JP7257306B2 - 旅客流動予測装置、旅客流動予測方法及び旅客流動予測プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、旅客流動予測装置、旅客流動予測方法及び旅客流動予測プログラムに関する。
近時、交通カードの普及に伴い、鉄道事業者がコンピュータを使用して旅客流動を管理することが一般的になっている。どの駅からどの駅にどのような属性の旅客がいつ何人移動するかは、列車の運行計画を作成するために必要であるだけでなく、旅客に対する商品の販売促進等のマーケッティングの観点からも有用なデータである。
特許文献1の流動評価装置は、駅を評価するに際して、その駅だけではなく、その駅とつながりのある他の駅も考慮する。当該流動評価装置は、駅間の旅客流動情報に基づき、つながりの有無を判断する。特許文献2の旅客需要予測装置は、都市圏のように多数の駅が利用可能である地域において対象駅の利用者数を予測するに際して、地域の居住者数に利用率を乗算する。当該旅客需要予測装置は、地域と対象駅との距離、地域と競合駅との距離、及び、対象駅の実績利用者数を使用して、利用率を算出する。特許文献3において、データ保持システムは、旅客流動情報を作成するもととなる改札データをデータ処理システムに送信する前に、電子乗車券の識別番号を不可逆的に変換する。データ処理システムは、受信した改札データを使用して旅客流動情報を作成すると、電子乗車券の識別番号を再度不可逆的に変換した後、分析結果をクライアントに出力する。
特開2015-203897号公報 特開2010-140074号公報 国際公開第2014/136328号
旅客流動は、路線人口に左右され、路線人口に変化がない場合であっても路線の経済活動水準(景気)に左右される。そこで、路線人口及び路線の経済活動水準の将来に向けての変化が、現在既知である旅客流動に対してどのように影響するかを簡便に知ることができれば便利である。しかしながら、このような視点で旅客流動を算出する技術例は存在しない。特許文献1~3もまた、旅客流動を静的に算出するにとどまる。
そこで、本発明は、路線人口の変化及び路線の経済活動水準の変化を反映して将来の旅客流動を高い精度で予測することを目的とする。
本発明の旅客流動予測装置は、1つの乗車駅から複数の降車駅のそれぞれへの過去の旅客流動を年齢層ごとに算出し、乗車駅の駅勢圏の年齢層ごとの過去の人口に基づき、駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を取得し、算出した過去の旅客流動、及び、取得した将来の人口に基づき、乗車駅から複数の降車駅のそれぞれへの将来の旅客流動を年齢層ごとに算出する旅客流動予測部を備えること、を特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、路線人口の変化及び路線の経済活動水準の変化を反映して将来の旅客流動を高い精度で予測することができる。
旅客流動予測装置の構成等を説明する図である。 カード情報を説明する図である。 改札情報を説明する図である。 流動情報を説明する図である。 人口構成情報を説明する図である。 路線及び旅客流動を説明する図である。 路線及び旅客流動を説明する図である。 特定の年齢層の旅客流動を説明する図である。 特定の年齢層の旅客流動を説明する図である。 特定の年齢層の旅客流動を説明する図である。 マクロ経済情報及び延べ旅客数の時系列変化を説明する図である。 マクロ経済情報と延べ旅客数との関係を説明する図である。 処理手順のフローチャートである。
以降、本発明を実施するための形態(以降“本実施形態”とも呼ぶ)を、図等を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、鉄道路線の駅間の旅客流動を予測する例である。しかしながら、本発明は、鉄道路線に限定されることなく、バス、航空機、船舶を含むあらゆる交通機関の路線に対して適用可能である。
(旅客流動予測装置)
図1は、旅客流動予測装置1の構成等を説明する図である。旅客流動予測装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、マウス、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、流動情報33(詳細後記)を記憶している。主記憶装置14における旅客流動予測部21及び旅客流動補正部22は、プログラムである。中央制御装置11は、これらのプログラムを補助記憶装置15から読み出し主記憶装置14にロードすることによって、それぞれのプログラムの機能(詳細後記)を実現する。
鉄道事業者が旅客に対して交通カード7を発行すると、鉄道事業者サーバ2は、交通カード7に関する情報(旅客の個人情報を含む)を、カード情報31として記憶する。駅4の改札口には、複数の改札機6が設置されている。旅客が交通カード7を携帯して改札口を通過すると、改札機6は、交通カード7を読み取る。鉄道事業者サーバ2は、改札機6が読み取った情報を改札機6から受信し、改札情報32として記憶する。官公庁等が運営する外部サーバ3は、人口構成情報34及びマクロ経済情報35(詳細後記)を記憶し、一般に公開している。旅客流動予測装置1、鉄道事業者サーバ2及び外部サーバ3は、ネットワーク5を介して相互に通信可能である。
(カード情報)
図2は、カード情報31を説明する図である。カード情報31においては、カードID欄111に記憶されたカードIDに関連付けて、氏名欄112には氏名が、住所欄113には住所が、性別欄114には性別が、生年月日欄115には生年月日が、有効期限欄116には有効期限が、定期乗車駅欄117には定期乗車駅が、定期降車駅欄118には定期降車駅が、SF残高欄119にはSF残高が記憶されている。
カードID欄111のカードIDは、交通カード7を一意に特定する識別子である。
氏名欄112の氏名は、交通カード7の使用者(旅客)の氏名である。
住所欄113の住所は、交通カード7の使用者の住所である。
性別欄114の性別は、交通カード7の使用者の性別である。
生年月日欄115の生年月日は、交通カード7の使用者の生年月日である。
有効期限欄116の有効期限は、交通カード7が定期乗車券の機能を有する場合における、定期乗車券の期限の年月日である。
定期乗車駅欄117の定期乗車駅は、定期乗車券の乗車区間を示す2駅のうちの一方の名称であり、通常、2駅のうち、住所に近い方の名称である。
定期降車駅欄118の定期降車駅は、定期乗車券の乗車区間を示す2駅のうちの他方の名称である。
SF残高欄119のSF(Stored Fare)残高は、交通カード7に記憶された電子マネーの残高である。
(改札情報)
図3は、改札情報32を説明する図である。改札情報32においては、時刻欄121に記憶された時刻に関連付けて、カードID欄122にはカードIDが、読取駅欄123には読取駅が、乗降欄124には乗降が、区分欄125には区分が、支払金額欄126には支払金額が記憶されている。
時刻欄121の時刻は、改札機6が交通カード7を読み取った時点の年月日時分秒である。
カードID欄122のカードIDは、図2のカードIDと同じである。
読取駅欄123の読取駅は、交通カード7を読み取った改札機6が設置されている駅の名称である。
乗降欄124の乗降は、“乗車”又は“降車”の何れかである。“乗車”は、旅客が駅外から駅内に移動したことを示す。“降車”は、旅客が駅内から駅外に移動したことを示す。
区分欄125の区分は、“定期”又は“SF”の何れかである。“定期”は、旅客が交通カード7を定期乗車券として使用したことを示す。“SF”は、旅客が交通カード7をプリペイドカードとして使用したことを示す。
支払金額欄126の支払金額は、SF残高からの引き落とし金額である。
本実施形態は、説明の単純化のため、旅客が切符を購入する場合を捨象している。しかしながら、改札機6が切符を受け入れることも可能である。その場合の改札情報32のレコードの例として、カードID“-”及び区分“切符”を記憶するものがあってもよい。
(流動情報)
図4は、流動情報33を説明する図である。流動情報33においては、乗車駅欄131に記憶された乗車駅に関連付けて、降車駅欄132には降車駅が、期間欄133には期間が、性別欄134には性別が、年齢欄135には年齢が、旅客流動欄136には旅客流動が記憶されている。
乗車駅欄131の乗車駅は、旅客が乗車した駅の名称である。
降車駅欄131の降車駅は、旅客が降車した駅の名称である。
期間欄133の期間は、旅客が乗車した時点を含む暦年月である。期間の長さは任意である。本実施形態では、説明の単純化のため、降車日は乗車日と同じであるものとする。
性別欄134の性別は、図2の性別と同じである。
年齢欄135の年齢は、旅客の年齢の範囲(年齢層)であり、ここでの年齢は、旅客が乗車した時点における旅客の満年齢である。
旅客流動欄136の旅客流動は、その期間において乗車駅で乗車し、降車駅で降車した旅客の延べ人数である。
(カード情報、改札情報及び流動情報の関係)
旅客流動予測装置1は、カード情報31及び改札情報32を使用して流動情報33を作成することができる。一般的に、鉄道事業者は、乗車駅から降車駅へ移動する旅客数を、期間別、性別、年齢層別に分析することが多い。そこで、旅客流動予測装置1は、乗車駅、降車駅、期間、性別及び年齢層の組合せを作成する。組合せの数は、流動情報33(図4)のレコードの数に等しい。そして、旅客流動予測装置1は、改札情報32(図3)のレコードを組合せごとに分類し、分類されたレコードの数をその組み合わせの旅客流動とする。
(人口構成情報)
図5は、人口構成情報34(34a~34c)を説明する図である。ある地域の人口を示す横長の帯グラフを、性別かつ年齢(又は年齢層)別に、若年順に下から水平に並べたものは、一般に“人口ピラミッド”と呼ばれる。人口ピラミッドの形状は、その地域の人口構成を表している。本実施形態の人口構成情報34もまた、人口ピラミッドである。本実施形態の地域は、“駅勢圏”と呼ばれる。駅勢圏は、地域の居住人口(夜間人口)のうちその駅を使用する者が所定の比率以上存在する地域である。本実施形態の人口構成情報34は、駅勢圏ごとに存在し、各駅勢圏の居住人口の構成を示している。駅勢圏の形状及び面積は任意であり、駅ごとにそれらが共通である必要もない。さらに、ある駅勢圏の一部が隣の駅勢圏の一部と重複することは、禁止されない。
(人口構成情報の時系列変化)
人間は、1年に1歳ずつ加齢する。図5の人口構成情報34a、34b及び34cの帯グラフの年齢層の幅は、10歳である。したがって、引っ越し等の社会移動がない限り、ある駅勢圏の人口構成情報の各帯グラフは、10年経過するごとに1段ずつ上にスライドする。例えば、2009年3月31日現在の30歳から39歳までの男性人口q30は、2019年3月31日現在の40歳から49歳までの男性人口Q40に等しい。人口構成情報34aと人口構成情報34bとの間の矢印36は、このことを意味する。なお、延べ旅客数及び人口構成情報34cについては後記する。
0歳から10歳までの年齢層は、一般に鉄道を利用する機会が少ない。実際、交通カード7も小学生以上の年齢層に対して発行される。そこで、2019年3月31日現在の10歳から19歳の人口を求める際、2009年3月31日現在の0歳から10歳までの人口をスライドさせてもよいし、2009年3月31日現在の10歳から19歳までの人口をスライドさせずにそのまま使用してもよい。
前記では、駅勢圏の“居住人口(夜間人口)”に言及した。類似概念として“勤務人口(昼間人口)”が存在する。駅勢圏の居住人口がその駅勢圏の勤務人口の数と大きく異なる場合がある。本実施形態の人口構成情報34は、居住人口を対象としているが、これは、居住人口のほうが一般的に入手しやすいからである。仮に、人口構成情報34が勤務人口を対象としても、本発明の本質は変わらない。
(路線及び旅客流動)
図6及び図7は、路線及び旅客流動を説明する図である。まず、図6に注目する。ある期間において、a駅から乗車した延べ旅客数は10000人であった。そのうち、b駅で降車した延べ旅客数は2000人であり、c駅で降車した延べ旅客数は3000人であり、d駅で降車した延べ旅客数は1500人であり、e駅で降車した延べ旅客数は3500人であった。これらは、“Fa#=10000、Fab=2000、Fac=3000、Fad=1500、Fae=3500”として表現される。“#”は、すべての駅を意味している。
次に、図7に注目する。同じ期間において、a駅で降車した延べ旅客数は10100人であった。そのうち、b駅から乗車した延べ旅客数は2200人であり、c駅から乗車した延べ旅客数は2900人であり、d駅から乗車した延べ旅客数は1400人であり、e駅から乗車した延べ旅客数は3600人であった。これらは、“F#a=10100、Fba=2200、Fca=2900、Fda=1400、Fea=3600”として表現される。
図6及び図7からわかるように、2駅間の旅客流動は、2方向別々に定義され、片方向の旅客流動が、反対方向の旅客流動に等しいとは限らない。そして、“Fa#=Fab+Fac+Fad+・・・”及び“F#a=Fba+Fca+Fda+・・・”が成立する。a駅以外の駅が基準の乗車駅又は降車駅となる場合も同様である。仮に駅の総数がnであり、x駅からy駅へ移動する旅客流動をFxyとすると、Fxyの組合せの数は、“n(n-1)”となる。図4の流動情報33が既知であれば、n(n-1)個のFxyが特定される。
(年齢層及び旅客流動)
図8、図9及び図10は、特定の年齢層の旅客流動を説明する図である。まず、図8に注目する。図8は、a駅から乗車する10歳から19歳までの延べ旅客数に占める、他の各駅で降車する延べ旅客数の比率を示している。この年齢層は、多くの場合、通学のために鉄道を利用する。仮にc駅付近に高等学校があり、e駅付近に大学があるとする。すると、当該年齢層についてFacがFa#に占める比率、及び、FaeがFa#に占める比率は、他に比して有意に大きくなる。
次に、図9に注目する。図9は、a駅から乗車する30歳から39歳までの延べ旅客数に占める、他の各駅で降車する延べ旅客数の比率を示している。この年齢層は、多くの場合、通勤のために鉄道を利用する。b駅付近に工場があり、c駅付近にオフィスがあるとする。すると、当該年齢層についてFabがFa#に占める比率、及び、FacがFa#に占める比率は、他に比して有意に大きくなる。
次に、図10に注目する。図10は、a駅から乗車する70歳から79歳までの延べ旅客数に占める、他の各駅で降車する延べ旅客数の比率を示している。この年齢層は、多くの場合、通院又は健康維持のために鉄道を利用する。b駅付近に健康クラブがあり、d駅付近に病院があるとする。すると、当該年齢層についてFabがFa#に占める比率、及び、FadがFa#に占める比率は、他に比して有意に大きくなる。
旅客が加齢するにつれて、個々の旅客の移動パタンは、例えば図8→図9→図10のように変化する。しかしながら、特定の年齢層に注目すれば、その年齢層に属する旅客個人は入れ替わっても、その年齢層の移動パタンはいつの時代も固定化されている。そこで、a駅から乗車する年齢層nについての“行先ベクトル”V を以下のように定義する。
=(F ab/F a#,F ac/F a#,F ad/F a#,F ae/F a#
他の駅についての行先ベクトルV 、V 、V 及びV もまた、同様に定義される。年齢層の幅は、図5の例では10歳であるが、1歳であってもよいし5歳であってもよいし他の数であってもよい。さらに、同じ年齢層が、性別で区分されてもよい。因みに、ある駅のある年齢層の平日の行先ベクトルは、当該駅の当該年齢層の休日の行先ベクトルとは有意に異なる。ある駅のある年齢層の平日の午前の行先ベクトルは、当該駅の当該年齢層の平日の午後の行先ベクトルとは有意に異なる。ある駅のある年齢層(特に就業年齢層)の平日の男性の行先ベクトルは、当該駅の当該年齢層の平日の女性の行先ベクトルとは有意に異なる。
説明を一旦図5に戻す。いま、以下の前提1~3が成立するとする。
〈前提1〉2009年3月31日現在の各駅勢圏の人口構成情報34aが既知である。
〈前提2〉既知の人口構成情報34aを10歳分スライドさせることによって、2019年3月31日現在の各駅勢圏の人口構成情報34bを作成することができる。
〈前提3〉2009年3月31日に終了する1年間について任意の駅から他の任意の駅への旅客流動が既知である。当該1年間の行先ベクトルV 、V 、V 、・・・も既知であり、行先ベクトルは、将来的に大きく変化しない。
さらに、以下の仮定1が成立するとする。
〈仮定1〉ある駅勢圏において、ある年齢層の居住人口に対する当該年齢層の“延べ旅客数”の比率は、時系列で一定である。
延べ旅客数とは、ある期間における、その駅の乗車数又は降車数である。そして、この比率は“利用率”と呼ばれる。利用率は、駅(駅勢圏)ごと性別ごと年齢層ごとに異なるが、同じ駅の同じ性別の同じ年齢層の利用率は、時系列で安定することが経験的に知られている。
なお、“第1の比率”及び“第2の比率”は、それぞれ、利用率及び行先ベクトルに相当する。
前提1及び2に従って、旅客流動予測装置1は、例えば、2019年3月31時点の任意の駅(例えば、a駅)の駅勢圏における40歳から49歳までの男性人口Q40を算出することができる。前記したように、Q40は、2009年3月31におけるa駅の駅勢圏における30歳から39歳までの男性人口q30と同じである(符号37)。仮定1に従って、旅客流動予測装置1は、2019年3月31に終了する1年間におけるa駅の40歳から49歳までの延べ旅客数P40を算出することができる。P40は、Q40に対して2009年3月31に終了する1年間における当該年齢層の利用率“p40/q40”を乗算した結果である(符号38)。さらに、前提3に従って、旅客流動予測装置1は、P40に対してV を乗算することによって、a駅から他の各駅への旅客流動を算出することができる。
仮定1をどこまで信頼するかは、検討に値する。利用率は、経済活動がより活発になると増加するかもしれない。例えば、一般の家庭では、子息を地元の公立中学校に通学させる場合が多い。一方、裕福な家庭は、子息を私立の中学校に通学させることも多い。このような中学生は、多くの場合、鉄道を利用して通学する。他の例では、ある駅勢圏の雇用者数が増加すると、その駅まで雇用主負担で鉄道を利用して通勤する人数が増加する。結局、図5の延べ旅客数P40は、経済活動の水準によって微調整される必要がある。他の性別及び他の年齢層の延べ旅客数についても同様である。
(マクロ経済情報)
図11は、マクロ経済情報及び延べ旅客数の時系列変化を説明する図である。ある地域の経済活動の水準を示す指標(マクロ経済情報)の例として、1人当たり消費支出、雇用者数等が存在する。図11の横軸は、時間(年度)であり、縦軸は、ある駅の延べ旅客数、及び、マクロ経済情報の一例としての、当該駅の駅勢圏の1人当たり消費支出である。縦軸の値は、特定の性別及び年齢層に限定されてもよいし、そうでなくてもよい。説明の単純化のために、ここでの縦軸は、“40歳から49歳までの男性”についての値であるとする。
1人当たり消費支出●(グラフ41)及び延べ旅客数■(グラフ42)は、年度ごとに取得される。いま、対象年における1人当たり消費支出〇は未知であり、対象年における延べ旅客数□も未知であるとする。対象年とは、旅客流動を予測する年である。これに対して、既知の行先ベクトルV 、V 、V 、・・・及び既知の利用率を算出する元となった旅客流動を提供した年は、“基準年”と呼ばれる。図5では、2009年が基準年であり、2019年が対象年である。
いま、ユーザは、以下のことを考えている。
・駅勢圏ごとの対象年の1人当たり消費支出は、楽観シナリオでは〇に、標準シナリオでは〇に、悲観シナリオでは〇になりそうである。
・各シナリオに応じた延べ旅客数□、□及び□を知りたい。なぜならば、延べ旅客数□、□及び□に対して行先ベクトルを乗算することによって対象年の旅客流動を予測することができるからである。
・基準年の●に比して対象年の〇が増加(減少)したからといって、基準年の■に比して対象年の□が同じ比率で増加(減少)するとは単純に言えないはずである。
・せっかく過去10年間について、●及び■の実績値があるので、それらの相関も考慮して、対象年の□を予測したい。
(マクロ経済情報と延べ旅客数との関係)
図12は、マクロ経済情報と延べ旅客数との関係を説明する図である。図12の横軸は、ある駅の駅勢圏の1人当たり消費支出であり、縦軸は、当該駅の延べ旅客数である。旅客流動予測装置1は、図12の座標平面上に、図11の●及び■の組合せを示す◎を描画する。そして、旅客流動予測装置1は、◎との距離の2乗和が最小となるように、回帰直線43を描画する。図12においては、横軸の値と縦軸の値との間には、正の相関関係が認められる。つまり、40歳から49歳までの男性については、1人当たり消費支出が多いほど、延べ旅客数も多くなることが過去の経験からわかった。なお、作図上の理由により、図12は、図11と完全には整合していない。つまり、図12における◎の横軸の値及び縦軸の値を有する同じ年度の●及び■の組合せが、図11に必ずしも存在するわけではない。
旅客流動予測装置1は、対象年の1人当たり消費支出(シナリオ)を示す垂直線と回帰直線43の交点の縦軸の値Pを、基準年の1人当たり消費支出を示す垂直線と回帰直線43との交点の縦軸の値Pで除算し、除算した結果の値を補正係数“α”とする。説明を再度図5に戻す。図5の人口構成情報34cもまた、人口構成情報34bと同様に2019年3月31日現在の人口ピラミッドを示している。しかしながら、人口構成情報34cの延べ旅客数P* 40は、人口構成情報34bの延べ旅客数P40とは異なる。延べ旅客数P* 40は、P40に対し補正係数αを乗算した結果である。
(マクロ経済情報の選択)
マクロ経済情報35は、一国経済についてのいわゆる“マクロ”指標であってもよい。しかしながら、マクロ経済情報35は、個々の駅勢圏ごとに作成されていることが好ましい。さらに、個々の駅勢圏ごとに複数のマクロ経済情報が利用可能である場合、旅客流動予測装置1は、その駅勢圏の特徴を最も的確に表しているマクロ経済情報を選択する。例えば、駅勢圏が商業地域である場合、旅客流動予測装置1は、その駅のマクロ経済情報として1人当たり消費支出を選択する。駅勢圏がオフィス地域又は工場地域である場合、旅客流動予測装置1は、その駅のマクロ経済情報として雇用者数を選択する。
(人口構成情報及びマクロ経済情報の出所)
前記では、人口構成情報34及びマクロ経済情報35の出所が官公庁等であることが前提となっている。しかしながら、これは一例であり、他の主体が独自の方法で人口構成情報34及びマクロ経済情報35を作成してもよい。例えば、鉄道事業者は、路線における住宅開発、商業施設の出店等を兼業している場合が多い。鉄道事業者は、このような兼業のマーケッティングのために、例えば改札情報32又は顧客アンケート等に基づいて、人口構成情報34又はマクロ経済情報35を自社作成することも可能である。
(処理手順)
図13は、処理手順のフローチャートである。処理手順を開始する前提として、鉄道事業者サーバ2は、カード情報31(図2)を最新の状態で記憶し、過去数年間分(例えば10年分)の改札情報32(図3)を記憶しているものとする。さらに、外部サーバ3は、過去数年間分かつ駅勢圏ごとの、人口構成情報34及びマクロ経済情報35を記憶しているものとする。そして、説明の都合上、現在は、2019年8月であるとする。
ステップS201において、流動予測装置1の旅客流動予測部21は、基準年の流動情報を取得する。具体的には、第1に、旅客流動予測部21は、ユーザが入力装置12を介して基準年を入力するのを受け付ける。ここでは、説明の便宜上、基準年として“2018年度”が入力されたとする。基準年は、多くの場合、改札情報32が完成している最新の会計年度(その暦年の4月から始まる12か月分)である。
第2に、旅客流動予測部21は、鉄道事業者サーバ2の改札情報32(図3)から、2018年4月1日から2019年3月31日までのレコードを取得する。
第3に、旅客流動予測部21は、ステップS201の“第2”において取得したレコードを使用して、基準年についての流動情報33(図4)を作成する。各レコードの期間欄133には、“2018年4月~2019年3月”が記憶される。
ステップS202において、旅客流動予測部21は、人口構成情報34を取得する。具体的には、旅客流動予測部21は、外部サーバ3から、基準年の(2019年3月31日現在の)人口構成情報34を取得する。ここで取得される人口構成情報34は、年齢層の内訳(年齢層を構成する各年齢の人口)も記憶している。
ステップS203において、旅客流動予測部21は、対象年の人口構成情報を予測する。具体的には、第1に、旅客流動予測部21は、ユーザが入力装置12を介して対象年を入力するのを受け付ける。ここでは、対象年として“2019年度”が入力されたとする。対象年は、例えば、短期的にはダイヤ改正直後の年度、長期的には大規模設備投資直後の年度である。対象年は、過去の基準年に対する将来に属する。
第2に、旅客流動予測部21は、ステップS202において取得した人口構成情報34を1歳分スライドする。旅客流動予測部21は、対象年の(2020年3月31日現在の)男女別、年齢層別の人口を駅勢圏ごとに取得することになる。
ステップS204において、旅客流動予測部21は、対象年の流動情報を予測する。具体的には、第1に、旅客流動予測部21は、対象年の延べ旅客数を男女別、年齢層別、かつ、乗車駅別に算出する。ここで、旅客流動予測部21は、ステップS203の“第2”において取得した対象年の人口に対し、基準年の利用率を乗算することによって、対象年の延べ旅客数を算出する。
第2に、旅客流動予測部21は、ステップS201の“第3”において作成した基準年についての流動情報33から、基準年の行先ベクトルを作成する。行先ベクトルは、男女別、年齢層別、かつ、乗車駅別に作成される。
第3に、旅客流動予測部21は、ステップS204の“第1”において取得した対象年の延べ旅客数に対し、ステップS204の“第2に”において作成した基準年の行先ベクトルを乗算して、対象年の流動情報を作成する。ここで作成される流動情報は、男女別、年齢層別、かつ、乗車駅別の多次元ベクトル(流動ベクトル)であり、流動ベクトルの各要素は、当該乗車駅から他の降車駅への旅客数、すなわち旅客流動となっている。
旅客流動予測部21は、ステップS201~S204の処理を乗車駅ごと、性別ごと、かつ、年齢層ごとに繰り返す。すると、当該繰り返し処理を終了した段階で、旅客流動予測部21は、対象年の乗車駅別、男女別かつ年齢層別の旅客流動Fxy(xは任意の駅を示し、yは他の任意の駅を示す)を一応取得することになる。しかしながら、この旅客流動Fxyは、基準年から対象年に至るマクロ経済情報の変化を反映していない。
ステップS205において、流動予測装置1の旅客流動補正部22は、マクロ経済情報を取得する。具体的には、旅客流動補正部22は、外部サーバ3からマクロ経済情報35(例えば図11におけるグラフ41)を取得する。このとき、旅客流動補正部22は、前記したように、駅(駅勢圏)のタイプに応じて、取得するべきマクロ経済情報の種類を選択する。駅のタイプの例としては、商業、オフィス・工場、住宅、観光、学園、・・・がある。マクロ経済情報の種類の例としては、前記した駅のタイプに対応して、1人当たり消費支出、雇用者数、1人当たり納税額、宿泊者数、学生数、・・・がある。なお、本実施形態においては、1人当たり消費支出は、百貨店等が立地する消費地ごとに定義され、1人当たり納税額は、納税者の居住地ごとに定義されるものとする。
ステップS206において、旅客流動補正部22は、補正係数を算出する。具体的には、第1に、旅客流動補正部22は、ステップS205において取得したマクロ経済情報35の各年のデータ、及び、既知の過去の各年の延べ旅客数に基づき、図12の回帰直線を座標平面に描画する。
第2に、旅客流動補正部22は、ユーザが入力装置12を介して対象年のマクロ経済情報(シナリオ)の値を入力するのを受け付ける。
第3に、旅客流動補正部22は、基準年のマクロ経済情報の値に対応する回帰直線43上の点の延べ乗客数P及び対象年のマクロ経済情報(シナリオ)の値に対応する回帰直線43上の点の延べ乗客数Pを取得する。
第4に、旅客流動補正部22は、補正係数α(α=P/P)を算出する。
ステップS207において、旅客流動補正部22は、対象年の流動情報を補正する。具体的には、旅客流動補正部22は、乗車駅別の流動ベクトルの各要素に対して、補正係数αを乗算した結果を補正後の流動ベクトルとする。
旅客流動補正部22は、ステップS205~S207の処理を乗車駅ごとに繰り返す。つまり、ある乗車駅についての処理において、旅客流動補正部22は、性別及び年齢層に関係なく、乗車駅別の流動ベクトルに対し、当該駅(駅勢圏)に共通の補正係数αを乗算する。しかしながら、外部サーバ3が、ある1つの駅勢圏についてのマクロ経済情報35を、男女別又は年齢層別に記憶している場合がある。この場合、旅客流動補正部22は、補正係数αを男女別又は年齢層別に算出できることになる。よって、旅客流動補正部22は、ステップS205~S207の処理を乗車駅ごと、かつ、男女別又は年齢層別に繰り返してもよい。
外部サーバ3は、前記の例以外にも、休日・平日別、定期乗車券・SF別、複数の駅勢圏を含む自治体別等の様々な切り口でマクロ経済情報35を記憶している場合がある。この場合、旅客流動補正部22は、その切り口ごとに異なる補正係数αを算出し、その切り口ごとの流動ベクトルに対し補正係数αを乗算することが可能である。
ステップS208において、旅客流動補正部22は、対象年の流動情報を表示し記憶する。具体的には、第1に、旅客流動補正部22は、補正後の流動ベクトルに基づき、図6又は図7のような路線図を作成し、出力装置13に表示する。旅客流動補正部22は、ユーザが乗車(降車)駅、性別及び年齢層を指定するのに応じて、図8、図9又は図10のような路線図を作成し表示してもよい。
第2に、旅客流動補正部22は、補正後の流動ベクトルに基づき、流動情報33(図4)を作成し、補助記憶装置15に記憶する。各レコードの期間欄133には、“2019年4月~2020年3月”が記憶される。
その後、処理手順を終了する。
(複数のシナリオ)
ステップS206の“第2”における“対象年のマクロ経済情報の値”は、図11のグラフ41の最も右の〇、〇及び〇に対応している。この値は、旅客流動予測装置1にとっては所与のものであるが、統計的に確定していない場合も多い。ユーザは、例えば、“楽観シナリオの値”、“標準シナリオの値”、“悲観シナリオの値”等の複数の候補を入力装置12に入力してもよい。すると、旅客流動補正部22は、対象年のマクロ経済情報の値の候補ごとに異なる補正係数αを算出する。
(流動ベクトルの算出)
旅客流動予測部21は、すべての乗車駅についての流動ベクトル(図6参照)を作成した後、それらの要素を組み替えることによって、すべての降車駅についての流動ベクトル(図7参照)を作成することができる。その逆もまた可能である。
前記では、旅客流動補正部22は、乗車駅別の流動ベクトルに対して乗車駅の駅勢圏のマクロ経済情報に基づく補正係数αを乗算し、補正後の流動ベクトルを算出している(乗車基準ケース)。しかしながら、旅客流動補正部22は、降車駅別の流動ベクトルに対して降車駅の駅勢圏のマクロ経済情報に基づく補正係数αを乗算し、補正後の流動ベクトルを算出してもよい(降車基準ケース)。旅客流動補正部22は、マクロ経済情報として各駅勢圏の1人当たり納税額が利用可能である場合、乗車基準ケースを採用し、各駅勢圏の雇用者数が利用可能である場合、降車基準ケースを採用してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態の旅客流動予測装置の効果は以下の通りである。
(1)旅客流動予測装置は、年齢層ごとの過去の人口を使用して、将来の旅客流動を算出することができる。
(2)旅客流動予測装置は、駅勢圏の経済活動を示す値を使用して、将来の旅客流動を補正することができる。
(3)旅客流動予測装置は、いわゆる人口ピラミッドをスライドすることによって、駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を算出することができる。
(4)旅客流動予測装置は、過去における人口と延べ旅客数の比率、及び、過去における駅間の移動パタン(行先ベクトル)を使用して、将来の旅客流動を簡便かつ現実的に算出することができる。
(5)旅客流動予測装置は、駅勢圏のタイプに応じて、経済活動を示す値の種類を選択することができる。
(6)旅客流動予測装置は、駅勢圏が商業地域等である場合には、経済活動を示す値の種類として、入手しやすい消費支出等を選択することができる。
(7)旅客流動予測装置は、経済活動を示す値と延べ旅客数との過去の関係を回帰分析することによって、将来の旅客流動を正確に補正することができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 旅客流動予測装置
2 鉄道事業者サーバ
3 外部サーバ
4 駅
5 ネットワーク
6 改札機
7 交通カード
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 旅客流動予測部
22 旅客流動補正部
31 カード情報
32 改札情報
33 流動情報
34 人口構成情報
35 マクロ経済情報
S201 過去の旅客流動を年齢層ごとに取得するステップ
S203 駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を取得するステップ
S204 将来の旅客流動を年齢層ごとに取得するステップ

Claims (9)

  1. 1つの乗車駅から複数の降車駅のそれぞれへの過去の旅客流動を年齢層ごとに算出し、
    前記乗車駅の駅勢圏の年齢層ごとの過去の人口に基づき、前記駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を取得し、
    前記算出した過去の旅客流動、及び、前記取得した将来の人口に基づき、前記乗車駅から前記複数の降車駅のそれぞれへの将来の旅客流動を年齢層ごとに算出する旅客流動予測部を備えること、
    を特徴とする旅客流動予測装置。
  2. 前記乗車駅の駅勢圏の経済活動を示す値と、前記乗車駅における延べ旅客数との過去の時系列の関係に基づき、前記算出した将来の旅客流動を補正する旅客流動補正部を備えること、
    を特徴とする請求項1に記載の旅客流動予測装置。
  3. 前記旅客流動予測部は、
    前記駅勢圏の過去の人口を年齢層ごとに記憶している人口構成情報において、人口を年齢層の上位方向へスライドすることによって、前記駅勢圏の将来の人口を年齢層ごとに取得すること、
    を特徴とする請求項2に記載の旅客流動予測装置。
  4. 前記旅客流動予測部は、
    前記算出した過去の旅客流動に基づいて、前記乗車駅から乗車した過去の延べ旅客数を算出し、
    前記駅勢圏の過去の人口に対する前記算出した過去の延べ旅客数の比率である第1の比率を算出し、
    前記算出した過去の旅客流動に基づいて、前記乗車駅から乗車した旅客が降車駅のそれぞれにおいて降車する比率である第2の比率を取得し、
    前記取得した将来の人口に対して前記第1の比率を乗算することによって、将来の延べ旅客数を算出し、
    前記算出した将来の延べ旅客数に対して前記第2の比率を乗算することによって、将来の旅客流動を算出すること、
    を特徴とする請求項3に記載の旅客流動予測装置。
  5. 前記旅客流動補正部は、
    前記駅勢圏のタイプに応じて、異なる経済活動を示す値を使用すること、
    を特徴とする請求項4に記載の旅客流動予測装置。
  6. 前記旅客流動補正部は、
    前記駅勢圏が商業地域である場合は、前記駅勢圏の経済活動を示す値として、消費支出を使用し、
    前記駅勢圏がオフィス地域又は工場地域である場合は、前記駅勢圏の経済活動を示す値として、雇用者数を使用すること、
    を特徴とする請求項5に記載の旅客流動予測装置。
  7. 前記旅客流動補正部は、
    前記乗車駅の駅勢圏の経済活動を示す値と、前記乗車駅における延べ旅客数との過去の時系列の関係を規定する回帰直線を作成し、前記回帰直線上における、前記過去の旅客流動の時点の延べ旅客数に対する前記将来の旅客流動の時点の延べ旅客数の比率である第3の比率を補正係数とし、前記算出した将来の旅客流動に対して前記補正係数を乗算することによって前記算出した将来の旅客流動を補正すること、
    を特徴とする請求項6に記載の旅客流動予測装置。
  8. 旅客流動予測装置の旅客流動予測部は、
    1つの乗車駅から複数の降車駅のそれぞれへの過去の旅客流動を年齢層ごとに算出するステップ、
    前記乗車駅の駅勢圏の年齢層ごとの過去の人口に基づき、前記駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を取得するステップ、及び、
    前記算出した過去の旅客流動、及び、前記取得した将来の人口に基づき、前記乗車駅から前記複数の降車駅のそれぞれへの将来の旅客流動を年齢層ごとに算出するステップを実行すること、
    を特徴とする旅客流動予測装置の旅客流動予測方法。
  9. 旅客流動予測装置の旅客流動予測部に対し、
    1つの乗車駅から複数の降車駅のそれぞれへの過去の旅客流動を年齢層ごとに算出し、
    前記乗車駅の駅勢圏の年齢層ごとの過去の人口に基づき、前記駅勢圏の年齢層ごとの将来の人口を取得し、
    前記算出した過去の旅客流動、及び、前記取得した将来の人口に基づき、前記乗車駅から前記複数の降車駅のそれぞれへの将来の旅客流動を年齢層ごとに算出する処理を実行させること、
    を特徴とする旅客流動予測装置を機能させるための旅客流動予測プログラム。
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