以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば、遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態のパチンコ機1は、カードユニットに接続する機種を例に挙げているが、現金機(カードユニットに接続しない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。
性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLED201~204を備えている。
性能表示モニタ200(ベース表示装置)は、ベースを表示する。また、性能表示モニタ200は、設定の値(設定値)を表示する。
4つの7セグメントLED201~204は、左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。
性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて、視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア(RAM76の初期化)、すなわち、主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチである。また、設定キー用鍵穴306は、設定の変更や設定の参照を行う上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。このため、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
RAMクリアスイッチ304は、RAMクリアを行うためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ304を押下した状態で電源を投入すると、RAMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置92に入力され、RAMクリア処理が実行される。なお、RAMクリアスイッチ304は、電源制御ユニット162に設けられていてもよい。また、RAMクリア信号を払出制御装置92には入力させず、主制御装置70がRAMクリア信号の入力を受け付けると、主制御装置70が払出制御装置92に対してRAMクリアコマンドを送信する構成としてもよい。
なお、図2に示した性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配置位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。このうち中始動入賞口26は遊技領域8aの下部分の中央に位置している。遊技領域8aの右側部分(いわゆる右打ち領域)には、始動ゲート20、普通入賞口25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31が上からこの順番に配置されている。中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、及び、普通入賞口22,25は、遊技領域に配置され、第1大入賞口30b(第1の入賞口)及び第2大入賞口31b(第1の入賞口)とは異なる第2の入賞口である。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、中始動入賞口26、普通入賞口22,25に入球(入賞)したり、あるいは、開放動作時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、中始動入賞口26又は普通入賞口22に入球する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、始動ゲート20を通過したり、普通入賞口25に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする可能性がある。中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28bへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の開閉部材28aを有しており、これら開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に示されるように、左右の開閉部材28aは各先端が上を向いた状態で閉鎖位置にあり、このとき右始動入賞口28bへの入球は困難(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の開閉部材28aはそれぞれ閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して右始動入賞口28bを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28bへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28aは右始動入賞口28bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
また、可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態(所定の遊技状態)では満たされ難い条件であり、時間短縮状態(有利遊技状態)では非時間短縮状態よりも満たされやすい条件である所定の作動条件(普通図柄が当選の態様で停止表示されて普通電動役物がロング開放するというという条件)が満たされない場合は右始動入賞口28bへの遊技球の入球が困難となる入球困難状態とする一方、所定の作動条件が満たされた場合は入球困難状態よりも右始動入賞口28bへの遊技球の入球を容易とする入球容易状態へ移行する。可変始動入賞装置28は、非時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはショート開放(0.1秒開放)し、時間短縮状態で普通図柄が当選の態様で停止表示された場合にはロング開放(1.0秒~6.0秒開放)する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、又は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合)に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。第1可変入賞装置30は、遊技領域に配置され、所定の実行条件が成立すると(大当り遊技を実行するという条件が成立すると)、第1大入賞口30b(大入賞口、第1の入賞口)を開放する役物である。
第1可変入賞装置30(アタッカ)は、可変始動入賞装置28の下部に配置された装置であり、1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復して開閉動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は困難である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動し、第2大入賞口31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。なお、第2可変入賞装置31は、特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合に作動してもよい。第2可変入賞装置31は、遊技領域に配置され、所定の実行条件が成立すると(小当り遊技や大当たり遊技を実行するという条件が成立すると)、第2大入賞口31b(大入賞口、第1の入賞口)を開放する役物である。
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右側に配置された装置であり、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置を採用している(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は困難(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が困難ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
〔特定領域〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、特定領域31xが設けられている。特定領域31xは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過困難な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって特定領域用スライド部材31cが盤面の内部に引き込まれている状態である場合に遊技球が通過可能な領域である。なお、第2可変入賞装置31の詳細は後述する。
また、特に図示してはいないが、第2可変入賞装置31(開閉部材31a)には、遊技球が転動するスピードを低下させる遊技球転動スピード低下部を形成してもよい。遊技球転動スピード低下部は、開閉部材31aの傾斜を緩やかにしたり、開閉部材31a上の遊技球が通過する位置に、遊技球をジグザグに進行させるための交互に出っ張る突起を形成することにより実現することができる。これにより、小当り遊技中に多くの遊技球を第2可変入賞装置31に入球させることができる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、中始動入賞口26、普通入賞口22,25、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b、特定領域)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4及び図5は、第2可変入賞装置31の詳細を示す図である。
第2可変入賞装置31は、スライド式の開閉部材31aの下方に第2大入賞口31bが配置されている。第2大入賞口31bの内部は左側に下り傾斜となっており、左側の端部にて下方に通路が延びている。下方に延びた通路には第2カウントスイッチ85が配置されており、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31に入球した遊技球の数をカウントする。
そして、下方に延びた通路は、その先で2つのルートに分かれている。一方の第1通路31dは、特定領域31xに向かって下方に延びており、他方の第2通路31eは、排出孔31yに向かって下方に延びている。
第1通路31dには、特定領域用スライド部材31cが配置されており、第1通路31dの下流には特定領域31xが配置されている。なお、特定領域31xの内部には、不図示の特定領域スイッチが配置されている。
一方、第2通路31eには、特別な部材は配置されておらず、第2通路31eの下流には排出孔31yが配置されている。
特定領域用スライド部材31cは、特殊な条件が満たされた場合(第2可変入賞装置31が作動してから第1時間経過後第2時間経過前の間)に作動し、特定領域31xへの遊技球の通過を可能にする。特定領域用スライド部材31cは、例えば図示しない特定領域ソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面の前後方向に沿ってスライドする。例えば、第1時間経過後は第2可変入賞装置31が作動してから0.2秒経過後であり、第2時間経過後は、第2可変入賞装置31が作動してから1.8秒経過後である。
特定領域ソレノイドがOFFの状態であると、特定領域用スライド部材31cは第1通路31dを塞いでいるため、遊技球が特定領域31xを通過することは困難となっている。一方、特定領域ソレノイドがONの状態になると、特定領域用スライド部材31cは盤面の内側に引き込まれるため、遊技球が特定領域31xを通過することが容易となる。
次に、第2可変入賞装置31の動作を説明する。
図4中(A)に示すように、スライド式の開閉部材31aは、盤面の内側に引き込まれており、遊技球が第2大入賞口31bに入球している。図示の例では、4個の遊技球が第2大入賞口31bに向かって進行している。ここでは、1個目の遊技球が第2カウントスイッチ85により検出されている状態である。
図4中(B)に示すように、1個目の遊技球が特定領域用スライド部材31cに到達している。2個目及び3個目の遊技球は、第2カウントスイッチ85に向かって進んでいる。4個目の遊技球は、第2大入賞口31bに入球しかけている。
図4中(C)に示すように、この時点では、特定領域用スライド部材31cが内側に引き込まれていないため(非作動中であるため)、1個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって進行方向が右側に変更され、第2通路31eに向かう。この場合、1個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図5中(D)に示すように、この時点で特定領域用スライド部材31cが盤面の内側に引き込まれたものとする(動作中)。この場合、2個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。そして、2個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチにより検出される。
図5中(E)に示すように、3個目の遊技球も、特定領域用スライド部材31cの手前側を通り抜けて、第1通路31dに進行する。この場合、3個目の遊技球は、特定領域31xを通過して、特定領域スイッチに検出される。
図5中(F)に示すように、この時点で、特定領域用スライド部材31cの動作が終了し、特定領域用スライド部材31cが盤面の前方側に突出したものとする。この場合、4個目の遊技球は、特定領域用スライド部材31cによって右方向に案内され、第2通路31eに進行する。そして、4個目の遊技球は、排出孔31yにより回収される。
図6は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33(普通図柄表示手段)及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄(第1図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄(第2図柄)が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(右始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定表示ランプ38fにそれぞれ対応する6つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側上部には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄(本図柄)や、第4図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されている。球案内通路40dは、演出ユニット40の裏側を通って下方の転動ステージ40eに接続されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40の上部中央の内部には、演出用の可動体40f(例えばハート型の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、液晶表示器42の下部には、7セグ表示装置200が配置されている。7セグ表示装置200には、3つの7セグメントLEDが配置されている。7セグ表示装置200は、特別図柄の変動中に7セグ演出図柄を変動表示したり、大当り遊技中の演出を表示したりする。
さらに、7セグ表示装置200の右下には、記憶表示装置300が配置されている。記憶表示装置300は、内蔵するLEDの発光(点灯や消灯等)により記憶に関する演出を実行することができる。
記憶表示装置300には、第1特別図柄記憶表示領域M1、第2特別図柄記憶表示領域M2、当該記憶表示領域X1、演出表示領域X2が設けられている。
第1特別図柄記憶表示領域M1には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第1特別図柄の記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34aの表示数)に対応している。
第2特別図柄記憶表示領域M2には、4つの白色LEDが配置されており、LEDの点灯数が第2特別図柄の記憶数(第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)に対応している。
当該記憶表示領域X1には、1つのフルカラーLEDが配置されており、LEDが点灯していることで、特別図柄が変動中であることを示している。
演出表示領域X2には、1つ又は複数のフルカラーLEDが配置されており、LEDの点灯色によって、特別図柄抽選の当選の期待度が高まることを示している。演出表示領域X2は、内部的に抽選されたLEDの色(保留色)と同じ色で点灯するため、遊技者に分かりやすい告知を行うことができる。
記憶の色変化演出を実行する場合、本来であれば対象となるLEDの点灯色を変化させるが、本実施形態では、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2に白色LEDを配置している。このため、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2では、色変化演出を実行することができない。このため、記憶の色変化演出を実行する場合、演出表示領域X2の点灯色を変化させることによって、色変化演出の代わりとしている。ただし、この場合、どの記憶が対象となっているか分かりづらくなるため、対象となるLEDは点滅表示させることが好ましい。
なお、第1特別図柄記憶表示領域M1及び第2特別図柄記憶表示領域M2にフルカラーLEDを配置して、色変化演出を実行するようにしてもよい。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図7は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行(内容)を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路(乱数発生器)75や割込みコントローラ(割込みCTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込みコントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込み要求(XINT割込み、PTC割込み、SCU割込み)を受け付け、これらの割込み要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、RAM76の初期化を行うためや設定変更等を行うためのRAMクリアスイッチ71や、パラレルI/Oポート79、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する(設定変更手段)。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)ついで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の内部には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定が変更な状態となる(設定変更状態)。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる(設定参照状態)。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、例えば、6段階のうちのいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キーを設定キー用鍵穴から抜き取ることができる状態となる。この動作により、性能表示モニタ200や、専用の7セグセグメントLED、遊技状態表示装置38に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更の概要〕
設定変更の概要は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源を投入すると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更モード)となる。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタ200の左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチを押下すると、設定値が1~6の範囲で変化する。
そして、「設定キーOFF」とすると、設定確定となり、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、内枠閉鎖となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定変更中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、通常遊技状態に移行する。
本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用している例で説明しているが、RAMクリアスイッチ304とは別に設定変更スイッチを別途設けてもよい。
〔設定参照の概要〕
設定参照の概要は、以下の通りである。
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源を投入すると、設定参照中の状態(設定参照モード)となる。
設定変更中の状態と同様に、設定参照中の状態では、メイン表示器の表示はなく、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。
この場合、性能表示モニタの左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示され、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。また、設定参照中の状態では、RAMクリアスイッチを押下しても、設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)、設定参照中の状態は終了となり、一旦、電源断前の状態に移行してから、通常遊技状態に移行する。
なお、本実施形態では、通常遊技中に設定参照を行うことはできないが、通常遊技中に設定参照を実行可能にしてもよい。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
他にも、特定領域31xに対応して特定領域スイッチ83が装備されている。第2大入賞口31bの内部の特定領域31xに対応する位置には、特定領域スイッチ83が備えられており、特定領域スイッチ83は、遊技球が特定領域31xを通過したことを検出する。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、特定領域スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、アウトスイッチ99が設けられている。遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24、中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1大入賞口30b、第2大入賞口31b、アウト口32を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチ99が設けられている。アウトスイッチ99は、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチ99から入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数する。ここで、遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチ99は、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数する。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、7セグメント201~204の点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び特定領域31xにそれぞれ対応して、普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び特定領域ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉させたり、特定領域31xを開閉させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM(RAM)98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出制御装置92は、主制御装置70と通信可能であり、主制御装置70から送信される払出コマンドに基づいて遊技球を払い出す。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル、球発射装置)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されている。演出制御装置124には、パチンコ機1において演出を実現する上で必要となる様々な機能が搭載されている。例えば、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面を描画するためのVDP152や、視覚効果を生み出すランプ46~52、盤面ランプ53や可動体モータ57、ステータスLED58等のデバイスを制御するためのドライバIC132、音声を出力するスピーカ54,55,56を制御するための音声IC134等が装備されている。演出制御装置124の内部の機能構成については、別の図を用いて詳しく後述する。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「サブコマンド」又は「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、サブ接続基板136には、演出切替ボタン45や図示しない音量調整スイッチが接続されており、遊技者が演出切替ボタン45や音量調整スイッチを操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、サブ接続基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではサブ接続基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ基板138が設置されており、このドライバ基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57、ステータスLED58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ基板138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57及びステータスLED58にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
〔演出制御装置の内部構成〕
図8は、演出制御装置124の内部の機能構成を示すブロック図である。
上述したように、演出制御装置124は遊技の進行に伴い演出を制御する演出制御プロセッサとしての役割を有している。そのため演出制御装置124には、演出制御CPU126に加え、演出制御装置124が演出制御プロセッサとして機能する上で必要となる制御ROM180及びウォッチドッグタイマIC(WDTIC)188が装備されている。制御ROM180には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUバスを介して制御ROM180にアクセスし、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。ウォッチドッグタイマIC188は、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するタイマであり、演出制御CPU126のリセット端子に接続されている。ウォッチドッグタイマIC188の監視タイマをクリアするための信号(クリアパルス)が所定時間内に入力されなかった場合、ウォッチドッグタイマIC188は演出制御CPU126に対しリセット起動させるための信号(リセットパルス)を出力する。これにより、演出制御装置124が強制的にリセット起動されることとなる。
演出制御装置124にはこれらの他にも、演出に関わる機能として、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うリアルタイムクロック(RTC)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。リチウム電池186は、電源制御ユニット162から演出制御装置124に対し駆動電力が供給されている間に、この電力を蓄えて自身を充電する。SRAM182及びリアルタイムクロック184は、リチウム電池186に接続されており、電源制御ユニット162からの演出制御装置124への駆動電力の供給が断たれた場合にはリチウム電池186により駆動可能となる。したがって、SRAM182及びリアルタイムクロック184は、電源制御ユニット162からの電力供給が断たれた場合でも、リチウム電池186の充電が切れるまでの期間(例えば、約1か月半)は動作を継続するため、SRAM182は、電源断の状況下においても暫くは格納されている情報を保持することができる。
なお、演出制御プログラムは、容易に消去されるべきではないセキュリティや監視、不具合等に関する情報をSRAM182に保存する構成となっている。これにより、例えば、演出制御装置124で何らかの不具合が発生した場合に、パチンコ機1を回収(又は設置状態で点検)し、SRAM182に保持されている情報を解析することにより不具合の要因調査を進めることが可能となる。
通常、演出制御CPU126が制御ROM180に格納されたプログラムに沿って実行する演出の制御には、上述したように液晶表示器42、各種ランプ46~53やスピーカ54,55,56,58等のデバイスを用いた演出の制御が含まれる。この演出制御の流れは、大きくみると「全体制御(再生指示)」と「個別制御(再生制御)」の2つの段階に分けられる。演出制御CPU126は、先ず主制御装置70から送信される演出コマンドを受信し、演出コマンドの内容に応じた演出の再生を各デバイスに対して間接的に指示する(全体制御)。次に、演出制御CPU126は指示内容を各デバイスに適したより具体的な表現に変換した指示データを生成し、演出制御CPU126と各デバイスとの間を中継する各制御デバイス134,152,198,199に送信する(個別制御)。その結果として、各制御デバイス134,152,198,199により指示データに基づく各デバイスの制御がなされ、パチンコ機1における各デバイスを用いた演出再生(画面表示、音声出力、ランプ発光、可動体変位等)が実現される。
このように、演出制御CPU126は、演出制御の段階に応じて異なる機能を有しており、これらの機能は演出制御CPU126のリソースを使い分けることにより実現されている。図8では、演出制御CPU126の内部リソースをいくつかの機能ブロックに分けたものが演出制御部210、表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226、入力制御部228等として示されている。以下の説明では、個々の機能ブロックを制御処理の動作主体として扱うものとする。
先ず、全体制御の段階では、演出制御CPU126内の演出制御部210が動作主体となる。また、個別制御の段階では、制御対象とされるデバイスに応じて演出制御CPU126内の表示制御部220、音声制御部222、ランプ制御部224、モータ制御部226又は入力制御部228が各動作主体となる。なお、演出制御部210が各制御デバイス134,152,198,199等を直接的に制御する構成としてもよい。
演出制御装置124は、全体制御の段階では演出制御プロセッサとして機能するのに対し、個別制御の段階では演出再生プロセッサとして機能する。そのため、演出制御装置124にはさらに、液晶表示器42に表示される演出画面を描画するVDP152、演出に伴う音声を生成してスピーカから出力させる音声IC134、演出に用いられる画像や音声を記憶するCGROM(画像・音声ROM)190、CGROM190に記憶されているデータのロード先として用いられるDRAM191の他、演出の再生に用いられる各種デバイスを制御するための音声IC134、LEDドライバ198、SMC(シリアル制御コントローラ)199及びドライバIC132が装備されている。このうち、VDP152、音声IC134、SMC199は、演出制御CPU126とワンチップに統合されている。これらの回路を統合するチップ128には、図示しないPLL回路(位相同期回路)が搭載されている。水晶発振器181により生成されたクロック信号は、PLL回路により逓倍/分周されてから、チップ128上の各回路に入力する。
CGROM190は、演出画面を構成する描画素材(動画像データ)や演出の進行とともに出力される音声素材(音声データ)を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮された状態で格納している。CGROM190の最大容量は64Gビットであり、そのうちの60Gビットが描画素材用として割り当てられ、4Gビットが音声素材用として割り当てられている。CGROM190は、図示しないCGバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
ところで、本実施形態においては、CGROM190にはNAND型のSATA(Serial ATA)規格のROMが採用されている。NAND型ROMにおいては、データの読み出しはページ単位(例えば、1ページ=32Kバイト)で行われるが、CGROM190に記憶されている各種の描画素材や音声素材を演出に用いる際には、特定のアドレスから必要なデータだけをランダムアクセスにより読み出す必要がある。
そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、さらにDRAM191を装備し、CGROM190からページ単位で読み出されたデータのロード先(一時保存先)として用いる構成としている。これにより、VDP152や音声IC134は、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な描画素材や音声素材を読み出すことが可能となる。なお、DRAM191には、DDR3(Double-Data-Rate3)規格のSDRAMが採用されている。DRAM191の最大容量は8Gビットであり、描画素材用、音声素材用として4Gビットずつ割り当てられている。また、DRAM191は、図示しないバスを介してVDP152や音声IC134に接続されている。
なお、上述したCGROM190及びDRAM191の最大容量や割り当て比は飽くまで一例であり、状況に応じて適宜変更が可能である。また、CGROM190は、描画素材用と音声素材用とで別体として設けてもよい。
VDP152は、演出画像の描画専用のプロセッサであり、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。また、VDP152は、プリロード回路154、描画回路155、VRAM156、描画素材デコーダ157、表示回路153を内蔵する。VDP152に表示制御部220からの指示(コマンド)が入力されると、プリロード回路154が必要な描画素材をCGROM190からDRAM191に事前に転送して保存(以下、「プリロード」と称する。)した上で、描画回路155がプリロードされた描画素材をデコーダ157を用いて解凍(復号)しながらVRAM156上で演出画像の描画を行い、演出画像を1フレーム(単位時間あたりの静止画像)毎にフレームバッファに展開する。そして、フレームバッファに展開された内容に基づいて表示回路153が液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動することにより、演出画面の再生が実現される。
なお、プリロード回路154によってなされる、NAND型のCGROM190からDRAM191へのデータのプリロード及びDRAM191内でのデータ転送の各態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
音声IC134は、演出の実行中に再生される効果音やBGM等の音声を生成するサウンドジェネレータ(サウンド回路)であり、VDP152と同様に演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。音声IC134は、図示しないアンプやDRAM191とは別の外部DRAMにも接続されている。また、音声IC134には、圧縮された状態の音声素材を解凍(復号)する音声素材デコーダ135が内蔵されている。音声IC134に音声制御部222からの指示が入力されると、音声IC134は、指示に沿ってDRAM191から必要な音声素材を読み出し、読み出した音声素材を外部DRAM上で音声素材デコーダ135を用いて復号しながら音声を生成し、生成した音声をアンプを経由してガラス枠上スピーカ54、ガラス枠内スピーカ55、内枠スピーカ56及び外枠スピーカ58に出力することにより、ステレオ2ch又はモノラル2chの音声再生を実現する(チャンネル数はこれに限定されない)。また、音声IC134は、音量調整スイッチが操作された場合に入力される接点信号に基づいて、各スピーカ54,55,56,58の出力音量を調整する。
ところで、音声IC134は、上述したように必要な音声素材をDRAM191から読み出しているが、これは、音声IC134にはVDP152のプリロード回路154に相当する機能が搭載されていないことと関係している。音声素材が必要となった段階で、音声IC134が仮にCGROM190からデータを読み出すとした場合には、ページ単位での読み出ししかできないため、特定の音声素材を読み出すことができず、音声の制御が困難となる。そこで、NAND型のCGROM190の採用に伴い、本実施形態においては、電源投入時にCGROM190に記憶されている全ての音声素材をDRAM191に転送する構成としている。これにより、音声IC134は、CGROM190からデータを読み出すことなく、DRAM191にロードされたデータの中からランダムアクセスにより必要な音声素材を読み出すことが可能となる。
LEDドライバ198は、パチンコ機1の前面側に設けられた各種ランプ46~53の演出の実行にともなう点灯パターン及び輝度パターンを制御する。LEDドライバ198においては、アドレス指定同期シリアル方式が採用されている。LEDドライバ198は、先ずランプ制御部224から送信された指示内容に基づいて点灯パターン及び輝度パターンの制御を行い、これに応じた駆動データをドライバIC132に転送する。
SMC199は、演出ユニット40の内部に設けられた演出用の可動体40f等の駆動源となる可動体モータ57の駆動パターンを制御する。SMC199もまた、演出制御CPU126とともに同一のチップ128に統合されている。SMC199においては、クロック同期式シリアル方式が採用されている。SMC199は、先ずモータ制御部226から送信された指示内容に基づいて駆動パターンを生成し、これをドライバIC132に転送する。なお、ここではSMC199をモータの駆動パターン生成にのみ用いているが、SMC199はモータだけでなくランプの点灯パターンや輝度パターンを生成することもできるため、上述したLEDドライバ198に代えてSMC199を適用し、SMC199がランプ及びモータの両方のデータパターンを生成する構成とすることも可能である。
ドライバIC132は、LEDドライバ198やSMC199から転送された駆動データに基づいてランプやモータに対し印加する駆動電圧の制御を行う。ドライバIC132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、各種ランプ46~53や可動体モータ57に印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その動作を管理することにより、ランプや可動体を用いた演出再生を実現する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、操作ユニット60の各部位に内蔵された光源や遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は、演出ユニット40に内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。また、ここではガラス枠装飾ランプ52がサブ接続基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受け皿電飾基板を介してドライバIC132に接続される構成であってもよい。
この他にドライバIC132は、演出切替ボタン45やジョグダイアル45a等の操作部材が遊技者により操作された場合に入力される接点信号を、入力制御部228を経由して演出制御部210に転送する。演出制御部210は、転送される接点信号の内容に基づいて、再生する演出内容を適宜変化させる。
図9は、主制御CPU72が用いるメモリ領域のメモリマップを示す図である。
主制御CPU72が用いるメモリ領域は、ROM74に割り当てられたメモリ領域(0000H~2FFFH)と、RAM76に割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)とを含んでいる。
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムコード(プログラム)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムコードは、遊技の実行に必要となる(遊技の進行を制御するための)第1情報である。
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムコード(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード(特別情報)が格納されている。
アドレス0C00H~0FFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムデータ(データ)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムデータは、遊技の実行に必要となる第1情報である。
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
アドレス1C00H~1FFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)は、領域外のプログラムコード・プログラムデータを格納可能な領域である。領域外のプログラムコード・プログラムデータは、遊技の実行に必要とならない(例えば、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタに関連する処理に関する)第2情報である。
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
アドレス3000H~EFFFHの領域は、未使用の領域である。
アドレスF000H~F1FFHの領域は、使用領域のワーク領域及びスタックRAMとして用いられる。
アドレスF200H~F3FFHの領域は、領域外のワーク領域及びスタックRAMとして用いられる。
これらの領域は、使用領域のプログラムが実行されている際や領域外のプログラムが実行されている際に、一時的に用いられる領域やデータを一時的に退避させるスタック領域として用いられる。
アドレスF400H~FFFFHの領域は、未使用の領域である。
ROM74のメモリ領域には、使用領域及び領域外以外に、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータが格納される領域や、主制御CPU72がプログラムを実行するために必要な情報が格納されるプログラム管理領域を設けてもよい。
このように、本実施形態のROM74及びRAM76(記憶手段)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)を格納可能な使用領域(第1領域)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)を格納可能な領域外(第2領域)を有する。
ここで、使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
主制御装置70(主制御CPU72)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)及び遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)に基づいてパチンコ機1(遊技機)を制御する(制御手段)。
使用領域(第1領域)には、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
領域外(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で異なる情報であり、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で共通する情報である。
このため、遊技機の仕様を変更する場合には、特別プログラムコード・特別プログラムデータを変更する必要がある。一方、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータは、遊技機の仕様を変更する場合であっても、変更する必要がない。
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)には、ベースを算出する処理のうち、遊技状態に基づいてベースを算出するか否かを判定する判定処理、及び、賞球数の値を確認する確認処理のうち少なくとも一方の処理に関する情報が含まれている。判定処理又は確認処理のいずれかは、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)としてもよい。
本実施形態では、主制御CPU72の性能上、同一の命令(プログラムコード)を使用する場合であっても、使用領域で使用する場合と、領域外で使用する場合とで処理速度が異なることがある。例えば、使用領域ではLDQ命令(特殊ロード命令)を使用する場合、処理速度は速くなるが、領域外でLDQ命令を使用する場合、処理速度は速くならない。このため、領域外では処理速度が遅いLD命令(通常ロード命令)を使わざるを得ない。この理由は、LDQ命令を領域外で使用する場合、スタックポインタ、Qレジスタの退避、再設定、復帰処理を追加する必要があるため、処理速度がかえって遅くなってしまうからである。
このため、本実施形態では、領域外に関する処理を実行する場合よりも、使用領域に関する処理を実行する場合の方が処理速度が速い。
主制御CPU72は、使用領域(第1領域)に格納されているプログラムコード・プログラムデータを用いることにより(実行することにより)、遊技の実行に必要となる使用領域の処理(第1処理)を実行することができる(第1処理実行手段)。
また、主制御CPU72は、領域外(第2領域)に格納されているプログラムコード・プログラムデータを用いることにより(実行することにより)、遊技の実行に必要とならない領域外の処理(第2処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
図10は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/199」である。
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/32」である。
このように、設定値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、大当り確率だけでなく、小当り確率に設定差を設けてもよい。さらに、その他の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
図11は、設定キーの状態と、設定変更の可否及び挿抜の可否とを示す図である。
設定キーの状態がONである場合(右方向に回転している場合、設定キースイッチ302からの入力信号がONである場合)、設定変更(設定参照も含む)は可能であり、設定キーを抜くことは不能である。つまり、設定変更中や設定参照中は、設定キーを抜くことはできない。
一方、設定キーの状態がOFFである場合(左方向に回転している場合、設定キースイッチ302からの入力信号がOFFである場合)、設定変更(設定参照も含む)は不能であり、設定キーを抜くことは可能である。つまり、設定変更中や設定参照中でなければ、設定キーを抜くことができる。
設定変更及び設定参照について、「設定キー」を用いず、例えばボタン操作のみで設定変更状態や設定参照状態に移行することが可能である場合、設定変更の権限がない者(例えばホールスタッフや悪意のある遊技者等)が、設定変更や設定参照を行うことが可能となり、設定漏洩等の危険がある。
そこで、設定変更及び設定参照に関しては、「設定キー(鍵)」の使用を必須の条件にしている。
「設定キー」の状態は、ON又はOFFの2状態である。「設定キー」の状態は、設定キースイッチ302からの信号により確認することができる。「設定キー」の操作によるON状態やOFF状態を維持する。
「設定キー」の状態がOFFである場合のみ、「設定キー」の挿抜が可能である。「設定キー」は、設定キー用鍵穴306に挿入可能である。
設定キー用鍵穴306は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケース内に存在し、透明ケースを開封せず操作可能である。
例えば、主制御装置70のプログラムコード内に、以下の条件分岐を含める。
設定変更中又は設定参照中への移行条件に、設定キーがONであることを含める。
設定変更中の設定確定状態への移行条件に、設定キーをONからOFFにしたことを含める。あるいは、単に「設定キーがOFF状態であること」を含める。
設定変更中又は設定参照中の終了条件に、設定キーがOFFであることを含める。
これにより、「設定キー」なしには、設定変更中又は設定参照中に移行することができず、また、設定値を確定することができないため、ホール責任者の意図しない設定変更や設定漏洩を防ぐことができる。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔主制御装置におけるCPU初期化(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御装置70においては主制御CPU72がCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図12及び図13は、CPU初期化処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS100:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、割込みベクタテーブルの設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込みベクタテーブルのアドレスを割込み制御に使用するIレジスタ(割込みベクタレジスタ)にセットする。割込みベクタテーブルにはCPU初期化処理の実行中に発生した割込み要求を制御する上で必要となる優先順位が定義されており、主制御CPU72は割込みベクタテーブルに定義された優先順位に基づき複数の割込み要求を順番に実行する。
ステップS104:主制御CPU72は、RAMクリア信号(RAMクリアスイッチ304からの入力信号)を退避させる。より具体的には、RAMクリア信号が入力される入力ポートの値を2回連続して取得し、これらの値による論理和を入力ポート値として退避させておく。
ステップS106:主制御CPU72は、ここで待機処理を実行する。この処理は、電源が安定するのを待つ処理であるとともに、演出制御装置124の起動を待つ処理である。主制御CPU72は、電源投入後にある程度の待機時間(例えば数千ms程度、3.1秒程度)を確保しておき、その間に電源断予告信号(電源の遮断が発生しつつあることを示す信号)のチェックを行う。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら電源断予告信号の入力ポートをビットチェックする。電源断予告信号は、駆動電圧の電圧レベルを監視するICにより入力される。そして、ループカウンタが0になる前に電源断予告信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS108:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS109:主制御CPU72は、内枠開放、かつ、設定キーがONであるか否かを確認する。内枠開放は、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号により確認することができる。なお、内枠開放は、ガラス枠開放スイッチ91や、図示しないその他の内枠開放スイッチ等からの接点信号により確認してもよい。また、設定キーがONであるか否かは、設定キースイッチ302からの入力信号によって確認することができる。
その結果、内枠開放、かつ、設定キーがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS110を実行する。一方、内枠開放、かつ、設定キーがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS113を実行する(ページ内結合子1→1)。
ステップS110:主制御CPU72は、先のステップS104で退避させた入力ポート値の特定ビットをチェックすることによりRAMクリア信号を参照し、RAMクリアスイッチ304が押下されていたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS112を実行する。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS111aを実行する。
ステップS111a:主制御CPU72は、設定変更中フラグの値が「00H」であるか否かを確認する。
設定変更中フラグは、RAM76の設定値バッファに記憶されており、「00H」は通常遊技中であることを示しており、「01H」は設定変更中・確定前を示しており、「02H」は設定変更中・確定後を示しており、「03H」は設定参照中を示している。
設定値バッファには、設定値も格納されており、設定値バッファは、RAMクリア起動時であってもクリアしない。この理由は、「設定変更中に電源断し、RAMクリア起動した場合であっても、設定変更中の状態を継続する」及び「設定参照条件を満たした場合に設定変更中フラグを変更しても、チェックサムの値に影響を与えないため」である。
その結果、設定変更中フラグの値が「00H」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS111bを実行する。一方、設定変更中フラグの値が「00H」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS114を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS111b:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「03H」をセットする処理を実行する。次に、主制御CPU72は、ステップS114を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS112:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「01H」をセットする処理を実行する。次に、主制御CPU72は、ステップS120を実行する(ページ内結合子3→3)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、規定の条件が満たされた場合(設定キースイッチがONかつRAMクリアスイッチがONで電源が投入された場合)、設定を変更可能な状態であり、遊技不能な設定変更状態に移行させることができる(設定変更状態移行手段)。
ステップS113:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ304が押下されていたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS120を実行する(ページ内結合子3→3)。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS114を実行する。
ステップS114:主制御CPU72は、バックアップフラグとチェックサムが正常か否かを確認する処理を実行する。
バックアップフラグに関して、主制御CPU72は、バックアップフラグがセットされているか否か(RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か)を確認する。前回の電源遮断時に実行された処理でバックアップが正常に終了し、バックアップフラグに特定の値(例えば「01H」)がセットされていれば、バックアップフラグが正常であると判断する。なお、バックアップフラグは、正常なバックアップ処理が実行された場合に特定の値がセットされる。
チェックサムに関して、主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてチェックサムを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域のうち、バックアップフラグ及びチェックサムバッファを除く全ての領域をチェックサムする。チェックサムの結果が正常であれば、主制御CPU72はチェックサムが正常であると判断する。
その結果、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS116を実行する。一方、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS120を実行する。
ステップS116:主制御CPU72は、電源復帰時の初期化処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76の一部領域の記憶内容をクリアする。RAM76の一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするメモリ領域である。
ステップS117:主制御CPU72は、バックアップの復帰処理を実行する。主制御CPU72は、保存されている有効なバックアップ情報を復帰させる。これにより、主制御CPU72は電源遮断時の状態を復旧させることができる。
ステップS118:主制御CPU72は、電源復帰時に演出制御装置124に対し送信するべきコマンド(例えば、電源遮断から復帰して起動したことを示す電源復帰指定コマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対し送信するべきコマンド)をセットする。この処理を終えると、主制御CPU72は、次にステップS125を実行する。
ステップS120:主制御CPU72は、RAMクリア時の初期化処理(RAMクリア処理)を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAMクリア時にクリア対象となるRAM76の使用領域の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタック領域は初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。なお、RAM76の領域外の記憶内容は、クリアしてもよいし、クリアしなくてもよい。設定変更中フラグの値に関しても、クリアしてもよいし、クリアしなくてもよい。設定変更中フラグの値をクリアすると、後述するステップS131aの判定が必ず否定(No)になってしまうため、後述するステップS131aの判定をRAMクリア前の状態に基づいて行う場合には、設定変更中フラグの値をクリアしないことが好ましい。また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS124:主制御CPU71は、RAMクリア時に演出制御装置124に対し送信するべきコマンド(例えば、RAMクリア起動したことを示すRAMクリア指定コマンド)及び払出コマンド(払出制御装置92に対するコマンド)をセットする。
ステップS125:主制御CPU71は、RAMクリア時、電源復帰時に共通の初期化処理を実行する。
ステップS126:次に主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS118でセットされた払出コマンド(電源復帰指定コマンド)又はステップS124でセットされた払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)を、払出コマンドバッファに出力する。
ステップS128:主制御CPU72は、サブコマンド出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先ず、ステップS118でセットされた演出コマンド(電源復帰指定コマンド)又はステップS124でセットされた演出コマンド(RAMクリア指定コマンド)をサブコマンド送信用バッファに出力する。また、主制御CPU72は、演出制御に必要となるその他の各種演出コマンド(例えば、機種指定コマンド、状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、普通遊技管理フェーズコマンド、特別遊技管理フェーズコマンド、発射位置指定コマンド等)をセットし、これらをサブコマンド送信用バッファに出力する。このとき、主制御CPU72はこれらの演出コマンドに対し、電源復帰時とRAMクリア時とで異なる値をセットすることもできる。
例えば、電源復帰時には、バックアップ情報に基づいて各演出コマンドの値をセットする。これらの演出コマンドが後のサブコマンド送信処理(ステップS144)において演出制御装置124に対して送信されることにより、演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS130:主制御CPU72は、入力ポート処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各入力ポートの内容を取得し、その値に対して所定の演算を行った結果を各入力ポートの状態フラグに格納する。この処理を終えると、主制御CPU72は次にステップS131に進む(ページ外結合子A→A)。
ステップS131:主制御CPU72は、主コマンド許可信号(通信許可信号)をリセットする処理を実行する。主コマンド許可信号は、主制御CPU72(主制御装置70)及び払出制御CPU94(払出制御装置92)がそれぞれ独自に設定可能な信号である。
主制御装置70と払出制御装置92とは2本のラインで接続されており、1つ目のラインは信号用のラインであり、2つ目のラインはコマンド用のラインである。
例えば、主制御CPU72が主コマンド許可信号をセットすると、払出制御CPU94はコマンドの送信が可能となる。一方、払出制御CPU94が主コマンド許可信号をセットすると、主制御CPU72はコマンドの送信が可能となる。
ここでは、主制御CPU72は、主コマンド許可信号をリセットする処理を実行しているため、払出制御CPU94はコマンドの送信が不能な状態となる。
なお、払出制御装置92側の払出コマンド許可信号がリセットされていない場合、主制御装置70はコマンドを送信可能である。ただし、設定変更中や設定参照中は、払出コマンド(賞球コマンド)が生成されないようになっているため、払出制御装置92において遊技球が払い出されることはない。払出制御装置92において主コマンド許可信号を設定可能である場合、払出制御装置92側の払出コマンド許可信号は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号であってもよい。
ここで、主制御装置70側の主コマンド許可信号をリセットすると、払出制御装置92は通信エラーとなる。通信エラーを回避するために、払出制御装置92と通信し、設定変更中であることを示すコマンドを送信する方法を採用してもよい。
主制御装置70側の主コマンド許可信号をセットせず、払出制御装置92と通信をしない方式を採用する際の利点として、払出制御装置92のソフトの変更が不要であることが挙げられる。
なお、発射許可信号をリセットすることにより、遊技球を発射させないようにすることもできる。
本実施形態では、主コマンド許可信号は、主制御CPU72(主制御装置70)及び払出制御CPU94(払出制御装置92)がそれぞれ独自に設定可能な信号であるという内容で説明しているが、主コマンド許可信号は、主制御装置70だけが設定可能であり、払出制御装置92は設定することができない信号とすることができる。この場合、払出制御装置92では、主コマンド許可信号の代わりに、払出コマンド許可信号(通信許可信号)を利用する。そして、払出制御装置92が払出コマンド許可信号をセットすることにより、主制御装置70は払出制御装置92に対してコマンドを送信可能な状態となり、払出制御装置92が払出コマンド許可信号をリセットすることにより、主制御装置70は払出制御装置92に対してコマンドを送信不能な状態となる。
ステップS131a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS131bを実行しないでステップS132を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS131bを実行する。
ステップS131b:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットに主コマンド許可信号をセットする処理を実行する。これにより、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となる。これにより、設定変更中又は設定参照中でなければ、遊技球の払い出しが可能となる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中(設定関連処理の実行中)に、所定の禁止状態を設定することにより、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させない禁止処理を実行することができる(禁止処理実行手段)。
払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンド(起動コマンド)を送信し、払出起動コマンドに対する起動確認コマンドを受信することにより払出可能状態となり、払出可能状態において主制御装置70から送信される払出コマンドに基づいて遊技球を払い出す。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、所定の禁止状態を設定することにより、払出制御装置92から主制御装置70に対して払出起動コマンドが送信されることを禁止し、払出制御装置92が払出可能状態となることを禁止し、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させないことができる(禁止処理実行手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、主制御装置70側の主コマンド許可信号(通信許可信号)をOFF(通信不許可)に設定することにより、所定の禁止状態(主制御装置70側の主コマンド許可信号がOFFである状態)とすることができる(禁止処理実行手段)。
ステップS132:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットをリセット(OFF)して発射許可信号をクリアする。発射許可信号は電源遮断時におけるバックアップの対象に含まれる。したがって、主制御装置70(パチンコ機1)が電源復帰した場合、発射許可信号も電源遮断時の状態に戻される。
発射許可信号は、RAM76に記憶されている特定の出力ポートバッファ(例えば、出力ポート3用のバッファ)のうち、特定のビット(例えば、ビット0)にセットされている。
ステップS133:主制御CPU72は、タイマ割込み周期を設定する。より具体的には、主制御CPU72は所定のタイマ割込み周期(例えば、4ms)に相当する値をタイマ回路194のカウンタ設定レジスタに設定する。
ステップS134:主制御CPU72は、割込みデイジーチェーンをリセットする。具体的には、主制御CPU72は、割込み処理の事前準備として、この後で説明するメインループ処理の先頭アドレスをバックアップした上でRETI命令を実行する。この処理を行うことにより、これ以降に発生する割込み処理を正常に開始させ、さらに割込み処理の実行後にはメインループ処理から処理を続行することが可能となる。
ステップS134a:主制御CPU72は、遊技状態の決定処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、遊技状態の変化に応じて、遊技状態がいずれの遊技状態にあるかを示す遊技状態フラグ(遊技状態情報)を設定する(遊技状態情報管理手段)。
遊技状態フラグは、RAM76の遊技状態フラグ格納バッファに記憶されている。遊技状態フラグの初期値は「00H」であり、遊技状態フラグ格納バッファはバックアップの対象となる。
遊技状態フラグには、「00H」~「06H」の値のうちいずれかの値が格納される。各値に対応する状態は、以下の通りである。
遊技状態フラグ=00H:遊技可能状態
遊技状態フラグ=01H:設定変更状態
遊技状態フラグ=02H:設定確定状態
遊技状態フラグ=03H:設定確認状態(設定参照状態)
遊技状態フラグ=04H:設定異常状態
遊技状態フラグ=05H:RAM異常状態
遊技状態フラグ=06H:チェックサム異常状態
設定変更中フラグの値が「00H」である場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「00H(遊技可能状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
設定変更中フラグの値が「01H」である場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「01H(設定変更状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
設定変更中フラグの値が「02H」である場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「02H(設定確定状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
設定変更中フラグの値が「03H」である場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「03H(設定確認状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
RAM76の設定値バッファに記憶されている設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」のいずれでもない場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「04H(設定異常状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
RAM異常状態であると判定した場合、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「05H(RAM異常状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
RAM異常状態であるか否かは、以下のように判定する。
RAM1つ1つに対し、00Hを書き込んだ後にそのまま読み込み、00Hを取得したか否かを確認し、FFHを書き込んだ後にそのまま読み込み、FFHを取得したか否かを確認する。
つまり、RAMの各ビットに0と1を書き込んで問題ないか否かを確認する。そして、0や1に固定されたビットがあった場合に、RAM異常と判定する。
チェック対象となるRAMは、一部のRAMとしてもよく、全部のRAMとしてもよい。一部のRAMとする場合、領域内のF000H~F1FFH(遊技機規則上使用可能な512バイト分)と、領域外のF300H~F31AH(実際に使用している部分のみ)とすることができる。
RAM異常状態であるか否かの判定は、RAMクリア時の初期化処理(図12のステップS120)の処理において実行することができる。なお、チェック対象となるRAMを一部のRAMとする場合、最初に領域外のメモリ領域のチェックを実行し、次に領域内のメモリ領域のチェックを実行してもよく、最初に領域内のメモリ領域のチェックを実行し、次に領域外のメモリ領域のチェックを実行してもよい。
チェックサム異常状態であると判定した場合(例えば、ステップS114の処理で否定(No)と判断した場合)、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「06H(チェックサム異常状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
なお、本処理は、CPU初期化処理の最後の方の処理で実行する例で説明しているが、CPU初期化処理の任意の箇所で実行することができる。
また、主制御CPU72は、本処理以外の処理において、設定変更中フラグの値を変更した場合、設定変更中フラグの値に応じて、遊技状態フラグの値も合わせて変更する処理を実行してもよい。
さらに、本実施形態では、遊技状態フラグと設定変更中フラグという2つのフラグを用いている例で説明しているが、遊技状態フラグの値と設定変更中フラグの値は共通している部分があるため、いずれか一方を廃止して、又は、別の1つの共通フラグを用意して、1つのフラグに2つのフラグの機能を集約させてもよい。
CPU初期化処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は、ステップS135のメインループ処理の実行を開始する。電源制御ユニット162からの電力供給が保たれている限り、主制御CPU72はメインループ処理を終始繰り返して実行する。
パチンコ機1に設定の機能(設定変更装置300)を追加すると、電源投入時の状態が増える。このとき、いくつかの操作によって、電源投入時の状態である「通常復帰(復電)」、「RAMクリア復帰(初期化)」、「設定参照モード(設定参照)」、「設定変更モード(設定変更)」を分ける必要がある。
本実施形態では、電源投入時の状態を4つに分けるため、設定キースイッチ302とRAMクリアスイッチ304といった2つの入力装置を用いて移行判定を行うようにしている。
4つの状態への移行条件は、以下の通りである。
(1)通常復掃
RAMクリアスイッチ:OFF
設定キースイッチ:OFF
(2)RAMクリア復帰
RAMクリアスイッチ:ON
設定キースイッチ:OFF
(3)設定参照モード
RAMクリアスイッチ:OFF
設定キースイッチ:ON
(4)設定変更モード
RAMクリアスイッチ:ON
設定キースイッチ:ON
このように、設定キースイッチ302とRAMクリアスイッチ304との操作によって4つの状態を分けることができる。
図14は、CPU初期化処理の第1手順例のコマンド送信タイミングを示す図である。
〔主制御装置〕
電源が投入されると、主制御装置70は、〔A01〕3.1秒のウエイトを行い、〔A02〕起動方法の判定を行う。
起動方法の判定により、主制御装置70は、〔A03〕初期化(RAMクリア)によって起動したり、〔A04〕復電(バックアップ情報の復帰)によって起動したり、〔A05〕設定変更によって起動したり、〔A06〕設定参照によって起動したりする。
そして、〔A03〕初期化、〔A04〕復電、〔A05〕設定変更又は〔A06〕設定参照の処理が終了すると、主制御装置70は、〔A07〕主コマンド許可信号をONにセットし、〔A08〕通常遊技に移行する。主コマンド許可信号をONにセットした後は、払出制御装置92からのコマンドを受信可能な状態になる。
〔払出制御装置〕
電源が投入されると、払出制御装置92は、〔B01〕0.1秒のウエイトを行い、〔B02〕電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、払出制御装置92は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号をONにセットすることができる。
次に、払出制御装置92は、〔B03〕払出コマンド許可信号をONにセットし、〔B04〕起動コマンド送信待ち状態に移行する。起動コマンド送信待ち状態は、主制御装置70側で主コマンド許可信号がONにセットされるのを待っている状態であり、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態である(主制御装置70へのコマンド送信不能状態)。
そして、主制御装置70において、主コマンド許可信号がONにセットされると(〔A07〕)、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となり(主制御装置70へのコマンド送信可能状態)、〔C01〕払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンドを送信する。
払出起動コマンドを受信した主制御装置70は、それに応答するコマンドとして、〔C02〕起動確認コマンドを払出制御装置92に対して送信する。
これにより、払出制御装置92は、〔B05〕通常遊技状態に移行し、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができるため、払出制御装置92からのコマンド送信を禁止したい。
設定変更中又は設定参照中は、払出制御装置92からのコマンド送信を禁止するために、CPU初期化処理の第1手順例では、以下の方式を採用する。払出制御装置92から主制御装置70へ送信されるコマンドは、以下のように分類される。
(1)払出起動コマンド(払出動作許可の確認)
(2)エラー関連コマンド(払い出しに係るエラー(満タンエラー、故障エラー等)を演出制御装置で報知)
各コマンド受信時の主制御装置70の動作は、以下の通りである。
(3)上記(1)のコマンドを受信後、主制御装置70から払出制御装置92に払出動作許可用のコマンド(起動確認コマンド)を返す。
(4)上記(2)のコマンド受信後、演出制御装置124にエラーコマンドを送信する。
ここで、上記(4)は実行しても問題ないが、上記(3)は設定変更中又は設定参照中に払い出しの動作を行ってしまう可能性がある。
そこで、上記(3)を行わないために、「主コマンド許可信号」を使用し、コマンド送信を行わない方法を採用する。
主コマンド許可信号の使用方法は、以下の通りである。
払出制御装置92は、コマンド送信前に、主制御装置70側の「主コマンド許可信号」を確認する。主制御装置70側の「主コマンド許可信号」とは、主制御装置70のコマンド受信可能状態を示す信号である。
本実施形態では、設定変更中又は設定参照中は、主制御装置70側で「主コマンド許可信号」をオフ状態に設定し、払出制御装置92がコマンド送信を行わない状態を作る。
主制御装置70において、主コマンド許可信号をOFFに設定するのみで払い出し不能状態とすることができ、払出制御装置92側についてはソフト修正が不要となる。また、主制御装置70側は、設定変更中又は設定参照中にコマンド受信が発生することを考慮せず設計することができる。
図15は、遊技状態の一覧を示す図である。
遊技状態としては、(1)遊技可能状態、(2)設定変更状態、(3)設定確定状態、(4)設定確認状態(設定参照状態)、(5)設定異常状態、(6)RAM異常状態、(7)チェックサム異常状態、といった7つの状態がある。
〔(1)遊技可能状態〕
遊技可能状態では、遊技は可能(可)であり、設定変更は不能(不可)である。遊技可能状態は、通常遊技状態に該当する。ここで、遊技が可能とは、特別図柄抽選、普通図柄抽選、大当り遊技等が実行可能な状態であり、遊技が不能とは、特別図柄抽選、普通図柄抽選、大当り遊技等が実行不能な状態である。
〔(2)設定変更状態〕
設定変更状態では、遊技は不能であり、設定変更は可能である。設定変更状態は、設定変更が可能な状態である。
〔(3)設定確定状態〕
設定確定状態では、遊技は不能であり、設定変更は不能である。設定確定状態は、設定変更が終了し、遊技可能状態へ移行する前の状態である。
〔(4)設定確認状態〕
設定確認状態では、遊技は不能であり、設定変更は不能である。設定確認状態は、設定確認が可能な状態である。
〔(5)設定異常状態〕
設定異常状態では、遊技は不能であり、設定変更は不能である。設定異常状態は、設定値が範囲外(例えば、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」のいずれでもない場合)である状態である。
〔(6)RAM異常状態〕
RAM異常状態では、遊技は不能であり、設定変更は不能である。RAM異常状態は、RAMが壊れた状態である。
〔(7)チェックサム異常状態〕
チェックサム異常状態では、遊技は不能であり、設定変更は不能である。チェックサム異常状態は、電源断前と電源投入時のチェックサムが一致していない状態である。
〔設定確定状態について〕
設定確定状態は、「設定変更が終了し、遊技可能状態へ移行する前の状態」である。
設定変更状態は、一定の操作(設定キーのOFF)により終了するが、設定確定状態は、一定の時間の経過(ウエイト時間の終了)により終了する。
〔目的〕
設定確定状態という状態を設けている目的は、設定変更終了後、即遊技可能状態への移行を防ぐためである。設定確定状態は、設定変更中に出力するセキュリティ信号の出力時間を担保するという第1の役割と、演出制御装置の初期化を待つという第2の役割を果たす。
〔第1の役割〕
設定変更を行う場合、「セキュリティ信号は一定時間以上(例えば50ms以上)出力」することが好ましい。あまりにも短い出力時間であると、ホールコンピュータで認識しづらかったり、ノイズ等による誤出力と見分けがつかなくなったりするからである。
ここで、設定変更状態に移行してから一定時間以内に設定キーをオフにし、設定変更状態が終了すると、セキュリティ信号は一定時間以上出力されなくなってしまう。
そこで、一定時間以内に設定キーをオフにした場合を想定し、一定時間以上セキュリティ信号の出力を行うためにウエイト時間を設けている。
〔第2の役割〕
設定変更終了後、演出制御装置の初期化処理中にコマンドを受け付けない期間(例えば数秒程度の時間)が設定されることがある。このような状況を想定し、設定確定状態における一定時間のウエイト後にコマンド送信を行うようにしている。コマンド送信(サブコマンド送信処理)は、設定確定状態では実行されず、遊技可能状態で実行される。
〔ウエイト時間〕
設定確定状態のウエイト時間は、遊技機の仕様に応じた一定の時間(例えば数ms~数秒程度)に設定することができる。
ウエイト時間は、(A)セキュリティ信号の出力時間と、(B)演出制御装置の初期化時間とを考慮して、(A)又は(B)のうち長い方の時間に合わせることが好ましい。
例えば、(A)セキュリティ信号の出力時間が50msであり、(B)演出制御装置の初期化時間が3秒であれば、ウエイト時間は、3秒に設定する。また、(A)セキュリティ信号の出力時間が5秒であり、(B)演出制御装置の初期化時間が1秒であれば、ウエイト時間は、5秒に設定する。
図16は、設定確定状態と設定確認状態との差異を示す図である。
設定確定状態では、設定値を性能表示モニタに表示する処理、セキュリティ信号を出力する処理、ウエイト時間(設定確定状態が開始してから終了するまでの時間)を消化する処理等が実行される。
設定確定状態では、設定キーは、オフの状態である。
設定確認状態では、設定値を性能表示モニタに表示する処理、セキュリティ信号を出力する処理が実行される。
設定確認状態では、設定キーは、オンの状態である。設定確認状態で設定キーをオフにした場合、ウエイト時間(設定確認状態において設定キーをオフにしてから設定確認状態が終了するまでの時間)の消化が開始される。なお、ウエイト時間の消化が終了すると、遊技可能状態に移行する。設定確認状態のウエイト時間は設定することが好ましいが、設定しなくてもよい。
図17及び図18は、CPU初期化処理の第2手順例を示すフローチャートである。
CPU初期化処理の第1手順例と、CPU初期化処理の第2手順例との異なる点は、図13のステップS131~ステップS131bが、図18のステップS181~ステップS181bに変更された点である。なお、ページ外結合子もBに変更されている。
よって、以下の説明では、図18のステップS181~ステップS181bについて説明し、その他の点の説明は省略する。
ステップS181:主制御CPU72は、出力ポートの特定ビットに主コマンド許可信号(通信許可信号)をセットする処理を実行する。これにより、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となる。
ステップS181a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS181bを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS132を実行する。
ステップS181b:主制御CPU72は、払出動作停止コマンドをセットする処理を実行する。払出制御装置92が払出動作停止コマンドを受信すると、払出制御装置92は、遊技球の払い出しができない状態となる。この場合、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態に移行してもよい。
払出動作停止コマンドは、メインループ処理に移行した後のタイマ割込み処理において送信される。
設定変更中又は設定変更中も、タイマ割込み処理を実行するが、通常遊技とは異なる処理ルートを実行する。この点は、CPU初期化処理の第1手順例でも同様である。
払出動作開始コマンドは、電源復帰時の電源復帰時初期化処理(CPU初期化処理)又はRAMクリア時の初期化処理(CPU初期化処理)においてセットすることができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、ステップS132を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中(設定関連処理の実行中)に、払出制御装置92に対して遊技球の払い出しを禁止する払出動作停止コマンド(禁止コマンド)を送信することにより、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させない禁止処理を実行することができる(禁止処理実行手段)。
払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンド(起動コマンド)を送信し、払出起動コマンドに対する起動確認コマンドを受信することにより払出不能状態から払出可能状態に移行し、払出可能状態において主制御装置70から送信される払出コマンドに基づいて遊技球を払い出す。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、払出制御装置92に対して払出動作停止コマンド(禁止コマンド)を送信することにより、払出制御装置92を払出不能状態に移行させ、払出制御装置92に遊技球の払い出しを実行させないことができる(禁止処理実行手段)。
図19は、CPU初期化処理の第2手順例のコマンド送信タイミングを示す図である。
なお、図中の点線は、タイマ割込みが可能な時期を示している。
〔主制御装置〕
電源が投入されると、主制御装置70は、〔D01〕3.1秒のウエイトを行い、〔D02〕起動方法の判定を行う。
起動方法の判定により、主制御装置70は、〔D03〕初期化(RAMクリア)によって起動したり、〔D04〕復電(バックアップ情報の復帰)によって起動したりして、〔D05〕主コマンド許可信号をONにセットする。主コマンド許可信号をONにセットした以降は、払出制御装置92からのコマンドを受信可能な状態になる。
また、起動方法の判定により、主制御装置70は、〔D06〕設定変更によって起動したり、〔D07〕設定参照によって起動したりする。
そして、〔D03〕初期化、〔D04〕復電、〔D06〕設定変更又は〔D07〕設定参照の処理が終了すると、主制御装置70は、〔D08〕通常遊技に移行する。
〔D08〕通常遊技においては、主制御装置70は、タイマ割込み処理を実行可能な状態となり、タイマ割込み処理の中で〔D09〕設定変更、〔D10〕設定参照又は〔D11〕通常遊技に関する処理が実行される。
〔払出制御装置〕
電源が投入されると、払出制御装置92は、〔E01〕0.1秒のウエイトを行い、〔E02〕電源投入時処理を実行する。電源投入時処理では、払出制御装置92は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号をONにセットすることができる。
次に、払出制御装置92は、〔E03〕払出コマンド許可信号をONにセットし、〔E04〕起動コマンド送信待ち状態に移行する。起動コマンド送信待ち状態は、主制御装置70側で主コマンド許可信号がONにセットされるのを待っている状態であり、主制御装置70に対してコマンドを送信することができない状態である(主制御装置70へのコマンド送信不能状態)。
〔F01〕主制御装置70は、払出制御装置92側の主コマンド許可信号を確認し、払出制御装置92側の主コマンド許可信号がONにセットされている場合には、払出制御装置92に対して起動コマンドを送信する。
そして、主制御装置70において、主コマンド許可信号がONにセットされると(〔D05〕)、払出制御装置92は、主制御装置70に対してコマンドを送信することができる状態となり(主制御装置70へのコマンド送信可能状態)、〔F02〕払出制御装置92は、主制御装置70に対して払出起動コマンドを送信する。なお、〔F01〕の起動コマンド送信と、〔F02〕の払出起動コマンドの送信は順番が前後する可能性もある。
払出起動コマンドを受信した主制御装置70は、それに応答するコマンドとして、〔F03〕起動確認コマンドを払出制御装置92に対して送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
〔F04〕主制御装置70は、設定変更又は設定参照で起動した場合(〔D06〕又は〔D07〕)、払出制御装置92に対して、払出動作停止コマンドを送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが不能な状態となる。
〔F05〕主制御装置70は、設定変更又は設定参照に関する処理が終了した場合、払出制御装置92に対して、払出動作開始コマンドを送信する。これにより、払出制御装置92は、遊技球の払い出しが可能な状態となる。
そして、払出制御装置92は、〔E05〕通常遊技状態に移行する。
〔E05〕通常遊技においては、払出制御装置92は、タイマ割込み処理を実行可能な状態となり、タイマ割込み処理の中で〔E06〕払い出し許可待ち又は〔E07〕通常遊技に関する処理が実行される。
〔G01〕払出制御装置92では、起動確認コマンド受信から5秒間、払い出し動作不可に設定されている。このため、その間に払出動作停止コマンドを受信することにより、払出制御装置92の払い出しが禁止される。つまり、一瞬は、払い出し許可状態になるが、5秒間のウエイトがあるので、この間は、遊技球が払い出されることはない。そして、5秒間のウエイトが終了する前に、払出動作停止コマンドを送信しているため、遊技球は払い出しされない状態になる。そして、この状態で、設定変更又は設定参照が実行される。なお、払出動作開始コマンドに関しては、受信後に2秒間のウエイトが設定される。
このように、払出制御装置92は、起動確認コマンドを受信してから一定時間経過後(5秒経過後、G01の時間経過後)に、払出不能状態から払出可能状態に移行する。
そして、主制御装置70は、起動確認コマンドを送信してから一定時間経過前(5秒経過前、G01の時間経過前)に、払出動作停止コマンド(禁止コマンド)を送信し、払出制御装置92が払出不能状態から払出可能状態に移行することを制限する(禁止処理実行手段)。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができるため、払出制御装置92の払出動作を禁止したい。
設定変更中又は設定参照中は、払出制御装置92の払出動作を禁止するために、CPU初期化処理の第2手順例では、以下の方式を採用する。払出制御装置92から主制御装置70へ送信されるコマンドは、以下のように分類される。
(1)払出起動コマンド(払出動作許可の確認)
(2)エラー関連コマンド(払い出しに係るエラーを演出制御装置で報知)
各コマンド受信時の主制御装置70の動作は、以下の通りである。
(3)上記(1)のコマンドを受信後、主制御装置70から払出制御装置92に払出動作許可用のコマンド(起動確認コマンド)を返す。
(4)上記(1)のコマンドを受信後、演出制御装置124にエラーコマンドを送信する。
ここで、上記(4)は実行しても問題ないが、上記(3)は設定変更中又は設定参照中に払い出しの動作を行ってしまう可能性がある。
そこで、上記(3)の起動確認コマンドが送信されてから実際に遊技球が払い出される前に、「設定変更・参照開始コマンド」を払出制御装置92に送信し、払出制御装置92が遊技球を払い出さないようにする方法を採用する。
設定変更・参照開始コマンド受信後の払出制御装置92側の動作は、以下の通りである。
設定変更・参照開始コマンドを受信した払出制御装置92は、払い出し停止状態とする。払い出し停止状態の解除は、設定変更・参照終了コマンドを契機とする。
ここで、「設定変更・参照開始コマンド」や、「設定変更・参照終了コマンド」を新規コマンドとして用意してもよいが、「払出動作開始コマンド」、「払出動作停止コマンド」を使用することもできる。
この場合、「設定変更・参照開始コマンド」=「払出動作停止コマンド」であり、「設定変更・参照終了コマンド」=「払出動作開始コマンド」である。
これにより、設定変更中又は設定参照中に意図しない払い出しを防ぐことができ、「払出動作開始コマンド」や「払出動作停止コマンド」を使用することにより、払出制御装置92のソフト修正が不要となる。
図20は、メインループ処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順について説明する。
メインループ処理では、乱数の更新(乱数のかきまぜ等)を行いつつ、以下の3種類の割込みの発生を待つ。
(1)シリアル通信受信割込み(払出制御装置からのコマンド受信時)
(2)タイマ割込み(4msに1回のタイマタイムアップ時)
(3)電源断予告時割込み(電源断による入力電圧降下時)
そして、遊技に係る処理の大半は、タイマ割込み処理にて実行される。
ステップS141:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS142:主制御CPU72は、初期値乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、当選の種類を決定するための大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別のタイマ割込み処理(図26中のステップS205)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が一巡する毎にループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。
初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS142では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、本処理では、大当り図柄乱数の初期値を更新している。ステップS141で割込みを禁止した後にステップS142を実行している理由は、別のタイマ割込み処理(図26中のステップS205)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、大当り決定乱数及び当り決定乱数は、乱数回路75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込み周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS143:主制御CPU72は、主コマンド解析処理を実行する。この処理では、シリアル通信受信割込みで保存した払出制御装置92からのコマンドがある場合、払出制御装置92から受信したデータを解析し、その結果に応じた処理を行う。具体的には、主制御CPU72は、受信した主コマンドが払出起動指定コマンドである場合には払出起動確認指定コマンドを払出コマンドバッファに出力する一方、払出起動指定コマンドでない場合は受信した主コマンドが所定範囲内の値であるか(主コマンドとして適切な値であるか)を確認した上で範囲外であれば払出エラー指定コマンドをサブコマンド送信用バッファに出力し、さらに状況に応じて払出電波エラーフラグのセットを行う。
ステップS144:主制御CPU72は、サブコマンド送信処理を実行する。この処理では、サブコマンド送信用バッファに未送信のサブコマンド(演出コマンド)が残っている場合、主制御CPU72は、演出制御装置124に対して、サブコマンド送信用バッファに格納されているサブコマンドを送信する。
ステップS145:主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。この処理では、主制御CPU72は、性能表示モニタ200に表示するベースを算出する処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、除算タスクを利用することにより、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出する(ベース算出手段、ベース関連処理実行手段)。性能表示モニタ集計除算処理は、ベース関連処理である。
ベース関連処理は、ベースの制御に関する処理であり、ベースを算出する際に実行されるベース算出処理又は性能表示モニタ200にベースを表示する際に実行されるベース表示処理の少なくとも一方が含まれる。
ここで、ベース算出処理とベース表示処理とは明確に区別する必要はなく、ベースの算出に重点を置いている処理はベース算出処理であり、ベースの表示に重点を置いている処理はベース表示処理である。このため、ベース算出処理の一部をベース表示処理の一部と捉えてもよく、ベース表示処理の一部をベース算出処理の一部と捉えてもよい。
なお、性能表示モニタ集計除算処理の詳細は、後述する。
ステップS146,ステップS147:主制御CPU72は割込みを許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。
そして、これらの一連の処理は、メインループ処理の実行中に割込み要求が発生し、主制御CPU72が各種割込み処理を実行した場合の残り時間で行われる。
図21は、シリアル通信受信割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
シリアル通信受信割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、シリアル通信受信割込み処理を実行する(ステップS136)。シリアル通信受信割込みは、払出制御装置92からのコマンド受信時に発生する。
図22は、タイマ割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
タイマ割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、タイマ割込み処理を実行する(ステップS137)。タイマ割込みは、タイマ割込み周期(例えば、4ms)に1回のタイマタイムアップ時に発生する。
図23は、電源断予告時割込みが発生した際に実行される処理の内容を示す図である。
電源断予告時割込みが発生した場合には、主制御CPU72は、電源断予告時割込み処理を実行する(ステップS138)。電源断予告時割込みは、電源断による入力電圧降下時に発生する。
そして、割込みの優先度は、「シリアル通信受信割込み」が「高」であり、「タイマ割込み」が「中」であり、「電源断予告時割込み」が「低」である。
このため、「タイマ割込み」が発生して「タイマ割込み処理」を実行している最中に、「シリアル通信受信割込み」が発生すると、割込みが禁止されていない限り、「シリアル通信受信割込み処理」を実行する。
一方、「タイマ割込み」が発生して「タイマ割込み処理」を実行している最中に、「電源断予告時割込み」が発生しても、その時点では「電源断予告時割込み処理」を実行せず、「タイマ割込み処理」が終了してから「電源断予告時割込み処理」を実行する。
なお、シリアル通信受信割込み処理(主コマンド受信割込み処理)、タイマ割込み処理等の各種割込み処理が終了した場合には、割込み元(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
電源断予告時割込み処理は、特殊な処理であるため、原則として割込み元には戻らない。通常は退避処理(チェックサムの算定、RWM(RAM)アクセスプロテクト等)を行った後、その場で電圧降下に伴うリセット発生を待つ。途中で電源供給が復帰した場合は、プログラムの先頭(例えば、CPU初期化処理)に戻る。なお、処理の先頭で割込み元に戻る場合もあるが、これは例外的な処理である。
〔シリアル通信受信割込み処理〕
図24は、シリアル通信受信割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
シリアル通信受信割込み処理は、払出制御装置92からコマンドを受信した際に実行される。払出制御装置92は、起動したことを示す払出起動指定のコマンドを主制御装置70に対して送信する他に、遊技の進行に伴い賞球の払い出しに関わる各種装置(例えば、払出装置基板100や満タンスイッチ161等)から主制御装置70に対し送信されるコマンド(エラーコマンド等)の中継送信を行う。払出制御装置92により送信されるこれらのコマンドは、主制御装置70のシリアル通信回路196の特定チャネルの受信データレジスタにより受信される。主制御CPU72は、このコマンド受信(SCU割込み)を契機として、シリアル通信受信割込み処理(SCU割込み処理)を実行する。以下、シリアル通信受信割込み処理の各手順を追って説明する。
ステップS180:先ず主制御CPU72は、メインループ処理の実行中に使用していたAレジスタ(アキュムレータ)とFレジスタ(フラグレジスタ)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、データ受信割込み処理の実行中に別の値を書き込むことができる。
ステップS182:主制御CPU72は、受信エラーか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は、ステータスレジスタの特定ビットをチェックして受信データレジスタ(受信FIFO)にデータが有るか否かを確認し、データが有る場合には正常なデータであるか否かを確認する。そして、データが無い場合や、データがあっても正常なデータでない場合には、主制御CPU72は、受信エラーであると判断する。
受信エラーであると判断した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS184を実行しない。一方、受信エラーでないと判断した場合(No)、主制御CPU72はステップS184を実行する。
ステップS184:主制御CPU72は、受信コマンド(主コマンド)をバッファ(受信コマンドバッファ)に保存する処理を実行する。保存した主コマンドは、メインループ処理の主コマンド解析処理で解析される。
この処理は、RAM76の使用領域のバッファを書き換える処理である。このため、領域外に関する処理を実行している最中に、シリアル通信受信割込みが発生すると、領域外に関する処理を実行しているのにも関わらず、使用領域のバッファを書き換えることになるため、遊技機規則に違反する可能性がある。
そこで、本実施形態では、シリアル通信受信割込み処理を実行する場合には、割込みを禁止してから(シリアル通信受信割込みを禁止してから)、シリアル通信受信割込み処理を実行するようにしている。
ステップS186,S188:主制御CPU72は、ステップS180で退避させたA,Fレジスタの値を各レジスタに復帰させ、割込みを許可した後、シリアル通信受信割込み処理を終了してメインループ処理(図20)の割込み元に復帰する。
〔電源断予告時割込み処理〕
図25は、電源断予告時割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
電源断予告時割込み処理は、電源の遮断(以下、「電源断」と略称する。)が発生した際に実行される。
主制御装置70においては、電源断の発生とリセットの発生とが同一の監視IC(例えば、図示しないリセットコントローラに実装されたIC)によって監視されている。この監視ICは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に、パラレルI/Oポート79のXINT端子へ電源断予告信号を出力する。主制御CPU72は、XINT端子への電源断予告信号の入力(XINT割込み)を契機として、電源断予告時割込み処理(XINT割込み処理)を実行する。
ステップS151,S152:主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79の電源断検出スイッチ入力用ポートを読み込み、特定のビットをチェックして電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、電源断予告時割込み処理を終了してメインループ処理(図20)の割込み元に復帰する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS153を実行する。
ステップS153:主制御CPU72は、全出力ポートをクリアする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS153の処理は、ステップS152において肯定(Yes)と判断された場合、又は、設定変更完了時に(図31のステップS330の実行によって)実行される処理である。
ステップS154:主制御CPU72は、チェックサムを算定し、保存する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76のバックアップ対象領域のうち、バックアップフラグ及びチェックサムバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。そして、全領域についてサムの算出が完了すると、主制御CPU72はチェックサムバッファにサム結果値を保存する。
ステップS155:主制御CPU72は、バックアップフラグ領域に有効値(例えば「01」)を格納する。
ステップS156:主制御CPU72は、RAM(RWM)アクセスの禁止処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「00H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用領域及び領域外を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS157:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出したか否かを確認する。電源断予告信号の確認方法は、上述したステップS152における方法と同じである。
電源断予告信号を検出したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は再びステップS157を実行する。一方、電源断予告信号を検出したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS158を実行する。
ステップS158:主制御CPU72は、電源断予告信号を検出していない状態(オフ状態)で所定時間(例えば、10ms)が経過したか否かを確認する。電源断予告信号を検出していない状態で所定時間が経過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、プログラムの先頭に戻る。プログラムの先頭には、CPU初期化処理に関するプログラムが配置されているため、プログラムの先頭に戻るとは、CPU初期化処理を実行することを意味している。一方、電源断予告信号を検出していない状態で所定時間が経過したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS157に戻り、これまでの処理を繰り返し実行する。このような処理を実行することにより、電源供給が復帰した(10ms連続で電源断予告信号がオフ状態となった)場合は、電源断予告時割込み処理のプログラム先頭に戻ることができる。
また、ステップS157,ステップS158の処理は、電源制御ユニット162からの電力供給の遮断に備えて実行される待機処理である。電源断予告信号が継続して検出される場合は、ステップS157,ステップS158が繰り返し実行されるため、電力供給が持続する限り待機状態が継続される。このように、主制御CPU72は、電力供給が完全に断たれる前に先ずチェックサムの計算とその結果の保存を行って待機の態勢に入り、電力供給が遮断されつつある状況下では他の処理を実行させずに待機状態を維持して安全な状態で来るべき電力供給の遮断を迎える(電圧降下によるリセット待ちの状態となる)。
なお、電源制御ユニット162からの電力供給が遮断されると、主制御装置70への電力供給源は自動的にバックアップ用電源に切り替わる。主制御装置70は、電源断の発生後は図示しないバックアップ用電源回路(例えば、主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76のバックアップ対象のメモリの内容は電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、電源断後も全てRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のCPU初期化処理でチェックサムの正常を確認した上で、電源断発生時のバックアップ情報として復元される。
〔タイマ割込み処理〕
図26は、タイマ割込み処理の手順例を示すフローチャートである。
主制御CPU72は、タイマ回路194により出力される割込み要求(PTC割込み)に基づき、所定時間(例えば、数ms)毎にタイマ割込み処理(PTC割込み処理)を実行する。以下、タイマ割込み処理の各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループ処理の実行中に使用していたAFレジスタ(アキュムレータとフラグレジスタのペア)、BC,DE,HLレジスタ(汎用レジスタのペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後の各レジスタには、タイマ割込み処理の実行中に別の値を書き込むことができる。
ステップS201:主制御CPU72は、割込みフラグ初期化処理を実行する。この処理では、タイマ割込みフラグをクリア(=0)にする処理を実行する。タイマ割込みフラグをクリアする理由は、タイマ割込みは、所定のタイマ割込み周期(例えば、4ms)で発生するが、所定のタイマ割込み周期でタイマ割込みフラグがセット(=1)されるからである。なお、タイマ割込みフラグがセットされている状態は、タイマ割込みの発生を許可しない状態となる。
ステップS201a:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。ここで割込みが許可されることにより、タイマ割込み処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込みが発生することが可能となる。
ステップS202:主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理を実行する。この処理では、統合表示基板89及び性能表示モニタ200に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御するために、コモン単位でのポート出力を行う。具体的には、主制御CPU72は、出力ポートをクリアした後、選択されたコモンに対応するコモン用のポート出力バッファに、生成されたコモン出力用データを出力する。出力される内容は、前回のタイマ割込みで設定された内容である。
ここで、各コモン用のポート出力バッファに出力されるデータは、タイマ割込み処理が発生する毎に、このダイナミックポート出力処理において1コモンずつ順繰りにポート出力される。例えば、次回に実行されるタイマ割込み処理ではコモン1用として格納されたデータがポート出力され、次々回に実行されるタイマ割込み処理ではコモン2用として格納されたデータがポート出力される、という具合に各コモン用のポート出力バッファに格納されたデータが1つずつ順番に処理されていく。これにより、所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)や性能表示モニタを構成する各ランプがコモン単位で順繰りに駆動され、ダイナミック点灯方式により点灯制御される。
ステップS203:主制御CPU72は、ポート入力処理を実行する。この処理では、入力ポート情報に基づき最新のスイッチ状態を正確に取得するために、主制御CPU72は、パラレルI/Oポート79から各種スイッチ信号の入力値と前回入力値の反転結果値との論理積を入力ポートオン検出フラグに格納する。この結果、入力ポートオン検出フラグの値(ON/OFF)により、各種スイッチ信号の前回からの変化を踏まえた正確な入力状態を把握することが可能となる。各種スイッチ信号には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号、不図示の不正検出スイッチ(磁気検出スイッチ、電波検出スイッチ、振動検出スイッチ等)からの検出信号等が含まれる。
ステップS204:主制御CPU72は、タイマ更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技に用いる各種タイマ(図柄の変動時間・停止時間や電動役物の開放時間・閉鎖時間等を管理するタイマ)の他、外部情報用の各種タイマ、セキュリティ信号用タイマ等のカウンタを更新する処理(減算処理等)を実行する。
ステップS205:主制御CPU72は、初期値乱数更新処理を実行する。処理の内容は、メインループ処理の初期値乱数更新処理(図20のステップS142)と同様である。
ステップS206:主制御CPU72は、当り図柄乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄及び普通図柄の抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS206a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS206bを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS207を実行する。
このような判断処理を実行している理由は、設定変更中及び設定参照中である場合、通常の遊技に係る処理を実行しないようにするためである。そして、設定変更中又は設定参照中において、タイマ割込み処理内の通常の遊技に係る処理を実行しないことで、主制御装置70のプログラムの負荷を軽減することができる。
ステップS206b:主制御CPU72は、設定変更処理を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定を変更する際に実行される設定変更処理又は設定を参照する際に実行される設定参照処理の少なくとも一方を含む設定関連処理を実行することができる(設定関連処理実行手段)。なお、処理の詳細は後述する。設定関連処理は、設定変更中又は設定参照中に実行される処理が含まれる。そして、設定変更処理を終えると、主制御CPU72は、ステップS217aを実行する。ステップS217aに移行する理由は、外部情報管理処理において外部信号(セキュリティ信号)を出力するためである。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定関連処理及びベース関連処理のうち、一方の処理の実行中には、他方の処理の少なくとも一部の処理の実行を制限することができる(制限手段)。つまり、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中である場合(ステップS206a;Yes)、ベース関連処理の少なくとも一部の処理(ステップS207~ステップS217、特に、ステップS208)を実行しないようにすることができる。
ステップS207:主制御CPU72は、スイッチ管理処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS203)で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、特定領域スイッチ83からの通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じた処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。
ステップS208:主制御CPU72は、加算数算定処理を実行する(ベース関連処理実行手段)。加算数算定処理は、ベース関連処理である。本処理は、使用領域の処理である。この処理において、主制御CPU72は、遊技状態と、各スイッチ(アウトスイッチ99、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85等)の状態を確認し、ベース計算用に「領域外のRAMに加算すべき値(4msの間に発生した賞球数、アウト数等の加算数)」を算出する。具体的には、主制御CPU72は、発射球数A(通常アウト加算数)、発射球数B(総アウト加算数)、獲得球数(通常賞球加算数)の値を決定する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS209,ステップS210:主制御CPU72は、特別遊技管理処理及び普通遊技管理処理を実行する。これらの処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。
特別遊技管理処理(ステップS209)では、主制御CPU72は、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、処理の詳細は後述する。
また、普通遊技管理処理(ステップS210)では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ管理処理(ステップS207)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通遊技管理処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS211:主制御CPU72は、状態管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、入賞頻度の異常(中始動入賞口26、普通入賞口22,24への入球数が異常に多い状態)やベース異常(遊技盤ユニット8の裏側へ回収された遊技球数、すなわち遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球数より各入賞口22,24,26,28a,30b,31bへの入賞球数の合計の方が多い状態)等のエラー状態が発生していないか否かのチェックを行う。エラー状態を検知した場合、主制御CPU72は、遊技場のホールコンピュータに対してはセキュリティ信号の出力により、また、演出制御装置124に対しては所定のエラーコマンドの送信により、異常が発生したことを通知する。なお、この処理において、主制御CPU72は、扉開放や不正検出(磁石、電波、振動等)に関するエラー処理を実行してもよい。
ステップS212:主制御CPU72は、入賞口スイッチ処理を実行する。この処理では、先のポート入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき格納した各入力ポートオン検出フラグがONの場合に、それぞれの対象となる賞球制御カウンタを1加算して更新する。
ステップS213:主制御CPU72は、払出制御管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はまず払出コマンドバッファが空でないか(送信すべき払出コマンドがセットされているか)否かを確認し、空でない(払出コマンドがセットされている)場合は、払出コマンドバッファに出力された各種払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。例えば、電源投入時の起動モードを示す払出コマンドは、CPU初期化処理の過程でセットされ、払出コマンドバッファに出力され、この起動モードを示す払出コマンドがこの処理で送信される。一方、払出コマンドバッファが空である場合は、賞球の払い出しを指示するための処理に進む。主制御CPU72は賞球制御カウンタが0でないか否かを確認し、賞球制御カウンタが0でない場合は、このカウンタに対応する賞球個数を指示する賞球指定の払出コマンドを払出制御装置92に対して送信する。より具体的には、各賞球制御カウンタに対応する賞球指定の払出コマンドがこの処理で送信される。なお、払出コマンドの送信は、払出制御装置92から主制御装置70に対し払出コマンド許可信号が入力されており、かつ、送信データレジスタ(送信FIFO)にセットされている払出コマンドの数が所定数未満である場合(より具体的には、送信FIFOにセットされた払出コマンドが送信済みであるか、又は、現在送信中であって送信FIFOに空きがある場合)に実行される。
また、特に電源投入時においては、CPU初期化処理の過程でセットされた払出コマンドが正常に送信された場合、主制御CPU72はこれを契機として発射許可信号をオンにする。具体的には、主制御CPU72は電源投入時に出力した払出コマンドバッファをクリアするとともに、出力ポートの特定ビットをセットすることで発射許可信号をオンにする。これにより、電源投入後の正常動作を確認した上で遊技球の発射が許可され、この発射許可信号が払出制御装置92を介して発射制御基板108に送られることにより、遊技球の発射が可能な状態となる。
また、主制御CPU72は、払出制御管理処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(例えば、遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。なお、コマンドを生成するとは、コマンドをサブコマンド送信用バッファに格納することを意味する(以下、同様)。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(例えば、遊技球10個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS215:主制御CPU72は、試験信号管理処理を実行する。この処理は、領域外の処理とすることができる。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS216:主制御CPU72は、LED表示設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。なお、性能表示モニタ200に関連する処理は、性能表示モニタ制御処理において実行する。
より詳細には、主制御CPU72は、特別遊技管理処理(ステップS209)や普通遊技管理処理(ステップS210)において決定された図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等に基づいて、対応する態様で各ランプを点灯させるための駆動信号を、コモン出力用データとして生成する。
ステップS217:主制御CPU72は、ソレノイドデータ設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別遊技管理処理(ステップS209)や普通遊技管理処理(ステップS210)等において生成された普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97の各駆動信号、試験信号等を合わせて(合成して)ポート出力バッファに格納する。この後、主制御CPU72は、ソレノイドデータポート出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は各出力バッファ(ポート出力バッファ)に値が格納されているかを確認し、値が格納されている場合はポート出力する。例えば、ポート出力バッファに格納された各ソレノイド88,90,97の各駆動信号をポート出力する。この場合、各駆動信号が対応する各ソレノイド88,90,97に送信され、各ソレノイドは駆動信号に応じた動作を実行する。
ステップS217a:次に主制御CPU72は、外部情報管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報、セキュリティ信号等)をポート出力要求バッファに格納する。
外部情報管理処理では、「設定変更中又は設定参照中」である場合に、外部信号(セキュリティ信号)を出力する。
より詳細には、主制御CPU72は、設定変更状態(設定変更中)、設定確定状態(設定確定中)、設定確認状態(設定確認中、設定参照中)、設定異常状態、RAM異常状態、チェックサム異常状態において、ホールコンピュータ(外部機器)に対してセキュリティ信号(特別情報)を送信するセキュリティ信号送信処理(特別情報送信処理)を実行する(特別情報送信処理実行手段)。セキュリティ信号は、ポート出力要求バッファに、セキュリティ信号に対応するデータを格納することにより、ホールコンピュータに送信することができる。
ここで、セキュリティ信号とは、何かしらの異常状態が発生した場合、設定変更状態、設定確定状態又は設定参照状態に移行した場合に出力される信号である。
主制御CPU72は、遊技状態フラグ(遊技状態情報)に格納されている値を参照してセキュリティ信号を送信するか否かを決定する(特別情報送信処理実行手段)。例えば、遊技状態フラグに、遊技可能状態に対応する値(00H)が格納されている場合、セキュリティ信号を送信しないと判断し、遊技可能状態に対応する値(00H)以外の値(01H~06H)が格納されている場合、セキュリティ信号を送信すると判断する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報管理処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS217b:主制御CPU72は、発射位置管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて遊技球の発射位置を決定する処理を実行する(発射位置決定手段)。なお、本処理は、特別遊技管理処理の中で実行してもよい。また、処理の詳細は後述する。
ステップS217c:主制御CPU72は、賞球数算定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種の賞球数を算定する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS217d:主制御CPU72は、未定の賞球数に係る処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、未定の賞球数に関する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS218:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS218a:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。
ステップS219:主制御CPU72は、性能表示モニタ制御処理を実行する(ベース関連処理実行手段)。性能表示モニタ制御処理は、ベース関連処理である。本処理は、領域外の処理である。この処理において、主制御CPU72は、性能表示モニタ200の表示内容の切替等の処理を実行したり、メインループ処理の性能表示モニタ集計除算処理(図20のステップS145)で算出されたベースの値を性能表示モニタ200に表示するための駆動信号を、コモン出力用データとして生成したりする処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS219a:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。これにより、ステップS218aの処理で退避されていたレジスタの値が復帰する。
ステップS220:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。ここで割込みが許可されることにより、タイマ割込み処理の次ステップ以降を実行している間に他の割込みが発生することが可能となる。このように、タイマ割込み処理は多重割込みが許可されている。
なお、割込み要求信号の受付や多重割込みの優先制御等は、割込みコントローラ192により実行される。
ステップS222:主制御CPU72は、ステップS200で退避させたHL,DE,BC,AFレジスタの値を各レジスタに復帰させ、タイマ割込み処理を終了してCPU初期化処理のメインループ処理に復帰する。
〔割込みコントローラによる割込み管理〕
主制御装置70においては、メイン制御プログラムであるCPU初期化処理の実行中に、XINT割込み(電源断予告時割込み処理の元となるパラレルI/Oポート79により出力される割込み要求)、SCU割込み(シリアル通信受信割込み処理の元となるシリアル通信回路196により出力される割込み要求)、PTC割込み(タイマ割込み処理の元となるタイマ回路194により出力される割込み要求)が発生しうる。これらの割込み要求は、主制御装置70に実装された割込みコントローラ192によって管理されて制御される。割込みコントローラ192は、主制御CPU72の割込み許可命令(EI命令)により割込み要求の受付を許可し、割込み禁止命令(DI命令)により割込み要求の受付を禁止する制御(いわゆるマスカブル割込みの制御)を行っている。
XINT割込み、SCU割込み、PTC割込みは、いずれも相互依存性のない独立した発生要因に基づいて生じるため、複数の割込み要求が同時期に発生する場合も当然に考えられる。そこで、割込みコントローラ192は、割込み処理の重要度や処理効率等を考慮して予め定められた割込み要求の優先順位に従って各割込み要求を制御する。
より具体的には、割込み要求(割込み処理)の優先順位は割込みベクタテーブルに定義されており、XINT割込み(電源断予告時割込み処理)の優先度が最も低く、PTC割込み(タイマ割込み処理)の優先度が次に高く、SCU割込み(シリアル通信受信割込み処理)の優先度が最も高く設定されている(図21~図23参照)。
割込みベクタテーブルの設定がCPU初期化処理の序盤になされることにより、割込みコントローラ192はこれ以降のタイミングで発生する割込み要求の優先制御を行うことができる。実際には、CPU初期化処理がメインループ処理に遷移した後、割込みが許可されてから割込みが禁止されるまでの間にいずれかの割込み要求が発生すると、割込みコントローラ192は受け付けた割込み要求を割込みベクタテーブルに設定された優先順位に基づいて制御する。例えば、XINT割込みとPTC割込みを同時に受け付けた場合、より優先度の高いPTC割込み(タイマ割込み処理)が先に処理される。タイマ割込み処理が実行されている間、XINT割込みは割込み待ち状態となり、タイマ割込み処理が終了した後でXINT割込み(電源断予告時割込み処理)が実行される。
このようにして優先順位に基づく割込み要求の制御を行うことにより、割込みコントローラ192は主制御装置70における多重割込みの実行を可能としている。
〔ダイナミックポート出力処理〕
図27は、ダイナミックポート出力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS160:主制御CPU72は、出力ポート0をクリアする処理を実行する。これにより、メイン表示器の表示がクリアされる。出力ポート0は、メイン表示器に関するデータを出力するポートである。
ステップS161:主制御CPU72は、出力ポート2をクリアする処理を実行する。これにより、性能表示モニタ200の表示がクリアされる。出力ポート2は、性能表示モニタ200に関するデータを出力するポートである。
ステップS160及びステップS161の処理を実行する理由は、ダイナミック点灯方式の場合、表示を消去しないと、コモンデータを参照するときに制御処理が暴走する可能性があるからである。
なお、ステップS160及びステップS161の処理の後には、ブランキング時間終了待ちの処理を実行することができる。この待ち時間により、表示データを消去して、一定時間が経過してからデータを出力することができる。この待ち時間も、制御処理が暴走することを回避するための待ち時間である。なお、この待ち時間の間に、以下のステップS162及びステップS163の処理を実行してもよい。
ステップS162:主制御CPU72は、コモンカウンタを0~3の範囲で更新する処理を実行する。これにより、出力対象のコモン番号が更新される。
ステップS163:主制御CPU72は、コモンカウンタに対応したコモンデータを取得する処理を実行する。これにより、出力対象のコモンに対応したデータを取得することができる。
ステップS164:主制御CPU72は、出力ポート1にコモンデータを出力する処理を実行する。出力ポート1にコモンデータを出力することにより、コモンを切り替えながら、コモンデータを出力することができる。出力ポート1は、コモンカウンタに対応したコモン番号(コモン0~3)を指定するデータを出力するポートである。
ステップS165:主制御CPU72は、コモンカウンタに応じた表示データを取得する処理を実行する。表示データは、使用領域のRAMに格納されている。
取得する表示データとしては、大きく分けて2つのデータがあり、1つ目のデータは、メイン表示器用のデータであり、2つ目のデータは、性能表示モニタ200用のデータである。
1つ目のメイン表示器用のデータは、LED表示設定処理(図60)において、コモン出力用データとして生成される。
2つ目の性能表示モニタ200用のデータは、性能表示モニタ制御処理(図64)の性能表示モニタ表示処理(ステップS646)においてベースを表示するためのデータとして生成される場合もあり、設定変更処理(図32)のステップS334~ステップS346において設定値を表示するためのデータとして生成される場合もある。
ここで、2つ目の性能表示モニタ200用のデータに関しては、ベースを表示する場合も、設定値を表示する場合も、共通のコモン0~3バッファに表示データがセットされるため、過去のデータは上書きされる。
そして、図27のステップS169の処理と図28のステップS173の処理とは、処理としては同一の処理であるが、図27のステップS169の処理を実行する場合には、共通のコモン0~3バッファに設定値に関するデータが格納されているため、性能表示モニタ200には設定値に関する内容が表示される。一方、図28のステップS173の処理を実行する場合には、共通のコモン0~3バッファにベースに関するデータが格納されているため、性能表示モニタ200にベースに関する内容が表示される。
ステップS166:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS167aを実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できた場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS169を実行する。
ステップS167a:主制御CPU72は、出力ポート0に出力する処理を実行する。具体的には、メイン表示器の表示をセットする処理を実行する。これにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。ここで出力されるデータは、LED表示設定処理により生成されたコモン出力用データであり、コモン出力用データをコモン用のポート出力バッファにセットすることにより、統合表示基板89に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御することができる。
ステップS167b:主制御CPU72は、割込み禁止処理を実行する。
ステップS167c:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。
ステップS168a:主制御CPU72は、性能表示モニタ出力処理を実行する(ベース関連処理実行手段)。性能表示モニタ出力処理は、ベース関連処理である。本処理は、領域外の処理である。このため、割込み禁止処理を実行してから本処理を実行する。この処理を実行することにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。なお、処理の詳細は、後述する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、領域外の処理(第2処理)に含まれる処理として、性能表示モニタ200にベースを表示する処理(ベース関連処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。
ステップS168b:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。
ステップS168c:主制御CPU72は、割込み許可処理を実行する。
ステップS169:主制御CPU72は、出力ポート2に出力する処理を実行する。具体的には、性能表示モニタ200の表示をセットする処理(ステップS165の処理で取得した表示データを出力ポート2に出力する処理)を実行する。本処理は、使用領域の処理である。本処理を実行することにより、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に設定値が表示される。なお、ステップS168aの処理以外の処理は、使用領域の処理とすることができる。
このような処理を実行することにより、通常遊技中は、使用領域のバッファ内容をメイン表示器に出力することができ、領域外のバッファ内容を性能表示モニタ200に出力することができる。一方、設定変更中及び設定参照中は、使用領域のバッファ内容を性能表示モニタ200に出力することができ、メイン表示器はすべてクリアし何も表示しないようにすることができる。
パチンコ機1において、メイン表示器に7セグメントLEDが存在しない場合(複数のドットLEDを幾何学的に配列している場合)がある。このような状況で、設定値を分かりやすく表示するためには、性能表示モニタ200の7セグメントLEDを使用する必要がある。このとき、領域外で処理を行うことに規則的な懸念(遊技に関する処理であるにも関わらず、使用領域で処理を行っていないという懸念)がある。
性能表示モニタ200に関する処理は、領域外で実行することが認められているので、基本的には、性能表示モニタ200の表示処理は領域外で実行する。
ただし、性能表示モニタの7セグメントLEDの表示処理の中でも、設定値を表示する処理は、遊技に関する処理に該当する可能性があるため、使用領域で実行する。
これにより、性能表示モニタ200に設定値を表示する処理を使用領域で実行することができ、規則的な懸念を回避することができる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、使用領域の処理(第1処理)に含まれる処理として、性能表示モニタ200に設定値を表示する処理を実行することができる(第1処理実行手段)。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
〔性能表示モニタ出力処理〕
図28は、性能表示モニタ出力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS170:主制御CPU72は、スタックポインタ退避処理を実行する。この処理により、使用領域のスタックポインタが退避される。
ステップS171:主制御CPU72は、領域外のスタックポインタを設定する処理を実行する。
ステップS172:主制御CPU72は、レジスタ退避処理を実行する。レジスタの退避は、領域外のスタックポインタを使用する。
ステップS173:主制御CPU72は、データを出力する処理を実行する。
具体的には、性能表示モニタ200の表示をセットする処理(図27のステップS165の処理で取得した表示データを出力ポート2に出力する処理)を実行する。本処理を実行することにより、通常遊技中において、性能表示モニタ200にベースが表示される。
本処理は、図27のステップS169と同様の処理であるが、出力ポート2に出力されるデータの内容(性能表示モニタ200に表示される内容)が異なっている。
本処理(ステップS173)では、図27のステップS165においてベースに関するデータが取得されるため、出力ポート2にベースに関するデータが出力され、性能表示モニタ200にベースに関する内容が表示される。
一方、図27のステップS169では、図27のステップS165において設定値に関するデータが取得されるため、出力ポート2に設定値に関するデータが出力され、性能表示モニタ200に設定値に関する内容が表示される。
コモンの出力は、使用領域に関する処理で実行しているため(共通のコモン番号を使用するため;図27中ステップS164参照)、本処理ではデータのみを出力する処理を実行する。これにより、指定したコモンで指定したデータが出力される。ここで出力されるデータは、性能表示モニタ表示処理により生成されたコモン出力用データであり、コモン出力用データ(ベース表示用データ)をコモン用のポート出力バッファにセットすることにより、性能表示モニタ200に実装された各ランプの点灯をダイナミック点灯方式で制御することができる。
具体的には、主制御CPU72は、前回のベース又は今回のベースのいずれか一方を、対応する識別子「bL.」又は「b6.」とともに予め設定された間隔ごとに切り替えて性能表示モニタ200に表示するためのコモン出力用データをポート出力バッファにセットする処理を実行する。ここでセットされたコモン出力用データ(駆動信号)に基づいて、性能表示モニタ200での表示内容が制御される。
ステップS166:主制御CPU72は、レジスタ復帰処理を実行する。
ステップS167:主制御CPU72は、スタックポインタ復帰処理を実行する。本処理を実行することにより、使用領域のスタックポインタに復帰後、使用領域に関する処理に戻ることになる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、ダイナミックポート出力処理(図27)に復帰する。
図29は、タイマ割込み処理とダイナミックポート出力処理との関係を示す図である。
タイマ割込みは、シリアル通信受信割込みと比較して、割込み優先度が低い割込みとなっている(図21~図23参照)。
ここで、図中の太字の点線矢印は割込み禁止区間を示しており(点線矢印A1~A3)、図中の太字の実線矢印は割込み許可区間を示している(実線矢印B1~B3)。
タイマ割込み処理では、まず、レジスタ退避処理(S200)、及び、割込みフラグ初期化処理(S201)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A1参照)。
本実施形態の主制御CPU72(プログラム、アセンブラ)は、割込みが発生すると、自動的に、割込み禁止という命令を使った場合と同じ状態となる。このため、タイマ割込み処理が開始された場合、内部的には(ハードウェアとしては)、割込み禁止状態となっている。よって、割込みを許可するためには、割込み許可処理を実行する必要がある。
このため、タイマ割込み処理では、つぎに、割込み許可処理(S201a)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B1参照)。
タイマ割込み処理からダイナミックポート出力処理(S202)が呼び出されると、ダイナミックポート出力処理では、出力ポート0をクリアする処理や出力ポート2をクリアする処理等が実行される(S160,S161)。この区間は、割込み許可区間である(実線矢印B1参照)。
ダイナミックポート出力処理では、つぎに、割込み禁止処理(S167b)を実行する。この処理を実行することにより、割込み禁止区間が開始される(点線矢印A2参照)。
ダイナミックポート出力処理では、さらに、レジスタ退避処理(S167c)、性能表示モニタ出力処理(S168a)、及び、レジスタ復帰処理(S168b)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A2参照)。
ダイナミックポート出力処理では、最後に、割込み許可処理(S168c)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B2参照)。
ダイナミックポート出力処理からタイマ割込み処理に戻り、各種処理を実行する。この区間は、割込み許可区間である(実線矢印B2参照)。
タイマ割込み処理では、つぎに、割込み禁止処理(S218)を実行する。この処理を実行することにより、割込み禁止区間が開始される(点線矢印A3参照)。
タイマ割込み処理では、さらに、レジスタ退避処理(S218a)、性能表示モニタ制御処理(S219)、及び、レジスタ復帰処理(S219a)を実行する。この区間は、割込み禁止区間である(点線矢印A3参照)。
そして、タイマ割込み処理では、割込み許可処理(S220)を実行する。この処理を実行することにより、割込み許可区間が開始される(実線矢印B3参照)。
このように、本実施形態では、「タイマ割込み処理」より割込み優先度の高い「シリアル通信受信割込み処理」を設定しているため、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」は、割込み禁止にしてから処理を実行している。
このため、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」の実行中は、割込み優先度の高い「シリアル通信受信割込み」が発生した場合でも、割り込まれることなく「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」が継続して実行される。
この場合、「性能表示モニタ制御処理」や「性能表示モニタ出力処理」が終了し、割込みが許可されたタイミングで「シリアル通信受信割込み処理」が実行される。割込みに関する受信データは、受信バッファに保存されているため、受信データを取り出すタイミングは遅れても、その後に受信データに関する処理が実行されるため問題は発生しない。
〔主制御CPU72の処理内容〕
主制御CPU72は、タイマ割込み処理(第1処理)を実行する(第1処理実行手段)。また、主制御CPU72は、タイマ割込み処理の実行中にシリアル通信受信割込み(所定の割込み)が発生した場合、タイマ割込み処理の実行を中断して、タイマ割込み処理とは異なるシリアル通信受信割込み処理(第2処理)を実行する(第2処理実行手段)。
タイマ割込み処理(第1処理)は、シリアル通信受信割込みを許可する割込み許可処理、及び、出球履歴を監視する処理であってシリアル通信受信割込みを許可しない割込み非許可処理を含む。
割込み許可処理は、使用領域に関する処理、例えば、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」を除いた処理(特別遊技管理処理等)である。
割込み非許可処理は、領域外に関する処理、例えば、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」である。
主制御CPU72は、割込み非許可処理を実行する場合、シリアル通信受信割込みを禁止している状態で割込み非許可処理を実行する(第1処理実行手段)。
また、主制御CPU72は、割込み非許可処理を実行する場合、割込み非許可処理を実行する前にシリアル通信受信割込みを禁止する処理を実行し、割込み非許可処理を実行し、割込み非許可処理を実行した後にシリアル通信受信割込みを許可する処理を実行する(第1処理実行手段)。
割込み非許可処理は、ベースを算出する処理のうちの一部の処理である。ベースを算出する処理のうちの一部の処理は、「性能表示モニタ制御処理(S219)」及び「性能表示モニタ出力処理(S165)」である。
図30は、タイマ割込み処理の変形形態を示す図である。
タイマ割込み処理は、図26に示す処理の順番で説明したが、以下のように変形することもできる。
タイマ割込み処理の処理順序は、〔1〕ダイナミックポート出力処理、〔2〕加算数算定処理(少なくとも入賞検出及び賞球数の算定)、〔3〕性能表示モニタ制御処理という順序とする。
〔1〕ダイナミックポート出力処理を最優先の処理としている理由は、コモンの切り替えタイミングとデータの表示時間を一定にするためである。このため、〔1〕ダイナミックポート出力処理は、タイマ割込み処理の前半(序盤)に行っている。
〔2〕加算数算定処理を次に優先する処理としている理由は、性能表示モニタ制御処理において、使用する賞球数・アウト数を使用領域内で事前に算出するため、加算数算定処理を性能表示モニタ制御処理よりも前に行う必要があるからである。
〔3〕性能表示モニタ制御処理を最後の優先順位としている理由は、性能表示モニタ制御処理は、加算数算定処理の終了後に実行する必要があるからである。
図中の〔A〕、〔B〕又は〔C〕に挿入する処理は、図26の配置例に限られずに、任意の処理(入力ポートの更新処理、入力ポートのエッジ検出処理、入賞口の判定処理、特別図柄に係る処理、普通図柄に係る処理、エラーに係る処理、外部出力に係る処理、試験信号出力に係る処理、ポート出力処理等)を挿入することができる。
この際、特別図柄に係る処理(特別遊技管理処理)を加算数算定処理より前に行うか後に行うかによって、算出されるベースの値は、異なる値となる。この理由は、加算数算定処理内で大当り中であるか否かの判定を行っているため、ベースの値の分母となるアウト数をカウントする場合とカウントしない場合とが存在するからである。
具体的には、特別図柄に係る処理が加算数算定処理より前の場合には、1回の割込み内で、特別図柄に係る処理で大当りとなり、かつ、アウトスイッチを検出していた場合、アウト数のカウントは行わない(アウトスイッチの検出は、大当たり中と判断してベースの計算から除外される)。
一方、特別図柄に係る処理が加算数算定処理より後の場合には、1回の割込み内で、特別図柄に係る処理で大当りとなり、かつ、アウトスイッチを検出していた場合、アウト数のカウントは行う(加算数算定処理の時点でまだ大当りとしていないため、アウトスイッチの検出は有効となり、ベースの計算から除外されない)。
このように、特別図柄に係る処理を加算数算定処理より前に配置するか後に配置するかによって、ベースの値は変化することになるが、特別図柄に係る処理は、遊技仕様や算出したいベースの内容に応じて、タイマ割込み処理の中の任意の場所に配置することができる。
図31及び図32は、設定変更処理の第1手順例を示すフローチャートである。
ステップS300:主制御CPU72は、設定値バッファをロードする処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、現在の設定値を取得することができる。
ステップS302:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS304を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS308を実行する。
ステップS304:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ304が押下されたか否かを確認する。なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用させているため、ここではRAMクリアスイッチ304の押下を確認しているが、RAMクリアスイッチ304と設定変更スイッチとを兼用させておらず、設定変更スイッチを別途設けている場合には、本処理で設定変更スイッチが押下されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチ304が押下されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS306を実行する。一方、RAMクリアスイッチ304が押下されていたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS308を実行する。
ステップS306:主制御CPU72は、設定値に1を加算する処理を実行する。例えば、ステップS300にてロードした設定値が「0(設定1)」である場合、本処理を実行すると、設定値は「1(設定2)」となる。また、ステップS300にてロードした設定値が「1(設定2)」である場合、本処理を実行すると、設定値は「2(設定3)」となる。なお、ステップS300にてロードした設定値が「5(設定6)」である場合、本処理を実行すると、設定値は元に戻って「0(設定1)」となる。
ここで、ステップS300にてロードした設定値が「5(設定6)」である場合、本処理を実行することにより、設定値は元に戻らずに「6(範囲外)」とし、次のステップS308及びステップS310で「0(設定1)」に補正する処理を行ってもよい。
ステップS308:主制御CPU72は、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であるか否かを確認する。本処理は、意図しない設定値がセットされることを回避するための処理である。
その結果、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS312を実行する。一方、設定値が「0(設定1)」~「5(設定6)」の範囲であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS310を実行する。
ステップS310:主制御CPU72は、「0(設定1)」をセットする処理を実行する。これにより、意図しない設定値がセットされている場合には、「0(設定1)」をセットすることができる。
ステップS312:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS314を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS322を実行する(ページ内結合子1→1)。
ステップS312:主制御CPU72は、設定キーがONからOFFに変化したか否かを確認する。主制御CPU72は、設定キースイッチ302からの入力信号がONからOFFに変化した場合に、設定キーがONからOFFに変化したと判断することができる。
なお、本判断処理は、設定キー(設定キースイッチ302)がOFFであるかという判断処理であってもよい。
その結果、設定キーがONからOFFに変化したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS316を実行する。一方、設定キーがONからOFFに変化したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
ステップS316:主制御CPU72は、設定変更中フラグに「02H(設定変更中・確定後)」をセットする処理を実行する。
ステップS318:主制御CPU72は、サブコマンドとして、「設定確定指定コマンド」を生成する処理を実行する。「設定確定指定コマンド」には、設定が確定したという情報や、設定値の情報を含ませることができる。
ステップS320:主制御CPU72は、サブコマンドセット処理を実行する。この処理を実行することにより、「設定確定指定コマンド」がサブコマンド送信用バッファにセットされる。セットされた「設定確定指定コマンド」は、サブコマンド送信処理において、演出制御装置124に送信される。本処理を終了すると、主制御CPU72は、次に、ステップS332を実行する(ページ内結合子2→2)。
ステップS322:主制御CPU72は、設定キーがON又は内枠開放であるか否かを確認する。
その結果、設定キーがON又は内枠開放であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS332を実行する(ページ内結合子2→2)。一方、設定キーがON又は内枠開放であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS324を実行する。
ステップS324:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマを更新する処理を実行する。
この処理では、主制御CPU72は内枠(例えば内枠アセンブリ7)の閉鎖時に内枠閉鎖タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS324:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマがタイムアップしたか否かを確認する。具体的には、内枠閉鎖タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は内枠閉鎖タイマがタイムアップしていないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
この後、時間の経過に伴って内枠閉鎖タイマの値が0になると、主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマがタイムアップしたと判断し(Yes)、ステップS328を実行する。
ステップS328:主制御CPU72は、設定変更中フラグをクリアする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、設定変更中フラグに「0」をセットする処理を実行する。
設定確認状態の終了時に(設定確認状態で設定キーをOFFにした際に)、ウエイト時間を設定する場合には、本処理において設定確認状態のウエイト時間を設定し、ウエイト時間がタイムアップするまで次の処理に移行しないようにする(本処理で待機する、ループ処理により待機する)ことができる。
ステップS330:主制御CPU72は、設定変更完了時の処理へ移行する処理を実行する。具体的には、ジャンプ命令によって図25のステップS152a(ステップS153)に移行する処理を実行する(ページ外結合子「設定変更完了時の処理へ移行」→「設定変更完了時」)。
このような処理を実行することにより、設定変更及び設定参照を終了した場合は、リセット状態へ移行する。具体的には、電源断時の退避処理にジャンプする。そして、ジャンプ先では、チェックサム計算後、電源供給を確認し、プログラムの先頭(CPU初期化処理)に戻る。これにより、プログラムの構成が「初期化→設定変更又は設定参照(仮のメインループ)→設定変更後の初期化→本来のメインループ」となるところを、「初期化→メインループ(通常遊技、設定変更及び設定参照)」と簡略化することができる。
ここで、パチンコ機1に設定の機能(設定変更装置300)を追加する場合、電源投入時の処理を、(1)初期化処理、(2)設定変更中のメインループ処理、(3)設定変更後の再初期化処理(表示器のクリア処理、RAMの再クリア処理、通常遊技への移行処理等)、(4)遊技中のメインループ処理という構成にする必要がある。
このように、設定の機能を追加すると、設定変更処理そのものに加え、設定変更処理の前後の処理も必要となるため、プログラムコード量が大幅に増加する。
そこで、本実施形態では、電源投入時の処理(CPU初期化処理の少なくとも一部の処理)と、電源断予告時の退避処理(電源断予告時割込み処理の少なくとも一部の処理)とを、設定変更終了後の処理として兼用するようにしている。
具体的には、タイマ割込み中に呼ばれる設定変更処理において、設定変更又は設定参照の終了条件を満たした場合に、タイマ割込み処理に戻らず、電源断予告時の退避処理(電源断予告時割込み処理の途中)へ移行する。
電源断予告時の退避処理では、全出力ポートのクリア、チェックサムの算定・保存を行い、その後は電源がONのままであることから、プログラム先頭(CPU初期化処理)に戻り、電源復帰時と同様の初期化処理を通じて通常の遊技状態に移行する。
このように、設定変更終了後の処理について、電源投入時の処理及び電源断予告時の退避処理を兼用することで、設定変更後の処理を専用のプログラムで行う場合と比較して、プログラムコードの増加量を抑えることができる。
ステップS332:主制御CPU72は、内枠閉鎖タイマをクリアする処理を実行する。そして、本処理を終えると、主制御CPU72は、次に、ステップS334を実行する(ページ外結合子C→C)。
ステップS334:主制御CPU72は、コモン0,1バッファに表示データ「rn.」をセットする処理を実行する。
ステップS336:主制御CPU72は、設定変更中、かつ、設定確定前であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS338を実行する。一方、設定変更中、かつ、設定確定前であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS340を実行する。
ステップS338:主制御CPU72は、コモン2バッファに表示データとして「-」に対応するデータをセットする処理を実行する。主制御CPU72は、次に、ステップS342を実行する。
ステップS340:主制御CPU72は、コモン2バッファに表示データとして「空欄(非表示)」に対応するデータをセットする処理を実行する。主制御CPU72は、次に、ステップS342を実行する。
ステップS342:主制御CPU72は、設定値バッファをロードする処理を実行する。これにより、主制御CPU72は、設定変更後等の設定値を取得することができる。
ステップS344:主制御CPU72は、設定値を表示データに変換する処理を実行する。
ステップS346:主制御CPU72は、コモン3バッファに表示データとして、ステップS344の処理によって変換された表示データをセットする処理を実行する。
例えば、設定値が「5(設定6)」であり、設定変更中、かつ、設定確定前である場合、性能表示モニタ200の4つの7セグメントLED201~204には、左側から順番に、「r」「n.」「-」「6」が表示される。また、設定値が「0(設定1)」であり、設定変更中、かつ、設定確定前でない場合、性能表示モニタ200の4つの7セグメントLED201~204には、左側から順番に、「r」「n.」「空欄(非表示)」「1」が表示される。
すなわち、性能表示モニタ200の「r」「n.」「-」「設定値」という表示態様は、設定変更中の表示態様(第1表示態様)であり、性能表示モニタ200の「r」「n.」「空欄(非表示)」「設定値」という表示態様は、設定参照中の表示態様(第2表示態様)である。
このような処理を実行することにより、性能表示モニタ200は、設定変更中と、設定値参照中とでは、異なる表示態様で設定値を表示し、設定値を表示している際には、ベースを表示しないようにすることができる。
また、このような処理を実行することにより、性能表示モニタ200は、設定値又はベースを表示可能であり、すなわち、主制御CPU72は、性能表示モニタ200に対して設定値又はベースを表示させることができ、性能表示モニタ200が設定値を表示している際にはベースを表示せず、性能表示モニタ200がベースを表示している際には設定値を表示しないようにすることができる。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
図33は、設定変更処理の第2手順例を示すフローチャートである。
第2手順例は、設定変更状態が終了した後の設定確定状態においてウエイト時間を設定するための手順例である。第1手順例及び第2手順例は、遊技の仕様に応じて、いずれかの手順例を採用することができる。
ステップS350:主制御CPU72は、遊技状態を確認する処理を実行する。遊技状態は、遊技状態フラグの値により確認する。
ステップS352:主制御CPU72は、遊技状態が設定変更状態であるか否かを確認する処理を実行する。具体的には、遊技状態フラグの値が設定変更状態に対応する値(01H)であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、遊技状態が設定変更状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS354を実行する。一方、遊技状態が設定変更状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS358を実行する。
ステップS354:主制御CPU72は、RAMクリアスイッチが押下されたか否かを確認する。
その結果、RAMクリアスイッチが押下されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS356を実行する。一方、RAMクリアスイッチが押下されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS358を実行する。
ステップS356:主制御CPU72は、設定値を更新する処理を実行する。処理の内容は、図31のステップS306と同様である。なお、設定値の数は機種による。また、本処理の実行後には、図31のステップS308及びステップS310と同様の処理を実行してもよい。
ステップS358:主制御CPU72は、設定キースイッチがONであるか否かを確認する。
その結果、設定キースイッチがONであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS366を実行する。一方、設定キースイッチがONであることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS360を実行する。
ステップS360:主制御CPU72は、設定変更状態であるか否かを確認する。確認の方法は、ステップS352と同様である。
その結果、設定変更状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS362を実行する。一方、設定変更状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS368を実行する。
ステップS362:主制御CPU72は、遊技状態を設定確定状態に変更する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「02H(設定確定状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。
また、本処理において、主制御CPU72は、設定変更中フラグに「02H(設定変更中・確定後)」をセットする処理(図31のステップS316と同様の処理)を実行することが好ましい。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更状態が終了した場合、設定を変更不能な状態であり、遊技不能な設定確定状態に移行させることができる(設定確定状態移行手段)。
ステップS364:主制御CPU72は、設定値をサブコマンドにセットする処理を実行する。本処理は、図31のステップS318及びステップS320の処理と同様の処理である。
ステップS366:主制御CPU72は、ウエイトタイマをセットする処理を実行する。ウエイトタイマは、設定確定状態のウエイト時間をカウントするためのタイマであり、初期値には、一定の時間に対応する時間が設定されている。本処理を終えると、主制御CPU72は、次にステップS378の処理を実行する。なお、本処理でセットされたウエイトタイマは、この時点では減算されず、ステップS360の処理で否定(No)と判断された場合に、ステップS368の処理で減算される。
ステップS368:ステップS360の処理で否定(No)と判断された場合、主制御CPU72は、ウエイトタイマを減算する処理を実行する。
ステップS370:主制御CPU72は、ウエイトタイマがタイムアップしたか否か(減算処理の結果、ウエイトタイマが1から0になったか否か)を確認する。
その結果、ウエイトタイマがタイムアップしたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS372を実行する。一方、ウエイトタイマがタイムアップしたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS378を実行するとともに、ウエイトタイマがタイムアップするまで、ウエイトタイマの減算処理(ステップS368)及びタイムアップの確認処理(ステップS370)を繰り返し実行する。
ステップS372:ウエイトタイマがタイムアップした場合(ステップS370:Yes)、主制御CPU72は、設定関連処理終了用のサブコマンドをセットする処理を実行する。設定関連処理終了用のサブコマンドは、サブコマンド送信用バッファにセットされ、演出制御装置124に送信される。
〔ウエイトタイマのタイムアップ判定について〕
ステップS370において肯定(Yes)と判断される場合は、ウエイトタイマが1から0になったときのみとすることが好ましい。つまり、ウエイトタイマが0のままである場合には、ステップS370において否定(No)と判断することが好ましい。
この理由は、ウエイトタイマは、起動時にクリア(ゼロクリア)されるからである。
つまり、初回の設定変更処理の実行時には、ウエイトタイマが0であり、この状態で設定キーがオフであった場合には、即遊技可能状態となってしまうことを防ぐため、一度設定キーをオンにし、ウエイトタイマをセットしないとタイムアップにならないようにしている。
ステップS374:主制御CPU72は、電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。電源投入時サブコマンドセット処理では、電源投入時用のサブコマンドを設定する処理を実行する。なお、電源投入時サブコマンドセット処理と同一の処理をCPU初期化処理で実行する場合には(例えば、本処理と図12のステップS118の処理とが同一の処理である場合には)、本処理を実行しなくてもよい。
設定関連処理終了用のサブコマンド及び電源投入時用のサブコマンドは、サブコマンド送信用バッファにセットされ、演出制御装置124に送信される。
ステップS376:主制御CPU72は、遊技状態を遊技可能状態に変更する処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、遊技状態フラグに「00H(遊技可能状態に対応する値)」を設定する処理を実行する。本処理を終えると、主制御CPU72は、次にステップS378の処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定確定状態が終了した場合、設定を変更不能な状態であり、遊技可能な遊技可能状態に移行させることができる(遊技可能状態移行手段)。
ステップS378:主制御CPU72は、その他の処理を実行する。主制御CPU72は、必要に応じて設定変更処理の第1手順例(図31、図32)において示した処理のうち少なくとも1つの処理を実行する。
例えば、ステップS366の処理、又は、ステップS370の処理に続けて本処理を実行する場合、主制御CPU72は、図32のステップS334~ステップS346の処理のうち少なくとも1つの処理を実行することが好ましい。
一方、ステップS376の処理に続けて本処理を実行する場合、主制御CPU72は、図31のステップS324~ステップS330の処理のうち少なくとも1つの処理を実行することが好ましい。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
〔スイッチ管理処理〕
図34は、スイッチ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS19に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20に進む。
ステップS20:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21に進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中(小当り遊技中)に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS24を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS24:主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。次に、主制御CPU72は、ステップS26を実行する。
ステップS26:主制御CPU72は、第2大入賞口31b内の特定領域31xに対応する特定領域スイッチ83から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで特定領域予備フラグをONにする処理を実行する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図26)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図35は、第1特別図柄記憶更新処理(図34中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図34)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、LED表示設定処理(図26中のステップS216)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第1抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理フェーズ(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数に基づいて、特別図柄抽選の結果や変動時間を事前(変動開始前)に判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。この処理において、第1特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンド(先読み情報)の下位バイト分にセットする。
ステップS38:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分(当否に関する情報や変動時間に関する情報)は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドが演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図34)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図36は、第2特別図柄記憶更新処理(図34中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図34)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図35)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、LED表示設定処理(図26中のステップS216)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図35)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図35)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図35)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(第2抽選要素記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図35)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理フェーズ(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。この処理において、第2特別図柄の事前判定の結果を特図先判定演出コマンドの下位バイト分にセットする。
ステップS47:取得時演出判定処理を実行すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされるので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信される(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ管理処理(図34)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図37は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図35中のステップS37,図36中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図35中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図36中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における特別図柄抽選の大当り確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図36)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図35中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図36中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果からいずれの当選図柄に該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS78に進む。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「時間短縮状態に移行しない図柄」に該当する場合は「00H」がセットされ、「時間短縮状態に移行する図柄」に該当する場合は「01H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図36)に復帰する。
〔特別遊技管理処理〕
次に、タイマ割込み処理(図26)の中で実行される特別遊技管理処理の詳細について説明する。図38は、特別遊技管理処理の構成例を示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別遊技管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別遊技管理フェーズ)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別遊技管理フェーズ:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別遊技管理フェーズ:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別遊技管理フェーズ:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択してもよい。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当り又は小当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技又は小当り遊技が開始される。
〔大当り遊技〕
例えば、特別図柄が3ラウンド大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技(遊技者にとって有利な特別遊技)が実行される。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で3回あれば、これらを「3ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、3ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として3ラウンド大当りだけでなく、その他のラウンド数の大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時間短縮状態)を変化させる(時間短縮状態移行手段)。「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選の抽選確率が通常確率(低確率)から高確率に設定され、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、いわゆる2種遊技機の要素を含む遊技機(例えば、1種2種混合機や2種遊技機、すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過することによって大当り遊技が実行される遊技機)においては、普通図柄の作動抽選の当選確率を高確率状態に移行させないようにしてもよい。この場合、普通図柄の作動抽選の当選確率は、時間短縮機能の作動の有無に関わらずに一定の確率(例えば略1分の1)とし、可変始動入賞装置28の開放パターンで入賞の容易さと困難さを調整することができる。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特例遊技実行手段、開放遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、小当り遊技(遊技者にとって有利な特殊遊技)が実行される。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば1.8秒間又は10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された作動回数(例えば1回又は複数回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段)。
また、小当り遊技中の可変入賞装置管理処理においては、特定領域ソレノイド99が一定時間(例えば1.6秒間)、予め設定された作動回数(例えば1回)にわたって励磁され、これにより特定領域用スライド部材31cが決まったパターンで開閉動作する。この間に特定領域31xに遊技球を通過させることで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過するか否かで、可変入賞装置管理処理において大当り遊技を開始するか否かが決定される。本実施形態では、小当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられており、遊技球が特定領域31xを通過すると、当選種類に応じた大当り遊技が開始される。
また、特定領域31xを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了しても、「時間短縮機能」が作動することもないので、「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。なお、「時間短縮状態」で小当りに当選した場合には、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了するようにしてもよい。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、複数の当選種類として、「2ラウンド大当り」、「3ラウンド大当り1,2」、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」が設けられている。「2ラウンド大当り」及び「3ラウンド大当り1,2」は特別図柄が大当りの態様で停止表示した際に開始されるのに対し、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」は特別図柄が小当りの態様で停止表示し、かつ、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した際に開始される。なお、「4ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「10ラウンド大当り」のうち1ラウンド目では第2可変入賞装置31が作動し、残りのラウンドでは第1可変入賞装置30が作動する。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「3ラウンド大当り1」は「第1当選図柄」の大当りに対応し、「3ラウンド大当り2」は「第2当選図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り」は「第3当選図柄」の大当りに対応する。また、「10ラウンド大当り」は「第4当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「7ラウンド大当り」は「第5当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応し、「4ラウンド大当り」は「第6当選図柄」の小当り(特定領域31x通過時の大当り)に対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔第1当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第1当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第1当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。また、第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される(以下、同様)。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第2当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「第2当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。このため、「第2当選図柄」の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第3当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第3当選図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが2ラウンド目まで継続する。このため、「第3当選図柄」の大当り遊技は、2ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能な大当り遊技となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=100回)。
〔第4当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第4当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目まで継続する。このため、「第4当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、9ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第5当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第5当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため、「第5当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、6ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
〔第6当選図柄〕
特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「第6当選図柄」の態様で停止表示されると、小当り遊技が実行され、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過すると、小当り遊技状態から大当り遊技状態に移行する。この場合、2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが4ラウンド目まで継続する。このため、「第6当選図柄」に該当した場合の大当り遊技は、3ラウンド分の出球(賞球)を遊技者に付与することが可能となる。この場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する(時短回数=6回)。
このように、本実施形態では、いずれの当選図柄に該当しても、大当り遊技終了後には、「時間短縮状態」に移行する。なお、複数ある当選図柄のうち一部の当選図柄に限って「時間短縮状態」に移行するようにしてもよい。
なお、このように内部抽選で小当りに当選し、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後に当選図柄の種類に応じて時間短縮状態に移行する遊技機は、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機と呼ばれている。
〔特別図柄変動前処理〕
図39は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する(第2抽選優先実行手段)。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数等)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す(いわゆる優先消化)。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記のLED表示設定処理(図26中のステップS216)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図40は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図39中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図39)に復帰する。
〔図39:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(第1抽選実行手段、第2抽選実行手段、抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、第2可変入賞装置31のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に遊技球が特定領域31xを通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
本実施形態では、第1特別図柄抽選においては、大当りの当選確率が319分の1に設定され、小当りには当選しない設定になっている。また、第2特別図柄抽選においては、大当りに当選する確率は同一の319分の1に設定され、小当りに当選する確率は6分の1に設定されている。したがって、第2特別図柄抽選においては、大当りよりも小当りに当選しやすくなっている。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、図示しない変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、はずれ時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。変動パターンには、通常変動(非リーチ変動)、リーチ変動、スーパーリーチ変動等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、特殊変動であるか否かという情報も含めて変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(大当り時や小当り時についても同様である。)。
ここで、はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
変動パターンには、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、スーパーリーチ変動パターン等といった様々な変動パターンが含まれている(大当り時や小当り時も同様)。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよく、変動開始時作動記憶数に関わらずに共通のテーブル内容としてもよく、当選時には当選種類に応じたテーブル内容としてもよい。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば変動開始時作動記憶数に応じて3.0秒~29.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば30.0秒~150.0秒程度)に対応するものである。
変動パターンは、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される変動パターンである場合もある。擬似連続予告演出とは、1回の特別図柄の変動中に、演出図柄が擬似的に1回又は複数回変動する演出である。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動であり、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動である。また、擬似3の変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動であり、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動である。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。第1特別図柄に関する内訳は、「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」であり、第2特別図柄に関する内訳は、「第3当選図柄」だけである。なお、これらの当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第1当選図柄」であれば、「第1当選図柄A」、「第1当選図柄B」、「第1当選図柄C」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図41は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「99」,「1」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第1当選図柄」、「第2当選図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「第1当選図柄」が選択される割合は100分の99(=99%)であり、「第2当選図柄」が選択される割合は100分の1(=1%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第1当選図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第1当選図柄」に該当した場合、通常中(非時間短縮状態)であるか時短中(時間短縮状態)であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
また、「第2当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。なお、時短回数は、上記の値に限定されることなく1~5回であってもよく、7回以上(11回以上)であってもよい。
ここで、「6回(又は10回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が6回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が10回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
また、「100回(又は104回)」とは、第2特別図柄の合計変動回数が100回となるか、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計変動回数が104回となると、時間短縮状態が終了することを意味している。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図42は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第3当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「第3当選図柄」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「第3当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第3当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は100回(又は104回)付与される。
〔図39:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、大当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「第2当選図柄」又は「第3当選図柄」である場合、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域にある遊技状態フラグとしての時間短縮機能作動フラグをON(01H)にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、主制御CPU72は、非時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグをOFF(00H)にリセットし、時間短縮状態で「第1当選図柄」に該当した場合、時間短縮機能作動フラグの値をON(01H)にセットする。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。また、本実施形態では第1特別図柄に関しては小当りが設定されておらず、第2特別図柄に関してのみ設定されている。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」である。なお、これらの当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば、「第4当選図柄」であれば、「第4当選図柄A」、「第4当選図柄B」、「第4当選図柄C」、・・・といった具合である。
〔第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル〕
図43は、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、この第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「50」,「14」,「36」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「第4当選図柄」、「第5当選図柄」、「第6当選図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する小当り時においては、「第4当選図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「第5当選図柄」が選択される割合は100分の14(=14%)であり、「第6当選図柄」が選択される割合は100分の36(=36%)である。
今回の小当りの結果、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の小当りの結果、当選図柄として「第4当選図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルの右側のカラムには、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過して大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。本実施形態では、「第4当選図柄」、「第5当選図柄」又は「第6当選図柄」に該当した場合、通常中か時短中であるかに関わらず、時短回数は6回(又は10回)付与される。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル、及び、第2特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルを用いることにより、主制御CPU72は、非時間短縮状態又は時間短縮状態で「第1当選図柄~第6当選図柄」に該当した場合(第4当選図柄~第6当選図柄については大当り遊技が実行された場合に限る。)には、時間短縮状態への移行条件が満たされるものとすることができる(移行条件設定手段)。
〔図39:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2408:次に主制御CPU72は、変動パターン選択テーブル(変動パターン規定手段)を参照して、小当り時変動パターン決定処理を実行する(変動パターン決定手段)。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。本実施形態では小当りは第2特別図柄抽選にのみ設定されており、小当り時には小当り時用の変動時間を有する変動パターンが選択される。なお、第1特別図柄抽選に小当りを設定してもよい。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別遊技管理処理に復帰する。
〔図38:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図39中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
図44は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図38中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時間短縮状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「時間短縮状態」に関するカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切りの時間短縮機能を採用しており、「時間短縮状態」に移行させる場合、時間短縮状態に関する第1回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回又は100回)に設定され、時間短縮状態に関する第2回数切りカウンタ値は規定の数値(例えば10回又は104回)に設定される。なお、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値の情報は、回数切りカウンタコマンドによって演出制御装置124に通知(送信)される。
なお、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値といったように2つのカウンタ値を設けずに、1つのカウンタ値だけで時間短縮状態を制御してもよい。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。具体的には、第2特別図柄の停止表示中である場合には、第1回数切りカウンタ値及び第2回数切りカウンタ値を両方ともデクリメントし、第1特別図柄の停止表示中である場合には、第2回数切りカウンタ値だけをデクリメントする。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、いずれかの回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値)の減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、いずれの回数切りカウンタ値も0でない場合(No)、主制御CPU72は特別遊技管理処理に復帰する。これに対し、いずれかの回数切りカウンタ値が0である場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値は所定の数値(例えば6回)に設定される。このため、時間短縮状態で6回の第2特別図柄のはずれ変動(特定領域未通過となった場合はその際の小当り変動を含む。)が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。一方、時間短縮状態で6回の第1特別図柄のはずれ変動が実行されても、時間短縮機能作動フラグはリセットされず、その後さらに時間短縮状態で4回の第1特別図柄又は第2特別図柄のはずれ変動が実行されると、時間短縮機能作動フラグがリセットされる。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。なお、時間短縮機能作動フラグは、特別図柄の停止表示時間が経過した際にリセットする例で説明しているが、特別図柄の変動時間終了時(停止表示時間計測開始前)にリセットしてもよい。
そして、以上の手順を終えると、特別遊技管理処理に復帰する。
このように、時間短縮状態の終了条件(所定の終了条件)は、時間短縮状態に移行してからの第2特別図柄の変動回数が第1回数(例えば6回)に到達した場合、又は、時間短縮状態に移行してからの第1特別図柄の変動回数及び第2特別図柄の変動回数を合計した合計変動回数が第1回数よりも大きい第2回数(例えば10回)に到達した場合に満たされる条件となっている。
〔変動パターン選択テーブルの例〕
図45は、変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン選択テーブルは、時間短縮状態の有無や、変動開始時作動記憶数、内部抽選の当否結果に応じて異なるテーブル内容とすることができる。
例えば、本テーブルが非時間短縮状態のはずれ時の変動パターンテーブルである場合、変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずにはずれとなる変動パターンに対応させ、変動パターン番号「6」,「7」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応させ、変動パターン番号「8」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応させることができる。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔可変入賞装置管理処理〕
図46は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。
可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図47は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。
この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図48は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を連続して作動させることができる装置である。なお、「条件装置」や「役物連続作動装置」は制御上のフラグとすることもできる。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
〔大当り時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図49は、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。
この大当り時図柄別開放パターン設定テーブルは、特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの作動させる可変入賞装置(第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第1当選図柄〕
第1当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第1当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される(ただし、上限個数の入球が確認されると閉鎖される。以下、同様。)。したがって、第1当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第2当選図柄〕
第2当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は3ラウンドであり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第2当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から3ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第2当選図柄に該当した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第3当選図柄〕
第3当選図柄に該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は2ラウンドであり、その内の2ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、特別図柄に関する当選図柄が第3当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、1ラウンド目から2ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第3当選図柄に該当した場合は、実質的に2ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定する。
〔図48:大当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5216:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンが1ラウンド~最終ラウンドで第1大入賞口30bが開放されるため、第1可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、3ランド大当り(第1当選図柄及び第2当選図柄)に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては、3ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第1当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、全ての大当り時の当選図柄(第1当選図柄~第3当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「3ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図47)に復帰する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図50は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間、特定領域31xの開放時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
〔小当り時開放パターン設定テーブル〕
図51は、小当り時開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。
この小当り時開放パターン設定テーブルは、可変入賞装置(第2可変入賞装置31)の開閉動作パターンを定めたものである。なお、本実施形態では、小当り時に設定される開放パターンは1つであるが、当選図柄別に複数規定してもよい。
小当りに該当した場合、作動させる可変入賞装置は、第2可変入賞装置31である。また、第2可変入賞装置31の開放回数は2回であり、その1回の開放時間は0.9秒である。なお、インターバル時間は例えば1.0秒程度に設定される。
特定領域31xの開放開始時間(特定領域ソレノイド99をONにして特定領域用スライド部材31cを作動させるタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後である。
また、特定領域31xの開放終了時間(特定領域ソレノイド99をOFFにして特定領域用スライド部材31cを非作動とするタイミング)は、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後である。
〔図50:小当り時大入賞口開放パターン設定処理を参照〕
ステップS5256:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に作動させる可変入賞装置の種類を第2可変入賞装置31に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として2回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.9秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、インターバルタイマは所定時間(例えば1.0秒)に設定される。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域31x(特定領域用スライド部材31c)の開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、小当り遊技中に特定領域31xの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、第2可変入賞装置31の開放開始から0.2秒後に特定領域31xが開放され、第2可変入賞装置31の開放開始から1.8秒後に特定領域31xが閉鎖される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図47)に復帰する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図52は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。
この処理は主に、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、第2大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第2大入賞口31bを開閉するために第2可変入賞装置31を作動させる(第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、第1大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、第1大入賞口30bを開閉するために第1可変入賞装置30を作動させる(第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。
〔第2大入賞口開閉動作処理〕
図53は、第2大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第2大入賞口31bを開放する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図50中)のステップS5260やステップS5264)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。なお、この処理では、第2大入賞口31bの開放に関する開放タイマの他に、特定領域31xの開放に関する開放タイマ(開放開始時間、開放終了時間)についてのカウントダウンが行われる。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域31xを開閉するために特定領域用スライド部材31cを作動させる(特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。
ステップS5316:主制御CPU72は、第2大入賞口31bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理中の第2大入賞口31bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第2大入賞口31bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、第2大入賞口31bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように小当り時の開放1回あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間(例えば、1.8秒)に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5316で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5322:主制御CPU72は、第2大入賞口31bを閉鎖する。具体的には、第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5327aを実行する。なお、特定領域通過フラグは、先の特定領域開閉動作処理(ステップS5314)の中でONに設定される可能性がある。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り遊技中の第2大入賞口31bが開放している間に遊技球が特定領域31xを通過したことに基づき(特定の実行条件が成立したことに基づき)、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、第1可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する(特殊遊技経由特別遊技実行手段、特別遊技実行手段、大当り遊技実行手段、開放遊技実行手段)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5327a:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図50中)のステップS5265)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5327bに進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5327aから呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図46)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5310からではなく直にステップS5327aを実行する。
ステップS5327b:主制御CPU72は、第2大入賞口開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、第2大入賞口開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5327c:主制御CPU72は、インクリメント後の第2大入賞口開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、特にこのような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されているため、1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328に進むことになる。
一方、「1回の小当り中に第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5310~ステップS5327bまでの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5327bで開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(ステップS5327c;Yes)、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図52)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔特定領域開閉動作処理〕
図54は、特定領域開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5330:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放開始時間についての開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が開始されたか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が開始された場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5332を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が開始されていない場合(No)、又は、すでに開放されている場合、主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5332:主制御CPU72は、特定領域31xを開放する。具体的には、特定領域ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、特定領域用スライド部材31cが作動して特定領域31xが閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5334を実行する。
ステップS5334:主制御CPU72は、遊技球が特定領域31xを通過したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76の記憶領域にアクセスし、特定領域予備フラグがONになっているか否かを確認する。この確認の結果、特定領域予備フラグがONになっていて、遊技球が特定領域31xを通過したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5336を実行する。一方、特定領域予備フラグがOFFになっていて、遊技球が特定領域31xを通過していないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。
ステップS5336:主制御CPU72は、特定領域通過フラグをONにセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値を01Hに設定する。主制御CPU72は次にステップS5338を実行する。なお、特定領域通過フラグや特定領域予備フラグは大当り遊技の終了時にリセットされる。
ステップS5338:主制御CPU72は、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はカウントダウン処理(ステップS5312)においてカウントダウンされていた特定領域31xの開放に関する開放タイマの値が0であるか否かを確認することで、特定領域31xの開放時間が終了したか否かを確認する。この確認の結果、特定領域31xの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5340を実行する。一方、特定領域31xの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図53)に復帰する。
ステップS5340:主制御CPU72は、特定領域31xを閉鎖する。具体的には、特定領域ソレノイド99に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、特定領域用スライド部材31cが開放状態(作動状態)から閉鎖状態(非作動状態)に復帰する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図53)に復帰する。
〔特定領域通過時処理〕
図55は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り遊技を終了させる。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去し、制御処理上で小当り遊技を終了する(小当り終了)。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置及び役物連続作動装置を作動させる。これにより、第1可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、当選図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、第1当選図柄又は第2当選図柄に該等した場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5360を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を第1可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。例えば、第4当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数としては「10ラウンド」が設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、第4当選図柄であった場合、出球有りのラウンドについては第1大入賞口30bを開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。なお、開放タイマの値として0.5秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口30bへの入球が困難な時間となる。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄(第4当選図柄~第6当選図柄)に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の第1大入賞口30bの開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。例えば、第4当選図柄に該当した場合、実行ラウンド数は「10ラウンド」となるため、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値を含むコマンドとして生成される。生成された連続作動回数コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5370を実行する。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が「第4当選図柄」~「第6当選図柄」である場合、主制御CPU72は時間短縮機能作動フラグをONにセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。なお、本実施形態では、「第4当選図柄」~「第6当選図柄」に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、必ず時間短縮状態に移行させているが、例えば、特定の当選図柄だけ時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第2大入賞口開閉動作処理(図53)に復帰する。
〔特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブル〕
図56は、特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。この特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルは、小当りに該当した際の特別図柄に関する異なる当選図柄別に、ラウンドごとの第1可変入賞装置30の開閉動作パターンを定めたものである。具体的には、当選図柄別に以下の大入賞口の開放パターンが定められている。
〔第4当選図柄〕
第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は10ラウンドである。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された第2可変入賞装置31の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数となる(以下、第5当選図柄、第6当選図柄においても同様)。また、9ラウンドのうち9ラウンド分が出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第4当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から10ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第4当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に9ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第5当選図柄〕
第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は7ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は6ラウンド)であり、その内の6ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒である。また、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第5当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、小当りでの第2可変入賞装置31の開放を1ラウンド目としているため、2ラウンド目から7ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第5当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に6ラウンド分の出球を獲得することができる。
〔第6当選図柄〕
第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合、作動させる可変入賞装置は、第1可変入賞装置30である。また、実行ラウンド数は4ラウンド(実質的な大当り遊技でのラウンド数は3ラウンド)であり、その内の3ラウンドが出球有のラウンドである。そして、出球有のラウンドにおいて1ラウンドあたりに第1大入賞口30bを開放する開放時間は29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間は1.0秒である。
このように、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄が第6当選図柄である場合、大当り遊技が開始されると、2ラウンド目から4ラウンド目まで第1可変入賞装置30が29.0秒にわたって各ラウンド中に作動して第1大入賞口30bが開放される。したがって、第6当選図柄に該当して遊技球が特定領域31xを通過した場合は、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。
以上のように、主制御CPU72は、上記特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照して小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応する大入賞口の開放パターンを設定することとなる。
〔第1大入賞口開閉動作処理〕
図57は、第1大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、第1大入賞口30bを開放する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図48中)のステップS5220、又は、特定領域通過時処理(図55中)のステップS5364)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、第1大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の第1大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、第1大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、第1大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。なお、開放タイマの値が短時間(例えば、0.5秒)に設定されている場合、通常、主制御CPU72はステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5386で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5392:主制御CPU72は、第1大入賞口30bを閉鎖する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5394を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図48中)のステップS5222、又は、特定領域通過時処理(図55中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図46)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図52)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図58は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。
この大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り遊技中に特定領域31xを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の第2大入賞口31bの開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の14、又は、15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図46中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図50中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図46中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図59は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。
この終了処理は、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で大当り遊技を終了する(大役終了)。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値が01Hであるか(セットされているか)否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図39中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図55中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値が01Hである場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば6回(又は10回)、100回(又は104回))を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。本実施形態では、時短回数を管理するために、2種類の時間短縮状態に関する回数切りカウンタ値(第1回数切りカウンタ値、第2回数切りカウンタ値)が用意されている。ここで、第1回数切りカウンタ値は、第2特別図柄が1回変動する度にデクリメント(1減算)される変数であり、初期値として「6」又は「100」が設定される。また、第2回数切りカウンタ値は、第1特別図柄又は第2特別図柄が1回変動する度にデクリメントされる変数であり、初期値として「10」又は「104」が設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値が01Hでない場合(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、時間短縮状態への移行条件が満たされた場合(所定の移行条件が満たされた場合、時間短縮状態に移行させる当選図柄で当選した場合)、大当り遊技の終了後に、非時間短縮状態(所定の遊技状態)から非時間短縮状態と比較して有利な条件が適用された(普通図柄抽選の変動時間が短縮され、可変始動入賞装置の開放時間が延長されている)時間短縮状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り遊技中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、メインループ処理のサブコマンド送信処理(図20中のステップS144)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別遊技管理処理の中の実行選択処理(図38中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔LED表示設定処理〕
図60は、LED表示設定処理の構成例を示すフローチャートである。
LED表示設定処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)及び作動記憶表示設定処理(ステップS1230)は、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号(コモン出力用データ)を生成する処理である。なお、生成されたコモン出力用データ(表示データ)は、使用領域のRAMに格納され、ダイナミックポート出力処理において出力される(以下、同様)。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)は、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号(コモン出力用データ)を生成する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。また、確率変動状態表示ランプ38dは、潜伏確変状態(高確率非時間短縮状態)に移行した場合には点灯しないが、潜伏確変状態で電源断の状態が発生し、RAMクリアされずに電源が復帰された場合には点灯する。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。さらに、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合(発射位置指定ステータスに「1」が設定されている場合)、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDする点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。一方、非時間短縮状態での通常遊技中となる場合(発射位置指定ステータスに「0」が設定されている場合)、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成しない。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
確率変動状態表示ランプ38dは、以下のいずれかの点灯方式を採用することができる。
(1)1つ目の点灯方式は、主に潜伏確変の機能を搭載している機種に用いる方式であり、確率変動状態(高確率状態)でも点灯せず、電源投入時に確率変動状態であった場合に点灯させる方式である。例えば、潜伏確変状態が存在している場合、潜伏確変状態に移行した場合には、確率変動状態表示ランプ38dは点灯しないようにすることができ、確変中(高確率時間短縮状態)にも点灯しないようにすることができる。
(2)2つ目の点灯方式は、主に潜伏確変の機能を搭載していない機種に用いる方式であり、確率変動状態である場合には、点灯させる点灯方式である。
これらの点灯方式は、遊技機の機種の仕様等によって、いずれか一方の点灯方式を採用することができる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。また、連続作動回数ステータスの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対する点灯信号(コモン出力用データ)を生成する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の6種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
図61は、加算数算定処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS602:主制御CPU72は、通常賞球加算数、通常アウト加算数及び総アウト加算数をクリアする処理を実行する。
通常賞球加算数は、通常賞球数に加算する値を示す変数である。通常アウト加算数は、通常アウト数に加算する値を示す変数である。総アウト加算数は、総アウト数に加算する値を示す変数である。
ステップS604:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS606を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS608を実行する。
ステップS606:主制御CPU72は、総アウト加算数を1加算する処理を実行する。例えば、総アウト加算数の値が「0」である場合、総アウト加算数の値は「1」となる。
ステップS608:主制御CPU72は、特別遊技管理フェーズをロードする処理を実行する。なお、特別遊技管理フェーズの値は、後述する。
ステップS610:主制御CPU72は、大当り中であるか否かを確認する。大当り中であるか否かは、特別遊技管理フェーズの値(大当り中:特別遊技管理フェーズ=「03H」~「07H」)により確認することができる。
その結果、大当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図26)に復帰する。一方、大当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS612を実行する。
ステップS612:主制御CPU72は、時短中であるか否かを確認する。時短中であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
その結果、時短中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図26)に復帰する。一方、時短中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS614を実行する。
ステップS614:主制御CPU72は、右打ち指示中であるか否かを確認する。右打ち指示中であるか否かは、発射位置指定ステータスにより確認することができる。
その結果、右打ち指示中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図26)に復帰する。一方、右打ち指示中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS616を実行する。
ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスの内容に基づいて(発射位置決定手段による決定内容に基づいて)、ベースを算出するか否かを決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
また、ステップS610~ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、大当り遊技の実行中である場合、時間短縮状態である場合、又は、第2遊技領域に遊技球を発射すべきであると決定されている場合のいずれかである場合、ベースを算出しないと決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
さらに、ステップS610~ステップS614の処理を実行することにより、主制御CPU72は、大当り遊技の実行中でない場合、非時間短縮状態である場合、又は、第1遊技領域に遊技球を発射すべきであると決定されている場合のいずれかである場合、ベースを算出すると決定することができる(ベース算出実行可否決定手段)。
ステップS616:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS618を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS620を実行する。
ステップS618:主制御CPU72は、通常アウト加算数を1加算する処理を実行する。例えば、通常アウト加算数の値が「0」である場合、通常アウト加算数の値は「1」となる。
ステップS620:主制御CPU72は、各入賞口スイッチ(例えば、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81)から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS622を実行する。一方、検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
ステップS622:主制御CPU72は、今回の割込みで発生した全ての賞球数を通常賞球加算数に加算する処理を実行する。
例えば、通常アウト加算数の値が「0」であり、今回の割込みで、中始動入賞口26(中始動入賞口スイッチ80:賞球数=4個)、右始動入賞口28a(右始動入賞口スイッチ82:賞球数=1個)、普通入賞口22(第1入賞口スイッチ86:賞球数=3個)にそれぞれ遊技球が1個ずつ入球した場合、通常アウト加算数の値は「8(=4+1+3)」となる。賞球対象のスイッチ及び賞球数は使用領域に格納されている賞球数データに基づいて決定する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は機種によって異なることがあるため、本処理は、機種に依存する処理である。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
図62は、加算数算定処理の第2手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。なお、第1手順例及び第2手順例については、いずれか一方の手順例を採用することができる。
ステップS630:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたか否かを確認する。
その結果、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS631を実行する。一方、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS632を実行する。
ステップS631:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認した場合、発射球数B(総アウト加算数)に「1」を設定する。
ステップS632:主制御CPU72は、アウトスイッチ99から検出信号が入力されたことを確認できない場合、発射球数B(総アウト加算数)に「0」を設定する。
ステップS633:主制御CPU72は、遊技状態が特定の遊技状態であるか否かを確認する。特定の遊技状態であるか否かを判断している理由は、特定の遊技状態では、ベースの計算の基礎となる発射球数A及び獲得球数をカウントしないためである。
ここで、特定の遊技状態には、(1)大当り中、(2)時短中、(3)右打ち指示中のうち少なくとも1つの状態を含ませることができる。また、「(3)右打ち指示中」を含ませている理由は、特定の遊技状態に「小当りラッシュ状態中(第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回しを採用しつつ、第2特別図柄の変動により小当りが頻繁に発生する状態中、つまり、高確率非時間短縮状態)」を含ませ、「潜伏確変中(高確率非時間短縮状態中)」を含ませないためである。
その結果、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS634を実行する。一方、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS635を実行する。
ステップS634:主制御CPU72は、発射球数A(通常アウト加算数)に「0」を設定し、獲得球数(通常賞球加算数)に「0」を設定する処理を実行する。そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
ステップS635:主制御CPU72は、発射球数B(総アウト加算数)の値を、発射球数A(通常アウト加算数)にコピー(代入)する処理を実行する。
ステップS636:主制御CPU72は、入賞口へ入賞した遊技球による賞球数の合計を、獲得球数(通常賞球加算数)に設定する処理を実行する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は使用領域に格納されている賞球数データに基づいて決定する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は機種によって異なることがあるため、本処理は、機種に依存する処理である。
ここで、大入賞口については、大当り中がベースの計算から除外されているため、賞球数を算定する必要はないが、通常時の小当り中の賞球数をベースに含めたい場合には、大入賞口についても賞球数を算定することができる。
なお、「獲得球数」、「発射球数A」及び「発射球数B」は、いずれもRAM76の使用領域に格納されている変数である。
そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
図63は、遊技状態と発射球数の関係を示す図である。
「遊技状態」が、「大当り中」、「時短中」又は「右打ち指示中」である場合、発射球数の値は、以下に示す値となる。
「アウトスイッチ検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「1」となる。
「アウトスイッチ非検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「0」となる。
「遊技状態」が、「通常中」又は「潜伏中(潜伏確変状態)」である場合、発射球数の値は、以下に示す値となる。
「アウトスイッチ検知時」は、「発射球数A」は「1」となり、「発射球数B」は「1」となる。
「アウトスイッチ非検知時」は、「発射球数A」は「0」となり、「発射球数B」は「0」となる。
図64は、性能表示モニタ制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS640:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを退避する処理を実行する。
ステップS642:主制御CPU72は、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、領域外で使用するRAMが初期化済みであるか否かを判定し、初期化済みでなければ初期化する処理を実行する。
ステップS643:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS648を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS644を実行する。
このような処理を実行することにより、メインループ中に呼ばれる領域外の処理と同様に、設定変更中又は設定参照中である場合、本来の性能表示モニタ200に関する処理を実行しないようにすることができる。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができる。この場合、性能表示モニタ200に係る本来の処理は行わない。このため、「設定変更中又は設定参照中は、領域外の処理を呼び出さない。」としてもよいが、使用領域のコード量が増えるので本実施形態では採用していない。つまり、「設定変更中又は設定参照中」であるかの判断処理を領域外で実行することにより、使用領域のコード量を削減することができる。このように、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に関連する処理を実行しないことでメインプログラムの負荷を軽減することができる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定関連処理及びベース関連処理のうち、一方の処理の実行中には、他方の処理の少なくとも一部の処理の実行を制限することができる(制限手段)。つまり、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中である場合(ステップS643;Yes)、ベース関連処理の少なくとも一部の処理(ステップS644及びステップS646)を実行しないようにすることができる。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否か(一方の処理の実行中であるか否か)を判断し、判断結果が肯定である場合にはベース関連処理(他方の処理)の少なくとも一部の処理の実行を制限すると決定し、判断結果が否定である場合にはベース関連処理(他方の処理)の少なくとも一部の処理の実行を制限しないと決定する判断処理(ステップS643の判断処理)を実行することができる(制限手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、領域外の処理(第2処理)に含まれる処理として、判断処理(ステップS643の判断処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。
ステップS644:主制御CPU72は、球数加算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、使用領域の処理として実行される「加算数算定処理」で算定した発射球数A(通常アウト加算数)、発射球数B(総アウト加算数)及び獲得球数(通常賞球加算数)を、RAM76の領域外に配置されている各種カウンタに加算する処理を実行する。
具体的には、主制御CPU72は、通常アウト数(通常アウトカウンタ)に発射球数A(通常アウト加算数)を加算する処理、総アウト数(総アウトカウンタ)に発射球数B(総アウト加算数)を加算する処理、通常賞球数(通常賞球数カウンタ)に獲得球数(通常賞球加算数)を加算する処理等を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS646:主制御CPU72は、性能表示モニタ表示処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、性能表示モニタ200の点滅、表示内容変更、表示データの設定を行う。表示内容は、例えば、「0.3秒点灯、0.3秒点灯又は消灯(点滅時)」を8回繰り返すと(合計4.8秒が経過すると)、変更される。切り替える内容は、「現在計測中のベース」と「前回の6万発分の区間のベース」である。
そして、8回目の「点灯又は消灯」となるタイミング(表示開始から4.5秒経過時点)で、除算タスク(除算処理)の開始を設定する。以後、メインループ処理から呼び出される性能表示モニタ集計除算処理を通じて除算タスクが実行される。除算タスクでの計算は、遅くとも表示内容が変更となるタイミング(表示開始から4.8秒後、除算タスク開始から0.3秒後)には終了する処理となる。
また、この処理において、主制御CPU72は、ベースの値に基づいて、性能表示モニタ200に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。
例えば、「現在の区間のベースが30%」である場合、主制御CPU72は、コモン0,1バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「bL.」に対応するデータをセットし、コモン2,3バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「30」に対応するデータをセットする処理を実行する。
また、本処理において、主制御CPU72は、性能表示モニタ200に連続役物比率(役物比率)を表示する処理を実行することができる。連続役物比率は、「現在計測中の連続役物比率」、「前回の6万発分の区間の連続役物比率」を所定時間(例えば数秒)ごとに切り替えて表示する。なお、「前々回の6万発分の区間の連続役物比率」、「3回前の6万発分の区間の連続役物比率」を表示してもよい。また、ベースとともに連続役物比率を表示する場合は、最初にベースを表示し、次に役物連続比率を表示し、再びベースを表示するといったように、ベースと連続役物比率を交互に表示する。連続役物比率の計算は、本処理で実行してもよく、ベースの算出のように、除算タスクを用いて実行してもよい。
また、性能表示モニタに連続役物比率を表示する場合、主制御CPU72は、連続役物比率の値に基づいて、性能表示モニタ200に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。
例えば、「現在の区間の連続役物比率が52%」である場合、主制御CPU72は、コモン0,1バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「r0.」に対応するデータをセットし、コモン2,3バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「52」に対応するデータをセットする処理を実行する。
また、「前回の区間の連続役物比率が45%」である場合、主制御CPU72は、コモン0,1バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「r1.」に対応するデータをセットし、コモン2,3バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「45」に対応するデータをセットする処理を実行する。
ステップS648:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを復帰する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図26)に復帰する。
図65は、球数加算処理の手順例を示すフローチャートである。
球数加算処理は、領域外の処理である。球数加算処理は、タイマ割込み処理によって呼び出される性能表示モニタ制御処理によって呼び出される。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:主制御CPU72は、通常賞球数カウンタ(通常賞球数)に獲得球数(通常賞球加算数)を加算する処理を実行する。例えば、通常賞球数カウンタの値が「100」であり、獲得球数の値が「8」である場合、通常賞球数カウンタの値は「108」となる。
ステップS652:主制御CPU72は、通常アウトカウンタ(通常アウト数)に発射球数A(通常アウト加算数)を加算する処理を実行する。例えば、通常アウトカウンタの値が「299」であり、発射球数Aの値が「0」である場合、通常アウトカウンタの値は「299」となる。
ステップS654:主制御CPU72は、総アウトカウンタ(総アウト数)に発射球数B(総アウト加算数)を加算する処理を実行する。例えば、総アウトカウンタの値が「299」であり、発射球数Bの値が「1」である場合、総アウトカウンタの値は「300」となる。
なお、「通常賞球数カウンタ」、「通常アウトカウンタ」及び「総アウトカウンタ」は、領域外のRAMに格納されている変数である。
また、「通常賞球数カウンタ」及び「通常アウトカウンタ」の値は、ベースの計算に使用し、「総アウトカウンタ」の値は、集計区間の更新に使用する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ制御処理(図64)に復帰する。
図66は、性能表示モニタ集計除算処理の手順例を示すフローチャートである。
性能表示モニタ集計除算処理は、領域外の処理である。性能表示モニタ集計除算処理は、メインループ処理から呼び出される。
ステップS660:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを退避する処理を実行する。
ステップS661:主制御CPU72は、領域外RAMクリアチェック処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、領域外で使用するRAMが初期化済みであるか否かを判定し、初期化済みでなければ初期化する処理を実行する。
ステップS662a:主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否かを確認する。具体的には、設定変更中フラグの値が「01H」、「02H」又は「03H」であるか否かを確認する。
その結果、設定変更中又は設定参照中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS668を実行する。一方、設定変更中又は設定参照中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS663を実行する。
設定変更中又は設定参照中は、遊技停止状態とすることができる。この場合、性能表示モニタ200に係る本来の処理は行わない。このため、「設定変更中又は設定参照中は、領域外の処理を呼び出さない。」としてもよいが、使用領域のコード量が増えるので本実施形態では採用していない。つまり、「設定変更中又は設定参照中」であるかの判断処理を領域外で実行することにより、使用領域のコード量を削減することができる。このように、設定変更中又は設定参照中において、性能表示モニタ200に関連する処理を実行しないことでメインプログラムの負荷を軽減することができる。
遊技停止状態は、いわゆる2種系の機種(特定領域を有する遊技機)に搭載されている、「遊技停止フラグ」を1種系の機種にも採用し、設定変更中及び設定参照中は遊技停止フラグをセットすることにより移行させることができる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定関連処理及びベース関連処理のうち、一方の処理の実行中には、他方の処理の少なくとも一部の処理の実行を制限することができる(制限手段)。つまり、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中である場合(ステップS662a;Yes)、ベース関連処理の少なくとも一部の処理(ステップS663~ステップS668)を実行しないようにすることができる。
また、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、設定変更中又は設定参照中であるか否か(一方の処理の実行中であるか否か)を判断し、判断結果が肯定である場合にはベース関連処理(他方の処理)の少なくとも一部の処理の実行を制限すると決定し、判断結果が否定である場合にはベース関連処理(他方の処理)の少なくとも一部の処理の実行を制限しないと決定する判断処理(ステップS662aの判断処理)を実行することができる(制限手段)。
さらに、このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、領域外の処理(第2処理)に含まれる処理として、判断処理(ステップS662aの判断処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。
ステップS663:主制御CPU72は、区間変更であるか否か(ベースや連続役物比率を表示するための区間が新たな区間に移行したか否か、集計区間の変更であるか否か)、すなわち、総アウト数(総アウトカウンタ)の値が、60000にn(整数)を乗じて300を加算した値よりも大きい値であるか否かを確認する。なお、nは、現在の区間を示す値であり、初期値として1が設定される。
その結果、区間変更であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS663aを実行する。一方、区間変更であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS666を実行する。
ステップS663a:主制御CPU72は、集計区間切り替え時処理を実行する。この処理では、集計区間の切り替え時に必要な処理を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS664:主制御CPU72は、通常賞球数の値(通常賞球数カウンタ)と、通常アウト数の値(通常アウトカウンタ)とを専用バッファに保存する処理を実行する。
また、主制御CPU72は、現在の区間を示す値nに1を加算して更新する処理を実行する。
なお、この処理では、ベースの値は保存しないことが好ましい。この理由は、総アウト数が一定の値(60000個)に到達し、ベースの表示区間を切り替えるときに、「通常賞球数÷通常アウト数×100の四捨五入」を計算して、結果を保存することも考えられるが、主制御CPU72でこの演算を行うのは時間がかかりすぎるからである。このため、本処理では、通常賞球数と通常アウト数を保存する処理だけを実行し、後の適切なタイミングで演算を行うのが最適な演算方法となる。これは、「最悪の場合の処理時間を短くする」という考え方に基づく計算方法であり、遊技機、特に、パチンコ機の動作安定上、重要な事項である。ただし、この処理で、主制御CPU72は、ベースの値を保存する処理(例えば、後述するステップS667において算出されていたベースの値を前回の区間のベースの値として記憶する処理)を実行してもよい。
ステップS665:主制御CPU72は、通常賞球数の値と通常アウト数の値とをクリアする処理を実行する。
本処理を終えると、主制御CPU72は、次に、ステップS668の処理を実行する。
ステップS666:主制御CPU72は、除算タスクの先頭番地を算定する処理を実行する。この処理を実行することにより、主制御CPU72は、除算タスクにおけるベースを算出する演算(除算、減算等の処理)を所定の処理量(例えば1ビット)だけ実行するようにすることができる。
上述した通り、主制御CPU72で除算処理を実行する場合には時間がかかるので、本実施形態では、除算処理を何回かに分けて実行している。
具体的には、以下に示す先頭番地が格納されたテーブルを用意して、今回実行すべきモジュールの先頭番地を算出し、プログラムカウンタ(PC)にその番地をセットすることにより、除算処理を少しずつ(細切れに、分割して)実行している。
(1)割算実行前の待機処理(の先頭番地)
(2)割算準備処理(の先頭番地)
(3)商の64の位を求める処理(の先頭番地)
(4)商の32の位を求める処理(の先頭番地)
(5)商の16の位を求める処理(の先頭番地)
(6)商の8の位を求める処理(の先頭番地)
(7)商の4の位を求める処理(の先頭番地)
(8)商の2の位を求める処理(の先頭番地)
(9)商の1の位を求める処理(の先頭番地)
(10)四捨五入を行う処理(の先頭番地)
(11)割算終了後の待機処理(の先頭番地)
例えば、上記(1)の「割算実行前の待機処理」は、次回タスク(次回タスク決定ステータス)に「0」が設定されている場合に実行され、上記(2)の「割算準備処理」は、次回タスクに「1」が設定されている場合に実行される。このような制御処理により、以下の除算タスクの内容を少しずつ実行することができる。なお、次回タスクの初期値は0である。
ステップS667:主制御CPU72は、除算タスクを実行する(呼び出す)処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。除算タスクには、11個のタスク(除算タスク0~除算タスク10)があり、除算タスク0から除算タスク10までが順番に呼び出される。なお、除算タスクの内容は、後述する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、領域外の処理(第2処理)に含まれる処理として、性能表示モニタ200に表示するベースを算出する処理(ベース関連処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。なお、ベース関連処理は、ベースを算出するのに必要となる処理、ベースを表示するのに必要となる処理のうち少なくとも一方の処理が含まれる。
ステップS668:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを復帰する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、メインループ処理(図20)に復帰する。
図67は、除算タスク1の処理の手順例を示すフローチャートである。
図68は、除算タスク2~8の処理の手順例を示すフローチャートである。
図69は、除算タスク9の処理の手順例を示すフローチャートである。
除算タスクは、0~10までがあり、除算タスクの先頭番地を算定する処理(S666)において次回タスクの値が参照され、実際に実行する除算タスクの先頭アドレスが指定される。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、以下に説明する除算タスクの処理の内容は、1回の呼び出しでベースを算出する演算を1ビットずつ行う例で説明しているが、1回の呼び出しでベースを算出する演算を完了させてもよい。
また、ベースの演算の完了後には、領域外のRAMの値が異常でないかを監視するようにしてもよい。なお、除算タスクの開始(ベースの演算の開始)については、性能表示モニタ表示処理で設定するようにしてもよい。
次回タスクに「0」が設定されている場合、除算タスク0が実行される。除算タスク0の内容は特に図示していないが、割算実行前の待機処理が実行される。除算タスク0の最後の処理では、次回タスクに「1」が設定される。
次回タスクに「1」が設定されている場合、図67に示す除算タスク1が実行される。
以下、除算タスク1の処理の流れを説明する。
ステップS730:主制御CPU72は、整数(変数)を「128(2×64)」に初期化し、「128」を整数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS732:主制御CPU72は、通常アウト数の値をロードし、ロードした通常アウト数の値に整数「128」を乗算し、乗算した値を除数として除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS734:主制御CPU72は、通常賞球数の値をロードし、ロードした通常賞球数の値に「2」及び「100」を乗算し、乗算した値を被除数として被除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS736:主制御CPU72は、商を「0」に初期化し、「0」を商バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS738:主制御CPU72は、次回タスクに「2」を設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図66)に復帰する。
次回タスクに「2」~「8」が設定されている場合、図68に示す除算タスク2~8が実行される。
以下、除算タスク2~8の処理の流れを説明する。
ステップS740:主制御CPU72は、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であるか否かを確認する。
その結果、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS742を実行する。一方、被除数バッファにセーブされた被除数が、除数バッファにセーブされた除数以上であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS746を実行する。
ステップS742:主制御CPU72は、被除数バッファにセーブされた被除数から、除数バッファにセーブされた除数を減算し、減算結果を新たな被除数として被除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS744:主制御CPU72は、商バッファにセーブされた商に、整数バッファに記憶された整数を加算し、加算結果を新たな商として商バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS746:主制御CPU72は、除数バッファにセーブされた除数を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果を新たな除数として除数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS748:主制御CPU72は、整数バッファにセーブされた整数を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果を新たな整数として整数バッファにセーブする処理を実行する。
ステップS750:主制御CPU72は、今回タスク(現在の次回タスクの値)に1を加算した値を、次回タスクに設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図66)に復帰する。
次回タスクに「9」が設定されている場合、図69に示す除算タスク9が実行される。
以下、除算タスク9の処理の流れを説明する。
ステップS752:主制御CPU72は、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS754を実行する。一方、商バッファにセーブされた商の最下位ビットの値が「1」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS756を実行する。
ステップS754:主制御CPU72は、商バッファに記憶された商を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果に「1」を加算してベースバッファに記憶する処理を実行する。
ステップS756:主制御CPU72は、商バッファに記憶された商を「2」で除算し(右に1ビットシフトし)、除算結果をベースバッファに記憶する処理を実行する。
ステップS758:主制御CPU72は、次回タスクに「10(待機処理に対応する値)」を設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理(図66)に復帰する。
次回タスクに「10」が設定されている場合、除算タスク10が実行される。除算タスク10の内容は特に図示していないが、割算実行後の待機処理が実行される。除算タスク10の最後の処理では、次回タスクに「0」が設定される。
次に、性能表示モニタ200の表示態様及び性能表示モニタ200に表示されるベース(ベース比率)の演算方法について説明する。
図70は、性能表示モニタ200のベースの表示態様を説明する図である。
主制御装置70は、遊技状態が非時間短縮状態である場合、及び、左打ち指示中である場合のベースを性能表示モニタ200に表示する。ここで、ベースは、予め設定された区間ごと(例えば、総アウト数が60000個ごと)に算出される。ベース(百分率:%)は、ベース=通常賞球数÷通常アウト数×100によって算出することができる。
図70中(A)(B)に示すように、性能表示モニタ200には、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔(例えば、数秒)ごとに切り替わって表示される。
性能表示モニタ200では、7セグメント201,202によって、現在の区間のベースであるか、前回の区間のベースであるかを識別するための識別子「bL.」又は「b6.」が表示される。また、性能表示モニタ200では、7セグメント203,204によって、識別子「bL.」又は「b6.」に対応するベースが2桁の数字情報で表示される。
例えば、現在の区間のベースが30%であるとすると、現在の区間のベースを表示する際には、図70中(A)に示すように、7セグメント201,202に「bL.」が表示され、7セグメント203,204に「30」が表示される。また、前回の区間のベースが38%であるとすると、前回の区間のベースを表示する際には、図70中(B)に示すように、7セグメント201,202に「b6.」が表示され、7セグメント203,204に「38」が表示される。
図71は、性能表示モニタ200に表示されるベースの区間を説明する図である。
ここで、パチンコ機1が製造されてからホール(遊技場)に設置されて遊技者による遊技が行われるまでの間には、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等が行われる。このような製造時における検査や、ホールでの試運転等でも遊技球が発射、排出されることになるが、この間のアウト球数及び排出数をカウントしてしまうと、遊技者による遊技が行われている間のベースを正確に算出することができなくなってしまうおそれがある。
そこで、図71中(A)に示すように、アウトスイッチ99によって検出されるアウト球数のトータル(合計数)が0~300の最初の区間(対象外区間)は、製造時における検査や、ホールでの試運転等、遊技者による遊技が行われる以前に検出されたアウト球数であるとみなしてベースを算出する対象から除外する。
同様に、アウト球数が0~300の区間で払い出された払出数もベースを算出する対象から除外する。この対象外区間中では、図71中(B)に示すように、現在の区間のベースを表示する際には、識別子「bL.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。また、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。
そして、アウト球数が301~60300までを1回目の区間とし、1回目の区間では、ベースを随時(リアルタイムで)算出し、現在の区間のベースを表示する際には、識別子「bL.」を表示するともに、算出したベースの値を点灯表示する。このとき、アウト球数が301~6299までの間(当該区間におけるアウト球数が5999以下の間)は、識別子「bL.」を点滅表示することで、現在の区間のベースを算出する際のサンプルが少なく、ベースが安定していないことを報知する。その後、アウト球数が6300以上になる(当該区間におけるアウト球数が6000以上になる)と、識別子「bL.」を点灯表示することで、現在の区間のベースを算出する際のサンプルが多く、ベースが安定していることを報知する。
また、1回目の区間では、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点滅表示するとともに、ベースの値として「--」を点灯表示する。
また、アウト球数が60301~120300までの2回目の区間では、1回目の区間と同様に、ベースを随時(リアルタイムで)算出し、現在の区間のベースを表示する際には、アウト球数に応じて識別子「bL.」を点灯又は点滅表示するとともに、算出したベースを表示する。また、2回目の区間において、前回の区間のベースを表示する際には、識別子「b6.」を点灯表示するとともに、1回目の区間の最終的なベースを点灯表示する。
このように、アウト球数が最初の300個を除いた60000個ごと(n回目の区間ごと)に、リアルタイムで算出したベースを、現在の区間のベースとして表示するとともに、n-1回目の区間の最終的なベースを、前回の区間のベースとして表示する。
これにより、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等、遊技者による遊技が行われる前のアウト球数及び排出数を、ベースを算出する対象から除外することができ、ベースを正確に算出(表示)することができる。
なお、ベースを算出する際に、ベースが一時的に100%を超える場合もある。例えば、区間の最初の1球が中始動入賞口26に入球した場合、アウト球数は1であるのに対して、払出数は中始動入賞口26に入球したことにより得られる賞球数(例えば4)となり、ベースは400%となる。このような場合、性能表示モニタ200では、ベースを2桁の数字情報でしか表示できないことから、「99.」を点灯表示することで、ベースが100%を超えていることを報知する。
図72は、ベースの演算方法を説明する図である。
ここでは、通常賞球数が「3456」、通常アウト数が「10000」であるとしてベースを算出する方法を説明する。
上述したように、ベースは、区間ごとのアウト球数に対する排出数を最終的に百分率に換算した値である。そして、このような百分率の表示を行う場合、除算した結果に対し、小数点以下2桁のみが必要となる。
そして、このような百分率の値を算出する処理(「%換算する」処理)が、被乗数「100」を乗じることに相当する。したがって、ベース=通常賞球数÷通常アウト数×100といった式で表すことができる。しかし、通常賞球数≦通常アウト数となる場合、この式の順番通りに演算すると、小数点以下の値となってしまい、例えば、主制御装置70では演算不能となる。
そこで、演算順を変更し、ベース=通常賞球数×100÷通常アウト数といった順(まず、通常賞球数に被乗数を乗じて、その後、通常アウト数で除算する順)で演算を行う。こうすることで、小数点以下の演算を行うことなく、整数のみで演算結果を完結することが可能となる。
また、本実施形態では、百分率に換算した場合の小数点以下の値を四捨五入する。
しかし、主制御装置70は小数点以下の数字を扱うことができず、2進数で演算が行われるため、通常賞球数×被乗数「100」及び通常アウト数を先に2倍してベースの2倍の値を求める。そして、求めたベースの2倍の値(2進数)の最下位ビット(小数点以下の値に相当)が「1」であれば(小数点以下が0.5以上であれば)、求めたベースの2倍の値に「1」を加算した後に半分の値(右に1ビットシフト)にすることで小数点以下を切り上げ、求めたベースの2倍の値の最下位ビット(小数点以下の値に相当)が「0」であれば(小数点以下が0.5未満であれば)、求めたベースの2倍の値をそのまま半分の値(右にシフト)にすることで小数点以下を切り捨てる。これにより、小数点以下の値を四捨五入することができる。
具体的には、主制御装置70(主制御CPU72)では、除算を減算に置き換え、2×通常賞球数(3456)×100である被除数「691200」から、通常アウト数である除数「10000」に、2の累乗数を2倍した所定の整数「128(2×2の6乗)」を乗じた数を減算し、以降、整数を「64(2×2の5乗)」→「32(2×2の4乗)」→「16(2×2の3乗)」→「8(2×2の2乗)」→「4(2×2の1乗)」→「2(2×2の0乗)」→「1(2×2の-1乗)」の順に変更(右に1ビットシフト)して除数を乗じ、被除数から減算する。ここで、除数に乗じる整数を、2×64から開始しているのは、ベースの表示が0~99の範囲であり、ベースが100%以上の場合には「99.9」を表示する仕様のため、「2×128(2の7乗)」以上の数値を減算する必要がないからである。
具体的には、図72に示すように、1回目の演算において、被除数<除数なので、次に進む。そして、2回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「691200」から除数「64(2×32)×10000」を減算して被除数を「51200」に更新するとともに、商「0」に「64」を加えて商を「64(2進数で表すと1000000B)」に更新する。3回目~5回目の演算では、被除数<除数なので、次に進む。6回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「51200」から除数「4(2×2)×10000」を減算して被除数を「11200」に更新するとともに、商「64」に「4」を加えて商を「68(2進数で表すと1000100B)」に更新する。7回目の演算において、被除数<除数なので、次に進む。8回目の演算において、被除数≧除数なので、被除数「11200」から除数「1(2×0.5)×10000」を減算して被除数を「1200」に更新するとともに、商「68」に「1」を加えて商を「69(2進数で表すと1000101B)」に更新する。
その後、9回目の演算では、更新された商「69(2進数で表すと1000101B)」を2で除算(右に1ビットシフト)し、最終的なベースを求めることになる。このとき、単に2で除算すると商は「34.5」となるが、上記したように主制御装置70は小数点以下を扱うことができないので、商の最下位のビットが「1B」である場合、商「69」を右に1ビットシフトした後に、「1」を加算して商を「35(2進数で表すと0100011B)」とする。
かかる演算例により、加算、減算、乗算といった簡易な演算のみで、また、整数のみにより、除算を実現することが可能となる。また、ここでは、演算を9回繰り返せば足りるので、演算処理を迅速に行うことができる。さらに、ベースの小数点以下を四捨五入することができる。
図73は、性能表示モニタ200の連続役物比率の表示態様を説明する図である。
主制御装置70は、連続役物比率を性能表示モニタ200に表示する。ここで、連続役物比率は、予め設定された区間ごと(例えば、総アウト数が60000個ごと)に算出される。連続役物比率(百分率:%)は、連続役物比率=連続役物賞球数÷総賞球数×100によって算出することができる。
図73中(A)(B)に示すように、性能表示モニタ200には、現在の区間の連続役物比率と、前回の区間の連続役物比率とが、予め設定された間隔(例えば、数秒)ごとに切り替わって表示される。なお、前々回の連続役物比率や3回前の連続役物比率を表示してもよい。
性能表示モニタ200では、7セグメント201,202によって、現在の区間の連続役物比率であるか、前回の区間の連続役物比率であるかを識別するための識別子「r0.」又は「r1.」が表示される。なお、前々回の連続役物比率や3回前の連続役物比率を表示する場合の識別子は、それぞれ「r2.」や「r3.」等とすることができる。
また、性能表示モニタ200では、7セグメント203,204によって、識別子「r0.」又は「r1.」に対応する連続役物比率が2桁の数字情報で表示される。
例えば、現在の区間の連続役物比率が52%であるとすると、現在の区間の連続役物比率を表示する際には、図73中(A)に示すように、7セグメント201,202に「r0.」が表示され、7セグメント203,204に「52」が表示される。また、前回の区間の連続役物比率が45%であるとすると、前回の区間の連続役物比率を表示する際には、図73中(B)に示すように、7セグメント201,202に「r1.」が表示され、7セグメント203,204に「45」が表示される。
〔発射位置管理処理〕
図74は、発射位置管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1100:主制御CPU72は普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であるか否かを確認する。
〔普通遊技管理フェーズ〕
主制御CPU72は、普通図柄に対応する遊技の進行状況(1)~(8)に応じて普通遊技管理フェーズの値(カギ括弧内)を以下のようにセットする。
(1)普通図柄変動待ち状態:「00H」
(2)普通図柄変動表示中状態:「01H」
(3)普通図柄停止図柄表示中状態:「02H」
(4)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変始動入賞装置(普通電動役物)開放状態:「04H」
(7)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖状態:「05H」
(8)可変始動入賞装置(普通電動役物)作動終了時間中状態:「06H」
(9)可変始動入賞装置(普通電動役物)閉鎖後有効状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、普通遊技管理フェーズの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた普通遊技管理フェーズコマンドを生成する。普通遊技管理フェーズコマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
その結果、普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、普通遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1110を実行する。
ステップS1110:主制御CPU72は特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であるか否かを確認する。
〔特別遊技管理フェーズ〕
主制御CPU72は、特別図柄に対応する遊技の進行状況(1)~(8)に応じて特別遊技管理フェーズの値(カギ括弧内)を例えば以下のようにセットする。
(1)特別図柄変動待ち状態:「00H」
(2)特別図柄変動表示中状態:「01H」
(3)特別図柄停止図柄表示中状態:「02H」
(4)可変入賞装置(特別電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変入賞装置(特別電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖状態:「05H」
(7)可変入賞装置(特別電動役物)作動終了時間中状態:「06H」
(8)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖後有効状態:「07H」
ここで、主制御CPU72は、特別遊技管理フェーズの値を設定又は更新した場合、その値を反映させた特別遊技管理フェーズコマンドを生成する。特別遊技管理フェーズコマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。
その結果、特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」、つまり、大当り遊技中又は小当り遊技中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、特別遊技管理フェーズの値が「03H」~「07H」であることを確認できない場合(No)、つまり、大当り遊技中又は小当り遊技中であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS1120を実行する。
ステップS1120:主制御CPU72は、内部状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。時間短縮状態であるか否かは、時間短縮機能作動フラグにより確認することができる。
その結果、内部状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1140を実行する。一方、内部状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1130を実行する。
ステップS1130:主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに左打ちに対応する値(0)をセットする。
ここで、「発射位置指定ステータス」とは、現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態であるか、右打ちに対応する遊技状態であるかを保持する変数である。
具体的には、発射位置指定ステータスに「0」がセットされていれば現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態(左打ち状態)であること示しており、発射位置指定ステータスに「1」がセットされていれば現在の遊技状態が右打ちに対応する遊技状態(右打ち状態)であること示している。
このため、主制御CPU72は、発射位置指定ステータスの値を参照すれば、現在の遊技状態が左打ちに対応する遊技状態であるか、右打ちに対応する遊技状態であるかを確認することができる。
また、発射位置指定ステータスの値は、RAM76に記憶されており、電源断の状態が発生した場合は、その値がバックアップされる。
ステップS1140:主制御CPU72は、発射位置指定ステータスに右打ちに対応する値(1)をセットする。
ステップS1150:ステップS1130又はステップS1140にて発射位置指定ステータスをセットすると、主制御CPU72は次に発射位置指定コマンドを生成する(発射位置指定情報通知手段)。ここで、主制御CPU72は、発射位置指定コマンドとして、発射位置指定ステータスの値を反映させたコマンドを生成する。具体的には、発射位置指定ステータスの値が左打ちを示す値(0)である場合、主制御CPU72は、左打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。これに対して、発射位置指定ステータスの値が右打ちを示す値(1)である場合、主制御CPU72は、右打ちを示す発射位置指定コマンドを生成する。ここで生成した発射位置指定コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に出力される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72はタイマ割込み処理(図26)に復帰する。
〔連続役物比率問題〕
(1)概要
従来、性能表示モニタ200では、ベース値のみを表示していた。
しかし、連続役物比率等の表示項目を増やしたいという要望がある。
(2)連続役物比率の計算式
パチンコ機の連続役物比率は、以下の計算式で算出することができる。
連続役物比率[%]=条件装置作動中(大当り遊技中)の大入賞口による賞球数(連続役物賞球数)÷総賞球数×100[%]
このような計算式を用いることにより、主制御CPU72は、大当り遊技の実行中の大入賞口による賞球数(連続役物賞球数)、及び、大入賞口(第1の入賞口)と大入賞口以外の入賞口(第2の入賞口)とによる総賞球数に基づいて連続役物比率(役物比率)を算出することができる(役物比率算出手段)。このような算出処理は、制御中の任意の箇所で実行することができる。
(3)連続役物比率を算出する方法
パチンコ機においては、条件装置作動中の大入賞口による賞球のみが、連続役物比率の対象となる。言い換えると、下記の条件となる。
(a)大入賞口への入賞であっても、条件装置作動中でない場合(小当り遊技中である場合)は、連続役物比率の対象とならない。
(b)条件装置作動中であっても、大入賞口以外の入賞口の賞球分については、連続役物比率の対象とならない。
このため、入賞による賞球が発生した場合に、その入賞口が作動中の役物に係るものであるか、条件装置が作動しているかなどを、その都度判定する必要がある。
具体的には、毎回のタイマ割込みにおいて、賞球数を算定する賞球数算定処理(図75)を実行する。なお、賞球数算定処理の詳細は、後述する。
賞球数算定処理は、性能表示モニタに係る処理として使用領域外で実行するが、使用領域で実行してもよい。
(4)羽根モノの連続役物比率
1種系の遊技機(特別図柄抽選で大当りに当選すると、大当り遊技が実行される遊技機)である場合、賞球数算定処理で得られた結果を、上記(2)の「連続役物比率の計算式」に代入することで、連続役物比率を算出することが可能である。
しかし、羽根モノ(2種系及び1種2種混合機)の場合、以下の問題点がある。なお、「2種」とは、遊技球が特定領域を通過することにより大当り遊技が実行される遊技機である。
羽根モノでは、遊技球が羽根に拾われると(大入賞口へ入賞すると)、賞球が払い出される。その後、遊技球が特定領域(いわゆるVゾーン)を通過すると大当り(条件装置作動)となる。
ここで、小当り中に遊技球が羽根(例えば、開閉部材31a)に拾われた時点では大当り中ではないので、連続役物比率の対象とならないが、遊技球が特定領域を通過した場合、「その小当り中のすべての入賞による賞球が、大当りの1ラウンド目として、連続役物比率の対象」となる。
例えば、小当り遊技の羽根開放時(例えば、開閉部材31aの開放時)に3球が入賞し、30球(3球×10球払い出し)の賞球があったものとする。この3球のうち、1球でも特定領域を通過した場合、30球の賞球すべてが連続役物比率の対象となる。
一方、3球すべてが特定領域を通過しなかった場合、30球の賞球は、連続役物比率の対象とはならない。
このため、「羽根に拾われた時点では、連続役物比率の対象となるかわからない。」という状況が発生する。
(5)集計区間の区切り
パチンコ機の性能表示モニタでは、現状、「総アウト数60000発」ごとに、集計区間を切り替えている。このため、「連続役物比率対象となるかわからない賞球(未定の賞球数)がある」状態で、総アウト数が60000発に到達した場合、「現在の区間の連続役物比率が確定しない」状態で、集計区間の切替処理を行う必要がある。つまり、集計区間の切替処理を行った後で、大当りとなる場合もあれば、大当りせずに小当りが終了する場合もある。
本実施形態では、このような状況に対応する対応方法として、以下の4つの手法(第1手法~第4手法)を採用している。4つの手法は、基本的には、それぞれ単独で用いることが可能である。ただし、場合によっては、4つの手法を組み合わせて用いてもよい。
そして、4つの手法のいずれかを採用することにより、主制御CPU72は、大当りが確定していない状態、かつ、大入賞口が開放している状態で(所定の実行条件が成立している状態、かつ、特定の実行条件が成立していない状態で)、大入賞口に入賞したことに基づく未定の賞球数を、連続役物比率を算出するための要素として用いることを可能とする(役物比率算出手段)。
以下、4つの手法を順番に説明する。
まずは、1つ目の手法である。
1つ目の手法は、「(1)集計区間切替後に大当りした場合、遡って訂正する」という内容である。1つ目の手法は、連続役物比率の正確な計算が可能な手法であるが、計算方法が複雑化する。
連続役物比率の対象となるかわからない未定の賞球数が存在する状態で、集計区間を切り替える場合を想定する。このとき、連続役物比率の対象となる賞球数の他、未定の賞球数も前回の集計区間に移動(複製)する。特定領域通過時は、現在の区間と前回の区間の両方に対して、未定の賞球数を連続役物比率の対象に加算し、未定の賞球数をクリアする。
全ての遊技球が特定領域を通過せず排出され、小当りが終了した場合(大当りとならなかった場合)、今回の区間と前回の区間の両方の区間の未定の賞球数をクリアする。
なお、小当り状態のまま集計区間が2回更新されることはないと考え、前々回及びそれ以前の区間の処理は実行しないようにしているが、前々回及びそれ以前の区間の処理も実行するようにしてもよい。
〔賞球数算定処理〕
図75は、賞球数算定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1300:主制御CPU72は、賞球スイッチチェックテーブルのアドレスをセットする処理を実行する。
賞球スイッチチェックテーブルには、中始動入賞口26(始動口1)、右始動入賞口(始動口2)、普通入賞口22(一般入賞口左)、普通入賞口25(一般入賞口右)、第1大入賞口30b(大入賞口1)、第2大入賞口31b(大入賞口2)に対応する賞球スイッチを特定するためのデータが順番に並んで配置されている。
ここで、最初の判定対象は、中始動入賞口26(始動口1)となっており、次の判定対象は、右始動入賞口(始動口2)となっており、最後の判定対象は、第2大入賞口31b(大入賞口2)となっている。
例えば、中始動入賞口26(始動口1)に関する一連の処理が終了すると、次の判定対象は、右始動入賞口(始動口2)となる。そして、最後の判定対象となる第2大入賞口31b(大入賞口2)まで処理が終わると、賞球数算定処理は終了となる。
ステップS1302:主制御CPU72は、判定対象の入力ポートとビットをテーブル(賞球スイッチチェックテーブル)からロードする処理を実行する。なお、このロード処理では、ロードする処理と同時に、判定対象が次の判定対象に移行する命令を用いている。
ステップS1304:主制御CPU72は、判定対象に遊技球が入賞したか否かを確認する。主制御CPU72は、賞球スイッチチェックテーブルからロードした判定対象の入力ポートとビット(例えば、マスク用のデータ)に基づいて、判定対象の入力ポートの特定ビットをチェックする処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、判定対象の入力ポートの特定ビットが0であるか1であるかを確認する処理を実行し、特定ビットが1であれば、判定対象に遊技球が入賞したと判断することができる。
その結果、判定対象に遊技球が入賞したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1306を実行する。一方、判定対象に遊技球が入賞したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1322を実行する。
ステップS1306:主制御CPU72は、賞球数を取得する処理を実行する。賞球数は、判定対象ごとに異なる値である。例えば、判定対象が、中始動入賞口26(始動口1)や右始動入賞口(始動口2)であれば、賞球数は「3」である。また、判定対象が、普通入賞口22(一般入賞口左)や普通入賞口25(一般入賞口右)であれば、賞球数は「12」である。さらに、判定対象が、第1大入賞口30b(大入賞口1)や第2大入賞口31b(大入賞口2)であれば、賞球数は「15」である。なお、賞球数はあくまで例示である。
ステップS1308:主制御CPU72は、総賞球数に賞球数を加算する処理を実行する。総賞球数の初期値は0であり、賞球があるたびに、総賞球数に賞球数が加算されていく。
ステップS1304:主制御CPU72は、判定対象がいずれかの役物、かつ、作動中であるかを確認する。いずれかの役物は、普通電動役物又は特別電動役物である。作動中か否かは、特別遊技管理フェーズ等によって確認可能である。作動中であるか否かの判断を加えている理由は、可動中でなくても入賞が可能な電動役物(例えば、通常状態でも入賞可能な電チュー)への入賞を除外するためである。
その結果、判定対象がいずれかの役物、かつ、作動中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1312を実行する。一方、判定対象がいずれかの役物、かつ、作動中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1322を実行する。
ステップS1312:主制御CPU72は、役物賞球数に賞球数を加算する処理を実行する。役物賞球数の初期値は0であり、条件を満たした賞球があるたびに、役物賞球数に賞球数が加算されていく。
ステップS1304:主制御CPU72は、判定対象が大入賞口であるかを確認する。大入賞口は、第1大入賞口又は第2大入賞口である。
その結果、判定対象が大入賞口であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1316を実行する。一方、判定対象が大入賞口であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1322を実行する。
ステップS1316:主制御CPU72は、条件装置作動中であるか否かを確認する。
その結果、条件装置作動中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1318を実行する。一方、条件装置作動中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1320を実行する。
ステップS1318:主制御CPU72は、連続役物賞球数に賞球数を加算する処理を実行する。連続役物賞球数の初期値は0であり、条件を満たした賞球があるたびに、連続役物賞球数に賞球数が加算されていく。
ステップS1320:主制御CPU72は、未定の賞球数に賞球数を加算する処理を実行する。未定の賞球数の初期値は0であり、条件を満たした賞球があるたびに、未定の賞球数に賞球数が加算されていく。
ステップS1304:主制御CPU72は、テーブル(賞球スイッチチェックテーブル)の終端に到達したか否かを確認する。
その結果、テーブル(賞球スイッチチェックテーブル)の終端に到達したことを確認した場合(Yes)、つまり、判定対象の判定が全て終了した場合、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。一方、テーブル(賞球スイッチチェックテーブル)の終端に到達したことを確認できない場合、つまり、判定対象の判定が全て終了していない場合、ステップS1302に戻って、これまでの処理を繰り返し実行する。
〔条件装置作動時処理(1)〕
図76は、条件装置作動時処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。条件装置作動時処理の第1手順例は、1つ目の手法を採用する際に用いる。なお、条件装置作動時処理は、例えば、図48のステップS5210(条件装置を作動させる処理)において実行することができる(以下の各手法でも同様)。
ステップS1340:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1342:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、現在区間の未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1344を実行する。一方、現在区間の未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1348を実行する。
ステップS1344:主制御CPU72は、現在区間の連続役物賞球に、現在区間の未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1346:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
ステップS1348:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1350:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、前回区間の未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1352を実行する。一方、前回区間の未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
ステップS1352:主制御CPU72は、前回区間の連続役物賞球に、前回区間の未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1346:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
〔小当り終了時処理(1)〕
図77は、小当り終了時処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。小当り終了時処理の第1手順例は、1つ目の手法を採用する際に用いる。なお、小当り終了時処理は、例えば、図59のステップS5522(小当り終了時の処理)において実行することができる(以下の各手法でも同様)。
ステップS1360:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1362:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、現在区間の未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1364を実行する。一方、現在区間の未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1366を実行する。
ステップS1364:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
ステップS1366:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1368:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、前回区間の未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1370を実行する。一方、前回区間の未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
ステップS1370:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
次に説明する未定の賞球数に係る処理(図78)は、上記の条件装置作動時処理(図76)と小当り終了時処理(図77)とを1つにまとめて、処理の内容を簡略化している。
以下の未定の賞球数に係る処理(図78)は、毎回のタイマ割込み時において、実行される処理である。未定の賞球数に係る処理(図78)では、主に、以下の処理を実行する。
(1)大当り中であれば、未定の賞球数を連続役物比率の対象に加算してクリアする。
(2)小当り中であれば、何も処理を実行しない。
(3)大当り中、小当り中のいずれでもなければ、未定の賞球数をクリアする。
未定の賞球数に係る処理(図78)は、使用領域外に記述可能であるため、コード量を考慮する必要はあまりない。ただし、未定の賞球数に係る処理(図78)を使用領域に記述する必要が生じる可能性もあるため、コード量を少なくし、かつ、処理時間を短くし、遊技機全体の安全性を高めるため、このような記述をすることも可能である。
〔未定の賞球数に係る処理(1)〕
図78は、未定の賞球数に係る処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。未定の賞球数に係る処理の第1手順例は、1つ目の手法を採用する際に用いる。
ステップS1380:主制御CPU72は、小当り中(小当り遊技中)であるか否かを確認する処理を実行する。小当り中であるか否かは、特別遊技管理フェーズ(特別遊技管理フェーズ)や内部状態フラグ等によって確認可能である。
その結果、小当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。一方、小当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1381を実行する。
ステップS1381:主制御CPU72は、大当り中(大当り遊技中、条件装置作動中)であるか否かを確認する処理を実行する。大当り中であるか否かは、特別遊技管理フェーズ(特別遊技管理フェーズ)や内部状態フラグ等によって確認可能である。
その結果、大当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1382を実行する。一方、大当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS1386を実行する。
ステップS1382:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1383:主制御CPU72は、現在区間の連続役物賞球に、現在区間の未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1384:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をロードする処理を実行する。
ステップS1385:主制御CPU72は、前回区間の連続役物賞球に、前回区間の未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1386:主制御CPU72は、現在区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
ステップS1387:主制御CPU72は、前回区間の未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
〔集計区間切り替え時処理(1)〕
図79は、集計区間切り替え時処理の第1手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。集計区間切り替え時処理の第1手順例は、1つ目の手法を採用する際に用いる。なお、集計区間切り替え時処理の第1手順例は、3つ目の手法を採用する際に用いることもできる。
ステップS1390:主制御CPU72は、前々回の区間の賞球数等を、3回前の区間の賞球数等に複製する処理を実行する。ここで、「賞球数等」とは、「総アウト数(アウト数)、「総賞球数」、「通常アウト数」、「通常賞球数」、「役物賞球数(役物比率対象の賞球数)」、「連続役物賞球数(連続役物比率対象の賞球数)」、「未定の賞球数」のことである。なお、「未定の賞球数」は、「賞球数等」に含めなくてもよい。
ステップS1392:主制御CPU72は、前回の区間の賞球数等を、前々回の区間の賞球数等に複製する処理を実行する。
ステップS1394:主制御CPU72は、現在の区間の賞球数等を、前回の区間の賞球数等に複製する処理を実行する。
ステップS1396:主制御CPU72は、現在の区間の賞球数等をクリアする処理を実行する。
本実施形態では、4つの集計区間が設けられている。具体的には、現在区間、前回区間(1回前の区間)、前々回区間(2回前の区間)、前々々回区間(3回前の区間)である。各区間には、総アウト数、総賞球数、通常アウト数、通常賞球数、役物賞球数、連続役物賞球数、未定の賞球数が記憶されており、集計区間の切り替え時には、これらのパラメータを1つ前の区間に複製する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
このような1つ目の手法を採用することにより、主制御CPU72は、連続役物比率を算出する集計区間が第1集計区間(前回の区間)から第2集計区間(現在の区間)に切り替わり、第2集計区間に切り替わった際に大当り遊技(特定の実行条件が成立した開放遊技)が開始された場合、未定の賞球数を第1集計区間の連続役物比率を算出するための要素、及び、第2集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いることを可能とする(役物比率算出手段)。
次は、2つ目の手法について説明する。
2つ目の手法は、「(2)未定の賞球数は連続役物比率の対象であるとする」という内容である。2つ目の手法は、連続役物比率を正確に算出することができない場合もある手法であるが、連続役物比率の誤差は許容できる範囲内の誤差である。なお、以下に示す各手法では、1つ目の手法と同様の制御を用いる部分については、説明を省略する。
未定の賞球数が存在する状態で集計区間を切り替える場合、それを連続役物比率の対象に加えてから、現在の区間の情報を、前回の区間に移動(複製)する。つまり、本手法では、未定の賞球数を大当りに繋がるものと仮定している。このため、仮定している分だけ、多少の誤差が出る。
つまり、「(2)未定の賞球数は連続役物比率の対象であるとする」という手法は、集計区間を切り替える際に、集計区間の切替後に大当りになるかならないか不明であるが、大当りにならないでない場合であっても、その時点で未定の賞球数を連続役物比率の対象になるものと決めてしまう手法である。
性能表示モニタの表示値に誤差が出る場合、それが射幸性の高い方への誤差であれば、特に問題ない。しかし、本来の値よりも射幸性の低い方(ベース値であれば本来の値より高い値や、連続役物比率及び役物比率であれば本来の値より低い値)への誤差であれば問題である。本手法では、仮に誤差が出るとしても、連続役物比率が高くなる方向への誤差であるため、問題は発生しない。
〔条件装置作動時処理(2)〕
図80は、条件装置作動時処理の第2手順例を示すフローチャートである。
条件装置作動時処理の第2手順例は、2つ目の手法を採用する際に用いる。なお、条件装置作動時処理の第2手順例は、4つ目の手法を採用する際に用いることもできる。
条件装置作動時処理の第1手順例(図76)と、条件装置作動時処理の第2手順例(図80)との異なる点は、条件装置作動時処理の第2手順例(図80)には、条件装置作動時処理の第1手順例(図76)のステップS1348からステップS1354までの処理が存在しない点である。
条件装置作動時処理の第2手順例(図80)のステップS1340からステップS1346までの処理は、条件装置作動時処理の第1手順例(図76)と同一の処理であるため、内容の説明は省略する。
〔小当り終了時処理(2)〕
図81は、小当り終了時処理の第2手順例を示すフローチャートである。
小当り終了時処理の第2手順例は、2つ目の手法を採用する際に用いる。なお、小当り終了時処理の第2手順例は、4つ目の手法を採用する際に用いることもできる。
小当り終了時処理の第1手順例(図77)と、小当り終了時処理の第2手順例(図81)との異なる点は、小当り終了時処理の第2手順例(図81)には、小当り終了時処理の第1手順例(図77)のステップS1366からステップS1370までの処理が存在しない点である。
小当り終了時処理の第2手順例(図81)のステップS1360からステップS1364までの処理は、小当り終了時処理の第1手順例(図77)と同一の処理であるため、内容の説明は省略する。
〔未定の賞球数に係る処理(2)〕
図82は、未定の賞球数に係る処理の第2手順例を示すフローチャートである。
未定の賞球数に係る処理の第2手順例は、2つ目の手法を採用する際に用いる。なお、未定の賞球数に係る処理の第2手順例は、3つ目の手法及び4つ目の手法を採用する際に用いることもできる。
未定の賞球数に係る処理の第1手順例(図78)と、未定の賞球数に係る処理の第2手順例(図82)との異なる点は、未定の賞球数に係る処理の第2手順例(図82)には、未定の賞球数に係る処理の第1手順例(図78)のステップS1384、ステップS1385、及び、ステップS1387の処理が存在しない点である。
未定の賞球数に係る処理の第2手順例(図82)のステップS1380からステップS1383までの処理、及び、ステップS1386の処理は、未定の賞球数に係る処理の第1手順例(図78)と同一の処理であるため、内容の説明は省略する。
〔集計区間切り替え時処理(2)〕
図83は、集計区間切り替え時処理の第2手順例を示すフローチャートである。
集計区間切り替え時処理の第2手順例は、2つ目の手法を採用する際に用いる。
集計区間切り替え時処理の第1手順例(図79)と、集計区間切り替え時処理の第2手順例(図83)との異なる点は、集計区間切り替え時処理の第2手順例(図83)には、集計区間切り替え時処理の第1手順例(図79)のステップS1392の処理とステップS1394の処理との間に、ステップS1393の処理が加えられている点である。
ステップS1393:主制御CPU72は、現在の区間の連続役物賞球数に、未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1394:主制御CPU72は、現在の区間の賞球数等を、前回の区間の賞球数等に複製する処理を実行する。第1手順例では、未定の賞球数も複製していたが、この第2手順例では、未定の賞球数は複製しない。
ステップS1396:主制御CPU72は、現在の区間の賞球数等をクリアする処理を実行する。第1手順例では、未定の賞球数をクリアしており、この第2手順例においても、未定の賞球数をクリアする。
集計区間切り替え時処理の第2手順例(図83)のステップS1390、ステップS1392、ステップS1394(未定の賞球数を複製しない部分以外の処理)、ステップS1396の処理は、集計区間切り替え時処理の第1手順例(図79)と同一の処理であるため、内容の説明は省略する。
このような2つ目の手法を採用することにより、主制御CPU72は、連続役物比率を算出する集計区間が第1集計区間(前回の区間)から第2集計区間(現在の区間)に切り替わった際に、未定の賞球数を第1集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いることを可能とする(役物比率算出手段)。
次は、3つ目の手法について説明する。
3つ目の手法は、「(3)未定の賞球数は連続役物比率の対象でないとするが、集計区間切替後に大当りした場合、切替後の連続役物比率の対象とする」という内容である。3つ目の手法は、連続役物比率を正確に算出することができない場合もある手法であるが、、各集計区間の平均を見れば、正しい連続役物比率が算出される。
未定の賞球数が存在する状態で集計区間を切り替える場合、それ以外の現在の区間の情報を、前回の区間に移動(複製)する。
そして、特定領域通過時は、現在の区間(切り替え後の区間)の連続役物比率の対象に未定の賞球数を加算する。
前回の区間の連続役物比率は、実際の値よりも下がり、現在の区間の連続役物比率は実際の値よりも上がる。このように、前回の区間と現在の区間は、単独で見ると誤差が出るが、前回の区間と現在の区間の平均的な値を見ると、誤差が出ない。
〔条件装置作動時処理(3)〕
図84は、条件装置作動時処理の第3手順例を示すフローチャートである。
条件装置作動時処理の第3手順例は、3つ目の手法を採用する際に用いる。
ステップS1340a:主制御CPU72は、未定の賞球数をロードする処理を実行する。第1手順例(図76)や第2手順例(図80)では、現在区間の未定の賞球数だけをロードしていたが、第3手順例(図84)では、現在区間の未定の賞球数だけでなく、前回区間の未定の賞球数や、前々回区間の未定の賞球数、3回前の区間の未定の賞球数もロードする。
ステップS1342a:主制御CPU72は、未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1344aを実行する。一方、未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
ステップS1344a:主制御CPU72は、現在区間の連続役物賞球に、未定の賞球数を加算する処理を実行する。
ステップS1346a:主制御CPU72は、未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、呼び出し元に復帰する。
〔小当り終了時処理(3)〕
図85は、小当り終了時処理の第3手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。小当り終了時処理の第3手順例は、3つ目の手法を採用する際に用いる。
ステップS1360a:主制御CPU72は、未定の賞球数をロードする処理を実行する。第1手順例(図77)や第2手順例(図81)では、現在区間の未定の賞球数だけをロードしていたが、第3手順例(図85)では、現在区間の未定の賞球数だけでなく、前回区間の未定の賞球数や、前々回区間の未定の賞球数、3回前の区間の未定の賞球数もロードする。
ステップS1362a:主制御CPU72は、未定の賞球数が0でないか否かを確認する。
その結果、未定の賞球数が0でないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS1364aを実行する。一方、未定の賞球数が0でないことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
ステップS1364a:主制御CPU72は、未定の賞球数をクリアする処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
このような3つ目の手法を採用することにより、主制御CPU72は、連続役物比率を算出する集計区間が第1集計区間(前回の区間)から第2集計区間(現在の区間)に切り替わり、第2集計区間に切り替わった際に大当り遊技が開始された場合(特定の実行条件が成立した開放遊技が開始された場合)、未定の賞球数を第2集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いることを可能とする(役物比率算出手段)。
次は、4つ目の手法について説明する。
4つ目の手法は、「(4)未定の賞球数が存在する場合、集計区間の切り替えを延期する」という内容である。4つ目の手法は、連続役物比率の正確な計算が可能な手法であるが、計算方法が複雑化する。
未定の賞球数が存在する状態で総アウト数が規定数(例えば60000発)に到達した場合、集計区間の切り替えを延期する。遊技球が特定領域を通過した時点又は全ての遊技球が特別電動役物から排出された時点で、集計区間を切り替える。
総アウト数を保存するカウンタ(2バイトのカウンタ)のオーバーフロー(2バイトの上限である65535を超えること)は、実際にはまず発生しない(小当り状態で1時間弱発射しないとオーバーフローしない)。ただし、プログラム上では、オーバーフローの対策をしておいてもよい。この場合、これまでの第1手法~第3手法を用いるか、総アウト数が一定値を超えたら集計を中断するといった対策が考えられる。
〔集計区間切り替え時処理(3)〕
図86は、集計区間切り替え時処理の第3手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS1390a:主制御CPU72は、未定の賞球数が存在するか否か(未定の賞球数が1以上の値であるか否か)を確認する処理を実行する。
その結果、未定の賞球数が存在することを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。一方、未定の賞球数が存在することを確認できない場合(No)、ステップS1390以降の処理を実行する。なお、ステップS1390以降の処理、すなわち、ステップS1390からステップS1396までの処理は、集計区間切り替え時処理の第1手順例(図79)と同一の処理であるため、内容の説明は省略する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は呼び出し元に復帰する。
このような4つ目の手法を採用することにより、主制御CPU72は、未定の賞球数が存在している場合、連続役物比率を算出する集計区間を第1集計区間(前回の区間)から第2集計区間(現在の区間)に切り替えず、未定の賞球数が存在していない場合、連続役物比率を算出する集計区間を第1集計区間から第2集計区間に切り替えることを可能とする(期間切替手段)。
〔ゲームフロー(その1)〕
図87は、通常モードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(公園モード)から遊技が開始される。「通常モード」は、「非時間短縮状態」である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。〔F8〕ドライブモードは、「低確率時間短縮状態」であり、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、普通図柄の当選確率は「高確率状態」である。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、通常モード(非時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その2)〕
図88は、通常モードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F1〕通常モードの状態からやり直しとなる。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その3)〕
図89は、ドライブモードにて第1特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が中始動入賞口26に入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していない状態で、第1特別図柄の記憶が存在していると)、〔F2〕第1特別図柄が変動する。なお、ドライブモードは、非時間短縮状態である場合もある。
〔F3〕第1特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F5〕第1当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F4〕第1特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F7〕第2当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在している状態で、第1特別図柄抽選で大当りした場合、どのような当選図柄に該当していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔ゲームフロー(その4)〕
図90は、ドライブモードにて第2特別図柄が変動した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F8〕ドライブモードでの遊技中に、遊技球が右始動入賞口28bに入球すると(第2特別図柄の記憶が存在していると)、〔F12〕第2特別図柄が変動する。
〔F13〕第2特別図柄抽選で「はずれ」となると、〔F8〕ドライブモードの状態からやり直しとなる。ただし、時間短縮状態が終了する時短最終変動である場合は、このはずれ変動の終了によって、通常モードに移行する。
〔F14〕第2特別図柄抽選で「大当り(当選確率1/319)」となり、〔F15〕第3当選図柄に該当すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F17〕第4当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F19〕第5当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
〔F16〕第2特別図柄抽選で「小当り(当選確率1/6)」となり、〔F20〕第6当選図柄に該当し、〔F18〕小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、〔F6〕大当り遊技が実行され、〔F8〕ドライブモードに移行する。
このように、第2特別図柄抽選で当選した場合は、通常モード(非時間短縮状態)に滞在していても、ドライブモード(時間短縮状態)に滞在していても、大当り遊技の終了後は、ドライブモードに移行する。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像及び7セグ表示装置200の表示態様について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。同様に、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示の態様は、7セグメントLED等による記号的な図案であり、「当選図柄」としての視覚的なインパクトに乏しい。そこでパチンコ機1では、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いた変動表示演出及び停止表示演出が行われている。
本実施形態では、液晶表示器42に、演出図柄Hz(本図柄)、第4図柄Z1,Z2、滞在モードに対応する背景画像、予告演出に関する画像等を表示しており、7セグ表示装置200に、7セグ演出図柄を表示している。
液晶表示器42に表示される演出図柄Hzには、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
7セグ表示装置200に表示される7セグ演出図柄には、例えば左側の7セグ演出図柄、中央の7セグ演出図柄、右側の7セグ演出図柄の3つが含まれており、これらは7セグ表示装置200の表示領域上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄には、数字の「1」~「9」が表示されている。ここで、各7セグ演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列(演出図柄配列)を構成している。このような図柄列は、それぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図91及び図92は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、液晶表示器42及び7セグ表示装置200を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果が表示されたことを表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図91中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の上部右側の領域には3本の演出図柄Hzの列が表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄Hzも停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の上部右側の領域には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄Hzの変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に対応して停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「大当り」や「小当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
7セグ表示装置200では、7セグ演出図柄がはずれの態様(「4」-「6」-「7」)で停止表示されている。
また、記憶表示装置300では、第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが4つとも点灯しているため、第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDが全て消灯しているため、第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
〔変動表示演出開始〕
図91中(B):例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動が開始されるとともに、液晶表示器42の演出図柄Hzがスクロール変動することで変動表示演出が開始される。なお、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄の変動表示、及び、液晶表示器42の演出図柄Hzの変動表示は単に下向きの矢印で表示している。
液晶表示器42の中央の領域には背景画像が表示されており、この背景画像は、公園の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。「通常モード」は、非時間短縮状態である。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものである。ここでは特に図示していないが、この後、例えば液晶表示器42の表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、特別図柄の変動表示中において、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動して第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDの点灯数が4個から3個に減少する。これにより、第1特別図柄の記憶が3個に減少したことを演出上でも遊技者に教示することができ、また、いずれの特別図柄(この場合は第1特別図柄)に対応する記憶が消費されたかを分かりやすく教示することができる。
また、変動開始前は、当該記憶表示領域X1のLEDは点灯していないが、変動開始後は、当該記憶表示領域X1のLEDが点灯し、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで点灯し続ける。
〔左演出図柄停止〕
図91中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄と、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄が変動を停止する。この例では、7セグ表示装置200の左側の7セグ演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの左演出図柄として数字の「8」を表す演出図柄が停止している。
〔右演出図柄停止〕
図92中(D):次に、7セグ表示装置200の右側の7セグ演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの右演出図柄として数字の「3」を表す演出図柄が停止している。
〔停止表示演出〕
図92中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、停止表示演出が実行される。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄も、液晶表示器42の演出図柄Hzも同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、7セグ表示装置200の中央の7セグ演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止しており、液晶表示器42の演出図柄Hzの中演出図柄として数字の「1」を表す演出図柄が停止している。この場合、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄及び液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは、ともに「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、当該記憶表示領域X1のLEDが消灯する。これにより、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
〔大役中演出〕
図93及び図94は、大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。なお、以下の大役中演出は、液晶表示器42にて実行される演出である。
〔大当り遊技開始〕
図93中(A):大当り遊技が開始されると、例えば、画面内に「BIG BONUS」といった文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像(例えば女性キャラクター)が表示される。
〔大役中「右打ち」表示〕
また、本実施形態では遊技領域8a内の右側部分に第1可変入賞装置30が配置されているため、大役中は遊技球の発射位置(発射方向)として遊技領域8a内の右側部分を指定することとしている。このため、主制御CPU72による制御上で上記の発射位置指定表示ランプ38fが点灯表示されるとともに、「右打ち」を表す発射位置指定コマンドが演出制御装置124に送信される。これを受けて、演出制御CPU126による演出制御上で表示画面内に「右打ち」を促す案内情報(右方向を示す矢印、「右打ち」の文字等)が表示される)。
〔1ラウンド目〕
図93中(B):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば、画面内の左上部に「BIG BONUS」の文字情報とともに、3つの○印が表示される。そして、そのうち1番左に位置する○印が赤色(斜線のハッチング)で表示され、残りの2つの○印は白色で表示される。これにより、出球を獲得できるのは3ラウンドであること、現在のラウンドがその3ラウンド中の1ラウンド目であること、及び、出球が獲得できるラウンドが1つ進行する毎に○印が赤色で表示されることを遊技者に教示することができる。
ここで、「○印」の数は、当選図柄に応じて増加する。例えば、当選図柄が「第1当選図柄」又は「第2当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」であるが、当選図柄が「第3当選図柄」である場合には、「○印」の数は「2個」である。また、当選図柄が「第4当選図柄」である場合には、「○印」の数は「9個」であり、当選図柄が「第5当選図柄」である場合には、「○印」の数は「6個」であり、当選図柄が「第6当選図柄」である場合には、「○印」の数は「3個」である。
〔3ラウンド目〕
図93中(C):この後、大当り遊技が順調に進行し、例えば、3ラウンド目に移行すると、例えば、3つの全ての○印が赤色で表示される。これにより、この3ラウンド目で出球を獲得できる全てのラウンドが終了することを遊技者に教示することができる。
〔時間短縮状態突入演出〕
図94中(D):そして、大当り遊技の終了時間(エンディング時間)を利用して「ドライブモード突入!」といった文字情報が表示される演出が実行される。これにより、これから「ドライブモード」が開始されることを遊技者に教示することができる。また、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、「ドライブモード」においても右打ちで遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
ここで、エンディング演出中には、「プリペイドカードの取り忘れに注意しましょう」といったプリペイドカードの取り忘れを喚起する報知を行ったり、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するめり込みを防止する報知を実行するようにしてもよい。
〔大当り遊技終了、時間短縮状態〕
図94中(E):大当り遊技が終了し、内部状態(遊技状態)が時間短縮状態に設定されると、滞在モードが「ドライブモード」に設定され、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。これにより、現在の内部状態(遊技状態)が通常状態とは異なる時間短縮状態であることを遊技者に教示することができる。
〔時短中演出〕
このように、時間短縮状態で遊技が進行している場合には、時間短縮状態(有利遊技状態)に対応させた背景画像を表示する時短中演出(有利遊技状態演出)が実行される。
〔右打ち示唆演出〕
また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されている。右打ち示唆演出では、液晶表示器42の画面左上に右打ちの文字情報と右向きの矢印記号とを表示している。なお、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行してもよく、時間短縮状態の開始時にだけ実行してもよい。そして、このような演出を実行することにより、遊技者に対して「右打ち」を促すことができる。
〔残り回数表示演出〕
さらに、液晶表示器42の画面左下では、残り回数表示演出が実行されている。残り回数表示演出では、液晶表示器42の画面左下に長方形形状の領域を設け、その長方形形状の領域の中にドライブモードで遊技を進行することができる残り回数を表示している。なお、図示の例では、「残り10回」の情報が表示されている。残り回数は、時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算され、非時間短縮状態で第2特別図柄が変動して停止する度に1減算される。このため、残り回数は、時間短縮状態や非時間短縮状態で第1特別図柄が変動して停止しても減算されない。
〔ドライブモード(時間短縮状態)の演出例〕
図95~図97は、ドライブモードの演出例を示す連続図である。
図95中(A):ドライブモードでは、背景画像が、女性が乗車した自動車が大地を走行する様子を表現した画像に変更される。7セグ表示装置200に表示された7セグ演出図柄の組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目であり、液晶表示器42の演出図柄Hzの組み合わせは「7」-「7」-「7」の当選目である。これは、当選時の出目を表示している。また、画面上部では、右打ち示唆演出が実行されており、このような右打ち示唆演出は、遊技状態が時間短縮状態である場合には継続して実行される。
〔特別図柄の変動開始〕
図95中(B):第1特別図柄での初当り時には第1特別図柄の記憶が貯まっていることが多く、第2特別図柄の記憶が貯まっていないのが一般的である。図示の例では、第1特別図柄の記憶が1つ貯まっている(第1特別図柄記憶表示領域M1のLEDが1個点灯している)。このため、このような状況でドライブモードに突入した場合には、第1特別図柄が変動表示される。なお、第1特別図柄の記憶が貯まっていない場合には、遊技者が右打ちを実行することにより、最初に第2特別図柄の変動が実行される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z1についても変動を開始する。ここでは、第1特別図柄に関する内部抽選において、はずれに該当したものとする。
〔第1特別図柄の変動終了〕
図95中(C):第1特別図柄がはずれの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄、液晶表示器42の演出図柄Hz、液晶表示器42の第4図柄Z1についてもはずれの態様で停止表示される。この間に遊技者が右打ちを実行し、複数の遊技球が始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28が開放して4個の遊技球が右始動入賞口28bに入球したものとする。この場合、第2特別図柄の記憶が4個貯まる(第2特別図柄表示領域M2のLEDが4つとも点灯する)。
ここでは、第1特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されない。具体的には、残り回数の表示は、残り10回のままである。
図96中(D):第2特別図柄の記憶は、第1特別図柄の記憶よりも優先して消化されるため、次は、第2特別図柄の記憶を用いて内部抽選が実行される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図96中(E):そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「5」-「2」-「6」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。これにより、小当り遊技が開始され、第2大入賞口31bが開放される。そうすると、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り9回となっている。
図96中(F):小当り遊技が開始されると、仙人のキャラクターが「右下のアタッカを狙うのじゃ」という台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して、第2可変入賞装置31に遊技球を入球させなくてはならないということを伝達することができる。
〔特定領域通過〕
図97中(G):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第6当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図97中(H):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。
その後、上記図93中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。例えば、第2特別図柄に関する小当り時の当選図柄が第6当選図柄に該当している場合、実質的に3ラウンド分の出球を獲得することができる。なお、ドライブモードにて大当り遊技が実行される場合は、ドライブモードでの当選時専用の大役中演出を実行してもよい。
図98及び図99は、非時間短縮状態でのドライブモードにおいて第2特別図柄が変動する際の演出例を示す連続図である。このような状況が発生するのは、主に時間短縮状態の最終変動ではずれとなりながらも、第2特別図柄の記憶が蓄積されている場合である。
ここでは、第2特別図柄の変動開始前は、第2特別図柄の記憶が4個存在しているものとする。このため、時短中演出は継続して実行されている。また、残り回数表示演出として、「残り4回」の情報が表示されている。ただし、右打ち示唆演出は実行されていない。
〔特別図柄の変動表示中〕
図98中(A):非時間短縮状態でのドライブモードで第2特別図柄の変動表示が開始されると、それに伴って7セグ表示装置200の7セグ演出図柄が変動を開始し、液晶表示器42の演出図柄Hzや第4図柄Z2についても変動を開始する。なお、ここでの状況は、時間短縮状態ではないため、始動ゲート20を通過させても普通図柄抽選にて当選する確率は低い。このため、可変始動入賞装置28が開放状態に移行することは困難であり、基本的には第2特別図柄の記憶を貯めることはできない。よって、このような非時間短縮状態でのドライブモードは、第2特別図柄が最大で4回変動するチャンスゾーンとなる。
〔停止表示演出〕
図98中(B):ここでは、第2特別図柄に関する内部抽選において、小当りに当選したものとする。そして、第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、7セグ表示装置200の7セグ演出図柄(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の演出図柄Hz(「2」-「2」-「3」の組み合わせ)、液晶表示器42の第4図柄Z2(緑色表示色)についても小当りの態様で停止表示される。この場合、動物のキャラクターが「7の数字が表示されたマーク」を掲げる演出が実行される。
ここでは、第2特別図柄が停止表示されているため、残り回数は減算表示されている。具体的には、残り回数の表示は、残り3回となっている。
〔小当り開始、第2大入賞口開放〕
図98中(C):そして、小当り遊技が開始されると、第2大入賞口31bが開放されるとともに、女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げて画面右側に進んでいく演出が実行される。この際、動物のキャラクターを置き去りにする演出が実行される。
〔特定領域通過〕
図99中(D):小当り遊技により第2可変入賞装置31が開放状態に移行し、遊技球が特定領域31xを通過し、小当り時の当選図柄が第4当選図柄であったものとする。この例では、自動車に乗っている女性キャラクターが、Vの文字が描かれたハートマークを掲げ、「やったね!BIG BONUSよ!!」といったセリフを発する演出が実行される。これにより、遊技球が特定領域31xを通過したこと、及び、これから大当り遊技(BIG BONUS)が開始されることを遊技者に教示することができる。
〔小当り終了、大当り遊技開始〕
図99中(E):その後、小当り遊技が終了し、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)が閉鎖される。また、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過したことで、大当り遊技が開始されることとなる。この例では、大当り遊技特有の女性キャラクターが登場し、「BIG BONUS」といった文字情報が表示され、女性キャラクターが同様のセリフを発する演出が実行される。また、表示画面には、右方向を示す矢印とともに「そのまま右打ちしてね」といった文字情報が表示され、そのまま右打ちで大当り遊技が進行することを遊技者に教示することができる。その後、上記図93中(B)に進み、上記と同様の大当り遊技中の演出が開始され、大当り遊技が進行する。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、大役中演出、液晶表示器42や7セグ表示装置200、記憶表示装置300を用いた演出、時短中演出、右打ち示唆演出、残り回数表示演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図100は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(タイマ割込み処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、時短中及び擬似時短中その他演出処理(ステップS402a)、7セグ表示装置演出管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、回数切りカウンタコマンド、各種のエラーコマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶表示装置300を用いた演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hzや第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。このように、演出図柄管理処理において、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する演出内容(演出図柄Hz、第4図柄Z1,Z2、大役中演出等に関する演出内容、各種予告演出の内容)を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS402a:演出制御CPU126は、時短中及び擬似時短中その他演出処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、右打ち示唆演出及び残り回数表示演出等に関する演出内容を決定する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS403:7セグ表示装置演出管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理にて決定した演出内容に基づいて、7セグ表示装置200を制御する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、7セグ表示装置200に表示する演出内容(7セグ演出図柄に関する内容)を決定する処理を実行する。演出図柄Hzと7セグ演出図柄は、基本的に同じ動作をするようにすることが好ましいが、異なる動作をするようにしてもよい。異なる動作をするように場合は、例えば、演出図柄Hzと7セグ演出図柄が停止するタイミングを異ならせてもよいし、停止する図柄を異ならせてもよい。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図101は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ点灯させる演出を選択する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する(先読み演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出(例えば、演出表示領域X2のLEDを変化させる演出、ゾーン演出、連続演出等)を実行するか否かについての判定処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、先読み演出の具体的な内容を決定する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行条件が満たされた場合(特別な演出実行条件が満たされた場合)、複数回の特別図柄の変動に跨って実行される先読み演出を実行することができる(先読み演出実行手段)。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する第1特別図柄記憶表示領域M1のLED又は第2特別図柄記憶表示領域M2のLEDを1つ消灯させる演出を選択するとともに、当該記憶表示領域X1のLEDを点灯させる演出を選択する。なお、当該記憶表示領域X1のLEDは、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。また、演出表示領域X2のLEDを点灯させている場合には、演出表示領域X2のLEDも、特別図柄の変動が終了した時点で消灯させる演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図100)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図102は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図38中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類(当選図柄の種類)、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(リーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、変動表示演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔演出図柄変動前処理〕
図103は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
なお、客待ち状態を表す演出には、「遊技に対するのめり込みに注意しましょう」といった遊技に対するのめり込みを防止する内容を表示するようにしてもよい。このようにすることで、適切なタイミングで簡単に、のめり込み防止に関する演出を実行することができ、遊技者の不利益を軽減することができる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図100中のステップS404)、ランプ駆動処理(図100中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間)、停止表示の態様等を決定する。
例えば、演出制御CPU126は、時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、「ドライブモード」の状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
一方、演出制御CPU126は、非時間短縮状態での第2特別図柄の小当り変動時には、例えば「ドライブモード」を継続させた状態又は通常モードの状態で演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を変動させ、最終的に小当りに対応する演出図柄Hz、7セグ演出図柄及び第4図柄Z2を停止表示させる演出パターンを選択する処理を実行する。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決定される。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄Hz及び第4図柄Z1,Z2の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。なお、このようなはずれ時の演出決定手法は、大当り時も同様である。
小当り時、大当り時、はずれ時の変動演出パターンを決定する際には、擬似連続予告演出(擬似連)の演出パターンも合わせて決定することができる。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当り又は小当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は非当選時よりも高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する(有利遊技状態演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が時間短縮状態である場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する処理(時短中演出を選択する処理)を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、ドライブモードに対応する背景画像を選択する(有利遊技状態演出実行手段、有利遊技状態演出継続実行手段)。なお、このような例外的な処理は、後述する演出図柄停止表示中処理において実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図102中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(図柄演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔演出図柄停止表示中処理〕
図104は、演出図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS650:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動パターンコマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS652を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS656を実行する。
ステップS652:演出制御CPU126は、時短最終変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認することにより、時短最終変動であるか否かを確認することができる。例えば、第1回数切りカウンタ値又は第2回数切りカウンタ値が「1」から「0」に切り替わる際の変動であれば、演出制御CPU126は、時短最終変動であると判断することができる。
その結果、時短最終変動であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS654を実行し、時短最終変動であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS654:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに第2特別図柄の記憶数を設定する処理を実行する。擬似時短カウンタはRAM130に記憶されており、例えば、第2特別図柄の記憶数が「0」である場合は、擬似時短カウンタに「0」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「1」である場合は、擬似時短カウンタに「1」が設定され、第2特別図柄の記憶数が「4」である場合は、擬似時短カウンタに「4」が設定される。
この処理を終えると、演出制御CPU126はステップS666を実行する。
ステップS656:演出制御CPU126は、滞在背景が通常背景であるか否か、すなわち、液晶表示器42に表示している背景画像が通常モードに対応する背景画像であるか否かを確認する。
その結果、滞在背景が通常背景であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS666を実行し、滞在背景が通常背景であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS658を実行する。
ステップS658:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であるか否かを確認する。
その結果、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS660を実行し、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値であることを確認できない場合(No)、すなわち、擬似時短カウンタの値が0である場合、演出制御CPU126はステップS664を実行する。
ステップS660:演出制御CPU126は、滞在背景を擬似時短背景に設定する処理を実行する。擬似時短背景は、右打ち表示がされないドライブモードの背景である。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、時間短縮状態(有利遊技状態)が終了して非時間短縮状態(所定の遊技状態)に移行した場合であっても、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合(特別な条件が満たされている場合)は、時短中演出(有利遊技状態演出)を継続して実行することができる(有利遊技状態演出継続実行手段)。
ステップS662:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS664:演出制御CPU126は、滞在背景を通常背景に設定する処理を実行する。通常背景は、通常モードの背景である。
ステップS666:演出制御CPU126は、その他処理を実行する。その他処理においては、上述したように、演出制御CPU126は、内部抽選の結果に応じた態様の停止表示演出の内容を制御する。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図102)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図105は、可変入賞装置作動時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、今回の変動の結果が大当りであったか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、抽選結果コマンドを確認し、大当り時に対応するものであるのか小当り時に対応するものであるのかを確認する。この確認の結果、今回の変動の結果が大当りであった場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。一方、今回の変動の結果が大当りではなかった場合(No)、すなわち、小当りであった場合、演出制御CPU126は次にステップS804を実行する。
ステップS802:演出制御CPU126は、大当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は大当り遊技開始時から大当り遊技終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、液晶表示器42に表示する大役中演出として、予め演出表示制御装置144(VDP152)の画像ROM154に記憶されている大当り時の演出パターンに関する各種画像データを、当選図柄に応じて読み出す処理を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、小当り時可変入賞装置作動時処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は小当り開始時から小当り終了時までの間に実行する演出パターンを選択する。
具体的には、演出制御CPU126は、小当り遊技の開始時に小当り遊技が開始したことを示す演出パターン(例えば女性キャラクターが乗っている自動車がスピードを上げる演出)を選択し、右打ちを示唆する演出を選択し、小当り遊技中に遊技球が特定領域31xを通過した場合には、特定領域通過時の演出パターン(自動車に乗っている女性キャラクターがVの文字が描かれたハートマークを掲げる演出)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図102)に復帰する。
〔時短中及び擬似時短中その他演出処理〕
図106は、時短中及び擬似時短中その他演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ここで、時短中(時短)とは、時間短縮状態であり、擬似時短中(擬似時短)とは、非時間短縮状態において時短中の背景画像を表示している状態(非時間短縮状態でのドライブモード)である。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時短中(時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。
その結果、内部状態が時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852及びステップS854を実行し、内部状態が時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、残りの時短回数に基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、回数切りカウンタコマンドを確認し、第2回数切りカウンタ値に「4」を加えた値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り10回~残り5回」又は「残り100回~残り5回」の値が表示される。
ステップS854:演出制御CPU126は、右打ち示唆演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は液晶表示器42の画面上部で右打ち示唆演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS855:演出制御CPU126は、右打ち強調演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、右打ち強調演出を実行する必要が発生した場合、例えば、時間短縮状態に移行したにも関わらず、遊技者が左打ちを継続している場合、液晶表示器42の画面上部で右打ちを強調する演出に対応する画像を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、内部状態が擬似時短中であるか否かを確認する。演出制御CPU126は、擬似時短カウンタの値が0よりも大きい値である場合に、擬似時短中であると判断することができる。
その結果、内部状態が擬似時短中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行し、内部状態が擬似時短中であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理(図100)に復帰する。
ステップS858:演出制御CPU126は、擬似時短カウンタに基づく残り回数表示処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は擬似時短カウンタの値を残り回数として表示する演出パターンを選択する処理を実行する。これにより、擬似時短中においては、残り回数表示演出の残り回数として「残り4回~残り1回(ラスト)」の値が表示される。
そして、以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図100)に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、未定の賞球数を連続役物比率を算出するための要素として用いることを可能とするため、未定の賞球数を考慮して連続役物比率を算出することができ、結果として、連続役物比率の算出方法に特徴を有する技術を提供することができる。つまり、未定の賞球数を考慮しないで連続役物比率を算出する方式よりも、より正確な値に近い連続役物比率を算出することができる。
(2)本実施形態の1つ目の手法によれば、未定の賞球数を第1集計区間の連続役物比率を算出するための要素、及び、第2集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いるため、集計区間の切り替わりがあったとしても、両方の集計区間において正確な連続役物比率を算出することができる。
(3)本実施形態の2つ目の手法によれば、未定の賞球数を第1集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いるため、その後の大当りの状況によっては第1集計区間の連続役物比率に誤差が出る可能性があるが、その誤差は許容できる範囲内の誤差であるため、切り替わり前の第1集計区間において問題なく連続役物比率を算出することができる。
(4)本実施形態の3つ目の手法によれば、未定の賞球数を第2集計区間の連続役物比率を算出するための要素として用いるため、その後の大当りの状況によっては第1集計区間及び第2集計区間の連続役物比率に誤差が出る可能性があるが、その誤差は許容できる範囲内の誤差であるため、切り替わり前の第1集計区間や切り替わり後の第2集計区間において問題なく連続役物比率を算出することができる。
(5)本実施形態の4つ目の手法によれば、未定の賞球数が存在している場合、集計区間の切り替えを延期することができるので、第1集計区間や第2集計区間において正確な連続役物比率を算出することができる。
(6)性能表示モニタで連続役物比率の表示を行う場合、2種系の遊技機(遊技球が特定領域を通過すると大当りとなる遊技機)においては、「小当り中に集計区間が切り替わると、現在集計中の期間における連続役物比率が確定しない」という問題が発生する。そこで、集計区間の切替時において、連続役物比率の対象となるか否か未確定の賞球数(未定の賞球数)が存在する場合、以下のいずれかの手法を採用する。
(第1手法)集計区間切替後に大当りした場合、遡って訂正する。
(第2手法)未定の賞球数は連続役物比率の対象であるとする。
(第3手法)未定の賞球数は連続役物比率の対象でないとするが、集計区間切替後に大当りした場台、切替後の連続役物比率の対象とする。
(第4手法)未定の貰球数が存在する場合、集計区間の切替を延期する。
このような手法を採用することにより、2種系の遊技機においても、問題なく連続役物比率を算出・表示することが可能である。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
本発明は、1種2種混合機に適用する例で説明したが、2種遊技機に適用してもよい。
また、上述した処理(又はその処理を実行するプログラム)は、1種2種混合機や2種遊技機だけでなく、1種遊技機に対する共通の処理(又はその処理を実行する共通プログラム)として用いることもできる。
本発明は、確率変動機能を有する遊技機にも適用することができる。この場合、本発明は、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に適用することもでき、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に適用することもでき、確変領域を有しない遊技機に適用することもでき、確変領域を有する遊技機に適用することもできる。
役物比率は、連続役物比率という名称であってもよく、その他の名称であってもよい。
上述した実施形態では、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に本発明を適用する例で説明したが、同時回しを採用している遊技機に対しても本発明を適用することができる。この場合、小当りラッシュの遊技性(第2特別図柄抽選において頻繁に小当り当選が発生する遊技性)を追加することもできる。
上述した実施形態では、性能表示モニタ及び設定変更装置を備える遊技機の例で説明したが、この場合、以下の構成の少なくとも1つを備える遊技機とすることができる。
(1)設定を設ける場合に、性能表示モニタで設定値を表示することができる。
(2)特別図柄抽選の当選確率(例えば、大当り抽選の当選確率)を複数種類記憶し、所定の操作部材等の操作によっていずれかの確率を設定可能にする。
(3)いずれの確率が設定してあるか(いずれの設定であるか)を、性能表示モニタ200に表示することができる。この場合、例えば、ベース値を表示した後に設定値の表示に周期的に切り替わるようにしたり、設定値に応じて点灯する箇所(設定値に応じたLEDの点灯箇所)を設けたり、設定値を識別する情報を表示したりすることができる。
アウトスイッチ99(アウトセンサ)に関しては、以下の変形が可能である。
(1)アウトスイッチ99は、遊技盤ユニット8の合流通路(総排出通路)に1つ配置する例で説明したが、遊技盤ユニット8ではなく本体枠側の総排出通路に配置してもよい。このようにすれば、本体枠は、遊技盤ユニット8を入れ替えても、そのまま使用することがあるため(再利用することがあるため)、遊技盤ユニット8にアウトスイッチ99を搭載するよりもコスト削減に繋げることができる。
(2)遊技盤ユニット8側で、各入賞口、各アウト口の内部もしくはその付近にそれぞれアウトスイッチを設け、各アウトスイッチで検出した値を合算することで、アウト球数を算出してもよい。
(3)遊技盤ユニット8上で、発射レールの出口付近や右打ち領域への入口付近にアウトセンサを設け、入賞やアウトになる前の遊技領域に打ち込まれた遊技球を検出してアウト球数を求めてもよい。また、アウトスイッチ99は、1つではなく複数設けてもよく、遊技盤ユニット8上(遊技領域上)にゲートのように設けてもよい。
上述した実施形態では、大当り遊技の実行中であるか否か、時間短縮状態であるか否か、発射位置指定ステータスの値が「1」であるか否か(右打ち指示中であるか否か)といった3つの項目によって、ベースを算出するか否かを決定する例で説明したが、発射位置指定ステータスの値が「1」であるか否か(右打ち指示中であるか否か)といった1つの項目だけによって、ベースを算出するか否かを決定してもよい。
また、遊技仕様によっては上記の3つの項目のうちのいずれか2つの項目又はいずれか1つの項目だけを判断する等その組み合わせは自由に設定することができる。例えば、時間短縮状態や右打ち状態が無い遊技仕様の場合は「大当り遊技の実行中であるか否か」の1つの項目だけの判定をすることも可能であるし、時間短縮状態や右打ち状態を備えていても「大当り遊技の実行中であるか否か」の1つの項目だけでベースを算出するか否かを判定することも可能である。
上述した実施形態では、性能表示モニタ200に表示するベースとして、通常賞球数を通常アウト数で除算した値を表示する例で説明したが、例えば、大当り遊技中に獲得した賞球数を大当り遊技中のアウト数で除算した値を表示してもよい。
上述した実施形態では、ベースを算出する演算方法として、通常アウト数の2倍の値(商)を求めてから、商を右に1ビットシフトすることでベースを算出するようにしたが、他の方法でベースを算出してもよい。
上述した実施形態では、最終的なベースを求める際に、商の最下位のビットが「1B」である場合、商を右に1ビットシフトした後に、「1」を加算してベースを算出したが、商の最下位のビットが「1B」である場合、商に「1」を加算した後に右に1ビットシフトすることでベースを算出してもよい。
主制御装置70は、電源投入時に、性能表示モニタ200に対して電源投入時動作を行わせてもよい。
電源投入時動作は、電源投入してからベースの表示を開始するまでにおいて、動作確認のために、性能表示モニタ200の4つの7セグメントLED201~204(ドットセグメントを含めてもよい)を所定パターン(全点滅、全点灯、順次点灯等)で所定時間にわたり点灯させる動作である。
また、このような所定パターンでの点灯は、ベースを表示する前であれば、設定値を表示する前に行ってもよいし、設定値を表示した後に行ってもよい。
そして、設定値を表示する前に所定パターンでの点灯を行う場合は、所定パターンでの点灯が終了するまで設定値を表示できないが、設定値を表示した後に所定パターンでの点灯を行う場合は、早期に設定値を確認することができるというメリットがある。
性能表示モニタ200は、ベースを表示する場合、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとを切り替えて表示する例で説明したが、表示パターンはこれに限定されるものではなく、現在の区間のベース、前回の区間のベース、前々回の区間のベースといったように、2区間よりも多い数の区間のベースを記憶しておき、それを切り替えて表示してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
上述した実施形態は、以下の変形が可能である。
(1)設定キーをオフにした瞬間に、設定変更・設定確認を終了するようにしてもよい。
(2)内枠の状態に関係なく、設定変更・設定確認を終了する場合、内枠閉鎖タイマを廃止して、内枠閉鎖タイマに関する処理を実行しないようにしてもよい。つまり、内枠の状態に関わらず、設定キーがオフとなった場合、ただちに設定変更・設定確認を終了し、性能表示モニタに表示されていた設定で遊技を開始してもよい。
(3)遊技状態フラグ(設定変更中フラグ)の「設定変更中・確定後」を廃止してもよい。この場合、設定変更中フラグに関しては、「02H」を「設定確認中(設定参照中)」とし、「03H」は設定関連処理では使用しないようにすることができる。
(4)設定確定指定コマンドは、廃止してもよい。
(5)設定変更終了時に電源断時の退避処理に移行(ジャンプ)するのではなく、そのまま遊技を開始してもよい。