JP7323484B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
ナレッジベース或いはナレッジグラフと呼ばれるデータベースに関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-74843号公報
しかしながら、従来の技術では、ナレッジベースを活用して、ユーザとコンテンツとの関係性やコンテンツ同士の関係性を十分に解釈することができていなかった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ナレッジベースを活用して、ユーザとコンテンツとの関係性やコンテンツ同士の関係性を解釈することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出する抽出部と、あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記抽出部によって前記第1エンティティとして抽出された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定する第1決定部と、前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、前記第1決定部によって属性が決定された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定する第2決定部と、を備える情報処理装置である。
本発明の一態様によれば、ナレッジベースを活用して、ユーザとコンテンツとの関係性やコンテンツ同士の関係性を解釈することができる。
実施形態における情報処理装置100を含む情報処理システム1の一例を示す図である。 エンティティパネルの一例を示す図である。 実施形態における情報処理装置100の構成の一例を示す図である。 ナレッジベース132の一例を示す図である。 実施形態における制御部110による一連の処理の流れを示すフローチャートである。 コンテンツの一例を表す図である。 メディアタグの付与方法を模式的に表す図である。 実施形態の情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本発明を適用した情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを、図面を参照して説明する。
[概要]
情報処理装置は、一以上のプロセッサによって実現される。情報処理装置は、コンテンツから一つ又は複数の固有表現をエンティティとして抽出する。情報処理装置は、エンティティとして固有表現を抽出すると、あるナレッジベースに含まれるエンティティの属性に基づいて、各固有表現の属性を決定する。
ナレッジベースは、オントロジーと呼ばれる所定の概念体系(または語彙体系)によってエンティティの概念が形式化されたデータベースである。例えば、ナレッジベースは、エンティティに関する情報と、エンティティ同士の意味的関係に関する情報とがグラフとして記述される。ナレッジベースにおけるエンティティは、例えば、あるエンティティの実体(実世界で存在している物体)や、あるエンティティの概念(実世界または仮想世界の中で定義された概念)を表した情報である。より具体的には、エンティティは、例えば、「人間」、「機械」、「建物」、「組織」、「美」、「学問」、「旅行」といった抽象的な概念を表すエンティティあってもよいし、「○○タワー」のように「建物」という概念の実体や、「検索太郎(人名)」のように「人間」という概念の実体を表すエンティティであってもよい。
このようなナレッジベースは、プロセッサ(コンピュータ)による処理を可能とするため、オントロジーによって定められたクラスとプロパティを用いて記述される。オントロジーとは、エンティティのクラスおよびプロパティを定義したものであると共に、クラスとプロパティとの間に成り立つ制約を集めたものである。
クラスとは、後述するプロパティと呼ばれる性質が同じエンティティ同士を一つのグループにしたものである。例えば、くちばしを持ち、卵生の脊椎動物であり、前肢が翼になっている、という性質(プロパティ)を持つエンティティは、「鳥」というクラスあるいはその下位のクラスに分類される。また、「鳥」というクラスの中で、飛べない、という性質を持つエンティティは、例えば、「ペンギン」や「ダチョウ」という、より下位のクラスに分類される。このように、クラスの体系は、上位と下位の関係を有する階層構造をなし、上位のクラスの性質は、下位のクラスに継承される。上述した例では、「鳥」というクラスの、「くちばしを持ち、卵生の脊椎動物であり、前肢が翼になっている」という性質は、「ペンギン」や「ダチョウ」という下位のクラスの性質にも含まれることになる。
プロパティとは、エンティティの性質(または特徴)や、クラス間の関係を記述する属性である。例えば、プロパティは、「~を体の構成要素としてもつ」という性質や、「~に生息する」という性質を示す属性であってもよいし、「あるクラスが上位クラスであり、あるクラスが下位クラスである」というクラス間の上位下位の関係を示す属性であってもよい。
ナレッジベースの基本的な単位は、ノード間を、ノード間の関係を表すラベル付きの方向性をもつエッジでつないだ3つ組であり、上述したエンティティはノードであり、プロパティはエッジであり、プロパティを用いて記述したエンティティの情報の値もノードで表現される。このような、ノード、エッジ、およびノードの値の3つを組み合わせたグラフにより、エンティティに関する情報やエンティティ間の関係が明確に表現される。
情報処理装置は、固有表現の属性を決定すると、コンテンツにおける固有表現の出現位置に基づいて、属性を決定した固有表現のコンテンツに対する重要度を決定する。更に、情報処理装置は、固有表現の属性に基づいて、固有表現の抽出元であるコンテンツの意味を表す情報をコンテンツに付与する。このような処理によって、ユーザが閲覧したコンテンツに含まれる固有表現の重要度から、ユーザがどのようなコンテンツに興味関心があるのかということを解釈したり、固有表現の属性を基に決定したコンテンツを意味を解釈し、意味が近いコンテンツ同士を集めて分類したりすることができる。言い換えれば、ユーザとコンテンツとの関係性やコンテンツ同士の関係性を解釈することができる。
[全体構成]
図1は、実施形態における情報処理装置100を含む情報処理システム1の一例を示す図である。実施形態における情報処理システム1は、例えば、一つ以上の端末装置10と、サービス提供装置20と、情報処理装置100とを備える。これらの装置のうち一部または全部は、ネットワークNWを介して互いに接続される。なお、これらの装置のうち一部は、仮想的な装置として他の装置に包含されてもよく、例えば、サービス提供装置20の機能の一部または全部が、情報処理装置100の機能によって実現される仮想マシンであってもよいし、これとは反対に、情報処理装置100の機能の一部または全部が、サービス提供装置20の機能によって実現される仮想マシンであってもよい。
図1に示す各装置は、ネットワークNWを介して種々の情報を送受信する。ネットワークNWは、例えば、無線基地局、Wi‐Fiアクセスポイント、通信回線、プロバイダ、インターネットなどを含む。なお、図1に示す各装置の全ての組み合わせが相互に通信可能である必要はなく、ネットワークNWは、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
端末装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、各種パーソナルコンピュータなどの、入力装置、表示装置、通信装置、記憶装置、および演算装置を備える端末装置である。通信装置は、NIC(Network Interface Card)などのネットワークカード、無線通信モジュールなどを含む。端末装置10では、ウェブブラウザやアプリケーションプログラムなどのUA(User Agent)が起動し、ユーザの入力に応じたリクエストをサービス提供装置20に送信する。また、UAが起動された端末装置10は、サービス提供装置20から取得した情報に基づいて、表示装置に各種画像を表示させる。
サービス提供装置20は、例えば、UAとして起動されたウェブブラウザからのリクエストに応じてウェブページを端末装置10に提供するウェブサーバである。ウェブページは、例えば、検索サイトやショッピングサイトといった各種ウェブサイトを構成するウェブページであってよい。また、サービス提供装置20は、UAとして起動されたアプリケーションからのリクエストに応じてコンテンツを端末装置10に提供することで、検索サイトなどの各種ウェブサイトと同様のサービスを提供するアプリケーションサーバであってもよい。
例えば、サービス提供装置20は、端末装置10からクエリを取得した場合、クエリによる検索結果を端末装置10に提供する。この際、サービス提供装置20は、クエリの検索結果の一覧を表示させるページの所定領域に、クエリとして入力された単語や語句の実体或いは概念がどういったものであるのかを表す文字列や画像を表示させる。以下、所定領域をエンティティパネルと称して説明する。
図2は、エンティティパネルの一例を示す図である。例えば、現実世界において、「検索太郎」という人物が存在していたとする。この場合に、ユーザが端末装置10を利用して、検索サイトなどのクエリの入力欄に「検索太郎」という文字列を入力した場合、サービス提供装置20は、ナレッジベースや、更にナレッジベースの各エンティティに対応付けれた他のデータベースを参照し、「検索太郎」という人物の生年月日や職業、顔写真といった、その人物に関する種々の情報をエンティティパネルに表示させてよい。なお、エンティティパネルは、検索サイトなどに限られず、ショッピングサイトや動画配信サイトなどにも表示されてよい。また、エンティティパネルを表示させることは、クエリに対応する検索結果を出力するものであれば、「検索」や「販売」といったサービスに限定されず、如何なるサービスにも適用されてよい。
情報処理装置100は、コンテンツから一つ又は複数の固有表現を抽出し、ナレッジベースを用いて、抽出した固有表現の属性を決定する。そして、情報処理装置100は、固有表現のコンテンツに対する重要度を決定したり、固有表現の属性を基に、固有表現の抽出元であるコンテンツの意味を表す情報をコンテンツに付与したりする。ナレッジベースは、予め情報処理装置100に記憶されていてもよいし、情報処理装置100がウェブサイトを定期的にクロールすることで、生成及び更新してもよい。
[情報処理装置の構成]
図3は、実施形態における情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図示のように、情報処理装置100は、例えば、通信部102と、制御部110と、記憶部130とを備える。
通信部102は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースやDMA(Direct Memory Access)コントローラを含む。通信部102は、ネットワークNWを介して、サービス提供装置20や他のウェブサーバと通信する。
制御部110は、例えば、抽出部112と、属性決定部114と、重要度決定部116と、タグ付与部118と、通信制御部120とを備える。属性決定部114は「第1決定部」の一例であり、重要度決定部116は「第2決定部」の一例である。
制御部110の構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサが記憶部130に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部110の構成要素の一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitry)により実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
記憶部130は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより実現される。記憶部130には、ファームウェアやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムの他に、ナレッジベース132が格納される。
図4は、ナレッジベース132の一例を示す図である。ナレッジベース132は、例えば、ウェブサイトやアプリケーションを媒体として提供される百科事典を基にして生成されてよい。図示の例のように、IDが200のエンティティには、「名称(又は名前)」というプロパティに対して「検索太郎」という人物の氏名が対応付けられており、「職業」というプロパティに対して「〇〇大学教授」という、ある一つの職業が対応付けられており、「生年月日」というプロパティに対して「2040年12月12日」という日付けが対応付けられている。IDが400のエンティティには、「名称」というプロパティに対して「検索太郎」という人物の氏名が対応付けられており、「職業」というプロパティに対して「俳優」という、ある一つの職業が対応付けられており、「生年月日」というプロパティに対して「2030年1月1日」という日付けが対応付けられている。また、IDが400のエンティティ(ノード)の「出演」というプロパティ(エッジ)を介して、IDが500のエンティティ(ノード)が対応付けられている。IDが500のエンティティには、「名称」というプロパティに対して「検索物語」という作品名が対応付けられており、「作品カテゴリ」というプロパティに対して「映画作品」という、ある一つのカテゴリが対応付けられている。なお、図4に例示するナレッジベース132は、あくまでも一例であり、適宜変更されてよい。
[処理フロー]
以下、実施形態における制御部110による一連の処理の流れをフローチャートに即して説明する。図5は、実施形態における制御部110による一連の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定の周期で繰り返し行われてよい。
まず、抽出部112は、コンテンツから固有表現及びコンテキストワードを抽出する(ステップS100)。
コンテンツは、例えば、ニュース記事を紹介するような情報提供サイトにおいて、新たに入稿された記事であってよい。この記事は、ユーザが検索エンジンを利用して検索可能である。
固有表現は、例えば、名詞のような一つの単語(ワード)であってもよいし、名詞と名詞とが他の品詞(例えば助詞)で接続された一つの句(フレーズ)であってもよいし、名詞や動詞、助詞、助動詞などの種々の品詞を含む一つの文(センテンス)であってもよい。固有表現は、上述したナレッジベース132のエンティティとなり得るものである。従って、固有表現はエンティティとして読み替えられてもよい。
コンテキストワード(コンテキストタームともいう)は、固有表現の抽出元のコンテンツに含まれ、固有表現として抽出されなかったワードやフレーズ等である。また、コンテキストワードは、固有表現の抽出元のコンテンツが検索される際にユーザによって入力されたクエリであってもよい。例えば、「検索物語」という作品名の映画を検索する際に、ユーザが「検索物語_映画」という文字列をクエリとして入力したとする。アンダーバーはスペースを表している。このような場合において、ナレッジベース132上に、「検索物語」という名称のエンティティが存在する場合、「検索物語」の後にスペースを挟んで続く「映画」という文字列がコンテキスワードとなる。
例えば、抽出部112は、予め複数の固有表現が登録された辞書を用いて、コンテンツから一つ以上の固有表現を抽出し、その固有表現を除いた残りのワードをコンテキストワードとして抽出してよい。例えば、抽出部112は、専用の辞書を用いてコンテキストワードを抽出してよい。
図6は、コンテンツの一例を表す図である。図示の例では、コンテンツが「俳優の検索太郎は、映画「検索物語」で主演として…」という文字列が含まれるテキストデータであることを表している。このようなコンテンツからは、例えば、「検索太郎」及び「検索物語」という固有名詞が固有表現として抽出される。
図5のフローチャートの説明に戻る。次に、属性決定部114は、ナレッジベース132に含まれる複数のエンティティのそれぞれのプロパティに基づいて、抽出部112によってエンティティとして抽出された一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性(すなわちプロパティ)を決定する(ステップS102)。
例えば、属性決定部114は、ナレッジベース132に含まれる複数のエンティティのそれぞれと、抽出部112によってエンティティとして抽出された一つ又は複数の固有表現のそれぞれとを比較し、ナレッジベース132の中に、固有表現と名称が同じ複数のエンティティが存在するか否かを判定する。
図4に例示するナレッジベース132では、IDが200のエンティティとIDが400のエンティティとの名称というプロパティがともに「検索太郎」である。このような場合に、コンテンツから抽出された固有表現が「検索太郎」であった場合、固有表現と名称が同じエンティティが複数存在することになる。
属性決定部114は、ナレッジベース132の中に、固有表現と名称が同じエンティティが1つのみ存在する場合、その該当する1つのエンティティのプロパティを、固有表現の属性に決定する。例えば、該当エンティティのプロパティが「映画作品」や「日本映画」といったプロパティであった場合、固有表現の属性も「映画作品」や「日本映画」といったものになる。
一方、属性決定部114は、ナレッジベース132の中に、固有表現と名称が同じ複数のエンティティが存在する場合、抽出部112によって抽出されたコンテキストワードに基づいて、固有表現と名称が同じ複数のエンティティの中から、1つのエンティティを選択し、その選択したエンティティのプロパティを、固有表現の属性に決定する。
例えば、ナレッジベース132に登録されたエンティティのプロパティの中には、そのエンティティに関連したコンテキストワードを表すプロパティが存在する。そのため、属性決定部114は、抽出部112によって抽出されたコンテキストワードと、エンティティのプロパティの一つであるコンテキストワードとを比較し、抽出されたコンテキストワードに対してより意味的に近いコンテキストワードをプロパティとして有するエンティティを優先的に選択する。「意味的に近い」とは、例えば、コンテキストワード同士の類似度が大きいことであってよい。具体的には、コンテキストワードを1次元或いは多次元のベクトルと見做した場合に、それら2つのベクトルのコサイン類似度が大きいことであってよい。
また、属性決定部114は、ナレッジベース132の中に、固有表現と名称が同じ複数のエンティティが存在する場合、各エンティティのポピュラリティに基づいて、固有表現と名称が同じ複数のエンティティの中から、1つのエンティティを選択し、その選択したエンティティのプロパティを、固有表現の属性に決定してもよい。
ポピュラリティとは、エンティティがどの程度の頻度で参照されているのかということを表す指標値である。言い換えれば、ポピュラリティは、各エンティティに対応したコンテンツの検索回数に応じた指標値である。ナレッジベース132上では、複数のエンティティのそれぞれに対して、ポピュラリティが事前に対応付けられている。
例えば、ポピュラリティは、エンティティに対応したコンテンツの検索回数が多いほど大きくなり、エンティティに対応したコンテンツの検索回数が少ないほど小さくなる傾向を有する。
また、ポピュラリティは、エンティティに対応したコンテンツの検索日時が最新に近いほど大きくなり、エンティティに対応したコンテンツの検索日時が最新から遠いほど(より古いほど)小さくなる傾向を有していてもよい。
例えば、属性決定部114は、固有表現と名称が同じ複数のエンティティのそれぞれのポピュラリティを比較し、よりポピュラリティが大きいエンティティほど優先的に選択してよい。
一般的に、ナレッジベース132上には膨大な数のエンティティが登録されており、なかには滅多に参照されないようなエンティティも存在している。このようなエンティティは、新規に入稿された記事のような最新或いは流行のコンテンツとは関連性が低いことが想定される。従って、エンティティのポピュラリティが大きいエンティティほどを優先的に選択することで、コンテンツで扱われる話題などにマッチした属性を固有表現に付与することができる。
属性決定部114は、抽出部112によって複数の固有表現が抽出されている場合、それら複数の固有表現の全ての属性について、ナレッジベース132上のエンティティのプロパティを参照して決定する。
図5のフローチャートの説明に戻る。次に、重要度決定部116は、コンテンツにおいて固有表現が出現していた位置(又は抽出された位置)に基づいて、属性決定部114によって属性が決定された各固有表現のコンテンツに対する重要度を決定する(ステップS104)。重要度とは、コンテンツから抽出された複数の固有表現の中で、着目する固有表現が他の固有表現に比べてどの程度重要であるのかということを表した相対的な指標値である。
例えば、重要度決定部116は、コンテンツにおいて着目する固有表現の出現位置が冒頭に近いほど、着目する固有表現の重要度を高くし、着目する固有表現の出現位置が冒頭から遠いほど(文章の末尾に近いほど)、着目する固有表現の重要度を低くしてよい。
また、例えば、重要度決定部116は、着目する固有表現がコンテンツのタイトルに出現する場合、コンテンツのタイトルに出現しない場合に比べて、着目する固有表現の重要度を高くしてよい。
一般的に、文書中に含まれる単語の重要度を評価する手法の一つとして、TF(Term Frequency)-IDF(Inverse Document Frequency)が知られている。TF-IDFでは、記事全体で重要度を計算する必要がある。これに対して、本実施形態では、冒頭やタイトルといった文書の一部のみに着目して各固有表現の重要度を計算することができる。これにより、処理負荷を軽減しながら高速に処理を行うことができる。
重要度決定部116は、各固有表現の重要度を決定すると、例えば、重要度の低い固有表現を取り除く。これによって、例えば、固有表現が抽出された対象コンテンツに関連する他のコンテンツを精度よく選び出すことができる。
次に、タグ付与部118は、属性決定部114によって決定された各固有表現の属性に基づいて、各固有表現の抽出元であるコンテンツの意味を表すタグ情報(以下、メディアタグと称する)をコンテンツに付与する(ステップS106)。メディアタグは、各種サービスで利用しやすいようにコンテンツを意味分類するために付与されるタグ情報である。
図7は、メディアタグの付与方法を模式的に表す図である。例えば、あるコンテンツから「検索太郎」と「検索物語」という固有表現が抽出されたとする。「検索太郎」という固有表現の属性は、「人物」といった属性や「俳優」といった属性に決定されており、「検索物語」という固有表現の属性は、「映画作品」といった属性や「日本映画」といった属性に決定されている。このような場合、「検索太郎」と「検索物語」という固有表現の抽出元のコンテンツには、「人物」、「俳優」、「映画作品」、「日本映画」といった属性がメディアタグとして付与される。
このようなメディアタグが各コンテンツに付与されることで、同じメディアタグが付与された複数のコンテンツをクラスタリングすることができ、ある特定のメディアタグが付与されたコンテンツのみを集めてユーザに提供するようなことも可能となる。更に、同じメディアタグが付与された複数のコンテンツを時刻順に並び替え、一連のコンテンツを時系列にユーザに提供することも可能となる。また、メディアタグが付与されたコンテンツとそれを閲覧したユーザとを互いに対応付けて、ユーザがどういったコンテンツに対して興味関心があるのかといった解釈を行うことができる。また、例えば、配信すべきでない特定のメディアタグ(例えば暴力系やアダルト系のタグ)が付与されたコンテンツをユーザに提供しないようにすることも可能となる。これによって子供向け用などにコンテンツを適切にフィルタリングすることができる。
次に、通信制御部120は、通信部102を介して、サービス提供装置20に、重要度決定部116によって各固有表現について決定された重要度に関する情報や、タグ付与部118によってコンテンツに付与されたメディアタグに関する情報を送信する(ステップS108)。これを受けて、サービス提供装置20は、例えば、検索サイトなどのナレッジパネルに、重要度が最も大きい固有表現(エンティティ)に関連したコンテンツを表示させてよい。重要度が最も大きい固有表現が、例えば「検索太郎」という固有表現であった場合、図2で例示したようなナレッジパネルが表示される。また、サービス提供装置20は、上述したように、例えば、特定のメディアタグが付与されたコンテンツのみを集めてユーザに提供してもよいし、同一のメディアタグが付与された複数のコンテンツを時刻順に並び替え、一連のコンテンツを時系列にユーザに提供してもよい。また、サービス提供装置20は、配信すべきでない特定のメディアタグが付与されたコンテンツをユーザに提供しないようにしてもよい。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
以上説明した実施形態によれば、情報処理装置100は、コンテンツから一つ又は複数の固有表現をエンティティとして抽出し、ナレッジベース132に含まれるエンティティのプロパティ(属性)に基づいて、抽出した各固有表現の属性を決定する。情報処理装置100は、コンテンツにおける固有表現の出現位置に基づいて、各固有表現のコンテンツに対する重要度を決定する。更に、情報処理装置100は、各固有表現の属性に基づいて、その固有表現の抽出元であるコンテンツに対してメディアタグを付与する。これによって、コンテンツとそのコンテンツを閲覧したユーザとの関係性や、コンテンツ同士の関係性を容易に解釈することができる。この結果、ユーザに提供するコンテンツを固有表現の重要度に応じて変更したり、同じメディアタグが付与された複数のコンテンツをクラスタリングしたりすることができる。
<ハードウェア構成>
上述した実施形態の情報処理装置100は、例えば、図8に示すようなハードウェア構成により実現される。図8は、実施形態の情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
情報処理装置100は、NIC100-1、CPU100-2、RAM100-3、ROM100-4、フラッシュメモリやHDDなどの二次記憶装置100-5、およびドライブ装置100-6が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。ドライブ装置100-6には、光ディスクなどの可搬型記憶媒体が装着される。二次記憶装置100-5、またはドライブ装置100-6に装着された可搬型記憶媒体に格納されたプログラムがDMAコントローラ(不図示)などによってRAM100-3に展開され、CPU100-2によって実行されることで、制御部110が実現される。制御部110が参照するプログラムは、ネットワークNWを介して他の装置からダウンロードされてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…情報処理システム、10…端末装置、20…サービス提供装置、100…情報処理装置、102…通信部、110…制御部、112…抽出部、114…属性決定部、116…重要度決定部、118…タグ付与部、120…通信制御部、130…記憶部、132…ナレッジベース

Claims (12)

  1. コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出する抽出部と、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記抽出部によって前記第1エンティティとして抽出された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定する第1決定部と、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、前記第1決定部によって属性が決定された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定する第2決定部と、を備え、
    前記第1決定部は、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、前記コンテンツのコンテキストワードに基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択し、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定する、
    情報処理装置。
  2. 前記ナレッジベース上では、複数の前記第2エンティティのそれぞれに対して、ユーザが前記第2エンティティに対応したコンテンツを検索したときの回数に基づく指標値が対応付けられており、
    前記第1決定部は、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、複数の前記第2エンティティのそれぞれの前記指標値に基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択し、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記指標値は、前記第2エンティティに対応したコンテンツの検索回数が多いほど大きく、前記第2エンティティに対応したコンテンツの検索回数が少ないほど小さい傾向にあり、
    前記第1決定部は、複数の前記第2エンティティの中で、前記指標値が大きい前記第2エンティティほど優先的に選択する、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記指標値は、前記第2エンティティに対応したコンテンツの検索日時が最新に近いほど大きく、前記第2エンティティに対応したコンテンツの検索日時が最新から遠いほど小さい傾向にあり、
    前記第1決定部は、複数の前記第2エンティティの中で、前記指標値が大きい前記第2エンティティほど優先的に選択する、
    請求項2又は3に記載の情報処理装置。
  5. 前記第2決定部は、前記コンテンツにおいて前記固有表現の出現位置が冒頭に近いほど、前記重要度を高くし、前記コンテンツにおいて前記固有表現の出現位置が冒頭から遠いほど、前記重要度を低くする、
    請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記第2決定部は、前記コンテンツのタイトルに前記固有表現が出現する場合、前記コンテンツのタイトルに前記固有表現が出現しない場合に比べて、前記重要度を高くする、
    請求項1から5のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記第1決定部によって決定された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性に基づいて、前記コンテンツの意味を表す情報を、前記コンテンツに付与する付与部を更に備える、
    請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出する抽出部と、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記抽出部によって前記第1エンティティとして抽出された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定する第1決定部と、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、前記第1決定部によって属性が決定された前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定する第2決定部と、を備え、
    前記ナレッジベース上では、複数の前記第2エンティティのそれぞれに対して、ユーザが前記第2エンティティに対応したコンテンツを検索したときの回数に基づく指標値が対応付けられており、
    前記第1決定部は、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、複数の前記第2エンティティのそれぞれの前記指標値に基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択し、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定する、
    情報処理装置。
  9. コンピュータが、
    コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出し、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記第1エンティティとして抽出した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定し、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、属性を決定した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定し、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、前記コンテンツのコンテキストワードに基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択し、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定する、
    情報処理方法。
  10. コンピュータが、
    コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出し、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記第1エンティティとして抽出した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定し、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、属性を決定した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定し、
    前記ナレッジベース上では、複数の前記第2エンティティのそれぞれに対して、ユーザが前記第2エンティティに対応したコンテンツを検索したときの回数に基づく指標値が対応付けられており、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、複数の前記第2エンティティのそれぞれの前記指標値に基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択し、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定する、
    情報処理方法。
  11. コンピュータに、
    コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出すること、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記第1エンティティとして抽出した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定すること、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、属性を決定した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定すること、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、前記コンテンツのコンテキストワードに基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択すること、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定すること、
    を実行させるためのプログラム。
  12. コンピュータに、
    コンテンツから一つ又は複数の固有表現を第1エンティティとして抽出すること、
    あるナレッジベースに含まれる第2エンティティの属性に基づいて、前記第1エンティティとして抽出した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの属性を決定すること、
    前記コンテンツにおける前記固有表現の出現位置に基づいて、属性を決定した前記一つ又は複数の固有表現のそれぞれの前記コンテンツに対する重要度を決定すること、
    前記ナレッジベース上では、複数の前記第2エンティティのそれぞれに対して、ユーザが前記第2エンティティに対応したコンテンツを検索したときの回数に基づく指標値が対応付けられており、
    前記ナレッジベースに、前記固有表現と名称が同じ複数の前記第2エンティティが存在する場合、複数の前記第2エンティティのそれぞれの前記指標値に基づいて、複数の前記第2エンティティの中から、1つの前記第2エンティティを選択すること、
    前記選択した第2エンティティの属性を、前記第1エンティティである前記固有表現の属性に決定すること、
    を実行させるためのプログラム。
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