JP7282848B2 - 摩擦安定化したコンタクトレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、円環状コンタクトレンズ等の回転安定性を必要とするコンタクトレンズの安定化ゾーンに関し、より詳細には回転安定性を必要とし、特定の領域内に1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンを組み込んで、瞬き中に摩擦によって駆動される回転力を生じるコンタクトレンズに関する。
近視(myopia)又は近眼(nearsightedness)は眼の視力障害又は屈折障害であり、このような場合、像からの光線は網膜の前部にある共通の焦点に集束する。近視は、概して、眼の球(eyeball)又は眼球(globe)が長すぎるため、又は角膜の傾斜が急過ぎるために生じる。近視の矯正にはマイナス度数の球状光学素子を利用することができる。遠視(hyperopia)又は遠眼(farsightedness)は眼の視力障害又は屈折障害であり、このような場合、像からの光線は網膜の背後にある共通の焦点に集束する。遠視は、概して、眼の球又は眼球が短すぎるか、又は角膜が平ら過ぎるために生じる。遠視の矯正にはプラス度数の球状光学素子を利用することができる。近視及び遠視のいずれにおいても、眼球(角膜)は実質的に球形であるが、曲率が急過ぎるか又は平ら過ぎるために、像からの光線が網膜の前又は後ろで集束する。
乱視は、球面曲率からの偏位により引き起こされる眼球(角膜又はレンズ)の障害であり、像からの光線が共通の焦点ではなく焦線で集束するために歪んだ像がもたらされる。乱視は近視又は遠視と組み合わせて発生する場合があり、人口の大きな割合にある程度の影響を及ぼしている。乱視の矯正には、球状光学素子ではなく、円環状光学素子としても知られる円筒状光学素子が利用され得る。したがって、近視又は遠視に加えて乱視を患う個人は、球状及び円筒状構成要素の両方を備える単一の光学素子を有することになる。
円環状光学素子は、相互に垂直な2つの配向で、2つの異なる目標度数を有する光学素子である。本質的に、円環状レンズは、屈折異常の近視又は遠視要素を矯正するための球面度数として知られる1つの度数、及び乱視要素を矯正するための円柱度数として知られる第2の度数を有し、それらの両方の度数が単一の光学素子に組み込まれる。これらの度数は、眼に対して好ましくは維持される、異なる角度での曲率によって作り出される。円環状光学素子は、眼鏡、眼内レンズ、及びコンタクトレンズに利用され得る。眼鏡及び眼内レンズに使用される円環状光学素子は、眼に対して固定して保持されることにより、常に最適な視力補正を提供する。しかしながら、円環状コンタクトレンズは眼球上で回転する傾向があり得るため、所定の円環状光学素子と眼との間の不整合が起きることによって、一時的に最適に満たない視力矯正がもたらされる。結果的に、円環状コンタクトレンズは、装着者が瞬きするか、又はきょろきょろするときに、コンタクトレンズを眼の上で比較的安定的に保つ機構も含む。
視覚ゾーンの非回転対称の補正特性、波面補正特性、又は分散を、円柱レンズ、二焦点レンズ、多焦点レンズ等のコンタクトレンズの1つ又は2つ以上の表面に与えることによって、ある特定の視覚欠陥の矯正を達成し得ることが知られている。印刷パターン、マーキング等のある特定の表面的特性が、装着者の眼に対して特定の配向で配置されるよう要求されることも知られている。コンタクトレンズの使用は、眼上にあるときに効果的であるように、一対のコンタクトレンズのそれぞれが特定の配向で維持されなければならない場合に問題となる。コンタクトレンズが最初に眼上に定置されると、自らを自動的に位置付けるか、又は自動位置付けし、その後、その位置を経時的に維持しなければならない。しかしながら、いったんコンタクトレンズが位置付けられると、瞬き中の眼瞼によって、眼瞼及び涙液膜の動きによって、並びにある程度は重力によって力がコンタクトレンズ上に加えられるため、コンタクトレンズが眼上で回転する傾向がある。
典型的には、コンタクトレンズの機械的特性を変更することによって、眼上でのコンタクトレンズの配向の維持が達成される。例えば、コンタクトレンズの裏面に対する前面の偏心、劣性なコンタクトレンズ周辺部の肥厚化、コンタクトレンズ表面上のくぼみ又は隆起の形成、及びコンタクトレンズ縁部の切断を含むプリズムバラストの安定化は、全て利用されている方法である。
更に、厚いゾーン及び薄いゾーン、又は場合によっては、コンタクトレンズの周辺部の厚さが増大若しくは減少するエリアを使用することによって、コンタクトレンズを安定化させる、静的安定化が使用されてきた。典型的には、厚いゾーン及び薄いゾーンは、垂直軸及び/又は水平軸を中心に対称性を有して、コンタクトレンズの周辺部に位置する。例えば、2つの厚いゾーンのそれぞれを、視覚ゾーンの両側に位置付けてもよく、コンタクトレンズの0~180度軸に沿って中心に配置してもよい。別の例では、プリズム安定化の重み効果と同様の重み効果を提供するだけでなく、上眼瞼の力を利用してコンタクトレンズを安定させるために、上部から下部へ厚さが増大する領域も組み込んでいる、コンタクトレンズの下部に位置付けられた単一の厚いゾーンがデザインされてもよい。
静的安定化ゾーンに伴う課題は、コンタクトレンズの安定性と快適性とのトレードオフ、及び大きな厚さに関連する物理的制約である。静的安定化ゾーンにより、安定化ゾーンの勾配がコンタクトレンズ内で固定される。安定化ゾーンの表面勾配を増大させるといった、回転速度を改善するためにデザインを変更することもまた、コンタクトレンズの厚さを増大させ、快適性に悪影響を与える場合がある。更に、コンタクトレンズのデザインは、2つの事項、すなわち、挿入時に適切な配向に回転することと、装着期間を通してその配向を維持することと、を達成しなければならない。静的なデザインは、これらの2つの機序間で性能のトレードオフを要する。
個人が年を取るにつれて、個人の眼は、観察者に比較的近い物体に焦点を合わせるために遠近調節すること、すなわち、生来のレンズ、つまり水晶体を曲げる能力が低下する。この状態は、老眼として知られている。より具体的には、個人が生まれたとき、その水晶体は柔軟であり、このことが高度な遠近調節を可能にしている。個人が年を取るにつれて、水晶体は徐々により硬質になり、したがって遠近調節する能力が低下する。同様に、生来のレンズ、つまり水晶体を除去し、それに代わるものとして眼内レンズ、つまりIOLを挿入した人の場合、遠近調節する能力は失われている。遠近調節式IOLの目的はこの潜在的な欠点に対処することであるが、現行の遠近調節式IOLの設計及び構想は比較的新しく、引き続き進化するものである。
眼の調節力の障害を矯正するために使用される方法の1つとして、ほとんどの場合、遠視力を矯正するためのコンタクトレンズがレンズ装着者の優位眼に使用され、非優位眼に使用される近見視力を矯正するための第2のコンタクトレンズと組み合わせて遠視力に優位であるように知られている、単眼視野として知られる方法がある。単眼視野は、どのように画像が構成されなければならないかについて脳が補償するのを可能としながら、近見視力及び遠見視力の双方に備える。老眼を矯正するための別の既知の方法として、個人の両眼に二重焦点又は多焦点コンタクトレンズを使用することがある。老眼矯正用の多数の形態の二重焦点又は多焦点コンタクトレンズがある。これらのデザインは、双方とも中心距離又は中心付近のために設計され得る同心リング及び非球面デザインを含む。これらの設計の全てが、ある範囲の度数を眼の瞳孔内に設けることによって機能する。例えば、同心リング設計は、対象の遠見視力を矯正するのに必要な度数に公称で等しい度数を提供する中央リングと、近用度数を提供する隣接リングと、同様に遠用度数を提供する外側リングとを有してもよい。また、例えばコンピュータ画面表示等、近見視力と遠視力との間の中間視力の要求に対処するためのフィッティング戦略があってもよい。両眼における二重焦点又は多焦点レンズの使用は、単眼視野に比べて画像のコントラストや解像度の低下をもたらすが通常は両眼効果を維持する。老眼を治療するための更なる別の方法は、二重焦点又は多焦点レンズを一方の眼に、単焦点レンズを他方の眼に使用することである。この方法を使用する際の欠点は、個人に十分なレンズ性能を提供するために考慮しなければならないレンズが多数あること、及び近距離での両眼効果が制限されることである。
老眼治療用のコンタクトレンズの場合、二重焦点又は多焦点レンズは眼球上での並進運動を必要とする。上記の乱視用レンズがセントレーション及び回転安定化を必要とするのに対して、老眼治療用レンズは近見視力、中間視力、及び遠視力のための正しい位置に必要な度数を維持するためにより直線状の運動を必要とする。この並進手段は、装着者の視線が移動するとレンズの並進が誘起されるような、特定の領域におけるレンズのトランケーション及びより厚いゾーンを含む様々な形態を取ってきた。ここでも快適性と運動とのバランスを取る必要がある。
したがって、単焦点レンズの快適性を提供しながら配向及び安定性能を維持する表面改質ゾーンを備えるコンタクトレンズを設計することが有利となる。表面改質ゾーンは、回転を誘起する能力と快適性とのバランスを取って設計されることが好ましい。
本発明の摩擦安定化コンタクトレンズは、装着者の眼球上のコンタクトレンズにおける配向及び配向の維持に関連する欠点を克服する。
一態様に従って、本発明は、眼用デバイスを対象とする。前面及び後面を有し、眼球上での回転安定性を必要とするコンタクトレンズであって、レンズ材料から形成されている、コンタクトレンズと、コンタクトレンズの前面内又は前面上のうちの少なくとも1つに組み込まれた1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンと、を含み、1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンが、回転によって、眼球上のコンタクトレンズを最適な視力のための回転角で位置合わせすることを容易にするように構成され、1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンが、コンタクトレンズの残部よりも大きな摩擦係数を含む、眼用デバイス。
別の態様によれば、本発明は、眼用デバイスを対象とする。前面及び後面を有し、眼球上での直線並進を必要とするコンタクトレンズを含み、コンタクトレンズがレンズ材料から形成され、かつ単一の改質ゾーンがコンタクトレンズの前面内又は前面上のうちの少なくとも1つに組み込まれ、単一の改質ゾーンと装着者の下眼瞼との相互作用によってレンズが静止状態を維持しながら装着者の眼がコンタクトレンズの下部で自由に動くように単一の改質ゾーンが下眼瞼との相互作用を容易にするように構成され、単一の改質ゾーンがコンタクトレンズの非改質ゾーンよりも大きな摩擦係数を含む、眼用デバイス。
角度配向及び安定化を提供する市販のコンタクトレンズ、例えば円環状コンタクトレンズは、上眼瞼及び下眼瞼並びにより低い程度で重力と相互作用するために、レンズの設計における厚さ勾配を活用する。こうした勾配設計の一般的な例としては、プリズムバラスト、ペリバラスト、ダブルスラブオフ、及び加速安定化設計(accelerated stabilization design)即ちASDが挙げられる。厚さ勾配が眼球上でのレンズの配向及び安定化に非常に有効であることが実証されているが、一方でこれらは、これらの単焦点の対応物、即ち、配向制御を必要とせず、かつ同じ材料から作られる球面コンタクトレンズと比較して主観的快適性の点で劣るという欠点を被る場合がある。この性能のために劣化した快適性は、眼瞼と相互作用する比較的大きな安定化機構によって生じる。
本発明は、眼球上のレンズを配向及び安定化するために、厚さ勾配の代わりに摩擦ゾーンを用いる。摩擦ゾーンは、基本的には、瞬き中に上及び/又は下眼瞼が1つ又は2つ以上の領域を通過するときに摩擦によって駆動される回転力を生じさせる、コンタクトレンズの前面の1つ又は2つ以上の特定の領域が改変されたものである。改変は任意の好適な様式、例えば局所的な表面粗さの改変、局所的な表面疎水性の改変、又は局所的な表面材料の摩擦係数の改変で形成されてもよい。表面粗さの他に、明確に定義された表面トポロジー(テクスチャ)、例えば一定の高さのバンプ又は鋸歯状パターンのアレイを用いてもよいことに留意することが重要である。これらのテクスチャは、レンズ成形型上にレーザーテクスチャ加工を実施することによって形成できる。こうしたパターンにおける一定な高さの利点は、不快感をもたらすおそれのある高い先端部が避けられることである。これらの明確に定義されたパターンはランダムな表面粗さとは異なる。本質的に、摩擦ゾーンは大きな厚さのゾーンに取って代わる。更に、レンズの前面の改質領域と非改質領域との間における摩擦係数の比較的小さな差、例えば約0.10のデルタだけで、厚さ勾配のあるレンズの回転力と等しい回転力をもたらし得る。この摩擦係数の小さな差によって、レンズの主観的快適性能を向上させながらコンタクトレンズを配向及び安定化する手段が提供され得る。
上述したように、摩擦ゾーンは、コンタクトレンズの製造と適合する任意の好適な様式で形成することができる。しかしながら、摩擦ゾーン形成に用いられるプロセスに関わらず、特定の設計を最適化するためにいくつかのパラメータを変更し得ることに留意することが重要である。例えば、特定の設計を最適化するために摩擦ゾーンの寸法、形状、及び位置を改変してもよい。更に、回転の角度及び速度を変更するために摩擦ゾーンの方向性を変化させてもよい。また、摩擦ゾーン自体の内部で回転の角度及び速度に影響を与える単純な改変を実施してもよい。例えば、各摩擦ゾーンは、様々な摩擦係数、様々なテクスチャパターン、テクスチャパターン内の様々な出現頻度、及びテクスチャパターンを形成する要素の様々な高さを有する領域を含んでもよい。具体的には、摩擦ゾーンの固有の異方性、即ちそれぞれ反対の方向で異なる摩擦力を、所望の効果のために用いることができる。換言すれば、摩擦力は、例えば上方向の瞬きと比較して下方向の瞬き中により高い摩擦ゾーンを作り出す、眼瞼-コンタクトレンズ界面における局所的な滑り方向によって変化する。しかしながら、この種類の設計では、使用者又は装着者は、コンタクトレンズが正しく挿入され、上下が逆でないことを常に確認しなくてはならない。
これらの改質ゾーンは、眼瞼-コンタクトレンズ界面における流体力学に局所的な影響を与えることにより、レンズ前方涙液膜圧及び厚さにおける変化を本質的に促進する。
本発明の前述並びに他の特徴及び利点は、付随する図面に示される本発明の好ましい実施形態の、以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
平面及び断面図における、眼瞼安定化設計特性を有する先行技術のコンタクトレンズの図表示である。 上眼瞼と図1のコンタクトレンズとの間の相互作用ゾーンの詳細な図表示である。 本発明による改質表面ゾーンを備えるコンタクトレンズの図表示である。 本発明による改質表面ゾーンを備えるコンタクトレンズの、レンズ配向対挿入後時間のプロットである。 本発明による多焦点レンズのための単一の改質表面ゾーンを備えるコンタクトレンズの図表示である。
現在、最適な視力を維持するために回転安定化を必要とするコンタクトレンズ、例えば、円環状コンタクトレンズは、配向されたコンタクトレンズを眼の上で維持するために、重量又は眼瞼圧のいずれかに依存する。図1を参照して、平面図及び断面図の両方で、眼瞼圧安定化設計が図示され、コンタクトレンズ120は、安定化ゾーン又は領域122内でより厚い。コンタクトレンズ120は、瞳孔102、虹彩104、及び強膜106の一部分を被覆し、かつそれぞれ、上眼瞼108及び下眼瞼110の両方の下に位置するように、眼100の上に位置付けられる。本設計におけるより厚い安定化ゾーン122は、角膜112上に位置付けられる。いったん安定化されると、安定化ゾーン122は、上眼瞼108と下眼瞼110との間に維持される。
図2は、より厚い安定化ゾーン222がどのように上眼瞼108と相互作用して、コンタクトレンズ220を回転させる傾向のある力を誘発するかをより詳細に説明する。この回転力を駆動する臨界パラメータは、上眼瞼208とコンタクトレンズ220の安定化ゾーン222との間の接触域の角度である。図示されるように、上眼瞼208とより厚い安定化ゾーン222の周辺部との間の接触点のベクトル230で表される垂直力を、ベクトル232で表される回転力に分解することができる。安定化ゾーン222の角度が急であるほど、コンタクトレンズ220に作用する垂直力の回転分力が大きい。逆に、安定化ゾーン222の角度が小さいか、又は平らであるほど、コンタクトレンズ220に作用する垂直力の回転分力が小さい。
本発明は、眼球上のレンズを配向及び安定化するために、厚さ勾配の代わりに摩擦ゾーンを用いる。摩擦ゾーンは、基本的には、瞬き中に上及び/又は下眼瞼が1つ又は2つ以上の領域を通過するときに摩擦によって駆動される回転力を生じさせる、コンタクトレンズの前面の1つ又は2つ以上の特定の領域が改変されたものである。改変は任意の好適な様式、例えば局所的な表面粗さの改変、局所的な表面疎水性の改変、又は局所的な表面材料の摩擦係数の改変で形成されてもよい。本質的に、摩擦ゾーンは大きな厚さのゾーンに取って代わる。更に、レンズの前面の改質領域と非改質領域との間における摩擦係数の比較的小さな差、例えば約0.10以上のデルタだけで、厚さ勾配のあるレンズの回転力と等しい回転力をもたらし得る。この摩擦係数の小さな差によって、レンズの主観的快適性能を向上させながらコンタクトレンズを配向及び安定化する手段が提供され得る。これは、下方向瞬き中の垂直眼瞼力及び眼瞼速度が上方向瞬き中の垂直眼瞼力及び眼瞼速度よりも大きいために、正味回転(net rotation)即ち移動を引き起こすことにより可能となる。
本発明によれば、瞬き中に上及び/又は下眼瞼(複数可)が1つ又は2つ以上の表面改質領域を通過するときに摩擦によって駆動される回転力を生じさせるように、コンタクトレンズ前面の1つ又は2つ以上の特定の領域を改変することができる。表面改質は、表面粗さの改変、局所的な表面疎水性の改変、局所的な表面材料の摩擦係数の改変、又はこれらのゾーンの摩擦係数をコンタクトレンズの残部に対して変更/増加させる任意の好適な表面改質を含んでもよい。上述したように、コンタクトレンズ前面の改質領域と非改質領域との間の摩擦係数の小さな差だけで、従来型の厚さ勾配のあるレンズの回転力と等しい回転力をもたらすことができ、これを下記でより詳細に説明する。
コンタクトレンズの前面上又は前面内にこれらの表面改質ゾーンを作り出すために、様々な方法を用いることができる。こうした方法は、特定の領域におけるコンタクトレンズのナノ及び/又はマイクロテクスチャ加工又はパターン加工を伴う。これらの摩擦領域の位置は、厚さ勾配の配置同様、いくつかの要因に依存し、これは当該技術分野で知られている。更に別の方法によれば、コンタクトレンズ製造に用いられる光学挿入物及び/又はプラスチック成形型は、特定の領域でナノ及び/又はマイクロテクスチャ加工又はパターン加工することができる。なおも更に別の方法によれば、装飾用コンタクトレンズ製造における印刷設計に用いられるプロセスに類似した、前方湾曲成形型の安定化領域に対する様々な材料のパッド印刷を用いてもよい。なおも更に別の方法によれば、多種多様なポリマーを含むコーティング材又はグラフト材(graftings)をコンタクトレンズの特定の所定の領域の後処理に適用することができる。本明細書で説明した任意の組み合わせを含む、摩擦ゾーンを作り出すための任意の他の好適なプロセスを、本発明に従って用いることができる。
一例示的実施形態では、厚さ勾配は必要なく、コンタクトレンズは表面改質のみによって配向及び安定化されて摩擦によって駆動される回転力を作り出す。この例示的実施形態では、円環状レンズの全体設計は、光学ゾーンが近視/遠視及び乱視の屈折異常を矯正するための特定の幾何形状を用いて構成されることを除いて、単焦点レンズと同じである。別の代替的実施形態では、厚いゾーンを薄くすることによって快適性を向上させると同時に、表面改質によって配向及び安定性能を維持するために、1つ又は2つ以上の表面改質と減少させた厚さ勾配とを組み合わせてもよい。なおも更に別の代替的な例示的実施形態では、単に回転及び安定性能を改善するために、1つ又は2つ以上の表面改質と完全な厚さ勾配とを組み合わせてもよい。
図3を参照すると、2つの表面改質ゾーン302及び304を含み、厚さ勾配ゾーンを含まないコンタクトレンズ300の例示的実施形態が示される。この例示的実施形態では、表面改質ゾーン302及び304は、コンタクトレンズ300の水平軸を中心に対称的、かつ互いに約180度離れて位置付けられている。2つの表面改質ゾーン302及び304は、光学ゾーン308を包囲するコンタクトレンズ300の周縁ゾーン306内に位置付けられている。図3は、眼瞼と接触する表面であるコンタクトレンズ300の前面を平面図で示す。単一ゾーンを含む任意の数の表面改質ゾーン構成が用いられてもよいことに留意するのが重要である。一例示的実施形態では、2つの表面改質ゾーン302及び304は、周辺のバルク型レンズ材料よりも高い摩擦係数を有する材料から形成されている。上述したように、摩擦係数の0.10のデルタが眼球上のコンタクトレンズを配向し、かつ配向を維持するのに必要な回転力を生むのに十分であることが実証されている。更に、実験データは、0.10の摩擦係数の差は、コンタクトレンズ製造業者の間で用いられる材料間での摩擦係数の差と比較して著しく小さいことを示している。換言すれば、単に別のレンズの材料を用いるだけで、0.10のデルタを生じさせるには十分であり得、したがって、コンタクトレンズの残部と比較してこのゾーンのエリアに与えられた快適性の明らかな差がないことを示す。より具体的には、レンズが、極めて低い、即ち約0.05未満の摩擦係数を有するコンタクトレンズ製造のための周知の特許材料であるセノフィルコンA等のシリコーンヒドロゲルから形成された場合、コンタクトレンズ製造に好適であり、かつセナフィルコン(senafilcon)Aと0.10異なる低い摩擦係数を有する任意の数の他の材料を、表面改質領域を作り出すために用いることができる。
端的に言えば、異なるレンズ材料だけが必要であり、高摩擦ゾーンは必要ない。Johnson & Johnson Vision Care Inc.から入手可能なAcuvue(登録商標)Oasys(登録商標)ブランドのコンタクトレンズがセノフィルコンAから形成されている。他の製造業者は、関連技術分野で既知の通り、0.15超の摩擦係数を有する材料を用いる。
別の例示的実施形態によれば、表面改質ゾーン302及び304は、本明細書に記載の実験の項で詳細に説明されるマイクロテクスチャ加工によって形成することができる。本実験の目的は、前面のより高い摩擦係数(非改質ゾーンと比較して)を有する表面改質ゾーンからなる球面コンタクトレンズが眼球上で回転、配向、及び安定化する可能性を実証することである。
試験コンタクトレンズは軟安定成形法(soft-stabilized molding)(SSM)を用いて製造された。より高い摩擦係数の表面改質ゾーンを達成するために、プラスチックレンズ成形型の製造に用いられ、続いてコンタクトレンズの製造に用いられる光学挿入物を、ガラスビーズ媒体からなるブラスト処理を用いたランダムパターンでマイクロテクスチャ加工した。レンズ周辺部の2つの軸方向に対称な楕円形の対象領域にテクスチャ加工を局所化するためにマスクを適用した。続いて、コンタクトレンズをセノフィルコンAモノマーを用いたSSM法により製造した。
続いて、合計で6つの試験レンズを3時間の装着時間にわたる眼球上配向に関して評価した。全てのレンズに共通の位置で印をつけ、内眼角間線に対する角度配向(angual orientation)を測定して、ここで0は鼻側として定義した。図4は、6つのレンズ全てに関するレンズ配向対挿入後時間のプロットを示す。図4のプロットは、6つのレンズ全てがレンズ挿入時に異なる配向で開始して、続いて経時的に回転し、最終的に一貫した静止位置で安定化し、その位置で安定を維持したことを示している。定着時間は約60分で発生した。この時間は僅かではないものの、本実験は、摩擦ゾーンを用いて眼球上でレンズを回転させ得ることを実証した。したがって、摩擦ゾーンを最適化して、回転の角度及び速度を上昇させることができる。これらのレンズは表面改質ゾーン及び非改質ゾーンの両方における摩擦係数に対して試験された。表面改質ゾーン及び非改質ゾーンはそれぞれ0.11及び0.01の摩擦係数を示した。したがって、0.1の摩擦係数の差がコンタクトレンズの回転、配向、及び安定化をもたらし得ることが本明細書で示された。
上述したように、本実験の安定化時間は約60分であったが、本実験は可能性を実証するためのものであり、最適な設計を達成するためのものではないことに留意するのが重要である。上述したように、摩擦ゾーンはコンタクトレンズの製造に適合する任意の好適な様式で形成されてもよく、また摩擦ゾーンを形成するためのプロセスに関わらず、特定の設計を最適化するためにいくつかのパラメータを変更することができる。例えば、特定の設計を最適化するために摩擦ゾーンの寸法、形状、及び位置を改変してもよい。更に、回転の角度及び速度を変更するために摩擦ゾーンの方向性を変化させてもよい。また、摩擦ゾーン自体の内部で回転の角度及び速度に影響を与える単純な改変を実施してもよい。例えば、各摩擦ゾーンは、様々な摩擦係数、様々なテクスチャパターン、テクスチャパターン内の様々な出現頻度、及びテクスチャパターンを形成する要素の様々な高さを有する領域を含んでもよい。
本明細書で実証した通り、摩擦ゾーンが、従来型の厚さ勾配のあるレンズの回転力と等しい回転力をもたらし得る。様々な例示的実施形態では、これらの摩擦ゾーンは従来型のレンズのより厚いゾーンと完全に取って代わることができ、あるいは摩擦ゾーンがより薄い安定化ゾーンを補助することも、又はその逆も可能である。換言すれば、本明細書で説明する通り、摩擦係数の増加に比例して標準的な安定化ゾーンの総厚は低減され得る。しかしながら、摩擦係数と快適性との間には臨床的に実証された関係が存在するのを理解することが重要である。コンタクトレンズの摩擦係数が上昇すると、主観的な装着者の快適性レベルは低下する。そのため、本発明の表面改質ゾーンを用いたいかなるレンズも、ゾーンの寸法と快適性とのバランス、並びに改質ゾーンと非改質ゾーンとの間の摩擦係数の差のバランスを取ることが好ましい。したがって、ゾーンが十分に小さく、摩擦係数の差が十分に低い場合、顕著な快適性の差は存在し得ない。
より具体的には、摩擦係数の差又は改質ゾーンと非改質ゾーンとの間のデルタがより大きい場合、レンズの安定化又は所望の移動がより急速に達成され得ることを理解されたい。しかしながら、摩擦係数の差の増加が快適性に影響を与える場合があり、そのためいかなる設計もこの差のバランスを保つように努める必要がある。摩擦係数と快適性とを関連付ける研究はレンズ材料自体に関するものであった。換言すると、レンズ全体が単一の摩擦係数を有し、またより数がより大きいレンズは、数がより小さいレンズと比べて快適性に劣る。本発明では、レンズ前面の小部分だけがより高い摩擦係数を有するため、快適性に関して影響はそれほどない可能性がある。より具体的には、より高い摩擦ゾーンに起因するいかなる小さな不快感も、厚さの差がないか又は最小限であることによる快適性の向上によって十分に相殺されるということを理解されたい。したがって、表面改質ゾーンの寸法、形状、及びパターンは、眼瞼の形状及び動きに関して計画的に所望される形状に最適化されて、摩擦係数のより低い差を有する移動の所望の角度及び速度を生み出し得る。
新生児において、眼の水晶体はいくらか軟質で順応性があるので、眼は極度に柔軟となり、かつ相当な程度で遠近調節又は焦点調節できるものとなっている。人が年を取るにつれて、水晶体は次第により硬質となり、したがって、人の眼は、観察者に比較的近い物体に焦点を合わせるように遠近調節すること、つまり生来の水晶体を曲げることができなくなる。この状態は、老眼として知られている。
水晶体によって失われた焦点調節能力を回復させるために、プラス度数のレンズが利用され得る。プラス度数のレンズは、読書用の眼鏡、二焦点の眼鏡、又は三焦点の眼鏡の形態をとり得る。読書用の眼鏡は、個人が遠方に対する屈折補正を必要としないときに容易に利用される。しかしながら、読書用の眼鏡を通して見ると、遠くの物体はぼやけることになる。個人が既に近視、遠視及び/又は乱視用の眼鏡を装着している場合、プラス度数が二焦点又は三焦点レンズの形態で既存の眼鏡に加えられ得る。また、老眼に対処するためにコンタクトレンズも装着され得る。ある種類のそのようなレンズにおいて、遠見視力及び近見視力領域は、レンズの幾何学的中心の周りに同心をなして配置されている。レンズの光学ゾーンを通過した光は、眼の中の複数の点で集中及び集束する。これらのレンズは一般に、同時視モードにおいて使用される。同時視において、レンズの光学ゾーンのうちの、遠方及び近方に焦点を合わせた各部分が同時に利用可能であり、両方の物距離から光を同時に集束させる。画質及び画像コントラストが低下し得るので、これは不利である。
別の種類のコンタクトレンズ、即ちセグメントレンズでは、近見視力及び遠見視力領域は、レンズの幾何学的中心の周りで同心性でない。セグメントレンズは、装着者の眼の瞳孔に対して並進する、つまり垂直に移動できるように構成されているため、セグメントレンズの装着者はレンズの近見視力領域を利用することが可能である。レンズを装着している人が、例えば文字を読むために視線を下方に移すと、この並進型レンズは垂直に移動する。これにより、装着者の視線の中心にある近見視力部分が上方に位置付けられる。光学ゾーンを通過した光の実質的に全てが、視線に基づいて眼の中の1点に集束され得る。
ある種類の並進レンズは、切断型の形状を有する。つまり、ほぼ連続して円形又は楕円形である大半のレンズとは違って、切頭型コンタクトレンズの下側部分は、レンズのその部分を切断又は切り詰めることにより、平坦になっている。これにより、レンズの底部には、実質的に平坦で厚い縁部が生じる。かかるレンズの例示的な説明が、米国特許第7,543,935号、米国特許第7,052,132号、及び米国特許第4,549,794号等のいくつかの特許に記載されている。しかしながら、コンタクトレンズのこのような比較的平坦な縁部は、快適性を低下させる傾向がある場合がある。したがって、並進型コンタクトレンズを、この種の縁部の設計を伴わないものにし、それによって快適性の改善をもたらすことが望ましい。
別の種類の並進型レンズは、連続的に円形又は長円形をなす外形を有するが、中央の光学ゾーンの周辺に相当に厚化された部分を備える。この厚化された部分は、装着者が下を見ると下眼瞼と接触し、位置的に並進するように意図されたものである。そのようなレンズに関する例示的な言及が、米国特許第7,040,757号及び米国特許公開第2010/0171924号においてなされている。本明細書に示す例示的な実施形態では、光学ゾーンの外部にあるレンズの周辺部分の厚さは、レンズの垂直経線に平行な経線にわたって実質的に均一であり、これによって垂直経線を切断する平面に対する鏡面対称性を呈する。
別の例示的実施形態によれば、表面改質ゾーンは二重焦点又は多焦点レンズに用いることができ、ここで、装着者が下方又は近くの対象を注視するときは近い対象を眺めるための付加力が装着者の中央視野内に必ず留まり、また、前方及び/又は上方の遠い対象を注視するときは正常な距離の力領域に戻る。この例示的実施形態では、単一の改質ゾーンは、レンズの下半分にあるレンズ周辺領域の前面、換言すると、レンズの幾何学的中心を通って走る仮想水平軸の下部に位置付けられ得る。単一の改質ゾーンは、レンズ前面の残部即ち残領域、及びレンズの後領域全体よりも高い摩擦係数を有する。この構造では、装着者が例えば近くの対象を眺めて下方を注視したとき、上記で説明した摩擦力のために、レンズの前面上の下眼瞼にかかる力は下眼瞼によってレンズ後面上に加えられた力よりも大きいため、レンズの下で眼球が回転することが可能となり、それにより続いて装着者の視線がレンズの光学ゾーンの適切な部分、即ち、近景領域(near viewing region)に留まることが可能となる。この種類の運動は、上記で説明した例示的レンズが回転するのと同じ理由で働く。
図5は、上述した通り、光学ゾーン502、光学ゾーンを包囲する周縁ゾーン504、及びレンズの他の領域より高い摩擦係数を有する単一の表面改質ゾーン506を有するコンタクトレンズ500を示す。単一の表面改質ゾーン506は、本明細書で説明するように、眼瞼と相互作用するための任意の好適な形状を含んでもよい。一例示的実施形態では、高い摩擦係数を有する単一の表面改質ゾーン506は仮想水平軸508からレンズ500の幾何学的中心を通過してレンズの底縁部まで延在する。14mmレンズの場合、これは、距離線D2で示される、環状形レンズの約7mmのセクションとなる。好ましい実施形態では、単一の表面改質ゾーン506は、レンズ500の底縁部からレンズ500の幾何学的中心に向かって延在し、距離線D1で示されるように底縁部から約1.5mmの距離にある仮想軸510で終了する。
単一の改質ゾーン506が、本明細書で説明した方法のいずれかに従って作り出されてもよいが、レンズの片面上のみとする旨に留意することが重要である。更に、上述したように、快適性対摩擦係数及びゾーンの寸法を考慮することが好ましい。
図示及び説明した実施形態は、最も実用的で好ましい実施形態と考えられるが、図示及び開示した特定の設計及び方法からの逸脱が当業者には自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、説明及び例示される特定の構造に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての改変例と一貫性を有するものとして解釈されるべきである。
〔実施の態様〕
(1) 眼用デバイスであって、
前面及び後面を有し、眼球上での回転安定性を必要とするコンタクトレンズであって、レンズ材料から形成されている、コンタクトレンズと、
前記コンタクトレンズの前記前面内又は前記前面上のうちの少なくとも1つに組み込まれた1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンと、を含み、前記1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンが、回転によって、前記眼球上の前記コンタクトレンズを最適な視力のための回転角で位置合わせすることを容易にするように構成され、前記1つ又は2つ以上の表面改質ゾーンが、前記コンタクトレンズの残部よりも大きな摩擦係数を含む、眼用デバイス。
(2) 前記レンズ材料がシリコーンヒドロゲルを含む、実施態様1に記載の眼用デバイス。
(3) 2つの表面改質ゾーンを更に含む、実施態様1に記載の眼用デバイス。
(4) 前記2つの表面改質ゾーンが、前記レンズの幾何学的中心を通過する垂直軸を中心に180度離れて対称的に配置されている、実施態様3に記載の眼用デバイス。
(5) 前記2つの表面改質ゾーンが、前記レンズの幾何学的中心を通過する水平軸を中心にそれぞれ対称的に配置されている、実施態様3に記載の眼用デバイス。
(6) 前記2つの表面改質ゾーンの、前記コンタクトレンズの残部と比較した摩擦係数の差が0.1以上である、実施態様3に記載の眼用デバイス。
(7) 眼用デバイスであって、
前面及び後面を有し、かつ眼球上での直線並進を必要とするコンタクトレンズであって、レンズ材料から形成されている、コンタクトレンズと、
前記コンタクトレンズの前記前面内又は前記前面上のうちの少なくとも1つに組み込まれた単一の改質ゾーンと、を含み、前記単一の改質ゾーンは、前記レンズが前記単一の改質ゾーンと装着者の下眼瞼との相互作用によって静止状態を維持しながら、前記装着者の眼球が前記コンタクトレンズの下で自由に動くように、下眼瞼との相互作用を容易にするように構成され、前記単一の改質ゾーンが、前記コンタクトレンズの非改質ゾーンよりも大きな摩擦係数を含む、眼用デバイス。
(8) 前記レンズ材料がシリコーンヒドロゲルを含む、実施態様7に記載の眼用デバイス。
(9) 前記単一の表面改質ゾーンが、前記コンタクトレンズの下部に位置付けられている、実施態様7に記載の眼用デバイス。
(10) 前記単一の表面改質ゾーンが、前記コンタクトレンズの幾何学的中心を通って延在する水平軸から前記コンタクトレンズの縁部までの間に位置付けられている、実施態様9に記載の眼用デバイス。
(11) 前記単一の表面改質ゾーンが、前記コンタクトレンズの縁部と前記コンタクトレンズの幾何学的中心との間に位置付けられ、前記コンタクトレンズの幾何学的中心に向かって約1.5mmの距離を延在する、実施態様7に記載の眼用デバイス。
(12) 前記単一の表面改質ゾーンの、前記コンタクトレンズの残部と比較した摩擦係数の差が0.1以上である、実施態様7に記載の眼用デバイス。

Claims (5)

  1. コンタクトレンズであって、
    前側表面および後側表面を備え、前記コンタクトレンズは、第1のバルク型レンズ材料から形成され、光学領域及び前記光学領域を囲む周辺領域を備え、前記光学領域は乱視を矯正するための2つの度数を含み、
    前記周辺領域に位置し、前記コンタクトレンズの前記前側表面上に第1及び第2の表面改質ゾーンを備え、
    前記第1及び第2の表面改質ゾーンは、眼上での前記コンタクトレンズの回転を促進するように構成されており、
    前記第1及び第2の表面改質ゾーンは、前記コンタクトレンズの第1及び第2の側部に位置し、それぞれ前記コンタクトレンズの水平軸に渡っており、
    前記第1及び第2の表面改質ゾーンは、前記前側表面において前記コンタクトレンズの残りの部分よりも、0.1大きい摩擦係数を有し、
    前記コンタクトレンズの厚さは、前記第1及び第2の表面改質ゾーンによって変化せず、
    前記第1及び第2の表面改質ゾーンの摩擦係数が、瞬きの際に回転力を生み出し、前記コンタクトレンズを回転的に安定させることを特徴とする、
    コンタクトレンズ。
  2. 前記第1のバルク型レンズ材料がシリコーンヒドロゲルを含む、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記第1及び第2の表面改質ゾーンの前記摩擦係数が、0.1である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記第1及び第2の表面改質ゾーンが同一の形状であり、前記コンタクトレンズの垂直軸に対して対称的に配置されている、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記第1及び第2の表面改質ゾーンが、前記第1のバルク型レンズ材料とは異なる第2の材料からなる、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
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