JP7293956B2 - Shift control method and shift control system - Google Patents
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Description
本発明は、変速制御方法及び変速制御システムに関する。 The present invention relates to a shift control method and a shift control system.
特許文献1では、複数のドグクラッチと、所望の変速比に応じてドグクラッチを変位させることで入力軸との動力伝達が切り替えられる複数のギア列と、を備える四輪駆動車両の変速機が提案されている。
特に、特許文献1の四輪駆動車両には、駆動源(エンジン又はモータ)から前輪に伝達する動力を調節する変速機と、後輪に伝達する動力を調節する変速機と、が配されている。そのため、一方の変速機の変速中においてドグクラッチがギア列と噛合しない状態(ニュートラル状態)では、当該変速機を介して駆動輪に所望の動力が伝達されない駆動力抜けが生じる。
In particular, the four-wheel drive vehicle of
これに対して、特許文献1で提案されている変速制御方法では、一方の変速機の変速中の駆動力抜けが生じるシーンにおいて、他方の駆動輪の駆動力を増大させて当該駆動力抜けを補填する処理(駆動力補填処理)を行っている。
On the other hand, in the shift control method proposed in
しかしながら、特許文献1で提案されている変速制御方法では、車両の急制動時などの双方の変速機に対してほぼ同時にダウンシフト変速の条件が満たされた場合、一方の変速機における駆動力抜け(制動力抜け)を他方の駆動輪に与えられる駆動力(回生制動力)で補填する必要がある。このため、双方の変速機の変速タイミングをずらす必要があり、変速時間が長くなる。
However, in the shift control method proposed in
したがって、本発明の他の目的は、前輪側変速機と後輪側変速機を有する車両の制動時において変速をより速やかに完了させることのできる変速制御方法及び変速制御システムを提供することにある。 Accordingly, another object of the present invention is to provide a shift control method and a shift control system capable of more quickly completing a shift during braking of a vehicle having a front wheel side transmission and a rear wheel side transmission. .
本発明のある態様によれば、前輪を駆動する前輪駆動モータ及び前輪側変速機を有する前輪駆動システムと、後輪を駆動する後輪駆動モータ及び後輪側変速機を有する後輪駆動システムと、を備えた車両において、前輪駆動モータ及び後輪駆動モータの少なくとも一方を回生させる回生制動の実行中に前輪側変速機によるダウン変速である前輪ダウン変速、及び後輪側変速機によるダウン変速である後輪ダウン変速をそれぞれ実行する変速制御方法が提供される。この変速制御方法では、車両の制動時における要求制動力が所定閾値以上である場合に実行される摩擦制動中に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行する。また、要求制動力が上記所定閾値未満である場合に実行される回生制動中に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、前輪ダウン変速の完了後に後輪ダウン変速を実行するか、又は後輪ダウン変速の完了後に前記前輪ダウン変速を実行する。そして、前輪ダウン変速中における前輪の制動力抜けを前記後輪の回生制動力で補填し、後輪ダウン変速中における後輪の制動力抜けを前輪の回生制動力で補填する。 According to one aspect of the present invention, a front wheel drive system having a front wheel drive motor and a front transmission for driving the front wheels, and a rear wheel drive system having a rear wheel drive motor and a rear transmission for driving the rear wheels. , in a front-wheel downshift, which is a downshift by the front-wheel-side transmission, and a downshift by the rear-wheel-side transmission, during execution of regenerative braking that regenerates at least one of the front-wheel drive motor and the rear-wheel-drive motor. A shift control method is provided for performing a certain rear wheel downshift respectively. In this shift control method, when both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during friction braking which is executed when the required braking force during braking of the vehicle is equal to or greater than a predetermined threshold value, the front wheel Downshift and rear wheel downshift are executed in parallel. Further, when both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during the regenerative braking executed when the required braking force is less than the predetermined threshold value, the rear wheel downshift is performed after the front wheel downshift is completed. Either the gear shift is executed, or the front wheel downshift is executed after the completion of the rear wheel downshift. The loss of braking force of the front wheels during the downshift of the front wheels is compensated for by the regenerative braking force of the rear wheels, and the loss of braking force of the rear wheels during the downshift of the rear wheels is compensated by the regenerative braking force of the front wheels.
本発明によれば、前輪側変速機と後輪側変速機を有する車両の制動時において変速をより速やかに完了させることができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the present invention, it is possible to complete gear shifting more quickly during braking of a vehicle having a front wheel side transmission and a rear wheel side transmission.
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。 Hereinafter, each embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[第1実施形態]
以下、第1実施形態について説明する。
[First embodiment]
The first embodiment will be described below.
(車両構成)
図1は、以下の各実施形態の変速制御方法が実行される車両100の主要な共通構成を説明する図である。
(vehicle configuration)
FIG. 1 is a diagram illustrating the main common configuration of a
なお、図1の車両100は、駆動源としての駆動モータ10を備え、当該駆動モータ10の駆動力により走行可能な自動車のことであり、電気自動車や、ハイブリッド自動車が含まれる。
The
特に、図1に示す車両100には、車両100において相対的に前方の位置(以下、「前輪側」と称する)に配置される前輪駆動システムfds、及び車両100において相対的に後方の位置(以下、「後輪側」と称する)に配置される後輪駆動システムrdsが搭載されている。
In particular, the
前輪駆動システムfds及び後輪駆動システムrdsは、それぞれ前輪側駆動源としてのフロントモータ10f及び後輪側駆動源としてのリアモータ10rを備えている。フロントモータ10f及びリアモータ10rは、それぞれフロント駆動輪11f(左フロント駆動輪11fL及び右フロント駆動輪11fR)及びリア駆動輪11r(左リア駆動輪11rL及び左リア駆動輪11rR)を駆動する動力を生成する。
The front wheel drive system fds and the rear wheel drive system rds each include a
すなわち、車両100は、駆動モータ10の動力をフロント駆動輪11f及びリア駆動輪11rに伝達させる四輪駆動車両として構成される。前輪駆動システムfds及び後輪駆動システムrdsの詳細について説明する。
That is, the
前輪駆動システムfdsは、上記フロントモータ10f及びフロント駆動輪11fに加え、フロントインバータ14fと、フロント変速機16fと、を備える。
The front wheel drive system fds includes a
フロントモータ10fは、三相交流モータとして構成される。フロントモータ10fは、電源としてのバッテリ15(図2参照)からの電力の供給を受けて駆動力を発生する。フロントモータ10fで生成される駆動力はフロント変速機16f及びフロントドライブシャフト21fを介してフロント駆動輪11fに伝達される。
The
また、フロントモータ10fは、車両100の走行時にフロント駆動輪11fに連れ回されて回転する際に発生する回生駆動力を交流電力に変換する。
Further, the
フロントインバータ14fは、バッテリ15からの電力を三相交流に変換するためのスイッチングを行うスイッチング回路を備える。また、フロントインバータ14fは、上述したフロントモータ10fの回生駆動力に基づいて得られた交流電力を上記スイッチングによって直流電力に変換してバッテリ15に供給する。
The
フロント変速機16fは、フロントモータ10fとフロント駆動輪11fとの間の伝達動力に対する変速(以下、「前輪変速」とも称する)を実行する装置である。
The
特に、フロント変速機16fは、上記前輪変速として、フロントモータ10fのロータシャフト(以下、「入力軸20f」とも称する)からフロントドライブシャフト21fまでの動力伝達経路において、相対的にギア比が低いHighギア及び相対的にギア比が高いLowギアの2つの変速段の切り替えを行う。フロント変速機16fの構成をより詳細に説明する。
In particular, the
フロント変速機16fは、主として、Lowギア列22fと、Highギア列24fと、ドグクラッチ26fと、ファイナルギア30fと、を備えている。
The
Lowギア列22fは、相互に歯噛するドライブギア40f及びドリブンギア41fを備えている。ドライブギア40fは入力軸20f上において固定されずに回転可能に設けられている。また、ドリブンギア41fは出力軸32fに固定されている。さらに、Lowギア列22fでは、ドライブギア40fの歯数に対してドリブンギア41fの歯数が大きく構成される。すなわち、Lowギア列22fを介して入力軸20fから出力軸32fに伝達される場合(変速段ShがLowである場合)の変速比γ(以下、「フロント変速比γf」とも称する)は1より大きくなる。
The
Highギア列24fは、相互に歯噛するドライブギア42f及びドリブンギア43fを備えている。ドライブギア42fは入力軸20f上において固定されずに回転可能に設けられている。また、ドリブンギア43fは出力軸32fに固定されている。さらに、Highギア列24fでは、ドライブギア42fの歯数とドリブンギア43fの歯数が略等しく構成される。すなわち、Highギア列24fを介して入力軸20fから出力軸32fに伝達される場合(変速段ShがHighである場合)のフロント変速比γfは略1となる。
The
ドグクラッチ26fは、後述するシフトコントローラ54からの指令に基づいてLowギア列22fとHighギア列24fの間において図1の左右方向でスライド移動するシフトフォーク44f、及びシフトフォーク44fと一体に設けられ入力軸20f上を摺動可能なセレクタギア45fから構成される。なお、ドグクラッチ26fのスライド移動は、油圧又は専用のモータを用いて実行することができる。
The
このドグクラッチ26fが、セレクタギア45fとLowギア列22fが締結する位置とされると、入力軸20fから、セレクタギア45f及びLowギア列22fを介して出力軸32fへ動力が伝達される状態となる。
When the
一方、ドグクラッチ26fが、セレクタギア45fとHighギア列24fが締結する位置とされると、入力軸20fから、セレクタギア45f及びHighギア列24fを介して出力軸32fへ動力が伝達される状態となる。
On the other hand, when the
なお、ドグクラッチ26fが、セレクタギア45fとLowギア列22f又はHighギア列24fが締結されない位置にあるときがニュートラル状態となる。
The neutral state is obtained when the
さらに、ファイナルギア30fは、出力軸32fの動力を左フロント駆動輪11fL及び右フロント駆動輪11fRに分配するためのギア構造を有する。
Further, the
一方、後輪駆動システムrdsは、上記リアモータ10r及びリア駆動輪11rに加え、リアインバータ14rと、リア変速機16rと、を備える。なお、後輪駆動システムrdsの各要素の機能は、前輪駆動システムfdsの各要素の機能と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
On the other hand, the rear wheel drive system rds includes a
また、車両100は、制動装置として、駆動モータ10の回生運転により実現される回生ブレーキに加え、機械式の摩擦ブレーキ48を備えている。
The
(第1実施形態の制御構成)
以下、前輪駆動システムfdsの各要素と後輪駆動システムrdsの各要素において、共通する事項に関しては、適宜、「駆動システムds」などのフロントであることを示す「f」及びリアであることを示す「r」などの文字を省いた符号を用いて包括的に説明する。
(Control configuration of the first embodiment)
In the following, regarding items common to each element of the front wheel drive system fds and each element of the rear wheel drive system rds, "f" indicating front in "drive system ds" and "rear" as appropriate A comprehensive description will be given using reference numerals omitting letters such as “r” shown in FIG.
図2は、車両100の制御系を説明するためのブロック図である。図示のように、車両100の制御系は、シフトアクチェータとして機能するドグクラッチ26及びモータアクチェータとして機能するインバータ14を制御するコントローラ50を有する。
FIG. 2 is a block diagram for explaining the control system of
コントローラ50は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたコンピュータ、特にマイクロコンピュータで構成される。コントローラ50は、以下で説明する変速制御及びモータ制御における各処理を実行できるようにプログラムされている。
The
コントローラ50は、入力情報としてのアクセル開度α(要求駆動力DFreq)、車速V、バッテリ出力可能電力Pc、及びブレーキペダル操作量(要求制動力Bfreq)を取得する。そして、コントローラ50は、これら入力情報に基づいて変速機16の変速段Sh(フロント変速段Shf及びリア変速段Shr)、駆動モータ10のモータトルクTm(フロントモータトルクTfm及びリアモータトルクTrm)、及び摩擦ブレーキ48の摩擦制動力Bfを定める。
The
特に、コントローラ50は、アクセル開度センサ60の検出値をアクセル開度αとして取得する。また、コントローラ50は、図示しない回転数センサなどにより取得した駆動モータ10のモータ回転数Nm(入力軸20の回転速度に相当)を算出し、このモータ回転数Nmに現在の変速比γ及びタイヤ動半径Rを考慮した所定の車速算出ゲインKv(=2πR/γ)を乗じることで車速Vを演算する。なお、コントローラ50が車速Vを演算する態様に代えて、車速センサを設けて、その検出値を車速Vとして取得しても良い。
In particular, the
また、車速Vを演算するためのモータ回転数Nmとしては、フロントモータ10fの回転数であるフロントモータ回転数Nfmとリアモータ10rの回転数であるリアモータ回転数Nrmの何れを用いても良いが、車両100の仕様及び走行シーンに応じて、スリップ(空転)がより発生し難い側の駆動輪11を駆動させる駆動モータ10のモータ回転数Nmを用いることが好ましい。
As the motor rotation speed Nm for calculating the vehicle speed V, either the front motor rotation speed Nfm, which is the rotation speed of the
(変速制御)
コントローラ50は、アクセル開度α(要求駆動力DFreq)及び車速Vに基づき、所定の変速マップに基づいて変速段Sh(フロント変速段Shf及びリア変速段Shr)を定める。そして、コントローラ50は、定められた変速段Shを実現するようにドグクラッチ26を操作する。さらに、コントローラ50は、バッテリ出力可能電力Pc及び制動指令信号に基づいて、前輪変速及び後輪変速の進行を制御する。
(shift control)
The
特に、コントローラ50は、制動時等の車両100の減速シーンなどにおいて、上記変速マップに基づいて定まるフロント変速機16fのダウン変速の条件を満たすと、フロント変速段ShfをHighからLowに切り替える前輪ダウン変速を実行する。同様に、コントローラ50は、車両100の制動時であって、上記変速マップに基づいて定まるリア変速機16rのダウン変速の条件を満たすと、リア変速段ShrをHighからLowに切り替える後輪ダウン変速を実行する。
In particular, when the
(モータ制御)
コントローラ50は、アクセル開度α、及び上記変速段Shに基づいて車両100に要求される総駆動力、すなわち駆動源としてのフロントモータ10f及びリアモータ10rの双方に要求されるトルクの合計である総モータトルクTfrmを定める。
(motor control)
The
また、コントローラ50は、上記総モータトルクTfrmから、フロント駆動輪11f及びリア駆動輪11rのスリップを抑制するなどの観点から適宜定められる前後駆動力配分ゲインを用いて、フロントモータトルク基本値及びリアモータトルク基本値を演算する。 Further, the controller 50 uses the front motor torque basic value and Calculate the rear motor torque basic value.
さらに、コントローラ50は、フロントモータトルク基本値に対して、リア変速機16rが変速中であるか否か(後輪変速中であるか否か)に基づいてフロントモータトルク基本値を補正し、フロントモータトルクTfmを定める。
Further, the
また、コントローラ50は、リアモータトルク基本値に対して、フロント変速機16fが変速中であるか否か(前輪変速中であるか否か)に基づいてリアモータトルク基本値を補正して、リアモータトルクTrmを定める。
Further, the
特に、コントローラ50は、アクセル開度α又は車速Vが予め定められたフロント変速閾値を跨いだ場合(フロント変速機16fの変速条件が満たされた場合)にフロント変速段ShfをLowからHigh又はHighからLowに切り替える。
In particular, the
なお、フロント変速機16fの変速条件を定めるフロント変速閾値は、車両100の電費の最適化及び要求駆動力DFreqの実現の観点から定まる適切な値に適宜設定される。例えば、フロント変速閾値を、フロント変速段ShfがHighに設定される場合の回生効率とLowに設定される場合される場合の回生効率の大小関係が入れ替わる閾値車速に設定することができる。このようにフロント変速閾値を設定しておくことで、車両100の制動時(減速時)において、車速が減少してこの閾値車速を跨いだ場合に、回生効率を好適に維持するようにフロント変速段ShfをHighからLowに切り替えることができる。
Note that the front shift threshold that determines the shift condition of the
また、フロント変速閾値を、車両100の制動時においてフロント変速段ShfがHighに設定されている状態では要求される回生制動力を十分に発揮できなくなる車速に設定しても良い。さらに、車両100の制動シーンにおいて、車両100に対する加速要求(アクセルペダル操作量の増加)があった場合に、Highギア時における力行側の最大駆動力が当該加速要求に係る要求駆動力を下回る車速に設定しても良い。
Also, the front shift threshold may be set to a vehicle speed at which the required regenerative braking force cannot be sufficiently exerted when the front shift stage Sh f is set to High during braking of the
また、以下では、このフロント変速機16fのギア段の切り替えの際に、ドグクラッチ26fをスライドさせる処理(すなわち、フロントモータ10fとフロント駆動輪11fとの間の動力伝達を遮断する処理)を、「前輪側動力遮断処理」と称する。
Further, hereinafter, the process of sliding the
また、コントローラ50は、ドグクラッチ26fを変速先のギアにスムーズに締結するために、入力軸20fと出力軸32fの差回転数が変速先のフロント変速比γfに応じた所定回転数内となるようにフロントモータトルク基本値を補正する。以下、この処理を「前輪側回転数同期」と称する。
In order to smoothly engage the dog clutch 26f to the gear of the destination, the
同様に、コントローラ50は、アクセル開度α又は車速Vが予め定められたリア変速閾値を跨いだ場合(リア変速機16rの変速条件が満たされた場合)にリア変速段ShrをLowからHigh又はHighからLowに切り替える。なお、以下では、このリア変速機16rのギア段の切り替えの際に、ドグクラッチ26rをスライドさせる処理(すなわち、リアモータ10rとリア駆動輪11rとの間の動力伝達を遮断する処理)を、「後輪側動力遮断処理」と称する。
Similarly, the
また、コントローラ50は、ドグクラッチ26rを変速先のギアにスムーズに締結するために、入力軸20rと出力軸32rの差回転数が変速先のリア変速比γrに応じた所定回転数内となるようにリアモータトルク基本値を補正する。以下、この処理を「後輪側回転数同期」と称する。
Further, in order to smoothly engage the
さらに、コントローラ50は、後輪変速中(特に、ドグクラッチ26rがニュートラル状態であるとき)に、駆動力補填処理(制動力補填処理)を実行する。より詳細には、コントローラ50は、リアモータ10rとリア駆動輪11rの間の駆動力(制動力)の伝達が遮断されていることに起因するリア駆動輪11rの駆動力抜け(制動力抜け)を補填するように、上記フロントモータトルク基本値を増加側(力行時)又は減少側(回生時)に補正してフロントモータトルクTfmを定める。すなわち、フロントモータトルクTfmの補正分が後輪変速中の補填駆動力(補填制動力)となる。
Further, the
一方、コントローラ50は、前輪変速中(特に、ドグクラッチ26fがニュートラル状態であるとき)に、駆動力補填処理(制動力補填処理)を実行する。より詳細には、コントローラ50は、フロントモータ10fとフロント駆動輪11fの間の駆動力(制動力)の伝達が遮断されていることに起因するフロント駆動輪11fの駆動力抜け(制動力抜け)を補填するように、上記リアモータトルク基本値を増加側(力行時)又は減少側(回生時)に補正してリアモータトルクTrmを定める。すなわち、リアモータトルクTrmの補正分が前輪変速中の補填駆動力(補填制動力)となる。
On the other hand, the
そして、モータコントローラ52は、フロントモータ10f及びリアモータ10rのそれぞれの実トルクが、定めたフロントモータトルクTfm及びリアモータトルクTrmになるように、フロントインバータ14f及びリアインバータ14rに対するスイッチング操作を実行する。
Then, the motor controller 52 performs switching operations on the
(制動制御)
コントローラ50は、アクセル開度αの減少又はブレーキペダルに対する操作を検出すると、車両100の制動を実行する。
(braking control)
The
特に、コントローラ50は、ブレーキペダル操作量又はその変化率が一定値以上である場合、すなわち、要求制動力Bfreqが予め定められる所定閾値Bfreq_th以上である場合には、摩擦ブレーキ48を用いた摩擦制動による急制動処理を実行する。一方、要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th未満である場合には、駆動モータ10を用いた回生制動による通常制動処理を実行する。ここで、所定閾値Bfreq_thは、ドライバが緊急時等において車両100の急減速を意図していると判断できる程度にブレーキペダル操作量が大きいかという観点から適宜設定される。
In particular, the
特に、所定閾値Bfreq_thは、前輪変速中又は後輪変速中に実行される制動力補填処理において、駆動輪11の制動力抜けを全て補填することが可能なモータトルクTmによる制動力の最大値として設定される。 In particular, the predetermined threshold value Bf req_th is the maximum value of the braking force by the motor torque Tm that can compensate for the lack of braking force of the drive wheels 11 in the braking force compensation process executed during the front wheel shifting or the rear wheel shifting. is set as
すなわち、所定閾値Bfreq_thは、制動力補填処理において駆動輪11の制動力抜けを全て補填することができずに、変速中に車両100の要求制動力Bfreqを満たすことができないことで変速前後に車両100の減速度が変動する程度に要求制動力Bfreqが大きいか否かという観点から設定される。
That is, the predetermined threshold value Bf req_th is set before and after the shift because the braking force loss of the drive wheels 11 cannot be completely compensated for in the braking force compensation process, and the required braking force Bf req of the
なお、後に詳細に説明するが、本実施形態における通常制動処理においては、前輪変速を実行した後に後輪変速を実行する。したがって、通常制動処理においては、回生制動の下において、後の後輪変速が完了する前に車両100が停止すると推測される制動力を上記所定閾値Bfreq_thに設定することもできる。
As will be described in detail later, in the normal braking process according to the present embodiment, rear wheel shifting is executed after front wheel shifting is executed. Therefore, in the normal braking process, under regenerative braking, it is possible to set the predetermined threshold value Bf req_th to a braking force that is estimated to stop the
コントローラ50は、急制動処理において、要求制動力Bfreqを満たすように、摩擦ブレーキ48を用いた摩擦制動を行うことで車両100を急減速させる。一方、コントローラ50は、通常制動処理において、要求制動力Bfreqを満たすように、駆動モータ10を用いた回生制動を行うことで車両100を減速させる。なお、車両100の制動シーンによっては、摩擦ブレーキ48を用いた摩擦制動及び駆動モータ10を用いた回生制動を併用することも可能である。この場合、コントローラ50は、摩擦制動に係る摩擦制動力と回生制動に係る回生制動力を所望の比としつつこれらの和が要求制動力Bfreqに近づくように、各アクチュエータを制御する。
In the sudden braking process, the
以下、本実施形態の変速制御方法、特に急制動処理中の変速及び通常制動処理中の変速についてより詳細に説明する。 Hereinafter, the shift control method according to the present embodiment, in particular, the shift during the sudden braking process and the shift during the normal braking process will be described in more detail.
図3は、本実施形態における急制動処理中の変速を説明するタイミングチャートである。 FIG. 3 is a timing chart for explaining gear shifting during sudden braking processing in this embodiment.
図示のように、コントローラ50は、ブレーキペダルに対する操作を検出し、ブレーキペダル操作量が一定値以上(すなわち、要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th以上)であると判断すると、急制動処理のための摩擦制動を開始する(時刻t1)。なお、本実施形態の急制動処理では、要求制動力Bfreq(図中の一点鎖線参照)が全て摩擦制動力(図中の二点鎖線参照)により賄われている。
As shown, the
次に、コントローラ50は、この摩擦制動の開始後に、車速Vが減少することでフロント変速機16fのHighからLowへの変速に係る変速条件及びリア変速機16rのHighからLowへの変速に係る変速条件の双方が成立したことを検出すると、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を同時に開始する(時刻t2)。
Next, after the start of the friction braking, the
そして、コントローラ50は、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速におけるそれぞれのプロセスを経て、前輪側シフト位置(ドグクラッチ26fの位置)及び後輪側シフト位置(ドグクラッチ26rの位置)をHighからLowに切り替え終えると、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を完了させる(時刻t3)。
Then, the
その後、コントローラ50は、ブレーキペダル操作量が減少して要求制動力Bfreqが略0になったことを検出すると、摩擦ブレーキ48による制動状態を解除して急制動処理を完了する(時刻t4)。
After that, when the
一方、図4は、本実施形態における通常制動処理中の変速を説明するタイミングチャートである。 On the other hand, FIG. 4 is a timing chart for explaining gear shifting during normal braking processing in this embodiment.
図示のように、コントローラ50は、アクセル開度αの減少を検出すると、アクセル開度αの大きさに応じた回生制動力による回生制動を開始する(時刻t1)。なお、本実施形態の急制動処理では、要求制動力Bfreq(図中の一点鎖線参照)が全て回生制動力により賄われる。
As shown in the figure, when the
次に、コントローラ50は、回生制動の開始及び補助的な摩擦制動の結果、車速Vが減少することでフロント変速機16fのHighからLowへの変速に係る変速条件及びリア変速機16rのHighからLowへの変速に係る変速条件の双方が成立したことを検出すると、先ず、前輪ダウン変速を開始する(時刻t2)。
Next, the
ここで、前輪ダウン変速中はフロント駆動輪11fの制動力抜けが発生するので、回生制動のために要求される回生トルクは主にリアモータトルクTrmをマイナス側に増大させることでリア駆動輪11rにより補填される。 Here, since the braking force of the front drive wheels 11f is lost during the downshift of the front wheels, the regenerative torque required for regenerative braking is mainly increased by increasing the rear motor torque Trm to the negative side, thereby increasing the rear drive wheels 11r. compensated by
そして、コントローラ50は、前輪ダウン変速におけるプロセスを経て、前輪側シフト位置(ドグクラッチ26fの位置)をHighからLowに切り替え、リアモータトルクTrmによる制動力補填処理を完了させると、前輪ダウン変速を完了する(時刻t3)。
Then, the
さらに、コントローラ50は、前輪ダウン変速の完了と略同時かその直後に後輪ダウン変速を開始する。
Further, the
ここで、後輪ダウン変速中はリア駆動輪11rの制動力抜けが発生するので、回生制動のために要求される回生トルクは主にフロントモータトルクTfmをマイナス側に増大させることでフロント駆動輪11fから補填される。 Here, since the braking force of the rear drive wheels 11r is lost during the rear-wheel downshift, the regenerative torque required for regenerative braking is mainly obtained by increasing the front motor torque T fm to the negative side. Compensated from 11f.
そして、コントローラ50は、後輪ダウン変速におけるプロセスを経て、後輪側シフト位置(ドグクラッチ26rの位置)をHighからLowに切り替え、フロントモータトルクTfmによる制動力補填処理を完了させると、後輪ダウン変速を完了する(時刻t4)。
Then, the
その後、コントローラ50は、アクセル開度αの増加又はブレーキペダル操作量が略0になったことを検出すると、回生制動を完了する(時刻t5)。
After that, when the
なお、本実施形態では、通常制動処理中において、フロント変速機16f及びリア変速機16rの双方の変速条件が成立した場合において、前輪ダウン変速を開始した後に後輪ダウン変速を開始する例を説明した。しかしながら、車両100の走行シーン又は仕様に応じて、後輪ダウン変速を開始した後に前輪ダウン変速を開始する場合において、前輪ダウン変速に係る処理と後輪ダウン変速に係る処理を適宜、入れ替えることで上記通常制動処理を同様に適用することができる。
In this embodiment, when the shift conditions for both the
また、回生制動中のフロント変速機16fの変速条件の成立タイミングとリア変速機16rの変速条件の成立タイミングがずれる場合には、先に変速条件が成立した変速機16によるダウン変速を開始して、上述した本実施形態の通常制動処理を適用することができる。
Further, when the timing at which the shift condition of the
上述した本実施形態の構成による作用効果についてより詳細に説明する。 The effects of the configuration of the present embodiment described above will be described in more detail.
本実施形態の変速制御方法は、前輪(フロント駆動輪11f)を駆動する前輪駆動モータ(フロントモータ10f)及び前輪側変速機(フロント変速機16f)を有する前輪駆動システムfdsと、後輪(リア駆動輪11r)を駆動する後輪駆動モータ(リアモータ10r)及び後輪側変速機(リア変速機16r)を有する後輪駆動システムrdsと、を備えた車両100において、フロントモータ10f及びリアモータ10rの少なくとも一方を回生させる回生制動中にフロント変速機16fによるダウン変速である前輪ダウン変速、及びリア変速機16rによるダウン変速である後輪ダウン変速をそれぞれ実行する。
The transmission control method of the present embodiment includes a front wheel drive system fds having a front wheel drive motor (
そして、本実施形態の変速制御方法では、車両100の制動時における要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th以上である場合に実行される摩擦制動中(図3の時刻t1~時刻t4)に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると(時刻t2)、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行する(時刻t2~時刻t3)。
Then, in the shift control method of the present embodiment, during friction braking (time t1 to time t4 in FIG. 3) that is executed when the required braking force Bf req during braking of the
さらに、本実施形態の変速制御方法では、要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th未満である場合に実行される回生制動中(図4の時刻t1~時刻t5)に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると(時刻t2)、前輪ダウン変速の完了後に後輪ダウン変速を実行する(時刻t2~時刻t4)。 Further, in the shift control method of the present embodiment, during regenerative braking (time t1 to time t5 in FIG. 4) that is executed when the required braking force Bf req is less than the predetermined threshold value Bf req_th , the shift conditions for front wheel downshift and When both of the shift conditions for the rear wheel downshift are satisfied (time t2), the rear wheel downshift is executed after completion of the front wheel downshift (time t2 to time t4).
そして、前輪ダウン変速中におけるフロント駆動輪11fの制動力抜け及び後輪ダウン変速中におけるリア駆動輪11rの制動力抜けを、それぞれリア駆動輪11rの回生制動力及びフロント駆動輪11fの回生制動力で補填する。 The loss of braking force of the front driving wheels 11f during downshifting of the front wheels and the loss of braking force of the rear driving wheels 11r during downshifting of the rear wheels are compensated by the regenerative braking force of the rear driving wheels 11r and the regenerative braking force of the front driving wheels 11f, respectively. do.
このように、前輪側及び後輪側の双方に変速機16を有する車両100において、急制動時(急減速時)において前輪変速及び後輪変速の双方の変速条件が成立する場合には、主に回生制動を行う通常制動処理時とは異なり、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行することで、前輪ダウン変速と後輪ダウン変速から構成される全体の変速プロセスを速やかに完了させることができる。
As described above, in the
したがって、後に制動要求が解除されて再度の加速要求が生じた際に、変速プロセスが終了していないことによる駆動力不足の発生を抑制できる。すなわち、再加速時の駆動力の応答性が向上するので、駆動力不足に起因して車両100の乗員に与える違和感を低減することができる。
Therefore, when the braking request is canceled later and an acceleration request is made again, it is possible to suppress the occurrence of insufficient driving force due to the incomplete shift process. That is, since the responsiveness of the driving force at the time of re-acceleration is improved, it is possible to reduce the sense of discomfort given to the occupant of the
なお、上述のように、急制動時において前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行することにより、前輪ダウン変速中におけるフロント駆動輪11fの制動力抜け及び後輪ダウン変速中におけるリア駆動輪11rの制動力抜けが同時に発生することが想定される。このように、双方の駆動輪11において制動力抜けが生じる場合には、上述した一方の駆動輪11により他方の駆動輪11の回生制動力を補填する制動力補填処理を実行することができなくなる。しかしながら、急制動時においては、このような制動力補填処理を実行することができないシーンにおいても、摩擦ブレーキ48による摩擦制動力によって、フロント駆動輪11f及びリア駆動輪11rの双方の制動力抜けを好適に補うことができる。
As described above, by simultaneously performing the front wheel downshifting and the rear wheel downshifting during sudden braking, the braking force of the front driving wheels 11f is lost during the front wheel downshifting and the rear driving wheels during the rear wheel downshifting. It is assumed that the braking force loss of 11r occurs at the same time. In this way, when braking force loss occurs in both driving wheels 11, the above-described braking force compensation process in which one driving wheel 11 compensates for the regenerative braking force of the other driving wheel 11 cannot be executed. However, during sudden braking, even in situations where such braking force compensation processing cannot be executed, the frictional braking force of the
すなわち、本実施形態の変速制御方法であれば、急制動時の変速中において車両100の要求制動力Bfreqを好適に実現しつつ、変速プロセスを速やかに完了させることができる。
That is, according to the shift control method of the present embodiment, it is possible to suitably realize the required braking force Bf req of the
また、本実施形態の変速制御方法では、要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th未満である場合に実行される回生制動時(通常制動処理時)には、前輪ダウン変速の完了後に後輪ダウン変速を実行する。 Further, in the shift control method of the present embodiment, during regenerative braking (during normal braking processing) that is executed when the required braking force Bf req is less than the predetermined threshold value Bf req_th , rear wheel downshifting is performed after front wheel downshifting is completed. Execute shifting.
すなわち、車両100の急減速を要求しない通常制動処理においては、前輪ダウン変速が完了してから後輪ダウンシフトを実行するようにして、それぞれの変速中に制動力補填処理を行うようにする。
That is, in the normal braking process that does not require rapid deceleration of the
これにより、通常制動処理時には、各駆動輪11fにおいて制動力補填処理のタイミングがずれることとなるので、前輪ダウン変速中及び後輪ダウン変速中の双方において、各駆動輪11の制動力抜けを好適に抑制することができる。また、前輪ダウン変速と後輪ダウンシフトの実行タイミングをずらすことにより、前輪側回転数同期のためのフロントモータトルクTfmのピーク(図4における時刻t2~時刻t3の間のピーク)のタイミングと、後輪側回転数同期のためのリアモータトルクTrmのピーク(図4における時刻t3~時刻t4の間のピーク)のタイミングが重なることを防ぐことができる。 As a result, during the normal braking process, the timing of the braking force compensation process for each driving wheel 11f is shifted. can be suppressed. In addition, by shifting the execution timing of the front wheel downshift and the rear wheel downshift, the timing of the peak of the front motor torque T fm (peak between time t2 and time t3 in FIG. 4) for synchronizing the front wheel side rotation speed and , the timing of the peak of the rear motor torque Trm for synchronizing the rear wheel side rotation speed (the peak between time t3 and time t4 in FIG. 4) can be prevented from overlapping.
したがって、駆動電力のピークが重なることによる瞬間的なフロントモータ10f及びリアモータ10rの要求電力の大幅な増大を防止することができる。
Therefore, it is possible to prevent a momentary large increase in the required electric power of the
さらに、本実施形態では、上記変速制御方法を実行するための変速制御システムSが提供される。 Furthermore, in this embodiment, a shift control system S for executing the shift control method is provided.
この変速制御システムSは、車両100の前輪(フロント駆動輪11f)を駆動する前輪駆動モータ(フロントモータ10f)及び前輪側変速機(フロント変速機16f)を有する前輪駆動システムfdsと、車両100の後輪(リア駆動輪11r)を駆動する後輪駆動モータ(リアモータ10r)及び後輪側変速機(リア変速機16r)を有する後輪駆動システムrdsと、フロントモータ10f及びリアモータ10rの少なくとも一方を回生させる回生制動中にフロント変速機16fによるダウン変速である前輪ダウン変速、及びリア変速機16rによるダウン変速である後輪ダウン変速をそれぞれ実行する変速制御装置としてのコントローラ50と、を有する。
This transmission control system S includes a front wheel drive system fds having a front wheel drive motor (
そして、変速制御装置としてのコントローラ50は、車両100の制動時における要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th以上である場合に実行される摩擦制動中(図3の時刻t1~時刻t4)に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると(時刻t2)、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行する急制動時変速制御部(時刻t2~時刻t3)として機能する。
Then, the
また、コントローラ50は、要求制動力Bfreqが所定閾値Bfreq_th未満である場合に実行される回生制動中(図4の時刻t1~時刻t5)に前輪ダウン変速の変速条件及び後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると(時刻t2)、前輪ダウン変速の完了後に後輪ダウン変速を実行する回生制動時変速制御部(時刻t2~時刻t4)として機能する。
Further, the
そして、回生制動時変速制御部として機能するコントローラ50は、前輪ダウン変速中におけるフロント駆動輪11fの制動力抜け及び後輪ダウン変速中におけるリア駆動輪11rの制動力抜けを、それぞれリア駆動輪11rの回生制動力及びフロント駆動輪11fの回生制動力で補填する。
The
これにより、上記変速制御方法を実行するために好適なシステム構成が実現されることとなる。 As a result, a system configuration suitable for executing the shift control method is realized.
なお、上記図3に示す例においては、急制動処理中の前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を相互に略同一のタイミングで開始及び完了させる例を説明した。しかしながら、これに限られず、前輪ダウン変速と後輪ダウン変速が一定時間以上重複していれば、それらの開始タイミング及び完了タイミングがずれていても良い。 In the example shown in FIG. 3, the front wheel downshift and the rear wheel downshift during the sudden braking process are started and completed at substantially the same timing. However, the present invention is not limited to this, and if the front wheel downshift and the rear wheel downshift overlap for a certain period of time or more, their start timing and completion timing may be shifted.
すなわち、急制動処理中の前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速が一定時間以上重複していれば、少なくとも前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を時間的に重複させることなく実行する場合に比べて全体の変速時間を短くする一定の効果を発揮させることができる。 That is, if the front-wheel downshift and the rear-wheel downshift during the sudden braking process overlap for a certain period of time or more, the total time is reduced compared to the case where at least the front-wheel downshift and the rear-wheel downshift are performed without overlapping in terms of time. A fixed effect of shortening the shift time can be exhibited.
また、本実施形態では、通常制動処理において、前輪ダウン変速が完了してから後輪ダウンシフトを開始する例を説明した。しかしながら、車両100の仕様などに応じて、通常制動処理において後輪ダウン変速が完了してから前輪ダウンシフトを開始する場合においても、本実施形態の変速制御を同様に適用することができる。
Further, in the present embodiment, an example has been described in which the rear wheel downshift is started after the front wheel downshift is completed in the normal braking process. However, depending on the specifications of the
さらに、本実施形態のように、車両100の急制動時において、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を略同時に実行することに加え、例えば、車両100が下り坂をフェーリングしている場合など、要求駆動力DFreqが負の値になって前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速の双方の変速条件が成立する場合に、同様の方法で前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を略同時に実行するようにしても良い。
Furthermore, as in the present embodiment, when the
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[Second embodiment]
A second embodiment will be described below. Elements similar to those of the first embodiment are assigned the same reference numerals, and descriptions thereof are omitted.
図5は、本実施形態の急制動処理中の変速を説明するタイミングチャートである。 FIG. 5 is a timing chart for explaining gear shifting during sudden braking processing according to the present embodiment.
本実施形態では、図5(A)に示すように、コントローラ50が、急制動処理中の前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1と後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1をずらすように制御する。特に、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1から同期オフセット時間τの経過後に後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1を設定する。
In this embodiment, as shown in FIG. 5A, the
ここで、上記同期オフセット時間τは、前輪側回転数同期のためのフロントモータ10fの駆動電力と後輪側回転数同期のためのリアモータ10rの駆動電力の和である合計駆動電力の最大値が、バッテリ15が出力可能な最大の電力であるバッテリ出力可能電力Pc以下となるように設定される。
Here, the synchronization offset time τ is the sum of the driving power of the
すなわち、本実施形態の同期オフセット時間τは、フロントモータ10fの駆動電力のピークとリアモータ10rの駆動電力のピークが重なって合計駆動電力がバッテリ出力可能電力Pcを超えてしまう状況が生じないように、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期の相互の進行度合をずらす観点から設定される。
That is, the synchronization offset time τ in the present embodiment is set so that the peak of the drive power of the
より詳細には、本実施形態では、同期オフセット時間τを、合計駆動電力のトータル回転数同期時間ΔTsあたりの平均値がバッテリ出力可能電力Pcと略一致するように設定する。すなわち、上記同期オフセット時間τは、合計駆動電力をバッテリ出力可能電力Pcによる制限を満たしつつ、できるだけ大きく設定する観点から定められる。 More specifically, in this embodiment, the synchronization offset time τ is set so that the average value of the total drive power per total rotation speed synchronization time ΔTs substantially matches the battery outputtable power Pc. That is, the synchronous offset time τ is determined from the viewpoint of setting the total drive power as large as possible while satisfying the limit of the battery output power Pc.
本実施形態の制御による効果について説明する。 The effects of the control of this embodiment will be described.
比較例として、図5(B)に、急制動処理中の前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1と後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1を略同時に制御した場合のタイミングチャートを示す。 As a comparative example, FIG. 5B shows a timing chart when the start timing t sf1 of the front wheel rotation speed synchronization and the start timing t sr1 of the rear wheel rotation speed synchronization during the sudden braking process are controlled substantially simultaneously.
この比較例の制御においては、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期が開始タイミングtsf1,tsr1から略同一の進行度合で進行することとなる。このため、回転数同期のためのフロントモータ10f及びリアモータ10rのそれぞれの駆動電力のピークが略重なることとなり、合計駆動電力が大きく増大する。その一方、バッテリ出力可能電力Pcに基づく制限により、少なくとも瞬間的にこの増大した合計駆動電力を満たすことのできない状態が生じ、十分なフロントモータトルクTfm及びリアモータトルクTrmが確保できず、トータルの回転数同期に係る処理時間が長くなる。
In the control of this comparative example, front-wheel-side rotation speed synchronization and rear-wheel-side rotation speed synchronization progress at substantially the same rate from start timings t sf1 and t sr1 . As a result, the peaks of the drive power of the
これに対して、図5(A)に示す本実施形態の制御であれば、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期のそれぞれの開始のタイミングが異なるので、回転数同期のためのフロントモータ10f及びリアモータ10rのそれぞれの駆動電力のピークをずらすことができる。結果として、上記比較例の場合と比べて回転数同期のための合計駆動電力のピークを小さくすることができる。
On the other hand, in the control of the present embodiment shown in FIG. 5(A), the front wheel rotation speed synchronization and the rear wheel rotation speed synchronization are started at different timings. The driving power peaks of the
その結果、本実施形態における前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1から後輪側回転数同期の完了タイミングtsr2までの時間であるトータル回転数同期時間ΔTsが、比較例におけるトータル回転数同期時間ΔTs´よりも短くなる。 As a result, the total rotation speed synchronization time ΔTs, which is the time from the start timing tsf1 of the front wheel rotation speed synchronization in the present embodiment to the completion timing tsr2 of the rear wheel rotation speed synchronization, is the total rotation speed synchronization time in the comparative example. shorter than ΔTs'.
上述した本実施形態の構成による作用効果についてより詳細に説明する。 The effects of the configuration of the present embodiment described above will be described in more detail.
本実施形態の変速制御方法では、前輪ダウン変速は、フロントモータ10fとフロント駆動輪11fとの間の動力伝達を遮断する前輪側動力遮断処理と、前輪側動力遮断処理中におけるフロント変速機16fの入出力の差回転数の調節をフロントモータ10fの駆動力を用いて行う前輪側回転数同期と、を含む。また、後輪ダウン変速は、リアモータ10rとリア駆動輪11rとの間の動力伝達を遮断する後輪側動力遮断処理と、後輪側動力遮断処理中におけるリア変速機16rの入出力の差回転数の調節をリアモータ10rの駆動力を用いて行う後輪側回転数同期と、を含む。また、前輪側回転数同期において要求されるフロントモータ10fの駆動電力及び後輪側回転数同期において要求されるリアモータ10rの駆動電力を同一のバッテリ15から供給する。
In the shift control method of the present embodiment, the front wheel downshift includes front wheel side power cutoff processing for cutting off power transmission between the
そして、摩擦制動中に前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行する場合に、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1と後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1をずらす。 When the front wheel downshift and the rear wheel downshift are performed in parallel during friction braking, the start timing tsf1 of the front wheel side rotation speed synchronization and the start timing tsr1 of the rear wheel side rotation speed synchronization are shifted.
これにより、急制動処理中において前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行する場合であっても、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期の相互の開始から完了までのプロセスが時間的に一致してしまう状態を回避することができる。このため、前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して行う場合であっても、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期におけるフロントモータ10f及びリアモータ10rのそれぞれの駆動電力のピークをずらすができる。結果として、同一のバッテリ15におけるバッテリ出力可能電力Pcによる制限の下であっても、前輪変速及び後輪変速において要求されるフロントモータトルクTfm及びリアモータトルクTrmをより好適に実現することができる。
As a result, even when the front wheel downshift and the rear wheel downshift are executed in parallel during the sudden braking process, the processes from the mutual start to completion of the front wheel side rotation speed synchronization and the rear wheel side rotation speed synchronization are performed. It is possible to avoid a situation in which they coincide in terms of time. Therefore, even when the front wheel downshifting and the rear wheel downshifting are performed in parallel, the peaks of the driving power of the
また、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期の開始タイミングの時間差としての同期オフセット時間τを、フロントモータ10f及びリアモータ10rの合計駆動電力の最大値がバッテリ15の出力可能電力であるバッテリ出力可能電力Pc以下となるように設定する。
Also, the synchronization offset time τ as the time difference between the start timings of the front wheel side rotation speed synchronization and the rear wheel side rotation speed synchronization is set to the maximum value of the total driving power of the
これにより、急制動処理中に前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速を並行して実行するシーンにおいて、双方の変速プロセスが並行することによって想定される最大の電力を、共通の電力源であるバッテリ15の出力上限以下に調節することができる。すなわち、急制動処理中において、上記合計駆動電力がバッテリ出力可能電力Pcに到達するという事態をより確実に防止することができる。
As a result, in a scene in which the front wheel downshift and the rear wheel downshift are executed in parallel during the sudden braking process, the maximum electric power assumed due to the parallel shift processes is supplied to the
特に、本実施形態の変速制御方法では、上記同期オフセット時間τを、フロントモータ10f及びリアモータ10rの合計駆動電力のトータル回転数同期時間ΔTsあたりの平均がバッテリ出力可能電力Pcと略一致するように設定する。
In particular, in the shift control method of the present embodiment, the synchronization offset time τ is set so that the average of the total drive power of the
これにより、前輪側回転数同期及び後輪側回転数同期をバッテリ出力可能電力Pcの範囲内においてより速やかに完了させることができる。結果として、変速時間のさらなる短縮に資することとなる。 As a result, the synchronization of the front-wheel rotation speed and the synchronization of the rear-wheel rotation speed can be completed more quickly within the range of the battery outputtable power Pc. As a result, it contributes to further shortening of the shift time.
以下、第2実施形態の変形例について説明する。なお、下記の変形例では、上記同期オフセット時間τを、フロントモータ10f及びリアモータ10rの合計駆動電力の最大値がバッテリ出力可能電力Pc以下となるように設定するための他の形態が提供される。
Modifications of the second embodiment will be described below. In the modification below, another form is provided for setting the synchronization offset time τ so that the maximum value of the total drive power of the
(変形例)
本変形例では、上述のように、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1を後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1よりも先に設定する場合において、上記同期オフセット時間τを前輪側回転数同期のためのフロントモータ10fの駆動電力に基づいて設定する。
(Modification)
In this modification, as described above, when the start timing tsf1 for front wheel rotation speed synchronization is set earlier than the start timing tsr1 for rear wheel rotation speed synchronization, the synchronization offset time τ is set to It is set based on the drive power of the
より詳細には、上記同期オフセット時間τを、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1からフロントモータ10fの駆動電力が当該同期の進行に伴って低下し始めるまで(フロントモータトルクTfmのピークに到達するまで)の間の時間として設定する。すなわち、この場合、後輪側回転数同期が、フロントモータ10fの駆動電力の低下開始タイミングと略同時に開始されることとなる。
More specifically, the synchronization offset time τ is set from the start timing t sf1 of the front wheel rotation speed synchronization until the drive power of the
このように同期オフセット時間τを設定することで、後輪側回転数同期が、少なくとも、前輪側回転数同期中におけるフロントモータ10fの駆動電力のピークの後に開始されることとなる。したがって、上記合計駆動電力の過剰に高いピーク(最大値)が生じることを抑制することができるので、当該合計駆動電力の最大値を好適にバッテリ出力可能電力Pc以下に調節することができる。
By setting the synchronization offset time τ in this way, the rear wheel side rotation speed synchronization is started at least after the peak of the driving power of the
なお、上記第2実施形態及び本変形例においては、同期オフセット時間τを実験等により予め定められた値を図示しないメモリに記憶させ、コントローラ50が急制動処理時に適宜、メモリに記憶された同期オフセット時間τを参照する構成を採用することができる。
In the above-described second embodiment and this modified example, a value predetermined by experiments or the like for the synchronization offset time τ is stored in a memory (not shown), and the
一方で、この同期オフセット時間τを予めメモリに記憶させておく構成に代えて、コントローラ50が同期オフセット時間τを種々の検出値からリアルタイムに演算する構成を採用しても良い。例えば、コントローラ50が、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1から同期オフセット時間τの経過のトリガとなる上述した事象(フロントモータ10fの駆動電力が低下し始める等)を検出し、上記開始タイミングtsf1と当該検出タイミングの間の時間差をリアルタイムに演算してこれを同期オフセット時間τに設定する構成(プログラム)を採用しても良い。
On the other hand, instead of storing the synchronous offset time τ in the memory in advance, the
また、本変形例では、急制動処理中において前輪ダウン変速及び後輪ダウン変速の双方が成立した場合に、前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1が後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1よりも先に設定することを前提としている。しかしながら、後輪側回転数同期の開始タイミングtsr1を前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1よりも先に設定し、変形例1又は2における同期オフセット時間τの設定方法を、「前輪側回転数同期の開始タイミングtsf1」を「後輪側回転数同期の開始タイミングtsf1」、及び「フロントモータ10fの駆動電力」を「リアモータ10rの駆動電力」に置き換えて実行することが可能である。
In addition, in this modification, when both the front wheel downshift and the rear wheel downshift are established during the sudden braking process, the start timing t sf1 of the front wheel rotation speed synchronization is changed from the start timing t sr1 of the rear wheel rotation speed synchronization. It is assumed to be set before However, the start timing t sr1 of the rear wheel side rotation speed synchronization is set earlier than the start timing t sf1 of the front wheel side rotation speed synchronization, and the method of setting the synchronization offset time τ in the
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。 Although the embodiments of the present invention have been described above, the above embodiments merely show a part of application examples of the present invention, and the technical scope of the present invention is not limited to the specific configurations of the above embodiments. do not have.
上記各実施形態では、各種制御を実行する制御装置として一台のコントローラ50を用いる例について説明した。しかしながら、複数台のコントローラ50を設置して、各種制御における処理を分散させるようにしても良い。例えば、コントローラ50として、モータ制御に係る処理を実行するモータコントローラ、変速制御に係る処理を実行するシフトコントローラ、及びこのモータ制御と変速制御を統括しつつ他の制御を実行する統合コントローラを設けても良い。
In each of the embodiments described above, an example in which one
また、上記各実施形態においては、説明の簡略化のため、フロントモータ10fの仕様(特性)とリアモータ10rの仕様(特性)が相互に略同一であることを前提としている。しかしながら、これらは、上記各実施形態の変速制御方法の実行を阻害しない範囲で相互に異なっていても良い。
Further, in each of the above-described embodiments, for the sake of simplicity of explanation, it is assumed that the specifications (characteristics) of the
10 駆動モータ
10f フロントモータ
10r リアモータ
11 駆動輪
11f フロント駆動輪
11r リア駆動輪
14 インバータ
14f フロントインバータ
14r リアインバータ
15 バッテリ
16 変速機
16f フロント変速機
16r リア変速機
48 摩擦ブレーキ
50 コントローラ
100 車両
10
Claims (6)
前記車両の制動時における要求制動力が所定閾値以上である場合に実行される摩擦制動中に前記前輪ダウン変速の変速条件及び前記後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、前輪ダウン変速及び前記後輪ダウン変速を並行して実行し、
前記要求制動力が前記所定閾値未満である場合に実行される前記回生制動中に前記前輪ダウン変速の変速条件及び前記後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、
前記前輪ダウン変速の完了後に前記後輪ダウン変速を実行するか、又は前記後輪ダウン変速の完了後に前記前輪ダウン変速を実行し、
前記前輪ダウン変速中における前記前輪の制動力抜けを前記後輪の回生制動力で補填し、
前記後輪ダウン変速中における前記後輪の制動力抜けを前記前輪の回生制動力で補填する、
変速制御方法。 A vehicle comprising a front wheel drive system having a front wheel drive motor for driving front wheels and a front wheel side transmission, and a rear wheel drive system having a rear wheel drive motor for driving rear wheels and a rear wheel side transmission, wherein the front wheels During regenerative braking that regenerates at least one of the drive motor and the rear wheel drive motor, front wheel downshifting, which is downshifting by the front wheel side transmission, and rear wheel downshifting, which is downshifting by the rear wheel side transmission, are performed. A shift control method to be executed,
When both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during friction braking that is executed when the required braking force during braking of the vehicle is equal to or greater than a predetermined threshold value, the front wheel downshift and the rear wheel downshift are both satisfied. executing the rear wheel downshifting in parallel,
When both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during the regenerative braking executed when the required braking force is less than the predetermined threshold value,
executing the rear wheel downshift after completion of the front wheel downshift, or executing the front wheel downshift after completion of the rear wheel downshift;
compensating for the loss of braking force of the front wheels during the downshift of the front wheels with the regenerative braking force of the rear wheels;
compensating for the lack of braking force of the rear wheels during the downshift of the rear wheels with the regenerative braking force of the front wheels;
gear control method.
前記前輪ダウン変速は、前記前輪駆動モータと前記前輪との間の動力伝達を遮断する前輪側動力遮断処理と、前記前輪側動力遮断処理中における前記前輪側変速機の入出力の差回転数の調節を前記前輪駆動モータの駆動力を用いて行う前輪側回転数同期と、を含み、
前記後輪ダウン変速は、前記後輪駆動モータと前記後輪との間の動力伝達を遮断する後輪側動力遮断処理と、前記後輪側動力遮断処理中における前記後輪側変速機の入出力の差回転数の調節を前記後輪駆動モータの駆動力を用いて行う後輪側回転数同期と、を含み、
前記前輪側回転数同期において要求される前記前輪駆動モータの駆動電力及び前記後輪側回転数同期において要求される前記後輪駆動モータの駆動電力を同一のバッテリから供給し、
前記摩擦制動中に前記前輪ダウン変速及び前記後輪ダウン変速を並行して実行する場合に、前記前輪側回転数同期の開始タイミングと前記後輪側回転数同期の開始タイミングをずらす、
変速制御方法。 The shift control method according to claim 1,
The front-wheel downshift includes a front-wheel-side power cut-off process for cutting off power transmission between the front-wheel drive motor and the front wheels, and a differential rotation speed between the input and output of the front-wheel-side transmission during the front-wheel-side power cut-off process. front-wheel side rotation speed synchronization in which adjustment is performed using the driving force of the front-wheel drive motor;
The rear-wheel downshift includes rear-wheel-side power cut-off processing for cutting off power transmission between the rear-wheel drive motor and the rear wheels, and turning on the rear-wheel-side transmission during the rear-wheel-side power cut-off processing. Rear wheel side rotation speed synchronization for adjusting the differential rotation speed of the output using the driving force of the rear wheel drive motor,
supplying driving power for the front-wheel drive motor required for the front-wheel-side rotation speed synchronization and driving power for the rear-wheel-drive motor required for the rear-wheel-side rotation speed synchronization from the same battery;
when the front wheel downshift and the rear wheel downshift are performed in parallel during the friction braking, shifting the start timing of the front wheel side rotation speed synchronization and the start timing of the rear wheel side rotation speed synchronization;
gear control method.
前記前輪側回転数同期及び前記後輪側回転数同期の開始タイミングの時間差を、
前記前輪駆動モータ及び前記後輪駆動モータの合計駆動電力の最大値が前記バッテリの出力可能電力以下となるように設定する、
変速制御方法。 The shift control method according to claim 2,
The time difference between the start timings of the front wheel side rotation speed synchronization and the rear wheel side rotation speed synchronization,
setting the maximum value of the total drive power of the front wheel drive motor and the rear wheel drive motor to be equal to or less than the output power of the battery;
gear control method.
前記時間差を、
前記前輪駆動モータ及び前記後輪駆動モータの合計駆動電力のトータル回転数同期時間あたりの平均値が前記バッテリの出力可能電力と略一致するように設定する、
変速制御方法。 The shift control method according to claim 3,
The time difference
The average value of the total drive power of the front wheel drive motor and the rear wheel drive motor per total rotation speed synchronization time is set so as to substantially match the output power of the battery.
gear control method.
前記前輪側回転数同期の開始タイミングを前記後輪側回転数同期の開始タイミングよりも先に設定する場合に、
前記時間差を、前記前輪側回転数同期の開始タイミングから前記前輪駆動モータの駆動電力が当該前輪側回転数同期の進行に伴い低下し始めるまでの間の時間に設定し、
前記後輪側回転数同期の開始タイミングを前記前輪側回転数同期の開始タイミングよりも先に設定する場合に、
前記時間差を、前記後輪側回転数同期の開始タイミングから前記後輪駆動モータの駆動電力が当該後輪側回転数同期の進行に伴い低下し始めるまでの間の時間に設定する、
変速制御方法。 The shift control method according to claim 3,
When setting the start timing of the front-wheel-side rotation speed synchronization prior to the start timing of the rear-wheel-side rotation speed synchronization,
setting the time difference to the time from the start timing of the front-wheel-side rotation speed synchronization until the drive power of the front-wheel drive motor starts to decrease as the front-wheel-side rotation speed synchronization progresses;
When setting the start timing of the rear wheel side rotation speed synchronization prior to the start timing of the front wheel side rotation speed synchronization,
setting the time difference to a time from the start timing of the rear-wheel-side rotation speed synchronization until the drive power of the rear-wheel drive motor starts to decrease as the rear-wheel-side rotation speed synchronization progresses;
gear control method.
前記車両の後輪を駆動する後輪駆動モータ及び後輪側変速機を有する後輪駆動システムと、
前記前輪駆動モータ及び前記後輪駆動モータの少なくとも一方を回生させる回生制動の実行中に前記前輪側変速機によるダウン変速である前輪ダウン変速及び前記後輪側変速機によるダウン変速である後輪ダウン変速を実行する変速制御装置と、を有する変速制御システムであって、
前記変速制御装置は、
前記車両の制動時における要求制動力が所定閾値以上である場合に実行される摩擦制動中に前記前輪ダウン変速の変速条件及び前記後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、前記前輪ダウン変速及び前記後輪ダウン変速を並行して実行する急制動時変速制御部と、
前記要求制動力が前記所定閾値未満である場合に実行される前記回生制動中に前記前輪ダウン変速の変速条件及び前記後輪ダウン変速の変速条件の双方が成立すると、前記前輪ダウン変速の完了後に前記後輪ダウン変速を実行するか、又は前記後輪ダウン変速の完了後に前記前輪ダウン変速を実行する回生制動時変速制御部と、を有し、
前記回生制動時変速制御部は、
前記前輪ダウン変速中における前記前輪の制動力抜けを前記後輪の回生制動力で補填し、
前記後輪ダウン変速中における前記後輪の制動力抜けを前記前輪の回生制動力で補填する、
変速制御システム。 a front wheel drive system having a front wheel drive motor for driving the front wheels of the vehicle and a front wheel side transmission;
a rear wheel drive system having a rear wheel drive motor for driving the rear wheels of the vehicle and a rear wheel side transmission;
During execution of regenerative braking that regenerates at least one of the front wheel drive motor and the rear wheel drive motor, a front wheel downshift that is a downshift by the front wheel side transmission and a rear wheel downshift that is a downshift by the rear wheel side transmission A shift control system that includes a shift control device that executes shifting,
The speed change control device
When both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during friction braking that is executed when the braking force required during braking of the vehicle is equal to or greater than a predetermined threshold value, the front wheel downshift is performed. and a sudden braking shift control unit that executes the rear wheel downshift in parallel;
When both the shift condition for the front wheel downshift and the shift condition for the rear wheel downshift are satisfied during the regenerative braking that is executed when the required braking force is less than the predetermined threshold value, after the front wheel downshift is completed, a shift control unit during regenerative braking that executes the rear wheel downshift or executes the front wheel downshift after completion of the rear wheel downshift;
The regenerative braking gear shift control unit includes:
compensating for the loss of braking force of the front wheels during the downshift of the front wheels with the regenerative braking force of the rear wheels;
compensating for the lack of braking force of the rear wheels during the downshift of the rear wheels with the regenerative braking force of the front wheels;
transmission control system.
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