JP7306654B2 - 体内装置の送達用経カテーテル装置およびシステム - Google Patents

体内装置の送達用経カテーテル装置およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、概して医療装置および外科手術装置の分野に関する。より具体的には、本発明は、経カテーテルシステムならびに対応する装置および治療方法に関する。本発明は、機械的循環支援装置などの医療装置の患者の体内への送達および移植に特に有用であるが、さらに幅広い用途を有する。
本発明は、米国特許出願第14/335125号、米国特許出願第14/335142号、米国特許出願第14/991662号、米国特許出願第14/991675号、米国特許出願第14/984998号および米国特許出願第14/985030号、ならびに上記特許出願の米国特許出願公開において本出願人によって記載されているものなどの、低侵襲経カテーテルおよび/または経皮的処置に関して特に有用であり、上記特許出願のすべてが参照により本明細書に明確に組み込まれる。
機械的循環支援システム(MCS)の例は心室補助装置(VAD)を含む。VADは、心臓機能および血流を支援することができる機械的ポンプ装置である。具体的には、VADは心臓の一方または両方の心室が循環システムを通して血液を送り出すのを助ける。左心室補助装置(LVAD)、右心室補助装置(RVAD)および両心室補助装置(BiVAD)が現在利用可能である。また、循環補助システムは、血液酸素添加ならびに血液ポンピングのための手段を提供する心肺補助(CPS、ECMO)を含むことができる。そのような装置は、心臓手術中、心臓手術前および/または心臓手術後に、あるいは心不全、心肺停止(CPA)、心室性不整脈または心原性ショックなどの重度の心臓疾患を治療するために必要とされることがある。
伝統的に、VADは胸部の切開を通して心臓切開手術中に装着され、この処置は左心室の頂点を穿刺して外部ポンプを通して心室から大動脈へ血液を再経路設定することを含む。外科用VADで使用される装置の例はHeartMate II(商標)である。そのような外科手術は明らかに侵襲的であり、より長い回復時間を含みそして感染および外傷の危険性を伴うので、より弱い脆弱な患者には不適当である。これは、既存の外科用機器および装置が比較的大きくてより侵襲的である小児の治療において特に当てはまり、関連する機器および処置を考慮すると、不可能ではないにしても機器のサイズの縮小はしばしば困難である。さらに、これらの装置は、病院環境において熟練した外科スタッフのチームによる介入を必要とし、それ故に利用可能性が低く費用がかかる。
より最近の処置は非外科的であり、患者の鼠径部に作られた小さな切開を通してのVADの挿入を含む。そのようないわゆる経皮的VADの人気のあるバージョンはTandemHeart(商標)装置である。チューブを患者の鼠径部に隣接する切開部を通して導入し、そして大腿静脈および下大静脈に沿って、心房内中隔を横切ってそして左心房中に前進させる。左心房からの酸素化された血液が患者の体外にあるポンプ装置に供給され、流出チューブを通して大腿動脈に再循環されるようにする。この装置は有望な結果を示しているが、それは短期間のサポート(最長2週間)しか提供せず、長期の治療には適していない。外部ポンプはかさばり、装置が装着されている限り患者の固定が必要である。さらに、治療中に開いたままである鼠径部の切開部の周囲に生命を脅かす感染症が発生し、主要動脈からかなり出血する危険性がある。さらに、TandemHeart(商標)のチューブは左心房で終わり、そこから血液が汲み出され、患者の体外に導かれる。周囲の組織が誤って吸い込まれると、この種の血液入口システムは閉塞されないにしても潜在的に妨げられることがあり、それによって効率の損失をもたらす。
もう1つの一般的な経皮的VADはImpella(商標)装置であり、これは大腿動脈と下行大動脈に挿入される。Impella(商標)装置は、本来の大動脈弁を横切って埋め込まれた細長い端部を含み、血液入口は左心室に配置され、血液出口は大動脈弁の上にある。ポンプが入口から出口へ血液を循環させる。ドライブラインは使用中に大腿動脈を通して外面化され、TandemHeart(商標)および他の現在の経皮MCSシステムと同じ制限が適用される。この装置は、最大1週間のサポートを提供することが承認されている。したがって、短期間の「回復への架け橋」治療の一部として、または患者の移動を含む長期治療として使用することができる、感染および出血のリスクが低減され、かつ機械的安定性が増大された装置が必要とされている。さらに、経皮的動脈アクセスを使用して適切な血流を提供するのに必要なサイズのポンプを挿入することは不可能であるため、ポンプの効率は制限される。現在のところ、経皮MCSによるポンプ容量および持続時間の制限の問題は、外科的に大型の体外ポンプを挿入することによって、または体外ポンプを選択することによって、上記のようなすべての潜在的な問題と共に解決されている。
公知の機械的循環支援システムは、心臓切開手術を通して直接的にまたは例えば装置がその意図された位置に押される経カテーテル法を使用して間接的に患者内に配置される。このような経カテーテル法は、本出願人によるPCT/EP2015/055578に記載されており、これは参照により本明細書に明確に組み込まれる。これらの方法は、例えば患者の鼠径部から大腿静脈に沿って、下大静脈を上昇して右心房に入り、心房壁を通って左心房に入り、心房の屋根と大動脈壁を通って大動脈内まで延びるガイドワイヤの移植を含み、ガイドワイヤの近位端が患者の鼠径部領域の外側にあり、遠位端が大動脈内にあるようにする。ガイドワイヤは、その後のカテーテルおよび/またはシースの位置決めを助け、それを通して様々な装置がそれらの目標位置に押し込まれる。
しかしながら、装置を正確にガイドし位置決めする能力は、例えば、装置が解剖学的壁を通って、またはそれを横切って、および/または厄介な角度で移動しなければならない目標位置などの要因によって影響を受けることが観察されている。安全性ももちろん重要である。装置の移植プロセスは、送達システムの挿入および操作、ならびに解剖学的壁の穿刺を必要とし、VAD装置は、安全、確実かつ非外傷性の方法で送達され、移植され、機能しなければならない。ガイドワイヤと送達される装置との間の連結に関してもいくつかの問題があり得る。理想的には、ガイドワイヤは装置内で摺動可能かつ中央に配置される。装置の構造にもよるが、この中央配置は必ずしも達成可能ではなく、装置はカテーテル内のガイドワイヤに沿って押される。ガイドワイヤのこの中央配置はまた、装置の設計および/または機能、例えばポンプ装置の油圧設計および機能に影響を与え、そして場合によってはそれらを損なうことがある。これは潜在的に、精度が低く、したがって安全性が低い装置送達プロセスをもたらす可能性がある。
本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも軽減すること、または既存の製品に代わるものを提供することである。
本発明の第1の態様によれば、体内装置の経カテーテル送達のための方法であって、患者内に装置送達経路を確立するステップを含む方法が提供され、前記装置送達経路は、少なくとも患者への入口点から患者からの出口点まで延在する。
本発明は、体内装置および送達装置が入口点(以下「アクセス点」とも呼ばれる)から、または出口点から、あるいは入口点と出口点の両方から操作および誘導することができる送達システムを効果的に提供する。
従来の送達システムは、入口点から患者の体内に挿入され、目標送達部位まで前進する少なくともガイドワイヤおよび送達シースを含む。次に、体内装置を送達部位に至る送達シースを通してその目標場所および位置に押し込む。しかしながら、装置の構造、目標送達部位の位置および/または送達経路内の障害物は、処置をより複雑にする可能性があり、非常に正確な送達および移植を達成することが困難になる。本発明では、装置はカテーテルを通して挿入されるが、少なくとも2つの異なる側面および角度から(すなわちアクセス点および出口点から)遠隔操作することができ、その結果、それらは正確かつ安全に定位置に誘導され得る。
本方法は、目標部位に隣接するかまたは目標部位での体内ツールの送達および操作、すなわち、目標部位に隣接するかまたは目標部位にある医療装置の送達、移植位置決めおよび/または調整を含む、1つまたは複数の体内装置の送達および/または移植のためのものである。
好ましくは、送達経路は少なくとも1つの入口点と少なくとも1つの出口点を含む。好ましくは、入口点および/または出口点が、橈骨、鎖骨下、頸静脈、頸動脈、および/または大腿アクセス処置によって生成され、橈骨、鎖骨下、頸静脈、頸動脈および/または大腿静脈もしくは動脈からの出入りを可能にする。入口および/または出口点は、経胸腔的、経大腿部、経心尖部、経腸骨、経心房、経腋窩または経大動脈の処置によってもたらされることもまた想定される。
言い換えれば、入口点は、橈骨、鎖骨下、頸静脈、頸動脈または大腿静脈もしくは動脈内にあってよく、出口点は、橈骨、鎖骨下、頸静脈、頸動脈または大腿静脈もしくは動脈内にあってよい。入口点と出口点は同じ領域に、例えば、大腿静脈に隣接する鼠径部に配置することができる。好ましい実施形態では、入口点と出口点は両方とも鼠径部領域に配置される。この実施形態では、好ましい装置送達経路は、入口点から大腿静脈へのアクセス、および出口点から大腿動脈を通るアクセスを含む。あるいは、装置送達経路は、入口点から大腿動脈へのアクセスおよび出口点から大腿静脈を通るアクセスを含む。鼠径部から鼠径部へのアクセスは、開業医が患者の片側からのみ装置を操作することを可能にするので、好まれる。さらに、鼠径部領域は、本発明による装置送達システムを支持し、本明細書に記載されるような経カテーテル処置を容易にするために、より大きくより広い静脈および動脈へのアクセスを提供する。
入口点が出口点から離れていることにも利点がある。例えば、装置の操作(押す、および/または引く)の際に患者の解剖学的構造にかかる圧力が少なくなるように、入口点は鎖骨下領域内にあり、出口点は大腿骨領域内にあってもよい。
本明細書では、装置送達経路の確立の一般的な方向を定義するために、「入口」点および「出口」点を参照しながら本発明を説明する。例えば、ガイドワイヤは、入口点を通って患者に挿入され、出口点を通って患者から出る。装置は、入口および/または出口点のいずれかから挿入され、取り外され、または出て行き、押し、および/または引くことができることに留意することが重要である。したがって、入口点および出口点は、第1のアクセス点および第2のアクセス点とも呼ばれることがある。
最初の経皮的切開、穿刺、切断または他の従来の処置は、入口および/または出口点に隣接して、例えば、大腿静脈または動脈にアクセスする鼠径部領域、鎖骨下または頸静脈もしくは動脈にアクセスする頸部領域、橈骨動脈または静脈にアクセスする腕部で行うことができる。処置で使用される装置のサイズによっては、大静脈の方が細い動脈よりも好ましい場合がある。実用上の理由から、患者の鼠径部領域へのアクセスおよび/または患者の鼠径部領域からの退出は、例えば、患者の頸部領域よりも好ましい場合がある。
本方法は、経カテーテル左心房-大動脈処置を参照して本明細書に記載される。しかしながら、本発明は、例えば低侵襲性外科的移植を含む外科的送達経路の場面において使用することができることが想定される。好ましくは、本方法は外科的処置内の経カテーテル処置を含む。
好ましくは、装置送達経路は部分的にまたは全体的に循環系内にある。循環装置は、心室補助装置などの医療装置の送達のための自然な経路を提供するので、この方法論にとって理想的である。経カテーテル送達技術は、それが医療装置の安全な操作および/または送達を可能にし、そして患者の周囲組織が摩擦および外傷から保護されるという点で有利である。不利な点は、寸法(特に送達カテーテルの直径)が送達経路(例えば心血管系)の寸法によって制限されることである。その結果、配達される医療装置もまたサイズおよび構造が制限される。本発明は、比較的小型で複雑な装置の正確で安全な操作および送達を可能にするという点で有利である。
好ましくは、送達部位は患者の心臓に位置する。本方法は、公知の体内装置を心臓などの患者の身体の特定の敏感な目標に、本出願人自身の特許公報に記載されているような装置に送達するために使用することができる。そのような装置の移植は解剖学的壁の穿刺を伴うことが多く、それ故に重大な失血を避けるために装置が速やかに移植されることが重要である。一方、循環器系における誤操作は患者にとって重大な結果をもたらす可能性がある。本方法を使用する開業医は、容易に、正確に、迅速にそして安全に装置をそれらの目標部位に移植することができる。
好ましくは、送達部位は1つまたは複数の解剖学的壁を横切っている。本方法は、複雑な目標部位および/またはアクセスが困難な目標部位に適用されるときに特に有利である。例えば、本出願人の装置は、2つの解剖学的壁、すなわち左心房の屋根と大動脈壁とにまたがって移植することができる。目標部位の位置および移植の角度(必ずしも解剖学的壁に対して垂直ではない)のために、誘導および位置決めが複雑になり得る。したがって、送達部位の両側から体内装置および/または送達装置を操作できることが有益である。操作の容易性と正確さが改善されている。
好ましくは、本方法は、装置送達経路の一部または全体に沿ってシースおよび/またはカテーテルを配置するステップを含む。
本方法は、1つまたは複数のシースおよび/またはカテーテルを介して医療装置を送達することを含む方法である。本明細書は、穿刺および/または患者の皮膚を切断することによる医療装置の経カテーテル送達に焦点を合わせている。入口点および出口点は、好ましくは経皮開口部および/または1つもしくは複数の解剖学的壁を通る開口部を含む。しかし、入口点および出口点は、1つまたは複数の解剖学的壁を通過するまたは通過しない、患者の本来の開口部であると考えることができる。
好ましくは、本方法は、体内装置を送達システムに連結するステップを含み、前記送達システムは、使用時に、少なくとも装置送達経路の入口点および出口点まで延在するように配置され構成される。
本発明の文脈内で、「連結される」という表現は、好ましくは「物理的に結合される」を意味する。送達システムは、送達装置を使用して、例えばその目標送達部位に送達経路に沿って押すおよび/または引くために使用することができる。送達システムは、遠隔的に、すなわち装置送達経路の入口点および出口点を越えてから送達経路を通して体内装置の誘導、送達および操作を可能にすることができる。
本願に記載されているほとんどの装置は、永久的または半永久的な移植を目的としているので、送達システムは、体内装置が患者内に適切に配置および/または埋め込まれると、体内装置から着脱可能であることが好ましい。
好ましくは、送達システムが、装置送達経路の入口点から出口点まで延在する1つの送達装置を備える。送達装置は、目標送達部位での体内装置の送達後に送達装置を患者の身体から除去することができるように、体内装置に着脱可能に接続されることが好ましい。この入口から出口への送達装置は、開業医が例えばアクセス点から体内装置を押し、および/または例えば出口点から体内装置を引くことを可能にする。
本発明による送達システムは、体内装置/部位/装置への二重アクセスを提供することによって処置の安全性を向上させる。さらに、送達システムは、体内装置、送達/回収装置、穿刺装置、閉鎖装置などを挿入し、送達し、配置し、調整し、そして略操作するための連続的なアクセスが可能となるように、装置送達経路の完全性を維持することを可能にする。さらに、それは、装置の挿入、送達、操作、回収の間のいかなる複雑さも解決するための容易なアクセスを可能にする。例えば、欠陥のある体内装置は、調整、修理または交換のために取り除く必要があり得るし、装置送達経路は、装置が再挿入の準備ができるまで維持することができる。
例えば、送達装置は、体内装置に沿っておよび/またはそれを通って延在するガイドワイヤ(または同等のケーブル状もしくは細長い要素)を備えることができる。ガイドワイヤは、体内装置の任意の適切な部分に着脱可能に連結されてもよい。
別の例では、送達装置はカテーテルを備え、前記カテーテルは径方向分離線を備える。
この実施形態では、体内装置は、装置送達経路に沿って延在するシースによっておよび/またはそれを通って運ばれる。シースは、シースを2つの部分に分離することによって体内装置を解放することができるように径方向分離線を備える。分離された各シース部分は、入口点および/または出口点を通して患者から引き出すことができる。体内装置は、送達プロセスの前およびその間に、分離線に隣接してまたは分離線に配置されてもよい。後者の実施形態では、分離線が目標送達部位と位置合わせされるまで、シースは装置送達経路を通って摺動する。次いで、シース部分を互いに分離し、体内装置を送達シースから解放することができる。体内装置は、本明細書で以下に記載される送達装置を使用して、二部分シース内に配置されてもよい。
分離線は、長手方向の分離線とは対照的に、径方向分離線である。好ましくは、分離線は、円形の分離線を画定するように送達シースの周囲に沿って延在する。分離は、2つのカテーテル部分を取り付け/取り外すときにシースの横方向の動きを最小限に抑える手段によって行われることが好ましい。好ましい分離線は、ねじ止め手段および/またはバヨネット接続手段を含む。代替的にまたは付加的に、分離線は引き裂き線、例えば複数のミシン目および/またはより薄い材料の厚さで作られたシース外周部を含んでもよい。代替的にまたは追加的に、分離線は、タブ、フック、スナップフィット手段などの他の固定手段を含んでもよい。
好ましくは、送達システムが少なくとも2つの送達装置を備え、各送達装置が体内装置の端部に連結される。
体内装置の寸法および形状、ならびに体内装置内の構成要素(例えば、ポンプ、電池または他の内部構成要素)の存在および配置に起因して、ガイドワイヤを送達経路と同軸に配置することは必ずしも可能ではないことが観察されている。提案された代替案は、2つの別々の送達装置、すなわち、入口点から体内装置まで(すなわち、装置送達経路の近位部分)延在する第1の送達装置と、装置から出口点まで(すなわち装置送達経路の遠位部分)延在する第2の送達装置と、を含む送達システムを提供することである。
好ましくは、第1のまたは近位の送達装置は、体内装置の近位端に連結され、送達経路を通して体内装置を目標部位に向かって押すように予定されており、第2のまたは遠位の送達装置は、体内装置の遠位端に連結され、体内装置を出口点に向かって引っ張るように予定されている。
本発明の文脈の範囲内で、「近位」および「遠位」という用語は、送達装置の挿入方向に対して使用され、近位端はアクセス点に最も近い端部であり、遠位端は出口点に最も近い端部であり、例えばアクセス点に最も近い体内装置/送達装置の端部は近位端であり、出口点に最も近い体内装置/送達装置の端部は遠位端であり、例えば装置送達経路の近位部分は、少なくともアクセス点から体内装置まで延在し、装置送達経路の遠位部分は、少なくとも体内装置から出口点まで延在する。
好ましい実施形態では、体内装置の近位端は体外で近位の送達装置に接続され、体内装置の遠位端は体外で遠位の送達装置に接続される。遠位の送達装置は最初にアクセス点を通して患者に挿入され、続いてすでに確立された装置送達経路に沿って体内装置および近位の送達装置が挿入される。例えば、装置送達経路は、入口点から出口点へ(または一方のアクセス点から他方のアクセス点へ)のガイドワイヤの挿入によって確立され、次に、装置を確立されたガイドワイヤに接続し、装置送達経路に沿って目標部位まで押す。体内装置が安全に送達されると、2つの送達装置を取り外し、患者から取り除く。
別の(あまり好ましくはない)実施形態では、体内装置の近位端は体外で近位の送達装置に接続され、体内装置の遠位端は体内で遠位の送達装置に接続される(またはその逆)。体内装置は、アクセス点を通して挿入され、近位の送達装置を用いて装置送達経路を通して押し込まれる。遠位の送達装置は出口点を通って挿入され、それが体内装置に体内で接続され得るまで送達経路を通って押し込まれる。
好ましくは、送達装置は、細長い可撓性部材と、前記部材の端部を体内装置と連結するための手段と、を含む。部材は、装置送達経路内に適合するように形状が細長い。さらに、その部材は、患者の解剖学的構造を通って移動するのに十分に柔軟であるべきであるが、装置送達経路を通して体内装置を押して誘導するためにその部材を使用できるように十分に剛性であるべきである。送達装置は、操作可能カテーテルなどのカテーテルであってもよい。それは、例えば、フラッシングを可能にするため、および/または送達装置を体内装置に取り付けるための手段を含むために、1つまたは複数の内腔を有してもよい。
好ましくは、細長い可撓性部材は送達カテーテルまたはシースを含むかまたはそれらからなる。より好ましくは、送達カテーテルは近位の送達装置として使用されるように予定されている。送達カテーテルは体内装置の近位端に連結されているので、体内装置をその目標送達部位に押し込むことが可能である。
好ましくは、送達装置および/または体内装置は、送達装置と体内装置との間の接合部を気密封止するための手段を含む。送達装置は、好ましくは近位送達装置(の任意の部分)であり、接合部は近位送達装置の遠位端と体内装置の近位端との間の接合部である。例えば、送達装置および体内装置は、相互に協働する封止手段を含むことができる。封止手段は、血液が送達装置内に漏れて患者の体から漏れるのを防ぐ。
好ましくは、細長い可撓性部材はワイヤおよび/またはケーブルを含むかまたはそれらからなる。好ましくは、遠位送達装置はガイドワイヤなどのワイヤを含む。好ましい実施形態では、近位送達装置はカテーテルまたはケーブルを含み、遠位送達装置はワイヤを含む。これは、実際には、送達経路の近位部分においてより多くの押し込み動作が必要とされ、送達経路の遠位部分においてより多くの引っ張り動作が必要とされるためである。ガイドワイヤは患者の解剖学的構造を通して前進するのを容易にするために略柔軟であり、したがって引っ張るのにより適している。一方、カテーテルは比較的剛性であり、したがって押し込むのにより適している。
別の実施形態では、体内装置は、体内装置に電気エネルギーを供給するためのケーブルなどのリード線またはケーブルを含むことができる。リード線またはケーブルは、着脱可能または取り外し不能であってもよく、体内装置をその目標位置に押し、引き、および/または誘導するための送達装置として使用されてもよい。
好ましくは、細長い可撓性部材は、体内装置の端部を受けるための部分を含む。好ましくは、近位送達装置の細長い可撓性部材は、体内装置の近位端を受けるようになっている部分を含む。好ましくは、遠位送達装置の細長い可撓性部材は、体内装置の遠位端を受けるようになっている部分を含む。
体内装置の端部は、装置の最近位端(例えば、押すための)および/または装置の最遠位端(例えば、引っ張るための)であってもよい。それは、体内装置の端部からの突出部または延長部であってもよい。それはまた、以下でさらに詳細に説明されるように、コネクタ(拡張可能コネクタなど)、体内装置の端部に連結されたキャップまたはシース、ディフューザ、または体内装置の端部に配置された任意の他の一体型または着脱可能な要素であってもよい。
送達装置としてのカテーテルの場合、受け部はカテーテルの遠位端であってもよい。好ましい実施形態では、体内装置の端部の外周とカテーテルの内周の相対寸法は、カテーテルが体内装置を把持することができるようなものである。好ましくは、受け部の内部寸法は、体内装置の端部の寸法と等しいかまたはわずかに小さい。
一実施形態では、送達カテーテルの内面は、体内装置の端部が当接部または突出部に着座できるように配置および構成された1つまたは複数の前記当接部および/または突出部を含む。別の実施形態では、カテーテルが体内装置の端部から延在する1つまたは複数の突出部に着脱可能に連結されて、突出部がカテーテル内の1つまたは複数の相補的な開口部または凹部に嵌合することができると考えられる。送達カテーテルおよび体内装置は、必要ならば体内装置も入口部位に向かって引き戻すことができるように連結されることが好ましい。
送達装置としてワイヤまたはケーブルの場合、ワイヤまたはケーブルは、体内装置の端部と連結するためのスネア、フック、ループおよび/またはねじ手段を含むことができる。ワイヤまたはケーブルは、体内装置の非拡張コネクタアーム、ディフューザまたは他の拡張可能要素を受け入れることができるカップ状、ボウル状または管状の部分を含むことができる。
好ましくは、受け部は、体内装置と着脱可能に連結するための手段を含む。前記着脱可能な連結手段は、例えば、伸縮自在なタブ、ねじ手段、および他の適切な手段を含むことができる。
細長い可撓性部材を体内装置に着脱可能に連結するための手段は、送達装置に固定されて体内装置に着脱可能に連結されるか、または体内装置に固定されて送達装置に着脱可能に連結することができる。
例えば、キャップまたはシースは、細長い可撓性部材の端部(近位送達装置の遠位端または遠位送達装置の近位端)に固定されてもよい。キャップまたはシースは、送達プロセス中に、それが体内装置を部分的にまたは完全に覆い、送達が成功した後に体内装置から取り外すことができるように、体内装置に着脱可能に連結することができる。
本発明のさらなる態様によれば、患者内に送達するための体内装置が提供され、前記体内装置が近位端と遠位端とを有し、遠位端を経カテーテル送達装置に着脱可能に連結するための手段を備える。
本発明は、送達装置、特に体内装置を定位置に引っ張ることができ、送達、使用および/または移植後に取り外すことができる送達装置に接続されるように配置され構成された体内装置を提供する。
好ましくは、体内装置は一体型拡張可能遠位側構成要素を含み、前記遠位側構成要素は送達形態から作業形態に構成を変えることができる。送達形態は、好ましくは経カテーテル送達に適した構成である。送達形態は、体内装置を送達装置に連結することができる構成であり、一方、作業形態では、体内装置は送達装置から取り外される。
一実施形態では、送達形態は折り畳み形態とすることができ、作業形態は展開形態とすることができる。しかしながら、本発明の範囲内で反対の形態、すなわち展開された送達形態および折り畳まれた送達形態も考えられる。同様に、送達形態および作業形態は、収納形態および拡張形態とすることができる。遠位側構成要素はまた、作業位置から回収形態へ変化するように配置され構成されてもよい。
遠位側構成要素は、形態を作業形態から回収形態に変更することができてもよい。この場合、回収形態は、経カテーテル回収に適した形態であることが好ましい。回収形態は、体内装置を例えば回収装置に連結することができる形態であり、一方、作業形態では、体内装置は回収/送達装置から取り外される。
本発明は、遠位側構成要素が展開される作業形態、ならびに遠位側構成要素が体内装置の遠位端から略長手方向に折り畳まれるかまたは延在する送達形態または回収形態を参照して本明細書に記載される。本発明の文脈内では反対のこと、すなわち、遠位側構成要素が展開される送達形態もしくは回収形態、および/または遠位側構成要素が体内装置の遠位端から略長手方向に折り畳まれるかもしくは延在する作業形態も考えられる。
好ましくは、一体化された遠位側構成要素は、製造を容易にするために体内装置と一体的に形成される。さらに、その一体型の遠位側構成要素を有する体内装置は、単一の装置として安全に送達および移植することができる。あるいは、遠位側構成要素は体内装置に接続される。この配置は、送達処置および移植処置においてより汎用性および柔軟性を可能にする。この実施形態では、前記接続は患者への挿入前に、より好ましくは製造プロセス中に行われる。遠位側構成要素は体内装置に体内で接続することができるが、患者内での操作回数を最小限にすることが好ましい。
好ましくは、遠位側構成要素は、送達形態および作業形態に配置することができるように体内装置に移動可能に接続される。例えば、遠位側構成要素は体内装置に蝶番式に接続することができ、あるいは遠位側構成要素は、送達形態と作業形態との間の移行を可能にする形状記憶材料を含むかまたはそれからなる。
好ましくは、作業形態において、一体型の拡張された遠位側構成要素は、体内装置を1つまたは複数の解剖学的壁に固定するように配置され構成される。この実施形態では、遠位側構成要素は、体内装置を送達装置に着脱可能に連結することと、体内装置をその目標部位に固定することの二重の目的を果たす。
好ましくは、作業形態では、一体型の拡張された遠位側構成要素は、フローディフューザであるかまたはフローディフューザとして作用する。この実施形態では、遠位側構成要素は、体内装置を送達装置に着脱可能に連結することと、流体の流れおよび動力学を改善することの二重の目的を果たす。これは、体内装置がポンプを含むときに特に関連がある。ディフューザは、流体の流れを高め、流体の流れの制御を改善するために、ポンプから出る流体を分散させて広げるように配置され構成される。より一般的には、遠位ディフューザ(を含むか、またはそのように作用する)遠位側構成要素は、最適な効率および最小の血栓または血液損傷のためにポンプからの血流を最適化するために流体力学を最適化するのを助ける。
本発明の文脈内では、ディフューザをポンプの本体内またはその近位に代替的に配置することも考えられる。しかしながら、ディフューザがポンプの遠位端または最遠位端から延在するかまたはそれに連結されているときに最適な結果が達成され、流体がポンプを出るときにその流れが促進される。ポンプの本体内にディフューザなどの位置決め要素を回避することは、それらが流体の流れを妨げる可能性があり、および/またはポンプ内の流体経路を狭める可能性があるので避けることが好ましい。
好ましくは、一体型拡張可能遠位側構成要素は、複数の拡張可能なアーム、ブレードおよび/またはメッシュを含む。一体化された拡張可能な構成要素がディフューザである場合には、展開されたアーム/ブレードの一般的な輪郭が流れを促進させることを可能にする。一体化された拡張可能な構成要素がコネクタである場合には、アームおよび/またはブレードは外向きに展開して第2の区画(すなわち受け区画)の解剖学的壁に接することができる。
その作業形態における遠位側構成要素は、組織成長または外傷を最小限にするために、解剖学的壁から部分的に湾曲してもよい。あるいは、その作業形態における遠位側構成要素は、解剖学的壁から離れて第2の区画の中に延在してもよい。例えば、遠位側構成要素は、体内装置の遠位端から切頭逆円錐形または漏斗状に略延在することができる。
好ましくは、一体型拡張可能遠位側構成要素が、アームおよび/またはブレードの間に延在する膜を備える。遠位側構成要素は、アームまたはブレードの間の領域を部分的にまたは完全に封止するための手段、例えばカバー、コーティングまたは他の封止手段を含むことができる。一体型拡張可能構成要素がディフューザである場合には、膜はディフューザ効率を改善する。膜は、流体と接触するディフューザの表面積を増大させ、それ故、ディフューザの効率を高める。一体型拡張可能構成要素がコネクタである場合には、膜は追加のアンカとして、しかしさらに重要なことには解剖学的壁のための追加の構造的支持および保護として作用することができる。加えて、その作業形態では、遠位側構成要素は解剖学的壁を横切って完全に挿入されなくてもよく、封止手段は、最小限の血液漏れを達成するために、体内装置の遠位端と解剖学的壁との間の間隙(または体内装置と一次コネクタ手段との間の間隙)を封止する。膜は、好ましくは、アームおよび/またはブレードの間に延在する(例えば、傘のような)生体適合性の可撓性材料を含むかまたはそれからなる。
本発明の文脈内では、一体型遠位側構成要素は、膜から(すなわち、アームおよび/またはブレードなしで)構成されてもよい。これにより、展開時に周囲の組織に損傷を与える可能性が低い、柔軟なディフューザ/コネクタが提供される。この実施形態では、膜は、形状記憶材料、またはポンプから流れ出る流体のために作業形態を採用するであろう可撓性材料から作製することができる。
好ましくは、体内装置は、一体型拡張可能遠位側構成要素をその作業形態に押し込むための手段をさらに含む。一体型拡張可能遠位側構成要素は、その作業形態に押し込まれ、引っ張られ、および/または他の方法で補助され得ることが想定される。一体型拡張可能遠位側構成要素をその回収形態/送達形態に戻すように押し、引っ張り、および/または他の方法で補助するための手段もまた想定される。
一実施形態では、そのような手段は、体内装置の遠位端に配置された膨張可能なバルーンを含む。体内装置は、送達形態において収縮状態にあるバルーンを含んでもよい。膨張すると、バルーンは一体型拡張可能遠位側構成要素(のアームおよび/またはブレード)の展開を強制する。バルーンは、バルーンの周囲に円周方向に配置された一体型拡張可能遠位側構成要素のアームおよび/またはブレードと共に中心に配置することができる。
膨張可能なバルーンは、体内装置の一部として、または送達装置の一部として提供されてもよい。膨張可能なバルーンと流体連通する膨張ラインは、体内装置の一部として、または送達装置の一部として設けられてもよい。膨張可能なバルーンは、使用後に体内装置および/または送達装置から取り外すことができる。
細長い可撓性部材と、その一端、すなわち体内装置に連結されるように意図されている送達装置の端部にある膨張可能なバルーンと、を含む送達装置が提供されてもよい。膨張可能なバルーンを含む送達装置の端部は、一体型拡張可能構成要素を含む体内装置の端部に連結されている。体内装置が目標部位に適切に配置されると、バルーンは、一体型拡張可能構成要素の展開を補助するように膨張する。一体型構成要素が適切に拡張されると、送達装置(およびその収縮したバルーン)を体内装置から取り外して患者から取り除くことができる。
一実施形態では、連結手段は、キャップまたはシースを含む一体型連結用構成要素を含むことができる。この場合、キャップまたはシースは、体内装置と一体的に、好ましくは装置の遠位端に隣接してまたは遠位端に形成される。より好ましくは、キャップまたはシースは、拡張可能遠位側構成要素を部分的にまたは全体的に取り囲むように配置され構成される。その機能の1つは、拡張可能構成要素を非拡張形態に保つことである。例えば、拡張可能構成要素が複数の拡張可能なアーム/ブレードを含む場合には、これらはキャップまたはシースの下の送達形態で一緒に保たれるであろう。拡張可能なアーム/ブレードを解放するために、キャップ/シースは任意の適切な方法で、例えば引き裂かれるか引き戻されるように除去されてもよい。
好ましくは、体内装置は着脱可能連結用構成要素を含み、前記遠位側構成要素は送達形態から作業形態に拡張可能である。この実施形態では、「着脱可能構成要素」は、構成要素が送達プロセスの前およびその間に体内装置に取り付けられ、送達/移植の後に取り外すことができることを意味する。「連結用構成要素」とは、構成要素が体内装置を送達装置に連結する予定であることを意味する。したがって、この実施形態では、連結手段は一体型の遠位端ではなく、体内装置から取り外すことができる。
好ましくは、着脱可能構成要素は、一体型キャップまたはシースと同様であるが、この実施形態では着脱可能であるキャップおよび/またはシースを含む。体内装置の送達時に、キャップ/シースを体内装置から取り外すことができ、それによってアーム/ブレードを作業形態に解放し、患者から取り除くことができる。
着脱可能構成要素は、ねじ手段、タブ、フック、引き裂き線などを含む任意の適切な手段によって体内装置に取り付けることができる。
好ましくは、着脱可能連結用構成要素は送達装置に固定される。キャップまたはシースは、体内装置に着脱可能に連結することができるが、送達装置に固定することができる。送達プロセスの前またはその間に、体内装置は送達装置に連結され、より具体的には体内装置の遠位側構成要素がキャップまたはシースに連結される。キャップまたはシースは、送達装置に固定されるかまたはそれと一体的に形成される。体内装置が適切に送達および/または移植されると、キャップまたはシースは体内装置の遠位側構成要素から取り外され、送達装置を患者から引き出すことによって取り除かれる。
好ましい実施形態では、遠位側構成要素は、第1の形態では遠位側構成要素が展開され、第2の形態では遠位側構成要素が折り畳まれるように、弾性材料で作られるかまたはそれを含む。好ましくは、遠位側構成要素の遠位端は、着脱可能連結用構成要素(例えば、キャップまたはシース)内に収容され、着脱可能連結用構成要素内で折り畳まれた弾性遠位側構成要素の機械的な力によって取り付けが達成される。
別の実施形態では、着脱可能連結用構成要素は送達装置に固定される。送達プロセス中に、連結用構成要素は体内装置を送達装置に固定する。体内装置が適切に配置されると、連結用構成要素の取り外しにより、一体型拡張可能構成要素をその作業形態に展開することが可能になる。例えば、一体型拡張可能構成要素は、体内装置の遠位端に蝶番式に接続される複数のアームを含むことができる。アームは略L字形であり、アームの一端は外側に展開され、他端は送達装置との連結位置に噛み合わされるように、またはアームを作業位置に展開するために送達装置を引っ張ることによってレバーとして使用されるように配置され構成される。
本発明の別の態様によれば、患者内の装置送達経路を通って体内装置を経カテーテル送達するための送達装置が提供され、前記送達装置は径方向分離機構を備えるシースを備える。
本発明の別の態様によれば、患者内の装置送達経路を通って体内装置を経カテーテル送達するための送達装置が提供され、前記送達装置は、送達カテーテルと、体内装置と取り外し可能に連結するための手段と、を含む。好ましい実施形態では、送達装置は、体内装置のその目標送達部位への移植を補助するための手段をさらに含む。好ましくは、前記手段は膨張可能なバルーンを含む。
本発明の別の態様によれば、患者内の装置送達経路を介して体内装置を経カテーテル送達するためのシステムが提供され、前記システムは、上述した体内装置および上述した送達装置を含む。
本発明の文脈内では、「体内」という用語は患者の体の内側を意味する。例えば、体内装置は、患者の体内での使用および/または患者の体内への移植を目的とした装置である。「体外」という用語は、患者の体の外側を意味する。例えば、体外接続は、患者の体の外側で行われる接続である。装置が体内部分と体外部分とを含むこともまた想定される。
「経カテーテル」という用語は、経皮、経心房、経大腿(脚を通して)、経心尖(肋骨の間の胸部)、経大動脈(胸上部)、経腸骨、経心房および経腋羽を含む。好ましい実施形態は、経皮的なシステム、装置および方法である。
「経皮的」という用語は、開腹手術とは対照的に、内臓または他の組織へのアクセスが、例えば循環系への皮膚(および/または血管系)の穿刺および/または切開を通して行われる、任意の医学的処置に関して使用される。したがって、経皮的方法は、要素の経皮的送達を含み、経皮的送達を可能にするために(例えばメスを用いた)切開を含むことができる。好ましい実施形態では、本方法は、穿刺または切開によって血管系にアクセスした後に、解剖学的には分離しているが隣接している胸部器官の間で流体連通を確立するための1つまたは複数の装置の経心臓血管送達を提供する。穿刺または切開は、血管内アクセスが可能である様々な部位、例えば鼠径部、腋窩、胸部または腹部で行うことができる。
本発明の文脈内で、本明細書に記載の任意の装置およびシステムは、本明細書に記載の任意の方法と共に使用することができる。
本発明による装置、システムおよび方法は、体内装置を体内目標部位に送達することに関連して上述されている。しかしながら、本発明の文脈内で、本発明による装置、システム、および方法は、その移植部位から体内装置を回収する目的のために使用されることが想定される。
実施形態のリスト
以下は、実施形態群(それぞれ「実施形態」)として示される、本発明の可能性のある実施形態の非限定的なリストである。本明細書および図面を通して示されるように、本発明のさらなる実施形態が可能である。
実施形態1。患者内に送達するための体内装置であって、前記体内装置が近位端と遠位端とを有し、遠位端を経カテーテル送達装置に着脱可能に連結するための手段を備える、体内装置。
実施形態2。一体型拡張可能遠位側構成要素を備え、前記遠位側構成要素は送達形態から作業形態に拡張可能である、実施形態1に記載の体内装置。
実施形態3。作業形態では、一体型の拡張された遠位側構成要素が、体内装置を1つまたは複数の解剖学的壁に固定するように配置され構成される、実施形態2に記載の体内装置。
実施形態4。作業形態では、一体型の拡張された遠位側構成要素がフローディフューザである、実施形態2に記載の体内装置。
実施形態5。一体型拡張可能遠位側構成要素が、複数の拡張可能なアームおよび/またはブレードを備える、実施形態2~4のいずれか1つに記載の体内装置。
実施形態6。一体型拡張可能遠位側構成要素が、アームおよび/またはブレードの間に延在する膜を備える、実施形態5に記載の体内装置。
実施形態7。一体型拡張可能遠位側構成要素の作業形態への拡張を補助するための手段をさらに備える、実施形態2~6のいずれか1つに記載の体内装置。
実施形態8。補助手段が膨張可能なバルーンを含む、実施形態7に記載の体内装置。
実施形態9。着脱可能連結用構成要素を備え、前記遠位側構成要素が送達形態から作業形態に拡張可能である、実施形態1に記載の体内装置。
実施形態10。着脱可能構成要素がキャップおよび/またはシースを備える、実施形態9に記載の体内装置。
実施形態11。着脱可能構成要素が送達装置に連結される、実施形態9または10に記載の体内装置。
実施形態12。一体型拡張可能遠位側構成要素を備え、前記遠位側構成要素が、作業形態から回収形態に収納可能である、実施形態1に記載の体内装置。
実施形態13。回収形態では、一体型の拡張された遠位側構成要素が、前記1つまたは複数の解剖学的壁から体内装置を固定解除するように配置され構成される、実施形態12に記載の体内装置。
実施形態14。着脱可能連結用構成要素を備え、前記遠位側構成要素が、作業形態から回収形態に収納可能である、実施形態1に記載の体内装置。
実施形態15。体内装置の経カテーテル送達のための方法であって、患者内に装置送達経路を確立するステップを含み、前記装置送達経路は、少なくとも患者内への入口点から患者からの出口点まで延在する、方法。
実施形態16。入口点および/または出口点が、橈骨、鎖骨下、頸静脈、頸動脈、および/または大腿アクセス処置によって生成され、橈骨、鎖骨下、頸動脈、頸静脈および/または大腿静脈もしくは動脈からの出入りを可能にする、実施形態15に記載の方法。
実施形態17。装置送達経路が、部分的にまたは全体的に循環系内にある、実施形態15または16に記載の方法。
実施形態18。送達部位が患者の心臓内に位置する、実施形態15~17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19。送達部位が、1つまたは複数の解剖学的壁を横切っている、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20。装置送達経路の一部または全体に沿ってシースおよび/またはカテーテルを配置するステップを含む、実施形態15~19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21。体内装置を送達システムに連結するステップを含み、前記送達システムは、使用時に、少なくとも装置送達経路の入口点および出口点まで延在するように配置され構成される、実施形態15~20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22。送達システムが、装置送達経路の入口点から出口点まで延在する1つの送達装置を備える、実施形態21に記載の方法。
実施形態23。送達システムが少なくとも2つの送達装置を備え、各送達装置が体内装置の端部に連結される、実施形態21に記載の方法。
実施形態24。送達装置が、細長い可撓性部材と、前記部材の端部を体内装置に連結するための手段と、を備える、実施形態21~23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25。細長い可撓性部材が送達カテーテルを備えるか、または送達カテーテルからなる、実施形態24に記載の方法。
実施形態26。細長い可撓性部材がワイヤおよび/またはケーブルを備えるか、またはワイヤおよび/またはケーブルからなる、実施形態24に記載の方法。
実施形態27。細長い可撓性部材が、体内装置の端部を受けるための部分を含む、実施形態24~26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28。送達装置がシースを含み、前記シースが径方向分離線を含む、実施形態24に記載の方法。
実施形態29。体内に埋め込まれた装置の経カテーテル回収のための方法であって、装置送達経路を患者内に確立するステップを含み、前記装置送達経路は少なくとも患者への入口から患者からの出口まで延在する、方法。
図面および図を参照して本発明をさらに説明する。
本発明による経カテーテル送達方法およびシステムを示す図である。 前方装置送達経路を示す図である。 後方装置送達経路を示す図である。 本発明による体内装置の概略図である。 本発明による体内装置の概略図である。 本発明による体内装置の概略図である。 本発明による体内装置および送達装置の概略図である。 本発明による体内装置および送達装置の概略図である。 本発明で使用するための第1の展開機構の概略図である。 本発明で使用するための第1の展開機構の概略図である。 本発明で使用するための第2の展開機構の概略図である。 本発明で使用するための第2の展開機構の概略図である。 本発明による体内装置および送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 本発明による送達装置の概略図である。 径方向分離線を有するカテーテルまたはシースの概略図である。 径方向分離線を有するカテーテルまたはシースの概略図である。 本発明による方法における展開プロセスの概略図である。 本発明による方法における展開プロセスの概略図である。 本発明による方法における展開プロセスの概略図である。 本発明による方法における展開プロセスの概略図である。 径方向分離機構を備えた送達シースを用いた体内装置の送達および移植プロセスを示す図である。 径方向分離機構を備えた送達シースを用いた体内装置の送達および移植プロセスを示す図である。 径方向分離機構を備えた送達シースを用いた体内装置の送達および移植プロセスを示す図である。 径方向分離機構を備えた送達シースを用いた体内装置の送達および移植プロセスを示す図である。 本発明による体内装置および本発明による送達装置の概略図である。 本発明による体内装置および本発明による送達装置の概略図である。 本発明による体内装置および本発明による送達装置の概略図である。 本発明による体内装置および本発明による送達装置の概略図である。 本発明による体内装置および本発明による送達装置の概略図である。 本発明によるプロセスで使用するための、または本発明による装置と共に使用するためのガイドワイヤの概略図である。 本発明によるプロセスで使用するための、または本発明による装置と共に使用するためのガイドワイヤの概略図である。 本発明によるプロセスで使用するための、または本発明による装置と共に使用するためのガイドワイヤの概略図である。 本発明で使用するための湾曲した先端部を含むカテーテルを示す図である。 2つの解剖学的壁を横切って作業形態に配置された一次コネクタ手段を示す図である。 一次コネクタ手段と作業形態で連結された二次コネクタ手段を示す図である。 遠位解剖学的区画(例えば大動脈)からの一次および二次コネクタ手段の概略図である。 近位解剖学的区画(例えば、左心房)からの一次コネクタ手段および体内装置の概略図である。 遠位側構成要素または二次コネクタ手段を含む本発明による体内装置の概略図である。
本発明を実施例によって説明するが、それらは説明目的のためだけに提供されている。これらの例は、特許請求の範囲に定義されている保護の範囲を限定することを意図していると解釈するべきではない。例えば、様々な態様が心臓および循環器系に関して説明されてきたが、これは限定することを意図するものではなく、単に実施例を提供するために実行される。本明細書に開示する態様は、人体内に移植可能な任意の医療機器、例えば心血管系、呼吸器系、胃系、神経系などに利用することができ、移植可能ポンプおよび薬物送達ポンプを含むいくつかの例がある。本明細書で使用される「手段」という用語は、以下の用語のうちのいずれかと同等に表現されるか、またはそれに置き換えられることができる。すなわち、デバイス、装置、構造、部品、サブ部品、アセンブリ、サブアセンブリ、機械、機構、物品、媒体、材料、申請者、機器、システム、本体または同様の表現である。
図1を参照すると、患者への入口点2から患者からの出口点3まで延在する体内装置送達経路1を含む本発明による経カテーテル送達システムおよび方法が示されている。この経カテーテル法では、体内装置4が送達カテーテルまたはシース6を介して目標部位5に送達される。体内装置1は、少なくとも入口点2と体内装置4の近位端との間に延在することができる第1の送達装置6と、少なくとも体内装置4の遠位端と出口点3との間に延在することができる第2の送達装置7と、を含む装置送達システムに着脱可能に接続される。近位端Pおよび遠位端Dは、送達装置の挿入方向に対して、すなわち入口点から出口点に向かう方向に画定されている。
図1に示す実施形態では、患者の身体へのアクセスは、鼠径部領域の穿刺または切開を通して作り出され、入口点2は大腿静脈または動脈内にある。患者の身体からの出口は、頸静脈からの出口点3を有する頸部領域、または鎖骨下動脈からの出口点3を有する鎖骨領域における穿刺または切開を通して作成される。
本発明は、2つの解剖学的区画、例えば左心房LAと大動脈AOとの間の流体連通を確立するための体内装置4の移植の場面で説明される。この実施形態では、目標移植部位は、2つの別々の解剖学的壁10、11、この例では左心房の屋根および大動脈壁を横切っている。しかしながら、本発明は異なる目標部位での異なる処置に使用できることが理解される。
装置送達経路1は、少なくとも入口点2と出口点3との間に延在するが、入口点2と出口点3とを越えて延在することもできる。大腿、鎖骨下または頸静脈アクセスを介して体内使用および/または移植のための装置を挿入することは公知である。これらの技術では、装置は循環系を通って送達部位、例えば心室補助装置用の心臓まで挿入されかつ押し込まれる。本出願人自身のPCT/EP2015/055578では、装置は心房中隔の穿刺を通して押し込まれ、次にいわゆる前方送達方法で左心房の屋根と大動脈壁を横切って送達される(図2)。後方経路を介して装置を挿入することも可能である(図3)。例えば、下行大動脈を通して装置を左心房に挿入し、次に左心房の屋根と大動脈壁を横切って送達することができる。
米国特許出願第14/991662号および米国特許出願第14/991675号では、本出願人は、首部、首部の第1の端部から延在する第1の組のアーム、および首部の第2の端部から延在する第2の組のアームを含むコネクタを記載する。前方送達方法では、送達シースは心房中隔を通過して左心房に至り、大動脈内に入る。後方送達方法では、送達シースが上行大動脈の壁および左心房の屋根を通過するので、第1のアームはカテーテルを出るときに展開して左心房の屋根に対して横たわり、続いて第2のアームが展開して上行大動脈の壁に対して横たわる。後方経路は、それが障害物(例えば、穿刺される解剖学的壁、前方経路における冠状動脈および僧帽弁および大動脈弁への近接)が少ないという点で有利である。体内装置4の構造および寸法に応じて、前方方法では、必要な位置および角度を正確に達成することが困難な場合があるが、後方経路は、より大きな装置を移植することができるように、操作するためのより大きな余地を提供する。最後に、前方経路は生理学的な理由でより一般的に使用されているが、潜在的な血栓および脳卒中の危険性がある。このリスクは後方に挿入することによって最小限に抑えることができる。本発明は、前方経路および後方経路などの送達経路を利用することができる。
本発明による体内装置4は、やはり挿入方向に対して画定された近位端4Pおよび遠位端4D、ならびにその遠位端4Dを経カテーテル送達装置と着脱可能に連結するための手段を有し、その結果、体内装置4は挿入方向に引っ張られ得る。上述のように、公知の方法は、送達シースを通して体内装置を目標部位5に押すことを含む。対照的に、本発明による方法は、代替的または追加的に、体内装置4を目標部位に引っ張ることを含み、本発明による体内装置4は、目標部位5に引っ張られるための手段を含む。最も好ましくは、本発明による方法は、開業医が(体内装置が近位端と遠位端の両方から、または患者への入口点と出口点の両方から操作できるように)体内装置4を押したり引いたりすることを可能にし、本発明による体内装置4は、押したり引いたりするための手段を含む。これは、体内装置4と経カテーテル送達装置との間のいくつかの異なる相互接続によって達成することができる。本発明の文脈内で、体内装置4は、いくつかの異なるアクセス点および出口点を通して挿入され、および/またはそこから操作されてもよい。体内装置4は、その使用中の目標位置に対して前方または後方に挿入することができる。したがって、本明細書に記載の様々な相互接続は、体内装置4の遠位端、または体内装置4の遠位端と近位端の両方で(すなわち、体内装置4の遠位端4Dから第2の送達装置7の近位端まで、および体内装置4の近位端4Pから第1の送達装置6の遠位端まで)使用することができる。体内装置4がその遠位端に相互接続を含み、その近位端に別の相互接続を含むとき、両方の相互接続は同じでも異なっていてもよい。同様に、本明細書に記載の送達装置は、第1の近位送達装置6および/または第2の遠位送達装置7として使用することができる。
図4aから図4cに示す実施形態では、体内装置4は近位端4Pと遠位端4Dとを有するハウジングを含む。ハウジングは、左心房LAと大動脈AOとの間の流体の流れを調整するためのポンプを含む。体内装置4は、好ましくはその遠位端4Dに一体的に形成されるかまたは固定される複数のアームまたはブレード8を含む。図4aに示すような送達(または回収)構成では、アーム8が折り畳まれて装置4が送達カテーテル内に収まるように、アーム8の遠位端が集められている。図4bおよび図4cに示す作業形態では、展開されたアーム8が解剖学的壁に対して部分的または全体的に当接することができるようにアーム8が解放され展開される。この実施形態では、アーム8は、体内装置4を送達装置に接続し、コネクタまたはアンカとして機能するという2つの目的を果たす。一体型アーム8が解剖学的壁10、11を横切って体内装置4を固定し、前記解剖学的壁10、11を支持し保護することができるので、この体内装置4は、1つまたは複数の前記解剖学的壁10、11を横切っている目標部位に特に適している。複数のアーム8は、(本出願人の米国特許出願第14/991662号および米国特許出願第14/991675号に記載されているように)一組の短いアームおよび一組の長いアームを含み、体内装置4の円滑かつ非外傷性の解放および移植を確実にする。
好ましい実施形態では、体内装置4はその遠位端から延在する複数のアームまたはメッシュ80、800を含む。アームまたはメッシュ80、800は、作業形態では(例えば、図16aおよび図16b参照)、アーム80、800が展開され、送達形態では(例えば図16c、16d、16e参照)、アーム80、800がアーム80、800の弾力性による機械的な力によって折り畳まれ、受け部13、130内に収容されるように、弾性材料で作られる。
この配置の利点は、第1に、可撓性アームが体内装置を中央に配置することを可能にすることを含み、第2に、アームは異なる解剖学的構造に適した柔軟でより用途の広いドッキングを可能にし、第3に、アームは自己拡張型であるため、圧力をかけることなく自然に定位置に拡張し、第4に、可撓性アームを回収処置中に受動的に崩壊するかまたは折り畳むことができる。
第3の利点に関しては、処置ができる限り非外傷性であること、そして傷害、断裂および/または失血を避けるために患者の解剖学的壁にほとんど圧力をかけないことが重要である。自己拡張型アームは、目標移植部位に隣接して前進する送達カテーテル内に収容されたときに崩壊する。最適な位置決めが達成されると、アームは送達カテーテルから押し出され、それらの作業形態に自然に拡張する。したがって、解剖学的壁を横切ってまたは一次コネクタ手段50を介してアームを押すために圧力を加える必要はなく、外傷の危険性は最小限に抑えられる。第4の利点に関して、解剖学的壁からのアーム80、800の回収、または一次コネクタ手段50からの分離は、簡単で自然な方法で達成される。体内装置のアームが引き戻されて一次コネクタ手段50から引き出されると、アームは一次コネクタ手段50の首部を通過する際に自然に内側に折り畳まれる。それらは、例えば回収装置または回収シースまたはカテーテルに適合するように十分に折り畳まれる。
図5では、体内装置4を引っ張ることを目的とする遠位送達装置7は、細長い可撓性部材、この場合はワイヤまたはケーブル12、およびアーム8の遠位端を受容するための近位部分を含む。ワイヤまたはケーブル12は、体内装置4の正確な誘導を可能にするのに十分剛性であるが、患者への傷害を回避するのに十分可撓性である。受け部13は、カップ状または椀状である。受け部13は、送達中に取り付けられ、送達が成功した後に取り外されるように、アーム8に着脱可能に接続されることが好ましい。受け部13は、アーム8に着脱可能に接続するための内部接続手段を含むことができる。受け部13がアーム8から取り外されると、アーム8は解放され、それらの送達形態からそれらの作業形態に変化することができる。アーム8は、張力を介して受け部13内に保持されてもよい。アーム8は、受け部13への接続を容易にするためにアイレット9を含むことができる。アイレットはまた、アーム8の表面積を増大させ、解剖学的壁10、11をさらに支持する。
図6では、遠位送達装置7は、細長い可撓性部材、この場合はワイヤまたはケーブル12、受け部13、および近位シースもしくはキャップ14を含む。シースまたはキャップ14は、送達プロセス中に折り畳まれたアーム8を覆うように配置され構成される。シースまたはキャップ14は、膜、織物などの生体適合性材料でできている。シースまたはキャップ14は、遠位送達装置7または体内装置4のいずれかに固定されている。シースまたはキャップ14は、遠位送達装置7または体内装置4に着脱可能に接続することができる。例えば、シースまたはキャップ14は、体内装置4の遠位端に接続されるように弾性または弾性材料で作られてもよく、シースまたはキャップ14は、引き裂き可能な材料で作られてもよく、または適切に配置された引き裂き線を含んでもよく、シースもしくはキャップ14および遠位送達装置7もしくは体内装置4へのものは、タブ、ねじ止め手段、フック、スネアなどの相補的な着脱可能な接続手段を含んでもよい。遠位送達装置7は、受け部13を含んでも含まなくてもよい。アーム8の遠位端は、他の任意の適切な手段によって細長い可撓性部材12に着脱可能に接続することができる。
図7aでは、体内装置4は、アーム8の展開を補助することを目的とした膨張可能なバルーン15を含む。バルーン15は、膨張時にバルーン15がアーム8を外側に押してそれらの作業形態になるように配置され構成されている。体内装置は、バルーン15を膨張させるための膨張ライン(図示せず)を含むことが好ましい。あるいは、遠位送達装置7は、細長い可撓性部材12と、アーム8の展開を補助することを目的とした膨張可能なバルーン15と、を含む。遠位送達装置7は、バルーン15内への膨張ポート16を有する、別個の膨張ラインまたは一体化した膨張ラインを含むことができる。近位送達装置6が膨張バルーン15および膨張ラインを含むこともまた想定することができる。バルーン15は、体内装置4の送達が成功した後にバルーン15を体内装置4から取り外し、送達装置と共に患者から取り除くことができるように、遠位または近位送達装置6、7に固定されることが好ましい。
図8aおよび図8bは、アーム8の展開を補助するための異なる手段を示している。アーム8は、体内装置4に蝶番式に接続されている。遠位送達装置7は、ヒンジの周りでアーム8をそれらの作業位置に旋回させるための手段17を含む。
図9は、上述のようなハウジングと遠位フローディフューザ18とを含む体内装置4を示す。ディフューザ18は、複数のアームまたはブレード8を含むことができる。この実施形態では、アーム8は、体内装置4を送達装置に接続することと、ポンプからの流体の流れを改善および/または強化するためのフローディフューザとして作用することとの二重の目的を果たす。好ましくは、ディフューザ18は、複数のブレードを含み、前記ブレード8の間に膜が延在する。あるいは、ディフューザ18は膜を含み、アームおよびブレードを欠いていてもよい。ディフューザ18は、コネクタアームに関連して上述したように遠位送達装置7に接続されてもよく、同様に展開されてもよい。
本発明による方法では、体内装置4は、目標部位5または出口点3に向かって引っ張られるように、それが送達装置7と相互接続するための手段を含む限り、上述のように遠位の拡張可能なアームまたはブレード8を備える必要はない。体内装置4間の相互接続は、1つまたは複数のタブ、ねじ止め手段、フック、ループおよび/またはスネアなどの手段を含むことができる。
ここで、体内装置4の近位端4Pと第2の近位送達装置6との間の相互接続に目を向けると、図10a~図10dは、送達カテーテルを含む送達装置6の例を示す。送達カテーテル6は、生体適合性の可撓性材料で作られてもよい。送達カテーテル6の内径は、体内装置4をその中に保持するように、体内装置4の近位端4Pの外径と等しいかそれより小さくてもよい。これは、弾性材料を使用することによって(図10a)、またはより狭い直径の部分を含めることによって(図10b)達成することができる。送達カテーテル6は、体内装置4の押し込みを補助するための当接部として作用するための1つまたは複数のリブまたはタブを含むことができる(図10c)。送達カテーテル6および体内装置4は、ねじ止め手段(図10d)などの相補的な連結手段を含むことができる。
図11aから図11cは、ワイヤまたはケーブルを含む送達装置6の例を示す。送達装置6の主な目的が体内装置4を押すことである場合、ケーブルは適切な剛性および支持を提供するので好ましいが、患者の解剖学的構造を通してナビゲートするのに十分な柔軟性も有するべきである。ケーブル6は、体内装置4の近位端に一体的に形成または固定されてもよく(図11a)、例えば体内装置4に電気エネルギーを供給するためのケーブルであってもよい。しかしながら、体内装置に供給する電気ケーブルは可撓性である必要があるので、別個の送達装置6またはケーブルを設けることが好ましい。これは、一度患者の解剖学的構造に埋め込まれると、ケーブルが患者の心臓の鼓動を機械的に妨げる(または傷つける)べきではないためである。ケーブル6は、例えばねじ止め手段(図11b)、タブ(図11c)、フックなどを使用して体内装置4に着脱可能に接続することができる。ワイヤ/ケーブル-体内装置の組み合わせは、送達カテーテルまたはシースを通して送達されてもよい。他の構成要素または体内装置(動力伝達装置またはバッテリーなど)が必要とされる場合、それらは同じ送達カテーテルまたはシースを使用して目標部位に送達されてもよい。
本発明による方法で使用するための他の装置19を図12aおよび図12bに示す。装置19は、シース19を2つの部分19aおよび19bに分離することができるように、少なくとも1つの径方向分離線20を有するシースを含む。径方向分離線19は、引き裂き線、相補的なねじ止め手段、相補的なタブ、リブ、フックなどを含むことができる。この装置19は、装置送達経路6を画定するために使用されるものなどの外側送達シースとして有用である。装置19は、あるいは、体内装置4を送達するための装置6、7として使用されてもよい。各部分19a、19bは、送達プロセス中に体内装置4に着脱可能に接続され、送達が成功した後に分離されてもよい。
本発明の文脈内で、送達装置6、7の一方または両方は、送達装置と体内装置4との間の相互接続を遠隔制御して体内装置を遠隔で案内し操作し、および/または患者の体内の送達装置の端部を遠隔で案内し操作するための手段を含むことが想定される。
本発明による方法が、左心房の屋根と大動脈壁の向こう側に目標移植部位を有する、左心房LAと大動脈AOとの間の流体接続のための体内装置4の前方への送達および移植を参照して例として説明される。
第1のステップはガイドワイヤの挿入であり、これは当該技術分野において公知の手段によって実施することができる。切開または穿刺は、大腿静脈または動脈に隣接する患者の鼠径部領域で行われる。ガイドワイヤが大腿静脈に沿って下大静脈を上って進み、右心房に入る。右心房と左心房との間の中隔穿刺もまた、当該技術分野において公知の手段によって実行することができる。本出願人のPCT/EP2015/055578号に記載されているような穿刺器具を使用して、左心房と大動脈壁とを互いに押し付け、そして両方の壁を穿刺する。
蛍光透視法および心エコー検査法などの公知の可視化技術を使用することができる。本発明者らはまた、穿刺部位をマッピングするための技術が、心臓などの障害のある複雑な目標部位において極めて重要であり得ることを発見した。これは、穿刺ワイヤ(または針および/またはスタイレット)が壁表面から偏向する傾向がある場合があり、中心におよび特定の角度で配置されていないので、目標部位が2つの別々の解剖学的壁を横切っているときに特に当てはまる。本発明の文脈における好ましいマッピング技術は、蛍光透視法、心臓内超音波造影法(ICE)、心臓超音波心臓造影法(TCE)、胸部超音波心臓造影法(TTE)、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴撮像法(MRI)を含む。
任意の送達装置および/または送達シースは、装置を正確に位置決めし、そして穿刺部位を囲むための磁石または磁気手段を含むことができる。例えば、第1の解剖学的区画内の近位送達装置の遠位端および第2の解剖学的区画内の遠位送達装置の近位端は、穿刺される解剖学的壁の両側で2つの端部が互いに正確に出会うように、磁気結合または他の結合手段を有することができる。
穿刺が行われると、ガイドワイヤは大動脈内を鎖骨下動脈内に進み、そこでさらに動脈壁に穿刺が行われる。ガイドワイヤは、患者の頸部領域で患者の体から出る。当該技術分野で公知の方法および装置を使用して、外側送達シースがガイドワイヤの周りおよび装置送達経路6に沿って配置される。好ましい実施形態では、外側送達シースは図12に示すような装置19であり、径方向分離線20は目標部位5、この場合は左心房の屋根および大動脈壁に隣接して配置されている。入口点2と出口点3との間の送達経路6が確立される。
患者の体外では、体内装置4が挿入の準備ができている。体内装置4の遠位端4Dは複数のアーム8を含む。遠位送達装置7は、ワイヤ12と管状受け部13とを含む。アーム8の遠位端は、遠位送達装置7の受け部13内に受容されている。好ましい実施形態では、膨張可能なバルーン15を含むワイヤ21が遠位送達装置7内に予め装填されている。膨張可能なバルーン15は、体内装置4の遠位端と着脱可能に接続するための手段、この場合はねじ止め手段22を含む。別の好ましい実施形態では、送達装置7は膨張可能なバルーン15を含まず、代わりに自己拡張アーム8(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料)が使用される。近位送達装置はカテーテル6を含む。カテーテルの遠位端は、例えば相補的なねじ手段によって体内装置4の近位端4Pに接続されている。体内装置4は、両方の送達装置6、7に接続されており、挿入の準備ができている。
遠位送達装置6のワイヤ12は、最初に入口点2を通って外側送達シース19内に挿入され、出口点3で患者から出るまで前方に押される。体内装置4は、近位送達装置6を使用して押すことおよび/または遠位送達装置7を使用して引っ張ることによって、送達経路6に沿って外側シース19を通って前進し、目標送達部位5に達する。
代替的な実施形態では、体内装置4は、近位送達装置6に(体外的に)接続され、入口点2を通って挿入され、送達経路6に沿って目標送達部位5まで進む。遠位送達装置7は、出口点3を通って挿入され、送達経路6に沿って目標送達部位5まで前進し、そこで体内装置4に体内で接続される。しかし、体内装置4を遠位および近位送達装置の両方に体外接続することは、患者内での操作回数を最小限にし、したがって事故の危険性を最小限にするので好ましい。
体内装置4は、遠位送達装置7および近位送達装置6を使用して、解剖学的壁(すなわち、左心房の屋根および大動脈壁)を横切って正確かつ安全に誘導および位置決めされる。図12に示すように外側送達シースがシースである場合には、シースの遠位部分19aと近位部分19bとは互いに分離しており、遠位部分19aは患者の体から引き出される。外側送達シースが標準的な一体型送達シースである場合には、その遠位端が目標送達部位5に隣接するまで、入口点2に向かって引き戻される。ここで、体内装置4は、移植の準備ができる(図13)。
図14a~図14cを参照すると、送達装置7は、体内装置4のアーム8の端部を解放するように出口点3に向かって引き戻される(図14a)。膨張可能なバルーン15は、アーム8の展開を補助するように膨張ライン(図示せず)を使用して膨張する(図14b)。アーム8は、それらが大動脈壁10に横たわってそれらの作業位置に達するまで展開する。バルーン15は、ねじ止め手段22をねじって外すことによって体内装置4から収縮して取り外される。遠位送達装置7は、出口点3を通して患者から取り除くことができる。近位送達装置6もまた、体内装置4から取り外すことができ、入口点を通して患者から取り除くことができる。
図16aから図16eは、本発明による体内装置400の送達(または回収)のための本発明によるさらなるプロセスを示す。体内装置400は、その遠位端において、図16aおよび図16bに作業形態で示し、図16c~図16eに送達/回収形態で示す、拡張可能遠位側構成要素800を含む。体内装置400は、送達装置700に着脱可能に連結されている。この実施形態では、送達装置700は、体内装置400の内側の相補的なねじ手段(図示せず)と連結することができるねじ手段701を備えた近位端を含む。他の連結手段(クランプ手段など)も考えられるが、しかし、ねじ手段が最も単純で最も安全な連結を提供することが見出されており、それは(非)連結プロセスには非常に小さな横方向の動きしか含まれないからである。ねじ手段701は、例えば外側シャフト120に摺動可能に連結された内側シャフト702の遠位端に配置されている。外側シャフト120は、送達/回収プロセス中に拡張可能遠位側構成要素800を部分的にまたは完全に収容するように配置され構成されている近位部分130を備える(図16cから図16eを参照されたい。そこでは、遠位側構成要素800は、外側シャフト120の近位部分130によって非拡張構成に維持される)。内側シャフト702は、その遠位端において、外側シャフトリテーナ140と、例えば外側シャフトリテーナ140の内側の相補的なねじ止め手段(図示せず)と、着脱可能に連結するためのねじ止め手段(または他の連結手段)を含むことができる。連結構成(図16dおよび図16e参照)では、外側シャフトリテーナ140は、遠位側構成要素800が送達/回収形態で折り畳まれ、外側シャフト120の近位構成要素130内に部分的または完全に収容されるように外側シャフト130を固定する。その遠位端において、外側シャフトリテーナ140は、糸、ケーブル、ワイヤ、ガイドワイヤなどの細長いガイド手段150に着脱可能に連結されてもよい。外側シャフトリテーナは、ガイド手段150と連結するためのスイベル160を含むことができ、一方、ガイド手段150に対する外側シャフトリテーナ140の移動および制御を可能にする。したがって、本発明による送達装置7、700は、この段落で説明した特徴のうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。
図17aから図17cは、本明細書に記載のプロセスで使用するためのガイドワイヤ150を示す。本発明による方法では、ガイドワイヤが大腿静脈に挿入され、下大静脈に沿って右心房まで移動する。ガイドワイヤは心房中隔を横切って左心房に入り、そして大動脈内に続く。スネアが動脈系から前進してガイドワイヤの遠位先端部を捕捉し、それを所望の位置で動脈から引き出す。このプロセスで使用されるスネアは、トリローブループスネアまたは他のグースネックタイプのスネアなどとすることができる。スネアリング工程中に、スネアはガイドワイヤの柔らかくて柔軟な遠位端を把持し、ガイドワイヤは把持位置で損傷を受けたりねじれたりすることがある。ガイドワイヤのこの損傷したまたはねじれた部分は、使用するのを困難にするかまたは使用不可能にするおそれがある。例えば、損傷を受けた部分の上にカテーテルやシースなどの他の部品を通すことが困難になる。損傷したら、標準のガイドワイヤを患者の体から引き抜き、新しいガイドワイヤと交換する必要がある。本発明者らは、交換可能な遠位端151を含むガイドワイヤ150を提案する。遠位端は、例えば相補的なねじ止め手段152a、152bを用いてガイドワイヤ150に着脱可能に連結される。ガイドワイヤ150は、カテーテルまたはシースと連結するための近位手段153、例えばねじ止め手段を含むことができる。このガイドワイヤ150は、それが1つの入口点2から患者に入り、出口点3を通って出るという点で本発明の文脈において特に有利である。ガイドワイヤの端部が患者から外に出されると、患者の体を通してガイドワイヤ150全体を引き抜き、交換および再装着することを必要とせずに、ガイドワイヤ150の遠位端151を取り外し(またはねじを外し)、新しい端部151と交換することができる。
本発明者らは、本発明の文脈で使用するためのさらに新しい装置200(図17dに示す)を提案する。図17dは、湾曲した遠位先端部210(すなわち挿入方向に対して遠位)を含むカテーテル200を示す。遠位先端部210の湾曲は、体内装置、送達装置または回収装置の操作に適した角度でカテーテル200を位置決めすることを可能にする。遠位先端部210の湾曲は、操作に最適な角度を達成するために調整することができる。この修正されたカテーテル200は、アクセス、したがって操作が大動脈の小さい湾曲部および大きい湾曲部にわたって困難である左心房-大動脈処置の場面において有利である。この修正されたカテーテル200はまた、本システムの様々な装置および構成要素を操作することにより、患者の解剖学的構造、例えば大動脈の湾曲部に歪みを加える可能性があるという点で、鼠径部-鼠径部処置(または入口点が出口点に隣接する他の処置)の場面において特に有利である。この修正されたカテーテル200の使用は、前記歪みの軽減を可能にし、傷害の危険性を低下させる。
ガイドワイヤ150が患者内の装置送達経路に沿って埋め込まれると、修正されたカテーテル200は、ガイドワイヤ150に沿って、例えば、鼠径部領域の出口点3から大腿動脈を通って下行大動脈を上がり、それから大動脈弓の上を進んで、目標移植部位に適切な角度で配置され得る。好ましい実施形態では、図16aから図16eに示すような送達装置700は、ガイドワイヤ150によって誘導され支持されるように、修正されたカテーテル200を通って進み、そこから出る。送達装置700は、目標移植部位における送達装置700と、ガイドワイヤ150と、一次および二次コネクタ手段40、80との間の相互作用のために正しい位置に配置され、正しい角度に配置される。
上述の実施形態では、体内装置4、400の遠位側構成要素8、800は、左心房11の屋根や大動脈壁10などの解剖学的壁に体内装置4、400を固定するためのコネクタまたはアンカとして機能することができる。
したがって、本発明者らは、2つ以上の解剖学的壁を互いに接触させるための一次コネクタ手段50と、体内装置4を一次コネクタ手段50に固定するための二次コネクタ手段80を含む体内装置4と、を含む体内システムを提案する。本発明はまた、体内装置4を2つ以上の解剖学的壁を互いに接触させるための一次コネクタ手段50に固定するための二次コネクタ手段80を含む前記体内装置4に関する。一次接続手段50は、作業形態において解剖学的壁を横切って着座する首部51と、作業形態において遠位解剖学的区画(例えば大動脈)の壁に略沿って横たわる第1の組のアーム52と、作業形態において、近位の解剖学的区画(例えば、左心房)の壁に略沿って横たわる第2の組のアーム53と、を含むことができる。図18aは、2つの解剖学的壁を横切って作業形態に配置された一次コネクタ手段を示し、図18bは、一次コネクタ手段と作業形態で連結された二次コネクタ手段を示し、図18cは、遠位解剖学的区画(例えば大動脈)からの一次および二次コネクタ手段の概略図であり、図18dは、近位解剖学的区画(例えば、左心房)からの一次コネクタ手段および体内装置の概略図である。
送達/回収形態では、アーム52、53は首部51の近位端および遠位端から略長手方向に延在する。一次コネクタ手段50の例は、本出願人の他の特許出願、PCT/EP2015/055578、PCT/EP2016/082889、およびPCT/EP2017/050275に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。好ましい実施形態では、アーム52および/または53は、アーム52、53上への組織の成長を防止しながら、解剖学的壁を適切に支持するために、解剖学的壁から離れて湾曲している。
本発明は、装置送達プロセスに関して説明された。しかしながら、本発明は装置回収プロセスに関連して使用されてもよいことが想定される。回収プロセスでは、ガイドワイヤおよび外側シースは、送達プロセスに関連して上述したように配置される。遠位送達回収装置7(ここでは遠位回収装置7)は出口点3を通して挿入され、そして体内装置4の遠位端4Dに接続される。近位送達装置7(ここでは近位回収装置6)を、入口点2を通して挿入し、体内装置4の近位端4Dに接続する。体内装置4は、正確かつ安全に移植位置から外れ、患者の体から取り除くことができる。
別の実施形態では、体内装置4は、本出願人のPCT/EP2015/055578号に記載されているように、2つの区画LA、AOの間の流路のための首部41と、作業形態において大動脈壁10に接する予定である第1の組のアーム8aと、作業形態において左心房11の屋根に横たわる予定である第2の組のアーム8bと、を含むコネクタ40であってもよい。このコネクタ40は、上述のポンプなどの第2の体内装置を固定するために使用されるときに特に有用であり、前記ポンプは一体型のアームの組(コネクタ)を含まない。
図15a~図15dを参照すると、アンカ40は、径方向分離機構20を備えた送達シース19を通って目標部位5に送達される。首部41および分離線20は、解剖学的壁10、11を横切って配置される(図15a)。カテーテル部分19a、19bは互いに分離されている(図15b)。近位カテーテル部分19bを引き戻して心房アーム8bを解放する。心房アーム8bは、拡張して左心房11の屋根に対して作業形態になる。その後に、遠位カテーテル部分19aを引き戻して大動脈アーム8aを解放する。大動脈アーム8aは、拡張して大動脈壁10に対して作業形態になる。ここでコネクタ40はその作業形態に埋め込まれ、ここで、体内装置4(例えばポンプ)を本発明による方法および装置を使用して送達することができる。
本発明による方法では、解剖学的壁は、左心房と大動脈との間の区画間空間への血液漏れの危険性を最小にするように、コネクタ(一体型または別個のコネクタ)によって一緒に保持されることが好ましい。さらに、コネクタの使用はまた、2つの解剖学的壁を横切って体内装置4を移植するプロセスの間に壁が摺動または移動しにくいという点でも有利である。体内装置4がコネクタ40(一体型または別個のコネクタ)なしで移植される場合、好ましくは、この方法は、当該技術分野において公知の手段によって2つの解剖学的壁を互いに縫合および/またはステープル留めする追加の工程を含む。したがって、追加のコネクタ装置(一体型または別個のコネクタ)は必要とされない。
したがって、上記の説明から、本発明は体内装置の送達または回収のための多用途で正確な方法を提供することが理解されよう。本発明はまた、前記方法で使用するためのシステムおよび装置を提供する。

Claims (13)

  1. 患者内の体内目標部位に体内装置を送達するためのシステムであって、
    少なくとも前記患者内への入口点から前記患者からの別の出口点まで延びるように構成される装置送達経路を通して送達されるように構成される体内装置と、
    第1の近位側の経カテーテル送達装置および前記第1の近位側の経カテーテル送達装置とは別個の第2の遠位側の経カテーテル送達装置を含む少なくとも2つの送達装置と、を備え、
    前記患者内への挿入後に前記体内装置を前記入口点と前記出口点の両方から操作し、前記体内目標部位に向けて誘導することを可能にするために、前記体内装置が、前記近位側の経カテーテル送達装置に取り外し可能に連結された近位端と、前記遠位側の経カテーテル送達装置に取り外し可能に連結された遠位端とを有し、
    前記体内装置が、前記体内目標部位にある1つまたは複数の解剖学的壁を横切って移植されるように構成されることで、前記体内装置の前記近位端が、前記1つまたは複数の解剖学的壁の近位側に配置され、前記体内装置の前記遠位端が、前記1つまたは複数の解剖学的壁の遠位側に配置され、
    前記近位側の経カテーテル送達装置が、前記入口点を通して配置されるように構成され、前記体内装置の前記近位端まで延び、前記遠位側の経カテーテル送達装置が、前記出口点を通して配置されるように構成され、前記体内装置の前記遠位端まで延びる、システム。
  2. 前記体内装置が、一体型の拡張可能な遠位側構成要素を備え、前記遠位側構成要素が送達形態から作業形態に拡張可能である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記作業形態では、一体型の拡張された前記遠位側構成要素が、前記体内装置を前記1つまたは複数の解剖学的壁に固定するように配置され構成される、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記作業形態では、一体型の拡張された前記遠位側構成要素がフローディフューザとなる、請求項2に記載のシステム。
  5. 一体型の拡張可能な前記遠位側構成要素が、複数の拡張可能なアームおよび/またはブレードを備える、請求項2に記載のシステム。
  6. 一体型の拡張可能な前記遠位側構成要素が、前記アームおよび/またはブレードの間に延在する膜を備える、請求項5に記載のシステム。
  7. 一体型の拡張可能な前記遠位側構成要素の前記作業形態への拡張を補助するための手段をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
  8. 前記補助するための手段が膨張可能なバルーンを含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記体内装置が、着脱可能な連結用構成要素を備え、前記着脱可能な連結用構成要素が送達形態から作業形態に拡張可能であり、前記着脱可能な連結用構成要素が、前記遠位側の経カテーテル送達装置に連結される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記着脱可能な構成要素がキャップおよび/またはシースを備える、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記体内装置が、一体型の拡張可能な遠位側構成要素を備え、前記遠位側構成要素が、作業形態から回収形態に収納可能である、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記回収形態では、一体型の拡張された前記遠位側構成要素が、前記1つまたは複数の解剖学的壁から前記体内装置を固定解除するように配置され構成される、請求項11に記載のシステム。
  13. 記着脱可能な連結用構成要素が、作業形態から回収形態に収納可能である、請求項に記載のシステム。
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