JP7314723B2 - 画像処理システム、及び画像処理プログラム - Google Patents
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Description
このような検査機により不良品と判定された製品の画像を人間が確認すると、実際に不良品である場合だけでなく、実際には不良品ではない偽陽性の場合があった。このため、そのような偽陽性の生じない優れた精度の検査機の開発が望まれていた。
ところが、画像処理には多くの種類があり、また良品判定に用いることが可能な特徴量も多数存在しており、その組合せを考慮すると膨大な種類が考えられるため、人が最適化することは非常に煩雑であった。また、その結果が本当に最適であるか否かを見極めることは、極めて難しかった。
したがって、このような良品判定については、教師なし学習を適用することが望ましいと考えられる。
また、特許文献2に記載の画像分類装置では、遺伝的アルゴリズム(GA,直線構造)を用いることにより、使用する特徴量の最適化が行われている。
さらに、特許文献3に記載のプログラム生成装置では、遺伝的プログラミング(GP,木構造)を用いることにより、画像処理と使用する特徴量の最適化が行われている。
このような状況において、本発明者らは、良品サンプルのみで学習可能な教師なし学習を用いて良品判定を実施することとし、その良品判定に適した特徴量を得るために、進化的計算を用いて、画像処理及び特徴量、並びに教師なし学習を最適化可能な画像処理システムを開発することに成功して、本発明を完成させた。
また、進化的計算において、遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)の手法を採用することにより、最適化の自由度を向上させることを可能にした。
まず、本発明の第一実施形態に係る画像処理システム、及び画像処理プログラムの第一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の画像処理システムは、生物の進化を数学的に模擬した最適化手法である遺伝的操作を用いて、画像に含まれ得る識別対象を分類するための個体情報及び学習結果モデルを最適化するものである。
特徴量を計算するノードとしては、特に限定されないが、形状としてサイズ、アスペクト比、周囲長、又は円形度を計算するもの、輝度として平均値、標準偏差、最大値、最小値、最大値-最小値、中央値、第1四分位数、及び第3四分位数等を計算するもの、並びにこれらの特徴量の計算に用いられるパラメータを含むものとすることができる。
なお、fは活性化関数であり、シグモイド関数やReLU関数などが用いられる。また、学習では数11に示す損失関数を最小にするwとbの値を、誤差逆伝播法などにより求める(G. E. Hinton and R. R. Salakhutdinov, Reducing the Dimensionality of Data with Neural Networks, Science, vol. 313, pp. 504-507(2006)参照)。
すなわち、個体生成部11は、機能単位記憶部10から(1)~(4)の各ノード((1)画像の色空間を選択するノード、(2)画像処理を実行するノード、(3)特徴量を計算するノード、及び(4)教師なし学習を選択するノード)を含む複数のノードを選択して、有閉路及び/又はフィードバック路構造を含み得るネットワーク状(GNP:遺伝的ネットワークプログラミング)に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報を生成して、個体群記憶部12に記憶させる。
このような個体情報は、カラー画像を学習用画像と検証用画像として使用する場合に好適に用いることができる。
そこで、本実施形態の画像処理装置1では、遺伝的アルゴリズム(GA:直線構造)や遺伝的プログラミング(GP:木構造)ではなく、遺伝的ネットワークプログラミング(GNP:ネットワーク状)の個体情報として、(1)~(4)の各ノードを含む個体情報を生成することにより、このような問題を有利に解決する構成としている。
このような遺伝的ネットワークには、結果として、直線構造と木構造も含まれ得るが、個体生成部11により、ネットワーク状に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報を生成させることで、ノードの再利用/共有が可能となるため、探索空間を有効に構成することが可能になる。また、生物の脳構造はネットワーク状であるところ、人の脳を模擬した判断を行い得る。
さらに、木構造ではブロード(構造の広がり)が発生することで、探索空間を無用に広げることがあるが、ネットワークではブロードが発生しないため、解空間の効率的な探索が可能になる。
・(1)⇒(3)((2)を実行しない)
・(1)⇒(2)⇒(3)⇒先の(2)⇒他の(3)
・(1)⇒(2)⇒(3)⇒先の(1)⇒他の(2)⇒他の(3)
なお、(2)又は(3)から始まるものは、後述する白黒画像を使用する場合に選択され得る。
このとき、(2)と(3)の実行順序は、この順序に限定されず、(4)は、(2)と(3)の実行後の順序で選択される。
また、個体群として、一の世代又は複数の世代を個体群記憶部12に記憶させてもよい。この場合、各個体情報は、世代の識別情報(世代番号)及び個体情報の識別情報ごとに記憶させることができる。後述する評価値計算部21は、世代ごとに個体情報を順位付けし、順位付け情報を評価結果記憶部22に記憶させることができる。
画像読込部13は、学習用画像データを読み込む学習用画像読込部131と、検証用画像データを読み込む検証用画像読込部132を有している。
画像記憶部14は、画像データの識別情報ごとに、学習用画像データと検証用画像データを記憶する。
すなわち、この識別ラベルには、学習用画像に存在している識別対象が検証用画像に存在することを示す陽性対象識別ラベルと、学習用画像に存在している識別対象が検証用画像に存在しないことを示す陰性対象識別ラベルとが含まれる。
なお、本実施形態では、不良を不良として検出する場合を陽性、不良を良品として検出する場合を偽陰性、良品を良品として検出する場合を陰性、良品を不良として検出する場合を偽陽性とする。
特徴量計算部16は、学習用画像データを用いて特徴量を計算する学習用特徴量計算部161と、検証用画像データを用いて特徴量を計算する検証用特徴量計算部162を有している。
また、検証用特徴量計算部162は、検証用画像データごとに、個体情報にもとづき特徴量を計算し、個体情報の識別情報及び画像データの識別情報ごとに、識別ラベルと一又は複数の特徴量を特徴量記憶部17に検証用レコードとして記憶させる。
また、特徴量記憶部17は、検証用レコードとして、個体情報の識別情報及び画像データの識別情報ごとに、識別ラベルと一又は複数の特徴量を記憶する。
学習モデル記憶部19は、個体情報の識別情報ごとに、学習結果モデルを記憶する。
指標値記憶部20は、画像データの識別情報ごとに、指標値を記憶する。
また、教師なし学習が、One Class サポートベクターマシン又はオートエンコーダの場合、指標値として、当該教師なし学習で用いられる予測値が使用される。
このとき、評価値計算部21は、検証用画像データを指標値を用いて分類し、その分類結果と識別ラベルを比較して、評価値を計算する。
感度は、検証データにおいて学習で用いたクラスを正しく検出した割合を示す。
特異性は、検証データにおいて学習で用いたクラス以外を正しく検出した割合を示す。
適合度は、検証データにおいて陽性判定の信憑性を表す指標を示す。
評価値=w1正確度+w2感度
w:重み係数
評価結果記憶部22は、個体情報の識別情報ごとに、評価値と順位付け情報を記憶する。
そして、評価結果記憶部22に記憶された最も評価値の高い個体情報が、最適化された個体情報として得られる。
また、この個体情報に定義された学習結果モデルが、学習モデル記憶部19に記憶されており、当該学習結果モデルが、最適化された学習済みモデルとして得られる。
進化が発生していない場合とは、評価値が、比較対象の時点よりも改善されない場合である。したがって、一定の世代数について画像処理を行って評価値が改善されていなければ、進化していないと判定できる。
具体的には、遺伝子操作部23は、評価値が高い個体情報を次世代に残すエリート個体保存部と、評価値にもとづいて、一定の確率で個体情報を次世代に残す個体選択部と、2つの個体情報の一部を相互に交換する交叉部と、選択された1つの個体情報の一部又は全部をランダムに書き換える突然変異部とを有するものとすることができる。
個体選択部は、各世代の個体群において、評価値の順位の高い個体情報を高い確率で次世代に残す処理を行うことができる。
突然変異部は、突然変異処理として、個体情報ごとに一定の確率でその個体情報の一部を書き換えたり、その個体情報の全てを書き換えることができる。
そこで、学習初期では多様性を持たせるために、同系列以外の個体を増やすように突然変異部による処理を行い、学習中期では効率的な進化を実施するために、個体選択部により同系列を増やすことが好ましい。また、進化が止まった場合には、再度多様性を持たせるために突然変異部により同系列以外を増やすことなどを好適に行うことができる。
まず、画像処理装置1における学習用画像読込部131が、学習用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14に記憶させる(ステップ10)。また、検証用画像読込部132が、検証用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14に記憶させる(ステップ11)。さらに、ラベル読込部15が、各検証用画像データに対応する識別ラベルを読み込んで、検証用画像データに対応付けて画像記憶部14に記憶させる(ステップ12)。
このとき、個体生成部11は、機能単位記憶部10に記憶されているノードを用いて、複数のノードの組み合わせを定義する個体情報を複数生成して、個体情報の識別情報ごとに個体群記憶部12に記憶させる。
また、個体生成部11は、複数の個体情報からなる個体群を一つの世代として、世代の識別情報ごとに複数の世代の個体群を個体群記憶部12に記憶させることもできる。
なお、ステップ10~ステップ13の順序は入れ替えてもよい。
なお、上述したように、個体情報にはノードの実行順序がネットワーク状に定義されており、これらのステップは繰り返されたりするなど、個体情報ごとに様々な順序で行われ得る。
このとき、学習モデル処理部18は、個体情報ごとに、特徴量記憶部17における学習用レコードを用いて、MTシステムのモデルを作成することができる。
あるいは、学習モデル処理部18は、個体情報ごとに、特徴量記憶部17における学習用レコードを用いて、One Class サポートベクターマシン又はオートエンコーダのモデルなどを作成することができる。
評価値の計算としては、図4に示すように、評価値計算部21は、特徴量記憶部17に記憶されている、検証用画像データを用いて計算された特徴量を、学習モデル記憶部19に記憶されている学習結果モデルに入力する(ステップ40)。
そして、評価値計算部21は、学習結果モデルにより指標値を計算する(ステップ41)。
そして、当該世代の個体群における全ての個体情報についての処理が終わるまで、学習用画像の特徴量の計算から評価値の計算までの処理を繰り返し実行する(ステップ15~ステップ19)。
また、評価値計算部21は、終了条件が満たされているか否かの判定処理を行う(ステップ21)。終了条件が満たされている場合、画像処理装置1による処理を終了する。
具体的には、図5に示すように、遺伝子操作部23におけるエリート個体保存部は、最も評価値の高い個体情報を次世代の個体群の個体情報として選択する(ステップ50)。
また、遺伝子操作部23における個体選択部は、評価値の順位の高い個体情報ほど高い確率で次世代の個体群の個体情報として選択する(ステップ51)。
また、遺伝子操作部23における突然変異部は、エリート個体保存部により選択された個体情報と、個体選択部により選択された個体情報を用いて、またはこれらの個体情報を用いることなく、突然変異処理を行い、新たな個体情報を生成する(ステップ53)。
なお、エリート個体保存部、個体選択部、交叉部、突然変異部による各処理の順序を、各処理を実行可能な順序の範囲で入れ替えて実行してもよく、一部の処理を省略してもよい。
次に、本発明の第二実施形態に係る画像処理システム、及び画像処理プログラムについて、図6及び図7を参照して説明する。
本実施形態の画像処理システムに対応する画像処理装置1aは、図6に示すように、個体群記憶部12a、画像記憶部14a、特徴量記憶部17a、学習モデル記憶部19a、指標値記憶部20a、検査対象画像読込部24a、検査対象特徴量計算部25a、学習済みモデル処理部26a、分類部27a、及び分類結果記憶部28aを備えている。
なお、本実施形態の個体群記憶部12a、画像記憶部14a、特徴量記憶部17a、学習モデル記憶部19a、及び指標値記憶部20aは、以下の説明において相違する点を除いて、第一実施形態における同一名称のものと同様のものとすることができる。
学習モデル記憶部19aは、少なくとも、第一実施形態の画像処理装置1によって最適化された(最も評価値の高い個体情報に定義された)学習結果モデル(学習済みモデル)を記憶している。
検査対象特徴量計算部25aは、検査対象画像データについて、個体群記憶部12aに記憶されている最適化された個体情報にもとづき特徴量を計算し、画像データの識別情報ごとに、一又は複数の特徴量を特徴量記憶部17aに検査対象レコードとして記憶させる。このとき、特徴量の計算は、図3を参照して上述したように、学習用画像データを用いる場合と同様に行うことができる。
分類結果記憶部28aは、画像データの識別情報ごとに、分類結果を記憶する。
まず、画像処理装置1aにおける検査対象画像読込部24aが、検査対象画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14aに記憶させる(ステップ60)。
次に、本発明の第三実施形態に係る画像処理システム、及び画像処理プログラムについて、図8を参照して説明する。
本実施形態の画像処理システムに対応する画像処理装置1bは、図8に示すように、機能単位記憶部10b、個体生成部11b、個体群記憶部12b、画像読込部13b、画像記憶部14b、ラベル読込部15b、特徴量計算部16b、特徴量記憶部17b、学習モデル処理部18b、学習モデル記憶部19b、指標値記憶部20b、評価値計算部21b、評価結果記憶部22b、遺伝子操作部23b、検査対象画像読込部24b、検査対象特徴量計算部25b、学習済みモデル処理部26b、分類部27b、及び分類結果記憶部28bを備えている。
まず、画像処理装置1bにおける学習用画像読込部131bが、学習用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14bに記憶させる(ステップ70)。また、検証用画像読込部132bが、検証用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14bに記憶させる(ステップ71)。さらに、ラベル読込部15bが、各検証用画像データに対応する識別ラベルを読み込んで、検証用画像データに対応付けて画像記憶部14bに記憶させる(ステップ72)。
このとき、個体生成部11bは、機能単位記憶部10bに記憶されているノードを用いて、複数のノードの組み合わせを定義する個体情報を複数生成して、個体情報の識別情報ごとに個体群記憶部12bに記憶させる。
また、個体生成部11bは、複数の個体情報からなる個体群を一つの世代として、世代の識別情報ごとに複数の世代の個体群を個体群記憶部12bに記憶させることもできる。
なお、ステップ70~ステップ73の順序は入れ替えてもよい。
このとき、学習モデル処理部18bは、個体情報ごとに、特徴量記憶部17bにおける学習用レコードを用いて、MTシステムのモデルを作成することができる。
あるいは、学習モデル処理部18bは、個体情報ごとに、特徴量記憶部17bにおける学習用レコードを用いて、One Class サポートベクターマシンやオートエンコーダのモデルなどを作成することができる。
このとき、評価値計算部21bは、特徴量記憶部17bに記憶されている、検証用画像データを用いて計算された特徴量を、学習モデル記憶部19bに記憶されている学習結果モデルに入力して、学習結果モデルにより指標値を計算する。また、評価値計算部21bは、得られた指標値と識別ラベルを用いて、評価値を計算する。
そして、当該世代の個体群における全ての個体情報についての処理が終わるまで、学習用画像の特徴量の計算から評価値の計算までの処理を繰り返し実行する。
また、評価値計算部21bは、終了条件が満たされているか否かの判定処理を行う(ステップ79)。終了条件が満たされている場合、画像処理装置1bによる処理を終了する。
そして、複数の世代が存在する場合、全ての世代の個体群における全ての個体情報についての処理が終わるまで、学習用画像の特徴量の計算から遺伝子操作までの処理を繰り返し実行する。
また、検査対象特徴量計算部25bは、個体群記憶部12bにおける最適化された個体情報にもとづいて、画像記憶部14bにおける検査対象画像データを用いて特徴量を計算し、得られた各特徴量を当該検査対象画像データに対応する検査対象レコードとして、特徴量記憶部17bに記憶させる(ステップ82)。
そして、分類部27bは、指標値が一定の閾値内に存在するか否かにもとづいて、検査対象画像データにおいて識別対象が存在するか否かを分類し、その分類結果を分類結果記憶部28bに記憶させる(ステップ84)。
次に、本発明の第四実施形態に係る画像処理システム、及び画像処理プログラムについて、図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態の画像処理システムに対応する画像処理装置1cは、図9に示すように、機能単位記憶部10c、個体生成部11c、個体群記憶部12c、画像読込部13c、画像記憶部14c、ラベル読込部15c、特徴量計算部16c、特徴量記憶部17c、学習モデル処理部18c、学習モデル記憶部19c、指標値記憶部20c、評価値計算部21c、評価結果記憶部22c、及び遺伝子操作部23cを備えている。
また、個体生成部11cは、個体情報として、複数の親個体情報を生成し、これら親個体情報からなる初期の親個体群を親個体群記憶部121cに記憶させることができる。
また、個体群として、一の世代又は複数の世代を親個体群記憶部121cに記憶させてもよい。この場合、各個体情報は、世代の識別情報及び個体情報の識別情報ごとに記憶させることができる。
特徴量計算部16cは、学習用画像データを用いて特徴量を計算する学習用特徴量計算部161cと、検証用画像データを用いて特徴量を計算する検証用特徴量計算部162cを有している。
また、検証用特徴量計算部162cは、検証用画像データごとに、子個体情報にもとづき特徴量を計算し、個体情報の識別情報及び画像データの識別情報ごとに、識別ラベルと一又は複数の特徴量を特徴量記憶部17cに検証用レコードとして記憶させる。
このとき、教師なし学習が、Maharanobis Taguchi法、Maharanobis Taguchi Afjoint法、Recognition Taguchi法、Taguchi法、Taguchi Schmidt法、及び混合ガウス法のいずれかの場合、指標値として、当該教師なし学習で用いられるマハラビノス距離が使用される。
また、教師なし学習が、One Class サポートベクターマシン又はオートエンコーダの場合、指標値として、当該教師なし学習で用いられる予測値が使用される。
このとき、評価値計算部21cは、検証用画像データを指標値を用いて分類し、その分類結果と識別ラベルを比較して、評価値を計算する。
さらに、評価値計算部21cは、画像処理装置1cによる当該画像処理を終了するか否かを判定するための終了判定を行うことができる。終了判定は、終了条件を満たすか否かにもとづき行うことができ、終了条件を満たす場合、画像処理を終了させることができる。
具体的には、まず、親個体群記憶部121cにおける親個体群からランダムに、子個体情報を生成する親個体情報を選択する。
まず、画像処理装置1cにおける学習用画像読込部131cが、学習用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14cに記憶させる(ステップ90)。また、検証用画像読込部132cが、検証用画像データを読み込んで、画像の識別番号ごとに画像記憶部14cに記憶させる(ステップ91)。さらに、ラベル読込部15cが、各検証用画像データに対応する識別ラベルを読み込んで、検証用画像データに対応付けて画像記憶部14cに記憶させる(ステップ92)。
このとき、個体生成部11cは、機能単位記憶部10に記憶されているノードを選択することにより親個体情報を複数生成して、親個体情報の識別情報ごとに個体群記憶部12cにおける親個体群記憶部121cに記憶させることができる。
なお、ステップ90~ステップ93の順序は入れ替えてもよい。
親個体群記憶部121cにおける親個体群は、後述する親個体群の更新処理によって更新され、設定された世代について以下の処理が繰り返し行われる(ステップ94)。
すなわち、遺伝子操作部23cは、選択された親個体情報に対して交叉処理や突然変異処理を実行して、複数の子個体情報を生成し、これら子個体情報からなる子個体群を子個体群記憶部122cに記憶させる。
なお、ステップ98~ステップ100の順序は入れ替えてもよい。
このとき、評価値計算部21cは、特徴量記憶部17cにおける検証用レコードの特徴量を学習結果モデルに入力して、当該学習結果モデルにより指標値を計算し、得られた指標値を、検証用画像データごと(検証用レコードごと)に、指標値記憶部20cに記憶させる。
そして、子個体群記憶部122cにおける全ての子個体情報について、特徴量の計算から評価値の計算及び記憶までの処理を繰り返し実行する(ステップ97~ステップ101)。
そして、遺伝子操作部23cは、評価結果記憶部22cにおける子個体情報の順位付け情報にもとづいて、一番評価値の良い子個体情報及び確率で選択された子個体情報を、親個体群からランダムに選択された親個体情報と入れ替えることにより、個体群記憶部12cにおける親個体群記憶部121cの親個体情報を更新する(ステップ103)。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
さらに、親個体群から親を選択して子個体情報を生成する時に遺伝子操作を実行すると共に、評価値の良い子個体情報などを親個体群における親個体情報と入れ替えて親個体群を更新することもできる。これにより、進化の多様性を一層保った状態で、最適な個体情報を探すことが可能である。
例えば、画像処理システムにおける各構成を複数の情報処理装置に分散して持たせたり、第二実施形態の画像処理装置と第四実施形態の画像処理装置を組み合わせたものとするなど適宜変更することが可能である。
10、10b、10c 機能単位記憶部
11、11b、11c 個体生成部
12、12a、12b、12c 個体群記憶部
121c 親個体群記憶部
122c 子個体群記憶部
13、13b、13c 画像読込部
131、131b、131c 学習用画像読込部
132、132b、132c 検証用画像読込部
14、14a、14b、14c 画像記憶部
15、15b、15c 識別ラベル読込部
16、16b、16c 特徴量計算部
161、161b、161c 学習用特徴量計算部
162、162b、162c 検証用特徴量計算部
17、17a、17b、17c 特徴量記憶部
18、18b、18c 学習モデル処理部
19、19a、19b、19c 学習モデル記憶部
20、20a、20b、20c 指標値記憶部
21、21b、21c 評価値計算部
22、22b、22c 評価結果記憶部
23、23b、23c 遺伝子操作部
24a、24b 検査対象画像読込部
25a、25b 検査対象特徴量計算部
26a、26b 学習済みモデル処理部
27a、27b 分類部
28a、28b 分類結果記憶部
Claims (10)
- 生物の進化を数学的に模擬した最適化手法である遺伝的操作を用いて、画像に含まれ得る識別対象を分類するための個体情報及び学習結果モデルを最適化する画像処理システムであって、
有閉路及び/又はフィードバック構造を含み得るネットワーク状に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報からなる個体群を記憶する個体群記憶部と、
前記個体情報にもとづいて、学習用画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量を有する学習用レコードを作成する学習用特徴量計算部と、
前記個体情報にもとづいて、検証用画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量とこれに対応する識別ラベルとを有する検証用レコードを作成する検証用特徴量計算部と、
前記学習用レコードを用いて、教師なし学習により学習結果モデルを作成する学習モデル処理部と、
前記検証用レコードの特徴量を前記学習結果モデルに入力して指標値を計算し、前記検証用レコードの識別ラベルと前記指標値とを用いて、前記個体情報ごとに評価値を計算し、この評価値にもとづき前記個体情報を順位付けする評価値計算部と、
前記個体情報の順位付け情報にもとづき前記個体情報の選択又は変更を行って、前記個体群記憶部を更新する遺伝子操作部と、を備える
ことを特徴とする画像処理システム。 - 前記機能単位として、(1)画像の色空間を選択するノード、(2)画像処理を実行するノード、(3)特徴量を計算するノード、及び(4)教師なし学習を選択するノードを記憶する機能単位記憶部と、
前記機能単位記憶部から(1)~(4)の各ノードを含む複数のノード、又は、(2)~(4)の各ノードを含む複数のノードを選択して、有閉路及び/又はフィードバック構造を含み得るネットワーク状に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報を生成して、前記個体群記憶部に記憶させる個体情報生成部と、を備える
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。 - 前記学習用画像データを入力する学習用画像読込部と、
前記検証用画像データを入力する検証用画像読込部と、
前記検証用画像データに含まれる識別対象の分類を示す識別ラベルを入力する識別ラベル読込部と、を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理システム。 - 前記遺伝子操作部が、前記評価値が高い個体情報を次世代に残すエリート保存部と、前記評価値にもとづいて、一定の確率で個体情報を次世代に残す選択部と、2つの個体情報の一部を相互に交換する交叉処理部と、選択された1つの個体情報の一部又は全部をランダムに書き換える突然変異部と、を有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の画像処理システム。 - 前記教師なし学習が、Maharanobis Taguchi法、Maharanobis Taguchi Afjoint法、Recognition Taguchi法、Taguchi法、Taguchi Schmidt法、及び混合ガウス法のいずれかであり、
前記教師なし学習により作成されるモデルが、当該教師なし学習で用いられるマハラビノス距離を算出するための式である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の画像処理システム。 - 前記教師なし学習が、One Class サポートベクターマシン又はオートエンコーダであり、
前記教師なし学習により作成されるモデルが、当該教師なし学習で用いられる予測値を算出するための式である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の画像処理システム。 - 検査対象の画像データを入力する検査対象画像読込部と、
最も評価値の高い前記個体情報にもとづいて、前記検査対象の画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量を有する検査対象レコードを作成する検査対象特徴量計算部と、
最も評価値の高い前記個体情報に定義された学習結果モデルに、前記検査対象レコードの特徴量を入力して指標値を計算する学習済みモデル処理部と、
前記指標値が一定の閾値内に存在するか否かにもとづいて、前記検査対象の画像データにおいて前記識別対象が存在するか否かを分類する分類部と、を備える
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の画像処理システム。 - 生物の進化を数学的に模擬した最適化手法である遺伝的操作を用いて、画像に含まれ得る識別対象を分類するための個体情報及び学習結果モデルを最適化する画像処理プログラムであって、
コンピュータを、
有閉路及び/又はフィードバック構造を含み得るネットワーク状に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報からなる個体群を記憶する個体群記憶部、
前記個体情報にもとづいて、学習用画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量を有する学習用レコードを作成する学習用特徴量計算部、
前記個体情報にもとづいて、検証用画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量とこれに対応する識別ラベルとを有する検証用レコードを作成する検証用特徴量計算部、
前記学習用レコードを用いて、教師なし学習により学習結果モデルを作成する学習モデル処理部、
前記検証用レコードの特徴量を前記学習結果モデルに入力して指標値を計算し、前記検証用レコードの識別ラベルと前記指標値とを用いて、前記個体情報ごとに評価値を計算し、この評価値にもとづき前記個体情報を順位付けする評価値計算部、及び、
前記個体情報の順位付け情報にもとづき前記個体情報の選択又は変更を行って、前記個体群記憶部を更新する遺伝子操作部として機能させる
ことを特徴とする画像処理プログラム。 - コンピュータを、
前記機能単位として、(1)画像の色空間を選択するノード、(2)画像処理を実行するノード、(3)特徴量を計算するノード、及び(4)教師なし学習を選択するノードを記憶する機能単位記憶部、並びに、
前記機能単位記憶部から(1)~(4)の各ノードを含む複数のノード、又は、(2)~(4)の各ノードを含む複数のノードを選択して、有閉路及び/又はフィードバック構造を含み得るネットワーク状に複数の機能単位の実行順序を定義する個体情報を生成して、前記個体群記憶部に記憶させる個体情報生成部として機能させる
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理プログラム。 - コンピュータを、
検査対象の画像データを入力する検査対象画像読込部、
最も評価値の高い前記個体情報にもとづいて、前記検査対象の画像データを用いて特徴量を計算し、得られた特徴量を有する検査対象レコードを作成する検査対象特徴量計算部、
最も評価値の高い前記個体情報に定義された学習結果モデルに、前記検査対象レコードの特徴量を入力して指標値を計算する学習済みモデル処理部、及び、
前記指標値が一定の閾値内に存在するか否かにもとづいて、前記検査対象の画像データにおいて前記識別対象が存在するか否かを分類する分類部として機能させる
ことを特徴とする請求項8又は9記載の画像処理プログラム。
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