JP7258391B2 - 児童相談所などにおける情報処理方法及び装置 - Google Patents

児童相談所などにおける情報処理方法及び装置 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 1.一般社団法人人工知能学会発行 SIG-SAI 33巻5号 1-7頁 2018年11月22日 2.Springer,Cham発行 AHFE 2018.Advances in Intelligent Systems and Computing,vol 787,pp 300-309,2018年6月29日 3.https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2018.0_1030S15b01 2018年6月5日 4.全国児童相談所長事務局発行 全児相(通巻第105号別冊) 2018年8月発行 5.社会福祉法人全国社会福祉協議会発行 月刊福祉 2018年11月号、2018年11月1日発行
本発明は、児童相談所などにおいて用いられる情報処理技術に関する。
近年、児童虐待が大きな社会問題として認識されるようになり、児童相談所などの福祉現場では、業務量が非常に増大している。そのため、児童相談所などの職員は、業務に忙殺され、専門性を高めることが難しく、他機関との連携を効果的に行うことができず、経験や勘にのみ頼った意思決定を行わざるを得ない状況にあった。
これまでは、主に紙ベースの業務をシステム化するだけで、一部には予め定められた問いに対して回答することで緊急度を判定するような機能を有するシステムも存在していたが、児童相談所などの職員の意思決定に対する十分な支援ができているわけではない。
"FUJITSU 自治体ソリューション 福祉総合 児童相談システム", [Online] [平成31年3月14日検索] インターネット<URL:http://www.fujitsu.com/jp/group/fip/solutions/industry-solutions/public-sector-solution/childconsul/>
従って、本発明の目的は、一側面として、児童相談所などの職員の意思決定を支援するための新規な技術を提供することである。
本発明に係る情報処理方法は、(A)虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第1の複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、(B)少なくとも第1の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく第1の確率モデルに入力して、子供に対する通告が再発する蓋然性を表す第1の指標値を特定するステップと、(C)第1の指標値を端末装置に出力するステップとを含む。
一側面によれば、児童相談所などの職員の意思決定を適切に支援できるようになる。
図1は、本発明の実施の形態におけるシステムの概要を示す図である。 図2は、データベースに格納されるデータの一例を示す図である。 図3は、業務フローの一例を示す図である。 図4は、業務のフェーズAにおける処理のフローを示す図である。 図5は、端末装置における入力画面の一例を示す図である。 図6は、シミュレーション結果表示画面の一例を示す図である。 図7は、意思決定画面の一例を示す図である。 図8は、総合リスク算出に係る処理のフローを示す図である。 図9は、対応日数予測に係る処理のフローを示す図である。 図10は、シミュレーション結果生成処理のフローを示す図である。 図11は、業務のフェーズBにおける処理のフローを示す図である。 図12は、業務のフェーズCにおける処理のフローを示す図である。 図13は、業務のフェーズCにおける入力画面の一例を示す図である。 図14は、コンピュータ装置のブロック構成図である。
図1に本発明の実施の形態に係るシステム概要を示す。本実施の形態では、児童相談所などの各職員は、例えばタブレットなどの端末装置2000を用いて作業を行う。これによって、児童相談所などの事業所だけではなく、虐待の通告を受けた子供(児童とも呼ぶ)の家など、様々な場所にて作業を行うことができるようになる。
端末装置2000は、様々な通信媒体を介して情報処理装置1000と通信を行いながら処理を行う。例えば、端末装置2000に、専用のアプリケーションプログラムがインストールされており、当該専用のアプリケーションプログラムを実行することで情報処理装置1000と連携して処理を実行するようにしてもよいし、汎用のウェブブラウザが情報処理装置1000と連携して処理を実行するようにしてもよい。なお、情報処理装置1000は、1台のコンピュータである場合もあれば、複数台のコンピュータを含む情報処理システムの場合もある。また、クラウドなどで実現される仮想的な1又は複数台のサーバなどである場合もある。
本実施の形態に係る機能を実現するために、情報処理装置1000は、処理部1010と、データベース1020と、予測部1030と、学習部1040とを有する。
処理部1010は、端末装置2000とのインターフェースとなり、データベース1020に受信データを登録したり、データベース1020からデータを読み出して端末装置2000に送信したり、データベース1020に格納されているデータなどに基づき、予測部1030に各種データの予測処理を行わせたりする。
データベース1020は、虐待の通告が行われた子供に関する様々なデータを蓄積する。本実施の形態に係るデータとしては、例えば図2に示すようなデータを格納するようになっている。図2の例では、子供毎(すなわち児童ID毎)に、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報とに関する複数の項目についてのデータと、担当者IDと、総合リスクと、子供への対応種別毎の予測対応日数と、子供への対応種別毎の重篤度と、子供への対応種別毎の再発度と、潜在クラスと、一時保護の実施の有無と、実際の対応日数(通告受理日時からの経過日数)と、再発の有無と、意思決定の内容と、重篤事例クラスタに該当するか否かなどを格納するようになっている。このほか、例えば児童相談所のコードや、児童相談所などの職員の経験年数などに関する職員データについても格納している。さらに、子供毎に、学齢区分、通告日時を含む通告時間帯、再発までの期間(前回終結日時から再発日時までの期間)等を格納する場合もある。
予測部1030は、総合リスク予測部1031と、対応日数予測部1032と、重篤度予測部1033と、再発度予測部1034と、クラス予測部1035とを有する。また、学習部1040は、総合リスク予測部1031及び対応日数予測部1032に対する学習処理を行う第1学習部1041と、重篤度予測部1033及び再発度予測部に対する学習処理を行う第2学習部1042と、クラス予測部1035に対する学習処理を行う第3学習部1043とを有する。
総合リスク予測部1031は、機械学習による学習済みモデルを含み、以下に述べるような項目のデータから、子供について一時保護発生の蓋然性を表す指標値を予測するモジュールである。すなわち、過去の虐待事例パターンに基づき、ある通告に係る子供について、一時保護が発生する確率(0%から100%までの数値)を出力するものである。
より具体的には、総合リスク予測部1031は、勾配ブースティングに基づく学習済みモデルを含む。ブースティングとは、弱い学習器を複数用いてできるだけ汎用性の高い強く新しい学習器を構築しようという機械学習のモデリング技法の一つである。多くは、決定木と呼ばれる条件分岐アルゴリズムを複数組み合わせて用いられる。より正確にはブースティングとして新たな決定木を作る際に、1つ前までの決定木の結果を利用し、実測値と予測値との誤差が最小になるような決定木のアルゴリズムを採用している。即ち、勾配ブースティングは、実際の正解と予測の誤差を損失関数として最小化する際に勾配降下法を用いる手法である。さらに具体的には、本実施の形態では、Extreme Gradient Boosting(Tianqi Chen and Carlos Guestrin. Xgboost: A scalable tree boosting system. In Proceedings of the 22nd acm sigkdd international conference on knowledge discovery and data mining, pages 785-794. ACM, 2016)を用いるものである。具体的な処理内容についてはよく知られているので、詳細な説明については省略する。
なお、第1学習部1041により、過去の虐待事例における所定項目のデータに対して一時保護の実施の有無を予測するように学習が行われて、一時保護の実施の有無に対する予測スコアを出力する学習済みモデルが生成される。さらに、第1学習部1041は、予測スコアと一時保護が発生する確率との関係を表す関数を、例えばロジスティック曲線近似して生成する。第1学習部1041は、ロジスティック曲線近似についても行う。すなわち、総合リスク予測部1031は、予測スコアを出力する学習済みモデルと、予測スコアを一時保護が発生する確率に変換する関数とを含む。
対応日数予測部1032は、機械学習による学習済みモデルであって、以下に述べるような項目のデータから、子供への対応種別毎に、子供の対応に要すると予測される日数を出力するモジュールである。すなわち、過去の虐待事例パターンに基づき、通告受理日から終結までの日数を予測するものである。より具体的には、対応日数予測部1032は、勾配ブースティングに基づく学習済みモデルである。なお、単純な予測対応日数だけではなく、当該予測対応日数を、予め定められた日数範囲でカテゴリ分けした結果を出力する場合もある。
また、第1学習部1041は、同じ勾配ブースティングに基づく学習済みモデルを含む総合リスク予測部1031と共に、対応日数予測部1031についても学習処理を行う。
重篤度予測部1033は、以下に述べるような項目のデータから、子供への対応種別毎に、重篤事例クラスタに属する蓋然性を表す指標値である重篤度を予測するモジュールである。すなわち、過去の虐待事例パターンに基づき、ある通告(又は当該通告に係る子供)について重篤事例クラスタに属する確率を出力するものである。なお、重篤度は、通告の見過ごした場合の危険度を表す指標値とも言うことができ、通告の見過ごし危険度とも呼ぶ。
より具体的には、重篤度予測部1033は、ベイジアンネットワークによる確率モデルを含む。ベイジアンネットワークとは、現象(例えば、虐待種別、年齢区分など)を表すノード及びその接続関係によって階層的に確率的因果関係を描いたグラフィカルモデルの一つである。観測されたデータ(=ノード)について、ベイズの定理から得られる確率的な因果関係から、最も当てはまりの良い説明可能なモデルを、観測値の条件付確率から探索的に求めていくものである。モデリング時に、階層構造における親ノードと子ノードの関係を描いていく。ベイジアンネットワークでは、親ノードが観測された条件において子ノードが観測される条件付確率を最大にするモデルを採用する。これにより、不確実性が高い状況でも、例えば子供のデータを入力していくと、過去のデータと比較計算し、今分かっている範囲の情報に基づき重篤クラスタへの所属確率は80%というようなシミュレーション(確率的因果推論)が可能となる。
より具体的な処理については、例えば、J. Pearl, “Bayesian networks: A model of self-activated memory for evidential reasoning.,” Proc. 7th Conf. Cogn. Sci. Soc., pp. 329-334, 1985. 具体的な処理内容についてはよく知られているので、詳細な説明については省略する。
このようにベイジアンネットワークを用いて確率的因果推論を行うことで、説明責任が強く求められる児童相談所などの行政枠組みにおいて、確率論的に説明可能な予測という点で非常に有効である。
第2学習部1033は、確率的潜在意味分析(pLSA:Probabilistic Latent Semantic Analysis)により、過去の虐待事例を、当該過去の虐待事例における所定項目のデータに基づき、重篤事例クラスタ、軽傷クラスタなど複数のクラスタへ分類する。この際、何れかのクラスタに分類するだけではなく、各クラスタに属する確率も同時に得られる。その上で、最も確率が高いクラスタが重篤事例クラスタである過去の虐待事例について重篤事例クラスタに該当するものとみなす。
なお、pLSAは、次元圧縮によりクラスタリングする手法であり、各クラスタについて所属確率が算出されるソフトクラスタリングの一種である。詳細については、例えば、Hofmann,T. (1999) ”Probabilistic latent semantic analysis.” Proceedings of the Fifteenth conference on Uncertainty in artificial intelligence. Morgan Kaufmann Publishers Inc.を参照のこと。具体的な処理内容についてはよく知られているので、詳細な説明については省略する。
その上で、第2学習部1033は、過去の虐待事例における所定項目のデータから、重篤クラスへの所属確率を予測する、ベイジアンネットワークによる確率モデルを構築する処理を実行する。
再発度予測部1034は、以下に述べるような項目のデータから、子供への対応種別毎に、子供に対する通告が再発する蓋然性を表す指標値を予測するモジュールである。すなわち、過去の虐待事例パターンに基づき、ある通告に係る子供について再度通告が発生する確率(0%から100%までの数値)を出力するものである。
より具体的には、再発度予測部1034は、ベイジアンネットワークによる確率モデルを含む。なお、本実施の形態では、再発度予測部1034は、重篤度についても入力の項目として採用される。
第2学習部1042は、過去の虐待事例における所定項目のデータから、再発度を予測する、ベイジアンネットワークによる確率モデルを構築する処理を実行する。これにより、不確実性が高い状況でも、例えば子供のデータを入力していくと、過去のデータと比較計算し、今分かっている範囲の情報に基づき将来的な再発率は80%というようなシミュレーション(確率的因果推論)が可能となる。
クラス予測部1035は、以下に述べるような項目のデータから、通告に係る子供がどのようなクラス(潜在クラス)に属するのかを予測するモジュールである。
第3学習部1043は、潜在クラス分析により、過去の虐待事例における所定項目に基づき、過去の虐待事例をクラスタリングする。この際、例えば最も高い所属確率を得られたクラスを所属クラス(潜在クラス)として特定する。その上で、第3学習部1043は、過去の虐待事例における所定項目から所属クラスを予測するように、勾配ブースティング(例えばXgboost)に基づき学習して、学習済みモデルを生成する。
潜在クラス分析は、pLSAと同様にソフトクラスタリングの一種である。潜在クラス分析の詳細については、例えば、Dayton, C. Mitchell. 1998. Latent Class Scaling Analysis. Thousand Oaks, CA: SAGE Publications. Hagenaars, Jacques A. and Allan L. McCutcheon, eds. 2002. Applied Latent Class Analysis. Cambridge: Cambridge University Press.を参照のこと。また、潜在クラス分析等において用いられるEMアルゴリズムについては、McLachlan, Geoffrey J. and Thriyambakam Krishnan. 1997. The EM Algorithm and Extensions. New York: John Wiley & Sons.を参照のこと。具体的な処理内容についてはよく知られているので、詳細な説明については省略する。
なお、学習部1040は、例えば定期的に又は指示されたタイミングで、学習処理を行う。
次に、図3を用いて、児童相談所などにおける業務フローを説明する。まず、児童相談所などで、子供への虐待に関する通告を受理する(ステップS1)。この通告に応じて、緊急受理会議が実施される(ステップS3)。このステップS1及びS3は、フェーズAに含まれ、フェーズAでは、児童相談所などの職員により基礎的な情報の入力が行われると共に、児童相談所などの職員に対して総合リスクや意思決定を支援するための各種情報が提示されるようになっている。
その後、緊急出動による児童の現認が行われる(ステップS5)。ステップS5はフェーズBに含まれ、フェーズBでは、児童相談所などの職員に対して総合リスクや意思決定を支援するための各種情報が提示された上で、通告に係る子供に対する意思決定が入力される。
その後、保護者への事実確認と関連内容の調査が行われる(ステップS7)。ステップS7はフェーズCに含まれ、フェーズCでは、調査内容の入力などが行われる。なお、調査内容の入力中でも、意思決定を支援するための各種情報の提示も行われる。
児童相談所などでは、おおよそこのような業務フローに従って業務が進むが、必ずしもこの業務フローに従っていない場合もある。いずれにせよ、児童相談所などの職員が、通告に係る子供のデータを入力する場面では、児童相談所などの職員に対して、通告に係る子供について総合リスクその他のリスクを把握しやすくすることによって、通告に係る子供について適切な意思決定がなされるように支援する。
次に、図4乃至図10を用いて、フェーズAにおいて行われる処理について説明する。
端末装置2000は、児童相談所などの職員から、子供の基本情報の入力を受け付け、情報処理装置1000に送信する(図4:ステップS11)。情報処理装置1000は、端末装置2000から、子供の基本情報を受信すると、データベース1020に格納する。
子供の基本情報とは、虐待通告受理時に記録する子供本人に関する情報であって、子供の氏名と、性別、続柄、国籍、生年月日、年齢、兄弟についての情報、母親が特定妊婦(児童福祉法に基づいた養育上の公的支援を妊娠中から要するような環境にある妊婦)か否か、居住地などを含む。このうち、例えば性別、年齢及び母親が特定妊婦か否かが、予測部1030の入力として利用される。
また、端末装置2000は、児童相談所などの職員から、通告受理・緊急受理会議の情報入力を受け付け、情報処理方法1000に送信する(ステップS13)。情報処理装置1000は、端末装置2000から、通告受理・緊急受理会議の情報を受信すると、データベース1020に格納する。
端末装置2000に表示される、通告受理・緊急受理会議の情報を入力するための画面の一例を図5に示す。
通告受理・緊急受理会議の情報は、虐待通告受理時又は関連機関からの情報収集時に入力される、事例に関する情報であって、ステータス(新規/再受付/再通告の別)、通告日時、通告受理の経緯(受理の経路種別)、主たる虐待者、虐待種別、緊急受理会議の日時などを含む。このうち、例えばステータス、通告日時、通告受理の経緯、主たる虐待者、及び虐待種別が、予測部1030の入力として利用される。
図5の上部に示すように、以下、2.緊急出動、3.一時保護検討項目、4.リミットルール項目、5.意思決定・安全責任、6.実施項目といった情報についての入力が続けて行われることになる。
本実施の形態では、このような入力途中の段階においても、総合リスク表示50がなされるようになっている。すなわち、総合リスクの逐次算出及び表示が行われるようになっている(ステップS31)。このステップS31は、ステップS11乃至S21のいずれの段階においても実行する。但し、一部において行わないようにしてもよい。
このため、処理部1010は、予測に利用される所定項目のうち既入力項目のデータについてはそのデータと、未入力項目についてはデフォルトのデータとで、総合リスク予測部1031に総合リスクの予測を行わせて、予測された総合リスクのデータを、端末装置2000に送信することで、端末装置2000に逐次表示を行わせる。これによって、児童相談所などの職員は、入力の都度に、一時保護発生の蓋然性を認識できるようになる。
なお、例えばステップS11及びS13で入力されるデータは、虐待の通告に係る子供に関する情報である。
さらに、端末装置2000は、児童相談所などの職員から、緊急出動情報の入力を受け付け、情報処理装置1000に送信する(ステップS15)。情報処理装置1000は、端末装置2000から、緊急出動情報を受信すると、データベース1020に格納する。 緊急出動情報とは、子供の安全確認を目的とした緊急出動を検討する際のチェック項目であって、例えば、過去に虐待に関する係属歴があったか否か(又は不明)、子供が帰宅することに不安または恐怖を感じているか否か(又は不明)、現時点で子供に傷アザがあるか否か(又は不明)といった項目を含む。なお、傷アザについては、端末装置2000が有するカメラなどによって撮影された画像、創傷種別といった情報を含む場合もある。例えば、これらのデータが、予測部1030の入力として利用される。
また、端末装置2000は、児童相談所などの職員から、一時保護検討項目の入力を受け付け、情報処理装置1000に送信する(ステップS17)。情報処理装置1000は、端末装置2000から、一時保護検討項目の情報を受信すると、データベース1020に格納する。
一時保護検討項目の情報とは、子供を一時的に虐待環境から切り離す強制介入である一時保護を検討するためのチェック項目であって、例えば、頭部顔面腹部への傷アザの有無(又は不明)、骨折、火傷、SBS(頭部外傷)、MSBP(疑いを含む)があるか否か(又は不明)、性的虐待(疑いを含む)があるか否(又は不明)、子供自身が保護を訴えているか否か(又は不明)、医療(ヘルスケア)ネグレクトやMSBPなどの医療虐待があるか否か(又は不明)といった項目を含む。例えば、これらのデータが、予測部1030の入力として利用される。
さらに、端末装置2000は、児童相談所などの職員から、リミットルール情報の入力を受け付け、情報処理装置1000に送信する(ステップS19)。情報処理装置1000は、端末装置2000から、リミットルール情報を受信すると、データベース1020に格納する。
リミットルール情報とは、保護者と誓約を交わし、それを破った場合の強制介入を予め約束するリミットルールの設定を検討するための情報である。例えば、法的措置中に指導や支援の必要性を予め保護者に伝えたにも関わらず、指定した面接を無断キャンセルすることや、家庭訪問を拒否するなど、子どもの安全が確認できないといった事態の有無といった項目が含まれる。例えば、これらのデータが、予測部1030の入力として利用される。
ステップS15乃至S19で受信されるデータは、子供のリスクアセスメント情報である。
このような入力途中の段階においても、児童相談所などの職員によって指示されると、随時、シミュレーション処理を実行して、シミュレーション結果を表示するようになっている(ステップS35)。
シミュレーション結果の表示画面の一例を図6に示す。図6の例では、子供への対応種別として、在宅支援(選択ボタン61)、リミットルール付き在宅(選択ボタン62)、一時保護(選択ボタン63)を選択可能になっている。
すなわち、本実施の形態では、子供への対応種別は、在宅、リミットルール付き在宅、一時保護である。単なる在宅は、リスクが限りなく低いか、または虐待非該当案件(例えば、ただの泣き声通告で、虐待ではない場合)などに該当し、特に指導も支援もない法的措置のない状況を表している。リミットルール付き在宅とは、将来的に再度虐待に至る危険があるが、保護するまでの危険性ではないと判断している状況を表している。そのため、保護観察のように、要支援の枠組みを提示し、定期的な面接や家庭訪問といった指導措置を法的に義務づけることになる。なお、これに違反した場合(リミットルール)は、再度リスク判断を見直し、一時保護を再検討することになる。一時保護は、子供を一時的に保護施設等に強制的に入居させるという状況を表している。
このいずれかを選択することで、レーダーチャート表示部65の内容が変更される。すなわち、再発度、予測対応日数(図6では「対応日数」)及び重篤度は、子供への対応種別毎に算出されるので、レーダーチャートも異なる形で表示される。
レーダーチャート表示部65において再発度は、0(原点)から100%(軸の最大値)までの該当する点が示される。重篤度についても、0(原点)から1(軸の最大値)までの該当する点が示される。予測対応日数については、0日(原点)から365日(軸の最大値。なお366日以上の場合に365日に設定)までの該当する点が示される。
児童相談所などの職員は、このような3つの評価指標値の相対的な大小関係を子供への対応種別毎に把握し、いずれの対応種別を採用すれば、レーダチャートにおけるカバー面積が小さくなるかを確認する。これらの3つの評価指標値は全て小さな値が好ましいが、全てを同時に小さくできるわけではない。例えば、重篤度が低くても再発度や予測対応日数は高いといった事象が生じ得る。よって、総合リスク表示部64に表示される総合リスクも参照にしつつ、適切な対応種別を選択するようにする。
なお、本実施の形態では、総合リスク表示部64及びレーダーチャート表示部65の下部には、過去の類似ケース67を示したり、コメント66を示したりするようになっている。
過去の類似ケース67については、通告又は通告に係る子供の潜在クラスと同じ潜在クラスにクラスタリングされた過去の事例のデータを抽出して、表示するようになっている。例えば、最新の3件の過去事例のデータを抽出して、その一部のデータを表示する。例えば、いずれかのケースを選択すれば、そのケースの詳細が表示されるようにする。
また、コメント66については、潜在クラスに応じて予め用意された特徴及びパターン(例えば該当確率が所定値以上のパターン)を示す文を含む。このようなデータについては、予め端末装置2000に保持しておき、潜在クラスの識別子等に応じて読み出すようにしてもよい。また、情報処理装置1000のデータベース1020からから取得するようにしても良い。
そして、端末装置2000は、子供への対応種別毎に予測対応日数のカテゴリを含む意思決定表示のためのデータを情報処理装置1000から受信し、意思決定画面を表示する(ステップS21)。少なくとも、子供への対応種別毎の予測対応日数のカテゴリ及び総合リスクについては、情報処理装置1000から受信する。
例えば、図7に示すような意思決定画面が表示される。図7の一例では、在宅を選択した場合における予測対応日数のカテゴリ表示を含む在宅選択ボタン71と、リミットルール付き在宅を選択した場合における予測対応日数のカテゴリ表示を含むリミットルール付き在宅選択ボタン72と、一時保護を選択した場合における予測対応日数のカテゴリ表示を含む一時保護選択ボタン73と、総合リスク表示部74とを含む。総合リスク表示部74は、図5の総合リスク表示50と同様である。
このように、意思決定画面においても、子供への対応種別毎に、総合リスクを見つつ、予測対応日数の程度(すなわち、該当カテゴリの範囲)を比較して、客観的に子供への対応種別を選択できるようになる。
次に、図8を用いて、情報処理装置1000において実行される総合リスク算出に関係する処理について説明する。
情報処理装置1000の処理部1010は、端末装置2000から、新たに入力データを受信すると、データベース1020に格納する(ステップS51)。なお、全く新しい子供の場合には、児童IDを発行してデータベース1020に新たにレコードを生成するが、既に登録されている子供の場合には、その児童IDに対応づけて新たな入力データを登録する。
そして、処理部1010は、所定項目のデータを総合リスク予測部1031に出力して総合リスクを予測させ、当該総合リスクを特定する(ステップS53)。本実施の形態では、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報と当該子供への対応に関する情報(具体的には、フェーズBにおいて入力される情報)とに関する複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータを用い、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータを用いて、総合リスク予測部1031に総合リスクの予測を行わせる。
調査できなかったり、そもそも不明な情報もあるので、複数の所定項目の全てについて入力できない場合もある。従って、データが入力された項目についてはその入力データを用い、入力されていない又は内容不明とされる項目については、予め定められたデフォルトのデータを用いるようにしている。
総合リスク予測部1031は、上で述べたように、過去の虐待事例における所定項目のデータに対して一時保護の実施の有無を予測するように学習が行われており、一時保護の実施の有無に対する予測スコアを算出し、当該予測スコアを一時保護が行われる確率に変換して、総合リスクとして出力する。
処理部1010は、総合リスク予測部1031により予測された総合リスクを、端末装置2000へ送信する(ステップS55)。処理部1010は、総合リスクをデータベース1020に登録する。
このようにすれば、児童相談所などの職員は、情報入力の途中でも、逐次一時保護発生の蓋然性を把握できるようになる。
次に、図4のステップS21の前に情報処理装置1000において実行される対応日数予測に関係する処理について、図9を用いて説明する。
処理部1010は、データベース1020から所定項目のデータを読み出して対応日数予測部1032に出力し、各対応種別について対応日数を予測するように対応日数予測部1032に処理を実行させ、各対応種別について対応日数の予測結果を特定する(ステップS61)。
本実施の形態では、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報と当該子供への対応に関する情報(具体的には、フェーズBにおいて入力される情報)とに関する複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータを用い、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータを用いて、対応日数予測部1032に対応日数の予測を行わせる。
なお、対応日数予測部1032は、子供への対応に関する情報として「在宅」という意思決定を仮定して、所定項目のデータから、「在宅」の場合における対応日数を予測する。また、「リミットルール付き在宅」という意思決定を仮定して、所定項目のデータから、「リミットルール付き在宅」の場合における対応日数を予測する。さらに、「一時保護」という意思決定を仮定して、所定項目のデータから、「一時保護」の場合における対応日数を予測する。
また、対応日数予測部1032は、具体的な0日以上の日数(整数)を予測するようになっている。端末装置2000において、具体的な日数をそのまま提示しても良いが、その具体的な日数をどのように捉えるべきなのか、という問題がある。すなわち、日数だけでは、どのようなレベルで手間がかかるのかを把握しづらいという問題がある。そこで、本実施の形態では、例えば、14日未満のカテゴリA、14日以上30日未満のカテゴリB、30日以上90日未満のカテゴリC、90日以上180日未満のカテゴリD、180日以上365日未満のカテゴリE、365日以上のカテゴリFの6つのカテゴリに分けるものとする。なお、カテゴリ数は任意である。
よって、対応日数予測部1032は、各対応種別について、予測対応日数に対応するカテゴリを決定する(ステップS63)。対応日数予測部1032は、予測対応日数とカテゴリとの少なくともいずれかを処理部1010に出力する。また、処理部1010は、予測対応日数とカテゴリとの少なくともいずれかをデータベース1020に格納する。なお、処理部1010が、本ステップを実行するようにしてもよい。
そして、処理部1010は、各対応種別について予測対応日数のカテゴリを含む意思決定表示のためのデータを生成して、端末装置2000に送信する(ステップS65)。端末装置2000は、上で説明したように、例えば図7に示すような画面を表示する。図7の画面例に含まれる総合リスク表示部74の内容については、別途図8に示すような処理にて表示されるようになる。
このようにすれば、児童相談所などの職員は、対応日数が短くなると予測される対応種別を特定しやすくなる。すなわち、児童相談所などの職員に対する意思決定支援が適切になされることになる。
次に、図10を用いて、児童相談所などの職員によってシミュレーション結果の表示が指示された場合に行われる処理について説明する。
情報処理装置1000の処理部1010は、データベース1020における所定項目のデータを総合リスク予測部1031に出力して総合リスクを予測させ、当該総合リスクを特定する(ステップS71)。本ステップの処理は、図8のステップS53と同じであり、複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータを用い、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータを用いて、総合リスク予測部1031に総合リスクの予測を行わせる。なお、処理部1010は、総合リスクをデータベース1020に格納する。
また、処理部1010は、データベース1010における所定項目のデータを対応日数予測部1032に出力して、各対応種別について対応日数を予測させ、当該予測対応日数を特定する(ステップS73)。本ステップの処理は、図9のステップS61と同じであり、複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータを用い、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータを用いて、対応日数予測部1032に総合リスクの予測を行わせる。なお、処理部1010は、予測対応日数をデータベース1020に格納する。
さらに、処理部1010は、データベース1010における所定項目のデータ等を重篤度予測部1033に出力して、各対応種別について重篤度を予測させ、当該重篤度を特定する(ステップS75)。
重篤度予測部1033は、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報と当該子供への対応に関する情報(具体的には、フェーズBにおいて入力される情報)と当該子供の担当者に関する情報とに関する複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータを用い、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータを用いて、重篤度の予測を行う。処理部1010は、データベース1020に、重篤度を格納する。
子供の担当者に関する情報は、例えば担当者が所属する児童相談所のコード、担当者の経験年数などを含む。なお、重篤度予測部1033については、総合リスク予測部1031及び対応日数予測部1032とは異なる項目を用いる場合がある。例えば、子供の学齢区分、通告時間帯、再発までの期間といった追加的な項目を用いるようにする。
また、処理部1010は、データベース1010における所定項目のデータ等を再発度予測部1034に出力して、各対応種別について再発度を予測させ、当該再発度を特定する(ステップS77)。
再発度予測部1033は、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報と当該子供への対応に関する情報(具体的には、フェーズBにおいて入力される情報)と当該子供の担当者に関する情報とに関する複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータと、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータと、さらに重篤度とを用いて、再発度の予測を行う。処理部1010は、データベース1020に、再発度を格納する。
再発度予測部1034についても、総合リスク予測部1031及び対応日数予測部1032とは異なる項目を用いる場合がある。例えば、子供の学齢区分、通告時間帯、再発までの期間といった追加的な項目を用いるようにする。また、上でも述べたように、重篤度も用いる。
重篤度予測部1033及び再発度予測部1034については、担当者に関する情報に関する項目を入力に採用しているが、他の予測部についても十分な数の過去事例が得られれば採用してもよい。すなわち、重篤度予測部1033及び再発度予測部1034において採用されているモデルは、不確実性を担保できるようなものであるため、過去事例の数が少ない場合でも、担当者に関する情報を有効に用いることができる。
そして、処理部1010は、データベース1010における所定項目のデータ等をクラス予測部1035に出力して潜在クラスを予測させ、当該潜在クラスを特定し、当該潜在クラスから類似事例のデータをデータベース1020から抽出する(ステップS79)。 クラス予測部1035は、虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報とに関する複数の所定項目のうち、既入力項目のデータについてはそのデータと、未入力項目のデータについてはデフォルトのデータとを用いて、潜在クラスの予測を行う。処理部1010は、データベース1020に、潜在クラスの識別子を格納する。 また、処理部1010は、同一の潜在クラスの識別子が登録された過去の事例を類似事例として特定し、当該類似事例のデータをデータベース1020から抽出する。
なお、虐待の通告に係る子供に関する情報、子供のリスクアセスメント情報に含まれる項目であっても、予測部によっては入力に採用されない項目がある場合もある。
そして、処理部1010は、総合リスク、予測対応日数と重篤度と再発度とのレーダーチャート、及び類似事例のデータを含むシミュレーション結果表示のためのデータを生成し、端末装置2000に送信する(ステップS81)。
処理部1010において、図6に示したような画面構成についてのデータを生成して送信する場合もあれば、総合リスク、予測対応日数、重篤度、再発度、類似事例のデータ、潜在クラスの識別子等を端末装置2000に送信して、端末装置2000において図6に示したような画面構成を描画するようにしてもよい。予測対応日数、重篤度、再発度については、レーダーチャートの目盛りに相当する数値を算出して、端末装置2000に送信するようにしてもよい。
また、ステップS73乃至S75については、そのステップにおいて各対応種別について、予測対応日数と重篤度と再発度とを予測するようにしていたが、端末装置2000からの指示に応じて、指示に係る対応種別についてその都度予測するようにしてもよい。例えば、最初は、デフォルトの在宅についての予測対応日数と重篤度と再発度とを予測して、一時保護が指示されれば、一時保護についての予測対応日数と重篤度と再発度とを予測するようにしても良い。
以上のような処理を行うことで、本通告について総合リスクがどの程度で、どのような意思決定を行うと、予測対応日数と重篤度と再発度とがどのように変化するのかを、視覚的に分かりやすく表示できるようになるので、児童相談所などの職員に対して効果的な支援が行われるようになる。
次に、フェーズBにおける処理について図11を用いて説明する。
端末装置2000は、例えば図7に示した意思決定表示において、児童相談所などの職員によるいずれかの対応種別の選択を意思決定の入力として受け付け、情報処理装置1000に送信する(ステップS101)。情報処理装置1000の処理部1010は、受信した対応種別をデータベース1020に格納する。
この際、一時保護が対応種別として選択されると、処理はステップS107に移行する(ステップS103:Yesルート)。一方、リミット付き在宅及び在宅が選択されると(ステップS103:Noルート)、端末装置2000は、児童相談所などの職員に対して理由の入力を促して、当該理由の入力を受け付け、当該理由の内容を情報処理装置1000に送信する(ステップS105)。
本実施の形態では、理由としては「子供の疑いあり」と「虐待非該当」とのいずれかを選択するようになっている。前者の場合には、さらにその詳細として、児童が安全であることについての具体的な状況、緊急性が低いことについての具体的な状況などをさらに入力する。後者の場合には、さらにその詳細として、具体的な状況などをさらに入力する。これらの入力についても端末装置2000から情報処理装置1000に送信され、データベース1020に登録される。
さらに、端末装置2000は、実施事項の入力を受け付け、当該実施事項についてのデータを情報処理装置1000に送信する(ステップS107)。情報処理装置1000の処理部1010は、データベース1020に、実施事項についての受信データを登録する。
実施事項には、安全確認日時、緊急出動の有無、一時保護の有無、保護判定時刻、一時保護入所日時などの項目が含まれる。
ステップS101及びS103において入力される項目については、子供への対応に関する情報に含まれる。例えば、意思決定の内容については、予測部1030への入力として利用される。
フェーズBまでが完了すると、学習処理における正解データが得られたことになるので、次の学習処理のタイミングで、本通告のデータも学習処理に用いられるようになる。
図11に示したように、ステップS101乃至S107においても、総合リスクの逐次算出及び表示の処理(ステップS31)が実施される。当然ながら、部分的に総合リスクを表示しないようにしても良い。また、この間、児童相談所などの職員からの指示があれば、随時、シミュレーション処理を実行して、シミュレーション結果を表示する(ステップS35)。
次に、フェーズCにおける処理について図12及び図13を用いて説明する。
端末装置2000は、調査項目についての情報の入力を受け付け、情報処理装置1000に送信する(ステップS111)。情報処理装置1000の処理部1010は、受信した調査項目の情報をデータベース1020に格納する。
調査項目には、以下のようなデータを含む。
基本項目として、 医学・精神医学上の診断の有無、知的障害の有無、身体障がい(歩行・肢体)の有無、発達障がい(疑い含む)の有無、不登校の有無、DV事例(面前暴力などの目撃を含む)の有無、薬物・アルコール使用障害(疑いを含む)の有無などが、含まれる。なお、自由記述を含むようにしても良い。
また、子どもの具体的な心身状態の確認(医学評価を含む)というカテゴリにおいては、以下の事項を含む。なお、自由記述を含むようにしても良い。
・通告された子どもの具体的な心身状態について(原則直接の目視現認により確認:身長・体格・血色・表情・コミュニケーション能力)
・目に見える事実については(通告者からの事実情報の収集・照合確認、児相職員による撮影・保管・出力)
・目に見えない事実(例:頭部打撲のケースや2SDを切る低体重ケースなど)(医学診察・検査による確認、法医学の見解(生体鑑定)、事情聴取:当人・関係者の直接的な聞き取り調査、事実確認についての医学・司法所見による裏付け)など
さらに、問題発生の具体的な事実経過と背景事情の把握というカテゴリにおいては、以下の事項を含む。なお、自由記述を含むようにしても良い。
・具体的な行為事実の確認
・いつ、どこで、誰が、何をしたのかの事実情報確認
・どういう経過で、親子の出来事が生じたのか
・誰と誰がいて、どういう関係でそのことが起こったか
・一定の事情・理由が分かるのか、分からないままか
・その家族・養育上の普段のエピソードはあるか
・だいたいの日常の様子が推定できるかどうか
・当時者の説明は背景事情に触れているか否か
・子どもの所属・人脈情報・近所づきあい
・家族の生活・経済状態(収入状態の概況や困窮)
・心身の健康状態(疾病、飲酒や喫煙習慣を含む)
・現住地の生活歴・これまでの移動歴・出生地
・親族関係・居住・交流状況
・生活における重要出来事・子どもの養育課題の優先程度
・育児における具体的な困りごと
・主観的感情
・客観的認識など
さらに、保護者の養育能力(態度表明ではなく実行性のある行為・行動計画の見通し)というカテゴリについては、以下のような事項を含む。なお、自由記述を含むようにしても良い。
・健診歴・予防接種歴・ヘルスケア歴
・養育についての相談者・支援者・人脈状況と関係
・養育者の問題解決能力・同じ状況が起きた時に次はどう対処するのか?
・類似の状況で過去にうまく解決できた経験の有無(及び確認)
・養育者自身の自己評価・自信とおびえの程度
・おびえが高い場合、防衛・攻撃・爆発性が高くなる
・客観的な状況を対象化して把握しているか
・現在の生活ストレス・近未来の困りごと
・児童相談所職員に向けている感情・感じられる感情など
また、近隣・親族のサポートの有効性:エピソードレベルというカテゴリにおいては、以下のような事項を含む。なお、自由記述を含むようにしても良い。
・既成事実としての近隣・親族とのこれまでのやりとり
・実際的な支援行動と助かり度合い(1)調整可能?実際的な支援行動が既成事実としてあり、今後も援助が期待できるか? 2)今後の態度・予定だけで、具体的行為は未知数なのか? 3)不明or関係も不安定か疎遠 期待しにくいか?)
・関係性そのものに何か問題あり(1)調整可能? 2)調整困難? 3)要調整?)など
さらに、福祉・関係機関の具体的な援助の有効性・期待度というカテゴリにおいては、以下のような事項を含む。なお、自由記述を含むようにしても良い。
・現在までの公的機関サービスの利用歴
・保護者の養育能力における健診歴:予防注射歴などの確認と評価
・現在利用中の公的サービスの有無と状態
・所属機関との関係性
・具体的な検討・紹介・導入手順・窓口確認
・権限設定による指導管理・児童福祉司指導の判断など
また、端末装置2000は、調査終了時の入力を受け付け、調査終了時の入力データを情報処理装置1000に送信する(ステップS113)。情報処理装置1000の処理部1010は、受信した入力データを、データベース1020に格納する。
例えば、図13に示すような画面において入力を行う。
図13の例では、調査終了時のステータス選択欄(1.検討中、2.保護中、3.施設措置、4.在宅支援中、5.里親委託中、6.終結、7.その他)と、調査終了時のセーフティスケールの入力欄と、区分の選択欄(1.入電、2.架電、3.来所、4.訪問、5.通告)と、対応内容の選択欄及び回数入力欄と、調査情報をきょうだいへコピーするか否かの選択欄と、戻るボタンと、登録ボタンとが含まれる。
なお、対応内容の選択欄には、医学診断指導その他の対応内容のカテゴリ選択欄と、当該対応内容の実施者(医師など)の選択欄(小カテゴリ)と、対象となる人物(子など)の選択欄(小カテゴリ2)が含まれる。
本実施の形態では、セーフティスケールは、調査担当者の見立てで、危険を0とし、安全を100とすると、子供がどの程度安全であるかを表す値をバーで指定するようになっている。セーフティスケールにおいて指定した値は、重篤度の代わりに用いられる。すなわち、シミュレーション結果において表示される再発度を計算する際に、重篤度予測部1033が予測した重篤度を用いていたが、これに代わってセーフティスケールにおいて指定した値を用いて再発度を算出する。
すなわち、この段階においても、児童相談所などの職員からの指示があれば、シミュレーション処理を実行して、シミュレーション結果を表示する(ステップS35)。
このようなシステムを用いることによって、様々な場面において、児童相談所などの職員を支援することができるようになる。すなわち、調査項目を失念したりすることがなく、必要な情報入力が促されて必要十分な情報収集が行われるようになる。また、意思決定前においては、総合リスクとして一時保護発生の可能性を確率で表示したり、対応種別毎に予想対応日数を提示することで、一時保護の必要性について適切な判断の支援ができるようになる。さらに、対応種別毎に、予測対応日数、再発度、重篤度という主要指標について、その相対的な比較やバランスを可視化することで、さらに適切な判断の支援を行うことができるようになる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で述べた機能ブロック構成又はモジュール構成は一例であって、異なる構成を採用してもよい。具体的には、1つの機能ブロック又はモジュールを複数に分割したり、複数の機能ブロック又はモジュールを1つに統合したりしてもよい。さらに、情報処理装置1000と端末装置2000とが、上で述べたものとは異なる機能分担を行う場合もある。
また、処理フローについても、処理結果が変わらない限り、処理の順番を入れ替えたり、複数ステップを並列実行するようにしてもよい。例えば、児童相談所などの職員は、端末装置2000において、ステップS13乃至S19に係る入力については順番を入れ替えてもよい。その他についても入力の順番は変更し得るものである。
さらに、予測部1030において採用されている手法については、より好ましい手法が見つかれば、それによって代替してもよい。さらに、予測部1030に入力するデータや、端末装置2000において入力すべきデータについては、より多くの項目にしたり、より限定的な項目にしたり、場合によってはより適切な項目に変更するような場合もある。さらに、予測部1030の各ユニットによって用いられる項目は、同じ場合もあれば異なる場合もある。さらに、予測対応日数、重篤度、再発度などについても、数値そのものを提示することもある。
なお、上で述べた情報処理装置1000は、コンピュータ装置であって、図14に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。なお、HDDはソリッドステート・ドライブ(SSD:Solid State Drive)などの記憶装置でもよい。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本発明の実施の形態における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
なお、上で述べたような処理を実行することで用いられるデータは、処理途中のものであるか、処理結果であるかを問わず、メモリ2501又はHDD2505等の記憶装置に格納される。
以上述べた実施の形態をまとめると以下のようになる。
本実施の形態に係る情報処理方法は、(A)虐待の通告に係る子供に関する情報と当該子供のリスクアセスメント情報とに関する第1の複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、(B)第1の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の第1の学習済みモデルに入力して、上記子供について一時保護発生の蓋然性を表す第1の指標値を特定するステップと、(C)第1の指標値を端末装置に出力するステップとを含む。
これによって、児童相談所などの職員の意思決定を支援することができるようになる。より具体的には、虐待の通告に係る子供について一時保護を行うか否かは、児童相談所の職員にとって非常に重要な意思決定であり、その蓋然性を表す第1の指標値を、一部の項目のみ入力された状態であっても提示できれば、早期に且つ適切に意思決定を行うことができるようになる。
また、上記情報処理方法は、(D)虐待の通告に係る子供に関する情報と子供のリスクアセスメント情報とに関する第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく第1の確率モデルに入力して、子供への対応の種別の少なくともいずれかについて、上記通告が重篤事例クラスタに属する蓋然性(上記通告を見過ごした場合の危険度とも言う)を表す第2の指標値を特定するステップをさらに含むようにしてもよい。
一部の項目のみ入力された状態であっても、通告に係る子供に対してどのような対応を行うべきか決定する前に、ある対応を行った場合における第2の指標値を得ることができれば、児童相談所などの職員にとっては有用である。
さらに、上記情報処理方法は、(E)虐待の通告に係る子供に関する情報と子供のリスクアセスメント情報とに関する第3の複数の項目のうち既入力項目のデータと第2の指標値とを、過去の虐待事例に基づく第2の確率モデルに入力して、上記子供への対応の種別の少なくともいずれかについて、子供に対する通告が再発する蓋然性を表す第3の指標値を特定するステップをさらに含むようにしてもよい。
第2の指標値と同様に、一部の項目のみ入力された状態であっても、通告に係る子供に対してどのような対応を行うべきか決定する前に、ある対応を行った場合における第3の指標値を得ることができれば、児童相談所などの職員にとっては有用である。第2の指標値及び第3の指標値が併せて提示される場合もある。
また、上記情報処理方法は、(F)虐待の通告に係る子供に関する情報と子供のリスクアセスメント情報とに関する第4の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の第2の学習済みモデルに入力して、子供への対応の種別の少なくともいずれかについて、子供への対応に要すると予測される日数を特定するステップと、(G)子供への対応の種別の少なくともいずれかについて、日数と第2の指標値と第3の指標値との相対比較に係る表示のためのデータを端末装置に送信するステップをさらに含むようにしてもよい。
第2及び第3の指標値と同様に、一部の項目のみ入力された状態であっても、通告に係る子供に対してどのような対応を行うべきか決定する前に、ある対応を行った場合における対応日数を得ることができれば、児童相談所などの職員にとっては有用である。
さらに、対応日数と第2及び第3の指標値は全て小さい値が好ましいが、それを同時に満たすことは不可能である。従って、それらのバランスを見ることも意思決定には有用である。なお、相対比較のための表示は、例えばレーダーチャートであるが、これに限定するものではなく、最大値が同じ長さにスケーリングされた棒グラフなどのグラフであってもよい。さらに、第1の指標値を同時に提示するようにしてもよい。また、対応日数と第2の指標値と第3の指標値とのうち少なくとも2つを相対比較するための表示を行っても良い。さらに、対応日数と第1乃至第3の指標値の任意の組み合わせを、提示するようにしてもよい。
さらに、上記情報処理方法は、(H)端末装置から第2の指標値に対応付けられた値を受信した場合、第3の指標値を特定するステップにおいて、第2の指標値に代わって上記値を用いるようにしてもよい。例えば、児童相談所などの職員による調査によって第2の指標値に相当する値(例えば重篤度)を決定できる場合もあるので、このような場合には当該値を活用するものである。
さらに、上記情報処理方法は、(I)通告が該当するクラスを特定し、当該クラスに属する他の虐待事例のデータを読み出して、端末装置に送信するステップをさらに含むようにしてもよい。これによって、類似過去事例の内容を参照できるようになる。
また、上で述べた第1の指標値を特定するステップにおいて、第1の複数の項目のいずれかの入力に係るデータを受信する毎に、第1の指標値を特定するようにしてもよい。そして、第1の指標値を端末装置に出力するステップにおいて、第1の指標値を、端末装置における第1の複数の項目の少なくとも一部の入力画面において表示するように、端末装置に出力するようにしてもよい。所定項目にデータが入力される毎に第1の指標値が更新されて、児童相談所などの職員は、本通告の緊迫度合いを客観的に把握しやすくなる。
以上述べた情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することができて、そのプログラムは、様々な記憶媒体に記憶される。
また、上で述べたような情報処理方法を実行する情報処理装置は、1台のコンピュータで実現される場合もあれば、複数台のコンピュータで実現される場合もあり、それらを合わせて情報処理システム又は単にシステムと呼ぶものとする。
1000 情報処理装置
1010 処理部
1020 データベース
1030 予測部
1040 学習部

Claims (13)

  1. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第1の複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、
    少なくとも前記第1の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく第1の確率モデルに入力して、前記子供に対する通告が再発する蓋然性を表す第1の指標値を特定するステップと、
    前記第1の指標値を前記端末装置に出力するステップと、
    を含み、コンピュータが実行する情報処理方法。
  2. 前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の学習済みモデルに入力して、前記子供への対応に要すると予測される日数を特定するステップと、
    前記日数を前記端末装置に出力するステップと、
    をさらに含む請求項1記載の情報処理方法。
  3. 前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第3の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく第2の確率モデルに入力して、前記通告を見過ごした場合の危険度を表す第2の指標値を特定するステップと、
    前記第2の指標値を前記端末装置に出力するステップと、
    をさらに含む請求項1又は2記載の情報処理方法。
  4. 前記第1の指標値を特定するステップにおいて、
    前記第2の指標値または前記第2の指標値に対応付けられ且つ前記端末装置から受信した値をさらに前記第1の確率モデルに入力して、前記第1の指標値を特定する
    請求項3記載の情報処理方法。
  5. 前記通告が該当するクラスを特定し、当該クラスに属する他の虐待事例のデータを読み出して、端末装置に送信するステップをさらに含む請求項1乃至4のいずれか1つ記載の情報処理方法。
  6. 前記第1の指標値を特定するステップにおいて、
    前記子供への対応の種別の少なくともいずれかについて、前記第1の指標値を特定する
    請求項1記載の情報処理方法。
  7. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第1の複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、
    少なくとも前記第1の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく確率モデルに入力して、前記子供に対する通告が再発する蓋然性を表す第1の指標値を特定するステップと、
    前記第1の指標値を前記端末装置に出力するステップと、
    を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第1の複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納する手段と、
    少なくとも前記第1の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく確率モデルに入力して、前記子供に対する通告が再発する蓋然性を表す第1の指標値を特定する手段と、
    前記第1の指標値を前記端末装置に出力する手段と、
    を有する情報処理システム。
  9. 前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の学習済みモデルに入力して、前記子供への対応に要すると予測される日数を特定する手段
    をさらに有する請求項8記載の情報処理システム。
  10. 前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第3の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく第2の確率モデルに入力して、前記通告を見過ごした場合の危険度を表す第2の指標値を特定する手段
    をさらに有する請求項8又は9記載の情報処理システム。
  11. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、
    前記複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく確率モデルに入力して、前記通告を見過ごした場合の危険度を表す指標値を特定するステップと、
    前記指標値を前記端末装置に出力するステップと、
    前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の学習済みモデルに入力して、前記子供への対応に要すると予測される日数を特定するステップと、
    前記日数を前記端末装置に出力するステップと、
    を含み、コンピュータが実行する情報処理方法。
  12. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納するステップと、
    前記複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく確率モデルに入力して、前記通告を見過ごした場合の危険度を表す指標値を特定するステップと、
    前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の学習済みモデルに入力して、前記子供への対応に要すると予測される日数を特定するステップと、
    を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  13. 虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と当該子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む複数の項目の少なくともいずれかについて入力されたデータを端末装置から受信すると、当該入力されたデータを記憶装置に格納する手段と、
    前記複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例に基づく確率モデルに入力して、前記通告を見過ごした場合の危険度を表す指標値を特定する手段と、
    前記虐待の通告に係る子供に関する情報についての項目と前記子供のリスクアセスメント情報についての項目とを含む第2の複数の項目のうち既入力項目のデータを、過去の虐待事例の学習済みモデルに入力して、前記子供への対応に要すると予測される日数を特定する手段と、
    前記指標値と前記日数とを前記端末装置に出力する手段と、
    を有する情報処理システム。
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