JP7333282B2

JP7333282B2 - 医療用具梱包体

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Publication number: JP7333282B2
Application number: JP2020031412A
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Inventors: 等沖原
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Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 2020-02-27
Filing date: 2020-02-27
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Description

本発明は、医療用具梱包体に関する。

医療分野では、バイアル、カートリッジ又はシリンジ等の医療用具に、薬品を充填した製品が用いられている。例えば、シリンジに薬品を充填した製品はプレフィルドシリンジとして知られている。

このような、医療用具の製造と医療用具への薬品の充填とは別の場所で行われることが一般的である。そのため、医療用具は、特許文献１に示すように、ネストと呼ばれる保持具に複数まとめて保持し、そのネストをタブと呼ばれる容器内に密封して搬送される。

タブは、薬品の充填施設に搬送され、薬剤充填装置に搬入される。薬剤充填装置は、タブを開封して医療用具を取り出す工程と、医療用具への薬品の充填を行う工程と、医療用具へ打栓を行う工程といった一連の工程を無菌環境下で無人で行う。その際に、薬剤充填装置の無菌性を維持するために、搬入されるタブの外面も無菌であることが求められる。

通常、タブは、滅菌袋に収納されて流通しており、タブの外面も無菌状態とされる。しかし、滅菌袋は薄手の樹脂フィルムで構成されているため、破損に弱くピンホールを生じて汚染が生じる可能性がある。そのため、薬剤充填装置では、滅菌袋の開封の前後に、放射線を照射して照射滅菌を行っている。

ところが、照射滅菌には相当量の照射時間が必要となるため、処理スピードが遅くなる。そのため、高速な薬剤充填装置では照射滅菌が行えないという問題がある。そこで、高速な薬剤充填装置に使用するタブの搬送に際しては、タブの外面の無菌性を維持するために、滅菌袋を二重にする手法が用いられている。

特開２０１７－８０４７８号公報

滅菌袋からのタブの取り出しは、外側の滅菌袋を開封し外側の滅菌袋からタブの入った内側の滅菌袋を取り出す動作と、内側の滅菌袋を開封して内側の滅菌袋からタブを取り出す動作とからなり、これらの動作は開封装置によって自動で行われる。このとき、内側の滅菌袋が開封装置で取り扱いにくいという問題がある。

すなわち、内側の滅菌袋は、外側の滅菌袋に収納する際に折れ目や皴の発生が避けられず、形状が一定とならない。そのため、吸着式のチャック装置で内側の滅菌袋を取り出す際に、皴の部分を吸着してしまうことによる吸着ミスや、アームを用いた搬送装置による位置決めがうまくゆかずに把持に失敗する等の事象が発生することがある。その結果、薬剤充填装置が停止してしまい、生産性が低下するという問題が生じる。

本発明は、タブの外面の無菌性の維持及び機械による取り扱い性に優れた医療用具梱包体を提供することを目的とする。

本発明の一観点は、薬品が充填される医療用具を所定方向に揃えて複数保持したネストと、前記ネストを収容するタブ本体と、前記タブ本体を封止するシート状の第１封止部材と、を有するタブと、前記タブの外周面を無菌状態に維持して梱包するタブ収納容器と、を備えた医療用具梱包体であって、前記タブ収納容器は、前記タブを収容する保形性を有する容器本体と、前記容器本体の一端に形成され、前記タブの搬入及び搬出を行うための搬送口と、前記搬送口を封止する、遮菌性及び透気性を有するシート状の第２封止部材と、有する医療用具梱包体にある。

上記観点の医療用具梱包体によれば、タブ収納容器にタブを収容して第２封止部材で封止するため、タブの外周面の無菌性を維持できる。また、タブ収納容器には滅菌袋のような折れや皴が生じないため、機械での取り扱い性が向上する。

第１実施形態に係る医療用具梱包体の斜視図である。図１の医療用具梱包体の断面図である。図１の医療用具梱包体の分解斜視図である。図１のタブ収納容器の第１位置決め構造の説明図である。図１の医療用具梱包体の第２位置決め構造の説明図である。図６Ａ～図６Ｄは、図１の医療用具梱包体の製造方法を工程順に示す説明図である。図１の医療用具梱包体が適用される薬剤充填装置の説明図である。図８Ａは、第２実施形態に係る医療用具梱包体の正面側の斜視図であり、図８Ｂは図８Ａの医療用具梱包体の背面側の斜視図である。図８Ａの医療用具梱包体のＩＸ－ＩＸ線に沿った断面図である。図８Ａの医療用具梱包体のＸ－Ｘ線に沿った断面図である。図１１Ａは、第３実施形態に係る医療用具梱包体の正面側の斜視図であり、図１１Ｂは図１１Ａの医療用具梱包体の背面側の斜視図である。図１１Ａの医療用具梱包体の断面図である。

以下、本発明の好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。

（第１実施形態）
本実施形態に係る医療用具梱包体１０は、図１～図３に示すように、医療用具を収容するタブ１２と、タブ１２を収容するタブ収納容器１４とを備えている。タブ収納容器１４は、タブ１２を収容した状態で、第２封止部材１６によって封止されることで、タブ１２の外周面の滅菌状態を保つように構成されている。

タブ１２は、医療用具を滅菌状態に保ったまま保管及び輸送するための容器であり、タブ本体１８と、タブ本体１８に保持されるネスト２０と、第１封止部材２２とを備えている。このうち、ネスト２０は、複数の医療用具を束ねて保持する板状の保持具であり、その主面には、シリンジ外筒、バイアル瓶又はカートリッジ等を挿入して保持するための開口部２０ａが複数設けられている。本実施形態では、医療用具の一例として、シリンジ２４を収容する場合について説明する。シリンジ２４は、ネスト２０の開口部２０ａに挿入され、シリンジ２４のフランジ２４ａがネスト２０の開口部２０ａに引っ掛かった状態で、ネスト２０に保持される。

タブ本体１８は、平面視して矩形状に形成された凹状の容器であり、一体的に形成された底部２６、側壁２８及びフランジ部３０を備えている。底部２６は、平面視して矩形状の平坦な形状に形成されている。底部２６の周縁部からは、側壁２８が上方に向けて延びている。側壁２８の上端にはフランジ部３０が設けられている。タブ本体１８の底部２６及び側壁２８で囲まれた部分に、ネスト２０を収容する収容空間３２が形成される。タブ本体１８の上端には、ネスト２０を出し入れするための開口部１８ａが形成されている。フランジ部３０は、側壁２８の上端から外方に向けて広がるように延び出て形成されている。フランジ部３０は、底部２６と平行な平面に沿って形成されており、第１封止部材２２が接合される。

ネスト２０は、複数のシリンジ２４を保持した状態で、タブ本体１８の内部に収容される。タブ本体１８には、ネスト２０を保持するべく、側壁２８の上端付近に段部２８ａが形成されている。段部２８ａは、側壁２８を外方に広がるように屈曲させて形成されており、ネスト２０の外周部を支持する。図２に示すように、ネスト２０を段部２８ａに載置すると、タブ本体１８内でネスト２０が位置決めされ、シリンジ２４がタブ本体１８の底部２６及び側壁２８から離間した状態で保持される。

ネスト２０に保持された複数のシリンジ２４のフランジ２４ａの上には、インナーシート３４が配置される。インナーシート３４は、矩形のシート状の部材であり、全てのシリンジ２４の充填口２４ｂを覆うサイズに形成されている。インナーシート３４は、滅菌のための気体（例えば、水蒸気や酸化エチレンガス等）が透過可能な透気性を有するとともに、菌やウイルス等の微生物が透過不可能な遮菌性を有する材料よりなる。インナーシート３４を構成する材料としては、例えばデュポン社の高密度ポリエチレン不織布であるタイベック（登録商標）を用いることができる。

第１封止部材２２は、ネスト２０及びシリンジ２４を収容したタブ本体１８のフランジ部３０に、熱溶着又は接着等により、取り外し可能に接合される。第１封止部材２２は、インナーシート３４と同様の材料よりなる。タブ１２は、シリンジ２４への充填を行うまで、第１封止部材２２で封止された状態に保たれる。第１封止部材２２は、薬剤充填装置６０（図７参照）でシリンジ２４への薬剤の充填を行う際に取り外される。

タブ収納容器１４は、図１に示すように、凹状に形成された箱型の容器であり、保形性を有する樹脂材料等によって構成される容器本体３６と、容器本体３６の搬送口３８を封止する第２封止部材１６とを備える。容器本体３６は、底を構成する平坦な支持部４０と、支持部４０とともにタブ１２を収容する収容空間４２を形成する周壁部４４とを備えている。支持部４０は、上方から平面視して矩形状に形成されており、タブ１２の底部２６を下方から支持する。

支持部４０は、タブ１２をタブ収納容器１４内の所定位置に位置決めする第１位置決め構造４８（図４参照）を有している。タブ１２は、第１位置決め構造４８によって、収容空間４２内において、周壁部４４から離間した位置に位置決めされる。第１位置決め構造４８の詳細については後述する。

周壁部４４は、支持部４０から上方に向けて立ち上がる下側部４４ａと、下側部４４ａの上端から外方に屈曲して延び出た段部４４ｂと、段部４４ｂの外縁部から上方に屈曲して立ち上がる上側部４４ｃと、を備える。段部４４ｂは、タブ収納容器１４に収容されたタブ１２の段部２８ａよりも下側に設けられており、タブ１２の段部２８ａの周辺に隙間を形成する。これにより、タブ収納容器１４からタブ１２を搬送装置６４（図７参照）で搬出する際に、搬送装置６４のアームをタブ１２の段部２８ａに差し入れるためのスペースが形成される。タブ収納容器１４の上部は、タブ１２を出し入れするための搬送口３８として開口している。

また、容器本体３６の上端部には、搬送口３８を閉塞するべく、フランジ部４６が設けられている。フランジ部４６は、周壁部４４の上端部から外方に向けて広がるように延び出て形成されており、そのフランジ部４６には、第２封止部材１６を接合することができる。

第２封止部材１６は、透気性及び遮菌性を有する材料によって形成され、インナーシート３４及び第１封止部材２２と同様の素材が用いられる。第２封止部材１６は、搬送口３８の全域を覆う大きさの矩形のシート状に形成されている。第２封止部材１６は、フランジ部４６に、引き剥し可能に接合されている。

次に、本実施形態の医療用具梱包体１０の位置決め構造４８、５０について説明する。医療用具梱包体１０は、薬剤充填装置６０に搬入した際に、開封及びタブ１２の取り出しを確実に行うべく、位置決め構造４８、５０を備えている。第１位置決め構造４８は、タブ収納容器１４内でのタブ１２の位置決めのための構造であり、第２位置決め構造５０は、タブ収納容器１４と搬送装置６４との位置決めを行うための構造である。

第１位置決め構造４８は、図４に示すように、タブ１２の底部２６側に設けられた４つの突起部５２と、タブ収納容器１４の支持部４０側に設けられた凹部５３ａ、５３ｂ及び回転規制部５５と、を備えている。突起部５２は、円柱状の突起として形成されており、タブ１２の底部２６の四隅の近傍にそれぞれ設けられている。

一方、タブ収納容器１４の支持部４０側には、一つの対角線上に設けられた一対の凹部５３ａと、他方の対角線上に設けられた凹部５３ｂ及び回転規制部５５と、が設けられている。凹部５３ａ、５３ｂ及び回転規制部５５は、支持部４０の四隅の近傍にそれぞれ配置され、突起部５２に対応して設けられている。３つの凹部５３ａ、５３ｂの内、回転規制部５５の対角線上に位置する１つの凹部５３ｂの直径は、突起部５２の直径よりも僅かに大きくなっている。また、他の２つの凹部５３ａの直径は、突起部５２のそれぞれの位置の製造誤差を吸収するために、突起部５２の直径に加えてその製造誤差を見越した、より大きな直径に形成されている。

回転規制部５５は、支持部４０の対角線方向に長く延びた溝部を備えている。回転規制部５５を溝状に形成しておくことにより、突起部５２の位置関係が製造誤差によってばらついている場合であっても、回転規制部５５に突起部５２を挿入することができる。回転規制部５５の幅は突起部５２の直径に近い寸法に形成されており、１つの突起部５２に対応する部分に設けられている。突起部５２が回転規制部５５に挿入されると、タブ１２の底部２６に垂直な方向の軸回りの回動が規制される。また、回転規制部５５の対角線上に配置された凹部５３ｂにより、タブ収納容器１４の支持部４０に対する水平方向の位置が決まる。すなわち、実質的にタブ１２の平面座標上の位置決めは、回転規制部５５とその対角線上の凹部５３ｂの２か所で行われる。また、他の２つの凹部５３ａは、タブ１２の支持部４０に対する平行性を維持するための台として機能する。凹部５３ａは、必ずしも円形である必要はなく、矩形状等の様々な形状としてもよい。以上の第１位置決め構造４８によって、タブ収納容器１４に対してタブ１２が位置決めされる。

第２位置決め構造５０は、図５に示すように、タブ収納容器１４の支持部４０に形成された凹部５６、５８によって構成されている。中央の凹部５６は、底面側から見て円形に形成され、搬送装置６４側の突起に係合してタブ収納容器１４の水平方向の位置決めを行う。２つの凹部５８は、中央の凹部５６の両側部にそれぞれ設けられている。２つの凹部５８は、凹部５６と一列に並ぶように配置されている。そして、凹部５８は、３つの凹部５６、５８の配列方向に長く延びている。２つの凹部５８は、タブ収納容器１４の回転方向の変位を規制する。

次に、本実施形態の医療用具梱包体１０の製造方法について説明する。

まず、図６Ａに示すように、ネスト２０にシリンジ２４を装着する。その後、シリンジ２４の充填口２４ｂを覆うように、インナーシート３４を載置する。なお、インナーシート３４の載置は、図６Ｂに示すように、ネスト２０をタブ本体１８に収容してから行ってもよい。

次に、図６Ｂに示すように、シリンジ２４を保持したネスト２０をタブ本体１８の側壁２８の段部２８ａに載置してセットする。その後、タブ本体１８のフランジ部３０に、第１封止部材２２を接合して、収容空間３２を封止する。以上により、タブ１２が完成する。

次に、図６Ｃに示すように、タブ１２を容器本体３６に収納する。その後、容器本体３６のフランジ部４６に第２封止部材１６を接合して収容空間４２を封止する。これにより、タブ収納容器１４及び医療用具梱包体１０が完成する。

その後、図６Ｄに示すように、滅菌装置１００にタブ収納容器１４を搬入し、ガス又は高圧水蒸気を用いた滅菌処理を行う。インナーシート３４、第１封止部材２２及び第２封止部材１６は、透気性を有する材料よりなるため、タブ１２の収容空間３２にまでガス又は高圧水蒸気が供給される。これにより、シリンジ２４の滅菌と、タブ１２の外表面の滅菌とを同時に行うことができる。以上により、滅菌処理が完了する。タブ１２はタブ収納容器１４の内部に封入されているため、タブ１２の外表面は滅菌状態に保たれる。

以下、本実施形態の医療用具梱包体１０の作用について説明する。

医療用具梱包体１０は、図７に示すように、薬剤充填装置６０に搬入される。薬剤充填装置６０の開封部６２において、医療用具梱包体１０は、第２封止部材１６の開封及び、タブ１２の搬出が行われる。開封部６２において、吸着装置６３により、第２封止部材１６が容器本体３６から引き剥がされる。そして、搬送装置６４により、タブ収納容器１４からのタブ１２の搬出が行われる。

本実施形態の医療用具梱包体１０は、容器本体３６及び第２封止部材１６の内部にタブ１２が収容されているため、ピンホール等による汚染の恐れがない。そのため、搬入されたタブ収納容器１４に対する照射滅菌を行うことなく、搬送装置６４によって迅速にタブ１２の取り出しと搬送が行われる。また、保形性を有する容器本体３６を用いるため、皴や形状の変化が起こらず、タブ１２の取り出しを容易に行うことができる。さらに、タブ１２は、図４に示す第１位置決め構造４８及び図５に示す第２位置決め構造５０によって、開封部６２に正確に位置決めされるため、無人の搬送装置６４によって確実に取り扱うことができる。

図７に示すようにタブ収納容器１４から取り出されたタブ１２は、搬送装置６４により、タブ開封部６５に搬送される。そして、タブ開封部６５において、吸着装置６７により第１封止部材２２の開封が行われる。その後、ネスト搬送機６６により、タブ１２からシリンジ２４を保持したネスト２０の搬出が行われる。ネスト２０は、充填部６８に搬送される。そして、充填部６８においてシリンジ２４に対する薬剤の充填及び打栓が行われる。以上のような薬剤充填装置６０において、タブ１２の外表面が滅菌状態に保たれるため、照射滅菌を行うことなく、薬剤の充填及び打栓を行える。これにより、高速動作する薬剤充填装置６０に好適に使用することができる。

本実施形態の医療用具梱包体１０は、以下の効果を奏する。

本実施形態の医療用具梱包体１０は、薬品が充填される医療用具（シリンジ２４）を所定方向に揃えて複数保持したネスト２０と、ネスト２０を収容するタブ本体１８と、タブ本体１８を封止するシート状の第１封止部材２２と、を有するタブ１２と、タブ１２の外周面を無菌状態に維持して梱包するタブ収納容器１４と、を備える。そして、タブ収納容器１４は、タブ１２を収容する保形性を有する容器本体３６と、容器本体３６の一端に形成され、タブ１２の搬入及び搬出を行うための搬送口３８と、搬送口３８を封止する遮菌性及び透気性を有するシート状の第２封止部材１６と、有している。

上記の構成により、タブ収納容器１４は、保形性を有する容器本体３６でタブ１２を保護するため、ピンホール等による汚染を防止できるため、タブ１２の外表面の滅菌状態を維持できる。これにより、照射滅菌が不要となり、高速な薬剤充填装置６０で使用することができる。また、容器本体３６が保形性を有するため、皴や形状の変化が生じることがなく、無人の搬送装置６４において、確実に開封及びタブ１２の搬出を行うことができる。これにより、搬送装置６４におけるエラー発生頻度を低下させることができ、薬剤充填装置６０の稼働率を向上させることができる。

上記の医療用具梱包体１０において、タブ１２の底部２６がタブ収納容器１４の支持部４０によって支持されるとともに、タブ１２の底部２６及びタブ収納容器１４の支持部４０に、タブ１２の変位を阻止する第１位置決め構造４８が設けられてもよい。この構成により、タブ１２の位置が正確に決まるため、搬送装置６４によって確実にタブ１２の搬出を行うことができる。

上記の医療用具梱包体１０において、タブ収納容器１４の支持部４０には、タブ収納容器１４の薬剤充填装置６０への位置を決めるための第２位置決め構造５０が設けられてもよい。この構成により、タブ１２の位置決め精度がさらに向上する。

上記の医療用具梱包体１０において、搬送口３８はタブ１２の上方に設けられ、第２封止部材１６が第１封止部材２２と対向して平行に設けられてもよい。この構成により、第２封止部材１６を通過した水蒸気が、第１封止部材２２を通じて素早くタブ１２の内部に到達するため、高圧水蒸気滅菌をより速やかに行うことができる。

（第２実施形態）
図８Ａ及び図８Ｂに示すように本実施形態の医療用具梱包体１０Ａは、側部に搬送口３８Ａを有するタブ収納容器１４Ａと、搬送口３８Ａを封止する第２封止部材１６Ａを備えている。

タブ収納容器１４Ａは、図９に示すように、タブ１２Ａを下方から支持する支持部４０Ａと、支持部４０Ａと一体的に形成された周壁部４４Ａとを有している。図８Ａ及び図８Ｂに示すように、周壁部４４Ａは、側面３９ｂ、３９ｃと、背面３９ｄと上面３９ｅとを有する高さ方向に扁平な直方体状に形成されている。この周壁部４４Ａにより、タブ１２Ａの上方、側方及び背部が覆われている。また、タブ収納容器１４Ａの正面３９ａ側には、タブ１２Ａを搬入又は搬出するための搬送口３８Ａが形成されている。図９に示すように、搬送口３８Ａの周囲には、フランジ部４６Ａが形成されている。フランジ部４６Ａは、支持部４０Ａに垂直な平面に沿って形成され、そのフランジ部４６Ａに第２封止部材１６Ａが接合されることにより、タブ収納容器１４Ａの収容空間４２Ａが封止される。

収容空間４２Ａの内部には、タブ１２Ａが収容されている。タブ１２Ａは第１実施形態のタブ１２と同様の構造となっており、上部が第１封止部材２２によって封止されている。

本実施形態のタブ１２Ａ及びタブ収納容器１４Ａの第１位置決め構造４８Ａは、図１０に示すように、タブ１２Ａの底部２６から下方に突出した一対のリブ状突起７２と、タブ収納容器１４Ａの支持部４０Ａから上方に突出した一対のリブ状突起７４とを備えている。リブ状突起７２、７４は、図９に示すように、搬送口３８Ａが形成された正面３９ａから背面３９ｄに向かう方向に沿って延びている。図１０に示すように、タブ収納容器１４Ａ側の一対のリブ状突起７４は、幅方向に離間して配置されており、それらのリブ状突起７４に摺動するように、タブ１２Ａ側のリブ状突起７２が設けられている。本実施形態の第１位置決め構造４８Ａによれば、タブ１２Ａを搬送口３８Ａから搬入及び搬出する際に、リブ状突起７２、７４によってタブ１２Ａが案内されるため、タブ１２Ａの搬入及び搬出をよりスムーズに行うことができる。

また、本実施形態のタブ収納容器１４Ａでは、支持部４０Ａの下方に、台座４１が設けられている。台座４１は、リブ構造４１ａを介して支持部４０Ａと接続されている。このリブ構造４１ａを介して台座４１と支持部４０Ａとが離間しており、搬送装置６４のアームを差し入れる隙間が形成されている。これにより、タブ収納容器１４Ａに外方に突出する段部４４ｂ（図２参照）を設ける必要がなくなり、タブ収納容器１４Ａをより一層、小型化することができる。

本実施形態の医療用具梱包体１０Ａは、以上のように構成され、以下の効果を奏する。

医療用具梱包体１０Ａは、搬送口３８Ａがタブ１２Ａの側方（正面３９ａ側）に設けられ、第２封止部材１６Ａが第１封止部材２２と垂直な向きに配置されている。本実施形態の医療用具梱包体１０Ａによれば、タブ１２Ａの側方から搬送装置６４のアームをタブ１２Ａの段部２８ａに差し入れることができる。これにより、タブ収納容器１４Ａに外方に突出する段部４４ｂ（図２参照）を設ける必要がなくなるため、タブ収納容器１４Ａをより一層小型化できる。

（第３実施形態）
図１１Ａ及び図１１Ｂに示すように本実施形態の医療用具梱包体１０Ｂは、図８Ａ及び図８Ｂに示す第２実施形態の医療用具梱包体１０Ａの変形例に関するものであり、医療用具梱包体１０Ｂにおいて医療用具梱包体１０Ａと同様の構成には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

本実施形態の医療用具梱包体１０Ｂは、高さ方向に扁平な直方体状に形成されたタブ収納容器１４Ｂを有している。図１１Ｂに示すように、タブ収納容器１４Ｂの背面３９ｄには、矩形状に大きく切り欠いて形成された通気口７６が形成されている。通気口７６は、第３封止部材７８によって封止されている。

図１２に示すように、第３封止部材７８は、タブ収納容器１４Ｂの背面３９ｄに対して、タブ収納容器１４Ｂの内側から接合されている。これにより、第３封止部材７８が誤って引き剥がされる事象を防止できる。本実施形態の第３封止部材７８は、透気性及び遮菌性を有するシート材で構成されており、具体的には、第１封止部材２２及び第２封止部材１６Ａと同様の素材を用いることができる。

本実施形態の医療用具梱包体１０Ｂによれば、正面３９ａの第２封止部材１６Ａ及び背面３９ｄの第３封止部材７８を通じて、滅菌時のガスや水蒸気がタブ収納容器１４Ｂの内部に流入することができる。すなわち、本実施形態の医療用具梱包体１０Ｂは、第２実施形態の医療用具梱包体１０Ａに比べて、開口面積がより大きくなることで、滅菌時のガスや水蒸気の流量が向上し、シリンジ２４の滅菌性が向上し、滅菌処理をより速く実施できる。

上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。

１０、１０Ａ、１０Ｂ…医療用具梱包体１２、１２Ａ…タブ
１４、１４Ａ…タブ収納容器１６、１６Ａ…第２封止部材
２２…第１封止部材３８、３８Ａ…搬送口
４０、４０Ａ…支持部４４、４４Ａ…周壁部
４８、４８Ａ…第１位置決め構造５０…第２位置決め構造

Claims

薬品が充填される医療用具を所定方向に揃えて複数保持したネストと、前記ネストを収容するタブ本体と、前記タブ本体を封止するシート状の第１封止部材と、を有するタブと、
前記タブの外周面を無菌状態に維持して梱包するタブ収納容器と、を備えた医療用具梱包体であって、
前記タブ収納容器は、
前記タブを収容する箱型である容器本体と、
前記容器本体の一端に形成され、前記タブの搬入及び搬出を行うための搬送口と、
前記搬送口を封止する、遮菌性及び透気性を有するシート状の第２封止部材と、有する医療用具梱包体。
請求項１記載の医療用具梱包体であって、前記タブの底部が前記タブ収納容器の支持部によって支持されるとともに、前記タブの底部及び前記タブ収納容器の支持部に、前記タブの変位を阻止する第１位置決め構造が設けられている、医療用具梱包体。
請求項１又は２記載の医療用具梱包体であって、前記タブ収納容器の支持部には、前記タブ収納容器の薬剤充填装置への位置を決めるための第２位置決め構造が設けられている、医療用具梱包体。
請求項１～３のいずれか１項に記載の医療用具梱包体であって、前記搬送口は前記タブの上方に設けられ、前記第２封止部材が前記第１封止部材と対向して平行に設けられている、医療用具梱包体。
請求項１～３のいずれか１項に記載の医療用具梱包体であって、前記搬送口は前記タブの側方に設けられ、前記第２封止部材が前記第１封止部材と垂直な向きに配置されている、医療用具梱包体。
請求項５記載の医療用具梱包体であって、前記タブ収納容器は、さらに、前記搬送口が設けられた面と異なる面に設けられた通気口と、前記通気口を封止するシート状の第３封止部材とを備え、前記第３封止部材は遮菌性及び透気性を有する材料よりなる、医療用具梱包体。