JP7269340B2 - 非円形プレートの溶接装置及び非円形プレート構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
積層された複数の非円形プレートを把持して回転可能に支持するチャックと、
前記積層された複数の非円形プレートの隣り合う非円形プレートの外周縁同士を溶接するための溶接トーチと、
固定シールドボックスと、
該固定シールドボックスと共に前記溶接トーチを囲むシールド空間を形成するように、前記溶接トーチに対して位置調整可能な可動シールドボックスと、
を備える。
前記固定シールドボックスは前記溶接トーチを囲むように設けられ、
前記可動シールドボックスは前記溶接トーチに対して前記固定シールドボックスの外側に設けられる。
上記(2)の構成によれば、固定シールドボックス及び可動シールドボックスによって溶接トーチの周囲に広いシールド空間を形成できると共に、固定シールドボックスの外側に配置された可動シールドボックスによってシールド空間への外気の侵入を抑制できるので、溶接部のガスシールド効果を向上できる。
一対の前記可動シールドボックスが前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向上流側及び下流側に設けられている。
上記(3)の構成によれば、積層された複数の非円形プレートの回転に随伴して溶接部に侵入する外気を、非円形プレートの回転方向上流側に設けられた可動シールドボックスで阻止できると共に、回転方向下流側に設けられた可動シールドボックスで溶接部下流側のシールド空間を広く確保できる。
なお、「積層された複数の非円形プレートの回転方向」を単に「回転方向」とも言う。
前記一対の可動シールドボックスの各々は、前記溶接トーチに対して独立して位置調節可能に構成される。
上記(4)の構成によれば、溶接部の回転方向上流側及び下流側でプレート外周縁の曲率が異なっても、一対の可動シールドボックスを独立して位置調節できるので、上流側及び下流側の外周縁に接近配置できる。これによって、各可動シールドボックスによるガスシールド効果を向上できる。
前記可動シールドボックスは、前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向に対して直交する方向に沿って配置された支軸回りに回動可能に取り付けられる。
上記(5)の構成によれば、可動シールドボックスは上記支軸回りに回動可能に取り付けられるため、プレート外周縁に接近又は離隔する方向へ位置調節できる。これによって、可動シールドボックスをプレート外周縁に対し周方向全域で常に近接配置できるため、可動シールドボックスによるガスシールド効果を向上できる。
前記固定シールドボックスの内部空間と前記可動シールドボックスの内部空間とは連続した空間を形成する。
上記(6)の構成によれば、溶接トーチの周囲に固定シールドボックスと可動シールドボックスの内部空間を合わせた広いシールド空間を形成できる。これによって、溶接部周囲のガスシールド効果を向上できる。
前記可動シールドボックスは前記固定シールドボックス側で開口し、前記固定シールドボックス側と反対側で閉じられている。
上記(7)の構成によれば、固定シールドボックス及び可動シールドボックスの内部は連続した空間を形成するので、溶接トーチの周囲に外部から隔離された広いシールド空間を形成できる。これによって、溶接部周囲のガスシールド効果を向上できる。
前記積層された複数の非円形プレートに対向する前記可動シールドボックスの内側面は円弧状に形成され、かつ前記内側面の曲率半径は前記積層された複数の非円形プレートの外周縁の最大曲率半径を有する部分の曲率半径と実質的に同一となるように構成される。
上記(8)の構成によれば、可動シールドボックスの内側面の曲率半径をプレート外周縁の最大曲率半径に合わせているので、プレート外周縁と可動シールドボックスの内側面との隙間を外周縁の周方向全域で最小限にすることができる。これによって、可動シールドボックスによるガスシールド効果を向上できる。
前記溶接トーチに対して前記可動シールドボックスの位置調整を可能にするためのアクチュエータを備える。
上記(9)の構成によれば、上記アクチュエータによって、可動シールドボックスをプレート外周縁の全周に亘り常に近接配置できる。これによって、可動シールドボックスによるガスシールド効果を向上できる。
前記チャックの回転角度に基づいて前記アクチュエータの作動を制御するための制御部
を備える。
上記(10)の構成によれば、上記制御部によって、チャックの回転角度に基づいてアクチュエータの作動を制御することで、可動シールドボックスをプレート外周縁の全周に亘り常に近接配置できる。これによって、可動シールドボックスによるガスシールド効果を向上できる。
前記固定シールドボックス及び前記可動シールドボックスは、どちらか一方が他方の内側に挿入可能に構成される。
上記(11)の構成によれば、固定シールドボックスに干渉せずに可動シールドボックスを位置調整できると共に、可動シールドボックスが固定シールドボックスに対して相対移動しても、固定シールドボックスと可動シールドボックスとの間に外部空気が侵入する隙間を形成しない。
前記可動シールドボックスは、前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向に対して直交する方向に沿って配置された支軸回りに回動可能に取り付けられると共に、前記可動シールドボックスの少なくとも一部が前記固定シールドボックスの内側に挿入可能に構成され、
前記可動シールドボックスの少なくとも一部は、前記支軸を中心とする円弧形状に形成されている。
前記固定シールドボックス及び前記可動シールドボックスの各々にシールドガス供給用ノズルが設けられている。
上記(13)の構成によれば、固定シールドボックス及び可動シールドボックスの各々に必要なシールドガス量を夫々独自に調整して供給できる。これによって、固定シールドボックス及び可動シールドボックスでガスシールド効果を向上できる。
前記チャックは、前記積層された複数の非円形プレートを横向きの姿勢で支持し、
前記溶接トーチは、前記積層された複数の非円形プレートの上方に配置され、かつ、下向き溶接が可能に構成される。
溶接トーチが横向き姿勢であって、横向きの姿勢で溶接するとき、重力の影響で溶接ビードに垂れ下がりなど微妙な乱れが発生しやすく、溶接不良が生じやすい。これに対して、上記(14)の構成によれば、積層された複数の非円形プレートに対して、溶接トーチは下向き溶接が可能になるので、重力の影響による溶接ビードの乱れを解消できる。
正面視で外周縁が重なるように接合された一対の非円形プレートで構成された少なくとも2組のペアプレートを、2組の前記ペアプレート間で前記非円形プレートの外周縁同士が突き合わされるように積層させて位置決めする位置決めステップと、
前記少なくとも2組のペアプレートを該ペアプレートの周方向に回転させ、溶接トーチによって互いに突き合わされた前記外周縁を溶接する溶接ステップと、
前記溶接ステップにおいて、前記溶接トーチを固定シールドボックス及び前記溶接トーチに対して位置調節可能な可動シールドボックスで前記溶接トーチの周囲を覆うシールドステップと、
を含む。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
一実施形態では、上記サポートローラは積層体102の回転に伴って従動回転可能に構成される。これによって、回転する積層体102の支持が容易になる。
一実施形態では、サポート14は、チャック12の回転中心Oを通る鉛直面Svを挟み、鉛直面Svの両側に配置される第1サポート14(14a)及び第2サポート14(14b)で構成される。非円形プレート100を第1サポート14(14a)及び第2サポート14(14b)で支持することで、積層体102を安定支持できる。
ここで、「実質的に同一」とは、可動シールドボックス30の内側面42と外周縁106の最大曲率半径との比が±5%以内であることを意味する。但し、好ましくは±3%以内が望ましい。
一実施形態では、図3に示すように、アクチュエータ44は、サーボモータ46と、サーボモータ46の出力軸に係合して上下動するボールネジ48とを有する。ボールネジ48の下端部はリンクバー50を介して可動シールドボックス30(30a、30b)に接続されている。サーボモータ46の作動によってボールネジ48が上下動することで、可動シールドボックス30(30a、30b)は支軸40を支点として、プレート外周縁106に接近又は離隔する方向へ回動する。
一実施形態では、プレート外周縁106の接線に直交する法線Lに対して溶接トーチ16の軸線が一致するように制御される。これによって、一対の可動シールドボックス30(30a、30b)の位置調節が容易になる。
12(12a、12b) チャック
13 爪
14(14a、14b) サポート
14a 第1サポート
14b 第2サポート
16 溶接トーチ
18 回転軸
20(20a、20b) スタンド
22 基台
24 レール
26 架台
28 固定シールドボックス
30(30a、30b) 可動シールドボックス
32 タングステン電極
34 センタノズル
36 シールドノズル
40 支軸
42 内側面
44 アクチュエータ
46 サーボモータ
48 ボールネジ
50 リンクバー
52 制御部
54、56 シールドガス供給用ノズル
100 非円形プレート
102 非円形プレート積層体
102(102a) 非円形プレート構造体
104 波形凹凸
106 外周縁
108 冷媒流通孔
110 内周縁
112 ペアプレート
Ac アーク
L 法線
O 回転中心
W 溶接部
Wp 溶接プール
c 隙間
g1 センタガス
g2 シールドガス
s シールド空間
s(s1)、s(s2) 内部空間
θ 回転角度
Claims (13)
- 積層された複数の非円形プレートを把持して回転可能に支持するチャックと、
前記積層された複数の非円形プレートの隣り合う非円形プレートの外周縁同士を溶接するための溶接トーチと、
固定シールドボックスと、
該固定シールドボックスと共に前記溶接トーチを囲むシールド空間を形成するように、前記溶接トーチに対して位置調整可能な可動シールドボックスと、
前記溶接トーチに対して前記可動シールドボックスの位置調整を可能にするためのアクチュエータと、
前記チャックの回転角度に基づいて前記アクチュエータの作動を制御するための制御部と、
を備えることを特徴とする非円形プレートの溶接装置。 - 前記固定シールドボックスは前記溶接トーチを囲むように設けられ、
前記可動シールドボックスは前記溶接トーチに対して前記固定シールドボックスの外側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の非円形プレートの溶接装置。 - 一対の前記可動シールドボックスが前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向上流側及び下流側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記一対の可動シールドボックスの各々は、前記溶接トーチに対して独立して位置調節可能に構成されることを特徴とする請求項3に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記可動シールドボックスは、前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向に対して直交する方向に沿って配置された支軸回りに回動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記固定シールドボックスの内部空間と前記可動シールドボックスの内部空間とは連続した空間を形成することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記可動シールドボックスは前記固定シールドボックス側で開口し、前記固定シールドボックス側と反対側で閉じられていることを特徴とする請求項6に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記積層された複数の非円形プレートに対向する前記可動シールドボックスの内側面は円弧状に形成され、かつ、前記内側面の曲率半径は前記積層された複数の非円形プレートの外周縁の最大曲率半径を有する部分の曲率半径と実質的に同一となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記固定シールドボックス及び前記可動シールドボックスは、どちらか一方が他方の内側に挿入可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記可動シールドボックスは、前記固定シールドボックスに対して前記積層された複数の非円形プレートの回転方向に対して直交する方向に沿って配置された支軸回りに回動可能に取り付けられると共に、前記可動シールドボックスの少なくとも一部が前記固定シールドボックスの内側に挿入可能に構成され、
前記可動シールドボックスの少なくとも一部は、前記支軸を中心とする円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の非円形プレートの溶接装置。 - 前記固定シールドボックス及び前記可動シールドボックスの各々にシールドガス供給用ノズルが設けられていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。
- 前記チャックは、前記積層された複数の非円形プレートを横向きの姿勢で支持し、
前記溶接トーチは、前記積層された複数の非円形プレートの上方に配置され、かつ、下向き溶接が可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の非円形プレートの溶接装置。 - 正面視で外周縁が重なるように接合された一対の非円形プレートで構成された少なくとも2組のペアプレートを、2組の前記ペアプレート間で前記非円形プレートの外周縁同士が突き合わされるように積層させて位置決めする位置決めステップと、
前記少なくとも2組のペアプレートをチャックで支持しながら該ペアプレートの周方向に回転させ、溶接トーチによって互いに突き合わされた前記外周縁を溶接する溶接ステップと、
前記溶接ステップにおいて、前記溶接トーチを固定シールドボックス及び前記溶接トーチに対して位置調節可能な可動シールドボックスで前記溶接トーチの周囲を覆うシールドステップと、
前記チャックの回転角度に基づいて、前記溶接トーチに対して前記可動シールドボックスの位置調整を可能にするためのアクチュエータの作動を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする非円形プレート構造体の製造方法。
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