JP7303960B1 - 氷河融雪水流出量の推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
定方法に関する。
などの方法がある。回帰分析法は、融雪流出深さとその影響要素間の関数関係を求めるも
のであり、影響要素は一般に気象要素に基づく。氷河融解連成シミュレーションでは、氷
河の固体状態、液体状態および氷融解に影響を与える熱の3つの平衡関係を連成させて氷
河融雪水流出量を計算する必要がある。以上の方法は、氷河の水流量の監視データに大き
く依存しているが、高海抜山岳地帯では氷河融雪水流出量の監視が困難であるため、いず
れの方法も推定精度を保証することができない。
氷河が存在する高海抜山岳地帯では、氷河融雪水流出量の監視が困難であるという特徴が
あるため、氷河融雪水流出量を相対的正確に推定する方法は大きな不確実性がある。
監視という特徴のため、氷河融雪水流出量を相対的正確に推定する方法を確立することが
困難であることである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
本発明が提供する氷河融雪水流出量の推定方法は、包括:
S1、氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを計算するステップと、
前記氷河の地理的分布情報は氷河面積、氷河のベクトル境界データを含み、
前記駆動データの計算方法は、気象データを補間し、降水雨と降雪を分離し正積温度を計
算した後、駆動データを取得し、
前記気象データは、氷河表面の気温、氷河表面の降水量を含み、前記降水量は降雪量と降
雨量を含み、
前記駆動データは、氷河表面月降雨量、氷河表面月降雪量、氷河表面正積温度、デジタル
標高モデルを含み、
S2、氷河融解をシミュレーションし:前記氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を
比較して、氷河の月融雪量と月融氷量を得、次に度日係数モデルの融解原理式を用いて氷
河表面物質収支量、つまり氷河体積変動量を計算し、最後に氷河体積変動量を面積-体積
変換式に代入して氷河面積変動量を計算するステップと、
S3、氷河融雪水流出量を計算し:前記氷河面積変動量と氷河表面物質収支量から氷河融
雪水流出量を計算するステップとを含む。
本発明の一側面として、気象データを補間することは、
S1011、気象観察所の経度、緯度、海抜および気象観察所が観察した気象データを用
いて、月気象データと気象観察所の経度、緯度、海抜間の補間式を確立することと、
S1012、デジタル標高モデルを用いて各氷河を等間隔の氷河海抜帯に切断し、氷河海
抜帯の経度、緯度、海抜を取得し、ステップS1011で得られた補間式に各氷河海抜帯
中心の経度、緯度、海抜を月ごとに代入し、各氷河海抜帯の月気象データを取得し、各氷
河海抜帯の月気象データは、各氷河海抜帯の月降水量、各氷河海抜帯の月平均気温を含む
ことを含む。
本発明の一側面として、降水雨と降雪分離処理以下のことを含み、
降水雨と降雪分離処理は、以下のステップを含み:
S1021、気象データを補間した後、各氷河海抜帯の月降水量を得、二重臨界温度法に
より各氷河海抜帯の月降水量を雨雪分離処理を行い、前記雨雪分離処理の計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は月平均気温であり、単位は℃であり、
は降雪臨界気温であり、単位は℃であり、
は降雨臨界気温であり、単位は℃であり、
は分割海抜帯数、mは一融解周期内の月数であり、
S1022、誤差修正:
気象観察所が観察した降水の誤差を考慮し、降雨と降雪の誤差を修正し、前記誤差修正の
計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降雨量であり、単位はmmであり、
は降雨の修正係数であり、
は降雪の修正係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
本発明の一側面として、正積温度計算は以下のことを含み、
気象データを補間した後、各氷河海抜帯の月平均気温を得、各氷河海抜帯の月平均気温を
積分して氷河表面正積温度を取得し、氷河表面正積温度の計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の氷河表面正積温度であり、Tは計算期間内の平均温度であ
り、単位は℃であり、
は第m月内の各時点気温であり、単位は℃であり、
は気温分布の標準差であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
本発明の一側面として、氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を比較して、氷河の月
融雪量と月融氷量を得ることは、以下のことを含み:
潜在的な融雪正積温度は氷河表面積雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、氷河表
面積雪は新降雪と古降雪を含み、今月降雪を新降雪として設定し、前月に融けきれなかっ
た雪を古降雪として設定し、潜在的な融雪正積温度の計算式は、
であり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、固定定数の値は2.5mm d-1
℃-1であり、
は古降雪の度日係数であり、
は分割海抜帯数でありmは一融解周期内の月数であり、
古降雪の度日係数
の計算式は、
であり、上式において、
は氷河緯度であり、単位は°であり、
は氷河経度であり、単位は°であり、
は氷河末端海抜高度であり、単位はmであり、
は年平均気温であり、単位は℃であり、
は年降水量であり、単位はmmであり、
氷河表面正積温度と潜在的な雪が融けるのに必要な正積温度を比較して、氷河の月融雪量
と月融氷量を得、氷河の月融雪量と月融氷量の計算式は、
であり、上式において、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月総正積温度であり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は雪の月融解量であり、
は氷河融解の度日係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数であり、
今月氷河表面の雪が完全に融けなかったとき、氷河表面のすべての雪が来月古降雪として
蓄積され、来月古降雪の計算式は、
であり、上式において、
は来月古降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
本発明の一側面として、度日係数モデルの融解原理式を用いて氷河表面物質収支量を計算
することは、以下のことを含み、
融解原理式を用いて一融解周期内氷河の物質収支量を計算し、融解原理式は、
であり、上式において、
は単一氷河の物質収支量であり、mは一融解周期内の月数であり、nは単一氷河の氷河海
抜帯数であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は氷河表面積雪の変動量であり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は今月降雨総量であり、単位はmmであり、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数であり、
氷河体積変動量を面積-体積変換式に代入することにより氷河面積変動量を計算すること
は、以下のことを含み、
一融解周期後の次の融解周期の氷河初期面積を計算し、前記次の融解周期の氷河初期面積
の計算式は面積-体積変換式であり、面積-体積変換式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は単一氷河の物質収支量であり、
は現在融解周期の氷河初期体積であり、
は較正の第1固定パラメータであり、
は較正の第2固定パラメータであり、
次の融解周期の氷河初期面積を取得した後、現在融解周期内氷河縮小量を計算し、現在融
解周期内氷河縮小量の計算式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は現在融解周期の氷河初期面積であり、
は2つの融解周期内氷河縮小量、つまり氷河面積変動量であり、
のとき、氷河末端が縮小し、末端縮小量が氷河総面積変動量であり、以下の2つの場合を
含み:
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも小さいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積がそれ
に対応して減少し、
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも大きいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積が完全
に消え、かつ第2海抜の氷河海抜帯面積がそれに対応して減少し、
のとき、氷河面積が増加し、その増加則と縮小則が逆であり、末端海抜帯面積が初期分布
面積を満たすときのみ、氷河末端がより低い海抜帯へと増加し、
のとき、氷河面積が変動しない。
本発明の一側面として、氷河融雪水流出量の計算式は、
であり、上式において、
は氷河融雪水流出量であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は第
の氷河海抜帯の第月の氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第月の雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は氷河帯の降雨量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第融解周期の氷河面積であり、単位はkm2であり、
は前回融解周期の氷河面積にステップS2の氷河面積変動量
を累積して得、前記氷河表面物質収支量は
、
累積の合計であり、
は分割海抜帯数であり、 yは融解周期であり、nは単一氷河の氷河海抜帯数であり、mは
一融解周期内の月数である。
本発明の一側面として、推定モデルの融解周期が1年であり、融解周期開始時間が10月
であり、終了時間が翌年9月であり、前記ステップS1、ステップS2の計算周期が月で
あり、前記ステップS3では各月累積氷河融雪水流出量から各融解周期の氷河融雪水流出
量を求める。
本発明は、氷河融雪水流出量モデルの正積温度計算、雨雪分離および度日係数較正過程中
におけるパラメータ不確実性の欠点を改善し、既存の研究に基づいて、それぞれ正積温度
計算時間スケールを小さい時間スケールに改善し、雨雪分離気温を空間不均一パラメータ
に改善し、かつこれを基に、氷河カタログデータから氷河度日係数の較正スキームを確立
する。改善されたパラメータ化スキームは、地上気象観察所のデータおよび氷河カタログ
データのみから各氷河の独立したパラメータ組み合わせを得ることができ、かつ新しいパ
ラメータ化スキームの度日係数モデルが各氷河の変動特徴をシミュレーションすることも
できる。
1 氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを用意する
2 氷河融解をシミュレーションする
3 氷河融雪水流出量を計算する
正積温度とは、ある期間または成長期内の0℃を超える日平均気温の合計を指す。
デジタル標高モデル(Digital Elevation Model、DEM)とは、
限られた地形標高データによる地面地形のデジタルシミュレーション(つまり地形表面形
態のデジタル表現)であり、地面の標高を順序付けられた値の配列の形で表現した固体地
面モデルであり、デジタル地形モデル(Digital Terrain Model、D
TM)の一分野であり、ここから他の様々な地形特徴値を導き出すことができる。DTM
は一般に、標高を含む様々な地形要素因子(傾斜、傾斜方向、傾斜変動率などの因子を含
む)の線形・非線形の組み合わせによる空間分布と考えられており、DEMはゼロ次数の
単一デジタル地形要素モデルであり、その他の傾斜、傾斜方向、傾斜変動率などの地形要
素特徴はDEMに基づいて導き出すことができる。
度日係数モデル:度日係数モデルは氷河融解量と気温関係に基づく統計モデルであり、度
日係数(mm d-1 ℃-1)は氷雪表面エネルギー移動と変換過程を簡略化して表現した
ものであり、その空間変動特徴は氷河融解シミュレーションの精度に大きく影響する。度
日係数は一般に一定期間の平均気温または正積温度を気温因子(temperature
index)としてエネルギー入力を特徴付ける。入力データが平均気温の場合、一定
期間の平均気温が0以下であれば、その間に0℃を超える瞬間があることを考慮して、氷
雪融解の臨界温度を氷点下に設定する必要がある。氷河の気候変動に対する感度は度日係
数の大きさによって特徴付けられ、度日係数が大きいほど氷河の気候変動に対する感度が
高いことを示す。氷河スケールでは、度日係数は氷河帯融解と気温観察計算によって取得
され、地域/地球スケールでは、度日係数は大きいな空間時間変動を有する。地域/地球
氷河シミュレーションへの度日モデルの適用では、氷河氷と雪の度日係数を典型的な氷河
物質収支観察データに基づいて較正し、さらにそれを各氷河に拡張している。
二重臨界温度法:降雨と降雪臨界気温を別々に統計的に設定し、気温が降雨臨界気温より
も高い場合、降水種類を100%降雨とし、気温が降雪臨界気温よりも低い場合、降水を
100%降雪とし、気温が2つの臨界気温間にある場合、気温と雨雪比間の線形関係から
降雨と降雪の割合をそれぞれ計算する方法である。
本実施例は氷河融雪水流出量の推定方法であり、氷河融解度日係数モデルに関する。気温
とエネルギー平衡要素間に高い相関があり、かつ気温を容易に入手できることから、気温
は氷河融解モデルにおいてエネルギー入力を特徴付ける唯一のパラメータ(Braith
waite と Olesen 1989、Hock、 2003)となっている。Brai
thwaite とOlesen(1989)は、氷河融解と正積温度とより密接に相関
し、したがって、度日係数の融解原理はしばしば次のように表され:
上式において、Mは一定期間の総氷河融解量であり、PDDは一定期間内の正積温度であ
り、DDFは氷河融解の度日係数であり、単位はmm℃-1d-1である。氷雪融解原理が
同じであるので、上記式で積雪融解を計算し、積雪融解量を計算するとき、DDFは雪の
度日係数である。
本実施例の推定モデルの融解周期が1年であり、融解周期開始時間が10月であり、終了
時間が翌年9月であり、氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを用意し、月を時間
スケールとして氷河融解をシミュレーションし、本実施例の推定方法は以下のステップを
含み:
S1、氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを計算し、
駆動データの計算方法は以下のとおりであり、気象データを補間し、降水雨と降雪分離処
理および正積温度計算の後、駆動データを得、駆動データは氷河表面月降雨量、氷河表面
月降雪量、氷河表面正積温度を含む。
上記ステップでは、気象データは、氷河表面の気温、氷河表面の降水量を含み、降水量は
降雪量と降雨量を含み、氷河の地理的分布情報は氷河面積、氷河のベクトル境界データを
含み、駆動データはデジタル標高モデルをさらに含む。
上記氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを用意するステップでは、気象データは
、氷河表面の気温、氷河表面の降水量を含み、降水量は降雪量と降雨量を含み、氷河の地
理的分布情報は、氷河面積、氷河のベクトル境界データを含み、駆動データはデジタル標
高モデルをさらに含む。
上記ステップでは、気象データを補間することは以下のことを含み、
S1011、気象観察所の経度、緯度、海抜および気象観察所が観察した気象データを用
いて、月気象データと気象観察所の経度、緯度、海抜間の補間式を確立する。
上記補間式は温度補間式と降水量補間式を含む。
温度補間式は、
であり、上式において、
は第1个気象観察所が観察した第m月の気温であり、単位は℃であり、
は第2个気象観察所が観察した第m月の気温であり、単位は℃であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の気温であり、単位は℃であり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の経度と気温のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の経度と気温のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の経度と気温のフィット関係関数であり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の緯度と気温のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の緯度と気温のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の緯度と気温のフィット関係関数であり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の海抜と気温のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の海抜と気温のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の海抜と気温のフィット関係関数であり、
は第1定数項であり、
降水量補間式は、
であり、上式において、
は第1の気象観察所が観察した第m月の降水量であり、単位はmmであり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の降水量であり、単位はmmであり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の降水量であり、単位はmmであり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の経度と降水量のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の経度と降水量のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の経度と降水量のフィット関係関数であり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の緯度と降水量のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の緯度と降水量のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の緯度と降水量のフィット関係関数であり、
は第1の気象観察所が観察した第m月の海抜と降水量のフィット関係関数であり、
は第2の気象観察所が観察した第m月の海抜と降水量のフィット関係関数であり、
は第kの気象観察所が観察した第m月の海抜と降水量のフィット関係関数であり、
は第2定数項である。
S1012、デジタル標高モデルを用いて各氷河を等間隔の氷河海抜帯に切断し、氷河海
抜帯の経度、緯度、海抜を取得し、ステップS1011で得られた補間式に各氷河海抜帯
中心の経度、緯度、海抜を月ごとに代入し、各氷河海抜帯の月気象データを取得し、各氷
河海抜帯の月気象データは、各氷河海抜帯の月降水量、各氷河海抜帯の月平均気温を含む
。
本実施例では、正積温度が氷河表面に作用された場合、一般的にデフォルトで積雪が完全
に融解した後に氷の融解が始まる。そのため、融解をシミュレーションする前に、まず氷
河表面の気温と降水量を取得する必要がある。単一氷河が分布する海抜範囲が広く、気温
と降水とも海抜勾配が存在するため、本実施例ではデジタル標高モデル(30m×30m
)を用いて各氷河を30m間隔の氷河海抜帯に分割する。
上記ステップでは、降水雨と降雪分離処理は以下のことを含み、
S1021、気象データを補間した後、各氷河海抜帯の月降水量を得、二重臨界温度法(
Vehvilainen、1992)により各氷河海抜帯の月降水量を雨雪分離処理を行
い、前記雨雪分離処理の計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は月平均気温であり、単位は℃であり、
は降雪臨界気温であり、単位は℃であり、
は降雨臨界気温であり、単位は℃であり、
は分割海抜帯数、mは一融解周期内の月数であり、
S1022、誤差修正:
気象観察所が観察した降水の誤差を考慮し、降雨と降雪の誤差を修正し、前記誤差修正の
計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降雨量であり、単位はmmであり、
は降雨の修正係数であり、
は降雪の修正係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
上記ステップでは、正積温度計算は以下のことを含み、
気象データを補間した後、各氷河海抜帯の月平均気温を得、各氷河海抜帯の月平均気温を
積分して氷河表面正積温度を取得し、従来モデルでは、月正積温度PDDは月内正日平均
気温を累積して取得することができるが(Braithwaiteら、1993)、計算
結果の精度が低い。Reeh(1991)は年内気温が正規分布であると考えるため、本
実施例では、氷河表面正積温度の計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の氷河表面正積温度であり、Tは計算期間内の平均温度であ
り、単位は℃であり、
は第m月内の各時点気温であり、単位は℃であり、
は気温分布の標準差であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
S2、氷河融解をシミュレーションし:前記氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を
比較して、氷河の月融雪量と月融氷量を得、次に度日係数モデルの融解原理式を用いて氷
河表面物質収支量、つまり氷河体積変動量を計算し、最後に氷河体積変動量を面積-体積
変換式に代入して氷河面積変動量を計算する。
上記ステップでは、氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を比較して、氷河の月融雪
量と月融氷量を得ることは、以下のことを含み、
であり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、固定定数の値は2.5mm d-1
℃-1であり、
は古降雪の度日係数であり、
は分割海抜帯数でありmは一融解周期内の月数であり、
古降雪の度日係数
の計算式は、
であり、上式において、
は氷河緯度であり、単位は°であり、
は氷河経度であり、単位は°であり、
は氷河末端海抜高度であり、単位はmであり、
は年平均気温であり、単位は℃であり、
は年降水量であり、単位はmmであり、
氷河表面正積温度と潜在的な雪が融けるのに必要な正積温度を比較し、氷河表面正積温度
が潜在的な融雪正積温度以下であると、その月に雪のみが融け、氷河表面正積温度が潜在
的な融雪正積温度より大きい場合、その月に雪と氷の両方が融け、氷河の月融雪量と月融
氷量を取得し、
実際の融解過程では、氷雪昇華/蒸発過程が融解過程と同時に起こるが、大規模な研究デ
ータがなく、かつ昇華/蒸発の一部が凝結/凍結で相殺されることから、推定モデルでは
氷雪の蒸発/昇華量の融解への影響を無視する。
氷河の月融雪量と月融氷量の計算式は、
であり、上式において、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月総正積温度であり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、新降雪の度日係数は古降雪の度日係
数より一般に変動が少なく、先行研究の結果、新降雪の度日係数は1.8~2.7 mm
d-1 ℃-1であり、一般には2.5 mm d-1 ℃-1とし、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は雪の月融解量であり、
は氷河融解の度日係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数であり、
今月氷河表面雪が完全に融けなかったとき、氷河表面のすべての雪が来月古降雪として蓄
積され、来月古降雪の計算式は、
であり、上式において、
は来月古降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
上記ステップでは、度日係数モデルの融解原理式を用いて氷河表面物質収支量を計算する
ことは、以下のことを含み、
氷河は高海抜から低海抜まで複雑に運動しており、その運動速度が氷床地形、氷河性質お
よび氷河が位置する気候環境などに影響される(CuffeyとPaterson、20
10)。氷河運動は、氷河力学の数値モデルでシミュレーションすることができるが、地
域範囲内で、各氷河の運動状態をシミュレーションすることは難しく、かつシミュレーシ
ョン精度を検証することは困難である。一般に、氷河後退は主に氷河末端の氷舌に位置す
ると考えられる。したがって、このモデルでは、氷河面積変動は各氷河の最低海抜の海抜
帯でのみ発生し(MollerとSchneider、2010)、かつ面積変動は一融
解周期の後にのみ発生する。
氷雪融解量から、融解原理式を用いて一融解周期内の氷河の物質収支量を計算し、融解原
理式は、
であり、上式において、
は単一氷河の物質収支量であり、mは一融解周期内の月数であり、nは単一氷河の氷河海
抜帯数であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は氷河表面積雪の変動量であり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は今月降雨総量であり、単位はmmであり、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である。
上記ステップでは、氷河体積変動量を面積-体積変換式に代入して、氷河面積変動量を計
算することは、以下のことを含み、
Bahrらは(1997)山岳氷河面積と体積間に一定の相関関係があることを統計的に
明らかにして、それに基づいて氷河面積-体積変換法を確立し:
上式において、Vは氷河体積であり、Aは氷河面積であり、
とはそれぞれ較正の固定パラメータである。氷河面積-体積変換法から以下のように推論
され:
一融解周期後の次の融解周期の氷河初期面積を計算し、前記次の融解周期の氷河初期面積
の計算式は面積-体積変換式であり、面積-体積変換式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は単一氷河の物質収支量であり、
は現在融解周期の氷河初期体積であり、
は較正の第1固定パラメータであり、
は較正の第2固定パラメータであり、
次の融解周期の氷河初期面積を得た後、現在融解周期内の氷河縮小量を計算し、現在融解
周期内の氷河縮小量の計算式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は現在融解周期の氷河初期面積であり、
は2つの融解周期内氷河縮小量、つまり氷河面積変動量であり、
のとき、氷河末端が縮小し、末端縮小量が氷河総面積変動量であり、以下の2つの場合を
含み:
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも小さいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積がそれ
に対応して減少し、
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも大きいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積が完全
に消え、かつ第2海抜の氷河海抜帯面積がそれに対応して減少し、
のとき、氷河面積が増加し、その増加則と縮小則が逆であり、末端海抜帯面積が初期分布
面積を満たすときのみ、氷河末端がより低い海抜帯へと増加し、
のとき、氷河面積が変動しない。
S3、氷河融雪水流出量を計算し:前記氷河面積変動量と氷河表面物質収支量から氷河融
雪水流出量を計算する。
上記ステップでは、氷河融雪水流出量の計算式は、
であり、上式において、
は氷河融雪水流出量であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は第
の氷河海抜帯の第月の氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第月の雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は氷河帯の降雨量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第融解周期の氷河面積であり、単位はkm2であり、
は前回融解周期の氷河面積にステップS2の氷河面積変動量
を累積して得、前記氷河表面物質収支量は
、
累積の合計であり、
は分割海抜帯数であり、 yは融解周期であり、nは単一氷河の氷河海抜帯数であり、mは
一融解周期内の月数である。
氷河流出量の定義は、研究目的の違いから様々なものがある。しかし、より一般的な定義
では、3つのカテゴリーがあり:
(1)融氷流出量(純氷流出量(Pure glacier runoff)):氷河融解
過程で、氷が融けて発生する流出量を指し、その流出深さが融氷量であり、流出量は実時
氷河面積であり、
(2)氷河流出量:融氷流出量、融雪流出量および降雨流出量の合計である。その流出深
さは氷河表面物質収支量であり、流出面積は実時氷河面積であり、
(3)氷河帯流出量は、氷面流出および氷河融解後の裸地流出を含み、氷河融解の地域流
出量に与える影響を測定するためによく利用される。氷河帯流出量の流出面積は氷河初期
面積で、氷河帯流出深さは氷河流出量と一致し、裸地流出深さは融雪と降雨量である。
本実施例の推定モデルは第2の定義に従って氷河流出量を計算し、氷河流出量の計算式は
、
であり、上式において、
は氷河融雪水流出量であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は第
の氷河海抜帯の第月の氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第月の雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は氷河帯の降雨量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第融解周期の氷河面積であり、単位はkm2であり、
は前回融解周期の氷河面積にステップS2の氷河面積変動量
を累積して得、前記氷河表面物質収支量は
、
累積の合計であり、
は分割海抜帯数であり、 yは融解周期であり、nは単一氷河の氷河海抜帯数であり、mは
一融解周期内の月数である。
本実施例の推定モデルのモデル較正と検証
度日係数モデルで最も重要なパラメータである氷雪度日係数は、観察が困難なため直接入
手できないことが多い。また、空間的な不均一が強く、環境に敏感であるため、地域的に
、あるいは単一氷河の海抜勾配が不規則であることが原因である(張勇ら、2016)。
そのため、補間によりすべてのシミュレーションユニットの度日係数を取得ことも困難で
ある。したがって、分散型氷河度日係数モデルは一般に地域、グリッドまたは単一氷河の
度日係数を較正して取得する。また、大規模な度日係数モデルの中には、気温と降水を較
正して調整する。通常、次のような手順でモデルを導き出すことができ:
(1)地域内または地域付近の限られた観察データを比較し、初期パラメータ値を設定す
る。既存の研究からパラメータ範囲を直接設定する。
(2反復演算により、異なる入力パラメータに対応するシミュレーション結果を得る。
(3)対応の観察値とシミュレーション値を比較して最適なパラメータを選択する。
すべてのモデルパラメータを決定した後、対象地域の氷河をシミュレーションし、そのシ
ミュレーション結果の精度はモデル検証によって取得される。観察データ数の制約にもよ
り、初期のモデル検証は観察データのあるいくつかの氷河に限られ、検証データは一般に
ある時刻の氷河面積、物質収支量、または計算で取得できる物質収支線の高さなどである
。HussとHock(2015)は、単一氷河で地域モデル結果を検証すると、重大な
シミュレーション誤差を引き起こす可能性があると主張した。
氷河の研究と発展に従って、氷河観察データ量が増加し、現在、氷河モデルは各氷河単位
で検証する傾向が強くなり、検証データは氷河面積だけでなく、物質収支量も含む。その
同時に、同位体分離などの手法で得られた地域氷河融雪水流出量も、氷河モデルの精度を
検証するために利用する。本方法におけるモデル較正と検証の精度は改善されたナッシュ
係数NSE(Nash-Sutcliffecoefficient)(Nash和Su
tcliffe,1970、陳仁昇ら,2003)と決定係数R2(coefficien
tofdetermination)によって評価され:
上式において、
は観察値であり、
は観察値の平均値であり、
はシミュレーション値である。NSEとR2のどちらかの値が1に収束すればするほど、
シミュレーション値の精度が上がる。
Claims (6)
- S1、氷河の地理的分布情報を取得して駆動データを計算するステップと、
前記氷河の地理的分布情報は氷河面積、氷河のベクトル境界データを含み、
前記駆動データの計算方法は、気象データを補間し、降水雨と降雪を分離し正積温度を
計算した後、駆動データを取得し、
前記気象データは、氷河表面の気温、氷河表面の降水量を含み、前記降水量は降雪量と
降雨量を含み、
前記駆動データは、氷河表面月降雨量、氷河表面月降雪量、氷河表面正積温度、デジタ
ル標高モデルを含み、
S2、氷河融解をシミュレーションし:前記氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を
比較して、氷河の月融雪量と月融氷量を得、次に度日係数モデルの融解原理式を用いて氷
河表面物質収支量、つまり氷河体積変動量を計算し、最後に氷河体積変動量を面積-体積
変換式に代入して氷河面積変動量を計算するステップと、
S3、氷河融雪水流出量を計算し:前記氷河面積変動量と氷河表面物質収支量から氷河融
雪水流出量を計算するステップと、を含み、
前記気象データを補間することは、
S1011、気象観察所の経度、緯度、海抜および気象観察所が観察した気象データを用
いて、月気象データと気象観察所の経度、緯度、海抜間の補間式を確立することと、
S1012、デジタル標高モデルを用いて各氷河を等間隔の氷河海抜帯に切断し、氷河海
抜帯の経度、緯度、海抜を取得し、ステップS1011で得られた補間式に各氷河海抜帯
中心の経度、緯度、海抜を月ごとに代入し、各氷河海抜帯の月気象データを取得し、各氷
河海抜帯の月気象データは、各氷河海抜帯の月降水量、各氷河海抜帯の月平均気温を含む
ことと、
を含む、ことを特徴とする氷河融雪水流出量の推定方法。 - 前記降水雨と降雪分離処理は、以下のステップを含み:
S1021、気象データを補間した後、各氷河海抜帯の月降水量を得、二重臨界温度法に
より各氷河海抜帯の月降水量を雨雪分離処理を行い、前記雨雪分離処理の計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は月平均気温であり、単位は℃であり、
は降雪臨界気温であり、単位は℃であり、
は降雨臨界気温であり、単位は℃であり、
は分割海抜帯数、mは一融解周期内の月数であり、
S1022、誤差修正:
気象観察所が観察した降水の誤差を考慮し、降雨と降雪の誤差を修正し、前記誤差修正の
計算式は、
であり、上式において、
は第jの氷河海抜帯の第m月の降雪量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降水量であり、単位はmmであり、
は第jの氷河海抜帯の第m月の月降雨量であり、単位はmmであり、
は降雨の修正係数であり、
は降雪の修正係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である、ことを特徴とする請求項1に記
載の方法。 - 前記氷河表面正積温度と潜在的な融雪正積温度を比較して、氷河の月融雪量と月融氷量を
得ることは、以下のことを含み:
潜在的な融雪正積温度は氷河表面積雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、氷河表
面積雪は新降雪と古降雪を含み、今月降雪を新降雪として設定し、前月に融けきれなかっ
た雪を古降雪として設定し、潜在的な融雪正積温度の計算式は、
であり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、固定定数の値は2.5mm d-1
℃-1であり、
は古降雪の度日係数であり、
は分割海抜帯数でありmは一融解周期内の月数であり、
古降雪の度日係数
の計算式は、
であり、上式において、
は氷河緯度であり、単位は°であり、
は氷河経度であり、単位は°であり、
は氷河末端海抜高度であり、単位はmであり、
は年平均気温であり、単位は℃であり、
は年降水量であり、単位はmmであり、
氷河表面正積温度と潜在的な雪が融けるのに必要な正積温度を比較して、氷河の月融雪量
と月融氷量を得、氷河の月融雪量と月融氷量の計算式は、
であり、上式において、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月総正積温度であり、
は新降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は古降雪がすべて融けるのに必要な正積温度であり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は新降雪の度日係数であり、通常は固定定数であり、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は雪の月融解量であり、
は氷河融解の度日係数であり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数であり、
今月氷河表面の雪が完全に融けなかったとき、氷河表面のすべての雪が来月古降雪として
蓄積され、来月古降雪の計算式は、
であり、上式において、
は来月古降雪量であり、単位はmmであり、
は今月古降雪量であり、単位はmmであり、
は古降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は今月新降雪量であり、単位はmmであり、
は新降雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数である、ことを特徴とする請求項3に記
載の方法。 - 度日係数モデルの融解原理式を用いて氷河表面物質収支量を計算することは、以下のこと
を含み、
融解原理式を用いて一融解周期内氷河の物質収支量を計算し、融解原理式は、
であり、上式において、
は単一氷河の物質収支量であり、mは一融解周期内の月数であり、nは単一氷河の氷河海
抜帯数であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は氷河表面積雪の変動量であり、
は今月降雪総量であり、単位はmmであり、
は今月降雨総量であり、単位はmmであり、
は氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は分割海抜帯数であり、mは一融解周期内の月数であり、
氷河体積変動量を面積-体積変換式に代入することにより氷河面積変動量を計算すること
は、以下のことを含み、
一融解周期後の次の融解周期の氷河初期面積を計算し、前記次の融解周期の氷河初期面積
の計算式は面積-体積変換式であり、面積-体積変換式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は単一氷河の物質収支量であり、
は現在融解周期の氷河初期体積であり、
は較正の第1固定パラメータであり、
は較正の第2固定パラメータであり、
次の融解周期の氷河初期面積を取得した後、現在融解周期内氷河縮小量を計算し、現在融
解周期内氷河縮小量の計算式は、
であり、上式において、
は次の融解周期の氷河初期面積であり、
は現在融解周期の氷河初期面積であり、
は2つの融解周期内氷河縮小量、つまり氷河面積変動量であり、
のとき、氷河末端が縮小し、末端縮小量が氷河総面積変動量であり、以下の2つの場合を
含み:
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも小さいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積がそれ
に対応して減少し、
絶対値が最低海抜の氷河海抜帯面積よりも大きいとき、最低海抜の氷河海抜帯面積が完全
に消え、かつ第2海抜の氷河海抜帯面積がそれに対応して減少し、
のとき、氷河面積が増加し、その増加則と縮小則が逆であり、末端海抜帯面積が初期分布
面積を満たすときのみ、氷河末端がより低い海抜帯へと増加し、
のとき、氷河面積が変動しない、ことを特徴とする請求項4に記載の方法。 - 前記氷河融雪水流出量の計算式は、
であり、上式において、
は氷河融雪水流出量であり、
は融雪と融氷の再凍結係数であり、
は第
の氷河海抜帯の第月の氷の月融解量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第月の雪の月融解量であり、単位はmmであり、
は氷河帯の降雨量であり、単位はmmであり、
は第
の氷河海抜帯の第融解周期の氷河面積であり、単位はkm2であり、
は前回融解周期の氷河面積にステップS2の氷河面積変動量
を累積して得、前記氷河表面物質収支量は
、
累積の合計であり、
は分割海抜帯数であり、 yは融解周期であり、nは単一氷河の氷河海抜帯数であり、mは
一融解周期内の月数である、ことを特徴とする請求項5に記載の氷河融雪水流出量の推定
方法。
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