JP7284742B2 - 身体運動生成装置、身体運動生成方法および身体運動生成プログラム - Google Patents

身体運動生成装置、身体運動生成方法および身体運動生成プログラム Download PDF

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Description

本発明はデータ処理技術に関し、特に身体運動生成装置、身体運動生成方法および身体運動生成プログラムに関する。
本発明者は、実際に腕を制御しながら到達運動の制御則を学習可能な上肢運動制御モデルを提案している(例えば、非特許文献1参照)。また、本発明者は、小脳における学習モデルとしてのフィードバック誤差学習と、大脳基底核におけるそれとしての強化学習の枠組みの一つであるActor-Critic法とを組み合わせた運動学習モデルを提案している(例えば、非特許文献2参照)。
Kambara H, Kim K, Shin D, Sato M, Koike Y、"Learning and generation of goal-directed arm reaching from scratch"、Neural Netw、2009/01/06、2009;22、p.348-361 神原裕行、閔庚甫、金載烋、佐藤誠、小池康晴、"強化学習とフィードバック誤差学習を用いた腕の姿勢制御"、電子情報通信学会技術研究報告 NC、ニューロコンピューティング、2003;103、p.55-60
従来提案された身体の運動制御モデルでは外力が十分に考慮されていなかった。本発明者は、より改善された身体の運動モデルを開発するに至った。
本発明は、本発明者の上記課題認識に基づきなされたものであり、1つの目的は、身体の運動を精度よく生成(または推定)する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の身体運動生成装置は、身体の所定部位の目標状態を受信する目標受信部と、所定部位の目標状態に基づいて、筋への運動指令を演算する運動指令演算部と、運動指令と、運動指令から算出される力とは別の外力により生成される所定部位の現在の状態とに基づいて、次時刻における所定部位の運動状態を生成する生成部と、次時刻における所定部位の運動状態に関するデータを出力する出力部とを備える。
本発明の別の態様もまた、身体運動生成装置である。この装置は、上肢の目標関節角度と目標関節角速度とを受信する目標受信部と、目標関節角度と目標関節角速度とに基づいて、筋への運動指令を演算する運動指令演算部と、運動指令に基づいて、手先力を生成する第1生成部と、手先力に基づく第1の制御入力値と、手先力とは異なる外力に基づく第2の制御入力値とをもとに、制御対象の移動量を生成する第2生成部と、制御対象の移動量に基づいて、現在の手先位置を生成する第3生成部と、を備える。第1生成部は、第3生成部により生成された現在の手先位置と、運動指令とに基づいて、次時刻における手先力を生成する。
本発明のさらに別の態様は、身体運動生成方法である。この方法は、身体の所定部位の目標状態を受信するステップと、所定部位の目標状態に基づいて、筋への運動指令を演算するステップと、運動指令と、運動指令から算出される力とは別の外力により生成される所定部位の現在の状態とに基づいて、次時刻における所定部位の運動状態を生成するステップと、次時刻における所定部位の運動状態に関するデータを出力するステップとをコンピュータが実行する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、装置、システム、方法、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、身体の運動を精度よく生成(または推定)することができる。
実施例のシミュレーションシステムの構成を示す図である。 図1の目標設定部、身体運動生成部、ステアリングモデルの詳細を示すブロック図である。 シミュレーションパターンを示す図である。 グローバル座標系の定義を示す図である。 図5(a)~(g)は、各変数の時系列データを示す図である。
上記の非特許文献1において、本発明者は、実際に腕を制御しながら到達運動の制御則を学習可能な上肢運動制御モデルを提案している。しかし、非特許文献1の上肢運動制御モデルでは外力が十分に考慮されておらず、外力が存在する場合の腕の運動を生成することができなかった。本実施例では、外力が存在する場合であっても、腕の運動を精度よく生成(または推定)可能な技術を提案する。
図1は、実施例のシミュレーションシステム10の構成を示すブロック図である。シミュレーションシステム10は、人と、電動パワーステアリング(EPS)の両方がステアリングを操作する場合の車両の挙動を生成(または推定)する情報処理システムである。シミュレーションシステム10は、目標設定部12、身体運動生成部14、EPSモデル16、ステアリングモデル18を備える。
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
また、本明細書のブロック図において示される複数の機能ブロックのうち少なくとも一部の機能ブロックは、コンピュータプログラムとして実装されてもよい。上記コンピュータプログラムは、記録媒体に格納されてもよく、その記録媒体を介して上記コンピュータプログラムがコンピュータ(情報処理装置)にインストールされてもよい。または、上記コンピュータプログラムは、通信ネットワークを介してダウンロードされ、コンピュータにインストールされてもよい。コンピュータのCPUは、上記コンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、上記コンピュータプログラムに実装された機能ブロックの機能を発揮してもよい。
さらにまた、本明細書のブロック図において示される複数の機能ブロックの機能は、単一のコンピュータに実装されてもよく、複数台のコンピュータに分散して実装されてもよい。例えば、複数の機能ブロックの機能は、複数台のコンピュータがシステムとして連携することにより実現されてもよい。また、身体運動生成部14の機能が単一または複数のの装置に実装されることにより身体運動生成装置が実現されてもよい。また、身体運動生成部14とステアリングモデル18の機能が単一または複数の装置に実装されることにより身体運動生成装置が実現されてもよい。
図1の各機能ブロックを説明する。目標設定部12は、車両が走行する道路に関する情報(「道路情報」とも呼ぶ。)に基づいて、当該車両のステアリングを操作するドライバの上肢の目標状態を示す情報(「目標情報」とも呼ぶ。)を設定する。道路情報は、車両に搭載されたセンサ装置(レーダー、ソナー、カメラ等)により検知された情報であってもよい。例えば、道路情報は、道路内での車両の位置を示す情報であってもよい。目標設定部12の詳細な構成は後述する。
身体運動生成部14は、外力が存在する中での人の身体の運動を生成(または推定)する。実施例の身体運動生成部14は、ドライバモデルとも言え、車両のステアリングを操作するドライバの上肢の運動を模擬する。後述するように、身体運動生成部14は、目標設定部12から出力された目標情報に基づいて、ドライバの手先がステアリングに与える手先力を生成する。手先力に基づいて導出された操舵トルク(例えばドライバの手先がステアリングを回す力)の大きさを示す信号は、後述の舵角追従制御部24、操舵アシスト制御部26、ステアリング部32に入力される。身体運動生成部14の詳細な構成は後述する。
EPSモデル16は、車両の電動パワーステアリングの挙動を模擬する。EPSモデル16は、経路生成部20、目標舵角演算部22、舵角追従制御部24、操舵アシスト制御部26を備える。経路生成部20は、道路情報に基づいて、車両が進むべき経路を示す情報(「目標経路」とも呼ぶ。)を生成する。経路生成部20は、例えば、車両が車線の中央を走行するための経路を目標経路として生成してもよい。目標経路は、例えば、車両が進むべき目標位置のX座標(X)、Y座標(Y)、および車両の向きを含んでもよい。
車両のステアリングの角度を「舵角」とも呼ぶ。目標舵角演算部22は、目標経路を実現するための舵角(「目標舵角」とも呼ぶ。)を計算により求める。舵角追従制御部24は、目標舵角演算部22から入力された目標舵角と、身体運動生成部14から入力された操舵トルクとに基づいて、目標舵角を達成するための制御を行う。実施例では、舵角追従制御部24は、車線の中央を走行するための車線維持制御を行う。車線維持制御は、自動運転制御とも言える。舵角追従制御部24は、目標舵角と実際の舵角の偏差が大きいほど、また、操舵トルクが小さいほど、車線維持制御の力を大きくしてもよい。舵角追従制御部24は、車線維持制御の力の大きさに応じたLKA(Lane Keeping Assist)電流を出力する。
操舵アシスト制御部26は、身体運動生成部14から入力された操舵トルクに基づいて、ドライバによる操舵をアシストする制御(「操舵アシスト制御」とも呼ぶ。)を行う。操舵アシスト制御部26は、操舵トルクが大きいほど、操舵アシストの力を大きくしてもよい。操舵アシスト制御部26は、操舵アシストの力の大きさに応じたアシスト電流を出力する。EPSモデル16は、LKA電流とアシスト電流を合成したEPS電流をステアリングモデル18へ入力する。
ステアリングモデル18は、車両のステアリングの挙動を模擬する。ステアリングモデル18は、ゲイン30とステアリング部32を備える。ステアリング部32には、操舵トルク以外の外力として、EPSトルクと反力トルクが入力される。EPSトルクは、EPSがステアリングを回す力である。ゲイン30は、EPS電流を増幅し、EPSトルクの大きさを示す信号をステアリング部32へ入力する。反力トルクは、道路のうねりや傾き等、ドライバの操作とEPS以外の要因がステアリングを回す力である。シミュレーションシステム10では、シミュレーションのシナリオやパターンに応じた様々な波形の反力トルクを示す信号がステアリング部32に入力され得る。
ステアリング部32は、EPSトルク、反力トルク、操舵トルクに基づいて、ステアリングの角度(すなわち舵角)を生成する。ステアリング部32は、生成した舵角を外部へ出力する。例えば、ステアリング部32は、コンピュータの記憶部に、生成した舵角データを逐次記録してもよい。また、ステアリング部32は、ステアリングの舵角を利用する装置やシステム(例えばステアリングの舵角の妥当性を判定する装置や、車両全体の挙動を模擬する装置等)に生成結果としての舵角データを逐次送信してもよい。
図2は、図1の目標設定部12、身体運動生成部14、ステアリングモデル18の詳細を示すブロック図である。目標設定部12は、経路生成部40、目標舵角演算部42、手先位置演算部44、IKM(Inverse Kinematic Model)46を備える。これらのブロックの具体的な機能は後述する。
身体運動生成部14は、目標受信部50、運動指令演算部52、手先力生成部60、出力部62を備える。目標受信部50は、身体の所定部位の目標状態(目標位置とも言える)を受信する。実施例では、目標受信部50は、人の上肢(例えば肩や肘等)の各関節に関する目標状態として、目標関節角度と目標関節角速度とを受信する。
運動指令演算部52は、目標受信部50が受信した目標状態に基づいて、その目標状態に到達するための筋への運動指令を演算する。実施例では、運動指令演算部52は、目標関節角度と目標関節角速度とに基づいて、各関節に対応する筋であり、各関節に予め関連付けられた筋への運動指令を演算する。運動指令演算部52は、ISM(Inverse Static Model)54、FBC(Feed Back Controller)56、FDM(Forward Dynamics Model)58を含む。これらのブロックの具体的な機能は後述する。
手先力生成部60は、第1の生成部として、運動指令演算部52から出力された運動指令と、運動指令から算出される力とは別の外力により生成される身体の所定部位の現在の状態(関節角度や関節角速度等)に基づいて、次時刻における所定部位の運動状態を生成(または推定)する。後述するように、手先力生成部60は、ステアリングモデル18からフィードバックされた情報に基づいて、所定部位の現在の状態を得る。出力部62は、次時刻における身体の所定部位の運動状態に関するデータを出力する。実施例では、手先力生成部60は、次時刻におけるドライバの手先力を生成し、出力部62は、次時刻におけるドライバの手先力をステアリングモデル18へ出力する。
ステアリングモデル18は、図1に示した機能ブロックに加えて、操舵トルク換算部34と手先位置生成部36をさらに備える。操舵トルク換算部34は、公知の換算アルゴリズムに基づいて、身体運動生成部14から入力された手先力を、ステアリング部32に対する操舵トルクに変換する。ステアリング部32は、第2の生成部として、手先力に基づく第1の制御入力値と、手先力とは異なる外力に基づく第2の制御入力値とをもとに、制御対象の移動量を生成する。具体的には、ステアリング部32は、手先力に基づく操舵トルクと、手先力とは異なる外力に基づくトルク(実施例ではEPSトルクおよび反力トルク)とをもとに、ステアリング角度を生成(または推定)する。
手先位置生成部36は、第3の生成部として、ステアリング部32により生成された制御対象の移動量に基づいて、ドライバの現在の手先位置を生成する。具体的には、手先位置生成部36は、ステアリング部32により生成されたステアリング角度に基づいて、現在の手先位置を生成する。手先位置生成部36により生成された現在の手先位置のデータは、身体運動生成部14にフィードバックされる。身体運動生成部14の手先力生成部60は、手先位置生成部36により生成された現在の手先位置と、運動指令とに基づいて、次時刻における手先力を生成する。
以上の構成によるシミュレーションシステム10の動作を説明する。
シミュレーションシステム10のユーザまたは外部装置は、道路情報を目標設定部12に入力する。目標設定部12の経路生成部40は、EPSモデル16の経路生成部20と同様に、道路情報に基づいて目標経路(X、Y、車両の向き)を生成する。目標設定部12の目標舵角演算部42は、EPSモデル16の目標舵角演算部22と同様に、目標経路に基づいて目標舵角δを計算により求める。目標舵角δは、例えば、ステアリングの初期位置から反時計回りに0から+180の値であり、初期位置から時計回りに0から-180の値であってもよい。なお、目標舵角δは、+180より大きい値になってもよく、また、-180より小さい値になってもよい。
目標設定部12の手先位置演算部44は、目標舵角δを実現するための、目標となるドライバの手先位置Ph,rを公知の舵角演算により求める。目標設定部12のIKM46は、逆運動学の手法を用いて、目標となる手先位置Ph,rから、上肢の複数の関節に関する目標関節角度θと目標関節角速度θ・を導出する。IKM46は、目標関節角度θと目標関節角速度θ・を含む目標情報を身体運動生成部14へ出力する。なお、実施例の関節角度は、腕の姿勢を決定する複数の要素として、複数の自由度に対応した複数の関節角度を含んでもよい。4自由度の場合、例えば、θ1(外転・内転)、θ2(肩の屈曲・伸展)、θ3(外旋・内旋)、θ4(肘の屈曲・伸展)を含んでもよい。
身体運動生成部14の目標受信部50は、目標設定部12から出力された目標関節角度θと目標関節角速度θ・を含む目標情報を受け付ける。身体運動生成部14のISM54は、或る関節角度で腕を静止している場合(すなわち関節角速度が0である場合)に、目標関節角度θまで腕を動かすための筋活動量を求める。ISM54は、その筋活動量を実現するための運動指令uISMの値(0~1に正規化した値)を出力する。
身体運動生成部14のFDM58は、手先力生成部60からフィードバックされた直前の関節角度と関節角速度(x)と、運動指令uとをもとに、FBC56による計算時点の(言わば現在の)関節角度と関節角速度を求める(「現在関節角度θ」、「現在関節角速度θ・」と呼ぶ)。身体運動生成部14のFBC56には、目標関節角度θと目標関節角速度θ・に加えて、現在関節角度θと現在関節角速度θ・が入力される。
FBC56は、目標関節角度θと現在関節角度θとの差、および、目標関節角速度θ・と現在関節角速度θ・との差を0にするための筋活動量を求める。FBC56は、その筋活動量を実現するための運動指令uFBCの値(-1~1に正規化した値)を出力する。身体運動生成部14の手先力生成部60には、運動指令uISMの値と運動指令uFBCの値の合計値(ただし合計が負の場合、0とする)が運動指令uとして入力される。運動指令uは、上肢の複数の筋に対する複数の運動指令の値を含む。なお、身体運動生成部14の目標受信部50および運動指令演算部52は、非特許文献1等の公知の技術により実現されてもよい。
手先力生成部60は、運動指令uと、ステアリングモデル18からフィードバックされた現在の手先位置Pとに基づいて、次時刻のドライバの手先力Fを導出する。手先力生成部60は、導出した次時刻のドライバの手先力Fを出力部62に渡す。出力部62は、次時刻のドライバの手先力Fをステアリングモデル18へ出力する。
手先力Fの導出手順を説明する。
(手順1)手先力生成部60は、公知の逆運動学の計算を用いて、現在の手先位置Pから、上肢の各関節に関する現在の関節角度θ、関節角速度θ・、関節角加速度θ・・を導出する。なお、手先力生成部60は、手順1で求めた各関節に関する現在の関節角度θ、関節角速度θ・を上記のxとしてFDM58に送る。
(手順2)手先力生成部60は、式1によりj番目の筋の筋張力Tを求める。
Figure 0007284742000001
は、j番目の筋のバネの弾性(既定値)である。ΔLは、j番目の筋の自然長からの伸びであり、運動指令と関節角度に関する既定の一次式で近似する。Bjは、j番目の筋に関するダンパの粘性であり、運動指令uに関する既定の一次式で近似する。筋の収縮速度ΔL・は、関節角速度に関する既定の一次式とする。
(手順3)手先力生成部60は、関節の回転トルクの値を、筋張力とモーメントアームの積によって計算する。i番目の自由度に関する回転トルクτは式2で求められる。
Figure 0007284742000002
jiは、i番目の回転自由度に対するj番目の筋肉のモーメントアーム(既定値)である。Nは筋肉の総数(既定値)である。
(手順4)手先力生成部60は、式3に示す腕の運動方程式にしたがって、手先力Fを求める。
Figure 0007284742000003
例えば、関節角度θが、θ1(外転・内転)、θ2(肩の屈曲・伸展)、θ3(外旋・内旋)、θ4(肘の屈曲・伸展)を含む場合、M(θ)は、4×4の慣性行列である。h(θ,θ・)は、遠心力とコリオリ力を表す4次元ベクトルである。g(θ)は、重力項を表す4次元ベクトルである。τは、筋が生成する関節トルク(例えば4変数)である。τextは、ステアリングから手先への反力による関節トルク(例えば4変数)である。J(θ)はヤコビ行列である。
ステアリングモデル18の操舵トルク換算部34は、身体運動生成部14から入力されたドライバの手先力Fを操舵トルクTに換算し、操舵トルクTの大きさを示す信号をステアリング部32へ入力する。図1に関連して説明したように、ステアリング部32には、EPSモデル16から出力されたEPS電流に基づくEPSトルク(TEPS)の大きさを示す信号と、シミュレーションにおける反力トルク(TRF)の大きさを示す信号とがさらに入力される。
ステアリングモデル18のステアリング部32は、予め定められたステアリングの運動方程式にしたがって、EPSトルク、反力トルク、操舵トルクから、EPS、反力、およびドライバ操作の組み合わせの結果としてのステアリング角度δとステアリング角速度δ・を導出する。例えば、EPSトルクが大きい場合、ドライバの意図(手先力F)を超えて、ステアリング角度δが大きくなることがある(δ>δ)。一方、反力トルクが大きい場合、ドライバの意図(手先力F)に反して、ステアリング角度δが小さくなることがある(δ<δ)。
ステアリングモデル18の手先位置生成部36は、公知の舵角演算により、ステアリング角度δとステアリング角速度δ・に対応するドライバの現在の手先位置Pを求める。手先位置生成部36は、現在の手先位置Pを身体運動生成部14(手先力生成部60)に出力する。
既述したように、手先力生成部60は、現在の手先位置Pから現在の上肢の関節角度θ等を導出する。EPSトルクや反力トルク等、外力の影響により、現在の上肢の関節角度θは、身体運動生成部14に入力された目標関節角度θに整合しないことがある。シミュレーションシステム10では、現在の上肢の関節角度θが目標関節角度θに整合するように、手先力生成部60~手先位置生成部36のループが繰り返し実行される。
次に、シミュレーションシステム10を用いた実験結果を説明する。
図3は、シミュレーションパターンを示す。
車両70が走行する道路:直線
車両70の速度:60km/時
車両70の操舵パターン:車線中央からの横偏差が±0.2mになるように、0.2Hzでsin状に操舵する。
ステアリングの把持位置:ステアリング角度0degのときにステアリングの一番上を右手で把持する。
電動パワーステアリング(EPS)の動作:アシスト制御(ドライバの操舵のアシスト)と、車線維持制御(車線中央を走行するための制御)。
シミュレーションでの変数定義は以下の通りである。
hand_pos_x_m:X軸方向の手先位置(単位:m)
hand_pos_y_m:Y軸方向の手先位置(単位:m)
hand_pos_z_m:Z軸方向の手先位置(単位:m)
hand_force_N:接線方向の手先力(単位:N)
str_trq_Nm:ドライバによる操舵トルク(単位:Nm)
str_ang_deg:ステアリング角度(単位:deg)
lat_off_m:車線中央からの横偏差(単位:m)
手先力、操舵トルク、ステアリング角度は、反時計回りを正とする。
横偏差は、車線中央に対して左側を正とする。
図4は、グローバル座標系の定義を示す。グローバル座標系Σの原点Oの位置は、肩の位置とする。Σの座標軸は、Xが上方向(superior)、Yが外方向(lateral)、Zが前方向(anterior)とする。
図5(a)~(g)は、実験結果としての各変数の時系列データを示す。図5(a)は、hand_pos_x_mの時系列データを示し、図5(b)は、hand_pos_y_mの時系列データを示し、図5(c)は、hand_pos_z_mの時系列データを示している。hand_pos_x_m、hand_pos_y_m、hand_pos_z_mは、ステアリングモデル18からフィードバックされるPに相当する。図5(d)は、hand_force_Nの時系列データを示している。hand_force_Nは、手先力生成部60により生成される手先力Pに相当する。
図5(e)は、str_trq_Nmの時系列データを示している。str_trq_Nmは、hand_force_N(手先力P)に基づき操舵トルク換算部34が導出した操舵トルクTである。図5(f)は、str_ang_degの時系列データを示している。str_ang_degは、ステアリング部32により導出されたステアリング角度δである。図5(g)は、lat_off_mの時系列データを示している。lat_off_mは、str_ang_degに追従して変化していく。
実施例の身体運動生成部14によると、3次元のタスク空間での到達運動において、身体の部位の目標状態(例えば目標関節角度や目標関節角速度等)を与えるだけで、途中の部位の起動や関節角度の軌道を指定することなく、冗長自由度を有する筋骨格系の到達運動を生成することができる。また、身体運動生成部14は、筋への運動指令uに基づき身体の動きを生成するため、関節の自由度を容易に拡張することができる。また、身体運動生成部14は、力場下の運動であっても、力場の知識を必要とせず運動を生成することができる。
また、実施例のシミュレーションシステム10によると、人の操作を伴う装置やシステムの動作を効率的に確認できる。例えば、シミュレーションシステム10を用いた実験で示したように、操舵パターンが与えられた場合に、外力も加味して腕の動きを生成し、また、ステアリングの状態を生成できる。これにより、例えば、EPSのモジュール(経路生成部20、目標舵角演算部22、舵角追従制御部24、操舵アシスト制御部26等)のアルゴリズムや制御が正しいか否かの確認を低コストで実現できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施例の身体運動生成部14は人の腕の動きを生成したが、実施例に記載の技術思想は、これに制限されない。実施例に記載の技術思想は、外力を加味して人の筋骨格系の動きを生成すること全般に適用可能である。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
10 シミュレーションシステム、 14 身体運動生成部、 18 ステアリングモデル、 32 ステアリング部、 36 手先位置生成部、 50 目標受信部、 52 運動指令演算部、 60 手先力生成部、 62 出力部。

Claims (9)

  1. 身体の所定部位の目標状態を受信する目標受信部と、
    前記所定部位の目標状態に基づいて、筋への運動指令を演算する運動指令演算部と、
    前記運動指令と、前記運動指令から算出される力とは別の外力により生成される前記所定部位の現在の状態とに基づいて、次時刻における前記所定部位の運動状態を生成する生成部と、
    前記次時刻における前記所定部位の運動状態に関するデータを出力する出力部と、
    を備える身体運動生成装置。
  2. 上肢の目標関節角度と目標関節角速度とを受信する目標受信部と、
    前記目標関節角度と前記目標関節角速度とに基づいて、筋への運動指令を演算する運動指令演算部と、
    前記運動指令に基づいて、手先力を生成する第1生成部と、
    前記手先力に基づく第1の制御入力値と、前記手先力とは異なる外力に基づく第2の制御入力値とをもとに、制御対象の移動量を生成する第2生成部と、
    前記制御対象の移動量に基づいて、現在の手先位置を生成する第3生成部と、
    を備え、
    前記第1生成部は、前記第3生成部により生成された現在の手先位置と、前記運動指令とに基づいて、次時刻における手先力を生成する身体運動生成装置。
  3. 前記目標状態は目標関節角度と目標関節角速度とを含む請求項1に記載の身体運動生成装置。
  4. 前記第1の制御入力値は操舵トルクであり、前記第2の制御入力値は前記操舵トルクとは別のトルクであり、前記制御対象はステアリングであり、前記制御対象の移動量は前記ステアリングの角度である請求項2に記載の身体運動生成装置。
  5. 前記外力は、電動パワーステアリングのトルクと路面反力トルクの少なくとも一方を含む請求項2または4に記載の身体運動生成装置。
  6. 前記パワーステアリングのトルクは、少なくとも目標舵角を達成するための舵角追従制御部とドライバによる操舵をアシストする操舵アシスト制御部とを含むEPSモデルにより算出される請求項5に記載の身体運動生成装置。
  7. 前記運動指令演算部は、ISMとFBCとFDMとを含む請求項1から6のいずれか1項に記載の身体運動生成装置。
  8. 身体の所定部位の目標状態を受信するステップと、
    前記所定部位の目標状態に基づいて、筋への運動指令を演算するステップと、
    前記運動指令と、前記運動指令から算出される力とは別の外力により生成される前記所定部位の現在の状態とに基づいて、次時刻における前記所定部位の運動状態を生成するステップと、
    前記次時刻における前記所定部位の運動状態に関するデータを出力するステップと、
    をコンピュータが実行する身体運動生成方法。
  9. 身体の所定部位の目標状態を受信する機能と、
    前記所定部位の目標状態に基づいて、筋への運動指令を演算する機能と、
    前記運動指令と、前記運動指令から算出される力とは別の外力により生成される前記所定部位の現在の状態とに基づいて、次時刻における前記所定部位の運動状態を生成する機能と、
    前記次時刻における前記所定部位の運動状態に関するデータを出力する機能と、
    をコンピュータに実現させるための身体運動生成プログラム。
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