JP7276503B2 - 運行決定装置、運行決定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る運行決定装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図1に示す構成で、運行決定装置100は、シミュレータ110と、決定部120と、モジュール130とを備える。
このように、運搬装置が人を運搬する場合、運搬対象である人が、搬送装置の利用者である。搬送装置の利用者を単に利用者と称する。
また、運行決定装置100が対象とする運搬装置が人を運搬する場合、運搬装置は鉄道車両に限定されない。例えば、運搬装置が、航空機、船舶、タクシー、トラック、または、バス等の運送装置であってもよい。
搬送装置での移動を目的とする乗客にとって、滞留時間が短いことが好ましい。運行決定装置100が、滞留状況を改善する場合の、搬送装置の運行計画を求めることで、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
あるいは、交通システムの管理者など人手で、運行決定装置100が生成した運行計画を参照して、交通システムに適用する運行計画を立案するようにしてもよい。
また、シミュレータ110は、搬送対象の動静を模擬する。交通システムが鉄道システムである場合、シミュレータ110は、駅のホームへの乗客の入出場、鉄道車両への乗客の乗降、および、鉄道車両による乗客の運搬を模擬する。
決定部120は、決定手段の例に該当する。
例えば、決定部120が、駅のホームにおける乗客の滞留時間の、全ての駅のホームにいる全ての乗客についての合計を、乗客の滞留量として算出するようにしてもよい。そして、決定部120が、乗客の滞留量が少ないほど評価が高くなる報酬を用いて強化学習を行うようにしてもよい。
強化学習においてアクションのパターンの個数が多い場合、報酬による個々のパターンに対する評価を得られる機会がまばら(Sparse)になり、学習が進まない要因となり得る。鉄道システムにおける1つの路線全体を運行決定装置100の対象とする場合、分岐器および信号機など操作対象の個数が多くなることが考えられる。これらの操作対象に対する操作をそのまま、強化学習におけるアクションとして用いると、アクションのパターンの個数が膨大になり、学習が進まない要因となり得る。すなわち、強化学習が効率的に実施されない可能性がある。
そこで、運行決定装置100では、モジュール130を用いて操作対象に対する操作をある程度自動化する。これにより、決定部120が行う強化学習におけるアクションのパターンの個数が少なくなるため、学習が容易になる。
モジュール130が駅の設備の操作を設定する場合、ルールを選択するための鉄道システムの状態として、例えば、対象の駅の分岐器および信号機等の操作対象の状態、ならびに、鉄道車両の位置および速度など鉄道車両の駅への進入状況を用いることできる。
あるいは、モジュール130が、強化学習以外の機械学習によってパラメータ値の設定方法を学習するようにしてもよい。例えば、モジュール130が、遺伝的アルゴリズムによってパラメータ値の設定方法を学習するようにしてもよい。
分岐器の設定に関する制約条件の例として、鉄道車両を直進させる場合は1番ホームへ進入させ、鉄道車両を折り返させる場合は2番ホームへ進入させる、といった制約条件が挙げられる。
運行シミュレータ111は、搬送装置の運行を模擬する。そのために、運行シミュレータ111は、搬送装置だけでなく交通システム全体を模擬する。
乗車人数および降車人数は、例えば、予め設定された計算式または算出ルールに基づいて計算される。
あるいは、シミュレータ110が、ホームにいる利用者の人数の範囲内、かつ、鉄道車両の乗車定員を上回らない範囲内で、鉄道車両がホームに到着する毎に利用者が乗車するものとして乗車人数を計算するようにしてもよい。また、シミュレータ110が、鉄道車両に乗車している利用者の人数の範囲内で、鉄道車両がホームに到着する毎に利用者が降車するものとして降車人数を計算するようにしてもよい。
乗車人数および降車人数の計算を、シミュレータ110、運行シミュレータ111、人流シミュレータ112のうち何れが行うようにしてもよい。
運行シミュレータ111が、交通システムの一部に支障を生じさせる運行支障シナリオを受け付けるようにしてもよい。運行決定装置100が、例えば隣接する2つの駅間が不通になる、あるいは、駅自体が利用できなくなる等の支障が生じた場合の運行計画を予め生成しておくことで、実際に支障が生じた場合に迅速な対応が可能になる。
入場人数および出場人数は、例えば、予め設定された計算式または算出ルールに基づいて計算される。
あるいは、入出場シミュレータ113が、ホームへの入場制限がかからない範囲内で、一定の時間毎に一定の入場人数を算出するようにしてもよい。
乗り継ぎのためにホームに留まる利用者の人数については、例えば、運行決定装置100の管理者など人手で、実際の駅での統計データに基づいて計算式または算出ルールを用意しておくようにしてもよい。
「クロック命令」は、シミュレーションにおける時刻を指定された時刻にする命令である。
図3の例では、鉄道の路線が図示されている。図3の例で、駅Aから駅Zまでの駅が示されている。また、線L11は、快速電車の停車駅を示す。線L12は、普通電車(各駅停車)の停車駅を示す。
路線の端に位置する駅Aおよび駅Zでは、全ての電車が折り返す。
かつ、シミュレータ110のシミュレーションモデルでは、個々の操作が模擬されるので、ある特定の分岐器が動かないといった詳細な支障の設定が可能である。
図4に示される駅は、1番ホーム、2番ホームおよび3番ホームを有している。線路R131、R132、R133が、それぞれ1番ホーム、2番ホーム、3番ホームに対応する。鉄道車両が、これらの線路に停止することで、利用者は、対応するホームから鉄道車両への乗車および鉄道車両から対応するホームへの降車が可能である。
一方、線路R132およびR133からは、線路R112側および線路R151側の何れにも出発可能である。
線路R132に位置する鉄道車両は、線路R123を経由して線路R112へ到達可能である。あるいは、線路R132に位置する鉄道車両は、線路R143および線路R142を経由して線路R151へ到達可能である。
線路R133に位置する鉄道車両は、線路R124を経由して線路R112へ到達可能である。あるいは、線路R133に位置する鉄道車両は、線路R144および線路R142を経由して線路R151へ到達可能である。
信号機G122は、線路R132に位置する鉄道車両に対して、線路R112側への出発の可否を示す出発信号として機能する。信号機G132は、線路R132に位置する鉄道車両に対して、線路R151側への出発の可否を示す出発信号として機能する。
信号機G123は、線路R133に位置する鉄道車両に対して、線路R112側への出発の可否を示す出発信号として機能する。信号機G133は、線路R133に位置する鉄道車両に対して、線路R151側への出発の可否を示す出発信号として機能する。
モジュール130は、分岐器の切り替えによって鉄道車両の進路を制御し、また、信号機の表示の切り替えによって鉄道車両の進行、停止を制御する。
図5の処理で、鉄道車両が線路R111(閉塞区間B111)に到達すると、モジュール130は、信号機G111を青信号に設定する(ステップS11)。これにより、鉄道車両は閉塞区間B121へ進入可能となる。
モジュール130は、信号機G131を赤信号のままとしておくことで、鉄道車両を線路R131に停止させる(ステップS13)。これにより、鉄道車両は1番ホームに停車し、1番ホームと鉄道車両との間の利用者の乗降が模擬される。
また、モジュール130は、鉄道車両を線路R141からR151へと誘導する(ステップS15)。具体的には、モジュール130は、鉄道車両が線路R141からR151へ進む際に支障が生じないように分岐器の向きを予め操作しておく。
ステップS15の後、モジュール130は、図5の処理を終了する。鉄道車両は、線路R151から駅の外へ進行する。
図6のステップS21は、図5のステップS11と同様である。
モジュール130は、信号機G122およびG132を何れも赤信号のままとしておくことで、鉄道車両を線路R122からR132へ誘導し、線路R132に停止させる(ステップS24)。これにより、鉄道車両は2番ホームに停車し、2番ホームと鉄道車両との間の利用者の乗降が模擬される。
また、モジュール130は、分岐器の向きを予め操作しておくことで、鉄道車両を線路R123からR112へと誘導する(ステップS26)。
ステップS26の後、モジュール130は、図6の処理を終了する。鉄道車両は、線路R112から駅の外へ進行する。
図7の処理で、決定部120は、モジュール130への入力の値を設定する(ステップS31)。モジュール130は、設定された値に基づいて、交通モデルへの操作を示すパラメータの値を設定する(ステップS32)。
ステップS35の後、運行決定装置100は、図7の処理を終了する。
このように、決定部120が、搬送対象の滞留を改善する場合の運行計画を求める点で、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
これにより、決定部120は、搬送対象の滞留がなるべく少なくなる運行計画を生成することができる。運行決定装置100によれば、この点で、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
これにより、決定部120は、交通システムに対して可能な操作の個数が多い場合でも、強化学習を行うことができる。
これにより、モジュール130は、交通システムの運用における制約条件を用いてより高精度にシミュレーションを行うことができる。また、モジュール130が行う処理の自由度が低下する点で、モジュール130の処理の自動化を進めることができる。
これにより、決定部120は、駅のホームでの搬送対象の滞留がなるべく少なくなるように、モジュール130への入力に設定する値を学習する。運行決定装置100によれば、この点で、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
これにより、決定部120は、モジュール130に対して駅における鉄道車両の折り返しの有無を指示すればよく、決定部120の設定のパターンを個数が比較的少なくて済む。これにより、決定部120は、交通システムに対して可能な操作の個数が多い場合でも、強化学習を行うことができる。
これにより、モジュール130は、信号機の設定に関する制約条件および分岐器の設定に関する制約条件を反映させてより高精度に模擬を行うことができる。
運行決定装置100は、搬送装置に対する操作を入力し(図7におけるステップS32)、入力した操作に従い該システムのシミュレーションを実行する(ステップS33)。図2を参照しながら上述したように、該シミュレーションにおいて、運行決定装置100は、乗降場における搬送装置への搬送対象の乗車数、及び、該乗降場における搬送装置からの搬送対象の降車数を求める。そして、運行決定装置100は、該乗降場への入力数と、該乗降場からの出力数と、求めた乗車数と、求めた降車数とに基づき、該乗降場における該搬送対象の滞留状況を求める。これらの処理は、運行決定装置100が搬送対象について定量的に評価可能な状況を求める処理であるともいうことができる。
そして、運行決定装置100は、求めた滞留状況が改善する場合の、該搬送装置に対する操作を求める(図7におけるステップS35)。この処理は、運行決定装置100が、該定量的に評価可能な状況が改善する場合の、該搬送装置に対する操作を求める処理であるともいうことができる。
運行決定装置100は、搬送対象を搬送する搬送装置と、該搬送装置に対する該搬送対象の運行に関する設備とを含むシステムについて、操作に従い該搬送装置を運行した場合における該搬送装置に対する該搬送対象の乗降数を求める。運行決定装置100は、該乗降場への入力数、該乗降場からの出力数、及び、求めた該乗降数に基づき、該乗降場における該搬送対象の滞留状況を求める。言い換えると、運行決定装置100は、搬送対象について定量的に評価可能な状況を求める。そして、運行決定装置100は、求めた該滞留状況が改善する場合の該操作を求める。言い換えると、運行決定装置100は、滞留状況等の定量的に評価可能な状況が改善する場合の、該搬送装置に対する操作を求める。
運行決定装置100は、求めた操作に基づき、さらに、該搬送対象について定量的に評価可能な状況を求める処理を実行してもよい。
図8に示す構成で、運行決定装置200は、決定部201を備える。
決定部201は、決定手段の例に該当する。
かかる構成で、決定部201は、搬送対象を搬送する搬送装置と、搬送装置に対する搬送対象の乗降場とを含む交通システムについて、搬送装置の運行を模擬するシミュレータを用いて、乗降場における搬送対象の滞留状況を改善する場合の、搬送装置の運行計画を求める。
このように、決定部201が、搬送対象の滞留を改善する場合の運行計画を求める点で、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
図9に示す処理は、運行計画取得工程(ステップS111)を含む。
運行計画取得工程(ステップS111)では、搬送対象を搬送する搬送装置と、搬送装置に対する搬送対象の乗降場とを含む交通システムについて、搬送装置の運行を模擬するシミュレータを用いて、乗降場における搬送対象の滞留状況を改善する場合の、搬送装置の運行計画を求める。
この運行決定方法によれば、搬送対象の滞留を改善する場合の運行計画を求める点で、利用者の利便性に配慮した運行計画を求めることができる。
図10に示す構成で、コンピュータ700は、CPU710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
上記の運行決定装置100、および、運行決定装置200のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。各装置と他の装置との通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
また、CPU710は、プログラムに従って、運行決定装置100の処理に必要な記憶領域を主記憶装置720に確保する。シミュレーションモデルの入力および運行計画の出力など、運行決定装置100が行う入出力は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
また、CPU710は、プログラムに従って、運行決定装置200の処理に必要な記憶領域を主記憶装置720に確保する。シミュレーションモデルの入力および運行計画の出力など、運行決定装置200が行う入出力は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 シミュレータ
111 運行シミュレータ
112 人流シミュレータ
113 入出場シミュレータ
120、201 決定部
130 モジュール
Claims (7)
- 搬送対象を搬送する搬送装置と、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場とを含むシステムにおける、前記搬送装置の運行を模擬するシミュレータと、
前記システムの部分について、その部分に実行可能な操作を示すパラメータの値を、前記パラメータの個数よりも少ない個数の入力の値に基づいて設定するモジュールと、
前記モジュールへの入力に設定する値の学習を、前記シミュレータを用いて、前記搬送対象の滞留状況に関する報酬に基づく強化学習にて行い、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場における前記搬送対象の滞留状況を改善する場合の、前記搬送装置の運行計画を、学習結果を用いて求める決定手段と、
を備える運行決定装置。 - 前記モジュールは、前記システムの運行に用いられる制約条件に基づいて、前記入力の値に応じた前記パラメータの値を設定する、
請求項1に記載の運行決定装置。 - 前記システムは鉄道システムであり、
前記決定手段は、駅のホームでの搬送対象の滞留が少ないほど高い評価となる前記報酬を用いる、
請求項1または請求項2に記載の運行決定装置。 - 前記モジュールは、駅における鉄道車両の折り返しの有無を指示する入力、および、その駅への鉄道車両の進入状況に基づいて、その駅について設定可能な前記パラメータの値を設定する、
請求項3に記載の運行決定装置。 - 前記モジュールは、駅における鉄道車両の折り返しの有無を指示する入力、および、その駅への鉄道車両の進入状況に応じて、かつ、その駅の信号機の設定に関する制約条件、および、その駅の分岐器の設定に関する制約条件に基づいて、シミュレーションにおける信号機および分岐器の設定を行う、
請求項4に記載の運行決定装置。 - 搬送対象を搬送する搬送装置と、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場とを含むシステムの部分について、その部分に実行可能な操作を示すパラメータの値を、前記パラメータの個数よりも少ない個数の入力の値に基づいて設定するモジュールへの入力に設定する値の学習を、前記システムにおける前記搬送装置の運行を模擬するシミュレータを用いて、前記搬送対象の滞留状況に関する報酬に基づく強化学習にて行い、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場における前記搬送対象の滞留状況を改善する場合の、前記搬送装置の運行計画を、学習結果を用いて求める工程
を含む運行決定方法。 - コンピュータに、
搬送対象を搬送する搬送装置と、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場とを含むシステムの部分について、その部分に実行可能な操作を示すパラメータの値を、前記パラメータの個数よりも少ない個数の入力の値に基づいて設定するモジュールへの入力に設定する値の学習を、前記システムにおける前記搬送装置の運行を模擬するシミュレータを用いて、前記搬送対象の滞留状況に関する報酬に基づく強化学習にて行い、前記搬送装置に対する前記搬送対象の乗降場における前記搬送対象の滞留状況を改善する場合の、前記搬送装置の運行計画を、学習結果を用いて求める工程
を実行させるためのプログラム。
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