JP7247432B2 - 疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム及び行動支援方法 - Google Patents
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Description
ここで、国際生活機能分類(ICF)は、健康状態、心身機能、障害の状態を相互影響関係および独立項目として分類し、当事者の視点による生活の包括的・中立的記述をねらいにする医療基準で、個人のあらゆる健康状態に関係した生活機能状態やその個人を取り巻く社会制度、社会資源等をアルファベットと数字を組み合わせてコード化(以下、ICFコード)したものである。 このICFコードによれば、身体及び生活全般の個人情報、すなわち、保健、医療、福祉サービス、ひいては社会システムのあり方の方向性を示す個人情報が、共通化されたルールに基づいて構築される。従って、このICFコードに基づく個人情報(ICF情報)がデータベース化されると、工学分野、保健分野、医療分野、福祉分野を始めとする各種分野で有用となることが期待できる。
本発明は、このような要求に応えるためになされたものである。
前記第三者は、前記第二のデータベースにアクセスして前記第二のデータを読み出し、必要な第二のデータを利用して支援アプリケーションや支援機器などの支援手段の開発を行うことができる。なお、前記第二のデータは前記第三者にも公開されることから、被験者を直接的又は間接的に特定できないような匿名性のあるデータであるのが好ましい。例えば被験者を特定できないような行動項目群や各行動項目に対応するICFデータ群又はICDデータ群などを挙げることができる。
また、請求項2に記載するように、前記第三者が開発した前記支援手段に、支援しようとする行動項目に関連する一つ又は複数の関連疾病・障害コードであるICFコード又はICDコードを紐付けしてもよい。前記被験者や前記支援者は、複数の支援手段の中から、紐付けされた疾病・障害コードを手掛かりに、前記被験者の個性に応じた最適な支援手段を選択することが可能になる。
例えば、一の第三者が開発した支援アプリケーションを、被験者や支援者が端末機にインストールして利用したり、支援機器の開発を行う別の第三者が、前記一の第三者の開発した支援アプリケーションや支援機器を閲覧又は利用等して、これら支援手段の改良や別の行動支援に転用したりすることが可能になる。
この際、別々の行動支援システムで別々の行動項目が定義されていることが多い。相互にリンクをさせるには、これら複数の行動支援システムについて前記行動項目を互いに関連付ける必要がある。そこで請求項6に記載の発明では、別の行動支援システムの前記第一のデータベース及び/又は第二のデータベースに記録されている共通の被験者の行動項目について、ICFコード又はICDコードの共通性から前記別の行動支援システムとの間で行動項目の関連性を判断し、関連している行動項目についての前記データを前記別の行動支援システムとの間で共有するように機能する類似性判断・リンク機構を備える構成としてある。
請求項7に記載の発明は、被験者が使用する被験者端末機と前記被験者の支援を行う支援者が使用する支援者端末機、前記被験者端末機及び前記支援者端末機と通信回線を介して接続された管理者サーバと、前記被験者端末機及び前記支援者端末機によって収集され、疾病・障害に関するICFコード又はICDコードが紐づけられた前記被験者に関するデータを記録するデータベースとを準備し、前記データベースに蓄積された前記データに基づいて個々の被験者の個性に応じた支援の補助を行う行動支援方法において、
前記データのうち、前記被験者端末機及び前記支援者端末機を介して、被験者及び支援者を含む予め指定された関係者のみに公開が許可される第一のデータを記録する第一のデータベースと、前記データのうち、前記第三者端末機を介して前記被験者及び前記支援者以外の第三者にも公開されて利用が許可される第二のデータを記録する第二のデータベースとを有する前記データベースと、前記通信回線を介して前記管理者サーバと前記第三者端末機との通信を可能にし、前記管理者サーバを介して前記第三者端末機と前記第二のデータベースとを通信可能にすることで、前記第三者による前記第二のデータの利用を可能とし、前記第三者による前記被験者の支援を行う支援手段の開発を促すAPI(Application Programming Interface)機能を備えたインターフェースと を準備し、前記第二のデータベースには、前記被験者端末機及び前記支援者端末機から、前記第二のデータとして前記被験者ごとに設定された行動項目及びこの行動項目に関連して紐付けられた複数のICFコード又はICDコードからなる関連ICFコード又はICDコード群が入力され、前記管理者サーバは、(i) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者ごとに予め決定されたチェックすべき複数の行動項目と、前記行動項目ごとに紐づけされた一つ又は複数のICFコード又はICDコードとを、前記第二のデータとして前記被験者ごとに前記第二のデータベースに記録し、(ii) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者の前記行動項目ごとの経時的な評価を、前記第二のデータとして前記第二のデータベースに記録し、(iii) 前記第三者端末機から、前記インターフェースを介して特定のICFコード又はICDコードに関するデータの開示要求があったときに、前記特定のICFコード又はICDコードに紐づけられた前記第二のデータベースに記録された開示可能な前記被験者に関するデータと前記被験者ごと前記行動項目及び前記評価に関するデータとを、前記第二のデータとして前記第二のデータベースから読み出して前記第三者端末機に送信し、(iv) 前記第三者端末機に、前記第三者による前記特定のICFコード又はICDコードに関わる支援手段の開発を促すように表示させる方法としてある。
また、第三者に対して第二のデータを開放することで、第三者は前記第二のデータを活用して行動項目に対応した様々な支援アプリケーションや支援機器、支援方法等の支援手段の開発が可能になる。被験者や支援者においては、支援手段に紐付けられた疾病・障害コードから、当該被験者に最適な支援手段の選択が可能になる。
なお、この実施形態では、被験者として発達障害児を例に挙げ、疾病・障害コードとしてICFコード(その児童版であるICF-CYも含む)を例に挙げて説明するが、本発明は、精神疾患者、高齢者、知的障害者、身体障害者、傷病によるリハビリ中の患者など、ICFコードやICDコードなどの疾病・障害コードを用いた行動支援が可能な全ての被験者に広く適用が可能である。
(a)に示すように、ある被験者のチェックすべき行動項目には、例えば「学校の宿題をした」「朝ごはんをしっかり食べた」「間をあけずに登校できた」「あいさつできた」「弟とケンカをしなかった」などの評価すべき行動項目が含まれる。前記行動項目としては、予め400項目程度が準備されており、予め当該被験者に応じた行動項目が、保護者、教師、専門家(医師、療法士、教育専門家を含む)及びその他の支援者(以下、「支援者」と総称する)によって選択される。選択された行動項目は、その後の被験者の行動状態に応じて、適宜に変更や削除、修正が可能である。選択される行動項目の数は、被験者の発達障害の程度等に応じて様々であるが、25~50程度を目安とすることができる。このようにして選択された各行動項目については、支援者が毎日チェックを行い、達成の度合いが複数段階(図示の例では五段階)の評価として記録される。
ICFコードは、b(心身機能),s(身体構造),d(活動と参加),e(環境因子)の構成要素と各レベルの数字とを組み合わせたもので、国際的に共通な分類として行動項目が表現される。なお、一つの行動項目は必ずしも一つのICFコードで表現されるとは限らず、複数のICFコードで表現されることが多い。
各行動項目には、例えば「7:朝ごはんをしっかり食べた」「20:学校の宿題をした」などのように項目番号が付され、図1(b)に示すように、各行動項目の項目番号とともに、対応する一つ又は複数のICFコードがデータベースに記録される。
このような重み付けを行うことで、被験者及び支援者以外の第三者が開発した支援機器や支援アプリケーション、支援方法など、特定の被験者の支援に利用が可能な支援手段が複数存在し、当該支援手段の各々にICFコードが紐付けされている場合に、複数の支援手段の中から、重み付けされたICFコードを目安として当該被験者に最適な前記支援手段を選択することが可能になる。また、特定の被験者に対する本発明のような支援システムが、学校や支援施設、病院のように複数の施設で別々に運用されているような場合に、これら複数の支援システムにおいて重み付けされたICFコードを目安として、互いの支援システム間で共通する行動項目をリンクさせることができる。
この実施形態の行動支援システム1は、この行動支援システム1を管理する管理者サーバ10及びこの管理者サーバ10を介して第一のデータの読み書きが行われる第一のデータベース11と、管理者サーバ10を介して第一のデータベース11と被験者が使用する被験者端末機12及び支援者が使用する支援者端末機13とをアクセス可能に接続する第一のネットワークN1と、webAPIの機能を備えたAPIサーバ20と、このAPIサーバ20を介して第二のデータの読み書きが行われる第二のデータベース21と、API20を介して第二のデータベース21と被験者が使用する被験者端末機12、支援者が使用する支援者端末機13、被験者が所持するICタグとの間で通信を行うRFIDリーダ21及び支援アプリケーションや支援機器など支援手段の開発を行う第三者の第三者端末機23とをアクセス可能に接続する第二のネットワークN2とを有する。
また、説明の便宜上、図2では第一のネットワークN1と第二のネットワークN2、管理者用サーバ10とAPIサーバ20、第一のデータベース11と第二のデータベース21とはそれぞれ別個のものとして記載するが、これらは物理的に一つのネットワーク、サーバ又はデータベースであってもよい。
誰がどのデータにアクセスできるかは、管理サーバ10において自由に設定することが可能で、例えば、特定の被験者の保護者は、当該被験者に関するデータのみにアクセスしてデータの読み取りや書き込みが行え、教師や他の支援者は担任のクラスや担当の地域など複数の被験者に関するデータにアクセスしてデータの読み取りや書き込みが行える。
このように、管理者サーバ10の管理下にある第一のネットワークN1は、特定の者のみが第一のデータベース11に記録された特定のデータにアクセスできるもので、概念的にはクローズドネットワークに近いものである。
上記構成の本発明の行動支援システム1の作用を以下に説明する。
以下では、小学校に通学する被験者Aの一日の行動をモデルに説明する。このモデルでは、被験者Aの保護者、学校の担任、担当保健医又は担当保健師などの専門家がそれぞれ支援者端末機13を所持する。被験者Aは、登下校時に使用するランドセルに装着された被験者端末機12を所持している。また、小学校の玄関や教室の出入口に、被験者Aの登下校や教室への出入りを検知するRFIDリーダ22が設置されている。また、被験者端末機12はGPS機能も備えていて、被験者端末機12の位置情報を取得できるようになっている。
以下の表1に項目番号順の行動内容及び各行動内容に紐づけされるICFコードの一例を示す。なお、以下の表では、ICFコードの一部を「・・・」としてその記載を省略してある。
各項目についての評価は支援者が行い、図1(a)のよう評価点を付ける。この作業は、支援者が支援者端末機13を用いて行動支援システム1を起動させて行い、評価結果は管理者サーバ10を介して第一のデータベース11に第一のデータとして記録される。また、被験者AのIDとともに、APIサーバ20を介して第二のデータベース21に第二のデータとして記録されるようにしてもよい。保護者、教師、専門家などは、被験者Aについての評価結果を第一のデータベース11から適宜読み出し、例えば図3や図4のような評価グラフを各他端末機13のディスプレイに表示させることができる。
また、ICFコードで定義された一定の行動について評価点を集計し、図4に示すようなグラフを得ることもできる。図4に示すグラフは、時間割機能に関係するICFコード:b1641(組織化と計画)、d2302(日課の達成)、d2305(自分の時間の管理)という三つの行動について、ICFコードが共通する項目の評価点を集計し、より上位概念の行動についての評価を行うことができる。
このように本発明の行動支援システムでは、被験者Aの個々の細かい行動項目の評価、分析、支援の検討だけでなく、各行動項目に紐づけられたICFコードを用いることで、より多面的な行動の評価、分析及び支援の検討を行うことが可能になる。
ICFコードが紐づけられた機能についてはさらに上位の機能をICFコードで設定することが可能で、かつ、この上位機能に下位機能として複数の機能をリンクさせることも可能である。
図5は、一つの上位概念機能の下に複数の下位概念機能をICFコードにより紐付けした本発明の行動支援システムの概念図である。
図5に示す例では、上位概念機能である自己チェックシステム(ICFコード:b1641(組織化と計画))の下に、心身機能を示すICFコード「b1」を手掛かりに、図4に示したような時間割機能(ICFコード:b1641(組織化と計画)、d2302(日課の達成)、d2305(自分の時間の管理))、睡眠サポート機能(ICFコード:b1300(活力レベル)、b134(睡眠機能))、防犯機能(ICFコード:b1400(注意の維持)、d2300(定められた日課に従うこと)、d2306(時間的な要求に従うこと))の三つの下位概念機能を紐付けしている。
このように、ICFコードを用いて一つの上位概念機能の下に複数の下位概念機能を紐付けすれば、共通の上位概念機能を介して、上下だけでなく左右にも機能を関連付けることができ、より多面的な行動の評価、分析及び支援の検討を行うことが可能になる。
被験者Aが通う学校や通所施設、病院などで、ICFコードを利用した本発明のような行動支援システムが運用されている場合、これらを相互にリンクさせれば、被験者Aに対してより多面的なデータを収集することが可能になり、最適な支援を行うことが可能なる。
しかし、これら個々の行動支援システムでは、別々の行動項目が定義されていたり、同じ行動項目であっても異なる表現で定義づけられていることが多い。
このような場合でも本発明では、各行動支援システム間で設定されているICFコードの共通性から、共通性・類似性の高い行動項目を抽出することで、複数の行動支援システム間での連携が可能になる。
図6の例では、例えば学校で運用されている行動支援システム1Aの行動項目Aと、通所施設で運用されている行動支援システム1Bの行動項目Bと、病院で運用されている行動支援システム1Cの行動項目Cとが、ICFコードb1103で関連しており、その類似性が高い場合には、類似性判断・リンク機構3は行動項目A,B,Cを互いにリンクさせ、行動支援システム1A,1B,1Cのデータベースに記録された被験者Aのデータを共有させて、各行動支援システム1A,1B,1Cの評価に反映する。
この際、行動項目A,B,Cにおいて複数のICFコードに重み付けがなされていると、行動項目A,B,Cの各々における共通するICFコードの重みによって、関連性又は類似性の高低を判断することができる。
(a)の例では、行動支援システム1Aの行動項目Aと行動支援システム1Bの行動項目BとのICFコードの比較を行う。この例では、行動項目Aの三つのICFコードに対して行動項目BのICFコードの二つが共通していることから、行動項目Aに対する行動項目Bの類似性を66%と判断している。複数のICFコードに重み付けが行われている場合は、重み付けの重さを係数として前記類似性に掛け合わせる。
このように、本発明の行動支援システムでは、別々の行動支援システム1A,1B,1Cで別々に表現された行動項目A,B,Cであっても、被験者Aのデータを行動支援システム1A,1B,1C間で共有させることができる。
本発明の行動支援システムでは、(a)のようにICFコードによって行動項目A,B,Cの関連性・類似性を判断しているので、このような場合に生じ得る誤った評価の発生を防止できる。
(b)の例では、行動支援システム1Aの行動項目Aと行動支援システム1Cの行動項目DのICFコードの比較を行っている。この例では三つのICFコードのいずれも共通していないから、その類似性は0%となる。そのため類似性判断・リンク機構3は、行動支援システム1Aの行動項目Aと行動支援システム1Cの行動項目Dとは関連していないと判断して、行動項目A,Dを関連付けの対象から除外する。
また、本発明の行動支援システムでは、収集した豊富なデータを分析することで、一つの行動項目の評価と他の一つ又は複数の行動の評価との関連性を見つけだし、当該一つの行動に対して行った支援が他の一つ又は複数の行動の評価に対してどのような影響を与えたかを支援者に知らしめ、支援者間はもちろん支援施設を横断して支援に関する情報を共有することが可能になり、特定の被験者Aに対して各種支援施設や支援者によるより適切かつ多面的な支援を行うことが可能になる。
図8は、第三者であるメーカーA,B,Cが公開された第二のデータに基づいてそれぞれ支援機器A,B,Cを開発した場合の説明図である。
公開された第二のデータとメーカーA,B,Cにより支援機器A,B,Cの開発は以下のように行われる。
例えば、ある種の障害においては、睡眠(不眠、寝入りの悪さ、寝起きの悪さ及び睡眠の質)と深い関係があるとされるものがある。これらに関連付けられる行動項目とICFコードは、例えば図7に示すように、覚醒状態の制御(b1103)、動機付け(b1301)、時間管理(b1642)、日課(目標)の達成(d2032)、自分の時間の管理(d2305)などである。
動チェックでも授業中寝てしまうことも多い。すぐに眠れる日もあるが,寝付けない日もある。温度に感覚過敏があるようだ。電気毛布などで温かくすると眠くなり寝付くことはできるが,しばらくすると暑くておきてしまう。」というものであったとする。評価の結果、この被験者Aに紐付けられたICFコードは、覚醒状態の制御(b1103)、動機付け(b1301)、時間管理(b1642)であったとする。
支援者は、被験者Aに紐付けられたICFコードから、メーカーBが開発した電気毛布(支援機器B)が最適であると判断することができる。
図8の例では、第三者であるメーカーA,B,Cが開発した支援機器A,B,Cに紐付けされたICFコードから、支援者が被験者Aの所定の行動項目の支援に最適な支援機器を選択するものであった。
支援機器が多種多様に亘る場合、支援者が一つ一つICFコードをチェックしながら最適な支援機器を選択することは面倒であり困難である。
そこで、図9の行動支援システム1では、図6に示したような類似性判断を行う類似性判断手段3′を備えていて、支援機器A,B,C・・・に紐付けされたICFコードと、被験者Aに紐付けられたICFコードとの関連性・類似性から、複数の支援機器A,B,C・・・の中から、一つ又は複数の最適な支援機器を選択できるようにしている。
例えば、上記の実施形態では発達障害児を例に挙げて説明したが、本発明は認知症高齢者や知的障害者、身体障害者、傷病によるリハビリ中の患者など他の被験者にも適用が可能である。また、上記の実施形態ではICFコードを用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明は疾病及び関連保健問題の国際統計分類のコード(ICDコード)を用いた場合にも適用が可能である。
10 管理者サーバ
11 第一のデータベース
12 被験者端末機
13 支援者端末機
20 APIサーバ
21 第二のデータベース
22 RFIDリーダ
23 第三者端末機
3 類似性判断・リンク機構
3′ 類似性判断手段
N1 第一のネットワーク
N2 第二のネットワーク
Claims (10)
- 被験者が使用する被験者端末機と前記被験者の支援を行う支援者が使用する支援者端末機、前記被験者端末機及び前記支援者端末機と通信回線を介して接続された管理者サーバと、前記被験者端末機及び前記支援者端末機によって収集され、疾病・障害の分類に応じて予め規定された疾病・障害コードであるICFコード又はICDコードが紐づけられた前記被験者に関するデータを記録するデータベースとを有し、前記データベースに蓄積された前記データに基づいて個々の被験者の個性に応じた支援の補助を行う行動支援システムにおいて、
前記被験者及び前記支援者とは別の第三者が使用する第三者端末機と、
前記データのうち、前記被験者端末機及び前記支援者端末機を介して、被験者及び支援者を含む予め指定された関係者のみへの公開が許可される第一のデータを記録する第一のデータベースと、前記データのうち、前記第三者端末機を介して前記第三者にも公開されて利用が許可される第二のデータを記録する第二のデータベースとを有する前記データベースと、
前記通信回線を介して前記管理者サーバと前記第三者端末機との通信を可能にし、前記管理者サーバを介して前記第三者端末機と前記第二のデータベースとを通信可能にすることで、前記第三者による前記第二のデータの利用を可能とし、前記第三者による前記被験者の支援を行う支援手段の開発を促すAPI(Application Programming Interface)機能を備えたインターフェースと、
を有し、
前記管理者サーバは、
(i) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者ごとに予め決定されたチェックすべき複数の行動項目と、前記行動項目ごとに紐づけされた一つ又は複数のICFコード又はICDコードとを、データ化して前記被験者ごとに前記第二のデータベースに記録し、
(ii) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者の前記行動項目ごとの経時的な評価を、データ化して前記第二のデータベースに記録し、
(iii) 前記第三者端末機から、前記インターフェースを介して、第三者が開発しようとする前記支援手段に紐づけられた特定のICFコード又はICDコードに関するデータの開示要求があったときに、前記特定のICFコード又はICDコードに紐づけられて前記第二のデータベースに記録された開示可能な前記被験者に関するデータと、前記被験者ごとの前記行動項目及び前記評価に関するデータを、前記第二のデータとして前記第二のデータベースから読み出して前記第三者端末機に送信し、
(iv) 前記第三者端末機に、前記第三者による前記特定のICFコード又はICDコードに関わる支援手段の開発を促すように前記第二のデータを表示させる
機能を有すること、
を特徴とする疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。 - 前記第三者が開発した前記支援手段に、支援しようとする行動項目に関連する一つ又は複数のICFコード又はICDコードを紐付けしたことを特徴とする請求項1に記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。
- 前記複数のICFコード又はICDコードについて、前記行動項目に関連性の高いものから順に重み付けを行ったことを特徴とする請求項1又は2に記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。
- 一の前記第三者の開発した前記支援手段を他の前記第三者、前記被験者又は前記支援者が利用又は閲覧できるように、前記管理者サーバ及び前記インターフェースを介して、他の前記第三者の第三者端末機、前記被験者端末機又は前記支援者端末を通信可能に接続したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。
- 複数の前記支援手段に紐付けられたICFコード又はICDコードと、被験者の行動項目に紐付けられたICFコード又はICDコードとから、最適な支援手段がどれなのかを判断する判断手段を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。
- 別の行動支援システムの前記第一のデータベース及び/又は第二のデータベースに記録されている共通の被験者の行動項目について、ICFコード又はICDコードの共通性から前記別の行動支援システムとの間で行動項目の関連性を判断し、関連している行動項目についての前記データを前記別の行動支援システムとの間で共有するように機能する類似性判断・リンク機構を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援システム。
- 被験者が使用する被験者端末機と前記被験者の支援を行う支援者が使用する支援者端末機、前記被験者端末機及び前記支援者端末機と通信回線を介して接続された管理者サーバと、前記被験者端末機及び前記支援者端末機によって収集され、疾病・障害に関するICFコード又はICDコードが紐づけられた前記被験者に関するデータを記録するデータベースとを準備し、前記データベースに蓄積された前記データに基づいて個々の被験者の個性に応じた支援の補助を行う行動支援方法において、
前記データのうち、前記被験者端末機及び前記支援者端末機を介して、被験者及び支援者を含む予め指定された関係者のみに公開が許可される第一のデータを記録する第一のデータベースと、前記データのうち、前記第三者端末機を介して前記被験者及び前記支援者以外の第三者にも公開されて利用が許可される第二のデータを記録する第二のデータベースとを有する前記データベースと、
前記通信回線を介して前記管理者サーバと前記第三者端末機との通信を可能にし、前記管理者サーバを介して前記第三者端末機と前記第二のデータベースとを通信可能にすることで、前記第三者による前記第二のデータの利用を可能とし、前記第三者による前記被験者の支援を行う支援手段の開発を促すAPI(Application Programming Interface)機能を備えたインターフェースと
を準備し、
前記第二のデータベースには、前記被験者端末機及び前記支援者端末機から、前記第二のデータとして前記被験者ごとに設定された行動項目及びこの行動項目に関連して紐付けられた複数のICFコード又はICDコードからなる関連ICFコード又はICDコード群が入力され、
前記管理者サーバは、
(i) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者ごとに予め決定されたチェックすべき複数の行動項目と、前記行動項目ごとに紐づけされた一つ又は複数のICFコード又はICDコードとを、前記第二のデータとして前記被験者ごとに前記第二のデータベースに記録し、
(ii) 前記支援者端末又は前記被験者端末から入力された、前記被験者の前記行動項目ごとの経時的な評価を、前記第二のデータとして前記第二のデータベースに記録し、
(iii) 前記第三者端末機から、前記インターフェースを介して特定のICFコード又はICDコードに関するデータの開示要求があったときに、前記特定のICFコード又はICDコードに紐づけられた前記第二のデータベースに記録された開示可能な前記被験者に関するデータと前記被験者ごと前記行動項目及び前記評価に関するデータとを、前記第二のデータとして前記第二のデータベースから読み出して前記第三者端末機に送信し、
(iv) 前記第三者端末機に、前記第三者による前記特定のICFコード又はICDコードに関わる支援手段の開発を促すように表示させること、
を特徴とする疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援方法。 - 前記管理者サーバは、複数の前記支援手段に紐付けられたICFコード又はICDコードと、被験者の行動項目に紐付けられたICFコード又はICDコードとから、一の被験者について最適な支援手段がどれなのかを判断することを特徴とする請求項7に記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援方法。
- 前記複数のICFコード又はICDコードについて、前記行動項目に関連性の高いものから順に重み付けを行ったことを特徴とする請求項8のいずれかに記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援方法。
- 前記第一のデータ及び前記第二のデータを管理する別の行動支援システムと連携し、前記別の行動支援システムの前記第一のデータ及び前記第二のデータの共通の被験者の行動項目について、前記管理者サーバが前記ICFコード又はICDコードの共通性から前記別の行動支援システムとの間で行動項目の関連性を判断し、関連している行動項目についての前記第一のデータ及び/又は前記第二のデータを前記別の行動支援システムとの間で共有することを特徴とする請求項7~9のいずれかに記載の疾病・障害コードを用いた被験者の行動支援方法。
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JP2017059261A (ja) | 2013-10-01 | 2017-03-23 | 国立大学法人東北大学 | 健康情報処理装置及び方法 |
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