JP7290553B2 - 皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法に関する。
化粧品などの日用品を使用するとき、ヒトは多様な感情を経験している。特に、化粧品を使用した際の感触によって、幸福・満足感、贅沢感、リラックス、リフレッシュ、不満、落胆等の感情が喚起される。したがって、化粧品には、保湿等の機能的価値だけでなく、幸福感、満足感といった快感情を喚起する情緒的価値が求められている。
従来、化粧品を使用したときの感触の評価は、主に官能評価によって行なわれている。しかし、官能評価は、専門的訓練を受けた評価者を必要とすることから、官能評価によって化粧品の情緒的価値を精度良く評価することは容易ではない。
特許文献1には、自律神経活動と中枢神経活動の解析結果に基づいて化粧品を評価すること、自律神経活動測定装置として、心拍変動のスペクトル(心電図)を測定して副交感神経活動を測定するものを用いること、中枢神経活動装置として、近赤外分光法(NIRS)によって前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度及び/又は総ヘモグロビン濃度を測定して脳血液動態を測定するものを用いることが記載されている。非特許文献1には、NIRSにより測定される前頭葉の酸化ヘモグロビン濃度が、手のひらや前腕への心地よい触刺激により増加したことが記載されている。非特許文献2には、環境の急激な温度変化に伴う温度に対する快適感を、脳波(EEG)を用いて評価したことが記載されている。非特許文献3には、顔へのハンドプレス刺激により、大脳皮質の一部の前頭前野の血流変化量が安静状態よりも増加すること、顔へのハンドプレス刺激による前頭前野の血流変化量が大きいほど、快感情の喚起度合いが大きいこと、及び、クリームを前腕内側に塗布するというスキンケア行為のうち、塗布感触の違いにより前頭前野の血流変化量が異なることが報告されている。
特開2007-307294号公報
Neurosci Res, 2013, 76(1-2):76-82 Indoor Air, 2018, 28(6):916-923 花王株式会社ニュースリリース 2018年10月12日、www.kao.com/jp/corporate/news/2018/20181012-001/
化粧品の塗布などから受ける皮膚感覚がもたらす快感情を客観的に評価するための生理指標が求められている。さらに、そのような生理指標を用いて該皮膚感覚がもたらす快感情を定量的に評価することができればなお望ましい。本発明は、官能評価によらないで、皮膚への感覚刺激の快適性を評価する方法の提供に関する。
本発明者らは、前頭葉の脳血流量及び頭頂部の脳波電位に基づいて、皮膚への感覚刺激の快適性を客観的かつ定量的に評価できることを見出した。
すなわち、本発明は、皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法であって、
被験者に対して皮膚への感覚刺激が付与される試験条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定すること、
該被験者に対して該皮膚への感覚刺激が付与されない対照条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定すること、
該試験条件と該対照条件との間での、該脳血流量の標準化値の差分、及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分を求めること、
該脳血流量の標準化値の差分及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分に基づいて、該被験者における該皮膚への感覚刺激の快適性の評価値を算出すること、
を含む、方法を提供する。
本発明は、皮膚への感覚刺激により喚起される快感情を定量的に評価することを可能にする客観的な生理指標を提供する。本発明によれば、官能評価によらずに、皮膚への感覚刺激の快適性を評価することができる。さらに本発明によれば、皮膚への感覚刺激の快適性の程度を評価することができるので、より快適性の高い化粧品を探索したり、化粧品の快適性を順位付けしたりすることが可能になる。
実施例における試験物質塗布試験の手順。 被験者頭部におけるNIRS用プローブの配置。 被験者頭部におけるEEG測定用電極の配置。 VAS評価による快感情と、7件法による快適感16因子との関係。横軸及び縦軸は、それぞれ、試験条件と対照条件の間のVAS評価及び快適感16因子の評価の差分を表す。rは相関係数、n=124(被験者数31×試験物質数4)。 試験物質についてのVAS平均値に基づく快適性の順位と、快適性スコアEVの平均値(エラーバー=SE、n=31)。各図のEVは異なるαを用いて算出した。 異なるαを用いて算出した快適性スコアEVの平均正答率(エラーバー=SE、n=31)。平均正答率がチャンスレベル(25%)よりも統計学的に有意に高い範囲(1標本t検定、p<0.05)を実線で、それ以外の範囲を点線で示した。図中の数値は各点でのαの値を表す。 Δ脳血流量標準化値変化による快適性順位の平均正答率(エラーバー=SE、n=31)。 Δθ波含有率変化による快適性順位の平均正答率(エラーバー=SE、n=31)。 Fz又はPzのθ波含有率の変化を用いて算出したEVの平均正答率(n=31)。
本発明において、皮膚への感覚刺激の「快適性」とは、該皮膚への感覚刺激による、快感情を喚起する性質を意味する。快感情は、代表的には「落ち着いた気持ち」、「良心的な気持ち」、「愛らしい気持ち」、「感動した気持ち」、「めでたい気持ち」、「わくわくした気持ち」、「楽しい気持ち」、「勇敢な気持ち」、「熱中した気持ち」、「やる気に満ちた気持ち」、「誇らしい気持ち」、「やり遂げた気持ち」、「うれしい気持ち」、「すっきりした気持ち」、「解き放たれた気持ち」、及び「気楽な気持ち」の「快適感16因子」(門地ら、Journal of Society of Cosmetic Chemicals of Japan, 2009, Vol. 43:10-18)を包含する。好ましくは、本発明における快感情は、快適感16因子の個々の感情の程度と相関する総体的な「快さ」の感情である(後述の実施例1を参照)。「皮膚への感覚刺激」としては、皮膚感覚(例えば皮膚の触覚、温度感覚又はそれらの組み合わせ)を惹起する刺激が挙げられ、例えば、スキンケア用品、ボディケア用品などの化粧品の皮膚上への付与や、手、指、美容器具等の皮膚への接触、及びそれらの組み合わせが挙げられる。「皮膚への感覚刺激」のより具体的な例としては、外用剤(例えば、スキンケアやボディケアのための化粧品、医薬品等)を皮膚に塗布、滴下又は噴霧する行為;皮膚を、必要に応じて該外用剤を付与するとともに、手、指、美容器具等の器具などによりマッサージ、パッティング又はプレスする行為などが挙げられる。
本発明は、皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法を提供する。本方法は、以下:
被験者に対して皮膚への感覚刺激が付与される試験条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位を測定すること、
該被験者に対して該皮膚への感覚刺激が付与されない対照条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定すること、
該試験条件と該対照条件との間での、該脳血流量の標準化値の差分、及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分を求めること、
該脳血流量の標準化値の差分及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分に基づいて、該被験者における該皮膚への感覚刺激の快適性の評価値を算出すること、
を含む。
本発明による皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法(以下、本発明方法という)において用いられる被験者の例としては、ヒト及び非ヒト動物が挙げられ、非ヒト動物の例としては、霊長類、ラット、マウス、モルモット、ハムスタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタなどの非ヒト哺乳動物が挙げられる。
被験者の前頭部の脳血流量は、公知の方法により測定することができる。本発明方法で用いられる脳血流量の測定方法は、非侵襲的方法であることが好ましい。そのような非侵襲的な脳血流量測定法の例としては、近赤外分光法(NIRS)による脳血流量測定法が挙げられる。NIRSでは、頭皮上に設置したプローブから大脳外側部における近赤外光の透過度を計測することで、当該部分での酸素化ヘモグロビン及び/又は脱酸素化ヘモグロビンの濃度を求め、それらに基づいて脳血流量の変化を測定する。本発明方法では、多チャンネルのプローブを用いることで前頭部全体からの脳血流量を一度に測定することが好ましい。多チャンネルNIRS測定装置としては、「LABNIRS」(島津製作所)、「光トポグラフィー」(日立製作所)などの市販の装置を用いることができる。測定対象とする前頭部領域は、国際10-20法に基づいて決定することができる。より詳細には、本発明方法では、国際10-20法に基づくFpzの位置からCz方向に1.5cm移動した位置をAとすると、Aを中心に前後6cm、左右12cmの範囲の前頭部領域の脳血流量が計測できるようにNIRSプローブを装着することが好ましい。
被験者の頭頂部の脳波電位は、公知の方法により測定することができる。脳波電位の測定には、EEG1200(日本光電)などの市販のEEG(electroencephalogram)を用いることができる。測定対象とする頭頂部領域は、国際10-20法に基づいて決定されるCz領域である。測定した波形のスペクトル解析により、脳波電位中のシータ波含有率(%)を算出することができる。例えば、測定した脳波電位から高速フーリエ変換(FFT)によりシータ波成分(周波数4~8Hzの波)を抽出し、全波形成分中における該シータ波成分の割合を求めることで、該脳波電位中のシータ波含有率(%)を算出することができる。
本発明方法では、被験者において、皮膚への感覚刺激が付与される条件(試験条件)下と、該試験条件で用いる皮膚への感覚刺激が付与されない条件(対照条件)下で、上述した前頭部の脳血流量の測定と、頭頂部の脳波電位の測定とが行われる。両条件下において、被験者からの脳血流量の測定と脳波電位の測定は並行して行われる。脳血流量及び脳波電位の測定の時間長は、該感覚刺激の時間長に依存して適宜決定することができる。例えば、該脳血流量及び脳波電位の測定時間の長さは、皮膚への感覚刺激付与の時間の長さ(前後の安静時間を含んでもよい。さらに繰り返し刺激の場合は、合間の安静時間を含んでもよい)であり得、好ましくは5秒以上、より好ましくは45~480秒間、さらに好ましくは60~180秒間であり得る。あるいは、一連の実験中、脳血流量及び脳波電位の測定は継続的に行われ、得られた測定データから、試験条件下又は対照条件下で取得されたデータを取り出してもよい。本発明方法において、試験条件下での脳血流量及び脳波電位の測定と、対照条件下での脳血流量及び脳波電位の測定との順序には特に制限はない。
本発明方法において、感覚刺激を付与される皮膚の部位には特に制限はない。好ましい部位としては、顔、首、手足、指、腕、脚部、背部、腹部が挙げられる。操作の簡便性の観点からは、前腕内側部の皮膚がより好ましい。
試験条件で用いられる皮膚への感覚刺激の種類は、上述したとおりであり、好ましい例としては、皮膚の触覚、温度感覚、及びそれらの組み合わせが挙げられ、より好ましい例としては、皮膚上への試験物質の付与や、手、指もしくは美容器具の皮膚への接触、及びそれらの組み合わせが挙げられる。該試験物質の付与の手法としては、該試験物質を皮膚に塗布、滴下、又は噴霧する行為が挙げられる。該皮膚への接触の手法としては、手、指、又は器具により皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為が挙げられる。該試験物質の付与と該皮膚への接触の組み合わせとしては、該試験物質を付与した皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為が挙げられる。
当該皮膚への感覚刺激の付与に用いられる試験物質の種類は、それを皮膚に付与することによる快適性を評価したい物質であれば、特に制限されない。該試験物質は、天然に存在する物質であっても、化学的又は生物学的方法等で人工的に合成した物質であってもよく、また化合物であっても、組成物もしくは混合物であってもよい。該試験物質は、好ましくは外用剤であり、また好ましくは、皮膚に付与したときの安全性が確認されている物質である。該外用剤の好ましい例としては、皮膚外用の医薬品、化粧品(例えば、スキンケアやボディケアのためのローション、乳液、クリーム、ゲル等)などが挙げられる。より好ましくは、該試験物質は化粧品である。皮膚への感覚刺激以外の刺激が測定結果に及ぼす影響を回避するため、該化粧品は香料を含まないことが好ましい。
試験条件で皮膚への感覚刺激を付与する時間長は、該感覚刺激の種類に依存して適宜決定することができるが、好ましくは5~60秒間、より好ましくは5~20秒間である。あるいは、当該時間長での刺激を一定間隔で繰り返してもよい。繰り返しの回数は、1~5回程度であればよい。該繰り返される刺激の合間には安静時間をおくことが好ましく、該安静時間の長さは、その前に付与した刺激の影響が消失する時間長であればよく、例えば20~30秒間であればよい。当該繰り返される刺激は、いずれも同一の刺激であることが好ましい。
対照条件は、該試験条件で用いた皮膚への感覚刺激を与えない条件であればよい。例えば、対照条件は、安静(皮膚への感覚刺激を積極的には付与しない状態)であってもよく、又は対照の感覚刺激(対照刺激)を皮膚に与える条件であってもよい。対照刺激を付与する時間長は、試験条件での刺激付与の時間長と同じであればよい。あるいは、対照刺激を一定間隔で繰り返してもよい。該繰り返される対照刺激の合間には安静時間をおくことが好ましい。対照刺激の繰り返しの回数及び繰り返しの間隔は試験条件と同じであればよい。
好ましい一実施形態において、試験条件で付与される皮膚への感覚刺激は、試験物質を皮膚に塗布する行為であり、一方、対照条件では、対照刺激として、試験物質を付与することなく塗布動作のみが皮膚に付与される。別の好ましい一実施形態において、試験条件で付与される該皮膚への感覚刺激は、試験物質を付与した皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為であり、一方、対照条件では、対照刺激として、試験物質を付与することなく皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為のみが付与される。好ましい一実施形態においては、試験条件及び対照条件での皮膚への感覚刺激は、一定間隔で繰り返し行われる。例えば、該繰り返し刺激を行う場合、試験条件では、最初に試験物質を皮膚上に載置し、次いで一定間隔で該試験物質を皮膚に塗布する行為や、皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為を行い、一方、対象条件では、最初に試験物質を皮膚上に載置することなく、同様の一定間隔で、塗布行為のみや、皮膚をマッサージ、パッティング又はプレスする行為のみを行えばよい。
本発明方法においては、上述の手順で試験条件及び対照条件下で被験者の前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定した後、該試験条件と該対照条件との間での、該脳血流量の標準化値の差分、及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分を求める。
試験条件と対照条件における脳血流量の標準化値は、試験条件又は対照条件下の所定の時間帯に測定した被験者の脳血流量の時間平均値から、皮膚への感覚刺激を付与しない状態(例えば安静)での所定の時間帯で測定した該被験者の脳血流量の時間平均値を減算し、得られた減算値を、当該皮膚への感覚刺激を付与しない状態での所定の時間帯で測定した脳血流量の標準偏差で除算することで算出することができる。多チャンネルでのNIRS計測を行う場合、複数のチャンネルからの標準化値の平均値をとることで、前頭部全域からの脳血流量の標準化値を求めることができる。試験条件についての脳血流量の標準化値から対照条件についての脳血流量の標準化値を引き算することによって、脳血流量の標準化値の差分を求めることができる。
脳波電位のシータ波含有率(%)の差分は、試験条件下の所定の時間帯での被験者の脳波電位中のシータ波含有率(%)から、対照条件下の所定の時間帯での該被験者の脳波電位中のシータ波含有率(%)を減算することで算出することができる。
次いで、求めた該脳血流量の標準化値の差分及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分に基づいて、該被験者における該皮膚への感覚刺激の快適性の評価値を算出する。好ましい実施形態において、該皮膚への感覚刺激の快適性の評価値は、下記式(1)に従って評価される。
Figure 0007290553000001
式(1)中、EVは皮膚への感覚刺激の快適性の評価値であり、ΔHbO2は前記脳血流量の標準化値の差分であり、Δθは前記脳波電位中のシータ波含有率(%)の差分である。a、bは任意の係数であり、その絶対値は特に限定されないがb/a=0.9~4.2の範囲である。好ましくは、b/a=1.0~2.7である。より好ましくは、b/a=1.250~1.330である。上記の式(1)は、評価値の算出法の基本を示すものであり、ΔθやΔHbO2の値によって変更され得る。例えばΔθが百分率(%)の差分ではなく、シータ波含有割合(全体を1としたときの割合)の差分として表される場合、上記bの値が100倍されたり、又は上記aもしくはΔHbO2の値が1/100にされてもよく、それらに伴ってb/aも変動し得る。
後述の実施例に示されるように、化粧品を皮膚に塗布したときの快適性の評価において、b/a=0.9~4.2の範囲のときに、式(1)から算出した評価値EVに基づく評価結果は、主観評価による評価結果と統計学的に有意な一致を示した。すなわち、試験条件で付与された皮膚への感覚刺激が快適性の高いものである場合、評価値EVは大きくなる。より詳細には、評価値EVが大きいほど、試験条件で付与された皮膚への感覚刺激は快適性がより高いと評価することができる。
したがって、本発明の好ましい実施形態においては、上記式(1)に従って算出された評価値EVの大きさに基づいて、皮膚への感覚刺激の快適性を評価することができる。より大きなEVをもたらした皮膚への感覚刺激は、より快適性が高いと評価される。あるいは、複数種の皮膚への感覚刺激の間でEVを比較することで、それら複数種の刺激の快適性を比較もしくは順位付けしたり、又は最も快適な刺激を選択したりすることができる。例えば、皮膚への感覚刺激が化粧品の付与である場合、EVの大きさに基づいて、化粧品の使用時の快適性を評価することができる。例えば、快感情を与える化粧品をスクリーニングしたり、複数の化粧品の使用時の快適性を比較もしくは順位付けしたり、又は該複数の化粧品の中から、使用時の快適性が最も高い、すなわち最も快感情を与える化粧品を選択したりすることができる。
後述の実施例に示されるように、個々の被験者からの上記式(1)に従って算出された評価値EVは、その被験者にとっての快適性の指標として使用できる。したがって、本発明方法では、被験者は1名でもよく、かつ算出されたEVが大きいほど、用いた皮膚への感覚刺激は、同じ被験者にとって快適性がより高いものであると評価される。本発明は、特定の一消費者に対して快適性が高い化粧品を選択したり、特定の一消費者のために快適性が高い化粧品をカスタマイズすることを可能にする。
本発明による皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法は、被験者の身体の各器官の構造又は機能を計測する等して該被験者から各種の資料を収集するための方法に該当する。また本発明方法は、治療又は診断目的で被験者の身体状態又は精神状態を判断するものではない。したがって、本発明方法は、治療又は診断方法に該当しない。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
1)被験者
20~40歳代の男女31名を被験者とした。被験者は、試験前に予め無香料泡ハンドソープ(ミヨシ石鹸(株))を用いて左右の前腕内側を洗浄した。
2)試験物質
試験物質として、市販品の化粧品(花王株式会社)の配合をもとに、その香りを除くように処方した4種類の無賦香クリーム(クリームA、B、C、D)を使用した。
3)試験
20秒間安静の後、20秒間タスク(試験物質塗布)→20秒間安静のサイクルを4回繰り返す試行(計180秒)を1セッションとした(図1)。被験者の皮膚の4領域(左右の前腕内側の遠位部と近位部、それぞれ3.5cm×7.7cm)を試験物質の塗布領域とした。試験条件では、4種の試験物質(クリームA~D)のいずれかを各試験セッション開始前に4ヵ所の塗布領域のいずれかに100μL滴下し、タスク時間中に試験物質の塗布動作を行った。塗布動作では、被験者自身が塗布領域を、人差し指と中指、薬指の3本を使用して楕円を描くように撫でた。対照条件では、試験物質を滴下せずに、試験条件と同様のタイミングで塗布動作のみを行った。被験者の4ヵ所の塗布領域に対して、4種の試験物質(クリームA~D)がそれぞれ塗布された。4ヵ所の塗布領域のそれぞれで、試験条件と対照条件での塗布動作が実施された。塗布領域の選択、及び塗布される試験物質の種類は被験者ごとにランダム化された。
4)脳血流量及び脳波電位測定
試験セッション中の被験者の脳血流量及び脳波電位が測定された。脳血流量測定のためには、近赤外分光分析法(NIRS)を用いて前頭部の酸素化ヘモグロビン濃度を測定した。測定には近赤外分光分析装置LABNIRS((株)島津製作所)を用いた。NIRS用プローブ(3×5)は、図2に示すとおり、交互に配置された8つの送光プローブと7つの受光プローブ(図2中の丸で囲まれた数字で示される)、及びそれらの間に配置された血流変化を測定するための22個の計測チャンネル(図2中の白地上に記された数値で示される)からなるものであった。NIRS用プローブは、計測チャンネルのch16が国際10-20法に基づくFpzの位置(図3参照)に配置され、かつFpzの位置からCz方向に1.5cm移動した位置を中心に前後6cm、左右12cmの範囲の前頭部領域の脳血流量が計測できるように、被験者の前頭部領域に装着された。脳波電位測定のためには、EEG(EEG1200(日本光電))を用いた。電極はFz、Cz、Pzに装着した(図3)。基準電極として左右の耳朶(A1,A2)に電極を装着した。瞬きによる筋電位変化を捉えるために、左右の眼瞼下(PG1,PG2)に電極を装着した。被験者の頭部のFpz、Fz、Cz、Pzの位置は、国際10-20法に基づいて決定された。データは、NIRSは37Hz、EEGは1KHzでサンプリングした。
5)主観評価
各試験セッション終了後、被験者は、試験条件及び対照条件で生じた快感情を、左端を「全く快適でない」、右端を「とても快適」とした10cmVASを用いてそれぞれ評価した。同時に、試験条件及び対照条件で生じた快適感16因子(「落ち着いた気持ち」、「良心的な気持ち」、「愛らしい気持ち」、「感動した気持ち」、「めでたい気持ち」、「わくわくした気持ち」、「楽しい気持ち」、「勇敢な気持ち」、「熱中した気持ち」、「やる気に満ちた気持ち」、「誇らしい気持ち」、「やり遂げた気持ち」、「うれしい気持ち」、「すっきりした気持ち」、「解き放たれた気持ち」、及び「気楽な気持ち」;門地ら、Journal of Society of Cosmetic Chemicals of Japan, 2009, Vol. 43:10-18)の状態についても、それぞれ7件法で評価した。
6)データ解析
各チャンネルからのNIRSデータは、10Hzへダウンサンプリングし、次いで1Hz以下の成分を、ローパスフィルタを用いて抽出した後、血流動態分離法(Toru Yamada, Shinji Umeyama, Keiji Matsuda, “Separation of fNIRS Signals into Functional and Systemic Components Based on Differences in Hemodynamic Modalities” PLoS ONE 7(11), 2012)を用いて皮膚血流変動成分を除去した。さらに、得られた脳血流成分に対してNIRS-SPM(https://bispl.weebly.com/nirs-spm.html)を用いてHRFフィルタリング処理及びウェーブレット変換によるトレンド除去を行った。試験条件及び対照条件それぞれについて、処理された各NIRSチャネル由来の脳血流量の時系列データを、各タスク時間とその前後(タスク前安静5秒間、タスク中20秒間、及びタスク後安静15秒間)を一区間として、4区間のデータに分割し、次いで該4つのデータを加算平均して1つのデータにまとめた。得られたデータから、タスク中20秒間の脳血流量の時間平均値と、タスク前安静5秒間の脳血流量の時間平均値を求め、次いで前者から後者を引き算して差分データを得た。得られた差分データを該タスク前安静5秒間の脳血流量の標準偏差で除算した値(Z-score)を、標準化値として算出した。ch1、2、3、7、8、10、11、12、13、15由来の標準化値(Z-score)の平均値を、タスクにより変化する前頭葉の脳血流量の標準化値として求めた。試験条件について求めた値から対照条件について求めた値を引き算し、脳血流量の標準化値の差分を求めた。
EEGデータは、ATAMAP II(キッセイコムテック(株))を用いて解析した。1秒間を時間窓とした高速フーリエ変換を行い、タスク中20秒間と安静中20秒間について頭頂部(Cz)におけるシータ波成分(周波数4Hz~8Hz)の含有率(%)(4回サイクル分のデータの平均値)を算出し、タスク中含有率と安静中含有率との差分をθ波含有率(%)として求めた。試験条件について求めた含有率から対照条件について求めた含有率を引き算し、θ波含有率(%)の差分を求めた。
各被験者について、試験条件と対照条件との間での、脳血流量の標準化値の差分(Δ脳血流量標準化値変化)及び脳波電位のθ波含有率(%)の差分(Δθ波含有率変化)を求めた。下記式(2)により快適性スコアEVを算出した。αの値は0.7~4.3の範囲で任意に変更した。
EV =(Δ脳血流量標準化値変化)+α×(Δθ波含有率変化) (2)
7)快感情の分析
VASにより評価した「快感情」の程度と、7件法により評価した快適感16因子の各感情の程度について、試験条件と対照条件の間での差分を求めた。次いでこれらの差分を用いて、VAS評価と快適感16因子の評価との相関を調べた。VASにより評価した「快感情」は、快適感16因子の全感情と正の相関を有していた(図4)。
8)EVに基づく試験物質の快適性評価
全被験者からのVASによる主観評価の平均値に基づいて、4種の試験物質(クリームA~D)の快適性を1位~4位に順位付けした。図5には、4種の試験物質についての、VAS平均値に基づく快適性の順位と、異なるα(1.0、1.1、及び1.3)を用いて算出した快適性スコアEVの全被験者間での平均値(±SE)を示す。α=1.0~1.3の範囲で、試験物質についてのEVの値は、VASに基づく快適性の高さに応じた変動を示した。VASに基づく快適性の順位が高い試験物質ほど、EVが大きくなる傾向がみられた。
個々の被験者について、4種の試験物質の快適性をVASに基づいて順位付けした。また、個々の被験者から得た4種の試験物質についてのEVの大きさを順位付けした。EVの大きさの順位がVASに基づく快適性の順位と一致した割合(正答率(%))を個々の被験者について求め、全被験者間での平均値(±SE)を算出した。図6には、EVの計算に用いたαに応じた平均正答率(%)の変動を示す。図6中、平均正答率がチャンスレベル(25%)よりも統計学的に有意に高い範囲(1標本t検定、p<0.05)を実線で、それ以外の範囲を点線で示した。図5中の数値は各点でのαの値を表す。α=0.9~4.2のとき、EVによる評価とVAS評価との一致は統計学的に有意であった。特に、α=1.250~1.330のとき最も高い正答率(約45%)が得られた。
図5、6の結果から、試験条件と対照条件との間での脳血流量及び脳波電位のシータ波含有率の変化に基づいて、化粧品等の物質を皮膚に塗布したときに感じる快適性を定量化することができることが示された。
比較例1
評価指標として脳血流量の変化のみを用いたときの快適性評価の精度を調べた。実施例1で求めたΔ脳血流量標準化値変化の大きさの順位がVASに基づく快適性の順位と一致した割合(正答率(%))を個々の被験者について求め、全被験者間での平均値(±SE)を算出した。図7に平均正答率(%)を示す。平均正答率とチャンスレベル(25%)との間に有意差は認められなかった(1標本t検定、p<0.05)。
比較例2
評価指標としてθ波含有率の変化(Cz、Fz、Pz)のみを用いたときの快適性評価の精度を調べた。実施例1で測定したEEGデータからFz、PzにおけるΔθ波含有率変化を求めた。Cz、Fz又はPzのΔθ波含有率変化の大きさの順位がVASに基づく快適性の順位と一致した割合(正答率(%))を個々の被験者について求め、全被験者間での平均値(±SE)を算出した。図8に平均正答率(%)を示す。Cz、Fz、Pzいずれの位置においても平均正答率とチャンスレベル(25%)との間に有意差は認められなかった(1標本t検定、p<0.05)。
比較例3
Czのθ波含有率の変化の代わりに、Fz又はPzのθ波含有率の変化を用いて算出したEVを評価指標としたときの快適性評価の精度を調べた。比較例2で求めたFz又はPzのΔθ波含有率変化と、実施例1で求めたΔ脳血流量標準化値変化を上記式(2)にあてはめ、EVを算出した。算出したEVの大きさの順位がVASに基づく快適性の順位と一致した割合(正答率(%))を個々の被験者について求め、全被験者間での平均値を算出した。図9に、EVの計算に用いたαに応じた平均正答率(%)の変動を示す。少なくともα=0.7~4.3のとき、実施例1ほど高い平均正答率(%)は得られなかった。

Claims (9)

  1. 皮膚への感覚刺激の快適性の評価方法であって、
    被験者に対して皮膚への感覚刺激が付与される試験条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定すること、
    該被験者に対して該皮膚への感覚刺激が付与されない対照条件下において、該被験者における前頭部の脳血流量と、頭頂部の脳波電位とを測定すること、
    該試験条件と該対照条件との間での、該脳血流量の標準化値の差分、及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分を求めること、
    該脳血流量の標準化値の差分及び該脳波電位のシータ波含有率(%)の差分に基づいて、該被験者における該皮膚への感覚刺激の快適性の評価値を算出すること、
    を含む、方法。
  2. 前記皮膚への感覚刺激の快適性の評価値が下記式(1):
    Figure 0007290553000002
    (式(1)中、EVは前記皮膚への感覚刺激の快適性の評価値であり、ΔHbO2は前記脳血流量の標準化値の差分であり、Δθは前記脳波電位のシータ波含有率(%)の差分であり、a、bは任意の係数であり、但しb/a=0.9~4.2である)
    に基づいて算出される、請求項1記載の方法。
  3. b/a=1.250~1.330である、請求項2記載の方法。
  4. 前記EVが大きいほど、前記皮膚への感覚刺激は快適性がより高いと評価することをさらに含む、請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記皮膚への感覚刺激が、皮膚の触覚、温度感覚又はそれらの組み合わせを惹起する刺激である、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記皮膚への感覚刺激の付与が、該皮膚上への試験物質の付与であるか、手、指もしくは器具の皮膚への接触であるか、又はそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記試験物質が香料を含まない化粧品である、請求項6記載の方法。
  8. 前記被験者がヒトである、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記皮膚が前腕内側の皮膚である、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。
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