JP7284654B2 - 設計支援システム、設計支援方法及び設計支援プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、設計支援システム、設計支援方法及び設計支援プログラムに関する。
製品設計において、3次元CAD(Computer Aided Design)が普及している。3次元CAD(以下、3DCADと表記する)は、設計者が設計する部品、部材等を3次元空間での立体モデルとして設計するツールであり、多くの企業の設計部門にて使用されるようになっている。しかし、3DCADにおいては計算機上で自由に仮想の立体モデルを作成できる一方、設計者は多数存在するルールを遵守しながら、部品形状を設計しなければならない。例えば、材料が樹脂である板状部品の場合、3DCAD上では板状部品の厚みを自由に設定可能であるとしても、厚すぎると成型工程において均一に冷却されず、製造工程で不具合が生じやすい。このため製品設計においては、例えば「樹脂設計においてはその厚みをある一定以内で作成しなければならない」といったルールが存在している。このように設計者が守るべきルールをここでは設計要件と呼ぶ。
非特許文献1には、設計要件を3DCAD上で自動的にチェックして、違反箇所をハイライト表示することが開示されている。
さらに、特許文献1には、CAD上での操作を記録させて同様の作業を自動化するため特許文献1には、マクロ機能を備えた表計算ソフトを用いて、仕様に従った図面を短時間に作成する図面作成ソフトが開示されている。
HARIYA, M. et al., "Technique for Checking Design Rules for Three-Dimensional CAD Data", Proc. IEEE Conf. Computer Science and Information Technology (ICCSIT), pp. 296-300, 2010
非特許文献1では、データベースに蓄積した設計ルールをもとに、チェックプログラムによって自動チェックを行う。このため、設計ルールの追加、見直しが発生した場合には、データベースおよびチェックプログラムの追加・修正が必要となる。
設計ルールの追加・修正のたびに、チェックプログラムの開発担当者へ依頼すると、そのやり取りに時間を要してしまう。このため、チェック作業を実施する設計者自らがチェックプログラムの追加・修正できた方が望ましい。しかし、このチェックプログラムの追加・修正には、幾何形状を計算する知識やプログラミング言語等の専門的な知識を要するため、設計者自らがチェックプログラムの追加・修正することは難しい。
特許文献1においても、一度作成された既存のマクロを別の製品のCAD形状に流用する場合、デザインや仕様の変更に伴う形状やレイアウトの変更に加えて、部品の追加・削除により、マクロ実行エラーやマクロ編集等の見直し、修正作業が発生する。このため、非特許文献1と同様に、プログラムの専門的な知識を要し、設計者自らがチェックプログラムを追加・削除することは難しい。
本発明は、プログラミング言語やマクロ等の専門知識なしでチェックプログラムの実装を支援することを目的とする。
本発明の一実施の態様である設計支援システムは、3DCADデータが設計要件を満たしているかを検証する設計支援システムであって、3DCADデータまたは3DCADデータから抽出された特徴量に対する処理を行う関数を複数格納する関数データベースと、3DCADデータの寸法計測を行う手順を、関数データベースに格納された関数の順列として定義する関数フローの情報を格納する関数フローデータベースと、設計支援装置と、を有し、設計支援装置は、関数データベースに格納された関数を用いて3DCADデータから設計要件を検証するための検証特徴量を求める手順、及び当該検証特徴量に基づき当該設計要件の違反有無を判定する違反情報を定義するルールファイルを作成するにあたり、関数フローデータベースに格納された関数フローの情報を用いて3DCADデータの寸法計測を行う手順を設定可能とされており、関数フローデータベースは、3DCADデータを3DCADにより寸法計測を行った操作ログファイルの共通性に基づいて分類される属性ごとに、1または複数の関数フローの情報を対応付けて格納している。
プログラミング言語やマクロ等の専門知識不要で、設計検証を行うルールファイルの作成が容易になる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
図1Aに本実施例による設計支援装置が使用される設計環境の一例を示す。設計システム100は3DCADを用いて部品や部材の3次元形状を設計する設計装置101を有する。3DCADデータベース102には設計装置101により設計された設計対象の形状情報(立体モデル)である3DCADデータが格納されている。また、3DCAD属性データベース103には設計対象の名称や属性情報が格納されている。DB102に格納される3DCADデータは、設計対象を面、線、点により表現した形状情報だけであるので、3DCADデータに紐づけて、形状情報以外の属性情報がDB103に格納される。操作ログデータベース104には、設計者が設計装置101(3DCAD)の操作を行って3DCADデータ(立体モデル)の寸法計測を行ったとき、操作日時や操作コマンド、その他の情報を含む操作ログファイルが時系列に格納される。
設計支援システム120は、設計装置101が設計した3DCADデータが当該設計対象に適用される設計要件を満たしているかどうかを検証する設計支援装置121を有する。設計要件データベース122は設計部門あるいは設計者が設計対象に対して遵守するよう求めている設計要件が格納されている。設計要件は、設計対象個別に定められているものであっても、多数の設計対象に共通に定められているものであってもよい。また、ここでは電子ファイルとしてデータベース化されている例を示しているが、ルールファイル化される設計要件は紙媒体により、あるいはノウハウとして保持されている設計要件であってもよい。設計要件がどのような媒体で保持されているかは問わず、本実施例の設計支援装置121は、設計要件をルールファイルデータベース124に格納されるルールファイル(定義書)に落とし込み、ルールファイルに定められた手順にしたがって3DCADデータを検証することにより、設計した立体モデルが設計要件に対して違反していないかどうかをチェックする。詳細は後述するが、本実施例では、関数データベース123に格納された関数(プログラム)をルールファイルに定義される順番にしたがって3DCADデータに適用することにより設計検証を行う。また、関数フローデータベース125には、設計者がルールファイルを作成するのを容易にするため、操作ログと一連の関数の適用順序とを対応付けるための情報が格納されている。
図1Bに、関数データベース123に格納される関数(プログラム)の例を示す。関数は、設計検証を行う際、3DCADデータに対して実行する所定の基本的な処理をプログラム化したものである。具体的には、幾何形状探索カテゴリ131、特徴量演算カテゴリ132、数値演算カテゴリ133の3カテゴリの関数がある。幾何形状探索カテゴリ131には、面、線、点で構成されている3DCADデータ(立体モデル)から、設計要件に規定される特徴形状に応じた幾何形状を探索するための関数が含まれている。特徴量演算カテゴリ132には、特徴形状に関する距離、大きさ、角度など、特徴形状を特徴づける特徴量を演算するための関数が含まれている。数値演算カテゴリ133には、数値演算を行う関数が含まれている。図1Bに示されるブロックが1つ1つの関数であり、ブロック内の名称は当該関数の機能を表している。設計者は、設計を検証する手順を、これら関数の順列としてルールファイルに定義する。これにより、設計者はプログラミング言語やマクロ等の専門知識がなくても、設計支援システム120上で3DCADデータの設計検証を実行できる。さらに、本実施例の設計支援システム120では、設計者が3DCADで実行する寸法計測操作をガイドにルールファイルを作成することを可能にする。これにより、設計支援システム120の関数について知識の乏しい設計者であっても、設計支援システム120を用いて設計要件をルールファイル化し、3DCADデータの設計検証を実行することができる。
設計システム100と設計支援システム120とはネットワーク110で接続されていることが望ましい。設計装置101を使用する設計者は、設計要件DB122にアクセスし、設計中の部品や部材など(設計対象)に適用される設計ルールを参照することができる。
図2に、設計装置101または設計支援装置121として機能する情報処理装置200のハードウェア構成例を示す。情報処理装置200は、プロセッサ201、主記憶202、補助記憶装置203、入出力インタフェース204、表示インタフェース205、ネットワークインタフェース206、入出力(I/O)ポート207を含み、これらはバス208により結合されている。入出力インタフェース204は、キーボードやマウス等の入力装置210と接続され、表示インタフェース205は、ディスプレイ209に接続され、GUI(Graphical User Interface)を実現する。ネットワークインタフェース206はネットワーク110と接続するためのインタフェースである。補助記憶装置203は通常、HDD、SSDやROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成され、設計装置101あるいは設計支援装置121が実行するプログラムやプログラムが処理対象とするデータ等を記憶する。主記憶202はRAMで構成され、プロセッサ201の命令により、プログラムやプログラムの実行に必要なデータ等を一時的に記憶する。プロセッサ201は、補助記憶装置203から主記憶202にロードしたプログラムを実行する。情報処理装置200は例えば、PC(Personal Computer)やサーバにより実現できる。
補助記憶装置203には、情報処理装置200を設計装置101または設計支援装置121として機能させるためのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、I/Oポート207に接続された光学ドライブを介してCDやDVDなどの光学的記録媒体に記憶された、あるいは外付けのHDDを介して磁気記録媒体に格納されたプログラムを補助記憶装置203に格納してもよいし、ネットワーク110を介して補助記憶装置203に格納してもよい。補助記憶装置203には、補助記憶装置203に格納されたプログラムが使用するデータやプログラムも格納される。なお、本実施例では設計装置101または設計支援装置121の機能は、補助記憶装置203に格納されたプログラムがプロセッサ201によって実行されることで、定められた処理を他のハードウェアと協働して実現される。コンピュータなどが実行するプログラム、その機能、あるいはその機能を実現する手段を、「機能」、「部」、「モジュール」等と呼ぶ場合がある。
以下、設計支援システム120により、設計対象の設計検証を行うプロセスを、(1)関数フロー作成プロセス、(2)ルールファイル作成プロセス、(3)設計検証プロセスの3つに分けて説明する。図8に設計支援装置121の補助記憶装置203に格納されるプログラム及びデータを示す。関数フロー管理プログラム800は、関数フロー作成プロセス及びルールファイル作成プロセスに使用され、ルールファイル作成プログラム820は、ルールファイル作成プロセスに使用され、設計検証プログラム840は、設計検証プロセスに使用される。それぞれの詳細については、各プロセスの説明において行う。
(1)関数フロー作成プロセス
ルールファイルの作成は、設計対象に適用される設計要件の内容を知悉している設計者が作成することが適切である。一方、関数は多種多様な立体モデルに適用可能とするために汎用性、抽象度が高いため、関数についての知識に乏しい設計者が、設計要件をゼロからルールファイル化することは難しい。そこで、本実施例では、設計者が3DCADデータに対して行う寸法測定操作の手順をあらかじめ複数の関数の順列(これを「関数フロー」と称する)として、あらかじめ定義しておく。設計者は、関数フローを利用することで、3DCADによる寸法計測操作を思い描きながら、あるいは寸法計測操作の記録(操作ログファイル)から直接的に関数フローを呼び出すことにより、ルールファイルの作成を行うことができる。
ルールファイルの作成は、設計対象に適用される設計要件の内容を知悉している設計者が作成することが適切である。一方、関数は多種多様な立体モデルに適用可能とするために汎用性、抽象度が高いため、関数についての知識に乏しい設計者が、設計要件をゼロからルールファイル化することは難しい。そこで、本実施例では、設計者が3DCADデータに対して行う寸法測定操作の手順をあらかじめ複数の関数の順列(これを「関数フロー」と称する)として、あらかじめ定義しておく。設計者は、関数フローを利用することで、3DCADによる寸法計測操作を思い描きながら、あるいは寸法計測操作の記録(操作ログファイル)から直接的に関数フローを呼び出すことにより、ルールファイルの作成を行うことができる。
図3に、設計装置101が操作ログを記録し、操作ログファイルを操作ログDB104に格納する処理フローを示す。設計者は、3DCAD上で、設計仕掛中の3DCADデータに対して設計ルール違反となる形状がないか、設計対象の寸法測定操作を実施し、設計ルールとの照合作業を行う。このとき、設計者は設計要件DB122にアクセスすることで、設計対象に適用される設計ルールを網羅的に抽出することができる。設計対象の寸法測定は3DCADプログラムの機能を利用して行うため、設計装置101の3DCADプログラムに図3の処理を実行するモジュール(「操作ログ記録モジュール」という)をプラグインし、設計装置101における操作ログ情報を記録する。
設計者は、3DCADデータの寸法測定操作を実行するにあたり、操作ログ記録モジュールを起動し、操作ログ記録モジュールは、CADオペレータ画面上での操作履歴を操作ログファイルとして自動的に記録する(S100)。図4に、設計者が設計対象である板金部品について寸法計測を行うときのCADオペレータ画面400の例を示す。設計者は、立体モデル画像401に示される板金部品に設けられる丸穴の間隔についての寸法計測を行っている。図4には、設計者が丸穴402と丸穴403とを選択し、その間の距離を測定する操作を行った結果として、CADオペレータ画面400には、測定対象リスト410および測定結果411が表示される。3DCADデータでは、金属板に設けられる穴は面として扱われるため、測定対象リスト410では、丸穴402、丸穴403はそれぞれ、「面1」、「面2」として表示されている。測定対象リスト410中、項目「測定対象」、「モデル」、「種別」はそれぞれ3DCAD属性DB103から抽出される属性データであり、項目「面種」、「直径」、「板厚」は3DCADプログラムがバックグラウンドで実行する形状認識により得られる情報である。測定結果411は、計測された丸穴間の中心距離、XYZの絶対座標軸の成分別の距離、丸穴間の最小距離、最大距離などが結果として出力される。また、立体モデル画像401上には、計測個所を示す2つの丸穴の中心間を結ぶ直線404が強調表示される。
S100において記録される操作ログファイルの例を図5に示す。1行目には、操作情報502が記録され、2行目~3行目には、測定対象情報503(図4の測定対象リスト410に相当)が記録され、4行目には測定結果情報504(図4の測定結果411に相当)が記録されている。また、各行の先頭には記録された日時を示す日時情報501が記録されている。なお、図5の例では、カンマ区切りで識別されるフォーマットで記録されているが、操作ログファイルのフォーマットに特に制約はない。
このように、寸法測定操作を記録する操作ログファイル500には、操作内容、モデル情報、形状種類、形状情報、操作結果が含まれる。操作内容には、操作日時(日時情報501)や操作ディレクトリ、操作コマンド(操作情報502)が含まれている。モデル情報には、測定対象やモデル名など(測定対象情報503)が含まれており、形状種類には、測定対象の幾何的な形状情報、例えば点か線か面という種別の情報(測定対象情報503)や、選択された形状の種別が面であれば、平面か曲面かあるいは円筒面などの面種の情報(測定対象情報503)が含まれており、形状情報には、測定対象の直径、板厚、絶対座標、相対座標(立体モデルのX,Y,Z方向の大きさをそれぞれ1として正規化したときの座標)などの情報(測定対象情報503)が含まれている。操作結果には、寸法を測定した際の測定結果(測定結果情報504)が含まれる。
寸法計測が完了すると、設計者が3DCADプログラムを用いて行った測定内容を確認するため、操作ログ記録モジュールは、図6に示すように測定内容確認画面600を提示する(S101)。設計者は、寸法測定した内容を測定内容確認画面600に表示された選択肢の中から選択する。操作ログ記録モジュールは、選択された測定内容と関連付けて操作ログファイルを補助記憶装置203に格納する(S102)。測定内容確認画面600の操作タイミングと操作ログファイルの日時情報501とに基づき、関連付けは容易に行える。
設計者が引き続き、寸法計測を続ける場合(S103でNo)には、操作ログ記録モジュールは、CADオペレータ画面上での操作履歴の記録を継続する。例えば、設計者が、図4に示したCADオペレータ画面400上で丸穴405と丸穴406とを選択し、その間の距離を測定する操作を行ったとする。この場合、図4に示した丸穴402と丸穴403との間の間隔の寸法計測と同様に、測定対象リスト、測定結果が画面上に表示され、操作ログファイルが記録され、測定内容の確認及び操作ログファイルとの関連付けが行われる。関連付けられた操作ログファイルは、日時情報501に基づき、時系列に格納される。
操作ログ記録モジュールは、測定内容の関連付けが行われた操作ログファイルを、操作ログデータベース104に登録する。図7に操作ログDB104のデータ構造例を示す。ここで、No.1(カラム701)の操作ログファイル(ログファイル名「20180911144816.log」)は図4に示した板金部品の丸穴402と丸穴403との間隔を計測した操作ログファイルであり、No.2の操作ログファイル(ログファイル名「20180911165711.log」)は図4に示した板金部品の丸穴405と丸穴406との間隔を計測した操作ログファイルである。操作ログDB104は、後述する共通性を有する操作ログファイルの抽出作業を容易にするために、格納した操作ログファイルの摘要を示す複数のカラムを設けている。カラム703は操作内容であり、操作コマンドID情報703aとモデル情報703bとを含む。操作コマンドID情報703aは操作ログファイルの操作情報502、モデル情報703bは操作ログファイルの測定対象情報503から得ることができる。カラム704は形状種類であり、操作ログファイルの測定対象情報503から得ることができる。カラム705は形状情報(座標)であり、絶対座標情報705aと相対座標情報705bとを含む。座標情報のいずれも操作ログファイルの測定対象情報503から得ることができる。なお、図7に示したカラムの項目は一例であり、例示した項目のカラムを設けなければならないものではなく、また例示した項目の他にも測定内容などのカラムを設けてもよい。
関数フロー管理プログラム800は、共通操作演算部811、関数フロー検索部812を有している(図8参照)。
共通操作演算部811は、操作ログDB104に格納された複数の操作ログファイルに対して、操作内容、形状種類、形状情報、測定内容の4つの観点から、共通する操作ログファイルを共通操作ログとして共通操作ファイル900を出力する。図9に共通操作ファイル900のデータ構造を示す。共通であると判定された操作内容、形状種類、形状情報、測定内容の内容がそれぞれカラム902~905に登録され、それら4つの観点から共通と判断された操作ログファイルの名称がカラム901に登録される。
操作内容の共通性は、操作ログDB104のカラム703の内容から判定できる。操作コマンドID情報703a及びモデル情報703bの双方が一致している場合、操作内容が共通であると判断し、いずれかあるいは双方とも不一致の場合、操作内容が共通ではないと判断する。
形状種類の共通性は、操作ログDB104のカラム704の内容から判定できる。測定対象である測定1と測定2の形状種類の組み合わせが一致している場合、操作内容が共通であると判断し、組み合わせが不一致の場合、操作内容が共通ではないと判断する。
形状情報の共通性は、さらに計測対象の座標情報と形状情報(狭義)の2観点から判定できる。座標情報の共通性は、操作ログDB104のカラム705の内容から判定する。具体的には、絶対座標や相対座標の値が所定のしきい値を満足するかを判定する。例えば、図4に示す丸穴402と丸穴403の組み合わせと丸穴405と丸穴406の組み合わせは、Y軸およびZ軸の相対座標が近くに位置しており、しきい値0.5と定義した場合、Y軸およびZ軸の相対座標の差がしきい値0.5以内を満足するため、丸穴402と丸穴403の組み合わせと丸穴405と丸穴406の組み合わせとの間には共通性があると判定する。
形状情報(狭義)の共通性は、3DCADデータに対して公知の形状認識処理を実施し、穴部、端部、突起部、フィレット部などの幾何的な特徴を持った形状に対して、所定の長さや距離、径、曲率などの特徴量を計算し、特徴量の近似性から、計測対象の幾何的形状の共通性を判定できる。例えば、図4に示す丸穴402と丸穴403の組み合わせと丸穴405と丸穴406の組み合わせは、どちらもZ軸方向に貫通する円筒面形状であり、相互にX軸方向の同座標軸上に中心を有する形状の組み合わせであり、共通性があると判定する。
測定内容の共通性は、操作ログファイルに関連付けた測定内容が一致している場合には、測定内容に共通性があると判断する。
任意の2つの操作ログファイルが、これらの4つの観点についてすべて共通性ありと判定される場合には共通性ありと判定し、いずれか一つでも共通性を有さないと判断される場合には、共通性なしと判定する。共通操作ファイル900には、共通性ありと判断された操作ログファイルごとに分類して、纏められる。共通性の高いログファイルとしてまとめられた分類(これを「属性」と称する)ごとに属性ID906が付される。
なお、ある属性に対応する操作ログファイルは、多くの観点で共通性を有する操作ログファイルに絞り込まれていることが望ましいが、必ずしも4つの観点の全てで共通でなくとも、操作内容の共通性、形状種類の共通性、形状情報の共通性、測定内容の共通性のいずれか1つ以上の共通性に基づき分類するのでよい。また、列挙した4つの観点と異なる観点の共通性を追加して分類することも許容される。
設計支援システム120を構築するときには、あらかじめ設計者に3DCAD上で任意の3DCADデータに対して設計ルールを検証するための寸法計測を実行してもらうことで、共通操作ファイル900を作成する。設計支援システム120の関数を熟知した担当者は、属性IDごとに操作ログファイルに記録された操作内容を実行する関数フローを設定する。
もし、1つの操作ログファイルから関数フローを設定するならば、3DCAD上で設計対象の形状がある設計要件を満足しているか手動でチェックするときに、対象形状を見やすい位置へ移動したり、回転させたりといった、寸法計測とは関係ない操作が含まれる可能性もある。これに対して、1つの属性IDに含まれる複数の操作ログファイルを元に関数フローを設定することにより、操作内容の共通性、形状種類の共通性、形状情報の共通性、測定内容の共通性といった複数の観点から共通性を有するとしてまとめられた複数の操作ログファイルから共通の操作を抽出し、必要最小限の関数の順列として定義することが可能になる。また、1つの属性IDに含まれる複数の操作ログファイルであるにもかかわらず、共通の操作が抽出できないということであれば、設計者によって同じ寸法計測を異なる手順で実施しているということになり、寸法計測方法についての新たな気づきを得られる可能性がある。
図10に、関数フローDB125に格納される関数フローテーブル1000のデータ構造を示す。属性ID(カラム1003)ごとに、当該属性IDを有する操作ログに対応する関数フローの関数フローIDが登録されている(カラム1004)。なお、属性IDを特徴づける項目についてのカラム1001~1002が設けられている。この例では、カラム1001~1002は形状情報(狭義)を示しているが、これには限られない。後述する関数フロー検索部812による検索が容易となるようなデータ構造とすればよい。
図11に関数フローDB125に格納される関数順列情報テーブル1100のデータ構造を示す。関数フローID(カラム1101)ごとに関数の順列の内容が登録されている(カラム1102)。カラム1102に指定されている符号はそれぞれ関数を示すものであり、カラム1102のサブカラム1~7の順に、指定された符号の関数を実行することを意味する。カラム1103には関数フローの選択のために表示する関数フローの概要を示す情報が登録されている。この例では測定内容が登録されているが、より詳細な内容が登録されていてもよい。
関数フローテーブル1000および関数順列情報テーブル1100は、設計支援システム120の管理者により新規追加、編集、削除等も行うことができる。例えば、既に実装実績のある設計ルールとそのルールファイルとの関係から、その中に含まれる関数の順列を遡って関数フローとして関数順列情報テーブル1100に追加してもよい。テーブル編集時には、例えばすでに同じ関数の順列がデータベースに登録されている場合は、既に同様のデータが存在するという警告メッセージを提示したり、所定の関数フローを定石として登録し、その定石に似た関数の順列を関数フローとして登録しようとすると、定石を使用するよう警告メッセージを提示したりすることも可能である。これにより、類似の関数の順列が関数フローとして数多く登録されることを防止し、寸法計測手順の標準化を図ることができる。
(2)ルールファイル作成プロセス
ルールファイル作成プロセスは、設計支援装置121がルールファイル作成プログラム820(図8参照)を実行することによって実現される。上述のように設計部門において様々な媒体に保持されている設計要件から、ルールファイル作成プロセスでは、3DCADの形状情報を検証する手順を定義するルールファイルを生成する。一般に、設計要件には設計対象(部品、部材)が遵守すべき内容が記載されているのみであり、形状情報から違反箇所を特定するには、3DCADデータから寸法測定するためのロジックや、違反か否かを判定する判定基準を手順として定義する必要がある。これにより、設計者は3DCADデータについて設計要件を満たしているか、設計支援システム120上で検証することが可能になる。本実施例では、関数フロー作成プロセスによってあらかじめ登録された関数フローをルールファイルの作成に利用することで、設計支援システム120に不慣れな設計者であっても、ルールファイルの作成を容易に行うことができる。
ルールファイル作成プロセスは、設計支援装置121がルールファイル作成プログラム820(図8参照)を実行することによって実現される。上述のように設計部門において様々な媒体に保持されている設計要件から、ルールファイル作成プロセスでは、3DCADの形状情報を検証する手順を定義するルールファイルを生成する。一般に、設計要件には設計対象(部品、部材)が遵守すべき内容が記載されているのみであり、形状情報から違反箇所を特定するには、3DCADデータから寸法測定するためのロジックや、違反か否かを判定する判定基準を手順として定義する必要がある。これにより、設計者は3DCADデータについて設計要件を満たしているか、設計支援システム120上で検証することが可能になる。本実施例では、関数フロー作成プロセスによってあらかじめ登録された関数フローをルールファイルの作成に利用することで、設計支援システム120に不慣れな設計者であっても、ルールファイルの作成を容易に行うことができる。
ルールファイル作成プログラム820は、基本情報設定部831、ロジック設定部832、違反情報設定部833を有している。図12に、3DCADの設計対象(部品、部材等)に対して適用される設計要件が遵守されているか検証するためのルールファイルを作成するフローを示す。ルール基本情報、ルール実行処理順列情報、関数入出力設定情報、違反通知情報、違反判定情報の5種類の情報を、図12のフローに沿って順次設定していくことで、ルールファイルが作成される。
図13にルールファイル作成画面1300を示す。ルールファイル作成画面1300には複数の情報設定ボタン1311~1315が設けられている。情報設定ボタン1311~1315はそれぞれ図12の作成フローのステップS200~S204に対応している。情報設定ボタンをクリックすることにより、情報を設定するためのボックスが開かれ、設計者はボックスに必要な情報を設定することにより、ルールファイルを作成することができる。
設計者が情報設定ボタン1311をクリックすると、基本情報設定部831はルール基本情報を設定する(S200)ための情報入力画面を開く。ルール基本情報としては、ルールファイルを作成する設計要件の名称、分類、設計対象、簡単な説明を含むことが望ましい。
設計者が情報設定ボタン1312をクリックすると、ロジック設定部832はルール実行処理順列情報を設定する(S201)ための情報入力画面1400を開く。情報入力画面1400(以下、「関数順列定義画面」という)を図14に示す。ステップS201において、設計者は、設計要件の検証を実行する手順を、関数の順列として定義する。具体的には、順列ボックス1401に関数リスト画面1403に表示される関数を選択する。関数リスト画面1403には、カテゴリごとに関数DB123に登録されている関数(プログラム)の符号と名称とを表示したブロックが表示されており、ブロックをクリックすることで第1の順列ボックスから順に関数を特定する符号(図14の例では「1J」)が入力される。なお、必要に応じて順列追加ボタン1402をクリックすることにより、順列ボックス1401が追加で開かれ、設定する関数の順列数を増やすことができる。本実施例では、関数を1つ1つ選択するための関数リスト画面1403に加えて、関数フロー呼出ボタン1404が設けられている。設計者が関数フロー呼出ボタン1404を押下すると、関数フロー呼出画面1500を表示する。図15に関数フロー呼出画面1500が表示された状態を示す。
ロジック設定部832は、操作内容、形状種類、座標情報、測定内容などのキーワードから属性の絞り込みを行い候補となる関数フローを絞り込んで関数フロー呼出画面に表示するようにしてもよく、過去の操作ログファイルの属性IDに対応する関数フローを関数フロー呼出画面に表示するようにしてもよい。前者は、複雑な計測手順を必要とする設計要件のルールファイルの作成に適しており、後者は比較的単純な計測手順で実行できる設計要件のルールファイルの作成や、設計支援装置121に不慣れな設計者がルールファイルを作成するのに適している。ロジック設定部832は、関数フロー呼出画面1500に入力された検索キーを、関数フロー管理プログラム800の関数フロー検索部812に受け渡し、検索された関数フロー候補を関数フロー呼出画面1500に表示する。このとき、操作ログファイルの属性を定義した共通性の観点に重み付けをして、類似性が高いと判定された属性の関数フロー候補を優先的に関数フロー呼出画面1500に表示するようにしてもよい。なお、図15に示す関数フロー呼出画面1500は後者の例であり、過去の操作ログファイルをキーとして検索された関数フロー候補群1502が表示された例を示している。
候補群1502のうち、特定の関数フロー1503(この例では「RSS0103」)を特定することにより、関数フローRSS0103として登録された関数の順列が順列ボックス1401に自動的に入力される。関数フローRSS0103は、「1J」、「1A」、「1F」、「2P」、「2Z」という関数の順列として定義されている。関数「1J」は、属性形状を探索する関数であり、例えば、板金形状という属性に基づきチェックする設計対象を絞り込む。関数「1A」は、相対座標を探索する関数であり、チェックする設計対象の部位を相対座標により指示する。関数「1F」は、穴を探索する関数であり、関数「2P」は、探索した穴の中心を演算する関数であり、関数「2Z」は、演算した穴中心の線と線との距離を演算する関数である。この順に関数(プログラム)を実行することで、3DCADデータの「2つの丸穴の中心間の距離」を設計支援装置121により測定することが可能になる。
設計要件の検証のための関数の順列が定義されると、各関数に対する入出力パラメータを設定する。前述したように、関数として定義される手順の内容は、多種多様な立体モデルに適用可能とするための汎用性を有している。また、前段の関数の処理結果を入力として、次段の関数の処理を行うことも多い。このため、関数はそれぞれ入出力パラメータを有しており、各関数の入出力パラメータを設計要件の内容に即して設定する必要がある。
設計者がルールファイル作成画面1300の情報設定ボタン1313をクリックすると、ロジック設定部832は、関数入出力情報を設定する(S202)ための設定ボックス1600を開く。この状態でのルールファイル作成画面1300を図16に示す。設定ボックス1600は、S201において設定された関数のそれぞれに対して設定しなければならない入力パラメータ1601及び出力パラメータ1602が表示されている。この例では、縦軸に設定した関数、横軸に入出力パラメータをとっている。関数によって入出力パラメータの数が異なるため、この例では、関数ごとに、設定が必要な入力パラメータ及び出力される出力パラメータに応じて入力欄が設定されている(「-」表示されている欄は、当該入出力パラメータが存在しないことを意味する。)。設計者はこの入力欄に、関数が参照する引数を指定する。この引数は、前段の関数の出力パラメータである場合もある。
また、候補パラメータ入力画面呼出ボタン1603をクリックすることで、操作ログファイルなどから候補となるパラメータをデフォルト値として呼び出すようにしてもよい。例えば、丸穴と丸穴の中心間距離を測定する関数フローにより関数の順列を設定した場合には、丸穴と丸穴の中心間距離を測定したという情報が操作ログファイルに関連付けて残されているため、測定結果として取得している値は中心間距離とわかる。このような場合、実行結果として得られる出力パラメータが中心間距離であるということをあらかじめデフォルト値とすることができる。
ロジック設定部832がステップS201、S202を実行することにより、設計要件に応じた、設計要件違反か否かを判定する特徴量(「検証特徴量」という)を求めるロジックがルールファイルに定義されるので、以降のステップでは設計要件に応じたルールチェック処理手順を設定する。設計者が情報設定ボタン1314をクリックすると、違反情報設定部833は、違反通知情報を設定する(S203)ための違反通知ボックス1701~1702を開く。この状態でのルールファイル作成画面1300を図17に示す。違反通知情報は、3DCADデータに設計要件違反が検出された場合に、設計者に表示する情報である。違反種類1701は、その重大性に応じて「警告」や「情報提示」等違反のレベルを定義する。違反説明文1702は設計要件違反が検出された場合に、ポップアップ画面にて表示するメッセージである。
設計者が情報設定ボタン1315をクリックすると、違反情報設定部833は違反判定情報を設定する(S204)ための違反判定ボックス1801~1804を開く。この状態でのルールファイル作成画面1300を図18に示す。違反判定情報を設定しようとしているのは、図17と同じく丸穴の加工ピッチである。具体的には、穴の中心軸を求め、線間の最短距離を求め、その最短距離を所定の違反しきい値と比較し、設計要件違反か否かを判定する。違反判定ボックス(ハイライト形状)1801には、線線距離を求める関数の出力パラメータである距離形状(「OUT_aaa」)を設定する。違反判定ボックス(違反判定識別子)1802には、検証特徴量である距離の測定値を設定する。違反判定ボックス(違反しきい値)1803には、設計要件違反か否かを判定するしきい値(「違反しきい値」という)を、違反判定ボックス(許容範囲タイプ)1804には、判定の演算式(以上、以下、イコールなど)を設定する。なお、後述するように、立体モデルに設計要件違反があった場合、設計者が容易に違反箇所を特定できるよう、設計要件違反となる形状については強調表示する対象とする。
全ての情報の入力が完了すると、設計者はルールファイル作成ボタン1805をクリックする。これにより、作成したルールファイルはルールファイルDB124に格納される(S205)。ルールファイルは基本情報、検証特徴量抽出ロジック、違反情報を含む。それぞれ図12に示したフローのS200で設定した情報、S201~S202で設定した情報(関数の順列、使用される関数の入出力パラメータ)、S203~S204で設定した情報(検証特徴量に基づく違反有無判断要件、アラーム表示情報)である。
(3)設計検証プロセス
本実施例では、設計検証プロセスは、設計支援装置121が設計検証プログラム840を実行することによって実現される。図19に、3DCADで設計された形状情報(3DCADデータ)が設計要件を満たしているか検証するフローを示す。設計検証プログラム840は3DCADデータ呼出部851、ルールファイル選択部852、ルールファイル変換部853、ルールチェック実行部854、違反形状判定部855、違反形状提示部856を有している(図8参照)。
本実施例では、設計検証プロセスは、設計支援装置121が設計検証プログラム840を実行することによって実現される。図19に、3DCADで設計された形状情報(3DCADデータ)が設計要件を満たしているか検証するフローを示す。設計検証プログラム840は3DCADデータ呼出部851、ルールファイル選択部852、ルールファイル変換部853、ルールチェック実行部854、違反形状判定部855、違反形状提示部856を有している(図8参照)。
まず、3DCADデータ呼出部851は、設計検証する3DCADデータ(立体モデル)を3DCADDB102から呼び出す(S300)。続いて、ルールファイル選択部852は、S300で呼び出した3DCADデータに対して、検証したい設計要件に対応するルールファイルをルールファイルDB124より選択する(S301)。図20にルールチェック画面2000の例を示す。ルールファイル選択部852は、ルール選択画面2001を表示する。ルール選択画面2001には、設計検証する3DCADデータに対して設計検証するルールファイルを選択するための条件、分類を入力する入力欄を有する。入力欄に入力された内容により絞り込まれたチェック候補が候補欄2002に表示される。設計者が候補欄2002に表示されたルールファイルを選択することで、ルールチェックを行うルールファイルが選択される。設計支援装置121の補助記憶装置203に、S300,S301において呼び出された3DCADデータ860、ルールファイル861が保存される。
ルールファイル変換部853は、ルールファイル861の内容を1行ずつ解釈してルールファイル861の確実性をチェックした後、ルールファイル861をプログラム実行可能な形式であるルールチェックプログラムファイル862に変換する(S302)。変換されたルールチェックプログラムファイル862も、設計支援装置121の補助記憶装置203に保存される。ルールファイル変換部853において、設計者が定義したルールファイルのエラーチェックを実施することで、ルールファイルの品質を向上することが可能となる。なお、ここでのエラーチェックは必須入力チェックや、文法のチェック(全角/半角チェック、禁則文字チェック等)を行うものとし、ロジックのチェックはルールチェック実行部854にて実施する。
続いて、ルールチェック実行部854は、ルールファイル861に設定されている関数の入出力パラメータを読み取り、ルールチェックプログラムファイル862を順次実行する(S303)。なお、ルールチェックを実行するにあたって、ルールファイルの詳細な処理フローやロジックの確実性のチェックも行う。
例えば、ルールファイル861に線と線の距離を計測する線線距離という関数が含まれる場合、入力パラメータとして2つの線形状、出力パラメータとして2つの線の最短距離結果と距離形状とを定義し、出力パラメータである最短距離結果と距離形状とを違反形状判定部855に引き渡し、最終的な判定を実施することになる。例えば、ここで関数「線線距離」に対して線形状を1つしか指定しなかった場合には、ロジックが不確実としてエラー判定を行う。さらに、複数の関数の整合性を確認することで、ルールファイル861のロジックの確実性をチェックする。ルールチェック実行部854は、ルールファイル861に記載されている関数の順列の数だけ実行を繰り返す。
続いて、違反形状判定部855は、ルールファイル861に定義されている違反しきい値とルールチェック実行部854にて最終的に出力されたパラメータの計測値とを比較し、比較結果から違反と判定された形状を違反形状ファイル863として抽出する(S304)。
例えば、図18に示した違反判定情報が登録されたルールファイルに対して、ルールチェック実行部854によって計測された値がルールファイル861に記載されている違反しきい値よりも下回っていたとすると、ハイライト形状1801として設定された出力パラメータを違反形状ファイル863として抽出する。
続いて、違反形状提示部856は、違反形状ファイル863で抽出された出力パラメータをディスプレイに表示する(S305)。図20には、板金部品に設けられる丸穴402と丸穴403との間隔に設計要件違反が抽出された場合に、ルールチェック画面2000に違反結果を表示した例を示している。
違反形状ファイル863に抽出された出力パラメータに基づき、立体モデル画像401上に違反形状である丸穴402と丸穴403とを強調表示して示している。設計者は、強調表示された箇所を選択することで、警告画面2010がポップアップ表示される。警告画面2010には、違反理由や設計ルールのしきい値などが提示される。これにより、3DCADデータの寸法や配置関係を見直すように、改善を促すことが可能となる。
以上、本発明を実施の態様に沿って説明したが、本発明は上記記載の内容に限定されるものではない。例えば、設計環境として設計装置101と設計支援装置121と別々のコンピュータで実現している例を示しているが、同じコンピュータで実現してもよい。この場合、例えば、設計検証プログラムを3DCAD設計ソフトのプラグインプログラムとすることにより、設計者は3DCADの設計ごとに、要件チェックを行うことが容易になる。また、本実施例の設計支援プログラム(関数フロー管理プログラム、ルールファイル作成プログラム、設計検証プログラム)をクラウド上に実現してもよく、プログラムの実装形態には限定されるものではない。
100:設計システム、101:設計装置、102:3DCADデータベース、103:3DCAD属性データベース、104:操作ログデータベース、110:ネットワーク、120:設計支援システム、121:設計支援装置、122:設計要件データベース、123:関数データベース、124:ルールファイルデータベース、125:関数フローデータベース、131:幾何形状探索カテゴリ、132:特徴量演算カテゴリ、133:数値演算カテゴリ、200:情報処理装置、201:プロセッサ、202:主記憶、203:補助記憶装置、204:入出力インタフェース、205:表示インタフェース、206:ネットワークインタフェース、207:入出力ポート、208:バス、209:ディスプレイ、210:入力装置、400:CADオペレータ画面、401:立体モデル画像、402,403,405,406:丸穴、404:直線、410:測定対象リスト、411:測定結果、500:操作ログファイル、501:日時情報、502:操作情報、503:測定対象情報、504:測定結果情報、600:測定内容確認画面、701~705,901~906,1001~1004,1101~1103:カラム、800:関数フロー管理プログラム、811:共通操作演算部、812:関数フロー検索部、820:ルールファイル作成プログラム、831:基本情報設定部、832:ロジック設定部、833:違反情報設定部、840:設計検証プログラム、851:3DCADデータ呼出部、852:ルールファイル選択部、853:ルールファイル変換部、854:ルールチェック実行部、855:違反形状判定部、856:違反形状提示部、860:3DCADデータ、861:ルールファイル、862:ルールチェックプログラムファイル、863:違反形状ファイル、900:共通操作ファイル、1000:関数フローテーブル、1100:関数順列情報テーブル、1300:ルールファイル作成画面、1311~1315:情報設定ボタン、1400:関数順列定義画面、1401:順列ボックス、1402:順列追加ボタン、1403:関数リスト画面、1404:関数フロー呼出ボタン、1500:関数フロー呼出画面、1502:関数フロー候補群、1503:関数フロー、1600:設定ボックス、1601:入力パラメータ、1602:出力パラメータ、1603:候補パラメータ入力画面呼出ボタン、1701,1702:違反通知ボックス、1801~1804:違反判定ボックス、1805:ルールファイル作成ボタン、2000:ルールチェック画面、2001:ルール選択画面、2002:候補欄、2010:警告画面。
Claims (13)
- 3DCADデータが設計要件を満たしているかを検証する設計支援システムであって、
3DCADデータまたは3DCADデータから抽出された特徴量に対する処理を行う関数を複数格納する関数データベースと、
3DCADデータの寸法計測を行う手順を、前記関数データベースに格納された関数の順列として定義する関数フローの情報を格納する関数フローデータベースと、
設計支援装置と、を有し、
前記設計支援装置は、前記関数データベースに格納された関数を用いて3DCADデータから設計要件を検証するための検証特徴量を求める手順、及び当該検証特徴量に基づき当該設計要件の違反有無を判定する違反情報を定義するルールファイルを作成するにあたり、前記関数フローデータベースに格納された関数フローの情報を用いて3DCADデータの寸法計測を行う手順を設定可能とされており、
前記関数フローデータベースは、3DCADデータを3DCADにより寸法計測を行った操作ログファイルの共通性に基づいて分類される属性ごとに、1または複数の関数フローの情報を対応付けて格納している設計支援システム。 - 請求項1において、
前記設計支援装置は、前記ルールファイルに定義された前記手順にしたがって前記関数データベースに格納された関数を呼び出して所定の3DCADデータに対して実行し、前記ルールファイルに定義された前記違反情報と前記手順にしたがって求められた検証特徴量とに基づき、前記ルールファイルに対応する設計要件の違反有無を判定する設計支援システム。 - 請求項1において、
前記関数データベースに格納される関数は複数のカテゴリを有し、
前記複数のカテゴリには、所定の幾何形状を探索する幾何形状探索カテゴリ、所定の形状を特徴づける特徴量を演算する特徴量演算カテゴリ、数値演算を行う数値演算カテゴリを含む設計支援システム。 - 請求項1において、
前記属性は、前記操作ログファイルの操作内容の共通性、形状種類の共通性、形状情報の共通性、測定内容の共通性のいずれか1つ以上の共通性に基づき分類されている設計支援システム。 - 請求項4において、
前記形状情報の共通性は、座標情報の共通性と幾何的形状の共通性とを含む設計支援システム。 - 請求項1において、
前記設計支援装置は、前記ルールファイルを作成するにあたり、過去の操作ログファイルと、前記過去の操作ログファイルの属性に対応する関数フローの情報とを表示する設計支援システム。 - 請求項4において、
前記設計支援装置は、前記ルールファイルを作成するにあたり、前記操作内容、前記形状種類、前記形状情報、前記測定内容から前記属性の絞り込みを行い、絞り込んだ属性に対応する関数フローの情報を表示する設計支援システム。 - 3DCADデータまたは3DCADデータから抽出された特徴量に対する処理を行う関数を複数格納する関数データベースと、3DCADデータの寸法計測を行う手順を、前記関数データベースに格納された関数の順列として定義する関数フローの情報を格納する関数フローデータベースとを用いて、所定の3DCADデータが所定の設計要件を満たしているかを検証するためのルールファイルを作成する設計支援方法であって、
前記関数データベースに格納された関数を用いて3DCADデータから前記所定の設計要件を検証するための検証特徴量を求める手順を設定する第1のステップと、
前記検証特徴量に基づき前記所定の設計要件の違反有無を判定する違反情報を設定する第2のステップとを有し、
前記関数フローデータベースは、3DCADデータを3DCADにより寸法計測を行った操作ログファイルの共通性に基づいて分類される属性ごとに、1または複数の関数フローの情報を対応付けて格納しており、
前記第1のステップにおいて、前記関数フローデータベースから前記関数フローの情報を表示する設計支援方法。 - 請求項8において、
前記属性は、前記操作ログファイルの操作内容の共通性、形状種類の共通性、形状情報の共通性、測定内容の共通性のいずれか1つ以上の共通性に基づき分類されている設計支援方法。 - 請求項9において、
前記第1のステップにおいて、過去の操作ログファイルの属性に対応する関数フローの情報、または前記操作内容、前記形状種類、前記形状情報、前記測定内容から前記属性の絞り込みを行い、絞り込んだ属性に対応する関数フローの情報を表示する設計支援方法。 - 3DCADデータまたは3DCADデータから抽出された特徴量に対する処理を行う関数を複数格納する関数データベースと、3DCADデータの寸法計測を行う手順を、前記関数データベースに格納された関数の順列として定義する関数フローの情報を格納する関数フローデータベースとを用いて、所定の3DCADデータが所定の設計要件を満たしているかを検証するためのルールファイルを作成する、コンピュータにより実行可能な設計支援プログラムであって、
前記関数データベースに格納された関数を用いて3DCADデータから前記所定の設計要件を検証するための検証特徴量を求める手順を設定する第1のステップと、
前記検証特徴量に基づき前記所定の設計要件の違反有無を判定する違反情報を設定する第2のステップとを有し、
前記関数フローデータベースは、3DCADデータを3DCADにより寸法計測を行った操作ログファイルの共通性に基づいて分類される属性ごとに、1または複数の関数フローを対応付けて格納しており、
前記第1のステップにおいて、前記関数フローデータベースから前記関数フローの情報を表示する設計支援プログラム。 - 請求項11において、
前記属性は、前記操作ログファイルの操作内容の共通性、形状種類の共通性、形状情報の共通性、測定内容の共通性のいずれか1つ以上の共通性に基づき分類されている設計支援プログラム。 - 請求項12において、
前記第1のステップにおいて、過去の操作ログファイルの属性に対応する関数フローの情報、または前記操作内容、前記形状種類、前記形状情報、前記測定内容から前記属性の絞り込みを行い、絞り込んだ属性に対応する関数フローの情報を表示する設計支援プログラム。
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