JP7300726B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来、遊技球が所定の入球口(例えば、始動口)に入球すると識別図柄が変動表示し、当り図柄で停止表示されると特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。特別遊技では、普段は遊技球が入球不能な状態となっている特別な入球口(例えば、大入賞口)が入球可能な状態となり、当該入球口への入球に基づいて賞球等の遊技価値が遊技者に付与される。この種の遊技機において、特別遊技が開始される時点では、特別遊技後の遊技状態が確率変動モードになるか否かを伏せておき、特別遊技の実行中に、確率変動モードになるか否かを示す演出(所謂「昇格演出」)を行うものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2007-313111号公報
しかしながら、賞球等の遊技価値の付与(獲得)が主目的の特別遊技はその進行が比較的単調であり、特別遊技中に行われる演出も画一的になりやすい。このため、従来の遊技機は、遊技の興趣を高める上で改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技中に行われる演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
手段1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて取得情報を取得可能な取得手段と、
前記取得手段により取得された取得情報を記憶可能な記憶手段と、
前記取得情報の判定を実行可能な判定手段と、
前記判定の結果に基づいて識別情報を変動表示させる変動表示手段と、
前記識別情報が変動表示後に特定態様で表示されたことに基づいて、特別入球口への遊技球の入球が可能となる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
遊技に関連する演出を実行可能な演出実行手段と、
演出を表示可能な演出表示手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記識別情報の変動表示に伴って、複数の変動パターンの中から選択される変動パターンに基づいて変動演出を前記演出表示手段で実行可能であり、
前記複数の変動パターンのうち特定の変動パターンに基づく変動演出として、所定のキャラクタの表示を含む変動演出を実行可能であり、
前記特別遊技が実行されるときに所定取得情報が前記記憶手段に記憶されている場合、その特別遊技中に、前記所定取得情報に関連する示唆を行う示唆演出を前記演出表示手段で実行可能であ
前記示唆演出の実行中、前記特別入球口への入球に基づいて、その示唆演出の表示態様を変化させることが可能であり、
前記所定取得情報は、前記特定の変動パターンに基づく変動演出の実行契機となる取得情報であり、
前記示唆演出は、前記特定の変動パターンに基づく変動演出に含まれる前記キャラクタを表したキャラクタ画像の表示を含む
ことを要旨とする。
手段2の遊技機は、前述した手段1の遊技機において、
前記特別遊技中に前記示唆演出が実行された場合の当該特別遊技の終了後の所定期間において、前記示唆演出による示唆の内容を表す画像が前記演出表示手段に表示される
ことを要旨とする。
以上の本発明によれば、特別遊技中に行われる演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能である。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当り判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルを示す表である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図1動作処理のフローチャートである。 特別図柄1待機処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄1変動中処理のフローチャートである。 特図1変動中断処理のフローチャートである。 特別図柄1確定処理のフローチャートである。 特図2動作処理のフローチャートである。 特別図柄2待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄2変動中処理のフローチャートである。 特図2変動中断処理のフローチャートである。 特別図柄2確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 大当り遊技開始処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特図動作ステータス設定処理1のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特図動作ステータス設定処理2のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 副制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 演出図柄の図柄種を示す表である。 状態Aの変動演出の流れを示す説明図である。 状態Bの変動演出の流れを示す説明図である。 (A)は状態C(演出モードC)の表示画面の一例を示す図であり、(B)は第2演出パターン(演出モードCのバトル演出パターン)の種類を示す表である。 状態Cの変動演出の流れを示す説明図である。 小当り賞球計数処理のフローチャートである。 (A)はラウンド演出画面の一例を示す図であり、(B)はラウンド獲得賞球数画像の一例を示す図であり、(C)は情報表示領域の拡大図である。 大当り賞球計数処理のフローチャートである。 エンディング演出画面の一例を示す図であり、(A)は小当り獲得賞球数画像が表示されたとき(第1期間)のエンディング演出画面を示す図であり、(B)は大当り獲得賞球数画像が表示されたとき(第2期間)のエンディング演出画面を示す図であり、(C)は総獲得賞球数画像が表示されたとき(第3期間)のエンディング演出画面を示す図である。 実施例2に係る小当り発生時保留先読み処理のフローチャートである。 実施例2に係る小当り中示唆演出画面の一例を示す図であり、(A)は小当り遊技が開始されたときの小当り中示唆演出画面を示しており、(B)は小当り遊技が進行した状況下での小当り中示唆演出画面を示している。 実施例2に係る小当り中示唆演出パターン決定テーブルである。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技価値(例えば賞球)が付与され得る当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の正面(表面)側であって、遊技時に遊技者が位置する側(手前側)のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面(裏面)側のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1~図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。そして、外枠53は島設備に対して固定され、前面枠51及び本体枠52は、外枠に対して、上下の枠ヒンジ56、56を介して取り付けられている。また、前面枠51及び本体枠52は、上下方向の一側端側(図1紙面左側)で軸支されており、一側端側を軸にして、外枠53に対して夫々開閉可能に構成されている。また、図1及び図2に示す閉状態から、前面枠51だけを開状態(開放する)こともできるし、前面枠51及び本体枠52の両方を開状態(開放する)こともできる。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに、遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。)が設けられている。複数の演出ボタンは、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。なお、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者からの入力を検知できるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力検知手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力検知手段(光電式等)であってもよい。
また、前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、スピーカ67及び画像表示装置(第2画像表示装置71、第3画像表示装置72)が設けられている。図1に示すように、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、それぞれ表示画面71a、72aを遊技者が視認し易いように、前面枠51の前方(遊技者側)に向けて突出するように、且つ、外側方向に傾斜状に設置されている。また、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、後述する画像表示装置7と同様に、遊技の実行・非実行や遊技の状況、実行される遊技演出等に応じて、遊技演出(キャラクタや演出図柄等)やデモ演出、遊技に関する情報(獲得出球情報、ラウンド数、連荘回数、遊技状態の残り期間、遊技モード、遊技演出の信頼度・説明等)、遊技機の設定に関する情報(音量設定情報、輝度設定情報等)等が表示される。第2画像表示装置71と第3画像表示装置72とで、それらの情報のうち異なる情報を表示する場合と同じ情報を表示する場合とがある。また、画像表示装置7(第1画像表示装置)と第2画像表示装置71と第3画像表示装置72とで、それらの情報のうち異なる情報を表示する場合と同じ情報を表示する場合とがある。また、画像表示装置7(第1画像表示装置)と第2画像表示装置71と第3画像表示装置72とのうち、何れか2個で同じ情報を表示し、残り1個で異なる情報を表示する場合もある。なお、画像表示装置7、第2画像表示装置71および第3画像表示装置72のいずれか又は全部を指して単に「画像表示装置」ということもある。また、画像表示装置7のことを「主表示装置」又は「メイン表示装置」ともいい、第2画像表示装置71および第3画像表示装置72の一方又は両方のことを「副表示装置」又は「サブ表示装置」ともいう。
画像表示装置7は遊技盤2に形成される遊技領域3の内側領域に設けられており、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72は、遊技領域3の外側領域に設けられている。また、図1に示すように、(非開放側端部に設けられる)第2画像表示装置71は、前面枠51に対して、第2画像表示装置用ヒンジ75(ヒンジ部)を介して取り付けられている。そのため、上下の第2画像表示装置用ヒンジ75を軸として、左右方向に回動可能となっている。より具体的には、図1に示す状態(通常状態)から右方向に所定角度(45度程度)回動可能な構成とされている。これは、前面枠51や本体枠52を、上下の枠ヒンジ56、56を軸として開状態とした際に、前面枠51の前方に突出して設けられている第2画像表示装置71が、パチンコ遊技機1の枠ヒンジ56側(図1紙面左側)に隣接して設けられているホール設備(球貸機、台間設備等)に衝突して破損してしまうのを防ぐための構成である。一方、(開放側端部に設けられる)第3画像表示装置72は、前面枠51に対して、固定して設けられ、回動不能となっている。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することが可能となる。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7は遊技盤2の裏面側から遊技盤2に対して取り付けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8Rが左右方向に並んで表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられており、演出図柄8L,8C,8Rは、遊技状態(低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態)に応じて、当該遊技状態で遊技の主体として設定されている特別図柄(後述の第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示に同期して変動表示を行う。なお、演出図柄8Lのことを「左図柄」ともいい、演出図柄8Cのことを「中図柄」ともいい、演出図柄8Rのことを「右図柄」ともいい、演出図柄8L,8C,8Rを総じて「演出図柄(演出図柄8)」ともいう。
図3に示す演出図柄表示領域7bの表示態様は、遊技状態が通常状態(後述する低確低ベース状態、状態A)にあるときの1場面を示すものである。詳しくは後述するが、通常状態(低確低ベース状態)では、始動口(第2始動口21)への遊技球の入球頻度が高ベース状態と比較して低く設定されていると共に、特別図柄の当否判定確率(第1特別図柄当否判定及び第2特別図柄当否判定)が低確率(「所定確率」ともいう。)で、且つ、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも長く(2倍以上)設定されている(外れ変動は全て10分)。そのため通常状態では、右遊技領域3B(第2遊技領域)に遊技球を発射して第2始動口21に入球させて第2特別図柄を変動表示させるよりも、左遊技領域3A(第1遊技領域)に遊技球を発射して第1始動口20に入球させて第1特別図柄を変動表示させる遊技を行う方が、遊技者に有利とされている。すなわち、通常状態は、第1特別図柄(演出図柄)が主として変動表示する遊技状態といえる。このため、通常状態では、演出図柄表示領域7b上の演出図柄8L,8C,8Rは、第1特別図柄と同期して変動表示及び停止表示を行うものとされている。一方、通常状態以外の遊技状態(後述する低確高ベース状態、高確高ベース状態又は高確低ベース状態)では、演出図柄表示領域7b上の演出図柄8L,8C,8Rは、第2特別図柄と同期して変動表示及び停止表示を行うものとされている。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で数字図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。そして、変動表示を経て停止表示(導出表示)される左、中、右の演出図柄8の表示態様(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易いように表示(報知)する。演出図柄8の変動表示等の詳細については後述する。
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄及び演出図柄8の何れか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」、「第1特図」又は「第1識別情報」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」、「第2特図」又は「第2識別情報」ともいう。さらに、演出図柄8を表示する画像表示装置(画像表示装置7、第2画像表示装置71、第3画像表示装置72の何れか又は全部)、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bの何れか又は全部を指して「変動表示手段」や「識別情報表示手段」ともいう。また、特別図柄当否判定を単に「当否判定」や「第1当否判定」ともいい、特別図柄当否判定を実行する制御部(主制御部80)を「当否判定手段」や「第1当否判定手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当り(第1特定結果)となった場合には、「777」等の3桁同一(ゾロ目)の図柄(「大当り図柄」ともいう。)で演出図柄を停止表示する。また、小当り(第2特定結果)となった場合には、「335」等の予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの小当り専用図柄(「小当り図柄」ともいう。)で演出図柄を停止表示する。なお、小当りとなった際に小当り専用図柄を停止表示する態様に代えて、小当り図柄と外れ図柄とで同じ態様の図柄を停止表示するようにしてもよい。また、小当りとして、複数の小当り(第1小当り、第2小当り等)を有する場合には、それらを区別可能に異なる小当り図柄(第1小当り図柄、第2小当り図柄)を停止表示するようにしてもよいし、それらを区別困難なように同じ(共通の)小当り図柄を停止表示するようにしてもよい。また、特別図柄当否判定の結果が外れ(非特定結果)となった場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ図柄(「外れ図柄」ともいう。)で演出図柄を停止表示する。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況(特別図柄当否判定の結果)を容易に把握することができる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41b(図4参照)に表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様や、第1演出図柄表示部7bのみを用いて演出表示する態様や第1演出図柄表示部7bに加えて第2演出図柄表示部71a及び第3演出図柄表示部72aの一方又は両方を用いて演出表示する態様を有している。また、これに加えて、第2演出図柄表示部71a又は第3演出図柄表示部72aのみを用いて演出表示する態様を有していてもよい。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)のほか、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に伴って実行される当り遊技演出(大当り遊技演出、小当り遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。なお、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、詳細は後述するが、遊技状態(状態A、状態B又は状態C)や、左遊技領域3Aに遊技球を発射して遊技を行う状態、右遊技領域3Bに遊技球を発射して遊技を行う状態等に応じて、演出図柄表示領域7b上の表示態様が異なる態様とされる。具体的には、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を並行して(同時に)変動表示することが可能な遊技機であるため、例えば、状態A(低確低ベース状態)では、第1特別図柄と同期して演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う態様とされ、状態B又は状態C(低確高ベース状態、高確高ベース状態又は高確低ベース状態)では、第2特別図柄と同期して演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う態様とされる。この様な第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して(同時に)変動表示することが可能なタイプの遊技機を「同時変動機(並行変動機)」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。演出保留表示領域における第1演出保留9a又は第2演出保留9bの表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43b(図4参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。なお、第1演出保留表示部の表示位置や第2演出保留表示部の表示位置は、遊技状態、遊技モード又は実行する遊技演出(リーチ演出等)によって変化する場合がある。また、第1演出保留表示部及び第2演出保留表示部のうち、何れか一方だけ(例えば、変動表示の主となる特別図柄に対応する演出保留表示部だけ)を表示する場合がある。
また図3に示すように、遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し(所定の動作態様で動作し)、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、当該可動装飾部材14の大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は遊技興趣を高めると共に、当りへの期待感を高める。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に、第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第1特別図柄が停止表示する。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)の上方には、遊技球が通過可能(入球可能)なゲート28が設けられている。ゲート28の上流側から入球した遊技球は、ゲート28を通過し、遊技領域3を下流方向に流下する。なお、ゲート28は、大当り遊技を開始するための開始ゲート29(「役連ゲート」や「作動ゲート」ともいう。)を兼用している。遊技球がゲート28を通過すると、当該遊技球がゲートセンサ28aで検知されて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動条件)が成立すると、普通図柄当否判定(「第2当否判定」ともいう)を実行すると共に、普通図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に普通図柄当否判定の結果に基づいて普通図柄が停止表示する。当り普通図柄が停止表示すると、可動部材23が動作(開動作)して第2始動口21が開状態となる。可動部材23を動作(開動作)させて第2始動口21を開状態とするか否かの普通図柄当否判定を実行する制御部(主制御部80)を「当否判定手段」や「第2当否判定手段」ともいう。なお、ゲートセンサ28aは、大当り遊技を開始するための開始ゲートセンサ29aを兼用している。
また、詳しくは後述するが、遊技球がゲート28(開始ゲート29)を通過した際に、開始ゲート29としての機能が発揮されるのは、大当り遊技を実行(開始)可能な条件が成立しているとき(「大当り実行可能状態」や「大当り待機状態」ともいう。)だけである。そのため、当該条件(大当り待機状態)が成立していないときに遊技球がゲート28(開始ゲート29)を通過した場合には、普通図柄に関する制御処理がなされ、大当り開始処理は実行されない。また、当該条件が成立しているときに(大当り待機状態で)遊技球が開始ゲート29(ゲート28)を通過した場合には、待機中の大当り遊技が開始され、所定の大入賞口(第1大入賞口30)が開状態(入球可能状態)となるラウンド遊技が実行される。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、ゲート28(開始ゲート29)の下方(下流)の遊技領域には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう。)が設けられている。第1大入賞装置31は大当り遊技が実行されるときに作動するもので、大当り遊技用の入賞装置である。
具体的に、第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉する。開閉部材32は、上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第1大入賞口30の入口を閉鎖すると共に、当該開閉部材32の上面を遊技球が通過可能となっている。図3に示すように、開閉部材32の上面は、上流側から下流側へ(紙面左から右へ)傾斜状に形成されている。これにより、開閉部材32が閉状態のとき、第1大入賞口30の入口部に流下してきた遊技球は、第1大入賞口30に入球することなく、開閉部材32の上面を通過して、遊技領域の下流方向に流下する。
開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動されるものであり、遊技盤3の裏面方向(遊技盤面と垂直方向)に引っ込むことで、第1大入賞口30の入口を開放する開状態となる。これにより、開閉部材32が開状態のとき、第1大入賞口30の入口部に流下してきた遊技球は第1大入賞口30に入球することとなる。このように、第1大入賞口30の入口を開閉する開閉部材32は、出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第1大入賞口30内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって任意の方向(後述する第2始動口21)に誘導することが可能となる。なお、第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31(第1可変入球口)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第1大入賞口30の下方(下流)の遊技領域には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第3始動口26を備える第2固定入賞装置25が設けられている。第3始動口26への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第2特別図柄に係る当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第2特別図柄が停止表示する。
図3に示すように、第1大入賞口30の下方(下流)では遊技球通路が分岐しており(上段、下段)、第3始動口26が設けられる上段側遊技球通路と、第2始動口21及び第2大入賞口35が設けられる下段側遊技球通路と、が形成されている。そのうち、上段側遊技球通路に誘導された遊技球は、第3始動口26の近傍に設けられた遊技釘16に接触する等して第3始動口26に入球するか、第3始動口26に入球することなく下流に流下して、アウト口34に流入する。第3始動口26は常時入球可能な固定式の入賞装置であるので、例えば、第1大入賞口30への入球が可能となる大当り遊技中において、第1大入賞口30に入球しなかった遊技球を第3始動口26に入球させ(保留し)、当該大当り遊技終了直後から第2特別図柄の変動表示を実行することが可能となる。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第1大入賞口30の下方(下流)の遊技領域には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」や「可変始動口」ともいう。)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件(変動開始条件)が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に当否判定の結果に基づいて第2特別図柄が停止表示する。
可変入賞装置22は可動部材23(「開閉部材」ともいう。)を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23の開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
可動部材23は、開閉部材32と同様に、上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第2始動口21の入口を閉鎖すると共に、当該可動部材23の上面を遊技球が通過可能となっている。また、図3に示すように、可動部材23の上面は、上流側から下流側へ(紙面右から左へ)傾斜状に形成されている。これにより、可動部材23が閉状態のとき、第2始動口21の入口部に流下してきた遊技球は、第2始動口21に入球することなく、可動部材23の上面を通過して遊技領域の下流方向に流下する。
可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動されるものであり、遊技盤3の裏面方向に引っ込むことで、第2始動口21の入口部を開放する開状態となる。これにより、可動部材23が開状態のとき、第2始動口21の入口部に流下してきた遊技球は、第2始動口21に入球することとなる。このように、第2始動口21の入口を開閉する可動部材23は、開閉部材32と同様の出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第2始動口21内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって、任意の方向(例えば第2大入賞口35)に誘導する。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域(右遊技領域3B)であって、第2始動口21の下方(下流)の遊技領域には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう。)が設けられている。第2大入賞装置36は小当り遊技が実行されるときに作動するもので、小当り遊技用の入賞装置である。
具体的に、第2大入賞装置36は、開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉する。開閉部材37は、開閉部材32と同様に上面が略長方形状(長板状)の遊技球通路とされており、閉状態では、第2大入賞口35の入口を閉鎖すると共に、当該開閉部材37の上面を遊技球が通過可能となっている。また、図3に示すように、開閉部材37の上面は、上流側から下流側へ(紙面右から左へ)傾斜状に形成されている。これにより、開閉部材37が閉状態のとき、第2大入賞口35の入口部に流下してきた遊技球は、第2大入賞口35に入球することなく、開閉部材37の上面を通過して遊技領域の下流方向に流下する。
開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動されるものであり、遊技盤3裏面方向に引っ込むことで、第2大入賞口35の入口部を開放する開状態となる。これにより、開閉部材37が開状態のとき、第2大入賞口35の入口部に流下してきた遊技球は第2大入賞口35に入球することとなる。このように、第2大入賞口35の入口を開閉する開閉部材37は、開閉部材32と同様の出没式の開閉部材とされており、開状態(開放時)のときは流下してきた遊技球を円滑に第2大入賞口35内に入球させると共に、閉状態(閉鎖時)のときは流下してきた遊技球を、傾斜状の上面通路によって任意の方向(アウト口34)に誘導することが可能となる。なお、第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36(第2可変入球口)は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3におけるセンター装飾体10より左側の領域(左遊技領域3A)の下部には、複数(3個)の一般入球口27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」ともいい、左打ちで進行させる遊技のことを「左打ち遊技」ともいう。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」ともいい、右打ちで進行させる遊技のことを「右打ち遊技」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際の通常状態(低確低ベース状態、状態A)において左打ちを行い、第1始動口20への入球を狙う(左打ち遊技)。そして、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなって大当り遊技が実行される場合には右打ちを行い、第1大入賞口30への入球を狙う(右打ち遊技)。また、大当り遊技終了後の遊技状態が低確高ベース状態又は高確低ベース状態となる場合にも右打ちを行い、ゲート28、第2始動口21又は第3始動口26への入球を狙う(右打ち遊技)。さらに、第2始動口21又は第3始動口26への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなって大当り遊技が実行される場合にも右打ちを行って第1大入賞口30への入球を狙い(右打ち遊技)、小当りとなって小当り遊技が実行される場合にも右打ちを行って第2大入賞口35への入球を狙う(右打ち遊技)。そして、第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35及び一般入球口27の何れかに遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」や「遊技価値」ともいう)が払い出される(付与される)。本実施例では、第1大入賞口30への入球に基づいて払い出される賞球の個数(遊技価値の量)を、第2大入賞口35への入球に基づいて払い出される賞球の個数(遊技価値の量)よりも多く設定している。具体的に、第1大入賞口30は、1個の入球に対して15個の賞球を払い出すものとしており、第2大入賞口35は、1個の入球に対して10個の賞球を払い出すものとしている。
なお、本実施例のパチンコ遊技機1では、各種入球口(入賞口)への遊技球の入球に基づいて付与される遊技価値を賞球(遊技球)としているが、遊技価値は実際の遊技球でなくてもよく、例えば、賞球(賞球数)を数値化したデータ(数値データ)として遊技者に付与することも可能である。このように遊技価値を数値データとして付与する遊技機としては、いわゆる封入式のパチンコ遊技機を例示できる。
図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)とが含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44とが含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47とが含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れか一方又は両方を指して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bの何れか一方又は両方を指して特別図柄表示部41ということがあり、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を変動表示した後に停止表示し、停止表示(導出表示)された特別図柄(停止図柄)によって、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく当否判定(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンで、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
ここで、第1大入賞口30(第1大入賞装置31)のことを「第1特別入球口」ともいい、第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「第2特別入球口」ともいい、第1特別入球口及び第2特別入球口の何れか一方又は両方を指して単に「特別入球口」ともいう。また、第1大入賞口30が開放する(第1大入賞装置31が作動する)特別遊技のことを「第1特別遊技」又は「大当り遊技」ともいい、第2大入賞口35が開放する(第2大入賞装置36が作動する)特別遊技のことを「第2特別遊技」又は「小当り遊技」ともいう。さらに、第1特別遊技及び第2特別遊技の何れか一方又は両方を指して単に「特別遊技」ともいい、大当り遊技及び小当り遊技の何れか一方又は両方を指して単に「当り遊技」ともいう。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(4R第1大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、第2大当り(4R第2大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯し、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、第2特別図柄表示器41bは「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果(大当り、小当り、外れ)に応じて夫々異なる表示態様に定められている。特別図柄が停止表示される前(導出表示前)には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
ここで、特別図柄や演出図柄の停止表示態様(変動表示の表示結果)のうち、特別図柄当否判定の結果が当り(大当り又は小当り)の場合に対応する停止表示態様のことを「当り態様」、「特定態様」、「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」、「非特定表示態様」又は「非特定表示結果」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」又は「第1特定態様」ともいい、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」又は「第2特定態様」ともいう。さらに、特別図柄当否判定の結果のうち大当りのことを「第1特定結果」ともいい、小当りのことを「第2特定結果」ともいい、外れのことを「非特定結果」ともいう。また、第1特定結果及び第2特定結果の何れか一方又は両方を指して単に「特定結果」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、取得された各種情報は、主制御部80のRAMに形成される特図保留記憶部85に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球に基づいて取得した情報であれば第1特図保留(「第1取得情報」ともいう。)として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得した情報であれば第2特図保留(「第2取得情報」ともいう。)として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85bを、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち、夫々の特別図柄の変動表示の実行中や、何れかの特別図柄当否判定に基づく特別遊技の実行中は、所定個数(夫々4個)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保(保留)することができるようになっている。このような特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。
図4に示すように、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というようにuのLEDを消灯vのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というようにuのLEDを赤色で点灯させvのLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過(ゲートセンサ28aでの検知)に基づいて行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。補助遊技を実行する手段(主制御部)を補助遊技実行手段(特定遊技実行手段)ともいう。第2始動口21の開放パターンについては後述する。
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また、判定結果が外れである場合には、「s□t■」というようにtのLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。普通図柄が停止表示する前には、予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行される。その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、取得された各種情報は主制御部80のRAMに形成される普図保留記憶部86に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は4個となっている。普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示が、その通過時にすぐ実行できない場合、すなわち、普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中は、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保(保留)することができる。この普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。
具体的に、図4に示すように、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というようにqのLEDを消灯し、rのLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に、図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行などの遊技価値に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」や「メイン制御部」や「遊技制御部」ともいう。)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」や「サブ制御部」や「演出制御部」ともいう。)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう。)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、第3演出保留表示器103a、及び第4演出保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a(開始ゲートセンサ29a)、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28a(開始ゲートセンサ29a)は、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。これらのセンサ(遊技球検知手段)が遊技球を検知することで、その検知に基づいて対応する入球口への入球数を計数したり、対応する入球口への入球の発生を示す入球検知コマンドを副制御基板90に向けて送信したりすることが可能である。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び、第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47、及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81(主制御部80)によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンド(賞球払出コマンド等)を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及び、カードユニット135が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう。)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。発射装置112の発射ハンドル60が遊技者により操作されると、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。なお、カードユニット135とは、パチンコ遊技機1の一端側(通常は図1紙面左側)に隣接して設置され、遊技者が所定の球貸出操作を行うことで、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするものである。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう。)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。このように、払出制御用マイコン116は、払出装置120を制御して遊技者に賞球(遊技価値)を付与する「遊技価値付与手段」として機能する。
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向(一方向)通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。また、図5に示すように、副制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(以下「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って遊技演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPU(VDP)に、画像表示装置7(第1画像表示装置)、第2画像表示装置71、第3画像表示装置72、演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び第4演出保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU(VDP)は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は2個のLEDからなり、そのうち一方のLEDが第1特別図柄の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、他方のLEDが第2特別図柄の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、対応するLEDの点灯・消灯、又は色により、第1特別図柄又は第2特別図柄の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、第3演出保留表示器103a及び第4演出保留表示器103bも同様に、夫々2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、第3演出保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、第4演出保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。
キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の一部又は略全体に表示したり、可動装飾部材14を表示画面7a(演出図柄表示部)の前方に動作させて表示画面7a(演出図柄表示部)の一部又は略全体を被覆したりすることで、演出図柄8、第1演出保留表示部9c、又は、第2演出保留表示部9dの一部又は全部が視認できない状態になることがある。このような被覆状態となった際も、確実に演出図柄の変動表示及び停止表示、保留個数等を確認可能なように、補助的に、これら演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び、第4演出保留表示器103bを設けている。なお、演出表示器102、第3演出保留表示器103a、及び、第4演出保留表示器103bの表示態様は、可動装飾部材14の動作等によって視認が阻害されることなく、常に視認できる状態となっている。また、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう。)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。なお、可動装飾部材14は、図1では一部分のみ視認可能となっているが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミック(可動部材)のことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、副制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチから副制御基板90に対して信号が出力される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における特別図柄当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」を有している。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また、特別図柄当否判定の結果が「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定において大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口30又は第2大入賞口35が開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技が大当り遊技であり、小当りとなって実行される特別遊技が小当り遊技である。
当りには複数の種別があり、特別図柄当否判定の結果が特定結果である場合、当該特定結果に対応する当り種別が決定される。すなわち、特別図柄当否判定の結果が第1特定結果であるのか第2特定結果であるのか等によって、異なる当り種別(大当り、小当り含む)となる。また、当り種別によって、実行される特別遊技も異なる場合があり、当該特別遊技によって獲得可能な遊技価値量が異なったり、特別遊技終了後の遊技状態が異なったりする。具体的に、図6に示すように本実施例の当り種別としては、「4R(ラウンド)第1大当り」、「4R第2大当り」、「15R第3大当り」、「4R第4大当り」、「2R第5大当り」、「2R第6大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」がある。
「15R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が15回である。「4R第1大当り」、「4R第2大当り」及び「4R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が4回である。「2R第5大当り」、「2R第6大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30)の開放回数(ラウンド数)が2回である。このように、大当りでは、全て第1大入賞口30を開放し、第2大入賞口35を開放しない。このことから、第1大入賞口30を「大当り用大入賞口(大当り用可変入球口)」ともいう。
なお、「4R第1大当り」、「4R第2大当り」及び「4R第4大当り」を総じて「4R大当り」ともいい、「2R第5大当り」、「2R第6大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」を総じて「2R大当り」ともいい、「15R第3大当り」を単に「15R大当り」ともいう。
また、「4R第1大当り」、「15R第3大当り」、「4R第4大当り」、「2R第5大当り」及び「2R第6大当り」は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる(確変機能を作動させる)。従って、この5種類の大当りを「確変大当り(高確率大当り)」ともいう。高確率状態(確変機能)は、次回の大当りが発生するまで継続する。また、「4R第2大当り」、「2R第7大当り」、「2R第8大当り」は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の低確率状態に移行させる(確変機能を作動しない)。従って、この3種類の大当りを「低確大当り(低確率大当り、通常大当り)」ともいう。
また、「4R第1大当り」、「15R第3大当り」及び「4R第4大当り」は、その大当り遊技の終了後に、第2特別図柄の変動時間を短時間に設定する「第2特別図柄時短機能」を作動させる一方で「高ベース発生機能」を作動させない。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、高確低ベース状態(状態C)となる。高確低ベース状態は、次回の大当りが発生するまで継続する。高確低ベース状態(状態C)の遊技性については、詳しくは後述するが、前述したように各種入球口を配置した右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射する右打ち遊技を行うことで、第2特別図柄当否判定により小当りを発生(頻発)させ、前回の大当りと次回の大当りとの間の期間(大当り間)に遊技球を増加させることが可能な遊技期間である。このような遊技期間のことを「特定期間」ともいう。この大当り間の高確低ベース状態(特定期間)において小当りを頻発させることで、小当りによって短期間に多くの遊技球の獲得も期待できる。すなわち、特定期間は遊技者にとって有利な遊技期間であり、遊技興趣を高めることが可能な期間である。
また、「4R第2大当り」、「2R第7大当り」及び「2R第8大当り」は、その大当り遊技の終了後に、「第2特別図柄時短機能」及び「高ベース発生機能」を作動させる。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、低確高ベース状態となる。「4R第2大当り」及び「2R第8大当り」の場合、低確高ベース状態は、次回の大当りが発生するか、若しくは、特別図柄の変動表示が100回実行されることに基づいて終了する。特別図柄の変動表示が100回実行されることに基づいて終了した場合には、遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)に設定される。また、「2R第7大当り」の場合、低確高ベース状態は、次回の大当りが発生するか、若しくは、特別図柄の変動表示が50回実行されることに基づいて終了する。特別図柄の変動表示が50回実行されることに基づいて終了した場合には、遊技状態は、低確低ベース状態(通常状態)に設定される。また、詳しくは後述するが、低確高ベース状態では、前述したように各種入球口を配置した右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射する右打ち遊技を行うことで、第2特別図柄当否判定を行って、次の大当りの発生に期待して遊技を行う期間である。
また、「2R第5大当り」及び「2R第6大当り」は、その大当り遊技の終了後に、「第2特別図柄時短機能」及び「高ベース発生機能」を作動させる。これにより、これらの大当り遊技終了後の遊技状態は、高確高ベース状態となる。「2R第5大当り」の場合、「第2特別図柄時短機能」は次回の大当りが発生するまで継続し、「高ベース発生機能」は、次回の大当りが発生するか、若しくは、特別図柄の変動表示が50回実行されることに基づいて終了する。また前述した通り、「確変機能」は次回の大当りが発生するまで継続する。すなわち、「2R第5大当り」の場合、大当り遊技終了後、特別図柄の変動表示が50回を経過するまでは、高確高ベース状態とされ、50回を経過しても大当りが発生しないと、遊技状態が高確低ベース状態に設定される。
高確高ベース状態は、低確高ベース状態と同様に、右遊技領域3Bにに向けて遊技球を発射する右打ち遊技を行うことで、第2特別図柄当否判定を行って、次の大当りの発生に期待して遊技を行う期間である。また、前述した通り、高確低ベース状態は、右打ち遊技によって小当りを頻発させることで、小当りによって短期間に多くの遊技球の獲得も期待できる遊技者にとって有利な期間である。本実施例では、高確高ベース状態において獲得可能な遊技球よりも、高確低ベース状態において獲得可能な遊技球の方が多いものとされる。従って、大当り遊技終了後の特別図柄の変動表示回数が50回を経過するまで大当りが発生しない場合、遊技状態がそれまでよりも有利な遊技状態(特定期間)に変化することとなる。
また、「2R第6大当り」は、大当り遊技終了後、特別図柄の変動表示が100回を経過するまでは、高確高ベース状態とされ、100回を経過しても大当りが発生しないと、遊技状態が高確低ベース状態に設定される点、すなわち、遊技状態が変化する期間が異なることを除き、「2R第5大当り」と同様である。また、「2R第5大当り」は、「2R第6大当り」よりも、遊技状態が高確高ベース状態から高確低ベース状態に変化する時期が早く設定されている。従って、「2R第5大当り」は、「2R第6大当り」よりも、遊技者にとって有利な大当りであるといえる。
また、「2R第5大当り」に係る大当り遊技(2R第5大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「2R第7大当り」に係る大当り遊技(2R第7大当り遊技)終了後の低確高ベース状態とにおいて、共通の遊技演出(第1遊技演出:背景や遊技モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)を実行することで、遊技者が何れの遊技状態であるのかを認識するのを困難としている。図9に示すように、これらの遊技状態を状態Bとして、共通の変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。これにより、両遊技状態を、遊技状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)を報知しない(認識困難とする)非報知状態とする。
大当りの種別が「2R第5大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が50回経過した後に、遊技状態が高確低ベース状態(遊技者にとって有利な有利状態)となり、「2R第7大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が50回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となる。このため、遊技者は、非報知状態において何れの遊技状態であったとしても、高確低ベース状態に移行することに期待して遊技することが可能となり、遊技興趣を高めることとなる。
また、「2R第6大当り」に係る大当り遊技(2R第6大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「2R第8大当り」に係る大当り遊技(2R第8大当り遊技)終了後の低確高ベース状態と、において、共通の遊技演出(第2遊技演出:背景や遊技モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)を実行することで、遊技者に何れの遊技状態かを認識困難とする。図9に示すように、これらの遊技状態を状態Bとして、共通の変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。これにより、両遊技状態を、遊技状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)を報知しない(認識困難とする)非報知状態とする。
大当りの種別が「2R第6大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が高確低ベース状態(遊技者にとって有利な有利状態)となり、「2R第8大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となるため、遊技者は、非報知状態において何れの遊技状態であったとしても、高確低ベース状態に移行することに期待して遊技することが可能となり、遊技興趣を高めることとなる。
また、「2R第5大当り」に係る大当り遊技(2R第5大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「2R第7大当り」に係る大当り遊技(2R第7大当り遊技)終了後の低確高ベース状態と、「2R第6大当り」に係る大当り遊技(2R第6大当り遊技)終了後の高確高ベース状態と、「2R第8大当り」に係る大当り遊技(2R第8大当り遊技)終了後の低確高ベース状態と、において、共通の遊技演出(第2遊技演出:背景や遊技モードやキャラクタ絵柄やリーチ演出等)を実行することで、遊技者に何れの遊技状態かを認識困難とする。図9に示すように、これらの遊技状態を状態Bとして、共通の変動パターン決定テーブルを用いて変動パターンを決定する。これにより、これらの遊技状態を、遊技状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)を報知しない(認識困難とする)非報知状態とする。
大当りの種別が「2R第5大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が50回経過した後に、遊技状態が高確低ベース状態(遊技者にとって有利な有利状態)となり、「2R第7大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が50回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となる。また、大当りの種別が「2R第6大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が高確低ベース状態(遊技者にとって有利な有利状態)となり、「2R第8大当り」であった場合には、特別図柄の変動表示が100回経過した後に、遊技状態が低確低ベース状態(遊技者にとって不利な通常状態)となる。このため、遊技者は、非報知状態において何れの遊技状態であったとしても、特別図柄の変動表示が50回経過する際に高確低ベース状態に移行することに期待して遊技することが可能となり、遊技興趣を高めることとなる。
また、高確低ベース状態に移行しない場合であっても、低確低ベース状態に移行することなく、少なくとも高ベース状態が継続する(すなわち、非報知状態が継続する)ことに期待して遊技を行う。特別図柄の変動表示が50回経過後に、非報知状態が継続した場合には、大当りの発生に期待すると共に、特別図柄の変動表示が100回を経過する際に、高確低ベース状態に移行することに期待して遊技し、遊技興趣を高めることとなる。このように、非報知状態において、遊技者の期待感を高めるポイントが複数回設定されており、より遊技興趣を高めると共に、高い遊技興趣を長期間維持することが可能となる。
また、第2特別図柄当否判定の結果として発生し得る小当りは、大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数が2回とされ、他の大当りと比較して、1回(及びトータル)の開放時間も短く設定されている。具体的に、0.9秒の2回開放で、合計1.8秒の開放を行う。そのため、大当り遊技(例えば、15R第3大当り遊技や4R第4大当り遊技等)と比較して、1回の小当り遊技で獲得可能な遊技球は少なく設定されている。しかしながら、小当りを複数回(多数回)発生させることで、複数回の小当り遊技を実行し、より多くの遊技球を獲得可能となっている。また、小当りでは、全て第2大入賞口35を開放し、第1大入賞口30を開放しない。このことから、第2大入賞口35を「小当り用大入賞口(小当り用可変入球口)」ともいう。なお、小当り(小当り遊技)では、大当り(大当り遊技)と異なり、大入賞口の開放回数をラウンド数と言わず、単に開放回数という。また、小当りの発生に基づいて確変機能が作動することはなく、小当り発生時の遊技状態が高確率状態であれば、小当り遊技終了後も高確率状態とされ、小当り発生時の遊技状態が低確率状態であれば、小当り遊技終了後も低確率状態とされる。また同様に、第2特別図柄の時短機能及び高ベース発生機能についても、小当りの発生に基づいて作動しないものとしている。
本実施例では、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、4R第1大当りが65%、4R第2大当りが35%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、15R第3大当りが50%、4R第4大当りが5%、2R第5大当りが5%、2R第6大当りが5%、2R第7大当りが25%、2R第8大当りが10%となっている。すなわち、後述の第2特別図柄時短機能の作動により、入球頻度が向上した第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)により大当りとなった場合には、15R大当り(15R第3大当り)となって、短期間に多量の遊技球を獲得可能となる。このように、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる(多量の遊技球を獲得できる)可能性が高くなるように設定されている。また遊技者は、15R第3大当りの発生と共に、小当りによって遊技球を増加可能な高確低ベース状態の発生に期待して遊技を行う。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当り、小当り又は外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数」(「当否判定用情報」ともいう。)に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数」(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0~629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「変動パターン乱数」(「変動パターン情報」ともいう。)がある。また、変動パターン乱数は、特別図柄の変動時間を含む変動パターン(変動態様)を決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄当否判定)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~240までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能(確変機能)、特別図柄及び普通図柄に対する変動時間短縮機能、及び、第2始動口の開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」という。高確率状態(大当り確率:1/315)では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が低確率状態(大当り確率:1/63)よりも高くなっている。すなわち、低確率状態では低確率状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。なお、特別図柄当否判定の確率(大当り確率)として高確率又は低確率を設定する手段(主制御部)を「確率設定手段」という。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、第2特別図柄の変動時間の長短が遊技者の有利・不利に特に関係するため、図6に示すように「第2特別図柄時短機能」として設定している。第2特別図柄時短機能が作動していない場合、すなわち、図9に示す状態Aのとき、遊技者が右打ち遊技を行って第2始動口21に遊技球を入球させると、第2特別図柄当否判定が実行されると共に、第2特別図柄が変動表示する。しかしながら、状態Aにおける第2特別図柄の変動時間は、非常に長い時間(外れ10分、大当り3分、小当り2分)に設定しているため、スムーズに遊技を進行できない(このような状態を「第1条件状態」ともいう。)。従って、状態Aにおいて右打ち遊技を行っても、遊技者が多量の遊技球を獲得することは困難となっている。そのため、状態Aでは、特別図柄の変動時間が適切な長さに設定される第1始動口20を狙って、左打遊技で遊技を進行することとなる。一方で、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを、同時に(並行して)実行することが可能な遊技機であるので、状態Aのときに、誤って第2特別図柄を変動表示させた場合でも、当該第2特別図柄の変動表示が終了するのを待つことなく、第1始動口20に遊技球を入球させて、第1特別図柄を変動表示させることが可能となっている。
第2特別図柄時短機能が作動している場合、すなわち、図9に示す状態B又は状態Cのとき(このような状態を「第2条件状態」ともいう。)、図9に示すように、第2特別図柄の変動時間が短時間となるため、遊技者は、右打ち遊技を行うことで、左打ち遊技に比して持ち球を減らすことなく(状態Bにおいては維持又は微減で、状態Cにおいては増加させながら)、円滑に遊技(第2特別図柄当否判定、第2特別図柄の変動遊技)を実行することが可能となる。また、本実施例では、第2特別図柄時短機能が作動している期間は、第1特別図柄時短機能も作動させているが、第1特別図柄時短機能については作動させなくともよい。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能(第2特別図柄時短機能)とは同時に作動する。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、高ベース発生機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)において作動し、低ベース状態(低確低ベース状態、高確低ベース状態)において作動しない。よって、高ベース状態(状態B)では、普通図柄当否判定における当り確率は、低ベース状態よりも高くなっている(「普図高確率状態」ともいう。)。すなわち、高ベース状態(状態B)では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が、低ベース状態(状態A、C)で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い状態B用の普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また、高ベース状態では、普通図柄の変動時間が低ベース状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は低ベース状態では3秒であるが、高ベース状態では1秒である(図8(E)参照)。さらに、高ベース状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、低ベース状態よりも長くなっている。すなわち、高ベース状態では可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動する。具体的に、低ベース状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.5秒の開放動作を3回(開放時間:1.5秒)行い、開放動作を行っている期間において第2始動口が開状態となる。また、高ベース状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が6.0秒の開放動作を1回(開放時間:6.0秒)行うものとされる。また、低ベース状態における開放動作間の閉鎖時間は0.1秒とされている。なお、本実施例では、低ベース状態のときと高ベース状態のときとで、開閉部材37の開放動作の回数を異ならせたが、開放動作の回数を同じにしてもよい。例えば、低ベース状態の開放動作を1.0秒の1回開放としたり、高ベース状態の開放動作を2.0秒の3回開放としたりしてもよい。また、高ベース状態の開放動作を1.0秒の6回開放とし、低ベース状態の開放回数よりも多くしてもよい。このような場合を、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動するともいう。
高ベース状態では、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動することにより、これらの機能が作動していない低ベース状態に比して、第2始動口21が開放している期間が長くなり(単位時間当りの開放時間が長くなる)、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう。)。その結果、第2特別図柄当否判定の実行頻度が高くなる。なお、前述した通り、高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
また、同じ開放時間であれば、開放回数が少ない方が、遊技球が第2始動口21を通過する可能性を低減することが可能となる。本実施例では、高ベース状態における第2始動口21の開放態様を、6.0秒の1回開放とし、更に普通図柄の変動時間を極短時間(1秒)としている。なお、普通図柄の変動中は、第2始動口21が閉状態となるため、普通図柄の変動時間は、閉状態の第2始動口21の可動部材23の上面を、遊技球が流下し始めてから当該上面を通過してしまう前に、第2始動口21の可動部材23が開動作する程度の時間に設定する。閉状態の可動部材23の上面を流下中に、可動部材23が開状態となると、可動部材23の上面を流下中の遊技球は開状態となった第2始動口21に入球する。また、可動部材23の上面を流下中の遊技球が可動部材23の上面を通過してしまうのを防ぐため、可動部材23の上面(遊技球通路)を構成する素材を、その手前側の遊技球通路を構成する素材よりも、摩擦係数の高い素材としている(素材が異なる)。これにより、可動部材23の上面の遊技球流下速度を、その手前側の遊技球通路の遊技球流下速度よりも遅い速度としている。また、流下速度を低減する態様として、その他、傾斜角度を緩くしてもよいし、流下速度を低減する阻害部材(突起等)を設けてもよい。またこれにより、高ベース状態において、第2始動口21まで流下してきた遊技球が、第2始動口21に入球することなく(可動部材23の上面を流下して)、第2大入賞口35に流下する可能性をより低減している。すなわち、高ベース状態においては、小当りとなり第2大入賞口35が開状態(入球可能状態)となったとしても、流下してきた遊技球は第2始動口21に入球し、第2大入賞口35に入球するのが困難となっている。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」という。
前述した通り、本実施例のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の当否判定よりも第2特別図柄の当否判定の方が遊技者にとって有利であるので、遊技者は第1特別図柄を変動表示させることなく、第2特別図柄を変動表示させようとする可能性がある。すなわち、通常状態(低確低ベース状態)であっても、右打ち遊技を行おうとする可能性がある。しかしながら、前述したように、通常状態(低確低ベース状態)では、第2特別図柄の変動時間(平均変動時間)を、第1特別図柄の変動時間(平均変動時間)と比べて極めて長期間に設定しているため、通常状態で第2特別図柄を変動表示させても、多くの回数変動表示させることができず、遊技効率が非常に悪いものとなっている。すなわち、右打ち遊技により第2特別図柄を変動表示させるよりも、左打ち遊技によって第1特別図柄を変動表示させる方が、遊技者にとって有利となる。ここで、「第1特別図柄が遊技中でない状態(非遊技状態)」とは、第1特別図柄が変動表示中でなく(確定停止表示時間含む)且つ第1特別図柄の保留数が「0」であることをいう。また、「第2特別図柄が遊技中でない状態(非遊技状態)」とは、第2特別図柄が変動表示中でなく(確定停止表示時間含む)且つ第2特別図柄の保留数が「0」であることをいう。
また、高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態、並びに、高確低ベース状態では、第2特別図柄時短機能により第2特別図柄の変動時間が短時間となり、右打ち遊技による遊技効率がよくなる。このような場合には、右打ち遊技を行って遊技者にとって有利な第2特別図柄当否判定を行った方が、有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。
また、高確低ベース状態においては、第2始動口21への入球頻度は、低確低ベース状態(通常状態)と同様であるものの、第3始動口26への入球に基づいて実行される第2特別図柄の変動時間が短時間となるため、第1特別図柄当否判定よりも遊技者に有利な第2特別図柄当否判定を実行可能な右打ち遊技を行う。ここで、高確低ベース状態では、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能が何れも作動していないため、第2始動口21への入球頻度が高ベース状態と比較して低い。そのため、第2始動口21への入球に基づく賞球は、高ベース状態ほど得ることができない。しかしながら、その代わりに、第3始動口26への入球に基づく第2特別図柄当否判定により高い確率で発生する小当り(小当り確率:300/630)によって、大当り間に遊技球が減少することを防ぎ、むしろ小当りを頻発させる(複数回発生させる)ことによって持ち球を増加させることが可能である。
すなわち、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)においては、右打ち遊技によって第2始動口21への入球を頻発させることで、持ち球を大きく減らすことなく、第2特別図柄当否判定によって次の大当りの発生を狙う。なお、本実施例では、第2始動口21への入球に基づく賞球数が1個に設定されており、右打ちした遊技球が全て第2始動口21に入球したとしても、遊技球が増加することはない(維持となる)。また、本実施例では、右打ちした遊技球の約90~95%が第2始動口21に入球するような設定とされているため、他の入球口に入球しない限り、高ベース状態を長期間継続すると、若干ではあるが持ち球を減少する仕様となっている。
一方、高確低ベース状態においては、右打ち遊技によって、第3始動口26への入球に基づく第2特別図柄当否判定で小当りを頻発させて、小当り遊技での持ち球の増加を図ると共に、第2特別図柄当否判定によって次の大当りの発生を狙う。つまり、高確低ベース状態(特定期間)では、第2特別図柄(識別情報)が小当り図柄(第2特定態様)で停止表示される頻度が、他の遊技状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態及び低確低ベース状態、すなわち、非特定期間)に比べて高くなり、これに伴って小当り遊技の実行頻度が高くなるのである。なお、本実施例のパチンコ遊技機1では、高確低ベース状態においては、次の大当りが発生しない期間が長いほど(高確低ベース状態の期間が長く続くほど)、多数の小当り発生させる(小当り遊技を実行する)機会が多くなり、遊技者にとって有利となる。このように小当りを頻発させて小当り遊技により持ち球を増加させながら次の大当りの発生を狙うことが可能とされる高確低ベース状態は所謂「小当りラッシュ」と呼ばれる遊技状態あり、当該遊技状態のことを「特定遊技状態」ともいう。
[盤面構成と遊技状態の説明]
図3に示すように、右遊技領域3B(第2遊技領域)には、遊技領域の上流側からゲート28(開始ゲート29)、第1大入賞口30、第2始動口21、第2第入賞口35の順に、各種入球口が最適な順序で配置されている。また、右遊技領域3Bの遊技球流下通路が図3に示すように形成されているため、これらの各入賞口が閉状態のときは、右遊技領域3Bに発射した遊技球のほとんど(90%以上)は、ゲート28(開始ゲート29)を通過し、その後第1大入賞口30の開閉部材32上面を流下し、その後第2始動口21の可動部材23上面を流下し、その後第2第入賞口35の開閉部材37上面を流下し、アウト口34への流下する構成とされている。そして、その流下途中に開状態の入賞口がある場合には、当該入賞口に入球し、当該入賞口から遊技盤裏面に排出され、入球した遊技球は、それより下流の遊技領域にはいかない構成となっている。
本実施例では、ゲート28を最上流に配置したことで、開放した第2始動口21等によって、ゲート28に遊技球が到達するのが阻害されるといった事態の発生を防止することができる。また、普通図柄保留が「0」となって、待ち時間(普通図柄が変動しないといった状態)が発生してしまうのを極力防止できる。すなわち、右遊技領域の最上流にゲート28を配置したことで、他の入賞口の開放の有無に関係なく、右打ちしたほとんど全ての遊技球をゲート28に通過させることができる。また、ゲート28を通過した遊技球は、そのまま右遊技領域を下流側に流下するため、ゲート28の存在が他の入賞口への入球を阻害することもない。
高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)において右打ち遊技を行うと、まず遊技球がゲート28を通過し、第2始動口21を開状態とするか否かの判定が実行される。高ベース状態では、普通図柄の変動時間が短時間(1秒)に設定され、且つ、普通図柄当り確率もほぼ当りとなる高確率(239/240)に設定されているため、遊技球がゲート28を通過した後すぐに(1秒後に)、可動部材23が開動作して第2始動口21が開状態となる。すなわち、ゲート28を遊技球が通過して普通図柄当否判定が実行され、普通図柄が変動表示する場合、当該ゲートを通過した当該遊技球が第2始動口21の入口に到達する前に、第2始動口21は開状態となる。また、第2始動口21の開放時間も6.0秒の1回開放とされるため、右打ち遊技を継続する限り、第2始動口21は、1秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、その後6.0秒の1回開放を行う、1秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、その後6.0秒の1回開放を行う、というサイクルを繰り返すこととなる(1秒閉鎖→6.0秒開放→1秒閉鎖→約6.0秒開放→・・・)。
従って、高ベース状態で右打ち遊技を行うと、第2始動口21がほぼ開放した状態となり、右遊技領域3Bを流下する遊技球のほとんど(約80~90%)は第2始動口21に入球することとなる。遊技球が第2始動口21に入球すると、第2特別図柄当否判定が実行される。第2特別図柄当否判定では、高確高ベース状態においては、1/63の確率で大当りとなり、30/63の確率で小当りとなり、32/63の確率で外れとなる。
高ベース状態にて第2特別図柄当否判定の結果が外れである場合、右遊技領域3Bを流下する遊技球は、ゲート28を通過した後、ほとんど(約80~90%)の遊技球は開状態となる第2始動口21に入球し、その他の遊技球は第2始動口21の手前で分岐する遊技球通路のうち上段側遊技球通路に誘導されて、第3始動口26に入球するかアウト口34に流入する。これにより、第2特別図柄当否判定が連続的に実行される。なお、第2始動口21に1個入球したことによって1個の賞球が排出されるため、持ち球をほとんど減らすことなく第2特別図柄当否判定を実行し、次の大当りを狙うことが可能となる。また、第3始動口26に1個入球したことによっても、1個の賞球が排出される。
また、高ベース状態にて第2特別図柄当否判定の結果が大当りである場合、第2始動口21の上流側の第1大入賞口30が、図6に示す大当り種別に応じた態様で開状態となる。また、第2始動口21の下流側に設けられた第2大入賞口35は大当り遊技で開状態とならない。これにより、大当り遊技か開始されると、右打ち遊技によって流下する遊技球は、第2始動口21等の他の入賞口によって入球を阻害されることなく、円滑に第1大入賞口30に入球する。
ここで、第2始動口21を第1大入賞口30よりも上流に配置した場合、大当り遊技中は低ベース状態に移行するものの、本実施例では、低ベース状態でも第2始動口21が頻繁に開状態となる仕様としているため、大当り遊技中に右遊技領域を流下する遊技球が、第2始動口21に先に入球してしまい、第2始動口21に入球しなかった遊技球だけが第1大入賞口30に入球するといった事態が生じる。しかも、第2始動口21への入球に基づく賞球は1個とされているため、大当り遊技の実行時間が徒に長期間化するだけで、遊技者には何らのメリットもない。むしろ、遊技が冗長となり円滑に進まず、遊技興趣を低下させる虞がある。この点、本実施例のように、第1大入賞口30を第2始動口21の上流側に配置することでそのような事態を防止し、大当り遊技を円滑に進行することが可能となる。なお、大当り遊技中以外は第1大入賞口30が開放することはないため、大当り遊技以外のときに、第1大入賞口30が第2始動口21への入球を阻害することはない。
また、高ベース状態にて第2特別図柄当否判定の結果が小当りである場合、第2始動口21の下流側の第2大入賞口35が、図6に示す小当り用の開閉態様で開状態となる。具体的には、0.9秒の開動作を2回実行する(開動作間の閉鎖時間は0.1秒)。しかしながら、前述した通り、高ベース状態では、ほとんどの期間、第2始動口21が開状態となっている。そのため、第2始動口21まで流下する遊技球のうち、およそ99%(ほとんど全て)の遊技球が、第2大入賞口35の上流側に配置される第2始動口21に入球する。従って、高ベース状態においては、小当りとなって第2大入賞口35を開状態とする小当り遊技が実行されたとしても、上流側の第2始動口21によって、下流側の第2大入賞口35への入球が阻害され、第2大入賞口35への入球が困難な状態となっている。なお、数は少ないが(可能性は低いが)、高ベース状態であっても、第2始動口21が閉状態のときに第2始動口21の可動部材23の上面を通過した遊技球が第2大入賞口35に到達した際に、第2大入賞口35が開状態となっていれば当該遊技球は第2大入賞口35に入球し得る。
次に、高確低ベース状態について説明する。高確低ベース状態は、低ベース状態であるが第2特別図柄の変動時間が短時間となるため、右打ちで遊技を進行するのが遊技者にとって有利となっている。高確低ベース状態において右打ち遊技を行うと、まず遊技球がゲート28を通過し、第2始動口21を開状態とするか否かの判定(普通図柄当否判定)が実行される。低ベース状態(高確低ベース状態)では、普通図柄の変動時間が高ベース状態よりも長時間(3秒)に設定され、且つ、普通図柄当り確率が高ベース状態の半分ほどの確率(120/240)に設定されているため、遊技球がゲートを通過した後、少し時間をおいて(3秒後に)当りとなれば、可動部材23が動作して第2始動口21が開状態となる。当りとなる確率は1/2程度であるので、当りと外れがおよそ半々で発生する。
すなわち、ゲート28を遊技球が通過して普通図柄当否判定が実行され、普通図柄が変動表示する場合、当該ゲートを通過した当該遊技球が第2始動口21の入口を通過した後に、第2始動口21は開状態となる。また、第2始動口21の開放時間も0.5秒の3回開放(開放間の閉鎖時間は0.1秒)とされるため、右打ち遊技を継続する限り、第2始動口21は、3秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、当りになると、その後0.5秒の3回開放を行い、外れになると再度3秒の普通図柄変動時間となる。当りと外れとが交互に発生する例でみると、第2始動口21は、3秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、その後0.5秒の3回開放を行い、3秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、外れとなり、3秒の普通図柄変動時間中は閉鎖し、というサイクルを繰り返すこととなる(3秒閉鎖→約1.5秒開放→3秒閉鎖→3秒閉鎖→約1.5秒開放→3秒閉鎖→3秒閉鎖→約1.5秒開放→・・・・・・)。
従って、高確低べース状態で右打ち遊技を行うと、第2始動口21が開状態となる期間がおよそ20%程度、閉状態となる期間がおよそ80%程度で発生することとなる。このため、第2始動口21が開状態となる期間がおよそ90%程度、閉状態となる期間がおよそ10%程度で発生する高ベース状態と比較して、高確低ベース状態は、第2始動口21入口まで流下してきた遊技球が第2始動口21に入球することなく、可動部材23の上面を通過して第2大入賞口35の入口まで到達する可能性が高く設定されている。なお、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなる可能性は、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)であっても高確低ベース状態であっても変わらない。すなわち、小当り確率は遊技状態にかかわらず変化しない(小当り確率:300/630)。また、左打ち遊技にて実行される第1特別図柄当否判定の結果には小当りが設けられておらず、右打ち遊技にて実行される第2特別図柄当否判定の結果にだけ小当りが設けられている。
前述した通り、高確低ベース状態では、右遊技領域を流下する(第2始動口21まで流下した)遊技球のうちおよそ80%程度の遊技球が、第2始動口21に入球することなく、第2始動口21の下流に設けられた第2大入賞口35まで流下する。第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなった場合には、図6に示す小当り用の開閉態様で第2大入賞口35が開状態となる。具体的には、0.9秒の開動作を2回実行する(開動作間の閉鎖時間は0.1秒、総開放時間1.8秒)。そして、ゲート28を通過した遊技球は、第1大入賞口30の開閉部材32の上面を通過して第2始動口21まで流下し、第2始動口21が開状態となっていれば第2始動口21に入球し、第2始動口21が閉状態となっていれば第2始動口21の可動部材23の上面を通過して第2大入賞口35まで流下し、小当り遊技によって開状態となった第2大入賞口35に入球する。
第2大入賞口35への入球に基づく賞球は、1個の入球に対して10個の賞球とされているため、小当り遊技中に第2大入賞口35に入球させることで、高確低ベース状態中に持ち球を増加させることが可能となる。また、高確低ベース状態は、少なくとも、特別図柄当否判定(右打ち遊技を続ける限り第2特別図柄当否判定だけ実行される)によって次の大当りが発生するまで継続するため、高確低ベース状態が長期間継続するほど、遊技者は持ち球を増加させることが可能となる。なお、本実施例では、1回の小当り遊技の発生により、平均して約30個の賞球(3個の入球)を獲得可能としている。この小当り遊技を次の大当りが発生するまでの期間に複数回(多数回)発生させることで、多量の遊技球(賞球)を獲得すること(例えば、10回で300個、20回で600個の獲得)も可能となる。そして、右打ち遊技を継続する「連荘期間」の総獲得球として、大当り遊技の獲得球に加えて小当り遊技の獲得球を加算でき、より大量の遊技球を獲得可能となる。これにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
ゲート28、大当り用(大当り専用)の第1大入賞口30及び第2始動口21よりも下流(これらのなかで最下流)に配置した第2大入賞口35は、小当り用(小当り専用)の大入賞口とされている。この小当り用の大入賞口である第2大入賞口35を、第2始動口21よりも下流に配置することで、第2始動口21の開動作(開閉制御)によって、第2大入賞口35に到達する遊技球の数(割合)を制御可能としている。具体的には、第2始動口21の開閉制御(開状態となる時間、普通図柄の変動時間、普通図柄当否判定の当り確率)によって、小当り遊技が実行された場合に、高ベース状態(低確高ベース状態、高確高ベース状態)よりも、高確低ベース状態の方が、第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性を高くしている。また本実施例では、図3に示すように、第2始動口21を(入球することなく)通過しない限り、第2大入賞口35へは到達しない流路を形成することで、第2始動口21の開閉制御による効果を、より効果的なものとしている。
本パチンコ遊技機1は、同じ右打ち遊技であっても、第2始動口21に遊技球を入球させて持ち球をほぼ維持(微増又は微減を含む)しながら(又は、持ち球減少の速度を抑制しながら)、第2特別図柄当否判定の結果が大当り(有利な大当り)となることに期待して遊技する状態(高ベース状態)と、第2始動口21に遊技球を入球させて小当り発生時に第2大入賞口35に入球させて持ち球を増加させながら、第2特別図柄当否判定の結果が大当り(有利な大当り)となることに期待して遊技する状態(高確低ベース状態)と、を有し、遊技性を多様化している。これにより、遊技興趣を高めることが可能となる。なお、遊技者にとっては、高ベース状態よりも、持ち球の増加を図ることが可能な高確低ベース状態の方が有利な遊技状態となる。
また本実施例では、図6に示すように、大当り遊技後の遊技状態が高確高ベース状態に設定された場合であって、当該高確高ベース状態において予め定められた回数(50又は100)の特別図柄の変動表示が終了するまで大当りにならなかったときは、遊技状態が高確低ベース状態に変化するものとしている。さらに、大当り遊技終了後の遊技状態が高ベース状態に設定された場合、演出図柄表示部等において、当該高ベース状態が低確高ベース状態なのか高確高ベース状態なのかを認識困難な表示態様で遊技演出を実行する。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が、高確低ベース状態でなく高ベース状態であったとしても、その後、予め定められた変動回数の後に、高確低ベース状態に変化することに期待して遊技を行うことが可能となる。これにより、遊技興趣を長期間維持することが可能となる。
また本実施例では、高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行する大当りの種別として、「2R第5大当り」と「2R第6大当り」とを有している。「2R第5大当り」は、50回の特別図柄の変動表示を経過すると高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行し、「2R第6大当り」は、100回の特別図柄の変動表示を経過すると高確高ベース状態から高確低ベース状態に移行する。また、高確低ベース状態として、「2R第7大当り」と「2R第8大当り」とを有している。「2R第7大当り」は、50回の特別図柄の変動表示を経過すると低確高ベース状態から低確低ベース状態(通常状態)に移行し、「2R第8大当り」は、100回の特別図柄の変動表示を経過すると低確高ベース状態から低確低ベース状態(通常状態)に移行する。本実施例では、これら「2R第5大当り」と「2R第6大当り」と「2R第7大当り」と「2R第8大当り」との4個の大当り種別に係る大当り遊技及び大当り遊技後の高ベース状態において、共通演出を実行することで、何れの遊技状態であるかを遊技者が認識困難としている。すなわち、遊技状態を報知しない非報知状態としている。
本実施例では、非報知状態の発生契機となる「2R第5大当り」、「2R第6大当り」、「2R第7大当り」、「2R第8大当り」の振分率(発生率)により、50回を経過しても高ベース状態(非報知状態)が継続した場合には、50回で高ベース状態が終了する場合よりも高い可能性で、100回経過の際に高確低ベース状態に移行するものとしている。このため、遊技者は、50回経過の際に高確低ベース状態に移行することに期待すると共に、50回経過後も高確低ベース状態に移行することなく高ベース状態が継続した場合(非報知状態が継続した場合)であっても、高確低ベース状態への期待感をより高めることが可能となる。これにより、遊技興趣を長期間維持することが可能となる。
なお、このような態様に変えて、50回経過時に移行する場合であっても100回経過時に移行する場合であっても、高確低ベース状態に移行する可能性を同じに設定してもよいし、逆に、50回経過時に移行する場合の方が、100回経過時に移行する場合よりも、高確低ベース状態に移行する可能性を高くしてもよい。これにより、50回を経過しても高ベース状態が継続する場合には、高確低ベース状態移行への期待感を低下させることとなる。また、更に他の大当り種別を設け、第1所定回数の特別図柄の変動表示を経過しても高ベース状態が継続する場合には、第1所定回数よりも多い第2所定回数の経過後に(それまでに大当りとならなければ)高確低ベース状態に移行することを確定させてもよい。また逆に、第1所定回数の特別図柄の変動表示を経過しても高ベース状態が継続する場合には、第1所定回数よりも多い第2所定回数の経過後に(それまでに大当りとならなければ)高確低ベース状態に移行しないことを確定させてもよい。また、高ベース状態の非報知状態の途中で、所定条件(乱数抽選等)が成立すると、遊技者に遊技状態を認識容易なキャラクタや文字を表示する(確定演出を実行する)ことで、遊技状態を報知してもよい。
高確低ベース状態において第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、及び、外れとなった場合については、前述した高ベース状態において第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、及び、外れとなった場合と同様である。
開始ゲート29は、ゲート28と兼用することで、右遊技領域3Bにおいて最上流に設けている。これにより、大当り待機状態となった場合に、第2始動口21等によって開始ゲート29への通過を阻害されることなく、任意のタイミングで遊技球を開始ゲート29に通過させ、大当り遊技を開始することが可能となる。なお、開始ゲート29及びゲート28は別個に設けてもよいが、その場合、開始ゲート29はゲート28より上流であっても下流であっても構わないが、第1大入賞口30、第2始動口21、第2大入賞口35よりは上流に設けることを要する。
次に、図4に示す発射方向表示器47は、右打ち遊技を行うべき状態のとき所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。また、発射方向表示器47は、左打ち遊技を行うべき状態のとき所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。具体的に、発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1では、識別情報(特別図柄、演出図柄)の変動表示が行われるときの遊技状態を「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、「低確高ベース状態」及び「高確高ベース状態」の何れかに制御可能としているが、そのうち、低確低ベース状態のことを「通常遊技状態」ともいい、高確低ベース状態のことを「特定遊技状態」ともいう。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図46に基づいて遊技制御用マイコン81の主要な動作(主制御部による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。図10に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。また、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4msec周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なおコマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、入球情報や賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、余剰球受皿62(「下皿」ともいう。)の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
ここで、入球情報は、遊技球を検知したセンサに対応する始動口や入賞口等への入球があった旨を示すデータであり、例えば、始動入球コマンドや第1大入賞口入球コマンド、第2大入賞口入球コマンド、一般入球口コマンドが該当する。これらの入球コマンドは、出力処理(S201)により副制御基板90へ送信されて各種演出装置の制御等に供される。また、賞球情報は、各種入賞口(センサ)に応じて定められた個数の賞球の払い出しを払出制御基板110に指示するためのデータであり、例えば、賞球払出コマンドが該当する。具体的に、例えば、大当り遊技で遊技球が第1大入賞口30に入球して第1大入賞口センサ30aにより検知されると、15個の賞球払い出しを指示する賞球払出コマンドが賞球情報として記憶され、小当り遊技で遊技球が第2大入賞口35に入球して第2大入賞口センサ35aにより検知されると、10個の賞球払い出しを指示する賞球払出コマンドが賞球情報として記憶される。これらの賞球払出コマンドは、出力処理(S201)により払出制御基板110へ送信され、払出装置120(払出モータ121)の制御に供される。
次いで、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同様の処理である。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。これにより、各種乱数の取得値にランダム性を持たせている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図1動作処理(S207)、特図2動作処理(S208)、保留球数処理(S209)、及び、電源断監視処理(S210)を実行する。その後、その他の各種処理(S211)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80(主制御部)のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは、主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過したと判定した場合(S301でYES)、次いで、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定する(S302)。一方、S301にて遊技球がゲート28を通過していないと判定した場合(S301でNO)、S305に進む。
S302で普通図柄保留球数が4以上であると判定した場合(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でないと判定した場合(S302でNO)、記憶されている普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行い、S305に進む。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報、普図取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。その結果、第1始動口20に遊技球が入球していないと判定した場合(S305でNO)、S309に進む。一方、第1始動口20に遊技球が入球したと判定した場合(S305でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S306)。そして、特図1保留球数が4個に達していると判定した場合(S306でYES)、S309に進む。S306で、特図1保留球数が4個未満であると判定した場合(S306でNO)、記憶されている特図1保留球数に1を加算し(S307)、特図1関係乱数取得処理を行い(S308)、S309に進む。
特図1関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(図7(A)に示す乱数の値)、それら取得乱数値(取得情報、特図取得情報)を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S309では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。S309で、第2始動口21に遊技球が入球していないと判定した場合(S309でNO)、処理を終える。一方、S309で、第2始動口21に遊技球が入球したと判定した場合(S309でYES)、次いで、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S310)。そして、S310で、特図2保留球数が4個に達していると判定した場合(S310でYES)、処理を終える。S310で、特図2保留球数が4個未満であると判定した場合(S310でNO)、記憶されている特図2保留球数に「1」を加算し(S311)、特図2関係乱数取得処理を行い(S312)、処理を終える。
特図2関係乱数取得処理(S312)では、特図1関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、及び、変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(図7(A)に示す乱数値)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)ではまず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定(事前判定)し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定(事前判定)する。このS317による判定(事前判定)は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理における当否判定に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
なお、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(大当り情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報(大当り種別情報)、特別図柄当否判定用乱数値が小当り判定値と一致するか否かを示す情報(小当り情報)、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、小当りに係る情報であるか等を、サブ制御部90が識別できる。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び、低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能としている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報と、を含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S321の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理における当否判定に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401,S403,S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、S501で「0」であると判定した場合(S501でYES)、処理を終える。一方、S501で、「0」でないと判定した場合(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が高ベース状態(状態B)であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が低ベース状態(状態A、C)であれば、普通図柄の変動時間が3秒の普通図柄変動パターンを選択する。また、普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理を行い(S504)、次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始すると共に、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、状態BフラグがONか否か、すなわち、遊技状態が高ベース状態(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)であるか否かを判定する(S602)。S602で、状態BフラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定された場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち状態B用のテーブル(当り判定値が「0」~「238」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
一方、S602で、状態BフラグがONでない、すなわち、低ベース状態であると判定された場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち状態A(状態C)用のテーブル(当り判定値が「0」~「119」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していないと判定した場合(S801でNO)処理を終える。一方、経過したと判定した場合(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットし(S802)、普図動作ステータスを「3」にセットし(S803)、次いで、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行い(S804)、処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでないと判定した場合(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、処理を終える。一方、普図当りフラグがONであると判定した場合(S901でYES)、次いで、状態BフラグがONであるか否か、すなわち、高ベース状態であるか否かを判定する(S902)。S902で、状態BフラグがONであると判定した場合(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして状態B用(高ベース状態用)の開放パターンをセットし(S903)、S904に移行する。状態B用(高ベース状態用)の開放パターンとは、前述の通り、6.0秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。
これに対して、状態BフラグがONでないと判定した場合(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして状態A及び状態C用(低ベース状態用)の開放パターンをセットし(S906)、S904に移行する。状態A及び状態C用(低ベース状態用)の開放パターンとは、前述の通り、0.5秒の開放を3回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。S904では、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。普図当り終了フラグがONでないと判定した場合(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。S1002で、第2始動口が開放中でないと判定した場合(S1002でNO)、次いで、第2始動口21を開放させる時期に至ったか否かを判定し(S1003)、開放時期に至っていないと判定した場合(S1003でNO)、処理を終える。一方、S1003で第2始動口の開放時期であると判定した場合(S1003でYES)、第2始動口を開放する制御を実行し(S1004)、処理を終える。また、S1002で第2始動口21の開放中であると判定した場合(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖する時期かどうか(すなわち、第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したかどうか)を判定し(S1005)、第2始動口の閉鎖時期でないと判定した場合(S1005でNO)、処理を終える。S1005で第2始動口の閉鎖時期であると判定した場合(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする処理を行い(S1006)、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、S1008の処理に移行する。
S1008では、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方、S1008で開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行い(S1009)、普図当り終了フラグをセットし(S1010)、処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、状態B(高ベース状態)中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、状態A及び状態C(低ベース状態)中も第2始動口21の開放が3回なされると「0」になる。
これに対して、S1001で普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにし(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットし(S1013)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図1動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図1動作処理(S207)を行う。特図1動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示部41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図1動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図1動作ステータスが「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄1待機処理(S1102)を行い、特図1動作ステータスが「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄1変動中処理(S1104)を行い、特図1動作ステータスが「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄1確定処理(S1106)を行い、特図1動作ステータスが「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、特図1動作ステータスが「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、処理を終える。なお、特図1動作ステータスは、初期設定では「1」である。また、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを設定していないため、特図1動作処理では特別電動役物処理2を実行しないが、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを設定してもよい。この場合、特図1動作ステータスが「5」のときに、小当り遊技としての特別電動役物処理2を実行する。
[特別図柄1待機処理]
図22に示すように、特別図柄1待機処理(S1102)ではまず、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。S1201で、特図1保留球数が「0」である、すなわち、第1始動口20への入球に基づいて取得した乱数カウンタ値の記憶がないと判定した場合(S1201でYES)、次いで、特図2が遊技中か否かを判定する(S1207)。そして、S1207で、特図2が遊技中であると判定した場合(S1207でYES)、処理を終える。一方、S1207で、特図2が遊技中でないと判定した場合(S1207でNO)、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1208)、待機画面中であると判定した場合(S1208でYES)、処理を終える。一方、S1208で、待機画面中でないと判定した場合(S1208でNO)、待機画面を表示するための待機画面設定処理を実行し(S1209)、処理を終える。
また、S1201で、特図1保留球数が「0」でない、すなわち、第1始動口20への入球に基づいて取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上あると判定した場合(S1201でNO)、後述する特図1当否判定処理(S1203)、特図1変動パターン選択処理(S1204)、特図1乱数シフト処理(S1205)、特図1変動開始処理(S1206)をこの順に行う。ここで「特図2(第2特別図柄)が遊技中でない」とは、特図2が変動表示中でなく(確定停止表示時間を含む)且つ特図2保留球数が「0」であることを意味する。もちろん、特図2に係る大当り遊技や小当り遊技も実行されていないことを意味する。
[特図1当否判定処理]
図23に示すように、特図1当否判定処理(S1203)ではまず、判定値として、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1601)。次いで、特図2大当り変動フラグがONか否か、すなわち、第2特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中であるか否かを判定する(S1602)。S1602で、特図2大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1602でYES)、S1607の処理に移行する。
すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、一方の特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中の場合、他方の特別図柄の当否判定において、大当りかどうかの判定を行わず、小当り又は外れのいずれかとされる(すなわち、大当りと判定されることはない)。なお、第1特別図柄当否判定の結果として小当りを有していないので、第2特別図柄が大当りに係る変動表示を実行中の場合、その間に実行する第1特別図柄当否判定の結果は、全て外れとなる。S1602で、特図2大当り変動フラグがONでない、すなわち第2特別図柄は大当りに係る変動表示を実行していないと判定した場合(S1602でNO)、次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1603)。S1603で、確変フラグがONでない、すなわち、低確率状態であると判定した場合(S1603でNO)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用(低確率状態用)の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1604)。一方、確変フラグがONであると判定した場合(S1603でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1605)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
S1606では、大当り判定(S1604、S1605)の結果が「大当り」であるか否かを判定し(S1606)、大当りであると判定された場合(S1606でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1608)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1609)、特図1大当り変動フラグをONにし(S1610)、処理を終える。なお、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定で大当りと判定した場合、4R第1大当り及び4R第2大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定された場合は、15R第3大当り、4R第4大当り、2R第5大当り、2R第6大当り、2R第7大当り及び2R第8大当りのうち何れかが実行される(図8(B))。一方、大当り判定(S1604、S1605)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1606でNO)、S1607の処理に移行する。S1607では外れ図柄を決定し(S1607)、処理を終える。
ここで、本実施例では、大当り変動フラグとして、第1特別図柄が大当りに係る変動表示(大当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第1大当り変動フラグと、第2特別図柄が大当りに係る変動表示(大当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第2大当り変動フラグと、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる大当り変動フラグ記憶手段に該当するフラグがセットされる。また、小当り変動フラグとして、第2特別図柄が小当りに係る変動表示(小当り図柄が停止表示することとなる変動表示)を実行中であることを示す第2小当り変動フラグと、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる小当り変動フラグ記憶手段に該当するフラグがセットされる。そして、一方の特別図柄について、大当り変動フラグがセットされている場合(すなわち、大当りに係る変動表示中の場合)には、他方の特別図柄当否判定においては、大当りか否かを判定する処理を行わない。すなわち、両方の特別図柄が大当りに係る変動表示を並行して実行するような制御は行われない。これにより、遊技者に対して極短時間であまりに多量の遊技価値を付与するといった事態を防止し、射幸性を適度に抑制することが可能となる。
[特図1変動パターン選択処理]
特別図柄1待機処理(S1102)では、特図1当否判定処理(S1203)に次いで、特図1変動パターン選択処理を行う(S1204)。図24及び図25に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1204)ではまず、遊技状態が状態A(低確低ベース状態)であるか否かを判定する(S1701)。その結果、状態Aであると判定した場合(S1701でYES)、次いで、特図1大当り変動フラグがONであるか否かを判定し(S1702)、特図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1702でYES)、状態A大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1703)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、本実施例では、状態A大当り用テーブルによって、変動時間の長さが異なる変動パターンP1~P3の何れかが選択される。
一方、S1702で特図1大当り変動フラグがONでないと判定した場合(S1702でNO)、特図1保留球数(保留数)が1又は2であるか否かを判定する(S1705)。S1705で保留数が1又は2であると判定した場合(S1705でYES)、状態A第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ外れ且つ保留数1,2に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。また、S1705で、保留数が1又は2の何れでもない、すなわち、保留数が3又は4の何れかであると判定した場合(S1705でNO)、状態A第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態A且つ外れ且つ保留数3,4に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。
これにより、第1特別図柄の保留球数が「3」又は「4」のときは、第1特別図柄の保留球数が「1」又は「2」のときと比較して、変動時間の短い変動パターンが選択される可能性が高くなっている。本実施例では、変動パターンP8~P11が選択される。これにより、特図保留球数に応じた短縮変動の機能が働き、平均変動時間が短くなる。
また、S1701で遊技状態が状態A(低確低ベース状態)でないと判定した場合(S1701でNO)、次いで、遊技状態が状態B(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)であるか否かを判定する(S1708)。その結果、状態Bであると判定した場合(S1708)、次いで、特図1大当り変動フラグがONであるか否かを判定し(S1709)、特図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1709でYES)、状態B大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態B且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1710)。一方、S1709で特図1大当り変動フラグがOFFであると判定した場合(S1709でNO)、状態B外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態B且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1711)。
また、S1708で遊技状態が状態B(低確高ベース状態、高確高ベース状態)でない、すなわち、遊技状態が状態C(高確低ベース状態)であると判定した場合(S1708でNO)、特図1大当り変動フラグがONであるか否かを判定し(S1712)、特図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S1712でYES)、状態C大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態C且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1710)。一方、S1712で特図1大当り変動フラグがOFFであると判定した場合(S1712でNO)、状態C外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち状態C且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。
なお、状態B及び状態Cにおいては、右打ち遊技によって第2特別図柄の変動表示を主として遊技を行う遊技状態であるため、遊技指示(右打ち又は左打ち)に従って遊技を行えば、第1特別図柄の変動表示が実行されることはほとんどない。そのため、状態B及び状態Cにおける第1特別図柄の変動時間は簡易なもの(種類を少なく、変動時間も短時間)としている。状態Bにおいて、大当りの場合は変動パターンP15とされ、外れの場合は変動パターンP16とされる。また状態Cにおいて、大当りの場合は変動パターンP23とされ、外れの場合は変動パターンP24とされる。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を実行し(S1704)、処理を終える。その他の処理(S1704)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図26に示すように、特図1乱数シフト処理(S1205)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第1特図保留記憶部85aがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部85aの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。特図1乱数シフト処理(S1205)を実行した後は、図22の特図1変動開始処理(S1206)を実行する。特図1変動開始処理(S1206)では、特図1動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄1変動中処理]
図27に示すように、特別図柄1変動中処理(S1104)ではまず、特図1の変動時間(図22のS1204で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。S1901で特図1の変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、特図1変動中断処理を行い(S1914)、処理を終える。一方、S1901で特図1の変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、S1903に移行する。S1903では、特図1変動停止コマンドをセットし(S1903)、S1904の処理に移行する。
次いでS1904では、状態BフラグがONであるか否かを判定する(S1904)。状態BフラグがONであると判定した場合(S1904でYES)、状態B(高ベース状態)中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする状態Bカウンタ(状態B変動カウンタ)の値を1減算し(S1905)、状態Bカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1906)。
S1906で状態Bカウンタの値が「0」であると判定した場合(S1906でYES)、状態BフラグをOFFにし(S1907)、S1908の処理に進む。状態BフラグをOFFにすることで、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行する。具体的に、低確高ベース状態であれば低確低ベース状態(通常状態)に移行し、高確高ベース状態であれば高確低ベース状態(有利状態)に移行する。
S1908では、特図1動作ステータスを「3」にセットし(S1908)、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1909)、処理を終える。
[特図1変動中断処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動中断処理(S1902)は、特図1の変動表示中に、特図2に係る大当り遊技又は小当り遊技が実行された場合、変動表示中の特別図柄1の変動時間の計測を一時的に中断し、大当り遊技又は小当り遊技が終了すると、中断していた計測を再開する処理である。これにより、一方の特別図柄に係る大当り遊技又は小当り遊技の実行中は、他方の特別図柄に係る当否判定処理や変動表示を実行しないものとしている。
図28に示すように、特図1変動中断処理(S1902)ではまず、特図1中断フラグがONであるか否かを判定し(S2901)、特図1中断フラグがONでないと判定した場合(S2901でNO)、特図2大当りフラグがONであるか否か、すなわち、特図2に係る大当り遊技が実行中であるか否かを判定する(S2902)。S2902で、特図2大当りフラグがONでないと判定した場合(S2902でNO)、次いで、特図2小当りフラグがONであるか否か、すなわち、特図2に係る小当り遊技が実行中であるか否かを判定する(S2909)。
S2909で特図2小当りフラグがONでない、すなわち、特図2に係る大当り遊技も小当り遊技も実行されていないと判定した場合(S2909でNO)、処理を終了する。そして、特図1の変動表示を継続する。一方、S2902で特図2大当りフラグがONであると判定した場合(S2902でYES)、又は、S2909で特図2小当りフラグがONであると判定した場合(S2909でYES)、特図1中断フラグをONにし(S2903)、特図1変動時間の計測を中断し(S2904)、処理を終える。これにより、特図1の変動表示を一時的に中断することができる。
また、S2901で特図1中断フラグがONである、すなわち、既に第1特別図柄の変動表示を中断中であると判定した場合(S2901でYES)、特図2大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2905)。S2905で特図2大当りフラグがONであると判定した場合(S2905でYES)、未だ特図2に係る大当り遊技の実行中であると判断して、処理を終える。一方、S2905で特図2大当りフラグがONでないと判定した場合(S2905でNO)、次いで、特図2小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2906)。S2906で、特図2小当りフラグがONであると判定した場合(S2906でYES)、未だ特図2に係る小当り遊技の実行中であると判断して、処理を終える。一方、S2906で特図2小当りフラグがONでないと判定した場合(S2906でNO)、特図2に係る大当り遊技又は小当り遊技が終了したと判断し、特図1中断フラグをOFFにし(S2907)、特図1変動時間の計測を再開し(S2908)、処理を終える。これにより、中断していた第1特別図柄の変動表示(変動時間の時間計測)を再開することができる。
ここで、本実施例では、中断フラグとして、第1特別図柄の変動表示が中断中であることを示す特図1中断フラグ(「第1中断フラグ」ともいう。)と、第2特別図柄の変動表示が中断中であることを示す特図2中断フラグ(「第2中断フラグ」ともいう。)と、を有しており、主制御部80のRAMに設けられる中断フラグ記憶手段に該当するフラグがセット(記憶)される。
[特別図柄1確定処理]
図29に示すように、特別図柄1確定処理(S1106)ではまず、特図1大当り変動フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。特図1大当り変動フラグがONであると判定した場合(S2001でYES)、第1特別図柄に係る大当り変動表示中であることを示す特図1大当り変動フラグをOFFにし(S2002)、第1特別図柄に係る大当り遊技の実行を示す特図1大当りフラグをONにし(S2003)、S2004の処理に移行する。これにより、特図1において、大当りに係る変動表示を終了し(大当りを確定し)、大当り遊技に移行することを示すことができる。
S2004では、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「4」にセットし(S2004)、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットし(S2005)、特図1動作ステータスを「4」にセットし(S2006)、処理を終える。また、変動表示する特別図柄の停止タイミングで、停止コマンドを副制御基板90に送信する。副制御基板90は、この停止コマンドを受信することで、特別図柄の変動表示が終了したことを把握することが可能となる。なお、これにより、大当り待機状態となる。また、S2001で、特図1大当り変動フラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しない、すなわち、外れに係る変動表示であるため、特図1動作ステータスを「1」にセットし(S2007)、処理を終える。
本実施例では、大当りフラグとして、第1特別図柄に係る当否判定の結果が大当りとなり当該大当りに係る大当り遊技が実行中であることを示す特図1大当りフラグ(「第1大当りフラグ」ともいう。)と、第2特別図柄に係る当否判定の結果が大当りとなり当該大当りに係る大当り遊技が実行中であることを示す特図2大当りフラグ(「第2大当りフラグ」ともいう。)と、を有し、大当り遊技が実行される際には、主制御部80のRAMに設けられた大当りフラグ記憶手段に対応する大当りフラグがセット(記憶)される。また、小当りフラグとして、第2特別図柄に係る当否判定の結果が小当りとなり当該小当りに係る小当り遊技が実行中であることを示す特図2小当りフラグ(「小当りフラグ」ともいう。)を有し、小当り遊技が実行される際には、主制御部80のRAMに設けられた小当りフラグ記憶手段に対応する小当りフラグがセット(記憶)される。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと4R用ランプと15R用ランプとの3個のLEDで構成されており、大当り図柄が確定表示するタイミングで、対応するランプが点灯表示される。具体的には、4R第1大当りとなった場合、「2R△4R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。
次に、特図2動作処理(S211)等について説明するが、特図2動作処理(S211)では、図21~図29に示した特図1動作処理(S206)等と同様の流れで処理を行うため、以下簡略化して説明する。
[特図2動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図1動作処理(S207)に次いで特図2動作処理(S208)を行う。図30に示すように、特図2動作処理(S208)では、図21に示す特図1動作処理(S207)と同様の流れで処理を行う。本実施例のパチンコ遊技機1は、これら特図1動作処理と特図2動作処理とにより、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して変動表示を実行可能としている。すなわち、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化と(「第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示と」、「第1特別図柄当否判定と第2特別図柄当否判定と」)が並行して実行可能とされている。また、本実施例では、第2始動口への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)の方が、第1始動口への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)よりも、遊技者にとって利益の大きい(獲得可能な利益量が多い)大当りになりやすくなっている(図8(B))。
図30に示すように、特図1動作処理(S207)と同様に、特別図柄表示部41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図2動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図2動作ステータスが「1」である場合には(S1151でYES)、特別図柄2待機処理(S1152)を行い、特図2動作ステータスが「2」である場合には(S1151でNO、S1153でYES)、特別図柄2変動中処理(S1154)を行い、特図2動作ステータスが「3」である場合には(S1151、S1153で共にNO、S1155でYES)、特別図柄2確定処理(S1156)を行い、特図2動作ステータスが「4」である場合には(S1151、S1153、S1155で共にNO、S1157でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、特図2動作ステータスが「5」である場合には(S1151、S1153、S1155、S1157の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。なお、特図2動作ステータスは、初期設定では「1」である。第2特別図柄当否判定の結果に小当りがあるため、特図2動作処理では、特図1動作処理にはない特別電動役物処理2(S1109)を有している。
ここで、特別電動役物処理1(S1108)は、特図1動作処理(S206)と特図2動作処理(S211)とで共通の処理とされ、特別電動役物処理2(S1109)は、特図2動作処理(S211)のみの処理とされる。これは、本実施例のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能とするものの、第1特別図柄に係る大当り遊技と第2特別図柄に係る大当り遊技とは並行して実行不能(何れか一方のみを実行可能)としているからである。なお、本実施例では第1特別図柄当否判定の結果に小当りを有していないが、他の態様として、第1特別図柄当否判定の結果に小当りを有してもよい。この場合には、大当り遊技と同様に、第1特別図柄に係る小当り遊技と第2特別図柄に係る小当り遊技とも並行して実行不能(何れか一方のみを実行可能)とする。
[特別図柄2待機処理]
図31に示すように、特別図柄2待機処理(S1152)は、図22に示す特別図柄1待機処理(S1102)と同様の流れで処理を行うものであるので、説明を省略する。
[特図2当否判定処理]
図32に示すように、特図2当否判定処理(S1253)は、図23に示す特図1当否判定処理(S1203)と同様の流れで処理を行うものである。但し、本処理は特別図柄2に関する処理であるので、S1301では、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出す。また、第2特別図柄当否判定の結果に小当りを有しているので、第2特別図柄当否判定の結果が大当りでないと判定した場合(S1304)、次いで、S1305で第2特別図柄当否判定の結果が小当りであるか否かを判定する(S1305)。S1305で小当りであると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、特図2小当り変動フラグをONにし(S1307)、処理を終える。その他の処理は、特図1当否判定処理(S1203)と同様である。
なお、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなる小当り確率(300/630=1/2.1)、すなわち、第2特別図柄(識別情報)が小当り図柄で停止表示される可能性は、低確率状態及び高確率状態の何れにおいても特別図柄当否判定の結果が大当りとなる大当り確率(低確率:1/315、高確率:1/63)、すなわち、特別図柄(識別情報)が大当り図柄で停止表示される可能性よりも高いものとなっている。
[特図2変動パターン選択処理]
図33及び図34に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1254)では、図24及び図25に示した特図1変動パターン選択処理(S1204)と同様の流れで処理(S1401~S1420)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は第2特別図柄に関する処理であるので、図9に示す変動パターンテーブルの第2特別図柄に該当する欄を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する。また、第2特別図柄当否判定の結果に小当りを有しているので、小当り変動フラグがONであると判定した場合、遊技状態に応じて小当り用テーブルから変動パターンを選択する。
なお、状態B及び状態Cでは、第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)を主として遊技を行う。そのため、状態B及び状態Cでは、第1特別図柄よりも第2特別図柄方が、選択可能な(選択対象となる)変動パターン(変動時間)の種類を多くしている(図9参照)。また、状態B及び状態Cでの第2特別図柄の変動時間が、状態Aでの第2特別図柄の変動時間よりも短くなるようにしている(図9参照)。一方、状態Aでは、第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)を主として遊技を行う。そのため、状態Aでは、第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が、選択可能な(選択対象となる)変動パターン(変動時間)の種類を多くしている(図9参照)。また、状態Aでは、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも格段に長くなるようにしている(図9参照)。これは、第2特別図柄当否判定の結果にだけ小当りが設けられており、その小当りが状態Aで頻発しないようにするためである。つまり、本パチンコ遊技機1の本来の遊技性に反して、左打ちで遊技を進めるべき状態Aで右打ちが行われるのを防止するためである。
この特図2変動パターン選択処理(S1254)において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1404)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図35に示すように、特図2乱数シフト処理(S1255)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。特図2乱数シフト処理(S1255)を実行した後は、図31の特図2変動開始処理(S1256)を実行する。特図2変動開始処理(S1256)では、特図2動作ステータスを「2」にセットすると共に、特図2変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄2変動中処理]
図36に示すように、特別図柄2変動中処理(S1154)では、図27に示す特別図柄1変動中処理(S1104)と同様の流れで処理(S1951~S1959)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。
[特図2変動中断処理]
図37に示すように、特図2変動中断処理(S1952)では、図28に示す特図1変動中断処理(S1902)と同様の流れで処理(S2951~S2959)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。
[特別図柄2確定処理]
図38に示すように、特別図柄2確定処理(S1156)では、図29に示す特別図柄1確定処理(S1106)と同様の流れで処理(S2051~S2069)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、特別図柄2確定処理(S1156)は、特図2に関する処理であるので、特別図柄1確定処理(S1106)とは、大当り種別(ラウンドカウンタ設定処理)や、特図2小当り変動フラグがONであると判定した場合(S2602でYES)の処理が異なっているが、図38に示す通りである。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図39に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、後述する大当り遊技開始処理を実行し(S2101)、S2102の処理に移行する。S2102では大当り開始フラグがONであるか否かを判定し(S2102)、大当り開始フラグがONでないと判定した場合(S2102でNO)、処理を終える。一方、大当り開始フラグがONであると判定した場合(S2102でYES)、次いで、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。ここで、大当り開始フラグは、大当り待機状態で、遊技者が任意のタイミングで遊技球を右遊技領域3Bに発射し、開始ゲート29に遊技球を通過させた場合に、ONとなるフラグである。特別図柄が大当り図柄で確定停止表示して大当りとなった後に、遊技球を開始ゲートに通過させることで、大当り開始フラグをONにし、大当り遊技が進行する(ラウンド遊技が開始する)。ここで、大当りとなった後に、開始ゲート29に遊技球を通過させない場合、遊技機1は大当りを実行可能な大当り待機状態のまま維持される。この間に、遊技者は席を離れ、トイレやドリンク、電話等の休憩をとることが可能となる。そして、休憩終了後に、遊技者の任意のタイミングで遊技球を発射し、開始ゲート29に遊技球を通過させることで、大当り遊技を進行することが可能となる。また、大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
S2103で大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、次いで、大入賞口(第1大入賞口30)が開放中であるか否かを判定し(S2104)、開放中でないと判定した場合(S2104でNO)、大入賞口(第1大入賞口30)を開放する時期(ラウンド開始時期)であるか否か、すなわち、開始ゲート29を通過させて1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバル時間(例えば2秒)が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったかを判定する(S2105)。S2105で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2105でNO)、処理を終える。一方、S2105で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2105でYES)、ラウンド開始コマンドをセットし(S2106)、大入賞口開放処理を行い(S2107)、処理を終える。これにより、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させる。
S2104で大入賞口(第1大入賞口30)の開放中であると判定した場合(S2104でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンドあたり10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数(10個)に達していないと判定した場合(S2111でNO)、次いで、大入賞口(第1大入賞口30)を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち、大入賞口を開放してから予め定められた開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。大入賞口の開放時間が経過していないと判定した場合(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、S2111で規定入球個数(10個)に達したと判定した場合(S2111でYES)、又は、S2112で大入賞口の開放時間が経過したと判定した場合(S2112でYES)、すなわち、2つのラウンド終了条件のうちの何れかが成立したと判定した場合、大入賞口(第1大入賞口30)を閉鎖する処理を行う(S2113)。次いで、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2115)。ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定された場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、S2115でラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りエンディングコマンドをセットし(S2116)、大当りのエンディング期間を開始し(S2117)、大当り終了フラグをONにし(S2118)、処理を終える。また、S2105で大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、最終ラウンドが終了しているので、次いで、大当りのエンディング期間が経過したか否かを判定する(S2119)。
S2119で予め定めたエンディング時間が経過していないと判定した場合(S2119でNO)、処理を終える。一方、S2119でエンディング期間が経過したと判定した場合(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行い、大当りフラグをOFFにし(S2122)、大当り開始フラグをOFFにし(S2123)、後述の特図動作ステータス設定処理1(S2124)を行い、処理を終える。以上の特別電動役物処理1(S1108)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1特別遊技実行手段」として機能するものである。
[大当り遊技開始処理]
図40に示すように、大当り遊技開始処理(S2101)ではまず、大当り開始フラグがONであるか否かを判定し(S2151)、大当り開始フラグがONでない、すなわち、未だ大当り待機状態において遊技球が開始ゲート29を通過していないと判定した場合(S2151でNO)、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2152)、確変フラグがONであると判定した場合(S2152でYES)、確変フラグをOFFとし(S2153)、S2154の処理に移行する。
S2154では状態BフラグがONか否かを判定し(S2154)、状態BフラグがONである判定した場合(S2154でYES)、状態BフラグをOFFとし(S2155)、S2156の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態、且つ、低ベース状態に制御するため、大当り遊技(ラウンド遊技)の開始前に、確変フラグ及び状態BフラグをOFFにする。
これに対し、S2152で確変フラグがONでないと判定した場合(S2152でNO)、確変フラグをOFFにすることなく、S2154の処理に移行する。また、S2154で状態BフラグがONでないと判定した場合(S2154でNO)、状態BフラグをOFFにすることなく、S2156の処理に移行する。
S2156では、遊技球が開始ゲート29を通過したか否かを判定し(S2156)、開始ゲート29を通過したと判定した場合(S2156でYES)、大当り遊技を開始する(ラウンド遊技を開する)ための大当り開始フラグをONにし(S2157)、処理を終える。一方、遊技球が開始ゲート29を通過していないと判定した場合(S2156でNO)、処理を終える。これにより、遊技機1が大当り待機状態に維持される。また、S2151で大当り開始フラグがONである、すなわち、既に大当り遊技を開始していると判定した場合(S2151でYES)、処理を終える。これにより、遊技者は任意のタイミングで大当り遊技を開始する(進行させる)ことが可能となる。
[遊技状態設定処理]
図41に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、4R第1大当り、15R第3大当り、4R第4大当り、2R第5大当り、及び、2R第6大当りの5種類を確変大当りとしており、S2201では、大当り遊技がこれら5種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにし(S2202)、次いで、終了した大当り遊技が2R第5大当りであるか否かを判定する(S2203)。その結果、終了した大当り遊技が2R第5大当りであると判定した場合(S2203でYES)、状態BフラグをONにし(S2204)、状態Bカウンタに「50」をセットし(S2205)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に最長50回の高ベース状態が設定され、遊技状態が高確高ベース状態となる。
一方、S2203で、終了した大当り遊技が2R第5大当りでないと判定した場合(S2203でNO)、次いで、終了した大当り遊技が2R第6大当りか否かを判定する(S2209)。S2209で、終了した大当り遊技が2R第6大当りであると判定した場合(S2209でYES)、状態BフラグをONにし(S2210)、状態Bカウンタに「100」をセットし(S2211)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に最長100回の高ベース状態が設定され、遊技状態が高確高ベース状態となる。
一方、S2209で、終了した大当り遊技が2R第6大当りでない、すなわち、4R第1大当り、15R第3大当り、4R第4大当りの何れかであると判定した場合(S2209でNO)、状態BフラグをONにすることなく(OFFにしたまま)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が高確低ベース状態となる。
これに対し、S2201で、今回終了したのが確変大当りでない、すなわち、低確大当り(低確率大当り、通常大当り)であると判定した場合(S2201でNO)、次いで、終了した大当り遊技が2R第7大当りであるかを判定する(S2206)。その結果、終了した大当り遊技が2R第7大当りであると判定した場合(S2206でYES)、状態BフラグをONにし(S2207)、状態Bカウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に最長100回の高ベース状態が設定され、遊技状態が低確高ベース状態となる。
一方、S2206で、終了した大当り遊技が2R第7大当りでない、すなわち、4R第2大当り又は2R第8大当りであると判定した場合(S2206でNO)、状態BフラグをONにし(S2204)、状態Bカウンタに「50」をセットし(S2205)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後に最長50回の高ベース状態が設定され、遊技状態が低確高ベース状態となる。以上の遊技状態設定処理(S2121)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態設定手段」として機能するものである。
[特図動作ステータス設定処理1]
図42に示すように、特図動作ステータス設定処理1(S2124)ではまず、特図1大当りフラグがONであるか否かを判定し(S3001)、ONであると判定した場合(S3001でYES)、すなわち、今回の大当り遊技が特別図柄1に係るものである場合、特図1大当りフラグをOFFにし(S3002)、特図1動作ステータスを「1」にセットし(S3003)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図1動作処理として再び特別図柄1待機処理が実行されることになる。一方、S3001で、特図1大当りフラグがONでないと判定した場合(S3001でNO)、すなわち、特図2大当りフラグがONであり、今回の大当り遊技が特別図柄2に係るものである場合(S3001でNO)、特図2大当りフラグをOFFにし(S3004)、特図2動作ステータスを「1」にセットし(S3005)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図2動作処理として再び特別図柄2待機処理が実行される。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図43に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において大入賞装置(第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2301でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)の開放中であるか否かを判定する(S2302)。S2302で、大入賞口(第2大入賞口35)が開放中でないと判定した場合(S2302でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる時期に至ったか否か、すなわち、小当りのオープニング時間が経過して1回目の開放動作を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間の閉鎖時間が経過して次の開放動作を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。なお、小当り遊技については、開始ゲート29への遊技球の通過有無にかかわらず、小当り図柄の確定停止表示後、所定時間経過後に小当り遊技(第2大入賞口35の開放動作)が開始される。つまり、遊技者は大当り遊技の開始時期は開始ゲート29への遊技球の通過によって任意に決定できるが、小当り遊技の開始時期については任意に決定することはできない。
S2303で、大入賞口の開放時期でないと判定した場合(S2303でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2303で、大入賞口の開放時期であると判定した場合(S2303でYES)、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35の開放処理を行い(S2304)、処理を終える。
これに対し、S2302で、大入賞口(第2大入賞口35)の開放中であると判定した場合(S2302でYES)、2回の開放動作中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち、2回の開放動作において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。その結果、規定入球個数(10個)に達していないと判定した場合(S2306でNO)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、S2307で、大入賞口の開放時間が経過していないと判定した場合(S2307でNO)、処理を終える。
一方、S2306で、2回の開放動作中における大入賞口への入球個数が規定入球個数(10個)に達したと判定した場合(S2306でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2314)、S2311処理に移行する。また、S2307で、大入賞口の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)を閉鎖し(S2308)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2310)。そして、小当り用開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放動作を開始するため、そのまま処理を終える。一方、小当り用開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の処理に移行する。
S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りエンディングコマンドをセットする(S2311)。次いで、小当りのエンディング期間を開始し(S2312)、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。なお、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
また、前述のS2301で、小当り終了フラグがONであると判定した場合(S2301でYES)、大入賞口(第2大入賞口35)の2回の開放動作が終了している(若しくは、規定数の遊技球が入球している)ので、小当りのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにし(S2316)、特図動作ステータス設定処理2を行い(S2317)、処理を終える。高確低ベース状態では、小当り遊技を発生させることで、持ち球を増やしながら次の大当りを狙うことが可能となり、遊技の興趣が高まる。なお、小当り遊技の開始に際して確変フラグや状態BフラグをONからOFFに切り変えたり、OFFからONに切替えたりすることはない。また、小当り遊技の終了に際して遊技状態設定処理を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後とで遊技状態(確率状態、ベース状態)を変化させない。以上の特別電動役物処理2(S1109)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2特別遊技実行手段」として機能するものである。なお、前述の第1特別遊技実行手段と当該第2特別遊技実行手段との何れか一方又は両方を指して「特別遊技実行手段」ともいう。
[特図動作ステータス設定処理2]
図44に示すように、特図動作ステータス設定処理2(S2317)ではまず、特図1小当りフラグがONであるか否かを判定し(S3101)、特図1小当りフラグがONであると判定した場合(S3101でYES)、すなわち、今回の小当り遊技が特別図柄1に係るものである場合、特図1小当りフラグをOFFにし(S3102)、特図1動作ステータスを「1」にセットし(S3103)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図1動作処理として再び特別図柄1待機処理が実行される。なお、本実施例のパチンコ遊技機1には第1特別図柄当否判定の結果として小当りを設けていないので、S3101で特図1小当りフラグがONであると判定されることはない。但し、第1特別図柄当否判定の結果に小当りを設けてもよく、この場合には、S3101で特図1小当りフラグがONであると判定されることがある。
一方、S3101で特図1小当りフラグがONでないと判定した場合(S3101でNO)、すなわち、特図2小当りフラグがONであり、今回の小当り遊技が特別図柄2に係るものである場合、特図2小当りフラグをOFFにし(S3104)、特図2動作ステータスを「1」にセットし(S3105)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図2動作処理として再び特別図柄2待機処理が実行される。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図2動作処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。図45に示すように、保留球数処理(S209)ではまず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットし(S2502)、処理を終える。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。図46に示すように、電源断監視処理(S210)ではまず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がないと判定した場合(S2601でNO)、処理を終える。一方、S2601で、電源断信号の入力があると判定した場合(S2601でYES)、現在の遊技機1の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶し(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理(無限ループ)を行う。
以上説明したように、本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて大当り遊技が実行され、大当りの種別が確変大当りである場合、高確率状態が発生し(特典が付与され)、予め定められた所定の条件が成立すると高確率状態(特典)が終了するものとされる。この高確率状態(特典)を付与する処理である遊技状態設定処理(S2121)のことを「特典付与手段」ということもできる。
なお、第1特別図柄と演出図柄8とが連動(同期)して、また、第2特別図柄と演出図柄8とが連動(同期)して、それぞれ変動表示及び停止表示し、それぞれ同じ当否判定結果を示すので、「特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が当り図柄で停止表示する」ことを、「演出図柄が当り演出図柄で停止表示する」ことに置き換えることができる。
[サブ制御メイン処理]
次に、図47~図52に基づいて、演出制御用マイコン91の主要な動作(サブ制御部による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから図47に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONであり且つ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すると、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。なお、S4001~S4003の処理は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
次いでS4004にて割り込みを禁止し(S4004)、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。これらの乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するとき等とすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出、当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。
次いでS4007では割り込みを許可し(S4007)、以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7(第1画像表示装置)、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72の各表示画面上で実行される演出表示の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
図48に示すように、受信割り込み処理(S4008)ではまず、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図49に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図50に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)、小当り賞球計数処理(S4303)及び大当り賞球計数処理(S4304)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理(S4009)で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4305)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4306)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4307)。
[受信コマンド解析処理]
図51に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4403の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4402)では、S4401で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次いでS4403では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理(S4404)を行って、S4405の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。
S4405では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4405)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4405でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4406)。変動演出終了処理(S4406)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4405で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4405でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
次いでS4407では、主制御基板80から当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。ここで、当り遊技関連コマンドとは、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信される大当りエンディングコマンド、ラウンド遊技での第1大入賞口30への入球に基づき送信される第1大入賞口入球コマンド、小当り遊技での第2大入賞口への入球に基づき送信される第2大入賞口入球コマンド等が該当する。S4407では、これらの当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4407でNO)、S4409の処理に移行し、受信していれば(S4407でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技演出、小当り遊技演出)の実行に係る処理を行う(S4408)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信したコマンドが大入賞口入球コマンド(第1大入賞口入球コマンド、第2大入賞口入球コマンド)であれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への入球に応じた処理を実行し、当該処理結果に応じて、後述の獲得賞球数表示演出を実行するための演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした当り遊技に係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出、獲得賞球数表示演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。なお、詳細には後述するが、本実施例では獲得賞球数表示演出として、大当り遊技を構成する複数回のラウンド遊技の各ラウンドが行われるごとに実行する「ラウンド獲得賞球数表示演出」と、大当りのエンディング期間で実行する「エンディング獲得賞球数表示演出」と、大当り遊技後の遊技状態が状態Cとなってから状態A(大当り遊技中を除く)に戻るまでの間(所謂、連荘期間中)に実行する「総獲得賞球数表示演出」と、を備えている。
次いでS4409にてその他の処理を行い、本処理を終える。その他の処理(S4409)では、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図52に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1~P33)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能である。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「4」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Dに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7を主とする演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードA,Bは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードDは低確高ベース状態に制御されているときと高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確低ベース状態であるのかを把握することが可能となる。一方、演出モードがDである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態であるのか、高確高ベース状態であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードDは、遊技状態非報知モードといえる。
次いでS4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行うものであって、サブ制御部90が主体となって制御する変動演出のパターン(変動演出パターン)を決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示を省略)及び予告演出のパターン(予告演出パターン)を決定するための予告演出決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブル等をセットする。すなわち、複数の変動演出パターン決定テーブル及び複数の予告演出決定テーブルを備えており、それらの中から遊技状態(演出モード)等に基づいて、所定の変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブル及び予告演出決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数、及び、S4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、変動演出(演出図柄遊技演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有り変動演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ変動演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無し変動演出)等が決定される。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄(同じ演出図柄)で停止表示(仮停止表示)され、残り1個が変動表示(スクロール表示)を続けている状態で、当該残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄(3個の同じ演出図柄)で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。この際、演出図柄の変動表示に伴って所定のキャラクタを用いて遊技演出を実行し、演出図柄が大当り態様で停止表示されるかどうかを、当該所定のキャラクタが所定の目的を達成するかどうかの演出で示すことも可能である。このような遊技演出(後述するリーチ演出やキャラクタ演出)を、ストーリー演出(特定遊技演出)や目的演出(特定遊技演出)ということもできる。これにより、遊技者の大当りへの期待感を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。変動演出の結果として停止表示(確定停止表示)される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであってリーチ有り外れの場合は、「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れの場合は、「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、その大当りが高確低ベース状態の設定契機となる大当り(4R第1大当り、15R第3大当り及び4R第4大当りの何れか)である場合は、「777」のゾロ目とされ、4R第2大当りの場合は、「777」以外のゾロ目(例えば、「222」や「555」等)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)とされる。さらに、特別図柄当否判定の結果が小当り(本実施例では第2特別図柄当否判定のみ)の場合、「335」等の予め定めたチャンス目(後述の特定のバラケ目)とされる。なお、2R大当りについてもゾロ目としたり予め定めたチャンス目としたりしてもよい。また、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様はあくまでも一例であり、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
またS4506では、変動演出パターン(変動演出、演出図柄遊技演出)に伴って実行される予告演出を決定する。この実行される予告演出を含めて変動演出(演出図柄遊技演出)ともいう。予告演出とは、現在実行中の変動表示(変動演出)の結果又は後に実行される変動表示(変動演出)の結果が大当り態様となる可能性(大当りの期待度)を事前に示唆する演出のことである。予告演出のことを「示唆演出」や「事前報知演出」ともいう。S4506では、S4501で取得した予告演出決定用乱数およびS4504でセットした予告演出決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン及び決定された変動演出パターンに適合した予告演出を選択し、これを設定する(S4506)。
次いでS4507では、S4505及びS4506にて設定した変動演出パターン及び予告演出に基づいて、変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドを副制御基板90のRAM内の出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を構成する画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置の表示画面上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[変動演出の概要]
次に、本実施例の変動演出(演出図柄遊技演出)の概要について説明する。前述したように、S4505で設定された変動演出パターン等に基づく演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドが副制御基板90から画像制御基板100に送信されると、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄8の変動表示が開始される。この演出図柄8の変動表示の開始から終了(停止)までの一連の演出として、演出図柄遊技演出(変動演出)が構成される。
前述したように演出図柄8の変動表示は、原則、「1」→「2」→「3」・・・→「7」→「8」→「9」の順(昇順)で図柄を縦方向にスクロール表示(縦スクロール)し、「9」まで到達したら再度「1」に戻って縦スクロールを繰り返すことにより行われる。こうした演出図柄8の変動表示の態様は、前述の変動演出パターン決定テーブルに格納される変動演出パターンによって定められる。このため、変動表示の態様については、縦スクロールの他にも、例えば、横方向のスクロール表示(横スクロール)や、図柄(数字)がスクロールせずにその場で順次切り替わる切替表示等、種々の態様を変動演出パターンとして設けることが可能である。また、「1」~「9」の図柄が降順で変動表示する態様を設けることも可能である。さらに、演出モードや遊技状態によって変動表示の態様を設定することも可能である。
演出図柄8の変動表示は、特別図柄の変動パターンにより定まる変動時間にしたがって行われ、変動時間の経過に伴って変動表示を停止する。この変動表示を停止する際の態様として、本実施例では複数の停止態様(停止パターン)を有している。具体的には、(1)演出図柄8L(左図柄)、8C(中図柄)、8R(右図柄)の各図柄の停止順序(「停止順」ともいう。)が「左図柄→中図柄→右図柄」とされる停止態様(「第1停止態様」ともいう。)と、(2)各図柄の停止順が「左図柄→右図柄→中図柄」とされる停止態様(「第2停止態様」ともいう。)と、(3)各図柄のすべての停止時期(停止タイミング)が略同じ(「同時停止」ともいう。)とされる停止態様(「第3停止態様」ともいう。)と、(4)左図柄と右図柄の停止時期が略同じでその後に中図柄が停止するものとされる停止態様(「第4停止態様」ともいう。)と、を有している。
これら停止態様(停止パターン)は、演出図柄遊技演出の実行態様に含まれるものであり、S4505にて選択(設定)される変動演出パターンによって何れの停止態様で変動表示を停止するのかが決まるものとなっている。つまり、本実施例では、変動演出パターンの選択・決定(設定)が、停止態様(停止パターン)の選択・決定(設定)を兼ねている。但し、変動演出パターンの選択・決定(設定)と停止態様(停止パターン)の選択・決定(設定)とを分けて処理することも可能である。
なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
また本実施例では、演出図柄8を構成する「1」~「9」の図柄を色別に分類できるように彩色を施しており、その色により図柄の種類(図柄種)を定めている。この図柄種は、図53に示すように、遊技状態(演出モード)に対応するものとなっている。具体的に、状態A(演出モードA、B)では、奇数図柄のうち「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)、これ以外の奇数図柄である「1」、「3」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)とし、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。一方、状態B、C(演出モードC、D)では、奇数図柄のうち「3」、「5」、「7」を赤図柄、これ以外の奇数図柄である「1」、「9」を緑図柄とし、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青図柄としている。
なお、図53に示す本実施例に係る図柄と色の対応関係はあくまでも一例であり、これ以外の対応関係を採ることが可能であり、色の種類も本実施例に限定されるものではなく、他の色を用いることが可能である。また、本実施例では色により図柄種(赤図柄、緑図柄、青図柄)を定めているが、色以外の要素によっても定めることが可能である。例えば、演出図柄にキャラクタが付されている場合のキャラクタの種類や、数字を表した演出図柄(数字図柄)の他に所定の文字を表した演出図柄(文字図柄)を有する場合の数字図柄と文字図柄によって、図柄種を定めてもよく、さらには、単に奇数図柄と偶数図柄によって図柄種を定めもよい。
演出図柄8の変動表示が行われ、前述した停止態様にしたがって変動表示を停止したときに表示(導出表示)される演出図柄8(8L,8C,8R)の図柄組合せ(停止表示態様)により、当該変動表示の結果が報知される。本実施例では、基本的な図柄組合せ(停止表示態様)として、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて異なる図柄(数字)となる「完全バラケ目」(「124」等)と、演出図柄8L(左図柄)と演出図柄8R(右図柄)とが同じ図柄(数字)であり残りの演出図柄8C(中図柄)が他と異なる図柄(数字)である「リーチバラケ目」(「343」等)を、当り遊技の実行契機とならない外れ態様(非特定態様)としている。一方、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一となる「ゾロ目」(「777」等)を、4R以上の大当り遊技(図6参照)の実行契機となる大当り態様(特定態様)としている。
このような基本的な図柄組合せを前提に、本実施例では、バラケ目のうち「リーチバラケ目」を、2Rの大当り遊技(図6参照)の実行契機となる2R大当り態様にも兼用している。これは、2Rの大当り遊技は、4R以上の大当り遊技(4R大当り遊技、15R大当り遊技)に比べて遊技者が獲得できる賞球の個数(獲得賞球数)が少ないことや、状態C(高確低ベース状態)に比して小当り遊技での賞球獲得(持ち球増加)が困難となる状態B(高ベース状態)の設定契機となる特別遊技であること、すなわち、遊技者にとっての有利度合が相対的に低い特別遊技であること等の理由によるものである。また、バラケ目のうち「完全バラケ目」を、状態B(高ベース状態)での小当り遊技(第2特別図柄)の実行契機となる小当り態様にも兼用している。これは、前述したように、状態Bでは、ほとんどの期間、第2始動口21が開状態となっているため、第2始動口21の下流側に位置する小当り用大入賞口(第2大入賞口35)への入球は困難となり、小当りによる利益を得られる可能性が極めて低い(限りなくゼロに近い)からである(実質的に外れと同等)。さらに、バラケ目のうち後述する「特定のバラケ目」を、状態C(高確低ベース状態)での小当り遊技(第2特別図柄の小当り)の実行契機となる小当り態様としている。
なお、状態A(低確低ベース状態)は、左打ち遊技を行うのが基本とされる遊技状態であるため、主として第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われるのであり、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われることは稀であることから、このような状況下で第2特別図柄当否判定が行われた場合には、これに対応する演出図柄8の変動表示を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはなく、演出表示器102による変動表示(及び停止表示)だけを行うものとしている。同様に、状態B(高ベース状態)及び状態C(高確低ベース状態)は、右打ち遊技を行うのが基本とされる遊技状態であるため、主として第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われるのであり、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われることは稀であることから、このような状況下で第1特別図柄当否判定が行われた場合には、これに対応する演出図柄8の変動表示を画像表示装置7の表示画面7a上で行うことはなく、演出表示器102による変動表示(及び停止表示)だけを行うものとしている。但し、現在の遊技状態(左打ち遊技、右打ち遊技)に反する特別図柄当否判定が行われて「大当り」の判定結果が得られた場合(例えば、状態Cにて第1特別図柄当否判定が行われて大当りとなった場合)、画像表示装置7、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72のうち一又は二以上の表示装置にて、その大当りの発生を示唆(例えば、「チャンス到来まで残り〇〇秒」などのメッセージ表示)する演出表示を行う。これにより、現在の遊技状態(主たる特別図柄の変動表示)に対応する演出図柄8の演出表示(変動演出)が表示画面7a上で主として行われるなか、主たる特別図柄の変動表示と並行して行われる特別図柄の変動表示の結果が大当りである旨を遊技者に知らしめることが可能となる。また、そうした大当りの発生の示唆を行うことで、大当りの発生に遊技者が気付くことなく遊技を止める等して利益獲得の機会を逸してしまうといった事態を回避することが可能となる。
[状態Aの遊技演出]
次に、遊技状態が状態A(低確低ベース状態)に制御されているときに行われる遊技演出について説明する。状態Aで行われる遊技演出は、主に、第1特別図柄当否判定の結果に基づいて、第1特別図柄の変動表示に同期して行われる変動演出である。前述したように状態Aでは、演出モードとして「A」又は「B」が設定される。このため、状態Aの変動演出は、画像表示装置7の表示画面7aに演出モードA又はBに対応する背景画像等(図示せず)が表示された状況下で行われる。本実施例では、状態Aでの演出モードの設定や移行を、サブ制御部90(演出制御用マイコン91)による制御のもと、予め定められたモード制御条件にしたがって行うものとしている。
また状態Aでは、演出図柄8として、青図柄からなる「2」、「4」、「6」、「8」の図柄と、緑図柄からなる「1」、「3」、「5」、「9」の図柄と、赤図柄からなる「7」の図柄とが表示される(図53参照)。これら各図柄の表示は、画像制御用マイコン101が、画像制御基板100のROMから対応する図柄の画像データ(図柄データ)を読み出して、これを画像表示装置7の表示画面7aに表示することにより実行される。
こうした演出モードおよび図柄種のもと、図54に示すように、演出図柄8の変動表示が開始されると(図54(a)参照)、その変動表示は、基本的には第2停止態様(左図柄→右図柄→中図柄)で停止され(図54(b)→(c)→(d)、(e)→(f)参照)、特図1保留球数に応じた短縮変動の機能が働くとき(図9、図24のS1707を参照)には第3停止態様(同時停止)で停止される(図54(g)参照)。ここで、左図柄(演出図柄8L)と右図柄(演出図柄8R)とが同じ図柄で停止するとリーチ成立となり(図54(f)参照)、その後、中図柄(演出図柄8C)が変動表示を停止するまでの間、画像表示装置等でリーチ演出が実行される。リーチ演出では主に、中図柄(最終停止図柄)が、先に停止した図柄(左右図柄)と同じ図柄で停止するか否か(大当り態様が表示されるか否か)を示す演出が展開される。このリーチ成立やリーチ演出に関しては、状態B、Cにおいても同様である。
こうして演出図柄8の変動表示が行われるなか、変動表示の結果として演出図柄8がバラケ目(完全バラケ目またはリーチバラケ目)で表示された場合は「外れ」となる。一方、変動表示の結果として演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示されると、大当り遊技が実行可能となり、大当り遊技が開始されると、画像表示装置7の表示画面7a上の表示内容が、第1特別図柄に係る4R大当り用の大当り遊技演出に切り換わる。そして、当該大当り遊技が「4R第1大当り」に係るものである場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態が状態C(高確低ベース状態)となり、「4R第2大当り」に係るものである場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態が状態B(低確高ベース状態)となる(図6参照)。
[状態Bの遊技演出]
次に、遊技状態が状態B(低確高ベース状態又は高確高ベース状態)に制御されているときに行われる遊技演出について説明する。なお、高確高ベース状態は、状態C(高確低ベース状態)において「2R第5大当り」又は「2R第6大当り」が発生した場合に、これに基づく大当り遊技の終了後に設定される。
状態Bで行われる遊技演出は、主に、第2特別図柄当否判定の結果に基づいて、第2特別図柄の変動表示に同期して行われる変動演出である。前述したように状態Bでは、演出モードとして「D」が設定される。このため、状態Bの演出図柄遊技演出は、画像表示装置7の表示画面7aに演出モードDに対応する背景画像等(図示せず)が表示された状況下で行われる。本実施例では、状態Bに対応する演出モードDの設定を、サブ制御部90(演出制御用マイコン91)による制御のもと、状態Bへの移行に伴って行うものとしている。
また状態Bでは、演出図柄8として、青図柄からなる「2」、「4」、「6」、「8」の図柄と、緑図柄からなる「1」、「9」の図柄と、赤図柄からなる「3」、「5」、「7」の図柄とが表示される(図53参照)。これら各図柄の表示は、画像制御用マイコン101が、画像制御基板100のROMから対応する図柄の画像データ(図柄データ)を読み出して、これを画像表示装置7の表示画面7aに表示することにより実行される。なお、本実施例では、状態Aと状態Bとで演出図柄8の態様(デザイン)が異なるものとしている。
こうした演出モードおよび図柄種のもと、図55に示すように、演出図柄8の変動表示が開始されると(図55(a)参照)、その変動表示は、基本的には第3停止態様(同時停止)で停止される(図55(b)参照)。これは、状態Bでは、第2特別図柄時短機能および高ベース発生機能が作動することから、リーチ無しの外れ変動や小当り変動を極力短時間で消化して遊技を円滑に進行させるようにするためである。変動表示が第3停止態様(同時停止)で停止する場合、遊技者にとっては、その停止をもって直ぐに特別遊技(大当り遊技)の実行可能性がないことが明らかになるので、遊技者の期待感を徒に煽ることはない。一方、リーチ有りの外れ変動または大当り変動(つまり「リーチ変動」)が行われる場合や、リーチ変動と見せかけて実はノーマル変動である「リーチ煽り外れ変動」(リーチ無しの変動態様の一種)が行われる場合には、演出図柄8の変動表示は第2停止態様(左図柄→右図柄→中図柄)で停止される(図55(c)→(d)、(c)→(e)→(f)参照)。
こうして演出図柄8の変動表示が行われるなか、変動表示の結果として演出図柄8がバラケ目(外れ態様)で表示された場合は「外れ」となる。一方、変動表示の結果として演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示されると大当り遊技が実行可能となり、大当り遊技が開始されると、表示画面7a上の表示内容が大当り遊技演出に切り換わり、大当り遊技の進行に合わせてラウンド演出等が行われる。状態Bにて演出図柄8がゾロ目の大当り態様で表示された場合の大当り遊技は「15R第3大当り」又は「4R第4大当り」に係るものであるため、大当り遊技演出としては、15R第3大当り用の大当り遊技演出又は4R第4大当り用の大当り遊技演出が行われる。そして、当該大当り遊技終了後の遊技状態は状態C(高確低ベース状態)となる(図6参照)。
また、変動表示の結果として演出図柄8がリーチバラケ目(2R大当り態様)で表示された場合には、大当り遊技の開始に伴い、表示画面7a上の表示内容が2R大当り用の大当り遊技演出に切り換わる。そして、開始された大当り遊技が「2R第5大当り」又は「2R第6大当り」に係るものである場合には、当該大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態(状態B)となり、その大当り遊技が「2R第7大当り」又は「2R第8大当り」に係るものである場合には、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態(状態B)となる(図6参照)。
さらに、状態Bにて第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなり、これに基づく演出図柄8の変動表示が行われる場合、その変動表示はノーマル変動で行われて第3停止態様で停止される。そして、変動表示の結果として演出図柄8が完全バラケ目(外れ態様)で表示される(図55(b)参照)。状態Bにて小当りとなった場合、小当り遊技が実行されるが、当該小当り遊技が開始されても、表示画面7a上の表示内容は演出図柄遊技演出ののまま(ここでは演出図柄8が完全バラケ目で表示された状態)となり、小当り遊技中の演出(小当り遊技演出)は特に行われない。これは、前述したように、状態Bにおける小当りは実質的に外れと同等だからである。そして、当該小当り遊技終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数に基づく遊技状態の移行タイミングと重ならない限り、状態Bのままとなる。
なお、状態Bである低確高ベース状態において、大当りが発生することなく特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示が所定回数(本実施例では50回又は100回)行われた場合、その所定回数目の変動表示(外れ変動)の終了(停止)をもって遊技状態が状態A(低確低ベース状態)に移行し、演出モードが「D」から「A」又は「B」(モードステータスが「4」から「1」又は「2」)に移行する。また、状態Bである高確高ベース状態において大当りが発生することなく特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示が所定回数(本実施例では50回又は100回)行われた場合、その所定回数目の変動表示(外れ変動)の終了(停止)をもって遊技状態が状態C(高確低ベース状態)に移行し、演出モードが「D」から「C」(モードステータスが「4」から「3」)に移行する。
[状態Cの遊技演出]
次に、遊技状態が状態C(高確低ベース状態)に制御されているときに行われる遊技演出について説明する。状態Cで行われる遊技演出は、主に、第2特別図柄当否判定の結果に基づいて、第2特別図柄の変動表示に同期して行われる変動演出(演出図柄遊技演出)と、小当り発生に伴う演出(小当り遊技演出)である。状態Cは、次の大当りが発生するまで小当りを頻発させることで、大当り間において小当りによる賞球獲得が期待できる有利な遊技状態(特定遊技状態、特定期間)である。このことから、状態Cでは、変動演出(演出図柄遊技演出)と小当り遊技演出とを連携させた特別な演出を行うこととしている。この点についての詳細は後述する。
また、前述したように状態Cでは、演出モードとして「C」が設定される。このため、状態Cの遊技演出は、画像表示装置7の表示画面7aに演出モードCに対応する背景画像等が表示された状況下で行われる。状態Cにおける演出モードの設定等は、前述の状態Aや状態Bと同様にサブ制御部90(演出制御用マイコン91)による制御下で行われる。また状態Cでは、状態Bと同様に、演出図柄8として、青図柄からなる「2」、「4」、「6」、「8」の図柄と、緑図柄からなる「1」、「9」の図柄と、赤図柄からなる「3」、「5」、「7」の図柄とが表示される(図53参照)。本実施例では、状態Bと状態Cとで演出図柄8の態様(デザイン)を同様のものとしている。
図56(A)に示すように、状態C(演出モードC)では、画像表示装置7の表示画面7aの中央近傍に演出図柄8が表示され、演出図柄8の背後に、演出モードCに対応する背景画像として所定のキャラクタが表示される。ここで表示されるキャラクタには、味方キャラクタ(第1キャラクタ)と敵キャラクタ(第2キャラクタ)とがあり、両キャラクタが対峙するようにして表示される。これらのキャラクタは、図柄の変動表示が行われていないときにも表示される。味方キャラクタ及び敵キャラクタには、それぞれ複数種のキャラクタが存在し、そのうちの一の味方キャラクタ(「味方キャラ」ともいう。)及び一の敵キャラクタ(「敵キャラ」ともいう。)が、演出モードCの設定の際に表示される。キャラクタによる演出表示(キャラクタ演出)は、例えば、味方キャラが敵キャラに攻撃を加えたり、味方キャラが敵キャラからの攻撃を受けたりする等の態様で行われる。こうしたキャラクタによる演出表示(キャラクタ演出)は、変動演出パターンに基づく変動演出として行われる場合(識別情報の変動表示に伴って行われる場合)と、変動表示の結果が小当りとなって小当り遊技が行われるときの小当り遊技演出として行われる場合(変動表示終了後の特別遊技に伴って行われる場合)とがある。
また、表示画面7aの右上部には、右打ちを指示する右打ち指示画像Mが表示され、表示画面7aの右下部(第1表示部)には、獲得賞球数(獲得遊技価値量)を示唆する賞球カウント画像C1が表示される。本実施例の賞球カウント画像C1は、「00000」~「99999」の5桁の数字を表示可能な画像(数字画像)と、「pt」の文字画像とからなる。この賞球カウント画像C1は、主に、大当り遊技及び小当り遊技で遊技者が獲得した(遊技者に付与された)賞球の総数(総獲得賞球数)を示唆するものであり、状態Aでの大当り(所謂「初当り」)に係る大当り遊技後の遊技状態が状態Cとなった場合、その後に遊技状態が状態A(大当り遊技中を除く)に戻るまで、その間の総獲得賞球数(連荘期間中の総獲得賞球数)が示唆されるようになっている(総獲得賞球数表示演出)。
また状態C(高確低ベース状態)は、第2特別図柄当否判定で小当りが頻発する(小当り遊技の実行頻度が高くなる)有利な遊技期間(特定期間)であることから、当該期間中の小当り遊技による賞球獲得(持ち球増加)を演出するために賞球カウント画像C1を表示することとしている。つまり、小当り遊技演出として、賞球カウント画像C1により示唆される獲得賞球数の加算表示(「入球演出」ともいう。)を行うこととしている。小当り発生に伴う演出についての詳細は後述する。
こうした画面構成のもと、状態C(演出モードC)で実行される演出図柄8の変動表示(変動演出)の基本的な流れについて、図57を用いて説明する。なお、図57では、説明の便宜上、演出保留(保留図柄)や右打ち指示画像M、背景等の一部表示内容を省略している。
図57に示すように、演出図柄8の変動表示が開始されると(図57(a)参照)、その変動表示は、基本的には第3停止態様(同時停止)で停止される(図57(b)参照)。これは、状態Cでは第2特別図柄時短機能が作動することから、リーチ無しの外れ変動を極力短時間で消化して遊技を円滑に進行させるようにするためである。演出図柄8の変動表示が第3停止態様(同時停止)で停止した場合、遊技者にとっては、その停止をもって直ちに特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行可能性がないことが明らかとなる。このため、変動表示が第3停止態様で停止する場合は遊技者の期待感を高めるための演出(煽り演出)が行われることはない。一方、リーチ変動(外れ又は大当り)やリーチ煽り外れ変動が行われる場合には、演出図柄8の変動表示は第2停止態様(左図柄→右図柄→中図柄)で停止される(図57(c)→(d)、(c)→(e)→(f)参照)。また、第2特別図柄当否判定の結果が「小当り」であることに基づいて演出図柄8の変動表示が行われる場合、演出図柄8の変動表示は第1停止態様(左図柄→中図柄→右図柄)で停止される(図57(g)→(h)→(i)参照)。
こうして演出図柄8の変動表示が行われるなか、変動表示の結果として演出図柄8がバラケ目(外れ態様)で表示された場合は「外れ」となる。一方、変動表示の結果として演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示されると大当り遊技が実行可能となり、大当り遊技が開始されると、表示画面7a上の表示内容が大当り遊技演出に切り換わり、大当り遊技(ラウンド遊技)の進行に合わせてラウンド演出等が行われる。状態Cにて演出図柄8がゾロ目の大当り態様で表示された場合の大当り遊技は原則「15R第3大当り」又は「4R第4大当り」に係るものであるため、この場合、15R第3大当り用の大当り遊技演出又は4R第4大当り用の大当り遊技演出が行われる。そして、当該大当り遊技終了後の遊技状態は状態C(高確低ベース状態)となる(図6参照)。
また、変動表示の結果として演出図柄8がリーチバラケ目(2R大当り態様)で表示された場合には、大当り遊技の開始に伴い、表示画面7a上の表示内容が2R大当り用の大当り遊技演出に切り換わる。この場合の大当り遊技演出としては、状態Cの終了、すなわち、小当りが頻発する有利状態(特定期間)の終了を示す内容の演出表示が、2R大当り遊技の開始から終了にかけて行われる。そして、実行された大当り遊技が「2R第5大当り」又は「2R第6大当り」に係るものである場合には、当該大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態(状態B)となり、その大当り遊技が「2R第7大当り」又は「2R第8大当り」に係るものである場合には、当該大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態(状態B)となる(図6参照)。
また、演出モードC(状態C)にて第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなり、これに基づく演出図柄8の変動表示が行われる場合、その変動表示はノーマル変動で行われて第1停止態様(左図柄→中図柄→右図柄)で停止される。そして、変動表示の結果として演出図柄8が特定のバラケ目(小当り態様)で表示される(図57(i)参照)。つまり、第2特別図柄当否判定の結果が小当りであることに基づくノーマル変動は小当り変動であるといえる。
ここで、本実施例では、左図柄、中図柄および右図柄がすべて赤図柄であって3つの図柄のうち隣り合う2つの図柄が同じで残り1つが異なる図柄組合せ(「335」、「355」、「557」等)を、特定のバラケ目(小当り態様)としている。特定のバラケ目(小当り態様)を構成する図柄組合せは、リーチ成立とはならないものの、隣り合う2つの図柄が同じ図柄(数字)となる組合せを構成することから、このような図柄組合せのことを「リーチ配列」ともいう。
特定のバラケ目(リーチ配列)を構成する図柄(「3」、「5」、「7」)のうち、「3」と「5」の図柄は、状態Aでは特定のバラケ目を構成し得ない緑図柄(第1図柄種)であるが、状態Cでは、特定のバラケ目を構成し得る赤図柄(第2図柄種)となっている(図53参照)。つまり、「3」と「5」の図柄は、遊技状態によって図柄種が変化する図柄となっている。これにより、演出図柄の図柄種(本例では色の種類)に遊技者を注目させて、遊技に対する興味を惹くことが可能となる。
なお、本実施例では状態Aにて緑図柄とされる演出図柄(「1」、「3」、「5」、「9」)の一部を、状態Cでは特定のバラケ目を構成し得る赤図柄としているが、例えば、状態Aにて青図柄とされる演出図柄(「2」、「4」、「6」、「8」)の一部を赤図柄としたり、状態Aにて青図柄とされる演出図柄(「2」、「4」、「6」、「8」)と、緑図柄とされる演出図柄(「1」、「3」、「5」、「9」)のそれぞれの一部(例えば「4」と「5」)を赤図柄としたりすることも可能である。また、図柄種として、状態Aでは存在しない状態C専用の図柄種を設け、この専用の図柄種に属する図柄により特定のバラケ目を構成するようにしてもよい。例えば、状態C専用の図柄種として金色の図柄(金図柄)を設け、状態Aにて緑図柄とされる演出図柄の一部を、状態Cにおいて金図柄とすることができる。これにより、特定のバラケ目を構成し得る図柄種をより際立たせて、遊技者の注目を集めやすくすることが可能となる。あるいは、本実施例では、状態Aで緑図柄(第1図柄種)とされる「3」と「5」の図柄が状態Cでは赤図柄(第2図柄種)とされるが、この場合において、状態Aでは当初から赤図柄(第2図柄種)であった「7」の図柄を、状態Cでは金図柄とするように構成してもよい。この場合、赤図柄(第2図柄種)である「3」と「5」の図柄を、特定のバラケ目を構成し得る図柄とし、金図柄(第3図柄種)である「7」の図柄を、大当りのうち15R第3大当りに対応する15R大当り態様(「7」のゾロ目)とすることができる。これにより、特定のバラケ目(小当り態様)を構成し得る図柄種(赤図柄)と、特定のゾロ目(15R大当り態様)を構成する図柄種(金図柄)とを明確に区別して、当り種別と図柄種との対応を分かりやすく示すことが可能となる。
また、本実施例では、演出モードCでの小当り態様(赤図柄のリーチ配列)の導出表示(変動表示の停止)に際して、他の演出モードでは出現し得ない第1停止態様(左図柄→中図柄→右図柄の停止順)で、演出図柄8の変動表示を停止するものとしている。このため、小当り態様(赤図柄のリーチ配列)だけでなく、その小当り態様が表示される契機となる変動表示の停止態様にも遊技者を注目させるものとなっている。さらに、演出モードCでは、小当り態様の導出表示(変動表示の停止)に際して、小当り態様(赤図柄のリーチ配列)の表示を強調する演出表示を行うものとしている。具体的には、小当り態様を構成する各図柄(赤図柄)の中央を通って第1停止態様の停止順に沿って横方向(水平方向)に延びる一本のライン画像と、各図柄の周囲を飾る画像(飾り画像)とからなる、エフェクト画像E(演出効果画像)を表示するものとしている。これにより、小当り態様の表示(小当り遊技が実行されること)を、第1停止態様による変動表示の停止に際して強調して示すことが可能となり、変動表示が第1停止態様で停止する際の演出効果を高めることが可能となる。なお、エフェクト画像Eの態様は本実施例に限定されるものではなく、他の様々な態様を採ることが可能である。
加えて、小当り態様の表示を契機として実行される小当り遊技にて遊技球が第2大入賞口35に入球すると、その入球ごとに、賞球カウント画像C1により示唆される総獲得賞球数(数字画像)が加算表示(更新)される。本実施例では、第2大入賞口35への入球に基づく賞球が1個の入球に対して10個の賞球とされているため、賞球カウント画像C1により示唆される総獲得賞球数は10個単位で加算される。さらに、小当り態様の表示を契機として小当り遊技が実行される場合、当該小当り遊技の実行に伴って、表示画面7aに背景画像として表示される味方キャラ(第1キャラクタ)と敵キャラ(第2キャラクタ)による演出表示(キャラクタ演出)を行うものとしている。
具体的には、味方キャラと敵キャラの何れか一方(例えば味方キャラ)が他方(例えば敵キャラ)に攻撃を加えたり仕掛けたりする態様の演出表示(「第1演出」ともいう。)を行うものとしている。この場合のキャラクタ演出(「キャラクタ演出表示」ともいう。)は、両キャラクタの対決シーンを描いた後述のバトル演出を含まない。小当り遊技の実行期間は、小当り用大入賞口(第2大入賞口35)の開放時間に準じて定まるが、小当り遊技での第2大入賞口35の開放時間は通じて1.8秒であるため、この時間でバトル演出の実行時間を確保するのは困難だからである。このように実行時間の短い小当り遊技に伴ってキャラクタ演出を行うことにより、当該キャラクタ演出と、後述の変動演出として行うキャラクタ演出とを関連性のある演出とすることが容易となり、変動表示から小当り遊技にかけて、味方キャラと敵キャラによる一体感のある演出(キャラクタ演出)を得ることが可能となる。
小当りに伴う賞球カウント画像C1の加算表示(10個単位の加算表示)は、第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知(第2大入賞口35への入球)に基づいて主制御部80から送信される第2大入賞口入球コマンドをサブ制御部90が受信することに基づいて行われ、小当りに伴うキャラクタ演出表示は、主制御部80から送信される小当りのオープニングコマンド(S2066)をサブ制御部90が受信することに基づいて行われることから、これらの演出は何れも小当り遊技演出に該当するものである(S4407,S4408)。また、賞球カウント画像C1により示唆される総獲得賞球数(総獲得遊技価値量)を加算表示する演出は「総獲得賞球数表示演出」でもある。なお、賞球カウント画像C1の加算表示は、第2大入賞口入球コマンド1つ(1受信)につき「10」加算表示される。
このような小当りに伴う賞球カウント画像C1の加算表示に関連し、10msタイマ割り込み処理(S4010)で行われる小当り賞球計数処理(S4303)について、図58を用いて説明する。図58に示すように、小当り賞球計数処理(S4303)ではまず、現在のモードステータスが「3」であるか否か、すなわち、現在の演出モードが「C」であるか否かを判定する(S4601)。その結果、モードステータスが「3」でない場合(S4601でNO)、S4615の処理に移行し、モードステータスが「3」である場合(S4601でYES)、第2大入賞口入球コマンドを受信したか否かを判定する(S4603)。なお、S4601にてモードステータスが「3」でないと判定された場合(S4601でNO)、現在のモードステータスは「1」、「2」又は「4」(演出モードA,B又はD)ということなる。
S4603で第2大入賞口入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4603でNO)、S4609の処理に移行し、第2大入賞口入球コマンドを受信したと判定した場合(S4603でYES)、小当り賞球カウンタCT1及び総賞球カウンタCT2をそれぞれ更新する(S4505、S4506)。ここでは、各カウンタCT1、CT2の値を「10」加算する。そして、賞球カウント画像C1の加算表示を実行するための加算表示コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4607)。このセットしたコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、表示画面7aの右下部に表示される賞球カウント画像C1の表示内容を更新(本例では「10」加算表示)する。
ここで、小当り賞球カウンタCT1は、特定期間における次の大当り発生までに実行された小当り遊技による獲得賞球数(「大当り間小当り獲得賞球数」ともいう。)を計数するカウンタである。また、総賞球カウンタCT2は、状態A(低確低ベース状態、演出モードA又はB)で4R第1大当り(初当り)が発生し、これを契機に遊技状態が状態C(高確低ベース状態、演出モードC)となってから、状態A(大当り遊技中を除く)に戻るまでの間(つまり、連荘期間)に実行された大当り遊技及び小当り遊技による獲得賞球数(総獲得賞球数)を計数するカウンタである。この総賞球カウンタCT2の値(計数値)は、賞球カウント画像C1により示唆される総獲得賞球数とリンク(一致)するものである。つまり、賞球カウント画像C1(総獲得賞球数表示演出)は、総賞球カウンタCT2の値に基づいて表示されるものである。
次いでS4609では、大当りエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4609)。大当りエンディングコマンドは、前述のように大当り遊技の終了に際して主制御部80から送信されるコマンドであり、具体的には、大当りのエンディング期間の開始に伴って送信される(S2116、S2117を参照)。S4609で大当りエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4609でNO)、S4611以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4609で大当りエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4609でYES)、後述するエンディング獲得賞球数表示演出で大当り間小当り獲得賞球数を表示するための小当り獲得賞球数表示コマンドと、同じくエンディング獲得賞球数表示演出で総獲得賞球数を表示するための総獲得賞球数表示コマンドとをサブ出力バッファにセットし(S4611)、小当り賞球カウンタCT1をクリア(ゼロクリア)する(S4613)。小当り獲得賞球数表示コマンドには、大当り遊技終了時(S4613でクリアする前)の小当り賞球カウンタCT1の値(計数値)、すなわち、大当り間小当り獲得賞球数を示す情報が含まれる。また、総獲得賞球数表示コマンドには、大当り遊技終了時の総賞球カウンタCT2の値(計数値)、すなわち、総獲得賞球数を示す情報が含まれる。
S4613にて小当り賞球カウンタCT1をクリアした後、すなわち、大当り遊技が終了した後、遊技状態が状態C(演出モードC)となって特定期間での遊技が行われる場合、再度、次の大当りが発生するまで、小当り遊技による獲得賞球数(大当り間小当り獲得賞球数)が小当り賞球カウンタCT1により計数される。
次いでS4615では、モードステータスが「4」から「1」又は「2」に移行するタイミングであるか否かを判定する(S4615)。前述したように、状態B(低確高ベース状態)ではモードステータスが「4」となり、演出モードが「D」に設定されるが、当該状態Bにて大当りが発生することなく特別図柄(主に第2特別図柄)の変動表示が所定回数(本実施例では50回又は100回)行われた場合、その所定回数目の変動表示(外れ変動)の終了(停止)をもって遊技状態が状態A(低確低ベース状態)に移行し、これに伴ってモードステータスが「1」又は「2」になる(演出モードが「A」又は「B」になる)。このことに対応して、S4615では、モードステータスが「4」から「1」又は「2」に移行するタイミングであるか否か、すなわち、遊技状態が状態Bから状態Aに移行する(戻る)タイミングであるか否かを判定する。
S4615でモードステータスが「4」から「1」又は「2」に移行するタイミングでないと判定した場合(S4615でNO)、S4617の処理を行うことなく本処理を終え、移行するタイミングであると判定した場合(S4615でYES)、総賞球カウンタCT2をクリア(ゼロクリア)して(S4617)、本処理を終える。モードステータスが「4」から「1」又は「2」に移行するということは、遊技状態が状態Bから状態Aに移行して左打ち遊技を行う状態に戻るということ、すなわち、右打ち遊技の期間である連荘期間が終了するため、総賞球カウンタCT2をクリアするのである。
以上のように演出モードC(状態C)では、演出図柄8の第1停止態様での停止や小当り態様の表示が高頻度で発生し、これに伴い小当り遊技での賞球カウント画像C1の加算表示やキャラクタ演出表示が高頻度で実行され得るため、こうした変動演出と小当り遊技演出との連携により、小当りの発生を遊技者に強く印象付けることが可能となる。これにより、小当り頻発による賞球獲得(持ち球増加)に対する期待感を煽り、演出モードC(状態C)の遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、小当りに伴うキャラクタ演出表示を、賞球カウント画像C1の加算表示と同様に、主制御部80からの第2大入賞口入球コマンドをサブ制御部90が受信することに基づいて行うように構成してもよい。この場合、小当り遊技にて遊技球が第2大入賞口35に入球しなければキャラクタ演出は行われないため、第2大入賞口35に遊技球が入球した場合の当該入球を遊技者に強く印象付けることが可能となり、また、小当り遊技にて遊技球が第2大入賞口35に入球したか否かの判別が容易となる。
次に、演出モードCでリーチ変動(外れ又は大当り)やリーチ煽り外れ変動が行われる場合の演出表示の内容(演出態様)について説明する。前述したように、演出モードCでは、味方キャラ(第1キャラクタ)と敵キャラ(第2キャラクタ)が表示画面7aに背景として表示された状態で、演出図柄遊技演出(演出図柄8の変動表示等)が行われる(図56(A)参照)。また、リーチ変動(外れ又は大当り)が行われる場合と、リーチ煽り外れ変動が行われる場合には、演出図柄8の変動表示が第2停止態様(左図柄→右図柄→中図柄)で停止する(図57(c)→(d)、(c)→(e)→(f)参照)。こうした状況下で、リーチ変動またはリーチ煽り外れ変動の変動演出パターンに基づいて演出図柄8の変動表示が開始されると、その後、第2停止態様にしたがって左図柄(演出図柄8L)が最初に停止するが(図57(c)参照)、左図柄(第1停止図柄)が停止すると、背景に表示される味方キャラと敵キャラの何れかが相手方に対して攻撃を仕掛けるシーンを描いた演出表示(第1演出)が行われる。この場合の第1演出は、右図柄(演出図柄8R、第2停止図柄)が停止する前に行われるキャラクタ(味方キャラ、敵キャラ)による演出(キャラクタ演出)である。この第1演出には、大別すると、味方キャラが敵キャラに対して攻撃を仕掛けるパターン(「第1演出パターンA」ともいう。)と、敵キャラが味方キャラに対して攻撃を仕掛けるパターン(「第1演出パターンB」ともいう。)の2つのパターンがあり、さらに、各パターンについて、それぞれ、仕掛ける攻撃の内容(種類)やその攻撃の成否等を定めた複数のパターンが存在する。こうした複数種のパターンを設けることで、第1演出が行われたときの当該演出内容により、今回の変動表示(当該変動)に関する情報(大当り信頼度、後に実行され得る演出の内容等)の示唆(予告)を行うものとしている。なお、第1演出は、味方キャラと敵キャラの何れか一方が他方に攻撃を仕掛けて終わる演出であり、後述のバトル演出を含まない。
例えば、第1演出のパターン(「第1演出パターン」ともいう。)が第1演出パターンA(味方キャラが攻撃を仕掛けるパターン)である場合、少なくとも、当該変動表示の結果として2R大当り態様が表示されないこと、すなわち、小当りが頻発する有利状態である状態Cの終了契機となる大当りが発生しないことを示唆する。この場合、当該変動では、その後、リーチが成立することなく右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)が停止して演出図柄8が完全バラケ目(外れ態様)で表示されるか(リーチ煽り外れ変動)、リーチ成立となってリーチ演出に発展したものの最終的に中図柄が左右図柄と異なる図柄で停止して演出図柄8がリーチバラケ目(外れ態様)で表示されるか(リーチ外れ変動)、または、リーチ演出を経て演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示される(大当り変動)。一方、第1演出パターンが、それとは逆の第1演出パターンB(敵キャラが攻撃を仕掛けるパターン)である場合、当該変動表示の結果として状態Cの終了契機となる2R大当り態様が表示される可能性があることを示唆する。この場合、当該変動では、その後、リーチが成立することなく右図柄(第2停止図柄)、中図柄(第3停止図柄)が停止して演出図柄8が完全バラケ目(外れ態様)で表示されるか(リーチ煽り外れ変動)、リーチ成立となってリーチ演出に発展したものの最終的に中図柄が左右図柄と異なる図柄で停止して演出図柄8がリーチバラケ目(外れ態様又は2R大当り態様)で表示されるか(リーチ外れ変動又は2R大当り変動)、または、リーチ演出を経て演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示される(大当り変動)。このように、左図柄(第1停止図柄)が停止することで行われる第1演出により、当該変動のその後の展開(リーチ成立の有無、遊技者にとって有利な展開となるか否か等)を示唆することが可能となっている。そして、第1演出パターンBよりも第1演出パターンAの方が、その後の展開が遊技者にとって有利となる可能性が高いことを示唆するものとなっている。このような第1演出パターンは、変動演出パターンに含まれるものであり、前述のS4505にて設定(選択)される変動演出パターンによって、複数種のパターンのうち何れのパターンで第1演出を実行するのかが決まるものとなっている。
こうして左図柄(演出図柄8L、第1停止図柄)が停止した後(第1演出の実行後)、第2停止態様にしたがって右図柄(演出図柄8R、第2停止図柄)が停止するが、このとき停止する右図柄が左図柄と異なる図柄(数字)となれば、リーチ不成立となり、その後、中図柄(演出図柄8C、第3停止図柄)が停止して変動表示の終了となり、演出図柄8が完全バラケ目(外れ態様)で表示される。この場合、当該変動はリーチ煽り外れ変動ということになる(図57(c)→(e)→(f)参照)。
一方、左図柄に続いて停止する右図柄が左図柄と同一の図柄(数字)となれば、リーチ成立となる。この時点で当該変動はリーチ変動ということになる(図57(c)→(d)参照)。リーチが成立すると、表示画面7aでは、所定のリーチ演出(「第2演出」ともいう。)が行われる。第2演出は、リーチ成立後(第1演出の実行後)、中図柄(演出図柄8C、第3停止図柄)が未だ変動している状態で行われるキャラクタ(味方キャラ、敵キャラ)による演出(キャラクタ演出)であり、本実施例では、それまで背景として表示されていた味方キャラと敵キャラとの対決シーンを描いたバトル演出として行われる。この第2演出(バトル演出)には、大別すると、味方キャラが対決(バトル)に勝利するパターン(「第2演出パターンA」ともいう。)と、味方キャラが対決(バトル)に敗北するパターン(「第2演出パターンB」ともいう。)と、勝敗が決することなく対決(バトル)を終えるパターン(「第2演出パターンC」ともいう。)との3つのパターンがあり、さらに各パターンについて、敵キャラの種類、味方キャラと敵キャラのどちらが先に攻撃をするのか(先制攻撃するキャラクタの種類)、その攻撃の内容、成否等を定めた複数のパターンが存在する。こうした複数種のパターンを設けることで、第2演出(バトル演出)が行われたときの当該演出内容により、今回の変動表示(当該変動)に関する情報(大当り信頼度等)の示唆を行うものとしている。
例えば、図56(B)に示すように、第2演出のパターン(「第2演出パターン」ともいう。)のうち、第2演出パターンA(味方勝利パターン)には、味方キャラが先制攻撃をしてそのまま勝利するパターンと、敵キャラが先制攻撃をして最終的に味方キャラが勝利するパターンとがある。また、第2演出パターンB(味方敗北パターン)には、敵キャラが先制攻撃をして味方キャラが敗北するパターンがある。さらに、第2演出パターンC(勝敗未決着パターン)には、味方キャラが先制攻撃をするものの敵キャラがその攻撃をかわすパターンと、敵キャラが先制攻撃をして味方キャラがその攻撃に耐えるパターンとがある。これらの第2演出パターンに基づく第2演出(バトル演出)は、いずれも味方キャラ又は敵キャラの先制攻撃から始まるものとなり、その後の対決結果(バトル結果)が明らかになるまでの演出内容(対決シーン等)が、各パターンに応じて予め定められている。このような第2演出パターンは、変動演出パターンに含まれるものであり、前述のS4505にて設定(選択)される変動演出パターンによって、複数種のパターンのうち何れのパターンで第2演出(バトル演出)を実行するのかが決まるものとなっている。
本実施例では、演出モードCでのリーチ変動が、第2特別図柄当否判定の結果が15R第3大当り又は4R第4大当りであることに基づく大当り変動として行われる場合、すなわち、変動表示の結果として演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で表示される場合、その大当り態様の表示前(導出表示前)に、第2演出パターンA(味方勝利パターン)に基づく第2演出(バトル演出)が行われる。この場合、当該変動表示の停止後(大当り態様の表示後)に15R又は4Rの大当り遊技が行われ、当該大当り遊技後に遊技状態が再び状態C(高確低ベース状態)となる。このため、遊技者は、大当り遊技後に、再び、小当りが頻発する有利状態(状態C)での遊技を行うことが可能となる。このように大当り遊技を経て状態Cでの遊技を引き続き行えることから、第2演出パターンAは味方キャラが勝利するパターンとなっている。
また、演出モードCでのリーチ変動が、第2特別図柄当否判定の結果が外れであることに基づく外れ変動(リーチ外れ変動)として行われる場合、すなわち、変動表示の結果として演出図柄8がリーチバラケ目(外れ態様)で表示される場合、その外れ態様の表示前(導出表示前)に、第2演出パターンC(勝敗未決着パターン)に基づく第2演出(バトル演出)が行われる。この場合、当該変動表示の停止後(外れ態様の表示後)は、状態Cでの遊技が継続されることとなる。このように状態Cでの遊技が継続することから、第2演出パターンCは勝敗が決することなく対決(バトル)を終えるパターンとなっている。
さらに、演出モードCでのリーチ変動が、第2特別図柄当否判定の結果が2R大当り(2R第5~第8大当りの何れか)であることに基づく2R大当り変動として行われる場合、すなわち、変動表示の結果として演出図柄8がリーチバラケ目(2R大当り態様)で表示される場合、その2R大当り態様の表示前(導出表示前)に、第2演出パターンB(味方敗北パターン)に基づく第2演出(バトル演出)が行われる。この場合、当該変動表示の停止後(2R大当り態様の表示後)に2Rの大当り遊技が行われ、当該大当り遊技後に遊技状態が状態B(高ベース状態)となる。このため、遊技者にとっては、2R大当りの発生を契機として、小当りが頻発する有利状態(状態C)での遊技を終えることとなる。このように遊技状態が状態Cから2R大当りを経由して状態Bに移行することから、第2演出パターンBは味方キャラが敗北するパターンとなっている。
ここで、第2演出パターンA~Cのうち、味方キャラが先制攻撃をする内容を含むパターンは、第2演出パターンA(味方勝利パターン)と第2演出パターンC(勝敗未決着パターン)であるため(図56(B)参照)、遊技者にしてみれば、表示画面7a上でリーチ成立後にバトル演出(第2演出)が開始され、そのバトル演出での対決(バトル)が味方キャラの先制攻撃から始まった場合には、その時点で、少なくとも、2R大当りの可能性、すなわち、状態Cの終了の可能性はないと推測することができる。一方、敵キャラが先制攻撃をする内容を含むパターンは、第2演出パターンA~Cのすべてが該当するため(図56(B)参照)、遊技者にしてみれば、表示画面7a上でリーチ成立後にバトル演出(第2演出)が開始され、そのバトル演出での対決(バトル)が敵キャラの先制攻撃から始まった場合には、その時点で2R大当りの可能性(状態Cの終了の可能性)を排除することはできない。そして、敵キャラの先制攻撃の後、味方キャラが敗北してバトル演出が終了した場合、当該バトル演出(第2演出)のパターンは第2演出パターンBということになるので、当該変動は2R大当り変動ということになり、その結果、状態Cでの遊技は終了となる。これに対し、敵キャラの先制攻撃の後、味方キャラが最終的に勝利してバトル演出が終了した場合、当該バトル演出(第2演出)のパターンは第2演出パターンAということになるので、当該変動は15R又は4Rの大当り変動ということになり、また、味方キャラが敵キャラの先制攻撃をかわしてバトル演出が終了した場合、当該バトル演出(第2演出)のパターンは第2演出パターンCということになるので、当該変動は外れ変動ということになり、これらの場合は、何れも状態Cでの遊技が引き続き実行可能となる。このように演出モードCにおけるリーチ変動では、第2演出パターンA~Cに基づく第2演出(バトル演出)を行うことで、小当りが頻発する有利状態(状態C)が継続(勝利、未決着)するのか終了(敗北)するのかといった、遊技者の期待と不安を掻き立てる演出効果を得ることが可能となる。これにより、第1演出から第2演出(バトル演出)にかけての変動演出(キャラクタ演出)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、演出モードC(状態C)の遊技興趣を高めることが可能となる。
[ラウンド獲得賞球数表示演出]
次に、本実施例のラウンド獲得賞球数表示演出について説明する。当該ラウンド獲得賞球数表示演出は、4R大当り遊技の1R~4Rの各ラウンド、及び、15R大当り遊技の1R~15Rの各ラウンドについて実行される。以下では15R大当り遊技の場合を例に説明する。
図59(A)は、大当り遊技中の各ラウンド遊技で画像表示装置7の表示画面7aに表示されるラウンド演出画面を示している。同図に示すように、本実施例のラウンド演出画面は、今回の大当り遊技及び当該大当り遊技を構成する各ラウンド遊技での獲得賞球数(賞球払出数)に関する情報(遊技価値情報)が表示される情報表示領域7sと、ラウンド演出が表示されるラウンド演出表示領域7rとに大別される。本実施例では、ラウンド演出画面の上部左寄りに情報表示領域7sが設けられており、それ以外の部分がラウンド演出表示領域7rとされている。なお、情報表示領域7sの右側(ラウンド演出表示領域7rの右上部)には右打ち指示画像Mが表示される。右打ち指示画像Mは、右打ち遊技を行う間、継続的に表示される。
情報表示領域7sには賞球数画像表示部70が設けられている。賞球数画像表示部70は、実行される大当り遊技のラウンド数(本例では4R又は15R)に応じて設けられる。図59(A)では、1R~15Rの各ラウンドに対応する賞球数画像表示部70を破線で示している。なお、図59(A)に示す破線や破線内のラウンド数は、実際の画面上(情報表示領域7s)に表示してもよいし表示しなくてもよい。また、4R大当り遊技の場合には、1R~4Rの各ラウンドに対応する賞球数画像表示部70が表示される(設けられる)。
賞球数画像表示部70には、各ラウンド遊技で第1大入賞口30への入球に基づき払い出された(遊技者に付与された)賞球の個数(遊技価値の量)、すなわち、ラウンド遊技ごとの獲得賞球数(「ラウンド獲得賞球数」ともいう。)を示唆するラウンド獲得賞球数画像が表示される。このラウンド獲得賞球数画像の表示がラウンド獲得賞球数表示演出である。ラウンド獲得賞球数画像(ラウンド獲得賞球数表示演出)は、1回のラウンド遊技(1ラウンド)が終了するごとに表示され、次のラウンド遊技が開始された後も、先に終了したラウンド遊技(実行済のラウンド遊技)に係るラウンド獲得賞球数画像は表示されたままとなる。
本実施例のラウンド獲得賞球数画像を図59(B)に示す。同図に示すように、本実施例では、それぞれ表示態様の異なる3種類のラウンド獲得賞球数画像701~703が設けられている。前述のように本実施例では、1ラウンドあたりの第1大入賞口30の規定入球個数(規定数)が10個とされており、第1大入賞口30への入球に基づく賞球数が1個の入球に対して15個とされている。このため、大当り遊技中、発射装置(発射ハンドル)の故障や遊技領域内での球詰まり等のトラブルがない限り、基本的には1ラウンドあたり150個(規定払出数、規定量)の賞球が払い出される。加えて、第1大入賞口30への規定数の入球によりラウンド終了条件が成立し、第1大入賞口30が閉鎖される際、第1大入賞口30に向かう遊技球の流下状況によっては、その閉鎖間際に、規定数を超える幾つかの遊技球が第1大入賞口30に入球することがある。このような規定数を超える入球(「オーバー入球」ともいう。)が発生した場合、その超えた分の入球に対しても賞球が払い出される。例えば、3個のオーバー入球が発生した場合、規定の150個に加えて45個(1ラウンドあたり合計で195個)の賞球が払い出される。こうしたオーバー入球の発生は遊技者にとって得なことであり、発生するほどその利益は大きくなる。これに鑑み、本実施例では、1ラウンドあたりの獲得賞球数(払い出し賞球数)が150個以下である場合に対応するラウンド獲得賞球数画像701と、151個以上200個未満である場合に対応するラウンド獲得賞球数画像702と、200個以上である場合に対応するラウンド獲得賞球数画像703と、が設けられている。
本実施例のラウンド獲得賞球数画像701~703は、それぞれ円図形の内部に獲得賞球数を示唆する数字(文字)が表示される態様とされており、円内の数字(文字)及び円を表す線の形態(表示態様)が、それぞれ異なるものとされている。具体的には、図59(B)に示すように、ラウンド獲得賞球数画像701は、1本の細線で描かれた円の内側に「0」~「150」の数字が表示される態様(「通常表示態様」又は「第1表示態様」ともいう。)とされており、ラウンド獲得賞球数画像702は、1本の太線で描かれた円の内側に「151」~「199」の数字が表示される態様(「特別表示態様」又は「第2表示態様」ともいう。)とされており、ラウンド獲得賞球数画像703は、2本の細線で描かれた円の内側に「200UP」の数字及び文字が表示される態様(「特定特別表示態様」又は「第3表示態様」ともいう。)とされている。
ラウンド獲得賞球数画像701は、第1大入賞口30への入球が規定数以下であり、獲得賞球数が規定払出数の範囲内である旨を示唆するものである。これに対し、ラウンド獲得賞球数画像702及び703は、いずれも第1大入賞口30へのオーバー入球が発生し、獲得賞球数が規定払出数を超えた旨を示唆するものである。ラウンド獲得賞球数画像702はオーバー入球数が「1」~「3」である場合に表示され、ラウンド獲得賞球数画像703はオーバー入球数が「4」以上である場合に表示される。
ここで、第1大入賞口30へのオーバー入球が発生した場合のラウンド獲得賞球数画像を2種類設けているのは、前述のように、オーバー入球の発生は遊技者にとって得なことであり、オーバー入球の数が多い程、遊技者が得えられる利益は大きくなる。そこで、オーバー入球が発生する場合のオーバー入球数を、比較的発生しやすい入球数である「1」~「3」と、これよりも発生する可能性が低いと考えられる「4」以上とに分けて、オーバー入球の中でも特に遊技者にとって利益が大きい場合をラウンド獲得賞球数画像703で示すこととしている。このことから、ラウンド獲得賞球数画像701は通常(普通)の表示態様であるといえ、ラウンド獲得賞球数画像702及び703は特別な表示態様であるといえる。
本実施例では、こうしたラウンド獲得賞球数画像701~703の何れかが、大当り遊技中(2R大当り遊技を除く)、ラウンド遊技の終了ごとに、賞球数画像表示部70のうち終了したラウンドに対応する箇所に表示される。具体的には、先のラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでのインターバル時間(インターバル期間)内に、先の終了したラウンド遊技に係るラウンド獲得賞球数画像が表示される。その表示例を図59(C)に示す。同図では、1R目の獲得賞球数が150(オーバー入球なし)、2R目の獲得賞球数が180(オーバー入球2個)、3R目の獲得賞球数が165(オーバー入球1個)、4R目の獲得賞球数が150(オーバー入球なし)、5R目の獲得賞球数が200超え(オーバー入球4個以上)の場合を示しており、6R目以降も各ラウンドが終了するごとにラウンド獲得賞球数画像701~703の何れかが表示される。
本実施例では、大当り遊技の最終ラウンドが終了した後にもインターバル時間(インターバル期間)が設定され、当該インターバル時間が経過すると、大当りのエンディング期間が開始される。このため、最終ラウンドに係るラウンド獲得賞球数画像は、最終ラウンドの終了後、エンディング期間が開始される前のインターバル時間内に表示される。このとき、情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)には、最終ラウンドを含んだ実行済の各ラウンドに対応するラウンド獲得賞球数画像が表示されるため、遊技者は、そのラウンド獲得賞球数画像を通じて、実行済の各ラウンドに係る獲得賞球数(賞球獲得状況)を把握する(振り返る)ことが可能である。
また、図59(A)及び(C)に示すように、情報表示領域7sには、大当り遊技の初回ラウンドから最終ラウンド(ここでは1R~15R)にかけて第1大入賞口30への入球に基づき払い出された(遊技者に付与された)賞球の個数(遊技価値の量)、すなわち、1回の大当り遊技での獲得賞球数を示唆する賞球カウント画像C2が表示される。本実施例の賞球カウント画像C2は、「0000」~「9999」の4桁の数字を表示可能な画像(数字画像)と、「pt」の文字画像とからなるもので、前述の賞球カウント画像C1に比して1桁少ない他は、賞球カウント画像C1と同様の表示態様である。本実施例では、賞球数画像表示部70の上方に賞球カウント画像C2が表示される。なお、賞球カウント画像C2の表示位置は任意である。
賞球カウント画像C2は、大当り遊技中(ラウンド遊技中)、第1大入賞口センサ30aによる遊技球の検知(第1大入賞口30への入球)に基づいて主制御部80から送信される第1大入賞口入球コマンドをサブ制御部90が受信することに基づいて、その表示内容が更新される。具体的には、第1大入賞口入球コマンド1つ(1受信)につき「15」加算表示される。
このような大当り遊技中のラウンド獲得賞球数画像701~703の表示および賞球カウント画像C2の加算表示は、大当り遊技の初回ラウンドから最終ラウンド終了後のインターバル時間が経過するまで(エンディング期間が開始されるまで)行われる。これらの表示に関連し、10msタイマ割り込み処理(S4010)で行われる大当り賞球計数処理(S4304)について、図60を用いて説明する。図60に示すように、大当り賞球計数処理(S4304)ではまず、4R大当り遊技又は15R大当り遊技の実行中であるか否かを判定し(S4701)、いずれも実行中でないと判定した場合(S4701でNO)、S4703以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4701で4R大当り遊技又は15R大当り遊技の実行中であると判定した場合(S4701でYES)、第1大入賞口入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4703)、受信していないと判定した場合(S4703でNO)、S4711の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4703でYES)、ラウンド賞球カウンタCT3及び大当り賞球カウンタCT4をそれぞれ更新する(S4705、S4707)。ここでは、各カウンタCT3、CT4の値を「15」加算する。そして、賞球カウント画像C2の加算表示を実行するための加算表示コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4709)。このセットしたコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、情報表示領域7sに表示される賞球カウント画像C2の表示内容を更新(本例では「15」加算表示)する。
ここで、ラウンド賞球カウンタCT3は、大当り遊技中におけるラウンド遊技ごとの獲得賞球数(「ラウンド獲得賞球数」ともいう。)を計数するカウンタである。また、大当り賞球カウンタCT4は、1回の大当り遊技(2R大当り遊技を除く)での獲得賞球数(「大当り獲得賞球数」ともいう。)を計数するカウンタである。この大当り賞球カウンタCT4の値(計数値)は、賞球カウント画像C2により示唆される大当り獲得賞球数とリンク(一致)するものである。つまり、賞球カウント画像C2は、大当り賞球カウンタCT4の値に基づいて表示されるものである。
次いでS4711では、ラウンド終了コマンドを受信したか否かを判定する(S4711)。ラウンド終了コマンドは、前述のようにラウンドの終了に際して主制御部80から送信されるコマンドであり、具体的には、ラウンド遊技の終了条件(第1大入賞口30への規定入球個数の入球又は第1大入賞口30の開放時間経過)が成立するごとに(S2111、S2112を参照)送信される。
S4711でラウンド終了コマンドを受信していないと判定した場合(S4711でNO)、S4717の処理に移行し、受信したと判定した場合(S4711でYES)、ラウンド獲得賞球数表示コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4713)、ラウンド賞球カウンタCT3をクリア(ゼロクリア)する(S4715)。ラウンド獲得賞球数表示コマンドには、ラウンド終了時(S4715でクリアする前)のラウンド賞球カウンタCT3の値(計数値)、すなわち、ラウンド獲得賞球数を示す情報が含まれる。
S4713でセットしたラウンド獲得賞球数表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したラウンド獲得賞球数表示コマンドに基づいて特定されるラウンド獲得賞球数に応じたラウンド獲得賞球数画像701~703の何れかを、情報表示領域7sにおける賞球数画像表示部70(図59(A)参照)のうち終了したラウンドに対応する箇所(例えば、3Rが終了したときには3Rの箇所)に表示する。例えば、ラウンド獲得賞球数表示コマンドに基づき特定されるラウンド獲得賞球数が「150」である場合、ラウンド獲得賞球数画像701(図59(B)参照)を表示する。また、S4715でラウンド賞球カウンタCT3をクリアした後、すなわち、ラウンド遊技が終了した後、次のラウンド遊技が実行(開始)される場合、当該次のラウンド遊技での獲得賞球数がラウンド賞球カウンタCT3により計数される。
次いでS4717では、大当りエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(S4717)、受信していないと判定した場合(S4717でNO)、S4619以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、大当りエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4717でYES)、後述するエンディング獲得賞球数表示演出で今回の大当り遊技の獲得賞球数(大当り獲得賞球数)を表示するための大当り獲得賞球数表示コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4719)。大当り獲得賞球数表示コマンドには、大当り遊技終了時の大当り賞球カウンタCT4の値(計数値)、すなわち、大当り獲得賞球数を示す情報が含まれる。
次いで、大当り賞球カウンタCT4の値を総賞球カウンタCT2に加算し(S4721)、大当り賞球カウンタCT4をクリア(ゼロクリア)して(S4723)、本処理を終える。S4721の処理により、総賞球カウンタCT2の値は、大当り遊技での獲得賞球数(大当り獲得賞球数)と、特定期間にて実行される小当り遊技での獲得賞球数(大当り間小当り獲得賞球数)とを合算した総獲得賞球数を示すことになる(S4606を参照)。
[エンディング獲得賞球数表示演出]
次に、本実施例のエンディング獲得賞球数表示演出について説明する。当該エンディング獲得賞球数表示演出は、状態C(演出モードC、すなわち特定期間)にて15R第3大当り又は4R第4大当りが発生し、当該大当り遊技の最終ラウンド(15R又は4R)が終了してから特別図柄の変動表示が実行可能な状態となるまでのエンディング期間(「終了期間」ともいう。)において実行される。すなわち、エンディング獲得賞球数表示演出はエンディング演出として実行されるものである。
最終ラウンド(本例では4R又は15R)の終了後、インターバル時間を経てエンディング期間が開始されると、画像表示装置7の表示画面7aには、図61(A)~(C)に示すエンディング演出画面ED1~ED3が表示される。本実施例では、状態Cで15R第3大当り又は4R第4大当りが発生した場合の当該大当りに係るエンディング期間の長さを20秒としており、その20秒の間に図61(A)~(C)に示すエンディング演出画面ED1~ED3が表示されるものとしている。
具体的には、エンディング期間の開始から4秒経過するまでの間(「第1期間」ともいう。)にエンディング演出画面ED1(図61(A)参照)が表示され、第1期間の終了から4秒が経過するまでの間(「第2期間」ともいう。)にエンディング演出画面ED2(図61(B)参照)が表示され、第2期間の終了から7秒が経過するまでの間(「第3期間」ともいう。)にエンディング演出画面ED3(図61(C)参照)が表示される。そして、第3期間の終了からエンディング期間が終了するまでの間に(本例では5秒間)、次の演出モード(遊技状態)の移行先を示唆する演出(図示せず)が表示される。
エンディング期間のうち第1期間に表示されるエンディング演出画面ED1には、状態Cで実行された小当り遊技による獲得賞球数、すなわち、特定期間(小当りラッシュ)での大当り間小当り獲得賞球数を示唆する小当り獲得賞球数画像901が表示される。小当り獲得賞球数画像901は、図61(A)に示すように、「0000」~「9999」の4桁の数字を表示可能な数字画像と、当該数字の周りを囲むエフェクト画像と、「Rush」(ラッシュ)の文字を表す文字画像とからなる。小当り獲得賞球数画像901に含まれる4桁の数字(数字画像)は、前述のS4611でセットされる小当り獲得賞球数表示コマンドに含まれる小当り賞球カウンタCT1の値(計数値)を表示するものである。つまり、小当り獲得賞球数画像901は、小当り獲得賞球数表示コマンドに基づいて表示される演出画像である。
エンディング期間のうち第2期間に表示されるエンディング演出画面ED2には、当該エンディングを迎えた大当り遊技による獲得賞球数、すなわち、状態C(特定期間)で実行された一の大当り遊技(2R大当り遊技を除く)に係る大当り獲得賞球数を示唆する大当り獲得賞球数画像902が表示される。大当り獲得賞球数画像902は、図61(B)に示すように、「0000」~「9999」の4桁の数字を表示可能な数字画像と、当該数字の周りを囲むエフェクト画像と、「Big Bonus」(ビッグボーナス)の文字を表す文字画像とからなる。大当り獲得賞球数画像902に含まれる4桁の数字(数字画像)は、前述のS4719でセットされる大当り獲得賞球数表示コマンドに含まれる大当り賞球カウンタCT4の値(計数値)を表示するものである。つまり、大当り獲得賞球数画像902は、大当り獲得賞球数表示コマンドに基づいて表示される演出画像である。なお、実行された大当り遊技が4R大当り遊技である場合、図61(B)に示す大当り獲得賞球数画像902に含まれる「Big Bonus」の文字(文字画像)は「Regular Bonus」(レギュラーボーナス)となる。
エンディング期間のうち第3期間に表示されるエンディング演出画面ED3には、エンディング演出画面ED1(第1期間)の小当り獲得賞球数画像901により示唆された大当り間小当り獲得賞球数と、エンディング演出画面ED2(第2期間)の大当り獲得賞球数画像902により示唆された大当り獲得賞球数とを合算した総獲得賞球数を示唆する総獲得賞球数画像903が表示される。総獲得賞球数画像903は、図61(C)に示すように、「0000」~「9999」の4桁の数字を表示可能な数字画像と、当該数字の周りを囲むエフェクト画像と、「GET!」の文字を表す文字画像とからなる。総獲得賞球数画像903に含まれる4桁の数字(数字画像)は、前述のS4611でセットされる総獲得賞球数表示コマンドに含まれる総賞球カウンタCT2の値(計数値)を表示するものである。つまり、総獲得賞球数画像903は、総獲得賞球数表示コマンドに基づいて表示される演出画像である。
また、エンディング演出画面ED3には、総獲得賞球数画像903(4桁の数字画像)により示唆される総獲得賞球数に応じて特別画像905が表示されることがある。特別画像905は、総獲得賞球数画像903により示唆された総獲得賞球数が所定数以上である場合に、それだけの賞球を獲得することができたことを称賛するコメント(「称賛コメント」ともいう。)を表示するものである。本実施例では、総獲得賞球数画像903により示唆される総獲得賞球数が「2500」以上である場合に特別画像905が表示される。また、本実施例では、総獲得賞球数が「2500」以上「3000」未満である場合と「3000」以上である場合とで、表示される特別画像905の態様が異なるものとなっている。具体的には、総獲得賞球数が「2500」以上「3000」未満である場合、「Good!」の文字(第1称賛コメント)を表す特別画像905(第1特別画像)が表示され、総獲得賞球数が「3000」以上である場合、「Great!!」の文字(第2称賛コメント)を表す特別画像905(第2特別画像)が表示される。図61(C)は「Great!!」の特別画像905が表示された場合を示している。このような特別画像905が表示されるようにすることで、遊技の結果に対する達成感や満足感を遊技者に与えることが可能である。
なお、特別画像905(称賛コメント)の表示は、例えば、前述のS4719にて大当り獲得賞球数表示コマンドをセットする際、大当り賞球カウンタCT4の値に基づいて特別画像905の表示を指示するコマンド(特別画像表示コマンド)をセットし、当該コマンドを画像制御基板100に送信することにより行うことが可能である。また、実行された大当り遊技が4R大当り遊技の場合には、特別画像905(称賛コメント)を表示しないようにすることも可能である。4R大当り遊技は、15R大当り遊技に比して遊技者が獲得可能な(遊技者に付与される)賞球の個数が少ないからである。
ここで、大当り遊技(第1特別遊技)や小当り遊技(第2特別遊技)で遊技者が獲得した(遊技者に付与された)賞球の個数を示唆する賞球カウント画像C1,C2、ラウンド獲得賞球数画像701~703、小当り獲得賞球数画像901、大当り獲得賞球数画像902及び総獲得賞球数画像903のことを「遊技価値情報」ともいい、これらの画像(遊技価値情報)を表示する画像表示装置7(表示画面7a)並びにその表示に係る制御処理を行うサブ制御部90(演出制御用マイコン91)及び画像制御部100(画像制御用マイコン101)は「情報表示手段」として機能するものである。また、遊技価値情報のうち、大当り獲得賞球数画像902のことを「第1遊技価値情報」ともいい、小当り獲得賞球数画像901のことを「第2遊技価値情報」ともいい、総獲得賞球数画像903のことを「第3遊技価値情報」ともいう。さらに、大当り獲得賞球数画像902(第1遊技価値情報)により示唆される大当り獲得賞球数を計数する大当り賞球カウンタCT4(S4707)のことを「第1計数手段」ともいい、小当り獲得賞球数画像901(第2遊技価値情報)により示唆される大当り間小当り獲得賞球数を計数する小当り賞球カウンタCT1(S4605)のことを「第2計数手段」ともいい、総獲得賞球数画像903(第3遊技価値情報)により示唆される総獲得賞球数を計数する総賞球カウンタCT2のことを「第3計数手段」ともいう。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技を構成する複数回(例えば、4回又は15回)のラウンド遊技の各々が実行されるごとに、各ラウンド遊技で遊技者に付与された賞球の個数(遊技価値の量)を示唆するラウンド獲得賞球数画像(遊技価値情報)が、表示画面7aの情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)に表示される(図59(A)、(C)を参照)。このため、遊技者は大当り遊技が進行するなか、当該大当り遊技で付与された(獲得できた)賞球数をラウンド単位で知ることができるようになる。これにより、各ラウンド遊技で付与される賞球の個数(遊技価値の量)に遊技者を注目させて、大当り遊技の興趣を高めることが可能となる。
特に、大当り遊技における最終ラウンド(例えば、4R又は15R)が終了した後のインターバル期間(所定期間)を含む所定の表示期間が経過するまで(例えば、初回ラウンドの終了後から最終ラウンド終了後のインターバル時間が経過するまで)、実行済のラウンド遊技に係るラウンド獲得賞球数画像(遊技価値情報)が、情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)にラウンド遊技単位で表示される。このため、大当り遊技の全ラウンド遊技が終了した後も、遊技者は情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)に表示されたラウンド獲得賞球数画像を通じて、実行済の各ラウンド遊技で付与された(獲得できた)賞球数を知ることができるようになる。これにより、各ラウンド遊技の結果を把握するのが容易となる。
また、ラウンド獲得賞球数画像として、それぞれ表示態様の異なる3種類のラウンド獲得賞球数画像701~703を有しており、1ラウンドあたりの獲得賞球数(払い出し個数)が規定払出数(例えば、150個)以下である場合にはラウンド獲得賞球数画像701が表示され、規定払出数を超えて特定払出数(例えば、199個)以下である場合にはラウンド獲得賞球数画像702が表示され、特定払出数(例えば、199個)を超えた場合にはラウンド獲得賞球数画像703が表示される。すなわち、1回のラウンド遊技で付与された賞球数(遊技価値の量)が規定払出数(規定量)を超えた場合、ラウンド獲得賞球数画像の表示態様が通常表示態様と異なる特別表示態様となり、さらに、規定払出数(規定量)よりも多い特定払出数(特定量)を超えた場合、ラウンド獲得賞球数画像の表示態様が特別表示態様と異なる特定特別表示態様となる。このため、遊技者は大当り遊技が進行するなか、情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)に表示されたラウンド獲得賞球数画像を一目見るだけで、各ラウンド遊技で付与された賞球数が規定払出数を超えたかどうかや、特定払出数を超えたかどうか知ることができるようになる。これにより、ラウンド遊技ごとに表示されるラウンド獲得賞球数画像に遊技者の興味を惹きつけて、遊技者に得した感覚を抱かせることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、状態C(特定期間)にて大当りが発生して大当り遊技(第1特別遊技)が実行されると、当該大当り遊技にて第1大入賞口30(第1特別入球口)への入球に基づき付与された賞球の個数(遊技価値の量)が、大当り賞球カウンタCT4(第1計数手段)により計数される。また、状態C(特定期間)にて大当り遊技の実行(開始)前に小当り遊技(第2特別遊技)が実行されると、当該小当り遊技にて第2大入賞口35(第2特別入球口)への入球に基づき付与された賞球の個数(遊技価値の量)が、小当り賞球カウンタCT1(第2計数手段)により計数される。そして、各カウンタによる計数結果に基づいて、大当り遊技で付与された賞球数を示唆する大当り獲得賞球数画像902(第1遊技価値情報)と、当該大当り遊技前の小当り遊技で付与された賞球数を示唆する小当り獲得賞球数画像901(第2遊技価値情報)とが、当該大当り遊技終了に際してのエンディング期間中に表示される。このため、遊技者は、状態C(特定期間)にて発生した大当りに係る大当り遊技が終了するときに、当該大当り遊技で付与された(獲得できた)賞球数と、当該大当り遊技の実行(開始)に至るまでの状態C中の小当り遊技で付与された(獲得できた)賞球数(大当り間小当り獲得賞球数)とを、別個に知ることができるようになる。これにより、大当り遊技が終了するときの獲得賞球数画像(遊技価値情報)の表示による興趣を高めることが可能となる。
特に本実施例では、大当りのエンディング期間にて小当り獲得賞球数画像901が先に表示され、大当り獲得賞球数画像902が後に表示されるため(図61(A)、(B)を参照)、状態C(特定期間)にて小当り遊技と大当り遊技とが実行される場合の遊技進行の時系列に即したかたちで、大当り遊技で付与された賞球数(大当り獲得賞球数)と、当該大当り遊技前の状態Cでの小当り遊技で付与された賞球数(大当り間小当り獲得賞球数)とを、順を追って知ることができるようになる。これにより、各当り遊技の結果を遊技者にとってわかりやすく示すことが可能となる。
また、エンディング期間において小当り獲得賞球数画像901と大当り獲得賞球数画像902とが表示された後、それら各賞球数画像901,902により示唆された大当り間小当り獲得賞球数と大当り獲得賞球数画像とを合算した総獲得賞球数を示唆する総獲得賞球数画像903が表示される(図61(A)~(C)を参照)。すなわち、状態Cにて発生した大当りに係る大当り遊技で付与された賞球数(遊技価値の量)と、当該大当り遊技前の状態Cにおける小当り遊技で付与された賞球数(遊技価値の量)とを合算した総獲得賞球数(総遊技価値量)を示唆する総獲得賞球数画像903(第3遊技価値情報)が、エンディング期間中の最後に表示される。このため、遊技者は、状態Cにて発生した大当りに係る大当り遊技が終了するときに、当該大当り遊技で付与された賞球数(大当り獲得賞球数)と、当該大当り遊技前の状態C中に実行された小当り遊技で付与された賞球数(大当り間小当り獲得賞球数)と、両当り遊技で付与された総賞球数(総獲得賞球数)とを、それぞれ別個に知ることができる。特に、小当り獲得賞球数画像901による大当り間小当り獲得賞球数と、大当り獲得賞球数画像902による大当り獲得賞球数とを知った後に、総獲得賞球数画像903により総獲得賞球数を知ることとなるので、総獲得賞球数が先に知られないようにすることが可能となる。これにより、大当り遊技が終了するときの獲得賞球数画像(遊技価値情報)の表示に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄が小当り図柄(第2特定態様)で表示される可能性は大当り図柄(第1特定態様)で表示される可能性よりも高いため、小当り遊技の方が大当り遊技よりも実行されやすいものとされている。そして、状態C(特定期間)では、特別図柄(本例では第2特別図柄)が小当り図柄で表示される頻度が状態A,B(非特定期間)に比べて高くなり、これに伴って小当り遊技の実行頻度が高くなるものとされている。このため、状態C(特定期間)にて小当り遊技が高頻度で実行されるなか特別図柄が大当り図柄で表示されて大当り遊技が実行されると、当該大当り遊技が終了するときに、当該大当り遊技で付与された賞球数を示唆する大当り獲得賞球数画像902(第1遊技価値情報)が表示されるとともに、その状態C(特定期間)における小当り遊技で付与された賞球数を示唆する小当り獲得賞球数画像901(第2遊技価値情報)が表示される。これにより、状態C(特定期間)を経て大当り遊技が実行された場合の当該大当り遊技の終了に際して行われる獲得賞球数画像(遊技価値情報)の表示に遊技者の興味を惹きつけて、興趣を高めることが可能となる。
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例は、前述の状態C(高確低ベース状態)で小当り遊技が実行される場合の遊技演出の一態様を示すものである。以下では、本実施例の構成について前述の実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と共通する部分については説明を適宜省略する。
状態Cでは主として第2特別図柄当否判定が行われ、その結果に基づいて第2特別図柄及び演出図柄8が変動表示される。そして、第2特別図柄及び演出図柄8(つまり、識別情報)が小当り態様(第2特定態様)で表示(停止表示)されると、小当り遊技が実行される。本実施例では、その小当り遊技が実行されるとき(図柄が小当り態様で表示されたとき)、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留、すなわち、小当り遊技が終了した後に最初に消化される第2特図保留として「特定保留」が記憶されている場合、その特定保留に関連する示唆を行う演出(示唆演出)が小当り遊技中に実行される。具体的には、特定保留の消化に伴って変動表示される第2特別図柄(及び演出図柄8)が大当り態様(ゾロ目)で表示(停止表示)される可能性、すなわち、状態C(特定期間)の継続が確定する15R第3大当り又は4R第4大当りの期待度を示唆する演出が、その変動表示の実行(開始)前の小当り遊技中に実行される。こうした小当り遊技中に実行される示唆演出のことを「小当り中示唆演出」ともいう。つまり、小当り遊技が実行されるときに記憶されている第2特図保留の先読み演出として小当り中示唆演出が実行可能とされている。
演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は、小当り中示唆演出の実行に係る制御処理として、図62に示す小当り発生時保留先読み処理(S5000)を実行する。以下、図62に基づいて、本実施例の小当り発生時保留先読み処理(S5000)について説明する。なお、小当り発生時保留先読み処理(S5000)は、図51に示した受信コマンド解析処理(S4302)における当り遊技演出処理(S4408)の一処理として実行可能である。
[小当り発生時保留先読み処理]
図62に示すように、小当り発生時保留先読み処理(S5000)ではまず、主制御部80から送信される小当りのオープニングコマンド(図38のS2066を参照)を受信したか否かを判定する(S5001)。その結果、受信していないと判定した場合(S5001でNO)、S5003以降の処理を行うことなく本処理を終え、受信したと判定した場合(S5001でYES)、現在記憶されている第2特図保留の数(特図2保留球数)が「1」以上であるか否か、すなわち、第2特図保留が記憶されているか否かを判定する(S5003)。
S5003で特図2保留球数が「1」以上でない、すなわち、「0」である(第2特図保留が記憶されていない)と判定した場合(S5003でNO)、S5005以降の処理を行うことなく本処理を終える。小当りのオープニングコマンドを受信し(S5001でYES)、かつ、特図2保留球数が「0」である場合(S5003でNO)、すなわち、小当り遊技の開始タイミングにおいて第2特図保留が記憶されていない場合、その小当り遊技では、前述の実施例1で説明したように、味方キャラと敵キャラによるキャラクタ演出表示が表示画面7aで実行される。また、小当り遊技中に開放される第2大入賞口35への遊技球の入球に基づいて賞球カウント画像C1の加算表示が表示画面7aで実行される。
これに対し、S5003で特図2保留球数が「1」以上である(第2特図保留が記憶されている)と判定した場合(S5003でYES)、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留が特定保留であるか否かを判定する(S5005)。すなわち、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留として特定保留が記憶されているか否かを判定する。
ここで、特定保留とは、特図保留記憶部(取得情報記憶手段)に保留として記憶されている取得情報が所定の取得情報(「所定取得情報」ともいう。)である場合、この所定取得情報に該当する保留(特図保留)のことを意味するものである。本実施例では、その特定保留(つまり、所定取得情報)を、図9に示す複数の変動パターンのうち特定の変動パターンに基づく第2特別図柄の変動表示の実行契機となる保留(第2特図保留)としている。具体的には、状態Cでの第2特別図柄の変動表示に際して設定され得る変動パターンP25~P33のうち、変動パターンP25、P26、P28、P29、P31及びP32(6種類)の何れかに基づく変動表示の実行契機となる第2特図保留としている。これら6種類の変動パターンは、変動時間が45秒又は120秒の変動パターン(「特定変動パターン」ともいう。)である。この特定変動パターンは、状態C(演出モードC)でリーチ変動が行われる場合の当該リーチ変動に係る変動パターンである。つまり、特定変動パターンは、状態C(演出モードC)のリーチ変動パターンである。
前述の実施例1で説明したように、状態C(演出モードC)では、演出図柄8の変動表示(変動演出)が、ノーマル変動(小当り変動)、リーチ無し外れ変動、リーチ煽り外れ変動及びリーチ変動の何れかで実行される。そのうちリーチ変動は、第2特別図柄当否判定の結果が大当りの可能性のある変動であり、それ以外の変動は、大当りの可能性のない変動である。つまり、リーチ変動による変動演出は、ノーマル変動、リーチ無し外れ変動又はリーチ煽り外れ変動による変動演出に比して、第2特別図柄当否判定の結果が大当りであることに基づく識別情報の変動表示(大当り変動)に伴って実行される可能性の高い(実行され易い)変動演出であるといえる。リーチ変動による変動演出のことを「特別変動演出」ともいい、ノーマル変動、リーチ無し外れ変動又はリーチ煽り外れ変動による変動演出のことを「通常変動演出」ともいう。
状態C(演出モードC)でリーチ変動が行われる場合、表示画面7aでは、背景として表示されている味方キャラと敵キャラの何れかが相手方に対して攻撃を仕掛けるシーンを描いた演出(第1演出)が表示された後、リーチ成立を経て、味方キャラと敵キャラとの対決シーンを描いたバトル演出(第2演出)が表示される。このバトル演出(第2演出)を含む変動演出が特別変動演出であり、この特別変動演出の実行契機となる第2特別図柄の変動パターンが前述の特定変動パターンである。そして、特定変動パターンに対応する変動パターン情報を含む所定取得情報が特定保留に該当する。つまり、特定保留(所定取得情報)は、特別変動演出(バトル演出)を伴う識別情報の変動表示の実行契機となる特図保留である。
したがって、S5005では、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留が、特別変動演出(バトル演出)の実行契機となる特図保留(特定保留)であるか否かを判定する。その結果、特定保留でないと判定した場合(S5005でNO)、S5007の処理を行うことなく本処理を終え、特定保留であると判定した場合(S5005でYES)、S5007の処理を行って本処理を終える。
なお、S5005の処理、すなわち、特図保留記憶部に記憶されている特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留(取得情報)が特定保留であるか否かの判定は、例えば、前述のS4402で記憶される演出保留情報に基づいて判断することが可能である。副制御基板90の演出保留情報記憶領域に記憶される演出保留情報は、主制御基板80の特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)に記憶される取得情報と一致するものであり、取得情報(演出保留情報)には変動パターン乱数(変動パターン情報)が含まれており、これを基に変動パターンの種類を特定することが可能だからである。
一方、S5005で特定保留でないと判定した場合(S5005でNO)、小当り遊技では、味方キャラと敵キャラによるキャラクタ演出表示、及び、第2大入賞口35への入球に基づく賞球カウント画像C1の加算表示が、表示画面7aで実行される。
次いでS5007では、これから開始される小当り遊技で実行する小当り中示唆演出の演出パターン(小当り中示唆演出パターン)を設定する(S5007)。ここで、本実施例の小当り中示唆演出について、図63を用いて説明する。図63(A)は、小当り遊技の開始に伴って表示画面7aに表示される小当り中示唆演出(小当り中示唆演出画面)を示しており、図63(B)は、小当り遊技が進行した状況下で表示画面7aに表示される小当り中示唆演出(小当り中示唆演出画面)を示している。
図63(A)に示すように、小当り遊技の開始に伴い小当り中示唆演出が実行(開始)されると、表示画面7aには、小当り中示唆演出の主な表示内容としてキャラ画像910、示唆画像930及び指示画像950が表示される。これらキャラ画像910、示唆画像930及び指示画像950を含んで本実施例の小当り中示唆演出画面が構成される。
キャラ画像910は、小当り遊技後の特定保留消化による最初の変動表示(「特定保留に係る変動表示」ともいう。)に伴う変動演出(特別変動演出)に含まれるバトル演出での対決相手となる敵キャラの顔を表した画像である。
示唆画像930は、特定保留に係る変動表示(小当り遊技後の最初の変動表示)の結果が大当り態様(15R第3大当り又は4R第4大当り)となる期待度を示唆する画像である。本実施例では、その期待度を星(★)の数によって示唆するものとしている。具体的には、特定保留に係る変動表示で実行される特別変動演出に含まれるバトル演出において敵キャラが勝利する可能性を「危険度」として、星(★)の数が多いほど危険度が高い、すなわち、敵キャラが勝利する可能性が高い旨を示唆するものとしている。敵キャラが勝利するということは、味方キャラが敗北すること、すなわち、特定保留に係る変動表示(特別変動演出)が、状態C(特定期間)の終了を迎えることとなる2R大当り変動として実行されることとなる。したがって、星(★)の数が多いほど、小当り遊技後の最初の変動表示で2R大当りとなる可能性、すなわち、状態C(特定期間)の終了可能性(危険度)が高くなり、一方、星(★)の数が少ないほど、小当り遊技後の最初の変動表示で2R大当りとならずに15R第3大当り、4R第4大当り又は外れとなる可能性、すなわち、状態C(特定期間)の継続可能性が高くなる(終了可能性(危険度)が低くなる)。このように示唆画像930(小当り中示唆演出)は、特定保留に係る変動表示で15R第3大当り又は4R第4大当りとなる期待度(つまり、状態Cの継続期待度)を、星(★)の数の多少により示唆するのである。
なお、示唆画像930(当該示唆画像930に含まれる星(★)の数)ことを「示唆情報」ともいう。また、示唆画像930に含まれる星(★)の数は、特定保留に係る変動表示で実行されるバトル演出において敵キャラが勝利(味方キャラが敗北)する可能性を示唆することから、示唆画像930は、特定保留に係る変動表示(小当り遊技後の最初の変動表示)で実行されるバトル演出の展開(変動演出の内容)を示唆する画像であるともいえる。
本実施例では、小当り中示唆演出で表示される示唆画像930の表示態様が、小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球(第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知)に基づいて変化するものとなっている。具体的には、小当り中示唆演出の開始当初(小当り遊技の開始当初)は、星(★)の数が5つとされた示唆画像930(デフォルトの示唆画像)が表示され、その後、小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球に基づいて、示唆画像930に含まれる星(★)の数が減少するものとなっている。図63(B)は、示唆画像930に含まれる星(★)の数が減少した例として、5つから2つになった(3つ減少した)場合を示している。
本実施例では、示唆画像930の表示態様が変化する場合の変化の仕方を小当り中示唆演出パターンにより定めており、その変化の仕方が異なる複数の小当り中示唆演出パターンを備えている。具体的には、星(★)の数が当初(デフォルト)の5つから4つに変化(1つ減少)する第1示唆演出パターンと、5つから3つに変化(2つ減少)する第2示唆演出パターンと、5つから2つに変化(3つ減少)する第3示唆演出パターンと、5つから1つに変化(4つ減少)する第4示唆演出パターンと、の計4つのパターンを備えている。S5007では、それら第1~第4示唆演出パターンのうち何れかを選択して、その選択した示唆演出パターンを設定する。設定対象の示唆演出パターンの選択は、S5005で判定した特定保留に該当する所定取得情報に含まれる変動パターン情報に基づいて行うことができる。そして、示唆演出パターンの選択条件は、例えば、図64に示す小当り中示唆演出パターン決定テーブルにより定めることができ、当該テーブルを用いて設定対象の示唆演出パターンを選択することができる。
図64に示すように、小当り中示唆演出パターン決定テーブルは、演出決定用乱数の一種である小当り中示唆演出決定用乱数の値(例えば、0~99)を、特定保留に係る変動表示の変動パターン「第1示唆演出パターン」、「第2示唆演出パターン」、「第3示唆演出パターン」及び「第4示唆演出パターン」に割り当てたデータ構造とされる。なお、各テーブル中「-」は、小当り中示唆演出決定用乱数の値が割り当てられていないこと、すなわち、選択対象(設定対象)とならないことを意味する。
ここで、前述したように、状態C(演出モードC)でリーチ変動が行われる場合、そのリーチ変動は、変動パターンP25、P26、P28、P29、P31及びP32の何れかに基づいて行われる。本実施例では、それら6つの変動パターン(特定変動パターン)のうち、変動パターンP25(120秒)は、第2特別図柄当否判定の結果が15R第3大当り又は4R第4大当りである場合に設定され、変動パターンP26(45秒)は、第2特別図柄当否判定の結果が2R大当りである場合に設定され、変動パターンP28,P31(120秒)及び変動パターンP29,P32(45秒)は、第2特別図柄当否判定の結果が外れである場合に設定されるものとしている。
図64に示す小当り中示唆演出パターン決定テーブルによれば、S5007で小当り中示唆演出パターンが設定される場合、特定保留に係る変動表示の変動パターンが「P25」(15R第3大当り又は4R第4大当り)であれば、第1示唆演出パターンが設定されることなく、第2~第4示唆演出パターンの何れかが設定される。この場合、第4示唆演出パターンの設定(選択)可能性(選択率)が最も高く、以下、第3示唆演出パターン、第2示唆演出パターンの順で設定(選択)可能性が低くなる。
また、特定保留に係る変動表示の変動パターンが「P26」(2R大当り)であれば、第4示唆演出パターンが設定されることなく、第1~第3示唆演出パターンの何れかが設定される。この場合、第1示唆演出パターンの設定(選択)可能性(選択率)が最も高く、以下、第2示唆演出パターン、第3示唆演出パターンの順で設定(選択)可能性が低くなる。そして、第3示唆演出パターンは、第1示唆演出パターン及び第2示唆演出パターンに比して格段に設定(選択)可能性が低いものとなっている。
また、特定保留に係る変動表示の変動パターンが「P28」、「P31」、「P29」又は「32」(外れ)であれば、第1~第4示唆演出パターンの何れかが設定される。この場合、第2示唆演出パターンの設定(選択)可能性(選択率)が最も高く、以下、第1示唆演出パターン、第3示唆演出パターン、第4示唆演出パターンの順で設定(選択)可能性が低くなる。そして、第4示唆演出パターンは、他の示唆演出パターンに比して格段に設定(選択)可能性が低いものとなっている。
こうした設定(選択)可能性(選択率)の関係のもと、第3示唆演出パターン又は第4示唆演出パターンに基づいて小当り中示唆演出が実行される場合には、特定保留に係る変動表示が2R大当りとなる(状態Cが終了する)可能性よりも、15R第3大当り、4R第4大当り又は外れとなる(状態Cが継続する)可能性の方が高くなる。これに対し、第1示唆演出パターン又は第2示唆演出パターンに基づいて小当り中示唆演出が実行される場合には、特定保留に係る変動表示が15R第3大当り、4R第4大当り又は外れとなる(状態Cが継続する)可能性よりも、2R大当りとなる(状態Cが終了する)可能性の方が高くなる。このような小当り中示唆演出を通じて、遊技者は、小当り遊技後の最初の変動表示(特定保留に係る変動表示)で大当り態様(2R大当り除く)が表示される期待度(バトル勝利の期待度)や状態Cの継続期待度を把握することが可能となり、換言すると、2R大当り態様が表示される危険度(状態Cの終了危険度)を把握することが可能となる。そして、星(★)の数が最終的に1つまで減少(4つ減少)した場合には、15R第3大当り又は4R第4大当りに対する期待感がより高まることとなる。
なお、本実施例で示す小当り中示唆演出パターンの選択条件はあくまでも一例であり、小当り中示唆演出パターンを含めて選択条件は任意に定めることが可能である。
S5007では、小当り中示唆演出パターン決定テーブル(選択条件)にしたがって第1~第4示唆演出パターンのうち何れかを選択し、その選択した示唆演出パターンを設定する。この後、演出制御用マイコン91は、S5007で設定した示唆演出パターンに基づく小当り中示唆演出を小当り遊技演出として実行するためのコマンド(小当り中示唆演出コマンド)をサブ出力バッファにセットする(S4408)。このセットしたコマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、小当り遊技に伴って小当り中示唆演出(小当り遊技演出)を表示画面77a上で実行する。
本実施例では、小当り遊技(小当り中示唆演出)の実行中、遊技球が第2大入賞口35に入球する(第2大入賞口センサ35aにより検知される)ごとに主制御基板80から送信される第2大入賞口入球コマンドを副制御基板90が受信することに基づいて、示唆画像930に含まれる星(★)の数を減少させるための処理が演出制御用マイコン91により行われる。具体的には、第2大入賞口入球コマンドを受信するごとに、星(★)の数を1つ減少させる旨を指示するコマンド(示唆態様指定コマンド)を画像制御基板100に送信し、これにより表示画面7a(小当り中示唆演出画面)に表示される示唆画像930に含まれる星(★)の数が1つ減少する。このため、例えば、第3示唆演出パターンに基づいて小当り中示唆演出が実行される場合、小当り遊技中に遊技球が第2大入賞口35に3個入球すれば、星(★)の数が5つから3つ減少して2つになる。これに対して、例えば、第3示唆演出パターンに基づいて小当り中示唆演出が実行される場合であっても、小当り遊技中に遊技球が第2大入賞口35に2個しか入球しなかった場合、星(★)の数は5つから2つ減少して3つになり、そのまま小当り中示唆演出を終えることとなる。
また、本実施例では、小当り遊技中に小当り中示唆演出が実行されて当該小当り遊技が終了すると、その終了時点で表示画面7aに表示されている示唆画像930(星(★)の図形)又は当該示唆画像930が示唆する期待度(危険度)を表す別の画像、つまり、示唆情報が、小当り遊技後の所定期間、表示画面7aに表示される。具体的には、小当り遊技後の最初の変動表示で実行される特別変動演出に含まれるバトル演出(第2演出)が開始されるまで、すなわち、第1演出が終了するまで、表示画面7aの外周寄りの部分(例えば、賞球カウント画像C1の左側)に示唆情報が表示される。これにより遊技者は、小当り中示唆演出の実行を伴う小当り遊技が終了した後も、その小当り中示唆演出で示唆された特定保留に係る変動表示に関する示唆の内容(示唆情報)を認識(視認)することが可能となる。なお、小当り遊技後の所定期間表示される示唆情報は、その小当り遊技中の実行された小当り中示唆演出の演出パターン(第1~第4示唆演出パターンの何れか)に基づいて表示されてもよい。こうすれば、小当り中示唆演出を伴う小当り遊技中の第2大入賞口35への入球数が、その小当り中示唆演出の演出パターンで定められた星(★)の減少数に満たなかったとしても、小当り遊技後に正確な示唆情報を遊技者に伝えることが可能となる。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、状態C(高確低ベース状態)における第2特別図柄当否判定の結果に基づいて変動表示される第2特別図柄及び演出図柄8(識別情報)が小当り態様(特定態様、第2特定態様)で表示(停止表示)されると、第2大入賞口35(特別入球口、第2特別入球口)への遊技球の入球が可能となる小当り遊技(特別遊技)が実行される。そして、小当り遊技が実行されるときに特定保留(所定取得情報)が記憶されていると、その記憶されている特定保留(所定取得情報)に関連する示唆を行う小当り中示唆演出が、その小当り遊技中に実行され得る。小当り中示唆演出が小当り遊技中に実行されることで、遊技者は、特定保留(所定取得情報)が記憶されていることや、その特定保留の消化(所定取得情報の判定結果)に基づく変動表示が当該小当り遊技後に実行されることを事前に知ることが可能となる。そして、小当り中示唆演出の実行中(小当り遊技中)に遊技球が第2大入賞口35に入球することで、その示唆演出の態様が変化し得る。このため、小当り中示唆演出が実行されている小当り遊技では、第2大入賞口35に遊技球を入球させて、その示唆演出の態様(示唆の内容)を変化させるといった遊技を楽しむことが可能となる。これにより、小当り中示唆演出が実行された場合の当該示唆演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、特定保留が記憶されている状態で実行される小当り中示唆演出は、その特定保留に係る変動表示で識別情報が大当り態様(特定態様、第1特定態様)で表示される可能性(期待度)の示唆に関する示唆画像930(示唆情報)を表示する演出(示唆情報表示演出)とされている。そして、小当り中示唆演出(示唆情報表示演出)の実行中に遊技球が第2大入賞口35に入球すると、その示唆演出で表示されている示唆画像930の表示態様(本例では星(★)の表示数)が変化し得る。このため、小当り中示唆演出が実行されている小当り遊技では、第2大入賞口35に遊技球を入球させて、表示中の示唆画像930の表示態様(示唆されている期待度)を変化させるといった遊技を楽しむことが可能となる。これにより、小当り中示唆演出の演出効果を高め、小当り中示唆演出に遊技者をより惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、状態C(演出モードC)で実行される変動演出として、ノーマル変動、リーチ無し外れ変動又はリーチ煽り外れ変動として実行される通常変動演出と、リーチ変動として実行される特別変動演出とが設けられている。特別変動演出は、通常変動演出に比して、識別情報が大当り態様(特定態様、第1特定態様)で表示される場合の当該識別情報の変動表示に伴って実行され易いものであるため、遊技者にとっては、識別情報が大当り態様で表示される可能性が高まる演出であるといえる。そして、小当り中示唆演出が実行される場合に記憶されている特定保留(所定取得情報)は、特別変動演出を伴う識別情報の変動表示の実行契機となる第2特図保留(取得情報)とされている。このため、小当り遊技中に小当り中示唆演出が実行された場合、遊技者は、特別変動演出を伴う識別情報の変動表示が当該小当り遊技後に実行されること、すなわち、識別情報が大当り態様で表示される可能性の高まる特別変動演出が当該小当り遊技後に実行されることを、事前に知ることが可能となる。これにより、小当り中示唆演出が実行されることに対する遊技者の期待や関心を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、小当り遊技が実行(開始)されるとき、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留として特定保留(小当り遊技の終了後に最初に実行される第2特別図柄当否判定の対象として所定取得情報)が記憶されている場合、その小当り遊技中に小当り示唆演出が実行される。このため、小当り遊技にて小当り中示唆演出が実行された場合、当該小当り遊技の終了後に実行される最初の識別情報の変動表示が、特定保留の消化(所定取得情報の判定結果)に基づく変動表示となる。これにより、小当り中示唆演出と、当該示唆演出による示唆の対象である変動表示(所定取得情報の判定結果に基づく変動表示)とが一連で実行されるようになり、小当り遊技中から当該小当り遊技後の変動表示にかけての興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、4R又は15Rの大当り遊技(第1特別遊技)に比して実行期間の短い小当り遊技(第2特別遊技)が実行されるときに特定保留(所定取得情報)が記憶されている場合、その小当り遊技中に小当り中示唆演出が実行可能とされている。このため、実行期間の長い大当り遊技でなく、実行期間の短い小当り遊技が実行される場合であっても、当該小当り遊技での小当り中示唆演出に遊技者を惹きつけることが可能となる。これにより、相対的に実行期間の短い小当り遊技が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。特に、状態C(高確低ベース状態)は小当りが高頻度で発生し得る遊技状態であるため、その分、小当り中示唆演出の実行機会も増えることとなる。これにより、状態Cでの遊技の興趣を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1及び2を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、賞球の獲得が期待できる4R大当り遊技及び15R大当り遊技において、ラウンド遊技が進行するなか、画像表示装置7の表示画面7a(ラウンド演出画面)に情報表示領域7s及び賞球数画像表示部70が設けられ、該賞球数画像表示部70(情報表示領域7s)にラウンド獲得賞球数画像が表示されるものとしていたが、画像表示装置7の表示画面7aに代えて、第2画像表示装置71の表示画面71a及び第3画像表示装置72の表示画面72a(図3参照)の何れか一方又は両方に情報表示領域及び賞球数画像表示部を設け、該賞球数画像表示部(情報表示領域)にラウンド獲得賞球数画像が表示されるように構成してもよい。こうすれば、大当り遊技中の画像表示装置7(表示画面7a)の表示内容をラウンド演出に特化して、第2画像表示装置71(表示画面71a)や第3画像表示装置72(表示画面72a)を有効活用することが可能となる。
なお、第2画像表示装置71(表示画面71a)及び第3画像表示装置72(表示画面72a)の両方をラウンド獲得賞球数画像の表示に利用する場合、例えば、一方の表示装置(表示画面)に大当り遊技前半のラウンド遊技(例えば1R~7R)に係るラウンド獲得賞球数画像を表示し、他方の一方の表示装置(表示画面)に大当り遊技前半のラウンド遊技(例えば8R~15R)に係るラウンド獲得賞球数画像を表示する構成を採ることが可能である。また、第2画像表示装置71(表示画面71a)及び/又は第3画像表示装置72(表示画面72a)をラウンド獲得賞球数画像の表示に利用する場合、例えば、状態Cで発生した大当りに係る大当り遊技が終了した後、遊技状態が状態A(通常遊技状態)に戻るまで、すなわち、連荘期間が終了するまで、ラウンド獲得賞球数画像(情報表示領域)の表示を継続することも可能である。こうすれば、連荘期間中の履歴としてラウンド獲得賞球数画像が表示され続けるので、遊技者が得したラウンド遊技がどの程度あったのかを事後的に確認することが可能となり、連荘期間中の興趣を高めることが可能となる。また、大当り遊技(全ラウンド遊技)の終了後、所定時間(例えば2分)が経過するまで、又は、特別図柄の変動表示が所定回数(例えば10回)行われるまで、ラウンド獲得賞球数画像が表示された情報表示領域を、特別図柄の変動表示に伴う変動演出が表示される表示画面(変動演出画面)の一部に表示しておくように構成することも可能である。この場合、画像表示装置7、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72の何れかの表示画面の一部に、ラウンド獲得賞球数画像が表示された情報表示領域を表示することができる。これによっても、遊技者が得したラウンド遊技がどの程度あったのかを事後的に確認することが可能である。
また、前述の実施例では、大当り遊技の初回ラウンドから最終ラウンドにかけて情報表示領域7sが表示され、初回ラウンドが終了してから最終ラウンド終了後のインターバル時間が経過するまで、実行済のラウンド遊技に係るラウンド獲得賞球数画像が情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)に表示されるものとしていたが、最終ラウンド終了後のインターバル時間が経過してエンディング期間が開始された後も、ラウンド獲得賞球数画像が表示されている情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)の表示を継続するようにしてもよい。つまり、全ラウンド遊技が終了した後も、ラウンド獲得賞球数画像が表示されている情報表示領域7s(賞球数画像表示部70)をエンディング演出画面の一部に表示し続けるよう表示期間を延ばしてもよい。こうすれば、ラウンド獲得賞球数表示演出による各ラウンド遊技での賞球獲得状況とともに、エンディング獲得賞球数表示演出による各当り遊技での賞球獲得状況を遊技者が把握(視認)できるようになり、エンディング期間(エンディング演出)の興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、ラウンド獲得賞球数画像として、図59(B)に示した3種類のラウンド獲得賞球数画像701~703を有するものとしていたが、ラウンド獲得賞球数画像の態様は実施例に限定されるものではなく、ラウンド獲得賞球数に応じてその賞球数を示唆することができるものであれば、その態様は問わない。例えば、ラウンド獲得賞球数画像として、遊技球の外形を模した画像(遊技球画像)を設け、その画像の色を、実行されたラウンド遊技に係るラウンド獲得賞球数が規定払出数(規定量)以下である場合は「青」、規定払出数を超えて特定払出数(特定量)以下である場合は「赤」、特定払出数を超えた場合は「金」といったように、ラウンド獲得賞球数に応じて異ならせるようにしてもよい。あるいは、ラウンド獲得賞球数画像を数字画像のみで構成し、ラウンド獲得賞球数(ラウンド賞球カウンタCT3の計数値)を当該数字画像で表示するようにしてもよい。
また、前述のラウンド獲得賞球数画像701~703に加えて、ラウンド獲得賞球数が規定払出数未満(例えば、150個未満)であった場合に対応するラウンド獲得賞球数画像(第4表示態様)を設けてもよい。こうすれば、ラウンド獲得賞球数画像の表示(ラウンド獲得賞球数表示演出)のバリエーションを増やすことが可能である。
また、前述の実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数が15R(15R大当り)となっていたが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、16Rとしたり15R未満(例えば10R)としたりすることも可能である。また、ラウンド数による大当り種別についても、前述の実施例のような2R大当り、4R大当り及び15R大当りの3種類でなくてもよく、例えば、5R大当りと10R大当りの2種類としたり、7R大当りの1種類としたりする等、種々の大当り種別を設けることが可能である。この場合、ラウンド獲得賞球数表示演出を実行するための情報表示領域や賞球数画像表示部、ラウンド獲得賞球数画像等の大きさ、数、デザイン等は、実行可能な大当り遊技のラウンド数(大当りの仕様、種別)に応じて任意に定めることが可能である。
また、前述の実施例では、遊技状態として小当りが高頻度で発生し得る高確低ベース状態(特定期間)を設定可能なパチンコ遊技機1において、大当り遊技中にラウンド獲得賞球数表示演出を実行するものとしていたが、ラウンド獲得賞球数表示演出は、高確低ベース状態を備えていないパチンコ遊技機の大当り遊技中にも実行可能である。例えば、高確低ベース状態を備えていない所謂「デジパチ」と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、所謂「ハネモノ」と呼ばれる2種タイプのパチンコ遊技機、1種タイプと2種タイプの仕様を混合させた1種2種混合タイプのパチンコ遊技機など、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技が実行可能なパチンコ遊技機において、その大当り遊技中に前述のラウンド獲得賞球数表示演出を実行することが可能である。これにより、高確低ベース状態を備えていないパチンコ遊技機の大当り遊技の興趣を高めることが可能である。
また、前述の実施例では、エンディング獲得賞球数表示演出において、エンディング期間のうち第1期間で小当り獲得賞球数画像901が表示され、第1期間経過後の第2期間で大当り獲得賞球数画像902が表示され、第2期間経過後の第3期間で総獲得賞球数画像903が表示されるものとしていたが、これら獲得賞球数画像901~903の表示順序は実施例に限定されるものではない。例えば、第1期間で大当り獲得賞球数画像902が表示され、第2期間で小当り獲得賞球数画像901が表示され、第3期間で総獲得賞球数画像903が表示されるようにすることも可能である。これによっても、大当り遊技が終了するときに夫々の獲得賞球数画像が段階的に表示されるため、獲得賞球数画像の表示により興趣を高めることが可能である。また、第1期間で総獲得賞球数画像903が表示され、第2期間で小当り獲得賞球数画像901が表示され、第3期間で大当り獲得賞球数画像902が表示されるようにしたり、第1期間で総獲得賞球数画像903が表示され、第2期間で大当り獲得賞球数画像902が表示され、第3期間で小当り獲得賞球数画像901が表示されるようにしたりすることも可能である。この場合、遊技者は、総獲得賞球数を先に知った後、その内訳として小当り獲得賞球数と大当り獲得賞球数を知ることができるようになる。これによっても、大当り遊技が終了するときの獲得賞球数画像の表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能である。さらに、小当り獲得賞球数画像901の表示と大当り獲得賞球数画像902の表示との間、すなわち、第2期間において総獲得賞球数画像903が表示されるようにすることも可能である。この場合、獲得賞球数画像の表示順序に意外性を持たせることができるため、遊技者の興味を惹きやすくなる。
また、前述の実施例では、遊技盤側(遊技領域の内側)に主表示装置として1つの画像表示装置7(盤側表示手段)を設け、遊技機枠側(遊技領域の外側)に副表示装置として2つの画像表示装置71、72(枠側表示手段)を設けるものとしていたが、副表示装置を遊技盤2の側に設けてもよい。この場合、前述の実施例で示した第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72に代えて、盤側表示手段として1又は2以上の副表示装置を遊技盤側(例えば、画像表示装置7の周囲)に設けたり、第2画像表示装置71及び第3画像表示装置72のうち一方を無くしてその代わりに一の副表示装置を遊技盤側に設けたりすることができる。あるいは、前述の実施例で示した2つの副表示装置(第2画像表示装置71、第3画像表示装置72)を備えつつ、さらに遊技盤側に1又は2以上の副表示装置を設けることも可能である。これによっても、複数の画像表示装置によるインパクトのある種々の演出表示が可能となり、該複数の画像表示装置のうち副表示装置の表示画面に、前述した種々の獲得賞球数画像(遊技価値情報)の全部又は一部を表示することも可能である。
また、前述の実施例では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。この場合においても、1ラウンド終了ごとにラウンド獲得賞球数画像の表示(ラウンド獲得賞球数表示演出)が実行可能である。
また、前述の実施例では、小当り遊技で実行可能な小当り中示唆演出において、特定保留に係る変動表示の結果が大当り態様(15R第3大当り又は4R第4大当り)となる期待度を星(★)の数で示唆する示唆画像930が表示されるものとし、その示唆画像930に含まれる星(★)の数が少ない程、特定保留に係る変動表示(小当り遊技後の最初の変動表示)で15R第3大当り、4R第4大当り又は外れとなる可能性、すなわち、状態C(特定期間)の継続可能性が高くなる(終了可能性(危険度)が低くなる)ものとしていたが、小当り中示唆演出における期待度の示唆の態様(示唆情報の表示態様)は実施例に限定されるものではない。例えば、実施例とは逆に、示唆画像930に含まれる星(★)の数が多い程、特定保留に係る変動表示(小当り遊技後の最初の変動表示)で15R第3大当り、4R第4大当り又は外れとなる可能性、すなわち、状態C(特定期間)の継続可能性が高くなる(終了可能性(危険度)が低くなる)こととしてもよい。この場合、図63に示すような危険度ではなく期待度の文字とともに示唆画像(示唆情報)を表示することができる。またこの場合、デフォルトの星(★)の数を1つとし、小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球に基づいて星(★)の数を増加させるようにすればよい。これによっても、特定保留に係る変動表示(小当り遊技後の最初の変動表示)で大当り態様(2R大当り除く)が表示される期待度や状態Cの継続期待度、2R大当り態様が表示される危険度等を示唆することが可能である。
また、特定保留に係る変動表示の結果が大当り態様となる期待度を示唆する示唆情報は、示唆画像930のような星(★)の数ではなく、数値化した情報(例えば、30%や50%等のパーセンテージ)で表示したり、キャラクタの顔の表情(例えば、笑顔、普通顔、残念顔など)で表示したり、期待度の高低に応じて予め定められたアイテムや背景等の画像で表示したりしてもよい。この場合においても、前述の実施例のように、小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球に基づいて数値やキャラクタの表情、背景等の表示態様を変化させることが可能である。
また、前述の実施例では、小当り中示唆演出を伴う小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球1個につき、示唆画像930に含まれる星(★)の数が1つ減少するものとしていたが、第2大入賞口35への入球1個につき星(★)の数が複数減少するようにしてもよい。例えば、第3示唆演出パターン(★5つ→2つ)に基づいて小当り中示唆演出が実行される場合、その小当り中示唆演出を伴う小当り遊技中に遊技球が第2大入賞口35に1個入球した時点で、示唆画像930に含まれる星(★)の数が5つから3つ減少して2つになるようにしてもよい。こうすれば、仮に、小当り遊技中の第2大入賞口35への遊技球の入球数が、小当り中示唆演出パターンで定められた星(★)の数の減少数に満たない場合であっても、小当り中示唆演出パターンどおりに星(★)の数を減少させることが可能となる。このことは、上述した星(★)の数を増加させる場合についても同様である。
また、前述の実施例では、小当り遊技中に示唆演出(小当り中示唆演出)が実行され得るものとしていたが、示唆演出が実行される当り遊技(特別遊技)は小当り遊技でなくでもよい。例えば、4R大当りや15R大当り等のように1回の大当り遊技で多数の賞球獲得が望める大当り遊技よりも実行期間が短い当り遊技として、小当り遊技と同様の開放パターンで大入賞口(特別入球口)が開放する短ラウンド大当り遊技(例えば、2R大当り遊技)を設け、当該短ラウンド大当り遊技が状態C(高確低ベース状態)で実行された場合、その短ラウンド大当り遊技後の遊技状態が状態Cに制御されるようにする。そして、状態Cにて短ラウンド大当り遊技が実行されるときに特定保留が記憶されている場合、前述の実施例と同様にして示唆演出が短ラウンド大当り遊技中に実行されるようにすることが可能である。これによっても、短ラウンド大当り遊技後の特定保留に係る変動表示に関する示唆を短ラウンド大当り遊技中に行うことが可能となる。
また、前述の実施例では、特定保留として記憶される所定取得情報に関し、特定変動パターンに対応する変動パターン情報を含む取得情報(特図保留)が所定取得情報に該当するものとしていたが、変動パターン情報以外の情報を基に所定取得情報を定めることも可能である。例えば、取得情報(演出保留情報)には、特別図柄当否判定用乱数(判定情報)や大当り種別決定用乱数(大当り種別情報)が含まれることから、判定情報が大当り情報であり、かつ、大当り種別情報が大当り情報である取得情報(特図保留)を所定取得情報(特定保留)としてもよい。この場合、前述の実施例のように特定保留が外れ変動となることはないため、小当り遊技中に示唆演出が実行されると、当該小当り遊技後に大当りが発生することが確定することとなる。こうすれば、小当り遊技後すぐの変動表示で2R大当り又は2R以外の大当りが発生することとなるので、状態Cの継続又は終了に対する遊技者の期待と不安を煽ることが可能となる。
また、前述の実施例では、小当り遊技が実行されるとき、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留として特定保留が記憶されている場合に、小当り中示唆演出が実行されるものとしていたが、特図2保留球数「1」~「4」の何れかに特定保留が記憶されている場合に、小当り中示唆演出が実行されるものとしてもよい。つまり、保留記憶の上限数の範囲内に特定保留が記憶されている場合に、小当り中示唆演出が実行されるものとしてもよい。こうすれば、特定保留に係る変動表示が、小当り中示唆演出を伴う小当り遊技後の最初の変動表示に限られず、小当り遊技後の2回目~4回目(保留上限の範囲内)の変動表示として実行され得るようになるので、特定保留に係る変動表示の実行タイミングにバラツキを持たせることが可能となる。これにより、小当り中示唆演出を伴う小当り遊技後の保留消化期間の興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、小当り発生時保留先読み処理(S5000)において、小当りオープニングコマンドを受信したと判定され(S5001でYES)、特図2保留球数が「1」以上である(第2特図保留が記憶されている)と判定され(S5003でYES)、かつ、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留が特定保留であると判定された場合(S5005でYES)、小当り中示唆演出パターンが設定され(S5007)、小当り中示唆演出が実行されるものとしていたが、小当り中示唆演出パターンの設定前(S5007の前)に、さらに、小当り中示唆演出を実行するか否かの判定(例えば、乱数抽選)をサブ制御部側で行うこととしてもよい。具体的には、例えば、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留が特定保留であると判定された場合(S5005でYES)、次いで、小当り中示唆演出を実行するか否かを判定し、その結果、実行すると判定された場合に、小当り中示唆演出パターンが設定されて小当り中示唆演出が実行されるようにしてもよい。こうすれば、小当り遊技が実行されるときに、特図2保留球数「1」に対応する第2特図保留として特定保留が記憶されているからといって、必ずしも小当り中示唆演出が実行されるとは限らないものとなる。これにより、小当り中示唆演出が実行されるハードルを高めて、小当り中示唆演出が実行されることによる演出効果や興趣をより高めることが可能となる。
また、前述の実施例では、画像表示装置7(表示画面7a)を用いた表示演出として小当り中示唆演出を実行するものとしていたが、小当り中示唆演出は表示演出に限定されるものではない。例えば、可動装飾部材(可動演出装置)を用いた可動演出や、スピーカを用いた音演出、盤面ランプや枠ランプ等のランプ類を用いた光演出として、小当り中示唆演出を実行することも可能である。小当り中示唆演出を可動演出として実行する場合、可動装飾部材の作動量や作動範囲、可動装飾部材が複数ある場合の作動数等が異なる複数の作動パターン(可動示唆演出パターン)を設けておき、その作動パターン(可動示唆演出パターン)によって、特定保留に関連する示唆を行うことが可能である。また、小当り中示唆演出を音演出として実行する場合、出力する効果音や楽曲等の種類、音量、音圧等が異なる複数の音出力パターン(音示唆演出パターン)を設けておき、その音出力パターン(音示唆演出パターン)によって、特定保留に関連する示唆を行うことが可能である。さらに、小当り中示唆演出を光演出として実行する場合、ランプ類の発光色や光量、点滅スピード等が異なる複数の発光パターン(光示唆演出パターン)を設けておき、その発光パターン(光示唆演出パターン)によって、特定保留に関連する示唆を行うことが可能である。これら構成によっても、小当り中示唆演出に遊技者を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例では、小当りが高頻度で発生する(小当り遊技が高頻度で実行される)遊技状態である状態C(高確低ベース状態)を備えたパチンコ遊技機1に本発明を適用したが、状態Cを備えておらず、小当り遊技や短ラウンド大当り遊技(例えば、2R大当り遊技)等の実行期間が相対的に短い当り遊技(特別遊技)が実行可能なパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。また、小当り(小当り遊技)を備えていないパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。
また、前述の実施例では、第1特図保留及び第2特図保留を同時に消化すること(特図1,2の同時変動)が可能な制御処理となっているが、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理(特図2優先変動)や、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(特図1優先変動)としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口内に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。あるいは、特図保留記憶部に記憶した取得情報について事前判定するのではなく、始動入球に基づいて取得された取得情報について事前判定するものとしてもよい。つまり、取得情報を特図保留記憶部に記憶する前に事前判定するようにしてもよい。この場合、特図保留記憶部と別に、事前判定の対象となる取得情報を記憶する領域を設ける必要はなく、また、特図保留記憶部に記憶した取得情報を事前判定のために読み出す必要もない。
また、前述の実施例で示した演出図柄の変動表示に係る態様(変動態様、停止態様、リーチ演出の態様等)、状態C(演出モードC)での小当りや大当りに伴って実行される各種演出(小当り遊技演出、入球演出、総獲得賞球数表示演出、ラウンド獲得賞球数表示演出、エンディング獲得賞球数表示演出、小当り中示唆演出等)の態様はあくまでも一例であり、本発明に係る演出の態様は実施例に限定されるものではない。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、遊技球が所定の入球口(例えば始動口)に入球すると当否判定が行われ、その当否判定の結果が大当り等の特定結果である場合に、大当り遊技等の特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。特別遊技では、普段は遊技球が入球不能な状態となっている特別な入球口(例えば大入賞口)が入球可能な状態となり、当該入球口への入球に基づいて賞球等の遊技価値が遊技者に付与される。この種の遊技機において、特別遊技(大当り遊技)で遊技者が獲得した賞球数(遊技者に付与された遊技価値の量)を表示するように構成されたものがある(例えば、特開2016-221113号公報を参照)。
しかしながら、上述したような従来の賞球数表示は、遊技者が獲得した賞球の総数を単に表示するだけのものであり、特別遊技の興趣を高めるには至っていない。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技で付与された遊技価値の量に関する情報の表示に工夫を凝らし、特別遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明1-1の遊技機は、
当否判定を実行可能な当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定結果である場合に特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記特別遊技中に遊技球が入球可能となる特別入球口と、
前記特別入球口への入球に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、
前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値の量を示唆する遊技価値情報を表示可能な情報表示手段と、を備え、
前記特別遊技は複数回のラウンド遊技によって構成されており、
前記情報表示手段は、前記特別遊技中、前記ラウンド遊技が実行されるごとに当該ラウンド遊技に係る前記遊技価値情報を表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技の実行中、当該特別遊技を構成する複数回のラウンド遊技の各々が実行されるごとに、各ラウンド遊技で付与された遊技価値の量を示唆する遊技価値情報が表示される。このため、遊技者は特別遊技が進行するなか、当該特別遊技で付与された(獲得できた)遊技価値の量をラウンド遊技単位で知ることができるようになる。これにより、各ラウンド遊技で付与される遊技価値の量に遊技者を注目させて、特別遊技の興趣を高めることが可能となる。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記情報表示手段は、最終回の前記ラウンド遊技が終了した後の所定期間を含む所定の表示期間が経過するまで、実行済の前記ラウンド遊技に係る前記遊技価値情報をラウンド遊技単位で表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技における最終回のラウンド遊技後の所定期間を含む所定の表示期間が経過するまで、実行済のラウンド遊技に係る遊技価値情報がラウンド遊技単位で表示される。このため、特別遊技の全ラウンド遊技が終了した後も、遊技者は実行済の各ラウンド遊技で付与された(獲得できた)遊技価値の量を知ることができるようになる。これにより、各ラウンド遊技の結果を把握するのが遊技者にとって容易となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1又は1-2の遊技機において、
前記特別遊技では、前記ラウンド遊技ごとに予め定められた規定量の遊技価値が付与され得るように構成されており、
前記情報表示手段は、前記ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が前記規定量を超えた場合、前記遊技価値情報を通常と異なる特別表示態様で表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が規定量を超えた場合、遊技価値情報の表示態様が通常と異なるものとなる。このため、遊技者は特別遊技が進行するなか、遊技価値情報を一目見るだけで、各ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が規定量を超えたかどうかを知ることができるようになる。これにより、ラウンド遊技ごとに表示される遊技価値情報に遊技者の興味を惹きつけて、遊技者に得した感覚を抱かせることが可能となる。
参考発明1-4の遊技機は、前述した参考発明1-3の遊技機において、
前記情報表示手段は、前記ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が前記規定量よりも多い特定量を超えた場合、前記遊技価値情報を前記特別表示態様と異なる特定特別表示態様で表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が規定量よりも多い特定量を超えた場合、前述の特別表示態様とは異なる特定特別表示態様で遊技価値情報が表示される。このため、遊技者は特別遊技が進行するなか、遊技価値情報を一目見るだけで、各ラウンド遊技で付与された遊技価値の量が特定量を超えたかどうかを知ることができるようになる。これにより、ラウンド遊技ごとに表示される遊技価値情報に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。
以上の本参考発明1によれば、特別遊技の興趣を高めることが可能である。
(参考発明2)
従来、遊技球が所定の入球口(例えば始動口)に入球すると当否判定が行われ、その当否判定の結果が小当りや大当り等の特定結果である場合に、小当り遊技や大当り遊技等の特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。特別遊技では、普段は遊技球が入球不能な状態となっている特別な入球口(例えば大入賞口)が入球可能な状態となり、当該入球口への入球に基づいて賞球等の遊技価値が遊技者に付与される。この種の遊技機において、特別遊技で遊技者が獲得した賞球数(遊技者に付与された遊技価値の量)を表示するように構成されたものがある(例えば、特開2016-221113号公報を参照)。
しかしながら、上述したような従来の賞球数表示は、遊技者が獲得した賞球の総数を単に表示するだけのものであり、面白みに欠けるものであった。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技で付与された遊技価値の量に関する情報表示による興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明2-1の遊技機は、
識別情報を変動表示可能な識別情報表示手段と、
前記識別情報が変動表示後に第1特定態様で表示されたことに基づいて第1特別遊技を実行可能な第1特別遊技実行手段と、
前記識別情報が変動表示後に第2特定態様で表示されたことに基づいて第2特別遊技を実行可能な第2特別遊技実行手段と、
前記第1特別遊技にて遊技球が入球可能となる第1特別入球口と、
前記第2特別遊技にて遊技球が入球可能となる第2特別入球口と、
前記第1特別入球口に遊技球が入球した場合と、前記第2特別入球口に遊技球が入球した場合とに、それぞれ所定量の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、
前記第1特別遊技にて前記第1特別入球口への入球に基づき付与された遊技価値の量を計数可能な第1計数手段と、
前記第2特別遊技にて前記第2特別入球口への入球に基づき付与された遊技価値の量を計数可能な第2計数手段と、
前記遊技価値付与手段により付与された遊技価値の量を示唆する遊技価値情報を表示可能な情報表示手段と、を備え、
前記情報表示手段は、前記第1特別遊技が終了するときに、前記遊技価値情報として、当該第1特別遊技に係る前記第1計数手段の計数結果に基づく第1遊技価値情報と、当該第1特別遊技が実行される前の特定期間において実行された前記第2特別遊技に係る前記第2計数手段の計数結果に基づく第2遊技価値情報と、を表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技が実行されると、当該第1特別遊技にて第1特別入球口への入球に基づき付与された遊技価値の量が計数される。また、第1特別遊技が実行される前の特定期間において第2特別遊技が実行されると、当該第2特別遊技にて第2特別入球口への入球に基づき付与された遊技価値の量が計数される。そして、それら各々の計数結果に基づいて、第1特別遊技で付与された遊技価値の量を示唆する第1遊技価値情報と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された遊技価値の量を示唆する第2遊技価値情報とが、第1特別遊技の終了に際して表示される。このため、遊技者は第1特別遊技が終了するときに、当該第1特別遊技で付与された(獲得できた)遊技価値の量と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された(獲得できた)遊技価値の量とを、別個に知ることができるようになる。これにより、第1特別遊技が終了するときの遊技価値情報の表示による興趣を高めることが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
前記情報表示手段は、前記第1遊技価値情報と前記第2遊技価値情報とのうち何れか一方を先に表示して他方を後に表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技が終了するときに、第1遊技価値情報と第2遊技価値情報とのうち何れか一方が先に表示され、他方が後に表示される。このため、遊技者は、第1特別遊技で付与された遊技価値の量と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された遊技価値の量とを、順を追って知ることができるようになる。これにより、各特別遊技の結果を把握するのが遊技者にとって容易となる。
参考発明2-3の遊技機は、前述した参考発明2-1又は2-2の遊技機において、
前記情報表示手段は、前記第1特別遊技が終了するときに、前記遊技価値情報として、当該第1特別遊技に係る前記第1計数手段の計数結果と、前記特定期間において実行された前記第2特別遊技に係る前記第2計数手段の計数結果との合算結果に基づく第3遊技価値情報を表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技で付与された遊技価値の量と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された遊技価値の量とを合算した総遊技価値量を示唆する第3遊技価値情報が表示される。このため、遊技者は第1特別遊技が終了するときに、当該第1特別遊技で付与された遊技価値の量と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された遊技価値の量と、両特別遊技で付与された遊技価値の総量とを、それぞれ別個に知ることができるようになる。これにより、第1特別遊技が終了するときの遊技価値情報の表示による興趣をより高めることが可能となる。
参考発明2-4の遊技機は、前述した参考発明2-3の遊技機において、
前記情報表示手段は、前記第1遊技価値情報および前記第2遊技価値情報を表示した後に前記第3遊技価値情報を表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技価値情報の表示と第2遊技価値情報の表示を終えた後、第3遊技価値情報が表示される。このため、遊技者は、第1特別遊技で付与された遊技価値の量と、当該第1特別遊技前の特定期間における第2特別遊技で付与された遊技価値の量とを知った後に、両特別遊技で付与された遊技価値の総量を知ることができるようになる。これにより、第1特別遊技が終了するときの遊技価値情報の表示に遊技者の興味をより一層惹きつけることが可能となる。
参考発明2-5の遊技機は、前述した参考発明2-1から2-4の何れか一つの遊技機において、
前記第1特別遊技は大当り遊技であり、
前記第2特別遊技は小当り遊技であり、
前記識別情報が前記第2特定態様で表示される可能性は前記第1特定態様で表示される可能性よりも高く、
前記特定期間は、前記識別情報が前記第2特定態様で表示される頻度が非特定期間に比べて高くなる遊技期間である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報が第2特定態様で表示される可能性は第1特定態様で表示される可能性よりも高いため、小当り遊技の方が大当り遊技よりも実行されやすくなる。また、特定期間では、識別情報が第2特定態様で表示される頻度が非特定期間に比べて高くなり、これに伴って小当り遊技の実行頻度も高くなる。このため、特定期間にて小当り遊技が高頻度で実行されるなか識別情報が第1特定態様で表示され、大当り遊技が実行されると、当該大当り遊技が終了するときに、当該大当り遊技で付与された遊技価値の量を示唆する情報として第1遊技価値情報が表示されるとともに、その特定期間における小当り遊技で付与された遊技価値の量を示唆する情報として第2遊技価値情報が表示される。これにより、特定期間を経て大当り遊技が実行された場合の当該大当り遊技の終了に際して行われる遊技価値情報の表示に遊技者の興味を惹きつけて、興趣を高めることが可能となる。
以上の本参考発明2によれば、特別遊技で付与された遊技価値の量に関する情報表示による興趣を高めることが可能である。
(参考発明3)
従来、遊技球が所定の入球口(例えば、始動口)に入球すると識別図柄が変動表示し、当り図柄で停止表示されると特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。特別遊技では、普段は遊技球が入球不能な状態となっている特別な入球口(例えば、大入賞口)が入球可能な状態となり、当該入球口への入球に基づいて賞球等の遊技価値が遊技者に付与される。この種の遊技機において、特別遊技が開始される時点では、特別遊技後の遊技状態が確率変動モードになるか否かを伏せておき、特別遊技の実行中に、確率変動モードになるか否かを示す演出(所謂「昇格演出」)を行うものがある(例えば、特開2007-313111号公報を参照)。
しかしながら、賞球等の遊技価値の付与(獲得)が主目的の特別遊技はその進行が比較的単調であり、特別遊技中に行われる演出も画一的になりやすい。このため、従来の遊技機は、遊技の興趣を高める上で改善の余地がある。
本参考発明3は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別遊技中に行われる演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明3-1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて取得情報を取得可能な取得手段と、
前記取得手段により取得された取得情報を記憶可能な記憶手段と、
前記取得情報の判定を実行可能な判定手段と、
前記判定の結果に基づいて識別情報を変動表示させる変動表示手段と、
前記識別情報が変動表示後に特定態様で表示されたことに基づいて、特別入球口への遊技球の入球が可能となる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
遊技に関連する演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記特別遊技が実行されるときに所定取得情報が前記記憶手段に記憶されている場合、その特別遊技中に、前記所定取得情報に関連する示唆を行う示唆演出を実行可能であるとともに、
前記示唆演出の実行中、前記特別入球口への入球に基づいて、その示唆演出の態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、取得情報の判定の結果に基づいて変動表示される識別情報が特定態様で表示されると、特別入球口への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行される。こうしたなか、特別遊技が実行されるときに所定取得情報が記憶されている場合、その記憶されている所定取得情報に関連する示唆を行う示唆演出が、その特別遊技中に実行され得る。示唆演出が特別遊技中に実行されることで、遊技者は、記憶手段に所定取得情報が記憶されていることや、その所定取得情報の判定結果に基づく識別情報の変動表示が当該特別遊技後に実行されることを事前に知ることが可能となる。そして、示唆演出の実行中(特別遊技中)に遊技球が特別入球口に入球することで、その示唆演出の態様が変化し得る。このため、示唆演出が実行されている特別遊技では、特別入球口に遊技球を入球させて、その示唆演出の態様(示唆の内容)を変化させるといった遊技を楽しむことが可能となる。これにより、特別遊技で示唆演出が実行された場合の当該示唆演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能となる。
参考発明3-2の遊技機は、前述した参考発明3-1の遊技機において、
前記示唆演出は、前記所定取得情報の判定結果に基づいて変動表示される前記識別情報が前記特定態様で表示される可能性の示唆に関する示唆情報を表示する演出であり、
前記演出実行手段は、前記示唆演出の実行中、前記特別入球口への入球に基づいて、その示唆演出で表示している前記示唆情報の表示態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、所定取得情報が記憶されている状態での特別遊技中に実行され得る示唆演出は、その所定取得情報の判定結果に基づいて変動表示される識別情報が特定態様で表示される可能性(期待度)の示唆に関する示唆情報を表示する演出(示唆情報表示演出)とされる。そして、示唆演出(示唆情報表示演出)の実行中に遊技球が特別入球口に入球すると、その示唆演出で表示されている示唆情報の表示態様が変化し得る。このため、示唆演出が実行されている特別遊技では、特別入球口に遊技球を入球させて、表示中の示唆情報の表示態様(示唆されている期待度)を変化させるといった遊技を楽しむことが可能となる。これにより、示唆演出の演出効果を高め、示唆演出に遊技者をより惹きつけることが可能となる。
参考発明3-3の遊技機は、前述した参考発明3-1又は3-2の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示に伴って変動演出を実行可能であり、
前記変動演出には、通常変動演出と特別変動演出とがあり、
前記特別変動演出は、前記通常変動演出に比して、前記識別情報が前記特定態様で表示される場合の当該識別情報の変動表示に伴って実行され易く、
前記所定取得情報は、前記特別変動演出を伴う前記識別情報の変動表示の実行契機となる取得情報である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、識別情報の変動表示に伴って実行される変動演出が、通常変動演出として実行される場合と、特別変動演出として実行される場合とがある。特別変動演出は、通常変動演出に比して、識別情報が特定態様で表示される場合の当該識別情報の変動表示に伴って実行され易いものであるため、遊技者にとっては、識別情報が特定態様で表示される可能性が高まる演出であるといえる。そして、特別遊技中に示唆演出が実行される場合に記憶されている所定取得情報は、特別変動演出を伴う識別情報の変動表示の実行契機となる取得情報とされている。このため、特別遊技中に示唆演出が実行された場合、遊技者は、特別変動演出を伴う識別情報の変動表示が当該特別遊技後に実行されること、すなわち、識別情報が特定態様で表示される可能性の高まる特別変動演出が当該特別遊技後に実行されることを、事前に知ることが可能となる。これにより、示唆演出が実行されることに対する遊技者の期待や関心を高めることが可能となる。
参考発明3-4の遊技機は、前述した参考発明3-1から3-3の何れか一つの遊技機において、
前記演出実行手段は、前記特別遊技が実行されるときに前記所定取得情報が前記記憶手段に記憶されている場合であって、その所定取得情報が、その特別遊技の終了後、最初に実行される前記判定の対象である場合に、前記示唆演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技が実行されるとき、その特別遊技の終了後に最初に実行される判定の対象として所定取得情報が記憶されている場合、その特別遊技中に示唆演出が実行され得る。このため、特別遊技中に示唆演出が実行された場合、当該特別遊技の終了後に実行される最初の識別情報の変動表示が、所定取得情報の判定結果に基づく変動表示となる。これにより、特別遊技中の示唆演出と、当該示唆演出による示唆の対象である識別情報の変動表示(所定取得情報の判定結果に基づく変動表示)とが一連で実行されるようにして、特別遊技中から当該特別遊技後の変動表示にかけての興趣を高めることが可能となる。
参考発明3-5の遊技機は、前述した参考発明3-1から3-4の何れか一つの遊技機において、
前記特別遊技には、第1特別遊技と第2特別遊技とがあり、
前記第2特別遊技は、前記第1特別遊技に比して実行期間が短く、
前記演出実行手段は、前記第2特別遊技が実行されるときに前記所定取得情報が前記記憶手段に記憶されている場合、その第2特別遊技中に前記示唆演出を実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1特別遊技に比して実行期間が短い第2特別遊技が実行されるときに所定取得情報が記憶されている場合、その第2特別遊技中に示唆演出が実行され得る。このため、実行期間の長い第1特別遊技でなく、実行期間の短い第2特別遊技が実行される場合であっても、当該第2特別遊技での示唆演出に遊技者を惹きつけることが可能となる。これにより、相対的に実行期間の短い特別遊技が実行されるときの興趣を高めることが可能となる。
以上の本参考発明3によれば、特別遊技中に行われる演出に遊技者を惹きつけて、遊技の興趣を高めることが可能である。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 画像表示装置(第1画像表示装置)、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、7s 情報表示領域、8 演出図柄、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、70 賞球数画像表示部、71 第2画像表示装置、71a 表示画面、72 第3画像表示装置、72a 表示画面、75 第2画像表示装置用ヒンジ、80 主制御基板(主制御部)、90 副制御基板(副制御部)、100 画像制御基板(画像制御部)、701~703 ラウンド獲得賞球数画像、705 特別画像、901 小当り獲得賞球数画像、902 大当り獲得賞球数画像、903 総獲得賞球数画像、930 示唆画像。

Claims (2)

  1. 所定条件の成立に基づいて取得情報を取得可能な取得手段と、
    前記取得手段により取得された取得情報を記憶可能な記憶手段と、
    前記取得情報の判定を実行可能な判定手段と、
    前記判定の結果に基づいて識別情報を変動表示させる変動表示手段と、
    前記識別情報が変動表示後に特定態様で表示されたことに基づいて、特別入球口への遊技球の入球が可能となる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
    遊技に関連する演出を実行可能な演出実行手段と、
    演出を表示可能な演出表示手段と、を備え、
    前記演出実行手段は、
    前記識別情報の変動表示に伴って、複数の変動パターンの中から選択される変動パターンに基づいて変動演出を前記演出表示手段で実行可能であり、
    前記複数の変動パターンのうち特定の変動パターンに基づく変動演出として、所定のキャラクタの表示を含む変動演出を実行可能であり、
    前記特別遊技が実行されるときに所定取得情報が前記記憶手段に記憶されている場合、その特別遊技中に、前記所定取得情報に関連する示唆を行う示唆演出を前記演出表示手段で実行可能であ
    前記示唆演出の実行中、前記特別入球口への入球に基づいて、その示唆演出の表示態様を変化させることが可能であり、
    前記所定取得情報は、前記特定の変動パターンに基づく変動演出の実行契機となる取得情報であり、
    前記示唆演出は、前記特定の変動パターンに基づく変動演出に含まれる前記キャラクタを表したキャラクタ画像の表示を含む
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記特別遊技中に前記示唆演出が実行された場合の当該特別遊技の終了後の所定期間において、前記示唆演出による示唆の内容を表す画像が前記演出表示手段に表示される
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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