JP7319655B2 - スイッチング素子及び熱電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング素子及び熱電変換素子に関するものである。
メタマテリアルは、光の波長よりも小さな構造体からなる人工的な材料であり、2000年に負の屈折率を有するメタマテリアルが実現できれば、無限に小さな物を可視光で観察できるとの論文が発表されて注目された。
その後、様々なメタマテリアルの構造が報告された。その一つに薄膜を金属ナノ構造体と金属平板で挟んだメタマテリアル完全吸収構造がある。
N. I. Landy, S. Sajuyigbe, J. J. Mock, D. R. Smith, W. J. Padilla, Phys. Rev. Lett. 2008, 100, 207402. S. Lysenko, A. J. Rua, V. Vikhnin, J. Jimenez, F. Fernandez, H. Liu, Appl. Surf. Sci. 2006, 252, 5512. Appavoo, B. Wang, N. F. Brady, M. Seo, J. Nag, R. P. Prasankumar, D. J. Hilton, S. T. Pantelides and R. F. Haglund, Nano Lett., 2014, 14, 112. A. J. Green, A. A. Alaulamie, S. Baral and H. H. Richardson, Nano Lett., 2013, 13, 4142. A. Rasoul, A. Mohammad and R. Carsten, J. Phys. D: Appl. Phys., 2017, 50, 503002 M. L. Brongersma, N. J. Halas and P. Nordlander, Nat Nano, 2015, 10, 25.
従来、メタマテリアル完全吸収構造に関する文献の多くは、その薄膜の材料として金属酸化物など、電磁波と相互作用をしない物質が広く用いられてきた(非特許文献1参照)。
発明者は鋭意研究によって、メタマテリアル完全吸収構造に熱応答性を有する材料層(例えば、二酸化バナジウム(VO)薄膜)を挿入した構成を備えた新規のスイッチング素子及び熱電変換素子によって、メタマテリアル完全吸収構造に生成する局所熱を利用する新規のスイッチング素子及び熱電変換素子に想到した。
二酸化バナジウム(VO)薄膜の光照射による相転移誘起が可能であることが報告されている(非特許文献2参照)。非特許文献2が相転移を誘起するのに必要としたフェムト秒レーザー光の1パルス当たりの光強度は140GW/cmであり、光照射のみによるVO薄膜を備えたスイッチング素子は非常に強力な光を必要とされていた。
本発明は、メタマテリアル完全吸収構造に生成する局所熱を利用するスイッチング素子及び熱電変換素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様に係るスイッチング素子は、導電性微小構造体と、金属薄膜と、それらに挟まれた熱相転移材料層とからなる完全吸収メタマテリアル構造を備えている。
(2)上記態様において、前記導電性微小構造体が複数備えられてもよい。
(3)上記態様において、複数の導電性微小構造体が同じプラズモン共鳴波長を示すものからなってもよい。
(4)上記態様において、複数の導電性微小構造体に異なるプラズモン共鳴波長を示すものが含まれていてもよい。
(5)上記態様において、前記複数の導電性微小構造体がランダムに配置されていてもよい。
(6)上記態様において、前記複数の導電性微小構造体が規則的に配置されていてもよい。
(7)上記態様において、前記導電性微小構造体が異方的形状を有してもよい。
(8)本発明の第2の態様に係る熱電変換素子は、導電性微小構造体と、金属薄膜と、それらに挟まれた熱電変換層とからなる完全吸収メタマテリアル構造を備えている。
(9)上記態様において、前記導電性微小構造体は、前記熱電変換膜の一部の内部又は表面に配設されていてもよい。
(10)上記態様において、前記導電性微小構造体が複数備えられてもよい。
(11)上記態様において、複数の導電性微小構造体が同じプラズモン共鳴波長を示すものからなってもよい。
(12)上記態様において、複数の導電性微小構造体に異なるプラズモン共鳴波長を示すものが含まれていてもよい。
(13)上記態様において、前記複数の導電性微小構造体がランダムに配置されていてもよい。
(14)上記態様において、前記複数の導電性微小構造体が規則的に配置されていてもよい。
(15)上記態様において、前記導電性微小構造体が異方的形状を有してもよい。
本発明のスイッチング素子によれば、メタマテリアル完全吸収構造に生成する局所熱を利用するスイッチング素子を提供できる。
本発明の熱電変換素子によれば、メタマテリアル完全吸収構造に生成する局所熱を利用する熱電変換素子を提供できる。
本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子を模式的に示した断面図である。 二酸化バナジウム(VO)の温度に対する電気抵抗率の変化特性を示すグラフである。 本発明のスイッチング素子の駆動方法を説明するための図であり、(a)は、スイッチング素子の断面模式図であり、(b)は、光のオン/オフ制御により電流のオン/オフを制御することを示す駆動のタイミングチャートである。 導電性微小構造体の形状を例示する模式図である。 (a)は、基板上に金属平板電極、VO薄膜、金属ナノ構造体を順に形成した構成であり、基板のメタマテリアル完全吸収構造を形成した側から光照射を行った場合を示す断面模式図であり、(b)は、基板上に金属ナノ構造体、VO薄膜、金属平板電極を順に形成した構成であり、基板の下方から光照射を行った場合を示す断面模式図である。 本発明のスイッチング素子の製造方法を説明するための模式的に示した断面図であり、(a)は基板上に金属薄膜を形成する工程、(b)は金属薄膜上に熱相転移材料層を形成する工程、(c)は熱相転移材料層上に導電性微小構造体及び電極部分を形成する工程、を示すものである。 本発明のスイッチング素子の製造方法2によって製造できるスイッチング素子の斜視模式図である。 本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の他の例を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の他の例を模式的に示した断面図であり、(a)は、複数の帯状の導電性微小構造体が不規則な間隔で配置する例であり、(b)は、複数のドット状の導電性微小構造体が不規則な間隔で配置する例である。 VO薄膜の電気抵抗率の測定する際に用いた構成を示す斜視模式図である。 短軸方向に偏光した単色光を照射してVO薄膜の電気抵抗率を測定した結果を示すグラフである。 銀ナノロッドの短軸方向及び長軸方向に偏光した650nmの単色光の照射下で、温度を昇降してVO薄膜の電気抵抗率を測定した結果を示すグラフである。 2次元電磁界計算を実施した、金属平板電極/VO薄膜/金属ナノ構造体電極構造のモデル図である。 図11Aで示したモデル図において周期を100nm~300nmでふった際の吸収スペクトルを示すグラフである。 図11Aで示したモデル図において波長1.7マイクロメートル付近の吸収ピークの電場分布図である。 本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子200を模式的に示した断面図である。 メタマテリアル完全吸収構造を一端に有する本発明の熱電変換素子の概念図である。 本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子の複数の導電性微小構造体の配置(配列)例を示したものである。 (a)は、基板上に金属平板電極、熱電変換膜、金属ナノ構造体を順に形成した構成であり、基板のメタマテリアル完全吸収構造を形成した側から光照射を行った場合を示す断面模式図であり、(b)は、基板上に金属ナノ構造体、熱電変換膜、金属平板電極を順に形成した構成であり、基板の下方から光照射を行った場合を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子の利用方法を概念的に示す断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(スイッチング素子)
図1は、本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子100を模式的に示した断面図である。
スイッチング素子100は、導電性微小構造体1と、金属薄膜2と、それらに挟まれた熱相転移材料層3とからなるメタマテリアル完全吸収構造10を備えている。
導電性微小構造体1及び金属薄膜2は、電極として用いることもできる。
本明細書において、完全吸収とは、80%以上の光吸収特性を有することをいうものとする。メタマテリアル完全吸収構造とは、入射光を80%以上の光を閉じ込めることができるものである。
<熱相転移材料層>
熱相転移材料層3を構成する材料としては、熱によって電気抵抗率が著しく変化する材料(高抵抗及び低抵抗をとる材料)であれば用いることができる。例えば、二酸化バナジウム(VO)、3酸化2バナジウム(V)、1酸化バナジウム(VO)、ゲルマニウムアンチモンテルル(GeSbTe)などを例示できる。
熱相転移材料層3の膜厚としては、特に限定するものではないが、目安を例示すると、数nm以上、数100nm以下であり、好ましくは10nm以上、100nm以下である。
図2は、二酸化バナジウム(VO)の温度に対する電気抵抗率の変化特性を示すグラフである。
図2に示されている通り、室温下では高抵抗な誘電体相を、また、相転移温度(68℃近傍)以上では低抵抗な金属相を示す。すなわち、相転移温度前後において、金属-絶縁体(誘電体)相転移をしている。誘電体相と金属相の電気抵抗率差は例えば、3~4桁であるため、二酸化バナジウム薄膜の誘電体相と金属相を相転移によってスイッチすれば、電流のオン/オフ制御が可能になる。
メタマテリアル完全吸収構造に光が照射されれば、メタマテリアル完全吸収構造は光を閉じ込め、高い熱を熱相転移材料層中に生成することが可能になる。この局所熱によって、熱相転移材料が相転移すれば、熱相転移材料層の電気抵抗率は低下し、導電性微小構造体1と金属薄膜2との間に電流が流れる。光照射を止めれば、メタマテリアル完全吸収構造内の熱は低下して熱相転移材料は高抵抗な誘電体相に戻るため、電流が流れなくなる。
このため、図3に示すように、光のオン/オフ制御により、導電性微小構造体電極1および金属平板電極2間に流れる電流のオン/オフが可能な光スイッチングデバイスとして機能する。
より詳細には、メタマテリアル完全吸収構造に挟まれた熱相転移材料層における相転移は、以下の2つのプロセスによって進行すると考えられる。
(1)メタマテリアル完全吸収構造の誘電体層に閉じ込められる局所熱による相転移
メタマテリアル完全吸収構造は、特にQ値の高いプラズモン4重極子モードを励起する。4重極子モードは狭帯域で寿命が長く、局所熱の元となる熱電子の発生効率が高いことで知られる。熱電子は緩和機構を経て局所熱となるため、その局所熱が熱相転移材料層に与えられ、熱相転移材料の相転移が進行する。
(2)メタマテリアル完全吸収構造中で発生する熱電子の注入による相転移
メタマテリアル完全吸収構造は熱電子の発生効率が高いことで知られる。金ナノ構造体と二酸化バナジウムが接触すると、金属ナノ構造体から二酸化バナジウム薄膜の伝導帯へ熱電子が注入され、二酸化バナジウムの相転移が誘起されると知られている(非特許文献3参照)。熱電子注入によって二酸化バナジウムの相転移が生じる時間はピコ秒台と報告されている。仮にメタマテリアル完全吸収構造による二酸化バナジウム相転移において、熱電子注入による相転移が主要なプロセスである場合、本発明の光スイッチング素子はピコ秒オーダーで電流のスイッチができる高速スイッチング素子となる。
<金属薄膜>
金属薄膜2の材料としては、特に限定するものではないが、金・銀・銅・白金・アルミニウムなどの金属を挙げることができる。
金属薄膜2を電極としても用いる場合には、金属平板電極ということがある。
金属薄膜2はその表面は平坦な膜あるいは平板であることが好ましいが、メタマテリアル完全吸収構造を形成できれば、それに限定されない。
金属薄膜2の膜厚としては、特に限定するものではないが、目安を例示すると、数nm~数100nmである。
<導電性微小構造体>
導電性微小構造体1の材料と用いることができる材料として公知のプラズモン共鳴を示す材料を用いることができる。
具体的に例示すれば、金・銀・銅・白金・アルミニウムなどの金属や、酸化インジウム錫などの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性微小構造体1の構造と用いることができる構造としては、金属薄膜2と対面する面が平行になっている形状を有するものであることを要する。さらに、プラズモン共鳴を示す構造である必要がある。
具体的に例示すれば、図4にその一部を示すように、球、円板、楕円柱、楕円版直方体、立方体、パッチ(薄板)、円柱、中空シリンダー、ボウタイ(蝶ネクタイ)型、二量体・三量体・四量体・五量体等のn量体、星形、グレーティング、微小穴がランダムまたは規則的に配列した金属薄膜、などが挙げられる。形状に異方性を有するもの例えば、直方体などは、偏光応答性を有する。
これらの形状にする方法としては公知の方法を用いることができ、例えば、電子線描画法、光露光法、真空蒸着法、スパッタ法、合成法、自己集積化法などを用いることができる。
図1に示すスイッチング素子100では、導電性微小構造体は一つ備えられているが、複数備えても構わない。
本明細書において、特に記載しない限り、「導電性微小構造体」は、単体(1つ)の導電性微小構造体の場合も、複数の導電性微小構造体(この場合、「導電性微小構造体群」ということがある)の場合の両方を意味する。また、図1において、導電性微小構造体を複数備えた構成を図示しているが、一例として示しているだけであり、本実施形態には、導電性微小構造体が一つのものも含む。同様に、以下の図においても、導電性微小構造体が複数示されている場合でも、実施形態には導電性微小構造体が一つのものも含み、同様に、導電性微小構造体が一つだけ示されている場合でも、実施形態には導電性微小構造体が複数のものも含む。
メタマテリアル完全吸収構造10がプラズモン共鳴を用いたメタマテリアル完全吸収構造であるため、プラズモン共鳴波長は、導電性微小構造体の種類、サイズ、形状、数、密度などの態様によって決まる。従って、導電性微小構造体の態様を適切に制御することによって、スイッチング素子が駆動する波長域などの特性を制御することができる。例えば、可視光、遠赤外光など任意のプラズモン共鳴波長の導電性微小構造体を形成できる。
本発明のスイッチング素子において、同じプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体を複数備えた構成とすることにより、生成される局所熱が大きくなる。例えば、単体(1つ)の導電性微小構造体によって発生する局所熱によってはスイッチング素子の駆動ができない構成の場合には、駆動させるのに十分な局所熱を発生するように、複数の同じプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体を備えてもよい。複数の同じプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体を備えた構成をとることによって、狭帯応答性を向上させることができる。
本発明のスイッチング素子において、複数の導電性微小構造体(導電性微小構造体群)を備えた構成において、異なるプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体を含む構成としてもよい。
この構成では、異なるプラズモン共鳴波長が比較的近い波長の場合には、広帯域応答性が向上する。また、近くない所望波長の光を吸収するような、異なるプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体群を備える構成とすることによって、特定の複数の波長の光に応答するスイッチング素子としてもよい。
異なるプラズモン共鳴波長を示す導電性微小構造体の選択によって、プラズモン共鳴波長スペクトルを任意に設計したスイッチング素子とすることができる。
本発明のスイッチング素子において、導電性微小構造体が異方的形状を有するものを用いてもよい。
例えば、直方体形状の導電性微小構造体は所定の縦横比(アスペクト比)を有する形状である。直方体形状の導電性微小構造体は、短軸と長軸に由来する二つの異なるプラズモン共鳴波長を有する。すなわち、それぞれの軸方向の自由電子振動に由来する共鳴モードを有する。直方体形状の導電性微小構造体を備えたスイッチング素子では、偏光方向が短軸又は長軸のいずれかに一致する光を吸収するので偏光応答性を有するものとなる。
また、複数の同じ異方的形状の導電性微小構造体を所定の複数の配向方向に並べてパターンとしてもよい。
本発明のスイッチング素子において、複数の導電性微小構造体をランダムに配置してもよい。ランダム配置の導電性微小構造体群は容易に形成することができる。
「ランダムに配置」とは、後述する「規則的に配置」以外の配置を意味している。ランダムに配置する方法としては、例えば、有機熱電材料溶液に複数の導電性微小構造体を混ぜ合わせ、スピンコート法によって熱電変換材料を成膜する方法や、無機熱電材料をスパッタ・蒸着などで成膜する際に、導電性微小構造体の材料を同時スパッタ・蒸着して熱電変換膜内に導電性微小構造体を閉じ込めて熱電変換材料を成膜する方法が挙げられる。
本発明のスイッチング素子において、複数の導電性微小構造体を規則的に配置してもよい。規則的に配置する方法としては例えば、フォトリソグラフィによる、規則的な配置のパターニングが挙げられる。規則的配置の導電性微小構造体群は、その規則性(例えば、周期性)ならではの応答特性を有する。
導電性微小構造体のサイズについて、目安を例示するために直方体形状を例にとると、長さとしては1~10000nm、幅としては1~10000nm、高さとしては1~10000nmとすることができる。
導電性微小構造体がナノメートルスケールのものである場合には、導電性ナノ構造体という場合がある。また、材料を金属として、ナノメートルのサイズをものとした場合には特に、金属ナノ構造体という場合がある。
本発明のスイッチング素子において、複数の導電性微小構造体を備えた構成では、二個づつ、三個づつ、四個づつ等、n個づつが近接して相互作用を有する二量体、三量体、四量体等、n量体で構成された導電性微小構造体群とすることができる。
n量体では、熱がたまりやすいので、発生した局所熱を効率的に活用できる。
例えば、可視光のプラズモン共鳴吸収を利用する場合、相互作用する隣接の導電性微小構造体間の距離は、0nm超え、40nm以下にすることが好ましく、10nm以下にすることがより好ましい。また、赤外光のプラズモン共鳴吸収を利用する場合、相互作用する隣接の導電性微小構造体間の距離は、1nm以上、40nm以下にすることが好ましく、1nm以上、20nm以下にすることがより好ましい。
<基板>
本発明のスイッチング素子では基板は必須ではないが、本発明のスイッチング素子を基板上に作製する場合、その基板としては例えば、ソーダライムガラスなどを用いることができる。
用途に応じて基板を選択できるが、全体としてフレキシブル(柔軟な)ものにしたい場合には、フレキシブルな基板として例えば、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマーなどを用いることができる。逆に全体として剛性なものにしたい場合には例えば、サファイア基板、石英基板、シリコン基板などを用いることができる。
メタマテリアル完全吸収構造を備えた本発明の光スイッチング素子では、その応答波長域、偏光依存性は、導電性微小構造体の材料(例えば、金属ナノ構造体を構成する金属種(金、銀、銅、白金、およびアルミニウムなど、プラズモンを誘起する金属))並びに、そのサイズ及び形状によって任意に制御出来る。そのため、駆動波長は幅広い波長(例えば、紫外域から赤外域まで)から選択することができる。
プラズモン4重極子モードを誘起するメタマテリアル完全吸収構造は、熱電子生成効率が金属ナノ粒子など単純なプラズモニック構造よりもはるかに高いことが知られている。熱電子生成効率が高いということは、熱電子緩和で生じる局所熱の発生量も大きいことを意味する。そのため、1kW/cm程度を必要とするレーザー光誘起相転移と比較し、メタマテリアル完全吸収構造を利用する本発明の光スイッチング素子では、2,3桁低い微弱光での熱相転移材料(例えば、VO)のスイッチングを可能にする。
図5に、基板上に、本発明のメタマテリアル完全吸収構造の一例として金属ナノ構造体-VO薄膜-金属平板電極の構造を配設した構成を示す。
図5(a)は、基板上に金属平板電極、VO薄膜、金属ナノ構造体を順に形成した構成であり、基板のメタマテリアル完全吸収構造を形成した側から光照射を行った場合を示す断面模式図であり、図5(b)は、基板上に金属ナノ構造体、VO薄膜、金属平板電極を順に形成した構成であり、基板の下方から光照射を行った場合を示す断面模式図である。図5(b)の場合は、基板としては透明性が高いものを用いることが好ましい。
金属ナノ構造体が基板上に作製され、基板下部から光照射する場合が考えられる。金属ナノ構造体が応答波長を決定するため、光照射は必ず、金属ナノ構造体側より行う。
メタマテリアル完全吸収構造の局所熱は、導電性微小構造体(例えば、金属ナノ構造体)と金属薄膜(例えば、金属平板電極)間で発生するため、発生場所に熱相転移材料層を挿入している点が本発明の特徴である。
導電性微小構造体(例えば、金属ナノ構造体)のサイズと形状の適切な設計により、紫外から赤外域まで、幅広い波長域から応答波長を選択できる。プラズモン4重極子モードは非常にQ値の高い狭帯域応答性を持つため、狭帯域光スイッチング素子としての利用が期待できる。原理的には、1個の金属ナノ構造体だけでも波長応答性を示すことから、ピクセルサイズがnmオーダーである高解像度のイメージセンサも実現できる。
また、本発明のスイッチング素子を光検出器に用いることもできる。
(スイッチング素子の製造方法)
図6は、本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の製造方法を説明するための模式的に示した断面図である。以下に、スイッチング素子の製造方法の3つの例を説明する。
<スイッチング素子の製造方法1>
(1)基板上に金属薄膜を形成する(蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)(図6(a))。
(2)次に、金属薄膜上に熱相転移材料層を形成する(スパッタ法・蒸着法・化学的合成法などの手法を用いることができる)(図6(b))。
(3)次に、導電性微小構造体および電流を取り出すための電極部分を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)(図6(c))。
<スイッチング素子の製造方法2>
(1)基板上に金属薄膜を形成する(蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)(図6(a))。
(2)次に、金属薄膜上に熱相転移材料層を形成する(スパッタ法・蒸着法・化学的合成法などの手法を用いることができる)(図6(b))。
(3)次に、導電性微小構造体を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
(4)電流を取り出すための透明電極を形成する(スパッタ法・蒸着法・ゾルゲル法などの化学的形成法などの手法を用いることができる)(図7参照)。
<スイッチング素子の製造方法3>
(1)基板上に導電性微小構造体を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
(2)次に、基板及び導電性微小構造体上に熱相転移材料層を形成する(スパッタ法・蒸着法・化学的合成法などの手法を用いることができる)。
(3)次に、熱相転移材料層上に金属平板電極を形成する(金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
図8は、本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の一例を模式的に示した断面図である。
図8に示すスイッチング素子110は、等間隔で離間して規則的に(より具体的には、周期的に)配置する複数の導電性微小構造体1Aaと、金属薄膜2と、それらに挟まれた熱相転移材料層3とからなるメタマテリアル完全吸収構造を備えている。
図8に示すスイッチング素子110では、複数の帯状の導電性微小構造体1Aaはそれらと連結する共通部1Abと共に導電性微小構造体電極1Aを構成している。
図8に示すスイッチング素子110では、光のオン/オフ制御により、導電性微小構造体電極1Aと金属薄膜(金属平板電極)2との間に流れる電流のオン/オフが可能な光スイッチングデバイスとして機能する。
複数の導電性微小構造体1Aaの周期は、完全吸収メタマテリアル構造の応答波長によって決定される。周期は例えば、数10nm~数100μmである。
図8に示すスイッチング素子110は、複数の導電性微小構造体1Aaが同じ周期で配列しているため、狭帯域性を示すスイッチング素子となる。
図9は、本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の他の例を模式的に示した断面図である。
図9に示すスイッチング素子120は、狭い間隔から広い間隔へと段階的に変化する間隔で離間して配置する複数の帯状の導電性微小構造体1Baと、金属薄膜2と、それらに挟まれた熱相転移材料層3とからなるメタマテリアル完全吸収構造を備えている。
図9に示すスイッチング素子120では、複数の導電性微小構造体1Baはそれらと連結する共通部1Bbと共に導電性微小構造体電極1Bを構成している。
図9に示すスイッチング素子120では、光のオン/オフ制御により、導電性微小構造体電極1Bと金属薄膜(金属平板電極)2との間に流れる電流のオン/オフが可能な光スイッチングデバイスとして機能する。
複数の導電性微小構造体1Baの各間隔は、完全吸収メタマテリアル構造の応答波長によって決定される。各間隔は例えば、数10nm~数100μmである。
図9に示すスイッチング素子120は、複数の導電性微小構造体1Baが狭い間隔から広い間隔へと段階的に変化する間隔で離間して配列しているため、広帯域性を示すスイッチング素子となる。
図10(a)及び(b)は、本発明の一実施形態にかかるスイッチング素子の他の例を模式的に示した断面図である。
図10(a)に示すスイッチング素子130は、不規則な(ランダムな)間隔で離間して配置する複数の帯状の導電性微小構造体1Caと、金属薄膜2と、それらに挟まれた熱相転移材料層3とからなるメタマテリアル完全吸収構造を備えている。
図10(a)に示すスイッチング素子130では、複数の導電性微小構造体1Caはそれらと連結する共通部1Cbと共に導電性微小構造体電極1Cを構成している。
図10(a)に示すスイッチング素子130では、光のオン/オフ制御により、導電性微小構造体電極1Cと金属薄膜(金属平板電極)2との間に流れる電流のオン/オフが可能な光スイッチングデバイスとして機能する。
図10(a)に示すスイッチング素子130は、複数の導電性微小構造体1Caの不規則な(ランダムな)間隔が所定の分布を有する場合には、広帯域性を示すスイッチング素子となる。
図10(b)に示すスイッチング素子140は、不規則な(ランダムな)間隔で離間して配置する複数のドット状の導電性微小構造体1Daと、金属薄膜2と、それらに挟まれた熱相転移材料層3とからなるメタマテリアル完全吸収構造を備えている。
図10(b)に示すスイッチング素子140では、複数の導電性微小構造体1Daはそれらを覆うように熱相転移材料層3上に配置する透明電極1Dbと共に導電性微小構造体電極1Dを構成している。
図10(b)に示すスイッチング素子140では、光のオン/オフ制御により、導電性微小構造体電極1Dと金属薄膜(金属平板電極)2との間に流れる電流のオン/オフが可能な光スイッチングデバイスとして機能する。
図10(b)に示すスイッチング素子140は、複数の導電性微小構造体1Daの不規則な(ランダムな)間隔が所定の分布を有する場合には、広帯域性を示すスイッチング素子となる。
<VO薄膜の電気抵抗率の測定>
図11に示す通り、ガラス基板上に膜厚250nmのVO薄膜を形成し、VO薄膜上に銀ナノロッドアレイ(縦60nm×横150nm×高さ40nmの銀ナノロッドを約3600万個)を形成した。さらに、VO薄膜の両端に幅2mmの銀を100nm蒸着して、3mm離間させて銀電極を形成した。
次に、短軸方向に偏光した単色光を照射して、そのときのVO薄膜の電気抵抗率を測定した。その結果を図9に示す。
図12のグラフにおいて、横軸は波長(nm)、左側縦軸は銀ナノロッドアレイの透過率、右側縦軸は電気抵抗率(Ωcm)である。
電気抵抗率は、光強度が10mW/cmの単色光をふって、各単色光(図9中の黒丸印)ごとに光照射してVO薄膜に流れた電流を測定して得られたものである。
図12により、プラズモン共鳴波長(650nm)においてVO薄膜の電気抵抗率は低下しており、プラズモン共鳴によって銀ナノロッドアレイに生じた熱がVO薄膜に伝搬し、VO薄膜の相転移が進行してVO薄膜の電気抵抗率が低下したものである。
図13は、銀ナノロッドの短軸方向及び長軸方向に偏光した650nmの単色光の照射下で、VO薄膜の温度を20℃から100℃まで上昇させ、次いで100℃から20℃まで下降させて、VO薄膜の電気抵抗率を測定した結果を示すグラフである。
図12により、650nmの単色光は銀ナノロッドの短軸方向のプラズモン共鳴波長である。従って、短軸方向に偏光した650nmの単色光の照射下はプラズモン励起を伴う場合であり、長軸方向に偏光した650nmの単色光の照射下はプラズモン励起を伴わない場合である。以下では、前者の場合をプラズモン励起偏光照射下、後者の場合をプラズモン非励起偏光照射下、ということがある。
プラズモン励起偏光照射下の測定とプラズモン非励起偏光照射下の測定とを比較すると、VO薄膜の温度が68℃において、プラズモン励起偏光照射下の場合はプラズモン非励起偏光照射下の場合よりも0.05[Ωcm]のVO薄膜の電気抵抗率が低下した。0.05[Ωcm]は0.7℃に相当する。これは、プラズモン共鳴によって銀ナノロッド上に生じた熱がVO薄膜に伝搬し、VO薄膜の相転移が進行した結果である。
照射した単色光の光強度は10mW/cmである。プラズモン共鳴時に生じる熱は照射光強度に応じて線形的に増加することから、100mW/cmの光強度の単色光を照射すれば銀ナノロッドは7℃相当の熱を生じ、VO薄膜の電気抵抗率は10[Ωcm]から10-3[Ωcm]台まで低下して、3桁の電気抵抗率変化が得られると予測できる。
単にフェムト秒レーザー光を照射するだけでVOをスイッチングした非特許文献2の場合、最低140GW/cm程度の光強度が必要であったが、完全吸収メタマテリアル構造としたVOスイッチングの場合、10mW/cm以下の光強度でもスイッチングできるものと考えられる。
<完全吸収メタマテリアル構造が生成する熱の見込み>
(1)図14Aに示す金属平板電極/VO薄膜/金属ナノ構造体電極構造の2次元電磁界計算を実施した。
その結果、吸収率が80%以上の完全吸収特性が確認された(図14B)。図14B中の「Pitch」は、図14Aに示した「Pitch」であり、同じ構造の繰り返しの周期(ピッチ)を示すものである。図14Bにおいて、横軸は波長であり、縦軸は入射光を1としたときの光の吸収率である。
特に1.7マイクロメートル付近の吸収ピークの電場分布計算をおこなったところ(図14C)、完全吸収特性に由来する電場分布が確認され、80%以上の高い吸収特性は完全吸収構造によってもたらされていることが計算で確認できた。
(2)完全吸収メタマテリアル構造が発生する熱量の推測
プラズモン共鳴によって生成する熱は、主に以下の式で計算出来る(非特許文献4参照)。
完全吸収構造の場合、構造因子(Req, β)を求めるのが困難なため、発熱量の実計算が難しい。実験的に得た知見および関連研究の報告から、完全吸収メタマテリアル構造が発生する熱を予測した。
図13に示した通り、単純な銀ナノロッドに10mW/cmの光を照射した場合でも、1℃程度の発熱が実験的に観測された。
完全吸収メタマテリアル構造の吸収率・吸収断面積は銀ナノロッドよりも10倍以上高くなる結果が計算から得られているため、10mW/cmの共鳴光を照射した場合、完全吸収メタマテリアル構造の発熱度は少なくとも10℃以上と推測される(非特許文献5参照)。
プラズモン4重極子モードを誘起するメタマテリアル完全吸収構造は、熱電子生成効率が金属ナノ粒子など単純なプラズモニック構造よりもはるかに高いことが知られている(非特許文献6参照)。熱電子生成効率が高いということは、熱電子緩和で生じる局所熱の発生量も大きいことを意味する。そのため、1kW/cm程度を必要とするレーザー光誘起相転移と比較し、メタマテリアル完全吸収構造を利用する本発明の光スイッチング素子では、2,3桁低い微弱光での熱相転移材料(例えば、VO)のスイッチングを可能にする。
また、例えば、VO薄膜を用いた場合、VOとプラズモン構造が接触した場合、プラズモン構造体で生成した熱電子がVO伝導帯に注入されて相転移が促進されていることはすでに報告されており、熱電子注入によって誘起される相転移現象はピコ秒(10-12)オーダーであると報告されている(非特許文献3参照)。
そのため、熱電子生成効率の高い完全吸収メタマテリアル構造が、熱電子注入機構によってVOの相転移を促進すると、その応答速度はピコ秒オーダーとなり、既存のMOSFETなどのスイッチング素子の応答速度であるナノ秒をはるかに上回る高速の応答速度が得られる。
(熱電変換素子)
図15は、本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子200を模式的に示した断面図である。
熱電変換素子200は、導電性微小構造体11と、金属薄膜12と、それらに挟まれた熱電変換層13とからなるメタマテリアル完全吸収構造200を備えている。
本発明の熱電変換素子を、本発明のスイッチング素子と比較すると、熱相転移材料層が熱電変換層に変わった点が異なるが、メタマテリアル完全吸収構造を用いる点で共通する。
また、導電性微小構造体及び金属薄膜については同様な構成のものを用いることができるので、主に異なる点を説明するが、共通する点については説明を省略する場合がある。
本発明の熱電変換素子においても、メタマテリアル完全吸収構造は入射光を100%近く閉じ込めることができ、導電性微小構造体11と金属薄膜12との間に高い熱が生じる。
そのため、導電性微小構造体11と金属薄膜12との間に挟まれた熱電変換膜の一端が加熱されて温度差が生じ、ゼーベック効果によって熱電変換素子の両端間には起電力が発生する。
本発明の熱電変換素子は、導電性微小構造体のプラズモン共鳴時に発生する局所熱を動力源として機能する熱電変換素子である。
本発明の熱電変換素子は、実際の使用の際に、従来の熱電変換素子あるいは熱電変換モジュールが備えている高温部や低温部、高温熱源や低温熱源を必要としない。
<導電性微小構造体>
導電性微小構造体11は、熱電変換層13の一部の内部又は表面に配設されたものとすることができる。
導電性微小構造体は、熱電変換膜の「一部にだけ」設けるが、これは、熱電変換膜中に温度差を設ける(高温部と低温部とを作る)必要があるために、熱電変換膜の全体に設けることはできない。この「一部」は、熱電変換膜の一端部としてもよい。この場合、その一端部が高温部となり、それ以外の部分が低温部となる。電流又は電圧を取り出す電極は、高温部近傍と、低温部のどこかに設ければよい。例えば、熱電変換膜を一方向に延在する形状である場合には、低温部の電極はその長手方向の「一端部」と反対側の他端部に設けてもよい。
<熱電変換膜>
熱電変換膜13の材料としては、公知の有機熱電変換材料、無機熱電変換材料を用いることができる。
具体的には、有機熱電変換材料としては、PEDOT:PSS(3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリ(4-スチレンスルホン酸塩))、P3HT(3-ヘキシルチオフェン)、ポニフェニレンビニレン等の導電性ポリマーや、カーボンナノチューブなどの炭素材料などが挙げられる。また、無機熱電変換材料としては、金属酸化物系、テルル化合物系、シリコン化合物系、アンチモン化合物系などが挙げられる。
熱電変換膜13の膜厚としては限定するものではないが、目安を例示すれば、10nm~10000nmとすることができる。
熱電変換膜の形成方法としては公知の方法を用いることができ、例えば、塗布、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、蒸着法、スパッタ法などを用いることができる。無機系熱電変換材料による熱電変換膜の形成では例示した方法をすべて利用することができ、有機系熱電変換材料による熱電変換膜の形成では例示した方法のうち、スパッタ法以外の方法をすべて利用することができる。
メタマテリアル完全吸収構造の金属薄膜は、電極としても機能するため、熱電変換素子に新たに電極を形成する必要はない。
図16に、メタマテリアル完全吸収構造を一端に有する本発明の熱電変換素子の概念図を示す。
光照射は、メタマテリアル完全吸収構造の導電性微小構造体の表面に行われる。完全吸収特性の励起により、メタマテリアル完全吸収構造の金属薄膜(金属平板電極)と導電性微小構造体との間に入射光が閉じ込められ、高い熱が発生する。熱電変換素子の両端には温度差が生じ、両端にそれぞれ配置する電極間には起電力が生じる。
本発明の熱電変換素子では基板は必須ではないが、本発明のスイッチング素子と同様な基板を用いることができる。
例えば、フレキシブルな基板を用いて、図16に示したような熱電変換素子とすることもできる(図中に基板は不図示)。
メタマテリアル完全吸収構造は、特にQ値の高いプラズモン4重極子モードを励起する。4重極子モードは狭帯域で寿命が長く、局所熱の元となる熱電子の発生効率が高いことで知られる。そのため、他の単純なプラズモニック構造と比較し、より大きな局所熱が生成し、かつ、熱電変換膜への熱電子注入機構の効率も高くなるため、4重極子モードが励起される金属薄膜(金属平板電極)と導電性微小構造体との間に熱電変換膜が挿入されることが重要である。4重極子モードによって、熱電子の注入および局所熱の熱電素子への伝搬が、効率よく行われるためである。
図17は、本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子の複数の導電性微小構造体の配置(配列)例を示したものであり、(a)~(d)はそれぞれ、図8に示したスイッチング素子110が備える複数の導電性微小構造体1Aaと同様の配置、図9に示したスイッチング素子120が備える複数の導電性微小構造体1Baと同様の配置、図10(a)に示したスイッチング素子130が備える複数の導電性微小構造体1Caと同様の配置、図10(b)に示したスイッチング素子140が備える複数の導電性微小構造体1Daと同様の配置と同様の配置の例である。
例えば、図16に示した熱電変換素子200において、複数の導電性微小構造体11を、図17(a)~(d)に示した配置例の複数の導電性微小構造体に置き換えた熱電変換素子では、図8~図10のそれぞれに対応する狭帯域性、あるいは、広帯域性を示す熱電変換素子になる。
図18に、基板上に、本発明のメタマテリアル完全吸収構造の一例として金属ナノ構造体-熱電変換膜-金属平板電極の構造を配設した構成を示す。
図18(a)は、基板上に金属平板電極、熱電変換膜、金属ナノ構造体を順に形成した構成であり、基板のメタマテリアル完全吸収構造を形成した側から光照射を行った場合を示す断面模式図であり、図4(b)は、基板上に金属ナノ構造体、熱電変換膜、金属平板電極を順に形成した構成であり、基板の下方から光照射を行った場合を示す断面模式図である。図18(b)の場合は、基板としては透明性が高いものを用いることが好ましい。
金属ナノ構造体が基板上に作製され、基板下部から光照射する場合が考えられる。金属ナノ構造体が応答波長を決定するため、光照射は必ず、金属ナノ構造体側より行う。
導電性微小構造体(例えば、金属ナノ構造体)のサイズと形状の適切な設計により、紫外から赤外域まで、幅広い波長域から応答波長を選択できる。プラズモン4重極子モードは非常にQ値の高い狭帯域応答性を持つため、狭帯域光スイッチング素子としての利用が期待できる。原理的には、1個の金属ナノ構造体だけでも波長応答性を示すことから、ピクセルサイズがnmオーダーである高解像度のイメージセンサも実現できる。
また、本発明のスイッチング素子を光検出器に用いることもできる。
<表面保護膜>
本発明の熱電変換素子において、導電性微小構造体を熱電変換膜の表面に形成した場合には、表面保護膜を形成してもよい。表面保護膜の材料としては、プラズモン共鳴波長を透過する材料であれば、電子デバイス等の表面保護膜として用いられている公知の材料のものを用いることができる。
かかる表面保護膜は、導電性微小構造体を熱電変換膜の内部に埋没される構成において、導電性微小構造体を形成した領域において導電性微小構造体が熱電変換膜から露出するように開口を形成して、その開口を保護するために設けてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の効果を奏する範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
(熱電変換素子の製造方法)
本発明の熱電変換素子の製造方法の一例を以下に説明する。
<熱電変換素子の製造方法1>
(1)基板上に金属薄膜を形成する(蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)(図6(a)参照)。
(2)次に、金属薄膜上に熱電変換層を形成する(塗布、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、蒸着法、スパッタ法などの手法を用いることができる)(図6(b)参照)。
(3)次に、熱電変換層上に導電性微小構造体および電流を取り出すための電極部分を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)(図6(c)参照)。
この製造方法で製造される熱電変換素子では、導電性微小構造体は熱電変換膜の表面に配設されている。
<熱電変換素子の製造方法2>
(1)基板上に金属薄膜を形成する(蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などなどの手法を用いることができる)(図6(a)参照)。
(2)次に、金属薄膜上に熱電変換層を形成する(塗布、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、蒸着法、スパッタ法などの手法を用いることができる)(図6(b)参照)。
(3)次に、熱電変換層上に導電性微小構造体を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
(4)次に、熱電変換層及び導電性微小構造体上に2回目の熱電変換層を形成する(塗布、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、蒸着法、スパッタ法などの手法を用いることができる)。
この製造方法で製造される熱電変換素子では、導電性微小構造体は熱電変換膜の一部の内部に配設されている。
<熱電変換素子(図18(b)参照)の製造方法3>
(1)基板上に導電性微小構造体を形成する(微細加工には、光リソグラフィー法・電子線リソグラフィー法などの手法を用いることができる。金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
(2)次に、基板及び導電性微小構造体上に熱電変換層を形成する(塗布、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、蒸着法、スパッタ法などの手法を用いることができる)。
(3)次に、熱電変換層上に金属平板電極を形成する(金属形成には、蒸着法・スパッタ法・電解(無電解)めっき法などの手法を用いることができる)。
(排熱(廃熱)利用)
各種電子デバイス、各種産業機器、各種自動車等の発熱体の排熱(廃熱)を熱源として、本発明の熱電変換素子を用いて、起電力を発生させることができる。
図19に、本発明の一実施形態にかかる熱電変換素子210を模式的に示した概念断面図を示す。
図19に示す熱電変換素子210は、導電性微小構造体11と、金属薄膜12Aと、それらに挟まれた熱電変換層13とからなる完全吸収メタマテリアル構造を備えた熱電変換素子である。
熱電変換素子210を、導電性微小構造体11が発熱体50に近接して配置するように設置することによって、発熱体50から発生する熱を利用して起電力を発生することができる。熱電変換素子210においては、発生した起電力又は電流は、一方の電極としても機能する金属薄膜12Aと、それとは離間して配置するもう一方の電極12Bとから取り出すことができる。
例えば、発熱体がLSIである場合、LSIが100℃程度の温度になるとすると、熱電変換素子210の完全吸収メタマテリアル構造がLSIから発せられた放射線(赤外線)を吸収することによって、熱電変換層13の金属薄膜12A近傍が高温部となり、電極12Bが低温(室温)部であることから、金属薄膜12Aと電極12Bとによって電圧または電流を取り出すことができる。
なお、100℃程度の発熱体が発生する電磁波は、6μmを中心とする赤外線であり、発熱体から100nm離したときの赤外線強度である分光放出輝度(W/cm.μm)は、1x10-1(W/cm2・μm)である。発熱体から100nm離して設置した光熱電変換効率1.2%の、完全吸収メタマテリアル構造を備えた熱電変換素子(ゼーベック係数76μV/K、導電率142000S/mの熱電変換材料を用いた場合)は、100℃程度の発熱体から放射された電磁波を吸収し、最低約108nAの電流を発生させることをシミュレーション計算によって確認した。
本発明の熱電変換素子を図16に示すようなフレキシブルな態様とした場合には、例えば、管状などの曲面を有する発熱体に対しては、その曲面に沿って巻回して用いることもできる。
完全吸収メタマテリアル構造を発熱体に近接させる距離としては、発熱体の種類にも拠るが、例えば、ゼロより大きく、数μm程度とすることができる。
本発明の熱電変換素子は薄膜によって作製できる。通常のヒートシンク(例えば、放熱を目的とし、主に熱伝導率の高いアルミ・鉄・銅などの金属材料でできた素子で、その表面に表面積が大きくなるように、フィン型または剣山型・蛇腹型などの成形が施されているもの)と比較して、完全吸収メタマテリアル構造を備えた熱電変換素子(以下、完全吸収熱電変換素子ということがある)は最大厚み300-1000nmの薄膜とすることができる。同じ膜厚で比較した場合は、完全吸収熱電変換素子の排熱効率がヒートシンクのそれよりも高い。
完全吸収メタマテリアル構造の構成要素である金属ナノ構造体の適切な設計によって、発熱体から発生する広帯域の放射スペクトルを漏れなく吸収することが可能である。また、金属ナノ構造体が形成されている部分のみが放射スペクトルを吸収するため、完全吸収熱電変換素子全体の温度勾配が保持され、熱電変換機構が働く。
単なる薄膜の熱電変換素子では、そもそも赤外線吸収率が低く、同様の発熱体の放射赤外線を吸収して発電することはできない。
(排熱(廃熱)機能)
各種電子デバイス、各種産業機器、各種自動車等の発熱体が発生した熱を、本発明の熱電変換素子を用いて、電気に変換して、発熱体の排熱を行うことができる。
1 導電性微小構造体
2 金属薄膜
3 熱相転移材料層
10 メタマテリアル完全吸収構造
11 導電性微小構造体
12 金属薄膜
13 熱電変換膜
20 メタマテリアル完全吸収構造
100 スイッチング素子
200、210 熱電変換素子

Claims (12)

  1. 入射光を、プラズモン共鳴吸収を行い熱に変換する複数の導電性微小構造体と、金属薄膜と、前記導電性微小構造体と前記金属薄膜とに接しつつ挟まれた熱相転移材料層とからなる完全吸収メタマテリアル構造を備えたスイッチング素子。
  2. 複数の導電性微小構造体が同じプラズモン共鳴波長を示すものからなる、請求項1に記載のスイッチング素子。
  3. 複数の導電性微小構造体に異なるプラズモン共鳴波長を示すものが含まれている、請求項1に記載のスイッチング素子。
  4. 前記複数の導電性微小構造体がランダムに配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のスイッチング素子。
  5. 前記複数の導電性微小構造体が規則的に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のスイッチング素子。
  6. 前記導電性微小構造体が異方的形状を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のスイッチング素子。
  7. 入射光を、プラズモン共鳴吸収を行い熱に変換する複数の導電性微小構造体と、金属薄膜と、前記導電性微小構造体と前記金属薄膜とに接しつつ挟まれた熱電変換層とからなる完全吸収メタマテリアル構造を備え、
    前記導電性微小構造体は、前記熱電変換層の一部の内部又は表面に配設されており、
    前記熱電変換上に前記金属薄膜及び前記導電性微小構造体とは離間して配置する電極をさらに備える、熱電変換素子。
  8. 複数の導電性微小構造体が同じプラズモン共鳴波長を示すものからなる、請求項7に記載の熱電変換素子。
  9. 複数の導電性微小構造体に異なるプラズモン共鳴波長を示すものが含まれている、請求項7又は8のいずれかに記載の熱電変換素子。
  10. 前記複数の導電性微小構造体がランダムに配置されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
  11. 前記複数の導電性微小構造体が規則的に配置されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
  12. 前記導電性微小構造体が異方的形状を有する、請求項7~11のいずれか一項に記載の熱電変換素子。
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