本発明の態様によると、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品を受容するように構成された受容領域を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。装置は、エアロゾル発生物品が受容領域内に受容されている時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を霧化するように構成された霧化器をさらに備える。受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するように構成された係止要素、およびコントローラが、さらに提供されている。コントローラは、霧化器が起動されている時に、エアロゾル発生物品を保持するために係止要素を制御するように構成されている。
本発明は、エアロゾル発生装置の動作中に、より正確には霧化器の動作中に、受容領域内のエアロゾル発生物品のしっかりとした保持を容易にする。この点に関して、エアロゾル発生物品を保持する係止要素は、エアロゾル発生物品の位置的な変位を防止する。例えば、エアロゾル発生物品は、霧化器から係脱する可能性がある。エアロゾル発生物品は、受容領域から潜在的に外れる可能性がある。エアロゾル発生物品が受容領域から完全に外れ、それ故にエアロゾル発生装置から係脱することにはならない場合でさえも、エアロゾル発生物品の位置的な変位は、霧化器によるエアロゾル発生物品中に含有されたエアロゾル発生基体の霧化を潜在的に悪影響を及ぼす方法で損なう可能性がある。よって、エアロゾル発生は、エアロゾル発生物品を保持することによって最適化される場合がある。エアロゾル発生物品を正しい位置に保持することは、霧化器の過熱または効率の低い霧化などの霧化器の誤作動を防止する場合がある。この点に関して、動作中にエアロゾル発生物品が移動する場合、霧化器はもはや、エアロゾル発生物品中に含有されたエアロゾル発生基体との最適な接触状態にはない場合がある。エアロゾル発生物品のこうした正しくない位置において、霧化器とエアロゾル発生基体の間の接触の低減は、霧化器の誤作動につながる場合がある。これは、エアロゾル発生物品を定位置に係止することによって防止される。さらに、エアロゾル発生物品の無駄を防止する場合がある。この点に関して、エアロゾル発生物品の再位置付けは、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体の望ましくない霧化につながる場合があり、またはエアロゾル発生装置の受容領域からのエアロゾル発生物品の係脱につながる場合がある。両方の場合において、エアロゾル発生物品は失われる場合があり、またユーザーは受容領域の中に新しいエアロゾル発生物品を挿入しなければならない場合がある。エアロゾル発生基体が未だ完全に枯渇していないエアロゾル発生物品の喪失は、エアロゾル発生物品を係止要素によって定位置に係止することによって防止される場合がある。
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。
装置は、片手の指の間に保持するのが快適な携帯型または手持ち式の装置であることが好ましい。装置は実質的に円筒状であってもよく、また70~120mmの長さを有する。装置の最大直径は10~20mmであることが好ましい。一実施形態において、装置は多角形の断面を有し、かつ一方の面上に形成された突出したボタンを有する。この実施形態において、装置の直径は、一方の平坦な面から反対側の平坦な面までで12.7~13.65mmであり、一方の縁から反対側の縁まで(すなわち、装置の一方の側の二つの面の交差部からもう一方の側の対応する交差部まで)で13.4~14.2mmであり、ボタンの上部からボタンと反対側の底部の平坦な面までで14.2~15mmである。
装置は、電気加熱式の喫煙装置またはベイピング装置であってもよい。装置は、機械的振動またはスプレーによってエアロゾルを発生する電気的な喫煙装置またはベイピング装置であってもよい。
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル発生基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル発生基体を備える喫煙物品は、たばこスティックと呼ばれる。
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル発生基体は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
エアロゾル発生物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル発生物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグは、エアロゾル発生物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
一実施形態において、エアロゾル発生物品はおよそ45mmの全長を有する。エアロゾル発生物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル発生基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル発生基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル発生物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体とフィルタープラグの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲内であってもよい。
別の方法として、エアロゾル発生物品はカートリッジとして構成されてもよい。エアロゾル発生基体が液体エアロゾル発生基体として提供されている場合、カートリッジは特に好ましい。液体エアロゾル発生基体は、カートリッジの液体貯蔵部分中に含有されてもよい。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生装置の霧化器に供給される液体エアロゾル発生基体を貯蔵するために適合されている。別の方法として、カートリッジ自体は、液体エアロゾル発生基体を気化させるための霧化器を備えることが可能である。この場合において、エアロゾル発生装置は、霧化器を備えず、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容されている時に、カートリッジの霧化器に向かって電気エネルギーを供給するだけであってもよい。液体貯蔵部分は、霧化器に向かう液体エアロゾル発生基体の供給を容易にするための自己回復式の穴あけ可能な膜などのカップリングを備えてもよい。膜は、液体貯蔵部分中に貯蔵された液体エアロゾル発生基体の望ましくない漏れを回避する。それぞれの針様の中空管が、膜を通して穴あけするために提供されてもよい。液体貯蔵部分は、交換可能なタンクまたは容器として構成されてもよい。
カートリッジは、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。例えば、カートリッジは実質的に円筒状であってもよい。カートリッジの断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形、または長方形であってもよい。
カートリッジはハウジングを備えてもよい。ハウジングは基部と、基部から延びる一つ以上の側壁とを備えてもよい。基部および一つ以上の側壁は、一体的に形成されてもよい。基部および一つ以上の側壁は、互いに取り付けられている、または固定されている別個の要素であってもよい。ハウジングは剛直なハウジングであってもよい。本明細書で使用される「剛直なハウジング」という用語は、自己支持型のハウジングを意味するために使用される。カートリッジの剛直なハウジングは、霧化器に機械的な支持を提供してもよい。カートリッジは、一つ以上の可撓性の壁を備えてもよい。可撓性の壁は、カートリッジ中に貯蔵された液体エアロゾル発生基体の容積に適合するように構成されてもよい。カートリッジは上述の通り、可撓性の壁を備えてもよい液体貯蔵部分を備えることが好ましい。カートリッジは、剛直なハウジングを備えてもよい一方で、可撓性の壁を備える液体貯蔵部分は、剛直なハウジング内に収容されてもよい。カートリッジのハウジングは、任意の適切な材料を含んでもよい。カートリッジは、実質的に流体不透過性の材料を含んでもよい。カートリッジのハウジングは、カートリッジ中に貯蔵された液体エアロゾル発生基体がハウジングを通してユーザーに見えてもよいように、透明または半透明の部分を備えてもよい。カートリッジは、カートリッジ中に貯蔵されたエアロゾル発生基体が周囲空気から保護されるように構成されてもよい。カートリッジは、カートリッジ中に貯蔵されたエアロゾル発生基体が光から保護されるように構成されてもよい。これは、基体の劣化のリスクを低減する場合があり、また高いレベルの衛生状態を維持する場合がある。
液体エアロゾル発生基体は多孔性担体材料の中に吸収されてもよい。多孔性担体材料は、任意の適切な吸収性のプラグまたは本体、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維、もしくはセラミックで作製されてもよい。液体エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生装置を使用前に、多孔性担体材料の中に保持されてもよく、または別の方法として、液体エアロゾル発生基体材料は、使用中にまたは使用の直前に多孔性担体材料の中に放出されてもよい。
カートリッジは実質的に密封されてもよい。カートリッジは、カートリッジ中に貯蔵された液体エアロゾル発生基体がカートリッジからエアロゾル発生装置に流れるための一つ以上の出口を備えてもよい。カートリッジは、一つ以上の半開放吸込み口を備えてもよい。これは、周囲空気がカートリッジに入ることを可能にしてもよい。一つ以上の半開放吸込み口は、周囲空気がカートリッジの中に入ることを可能にするように浸透性であり、かつカートリッジ内部にある空気および液体がカートリッジから出るのを実質的に防止するように不透過性である、半透過性膜または一方向弁であってもよい。一つ以上の半開放吸込み口は、特定の条件下で空気がカートリッジの中に通ることを可能にしてもよい。カートリッジは再充填可能であってもよい。別の方法として、カートリッジは、交換可能なカートリッジとして構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するために構成されてもよい。当初のカートリッジが消費された時、新しいカートリッジがエアロゾル発生装置に取り付けられてもよい。
本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル発生基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル発生基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品の一部またはエアロゾル発生物品であってもよい。
エアロゾル発生基体は固体エアロゾル発生基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体は固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。さらに別の方法として、エアロゾル発生基体は液体状で提供されてもよい。上述の通り、液体エアロゾル発生基体は、液体貯蔵部分を備えるカートリッジと併せて使用されることが好ましい。エアロゾル発生基体は、霧化に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体は、高密度でかつ安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
エアロゾル発生基体が固体エアロゾル発生基体である場合、固体エアロゾル発生基体は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル発生基体は、ばらの形態であってもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル発生基体は、基体の霧化に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル発生基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、またこうしたカプセルは固体エアロゾル発生基体の加熱中に溶融してもよい。
本明細書で使用される「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を指す。均質化したたばこは、シートの形態であってもよい。均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5%超のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5~30重量%のエアロゾル形成体含有量を有してもよい。均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、または別の方法で組み合わせることによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、例えばたばこの処理、取り扱い、および発送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶剤、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
随意に、固体エアロゾル発生基体は、熱的に安定した担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、またはその外表面上、またはその内表面と外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはこれと平行に延びることが好ましい。これは、有利なことに、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合を容易にしてエアロゾル発生基体を形成する。しかし、当然のことながら、エアロゾル発生物品に含めるための均質化したたばこ材料の捲縮したシートは別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して鋭角または鈍角で配置されている複数の実質的に平行な隆起または波形を有してもよい。ある特定の実施形態において、エアロゾル発生基体は、実質的にその表面全体にわたって実質的に均等にきめのある均質化したたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル発生基体は、シートの幅を横切って実質的に均等に離隔している複数の実質的に平行な隆起または波形を備える均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
固体エアロゾル発生基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル発生基体は担体の表面全体上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためにパターンで堆積されてもよい。
エアロゾル発生基体が、液体エアロゾル発生基体中の液体状で提供される場合、ある特定の物理的特性(例えば基体の蒸気圧または粘度)は、エアロゾル発生システムで使用するために適切であるようなやり方で選ばれる。液体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。別の方法として、または追加的に、液体は非たばこ材料を含んでもよい。液体は、水、エタノール、または他の溶媒、植物抽出物、ニコチン溶液、および天然もしくは人工の風味を含んでもよい。液体は、エアロゾル形成体をさらに含むことが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路は、電気回路のコントローラとして構成されてもよく、コントローラを備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は霧化器への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動の後に続いて霧化器に連続的に供給されてもよく、または毎回の吸煙ごとなど、断続的に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で霧化器に供給されてもよい。霧化器が発熱体である場合、電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて気化器への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
エアロゾル発生装置は、電源(典型的に電池)を備えてもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用のために十分なエネルギーの貯蔵することを可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電力供給源は、所定の吸煙回数または霧化器の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
霧化器は、エアロゾル発生基体を霧化するために適切な任意の装置であってもよく、また吸入可能なエアロゾルを形成するために、少なくともエアロゾル発生基体の一部を気化する。霧化器は、発熱体、エアロゾルスプレー、またはSAW(表面音響波)エアロゾル発生器であってもよい。霧化器は模範的に、コイルヒーター、毛細管ヒーター、メッシュ発熱体、または金属プレートヒーターであってもよい。霧化器は模範的に、電力を受電し、かつ受電した電力の少なくとも一部を熱エネルギーに変換する抵抗発熱体であってもよい。別の方法として、または追加的に、霧化器は、時間変動磁界によって誘導加熱されるサセプタであってもよい。霧化器は単一の発熱体のみを備えてもよく、または複数の発熱体を備えてもよい。発熱体(複数可)の温度は、電気回路によって制御されることが好ましい。
本開示のすべての態様において、霧化器は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
霧化器は、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、内部霧化器、または外部霧化器、または内部霧化器と外部霧化器の両方を備えてもよく、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル発生基体についてである。内部霧化器は、任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部霧化器は、加熱ブレードの形態を取ってもよい。別の方法として、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基体の形態を取ってもよい。別の方法として、内部霧化器は、エアロゾル発生基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部霧化器は、剛直な担体材料中にまたは剛直な担体材料上に配置されてもよい。こうした一実施形態において、電気抵抗霧化器は、温度と抵抗率の間で明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは動作中に、霧化器の加熱と、霧化器の温度のモニターの両方に使用されてもよい。
外部霧化器は任意の適切な形態をとってもよい。例えば、外部霧化器は、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、基体受容空洞の周辺部に適合する形状にすることができる。別の方法として、外部霧化器は、金属グリッド(複数可)、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部霧化器はまた、温度と抵抗率の間に明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な絶縁材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部霧化器は、動作中に外部霧化器を加熱するためと、外部霧化器の温度をモニターするための両方に使用されてもよい。
内部霧化器または外部霧化器は、熱を吸収および貯蔵し、その後エアロゾル発生基体に経時的に熱を放出する能力を有する材料を含む、ヒートシンク、または蓄熱体を備えてもよい。ヒートシンクは、適切な金属またはセラミック材料など、任意の適切な材料で形成されてもよい。一実施形態において、材料は、高い熱容量(顕熱貯蔵材料)を有するか、または熱を吸収し、その後可逆的なプロセス(高温相変化など)によって熱を放出する能力を有する材料である。適切な顕熱貯蔵材料としては、シリカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、鉱物、金属または合金(アルミニウム、銀、または鉛など)、およびセルロース系材料(紙など)が挙げられる。可逆的な相変化によって熱を放出するその他の適切な材料としては、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ろう、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、または合金が挙げられる。ヒートシンクまたは蓄熱体は、エアロゾル発生基体と直接接触するように、かつ貯蔵した熱を基体に直接伝達することができるように配設されてもよい。別の方法として、ヒートシンクまたは蓄熱体に貯蔵された熱は、金属チューブなどの熱導体の手段によってエアロゾル発生基体に伝達されてもよい。
霧化器は有利なことに、伝導によってエアロゾル発生基体を加熱する。霧化器は基体、または基体が堆積されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。別の方法として、内部霧化器または外部霧化器のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導してもよい。
動作中、エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル発生基体を含有するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生物品を直接吸煙してもよい。
受容領域は好ましくは、霧化チャンバーとして構成されてもよい。受容領域は、空洞として構成されてもよい。霧化チャンバーは、空洞の形状を有してもよい。受容領域は円筒状であってもよい。受容領域は基部を有してもよい。基部は円形の形状を有してもよい。受容領域は円形断面を有してもよい。受容領域の断面は代替的に、長方形形状などの異なる形状を有してもよい。受容領域は、エアロゾル発生物品を受容領域の中に挿入することができるように長軸方向の延長を有することが好ましい。
係止要素は、受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品を特定の位置にしっかりと保持するように構成されてもよい。
動作中、エアロゾル発生物品を所望の最適動作位置に位置付けることが望ましい場合がある。この所望の最適動作位置は、係止要素によって容易にされる場合がある。この点に関して、係止要素は、エアロゾル発生装置の使用中に、この所望の最適動作位置にエアロゾル発生物品を保持するように構成されてもよい。この所望の最適動作位置にエアロゾル発生物品を保持することを容易にするために、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の受容領域の中へのエアロゾル発生物品の鍵付き挿入を容易にする形状を備えてもよい。例えば、エアロゾル発生物品の断面は、対称な円形断面から逸脱してもよい。受容領域の断面は、エアロゾル発生物品を特定の向きでのみ受容領域の中に挿入することができるように、エアロゾル発生物品の断面に対応してもよい。別の方法として、係止要素は、エアロゾル発生物品が特定のやり方で向けられ、かつ位置付けられる場合に、エアロゾル発生物品を定位置にのみ係止するように構成されてもよい。例えば、より詳細に以下に記述する通り、係止要素はピストンを備えてもよい。ピストンはオスの係止要素として作動してもよい。エアロゾル発生物品は、対応するメス係止要素を備えてもよい。係止要素のオスの係止要素、例えばピストンが、エアロゾル発生物品のメスの係止要素と整列する場合にのみ、係止要素はエアロゾル発生物品を定位置に係止することができる。言い換えれば、ユーザーは、エアロゾル発生物品の最適な所望の動作位置に対応する向きでエアロゾル発生物品を挿入しなければならない場合があり、またユーザーがこの向きでエアロゾル発生物品を挿入する場合にのみ、係止要素は、エアロゾル発生物品を定位置に係止することを可能にするように構成されてもよい。
コントローラは、霧化器が停止されている時に、エアロゾル発生物品を解放するために係止要素を制御するように構成されてもよい。
ユーザーのある特定の量の吸い込みの後を意味する典型的な動作の後、エアロゾル発生物品中のエアロゾル発生基体は枯渇する。その後、ユーザーは、エアロゾル発生装置の受容領域からエアロゾル発生物品を取り外すことを望む場合がある。この場合において、エアロゾル発生装置、特にコントローラは、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置の受容領域から取り外すことができるように、係止要素を動作するように構成されてもよい。コントローラは、エアロゾル発生装置の動作後、より具体的にはエアロゾル発生物品の枯渇後に、係止要素をエアロゾル発生物品から自動的に係脱することが好ましい。コントローラは、ユーザーの所定の量の吸い込み、例えば6~10回の吸い込みの後に、エアロゾル発生物品の枯渇を検出してもよい。別の方法として、ユーザーは、エアロゾル発生物品から係止要素を手動で係脱してもよい。この点に関して、エアロゾル発生装置は、ボタンなどの係脱手段を備えてもよい。また、ユーザーは、係止要素をエアロゾル発生物品から係脱するために、コントローラを操作してもよい。この目的のために、ボタンを再度、使用してもよい。別の方法として、または追加的に、さらなる係脱手段が提供されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は通信インターフェースを備えてもよく、通信インターフェースはコントローラに接続されてもよく、またスマートフォンなどの外部装置にさらに接続されてもよい。次にユーザーは、エアロゾル発生装置を制御してもよく、特に、外部装置によってエアロゾル発生物品からの係止要素の係脱を制御してもよい。例えば、エアロゾル発生装置の動作、より具体的にはエアロゾル発生物品からの係止要素の係脱の動作を制御するために、ディスプレイを有するスマートフォンを使用してもよい。霧化器が停止されている時にエアロゾル発生物品を解放することは、霧化器の全起動サイクルの間のエアロゾル発生物品の安全な保持を容易にする。
コントローラは、霧化器が停止されていて、かつ所定の時間が経過した時に、エアロゾル発生物品を解放するために係止要素を制御するように構成されてもよい。
所定の時間の間、エアロゾル発生物品の係脱を待機することは、エアロゾル発生物品だけでなく霧化器も十分な程度に冷える場合があるという利点を有する場合がある。この点に関して、特定の動作温度に加熱されたエアロゾル発生物品をユーザーが取り外すことは不快である場合がある。エアロゾル発生物品は、触れるには高温すぎる場合がある。所定の長さの時間待つことによって、エアロゾル発生物品は、ユーザーによって指の間に保持されるのに十分に冷える場合がある。同様に霧化器は、霧化器の動作中に、ユーザーが霧化器と接触することになる場合、ユーザーにとって高温すぎる温度に加熱されてもよい。霧化器は、ユーザーによって直接触れることができないことが好ましい。霧化器は、ユーザーが霧化器に触れるのを受容領域が遮るようなやり方で、エアロゾル発生装置の受容領域内に配設されていることが好ましい。しかしながら、他の実施形態において、霧化器はユーザーにとって、少なくとも部分的にアクセス可能であってもよい。これらのすべての場合において、エアロゾル発生物品の取り外しの前に霧化器が冷えるのを可能にすることが望ましい場合がある。これは、エアロゾル発生物品を解放するためにコントローラが係止要素を制御する前に所定の時間の間待つことによって容易にされる。所定の時間は、0.5秒~20秒であってもよく、1秒~10秒であることがより好ましく、およそ3秒であることが最も好ましい。
コントローラは、係止要素が、受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持することができない場合、霧化器の起動および動作のうちの一つ以上を防止するように構成されてもよい。
係止要素が、エアロゾル発生物品をしっかりと保持することができない場合、エアロゾル発生物品が正しくない位置にあることが検出される場合がある。言い換えれば、係止要素がエアロゾル発生物品をしっかりと保持することができない場合、エアロゾル発生物品は、所望の最適動作位置に位置付けられない場合がある。それ故に、係止要素がエアロゾル発生物品を定位置に係止していないことをコントローラが検出する場合、コントローラは、エアロゾル発生物品が正しくない位置にあることを検出する場合がある。結果として、コントローラは霧化器の活性化を防止する場合がある。追加的に、または別の方法として、コントローラは、警告信号をユーザーに出力するために、警告要素を制御してもよい。警告信号を知覚した後、ユーザーはエアロゾル発生物品を再び位置付けてもよい。警告信号は、光学的、触覚的、または音響的警告信号であってもよい。
装置は、エアロゾル発生物品が受容領域内に受容されているかどうかを検出するように構成された物品センサーをさらに備えてもよい。
物品センサーは、エアロゾル発生装置の位置を検出するセンサーとして構成されてもよい。よって、物品センサーは位置センサーとして構成されてもよい。好ましくは、物品センサーは近接センサーとして、より好ましくはホール効果センサーとして構成されてもよい。こうしたセンサーは、エアロゾル発生物品が受容領域内に受容されている時、エアロゾル発生物品の現在の位置と、エアロゾル発生物品の所望の最適動作位置との間の距離を検出してもよい。エアロゾル発生物品の現在の位置と所望の最適動作位置との間の距離が所定の閾値を下回る場合、物品センサーは、エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置にあることを検出してもよい。エアロゾル発生物品の現在の位置と所望の最適動作位置との間の距離が所定の閾値よりも大きい場合、物品センサーは、エアロゾル発生物品が正しくない位置にあることを検出してもよい。この場合において、霧化器の起動は、コントローラによって防止されてもよい。さらに、上述の通りの警告信号は、エアロゾル発生物品が正しくない位置にあることをユーザーに示すために発生されてもよい。霧化器の初期活性化は、エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置に初めて位置付けられる場合、可能になる場合がある。その後、エアロゾル発生装置の動作中に、エアロゾル発生物品の再位置付けが物品センサーによって検出されてもよい。この点に関して、係止要素は典型的に、エアロゾル発生物品を所望の最適動作位置に保持することに起因して、エアロゾル発生装置の動作中のエアロゾル発生物品の再位置付けを防止することになる。冗長な安全手段として、物品センサーは追加的に、エアロゾル発生物品の位置を検出してもよい。物品センサーがホール効果センサーとして構成されている場合、エアロゾル発生物品中に電界発生要素が提供されてもよく、またエアロゾル発生装置の受容領域に、またはその近くにホールセンサーが提供されてもよく、これによって、エアロゾル発生物品、より正確にはエアロゾル発生物品中の磁界生成手段と、エアロゾル発生装置中のホールセンサーとの間の距離を、ホール効果センサーによって検出することができる。
コントローラは、霧化器が起動されている時、およびエアロゾル発生物品が受容領域内に受容されていることを物品センサーが検出する時に、エアロゾル発生物品を保持するために係止要素を制御するように構成されてもよい。
この態様によると、係止要素の動作は、物品センサーによるエアロゾル発生物品の位置の検出と関連している。この点に関して、上述の通り、物品センサーはエアロゾル発生物品が所望の最適動作位置に位置付けられているかどうかを検出してもよい。エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置に位置付けられていることを物品センサーが検出する場合、物品センサーは、対応する出力を発生してもよく、またコントローラは、係止要素がエアロゾル発生物品をこの所望の最適動作位置に係止することを可能にするように構成されてもよい。これもまた上述の通り、コントローラはその後、霧化器の起動を可能にしてもよい。それ故に、物品センサーは、エアロゾル発生物品の位置を確認するように作動してもよい。
エアロゾル発生物品が受容領域内に受容されていないことを物品センサーが検出する場合、コントローラは霧化器の起動を防止するように構成されてもよい。
よって、エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置に位置付けられていることを物品センサーが検出しない場合、コントローラは霧化器の動作を阻止してもよい。別の方法として、または追加的に、係止要素がエアロゾル発生物品を定位置にしっかりと保持することができない場合、コントローラは霧化器の動作を阻止してもよい。これはまた、エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置に位置付けられていないことを意味する場合がある。これらの機能の両方を同時に採用することが可能である。よって、エアロゾル発生物品が所望の最適動作位置にあると物品センサーによって検出される場合、かつ同時に、エアロゾル発生物品を所望の最適動作位置にしっかりと保持するために、係止要素がエアロゾル発生物品と係合することができる場合にのみ、霧化器の起動が可能にされてもよい。
装置は、係止要素の機械的係止解除を可能にするように構成されてもよい、機械的係止解除安全要素をさらに備えてもよい。
機械的係止解除安全要素は、エアロゾル発生物品、係止要素の詰まり、または誤作動の除去を可能にする場合がある。この場合において、ユーザーは、エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置の受容領域から取り出すことができるように、係止要素をエアロゾル発生物品から係脱するために、機械的係止解除安全要素を手動で使用してもよい。機械的係止解除安全要素は、ユーザーが機械的係止解除安全要素を偶発的に起動しないように、例えばエアロゾル発生装置の内部に隠されてもよい。機械的係止解除安全要素へのアクセスは、小さい開口によって可能であってもよく、これは紙クリップからなどの小さいピンによってのみアクセス可能であってもよい。
受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品を係止要素がしっかりと保持する時、係止要素は、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品への電気エネルギーの伝達を可能にするように構成されてもよい。
言い換えれば、係止要素は係止要素として作動し、かつ同時に、エアロゾル発生装置からエアロゾル発生物品への電気エネルギーの伝達を可能にするための電気接点として作動してもよい。上述の通り、エアロゾル発生装置は、電池などの電源を備えてもよい。これまでに記載の通り、霧化器を含むエアロゾル発生装置の代わりに、霧化器をエアロゾル発生物品の中に提供してもよい。特に、エアロゾル発生物品がカートリッジとして構成されている場合、カートリッジは霧化器を備えてもよい。例えば、カートリッジは、カートリッジの液体貯蔵部分中に含有された液体エアロゾル発生基体を利用してもよい。メッシュヒーターなどの霧化器は、液体貯蔵部分に隣接して配設されてもよい。液体エアロゾル発生基体は、特に毛細管材料を備える霧化器によって、メッシュヒーターに向かって吸い出されてもよい。カートリッジが、エアロゾル発生装置の受容領域内に受容されている場合、エアロゾル発生装置の電源からカートリッジの霧化器に向かう電気エネルギーの伝達が可能になる場合がある。エアロゾル発生装置からカートリッジへの電気エネルギーの伝達のために係止要素が利用される場合、別個の電気接点は不要である。よって、エアロゾル発生装置だけでなくカートリッジも、より単純で、より効率的で、かつよりコスト効果が高いやり方で構築することができる。係止要素がカートリッジを受容領域内にしっかりと保持することができる場合、コントローラはエアロゾル発生装置からカートリッジへの電気エネルギーの伝達を可能にする場合がある。追加的に、または別の方法として、カートリッジが所望の最適動作位置で受容領域内に受容されることを確認するために、上述の通りの物品センサーが提供されてもよい。物品センサーは、カートリッジが所望の最適動作位置に位置付けられているという係止要素による確認に加えて、または別の方法として採用されてもよい。
係止要素は電気的に作動されてもよく、また霧化器と共通の電気回路を利用してもよい。
係止要素の動作は電気的であってもよい。係止要素の係止動作は電気的作動によって、係止を容易にする場合がある。霧化器は上記で考察した通り、抵抗霧化器、誘導霧化器、エアロゾルスプレー、またはSAWエアロゾル発生器などの電気的な霧化器であることが好ましい。係止要素と霧化器の両方が電気的に作動される場合、エアロゾル発生装置の構築は、係止要素に対してだけでなく、霧化器に対しても同一の電気回路を使用することによって単純化することができる。例えば、エアロゾル発生物品を所望の最適動作位置で受容領域内にしっかりと保持するための係止要素を起動させるために、当初は、係止要素だけでなく霧化器も備える電気回路が利用されてもよい。その後、霧化器の動作は、同一の電気回路によって可能になってもよい。よって、単純な構築が容易になる場合があり、それによってコストを削減する場合がある。
係止要素は電気的に作動されてもよく、かつ受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するために、エアロゾル発生物品のメス空洞の中に横方向に移動可能なピストンを備えてもよい。ピストンは、任意の所望の形状を有してもよい。ピストンは、円筒形状を有することが好ましい。
この態様は、係止要素の実現の第一の代替である。この場合において、係止要素は移動可能なピストンを含む。ピストンは、横方向に移動可能であることが好ましい。横方向は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して直角を成す方向である。エアロゾル発生装置の長軸方向軸は、受容領域の長軸方向軸と平行である。この点に関して、上述の通り、受容領域は長軸方向の延長部および好ましくは円筒形状を有する空洞の形態の霧化チャンバーとして構成されていることが好ましい。ピストンが横方向に移動可能であるということは、エアロゾル発生物品内のメス空洞と係合するピストンが、受容領域の長軸方向軸に対して垂直に移動し、エアロゾル発生物品を受容領域の長軸方向軸に沿って受容領域の中に挿入することができることを意味する。受容領域の長軸方向軸に沿ったエアロゾル発生物品のこの移動は、エアロゾル発生物品のメス空洞と係合する係止要素の移動可能なピストンによって阻止することができる。上述の通り、係止要素とエアロゾル発生物品の間の鍵付き配設は、エアロゾル発生物品を特定の配向に保持することが望ましい場合がある。よって、エアロゾル発生物品のメス空洞は、エアロゾル発生物品が特定の配向で受容領域の中に挿入される場合にのみ、係止要素のピストンをエアロゾル発生物品の空洞の中に挿入することを可能にするために、円筒形状を有してもよい。別の方法として、エアロゾル発生物品の配向が問題ではない場合、エアロゾル発生物品のメス空洞は、エアロゾル発生物品の外周を完全に包囲する溝であってもよい。ピストンを移動するために、リニアモーターなどの任意の周知の手段が採用されてもよい。コントローラは、例えばリニアモーターの動作を制御することによって、ピストンの移動を制御するように構成されてもよい。
係止要素は、受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するためのエアロゾル発生物品のメス空洞の中に横方向に移動可能なピストンを備えてもよく、また係止要素はピストンを引っ込んだ位置に保持するための電磁石を備えてもよい。
電磁石はコントローラによって制御されてもよい。エアロゾル発生物品が受容領域の中に挿入されている場合、エアロゾル発生物品を定位置に係止することは、もはやピストンを引っ込んだ位置に保持しないように、電磁石を制御するコントローラによって容易にされる場合がある。次いでピストンは、エアロゾル発生物品のメス空洞と係合してもよい。この態様において、およびピストンが採用される本明細書に記載のすべての態様において、係止要素はばねを備えてもよい。ばねは、エアロゾル発生物品の方向にピストンを付勢するように構成されてもよい。よって、電磁石はピストンを定位置に保持してもよく、またばねの付勢力に対して作用してもよい。電磁石がコントローラによって停止される場合、ばねは、エアロゾル発生物品のメス空洞と係合するために、受容領域の内側に向かって内向きに横方向にピストンを押してもよい。さらに、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の受容領域の中への挿入中に、ピストンを引っ込んだ位置に押すのを容易にするためのテーパー付遠位端を備えてもよい。エアロゾル発生物品のテーパー付遠位端は、ピストンが採用される本明細書に記載の態様のすべてにおいて利用されてもよい。この点に関して、エアロゾル発生物品の遠位端は、最初に受容領域の中に挿入され、そして受容領域の中へのエアロゾル発生物品の完全な挿入の後に受容領域の基部に隣接して配設されてもよい端部であってもよい。テーパー付端は、ピストンを引っ込んだ位置の中に押すために利用されてもよく、これは、ピストンが経時的に電磁石によって引っ込んだ位置に能動的に保持される必要がないので、有益である場合がある。言い換えれば、エアロゾル発生装置が作動していない場合、ピストンは、受容領域の中に到達して、延びた状態で位置付けられてもよい。次いで、テーパー付遠位端を備えるエアロゾル発生物品が受容領域の中に挿入される場合、エアロゾル発生物品のテーパー付端は、ピストンを引っ込んだ位置に向かって押してもよい。次いで、ピストンは電磁石によって、引っ込んだ位置に保持されてもよい。コントローラの起動に伴い、係止要素の付勢ばねがピストンを延びた位置に向かって押し戻すように、電磁石は停止されてもよい。しかしながら、ここで、エアロゾル発生物品は、受容領域の中に完全に挿入され、かつ所望の最適動作位置に位置付けられることになるため、ピストンは、エアロゾル発生物品のメス空洞との係合によって、エアロゾル発生物品と係合することになる。引っ込んだ位置において、ピストンは、係止要素の空洞の中に引っ込められてもよい。ピストンが利用される本明細書に記述されるすべての実施形態において、移動可能なピストンを含む係止要素およびピストンと係合するためのメス空洞を含むエアロゾル発生物品の代わりに、配設を逆にすることも可能である。それ故に、エアロゾル発生物品は、移動可能なピストンと、移動可能なピストンを付勢するためのばねとを備えてもよく、また係止要素は、エアロゾル発生物品のピストンと係合するためのメス空洞を備えてもよい。電磁石が採用される場合、電磁石は、エアロゾル発生物品からの係止要素の係脱のために利用されてもよい。この点に関して、エアロゾル発生物品の係止後、係止要素の移動可能なピストンは、エアロゾル発生物品のメス空洞の中に受容されることになる。エアロゾル発生装置の受容領域からのエアロゾル発生物品のこの係合が望ましい場合、ピストンを引っ込めることが必要である。ピストンのこの引っ込めは、電磁石を再度起動することによって容易にされてもよい。この場合において、電磁石は、付勢ばねの力に対して作用するピストンに力を加える。電磁石は、電磁石によってピストンに作用する力が付勢ばねの力よりも大きいように構成されている。よって、ピストンはその後、再度引っ込んだ位置の中に引っ込められ、それ故にエアロゾル発生物品のメス空洞と係脱することになる。その後、エアロゾル発生物品を、エアロゾル発生装置の受容領域から除去することができる。上述の通り、この動作は、加熱動作の後、好ましくは加熱動作後の所定の時間の後に利用されることになり、より好ましくは、エアロゾル発生物品が消費された後、かつ受容領域の中への新しいエアロゾル発生物品の挿入の後に利用されることになる。移動可能なピストンが係止要素に採用される場合、係止要素は、ピストンが受容領域の中に横方向に移動することができるように、受容領域の側壁の近くに配設されていることが好ましい。
係止要素は、受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するために、エアロゾル発生物品と係合するように構成された回転可能なフックおよび回転可能なカムのうちの一つ以上を備えてもよい。
回転可能なフックおよび回転可能なカムは、係止要素によって受容領域内のエアロゾル発生物品のしっかりとした保持を容易にする可能性を促進させる。この点に関して、回転可能なフックは、回転可能なカムの回転が回転可能なフックの回転を容易にするように、回転可能なカムに取り付けられてもよい。その一方で、回転可能なフックの回転は、エアロゾル発生物品を定位置にしっかりと保持する。例えば、回転可能なフックはオスの係止要素として作用してもよく、その一方でエアロゾル発生物品は、係止要素の回転可能なフックと係合するための対応するメス要素を備えてもよい。回転可能なカムは、モーターによってなど、任意の周知の手段によって回転可能であってもよい。エアロゾル発生物品との係止要素の係脱のために、回転可能なカムは、回転可能なフックがエアロゾル発生物品の対応するメス部と係脱するように、反対方向に回転されてもよい。回転可能なフックが係止要素に採用される場合、係止要素は、受容領域の側壁に隣接して、または受容領域の基部に配設されてもよい。言い換えれば、係止要素はこの場合において、係止要素とエアロゾル発生物品の間の係止作用が、回転可能なフックの向きに依存しないため、回転可能なフックが、エアロゾル発生物品の対応するメス部分と任意の向きで係合してもよいため、受容領域の任意の部分に隣接して配設されてもよい。
回転可能なカムの回転による回転可能なフックの回転のために、モーターが採用されてもよい。別の方法として、回転可能なフックは、回転可能なカムを回転することによって回転されてもよく、回転可能なカムは、ユーザーによって手動で回転されてもよい。回転可能なカムの回転は、ラチェットを採用することによって、単一の方向でのみ可能にされてもよい。エアロゾル発生物品から係止要素を取り外すことによって、エアロゾル発生物品を受容領域から取り外すことが望ましい場合、回転可能なカムを反対方向に回転することができるように、ラチェットは係脱されてもよい。
係止要素の上記の態様のうちのいずれかにおいて、係止要素はオス要素を備えてもよく、またエアロゾル発生物品はメス要素を備えてもよい。オス要素は、所望の最適動作位置にエアロゾル発生物品を保持するためにメス要素と係合するように構成されてもよい。また、オス要素を備える係止要素、およびメス要素を備えるエアロゾル発生物品の代わりに、エアロゾル発生物品はオス要素を備えてもよく、また係止要素はメス要素を備えてもよい。オス要素について前述した特定の要素は、移動可能なピストンおよび回転可能なフックであってもよい。対応するメス要素は、移動可能なピストンのための円筒状空洞、および回転可能なフックのための肩部または突出部であってもよい。
係止要素は、その材料の温度に応じてその形状を変化するように構成された材料、好ましくは形状記憶材料、より好ましくは少なくとも一つの形状記憶合金を含んでもよく、また霧化器が当該材料を加熱する時、当該材料は、受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するように構成されてもよい。
形状変化材料は、エアロゾル発生装置における、またはエアロゾル発生物品における係止要素の一部であってもよい。霧化器が動作される場合、材料の形状を変更するために、形状変化材料の温度依存性が利用されてもよい。霧化器の動作中の温度上昇は、形状変化材料がその形状を変化させることを容易にする場合がある。しかしながら、形状変化材料の形状変化は、受容領域内のエアロゾル発生物品のしっかりとした保持を容易にする場合がある。例えば、形状変化材料は、形状変化中にその体積を増加させることによってオスの係止要素を実現してもよい。形状変化材料の増加した体積は、対応するメス係止要素の中に到達してもよい。形状変化材料がエアロゾル発生装置の中に提供されている場合、霧化器の動作中の温度上昇は、形状変化材料が膨張すること、またはエアロゾル発生物品に向かって延びることにつながる場合がある。エアロゾル発生物品は、形状変化材料が中に延びることができる、対応する溝または空洞を備えてもよい。別の方法として、エアロゾル発生物品は形状変化材料を備え、エアロゾル発生装置は、対応する溝または空洞を備える。
本発明はまた、上述の通りのエアロゾル発生装置と上述の通りのエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムに関する。
本発明はまた、
●エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための受容領域を提供することと、
●エアロゾル発生物品が受容領域内に受容されている時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体を加熱するための霧化器を提供することと、
●受容領域内に受容されたエアロゾル発生物品をしっかりと保持するための係止要素を提供することと、
●コントローラを提供することと、を含み、
霧化器が起動されている時に、コントローラが、エアロゾル発生物品を保持するために係止要素を制御するように構成されている、エアロゾル発生装置を製造する方法に関する。
方法は、受容領域の中へのエアロゾル発生物品の挿入を含んでもよい。
方法は、エアロゾル発生物品を所望の最適動作位置に保持するために、係止要素をエアロゾル発生物品と係合することを含んでもよい。
方法は、エアロゾル発生物品から係止要素を係脱して、受容領域からのエアロゾル発生物品の取り外しを可能にすることを含んでもよい。
方法は、係止要素のオスの係止要素を、エアロゾル発生物品のメスの係止要素と係合すること、またはその逆を含んでもよい。
一態様に関して説明された特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用されてもよい。
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。