JP7290866B2 - 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置 - Google Patents

動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7290866B2
JP7290866B2 JP2019163747A JP2019163747A JP7290866B2 JP 7290866 B2 JP7290866 B2 JP 7290866B2 JP 2019163747 A JP2019163747 A JP 2019163747A JP 2019163747 A JP2019163747 A JP 2019163747A JP 7290866 B2 JP7290866 B2 JP 7290866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
posture
motion
stability determination
user
stability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019163747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021040798A (ja
Inventor
大輔 中後
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kwansei Gakuin Educational Foundation
Original Assignee
Kwansei Gakuin Educational Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kwansei Gakuin Educational Foundation filed Critical Kwansei Gakuin Educational Foundation
Priority to JP2019163747A priority Critical patent/JP7290866B2/ja
Publication of JP2021040798A publication Critical patent/JP2021040798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7290866B2 publication Critical patent/JP7290866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Rehabilitation Tools (AREA)

Description

特許法第30条第2項適用 1)刊行物名 国際会議CLAWAR2018予稿集 発行日 2018年9月10日 発行所 CLAWAR Association Ltd. 2)刊行物名 “2019 IEEE/SICE International Symposium on System Integration”予稿集 発行日 2019年1月14日 発行所 米国電気電子学会/社団法人計測自動制御学会 3)刊行物名 2019年電気学会産業応用部門大会予稿集 発行日 2019年8月20日 発行所 一般社団法人電気学会
本発明は、下肢の衰え等により起立や着座動作に障害がある被介護者の起立・着座を支援する技術に関するものである。
高齢社会における大きな問題は、加齢に伴う身体機能の低下により、高齢者が日常生活を自立して営むことが困難になることである。身体機能の低下の中で、特に下肢の衰えによる起立障害は、高齢者の日常生活における自立を阻害する最大の要因になっている。身体機能が低下した高齢者は、下肢の衰えに伴って起立ができなくなることで、座ったきり(車椅子の生活)、寝たきりの状態に陥り、座ったきり・寝たきりの状態で下肢の体力を使わないことで、下肢の衰えがますます促進される、という悪循環に陥るケースが多い。そこで、不足する体力分のみを補うことにより、高齢者の身体機能を最大限発揮させることでこれ以上の身体機能の低下を防ぐことのできる起立着座支援装置が望まれている。
被介護者の座位姿勢から立位姿勢への移動または立位姿勢から座位姿勢への移動を支援するための起立着座支援装置としては、例えば、被介護者の腕を載置する肘掛け部と、該肘掛け部を移動し制御する手段を備えた介助支援装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
上記特許文献1に開示された介助支援装置は、被介護者の移動に応じて予め設定された肘掛け部の軌道に沿うように移動手段を動作させるものであり、被介護者に負担をかけずに安定的に姿勢を変化させることができるものである。
しかしながら、人間の動作は常に一定の軌道を描くのではなく、その動作にはブレが存在する。そのため、被介護者の身体機能を最大限発揮させるためには、起立着座支援装置は被介護者が自発的に行おうとする動作のブレを許容する必要がある。上記特許文献1に開示された介助支援装置では、予め設定された肘掛け部の軌道に沿うように移動手段を動作させるため、被介護者が装置の力を借りながら自発的に体を動かそうとした場合、装置は目標となる動作に厳密に被介護者の動作を収束させようとする。そのため、被介護者は自らの意思に基づく動作を行うことが難しく、結果として被介護者の身体機能を最大限発揮させることはできないという問題があった。
そこで、本発明者は既に、患者の残存体力による自発的な動きを可能にしつつ、体の安定性を確保できる起立支援技術について開示している(非特許文献1を参照)。上記非特許文献1には、患者の残存体力(筋力)を最大限引き出すというコンセプトの下、患者の自発的な動きを可能にするためのダンピング制御と、体の安定性を確保するための位置制御とを組み合わせて制御する技術が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に開示された起立支援技術では、位置制御は理学療法士等が設定する理想軌道に沿った制御であること、ダンピング制御は患者の残存体力(筋力)を予め測定した上で、理想軌道からのブレをも考慮した制御でないことから、被介護者が意図する動作と理想軌道に差異がある場合(大抵差異がある)被介護者の動作を妨げることで安全性に問題があり、さらには被介護者の身体機能を最大限発揮させるには充分ではないという問題もあった。
特開2016-202848号公報
Daisuke Chugo et al., "Standing Assistance considering a Voluntary Movement and a Postural Adjustment", IEEE Advanced Motion Control April 22-24, 2016.
上述の如く、これまでにも起立着座支援装置は多数提案されているが、その制御は、装置が決めた軌道に強制的に従わせるものであり、ユーザの動作のブレに対する対応が考慮されておらず、通常起こりうる動作のブレを許容した制御となっていない。そのため、従来の起立着座支援装置では、被介護者の残存する体力を最大限引き出して、これ以上の身体機能の低下を防止するといった観点から課題があった。また、起立着座支援装置では、常にユーザの動作の安定性に配慮し、安全性の高いものにする必要がある。
かかる状況に鑑みて、本発明は、ユーザの残存する体力を最大限引き出し、かつ安全性の高い起立着座支援装置を提供することを目的とする。
また、被介護者の残存する体力を最大限引き出し、かつ安全性の高い起立着座支援装置とするためには、起立着座支援装置の使用時においてユーザの動作の安定性を判別する必要があるため、ユーザの動作の安定性を高精度で判別することのできる動作安定性判別装置及び動作安定性判別方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の動作安定性判別装置は、第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、下記1)~3)の手段を備える。
1)ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置とユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、動作中の身体重心位置が足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定手段、
2)該ユーザの動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定手段、
3)第1の安定性判定手段が所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定手段が動作を継続できると判定した場合に、動作が安定していると判別する安定判別手段。
一般に筋肉が発揮する力は同一でも、筋肉と骨の位置関係によって筋骨格系として発生できる駆動力は変化するため、その姿勢において発揮できる力は異なることになる。そのため不適切な姿勢の場合、起立動作に必要な方向に必要な大きさの駆動力を得ることができない。そこで、第1の安定性判定手段だけではなく、ユーザの動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、移行動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定手段を備えることにより、ユーザの動作の安定性を高精度で判別することが可能となる。
ここで、第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作としては、着座姿勢から起立姿勢への起立動作や起立姿勢から着座姿勢への着座動作だけではなく、例えば車椅子とベッドの間を移乗する際のように腰を浮かせて移動する動作や、何かを持ち上げる動作などが広く含まれる趣旨である。また、介護現場における動作に限る趣旨ではなく、健常者が作業現場で重いものを持ち上げる際の動作等も含まれる。
本発明の動作安定性判別装置は、下記の4)及び5)の手段を更に備えたことが好ましい。
4)第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、第1の安定性判定手段が所定範囲内に存在すると判定し得る身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定手段が次の動作を継続できると判定し得る身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出する範囲抽出手段、
5)第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢のオーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定する軌道許容範囲設定手段。
範囲抽出手段が設けられることにより、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、動作の安定性の判別だけではなく、動作の安定性が保たれる範囲についても抽出可能となる。また、軌道許容範囲設定手段が設けられることにより、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの全ての姿勢についての軌道許容範囲が設定され、軌道許容範囲内であるか否かの判別を行うだけで、ユーザへの支援を行うか否かを容易に決定できることとなる。
本発明の動作安定性判別装置は、第2の安定性判定手段において、ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、第1の姿勢から第2の姿勢へ至る個々の姿勢から次の姿勢に移行する動作に関わる筋肉の必要筋力を算出し、算出した筋力が、該ユーザが最大限発揮できる筋力以下であるか否かを判定した結果を用いて、動作を継続できるか否かを判定することが好ましい。
筋骨格モデルを用いて、移行動作に関わる筋肉の必要筋力を算出することにより、より高精度の安定性判定が可能となる。
本発明の動作安定性判別装置は、第1の姿勢が着座姿勢、第2の姿勢が起立姿勢である、又は、第1の姿勢が起立姿勢、第2の姿勢が着座姿勢であることが好ましい。
本発明の起立着座支援装置は、上記の何れかの動作安定性判別装置を搭載した起立着座支援装置であって、動作安定性判別装置における安定判別手段が安定していると判別する場合には、ユーザの起立着座に対する支援動作を停止または抑制し、ユーザの自発的な動作を促す。
支援動作を停止または抑制することにより、起立着座支援装置による過剰な介入を防止し、ユーザの残存体力を効果的に発揮することができる。これに対して、動作安定性判別装置における安定判別手段が安定しないと判別している場合には、ユーザの起立着座に対する支援動作を活性化することにより、起立着座支援装置がユーザの動作に介入し、ユーザは動作を安全に実施することができる。
また例えば、動作安定性判別装置における安定判別手段が安定と判別しているが、安定しないと判別する状態に近づいている場合には、ユーザや介護者に伝達するために、警告音や振動などを発する、或は警告ランプが点灯するといった構成としてもよい。
本発明の起立着座支援装置は、上記1)~5)の全ての手段を備えた動作安定性判別装置を搭載した起立着座支援装置であって、動作安定性判別装置において設定された身体重心の軌道許容範囲を逸脱するようなユーザ姿勢を検知した場合には、強制的にユーザ姿勢を身体重心の軌道許容範囲内に戻す支援動作を行う。
身体重心の軌道許容範囲を逸脱するようなユーザ姿勢を検知した場合に、ユーザの動作に大きく介入することにより、ユーザの動作の自由を維持しつつ、逸脱時のユーザの姿勢の安定性を確保することができる。
また、本発明の起立着座支援装置は、動作安定性判別装置の上記5)の手段で設定された身体重心の軌道許容範囲のデータだけを搭載し、そのデータを用いて身体重心の軌道許容範囲を逸脱するようなユーザ姿勢を検知した場合には、強制的にユーザ姿勢を身体重心の軌道許容範囲内に戻す支援動作を行うことも可能である。
本発明の動作安定性判別方法は、第1の姿勢から第2の姿勢への動作において、下記1)~3)のステップを備える。
1)第1の安定性判定手段が、ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、該ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置とユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、動作中の身体重心位置が足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定ステップ、
2)第2の安定性判定手段が、ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、第1の姿勢から第2の姿勢へ至る個々の姿勢から次の姿勢に移行する動作に関わる筋肉の必要筋力を算出し、算出した筋力が、該ユーザが最大限発揮できる筋力以下であるか否かを判定した結果を用いて、動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定ステップ、
3)安定判別手段が、第1の安定性判定ステップにおいて所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定ステップにおいて動作を継続できると判定した場合に、動作が安定していると判別する安定判別ステップ。
本発明の動作安定性判別方法は、下記ステップをえたことでもよい。
第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、第1の安定性判定手段が、ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と該ユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、動作中の身体重心位置が足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定ステップと、
第2の安定性判定手段が、該ユーザの動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定ステップと、
安定判別手段が、第1の安定性判定ステップにおいて所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定ステップにおいて動作を継続できると判定した場合に、動作が安定していると判別する安定判別ステップと、
範囲抽出手段が、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、第1の安定性判定ステップが所定範囲内に存在すると判定し得る身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定ステップが次の動作を継続できると判定し得る身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出する範囲抽出ステップ
軌道許容範囲設定手段が、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢のオーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定する軌道許容範囲設定ステップ。
本発明の動作安定性判別方法は、第1の姿勢が着座姿勢、第2の姿勢が起立姿勢である、又は、第1の姿勢が起立姿勢、第2の姿勢が着座姿勢であることが好ましい。
本発明によれば、ユーザの一の姿勢から他の姿勢へと移行する動作において、移行動作の安定性を判別できると共に、ユーザの残存する体力を最大限引き出し、かつ安全性の高い移行動作の支援が可能になるといった効果がある。
実施例1の動作安定性判別装置の機能ブロック図 人間モデルの筋肉を示した図 人の起立動作の説明図 起立動作の完了度合いに対する足・膝・腰の関節角度を表したグラフ 足・膝・腰の関節角度及び上半身の重心位置を示すイメージ図 コンピュータシミュレーションにて導出された軌道許容範囲を表すグラフ 個々の姿勢における安定性判別方法のフロー図 軌道許容範囲の設定フロー図 実施例2の起立着座支援装置の機能ブロック図 起立着座支援装置の使用イメージ図 妥当性評価の検証実験結果を示すグラフ 実施例4の起立動作における肘掛け部中心の移動軌跡を示すグラフ 実施例3の起立動作における肘掛け部中心の移動軌跡イメージ図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、実施例1の動作安定性判別装置の機能ブロック図を示している。図1に示すように、動作安定性判別装置6は、第1の安定性判定手段1、第2の安定性判定手段2、安定判別手段3、範囲抽出手段4及び軌道許容範囲設定手段5から構成される。
第1の安定性判定手段1は、ユーザである被介護者の身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と被介護者の支持脚の足裏位置に基づいて、動作中の身体重心位置が足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定するものである。第2の安定性判定手段2は、被介護者の動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、移行動作を継続できるか否かを判定するものである。安定判別手段3は、第1の安定性判定手段1が所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定手段2が動作を継続できると判定した場合に、動作が安定していると判別するものである。
範囲抽出手段4は、着座姿勢から起立姿勢又は起立姿勢から着座姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、第1の安定性判定手段1が所定範囲内に存在すると判定し得る身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定手段2が次の動作を継続できると判定し得る身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出するものである。また、軌道許容範囲設定手段5は、着座姿勢から起立姿勢又は起立姿勢から着座姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢のオーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定するものである。
なお、本実施例では、着座した状態から起立した状態となるまでの起立動作を例として、以下、動作安定性判別装置及び動作安定性判別方法について説明する。
安定判別手段3が、第1の安定性判定手段1と第2の安定性判定手段2に基づいて安定性の判別を行うのは、起立動作中の姿勢の安定性の判別には、動力学的な観点から、身体安定条件と筋駆動力条件の2つの条件を満たす必要があると考えられるからである。
まず、身体安定条件とは、ユーザ(被介護者など)が起立動作中の姿勢において、自身の身体バランスを保つことのできる条件のことであり、具体的には、身体安定条件は、身体の重心がユーザの支持脚の足裏にあることをいう。身体安定条件は、第1の安定性判定手段1における判定に用いられる。
図2は、人間の筋骨格モデルの筋肉を示した図である。図2に示すように、人間モデル90は着座した状態となっており、脊柱起立筋91、大殿筋92、大腿直筋93、内側広筋94、大腿二頭筋95及びヒラメ筋96が示されている。
筋駆動力条件とは、被介護者は起立動作中の姿勢にて、次の動作に必要な力を発揮できる条件のことであり、具体的には、図2に示す筋肉が最大限筋力を発揮した場合、その姿勢において起立動作を継続するために必要な駆動力を得ることができることをいう。一般に筋肉が発揮する力は同一でも、筋肉と骨の位置関係によって筋骨格系として発生できる駆動力は変化するため、その姿勢において発揮できる力は異なることになる。そのため不適切な姿勢の場合、起立動作に必要な方向に必要な大きさの駆動力を得ることができない。そこで、姿勢の安定性の判別には、身体安定条件だけではなく、筋駆動力条件も重要となる。筋駆動力条件は、第2の安定性判定手段2における判定に用いられる。
本実施例では、上述する二条件を満たす姿勢の範囲を明らかにするため、動力学人体シミュレータ(OpenSim)を用いてコンピュータシミュレーションを行った。本シミュレーションでは、人間の筋骨格モデルとして“3DGait‐Model2392”を用い、人体のパラメータは日本人の高齢者のものに置き換えて使用した。
動力学人体シミュレータおよび日本人男性を模した筋骨格モデルの妥当性については、予備実験として健常者の起立動作における筋力発揮をコンピュータシミュレーションで推定すると共に、健常者の筋力発揮を、筋電計を用いて直接計測し、両者のデータを比較した。その結果、内側広筋、大腿二頭筋および脊柱起立筋の何れについても、筋電計の計測結果とシミュレーションによる推定結果が一致することから、本実施例で用いるコンピュータシミュレーションの妥当性は確認できた。
図3は、人の起立動作の説明図を示している。また、図4は、下記式1に示す起立動作の完了度合いに対する足・膝・腰の関節角度を表したグラフである。本実施例のシミュレーションにおいて、規範とする起立動作は、図4に示す理学療法士が推奨する動作とした。
Figure 0007290866000001
上記式1において、tは起立動作に要する時間、tは実際に動作を開始してから経過した時間を示す。図3に示すように、一般に起立動作は、(A)から(B)の動作、すなわち体幹を前傾させて、重心をお尻の上から自分の足の裏に移動させる動作(フェーズ1)、(B)から(C)の動作、すなわち体幹を上方に持ち上げる動作(フェーズ2)、及び、(C)から(D)の動作、すなわち体幹を伸展させ(胸を張って)体を直立させる動作(フェーズ3)の3つのフェーズから成る。
本実施例では、各フェーズの開始および終了時の姿勢、すなわち図4に示す姿勢(A)~(C)において、規範動作の各関節角度を30°の範囲で変動させ、それらの起立動作が身体安定条件と筋駆動力条件を満たすかをコンピュータシミュレーションによって検証した。なお、姿勢(D)は最終的な起立姿勢のため、一意に定めた。
図5は、足・膝・腰の関節角度及び上半身の重心位置を示すイメージ図である。図5では人間モデル90は、椅子10に着座した状態を表しており、足の関節の角度をθ、膝の関節の角度をθ、腰の関節の角度をθとし、上半身の重心位置をpとしている。
図6は、コンピュータを用いたシミュレーションにて導出された軌道許容範囲を表す図であり、図6(1)は、身体安定条件と筋駆動力条件を共に満たすp点がとることができる範囲、すなわち軌道許容範囲を示す。p点が軌道許容範囲に存在できる姿勢で起立動作を行えば、被介護者は最終的に起立姿勢に遷移できる。図6(2)は、起立割合70%時に各p点の位置をとる起立動作時の姿勢が、身体安定条件と筋駆動力条件を満たすかを表している。シミュレーション結果より、身体安定条件を満たしたとしても筋駆動力条件を満たせない場合が多いことがわかる。
図7は、個々の姿勢における安定性判別方法のフロー図を示している。図7に示すように、まず、被介護者(ユーザ)の身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置とユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、動作中の身体重心位置が足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する(ステップS01:第1の安定性判定ステップ)。
動作中の身体重心位置が、足裏位置を基準とする所定範囲内に存在する場合には、被介護者の動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、移行動作を継続できるか否かを判定する(ステップS02:第2の安定性判定ステップ)。ここで、移行動作を継続できる場合には、安定と判別される(ステップS03:安定判別ステップ)。これに対して、動作中の身体重心位置が、足裏位置を基準とする所定範囲内に存在しない場合や、被介護者の動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、移行動作を継続できない場合には、非安定と判別される(ステップS04)。
なお、第1の安定性判定ステップ(ステップS01)と第2の安定性判定ステップ(ステップS02)は、順序が逆でもよいし、同時的に行うことでもよい。
図8は、軌道許容範囲の設定フロー図を示している。軌道許容範囲の設定を行う場合には、まず、第1の安定性判定ステップが所定範囲内に存在すると判定し得る身体重心位置の範囲を抽出する(ステップS11)。
次に、第2の安定性判定ステップが次の動作を継続できると判定し得る身体重心位置の範囲を抽出する(ステップS12)。第1の安定性判定ステップが所定範囲内に存在すると判定し得る身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定ステップが次の動作を継続できると判定し得る身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出する(ステップS13:範囲抽出ステップ)。着座姿勢から起立姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢のオーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定する(ステップS14:軌道許容範囲設定ステップ)。
図9は、実施例2の起立着座支援装置の機能ブロック図を示している。図9に示すように、起立着座支援装置7は、起立着座支援装置本体8及び動作安定性判別装置6から構成される。動作安定性判別装置6は、実施例1で説明した構成と同様である。また、図10は、起立着座支援装置の使用イメージ図であり、図10(1)は被介護者にかかる力のイメージ図、図10(2)は被介護者の身体重心であるp点の拡大説明図を示している。図10(1)に示すように、起立着座支援装置本体8は、自律歩行器81と起立支援用マニピュレータ82から構成される。被介護者9は、起立着座支援装置本体8の肘掛け部83に上半身を預け、起立支援用マニピュレータ82が肘掛け部83を昇降させることにより、起立支援を受けられる。自律歩行器81は起立動作中、被介護者9の身体バランスを適切に保つために前後方向に位置を調整する。
実施例2の起立着座支援装置7は、被介護者の残存体力を最大限用いるために、ダンピング制御則と位置制御則を組み合わせて使用する。ここで、ダンピング制御則とは、ユーザが寄りかかる力に応じて、大きく力を支援してくれる力制御則の一種である。ユーザが負担を感じて寄りかかれば、その分大きな力で支援を受けることになる。これに対して、位置制御則は、ある位置(本実施例では起立動作の理想軌道)を目標値として、その位置に戻すように制御がかかるものをいう。
ダンピング制御則は、支援力を変化させることができるため、支援力を増大させて被介護者の身体的な負担を軽減したり、支援力を減少させて被介護者に自発的な動作を促したりすることができる。また、ダンピング制御則は、指令値からの偏差を許容する性質があるため、起立動作中に被介護者が規範軌道から逸脱することを許容できる。以上より、本実施例では、実施例1で導出した軌道許容範囲内に被介護者の姿勢がある場合、ダンピング制御則を用いて被介護者を支援することができる。
一方、位置制御則は、指令値からの偏差を許容しないため身体のバランスを保つことに優れる一方、支援力を増減させることができないため、被介護者に自発的な動作を促したりすることが難しい。そこで本実施例では、被介護者の姿勢が軌道許容範囲を逸脱した場合、位置制御則を用いてこれを解決しているが、この点について以下に詳述する。
Figure 0007290866000002
上記式2に示すとおり、被介護者の身体の動きを表す動作ベクトルPを定義する。動作ベクトルPは、規範起立動作において各時刻におけるp点(x ref,y ref)の動作方向と大きさを表すものであり、理学療法士の推奨する規範起立動作より導出される。
Figure 0007290866000003
また、前記式2で表される規範起立動作を実現するために必要な装置の動作制御指令値を上記式3とする。x refは水平方向の指令値、すなわち歩行器の動作指令値となり、y refは垂直方向の指令値、すなわち起立支援用マニピュレータ82の動作指令値となる。
図10(1)に示すように、起立着座支援装置本体8のハンドル84と肘掛け部83は一体であるため、被介護者9にかかる力fuserはp点に集中すると仮定することができる。fuserは、上記式3のように水平方向fhandleと垂直方向farmrestに分割することができ、起立着座支援装置7の内蔵力センサ(図示せず)より取得することができる。
Figure 0007290866000004
被介護者9が随意運動を起立着座支援装置本体8の肘掛け部83とハンドル84に力をかけながら行うと仮定すると、fuserに被介護者9の自発的な意思が表れると考えることができる。一方、起立着座支援装置7はその姿勢において、規範起立動作を行うために必要なp点の速度ベクトルv refを導出できる。
ここで、図10(2)に示す範囲11aが軌道許容範囲であるとすると、規範起立動作から導かれるv refは常に軌道許容範囲内にある。一方、被介護者9の自発的な意思に基づく動作の指標となるfuserが軌道許容範囲内にある場合、起立着座支援装置7は被介護者9の随意運動が軌道許容範囲内にあると判断する。以上より、本実施例の起立着座支援装置7の制御則は、下記式5で表すことができる。
Figure 0007290866000005
上記式5において、vrbt uprefは最終的な起立着座支援装置7の制御指令値を表し、(xrbt,yrbt)は自律歩行器81および起立支援用マニピュレータ82の実際の位置を表す。BおよびKは任意の定数であり、ダンピング制御則と位置制御則を切り替える役割を有する。自律歩行器81の動作にダンピング制御則を適用した場合、身体バランスに与える影響が大きいため、任意の定数jを設定し、ダンピング制御則適用時の自律歩行器81の動作を調整する。fhandle0とfarmrest0は起立動作開始時において被介護者9がハンドル84および肘掛け部83にかけていた力であり、初期値として扱う。すなわち初期値より大きな力がかかった場合、起立着座支援装置7は随意運動により身体に負荷がかかると判断する。被介護者9の動作姿勢および随意運動の向かう方向が軌道許容範囲内にある場合のみダンピング制御則を適用するため、任意の定数Bを下記式6にて導出する。
Figure 0007290866000006
Bはfuserが規範起立動作と同一である場合、すなわちfuser=v refの場合に最大値となり、規範起立動作からの差異が大きくなるほどBの値は小さくなる。これは、被介護者9の随意運動が規範起立動作に近いほど被介護者9の動作の自由度が高いことを表す。bは任意の定数である。
一方、位置制御則は身体バランスを保つために常に有用であるため、本実施例において、Kは任意の定数を常に設定している。以上より、本実施例の起立着座支援装置7は、被介護者9の動作姿勢が軌道許容範囲内である場合は、随意運動に伴う身体の動作負荷が低減され、動作の自由度が確保される。一方、被介護者9の動作姿勢が軌道許容範囲を逸脱する場合には、自発的な動作は許容されず、身体バランスの確保が優先される。
(妥当性評価について)
実施例2の起立着座支援装置7を使用せず、全て位置制御則を用いて起立動作を支援した場合を比較例A、実施例2の起立着座支援装置7を使用した場合を実施例B、実施例2の起立着座支援装置7を使用したが、被介護者9が意図的に規範起立動作から大きく外れる動作を試みた場合を実施例Cとして検証実験を行った。
本実施例で示す評価では、5人の健常な被験者(12a~12e)に対して比較例A、実施例B及び実施例Cの全ての場合を実施した。なお被験者(12a~12e)は、加齢による身体能力を模擬するため、身体の動きを制限する拘束具(図示せず)を装着して本実験に参加した。
図示しないが、実施例Bの場合は、自然な形で起立動作が行われた。これに対して、実施例Cの場合は、軌道許容範囲を逸脱した時点で起立着座支援装置7が位置制御則に切り替わることで被験者(12a~12e)の動作の自由がなくなるため、結果としてそれ以上の動作の逸脱が防がれた。
図11(1)は被験者12aの起立動作中のp点の移動軌跡を、図11(2)はワイヤレス筋電計で取得した全ての被験者(12a~12e)の大腿二頭筋の発揮量(最大随意筋力を100%として表示)を示している。図11(1)に示すように、比較例Aではp点の軌跡が理想軌道すなわち規範動作と一致していることがわかる。このことから起立着座支援装置が位置制御則を適用することで被験者12aの起立動作を規範動作に一致させるために過剰な介入を行っており、その結果、被験者12aが自由に自発的な動作を行えていないことがわかる。さらに図11(2)より全ての被験者(12a~12e)において比較例Aでは筋発揮量が低いことがわかる。以上から、比較例Aでは被験者12aは自発的な動作を行うことができず、自らの残存体力も使用できていないことがわかる。
一方、実施例Bでは、図11(1)におけるp点の軌跡が理想軌道すなわち規範動作と一致していないが、軌道許容範囲内には存在していることがわかる。これは被験者12aの起立動作姿勢が軌道許容範囲内にある間はダンピング制御則が適用されるため、被験者12aに動作の自由度があることを示す。そのため、軌道許容範囲から逸脱しない限り過剰な介入が行われず、被験者12aは自身の意思に基づく動作を行うことができる。その結果、図11(2)にて確認できる通り、筋発揮量が比較例Aに比べて大きいことがわかる。以上から、実施例Bでは被験者12aはその動作が軌道許容範囲内にある限り自発的な動作を行うことができること、その結果、自らの残存体力を発揮できることがわかる。
実施例Cでは、実施例Bと同様に被験者12aの起立動作姿勢が軌道許容範囲内にある間はダンピング制御則が適用される。そこで、実施例Cでは被験者12aが意図的に軌道許容範囲を逸脱する動作を行った。図11(1)に示されるように、実施例Cにおいても被験者12aの姿勢が軌道許容範囲内にある場合はダンピング制御則が適用され、被験者12aに動作の自由度があることがわかる。
一方、被験者12aが軌道許容範囲から逸脱した場合(図11(1)の破線部を参照)起立支援ロボットは位置制御則に切り替わり、被験者12aの動作に大きく介入することで被験者12aの姿勢が軌道許容範囲内に戻っていることがわかる。
図13は、起立動作における肘掛け部中心の移動軌跡イメージ図を示している。範囲11bは軌道許容範囲内、範囲11cは軌道許容範囲外を示している。図13に示すように、重心位置がp点からp点へと移動する際にp点において、軌道許容範囲内から軌道許容範囲外へと逸脱している。かかる場合には、起立着座支援装置7は、ダンピング制御則から位置制御則に切り替わり、被験者12aの姿勢が軌道許容範囲内に戻ることになる。
図11(2)より実施例Cの発揮筋力は実施例Bより小さくなっているが、これは軌道許容範囲逸脱時に、被験者12aに自発的な動作の自由度が無くなったことが原因であるといえる。一方で、比較例Aより実施例Cの発揮筋力は大きく、軌道許容範囲内において被験者12aの自発的な動作が許されることで残存体力の使用が促されていることがわかる。
以上の結果より、起立着座支援装置7を使用することにより、起立着座支援装置7が軌道許容範囲内における被介護者の動作の自由と逸脱時の被介護者の姿勢の安定性確保を両立できることが確認できた。
図12は、起立動作における起立着座支援装置本体の肘掛け部中心の移動軌跡を示すグラフであり、図10(1)に示す起立着座支援装置本体8の肘掛け部83の中心位置p´点を基準として軌跡許容範囲を示したものである。ここでは、ユーザが肘掛け部をあくまで補助として使っている(ユーザが肘掛け部に軽く掴っている)ケースを前提としている。ユーザが比較的軽く支援装置本体の肘掛け部に触れて、着座から起立に移行する動作においては、身体重心位置の3次元座標をp(x,y,z)とすると、肘掛け部の中心位置p´の3次元座標p´(x´,y´,z´)は、姿勢変換行列によって決定することができる。着座から起立に移行する動作において、姿勢によって、身体重心位置p(x,y,z)と肘掛け部の中心位置p´(x´,y´,z´)の位置関係は刻一刻と変化するが、それらの位置関係は、幾何学的に決まり、姿勢変換行列を用いることによって算出できる。
図12における図中の点群は、起立動作30%達成時すなわち前傾姿勢から体幹持ち上げに入る瞬間の分布を示したものである。図12に示すように、菱形の点群は身体安定条件を満たさない場合であり、正方形の点群は身体安定条件を満たすが、筋駆動力条件を満たさない場合である。最小軌跡は菱形の点群によって画定されているが、最大軌跡については正方形の点群によって画定されている。したがって、身体安定条件だけではなく、筋駆動力条件を用いることで、軌道許容範囲の基準となる最小軌跡及び最大軌跡を正確に画定することが可能となる。
本発明は、下肢の衰え等により起立や着座動作に障害がある被介護者の起立・着座を支援する技術として有用である。
1 第1の安定性判定手段
2 第2の安定性判定手段
3 安定判別手段
4 範囲抽出手段
5 軌道許容範囲設定手段
6 動作安定性判別装置
7 起立着座支援装置
8 起立着座支援装置本体
9 被介護者
10 椅子
11a~11c 範囲
12a~12e 被験者
81 自律歩行器
82 起立支援用マニピュレータ
83 肘掛け部
84 ハンドル
90 人間モデル
91 脊柱起立筋
92 大殿筋
93 大腿直筋
94 内側広筋
95 大腿二頭筋
96 ヒラメ筋

Claims (8)

  1. 第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、
    ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、該ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と該ユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、前記動作中の前記身体重心位置が前記足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定手段と、
    ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、第1の姿勢から第2の姿勢へ至る個々の姿勢から次の姿勢に移行する動作に関わる筋肉の必要筋力を算出し、算出した筋力が、該ユーザが最大限発揮できる筋力以下であるか否かを判定した結果を用いて、前記動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定手段と、
    第1の安定性判定手段が前記所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定手段が前記動作を継続できると判定した場合に、前記動作が安定していると判別する安定判別手段、
    を備えたことを特徴とする動作安定性判別装置。
  2. 第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、
    ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と該ユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、前記動作中の前記身体重心位置が前記足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定手段と、
    該ユーザの前記動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、前記動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定手段と、
    第1の安定性判定手段が前記所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定手段が前記動作を継続できると判定した場合に、前記動作が安定していると判別する安定判別手段と、
    第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、第1の安定性判定手段が前記所定範囲内に存在すると判定し得る前記身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定手段が次の動作を継続できると判定し得る前記身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出する範囲抽出手段と、
    第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢の前記オーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定する軌道許容範囲設定手段、
    えたことを特徴とする作安定性判別装置。
  3. 第1の姿勢が着座姿勢、第2の姿勢が起立姿勢である、
    又は、第1の姿勢が起立姿勢、第2の姿勢が着座姿勢である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動作安定性判別装置。
  4. 請求項1~の何れかの動作安定性判別装置を搭載した起立着座支援装置であって、
    前記動作安定性判別装置における前記安定判別手段が安定していると判別する場合には、ユーザの起立着座に対する支援動作を停止または抑制し、ユーザの自発的な動作を促すことを特徴とする起立着座支援装置。
  5. 請求項2の動作安定性判別装置を搭載した起立着座支援装置であって、
    前記動作安定性判別装置において設定された前記身体重心の軌道許容範囲を逸脱するようなユーザ姿勢を検知した場合には、強制的にユーザ姿勢を前記身体重心の軌道許容範囲内に戻す支援動作を行うことを特徴とする起立着座支援装置。
  6. 第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、
    第1の安定性判定手段が、ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、該ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と該ユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、前記動作中の前記身体重心位置が前記足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定ステップと、
    第2の安定性判定手段が、ユーザに対し、筋骨格モデルを用いて、第1の姿勢から第2の姿勢へ至る個々の姿勢から次の姿勢に移行する動作に関わる筋肉の必要筋力を算出し、算出した筋力が、該ユーザが最大限発揮できる筋力以下であるか否かを判定した結果を用いて、前記動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定ステップと、
    安定判別手段が、第1の安定性判定ステップにおいて前記所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定ステップにおいて前記動作を継続できると判定した場合に、前記動作が安定していると判別する安定判別ステップ、
    を備えたことを特徴とする動作安定性判別方法。
  7. 第1の姿勢から第2の姿勢へ移行する動作において、
    第1の安定性判定手段が、ユーザの身長、体重及び姿勢から推定される身体重心位置と該ユーザの支持脚の足裏位置に基づいて、前記動作中の前記身体重心位置が前記足裏位置を基準とする所定範囲内に存在するか否かを判定する第1の安定性判定ステップと、
    第2の安定性判定手段が、該ユーザの前記動作に関わる筋肉が最大限発揮できる筋力に基づいて、前記動作を継続できるか否かを判定する第2の安定性判定ステップと、
    安定判別手段が、第1の安定性判定ステップにおいて前記所定範囲内に存在すると判定し、第2の安定性判定ステップにおいて前記動作を継続できると判定した場合に、前記動作が安定していると判別する安定判別ステップと、
    範囲抽出手段が、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの個々の姿勢において、第1の安定性判定ステップが前記所定範囲内に存在すると判定し得る前記身体重心位置の範囲と、第2の安定性判定ステップが次の動作を継続できると判定し得る前記身体重心位置の範囲のオーバーラップ範囲を抽出する範囲抽出ステップと、
    軌道許容範囲設定手段が、第1の姿勢から第2の姿勢へ至るまでの全ての姿勢に対して、個々の姿勢の前記オーバーラップ範囲を繋ぎ合わせ、身体重心の軌道許容範囲を設定する軌道許容範囲設定ステップ、
    えたことを特徴とする作安定性判別方法。
  8. 第1の姿勢が着座姿勢、第2の姿勢が起立姿勢である、
    又は、第1の姿勢が起立姿勢、第2の姿勢が着座姿勢である、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の動作安定性判別方法。
JP2019163747A 2019-09-09 2019-09-09 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置 Active JP7290866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019163747A JP7290866B2 (ja) 2019-09-09 2019-09-09 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019163747A JP7290866B2 (ja) 2019-09-09 2019-09-09 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021040798A JP2021040798A (ja) 2021-03-18
JP7290866B2 true JP7290866B2 (ja) 2023-06-14

Family

ID=74862739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019163747A Active JP7290866B2 (ja) 2019-09-09 2019-09-09 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7290866B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008048981A (ja) 2006-08-25 2008-03-06 Kochi Univ Of Technology 立ち上がり訓練機
JP2012223452A (ja) 2011-04-21 2012-11-15 Ritsumeikan 下肢筋力評価方法、及びこれに用いる下肢筋力評価装置
JP2014236786A (ja) 2013-06-06 2014-12-18 国立大学法人九州工業大学 起立動作誘導システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008048981A (ja) 2006-08-25 2008-03-06 Kochi Univ Of Technology 立ち上がり訓練機
JP2012223452A (ja) 2011-04-21 2012-11-15 Ritsumeikan 下肢筋力評価方法、及びこれに用いる下肢筋力評価装置
JP2014236786A (ja) 2013-06-06 2014-12-18 国立大学法人九州工業大学 起立動作誘導システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021040798A (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Strausser et al. The development and testing of a human machine interface for a mobile medical exoskeleton
Kawamoto et al. Power assist method based on phase sequence and muscle force condition for HAL
Quintero et al. A method for the autonomous control of lower limb exoskeletons for persons with paraplegia
Martins et al. Assistive mobility devices focusing on smart walkers: Classification and review
Strausser et al. Mobile exoskeleton for spinal cord injury: Development and testing
Suzuki et al. Intention-based walking support for paraplegia patient
Eguchi et al. Standing mobility device with passive lower limb exoskeleton for upright locomotion
EP3217942B1 (en) Exoskeleton
JP2016514029A (ja) 協調的地上リハビリテーション用の動力式矯正器具システム
WO2006011408A1 (ja) 運動補助装置
US20180177665A1 (en) Devices enabling the disabled to stand, walk and activate one's body
CN116615168A (zh) 动力膝外骨骼系统
Kawazoe et al. Development of standing assistive walker for domestic use
Chugo et al. Stand-up assistive devices allowing patients to perform voluntary movements within the safety movement tolerance
Chugo et al. Standing assistance control using a physical strength of a patient with load estimation
JP7290866B2 (ja) 動作安定性判別装置、動作安定性判別方法、及び、起立着座支援装置
US20200122326A1 (en) Method for moving an exoskeleton
Matsuura et al. Efficiency improvement of walking assist machine using crutches based on gait-feasible region analysis
US12064390B2 (en) Powered walking assistant and associated systems and methods
Yokota et al. Standing Assistance Control considering with Posture Tolerance of its User
Saint-Bauzel et al. A reactive robotized interface for lower limb rehabilitation: clinical results
Chugo et al. Pattern based standing assistance adapted to individual subjects on a robotic walker
Chugo et al. Standing assistance which realizes voluntary movements of the patient within a safety motion tolerance
Mckinley Design of lightweight assistive exoskeletons for individuals with mobility disorders
Chugo et al. Standing assistance control based on voluntary body movement within safety tolerance

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190927

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230113

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7290866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150