(前提技術)
以下、本発明の前提とするぱちんこ遊技機(以下「前提技術」)について図面を用いて説明する。前提技術に係るぱちんこ遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機を図1および図3に示すとともに、このぱちんこ遊技機に設けられる遊技盤を図4に示しており、まず、これらの図を参照して、ぱちんこ遊技機の機械構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[ぱちんこ遊技機の機械構成]
始めに、ぱちんこ遊技機Pの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機Pは、図1および図2に示すように、外郭方形に構成され、遊技施設において固定される外枠P1の開口前面に、外枠P1の開口に合わせたサイズで方形に構成された前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。
前枠P2には、遊技盤P5とガラス枠P3とが着脱可能にセットされている。ガラス枠P3は方形状であり、前枠P2の前面側に上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられて保持される。遊技盤P5は、前枠P2の前面側に着脱可能にセットされ、閉鎖保持されるガラス枠P3のガラスP301を通して遊技盤P5の正面側に設けられた遊技領域P501を遊技者が視認可能に構成されている。また前枠P2およびガラス枠P3は、ぱちんこ遊技機Pの正面右側縁部に設けられた施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入し、左右方向のいずれかに回転させることで、回転方向に応じて、外枠P1と前枠P2の施錠が解除または前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除される。具体例としては、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して右方向に回転させると外枠P1と前枠P2の施錠が解除され、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して左方向に回転させると前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除されるようになっている。
ガラス枠P3の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿P340(上球皿P341及び下球皿P342)が設けられる。またガラス枠P3には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプP350や、遊技の展開状況に応じて効果音などの音を出力可能なスピーカP370が設けられている。ガラス枠P3の下部中央には、所定の演出操作を行うための演出操作ユニットP380が取り付けられ、前提技術として示す本ぱちんこ遊技機が有する演出操作ユニットP380は、押下入力式のボタンP381と傾倒操作式のレバーP382とを備えており、ボタンP381は常時遊技者操作を可能とする一方、レバーP382はガラス枠に備えられた可動物(枠可動役物P360)の1つであり、操作手段自体が上方に突出した状態(入力許可状態)に変位した場合に操作入力を可能とする(1の演出操作手段にて、複数の操作が可能となっている)。
前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作および発射強度の調整を行うハンドルP204が設けられている。前枠P2の下部には、さらに発射装置ユニットP240を備え、図示を省略するが、上球皿P341に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P241、この球送り機構から送り出された遊技球を遊技領域P501へ向けて打ち出す発射機構(ロータリーソレノイドで駆動される打球槌)を有する発射装置P242、球送り機構P241や発射装置P242の作動を同期的に制御する発射制御基板P243などが設けられている。
遊技盤P5(遊技盤ユニット)は、図4に示すように、透明な合成樹脂や木材を用いて矩形の平板状に形成された基材をベースとして構成されている。なお、図1は遊技盤P5を含むぱちんこ遊技機Pを前面側から見た正面図であり、図4は遊技盤ユニットP5の斜視図を示す。図4は遊技盤ユニットに備えられた演出役物P560(「可動演出装置」「演出可動体」「演出可動役物」等とも呼ぶ)が動作している状態を図示している。遊技盤P5の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レールP502と、遊技盤の下部中央付近から外レールP502の内側における左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レールP503と、右上部の外レールP502の端部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾りP504とを備えており、外レールP502と内レールP503とレール飾りP504とで囲まれた内側に略円形の遊技領域P501が区画形成されている。この遊技領域P501は、略中央に配設される後述のセンター役物P540を基準として、センター役物P540の左側の領域である左側領域P501L(左打ち領域)と、センター役物の右側の領域である右側領域P501R(右打ち領域)とを有している。また、外レールと内レールとにより、発射装置ユニットP240により打ち出された遊技球を遊技領域P501へ案内するための案内通路が形成される。
遊技領域P501には、図示しない多数本の遊技釘P510や風車P511とともに、第1始動入賞口P711(第1始動口)、第2始動入賞口P721(第2始動口)、一般入賞口P731、普図作動口P741(普図作動ゲート装置)、大入賞口P751(アタッカー)、等の各種入球装置(賞球が発生する場合は「入賞装置」と称する)が配設されている。なお、大入賞口は1つとしてもよいし、複数有するよう構成してもよい。また、本明細書において、入球装置の構成上、遊技球が入球装置に入球した後に排出されるもの、入球装置に入球した後にさらに遊技領域P501を流下するもの(ゲートタイプ)に対し、遊技球が内部の検出スイッチで検出されることを「入球」「入賞(特に賞球が発生するもの)」と称し、ゲートタイプの入球口のように下流の遊技領域に流下するものついては、特に「通過」と区別して記載する場合を有する。また、入球装置を入球口、入賞装置を入賞口と称することがある。
また、遊技領域P501の右下には、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52、普通図柄表示装置P53など、後述の主制御基板にて点灯制御される主制御表示装置P50が集約的に配設されている。遊技領域P501の略中央にはセンター役物P540が配設されており、このセンター役物P540の開口を通して演出表示装置P80の画面が視認可能に設けられている。このセンター役物P540の上部等には、遊技の展開状況に応じた演出動作を行う演出役物P560(可動役物装置)が設けられている。遊技領域P501の下端部には、各種入球装置の入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口P790が設けられている。各種入賞装置の入賞口に入球した遊技球又はアウト口P790に流入した遊技球は、遊技盤P5に前後貫通して形成された貫通孔(図示せず)を通じて遊技盤P5の後面側へ流下し、前枠P2下部の回収流路(遊技済み球通路)に収集され、発射した遊技球の総数を検出するための前枠下部に備えられたアウト球センサP792(発射球数センサ)を通過したのち遊技機外へ排出される。
第1始動入賞装置P710は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第1始動入賞装置P710には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口P711が設けられている。第1始動入賞口P711への遊技球の入球は、第1特別図柄に係る抽選に使用される乱数の取得契機となっており、第1始動入賞口P711への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第1特別図柄に係る抽選が実行される。
第2始動入賞装置P720は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第2始動入賞装置P720には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口P721および後述する普通図柄抽選に当選した場合に第2始動入賞口P721への入球を容易となる状態に切り替える可動体である普通電動役物P770が設けられている。第2始動入賞口P721への遊技球の入球は、第2特別図柄に係る抽選に使用される乱数の契機となっており、第2始動入賞口P721への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第2特別図柄に係る抽選が実行される。第2始動入賞装置P721は、普通電動役物P770の作用により遊技球が第2始動入賞口P721へ入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が第2始動入賞口P721へ入球不能又は入球困難な閉状態とに変化する。つまり、第2始動入賞装置P720は、開状態に変位しなければ遊技球が第2始動入賞口へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。なお、普通電動役物P770の構造は様々な態様が知られており、可動体P771が開くことによる入球容易性の変化がなされる構造ではない場合があるため、「開状態」「閉状態」をそれぞれ「入球容易状態(入球容易態様)」「入球困難状態(入球困難態様)」と表記する場合を有する。
一般入賞装置P730は、左打ち領域P501Lに配置された左側一般入賞装置P730Lと、右打ち領域P501Rに配置された右側一般入賞装置P730Rとを有している。本前提技術におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、左側一般入賞装置P730Lとして、3つの一般入賞口P731La~P731Lcが1のユニットとして構成されている一方、右側一般入賞装置P730Rは後述する大入賞装置P750の一部として構成されている。一般入賞口P731への遊技球の入球は、他の入賞装置と同じく賞球払出の契機となる。なお、前提とするぱちんこ遊技機の一般入賞口P731の個数や位置はあくまで一例であり、右打ち領域P501Rにのみ配置されるよう構成する等としてもよい。
普図作動ゲート装置P740(普図作動口)は、普通図柄遊技に対応する始動入球口として設けられている。この普図作動ゲート装置P740には、遊技球が通過可能な作動ゲートP741が設けられており、入球した遊技球は遊技盤の遊技領域の下流をさらに流下可能に構成されている。作動ゲートP741への遊技球の通過は、第2始動入賞装置P720を開状態とするか否か、すなわち普通電動役物P770を作動させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。なお、変形例として普通図柄抽選の契機となる機能を前述した一般入賞口P731に備えるように構成することも可能であり、この場合には、普通図柄抽選を実行する機能に加えて、賞球を発生させる機能を1の入賞装置として設けることも可能である(普図作動入賞口)。
大入賞装置P750は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りや小当りとなった場合に開閉動作する大入賞口P751(特別電動役物P755)を有して構成されており、「アタッカー(装置)」などと呼称する場合を有する。大入賞装置P750は、遊技球が大入賞口P751へ入球可能又は入球容易な開状態(例として特別電動役物が作動P755した状態)と、遊技球が大入賞口P751へ入球不能又は入球困難な閉状態(例として特別電動役物P755が非作動の状態)とに変化する。大当り遊技においては、大入賞口P751の開閉動作を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。なお、特別電動役物P755が作動した状態であっても、一連の作動パターン(「開放パターン」とも呼ぶ)により、大入賞口P751を構成する可動体P756が入球困難な閉態様となる場合を有する。
また、大入賞装置P750には、遊技機の仕様(スペック)によっては、遊技球が通過可能な特定領域P760(「Vゾーン」、「V領域」と呼ばれ、機能によっては「確率変動機能作動領域」、「継続領域」などと呼ぶ)が設けられる場合を有する。この「特定領域」に関する機能として、(ア)大当り遊技中の特定領域に対する通過を契機として大当り遊技の後に確率変動機能(後述)を作動させること、(イ)小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与すること、(ウ)大当り遊技中の特定のラウンドにおいて特定領域を通過したか否かに基づいて、後続のラウンドの実行を確定的としたり、実行しないものとしたりすること、などが例として挙げられる。なお、「特定領域」に対し、通過の容易性を変化させるための構造体である開閉部材P761(弁部材)が設けられてもよく、開閉部材P761の作用により流下経路を振り分けられることで、特定領域P760又はそれ以外の非特定領域を通過するように構成してもよい。また、大当り遊技中や小当り遊技中において、特定領域P761の遊技球の通過が有効となる期間と無効となる期間とを有してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて、大入賞装置P750は、遊技領域P501における右側領域P501R(右打ち領域)に設けられている。そのため、大当り遊技又は小当り遊技では、遊技領域P501に向けて遊技球を発射する際に、右側領域P501Rを狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで大入賞口P751への入球が容易となっている。
続いて、前提とするぱちんこ遊技機Pの背面側の基本構造を説明する。前枠の背面側には、中央に遊技盤ユニットP5を取り付けるために前後連通する窓口を有した裏セットユニットP4が取り付けられている。裏セットユニットP4には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP401、貯留タンクP401からの遊技球を流下させる樋部材P402、樋部材により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP410、賞球払出ユニットP410から払い出された遊技球を上球皿P341又は下球皿P342へ流下させる裏側通路部材P403などが設けられている。また、貯留タンクP401から球皿P340までの遊技球流下経路上には、球抜き機構(球抜き操作レバーP405、操作レバーに連動して遊技球を流路上から排除する流路を形成する弁部材P406)が設けられている。
遊技盤P5の背面側には、ぱちんこ遊技機Pの遊技進行を統括的に制御する主制御基板P40や、主制御基板P40の制御に伴う遊技進行に合わせた演出全般の制御を行う演出制御基板P41、遊技展開に応じた画像表示の制御を行う画像制御基板P42などが取り付けられている。なお、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41および画像制御基板P42は、演出表示装置P80(液晶表示装置)と一体化されたアッセンブリ状態で演出表示ユニットを構成している。これに対して、裏セットユニットP4の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板P43や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P44(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P5の背面又は裏セットユニットP4の背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行や、演出の実行が可能に構成されている。
[機能ブロック]
図5は、前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機は、遊技機外部から供給される交流電源に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板P44と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御基板P40(主制御CPU)と、賞球の払出しや遊技球の発射を制御する枠制御装置としての払出制御基板P43(払出制御CPU)と、演出的な動作や処理を制御する演出制御基板P41(副制御CPU)とに機能を分担させた形態で構成される。なお、図中に示す矢印は機能別に、上方の送受信の関係を実線矢印で示し、電気的接続の関係を破線矢印にて示している。
電源基板P44は、基板上に設けられた電源スイッチP47を操作することによって、後述する主制御基板P40、演出制御基板P41、払出制御基板P43、並びにそれらに電気的に接続する各種遊技用装置に対し、動作に必要となる電力を生成して供給する。詳細は後述するが、電源スイッチP47の電源投入操作は、遊技機の設定に係る情報の処理の開始契機となるスイッチ操作であるため、電源スイッチは不正な操作を防止するため開閉カバーに覆われた状態で保護されている。
主制御基板P40は、第1始動入賞口P711(特図1始動口スイッチP712)、第2始動入賞口P721(特図2始動口スイッチP722)、大入賞口P751(大入賞口スイッチP752)、普図作動口P741(普図作動口スイッチP742)や、その他の検出スイッチである一般入賞口P731(左側一般入賞口,右側一般入賞口)、アウト口P790などの各種の遊技進行に係る検出スイッチや、設定キースイッチP49、振動検知センサP72、磁石センサP73などの各種遊技の管理や不正監視に用いられるスイッチやセンサと接続される。主制御基板は、これらのスイッチから各種の遊技状態の発生に係る情報の入力を得て、遊技進行に係る制御内容の決定をするとともに、ソレノイド等で構成され、大当りや小当りの際に大入賞口P751を拡開させるために駆動される特別電動役物駆動手段P70や、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物P770を入球容易状態とするために駆動される普通電動役物駆動手段P71といった遊技用装置に対して、駆動態様に係る情報の出力を行う。
主制御基板P40に接続するセンサ等は、主制御基板上の入力ポートと呼ばれる端子に接続して、センサ検出に基づく各種遊技状態の発生の有無を主制御基板P40に情報として通知し、特別電動役物駆動手段P70や、普通電動役物駆動手段P71、その他、発射装置P242に対する発射許可信号などを出力ポートと呼ばれる端子から出力された情報を受け取ってそれぞれの装置、デバイスを制御する。
また、主制御基板P40は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示装置P51、P52や大当りや小当りの種類(ラウンド数)を報知するラウンド表示灯P54、遊技状態を報知する状態表示灯P55などの各種表示を行う主制御表示装置P50や、遊技機の性能(例えば通常遊技中におけるベース値、すなわち発射総数に対する賞球数の割合)を表示する性能表示装置P59などと接続する。なお、「ベース値」に関して、始動入賞口P711等の入賞を除外して計上するデータなど、他の計上方法も多種存在するが、本件発明にて必要な場合に別途説明を行い、前提とするぱちんこ遊技機の説明では詳細は割愛する。
主制御基板P40は、上記の他に外部情報出力端子P77や試験端子P78等により遊技機外部の装置と電気的に接続可能に構成されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、主制御基板P40は、遊技機内の他の制御基板である演出制御基板P41、払出制御基板P43とも電気的に接続している。
払出制御基板P43は、主制御基板P40から送信される賞球払出や主制御基板の制御状態を示す信号等に基づいて、払出装置P410による賞球の払出を制御するほか、遊技者によるハンドルP204の操作を受けて発射装置ユニットP240による遊技球の発射に係る制御を行う。払出装置P410は、一例として払出モータP411と球計数センサP412有するものであり、払出モータP411の回転により、遊技球を1球ずつ払出可能に構成される。発射装置(発射装置ユニット)P240は、球皿P340(上球皿P341)に滞留している遊技球を1球ずつ球送りユニットP241によって発射可能位置へ移動させた後、打球槌を遊技球にぶつけることで遊技球を発射させるよう構成されている。なお、払出制御基板P43には、主として遊技機の初期化や、遊技中に発生したエラーの解除に用いられるラムクリアスイッチP48が配設されており、払出制御基板P43と主制御基板P40の接続に使用されるハーネスやコネクタを介して、ラムクリアスイッチP48の操作情報が主制御基板に入力されるようになっている。
演出制御基板P41は、演出表示装置P80、演出可動役物P560の駆動源や位置検出センサ(例えば、駆動モータや、初期位置検出センサ、演出位置検出センサ)、スピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出操作ユニットP380(例えば演出操作手段P81である演出ボタンP381、演出レバーP382、十字キーP383など)、演出ランプP82(「装飾ランプ」「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」とも称する)と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、演出制御基板P42と、演出表示装置P80の接続は、演出表示装置P80(例えば液晶表示装置などの画像を表示する装置)の表示制御を行う画像制御基板P42(VDP)などを介して接続するものであってもよい。また、本前提とするぱちんこ遊技機では、スピーカP83を演出制御基板P41にて制御するように構成するものであるが、音声制御用のIC等を備えた音声制御基板を別途設けてスピーカP83を制御するように構成してもよい。
主制御基板P40と演出制御基板P41の間におけるデータの送受信は主制御基板P40から演出制御基板P41への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて行われる。主制御基板P40から演出制御基板P41へのデータ送信の一方向性が保たれるため、演出制御基板P41に含まれる構成から主制御基板P40に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、演出制御基板P41は、主制御基板P40で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。なお、本前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、主制御基板P40と払出制御基板P43の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、主制御基板P40と演出制御基板P41の間と同様、主制御基板P40から払出制御基板P43への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
[基本遊技進行]
次に、以上のように構成される前提技術としてのぱちんこ遊技機Pにおける、基本的な遊技進行および遊技方法に関して遊技状態別に説明する。「遊技状態」としては大別して「通常遊技状態」と、通常遊技状態と比して遊技球を獲得することが容易な「特別遊技状態」とがある。「通常遊技状態」は、「特別遊技状態」への移行権利の獲得を目指す状態であり、通常遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行権利の獲得に関して遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態が複数設けられており、複数の通常遊技状態の中でも、遊技者にとって比較的特別遊技状態への移行権利が獲得容易な状態(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも遊技者にとって有利な状態)に関して「特定遊技状態」と表現する。「特別遊技状態」は、いわゆる「大当り遊技」と「小当り遊技」が該当し、主制御基板P40によって特別電動役物駆動手段P70が駆動され大入賞口P751が開口した状態となり遊技球の獲得が容易となる状態のことを意味している。
[通常遊技状態(低確率/低ベース状態)]
まず、通常遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。なお、ここで記載する通常遊技状態は特定遊技状態を除く「通常遊技状態(低確率/低ベース状態)」(図6参照)に関する説明であり、一般的に遊技者が遊技を開始する状況における遊技状態について説明するものであり、特定遊技状態における遊技方法、遊技の進行、および「低(高)確率」、「低(高)ベース」の用語の意味に関しては後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における、遊技の方法として、まず、遊技者はハンドルP204を操作して遊技盤P5に設けられた遊技領域P501に向けて遊技球を発射する。前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において、遊技者はハンドルP204の操作量を遊技球が遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に向かって発射されるように操作して遊技を行う。
遊技者によって遊技領域の左側領域P501Lに遊技球が発射されると、発射された遊技球は、遊技領域P501を流下し、図示しない遊技釘P510(「障害釘」、「釘」とも呼ぶ)や、風車P511によって流下方向を変位させながら、「ヘソ」などと呼ばれる遊技盤の遊技領域P501における略中央下位置に配置された第1始動入賞口P711、あるいは左側一般入賞装置の一般入賞口P731Lに入球(入賞)するか、いずれの入賞口にも入球せず、遊技済み遊技球としてアウト口P790へ入球する。第1始動入賞口P711あるいは、一般入賞口P731へ入球すると、主制御基板P40は、払出制御基板P43に対し入賞口毎に定められた賞球数の賞球をさせるための情報(制御コマンド)を出力し、遊技者は賞球払出により新たな遊技球を獲得する。
ここで第1始動入賞口P711の内部には特図1始動口スイッチP712が配置されており、遊技者が遊技領域における左側領域P501Lに遊技球を発射して生じ得る遊技状態(遊技結果)として、第1始動入賞口P711への入球がなされた場合において、主制御基板P40に特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報が入力される。
主制御基板P40は、特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報の入力を受けると、予め定められた賞球数の遊技球の払い出しを行うほか、第1特別図柄の制御に係る抽選を行うための乱数値を取得する。乱数値の取得は、遊技球の検出に基づいて、電気回路上で乱数生成回路の生成する乱数値を取得するもの(ハードラッチ)や、主制御基板P40の制御装置がソフト上の処理にて遊技球の検出情報を確認した際に乱数値を先の乱数生成回路から取得する処理を実行したり、ソフト的に更新されている乱数値を取得したりするもの(ソフトラッチ)などの手法があり、取得する乱数値に応じて使い分けてもよいし、組み合わせて使用することも可能である。なお、一般入賞口に入球した場合には、特別図柄に係る乱数は取得されず、賞球の払い出しのみが行われる。
第1特別図柄の制御に係る抽選は、「特別図柄抽選」であり、「特別図柄抽選」には、「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」が含まれる。「当否抽選」は、取得した乱数値を用いた抽選結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかを決定する処理である(遊技機の仕様によっては抽選結果に「小当り」を含む)。「当り図柄抽選」(単に「図柄抽選」と呼ぶ場合もある)は、主制御表示装置P50における特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選結果を示す停止表示図柄の表示パターンを決定する処理であり、1の抽選結果(大当り、小当り)に対し、複数の停止表示図柄から1の図柄を決定可能であり、ここで決定された停止表示図柄に応じて、「大当り」、「小当り」における特別遊技の実行態様を異ならしめることを可能としている。「変動パターン抽選」は、特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選の結果を示す停止表示図柄をどのタイミングで表示させるかを決定する処理であり、特別図柄表示装置P51(P52)において特別図柄抽選が実行されたことを示す変動表示がなされる時間(「変動表示時間」、「変動パターン」と呼ぶ)を決定するものである。「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」に使用される乱数値は異なるものを使用するのが一般的であり、それぞれ「当否抽選乱数」、「図柄乱数」、「変動パターン乱数」と呼ばれる。なお、特図2始動口スイッチP722の遊技球を検出することに基づいて行われる第2特別図柄の制御に係る抽選もまた、同様の「特別図柄抽選」である。また、「特別図柄抽選」に関する説明は後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における遊技方法の説明に戻って説明すると、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選(特別図柄抽選)を実行させ、特別図柄表示装置において「大当り」(「小当り」)を示す特別図柄の停止表示図柄が表示されることにより、特別遊技の実行権利の獲得を目指す遊技が行われる。
なお、遊技者が特別図柄抽選を受ける過程において、変動パターン抽選により決定された時間に応じて特別図柄の変動表示がなされる点について上述しているが、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、この特別図柄の変動表示期間において、新たに始動入賞口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721)に入球があった場合には、予め定められた回数の特別図柄抽選の実行権利に対応する乱数値(当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数)を一時的に記憶する保留機能(保留制御手段)を備えている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第1始動入賞口P711の入賞に基づく特別図柄抽選に対応する保留機能として、最大4回の特別図柄抽選を保留することを可能としている。なお、保留機能は特別図柄毎に設定可能であり、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の保留とは別に、第2特別図柄に対する特別図柄抽選の保留機能も、最大4回の特別図柄抽選に使用する乱数値を保留しておくことを可能としている。
このように、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は、遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射して、第1特別図柄に係る特別図柄抽選を実行させる。そして、特別図柄抽選において、「大当り」や「小当り」などの特別遊技状態となる抽選結果に当選し、特別遊技状態への移行の権利を獲得したことが特別図柄表示装置に表示されると、ぱちんこ遊技機Pの遊技状態は特別遊技状態へ移行する。
[特別遊技状態]
続いて、特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。特別遊技状態には「大当り(遊技)」と、「小当り(遊技)」とが存在するが、ともに特別電動役物P755が作動して、すなわち主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して駆動信号が出力されて大入賞口P751が入球容易状態となる状態であり、その相違点として、「大当り」が複数回の特別電動役物P755を連続して作動させる役物連続作動装置の作動に基づくものであるのに対し、「小当り」が1回の特別電動役物の作動により終了する点が大きな相違点である。その他の相違点としては、役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の作動(大当り)では、特別電動役物P755の作動に関し、より遊技者に有利な作動態様とすることを可能とする点にあり、具体的には、役物連続作動装置の作動状態(大当り)における大入賞口P751の総開放時間は、30秒まで許容される一方、小当りにおける大入賞口P751の総開放時間は1.8秒までに制限される点がある。以下の特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明では、大当りを例に説明を行う。
前提技術のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技の遊技進行は、時系列に沿って、「特別遊技開始デモ」(大当りの場合は「大当り開始デモ」、「役連作動開始デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り開始デモ」)と呼ばれる遊技者に各種特別遊技を獲得した旨を報知するための演出期間と、「ラウンド(遊技)」(「単位遊技」とも称する)と呼ばれる1回の特別電動役物P755の作動期間と、「特別遊技終了デモ」(大当りの場合は「大当り終了デモ」、「役連作動終了デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り終了デモ」)と呼ばれる主に特別遊技中における遊技結果(獲得遊技球数など)および移行先の通常遊技状態(特定遊技状態を含む)の種類に係る報知を行うための期間とによって構成される。
次に上述した各特別遊技の期間における遊技の方法について説明を行う。まず、「特別遊技開始デモ」期間において、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、大入賞口P751が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に配置されており、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の左側領域P501Lに遊技球を発射しても大入賞口P751の入球がほとんど期待できないため、特別遊技において大入賞口P751が入球容易状態となるラウンド遊技が開始する前に、遊技者に対して遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射することを促す右打ち報知演出を演出表示装置P80やスピーカ(下スピーカP141、上スピーカP370)、演出ランプP82を用いて実行する。遊技者は、右打ち報知演出に従って、ハンドルP204の操作量を増やし遊技球の発射強度を高めるよう調整し、遊技球を遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に流下するよう発射位置を変更する(右打ちを実行する)。
「ラウンド(遊技)」期間になると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して出力される駆動信号により大入賞口P751が入球容易状態または入球困難状態となり、特別遊技の実行期間に合わせて大当り(小当り)を獲得したことを祝福するような演出や、特別遊技が終了した後に移行する通常遊技状態が遊技者にとってより有利な特定遊技状態となるかを示唆する演出などの演出を実行する。遊技者は、大入賞口P751に遊技球を入球させて多数の遊技球を得るべく、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する。
1回の「ラウンド(遊技)」期間は、大当り(小当り)の種類に基づいて定められた大入賞口の開放パターン(特別電動役物の作動態様)が完遂する(開放時間が経過する)か、予め定められた「規定個数」(「カウント」「C」などと表現する場合を有する)の遊技球が入球することによって終了する。そして、実行中の特別遊技状態の種類(大当り、小当りの種類)に応じて、実行すべきラウンド遊技が全て終了したとき「特別遊技終了デモ」の状態へ移行する。
続いて「特別遊技終了デモ」期間となると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、今回の特別遊技状態の期間において獲得した遊技球数や、後述する特定遊技期間と連続して行われた複数回の特別遊技状態において獲得した(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)に移行せずに獲得した)累計の獲得遊技球数を報知する演出を行ったり、特別遊技状態の後に移行する通常遊技状態の種類の報知および移行先の遊技状態における遊技方法に係る報知(前述した右打ち報知演出など)の演出が実行される。遊技者は、実行されている演出より、移行先の通常遊技状態の種類に応じた遊技に備えて、ハンドルの操作を行う。
前提とする多くのぱちんこ遊技機Pにおいては、一部の例外を除いて、特別遊技状態としての大当り遊技が実行されると、通常遊技状態として「特定遊技状態」と呼ばれる遊技者にとって特別遊技状態への移行権利が獲得しやすい状態へ移行し、特定遊技状態と特別遊技状態とを連続して繰り返す、いわゆる「連荘」を楽しむ遊技性となっている。
[特定遊技状態]
続いて、「特定遊技状態」に関する説明を行う。図6に示すように特定遊技状態には、大きく分けて3つの特定遊技状態が存在する。そして、それらの種類を分ける要素として「確率状態」と「ベース状態」とがあり、それらの組み合わせによって特定遊技状態を構成する。
(確率状態)
「確率状態」は、特別図柄抽選における当否抽選において、抽選結果が「大当り」となる確率を変動させる機能である「確率変動機能」(「確変」とも言う)の作動状態に基づき、確率変動機能が作動し、作動していない場合よりも高い確率で特別図柄抽選における当否抽選が「大当り」となる場合について「高確率(状態)」(「確変状態」、「確率変動状態」と表現する場合もある)と表現し、確率変動機能が作動していない状態について「低確率(状態)」と表現する。「高確率(状態)」は、1回の特別図柄抽選に対し大当りとなる確率が高いという点で、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)より有利な遊技状態となっている。
(ベース状態)
「ベース状態」は、「ベース」すなわち「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合(の期待値)」に関する状態であり、一般的には、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易(有利)となっている状態を「高ベース(状態)」(「電チューサポート(電サポ)状態」とも言う)と呼ぶ。なお、遊技機仕様によっては、「電チューサポート機能」が作動した状態でなくとも、推奨される遊技球の発射位置が切り替わることにより、「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合」が高まるのであれば「高ベース状態」と表現する場合も有する。「高ベース(状態)」は、特別遊技状態を獲得するまでの期間において、遊技球が賞球として払い出される数が多くなる(払い出されやすくなる)ことにより、遊技球の消費を抑えながら特別遊技状態の獲得を狙うことができる点で遊技者にとって有利となる遊技状態である。
「電チューサポート機能」は、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易となっている状態であるが、主として3つの機能の組み合わせ(少なくとも1を備える)によって構成される。「電チューサポート機能」を構成する3つの機能とは、「普通図柄確変」、「普通図柄時短」、「(普通電動役物の)開放延長」の3つである。「普通図柄確変」は、「普通図柄抽選」において普通電動役物を作動させる結果となる確率が高い状態を指す。「普通図柄時短」は、主制御表示装置P50における普通図柄表示手段P53において、普通図柄抽選を実行してから普通図柄抽選の結果を表示するまでの時間が短縮される状態のことを指す。「普通電動役物の開放延長」は、普通図柄抽選で当選した当りの種類に対して、普通電動役物P770に係る入賞口に対し遊技球が入球しやすい態様にて普通電動役物を作動させるように変更することを指しており、一例として、普通電動役物を入球容易状態とする総時間を延長して長くすることが該当する。
「普通図柄抽選」は、上述した特別図柄抽選が特別電動役物P755の作動に関する抽選であるのに対し、普通図柄抽選は対象が普通電動役物P770の作動に関する抽選である点、および抽選の実行契機が普図作動ゲート装置P740に対する遊技球の入球である点で相違するが、当否、図柄、変動パターンを抽選により決定する点や保留機能を有する点でほぼ同じである。普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの抽選について特に表現する場合には「普図当否抽選」、「普図図柄抽選」、「普図変動パターン抽選」というように「普図」(または「普通図柄」)を先頭につけて表現する。
「特定遊技状態」の種類を区別する要素として、「確率状態」、「ベース状態」とを説明したが、特定遊技状態を構成する要素として、他に「時短状態」(「変動時間短縮状態」、「変動時間短縮機能」が作動した状態、ともいう)がある。一般的に「時短状態」は特別図柄の1回当りの変動表示時間(変動パターン)が短縮されて、単位時間あたりの特別図柄抽選の実行回数が増加する状態のことを指し、遊技者にとってより単位時間あたりに多くの特別図柄抽選を受けられる点で有利な状態である。「時短状態」(変動時間短縮状態)は、上述した「高確率状態」や「電チューサポート状態」と同時に制御されていることが多く、それのみで特定遊技状態を構成することは少ない。
[特定遊技状態1:低確率/高ベース状態]
「特定遊技状態」に係る説明に戻り、最初に図6に示す特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)への移行は、図6の(1)、(8)、(12)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(1)、(8)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(8)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態1から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態1へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(2)、(7)、(11)のように遷移する。これら(2)、(7)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態1でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(2)のみ)が挙げられる。なお、「遊技回数」とは、一例として「特別図柄抽選の実行回数」のことを指す。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」の双方が作動した状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されており、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行うことで容易に普通図柄抽選および特別図柄抽選を受けられる。また、前提とするぱちんこ遊技機Pは、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)において、前述した「時短状態」にも制御されようになっている。
より詳細に遊技の進行に関して説明すると、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)となった場合、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射し、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)させることを第1の手順として行い、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)により、主制御基板P40において普通図柄抽選を受ける。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における普通図柄抽選は、普図確変機能の作動により高確率(約1/1)で当りとなるため、普図作動ゲート装置P740へ遊技球が1球入球(通過)すると、1回の普通電動役物P770の作動が発生する。普通電動役物P770が作動すると、前提とするぱちんこ遊技機Pでは第2特別図柄に係る特別図柄抽選の契機となる第2始動入賞口P721が入球容易状態となり、遊技者は続く第2の手順として第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射する。第2始動入賞口P721へ遊技球が入球した場合、検出情報が主制御基板P40に入力され、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が実行され、特別遊技(大当り、小当り)の実行権利の獲得に係る抽選が実行される。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。小当り遊技の獲得の場合は、特定遊技状態が終了しないものとすることが多いが、遊技機の仕様によっては、小当り遊技の獲得(又は複数回の小当り遊技の獲得、特定の種類の小当り遊技の獲得)によって終了するように設計される場合もある。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態2:高確率/高ベース状態]
次に図6に示す特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)への移行は、図6の(3)、(7)、(9)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(3)、(7)、(9)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得することである。図示はしていないが、特定遊技状態2から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態2へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(4)、(8)、(10)のように遷移する。これら(4)、(8)、(10)の遊技状態遷移条件としては、(イ)特定遊技状態2でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(ウ)所定遊技回数が経過することが挙げられる。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に対し、さらに「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」である点で相違する。特定遊技状態2における遊技の進行および遊技の方法としては、特定遊技状態1と同様であり、遊技者にとっては特別図柄抽選において大当りの当選確率が高い分より早期に大当りを獲得し得る点で相違する。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態2は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)や、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態3:高確率/低ベース状態]
続いて図6に示す特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)への移行は、図6の(5)、(10)、(11)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(5)、(10)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(10)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態3から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態3へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(6)、(9)、(12)のように遷移する。これら(6)、(9)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態3でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(6)のみ)が挙げられる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」となり、特定遊技状態1および特定遊技状態2とは異なり「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」は作動していない状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されているが、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)において遊技者が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行ったとしても普通図柄抽選にて当りに当選する確率は低く、右打ちを行う優位性が存在しない。
そのため、遊技者は遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に遊技球を発射する「左打ち」にて遊技を進めることとなり、高確率状態であるため特別図柄抽選にて大当りとなる確率が高いため早期に大当り遊技が獲得できること以外は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技方法、遊技進行となる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態3は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
なお、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、前提とするぱちんこ遊技機Pとして記載した図6の盤面配置構成とは異なり、右側領域P501R(右打ち領域)に普通電動役物P770を有しないタイプの第3始動入賞口を配置し、「時短状態」を作動させることにより、短時間に多くの特別図柄抽選が受けられるように構成するなど、遊技盤上の入賞装置の配置構成及び時短状態の制御によっては「右打ち」が推奨される遊技状態となる場合も有する。
以上で説明したように、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、複数の遊技状態によって遊技進行が行われるものであるが、前述した全ての遊技状態を必ずしも備える必要はない。そこで、複数の遊技状態の組み合わせ等によって構成される遊技機仕様のうち、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用可能な遊技機仕様(「スペック」と称することがある)を以下に例示する。
代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関し、特別図柄抽選の確率変動機能の作動に係る遊技機仕様の種類の一例としては、「(次回まで)確変」、「ST(回数切り確変)」、「V確変(「球確」、「アタックラウンドシステム」ともいう)」、「潜伏確変」を採用可能である。この確率変動機能の差による遊技機仕様の違いを、「本遊技機は『○○機(例:ST機)』である」などと表現することがある。また、確率変動機能を有しない遊技機において、小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、その後役物連続作動装置が作動する(すなわち大当り遊技に移行する)こととなる「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様なども存在する。
[(次回まで)確変]
まず始めに「(次回まで)確変」について説明する。「次回まで確変」は、一般的には、ぱちんこ遊技機Pに備わった複数の特定遊技状態の中で、前述した特定遊技状態の内の最も有利とする遊技状態として、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。換言すると、「次回まで確変」の遊技機は、次回の大当り遊技の権利を獲得するまでは特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が継続し、図柄変動回数などによっては終了しないよう構成されている。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、「特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続するぱちんこ遊技機」においても、確率変動機能が次回大当りまで継続するという意味で「次回まで確変」と呼称する場合もあるが、ベース状態が「低ベース状態」であり、電チューサポート機能に関して通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技が求められる場合があるため、このように電チューサポート機能が作動していない次回まで確変であることから「潜伏確変」と切り分けて表現する。
[ST(回数切り確変)]
続いて「ST(回数切り確変)」について説明する。「ST」は、「Special Time」の略語であり、一般的には、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が予め定められた回数の特別図柄抽選を行う(予め定められた回数の図柄変動が実行される)か、大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、前述した「次回まで確変」と同様に、遊技状態が特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に予め定められた回数の特別図柄抽選を行うか、大当り遊技の権利を獲得するまで制御されることとなる場合について、「潜伏確変(潜伏ST)」と称する状態を有するように構成することも可能である。
また、「ST(回数切り確変)」であっても、遊技状態がSTに制御される期間を、特別図柄抽選の抽選が「10000回行われるまで」とする場合など、高確率状態で実質的に次回までの大当りが保証されているといえる遊技機仕様であれば「次回まで確変」と表現する場合もある。
ここまで述べたように、「次回まで確変」と「ST(回数切り確変)」は、特別図柄抽選の確率変動機能の終期が異なる点で、遊技機仕様としての「確変状態」を区別するものである。一方で以下に説明する「V確変(「球確」「アタックラウンドシステム」)」のように、特定遊技状態における特別図柄抽選の確率変動機能の作動の有無、すなわち確率変動機能の実行開始に関し、特殊な条件を必要することで遊技機仕様(「スペック」)を表現する場合もある。
[V確変]
続いて、「V確変」と呼ばれる遊技機仕様に関して説明する。「V確変」は、遊技状態が特定遊技状態へ移行する前の大当り遊技中において、大入賞口P751内に設けられた「特定領域P750」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)に対し、予め定められた条件下(特定の大当りラウンドの実行中など)で遊技球の通過(「V入賞」)が検出された場合に、大当り遊技後に確率変動機能の作動を伴う特定遊技状態(特定遊技状態1や特定遊技状態3)へ移行させる制御を行うぱちんこ遊技機の遊技機仕様を示す。「V確変」に使用する「特定領域」に関し、特に「確率変動機能作動領域」と称する場合もある。
前述したように「V確変」は、確率変動機能の作動有無が大当り遊技中の遊技結果に依存する(遊技球が特定領域P760を通過するか否かに依存する)ことを示す遊技機仕様であり、作動した確率変動機能が、先に説明した「次回まで確変」と同等制御にて終了するか、「ST」と同等の制御にて終了するかの際によって「V確変(V-ループ)」や「V-ST」と異なる遊技機仕様を示す表現が用いられる。
なお、遊技機仕様として「V確変」を採用するぱちんこ遊技機Pにおいては、大当り遊技中においてV入賞しなかった場合においては、大当り遊技後に確率変動機能が作動せず、通常遊技状態や特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に制御される。また、このようにV入賞した場合としなかった場合とで大当り遊技後に確率変動機能の作動する遊技状態となるか否かを切り替えるとともに、同時に電チューサポート機能の作動態様についても変更可能である。一例として「V確変(V-ループ)」機では、V入賞した場合、確率変動機能および電チューサポート機能が次回大当りを獲得するまで継続し、V入賞しなかった場合、確率変動機能は作動せず、電チューサポート機能も特別図柄抽選が100回行われるまでに制限されるようにすることが挙げられる。
[小当りV]
次に、確率変動機能を持たずに大当り獲得に関して遊技者に有利な遊技状態を提供しうる遊技機仕様として「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様(スペック)に関して説明する。
「小当りV」は、特別図柄抽選の結果が小当りとなった際に実行される小当り遊技中(特別電動役物の作動中)に、大入賞口P751内部に設けられた「特定領域P760」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)を通過した場合に、小当り遊技に続いて役物連続作動装置を作動させる、すなわち大当り遊技を開始する遊技機仕様である。言い換えると、小当り中に特定領域P760を通過させることによって、特別図柄抽選の結果として大当りとなる結果を獲得することなく大当り遊技を獲得することができる遊技機仕様である。
「小当りV」は特別図柄抽選の結果として役物連続作動装置や特別電動役物を作動させる「1種(ぱちんこ)」の遊技性に、役物連続作動装置非作動中の特別電動役物作動中(大入賞口P751の開放中)において特定領域P760を通過した場合に役物連続作動装置を作動させる仕様であり、「1種小当りV」と表す場合もある一方、従来のぱちんこ遊技機におけるいわゆる「2種ぱちんこ」の遊技機仕様に近い遊技性を有していることから「1種2種混合機」などと表現される場合を有する。
一般的に「小当りV」を遊技機仕様として採用するぱちんこ遊技機においては、確変機能(確率変動機能)を有さず、電チューサポート機能の有無によって有利度合いを変更させる。すなわち、電チューサポート機能が作動した場合に入賞しやすくなる普通電動役物P770に係る入賞口を小当りに当選しやすい特別図柄(例えば1/2で小当りに当選する)の変動契機となる始動入賞口で構成することで、電チューサポート機能が作動している状況下では小当りに当選しやすく、小当り遊技中のV入賞で大当りを狙うことを可能とする。このようにすることで、確変機能のように大当りとなる乱数値範囲を増やすのではなく、小当りにより大当りの獲得可能性を増やす遊技性となっている。
[その他の遊技機仕様(スペック)]
以上に記載した、遊技機仕様は代表的なものであり、その他にも特徴的な遊技機仕様がいくつか知られているため、それらに関して以下に簡易的に説明を行う。
(リミッタ)
「リミッタ」は、確率変動機能や電チューサポート機能が作動する特定遊技状態が、大当り遊技の実行を挟んで繰り返し行われる状態(いわゆる「連荘」状態)が発生した場合であって、予め定められた繰り返し回数(連荘回数)に到達した場合に、本来確率変動機能や電チューサポート機能が作動するはずの大当り遊技が実行された場合であっても、確率変動機能あるいは電チューサポート機能の作動を制限する機能である。リミッタ機能として「確率変動機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「確変リミッタ」と呼び、「電チューサポート機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「時短リミッタ(電サポリミッタ)」と呼ぶ。そして、リミッタ機能を備える遊技機を「リミッタ機」と呼称する。
(転落)
「転落」は、特別図柄抽選の確率変動機能が作動している期間において、特別図柄抽選が行われる度に、確率変動機能を終了させるか否かを決定する「転落抽選」を実行する遊技機仕様を示す。確率変動機能とともに電チューサポート機能が作動している状況において、転落抽選に当選した場合は、確率変動機能の終了に合わせて電チューサポート機能の作動が終了する場合や、確率変動機能のみが終了し電チューサポート機能の作動は継続する場合とがある。
なお、上述した遊技機仕様は複数組み合わせることが可能であり、例えば、「ST」と「転落」を組み合わせた場合には、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)である場合に、(1)転落抽選に当選した、(2)予め定められた回数の特別図柄抽選を行った、(3)大当り遊技の権利を獲得した、のいずれかを充足した場合に、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が終了する(他の遊技状態に移行する)こととなる。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行を司る主制御基板P40の制御に関する説明を行う。なお、本実施形態に説明する前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した遊技機仕様(スペック)として、「ST(回数切り確変)」を採用しているぱちんこ遊技機を前提として説明を行う。なお、実施形態の説明において、図中の処理ステップを示す「P-s〇〇」の表記は、本文中において「ステップ〇〇」と表記して説明を行う。
[主制御基板の電源投入処理(主制御基板メインループ処理)]
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40は、ぱちんこ遊技機Pの電源が投入されることにより、最初に電源投入処理(ステップ1000)を実行する。ここで、電源投入処理について図7に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40において電源投入処理が開始されると、主制御基板P40上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定が行われる(ステップ1002)。初期設定は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛する。
CPU初期設定が終了すると、続いて入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)を実行し、これらの処理内容を受けて遊技停止状態設定処理(ステップ1008)に関する処理を行う。
より詳細に説明すると、入力ポート確認処理(ステップ1004)は、ぱちんこ遊技機Pの特別図柄抽選の有利度合い(特に役物連続作動装置の作動確率、すなわち大当り確率)を変更するための「設定値」を変更可能な「設定変更処理」を行う状態であるか否かのフラグ、「設定値」を確認するための「設定確認処理」を行う状態であるか否かのフラグについて、当該処理の後に行われる遊技停止状態設定処理で成立させるか否か(オンにするか否か)を決定するための情報を生成する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)の検出状況、ラムクリアスイッチP48が遊技者に操作されているかの検出状況、設定キースイッチP49が回転操作されているかの検出状況を示すデータを含むデータを1バイトデータとして生成する。
続く電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)では、前回電源を切ったとき、ぱちんこ遊技機Pが正常に電源断を行い、電源断が発生したときの遊技状態に係る制御データを正常に主制御基板P40のCPUの記憶領域に正常に退避、記憶しているかを確認する処理であり、正常なデータでない場合には、エラーとして後述する遊技停止状態設定処理(ステップ1008)にて遊技を停止するようにするフラグを立てる(オンにする)処理である。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)は、電源投入処理における処理が終了し、遊技を開始すべくメインループ処理に移行した後、実際に遊技者が遊技できる状況としないためのフラグを設定する処理であり、入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果に基づいて、「設定変更状態」、「設定確認状態」、「復帰不可能エラー状態」のいずれかの遊技進行不許可状態へ移行させるフラグを立てる処理である。「遊技停止状態設定処理」の詳細は図8に記載しており、図8の記載に基づいて説明を行う。
遊技停止状態設定処理では、まず枠開放中であるかを、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータを基に判断する(ステップ1100)。電源投入時にぱちんこ遊技機Pの前枠P2が外枠P1に対して開放した状態であれば(ステップ1100でYESとなる状況)、1バイトデータの特定のビットが「1」となっている状況であるため、続くステップ1102の処理を省略する。一方で、ぱちんこ遊技機の電源投入時に枠開放中でない場合は、設定変更処理を実行するための必須操作の一部が充足していないとし、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータから設定キースイッチの操作情報をオフデータにとなるように演算する。なお、不図示であるが、ステップ1102でYESとなる場合、NOとなる場合のいずれにおいても、1バイトデータ中から枠開放中のビットもオフデータとなるように演算される。
続くステップ1104では、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータが「設定変更操作あり」と判断可能な情報となっているか否かを判断する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは「設定変更操作あり」と判断される状況は、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)であり、(2)設定キースイッチP49がオンであり(回転操作されている)、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、の3つの状態を必要としている。前述したように1バイトデータの内、枠開放スイッチP131の情報はオフに設定されており、(2)(3)の双方を満たすか否かを本ステップにて判断している。例えば特定の2つのビットデータが「1」である場合に設定変更操作ありと判断する(なお、2つのスイッチがオンであることを示すアクティブデータが必ずしも「1」である必要はなく、いずれか1つのデータが「0」であってもよい)。そして、設定変更操作があったと判断した場合、すなわちステップ1104でYESと判断した場合には、遊技停止状態フラグとして「設定変更中」を示すデータを記憶し、遊技停止状態設定処理を終了する(ステップ1106、ステップ1118)。一方、ステップ1104でNOと判断した場合には続くステップ1108の処理へ移行する。なお、主制御基板P40のラム(RAM=Random Access Memory)に記憶されている設定値情報が異常データである場合(復帰不可能エラー状態からの復帰操作である場合)には、初期設定値として設定値「1」に対応するデータを、設定値を記憶する領域にセットする(ステップ1118)。
次にステップ1108において、遊技停止エラーの発生の判断を行う。遊技停止エラーは、例えばチェックサム異常(ラム異常)や、設定値異常など、遊技の進行を行うことができない状況に陥ったときに、ラムクリアおよび設定値の設定(変更)処理を要する場合のエラーのことを指す。ステップ1108の判断は、電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果や、前回の電源断処理時に記憶しているエラー情報を基に遊技停止状態として設定すべきか否かを判断する。エラー状態とすべきと判断した場合(ステップ1108でYESと判断した場合)には、遊技停止状態フラグを「復帰不可能エラー状態」として遊技停止状態設定処理を終了し(ステップ1110、ステップ1118)、エラーが発生していないと判断した場合には続くステップ1112の処理へ移行する。
続くステップ1112においては、ラムクリアスイッチP48の操作の有無を判断する。遊技停止状態設定処理において、当該ステップまで進行する場合の状態として、
(ア)設定確認状態へ移行する操作が行われているとき、換言すると、「設定変更操作あり」の判断の内、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)である、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足し、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足していないとき、
(イ)データクリアのためのラムクリア操作が行われたとき、換言すると、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足しておらず、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足しているとき、
(ウ)「設定変更操作」、「設定確認操作」、「ラムクリア操作」などの操作が何ら行われず電源を投入したとき、
のいずれかの状況である。そして、これらの状態において入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、(ア)設定キースイッチP49のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(イ)ラムクリアスイッチP48の操作検出状態のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(ウ)1バイトデータが全てオフデータ(例えば全ビット「0」)のいずれかの状況である。
そして、ステップ1112においてラムクリアスイッチP48の操作があったか否かを判断し、ラムクリア操作があった場合(ステップ1112でYESと判断する場合)には、ぱちんこ遊技機は、ラムクリアをしたのち遊技可能状態へ移行させるため、遊技停止状態フラグをクリアする処理を行う(ステップ1114)。一方、ラムクリア操作がなされた状況以外では、現在の1バイトデータをそのまま設定することとなり、この時、遊技停止状態フラグは「設定確認状態」へ移行する操作がなされているときは(ステップ1112でNOと判断する場合)、設定キースイッチP49の操作状況を示すビットデータが「1」となっており、遊技停止状態フラグを示す1バイトデータに「設定確認中」を示すデータとして記憶される(ステップ1118)。また、ラムクリア操作も設定確認状態への移行操作もない場合には、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、もともと遊技停止状態フラグとして遊技停止なしを示すデータであり、遊技停止なし情報としてセットされる。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)にて設定された遊技停止状態フラグについて、何らかの停止状態を示す値が記憶されている場合は、電源投入処理(ステップ1000)における遊技許容状態であるメインループ(ステップ1028~ステップ1036)への移行後に実行される遊技進行制御の主体となる割込み処理(ステップ2000)において、停止状態を示す値が参照され、「基本遊技進行」として記載した遊技の進行ができない状態となるが、これらの制御については後述する割込み処理の説明において記載する。
図7の電源投入処理の説明に戻り、続く処理を説明する。遊技停止状態設定処理(ステップ1008)が終了すると、ラムクリア操作があったか否かを判断する(ステップ1010)。ラムクリア操作は、ぱちんこ遊技機Pの電源投入時にラムクリアスイッチP48が操作されることである。なお、設定キースイッチP49がオフの場合にもオンの場合にも本処理は実行される。ステップ1010においてラムクリア操作ありと判断した場合には、主制御基板P40のラムの記憶領域より、予め定められた部分の記憶領域を初期化する。
続くステップ1014からステップ1020の処理では、電源投入時に主制御基板P40から演出制御基板P41に対して遊技機の状態を認識させるための演出制御コマンド(演出コマンド)をセットする処理を行う。より詳細には、ステップ1014において、前回電源が切断したとき(電源断が発生したとき)において未送信となっていた演出制御コマンドを記憶領域からクリアする処理を行う。そして、ステップ1016において電源投入後に復帰した主制御基板P40の現在の遊技状態に関する情報を演出制御コマンドとして生成し、ステップ1018において遊技停止状態でないと判断した場合には、ステップ1020において、生成した復帰した遊技状態を示す演出制御コマンドを演出制御コマンドの送信データを記憶する領域にセットする。
電源投入時における演出制御コマンドのセットに係る処理が終了すると、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770を電源断発生前の状態に戻すべく、必要なデータ(駆動信号)を特別電動役物駆動手段P70および普通電動役物駆動手段P71に対して出力ポートから出力する。(ステップ1022)
そして、電源投入処理におけるステップ1022までの処理が終了すると、主制御基板P40のCPUに対して、割込み処理時間の発生間隔を設定する処理を行う(ステップ1024)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する割込み処理(図9、ステップ2000)を実行する間隔を4ms(ミリ秒)としている。本処理が終了すると、遊技者が遊技可能な状態であるメインループと呼ばれる循環処理に移行し、電源断が発生するまでメインループ中の循環処理の実行を繰り返す。
(メインループ)
主制御基板のメインループの処理は、図7に示すように、まずステップ1026にて割込み処理の発生を禁止する処理を行い、メインループの処理が完了するまで(ステップ1036にて割込みを許可するまで)割込み処理の実行を制限する。
割込みが禁止されると、続くステップ1028では、ウォッチドッグタイマと呼ばれる主制御基板P40のCPUの暴走(処理がループしてしまったりして、進まなくなってしまう状況など)の発生を監視するための計時情報を記憶している領域をクリア(初期化)する。
そしてステップ1030では、電源断が発生しているか(例えば電源基板P44から電圧が低下したことに基づいて送られる電源断信号が主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力されているか)を判断し、電源断が発生している状況であれば、現在の遊技状態を記憶し、電源断情報およびチェックサム情報を記憶して主制御基板P40のCPUとしての処理を停止する電源断処理(ステップ1032)を実行する。電源断が発生していない状況であれば続く処理へ移行する。
ステップ1034では、特別図柄抽選に使用する乱数や、普通図柄抽選に使用する乱数値を更新する処理を行う。なお、これらの乱数値の更新は後述する割込み処理において更新するものもあり、割込み処理においてのみ乱数が更新されることで乱数更新周期が一定になってしまうことを防止するための処理である。なお、割込み処理において、不定期に実行されるような処理があれば、それらの処理に合わせて乱数値を更新するなどの手法を採用することにより、乱数更新周期の一定化を防止することもできるため、メインループ内に乱数更新処理を設けることは必須ではない。
ステップ1036はメインループ中の最後の処理であり、割込みを許可する処理を行う。直後にメインループ中の最初の処理であるステップ1026の割込み禁止に戻ることになるが、割込み許可を行うステップ1036の処理が行われたときに、割込み実行周期(前回割込み処理の発生から4ms経過した状態)を示す入力が主制御基板P40のCPUにあれば、後述する割込み処理が実行されることとなる。
[割込み処理]
続いて主制御基板P40のCPUで行われる割込み処理(「タイマ割込み処理」とも呼ぶ)について図9を参照しながら説明する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、割込み処理(ステップ2000)により遊技の進行に関する大部分が制御されており、遊技機仕様(スペック)によって変更可能に設けられたサブモジュールプログラムを、汎用的に一定の順序で読みだして制御するように構成されている。それらのサブモジュールに関する処理を以下に簡易的に説明する。
(ウォッチドッグタイマクリア)
割込み処理の最初には、ウォッチドッグタイマクリアの処理が設けられている。本処理は、前述した主制御基板P40のCPUが実行するメインループ処理(図7、ステップ1026~ステップ1036)におけるウォッチドッグタイマクリア処理と同じ処理である。(ステップ2002)
(入力ポート確認処理)
入力ポート確認処理は、主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力される情報を確認することにより、以降の処理において判断に必要な情報としての入力情報があったか否かを識別可能とする情報を生成する処理である。(ステップ2004)
入力ポートに入力される情報としては、ラムクリアスイッチP48や設定キースイッチP49の操作状況を示す入力信号や、ハンドルP204の操作状況(タッチ有無)を示す入力信号等の人為的な操作に係る入力信号、特図1始動口スイッチP712や大入賞口スイッチP752等の遊技球の検出による遊技結果を示す入力信号、磁気センサP73やドア開放センサP131、振動検知センサP72など不正監視のために設けられたセンサの検出状況を示す入力信号などがある。
入力ポート確認処理では、これらの入力ポートの入力信号を10μs(マイクロ秒)で3回読み込み、全ての読み込みで同一データ(同一ビット)となったデータを今回割込みにおける入力データ(「レベルデータ」という)として主制御基板P40のラムに記憶する。なお、3回読み込んだデータのうち全ての読み込みで同一データとならなかった部分については、前回の割込み処理(4ms前の割込み処理)において確定したデータをレベルデータとして採用することとなり、すなわち今回割込みにおいて正常にデータが読み取れなかった場合は前回割込みで記憶したデータを更新しないこととなる。
そして今回割込みにおける入力データ(レベルデータ)が確定すると、前回割込みにおける入力データとの比較演算を行い、「立ち上がりデータ」(入力データがオフからオンに変わったビットを特定するデータ)を生成し、今回割込みでオン入力に切り替わったスイッチを特定するデータを記憶する。
(乱数更新処理)
乱数更新処理は、特別図柄抽選に係る当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数や、普通図柄抽選の普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの各種乱数の内、ソフト的に更新される乱数値であるいわゆるソフト乱数を更新する処理である(ステップ2006)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選や普通図柄抽選に使用する乱数は、乱数生成回路にて回路上の更新周期にて乱数を更新するものと、ソフト的な周期で更新されるものを有する仕様としており、それらを組み合わせることで、乱数取得時の各種乱数のランダム性を保つように構成している。
乱数更新処理においては、前述したようにソフト乱数を更新する処理を行うものであるが、更新の方法としては、
(ア)乱数をインクリメント(+1)あるいはデクリメント(-1)して更新し、乱数範囲の上限(又は下限)を超えた場合に下限値(または上限値)とするもの、
(イ)乱数に対して任意の素数を減算(または加算)し、乱数範囲を超える場合に乱数範囲+1(または乱数範囲-1)の値を加算(または減算)するもの、
(ウ)初期値として設定した乱数からインクリメント(またはデクリメント)を繰り返し、1周期の更新が終わった場合に、別途更新している「初期値乱数」を新たな初期値として設定し同様の更新を繰り返すもの(初期値更新型乱数ともいう)、
といった各種の更新方法が例示できる。なお、本実施例に例示したものに限らず更新方法は乱数のランダム性が保てる手法であれば、どのような手法を採用してもよい。
(設定制御処理)
設定制御処理は、主制御基板P40のCPUにおける電源投入処理(図7参照)中で設定した遊技停止フラグが「設定変更中」、または「設定確認中」である場合の処理を行う。(ステップ2008)
設定制御処理では、最初に電源投入処理中にて遊技停止フラグとして格納したデータの設定キー操作中を示すビットデータがオンデータであるか否かを判定し、オンデータでない、すなわちぱちんこ遊技機の電源投入時に設定キーがオン操作されていなかった場合、本処理を抜けるように構成されている。
一方で、遊技停止フラグ中の設定キー操作中を示すビットデータがオンデータである場合には、「設定変更中」、「設定確認中」を終了させるか否かを判定するため、現在の割込み処理における設定キースイッチP49の入力情報(前述した入力ポート確認処理にて生成)を参照し、設定キースイッチP49がオフとなった場合に遊技停止フラグをクリアし、遊技可能な状態とした後、「設定変更状態」、「設定確認状態」のいずれからの復帰であるかに応じて、演出制御基板に演出を復帰(または開始)させるための演出制御コマンドを設定する。
また、電源投入処理(図7参照)において、遊技停止フラグが「設定変更中」である場合、設定キースイッチP49がオフとなるまでの期間において、本割込みタイミングにおける「設定変更スイッチ」の役割を果たすラムクリアスイッチP48(設定値を変更するために操作するスイッチ)の操作状況を確認する。遊技停止フラグが「設定変更中」の時、今回割込みにおいて、設定変更スイッチP48の操作にかかる立ち上がりデータが生成されている場合において、「設定値」を予め定められた変更順序の内の次の設定値となるようデータの変更を行う。例えば、設定が1から6まで順に切り替わるような設定値データを有するぱちんこ遊技機Pであれば、設定変更スイッチ(ラムクリアスイッチP48)の操作に基づく立ち上がりデータがあるたびに、本設定制御処理において設定値を「1」増加させる処理(操作前の設定値が6のときは、次の値として1に変更)を行う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、設定変更状態や設定確認状態における処理を割込み処理中(図9参照)に設けることによって、設定キースイッチや設定変更スイッチの操作を割込み処理の周期で監視するとともに、後述するLED出力処理にて表示装置に対しての表示データの出力を可能とし、別途割込み処理の設定ができていない電源投入処理中(図7参照)において、周期的な監視のためのプログラムを設定することを省略可能としている。なお、電源投入処理中において、設定変更や設定確認に関するスイッチの監視や表示装置の制御、設定値の更新処理を行うように構成してもよい。
(遊技停止監視処理)
遊技停止監視処理は、主制御基板のCPUがぱちんこ遊技機の電源投入時に実行した電源投入処理(図7参照)中にて生成した遊技停止フラグのデータを読みだして遊技停止中であるか否かを確認する処理である。(ステップ2010)
遊技停止監視処理において、読みだされた遊技停止フラグのデータに何らかの遊技停止情報(遊技停止フラグ)が記憶されていた場合、例えば、遊技停止フラグのデータが0でなくいずれかのビットが「1」である場合は遊技停止状態(遊技停止が必要な状態)と判断し、遊技停止中として、割込み処理中の一部の処理(図9における「タイマ減算処理(ステップ2014)」から「特別電動役物制御処理(ステップ2028)」まで)を省略する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、遊技停止が必要な状態として、すなわち遊技者が遊技をすることが不可能な状態として、「設定変更中」、「設定確認中」、「復帰不可能エラーの発生中」といった状態が例示できる。
(タイマ減算処理)
タイマ減算処理は、遊技の進行に関する時間の管理に使用されるタイマデータを更新する処理である(ステップ2014)。
タイマデータの更新処理の例として、特別図柄の変動表示が開始された場合に設定される変動表示時間の管理や、大当り遊技中の特別電動役物P755の作動時間(大入賞口P751の開放時間)などの遊技進行を契機としたタイマデータの更新処理や、球詰まりを検出する等のエラー判定のための計時処理、特別図柄表示装置P51、P52などの主制御表示装置P50におけるLEDの点灯パターンを切り替えるための切り替え時間を計時するための処理、外部情報出力端子P77等から外部機器(ホールコンピュータなど)に対する情報の出力を行う期間を計時する処理などが例示できる。
タイマ更新処理で更新されるタイマデータは、主制御基板P40の記憶領域(ラム記憶領域)に、「1バイトタイマ」、「2バイトタイマ」などのタイマデータの種類ごとに分けられて、連続した記憶領域にそれぞれ記憶されている。
タイマ更新処理では、それらの個別のタイマデータの種類を記憶した記憶領域に対し、「1バイトタイマ更新処理」、「2バイトタイマ更新処理」といった処理を行い、各種タイマの時間値を更新する処理を行う。タイマの更新処理は、記憶領域に記憶されているタイマデータをデクリメント(-1)する処理を行う。なお、記憶されているタイマデータが既に「0」である場合には、処理後においても「0」となるように処理される(負の値になった場合に「0」にすることや、「0」の場合にデクリメントをしない、など)。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、1割込みの周期が4msであるため、1バイトタイマのデータである場合には、最大255回の更新(約1秒)で終了する管理対象のみが制御可能となるが、1秒以内でのみ管理される遊技情報がない場合(少ない場合)には、2バイトタイマデータのみで構成し、1バイトタイマ更新処理を有さないように構成することも可能である。また、2バイトタイマでも管理できないような時間値の管理が必要となる場合は、「3バイトタイマ」などより長時間を管理できるタイマデータを持つように構成してもよい。
(有効期間設定処理)
有効期間設定処理は、入球容易態様または入球困難態様に変化可能な入賞口(主として大入賞口P751や普通電動役物P770に係る入賞口が該当)に関し、入球容易態様に制御する期間および有効延長期間において有効期間を設定し、それ以外の期間(入賞口が入球困難態様であり有効延長期間以外のとき)について、無効期間を設定する処理である。(ステップ2016)
前提とするぱちんこ遊技機では、大入賞装置としての大入賞口P751と、普通電動役物P770が備えられている第2始動入賞装置P720である第2始動入賞口P721の入賞を有効期間として設定する処理となる。
なお、有効延長期間は大入賞口P751や普通電動役物P770が入球困難態様へ移行する直前のタイミングで入球した遊技球を有効入賞として扱うために、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770などの電動役物に対して開放制御を実行させる制御期間が経過した後においても有効期間として扱うため、電動役物の構造に応じて適宜設定される一定時間の制御期間である。
また、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)を有する場合には、特定領域P760に関する遊技球の通過に対する有効延長期間も設定されることがあり、そのような場合には、本処理において特定領域の有効期間の設定も行われる。
(入賞監視処理)
入賞監視処理は、ぱちんこ遊技機における各種入賞口(大入賞口P751、始動口P711、P721、一般入賞口P731)に対する遊技球の入賞を基に、有効入賞であるか否かを判定し、賞球や始動口入球に対する特別図柄抽選の権利の発生(保留の発生)の処理が行われる契機となる情報を生成する処理である。(ステップ2018)
処理内容としては、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータを基に予め定められた順序で各種入賞口毎に(ア)入賞の有無を検出(イ)有効期間を有する入賞口の場合は有効期間中における入賞であるかの判断、各種入賞口に対する有効入賞が発生した場合には更に、(ウ)演出制御基板P41に送信する各種入賞口毎の入賞情報をしめす演出制御コマンドの設定、(エ)各種入賞口毎の入賞に基づく動作契機の発生回数を記憶するためのカウンタ値(「入賞カウンタ」と呼ぶ)を更新する(言い換えると、各種入賞口の検出に基づく動作の内で未処理の動作の回数を記憶するカウンタ値を更新する)処理を行う。
なお、入賞監視処理においては、各種入賞口に対する入賞の発生のみでなく、アウト球を計数するために設けられたアウト球検出スイッチP792、普通図柄抽選の契機となる作動口スイッチP742や、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)に対する遊技球の入球および通過についても判定するようになっており、賞球の発生や特別図柄抽選の契機の発生以外にも遊技機の動作(例えば、演出制御基板P41に対して、作動口スイッチP742や特定領域P760を通過した旨の情報を送信する処理)に必要となる遊技球の検出の有無を本処理において行う。
(作動口監視処理)
作動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、普図作動口スイッチP742の立ち上がりデータが生成されている場合に、普通図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2020)
より具体的には、普図作動口スイッチP742の検出があった場合に、普通図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
(普通図柄制御処理)
普通図柄制御処理は、普通図柄抽選、普通図柄の変動表示、普通電動役物P770の作動に係る処理を行う(ステップ2022)。これらの処理は、普通図柄ステイタスと呼ばれる普通図柄、普通電動役物の制御状態を示すデータがいずれであるかに応じて、異なるサブモジュール処理に移行して、状態に応じた制御を行う。普通図柄のステイタスとしては、「0:普通図柄待機中」、「1:普通図柄変動中」、「2:普通図柄停止表示中」、「3:普通電動役物作動中」、「4:普通電動役物終了デモ中」があり、それぞれの状態に応じた処理を行う。
《普通図柄変動開始監視制御処理》
普通図柄変動開始監視制御処理は、普通図柄ステイタスが「0:普通図柄待機中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動開始監視制御処理では、まず、普通図柄抽選に係る保留数が「0」であるか否かを確認する。「0」である場合には、普通図柄の変動権利は発生していないため、普通図柄制御処理を抜ける。一方、普通図柄抽選に係る保留数が「0」でない場合は、普通図柄の変動権利が発生している状態であり、普通図柄の変動開始条件を満たしていると判断して普通図柄の変動の開始に係る処理を実行する。
普通図柄の変動を開始すると判断すると、普通図柄抽選に係る保留数情報を記憶する領域より、保留数情報を-1した後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数をそれぞれ呼び出して普図当否抽選、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選をそれぞれ行い、抽選結果を主制御基板の記憶領域に格納するとともに、今回使用した乱数情報をクリアし保留数情報の記憶領域を記憶した順番に処理されるようにシフトする処理を行うとともに、普通図柄ステイタスを「1:普通図柄変動中」に更新する。なお、普通図柄抽選に関しては、前述した「ベース状態」(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能)の作動状況に応じて異なる抽選テーブルが使用され、高ベース状態では当りとなりやすく、普通図柄の変動表示時間は短いものが決定されやすい傾向にある。
《普通図柄変動中処理》
普通図柄変動中処理は、普通図柄ステイタスが「1:普通図柄変動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動中処理では、普通図柄変動開始監視制御処理中にて決定した普通図柄の変動パターンに応じた普通図柄の変動表示時間が経過するまで、すなわち普通図柄の変動表示を管理するタイマ(普通図柄変動表示タイマ)がタイマ更新処理において0となるまで、普通図柄表示装置P53において、普通図柄の変動表示を実行させる処理である。
より具体的には、普通図柄変動表示タイマが0でない場合には、本処理が実行されるたびに最大値が「5」である普図表示切り替えカウンタを更新し、普図表示切り替えカウンタが「5」となるタイミングで、普通図柄表示装置P53を構成するLEDの発光パターンを指定するためのデータを格納する記憶領域に、次の発光パターンに関する情報を記憶する処理を行う。なお、普図表示切り替えカウンタは最大値である「5」となるタイミングで初期値である「0」にリセットされる。すなわち、普通図柄の変動表示は5回の割込み(4ms×5=20ms)間隔で普通図柄表示装置P53の点灯パターンが切り替えられることとなる。なお、切り替え間隔は適宜設定可能であり、例えば普図表示切り替えカウンタの最大値を25とすれば、25割込みに1回(100msに1回)の間隔で普通図柄表示装置P53の表示パターンが切り替えられる。
普通図柄の変動表示時間が終了する、すなわち普通図柄変動表示タイマが「0」となっている場合、本処理では普図図柄抽選で決定した普通図柄の停止表示図柄の表示パターンが主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53に停止表示されるよう、停止表示態様を示すLED点灯パターンを指定するためのデータを普通図柄表示装置P53のLED点灯パターンを記憶する記憶領域に格納する。そして、普通図柄の図柄固定時間(停止表示図柄を表示する時間)を普通図柄停止表示タイマに記憶するとともに、普通図柄ステイタスを「2:普通図柄停止表示中」に更新する。
《普通図柄停止表示中処理》
普通図柄停止表示中処理は、普通図柄ステイタスが「2:普通図柄停止表示中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄停止表示中処理では、普通図柄変動中処理の終了時に図柄固定時間が設定された普通図柄停止表示タイマの値が「0」であるかの確認を行い、「0」となったタイミングにて、次の遊技動作に移るための設定を行う処理が行われる。
普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合、当り図柄およびベース状態(普通電動役物の延長機能)の作動状態に応じて、普通電動役物P770の作動パターンを呼び出し、動作パターンを設定や、普通電動役物P770に係る入賞カウンタをクリアする等の設定をするとともに、普通図柄ステイタスを「3:普通電動役物作動中」に更新する。
一方、普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合には、普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
《普通電動役物作動中処理》
普通電動役物作動中処理は、普通図柄ステイタスが「3:普通電動役物作動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動中処理では、普通図柄停止表示中処理において設定された普通電動役物P770の動作パターンに基づいて、普通電動役物の開放動作(入球容易態様への変化)および閉鎖動作(入球困難態様への変化)を制御するとともに、普通電動役物の作動終了条件の成立を監視する。普通電動役物P770の作動終了は、(ア)普通電動役物の終了条件として設定された規定数の普通電動役物入賞が発生した場合、(イ)予め設定された動作パターンの動作が終了した場合(普通電動役物の開放動作期間が終了した場合)である。
普通電動役物の作動終了条件が成立すると、普通電動役物の有効延長期間を記憶するタイマ領域に、予め普通電動役物P770の構造に対応して定められた一定時間の延長期間を計時する時間をセットする。そして、普通電動役物の作動終了デモに係る時間値を普通電動役物作動終了デモタイマにセットし、普通図柄ステイタスを「4:普通電動役物終了デモ中」に設定する。
《普通電動役物作動終了デモ処理》
普通電動役物作動終了デモ処理は、普通図柄ステイタスが「4:普通電動役物終了デモ中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動終了デモ処理では、普通電動役物作動中処理にて設定した普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となるまで待機し、普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となった場合に普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
(始動口監視処理)
始動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の立ち上がりデータが生成されている場合に、特別図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2024)
より具体的には、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の検出があった場合に、特別図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄として、第1特別図柄(特図1と称することがある)と第2特別図柄(特図2と称することがある)との2種類の特別図柄を設けているため、遊技盤P5に設けられた始動口のそれぞれに対し、対応する特別図柄の保留数および始動口スイッチのデータを呼び出して、始動口毎に保留数の加算、乱数の取得の処理が行われる。
また、処理対象とする始動口が、普通電動役物に係る始動口(電チュー)で構成される場合には、前述した有効期間設定処理にて普通電動役物P770に係る始動口入賞が有効期間内に行われたか否かを判断した上で有効期間である場合には前述した処理を行う。
なお、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を記憶する際、取得した乱数情報を事前に予告判定値テーブルを用いて、保留される各種乱数に基づく変動が実行される際の変動内容が事前に推測可能となる情報を生成し、演出制御基板P41に対して演出制御コマンドとして通知する(「事前判定コマンド」、「事前判定情報」、「先読み判定コマンド」と呼ぶ)。事前判定コマンドは、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数それぞれに対して生成され、演出制御基板P41に送信されると、演出制御基板P41において、後述する「先読み演出」の実行に係る抽選に利用される。
(特別図柄制御処理)
特別図柄制御処理(ステップ2026)は、特別図柄ステイタス(「特図ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別図柄を管理するための状態情報と、特別電動役物ステイタス(「特電遊技ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別電動役物の作動状態を管理するための状態情報とによって、特別図柄の変動開始の管理(特別図柄変動開始監視制御処理)、特別図柄変動中処理、特別図柄停止図柄表示中処理のいずれかの処理を実行する。
特別図柄ステイタスには、「0:特別図柄変動待機中」、「1:特別図柄変動中」、「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」の状態を有し、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有する。なお、遊技機仕様によっては小当りを有しない場合もあり、その場合には小当りに関連したステイタスデータを持たない。そして、これらのステイタスに基づく制御は後述する。
特別図柄制御処理は、特別図柄を複数有する場合には、予め定められた順序(優先順位)に基づいて処理が行われる。予め定められた順序として、第2特別図柄を優先して制御する処理を行い、第1特別図柄および第2特別図柄の双方の保留が存在する状況下では、第2特別図柄の変動が先に開始される(第2特別図柄が優先して変動する)よう処理される遊技機仕様について、「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」と呼び、前提とするぱちんこ遊技機Pの実施形態に係る説明では、このタイプのものに関する処理について例示して説明する。
特別図柄制御処理では、まず、第2特別図柄の制御を行う。第2特別図柄の制御を開始すると、まず第1特別図柄の特別図柄ステイタスと、特別電動役物ステイタスの情報を参照する。特別電動役物ステイタスが大当り遊技中または小当り遊技中を示すデータの場合(特別電動役物ステイタスが「0:当り待ち中」以外のとき)、第1特別図柄が変動中でありの第1特別図柄の特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」以外の場合には、処理を行うことなく処理を完了する。
第2特別図柄の制御を実行する状況である場合には、第2特別図柄に係る制御のタイマ値を更新する処理が実行される。タイマの更新は、タイマを記憶する記憶領域のデータをデクリメント(-1)する処理にて行われ、デクリメントした結果が負の値となる場合には「0」がセットされる。そして、タイマの更新が終了すると特別図柄2に対応する特別図柄ステイタスに基づいて、後述するサブモジュール処理が呼び出され実行される。なお、割込み処理中にもタイマ減算処理を有しているが、タイマ減算処理にて更新されるタイマに特別図柄制御処理にて更新されるタイマデータは含まれておらず、特別図柄制御処理において特別図柄に係る制御のためのタイマデータを管理している。
《特別図柄変動開始監視制御処理》
特別図柄変動開始監視制御処理は、特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動開始監視制御処理では、対象として処理している特別図柄の保留があるか否かを確認し、保留が無ければ処理を終え、保留がある場合には続く処理が実行される。続く処理は、変動を開始する際に行われる特別図柄抽選である。特別図柄抽選は、まず設定値として格納しているデータを読みだして検査し、適切な設定値情報であるか否かを判定する。適切な設定値である場合には、遊技状態等を示す各フラグを記憶した領域のデータを参照して適宜抽選テーブルを選択し、当否抽選および図柄抽選、変動パターン抽選が実行され、抽選結果が記憶領域に格納されたのち、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」に更新される。また、特別図柄抽選によって決定された内容は、演出制御基板P41に演出制御コマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)として送信され、特別図柄の変動表示に合わせて実行される変動演出の内容の決定処理(抽選処理)のための情報として利用される。なお、特別図柄抽選に関する詳細は後述する。
《特別図柄変動中処理》
特別図柄変動中処理は、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動中処理では、変動パターン抽選で決定した特別図柄の変動時間が経過するまで特別図柄の変動表示時間を管理するタイマを監視するとともに、残り変動時間が「0」になるまで、毎割込み更新される特別図柄表示切替タイマ(最大値「24」)により、25割込みごとに特別図柄の変動表示を示すために特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置P52(特図1の制御の時は第1特別図柄表示装置P51))の点灯表示パターンの切り替え処理を行う。
特別図柄の残り変動表示時間が「0」となると、ぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンタ―やホールコンピュータなど)に対して、特別図柄の変動表示が1回実行されたことを示す外部信号を出力するための情報の設定と、特別図柄の停止表示図柄を固定表示するための図柄固定時間を設定する処理と、当否抽選、図柄抽選の結果決定された停止表示図柄を示す停止表示図柄を特別図柄表示装置P52(P51)に表示させるための点灯パターンデータの設定とを行う。そして、当否抽選結果に応じて特別図柄ステイタスを「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」のいずれかに設定する。
《特別図柄はずれ図柄停止表示中処理》
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「2:はずれ図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)の残り遊技回数を更新するとともに終了条件成立に関する確認し、遊技状態移行条件の成立時には遊技状態の移行に係る制御(フラグオフなど)を行う。
《特別図柄大当り図柄停止表示中処理》
特別図柄大当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「3:大当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別電動役物ステイタスを「2:大入賞口閉鎖中」に更新する。さらに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)を終了させるために、それぞれの残り回数情報格納領域および作動フラグ格納領域をクリアする処理を実行する。そして、大当り図柄に応じた大当り遊技を実行させるべく、大当り図柄情報より、前回大当り遊技中にデータとして使用していた各種記憶領域の情報を初期化し、大当り遊技中における特別電動役物P755の制御内容データのセットを行う。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、さらに、演出制御基板P41に対して大当り遊技の演出(大当り開始デモ演出)を実行させるための演出制御コマンドを送信する処理を実行する。また、これらの処理に合わせて、主制御表示装置P50の構成要素の一つである右打ち表示灯P56(遊技領域の右側を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技が推奨される遊技状態の時に点灯させるLED)を点灯させるための点灯パターンデータの設定も行われる。
《特別図柄小当り図柄停止表示中処理》
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「4:小当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄大当り図柄停止表示中処理と同様、図柄固定時間の終了とともに、特別電動役物P755の作動に係るデータの設定、右打ち表示灯P56の点灯に係る設定処理を行う。また、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技の実行時(小当り図柄の停止表示)では、大当り図柄が停止したときとは異なり、特別図柄抽選に係る遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を終了させる処理を有さず、特別図柄はずれ図柄停止表示中処理の処理と同様に、それぞれの遊技状態に対して終了条件を満たしたか否かの判定結果を基に遊技状態を制御する。また、これらの処理に合わせて特別電動役物ステイタスを「5:小当り閉鎖中」に更新する。なお、遊技機仕様によっては、変形例として、小当り遊技の実行に際して、大当り図柄停止時と同様に遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を強制的に終了させる処理を有する仕様として設計することも可能である。
以上のサブモジュール処理の内いずれかの処理が選択的に実施されると、第2特別図柄の処理に続いて第1特別図柄の処理が行われる。第1特別図柄の処理については第2特別図柄の処理と参照する情報が相違するのみ(例えば、変動開始可能かどうかについて、第1特別図柄の特別図柄ステイタスではなく第2特別図柄の特別図柄ステイタスを参照して判断するなど)でほぼ同じ処理が繰り返されるのみであるため説明を割愛する。
《入球順消化制御、並列制御》
また、前述した特別図柄制御処理の説明においては、「第2特別図柄優先消化制御」に係る処理に基づいて説明したが、本前提とするぱちんこ遊技機と異なる遊技機仕様を採用する場合にあっては、異なる処理にて特別図柄制御処理を進行することも可能である。以下にその代表的なものについて簡単に説明する。
「入球順消化制御」は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれに対応する保留情報が発生した順番に1つずつ処理される遊技機仕様である。一方の図柄の変動中に他方の変動表示が行われることは無く、ある遊技状態において第1特別図柄に対応する保留球と第2特別図柄に対応する保留球との双方の保留球の発生が見込まれる場合に採用されることが多い仕様である。
「並列制御(並列消化)」は、前述した「第2特別図柄優先消化制御」や「入球順消化」とは異なり、同時に第1特別図柄と第2特別図柄の双方の変動表示を同時に行うことができるタイプの遊技機仕様である。2つの図柄を同時に消化することができるため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることが可能となる。なお、1の特別図柄の停止表示に伴い特別電動役物P755が作動する場合(大当り、小当りが実行される場合)、他方の図柄は強制的にはずれとして図柄を停止したり、変動表示の残り時間の減算を一時中断するような仕様が適宜採用される。一例として、1の特別図柄が大当りとなった場合には、他方の特別図柄を強制的にはずれとして停止表示する仕様や、1の特別図柄が大当りや小当りとなった場合には、他方の特別図柄の変動表示を一時中断する仕様を採用可能である。
(特別電動役物制御処理)
特別電動役物制御処理は、特別電動役物ステイタス(特電遊技ステイタスと称することがある)のデータ内容(値)によって、特別電動役物P755の作動に係るサブモジュール処理を実行し、特別電動役物の作動を管理する処理である(ステップ2028)。言い換えると、大当り遊技や小当り遊技を実行するに際して、大当り遊技、小当り遊技状態における各状態の制御を行い、大入賞口P751の開閉に係る制御を行う処理である。
前述したように、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有している。
これら特別電動役物ステイタスのうち、「0:当り待ち中」のステイタス状態である場合には、遊技者の遊技によって未だ大当り遊技または小当り遊技の実行権利の獲得がなされていない状況であるため、特別電動役物制御処理は処理を行うことなく終了する。
そして、特別電動役物ステイタスが、「0:当り待ち中」以外である場合には、ステイタスに応じて後述するそれぞれの処理のいずれかが実行されることとなる。
《特別電動役物作動中処理》
特別電動役物作動中処理は、特別電動役物ステイタスが「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技(単位遊技)が実行されている状態(大入賞口P751が開放制御され得る状態)の処理である。
特別電動役物作動中処理では、まずラウンド遊技(単位遊技)の終了条件を充足したか否かを判断する処理が行われる。ラウンド遊技の終了条件としては、(ア)作動した特別電動役物に応じた規定個数(「カウント」とも呼ぶ)の入賞数が行われたか、(イ)実行される特別電動役物の作動パターンとしてセットされた開放時間(開放パターン)が終了したか、のいずれかを満たす場合に終了したものとして判断する。これらの条件を満たさない場合は、以後の処理を行うことなく今回の割込み処理における特別電動役物制御処理を終了する。なお、特別電動役物P755の作動パターン(開放パターン)の中には、複数回大入賞口P751を開閉させるパターンを有しており、これらのパターンが実行される場合には、1回のラウンド遊技中で(イ)の判断に使用するタイマが複数回「0」となる一方で、1回のラウンド遊技中の次の作動データがあるか否かを確認した上で、条件(ウ)「今回の単位遊技における次作動パターンデータなし」と判断した場合に上記(イ)を満たしたものと判断することとなる。
一方、ラウンド遊技の終了条件の上記(ア)、(イ)のいずれかを満たした場合には、続く処理として、大入賞口閉鎖時間を特別電動役物の閉鎖時間管理用タイマに記憶するとともに、特別電動役物ステイタスをインクリメントし「2:大入賞口閉鎖中」とする。そして演出制御基板P41に対し演出制御コマンドとしてラウンド遊技が終了したことを通知するためのコマンドデータをセットして終了する。
《大入賞口閉鎖中処理》
大入賞口閉鎖中処理は、特別電動役物ステイタスが「2:大入賞口閉鎖中」または「5:小当り閉鎖中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技とラウンド遊技との間である「ラウンド間」に制御されている状態の処理である他、大当り遊技や小当り遊技の開始時における初回ラウンドの開始前の状態である「大当り開始デモ(期間)」、「小当り開始デモ(期間)」に制御される状態のとき、あるいは最終ラウンドのラウンド遊技が終了した後に後述する当り終了デモ中処理が実行されることとなるまで待機する期間に制御されている状態のときに係る処理である。
大入賞口閉鎖中処理では、まず、特別電動役物作動中処理にて設定した大入賞口閉鎖時間が経過したか否かを判定し、閉鎖時間管理用タイマが「0」でない、すなわち閉鎖時間が経過していない場合は、今回割込みにおける特別電動役物制御処理を終了する。
大入賞口閉鎖時間が経過した場合、続いて先に作動が終了した特別電動役物P755の作動(ラウンド遊技)が、今回の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)における最終のラウンド遊技であったか否かを判断し、最終ラウンド遊技の終了時と、最終ラウンド以外のラウンド遊技終了時(または当り開始デモ時)とで異なる処理を実行する。なお、最終のラウンド遊技であったか否かを判断は、今回の当り遊技中に作動した特別電動役物P755の作動回数の累計データが、今回の当り遊技における特別電動役物P755の最大作動回数データを超えているか否かに基づいて判断するものであり、当り開始デモ時には特別電動役物P755の作動回数の累計データは「0」である。
大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技の終了時と判断した場合には、当りの種類(大当り、小当りを開始することとなった特別図柄の種類)に応じて当り終了デモの実行パターン(主として当り終了デモ時間データ)を読みだして設定する。そして、特別電動役物ステイタスをインクリメントし、「3:大当り終了デモ中」または「6:小当り終了デモ中」とし、演出制御基板P41に当り終了デモ演出を実行させるための演出コマンドをセットしてする。さらに、大入賞口P751の有効延長期間を設定するため有効延長期間として定められた時間値データを大入賞口P751の有効延長期間を管理するタイマに格納して終了する。
一方、大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技以外の終了時(または当り開始デモ時)と判断した場合には、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとして、次回のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを識別可能とする情報(Nラウンド開始デモコマンド ※Nは整数)と、当り遊技中の推奨発射位置(前提とするぱちんこ遊技機では、遊技盤の右側領域P501R(右打ち領域))を指示するための情報(右打ちコマンド)を送信する。
そして、特別電動役物ステイタスをデクリメントして「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」に更新し、ラウンド遊技中の大入賞口P751への遊技球の入賞数をカウントするためのデータ領域のデータを初期化する。そして、ラウンド遊技中の大入賞口P751の一回目の開放(またはラウンド遊技開始直後の閉鎖)に係る時間値を、ラウンド遊技における大入賞口P751(特別電動役物P755)の作動パターンデータをセットし、特別電動役物P755の累計作動回数に関する記憶領域のデータをインクリメントする。
(賞球制御処理)
賞球制御処理は、遊技盤P5に配置された入賞口に対する遊技球の入賞に対して、遊技者に賞球として遊技球を付与するための処理である。処理内容としては、次に示す3つのサブモジュール処理を実行する構成である。(ステップ2030)
《払出データ受信監視処理》
払出データ受信監視処理は、払出制御基板P43から主制御基板P40に対して送信される賞球払出の実行に係る制御コマンドの有無を確認し、送信されたコマンドを受信(記憶)する処理である。主制御基板P0は、払出制御基板P43から送信された情報を2つのレジスタ(記憶領域)に格納している。そして1のレジスタは、ステイタスレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された情報があるか、および送信された情報が正常に送信されたものであるか否かを判断するための情報が格納されている。そして他方のレジスタは、データレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された払出制御に関する制御内容の情報が格納されており、ステイタスレジスタが異常でなければデータレジスタのデータを払出制御情報として記憶領域に記憶する。
《払出コマンド要求処理》
払出コマンド要求処理では、入賞監視処理(ステップ2018)で記憶した、各種入賞口の入賞回数データを記憶する入賞口毎の入賞カウンタデータを確認し、未払出の入賞の有無を確認する。当該確認処理は入賞口毎に予め定められた順序で確認し、1の入賞口に対して入賞カウンタのデータが「0」でないと判断した場合に、該当する入賞口の賞球数に応じて、払出制御基板P43に対して遊技球の払出を実行させるための制御コマンドを送信する処理を行う。この処理によって、複数の入賞口に対する入賞カウンタデータが「0」でない場合であっても、1割込みで払出制御基板P43に対して送信される払出制御コマンドは1つに制限される。
《払出コマンド制御処理》
払出コマンド制御処理では、正常に払出数に関する情報を払出制御基板P43が受信したか否かのチェックが行われ、この処理にて正常にコマンドを受信するか、何らかの異常で通信エラーと判断されることとなる。払出コマンド制御処理にて、コマンドの受信状況が確定する(正常に受信完了したかエラーであるか判断される)までは、払出コマンド要求処理における次の払出制御コマンドの送信は、払出コマンド要求処理および払出コマンド制御処理内でそれぞれオンオフの設定がされるフラグデータにより一時中断される。
(異常検知処理)
異常検知処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて不正検出のために設けられたセンサの情報より異常の発生有無を確認する処理である。(ステップ2032)
より具体的には、振動センサP72、磁気センサP73、電波検知センサP74、枠開放センサP131といったセンサの入力に関し、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成した入力情報を基に異常の発生している状況であるか否かについて判断する処理である。また、各種センサ以外にも電気的な接続のためのハーネスが抜去されていたり、配線上の短絡(ショート)なども検出対象として有している。
そして、いずれかの判断情報に対し異常データが存在する場合には、対応するエラーフラグをオンとするようにして記憶した後、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとしてエラー情報を通知するコマンドをセットする。
(センサ検出判定処理)
センサ検出判定処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したセンサやスイッチの検出データ(レベルデータ)より、センサやスイッチの検出が連続して行われた期間を判断し、処理を行うフラグを成立させる処理である。(ステップ2034)
センサ検出判定処理では、対象のセンサ、スイッチの検出データ情報のレベルデータがオンである場合に、対応するスイッチの連続オン入力期間をカウントするためのデータをインクリメントして更新し、各種処理の実行開始条件を満たしたか否かを判定し、条件が成立した場合に監視対象のスイッチに応じた処理が実行される。監視対象のスイッチがオンデータでなくなった場合、連続入力期間をカウントしているデータを初期化する(「0」に更新する)。
例えば、入賞口に設けられた入賞口検出スイッチにおいて連続的にスイッチがオン状態である旨を検出している場合は、球詰まりが発生していると判断して、エラー状態に制御し、演出制御コマンドとして演出制御基板P41に対しエラー報知を行わせるためのコマンド情報をセットする処理や、外部装置(ホールコンピュータ等)にエラーの発生を報知するための信号データの生成および出力要求を行う。
なお、本処理において検出対象とするスイッチは、ハンドルP204に設けられたタッチセンサスイッチや、不正検出のためのスイッチなどもあり、人為的操作によるものか電気的なノイズによるものかを判別するために一定期間のオンデータの入力が必要なセンサ等についても対象としている。
(遊技状態表示処理)
遊技状態表示処理は、主制御表示装置P50において遊技の進行に関する情報を表示するための点灯データを生成する処理である。なお、表示処理という名称であるものの、主制御表示装置P50に対する表示内容の出力は本処理ではなく後述するLED出力処理にて行っている。(ステップ2036)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、一例としてエラー状態であることを示すエラー表示灯(状態表示灯P55)、特別図柄抽選に係る保留数を表示する特別図柄保留表示灯(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62)、普通図柄抽選に係る保留数を表示する普通図柄保留表示灯P63などの点灯データ(点灯パターン)を生成して、LED出力処理にて出力されるデータとして格納する。
なお、遊技状態表示処理において、点灯制御されるLED表示灯に関し、点滅表示が必要な場合には、対応するLEDに関する表示切り替えカウンタの更新およびカウンタ値と閾値との比較による点灯パターンの切り替え処理が行われる。例えば、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選の保留数は、最大4つまで保留可能であるものの、2つのLED表示灯で特別図柄保留表示灯が構成(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62のそれぞれに2つずつのLEDを備える)されるため、3以上の保留数がある場合には、少なくとも1のLEDに関して連続的な点灯表示ではなく、点滅表示を行う仕様となっている。
(出力ポート出力処理)
出力ポート出力処理は、主制御基板P40に接続した遊技盤P5上の動作デバイスである電動役物や、払出制御基板P43などに遊技動作に関する信号を送信する設定を行う処理である。(ステップ2038)
より具体的には、普通図柄制御処理中や特別電動役物制御処理中に、普通電動役物ないし特別電動役物の作動パターンが設定されると、出力ポート出力処理中の処理によって、普通電動役物駆動手段P71、特別電動役物駆動手段P72(前提とするぱちんこ遊技機では、ソレノイド)に対し、各電動役物を開放動作(あるいは閉動作)させるための信号データが出力される。
また、払出制御基板P43に対しては、遊技者のハンドル操作に基づく遊技球の発射を許可あるいは禁止するための制御信号(発射許可信号)を出力ポート出力処理にて生成して出力する。発射許可信号は、払出制御基板P43との通信状態や、遊技停止を要するエラーの発生状況に応じて出力内容が設定される。
(演出制御コマンド送信処理)
演出制御コマンド送信処理は、演出制御基板P41に対し演出制御コマンドを出力する処理であり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンド送信処理においてのみ演出制御コマンドが演出制御基板P41に対して送信される仕様となっている(ステップ2040)。なお、送信する演出制御コマンドの設定に関しては、他の処理中において未送信演出制御コマンドとして所定の記憶領域に設定(セット)されるものとなっている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、未送信の演出制御コマンドを記憶する領域として、リングバッファと呼ばれる記憶先を循環参照する記憶領域を用いている。リングバッファと呼ばれる記憶領域では、演出制御コマンドの書き込み(セット)と演出制御コマンドの読み込み(送信)とのそれぞれの処理によって更新される、「書き込みポインタ」、「読み込みポインタ」と呼ばれる次回の処理においてコマンドを書き込む記憶領域のアドレスおよびコマンドを読み込む記憶領域のアドレスを算出するための情報を用いて演出制御コマンドの書き込みおよび読み込みを実行する仕様となっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンドの構成がコマンドの種類を示すMODEデータと、コマンドの内容を示すEVENTデータの2つのデータにより構成されている。
演出制御コマンド送信処理の具体的な処理内容の説明に戻り説明を行う。演出制御コマンド送信処理では、まず前述した書き込みポインタと読み込みポインタの情報が一致しているか否かを確認し、一致している場合は送信する演出制御コマンドはないと判断して処理を終了する。一方で、書き込みポインタと読み込みポインタのデータが一致しない場合、送信すべき演出制御コマンドが存在すると判断して次の処理へ移行する。
送信すべき演出制御コマンドがあると判断した場合、読み込みポインタのデータから算出される主制御基板P40の記憶領域のアドレスよりMODEデータおよびEVENTデータを呼び出し、それぞれ主制御基板P40のCPUにおけるレジスタに一時格納し、読み出し先のリングバッファにおける演出制御コマンドをクリアした後、読み出しポインタの値を次の処理時に使用する値に更新する。
演出制御コマンドとして、主制御基板P40のレジスタに格納されたMODEデータおよびEVENTデータは、順番に演出制御基板に送信P41されることとなる。まずMODEデータを、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドを送信するための出力ポートである演出コマンド出力ポートにセットし、演出制御基板P41に読み取り動作を行わせるためのストローブ信号を出力する。主制御基板P40は、続いてEVENTデータを出力することとなるが、MODEデータを演出制御基板P41が受け取るまでに十分な期間を確保するため26μsの待機時間を挟む処理を行った後、MODEデータ送信時と同様に、EVENTデータの出力ポートへの設定およびストローブ信号の出力を行う。演出制御基板P41は、ストローブ信号を確認すると演出制御コマンド受信割込みを発生させ、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドを受信する。
(外部情報出力処理)
外部情報出力処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンターやホールコンピュータ)に対し、外部情報出力端子77より遊技状況に関する情報や、エラー発生などセキュリティに関する情報を信号として出力する処理である(ステップ2042)。外部情報出力端子77より出力される信号は、主制御基板P40の出力ポートにセットされたデータに基づいて出力され、信号出力の契機が発生した場合に一定期間のオン電位であるパルス信号を送信するものや、信号出力が終了する条件を満たすまでオン電位を出力し続けるもの等がある。
外部情報出力処理では、まず、遊技状態に関する信号を生成する。遊技状態に関する信号として、特定遊技状態の種類を識別可能とするために、前提とするぱちんこ遊技機Pでは確率変動機能の作動状態(確率状態)、電チューサポート機能の作動状態(ベース状態)に対応する情報と、特別遊技中(大当りや小当り)であることを示す情報とを参照し、各遊技状態に制御されている場合には、対応するデータが送信されるよう、外部出力データを更新する。なお、ここで例示したものに限らず、遊技機の仕様によっては、変動時間短縮機能の有無を示す情報や、特定の種類の大当りの場合であることを示す情報を基に出力信号を生成する場合があってもよい。
また外部情報出力処理で出力される出力信号として、遊技状態に係る信号のみでなく、予め定めた遊技結果の発生に基づいた情報が出力される。例えば、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されるたびに送信される信号(「図柄固定信号」とも呼ぶ)や、始動口スイッチ(特図1始動口スイッチP712、特図2始動口スイッチ722)や大入賞口スイッチP752など各種入賞口に対する遊技球の入球の検出がなされる度、あるいは、各種入賞口に対する入球に基づく賞球の払い出しが所定個数(例えば10個)に到達する度に、外部出力データにデータがセットされ、外部機器に対して送信される信号などがある。これらの信号は主にパルス信号で構成され、1の信号を128msのオン電位が続くパルス信号で送信するものであるが、複数回の遊技結果が連続して発生した場合には、1回のパルス信号の出力が終わった後、一定期間のオフ電位出力を挟んだ後、再度パルス信号を出力する仕様となっている。
また、外部信号出力処理では、前述した異常検知処理(ステップ2032)で確認した結果としてのエラーフラグを記憶した記憶領域のデータと、セキュリティ報知の必要なエラーの発生有無を確認するための比較データとを演算、比較してセキュリティ信号を出力する必要があると判断した場合は、外部出力データのセキュリティ信号に対応するビットをオンとするよう、出力ポートにセットする出力データを更新する。
(LED出力処理)
LED出力処理は、主制御表示装置P50を構成する複数のLEDに対し、点灯パターンを示すデータを出力して、LEDを発光させ、遊技の進行状況、遊技状態を表示するための処理である。(ステップ2044)
主制御表示装置P50を構成するLEDは、第1特別図柄表示装置P51(LED8個)、第2特別図柄表示装置P52(LED8個)、第1特別図柄保留表示灯P61(LED2個)、第2特別図柄保留表示灯P62(LED2個)、普通図柄表示装置P53(LED2個)、普通図柄保留表示灯P63(LED2個)の他、ラウンド表示灯P54、状態表示灯P55、右打ち表示灯(合計8個のLED)の計32個のLED表示部を有する。
なお、状態表示灯P55とは、複数の遊技状態に関する表示灯を一括であらわしたものであり、詳細には確率変動機能の作動有無を示す特図確変表示灯や、普通図柄の確変機能の作動有無(電チューサポート機能の作動有無)を示す普図確変表示灯、エラー状態を示すエラー表示灯などの表示灯のことを指す。
LED出力処理では、主制御表示装置における表示部の点灯データを割込み処理毎に1バイト分ずつ出力ポートにセットして主制御表示装置P50を点灯するよう構成しており、割込み処理毎に更新されるデジットカウンタという値に基づいて、今回の割込みで点灯させる主制御表示装置P50のLEDを選択し、遊技状況に応じた点灯パターンデータを選択し、表示データとしてセットして各LEDを点灯制御するようになっている。
すなわち、前提とするぱちんこ遊技機Pでは主制御表示装置P50を32個のLEDに対し、少なくとも4回の割込み処理を使って順番に点灯データを出力するダイナミック点灯方式にて主制御表示装置P50を制御している。
また、LED出力処理では、上記の主制御表示装置P50として遊技者が視認すべきLED表示以外に、遊技停止フラグが設定変更状態、設定確認状態、復帰不可能エラー状態である場合にのみ点灯制御されるLED表示の点灯制御も行っている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技停止フラグに何らかの遊技停止状態を示すフラグが格納されている場合、主制御表示装置P50に対する点灯パターンデータの設定は省略されるようになっており、設定変更中、設定確認中、復帰不可能エラー中は主制御表示装置を構成するLEDは全消灯状態となっている。変形例として、遊技停止フラグのセットの際に、各状態に対して設定される固定的な点灯パターンを用いて発光表示を行ってもよく、例えば設定変更中である期間に主制御表示装置P50を構成するLEDを全点灯させるように構成してもよい。
(領域外制御処理)
領域外制御処理は、ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行う試験信号出力処理(ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行うための処理)と、性能表示装置の表示に係る制御を行う処理によって構成される(ステップ2046)。「領域外」の意味として、ぱちんこ遊技機の規則に定めるプログラム記憶領域の容量の計算に含まれない記憶領域のプログラムによって実行される処理であることを示す。
試験信号出力処理では、ぱちんこ遊技機Pの試験端子P78から外部の試験用機器に対して出力するための遊技結果や遊技状態に係る情報を出力ポートにセットする処理が行われる。性能表示処理では、遊技状態の確認処理を行い、アウト球の計数、アウト球と賞球の数との比率(ベース)を計算して、表示データとして更新し、性能表示装置P59に対して表示出力を行う処理である。
[特別図柄抽選]
続いて、主制御基板P40のCPUにて実行される特別図柄抽選に関し、図10から図14を用いてその詳細を説明する。「特別図柄抽選」は、主として「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」にて構成される。
(当否抽選)
「当否抽選」は、実行される特別図柄抽選の結果に基づき特別電動役物P755を作動させる結果となるか否かを決定する抽選であり、より簡単に説明すれば、特別図柄の抽選結果として、「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるかを決定する抽選である。なお、ぱちんこ遊技機Pの仕様によっては、当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないものも存在する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを有するよう構成した場合、一方の特別図柄に関する当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しており、他方の当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないよう構成してもよい。
当否抽選は、始動口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721など)に遊技球が入球した際に取得され記憶される乱数のうち、「当否乱数」と呼ばれる乱数値を用いて抽選を行う。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、当否乱数の取り得る乱数値の範囲(乱数値範囲)は、「0」から「65535」までの65536通りであり、いわゆる2バイト乱数で構成されている。当否抽選が行われる場合、この乱数値の値と、遊技状態や設定値に応じた当否抽選に使用する抽選テーブル(「当否抽選テーブル」と呼ぶ)との比較により、当否抽選の結果を決定する処理を行う。
図10には、当否抽選に使用する抽選テーブルをいくつか例示している。図10の(A)は設定値「1」かつ低確率状態における当否抽選テーブルを示し、図10(B)は設定値「1」かつ高確率状態における当否抽選テーブルを示す。図10の(C)、(D)は、それぞれ設定値「6」であるときの低確率状態、高確率状態における当否抽選テーブルを示している。
例えば、図10(A)の当否抽選テーブルを使用して当否抽選を実行する状況において、今回の特別図柄抽選における当否乱数が、第1特別図柄(特図1)に対応する乱数であり、乱数値が「1500」であったと仮定し、当否抽選の流れを説明する。
まず、最初の当否抽選結果として大当りの乱数値範囲(「0」から「327」)に属するか否かを判定する。具体的には、今回の当否乱数の乱数値「1500」から、判定対象の大当りの乱数値範囲「328」を減算する処理を行う。このとき、減算結果は「1172」であり、負の値とはならないため、今回の当否乱数は、大当りの乱数値範囲には属さないと判定する。
続く処理として、先の大当り判定の演算後の乱数値「1172」と、当否抽選テーブルの続く当否抽選結果の判定領域として、はずれの乱数値範囲(「328」から「65370」)の比較を行う。より具体的には、当否乱数の一次データ「1172」から、判定対象のはずれの乱数値範囲「65043」を減算する。このとき、演算結果は負の値となるため、当否抽選結果として、「はずれ」の結果に対応した情報が記憶される。
仮に、今回の当否乱数「1500」について、高確率状態において特別図柄抽選が行われた場合には、図10(B)に示す当否抽選テーブルにて抽選されることとなり、最初の大当りの乱数値範囲(「0」から「1639」)に属するか否かを判定する。このときは、当否乱数と乱数値範囲との比較演算(減算)の結果は、負の値となるため、当否抽選結果は「大当り」であると判定される。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このように、乱数値として取得したデータと、抽選テーブルの抽選結果に応じた乱数値範囲を順次比較していく手法により、抽選結果を判定する手法を採用しており、後述する当り図柄抽選および変動パターン抽選についても同様の抽選方法を採用するものである。なお、抽選方法は、上記した例に限らず、大当りとなる乱数値と一致するか否かを取得した乱数値と直接判定するような手法を採用してもよく、抽選内容ごとに異なる抽選方式を採用するものであってもよい。
(当り図柄抽選)
「当り図柄抽選」は、前述した特別図柄抽選の当否抽選結果を受けて、その後の特別電動役物P755の作動に係る制御内容や、後述する変動パターン抽選の抽選テーブル(図12から図14参照)の切り替えに必要な抽選結果としての特別図柄の停止表示図柄を決定する処理である。
図11には、当否抽選結果が「大当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される大当り図柄抽選テーブル(図11(A)参照)や、当否抽選結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される小当り図柄抽選テーブル(図11(B)参照)や、当否抽選結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選で使用されるはずれ図柄抽選テーブル(図11(C)参照)が示されている。
当り図柄抽選に使用される、「図柄乱数」は、乱数値範囲を「1000」(「0」から「999」)として構成しており、2バイトデータで表現した場合に、上位1バイトが「0」から「3」、下位1バイトが「0」から「255」で表現されるデータである。
当り図柄抽選を具体例にて説明すると、例えば、当否抽選結果が大当りである場合において、図柄乱数が「400」(上位バイトが「1」、下位バイトが「144」)の時の第1特別図柄に対する当り図柄抽選の場合には、図11(A)に示す上位1バイト「1」の抽選テーブルを用い、下位バイト「128」から「191」に該当する「5R(5ラウンド)確変2」が抽選結果として得られることとなり、特別図柄の変動表示にあたって、停止表示図柄として「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51(第2特別図柄抽選の場合は、第2特別図柄表示装置P52)に停止表示される。
そして、「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51に停止表示された場合、「5R確変2」図柄に対応した大当り遊技が実行されることとなる。このとき、第1特別図柄表示装置に「5R確変2」が停止表示図柄として表示された場合と、「5R確変1」が停止表示図柄として表示された場合とで、5ラウンドの大当り遊技の各ラウンド遊技の内容(大入賞口P751の開放パターンや開放時間など)を停止表示図柄に基づいて異ならせてもよく、また大当り遊技後に移行する特定遊技状態における制御内容を異ならせるよう制御することも可能である。これらの大当り遊技、特定遊技状態における制御の割り当ては、ぱちんこ遊技機Pごとに仕様(スペック)に応じて遊技性を実現するために適宜定められるものであり、その詳細な説明は割愛する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示した抽選によって、大当りの種類ごとにまとめた図柄を表示するように記載しているが、例えば先の例において、抽選結果「5R確変2」という、大当りの種類を決定した後、さらに該当する種別の大当りを実行することとなる停止表示図柄を複数のパターンから別の抽選を行って決定するように、大当りの種別の決定、停止表示図柄の決定と2段階で当り図柄抽選が実行されるものであってもよい。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに関する特別図柄抽選において、当り図柄抽選にて大当り図柄を決定する場合に、決定され得る当り図柄の種類が異なるように構成されている。より具体的には、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄の大当りでは、「10R確変5」ないし「10R確変8」が決定される可能性が増えており、第1特別図柄の当り図柄抽選よりも、ラウンド数の大きな大当りに当選しやすく、特定遊技状態として高確率/高ベース状態へ移行することとなる大当りに当選しやすい仕様となっていると言える。
図11(B)には、小当り図柄抽選テーブルが例示されている。小当り図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様である。
図11(B)に図示した小当り図柄抽選テーブルでは、そのほとんどが「小当り1」図柄に当選するものとなっており、第2特別図柄の当否抽選結果として「小当り」となった場合の一部において「小当り2」が決定され得るようになっている。なお、小当り図柄に関しては1種類であってもよいし、3種類以上の図柄を決定可能に構成してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pのように、小当り図柄を複数設けることの目的の一例としては、単純に小当り遊技中の大入賞口P751の開放態様を変更することで獲得可能な遊技球数を異ならせたり、例えば小当りVを遊技機仕様(スペック)として採用するぱちんこ遊技機Pにおいて、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技とV入賞が困難となる小当り遊技とを切り分けるために小当り図柄を差別化したり、V入賞後の大当り遊技の実行後に移行する特定遊技の種類を切り分けるために小当り図柄を異ならせるなどの態様が実行されることを目的とすることが挙げられる。
図11(C)には、はずれ図柄抽選テーブルが例示されている。はずれ図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、第1特別図柄に関して前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様であり、第2特別図柄に関しては異なる手法となっている。
より具体的には、図11(C)には、第1特別図柄に対するはずれ図柄抽選テーブルのみが表されており、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、はずれ図柄抽選テーブルとして第1特別図柄である場合のみ抽選処理を行い、停止表示図柄として「はずれ1」または「はずれ2」のいずれかを停止表示図柄として決定する。
「はずれ2」図柄は、第1特別図柄のはずれ時において、およそ6.4%の確率で当選するはずれ図柄であり、「はずれ2」が当選している場合、変動パターン抽選において、リーチとなりやすい特殊な抽選テーブル(不図示)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定しやすくするよう構成されている。そのため「はずれ2」に関し、「リーチはずれ図柄」などと称する場合もある。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄のはずれ図柄抽選テーブルを有さず、いかなる図柄乱数である場合においても1のはずれ図柄が決定されるようになっており、図柄乱数とテーブルの比較処理自体を省略し、1のはずれ図柄を記憶するよう構成している。なお、必ず1の図柄に当選する抽選テーブルを用いてはずれ図柄に当選するように構成してもよい。
(変動パターン抽選)
「変動パターン抽選」は、特別図柄の抽選結果である停止表示図柄を停止表示するまでの変動表示時間を抽選により決定する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80において大当りであるか否か、大当りである場合について大当りの種類は何かに関する演出報知を行うため必要な演出時間として特別図柄抽選において、特別図柄の変動表示時間を後述する変動パターンテーブルを使用して決定する処理を行っている。
図12には、主として通常遊技状態(低確率/低ベース中)、低ベース状態(非電チューサポート状態)、すなわち前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて遊技盤の左側領域P501Lに遊技球を発射することが推奨される状態の「低ベース中変動パターン抽選テーブル」を表している。
図12に示される、「ID」は、変動パターン抽選を行った結果として記憶される情報を表しており、「変動パターン」は、同IDが当選した場合に演出表示装置P80にて表示される変動の演出の態様の代表例を示している。「変動時間」は、対象の変動パターン抽選の結果(変動パターンID)における特別図柄の変動表示時間値であり、特別図柄が変動表示してから停止表示されるまでの時間を表している。
図12における「保1変動」から「保4変動」は、特別図柄抽選の実行条件を満たした状況における保留数を示しており、当否抽選結果が「はずれ」であり、対象の特別図柄(ここでは第1特別図柄)の保留球がN個であったとき、「保N変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。すなわち、低ベース状態における第1特別図柄の変動パターン抽選は、保留数に依存して使用する変動パターンテーブルを異ならせるように構成されている。なお、保留がない状態において、始動入賞口へ遊技球が入球した場合は、処理上一旦保留として格納されるため、「保1変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。
一方図12中に示すように第2特別図柄に対応する変動パターン抽選は保留数に非依存であり、いかなる保留数である場合においても共通の抽選テーブルを使用するよう構成されている。なお、不図示ではあるが、図柄抽選の結果「はずれ2(リーチはずれ図柄)」が決定されている場合は、第1特別図柄の変動パターン抽選であっても、保留数に依存しない1の変動パターンテーブル(はずれ2用変動パターンテーブル)を使用して変動パターン抽選を行うよう構成されている。
図12における「10R確変」、「5R確変」、「10R通常」、「5R通常」は、低ベース状態における、大当り時の変動パターン抽選に使用する変動パターンテーブルを示すものであり、当否抽選結果が「大当り」となり、図柄抽選結果がいずれの図柄であるかに応じて適宜変動パターンテーブルを選択して抽選が行われることを表している。図12では、第2特別図柄は低ベース状態における遊技の主体でないために、大当り変動パターンテーブルを大当り図柄に依存しない形で決定するように表現しているが、第2特別図柄の大当りについても、大当りの種別に応じて複数パターン有していてもよい。
ここで、図12を用いて、低ベース状態における変動パターン抽選の具体例を説明する。具体例として、第1特別図柄の抽選であって、変動パターン乱数が「30000」、変動開始時の保留球数が3個である状況(変動開始後は保留数2個となる状況)であって当否抽選結果および当り図柄抽選が「はずれ1」となる状況について説明する。
まず、変動開始時の保留数が「3」であることから「保3変動」の変動パターンテーブルを使用する。抽選処理は前述した当否抽選における抽選処理と同様、変動パターン乱数と、各抽選結果の変動パターンIDに対応する乱数値範囲を比較演算(減算)し、同範囲に乱数が属するか否かを判定する。本処理を行うことによってID「2」の通常変動Bのタイミングで、変動パターン乱数と乱数値範囲との比較演算を繰り返した結果が負の値となり、同IDが変動パターン抽選として決定され、特別図柄の変動表示として7秒の変動表示が行われた後、第1特別図柄表示装置P51にはずれ図柄1が表示されることとなる。
続いて、図13を用いて高ベース状態における変動パターンテーブルについて説明する。高ベース状態における変動パターンテーブルの構成は、図12に示した低ベース状態における変動パターンテーブルと対象的な構成となっており、第2特別図柄に対して保留数依存となるはずれ時の変動パターンテーブル、大当り時の大当り図柄別テーブルを有するように構成されている。なお、図12と図13にて、多くの変動パターンが共通して決定され得るように構成されているが、これは説明を簡略化する目的でもあり、低ベース状態と高ベース状態とで決定される変動パターンの重複はごく少数であったり、全く重複しないように構成することも可能である。
また、高ベース状態における変動パターンテーブルの特徴として、はずれ時の第2特別図柄の「保3変動」および「保4変動」の抽選結果として、前提とするぱちんこ遊技機Pの最短変動時間となる2秒変動(変動パターンID「12」)が決定可能に構成されている。
さらに高ベース状態における変動パターンの特徴点として、第1特別図柄の抽選については、必ず変動パターンID「4」の10秒変動が決定されるよう構成されている。第1特別図柄を10秒の変動で構成する理由として、図11に示した大当り図柄抽選テーブルにて、大当りした場合の遊技者利益が大きい(実行ラウンドが多いことによる獲得出玉期待値が高いこと、特定遊技状態として確率変動状態に移行する大当り図柄が多いこと)ことに起因しており、第2特別図柄に対応する変動表示を優先して数多く実施することで、遊技者により有利な大当りを獲得可能とすることを目的としている。また、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り遊技の有利度合いに差がほとんどない場合であっても、第2特別図柄優先消化制御を採用していることに基づいて、第1特別図柄が変動表示されることを避け、有利な状態である特定遊技状態(高ベース状態)が終了するまで、通常遊技状態(低ベース状態)にて成立した保留を保持しやすく、高ベース状態において第2特別図柄の保留を発生するのに使用する遊技球の量に対し、低ベース状態で第1特別図柄の保留を生起させるために多量の遊技球を要することを避ける目的もある。
図14は、限定期間における特殊テーブルを示す図であり、特定の期間において参照される特殊な変動パターンテーブルを表している。図14には、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられる特殊な変動パターンテーブルの一例として、3つの期間の特殊な変動パターンテーブルを包括して記載している。
より具体的には、図14には、大当り後の1変動目から4変動目までの期間(大当り時に存在する4つの保留で大当りとなる、いわゆる「保留連」(保留内連荘)と呼ばれる期間)に参照する「保留内連荘テーブル」(ID「51」、「71」が対象)と、大当り後のn回目からm回目の変動において参照され、55秒となるリーチ変動が選択されやすい高頻度リーチテーブル(ID「52」、「53」、「54」、「72」が対象)と、高ベース状態の最後の変動表示にて参照され、主に後述する「リザルト演出」が実行されることとなる「リザルト変動テーブル」(ID「55」、「73」が対象)が、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられていることが示されている。
このように、限定的な期間に参照される特殊な変動パターンテーブルのことを、「特殊変動パターンテーブル」や「限定頻度(パターンテーブル)」などと称する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、限定頻度パターンテーブルの参照期間を、大当り遊技(特別電動役物の作動、言い換えると役物連続作動装置の作動)の後の定められた期間において参照可能に構成している。これらの参照期間について、大当りの種類(大当り図柄)によって、参照有無を異ならせたりすることも可能であり、小当り遊技に基づく特別電動役物の作動後の特定の期間において、参照する期間を異ならせるように構成することも可能である。いかなる状況でどのような特殊変動パターンテーブルを参照するかは、ぱちんこ遊技機毎に適宜設定可能なものであり、例示したものに限らず、必要があればその詳細を別途の記載で説明することとする。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける演出動作に係る制御を行う演出制御基板P41の制御に関する説明を行う。なお、演出制御基板P41の動作制御は、遊技機の型式試験上における制約は少なく、主制御基板P40の制御と比較して設計の自由度が高いものであるため、以下の説明で説明される処理のみに制限されるものでなく、処理が行われるタイミングについても適宜変更可能である。
[演出制御基板の電源投入処理~メインループ処理]
前提とするぱちんこ遊技機Pは、遊技機の電源が投入されると演出制御基板P41のCPUにおいて、電源投入処理(ステップ4000)が実行する。ここで、演出制御基板P41の電源投入処理に関し図15に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの演出制御基板P41において電源投入処理(ステップ4000)が開始されると、演出制御基板P41上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定処理が行われる(ステップ4002)。初期設定処理は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛するが、前回の電源断が発生した状態で実行されていた演出に関し、主制御基板P40の電源投入処理(図7)と演出制御基板の電源投入処理(図15)の完了には時間差が生じるため、電源復帰後に電断前の演出に復帰してしまうと、主制御基板P40の動作とずれが発生する虞があることから、演出制御基板P41の電断復帰時の初期処理では、電断前に実行していた演出が実行されないよう演出情報などを初期化することが多い(「演出制御基板リセット」、「サブリセット」と呼ぶ)。
(演出制御基板のメインループ)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、初期設定処理の後にメインループ処理へ移行する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80(画像表示装置)に対して接続する画像制御基板P42において演出画像を描画する周期(フレーム)の時間が、1秒間に30回描画するよう1周期約33ms(30FPS)に設定されるため、そのおよそ半分の周期である16msの周期にてメインループ処理のループを1回行うように構成されている(ステップ4002からステップ4016)。
演出制御基板P41のメインループ処理では、まずCPUの暴走の検出を行うためのウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップ4004)。
続いて、演出制御乱数データを更新する処理(ステップ4006)を行い、演出抽選を実行する契機が発生した場合に使用する各種の演出制御乱数を更新する。
次に、入力ポート監視処理を実行する(ステップ4008)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する演出制御基板P41の割込み処理中においても入力ポートの監視を実行する仕様となっているが、メインループ処理における入力ポートの監視処理は、16ms周期の監視となるため、システム上必要な監視対象であるスイッチなどの入力の監視にとどまり、演出可動役物P560の演出制御に必要なセンサ類などの入力の監視は省略される。なお、変形例として、演出上監視すべき対象であるセンサ類に関し、メインループ処理内の入力ポート監視処理にて確認を行ってもよい。
入力ポート監視処理で実行する内容は、主制御基板の入力ポート確認処理と同様、各種センサの入力データより、レベルデータを生成して記憶したり、立ち上がり(立ち下がり)データを記憶する処理が実行される。
続いて、演出制御基板P41は、演出装置制御処理(ステップ4010)を行い、演出表示装置P80(画像表示)以外の演出動作に関する制御を実行する。本処理において制御される演出装置として、ランプP82(「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」)やスピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出可動役物P560などがあり、これらの演出装置に対して後述する演出制御処理(ステップ4012)などの処理によって実行が決定された演出内容に応じた演出動作命令を各演出装置に送信して演出動作を実行させる。
演出装置制御処理(ステップ4010)における各種演出装置に対する演出動作命令の出力は、演出表示装置P80(画像表示装置)にて表示される演出画像と同期して実行(開始)される必要があるため、演出表示装置P80の制御を行っている画像制御基板P42から演出制御基板P41に対して一定間隔で送信される信号や、強制的に同期を図る信号を受信したこと(前述した入力ポート監視処理での受信)を契機として、演出表示装置P80の演出切り替わりタイミングとの同期を図り、各種演出装置に対して演出動作命令の出力を行う。
なお、演出装置の内、演出可動役物P560の動作制御に関しては、演出可動役物P560の駆動手段に対して、より短い周期での制御が必要となることから、本処理において設定された演出動作命令にて実行されることとなる演出可動役物P560の動作パターンについて、後述する演出制御基板P41の割込み処理中(図16参照)においてもセンサの監視、動作切り替えが実行される。
次に、演出制御基板P41のメインループ処理で実行される演出制御処理(ステップ4012)に関して説明する。演出制御処理は、後述する演出制御コマンド解析処理で主制御基板P40から受信した演出制御コマンドを解析した結果に基づき成立したフラグや受信した演出制御コマンド自体の情報(特別図柄抽選の抽選結果IDなど)、入力ポート監視処理(ステップ4008)、割込み処理(図16)等の他の処理中に成立したフラグを基に、各種演出装置で実行する演出内容を抽選したり選択することで決定する処理である。
演出制御処理は、各フラグ情報やコマンド解析情報を基に実行すべき演出決定の処理を選択し、対応する演出決定のためのサブモジュール処理を呼び出して実行する。ここで決定される演出内容の例として、特別図柄抽選の実行結果に係るコマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)を基に1回の特別図柄の変動に対応する変動演出を決定する処理(予告やリーチの内容、停止する装飾図柄の決定などを行う処理)や、保留が発生した際に送信される保留数情報や事前判定情報を基に新たに発生した保留に対し先読み演出(「事前判定演出」とも呼ぶ)を実行するか否かを決定する先読み抽選処理や、特別遊技(大当りや小当り)の実行に際し演出制御コマンドとして送信された情報に基づき特別遊技中の演出内容を決定する特別遊技演出内容決定処理などがある。
また、演出制御処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドに対する処理のみでなく、演出制御基板P41でエラーを検出した場合のエラー表示内容の決定処理(主制御基板から送信されたエラー情報に基づくエラー表示内容の決定処理を含む)や、遊技者によって演出操作手段P81である演出ボタンP381、十字キーP383などの入力操作に基づいてスピーカP83から出力される音量の調整や、ランプP82の発光輝度を変更する光量調整、演出内容および演出内容決定傾向のカスタマイズといった演出内容の決定も実行する。
なお、演出制御処理で呼び出されるサブモジュール処理にて行われる各種の演出内容の決定処理については、遊技機毎に固有の仕様を用いられることが多いため、説明を割愛し、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pにおいて特徴を有する処理を実行する場合には、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pの実施例の説明にてその詳細を説明することとする。
演出制御基板のメインループ処理の説明に戻り、メインループ処理の最後の処理として演出制御コマンド解析処理(ステップ4014)を説明する。
演出制御コマンド解析処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドとして記憶されている情報を基に、前述した演出制御処理において演出内容の決定に使用するための演出制御コマンドに対応する情報の記憶や、フラグの設定を行う。本処理は、主制御基板P40から送信されたコマンドに応じて処理内容を決定する必要があり、演出制御コマンドであるMODEデータ、EVENTデータの内容より処理内容を決定して、演出制御コマンドに応じた処理が実行される。
なお演出制御コマンドは、主制御基板P40の割込み処理毎(4ms毎)に1のコマンド(MODEデータとEVENTデータ)が送信される可能性があるため、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41のメインループ処理の周期(16ms)が経過するまでの間、処理可能な限り演出制御コマンドの解析を繰り返し実行する(ステップ4016)。
[演出制御基板の割込み処理]
次に、演出制御基板P41のCPUにおいて実行される割込み処理に関して説明する。演出制御基板P41における割込み処理は、主制御基板の割込み処理とは異なり、異なる実行契機で開始される複数の割込み処理を有している(図16(A)および(B)を参照)。なお、これらの複数の割込み処理には、優先度が設定されており、より上位の優先度の割込みが発生した場合には、割込み処理の実行中であっても上位の割込み処理を実行するように制御される。本説明においては、代表して演出制御タイマ割込み処理(図16(A))と、演出制御コマンド受信割込み(図16(B))とについて説明を行う。
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御タイマ割込み処理(図16(A))は、演出制御基板P41のCPUにおいて、1ms周期で実行される割込み処理である。
ポート入出力処理(ステップ5002)は、演出制御基板P41の入力ポートより、演出可動役物P560の位置検出のために設けられたセンサや、他のセンサ(演出操作手段P81の入力センサ)の入力からレベルデータ、立ち上がりデータを生成して記憶する処理や、出力ポートより、演出装置制御処理にて設定された動作パターンに従って演出可動役物P560の駆動手段(ソレノイドやステッピングモータなど)に対して駆動信号を出力する処理が実行される。また、出力ポートからデータ出力を行った際には、必要があれば出力回数をカウントするカウンタ(記憶領域)のデータを更新する。
タイマ更新処理(ステップ5004)は、演出動作の切り替えタイミングを計るタイマの減算や加算を行う処理である。各タイマに関し更新処理が終了すると、比較値との比較演算を行い、演出動作の切り替え条件が発生したか否かを判断し、演出制御処理(ステップ4012)において演出内容の決定に必要な情報やフラグを記憶領域に記憶する処理を行う。
センサ監視処理(ステップ5006)は、ポート入出力処理にて生成したセンサの検出データより、演出可動役物P560の演出動作切り替え条件が成立したか否かなど、演出動作の切り替えに係るセンサ検出情報の発生有無を判断し、動作パターンのテーブルを切り替える処理を行ったり、演出制御処理(ステップ4012)にて演出内容を決定するための条件フラグを立てる処理を行う。
演出ボタン監視処理(ステップ5008)は、演出操作手段P81である演出ボタンP381やレバーP382、十字キーP383などの入力に基づく演出の切り替え条件の成立有無を判断する処理である。演出ボタン監視処理では、ポート入出力処理(ステップ5002)において生成された各入力装置の入力状態を示すレベルデータや立ち上がりデータ(前回オフから今回オンへレベルデータが変化したことを示すデータ)より演出操作手段P81に対する操作有無、操作態様を判断する。
例えば、演出操作手段P81に対する入力情報として、立ち上がりデータが生成されている場合には演出操作手段P81に対する遊技者操作があったものとして、対応する演出の実行のためのフラグなどの情報を記憶する。なお、立ち上がりデータのみで入力を判断すると電気的なノイズにより誤検出して演出動作の切り替えが行われる可能性があるため、立ち上がりデータの発生後、複数回のレベルデータ(オンデータ)の入力が連続したことを契機として演出操作手段P81に対する遊技者操作(「単押し(単引き)操作」、「一撃操作」と表現する場合がある)と判断してもよい。
また、オン入力のレベルデータが連続して500回検出された場合、すなわち0.5秒に渡って演出操作手段P81が操作されたと判断した場合、「長押し(長引き)」操作と判断し、特殊な操作として扱うよう構成している。なお、「長押し(長引き)」操作の有無、継続の判断において立ち下がりデータ(前回オンから今回オフへレベルデータが変化したことを示すデータ)が電気的にノイズとして検出される場合があるが、この場合も前述した誤検出防止の対策と同様に立ち下がりデータの検出後、複数回のレベルデータ(オフデータ)の入力を検出したことに基づいて、「長押し(長引き)」操作の入力終了を判断するものとしてもよい。
そして、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、実行中の演出内容によっては、演出ボタンP381に対する「長押し」操作の実行により、一定周期毎(例えば0.3秒毎)に1回の演出操作手段P81の「単押し(単引き)」入力操作があったと見做す処理を繰り返して行わせることを可能としており、このように「長押し(長引き)」操作などの特殊な操作を契機として、「単押し」操作が行われたと見做して繰り返し処理が実行されることを「オート連打」操作と呼ぶ。なお、「オート連打」操作は、例示した操作内容に限らず、複数の演出操作手段P81を同時操作するものや、演出ボタンとは異なるスイッチとして設けられたディップスイッチなどのオンオフ操作することで、演出ボタンP381の入力に基づき「オート連打」操作が実行されたと見做す手法を採用することも可能である。
なお、演出操作手段P81に対する入力は、演出の実行状況によって、有効操作として扱う期間(「操作有効期間」)と、無効操作として扱う期間(「操作無効期間」)とが存在する。
マルチタスク処理(ステップ5010)は、演出制御タイマ割込み処理が実行される毎に更新されるタスクカウンタ(値「0」~「15」の間で更新)の値に応じて、今回発生した演出制御タイマ割込み処理中で実行する処理内容を異ならせて行う処理である。タスクカウンタが16ms周期で循環するように構成されており、メインループ処理の1周期とほぼ同期して各カウンタ値における処理が実行されるように構成されている。各タスクにおける処理の一例としては、画像制御基板P42の動作が実行できるか否かを画像制御基板P42から送信される信号(ポート入出力処理にて入力情報を生成)を基に判断し、画像制御基板P42の動作状況を監視する処理が行われる。
画像制御コマンド送信処理(ステップ5012)は、画像制御基板P42のCPUに対して演出制御処理P41にて決定した演出内容に応じた画像表示を実行させるべく、画像制御コマンド(「サブ間コマンド」と呼ぶ場合もある)を画像制御基板P42のCPUに対して送信する処理である。なお、画像制御基板P42と演出制御基板P41は同一の基板で構成してもよいが、本明細書内では便宜的に画像制御基板P42として記載する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41は、画像制御コマンドを表示内容の種類を示す第1コマンドと、表示内容のパターンを指定する第2コマンドとで構成し、画像制御基板P42に送信する構成となっている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御タイマ割込み処理にて画像制御コマンドを送信する構成となっているが、演出制御基板P41と画像制御基板P42との間におけるコマンドの送受信に関して、別途割込み処理を設けて送受信を行うように構成することも可能である。
(演出制御コマンド受信割込み)
演出制御コマンド受信割込み(図16(B))は、主制御基板P40の割込み処理(図9)中の演出制御コマンド送信処理(ステップ2040)においてストローブ信号が出力され、当該ストローブ信号を演出制御基板P41が受信した場合に発生させる割込み処理である。
演出制御基板P41は、演出制御コマンド受信割込みを開始すると、主制御基板P40の出力ポートより送信される演出制御コマンド(MODEデータまたはEVENTデータ)を読み取り、一時バッファデータを更新して記憶する(ステップ5502、ステップ5504)。
一時バッファデータの更新が終了すると、1の演出制御コマンド(MODEデータとEVENTデータの組み合わせ)の受信が完了したか否かを判断する(ステップ5506)。なお、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドは、1バイトデータのうち、特定のビットが「1」「0」で構成されている。
前述したステップ5504の一時バッファデータ(2バイトデータ記憶領域)の更新に際しては、通常下位の1バイトの記憶領域に今回受信した演出制御コマンドの内容を記憶する処理を行う。このとき、更新前に現在の一時バッファデータの記憶領域の下位1バイトのうち特定のビットの部分がMODEデータであることを示す場合、一時バッファデータの記憶データを上位の1バイト記憶領域にシフトさせて記憶させた後、今回受信したEVENTデータを一時バッファデータの下位の1バイトの記憶領域に記憶する処理が行われる。
そしてステップ5506の演出制御コマンドの受信完了の判断においては、一時バッファデータの下位1バイトのうちの特定のビットがEVENTデータを示すデータであるか否かを判断し、EVENTデータであると判断した場合には、1の演出制御コマンドの受信が完了したもの(ステップ5506YES)として次の処理に進み、MODEデータであると判断した場合(ステップ5506NO)には、主制御基板P40からEVENTデータの送信に基づくストローブ信号を受信するまで、演出制御コマンド受信割込みを抜け、他の処理を行って待機する。
ステップ5506において、演出制御コマンドの受信が完了したと判断した場合、送られた演出制御コマンドが正常なものであったか否かを判断する(ステップ5508)。この処理は、例えば、主制御基板P40から送信され得る演出制御コマンドの一覧データの中に一致するデータが存在するか否かを基に判断される。そして、正常なコマンドであると判断された場合には、演出制御タイマ割込み処理中の演出制御コマンド解析処理にて解析されるように受信した演出制御コマンドを記憶するための記憶領域に記憶し、異常データの場合には一時バッファデータを破棄する。
[基本的な画像表示の演出例]
次に、図17から図20を用いて、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける基本的な演出に関して説明を行う。図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図であり、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。図19は、大当り遊技を実行している状態を表した図であり、図20は特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
(通常遊技状態の演出表示例)
《装飾図柄》
図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図である。画面の略中央領域に3つの数字が遊技者に対して明瞭に確認できる態様にて表示されている。この3つの図柄は「装飾図柄(P801)」(「装図」とも呼ぶ)と呼ばれており、特別図柄抽選の結果に対応して表示される演出的な表示物であり、特別図柄の変動表示に合わせて変動表示される。なお、図17中では数字のみで表現しているが、各数字にキャラクタ画像などの装飾画像を伴って表示される場合もある。また、各数字に装飾画像を伴って表示するよう構成する場合には、遊技状態によって装飾画像や各数字の表示態様を相違させてもよい。そのように構成することによって、遊技者は現在の遊技状態を判別し易くなる。
装飾図柄P801は、特殊な演出を行っている場合を除いて特別図柄の変動表示1回(特別図柄抽選1回)に対して、1度の演出としての変動表示が行われる。なお、不図示であるが、装飾図柄P801の変動表示が行われる際には、装飾図柄が高速で変動表示(場合によっては透過表示や非表示となる)され、アニメーションや演出効果の画像による「予告」と呼ばれる演出により、大当り遊技の権利獲得の期待感を高める演出を行う。
図17に示す装飾図柄P801は、変動表示が開始されると上下方向(上から下方向)にスクロール表示された後、左図柄(P801a)、右図柄(P801c)、中図柄(P801b)の順に図柄列毎に、演出制御基板P41で決定された停止表示図柄が停止表示される。一般的には、3つの装飾図柄P801が同一の態様(ぞろ目)で停止表示された場合に、大当りであることを演出的に報知するものとなっている。また、1の図柄が変動表示を行う一方で他の図柄が表示されている状態、例えば、最後に停止する図柄(「最終停止図柄」とも呼ぶ)である中図柄P801bが停止する前に左図柄および右図柄が同一の図柄で表示(仮停止表示)されている状態のことを「リーチ」(「リーチ状態」「リーチ態様」)と呼ぶ。
装飾図柄P801の変動表示は、上下方向(上から下方向)にスクロール表示する態様で表示されることが多いが、変動表示の態様は上下方向に限らず、左右方向や奥行きを使って前後(斜め)方向にスクロール表示動作を行うものであってもよいし、スクロールせずにその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよい。
また、装飾図柄P801は1回の特別図柄の変動表示中において、複数回の停止表示を行う場合を有している。この時、複数回の停止表示に際して、特別抽選の結果を示す停止表示は、特別図柄の停止表示図柄が特別図柄表示装置に停止表示されるタイミングと同時期に表示される停止表示であり、それ以外のタイミングにおける停止表示を「仮停止(表示)」という。なお、特別図柄の停止表示と同時期の停止表示ついては、「本停止」と表現する場合がある。
装飾図柄P801の仮停止が行われた際には、最終的な図柄の停止表示(本停止)と区別するため、装飾図柄P801を完全に固定せず、固定したと認められない程度に一時停止させたり、上下あるいは左右などの方向に動作したり、1の回転軸を中心に揺れ動作を行ったりするように構成される。このような状態のことを仮停止の他に「揺れ変動」などと表現する場合がある。
装飾図柄P801が仮停止表示された後は、再び変動表示を繰り返す場合があり、一般的に大当り図柄以外の図柄が仮停止した状態からの再変動を「擬似変動(擬似連)」演出と呼び、大当り図柄の停止後に停止表示される大当り図柄を変更する場合がある再変動を「昇格(変動)」演出と呼ぶ。なお、昇格演出を実行する場合には、停止した大当り図柄よりも不利な大当り図柄には変更しないよう構成したり、はずれ図柄に変更しないよう構成してもよい。
また、装飾図柄P801の停止表示に際して、通常の変動表示中は表示されておらず、一部の演出を実行する場合にのみ表示される特殊な装飾図柄の一種があり、これを「特殊装図(P804)」(特殊図柄)と呼ぶ。特殊装図は、それぞれの図柄に意味があり、例えば特定の大当りが実行されることを示唆したり、前述した擬似変動演出を行うことを示唆したり、特定のリーチ演出(リーチ態様となった場合に表示される予告演出)が実行されることを示唆するものなどが挙げられる。特殊図柄を用いる場合には、最後に仮停止する装飾図柄(中図柄P801b)として特殊図柄を仮停止させてもよいし、左図柄P801a、中図柄P801b、右図柄P801cのすべてを代用する1つの装飾図柄として特殊図柄を仮停止させてもよい。
《簡易装図(ミニ装図)》
画面右上には、装飾図柄P801と同一の態様にて表示される3つの数字が表示されている。この図柄は「簡易装図(P802)」(「簡易図柄」)や「ミニ装図」とも呼ばれ、前述した「装飾図柄」同様特別図柄の変動表示に合わせて、特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示される。
簡易装図P802(ミニ装図)は、「装飾図柄」と異なり、装飾図柄P801が停止表示されない特殊な演出が行われている場合であっても、特別抽選の結果を示す特別図柄が特別図柄表示装置P51、P52に表示されるのに合わせて、特別図柄抽選1回に対して必ず1回の停止表示を行う。
また、簡易装図P802の変動表示は、前述した装飾図柄P801がリーチ態様となった場合に、同一のリーチ態様を形成するように構成してもよいし、特別図柄抽選の結果を報知するという最低限の目的を達成するために、装飾図柄P801とは無関係に特別図柄の変動表示が停止表示状態となるまで一定の表示切り替えを行う、といった簡略的な変動表示とする手法を採用してもよい。
《保留表示領域》
図17の下部領域には、保留表示領域P810が設けられている。保留表示領域P810には、遊技者が獲得した特別図柄抽選の権利として、未行使の権利に対応する保留(乱数値)に対応した保留オブジェクトP811が表示される。図17の例では、特別図柄抽選の権利が3つ保留されている状態を示している。
図17の例では、特別図柄抽選の実行時期が早い保留(すなわち先に発生した保留)であるほど、画面下部の略中央方向に近い位置に表示されるようになっており、保留表示領域P810の最も右側に位置する保留オブジェクトの表示位置を「保1(表示領域)」と呼び、画面左側に向かうにつれて「保2(表示領域)」、「保3(表示領域)」、「保4(表示領域)」と呼ぶ。
また、保留表示領域P810の右側近傍には、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と略同一態様のオブジェクトが一段高い位置に保留オブジェクトP811より大サイズに表示されている。本表示領域は、現在の特別図柄変動表示の開始契機となった乱数値に対応した保留表示を保留表示領域から継続して表示するものであり、「当該変動オブジェクト表示領域(P812)」と称する。また、当該変動オブジェクト表示領域P812に表示されるオブジェクトを「当該変動オブジェクト(P813)」と呼ぶが、「当該保留表示」などと称する場合があり、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と差別化するために「当該」という頭文字をつけている。
なお、当該変動オブジェクト表示領域P812における当該変動オブジェクトP813の表示態様は、保留オブジェクトP811と完全に同一に構成する必要はなく、変動開始に伴いある保留表示が当該変動オブジェクト表示領域P812に移動表示する際に、形状が変化したり、消失(非表示)となったりする場合があってもよい。また、当該変動オブジェクトP813についても、後述する保留変化先読みにおける保留表示と同様に表示態様が変化し得るよう構成してもよい(例えば、変動表示の途中のタイミングでオブジェクトの形状や色が変化する)。
《簡易保留表示》
画面左側の高さ方向略中央位置には、2つの数字が縦方向に並んで表示されている。この2つの数字は、現在の第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数を表しており、「簡易保留表示(P814)」と呼ばれる。図17中の例では、第1特別図柄の保留数を上に表示される数値「3」で示しており、第2特別図柄の保留数を下に表示される数値「4」で示している。
(先読み演出)
《保留変化先読み》
また、図17においては、保留表示領域P810における保3表示領域の保留オブジェクトP811が、保2、保1の表示領域における保留オブジェクトP811とは異なる態様で表示されている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、保3の保留オブジェクトP811の表示態様の方が保2の保留オブジェクトP811の表示態様よりも大当りとなる可能性が高くなるよう構成されている。このように、特定の保留に対して、保留オブジェクトP811の表示態様を変化して表示させる演出のことを「保留変化(先読み)」と呼んでいる。
なお、図17に例示した態様のみに限らず、複数種類の変化態様を有し、そのそれぞれに対して大当りとなる可能性(期待度)が異なり得るように構成し、段階的に保留オブジェクトP811の表示態様を変化させていってもよい。
また、「保留変化(先読み)」に限らず、保留として記憶されている乱数値に対して演出の実行対象として決定した場合に、演出の実行対象となった保留に対応した変動表示が開始されるよりも前に、先んじて演出の実行対象となった保留の大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出のことを「先読み演出」(「事前判定演出」と称する場合もある)と呼んでいる。
そして、「先読み演出」を実行する場合に、演出の実行対象となった保留として決定された保留のことを、「先読み対象保留」、「トリガ保留」、「犯人保留」などと称する場合があり、先読み対象保留に基づく特別図柄の変動表示のことを「先読み対象変動」、「トリガ変動」、「犯人変動」などと称する。
ここで、「先読み演出」として、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用し得る代表的なものをいくつか例示する。
《チャンス目先読み》
「チャンス目先読み」は、先読み対象変動の変動が開始されるまでの装飾図柄P801の変動表示において、予め定められた法則に則った装飾図柄P801の停止表示図柄が停止表示(または仮停止表示)される演出である。チャンス目として予め定められる装飾図柄P801の停止表示態様の法則の一例としては、(ア)装飾図柄の数字部分の色合いが同一の図柄のみの組み合わせによってはずれ図柄が停止表示される場合、(イ)「1」「2」「3」や「5」「4」「3」など、装飾図柄の停止図柄が順番に並ぶ(順目、逆順目)など規則的な停止表示態様で表示される場合、(ウ)「7」などの特別な数字又は「先」などの数字とは異なる図柄が、中図柄の停止表示図柄として停止表示される場合、などが挙げられる。
《演出可動役物先読み》
「演出可動役物先読み」は、遊技盤P5または枠(ガラス枠P3)に設けられた演出可動役物P560または枠可動役物P360(前提とするぱちんこ遊技機P1のレバーP382など)を、先読み対象変動の変動表示が開始されるまでの変動、あるいは先読み対象変動まで跨いで、変動開始から演出動作パターンに従ってにぎやかし動作させる演出である。
《ゾーン移行先読み》
「ゾーン移行先読み」は、先読み対象変動が開始される前の特別図柄の変動表示において、特殊な演出モード(「ゾーン」と呼ばれる)へ移行させ、先読み対象変動となる変動表示までの間、特殊な演出モードに対応した予告演出を実行させるための予告抽選を実行することで、大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出である。例えば、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→大当り」となったり、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→はずれ図柄が停止して通常背景に戻る」となる。
(リーチ演出の実行時の表示例)
続いて、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。「リーチ演出」は、前述したように、1の装飾図柄(中図柄P801b)以外の装飾図柄(左図柄P801a、右図柄P801c)が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態における演出のことを言う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、多くの場合、リーチ演出を経由して3つの装飾図柄P801が同一の停止表示態様となることで大当りを報知する仕様となっている。
図18の例では、装飾図柄の左図柄P801aと右図柄P801cが「5」で表示されており、変動中の中図柄列の図柄として「4」、「5」、「6」が表示されている状況であり、「4」図柄が激しく振動し、「5」に切り替われば大当りとなる状況を示している。
ここで、図18の例では、装飾図柄の左図柄と右図柄である「5」の表示が、図17の停止表示時の装飾図柄P801よりも小さく表示されており、変動表示中の中図柄列の装飾図柄P801bを停止表示時の装飾図柄P801よりも大きく表示し、強調表示している。この時の左図柄P801a、右図柄P801cに対応する小さく表示された装飾図柄を「退避図柄(P803)」や、「リーチ図柄」などと呼ぶ場合がある。リーチ演出では、図示した例以外にも、装飾図柄の変動表示に伴って表示される予告演出(リーチ演出)のアニメーションの結末がどのような結末になるかによって大当りとなるか否かを報知する場合もあり、すでに仮停止表示された左図柄P801a、右図柄P801cを退避図柄P803小さくして表示する(あるいは非表示とする)ことで、遊技者に注目させたい演出の視認性を高めるようにしている。
また、装飾図柄P801の表示数を3つとしない遊技機なども知られており、同時に複数列のリーチ態様を形成するマルチラインリーチなども存在するが、その詳細に係る説明は割愛する。
リーチ演出の例外として、3つの装飾図柄P801の全てが同一の態様で同期して変動表示される「全回転リーチ」と呼ばれるリーチ演出が存在する。リーチ演出の基準である「1の装飾図柄以外の装飾図柄が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態」とは状況的に異なるが、全回転リーチもまたリーチ演出として当業者には認識されるものである。
また図18において、画面右下領域には、「演出設定表示領域(P850)」が表示されており、図18の例では演出設定表示として音量設定表示P851が表示されている。
演出設定表示領域P850は、遊技機PのスピーカP83から出力される音量レベルを調整する音量設定機能や、遊技機Pの装飾ランプP82の発光輝度を調整する光量調整機能、さらには、演出モードと呼ばれる発生する予告演出の種類を変更したり、予告演出の発生頻度を変更したりする演出モード変更機能の設定状況および変更状況に係る表示を行う領域である。
演出設定表示領域P850は、常時表示されているものではなく、遊技者が前述した各種演出設定(音量調整機能、光量調整機能、演出モード変更機能)に係る操作を実行した場合において、一時的に表示されるものであり、例えば十字キーP383の左右方向の操作により図18に示す音量調整機能に係る演出設定表示(音量設定表示P851)を表示させることが可能である。図18の状況において、さらに遊技者により十字キーP383の右ボタンが操作された場合には、設定されている音量レベル(図中の黒塗り領域)が増加し、音量設定値が「3」から「4」へと変化するようになっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、光量調整を行う場合は、十字キーP383の上下方向の操作によって変更操作が行われるように構成され、演出モード変更機能は、演出ボタンの操作に応じて演出モードを予め定められた順序で切り替える例が挙げられる。なお、これらの演出設定に係る操作は、遊技中の演出の実行との関係上異なる操作態様を採用する場合もあり、例示した設定の変更方法以外にも適宜採用可能である。
また、演出設定表示領域P850の表示や、各種演出設定機能の利用に関し、遊技者の演出設定操作を有効とする期間、無効とする期間をそれぞれ設定することが可能であり、特に重要な演出が実行されるときには、演出設定表示領域P850を非表示とし、各種演出設定機能の利用を無効とするよう構成される。
(大当り遊技中の演出表示例)
続いて、図19に基づき、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて大当り遊技を実行している状態における演出の表示態様を説明する。
《大当りの種類を示す演出表示》
図19の画面左下および画面右上には、大当り遊技の実行契機となった装飾図柄P801の表示が行われている。画面左下は、前述したリーチ演出の実行中と同様、変動表示中の装飾図柄よりも小さい表示態様にて1の装飾図柄P801(「大当り装図(P805)」とも呼ぶ)を表示し、画面右上には、特別図柄の変動表示が終了した際に表示した簡易装図P802を引き続き表示している。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当りの発生契機となった(大当りの発生時に停止表示した)装飾図柄P801の種類によって、遊技者に実行される大当りの種類や大当り中に獲得できる遊技球数の期待度合や大当り終了後の遊技状態(通常遊技状態)を演出的に示唆している。そのためこのように大当りの実行契機となった装飾図柄(大当り装図P805、簡易図柄P802)を表示させておくことによって、大当り遊技中においても大当りの種類や、獲得が期待される遊技球数を示唆することを可能としている。
また、大当りの種類を示す表示として、図19では「ROUND6」(「ラウンド表示(P820)」と呼ぶ)という文字列の下に、五角形の盾を模したアイコン画像P821が表示されており、アイコンP821の中央に「MAX」という文字が記載されている。図中のアイコンP821では「MAX」の文字列が示唆する大当りであって、前提とするぱちんこ遊技機Pが有する最大ラウンドの大当り遊技が実行されることを示している。このアイコンP821は「大当りアイコン」や「連荘(表示)アイコン」と呼ばれ、特定遊技状態と大当り遊技が繰り返し実行される毎に、累積的に並んで表示が増加し、いわゆる「連荘」状態において何回、どのような種類の大当りを獲得したかを遊技者が理解できるように報知する演出表示である。
なお、図示はしていないが、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り開始デモ期間において実行される演出表示の「大当り開始デモ演出」において「〇〇ボーナス!」(最大ラウンド大当りを報知)や「△△チャンス」(最大ラウンドではない大当りを示唆)といった表示を行うことにより、大当りの種類を遊技者に報知する演出を実行する。
また、例えば実行されるラウンド数が少ない「△△チャンス」などの大当りであることが示唆された場合であっても、大当りラウンド中において「エクストラボーナス!+〇ラウンド」として、大当りの実行ラウンドが実は最大ラウンドの大当りであることを報知するといった「大当り昇格演出」を実行することも可能である。
なお、「大当り昇格演出」は、先に報知された大当りの種類よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態へ移行することとなる大当り遊技が実行されていることを示唆する場合にも使用されることがある。例えば、大当り遊技後に確率変動機能が作動しないことを示唆する大当り遊技(「非確変大当り」、「通常大当り」と呼ばれる)の演出から、大当り後に確率変動機能が作動することとなる大当り遊技(「確変大当り」、「特定大当り」と呼ばれる)の演出へと演出表示が切り替わる、というような演出表示が挙げられる。
《大当り遊技の進行状況を示す演出表示》
次に大当り遊技の実行に際して、大当り遊技の進行状況を示す演出表示に関する説明を行う。図19において、大当りの演出表示を示す演出として、画面左上の「ROUND_〇」の文字列表示で実行される「ラウンド表示(P820)」、画面右下において「TOTAL_〇〇pt」の文字列表示で実行される「獲得球数表示(P822)」、画面右側略中央の10個の円形画像オブジェクトで表示される「カウント表示(P825)」などが挙げられる。不図示ではあるが、大当り遊技中はこれらの表示に加えて「ラウンド演出」と呼ばれるアニメーションなどの画像表示が表示される。
《ラウンド表示》
「ラウンド表示(P820)」は、大当り遊技中において、実行中のラウンド遊技(単位遊技)が何ラウンド目かを示す表示である。ラウンド遊技が開始されるタイミングで「ROUND」の右側の数値が更新される。図19の例では、6ラウンド目のラウンド遊技が実行されている状況を示している。
なお、「ラウンド表示(p820)」は、必ずしも実際の大当り遊技中の実行ラウンド数に同期する必要はない。例えば、前述した「小当りV」のスペックでは、小当り遊技中を1ラウンド目としてカウントして、V入賞後に実行される大当り遊技の1ラウンド目を2ラウンド目として扱うようすることがある。また、他の例では、ラウンド遊技における大入賞口P751の開放パターンが、短時間の入球容易状態への移行で終了する場合には、「ラウンド表示」の値を更新せず、大入賞口の開放パターンが長時間の入球容易状態となる場合においてのみ、実質的に実行されたラウンド「実質ラウンド」として扱う場合などがあってもよい。
《獲得球数表示》
「獲得球数表示(P822)」は、実行中の1回の大当り遊技で累積獲得している遊技球数を表示する「大当り獲得球数表示(P823※不図示)」と、特定遊技を挟んで複数回の大当りにおいて累積的に獲得した遊技球数を表示する「累積獲得球数表示(824)」といった種類がある。図19においては、5桁の獲得球数表示である「累積獲得球数表示(P824)」が表示されている例を示している。なお、「大当り獲得球数表示(P823)」と「累積獲得球数表示(P824)」を並列的に同時表示してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」について、大当り遊技中における大入賞口P751への入球に基づく累積の賞球払出数を表示するものとしている。しかし、獲得球数表示P822の賞球払出の累積対象として、遊技盤P5の右側領域P501Rに配置された一般入賞口P731や第2始動入賞口P721に対する入球に基づく払出に関して累積して加算してもよい。
また、他の変形例として、「獲得球数表示(P822)」の表示期間は、大当り遊技中だけでなく、特定遊技の実行中に表示してもよいし、「獲得球数表示(P822)」の累積賞球払出数の加算期間についても、大当り遊技中だけでなく、特定遊技中や、小当り遊技中に拡大するよう構成してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」の他に、累積した賞球払出数が「2500球」、「5000球」、「10000球」など、区切りとなる払出数を迎えた場合などの特殊な状況においてのみ、遊技者に「獲得球数表示」に加えて強調して報知する「区切り獲得球数表示」演出を実行可能としている(例えば、「GET10000!!」と表示する)。
《カウント表示》
「カウント表示(P825)」は、1回のラウンド遊技において大入賞口P751の閉鎖条件として設定される遊技球数まであと何球入球可能か、または今回のラウンド遊技において何球の遊技球が大入賞口P751に入球したかを表す表示である。前者は、図19において網掛け表示される円形オブジェクトで表示されており、後者は白抜きの円形オブジェクトとして画面右側略中央位置に2列のオブジェクト表示として表示されている。
図19の例では、6ラウンド目の遊技として、大入賞口へ5球入球済みであり(白抜きの円形オブジェクトで表示)、あと5球入球可能であること(網掛けの円形オブジェクトで表示)がカウント表示P825により示されている。カウント表示P825は新たなラウンドが開始されるたびに表示が初期態様にリセットされる。
大当り遊技のラウンド遊技の実行中には、遊技球の流下状況により、大入賞口P751の閉鎖条件を満たすこととなる遊技球に連続して大入賞口P751の閉鎖条件以上の遊技球数となる入賞が発生する場合があり、このような閉鎖条件以上の遊技球数の入賞が発生することを「オーバー入賞」と呼ぶ。
図示はしていないが、「オーバー入賞」が発生した場合に、カウント表示P825のオブジェクト表示等を使って特殊な演出を行ったり、演出ランプP82の特殊な発光やスピーカP83から特殊効果音を発したりして報知してもよい。また、前述した獲得球数表示P822については、「オーバー入賞」となる入賞に基づく賞球払出数を加算対象としてもよいし、加算対象外としてもよい。
《大当り遊技中のその他の演出表示》
次に、図19において演出表示が実行されている、他の演出表示について説明する。
まず、画面左側略中央位置に表示されている2つの数字は、前述した簡易保留表示P814である。
画面左下の装飾図柄(大当り装図P805)の右側に表示されている「Sound_2」という表示は、現在の大当り遊技中に再生している楽曲のタイトルを示す「選択楽曲表示(P854)」である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中において、1ラウンド目や2ラウンド目の間に演出ボタンP381や十字キーP383を操作することによって、遊技者が任意に再生する楽曲を選択可能とする仕様を有している。選択楽曲表示P854に関し、楽曲が変更可能な状況である場合には、図20に示すように選択楽曲表示P854の近傍に「(上)(下)キーで変更できます」という画像表示を行う。
なお、このような大当り遊技中における演出の選択は、楽曲選択に限らず、ラウンド演出の変更や、大当り遊技後における特定遊技中の演出(演出モード)の選択なども可能とするが(総称して「演出カスタマイズ表示(P853)」と呼ぶ)、それらの詳細な説明は割愛する。
最後に、画面右上の簡易装図P802の下部に表示されている「右打ち」および右側矢印記号は、「打ち分け報知(P830)」(「推奨発射位置報知」などとも呼ばれる)に係る画像表示である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中は、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射することが推奨される遊技状態であるため、「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)が実行されている。
「打ち分け報知」は、大当り遊技中に限らず、特定遊技状態における遊技中や、通常遊技状態における遊技中においても表示される場合を有する。特に、遊技状態が切り替わるような状況(大当りの発生/終了や、特定遊技状態の発生/終了)においては、図19に示す打ち分け報知P830よりも、遊技者が認識しやすいよう大きなサイズの表示を画面中央部などに一時的に表示することで、次の遊技状態での推奨される発射位置を遊技者に報知する演出が実行される。
なお、「打ち分け報知(P830)」において、遊技状態が遷移するタイミングで一時的に大きなサイズで表示されるものを「第1打ち分け報知画像」(「右打ち大表示(P831)」、「左打ち大表示(P833)」)と表現し、大当り遊技中や特定遊技状態中において、遊技状態での推奨発射位置を、遊技状態が続く期間のほぼ全てにおいて表示する表示について「第2打ち分け報知画像」(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)と表現する場合がある。
また、「打ち分け報知(P830)」の他の種類の演出として、推奨される発射位置以外の位置に遊技球が発射されている状況を検出した場合、例えば、大当り中に遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射した場合に、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射すべきことを遊技者に対して注意喚起する「左打ち警告報知」(「右打ち注意喚起報知(P835)」)として「右打ちしてください」などのメッセージ表示)を行う。なお、推奨発射位置と遊技者の実発射位置が逆の状況では、「右打ち警告報知」(「左打ち注意喚起報知(P936)」)が実行される。
(特定遊技状態中の演出表示例)
図20は、特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。図中には多岐にわたる演出表示がなされているが、前述の説明の中で説明を行ったものに関しての説明は割愛し、これまでに説明がされていない演出表示、および前述の説明と相違点を有する演出表示に関する説明を行う。
まず、これまでに説明がされていない演出表示として、特定遊技状態中の演出表示に関する説明として「演出モード表示(P840)」と「残り遊技回数表示(P841)」に関する説明を行う。
《演出モード表示》
「演出モード表示(P840)」は、現在の演出表示態様の状態を示す表示であり、演出モードと呼ばれる状態情報によって、該当するモードに応じた予告演出が抽選されていることを示す表示である。演出モード表示が相違する場合には、遊技者に視認される予告演出の種類が、一部共通とする予告演出はあるものの、見た目に与える印象が大きく異なるように作られることが一般的である。図20では、「RUSH_MODE」という表示がなされており、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技状態が、「ST(回数切り確変)」(高確率/高ベース状態)であることを示す表示を行っている。
なお、「演出モード表示(P840)」は、特定遊技状態における演出モードを報知する以外に、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において表示される場合があってもよいし、1の遊技状態において複数の演出モードを有する場合に、演出モードが切り替わる条件が成立するたびに表示を一時的、または演出モードが終了するまで継続して行うものであってもよい。
《残り遊技回数表示》
「残り遊技回数表示(P841)」は、特定遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数(特別図柄抽選の回数)や、現在の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を表す表示である。図20では、画面中央上部に「残り_56」という表示が実行されており、「ST(回数切り確変)」の遊技状態が、あと56回の特別図柄抽選が実行されるまで行われることを遊技者に報知している。
次に、図20に示す特定遊技状態の演出表示例において、前述した他の遊技状態における演出表示例と相違する表示に関して説明を行う。
《装飾図柄(特定遊技状態)》
図20の画面中央には、装飾図柄P801の変動表示が表示されている。図20の通常遊技状態における演出表示例の装飾図柄P801に比して、図20の特定遊技状態における装飾図柄P801の演出表示例では、装飾図柄P801の表示が小さく表示されている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特定遊技状態の演出表示として、画面上部に演出モード表示P840や、残り遊技回数表示P841、さらには大当りアイコン表示P821を行っており、画面下部には選択楽曲表示P854および獲得球数表示P824を行っている。特定遊技状態では、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)で表示されないこのような付加的な表示を行うため、通常遊技状態と同等のサイズで装飾図柄P801を表示してしまうと、停止表示の際に一部図柄の表示が各表示の一部と重なってしまい、停止表示図柄の視認性が低下するという問題が発生する虞があり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このような問題が生じにくくなるよう装飾図柄P801の表示を小さく簡略化するものとしている。また、装飾図柄P801を簡略化して表示する例として、サイズを小さくするほか、図柄を示す数字に付帯して表示されるキャラクタ画像などの表示を行わない手法なども採用可能である。
《保留表示領域(特定遊技状態)》
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図20の画面左下に示すように、特定遊技状態の保留表示領域P810における保留オブジェクトP811の表示として、画面手前側から奥行き方向に向かって「保1」から「保4」の保留オブジェクトの表示領域が設けられている。なお、当該変動オブジェクト表示領域P812(及び当該変動オブジェクト表示P813)については「RUSH_MODE」の演出モード状態では表示が省略されている。
図20に示す変動表示が終了し、状態で新たな変動が開始すると、図20の最も下部に位置する保留オブジェクトP811の表示が消失し、奥に並ぶ保留オブジェクトP811の表示が手前に移動するとともに表示が大きくなるよう表示制御される。
また、図示はしないが特定遊技中において表示される演出として重要な演出である、「リザルト表示演出」に関して説明を行う。
《リザルト表示演出》
「リザルト表示演出」は、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、主として特定遊技状態(高ベース状態)の最後の変動が実行される際、あるいは特定遊技状態中に生起した保留がなくなる際等、遊技者が「連荘」状態が終了したと認識するタイミングに行われる演出であり、いわゆる「連荘」状態において、何回の大当り遊技を獲得したかという情報や、合計で何発の遊技球を獲得したか(獲得球数表示に相当)を遊技者に報知する演出である。
[本実施例]
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。本実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、前提とするぱちんこ遊技機の代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関する説明にて記載した「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機であって、小当り(又は大当り)遊技を開始する際の通常遊技状態における「ベース状態」に応じて、大当り遊技の実行後(または小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、作動した役物連続作動装置に基づく大当り遊技の実行後)の通常遊技状態における「特定遊技状態」の内容(特に「ベース状態」を「高ベース状態」に維持する期間の長さ)を異ならせることで新規なゲーム性を提供するぱちんこ遊技機である。
特に、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、通常遊技状態が「特定遊技状態」(低確率/高ベース状態)が終了した直後であって、「(低確率/)低ベース状態」に制御されているときに消化される特定遊技状態の遊技の主体となる特別図柄保留(第2特別図柄の保留)にて、小当り(又は大当り)の権利を獲得すると、特別遊技状態(大当り遊技)後の遊技状態として特定遊技状態(低確率/高ベース状態)に維持する期間を実質的に次回の小当り(又は大当り)が獲得できるように構成することにより、実質的に2回分の小当り(大当り)の権利を得られるという特徴的な遊技性を採用するものである。
以下に前述の特徴を有する本実施例のぱちんこ遊技機Pの詳細な説明を行う。
(盤面構成)
先ず、本実施例のぱちんこ遊技機Pの盤面構成(遊技領域の構成)の構成について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、図1に示した前提とするぱちんこ遊技機とほぼ同一の盤面構成にて実施可能である。本実施例のぱちんこ遊技機Pは後述する遊技性(スペック)を採用するため、大入賞口(アタッカー)P751の内部に特定領域P760を備える構成である。なお、以下に開示される遊技性を変更しない変更(あるいは軽微な変更に留まる変更)であれば、適宜異なる盤面構成を採用するものであってもよい。
(スペック)
つづいて本実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性(スペック)に関する説明する。なお、本説明においては、出玉性能に影響する「設定」(設定値)について、「設定1」に関するスペックについてのみ説明を行うが、他の設定値に関する各種の数値については適宜設定されるものである。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、当否抽選の確率が大当り確率1/269(第1特別図柄、第2特別図柄共通)、小当り確率1/9.1(第2特別図柄のみ)に設定されており、賞球数は、第1始動入賞口(第1始動口)P711が4球、第2始動入賞口(第2始動口)P721が3球、左側一般入賞口P731Lが3球、右側一般入賞口P731Rが2球、大入賞口(アタッカー)P751が15球に設定されている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄優先消化制御を採用しており、第1特別図柄と第2特別図柄の双方の保留が存在する場合には、第2特別図柄を優先して変動表示させる。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては第2特別図柄のみ特別図柄抽選結果として「小当り」を有する構成としているが、第1特別図柄に「小当り」を有するように構成することも可能である。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲーム性を喪失しない場合であれば、第2特別図柄優先消化制御に限らず、変形例として、第1特別図柄優先消化制御を適用したり、あるいは、先に入球したものから優先して消化する入球順消化制御を適用したりしてもよいことは言うまでもない。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、前提技術として説明した「小当りV」と呼ばれる遊技性(スペック)を採用しており、特別図柄抽選にて「大当り」となった場合以外にも、特別図柄抽選にて「小当り」となり、その後実行される小当り遊技中にて大入賞口P751内部の特定領域P760を遊技球が通過することによって、役物連続作動装置が作動し、大当り遊技が実行される仕様となっている。本実施例中においては、小当り遊技から大当り遊技に発展する場合については、小当り遊技の開始から大当り遊技の終了までの一連の特別遊技状態を「小当りV」や「小当り発展大当り」などと称する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技状態の大当り(小当りV含む)の種類は、3ラウンド大当り(第1特別図柄の大当り)と10ラウンド大当り(第2特別図柄の大当りまたは小当りV)が設けられている。また、有利な通常遊技状態である特定遊技について本実施例のぱちんこ遊技機Pは、確率変動機能は有しておらず、各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行する。
また、後述する詳細な制御例の中で本実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技の期間および/または特定遊技終了後の残り保留最大4個の変動表示がされる期間において、予め定められたタイミングで特殊変動パターンテーブル(限定頻度パターンテーブル)を参照し、必要に応じた特別図柄の変動表示時間を確保するための変動パターンが選択されるように構成されているが、特殊変動パターンテーブルを参照するタイミングは、特別遊技の実行終了後における第1特別図柄の変動表示回数と、第2特別図柄の変動表示回数をそれぞれ別個にカウントおよび記憶し、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時に、それぞれに対応して記憶した変動回数の記憶情報が特定の値である場合において、第1特別図柄用の特殊変動パターンテーブルまたは第2特別図柄用の特殊変動パターンテーブルを参照可能としている。
(ゲームフロー)
続いて図21を用いて、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフローについて説明を行う。図21に示すゲームフローは、遊技者の設計意図通りの遊技(正常な遊技)を実行した場合を想定したフローである。なお、遊技者の設計意図を無視した遊技(異常な遊技、イレギュラー遊技)を実行した場合のゲームフローは図21に示した状況に当て嵌まらない動作となる場合があるが、異常な遊技の説明は割愛する。
まず、図21の「通常遊技(低確率/低ベース状態)」では、遊技者は、第1始動入賞口P711に遊技球が入球可能な発射強度(左側領域P501Lへ向けて遊技球を発射させるいわゆる「左打ち」)で遊技を行う。第1始動入賞口へ遊技球が入賞すると、第1特別図柄(特図1)に基づく特別図柄抽選が行われ、特別図柄抽選結果が大当りとなった場合、「大当り(特図1)」が実行される(図21(A))。なお、図中の二重線で囲まれた状態は、特別遊技状態(大当り遊技、小当り遊技)を表している。
「大当り(特図1)」が終了すると、遊技状態が特定遊技状態(高ベース状態)へ移行する(図21(B))。「大当り(特図1)」後の特定遊技状態は、「突破ゾーン_低確率/高ベース(特図2:1回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)であり、第2特別図柄(特図2)の変動が1回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する。
「突破ゾーン」に移行すると、遊技者は遊技領域P501の右側領域P501Rに配設された第2始動入賞口P721を狙って遊技球を発射するいわゆる「右打ち」で遊技を行う。「突破ゾーン」は、高ベース状態であるため、第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物P770の可動体P771が入球容易状態となりやすく、右側領域P501Rに遊技球を発射することによって普図作動口P741に対する遊技球の入球(通過)が発生し、普通図柄抽選が行われ、普通電動役物P770が作動し、第2始動入賞口P721への入球によって第2特別図柄(特図2)に基づく特別図柄抽選が行われる。
「突破ゾーン」では、1回の第2特別図柄の変動表示が終了するまで高ベース状態が継続するため、高ベース状態中の1回と、第2特別図柄の最大保留数(本実施例では4個)分だけ、小当りVの契機となる抽選結果である「小当り」を有する第2特別図柄の特別図柄抽選を受けられる。ここで、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の特別図柄抽選(最大5回)によって、大当りまたは小当りとなり、遊技者が「小当りV/大当り(特図2)」(図21(C))を獲得する期待度はおよそ45%程度に設定されている。なお、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の特別図柄抽選が当り(大当り、小当り)とならなかった場合には、「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(D))。
「小当りV/大当り(特図2)」が終了すると、「バトルモード_低確率/高ベース(特図2:6回)+残り保留最大4個」または「擬似大当り_低確率/高ベース(特図2:95回)+残り保留最大4個」のいずれかの特定遊技状態へ移行する(図21(E)、(H))。
ここで、「小当りV/大当り(特図2)」の後に移行する特定遊技状態として「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに移行するかという点が、本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲーム性を創出する要因となっており、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」の実行契機となった特別図柄(停止表示図柄)ではなく、「小当りV/大当り(特図2)」の実行契機となった特別図柄の当り変動が開始された際の遊技状態によって、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに移行するかを決定している。
具体的には、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御されているときであって、電チューサポート機能が作動している高ベース状態であるときに、変動表示が開始された当りとなる特別図柄の変動が契機となった「小当りV/大当り(特図2)」の場合には、「小当りV/大当り(特図2)」の終了後に「バトルモード」に移行し(図21(E))、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態にて変動を開始する残り保留(第2特別図柄に係る保留)に対応する第2特別図柄の当り変動が契機となった「小当りV/大当り(特図2)」の終了後には「擬似大当り」に移行するように制御される(図21(H))。
「バトルモード_低確率/高ベース(特図2:6回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)は、第2特別図柄(特図2)の変動が6回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する特定遊技である。遊技者は、「突破ゾーン」と同様に右側領域P501Rに遊技球を発射し、第2特別図柄が最大10回(高ベース状態における6回+残り保留分最大4回)の変動表示行われるまでの間に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得することを目指す特定遊技となっている(図21(F))。なお、第2特別図柄が最大10回の変動表示にて小当りVまたは大当りとならない場合には「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(G))へ移行する。
「擬似大当り_低確率/高ベース(特図2:95回)+残り保留最大4個」(詳細は後述する)は、第2特別図柄(特図2)の変動が95回行われて停止表示されるまで高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態)が継続する特定遊技である。遊技者は、「突破ゾーン」、「バトルモード」と同様に右側領域P501Rに遊技球を発射し、第2特別図柄が最大99回(高ベース状態における95回+残り保留分最大4回)の変動表示行われるまでの間に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得することを目指す特定遊技となっている(図21(I))。本実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄の特別図柄抽選において、「小当り」となる確率が1/9.1に設定されていることより、この小当り確率の10倍以上の回数である95回の第2特別図柄の特別図柄抽選が行われるまでには、小当りVまたは大当りが獲得されることが実質的に確定しているといえる状態であるが、「擬似大当り」中にて遊技中に第2特別図柄が94回の変動表示を行っても特別図柄抽選結果が「小当り」または「大当り」とならない場合には、「バトルモード」の演出モードに移行する(図21(J))。そして、「擬似大当り」の95回転目の変動は、「バトルモード」における6変動目と同様であり、95回転目の変動表示および第2特別図柄に係る保留の最大4回分の変動表示にて「大当り」または「小当り」とならない場合には、「通常遊技(低確率/低ベース)」へ移行する(図21(G))へ移行する。なお、変形例として「バトルモード」への演出モードの移行タイミングは、もっと早いタイミングに設定されていてもよく、例えば「擬似大当り」中に第2特別図柄の変動表示が89回行われたタイミング、すなわち「バトルモード」における高ベース状態の継続回数である6回と同等の回数を残しているタイミングとすることも可能である。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技である「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御される期間において、それぞれの終了条件として第2特別図柄の変動表示回数に基づく終了条件の他に、第1特別図柄を5回変動させた場合に終了させるように構成してもよい。「擬似大当り」の第2特別図柄の変動回数に基づく特定遊技の終了条件である95回は、現行規則における電チューサポート機能の最大継続期間である特別図柄の変動回数100回を、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示のいずれかの特定遊技終了条件を満たさぬまま超えないように設定したものであり、例えば、第1特別図柄の変動回数に基づく特定遊技の終了条件を3回などとすれば、「擬似大当り」の期間を第2特別図柄(特図2)の変動が97回行われて停止表示されるまでとすることができる。
以上のようなゲームフローを有する本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」で第2特別図柄の特別図柄抽選にて高確率で当選する「小当り」に基づく小当りV(または大当り)を獲得して、「バトルモード」もしくは「擬似大当り」と「小当りV/大当り(特図2)」をループすることで大量の出玉を獲得することを目的とする遊技性である。特に「突破ゾーン」、「バトルモード」の特定遊技で発生した残り保留最大4個の消化中、すなわち高ベース状態が終了した後の第2特別図柄の特別図柄抽選にて「小当り」または「大当り」を獲得することで、実質的に次回の小当りV(または大当り)が確定的となる特定遊技である「擬似大当り」へ移行させ、小当りV(又は大当り)1回分の出玉をさらに獲得することができるため、遊技者の体感として、「バトルモード」の実行中の小当りV(大当り)の獲得タイミングにより、小当りV(大当り)1回分の出玉となるか、小当りV(大当り)2回分の出玉となるかが相違するゲーム性が提供できる。
なお、前述した本実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフロー(図21)においては、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」における高ベース状態の主となる終了条件として、第2特別図柄の変動表示回数がそれぞれ1回、6回、94回としているが、演出面の興趣性や遊技性(スペック)とのバランスより、「突破ゾーン」、「バトルモード」の高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数を、例えば保留数と同じ4回としたり、「バトルモード」もしくは「擬似大当り」と「小当りV/大当り(特図2)」をループする確率を高めるため10回とするように適宜調整することが可能である(なお、合わせて第2特別図柄の特別図柄抽選における「小当り」確率や、「小当りV/大当り(特図2)」にて実行される特別遊技のラウンド数も適宜調整される)。
このような変形例において、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数よりも少なければ、より低ベース状態で当りを獲得することを強調した演出を行うことができ、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数と同一であれば、例えば「小当りV/大当り(特図2)」となるチャンスが2回訪れるような見せ方ができるようになる。また、高ベース状態の終了条件である第2特別図柄の変動表示回数が第2特別図柄に係る保留の最大数よりも多ければ、高ベース状態において「小当りV/大当り(特図2)」を何度も獲得できる期待感をもって遊技を楽しませるような興趣性のある演出、ゲーム性を提供できる。
(突破ゾーン)
つづいて、図22~図24を参照しながら「突破ゾーン」における遊技制御、演出内容について説明を行う。
「突破ゾーン」は、高ベース状態における第2特別図柄の変動表示1回と、高ベース状態中に発生した第2特別図柄の保留最大4個に対応する第2特別図柄の変動表示が行われる期間に対応する演出モードである。
「通常遊技(低確率/低ベース)」(図21参照)にて、第1特別図柄の特別図柄抽選にて「大当り」となり、「大当り(特図1)」が実行されると、「大当り(特図1)」の後に「突破ゾーン」が開始される。
「突破ゾーン」が開始された後、第2特別図柄の最初の変動表示が行われると、図22に示す「保留チャージ演出」の演出表示が開始される。「突破ゾーン」における最初の第2特別図柄の変動表示は、主制御基板P40の変動パターン抽選において、特殊変動パターンテーブル(突破ゾーン1変動目用変動パターンテーブル)が参照されて60秒程度の長時間の変動パターンが選ばれるように構成されており、変動開始から30秒程度の期間までの間「保留チャージ演出」が実行される。
「保留チャージ演出」は、「保留チャージ演出」の演出表示期間中に第2特別図柄の保留を発生させて、保留表示領域810に保留オブジェクトP811を表示させるように遊技者に対して促す演出である。「保留チャージ演出」は、保留オブジェクトP811が表示されるごと(あるいは第2始動入賞口P721に遊技球が入球するごと)に画面中に表示されるキャラクタおよびキャラクタの周囲に表示される効果(エフェクト)演出が当りに対する期待度を向上させるように変化するように構成されており、遊技者に右打ちによって第2特別図柄の保留を増加させるように促すことができる。
「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示にて、「保留チャージ演出」が終了すると、引き続き「突破ゾーン」の第2特別図柄の1回目の変動表示中において、第2特別図柄の1回目の変動表示の当否抽選の結果および「保留チャージ演出」の実行中に発生した第2特別図柄の保留に係る事前判定情報をより、「突破ゾーン」において「小当りV/大当り(特図2)」を獲得できるか否かに関する結果を報知する演出(本実施例では「突破ゾーンバトル演出」、図23参照)が行われる。
「突破ゾーンバトル演出」は、「突破ゾーン」における最大5変動分の抽選結果(事前判定情報含む)を一括に報知する演出であり、高ベース状態(特に「保留チャージ演出」の実行中)にて発生した第2特別図柄の保留については、簡易装図P802の変動表示以外に当否抽選結果に係る演出的な報知を行わない。また、「突破ゾーン」の第2特別図柄の残り保留(低ベース状態移行後に消化される第2特別図柄の保留)については、主制御基板P40にて特殊変動パターンテーブル(特図2残り保留消化用変動パターンテーブル、または低ベース時特図2変動パターンテーブル)を参照し、1秒程度の短い変動パターンが選択されるように構成されている。なお、「突破ゾーンバトル演出」のように、今回の変動表示の抽選結果と、次回以降に変動の開始が行われる1または複数の保留の事前判定情報も含めてすべての当否抽選結果の報知を1の変動表示にて行う演出的な変動表示のことを「まとめ変動」と称する場合がある。
「突破ゾーン」の5回の変動中に、小当りV(大当り)の契機となる当り変動が実行される場合には、「突破ゾーンバトル演出」において、図24に示すような「突破ゾーンバトル勝利演出」が表示される。「突破ゾーンバトル勝利演出」は、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が「はずれ」であっても、残り保留の中に「当り」があれば表示される。図24の例では、簡易保留表示P814における第2特別図柄の保留数が1となっていることから、第2特別図柄の保留が残り2個であるときに変動を開始した保留が当り変動であったことを示している。「突破ゾーンバトル勝利演出」は、特別図柄抽選の結果が「小当り」であった場合には、小当り遊技中に大入賞口P751内の特定領域P760に対し、遊技球が入球(通過)して初めて大当り(小当りV)となるため、簡易装図P802の表示もぞろ目で構成せず、通常の装飾図柄として表示しない「V」図柄を表示することで、小当りVの実施権利を得た旨を遊技者に対して報知する。また、図示はしないが、「突破ゾーン」の5回の変動中に当り変動が実行されない場合には「突破ゾーンバトル敗北演出」が実行される。
なお、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が終了すると、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行することとなるが、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態へ移行するタイミングとしては、第2特別図柄の変動表示時間が経過したタイミングとし、残り保留として発生している保留1個目に対する第2特別図柄の変動表示タイミングを遅らせるため、高ベース状態から低ベース状態へ切り替えた後、一定時間の待機時間(本実施例のぱちんこ遊技機Pでは特別図柄の図柄固定時間)が設定され、「突破ゾーン」における第2特別図柄の1回目の変動表示が終了する間際に第2始動入賞口P721の普通電動役物P770が作動した場合であっても、待機期間中に普通電動役物P770の作動を終了させる構成としている(後述する「擬似大当り」、「バトルモード」における高ベース状態最終変動も同様である。)。そのため、残り保留の消化が開始され、さらなる第2特別図柄の保留が可能な状況となった場合であっても第2始動入賞口P721の普通電動役物P770が作動する可能性は通常遊技(低確率/低ベース)と同様ほとんどない。なお、待機時間は6秒程度の長い時間が設定されるため、「突破ゾーンバトル演出」、「突破ゾーンバトル勝利演出」、「突破ゾーンバトル敗北演出」は、待機時間中においても継続して実行されている。
また、詳細な説明は割愛するが、「保留チャージ演出」の実行中には当りとなる抽選結果および事前判定情報がない場合であって、「保留チャージ演出」が終了した後に発生した第2特別図柄に係る保留について当り保留が生起した場合には、「突破ゾーンバトル敗北演出」から演出内容の差し替えは困難であるため、「突破ゾーンバトル勝利演出」とは異なる代替演出が行われることによって、遊技者に小当りV(大当り)の権利の獲得が報知されるようになっている。
なお、「突破ゾーン」において、遊技の主体ではない第1特別図柄の変動表示に係る演出表示装置P80における演出表示は、簡易装図P802の変動表示を行うのみであり、演出の見た目として「突破ゾーン」に関連性が高いと認識される演出表示(「突破ゾーン」に関連する予告演出の表示など)は行われない。仮に「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」に制御されているタイミングにおいて「大当り(特図1)」となってしまった場合においては、「突破ゾーン」ではなく、「バトルモード」へ移行させるように制御させることも可能である。
(小当りV演出および擬似大当り)
続いて、図25から図29を参照しながら、小当りV(大当り)演出と、「擬似大当り」の演出に関する演出例について説明する。尚、図25から図29に示す演出例は、図24に続く演出であり、「突破ゾーン」の残り保留で小当りVに当選したときであって、特定遊技として「擬似大当り」に移行し、「擬似大当り」中に再度小当りV(大当り)を獲得した場合の演出例を示している。
図25は、小当りVの小当り遊技中において、役物連続装置を作動させるために、遊技者に大入賞口P751内の特定領域P760に遊技球を入球(通過)させることを促す「V入賞促進演出」の表示例を示している。
「V入賞促進演出」では、画面略中央領域に、遊技盤P5を模した画像を表示するとともに、遊技領域P501を模した画像表示に、弧を描くような矢印画像および、強調された「V」の文字画像にアニメーション等を加えながら重ねて表示を行う。また、画面右側においては、右打ち報知P832に加え、V入賞促進報知P837が表示され、「V入賞促進演出」は、その表示画像全体より、遊技者に右打ちして大入賞口P751(特定領域P760)への入球を促す演出となっている。
また、「V入賞促進演出」の実行中に、大入賞口P751内の特定領域P760への遊技球の入球(通過)、すなわち「V入賞」があった場合には、「V入賞演出」が実行される。「V入賞演出」は一例として、図26の画面右下に表示される「V」の文字表示(V入賞済み表示P837)の表示を所定の効果音や、演出ランプP82の発光演出とともに行う演出が挙げられる。
「V入賞促進演出」は、小当り遊技の「小当り開始デモ」と呼ばれる期間から、小当り遊技のラウンド(特別遊技)の実行中にかけて表示可能である。また、本実施例のぱちんこ遊技機Pの小当り遊技のラウンド(特別遊技)は、大入賞口P751を、短時間(0.120秒程度)開放させ、1秒程度閉鎖する処理を13回繰り返すことで、およそ1.560秒の開放中に大入賞口P751に対して、球詰まり等の異常が無ければ10球の遊技球の入球がほぼ確実となる開放態様にて行われる。
図26は、小当りVにおける小当り遊技が終了し、役物連続作動装置の作動による大当り遊技状態へ移行するタイミングである役連作動開始デモ(大当り開始デモ)の実行中に表示され、大当りの出玉量を報知する「大当り種別報知演出」の表示態様である。
図26の「大当り種別報知演出」では、大当り種別アイコンP860として、2つのアイコン表示(「BONUS」と表示された大当り種別アイコン1P861と、「TWIN_BONUS」と表示された大当り種別アイコン2P862)が表示されている。「BONUS」と表示されている大当り種別アイコン1P861は、「突破ゾーン」において、第2特別図柄の最初の変動表示、すなわち高ベース状態にて変動を開始した第2特別図柄の変動表示によって小当りVとなった場合に選択されるアイコンであり、1回の小当りVの後に「バトルモード」に移行することが示唆されるアイコンである。
一方、「TWIN_BONUS」と表示された大当り種別アイコン2P862は、「突破ゾーン」の残り保留4個内のいずれかの保留が当りであった場合の小当りVにて選択されるアイコンであり、図21に示した通り、小当りV後に擬似大当りの遊技状態(特定遊技)へ移行することを示唆するアイコンである。なお、「擬似大当り」の最中は、「擬似大当り」へ移行する契機となった小当りV(または大当り)の演出から「擬似大当り」中に獲得された小当りV(または大当り)にて実行される演出まで一連の演出内容が実行される演出態様としているため、遊技者としては体感として、2回分の小当りV(または大当り)の出玉が、1回の小当りV(または大当り)にて獲得できたかのような演出が行われることとなる。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、「突破ゾーン」や「バトルモード」の一部(後述)では、高ベース状態で変動を開始した第2特別図柄の1変動分と、残り保留4個分に対して、まとめ変動が行われるため、獲得した小当りVについて、「大当り種別報知演出」を行い、遊技者に対してまとめ変動の対象となる変動および残り保留のいずれで小当り(大当り)となったかを遊技者に対して報知する演出として「大当り種別報知演出」が実行される。なお、まとめ変動の実行中に、簡易装図P802の変動表示回数や、簡易保留表示P814を確認することで、「大当り種別報知演出」にていずれが選択されるかは自明となるが、ぱちんこ遊技機の仕様に詳しい遊技者でなければ、「大当り種別報知演出」にて初めて獲得出玉量の多寡について知り得ることとなる。
図27は、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」の残り保留で当りとなり実行された、小当りV(大当り)に係る演出である「TWIN_BONUS」の先の小当りV(大当り)中の演出例を示す図である。本図の例では、画面右側に表示されるラウンド表示P820が示す通り、「擬似大当り」を跨いで実行される2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りVの5ラウンド目(小当り遊技を1ラウンド目としてカウント)が実行中であることを示している。
図27に示されるラウンド表示P820は、右列が2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りV(大当り)のラウンド数、実行済みラウンド数を示唆し、左列は特定遊技である「擬似大当り」にて獲得した小当りV(大当り)にて実行予定であるラウンド数を表示している。なお、図27においてラウンド表示P820の左列は、「擬似大当り」中に小当りV(大当り)とならない可能性も少なからず存在することから、実行中の小当りV(大当り)のラウンド数を表示する右列のラウンド表示P820に比して、半透明な表示とするなど明確な表示にしないように構成している。
図28は、特定遊技である「擬似大当り」中の演出表示の一例を示す図である。特定遊技の「擬似大当り」中は特別遊技状態中(大当り遊技中や小当り遊技中)ではないものの、特別遊技中が継続しているかのような演出表示を行う。
図28の「擬似大当り」中の演出表示例では、猫型の球体オブジェクトの群が画面奥側から手前側に向けて移動するアニメーションが表示されるとともに、画面上部に「TWIN_BONUS_V待機中・・・」の表示が行われている。また、ラウンド表示P820も2回分の「小当りV/大当り(特図2)」の内で先行して実行される小当りV(大当り)のラウンド数を引き続き表示し、ラウンド表示P820の左列を半透明な状態のままとして後続の小当りV(大当り)の待機中であることを示している。なお、「擬似大当り」中の演出表示については、例示したもののように常に同じアニメーションを実行するものに限らず、遊技者がアニメーションの内容やBGM(楽曲)の内容などをいつでも選択可能に構成してもよい。
また、「擬似大当り」中は、第2始動入賞口P721への入球を発生させ、第2特別図柄の特別図柄抽選を受けることにより、小当りV(大当り)を獲得しなければならないことから、大当りのラウンド間のように見える「擬似大当り」の演出の実行中も、遊技者に遊技球を遊技領域P501の右側領域P501Rへ向けて発射を行ってもらう必要がある。そのため、図28の演出例の下部に示すように、キャラクタが「右打ちを継続してね」と通常の右打ち報知P832に加えて、遊技球の発射が必要なことを訴えかける演出表示となっている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機Pは、演出表示がラウンド間のように見える「擬似大当り」の実行中において、遊技者が右打ちを継続する動機づけを行うため、図28に示す設定示唆演出オブジェクトP870の表示を行う。本例では、設定示唆演出オブジェクトP870として、「擬似大当り」演出のアニメーションの猫型の球体オブジェクトに類似するオブジェクトが、他のオブジェクトと区別されやすいよう画面右から左に向かって移動する表示を行うことが一例として挙げられる。本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、設定示唆演出オブジェクトP870の表示は、第2始動入賞口P721への入球毎に設定値毎に所定確率で表示抽選を行う仕様や、第2特別図柄の変動毎に変動演出として設定値毎に所定確率で表示抽選を行う仕様などが挙げられる。
なお、「擬似大当り」は高ベース状態が95回継続する遊技状態であるが、94回の変動表示までの間は、主制御基板P40は特殊変動パターンテーブル(擬似大当り用変動パターンテーブル)を参照することにより、第2特別図柄に係る変動パターンを0.5秒~1秒程度の短時間の変動が選ばれやすいように構成する。小当り確率が1/9.1と非常に高確率であることから、短時間の変動を繰り返す94回の変動中に小当り(大当り)を獲得することがほとんどであるが、仮に95回転目の変動表示まで小当り(大当り)が引けなかった場合は、図28に示す「擬似大当り」中の演出表示を中止し、後述する「バトルモード」の高ベース状態の最終変動と残り保留4個分のまとめ変動と略同等の演出表示状態に移行する。なお、このときには画面上部の「TWIN_BONUS」の表示や、ラウンド表示P820などの大当り演出もあわせて終了させる。
このように95回転目の変動表示において「バトルモード」の演出表示状態(演出モード)へ移行させる理由としては、94変動目までの第2特別図柄の変動表示が短時間の変動が選ばれやすい傾向にあることより、95回転目を長時間の変動表示とし、遊技者に第2特別図柄に係る保留を発生させる余裕を持たせる必要がある一方で、95回転目の長時間の変動表示中の演出として、他の演出モードで用意されている演出を有効活用して、高ベース状態の最終変動と残り保留最大4個分に対して演出を行うことで、少しでも遊技者に演出的な興趣を与えることを目的とするものである。
図29は、特定遊技である「擬似大当り」中(94回転以内)に小当りV(大当り)となり、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」が実行されているときの小当り遊技、役連作動開始デモ期間において表示され得る演出画像である。「擬似大当り」中の小当りV(大当り)や、後述のバトルモードのまとめ変動以外での小当りV(大当り)では、小当りV(大当り)後に「バトルモード」移行となる仕様であるため、前述した「大当り種別報知演出」の実行を行わず、キャラクタによる祝福画像が表示されるなど代替的な演出表示が行われる。また、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」が開始されると、ラウンド表示P820が透明な状態から、明瞭な状態に切り替わる。なお、ラウンド表示P820の小当り遊技を示す「V」と、大当り遊技を示す「○」表示については明瞭になるタイミングをずらしてもよい。具体的には、小当り遊技を開始したときに「V」の表示が明瞭となり、大入賞口P751内の特定領域P760へ遊技球が入球(通過)したときに、大当り遊技を示す「○」の表示を明瞭にする例が挙げられる。
また、変形例として、第2特別図柄の抽選結果として、複数のラウンド数が異なる小当りV(大当り)や、終了後の特定遊技状態の種類が異なる小当りV(大当り)が備えられている場合は、高ベース状態にて当りとなった小当りV(大当り)についても、今回の小当りV(大当り)のラウンド数(出玉量)や終了後の特定遊技の種類に関する報知を行う「大当り種別報知演出」を実行するように構成してもよい。
「擬似大当り」中の演出例の変形例として、図28に示す演出例では、「擬似大当り」中の特定遊技の残り遊技回数表示P841を表示しないように構成していたが、特定遊技の残りの遊技回数が10回以下となったタイミングにおいて、残り遊技回数表示P841を「残り_10回」と表示するように構成してもよく、2回目の「小当りV/大当り(特図2)」に関するラウンド表示P820について、「擬似大当り」の残り遊技回数が少なくなったとき(10回以下となったとき)や、演出モードが「バトルモード」に切り替わるタイミングでより不明瞭な表示態様としたり、あるいは非表示とするように構成してもよい。
「擬似大当り」中の演出例の他の変形例として、「擬似大当り」中に事前判定情報より、第2特別図柄に係る当り変動が実行される保留が発生したと判断した場合には、演出制御基板P41は、当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した旨を演出表示装置P80や、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560等を用いてすぐに告知を行うように構成し、当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した旨を報知した後にさらに当りとなる第2特別図柄に係る保留が発生した場合にも連続して同様の報知、あるいはさらに目立つような演出態様にて複数の当りの権利が獲得されたことを報知可能に構成してもよい。
(バトルモード)
続いて図30から図32を用いて、特定遊技である「バトルモード」の演出表示例を説明する。図30は、バトルモード前半を示す図であり、図31および図32は「バトルモード」の高ベース状態における最終変動(6変動目)と残り保留最大4個分に係るまとめ変動演出の例を示す図である。
《バトルモード前半》
図30はバトルモード前半(「バトルモード」の第2特別図柄の1変動目から5変動目)に係る演出表示例である。「バトルモード」の演出は、味方キャラクタが敵キャラクタを倒すことができるかどうかによって小当りV(大当り)の獲得を遊技者に報知する演出である。
具体的には、変動毎に味方キャラクタと敵キャラクタの攻防が演出的に繰り広げられ、敵ゲージP883を「0」(すべてなくなった状態)となった場合に、小当りV(大当り)となることが報知される。また、画面右下には味方ゲージが表示し、変動中の第2特別図柄の特別図柄抽選結果や保留されている第2特別図柄の保留に関する事前判定情報を用いて増減することにより、小当りV(大当り)となる期待度が高まっている(あるいは期待度が低い)ことを遊技者に報知する。
図30に示す演出例の画面右側には、チャンスアップアイコン表示P880の表示が行われている。チャンスアップアイコン表示P880は、変動中の第2特別図柄の特別図柄抽選結果や保留されている第2特別図柄の保留に関する事前判定情報を用いて表示内容が決定されるものであり、今回の特別図柄の変動表示に対応する変動演出、あるいは次回以降の特別図柄の変動表示に対応する変動演出の実行中にて、味方キャラクタが優勢となるようチャンスアップ演出が表示されることを示唆するアイコン表示となっている。
チャンスアップアイコン表示P880の内、上段に表示されるのは、アイテムチャンスアップアイコンP881であり、下段に表示されるのはキャラクタチャンスアップアイコンP882である。アイテムチャンスアップアイコンは、例えば「攻撃力UPアイコン」、「必殺技アイコン」、「武器アイコン」など、味方キャラクタの攻撃がより有利となる(敵ゲージP883が減少しやすくなる)ことを示唆するアイコンであり、キャラクタチャンスアップアイコンP882は、登場するキャラクタに応じて味方ゲージP884の増減に関する演出を行うことにより、大当り期待度が高まるチャンスアップ演出が発生することを示唆するアイコンである。
チャンスアップアイコン表示P880である、アイテムチャンスアップアイコンP881と、キャラクタチャンスアップアイコンP882には複数のアイコンが存在し、表示される種類によって小当りV(大当り)の期待度が異なり得るように構成されているが、1のアイコンが表示されているところに上位のアイコンが新たに獲得された表示がされた場合には、アイテムチャンスアップアイコンP881またはキャラクタチャンスアップアイコンP882を今回獲得したアイコンに更新表示するように構成してもよい。
また、アイテムチャンスアップアイコンP881およびキャラクタチャンスアップアイコンP882は、それぞれ異なるチャンスアップ演出の発生を示唆するものでもよいし、特定の組み合わせが表示された場合には、2つのアイコンが同時に作用し大当り期待度が大きく向上する1の大チャンスアップ演出が発生するように構成してもよい。
《バトルモード後半:まとめ変動》
続いて、「バトルモード」の高ベース状態最終変動(6変動目)および残り保留最大4個について実行される「バトルモード最終変動演出」の演出例について説明を行う。
「バトルモード最終変動演出」は、「突破ゾーン」の演出同様5変動分の当否抽選結果(事前判定情報を含む)が一括報知される演出であり、演出構成は「突破ゾーン」の演出と同様、「保留チャージ演出(バトルモード)」と、「バトルモード最終バトル演出」によって構成される。「バトルモード最終変動演出」が実行される、特定遊技「バトルモード」の第2特別図柄の6変動目の変動表示は、特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)を参照し、1分程度の変動パターンが選択されるようになっており、変動開始後の30秒程度を「保留チャージ演出(バトルモード)」で構成し、「保留チャージ演出(バトルモード)」の終了後「バトルモード最終バトル演出」へ移行する。なお、残り保留4個分の第2特別図柄の変動表示は、「突破ゾーン」同様、1秒程度の変動パターンが選択されるようになっている。
図31に示す「保留チャージ演出(バトルモード)」では、遊技者に第2始動入賞口P721を狙って第2特別図柄に係る保留を発生させるように促す演出表示を行う(例えば、画面中央下寄りに「右打ちで力(保留)を溜めて!!」と表示する)。また、味方ゲージP884が画面左下から中央に移動し、「CHARGE」の文字列と矢印を表示することによって、味方ゲージP884を溜める(大当り期待度が高待っていることが示唆される態様とする)ように遊技者に右打ちを催促する演出表示を行う。
遊技者が、「保留チャージ演出(バトルモード)」の指示に従って第2特別図柄の保留を発生させると、画面右下に表示される保留表示領域P810の保留オブジェクトP811に、「P」(Powerの頭文字)と書かれた保留オブジェクトP811が表示されたり、アイテムチャンスアップアイコンP881(あるいはキャラクタチャンスアップアイコンP882)の獲得(ストック)を示唆するチャンス態様の保留オブジェクトP811が表示される。これらの蓄積された保留オブジェクトは、所定のタイミング(例えば変動開始から25秒後など)で味方ゲージP884や、チャンスアップアイコン表示P880に対して演出表示を行い、味方ゲージP884の増減や、チャンスアップアイコン表示P880の獲得(ストック)を行う。
なお、「保留チャージ演出(バトルモード)」の保留表示領域P810を用いた演出のさらなる応用例として、第2特別図柄の保留が4個溜まっている状況下で、さらなる第2始動入賞口P721への入球が発生した場合に、一度表示した保留オブジェクトP811をより大当り期待度が高まる表示態様(例えば「P」保留から、炎のエフェクトをまとった「P」保留としたり、キャラクタチャンスアップアイコンの獲得を示唆する保留)に変更するなどの演出表示(保留チャンスアップ演出)を行うように構成してもよい。
また他の応用例として、保留表示領域P811をFIFO(First In First Out)方式で移動表示させ、第2特別図柄の保留が4つ発生している状態で保留表示領域P811から飛び出した保留オブジェクトP811の態様によって、味方ゲージP884や、チャンスアップアイコン表示P880に対し、大当り期待度が高まるように演出表示を行ってもよい。
「保留チャージ演出(バトルモード)」が終了すると、図32に示す「バトルモード最終バトル演出」へ移行する。「バトルモード最終バトル演出」は、味方キャラクタが必殺技を繰り出す演出表示であり、「保留チャージ演出(バトルモード)」の最終的な味方ゲージP884の表示態様及びまとめ変動の対象の5変動の中に当りがあるか否かによって、味方キャラクタが小当りV(大当り)の期待度に応じた攻撃を敵キャラクタに対して行う。
このとき、味方キャラクタが繰り出す必殺技の種類によって、敵ゲージP883を減少させるための演出を、遊技者に演出ボタンP381への操作を促し、演出ボタンP381の操作状態に応じて演出内容を変化させることが可能なボタン演出としたり、ボタン演出とせずに結果を表示するなどのいくつかの演出パターンの中から選択されるように構成することができる。ボタン演出の種類も、演出ボタンP381を1回だけ操作することで結果を表示する「単発押し」演出や、演出ボタンP381を複数回押下させることで結果を表示する「連打演出」、演出レバーP382を操作させる「レバー操作演出」などの種類を有する。なお、本実施例のぱちんこ遊技機Pの「バトルモード最終変動演出」においては、ボタン演出を実行しない演出パターンの方が高期待度となるように構成しており、例えば「保留チャージ演出」において味方ゲージP884が虹色に発光することによって当りが確定的に報知された場合にボタン演出を実行しないように構成する例が挙げられる。
なお、前述したように「擬似大当り」中の94回転目までに小当りV(大当り)とならなかった場合に、95回転目にバトルモードとなることを説明したが、「擬似大当り」の95回転目および残り保留の制御(変動パターンの選択、および演出内容)は、バトルモード後半のまとめ変動と同様となる。すなわち「擬似大当り」の95回転目は1分程度の変動で「保留チャージ演出(バトルモード)」、「バトルモード最終バトル演出」が行われる。
《味方ゲージP884の使用例》
「バトルモード」における味方ゲージP884は、味方キャラクタのエネルギーを表しており、多ければ多いほど小当りV(大当り)の期待度が高まっていることを示唆する態様を採用している。変形例として、バトルモード後半のまとめ変動の保留チャージ演出時に、変動開始時に表示されている味方ゲージP884の空白領域と有色領域を反転させ、まとめ変動の開始時において味方ゲージP884の表示が大当り期待度が少ない態様であればあるほどまとめ変動(バトルモードの最後の最大5変動)での当りの期待度が高まるような演出手法を採用することができる。
このようにすることで、バトルモード前半では、味方ゲージP884が多ければ多いほど大当りの期待感が高まり、バトルモード後半が開始するタイミング(反転表示前)では、味方ゲージP884が少なければ少ないほどチャンスという斬新な演出表示をさせることができる。
また、このように構成することによって、例えばキャラクタチャンスアップアイコンP882に、味方キャラクタの味方ゲージP884を減少させるキャラクタを表示させるように構成することもでき、バトルモード前半、後半のそれぞれにおいて、キャラクタチャンスアップアイコンP882の登場キャラクタによる味方ゲージP884への演出的な干渉(味方ゲージP884の増減)に、より興趣性を創出することが可能となる。例えば「保留チャージ演出(バトルモード)」において、味方ゲージP884の減少を示唆するキャラクタチャンスアップアイコンP882として登場させ、味方ゲージP884の減少を行う演出を行った後に味方ゲージP884の反転演出を行うといった例が挙げられる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pについて採用可能ないくつかの変形例について説明を行う。なお、以下に説明する変形例は、複数の変形例について組み合わせて本実施例のぱちんこ遊技機Pに適用される場合があってもよい。
(変形例1)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかについて、「小当りV/大当り(特図2)」が実行される契機となった当り変動が開始されるタイミングにおける遊技状態(ベース状態)に依存して決定する手法を採用していた。
本実施例中の手法を採用するには、変動開始時に行われる特別図柄抽選の結果が「小当りV/大当り(特図2)」である場合に、実行する特別遊技に係るフラグ等の情報を設定することに加え、特別遊技(「小当りV/大当り(特図2)」)後において特定遊技として設定される遊技状態に係る情報(高ベース状態に制御する回数や、各種設定値を呼び出すためのオフセット値など)を合わせて記憶しておくことが必要であり、これによって実行可能とするものである。
ここで「小当りV/大当り(特図2)」の実行後、「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかに関する変形例1として、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後に「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれに制御されるかを、特別図柄の停止表示後に判定する仕様を採用してもよい。特別図柄の停止表示後に判定する仕様として、例えば大当りへの移行が確定的となったタイミングである小当り遊技中のV入賞時に「小当りV/大当り(特図2)」の特定遊技の種類を決定する仕様が挙げられる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、本実施例で説明したように、特定遊技として実行される「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」について、高ベース状態の最終変動が実行されたとき、特別図柄の変動停止時において遊技状態(ベース状態)を遷移させる制御を採用している。
そのため、変形例1としての「特別図柄の停止表示後に判定する仕様(小当り遊技中のV入賞時に「小当りV/大当り(特図2)」の特定遊技の種類を決定する仕様)」を採用することにより、「突破ゾーン」の1変動目、「バトルモード」の6変動目などの高ベース状態の最終変動であり、演出としてまとめ変動が行われる特別図柄の変動表示について、「小当りV/大当り(特図2)」の実行後の特定遊技の種類を判定した場合、低ベース状態に制御されている状況下での判定となることから、必ず遊技者にとって有利となる「擬似大当り」への移行が判定結果として得られるように制御することができるようになる。
すなわち、遊技者としては、最大5変動分がまとめ変動として実行される高期待度の演出表示がなされているときに当りとなった場合において、必ず「擬似大当り」という有利な特定遊技への移行が保証された状態となり、まとめ変動に対応する演出としての「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」は、より遊技者の注目を高め、演出の興趣性が高い演出として提供することができる。
(変形例2)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、高ベース状態最終変動における特別図柄の停止表示に合わせて、遊技状態(ベース状態)を低ベース状態へ変更する制御方法を採用していたが、遊技状態(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更するタイミングを異なるタイミングに設定してもよい。
具体的には、変形例2として、高ベース状態最終変動において遊技状態(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更するタイミングとして「高ベース状態の最終変動の変動表示中であって第2特別図柄に係る保留が上限値に到達したとき」を採用するように構成してもよい。
本実施例中の状態に当て嵌めて説明を行うと、「高ベース状態の最終変動の変動表示中であって第2特別図柄に係る保留が上限値に到達したとき」とは、「突破ゾーン」の第2特別図柄の変動表示である1回目の変動表示中、あるいは、「バトルモード」の第2特別図柄の変動表示である6回目の変動表示中において、第2特別図柄に係る保留が上限である4個に到達したときに遊技状態(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更するタイミングとして設定する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技において高ベース状態から低ベース状態へ移行するとき、残り保留を最大にしておくことが重要な遊技性であるが、変形例2のように「高ベース状態の最終変動の変動表示中であって第2特別図柄に係る保留が上限値に到達したとき」に遊技状態を(ベース状態)を高ベース状態から低ベース状態へ変更する手法を採用しても、遊技性(遊技者の有利度合い)に影響は発生しない。
また、本実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態の最終変動である特別図柄の停止表示時に遊技状態を低ベース状態へ移行させ、特別図柄の停止表示の図柄固定時間を長時間とすることによって、低ベース状態へ移行後の最初の変動の際に普通電動役物P770が作動しているという状況が発生することを防止していたが、変形例2の仕様によれば、特別図柄の停止表示を待たずに、変動表示中において先に普通電動役物P770が作動しにくい状態とすることができるため、特別図柄の停止表示の際の図柄固定時間を短く構成することができるようになる。
このような変形例2を採用する場合にあっては、変形例1と同様、高ベース状態の最終変動において、特別図柄の停止表示に先んじて遊技状態を高ベース状態から低ベース状態へ移行させておくことができるため、高ベース状態の最終変動における小当りV(大当り)についても、有利な「擬似大当り」の遊技状態に制御可能となり、本実施例におけるまとめ変動に対応する演出としての「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」は、当該演出で当たれば「擬似大当り」が確定する演出として遊技者に認識され、より遊技者の注目を高め、演出の興趣性が高い演出として提供することができる。
なお、変形例2を採用し、図柄固定時間を短くした場合、意図的に第2特別図柄に係る保留を高ベース状態の最終変動の変動終了間際にすることによって、低ベース状態へ移行後の最初の変動開始時に普通電動役物P770が作動した状態を創出される懸念があるが、高ベース状態の最終変動における特別図柄の変動パターン(変動表示時間)を複数パターン選択可能として変動終了のタイミングを狙いづらくしたり、普通電動役物P770が作動終了条件を第2始動入賞口P721への入球1球ないし2球(好ましくは1球)とすることによって、意図的な攻略を避ける手法が検討できる。
また、変形例2を採用した場合にあっては、高ベース状態の最終変動が実行されている期間において、遊技者は普通電動役物P770を作動させ、第2始動入賞口P721への入球により、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を上限となる数(本実施例では4個)まで溜めることができなかった場合に、高ベース状態の最終変動の特別図柄抽選の抽選結果が「小当り」または「大当り」であるときに、高ベース状態での当りとして本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて処理され、遊技者が意図しない不利益を受ける虞がある。
そのため、変形例2を採用する場合においては、高ベース状態の最終変動が実行されている期間において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させるよう遊技者に促す表示(例えば図22に示す「保留チャージ」演出の右下に表示されるような現在の保留数表示と「保留を溜めてください」という趣旨のメッセージの表示)を、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が上限値となったことが報知されるまで継続するようにし、高ベース状態の最終変動における特別図柄の変動表示時間の残り時間が少なくなった所定のタイミングにおいてもなお、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が上限に達していない場合には、より強調した態様にて第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させるように促す表示を行うよう構成してもよい。
また、高ベース状態の最終変動において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が上限に達していない場合には、「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」で当たった場合に「擬似大当り」になるという遊技者の認識と齟齬が生じる虞があるため、「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」の開始条件を、高ベース状態の最終変動における所定のタイミング(例えば変動開始から15秒後)までに第2特別図柄抽選に係る保留を上限値にすることとし、当該条件が満たされなかった場合には、「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」を行わず、他の演出(低ベース中のリーチ演出やバトルモードの最終変動以外の状況で実行されるリーチ演出など)により高ベース状態の最終変動および残りの第2特別図柄抽選に係る保留に関する特別図柄抽選の結果を報知するように構成してもよい。
なお、上記のように「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」の開始条件を定めてしまうと、高ベース状態の最終変動に係る演出制御が複雑となり、有効でないと判断する場合には、小当りV(大当り)の終了デモ演出において、「擬似大当り」ではなく「バトルモード」に移行する報知演出を実行することによって遊技者に「擬似大当り」が実行されないことを報知するように構成してもよく、この場合には、通常の終了デモ演出の表示内容に加えて、同時に『突破ゾーンバトル演出(バトルモード最終バトル演出)の時は、保留を最大にすることで必ず「擬似大当り」になるぞ』等の遊技説明を合わせて表示するように構成してもよい。
また、変形例2を採用する場合にあっては、演出の実行態様を遊技者に高ベース状態の最終変動で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を最大とさせたくなるように構成することが好ましい。
より具体的には、高ベース状態の最終変動が実行されている期間において、(1)第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が最大値となったタイミング、(2)(1)以降のタイミングであって、第2始動入賞口P721にさらなる遊技球の入球があったとき抽選または入球数に応じて切り替え、等において、高ベース状態の最終変動に対応する特別図柄抽選の結果および残り保留である第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の事前判定情報を基に「突破ゾーンバトル演出」、「バトルモード最終バトル演出」よりも小当りV(大当り)期待度が高い/あるいは小当りV(大当り)が確定となる「突破ゾーンバトル演出_SUPER」、「バトルモード最終バトル演出_無敵」演出を実行可能に構成してもよい。
なお、高ベース状態の最終変動が実行されている期間において遊技者に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させる意欲を増進させる演出例として、上記した特別な画像表示を伴う演出に切り替える例に限らず、前述の(1)ないし(2)の条件の達成時に、演出役物P560を可動させたり、スピーカP83から特殊報知音を発生させたり、リーチを構成する装飾図柄P801の表示態様がより期待度が高いものに切り替わる装飾図柄昇格演出を実行する等の演出を実行する、等のチャンスアップとなる演出を実行することも可能であり、さらにはこれらと「突破ゾーンバトル演出_SUPER」、「バトルモード最終バトル演出_無敵」演出を組み合わせて実行するように構成することも可能である。
このように、変形例2を採用する場合に高ベース状態の最終変動が実行されている期間において第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を最大とすることによって特別感のある演出を実行するように構成することによれば、遊技者が第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を最大とすることなく高ベース状態の最終変動に対応する特別図柄抽選が小当り(大当り)となって「擬似大当り」の権利を獲得できないという不利な事象の発生の抑制が期待できる。
(変形例3)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、特別図柄抽選の結果が小当りである場合に実行される小当り遊技(小当りV)として、10ラウンド大当り(小当りV)の契機となる小当り図柄が選択され、図21にも示したように必ず「バトルモード」または「擬似大当り」のいずれかの特定遊技に移行するように制御されるように構成していたが、変形例3として、小当りVのラウンド数として10ラウンド以外のラウンド数(例えば4ラウンドや7ラウンドなど)の小当りV(大当り)を実行する小当り図柄を有するように構成してもよいし、遊技状態(ベース状態)によらず、小当りV(大当り)後に電チューサポート機能を作動させない、すなわち高ベース状態に移行させない小当り図柄を有するように構成してもよい。
変形例3として例示した、小当りV(大当り)後に電チューサポート機能を作動させない小当り図柄(「時短無し小当り図柄」または「サポ無し小当り図柄」と称する)を有する構成を採用すると、時短無し小当り図柄が停止表示されて小当りVが実行された場合に、小当りV(大当り)後に新たな第2特別図柄に係る保留を発生させることが困難となり、連荘状態を継続させることが困難となる。なお、このように時短無し小当り図柄を一定確率(例えば小当り当選時の10%程度)で当選するように構成する場合には、過度に連荘の性能が低下しないように、小当り自体の当選確率を上昇させ、連荘のしやすさのバランスをとるように構成することが好ましい。
一方でこのような時短無し小当り図柄を混ぜることで、例えば現在変動中の第2特別図柄および第2特別図柄に係る保留内に小当りVの契機となる保留が2以上存在する場合であって、先の小当りVが時短無し小当り図柄であり、後の小当りVの契機となる図柄が時短無し小当り図柄でない場合、後続の小当りV後に移行する遊技状態が、時短無し小当り図柄を有しない本実施例のぱちんこ遊技機Pでは「バトルモード」であったのに対し、変形例3では「擬似大当り」となるなど、複数の小当りが連続する場合の遊技性に変化がつけられるという利点も生じる。
なお、時短無し小当り図柄を採用する場合には、連荘中に時短無し小当りに当選した場合に、残り保留が存在した場合、残り保留で当たるかどうかについて遊技者は大きな関心を持つことが考えられる。本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態で発生した保留である残り保留が消化される場合の特別図柄の変動時間は、「特図2残り保留消化用変動パターンテーブル」(または「低ベース時特図2変動パターンテーブル」)によって短時間の変動パターンが選択されるように構成していたが、このような時短無し小当り図柄に基づく小当りVの実行後は、特殊変動パターンテーブルを用いることによって、1変動毎に10秒から1分程度の変動時間が選択され、まとめ変動とはせずに1変動毎に小当りV(または大当り)当選しているか否かに関する演出表示を行うように構成することが好ましい。
(変形例4)
本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、「突破ゾーン」および「バトルモード」において、高ベース状態の最終変動から残り保留最大4個分の変動に対してまとめ変動を実行し、高ベース状態と低ベース状態のいずれで小当りV(大当り)を獲得したかを「大当り種別報知演出」にて報知する演出仕様を採用したが、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態で変動を開始した場合と、低ベース状態で変動を開始した場合とで、小当りV(大当り)となった後の特定遊技状態の制御を異ならせる仕様としているため、小当りV(大当り)が高ベース状態、低ベース状態のいずれで獲得されたものであるかを、第2特別図柄の変動表示中の演出内容として遊技者に認識可能とすることを好適と考えることもできる。
そこで、変形例4として、「突破ゾーン」および「バトルモード」について、小当りV(大当り)の後の特定遊技の種類が異なる高ベース状態における第2特別図柄の変動表示と低ベース状態における第2特別図柄の変動表示とで、異なる演出モード(互いに少なくとも一部が異なる演出表示内容となる状態)の演出表示が実行されるという手法を採用することで、高ベース状態と低ベース状態のいずれで小当りV(大当り)を獲得したかが遊技者に明らかとなるよう構成できる。
《変形例4を「突破ゾーン」に採用した場合の演出例》
本実施例のぱちんこ遊技機Pの「突破ゾーン」は、「保留チャージ演出」と「突破ゾーンバトル演出」を、高ベース状態の1変動と残り保留最大4個分の変動に対する演出として表示するように構成したが、変形例4のように高ベース状態と低ベース状態の演出を分ける手法を採用した場合、次のような演出例が検討できる。
すなわち、「大当り(特図1)」の後に「小当りV/大当り(特図2)」を獲得し、連荘状態(「バトルモード」または「擬似大当り」)へ移行するか否かの関心が高まる「突破ゾーン」において高ベース状態と低ベース状態の演出を分ける演出内容として、高ベース状態の1変動で実施される「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」と、残り保留4個にかけて実行される「残り保留バトル演出」が例示できる。
「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」は、「突破ゾーン」において、遊技者が保留を4個溜められるように促しながら、「バトルモード」へ移行する契機となる「小当りV/大当り(特図2)」が獲得できたか否かを報知する演出であり、例えば、「第2始動入賞口へ遊技球を入球させて、「バトルモード」ロゴを完成させろ!」という指示が表示された後、「バトルモード」の文字列が表示され、第2始動入賞口P721への入球(第2特別図柄に係る保留の発生およびオーバー入賞)に応じて「バトルモード」の文字列が徐々に表示態様が変更されていき、例えば、1文字ずつ点灯や赤色の表示に切り替わっていき全てが点灯されることにより当りを報知する(すべて点灯時に虹色表示となる)、「バトルモード」の文字列の色が青、緑、赤、金と変わっていき最終的に演出ボタンP381を操作させて虹色発光になることにより当りを報知する、などの報知態様である演出表示が実行される。
「残り保留バトル演出」は、本実施例のぱちんこ遊技機Pの「突破ゾーンバトル演出」と同様の演出態様とすることが例示できる。なお、このとき残り保留最大4個に対してまとめ変動において味方キャラクタと敵キャラクタが対決する演出を実行する構成としてもよい。また、残り保留1変動毎に味方キャラクタと敵キャラクタが対決する演出を実行する構成(「バトルモード前半」と同様の演出態様)としてもよい。なお、残り保留の最大4変動をまとめ変動とする場合には、残り保留の最初の特別図柄に係る変動パターンを特殊な変動パターンとなるように構成する必要がある。
なお、「保留チャージ&ロゴステップアップ演出」の実行中に、高ベース状態の変動表示がはずれであり、残り保留となる保留の事前判定情報に当りが存在する場合に、ロゴステップアップの態様を、当りを報知する虹色の態様(第1確定報知)とした後に、「バトルモード」の文字列に「BURST!」の文字を付加して「バトルモード_BURST!」の文字列を虹色で表示する態様(第2確定報知)を表示可能としてもよい。「バトルモード_BURST!」が表示された場合は、「残り保留バトル演出」へ進行し当り変動を待機する状態となる。なお、第1確定報知の後に、遊技者が第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射することを停止してしまい、ステップを進行させられない状況が発生する虞があることから第1確定報知を経由せずに第2確定報知を実行するものとしてもよいし、虹色(第1確定報知)に到達したか否かに関わらず、演出の最後に演出ボタンP381を操作させるボタン演出を発生させ、第2確定報知へ昇格させるように構成してもよい。
《変形例4を「バトルモード」に採用した場合の演出例》
次に、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおける「バトルモード」において、「小当りV/大当り(特図2)」を獲得するタイミングによって、特別遊技(大当り、小当りV)後に移行する特定遊技が「バトルモード」、「擬似大当り」のいずれであるかを報知する演出として、高ベース状態の演出モードと、低ベース状態の演出モードを分けて、少なくとも一部が異なる演出が表示されることで遊技者に特別遊技後の特定遊技の種類を分かりやすくする手法(変形例4)について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機Pの「バトルモード」は、高ベース状態の1変動目から5変動目において「バトルモード前半」演出を行い、高ベース状態の最終変動である6変動目と、低ベース状態で変動表示される残り保留最大4回分のまとめ変動とで行われる「保留チャージ演出(バトルモード)」、「バトルモード最終バトル演出」にて構成されているが、変形例4を採用した場合の「バトルモード」では、高ベース状態の1変動目から6変動目(最終変動)まで「バトルモード前半」演出を行い、低ベース状態で変動表示される保留最大4個分の変動表示をまとめ変動である「バトルモード最終バトル演出」を実行する態様とすることができる。
ここで、本実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態の最終変動である特別図柄の変動表示が特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)により、特殊な変動パターンが選択されるように構成していたが、変形例4では、残り保留最大4個を対象としてまとめ変動を実行する仕様としているため、低ベース状態において最初に消化される第2特別図柄の保留に係る変動表示が行われる際に特殊変動パターンテーブル(バトルモード最終変動用変動パターンテーブル)により、特殊な変動パターンが選択されるように構成される。
なお、変形例4を採用した「バトルモード」を実行する場合、まとめ変動が実行されるタイミングは第2特別図柄に係る残り保留の変動開始後であるため、遊技状態は低ベース状態であり、既に保留を溜めることができない状態となっている。そこで、変形例4を採用した「バトルモード」の場合においては、「保留チャージ演出(バトルモード)」をまとめ変動の演出として含まない。しかし、高ベース状態の6変動目の変動終了までに第2特別図柄に係る保留を発生させないと、遊技者が「小当りV/大当り(特図2)」を獲得できる確率が著しく低下してしまうため、高ベース状態の6変動目において、第2特別図柄に係る保留を発生させるように遊技者に促す必要がある。
そこで、変形例4を採用する「バトルモード」では、高ベース状態の最終変動(6変動目)において、1変動目から5変動目まで同様の演出モードの演出である「バトルモード前半」演出が実行される一方、遊技者に対して第2特別図柄に係る保留を生起させる猶予を与えるために、特殊変動パターンテーブル(「バトルモード前半最終変動用変動パターンテーブル」)を用いて、30秒から40秒程度の特別図柄の変動表示を行うように構成するとともに、高ベース状態の最終変動(6変動目)において、現在の第2特別図柄に係る保留数を示唆し、第2始動入賞口P721への入球を促す「第2特別図柄保留増加促進演出」を実行する。
「第2特別図柄保留増加促進演出」は、演出表示装置P80において、「バトルモード前半」演出を、高ベース状態の5変動目までと同様に表示している状況において、「バトルモード前半」演出よりも優先度を高く、例えば演出表示装置P80の画面右下方向(第2始動入賞口P721の近く)に、4分割された第2特別図柄に係る保留に対応した表示領域区画を有する矢印画像を表示し、第2特別図柄に係る保留が生起するごとに4分割された表示領域区画を「保留あり」を示す態様に変更していく手法が考えられる。また、矢印画像に加えて、キャラクタや「第2始動入賞口を狙って!」のメッセージを表示することにより遊技者に第2始動入賞口P721への入球を促すように構成してもよく、第2特別図柄に係る保留が4つとなった場合に、「OK」、「準備完了」等の文字を表示して目的が達成されたことを報知してもよい。
また、「第2特別図柄保留増加促進演出」において、保留の存在を示す矢印画像の4分割された表示領域区画には、本実施例のぱちんこ遊技機Pのように、事前判定情報を利用して保留画像としてチャンスアップアイコン表示P880に表示されるアイコンを獲得する画像などを表示するなどの演出(図31参照)を実行してもよい。
(変形例5)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、「小当りV/大当り(特図2)」を10ラウンドのみで構成したが、「小当りV/大当り(特図2)」の契機となった特別図柄の停止表示態様によって異なるラウンド数(例えば4ラウンド、7ラウンド)の「小当りV/大当り(特図2)」を実行可能に構成することもできる。
このとき、「小当りV/大当り(特図2)」の契機となる特別図柄の変動表示中における演出表示や、小当り遊技の開始デモ演出、あるいは特別図柄の停止表示態様によってラウンド数が推定可能であり、かつ、先読み演出として当り確定や、当り期待度が極端に高い先読み演出を当り変動の実行中に後続の保留に対して実行可能に構成してしまったり、複数個の当り確定(あるいは当り期待度が高い先読み演出)を複数の保留に同時に実行可能に構成してしまったりすると、先行する「小当りV/大当り(特図2)」がラウンド数が少ない当りであると判断した場合に意図的にV入賞させず、後続の「小当りV/大当り(特図2)」を意図的に低ベース状態にて実行させることで、少ないラウンド数の当りを捨てて、後続の当りの後の遊技状態を実質当り確定とする攻略(不正遊技)が実行され得ることが推定される。
これらの攻略(不正遊技)の対応策として、事前判定情報や今回の変動表示に関する特別図柄抽選結果の情報として既に当りとなる情報を得ている場合に、新たに発生した第2特別図柄の保留に対する事前判定情報を基に先読み演出を実行しないように構成したり、ラウンド数の決定を特別図柄の停止表示態様によらず、小当り遊技の中に特定領域P760へ入球(通過)があったタイミングで抽選が行わるように構成したりしてもよい。
(変形例6)
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、まとめ変動が実行される「突破ゾーン」、「バトルモード」の高ベース状態の最終変動および残り保留最大4個に対する変動表示において、いずれかの保留で当り(小当り)となった場合に、「小当りV/大当り(特図2)」の特別遊技開始デモにおいて実行される「大当り種別報知演出」にて、高ベース状態における特別図柄の変動表示が当り(小当り)であったか、低ベース状態における特別図柄の変動表示が当り(小当り)であったかを報知するように構成していたが、まとめ変動中の演出表示の内容が特定の演出内容(例えば味方キャラクタが特定の必殺技を繰り返して敵キャラを倒す演出内容など)が表示されたり、装飾図柄の昇格演出を行ったりすることで、残り保留最大4個内の変動表示で当り(小当り)となったことを報知するように構成してもよい。
なお、「大当り種別報知演出」を実行するよりも前に、このような残り保留最大4個内の変動表示内で当り(小当り)となったことを報知した場合には、「大当り種別報知演出」の大当り種別アイコンP860がいずれも「TWIN_BONUS」の表示とする態様としたり、「大当り種別報知演出」が実行される期間に関して代替的な演出表示を実行するものとしてもよい。
以上のように構成される本実施例のぱちんこ遊技機Pおよび変形例1から変形例6のぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技機の仕様(スペック)として「小当りV」を採用し、高ベース状態と低ベース状態とのいずれの状態で小当りV(大当り)を獲得したかによって、その後(大当り遊技後)に移行する特定遊技の種類を変更する手法を採用したが、類似するゲーム性、すなわち「普通電動役物に係る始動口を契機として取得した乱数値(第2特別図柄の乱数値)の特別図柄抽選にて大当りとなったタイミングが高ベース状態であったか低ベース状態であったかによって大当り後の特定遊技の種類を異ならせるゲーム性」が提供できる遊技機の仕様であれば、本実施例および各変形例において説明したような制御や演出内容について類似する制御や演出を実施可能であることは言うまでもない。
類似するゲーム性が提供できる遊技機の仕様の一例としては、低確率時(確率変動機能の非作動時)の大当り確率が1/100程度に構成された低確率帯の遊技機であって、高確率時(確率変動機能の作動時)の大当り確率1/18のV-ST機(ST10回)とし、「突破ゾーン」、「バトルモード」、「擬似大当り」の高ベース状態の継続回数を、1回、6回、100回とする遊技機仕様が例示できる。
このような仕様である場合には、「突破ゾーン」の終了後にも特図1が高確率状態で抽選される特殊な期間が発生し得るが、当該期間を特殊な演出期間(例えば低確率/低ベース状態の時には発生しない演出モードに滞在する期間)として設定することもできる。なお、擬似大当りの11変動目以降は低確率/高ベース状態となるため、本実施例のぱちんこ遊技機Pと比較して「擬似大当り」中に大当りを獲得できない確率は高くなっており、高確率状態でもないことから「擬似大当り」の終了間際に「バトルモード」へ移行させることは適当ではないため、「擬似大当り」の画面のまま終了演出が発生するように構成することが好ましい。
[第2実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術および本実施例を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術および本実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。第2実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
詳細は後述するが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様に「小当りV」を採用したぱちんこ遊技機である。第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄に係る特別図柄抽選にて大当りまたは小当りに当選する確率が100%となっており、「第2特別図柄に係る保留が発生すること」や「普通図柄抽選に当選し、第2始動入賞口P721に設けられる普通電動役物770を開放状態として、遊技球が入球すること」が、すなわち大当り遊技(小当りVを含む)の実行権利の獲得を間接的に意味している。
そのため、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、第2特別図柄の特別図柄抽選の権利の獲得に係る第2始動入賞口P721への入球が容易な状態となる特殊な期間を発生させ、特殊な期間において発生した第2特別図柄に係る保留に基づき、第2特別図柄の特別図柄抽選に対応する保留個数分だけ大当り遊技(小当りV)を実行する。このように構成することで、第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、複数回の大当り遊技(小当りV)が連続して実行され、一度に大量の遊技球が獲得できる可能性を秘めたゲーム性を遊技者に提供可能となっている(※第2実施例のぱちんこ遊技機Pは第2特別図柄優先消化制御を採用しているため)。
以下には、特殊な期間に関して第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の発生可能性を変化させることで、より興趣性を高めた第2実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する3つの実施例に関して説明するが、その前に、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける基本的な構成に関して説明を行う。
(盤面構成)
図33は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにて採用され得る盤面構成(入賞装置の配置)の例を概念的に示した図である。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501の略中央には、演出表示装置P80を視認可能に開口部が形成されており、その開口部には不図示のセンター飾りユニットの枠部材が取り付けられて、遊技領域P501の内側の仕切り部を構成している。
演出表示装置P80の下方には、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)を流下する遊技球が入球する第1始動入賞口P711Aが設けられ、さらにその下方には不図示のアウト口P790が設けられている。また、演出表示装置P80の左側領域P501Lの下部領域には、一般入賞口P731が配置されている。すなわち演出表示装置P80の左側の遊技領域に遊技球を発射すると、第1始動入賞口P711Aまたは一般入賞口P731に対して入球し、入賞が発生することを期待することができる構成となっている。
一方、演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)には、図33に示すように上から作動口P741、普通電動役物P770に係る第2始動入賞口P721、第1始動入賞口711B、大入賞口P751が配置され、演出表示装置P80の右側の遊技領域に向けて発射された遊技球が入賞可能となっている。
ここで、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bは、第1特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっており、第2始動入賞口P721は第2特別図柄の特別図柄抽選に係る権利を獲得するための始動入賞口となっている。すなわち、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技領域P501の左側領域P501Lまたは右側領域P501Rのいずれに向けて遊技球を発射しても、第1始動入賞口P711Aおよび第1始動入賞口P711Bにより第1特別図柄の特別図柄抽選の権利を獲得可能に構成されている。
(スペック)
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機であって、遊技性(ゲーム性)に関する本実施例との大きな相違点は、第2特別図柄の特別図柄抽選において「小当り」または「大当り」となる確率が100%であり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がすなわち大当り遊技(小当りV)の権利である点で相違している。
また、第2実施例のぱちんこ遊技機Pも、本実施例と同様に各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行するものであるが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特定遊技(高ベース状態)の終了条件としては、「第1特別図柄又は第2特別図柄の規定回数の特別図柄抽選に基づく変動表示が終了したこと」、または「大当り遊技(小当りV)が実行されること」とされ、例えば規定回数が1回に設定される場合には、第1特別図柄の1回の変動表示が行われた場合であっても高ベース状態が終了し得るように構成されている。
詳述はしないが、その他の設計値(大当り確率、各種入賞口の賞球数など)は、本実施例に記載したものに限らず、ゲーム性に合わせて適宜設定されるものである。なお、第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御を採用することが好ましく、その理由は後述する。
(遊技の進行手順)
続いて、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて遊技を行う際の手順および遊技の進行について説明する。なお、ここでは説明を簡略化するために特定遊技(高ベース状態)の終了条件に関し、「規定回数」を1回として説明を行う。
まず、遊技者はハンドルP204を操作し、演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)に向けて遊技球を発射する。左側領域P501Lに発射された遊技球は第1始動入賞口P711Aに入球し、第1特別図柄に係る特別図柄抽選の権利が発生し、第1特別図柄の特別図柄抽選が実行される。
第1特別図柄の特別図柄抽選によって、大当り遊技が実行されると、遊技者はハンドルP204の操作量を増加させ、遊技球を演出表示装置P80の右側の遊技領域(右側領域P501R)に向けて遊技球を発射する。大当り遊技中に右側領域P501Rに発射された遊技球は、大入賞口P751および第1始動入賞口P711Bへ入賞する。このとき、大当り遊技中に大入賞口P751へ向けて遊技球を発射していると、少なくとも1球以上は第1始動入賞口P711Bへ入賞するように構成されており、大当り遊技中に第1特別図柄の特別図柄抽選の権利が発生するように構成されている。なお、大当り遊技中は低ベース状態(非電チューサポート状態)に制御されているため、普通電動役物P770に係る第2始動入賞口P721への入賞可能性はほとんどないものとなっている。
大当り遊技が終了し、特定遊技(高ベース状態)が開始されると、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がない場合、大当り遊技中に発生した第1特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始される。第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御を採用するため、大当り遊技の終了時点で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生している場合には、大当り終了後に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始される。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、大当り終了後の特定遊技(高ベース状態)において、第1特別図柄の特別図柄抽選で大当りとなる変動、または第2特別図柄の特別図柄抽選で小当りないし大当りとなる変動が開始された場合、例えば1秒などの短時間の変動パターン(変動時間)が変動パターン抽選によって選択され、大当り終了直後に大当り遊技(小当りV)が実行される。
一方、特定遊技(高ベース状態)において、第1特別図柄の特別図柄抽選の結果が「はずれ」となる変動表示(はずれ変動)が開始された場合、例えば100秒などの長時間の変動パターン(変動時間)が変動パターン抽選にて決定され、第1特別図柄の変動表示が停止表示されて終了するまでの約100秒間の期間、高ベース状態が継続することとなる。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技における第1特別図柄のはずれ変動が実行されている期間(以下「特定期間」と称する場合がある)の間、作動口P741を狙って遊技球を発射する遊技を行うことで、普通図柄抽選によって第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物770を開放させ、第2始動入賞口P721へ遊技球を入賞させることによって100秒間の特定期間の間に大当り遊技(小当りV)の権利を蓄積させること、を特定遊技において大量の遊技球を獲得するための主の遊技性(ゲーム性)としている。
ここで、第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態における普通図柄抽選において「当り」となる確率が、例えば1/20に設定され、1回の普通図柄抽選(はずれ)に係る普通図柄の変動表示期間、または1回の普通図柄抽選(当り)に係る普通図柄の変動表示期間と普通電動役物の作動期間の1サイクルの時間を5秒程度とし、100秒間の特定期間において約20回の普通図柄抽選を実行可能となっている。なお、普通電動役物770の作動終了条件として、「規定時間の開放時間の経過」または「1球の遊技球の入賞」が定められ、一回の普通図柄抽選の「当り」に対して第2始動入賞口P721には1球の遊技球の入球が可能であり、すなわち普通図柄抽選の「当り」1回が、大当り遊技(小当りV)の権利を1回獲得することに相当する。
第2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技の特定期間において、新たな特別図柄抽選が実行されることは無く、特定期間において普通図柄抽選が当りとなるか否かによって大当り(小当りV)の権利の発生有無が変化するため、演出表示装置P80には、装飾図柄P801として、普通図柄抽選の結果を報知する絵柄が表示され、遊技者に対して大当り(小当りV)の権利を獲得可能となる状態(第2始動入賞口P721に設けられた普通電動役物770の開放状態)の発生を報知する。
特定期間(特定遊技における第1特別図柄のはずれ変動が実行されている期間)において、1ないし複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した場合、特定期間の終了後には、第2特別図柄の特別図柄抽選、大当り遊技(小当りV)が、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数だけ繰り返し実行される。
特定期間に発生した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が全てなくなり、最後の大当り遊技(小当りV)が終了すると、再び特定遊技(高ベース状態)における第1特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示が開始し特定期間が再び発生する。特定期間において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、特定遊技が終了し、通常遊技へと復帰する。
以上のように進行する第2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄優先消化制御とすることにより、特定期間において発生した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を連続的に消化し、連続的に大当り遊技(小当りV)を実行することで、遊技球の獲得期間を短期間に凝縮することができ、大量の遊技球を獲得できている実感を得やすくなるという効果を有している。
仮に、第1特別図柄優先消化制御や、入球順消化制御としてしまうと、特定遊技または大当り遊技(小当りV)において右側領域P501Rに遊技球を発射している期間に第1始動入賞口P711Bへの入球が発生し、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が保留されている状況下で、再び特定期間が発生し次回の大当り遊技(小当りV)が発生するまでの期間が長時間となってしまい、遊技者として大量の遊技球を獲得している実感が湧きにくいという虞がある。なお、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて第1特別図柄優先消化制御や入球順消化制御に変更することを否定するものでなく、仮にこれらの制御を搭載した場合には、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がある場合において特定期間を発生可能であり、総じて特定期間での遊技を実行可能な期間が増え、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすくなるというメリットも存在する。
以上、特定期間に発生した1個ないし複数個の保留に基づいて1回または複数回の大当り遊技を行うことにより大量の遊技球の獲得を期待させるぱちんこ遊技機である第2実施例のぱちんこ遊技機Pについて説明を行ってきたが、以下には第2実施例のぱちんこ遊技機Pをさらに応用して興趣性を高めたぱちんこ遊技機Pについて、3つの実施例を基に説明を行う。
なお、通常の普通電動役物制御では、普通電動役物770の作動終了条件が成立した後、電動役物内部の残留球を検出するための有効延長期間が定められているが、第2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留は大当り遊技(小当りV)の権利であり、特定期間における普通図柄抽選の当りに対し1回の大当り遊技(小当りV)の権利を付与することを設計の意図としていることから、普通電動役物770の作動終了条件が成立した場合、有効延長期間を設定しないように構成してもよい(特に「1球の遊技球の入賞」の成立にて普通電動役物770の作動が終了した場合にこのように制御することが好ましく、「規定開放時間の経過」では有効延長期間を設定してもよい)。
[第2-1実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、まず1つ目の応用例(第2-1実施例)として、図34~図36を用いて説明を行う。図34は、第2-1実施例のゲームフローを示す図であり、図35は、第2-1実施例の大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図であり、図36は、第2-1実施例の長時間チャンス状態の演出例を示す図であり、図37は、第2-1実施例の普通電動役物開放演出の例を示す図である。
第2-1実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、大当り(小当り)後に発生する特定期間(第1特別図柄のはずれ変動の変動時間)の長さを、特定期間が発生する直前の大当り(小当り)を実行する契機となった特別図柄の種類によって異ならせる点である。
このように構成することで、特定期間中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させることができる確率を異ならせた状態を創出することができ、連荘への期待感(再度、大当り後に特定期間が付与されることへの期待感)や、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り/小当りの発生に係る権利)の発生個数への期待感が異なる複数の状態を特定期間として遊技者に提供でき、特定遊技の遊技として変化が与えられ、興趣性の高いぱちんこ遊技機を提供できるようになる。
以下、第2-1実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
最初に、図34を参照しながら、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、ゲームフロー(遊技状態の遷移)に関して説明を行う。
通常遊技(低確率/低ベース状態)は、第1特別図柄の特別図柄抽選を遊技の主体とした遊技状態であり、遊技者は演出表示装置P80の左側の遊技領域(左側領域P501L)に遊技球を発射し、第1始動入賞口P711Aへ遊技球を入球させ、第1特別図柄の特別図柄抽選により大当りを獲得することを目指す。
通常遊技において、大当りを獲得すると(図34(A))、「大当り(特図1)」が実行され、大当りを実行することとなった特別図柄の種類によって、大当り遊技後に「短時間チャンス状態」、「長時間チャンス状態」のいずれかに振り分けられる(図34(B)、(E))。
図35には、第1特別図柄の特別図柄抽選における図柄抽選(大当り時)の結果が示されている。第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りとなる場合、図柄抽選により、「特図1_大当り図柄A」、「特図1_大当り図柄B」のいずれかが選択されるようになっている。なお、図35に示す図柄の種類は2種類のみを示しているが、これは実行される大当りおよび大当り後の特定遊技の種類によって大別したものであり、実際には第1特別図柄表示装置P51に停止表示される図柄としては2種類以上あるものでもよい。
図35に示した「特図1_大当り図柄B」は、大当り遊技後に特定遊技として「短時間チャンス状態」が実行されることとなる大当り図柄であり、「特図1_大当り図柄A」は大当り遊技後に特定遊技として「長時間チャンス状態」が実行される大当り図柄である。
《短時間チャンス状態》
「大当り(特図1)」の後に、「短時間チャンス状態」へ移行すると、大当り遊技の実行に際し、右側領域P501Rに配置された第1始動入賞口P711Bへの入球に基づく第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留、あるいは大当り遊技前から残存する第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に基づいて、第1特別図柄抽選が行われ、第1特別図柄抽選がはずれである場合に特定期間として、1分間のチャンス状態(低確率/高ベース状態)が発生する。
第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、チャンス状態(低確率/高ベース状態)において、遊技者が右側領域P501Rへ遊技球を発射し、作動口P741を遊技球が通過すると、普通図柄抽選が行われる。このとき、普通図柄抽選の抽選結果は、1分間の普通図柄の変動表示が普通図柄表示装置P53にて行われた後、普通図柄の停止表示図柄として示され、普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合は、普通電動役物770の開放が行われ、第2始動入賞口P721への入球が可能となる。そして、第2始動入賞口P721へ遊技球が入球すると、特定期間の経過後に第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りに当選し、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行する(図34(D))。チャンス状態における普通図柄抽選の結果が「はずれ」である時、あるいは普通図柄抽選が「当り」であるにもかかわらず、第2始動入賞口P721への入球が発生しなかった場合は「通常遊技(低確率/低ベース状態)」へと移行する(図34(C))。
「短時間チャンス状態」では、特定期間である1分間のチャンス状態(低確率/高ベース状態)中に、1回の普通図柄抽選が行われ、普通図柄が当りであるか否かによって「小当りV/大当り(特図2)」または「通常遊技(低確率/低ベース状態)」への振り分けが行われる。なお、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pの普通図柄抽選の当り確率は、1/3.3に設定されており、「短時間チャンス状態」において、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行できる確率は30%となっている(図35「特図1_大当り図柄B」の「継続率」参照)。
「小当りV/大当り(特図2)」の実行後は、「長時間チャンス状態」へと移行する(図34(G))。
《長時間チャンス状態》
「長時間チャンス状態」は、「大当り(特図1)」の後(図34(E))、あるいは「小当りV/大当り(特図2)」の後(図34(G)に移行する特定遊技であって、特定遊技の開始後の第1特別図柄の特別図柄抽選がはずれとなり、第1特別図柄のはずれ変動が実行されている特定期間である。
「長時間チャンス状態」の特定期間の継続時間は、「長時間チャンス状態」へ移行する直前に実行されていた大当り遊技(小当りV)の実行契機となった特別図柄の種類によって異なり、5分、6分、9分のいずれかの継続時間にて特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が実行される。より具体的には、図35に示すように、「特図1_大当り図柄A」および「特図2_大当り/小当り図柄A」の場合は特定期間の継続時間は5分となり、「特図2_大当り/小当り図柄B」の場合の特定期間の継続時間は6分、「特図2_大当り/小当り図柄C」の場合は特定期間の継続時間は9分に設定される。
「長時間チャンス状態」においても、「短時間チャンス状態」と同様、右側領域P501Rに配置される作動口P741への遊技球の入球により、普通図柄抽選が行われ、1回の普通図柄抽選あたり、1分間の普通図柄の変動表示が普通図柄表示装置P53にて行われる。すなわち、「長時間チャンス状態」における特定期間の継続時間が5分の場合には、5回の普通図柄抽選を受けることができ、特定期間の継続時間が9分の場合には9回普通図柄抽選を受けることができる。
「長時間チャンス状態」において、普通図柄抽選にて「当り」を獲得し、普通電動役物770の開放に基づき第2始動入賞口P721へ遊技球を入球させることができた場合には、特定期間の経過後に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が消化され、第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りに当選し、「小当りV/大当り(特図2)」へ移行する(図34(F))。なお、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した後も、特定期間が継続している限りは、普通図柄抽選を受けることが可能であり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の最大保留個数分だけ大当りまたは小当りの実行に係る権利を蓄積(ストック)することができる。
「長時間チャンス状態」において普通図柄の変動時間を1分と説明したが、普通図柄が当りである場合においては、普通図柄の変動時間の経過後に普通電動役物770の作動(開放)が行われるため、はずれ変動よりも多少短い普通図柄の変動時間(例えば55秒)として、普通電動役物770の作動期間も含め1回のサイクルを1分程度で終了するように設計してもよい。
「長時間チャンス状態」にて、1個ないし複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生すると、「小当りV/大当り(特図2)」にて、第2特別図柄の保留として蓄積(ストック)した保留個数に対応する回数の「小当りV/大当り(特図2)」が実行される。なお、「小当りV/大当り(特図2)」が複数回繰り返される場合、1回ごとに内部的に長時間チャンス状態と同様の低確率/高ベース状態に移行しているが、第2特別図柄の特別図柄抽に基づく、大当り(小当り)の変動表示時間は1秒に設定され、大当り遊技(小当りV)終了後にすぐに「小当りV/大当り(特図2)」が再開される。
そのため、「小当りV/大当り(特図2)」は、「STOCK-BONUS」と称する大当り演出が実行され、第2特別図柄の特別図柄抽に関する保留が無くなるまで、連続して大当り演出が実行され、内部的に「長時間チャンス状態」となっている状況下においても、特定期間の演出が実行されることは無く、大当り(小当りV)が連続して発生することを報知する演出を実行する。
「長時間チャンス状態」において、5回ないし9回の普通図柄抽選の実行でいずれも「はずれ」となった場合、あるいは普通電動役物770の開放が行われたにもかかわらず第2始動入賞口P721への入球が発生しなかった場合には、「通常遊技(低確率/低ベース状態)」へ復帰する。
なお、図34には不図示であるが、「短時間チャンス状態」あるいは「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄の特別図柄抽選が「大当り」となる場合には、変動時間が1秒に設定され、特定期間が発生することなく「大当り(特図1)」を実行する。なお、「長時間チャンス状態」および「短時間チャンス状態」において、第1特別図柄または第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当りまたは小当りとなる特別図柄の変動表示が行われた場合、厳密には1秒間の特定期間が発生しており、この間に作動口P741への入球または普通図柄抽選に係る保留に基づいて普通図柄の変動表示が行われる場合がある。
しかし、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通図柄抽選の結果が「当り」である場合であっても、停止表示がなされたタイミングにおいて高ベース状態(電チューサポート状態)でなければ、普通電動役物770の開放が第2始動入賞口P721に対し遊技球が入球容易となる態様で開放されることは無く、第2始動入賞口P721への入球可能性はほとんどないよう構成されている。そのため、仮に「長時間チャンス状態」あるいは「短時間チャンス状態」の第1特別図柄または第2特別図柄の大当り変動(小当り変動)にて普通図柄抽選が「当り」となっても1分後には、特別図柄の停止表示後であり大当り遊技の実行中となっていることから、低ベース状態に移行しているため、「小当りV/大当り(特図2)」および、「長時間チャンス状態」または「短時間チャンス状態」における特別図柄の当り変動期間中に新たに第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生することは無いように構成されている。
また、「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りとなった場合、「大当り(特図1)」へ移行することとなるが、この大当りが「特図1_大当り図柄B」に基づくものであった場合、不利な「短時間チャンス状態」へと移行することとなり、遊技者としては不利益を被ったと感じてしまう虞がある。このような不利益を防止するため、「長時間チャンス状態」あるいは「短時間チャンス状態」において「特図1_大当り図柄B」に当選した場合には、「大当り(特図1)」後の遊技状態を「長時間チャンス状態」(特定期間5分)となるように制御してもよい。
(長時間チャンス状態の演出例)
図36は、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて遊技者に最も有利となる遊技状態(最も大当り遊技を獲得しやすい遊技状態)の「長時間チャンス状態」における演出例を示している。第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは「長時間チャンス状態」において、「4連続バトル演出」を行う(特定期間が「5分」のとき、かつ普通図柄抽選が「長時間チャンス状態」の開始後に連続して5回実行されるとき)。
前述したように、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pは、低確率/高ベース状態である特定遊技の第1特別図柄のはずれ変動中である特定期間(N分)に、N回の普通図柄抽選が受けられるようになっており、特定期間が5分である場合の「長時間チャンス状態」においては、1回の普通図柄抽選に対して1回の普通図柄演出を行い、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは4回の「バトル演出」と1回の「ファイナルチャンス」演出(短時間チャンス状態と共通の演出)が実行される。
図36の画面の例では、「4連続バトル演出」の3回目の「バトル演出」が実行されている状態を示している。より具体的には、画面上部左側の演出モード表示P840において「4連続バトル」演出であることを示す「連続バトル」の演出モードタイトルを表示させており、残り遊技回数表示P841として、現在3回目の「バトル演出」が実行されており、遊技者に間接的に残り2回の「バトル演出」(3回目を含む)と「ファイナルチャンス」が残っていることを示唆している。
画面右下には、保留表示領域P811に2個の保留オブジェクトP811が表示されており、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個獲得されている状態であることを示している。
「バトル演出」の画面中央には、キャラクタが対峙している画像が表示されており、右側に配置された遊技者側キャラクタが、左側の敵キャラクタを打ち倒すことができるか否かによって、普通図柄抽選の結果が「当り」であるか「はずれ」であるかを報知する。
画面右上には、簡易装図P802が表示されており、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pでは装飾図柄として簡易装図P802にて普通図柄抽選の結果を表示している。簡易装図P802は、普通図柄抽選の結果を報知するものであり、「当り」である場合にぞろ目で停止表示させると、その時点で大当りを獲得したと錯覚してしまう虞があるため、例えば「3V3」など中央に「V」図柄が停止表示した態様で普通図柄抽選の結果が「当り」であることを報知するように構成してもよい。また、「4連続バトル」演出中は、第1特別図柄のはずれ変動であるため、第1特別図柄の特別図柄抽選の結果について装飾図柄での報知を行っていないが、特別図柄抽選用の簡易装図P802を別途容易して表示を行うものであってもよい。
普通図柄の簡易装図P802の下方には、打ち分け報知P830として右打ち報知P832が表示されている。「長時間チャンス状態」および「短時間チャンス状態」では、第1特別図柄のはずれ変動の変動表示期間中の限られた時間に作動口P741へ入球させて普通図柄抽選を受ける必要があるため、普通図柄抽選を設計の意図通りの回数受けられずに特定期間が経過してしまうことを防止するため、特別図柄の変動表示期間中に普通図柄の変動に関する制御または普通電動役物770の作動に関する制御が行われなくなった場合、3秒程度の比較的短い時間後に右打ち報知P832を強調する態様に切り替えて、遊技者に遊技球を右側領域P501Rに発射させ、作動口P741へ入球させることを促す報知を行うようにしてもよい。
「バトル演出」において、遊技者側キャラクタが勝利すると、図37に示すように「普通電動役物開放演出」が行われる。「普通電動役物開放演出」では、第2始動入賞口P721を模した画像と、「狙って」の文字列等を表示して、第2始動入賞口P721に向けて遊技球を発射させることを促す演出が行われる。普通電動役物770は、「第2始動入賞口P721に対する1球の遊技球の入球」または「所定時間の作動期間の経過」を終了条件としているため、第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、「普通電動役物開放演出」において、普通電動役物の作動期間と略対応するインジケータ表示(発射推奨期間表示)を第2始動入賞口P721を模した画像の下方に表示し、遊技者に第2始動入賞口P721に入球可能となっている期間を示している。
なお「普通電動役物開放演出」は、遊技球の発射から第2始動入賞口P721に到達するまでの時間を考慮して、普通図柄の当り変動中や普通図柄の当り図柄の図柄固定時間など、普通電動役物770の作動前から行われるように構成してもよい。
以上のように構成される第2-1実施例のぱちんこ遊技機によれば、特定遊技において大当り(小当りV)が確定的となる第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能となる特定期間の継続時間の長さを、特定遊技の開始直前に実行されていた大当り(小当りV)を実行することとなった特別図柄の種類によって異ならせることができ、第2実施例のぱちんこ遊技機のように、短期間に大量の遊技球を獲得できる間隔を与える遊技機を提供するとともに、特定期間の継続の長短による連荘への期待感、遊技球の獲得への期待感が異なる特定遊技を提供でき、特定遊技における遊技の興趣性を高めたぱちんこ遊技機を提供できるという効果を奏する。
(第2-1実施例のぱちんこ遊技機の変形例1)
前述の第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、「短時間チャンス状態」および「長時間チャンス状態」において、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り変動ないし小当り変動を1秒間とすることで、特定期間を発生させないように構成したが、(ア)一部の特別図柄の図柄種類にて実行される大当り遊技(小当りV)の後には、大当り変動であっても特定期間(例えば5分)を発生させ得るよう、大当り変動時間が設定される大当り図柄を有するように構成したり、(イ)「短期間チャンス状態」および「長時間チャンス状態」における特別図柄抽選が大当りまたは小当りであるときの変動パターン抽選において数%の確率で変動時間が5分となるように決定するように構成したりすることで、「短時間チャンス状態」または「長時間チャンス状態」において大当り変動(または小当り変動)中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な「特別チャンス状態」を別途設けるように構成してもよい。
このような「特別チャンス状態」では、開始時に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を有している場合には、「再チャージチャンス」として、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がある旨を報知しながら「4連続バトル演出」を再開するものとしてもよく、また、開始時に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がない場合には、「4連続バトル演出」の最終バトル時点で第2特別図柄の保留がない場合には復活演出として大当り(小当りV)の発生を報知し、「特別チャンス状態」中に第2特別図柄の保留ができた場合には、最終バトル後に「STOCK-BONUS」にて実行される大当り遊技(小当りV)が追加されるような演出表示を行うように構成してもよい。
また、「特別チャンス状態」を(ア)一部の特別図柄の図柄種類にて実行される大当り遊技(小当りV)を契機とする場合には、他の変形例として、対象の特別図柄の図柄種類を契機とする大当り遊技(小当りV)、または対象ではない大当り(小当り)の一部(ガセ)において、「STOCK-BONUS」の演出として特殊バトル演出を発生させ、特殊バトルに遊技者側キャラクタが勝利する成功態様が表示された場合に「特別チャンス状態」の発生を報知するように構成してもよい。
(第2-1実施例のぱちんこ遊技機の変形例2)
第2-1実施例のぱちんこ遊技機では、特定期間がN分継続する場合に、N回の普通図柄抽選(1分/回)が実行されることを想定して設計されているが、特定遊技に移行した後、第1特別図柄が変動を開始し、その後に作動口P741へ入球があって普通図柄抽選が行われるまでの時間が発生したり、特定期間中に普通図柄の変動表示が行われない期間が継続した場合などを原因として、遊技者がN回の普通図柄抽選を受けられない虞を考慮し、特定期間である第1特別図柄のはずれ変動の時間をN分+X秒としたり、第1特別図柄のN秒の変動表示後の図柄固定時間をX秒としたりすることで、遊技者が普通図柄抽選の権利を失わないための保証時間「X秒」を設けるように構成してもよい。
このように保証時間を設ける場合には、N回の普通図柄抽選結果の報知の後、大当り(小当り)遊技が開始されるまでの時間、または通常遊技に復帰するまでの時間として保証時間「X秒」の残り時間を待機する必要が発生するが、これらの期間には、大当り(小当り)に移行する場合「STOCK-BONUS実行待機中」と表示し、通常遊技に復帰する場合には、連荘によって獲得できた総獲得出玉数を報知する「リザルト演出」を実行するように構成してもよい。
また、N回の普通図柄抽選を遊技者が受けるために、保証時間「X秒」の残り時間が少なくなるにつれて、注意喚起を行うように構成してもよい。注意喚起の演出としては右打ち報知P832を強調態様に替えるとともに、「右打ちしないとバトルの権利が失われます!!」との注意喚起の表示や音声報知を行ってもよい。保証時間「X秒」は、第1特別図柄のはずれ変動の開始後(特定期間の開始後)から普通図柄抽選が行われるまでの期間および、以降の普通図柄または普通電動役物に関する制御が停止している期間計時され、「X秒」経過した場合、新たに「1分」(普通図柄抽選の変動表示および普通電動役物作動に関する1サイクルの時間に対応)が保証時間として設定され、同様の制御を繰り返すように構成する。
[第2-2実施例]
次に、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関する2つ目の応用例(第2-2実施例)について、図38~図41を用いて説明を行う。図38は、第2-2実施例のゲームフローを示す図であり、図39は、第2-2実施例のチャンスタイム中の演出例を示す図であり、図40は、第2-2実施例のチャンスタイム中の他の演出例を示す図であり、図41は、第2-2実施例のスーパーチャンスタイム中の演出例を示す図である。
第2-2実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、第1の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間であり、簡略的に、「第1特定期間」ということもある)である「チャンスタイム」の実行中において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が所定条件(第2-2実施例では第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数が2個以上となること)が満たされたされた場合に、次回発生する第2の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすい状態であり、簡略的に、「第2特定期間」ということもある)が第1の特定期間より有利な状態となる権利が付与されるよう制御することで、遊技者に特定期間中の遊技結果(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得個数)によって、さらなる有利状態へと移行可能となるか否かに注目させ、遊技の興趣性を高めることを可能としている。
以下、第2-2実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例や第2-1実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
最初に、図38を参照しながら、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、ゲームフロー(遊技状態の遷移)に関して説明を行う。なお、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pも第2実施例、第2-1実施例のぱちんこ遊技機Pと同様、第2特別図柄優先消化制御を採用している。
通常遊技(低確率/低ベース)は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501における左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口711Aに遊技球を入球させることにより、第1特別図柄の特別図柄抽選を実行させ、「大当り(特図1)」を獲得する(図38(A))ことを目指す遊技状態である。
「大当り(特図1)」が実行されると、「チャンスタイム」が開始される(図38(B))。「チャンスタイム」は、低確率/高ベース状態(電サポ1回)の遊技状態であり、第2実施例および第2-1実施例のぱちんこ遊技機と同様に、第1特別図柄のはずれ変動となる期間(80秒)に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な特定期間が発生する遊技状態である。
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、「チャンスタイム」は、第1特別図柄の80秒のはずれ変動にて構成されている。この間、遊技領域P501の右側領域P501Rに配置された作動口P741へ遊技球を入球させることにより、普通図柄抽選(当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒)を受けることが可能であり、「チャンスタイム」中に8回の普通図柄抽選を行うことで、後述する第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく小当りV/大当り遊技である「STOCK-BONUS」の実行権利の獲得を目指す遊技状態である。すなわち、この80秒の特定期間では、上述のように、当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒の普通図柄抽選を、8回受けることができるということとなる。
「チャンスタイム」において、上述の1/9.99の確率の普通図柄抽選に当選して、入球容易状態のP721に遊技球が入球することで、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を少なくとも1個以上獲得し、再度「チャンスタイム」ないし後述する「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得できる確率(継続率)は、「チャンスタイム」の実行権利の獲得の確率が56.9%(換言すれば、1/9.99の確率の当たりを8回(80秒/変動時間10秒)のうちに1回得られる期待値)、「スーパーチャンスタイム」の実行権利の獲得の確率が19%(換言すれば、1/9.99の確率の当たりを8回(80秒/変動時間10秒)のうちに2回以上得られる期待値)となっている。「チャンスタイム」において第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合は、通常遊技へと復帰する(図38(I))。
「チャンスタイム」における特定期間経過後は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が1個の場合、「STOCK-BONUS」(第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく小当りV/大当り遊技)へ移行し(図38(D))、「STOCK-BONUS」の終了後に「チャンスタイム」へ移行する(図38(E))。
また、「チャンスタイム」では、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を2個以上獲得すると、「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得することができる。「スーパーチャンスタイム」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個である時に変動を開始した第2特別図柄の小当り変動または大当り変動が実行されている期間であり、170秒間の特別図柄の変動表示期間である特定期間が発生する。すなわち、170秒間の特定期間では、上述のように、当り確率1/9.99、1回当りの変動時間10秒の普通図柄抽選を、17回受けることができるということとなる。
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「スーパーチャンスタイム」の実行期間である、第2特別図柄の小当り変動または大当り変動期間である特定期間においても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能となる。「スーパーチャンスタイム」(170秒)は、「チャンスタイム」(80秒)における特定期間よりも長い期間が設定されているため、実行可能な普通図柄抽選の回数が多く、より第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得する可能性が高まっている状態であるといえる。
「スーパーチャンスタイム」においては、普通図柄抽選の実行回数が17回程度となっており、およそ83.3%の確率で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能であり、再度「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得可能となっている。「スーパーチャンスタイム」にて第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合、「スーパーチャンスタイム」の終了後に「STOCK-BONUS」へ移行し(図38(G))、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合には、「SUPER_STOCK-BONUS」へと移行する(図38(F))。「SUPER_STOCK-BONUS」の実行後は、「スーパーチャンスタイム」のへと復帰する(図38(H))。
「スーパーチャンスタイム」の後に実行される「STOCK-BONUS」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が0個になるまで繰り返され(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動が1秒となるため内部的に「チャンスタイム」と同じ状態であっても80秒の特定期間が発生しない)、「スーパーチャンスタイム」の後に実行される「SUPER_STOCK-BONUS」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個になるまで繰り返し実行される(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動が1秒となるため内部的に「スーパーチャンスタイム」と同じ状態であっても170秒の特定期間が発生しない)。
なお、「チャンスタイム」中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を2個獲得した場合は、「チャンスタイム」である第1特別図柄の特別図柄抽選に基づく80秒のはずれ変動の終了後において、「スーパーチャンスタイム」が開始されることとなっている。すなわち、第2特別図柄の変動表示期間は、遊技状態であるベース状態、言い換えると特別図柄の変動時間短縮機能(時短状態)の作動の有無に関わらず、保留数によって特別図柄の変動表示時間が決定され、第2特別図柄の特別図柄抽選に際し、保留数が2個である場合は170秒の変動表示期間が選択され、その他の保留数である場合には1秒の変動時間が選択されるようになっている。
また、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、最も遊技者に有利な状態である「スーパーチャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が獲得できなかった場合でも、一旦「STOCK-BONUS」が実行されたのち、「チャンスタイム」が開始されることとなるので、最も有利な状態から通常遊技に移行するまで、2段構え構成となっており、最も有利な状態である「スーパーチャンスタイム」が終わってしまった場合であっても、遊技者に「まだチャンスがある」と思わせることができ、遊技意欲の減衰を抑えることができるゲームフローとなっている。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例)
続いて、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおける「チャンスタイム」、「スーパーチャンスタイム」の演出例を図39~図41を用いて説明を行う。
《第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのチャンスタイムの演出例》
図39は、「大当り(特図1)」の後のチャンスタイムにおける演出表示例を示している。画面上部には、演出モード表示P840(「チャンスタイム」の文字列)と、残り遊技回数表示P841(「あと54秒」の文字列)が表示されている。なお、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、特定期間が特別図柄の変動表示期間であるため、残り遊技回数表示P841として、特別図柄の「残り変動時間」(または、特別図柄の変動表示が終了して電チューサポート状態が終了するまでの残り時間)が表示されている。
画面右下には保留表示領域P810が表示されており、図39の実施例では第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無く、保留オブジェクトP811(図36参照)は表示されておらず、画面左側中央の簡易保留表示P814においても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数は「0」が表示されている。
画面左下には累計獲得数表示P824(「Total_00600pt」の表示)および、大当りアイコン表示P821(アイコン「V」と個数を示す「×1」の表示)が表示され、図39に表示されている時点の遊技における獲得出玉および大当り遊技(小当りV)の回数を示している。
そして、画面中央には装飾図柄P801の変動表示としてキャラクタが付された「7」図柄が右列、中列にて停止(仮停止)表示されている状況が示されており、左図柄が変動表示中であることが示されている。ここで、装飾図柄P801は、普通図柄抽選の抽選結果を報知するものであり、3つの7図柄がぞろ目で表示される態様や、他の特別な装飾図柄が表示されることによって普通図柄抽選の結果として「当り」を報知するように構成されている。
図39の例では、1の装飾図柄P801(左列の装飾図柄)が未停止の状況であり、演出ボタンP381を模した画像とともに「『7(画像)』狙え」の表示がなされ、遊技者に演出ボタンP381を操作させることで、装飾図柄P801の「7」図柄が3つ揃うか(当り)、あるいは左図柄に「7」図柄以外の装飾図柄P801が停止表示されるか(はずれ)の報知を行うボタン演出が実行されている。なお、演出ボタンが表示されてから、所定時間経過した場合(遊技者が所定時間演出ボタンを押さなかった場合)においても、7揃いorテンパイ外れといった最終表示予定の画像を表示する。
なお、図39に示した演出例に限らず、「チャンスタイム」中において普通図柄抽選の結果を報知する演出として、例えば、装飾図柄P801の変動表示を伴わずに、キャラクタを用いた演出(例えばバトル演出)を実行し、成功態様(バトル勝利)が表示されることで普通図柄抽選が当りとなることを報知してもよい。
図40は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの「チャンスタイム」の他の演出例を示す図である。より具体的には、「チャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を1個獲得し(図40では画面右下の保留表示領域P810に保留オブジェクトP811が1つ表示されている)、少なくとも「STOCK-BONUS」が実行され再度「チャンスタイム」への突入が確定した状況下、すなわち連荘が確定した状況下で表示される演出表示の例である。
図40の例では、演出モード表示P840が「昇格チャンス」へと切り替わっており、「昇格チャンス」の文字列の下方に「封印を破壊しろ!!」という指令態様のメッセージが表示されている。画面中央には、重火器を持ったキャラクタが表示され、当キャラクタが演出として求められている「封印を破壊すること」に成功することによって普通図柄抽選の結果が当りとなることを報知する態様となることが示唆されている。すなわち、「チャンスタイム」の状況下において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が獲得される前後において、普通図柄抽選の結果を報知する演出の傾向や演出モードが切り替わるように構成している。
「チャンスタイム」の途中で演出態様を切り替える理由として、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのでは、「チャンスタイム」の実行中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生していない場合、遊技者は有利な状態が継続するか否か(再び「チャンスタイム」に突入する権利を獲得できるかどうか)に注目しており、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した後は、「スーパーチャンスタイム」の実行の権利である2個目の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生するかどうかに関心が集まるため、それらの遊技者の異なる関心事に対して、最適となる演出を表示することで興趣性を高める効果が期待できるからである。
図40の例では、重火器を持ったキャラクタを用いた演出例を示しているが、他のキャラクタによる演出を行ってもよいし、普通図柄抽選が実行される毎に異なる演出を行い普通図柄抽選の結果を示してもよい。また、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した後においても、図39に示したような第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生する前と共通の演出表示を実行可能とするように構成してもよい。
なお、図示はしていないが、図40に示す状況下でさらに第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得し、2個以上の大当り遊技(小当りV)の権利を獲得した場合に、さらに異なる演出の傾向、演出モードにて演出決定される状態に変更するように構成してもよい。
《第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pのスーパーチャンスタイムの演出例》
図41は、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて実行されるスーパーチャンスタイムの演出例を示している。
図41の例では、「スーパーチャンスタイム」の演出として、図39に示す「チャンスタイム」と略同等の演出表示がされる例を示している。相違するポイントとして、最も有利な状態に制御している状況下であることを祝福するため、普通図柄抽選の抽選結果を報知するための装飾図柄P801の変動表示の表示領域を変更し、背景に演出画像としてアニメーションが表示されている点が相違している。なお、図41の例では背景のアニメーションは普通図柄抽選の結果に関係が無い画像が表示されるものとしているが、装飾図柄P801の変動表示が当り結果を報知する態様となる期待度を報知するため、背景のアニメーション画像に重ねて表示される予告画像(ミニキャラアクション、装飾図柄P801の変動表示に対する効果演出の追加など)が表示される場合を有している。
「スーパーチャンスタイム」の実行中に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が4個となった場合、第2始動入賞口P721に対する入球は新たな大当り遊技(小当りV)の権利の獲得とならないことから、普通図柄抽選の結果を報知するための装飾図柄P801の変動表示を非表示としたり、さらに小さな表示領域に表示するように変更してもよい。このように装飾図柄P801の変動表示の視認性を低下させることで、背景のアニメーション表示の視認性をより高めるように構成してもよい。
また、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「スーパーチャンスタイム」中の背景のアニメーションは、スーパーチャンスタイムの実行回数(または連続回数)に応じて、10程度のアニメーションが順番に表示されるように構成されている。そして、特定回数(例えば5回や10回)の「スーパーチャンスタイム」が実行された場合の状況下で、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した場合、「SUPER_STOCK-BONUS」において実行される大当り遊技(小当りV)の演出として、特別な演出(例えば直前の「スーパーチャンスタイム」において表示されていたアニメーションと関連性がある演出表示)が実行されるように構成してもよい。
なお、特定回数目となる「スーパーチャンスタイム」において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、「STOCK-BONUS」の後、「チャンスタイム」となるが、再度「スーパーチャンスタイム」の実行権利を獲得した場合、再び前回の特定回数目と同じ背景のアニメーションが表示(区切り演出)されるように構成され、区切り演出が実行される「スーパーチャンスタイム」の実行時においては、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなければ、「スーパーチャンスタイム」における背景のアニメーションが進行しないように構成してもよい。
また、図41に示したような演出表示態様に限らず、「スーパーチャンスタイム」において、図39、図40に示したような「チャンスタイム」のように普通図柄抽選の結果を報知する予告演出などに注目させる演出態様を実行可能としてもよいし、このような「チャンスタイム」と同様の演出態様または前述の背景のアニメーションを主体とした演出態様など複数の演出態様のいずれかを遊技者の任意に選択可能に構成してもよい。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機の変形例1)
続いて、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pに関する変形例について説明を行う。まず、1つ目の変形例として、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定期間として有利度合いの異なる特定期間を2つとしていたが、3つや4つなどさらに増加させる変形例が考えられる。
より具体的には、第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pの変形例1として、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示の決定に際し、保留数が2個の時の変動に限らず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が3個、4個の時にも特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間)を発生可能となるよう第2特別図柄の特別図柄抽選に係る変動表示の時間(変動パターン)の決定を行うように制御することが考えられる。
このとき、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数が多ければ多いほど特定期間が長くなるように構成してもよいし(例えば、保留数2個のとき40秒、保留数3個のとき50秒、保留数4個のとき60秒の変動パターンを決定する)、反対に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が多い時の方が特定期間が短くなるように構成してもよい(例えば、保留数2個の時100秒、保留数3個のとき20秒、保留数4個のとき10秒)。
(第2-2実施例のぱちんこ遊技機の変形例2)
第2-2実施例のぱちんこ遊技機Pでは、前述したように、第2の特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個であるときの第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく大当り(小当りV)の変動表示期間)は、遊技状態(高ベース状態または低ベース状態)に依存せず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数に依存して決定される変動パターン抽選テーブルによって決定される変動パターン(変動時間)によって行われるものであることを説明したが、「第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数および遊技状態が高ベース状態」である時を条件として参照される変動パターン抽選テーブルで決定される変動パターンにて第2の特定期間を発生させるように構成してもよい。
このように構成することによって、第1の特定期間(高ベース状態の第1特別図柄のはずれ変動)の期間において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留数が第2の特定期間を発生させる条件の個数と一致した場合であっても、第1期間の終了時には遊技状態が低ベース状態へと移行し、第2特定期間を発生させるための条件の1つを満たさなくなることから、第1特定期間の終了後は必ず大当り遊技(小当りV)へ移行させることができるようになり、第2の特定期間は必ず大当り遊技(小当りV)の後に実行させるように制御することが可能となる。
このとき、第2の特定期間の実行権利を獲得するためには、第1の特定期間で、大当り遊技(小当りV)の実行後に第2の特定期間を発生させるための条件+1個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しなければいけなくなるが、前述したように第1の特定期間の終了後、第2の特定期間の終了後には必ず大当り(小当りV)へ移行し、第1の特定期間および第2の特定期間の開始も必ず大当り(小当りV)の実行後であるように構成させることができ、遊技者にとっても理解しやすい遊技状態の遷移とすることができる。
[第2-3実施例]
第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、3つ目の応用例(第2-3実施例)を図42~図43を用いて説明を行う。図42は、第2-3実施例のゲームフローを示す図であり、図43は、第2-3実施例の大当り(小当り)図柄の振り分け比率を示す図である。
第2-3実施例の特徴点は、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに対し、特定遊技(高ベース状態)に移行する直前の大当り遊技(小当りV)を実行する契機となった特別図柄の種類(大当り図柄、小当り図柄)によって、普通図柄抽選に係る制御の異なる複数の高ベース状態(電サポモード)のいずれかが設定されることによって、特定遊技における特定期間(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得可能な期間)での第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得容易性を異ならせるように構成でき、特定期間での遊技性能(普通図柄抽選に係る制御)の相違により特定遊技の興趣性を高めることにある。
より具体的には、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、特定期間における普通図柄抽選に係る制御が異なる高ベース状態(電サポモード)の種類として、普通図柄抽選が「当り」となる確率が1/1(100%)である「電サポモード1」と、普通図柄抽選が「当り」となる確率が1/10(10%)である「電サポモード2」とによって構成され、さらに「電サポモード2」に制御する場合においては、高ベース状態に維持する遊技回数が1~3回のいずれかとなるように構成されている。
すなわち、「電サポモード1」に制御される場合には、設計の意図通り遊技を行うことにより、必ず4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得でき、「電サポモード2」に制御される場合には、特定遊技の継続(連荘)を期待して普通図柄抽選を受ける遊技を展開することとなる。
以下、第2-3実施例に関し、その詳細を説明する。なお、遊技機の盤面構成(入賞装置の配置等)に関して、第2実施例や第2-1実施例、第2-2実施例と同様のものとして説明を行うが、以下に説明する遊技を構成できるものであれば、適宜変更は可能である。
(ゲームフロー)
図42は、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフローを示す図である。図42の「通常遊技(低確率/低ベース状態)」において、遊技者は、遊技領域P501の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711Aに遊技球を入球させ、第1特別図柄の特別図柄抽選を受けることで、「大当り(特図1)」の実行権利の獲得を目指す(図42(A))。
「大当り(特図1)」が開始されると、遊技者は、遊技領域P501の右側領域P501Rに遊技球を発射させ、大入賞口P751へ遊技球を入球させ、賞球により遊技球の獲得を行う。このとき、第2実施例、第2-1実施例、第2-2実施例同様、大当り遊技中に大入賞口P751を狙って発射を行うと、第1始動入賞口P711Bに対しても入球が発生し、大当り遊技(小当りV)中に少なくとも1個の第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生することとなる。「大当り(特図1)」の後は、図42に示すように「STOCK-TIME1」へ移行する(図42(B))。
「STOCK-TIME1」は、低確率/高ベース状態(電チューサポート状態)となる特定遊技であり、「大当り(特図1)」の実行契機となった図柄に基づいて、普通図柄抽選の当りとなる確率が異なる2つの高ベース状態(電サポモード)のいずれかに制御するとともに、「大当り(特図1)」の実行契機となった図柄に基づいて、大当り遊技(小当りV)が実行されない場合に高ベース状態に維持する特別図柄の変動表示回数も1~3回のいずれかに制御する。
「STOCK-TIME1」の遊技状態の具体例を、図43に示す。図43に示す第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pの大当り遊技(小当りV)図柄の振り分けにおいて、「図柄(群)」の名称が「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」である大当り図柄(群)が「STOCK-TIME1」に制御することとなる大当り図柄である。
ここで、図43の「選択確率」は、大当り図柄として「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」のいずれかに含まれる大当り図柄が、特別図柄の大当り図柄抽選にて決定される確率を示しており、「電サポ回数」は、「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」の各大当り遊技の後に設定される高ベース状態に維持する遊技回数を示している。
図43の「普通図柄確率」は、「特図1_大当り図柄A」~「特図1_大当り図柄D」の後に制御される特定遊技(高ベース状態)において普通図柄抽選が「当り」となる確率を示しており、普通図柄確率が1/1となる高ベース状態を「電サポモード1」とし、普通図柄確率が1/10となる高ベース状態を「電サポモード2」としている。
なお、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、高ベース状態における第1特別図柄の特別図柄抽選に基づくはずれ変動の変動時間は30秒となっており、普通図柄抽選に基づく普通図柄の変動時間は1変動あたり4秒程度となっている。すなわち、高ベース状態(電サポ状態)における第1特別図柄のはずれ変動が1回行われる間に約7回の普通図柄変動が実行され、高ベース状態の継続期間が特別図柄の変動表示2回または3回となる場合は、普通図柄抽選の最大実行可能回数が約14回、約21回と増加していく。
図43の「継続率」は、特定期間(高ベース状態における第1特別図柄のはずれ変動の合計期間)において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できる確率(期待度)を示しており、表記されている継続率(確率)にて特定遊技(STOCK-TIME2)の実行権利を獲得することを示している。
なお、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態に維持する回数が複数回となる場合(電サポ回数が2回、3回となる場合)があるが、1回目ないし2回目の特定期間である第1特別図柄のはずれ変動の実行中に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合は、第2特別図柄優先消化制御により2回目ないし3回目の特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が実行されることなく、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る特別図柄抽選により大当り遊技(小当りV)が実行されることとなる。
すなわち、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「電サポモード1」に制御される特定遊技では、短時間(30秒)で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が4個獲得可能である一方、「電サポモード2」に制御される場合には、電サポ回数が多くなる場合であっても、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した特定期間(第1特別図柄のはずれ変動)が終了した瞬間に、新たな第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できる特定期間の実行がキャンセルされることとなるため、「電サポモード2」に制御される場合には複数個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得は稀な事象となっている。
図42に戻り、遊技状態(ゲームフロー)の説明の続きを行う。「STOCK-TIME1」において、「大当り(特図1)」の実行契機となった大当り図柄に基づく、規定回数(電サポ回数)の遊技回数が消化される前に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できた場合には、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行される(図42(C))。一方「STOCK-TIME1」にて、第1特別図柄の特別図柄抽選により規定回数(電サポ回数)の遊技回数が消化される前に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合には、「通常遊技」に復帰する(図42(D))。
「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」は、「STOCK-TIME1」または「STOCK-TIME2」にて獲得した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無くなるまで、大当り遊技(小当りV)を繰り返し実行するよう制御され、全ての第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行されたのち「STOCK-TIME2」へ移行する(図42(E))。
なお、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行される毎に、内部的に「STOCK-TIME2」が実行されているが、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に基づく第2特別図柄の大当り(小当り)変動は、1秒程度の短時間の変動にて終了するため、全ての第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が無くなり、第1特別図柄の特別図柄抽選に基づくはずれ変動が実行されるまで、特定期間は発生せず、普通電動役物770が入球容易な態様で開放されることは無い。
「STOCK-TIME2」は、第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく大当り遊技(小当りV)の後に移行する特定遊技であり、図43に示すように3種類の遊技状態を有する。「STOCK-TIME2」は「STOCK-TIME1」同様に、高ベース状態の種類である「電サポモード1」、「電サポモード2」と、高ベース状態に維持する遊技回数(電サポ回数)の組み合わせにて構成されており、遊技の仕組みとしての相違はない。しかし、「特図2_大当り/小当り図柄A」~「特図2_大当り/小当り図柄C」の大当り遊技(小当りV)の後に移行する「STOCK-TIME2」の方が、普通図柄抽選にて「当り」となる普通図柄確率が1/1である「電サポモード1」に制御される振り分け頻度が高くなっており、4回の大当り遊技(小当りV)の「STOCK-BONUS」が実行される可能性が高く、短時間で大量の出玉を獲得しやすい遊技状態となっている。
また、「STOCK-TIME2」は、普図図柄確率1/10である「電サポモード2」となる場合であっても、特定遊技における電サポ回数が最低2回となるように構成されており、「STOCK-TIME1」が「電サポモード2」で実行される場合の電サポ回数の最低回数1回よりも多くなっており、特定遊技の継続(連荘)の期待度も高く設定されている。
「STOCK-TIME2」では、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得した場合に、「大当り(特図2)『STOCK-BONUS』」が実行され(図42(F))、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できなかった場合に「通常遊技」へと復帰する(図42(G))。
(第2-3実施例のぱちんこ遊技機の変形例)
続いて、第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pの変形例について説明する。第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態における普通図柄抽選に係る制御が異なる状態として、普通図柄抽選にて「当り」となる確率である「普通図柄確率」が異なる「電サポモード1」および「電サポモード2」について説明したが、「電サポモード」の種類は、2つに限らず、さらに異なる「普通図柄確率」を有する「電サポモード3」、「電サポモード4」などを設定可能としてもよい。
また、「電サポモード」の種類を異ならせる手法として、「普通図柄確率」ではなく、「普通図柄の変動時間短縮機能(普通図柄時短)」の種類を異ならせ、普通図柄の1変動あたりの変動時間が4秒ではなく、1変動あたり2秒とする場合や、1変動あたり8秒とする場合を設けてもよいし、多様な普通図柄の変動時間を決定可能として平均して4秒となるような場合を設けてもよい。「普通図柄時短」によって、異なる「電サポモード」を実行可能とすることにより、特定期間における普通図柄抽選の実行回数を異ならせることができ、より短時間に普通図柄抽選が実行可能であるほど、高い継続率を期待できる遊技状態として送出できる。また、「電サポモード」は「普通図柄確率」および「普通図柄時短」の種類を組み合わせて異なる仕様として構成してもよい。
以上、第2実施例のぱちんこ遊技機Pに関し、その応用例として第2-1実施例から第2-3実施例をそれぞれ説明した。これらの応用例である第2-1実施例から第2-3実施例のぱちんこ遊技機Pおよびその変形例は、それぞれ独立した技術として実施可能でもあるが、適宜それぞれに開示された技術を組み合わせて実施することも可能である。
また、第2実施例および第2実施例の応用例は、普通図柄抽選の「当り」がすなわち第2始動入賞口P721に入球容易な状態の発生、そして第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得である実施態様にて説明したが、第2実施例および第2実施例の応用例に対する変形例として、普通図柄抽選の「当り」が第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り遊技(小当りV)の実行権利)の獲得とならないように以下のように変形例を構成することも可能である。
第2実施例および第2実施例の応用例において、普通図柄抽選の「当り」が第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(大当り遊技(小当りV)の実行権利)の獲得とならない変形例を実行する方法の一例として、普通電動役物770に係る入賞装置の内部に2つの流路に遊技球を振り分ける振り分け装置(可動弁部材など)を設け、一方の流路を一般入賞口P731に遊技球を誘導する流路で構成し、他方を第2始動入賞口P721に遊技球を誘導する流路で構成する盤面構成を採用する手法が考えられる。
このとき、普通図柄抽選における普通図柄の当り図柄抽選や、「電サポモード」の種類などによって、普通電動役物770に係る入賞装置の内部の振り分け装置の動作パターンを異ならせて、普通図柄抽選にて「当り」となったときの第2始動入賞口P721に対する入賞確率が異なる状態を作るようにする。具体例としては、「普通図柄_当り図柄A」では第2始動入賞口P721に対する入賞確率が100%となるように普通電動役物770および入賞装置の内部の振り分け装置の動作パターンを設定し、「普通図柄_当り図柄B」では、第2始動入賞口P721に対する入賞確率を50%、「普通図柄_当り図柄C」では第2始動入賞口P721に対する入賞確率を10%(0%でもよい)とするように構成する例が挙げられる。
このように構成した第2実施例および第2実施例の応用例では、特定期間の実行中において、普通図柄抽選で「当り」に当選した場合には、「普通電動役物開放演出」を実行し、普通電動役物770に遊技球を入球させるように促し、遊技者が普通電動役物770に係る入賞装置に遊技球を入球させた場合に、一般入賞口P731または第2始動入賞口P721のいずれに入球したかに関わらず、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生したかどうかに係る期待度を上昇させるように報知(エフェクト効果の色が「青」⇒「緑」⇒「赤」⇒「金」⇒「虹(4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留獲得の確定)」にステップアップする演出など)を行うように構成し、特定期間の終了するタイミングで遊技結果として第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得数を報知するように構成してもよい(例えば特定期間の満了時の特別図柄の図柄固定時間にボタン演出を実行し、ボタン操作にて第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の獲得数として「V×○個」との表示を行う演出など)。
このように構成する場合は、特別図柄抽選に係る保留数の表示(保留表示領域P810による表示、簡易保留表示P814)を行わないようにすることが好ましい。また、このような変形例を採用することで、普通図柄が当りである場合でも必ず第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生するわけではないことから、普通電動役物770が開くこととなる状況を多く送出することができ、特定期間において普通図柄抽選の当り頻度を高めて演出的な変化が多い第2実施例および第2実施例の応用例の変形例であるぱちんこ遊技機Pが提供可能となる。
(特別図柄の作動回数を契機とした変動時間短縮機能の作動「救済機能」)
特別図柄の作動回数を契機とした変動時間短縮機能の作動「救済機能」、低ベース状態(いわゆる「通常遊技」)において、予め定められた遊技回数の特別図柄の変動表示が実行された場合に、高ベース状態(電チューサポート機能の作動状態))を発生させる機能である。
より具体的には、低ベース状態に移行後(RAMクリア直後や高ベース状態での遊技終了条件成立後、低ベース状態に移行することとなる特別遊技の実行後)において、予め定められた遊技回数となる特別遊技が実行された場合に、高ベース状態を発生させることで、普通電動役物770に係る始動入賞口(第1特別図柄に係る始動入賞口または第2特別図柄に係る始動入賞口)への入賞を容易とし、特別図柄抽選の権利の獲得を容易とし、遊技者が過度に遊技球を消費することを抑制する機能である。
「救済機能」は、予め定められた遊技回数として、複数の遊技回数を設定し、1回目の救済機能の作動時に付与される時短回数(高ベース状態に維持する遊技回数)と、2回目(3回目)に救済機能の作動時に付与される時短回数を異ならせるように構成してもよい。
また、「救済機能」について、予め定められた遊技回数の特別図柄抽選の実行で必ず作動するように構成した場合に、作動する「救済機能」の性能によっては、遊技者に過度な遊技をさせてしまう虞があるため、予め定められた遊技回数の特別図柄抽選が実行された場合に「救済機能」の作動に係る抽選を実行するように構成し、例えば「救済機能」の作動に当選する確率を50%として1/2で「救済機能」が作動するように構成してもよい。
(「時短図柄」による特別図柄の変動時間短縮機能の作動)
前提とするぱちんこ遊技機および本実施例等では、大当り遊技(特別遊技)の実行後に、特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)や電チューサポート機能の作動を行うぱちんこ遊技機Pについて説明した。特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)や電チューサポート機能の作動は、このような特別遊技の実行後のみに限らず、特定の種類の特別図柄(はずれ図柄、小当り図柄)が停止表示された場合であって、大当り遊技が実行されない場合であっても作動を開始させるように構成してもよい。
例えば、第1特別図柄の特別図柄抽選において、当否抽選が「はずれ」である場合の当り図柄抽選(はずれ図柄抽選)にて、1/800で当選する「時短付き_はずれ図柄」に当選した場合に、100回の特別図柄抽選が実行されるまで継続する高ベース状態(時短状態、電チューサポート状態)を発生させるように構成するようにしてもよい。
また、「時短付き_はずれ図柄」に種類を設けて、「時短付き_はずれ図柄」の種類に応じて高ベース状態に維持する遊技回数が異なるように構成してもよい。例えば「時短付き_はずれ図柄A」のとき50回、「時短付き_はずれ図柄B」のとき100回、「時短付き_はずれ図柄C」のとき10000回(※実質的に次回大当り確定)まで、とすることもできる。
特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)、電チューサポート機能に関する「救済機能」、および「時短図柄」は、本実施例に開示された技術および第2実施例および第2実施例の応用例について適用することも可能である。
特に遊技機の仕様(スペック)として小当りVを採用する本実施例や第2実施例および第2実施例応用例に対し、特別図柄の変動時間短縮機能(時短機能)、電チューサポート機能に関する「救済機能」、および「時短図柄」を採用すると、高確率で大当り遊技(小当りV)となる第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得しやすい状況を「通常遊技」において第1特別図柄の特別図柄抽選にて「大当り」とならない場合にも発生可能となり、より効果的に遊技者の遊技球の消費を抑えられる効果が期待できる。
[第3実施例]
第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術および本実施例を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術および本実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。第3実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術または本実施例および第2実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付す。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例および第2実施例と同様「小当りV」を採用するぱちんこ遊技機である。特に、通常遊技である低確率/低ベース状態において、大当り確率よりも当選確率の低い小当りV(特図1)を獲得することが最も有利な状態へ移行するための前提条件となるように設計されていることにより、最も有利な状態への移行条件を難しく設定している一方で、一旦最も有利となる遊技状態(第3実施例のぱちんこ遊技機Pの「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の特定遊技状態)へ移行すると非常に高い確率で小当りV(特図2)または大当り(特図2)を獲得できる仕様となっており、射幸性が高く興趣性のあるゲーム性を提供できるものとなっている。
また、第3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、最も有利となる遊技状態(「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の特定遊技状態)に移行した場合、大当り演出が高ベース状態の3変動以内の小当りV(または大当り)にて継続的に表示されることにより、大当りで獲得可能な遊技球に上限が無いかのように見せる「自力型ランクアップボーナス」演出と、「自力型ランクアップボーナス」を高確率で獲得可能な「継続バトル」演出とが繰り返し実行されることにより、斬新で興趣性の高い演出を遊技者に体感させることができるよう構成されており、以後それらゲーム性および演出の概要の詳細について、図44および図45等を参照しながら説明を行う。
(盤面構成)
第3実施例のぱちんこ遊技機Pの盤面構成(遊技領域の構成)の構成について、第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例のぱちんこ遊技機とほぼ同一の盤面構成にて実施可能である。
(スペック)
続いて第3実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性(スペック)に関する説明する。なお、本説明においては、出玉性能に影響する「設定」(設定値)について、「設定1」に関するスペックについてのみ説明を行うが、他の設定値に関する各種の数値については適宜設定されるものである。
本実施例のぱちんこ遊技機Pは、当否抽選の確率が大当り確率1/185(第1特別図柄、第2特別図柄共通)、小当り確率1/555(第1特別図柄)、小当り確率1/3.7(第2特別図柄)に設定されており、賞球数は、第1始動入賞口(第1始動口)P711が1球、第2始動入賞口(第2始動口)P721が2球、左側一般入賞口P731Lが3球、右側一般入賞口P731Rが3球、大入賞口(アタッカー)P751が11球に設定されている。
また、第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、本実施例と同様に第2特別図柄優先消化制御を採用しており、第1特別図柄と第2特別図柄の双方の保留が存在する場合には、第2特別図柄を優先して変動表示させる。なお、本実施例と同様、ゲーム性を喪失しない場合であれば、第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいても第2特別図柄優先消化制御に限らず、変形例として、第1特別図柄優先消化制御を適用したり、あるいは、先に入球したものから優先して消化する入球順消化制御を適用したりしてもよいことは言うまでもない。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技状態の大当り(小当りV含む)の種類は、2ラウンド大当り(第1特別図柄の大当り)と5ラウンド大当り(第1特別図柄の小当りV、第2特別図柄の大当りまたは小当りV)が設けられている。また、有利な通常遊技状態である特定遊技について第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、確率変動機能は有しておらず、各種大当り(小当りV含む)後に電チューサポート機能(電サポ)機能を作動させることによって特定遊技(高ベース状態)を実行する。
また、後述する詳細な制御例の中で第3実施例のぱちんこ遊技機Pは、特定遊技の期間(高ベース状態)および/または特定遊技終了後の残り保留最大4個の変動表示がされる期間において、予め定められたタイミングで特殊変動パターンテーブル(限定頻度パターンテーブル)を参照し、必要に応じた特別図柄の変動表示時間を確保するための変動パターンが選択されるように構成されているが、特殊変動パターンテーブルを参照するタイミングは、特別遊技の実行終了後における第1特別図柄の変動表示回数と、第2特別図柄の変動表示回数をそれぞれ別個にカウントおよび記憶し、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時に、それぞれに対応して記憶した変動回数の記憶情報が特定の値である場合において、第1特別図柄用の特殊変動パターンテーブルまたは第2特別図柄用の特殊変動パターンテーブルを参照可能としている。
(ゲームフロー)
次に第3実施例のぱちんこ遊技機Pのゲームフローについて、図44を用いながら説明を行う。
最初に遊技者は、通常遊技である低確率/低ベースの状態において遊技を開始する。この時遊技者は、遊技領域の左側(左側領域P501L)へ向けて遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させることで第1特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を発生させ、第1特別図柄の特別図柄抽選を受けることにより小当りV(特図1)又は大当り(特図1)の獲得を目指す。(図44(A)、(C)参照)
図44に示すように、通常遊技(低確率/低ベース状態)において、小当りV(特図1)を獲得すると、小当りV(小当り発展大当り)後に特定遊技(低確率/高ベース状態)である「勝舞魂バトルモード」へ移行し(図44(B)参照)、通常遊技(低確率/低ベース状態)において、大当り(特図1)を獲得すると、大当り遊技後に再度通常遊技(低確率/低ベース状態)へ復帰する(図44(D)参照)。
低確率/高ベース状態である特定遊技の「勝舞魂バトルモード」は電チューサポート機能が作動した状態であり、右側の遊技領域(右側領域P501R)に配された普通電動役物P770に係る第2始動入賞口P721が入球容易となる頻度が高まった状態となる。そのため、遊技者は右側の遊技領域(右側領域P501R)に遊技球を発射する「右打ち」を行い、第2始動入賞口P721へ遊技球を入球させることで、小当り確率が高く設定された第2特別図柄の特別図柄抽選に係る権利(保留)を発生させることで、より簡単に小当りV(または大当り)を獲得可能に構成されている。
低確率/高ベース状態である特定遊技の「勝舞魂バトルモード」は、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が4回行われるまで電チューサポート機能が継続し、4回目の第2特別図柄の変動中に発生している第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する特別図柄抽選の変動表示が終了するまで、すなわち最大合計8回の第2特別図柄の変動表示が終了するまで継続する。
低確率/高ベース状態である特定遊技の「勝舞魂バトルモード」において、小当りV(特図2)または大当り(特図2)を獲得すると、小当りV(小当り発展大当り)または大当り遊技の実行後において、低確率/高ベース状態である特定遊技の「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の状態へと移行する(図44(F)、(G)参照)。一方、「勝舞魂バトルモード」において小当りV(特図2)または大当り(特図2)のいずれも獲得できない場合においては、通常遊技である低確率/低ベースへ復帰する(図44(E)参照)。
低確率/高ベース状態である特定遊技の「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」は、「勝舞魂バトルモード」と同様、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が4回行われるまで電チューサポート機能が継続し、4回目の第2特別図柄の変動中に発生している第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する特別図柄抽選の変動表示が終了するまで、すなわち最大合計8回の第2特別図柄の変動表示が終了するまで継続する遊技状態である。
低確率/高ベース状態である特定遊技の「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」において、小当りV(特図2)または大当り(特図2)を獲得すると、小当りV(小当り発展大当り)または大当り遊技の実行後において、低確率/高ベース状態である特定遊技の「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の状態へと移行する(図44(G)、(H)参照)。一方、「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」において小当りV(特図2)または大当り(特図2)のいずれも獲得できない場合においては、通常遊技である低確率/低ベースへ復帰する(図44(I)参照)。
(演出説明)
次にゲームフローの説明において遊技性の説明を行った特定遊技(低確率/高ベース状態)である「勝舞魂バトルモード」および「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」における演出の概要を説明する。
《勝舞魂バトルモード》
まず、「勝舞魂バトルモード」について説明を行う。ゲームフローにおいて説明したように、「勝舞魂バトルモード」は、高ベース状態における第2特別図柄の4回の変動および高ベース状態の第2特別図柄の4回目の変動終了時に存在する最大4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する最大8変動分の特別図柄の変動表示において実行される演出である。
「勝舞魂バトルモード」に突入する場合、「勝舞魂バトルモード」中に第2特別図柄の特別図柄抽選の結果を報知するために変動パターンを決定するに際しては、特殊変動パターン抽選テーブルA(限定頻度テーブルA)が選択される。特殊変動パターン抽選テーブルAで選択される変動パターンは、例えば、1~3変動目については30秒~40秒程度の変動態様が選択され、4変動目は60秒程度の変動パターンが選択されるようになっている。そして5~8変動目は1秒の変動パターンが選択されるようになっている。なお、1~3変動目、4変動目、5~8変動目を特殊変動パターンテーブルAにて選択するものと説明したが、厳密にはこれらのそれぞれの期間において特殊変動パターンテーブルA-1(1~3変動目)、特殊変動パターンテーブルA-2(4変動目)、特殊変動パターンテーブルA-3(5~8変動目)と、参照する変動パターンテーブルが切り替えられるようになっている。
このように特殊な変動パターン抽選テーブルを使用して決定される特別図柄の変動表示に対応する演出として、本実施例の図30~図32において例示したようなバトル演出が実行されるようになっている。例えば1~3変動目については各変動に対応して、図30に示すような「バトルモード前半」演出が実行され、4変動目~8変動目についてはまとめ変動を実行することにより、図31および図32に示すような「バトルモード最終バトル演出」と類似する演出を実行することが例示できる。
《自力型ランクアップボーナス&継続バトル》
次に「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の演出概要を説明する。
「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」演出は、「自力型ランクアップボーナス」の演出パートと、「継続バトル」の演出パートに分かれて実行される。
より具体的には、図45に示す通り、「自力型ランクアップボーナス」の演出パートは、小当りV(特図2)または大当り(特図2)の実行中の演出表示に連続して、高ベース状態における第2特別図柄の特別図柄抽選の3回の変動表示に対応する期間まで継続する演出状態であり、小当りV(特図2)または大当り(特図2)の実行後、第2特別図柄の特別図柄抽選を3回行うまでに小当りVまたは大当り(特図2)を獲得し続ける限り、大当りが継続しているかのような演出表示を行う。
一方で「継続バトル」演出は、高ベース状態の第2特別図柄の4変動目(最終変動)から、当該最終変動の終了までに発生した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留に対応する変動表示が実行される期間において行われる演出であり、最大5回分の変動表示をまとめ変動として、遊技者側キャラクタと敵側キャラクタがバトルする演出が実行される。演出の表示内容としては、本実施例における「バトルモード最終バトル」演出と同様の演出表示が実行されるものである。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、特徴的な演出となるのは、「自力型ランクアップボーナス」の方であり、こちらを詳細に説明する。
低確率/高ベース状態である特定遊技「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の遊技状態となると、主制御基板P40の主制御CPUにおける第2特別図柄の特別図柄抽選では、特殊変動パターンテーブルB(限定頻度B)を用いて、例えば次に示すように変動態様を決定する。
(1)高ベース状態の第2特別図柄の1回目~3回目の変動表示:5秒の変動パターン(変動時間)が決定される。(特殊変動パターンテーブルB-1にて決定)
(2)高ベース状態の第2特別図柄の4回目の変動表示:60秒の変動パターン(変動時間)が決定される。(特殊変動パターンテーブルB-2にて決定)
(3)高ベース状態の第2特別図柄の5回目~8回目の変動表示:1秒の変動パターン(変動時間)が決定される。(特殊変動パターンテーブルB-3にて決定)
なお、前述した特殊変動パターンテーブルで決定される変動パターン(変動時間)は、いずれの変動表示においても固定時間となっているが、複数種類の変動時間の中から選択可能とし、変動時間に応じて小当りV(特図2)または大当り(特図2)となる期待度が異なるように構成されていてもよい。
「自力型ランクアップボーナス」では、実行中の小当りV(特図2)または大当り(特図2)の演出途中、例えば最終ラウンドである5ラウンド目や大当り終了デモ(小当り発展大当りの終了デモ含む)のタイミングから、高ベース状態における第2特別図柄の特別図柄抽選3回に対応する3回の変動表示の期間にわたって、演出として大当り演出が継続するかどうかを報知する「ランクアップ煽り演出」が実行される。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pでは、小当りV(特図2)または大当り(特図2)は5ラウンドで構成されており、大入賞口の賞球数が11球に設定されることから、1回の小当りV(特図2)または大当り(特図2)によって、約500球の遊技球の増加が期待でき、「ランクアップ煽り」演出にて成功態様の演出が表示される(すなわち、小当りVまたは大当りが確定となる演出が表示される)と、「+500発獲得」と表示され、大当り演出が継続し、終了するとおもわれた小当りV(特図2)または大当り(特図2)が終わらずに継続したかのような演出表示を行う。
「ランクアップ煽り」演出は、大当り演出の最終ラウンドや大当り終了デモの演出期間から開始されてのち、小当りVまたは大当りとなるかどうかの主となる演出表示は高ベース状態における第2特別図柄の1回目から3回目の特別図柄抽選にて決定される変動パターンの変動表示期間に表示され、例えば5秒間の変動表示において演出ボタンP381の操作を促すボタン演出の態様にて実行されたり、変動開始直後にボタン演出を経由せずに演出役物P560が動作して小当り(大当り)となることを報知する演出が実行されたりする態様が例示できる。
第3実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、第2特別図柄の特別図柄抽選において小当りとなる確率が1/3.7に設定されていることから、3回の第2特別図柄の特別図柄抽選において小当りV(特図2)または大当り(特図2)となる確率は62%程度となっており、半分以上の確率で小当りVまたは大当りの獲得出玉が増加しているように演出表示でき、1連の大当り演出の期間で1000発、1500発、2000発、…と大量の遊技球が獲得できているかのような演出表示を行うことが可能となる。
また、「継続バトル」においては、5回の第2特別図柄の特別図柄抽選に対応する演出を1回の変動表示期間(高ベース状態の4回目の第2特別図柄の特別図柄抽選に対応する変動表示期間)において実行することから、遊技者側キャラクタが勝利して連荘状態が継続する(特定遊技「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」に復帰する)確率がおよそ80%と高確率になっており、再び「自力型ランクアップボーナス」に復帰する可能性が高い遊技性となっている。
そのため、第3実施例のぱちんこ遊技機Pによれば、遊技者が一旦「自力型ランクアップボーナス&継続バトル」の特定遊技状態への移行権利を獲得すると、約500発の出玉が62%で連続的に獲得できる状態(「自力型ランクアップボーナス」)が80%の確率でループしているかのような斬新で興趣性が高い演出態様を楽しむことができる。
[第4実施例]
<概要>
まず、第4実施例のゲーム性について簡単に説明する。通常遊技中のゲーム性は本実施例等と略同様であるため説明を省略する。第4実施例では、時短状態(入球容易状態ともいう)において第1特別図柄のはずれ変動が1変動する間に、最大4個の第2特別図柄の保留を獲得し、第1特別図柄の変動終了後(第1特別図柄の変動終了により時短状態も終了する)に、獲得した第2特別図柄の保留によって当り遊技が実行される。第1特別図柄が1変動する間に第2特別図柄の保留を獲得することができるか否かは普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となるか否かによる。なお、普通電動役物がロング開放となると、第2特別図柄の保留を1個獲得することができる。したがって、普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となるか否かを示唆する演出を演出表示装置P80に表示する。第2特別図柄の保留を全て消化すると、再度時短状態となり、第1特別図柄が1変動する間に第2特別図柄の保留を獲得することとなる。普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放とならず、第2特別図柄の保留を獲得できなかった場合に連荘が終了する。
説明の都合上、同一物(同一の用語)であっても他の実施例と異なる付番を用いて説明する場合があるが、同一物(同一の用語)であれば他の実施例にて説明した機能と同一の機能を有する。また、基本的な遊技機として備える制御、構造等に関しては本実施例と同様であるため説明は省略する。
(盤面構成)
次に、図46は第4実施例における盤面構成を説明する。遊技盤面の右側(遊技球が流下する右側の遊技領域(右側遊技領域))を主に説明する。右側遊技領域には、後述する開口部(P901)と、後述する遅延機構(P902)と、後述する振り分け部(P903)と、後述する普図作動口1(P904)と、後述する普図作動口2(P905)と、後述する第1始動入賞装置2(P906)と、普通電動役物(P907)と、大入賞口(P909)と、特定領域(P910)と、が設けられている。なお、遊技盤面の左側(遊技球が流下する左側の遊技領域(左側遊技領域))には、第1始動入賞装置(1)(P710)が設けられている。
遊技球は開口部(P901)を通過した後、後述する左側ルート又は後述する右側ルートに振り分けられる。左側ルートに振り分けられた遊技球は、遅延機構(P902)→振り分け部(P903)→普図作動口1(P904)→第1始動入賞装置2(P906)→普通電動役物(P907)(及び第2始動入賞装置(P908))又は大入賞口(P909)、又は、遅延機構(P902)→振り分け部(P903)→右側ルート、の順に流下する。右側ルートに振り分けられた遊技球は、普図作動口2(P905)→普通電動役物(P907)(及び第2始動入賞装置(P908))又は大入賞口(P909)、の順に流下する。
次に、前述した右側遊技領域に設けられた機構や装置等について説明する。
(開口部)
開口部(P901)は、右打ちした際に遊技球が初めに通過する箇所である。開口部(P901)を通過した遊技球は左側ルート又は右側ルートに振り分けられる。左側ルートには遅延機構(P902)や第1始動入賞装置2(P906)等が設けられている。右側ルートには普図作動口2(P905)が設けられている。左側ルートへ振り分けられた遊技球は第1特別図柄の抽選契機となる第1始動入賞装置2(P906)を通過し得るよう構成されており、右側ルートへ振り分けられた遊技球は第1始動入賞装置2(P906)を通過し得えず、第2始動入賞装置(P908)や大入賞口(P909)へと向かうように構成されている。
(遅延機構)
遅延機構(P902)は、開口部(P901)を通過した遊技球が左側ルートへ振り分けられた際に通過する機構である。遊技球が一定の速度で流下しないように遅延される構造であればよく、ここでは遊技球が前後左右に微動することで遅延するクルーンを備えている。遅延機構(P902)の左側には遊技球の流下を遅延させるためのクルーンが2つ設けられ、遅延機構(P902)の右側には遊技球の流下を遅延させるためのクルーンが1つ設けられている。クルーンは、円形の開口部の上面側にテーパ面が形成された構造(円形の開口部の端部が切りかかれて円周形の傾斜面が形成された構造)であり、円形の開口部の中心が、開口部P901を通じて流下してくる遊技球の進行軌跡上から前後方向にオフセットして(ずらして)配置され、遊技球がクルーンの円形の開口部に到達すると、円周形のテーパ面上を周回し、減速した後に円形の開口部から下方へ落下する。このときクルーンが2段であれば、1段目と2段目の円周形の開口部の中心は前後左右のいずれかの方向にオフセットして、再度遅延するようになっている。なお、遊技球が左右ジグザグに流下するような構造等であってもよい。
(振り分け部)
振り分け部(P903)は、遅延機構(P902)を抜けた遊技球が通過する箇所である。振り分け部(P903)には、振り分け装置が設けられており、振り分け装置は一定の時間間隔で電気的に動作している。これにより、以降、遊技球が左側ルートの流下を継続するか、右側ルートへ変更となるか振り分けられる。振り分け装置の動作は、遊技球を右側領域P501Rに向けて発射し続けると、約20秒~30秒に1球~2球が普図作動口1P904および第1始動入賞装置2P906へ向けて落下するように構成され、例えば大当り遊技中に右側領域P501Rへ向けて発射を行うと、大当りの終了までに第1始動入賞装置2P906への入賞に基づき第1特別図柄の特別図柄抽選に係る抽選値が少なくとも1つは取得されるよう構成されている。
(普図作動口1)
普図作動口1(P904)は、普通図柄抽選に係る抽選値を取得するための作動口である。
(普図作動口2)
普図作動口2(P905)は、普通図柄抽選に係る抽選値を取得するための作動口である。
なお、普図作動口1(P904)及び普図作動口2(P905)は、同じ普通図柄の抽選を実行するための作動口である。また、普通図柄の抽選確率は、いずれの遊技状態であっても必ず(100%)当りとなるように構成されている。なお、普通図柄の抽選確率は、低確率状態時:1/1.002、高確率時(入球容易状態時):1/1.001等としてもよい。
また、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、入球容易状態を3種類有しており(入球容易状態1~3)、設定される入球容易状態の種類によって、普通図柄抽選が同一の図柄で当りとなる場合であっても、普通電動役物P907の作動パターン(ロング開放/ショート開放)が異なるように構成されている。なお、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、入球容易状態1~3について、入球容易状態1が最も遊技者にとって有利となる入球容易状態であり、入球容易状態3が最も遊技者にとって不利となる入球容易状態である。入球容易状態、普通電動役物の作動パターンの詳細は後述する。
(第1始動入賞装置2)
第1始動入賞装置2(P906)は、右打ちした際に入球し得る入賞口であり、第1特別図柄の抽選を実行するための入賞口である。第1始動入賞装置2(P906)は、左打ちした際に入球し得る第1始動入賞装置1(P710)と同じ第1特別図柄の抽選を実行するための入賞口である。ここでは、普図作動口1(P904)の直下に第1始動入賞口2(P806)が設けられているため、時短状態(入球容易状態)に突入した後、普通図柄の1変動目と第1特別図柄の1変動目(時短1回目)がほぼ同時に開始されるよう構成されている。つまり、普通図柄の抽選のみを実行することが困難に構成されている。
(普通電動役物)
普通電動役物(P907)は、普通図柄抽選が当りであった場合に作動するものであり、普通電動役物(P907)が作動することにより、遊技球が第2始動入賞装置(P908)へ入球可能となる。普通電動役物(P907)は、遊技状態と普通図柄の当り図柄により開放パターン(開閉パターンともいう)が予め定められている。普通電動役物(P907)の開放パターンとして主に、遊技球が第2始動入賞装置(P908)へ入球容易はロング開放(パターン)と、遊技球が第2始動入賞装置(P908)へ入球困難なショート開放(パターン)とを備える。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは普通電動役物P907をスライド式の開閉部材(スライド板)で構成し、普通電動役物P907が開放態様(入球容易態様)となる場合に遊技盤の前方に突出し、遊技球を後述する第2始動入賞装置P908へ橋渡しして誘導可能に構成している。普通電動役物P907が作動していない状態(非入球容易態様)である場合、スライド板は遊技盤の表面から退避した状態となり、遊技球は第2始動入賞装置P908へ向かうことなく下流へ向けて落下するように構成している。
(第2始動入賞装置)
第2始動入賞装置(P908)は、普通電動役物(P907)がロング開放(パターン)で作動した際に遊技球が入球し得る入賞口であり、第2特別図柄の抽選を実行するための入賞口である。第2始動入賞装置(P908)では第1始動入賞装置(P710、P809)と同じ大当り確率であるが、特別図柄抽選にて大当りとならない場合には必ず小当りに当せんする(例:1/1.001)ように構成されている。なお、第4実施例の普通電動役物P907の作動終了条件は、開放動作時間の経過または1球の遊技球の入賞であるため、普通図柄抽選にて1回ロング開放パターンが実行される当り図柄が普通図柄として停止表示されると、第2始動入賞装置P908に1球遊技球が入賞可能であり、第2特別図柄の特別図柄抽選の権利を1つ獲得可能に構成されている。
また、第4実施例では、第2特別図柄優先消化制御を採用しているため、第2特別図柄の抽選値が複数存在する場合、連続する第2特別図柄の特別図柄抽選にて小当り又は大当りが連続して実行される遊技性となっている。
(大入賞口)
大入賞口は、本実施例と同様に、第1特別図柄又は第2特別図柄が当りとなった場合に開放する入賞口である。大入賞口内には特定領領域(P810)を備える。
(特定領域)
特定領域は、本実施例に記載した通り、大入賞口内に設けられており、小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与するものである。
次に、図47は、第4実施例における遊技の遷移を示す遷移図である。
《通常ステージ》
通常ステージは、遊技状態が低確率/低ベースであり、遊技球を左側遊技領域に向けて発射する左打ちを行うステージである。ここで、第1特別図柄(第1始動入賞装置P710)で大当りとなると、大当り遊技(後述する初当りボーナス)が開始される。
《初当りボーナス》
初当りボーナスでは、味方キャラクタと敵キャラクタとのバトル演出が演出表示装置P80に表示される。バトル演出で勝利すると、後述するストックモードへと移行する。また、装飾図柄が7揃いであった場合、後述する前兆ゾーンの特殊演出で勝利した場合にもストックモードへと移行する。なお、バトル演出で敗北すると通常ステージへと戻る。
なお、初当りボーナスでは、勝利期待度の異なる敵キャラクタとのバトル演出が表示されるように構成されているが、演出態様はバトル演出に限らず、味方キャラクタが指令を達成するか否かを報知するミッション演出など、成功(有利結果)・失敗(不利結果)の形式にて遊技者に後述するストックモードの獲得の有無が認識できる態様であればいかなる演出にて実行されてもよいし、初当りボーナスの開始時点からストックモードまたはエクストラストックモードの獲得が確定的な態様にて実行される大当り演出が実行され、成功・失敗の形式にてストックモードの獲得有無を報知する演出を伴わない大当り演出が実行されるものであってもよい。
《ストックモード》
ストックモードは、1回の時短状態(高ベース状態)であり、主に第1特別図柄が1変動している状態である。第1特別図柄の変動時間が長く(例:170秒(170000ms))なっており、図柄固定時間も長く(例:30秒(30000ms))なっている。この期間(第1特別図柄の変動時間+図柄固定時間)内に、遊技球が普図作動口1(P904)又は普図作動口2(P905)を通過し、普通図柄に当せんして普通電動役物がロング開放すると、遊技球が第2始動入賞装置(P908)に入賞して第2特別図柄の保留を獲得できる。詳細は後述するが、第1特別図柄が1変動する間に、普通図柄抽選が4回可能となっており、最大で第2特別図柄の保留を4個獲得できる。ストックモードで第2特別図柄の保留を獲得すると、第2特別図柄による大当り遊技(ストックボーナス)へと移行する。第4実施例では、普通図柄に当せんして普通電動役物がロング開放となるか否かを、演出表示装置P80を用いて示唆するように構成されている。なお、ストックモードで普通図柄抽選が4回行った結果、第2特別図柄の保留を1つも獲得できなかった場合には通常ステージへと戻る。なお、ストックモードには、第2特別図柄の保留の獲得期待度が高い「ストックモード高」と第2特別図柄の保留の獲得期待度が低い「ストックモード低」とが設けられている。
《ストックボーナス》
ストックボーナスは、第2特別図柄による大当り遊技である。第4実施例におけるストックボーナス中は、演出表示装置P80に大当りムービーが表示される。補足であるが、第2特別図柄による大当り遊技には、小当り→特定領域通過→大当り、となる場合の大当り遊技(「小当り発展大当り」、「小当りV」)を含む。
ストックボーナス終了後はストックモードへと移行し、まだ第2特別図柄の保留があれば再度ストックボーナスが開始され、第2特別図柄の保留がなければ、時短状態1回の第1特別図柄の変動中に第2特別図柄の保留を獲得する遊技(ストックモードまたはエクストラストックモード)に移行する。
第2特別図柄の保留がある場合にストックボーナス(大当り遊技)が終了すると、第2特別図柄優先消化制御により、次の第2特別図柄の保留に基づく特別図柄抽選が実行され、再びストックボーナス(小当りV又は大当り)が実行されることとなる。このとき、第2特別図柄の特別図柄抽選に基づく第2特別図柄の変動表示はストックモードまたはエクストラストックモードと同一の遊技状態(低確率/高ベース状態)にて実行されるが、第2特別図柄の保留が存在する場合にはストックモード(エクストラストックモード)と異なり、普通図柄抽選の結果を報知する演出は実行せず、第2特別図柄の抽選結果に対応する変動演出が実行される。なお、低確率/高ベース状態における第2特別図柄の変動表示は3秒程度で構成されており、演出の一例として、ストックボーナス終了後すぐに装飾図柄P801がぞろ目で停止表示され、新たなストックボーナスの発生が遊技者に対して報知されるようになっている。
不図示であるが、ストックボーナスは複数回の大当り(小当りV)遊技が、連続して実行されうる構成であるため、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が複数存在し、連続してストックボーナスが実行される場合には、本実施例の図29に示したように連続的な大当りにまたがってラウンド表示P820が蓄積して表示されるように構成されている。第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、4ラウンドまたは8ラウンドの大当り(小当りV)が、最大4回(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の最大保留可能個数)実行できるため、ストックボーナスにおいては、ラウンド表示P820が4個から32個同時に表示可能となっている。
なおラウンド表示P820は、ストックボーナスのストック放出毎(大当り、小当りの実行毎)に増加していくように構成されている。
《救済機能》
第4実施例では、所謂救済機能が設けられており、通常ステージにおける遊技が599回に到達すると600回目から救済機能が作動する。補足しておくと救済機能とは、通常ステージ(低確率/低ベース)において所定回数大当りに当せんしなかった場合に作動する機能であり、ラムクリア後の初期状態において、通常ステージ(低確率/低ベース)における遊技回数が所定回数に到達するか、大当り後の低確率状態(低ベース又は高ベース)における累計遊技回数が所定回数に到達すると所定の入球容易状態(時短状態)となる機能である。救済機能による入球容易状態は、大当り終了後に移行し得る入球容易状態よりも終了条件である遊技回数が多く設定されている。なお、救済機能の作動後において、終了条件となる遊技回数の遊技(はずれ)が実行されるか、大当りとなると救済機能による入球容易状態は終了し、小当りVを採用する第4実施例では、小当り遊技の際に特定領域P910を通過しない場合であっても入球容易状態が終了するように構成されている。
なお、救済機能は、特別図柄の低確率時の分母(大当り確率1/Xの分母X)をP、作動範囲をn(遊技状態が所定の入球容易状態となる遊技回数)、入球容易状態回数(時短回数)をN(救済機能の作動による入球容易状態が継続する遊技回数)とした場合、
作動範囲nは、2.5P≦n≦3.0P
時短回数Nは、0.4P≦N≦3.8P
となるように構成されている。
第4実施例では、特別図柄の低確率時の分母が200であるため、
作動範囲nは、500≦n≦600
時短回数Nは、80≦N≦760
に含まれるように、nが600、Nが80に設定される。
《前兆ゾーン》
前兆ゾーンは、救済機能の作動が近いことを示唆する演出モードである。第4実施例では、通常ステージ(低確率/低ベース)において570回の遊技が行われると前兆ゾーンとなる(大当り後の場合、ストックモードにて1回のはずれ変動が行われているため、通常ステージ(低確率/低ベース)にて569回の遊技が行われると前兆ゾーンとなる)。なお、前兆ゾーンでは、演出表示装置P80に表示され得る予告やリーチ演出が通常ステージと同一であってもよいし、異なっていてもよい。前兆ゾーンとなった場合には、前兆ゾーン中であることを示すように「前兆ゾーン」と演出表示装置P80に表示するのが好ましい。
通常ステージ(前兆ゾーン含む)にて599回の遊技が実行されると救済機能が作動開始するが、第4実施例では、救済機能が作動すると入球容易状態となり、救済機能が作動して入球容易状態となるとエクストラストックモードへ移行する。
また、前兆ゾーンには、救済機能の作動が確定した際に移行し得る超前兆ゾーンが備えられている。前述したとおり、第4実施例では通常ステージ(前兆ゾーン含む低確率/低ベース状態)における遊技が599回に到達すると600回目から救済機能が作動するため、第1特別図柄の保留が全てはずれであることが確定し且つ599回に到達する場合であって、さらに、超前兆ゾーンの実行可否抽選に当せんした場合に、超前兆ゾーンへ移行し得るよう構成されている。つまり、第1特別図柄の最大保留数は4個であるため、595回目の遊技中(第1特別図柄の変動中)に、第1特別図柄の保留が4個になり且つ全てはずれである場合には、599回に到達することが確定する(596回目の遊技中であれば保留3個、597回目の遊技中であれば保留2個、598回目の遊技中であれば保留1個がそれぞれすべてはずれであるとき599回に到達することが確定する)ため、超前兆ゾーンの実行可否抽選が可能である。なお、超前兆ゾーンの実行可否抽選のタイミングは、保留の入球時でも良いし、変動開始時でも良いが、変動中に前兆ゾーンから超前兆ゾーンへ移行させるのではなく、変動開始時に移行させるのが好ましい。
なお、前兆ゾーンでは、前兆ゾーン専用の特殊演出(リーチ演出)を備えており、当該リーチ演出で当りになると必ずストックモードへ移行するよう構成されている。
《エクストラストックモード》
エクストラストックモードでは、ストックモードと同様に、遊技球が普図作動口1(P904)又は普図作動口2(P905)を通過し、普通図柄抽選に当せんして普通電動役物がロング開放となると、遊技球が第2始動入賞装置に入賞して第2特別図柄の保留を獲得でき、第1特別図柄が1変動する間に、普通図柄抽選が4回可能となっており、最大で第2特別図柄の保留を4個獲得できる。
エクストラストックモードから第2特別図柄で大当り遊技(ストックボーナス)が開始され、大当り遊技が終了すると、第2特別図柄の保留がある場合には、エクストラストックモードの画面に戻り、再度すぐに第2特別図柄で大当り遊技(ストックボーナス)が開始される。大当り遊技(ストックボーナス)が終了し、第2特別図柄の保留がない場合には、ストックモードへと移行する。
なお、第1特別図柄が大当り図柄Aで大当りとなり、初当りボーナスが実行された後にもエクストラストックモードへ移行し得るよう構成されている。
次に、第4実施例におけるストックモードについて図48を用いながら説明する。
(ストックモードにおける演出)
ストックモードでは、普通図柄の当りによって普通電動役物がロング開放となるか否かを演出表示装置P80において示唆する演出を行うよう構成されている。普通図柄の1変動目における当りにおいてロング開放となるか否かをストックモード画面(普通図柄保留チャージ演出)において示すことが可能となっており、普通図柄の2~4変動目における当りにおいてロング開放となるか否かをバトル演出で示すことが可能となっている。
《普通図柄1変動目》
図48では、普通図柄の変動が、大当り状態(低ベース、すなわち非電チューサポート状態)で開始され、普通図柄の図柄固定時間が時短状態(高ベース、すなわち電チューサポート状態)で終了している。第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通電動役物(第2始動入賞装置P908)の入賞容易状態に変化する動作パターンは、普通図柄の図柄固定時間経過時点における遊技状態にて判断されるようになっている。これにより、時短状態における普通図柄1変動目の当りが発生している(図48の例ではロング開放となる普通図柄に当選している状況を示している)。このとき演出表示装置P80では、普通図柄の保留を獲得するためのストックモード画面、及び、右打ち指示が行われる。ここでは、普通図柄1変動目の当りにより普通電動役物のロング開放パターンが実行されるため、普通電動役物の作動期間中、主として普通電動役物の閉鎖時間(例:42400ms)中に演出表示装置P80において当り演出が行われる。普通図柄1変動目では、普通図柄2変動目~4変動目の実行権利を獲得することを促すための普通図柄保留のチャージ演出(詳細はストックモード画面の例として後述する)と、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球の入球を促すための表示(例:「右打ちして電チューを狙え」の文字表示)が開始される。普通電動役物の閉鎖時間が終了するとロング開放が行われる。なお、前述したとおり、遅延機構(P902)が設けられており、遊技球が普通電動役物(電チュー)に到達するまでにある程度の時間を要するため、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球の入球を促すための表示は、普通電動役物がロング開放となるよりも早いタイミング(例えば、5秒前)から開始するよう構成されている。ロング開放中に遊技球が第2始動入賞装置(P908)へ入球して第2特別図柄の保留が獲得されると、普通電動役物が閉鎖する(普通電動役物の規定数は1個)とともに、演出表示装置P80において第2特別図柄の保留を獲得したことを示す表示(例:「Vストック」の文字表示)が行われる。本例ではロング開放に当選した場合を示しているが、ロング開放となる普通図柄に当選していない場合は、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球の入球を促すための表示(例:「右打ちして電チューを狙え」の文字表示)が省略されることとなる。
《普通図柄2変動目》
普通図柄1変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが終了すると、次に、普通図柄2変動目の変動と普通図柄2変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが開始される。図48の例では、普通図柄抽選として、ショート開放(2回目の開放時間が40msと短いパターンの開放パターン)が選択されている場合を示している。このとき、普通図柄2変動目の当りによりロング開放パターン(2回目の開放時間が最大5000msと長いパターンの開放パターン)は実行されず、ショート開放パターンが実行される。普通図柄2変動目の変動時間及び図柄固定時間が経過すると、普通電動役物のショート開放が開始されるとともに、演出表示装置P80においてバトル演出の1stゲームが開始される。普通電動役物のショート開放の後、閉鎖時間(例:47400ms)が開始され、普通電動役物のショート開放時間と閉鎖時間において、演出表示装置P80にバトル演出の1stゲームが表示される。ここでは普通電動役物が閉鎖時間の後にショート開放となるため、バトル演出の1stゲームで味方キャラクタが敗北する表示が行われた後、「NEXT演出」の文字が表示され、普通図柄3変動目によるバトル演出の2ndゲームが開始されるまで待機状態となる。
《普通図柄3変動目》
普通図柄2変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが終了すると、次に、普通図柄3変動目の変動と普通図柄3変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが開始される。図48では、普通図柄抽選として、ロング開放パターンに当選し、普通図柄3変動目の当りによりロング開放パターンが実行される例を示す。普通図柄3変動目の変動時間及び図柄固定時間が経過すると、普通電動役物のショート開放が開始されるとともに、演出表示装置P80においてバトル演出の2ndゲームが開始される。普通電動役物のショート開放の後、閉鎖時間(例:42400ms)が開始され、普通電動役物のショート開放時間と閉鎖時間において、演出表示装置P80にバトル演出の2ndゲームが表示される。ここでは普通電動役物が閉鎖時間の後にロング開放となるため、バトル演出の2ndゲームでは、味方キャラクタが勝利する表示が行われた後、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球の入球を促すための表示(例:「右打ちして電チューを狙え」の文字表示)が開始される。普通電動役物の閉鎖時間が終了するとロング開放が行われる。ロング開放中に遊技球が第2始動入賞装置(P809)へ入球して第2特別図柄の保留が獲得されると、普通電動役物が閉鎖するとともに、演出表示装置P80において第2特別図柄の保留を獲得したことを示す表示(例:「Vストック」の文字表示)が行われる。この表示は、普通図柄4変動目によるバトル演出の3rdゲームが開始されるまで継続される。
《普通図柄4変動目》
普通図柄3変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが終了すると、次に、普通図柄4変動目の変動と普通図柄4変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが開始される。図48では、普通図柄4変動目の当りによりロング開放パターンは実行されず、ショート開放パターンが実行される。普通図柄4変動目の変動時間及び図柄固定時間が経過すると、普通電動役物のショート開放が開始されるとともに、演出表示装置P80においてバトル演出の3rdゲームが開始される。普通電動役物のショート開放の後、閉鎖時間(例:47400ms)が開始され、普通電動役物のショート開放時間と閉鎖時間において、演出表示装置P80にバトル演出の3rdゲームが表示される。ここでは普通電動役物が閉鎖時間の後にショート開放となるため、バトル演出の3rdゲームでは、味方キャラクタが敗北する表示が行われた後、リザルト演出として獲得した第2特別図柄の保留数を示す表示がされ(例:ここでは2個獲得のため「V」を2つ表示する等)、次の特別図柄の変動が開始されるまで待機状態となる。なお、普通図柄4変動目がロング開放パターンに当選する場合には、普通図柄3変動目の例に示したようにVストックのための演出表示が実行され、一定時間(例えば3秒)の間Vストックした旨の表示を行った後、リザルト演出に移行するように構成されている。
(普通図柄の変動時間及び図柄固定時間)
大当り状態又は時短状態における普通図柄の変動時間は極めて短く(例:大当り状態では120ms、時短状態では100ms)構成され、図柄固定時間(例:500ms(0.5秒))とあわせても短時間となっている。
(普通図柄の変動+普通電動役物が作動した場合の最大時間)
高ベース状態であるときに普通図柄抽選がロング開放パターンとなる普通図柄で当りとなった場合に、普通図柄の変動と普通電動役物の開放パターンの実行に要する最大の時間は、100ms(普通図柄の変動時間)+500ms(普通図柄の図柄固定時間)+40ms(普通電動役物ショート開放時間)+42400ms(普通電動役物閉鎖時間)+5000ms(普通電動役物ロング開放時間)=48040ms(48.04秒)となっている。なお、普通図柄抽選がショート開放パターンとなった場合は、48.08秒=48080msであり、大当り終了時に変動表示がすでに開始している場合は、それぞれ普通図柄の変動表示時間が非普通図柄時短状態であるため+20msとなる。
すなわち、第4実施例におけるストックモード(またはエクストラストックモード)の1回の普通図柄変動、普通電動役物の作動の周期は約48秒周期である。なお、普通電動役物の作動がロング開放である場合、ロング開放の開始後すぐに遊技球が入賞した場合、その時点で普通電動役物の作動が終了することとなるため、ロング開放の場合に限り、1回の普通図柄変動、普通電動役物の作動の周期が最大で4秒~4.8秒程度短縮される場合がある旨を補足しておく。
また、不図示であるが、非電チューサポート状態(低ベース状態)において、普通図柄が当り図柄で停止した場合、普通電動役物が非開放延長状態に制御されていることより、いずれの当り図柄が停止表示された場合であってもショート開放(40ms)を1回実行するのみで普通電動役物P907の作動は終了するようになっている。
(時短状態における第1特別図柄の1変動に要する時間(図柄固定時間を含む)と普通図柄の変動(図柄固定時間を含む)+普通電動役物が作動した場合の最大時間との関係性)
時短状態における第1特別図柄のはずれ変動(170000ms)と図柄固定時間(30000ms)の合計時間は200000ms(200秒)である。一方、普通図柄の変動(図柄固定時間を含む)+普通電動役物が作動した場合の最大時間の合計時間は48060ms(48.06秒)である。つまり、普通図柄抽選と普通電動役物の開放の1セットが最大で48060msであるため、第1特別図柄のはずれ変動の1変動内に、普通図柄抽選と普通電動役物の開放を4セット行うことが可能に構成されている(普通図柄抽選、普通電動役物作動の1周期[48s]×4回=192sであり、普通図柄の5変動目が実行されてもは第1特別図柄の固定時間突入後となる)。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、高ベース状態(電チューサポート状態)は、特別図柄の変動時間経過時点(図柄固定時間の開始時点)で終了条件を満たしている場合に終了するように構成されており、ストックモード(またはエクストラストックモード)の高ベース状態の終了条件は、特別図柄の変動表示1回(救済機能時は80回)であるため、大当り終了後にストックモードに移行している場合は、第1特別図柄の変動開始後の170000msのタイミングまでに普通図柄の4変動目の変動表示が終了すれば、第2始動入賞装置P908への入賞が可能となるよう構成されている。(すなわち、大当り終了時点で第1特別図柄の変動表示が開始してから約25秒後(170-48×3=26)までは、普通図柄の1変動目の変動表示が遅延しても遊技者が不利益を被ることはない)
<第4実施例における特徴1>
第4実施例における遊技機は特徴1として、前述したとおり、時短状態における第1特別図柄のはずれ変動時間及び図柄固定時間において、普通図柄の抽選結果(当否抽選+当り図柄抽選)をN回(Nは第2特別図柄の最大保留数)表示可能に構成されている。
また、普通図柄3変動目の当りによる普通電動役物の開放パターンが終了するまでに最大で144180ms(≒144秒)を要する。時短状態における第1特別図柄のはずれ変動時間が約170秒であり、時短状態における普通図柄の変動時間は0.1秒、図柄固定時間は0.5秒であるため、普通図柄4変動目は、時短状態における第1特別図柄のはずれ変動時間を超えないように構成されている。したがって、普通図柄4変動目の当りによる開放パターンが、時短状態が終了して通常遊技状態に跨る場合であっても、普通図柄4変動目は時短状態において停止しているため、普通図柄4変動目の当りによる開放パターンは時短状態において決定されることとなり、通常遊技状態中にロング開放パターンが実行され得る構成となっている。
なお、普通電動役物のロング開放は、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球が1球入球すると終了するため、一瞬で終了することがある。つまり、ストックモードで全てロング開放ありの当りであった場合に最大で、約5000ms(5秒)×4(回)=約20000ms(20秒)弱の差が生じ得る。この差があったとしても、普通図柄の5変動目は必ず第1特別図柄の変動表示開始後170sのタイミングを超えるようになっており(普通電動役物作動周期48s/回×4回-20s=172s)、最短で遊技が行われても5回目の普通図柄抽選が高ベース状態において実行されることがないように構成されている。したがって、ストックモード中の4回の普通図柄抽選は、第1特別図柄の変動時間内に4回全ての普通図柄の停止表示が行われるように構成されている。
このように、第4実施例における特徴1では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態を実行する特定遊技状態制御手段と、
を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果又は第2当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(例えば、大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(例えば、小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(例えば、小当り→特定領域通過→大当り)とを有し、
特定遊技状態において、第1識別情報表示部における第1識別情報のはずれ変動中に、第3当否判定をN回(Nは第2抽選値の最大保留個数)実行可能である
ことを特徴とする遊技機となっている。
言い換えると、特定遊技状態において、第1図柄表示装置における図柄の変動中に、第3当否判定をN回(Nは第2抽選値の最大保留個数)実行可能であるが、N+1回目の第3当否判定は、非特定遊技状態において実行される遊技機となっている、と言える。
(ストックモードにおける表示画面)
《ストックモード画面》
次に、図49は第4実施例におけるストックモードの表示画面を示す図である。ストックモードに移行すると、演出表示装置P80の略中央に表示される「味方キャラクタ(P921)」と、演出表示装置P80の略中央に表示される味方キャラクタの「オーラ(P922)」と、演出表示装置P80の左上に表示される「演出モード表示(P840)」である「ストックモード」の文字と、演出表示装置P80の左端中段に表示される特別図柄の抽選(第1特別図柄、第2特別図柄)に係る保留数(簡易保留表示P814)と、演出表示装置P80の右上に表示される「演出図柄(P802)」と、演出表示装置P80の右上且つ演出図柄の下部に表示される「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)と、演出表示装置P80の右下に表示される「普通図柄保留表示領域(P923)」と、演出表示装置P80の右下且つ普通図柄保留表示領域の上部に表示されて普図作動口への入球(通過)を促す「チャージ!!」の文字及び記号(保留獲得示唆表示P924)と、が表示される。
なお、ストックモードにおいて普通図柄の保留が獲得されると、普通図柄保留表示領域に普通図柄保留画像(P925)が表示される。また、詳細は後述するが、普通図柄の保留を獲得した後、普通図柄保留画像が変化するか否かを煽る普通図柄保留変化煽りエフェクト(P926)が表示されるよう構成されている。
《オーラ》
ストックモードにおける普通図柄1変動目及び普通図柄の保留の当りにおいて普通電動役物の開放パターンがロング開放を含むか否かを示唆する予告演出である。オーラ(P922)は3種類備えられており、金色>赤色>青色の順にロング開放となる保留を獲得している可能性が高いことを示すよう構成されている。なお、オーラ(P922)の変化タイミングは、普通図柄1変動目の当りによる普通電動役物の作動が開始してから0秒(普通電動役物作動直後、初期態様として表示)と10秒後、20秒後(いずれも普通電動役物閉鎖中)に設定されている。また、オーラは、入球容易状態も考慮して決定されるように構成されており、予告演出としての側面の他に状態示唆演出としての側面も有する。例えば、入球容易状態2(中間の期待度の入球容易状態)であればストックモード開始から赤色のオーラが表示されるよう構成されている。なお、入球容易状態2であればストックモード開始から必ず赤色のオーラが表示されるのではなく、ストックモード開始から赤色のオーラが表示される可能性が高くなるように構成してもよい。なお、図51を用いて後述するように、入球容易状態1(最も期待度の高い有利な入球容易状態)のときは普通図柄がいずれの当り図柄であっても普通電動役物がロング開放となるため、普通図柄の保留がない場合であっても、普通図柄1変動目の当りによる普通電動役物の作動が開始してから10秒後と20秒後に金色に変化可能に構成されている。
《演出図柄》
第4実施例における演出図柄は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動にあわせて変動表示されるよう構成されているが、普通図柄の変動にあわせて変動表示されるように構成することも可能である。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動にあわせて変動表示される第1演出図柄と、普通図柄の変動にあわせて変動表示される第2演出図柄とを備えるように構成することも可能である。
なお、第4実施例において、普通図柄を演出図柄(第2演出図柄)として表示する場合、普通図柄抽選において当りとなる確率は100%に設定されているため、第2始動入賞装置P908に入賞容易となる結果場合(現在の入賞容易状態の種類と停止表示される普通図柄によって定まる)において、演出図柄をぞろ目で停止表示させたり「V」図柄を停止表示させたりして、第2始動入賞装置P908への入賞が可能となることを報知するように構成してもよい。
また、普通図柄の演出図柄(第2演出図柄)は、ストックモードの開始後最大4変動のみ表示可能に構成され、リザルト演出の開始後は普通図柄抽選が実行された場合であっても第2演出図柄の変動表示は行わないように構成する。なお、ストックモードの開始後、普通図柄抽選の実行が遅れ、第1特別図柄の図柄固定時間の開始までに普通図柄が停止表示できない場合には、4回目以下の普通図柄の変動表示であっても第2演出図柄の変動表示を表示しないように構成する。
《普通図柄保留表示領域》
普通図柄保留表示領域(P923)には、バトル演出の1stゲームの実行契機である1st保留表示領域(P927)と、バトル演出の2ndゲームの実行契機である2nd保留表示領域(P928)と、バトル演出の3rdゲームの実行契機である3rd保留表示領域(P929)と、が表示され得る。
《普通図柄保留画像》
普通図柄保留画像(P925)は、バトル演出における勝利期待度(=普通電動役物のロング開放パターンの実行期待度)を示す。普通図柄保留画像は、虹色>赤色>緑色>白色の順にバトル演出における勝利期待度が高いことを示す。なお、虹色はバトル勝利が確定である。
《普通図柄保留変化煽りエフェクト》
普通図柄保留変化煽りエフェクト(P926)は、普通図柄保留画像が変化することで、バトル演出における勝利期待度(普通図柄の2変動目から4変動目の結果がロング開放であることを示唆する期待度)がアップすることを示す普通図柄保留変化煽り演出に用いられるエフェクト表示である。普通図柄保留変化煽りエフェクトには、強パターン、中パターン、弱パターンの3パターンあり、普通図柄保留画像が変化する可能性は、強パターン>中パターン>弱パターンとなっている。なお、普通図柄保留画像が赤色以上に変化する場合には必ず強パターンが表示されるよう構成することも可能である。強パターン、中パターン、弱パターンは、エフェクトの大きさや色等が異なることで示される。
なお、補足であるが、普通図柄保留画像(P925)および普通図柄保留変化煽りエフェクト(P926)は、主制御CPUが普通図柄の抽選値(乱数)を取得した際に、特別図柄に対する事前判定と同様に普通図柄抽選に使用する乱数値に対しても事前判定(先読み判定)を行い、事前判定により把握した普通図柄の当否抽選結果及び普通図柄の当り図柄の情報(普通図柄の事前判定情報)を副制御CPUが受信し、副制御CPUによってどのタイミングでいずれの普通図柄保留画像を表示するか、いずれの普通図柄保留変化煽りエフェクトを表示するかが決定される。また、主制御CPUが普通図柄の先読みを用いて副制御CPUが演出を決定するのはこれらの演出に限られず、後述するロング当り示唆演出(例えば、バトル演出のキャラクタ決定)等においても用いられる。なお、第4実施例においては、普通図柄抽選の結果、普通電動役物P907がロング開放で動作するか否かは入球容易状態の種別にも依存するため、普通図柄保留変化煽りエフェクト等のストックモードの普通図柄保留に対する各種先読み演出(普通図柄先読み演出)は、普通図柄の事前判定情報および入球容易状態種別(遊技状態の種別)の情報に基づいて決定されるように構成されている。
<第4実施例における特徴2>
第4実施例における遊技機は特徴2として、前述したとおり、特定遊技状態における第1特別図柄のはずれ変動中に、普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となるか否かを示唆する示唆演出(オーラ)を実行可能であり、示唆演出はさらに、現在の入球容易状態を示唆可能に構成されている。
このように、第4実施例における特徴2では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
演出を表示可能な演出表示部(例えば、演出表示装置P80)と、
演出表示部への演出表示を制御する副制御部(例えば、副制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
作動口への入球を契機として取得した補助図柄抽選値に基づいて補助図柄表示部に表示する停止図柄を決定する補助図柄決定手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
副制御部で実行される演出表示に際して必要な遊技情報を副制御部へ送信する遊技情報送信手段と
を備え、
特定遊技状態制御手段は、入球変動手段が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化する頻度が異なる第1特定遊技状態および第2特定遊技状態を少なくとも含む複数種類の特定遊技状態から1の特定遊技状態を設定可能であり、
副制御部は、
主制御部から送信された遊技情報を受信する遊技情報受信手段を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果又は第2当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(例えば、大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(例えば、小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(例えば、小当り→特定領域通過→大当り)とを有し、
副制御部は、
特定遊技状態における第1識別情報のはずれ変動中に、第3抽選値及び補助図柄抽選値に基づいて入球変動手段が有利な開放パターンとなるか否かを示すための示唆演出(例えば、オーラの演出)を演出表示部に表示可能であり、
示唆演出ではさらに、現在の特定遊技状態が第1特定遊技状態(例えば、入球容易状態2)と第2特定遊技状態(例えば、入球容易状態3)のいずれであるかを示唆可能に構成されている
遊技機となっている。
(普通図柄保留画像の変化パターンと普通図柄変化煽りエフェクトの表示パターン)
次に、図50は、図49の普通図柄保留画像(P925)の変化パターン及び普通図柄変化煽りエフェクト(P926)の表示パターンを示すテーブルの一例である。ここでは、1st保留表示領域の普通図柄保留画像(P927)(1st保留)、2nd保留表示領域の普通図柄保留画像(P928)(2nd保留)、3rd保留表示領域の普通図柄保留画像(P929)(3rd保留)が白保留で入球し、最終的に緑保留となることが決定された場合を例として説明する。
《変化可能ポイント》
まず、1st保留、2nd保留、3rd保留は、それぞれ異なるポイントで変化可能に構成されている。1st保留の変化可能なポイントは、時短状態が開始されてから普図作動口1(P904)及び普図作動口2(P905)を通過した遊技球の合計数が6球目(1回目)、9球目(2回目)、12球目(3回目)のときである。2nd保留の変化可能なポイントは、時短状態が開始されてから普図作動口1(P904)及び普図作動口2(P905)を通過した遊技球の合計数が7球目(1回目)、10球目(2回目)、13球目(3回目)のときである。3rd保留の変化可能なポイントは、時短状態が開始されてから普図作動口1(P904)及び普図作動口2(P905)を通過した遊技球の合計数が8球目(1回目)、11球目(2回目)、14球目(3回目)のときである。1st保留の最初の変化ポイントを6球目としているのは、1~3球目までで普通図柄抽選の乱数値が保留され、その後、保留変化煽りが実行される際の導入演出期間(説明演出等)に、先んじて変化が進まないように4、5球目の猶予期間を設けているためである。また、このように猶予を設けることで、あえて保留変化煽り演出を見ないように(右側領域P501Rに滞留している遊技球によって6球目以降の普図作動口への入賞が発生しないように)遊技者が遊技を進行させやすいように構成することもできる。
《1st保留、3rd保留の変化パターン》
1st保留及び3rd保留の変化は、副制御CPUによる抽選によって決定されたIDに従って実行される。図50に示すように、ID1では、1回目:白(変化なし)、2回目:白(変化なし)、3回目:緑(1段階変化)となる。ID2では、1回目:白(変化なし)、2回目:緑(1段階変化)、3回目:緑(変化なし)となる。ID3では、1回目:緑(1段階変化)、2回目:緑(変化なし)、3回目:緑(変化なし)となっている。
《1st保留、3rd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクト》
1st保留及び3rd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトは、副制御CPUによる抽選によって決定されたIDに従って実行される。ID1では、1回目:弱パターン、2回目:弱パターン、3回目:弱パターンとなる。ID2では、1回目:弱パターン、2回目:弱パターン、3回目:中パターンとなる。ID3では、1回目:中パターン、2回目:弱パターン、3回目:弱パターンとなる。
《2nd保留の変化パターン》
2nd保留の変化は、1st保留及び3rd保留と同様に、副制御CPUによる抽選によって決定されたIDに従って実行される。ここでは、2nd保留の変化パターンが、1st保留及び3rd保留の変化パターンと同様に構成されているが、異なるように構成しても問題ない。
《2nd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクト》
2nd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトは、1st保留及び3rd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトと同様に、副制御CPUによる抽選によって決定されたIDに従って実行される。ID1では、1回目:弱パターン、2回目:弱パターン、3回目:弱パターンとなる。ID2では、1回目:中パターン、2回目:弱パターン、3回目:中パターンとなる。ID3では、1回目:中パターン、2回目:中パターン、3回目:中パターンとなる。このように、2nd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトは、1st保留及び3rd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトよりも中パターンが発生しやすく構成されている。なお、強パターンも1st保留及び3rd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトよりも2nd保留の普通図柄保留変化煽りエフェクトの方が発生しやすく構成してもよい。このように、2nd保留の変化について、副制御CPUは、1st保留及び3rd保留と異なる抽選結果IDを決定しうるように構成することで、1st保留及び3rd保留と2nd保留の変化について、組み合わせ数を多様化でき、連続的に発生する普通図柄保留変化煽りエフェクトの各回において短調なパターンでの演出発生を避けることで興趣性を高めるように構成することができる。
(普通図柄の選択割合及び入球容易状態ごとの開放パターン)
次に、図51は、第4実施例における普通図柄の選択割合と入球容易状態ごとの普通電動役物の開放パターンを示すテーブルの一例である。
《前提》
第4実施例では、入球容易状態として、入球容易状態1(エクストラストックモード)、入球容易状態2(ストックモード(高))、入球容易状態3(ストックモード(低))とを備えている。入球容易状態2と入球容易状態3は、演出表示装置P80において共通するストックモード画面が表示されるが、内部状態としては異なる入球容易状態となっている。
(普通図柄の当り図柄の選択割合)
普通図柄Aの選択割合は330/1000、普通図柄Bの選択割合は170/1000、普通図柄Bの選択割合は500/1000となっている。
なお、図48で説明したように、ストックモードにおいて第2始動入賞装置P908へ入球容易となるか否かを報知するためのストックモード画面やバトル演出は、普通電動役物の作動中(普通図柄の当り図柄停止後)に実行される演出であるため、演出の最中に普通図柄表示装置P53によって当りの種別や滞在中の入球容易状態の種別が判別されてしまうことを防止するため、図51に示す普通図柄A~Cについては、それぞれ複数種類の普通図柄の停止表示態様が該当しうるように構成されている。そのため第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通図柄表示装置P53のLEDを6灯で構成し、最大63種類(2^6-1[全消灯])の普通図柄の当り図柄を停止表示可能としている。この時、例えば普通図柄Aを示す停止表示パターンは全21通り、普通図柄Bに示す停止表示パターンは全11通り、普通図柄Cに対応する停止表示パターンは全33通りなどとすることができる。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通図柄表示装置P53が6灯のLEDで構成されているため、普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cのそれぞれに対応する普通図柄の停止表示態様が複数種類存在し、同一の制御を行うこととなる停止表示態様である「図柄群」を構成している。第4実施例においては、同一の制御を行う図柄群に対して、普通図柄Aに対応する図柄群A、普通図柄Bに対応する図柄群B、普通図柄Cに対応する図柄群Cを単純に普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cと表記するものする。
第4実施例において、普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cの各図柄群は、図柄が停止表示された場合に、同一の図柄群である場合において、同一の作動態様となる電動役物(普通電動役物P907)の制御を実行するものであるが、後述するように、図柄が停止表示された遊技状態によって、同一の図柄群が停止表示された場合であっても、電動役物の作動態様として異なる作動態様が設定可能に構成されている。
(入球容易状態1のときの普通電動役物の開放パターン)
入球容易状態1のときには、普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cのいずれが選択された場合であっても、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)→閉鎖(42400ms)→ロング開放(5000ms)となる。入球容易状態1は、図47における「エクストラストックモード」または「ストックモード」の一部が該当する状態であり、通常、遊技者が設計者の意図に反しない遊技を実行する限り、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を保留上限値である4つ溜めることができる遊技状態である。
(入球容易状態2のときの普通電動役物の開放パターン)
入球容易状態2のときに普通図柄A又は普通図柄Bが選択された場合には、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)→閉鎖(42400ms)→ロング開放(5000ms)となる。また、入球容易状態2のときに普通図柄Cが選択された場合には、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)→閉鎖(47400ms)→ショート開放(40ms)となる。入球容易状態2では、普通図柄C(選択率500/1000)に当選した場合、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できないこととなる。言い換えると、入球容易状態2においては、1回の普通図柄抽選について50%の確率で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得することができる遊技状態である。
(入球容易状態3のときの普通電動役物の開放パターン)
入球容易状態3のときに普通図柄Aが選択された場合には、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)→閉鎖(42400ms)→ロング開放(5000ms)となる。また、入球容易状態3のときに普通図柄B又は普通図柄Cが選択された場合には(合計の選択確率670/1000)、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)→閉鎖(47400ms)→ショート開放(40ms)となる。すなわち、入球容易状態3は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できる確率は、1回の普通図柄抽選について33%であり、最も不利な入球容易状態となる。
(非入球容易状態のときの普通電動役物の開放パターン)
非入球容易状態のときは、普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cのいずれが選択された場合であっても、普通電動役物の開放パターンは、ショート開放(40ms)となる。したがって、非入球容易状態のときに普図作動口1又は普図作動口2を遊技球が通過したとしても、遊技球が普通電動役物へ入球することがほぼない開放パターンのみしか選択されることはない。なお、非入球容易状態のときに普図作動口1又は普図作動口2を遊技球が通過した場合(例えば5秒以内に2球通過した場合等)には、「左打ちしてください」の文字が演出表示装置P80に表示されとともに、「左打ちしてください」の音声がエラー音として出力される。
また、入球容易状態であっても、第1特別図柄の変動が行われない状態で普図作動口1P904又は普図作動口2P905を通過した場合(例えば、入球容易状態かつ第1特別図柄の変動が行われていない状態で3球以上通過した場合)、振り分け部P903に不正が行われている虞があることから、「振り分け装置を確認してください」という表示や、音声報知が実行されうるように構成してもよい。
<入球容易状態と当り図柄による普通電動役物の開放パターンのまとめ>
入球容易状態1では、普通図柄A、普通図柄B、普通図柄Cのいずれの当り図柄であってもロング開放が行われるため、ロング開放が実行される割合は、1000/1000(100%)である。つまり、入球容易状態1では、ロング開放の実行割合が100%の普通図柄の抽選が4回行われるため、第2特別図柄の保留がほぼ4個獲得可能に設計されている。
入球容易状態2では、普通図柄A又は普通図柄Bが選択された場合にロング開放が行われるため、ロング開放が実行される割合は、500/1000(50%)である。つまり、入球容易状態2では、ロング開放の実行割合が50%の普通図柄の抽選が4回行われるため、第2特別図柄の保留がおおよそ2個獲得可能に設計されている。
入球容易状態3では、普通図柄Aが選択された場合にロング開放が行われるため、ロング開放が実行される割合は、330/1000(33%)である。つまり、入球容易状態3では、ロング開放の実行割合が33%の普通図柄の抽選が4回行われるため、第2特別図柄の保留がおおよそ1~2個獲得可能に設計されている。
なお、入球容易状態1~3において、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得できない確率は、入球容易状態1(0%)、入球容易状態2(6.1%)、入球容易状態3(19.9%)であり、裏を返せば、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を少なくとも1個獲得し、再びストックモード(またはエクストラストックモード)が継続する確率は、入球容易状態1(100%)、入球容易状態2(93.9%)、入球容易状態3(80.1%)となっている。
また、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、普通図柄のはずれを有していない構成であるが、変形例として、はずれ図柄を備えうるように構成してもよい。はずれ図柄が当選した場合(例えば当選確率5/1000)には、例えば、残りの普通図柄保留に関しての期待度を表示するカットインを表示させたり、普通図柄保留の表示態様を変化させる保留変化演出を表示させたりする普通図柄先読みの実行や、ぱちんこ遊技機Pの設定値を示唆する設定示唆演出等を表示する例が考えられる。なお、普通図柄のはずれ変動も短め(例えば1秒~3秒※図柄固定時間含む)で構成され、普通図柄のはずれがストックモードにおいて1回、2回発生しても、再度普通図柄保留をためることを促す報知を普通図柄のはずれ変動中またははずれ変動後から即座に実行することにより、遊技者が不利益を被らないように構成することが好ましい。
<第4実施例における特徴3>
第4実施例における遊技機は特徴3として、前述したとおり、複数の入球容易状態を備えており、入球容易状態ごとに普通電動役物の開放パターンにおいてロング開放が実行される割合が異なるよう構成されている。また、1の当り図柄(普通図柄B又は普通図柄C)による普通電動役物の開放パターンが、入球容易状態によって異なるように構成されている。
さらに、複数の入球容易状態のうちの1つの入球容易状態では、正常に遊技が行われた場合(例えば、入球容易状態では右打ちする、球詰まり等のエラー状態が発生していない等)には、他の入球容易状態である場合よりも、N個(第2特別図柄の保留最大数)の第2特別図柄の保留を高い割合で獲得し得るよう構成されている。
このように、第4実施例における特徴3では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果又は第2当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(小当り→特定領域通過→大当り)とを有し、
特定遊技状態として、少なくとも第1特定遊技状態(例えば、入球容易状態1)と第2特定遊技状態(例えば、入球容易状態2)とを有し、
第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでは、第3識別情報表示部に表示された補助識別情報の図柄が同一であっても、入球変動手段の開閉パターンが異なり得るよう構成されており、
第1特定遊技状態でN個(Nは第2抽選値の最大保留個数)の第2抽選値が保留される割合が、第2特定遊技状態でN個(Nは第2抽選値の最大保留個数)の第2抽選値が保留される割合よりも高く設計されている
遊技機となっている。
(大当り図柄の選択割合と大当り後の遊技状態)
次に、第1特別図柄及び第2特別図柄の当り図柄(大当り図柄)の選択割合と、大当り後の遊技状態について図52を用いて説明する。なお、必要に応じて図47も参照するのが好ましい。
(大当り図柄の選択割合)
第1特別図柄(特図1)には、大当り図柄A、大当り図柄B、大当り図柄C及び大当り図柄Dの4つの大当り図柄が設けられている。大当り図柄Aの選択割合が40/1000、大当り図柄Bの選択割合が120/1000、大当り図柄Cの選択割合が400/1000、大当り図柄Dの選択割合が440/1000、となっている。
第2特別図柄(特図2)には、大当り図柄a、大当り図柄b及び大当り図柄cの3つの大当り図柄が設けられている。大当り図柄aの選択割合が40/1000、大当り図柄bの選択割合が120/1000、大当り図柄cの選択割合が840/1000、となっている。
第4実施例では、いずれの大当り図柄であっても8ラウンドの大当り遊技が実行されるよう構成されているが、大当り図柄によってラウンド数が異なる大当り遊技が実行されてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄でラウンド数が異なる大当り遊技が実行されてもよい。例えば、第1特別図柄では4ラウンドの大当り遊技が実行され、第2特別遊技では8ラウンドの大当り遊技が実行されるよう構成してもよい。
(大当り終了後の入球容易状態)
前述したとおり、第4実施例では入球容易状態1~3を備えている。当りとなった際の大当り図柄によっていずれの入球容易状態へと移行するかが以下のように決定される。
第1特別図柄:大当り図柄A→入球容易状態1(1回)
第1特別図柄:大当り図柄B→入球容易状態2(1回)
第1特別図柄:大当り図柄C→入球容易状態3(1回)
第1特別図柄:大当り図柄D→なし(非入球容易状態)(0回)
第2特別図柄:大当り図柄a→入球容易状態1(1回)
第2特別図柄:大当り図柄b→入球容易状態2(1回)
第2特別図柄:大当り図柄c→入球容易状態3(1回)
(大当り遊技終了後の変動パターンテーブルの遷移と変動パターンテーブル使用回数)
大当り遊技終了後の変動パターンテーブルの遷移パターンと変動パターンテーブルの使用回数が、大当り図柄によって以下のように決定される。なお、変動パターンテーブルとして変動パターンテーブル0~6を備えており、適宜、変動パターンテーブル0を「0」、変動パターンテーブル1を「1」、変動パターンテーブル2を「2」、変動パターンテーブル3を「3」、変動パターンテーブル4を「4」、変動パターンテーブル5を「5」、変動パターンテーブル6を「6」として説明する。
《変動パターンテーブル0》
変動パターンテーブル0は、通常遊技状態(低確率/低ベース)で主に用いられる変動パターンテーブルであり、次の変動パターンテーブルに切り替えるまでの参照期間(遊技回数)として1バイトでカウント可能な回数が設定されている。
《変動パターンテーブル1》
変動パターンテーブル1は、入球容易状態1における変動パターンテーブルである。つまり、エクストラストックモード(またはストックモードの一部)において用いられる変動パターンテーブルであり、第1特別図柄のはずれ変動時間として170秒の変動パターンが選択される変動パターンテーブルである。
《変動パターンテーブル2》
変動パターンテーブル2は、入球容易状態2における変動パターンテーブルである。つまり、ストックモード高において用いられる変動パターンテーブルであり、第1特別図柄のはずれ変動時間として170秒の変動パターンが選択される変動パターンテーブルである。
《変動パターンテーブル3》
変動パターンテーブル3は、入球容易状態3における変動パターンテーブルである。つまり、ストックモード低において用いられる変動パターンテーブルであり、第1特別図柄のはずれ変動時間として170秒の変動パターンが選択される変動パターンテーブルである。
変動パターンテーブル1~3については、入球容易状態の変動パターンテーブルであり、第1特別図柄のはずれ変動にて、ストックモードの遊技を実行することを意図して作られたものであるため、第1特別図柄の大当り変動や、第2特別図柄の大当り変動または小当り変動(ストックボーナスの連続消化時の変動表示として発生する変動)である場合は、5秒~10秒程度の変動パターンが選択されるように構成されている。
《変動パターンテーブル4》
変動パターンテーブル4は、前兆モードへの突入演出を行うために使用される変動パターンテーブルである。つまり、前兆モードへ突入する1変動に固定の変動パターンが選択されるよう構成されており、この変動パターンが選択された場合に、前兆モードへの突入を示す前兆モード突入演出を実行するよう構成されている。
《変動パターンテーブル5》
変動パターンテーブル5は、前兆モード中に使用される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル5を使用することにより、前兆モードにおいて通常ステージとは異なる予告、リーチ演出等を実行可能に構成されている。
《変動パターンテーブル6》
変動パターンテーブル6は、エクストラストックモード(救済機能による入球容易状態1)への突入演出を行うために使用される変動パターンテーブルである。つまり、エクストラストックモードへ突入する1変動に特定の変動パターンが選択されるよう構成されており、この変動パターンが選択された場合に、エクストラストックモードへの突入を示すエクストラストックモード突入演出を実行するよう構成されている。
(大当り図柄A、大当り図柄aが選択された場合)
第1特別図柄:大当り図柄A(第2特別図柄:大当り図柄a)のときは、変動パターンテーブルが1(1回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(60回)→4(1回)→5(28回)→6(1回)→1(80回)→0(0回(=別の変動パターンテーブルがセットされるまで使用される)(以下同様))の順に遷移する。具体的に演出を含めて説明すると、大当り図柄A(大当り図柄a)による大当り遊技が終了した後、まず、エクストラストックモード(入球容易状態1)で1回の第1特別図柄の変動(はずれ変動170秒)が実行される。ここで第2特別図柄の保留を獲得できなかった場合には、その後、通常遊技状態(通常ステージ)で568回の遊技が行われる。そして、570変動目には、前兆モード突入演出が実行される。続いて、前兆モードにて28回の遊技が行われ、599変動目には、エクストラストックモード突入演出が実行される。そして、600変動目にエクストラストックモードとなる。
(大当り図柄B、大当り図柄bが選択された場合)
第1特別図柄:大当り図柄B(第2特別図柄:大当り図柄b)のときは、変動パターンテーブルが2(1回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(60回)→4(1回)→5(28回)→6(1回)→1(80回)→0(0回(=別の変動パターンテーブルがセットされるまで使用される))の順に遷移する。具体的に演出を含めて説明すると、大当り図柄B(大当り図柄b)による大当り遊技が終了した後、まず、ストックモード高(入球容易状態2)で1回の第1特別図柄の変動(はずれ変動170秒)が実行される。ここで第2特別図柄の保留を獲得できなかった場合には、その後、通常遊技状態(通常ステージ)で568回の遊技が行われる。そして、570変動目には、前兆モード突入演出が実行される。続いて、前兆モードにて28回の遊技が行われ、599変動目には、エクストラストックモード突入演出が実行される。そして、600変動目にエクストラストックモードとなる。
(大当り図柄C、大当り図柄cが選択された場合)
第1特別図柄:大当り図柄C(第2特別図柄:大当り図柄c)のときは、変動パターンテーブルが3(1回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(60回)→4(1回)→5(28回)→6(1回)→1(80回)→0(0回(=別の変動パターンテーブルがセットされるまで使用される))の順に遷移する。具体的に演出を含めて説明すると、大当り図柄C(大当り図柄c)による大当り遊技が終了した後、まず、ストックモード低(入球容易状態3)で1回の第1特別図柄の変動(はずれ変動170秒)が実行される。ここで第2特別図柄の保留を獲得できなかった場合には、その後、通常遊技状態(通常ステージ)で568回の遊技が行われる。そして、570変動目には、前兆モード突入演出が実行される。続いて、前兆モードにて28回の遊技が行われ、599変動目には、エクストラストックモード突入演出が実行される。そして、600変動目にエクストラストックモードとなる。
(大当り図柄Dが選択された場合)
第1特別図柄:大当り図柄Dのときは、変動パターンテーブルが0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(127回)→0(61回)→4(1回)→5(28回)→6(1回)→1(80回)→0(0回(=別の変動パターンテーブルがセットされるまで使用される))の順に遷移する。具体的に演出を含めて説明すると、大当り図柄Dによる大当り遊技が終了した後、時短状態とならないため、いずれの入球容易状態における変動パターンテーブルもセットされない。したがって、通常遊技状態(通常ステージ)で569回の遊技が行われる。そして、570変動目には、前兆モード突入演出が実行される。続いて、前兆モードにて28回の遊技が行われ、599変動目には、エクストラストックモード突入演出が実行される。そして、600変動目にエクストラストックモードとなる。
なお、救済機能により、600変動目から80回のエクストラストックモード(入球容易状態1)が設定され、変動パターンテーブル1が80回用いられる構成としたが、これは前述した『時短回数Nは、0.4P≦N≦3.8P』に基づく回数であり、第4実施例では、通常遊技状態における特別図柄の大当り確率が1/200であるため、時短回数Nの条件を満たす。
またなお、救済機能によりエクストラストックモード(入球容易状態1)に突入した場合であっても、大当り遊技直後のエクストラストックモード(入球容易状態1)と同様に、1変動のみ入球容易状態1が設定され、変動パターンテーブル1が用いられる構成としてもよい。
(小当り図柄の選択割合と大当り後の遊技状態)
次に、第2特別図柄の小当り図柄の選択割合と、大当り(小当り+特定領域通過)後の遊技状態について図53を用いて説明する。なお、必要に応じて図47も参照するのが好ましい。
《小当り図柄の選択割合》
第2特別図柄(特図2)には、小当り図柄1、小当り図柄2、小当り図柄3、小当り図柄4、小当り図柄5及び小当り図柄6、の6つの小当り図柄が設けられている。小当り図柄1の選択割合が10/1000、小当り図柄2の選択割合が30/1000、小当り図柄3の選択割合が210/1000、小当り図柄4の選択割合が30/1000、小当り図柄5の選択割合が90/1000、小当り図柄6の選択割合が630/1000、となっている。
第4実施例では、小当り図柄1~3は8ラウンドの大当り遊技が実行され得るよう構成され、小当り図柄4~6は4ラウンドの大当りが実行され得るよう構成されている。
《大当り終了後の入球容易状態》
前述したとおり、第4実施例では入球容易状態1~3を備えている。いずれの入球容易状態へと移行するかが当りとなった際の小当り図柄によって以下のように決定される。
第2特別図柄:小当り図柄1(8R)→入球容易状態1(1回)
第2特別図柄:小当り図柄2(8R)→入球容易状態2(1回)
第2特別図柄:小当り図柄3(8R)→入球容易状態3(1回)
第2特別図柄:小当り図柄4(4R)→入球容易状態1(1回)
第2特別図柄:小当り図柄5(4R)→入球容易状態2(1回)
第2特別図柄:小当り図柄6(4R)→入球容易状態3(1回)
(大当り遊技終了後の変動パターンテーブルの遷移と変動パターンテーブル使用回数)
大当り遊技終了後の変動パターンテーブルの遷移パターンと変動パターンテーブルの使用回数が小当り図柄によって決定される。小当り図柄1及び小当り図柄4のときは、第1特別図柄の大当り図柄A及び第2特別図柄の大当り図柄aのときと同様である。小当り図柄2及び小当り図柄5のときは、第1特別図柄の大当り図柄B及び第2特別図柄の大当り図柄bのときと同様である。小当り図柄3及び小当り図柄6のときは、第1特別図柄の大当り図柄C及び第2特別図柄の大当り図柄cのときと同様である。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図53のように小当り図柄の比率を設定し、ラウンド数に関係なく、入球容易状態1への移行率が4%、入球容易状態2への移行率が12%、入球容易状態3への移行率が84%としているが、例えば小当り図柄1、2について図53の例よりも選択割合を上昇させ、一方で小当り図柄3については選択割合を下げることによって、獲得出玉の多い8Rである場合には、4Rの場合よりも高確率で遊技者に有利となる入球容易状態1または入球容易状態2へ移行可能とし、ストックモード開始の契機となった大当りのラウンド数によって、より有利なストックモードが実行されることについて期待感を持って遊技できるように構成してもよい。
<第4実施例における特徴4>
第4実施例における遊技機は特徴4として、前述したとおり、大当り遊技終了後には、大当り図柄に基づいて変動パターンテーブルの遷移パターン(遷移の順序)とそれぞれの変動パターンテーブルの使用回数が対応して予め定められている。非入球容易状態(非時短状態)において使用する変動パターンテーブルの使用回数は全て1バイトで管理可能な回数となっている。例えば、変動パターンテーブル0を127回使用するよう設定され、127回使用した後、再度127回または60回(又は61回)使用するよう変動パターンテーブル0が設定され得るよう構成されている。このように構成することにより、例えば568連続して変動パターンテーブル0を設定するために、2バイト以上の回数設定を計数するためのカウンタ(RAMの記憶領域)を備える必要がなくなるため、データ容量を削減することができる。
このように、第4実施例における特徴4では、
始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906、第2始動入賞装置(P908))と、
始動入賞口への入球を契機として識別情報を表示可能な識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52)と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
始動入賞口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す停止図柄を決定するための図柄決定手段と、
当否判定の結果を示すための識別情報の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを決定する変動パターンテーブル決定手段と、
変動パターンテーブルから識別情報の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態を実行する特定遊技状態制御手段と、
を備え、
特別遊技終了後に特別遊技となることなく所定の遊技回数が実行された場合には、特定遊技状態となるよう構成されており、
特別遊技終了後は、停止図柄に基づいて予め定められている変動パターンテーブルの選択基準に基づいて変動パターンテーブルを決定するよう構成され、
選択基準には、変動パターンテーブルの変更パターンと参照回数が含まれ、
非特定遊技状態において、所定の参照回数となるまで所定の変動パターンテーブルを用いて遊技した後、変更パターンに基づいて新たに設定された変動パターンテーブルが、所定の変動パターンテーブルであって所定の参照回数となるまで用いられるよう設定され得る
遊技機となっている。
(入球容易状態(時短状態)の終了タイミング)
次に、図54を用いて、入球容易状態(時短状態)の終了タイミングについて説明する。(a)は入球容易状態1回目がはずれ変動の場合であり、(b)は入球容易状態1回目が当り変動の場合である。
《(a)入球容易状態1回目がはずれ変動の場合》
入球容易状態(時短状態)1回目の変動がはずれ変動の場合には、特別図柄(ここでは第1特別図柄)のはずれ変動の変動表示期間が終了した際、図柄固定時間が開始するときに入球容易状態(時短状態)を終了し、通常遊技状態(非時短状態)となるように構成されている。
《(b)入球容易状態1回目が当り変動の場合》
入球容易状態(時短状態)1回目の変動が当り変動の場合には、特別図柄(ここでは第1特別図柄)の当り変動が開始した際に入球容易状態(時短状態)を終了し、通常遊技状態(非時短状態)となるように構成されている。
なお、第2特別図柄の大当り変動又は小当り変動の場合にも、小当り変動の開始時に入球容易状態(時短状態)が終了するよう構成されている。
このように構成することにより、第2特別図柄の大当りまたは小当り変動中は非入球容易状態(非時短状態)となるため、第2特別図柄の大当りまたは小当り変動中に普通図柄抽選に当せんしてロング開放が含まれる開放パターンが選択されることがないようにすることができる。すなわち、ストックモードにて獲得した第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数だけストックボーナスを連続して消化する期間に追加で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生することなく、ストックモードにて獲得したストックの数だけストックボーナスが実行されるというゲーム性が明確になる。
<第4実施例における特徴5>
第4実施例における遊技機は特徴5として、前述したとおり、入球容易状態(時短状態)1回目の特別図柄の変動がはずれ変動であった場合には、特別図柄のはずれ変動が終了した際に入球容易状態(時短状態)を終了し、入球容易状態(時短状態)1回目の特別図柄の変動が当り(大当り、小当り)変動であった場合には、特別図柄の当り変動が開始した際に入球容易状態(時短状態)を終了するよう構成されている。
このように、第4実施例における特徴5では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果又は第2当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(例えば、大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(例えば、小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(例えば、小当り→特定領域通過→大当り)とを有し、
規定回数目の第1識別情報の変動又は規定回数目の第2識別情報の変動により特定遊技状態が終了するよう構成されており、
特定遊技状態における規定回数目の第1識別情報又は第2識別情報がはずれに係る変動である場合には、変動の終了の際に特定遊技状態を終了させる一方、特定遊技状態における規定回数目の第1識別情報又は第2識別情報が第1当り又は第2当りに係る変動である場合には、変動の開始の際に特定遊技状態を終了させるよう構成されている
遊技機となっている。
なお、所定の倍数の連荘回数(例えば、6連荘、13連荘、20連荘、など7n-1(n>=2)の大当りを獲得した状況)となると、次のストックモードの第1特別図柄のはずれ変動の変動時間を、普通図柄の抽選回数がN(普通図柄の最大保留数)+1回となるように設計するようにしてもよい。
具体的には、例えば、6回目のストックモードに係る第2特別図柄による当り遊技が4回行われた(6連荘終了)後、入球容易状態1~3のいずれの入球容易状態へ移行した場合であっても、変動パターンテーブルXを選択するよう構成する。この変動パターンテーブルXでは、第1特別図柄がはずれの場合には変動パターンxを必ず選択する。変動パターンxは変動時間が218060ms(218.06秒)となっている。218060ms(218.06秒)は、入球容易状態において変動パターンテーブルXではないときに選択される第1特別図柄のはずれ変動の変動時間170000ms(170秒)に、普通図柄の1回の変動と当りにより要する最大時間48060ms(48.06秒)を加えた時間である。このように構成することで、6連荘した場合には7連荘目を発生しやすくすることができる。
なお、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、最大4個の第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生可能であり、例えば5連荘している状況で第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が2個ある場合、意図的に6連荘目の小当りVを回避する(特定領域P910への遊技球の通過をさせない)ようにして、ストックモード移行時の連荘回数を調整することで、有利な状況を作り出す攻略が想定されてしまう。
このような攻略を防止するために、7n-1連荘目の実行契機となった大当り(小当りV)の当り図柄によって、上記のような有利なストックモード用の変動パターンテーブルの設定有無を切り替えるように構成してもよい。このようにすることによって、当り図柄と連荘回数が条件となり、当り図柄との対応を知られていない限り攻略できないように構成することもできる。なお、当り図柄と連荘回数の組み合わせを条件とした場合に、有利なストックモード用変動パターンテーブルの参照契機が減ってしまうことが考えられるため、他の当り図柄は7n-2連荘目に有利なストックモード用の変動パターンテーブルの設定を行うように構成するなどして、ストックモードが+1回となるタイミングを不定期にするようにしてもよい。
また、上記のような攻略対策の他に、小当り遊技実行に伴い連荘回数を計数しているカウンタを更新し、特定領域P910の通過の有無にかかわらず、連荘回数としてカウントするように構成すれば、意図的に小当りVを発生させないように遊技しても、大当りの出玉を損するだけとなるため、攻略対策とすることができる。
(入球容易状態1~3の変動パターン(メイン変動パターン)と演出パターン(サブ変動パターン)との関係性)
次に、図55を用いて入球容易状態における主制御CPUが制御する特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)及び副制御CPUが制御する演出パターン(サブ変動パターン)について説明する。
前述したとおり、第4実施例では、3つの入球容易状態を備えており、主制御CPUは、これら3つの入球容易状態においてそれぞれ異なる変動パターンテーブルを選択し、はずれの際に選択される変動パターン(メイン変動パターン)として共通の変動パターンAを選択する。
一方、副制御CPUは、変動パターンAに対応する3つの演出パターンを備えており、入球容易状態に応じて異なる演出パターンを選択するよう構成されている。具体的には、副制御CPUは、入球容易状態1のときには演出パターンaを選択し、入球容易状態2のときには演出パターンbを選択し、入球容易状態3のときには演出パターンcを選択する。
このように構成することで、副制御CPUはいずれの入球容易状態であるかをサブ変動パターンにより認識した状態で、ストックモードやエクストラストックモードにおいて普通図柄の変動表示を行う際の普通図柄の変動表示に対応する変動演出の内容について、演出表示装置P80に表示する演出内容を切り替えることができる。具体的には、副制御CPUは、演出パターンb又はcを記憶している際にはストックモードであるため、エクストラストックモードのモードを示唆する画面や普通図柄の変動演出(予告や先読み)を表示することはない。また、後述するように、エクストラストックモードでは、普通電動役物の開放パターンがロング開放を含むか否かを示唆するバトル演出において、エクストラストックモードでのみ対戦可能な敵キャラクタ(敵キャラ5)とのバトル演出が実行されるため、演出パターンb又はcを記憶している際には、敵キャラ5とのバトル演出を実行しないように制御することができる。
また、副制御CPUは、記憶しているサブ変動パターンに基づいてロング当り示唆演出(普通電動役物がロング開放を含む当りであるか否かの示唆演出)の演出内容の選択割合を変更することも可能である。すなわち、サブ変動パターンにより現在の入球容易状態の種別を把握し、普通図柄抽選の結果(特に停止表示される普通図柄の種別)によって、普通電動役物P907がロング開放となるか否かの期待度に関する予告演出の内容を決定可能としている。
(ストックモード、エクストラストックモードの遷移図)
次に、図56を用いてストックモード及びエクストラストックモードにおける表示される演出の遷移について説明する。ストックモードにおける遷移は細線で示し、エクストラストックモードにおける遷移は太線で示す。
《ストックモード遷移》
まず、ストックモードに移行すると、図49のストックモード画面の表示が開始される。
次に、演出表示装置P80に「ゲートを狙え」の文字が表示される。第4実施例では、入球容易状態においてゲート(普図作動口1、普図作動口2)を通過させることが重要であるため、複数の表示(「ゲートを狙え」「右打ち」「チャージ!!」等)によってゲートを通過させることを促している。「ストックモード」「右打ち」「チャージ!!」よりも「ゲートを狙え」を大きく表示するよう構成してもよい。
特に、ストックモードの開始後であり第1特別図柄の変動表示が開始してから26秒ほど経過するタイミングまで普通図柄の1変動目の変動表示が開始されない場合、普通図柄抽選の保留を3つ溜めたとしても、第1特別図柄の変動表示期間内(入球容易状態の期間内)に普通図柄を停止表示させることが困難となることから、第1特別図柄の変動表示の開始から10秒程度経過しても普通図柄の1変動目の変動表示が開始されない場合に、「早くゲートを狙って!」、「あとX秒以内に開始しないとバトルの権利消失!」などの注意喚起表示を追加で実行してもよい。仮に普通図柄の1変動目の変動表示が開始されない場合には、普通図柄の1変動目の変動表示が入球容易状態の期間内に完了する数に応じた保留表示のみ表示可能となるように普通図柄保留の表示領域P927~P929を1つずつ消去していくように構成されている。
次に、前述したように、普通図柄の保留を4個獲得したのち、所定数の遊技球がゲート(普図作動口1、普図作動口2)を通過した場合に、普通図柄保留画像(P925)の変化煽り演出(普通図柄保留変化煽り演出)が行われる。
次に、普通図柄の保留を4個獲得したのち所定期間が経過すると、後述するストック完了画面が表示される。
ストック完了画面が表示されると、普通図柄1変動目の当りが入球容易状態の種別と普通図柄の種類によって、ロング開放となる場合に限り成功演出(例:「当りだよ」の文字表示)へと移行し、演出表示装置P80に「電チューを狙え」の文字が表示される。一方、普通図柄1変動目の当りがロング開放なしのとき(ショート開放の当りであるとき)は、次の普通図柄の変動表示(普通電動役物の作動)を待って、普通図柄2変動目の当りがロング開放となるか否かを示唆するロング当り示唆演出へと移行する。
「電チューを狙え」の表示は、普通電動役物P907の2回目の開放(ロング開放)の開始前であって、右側領域P501Rに発射された遊技球が遅延機構P902等を通過し、第2始動入賞装置P908へ届くことが容易となるタイミングを見計らって、普通電動役物P907の2回目の開放前の5秒程度前から開始されるようになっている。また、普通電動役物P907のロング開放の期間は5秒であるため、「電チューを狙え」の文字の下に普通電動役物P907のロング開放期間に合わせて時間経過や残り時間を示すためのインジケータ表示や「残りX.X」等の残り秒数表示を実行するように構成している。
普通図柄1変動目において普通電動役物P907の作動態様がロング開放となり、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球が入球すると演出表示装置P80に「V」の文字が表示され、第2特別図柄の保留が獲得されたことを示す。普通図柄の保留がある場合にはそのまま待機状態となり、次のロング当り示唆演出が開始されるのを待つこととなる。この時、エクストラストックモードに制御される状況下である場合には、「V」の文字の表示後や普通図柄2変動目の開始待ちの期間において敵キャラクタ5の登場演出を発生させる。
《ロング当り示唆演出》
ロング当り示唆演出は、普通図柄2~4変動目の当りがロング開放となるか否かを示唆する演出であり、最大3回実行され得る。ロング当り示唆演出は、バトル演出、ミュージック演出(後述する)、特殊演出(後述する)とを含む。
《バトル演出》
ストックモードにおけるバトル演出では、対戦相手となる敵キャラクタ1~4のうち、いずれか1のキャラクタとのバトルが演出表示装置P80に表示される。味方キャラクタが勝利すると普通電動役物がロング開放されて第2特別図柄の保留が獲得可能となり、味方キャラクタが敗北すると普通電動役物がショート開放されて第2特別図柄の保留がほぼ獲得できない。
なお、バトル演出における勝利期待度は、敵キャラクタ1<敵キャラクタ2<敵キャラクタ3<敵キャラクタ4となっている。このうち、敵キャラクタ3に勝利した場合には、次変動の普通図柄の当りがロング開放を含むことも示すように構成されている。つまり、敵キャラクタ3に勝利する普通図柄の変動演出は、次の普通図柄抽選に係る普通図柄の事前判定情報が当り(ロング開放)であることも参酌して決定され、敵キャラクタ3に勝利した場合には、第2特別図柄の保留を2個獲得可能となる。また、敵キャラクタ3に勝利した場合には次変動の普通図柄保留画像を虹色に変化させる等のように構成することもできる。さらに、敵キャラクタ3に勝利した後、次のロング当り示唆演出では、ロング開放することが確定していることを示す特殊演出を実行するようにしてもよい。なお、バトル演出の演出画面については後述する。
《ミュージック演出》
ミュージック演出では、遊技者が演出ボタンP381を操作可能な演出となっている。遊技者の演出ボタンP381の操作の成功度合い応じて普通図柄の当りがロング開放となるかショート開放となるかを示唆するように構成されている。なお、ミュージック演出は、第2特別図柄の保留が1個以上獲得された状態では発生しないように構成されている。言い換えると、ミュージック演出は、第2特別図柄の保留が未だ全く獲得されていない状況でのみ発生し得るよう構成されている。このように制御する理由として、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が存在する場合、ストックモードの継続が確定的な状況であり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が1個でも発生した状況下から残りのストックモードの期間に亘って、遊技者を祝福するための楽曲を再生するため、ミュージックリーチと祝福のための楽曲が重複して両者の可聴性に影響が及ぶためである。なお、ミュージック演出の演出画面については後述する。
《特殊演出》
特殊演出は、普通図柄の当りがロング開放となる場合にのみ発生し得る演出である。つまり、遊技者は、特殊演出が開始された時点で普通電動役物がロング開放となり、第2特別図柄の保留を獲得できることを認識可能である。特殊演出は例えば、味方キャラクタのストーリーを表示する等のレアシーンを表示するものであってもよい。
遷移図に戻り、ロング当り示唆演出で勝利(成功)すると第2特別図柄の保留を獲得させるために演出表示装置P80に「電チューを狙え」の文字が表示され、敗北(失敗)すると次のロング当り示唆演出が開始されるまで「NEXT」の文字が表示されて待機状態となる。
なお、普通図柄1~4変動の当りが全てショート開放であり、第2特別図柄の保留が0個の場合には、連荘期間に獲得した獲得出玉数等を表示するリザルト演出を第1特別図柄の残りの変動制御期間(図柄固定時間)に亘って演出表示装置P80に表示し、通常遊技状態(通常ステージ)へと移行する。普通図柄1~4変動目の当りのいずれかがロング開放となり、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が1個以上の場合は、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数(ストック数)を結果として示すストック結果画面の表示を継続し、第2特別図柄の変動表示による当り遊技を待つこととなる。なお、第2特別図柄の特別図柄の抽選が実行された際には、ラウンド数を示唆するための第2特別図柄の特別図柄抽選に対応する変動演出を演出表示装置P80に表示するように構成している。
このように、ストックモード(第1特別図柄の1回のはずれ変動)における演出表示は、4回の普通図柄の変動(普通電動役物P907の作動)に対応する普通図柄の変動演出であり、演出図柄P802の変動演出と、ストックモード画面のオーラ演出などの予告演出や、バトル演出、ミュージック演出などの予告演出によって構成されており、1回の特別図柄の変動表示中に行われる複数回の演出図柄P802の変動表示において、普通図柄の1回目の変動表示と2回目以降の普通図柄の変動表示とで予告演出の実行態様が切り替わる仕様となっており、演出態様が多様化し、興趣性の高い演出を提供できるようになっている。
《エクストラストックモード遷移》
エクストラストックモードに移行すると、エクストラストックモード画面の表示が開始される。ストックモードと同様に、「ゲートを狙え」の文字を表示し、ストック完了画面を表示する。エクストラストックモードでは、普通図柄がいずれの当り図柄で当りとなっても普通電動役物の開放パターンがロング開放を含むため、必ず成功演出(「当りだよ」の文字が表示)が行われる。エクストラストックモード画面は、前述したストックモード画面と略同一であるが、普通図柄1変動目に対応する普通図柄の変動演出についての予告抽選に基づき、オーラ演出やその他の予告演出や先読み演出がエクストラストックモードでしか表示され得ない態様で表示可能となっている(例えば、オーラP922が虹色になる、ストック完了の文字表示の内容が「スタンバイ完璧」と表示される、普通図柄保留がすべてキリン柄(普図ロング開放確定態様)となるなどの演出が表示可能)。
次に、「電チューを狙え」の文字が表示され、第2始動入賞装置(P908)へ遊技球が入球すると演出表示装置P80に「V」の文字が表示され、第2特別図柄の保留が獲得されたことを示す。普通図柄の保留がある場合にはそのまま待機状態となり、次の普通図柄の変動表示および普通電動役物P907の作動が開始されるまで待機し、その後に次のバトル演出(敵キャラクタ5)が開始されるのを待つこととなる。
普通図柄2変動目以降は、敵キャラクタ5とのバトル演出が行われるが、エクストラストックモードでは、前述したとおり、普通図柄がいずれの当り図柄で当りとなっても普通電動役物の開放パターンがロング開放を含むため必ず勝利となり、「電チューを狙え」の文字が表示されることとなる。
このように、ストックモード及びエクストラストックモードでは主に、普通図柄の保留1個に対応する演出が演出表示装置P80にて行われ、ロング開放を含む当りの場合には演出で勝利(成功)となり、第2特別図柄の保留が1個獲得可能に構成されている。これを4回行い(普図1変動目の成功演出を含む)、最大で第2特別図柄の保留を4個獲得することができる構成となっている。
《ストック完了画面》
次に、図57を用いてストック完了画面を説明する。前述したとおり、普通図柄の保留を4個獲得した後に、ストック完了画面が表示される。詳細には、普通図柄1変動目(普通図柄の保留1個目)の当りによって普通電動役物の作動が開始した後、特定期間(例:25秒)が経過するまでに普通図柄の保留をさらに3個獲得している場合に表示されるよう構成されている。補足であるが、ストック完了画面が表示されるまでが前述した普通図柄保留変化煽り演出の期間となっている。なお、獲得した普通図柄の保留が計4個に満たない場合には、ストック完了画面は表示されない。
ストック完了画面では、獲得した普通図柄の保留内(3個内)にロング開放を含む当りがあるか否かと現在の入球容易状態に基づいて、普通図柄の保留を最大数まで獲得済みであることを示す文字が表示される。表示される文字のパターンは、「スタンバイ完了」「スタンバイOK!」「スタンバイ完璧!!」の3パターンを備えている。
「スタンバイ完了」は、保留内にロング開放を含む当りがある期待度が低のとき又は/及び入球容易状態3のときに発生しやすく構成されている。つまり、第2特別図柄の保留獲得期待度が低いときに発生しやすく構成されている。例えば、入球容易状態3のとき、入球容易状態2でロング開放を含む当りに当せんしている数が1個以下のとき、等に発生しやすく構成されている。
「スタンバイOK!」は、保留内にロング開放を含む当りがある期待度が中のとき又は/及び入球容易状態2、3のときに発生しやすく構成されている。つまり、第2特別図柄の保留獲得期待度が比較的高いときに発生しやすく構成されている。例えば、入球容易状態2のとき、入球容易状態3でロング開放を含む当りに2個以上当選しているとき、等に発生しやすく構成されている。
「スタンバイ完璧!!」は、保留内にロング開放を含む当りがある期待度が高のとき又は/及び入球容易状態1、2のときに発生しやすく構成されている。つまり、第2特別図柄の保留獲得期待度が極めて高いときに発生しやすく構成されている。例えば、入球容易状態1のとき、入球容易状態2でロング開放を含む当りに3個当選しているとき、等に発生しやすく構成されている。
このように構成することで、獲得した普通図柄の保留によって第2特別図柄の保留を獲得できるか否かをまとめて煽ることができる。つまり、ストック完了画面の表示時点で、いくつの第2特別図柄の保留を獲得できるかを遊技者が予想できる楽しみを提供することができる。また、上記の例では普図保留のストック完了画面に表示される文字の内容によって、入球容易状態の種別や、普通図柄保留がロング開放となる当り図柄であるかの普通図柄の事前判定情報を報知するように構成したが、文字の内容に限らず、フォントや大きさ、色などの違い、キャラクタ画像が付加表示される等によって同様の内容が報知されるものであってもよい。
(バトル演出の表示画面)
ストックモードのバトル演出においては、演出表示装置P80の全体に表示される味方キャラクタと敵キャラクタのバトルムービーと、演出表示装置P80の右上に表示される演出図柄(P802)と、演出図柄の右上且つ演出図柄の下部に表示される「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)と、演出表示装置P80の右下に表示される「普通図柄保留画像(P925)」と、演出表示装置P80の左端中段に表示される特別図柄抽選(第1特別図柄、第2特別図柄)に係る保留数(簡易保留表示P814)と、が表示される(図58参照)。
バトルムービーの演出パターン(バトル演出予告パターン)は、普通図柄抽選の結果がロング開放となる期待度が高い順に「味方キャラクタ必殺技攻撃」>「味方キャラクタ先制攻撃」>「競り合い」>「敵キャラクタ先制攻撃」となっている。また、普通電動役物P907の2回目の開放の前のタイミングで結果を遊技者に示すために、バトルの結果を報知する結果報知演出(結果報知ボタン予告)を演出ボタンP381やレバーP382(レバーP382のほうが高期待度)の操作によって報知するボタン演出によって構成している。このようにボタン演出を普通電動役物P907の2回目の開放前に実行することによって、長時間の普通電動役物の作動であっても、ロング開放のタイミングを逃しにくく構成することができる。なお、バトル演出の結果報知演出で勝利した場合には、そのあと「電チューを狙え」演出が開始され、当該表示の開始に基づいて遊技者が右側領域P501Rに遊技球を発射することによって第2始動入賞装置P908への入賞が容易となるように構成されている。
(ミュージック演出の表示画面)
ミュージック演出における表示画面は、演出表示装置P80の中央列に表示される味方キャラクタと、演出表示装置P80の右上に表示される演出図柄(P802)と、演出図柄の右上且つ演出図柄の下部に表示される「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)と、演出表示装置P80の右下に表示される「普通図柄保留画像(P925)」と、演出表示装置P80の左端中段に表示される特別図柄抽選(第1特別図柄、第2特別図柄)に係る保留数(簡易保留表示P814)と、五線譜(P930)と、タイミングバー(P931)、タイミングマーク(P932)と、ボタン画像(P933)と、後述するロング開放示唆表示(P934)と、後述する示唆表示履歴(P935)と、が表示される(図59参照)。
《ミュージック演出》
ミュージック演出では、タイミングバー(P931)の位置にタイミングマーク(P932)が到達した際に遊技者がボタン操作を行い、ボタン操作が許容タイミングであれば、ロング開放を含む当りであるかを示唆するロング開放示唆表示(P934)が行われる。
ロング開放示唆表示(P934)のパターンとして、「EXCELLENT!」「GREAT!」「NICE」の3パターンが設けられており、EXCELLENT!>GREAT!>NICEの順に普通電動役物がロング開放となる期待度が高いことを示唆している。言い換えると、普通電動役物がロング開放となる場合には、「EXCELLENT!」は表示され易く、「NICE」は表示されにくい。なお、ボタン操作が許容タイミングでなければ、ロング開放示唆表示は表示されないよう構成したり、普通電動役物がロング開放となる期待度が低いことを示唆する「NICE」のみが表示され得るように構成することができる。
今回のミュージック演出で表示されたロング開放示唆表示の履歴を示唆表示履歴(P935)として表示する。これにより、遊技者は、表示されたロング開放示唆表示を記憶しておく必要がなく、今回の普通図柄の当りがロング開放となるか否かを予想しやすくなっている。
上述した「バトル演出」や「ミュージック演出」などは、第4実施例においては、普通図柄表示装置P53に、当りとなる普通図柄が停止表示された後の普通電動役物P907の作動中に行われる演出表示であるが、普通図柄の変動演出として演出図柄P802の変動表示を合わせて実行している。
ストックモード(またはエクストラストックモード)における複数回の演出図柄P802の変動表示は、それぞれ普通電動役物P907の作動における2回目の開放(ショート開放/ロング開放)の直前(例えば0.5秒前)や「電チューを狙え」の直前にすべての図柄が停止表示されうるように構成されており、ロング開放である場合は数字のぞろ目や「VVV」などの特殊図柄が停止表示され、ショート開放の場合には「158」などのばらけ目や「212」などのリーチはずれ目が停止表示されるように構成してもよい。また、普通図柄の演出図柄P802は「バトル演出」や「ミュージック演出」の期待度を示唆するために「7(変動中)7」などのリーチ態様で変動表示を行い、リーチ態様を形成している図柄(本例では「7」)の種類によって大当り期待度が相違するように構成されていてもよい。
<第4実施例における特徴6>
第4実施例における遊技機は特徴6として、前述したとおり、入球容易状態(時短状態)1回目の第1特別図柄の変動がはずれ変動であった場合には、普通図柄の変動表示毎に演出表示装置P80に表示される演出内容を決定するよう構成されている。
このように、第4実施例における特徴6では、
始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
始動入賞口への入球を契機として識別情報を表示可能な識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と、
演出を表示可能な演出表示部(例えば、演出表示装置P80)と、
演出表示部への演出表示を制御する副制御部(例えば、副制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
副制御部で実行される演出表示に際して必要な遊技情報を副制御部へ送信する遊技情報送信手段を備え、
副制御部は、
主制御部から送信された遊技情報を受信する遊技情報受信手段と、
演出表示部に表示される演出図柄を制御する演出図柄制御手段とを備え、
演出図柄制御手段は、
特定遊技状態において識別情報が1変動する間に複数回の演出図柄の変動を実行可能であり、
演出表示部に表示される演出は、複数回の演出図柄の変動にあわせて表示内容(普通図柄1変動目「ストックモード画面」、普通図柄2変動目~4変動目「バトル演出」「ミュージック演出」「特殊演出」等)が変更され得るよう構成されている
遊技機となっている。
なお、ストックモードのバトル演出で敵キャラクタ3に勝利した場合には、当該普通図柄の当り及び次の普通図柄(1変動後)の当りにより普通電動役物P907がロング開放となることが確定する仕様を説明したが、仕様はこれに限定されない。例えば、ストックモードのバトル演出で敵キャラクタ3に勝利した場合には、次の普通図柄(1変動後)の当り又は次の次(2変動後)の普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となることが確定する仕様とすることも可能である(すなわち残りの保留内の少なくともいずれか1つがロング開放を伴う当り図柄が停止表示されることを示唆する)。また、3rdゲーム(ストックモードの最終となる普通図柄の変動表示)で敵キャラクタ3の場合には、勝利が確定する仕様とすることも可能である。
また、ストックモードのバトル演出で敵キャラクタ3となった場合には、当該普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となることが確定するが、次の普通図柄(1変動後)の当りにより普通電動役物がロング開放となるか否かは確定しないように構成してもよい。この場合、当該普通図柄の当りに係る当り変動と普通電動役物の開閉パターンの実行中、及び、次の普通図柄の当りに係る当り変動と普通電動役物の開閉パターンの実行中、とに跨った演出を演出表示装置P80に表示するよう構成することもできる。例えば、当該普通図柄の当りに係る当り変動及び普通電動役物の開閉パターンの実行中には、敵キャラクタ3が1又は複数回攻撃する等の優勢となるシーンを表示し、次の普通図柄の当りに係る当り変動及び普通電動役物の開閉パターンの実行中には、味方キャラクタが攻撃して勝利するシーン(普通電動役物がロング開放となる)又は敵キャラクタが攻撃して味方キャラクタが敗北するシーン(普通電動役物がショート開放となる)を表示するようにすることもできる。言い換えると、1変動目で味方キャラクタが優勢な結果が表示された場合(ロング開放となる普通図柄の当りであった場合)、2変動目の敵キャラクタ3とのバトル演出後半に発展し、2変動目の敵キャラクタ3とのバトル演出の期待度が敵キャラクタ4よりも高い(最高期待度であるが普通図柄の当り図柄の種類がショート開放となる図柄の可能性がわずかばかり残る)の演出となるように構成することもできる。
<第4実施例における特徴7>
第4実施例における遊技機は特徴7として、前述したとおり、特定遊技状態における第1特別図柄のはずれ変動中に、普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となるか否かを示唆する普通図柄変動演出(バトル演出、ミュージック演出、特殊演出等)を実行するよう構成されており、特定の普通図柄変動演出(敵キャラクタ3とのバトル演出)ではさらに、現在の普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となることと、次回の普通図柄の当りにより普通電動役物がロング開放となることが示唆される構成となっている。
このように、第4実施例における特徴7では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
演出を表示可能な演出表示部(例えば、演出表示装置P80)と、
演出表示部への演出表示を制御する副制御部(例えば、副制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
作動口への入球を契機として取得した補助図柄抽選値に基づいて補助図柄表示部に表示する停止図柄を決定する補助図柄決定手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
副制御部で実行される演出表示に際して必要な遊技情報を副制御部へ送信する遊技情報送信手段と
を備え、
遊技情報送信手段は、第3保留制御手段が保留した第3抽選値及び補助図柄抽選値に係る遊技情報を、第3抽選値に係る補助識別情報の変動表示開始前に副制御部へ送信可能に構成されており、
副制御部は、
主制御部から送信された遊技情報を受信する遊技情報受信手段を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果又は第2当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(例えば、大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(例えば、小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(例えば、小当り→特定領域通過→大当り)とを有し、
特定遊技状態として、遊技者にとって有利度が異なる第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを少なくとも有し、
副制御部は、
特定遊技状態における第1識別図柄のはずれ変動中に、第3抽選値及び補助図柄抽選値に基づいて入球変動手段が有利な開放パターンとなるか否かを示すための普通図柄変動演出(例えば、バトル演出、ミュージック演出、特殊演出等)を演出表示部に表示可能であり、
特定の普通図柄変動演出(例えば、敵キャラクタ3とのバトル演出)において特定の結果(例えば、バトルに勝利する)となった場合には、補助識別情報表示部に表示された停止図柄に基づいて入球変動手段が有利な開放パターンとなること及び補助識別情報表示部に以降に表示される停止図柄に基づいて入球変動手段が有利な開放パターンとなることが示唆される
遊技機となっている。
(第4実施例における大当り終了デモ中の表示画面の例)
次に、図60は、第4実施例における大当り終了デモ中の表示画面の一例である。(a)は第2特別図柄の保留がないとき、(b)は第2特別図柄の保留があるとき、である。
《(a)第2特別図柄の保留がないとき》
まず、第2特別図柄の保留がないときについて説明する。前述したとおり、大当り遊技終了後に入球容易状態(時短状態)が付与される場合には、ストックモード(又はエクストラストックモード)へと移行する。ここではストックモードへ移行する場合を説明する。ストックモードへ移行すると図49と同様の画面が表示される。なお、ここでは大当り終了デモ中であるため、演出図柄の変動は停止している。
《(b)第2特別図柄の保留があるとき》
次に、第2特別図柄の保留があるときについて説明する。大当り終了時に第2特別図柄の保留がある場合には、大当り遊技終了後にストックモードへと移行せず、すぐに第2特別図柄による大当り遊技(小当り+特定領域通過による大当り遊技を含む)が開始されるため、大当り終了デモ時間に第2特別図柄の保留数を示す表示を行う。ここでは、「V」が3つ表示されており、第2特別図柄の保留数が3つあることを示している。なお、背景に味方キャラクタの画像が表示されているが、これは、入球容易状態(時短状態)の第1特別図柄のはずれ変動において普通図柄の保留を獲得した場合に表示されるストックモードのVストック結果画面(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の数を報知する演出画面)で表示される味方キャラクタの画像表示と略同一である。
このように、普通図柄の保留を獲得している(保留がある)場合と特別図柄の保留がある場合といった異なる状況であっても、同一の画像を表示することで、現在保留があるか否かを遊技者が認識しやすくなるように構成されている。
大当り終了デモ時間が経過すると、第2特別図柄の特別図柄抽選が行われ、第2特別図柄の特別図柄抽選に応じた演出図柄P802の変動表示(6秒程度)が実行され、演出図柄P802が停止表示されることによって、その後に実行される大当り(小当りV)の種類が示唆される。例えば、「7」図柄や「3」図柄が停止表示された場合には8ラウンド大当り(小当りV)が実行されるよう構成されており、その他の図柄が停止表示された場合には4ラウンド大当り(小当りV)が実行されやすいことを示唆する。
なお、「7」図柄や「3図柄」以外の図柄が停止表示された場合であっても、小当り遊技の際に特定領域P910を通過した場合であって、小当りVが実行されることを告知する期間(役物連続差動装置の作動開始デモ期間)において、4ラウンドを示唆するボーナス画面の表示から、突如8ラウンドのボーナスが実行されることを報知する昇格演出を実行可能に構成されている。
<第4実施例における特徴8>
第4実施例における遊技機は特徴8として、前述したとおり、ストックモード後に発生する大当り遊技の終了デモ中に表示する演出内容を第2特別図柄の保留の有無により異ならせるように構成している。
このように、第4実施例における特徴8では、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710、P906)と、
第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
大入賞口の内部に設けられた特定領域(例えば、特定領域(P910))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
演出を表示可能な演出表示部(例えば、演出表示装置P80)と、
演出表示部への演出表示を制御する副制御部(例えば、副制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第3当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
作動口への入球を契機として取得した補助図柄抽選値に基づいて補助図柄表示部に表示する停止図柄を決定する補助図柄決定手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
入球変動手段による遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化し易い特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
副制御部で実行される演出表示に際して必要な遊技情報を副制御部へ送信する遊技情報送信手段と
を備え、
副制御部は、
主制御部から送信された遊技情報を受信する遊技情報受信手段を備え、
特別遊技として、第1当否判定の結果が第1当りのときに実行し得る第1特別遊技(例えば、第1特別図柄による大当り)と、第2当否判定の結果が第2当りのときに実行し得る第2特別遊技(例えば、第2特別図柄による小当り)と、第2特別遊技を実行した後に遊技球が特定領域を通過すると実行し得る第3特別遊技(例えば、第2特別図柄による小当り→特定領域通過→大当り)と、第2当否判定の結果が第4当りのときに実行し得る第4特別遊技(例えば、第2特別図柄による大当り)を有し、
第3特別遊技の終了期間又は第4特別遊技の終了期間において演出表示部に表示される演出が、第2保留制御手段により第2抽選値が保留されているか否かにより異なる
遊技機となっている。
(打ち分け報知)
次に、図61を用いて、時短状態1回目における遊技状態の遷移と打ち分け報知の表示について説明する。上図は、主制御表示装置P50及び右打ち表示灯P56を示しており、下図における「1」は遊技状態又は遊技状態の変更状況、「2」は打ち分け報知、を示している。なお、通常遊技状態(非時短状態)であれば左打ち、時短状態であれば右打ちが推奨されるのが一般的であるが、ここでは遊技状態において推奨される打ち分け報知とは異なる打ち分け報知を表示するときを主に説明する。
《右打ち表示灯P56》
主制御表示装置P50として複数のLEDが配置されており、図61に示すように、主制御表示装置P50の一つのLEDが右打ち表示灯P56である。右打ち表示灯P56は、主制御CPUによって制御されるLEDである。主制御CPUは、遊技者に推奨する遊技球の発射領域を示す表示である打ち分け報知として、右打ち指示を行うときには右打ち表示灯P56を点灯させ、打ち分け報知として左打ち指示を行うときには右打ち表示灯P56を消灯させる。主に、特別遊技の実行中や特定遊技状態(第4実施例では入球容易状態)において右打ち表示灯P56は点灯される。
《第1特別図柄 はずれ変動》
まず、第1特別図柄がはずれ変動である場合について説明する。第1特別図柄がはずれ変動である場合は、前述したように、図柄固定時間の開始時に時短状態を終了させる。このとき、特定遊技状態である入球容易状態は終了する一方、打ち分け報知として右打ち指示を行うよう構成されている。これは、図柄固定時間に普通図柄の4変動目の当りに基づく普通電動役物P907の開放が行われ、右側領域P501Rに遊技球を発射することで、右側領域P501Rに配置された第2始動入賞装置P908への入球の可能性があるためである。すなわち、入球容易状態で普通図柄が当り図柄として停止表示されたときに動作パターンが設定される普通電動役物P907の作動期間において、第1特別図柄の図柄固定時間の開始後において普通電動役物P907がショート開放又はロング開放が実行されることとなるので、第2特別図柄の保留を獲得できる可能性があるため、右打ち指示を行うように構成している。
そして、図柄固定時間の終了時に第2特別図柄の保留がなければ、左打ち指示を行うよう構成されている。
他方、図柄固定時間の終了時に第2特別図柄の保留があれば、非時短状態であるが、第2特別図柄の変動時間が比較的短くなっており(例:6秒程度)、すぐに第2特別図柄による当り遊技が開始されるので、右打ち指示を行うように構成されている。第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遅延機構P902が右側領域P501Rに配置されているため、図柄固定時間の終了時(第2特別図柄の変動開始時)に発射された遊技球が大入賞口P909に到達するまでに、第2特別図柄の変動時間と略同等かそれ以上の時間を要し、入球容易状態における固定時間の終了時に発射された遊技球であっても大入賞口P909への入球可能性が存在するため遊技者に与える不利益は少ないと考えられるためである。
《第1特別図柄 当り変動]》
次に、第1特別図柄が当り変動である場合について説明する。第1特別図柄が当り変動である場合は、図柄固定時間の開始時に時短状態を終了させる一方、打ち分け報知として右打ち指示を行うよう構成されている。これは、時短状態で開始された第1特別図柄の当り変動が比較的短くなっており(例:4秒程度)、すぐに第1特別図柄による当り遊技が開始されるので、右打ち指示を行うように構成されている。以降、第1特別図柄の当り遊技が開始されるまで非時短状態であるが右打ち指示が行われる。
第1特別図柄の変動表示が当り変動で開始された場合には、図60(a)に示した大当り終了デモ中の表示から、突如ブラックアウトが発生し、第1特別図柄の当りを報知するための、特別図柄変動に対応した変動演出(ブラックアウト解除後に装飾図柄P802がぞろ目で強調表示されて停止する演出)が発生し、大当り遊技へと移行する演出が実行される。なお、本例ではブラックアウト演出のみを例示しているが、その他の演出方法によって第1特別図柄の大当りを報知してもよい。
《第2特別図柄 小当り変動》
次に、第2特別図柄が小当り変動である場合について説明する。第2特別図柄が小当り変動である場合は、図柄固定時間の開始時に時短状態を終了させる一方、打ち分け報知として右打ち指示を行うよう構成されている。これは、時短状態で開始された第2特別図柄の小当り変動が比較的短くなっており(例:6秒程度)、すぐに第2特別図柄による小当り遊技が開始されるので、右打ち指示を行うように構成されている。以降、第2特別図柄の小当り遊技が開始されるまで非時短状態であるが右打ち指示が行われる。
《第2特別図柄 当り変動》
次に、第2特別図柄が当り変動である場合について説明する。第2特別図柄が当り変動である場合は、図柄固定時間の開始時に時短状態を終了させる一方、打ち分け報知として右打ち指示を行うよう構成されている。これは、時短状態で開始された第2特別図柄の当り変動が比較的短くなっており(例:6秒程度)、すぐに第2特別図柄による当り遊技が開始されるので、右打ち指示を行うように構成されている。以降、第2特別図柄の当り遊技が開始されるまで非時短状態であるが右打ち指示が行われる。
<第4実施例における特徴9>
第4実施例における遊技機は特徴9として、前述したとおり、入球容易状態(時短状態)における第1特別図柄のはずれ変動中に普通図柄の保留を獲得し、さらに第2特別図柄の保留を獲得するゲーム性となっている。入球容易状態(時短状態)における第1特別図柄のはずれ変動においては、変動終了の際、言い換えると、図柄固定時間が終了する際に入球容易状態(時短状態)が終了するよう構成されている。しかし、このとき第2特別図柄の保留がある場合には、図柄固定時間が終了する際に入球容易状態(時短状態)が終了するが、右打ち表示灯を点灯させることで右打ち指示が行われる。これにより、図柄固定時間の終了後に開始される第2特別図柄の変動(比較的短時間の変動)においてわざわざ左打ちに戻すことなく遊技を行うことができるように構成している。
このように、第4実施例における特徴9では、
遊技球が流下可能な左側遊技領域と遊技球が流下可能な右側遊技領域とが形成された遊技盤と、
左側遊技領域に設けられた第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710)と、
右側遊技領域に設けられた第2始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
第1始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第2始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第2始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
大入賞口への遊技球の入球が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、入球容易状態)を実行する特定遊技状態制御手段と、
所定のランプを点灯させることで遊技球を右側遊技領域に発射すべきであることを示唆する右打ち示唆手段と
を備え、
右打ち示唆手段は、
特別遊技の実行中及び特定遊技状態において所定のランプを点灯させるよう構成されており、
特別遊技の実行中及び特定遊技状態のいずれにも設定されていない状況であっても、第2保留制御手段に保留が存在する場合には、所定のランプを点灯させ得るよう構成されている
遊技機となっている。
また、右打ち表示灯P56の点灯データ(右打ちの時の点灯「1」、左打ちの時の消灯「0」)のデータは、主制御CPUから副制御CPUに対して、推奨すべき発射位置を指示するための推奨発射位置指定コマンド(発射位置指定コマンドともいう)のコマンドを生成するためのデータとしても用いられ、推奨発射位置指定コマンドは、主に変動開始時や変動終了時、当り遊技の開始時、当り遊技の終了時、遊技状態の変更時などに副制御CPUに送信され、副制御CPUにて、推奨される発射位置に関する報知画像(例えば右打ち報知P832や左打ち報知P834などの打ち分け報知P830)の表示制御に使用される。
すなわち、演出表示装置P80では、図61に示す「2.右打ち指示」または「2.左打ち指示」に応じた表示がなされていると間接的に理解される(「2.左打ち指示」は非表示でも可)。また、図61は時短1回目の変動表示についての表を示しているが、時短1回目(ストックモード)の後に、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が生起している状況で変動表示が行われる、非時短(非入球容易状態)における第2特別図柄の変動表示も、図61の「特図2小当り変動」、「特図2当り変動」と同様の打ち分け報知P830が実行されるように構成されている。
<第4実施例における特徴10>
第4実施例における遊技機は特徴10として、前述したとおり、左側ルートには上流側から順に遅延機構(P902)→振り分け部(P903)→普図作動口1(P904)→第1始動入賞装置2(P906)→普通電動役物(P907)(及び第2始動入賞装置(P908))→大入賞口(P909)の順に設けられており、特定遊技状態において右打ちした際に、普通図柄の作動口のみを遊技球が通過して第1特別図柄の始動口に入球しないことがないように構成されている。さらに、複数の入球容易状態のうちの1つの入球容易状態では、正常に遊技が行われた場合(例えば、入球容易状態では右打ちする、球詰まり等のエラー状態が発生していない等)には、入球容易状態においてN個(第2特別図柄の保留最大数)の第2特別図柄の保留が獲得し得るよう構成されている。
このように、第4実施例における特徴10では、
遊技球が流下可能な左側遊技領域と遊技球が流下可能な右側遊技領域とが形成された遊技盤と、
第1始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置P710)と、
第2始動入賞口(例えば、第1始動入賞装置(P906))と、
第3始動入賞口(例えば、第2始動入賞装置(P908))と、
作動口(例えば、普図作動口1(P904)、普図作動口2(P905))と、
第1始動入賞口又は第2始動入賞口への入球を契機として第1識別情報を表示可能な第1識別情報表示部(例えば、第1特別図柄表示装置P51)と、
第3始動入賞口への入球を契機として第2識別情報を表示可能な第2識別情報表示部(例えば、第2特別図柄表示装置P52)と、
作動口への入球を契機として補助識別情報を表示可能な補助識別情報表示部(例えば、普通図柄表示装置P53)と、
第2始動入賞口に対する遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする入球変動手段(例えば、普通電動役物(P907))と、
遊技球の入球が相対的に困難な状態又は相対的に容易な状態とする大入賞口(例えば、大入賞口(P909))と、
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御CPU)と
を備え、
主制御部は、
第1始動入賞口又は第2始動入賞口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
第3始動入賞口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
作動口への入球を契機として取得した第3抽選値に基づいて第2当否判定を実行する第3当否判定手段と、
第1抽選値を、所定個数を上限に、第1当否判定に対応する第1識別情報の変動表示開始まで保留する第1保留制御手段と、
第2抽選値を、所定個数を上限に、第2当否判定に対応する第2識別情報の変動表示開始まで保留する第2保留制御手段と、
第3抽選値を、所定個数を上限に、第3当否判定に対応する補助識別情報の変動表示開始まで保留する第3保留制御手段と、
を備え、
左側遊技領域には第1始動入賞口が設けられ、
右側遊技領域には第2始動入賞口、第3始動入賞口、作動口、入球変動手段及び大入賞口が設けられ、
右側遊技領域にはさらに、
第2始動入賞口の上流側に設けられており一定周期で可動する振り分け部(例えば、振り分け部(P903))と、
振り分け装置の上流側に設けられる遊技球の流下を遅延させるための遅延部(例えば、遅延機構(P902))とを備える
遊技機となっている。
<変更例1>
第4実施例では、当り遊技終了後にエクストラストックモードへ移行するのは、直前の大当り(小当りV)の契機となった当り図柄が入球容易状態1となる当り図柄に当せんしていた場合のみである。しかしながら、図52および図53に示した通り、入球容易状態1に移行する確率(入球容易状態1へ移行することとなる当り図柄の比率)は4%となっており、エクストラストックモードに制御されることはごく稀である。このようにエクストラストックモードの実行契機が滞在中の入球容易状態の種別のみとなると、遊技者がエクストラストックモード(最も有利な遊技状態)を楽しむ頻度が低下し、遊技意欲の低下につながる虞がある。
このような課題への対応として、ストックモード(普通図柄の1変動目)へ移行した後、現在の普通図柄1変動目の変動(普通電動役物P907の作動)により普通電動役物がロング開放となり、且つ、残りの普通図柄の保留が全てロング開放となる当りであることが普通図柄の事前判定情報より確定的となる場合(4回のロング開放が確定的な状況下である場合)に、入球容易状態1ではない場合であっても強制的にエクストラストックモードへ移行させるよう構成してもよいし、高確率(例えば70%程度)でエクストラストックモードに移行することに当選する演出実行抽選を行うように構成してもよい。
このように構成することで、出玉を多く獲得できる期待度が高いエクストラストックモードを多く発生させることができるようになり、遊技者の遊技意欲の向上に期待ができる。
<変更例2>
第4実施例では、オーラは、現在滞在している入球容易状態の種別と普通図柄1変動目の当りに基づいて普通電動役物P907がロング開放となるか否かとの情報に基づいて実行態様が決定されて演出表示される構成としたが、これに限られず、普通図柄の1変動目の普通図柄抽選の結果(普通電動役物P907の作動パターン)がロング開放となる当りがあるか否かに基づいてのみ表示される構成としてもよい。
このように構成することで、遊技者は演出表示装置P80の普通図柄保留画像によって保留1個ごとのロング開放当りの期待度を認識でき、オーラによって全ての保留によるロング開放当りの期待度(つまり、何回ロング開放当りとなりそうか)を認識できる。
また、他の変形例として、入球容易状態の種別や普通図柄1変動目の当りに基づいて普通電動役物P907がロング開放となるか否かとの情報に基づいてオーラが変化するタイミングを、普通図柄抽選に係る保留が3つ貯留された以降の状況下で、遊技球が普図作動口(ゲート)を通過したとき(普通図柄保留変化煽りエフェクトと同様のタイミング)としてもよい。つまり、遊技球が普図作動口(ゲート)を通過したときに普通図柄保留画像の変化が発生し得るため、普通図柄保留画像の変化にあわせてオーラも変化し得るように構成してもよい。
このように構成すると、オーラ演出の昇格(期待度上昇)が、遊技者の遊技(普図作動口P903、P904の通過)に依存することとなり、入球容易状態の種別の報知の有無を遊技者が選択可能に構成することができる。すなわち、残りの普通図柄保留(普通図柄の2変動目から4変動目)がいずれの入球容易状態に滞在している可能性が高いか不明な状態で演出を楽しむことができるようになる。
<変更例3>
第4実施例では、第2特別図柄の保留があることを示す「V」の表示パターンについて特に説明していないが、「V」の表示パターンを複数備えるよう構成してもよい。例えば、金と赤の2種類備え、金であれば8ラウンド確定、赤であれば4R濃厚(8ラウンドの可能性もあり)としてもよい。これに加え、ストックモードの普通図柄の4変動目(第1特別図柄の図柄固定時間移行前に普通図柄の4変動目が停止表示されなかった場合は普通図柄の3変動目)の普通図柄の変動演出(バトル演出)の終了後に、ストックモードのVストック結果画面(図60(b)と略同様の画面)を表示したのちに、第1特別図柄の図柄固定時間が経過し終わるまで(言い換えると第2特別図柄の変動表示が開始されるまで)の期間に、「V」表示の昇格演出(「赤」から「金」に昇格するか否かを煽る演出)を行うようにしてもよい。第4実施例では、Vストック結果画面が表示された後は、第1特別図柄のはずれ変動が終了するまで待機するのみであるが、当該昇格演出を備えることで、遊技者が単に待機するだけの状態を解消することができる。当該昇格演出により「V」表示が昇格するか否かは、遊技球が普図作動口(ゲート)を通過する度に副制御CPUが抽選で決定してもよいし、演出ボタンP381が操作された場合に副制御CPUが抽選で決定してもよいし、Vストック結果画面の表示後5秒後等固定のタイミングで変化するように構成してもよい。
また、Vストック結果画面でなく、大当り終了デモ画面において、残りのストック数をVとして報知している画面(図60(b)参照)において、次の第2特別図柄の特別図柄抽選に対応するV画像であり、赤で表示されているV画像を、次の第2特別図柄の特別図柄抽選が8ラウンドとなる場合において、大当り終了デモ画面の表示中や、第2特別図柄の変動開始直後等のタイミングで金色に昇格させるように構成することもできる。
これらのストック結果画面や大当り終了デモ画面等にて行われるV画像の昇格によるラウンド数が8ラウンド(第4実施例のぱちんこ遊技機Pにおける最大ラウンド)に昇格する演出は、前述した小当りVの特定領域P910通過後の昇格演出よりも先に告知可能な昇格演出として、先告知昇格演出と呼ぶことも可能である。
<変更例4>
第4実施例では、ストックボーナス中の演出は、大当りムービーが表示されるのみであった。このような構成では、図47にて説明したようにストックボーナスの開始後、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留がなくなるまで大当りが繰り返されることになるが、大当り中の遊技演出として大当りムービーが繰り返されるだけの単調な演出になってしまう虞がある。そのため、第2特別図柄の最終保留に係るストックボーナスにおいてバトル演出やその他の成否が報知可能なミッション演出等を実行する等により、大当り遊技終了後の入球容易状態の種類を示唆するよう構成してもよい。なお、このように第2特別図柄の最終保留に係るストックボーナスを特殊な大当り演出パターンとする場合には、通常の大当りムービーが見られなくなる虞を回避するため保留が2個以上の場合にのみ、最終保留のストックボーナスにおいて大当り遊技終了後の入球容易状態を示唆する演出を実行するよう構成してもよい。
これにより、例えば、バトル演出に勝利すれば大当り終了後にエクストラストックモード(入球容易状態1)へ突入し、バトル演出に敗北すると大当り終了後にストックモード(入球容易状態2,3)に突入するように構成することができる。なお、演出の成功時の報酬は、成功=エクストラストックモード(入球容易状態1)ではなく、成功=チャンスストックモード以上(入球容易状態1、または入球容易状態2)としてもよいし、これらの報酬はバトル演出の対戦相手によって異なるように定めてもよい(例えば、敵キャラAなら成功=入球容易状態1、敵キャラBなら成功=入球容易状態1または入球容易状態2とする等)。
また、ストックモードにおける入球容易状態の種別の示唆を受けずに遊技したい遊技者のために、事前の演出カスタムや、演出開始時の演出操作手段P380の操作に基づいてバトル演出をキャンセル可能に構成してもよい。
なお、大当り終了後の入球容易状態(ストックモード、エクストラストックモード)を示唆する演出を実行するのは、大当り遊技中のみに限られない。例えば、第2特別図柄の最終保留の変動中に実行してもよく、第2特別図柄の最終保留の変動表示の際に、特別図柄の変動表示に対応する演出図柄P802の変動表示と対戦キャラ決定~ストックボーナス(バトル演出)の導入演出とを実行してもよい。
このように、第2特別図柄の最終保留の変動表示の際に、対戦キャラクタの決定等を煽る場合には、第4実施例のように6秒程度の当り変動時間では不十分となりえるため、第2特別図柄の保留個数が1個である場合に限り、第2特別図柄の大当り(小当り)の変動時間を15秒の変動パターンとなるように変動パターンテーブルを切り替えるように構成したり、保留数が1個であることに応じて図柄固定時間を通常より9秒程度長くしたり(変動時間6秒)することで、第2特別図柄の変動表示から特別遊技(大当りまたは小当り)に移行するまでの制御時価を長く構成し、演出時間を確保するように構成することもできる。
なお、このような演出時間を確保する対応をとる場合、ストックモードにおいて、1個のみ第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した場合(大当り中にバトル演出を発生させない状況)にも同様の演出尺が生じてしまうことより、このような場合に実行する代替演出を用意するように構成してもよい。例えば、1個だけストックされた第2特別図柄の特別図柄抽選に対応するV画像の昇格煽り(ストックされた保留が8ラウンド当りである場合に限りV画像を赤から金に昇格させることが可能な演出)を実行し、例えば演出操作手段P380の操作により、条件(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が8ラウンド大当り(小当り)を実行する保留であること)を満たす場合にV画像が昇格(金色に変化)するように構成してもよい。なお、この昇格煽りは大当り(小当り)の種別を煽るものでなく、ストックした第2特別図柄の特別図柄抽選の保留によって実行される大当り(小当りV)の後に移行する入球容易状態の種類を示唆する表示、例えば、入球容易状態1へ移行する第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留である場合に、V画像が虹色に変化することでエクストラストックモードに移行することが確定する演出表示を第2特別図柄に対応する変動演出における予告演出として実行するようにしてもよい。
<変形例5>
第4実施例では、ストックモード(第1特別図柄の1回のはずれ変動)の期間に、普通図柄抽選(普通電動役物P907の作動)を、最大で4回(第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留の最大保留可能個数)実施可能とし、普通図柄の変動時間を短く(100ms)、普通電動役物P907の作動時間を長く構成した。このようにすることで、大当り終了直後のストックモード開始直後における普通図柄1変動目の普通電動役物P907の作動を早めるとともに、第1特別図柄の図柄固定時間における5回目以降の普通図柄抽選を非入球容易状態のにて実行されるように構成した。
変形例としては、入球容易状態における普通図柄の変動表示時間を長く構成し(ショート開放時47秒、ロング開放時42秒)、普通電動役物P907の作動パターンを開放1回として構成してもよい(ショート開放時0.04s、ロング開放時5.0s)。なお、このように構成する場合には、普通図柄の変動停止時ではなく、普通図柄の変動開始時に当選した普通図柄の当り図柄によってあらかじめ普通電動役物P907の作動パターンを設定しておくようにすることが好ましい。なお、このような設計とする場合、非入球容易状態では、いずれの当り図柄が当選した場合でも変動時間0.1sかつ、普通電動役物P907の作動パターンをショート開放のみとする。
このように構成した場合には、第4実施例のようにバトル演出などの普通図柄の変動(普通電動役物P907の作動)に対応する演出図柄P802の変動演出が実行されている際に、主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53の点灯パターンによる、普通電動役物P907の作動パターンの先バレ防止策である普通図柄表示装置P53のLEDを6灯とする対応をとる必要はなく、3種類の当り図柄が表示可能な2灯のLEDを配置するだけで済み、その他の遊技用表示のためのLEDを用意可能となり、ストックモード以外の遊技性を充実させるようにできると考えられる。
<第4実施例に関する不正遊技対策のための変形例>
第4実施例およびその変形例では、図46に示したように、第1始動入賞装置2P906の上流に、遅延機構P902および振り分け部P903を配置し、第1始動入賞装置2P906への入賞を避けて普図作動口2P905や第2始動入賞装置P908、大入賞口P909のみを狙う遊技を困難としている。
より具体的には、20秒~30秒遊技球を遊技領域P501の右側領域P501Rに向けて発射すると第1始動入賞装置2P906に1球は入賞するように構成されており、大当り遊技を消化するために右側領域P501Rに向けて遊技球を発射すると、大当り遊技中に第1始動入賞装置2P906への入賞によって第1特別図柄抽選に係る保留が少なくとも1個発生するように構成されており、ストックボーナスの終了後すぐにストックモード(またはエクストラストックモード)が開始されるように構成されている。
ところが、悪意を持った遊技者が、振り分け装置P903に対し、何らかの不正行為を行い、第1始動入賞装置2P906への入賞を阻害するように不正な遊技が行われてしまうと、第1特別図柄の変動表示が行われないため、入球容易状態が終了せず、無限に継続している状況が発生し、普通図柄抽選が設計値である4回以上受けられるように不正な遊技ができてしまう。
このような不正遊技が行われてしまうと、普通図柄抽選にてロング開放となる普通図柄に当選するまで普通図柄抽選を受けることが可能となり、その結果、第2特別図柄抽選に係る保留が必ず獲得できてしまう状態が不正に創出されてしまう虞がある。
そこで、第4実施例の変形例として、以下のいずれかの不正遊技対策の採用が検討できる。
(対応策1)
まず1つ目の不正対策として、入球容易状態の継続に関しリミッタ機能(以下「時短リミッタ」)を設けることが考えられる。
「時短リミッタ」は、入球容易状態である期間に大当り(小当りV)が連続して発生した場合に、リミッタとして定められる判定回数と同一回数だけ連続して大当り(小当りV)が発生した場合に、当該大当り(小当りV)のあとに発生する予定であった入球容易状態を強制的に発生させないように制御する機能である。
第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、正常に遊技を行う善意の遊技者は、ストックモードである第1特別図柄の変動表示が実行された場合に入球容易状態が終了することとなるため、大当り(小当りV)の発生時点では入球容易状態が終了していることとなり、リミッタ機能の作動に係るカウンタ値がリセットされている状況が発生するように制御するようになっている。
なお、このように構成する場合には、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、当り変動の開始時点で入球容易状態が終了する構成となっているため、入球容易状態にて当り変動が開始した場合には、「時短リミッタ」の作動に関するカウンタをクリアせず、大当り(小当りV)の発生によりカウンタ値がそのまま継続してカウントされるように構成されるようにすることが好ましい。
このように構成することで、悪意を持った遊技者が、強制的に入球容易状態を継続させ、普通図柄抽選によってロング開放の当選を待って、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留を獲得し、強制的に当り変動を獲得させることを繰り返した場合、「時短リミッタ」が発生することで、強制的に入球容易状態を終了させ通常遊技状態に移行させることができるようになる(第1特別図柄の変動表示を行わない不正な遊技手法の場合、第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生した段階で即座に第2特別図柄の特別図柄抽選によって大当り(小当りV)が発生するため、大当り遊技後に第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留が発生していることはなく、不正な遊技による入球容易状態は確実に終了する)。
対応策1の「時短リミッタ」の場合、リミッタの作動のための判定回数を7~8回程度の少ない回数に定めておくことが好ましい。第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、善意の遊技者が正常に遊技している場合でも、ストックボーナスが4回連続することがあり、その後の第1特別図柄の抽選が稀に大当りとなることも考慮し、ストックモード開始後の第1特別図柄の抽選により大当りが3回~4回程度連続するという偶然性の高い状況で入球容易状態が終了してしまう程度の判定回数が設定されている。
(対応策2)
次に2つ目の対応策を説明する。2つ目の対応策は、入球容易状態の終了条件として、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでの終了条件(第1特別図柄の変動終了時または、特別図柄の当り変動の開始時)に加え、「普通図柄抽選をN回実施したとき(本例ではNは4回とする)」を追加する例が挙げられる。
対応策2を適用した、第4実施例のぱちんこ遊技機Pでは、悪意を持った遊技者が、不正に普通図柄抽選を繰り返したとしても、善意の遊技者がストックモードを通常の設計通り遊技した場合と同様に普通図柄抽選を4回だけ受けられるのみであるため、不正行為を行う効果をなくすことができる。
このような対応策を講じた場合、普通図柄抽選4回で必ず入球容易状態が終了しうるように構成されるため、第4実施例における入球容易状態の終了条件である「第1特別図柄の変動表示が終了したとき」などの終了条件は設定しないように構成することもできる。
なお、対応策2を適用した場合、第4実施例のぱちんこ遊技機Pのように、第1特別図柄のはずれ変動の時間と普通図柄の変動及び普通電動役物の作動時間とを、4周期分に収まるように調整する必要はなく、第1特別図柄のはずれ変動時間をより長く設定し、普通図柄抽選の変動時間を長時間で多様なパターンを選択しうるように構成することも可能となる。
(ただし、普通図柄の変動時間の最大時間+普通電動役物P907の作動時間の4回分が収まりうる時間だけ第1特別図柄の制御時間(変動時間および図柄固定時間)が設定される必要がある。)
このように、普通図柄の変動時間を短時間~長時間で多様なパターンを選択できるように構成することで、普通図柄の変動演出が通常遊技状態の特別図柄に対応する変動演出と同様、ノーマルリーチやSPリーチなど変動演出の時間に長短の差がある演出内容を表示可能となり、表示される演出の種類や予告演出との複合パターン等により、普通図柄の当りはずれについて、報知するための時間を創出できる。
また、対応策2のように普通図柄の抽選回数で必ず入球容易状態が終了する場合には、変動表示の時間を長く構成できるため、普通図柄表示装置P53にて図柄を停止表示した後に普通電動役物P907の作動時間において普通図柄抽選の結果に関する変動演出を必ずしも実行する必要はなく、普通図柄表示装置P53にて普通図柄が変動表示されている期間において普通図柄の変動演出の全部または大部分を表示可能とすることもでき、事前に普通図柄を停止表示させずに済むことから、第4実施例のように普通図柄の当り確率を100%とせずに、普通図柄にはずれとなるパターンを用意することもできる。さらには、普通図柄抽選にはずれを持つことが切る場合、入球容易状態の種類について普通図柄の当り図柄事の開放延長機能の有無を異ならせるのではなく、1の当りとなる普通図柄のみを使い、入球容易状態毎に当り確率が異なる仕様(図43など参照)等も採用可能となる。
[第5実施例]
続いて第5実施例について説明する。第5実施例は、本実施例~第4実施例と同様に小当りVを採用したぱちんこ遊技機において適用される演出制御の技術であり、より具体的には、小当り遊技となる特別図柄の変動表示における変動演出として特定リーチが実行された場合に、リーチ演出の当り報知後の余韻演出を小当り遊技に跨って実行させることにより、当りの余韻演出の期間を特別遊技(小当り)に割り当てることができ、特別図柄の変動時間の長大化を防止することができる技術である。
以下、図62から図65を用いて、第5実施例の特定リーチ演出の演出制御内容について説明を行う。ここで、図62、図63はそれぞれぱちんこ遊技機の特定リーチまたは非特定リーチ(特定リーチ以外のリーチ演出)で小当り遊技に当選した場合の演出タイムチャートを示しており、図64は非特定リーチ演出の演出表示の流れを示す演出表示例を示し、図65は第5実施例の特徴点である余韻演出の実行時期に関する演出制御例を示している。
なお、第5実施例のぱちんこ遊技機の遊技性(スペック)及び遊技状態遷移(ゲームフロー)は、小当りV(小当り発展大当り)を採用しているスペックであればいずれのスペックであっても実施可能であるが、第5実施例の説明においては、本実施例と同様の遊技性、遊技状態遷移(図21参照)を前提として説明を行う。
(特定リーチの演出タイムチャート)
最初に、図62を用いて、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特定リーチの実行される変動表示における変動演出の内容について説明を行う。なお、本説明においては、特定リーチ演出の具体的な演出や、リーチ演出に至るまでの過程については、適宜設定可能な演出内容であることより説明を省略しているが、一例として、特定リーチは主人公キャラクタと複数のヒロインキャラクタのうち一人(ないし二人、三人等)をメインヒロインとしたキャラクタリーチであり、複数のヒロインの人数分または人数分以上の複数の実行パターンを有するリーチ演出パターンとして実行されるものである。
図62において、図中の(a)には、主制御基板P40(主制御CPU)での特別図柄および特別電動役物の制御状態を簡易的に示す。図中(b)は、演出制御基板P41(演出制御CPU)によって制御される演出の状態(実行中の演出内容)の概要を示している。図(c)は演出表示装置P80で実行される演出内容の代表的な部分に関して説明するものであり、図中(d)(e)は、図(c)の演出の実行タイミングにおける特徴的なランプ制御および音制御(音声、BGM、効果音の制御)について示している。以下の詳細な説明は図中(b)に示す演出期間ごとに説明を行う。
《リーチ中~余韻演出(開始)における演出制御》
まず、図62の特定リーチ中の演出タイムチャートにおいて、開始時点に示される演出期間であるリーチ演出の実行中から余韻演出の開始までの演出例について説明を行う。なおリーチ演出および余韻演出の開始直後までの演出期間は、図62(a)中に示すように、特別図柄の変動表示中や特別図柄の図柄固定時間に対応する変動演出の実行期間である。
リーチ演出および余韻演出の開始直後までの演出期間においては、第5実施例の特徴点を構成する主な演出として、次の4つのポイントとなる演出が実行される。
「リーチ演出の当落分岐」は、特別図柄抽選に対応する変動演出の実行過程のうちリーチ演出が実行されている期間で、特に大当りであるか否かを報知するための演出期間の演出である。第5実施例においては、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381、演出レバーP382)の操作によって、今回の特別図柄抽選が当り(小当り又は大当り)であることまたははずれであること(不図示)を報知する演出に切り替わることを示唆する演出(演出入力を促す場合は「操作入力演出」ともいえる演出)である。なお、第5実施例においては、装飾図柄が停止するのは後述する演出役物P560の退避がなされるタイミングであり、当落を報知する演出(当落分岐演出)を広義にとらえれば、図62中の「演出役物退避+装飾図柄停止」のタイミングまでを当落分岐演出として捉えることも可能である。
「演出役物動作+演出役物動作エフェクト」は、前述した「リーチ演出の当落分岐」の期間において、遊技者が演出操作ユニットP380に対する入力操作を行ったとき、あるいは演出操作ユニットP380への入力操作が行われず、所定期間(例えば、演出操作ユニットP380の操作有効期間)が経過した場合に移行する期間の演出である。具体的には、演出表示装置P80の表示領域前方に進出して動作する演出役物P560の動作演出と、演出役物の動作演出を引き立てるために演出表示装置P80のほぼ全画面にリーチ演出に重ねて表示されるエフェクト(効果)画像を表示する演出期間である。
「演出役物退避+装飾図柄停止」は、演出表示装置P80の表示領域前方に進出した演出役物P560を初期位置等の演出動作後の所定の退避位置(第1待機位置である初期位置以外にも、第2待機位置等の他の位置を退避位置としてもよい)へ移動させる演出期間であり、演出役物P560が移動すると同時に、演出役物動作エフェクトとして表示された画像が、ホワイトアウトした後、徐々に透過しリーチ演出の結果画像(後述する余韻演出でもよい)が視認可能となるよう構成されている。第5実施例においては、リーチ演出の結果画像が表示されるときに、装飾図柄P801が3つぞろ目で停止(仮停止)している状態となっており、1秒程度の短時間の間装飾図柄P801を遊技者に視認させた後、装飾図柄P801を小さくして画面の隅に退避させ、「余韻演出」を開始する。
次に、特別図柄の変動表示中や特別図柄の図柄固定時間において実行される「余韻演出」であるが、このタイミングの「余韻演出」は、後述する小当り遊技中に実行される「余韻演出」とリーチ演出を一連の流れとして表示するために事前に演出表示装置P80の演出を「余韻演出」の背景画像に切り替える目的で0.5秒程度の短時間の演出として実行される。小当り遊技中の開始後に行われる「余韻演出」では、背景画像に加え、様々な演出表示が実行されるが、その詳細については後述する。
図62の「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間におけるランプ演出および音演出に関する演出内容について説明を行う。
「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間のランプ演出及び音演出について、従来の遊技機のリーチ演出と差はなく特筆した特徴点はない。「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間のランプ演出及び音演出については、演出表示装置P80に表示されるリーチ演出や演出役物P560の動作に合わせて、演出ランプP82(盤ランプP550や、枠ランプP350)において発光演出を行い、スピーカP83(幕板スピーカP141、上スピーカP371)において音演出を行う。
《余韻演出における演出制御》
次に、第5実施例のぱちんこ遊技機Pの特徴点である、小当り遊技中の演出期間である「余韻演出」期間について、演出制御内容の説明を行う。当該期間は、図62(a)に示すように小当り遊技中の期間である。より具体的には、主制御基板P40(主制御CPU)において小当りに基づく特別電動役物制御処理が実行されている期間であり、小当り開始デモ期間、小当りのラウンド遊技(単位遊技)の実行期間、小当り終了デモ期間等に制御される期間である。
「余韻演出」の具体的な演出内容は、図62(c)において代表的な内容が示されている。
小当り遊技が開始されると、特別図柄の変動中、図柄固定時間中から開始した「余韻演出」に「Congratulations!」と、遊技者に対して当り(小当り)を獲得した旨
を祝福するメッセージ(祝福メッセージP879)が表示される。それと同時に、余韻演出として、リーチ演出の内容に対応したストーリー演出が進行する。前述したとおりリーチ演出は、主人公キャラクタとヒロインキャラクタとでストーリーが展開するキャラクタリーチで構成されているため、当落分岐演出までの過程を踏襲したストーリー演出(後日談など)が展開される。なお、ストーリー演出は、後述する大当り開始デモ期間(役連作動開始デモ期間)のラウンド報知演出の開始時期まで継続して表示され、遊技者の小当り遊技の消化速度を考慮して5秒~10秒程度の比較的短い演出態様で構成されている。なお、「余韻演出」の途中でラウンド報知演出が開始した場合、「余韻演出」の完了を待たずラウンド報知演出を開始し、「余韻演出」の終了時期においても小当り遊技が継続する場合には、「余韻演出」の最終画像にて停止表示して待機させる。
また、第5実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80での「余韻演出」の開始(「Congratulations!」の表示開始)と同時期に、遊技者に対して大当り遊技の実行権利を獲得させるため、大入賞口P750の内部に設けられた特定領域P760に向けて遊技球を発射させることを促す「特定領域発射促進演出(小)P838」をストーリー演出に重ねて表示させる。「特定領域発射促進演出(小)P838」は、非特定リーチにおける小当り遊技期間にて演出表示装置P80に表示される演出である「特定領域発射促進演出(大)P837」(詳細は後述する)よりも演出表示装置P80の表示領域を占有する面積が小さく構成されているとともに、ストーリー演出の内容をなるべく阻害しないように目立たないよう視認性を低下させて実行される。
「特定領域発射促進演出(小)P838」および「特定領域発射促進演出(大)P837」は、遊技者に対して推奨される発射位置を報知する打ち分け報知P830(推奨発射位置報知)の演出の一種であり、「Vを狙え!」や「大入賞口を狙って!」などの文字や、大入賞口P751を模した画像が演出表示装置P80に表示される。
また、「余韻演出」期間において、遊技者が小当り遊技を行い、大入賞口P751の内部に設けられた特定領域P760を遊技球が通過すると、「特定領域発射促進演出(小)P838」の表示が終了し、「V入賞演出(小)」を表示させる。「V入賞演出(小)」は、遊技者が小当り遊技を遊技し、大入賞口P751の内部に設けられた特定領域P760に対する遊技球の通過が検出されたこと、すなわち遊技者が大当りの実行権利を正常に獲得したことを報知するための演出である。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「余韻演出」期間中においては、ストーリー演出の演出内容の演出表示を遊技者に認識させることで興趣を高めるよう構成しているため、「V入賞演出(小)」は「特定領域発射促進演出(小)P838」と同様に目立たないように構成することが好ましく、特定領域P760に対する入賞が発生したことを確認しやすいように「特定領域発射促進演出(小)P838」とほぼ同じ位置(「特定領域発射促進演出(小)P838」を表示していた位置の近傍)に表示し、「V入賞演出(小)」を「特定領域発射促進演出(小)P838」よりも演出表示装置P80における表示領域の占有領域を小さくすることで、よりストーリー演出の視認性を高めうるよう構成している。
続いて、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおける「余韻演出」の演出期間でのランプ演出および音演出の特徴点について図62(d)、(e)を参照しながら説明を行う。
まず、「余韻演出」期間中のランプ演出は、少なくとも2つのランプ演出が同時に実行されている点を特徴としている。
「余韻演出」期間中のランプ演出の1つとしては、当落分岐演出の実行時から継続して発光している「虹色発光演出(「当り報知発光演出」とも称する)」が相当する。「虹色発光演出」は、遊技者に対して当りを獲得したことを報知するため、演出ランプP82(盤ランプP550や、枠ランプP350)を虹色に発光させる演出である。第5実施例のぱちんこ遊技機Pでは、少なくとも枠ランプP350が虹色発光して演出を実行する。なお、本説明においては一例として虹色発光を挙げているが、当りを報知するものであれば虹色発光でなくてもよいし、虹色発光する発光部が枠ランプP350や盤ランプP350の一部に割り当てられ、その他の発光部では、ストーリー演出に対応した発光演出や、小当り遊技中の大入賞口P751に対する入賞に応じた発光演出等が適宜実行されるものであってよい。
「余韻演出」期間中のランプ演出のもう1つの発光演出は、「特定領域発射促進演出(小)P838」に対応する発光演出であり、「誘導発光報知P839」と称する。「誘導発光報知P839」は、演出ランプP82(盤ランプP550や、枠ランプP350)を、ぱちんこ遊技機Pまたは遊技領域P501の左側に設けられた演出ランプP82から中央および右側に設けられた演出ランプP82に向けて順番に流れるように点灯表示(例えば白色で発光)を行うことで、遊技領域P501の右側領域P501Rに設けられた大入賞口P751に向けて遊技球を発射すべきことを報知するランプ演出である。「誘導発光報知P839」は、演出ランプP82のそれぞれが点灯開始したタイミングから一定期間経過後に「誘導発光報知P839」に基づく発光を終了させることを複数回繰り返すことが可能(例えば3回繰り返しや、小当り遊技中常時、あるいはV入賞演出(小)の実行まで繰り返し、など)な構成となっており、「誘導発光報知P839」が終了した場合には、同時に実行されている発光演出、例えば前述した「虹色発光」や、その他の演出発光が視認可能となるように構成されている。
すなわち、「誘導発光報知P839」は、エラー等特殊な状況を報知するための発光演出を除き、通常演出として実行されうる発光演出の中で演出ランプP82の発光演出としての優先度が高く設定されている。
次に、「余韻演出」の演出期間中の音演出であるが、当該期間における音演出は、ストーリー演出におけるBGM、音声(セリフ)、効果音が最も可聴性が高く出力される(例えば音量が最も大きく出力される)ように構成されている。
ストーリー演出が実行されている期間においては、小当り遊技の実行に際して大入賞口P751に遊技球が入賞した旨を報知する効果音(入賞音)や特定領域P760に対する遊技球の通過があった旨を報知するV入賞音等を出力可能であるが、非特定リーチ等で小当りとなった場合に実行される小当り遊技における大入賞口P751に遊技球が入賞した旨を報知する効果音(入賞音)等と比較して、音量が低く設定されるか、あるいは音を出力しないように構成している。なお、ストーリー演出が終了またはストーリー演出の結末がほぼ確定した終了前のタイミングより、大入賞口P751に遊技球が入賞した旨を報知する効果音(入賞音)等の音量を上げたり、音の出力を開始したりすることで可聴性を高めるように構成してもよい。また、V入賞音や、V入賞演出(小)が開始されることを報知する効果音等は、0.5秒程度の音声出力であって、一時的なものであることより、ストーリー演出のBGM、音声などよりも可聴性を高める(音量を上げたり、小さい音でも音程を高いもので出力したりする)ように構成してもよい。
また、「余韻演出」のストーリー演出が実行されている期間においては、小当り遊技が進行している状況下であることより、遊技者が大入賞口P751に向けて遊技球の発射を忘れていると推測される状況(例えば、ストーリー演出の開始後10秒程度経過し、キャラクタのセリフがすべて出力されてしまった後の状況や、長時間のストーリー演出の場合は進行に関係なく小当り遊技の開始から一定時間経過)となった場合、大入賞口P751に向けて遊技球の発射を行い、特定領域P760に対する遊技球の通過を発生させるよう注意喚起を行う「大当り損失回避注意喚起」を実行するように構成してもよい。「大当り損失回避注意喚起」は、ストーリー演出のよりも優先すべき内容であると考えられるため、演出表示装置P80や演出ランプP82、スピーカP83において、前述した演出内容よりも優先して遊技者の識別性や可聴性が高い態様で演出(例えば画面中央に大入賞口P751を模した画像を表示するとともに、大入賞装置P750に設けられた発光部を白色などで強調発光させ、「大入賞口をねらってね」などのセリフ音声をスピーカP83から出力するなど)を実行することが好ましい。
《ラウンド報知演出における演出制御》
続いて、設計者が意図したとおり遊技者が遊技球を特定領域P760に対して通過させた(V入賞させた)状況下で小当り遊技が終了した場合に移行する、大当り開始デモ(役連作動開始デモ)期間に対応する演出期間の「ラウンド報知演出」期間に関する演出制御について説明を行う。
「ラウンド報知演出」は本実施例にて説明した「大当り種別報知演出」(図26参照)と同様の演出であり、小当り遊技を開始する契機となった特別図柄の停止表示態様(小当り図柄)に応じて、小当りV(小当り発展大当り)として実行される大当りのラウンド数を報知する目的で実行される。なお、図26に示した本実施例の技術では、今回の大当りのみの場合と、保留内に小当り(大当り)が存在するか否かで選択される大当り演出の種類が異なるよう構成されていたが、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、10ラウンド大当りであるか、4ラウンド大当りであるかなど、ラウンド数の差によって異なる大当り演出の種別を報知する演出で構成され演出を基本的な演出としている(場合によっては、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいても本実施例のように保留内の当りを報知してもよい)。
「ラウンド報知演出」の実行態様としては、一例として、「HYPER_BIG_BONUS(10ラウンド)」、「BIG_BONUS(7ラウンド)」、「BONUS(4ラウンド)」などと記載されたオブジェクトがキャラクタの周囲を周回し、その中から1つのオブジェクトをキャラクタが選定することにより、実行される大当りの種別を報知するように構成する例が挙げられる。なお、本説明の中で表記しているラウンド数は、小当り遊技を1ラウンド目として換算したラウンド数であり、例えば「HYPER_BIG_BONUS(10ラウンド)」が報知された場合は、大当り遊技中は9回のラウンド遊技(単位遊技)が実行されることを意味している。
なお、「ラウンド報知演出」は、この例のみに限られず、キャラクタや選定方法を含む演出の種類を複数パターン有し、実行される大当りの利益の度合い等によって「ラウンド報知演出」として実行される演出の期待度を相違させたり、遊技者の演出カスタマイズや演出選択によって報知方法を切り替え可能としたりするように構成してもよい。
また、「ラウンド報知演出」の演出期間における、演出ランプP82およびスピーカP83での発光演出および音演出は、「ラウンド報知演出」に対応する発光演出と音演出が適宜実行される。
《大当りラウンド演出における演出制御》
最後に、特定リーチにて小当りとなった場合の演出制御として、大当り遊技が実行されている期間の演出制御について説明を行う。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて「大当りラウンド演出」が実行されている期間の演出は、一般的なぱちんこ遊技機Pと同様、ムービー演出を再生する演出を基本的な演出として実行している。
また、第5実施例のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技中の特定のラウンドで以下の演出を実行する場合がある。
(1)保留内連荘煽り演出(実行可能時期:3ラウンド目、大当り終了デモ)
(2)ラウンド数昇格演出(実行可能時期:大当り開始デモ、4ラウンド目、7ラウンド目)
(3)時短回数昇格演出(実行可能時期:10ラウンド目)
なお、これらの演出は実行可能な時期(タイミング)において必ず発生するものでなくてもよいし、上記の実行可能時期に限らず、複数の演出に対し、同時期に実行可能なタイミングを設定し、いずれの演出を実行するかを抽選や実行可能な条件を満たしているか否か(複数演出の同時に実行可能条件を満たす場合は予め定められた優先順位)によって判断するものであってもよい。
保留内連荘煽り演出は、大当り遊技の実行中に保留されている特別図柄の特別図柄抽選に係る保留(特に、入球容易状態の遊技の主体となる第2特別図柄の特別図柄抽選に係る保留)に「当り」となる保留があるか否かを報知するための演出である。なお、保留内連荘煽り演出は、演出の成功態様の表示によって保留内に特別図柄抽選によって当り(小当り、大当り)となる保留が存在することを報知するものであるが、保留内に特別図柄抽選によって当り(小当り、大当り)となる保留が存在する場合であっても失敗態様が表示されうるようになっており、保留内連荘煽り演出が失敗態様で表示された場合であっても、保留内で当りとなる可能性を有するように構成されている。また、第5実施例のぱちんこ遊技機Pのように小当りVの遊技性を採用する場合、第2特別図柄の特別図柄抽選においては高確率で当りとなりうるため、保留内連荘煽り演出は複数回成功態様を表示し、複数個の当りが保留内に存在することを報知することも可能であるよう構成されている。
ラウンド数昇格演出は、大当り開始デモ期間において、「BIG_BONUS(7ラウンド)」や「BONUS(4ラウンド)」が演出的に報知された後に、実際に主制御基板P40(主制御CPU)で実施されている大当りラウンドが7ラウンドや10ラウンドであり、現在の大当り演出よりも利益度合いが高い大当りに移行する旨を報知する演出である。実行時期としては、大当り開始デモの「ラウンド報知演出」の実行中や、各大当り演出の最終ラウンドに相当する4ラウンド目、7ラウンド目が実行時期として設定されている。
時短回数昇格演出は、小当りVの大当り後に入球容易状態(時短状態)に設定される回数が、例えば本実施例のぱちんこ遊技機Pのように6回又は95回(図21参照)となる小当り(大当り)を有する場合に、入球容易状態回数が95回であるときにおいて、大当り遊技中に入球容易状態が95回である旨を報知する演出等が例示できる。より具体的な例としては、本実施例の「TWIN_BONUS」のように次回の小当りが実質的に確定することを報知する演出に切り替える(昇格させる)といった例が挙げられる。
「大当りラウンド演出」の演出期間におけるランプP82およびスピーカP83の発光演出および音演出については、前述した大当りラウンド演出の実行態様(「ムービー再生」、「保留内連荘煽り演出」、「ラウンド数昇格演出」、「時短回数昇格演出」等)に対応する演出的な発光演出および音演出の実行が行われる。
(特定リーチの演出タイムチャート_変形例)
ここで、図62中にも示す、特定リーチで小当りとなった場合の演出制御における変形例について説明を行う。
《ラウンド報知演出の演出期間における演出制御の変形例》
まず、図62中の「ラウンド報知演出」の演出期間において、実行される演出制御の変形例を説明する。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pは、「ラウンド報知演出」の演出期間の実行前の期間である、「リーチ中~余韻演出」、「余韻演出」の演出期間(主制御基板P40側の制御期間としては「特別図柄の変動表示中」~「小当り遊技中」に相当)までの期間において、小当りV(又は大当り)として実行される大当り遊技のラウンド数(小当り遊技で実施されるラウンドを含む)が特定数(例えば、最大)となることが演出の内容とリンクして確定的に報知される場合がある。
このような場合においては、「ラウンド報知演出」の演出期間において大当りの種別を報知するための演出を実行しても、既に実行されうるラウンド数が遊技者に認知されている、あるいは容易に推測可能な状況となっており、「ラウンド報知演出」によって、獲得した大当りの種類を報知する演出的な効果は薄まっていると考えられる。
このような特定な条件(遊技者に「ラウンド報知演出」が実行された場合に、結果的に報知し得る内容がどのような結果となるか容易に推測されうる状況が発生していること)を満たす場合においては、小当り遊技中に実行される「余韻演出」の演出内容(例えば、「ストーリー演出」等)を、「ラウンド報知演出」に代わって、そのまま引き続き余韻演出のアフターストーリー(後続演出)を表示する、あるいは関連した演出を続けて表示するなどの演出制御を行い、通常では見られない「余韻演出」の続きなどの特別な演出が実行されるように構成できるなど、「余韻演出」の演出的な効果(大当りを獲得したことの余韻を楽しむ等の効果)を高めるように構成することができる。
通常では見られない「余韻演出」の続きなどの特別な演出が実行される場合にあっては、ランプP82およびスピーカP83の発光演出および音演出は、「ラウンド報知演出」にさし代わって行われる「余韻演出」に応じた演出が実行されることが好ましい。
ここで、特定な条件(遊技者に「ラウンド報知演出」が実行された場合に、結果的に報知し得る内容がどのような結果となるか容易に推測されうる状況が発生していること)について、「リーチ中~余韻演出」および「余韻演出」の演出期間において特定の条件として示される演出の例をいくつか例示する。
(特定の条件を満たす演出例1)
まず、リーチ演出の実行態様によって当りが報知された場合に、実行されうる大当りの利益度合い(ラウンド数や大当り遊技後の入球容易状態の回数等)が特定の利益状態(最大ラウンド数や入球容易状態回数95回など)となることが確定的となる事例について説明する。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pでは、特定リーチとして主人公キャラクタとヒロインキャラクタによって展開するリーチ演出である旨を説明したが、例えば、特定リーチ演出が主人公キャラクタと特定のヒロインキャラクタAとの組み合わせであった場合や、主人公キャラクタとヒロインキャラクタB、ヒロインキャラクタC、ヒロインキャラクタDの組み合わせであった場合等において、当りとなった場合に特定の利益状態が発生することが確定的となるような構成としてもよい。すなわち、特定のキャラクタを含むリーチや、キャラクタ人数が増える等の条件によって、当りとなった場合に特定の利益状態が発生することが、わかりやすく遊技者に伝えられるように構成する例が挙げられる。
(特定の条件を満たす演出例2)
次に、特定の条件を満たす演出例の他の例として、小当り遊技中(「余韻演出」の演出期間中)における遊技方法に基づく条件の成立について説明する。
第5実施例のぱちんこ遊技機Pは、遊技性として小当りVを採用するしたぱちんこ遊技機であるため、小当り遊技中に大入賞口P751(特別電動役物)の作動終了条件(閉鎖条件)を充足させない場合において、主制御基板P40(主制御CPU)において大当り開始デモ期間へ移行することを遅延させ、「余韻演出」の演出期間を意図的に長くする遊技を実行することができる。例えば、小当り遊技の実行態様が、大入賞口P751を短時間(0.120秒程度)開放させ、1秒程度閉鎖する処理を13回繰り返すことで、およそ14.560秒の合計作動時間が設定されるものである場合、意図的に大入賞口P751に対してもう一つの作動終了条件である規定数(10球など)の遊技球の入賞を行わないようにすることで、余韻演出の期間を最大およそ15秒程度まで引き延ばすことができる。
このような仕様を利用して、「余韻演出」の演出期間である小当り遊技において、「余韻演出」のストーリーが進行し終えた後のタイミング(例えば、ストーリーが6秒で終了する場合の「1秒後」であり、余韻演出の開始から7秒後のタイミングであり、演出パターンによって差があってもよい。)までに、小当り遊技が完了していなかった場合や特定領域P760に対する入球(V入賞)がなかった場合等であって、今回の小当りが、特定の利益状態(最大ラウンド数や入球容易状態回数95回など)を発生させるものである場合に、特定の条件を満たしたとして、「余韻演出」の演出期間中から「ラウンド報知演出」の演出期間に跨って「余韻演出」の追加演出を実行し、「ラウンド報知演出」を実行しないように構成する例が挙げられる。
このように構成すると、遊技者は「ラウンド報知演出」の演出期間に移行する前に先立って「余韻演出」の演出期間中から特定の利益状態が発生したことを確定的に認知することが可能となり、意図的に小当り遊技における遊技の進行を遅延させてみる等の遊技性及び演出的な興趣も高めることが可能となる。
なお、変形例として示していた「ラウンド報知演出」に代わって、表示される余韻演出のアフターストーリー(後続演出)、あるいはその他関連した演出(アフターストーリーのような関連性はないが、登場するヒロインキャラクタは共通する演出など)については、特定の利益状態として直後の大当りの種類を示唆するものではなく、ぱちんこ遊技機Pの大当り確率に関する設定値を示唆するものであったり、保留内連荘(後続の保留に当りがあること)を報知する演出として使用するものであったりしてもよい。しかしながら、このように構成した場合には、大当りのラウンド数などが不明となってしまう虞があるので、「特定の条件を満たす演出例2」のように、小当り遊技を遊技者が意図的に引き延ばしている場合に限り、小当り遊技中に表示可能な演出として実行し、「ラウンド報知演出」は当初の予定通り実行するように構成してもよい(特定の利益状態の発生が「設定値」や「保留内連荘」の報知演出の実行に係る前提条件であれば、特定の利益状態+設定値などを同時に報知することになるので、前述の変形例のとおり「ラウンド報知演出」の演出期間中に跨ってもよい)。
また、小当りVを採用するぱちんこ遊技機において、小当り遊技中に発射を遅らせることは、特定領域P760に対する遊技球の非通過(大当り遊技の損失)のリスクや、最大規定数の遊技球の入賞が実施できないリスクがあるため、特定タイミングにおける小当り遊技の終了やV入賞の有無を条件とすることによって遊技者に不利益があると考えられる場合には、「ラウンド報知演出」の演出期間における代替的な「余韻演出」の実行の条件を、「V入賞時の演出実行抽選に当選した場合」、「大入賞口P751の入賞ごとに抽選し当選した場合」など、遊技の進行に伴う演出的な抽選によって実行するように構成してもよい。
なお、「ラウンド報知演出の演出期間における演出制御の変形例」として説明した、「ラウンド報知演出」に代わる「余韻演出」について、特定の利益状態の発生を告知することを目的とせず、単純に「余韻演出」の興趣を高める目的で実行が決定されるものであってもよい。この時、「ラウンド報知演出」が実行されないと、遊技者として関心が高い情報である大当り遊技の種別が不明となってしまう虞があることから、「ラウンド報知演出」をワイプ(小画面)等で「余韻演出」に重ねて表示してもよい(この時ランプP82およびスピーカP83の発光演出および音演出は、「余韻演出」に対応する演出が優先される)。
《大当りラウンド演出の演出期間における演出制御の変形例》
続いて、特定リーチで小当りとなった場合の演出制御に関する変形例について「大当りラウンド演出」の演出期間に行われる演出を説明する。
「大当りラウンド演出」の演出期間においては、直前の演出期間である「ラウンド報知演出」の演出期間において、変形例として示した代替的な「余韻演出」の発生有無を受けて、「大当りラウンド演出」の演出も異なる態様で実行されるように構成されており、以下その詳細を説明する。
「ラウンド報知演出」の演出期間において、代替的な「余韻演出」の実行があった場合、「余韻演出」の実行が終了するまで(アフターストーリー等の演出がすべて表示し終わるまで、第5実施例として示した「大当りラウンド演出」の演出(「ムービー再生」、「保留内連荘煽り演出」、「ラウンド数昇格演出」、「時短回数昇格演出」等)が制限(中止、キャンセル)される。そして、代替的な「余韻演出」の実行が完了した場合に、「大当りラウンド演出」の演出に復帰するように構成されている。
このとき「保留内連荘煽り演出」、「ラウンド数昇格演出」、「時短回数昇格演出」等の実行時期があるものについては、代替的な「余韻演出」の実行が完了するタイミングが、各演出の実行開始タイミングを超えている場合には、実行しない(キャンセルする)ように構成される。
なお、「ラウンド報知演出」の演出期間から開始した代替的な「余韻演出」の実行により、大入賞口P751が開放しない大当り開始デモの状態から、大入賞口P751が開放する大当り遊技中への移行タイミングが明瞭でなくなる虞があることから、代替的な「余韻演出」が実行されている場合であって、大当り遊技中の状態に移行したことに基づいて、演出表示装置P80に大入賞口P751を模した画像を表示するとともに、誘導発光報知P839と同様のランプP82の発光演出を行い、キャラクタのセリフとして「大入賞口を狙って」などの演出を一時的(例えば大入賞口P751に1球ないし3球入賞するまでや、演出開始から3秒等)に実行するように構成してもよい(「大入賞口発射促進演出」と称する)。
(非特定リーチの演出タイムチャート)
続いて、図63を用いて第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて非特定リーチによって小当りに当選した場合の演出制御内容について説明を行う。
なお、図63の非特定リーチにおける演出制御は、従前のぱちんこ遊技機で実施されうる小当りの際の演出制御であり、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特徴点である「特定リーチ」における演出制御との対比を説明する目的で記載したものであるため、簡略的に説明を行う。
《リーチ中~余韻演出(開始)における演出制御》
最初に、非特定リーチが実行された場合の「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間における演出制御の例を示す。
非特定リーチである場合、「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間においては、少なくとも4つのポイントとなる演出制御を有している。
「リーチ演出の当落分岐」は、特定リーチの場合と同様、今回のリーチ演出の結末が当りとなることを報知する結果(成功結果)となるか否かを報知する演出タイミングであり、第5実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381、演出レバーP382)の操作を遊技者に求める操作入力演出となっている。実際に遊技者に対して当りであるかはずれであるかを明確に報知するタイミングは演出操作ユニットP380を操作した後であり、当りである場合にあっては後述する「演出役物動作+演出役物動作エフェクト」移行の演出によって遊技者に対し当り(小当り、大当り)を報知するように構成されている。なお、リーチ演出の当落分岐は操作入力演出とせず、自動で進行する演出としても良い(特定リーチの場合も同様に操作入力演出でなくてもよい)。
「演出役物動作+演出役物動作エフェクト」は、遊技者に対して当りを獲得したことを演出役物P560の演出動作を用いて告知する演出であって、演出表示装置P80の前方に進出可能な演出役物P560の演出動作と、演出役物P560の動作に合わせて演出表示装置P80の略全画面に表示あれるエフェクト(演出効果)画像によって、演出制御が実行される期間である。
「演出役物退避+装飾図柄仮停止」は、「演出役物動作+演出役物動作エフェクト」の演出制御によって演出動作を行った演出役物P560を演出表示装置P80の表示領域の前方より退避させ、非特定リーチの結末を示す画像を表示するとともに、今回のリーチ演出が当りであることを報知するための装飾図柄P801を仮停止(揺れ変動させた状態)で表示する演出制御の状態である。特定リーチの場合は、これとほぼ同等のタイミングで特別図柄が変動時間を終了し停止表示(図柄固定時間中)となるように構成していたが、非特定リーチにおいてはこのタイミングにおいても特別図柄の変動表示が継続している。
「余韻演出+装飾図柄停止」の演出制御は、「演出役物退避+装飾図柄仮停止」の演出制御において、遊技者にリーチの結末を表示することで当りを認識させた後、さらにその余韻を楽しむため、当りを獲得した実感を沸かせるための演出期間であり、「Congraturations!」などの祝福メッセージや、キャラクタのキメ台詞などの演出表示、演出音声の出力などが実行される期間である。非特定リーチにおいては、当該「余韻演出+装飾図柄停止」の演出制御の終了と略同タイミングで後述する「小当り演出」の演出期間に移行するよう、特別図柄の停止表示および図柄固定時間の終了タイミングに合わせて装飾図柄P801を停止表示させるよう構成されている。
「リーチ中~余韻演出(開始)」の演出期間のランプP82およびスピーカP83の発光演出および音演出は、リーチ演出や余韻演出に応じた発光演出および音演出が実行される。
《小当り演出における演出制御》
続いて、非特定リーチが実行され、小当りとなった場合の小当り遊技中に行われる「小当り演出」の演出期間における演出制御について説明を行う。「小当り遊技中」という状態は主制御基板P40(主制御CPU)における、特別電動役物の制御処理の小当り開始デモ、小当りラウンド遊技中(特別電動役物作動中)、小当り終了デモの期間が相当する。なお、小当り終了デモについては、V入賞したときにおいては、省略される場合や4msなどの短時間実行されるのみで実質的には無いものとして扱われる場合がある。
「小当り演出」の演出期間においては、図63(c)に示すように、特徴となる演出制御として2点の特徴点が示されている。
「特定領域発射促進演出(大)P837」の表示は、小当り開始デモ中、あるいは小当りラウンド開始デモから小当りラウンド遊技中に跨って実行される演出であって、大入賞口P751内に設けられた特定領域P760に対し遊技球が通過することで表示される演出である「V通過演出(大)」(後述)が表示されるまで継続する演出表示である。特定リーチの時の「特定領域発射促進演出(小)P838」とは異なり、その他のストーリー演出等が実行されていない状況であることから、特定領域P760に対し遊技球を発射することを報知する演出が演出表示装置P80の表示領域の略全面に主の演出として最も目立つように(例えば占有領域が最も大きくなるように)表示される。具体例としては、キャラクタ画像と、「Vを狙って!」という文字、大入賞口P751を模した画像等が演出表示装置P80に表示されるようになっている。
「V通過演出(大)」は、小当りラウンド遊技中において、大入賞口P751内に設けられた特定領域P760に対し遊技球が通過したことに基づいて表示される演出であり、遊技者が大当り(役物連続差動装置の作動)の権利を獲得した旨を報知する演出である。「特定領域発射促進演出(大)」と同様、非特定リーチでは、ストーリー演出等が実施されていないため、V入賞が発生したことを確実に報知するため、特定リーチで表示される「V通過演出(小)」よりも目立つ態様で表示(例えば演出表示装置P80の表示領域の全画面に表示)を行うよう構成されている。「V通過演出(大)」は、小当り遊技(小当りラウンド遊技中又は小当り終了デモ)の期間が継続するまで表示を継続してもよいし、数秒程度表示した後、後述する「ラウンド報知演出」を先立って表示を開始するように構成してもよい。
「小当り演出」の演出期間中において、ランプP82の発光演出は、特徴点としては「特定領域発射促進演出(大)」を実行するタイミングにおいて、特定リーチの時と同様に誘導発光報知P839を実行する点を特徴としている。なお、非特定リーチの場合はストーリー演出等の余韻演出による祝福の演出は終了しているため、いわゆる祝福態様である発光態様の虹色発光に重ねて誘導発光報知P839を行っているわけではなく、誘導発光報知の発光演出データのみを実行し、枠全体を暗くしつつ、明るい誘導発光報知P839の発光で大入賞口P751への遊技球の発射を誘導するように構成している。なお、虹色発光でなければ、「特定領域発射促進演出(大)」のキャラクタ演出に応じた発光パターンで発光演出を行っているところに誘導発光報知P839の発光パターンを上位の優先度で重ねて発光させるように制御してもよい。また、「V通過演出(大)」へ移行した場合は、大当りの権利を獲得できたことを祝福するため、虹色発光を行うように構成されている。
「小当り演出」の演出期間におけるスピーカP83の音演出については、「特定領域発射促進演出(大)」および「V通過演出(大)」の演出態様に応じたBGM、音声、効果音を発生させるように制御される。
《ラウンド報知演出および大当りラウンド演出における演出制御》
「ラウンド報知演出」および「大当りラウンド演出」の演出期間における演出制御は、特定リーチと同様の制御と同様であるため(ただし、「余韻演出」に係る変形例を除く)、詳細な説明については割愛する。
(特定リーチおよび非特定リーチの演出例)
続いて、特定リーチおよび非特定リーチが実施された場合に、前述の演出制御例にてどのように演出が実行されているかの例を、図64および図65を用いて説明を行う。
図64は、非特定リーチの際の演出表示装置P80の表示領域において表示される演出の一例を示している。非特定リーチが実行されて小当りとなった場合について、図64(a)から図64(c)までの期間によって、特別図柄の変動表示および図柄固定時間中の演出を例示しており、図64(d)において小当り遊技(特に小当り開始デモ期間)の「特定領域発射促進演出(大)」の演出表示の例を示している。
図64(a)では、リーチ演出として、バトル演出が実行され、遊技者側キャラクタ(図中右側の2人の女性キャラクタ)と、敵側キャラクタ(図中左側の男性キャラクタ)とが対峙する画像が表示されている。画面の上下の位置には「バトルミッション」「Mr.Bを倒せ」という指示表示がされており、左側の男性キャラクタを倒すことによって、遊技者に利益(当り等)が付与されることが示されている。画面上側の左右にはリーチ態様を形成した装飾図柄P801を退避させて表示し、画面の略中央領域を演出領域として視認容易としている。
その後、非特定リーチであるバトル演出が進行し、図64(b)に示す結末画面が表示される。前述したとおり、非特定リーチの当落分岐演出は操作入力演出であり、遊技者が演出操作ユニットP380の操作を行ったこと(あるいは無操作で操作有効期間である一定時間が経過したこと)で演出役物P560が作動し、当りを報知する態様にて進行する旨を説明したが、図64(b)では、当落分岐演出の操作入力演出の後であって、演出役物P560が作動し、退避した後の結末画面を例示している。このとき、画面右下には「WIN」の文字列が表示されることで、成功結果であることをわかりやすく報知しているとともに、画面下部の中央に装飾図柄P801が、当りであることを示す態様であるぞろ目で表示されて揺れ変動(仮停止)している状況となっている。
図64(c)は、非特定リーチが当りを示す態様となった場合に、特別図柄の変動表示終了時期および図柄固定時間に表示される「余韻演出」の画面を示している。演出表示装置P80の表示領域には、図64(b)から引き続いて「WIN」の文字が表示されているとともに、装飾図柄P801を小さくした上で画面の隅(左下隅)に移動させて表示させている(なお、図64(c)の装飾図柄P801については、不図示であった簡易装図P802とし、装飾図柄P801は非表示となっているものであってもよい)。「余韻演出」では、バトル演出で登場した遊技者側キャラクタの2人の女性キャラクタが決めポーズをとりながら決めセリフ(「TAにお任せだよ!」)をしゃべっている様子が示されており、決めセリフのテロップ表示が遊技者側キャラクタの近傍に表示されている。
図64(d)は、非特定リーチが当り(小当り)を報知する結果となって、小当り遊技が実行された場合の小当り遊技中(特に小当り開始デモから小当りラウンド遊技中)に実行される「特定領域発射促進演出(大)」の演出表示例を示している。画面左側には、キャラクタが表示されアクションを行うことで、遊技者の注目を演出表示装置P80の表示領域に集めるように構成され、画面右側には、「右打ち報知P832」と「特定領域発射促進演出(大)P837」が表示されている。「右打ち報知P832」と「特定領域発射促進演出(大)P837」とは、遊技者に推奨される発射位置(発射強度)を示唆する打ち分け報知P830の演出の一種であり、小当りラウンド遊技中の遊技方法(遊技領域P501の右側領域P501Rに配置される大入賞口P751に設けられた特定領域P760に向けて遊技球を発射すること)を遊技者に示唆している。
「特定領域発射促進演出(大)P837」は、図64(d)の例では、「狙って!」「V」という文字の表示で「V(特定領域P760の通称)」を狙うことを遊技者に認識させるとともに、大入賞口P751を模した画像と大入賞口P751を模した画像に向かう矢印画像を配置することで、イメージとして大入賞口P751に対する遊技球の入賞を想起させるように構成している。よりイメージを強めるために矢印画像の他に遊技球を模した画像を表示させるようにしてもよい。また、前述したとおり演出表示装置P80にて「特定領域発射促進演出(大)」が表示されている期間には、演出ランプP82(盤ランプP550と枠ランプP350)にて誘導発光報知P839を実行しており、このとき大入賞装置P750に設けられた発光部を常時点滅させるなどして大入賞口P751の位置を明示させるように構成している。
図65は、特定リーチが小当りとなる結果で実行された場合の「余韻演出」(小当り遊技中)における演出表示の例を示している。特定リーチの場合は、非特定リーチと異なり、「余韻演出」の主の部分が小当り遊技中に実行される点で相違している。なお、リーチ演出の具体例は、前述したとおりキャラクタリーチであり、演出として表示されるの画像表示内容(およびそれに伴う音演出、発光演出)以外は図64に示した非特定リーチ演出の図64(a)、(b)と略同等の演出の流れとなるため説明は割愛する。
特定リーチが実行された場合であって、小当りが報知される場合において実行されるときの最大の特徴は、「余韻演出」が主制御基板P40(主制御CPU)における小当り遊技の制御中に跨って実行される点であり、図65にはリーチの結末(当りの獲得)について遊技者に実感を沸かせ興趣を高めるための「余韻演出」の実行中において、小当り遊技を進行させるために行う表示内容を示している。なお図65は、演出表示装置P80の演出表示の他に、ランプP82における誘導発光報知P839の説明を示すため、ぱちんこ遊技機Pの枠ランプP350が視認可能となるように図示している。
まず、図65の特定リーチの演出例における「余韻演出」の演出表示装置P80での表示内容について説明を行う。
特定リーチの「余韻演出」において、演出表示装置P80の画面上部左側には、特別図柄の変動表示において停止表示された装飾図柄P801を示している。特定リーチの場合は、前述したとおり、当落分岐演出の後、演出役物P560が退避した後、装飾図柄P801がすぐに停止表示され、十分に装飾図柄P801の停止表示態様が認識できない虞があることから、小当り遊技中においても装飾図柄P801を演出表示装置P80の表示領域に継続して表示している。
一方、演出表示装置P80の表示領域の右上には「右打ち報知P832」が表示され、小当り遊技中の遊技方法として、右打ちを行うべきであることを遊技者に明示する表示を行っている。
演出表示装置P80の表示領域の中央領域には、「余韻演出」の演出として、リーチ演出として行われたキャラクタリーチに登場したヒロインキャラクタが表示され、キャラクタリーチに関連した「余韻演出」であるストーリー演出が表示されている(図65の例では女性キャラクタが遊技者側を向いて右手で指差しをしている画像が表示されており、セリフ演出に対応した「良くやったわね」「ほめてあげる」という祝福メッセージP879のテロップ画像が表示されている例を示している)。
演出表示装置P80の表示領域の右側の高さ方向略中央位置には、「特定領域発射促進演出(小)P838」が「余韻演出」であるストーリー演出に重ねて表示され、小当り遊技において特定領域P760を通過すべき状況であることを報知している。なお、「特定領域発射促進演出(小)」の表示は、大入賞口P751内の特定領域P760に対し、遊技球が通過したことを受けて「V通過演出(小)」(例えば「V」の文字画像)に切り替わるように構成されている。「V通過演出(小)」は「V通過演出(大)」とは異なり、略全画面で表示されることはなく、「特定領域発射促進演出(小)」と略同等の位置に小さく表示され、ストーリー演出の視認性を妨げないように構成する。
例えば「V通過演出(小)」は、「特定領域発射促進演出(小)」として表示されている大入賞口P751を模した画像と「V」の文字、斜め右下に向いた矢印画像の組み合わせのうち、「V」の文字のみを残して表示するものでもよく、さらに、「V入賞」したことを強調するため「V」の文字に虹色の効果画像を重ねるものであってもよい。このように、「V通過演出(小)」が「特定領域発射促進演出(小)」より小さく表示されるように構成することで、小当り遊技において特定領域P760に対し遊技球を通過させることで、ストーリー演出の視認性が高まり(視認可能な表示領域が広がり、)より、ストーリー演出の興趣を高めることが可能となる。
なお、「特定領域発射促進演出(小)」や「V通過演出(小)」は、「余韻演出」のストーリー演出よりも優先して(上位レイヤに)表示される表示オブジェクトである一方で、「余韻演出」の興趣をなるべく阻害しないように視認性を低く(表示領域の占有面積を小さく)して表示されるものであるが、演出画像との関連性が低く、演出の進行に関係なく表示されるエラー表示等の表示優先度の高いシステム画像によって視認が困難となる(例えば、「特定領域発射促進演出(小)」や「V通過演出(小)」の一部または全部が覆われてしまう)虞がある。このような問題を避けるため、図65に示した表示位置に限らず、エラー表示等のシステム画像が表示される場合の表示領域と重ならない位置に「特定領域発射促進演出(小)」又は「V通過演出(小)」を表示するように構成してもよい。このように構成することで、システム画像によってストーリー演出などの視認性が低下した場合であっても、遊技の進行上、重要な情報である遊技方法の報知を確実に視認させることができ、遊技者が大当りの権利を損失するなどのリスクを防止することができる。
続いて、図65を用いて、特定リーチの演出例における演出ランプP82の発光演出「誘導発光報知P839」の演出例について説明を行う。
特定リーチの「余韻演出」が実行されているとき、演出ランプP82(盤ランプP550及び枠ランプP350では、ベースの発光演出(優先度が「誘導発光報知P839」に対し相対的に低めの発光演出)として虹色発光演出が行われており、演出ランプP82が、赤や緑、青などの多様な色彩でグラデーション発光を行っている様子が遊技者に視認される。
そして、「誘導発光報知P839」が実行される場合、図65の点線領域(P839)のように、演出ランプP82の一部が、ベースの発光演出との識別性を高めるため虹色に含まれない色である白色に点灯し、誘導発光報知P839として白色に点灯する領域が、図中の矢印方向Aに示すように遊技機の左側から上側を経由し右側に移動するようになっている。誘導発光報知P839に対応する演出ランプP82の発光領域が右側の領域まで移動すると、再度左側の領域の始点から点灯表示を再開するように構成されている。なお、図65に示すように誘導発光報知P839として発光する領域は演出ランプP82の一部とし、点灯箇所が移動するように構成することで動的な表示態様となるように構成しており、誘導発光報知P839に対応しない位置の演出ランプP82の発光部については、ベースの発光演出である虹色発光や「余韻演出」に応じた発光パターンで発光演出を実行している。
「誘導発光報知P839」は、小当り遊技において特定領域P760に対し遊技球が通過するまで継続し、特定領域P760に対し遊技球が通過すると「誘導発光報知P839」が終了してベースの発光演出(「余韻演出」のストーリー演出に対応する発光演出)が視認可能となるように構成されている。なお、この時「V通過演出(小)」に切り替わるタイミングで、演出ランプP82において一時的にV入賞したことを報知するための「V入賞報知発光」(例えば「誘導発光報知P839」を実行するランプのすべて、「誘導発光報知P839」の実行タイミングに関わらず白く2回点滅する等)が実行されるよう構成されている。
なお、第5実施例に示した「誘導発光報知P839」はあくまで一例であり、遊技者に対し、大入賞口P751へ向けて遊技球を発射すべきことを示唆可能な発光態様であればいかなる態様であってもよい。例えば、ぱちんこ遊技機Pの下側に設けられた枠ランプP350も演出の実行対象とし、左側から上側、右側、下側と点灯し、そのまま左側に戻るような周回点灯でもよいし、「誘導発光報知P839」として部分的に点灯する箇所が複数存在していてもよい(複数個所同時に発光すると何を示唆しているのかわかりにくくなる可能性があるので、例えば終点である右側領域に複数の発光が順次合流して拡大するようにし、複数の発光が最終的に一つになって消えるような表示であってもよい)。また、「誘導発光報知P839」としての点灯パターンは、虹色に含まれない白色でなくてもよく、複数の色を同時に表示したり、順番に異なる色で表示されたりするように構成してもよい。
[第6実施例]
続いて、演出ランプP82の発光制御に特徴を有する第6実施例のぱちんこ遊技機Pについて、図66から図74を用いて説明を行う。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pは、演出ランプP82の特徴的な発光演出制御を行うものであって、当該発光演出制御は、本実施例や第2実施例~第6実施例など多様なぱちんこ遊技機に適用可能であり、その他のぱちんこ遊技機やスロットマシン、じやん球遊技機等においても、その特徴を阻害する特段の要因がない限り適用可能である発光演出制御を行うものである。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pは、特徴的な発光演出制御として、特に複数の発光部で構成される発光部(第6実施例では、キャラクタ役物発光部P692とロゴ発光部P690であり、詳細は後述)を用いて、段階的に進行した演出の結果いずれの段階に到達したかに応じて、遊技者に有利な遊技結果(例えば、ぱちんこ遊技機での大当りや、スロットマシンでのボーナス役等の特定役当選)が得られたこと、または有利な遊技結果となる可能性を報知または示唆する段階進行型の演出(ステップアップ演出等)を行う。
第6実施例では、演出表示装置P80の表示領域で展開する主の予告演出とは、演出的な関連性が低いまたは関連性がない演出ランプP82の段階進行型の発光演出の実行により、遊技者に対して有利な遊技結果が得られることや有利な遊技結果となる可能性を報知または示唆する演出を実行することで、遊技機の演出の興趣性を高める効果を有する遊技機の発光演出制御について説明を行う。
(第6実施例のぱちんこ遊技機Pの構造)
最初に、図66から図69を用いて第6実施例のぱちんこ遊技機Pの構造に関して説明を行う。図66は、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技機枠構造(外枠P1、前枠P2、ガラス枠P3)を含めた正面図であり、図67から図69は遊技盤P5の正面図でそれぞれ演出役物P560の位置が異なる図である。
《枠構造》
第6実施例のぱちんこ遊技機Pは、図66に示すように、前提とするぱちんこ遊技機および本実施例から第5実施例までのぱちんこ遊技機とは異なる外観を有しているが、相違している箇所は主として意匠面であり、ぱちんこ遊技機の遊技に関する本質的な構造については、前提とするぱちんこ遊技機や本実施例から第5実施例のぱちんこ遊技機と同様であるため、外観上の相違点を除いて詳細な説明は割愛する。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pの構造に関して、前提とするぱちんこ遊技機および本実施例から第5実施例のぱちんこ遊技機との大きな相違点は、枠ランプP350の意匠と、演出操作ユニットP380の意匠及び構造である。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pの枠ランプP350の構造は、遊技者から見て右側の枠ランプP350の意匠が左側の枠ランプP350よりも前方に大きく突出する構成となっており、さらに上方に向けて突き出た構成となっている。当該右側枠ランプP350は、ガラス枠P3に対して着脱自在に構成されており、右側枠ランプP350の内部には、遊技盤P5として設置される機種に応じた演出シートが内包可能に構成されており、演出シートを用いた発光演出等が実行可能となっている。また、図66では視認できない位置であるが、右側枠ランプP350の内側上方には、枠スピーカP370が配置され、ガラス枠P3の左側上部の枠スピーカP370と対をなして上スピーカP371を構成するようになっている。なお、右側枠ランプP350は、図66に示すような演出シートを内包するユニットだけでなく、製品によっては、枠可動役物P360やフィギュア等の可動物あるいは構造物を有するユニットを取り付けることも可能である。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380の構造は、図66に示すように、宇宙人のキャラクタを模した意匠部の頂上に演出ボタンP381を配置した構造となっている。また、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380も、前提とするぱちんこ遊技機等と同様に演出レバーP382としての機能を有しており、宇宙人を模したキャラクタの頭部を遊技者側(手前)に傾倒操作することで入力操作を行うことが可能となっている。
なお、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380は、演出レバーP382として入力操作を行う際に、前提とするぱちんこ遊技機等の演出操作ユニットP380とは異なり、ロック解除位置へ移動するための変位動作を行うものではなく、内部に設けられた不図示のロック機構(例えばソレノイドなどで駆動されるロック部材)を動作させることで傾倒操作が実行可能となるように構成されている。
また、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380は、ロックの解除目的ではなく、演出動作の目的で動作可能に構成された枠可動役物P360としての役割を有している。第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出操作ユニットP380は、図66に示す位置を基準点として、前後左右方向に宇宙人を模したキャラクタの頭部を動作させることができ、前後または左右の首振り動作や、頭部の周回動作などを実行可能に構成されており、ボタン演出等の操作入力演出や、予告演出や先読み演出としての役物動作演出等が実行可能となっている。
《遊技盤構造:遊技領域》
続いて、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技盤の構造について説明を行う。
図66および図67に示すように、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技盤には、遊技領域P501として、遊技盤中央に配置されるセンター役物P540(や演出表示装置P80)を挟んで左側の左側領域P501Lと、右側の右側領域P501Rとを有するように設計されており、遊技者のハンドルP204の操作量によって遊技球の発射強度を調整することにより、遊技者の任意の遊技領域に遊技球を打ち分けて発射可能に構成されている。
左側遊技領域P501Lに対し遊技球を発射した場合、第1始動入賞装置P710(第1始動口P711)及び左側一般入賞装置P730L(左側一般優勝校P731L)への入賞が容易となっており、右側領域P501Rに対し遊技球を発射した場合、普通作動ゲート装置P740(普図作動口P741)、第2始動入賞装置P720(第2始動口P721)、大入賞装置P750(大入賞口P751)、右側一般入賞装置P730R(右側一般優勝校P731R)に入賞可能に構成されている。そしていずれにも入賞しない遊技球を排出する目的で遊技盤の下部の位置にはアウト口P790が配置されている。
《遊技盤構造:演出役物および他の演出装置》
遊技盤の略中央領域であり、センター役物P540に囲まれた領域および遊技領域P501を形成する透明な遊技盤の背面の一部には、遊技機の演出の興趣を高めるために様々な演出装置が配置されている。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遊技盤P5の演出領域に配置された演出装置として、演出表示を行う演出表示装置P80、発光演出を行う盤ランプP550の一つのロゴ発光部P690、演出動作および発光演出を行う演出役物P560を有しており、特に演出役物P560として、キャラクタ役物P691、上部揺動役物P694、下部昇降役物P695とを有するように構成されている。また、不図示であるが、センター役物P540の開口部には、演出表示装置P80の表示領域の前方に発光演出部を有する導光板が配置されている。
「キャラクタ役物P691」は、図67に示すように通常の待機位置(初期位置)として、演出表示装置P80の表示領域の上下左右に6つ待機した状態となっており、この状態において、遊技者にセンター役物P540の開口部や、透明な遊技盤P5を通じて、キャラクタ役物発光部P692が視認可能となるようになっている。キャラクタ役物P691は、演出表示装置P80の表示領域の上部に配置されたものから時計回りに、キャラクタ役物P691a、キャラクタ役物P691b、キャラクタ役物P691c、キャラクタ役物P691d、キャラクタ役物P691e、キャラクタ役物P691fが配置され、演出表示装置P80の表示領域の一部を正面視において隠す一方で、演出表示装置P80の表示領域に表示される演出の表示の視認性を可能な限り阻害しないように構成されている。
キャラクタ役物P691には、キャラクタ役物発光部P692が設けられ、発光演出が実行可能となっている。キャラクタ役物発光部P692には、6つのキャラクタ役物P691のそれぞれについて、異なるキャラクタ図柄が印刷された演出シートがそれぞれ配置され、発光演出を実行可能に構成されているとともに、キャラクタ役物発光部P692が図68の矢印A方向に示すように揺動/回転動作が実行可能に構成されている。
また、キャラクタ役物発光部P692は、キャラクタ図柄を印刷したシートの背面にキャラクタ図柄を強調するための発光部である導光板を配置し、導光板の背面には、キャラクタ図柄とは異なる図柄(第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、6つの文字図柄)が印刷された印刷シートが配置されており、導光板用の光源であるLEDとは異なるLEDを発光させることで、キャラクタ図柄ではなく導光板背面の演出シートの図柄(文字図柄)が視認可能となるような構成となっている(図69参照)。より具体的には、キャラクタ図柄の演出シートの印刷方法が粒子の荒い(密度が低い)インクジェット方式で印刷する一方、導光板の背面の演出シートについては、粒子の細かい(密度が高い)シルク印刷の方式で印刷されているため、点灯するLEDの切り替えにより、遊技者の視認可能な図柄が切り替わるようになっている。
キャラクタ役物P691の演出動作は、図68に示すように、6つのキャラクタ役物P691が演出表示装置P80の表示領域の中央方向に近接するように移動し、6角形のキャラクタ役物発光部P692の6つの外周が組み合わさって略6角形の形状となるように近接する進退動作(例えば左側のキャラクタ役物P691の進退動作は、図68のB方向)が実行可能であるとともに、キャラクタ役物発光部P692が図68の矢印Aに示すように揺動/回転動作が実行可能となっている(なお回転動作は初期位置でも実行可能)。
また、キャラクタ役物P691には、キャラクタ役物P691の進退動作に追従して動作を行うミラー部P693が設けられており、図68のようにキャラクタ役物P691の進退動作を行うと、ミラー部P693もキャラクタ役物発光部P692の外周に沿って6角形の形状をなすように構成しており、図68に示すような進退動作後にキャラクタ役物発光部P692の揺動/回転動作を行うと、ミラー部P693にキャラクタ役物発光部P692のキャラクタ図柄等が映り込み、実際のキャラクタ役物発光部P692とミラー部P693の鏡像とで万華鏡のような見た目の発光演出を実行可能となっている。
「上部揺動役物P694」は、図68に示すようにキャラクタ役物P691の6つのキャラクタ役物発光部P692が近接した際に内周に形成される空間に6角形の主意匠(発光部)を移動させ、キャラクタ役物P691と連携して演出を行う。上部揺動役物P694は通常の待機位置は、演出表示装置P80の表示領域上部の視認困難な位置に退避した状態となっており、図68に示す演出位置に動作する際に、演出表示装置P80の表示領域の右上の回転軸を中心として揺動動作を行うように構成されている。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、上部揺動役物P694は、キャラクタ役物P691と連携する演出の場合のみ動作を行うように構成されており、上部揺動役物P694とキャラクタ役物P691との連携演出は、例えばリーチ演出の最終結果を報知する当落分岐演出や復活演出等であって、リーチ演出の最終結果が遊技者に有利な結果となることを報知する演出(当りを獲得したことを報知する演出)である決め演出として実行されるようになっている。
「下部昇降役物P695」は、演出動作時の態様を図69に示しているように、演出表示装置P80の表示領域の幅方向に直線状に跨った棒状の演出役物であり、通常の待機位置は、演出表示装置P80の表示領域の下部の視認困難な位置に退避しており、演出動作時に昇降動作を行うように構成されている。昇降動作のうち最も高い位置となるときは、演出表示装置P80の表示領域の上部に配置されたキャラクタ役物P691Aと重なる位置まで上昇したときであるように構成され、下部昇降役物P695は、演出表示装置P80や、キャラクタ役物P691、センター役物P540の開口部前面に配置された不図示の導光板等の演出装置と連携して演出を実行可能となっている。
下部昇降役物P695を用いた演出例(キャラクタ役物P691との連携演出)を図69に示す。図69では、下部昇降役物P695が演出表示装置P80の表示領域の略中央の高さまで上昇した図を示している。このとき、下部昇降役物P695の高さは、キャラクタ役物P691のうち、キャラクタ役物P691c~キャラクタ役物P691eの3つよりも高い位置へ移動している状態となっており、キャラクタ役物P691のキャラクタ役物発光部P692は、下部昇降役物P695の動作に合わせて、下部昇降役物P695よりも相対的な位置関係が低い位置にあるキャラクタ役物P691c~キャラクタ役物P691eのキャラクタ役物発光部P692c~キャラクタ役物発光部P692eが、キャラクタ図柄の演出シート表示から文字図柄の演出シートの表示に表示態様が切り替わるように構成されている。
図69に示す例では、キャラクタ役物発光部P692の表示態様が変化したときの、文字図柄として、「怪」、「好(不図示)」、「機」の3文字が表示されており、今回の変動表示の演出展開として何かが起きそう(例えばリーチ演出が実行されそう)であることや、チャンス(当りの期待度が高い)であることを示唆する表示態様となっている。なお、図69に示す状態は、下部昇降役物P695の動作が2回(第2段階まで)行われた状態を示しており、1回行われたときは、下部昇降役物P695はキャラクタ役物P691dの上の位置にあり、キャラクタ役物P691dのみが文字図柄の表示に切り替わるようになっている。
なお、下部昇降役物P695とキャラクタ役物P691の連携演出は、第3段階(図69に示す段階の次段階)まであり、第3段階では、下部昇降役物P695がキャラクタ役物P691aと重なる位置に移動するとともに、キャラクタ役物P691a、b、fの発光部に「高」、「期」、「待」の3文字(リーチ演出が開始される前に高期待度リーチであるSPリーチに発展することが示唆される態様)が表示されるようになっている。
(キャラクタ役物P691を用いたランプステップアップ演出)
次に、第6実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて実施される演出ランプP82を用いた特徴的な発光演出制御である「ランプステップアップ演出」について図70から図75を用いて説明を行う。
なお、第6実施例では「ランプステップアップ演出」を、大当り期待度が高い高期待度リーチ演出(SPリーチ演出)中における裏ボタン演出にて実行される例を用いて説明を行う。ここで、「裏ボタン演出」とは、演出操作ユニットP380の操作を遊技者に対して促すためのボタン画像P881やレバー画像P882を表示せず、演出操作ユニットP380の操作が行われた場合に、演出表示装置P80の表示内容の切り替えや演出ランプP82の発光態様、スピーカP83から出力される音声演出の内容などの演出内容の切り替えを行う演出であり、「隠しボタン」演出とも称する。
なお、第6実施例で説明する「ランプステップアップ演出」の演出制御について、リーチ中の裏ボタン演出に限らず、予告演出等の他のボタン演出(操作入力演出)や大当り中演出(例えば、昇格演出や保留連演出等)において実施可能に構成してもよい。また、演出操作ユニットP380に対する操作ではなく、始動入賞装置(第1始動入賞装置P710、第2始動入賞装置P720)や大入賞装置P750への入賞など、遊技の進行に関するセンサの検出情報を主制御基板P40からのコマンドを受け取ったことにより進行する構成としてもよい。さらに、ぱちんこ遊技機に限らず、スロットマシンの特定役(ボーナス役)当選期待度に用いられる発光演出や、AT当選などを複数遊技に跨って演出的に示唆するチャンスゾーン演出等の他の遊技機の演出にも、その本質を逸脱しない限り適宜設計変更して使用可能である。
《ランプステップアップ演出の概要》
最初に第6実施例の「ランプステップアップ演出」について概要(演出の進行の大筋)の説明を行う。
第6実施例の「ランプステップアップ演出」は、ぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5の演出領域(センター役物P540の開口部、および透明な遊技領域P501の背面領域)における発光演出部であるロゴ発光部P690、キャラクタ役物発光部P692の2か所を主の演出領域として実行される発光演出である。
なお、ロゴ発光部P690、キャラクタ役物発光部P692以外の発光部(例えば枠ランプP350や、始動口装置や大入賞装置など各種入賞装置に設けられた発光部)において関連する発光演出を実行していてもよいし、変形例としてキャラクタ役物発光部P692の代わりに、右側枠ランプP350の演出シートに複数のキャラクタを印刷して、それぞれのキャラクタに対して発光領域を区切り、キャラクタごとの発光領域を順次点灯させていくように構成してもよいし、遊技盤の盤演出ランプP550(キャラクタ役物発光部P692等)と右側枠ランプP350とを連携させて実行するものであってもよい。
キャラクタ役物発光部P692は、それぞれ異なる図柄(キャラクタ図柄、文字図柄)が印刷された印刷シート6つの発光領域(キャラクタ役物発光部P692a~キャラクタ役物発光部P692f)が設けられており、「ランプステップアップ演出」では、キャラクタ役物発光部P692が、遊技者の演出操作ユニットP380に対する操作を行い、その操作状況(例えば、演出ボタンP381の操作回数)に応じて、あらかじめ定められたパターンで1つずつ点灯(特殊なパターンでは複数個まとめて点灯)、又は発光色が変化するように構成されている。
「ランプステップアップ演出」では、キャラクタ役物発光部P692が、例えばキャラクタ役物発光部P692a、キャラクタ役物発光部P692b、キャラクタ役物発光部P692c、と順に点灯又は発光色が変化していき、6つの発光部がすべて点灯ないし同色で発光すると、再びあらかじめ定められた順番(例えばキャラクタ役物発光部P692aから時計回り)で、より期待度が高い点灯態様(輝度が上昇するあるいは高期待度を示唆する発光色で点灯)に変化するよう構成されている。
第6実施例では、基本的な点灯パターンとして、キャラクタ役物発光部P692aから時計回りに、点灯ないし発光色が変化するよう構成され、6つの発光部が点灯すると1周期の発光演出が完了し次の段階へ移行するようになっている。キャラクタ役物発光部P692の発光態様は、発光演出の周期ごとに発光色が順次「消灯(初期発光態様)」、「青」、「黄」、「緑」、「赤」、「金(濃い黄色と白色を織り交ぜた発光)」に変化することで、大当り期待度が高くなっていることを示唆するようになっている。なお、最終的に到達可能な演出周期(段階)は抽選によって定まっており、例えば最終結果が「緑」に演出抽選で決定されているときは6つのキャラクタ役物発光部P692が「緑」にまで点灯するが、その後「赤」に変化しても6つのキャラクタ役物発光部P692すべてが「赤」に変化することができず、演出周期を完了できずに最終段階として「緑」の発光態様となるように構成されている(図72を用いて後述)。
前述したように「ランプステップアップ演出」は、遊技者の演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作によって進行するように構成されているが、6つのキャラクタ役物発光部P692と、最大5周期分(プレミアパターンを含むと最大5周期分以上)の操作が必要となるが、演出期間がSPリーチ中(約15秒程度)と限られているため、1つのキャラクタ役物発光部P692の発光態様の変化を演出操作ユニットP380の操作1回から3回程度で切り替わるように、変化タイミングが定められている(キャラクタ役物発光部P692fについては、演出の周期が完遂するかどうかの重要なタイミングになるため、他のキャラクタ役物発光部P692よりも点灯態様の切り替えに要する演出ボタンP381の操作回数を多めに設定(例えば5回等)してもよい)。
ロゴ発光部P690は、キャラクタ役物発光部P692発光が1周期完了する、すなわち6つのキャラクタ役物発光部P692が同一の発光態様で点灯するごとに、発光演出の1周期が完了した状況を示すように、完了した演出周期に応じた発光態様で発光するようになっている。例えば、キャラクタ役物発光部P692の6つがすべて「青」に点灯したタイミングに合わせて「青」に変化し、その後、キャラクタ役物発光部P692が順次「黄」に変化している過程(6つのキャラクタ役物発光部P692が「黄」になっていない状況)においては「青」のまま維持されるようになっている。すなわち、ロゴ発光部P690は、演出過程において、現時点の進行状況で「ランプステップアップ演出」が終了した場合における「最終段階」を示唆する発光部となっている。なお第6実施例では、「最終段階」とは、演出抽選において決定された「ランプステップアップ演出」の最終段階のみでなく、遊技者がボタン操作を途中で終了させてしまい「ランプステップアップ演出」が進行しなくなった状況も含む。
図70は、高期待度リーチ演出であるSPリーチ演出が進行している状況下で、遊技者が演出ボタンP381の操作を行い、裏ボタン演出としての「ランプステップアップ演出」が同時に進行している途中状況を示している図である。図70では、変化後のキャラクタ役物発光部P692aからキャラクタ役物発光部P692cと、変化前のキャラクタ役物発光部P692dからキャラクタ役物発光部P692fとで発光態様が相違している状況を示している。また、ロゴ発光部P690は、変化前のキャラクタ役物発光部P692d等と同様の色で発光している状況を示している。
(ランプステップアップ演出の具体的な演出例)
続いて、図71から図73を用いて、高期待度リーチであるSPリーチ中が変動演出として実行されている状況下で、ランプステップアップ演出が実行された場合(および実行されなかった場合)の具体的な演出例について説明を行う。
図71、図73中の「(a)演出期間」は、変動演出としての演出内容の進行状況を示しており、「(b)演出内容例」は対応する演出期間において実行される演出内容のうち特徴のある演出を一部抜粋して記載したものであり、「(c)ランプ演出_特徴_※裏ボタンなし」は「ランプステップアップ演出」が実行されなかった場合の演出ランプP82の発光演出制御における演出例を示し、「(d)ランプ演出_特徴_※裏ボタンあり」は、「ランプステップアップ演出」が実行された場合の演出ランプP82の発光演出制御における演出例を示している。また、図72中の「(a)演出期間」は、図71等と同様に変動演出の進行状況を示し、「(b)ボタン操作(有効期間)」は、演出操作ユニットP380である演出ボタンP381の操作が有効である状況を黒塗りで示している(なお、本例においては操作有効期間中に操作が継続的になされている状況で説明を行う)。そして図72中の(c)から(i)は、キャラクタ役物発光部P692aからキャラクタ役物発光部P692f、およびロゴ発光部P690の点灯態様の変化の具体例を示している。
《演出例1_ランプステップアップ演出(途中段階:最終結果「緑」終了時、はずれ変動)》
図71は、「ランプステップアップ演出」が、特別図柄抽選の結果が「はずれ」である場合のはずれ変動であるときに実行される変動演出において実行された場合の演出例を示すタイムチャート図である。なお、図71の例では、「はずれ」の結果であるため、「ランプステップアップ演出」としても、期待度が低い「緑」が最終段階として演出抽選にて決定されている状況で進行している。
最初に演出期間「SPリーチ前半」における演出例について説明を行う。
第6実施例において、SPリーチは、図71(b)に示すようにヒロインリーチ前半として記載されるように、主人公キャラクタとヒロインとが登場して展開するストーリー演出にて進行するリーチ演出である。リーチ演出の内容としては、背景で進行するストーリー演出の他に、「リーチタイトル表示(予告)」や「キャラクタ役物動作煽り」が実行される。「リーチタイトル表示(予告)」はリーチ演出の題目であるタイトルの表示が通常の色彩で表示されるか、赤を基調としたチャンス態様、メーカー柄を基調とした大チャンス態様で表示されるか等によって大当り期待度を示唆する予告である。「キャラクタ役物動作煽り」は、SPリーチの後半の演出期間(後述するSPリーチ後半)に移行するか否かを示唆する演出であり、成功した場合(キャラクタ役物P691が、上部揺動役物P694の動作を伴わないで図68に示すような演出動作を行った場合)には図71に示す「SPリーチ後半発展」及び「SPリーチ後半」に順次、演出が進行する旨を報知し、失敗した場合(キャラクタ役物P691がガタガタするのみで止まってしまう場合)には、「SPリーチ前半」の演出期間で「はずれ」である旨が報知される演出である。
「ランプステップアップ演出」は、「SPリーチ前半」のヒロインリーチが実行されている期間に設定されている裏ボタン演出であり、ヒロインリーチの開始後(「リーチタイトル表示(予告)」の表示終了後)の所定のタイミングから、「キャラクタ役物動作煽り」の実行直前のタイミングまで、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作有効期間が継続する演出である。なお、「ランプステップアップ演出」が実行された場合のキャラクタ役物発光部P692における発光演出(「最終段階」の発光態様での発光演出制御)は、以降の演出期間に続く場合には、後述する演出期間「SPリーチ後半」の所定のタイミングまで(例えば「当落分岐カットイン」の発生まで)継続して行われ、「SPリーチ前半」の演出期間ではずれが報知される場合には、キャラクタ役物動作煽りの実行時に合わせて終了するように構成されている(なお、「キャラクタ役物動作煽り」中は、キャラクタ役物発光部P692において、「キャラクタ役物動作煽り」演出の発光態様を優先するため、「ランプステップアップ演出」の発光態様を終了していても「SPリーチ前半」ではずれとなる旨は察知されないようになっている)。
図71(c)には、「ランプステップアップ演出」の実行がなされない場合の「SPリーチ前半」の演出期間における演出ランプP82(特に「ランプステップアップ演出」の対象であるキャラクタ役物発光部P692、ロゴ発光部P690)の発光演出制御についての制御内容を示している。「ランプステップアップ演出」の実行がない場合、図71(c)に示すように、「SPリーチ前半」の演出期間におけるヒロインリーチの背景演出や「リーチタイトル表示(予告)」、「キャラクタ役物動作煽り」等の各予告に連動した通常の発光演出(演出表示装置P80の表示領域に表示される予告演出、先読み演出、リーチ演出、大当り演出等の画像表示と連動した発光演出であり、以後「常態発光態様」と称する)の発光演出制御が行われる。
図71(d)には、「ランプステップアップ演出」の実行がなされた場合の「SPリーチ前半」の演出期間における演出ランプP82(特に「ランプステップアップ演出」の対象であるキャラクタ役物発光部P692、ロゴ発光部P690)の発光演出制御についての制御内容を示している。「ランプステップアップ演出」の実行がある場合、すなわちヒロインリーチの開始後(「リーチタイトル表示(予告)」の表示終了後)において、遊技者が「ランプステップアップ演出」を実行するために演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)を操作すると、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690が常態発光態様から「ランプステップアップ演出」に応じた発光態様へと変化するようになっている。なお、「ランプステップアップ演出」におけるキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様についての具体的な変化態様については図72を用いて後述する。
次に「SPリーチ後半発展」の演出期間の説明を行う。
「SPリーチ後半発展」の演出期間は、「SPリーチ前半」において「キャラクタ役物動作煽り」演出が成功し、キャラクタ役物P691の動作が実行され、キャラクタ役物P691が演出表示装置P80の表示領域の前方領域に進出して演出動作を行っているとともに、演出表示装置P80の表示領域において、キャラクタ役物P691の動作に合わせたエフェクト(効果)画像を表示している演出表示期間を示している。
図71の例では、はずれ変動で実行されている変動演出であるため、SPリーチ後半発展に関するキャラクタ役物P691の動作演出(「ランプステップアップ演出」の対象であるキャラクタ役物発光部P692等を含む演出ランプP82の発光態様)として、大当り期待度が低い弱パターンの演出の実行がなされている状況を示している。SPリーチ後半発展のキャラクタ役物P691の動作演出が弱パターンで実行された場合、キャラクタ役物発光部P692等が、紫色を基調とした色彩で発光演出を実行するように構成されている。このとき、キャラクタ役物P691の動作演出に関する発光演出制御は、「ランプステップアップ演出」の発光演出制御よりも優先して(上位の発光制御レイヤで)点灯制御されるように構成されている。すなわち、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の発光態様は、「リーチ前半」の「キャラクタ役物動作煽り」の開始時期から「SPリーチ後半」の開始時期まで、他の発光演出の制御が優先されるため、演出としては継続しているものの、遊技者として視認はされない(遊技者としては演出が非継続であり、中断されている)ように制御され、「SPリーチ後半」の開始後に「ランプステップアップ演出」の期待度示唆の演出に復帰するように構成されている。
続いて「SPリーチ後半」の演出期間における演出の内容について説明を行う。
「SPリーチ後半」の演出期間においては、ヒロインリーチの後半演出、例えばヒロインリーチ前半で展開した主人公キャラクタとヒロインキャラクタのストーリー演出の続きが背景演出として展開されるように構成されている。第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「SPリーチ後半」においては、複合するリーチ中の予告演出(リーチ中に表示される予告演出であって大当り期待度を示唆する予告演出、リーチ前半における「リーチタイトル表示(予告)」)として、「当落分岐前カットイン」が実行される。「当落分岐前カットイン」は、リーチ演出の結末が遊技者に有利な結果であるか否かを報知する「当落分岐演出」の前に、リーチ演出の結末が遊技者にとって有利な結果となる可能性を示唆する期待度告知演出である。「当落分岐前カットイン」では、ヒロインリーチのストーリー演出が展開される背景表示に対し、カットイン画像を重ねて表示する演出が、演出表示装置P80の表示領域に表示され、演出ランプP82、スピーカP83を用いて対応する発光演出、音演出が実行されるようになっている。なお第6実施例では、「SPリーチ後半」の演出期間におけるリーチ中の予告演出として「当落分岐前カットイン」のみを例示したが、その他のリーチ中予告を実行する場合があってもよい。
「ランプステップアップ演出」の実行がなかった場合、図71(c)に示すように、演出ランプP82においては、「SPリーチ後半」の演出期間においては、ヒロインリーチのストーリー演出や「当落分岐前カットイン」演出に対応した発光演出制御(常態発光態様)を行うように構成されている。
一方、「ランプステップアップ演出」が実行された後に「SPリーチ後半」の演出期間となった場合、「SPリーチ後半」の演出期間においては、キャラクタ役物発光部P692と、ロゴ発光部P690とでは、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」に関する発光演出制御が継続(再開)し、「当落分岐前カットイン」演出が発生するまでの期間において「ランプステップアップ演出」の発光演出制御による大当り期待度の示唆が行われる。「ランプステップアップ演出」の演出が「SPリーチ後半」の演出期間まで継続する理由としては、「SPリーチ前半」演出期間において、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作に伴い、進行した「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の表示が、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作有効期間の残り期間や、「キャラクタ役物動作煽り」までの残り期間では「最終段階」の発光態様が十分に認識できずに終了してしまう虞があるためである。
「ランプステップアップ演出」が実行された場合であって、「SPリーチ後半」の演出期間における「当落分岐前カットイン」演出が実行されると、「当落分岐前カットイン」の演出に応じた発光演出制御が「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の発光演出制御より優先して行われるため、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の発光が遊技者に認識されないようになる。例えば「当落分岐前カットイン」演出で演出表示装置P80の表示領域に緑色の枠や背景画像であるカットイン画像の「緑カットイン」が表示されるとともに緑色を基調とした演出ランプP82の発光演出が行われた場合、当落分岐演出のタイミングまで、緑色を基調とした発光演出を継続する等の制御が行われるため「ランプステップアップ演出」の発光演出制御が視認されない状況が継続する。すなわち、「当落分岐前カットイン」の発光演出制御は、演出表示装置P80の表示領域においてカットイン画像が表示されなくなっても、当落分岐演出の表示(あるいは当落分岐演出としての操作入力演出が実行される)まで継続して行われ、当落分岐演出の期待度をカットイン画像の表示期間よりも長く表示するように構成しているため、実質的に「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の発光演出制御は「当落分岐前カットイン」演出の実行開始時点で遊技者に認識不可能な状態(終了した状態)となるよう構成されている。
最後に「はずれ報知」の演出期間における演出内容の具体例を説明する。
図71の例では、はずれ変動においてSPリーチが実行されている状況を示しているため、「SPリーチ後半」の演出期間の当落分岐演出としては、はずれである結果が報知されるようになっている。
当落分岐演出としてはずれである結果が報知されると、「はずれ報知」の演出期間に移行し、ヒロインリーチのストーリーが遊技者に有利な結果を示唆する態様の結末を迎えなかった旨を報知するストーリー演出が表示される。
「はずれ報知」の演出期間においては、「ランプステップアップ演出」はすでに終了している状況であり、図71(c)(d)に示すように、演出ランプP82の発光演出制御としては、ヒロインリーチのはずれ演出用の発光演出制御(常態発光態様)が実行されるようになっている。
続いて、「SPリーチ前半」の演出期間において「ランプステップアップ演出」が実行された場合の、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様の変化について、図72を用いて説明を行う。図72の例は、図71に示した状況と同様であり、「ランプステップアップ演出」の演出態様の「最終段階」の発光態様として、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690が「緑」に発光する場合を例示している。
図72(a)、(b)は、「SPリーチ前半」の演出期間の演出の進行状況と演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の有効期間との関係を示している。図71を用いて説明したように、「ランプステップアップ演出」は、「SPリーチ前半」であるヒロインリーチの「リーチタイトル表示(予告)」の実行後から、「ランプステップアップ演出」に対する演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の有効期間が開始されるようになっている。そして、「SPリーチ前半」における「キャラクタ役物動作煽り」の開始時期までの期間に演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の有効期間が継続し、当該期間の満了、あるいは「ランプステップアップ演出」の最終態様である「金」の段階まで進行した場合に、「ランプステップアップ演出」の進行が停止し、「最終段階」の発光状態に切り替わるようになっている。
図72(c)~(i)には、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様の変化が示されている。
まず、SPリーチであるヒロインリーチが開始されると、「ランプステップアップ演出」の開始時期まで、ヒロインリーチのストーリー演出や「リーチタイトル表示(予告)」に合わせた発光演出制御(常態発光態様)が実行される。この状況について、図72中では「通常」と記載して、演出表示装置P80の表示領域において表示される予告演出と連動した発光態様である常態発光態様で発光している状況を示している。
次に、「ランプステップアップ演出」の演出期間が開始すると、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の有効期間(図72中の黒塗りの期間で示す)が開始され、「ランプステップアップ演出」が開始されている状況へ移行する。なお、図72の例では演出操作ユニットP380の有効期間中は、遊技者が演出ボタンP381の操作を連続的に実行している状況であると仮定して説明する。
「ランプステップアップ演出」の演出期間が開始され、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)に対する遊技者の操作が実行されると、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様がすべて消灯状態(「ランプステップアップ演出」の初期発光態様であり、図中には「消」「消灯」と記載)へと切り替わり、「ランプステップアップ演出」の演出が開始される。なお、「ランプステップアップ演出」における初期の発光態様は消灯に限らず白色に発光する等、演出表示装置P80の表示領域に表示される主の演出(SPリーチ演出)や予告演出に連動した常態発光態様とは識別性を有する異なる態様であればよい。
「ランプステップアップ演出」が開始され、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690のすべての「ランプステップアップ演出」の対象の演出ランプP82の発光態様が初期発光態様(消灯)となると、次に遊技者が演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)を操作した場合に、あらかじめ定められた順番でキャラクタ役物発光部P692の発光態様が第1段階の「青」に切り替わっていくように構成されている。図72に示す例では、キャラクタ役物発光部P692aから順番に時計回りにキャラクタ役物発光部P692fまで1つずつ「青」に切り替わっていく様を示している。
なお、「ランプステップアップ演出」においてキャラクタ役物発光部P692の発光態様が切り替わる直前に「点」と示す期間があるが、これは「点滅」を示しており、現在の発光態様での発光から次の発光態様に切り替わる対象のランプが「点滅」により示されることを示している。例えば「青」から「黄」に変化する場合には、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作を行う毎に、次に変化するキャラクタ役物発光部P692の発光態様が一瞬「黄」の発光態様に切り替わり、再度「青」に戻る状態を示している。そして演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作回数が、発光態様の切り替えの条件である操作回数(1回~3回程度)を満たした場合にキャラクタ役物発光部P692の発光態様が次の段階へと切り替わるように構成されている。なお、切り替えのための操作回数が1回の場合は「点」を経由することなく直接次段階へ移行することになる。また、本例では「点滅」の態様を次段階の発光色での一瞬の発光としたが、「消灯」や「白色」等でもよい(次段階の発光色のほうが、次に変化する色が明確になりわかりやすく、「青」「黄」「緑」などの順番の法則を崩して「青」から「緑」に変化するチャンスパターン等も作りやすくなる)。
「ランプステップアップ演出」によって、キャラクタ役物発光部P692aからキャラクタ役物発光部P692fの6つの発光部の発光態様が同一となるタイミング(図72の例では、キャラクタ役物発光部P692fの発光態様が次段階に変化するとき)では、ロゴ発光部P690も同時に発光態様が切り替わるように構成されている。ロゴ発光部P690は、そのタイミングで「ランプステップアップ演出」が終了した場合、どの態様が最終態様となるかを示唆する演出ランプであり、6つ目のキャラクタ役物発光部P692が点滅している状況であっても、直前の段階の表示を続けるものとしている。
なお、ロゴ発光部P690は、6つ目のキャラクタ役物発光部P692の点滅と同様に点滅を実行するように構成してもよいが、このようにすると、6つ目のキャラクタ役物発光部P692が点滅する際に、瞬間的に次段階に進行できたかのような錯覚に陥る可能性があることより、次段階に進行するに際して1周期の演出の完了を報知する報知音などをスピーカP83などから出力するように構成してもよい(なお、ロゴ発光部P690を6つ目のキャラクタ役物発光部P692と連動させない場合も報知音を出してよい)。
図72の例において、演出の段階が「緑」まで進行した場合(すべてのキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様が「緑」となった場合)、その後の遊技者の演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)に対する操作では、図72の例では、キャラクタ役物発光部P692aからキャラクタ役物発光部P692eまでの5つの発光部が、今回の「最終段階」であるはずの「緑」の次段階である「赤」に変化し、さらに期待度が高まるか否かを煽る演出を実行するように構成されている。なお、この場合、6つ目のキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690は、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)に対する操作が何度実行されても「赤」に変化することなく点滅により一瞬だけ「赤」となった後「緑」に戻る発光態様の変化を繰り返すように構成されている。
その後、「ランプステップアップ演出」の演出実行期間である演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作有効期間が満了するタイミングを迎えると、すべてのキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690とが「最終段階」である「緑」にて発光するように構成されている。
なお、「ランプステップアップ演出」の演出途中で遊技者が操作をやめた場合、例えば「黄」から「緑」に変化している周期の途中で操作をやめた場合は、演出抽選で「最終段階」が「緑」となっている場合であっても「黄」を「最終段階」として表示するようになっている。
また、演出抽選で決定されている「最終段階」以上は変化しないように構成されているため、例えば図72の「赤」となる演出周期でキャラクタ役物発光部P692fの点滅が繰り返されている状況で遊技者が変化しないことを察知し、演出ボタンP381の操作を停止する場合がある。このような場合には、「ランプステップアップ演出」の演出実行期間である演出操作ユニットP380の操作有効期間の満了まで待つことなく、操作が行われなくなってから2秒から3秒程度で、そのタイミングにおける「最終段階」の表示態様に切り替わるように構成してもよい。
「ランプステップアップ演出」の終了後において、「キャラクタ役物動作煽り」の演出期間となると、当該期間の所定のタイミングから開始されるキャラクタ役物P691の動作の開始時期に合わせて、「ランプステップアップ演出」の演出の最終段階の発光態様から、「キャラクタ役物動作煽り」の演出に連動した発光態様を優先する態様に切り替わる。なおこの間にも「ランプステップアップ演出」の演出の「最終段階」の発光演出制御は遊技者に視認はされないが継続されており、図72中には「ランプステップアップ演出」の演出に対する発光演出制御である「緑」が実行されている旨を示すと同時に、「キャラクタ役物動作煽り」に基づく発光演出制御(予告演出に連動した常態発光態様)が重ねて実行される旨を示すため「緑(通常)」と示している。
《演出例2_ランプステップアップ演出(最終段階:最終結果「金」終了時、当り変動)》
続いて、「SPリーチ前半」の演出期間において「ランプステップアップ演出」が実行される場合の2つ目の演出例を図73に基づいて説明する。図73は、高期待度リーチであるSPリーチが当り変動で実行される場合の例であり、「ランプステップアップ演出」が最も期待度の高い最終段階「金」となる場合の演出例を示している。なお、以下の演出例2の説明では、演出例1と重なる部分が多いため、主に相違点について説明を行う。
最初に「SPリーチ前半」の演出期間において実行される演出内容について説明を行う。
演出例2の当り変動における場合も「SPリーチ前半」の演出期間において実行される演出内容の構成はほぼ同様であり、その実行パターンが図71に示したはずれ変動の場合の時とで異なる例を示している。すなわち図73の例では、大当り期待度が相対的に図71の時よりも期待度が高まる予告演出の実行パターンで各種演出が実行されている状況を示している。
図73の例においてヒロインリーチが開始され、「タイトル表示(予告)」演出が実行されると、「タイトル表示(予告)」によって演出表示装置P80の表示領域に表示されるタイトルが「赤」を基調とした色彩でタイトルが表示されるチャンスパターンで表示がされる。なお、チャンスパターンの表示は、一旦通常パターンでの表示を行った後、チャンスパターンに切り替わるように構成されており、このとき、タイトル表示の表示態様が切り替わるタイミングに合わせて、演出ランプP82の発光態様を「赤」を基調とした色彩で発光させることで「タイトル表示(予告)」がチャンス態様に切り替わったことを強調するように構成している。
また、図73の例では、「ランプステップアップ演出」が実行され、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690の発光態様が「金」となるまで進行するが、図71に示した演出例1と主に相違する内容は「最終段階」の表示態様(演出の進行度合い)のみであり、詳細な説明は割愛する。
なお、「ランプステップアップ演出」が高期待度の「最終段階」の態様である「赤」や「金」(およびその上位のプレミア)まで進行する場合には、「緑」や「黄」を「最終段階」とする場合よりも、「ランプステップアップ演出」の進行過程において上位の「最終段階」まで到達する可能性が高いことを示唆する発光態様の切り替え方式を採用しやすいように構成してもよい。例えば、図71や図72に示した基本の発光態様の切り替え方式の例では、キャラクタ役物発光部P692aから時計回りに6つのキャラクタ役物発光部P692が点灯するように構成していたが、チャンス態様では、キャラクタ役物発光部P692a以外のランプから発光態様の切り替えを開始したり、反時計回りに順番に発光態様の切り替えを行ったり、ランダムな順番で発光態様の切り替えを行う、あるいは複数のキャラクタ役物発光部P692が一度に発光態様の切り替えされる等の発光態様の切り替え方式を実行ように構成してもよく、その他にも演出周期を省略して「青」や「黄」から「赤」に変化する等の変則的な変化を行うことで、図71や図72に示した基本の発光態様の切り替え方式よりも高期待度の「最終段階」に到達しやすい傾向にある「ランプステップアップ演出」の実行パターンを決定可能とする例が挙げられる。
続いて、当り変動である場合の「SPリーチ後半発展」の演出期間についての演出例の説明を行う。
図73に示す「SPリーチ後半発展」の演出期間の演出としては、図71の場合と同様、キャラクタ役物P691の演出動作が実行される例を示しているが、より大当りの期待度が高い実行態様を図73において示している。
SPリーチ後半発展に用いられるキャラクタ役物P691の演出動作の高期待度の演出実行パターン(強パターン)として、キャラクタ役物P691の演出動作時の演出ランプP82の発光態様が「赤」を基調とした色彩で発光する演出が実行される例を示している(弱パターンの時は「紫」で発光)。なお、第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、SPリーチ後半発展のキャラクタ役物P691の演出動作として、図71に示す弱パターンと、図73に示す強パターンの他に、一旦紫色を基調とした発光を行った後、遊技盤下方に配置された演出ランプP82から順に赤色に切り替わっていく「昇格パターン」とを有するように構成されている。各パターンの大当り期待度は「弱パターン」<「強パターン」<「昇格パターン」の順で期待度が高まるように構成されている。なお、「昇格パターン」が実行される場合、「弱パターン」や「強パターン」の場合よりもキャラクタ役物P691の演出動作期間が長く設定され、期待度が高まっている様を遊技者が実感できるように構成されている。
続いて当り変動の場合の「SPリーチ後半」の演出期間における演出例について説明を行う。
演出例2の当り変動におけるヒロインリーチ後半の例について、演出例1との相違点は、「テロップチャンスアップ」の実行があるか否かについて相違している。
演出例2において実行される「テロップチャンスアップ」演出は、ヒロインリーチの後半が始まった後の序盤のタイミングで、リーチ演出のセリフに対応したテロップ表示が通常の表示態様(例えば白の文字色)から、チャンス態様の表示態様(例えば赤の文字色)へ変化するように構成されている。そして、第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、テロップ表示がチャンス態様へ変化するタイミングに合わせて、キャラクタ役物P691の演出動作(例えばテロップの近傍に配置されているキャラクタ役物P691dが上昇して戻る演出動作)が実行され、この際に、演出ランプP82がテロップ表示のチャンス態様に対応した発光色(「赤」)を基調とした発光態様で発光するように構成されている。
「テロップチャンスアップ」演出において、演出ランプP82(特にキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690)が「テロップチャンスアップ」に対応する発光演出を実行する場合、「ランプステップアップ演出」の発光演出制御がよりも優先的に実行されるようになっている。なお、「テロップチャンスアップ」演出に対応する発光演出は、演出動作を行うキャラクタ役物P691dとその近傍の演出ランプP82のみに対象が制限され、その他の発光部では、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の発光態様が視認可能となるように制御してもよい。
最後に「当り報知」の演出期間における演出例について説明を行う。
「SPリーチ後半」の演出期間において実行される当落分岐演出にて当りである結果が報知されると、「当り報知」の演出期間に移行し、ヒロインリーチのストーリーが遊技者に有利な結果を示唆する態様の結末を迎えた旨を報知するストーリー演出が表示される。
「当り報知」の演出期間においては、「ランプステップアップ演出」はすでに終了している状況であり、図73(c)(d)に示すように、演出ランプP82の発光演出制御としては、ヒロインリーチの当り演出用の発光演出制御(常態発光態様)として虹色発光演出(当り報知発光演出)が実行されるようになっている。
以上のように構成される第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「ランプステップアップ演出」の実行により、演出ランプP82を用いた興趣性の高い発光演出を有する遊技機を提供することが可能となる。特に、複数個の発光部を用いて段階的に期待度が高まるように発光態様が変化するように構成することで、複数の発光部の発光態様の変化状況により期待度が高まっている状況を「ランプステップアップ演出」の進行に合わせて体感することができ、発光部の発光態様の切り替わりに合わせて、遊技者の期待感の高まりを誘導することが可能となる。
また、第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「ランプステップアップ演出」の実行を演出役物P560であるキャラクタ役物P691を用いて実行するように構成しており、注目度の高い発光部で「ランプステップアップ演出」の実行が進行するため、その後のキャラクタ役物P691の動作有無についても関心を高めやすいように構成することができ、SPリーチ後半発展のタイミングでのキャラクタ役物P691の演出動作や当落分岐演出のタイミングでのキャラクタ役物P691の演出動作にも注目しやすく、高期待度のリーチ発展や当りの報知などの重要なタイミングの演出への関心を高めやすいようになっている。
そして、第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「ランプステップアップ演出」の実行に際して、複数の発光部のうち、演出の性質の異なる2つの発光部(キャラクタ役物発光部P692とロゴ発光部P690)を使用して、次段階への発展有無を示唆する発光部(キャラクタ役物発光部P692)と、最終段階を示唆する発光部(ロゴ発光部P690)との組み合わせにより、遊技者に対して、最終段階を示唆する発光部(ロゴ発光部P690)の発光により、演出が有利な結果となる期待度の示唆状況の進行が常にわかりやすく、次段階への発展有無を示唆する発光部(キャラクタ役物発光部P692)により更なる高期待度への変化を期待させるという興趣性の高い演出を実行可能としている。
また、「ランプステップアップ演出」の実行後の「最終段階」の発光演出制御は、「ランプステップアップ演出」の実行期間(演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作有効期間)の満了後もしばらく継続し、その後の演出の進行における所定のタイミングまで「ランプステップアップ演出」に基づく、遊技者にとっての有利な結果が得られる可能性に対する示唆を行うための発光演出制御が継続するため、遊技者に対して、十分に遊技者にとっての有利な結果が得られる可能性について認識させ得るように構成できる。
続いて、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの「ランプステップアップ演出」に関し、適用可能な変形例についていくつか例示する。
<変形例1>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」として、最も期待度の高い態様を「金」として説明を行ったが、SPリーチが当り変動で実行されている場合において、当りである旨を確定的に報知するプレミアパターンとして、「虹色」を有するように構成してもよい。
プレミアパターンとして、「ランプステップアップ演出」の演出の実行に際し「最終段階」が「虹色」に設定されると、第6実施例の演出例に示したように、キャラクタ役物発光部P692とロゴ発光部P690が「金」となるまでは、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」が「金」である場合と同様の演出の進行を行い、「金」となった場合においてその後の「ランプステップアップ演出」の進行に関する発光演出制御の態様が特殊な制御となる。
より具体的には、プレミアパターンとして、「虹色」を「最終段階」とする「ランプステップアップ演出」が実行されると、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690が「金」となった後、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)を押下しても見た目上は何ら変化が生じていないように構成され、遊技者としては「虹色」に変化するか否かを煽っているかどうかが不明な状況で演出が進行する。そして、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690が「金」となった後、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)に対し、所定回数(例えば20回)の操作が実行されると、キャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690のすべての発光部が突然「虹色」発光に切り替わるように構成されている。
このように、はずれ変動でも選択され得る通常の「ランプステップアップ演出」の実行態様として最も期待度が高く設定される「金」の最終段階に到達後、当り変動でのみ選択可能なプレミアパターンへの変化を実行可能とすることによって、通常最も期待度が高く設定される「金」の発光態様に切り替わった後においても、当りとなることを確定的に知りうる機会を設けることができ「ランプステップアップ演出」の興趣を高めることができる。
<変形例2>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、不図示の導光板を用いた発光演出装置がセンター役物P540の開口部において演出表示装置P80の表示領域の前方に配置されることを説明したが、「ランプステップアップ演出」の実行に際し、導光板の発光部を用いた発光演出を組み合わせて実行可能に構成してもよい。
より具体的には、「ランプステップアップ演出」の実行に際し、演出の周期が完了するタイミング、ロゴ発光部P690の発光態様が切り替わるタイミング(初期発光態様に切り替わるタイミングを除く)にて、導光板の発光部をロゴ発光部P690と同様の発光色で一時的に発光させるように構成してもよい。
また、このような導光板の発光部を連動させる場合は、「赤」や「金」、「虹色」など、リーチ演出の結末が遊技者に有利な結果となる期待度が高い発光態様に変化するタイミングのみに制限し、導光板の発光部が「ランプステップアップ演出」に組み合わされて実行された場合に、裏ボタン演出に対応して発光する発光部が増加することで遊技者に有利な結果となる期待度がより高まっているかのように遊技者に認識させるように構成してもよい。
また、類似する変形例として「ランプステップアップ演出」が「金」となる場合には、ヒロインリーチの前半のストーリーに関連しない更に高期待度となるリーチ演出へ発展することを示唆するために、発光態様が「金」となる場合に限り、導光板の発光部を「ランプステップアップ演出」に連携させるという実施方法も考えられる。
<変形例3>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「ランプステップアップ演出」としてキャラクタ役物発光部P692の6つの発光部が順番に1つずつ(または複数個)発光態様が切り替わり、すべての発光部が同一態様まで切り替わった場合に1の演出周期が完了して次の段階へと進行するように構成したが、SPリーチなどの長時間変動が行われる場合以外の状況下では、第6実施例のぱちんこ遊技機Pのような発光態様の切り替え方式では、限られた時間で実行できない虞がある。
そこで、「ランプステップアップ演出」の演出の進行態様(遊技者に有利となる結果を示唆する段階が進行する過程の態様)を、キャラクタ役物発光部P692の点灯箇所が増加する毎に期待度が高まるように構成してもよい。すなわち、キャラクタ役物発光部P692aが白く点灯した場合に第1段階、キャラクタ役物発光部P692bが点灯するとともに、キャラクタ役物発光部P692a、bが青く発光する場合に第2段階、キャラクタ役物発光部P692cが点灯するとともに、キャラクタ役物発光部P692a、b、cが黄色に発光する状況が第3段階、というように「ランプステップアップ演出」の進行に応じて点灯箇所の数および点灯箇所の発光態様が順次切り替わるように構成することで、最大6回の変化で「ランプステップアップ演出」の進行状況を表示可能となり、第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例に示した態様よりも発光態様の総切り替わり回数が抑えられ、限られた演出時間内でも演出が実行可能に構成できる。
<変形例4>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「SPリーチ後半発展」の演出期間において、キャラクタ役物P691の演出動作を実行し、その実行パターンによって遊技者に有利な結果(大当り)となる期待度が相違することを説明したが、「SPリーチ後半発展」の演出期間におけるキャラクタ役物P691の演出動作の実行パターンにより、「SPリーチ後半」に展開するリーチ演出の内容を異ならせてもよい。例えば、「昇格パターン」で実行された場合に、演出ランプP82が下方から順次「紫」から「赤」に切り替わっていくのと連動して、演出表示装置P80の表示領域に特殊なキャラクタが登場するような表示を行い、「SPリーチ後半」の期間において登場した特殊なキャラクタが表示される特殊リーチ演出に移行するように構成してもよい。
<変形例5>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例では、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」を示す発光演出制御よりも優先して制御される発光演出(例えば、「キャラクタ役物動作煽り」や、「リーチ後半発展」のキャラクタ役物P691の演出動作時の発光、「当落分岐前カットイン」等)が存在する旨を説明したが、これらの演出よりも「ランプステップアップ演出」の発光演出制御を優先して実行し、所定のタイミング(例えば、当落分岐演出の開始タイミング)まで「ランプステップアップ演出」の実行が継続するように構成してもよい。
また、「ランプステップアップ演出」の発光演出制御をその他の演出に対応する発光演出制御より優先する条件として、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」が「赤」以上の期待度のパターンであるなどの条件を加えることにより、期待度が低い「ランプステップアップ演出」の「最終段階」である場合には、他の演出に基づく発光演出制御を優先することで、演出に連動した発光演出を楽しむことができる一方、高期待度となった場合には、「ランプステップアップ演出」の「最終段階」の表示を継続して、最後の展開まで有利な結果が表示されることへの期待感を継続しやすいように構成してもよい。
<変形例6>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pの演出例では、「ランプステップアップ演出」の演出は演出表示装置P80の表示領域における演出表示と関連性がない形式で進行するように構成したが、変形例としては、「ランプステップアップ演出」に関連した演出を演出表示装置P80の表示領域に表示可能に構成してもよい。
図74には、「ランプステップアップ演出」に関連した演出表示を演出表示装置P80に表示する場合の演出例を示している。
図74の例では、「ランプステップアップ演出」の演出周期が1周期完了するタイミングで、演出表示装置P80の表示領域にカットイン画像を表示するとともに、スピーカP83からカットイン画像(キャラクタ役物発光部P692の演出シートの1のキャラクタ図柄に対応したヒロインキャラクタのカットイン画像)に対応したセリフが出力されるように構成されている。
なお、このようなカットイン画像を表示する場合、リーチ演出のストーリー演出の見た目に影響が大きいため、例えば「ランプステップアップ演出」が「緑」や「赤」等の一定の期待度以上となるタイミングにおいてのみ演出表示装置P80に対する「ランプステップアップ演出」の関連表示を実行可能に構成してもよい。また、「ランプステップアップ演出」に関連する演出としては、演出表示装置P80の表示ではなくてもよく、「ランプステップアップ演出」の1の演出周期が完了するタイミングで、例えばキャラクタ役物発光部P692のうちの1つが他と異なる態様で発光し、当該発光部に対応するキャラクタが、期待度が高まっている旨のセリフをしゃべる演出をスピーカP83から出力するなどの例も実行可能である。
また、カットイン画像を表示する場合や、スピーカP83からセリフを出力する場合に、ヒロインキャラクタ以外に主人公キャラクタやヒロインキャラクタと主人公の二人の表示を行ったり、主人公キャラクタのセリフや主人公キャラクタとヒロインキャラクタのセリフを出力するなどの大当り期待度の高いチャンスパターンを設けたりすることなども可能である。
また、「ランプステップアップ演出」に関連した演出表示装置P80の表示として、キャラクタ役物P691の周囲の演出表示装置P80の表示領域に、キャラクタ役物発光部P692の発光態様と関連したエフェクト(効果)画像を表示するように構成してもよい。このようにエフェクト(効果)画像を表示することで、遊技機のエラー発生時などで、演出ランプP82(特にキャラクタ役物発光部P692およびロゴ発光部P690)が「ランプステップアップ演出」に基づく発光演出制御ができない場合でも、演出表示装置P80の表示領域に表示されるエフェクト(効果)画像にて、「ランプステップアップ演出」の進行状況が確認できるように構成できる。なお、エフェクト(効果)画像を「ランプステップアップ演出」の発光演出制御と組み合わせることは、エラー時の対策以外にも、単に「ランプステップアップ演出」の演出効果を高める効果も期待できるものである。
<変形例7>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、キャラクタ役物発光部P692において、キャラクタ図柄の表示にて発光色を切り替えることによって期待度が高まるように展開する例を示したが、キャラクタ役物発光部P692に設けられている他の演出シート(文字図柄が印刷されているシート)を表示していく態様でステップアップ演出を実行するように構成してもよい。
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、キャラクタ役物発光部P692a~キャラクタ役物発光部P692fにそれぞれ、「怪」(キャラクタ役物発光部P692d)、「好」「機」(キャラクタ役物e、c)、「高」「期」「待」(キャラクタ役物発光部P692f、a、b)の文字図柄が印刷された演出シートが配置されていることより、キャラクタ役物発光部P692の下方より、1段階目「怪」、2段階目「好機」、3段階目「高期待」と順次点灯態様が切り替わっていく「ランプステップアップ演出」を実行するように構成してもよい。
<変形例8>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、「ランプステップアップ演出」は、SPリーチの実行期間における裏ボタン演出として実行する旨を説明したが、裏ボタン演出は演出ボタン画像P881等を表示せず操作入力演出の実行期間である旨を遊技者に対して積極的に報知しない演出期間であるため、遊技者が意図せず演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)に触れてしまい、「ランプステップアップ演出」の初期発光態様に発光演出制御がなされてしまうと、リーチ演出の進行に影響が出てしまう虞がある。
そこで、「ランプステップアップ演出」の初期発光態様が開始され第1段階(「青」への発光態様変化)の演出周期が完了するまでの期間にて、演出操作ユニットP380(演出ボタンP381)の操作が一定時間行われない場合、リーチ演出や予告演出に連動した発光演出制御である常態発光態様の発光演出制御に復帰するように構成してもよい。
<変形例9>
第6実施例のぱちんこ遊技機Pでは、キャラクタ役物発光部P692を用いた発光演出制御として「ランプステップアップ演出」の発光演出制御の例を示したが、演出役物P560の発光部を利用した、発光演出の例として遊技者が有利な結果を得たか否かに関連する予告以外の発光演出制御にも適用可能である。
図75は、音量・光量調整機能のうち、音量調整が実行されている期間に、キャラクタ役物発光部P692の発光部を用いて、音量調整に関する報知を複数の発光部で実行する例を示している。
図75においては、キャラクタ役物発光部P692b、c、d、eの4つの発光部が点灯し、現在設定されている音量値が4となっている状況を示している(合わせて音量を4に設定した際に点灯したキャラクタ役物発光部P692bの演出シートに印刷されたヒロインキャラクタの声で「音量は「4」だよ!」という音声が出力されている)。
このように、音量や光量などの演出環境の設定について、複数の発光部であるキャラクタ役物発光部P692の発光部を用いて、演出の設定度合いを表示するとともに、複数の発光部に配置される演出シートのキャラクタ図柄に対応するキャラクタが、現在の演出環境の設定度合いに関するナビゲーションを行うように構成することで、様々なキャラクタが演出環境の設定に関して演出的に報知してくれるという演出を提供できるようになり、演出環境の設定においても、演出としての興趣を高めることが可能となる。
[第7実施例]
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。第7実施例のぱちんこ遊技機Pを構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
[第7実施例のぱちんこ遊技機の機械構成]
第7実施例のぱちんこ遊技機Pの機械構成に関して、図76から図81を用いて説明する。図76は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの正面視の外観を示す図である。図77~図81は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pのセンター飾りユニットP6(特に、演出役物P560としての上役物P650、横役物P670、下役物P680)の機械構成を示す図である。
図76は第7実施例のぱちんこ遊技機Pを遊技者側から正面視した外観を示している。第7実施例のぱちんこ遊技機Pと前提とするぱちんこ遊技機との相違点は、遊技盤P5における第1始動入賞装置P710や大入賞口P750などの各種入賞装置の配置構成や、センター飾りユニットP6に設けられた演出役物P560の構成であり、その他の遊技機の各種構成は前提とするぱちんこ遊技機と同様である。
以下、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技領域P501の各種入賞装置の配置構成について説明する。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の遊技領域構成)
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは図76に示すように、遊技領域P501の略中央にセンター飾りユニットP6を配置しており、センター飾りユニットP6を挟んで左側領域P501L(左打ち領域)と右側領域P501R(右打ち領域)とに分けられている。
左側領域P501Lは、相対的に遊技球の発射強度が弱い場合に遊技球が流下しやすい遊技領域であり、図76に示すように遊技領域中央の下方に第1始動入賞ユニットP710(第1始動入賞口P711)が配置されるとともに、遊技領域左下側に左側一般入賞ユニットP730Lとして3つの一般入賞口P730が配置されている。
右側領域P501Rは、相対的に遊技球の発射強度が強い場合に遊技球が流下しやすい遊技領域であり、センター飾りユニットP6の右下部に普通電動役物P770に係る第2始動入賞ユニットP720A(第2始動入賞口P721A)と、遊技領域P501Rの右下位置に大入賞口ユニットP750を備える。大入賞口P750ユニットには、大入賞口P751および作動口P741が備えられる。
右側領域P501Rには、さらに大入賞口ユニットP750の左側に、普通電動役物P770を備えない第2始動入賞ユニットP720B(第2始動入賞口P721B)を備える。
ここで、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおける第1始動入賞口P711は第1特別図柄(「特図1」と称する場合がある)に対応した始動入賞口であり、第2始動入賞口P721Aおよび第2始動入賞口P721Bは第2特別図柄(「特図2」と称する場合がある)に対応した始動入賞口である。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態かつ通常遊技(低確率/低ベース中)は、遊技者は左側領域P501L(左打ち領域)に向けて遊技球を発射し(左打ち)、第1始動入賞口P711に遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選を受けることによって特別遊技状態(大当り、小当り)への移行権利の獲得を狙うことが基本的な遊技性として設計されている。
一方、通常遊技状態かつ特定遊技(高確率状態または高ベース状態の少なくともいずれか一方の状態が作動中)または特別遊技状態(大当り遊技中、小当り遊技中)は、遊技者は右側領域P501R(右打ち領域)に向けて遊技球を発射し(右打ち)、第2始動入賞口P721Aまたは第2始動入賞口P721Bに遊技球を入球させ、第2特別図柄に係る抽選を受けることによって特別遊技状態(大当り、小当り)への移行権利の獲得を狙い、大当り遊技中や小当り遊技中は大入賞口P751へ遊技球を入球させて大量の賞球を獲得することを狙うことが基本的な遊技性として設計されている。
なお、第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、前述の遊技領域P501の各種入賞装置の配置構成や基本的な遊技性を備えるように構成したが、後述する演出や遊技制御等に影響がない、あるいは関連性が低い場合においては適宜変更可能である。
(第7実施例のぱちんこ遊技機のセンター飾りユニットの構成)
次に、図77から図81を用いて、第7実施例のぱちんこ遊技機Pのセンター飾りユニットP6に設けられた演出役物P560(「演出可動役物」や「可動役物」とも称する)について説明を行う。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pの演出役物P560は、図77に示すように、代表的な演出役物P560として、演出表示装置P80の前方に進出可能な演出可動役物(演出表示装置P80の表示領域の少なくとも一部の視認性を低下させるように露出、隠遮等を行う可動役物)が3つ備えられている。なお、第7実施例にて図示して詳述はしないが、演出表示装置P80の表示領域の正面に進出することなく、あるいは演出表示装置P80の表示領域の視認性に影響がほとんどないように、位置がほとんど変化することなく動作する演出装置や、図82に示す遊技機枠(ガラス枠P3)に設けられた枠可動物P360としての演出操作手段P81(演出ボタンP381、レバーP382で構成される演出操作ユニットP380)も「演出役物P560(演出可動役物)」に含まれる。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pに演出役物P560として、演出表示装置P80の上側領域には上役物P650が配置され、演出表示装置P80の左右側には横役物P670L、横役物P670Rが配置され、演出表示装置P80の下方には下役物P680が配置されている。
《上役物》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、センター飾りユニットP6上部に上役物P650を備えており、通常待機している状態では、図77に示す通り、演出表示装置P80の表示領域の上側に退避した状態となっており、演出動作を行う場合には、図78や図81に示すように演出表示装置P80の表示領域の前方まで進出する。
上役物P650は、図77に示す初期状態(不図示の昇降初期位置センサP657の検出状態)から、不図示の昇降モータP653の作動により、不図示の昇降ベルトP654が回転し、図81に示す状態となるまで(不図示の昇降演出位置センサP658の検出状態まで)中央装飾部P651および回転装飾部P652が不図示の昇降ガイドに従って下降動作を行う。
さらに上役物P650は、図81の位置に下降した状態で、図78に示す演出状態となるまで不図示の回転モータP659の作用により回転装飾部P652が展開し、かつ、その状態から回転装飾部P652である5枚の花弁を模した装飾部が時計回りの回転動作を行う。回転装飾部P652の動作位置は不図示の回転位置センサP660(回転初期位置センサ)にて制御しており、回転装飾部P652を非展開状態とするためには、回転位置センサP660の検知後に一定量以上回転装飾部P652を時計回りに回転させた状態から反時計回りに回転動作させることで回転装飾部P652が収納されて非展開状態となる。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて上役物P650は、大当りの期待度が高まることを示唆する演出動作の際(例えばSPリーチや特定の高期待度リーチへの発展を報知する際)や、リーチ演出の結末を報知する演出(「当落分岐演出」と称する場合がある)際において大当りであることを確定的に報知するために動作させるように演出動作内容が設定されている。そのため、演出動作の頻度が他の演出役物P560と比して相対的にかなり低く設定されており、上役物P650の動作は遊技者に対して高い期待感を想起させたり、遊技者の大当りの獲得を祝福する意味が込められた動作である「キメ動作」(キメ演出)を行うものである。このように上役物P650は、遊技結果(当否)という最も遊技者の関心が高い事象に関して期待度を高める効果や当りそのものを報知する主要な役割を担うことから、「メイン演出役物」(あるいは「主演出役物」、「キメ役物」)などと称することがある。
なお、図78の動作状態においては、上役物P650は後述する横役物P670と同時に作動しており、上役物P650と横役物P670の双方は、互いに干渉しないように構成されている。一方で、上役物P650と横役物P670は、下役物P680と同時に動作した場合には、接触する(干渉する)虞があり、同時に演出位置へ動作を行うことは無いように構成されている。
また、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの上役物P650は、前述した回転装飾部P652の展開を伴う演出動作パターンである第1演出動作パターン(強パターン)の他、図81に示す位置に移動する段階で終了または図81に示す位置の近傍で上下に微動する動作を行い回転装飾部P652が展開されない動作で終了する第2演出動作パターン(弱パターン)とを実行可能である。このとき、第1演出動作パターン(強パターン)は、特定のリーチの発展を示唆したり、リーチ等の最終的な演出結果(または当否抽選の結果)を報知するために動作したりする一方で、第2演出動作パターン(弱パターン)は、特定のリーチやSPリーチの中でも期待度が低めに設定された演出への発展等を示唆するために用いられ、特殊な状況(後述する「Bリーチ(レバーチャンス)」)を除いて、演出結果の報知の際において第2演出動作パターンが用いられることは無い(なお、確率は第1演出動作パターンが実行された場合よりも低いが、第2演出動作パターンが実行された場合であっても、第1演出動作パターンで発展するような高期待度のリーチ演出に発展する可能性も存在する)。
上役物P650が動作する場合にあっては、図81に示すように、上役物動作エフェクトP870を演出表示装置P80の上役物P650周辺に位置する表示領域に表示することが可能であり、特に図78のように第1演出動作パターン(強パターン)によって、動作する場合には演出表示装置P80の表示領域の全領域に役物全画面エフェクトP873が表示されるように構成されている。
上役物動作エフェクトP870や役物全画面エフェクトP873は、上役物P650の動作を伴う特別図柄の変動表示の大当り期待度に応じて複数の表示態様(例えば、白色、緑色、赤色、金色、キリン柄(メーカー柄)、虹色)の表示が可能であり、上役物P650の演出動作が第1演出動作パターンを実行される場合においては、役物全画面エフェクトP873は赤色以上(赤色、金色、キリン柄、虹色)の表示態様で表示される。
また、上役物動作エフェクトP870や役物全画面エフェクトP873は、予告演出やリーチ演出、装飾図柄P801よりも優先的に表示され(上位の表示レイヤに表示され)、一方で、簡易装図P802や打ち分け報知画像(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)、簡易保留表示P814等の遊技の状況を示す情報の表示は視認できるように表示優先度が設定されている。
《横役物》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、センター飾りユニットP6の左右の側部に横役物P670を備えている。横役物P670は通常待機している状態(演出の非実行状態)においては、図77(及び図79)に示すように横上装飾部P671L,R、横中央装飾部P672L,R、横下装飾部P673L,Rが上下方向に拡開して待機した状態となっている。
横役物P670は、演出を実行する際、図79に示すようにセンター飾りユニットP6の両側部より横上装飾部P671L,R、横中央装飾部P672L,R、横下装飾部P673L,Rが互いの上下方向の相対的な位置関係を近接させながら進出するように構成されている。
なお、左側に配置される横役物P670Lと右側に配置される横役物P670Rとは、それぞれ個別の駆動源である不図示のステッピングモータ(駆動モータP674)によって駆動され、左側の駆動モータP674が駆動されると、不図示の駆動伝達機構(例えば、ラック&ピニオン機構やリンク機構など)の作用により演出表示装置P80の表示領域の中央に向けて横上装飾部P671L、横中央装飾部P672L、横下装飾部P673Lが動作するように構成されている(説明は割愛するが右側に配置される横役物P670Rも同様である)。
横役物P670Lおよび横役物P670Rの動作位置は、それぞれに対応して設けられた初期位置を検出するための収納位置センサP675L,R、およびそれぞれに対応して設けられた演出動作位置を検出するための遮蔽位置センサP676L,Rによって検出されるようになっている。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて横役物P670は、変動の開始時やリーチ演出に発展する前のリーチ前予告演出、先読み演出、リーチ演出中のリーチ後予告、装飾図柄(特殊装図を含む)が仮停止される前後のにぎやかしなどや、先読み演出としてチャンス目が最終的に停止表示されるタイミング等あらゆるタイミングにおいて動作演出を行うことが可能に構成されており、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにて代表的に説明する3つの演出役物P560の中で最も動作頻度が高い演出役物P560である。
このような横役物P670の動作は、基本的に予告演出(リーチ前予告、リーチ後予告)の一環として演出に組み込まれる場合もあれば、予告演出とは独立した先読み演出として予告演出と複合して実行され、予告演出が遊技者に対して好適な結末に至ったり、その後の演出内容が大当り期待度の高い演出内容に変化されることに対する期待感を高める効果を創出することを目的として設定されている。
このように横役物P670は前述した上役物P650のように、横役物P670の動作のみで直接的に大当りを報知したり、大当りの期待感がとても高いことを示唆することを目的として設定されておらず、演出表示装置P80や他の演出役物P560、スピーカP83等の他の演出装置と複合的に演出することで、演出全体としての華やかさや見栄えを高めるためのにぎやかし効果を目的として使用される副次的な演出役物となっている。そのため、横役物P670は「サブ演出役物」(あるいは「副演出役物」、「にぎやかし役物」等)と称する場合がある。
図79は、横役物P670が演出動作を行っているときの一例の状態を表す図である。図79では横役物P670の横上装飾部P671L,R、横中央装飾部P672L,R、横下装飾部P673L,Rが演出表示装置P80の表示領域を遮蔽する状態となっているときであって、ノーマルリーチの実行中に特殊な演出用の装飾図柄である特殊装図P804(「NEXT」と記載された図柄であり、停止表示すると「擬似連」演出が行われる)が仮停止するかどうかを遊技者に対して煽っている状況である。
図79では、既に停止表示状態(または仮停止表示状態)となっている左装飾図柄P801Lおよび右装飾図柄P801Rが、特殊装図として停止表示されそうになっている中装飾図柄P801Cよりも小さく表示され、中装飾図柄P801Cとして特殊装図が停止されるかどうかを横演出役物P670の動作および横役物動作エフェクトP871によって強調表示している(すでに第1、第2停止図柄として表示済みの左右の装飾図柄P801L,Rは、テンパイ図柄を認識させるため、又は視認性を低下させないために、横役物P670との干渉を避ける位置に小さく表示しているが、当該演出において当否を報知する目的でなければ左右の装飾図柄P801L,Rは非表示としてもよい)。
図79の例では、横役物P670が遮蔽位置に移動しているときに視認容易となっている演出表示装置P80の表示領域(横役物P670の背面に隠れていない表示領域)において、未停止の装飾図柄列(仮停止表示態様となっていない装飾図柄列)に、特殊装図P804を通常の装飾図柄P801よりも大きく表示し、その他停止表示態様(仮停止表示態様)にて表示済みの装飾図柄列(左列、右列)の装飾図柄P801を小さく表示している。このように表示することによって、最終停止図柄列として構成される中図柄に停止表示される図柄に、横役物P670の遮蔽によって視認される領域を制限することで遊技者の注目を集めさせることができる。
このように演出役物P560の動作によって演出表示装置P80の表示領域の少なくとも一部が遮蔽される状況下において、次に停止表示態様となる装飾図柄の表示に注目を集めさせるタイミングとしては、擬似連演出の時のみならず、リーチ演出の場合にも適用可能である。さらに、最終停止図柄列においてだけでなく、2番目に停止表示態様へと切り替わる第2停止図柄列の停止表示の際に演出役物P560の動作によって演出表示装置P80の表示領域の少なくとも一部を遮蔽し、既に停止表示済みの図柄列とリーチ態様を形成するかに対して注目を集めさせるように使うことも可能である。
また、横役物動作エフェクトP871は、上役物動作エフェクトP870と同様複数の演出パターン(例えば、表示色が白、青、緑、赤となる場合や、表示サイズが小、中、大となる場合、エフェクトの動作アニメーションが異なる場合など)を有しており、その表示態様によって、遊技者に有利な演出結果となる可能性(期待度)が異なるように構成されている。例えば図79の例では横役物動作エフェクトP871が白色の場合は中装飾図柄P801Cとして特殊装図P804(「NEXT」図柄)が停止表示されずに「4」等の図柄が表示されてそのまま「343」等のはずれ態様が報知される可能性が高く、横役物動作エフェクトP871が赤色の場合は必ず特殊装図P804が停止表示されて、擬似連(擬似変動)の再変動が行われるように構成される例が挙げられる。
先に述べたように、横役物P670は、リーチ前の予告演出として変動開始直後のタイミングに動作を開始したり、変動終了時などのチャンス目等の停止など変動の終了のタイミングで動作を含み、比較的に頻繁に動作する演出役物P560であることより、図79に示すように、演出動作に際し、簡易装図P802や簡易保留表示P814との干渉が無い、あるいは少なくなるように構成されている(すなわち、簡易装図P804および簡易保留表示P814又は不図示の打ち分け報知P830等の遊技状態を示す表示の表示位置を横役物P670の動作範囲を基準に定めている)。なお、簡易装図P802や、簡易保留表示P814の表示位置は、上役物P650や後述する下役物P680等の他の役物の動作範囲も含めて決定してもよいが、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、変動開始の直後及び変動停止の直前に動作しやすい演出役物P560である横役物P670を基準に表示位置を決定している。仮に下役物P680も横役物P670と同様に変動開始、変動停止の前後のタイミングで動作しやすい場合には、横役物P670および下役物P680の動作範囲を基に簡易装図P804や簡易保留表示P814の表示位置を定めることが好ましい(キメ役物については、異常等が無ければ基本的にどのような状況であっても変動終了までに初期位置に復帰するように構成されているため、考慮しない)。
また、横役物動作エフェクトP871等の役物動作エフェクトは、図79に示すように、装飾図柄P801等の表示や予告演出よりも優先して表示(上位の表示レイヤに表示)される一方で、遊技者に演出内容を指示するために表示される演出ボタンP381等の演出操作手段P81の操作を促す操作促進画像(ボタン画像P881等)より表示優先度が低く、また、先の簡易装図P804や簡易保留表示P814又は不図示の打ち分け報知P830等の遊技状態を示す表示情報等、演出役物P560が動作している状況下でも遊技の状態を遊技者に認識させるための表示よりも表示優先度は低く設定されている。
《下役物》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、センター飾りユニットP6の下部に下役物P680を備えている。下役物P680は通常待機している状態(演出の非実行状態)においては、図77に示すように演出表示装置P80の表示領域から退避して待機した状態となっている。一方で、下役物P680が演出動作を実行している場合においては図80に示すように、演出表示装置P80の表示領域の下方領域の視認性を低下させる位置まで上昇し、下役物P680の中央装飾部P681および羽状装飾部P682が視認容易な状態となっている。
下役物P680の動作は不図示の駆動モータP684によって駆動され、駆動モータP684が回転すると、不図示のラック&ピニオン機構が作動し、中央装飾部P681が下降位置センサP686(初期位置)と上昇位置センサP687(演出位置)の検出範囲(演出動作範囲)内で昇降動作可能となっている。下役物P680の羽状装飾部P682は中央装飾部P681が昇降動作することに連動して不図示の連結ギアが回転し、中央装飾部P681が上昇する動作に合わせて、中央装飾部P681を中心として外側方向に下り傾斜した状態から上り傾斜した状態(図80に示す状態)へと切り替わる。
下役物P680の演出動作における動作範囲は、上役物P650および横役物P670のそれぞれの演出動作範囲と重なっており、上役物P650および横役物P670のいずれかの同時に動作してしまうと互いに干渉する虞があるため、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては下役物P680の演出動作は単独で行うもののみが用意される。なお、演出役物P560は、互いの動作範囲内で干渉さえしなければ、図78の上役物P650と横役物P670のように同時に動作可能である。しかし、同時に動作する演出役物P560が多ければ多いほど、演出役物P560の動作に電力が割かれ、演出制御基板P41の演出制御CPUや演出ランプP82、スピーカP83など他の演出装置や制御装置の動作に影響が出る虞が高まるため、同時に駆動可能な演出役物P560の組み合わせ(複数の演出役物P560を駆動した場合の合計電流値)を制限するための電気的制限が設けられる場合がある。
続いて図80を用いて、下役物P680の演出動作例を説明する。下役物P680は、先に説明した横役物P670と同様の「サブ演出役物」であり、「メイン演出役物」である上役物P650よりも相対的に演出実行頻度が高く設定された演出役物P560である。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて下役物P680は、予告演出におけるキャラクタ出現時(図80参照)や、擬似連演出における装飾図柄P801の再変動開始直後など、予告演出の内容と関連性のある演出を実行することを目的とした演出動作が主に設定しており、横役物P670のように演出表示装置P80の表示内容と複合して行われる先読み演出のように演出表示装置P80の表示内容とは異なる内容を示唆する演出として用いられることはほとんどないように演出動作が設定されている(なお、下役物P680にも先読み演出として用いる演出動作パターンを設定してもよい)。このように設定された下役物P680は、横役物P670よりも、演出内容として後続につながる演出がある状況下での演出動作内容が多い演出役物であるため、横役物P670が動作した場合よりも遊技者が大当りを獲得することに関する期待感を得られやすい演出役物となっている。
図80の演出例においては、リーチ後予告演出(リーチ演出中の予告)として、キャラクタカットイン(演出表示装置P80の表示領域中央に帯状のキャラクタ画像が重ねて表示される演出)とともに下役物P680が動作している演出例が示されている。下役物動作エフェクトP872は、図80に示すようにリーチ後予告演出として背景のリーチ演出に重ねて表示されるキャラクタカットイン予告よりも優先的に表示(上位の表示レイヤに表示)されるようになっている。このとき下役物動作エフェクトP872には、実行中の変動の大当り期待度によって表示される頻度が異なる複数の演出パターン(例えば表示色が青色、緑色、赤色、金色、虹色となるパターンや、表示の大きさが小、中、大となるパターン、表示アニメーションの動きが異なるパターンなど)を有するように構成されている。また、このとき下役物動作エフェクトP872と表示されるキャラクタカットインのキャラクタはある程度対応付けられており、第1構図のキャラクタAと青色のエフェクト、第2構図のキャラクタAまたはキャラクタBと緑色エフェクト、第3構図のキャラクタAまたはキャラクタCの赤色エフェクトといったように組み合わせが定められている。
下役物P680と横役物P670とは、互いに副演出役物としての役割である一方で、横役物P670は、演出表示装置P80に表示される予告演出の演出内容と直接的に関連性が低い先読み演出としての演出役物動作(演出役物動作先読み)の実行にも使用され幅広く高頻度で使用される一方で、下役物P680は、予告演出と関連した演出役物動作を主の演出動作としており、横役物P670よりも演出動作としての利用箇所が少ない(演出動作の実行頻度が低い)一方で、実行中の特別図柄の変動表示の結果(期待度)の示唆に直接的に関わりやすい演出役物となっている。
(枠可動物:演出操作ユニットの動作説明)
図82は第7実施例のぱちんこ遊技機Pに備えられた枠可動物の一つである演出操作ユニットP380の動作説明図である。
図82(a)は演出操作ユニットP380が演出動作をしていない初期位置の状態(初期状態)を示しており、図82(b)は演出操作ユニットP380が演出動作を行った後の演出状態を示している。演出操作ユニットP380は、演出ボタンP381およびレバーP382が一体に構成されており、初期状態においては、レバーP382の操作が不可能な状態であり、演出状態においては、レバーP382の操作が可能な状態となっている。
より具体的には、演出操作ユニットP380はレバー昇降モータP389の作動により、演出ボタンP381とレバーP382の指示軸に連結した不図示の円筒形溝カムが回転することで、演出ボタンP381およびレバーP382が、図82(a)に示されたレバー初期位置センサP386の検出位置から図82(b)に示されたレバー上昇位置センサP387に検出される位置まで上昇する。演出操作ユニットP380がレバー上昇位置センサP387の位置に移動すると、遊技者のレバーP382の傾倒操作によってレバー入力センサP388にレバーP382の入力操作を検出させることができる状態となる。
(役物動作エフェクトの他の例)
前述したように、上役物P650、横役物P670、下役物P680の動作に合わせて上役物動作エフェクトP870や横役物動作エフェクトP871、下役物動作エフェクトP872、役物全画面エフェクトP873(図78の演出の際に演出表示装置P80の表示領域全体に一様の効果画像(レインボーエフェクト等)を表示するエフェクト)などの効果画像を表示する旨を説明した。
なお、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて演出役物P560の動作に対して演出表示装置P80の表示領域に表示される演出(「演出役物連動表示演出」と称する)はその他にも存在する。以下に他の演出役物連動表示演出の例を示す。
《擬似役物動作画像》
「擬似役物動作画像」は、実際の演出役物P560を模した画像(または多少の意匠変更を行った類似画像)を動作させることにより、演出役物P560の役物可動演出を引き立てたり、実際の役物可動演出に代替して表示したりする演出を実行可能とする表示演出である。
例えば、演出役物P560と類似する擬似役物動作画像を演出役物P560の動作に連動させて、演出役物P560の動作範囲の中で演出役物P560の移動方向前方または後方に擬似役物動作画像を表示することで、残像やブレとして遊技者に認識させ、演出役物P560の動作速度を錯覚させることにより印象付けを行うような場合が考えられる。
また、擬似役物動作画像を演出役物P560の動作が不可能な状況(例えば演出役物P560が脱調等で復帰ができず、動作を禁止させる状態である役物エラー状態となった場合など)において、演出役物P560の動作するタイミングで擬似役物動作画像を表示することで実際の演出役物P560が可動演出を行えない状況であっても、演出役物P560の動作を含む演出態様であったことを認識させるようにすることができる。
「擬似役物動作画像」は、演出表示装置P80の前方に位置する演出役物P560を代替し、演出を引き立てる効果を有する画像であるため、前述した上役物動作エフェクトP870や横役物動作エフェクトP871、下役物動作エフェクトP872、役物全画面エフェクトP873等の効果画像よりも表示優先度が高い画像となっている(なお、簡易装図P804や簡易保留表示P814、打ち分け報知P830よりは表示優先度低い)。
また、「擬似役物動作画像」は、演出役物P560を模した画像(または類似画像)であるが、表示色等は実際の演出役物P560の意匠と同じ色味で構成する必要はなく、グレースケールやセピア等の表示効果で見た目が変更された画像であってもよい。
《役物動作煽りエフェクト》
「役物動作煽りエフェクト」は、演出役物動作連動表示演出の一つであり、演出役物P560の動作を行う演出タイミング(実際に演出役物P560の動作を行わないガセパターンの場合を含む)の前に、演出役物P560の近傍にエフェクト画像を表示したり、演出役物P560の動作範囲内の近傍に擬似役物動作画像を動作表示させることにより、対象となる演出役物P560の動作が行われる可能性があることを遊技者に示唆する演出である。
「役物動作煽りエフェクト」は、特別遊技の獲得期待度につながる演出役物P560の動作が行われることを示唆する演出であり、表示パターンとして複数の表示パターンを有している。表示パターンとしては、表示色が白色、赤色、金色となったり、表示サイズが小、中、大と切り替える、から表示可能となったりすることによって、演出役物P560の動作が実行される可能性(期待度)を遊技者に示唆する。
(演出可動役物_初期化・復帰動作処理)
次に、図83~図85を用いて、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」について説明する。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、演出可動役物_初期化・復帰動作処理は、演出役物P560の位置を初期位置に復帰させるための「初期位置復帰動作処理」と、演出役物P560が正常に動作を行えるかどうかを確認するための「初期動作確認処理」の2つの処理を含む処理で構成される(図83参照)。
演出可動役物_初期化・復帰動作処理は、遊技機の電源が立ち上げられたときや、演出役物P560において動作異常(エラーなど動作確認を行うことが必要と判断される事象)があった場合に実行される処理である。動作異常の判断は、演出制御基板(演出制御CPU)の処理である入力ポート監視処理(ステップ4008)の結果を基に、演出制御処理(ステップ4012)にて、演出可動役物_初期化・復帰動作処理のリクエスト(動作指示、動作制御)のためのフラグを成立させ、演出装置制御処理(ステップ4010)にて演出役物P560に対して初期化・復帰動作のリクエストを実行する。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、演出可動役物_初期化・復帰動作処理のリクエストを行うこととなる状況は以下の4つの状況である。また、各状況下において演出可動役物_初期化・復帰動作処理で実行される処理も併せて記載する。
1.電源立ち上げ時の初期化動作
「初期位置復帰動作処理」および「初期動作確認処理」の双方のリクエストを実行する。
2.ステップ数オーバーエラー発生時
「初期位置復帰動作処理」および「初期動作確認処理」の双方のリクエストを実行する。
3.ポジションチェックエラー発生時
「初期位置復帰動作処理」のリクエストのみ実行する。
4.時間監視チェックエラー発生時
「初期位置復帰動作処理」のリクエストのみ実行する。
ここで、「ステップ数オーバーエラー」は、演出役物P560に対して動作リクエスト(演出動作や初期位置復帰動作)を行った場合に、設計上動作リクエストの実行後に判定閾値となるステップ数を駆動モータに出力した場合でも検出すべきセンサが検査されない場合に発生するエラーであり、「ポジションチェックエラー」は、変動開始(または変動終了)時、遊技状態の変化時など所定の遊技タイミングで、演出役物P560が存在すべき位置にいるかどうかを各種センサ(演出役物P560の初期位置センサ、演出位置センサ)を判定した結果、演出役物P560が想定した位置にない(検出すべきセンサが検出していない)場合に発生するエラーであり、「時間監視チェックエラー」は「ポジションチェックエラー」と同様の判定を一定時間(例えば5秒)おきに判定した結果発生し得るエラーである。
なお、「時間監視チェックエラー」は「ポジションチェックエラー」について、変動演出や先読み演出によって割り当てられた演出動作を実行中の演出役物P560については、エラーの監視対象から除外される。
また、演出可動役物_初期化・復帰動作処理のリクエストは、特別図柄の変動表示が行われている場合(例えば、変動演出として演出役物P560の動作が行われている場合)であっても実行可能である。そして、演出可動役物_初期化・復帰動作処理のリクエストが行われた場合、演出可動役物_初期化・復帰動作処理が完了するまでは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる、変動演出の実行パターンに基づく演出役物P560(少なくとも演出可動役物_初期化・復帰動作処理の対象となる演出役物)の動作を禁止する。
《演出可動役物_初期化・復帰動作処理》
図83は、「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」(ステップ5800)の処理フローを示す図である。「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」は演出制御基板(演出制御CPU)の演出装置制御処理(ステップ4010)内の処理で行われる処理である。以下、図83を参照しながら処理の内容を説明する。
まず、「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」は、演出役物P560の初期化・復帰動作に係るリクエストが実行されているかどうかを判定する(ステップ5802)。演出役物P560に対して初期化・復帰動作のリクエストがなされていない場合は(ステップ5802NO)、その後の処理を行うことなく処理を終了する。一方で演出役物P560に対する初期化・復帰動作のリクエストがあると判断した場合(ステップ5802YES)、サブモジュール処理である「初期位置復帰動作処理」(ステップ5804)に移行する。
「初期位置復帰動作処理」(ステップ5804)の詳細は図84を用いて後述する。「初期位置復帰動作処理」が終了すると、続いて現在の状況が設定変更中(または設定確認中)等の遊技停止状態であるかどうかを判定する(ステップ5806)。設定変更中(設定確認中)など遊技停止状態である場合、遊技停止状態の解除が行われるまで演出制御基板(演出制御CPU)は判定結果がNOとならずに「初期動作確認処理」を待機する状況となる。
設定確認中(設定変更中)など遊技停止状態である場合に、「初期位置復帰動作処理」(ステップ5804)の後に「初期動作確認処理」(ステップ5810)を待機する理由としては、電源投入時に移行する設定変更中(設定確認中)などの遊技停止状態において、演出表示装置P80に現在の設定の状況や設定変更が行われていることの示すセキュリティ報知、その他に遊技機の設定のための管理者メニュー画面などを表示可能としており、「初期位置復帰動作処理」(ステップ5804)によって、電断前に演出表示装置P80の表示領域の前方に位置していた演出役物P560を表示領域の前方から退避させた後であり、「初期動作確認処理」中に脱調等の役物動作異常によって演出表示装置P80の表示領域の視認性が阻害されない最適と考えられる状況であるためである。
「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」において、設定確認中(設定変更中)等でないと判断した場合(ステップ5806NO)、つづいて電源立ち上げ時であるか、又はステップ数オーバーエラーであるかを判定する(ステップ5808)。当該判断は、先に説明したとおり、第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、電源の投入時およびステップ数オーバーエラー発生時である場合に「初期動作確認処理」のリクエストを行う仕様となっているためである。言い換えると、ポジションチェックエラーや時間監視チェックエラーに基づくリクエストであった場合は「初期動作確認処理」の実行の必要が無いため、演出制御基板(演出制御CPU)はサブモジュール処理である「初期動作確認処理」(ステップ5810)への移行を行わない。
「初期動作確認処理」の詳細は後述する。「初期動作確認処理」が終了すると、初期化・復帰動作の実行に係るリクエストの情報をクリアし、「演出可動役物_初期化・復帰動作処理」を終了する。
《初期位置復帰動作処理》
次に、図84を用いて第7実施例のぱちんこ遊技機Pの演出役物P560の動作制御に係る「初期位置復帰動作処理」(ステップ5804)に関して説明を行う。「初期位置復帰動作処理」は、初期位置(演出状況によっては初期位置センサではなく演出位置センサや中間位置センサが「初期位置」となる場合がある)に存在しないと判断された演出役物P560を初期位置に復帰させるための処理である。
「初期位置復帰動作処理」では、最初に全ての演出役物P560に対して、動作を停止するリクエスト(動作指示、動作制御)の出力を行う(ステップ5820)。当該処理は、電断前に出力されていた演出動作のリクエストや、ポジションチェックエラーないし時間監視チェックエラーにてエラー発生となった場合に動作中の他の演出役物P560の動作を停止させ、演出役物P560を初期位置に復帰させる際に他の演出役物との干渉が発生しないようにすることを目的とする処理である。
全ての演出役物P560に対する動作の停止リクエストが完了すると、続いて第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、下役物P680に対して初期位置(下降位置センサP686の検出位置)まで移動させる動作指示を行う。なお、下役物P680が既に初期位置に位置している場合(下降位置センサP686が検出済みのとき)は、当該処理を省略する。
下役物P680が初期位置に移動すると(または初期位置復帰動作が省略されると)、次に、上役物P650の初期位置復帰動作へ移行する。上役物P650の初期位置復帰動作では最初に、上役物P650に初期位置に係るセンサの昇降初期位置センサP657と回転位置センサP660が検出状態であるかを確認する(ステップP5824)。上役物P650は、前述したように回転装飾部P652が回転位置センサを検知するタイミングにおける回転方向によって回転装飾部P652が展開状態または収納状態であるかが切り替わるように構成されており、回転位置センサP660が検出状態であっても回転装飾部P652が展開されている虞があるため、即座に昇降初期位置センサP657の検出位置まで移動させることができない。そのため、初期位置に存在しない上役物P650を初期位置に復帰させる場合には、一旦演出位置に移動させた状態で回転装飾部P652を展開させ、確実に収納状態に変更した後、昇降初期位置センサP657に検出させる必要がある。
上役物P650はが初期位置に存在しないと判断した場合(ステップ5824NO)、上役物P650を昇降演出位置センサP658が検出状態となるまで移動させる(ステップ5826)。なお、既に上役物P650が昇降演出位置センサP658の位置にある場合は当該処理を省略する。
上役物P650の初期位置復帰動作において、上役物P658が昇降初期位置センサP658検出される位置(演出位置)に移動すると、続いて回転装飾部P652が展開状態となる方向に回転モータP659を駆動させる(ステップ5828)。回転量は回転位置センサP660の次回検出までに加えて、復帰動作(回転モータP659の逆回転)によって回転装飾体P652が回転位置センサP660の検出位置で収納状態となる位置まで回転させる。
上役物P650が、演出位置において展開した状態まで変化すると、「初期位置復帰動作処理」は、続いて上役物P650および横役物P670に対して、初期位置復帰動作を同時に指示する(ステップ5830)。言い換えると、上役物P650の回転装飾部P652を収納状態としたのち昇降初期位置センサP657に検出する位置まで移動させ、横役物P670を収納位置センサP675に検出される位置まで移動させる処理を行わせる(横役物P670は収納位置センサP675に検出される初期位置の場合処理を省略)。ステップ5830の処理のみ、複数の演出役物P560に対して同時に動作を実行する仕様となっているが、上役物P650および横役物P670は、図78から図77状態に復帰する動作パターンを有しており、演出上同時に動作しても電気的制限(合計電流値の制限)について何ら問題ない演出役物P560の動作の組み合わせである。
このように、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、「初期位置復帰動作処理」において、下役物P680、上役物P650、横役物P670を順番に行わせる。「初期位置復帰動作処理」の処理順番は、複数の演出役物P560に対して、予め定められた順番で実行すべきかどうか判断し、初期位置に復帰させる動作を行うように構成されている。順番に動作を行うとき、動作対象となっていない演出役物については動作のための電力の供給を行っていない。このように構成された初期位置復帰動作処理は、全ての演出役物P560に対して、同時に初期位置の復帰動作を開始させないことで、復帰動作中の干渉を防止するとともに、同時に駆動することによって大量の電力を使用してしまい、演出制御基板および他の演出装置の動作に悪影響を与えることを防止することができる。また、ステップ5830のように、互いに干渉しない演出役物P560であって、同時に駆動しても電気的制限に支障がない演出役物P560に対しては、同時に初期位置復帰動作を指示可能とすることで、演出役物P560全体の初期位置復帰動作が過剰に長くなることを防止することができる。
《初期動作確認処理》
続いて、「初期動作確認処理」(ステップ5810)について詳細な処理を説明する。「初期動作確認処理」は、遊技機に備わる全ての演出役物P560に対して順番に演出動作が実行可能であるかどうかを確認していく処理(例えば、全ての演出役物P560を初期位置から演出位置まで動作させることで正常に動作可能であることを確認する処理)である。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて「初期動作確認処理」を開始すると、最初に下役物P680の動作確認処理が行われる(ステップ5850)。下役物P680動作確認処理は、駆動モータP683を動作させ、下役物P650を下降位置センサP686に検出される状態から上昇位置センサP687に検出される位置まで動作させ、その後再度下降位置センサP686に検出される状態まで動作させる処理を行うように構成している。
下役物P680の確認動作が終了すると、続いて上役物P650の動作確認処理を実行する。上役物P650の動作確認処理は、昇降モータP653を動作させることによって、上役物P650の中央装飾部P681を昇降初期位置センサP657の検出位置から昇降演出位置センサP658に検出させる位置まで移動させる(ステップ5852)。そして上役物P650の中央装飾部P681が演出位置まで移動すると、続いて回転装飾部P652が展開状態に変形できるかどうかを確認するため、回転モータP659を動作させ、回転位置センサP660が次に検出され、復帰動作時に回転装飾部P652が収納できる追加駆動分だけ回転モータP659を動作させ、回転装飾部P652の変形動作の確認を行う(ステップ5854)。
上役物P650の演出位置における回転装飾部P652の演出動作の確認が終了すると、続いて、上役物P650を初期位置に復帰させる動作を行わせる指示を行うとともに、横役物P670に対して動作確認処理を行わせる指示を行う。横役物P670の動作確認処理は、駆動モータP674を動作させることにより、横役物P670の各装飾部(横上装飾部P671、横中央装飾部P672、横下装飾部673)を演出位置まで動作させる。すなわち収納位置センサP675に検出された状態から遮蔽位置センサP676が検出される状態まで駆動モータP674を動作させた後、再び収納位置センサP675に検出される状態となるまで駆動モータP674を逆回転動作させるように構成されている。
「初期動作確認処理」において、上役物P650と横役物P670は、同時に動作を実行する期間を有するものの、実際に演出動作を行うとき(図78参照)とは異なるタイミングでそれぞれ動作を行うように構成されている。より具体的には演出動作として上役物P650と横役物P670の動作を行うときには、同時に動作出力を行う動作出力の重複期間が初期動作確認処理にて同時に動作出力を行う場合の動作出力の重複期間よりも長いように構成されており、初期動作の場合は、なるべく同時に動作する期間を少なくすることで、各演出役物P560のそれぞれの動作が行われる期間が重複する期間が長くなることを避け、確認者が演出役物P560の動作を正確、かつ容易に視認可能となるように構成されている。
(演出役物の動作エラー時の対応)
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出役物P560について、動作不良が起きた場合(例えば、前述のステップ数オーバーエラーやポジションチェックエラーなどが発生した場合)、演出可動役物_初期化・復帰動作処理が実行されるが、演出可動役物_初期化・復帰動作処理が実行された場合であっても、演出役物P560について演出動作が実行できる状況が確保できない場合(例えば、初期位置復帰動作処理、初期動作確認処理を3回繰り返し実行しても初期位置に復帰しない、演出位置に移動できないなどの状況が発生した場合)、演出役物P560の故障を防止するため、該当する演出役物P560や、該当する演出役物P560と干渉する虞のある演出役物P560の動作を禁止するように構成している。
なお、このようなエラーの発生に基づく、演出役物P560の可動演出動作が禁止された場合であっても、演出役物P560の発光部については発光演出を実行するように構成している。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、動作が禁止された場合に演出役物P560の発光部を点灯するための発光パターンを専用で設定しないため、通常の可動演出動作が実行されるときと同様に点灯制御される。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の遊技性)
次に図86から図88を用いて、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性の説明を行う。図86は通常遊技状態における通常遊技と特定遊技の遷移および演出状態を示す図である。図87は第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおける大当りの種類を示す図である。図88は第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて通常使用される変動パターンテーブルの一例を示す図である。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、並列制御を採用しており、第1特別図柄と第2特別図柄がそれぞれ独立して変動表示することが可能である遊技機である。
なお、以下に説明を行う遊技性は、遊技者が正常に遊技を行った場合の遊技性であり、イレギュラーな状況については説明を割愛する。
《通常遊技(低確率/低ベース)》
最初に第7実施例のぱちんこ遊技機Pの遊技性の説明を行う。第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、初めに遊技者が遊技を開始する時点では図86の左側に示す通常遊技(低確率/低ベース)にて遊技が行われる。
通常遊技(低確率/低ベース)において、遊技者は第1始動入賞口P711へ向けて遊技球を発射し、第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りの獲得を目指す(図86(a)参照)。第1特別図柄の特別図柄抽選によって大当りを獲得した場合、大当り遊技後には、大当りを開始する際に第1特別図柄表示装置P51に停止表示された特別図柄(大当り図柄)によって実行される大当り遊技の種類(図87参照)によって「時短遊技(低確率/高ベース)」(図86(b)参照)または「確変遊技(高確率/高ベース)」(図86(d)参照)のいずれかの特定遊技に振り分けられる。
通常遊技は演出状態(演出モード)の種類として「Aステージ」~「Cステージ」といった「通常ステージ」(通常演出モード)を基本として遊技演出を行うようになっており、その他に「特殊ステージ」(特殊演出モード)として「Dステージ」、「Eステージ」、「役物完全告知モード」を備える。
「Dステージ」は、先読み演出専用の演出ステージ(演出モード)であり、専用の先読み演出抽選に当選した場合において、先読み対象の保留の変動表示が開始される前の変動表示中のどこかのタイミングで移行する演出ステージである。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、「Dステージ」に移行した場合は、先読み演出の対象となる保留が変動中の所定のタイミングまで演出表示装置P80に表示される演出内容が特殊なものになることに加え、横役物P670が初期位置の近傍で揺動を継続するように構成されており、横役物P670の動作の大きさや横役物動作エフェクトP871は期待度が高まるほど動作量が大きくなったり表示パターンが高期待度のものへと変化するようになっている。
「Eステージ」は擬似変動演出(擬似連)が実行された場合であって、三回目以降の再変動表示(再変動の回数によって「擬似X」と称し、この場合「擬似3」と称する)となった場合に移行する特殊演出ステージ(特殊演出モード)である。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、疑似3となった場合には、リーチ演出のなかでも高期待度リーチ(SPリーチ)へ移行することが確定的となり、いずれの高期待度リーチに移行するかを示唆表示するための専用の演出がリーチ演出の開始前に表示される。この「Eステージ」においては、ノーマルリーチに発展すると複数の高期待度リーチ演出を示唆するアイコンが表示され、表示されたアイコン画像の移動表示とともに、上役物P650、右側横役物P670R、下役物P680、左側横役物P670Lが順番に動作を行い最終的にいずれかの演出役物P560が演出位置まで動作するとともにアイコン画像が表示されることで発展先の高期待度リーチを示唆する(上役物P650の場合は、最も期待度の高い高期待度リーチへ発展することとなり、アイコン画像が視認可能となる前に回転装飾部P652を用いた可動役物演出と役物全画面エフェクトP873の連携演出を行う)。
「役物完全告知モード」は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの非遊技中(遊技待機デモ表示中)に、遊技者が演出操作手段P81を操作することにより選択可能な特殊演出ステージ(特殊演出モード)である。第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて「役物完全告知モード」が選択されると、上役物P650と横役物P670とにより演出表示装置P80の前面に移行した状態(図78に示した状態)となり、上役物P650と横役物P670に備え付けられた発光部や横役物P670の動作を主体とした予告演出を実行する(部分的に視認可能な演出表示装置P80の表示領域にキャラクタ表示やボタン画像P881等を表示してもよい)。「役物完全告知モード」では、大当りとなる変動において、最終的に上役物P650の回転装飾部P652が回転する演出が実行されることで大当りとなることが報知あれ、その後上役物P650と横役物P670が初期位置に復帰するとともに視認可能となった演出表示装置P80の表示領域に獲得した大当り遊技の種類を報知する演出を行う(回転装飾部P652が回転動作する際の発光態様で獲得される大当りの種類が示唆されてもよい)。
「Dステージ」、「Eステージ」、「役物完全告知モード」は一例であり、変形例として特定遊技中に実行されるものであってもよい。また「役物完全告知モード」は予め演出役物P560(先の例では上役物P650と横役物P670)が動作しておくものでなくてもよく、例えば時短遊技中に毎変動ボタン画像P881が表示され、ボタン押下時に演出役物P560(上役物P650と横役物P670)が動作すれば大当り、という手法で役物の所定の動作が大当り確定となる演出ステージとなっていればよい。
また、第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、通常遊技(低確率/低ベース)において、ラムクリア後または前回の大当り遊技後から起算して所定回数(例えば660回)の図柄変動が行われ、いずれも特別図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合、大当り遊技を経由することなく特定遊技(低確率/高ベース)である「サポートモード」へ移行する。「サポートモード」は後述する特定遊技(低確率/高ベース)の一つの状態であり、500回の特別図柄抽選に対応する変動表示が行われるか、特別図柄抽選にて大当り遊技を獲得するか(特別図柄表示装置P51、P52に大当り図柄が停止表示される)のいずれかによって終了する。なお、「サポートモード」は、大当り経由で移行する場合は存在しない。
《特定遊技:時短遊技(低確率/高ベース)》
次に通常遊技状態のうち特定遊技の一つである時短遊技(低確率/高ベース)の説明を行う。図86に示す通り、特定遊技(低確率/高ベース)の状態には2つの種類が存在する。一つは「復活チャンス」であり、もう一つは前述した「サポートモード」である。「復活チャンス」と「サポートモード」は突入契機と終了条件が相違している。
「復活チャンス」と「サポートモード」は突入契機と終了条件は、「復活チャンス」が大当り遊技後(特に、後述する通常大当りの大当り遊技後)に移行し、100回の特別図柄抽選が行われるか、100回以内の特別図柄抽選にて大当りを獲得するまで継続する特定遊技状態である。他方、「サポートモード」は前述したように、ラムクリア後または前回の大当り遊技後から起算して所定回数(例えば660回)の図柄変動が行われ、いずれも特別図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合に移行し、500回の特別図柄抽選が行われるか、500回以内の特別図柄抽選にて大当りを獲得するまで継続する特定遊技状態である。
特定遊技(低確率/高ベース)の通常遊技状態では、遊技者は右側遊技領域P501Rに遊技球を発射し、作動口P741に遊技球を通過させて第2始動入賞ユニットP720の普通電動役物P770を作動させ、第2始動入賞ユニットP720の開閉部材P771を入賞容易状態とし、第2始動入賞口P721に遊技球を入賞させ、第2特別図柄の特別図柄抽選を受けて遊技を行う(このように右側遊技領域P501Rに遊技球を発射して行う遊技を「右打ち遊技」と称する)。
第2特別図柄の特別図柄抽選にて大当りを獲得すると(図86(c)参照)、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄(第2特別図柄表示装置P52に停止表示された特別図柄)の種類によって、大当り遊技後に、再び「サポートモード」へ移行するか(通常大当りのとき、図86(b)参照)、後述する確変遊技の「Xラッシュ」(高確率/高ベース)または「XラッシュSUPER」(高確率/低ベース)に移行する(確変大当りのとき、図86(d)参照)。
《特定遊技:確変遊技(高確率/高ベースまたは高確率/低ベース)》
続いて、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの特定遊技のうち確変遊技の通常遊技状態の遊技について説明を行う。図86に示すように、確変遊技には、「Xラッシュ」(高確率/低ベース)と「XラッシュSUPER」(高確率/低ベース)の2種類が存在する。
確変遊技である「Xラッシュ」、「XラッシュSUPER」は、特定の大当り遊技後(確変大当りの大当り遊技後)に移行し、次回の大当り遊技が開始されるときまで継続する。なお、変形例として「Xラッシュ」(高確率/高ベース)中に、所定回数(例えば50回)の特別図柄抽選を行った場合、電チューサポート機能が終了し「XラッシュSUPER」(高確率/低ベース)に移行可能に構成してもよい。
「Xラッシュ」および「XラッシュSUPER」の遊技手法は、前述した時短遊技と同様の右打ち遊技にて行う。右打ち遊技で大当りを獲得すると(図86(e)参照)、大当り遊技を開始することとなった大当り図柄(第2特別図柄表示装置P52に停止表示された特別図柄)の種類によって、大当り遊技後に、「サポートモード」へ移行するか(通常大当りのとき、図86(b)参照)、再び確変遊技の「Xラッシュ」(高確率/高ベース)または「XラッシュSUPER」(高確率/低ベース)に移行する(確変大当りのとき、図86(d)参照)。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、電チューサポート機能が作動していない状況下においても普通図柄抽選の当り確率が高く設定されており(例えば普通図柄抽選の低確率状態時:299/300、高確率状態時:300/300)、通常遊技(低確率/低ベース)や「XラッシュSUPER」(高確率/低ベース)においても第2始動入賞ユニットP720に備わる普通電動役物P770の作動が頻繁に行われるようになっている。
電チューサポート機能が作動している状態においては、普通電動役物P770の作動に関し、開放延長機能が作動し、右打ち遊技を行っていると、普通電動役物P770が作動している状況がほとんどを占めるように構成されており(例えば、6秒普通電動役物P770が作動した後、次の普通図柄抽選により、約1秒後に普通電動役物P770が再度作動するように構成されており)、高ベース状態(電チューサポート機能が作動している状態)で右打ち遊技を行っている場合、第2始動入賞口P721によりも下流(大入賞口ユニットP750)の方には遊技球があまり流下しないように構成されている。
一方で、電チューサポート機能が作動していない状況(通常遊技や「XラッシュSUPER」)では、第2始動入賞口P721にへ入賞するとともに、普通電動役物P770が作動していないときに遊技球が第2始動入賞口P721よりも下流の大入賞口ユニットP750に向けて遊技球が流下可能となっており、第2特別図柄の特別図柄抽選により小当りが当選した場合に、小当り遊技中の大入賞口P751への入賞に基づいて遊技球を増やすことが可能に構成される。
なお、「XラッシュSUPER」中は、特別図柄の確率変動と変動時間短縮機能が作動しているため、第2特別図柄の特別図柄抽選の変動時間が短縮変動(1~2秒程度)となりやすいように構成されている一方、通常遊技では特別図柄の変動時間短縮機能が作動していないため、第2特別図柄の特別図柄抽選は長時間変動(例えば3分など)となるように構成され、右打ち遊技を継続しても遊技球が減少するように構成されている。この「XラッシュSUPER」のような、右打ち遊技にて短時間に小当り遊技が頻発し、小当り遊技によって遊技球の増加が狙える遊技状態を総称して「小当りラッシュ」と称することがある。
(第7実施例のぱちんこ遊技機Pの特別遊技の種類)
続いて、図87を参照して、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの特別遊技の種類について説明を行う。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pの大当り確率は、図87の下部に示す通り、低確率中の大当り確率は1/200となっており、一方高確率中の大当り確率は1/40に設定されている(第1特別図柄、第2特別図柄共通)。また、小当り確率は、第1特別図柄の特別図柄抽選では1/500、第2特別図柄の特別図柄抽選においては1/2となっている。
図87に示す第7実施例の特別遊技の種類の説明として、「特別遊技の種類」には、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにて実行され得る大当り遊技、小当り遊技の種類の名称が示されている。「特別遊技後の状態」は、該当する特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が実行された後に移行する通常遊技状態が特定遊技、通常遊技のどの状態であるかについて示している。「比率」は、第1特別図柄または第2特別図柄の特別図柄抽選にて大当り、小当りとなった場合にいずれの種類の大当り遊技(小当り遊技)が選択されるかについての比率を示している。
「特別遊技の種類」に記載される、「特図1_」、「特図2_」の表記は、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)のいずれの特別図柄抽選の抽選結果であるかを示しており、「○R」は、該当する大当り遊技のラウンド数を示している。「確変大当り」、「通常大当り」は、大当り遊技後に確変遊技(「Xラッシュ」、「XラッシュSUPER」)に移行するか(確変大当り後)、時短遊技(「復活チャンス」)に移行するか(通常大当り後)を示している。「小当り」は、小当り遊技を示しているが、第2特別図柄の抽選結果として、「小当り_1」、「小当り_2」とあるように、異なる小当り遊技の実行態様を有する構成されている(例えば「小当り_1」が、0.6秒の1回開放、「小当り_2」が0.6秒の2回開放)。
「特別遊技後の状態」に記載される内容は、図86に記載した特定遊技の状態に移行するかを示している。なお、「小当り」の後の「特別遊技開始前の状態に依存」とは、特別遊技の開始前と同一の遊技状態に移行することを示している(なお、特定遊技の終了条件を満たす変動表示で「小当り」となった場合には、特定遊技ではなく通常遊技に移行する)。
(第7実施例のぱちんこ遊技機Pの変動パターンテーブル)
図88は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの特別図柄の変動表示に係る変動パターン(変動時間)の種類の代表例を示す図である。図88の縦軸は変動パターンの種類を示しており、図88の横軸は変動パターン抽選(特別図柄抽選)を実行する際の状況において使用する変動パターンテーブルの種類を示す図である。図88に示す変動パターンは代表例であり、第7実施例のぱちんこ遊技機Pは、その他の変動パターンの種類も選択され得るようになっている。
図中の記号「○」、「△」、「□」は、変動パターンテーブルを用いて対象の変動パターンを選択するおよその頻度を示しており、「○」は高頻度(全体の1/3~1/10程度)で選択されることを示し、「△」は低頻度(全体の1/20~1/50程度)で選択されることを示し、「□」はごく低頻度(1/70~1/200程度)で選択されることを示している。
図88に示す、変動パターンテーブルの種類は、通常遊技中は第1特別図柄(特図1)を主体とする遊技性であることから、第1特別図柄の変動パターン抽選についての振り分けを例示している(「はずれ(特図1)通常遊技中」テーブル)。通常遊技の第1特別図柄抽選における変動パターン抽選は、第1特別図柄の保留数に依存して変動パターンテーブルを切り替えて行う。なお、第2特別図柄(特図2)の抽選を行った場合の結果を例示はしていないが、通常遊技における第2特別図柄の特別図柄抽選における変動パターンテーブルは、特図2専用の変動パターンテーブルを用いて抽選を行うようになっている。
「はずれ(特図1)通常遊技中」テーブルの右側には、時短中のはずれ変動パターンを例示している。時短中のはずれ変動パターンテーブルは、第7実施例のぱちんこ遊技機Pが第2特別図柄(特図2)の遊技を主体としていることより、第2特別図柄(特図2)の変動パターン抽選にて選択される変動パターンを例示している。第1特別図柄(特図1)の時短中の変動パターン抽選については、専用の時短中特図1用の変動パターン抽選テーブルを使用して決定されるようになっている。
さらに変動パターンテーブルとして示される「大当り」、「小当り」の変動パターンテーブルにおいては、大当り遊技の種類や、小当り当選時の特別図柄の種類によって異なる変動パターンが選択され得ることが示されている。
ここで、SPリーチ(Aリーチ)には「SPリーチ(Aリーチ)」と「SPリーチ(Aリーチ)_役」の2種類が例示されているが、「_役」は対象の変動パターンが選択された場合、リーチの最後に遊技者に大当りであるか否かを報知する当落分岐演出において、演出役物P560が必ず動作(キメ役物である上役物P650の第1演出動作パターン)することを示している。第7実施例のぱちんこ遊技機では、最も遊技者に有利となる10R確変大当りとなるSPリーチ(Aリーチ)の変動表示においては、上役物P650の動作を実行する演出パターンが実行されるものの、その他の大当りの場合は上役物P650の動作を伴わない(または予告抽選により決定するため実行頻度が極端に低い、また、当落分岐演出以外のタイミング、例えばSPリーチへの発展演出時では動作可能とされる)演出パターンが実行されるように構成されている。なお、「_役」が付いていない変動パターンにおいても、変動表示中の他のタイミングで上役物P650が動作したり、横役物P670や下役物P680の動作を伴う予告を実施したりすることが可能である。
また、図示していないが、例えば小当り遊技「XラッシュSUPER」の実行中に、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が「小当り_1」、「小当り_2」のいずれが当選するかによって小当り遊技に合わせて下役物P680(や横役物P670)の動作パターンまたは下役物動作エフェクトP872の種類が異なることで当選した特別遊技(小当り遊技)の種類を報知または示唆可能とするように構成してもよい。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の演出役物を用いた効果的な演出の実行例)
続いて、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて実行される変動演出において、演出役物P560を用いて、遊技者に興趣性の高い演出効果を与える可動役物演出を実行するための効果的な演出役物P560の使用例について、図89から図91を基に、AリーチおよびBリーチの際の変動演出の流れ(タイムチャート)に沿って説明を行う。
図89から図91のそれぞれの図中に示す内容は以下の通りである。
「(a)演出期間」は、演出内容で変動演出の演出期間を大まかに切り分けたものである。「リーチ前(擬似1)」は、変動開始直後から1回目の変動表示が終了する、あるいはリーチ演出に発展するまでの期間を示し、「リーチ前(擬似2~)」は、擬似連演出が行われた場合の特別図柄の1回の変動中における演出的な2回目以降の装飾図柄P801の変動表示期間であり、リーチ演出発展までの期間に対応している(擬似3以降は同様のため当該期間に含まれる)。なお、第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、擬似連演出が実行された場合は、必ずノーマルリーチが実行されるように構成しているが、擬似2の場合は、装飾図柄P801の2回目の変動表示にてリーチ演出が行われることなくはずれ態様を表示して終了してもよい。
「(a)演出期間」のうち、「ノーマルリーチ」で示される期間は、低期待度のリーチ演出が行われる期間を示しており、当該ノーマルリーチの結果により当否抽選の結果を報知するか、あるいは後続のSPリーチへの発展が報知される演出期間である。「SPリーチ」に示す期間は、前述のノーマルリーチよりも大当りとなる期待度が高いリーチ演出期間であり、リーチ演出の結果として必ず当否抽選の結果が報知される演出期間である(なお、一旦はずれが報知された後、報知内容を覆して当りを報知する「復活演出」、「逆転演出」と呼ばれる演出期間も第7実施例ではこの期間に含んでいる)。
「(b)演出内容例」は、前述の「(a)演出期間」において対応する演出期間に実行される演出の内容の例を示すものである。なお、例示しているものは代表的なものにすぎず、その他の予告演出等も当然に実行可能に構成されている。
「(c)役物動作例」は、「(b)演出内容例」に示すような演出に連動して、第7実施例のぱちんこ遊技機Pに備えられた演出役物P560(上役物P650、横役物P670、下役物P680を例に説明)がどのような演出動作を行うかについて示している。
「(d)役物ランプ例」は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pに備わる演出役物P560(上役物P650、横役物P670、下役物P680を例に説明)における発光部が、可動役物演出(「(c)演出動作例」に例示)や、予告演出および先読み演出等(「(b)演出内容例」に例示)が実行される際にどのような発光演出を実行するかについての例を示している。
「(e)他ランプ/音_特徴」には、演出役物P560に備わる発光部以外の演出ランプP82(枠ランプP350、盤ランプP550や演出操作手段P81のランプ)がどのような発光演出を行うかの例や、スピーカP83から出力される音演出の例を示しており、演出内容に連動して演出を行う前提として、特筆して説明すべき内容について図示している。
「(f)ボタン有効期間」は、各演出期間(「(a)演出期間」参照)において、演出操作手段P81(演出ボタンP381、レバーP382等)を用いた演出(「ボタン演出」と称する)が発生するかどうかについて示すものである。なお、ボタン演出の有無は実行される予告演出やリーチ演出(リーチ中予告演出等)などに依存するため、実行されるタイミングや、実行有無は図に示す例に限定はされない。
「(f)ボタン有効期間」において、黒塗りで示す領域は、遊技者が演出を進行させるために操作が必要とされる演出操作手段P81の操作が有効となる期間を示しており、当該期間には演出操作手段P81を模した画像(ボタン画像P881、レバー画像P882などの操作促進画像)を表示し、遊技者に対して必要な演出操作手段P81に対する入力操作を促す演出期間である。一方、図中に斜線で塗られた期間は、演出に対して定められた所定の演出操作手段P81の入力操作が有効となる一方で、ボタン画像P881等の操作促進画像を表示せずボタン演出期間であることを明示しない演出期間(「裏ボタン演出」と称する)であることを示している。そして、図中のチェック柄に塗られた領域は、ボタン演出のうち、特に当否抽選の結果を報知する演出タイミングである当落分岐演出のタイミングを示している。なお、裏ボタン演出期間において、演出表示装置P80の表示領域にボタン画像P881等の操作促進画像の表示を行わない一方で、演出操作手段P81に設けられた発光部は入力操作が有効である旨の発光態様となり、操作が有効であることを示してもよい。
「裏ボタン演出」とは、リーチ前(擬似1)やリーチ前(擬似2~)、ノーマルリーチの期間において実行される場合には、SPリーチ等の後続の高期待度演出への発展可能性を示唆したり、大当り期待度を示唆するように構成され、SPリーチ中に行われる場合には、大当り期待度を報知する演出として実行されるボタン演出の一つである。
《SPリーチ(Aリーチ):はずれ、小当り》
最初に、図88で示した変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)」が、当否抽選結果が「はずれ」または「小当り」である場合に実行されるときの演出例を、図89を基に説明する。なお、本説明にて行われる変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)」は、1つの変動パターン名称で説明を行うが、変動演出として、「擬似連演出」を行い複数回の変動表示を行うか否かや、ノーマルリーチを経由するかどうか、など、最終的に演出としてAリーチが実行されるものであれば、多様な変動パターン(変動時間)について適用可能である。なお、図88に示すようにAリーチは、大当りの場合でも選択される変動パターンで実行可能な変動演出であるが、遊技者に最も有利な種類の大当りである10R確変(特図1_10R確変大当り、特図2_10R確変大当り)の場合には、必ず当落分岐演出にて上役物P650が第1演出動作パターンで動作する「SPリーチ(Aリーチ)_役」の変動パターンに伴いAリーチが実行される。
以下の説明では、擬似連演出とノーマルリーチを経由してSPリーチ(Aリーチ)へ発展する変動演出の流れに基づいて説明を行う。なお、図89中は、先述した多様な分岐パターンも含めた例示を行っている。
「SPリーチ(Aリーチ)」に対応する特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置P80の表示領域には変動演出として「リーチ前(擬似1)」に対応する変動演出が表示され、実行される演出内容の例として、1人のキャラクタや複数のキャラクタ同士がセリフを発するセリフ予告や、多様な画像が段階的に変化(形が変わる、大きさが変わる、色が変わる、徐々に移動する等)するステップアップ予告など、変動演出の開始時に予告抽選により抽選決定された予告演出が実行される。なお、変動演出の開始の際に演出内容として抽選決定される演出内容の他に、当該変動表示よりも前の変動表示中の変動演出として実行されていた先読み演出に対応する先読み引継演出(先読み演出と同様の演出であり、先読み対象となった当該変動表示まで割り当てられた先読み演出の1演出パターン)が実行される。第7実施例では、このような先読み引継演出についても「先読み演出」として説明を行う(取り立てて先読み対象となる変動表示のみの先読み演出について説明を行う場合については「先読み引継演出」や「当該先読み」などと称して説明を行う場合がある)。
「リーチ前(擬似1)」の演出期間における演出役物P560に係る演出動作例は、次の通りである(図89中「(c)演出動作例」、「(d)役物ランプ例」を参照)。
上役物P650:動作しない。上役物P650の発光部は予告演出等に合わせて演出を行う。(図89中は変動演出の別例としての擬似1⇒SPリーチ(Aリーチ)の場合を示している)
横役物P670:予告演出(セリフ予告やステップアップ予告など)の演出パターンにて横役物P670の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。横役物P670の発光部は予告演出に連動した発光を行うが、先読み演出等で横役物P670を用いて大当り期待度やリーチへの発展期待度の示唆を行っている場合には、予告演出に連動して動作を実行する期間を除いて、先読み演出に応じた可動役物演出および発光演出を他の予告に優先して実行する。
下役物P680:予告演出(擬似連発生報知やノーマルリーチ発展報知など)の演出パターンにて下役物P680の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。下役物P680の発光部は予告演出に連動した発光を行うが、先読み演出等で下役物P680を用いて大当り期待度やリーチへの発展期待度の示唆を行っている場合には、予告演出に連動して動作を実行する期間を除いて、先読み演出に応じた可動役物演出および発光演出を他の予告に優先して実行する。
「リーチ前(擬似1)」の期間における、演出役物P560以外の発光部(演出ランプP82)およびスピーカP83は、基本的には変動演出として予告演出の抽選決定で決定された、予告演出の実行パターンに応じた発光演出および音演出を実行する。なお、先読み演出等で予告演出と同時に先読み演出(先読み引継演出)が実行されている場合、役物動作エフェクト(横役物動作エフェクトP871、下役物動作エフェクトP872など)に連動して横役物P670や下役物P680の発光部とともに、演出役物P560を用いた先読み演出を効果的に見せるために、先読み演出に対応する発光表示や音演出を予告演出よりも優先して実行(あるいは同時に実行)してもよい。
また、「リーチ前(擬似1)」期間において、変動演出の開始時に変動演出の内容を決定する予告抽選の抽選結果としてボタン演出の実行が決定された場合は、対応するタイミングでボタン有効期間が発生する。図89の例では、1回のボタン有効期間が例示されている。なお、実行する予告演出の内容によっては複数回ボタン演出が実行されるものでもよいし、「リーチ前(擬似1)」の期間に複合して行われる複数の予告演出に対して、それぞれボタン有効期間が定められることにより複数のボタン有効期間が存在する場合も有する。(図89に例示はしていないが、ボタン有効期間が裏ボタン演出として実行される予告を含んでいてもよい)
続いて「SPリーチ(Aリーチ)」の変動演出期間中の「リーチ前(擬似2~)」の演出期間について演出内容の例について説明を行う。
「SPリーチ(Aリーチ)」に関する変動表示が行われ、「リーチ前(疑似2~)」の演出に差し掛かると、予告演出の内容として、「リーチ前(擬似1)」で実行可能な予告演出を「リーチ前(疑似2~)」の期間においても実行可能である。なお、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいては、図86に示すように擬似3以降になった場合、「Eステージ」へと演出モードが変化するため発生する予告演出の傾向(内容、種類)が変更されるようになっているが、このようなステージ変更を伴わない場合には擬似3においても同様の予告演出が実行可能である。また、「リーチ前(疑似2~)」の演出期間では、擬似連(再変動表示)が実行されたことを報知するための「擬似連演出」(例えば、演出表示装置P80の表示や横役物P670を用いた予告演出と複合する表示、可動役物演出等)、一部の先読み引継演出(例えば、保留変化先読みやゾーン移行先読み等)を継続する。
「リーチ前(擬似2~)」の演出期間における演出役物P560に係る演出動作例は、次の通りである(図89中「(c)演出動作例」、「(d)役物ランプ例」を参照)。
上役物P650:動作しない。上役物P650の発光部は予告演出等に合わせて演出を行う。(図89中は変動演出の別例としての擬似2⇒SPリーチ(Aリーチ)の場合を示している)
横役物P670:予告演出(セリフ予告やステップアップ予告など)の演出パターンにて横役物P670の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。横役物P670の発光部は予告演出に連動した発光を行うが、擬似連演出等で横役物P670を用いて演出動作を行う場合は、当該擬似連演出の実行期間(例えば、再変動開始直後の2~3秒程度)においては擬似連演出の演出動作、発光演出を優先して実行する。擬似連演出の実行例としては、例えば、横役物P670を再変動開始直後に2~3秒程度揺動させ緑(擬似2変動を報知)や赤(擬似3変動を報知)の横役物P670の発光部による発光演出、あるいは横役物動作エフェクトP871の表示など、が挙げられる。
下役物P680:予告演出(擬似連発生報知やノーマルリーチ発展報知など)の演出パターンにて下役物P680の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。下役物P680の発光部は予告演出に連動した発光を行うが、先読み演出等で下役物P680を用いて大当り期待度やリーチへの発展期待度の示唆を行っている場合には、予告演出に連動して動作を実行する期間を除いて、先読み演出に応じた可動役物演出および発光演出を他の予告に優先して実行する。
「リーチ前(擬似2~)」の期間における、演出役物P560以外の発光部およびスピーカP83は、基本的には変動演出として予告演出の抽選決定で決定された、予告演出の実行パターンに応じた発光演出および音演出を実行する。なお、再変動の開始時等には前述したように横役物P670を用いて再変動が行われた旨の報知である擬似連演出を実行するため、当該期間においては他の演出役物P560やその他演出ランプP82においても擬似連演出に対応する演出表示を実行するように構成してもよい。また、保留変化先読みやゾーン移行先読みに伴い、演出役物P560以外の発光部およびスピーカP83にて先読み演出に対応する演出を実行している場合は、引き続き先読み演出に対応する発光演出および音演出を継続することが可能である。
「リーチ前(疑似2~)」の期間におけるボタン有効期間の発生は、「リーチ前(擬似1)」の時と同様、変動演出の開始時の予告抽選の抽選結果によって、1回ないし複数回のボタン有効期間が発生し得る(図89中では1回の場合を例示)。
次に「SPリーチ(Aリーチ)」が実行される変動表示において、「ノーマルリーチ」が実行される演出期間の演出実行態様する例の説明を行う。本例では、SPリーチ(Aリーチ)への発展が実行される変動表示であるため、ノーマルリーチ中の演出表示装置P80の表示内容として、SPリーチ(Aリーチ)に対応するアイコン画像(特殊装図P804)等の表示がノーマルリーチの結果として最終的に表示されるようになっている。
「ノーマルリーチ」の演出期間における演出役物P560に係る演出動作例は、次の通りである(図89中「(c)演出動作例」、「(d)役物ランプ例」を参照)。
上役物P650:SPリーチ(Aリーチ)への発展が示唆されるアイコン画像が表示されるタイミング、あるいは表示された後のタイミングで第2演出動作パターン(弱パターン)の可動役物演出を実行するとともに、上役物動作エフェクトP870(赤)が演出表示装置P80の表示領域に表示される。
横役物P670:ノーマルリーチのリーチ演出として表示される演出内容に合わせて演出動作を行う。なお、対応する演出動作が設定されていない場合には動作しない。
下役物P680:ノーマルリーチのリーチ演出として表示される演出内容に合わせて演出動作を行う。なお、対応する演出動作が設定されていない場合には動作しない。また、裏ボタン演出の実行時に、遊技者の演出操作手段P81への入力操作に基づいて裏ボタン演出が進行すると、裏ボタン演出に対応する演出動作を実行する場合がある。なお、リーチ演出の役物動作と裏ボタン演出の可動役物演出との実行タイミングが重なった場合、裏ボタン演出が優先されて実行される。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、ノーマルリーチ中の裏ボタン演出は、ノーマルリーチ中の所定のボタン有効期間(裏ボタン有効期間)に遊技者が演出操作手段P81(演出ボタンP381)を連続操作(複数回操作や長押し操作)することによって、操作回数や操作条件を満たすごとに、下役物P680の発光部が白⇒青⇒緑(⇒赤⇒金)とステップアップするとともに下役物P680が微小量上昇して初期位置に戻るように演出動作として振動演出を行う「裏ボタンステップ演出」を実行する(発光部のステップアップは、大当り期待度や、SPリーチの発展期待度、SPリーチの種類によって最終的な到達段階が異なるが、必ず緑までは到達するように構成されている)。
「リーチ前(擬似2~)」の期間における、演出役物P560以外の発光部およびスピーカP83は、リーチ演出の内容に連動した演出を実行する。なお、リーチ演出中に裏ボタン演出の実行が予定されている場合、枠ランプ350(演出操作ユニットP380)の演出ランプを演出操作手段P81が有効である旨を示す態様で発光させる。遊技者が裏ボタン演出の実行時に演出操作手段P81の操作を行った場合、下役物P680に備えられた発光部で裏ボタンステップアップ演出の発光演出を実行するものとしているが、演出効果を高めるために周囲に設けられた盤ランプ550を同時に発光させるように構成してもよい。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、裏ボタンステップアップに基づいてステップアップ演出を実行した場合、ノーマルリーチ中の裏ボタンステップアップ演出の終了後においても最終的に到達した発光色での発光表示を、その後の演出タイミングまで継続表示可能としている。より具体的には、ノーマルリーチ中の裏ボタンステップアップ演出では、当該変動における大当り期待度を示唆するように構成されており、SPリーチ(Aリーチや後述するBリーチなど)の予告演出(カットイン予告)や当落分岐演出のタイミングまで、大当り期待度として裏ボタンステップアップの最終発光態様を継続表示可能である。このようにすることで遊技者として、SPリーチの実行に際し、結果が大当りとなるかの1つの参考情報として裏ボタンステップアップの表示態様を確認することができ、SPリーチ演出の興趣性の向上につながる。また、変形例として、裏ボタンステップアップの最終的な発光態様から、SPリーチ中のチャンスアップ演出に連動して、より上位の大当り期待度に対応した発光色に下役物P680の発光部の発光態様を変更可能に構成してもよい。
「ノーマルリーチ」の期間におけるボタン有効期間の発生は、前述のように裏ボタンステップアップ演出に対応する期間や、その後のノーマルリーチの結果報知(大当り報知またはSPリーチへの発展報知)するタイミングに設定可能である。なお、前述したように下役物P680は、横役物P670や上役物P650と干渉する役物であることから、裏ボタンステップアップ演出の下役物P680の動作範囲を微小量とすることで他の演出役物P560との干渉を避けるように構成しているが、他の手法として、裏ボタンステップ演出期間においては、下役物P680のみ動作可能とし、横役物P670や上役物P650には演出動作を割り当てないように演出内容を構成してもよい。
最後に「SPリーチ(Aリーチ)」の演出期間のうち、「SPリーチ」の演出期間に実行される演出内容についての説明を行う。「SPリーチ(Aリーチ)」において、SPリーチ中には、リーチ演出の背景演出の一部が通常パターン(Aリーチの演出パターンの中で最も期待度が低いパターン)と異なるように構成することで大当り期待度が高いことを示唆するチャンスアップ予告や、リーチ演出の背景演出に重ねてキャラクタやセリフが重ねて表示されるカットイン予告、当否抽選の結果が大当りであるか否かを報知する当落分岐演出のタイミングで行うボタン演出、など様々な演出を複合的に実行可能な期間である。
「SPリーチ」の演出期間における演出役物P560に係る演出動作例は、次の通りである(図89中「(c)演出動作例」、「(d)役物ランプ例」を参照)。
上役物P650:動作しない(当否抽選結果がはずれ、小当りのため)。なお、当否抽選結果が10R確変大当り以外の大当りである場合において、抽選を行った結果としてボタン演出の実行が決定された場合には、上役物P650を第1演出動作パターンで動作を行うように構成してもよい。
横役物P670:予告演出(SPリーチ中のチャンスアップ予告)の演出パターンにて横役物P670の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。横役物P670の発光部は予告演出に連動して発光(赤発光、なお変形例として周囲の盤ランプ550が赤系統の発光を行う演出の場合には白発光)を行う。横役物P670を動作させる際、チャンスアップ予告に注意が向くように、SPリーチ中の背景演出の一部にて通常パターンと異なるチャンスアップ予告が表示されている箇所に近い横役物P670L,Rの一方を動作するように構成してもよい。
下役物P680:予告演出(SPリーチ中のカットイン予告)の演出パターンにて下役物P680の動作が割り当てられる場合、連動して動作を行う。下役物P680の発光部は予告演出に連動した発光を行う(例えば、緑カットインなら下役物P680の発光部が緑色に発光し、緑色の下役物動作エフェクトP872の演出表示を行い、赤カットインなら下役物P680の発光部が赤色に発光し、赤色の下役物動作エフェクトP872の演出表示を行う)。なお、事前にノーマルリーチ中などにおいて、裏ボタンステップ演出が実行された場合には、下役物P680の発光部は、当落分岐演出のタイミングまで裏ボタンステップ演出の最終発光態様の表示を継続して優先的に発光表示するように構成している。変形例として、例えば裏ボタンステップ演出にて、下役物P680の発光部が、緑色を最終発光態様として発光しているときに赤色のカットイン予告が発生した場合には、より期待度が高いことを示唆する赤色の表示を予告演出の実行に合わせて表示を行い、その後当落分岐演出まで緑色の裏ボタンステップ演出に対応した発光態様に戻すことなく、赤色の発光態様を継続するように構成してもよい。
「SPリーチ」の期間におけるボタン有効期間の発生は、カットイン予告の発生時やその他の予告演出(チャンスアップ予告等)の発生時にボタン演出を実行する場合に行うように構成できる。また、カットイン予告やその他のSPリーチ中の予告演出について、裏ボタン演出として構成してもよい。なお本例(図89の「(f)ボタン有効期間」参照)は、はずれ、小当りの場合のSPリーチ(Aリーチ)であり、当落分岐演出としてボタン演出が決定されないように構成されている。
《SPリーチ(Aリーチ)_役:大当り》
続いて図90を用いて、図88に示す変動パターンのうち、「SPリーチ(Aリーチ)_役」が決定された場合の変動演出の内容について説明を行う。変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)_役」は、10R確変(特図1_10R確変大当り、特図2_10R確変大当り)の場合に決定され得る変動パターンであり、変動演出の内容としては図89に示した「SPリーチ(Aリーチ)」の時とほぼ同等であるため特徴的な相違点についてのみ説明を行う。
図90の演出内容の例と、図89の例とでは、「SPリーチ」の開始までに実行し得る演出内容は同一である。図90の例では、最も大きな相違点として、「SPリーチ(Aリーチ)」の演出期間において、ボタン演出(当落分岐ボタン演出)が必ず実行される(すなわち、変動演出の開始時の予告抽選で必ず当落分岐ボタン演出が当選する)点と、当落分岐ボタン演出の有効期間の開始前後において特殊期間が設定されている点、さらに大当りを報知するため上役物P650が当落分岐演出にて動作する(演出操作手段P81の操作に基づいて動作する)点で図89の演出例とが異なる。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)_役」は、10R確変(特図1_10R確変大当り、特図2_10R確変大当り)の場合に決定され得る変動パターンであることより、遊技者に対して大当りの獲得を盛大に祝福するため、当該変動パターンの決定時に行われる変動演出では、上役物P650(キメ役物)が必ず動作するように構成され、さらに演出効果を高めるため、上役物P650の動作開始をボタン演出(当落分岐ボタン演出)の演出操作手段P81に対する操作タイミングとするように構成している。なお、その他の種類の大当りの場合には、変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)」が選択され得る結果の一つであるため、Aリーチを実行する場合でも抽選に当選しない限り当落分岐ボタン演出は発生しないように構成している。
当落分岐演出における上役物P650の動作は、第1演出動作パターンで実行され、上役物P650に設けられた発光部が虹色で発光するとともに、演出表示装置P80の表示領域に上役物動作エフェクトP870が虹色で表示される。なお、図89の例で、他の種類の大当りで上役物P650が動作するパターンについても触れたが、他の種類の大当りである場合には、10R確変大当りを獲得したときとの差別化を図るため、演出内容として、第1演出動作パターンでなく、第2演出動作パターンにて上役物P650を動作するように構成してもよく、また、上役物P650の発光部や上役物動作エフェクトP870を他の態様(虹色以外の態様)で発光・表示するように構成してもよい。
当落分岐ボタン演出のボタン有効期間の開始前後に設けられる特殊期間では、それまで可動状態にあった演出役物P560の動作を停止(初期位置に戻す、あるいはその場で停止)させ、盤ランプP550、枠ランプP350や演出役物P560の発光部を消灯(あるいは暗くなるまで減光)するとともに、スピーカP83からの音演出(少なくともリーチ演出に対応する音演出)を一旦停止し、演出表示装置P80における表示をブラックアウト表示(黒画面表示、簡易装図P802や退避図柄P803等で変動中である旨は報知)として、ぱちんこ遊技機Pを暗く静かにするとともに、ボタン有効期間に合わせてボタン画像P881等の操作促進画像を表示するように構成する。
そして、特殊期間の開始後、当落分岐ボタン演出のボタン有効期間において遊技者によって演出操作手段P81の操作が実行されると、上役物P650の動作演出が開始されるとともに、リーチ演出に対応する演出ランプP82の発光演出、スピーカP83の音演出が復帰されるように構成されている。
このように「SPリーチ(Aリーチ)」_役」に対応する変動演出では、上役物P650(キメ役物)の第1演出動作パターン(キメ動作)の前に、静寂期間(注目期間)を設けることにより、遊技者に上役物P650の動作やボタン演出の実行に注目させやすいように構成することができ、上役物P650の動作についてより一層の演出効果を高めるように構成することができる。
なお、「特殊期間」は前述したようにぱちんこ遊技機Pの演出ランプP82を暗くし、スピーカP83の音演出を制限するものに限らず、演出ランプP82を統一感のある色で発光させたり、スピーカP83から特殊な専用効果音を発したりするようなものであってもよく、当落分岐ボタン演出にて演出表示装置P80に表示される操作促進画像に対する注目度が高め易く、上役物P650(キメ役物)に注目させやすい態様であればよい。
また、「特殊期間」は、変動パターン「SPリーチ(Aリーチ)」で、他の種類の大当りが当落分岐ボタン演出で報知される場合(変動演出の開始時に予告抽選の結果当落分岐ボタン演出が実行されることが決定された場合)に実行されるようにしてもよく、このようにすることで「特殊期間の発生」がすなわち「10R確変大当り」とならないようにすることができる。また、演出役物P560の動作に注目を集めるための「特殊期間」は必ずしもボタン演出とする必要はなく、ノーマルリーチやリーチ前の期間(リーチ前(擬似1)やリーチ前(擬似2~)の期間)等でS、Pリーチの発展が上役物P650(キメ役物)で報知する直前に上役物P650に注目を集めるために設けてもよい。また、このとき上役物P650に注目を集めやすいようにブラックアウト表示した演出表示装置P80の表示に上役物動作エフェクトP870を表示させたり、上役物P650を微振動させるとともに上役物P650の発光部を点滅させる準備動作を行ったりしてもよい。
《Bリーチ:当り》
続いて、図88に示した変動パターン「SPリーチ(Bリーチ)」が選択された場合に実行される変動演出の内容例について、図91を基に説明を行う。ここで先に、「Bリーチ」の概要を簡易に説明しておくと、「Bリーチ」とは、ノーマルリーチや期待度が低めに割り当てられたSPリーチにおいて演出的に「はずれ」態様が一旦報知された後に発展する「レバーチャンス」という、演出レバーP382の操作により上役物P650が動作すれば大当りであることが報知されるSPリーチの種類の一つである。
図91の演出例では、ノーマルリーチにて「はずれ」が一旦報知された後、Bリーチ(レバーチャンス)へ移行し、Bリーチが成功態様となり大当りが報知される場合について例示している。
図91において、「リーチ前(擬似1)」および「リーチ前(擬似2~)」の演出期間においては、前述した「Aリーチ」の時と相違点はほとんどない。なお、相違点としては、Bリーチが、ノーマルリーチや期待度の低めに設定されたSPリーチでのはずれの報知後であることより、「リーチ前(擬似1)」および「リーチ前(擬似2~)」の演出期間において上役物P650の動作から高期待度のSPリーチ(Aリーチなど)への発展は示唆されないように構成されている。その他の詳細な点はAリーチと同様であるため説明は割愛する。
続いて、変動パターン「SPリーチ(Bリーチ)」の実行される変動の演出期間「ノーマルリーチ」において実行される演出例を説明する。
「SPリーチ(Bリーチ)」に係る変動演出が行われているとき、ノーマルリーチでは、リーチ中の退避図柄P803が演出表示装置P80の隅部に表示されている一方で、演出表示装置P80の略中央領域に変動中の装飾図柄P801(最終停止図柄)が変動表示される。最終停止図柄となる装飾図柄列には、リーチの退避図柄となっている種類の装飾図柄の他に特殊図柄としてSPリーチ発展を示唆するアイコン画像等が表示される場合がある。そして、リーチ中の退避図柄およびの前後の図柄、あるいは特殊図柄(アイコン画像)の近傍で最終停止図柄となる装飾図柄列の変動速度が低下し、当該リーチが大当りとなるかの報知(リーチ退避図柄と最終停止図柄が同一となる当り態様や、異なる組み合わせとなるはずれ態様にて報知)や、SPリーチ発展に係る報知(最終停止図柄としてアイコン画像の停止)が実行される。なお、本例においては、ノーマルリーチのはずれ報知後にレバーチャンスへ移行する例を説明するため、ここではノーマルリーチは、はずれ態様で終了したものとするが、アイコン画像等の特殊図柄でBリーチ(レバーチャンス)へ移行するように構成してもよい。
本演出例において、ノーマルリーチがはずれ態様で終了すると、図92(図91中の(A)のタイミングの演出表示例)に示すように、上役物P650が準備動作として、初期位置近傍で微小量の上下動を繰り返すガタガタ動作を行うとともに、上役物動作エフェクトP870を上役物P650の近傍に表示する。そして、演出表示装置P80の装飾図柄P801の停止表示領域の近傍に、上役物P650に関する擬似役物動作画像P874をフェードイン表示(透過率を低くしてはっきり視認させるように変化表示)してフェードアウト表示(透過率を上げてゆっくり消えていくように変化表示)させる演出を複数回繰り返す、このように擬似役物動作画像P874が複数回変化表示された結果、最終的にはっきりと表示された場合は、Bリーチ(レバーチャンス)へ移行することが報知され、やはりはずれである場合には擬似役物動作画像P874が表示されることなく装飾図柄P801のはずれ態様の停止表示にて変動演出が終了する。このように擬似役物動作画像P874が表示されるかどうかと、対象の上役物P650の可動演出動作によるBリーチ(レバーチャンス)への移行を煽る演出を「レバーチャンス発生煽り」と称する。
「レバーチャンス発生煽り」を実行する際、上役物P650のガタガタ動作とともに上役物動作エフェクトP870を表示するように構成しているが、このとき上役物P650に設けられた発光部や上役物動作エフェクトP870の発光色、表示態様によってBリーチ(レバーチャンス)への発展期待度を示唆するように構成してもよい。また、特別図柄抽選の抽選結果が当りである場合には、レバーチャンス発生煽り中の上役物P650の発光部や上役物動作エフェクトP870の発光態様、表示態様において、虹色(レインボー)の発光及び表示を一時的(瞬間的)に交えることにより、Bリーチ(レバーチャンス)中の当落分岐演出のタイミングよりも前のタイミングにおいて、大当りの獲得を察知できる希少なプレミア演出パターンを有するように構成してもよい。
また、「レバーチャンス発生煽り」において、擬似役物動作画像P874のフェードイン表示、フェードアウト表示の繰り返し時点においては、擬似役物動作画像P874はグレースケールで表示され、最終的にBリーチ(レバーチャンス)に発展する場合に擬似役物動作画像P874をカラーで表示するように構成するが、擬似役物動作画像P874についても、Bリーチ(レバーチャンス)への発展期待度に応じて、グレースケール以外に赤系統の単色グラデーション表示を行ったり、虹色の表示を交えたプレミアパターンを有するように構成してもよい。また、擬似役物動作画像P874の最終的な表示前の繰り返し表示においてはフェードイン表示・フェードアウト表示の表示方法に限らず、Bリーチ(レバーチャンス)への発展期待度によって、スライドイン等のその他の出現方法を採用したり、複数パターンを組み合わせたりしてもよい。
また、「SPリーチ(Bリーチ)」の変動演出中に実行される「ノーマルリーチ」期間においては、横役物P670や下役物P680はリーチ演出に可動演出動作が割り当てられている場合は、割り当てられた演出動作パターンにて動作を行う。そして、下役物P680については、「SPリーチ(Aリーチ)」の時と同様に裏ボタン演出に基づく演出動作、発光演出が割り当てられている。しかし、下役物P680の裏ボタン演出として裏ボタンステップアップが実行された場合であっても「SPリーチ(Bリーチ)」の場合は、ノーマルリーチで一旦装飾図柄P801のはずれ態様での停止表示(仮停止表示)がなされると、レバーチャンス発生煽りの実行前に裏ボタンステップ演出の最終発光態様の発光表示を終了させるように構成している。これは、レバーチャンス発生煽りが一旦はずれ態様が演出的に報知され遊技者が落胆しているところから逆転的に当りとなる可能性が示唆されることにより、興趣性の高いリーチ演出として効果を発揮するためであり、裏ボタンステップ演出に基づく発光表示が下役物P680の発光部で継続してしまうとレバーチャンス発生煽りの効果が薄まってしまう(Bリーチ(レバーチャンス)への発展が察知されてしまう)ためである。
続いて、変動パターン「SPリーチ(Bリーチ)」中の変動演出における、演出期間「SPリーチ」中の演出内容の例、Bリーチ(レバーチャンス)の具体的な演出内容について説明する。
Bリーチ(レバーチャンス)は、図93(図91中の特殊期間(B)に示すタイミングの演出例)に示すように、ノーマルリーチ終了時にレバーチャンス発生煽りにて成功すると、Bリーチ(レバーチャンス)の開始後に、演出レバーP382(枠可動役物P360)が入力可能となる状態へと変化し(図82(b)参照)、遊技者に対して演出レバーP382の操作を促す演出表示を行う。このとき、ノーマルリーチの終了時点におけるはずれ態様の表示から再度変動表示を開始し、表示されれば大当りとなる装飾図柄P801(図93中の「3」)が擬似役物動作画像P874とともに、はずれとなる装飾図柄P801(図93中の「2」)を押しつぶすような演出表示を行う。そして、遊技者が演出レバーP382を操作すると、上役物P650が演出動作を行い(第2演出動作パターン)、はずれとなる装飾図柄P801を押しつぶして成功態様であることが示される(図93中の「3」のみが表示され、ぞろ目の組み合わせが表示される)。なお、当りとなる装飾図柄P801と擬似役物動作画像P874の組み合わせでなく、擬似役物動作画像P874にかえて装飾図柄P801の上側の位置で上役物P650をガタガタ動作するように構成してもよい。
Bリーチ(レバーチャンス)中、横役物P670、下役物P680については、可動演出動作を行うパターンが設定されておらず、初期位置に待機するように構成されているとともに、発光部の発光態様も、リーチ演出に応じて発光を行うように構成されている。
Bリーチ(レバーチャンス)中の当落分岐ボタン演出のタイミングには、演出レバーP382が有効となるが、演出レバーP382の操作が有効となるには、図82に示すように予め準備動作が必要であり、当落分岐ボタン演出の演出操作手段P81(演出レバーP382)の有効期間前に準備動作を行うようになっている。Bリーチ(レバーチャンス)は、演出レバーP382の操作に基づく上役物P650の可動演出動作によって大当りを報知することを趣旨とした演出であるため、演出レバーP382への注目度を高めるため、演出レバーP382の準備動作を行うときに、枠ランプP350を演出レバーP382側に向けて順番に発光する箇所が移動点灯するように構成されており、演出レバーP382に対して注目を集めるように構成している。一方で盤ランプP550については、上役物P650に向けて発光する箇所が順次移動するように移動点灯表示する。
そして、演出レバーP382の準備動作が完了するタイミングに合わせて、演出操作手段P81の有効期間および特殊期間が発生するように構成されており、特殊期間においては、前述した「SPリーチ(Aリーチ)」と同様に、ぱちんこ遊技機Pの演出ランプP82の発光態様を消灯、減光態様とする(演出レバーP382及び上役物P650を除く)とともに、スピーカP83より出力される音演出の少なくとも一部を停止させ、演出表示装置に「上役物を落とせ!!」の文字列とともに演出レバー画像P882を表示する演出を実行することにより、遊技者に対して演出レバーP382と、上役物P650の動作に集中させるように構成する。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の表示レイヤの優先順位)
次に、図94および図95を参照して、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの演出表示装置P80の表示領域に表示される各種演出表示の表示に関する表示の優先度について説明を行う。図94には、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおける特別図柄の変動表示中の演出画面の一例を示しており、図95には各種演出表示の表示優先度を示している。
図94は、第7実施例のぱちんこ遊技機Pの変動演出の実行中の演出表示例を示している。演出表示装置P80の表示領域には、背景画像P876として、二人の女性キャラクタが道を歩いている画像が表示されており、図94の例では、キャラクタ登場予告P877として、黒い人影が表示されている(なお、このとき背景画像P876の二人の女性キャラクタもキャラクタ登場予告用のアクションを行っているため、背景画像P876としては二人の女性キャラクタの存在しない画像に切り替わり、キャラクタ登場予告として二人の画像を表示している)。
そして、図94に示す演出表示例では、キャラクタ登場予告P877よりも優先して同タイミングで複合的に表示されているセリフ予告P878(「誰!?」のセリフと女性キャラクタ画像)が表示され、下役物P680の近傍に下役物動作エフェクトP872がセリフ予告P878より優先して表示されている(このとき下役物P680は、キャラクタ登場予告P877が人影からキャラクタ表示に切り替わる際に可動演出動作を行うように設定されているため、その準備動作または煽り動作を行っている)。
また、セリフ予告P878の近傍(下側)にはボタン画像P881が表示され、遊技者に演出操作手段P81の操作を促す表示を行っている。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遊技者に演出操作手段P81の操作を確実に促すため、操作促進画像(ボタン画像P881、レバー画像P882)は、役物動作エフェクト(下役物動作エフェクトP872)よりも優先して表示されるようになっている。
図94には、その他の表示物として、変動表示中の特別図柄の抽選結果を演出的に示すための装飾図柄P801および簡易装図P802している。また、現在の変動表示とは直接的に関係しない遊技者に対する必要情報を表示するための表示として、保留に関する保留表示オブジェクトP811および簡易保留P814、打ち分け報知画像P830、累計獲得数表示P824などを表示している。
図95は、図94に例示した各種演出表示およびその他の演出表示に関し、第7実施例のぱちんこ遊技機Pにて設定されている優先度の高低(すなわち、表示レイヤの割り当てであり、優先度が高いものほど遊技者に視認されやすい表示レイヤに描画される)を示す図である。以下、優先度の低いものから順番に表示内容を例示しながら説明する。
《背景演出》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、演出表示装置P80の表示領域に表示される演出表示内容として最も優先度が低く設定されているものが「背景演出」である。「背景演出」は演出ステージ(演出モード)を遊技者が把握する目的で表示されることが多く、風景やキャラクタ、オブジェクトの表示がアニメーションとして表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない場合であっても継続して表示され得る演出画像である。なお、「背景演出」は、特別図柄の変動表示が行われない期間が継続することによって移行する遊技待機デモ表示や、全画面表示を行う予告演出、大当り演出等で視認されなくなる場合を有する。
《予告》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、予告演出の画像表示の大半は、背景演出の次に表示の優先度が低く設定されている。予告演出には、図95に示すように、複数種類の予告が異なる優先度で設定されており、「予告1」、「予告2」、・・・、「予告N」と、複数の予告演出の表示が同時に表示される場合にいずれの表示を優先して表示するかが定められている。図94で説明した例によれば、キャラクタ登場予告P877が「予告1」に相当し、セリフ予告P878が「予告2」に相当するため、キャラクタ登場予告P877の画像に重ねてセリフ予告P878が視認されるようになっている。
《先読み/擬似連演出》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pにおいて、先読み演出や、擬似連演出(再変動の開始時に「×2」等の表示を行う演出)は、複数回の演出上の変動表示に跨って表示されて大当り期待度が高まっていることを報知したり(先読み演出)、実行中の変動表示にて擬似連演出が発展したことにより大当り期待度が高まっていることを報知する重要な役割を有しているため、大半の予告画像よりも優先度を高く設定している。なお、保留表示として表示される保留変化先読みなど、当該表示優先度には当てはまらない例外的な先読み演出も存在する。
《役物動作エフェクト》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出役物P560の動作を伴う予告演出や、先読み演出、擬似連演出が発生すると、演出役物P560の動作を伴わない場合よりも大当り期待度が相対的に高く設計されている。そのため、演出役物P560の動作を強調する役物動作エフェクト(上役物動作エフェクトP870、横役物動作エフェクトP871、下役物動作エフェクトP872、役物全画面エフェクトP873など)の表示は、予告画像や先読み演出、擬似連演出等よりも表示の優先度を高めて、これらの演出表示によって役物動作エフェクトが隠されないようにすることで、演出役物P560の可動演出動作に注目を集めやすいようになっている。このように演出役物P560の動作に注目を集めやすいように構成することで、演出役物P560の大当り期待度が高まっているなど、遊技者に有利な事象が近づいていることを効果的に報知する可能となる。
《演出補助表示》
「演出補助表示」とは、演出ステージ(演出モード)が切り替わったタイミングで、数秒間遊技者に演出ステージ(演出モード)が変化したことを報知するステージ名表示や、リーチ演出中にキャラクタ等のセリフを表示するテロップ表示等の補助的な表示が相当する。これらの表示は、演出モードが切り替わったとき、リーチ中のキャラクタがセリフをしゃべるタイミング(スピーカP83から音声出力されるタイミング)のごくわずかなタイミングで、狭い表示領域でのみ表示され得る表示物である一方、表示することにより遊技者に演出内容を報知したり、間接的に大当り期待度を報知する予告として使用(例えばテロップの文字の表示色で大当り期待度が異なるように構成する)できることから、なるべく表示された際の視認性を高めるために優先度を予告や役物動作エフェクト等よりも高めに設定している。
《装飾図柄》
「装飾図柄」(装飾図柄P801)は、特別図柄の特別図柄抽選の結果を報知するための重要な表示物であることから、予告表示や役物動作エフェクト等に隠れないように表示優先度を高めるように構成している。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、装飾図柄P801の変動表示中の高速変動期間は、装飾図柄P801の表示に関し透過率を上げて遊技者からはほとんど視認できず遊技者視点では表示優先度が装飾図柄よりも低く設定されている各種の予告演出等の表示が視認可能となっている。
なお、装飾図柄P801の表示に関し、透過率を変更して予告等の視認を容易とする構成でなく、変動中の装飾図柄P801(表示優先度低)と、停止表示中の装飾図柄P801(表示優先度高)の表示優先度を異なるように構成することで、変動中の装飾図柄P801の視認性を予告演出等よりも低下させるように構成してもよい。
《カスタム表示(メニュー画面、音量・光量調整)》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、遊技者が任意に演出態様を選択するためのメニュー画面(演出カスタム画面)や、スピーカP83から出力される音量、演出ランプP82の輝度や色等を調整する光量を調整する音量・光量調整表示、また、演出操作手段の操作モードを自動操作に設定する自動操作モード設定などの遊技中の演出を好みに調整するためのカスタム表示を実行可能である。そしてこれらのカスタム表示は、装飾図柄の変動表示中においても表示可能なものを含み、予告等の実行中においても調整・設定を行うことが可能となっている。
なお、先に上げた装飾図柄P801の停止表示など、遊技結果の重要情報を表示するタイミングや、高期待度のリーチが行われている期間には、カスタム表示の表示を禁止として非表示に切り替えるように構成し、遊技者に必要な情報を視認容易とするように構成することができる。また、「カスタム表示」については、予告演出等の演出と関連性が低い情報であることから、デフォルトで表示する通常位置から異なる表示位置を自由に切り替えることが可能であり、例えば、演出役物P560の動作により画像表示領域の一部が被覆されてしまうときに当該領域に表示する(または表示予定である)カスタム表示について、表示位置を変更して視認性を確保するように構成できる。
《累計獲得数表示》
「累計獲得数表示」は、特定遊技状態と大当り遊技(または小当り遊技)が繰り返し実行される期間、いわゆる連荘の期間に遊技者が獲得した遊技球数を累計して表示する表示部である。累計獲得数表示P824のほか、大当り遊技中の現在のラウンド数を表示するラウンド表示P820、大当りの実行回数を示す大当りアイコンP821や、1回の大当り中の獲得出玉を表示する大当り獲得球数表示P823、大当りの1ラウンド中に大入賞口に入球した数を示すカウント表示P825等の表示も同等の表示優先度に設定されている。
《保留表示》
「保留表示」は、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811および当該保留オブジェクト表示領域P812の当該保留オブジェクトP813であり、現在の演出状態(演出モード)において遊技の主体である特別図柄抽選に対応した特別図柄抽選の保留個数および、現在の変動表示に使用された乱数値に対応する当該保留に係る表示を演出的に実行する表示領域である。後述する簡易保留表示P814とは区別され、「保留表示」では、保留されている乱数値や現在の変動に対応する特別図柄抽選に使用された乱数値の大当り期待度に関する演出表示(例えば保留変化演出など)が実行可能である。保留表示は、後述する表示優先度が高く設定される特殊予告の実行の際に特殊予告として表示された演出表示により視認困難となる場合がある。なお、保留表示領域P810と当該保留オブジェクト表示領域P812との表示優先度を異ならせて、例えば、当該保留オブジェクト表示領域P812の表示優先度を特殊予告よりも高く設定し、特殊予告(リーチ中のブラックアウト等)で保留表示領域P810が見えなくなる一方、特殊予告を行っている変動に対応する当該保留オブジェクト表示領域P812の表示を継続することにより、特殊予告の期待度を保留変化の実施有無を含めた結果の当該保留オブジェクトP813を複合的に表示することで間接的に報知するように構成することも可能である。
《特殊予告(例:ブラックアウト表示、リザルト演出など》
「特殊予告」は、前述のSPリーチ(Aリーチ)の特殊期間のブラックアウト等遊技者に対し演出(特に後続に続く演出表示内容)に注目を集める演出表示や、その他強調を行いたいSPリーチ中の演出など、特定の予告に集中させたいために、その他の表示物よりも優先して表示を行う特別図柄の変動表示対応する変動演出の演出表示である。また、時短遊技の最終変動等のタイミングで実行されるリザルト演出などの遊技結果を表示するための演出表示や、ステージチェンジ演出等によって保留表示の表示態様を変更したい場合なども、このような表示優先度が高い特殊予告として設定される場合がある。
図示はしていないが、このような特殊予告の表示優先度として、役物動作エフェクトよりも表示優先度を高くして変動に対応する予告表示や先読み、役物動作エフェクトを表示させないが、保留や、累計獲得数表示などの表示は継続して視認可能とする表示優先度に設定されるような中優先度予告などを設定してもよい。
また、変形例として、前述した役物動作エフェクトのうち、上役物P650(キメ役物)を用いて大当りである旨を報知する場合の役物全画面エフェクトP873(虹色)については、保留表示等への関心が低下することより、特殊予告と同等の表示優先度を設定するように構成してもよい。
《操作促進画像(ボタン画像)》
「操作促進画像(ボタン画像)」は、実行中の変動演出の演出切り替えを行うために遊技者に演出操作手段P81の操作を促したり、前述のカスタム表示の選択内容を設定したりするための操作手法の案内を行う画像であり、必要性の高い表示であることから、他の表示に隠れることが無いよう表示優先度を高く設定している。なお、後述する簡易装図や簡易保留といったさらに表示優先度の高い表示物とは必ず重ならない位置に表示するか、あるいは表示するタイミングが同一とならないように構成している。
《簡易保留》
「簡易保留」は、前述の保留表示である保留表示領域P810とは異なる表示領域に表示される保留数に係る表示であり、演出ステージ(演出モード)に関わらず第1特別図柄および第2特別図柄の保留数の表示を数字や記号等で示す表示である。「簡易保留」の表示は遊技者向けの重要な情報(重要UI)として、特殊予告等の特別な演出を行う場合であっても必ず視認化可能に位置付けられる。
《打ち分け報知》
「打ち分け報知」(打ち分け報知画像P830)は、遊技者に対し、現在遊技球を発射すべきことが推奨される位置を示す表示であり、第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、重要UIとして右打ち小表示P832、左打ち小表示P834、右打ち注意喚起報知P835、左打ち注意喚起報知P836が割り当てられている。右打ち大表示P831や左打ち大表示P833は遊技状態が切り替わる際(例:大当り開始デモ期間や、特定遊技(時短)の開始または終了時など)に表示される演出的な表示であり、特殊予告と略同等の扱い(表示優先度)である。
《簡易装図》
「簡易装図」(簡易装図P802)は、その変動表示によって特別図柄の変動表示中であることを示すとともに、停止表示態様によって特別図柄の抽選結果を報知する表示であり、装飾図柄P801が視認できない状況であっても常に変動表示、停止表示ができるように重要UIの一つとして表示を行うようになっている。なお、特別遊技(特に大当り遊技)中は、特別図柄の変動表示が行われることがなく、また大当り演出の表示により遊技者に幸福感を与えるために非表示に切り替える場合がある。小当り中は、特別図柄の変動表示が中断されているだけであるので、特別遊技中(小当り遊技中)であっても非表示となることは無い、また、小当り遊技中に停止表示してしまうと遊技結果と誤認してしまうため、特別図柄の変動表示が中断されている場合であっても簡易装図P802の変動表示を継続して実行可能としている(変動表示として図柄が切り替わらず、小当り遊技の実行期間中、すなわち特別図柄の変動表示の中断中に揺れている揺れ変動を実行するものでも可)。
また簡易装図P802は、遊技機の遊技性(遊技機仕様、スペック)によって1つまたは2つ表示する。例えば第2特別図柄(特図2)優先消化制御や入球順消化制御では、特別図柄は必ず1つしか変動表示を行わないため簡易装図P802の表示は1つでよいが、並列制御の場合は、2つの特別図柄が変動表示を行う可能性があるため、簡易装図P802も2か所に表示することが好ましい。なお、並列制御であっても演出ステージ(演出モード)に応じて遊技の主体として設計されている特別図柄のみを簡易装図P802として表示するように構成してもよい。
《エラー表示》
また、図95には図示していないが、遊技機に対しエラーが発生した場合のエラー表示は、いかなる状況でも視認し得るように構成することが好ましいため、重要UIと同等の表示優先度が設定される。第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、重要UI1~3である、簡易保留、打ち分け報知、簡易装図よりも表示優先度を高く設定しているが、それぞれの表示位置設定を重ならない位置として設定するため、各々の表示優先度の順番を変更しても実質的に影響はない。
なお、打ち分け報知の内で、右打ち注意喚起報知P835、左打ち注意喚起報知P836を大きい画像で設計する場合には、エラー画像と重なりが生じてしまう虞があるので、打ち分け報知の表示優先度を重要UIとエラー表示の中で最も低く設定することが好ましい。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の演出役物の動作に特徴を有する演出ステージ)
次に第7実施例のぱちんこ遊技機Pの演出役物P560の動作に特徴を有する演出ステージ(演出モード)である「XラッシュSUPER」について説明を行う。「XラッシュSUPER」は、図86に示す、確変遊技(高確率/低ベース)の遊技状態に対応する演出ステージ(演出モード)であり、小当りが頻繁に発生し、かつ普通電動役物の作動態様が非電チューサポート状態であることより、遊技球を右側遊技領域P501Rへ発射することによって、小当り遊技中に普通電動役物P770よりも下流に配置された大入賞口P751へ入球が容易であう。そのため、「XラッシュSUPER」では、大当りを獲得しなくても小当り遊技中の大入賞口P751に対する入賞により、遊技球が徐々に増加する遊技状態である(「小当りラッシュ」と称する)。
図87にも示したように、第2特別図柄に対応する特別図柄抽選では、小当りの当選確率が1/2と高く、頻繁に小当りに当選するようになっており、演出ステージ(演出モード)「XラッシュSUPER」では、小当りの当選を視覚的に報知するために演出表示装置P80の表示領域に同一の種類の装飾図柄(例えばぞろ目ではないが同一の表示色で表示される装飾図柄や、小当りを報知するための特殊図柄)が3つ停止表示され、併せて下役物P680が上昇する動作を行うようになっている。なお、このような第2特別図柄の特別図柄抽選にて小当りに当選したことを報知する演出は「XラッシュSUPER」でのみ行い、「Xラッシュ」や「復活チャンス」などのその他の右打ち遊技が推奨される演出ステージ(演出モード)では、第2特別図柄の特殊図柄抽選で小当りに当選した場合でも実行されない。
「XラッシュSUPER」における、下役物P680の動作パターンは、第2特別図柄の特別図柄抽選で当選した小当り遊技の種類によって異なる動作パターンが設定されている。図87に示すように第2特別図柄の小当り図柄は「特図2_小当り_1」と「特図2_小当り_2」の2種類が存在しており、「特図2_小当り_1」が大入賞口P751の0.6秒の開放を1回行い、「特図2_小当り_2」が大入賞口P751の0.6秒の開放を2回行う小当り遊技である。すなわち「特図2_小当り_2」に当選しているときの方が遊技者にとってより多くの賞球を得られる可能性があり、有利に構成されている。そのため、「XラッシュSUPER」にて小当りに当選したことを報知する際の下役物P680の動作パターンとして、「特図2_小当り_1」用の演出動作パターンと、「特図2_小当り_2」用の演出動作パターンとが用意される。
「特図2_小当り_1」用の演出動作パターンは、下役物P680が上昇位置センサP687まで上昇して即座に下降位置センサP686の位置まで復帰する動作を行うとともに、上昇位置センサP687の位置に移動するのに合わせて、下役物P680の発光部が白く発光するとともに、演出表示装置P80の表示領域に小さく白色の下役物動作エフェクトP872の表示を行う。一方「特図2_小当り_2」用の演出動作パターンでは、下役物P680が上昇位置センサに検出される位置まで移動し、その過程で下役物P680が発光部の白色の発光演出および演出表示装置P80の表示領域に下役物動作エフェクトP872の表示を行うまでは同一とする一方、下役物P680が下降位置センサP686に復帰する過程で再度上昇位置センサに検出される位置まで上昇するとともに、下役物P680の発光部を赤く発光させるとともに、演出表示装置P80の表示領域に大きく赤色の下役物動作エフェクトP872の表示を行うように構成されている。
また「XラッシュSUPER」における下役物P680の特殊な演出動作パターンとして、複数回の特別図柄抽選にて連続的に小当りに当選する場合(小当りとなる変動で存在する保留の事前判定情報や、以後発生する第2特別図柄の保留に対する事前判定情報を確認することで判断する)、前述した「特図2_小当り_1」用の演出動作パターンまたは「特図2_小当り_2」用の演出動作パターンにおける下降位置センサP686への復帰動作(初期位置への復帰動作)を行わずに上昇位置センサに検出された位置に移動したままの状態とし、複数回の小当り遊技が実行される間、下役物P680の発光部を金色(黄色と白色、橙色を混ぜた発光パターン)に発光させ、演出表示装置P80の表示領域に大きく金色の動作エフェクトP872の表示を行う「特殊演出動作パターン」を実行可能である。このように利益の異なる小当り遊技の種類や、事前判定情報を利用した小当り遊技の連続回数の判断によって下役物P680の演出動作パターンや演出表示装置P80の表示内容を異ならせることで、頻繁に小当りが当選する場合であっても小当りの当選に係る報知が単調にならず、付与される可能性のある遊技利益(遊技球の賞球数)に対する期待感を持たせる演出を実行することが可能となる。
「XラッシュSUPER」にて大当りとなる場合には、その他の遊技状態に対応した演出ステージ(演出モード)と同様に、演出役物P560の動作に伴い大当りの獲得を報知する場合には上役物P650を用いるように構成している。ここで、「XラッシュSUPER」では、小当り遊技の間隔(1回ごとの第2特別図柄の変動表示期間)が長くなると、小当り遊技による遊技球の獲得に基づく出玉感(大量の遊技球を得ているという感覚)が薄れてしまうことから、「XラッシュSUPER」に対応する遊技状態(高確率/低ベース)である確変遊技では、電チューサポート機能は作動していないものの特別図柄の変動時間短縮機能は作動状態にあり、第2特別図柄の変動表示を短時間の変動が選択されやすいように構成している。そのため、第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは「XラッシュSUPER」にて大当りとなる場合にも、変動時間を他の遊技状態にて大当りとなる場合よりも短時間となりやすいように構成し、大半の大当りを上役物P650の動作を用いて報知するように構成している(例外的な大当りの報知演出を除いて、必ず上役物P650の動作を伴う変動演出が選択されるようになっている)。
このような「XラッシュSUPER」における演出役物P560の動作態様を採用することにより、「XラッシュSUPER」において、遊技者は「上役物P650が動作したら大当り」、「下役物P680が動作したら小当り」という感覚で、シンプルかつわかりやすい遊技演出で小当り遊技および大当り遊技による出玉感と演出を楽しむことができる。
なお、「XラッシュSUPER」に係る変形例として、複数回のラウンドで小当りと略同様の大入賞口の開放時間を有する開放パターン(0.6秒×5)が実行される2R大当りや4R大当りを第2特別図柄の特別図柄抽選の結果として設け、これらの大当りに当選した場合には、上役物P650ではなく、小当りに当選した場合と同様に下役物P680の動作(前述の複数回の小当り遊技に跨って行う「特殊演出動作パターン」)を実行するように構成し、大当りであるにもかかわらず、複数回の小当りに当選しているかのように見せるように構成してもよい。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の変形例)
《変形例1》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80の表示内容と、リーチ演出中の上役物P650(キメ役物)の演出動作パターンとによって、大当りである旨を報知することで演出役物P560の動作を複合した興趣性の高い演出を提供するぱちんこ遊技機であることを説明した。
ここで、変形例として、リーチ演出中の上役物P650(キメ役物)の演出動作パターンの種類によって、その後に付与される特別遊技における有利度合い(獲得賞球数や、大当り遊技後に移行する特定遊技の種類)に関する示唆を行い得るように構成してもよい。
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図87に示す「10R確変大当り」が最も有利な特別遊技の種類であり、10R確変大当りを報知する場合、図78に示すように上役物P650が演出位置において回転装飾部P652を展開する状態とするとともに、横役物P670を上役物P650の背後に展開し、演出表示装置P80の表示領域にて役物全画面エフェクトP873を虹色に表示する(上役物P650の発光部は全画面エフェクトP873に対応した色で発光)演出内容について説明した。
ここで、変形例として、上役物P650の演出動作パターンによって特別遊技の種類を示唆するパターンとして、4R確変大当り(や一部の10R確変大当り)となる場合には、上役物P650を演出位置にて回転装飾部P652を展開動作させる一方で、横役物P670を上役物P650の背面に展開させず、演出表示装置P80の表示領域に赤色の役物全画面エフェクトP873を表示(上役物P650の発光部は全画面エフェクトP873に対応した色で発光)する中期待度態様を実行するパターンを用意してもよい。また、さらに遊技者に与えうる利益の期待度が低い10R通常大当り、4R通常大当り(または一部の10R確変や4R確変大当り)となる場合には、上役物P650を第2演出動作パターン(弱パターン)で動作させ、横役物P670は演出位置へ展開せず、上役物動作エフェクトP870を赤色で大きく表示する小期待度態様を実行するパターンも用意してもよい。
なお、中期待度態様や小期待度態様にて特別遊技(大当り遊技)へ移行した場合において、上役物P650の発光部や、演出表示装置P80の表示領域に表示されるエフェクト画像等の効果演出を赤色等で引き続いて表示し、大当り遊技中に実はより有利である大当り(例えば10R確変)であることが報知された場合には、上役物P650の発光部や演出表示装置P80の表示領域におけるエフェクト画像等を10R確変が報知されるときに大当り遊技中に表示される虹色の発光および表示態様に切り替えるように構成してもよい。
《変形例2》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図90や図91に示すように、リーチ演出の当落分岐のタイミングにて当落分岐ボタン演出が発生する際に、演出役物P560の動作に注目を集めるため静寂状態となる特殊期間を設けるように構成したが、過度に期待感を高めすぎると、はずれである場合に遊技者の遊技意欲の低下が著しくなってしまう虞がある。
そのため、このような特殊期間を設ける条件として、SPリーチの演出期間において、チャンスアップ演出が発生することや、リーチ演出中のカットイン予告が所定期待度以上の演出パターン(例えば、青<緑<赤<金のカットインパターンがあり、赤色のカットイン以上)が実行される場合等を条件として、特殊期間を発生させるパターンとするように構成してもよい。このようにすることで、特殊期間が発生する状況を、SPリーチの発生する変動パターンである状況であり、かつ、予告演出抽選でチャンスアップ演出が実行される場合など、大当りとなる可能性が高い状況に限定可能となる。
また、このように構成する場合、特殊期間としての静寂状態となる状況を発生させることなく当落分岐ボタン演出が発生することとなることより、上役物P650の準備動作(ガタガタ動作および発光部の発光、上役物動作エフェクトP870の表示)を継続した状態で、当落分岐ボタン演出のボタン有効期間を発生させ、遊技者の演出操作手段P81の操作に基づいて、準備動作の態様から、設定された演出動作パターン(例えば、当りの時に第1演出動作パターンとし、はずれの場合は停止パターン)へ切り替えるように構成してもよい。
《変形例3》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、図91に示したSPリーチ(Bリーチ)である「レバーチャンス」において、当落分岐ボタン演出において演出役物P560の動作に注目を集めさせるための特殊期間の実行に際し、演出操作ユニットP380の演出レバーP382の準備動作を先行して実行するように構成したが、演出レバーP382の準備動作の開始タイミングを特殊期間の開始と同時または、開始後に変更してもよい。
また、このように構成するとき当落分岐ボタン演出は、演出ボタンP381の操作を要求する場合(弱パターン、相対的に大当り期待度が低い)と、演出レバーP382の操作を要求する場合(強パターン、相対的に大当り期待度が高い)とで異なるパターンを有するように構成し、特殊期間(図93に示すBリーチの特殊期間や、Aリーチのブラックアウト表示期間中など)において、いずれの演出操作手段P81が要求されるかに注目を集めさせるように構成してもよい。
また、このように演出役物P560の動作に注目を集めるための特殊期間に移行後に、演出操作手段P81に求める操作内容を報知する場合、演出レバーP382の操作を要求する場合には、ボタン有効期間の発生タイミングが発生することを報知する操作促進画像の表示開始タイミングを演出ボタンP381の操作を要求する場合よりも遅くする(例えば、0.5秒程度遅くする)ことにより、違和感を与えるとともに、演出レバーの準備動作期間も含めてボタン有効期間(演出レバーの入力を受け付ける期間)までの特殊期間の長さを長く構成し、遊技者に対して特殊期間の長さにより、焦らしを与えることにより当落分岐ボタン演出に対する注目度を高めるように構成してもよい。
《変形例4》
第7実施例のぱちんこ遊技機Pでは、演出役物P560に対しエラーが発生し、可動演出動作が禁止される状況となった場合であっても、可動演出動作が禁止されていない状況と同様の発光態様にて演出役物P560の発光部を点灯制御させるように構成したが、可動演出動作が禁止されている状況下では、禁止されていない状況と異なる発光態様で演出役物P560の発光部を点灯させるようにエラー時専用の発光演出パターンを有するように構成してもよい。
また、演出役物P560の可動演出動作が禁止された場合であっても、予告演出や先読み演出等の演出役物P560の可動演出動作に対応して表示される予定であったエフェクト画像も可動演出動作が禁止されていない状況と同様に表示可能とすることで、先読み演出の期待度に係る情報を損なうことなく遊技可能に構成することができるようにしてもよい。
また、さらに、演出役物P560の可動演出動作が禁止された場合、対応する演出役物P560の可動演出動作が実行されるはずであったタイミングには、演出役物P560の動作に替えて、対応する演出役物P560の擬似役物動作画像を表示したり、演出役物P560の可動演出動作に対応する可動演出動作音声をスピーカP83から出力することによってエフェクト画像等の演出役物P560に対応する画像表示の意味を理解可能に構成するようにしてもよい。
(第7実施例のぱちんこ遊技機の特徴構成)
《特徴構成1》
第7実施例のぱちんこ遊技機は第1の特徴構成として以下の構成を有する。
遊技の進行を制御する主制御手段(主制御CPU)と、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御CPU)と、演出制御手段によって制御される演出装置(演出表示装置P80、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560など)と、演出装置に含まれ、所定の変位動作を実行可能な演出可動体(演出役物P560)と、を有する遊技機であって、主制御手段は、遊技の進行に基づいて所定の実行条件が成立した場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技を実行し、特別遊技には少なくとも第1の特別遊技と、第1の特別遊技(10R通常大当り、4R確変大当り、4R通常大当り、小当りなど)よりも有利な第2の特別遊技(10R確変大当りなど)とを有し、演出可動体として、少なくとも第1演出可動体(上役物P650)と第2演出可動体(横役物P670、下役物P680)を有しており、演出制御手段は、特別遊技が実行されることを示唆する特定演出(上役物P650の第1演出動作パターン)を実行可能であり、特定演出は、第1演出可動体を特定態様で変位動作させる可動演出を実行可能とする演出であって、第2の特別遊技が実行される予定である場合、特定演出が実行されるときがあり、第1の特別遊技が実行される予定である場合には、特定演出が実行されないことを特徴とする遊技機。
本特徴構成を採用することにより、複数の演出役物P560を備える遊技機であって、特定の演出役物である上役物(キメ役物)が、特定の動作(第1演出動作パターン、キメ動作)を行った場合に獲得される特別遊技は、遊技者にとって有利な特別遊技であることが容易に認識できるようになり、演出の内容がシンプルかつ明瞭に構成できる。
《特徴構成2》
第7実施例のぱちんこ遊技機は第2の特徴構成として以下の構成を有する。
遊技の進行を制御する主制御手段(主制御CPU)と、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御CPU)と、演出制御手段によって制御される演出装置(演出表示装置P80、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560など)と、演出装置に含まれ、所定の演出表示を行う演出表示手段(演出表示装置P80)と、演出装置に含まれ、所定の変位動作を実行可能な演出可動体(演出役物P560)と、演出装置に含まれ、所定の発光演出を実行する演出発光部(演出ランプP82、演出役物P560の発光部など)と、を有する遊技機であって、主制御手段は、遊技の進行に基づいて所定の実行条件が成立した場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技を実行するか否かに係る当否抽選(特別図柄抽選)を実行し、演出制御手段は、当否抽選の結果に係る演出の実行パターンとして特定演出パターン(Aリーチ、Bリーチなど)を含む複数種類の演出パターンから実行パターンを選択可能であり、特定演出パターンは、当否抽選結果が特別遊技を実行する結果である場合に、演出可動体(上役物P650)を演出表示手段の前方の所定位置に変位動作させるものであり(上役物P650の第1演出動作パターンを実行)、演出可動体が所定位置に向けて移動する直前の所定期間(特殊期間)において、演出表示手段に特定表示(例としてブラックアウト表示など)を行い、演出可動体を所定位置以外の位置で停止させ、演出発光部の発光態様を特殊発光態様(減光態様または消灯態様)とすることを特徴とする遊技機。
本特徴構成を採用することにより、SPリーチ等にて特別図柄抽選の結果を報知するために上役物P650(キメ役物)が演出動作を行う演出(当落分岐ボタン演出)を実行する直前の特殊期間に、演出表示装置P80および演出ランプP82、演出役物P560(上役物P650)の動作を静寂態様(上役物P650に集中させる態様)とすることで、特殊期間後(演出操作手段P81の操作後)の演出役物P560(上役物P650)の動作に注目を集めるように構成でき、上役物P650の動作に伴う大当り獲得報知の演出効果を高めることができる。
《特徴構成3》
第7実施例のぱちんこ遊技機は第3の特徴構成として以下の構成を有する。
遊技の進行を制御する主制御手段(主制御CPU)と、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御CPU)と、演出制御手段によって制御される演出装置(演出表示装置P80、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560など)と、演出装置に含まれ、所定の演出表示を行う演出表示手段(演出表示装置P80)と、演出装置に含まれ、所定の変位動作を実行可能な演出可動体(上役物P650、横役物P670、下役物P680)と、を有する遊技機であって、主制御手段は、遊技の進行に基づいて所定の実行条件が成立した場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技を実行するか否かに係る当否抽選(特別図柄抽選)を実行し、演出制御手段は、当否抽選の結果に係る演出の実行パターンを複数種類の演出パターンから選択可能であり、演出表示手段に表示される表示内容には、表示内容によって表示優先度が予め定められており、演出の実行パターンとして、演出可動体の所定の変位動作を伴う演出パターンが選択された場合、演出表示手段に演出可動体の動作に関連する表示内容である可動体動作関連表示(役物動作エフェクト)を表示可能であり、演出の実行パターンとして、演出可動体の所定の変位動作を伴う演出パターンが選択された状況下において、可動体動作関連表示は、演出表示手段に表示され、特別遊技の実行有無に関連する表示内容である所定の予告演出表示(予告演出)よりも表示優先度が高いことを特徴とする遊技機。
本構成を採用することにより、予告演出と演出役物P560の動作が複合した場合に大当り期待度が、複合しない場合に比して高まる遊技機において、役物動作エフェクト(上役物動作エフェクトP870、横役物動作エフェクトP871、下役物動作エフェクトP872、役物全画面エフェクトP873など)の表示優先度を演出役物P560の動作に複合して実行される予告演出の表示優先度よりも高く設定することにより、役物動作エフェクトが予告演出等に隠れることなく、遊技者に対する視認性を高め、演出役物P560の演出動作が予告演出に複合して行われた旨や、大当り期待度に関連する役物全画面エフェクトの表示態様等が確実に認識できるよう構成できる。
《特徴構成4》
第7実施例のぱちんこ遊技機は第4の特徴構成として以下の構成を有する。
遊技の進行を制御する主制御手段(主制御CPU)と、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御CPU)と、演出制御手段によって制御される演出装置(演出表示装置P80、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560など)と、演出装置に含まれ、所定の演出表示を行う演出表示手段(演出表示装置P80)と、演出装置に含まれ、それぞれ所定の変位動作を実行可能な複数の演出可動体(上役物P650、横役物P670、下役物P680)と、を有する遊技機であって、演出制御手段は、複数の演出可動体の少なくとも1の演出可動体に所定の動作異常(ステップ数オーバーエラー、ポジションチェックエラー、電源立ち上げなど)が検出された場合、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行中であっても、複数の演出可動体のそれぞれに対して、予め定められた処理順番で複数の演出可動体のそれぞれの初期位置へ復帰させるための初期位置復帰動作処理を実行可能であり、初期位置復帰動作処理の実行中において、現在初期位置への復帰動作が行われる処理順番となっている演出可動体に対しては、当該演出可動体の駆動源に対する復帰動作のための電力供給を行う一方で、現在の処理順番ではない他の演出可動体については当該他の演出可動体の駆動源に対して復帰動作のための電力供給を行わないことを特徴とする遊技機。
本特徴構成を採用することにより、遊技の進行中(特別図柄の変動表示中)に演出役物の動作異常が発生した場合、演出表示装置P80の前方に進出し得る演出役物P560全てについて、予め定められた順番にて初期位置に向けて復帰動作を行う処理(ただし既に初期位置の場合は無視)を実行するものであって、初期位置復帰動作処理を行っている演出役物P560の駆動源に対しては電力供給を行う一方で、その他初期位置復帰動作処理の対象でない演出役物P560の駆動源に対しては電力供給を行わないことで、演出役物P560の初期位置復帰動作処理に要する電力量を低減させることができ、その他の演出装置にの動作に影響を及ぼすことが無いようにすることができる。
《特徴構成5》
第7実施例のぱちんこ遊技機は第5の特徴構成として以下の構成を有する。
遊技の進行を制御する主制御手段(主制御CPU)と、主制御手段の遊技の進行に合わせた演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御CPU)と、演出制御手段によって制御される演出装置(演出表示装置P80、演出ランプP82、スピーカP83、演出役物P560など)と、演出装置に含まれ、所定の演出表示を行う演出表示手段(演出表示装置P80)と、演出装置に含まれ、それぞれ所定の変位動作を実行可能な演出可動体(下役物P680)と、演出可動体に備えられ、所定の発光演出を実行する演出発光部と、を有する遊技機であって、主制御手段は、遊技の進行に基づいて所定の実行条件が成立した場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技を実行するか否かに係る当否抽選を実行し、演出制御手段は、当否抽選の結果に係る演出の実行パターンとして特定演出パターンを含む複数種類の演出パターンから実行パターンを選択可能であり、特定演出パターンは、第1演出期間(例えばノーマルリーチ)と第1演出期間よりも後の第2演出期間(例えばSPリーチ)とを有する演出パターンであり、第1演出期間において、演出発光部の発光態様を複数回切り替えることによって当否抽選の結果に係る示唆を行う第1演出期間発光演出(裏ボタンステップアップ演出)を実行可能であり、第1演出期間発光演出が実行された場合に、第2演出期間の実行中の所定のタイミングまで(例えば、SPリーチ中の当落分岐演出まで、あるいはチャンスアップ演出の発生まで)、演出発光部を第1演出期間発光演出の最終的な発光態様に関連した発光態様とすることを特徴とする遊技機。
本特徴構成を採用することにより、先行する演出期間において実行した演出役物P560を用いた演出(発光部の裏ボタンステップアップ演出)によって報知された大当り期待度を、後続の演出期間において継続して表示することによって、先行する演出期間における演出役物P560を用いた演出によって報知された大当り期待度を継続して確認しつつ、後続の演出にて実行される演出の内容に期待感を持って臨むことができるという新規で興趣性の高い演出を提供することができる。