JP7275062B2 - 時変システム動作における異常検出のためのシステム、方法およびコンピュータ読取可能記憶媒体 - Google Patents

時変システム動作における異常検出のためのシステム、方法およびコンピュータ読取可能記憶媒体 Download PDF

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Description

本開示は、概して機器故障の異常検出に関し、特に時変動作を伴うシステムにおける異常検出に関する。
現代のコンピュータシステムは、さまざまな物理システムおよび/またはマシンから大量の情報を収集する。このようなマシンを良好に機能する状態に保つことは、マシンの動作に関係する重要な作業であり、メンテナンスを実行する方法および時期は、マシンの動作の経済的側面に極めて重要な影響を与える。あるメンテナンス戦略では、マシンを、故障して初めて修理する(改良保全としても知られている)。この戦略は、決して最適ではないことが非常に多い。なぜなら、故障したマシン全体の修理は、マシンが壊れる前に1つの部品を交換するよりも、高コストになる場合があり、また、マシンが故障すると、原料の無駄遣いおよび許容できない製品品質が生じるかもしれず、マシンを操作する作業員を危険に晒すことさえあるかもしれないからである。改良保全が実用的または経済的な選択肢ではない場合は、マシンの定期的なメンテナンスを一定間隔、たとえば1年ごとに実施するという、別の戦略を使用する。このような安全重視のマシンの例として、エレベータおよび自動車が挙げられ、世界のほとんどの地域で、これらのマシンのメンテナンスは1年に1度行われ、それに対応する証明書が発行される。この戦略は一般的に予防保全として知られている。
予防保全はマシンのメンテナンスに関係がある安全性の問題に対処するが、それが経済的には最適ではない多くの事例がある。予防保全の第一の問題は、メンテナンス周期の長さが、任意(たとえば1年または1カ月)であることが多く、マシンの実際のニーズよりも、検査機関の都合および検査プロセスのロジスティクス(たとえば自動車に対して検査ステッカーを発行)に関係があることである。基底にある問題は、あるマシンのグループ内に、新しく、頻繁にメンテナンスしなくてもよいであろうマシンと、より頻繁にメンテナンスが必要であろう古いマシンとが混在している場合に、1つのメンテナンス周期では、そのグループ内のすべてのマシンに最適な周期にはなり得ないことである。
マシン解析業界において、センサは典型的にはマシンパラメータの測定に使用される。マシン動作の計測機器が増えると、マシンの動作をモニタリングするセンサから大量のデータが収集されることになる。また、一部のセンサからのデータは比較的高頻度で生成される場合があり、そうするとさらに大量のデータが発生する。マシンに関係するセンサからのデータストリームを解析することにより、マシンの状態を判断することができる。たとえば、マシンに関係するセンサからのデータストリームを解析することにより、機器故障と呼ばれる、マシンが期待通り機能していない状態であるか否かを判断できる場合がある。
いくつかのシステム動作は、繰り返されるサイクルを含む場合も含まない場合もあり得る時変プロセスとして説明できる。一般的に、時変プロセスの解析は、その予測不能性と、正常であると考えられる時変プロセスの測定値の分散とが原因で、難しい。そのため、従来の、時変システム動作の異常検出方法には、システム動作の正常変化を異常と宣言するおよび/または必要なときに異常を宣言しない、フォールスポジティブ(誤検知)および/またはフォールスネガティブ(検知漏れ)の問題がある。
そのため、時変システム動作における異常検出のためのシステムおよび方法が依然として必要とされている。
いくつかの実施形態は、時変信号によって表されるマシンの時変動作の変遷の統計的観察を表すことができる、新たな統計的時系列データマイニングプリミティブの発見に基づく。マシンの時変動作は、繰り返されるサイクルを含む場合も含まない場合もあり得る。このような時変動作の例には、エレベータのドアの開閉、工場オートメーションプロセスにおける組み立て中の部品挿入、軌道に従って物体を移動させるモータの動作などが含まれる。時変動作を表す時変信号は、1つまたは複数のセンサから収集されたマシンの動作の測定値の時系列サンプルである。一般的に、時変信号の統計的解析の実行は、時変信号の変動し易さおよび/または予測不能性、ならびに動作プロセスの変動する性質のために、難しい。そのため、発見された統計的プリミティブは、いくつかのアプリケーションに有益となり得る時変信号の統計的解析を容易にすることができる。
本明細書で使用する、時変信号または信号は、時系列の値である。時系列とは、時間的に連続して測定したおよび/または求めた一連の値である。時系列における各値は、その値に対応付けられたタイムスタンプによって定めることができる時間のインスタンスに対応する。時系列内の値は、それぞれのタイムスタンプに従って順番に並べられる。時間のインスタンスは、絶対値および/または相対値で、たとえばマシン動作の開始からの時間で、示すことができる。相対的な時間のインスタンスは好都合である。なぜなら、マシン動作の別々の実行を表す別々の信号の測定値を並べ易くすることができるからである。
本開示において、時変信号は、マシンの動作の物理変数の測定値の時系列サンプルを含む。このような物理変数の例は、物体を移動させるモータのトルクおよび/または電圧、この物体の位置、速度および/または加速度などを含む。時系列サンプルは、一次元の可能性も多次元の可能性もある、すなわち、1サンプルは、マシンの動作のさまざまな物理量の測定値を含み得る。
本開示は、新たに発見された統計的時系列データマイニングプリミティブを、ローカライズマトリクスプロファイル(localized matrix profile)(LMP)と呼ぶ。本明細書において、時変信号のLMPは、テスト時変信号の、他の時変信号との局所的相違の時変プロファイルと定義される。そのLMPを求める時変信号を、入力もしくはテスト時変信号、または単にテスト信号と呼ぶ。テスト時変信号のLMPを求めるために、当該テスト時変信号との比較用に使用される時変信号を、ベースライン時変信号、または単にベースライン信号と呼ぶ。
具体的には、上記LMPの定義の「時変」部分は、LMPが時間的に時変信号と同期することを示す。言い換えると、テスト時変信号、および当該テスト時変信号のLMPはいずれも、時間の関数であり、ある時間のインスタンスにおけるLMPの値は、少なくとも一部、同じ時間のインスタンスにおけるテスト時変信号の値から導出される。特に、LMPは、テスト時変信号の、ベースライン時変信号との相違を表すので、時間のインスタンスにおけるLMPの値は、この時間のインスタンスにおけるベースライン時変信号の値にも依存する。このようにして、LMPは、テスト時変信号の時間属性を維持する。これは、いくつかの時系列データマイニングアプリケーションにとって好都合である。
実際、時変信号は通常、一連の動作モードを通して移行が発生する過渡的なプロセスに対応し、これらのモードについて測定された信号は一般的に異なる。一例はモータまたは乗用車の始動シーケンスであり、モータまたはエンジンの物理測定値は、安定した動作体制に落ち着くまでは、時間とともに変化する。このような時変プロセスにおける異常検出のためには、測定値を、この測定値を得た時間に対応付けることが有益である。たとえば、乗用車のエンジンの温度のある値は、始動後10ベースラインでは正常かもしれないが、30分運転した時点では異常である可能性がある。
上記LMPの定義の「局所的相違」部分は、ある時間のインスタンスにおけるLMPの値が、この時間のインスタンスにおけるテスト時変信号の値の局所的近隣と、同じ時間のインスタンスにおけるベースライン時変信号の値の局所的近隣との相違に依存し、テスト時変信号およびベースライン時変信号のその他の値から独立していることを意味する。ある時間の瞬間のLMP値の一例は、この時間のインスタンスにおけるその値を中心とするテスト時変信号のセグメントと、同じ時間のインスタンスにおけるその値を中心とするベースライン時変信号のセグメントとの間のユークリッド距離である。その他の実装例において、ある時間のインスタンスのセグメントは、この時間のインスタンスにおけるその値を中心としている必要はない。たとえば、セグメントの位置は、この時間のインスタンスにおけるその値の位置から始まってもよく、この値の位置で終わってもよく、この値の位置を含んでいてもよく、そうでなければこの値の位置に依存してもよい。このようにして、LMPの各値は、テスト時変信号の局所的な変遷の変化量を示し、これはいくつかの時変データマイニングアプリケーションには好都合である。
加えて、上記LMPの定義の「プロファイル」部分は、LMPが時間の関数であることを意味する。より具体的には、テスト時変信号は時系列なので、テスト時変信号のLMPも時系列である。LMPの各値は、あるマシンの時変動作の局所的な変遷の統計的変化量なので、LMPは、マシンの動作における局所的変遷の時系列の統計的変化量である。このようにして、時変信号のLMPにより、時変信号の「予測不能性」とは無関係に、マシンの動作の変遷の統計的解析を実施することができる。
具体的には、LMPは、時変信号で表されるマシンの動作の変遷の統計的解析にとって好都合ないくつかの特性を有する。第一に、マシンの動作は「予測不能」なので、マシンの時変動作の変遷は時間に依存する。特に、LMPは時間情報を維持し、これにより、時間に依存する統計的解析を実施することができる。
第二に、テスト時変信号のLMPは当該テスト時変信号の値の分布とは無関係の関数であるので、LMPは統計の原理に従う。実際、LMPは、テスト時変信号とベースライン時変信号との局所的相違の関数なので、LMPの同じ値がテスト時変信号の異なる値に対して生成される可能性があり、逆の可能性もある。
第三に、LMPは、マシンの動作の局所的な変遷だけでなく、マシンの動作の全体的な変遷も捕捉する。LMPの各値は、局所的情報、すなわち局所的な変遷から求められるが、LMP値のシーケンスは、それにもかかわらず、マシンの動作の変遷の全体的な変化量に関する統計を捕捉する。このような構成により、いくつかの実施形態は、経時的な時変信号の局所的統計パラメータを観察することができる。
加えて、いくつかの実施形態において、LMPの概念は、あるテスト時変信号の、複数のベースライン時変信号との統計的相違の捕捉まで拡張される。これらの実施形態において、テスト時変信号のLMPの各値は、このテスト時変信号のセグメントと、複数のベースライン時変信号の対応するセグメントとの相違の関数である。たとえば、テスト時変信号のLMPの値は、このテスト時変信号のセグメントと、複数のベースライン時変信号の対応するセグメントとの間の、最小ユークリッド距離である。これらの実施形態は、LMPの統計的性質をより正確に捕捉する。
それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態において、LMPを、たとえば時変信号が1つのセンサまたは1種類の複数のセンサの測定値を含む場合の、単変量時系列(univariate time series)(UTS)について求める。それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態において、LMPを、たとえば時変信号が異なる種類の異なるセンサの測定値を含む場合の、多変量時系列(multivariate time series)(MTS)について求める。たとえば、マシンの動作は、加速度計、トルクセンサ、および位置センサの測定値で表すことができる。正式には、MTSアイテムは複数のUTSアイテムで形成され、各UTSは特定の次元に対応する。特に、LMPはMTSについて内部的に求めることができる。すなわち、LMPの1つの値は、対応する、複数の時系列データの値から求められる。このようにして、いくつかの実施形態は、時系列データの次元数だけでなく、時変信号の統計的解析の計算負荷を減じる。
たとえば、いくつかの実施形態において、一組のベースライン(正常)MTSアイテムを基準としてあるMTSアイテムについて求めたLMPの各値は、MTSアイテムに含まれるUTSの対応するセグメント間の重み付けされたユークリッド距離の最小値である。ユークリッド距離は、等しく、すなわち同一の重みで、重み付けすることができ、これが計算を単純にする。しかしながら、MTS時変信号の、次元が異なるUTS時変信号を相関させることができるので、等しく重み付けされたユークリッド距離は、結果として得られたLMPにおいて部分的な情報を伝えるだけである。そのため、いくつかの実施形態において、重み付けされたユークリッド距離は、時変信号の異なる次元を測定する異なるセンサに対する異なる重みを用いて求められる。たとえば、いくつかの実施形態において、そのような重みを、主成分分析(principal component analysis)(PCA)に基づいて、教師なし方法(MTSアイテムのラベルは不要であり、たとえば、故障検出/分類アプリケーションにおいて、MTSアイテムが正常か否かがわからず、不良MTSアイテムがどのような種類の故障を持ち得るのかもわからない)を用いて計算する。上記PCAは、主成分(principal component)(PC)および記述的共通主成分(descriptive common principal component)(DCPC)の特性を利用することにより、変数間の相関情報を維持する。変数の変数重要度スコア(variable importance score(VIS、すなわち重み)を、共通主成分に対するそれらの寄与度に従って計算する。
いくつかの実施形態は、LMPはスライディングウィンドウ技術を用いて効率的に計算できるという認識に基づく。ウィンドウの長さは、LMPの値を求めるためのテストおよびベースライン時変信号のセグメントの長さを画定し、ウィンドウの位置は、LMPの値を求める時間インスタンスを画定する。スライディングウィンドウ技術は、ウィンドウを、時間的に1または複数の時間インスタンス分シフトすることにより、LMPの値を繰り返し求める。1回の繰り返しごとに、すなわちウィンドウの1シフトごとに、LMPの値は、LMPの前の値、もはやウィンドウの一部ではないウィンドウの古いシフトについて求めたLMPの古いシフト値、および、ウィンドウの新たに追加された部分について求めたLMPの新たなシフト値の、関数である。LMPの前の値、およびLMPの古いシフト値は、前の繰り返しから得ることができる。よって、現在の繰り返し中のLMPの現在の値を求めるために、いくつかの実施形態は、LMPの新たなシフト値を求めこの値を前に求めた値と組み合わせるだけでよい。その後の繰り返しについては、LMPの現在の値はLMPの前の値となり、LMPの新たなシフト値はLMPの古いシフト値となる。このようにして、LMPを求める計算の複雑度は、ブルートフォースLMP計算と比較して減じられる。
いくつかの実施形態は、LMPはさまざまなアプリケーションにおいて使用できる統計的プリミティブであるという認識に基づく。たとえば、いくつかの実施形態の目的は、LMPを用いて、マシンの時変動作における異常検出および/または故障分類を、マシンの時変動作を表す時変信号のLMPの統計的解析を行うことによって実行することである。
いくつかの実施形態は、マシンの動作の時変信号は、正常に実行されたマシンの動作の他の正常な時変信号と比較できるという認識に基づく。これらの実施形態において、ベースライン信号は、マシンの正常動作の測定値を含み、マシンの動作のベースライン実行は、マシンの動作の成功した実行である。
たとえば、エレベータのドアを繰り返し開閉する動作を測定することにより、時変信号を経時的に収集することができる。エレベータのドアの開閉動作が、異常または故障のない成功した動作とみなされた場合、これらの動作の測定値は正常な時変信号となる。理論上、検討対象の入力時変信号が正常な時変信号に似ている場合、この入力時変信号は正常とみなすことができる。逆に、検討対象の入力時変信号が正常な時変信号と似ていない場合、この入力時変信号は異常または不良とみなすことができる。そのため、いくつかの実施形態において、ベースライン時変信号は、マシンの動作の正常な時変信号である。
それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態は、マシンの動作における故障の種類を分類するように構成される。そのため、いくつかの実施形態は、テスト信号を、マシンの動作における特定種類の故障を表す信号と比較する。
いくつかの実施形態は、多くの場合時変信号の変化は許容されるという観察に基づく。このような変化の許容範囲(すなわちしきい値)が適切に考慮されない場合、上記比較が、フォールスポジティブおよび/またはフォールスネガティブ問題につながる可能性がある。フォールスポジティブ問題とは、成功した動作を表す信号に異常を見出すことである。このような状況は一般的に、比較のしきい値を小さく設定し過ぎたことによって生じる。フォールスネガティブ問題とは、失敗した動作を表す信号に異常を見出さないことである。このような状況は一般的に、比較のしきい値を大きく設定し過ぎたことによって生じる。フォールスポジティブ問題およびフォールスネガティブ問題は一般的に解決が難しい。そのため、比較のしきい値を適切に設定することが不可欠である。
いくつかの実施形態は、比較の適切なしきい値は、たとえばマシンの正常動作のベースライン時変信号のLMPの値から決定できるという認識に基づく。ベースライン時変信号の異なるLMPからしきい値を導出することにより、時変信号の許容変化量を捕捉して、フォールスポジティブおよび/またはフォールスネガティブエラーを減じる。
いくつかの実施形態において、マシンの動作における異常を検出するためのしきい値決定手順は、3つのステップに分けられる。第一に、マシンの成功した動作を表すいくつかの正常なベースライン時変信号を収集し、これらの正常な信号を、LMPの定義における複数のベースライン時変信号として使用する。第二に、各ベースライン信号のLMPを、他のベースライン信号を基準として計算する。なお、マシンの動作を表すテスト時変信号のLMPは、ベースライン時変信号を基準として計算される。同様に、所定のベースライン信号のLMPを計算するためには、このような所定のベースライン信号のLMPを、この所定のベースライン信号自体を除く、他のすべてのベースライン信号を基準として計算する。第三に、所定の時間インスタンスについて、この時間のインスタンスにおけるLMPしきい値の値は、この時間のインスタンスにおけるベースライン信号のLMPの最大値である。したがって、これらのしきい値は、時間に依存する態様で正常な時変信号間の許容変化量を表す時系列も形成する。本明細書で使用する、このような時系列のしきい値を、LMPTで示し、「T」がしきい値を表し、「LMP」が正常な時変信号のLMPから導出されるしきい値を表す。実際、そのようなLMPしきい値は、時変信号の許容変化量を説明するため、かつフォールスポジティブエラーおよびフォールスネガティブエラーを減じるために、時間のインスタンスが異なれば変化する。
加えて、いくつかの実施形態は、ベースライン時変信号を基準とする入力時変信号のLMPと、対応するLMPTとの間の相違時系列(difference time series)(DTS)が、異常検出におけるフォールスポジティブおよびフォールスネガティブの問題に対処するのに役立ち得る、という理解に基づく。各時間インスタンスについて、このようなDTSの値は、正常な時変信号を基準とする入力時変信号のLMPの値から、この時間インスタンスにおける対応するLMPTの値を減算したものに等しい。このようなDTSの正の(すなわちゼロよりも大きい)各値は、入力時変信号の局所的誤差を表す。しかしながら、一連のDTSの正の値は、誤差の累計を、異常の存在を示すものとして表す。一方、それに続く正ではない値は、誤差からの回復を、異常がないことを示すものとして表す。したがって、DTSにより、経時的な局所的誤差の累計および/または回復の統計的解析の提供が可能になる。誤差の累計および回復は、特定の時間における1つの局所的誤差だけの場合よりも、さまざまな動作における実際の状況をより良く表す。したがって、DTSを用いた異常検出における誤差の累計および回復を考慮することにより、計算上効率的にフォールスポジティブおよびフォールスネガティブ問題に対処する。
いくつかの実施形態は、局所的誤差の法外な累計の値はマシンに依存し実験に基づいて選択できるという認識に基づく。しかしながら、この法外な累計が局所的誤差の値だけでなく局所的誤差の値の変化率にも依存し得ることも観察される。そのため、いくつかの実施形態は、この累計を、期間内のDTS値の関数として、および/または期間内のDTS値におけるDTSの導関数の関数として、求める。
そのため、いくつかの実施形態は、マシンの動作の生の測定値ではなく、LMPに基づく間接的な異常検出を開示する。そのような間接的な異常検出は、少なくとも以下の理由により、好都合である。第一に、LMPはそれでもなお、マシンの異なる動作の時間情報を維持する時系列である。第二に、LMPは、生のサンプルよりも適切に相違を表し、より直感的に異常を示す。第三に、LMPにより、マシンの時変動作の変遷を少なくとも2回、すなわち、LMPを求めるテスト時と、LMPのセグメントを解析するベースライン時とにおいて、考慮することができる。
加えて、時系列の相違値を求め比較することは、異なる時間スケールで実施することができる。たとえば、時系列の相違値を求めるためのセグメントの長さは、異常検出のために異なる時系列の相違値を比較するためのセグメントの長さと異なり得る。これらの異なる時間スケールにより、全体的な異常検出手順に適するようにされた時変プロセスの局所的な偏差をより適切に考慮することができる。加えて、正常な履歴サンプルから求めた異なる時系列の相違値は、時変プロセスの正常な偏差を、時間の関数として表し、これにより、時変プロセスの異常検出しきい値をより適切に決定することができる。
したがって、ある実施形態は、マシンの動作の実行における異常を検出するためのシステムを開示し、このシステムは、マシンの動作の時系列の測定値を含むテスト信号を入力するように構成された入力インターフェイスと、一組のベースライン信号を格納するように構成されたメモリとを備え、各ベースライン信号は、マシンの動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、上記システムはさらに、ハードウェアプロセッサを備え、ハードウェアプロセッサは、ベースライン信号を基準とするテスト信号のローカルマトリクスプロファイル(LMP)を求めるように構成され、LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各LMP値は、上記時間インスタンスにおける上記テスト信号のセグメントについて、上記テスト信号のセグメントと、上記時間インスタンスにおける上記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各LMP値は、上記マシンの上記動作の上記ベースライン実行を基準とする、上記マシンの動作の実行の局所的相違の値であり、ハードウェアプロセッサは、ある期間においてLMPしきい値を上回るLMP値の累計を求めるように構成され、ハードウェアプロセッサは、上記期間において上記LMPしきい値を上回る上記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するように構成され、上記システムはさらに、異常検出の結果を出力するように構成された出力インターフェイスを備える。
別の実施形態は、マシンの動作の実行における異常を検出するための方法を開示し、この方法はプロセッサを用い、プロセッサはこの方法を実現する格納された命令と結合され、命令は、プロセッサによって実行されると、この方法のステップを実行し、ステップは、マシンの動作の時系列の測定値を含むテスト信号を受け入れるステップと、一組のベースライン信号を基準とするテスト信号のローカルマトリクスプロファイル(LMP)を求めるステップとを含み、各ベースライン信号は、マシンの動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各LMP値は、上記時間インスタンスにおける上記テスト信号のセグメントについて、上記テスト信号のセグメントと、上記時間インスタンスにおける上記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各LMP値は、上記マシンの動作のベースライン実行を基準とする、上記マシンの動作の実行の局所的相違の値であり、この方法はさらに、ある期間においてLMPしきい値を上回るLMP値の累計を求めるステップと、上記期間において上記LMPしきい値を上回る上記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するステップと、上記異常検出の結果を出力するステップとを含む。
さらに他の実施形態は、方法を実行するためにプロセッサが実行可能なプログラムが実装された非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体を開示し、この方法は、マシンの動作の時系列の測定値を含むテスト信号を受け入れるステップと、一組のベースライン信号を基準とするテスト信号のローカルマトリクスプロファイル(LMP)を求めるステップとを含み、各ベースライン信号は、マシンの動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各LMP値は、上記時間インスタンスにおける上記テスト信号のセグメントについて、上記テスト信号のセグメントと、上記時間インスタンスにおける上記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各LMP値は、上記マシンの動作のベースライン実行を基準とする、上記マシンの動作の実行の局所的相違の値であり、この方法はさらに、ある期間においてLMPしきい値を上回るLMP値の累計を求めるステップと、上記期間において上記LMPしきい値を上回る上記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するステップと、上記異常検出の結果を出力するステップとを含む。
いくつかの実施形態に係る、マシンの動作における異常を検出および/または分類するためのシステムのブロック図を示す。 いくつかの実施形態に係る、マシンの動作における異常を検出および/または分類するためのシステムのブロック図を示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPの概念を説明する概略図を示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPを求めるためのシフティングウィンドウ法の概略図を示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPに基づいて故障検出器のLMP値のしきい値を求める方法の概略図を示す。 図2Cの例について求めた時系列のしきい値を示す。 いくつかの実施形態に係る、マシンの動作の各種パラメータの重みを求める方法のブロック図を示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPの比較特性のグラフを示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPに基づく異常検出のための方法のブロック図を示す。 ある実施形態に係る、LMPに基づく故障検出の方法のブロック図を示す。 いくつかの実施形態に係る、LMPに基づく故障分類の方法のブロック図を示す。 ある実施形態に係る、代表的なテストMTSアイテム、一組の代表的なベースラインMTSアイテム、およびベースラインMTSアイテムを基準とするそれらのLMPを説明するグラフを示す。 図6のLMPを用いる故障検出のグラフを示す。 いくつかの実施形態に係る、故障分類のための3種類のラベルを有するサンプル訓練MTSアイテムのLMPを説明するグラフを示す。 いくつかの実施形態に従い制御されるマシンの典型を示す。 図9Aの代表的な実施形態についての故障分類をまとめた混同行列を示す。 実施形態に係る、代替コンピュータまたはプロセッサを用いて実現できる図1Aのシステムの構成要素のブロック図である。
システムの概要
図1Aおよび図1Bは、いくつかの実施形態に係る、マシン102の動作における異常を検出および/または分類するためのシステム100のブロック図を示す。マシン102の例は、エレベータドアシステム、ロボットアセンブリ、およびサーボモータを含む。マシンの動作の例は、エレベータドアの開閉、特定のタスクに従ってロボットアームを操作すること、特定の軌道に従ってサーボモータにより物体を移動させることを含む。システム100は、学習コンポーネントおよび制御コンポーネントのうちの1つまたはこれらの組合せを含む。学習コンポーネントは、マシンの動作の統計的プリミティブを推定するように構成される。制御コンポーネントは、学習した統計的プリミティブを用いて動作の異常値を推定するように構成される。いくつかの実施形態において、システム100の異常検出は、マシン102の動作における故障の有無を判断する。それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態において、システム100の異常検出は、マシン102の動作における故障の種類を分類する。
システム100は、システム100を他のシステムおよび装置と接続するいくつかの入力108および出力116インターフェイスを有することができる。たとえば、ネットワークインターフェイスコントローラ150は、バス106を介してシステム100をネットワーク190に接続するのに適するようにされたものである。システム100は、ネットワーク190を介して、無線または有線で、マシンの動作の測定値の時系列サンプルを含むテスト信号195を受信することができる。入力信号195の測定値は、センサ104a、104b、および104cのうちの1つまたはその組合せからの測定値、または、マシンの動作の物理変数の測定値から導出されたデータである。このような物理変数の例は、物体を移動させるモータのトルクおよび/または電圧、この物体の位置、速度および/または加速度などを含む。時系列サンプルは、一次元の可能性も多次元の可能性もある、すなわち、1サンプルは、マシンの動作のさまざまな物理量の測定値を含み得る。
いくつかの実装例において、システム100内の人間マシンインターフェイス110は、システムをキーボード111およびポインティングデバイス112に接続し、ポインティングデバイス112は、とりわけ、マウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティック、ポインティングスティック、スタイラス、またはタッチスクリーンを含み得る。インターフェイス110またはNIC150を介して、システム100は、ベースラインデータ、たとえば、ベースライン信号の値、異常検出しきい値および/または故障分類しきい値等を受けることができる。
システム100は、異常検出の結果を出力するように構成された出力インターフェイス116を含む。たとえば、出力インターフェイスは、異常検出の結果をレンダリングするためにメモリを含み得る。たとえば、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイス等の表示装置185にシステム100を接続するのに適するようにされた表示インターフェイス180に、バス106を介してシステム100を連結することができる。また、各種動作の実行のために機器165にシステムを接続するのに適するようにされたアプリケーションインターフェイス160にシステム100を接続することもできる。また、システムをマシン102に接続するのに適するようにされた制御インターフェイス170にシステム100を接続することもできる。たとえば、いくつかの実施形態において、システム100は、マシン102を、その動作の異常の検出に応じて制御するように構成される。たとえば、システム100は、マシン102の動作の実行を停止させることができる。
システム100は、格納された命令を実行するように構成されたプロセッサ120と、プロセッサが実行可能な命令を格納するメモリ140とを含む。プロセッサ120は、シングルコアプロセッサでもよく、マルチコアプロセッサでもよく、コンピューティングクラスタでもよく、または、任意の数のその他の構成であってもよい。メモリ140は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他の適切なメモリシステムを含み得る。プロセッサ120は、バス106を介して1つ以上の入出力デバイスに接続される。これらの命令は、マシンの動作における異常を検出および/または分類するための方法を実現する。
そのため、制御システム100は、ベースライン信号を基準とする入力信号のローカルマトリクスプロファイル(LMP)を求めるように構成されたLMP推定器133を含む。ベースライン信号は、ベースラインデータ131の一部としてメモリ140に格納されてもよく、および/またはシステム100の入力インターフェイス108を介してダウンロードされてもよい。LMPは、時変信号によって表されるマシンの時変動作の変遷に対する統計的観察を表すことができる、新たな統計的時系列データマイニングプリミティブである。マシンの時変動作は、繰り返されるサイクルを含む場合も含まない場合もあり得る。一般的に、時変信号の統計的解析の実行は、時変信号の変動し易さおよび/または予測不能性、ならびに動作プロセスの変動する性質のために、難しい。そのため、発見された統計的プリミティブは、いくつかのアプリケーションに有益となり得る時変信号の統計的解析を容易にすることができる。
いくつかの実施形態において、ベースライン信号は、検討の対象であるマシンの動作の成功した実行を表す正常信号である。これらの実施形態において、正常信号を基準として求めたLMPを用いることにより、マシンの動作における異常を検出することができる。そのため、システム100は、LMPが示すある期間にわたる局所的誤差の累計が、異常検出しきい値よりも大きい場合に、異常を検出するように構成された、異常検出器137を含む。
それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態において、ベースライン信号は、検討の対象であるマシンの動作の成功した実行を表す正常信号である。これらの実施形態において、正常信号を基準として求めたLMPを用いることにより、マシンの動作における故障を分類することができる。そのため、システム100は、テスト信号のLMPと、ラベル付けされた訓練信号のLMPとの比較に基づいて故障を分類するように構成された故障分類器135を含む。
実際、LPMを、異なる信号を比較するためかつLMPが示すある期間にわたる局所的誤差の累計が対応するしきい値を超えたときに故障を検出するための統計的プリミティブとして用いることにより、異常検出および/または故障分類におけるポジティブおよびネガティブ検出エラーを減じることができる。
・ローカルマトリクスプロファイル(LMP)
図2Aは、いくつかの実施形態に係るLMPの概念を説明する概略図を示す。一般性を失うことなく、図2Aは単変量時系列の例を示す。上側の図は、マシンの動作の測定値の時系列サンプルを含むテスト信号251と、一組のベースライン信号252、253、254とを示す。各信号は、マシンの同じ動作の実行に対応する。これらの信号は、時間的に同期した時系列信号である。同じ動作の1回の実行に対応するこれらの信号を、本明細書ではアイテムとも呼ぶ。
クエリ長さMおよび任意の時間インスタンスtの場合、一組のベースラインアイテム252、253、および254を基準とするテストアイテム251のLMPの値260は、サブシーケンス240(すなわち251の点230と231との間の曲線セグメント)と、サブシーケンス241(すなわち252の点232と233との間の曲線セグメント)、242(すなわち253の点234と235との間の曲線セグメント)、および243(すなわち254の点236と237との間の曲線セグメント)との間の、最小ユークリッド距離260として求められる。なお、サブシーケンス240、241、242、および243は、同じ長さMおよび同じ開始時間tを有する。図2Aの下側の図は、ベースラインアイテムを基準とするテストアイテムのLMPの値が、時間の経過に伴って変化し、付随する単変量時系列255を形成することも示す。
したがって、LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスの各LMP値は、この時間インスタンスにおける入力信号のセグメントについて、この入力信号のセグメントと、この時間インスタンスにおけるベースライン信号の対応するセグメントとの相違に基づいて、求められ、各LMP値は、この時間インスタンスのマシンの動作の局所的誤差の値である。
本明細書で使用する、時変信号または信号は、時系列の値である。時系列とは、時間的に連続して測定したおよび/または求めた一連の値である。時系列における各値は、その値に対応付けられたタイムスタンプによって定めることができる時間のインスタンスに対応する。時系列内の値は、それぞれのタイムスタンプに従って順番に並べられる。時間のインスタンスは、絶対値および/または相対値で、たとえば、マシン動作の開始からの時間で、示すことができる。相対的な時間のインスタンスは好都合である。なぜなら、マシン動作の別々の実行を表す別々の信号の測定値を並べ易くすることができるからである。
本明細書において、時変信号のLMPは、この時変信号の、別の時変信号との局所的相違260の時変プロファイル255と定義される。そのLMPを求める時変信号を、テスト時変信号と呼ぶ。このテスト時変信号との比較用に使用される他方の時変信号を、ベースライン時変信号と呼ぶ。
具体的には、上記LMPの定義の「時変」部分は、LMPが時間的に時変信号と同期することを示す。言い換えると、テスト時変信号、および当該テスト時変信号のLMPはいずれも、時間の関数であり、ある時間のインスタンスにおけるLMPの値は、少なくとも一部、同じ時間のインスタンスにおけるテスト時変信号の値から導出される。特に、LMPは、テスト時変信号の、ベースライン時変信号との相違を表すので、時間のインスタンスにおけるLMPの値は、この時間のインスタンスにおけるベースライン時変信号の値にも依存する。このようにして、LMPは、テスト時変信号の時間属性を維持する。これは、いくつかの時系列データマイニングアプリケーションにとって好都合である。
上記LMPの定義の「局所的相違」部分は、ある時間のインスタンスにおけるLMPの値が、この時間のインスタンスにおけるテスト時変信号の値の局所的近隣と、同じ時間のインスタンスにおけるベースライン時変信号の値の局所的近隣との相違に依存し、テスト時変信号およびベースライン時変信号のその他の値から独立していることを意味する。ある時間の瞬間のLMP値の一例は、この時間のインスタンスにおけるその値を中心とするテスト時変信号のセグメントと、同じ時間のインスタンスにおけるその値を中心とするベースライン時変信号のセグメントとの間のユークリッド距離である。その他の実装例において、ある時間のインスタンスのセグメントは、この時間のインスタンスにおけるその値を中心としている必要はない。たとえば、セグメントの位置は、この時間のインスタンスにおけるその値の位置から始まってもよく、この値の位置で終わってもよく、この値の位置を含んでいてもよく、そうでなければこの値の位置に依存してもよい。このようにして、LMPの各値は、テスト時変信号の局所的な変遷の変化量を示し、これはいくつかの時変データマイニングアプリケーションには好都合である。たとえば、図2Aに示されるように、LMP値260は、値260の時間インスタンスから始まるセグメント240、241、242、および243の比較に基づいて形成される。
加えて、上記LMPの定義の「プロファイル」部分は、LMPが時間の関数であることを意味する。より具体的には、テスト時変信号は時系列なので、テスト時変信号のLMPも時系列である。LMPの各値は、あるマシンの時変動作の局所的な変遷の統計的変化量なので、LMPは、マシンの動作における局所的変遷の時系列の統計的変化量である。このようにして、時変信号のLMPにより、時変信号の「予測不能性」とは無関係に、マシンの動作の変遷の統計的解析を実施することができる。
具体的には、LMPは、時変信号で表されるマシンの動作の変遷の統計的解析にとって好都合ないくつかの特性を有する。第一に、マシンの動作は「予測不能」なので、マシンの時変動作の変遷は時間に依存する。特に、LMPは時間情報を維持し、これにより、時間に依存する統計的解析を実施することができる。
第二に、テスト時変信号のLMPは当該テスト時変信号の値の分布とは無関係の関数であるので、LMPは統計の原理に従う。実際、LMPは、テスト時変信号とベースライン時変信号との局所的相違の関数なので、LMPの同じ値がテスト時変信号の異なる値に対して生成される可能性があり、逆の可能性もある。
第三に、LMPは、マシンの動作の局所的な変遷だけでなく、マシンの動作の全体的な変遷も捕捉する。LMPの各値は、局所的情報、すなわち局所的な変遷から求められるが、LMP値のシーケンスは、それにもかかわらず、マシンの動作の変遷の全体的な変化量に関する統計を捕捉する。このような構成により、いくつかの実施形態は、経時的な時変信号の局所的統計パラメータを観察することができる。
ローカライズマトリクスプロファイルの定義
いくつかの実施形態において、LMPを、たとえば時変信号が1つのセンサまたは1種類の複数のセンサの測定値を含む場合の、単変量時系列(UTS)について求める。それに加えてまたはそれに代えて、いくつかの実施形態において、LMPを、たとえば時変信号が異なる種類の異なるセンサの測定値を含む場合の、多変量時系列(MTS)について求める。たとえば、マシンの動作は、加速度計、トルクセンサ、および位置センサの測定値で表すことができる。正式には、MTSは複数のUTSアイテムを含み、各UTSは特定の次元に対応する。なお、UTSは実際、MTSの特殊ケースであり、したがって、本開示はMTSを用いて、1つまたは複数のセンサから収集された時系列を表す。
LMPの定義の記述の便宜上、本開示はある表記を導入する。NをMTSデータ内の変数の数(すなわち、MTSデータを収集するためのセンサの数)とする。これはすべてのMTSアイテムについて同一であると想定する。各MTSアイテムは、1つのマシンまたは同一種類の複数のマシンの同一の動作の実行に対応する(たとえば、1台のエレベータのまたは同一種類の複数のエレベータのドアを開くおよび/または閉じること)。変数(センサ)インデックスをnで表し、n=1,…,Nである。Tをセンサが記録したタイムインスタンスの数とする。これもすべてのMTSアイテムについて同一であると想定する。時間インスタンスインデックスをtで表し、t=1,…,Tである。
Figure 0007275062000001
Figure 0007275062000002
Figure 0007275062000003
Figure 0007275062000004
なお、上述の定義において、クエリ長さMは選択される。これは、マシンの動作の優勢周波数を選択することにより、または、ベースラインアイテムのLMPを解析することにより求めた一組のベースラインアイテムにおける故障検出の損失関数を最小にする最適化問題を解くことにより、行うことができる。一組のMの値は、最適化問題の最適化パラメータである。
Figure 0007275062000005
LMPの計算
種々の実施形態は、種々の方法を用いて、ベースライン信号を基準とするテスト信号のLMPを計算する、および/または種々のベースライン信号のLMPを計算する。たとえば、ある実施形態は、LMPの定義およびブルートフォースアルゴリズム(アルゴリズム2を参照)におけるダイレクトサーチを用いることにより、その時間複雑度がO(MNLT)であり空間複雑度がO(NLT)であるLMPベクトルgを得る。本開示は「FLT_MAX」を用いて十分大きな数を表し、アルゴリズム2のライン4において、定義上、距離
Figure 0007275062000006
は直接計算される。(2)を参照。
Figure 0007275062000007
Figure 0007275062000008
Figure 0007275062000009
この考え方は、連続するサブシーケンス間の重複を利用し、O(NLT)時間複雑度を有するアルゴリズム3に至り、ブルートフォースという代案と比較して、ファクタM分、計算を高速化する(Mはクエリ長さであり、この時間複雑度の低減は、特にMが大きい場合にかなりの低減となる)。
Figure 0007275062000010
Figure 0007275062000011
いくつかの実施形態は、LMPはスライディングウィンドウ技術を用いてより効率的に計算できるという認識に基づく。ウィンドウの長さは、LMPの値を求めるためのテストおよびベースライン時変信号のセグメントの長さを画定し、ウィンドウの位置は、LMPの値を求める時間インスタンスを画定する。スライディングウィンドウ技術は、ウィンドウを、時間的に1または複数の時間インスタンス分シフトすることにより、LMPの値を繰り返し求める。1回の繰り返しごとに、すなわちウィンドウの1シフトごとに、LMPの値は、LMPの前の値、もはやウィンドウの一部ではないウィンドウの古いシフトについて求めたLMPの古いシフト値、および、ウィンドウの新たに追加された部分について求めたLMPの新たなシフト値の、関数である。LMPの前の値、およびLMPの古いシフト値は、前の繰り返しから得ることができる。よって、現在の繰り返し中にLMPの現在の値を求めるために、いくつかの実施形態は、LMPの新たなシフト値を求めこの値を前に求めた値と組み合わせるだけでよい。その後の繰り返しについては、LMPの現在の値はLMPの前の値となり、LMPの新たなシフト値はLMPの古いシフト値となる。このようにして、LMPを求める計算の複雑度は、ブルートフォースLMP計算と比較して減じられる。
図2Bは、いくつかの実施形態に係るLMPを求めるためのシフティングウィンドウ方法の概略図を示す。シフティングウィンドウ方法は、テスト単変量時系列2700およびベースライン単変量時系列2750のサブシーケンス間のユークリッド距離を如何にして効率的に計算するかを例示し、これは、本開示に従う高速LMP計算アルゴリズムにおける基本的なサブルーチンである。2700および2750の2つの連続サブシーケンスを考える。そのうちの一方は、時間インスタンスtとt+M-1との間(すなわち、2700の点270と273との間の曲線および2750の点275と278との間の曲線)であり、他方は、タイムインスタンスt+1とt+Mとの間(すなわち2700の点271と274との間の曲線、および2750の点276と279との間の曲線)である。なお、対応する連続サブシーケンス間には重なりがある。橙色の曲線参照。tから始まるサブシーケンス間のユークリッド距離を得るために、(M-1)対のスカラー間の距離の部分和として、重なり合う2つの曲線間の距離を、計算されると仮定して、再利用することができる。特に、t+1から始まるサブシーケンス間のユークリッド距離を計算するとき、いくつかの実施形態は、この部分和を直接使用し、1対のスカラー間の距離を計算するだけでよく、これは、クエリ長さMとは無関係に一定時間で行うことができる。
LMPしきい値
いくつかの実施形態は、マシンの動作の時変信号は、正常に実行されたマシンの動作の他の正常な時変信号と比較できるという認識に基づく。たとえば、エレベータのドアを繰り返し開閉する動作を測定することにより、時変信号を経時的に収集することができる。エレベータのドアの開閉動作が、異常または故障のない成功した動作とみなされた場合、これらの動作の測定値は正常な時変信号となる。理論上、検討対象の入力時変信号が正常な時変信号に似ている場合、この入力時変信号は正常とみなすことができる。逆に、検討対象の入力時変信号が正常な時変信号と似ていない場合、この入力時変信号は異常または不良とみなすことができる。
いくつかの実施形態は、多くの場合時変信号の変化は許容されるという観察に基づく。このような変化の許容範囲(すなわちしきい値)が適切に考慮されない場合、上記比較が、フォールスポジティブおよび/またはフォールスネガティブ問題につながる可能性がある。フォールスポジティブ問題とは、成功した動作を表す信号に異常を見出すことである。このような状況は一般的に、比較のしきい値を小さく設定し過ぎたことによって生じる。フォールスネガティブ問題とは、失敗した動作を表す信号に異常を見出さないことである。このような状況は一般的に、比較のしきい値を大きく設定し過ぎたことによって生じる。フォールスポジティブ問題およびフォールスネガティブ問題は一般的に解決が難しい。そのため、比較のしきい値を適切に設定することが不可欠である。
いくつかの実施形態は、比較の適切なしきい値は、マシンの動作の正常な時変信号のLMPの値から決定できるという認識に基づく。具体的には、しきい値を決定する手順は、3つのステップに分けられ、第一に、マシンの成功した動作を表すいくつかの正常な時変信号を収集し、これらの正常信号をLMPの定義における複数のベースライン時変信号として用いる。ベースライン、マシンの動作を表す所定の入力時変信号のLMPを、上記正常な時変信号を基準として計算する。しかしながら、所定の入力時変信号がこれらの正常な時変信号のうちの1つであった場合、このような入力時変信号のLMPは、上記入力時変信号自体を除いた正常な時変信号を基準として計算する。第三に、所定の時間インスタンスについて、所定の入力時変信号のLMPと正常な時変信号のLMPとの比較のためのしきい値を、その時間インスタンスにおける正常な時変信号のLMPの値の最大値を取ることによって決定する。
図2Cは、いくつかの実施形態に係るLMPに基づいて故障検出器のLMP値のしきい値を求める方法の概略図を示す。これらの例において、本実施形態は、LMPのベースラインアイテム2800、2810、および2820から得られるしきい値を求める。各タイムインスタンスごとに、LMPのしきい値を、ベースラインアイテムのLMPの対応する値の最大値として取ることができる。特に、時間インスタンスtの場合、最大LMP値は、点280にある(なぜなら点280は点280、281、および282のうちで最も高いからである)。よって、しきい値290は、点280におけるベースラインアイテム2800のLMPの値と同一である。また、時間インスタンスtの場合、最大のLMP値は点283にあり(なぜなら点283は点283、284、および285のうちで最も高いからである)、しきい値291は、点283におけるベースラインアイテム2810のLMPの値と同一である。よって、しきい値は異なるベースラインLMPから得ることができる。加えて、LMP値のしきい値はそれ自体が時変であり、単変量時系列を形成する。
図2Dは、図2Cの例について決定した時系列のしきい値を示す。図2Cおよび図2Dに示されるように、これらのしきい値は、時間に依存する態様で正常な時変信号間の許容変化量を表す時系列を形成する。本明細書で使用する、このような時系列のしきい値を、LMPTで示し、「T」がしきい値を表し、「LMP」が正常な時変信号のLMPから導出されるしきい値を表す。時系列のしきい値295は図面の上側において太線の曲線で示されている。
LMPを用いる次元数低減
いくつかの実施形態において、LMPを、たとえば時変信号が異なる種類の異なるセンサの測定値を含む場合の、多変量時系列(MTS)について求める。たとえば、マシンの動作は、加速度計、トルクセンサ、および位置センサの測定値で表すことができる。正式には、MTSは複数のUTSアイテムを含み、各UTSは特定の次元に対応する。特に、LMPはMTSについて内部的に求めることができる。すなわち、LMPの1つの値は、対応する、複数の時系列データの値から求められる。このようにして、いくつかの実施形態は、時系列データの次元数だけでなく、時変信号の統計的解析の計算負荷を減じる。
特に、いくつかの実施形態は、変数間の相関情報を保持するために、主成分(PC)および記述的共通主成分(DCPC)の特性を利用する教師なし方法
Figure 0007275062000012
を使用する。変数のVISを、共通主成分に対するそれぞれの寄与度に従って計算する。
図2Eは、いくつかの実施形態に係るマシンの動作の各種パラメータの重みを求める方法のブロック図を示す。これらの実施形態のいくつかの実装例において、重みはオフラインで、すなわちマシンの動作の開始前に求められる。実際、MTSアイテムについてのLMPの重み付け計算は、故障異常検出および分類における次元数を減じることができる。
たとえば、いくつかの実施形態は、入力として、ラベル付けされていないMTSアイテム2400
Figure 0007275062000013
を取得し、主成分(PC)を計算し2405、得られたPCから記述的共通主成分(DCPC)を計算する2410。次に、実施形態は、得られたDCPCに基づいて変数重要度スコア(VIS)を計算する2415。
いくつかの実施形態において、マシン102の動作の各種パラメータの重みを、アルゴリズム1に従い、変数重要度スコア(VIS)として求める。
Figure 0007275062000014
具体的には、これは最初にMTSアイテムごとのPCを取得し、次にこれら全体にわたるDCPCを連続的に取得する。MTSアイテムの主成分は、ライン3におけるその相関行列に特異値分解(Singular Value Decomposition)(SVD)を適用することによって得られる。各アイテムにつきNのPCがあるが、各MTSアイテムを表すには十分である第1のp(<N)のPCのみが考慮される。一般的に、pは、第1のpのPCによって説明される変数の和の、元のMTSアイテムの基礎となる総変数に対するパーセント比率に基づいて求められ、その範囲は70パーセントと90パーセントとの間である。アルゴリズム1は、入力として、変化量の和、すなわちしきい値δを用いることにより、pを求める。すなわち、各入力MTSアイテムごとに、pを最小値として求め、その第1のpのPCによって説明される総変化量が、最初に与えられたしきい値を上回る(ライン8~14)。MTSアイテムはpについて異なる値を有することができるので、ライン16においてpは最終的にその最大値として求められる(図2Eの2400→2405→2410参照)。
こうして、各MTSアイテムは、その行がその第1のpのPCでありその列が変数を表すp×N行列として表される。なお、この行列の各列は、同じ位置の元の変数に対して1対1の対応関係を有し、対応する変数の、pのPCの各々に対する寄与度を説明する。次に、DCPC行列が、ライン17~23を通して連続的に得られる。最後に、VISベクトルを、一つ一つのDCPCローディングベクトルのl標準を用いることによって求める(ライン24~26、図2Eの2415参照)。
LMP比較の効果
図3は、いくつかの実施形態に係るLMPの比較特性のグラフを示す。具体的には、いくつかの実施形態において、LMPの概念は、あるテスト時変信号の、複数のベースライン時変信号との統計的相違の捕捉まで拡張される。これらの実施形態において、テスト時変信号のLMP310の各値は、このテスト時変信号のセグメントと、複数のベースライン時変信号の対応するセグメントとの相違の関数である。加えて、テスト信号のLMPは、ベースライン信号のLMP320と比較することができる。あるベースライン信号のLMPは、このベースライン信号を他のベースライン信号と比較して求めたLMPである。複数のベースライン信号が動作の同種の成功、たとえば正常動作を表している場合、または特定の故障の不良動作を表している場合、これらのベースライン信号そのものは異なり得るが、それぞれのLMP320はむしろかたまりをなす。視覚的にも、図3に示されるように、テスト信号のLMP310をベースライン信号のLMP320と比較すると、より明らかである。
このため、いくつかの実施形態は、ベースライン信号を基準として入力信号のLMP310を求め、ある期間330における局所的誤差の累計が、ベースライン信号のLMP320の変化に基づいてLMPTとして求めた異常検出しきい値よりも大きいときに、異常を検出する。いくつかの実施形態において、この期間330の長さは、局所的な変遷だけでなく全体的な変遷を捕捉するために複数のLMP値を含むように選択される。このようにして、検出誤差は減じられる。
たとえば、LMP値を求めるための入力信号のセグメントの長さおよび局所的誤差累計のための期間の長さは、動作によって異なる。たとえば、これらの長さは、マシンの動作の低周波成分および高周波成分、マシンの動作の許容変化量、ならびに動作のさまざまな過渡的状態および定常状態に依存する。典型的に、入力信号のセグメントの長さを、局所的誤差累計のための期間の長さよりも短くすることにより、局所的誤差各々の値と比較して局所的誤差の累計を強調する。しかしながら、このような関係は、マシンの種類が異なれば異なり得る。
いくつかの実施形態は、入力信号のセグメントの長さおよび局所的誤差累計のための期間の長さを、マシンの動作の物理的特性の認識に基づいて決定する。たとえば、ある実施形態において、マシンはエレベータのドアを含み、このマシンの動作はエレベータのドアを開くことおよび閉じることを含む。この実施形態において、入力信号のセグメントの長さは、局所的誤差累計のための期間の長さの少なくとも2分の1未満である。この関係は、開閉動作の詳細に基づいて決定される。
LMPを用いる異常検出
図4Aは、いくつかの実施形態に係るLMPに基づく異常検出の方法400のブロック図を示す。この方法は、システム100のプロセッサ120によって実行される。この方法は、ベースライン信号407を基準としてテスト信号405のローカルマトリクスプロファイル(LMP)415を求める410。いくつかの実施形態において、この方法はマシン102の動作中に実行され、テスト信号405は現在の動作の測定値を含む。しかしながら、これに対し、ベースライン信号407は以前の動作の成功した実行の信号である。
求めたLMP415は、時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各LMP値は、この時間インスタンスにおけるテスト信号のセグメントについて、このテスト信号のセグメントと、この時間インスタンスにおけるベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて、求められる。信号405および407は時間的に同期している。また、テスト信号のセグメントと、ベースライン信号の対応するセグメントとは、同じ長さを有し、上記時間インスタンスに対して同じ位置にある。たとえば、この時間インスタンスにおけるテスト信号のセグメントおよびベースライン信号のセグメントの位置は、この時間インスタンスにおけるテスト信号およびベースライン信号の値を中心とする、この時間インスタンスにおけるテスト信号およびベースライン信号の値から始まる、または、この時間インスタンスにおけるテスト信号およびベースライン信号の値で終わる。このように、各LMP値は、マシンの動作のベースライン実行を基準とする、マシンの動作の実行の局所的相違の値である。
次に、この方法は、ある期間においてLMPしきい値417を上回るLMP値の累計425を求める420。特に、LMPしきい値の値は、時系列のLMPしきい値を形成する時間のインスタンスが異なれば変化する。時間のインスタンスにおけるLMPしきい値の各値は、この時間のインスタンスにおけるベースライン信号のLMPの最大値である。所定のベースライン信号のLMPは、この所定のベースライン信号自体を除いたすべてのベースライン信号を基準にして計算されるので、LMPしきい値は、マシンの動作における許容変化量を反映する。
次に、この方法は、この期間中のLMPしきい値を上回るLMP値の累計425が異常検出しきい値427よりも大きい場合に異常を検出し430、異常検出結果435を生成する。実際、LMPのこの新たな統計的プリミティブ、時系列のLMPしきい値、およびLMPしきい値を上回るLMP値の累計により、異常検出の精度を高める。
図4Bは、ある実施形態に係るLMPに基づく故障検出の方法400のブロック図を示す。LMP計算機451は、ベースラインアイテム450
Figure 0007275062000015
のLMP452を計算する。これらの実施形態において、ベースラインアイテムは正常な時変信号を表す。正常な時変信号は単変量時系列(UTS)であってもよく、単変量時系列(UTS)は、物理システムの時変動作において1つの信号センサ(または1種類の複数のセンサ)が生成した一次元の時系列を意味する。多変量時系列(MTS)という用語は、物理システムの時変動作において複数のセンサ(または複数種類のセンサ)が生成した多次元の時系列を意味する。なお、UTSは実際、MTSの特殊なケースであり、したがって、本開示はMTSを用いて、同じまたは異なる種類の1つまたは複数のセンサから収集された時系列を表す。
具体的には、LMP452は
Figure 0007275062000016
を含む。なお、これらはベースラインMTSアイテム自体のLMPであり、これは、マシン動作の正常な実行における許容変化量の、時間に依存する範囲を示し、結果としてLMPのしきい値455の設定に関するガイダンスを提供するであろう。
Figure 0007275062000017
Figure 0007275062000018
本実施形態は、ある期間における局所的誤差の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に、異常を検出する。
Figure 0007275062000019
大きい場合458、本実施形態は、テストMTSアイテムbについて、時間インスタンスξにおける故障を検出する。そうでなければ459、bは時間インスタンスξにおいて正常である。ここで、λ≧0は、たとえば機械学習方法では広く使用されている交差検証によって調整可能なパラメータ(デフォルト値は1)である。パラメータλは、しきい値のロバストネスを高めるためのものである。ベースライン信号のLMPから求めたしきい値の調整は、検出をより正確にすることが多い。
LMPを用いる故障分類
図5は、いくつかの実施形態に係るLMPに基づく故障分類の方法599のブロック図を示す。いくつかの実施形態において、メモリは、失敗したマシン動作の実行の不良信号のLMPを格納し、不良信号のLMPは、故障の種類に基づいてグループ分けされ、この方法599は、異常を検出すると、テスト信号のLMPを不良信号のLMPと比較することにより、故障を分類する。
Figure 0007275062000020
他の実施形態において、ラベル付けされた訓練MTSアイテム500は、分類する各種類の故障について求めた不良アイテムである。図4のベースラインアイテムのLMPと同様に、LMP505はオフラインで求めることができる。
Figure 0007275062000021
各故障の不良訓練アイテムのLMP505およびテストアイテムのLMP506の取得後に、分類器507は、LMP505と506とを比較することにより、特定の故障を分類する。次に、テストMTSアイテムのLMPに対する分類結果508を、元のテストMTSアイテムに対する分類結果509に変換することができる。なお、分類器507は、ユーザの好みに応じて選択することが可能である。たとえば、shapeletに基づく方法、またはその他任意の一般的な時系列分類器を選択することが可能である。テスト信号のLMPと不良信号のLMPとの比較は、信号そのもの同士の比較よりも示唆的である。実際、このような分類はより正確である。
図6は、ある実施形態に係る、代表的なテストMTSアイテムの1つの変数νのUTS(600の赤色の実線で示した曲線)、一組の代表的なベースラインMTSアイテム(600の破線で示した残りの曲線)、および、ベースラインMTSアイテムを基準とする、それらのLMP(それぞれ、605の赤色の実線で示した曲線および破線で示した残りの曲線)を説明するグラフを示す。この実施形態において、一組のベースラインMTSアイテムは、マシンの動作のさまざまな変数の測定値を含む。
図7は、図6のLMPを用いる故障検出のグラフ700を示す。グラフ700は、図6と同一のサンプルテストMTSアイテムのLMP値、および、図6と同一の一組のサンプルベースラインMTSアイテムの計算されたLMPによって求められたしきい値を示し、デフォルトしきい値ファクタλ=1である。しきい値710は、検出された故障720を示すために正常動作のベースラインアイテムから求められる。
図6の600から、一組のサンプルベースラインMTSアイテムにおける変数の値が非常に近く、これらの変数がサンプルテストMTSアイテムの変数にも近いことがわかる。一方、605からは、特定の時間インスタンスにおいて、サンプルテストMTSアイテムのLMPの値が一組のサンプルベースラインMTSアイテムのLMPから大きくずれていることがわかる。これらのずれは、120番目の時間インスタンスと150番目の時間インスタンスとの間で検出される不良ウィンドウを示す。このことは、MTS故障検出のためのプリミティブとしてLMPが優れた識別特性を有することを立証し、したがって、LMPに基づく故障検出器の有効性を保証する。
図8は、いくつかの実施形態に係る、故障分類のために3つの異なるラベル(劣化レベル)を有するサンプル訓練MTSアイテムのLMPを説明するグラフを示す。図8の800、805、および810から、劣化レベルが異なるサンプル訓練MTSアイテムのLMPの曲線が大幅に異なっているように見えることがわかる。特に、95番目の時間インスタンスあたりのLMP値のピークを参照すると、レベル0のLMPのピークは15よりも低く、レベル1のLMPのピークは約35であり、レベル2のLMPのピークは40よりも高いことがわかる。このことは、MTS分類のためのプリミティブとしてのLMPも高い識別性があることを示し、したがって、LMPに基づく故障分類器の有効性を保証する。
代表的な実施形態
図9Aはいくつかの実施形態に従い制御されるマシン102の典型を示す。この例において、マシン102は、エレベータのドアを開く機構を含む(上から見たものである)。エレベータのドアを閉じる機構も本質的には同様である。連結器900は、かごドア910および乗場ドア920と係合している。かごドアと乗場ドアとは通常離されている。ドアが開き始めると、かごドアが乗場ドアと係合して一緒に移動する。複数の物理変数を記録するためにセンサを配置する。
この例において、エレベータのドアを繰り返し開閉する動作を測定することにより、時変信号を経時的に収集する。エレベータのドアの開閉動作が、異常または故障のない成功した動作とみなされた場合、これらの動作の測定値は正常な時変信号となる。
加えて、ここで実証のために使用するデータは、人為的であり、エレベータのドアを開くプロセスに対応して生成され、エレベータの特定の構成要素に異なるレベルの劣化がある。いくつかの実施形態は、合計6レベルの劣化を想定し、各レベルごとに600のMTSアイテム(1,…,600で示される)を生成し、各MTSアイテムは、490の時間インスタンス(サンプリング周波数100Hz)と、それぞれν,n=1,…,5で示される5の物理変数を含む。
劣化レベルが低いほど、エレベータドアの状態はより健全である。いくつかの実装例において、レベル0のデータは「正常」であり、そのレベルが1を超えるデータは「不良」であり、レベル1のデータは「中間」状態である。物理変数の単位の影響を取り除くために、いくつかの実施形態は、MTSアイテム一つ一つを、時系列の変数一つ一つをz正規化することによって前処理する。それ以降、この例におけるMTSアイテムは、エレベータドアの動作の前処理済の測定値を含む。
VISの計算
VISベクトルsを計算するために、いくつかの実施形態は、一つ一つのレベルについて、1,…,200で示されるMTSアイテムを使用する。したがって、合計200×6=1200のMTSアイテムを使用する。アルゴリズム1を適用することによって変数重要度スコアを得た後に、VISベクトルを正規化すると、最終的にはs=(0.2323,0.2306,0.2316,0.0879,0.2176)となる。物理変数ν(図6の600参照)が最大の重要度スコアを有することがわかる。
異常検出
故障検出を行うために、いくつかの実施形態は、{0,2,3,4,5}の中のレベルを有する上記人為的データを使用するだけである。LMPの計算においてクエリ長さMは20に設定され、この数値は数回のトライアルによって決定される。ベースラインLMPを得るために、いくつかの実施形態は、レベル0の、201,…,400で示されるMTSアイテムを使用する。401,…,600で示されるMTSアイテムはテストのために使用する。空間節約のために、レベル2のデータの結果のみを示すが、レベル3、4、5のデータの結果は同様であり省略する。
図6および図7を再び参照する。図6の上側の図600において、ベースラインMTSアイテムの選択された変数νの値は破線で示されている。図6の下側の図605において、ベースラインMTSアイテムのLMPの値を破線で示している。図6のそれぞれの図において、グラウンドトゥルースレベル2(不良)の、401で示されるテストMTSアイテムの変数またはLMPを、赤色の実線で重畳させている。図7において、同じテストアイテムのLMP値、および、計算したベースラインLMPによって決まるしきい値を示している。ファクタλ=1を用いる。図6から、元のベースラインMTSアイテムにおける選択された変数の値が非常に近く、これらの変数はテストMTSアイテムの変数にも近いことがわかる。一方、特定の時間インスタンスにおいて、テストMTSアイテムのLMPの値は、ベースラインMTSアイテムのLMPから大きくずれており、これらのずれは不良ウィンドウを示す(時間インスタンス120と150との間の赤い曲線について図7参照)。このことは、LMPに基づく異常検出の有効性を立証する。
故障分類
故障分類を行うために、いくつかの実施形態は、正常ベースラインMTSアイテムのようにレベル0の、201,…,400で示される上記人為的MTSアイテムを使用する。訓練のために(テストのために)、全6レベルの、401,…,500(501,…,600)で示されるMTSアイテムが使用される。クエリ長さMはここでも20とする。本実施形態は、200のベースラインMTSアイテムを基準として、すべての訓練およびテストMTSアイテムのLMPを計算する。よって、本実施形態は、600の訓練LMP(各レベルごとに100)および600のテストLMP(各レベルごとに100)を求める。次に、本実施形態は、600の訓練LMPに対し、shapeletに基づくマルチラベル分類器を構築し、適用することにより、テストLMP一つ一つのレベルを予測する。
図9Bは、図9Aの代表的な実施形態についての故障分類結果をまとめた混同行列(confusion matrix)930を示す。混同行列930は、2以上のグラウンドトゥルースレベルのアイテムについて、分類が極めて正確であり、レベル5の1つのアイテムのみが間違ってレベル4に分類されていることを示す。グラウンドトゥルースレベル0のテストアイテムも高い精度(96%)で分類されており、4アイテムのみが間違ってレベル1に分類されている。一方、グラウンドトゥルースレベル1のデータは間違ってレベル0に分類され易い。その原因は、「中間」状態において、レベル1の元のデータが実際レベル0のデータに非常に近いことにある。
図10は、実施形態に係る、代替コンピュータまたはプロセッサを用いて実現できる図1Aのシステムの構成要素のブロック図である。コンピュータ1011は、バス1056を介して接続された、プロセッサ1040と、コンピュータ読取可能メモリ1012と、記憶装置1058と、表示装置1052およびキーボード1051に対するユーザインターフェイス1049とを含む。たとえば、プロセッサ1040およびコンピュータ読取可能メモリ1012と通信するユーザインターフェイス1049は、ユーザインターフェイス1049のキーボード面1051からのユーザによる入力を受けると、一組のMTSアイテムを取得しコンピュータ読取可能メモリ1012に格納する。
コンピュータ1011は電源1054を含み得る。アプリケーションに応じて、電源1054は任意でコンピュータ1011の外部に位置していてもよい。
バス1056を介して、表示装置1048に接続するのに適するようにされたユーザ入力インターフェイス1057が連結されてもよく、表示装置1048は、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイスを含み得る。プリンタインターフェイス1059も、バス1056を介して接続することができ、プリンティングデバイス1032に接続するのに適するようにされている。プリンティングデバイス1032は、とりわけ、液体インクジェットプリンタ、固体インクプリンタ、大規模業務用プリンタ、サーマルプリンタ、UVプリンタ、または昇華型プリンタを含み得る。ネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)1034が、バス1056を介してネットワーク1036に接続するのに適するようにされている。とりわけ、MTSデータまたはその他のデータは、コンピュータ1011の外部の、サードパーティ表示装置、サードパーティ撮像装置、および/またはサードパーティプリンティングデバイス上でレンダリングすることができる。
引続き図10を参照して、とりわけMTSデータまたはその他のデータは、ネットワーク1036の通信チャネルを通して送信することができ、および/または保存および/またはさらに処理するために記憶システム1058に格納することができる。さらに、MTSデータまたはその他のデータを、受信機1046(もしくは外部受信機1038)から無線もしくは有線で受信してもよく、または、送信機1047(もしくは外部送信機1039)を介して無線もしくは有線で送信してもよい。受信機1046と送信機1047とはいずれもバス1056を介して接続される。コンピュータ1011は、入力インターフェイス1008を介して外部センシングデバイス1044および外部入出力デバイス1041に接続されてもよい。たとえば、外部センシングデバイス1044は、マシンのMTSデータの収集前、収集中、収集後のデータを集めるセンサを含み得る。たとえば、マシンに近い、またはマシンに近くない環境条件、すなわち、マシンにおけるまたはマシンの近傍の温度、マシンの場所の建築物内の温度、マシンの建築物の外部の屋外温度、マシン自体の映像、マシン近くのエリアの映像、マシンに近くないエリアの映像、および、マシンの外観に関連するその他のデータである。コンピュータ1011は他の外部コンピュータ1042に接続されてもよい。出力インターフェイス1009を用いてプロセッサ1040からの処理済みのデータを出力してもよい。
また、本明細書で概略を述べた各種方法またはプロセスは、さまざまなオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのいずれか1つを使用する1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして符号化し得るものである。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの適切なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプティングツールのうちのいずれかを用いて記述し得るものであり、また、フレームワークもしくは仮想マシン上で実行される実行可能なマシン言語コードまたは中間コードとしてコンパイルし得るものである。典型的に、プログラムモジュールの機能は、各種実施形態において、要望に応じて組み合わせる、または分散させることができる。
また、本開示の実施形態は方法として実施することもでき、この方法の例は先に挙げた通りである。この方法の一部として実行される動作は、いずれかの適切なやり方で並べることができる。したがって、例示された実施形態では逐次的動作として示されているものの、例示された順序と異なる順序で動作が実行される実施形態であっていくつかの動作を同時に実行することを含み得る実施形態を構成し得る。さらに、請求項において、請求項要素を修飾するために「第一」、「第二」等の順序を表す用語を使用する場合、それ自体が、ある請求項要素の、別の請求項要素に対する優先、先行、または順序を暗示しているのではなく、方法を実行する動作の時間的順序を暗示しているのでもなく、特定の名称を有するある請求項要素を、同一名称を有する別の要素から区別するためのラベルとして用いているに過ぎない。
特定の好ましい実施形態を参照しながら本開示を説明してきたが、本開示の精神および範囲内でさまざまなその他の適合化および変形をなすことが可能であることが理解されるはずである。したがって、本開示の真の精神および範囲に含まれるこのような変化および変形すべてをカバーすることが、以下の請求項の側面である。

Claims (19)

  1. マシンの動作の実行における異常を検出するためのシステムであって、前記システムは、
    前記マシンの動作の時系列の測定値を含む現在の動作信号であるテスト信号を入力するように構成された入力インターフェイスと、
    前記マシンの正常動作時の信号である一組のベースライン信号を格納するように構成されたメモリとを備え、各前記ベースライン信号は、前記マシンの前記動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、前記システムはさらに、
    ハードウェアプロセッサを備え、
    前記ハードウェアプロセッサは、前記ベースライン信号を基準とする前記テスト信号の時変変動を示すローカルマトリクスプロファイル(LMP)としての統計的プリミティブを、時間的に同期した前記テスト信号および前記ベースライン信号に対する第1のスライディングウィンドウ方法を使用して、求めるように構成され、前記LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各前記LMP値は、前記時間インスタンスにおける前記第1のスライディングウィンドウ方法のウィンドウ内の前記テスト信号のセグメントについて、前記テスト信号のセグメントと、前記時間インスタンスにおける前記ウィンドウ内の前記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各前記LMP値は、前記マシンの前記動作の前記ベースライン実行を基準とする、前記マシンの前記動作の前記実行の局所的相違の値であり、
    前記ハードウェアプロセッサは、前記LMP値に対する第2のスライディングウィンドウ方法を使用して、前記統計的プリミティブをLMPしきい値と比較することにより、前記第2のスライディングウィンドウ方法におけるウィンドウの長さによって支配されるある期間において前記LMPしきい値を上回る前記LMP値の累計を求めるように構成され、
    前記ハードウェアプロセッサは、前記期間において前記LMPしきい値を上回る前記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するように構成され、前記システムはさらに、
    前記異常検出の結果を出力するように構成された出力インターフェイスを備える、システム。
  2. 前記LMPしきい値の値は、時系列のLMPしきい値を形成する時間のインスタンスが異なれば変化し、前記時間のインスタンスにおける前記LMPしきい値の値は、前記時間のインスタンスにおける前記ベースライン信号のLMPの最大値であり、所定のベースライン信号のLMPは、前記所定のベースライン信号自体を除いたすべての前記ベースライン信号を基準として計算される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ベースライン信号は、前記マシンの正常動作の測定値を含み、前記マシンの前記動作の前記ベースライン実行は、前記マシンの前記動作の成功した実行である、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記テスト信号の前記セグメント、および、前記ベースライン信号の前記対応するセグメントは、同じ長さを有し、前記時間インスタンスに対して同じ位置にある、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記時間インスタンスにおける前記テスト信号および前記ベースライン信号の前記セグメントの位置は、前記時間インスタンスにおける前記テスト信号および前記ベースライン信号の値を中心とする、前記時間インスタンスにおける前記テスト信号および前記ベースライン信号の値から始まる、または前記時間インスタンスにおける前記テスト信号および前記ベースライン信号の値で終わる、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記テスト信号の前記セグメントは複数の測定値を含み、前記累計の前記期間は複数のLMP値を含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記累計は、前記期間内の前記LMP値の関数である、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記ハードウェアプロセッサは、前記テスト信号に対し、前記セグメントの長さの前記第1のスライディングウィンドウ方法の前記ウィンドウを繰り返しシフトすることによって前記テスト信号の前記LMPを求め、現在の繰り返しにおける現在のLMP値は、前の繰り返しにおける前のLMP値、もはや前記ウィンドウの一部ではない前記ウィンドウの古いシフトについて求めた前記LMPの古いシフト値、および、前記ウィンドウの新たに追加された部分について求めた前記LMPの新たなシフト値の、関数である、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記テスト信号および前記ベースライン信号は、異なる種類の異なるセンサからの、複数の単変量時系列(UTS)信号を含み、前記テスト信号および前記ベースライン信号は、多変量時系列(MTS)信号である、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記テスト信号の前記LMPは、対応する前記UTS信号のセグメント間の重み付きユークリッド距離の最小値として求められる、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記重み付きユークリッド距離の重みは、前記マシンの前記動作の測定値の主成分解析を用いて求められる、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記メモリは、前記マシンの前記動作の失敗した実行の不良信号のLMPを格納し、前記不良信号のLMPは、故障の種類に基づいてグループ分けされ、前記ハードウェアプロセッサは、前記異常を検出すると、前記テスト信号のLMPを前記不良信号のLMPと比較することにより、故障を分類する、請求項1に記載のシステム。
  13. 不良信号の前記LMPは、前記ベースライン信号を基準として求められる、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記マシンは、エレベータドアを動作させるための機構を含み、前記マシンの前記動作は、前記エレベータドアの開閉を含む、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記ハードウェアプロセッサは、前記異常検出の結果に基づいて前記マシンを制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
  16. マシンの動作の実行における異常を検出するための方法であって、前記方法はプロセッサを用い、前記プロセッサは前記方法を実現する格納された命令と結合され、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記方法のステップを実行し、前記ステップは、
    前記マシンの動作の時系列の測定値を含む現在の動作信号であるテスト信号を受け入れるステップと、
    前記マシンの正常動作時の信号である一組のベースライン信号を基準とする前記テスト信号の時変変動を示すローカルマトリクスプロファイル(LMP)としての統計的プリミティブを、時間的に同期した前記テスト信号および前記ベースライン信号に対する第1のスライディングウィンドウ方法を使用して、求めるステップとを含み、各前記ベースライン信号は、前記マシンの前記動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、前記LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各前記LMP値は、前記時間インスタンスにおける前記第1のスライディングウィンドウ方法のウィンドウ内の前記テスト信号のセグメントについて、前記ウィンドウ内の前記テスト信号のセグメントと、前記時間インスタンスにおける前記ウィンドウ内の前記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各前記LMP値は、前記マシンの前記動作の前記ベースライン実行を基準とする、前記マシンの前記動作の前記実行の局所的相違の値であり、
    前記LMP値に対する第2のスライディングウィンドウ方法を使用して、前記統計的プリミティブをLMPしきい値と比較することにより、前記第2のスライディングウィンドウ方法におけるウィンドウの長さによって支配されるある期間において前記LMPしきい値を上回る前記LMP値の累計を求めるステップと、
    前記期間において前記LMPしきい値を上回る前記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するステップと、
    前記異常検出の結果を出力するステップとを含む、方法。
  17. 前記LMPしきい値の値は、時系列のLMPしきい値を形成する時間のインスタンスが異なれば変化し、前記時間のインスタンスにおける前記LMPしきい値の値は、前記時間のインスタンスにおける前記ベースライン信号のLMPの最大値であり、所定のベースライン信号のLMPは、前記所定のベースライン信号自体を除いたすべての前記ベースライン信号を基準として計算される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記テスト信号および前記ベースライン信号は、異なる種類の異なるセンサからの、複数の単変量時系列(UTS)信号を含み、前記テスト信号および前記ベースライン信号は、多変量時系列(MTS)信号であり、前記テスト信号の前記LMPは、対応する前記UTS信号のセグメント間の重み付きユークリッド距離の最小値として求められる、請求項16に記載の方法。
  19. 方法を実行するためにプロセッサが実行可能なプログラムが実装された非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体であって、前記方法は、
    マシンの動作の時系列の測定値を含む現在の動作信号であるテスト信号を受け入れるステップと、
    前記マシンの正常動作時の信号である一組のベースライン信号を基準とする前記テスト信号の時変変動を示すローカルマトリクスプロファイル(LMP)としての統計的プリミティブを、時間的に同期した前記テスト信号および前記ベースライン信号に対する第1のスライディングウィンドウ方法を使用して、求めるステップとを含み、各前記ベースライン信号は、前記マシンの前記動作のベースライン実行の時系列の測定値を含み、前記LMPは時系列のLMP値であり、ある時間インスタンスについての各前記LMP値は、前記時間インスタンスにおける前記第1のスライディングウィンドウ方法のウィンドウ内の前記テスト信号のセグメントについて、前記ウィンドウ内の前記テスト信号のセグメントと、前記時間インスタンスにおける前記ウィンドウ内の前記ベースライン信号の対応するセグメントとの間の、最小距離に基づいて求められ、各前記LMP値は、前記マシンの前記動作の前記ベースライン実行を基準とする、前記マシンの前記動作の前記実行の局所的相違の値であり、
    前記LMP値に対する第2のスライディングウィンドウ方法を使用して、前記統計的プリミティブをLMPしきい値と比較することにより、前記第2のスライディングウィンドウ方法におけるウィンドウの長さによって支配されるある期間において前記LMPしきい値を上回るLMP値の累計を求めるステップと、
    前記期間において前記LMPしきい値を上回る前記LMP値の累計が異常検出しきい値よりも大きい場合に異常を検出し、異常検出の結果を生成するステップと、
    前記異常検出の結果を出力するステップとを含む、非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体。
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