルと称され得る。任意の導管および/または流体導管ネットワークの任意の部分は、4つの側部、すなわち、底部分、上部分、および2つの側壁に関して画定され得る。
別途記載されない限り、導管またはその一部の水に対する親和性への言及は、例えば、円周のそれぞれの部分が有する、例えば、4つの側部の各々についての、円周のパーセンテージに関して加重された平均を指し得る。
流体導管ネットワークの導管の凹部の側壁は、垂直方向に対して、少なくとも1度、例えば、少なくとも2度、例えば、3~4度、かつ凹部の底部が凹部の上部よりも狭いように、傾斜していてもよい。側壁、例えば、等しい長さの側壁は、平行なベース縁のいずれかの法線に対して少なくとも1度および/または最大で20度の先細りを有し得る。
マイクロ流体デバイスは、例えば、3D印刷されることによって、一体で提供され得る。しかしながら、現在の最先端技術では、そのような生産方法は、費用効果が高くなく、時間が掛かる可能性がある。
したがって、本発明の目的は、例えば、一緒に結合されることによってマイクロ流体デバイスを形成する複数の構成要素の提供によって、生産を容易にすることであり得る。
マイクロ流体デバイスは、一緒に結合された複数の構成要素を備え得る。複数の構成要素は、第1の構成要素および第2の構成要素を含み得る。第1の構成要素および第2の構成要素は、それらの間に、例えば、他の構成要素によって平坦表面によって覆われている2つの構成要素のうちの1つの分岐凹部によって、流体導管ネットワークを形成し得る。第1および第2の構成要素は、一緒に結合され得る。
第1および第2の構成要素は、例えば、一緒に結合されたときに、複数の構成要素の一部を形成し、かつ少なくとも二次供給容器、場合によっては、提供される場合、三次供給容器を含む、第3の構成要素に接続されている場合、または接続されるように構成されている場合、「ベースマイクロ流体片」または「マイクロ流体構造」と称され得る。そのようなセットアップでは、第3の構成要素は、「ベース容器構造片」または「容器構造片」と称され得る。
少なくとも二次供給容器を含む構成要素は、「ベース容器構造片」と示され得る。
いずれにせよ、第1、第2、および、例えば、第3の構成要素などの複数の構成要素を形成する構成要素は、組み立てられたとき、およびマイクロ流体デバイスが、意図された使用中に意図された配向を有するとき、それらの垂直順序に従って参照され得る。したがって、複数の構成要素は、上部構成要素、底部構成要素、および場合によっては、中間構成要素を含み得る。第1および第2の構成要素は、底部および中間構成要素を含み得るか、またはその逆も可であり得る。第1および第2の構成要素は、上部および中間構成要素を含み得るか、またはその逆も可であり得る。
複数の構成要素は、同じ材料で提供され得る。
流体導管ネットワークを形成する凹部をカバーする構成要素は、カバー層/片またはキャッピング層/片と示され得る。
「片」という用語は、「構成要素」の代わりに利用され得るか、またはその逆も可であり得る。
構成要素/片の上側および下側は、組み立てられたとき、およびマイクロ流体デバイスが意図された使用中に意図された方向を有するとき、それらの垂直方向に従って参照され得る。
中間構成要素は、例えば、上部構成要素のそれぞれの容器を、貫通孔片と底部片との間に提供されたそれぞれのマイクロ流体構造に接続する複数の貫通孔を含む場合、「貫通孔片」と示され得る。
マイクロ流体デバイスは、ベース容器構造片および底部片を含む少なくとも2つの片を備え得、これらは、各容器群がそれぞれの対応するマイクロ流体ユニットに固定的に接続されるように、互いに固定的に接続され、容器区分は、ベース容器構造片によって提供され、マイクロ流体区分は、少なくとも2つの片のうちの少なくとも2つの片によって提供される。
「マイクロ流体構造」の凹部は、底部片の上側に提供され得、例えば、ベース容器構造片の底側が蓋として機能している。
「マイクロ流体構造」の凹部は、ベース容器構造片の底側に提供され得、例えば、底部片の上側が、下の蓋として機能しており、ベース容器構造片は、各マイクロ流体ユニット毎に分岐凹部を含み得る。
例えば、1つの片が凹部を有し、1つの片が凹部の蓋を提供し、それによって導管を形成する、マイクロ流体区分を形成する少なくとも2つの片は、異なる材料で提供され得る。2つの片を結合するために、接着剤が利用され得る。
マイクロ流体デバイスは、例えば、ベース容器構造片および底部片に加えて、貫通孔片を含む、少なくとも3つの片を備え得る。「マイクロ流体構造」の凹部は、貫通孔片の底側に提供され得、例えば、底部片の上側が下の蓋として機能している。あるいは、「マイクロ流体構造」の凹部は、底部片の上側に提供され得、例えば、貫通孔片が上の蓋として機能している。
第1および第2の構成要素が結合され得、例えば、熱的に結合されるか、化学的に結合されるか、または熱化学的に結合され得る。続いて、容器構造が、例えば、容器の底部を通じて、例えば、レーザ溶接によって、そこに結合され得る。レーザ溶接の代替として、デバイスの使用中に容器構造片の下にあることを意図される構造物との容器構造片の接続、接着剤が使用され得る。
本発明は、レーザ溶接を使用する2つの片の接続を含み得、2つの片は、例えば、ベース容器構造片と、そのすぐ下に提供される片、例えば、貫通孔片または底部片と、であり得る。
レーザ溶接を使用して2つの片を接続するとき、2つの片のうちの一方は、レーザ光吸収添加剤、例えば、黒色または青色の顔料を含み得、一方、他方の片は、例えば、透明であることによって、それぞれのレーザ光が、吸収されずに、または大幅に少なく吸収されることによって、通過することを可能にし得る。2つの材料のうちの一方の吸光度は、例えば、他の材料の吸光度よりも少なくとも10倍高く、例えば、少なくとも20倍高くてもよい。
例えば、レーザ溶接は、ベース容器構造片を通して実施され得、ベース容器構造片は、透明であり得るが、一方、その下の片(複数可)、例えば、中間片および/または底部片は、レーザ光を吸収する添加剤、例えば、黒色または青色の顔料を含有し得る。あるいは、マイクロ流体側から接続されてもよい。その場合、容器構造は、レーザ光を吸収する添加剤、例えば、黒色または青色の顔料を含有しなければならず、貫通孔片を含むマイクロ流体部分全体は、レーザ光が通過することを可能にするために透明とされる。
レーザ溶接を使用するとき、例えば、他方の片によって提供されない可能性がある一方の片のレーザ光吸収添加剤を考慮せず、および/または、例えば、第1の移送導管部分もしくは第1の収集導管部分に提供されるコーティングを考慮せず、溶接される片の材料が同じでなければならないことが必要とされ得る。
ベース容器構造は、3mm~20mmの高さを有し得る。ウェルを含まない部分は、0.5mm~3mmの高さを有し得る。
キャッピング層は、0.1~3mmの厚さを有し得る。
マイクロ流体部分の凹部を含む構成要素は、0.3~3mmの厚さを有し得る。
一次オリフィスは、ピペット先端の遠位端ゾーンを収容するように構成され得る。一次オリフィスは、遠位端ゾーンが一次オリフィスによって収容されて一次オリフィスに対して押し付けられるときに、ピペット先端とシールを形成するように構成され得る。
ピペット先端は、5~200μlの範囲の測定された量の液体を輸送するために使用される使い捨てのプラスチックデバイスとして理解され得る。ピペット先端は、2つの開口部を有し、第1の開口部は、ピペット先端の近位端に提供され、第2の開口部は、ピペット先端の遠位の、そして通常はより薄い、端に提供される。第1の開口部は、ピペット上に収まるように設計され得、5~10mmの内径を有し得る。第2の開口部は、液体輸送用に使用され得、例えば、0.5mm~3.0mmの範囲の外径を有し得る。第1の開口部から第2の開口部までのピペット先端の長さは、例えば、3~10cmであり得る。
一次オリフィスおよび/または一次オリフィスの表面接線は、円錐形であり得、二次供給空洞から離れる方向に先細りであり得る。
一次オリフィス、または一次オリフィスの1つ以上の表面部分は、1つ以上の円錐形表面部分を形成し得、これは、二次供給空洞から離れる方向に先細りになり得、例えば、図17aを参照されたい。
一次オリフィス、または一次オリフィスの1つ以上の表面部分は、1つ以上のリングトーラス表面部分などの、1つ以上のトロイド表面部分を形成し得る。
一次オリフィスは、二次供給空洞に隣接する第1の一次外周から少なくとも第2の一次外周まで延在し得る。第1の一次外周は、ピペット先端の遠位端が通過することを可能にするように構成され得る。第2の一次外周は、円形であり得る。第2の一次外周は、ピペット先端の遠位端ゾーンが第2の一次外周に対して押し付けられたときに、ピペット先端の遠位端ゾーンとシールを保持および形成するように構成され得る。第1の一次外周の最小直径は、第2の一次外周の直径よりも大きくてもよい。第1の一次外周の最小直径は、第2の一次外周の直径よりも50%未満大きくてもよい。
第1の一次外周から、一次オリフィスは、第2の一次外周に向かって徐々に狭くなり得る。
第1の一次外周から第2の一次外周までの距離は、10mm未満、例えば、3mm未満とすることができる。
第1の一次外周は、二次供給空洞に隣接する一次オリフィスの断面によって画定され得る。
第1の一次外周の最小直径は、9mm~0.5mm、例えば、5mm~1.7mm、または、例えば、0.6mm~1.2mmであり得る。第2の一次外周の直径は、0.10mm~3.0mm、例えば、0.13mm~1.9mmであり得る。
ピペット先端の遠位端が二次供給容器の一次オリフィス内に容易に挿入されることを容易にするために、一次オリフィスの第1の一次外周の最小直径が、ピペット先端の遠位端の外径よりも大きくあり得ることが望ましい場合がある。第1の一次外周は、ピペット先端の遠位端の挿入を妨害しない円形または別の適切な形状であり得る。
ピペット先端の遠位端ゾーンが一次オリフィスによって収容されてそれに対して押し付けられるときに二次供給容器の一次オリフィスとピペット先端との間のシールの提供を容易にするために、および/またはピペット先端を保持するために、一次オリフィスの第2の一次外周の直径が、ピペット先端の遠位端の外径よりも小さくあり得ることが望ましい場合がある。
二次供給容器の二次オリフィスは、二次供給空洞に隣接する第1の二次外周から、少なくとも第2の二次外周まで延在し得る。第1の二次外周は、ピペット先端の遠位端が通過することを可能にするように構成され得る。第2の二次外周は、平坦部分を含み得、ピペット先端が第2の二次外周に対して押し付けられたときに、ピペット先端の遠位端ゾーンを保持せずに、ピペット先端の遠位端が二次オリフィス内にさらに移動することを妨げるように構成され得る。
二次オリフィスおよび/または二次オリフィスの表面接線は、円錐形であり得、二次供給空洞から離れる方向に先細りであり得る。
二次オリフィス、または二次オリフィスの1つ以上の表面部分は、1つ以上の円錐形表面部分を形成し得、これは、二次供給空洞から離れる方向に先細りになり得る。
二次オリフィスが一次オリフィスと同じ方向に先細りになる実施形態は、より容易な生産を可能にし得る。これは、例えば、二次供給容器を含む構成要素が射出成形によって生産される場合に当てはまり得る。
第1の二次外周の最短直径は、最大で0.6mmなどの最大で定義された値、または少なくとも1.2mmなどの少なくとも定義された値とすることができる。最大で所望の値である第1の二次外周の最短直径の提供は、ピペット先端の遠位端の直径が二次オリフィスの上部分の最短直径よりも大きい場合、意図せず二次オリフィス内にピペット先端を挿入することが不可能であるという利点を提供し得る。少なくとも定義された値である第1の二次外周の最短直径の提供は、生産を容易にする利点を提供し得る。
中間チャンバは、ピペット先端によってアクセス不能であり得る。
1つ以上の供給容器は、各々、ウェルを含み得る、および/またはピペット先端によってアクセス可能であり得る。
収集容器は、ウェルを含み得る、および/またはピペット先端によってアクセス可能であり得る。
ピペット先端によってアクセス可能であることは、流体の上部添加または上部除去のための操作中にピペット先端を収容するように構成されていると理解され得る。
中間チャンバは、少なくとも8mm、例えば、少なくとも15mm、例えば、少なくとも25mmの広がりを有し得る。中間チャンバは、100μm~9mmの幅を有し得る。中間チャンバは、50μm~5mmの深さを有し得る。中間チャンバの幅対深さの比率は、0.3~5であり得る。中間チャンバについて、幅と長さとの乗算は、少なくとも100mm2であり得る。
中間チャンバは、意図される流れの方向に直交するいかなる方向にも遠くまで延在し過ぎないことが望ましい場合がある。これは、処理中、すなわち、第2の流体、例えば、油がチャンバに入り、第1の流体接合部を介して第1の流体を収集チャンバに向かって押し出すときに、第1の流体、例えば、試料流体が、チャンバのポケット内に入り込まないという利点を提供し得る。したがって、第1の流体の完全な処理は、本発明で達成され得る。
中間チャンバは、少なくとも5μL、例えば、少なくとも10μL、例えば、少なくとも15μL、例えば、少なくとも20μLの容積を有し得る。中間チャンバは、最大で50μLの容積を有し得る。中間チャンバは、15μL~35μLの容積を有し得る。
中間チャンバの容積は、処理されることを意図される第1の流体の容積よりも高く、例えば、少なくとも10%高く、例えば、少なくとも20%高いことが望ましい場合がある。
所望の容積と組み合わせて、意図される流れ方向に直交する任意の方向の中間チャンバの広がりに対する所望の制限は、中間チャンバの特定の広がりの必要性を結果的にもたらし得る。しかしながら、マイクロ流体デバイスの一般的なサイズの制限および/または全体的な広がりが制限される所望の構造に起因して、本発明者らは解決策を見出した。
したがって、中間チャンバは、曲線に沿って延在し得る。
曲線は、反対方向に延在する少なくとも3つの部分などの、反対方向に延在する少なくとも2つの部分またはゾーンを含み得る。実施形態に依存して、反対方向に延在する、均一または不均一な数の中間チャンバの部分を有することが望ましい場合がある。
本発明による中間チャンバは、その入力と出口との間の距離よりも長く延在し得る。
中間チャンバの広がりは、意図される使用中、意図される流れの中心に沿っているとみなされ得る。
中間チャンバは、蛇行形状部分を有し得る。
二次供給導管は、第1の二次供給導管および第2の二次供給導管を含み得る。第1の二次供給導管および第2の二次供給導管は、第1の二次供給導管および第2の二次供給導管の各々が、例えば、第1の流体接合部の反対側に対応する、異なる方向、例えば、反対方向からの第1の流体接合部に到達するように、二次供給導管の共通導管部分から意図される流れ方向に沿って分岐し得る。したがって、乳化が容易化され得る。これは、「ピンチング」と示され得る。
収集容器は、傾斜表面を有する底部分を有し得る。収集オリフィスは、収集容器の最下部分に提供され得る。
水ベースの流体などの第1の流体は、第2の流体よりも低い密度を有することが望ましい場合がある。したがって、エマルション液滴は、処理中に収集導管の流体の上部分に到達することになる。したがって、液滴の取り込みは、乳化プロセスが終了した後、最初に容器の底部から流体を取り除くことによって容易化され得、その後、収集容器内の残留物は、収集容器(図13aの収集容器334参照)の濃縮された容積における濃縮された数のエマルションを有する、より少量の処理された流体を含む。
フッ素化油Novec HFE-7500(3M、USA)の密度は、1614kg/m3である。フッ素化油FC-40の密度は、1855kg/m3である。
収集ウェルの傾斜表面は、サブ収集容器凹部によって提供され得る。これは、例えば、射出成形による生産に対する利点であり得、生産は、同様の厚さの材料の提供によって容易化され得る。
二次供給容器は、50μL~500μL、例えば、100μL~300μL、例えば、150μL~250μL、例えば、およそ200μLの容積を有し得る。
収集容器は、50μL~500μL、例えば、100μL~350μL、例えば、200μL~300μL、例えば、およそ250μLの容積を有し得る。
収集容器は、少なくとも二次供給容器および中間容器の合計容積であるなどの、二次供給容器よりも大きい容積を有し得る。
一次供給導管は、中間チャンバから第1の流体接合部までつながる導管を含み得る。一次供給導管は、中間チャンバから第1の接合部まで蛇行形状部分を有し得る。
一次供給導管は、二次供給導管と少なくとも同じ容積、および/または0.025~1.3μL、例えば、0.045~0.85μL、例えば、およそ0.22μLとすることができる。一次供給導管は、曲線に沿って延在し得る。曲線は、反対方向に延在する少なくとも3つの部分などの、反対方向に延在する少なくとも2つの部分またはゾーンを含み得る。説明されたような一次供給導管の提供は、その入力と出口との間の距離よりも長く延在し得る導管の提供を容易にし得る。一次供給導管の広がりは、意図される使用中、意図される流れの中心に沿っているとみなされ得る。
第1の二次供給導管および第2の二次供給導管の各々は、0.02~1.2μL、例えば、0.04~0.8μLの容積を有し得る。
二次供給導管は、0.04~2.4μL、例えば、0.08~1.6μL、例えば、およそ0.35μlの容積を有し得る。
第2の流体が、デバイスの使用中に第1の流体の前に接合部に到達することが望ましい場合がある。したがって、第1の二次供給導管および第2の二次供給導管の各々の容積は、一次供給導管の容積よりも小さくてもよい。
収集導管は、0.01~1μL、例えば、0.02~0.6μL、例えば、およそ0.06μlの容積を有し得る。
各流体導管ネットワークの容積は、0.06~6μL、例えば、0.2~3μL、例えば、0.3~1.5μL、例えば、およそ0.62μlとすることができる。
二次供給容器を画定する壁の形状は、ピペット先端を一次オリフィスに向けてガイドするように構成され得る。
二次供給容器を画定する壁の形状は、水平面で見られる非円形断面を有し得る。
二次供給容器を画定する壁の形状は、一次オリフィスに近い二次供給容器の第1の側部に向かって先細りの側壁を有し得る。
本発明のマイクロ流体デバイスは、乳化区分および容器区分を形成する複数の構成要素を備え得る。
複数の構成要素は、固定的に接続されたユニットを形成し得る。
各構成要素は、少なくとも1つの他の構成要素に固定的に取り付けられ得る。
複数の構成要素の各構成要素は、各構成要素が少なくとも1つの他の構成要素に固定的に取り付けられるように、かつ複数の構成要素が胡適的に接続されたユニットを形成するように、複数の構成要素の別の構成要素の側部に面してそこに取り付けられる少なくとも1つの側部を備え得る。
複数の構成要素は、互いに固定されて面している第1の構成要素および第2の構成要素を含み得る。複数の構成要素は、第3の構成要素を含み得る。
各乳化区分の流体導管ネットワークは、一部では、第1の構成要素によって、一部では、第2の構成要素によって形成され得る。
各容器群の中間チャンバは、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちの1つなどの、複数の構成要素のうちの1つの構成要素の第1の凹部によって部分的に形成され得る。さらに、各容器群の中間チャンバは、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちの別の1つなどの、複数の構成要素のうちの別の構成要素の第1の平坦表面によって部分的に形成され得る。
各容器群の二次供給容器、各容器群の収集容器、および各容器群の中間チャンバの第1の凹部は、複数の構成要素の同じ構成要素に提供され得る。
二次供給容器および収集容器は、中間チャンバの第1の凹部と比較して反対方向に面するそれぞれの上部開口部を備え得る。
利点:全てのより大きい構造を一体に/1つの構造で提供、例えば、成形し、一方、より小さい構造を1つ以上の他の断片構造で提供することがより容易であり得る。
第1の凹部を備え得る構成要素は、第1の凹部が提供され得るプレート状区分を含み得る。凹部のすぐ隣のプレート状区分の厚さは、0.5mm~3mmとすることができる。
各容器群の二次供給容器および各容器群の収集容器は、第3の構成要素に提供され得る。
複数の構成要素のうちの2つの構成要素、上部構成要素(上部構成要素382、図11参照)および底部構成要素(底部構成要素380、図11参照)が、それぞれ示され得る。上部構成要素は、第1の構成要素または第2の構成要素などの複数の構成要素のうちのいずれかを含み得る。底部構成要素は、複数の構成要素のうちの別の構成要素を含み得る。
複数の構成要素が3つの構成要素(例えば、図1、7、および14を参照)を含む1つ以上の実施形態について、これらは、それぞれ、上部構成要素(482、図14参照)、底部構成要素(480、図14参照)、および中間構成要素(481、図14参照)として示され得る。上部構成要素は、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちのいずれかを含み得る。底部構成要素および中間構成要素は、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちのそれぞれ他の構成要素を含み得る。
上部構成要素は、上部片と示され得る。底部構成要素は、底部片と示され得る。中間構成要素は、中間片と示され得る。
本発明は、上部構成要素の第1の凹部の提供を含み得、第1の凹部は、中間チャンバの主要部分を形成する。
本発明は、上部構成要素の第2の凹部の提供を含み得、第2の凹部は、乳化区分の主要部分を形成し、第2の凹部は、分岐凹部である。
本発明は、上部片と底部片との間に提供されたキャッピング層の形態の中間構成要素を備え得る。キャッピング層の第1の側部は、流体導管ネットワークのキャッピング部分を提供し得る。これは、流体導管ネットワーク、特にそのマイクロ流体部分のキャッピングが、薄層によって提供され得るという利点を伴い得る。薄層は、上部片などの大きい構造と比較して、改善された平坦性を可能にし得る。さらに、小さい構造および大きい構造が同じ構成要素の一部ではないことが利点であり得、そうでない場合、最小構造の重要部分の沈下または変形につながる場合がある。
アセンブリが、マイクロ流体デバイスと、熱構造と、および熱構造とマイクロ流体デバイスの底部分との間の熱接続を提供するように構成されたホルダと、を備える、本発明によるアセンブリについて、ホルダは、二次供給ウェルなどの少なくとも二次供給容器に圧力を供給するための圧力供給機器内への挿入のために構成された設置面積を有し得る。
デバイスの第1の端および第2の端は、デバイスがホルダ上で一方向のみを有し得るように、異なる形状を有し得る。
本発明によるエマルション液滴を提供するための方法は、
-ピペット先端の遠位端ゾーンを一次オリフィス内に収容し、ピペット先端から第1の容器群の中間チャンバ内に第1の流体を注入する工程と、
-第1の容器群の二次供給容器に第2の流体を提供する工程と、
-第1の容器群の二次供給容器内の圧力が第1の容器群の収集容器内よりも高いように、第1の容器群の二次供給容器と、第1の容器群の収集容器との間に圧力差を提供する工程と、を含み得る。
方法が本発明によるキットの使用を含むとき、第1の流体が試料緩衝液を含み得る、および/または第2の流体が油を含み得る。
本発明によるエマルション液滴を提供するための方法を実施するために、ピペット先端の遠位端ゾーンを一次オリフィス内に収容し、ピペット先端から第1の容器群の中間チャンバ内に第1の流体を注入する工程は、ピペット先端と一次オリフィスとの間にシールを提供することを含み得る。これは、第1の流体またはその一部が、中間チャンバの代わりに二次供給導管に提供されることになることを緩和し得る。
圧力差を提供する工程は、ピペット先端の遠位端ゾーンを一次オリフィス内に収容する工程に続いて提供され得る。圧力差を提供する工程は、第2の流体を二次供給容器に提供する工程に続いて提供され得る。方法は、例えば、第1の容器群の二次供給容器と第1の容器群の収集容器との間の圧力差を維持しながら、中間チャンバによって保持された第1の流体全体が収集容器に到達することを可能にする工程を含み得る。
第1の片、第2の片、および第3の片のうちの1つ、複数、または全てなどの、マイクロ流体デバイスに好適であり得る材料は、以下のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含む材料で提供され得る:
ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ナイロン6(ポリカプロラクタム、アラミド6)、ポリエチレンオキシド(PEO、PEG、ポリエチレングリコール)、ナイロン6,6、ナイロン7,7、ポリスルホン(PSU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA、アクリル、プレキシグラス)、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ、ポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール、ポリメチレンオキシド)、ポリビニリデンクロリド(PVDC、サラン)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ナイロン11、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルフルオリド(PVF)、ポリビニルクロリド(PVC)、ナイロン9,9、ポリスチレン(PS)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、Zeonor、Topas、Zeonex、Apex、ポリn-ブチルメタクリレート(PnBMA)、ポリトリフルオロエチレン、ナイロン10,10、ポリブタジエン、ポリエチレン(PE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリt-ブチルメタクリレート(PtBMA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ヘキサトリアコンタン、パラフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、およびポリイソブチレン(PIB、ブチルゴム)。
上記と関連付けられた可能性のある利点としては、少なくとも、デバイスの意図される使用中に意図される流れの方向に第1の流体接合部のすぐ近くに広がる流体導管ネットワークの部分の中で、油中水滴を形成するために必要とされ得る比較的高い接触角が挙げられ得る。
二次供給容器は、二次供給ウェルと示され得る。収集容器は、収集ウェルと示され得る。三次供給容器は、提供される場合、三次供給ウェルと示され得る。これらの細長い形状は、例えば、二次供給容器と収集容器との間の方向に沿って画定される、長さに沿って望まれる場合がある。これは、幅に対する制限に起因し得、いかなる長さの制限よりもより制約的であり得る。幅は、例えば、長さに直交して、水平面内で画定される。
マイクロ流体デバイスは、複数の試料ラインを備え得る。乳化ユニットおよび対応する容器群は、一般に試料ラインと称され得る。マイクロ流体デバイスは、8つの試料ラインを備え得る。マイクロ流体デバイスは、複数の収集容器の各収集容器が互いに位置合わせされるように提供され得る。マイクロ流体デバイスは、複数の二次供給容器の各二次供給容器が互いに位置合わせされるように提供され得る。マイクロ流体デバイスは、複数の一次オリフィスの各一次オリフィスが互いに位置合わせされるように提供され得る。これは、マルチチャネルピペットの使用を容易にし得る。
本発明によると、第1の流体、例えば、試料流体が乳化されると、第2の流体、例えば、油は、一次供給導管を通過することになる。したがって、空気が乳化を破壊し得るため、空気が乳化区分を介して収集容器に入ることが回避または緩和され得、そうでなければ望ましくない場合がある。当然ながら、これは、少なくとも、全ての第2の流体が乳化区分を通って押し出されるまでとすることができる。しかしながら、先行技術の解決策と比較して、乳化されて収集容器に到達した第1の流体の最後から、空気が収集容器に到着し始め得るまで、追加の時間が経過することを可能にし得る。
マイクロ流体デバイスは、使用中にそれぞれの供給導管に所望の体積流量を提供することができ、結果的に、例えば、液滴サイズの観点から望ましい、使用中の所望の乳化を達成するために、第1および第2の流体の粘度の特定の組み合わせのために設計され得る。
第1の流体全体が乳化されていること、または少なくとも、乳化されていないパーセンテージが小さいことが望ましい場合がある。
容器区分および乳化区分は、固定的に接続されたユニットを形成し得、各容器群は、それぞれの対応する乳化ユニットを伴う固定的に接続されたユニットを形成する。
マイクロ流体デバイスは、デバイスを取り扱うためのハンドル/突起を備え得る。ハンドル/突起は、マイクロ流体デバイスの上部構成要素の上側からなどの、マイクロ流体デバイスの上側から突出し得る。
第1の流体接合部内への開口部は、1000μm2~25000μm2の範囲内、例えば、4000μm2~7000μm2の範囲内とすることができる。
第1の構成要素および/または第2の構成要素などの任意の1つ以上の構成要素は、2つまたは4つのサブ構成要素などの複数のサブ構成要素によって提供され得る。
第1の基板および/または第2の基板などの任意の1つ以上の基板は、2つまたは4つのサブ基板などの複数のサブ基板によって提供され得る。
本開示を通して、「液滴」という用語は、本発明に従って提供されるなどの「エマルション液滴」を指し得る。
図1は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第1の実施形態の側面図を概略的に例示する。図1aは、マイクロ流体デバイスの組み立てられた図を例示する。図1bは、図1aの分解図を例示する。
図1aは、二次供給容器131および収集容器134を備えるマイクロ流体デバイス100を例示する。さらに、図1aの実施形態は、突起/ハンドル190を備える。
図1bは、図1aのマイクロ流体デバイス100が、3つの異なる片、すなわち、上部片182、中間片181、および底部片180を備えることを例示する。図1bは、全ての片を分解図で示す。
図2は、マイクロ流体デバイスの第1の実施形態の分解図を概略的に例示する。図2aは、上部から見たときの全ての片の分解図を示し、図2bは、底部から見たときの片の分解図を示す。
図3は、図2aに例示される底部片の上面図を概略的に例示する。図3aは、180aに例示される片の拡大図を示す。図3bは、図2aに例示されるような個々の流体導管ネットワーク135aの拡大を示す。
図4aは、個々の容器131、134を示す図1によるマイクロ流体デバイスの実施形態の上面図を概略的に例示する。図4bは、図2bに例示される上部片の底部182bと図2aに示される中央片の上部181aとの間の接触エリア、例えば、区分を例示する。図4bは、二次供給凹部191bおよび出口凹部191cを例示する。
図5は、図4aに例示されるような容器群の断面図を例示する。図5aは、いくつかの参照を伴う断面図を例示し、一方、図5bは、他の参照を伴う同じ断面図を例示する。図5は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第1の実施形態の断面図を概略的に例示する。
図6は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第2の実施形態の側面図を概略的に例示する。
図7は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第2の実施形態の側面分解図を概略的に例示する。図7aは、上部から見た分解図を例示する。図7bは、底部から見た分解図を例示する。
図8は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第2の実施形態の上面分解図を概略的に例示する。図8aは、上部から見たときの片の全ての分解図を示す。図8bは、底部から見たときの片の分解図を示す。
図9は、図7によるマイクロ流体デバイスの実施形態の上面図を概略的に例示する。図9aは、個々の容器を例示する上面図を示す。図9bは、図9aに例示される個々の容器の断面図を示す。
図10は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第3の実施形態の非分解図を概略的に例示する。図10aは、第3の実施形態の上面図を例示する。図10bは、第3の実施形態の側面図を例示する。
図11は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第3の実施形態の上面分解図を概略的に例示する。図11aは、底部から見たときの分解図を示す。図11bは、上部から見たときの片の分解図を示す。
図12は、本発明の第3の実施形態による個々の片の分解上面図を示す。図12aは、上面図からの個々の片を示し、図12bは、底面図からの個々の片を示す。
図13は、本発明による容器群の断面図を示す。図13aは、断面図を示し、図13bは、個々の片を示す二次供給容器の拡大図を例示する。
図14は、本発明によるマイクロ流体デバイスの第4の実施形態の上面分解図を概略的に例示する。図14aは、上部から見たときの分解図を示し、図14bは、底部から見たときの片の分解図を示す。
図15は、本発明の第4の実施形態による個々の片の分解上面図を示す。図15aは、上部からの個々の片を示し、図15bは、底部からの個々の片を示す。
図16は、図15によるマイクロ流体デバイスの実施形態の上面図を概略的に例示する。図16aは、個々の容器を例示する上面図を示す。図16bは、図16aに例示される個々の容器の断面図を示す。
図17は、二次供給容器の一実施形態を概略的に例示し、図17aは、実施形態の1つの断面図を数字と共に示し、図17bは、本出願による実施形態の別の実施形態の断面図を示す。
図18aは、二次供給容器の一実施形態を例示する。図18bは、図18aに例示される二次供給容器の断面図を例示する。
図19a~cは、流体導管ネットワークの一部の様々な異なる実施形態を例示する。図19aは、凹部構造503aを例示する。図19bは、蛇行構造503bを例示する。図19cは、U字形構造503cを例示する。
図23は、本発明によるマイクロ流体デバイスの導管の一部の等角断面図を概略的に例示する。
図1~5に例示されるマイクロ流体デバイス100は、
1つ以上の乳化ユニット170を含む乳化区分と、各乳化ユニット170毎に1つの容器群171を含む1つ以上の容器群171を含む容器区分と、を備え、各乳化ユニット170は、流体導管ネットワーク135(部分135aおよび部分135bによって形成される)から構成され、流体導管ネットワーク135は、
一次供給導管103および二次供給導管106を含む、複数の供給導管と103、106、112と、
移送導管112と、
一次供給導管103、二次供給導管106、および移送導管112の間の流体連通を提供する、第1の流体接合部120と、を備え、
各容器群171が、中間チャンバ174、収集容器134、および二次供給容器131を含む1つ以上の供給容器131を含む、複数の容器103、106、112を含み、
二次供給容器131が、二次供給空洞を画定し、二次供給容器131が、二次供給空洞から延在する二次オリフィス177(図5a参照)および二次供給空洞から延在する一次オリフィス176を備え、
収集容器134が、収集容器134の収集オリフィスを介して、対応する乳化ユニット170の移送導管112と流体連通しており、
二次供給容器131が、二次オリフィス177を介して、対応する乳化ユニット170の二次供給導管106と流体連通しており、
二次供給容器131が、一次オリフィス176を介して、同じ容器群171の中間チャンバ174と流体連通しており、
中間チャンバ174が、対応する乳化ユニット170の一次供給導管103を介して、対応する乳化ユニット170の第1の流体接合部120と流体連通している。
マイクロ流体デバイス100の一次オリフィス176は、ピペット先端の遠位端ゾーンを収容するように構成され、遠位端ゾーンが一次オリフィス176によって収容されて一次オリフィス176に対して押し付けられるときに、ピペット先端とシールを形成するように構成されている。一次オリフィス176、または一次オリフィス176の1つ以上の表面部分は、1つ以上の円錐形表面部分を形成し得、これは、二次供給空洞から離れる方向に先細りになり得る。
図5bは、二次供給容器131の底部分136を例示する。
一次オリフィス176、または一次オリフィスの1つ以上の表面部分は、1つ以上のリングトーラス表面部分などの、1つ以上のトロイド表面部分を形成し得る。
第1の一次外周376aから、一次オリフィス376は、第2の一次外周376bに向かって徐々に狭くなり得る。この概念は、図13bに最良に例示される。第1の一次外周376aから第2の一次外周376bまでの距離は、10mm未満、例えば、3mm未満とすることができる。第1の一次外周376aは、二次供給空洞331aに隣接する一次オリフィス376の断面として画定され得る。
本発明の一実施形態によると、マイクロ流体デバイス100が説明され、第1の一次外周の最小直径は、0.5mm~9mmであり、第2の一次外周の直径は、0.10mm~3.0mmである。第1の一次外周の最小直径は、1.7mm~5mmとすることができる。
ピペット先端の遠位端が二次供給容器131の一次オリフィス176内に容易に挿入されることを容易にするために、一次オリフィス176の第1の一次外周の最小直径が、ピペット先端の遠位端の外径よりも大きくあり得ることが望ましい場合がある。第1の一次外周は、ピペット先端の遠位端の挿入を妨害しない円形または別の適切な形状であり得る。
ピペット先端の遠位端ゾーンが一次オリフィスによって収容されてそれに対して押し付けられるときに二次供給容器131の一次オリフィスとピペット先端との間のシールの提供を容易にするために、および/またはピペット先端を保持するために、一次オリフィス176の第2の一次外周の直径が、ピペット先端の遠位端の外径よりも小さいことが望ましい場合がある。
二次供給容器131の二次オリフィス377は、二次供給空洞331aに隣接する第1の二次外周377aから、少なくとも第2の二次外周377bまで延在し得る。第1の二次外周は、ピペット先端の遠位端が通過することを可能にするように構成され得る。第2の二次外周377bは、平坦部分を含み得、ピペット先端が第2の二次外周377bに対して押し付けられたときに、ピペット先端の遠位端ゾーンを保持せずに、ピペット先端の遠位端が二次オリフィス内にさらに移動することを妨げるように構成され得る。
二次オリフィス377および/または二次オリフィス377の表面接線は、円錐形であり得、二次供給空洞から離れる方向に先細りであり得る。
二次オリフィス377、または二次オリフィス377の1つ以上の表面部分は、1つ以上の円錐形表面部分を形成し得、これは、二次供給空洞から離れる方向に先細りになり得る。二次オリフィス377が一次オリフィス376と同じ方向に先細りになる実施形態は、より容易な生産を可能にし得る。これは、例えば、二次供給容器331を含む構成要素が射出成形によって生産される場合に当てはまり得る。
第1の二次外周377aの最短直径は、最大で0.6mmなどの最大で定義された値、または少なくとも1.2mmなどの少なくとも定義された値とすることができる。最大で所望の値である第1の二次外周の最短直径の提供は、ピペット先端の遠位端の直径が二次オリフィス377の上部分の最短直径よりも大きい場合、意図せず二次オリフィス377内にピペット先端を挿入することが不可能であるという利点を提供し得る。少なくとも定義された値である第1の二次外周377aの最短直径の提供は、生産を容易にする利点を提供し得る。
本明細書に説明される実施形態のいくつかによると、中間チャンバは、ピペット先端によってアクセス不能であり得る。1つ以上の供給容器331は、各々、ウェルを含み得る、および/またはピペット先端によってアクセス可能であり得る。収集容器334は、ウェルを含み得る、および/またはピペット先端によってアクセス可能であり得る。ピペット先端によってアクセス可能であることは、流体の上部添加または上部除去のための操作中にピペット先端を収容するように構成されていると理解され得る。
本発明のいくつかの実施形態によると、中間チャンバ174が、少なくとも8mmの広がり、100μm~9mmの幅、50μm~5mmの深さを有し、幅対深さの比率が、0.3~5であり、幅に長さを乗算したものが、少なくとも100mm2である、マイクロ流体デバイスが開示される。
本発明の一実施形態によると、マイクロ流体デバイス300が提供され、図10~13(すなわち、図10a、10b、11a、11b、12a、12b、13a、および13bを含む)を参照すると、中間チャンバ374は、曲線に沿って延在し、その入口と出口との間の距離よりも長く延在する。
本発明の一実施形態によると、各容器群171の二次供給容器131、各容器群171の収集容器134、および各容器群171の中間チャンバ174の第1の凹部が、複数の構成要素のうちの同じ構成要素に提供され、二次供給容器131および収集容器134が、中間チャンバ174の第1の凹部とは反対方向に面するそれぞれの上部開口部を備える、マイクロ流体デバイスが開示される。
本発明の一実施形態によると、第1の凹部を含む構成要素が、第1の凹部が提供されるプレート状区分191a(図4b参照)を備え、凹部のすぐ隣のプレート状区分の厚さが、0.5mm~3mmである、マイクロ流体デバイス100が開示される。
本発明の一実施形態によると、複数の構成要素が、第3の構成要素を含み、各容器群171の二次供給容器131および各容器群の収集容器134が、第3の構成要素に提供されている、マイクロ流体デバイス100が開示される。
収集容器は、少なくとも二次供給容器331および中間容器の合計容積であるなどの、二次供給容器331よりも大きい容積を有し得る。二次供給容器331を画定する壁の形状は、ピペット先端を一次オリフィスに向けてガイドするように構成され得る。二次供給容器331を画定する壁の形状は、水平面で見られる非円形断面を有し得る。二次供給容器を画定する壁の形状は、一次オリフィス376に近い二次供給容器の第1の側部に向かって先細りの側壁を有し得る。
本発明のマイクロ流体デバイスは、乳化区分および容器区分を形成する複数の構成要素を備え得る。複数の構成要素は、固定的に接続されたユニットを形成し得る。各構成要素は、少なくとも1つの他の構成要素に固定的に取り付けられ得る。複数の構成要素の各構成要素は、各構成要素が少なくとも1つの他の構成要素に固定的に取り付けられるように、かつ複数の構成要素が胡適的に接続されたユニットを形成するように、複数の構成要素の別の構成要素の側部に面してそこに取り付けられる少なくとも1つの側部を備え得る。複数の構成要素は、互いに固定されて面している第1の構成要素および第2の構成要素を含み得る。複数の構成要素は、第3の構成要素を含み得る。各乳化区分の流体導管ネットワークは、一部では、第1の構成要素によって、一部では、第2の構成要素によって形成され得る。各容器群371の中間チャンバ374は、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちの1つなどの、複数の構成要素のうちの1つの構成要素の第1の凹部によって部分的に形成され得る。さらに、各容器群の中間チャンバ374は、第1の構成要素、第2の構成要素、および第3の構成要素のうちの別の1つなどの、複数の構成要素のうちの別の構成要素の第1の平坦表面によって部分的に形成され得る。各容器群の二次供給容器331、各容器群の収集容器、および各容器群の中間チャンバ374の第1の凹部は、複数の構成要素の同じ構成要素に提供され得る。
二次供給容器331および収集容器は、中間チャンバ374の第1の凹部と比較して反対方向に面するそれぞれの上部開口部を備え得る。
利点:全てのより大きい構造を一体に/1つの構造で提供、例えば、成形し、一方、より小さい構造を1つ以上の他の断片構造で提供することがより容易であり得る。
各容器群の二次供給容器331および各容器群の収集容器374は、第3の構成要素に提供され得る。
図20aは、本発明によるアセンブリの一実施形態を概略的に例示する。アセンブリは、マイクロ流体デバイス600、熱構造、およびホルダ693の第6の実施形態を含む。図20bは、マイクロ流体デバイスがない状態の、熱構造694およびホルダ693を概略的に例示する。熱構造694およびホルダ693は、ハウジングと称される。図21aは、図20aの実施形態の分解図を概略的に例示する。図21bは、図20aの実施形態の断面図を示す。図22aは、図20bに例示されるハウジングの分解図を例示する。図22bは、図20bに例示されるハウジングの断面図を例示する。ホルダ693は、熱構造694とマイクロ流体デバイス600の底部分との間に熱接続(参照695によって示される)を提供するように構成され、マイクロ流体デバイス600の各容器群の中間チャンバの大部分は、熱構造から5mm以内に提供され得る。マイクロ流体デバイス600は、本発明のマイクロ流体デバイスの任意の実施形態によるマイクロ流体デバイスである。ホルダ693は、少なくとも二次供給容器631に圧力を供給するために圧力供給器具内への挿入のために構成された設置面積を有し得る。
図24は、本発明によるキット862の第1の実施形態を概略的に例示する。キット862は、本発明による1つ以上のマイクロ流体デバイス800と、本発明によるマイクロ流体デバイスと共に使用するように構成された複数の流体859、860と、を備える。複数の流体は、試料緩衝液859、および油860を含む。キットは、酵素およびヌクレオチドを含む。キット862の実施形態によると、試料緩衝液859は、油860よりも低い密度を有し、1つ以上が提供されるマイクロ流体デバイス800は、実施形態100、200、300、400のいずれかに関連して説明されるマイクロ流体デバイスであり得る、および/またはキットは、図20、21に関連して説明される複数のアセンブリを備え得る。
図25は、本発明による8の実施形態を例示する。図25aは、本発明によるマイクロ流体デバイスの第8の実施形態の斜視図を概略的に例示する。図25bは、マイクロ流体デバイスの第8の実施形態の斜視図および分解図を概略的に例示する。図26は、マイクロ流体デバイスの第8の実施形態の一部の上面図を概略的に例示する。図25a~25bは、本発明によるマイクロ流体デバイスの第8の実施形態の異なる図を概略的に例示する。デバイスは、デバイスがダブルエマルション液滴を提供するように構成されているという点で、上記に例示された実施形態とは異なる。流体導管ネットワーク835の複数の供給導管は、三次供給導管809を含む。三次供給導管809は、使用中に移送導管812からの流体の流れに対して第3の流体のピンチング作用を及ぼすように構成された、第1の三次供給導管809aおよび第2の三次供給導管809bを備える。マイクロ流体ユニットは、収集導管816および第2の流体接合部821を備える。第2の流体接合部821は、三次供給導管809、移送導管812、および収集導管816の間の流体連通を提供する。移送導管812は、第1の水に対する親和性を有し、かつ第1の流体接合部820から延在する、第1の移送導管部分を備える。収集導管816は、第2の流体接合部821から延在し、かつ第1の水に対する親和性とは異なる第2の水に対する親和性を有する、第1の収集導管部分を備える。マイクロ流体デバイスは、二次次供給ウェル831、および三次供給ウェル833を含む、1つ以上の供給ウェルを備える。三次供給ウェル833は、三次供給導管809と流体連通している。収集ウェル834は、収集導管816および第2の流体接合部821を介して移送導管812と流体連通している。
本発明の実施形態によると、エマルション液滴を提供するための方法が開示され、方法は、上記の実施形態のいずれかによるマイクロ流体デバイス、上記の実施形態のいずれかによるアセンブリ、または、上記の実施形態のいずれかによるキット862を含む。方法は、エマルション液滴の提供に使用され、方法は、以下の工程を含む:工程1.ピペット先端の遠位端ゾーンを一次オリフィス内に収容し、ピペット先端から第1の容器群の中間チャンバ内に第1の流体を注入する。工程2.第1の容器群の二次供給容器831に第2の流体を提供する。工程3.第1の容器群の二次供給容器831内の圧力が第1の容器群の収集容器834内よりも高いように、第1の容器群の二次供給容器831と、第1の容器群の収集容器834との間に圧力差を提供する。さらに、方法は、キット862の使用を含み、第1の流体が、試料緩衝液859を含み、第2の流体が、油860を含む。圧力差を提供する工程は、ピペット先端の遠位端ゾーンを一次オリフィス876内に収容する工程に続いて提供され得る。圧力差を提供する工程は、第2の流体を二次供給容器831に提供する工程に続いて提供され得る。方法は、例えば、第1の容器群の二次供給容器831と第1の容器群の収集容器834との間の圧力差を維持しながら、中間チャンバによって保持された第1の流体全体が収集容器834に到達することを可能にする工程を含み得る。
以下は、図面の参照の少なくともいくつかのリストを表し、接尾辞「X」は、任意の1桁または2桁を指し得る。上記の開示の関連部分は、開示された図面と組み合わせて以下の参照リストを考慮して理解され得る。
X00:マイクロ流体デバイス
X01:乳化区分
X02:容器区分(中間チャンバを含む)
X03:一次供給導管
X04:一次供給入口
X06:二次供給導管
X06a:第1の二次供給導管
X06b:第2の二次供給導管
X07:二次供給入口
X09:三次供給導管
X09a:第1の三次供給導管
X09b:第2の三次供給導管
X10:三次供給入口
X12:移送導管
X18:収集出口/収集オリフィス
X16:収集導管
X20:第1の流体接合部
X21:第2の流体接合部
X28:導管の側壁
X29:導管の側壁によって画定される抜き勾配
X31:二次供給容器
X33:三次供給ウェルまたは容器
X34:収集ウェルまたは容器
X35:流体導管ネットワーク
X59:試料緩衝液
X60:油
X62:キット
X70:乳化ユニット
X71:容器群
X74:中間チャンバ
X76:一次オリフィス
X77:二次オリフィス
X80:底部片
X80a:底部片の上側
X81:中間片
X81a:中間片の上側
X81b:中間片の下側
X82:上部片
X82a:上部片の上側
X82b:上部片の下側