JP7244761B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば特許文献1参照)。
近年、遊技性向上をさらに追求するために種別に縛られない機種開発の必要性が認識され、例えば同じ種別の遊技機を複数混在させたり、異なる種別の遊技機を混在させるようなぱちんこ遊技機の開発も進められている。また、小当りとなった場合に可変入球装置内の特定領域(Vゾーン)に遊技球を通過させることで「小当り」から「大当り」へと昇格させ、新たな特別遊技(以下、「小当り発展大当り」または「小当りV」ともいう)を発生させる遊技機も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2003-230714号公報 特開2010-29308号公報
不測の事態により遊技盤上に球詰まりが発生すると、遊技球の本来の流路が遮断されてしまい、遊技者に損な感情を抱かせてしまうことがある。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技盤上に球詰まりが発生した状況に対応する好適な演出を実現することを主な目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する始動口と、始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、演出が表示される演出表示装置と、演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、を備える。通常遊技における始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、始動口への入球容易性が通常状態より高まる入球容易状態とを有する。演出決定手段は、事前判定情報に応じて、保留された抽選値の中に当りが存在する期待度を示すオブジェクトを表示させ、演出決定手段は、予め定められた基準に応じて、入球容易状態における始動口への入球数の増加に伴って、より高い期待度を示すようにオブジェクトの態様を変化させることが可能であり、入球容易状態における入球変動機構の開閉時間をNとし、N時間での発射可能球数をMとし、入球容易状態における入球変動機構の開放割合をOとするとき、基準は、入球容易状態において始動口に対する所定個数を超えた分の入球数が(M×O-所定個数)を超えた場合にオブジェクトの態様を変化させ得る規定を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技盤上に球詰まりが発生した状況に対応する好適な演出を実現を実現できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 スロットマシンの外面における基本的な構造を示す斜視図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体扉部の背面図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体基部の内部構成を示す正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの機能ブロック図である。 スロットマシンにおける基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。 主制御装置および副制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御部のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 スロットマシンにおける主制御装置の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 第1実施例のぱちんこ遊技機の主な遊技フローを示す図である。 第1実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 第1実施例のぱちんこ遊技機における大当りの内訳を示す図である。 複数種類の変動パターンモードを示す図である。 始動口ユニットの斜視図である。 始動口ユニットの右側面図である。 始動口ユニットの断面図である。 通常時におけるチャンス演出の例を示す図である。 時短遊技中におけるチャンス演出の例を示す図である。 第2実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 大入賞口の構成を概略的に示す外観斜視図である。 大入賞口の内部構成を概略的に示す図である。 小当り遊技中の演出の例を示す図である。 示唆演出の表示タイミングを示す図である。 演出の例を示す図である。 図54に続く演出の例を示す図である。 大当り終了デモ演出の例を示す図である。 大当り終了デモ演出に関するタイムチャートである。 保留変化抽選テーブルの例を示す図である。 保留変化抽選テーブルの例を示す図である。 特別遊技終了画面の例を示す図である。 トロフィー抽選テーブルの例を示す図である。 変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す図である。 変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す図である。 変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す図である。 変形例の特別遊技終了画面の例を示す図である。 第5実施例でのチャンス演出(当り、外れ共通)の例を示す図である。 第5実施例でのチャンス演出(外れ)の例を示す図である。 第5実施例でのチャンス演出(当り)の例を示す図である。 第5実施例でのチャンス演出(復活当り)の例を示す図である。 説明演出に係る演出画面の例を示す図である。 特殊演出期間の第1区間における特殊演出のフローを示す図である。 特殊演出期間の第2区間における特殊演出のフローを示す図である。 第6実施例のぱちんこ遊技機の遊技フローを示す図である。 落雷保留変化演出の例を示す図である。 保留変化演出の実行可能タイミングを示す図である。 七星保留変化演出の例を示す図である。 断末魔保留変化演出の例を示す図である。 保留変化演出のタイミングチャートである。 保留変化演出の抽選ルートを示す図である。 子抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 孫抽選テーブルの例を示す図である。 オーバー入賞演出の例を示す図である。 オーバー入賞演出決定テーブルの例を示す図である。 特殊変動パターンテーブルの種類を示す図である。
(前提技術)
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、前提技術では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。前提技術においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、前提技術では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1~設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1~M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「発射球総数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として1または複数の第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
前提技術においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0~294、設定値「2」であれば0~295、設定値「3」であれば0~296、設定値「4」であれば0~297、設定値「5」であれば0~298、設定値「6」であれば、0~299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295~2949、設定値「2」であれば296~2959、設定値「3」であれば297~2969、設定値「4」であれば298~2979、設定値「5」であれば299~2989、設定値「6」であれば、300~2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」~「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」~「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500~65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000~65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
なお、前提技術においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、前提技術のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す構成では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0~294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1~6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300~2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950~2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960~2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970~2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980~2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990~2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000~56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000~63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500~65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000~65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、前提技術ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
前提技術では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、前提技術では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122~S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138~S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。前提技術としての第2始動口12には、普通電動役物90が配設されており、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、普通電動役物の作動終了間際に入球した普通電動役物90内部の残留球を検出するための有効期間を計時する第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。なお、変形例としては、第2始動口12以外の入賞口に普通電動役物90を設けるようにしてもよく、その場合は、対象の入賞口に対し、第2始動口有効期間設定処理と同等の処理である有効期間設定処理を有するように構成する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)大当り遊技が実行されていない、かつ、入球容易状態でない状況下において、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)大当り遊技が実行されていない、かつ、入球容易状態である状況下に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数(第1特別図柄、第2特別図柄双方の保留球数を1のコマンドで識別可能とする情報)の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0~49999(図8の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
ここで、特別遊技の演出処理開始(S800)は、大当り(役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物が連続作動する特別遊技)に関する遊技の開始を遊技者に報知するための演出時間を確保するための待機処理や、大当り遊技に移行した際に移行前の遊技状態が特定遊技状態(確変遊技や時短遊技)であった場合に通常遊技状態(確率変動機能、時短機能をオフとした状態)に設定する処理、実行する大当り遊技の内容をセットしサブ制御コマンドをセットする処理などを行う。一方で、特別遊技の演出処理終了(S814)に係る処理は、大当り遊技が終了することや、特定遊技状態への移行有無に関して遊技者に報知する演出時間を確保するための待機処理やサブ制御コマンドの送信処理が実行される。これら特別遊技の演出処理開始(S800)、演出処理終了(S814)は、「大当り(役連)開始デモ」「大当り(役連)終了デモ」と呼ばれるものである。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
なお、小当り遊技を実施する際にも、前述した大当り遊技同様に「開始デモ」「終了デモ」と呼ばれる時間に係る同様の制御を行うようにしてもよい。なお、小当り遊技を実行するに際しては、一般的には特定遊技状態における小当り遊技の開始であっても大当り遊技とは異なり、特定遊技が他の終了条件を満たしていない限り、小当り遊技の実行を契機として通常遊技に移行させることはない(確率変動機能、時短機能をオフにする処理を行わない)。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(前提技術2)
次に、前提技術としてスロットマシンの基本構成を説明する。
図30は、スロットマシン1010の外面における基本的な構造を示す斜視図である。スロットマシン1010は、主に箱状体である筐体基部1102と、筐体基部1102の前面に設けられた筐体扉部1104と、筐体基部1102および筐体扉部1104に設けられた各種装置と、を備える。筐体扉部1104は、筐体基部1102の開口部に開閉自在に取り付けられた扉体であり、筐体基部1102と筐体扉部1104とが一体となることによりスロットマシン1010の筐体を形成する。筐体扉部1104は、遊技店の営業時間中は施錠され、スロットマシン1010の内部への不正なアクセスが防止される。遊技店の従業員によって筐体扉部1104が解錠されたときにはじめて内部へのアクセスが可能となる。
筐体扉部1104には、その前面略中央に透明窓1132が設けられ、内部で回転するリールが透明窓1132を通じて視認される。筐体扉部1104の前面上部には、演出的な内容が表示される演出表示装置1130が設けられる。筐体扉部1104における透明窓1132の下方に設けられた操作領域には、第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、精算ボタン1113、十字キー1118、演出ボタン1120、メダル投入口1110が設けられる。第1ベットボタン1112aは、メダルを1枚かける(以下、「ベットする」ともいう)ためのボタンであり、第2ベットボタン1112bは、いわゆるマックスベットボタンであり、最大ベット枚数である3枚のメダルをかけるためのボタンである。精算ボタン1113は、メダル投入口1110から投入されて貯留メダルとして記憶されたメダルまたはベットされたメダルを遊技者に払い出す指示をするボタンである。十字キー1118および演出ボタン1120は演出としての遊技者の操作入力を受け付ける操作入力手段である。ベットボタン1112a、bの下方には、遊技者がリールの回転開始を指示するためのスタートレバー1114が設けられる。スタートレバー1114の右方には、3つのリールの回転停止をそれぞれ指示するための左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが設けられる。筐体扉部1104の下方にはメダルの払出口1108とその前方にメダル受け皿1106が設けられ、払出口1108の左右にスピーカー1122が設けられる。筐体扉部1104の外周など複数箇所に複数の演出ランプ1124が設けられる。
演出表示装置1130の図示しない上部には、状態表示ランプ、回数表示ランプ、貯留枚数表示ランプ、払出数表示ランプが設けられる。状態表示ランプは、例えばボーナス遊技やAT(アシストタイム)が開始されると点灯し、終了すると消灯する。回数表示ランプは、ボーナス遊技やATの実行回数等を表示する7セグメント表示器である。貯留枚数表示ランプは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、スロットマシン1010に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示すアルファベット文字を表示する。例えば、ホッパーエンプティエラー、遊技メダル払出エラー、遊技メダル滞留エラー、遊技メダル逆流エラー、補助収納庫満杯エラー、回胴停止エラー、設定値エラー等がある。ホッパーエンプティエラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが空になった場合のエラーである。遊技メダル払出エラーは、本来とは異なるタイミングで遊技メダルが払い出された場合のエラーである。遊技メダル滞留エラーは、メダル投入口1110の内部に遊技メダルが詰まった場合のエラーである。遊技メダル逆流エラーは、メダル投入口1110とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進んだ場合のエラーである。補助収納庫満杯エラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが満杯となった場合のエラーである。回胴停止エラーは、予め定められた位置に各リールが停止しない場合のエラーである。設定値エラーは、予め定められた数値範囲外の設定値となった場合のエラーである。
図31は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体扉部1104の背面図である。略中央には、透明窓1132が設けられる。上部には、遊技における演出を制御する、いわゆるサブ基板と呼ばれる副制御装置1300が設置される。透明窓1132の下方には、メダルセレクタ1150と、その右方にメダル誘導路1152、下方にメダル返却路1154が設けられる。メダルセレクタ1150は、後述するメダル投入口にメダルが投入されたとき、メダルを受付可能な状態の場合はメダル誘導路1152に振り分け、受付不可の状態の場合はメダル返却路1154に振り分ける。メダル誘導路1152に振り分けられたメダルは、メダル誘導路1152を通じて後述するホッパータンクに貯留される。
図32は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体基部1102の内部構成を示す正面図である。筐体基部1102の略中央部には、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cが回転可能に設けられる。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cは、それらの外周面に複数の図柄が印字された回転部材であり、それぞれステッピングモータの駆動力によって回転することで図柄の回転移動が透明窓1132を通じて遊技者に視認される。
筐体基部1102の上部には、遊技の進行を制御する、いわゆるメイン基板である主制御装置1200が設置される。主制御装置1200において、その右部分に設定変更スイッチ1168が設けられる。設定変更スイッチ1168は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、を含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。
筐体基部1102の下部にはホッパータンク1162が設けられ、ホッパータンク1162の下方にはメダルを払出口1108から払い出す払出装置1164(以下、「ホッパー」とも称する)が設けられる。ホッパータンク1162の左方には、スロットマシン1010の各部へ電力を供給する電源基板1166が設けられる。
図33は、リールの図柄配列を示す図である。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cのそれぞれの外周面には、図の表に示されるような図柄列が印字されている。各リールには、それぞれ図柄番号0~19に対応する20個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄のうち有効ライン上に停止した図柄の組合せが所定の役が成立する所定の同じ図柄や所定の組合せとなった場合に、その役の入賞が決まる。一方、図柄が並ぶラインには、有効ラインとして設定されないラインであって所定の同じ図柄や所定の組合せが停止したとしても役の入賞とは扱わないこととする組合せラインも含まれる。
以上のスロットマシン1010において、遊技者はメダル投入口1110から1枚~3枚のメダルを投入することでメダルをかける。クレジットとしてメダルが貯留されている場合は、遊技者は第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、または精算ボタン1113を押下することで1枚または3枚のメダルをかける。遊技者がスタートレバー1114を操作すると、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が開始し、リール上の図柄列が縦方向に高速移動する。遊技者が任意の順序で左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cを押下すると、その押下順序に対応する順序で左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が停止し、それぞれいずれかの図柄が停止位置に表示される。所定の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様が複数種類の役のいずれかに該当した場合に「入賞」と判定され、その役の種類に応じた数のメダルが払い出され、または遊技状態の移行が実行される。
図34は、スロットマシン1010の機能ブロック図である。スロットマシン1010は、主制御装置1200と副制御装置1300とを備える。主制御装置1200は、リール1160a~c、ベットボタン1112a、b、精算ボタン1113、スタートレバー1114、ストップボタン1116a~c、設定変更スイッチ1168と電気的に接続され、副制御装置1300は、演出ランプ1124、演出表示装置1130、スピーカー1122、十字キー1118、演出ボタン1120と電気的に接続される。主制御装置1200および副制御装置1300は、それぞれハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成されるが、本図では主にソフトウェア的な観点から捉えた機能ブロックを説明する。
なお、主制御装置1200に含まれる各機能ブロックは、いずれかが主制御装置1200ではなく副制御装置1300に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、副制御装置1300に含まれる各機能ブロックは、いずれかが副制御装置1300ではなく主制御装置1200に搭載されるかたちで構成されてもよい。ただし、主制御装置1200と副制御装置1300の間におけるデータの送受信は主制御装置1200から副制御装置1300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成が主制御装置1200と副制御装置1300に配置される。このように主制御装置1200から副制御装置1300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、副制御装置1300に含まれる構成から主制御装置1200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、主制御装置1200で生成された情報は、主制御装置1200が副制御装置1300へ一方的に送信しない限り副制御装置1300から参照することはできない。
主制御装置1200は、役抽選手段1202、乱数判定手段1204、当選フラグ制御手段1206、リール制御手段1208、停止位置決定テーブル1210、操作順序検出手段1212、入賞判定手段1214、払出手段1216、特別遊技制御手段1218、設定変更手段1220を備える。
役抽選手段1202は、遊技者によりスタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、複数種類の役から当選役を決定する役抽選を実行するとともに、役抽選の結果を副制御装置1300へ送信する。役の種類には、小役、特別役、再遊技役があり、いずれの当選役も決定されない場合は外れとなる。小役には複数種類があり、その種類に応じた数のメダルが払い出される。特別役には、レギュラーボーナス(第一種特別役物であり、「RB」ともいう)とビッグボーナス(第一種特別役物が連続作動するものを「BB」、第二種特別役物が連続作動するものを「MB」ともいう)がある。再遊技役は「リプレイ」とも呼ばれ、新たなメダル投入をせずに同数のメダルが投入されたのと同じ状態となり、再び遊技ができる役である。乱数判定手段1204は、役抽選に用いる乱数の値を抽選値として取得する。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。役抽選手段1202は、役抽選として、乱数判定手段1204により取得される抽選値が役ごとに割り当てられたいずれかの抽選値範囲に該当するか否かによって当選役を決定する。
当選フラグ制御手段1206は、各役に対応する複数のフラグのうち、当選役に対応するフラグをオンする。フラグをオンした当選役が小役の場合、その当選の持ち越しはないため、当該遊技が終了するときに入賞有無を問わずフラグをオフする。フラグをオンした当選役が特別役の場合、その当選は入賞まで持ち越されるため、入賞があるまでフラグをオンのまま維持し、入賞した時にフラグをオフする。フラグをオンした当選役が再遊技役の場合、その当選も持ち越しはないため、当該遊技が終了するときにフラグをオフする。
リール制御手段1208は、スタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を開始させる制御をするとともに、スタートレバー1114の操作を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、役抽選の結果に応じて、複数の停止位置決定テーブル1210からいずれかを選択する。リール制御手段1208は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cの個別の押下を契機とし、その押下に対応して左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を停止させる制御をするとともに、ストップボタンの押下を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、それぞれに設けられるステッピングモータの駆動を制御することによって左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cを回転および停止を制御する。
リール制御手段1208は、停止位置決定テーブル1210に基づき、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下されたタイミングおよび押下順序に応じて左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの停止位置を決定する。操作順序検出手段1212は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下された順序を検出する。リール制御手段1208は、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転位置を、それぞれに対応するフォトセンサによって基準位置を検出する。
停止位置決定テーブル1210には、役抽選の結果と、ストップボタン1116a~cが押下されたときのリール1160a~cの位置と、ストップボタン1116a~cの押下順序と、リール1160a~cの複数の図柄のうちいずれを有効ライン上に停止させるかの対応関係が定められる。すなわち、小役の種類、特別役の種類、再遊技役の種類に応じて個別の停止位置決定テーブル1210が用意され、役ごとの入賞条件として、ストップボタン1116a~cが押下タイミングおよび押下順序がそれぞれの停止位置決定テーブル1210に定められる。いずれかの役に当選している場合、その当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づき、ストップボタン1116a~cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たした場合に、リール制御手段1208は当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃うようにリール1160a~cの停止位置を決定する。いずれかの役に当選している場合であっても、ストップボタン1116a~cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たしていない場合は、リール制御手段1208はその当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づいて当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a~cの停止位置を決定する。いずれの役にも当選していない場合、外れに対応する停止位置決定テーブル1210に基づき、リール制御手段1208は役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a~cの停止位置を決定する。
なお、本明細書において「テーブル」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」とも称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
入賞判定手段1214は、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合に入賞したと判定し、入賞した役に対応する払出メダル数を決定する。払出手段1216は、入賞判定手段1214で決定された払出メダル数を貯留メダル数に加算する。ただし、貯留メダル数が50を超えるときは超えた分のメダルを払出装置1164により払い出す。また、入賞した役が再遊技役の場合は前回遊技でかけられた投入メダル数と同数のメダルが再びかけられた状態にする。入賞判定手段1214は、入賞に関する情報や払出メダル数の情報を副制御装置1300へ送信する。
特別遊技制御手段1218は、特別役に入賞した場合に通常遊技から特別遊技へ移行させ、特別遊技の終了条件を満たしたときに特別遊技から通常遊技へ移行させる制御をする。特別遊技としては、RBに入賞した場合に移行するRB遊技と、BBに入賞した場合に移行するBB遊技と、さらにMBに入賞した場合に移行するMB遊技とがある。RB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に8回停止したとき、または、12回の遊技結果が得られたときに終了する。BB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出による獲得枚数の合計が285枚を超えるときに終了する。MB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出による獲得枚数の合計が153枚を超えるときに終了する。また、特別遊技の特殊な制御として、MB遊技中にはストップボタンの操作から対応するリールを停止するまでの時間が短縮され、BB遊技中にはRBに入賞しない場合であっても遊技開始操作(レバー操作)と同時に内部的にRBへ移行する制御を有することもできる。
設定変更手段1220は、6段階の遊技仕様のうち、設定変更スイッチ1168により設定された設定値に対応する遊技仕様に決定し、役抽選手段1202による役抽選における各役の当選確率を変更する。6段階の遊技仕様は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど当選確率が高い。設定変更スイッチ1168を操作するたびに「設定1」→「設定2」→「設定3」→・・・→「設定6」→「設定1」のように設定値を1ずつインクリメントするとともに、「設定6」から「設定1」に戻すことによりインクリメントを循環させる。最後にスタートレバー1114を操作することにより、その時点で選択されている設定値に決定され、設定変更が確定する。
副制御装置1300は、パターン記憶手段1302、演出決定手段1304、演出制御手段1306を備える。パターン記憶手段1302は、複数種類の演出パターンを記憶する。演出パターンには、遊技の進行に合わせて演出表示装置1130に表示させる演出内容や、演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122から出力する音声パターンなどが定められている。演出決定手段1304は、スタートレバー1114の操作を示す情報やストップボタン1116の押下を示す情報、役抽選の結果を示す情報、入賞に関する情報、払出メダル数の情報などの情報を主制御装置1200から受信する。演出決定手段1304は、スタートレバー1114やストップボタン1116a~cの操作やリール1160a~cの停止を契機として、役抽選手段1202による役抽選の結果や入賞状況、遊技状態にしたがってパターン記憶手段1302に記憶される複数種類の演出パターンからいずれかを選択する。演出制御手段1306は、演出決定手段1304により選択された演出パターンにしたがい、演出表示装置1130の表示、演出ランプ1124の点灯、およびスピーカー1122からの出力を制御する。演出制御手段1306は、演出ボタン1120や十字キー1118の入力内容に応じて演出表示装置1130への表示内容や演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122からの音声出力などを変化させる。演出パターンによる演出を制御する間に、あらたにベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作がなされた場合、演出制御手段1306は表示中の演出をキャンセルし、演出決定手段1304はあらたな遊技に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンによる演出を演出制御手段1306が開始する。
図35は、スロットマシン1010における基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。まず、リール1160a~cのいずれもまだ回転していない場合であって(S1010のN)、メダルのベットもされていない状態(S1012のN)を想定する。その状態において、クレジットとしてメダルの貯留がある場合(S1014のY)、ベットボタン1112a、bのいずれかが押下されれば(S1016のY)、押下されたベットボタンに対応するメダル枚数のベットを設定する(S1018)。クレジットがない場合はメダル投入等がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1014のN)。S1016においてベットボタン1112a、bの押下がない場合も押下がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1016のN)。S1012においてすでにベットがなされた状態であればS1014からS1018までをスキップする(S1012のY)。
ベットが設定された状態で、スタートレバー1114の操作があれば(S1020のY)、役抽選手段1202が役抽選および有利遊技抽選(AT抽選など)を実行し(S1022)、当選フラグ制御手段1206は役抽選の結果に応じて当選役に対応するフラグをオンし(S1024)、役抽選の結果に応じた停止位置決定テーブル1210を選択する(S1025)。前の遊技終了から4.1秒が経過していなければ待機し(S1026のN)、経過していれば(S1026のY)、リール制御手段1208はリール1160a~cの回転を開始して(S1028)、本フローのルーチンを抜ける。S1020においてスタートレバー1114の操作がなければ本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1020のN)。
S1010において、リール1160a~cのうち少なくともいずれかが回転中の場合(S1010のY)、ストップボタン1116a~cのいずれかの押下があれば(S1030のY)、当選役を示すフラグの状態、ストップボタンの押下タイミング、押下順序、および停止位置決定テーブル1210に基づいてリールの停止位置を決定し(S1032)、押下されたストップボタンに対応するリールを停止させる(S1034)。ストップボタンの押下がなければS1032およびS1034をスキップする(S1030のN)。リール1160a~cがすべて停止状態となった場合(S1036のY)、それらの停止位置に基づいて当選役の入賞を判定し(S1038)、入賞があれば当選役に対応する払出数にてメダルを払い出す(S1040)。払出が終了すると、有利遊技に係る状態制御処理(S1042)を実行し、有利遊技(AT等)への移行条件を満たした場合の有利遊技区間への移行、有利遊技の終了条件を満たした場合に有利遊技区間の終了に係る制御を実行する。全リールが停止された状態でなければS1038およびS1040、S1042をスキップする(S1036のN)。
なお、リール停止管理処理としては、ウエイト時間をセットし、リールの回転開始の待機中を示す情報を含む制御コマンドを生成してコマンドバッファに書き込み、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶する。全リールが定速回転しているか否かを判定し、定速回転していないと判定した場合には、全リールの回転が異常であるか否かを判定し、異常である場合には、再び、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶して全リールの確認を終了する。一方、定速回転していると判定した場合や、回転が異常ではないと判定した場合はそのまま全リールの確認を終了する。
なお、メダルの払出において払出の貯留が不可の場合、ホッパー払出を実行する。このホッパー払出処理では、まず、ホッパーの駆動を開始し、払出しが検出されるまで待機する(所定時間が経過するまで払出しが検出されない場合は、ホッパーエンプティエラーとなる)。払出しが検出された場合は払出数を加算し、払出終了か否かを判定し、払出終了でなければ払出処理を繰り返し、払出終了であればホッパーの駆動を終了する。
図36は、主制御装置1200および副制御装置1300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。主制御装置1200は、メインCPU1250、メインRAM1252、メインROM1254などの電子部品を含む。メインROM1254には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM1254からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM1252へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU1250によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。メダルの投入を示す信号、ベットボタン1112a、bの押下を示す信号、精算ボタン1113の押下を示す信号、スタートレバー1114の操作を示す信号、ストップボタン1116a~cの押下を示す信号、リール1160a~cの位置を示す信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU1250により取得される。メインCPU1250は、図示しない各種駆動回路によりリール1160a~cのステッピングモータなどの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU1250から副制御装置1300へ演出制御に必要なコマンドが役抽選の結果や入賞情報、各ボタンやレバーの操作を示す情報とともに送信される。
副制御装置1300は、サブCPU1350、サブRAM1352、サブROM1354、演出表示制御部1360などの電子部品を含む。サブROM1354は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つであり、図34でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。サブROM1354から演出パターンデータや表示パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM1352へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU1350によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれ、互いに信号の送受信が可能な双方向通信にて接続される。例えば、サブCPU1350から演出表示制御部1360へコマンドを送信する場合は複数回コマンドを送信し、演出表示制御部1360はコマンドを少なくとも1回適切に受信し次第、サブCPU1350へ確認応答(ACK)を返信することにより、ノイズ等による通信エラーを回避する。仮に複数のコマンドの受信順序が通常と異なる場合は演出表示制御部1360はACKを返信せずに無視し、適切なコマンドに対してのみ返信する。演出ボタン1120などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU1350により取得され、その信号の受信または受信回数に応じて演出表示制御部1360へ対応するコマンドを送信する。サブCPU1350は、演出パターンデータにしたがって、図示しない各種駆動回路や制御回路によりスピーカー1122などの外部装置を駆動して音声出力による演出を制御する。また、サブCPU1350は、表示パターンデータを演出表示制御部1360へ送信する。サブCPU1350および演出表示制御部1360は、図34でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。なお、前提技術では副制御装置1300が演出表示制御部1360を内包する例を説明するが、副制御装置1300と演出表示制御部1360とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図37は、演出表示制御部1360のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御部1360は、制御CPU1362、制御RAM1364、データROM1366、表示制御回路1370を含む。データROM1366は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータ、三次元画像のオブジェクト定義データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つであり、図34でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。演出画像データは、入賞判定結果などを示す演出オブジェクトとして演出表示に用いられる画像であり、例えば各種演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。オブジェクト定義データは、三次元オブジェクトの形状が定義されたデータである。
サブCPU1350から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データがデータROM1366から制御RAM1364へ読み出され、その素材データを用いた演出表示が制御CPU1362によって実行される。その結果、制御CPU1362から表示制御回路1370へ演出表示に関するコマンドや素材データが送信され、表示制御回路1370により表示制御がなされる。演出表示中にあらたなベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作を示す信号を受信した場合は、サブCPU1350はあらたな演出パターンを決定してあらたな演出表示を示すコマンドを制御CPU1362に送信する。サブCPU1350および表示制御回路1370は、図34でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。
表示制御回路1370は、デコーダ1374、描画メモリ1376、描画回路1378、フレームバッファ1380、表示回路1382を含み、それぞれがバス1372を介して接続される。本図のバス1372は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU1362から送られた演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データは描画メモリ1376に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ1374によって復号される。描画メモリ1376は、演出画像データやモーションデータをデコーダ1374により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路1378による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路1378は、描画メモリ1376に格納されたデータを用い、制御CPU1362から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ1380に格納する。フレームバッファ1380は、演出表示装置1130へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。なお、フレームバッファ1380と描画メモリ1376は単一のVRAMで構成して領域を分け合う形で形成されてもよい。
表示回路1382は、フレームバッファ1380に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置1130へ出力する。フレームバッファ1380は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路1382が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路1378が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
スロットマシン1010は、電源装置として機能する電源基板1166から電力供給される。電源装置には、電源スイッチおよびリセットスイッチが接続されており、これら各スイッチからの信号がメインCPU1250に送信される。電源スイッチは、電源装置からスロットマシン1010への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチである。リセットスイッチは、スロットマシン1010においてエラーが発生した際等に、主制御装置1200に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。電源装置からの電力は、主制御装置1200および副制御装置1300に供給される。電源装置から主制御装置1200および副制御装置1300への電力供給経路上には、供給電圧を監視してその電圧が所定電圧以下に低下する電源断を検出する電源監視手段が設けられる。電源監視手段は、供給電圧が所定電圧まで低下したときに電源断と判定し、電源断検出信号をメインCPU1250またはサブCPU1350に出力する。なお、主制御装置1200の電源断を検出するときの基準電圧値は、副制御装置1300の電源断を検出するときの基準電圧値よりも高い値に設定され、副制御装置1300よりも先に主制御装置1200が電断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を実行する。
図38は、スロットマシン1010における主制御装置1200の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。主制御装置1200で実行される遊技制御処理では、まず、遊技開始処理を実行し(S1100)、遊技メダル管理処理を実行し(S1102)、開始条件としてベット数が規定数に一致し、かつ、スタートレバーの操作が受け付けられた場合は(S1104のY)、レバー受付時処理を実行し(S1106)、少なくともいずれかの開始条件が満たされていない場合は(S1104のN)、S1102に戻る。S1106に続き、役決定処理を実行し(S1108)、フリーズ抽選処理としてフリーズ(演出)を実行するか否かと、フリーズ中の演出態様を決定する(S1110)。さらに、役抽選結果や現在の遊技状態に応じて有利遊技区間への移行に係る抽選である有利遊技抽選を実行する(S1112)。ウエイト時間待機等のリール停止管理処理を実行し(S1114)、停止表示図柄判定処理を実行して遊技役の成立有無を判定する(S1116)。次いで、遊技メダル払出処理を実行し(S1118)、遊技終了処理を実行し(S1120)、S1100に戻って本図のフローを繰り返す。
図39は、主制御装置1200におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理においては、遊技者によりなされるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信等の処理が、一定の時間(例えば2.235ミリ秒)ごとに実施される。まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を実行し(S1200)、電源断が検知されたか否かが判定され、電源断が検知された場合は(S1202のY)、電源断処理が実行される(S1204)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等がなされる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報の保持や、チェックサムの算出および記憶等が処理される。電源断が検知されなかった場合は(S1202のN)、タイマ計測を実行する(S1206)。タイマ計測は、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。次いで、表示用ランプの制御(出力ポートに出力された制御データに基づく表示用ランプにおける表示値の更新等)を実行し(S1208)、さらに入力ポートの読込みを実行する(S1020)。入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号の信号レベルの読込みと格納、信号レベルの判定等がなされる。
次いで、リールの回転の加速、減速、定速維持や停止維持等を制御するためのリール駆動制御(S1212)を、全リールが終了するまで繰り返す(S1214)。次に、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を実行し(S1216)、制御コマンド送信処理を実行する(S1218)。所定の記憶領域に記憶されていた外端信号データを読出し外端信号を出力し(S1220)、割込終了処理(レジスタの復帰、割込許可等)を実行して(S1222)、割込リターンする。
なお、主制御装置1200において実行される他の制御処理として、主制御電源投入処理がある。主制御電源投入処理は、主制御装置1200への電力供給開始時(電源投入時)になされる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等がなされ、電源復帰処理を実行できるように処理される。スタックポインタの復帰や割込みの起動がなされ、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報等に基づき遊技が行われる。
(第1実施例)
第1実施例のぱちんこ遊技機500は、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。第1実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
また、以下の説明では、演出の画像を演出表示装置60に表示する処理を、演出決定手段303の動作として説明するが、前述したように、実際には、サブCPU310により実現される演出決定手段303(サブメイン)が、制御CPU320により実現される演出制御手段304(サブサブ)に、表示すべき演出の画像に関するコマンドを送信し、演出制御手段304が表示制御回路326を制御して演出の画像を演出表示装置60に表示する。したがって、以下の説明において演出決定手段303を主体として説明される動作は、演出制御手段304又は表示制御回路346を主体として表現されてもよい。なお、以下の説明で、画像を表示する構成は、画像が示す情報を音声により出力する構成に適宜置き換え可能である。
第1実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、1つの大入賞口を備える。また、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、第2特別図柄52(以下「特図2」とも呼ぶ。)の変動を、第1特別図柄51(以下「特図1」とも呼ぶ。)の変動より優先して実行する(特図2優先消化)。その一方、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りVの機能を備える点で前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなると大入賞口20が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選の判定結果が小当りと呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため大当りとは区別される。
小当り遊技が実行されている場合に、大入賞口へ入球した遊技球が大入賞口内のVゾーンと呼ばれる特定領域に入球すると、特別電動役物を連続作動させ大当り遊技を実行するための役物連続作動装置を作動させる条件装置が作動して、小当りから大当りへと昇格し、大入賞口が長時間開放される特別遊技が実行される。いわゆる小当りVが発生する。すなわち、特別遊技制御手段260は、特別図柄が大当りを示す態様で停止表示された場合、または、小当り遊技中に大入賞口20内に入球した遊技球が大入賞口20内部の特定領域を通過した場合に特別遊技を実行する。そのため、第1実施例における小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と略同様の動作となる。小当りVを採用する機種と、第2種ぱちんこ遊技との違いとして、小当りVでは、小当り遊技を実行する契機となった特別図柄の停止表示態様(いわゆる1種の当りの種類)によって、特定領域への入球時に作動する条件装置(役物連続作動装置)を異ならせることができ、1回のV入賞で得られる利益に変化をつけられる点にある。
特別遊技が終了すると、所定の確率(第1実施例では100%)で変動時間短縮遊技(以下「時短」と呼ぶ。)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、新たな大当りが発生するか、または、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続される。第1実施例の時短は、第2始動入賞口への入球容易性を通常状態より高めた状態であり、前提技術における入球容易状態に対応するものであり、電チューサポートとも呼ばれる。時短は、(1)特別図柄の変動時間短縮、(2)普通図柄の確変、(3)普通図柄の変動時間短縮、(4)普通電動役物90の開放時間延長を含む。普通電動役物90は、第2始動口12への遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構である。
また後述するように、第2始動口12への入球を契機とする当否抽選では小当りに判定される確率が高く設定される。したがって、第2始動口12への入球容易性が高まる時短中には小当りが発生しやすく、小当りVの発生可能性も高まる。なお、小当りVと対比される大当りであり、図柄変動が大当りを示す態様で停止表示されたことを契機に特別遊技が開始される大当りを以下「図柄大当り」とも呼ぶ。通常状態(非時短状態)の通常遊技では第2始動口12への入球が後述するチャンス演出(普通図柄の第1当り)の状況を除き困難であるため、まずは第1始動口11に入球させて、特図1の図柄大当りを獲得して時短に移行させる。そして、時短において第2始動口12に入球させて小当りVまたは図柄大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当りVおよび図柄大当りの連続を狙っていく遊技性となる。本第1実施例のように、小当りVを採用するぱちんこ遊技機においては、設定機能を搭載する場合に設定値に影響を受けない小当りから発展する大当りを特定遊技における主の遊技目的とすることから、前提技術のような特別図柄の当否抽選に係る確変機能を備える機種における特定遊技(確変状態)と比較して、特定遊技中の遊技性の設定差を抑えることが可能となる。具体的には、100回継続するの特定遊技を行う場合に、小当りV(小当り確率1/100)を採用する機種の場合、特定遊技中に小当りから大当りを獲得できる可能性は約63%であるが、前提技術のような確変機(確変中確率:設定1=1/100、設定6=1/80)の場合、確変中に大当りとなる確率は63%(設定1)~71%(設定6)と大きく変化する。
図40は、第1実施例のぱちんこ遊技機500の主な遊技フローを示す。既述したように、通常時(通常状態の通常遊技時)は、第1始動口11へ入球させ、特図1による図柄大当りの獲得を狙う。特図1の図柄大当りは、いわゆる初当りといえ、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される4R大当り、時短1回が付与される4R大当りを含む。これら複数種類の大当りのいずれかが、大当り図柄の種類に基づいて割り当てられる。
時短9回が付与されるとは、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行し、その時短状態が、大当り(図柄大当りおよび小当りVの両方を含む)が発生した場合、または、通常遊技における特図2の変動が9回実行された場合に終了することを意味する。また、時短1回が付与されるとは、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行し、その時短状態が、大当りが発生した場合、または、通常遊技における特図2の変動が1回実行された場合に終了することを意味する。なお、ここで説明する時短終了条件は、遊技機の設計において、出玉を得るために好ましい遊技を行った場合を想定して記載されるものであり、詳細な終了条件については後述する。
時短9回が付与される大当りの場合、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行され、特図2の変動が9回実行される間と、その終了時に残存する保留4個分の図柄変動(典型的には特図2の4回の変動)が実行される間、ラッシュ演出が表示される。また、時短1回が付与される大当りの場合、特別遊技終了後に時短状態の通常遊技へ移行され、特図2の変動が1回実行される間と、その終了時に存在する保留4個分の図柄変動(典型的には特図2の4回の変動)が実行される間、チャンス演出が表示される。時短中の図柄変動および保留4個分の図柄変動で大当りが発生しなければ、通常時に戻る。
時短中の図柄変動、または、時短終了後の4回の図柄変動では、特図2の変動結果が小当りとなったことを契機とする小当りV(特図2小当りV)、特図2図柄大当り、または特図1図柄大当りが発生しうる。特図2小当りVは、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される10R大当り、時短9回が付与される5R大当りのいずれかに振り分けられる。特図2図柄大当りは、時短9回が付与される5R大当りである。特図1図柄大当りは、時短9回が付与される15R大当り、時短9回が付与される4R大当りのいずれかに振り分けられる。これらの大当りが終了すると、時短状態の通常遊技(ラッシュ演出)へ戻り、時短中の図柄変動、または、時短終了後の4回の図柄変動にて再度の大当りの獲得を狙うことになる。
第1実施例のぱちんこ遊技機500は、通常状態の通常遊技において、普通図柄の当りに伴い普通電動役物90を長開放しうる。そして、普通電動役物90の長開放中、および、その間に保留された特図2の図柄変動中にもチャンス演出(普電開放演出)を表示させる。通常状態の通常遊技中に発生した特図2保留に係る変動演出においては、小当りV獲得の大きなチャンスであるため、同状態において実行される特図1の変動演出とは見た目に異なる特殊演出を実行するものである。この特図2保留の図柄変動中にも、特図2小当りV、特図2図柄大当り、または特図1図柄大当りが発生しうる。
図41は、第1実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。第1始動口11は、遊技領域81の中央下部であり、センター飾り64の下位置に設けられる。第1作動口31は、第1始動口11の上位置に設けられる。第1始動口11と第1作動口31は、第1の強度(第1実施例では相対的に弱い強度、言い換えれば左打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。一方、第2始動口12、大入賞口20、第2作動口32は、第1の強度とは異なる強度(第1実施例では相対的に強い強度、言い換えれば右打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。第1実施例では、左打ちされた遊技球は第2始動口12、大入賞口20、第2作動口32へ入球しないよう、かつ、右打ちされた遊技球は第1始動口11と第1作動口31へ入球しないよう、遊技領域81に遊技釘や風車が配置され、また遊技球の流路が設定される。
大入賞口20の内部には、遊技球が通過することにより小当り発展大当りが発生する特定領域が設けられており、特定領域通過検出装置504は、特定領域を遊技球が通過した場合にそのことを検出する。特定領域開閉ソレノイド506は、特定領域の状態を、遊技球が通過不可能な閉鎖状態と、遊技球が通過可能な開放状態との間で切り替える切替部材を制御する。特定領域開閉ソレノイド506は、開閉制御手段275の制御に応じて、当否抽選の結果(当否判定の結果とも言える)が小当りの場合、特定領域を開放状態とするよう切替部材を制御する。特定領域への入球を検出すると、特別遊技へ移行する旨の決定がなされる。特定領域への入球が未検出の場合、小当り遊技の終了後に通常遊技に戻る。
第1実施例に係る特別遊技には、停止時の図柄が大当りとなることを契機に実行される第1特別遊技(図柄大当り)と、停止時の図柄が小当りとなった後に小当りが大当りに発展することを契機として実行される第2特別遊技(小当りV)とがある。第1特別遊技は、前提技術に示した特別遊技と同様であり、すなわち図柄大当りを契機とする。第2特別遊技は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したこと(「V入賞」とも呼ぶ。)を契機とした、条件装置の作動と役物連続作動装置の作動に伴う特別遊技である。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ502が設けられる。状態表示ランプ502は、例えば、二つのランプによって構成され、第1のランプは時短状態(本実施例では普通電動役物の入球容易状態を伴う)であるか否かを示し、第2のランプは右打ちをすべき遊技状態(普通電動役物の入球容易状態や、特別電動役物の作動状態)であるか否かを示す。第1のランプは、時短状態の通常遊技である場合に点灯し、通常状態の通常遊技である場合に消灯する。第2のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に点灯し、通常状態である場合に消灯する。したがって、状態表示ランプ502の第2のランプは、いわゆる右打ち表示灯として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、特図1の図柄大当りの確率と、特図2の図柄大当りの確率はともに1/319である。ぱちんこ遊技機500では、特別図柄の確率変動機能を備えないため、図柄大当りの確率は変動せず、設定値によって定められた確率毎に常時一定確率で抽選される。また、特図1の小当り確率は0であり、特図2の小当り確率は1/10である。変形例として、特図1の小当り確率は0より大きくてもよい(例えば1/500)が、少なくとも特図2の小当り確率より小さい値に定められる。
また、小当り遊技において、開閉制御手段275は、大入賞口20を1.8秒以下の所定時間(例えば1.6秒)開放させるとともに、その間、大入賞口20内部の特定領域も開放状態になるよう制御する。大入賞口20は、スライド式アタッカータイプ(遊技球が大入賞口の蓋部材上を転動可能とし、蓋部材の開放時に入球可能となるタイプ)を採用することが好ましく、さらに大入賞口20上部もしくは大入賞口20近傍の流路は、例えばジグザグ形状にする等、複数個の遊技球が大入賞口20の入口(蓋部等)の近傍に滞留するように構成される。さらに大入賞口20の開放パターンは、0.124秒の開放を間に所定の閉鎖時間を挟むようにして13回繰り返すものとし、遊技者の発射が遅れた場合であっても遊技球を入球しうるように設計することが好ましい。これにより、小当り遊技において大入賞口20が短時間開放された場合に、大入賞口20への入球と小当りVを高確率で発生させることができる。言い換えれば、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りが発生すれば、ほぼ小当りVを獲得可能なよう構成される。
図42は、第1実施例のぱちんこ遊技機500における大当りの内訳を示す。特図1の図柄大当りは、時短9回の15R大当り、時短9回の4R大当り、時短1回の4R大当りを含み、振り分け確率は1%、49%、50%である。なお、時短中における時短1回の4R大当りは、時短9回の4R大当りと同じ制御になる。したがって、時短中の大当りでは、全て時短9回が付与される。特図2の図柄大当りは、時短9回の5R大当りとなる。特図2の小当りVは、時短9回の15R大当り、時短9回の10R大当り、時短9回の5R大当りを含み、振り分け確率は60%、10%、30%である。なお、本実施例では、最大の時短回数を9回としているものであるが、小当り確率1/10の抽選を9回実施可能であり、時短中における小当りないし図柄大当りに基づく大当り確率は約61%程度としているが、プレミア的な当りとして、時短100となる小当りVや図柄大当りを設けて、実質的に次回継続を保証(約99.9%の確率で時短中に次の小当り、図柄大当りが獲得可能)する場合を含んで、遊技者に当りを引けるという安心感を与える遊技状態を有してもよい。
1.時短および開放抽選(普通図柄抽選)に関連する構成:
開放抽選の結果は、外れ、第1当り、第2当りの3種類が設けられる。第1当りは、普通電動役物90の長時間開放を伴う当りであり、通常状態における当選確率は約1/590(特別図柄変動換算)である。第2当りは、普通電動役物90の短時間開放を伴う当りであり、通常状態における当選確率は約3/590である。時短状態では、第1当りの当選確率は約10/11であり、第2当りの当選確率は0である。
開閉制御手段275は、通常状態の通常遊技において、開放抽選が第1当り(当選確率1/590)となって普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間(以下「長開放時間」とも呼ぶ。)、普通電動役物90を開放させ、言い換えれば、第2始動口12への入球が可能または容易となるように普通電動役物90を開放状態に制御する。ここで、2つの遊技球が連続して発射される時間間隔(最短の時間間隔)は0.6秒~0.8秒であってもよい。長開放時間は、6秒未満で、かつ、特図2(第2当否抽選値)の上限の保留個数(第1実施例では4個)の遊技球が発射される時間間隔以上の値であってもよい。また、長開放時間は、遊技球の発射を開始してから、特図2保留が0から4に増加するまでに要すると想定される時間以上の値でもよい。第1実施例における長開放時間は5.9秒である。
開閉制御手段275は、時短状態の通常遊技において、開放抽選が第1当り(当選確率は10/11)となって普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示された場合も、上記の長開放時間、普通電動役物90を開放させる。なお、通常状態における普通電動役物90の長開放時間と、時短状態における普通電動役物90の長開放時間は異なってもよいが、いずれの時間も、複数個(好ましくは4個)の遊技球が発射される時間間隔以上の値に設定される。このように、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90を長時間開放させることで、通常状態においても特図2保留を複数個貯めるチャンスを遊技者へ提供でき、すなわち、小当りV獲得のチャンスを複数回遊技者へ提供できる。例えば、図26の遊技フローにおいて、通常時から普通図柄の当りを経て連荘状態へ移行するルートを提供できる。
なお、開放抽選の結果が第2当りの場合の普通電動役物90の開放時間(「短開放時間」)は、長開放時間より短い時間であり、第2始動口12への入球が最大で1個または2個可能な時間に定められてもよい。また、短開放時間は、第2始動口12への入球が実質的に困難な時間に定められてもよい。
普通電動役物90の作動終了条件は、普通電動役物90が所定時間開放されたこと、または、第2始動口12への入球数が特図2(ここでは第2当否抽選値)の保留個数の上限値(第1実施例では4個)に達したことである。開閉制御手段275は、(1)普通電動役物90を開放状態に制御してからの経過時間が、長開放時間(第1当りの場合)または短開放時間(第2当りの場合)に達したことと、(2)第2始動口12への入球数が4個に達したことの少なくとも一方が満たされた場合、普通電動役物90を閉鎖状態に制御する。言い換えれば、第2始動口12への入球が不可(変形例として困難)になるよう普通電動役物90の状態を切り替える。
大当り(時短)を経由しない通常遊技における普通電動役物90の長開放は、例外的な遊技フロー(確率1/590)である。上記の作動終了条件により、例外的な遊技フローである大当り(時短)を経由しない通常遊技における小当りVが過度に発生することを抑制でき、出玉率を設計の範囲内に安定させやすくなる。また、通常状態における普通電動役物90の長開放時に、特図2の変動回数が想定値の4回を超えてしまうことを防止し、特図2の4回変動を前提とした出玉率を実現し易くなる。
時短の終了条件は、(1)大当りまたは小当りが発生したこと、(2)特図2の変動回数が9回(時短9回付与の場合)または1回(時短1回付与の場合)に達したこと、(3)特図1の変動回数が7回に達したこと、(4)特図1と特図2の変動回数の合計が15回(時短9回付与の場合)または7回(時短1回付与の場合)に達したことのいずれかが成立した場合に満たされる。特定遊技制御手段270は、特別遊技終了後の通常遊技の遊技状態を時短に移行させ、時短中の特図1の変動回数と特図2の変動回数をそれぞれ個別に計数する。特定遊技制御手段270は、上記の終了条件が満たされた場合、時短を終了させる。上記(2)(3)(4)のいずれかが成立した場合、特定遊技制御手段270は、通常遊技の遊技状態を通常状態に戻す。
このように、特図1の変動回数と、特図2の変動回数のそれぞれを時短の終了条件とすることで、時短1回の価値を担保することができる。すなわち、特図1の変動が7回に達するまでには、長開放された第2始動口12への入球が期待でき、第2始動口12への入球が生じれば、特図1より特図2が優先して変動し、高確率で小当り(および小当りV)を獲得することができる。時短終了条件における特図1の変動回数7回は、特別遊技の終了時点で存在しうる特図1の保留個数上限値(4個)と、誤って左打ちをした場合に生じうる第1始動口11への入球に対する保険(3個)の合計である。
後述するように、時短中の特図1の変動は超短縮変動のみであるため、第1実施例では保険の個数を多くしている。変形例として、時短中の特図1の変動がより長ければ、保険の個数をより少なくしてもよい(例えば1個)。
特定遊技制御手段270は、特図1または特図2の変動により時短の終了条件が満たされた場合、当該変動における特図1または特図2の停止表示時(言い換えれば変動時間終了時)に時短を終了させ、遊技状態を通常状態に戻す。
ここで、時短における第2始動口12への入球を契機とした1回の図柄変動時間(すなわち特図2の1回の変動時間)は、開放抽選(言い換えれば普通図柄抽選)が連続して実行された場合に少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の値に設定される。言い換えれば、第2変動パターン決定手段232は、時短中の特図2の変動パターンとして、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の変動時間が規定された変動パターンを選択する。例えば、変動パターンテーブルは、時短中の特図2の変動パターンとして、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上の変動時間が規定された変動パターンが選択されるように構成されてもよい。
前提技術にも記載したように、例えば、時短における普通図柄の1回の変動時間は2秒であってもよい。この場合、少なくとも普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間は、約10秒となる(普通図柄の2回の変動時間+普通電動役物の1回の作動時間)。第1実施例では、時短における特図2の1回の変動時間は、10秒以上の所定時間に設定される。変形例として、特図2の1回の変動時間は、普通図柄が第1当りの場合の長開放時間(第1実施例では5.9秒)より長い時間に設定されてもよい。
ここで、通常時における普通図柄の第1当りの場合、特図2は最大4回変動する。第2始動口12への入球数が特図2の保留個数の上限値(4個)に達すると、普通電動役物90の開放が終了するからである。一方で、時短1回4R大当り終了後の通常遊技では、特図2は時短1回分と時短終了後の4回分で最大5回変動する。時短において普通図柄の第1当りにより開放された普通電動役物90は、第2始動口12への入球数が特図2の保留個数の上限値(4個)に達すると一旦閉鎖される。しかし、特図2の変動時間は、普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上であるため、2回目の普通図柄の第1当りが発生して普通電動役物90が開放され、第2始動口12への更なる入球(典型的には特図2保留が1つ増加)が可能になるためである。
このように、第1実施例のぱちんこ遊技機500では、通常時の普通図柄当りに基づくチャンスよりも、時短1回付与の大当り経由のチャンスの方が遊技者にとって有利となる。時短が最小の1回であっても、通常時の普通図柄当り時よりも小当りV獲得の可能性を高くすることで、大当りを獲得しようとする遊技者の意識を高めることができ、また、大当りを獲得した遊技者に報いることができる。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、当否抽選結果が外れである特別図柄変動の停止表示時に時短が終了した場合、停止表示させた特別図柄を予め定められた特図固定時間だけ固定表示させる際の特図図柄固定時間を長くする。言い換えれば、保留された当否抽選値(典型的には第2当否抽選値)に基づく次の図柄変動を、時短終了から特別に長く設定した特図固定時間が経過するまで開始させない。第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、特別図柄の固定表示タイミングであるか否かを、(1)特定遊技制御手段270が時短を終了させたこと(大当り図柄、小当り図柄の停止により、時短が終了する場合を除く)を検出することにより判定する。変形例として、(2)時短における特別図柄(特図2)の変動回数を計数することにより判定してもよい。ただし、ぱちんこ遊技機500では、特図1と特図2のそれぞれに時短終了条件が独立して定められ、また、通常時に特図2変動を実行することがあるため、(1)の方法がより好適である。
第1実施例における当否抽選結果が外れである場合の時短終了時の特図固定時間は6秒である。したがって、時短終了直前に普通図柄が当りになった場合であっても、普通電動役物90の開放(5.9秒)は、特図固定時間の経過前に終了する。これにより、特図2保留が想定以上に増えること(状況として、上記6秒の特図固定時間が無い場合、普通電動役物の作動中に、特図2の変動が開始すると、特図2の保留の空きが1個できてしまうため、時短終了後に意図しない特図2の5変動目が可能になること)を抑制し、すなわち小当りVが設計範囲を超えて発生することを抑制できる。
演出決定手段303は、開放抽選の結果が外れまたは第2当りの場合に予告抽選を実行し、予告抽選の結果に応じて、第1当りが発生してチャンス状態(普通電動役物90の長開放)に突入することを期待させる内容の予告演出(「ガセ予告演出」とも呼ぶ。)を表示させる。例えば、演出決定手段303は、開放抽選の結果が外れまたは第2当りの場合に、所定確率にてガセ予告演出を表示させてもよい。なお、第1実施例では、特図の当否抽選の結果に基づいては上記のガセ予告演出を表示させない。
演出決定手段303は、通常状態の通常遊技における特図1の変動中に、普通図柄が第1当り(長開放)を示す態様で停止表示されると、特図1の変動に対応する演出(装飾図柄61の変動演出等)の実行状態に応じた態様で普電開放演出(後述の保留チャージ演出に対応)を表示させる。普電開放演出は、チャンス状態への突入を示唆する内容の予告演出(以下「突入演出」とも呼ぶ。)を含む。また、普電開放演出は、右打ちを促す内容の予告演出(以下「右打ちナビ」とも呼ぶ。)を含む。右打ちナビは、第2始動口12への入球を狙って遊技球を発射するよう促す内容であってもよく、特図2の保留を貯めるよう促す内容であってもよい。ここで、普通図柄の停止表示後すぐに普通電動役物が作動してしまうと、遊技者が「右打ちナビ」をみて右打ちを開始しても十分に保留を溜められない恐れがあるため、停止表示後に普通電動役物が開放状態となるまでの普通図柄固定時間や普通電動役物作動開始デモ時間などの時間を長めに設定しておき、その時間を利用して「右打ちナビ」演出を出すものとすることが好ましい。なお、普電開放演出の実行開始タイミングを普通図柄が第1当りを示す態様で停止表示されると、としているが、右打ちを実行しなければ普通電動役物(特図2始動口)に対して遊技球を入球させることが難しくなることから、停止表示前の所定のタイミングから実行可能としてもよい(例えば、普通図柄が第1当りとなる場合の普通図柄変動時間の残り5秒程度のタイミングで前述のガセ予告演出に対して成功パターンとなる普通図柄当選演出を実行し、残り5秒間で遊技者に右打ちすべき状況を理解させる右打ち誘導演出を行う)。
演出決定手段303は、通常時(非時短遊技中)の特図1の変動がリーチ未成立またはノーマルリーチ成立中であれば、その変動演出の表示とともに(例えば変動演出の上に重ねて)、突入演出を表示させ、かつ、右打ちナビを相対的に大きいサイズで表示させてもよい。一方、特図1の変動がスーパーリーチ成立中であれば、突入演出を表示させず、右打ちナビを相対的に小さいサイズで表示させてもよい。すなわち、演出決定手段303は、リーチ未成立またはノーマルリーチ<普電開放演出<スーパーリーチの優先度で表示させてもよい。なお、通常状態において特別図柄の変動が実行されていない間も、普通図柄の第1当りは成立しうる。したがって、変動演出が表示中でなくても普電開放演出は表示されうる。表示の優先度は、演出表示装置60に対する描画処理において、最前面に重ねて表示するものを高優先度として扱ったり、演出表示領域の大きさが大きいものを高優先度として扱ったり、それらの複合など、おおむね遊技者に優先的に視認させようとする表示態様であればどのようなものでもよい。
2.複数種類の変動パターンモードに関連する構成:
図43は、複数種類の変動パターンモードを示す。第1実施例のぱちんこ遊技機500は、特図1および特図2の変動パターンの選択傾向が異なる複数種類の変動パターンモードを備える。第1実施例では、変動パターンモードごとに異なる変動パターンテーブルを参照して特図1および特図2の変動パターンを決定することとする。以下、モードN時に参照する変動パターンテーブルをモードNテーブルと呼ぶ。
第1実施例のメイン基板200は、モード0テーブル~モード7テーブルを記憶する。第1変動パターン決定手段231は、遊技状態に応じてモード0テーブル~モード2テーブルのいずれかを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照して特図1の変動パターンを決定する。第2変動パターン決定手段232は、遊技状態に応じてモード0テーブル、モード3テーブル~モード7テーブルのいずれかを選択し、選択した変動パターンテーブルを参照して特図2の変動パターンを決定する。言い換えると、特別遊技の終了後は、特図1、特図2の変動パターンテーブルのモード状態をそれぞれの変動回数に応じて個別に切り替える仕様となっている。このようにすることで、特図1、特図2に対してそれぞれ設けられた時短終了条件の内、特に特図2の時短遊技最終変動など特殊な演出を出したい受容があるタイミングなどで参照すべきテーブルが、特図1の変動が実行されることでずれてしまうといった問題を解決できる。
第1変動パターン決定手段231は、時短1回の4R大当り後(特別遊技終了後)の特図1の7変動分、モード1テーブルを参照して変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図1の変動パターンを選択する。また、第1変動パターン決定手段231は、時短9回の大当り(15R、10R、5R、4R)の場合、特別遊技終了後の特図1の7変動分、モード2テーブルを参照して変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図1の変動パターンを選択する。特別遊技終了後の特図1の7変動は、時短終了条件となる特図1の変動回数に対応する。モード1テーブルとモード2テーブルはいずれも、超短縮変動(第1実施例では約3秒)の変動パターンを規定する。言い換えれば、モード1テーブルとモード2テーブルはいずれも超短縮変動が選択されるように設定される。
演出決定手段303は、第1変動パターン決定手段231によりモード1またはモード2の変動パターンが選択された場合、ラッシュ演出(時短遊技の演出モード)の準備中である旨を示す演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、ダミーのラウンド演出を表示する変動演出パターン(および予告演出パターン、以下同じ)を選択し、ダミーのラウンド演出を表示させてもよい。ダミーのラウンド演出は、現在特別遊技中であるかのように見せる内容でもよく、特別遊技の最終ラウンドが継続しているかのように見せる内容でもよい。なお、モード1テーブルおよびモード2テーブルにおける特図1の変動が当りである場合には、「超短縮変動」以外の「当り報知用演出変動(10秒)」等を選択可能としてもよい。これらモード1テーブル、モード2テーブルによって選択された特図1の変動に関する演出表示装置60上の装飾図柄表示は、表示領域の隅の部分などで目立たないように実行ように行うことが好ましいが、モード1テーブル、モード2テーブルの変動が5回目等である場合には、遊技者が遊技性を理解せず左打ちをしてしまっている恐れがあるため、専用の右打ち誘導演出を表示するものであってもよい。
変形例としてモード1とモード2の少なくとも一方を設けなくてもよい。モード1、モード2を設けた場合、特図2の変動により連荘が終了した時の左打ち時(特図1の7回変動により時短が終了したとき以外)に、特図1の変動が超短縮変動になる可能性があるからである。また、別の変形例として、モード1、モード2を設けた場合、特図1の超短縮変動に対応する専用演出を設け、演出決定手段303は、連荘状態終了後の特図1変動においてその専用演出を表示させてもよい。
第2変動パターン決定手段232は、時短1回の4R大当り後の特図2の1変動目に、モード3テーブルを参照して特図2の変動パターンを選択し、その後、モード0テーブルを参照して特図2の変動パターンを選択する。通常状態における特図2の変動は、小当りVを獲得するチャンスであるため、モード0における特図2の変動パターンは、チャンス演出用の変動パターンである。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232によりチャンス演出用の変動パターンが選択された場合、チャンス演出を表示する変動演出パターンを選択し、チャンス演出を表示させる。
また、モード3テーブルは、チャンス演出用の変動パターンが選択されるよう設定される。チャンス演出は、保留チャージ演出を含む。保留チャージ演出は、特図2の保留を貯めることを促す内容の演出である。保留チャージ演出は、(1)第2始動口12を狙って遊技球を発射するように促す内容であってもよく、(2)右打ちを促す内容であってもよく、(3)右打ちをしない場合、不利益となることを示唆する内容であってもよい。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232によりチャンス演出用の変動パターンが選択された場合、チャンス演出を表示する変動演出パターンを選択し、特図変動演出としてチャンス演出(保留チャージ演出を含む)を表示させる。
モード3テーブルの変動パターンは、時短における遊技球の新たな発射~作動口通過~開放抽選、普通図柄変動~普通図柄当り~普通電動役物90の開放に要すると想定される時間以上の変動時間を規定する。ここで、開放抽選に外れがある場合、保険として、上記の開放抽選、普通図柄変動を2変動分以上にした時間以上の変動時間が規定されることが好ましい。このように設計する理由としては、普通電動役物90の作動終了条件に、「4球(特図2保留可能数上限)の遊技球の入球があった場合」を含んでおり、モード3テーブルの変動が行われている間に少なくとも1回普通電動役物90を作動させなければ、特図2の保留を4つ溜めることができないためである。なお、モード3テーブルである場合における変動が、小当り、大当りである場合には、特別遊技後も時短遊技状態となるため、上記のような時間より短く、すぐに当りを報知する演出が表示ないし実行されるものを含んでいてもよい。
第2変動パターン決定手段232は、時短9回の大当りの場合、(1)モード4テーブルを1回参照、(2)モード5テーブルを1回参照、(3)モード6テーブルを7回参照、(4)モード7テーブルを4回参照し、時短中および時短終了後の保留4個分の、特図2の13変動分の変動パターンを選択する。
モード4テーブルは、時短における特図2初回変動の変動パターンとして、大当り終了デモ演出用の変動パターンを規定する。演出決定手段303は、第2変動パターン決定手段232により大当り終了デモ演出用の変動パターンが選択された場合、大当り終了デモを表示する変動演出パターンを選択し、大当り終了デモ演出を表示させる。大当り終了デモ演出は、大当りの終了を示す内容(現在の連荘回数や累計獲得出玉表示など)、時短への突入を示す内容、右打ちを促す内容、ラッシュ演出の演出モード選択画面(ノーマルタイプ、予告多めタイプ、一発告知タイプなどのキャラクタ選択)を含んでもよい。時短における特図2初回変動で大当り終了デモ演出を表示させるのは、右打ちを促して特図2保留を貯めさせるためである。別の効果として、特図2変動より先に実行された特図1変動を隠しやすくなり、また、遊技者から見た大当り終了から特図2変動開始までの時間を短縮しやすくなる。
演出決定手段303は、メイン基板200から大当り終了デモの実行を指示するコマンド(モード4テーブルの変動パターンを含む情報ではない)を受信した場合に、ラウンド演出(例えば特別遊技の最終ラウンドの演出)を継続してもよい。この場合、遊技者が最終ラウンドにて遊技球の発射を停止した場合、特図2保留が生起せず、いつまでも終了デモ(モード4テーブルによる特図2変動演出)へ移行しない可能性がある。そこで、演出決定手段303は、大当り終了デモの実行を指示するコマンドを受信してから所定時間経過後に、右打ちを促す内容の演出、言い換えれば、第2始動口12を狙った発射を促す内容の演出を表示させてもよい。特に初当り(非時短中の大当り)であり、ラッシュ演出に対応した時短9回の遊技状態へ移行する場合には、特図2の保留がない状況であることが多いため、初当り時に限り、実際のメイン基板200の大当り終了デモ時間において終了デモ演出を実行可能としてもよく、その際にはモード4テーブルを省略してモード6テーブルの回数を1回増やすようにする。また、モード4テーブルにおける変動が大当りや小当りである場合に、大当り終了デモに変えて(または加えて)、先の特別遊技のラウンド数(出玉数)に追加獲得されたラウンド数(出玉数)を報知し、2つの大当り、小当りが連続するような演出を報知するものを有してもよい。なお、先の大当り、小当りの開始デモの際にあらかじめ保留内にも当りが含まれることを報知する演出を実行することで、モード4テーブルの当り変動を違和感なく終了デモ演出から変更可能とすることもできるが、その際当該開始デモの演出においては、後続の当りの種別は非報知としておくことで、後続の当りの実際の変動の実行時に当り種別の報知演出を実行させることができ、大当り中においてもどれだけの出玉が追加されるかわからず期待感を膨らませて待機させることができる。
モード5テーブル~モード7テーブルは、複数種類の演出(第1の煽り演出、第2の煽り演出、第3の煽り演出、・・・、通常演出等)を含んでもよく、各演出の選択確率に異なる値を設定したテーブルでもよい。変動パターンテーブルを分けることにより、演出の出現頻度を変えることができ、例えば、一度も煽り演出がなく連荘状態が終了してしまうことを回避しやすくなる。変形例として、時短9回付与時の2変動目~時短抜け後の4変動は1つの変動パターンテーブルにて特図2の変動パターンを決定してもよい。また、モード5の変動時間>モード6の変動時間の場合、時短における最終変動の変動時間を長く確保して特図2の保留を上限まで貯めさせるために、モード5とモード6の順序を入れ替えてもよい。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、一般的なぱちんこ遊技機に多く見られる時短遊技終了タイミングでの遊技者に出玉を報知するための最終変動専用の変動パターンテーブルを設けない。本実施例での最終変動は時短終了後の特図2保留が0となる変動(主に時短終了後4変動目)であり、典型的には連荘状態における特図2の最終変動である。理由として、特図2の小当り確率は1/10と高確率であるため、それまでのラッシュ中の他の変動と差を設けないほうがよいからである。また、出玉表示専用の変動パターンテーブルを設けると、特図1変動で時短が終了した場合や、時短終了時点の特図2保留が3個しかなかった場合等のイレギュラーな状況で、通常時の普通図柄当りに伴う特図2変動中に、出玉報知演出が表示されてしまう(本来はチャンス演出)可能性がある。これを回避するためにも、出玉報知専用の変動パターンテーブルを設けないことが好ましい。
ここで出玉報知の構成を説明する。演出決定手段303は、(1)時短の終了契機となる特別図柄の変動が外れの結果で終了した場合、または、(2)時短終了後に残存する第2当否抽選値(すなわち特図2保留)に基づく変動が外れの結果で終了した場合に、それまでの出玉に関する演出(以下「出玉報知演出」)を所定時間表示させる。出玉報知演出の表示時間は例えば5秒であってもよい。上記(1)(2)は、演出決定手段303で制御すべき演出状態が時短用状態(ラッシュ演出)から通常時に戻る場合である。また、上記(1)は、時短の最終変動が終了した時点で特図2の保留が存在しなかった場合である。上記(1)または(2)の変動が大当り(小当りV含む)となった場合、出玉報知演出は、次の時短終了時まで実行されない。
出玉報知演出は、(1)特別遊技中の出玉、(2)小当り遊技の出玉、(3)時短中の出玉(特図2始動口や一般入賞口などの入賞口による賞球)について、(1)のみを報知する内容、(1)+(2)を報知する内容、(1)+(3)を報知する内容、または(1)+(2)+(3)を報知する内容であってもよい。報知される出玉は、1回以上の時短を挟んで1回以上の特別遊技が連続的に実行された場合に、この連荘期間における合計の出玉であってもよい。また、報知される出玉は、図26の初当りおよび連荘状態中の出玉の合計、言い換えれば、通常時における初当りの発生から連荘状態を経て再度通常時に戻るまでの出玉の合計であってもよい。
また、出玉は、ぱちんこ遊技機500から払い出された遊技球の個数(賞球数)であってもよく、払い出された遊技球の個数からアウトとなった遊技球の個数を差し引いた数(いわゆる純増数)でもよい。演出決定手段303は、払い出した遊技球の個数を払出制御基板155から取得し、また、アウト球の個数をアウト検出装置39から取得して出玉を計数してもよい。
演出決定手段303は、第1始動口11への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄(すなわち特図1)が変動中の場合、その変動演出よりも視認性が高い態様で出玉報知演出を表示させる。具体的には、演出決定手段303は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動画面を、装飾図柄61の停止表示時以外において一旦非表示とし、出玉報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動表示領域(停止表示領域)とは別の領域に出玉報知演出を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、出玉報知演出を表示させる際に、特図1変動を、通常より小さい画面(ワイプ等)、または、出玉報知演出の表示画面より小さい画面で表示させてもよい。
この態様によると、小当りの確率が比較的高い特図2に関する変動演出を、出玉報知演出で阻害することなく表示させ、また、様々な状況に応じて時短演出モード(ラッシュ演出)が終了した場合に、好適なタイミングおよび態様で出玉を報知することができる。なお、演出決定手段303は、時短終了後に、(1)特図1変動と特図2変動の両方が所定時間未実行である場合、または、(2)特図1の変動が開始された場合(ラッシュ演出終了後10分以上経過した場合を除く)に出玉報知タイミングと判定し、出玉報知演出を表示させてもよい。
3.チャンス演出に関連する構成:
演出決定手段303は、特図2の変動パターンモードがモード0のときの特図2変動中(言い換えれば、第2変動パターン決定手段232によりモード0の特図2変動パターンが選択された場合)、チャンス演出を表示させる。チャンス演出は、(1)図26の通常時に普通図柄が第1当りとなった場合、特図2保留生起時に表示される。また、(2)時短1回の4R大当り後で、時短終了後の残存保留(特図2保留)消化中に表示される。いずれの場合も特図2の4変動が想定される。
なお、上記(1)(2)のときと、時短9回の大当り後で、時短終了後の残存保留(特図2保留)消化中のときは、メイン基板200の遊技状態は同じ(通常状態)であるが、変動パターンモードが異なる(異なる変動パターンテーブルから異なる変動パターンが選択される)ため、前者と後者は異なる演出を表示する。前者はチャンス演出、後者はラッシュ演出である。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合、上記の保留チャージ演出を演出表示装置60に表示させる。演出決定手段303は、普通電動役物90が開放状態に制御される時間、保留チャージ演出を表示させてもよい。保留チャージ演出は、普通電動役物90の開放を報知する内容の演出(普電開放演出)を含んでもよい。また、保留チャージ演出は、チャンス演出への突入を予告する内容の演出(チャンス突入演出)を含んでもよい。
保留チャージ演出およびチャンス突入演出は、演出決定手段303が表示させる画像演出の中でも高い優先度(例として、エラー表示や、右打ち表示、停止表示時の装飾図柄、保留数表示等の遊技者の遊技に必要な情報より優先度が低く、変動中の他の予告演出などよりは優先度が高い)が設定される。ぱちんこ遊技機500では、小当りVの獲得有無が出玉に大きく影響し、小当りVの獲得には特図2保留を貯めることが重要だからである。ただし、特定の態様で作動した場合に大当り期待度が高確率(例えば70%程度)の役物(ここでは「特殊役物」と呼ぶ。)がぱちんこ遊技機500に設けられる場合、特殊役物による演出を保留チャージ演出およびチャンス突入演出よりも優先して実行してもよい。また、保留チャージ演出およびチャンス突入の表示中、特殊役物以外の役物(特殊役物より大当りの期待度が低い役物)を作動させる演出をキャンセルしてもよい。
演出決定手段303は、通常時における保留チャージ演出表示中に特図2変動が開始された場合、保留チャージ演出の表示終了後(普通電動役物90の作動終了後)に、特図2変動に対応する装飾図柄61の変動表示を開始させる。この場合、演出決定手段303は、特図2の変動パターンに対応する変動演出パターンに基づく装飾図柄61の変動を途中から開始させてもよい。また、演出決定手段303は、保留チャージ演出表示中、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動表示を、保留チャージ演出の表示領域とは異なる領域に通常より小さく表示させてもよく、保留チャージ演出の表示領域より小さい領域に表示させてもよい(ワイプ表示等)。
図43に関連して説明したように、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目には保留チャージ演出を表示する。演出決定手段303は、時短中、特図1の外れ変動に係る演出を表示しない(変動中であることは識別可能とするために、小さく装飾図柄61を表示する)。時短中の特図1変動は、即時消化目的で3秒固定であり、出玉に直結する重要な内容は表示されないからである。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させる。ただし、前者は、普通電動役物90の開放中の演出であり、後者は、特図2変動中の演出という違いがある。普通電動役物90の開放中、特図1は様々なパターンで変動する可能性があるため、演出決定手段303は、保留チャージ演出を表示させるとともに、特図1の変動(外れ変動含む)に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出より小さく表示させる(ワイプ表示等)。
通常状態における保留チャージ演出の表示優先度は、特図1変動に対応する装飾図柄61の変動演出の状況により設定される。例えば、演出決定手段303は、特図1の変動パターンがスーパーリーチ等の重要度が高いものでなければ、保留チャージ演出を相対的に視認性が高い態様で表示させ、装飾図柄61の変動演出を相対的に視認性が低い態様で表示させてもよい。視認性が高い態様は、表示サイズが大きいこと、目立つ色彩(明度、彩度が高い等)であること、エフェクトが付加されること、他の演出よりも前面に描画されることのいずれかを含んでもよい。なお、特図1の変動パターンがスーパーリーチ等の重要度が高いものである場合、表示優先度を逆にし、保留チャージ演出を演出表示装置60の画面の隅等に小さく表示(単純に小さくするものではなく、表示を簡略化するなど形態が変わるものであってもよい)し、特図1変動に対応するスーパーリーチ演出を大きく表示させてもよい。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短1回の4R大当り終了後の時短中、特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させ、保留チャージ演出の終了後、特図2の変動演出としてチャンス演出を表示させる。演出決定手段303は、基本的に遊技者のボタン操作に基づいて、チャンス演出を進行させるが、ボタン非操作時に専用の演出も設けられる。例えば、遊技者がボタンを操作する場合、チャンス演出は、予告1、予告2、予告3等、複数の予告を経由してリーチ演出へ発展する。一方、遊技者がボタンを操作しない場合、チャンス演出は、予告1、予告2、予告3、予告4等、複数の予告を経由してリーチ演出へ発展するが、上記の予告4は、ボタン非操作時に専用の演出であり、ボタン操作時には表示されない。演出決定手段303は、ボタンの有効期間経過時に操作がなかった場合に予告4の演出抽選をしてもよいし、変動開始時にボタン操作があった場合となかった場合で実行する演出双方を抽選する仕様として、非操作で予告4が出現する示唆演出(例えば特殊ボタン画像表示やミニキャラアイコン表示)をボタン有効期間に実行可能としてもよい。
演出決定手段303は、通常状態において普通図柄が第1当り(長開放)となった場合と、時短中における特図2の1変動目の場合の両方で保留チャージ演出を表示させるが、保留チャージ演出の表示中に生起した特図2保留について、事前判定情報(第1実施例では事前当否判定情報)に基づいて、当りか外れかを検出(いわゆる先読み)する。演出決定手段303は、通常状態では、図柄大当りおよび小当りの有無を先読みする一方、時短状態では、小当りの有無のみを先読みする。時短状態における特図2の図柄大当りは、小当りVに比べて低利益だからである。
前提技術で記載したように、演出決定手段303は、演出表示装置60の画面下部に、特図1の保留個数および特図2の保留個数を示す保留ランプ画像を表示させる。演出決定手段303は、上記の先読み結果を保留変化として表示させる。例えば、演出決定手段303は、先読みの結果、ある特図2保留が小当り(または図柄大当り)の場合、その特図2保留に対応する保留ランプ画像を、通常態様から小当り(または図柄大当り)を示す特殊態様に変化させる。例えば、保留ランプ画像がプレゼント箱を示すものの場合、そのプレゼント箱の形状や色彩を変化させてもよい。
また、演出決定手段303は、特図1保留の先読みをさらに実行してもよい。演出決定手段303は、特図1保留の先読みを実行中、普通図柄の第1当りが発生した場合、それまでの先読み結果、および、それまで実行中の先読み演出をキャンセルして、保留チャージ演出を表示させてもよい。例外として、演出の傾向(登場するキャラクタの種類や世界観等)を変化させるような演出ゾーンの移行等、変動演出パターンの抽選モードを変化させる先読み演出はそのまま実行してもよい。
また、演出決定手段303は、特図1保留の先読みで図柄大当りを検出した場合でも、その大当り保留前の他の保留の変動にて大当りとなる場合、後続の大当り保留に対しては将来の大当りを報知する演出を実行しない。特図1の大当りが確定した状態で、普通図柄の第1当りから小当りVが発生した場合、時短中に特図2保留を貯めずに特図1大当りを消化して時短回数をリセットすることが可能になるからである。例えば、時短1回から9回へ変化させて新たな小当りVの可能性を高めるような攻略法が生じてしまうからである。
4.連荘状態に関連する構成:
連荘状態は、通常時の特図1大当りの50%で直移行し、また、通常時の普通図柄第1当り後の小当りVで直移行するモードである。連荘状態における時短時に、典型的には、時短9回+残り保留4回が実行され、小当り確率1/10の特図2抽選が合計13回実行される。時短9回中に小当りないし大当りを獲得する確率は約61%であり、残り保留4回で小当りないし大当りを獲得する確率は約34%であるため、当該連荘状態が継続する確率は約75%程度である。
演出決定手段303は、連荘状態の時短における特図2の初回変動時に、モード4の変動パターンに応じて、大当り終了デモと保留チャージ演出(右打ちナビ)を表示させる。演出決定手段303は、連荘状態の時短において特図2の初回変動前に特図1の変動が実行され(特図2保留が0の場合)、その特図1が大当りだった場合、特別遊技の最終ラウンド演出中(または終了デモ演出中)に、所定の役物(特殊役物等)を動作させ、大当りが延長したかのように見せる演出を出力してもよい。別の態様として、演出決定手段303は、大当りとなる特図1の変動中に、特別遊技のラウンド演出を一時停止させ、巻き戻して再生する等、特別遊技の見た目で大当りが延長したかのように見せてもよい。なお、モード4テーブルにおける特図2変動が小当りや大当りである場合にも同様の演出を実行可能である。
演出決定手段303は、連荘状態の時短中における特図2の変動演出としてラッシュ演出を表示させる。ラッシュ演出は、時短終了時点で特図2保留が最大限(4個)残存することを想定して設計されている。ぱちんこ遊技機500では、時短終了後の残り保留でも小当りVの期待度が高い(小当り確率1/10)ため、時短終了時点で特図2保留が4個貯まっていることが重要である。そのため、演出決定手段303は、連荘状態の時短における最終回(9回目)の特図2変動においても保留チャージ演出を表示させる。
時短の特図2最終変動での保留チャージ演出も、時短の特図2初回変動での保留チャージ演出と同様に、第2始動口12を狙った遊技球の発射を促す内容である。演出決定手段303は、時短の特図2最終変動での保留チャージ演出を、装飾図柄61の変動演出の隅に重ねて表示させてもよい。第1実施例では、時短における特図2変動は10秒以上であるため、最終変動のみ(初回変動は別途)保留チャージ演出を表示させることで十分であるが、最終変動において短時間の特図2変動が選択されうる仕様を採用する場合は、7変動目または8変動目から保留チャージ演出を表示させてもよい。
小当りVを有さない1種1種遊技機に慣れた遊技者は時短の長時間の変動中に止め打ちを行いやすいと想定されるが、少なくとも最終変動で保留チャージ演出を表示させることで、小当りVという非常に大きな利益を獲得する機会を遊技者が逃してしまうことを抑制できる。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、時短における特図2の最終変動(9変動目)は、図柄固定時間が長く設定される。図柄固定時間は、特別図柄の変動停止から、その停止表示が継続される時間であり、保留済の抽選値に基づく次の図柄変動の開始を遅延させる時間である。時短における特図2最終変動の図柄固定時間は、普通図柄の第1当りに伴う普通電動役物90の開放時間(6秒)以上に設定され、第1実施例では6秒とする。他の時点における図柄固定時間は、時短における特図2最終変動の図柄固定時間より短くてもよく、例えば1秒や0.5秒であってもよい。
一方で、既述したように、特定遊技制御手段270は、特図2変動により時短の終了条件が満たされた場合、ここでは特図2の変動回数が9回に達した場合に、特図2の停止表示時に時短を終了させる。言い換えれば、図柄固定時間移行前に時短を終了させる。したがって、時短の終了直前に普通図柄が第1当りとなった場合でも、普通電動役物90の長開放は図柄固定時間内に終了する。そして、特図図柄固定時間においては、時短状態が終了していることから、普通図柄が新たに変動を開始しても第1当りとなる確率は1/590と稀である。これにより、時短終了時点の特図2保留4個に対して+1の特図2保留が発生することを防止する。+1の特図2保留が発生すると、小当りの発生可能性が設計以上に高まる点で好ましくなく、また、ラッシュ演出の直後にチャンス演出が表示される点で好ましくないからである。なお、時短終了後において1/590で普通図柄が第1当りとなった場合には、通常時同様に普電開放演出である保留チャージ演出を実行してもよく、そのような場合には、ラッシュ演出用の4変動後追加で発生する特図2の変動は、モード0テーブルの変動である場合において、チャンス演出をラッシュ演出の後に連続して実行する。なお、演出データは増えてしまうが、モード0テーブルの変動パターンに対しても、ラッシュ演出用の変動演出パターンを設けることが可能である場合においては、演出決定手段303においてラッシュ演出との連続性を判定し、モード0テーブルの変動においてもラッシュ演出を継続させるように制御してもよい。
第1実施例のラッシュ演出は、時短終了前と時短終了後で同じ態様で表示される。例えば、演出決定手段303は、モード6の変動パターンと、モード7の変動パターンのいずれの場合も、演出決定手段303は、同一または類似する内容のラッシュ演出に対応する変動演出パターンを選択し、同一または類似する内容のラッシュ演出を表示させる。そのため、時短終了後(左打ちが有利な状態)であるにも関わらず、時短中(右打ちが有利な状態)であると遊技者が誤認する可能性がある。
演出決定手段303は、時短中、遊技者に右打ちするように促す内容の画像(「右打ち推奨画像」と呼ぶ。)を演出表示装置60に表示させる。演出決定手段303は、ラッシュ演出中の特図2の10変動目(すなわち時短終了後の特図2の1変動目)から、または、ラッシュ演出中の特図2の9変動目終了後の図柄固定時間から、右打ち推奨画像に代えて、遊技者に左打ちするように促す内容の画像(「左打ち推奨画像」と呼ぶ。)を表示させてもよい。
ただし、時短終了前と時短終了後で演出内容は同様であるため、左打ちを派手に推奨すると遊技者の混乱を招く可能性があり、また、連荘状態終了後には出玉報知演出を表示するため、事前に特図1保留を貯めさせることも望ましくない。そこで、演出決定手段303は、左打ち推奨画像を、右打ち推奨画像より目立たないよう小さく表示させてもよい。また、演出決定手段303は、左打ち推奨画像を、瞬間的または短時間表示させてもよく、一時的または所定時間おきに表示させてもよい。
また、演出決定手段303は、ラッシュ演出中の特図2の10変動目から、または、ラッシュ演出中の特図2の9変動目終了後の図柄固定時間から、右打ち推奨画像を非表示とし、左打ち推奨画像も非表示としてもよい。この場合、状態表示ランプ502の点灯態様のみで左打ちを推奨してもよい。なお、演出的に左打ち推奨画像を目立つように表示開始するタイミングとしては、出玉報知演出と同時や、出玉報知演出の後とすることが望ましい。この時、特図1の変動が実行されている場合には、遊技結果を報知するために装飾図柄が停止するタイミングと重ならないタイミングに合わせて左打ち推奨画像を表示させるようにするのが好ましい。
ラッシュ演出用の変動演出パターンは、(1)疑似変動演出4~8回(最低4回)(2)予告演出、(3)リーチ演出(一部の変動演出パターンのみ)を含みうるものであり、(1)、(1)+(2)、(1)+(2)+(3)のいずれかで1回の特図2の変動に対応した変動演出が終了する。一般的に小当りVスペックにおける小当り高確率図柄(特図2)では、当否に関する先読み情報のみを事前に報知可能である。また、保留された抽選値について、当該抽選値に基づく図柄変動の実行時まで、図柄と変動パターンは不明である。一方、遊技者は、従来機種における図柄と変動パターンを含む連続先読み演出に慣れており、そのような先読み演出がないと違和感を抱く可能性がある。そこで、ぱちんこ遊技機500では、従来機種の先読み演出に外観上類似する疑似変動演出中の疑似先読み演出により期待度を表示する。疑似変動演出は、装飾図柄61の変動を所定の基準値未満の時間(0.5秒等)停止(仮停止)させ、その後、装飾図柄61の変動表示を再開することにより、実際には1回の変動であるが見た目上、複数回の変動がなされているように見せる内容である。疑似変動の仮停止や再変動に伴い、(2)予告演出や、(3)リーチ演出の実行期待度や実行内容を示唆する疑似先読み演出を行う。疑似先読み演出の一例としては、同様の種類(色、形態、キャラクタ等)にカテゴライズされる装飾図柄の組み合わせが連続して仮停止するチャンス目先読み、画面周囲に表示されるエフェクトパターンが仮停止、再変動毎に高期待度のものに遷移していくエフェクトステップアップ先読みなどがあげられる。
演出決定手段303は、次回の図柄変動に影響する本来の意味での先読み演出として、次回の図柄変動に対応する抽選値の事前当否判定情報に応じて、直前の特図2の変動に対応する装飾図柄変動演出の最終停止図柄としてゾーン移行図柄停止先読み演出を表示させてもよい。ゾーン移行図柄停止先読み演出は、次回の図柄変動を高期待演出モードで表示することを予告する内容である。また、演出決定手段303は、次回変動の当否が特図2の小当りの場合や外れの場合(ガセを実行)、今回の変動にてゾーン移行図柄停止先読み演出を表示させ、その一方、次回変動の当否が特図2の図柄大当りの場合、今回の変動にてゾーン移行図柄停止先読み演出を実行しなくてもよい(低利益であるため)。また、次回の変動が小当りである場合であっても、今回の変動が(3)リーチ演出まで発展する場合は、当該変動の結果(装飾図柄の停止態様)に注目しているため、ゾーン移行図柄を使用する先読み演出は抽選の対象外としてもよい。そのため、本先読み演出は、特図2の変動開始毎に次の保留の当否を判定して、当該開始することとなる変動の変動パターンの種別に応じて先読み抽選を実行するように制御する。なお反対に、リーチ変動であるにも関わず当該変動の最終停止図柄がゾーン移行図柄となる場合、次回の変動が当り確定となるよう報知する方法を採用してもよい。
演出決定手段303は、ラッシュ演出中、保留ランプ画像を非表示とする。保留ランプ画像により保留個数を報知してしまうと、上記の疑似変動演出の意義が損なわれるからである。一方、演出決定手段303は、ラッシュ演出中(時短中)、特図2の残り変動回数を表示させる。例えば、時短における特図2の2変動目(ラッシュ演出開始1変動目)には、特図2の残り変動回数が8回であるため、「8+えくすとら」と表示させ、特図2の2変動目には「7+えくすとら」と表示させる。「えくすとら」は、時短終了後の特図2残存保留による変動を示す。なお、演出決定手段303は、時短終了後に消化される特図2保留が実際に生起した場合、例えば、時短における特図2の6変動目以降に保留4が生起した場合に、「えくすとら」を表示させてもよい。なお、残り変動回数の表示は、今回の変動を含めた数でもよいし、今回の変動を除いた時短終了までの変動回数のいずれでもよい。また、残り回数表示は、「残りN回」と直接的に表現せず、「N日目/8日+えくすとら」といった、遠回しの表現を採用してもよい。この時、N日目(朝)、N日目(昼)、N日目(夜)や、N日目AM10:00、N日目PM2:00、N日目PM8:00といったような時間経過表示とともに上記(1)疑似変動期間、(2)予告演出期間、(3)リーチ演出期間と切り分けて表示してもよい。さらに、上記12時間表記の時間の分の部分(及び時の部分)を疑似変動毎に進行させ、あるタイミングでぞろ目「N日目PM5:55」となった場合などに当りの期待度が高い、ないし当り確定である旨を報知する方法を採用してもよい。
5.遊技待機デモに関連する構成:
演出決定手段303は、特図1または特図2の変動が所定の待機デモ移行時間なされない場合、演出表示装置60に所定の遊技待機デモの画像を表示させる。遊技待機デモは、ぱちんこ遊技機500の演出におけるテーマやモチーフ、ストーリー、概要等を示す動画であってもよい。
待機デモ移行時間は、普図保留手段242が普図抽選値を上限まで保留した場合の普通図柄の最長変動時間より長く設定される。第1実施例では、普図抽選値の保留個数の上限は4個であり、普通図柄が外れまたは第2当りの場合の1変動の最長変動時間(通常状態時)を10秒とし、第1当りの場合の1変動の最長時間を15秒(通常状態時)とする。この場合、普図抽選値が上限まで保留された場合であって、特別図柄の変動が実行されない状況下での普通図柄の第1当り(長開放)が最も遅く報知されることとなる最長時間は、45秒(10秒×保留3個+15秒×保留1個)になる。したがって、待機デモ移行時間は、45秒より長く設定され、例えば60秒に設定される。
既述したように、演出決定手段303は、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90が長時間開放される場合、第2始動口12を狙った遊技球の発射を促す内容の保留チャージ演出を表示させる。待機デモ移行時間が、普図抽選値が上限まで保留された場合の普通図柄の最長変動時間より長く設定されることにより、遊技待機デモの表示中に普通図柄が第1当りとなって普通電動役物90が長開放されることを回避でき、言い換えれば、遊技待機デモの表示中に保留チャージ演出が表示されることを回避できる。これにより、遊技者が保留チャージ演出に気付かずに、小当りVを獲得し得る機会を失ってしまうことを防止しやすくなる。また、一方で本実施例の遊技機では、普通図柄の第1当りが遊技性に大きな影響を当たれるため、普通図柄の変動表示も遊技が進行している状態として扱うことが好ましく、普通図柄の変動表示に基づく遊技の進行状態が遊技待機デモの表示により非遊技中であると誤認されてしまうことを防止する。
変形例として、演出決定手段303は、遊技領域81に設けられた複数の入賞口または入球口のいずれかへの遊技球の入球が、上記の待機デモ移行時間未検出であり、かつ、特図1または特図2が変動中でなければ、遊技待機デモの画像を表示させてもよい。複数の入賞口または入球口は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33を含む。入球の有無は、これらの入賞口と入球口のそれぞれに設けられたセンサ(第1始動入賞検出装置16、第2始動入賞検出装置17等)により検出されてもよい。この変形例においても上記実施例と同様の効果を奏する。
別の変形例として、ぱちんこ遊技機500は、第1始動口11と第1作動口31が上下に近接して設けられ、第1作動口31を通過した遊技球がほぼ確実に(もしくは100%)第1始動口11へ入球するように遊技領域81(遊技釘や風車等)が構成されてもよい。また、第1始動口11へ入球する遊技球は、第1作動口31を通過した遊技球に限定されるように遊技領域81が構成されてもよい。
この場合、
特別図柄(ここでは特図1)の保留4個消化に係る平均変動時間+待機デモ移行時間
> 普通図柄の保留4個の最大変動時間
になるよう待機デモ移行時間が設定されてもよい。例えば、普通図柄の保留4個の最大変動時間が45秒で、特別図柄の保留4個消化に係る平均変動時間が20秒の場合、待機デモ移行時間は25秒より長い時間(例えば30秒等)に設定されてもよい。この変形例においても上記実施例と同様の効果を奏する。
以上、本発明を第1実施例をもとに説明した。第1実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を挙げる。
変形例1を説明する。第1実施例においても一部既述したが、演出決定手段303は、通常状態の通常遊技において普通図柄の第1当りに伴い普通電動役物90が開放される場合に保留チャージ演出を表示させてもよい。そして、保留チャージ演出の表示中、演出決定手段303は、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を縮小表示(ワイプ表示)させてもよい。例えば、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出より小さいサイズで表示させてもよい。また、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を、保留チャージ演出の非実行時の表示サイズより小さいサイズで表示させてもよい。
変形例1でも第1実施例と同様に、時短中の通常遊技における特図1の変動時間は、通常状態の通常遊技における特図1の平均変動時間より短い時間(第1実施例では3秒)に固定される。変形例1では、演出決定手段303は、特別遊技における最終ラウンドが終了してから、時短における特図2の初回変動終了までの間、大当り終了デモおよび保留チャージ演出を継続して表示させる。演出決定手段303は、時短中の通常遊技において保留チャージ演出を表示中、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を非表示とする。
なお、時短中、演出決定手段303は、特図1の変動に対応する装飾図柄61の変動演出を非表示としつつ、変動演出の結果である停止態様のみ簡易図柄(通常の装飾図柄61より小さい図柄)により示してもよい。または、当りか外れかの結果のみを簡易図柄により示してもよい。また、時短中に特図1の図柄大当りが発生した場合、演出決定手段303は、その図柄大当りを第1実施例に記載の特殊役物の作動により報知してもよい。
このように、変形例1の演出決定手段303は、時短中における特図1の変動演出を、通常時の普通図柄第1当りに伴う普通電動役物90開放中より一層視認性を低下させて表示させる。このように、特図1の変動演出の重要性が相対的に低い場合に、当該変動演出を目立たない態様で表示させ、または、非表示とすることで、保留チャージ演出等、遊技者が利益を獲得するためにより重要な他の演出を強調して提示することができる。
第2始動口12に関する変形例2を説明する。図44は、始動口ユニット510の斜視図である。始動口ユニット510は、第1始動口11、第2始動口12、複数の一般入賞口33が一体化された部品である。始動口ユニット510は、センター飾り64の下位置に設けられる。すなわち、本変形例の第2始動口12は、遊技領域81の中央下部に設けられる。図45は、始動口ユニット510の上面図であり、下が前方である。
図46は、始動口ユニット510の断面図であり、具体的には、図45のA-A断面図である。左打ち流路512は、左打ちされた遊技球を左アウト口514へ導く流路である。右打ち流路516は、右打ちされた遊技球を右アウト口518へ導く流路である。右打ちされた遊技球であり、言い換えれば、センター飾り64の右側流路を流れた遊技球のみが右打ち流路516へ流入可能なよう、遊技領域81の遊技釘や風車等が設定される。
スライド板520は、普通電動役物90として機能し、この変形例では、右打ち流路516へ流入した遊技球を第2始動口12へ導く誘導部材として機能する。スライド板520が退避した状態では、右打ち流路516から右アウト口518へ遊技球(図46の遊技球524)が流入し、第2始動口12へは流入しない。阻止部材522は、スライド板520と連動し、スライド板520が退避状態の場合に、第2始動口12の入口を塞ぐように突出する。これにより、第2始動口12への入球を確実に阻止できる。また、阻止部材522は、スライド板520が突出状態の場合に退避状態となって、第2始動口12の入口を開放する。
普通図柄が当りとなった場合、第1実施例の開閉制御手段275は、普通電動役物90を開放状態へ制御したが、本変形例の開閉制御手段275は、スライド板520を突出状態に制御するとともに阻止部材522を退避状態に制御する。この結果、右アウト口518の入口が塞がれ、第2始動口12の入口が開放され、右打ち流路516を転動した遊技球が第2始動口12へ流入する。この始動口ユニット510によると、普通図柄当り時に第2始動口12への入球を可能にしつつ、それ以外の状況において第2始動口12への入球を確実に阻止することができる。
変形例3を説明する。演出決定手段303は、特図1の当り変動中(典型的には初当り時)に、普通図柄が第1当り(長開放)となった場合、保留チャージ演出(普電開放演出)を非表示としてもよい。大当り終了後の時短中の特図2変動において保留チャージ演出を表示させるためである。特図2保留を先に貯めさせた場合、特図2優先消化のため、連荘状態終了時に特図1保留が残りやすくなるが、連荘状態終了時には出玉報知演出を表示するため、特図1変動をなるべく実行しない方がよいからである。この構成によると、特図1変動中に、普通図柄の第1当りが停止表示され、それにもかかわらず保留チャージ演出が表示されない場合、特図1の図柄大当り確定となる。なお、連荘状態終了直後の通常時、特図1保留の先読みを禁則とした場合、出玉報知演出中には特図1変動に関する重要な演出が表示されにくいと言えるため、特図1の当り変動中に保留チャージ演出を表示させ、特図2保留を貯めさせてもよい。また、普通図柄が第1当りとなるタイミングが、特図1の当り変動中でなく、特図1の先読みにおいて当り確定報知(例えばプレミア保留表示であり、大当り後の時短回数は不定のもの)の実行中である場合においても、表示禁止とする禁則パターンを有していてもよい。このようにすることで、特図1の当り確定保留が消化される前に、特図2の小当りないし大当りからラッシュ状態へ移行した際に、特図1の当りを時短9回にすることができてしまうためである。
変形例4を説明する。連荘状態(時短+保留4個)がイレギュラーな形で終了した場合、具体的には、特図1の7回変動で時短が終了した場合または時短終了時点の特図2の保留が3個以下の場合、通常時の特図2の変動パターンモードがラッシュ演出用(モード3~モード7)となりうる。この場合、通常時に普通図柄の第1当りが発生すると、その後の特図2変動ではラッシュ演出用の変動パターン、または、保留チャージ演出用の変動パターンが選択され、設計上、意図しない演出を表示してしまう可能性がある。
これに対処するため、演出決定手段303は、時短移行後または時短終了後に特図1が所定回数変動後(例えば時短移行後10回の特図1変動終了後)、通常状態の通常遊技でラッシュ演出用の変動パターンが選択された場合に、代替としてチャンス演出用の変動演出パターンを選択し、チャンス演出を表示させてもよい。または、演出決定手段303は、上記状況下で、ラッシュ演出を表示させつつ、イレギュラーな演出・表示である旨をテロップ等にて表示させてもよい。
変形例5を説明する。時短遊技は、前述したように特図1、特図2の変動のいずれでも終了することがあるため、例えば特図2の変動パターンテーブルがモード6の選択状態であるときに、特図1の変動に基づいて時短遊技が終了した場合、および、特図1がモード2であるときに特図2の変動に基づいて時短遊技が終了した場合、さらに小当りが当選して特定領域に入球しなかった場合に特図1および特図2の変動パターンテーブルのモードを「0」とするように制御してもよい。このようにすることで、通常状態において普通図柄の第1当りから発生した特図2保留でラッシュ用演出パターンが選択されることを防止できる。
変形例6を説明する。上記第1実施例のラッシュ演出は、時短9変動固定、かつ、1変動が比較的長時間(10秒以上)であるため、遊技者が止め打ち(発射停止)を行うことが想定される。そこで変形例では、連荘状態における時短回数を不定にし(例えば複数種類の中から当り図柄に応じて1回、3回、5回、9回、13回から決定する等)、1変動も比較的短時間(5秒程度)にしてもよい。このように、止め打ちをした場合に、特図2保留を貯めきれないリスクがある仕様とすることで止め打ちを抑制することができる。
変形例7を説明する。時短終了後の特図2の5回目の変動を創出しやすいよう構成してもよい。例えば、(1)普通電動役物90の開放終了条件を特図2の保留上限数+N(Nは正の整数)に設定してもよい。また、(2)時短終了時の図柄固定時間を通常時と同じ長さ、もしくは、通常時より短い長さに設定してもよい。また、(3)第2始動口12の入球センサ(第2始動入賞検出装置17)を第2始動口12の入口から離れた奥位置に配置し、時短終了後の特図2の4回目の変動終了後かつ固定時間終了後(次変動開始後)に、新たな特図2保留が生起しやすくしてもよい。また、上記(1)~(3)を組み合わせてもよい。なお、変形例4の構成の場合、特図2の優先消化に代えて、特図1と特図2を並行して抽選してもよく、入賞順に抽選してもよい。
変形例8を説明する。演出決定手段303は、小当りに当選する図柄変動時(小当りV変動時、以下「今回変動」)において、残り保留にさらに別の小当りが存在することを先読みにより検出した場合、今回変動に伴う小当りVの大当り演出(例えば特別遊技演出)を、通常の大当り演出とは異なる内容の特殊大当り演出を表示させてもよい。特殊大当り演出は、2回の15R大当りが発生することが確定したことを報知する内容を含んでもよい。変形例7を採用する場合、特図2での小当りVを15R大当りのみとしてもよい。
また、第1実施例のように特図2での小当りVを複数種類の大当りに振り分ける場合も、今回変動に伴う小当りVが最大利益であることを大当り演出で報知し、大当り終了後も大当りが継続しているかのように見せる継続演出を表示させ、次回の小当りV時にエクストラ当りのように見せる大当り演出を表示させてもよい。この場合、次回の小当りVのラウンド数(エクストラ当りでの追加量)は、先の小当りV時には不明であって報知できないため、先の大当り終了後、継続演出の表示中であり、次回の小当りVに係る図柄変動開始時にエクストラ当りでの追加量(ラウンド数)を報知してもよい。
変形例9を説明する。ここでは演出の具体例を説明する。図47の(a)(b)は、通常時におけるチャンス演出(通常状態の通常遊技で普通図柄の長開放に伴い表示される演出であり、普電開放演出、突入演出、保留チャージ演出とも言える。)の例を示す。図47(a)は、特図1の変動演出がスーパーリーチ等、期待度が高い所定の内容でない場合のチャンス演出530の態様を示している。図47(a)のチャンス演出530では、右打ちを促す内容と、特図2の保留個数(図では2個)を示す特図2保留画像532が画面中央に大きく表示される。一方、チャンス演出530の表示前まで画面中央に大きく表示されていた特図1の変動演出536は、画面隅の小さい領域であるワイプ534に縮小して表示される。また、特図1および特図2の変動演出が実行していない状況下においても通常の待機画面をワイプ表示して、特図1の変動、特図2の変動が開始された場合でもチャンス演出が終了するまでワイプ画面にてそのまま変動演出を表示させる。
図47(b)は、特図1の変動演出がスーパーリーチ等、期待度が高い所定の内容である場合のチャンス演出530の表示態様を示している。同図では、キャラクタのバトル画像等のスーパーリーチオブジェクト538を含むスーパーリーチの変動演出536が画面中央に大きく表示される。一方、チャンス演出530は、画面隅のワイプ534に小さく表示される。通常時におけるチャンス演出の使い分けについて、図47(a)(b)に示したが、これらの使い分けの判断タイミングは、チャンス演出の開始タイミングにて実行されている変動演出の態様にて使い分けられており、例えば特図1の変動演出がスーパーリーチとなる変動において、スーパーリーチ移行前であれば、図47(a)に示すワイプ表示で変動演出を実行し、スーパーリーチ移行後もそのままワイプ画面での表示を継続する仕様(チャンス演出終了、すなわち普通電動役物90の作動終了時にスーパーリーチ画面に戻る仕様)となっている。なお、本例に限られず、スーパーリーチ等の高期待度演出に移行したタイミングで図47(a)の態様から図47(b)の態様へと変更する仕様としてもよい。なお、特図1の変動演出パターンとしてスーパーリーチ等の高期待度パターンが選択されているか否かに応じてチャンス演出の態様を変えることも可能であるが、そのように構成してしまうと、スーパーリーチ移行前の変動開始直後から高期待演出への移行が先に察知できてしまう仕様となってしまう。
図48は、時短遊技中におけるチャンス演出(例えば変動パターンモードがモード3の場合に表示される演出であり、保留チャージ演出とも言える。)の例を示す。時短遊技中のチャンス演出530でも、右打ちを促す内容と特図2保留画像532が表示される。一方、第1実施例で既述したように、時短遊技中に特図1の変動演出は非表示となり、特図2の時短遊技1変動目の変動演出としてチャンス演出を出現させる仕様となっている。そのため、ワイプ534による変動演出536の表示はなされない点で通常時のチャンス演出と異なる。特図2の変動演出としてチャンス演出を出す理由としては、特に時短1回の場合である際に、当否を報知するためだけの変動演出を実行してしまうと、保留を4つ溜めるという遊技性が十分に理解させることができず、遊技者に不利益を与えかねないためである。なお、特図2の時短1回目の変動が当りである場合の変動演出の際には、チャンス演出を非実行としてもよいし、チャンス演出の後に当否報知のための演出を実行するものであってもよい。
(第2実施例)
第2実施例のぱちんこ遊技機500は、第1実施例のぱちんこ遊技機500を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。特に第2実施例のぱちんこ遊技機500は、第1実施例のぱちんこ遊技機500の構成に加えて、小当り発展大当り周辺の制御または演出に関する特徴を有する。以下、前提技術および第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。また、第2実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術および第1実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
第2実施例のぱちんこ遊技機500の概要を説明する。第2実施例のぱちんこ遊技機500は、主な特徴として以下の5つの特徴を備える。
特徴1.小当り遊技における出玉獲得性:
これまでの小当り発展大当り搭載機では、特定領域を備えるV獲得用大入賞口と、多くの出玉を獲得するための出玉獲得用大入賞口の2つを使用していた。V獲得用大入賞口の開放と出玉獲得用大入賞口の開放は、異なる特別電動役物の作動によるものであるため、V獲得用大入賞口の賞球数、入球数(規定カウント数)を少なく構成して、小当り遊技を早期に終了させ、大当り遊技へ早期に移行させていた。これに対し、第2実施例のぱちんこ遊技機500(小当り発展大当り搭載機)では、特別電動役物(大入賞口)の個数は1つである。小当り遊技において大入賞口を最大15回開放することで、小当り遊技において多くの賞球を獲得可能にし、新たな遊技性および興趣を実現する。
特徴2.小当り遊技演出:
小当り遊技におけるV入賞後(すなわち大当りの権利獲得後)における、小当り遊技(すなわち小当り発展大当りの1ラウンド目)の出玉獲得可能性を遊技者に理解させるための演出を実行することで、遊技者に発射を促す。
特徴3.小当り発展大当り演出:
小当り発展大当りの1ラウンド目(すなわち小当り遊技)から、大当り中の1ラウンド相当の賞球の獲得が期待できるため、V入賞を契機として、V入賞(大当りの権利獲得)を報知するとともに、大当り中の1ラウンド相当の賞球が獲得可能であることを報知するため「1ラウンド」の表示を開始する。
特徴4.小当り発展大当りにおける大当り開始時演出:
小当り発展大当りにおける1ラウンド目(小当り遊技)と2ラウンド目(特別遊技の最初の単位遊技)の間に、遊技者が獲得可能な利益の大きさを示唆する演出を実行する。
特徴5.小当り先読み:
小当りの保留を先読みすることで、短時間のうちに次回の小当り発展大当りを獲得可能である旨を、今回の小当り発展大当りが終了するまでの間に報知する。
以下、上記5つの特徴を順次説明する。
<特徴1.小当り遊技における出玉獲得性>
図49は、第2実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造を示す。第2始動口12は、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構である普通電動役物90を有する。普通電動役物90は、いわゆる電動チューリップ(電チュー)とも呼ばれ、様々な形状・仕様が適用され得る。普通電動役物90は、スライド式(例えばスライド部材が前方に進出または後方に退避することで入球容易となる仕様)、チューリップ式、ベロ式のいずれであってもよい。
特別遊技制御手段260は、特別遊技における各単位遊技の開始時に特別電動役物556を作動させる。特別遊技制御手段260は、開閉制御手段275に特定領域開閉ソレノイド506を制御させ、大入賞口20を所定回数開放させる。小当り遊技制御手段265は、小当り遊技開始時に特別電動役物556を1回作動させる。小当り遊技制御手段265は、開閉制御手段275に特定領域開閉ソレノイド506を制御させ、1回の小当り遊技中に大入賞口20を複数回開放させる。
大入賞口20は、大入賞口20の開放状態と閉鎖状態を切り替えるための開閉部材(後述のスライド板540)を備える。大入賞口20が閉鎖状態の場合、遊技球は開閉部材の上を転動する。図50は、大入賞口20の構成を概略的に示す外観斜視図である。スライド板540は、大入賞口20の開閉扉とも言える。スライド板540は、図50(a)で示すように、大入賞口20(箱状部材542)の上を覆う閉鎖状態と、図50(b)で示すように、奥へ引っ込む開放状態との間で変位可能である。スライド板540が閉鎖状態の場合、大入賞口20も閉鎖状態となり、スライド板540が開放状態の場合、大入賞口20も開放状態となる。
同図は、大入賞口20のスライド板540の上を転動する遊技球の勢い(転動速度)を低下させるための構成の一例を示している。大入賞口20の上面に設けられるスライド板540は、水平方向を基準として左下がりとなるようわずかに傾斜するように設けられる。その結果、スライド板540の上を転動する遊技球はそのままでは加速傾向となり、スライド板540を閉鎖状態から開放状態に変位させたとしても、箱状部材542の内部に遊技球をうまく誘導できないおそれが生じる。
そこで、本実施例では、スライド板540の上を転動する遊技球をジグザグ状に進行させることで、遊技球の移動距離を増やすとともにスライド板540の上を転動する遊技球の勢いを低下させるようにして、スライド板540上における遊技球の滞留時間を増加させている。これにより、大入賞口20が極めて短い時間の短時間開放を繰り返す場合であっても、スライド板540の上に遊技球が滞留する時間を長くし、短時間開放中に遊技球が入球する可能性が高められるようにする。
図50(a)は、スライド板540が閉鎖状態である場合の大入賞口20を示す。図示されるように、遊技球がスライド板540の上を転動する範囲内において、遊技盤側に複数の突起部546aが設けられるとともに、遊技盤と対向する透明板側にも複数の突起部546bが設けられる。また、遊技盤側の複数の突起部546aと透明板側の複数の突起部546bは、スライド板540の上の流路に沿って互い違いに配列されている。なお、透明板側の複数の突起部546bは、箱状部材542から上方向に延在する透明の透明板544に取り付けられている。遊技盤80の手前側を覆う透明板103に複数の突起部546bを直接固着させないことで、遊技機のメンテナンス等の目的で透明板103を開放した場合に、突起部516bが外部に対して剥き出しの状態となって損傷しやすくなることを防ぐことができる。また、透明板544を透明部材で構成することで、大入賞口20に入球する遊技球の視認性が損なわれないようにできる。なお、変形例においては、ジグザグ状の流路を形成するための突起部または凹部をスライド板540に形成してもよい。
スライド板540の上に複数の突起部546aと546bを互い違いに設けることで、遊技球をジグザグに進行させて遊技球の勢いが減速傾向となるようにできる。例えば、大入賞口20に向けて遊技球が右打ちにより連続発射(例えば0.6秒間隔で1球発射)され、スライド板540の上を転動して大入賞口20の左側に落下するまでに2~3秒の時間を要するように減速される場合、スライド板540の上に常時3~5球程度の遊技球が存在することになる。その結果、スライド板540を短時間開放させる場合であっても、図50(b)に示すように、大入賞口20の内部に複数個の遊技球をまとめて誘導することができる。箱状部材542の内部に落入した遊技球は、1球ずつ通過口548を通過して入賞検出がなされる。
スライド板540の上に滞留する遊技球の個数及び滞留時間は、大入賞口20の長さや傾斜角、突起部546a、546bの数や間隔などを変えることにより調整可能である。本実施例では、右打ちの連続発射を継続させた場合に1~3個の遊技球がスライド板540の上に滞留するように設計され、スライド板540を短時間(例えば0.052秒)の開放状態に変位させた場合であっても、1回の短時間の開放中に概ね1~3個の遊技球が箱状部材542の内部に入球するよう調整される。したがって、本実施例の大入賞口20の構成によると、小当り遊技中の適切なタイミング(例えば右打ち報知後)に適切な発射操作(例えば右打ち)をすれば、遊技球を大入賞口20にほぼ確実に入球させることができる。
なお、図50に示す大入賞口20の構成は一例にすぎず、図示する例とは異なる構造の大入賞口20が設けられてもよい。例えば、大入賞口20の開閉部材(スライド板540)は、離れた位置に設けられた複数の開閉部材を含んでもよく、それら複数の開閉部材が同時に開閉制御されるものであってもよい。
図51は、大入賞口20の内部構成を概略的に示す図であり、特に大入賞口20の下部領域550の構成を示す。スライド板540は、大入賞口ソレノイド92の制御に応じて大入賞口20の入口を開閉する。大入賞口ソレノイド92は、スライド板540を開放状態に制御し、大入賞口20の入口を開くようにスライド板540を動作させることで、大入賞口20の内部に遊技球が流入可能な状態とする。大入賞口ソレノイド92は、スライド板540を閉鎖状態に制御し、大入賞口20の入口を塞ぐようにスライド板540を動作させることで、大入賞口20の内部に遊技球が流入不能な状態とする。大入賞口20に入球した遊技球は、一旦左方向へ流れて、1球ずつ通過可能な通過口548から第2大入賞口22の下部領域550へ流入する。大入賞検出装置25は、賞球を付与するため大入賞口20への遊技球の入球を検出し、具体的には通過口548を通過して下部領域550へ落入した遊技球を検出する。
大入賞口20の下部領域550には、排出経路554が設けられる。排出経路554は、大入賞口20へ入球した遊技球を大入賞口20の外部へ排出するための経路であり、典型的には、ぱちんこ遊技機500の外部へ排出するための経路である。また下部領域550には、通過口548から排出経路554に至る流路の途中に特定領域開閉装置552が設けられる。小当り発展大当りへの移行条件となる特定領域は、特定領域開閉装置552の下の領域に該当し、特定領域開閉装置552が開放される場合に通過可能となり、特定領域開閉装置552が閉鎖される場合には通過不能となる。
特定領域開閉装置552は、特定領域への通過を可能とする開状態と、特定領域への通過を不能とする閉状態とを切り替えるように動作する。特定領域開閉装置552は、特定領域開閉ソレノイド506の制御に応じて動作するスライド部材または弁部材を有する。特定領域開閉装置552は、特定領域への流路を開くように動作することで、特定領域への遊技球の通過が可能となる開状態となり、特定領域への流路を塞ぐように動作することで、特定領域への遊技球の通過を不能とする閉状態になる。特定領域開閉装置552は、大入賞口20の開放に伴い開状態へ移行し、大入賞口20が閉状態となったのち、内部の遊技球が特定領域開閉装置552の位置に流下すると見込まれる設計値分だけ待って大入賞口の閉状態移行から遅れて閉状態となるよう動作する。
特定領域通過検出装置504は、特定領域開閉装置552の下位置に設けられ、特定領域における遊技球の通過を検出する。特定領域通過検出装置504は、特定領域を遊技球が通過した場合にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。メイン基板200の入球判定手段201は、特定領域通過情報を受け取ると、遊技球が特定領域を通過したと判断する。
第2実施例では、特別遊技における単位遊技と、小当り遊技とはともに、大入賞口20への入球数が同じ所定個数(実施例では10個)に達した場合に終了する。言い換えれば、特別遊技の単位遊技における特別電動役物556の作動終了条件と、小当り遊技における特別電動役物556の作動終了条件はともに、大入賞口20への入球数が10個に達することを含む。具体的には、特別遊技制御手段260は、特別遊技の1回の単位遊技を、所定時間が経過した場合、または、大入賞口20への入球数が10個に達した場合に終了条件が満たされたとして終了させる。小当り遊技制御手段265は、小当り遊技を、所定時間が経過した場合、または、大入賞口20への入球数が10個に達した場合に終了条件が満たされたとして終了させる。なお、V入賞は小当り遊技の終了条件ではなく、V入賞後も、終了条件が満たされるまで小当り遊技は継続する。
小当り遊技における大入賞口20の1回の開放時間は、スライド板540の上を転動している遊技球が大入賞口20に入球可能な短時間に設定される。また、小当り遊技制御手段265は、1回の小当り遊技において(特別電動役物556の1回の作動中に)、開閉制御手段275を介して、大入賞口20の短時間の開放を所定の上限回数繰り返し得る。この上限回数は、特別遊技における1回の単位遊技および小当り遊技の終了条件(言い換えれば特別電動役物556の作動終了条件)である大入賞口20への入球個数(すなわち10個)以上の回数である。実施例では、上記入球個数より多い15回である。小当り遊技制御手段265は、小当り遊技中の大入賞口20への入球個数が10個に達すると、小当り遊技中の大入賞口20の開放回数が上限回数(15回)未満でも、その時点で大入賞口20を閉鎖し、小当り遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段265は、小当り遊技における1回目から12回目までの大入賞口20の開放について、大入賞口20の短時間開放(開放時間0.052秒)と、大入賞口20の短時間閉鎖(閉鎖時間1秒)のセットを繰り返す。また、小当り遊技制御手段265は、小当り遊技における13回目と14回目の大入賞口20の開放について、大入賞口20の短時間開放(開放時間0.052秒)と、大入賞口20の長時間閉鎖(閉鎖時間4秒)のセットを実行する。また、小当り遊技制御手段265は、小当り遊技における15回目の大入賞口20の開放について、開放時間0.052秒の動作を実行し、15回目の開放が終了した場合、または作動終了条件である規定カウント数の遊技球が入球した場合において3.5秒の閉鎖を実行する。
特徴1の構成によると、遊技領域81に大入賞口を1つだけ配置し、言い換えれば、V入賞を得るための大入賞口と、出玉を増やすための大入賞口とを共通化することで、演出の表示や役物の作動等を実行する盤面領域を広く確保可能になり、演出の興趣を高めることができる。また、小当り遊技において、特別遊技中と同一の特別電動役物556が作動することになるため、共通の賞球数での払出が行われ、前述の開放態様で小当り遊技が制御されることに基づき、特別電動役物の作動終了条件である所定個数の入球が期待できるため、特別遊技の1回の単位遊技と同等の出玉獲得が可能になり、遊技者に十分な出玉感を与えることができる。
図50に関連して説明したように、遊技者が遊技球を発射し続ける場合、大入賞口20のスライド板540上に遊技球が滞留するため、小当り遊技における大入賞口20の1回の開放時間は短くても、少なくとも1球の入球は期待できる。ただし、小当り遊技の開始に遊技者が気づかない等の理由で、遊技球の右打ちが遅れる可能性がある。そのため、小当り遊技における大入賞口20の開放回数を、小当り遊技の終了条件となる大入賞口20への入球個数以上の回数(実施例ではその入球個数より多い回数)とすることで、小当り遊技において、特別遊技の1回の単位遊技と同等の出玉を獲得させやすくなる。
さらに、小当り遊技における大入賞口20の13回目と14回目の開放については、その閉鎖時間を相対的に長くすることで、遊技者の気づきを促し、遊技球が発射されずに小当り遊技が終了してしまうこと、すなわち、小当り発展大当りの獲得機会を逃してしまうことや、小当り遊技の発生に基づき時短が終了することで本来高確率で小当りの発生(小当りV)を受けられる第2特別図柄の変動が実行させにくくなることを防止しやすくなる。ただし、長時間閉鎖の回数を増やしすぎると、遊技者が遊技球を連続発射する場合に大入賞口20のスライド板540を通過してしまうアウト球(言わばムダ球)が増加してしまう。そこで、小当り遊技における大入賞口20の長時間閉鎖を2回とすることで、V入賞がないまま小当り遊技が終了することの抑制と、アウト球の増加の抑制とを両立する。
なお、第2実施例では、小当り遊技中の大入賞口20の複数回の開放について、いずれの開放時間も0.052秒であることとしたが、変形例として、少なくとも1回の開放時間が、他の開放時間と異なってもよい。例えば、小当り遊技制御手段265は、小当り遊技中に、大入賞口20の0.052秒の開放を13回行い、大入賞口20の0.104秒の開放を1回行ってもよい。すなわち、大入賞口20のスライド板540上を転動する遊技球の少なくとも1つが大入賞口20へ入球すると想定される時間の開放が、10回以上実行されればよい。
<特徴2.小当り遊技演出>
演出決定手段303は、小当り遊技中に所定の演出画像を演出表示装置60に表示させ、当該演出画像の表示態様を、小当り遊技中の大入賞口20への入球に応じて変化させる。この演出画像は、第1演出画像と第2演出画像を含む。第2実施例では、演出決定手段303は、所定の演出抽選により(言い換えれば所定の確率で)第1演出画像を表示させるか、第2演出画像を表示させるかを決定する。変形例として、演出決定手段303は、小当り遊技中に、第1演出画像と第2演出画像のいずれか一方だけを表示させる構成であってもよい。
第1演出画像は、小当り遊技の終了条件となる大入賞口20への入球個数に対応する画像である。既述したように、小当り遊技の終了条件となる大入賞口20への入球個数(すなわち規定カウント数)は、小当り遊技中における大入賞口20への入球上限数とも言え、特別遊技における単位遊技の終了条件となる大入賞口20への入球個数と同じ10球である。
図52は、小当り遊技中の演出の例を示す。演出決定手段303は、小当り遊技の実行中に、演出表示装置60に小当り遊技演出画面560を表示させる。小当り遊技演出画面560は、遊技者に右打ちを促すための右打ち指示画像562、V報知画像568、ラウンド画像564、第1演出画像としての入球数報知画像566を含む。V報知画像568とラウンド画像564については後述する。入球数報知画像566は、小当り遊技の終了条件となる大入賞口20への入球個数(10球)と同数の宝箱画像を含む。図38では、未開封の宝箱を直方体で示し、開封済みの宝箱を星で示している。
演出決定手段303は、小当り遊技中に、大入賞口20への入球が入球判定手段201により検出されるたびに、1つの未開封の宝箱画像を開封済みの宝箱画像に切り替えていく。これにより、小当り遊技中に大入賞口20に対する10球の入球が可能であること、言い換えれば、小当り遊技中に多くの出玉が獲得可能であることを遊技者へ示唆し、小当り遊技中に遊技球を発射するよう遊技者を促すことができる。
第2演出画像について説明する。第2演出画像は、後の示唆演出において高利益(多くの出玉獲得の可能性)が示唆される期待度を示す画像(以下「期待度画像」とも呼ぶ。)である。期待度画像は、後の遊技で多くの出玉獲得の可能性があることを示唆する画像とも言える。以下、詳細に説明する。
第1実施例のぱちんこ遊技機500(図42)と同様に、第2実施例のぱちんこ遊技機500も、図柄変動が小当りを示す態様(以下「小当り図柄」と呼ぶ。)で停止した場合、その小当り図柄に応じて、小当り発展大当りのラウンド数が異なる。第2実施例では、小当り発展大当りのラウンド数は、小当り図柄に応じて、10ラウンドと4ラウンドのいずれかに振り分けられる(いずれも1ラウンド目は小当り遊技)。
また、第2実施例のぱちんこ遊技機500では、小当り図柄に応じて、時短継続回数(言い換えれば電チューサポート継続回数)が異なる。具体的には、小当り図柄が特定の種類の場合、10ラウンドかつ時短継続回数100回の小当り発展大当りとなり、小当り図柄が他の種類の場合、10ラウンドかつ時短継続回数9回の小当り発展大当り、または、4ラウンドかつ時短継続回数9回の小当り発展大当りとなる。時短継続回数が100回の場合、ほぼ確実に時短中(ラッシュ演出中)に次の小当りが発生して連荘となる。
なお、第2実施例のぱちんこ遊技機500では、特図1の図柄大当りの場合、大当り図柄に応じて、(1)10ラウンドかつ時短継続回数9回の大当り、(2)4ラウンドかつ時短継続回数9回の大当り、(3)4ラウンドかつ時短継続回数1回の大当りに振り分けられる。実施例における(1)~(3)の振り分け確率は、1%、49%、50%である。特図2の図柄大当りは、4ラウンドかつ時短継続回数9回の大当りとなる。
演出決定手段303は、小当り遊技においてV入賞が発生した場合、小当り遊技終了後、小当りを示す図柄の種類(すなわち図柄変動停止時の小当り図柄の種類)に応じて、遊技者が獲得し得る利益を示唆する複数種類の示唆演出の中からいずれかを表示させる。例えば、複数種類の示唆演出は、複数種類の小当り図柄のいずれかに対応付けられ、小当り図柄により定まる小当り発展大当りのラウンド数ごと、小当り発展大当り終了後の時短継続回数ごと、または、ラウンド数と時短継続回数の組み合わせごとに設けられてもよい。また、複数種類の示唆演出の内容(モチーフやキャラクタ、色彩等)は、遊技者が獲得可能な利益の大きさに応じて異なる。なお、示唆演出については、特徴4の説明において後述する。
演出決定手段303は、小当り遊技中に、上述の示唆演出において高利益(例えば10ラウンドの大当りであることや、時短100回が付与されること)が示唆される期待度を示す期待度画像を表示させる。例えば、演出決定手段303は、図52に示す小当り遊技演出画面560において、入球数報知画像566に代えて期待度画像を表示させてもよく、入球数報知画像566とともに期待度画像を表示させてもよい。また、V入賞したことを報知する画像であり、言い換えれば、大当りの権利獲得を報知する画像であるV報知画像568を期待度画像として用いてもよい。
演出決定手段303は、小当り遊技中の大入賞口20への入球に応じて期待度画像を変化させる。演出決定手段303は、小当り遊技中の大入賞口20への入球に応じて期待度画像の形状、模様、色彩のうちいずれか1つを変化させてもよい。例えば、(1)期待度画像がV報知画像568であり、(2)V報知画像の色彩が、遊技者が獲得可能な利益の期待度が大きい方から、赤、オレンジ、黄色、緑、白に対応付けられており、(3)小当り図柄が、10ラウンドでかつ時短継続回数100回に対応するものであったとする。この場合、演出決定手段303は、小当り遊技にてV入賞が検出されると、V報知画像を白色で初期表示させてもよい。V入賞後、大入賞口20への所定数(例えば1球または2球)の入球が検出されるたびに、演出決定手段303は、V報知画像の色彩を、緑、黄色、オレンジ、赤の順に変化させてもよい。
上記の例では、小当り遊技中における大入賞口20への入球数が増えると、最終的にV報知画像が赤色で表示されるため、その後の示唆演出や利益状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。このように、小当り遊技中の大入賞口への入球数が増えるほど、期待度画像の精度が高まり、言い換えれば、期待度画像が示す後の示唆演出の内容の信頼度が高まる。すなわち、小当り遊技中に大入賞口へ入球させることにより、後の示唆演出により高利益が示唆される期待度を識別可能であるため、小当り遊技中(特にV入賞後)に遊技球を打ち出すことへのインセンティブを遊技者に与えることができる。また、小当り遊技においても特別遊技の1ラウンド相当の出玉を獲得できる遊技性を遊技者に感得させることができる。
なお、V報知画像568は、大入賞口20内部の特定領域通過検出装置504での遊技球の検出後に表示される画像であり、表示を開始する際に小当り遊技において入球済みの遊技球数(残りの入球可能数)は状況によって異なりうるため、初期表示は白(または最終的に赤以上となるチャンスアップパターンとして初めから緑)など入球時の態様で統一し、その後の入球に応じて変化する態様を、2球目の入球時~10球目の入球時まで予め定めた変化パターンに沿って、入賞に応じて変化する際に途中の変化態様を飛ばして表示する方法を採用することができる。この場合、「白(初期)」、「緑(3)」、「黄色(5)」「オレンジ(7)」(数字は変化するタイミングである小当り遊技中に入球した遊技球の数を示す)のパターンの時、4球目に特定領域通過検出装置504で通過検出した場合、V報知画像として「白」を表示し、次の遊技球の入球(5球目)でV報知画像を「黄色」とすることになる。このように途中表示態様を飛ばして表示する方法を採用することで、何球目に特定領域を通過したかによる演出決定テーブルを持つ必要がなく、さらに、入球時は抽選結果として固定的に表示されるので、初期態様の表示がチャンスパターンであったか否か、及び最終の変化態様を識別可能とすることができる。なお大入賞口20への入球に応じて変化するパターンは、規定カウント数以上のオーバー入賞と呼ばれる11球目、12球目の入球について定めるパターンを追加で持っていても差し支えない(通常最終態様としては10球目が該当し、オーバー入賞分は、10球目と同等のものか、例外的なプレミアが出現するように演出パターンが設定される)。
また、演出決定手段303は、所定の確率(例えば30%等)で、期待度画像が示唆演出の内容とは異なる内容を示すように、期待度画像を変化させてもよい。例えば、後の示唆演出の内容が高利益を示唆するものである場合に、期待度が低いことを示す期待度画像に変化させてもよい。同様に、後の示唆演出の内容が低利益を示唆するものである場合に、期待度が高いことを示す期待度画像に変化させてもよい。これにより、遊技者の期待感と不安感を交錯させ、または、遊技者に意外感を抱かせ、遊技の興趣を高めることができる。
特徴2に関連する変形例を説明する。サブ基板300は、払い出された賞球数(出玉数)を計数する賞球計数手段をさらに備えてもよい。払出制御基板155またはメイン基板200は、払い出した賞球数をサブ基板300へ通知してもよい。賞球計数手段は、払出制御基板155またはメイン基板200から通知された賞球数に基づいて、小当り遊技中および特別遊技中に払い出された賞球数を計数してもよい。または、メイン基板200の入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を示す情報をサブ基板300へ通知してもよい。賞球計数手段は、メイン基板200から通知された大入賞口20への入球を示す情報に基づいて、小当り遊技中および特別遊技中に払い出された賞球数を計数してもよい。なお、大入賞口20へ1球入球した場合の賞球数は12である。
本変形例の演出決定手段303は、小当り遊技中に図52で示したような小当り遊技演出画面560を表示させ、小当り遊技演出画面560に、賞球計数手段により計数された小当り遊技中に払い出された賞球数を示す獲得賞球情報を表示させる。ここでは、獲得賞球情報は、「○発/×発」の形式とする。「○発」は、今回の当りにおいて現在までに払い出された賞球数を示す。「×発」は、今回の当りにおいて払い出され得る最大賞球数、言い換えれば、今回の当りで遊技者が獲得可能な最大賞球数を示す。
既述したように、第2実施例の小当り遊技は、大入賞口20が15回、短時間開放を繰り返すうちに規定カウント数(すなわち10球)が入球できるよう設計されている。そのため、小当り遊技中の「×発」には、規定カウント数での賞球数である「120発」(入球1回あたり12賞球×入球10回)を表示してもよい。ただし小当り遊技は短開放を繰り返す仕様であり、賞球の獲得は確実ではないため、本変形例の演出決定手段303は、小当り遊技中、「○発」と「×発」の両方について、初期値を「0発」とし、大入賞口20への入球の都度、12発を加算していく。これにより、大入賞口20の開閉タイミング等に起因して、小当り遊技中に大入賞口20へ10球入球しなかった場合でも、遊技者に不満を感じさせにくくする。
特徴4に関連して後述するように、演出決定手段303は、小当り発展大当りにおける特別遊技開始時に大当り種別(ラウンド数等)を示唆する示唆演出を表示させる。本変形例の演出決定手段303は、示唆演出を表示するタイミング、言い換えれば、ラウンド数を示唆するタイミングで、獲得賞球情報の「×発」をラウンド数に応じた値へ更新する。具体的には、それまでの「×発」の値(すなわち小当り遊技中の獲得賞球数)に、(ラウンド数-1)×入球1回あたり12賞球×入球10回の値を「×発」に設定する。例えば、10ラウンドの場合、小当り遊技中の獲得賞球数に、1080発を加算した値を「×発」に設定する。
この変形例の構成によると、小当り発展大当りの1ラウンド目(小当り遊技)についても獲得賞球数を遊技者に提示することで、十分な出玉感を遊技者に抱かせやすくなる。なお、演出決定手段303は、特別遊技中に、当該特別遊技のラウンド数を外観上、増加させる(例えば4ラウンドから10ラウンドへ増加させる)ラウンド数昇格演出を実行してもよい。この場合、演出決定手段303は、見かけのラウンド数に合わせて、「×発」を更新(昇格演出発生時に差分6ラウンド分の「720発」を加算)してもよい。また、獲得賞球情報は、連荘中(すなわち時短中の大当り獲得を繰り返す間)の累計賞球数をさらに含んでもよく、演出決定手段303は、賞球計数手段により計数された連荘中に払い出された賞球数の合計を累計賞球数として表示させてもよい。
<特徴3.小当り発展大当り演出>
図52の小当り遊技演出画面560で示すように、演出決定手段303は、小当り遊技中にV入賞が発生すると、V入賞したことを報知する演出であるV報知画像568を表示させる。また、演出決定手段303は、小当り遊技におけるV入賞を契機として、小当り遊技から特別遊技に亘って特別電動役物556が作動した累積回数を示すラウンド画像564を表示させる。
演出決定手段303は、V入賞後の小当り遊技中に、特別電動役物556の1回目の作動であることを示すラウンド画像564を表示させる。第2実施例では、図52で示すように、1ラウンド目を示すラウンド画像564を表示させる。小当り遊技中は、大入賞口20のスライド板540が最大15回開放されるが、特別電動役物556の作動回数は1回である。小当り図柄が10ラウンドの大当りに対応するものである場合、小当り発展大当りの最終ラウンドでは、10ラウンド目を示すラウンド画像564を表示させる。
特徴3によると、小当り遊技中においても「1ラウンド目」等を示す画像を表示させ、すなわち、小当り遊技から特別遊技に亘って一連のカウント表示を行う。これにより、小当り遊技において特別遊技の1つのラウンドと同等の出玉を獲得できることを示唆し、小当り遊技中のV入賞後も遊技球を発射するよう遊技者を促すことができる。なお、小当り遊技でV入賞なしの場合、2ラウンド目以降(特別遊技)は実行されない。そこで、V入賞を条件としてラウンド画像564を表示させることにより、V入賞なしの場合に遊技者に2ラウンド目以降が続くと誤認させてしまうことを防止できる。
<特徴4.小当り発展大当りにおける大当り開始時演出>
一部既述したように、小当り遊技でV入賞した場合に実行される特別遊技に関して遊技者が獲得し得る第1の利益の種類と、その特別遊技の終了後の通常遊技に関して遊技者が獲得し得る第2の利益の種類の少なくとも一方は、図柄変動停止時の小当り図柄の種類に応じて異なる。第1の利益は、例えば小当り発展大当りのラウンド数であり、第2実施例では10ラウンド、4ラウンドを含む。第2の利益は、例えば時短継続回数であり、第2実施例では100回、9回を含む
演出決定手段303は、小当り遊技中にV入賞した場合、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放が終了してから、その小当り遊技に続いて実行される特別遊技における大入賞口20の最初の開放までの間に、小当り遊技の契機となった小当り図柄の種類に応じて、遊技者が獲得しうる利益の種類を示唆する示唆演出を表示させる。示唆演出は、小当り発展大当りにおける特別電動役物556の作動回数、特別遊技における役物連続作動装置の作動回数、特別遊技終了後の時短継続回数(例えば100回、9回等)のうち少なくとも1つ、または、任意の組み合わせを示唆する内容であってもよい。例えば、示唆演出は、小当り発展大当りのラウンド数と時短継続回数との組み合わせに対応するボーナス名称「○○ボーナス」「××ボーナス」「△△チャンス」を表示させる内容を含んでもよい。
また、示唆演出は、ボタン演出を含んでもよい。例えば、示唆演出は、遊技者に演出ボタン109や十字キー110の操作を促す内容を表示するものであってもよい。演出決定手段303は、示唆演出を表示中に所定のボタン操作(例えば所定回数以上のボタン押下等)が入力された場合、遊技者が獲得しうる利益の種類を示唆する内容、例えば上記のボーナス名称を示唆演出の画面に表示させてもよい。
図53は、示唆演出の表示タイミングを示す。演出決定手段303は、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放終了後の閉鎖期間(3.5秒)+役物連続作動装置の開始デモ時間(役連作動開始デモ時間)(10.5秒)の14秒間の中で、言い換えれば、小当り発展大当りの1ラウンド目と2ラウンド目の間に、示唆演出を表示させる。なお、図39では、小当り遊技における大入賞口20が15回開放された状況を示したが、小当り遊技中に大入賞口20への入球が10球に達した場合、その時点で小当り遊技は終了し、何回目の開放であってもその開放が終了した後に3.5秒の閉鎖期間が設けられるようになっている。また、特徴2で既述した期待度演出は、示唆演出の前に実行される。
特徴4によると、小当り発展大当りに関連して遊技者が獲得し得る利益の種類を示唆することにより遊技の興趣を高めることができる。また、小当り遊技におけるV入賞を条件として、示唆演出を表示することで、小当り遊技においてV入賞が発生しない場合に演出内容と実際の利益とが不整合になってしまうことを防止できる。
特徴4に関連する変形例を説明する。小当り遊技においてV入賞がない場合、演出決定手段303は、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放終了後の閉鎖時間(3.5秒)+小当り遊技の終了デモ(例えば0.1秒)の中で、失敗演出を表示させてもよい。失敗演出は、大当りに発展しないことを示唆または報知する内容であってもよく、予定された利益の獲得に失敗したことを示唆または報知する内容であってもよい。なお、上記第2実施例の図53において、V入賞した場合に、小当り遊技の終了デモ時間がセットされていないが、これは、V入賞した際に、予めセットされていた終了デモ時間(V入賞しない場合の0.1秒)を、キャンセル(「0秒」として実行しないもの、ないし「0.004秒(1割込み)」として実質的に実施されないものとすること)しているためである。
特徴4に関連する別の変形例を説明する。演出決定手段303は、所定の条件が満たされた場合に、次回の小当り発展大当りの発生(言い換えれば小当り発展大当りの連荘)が実質的に確定していることを示唆する内容の特殊演出を示唆演出として表示させてもよい。特殊演出は、例えばボーナス(小当り発展大当りないし大当り)が連続的に発生することを示す「VVボーナス」の表示を含んでもよい。所定の条件は、次回の小当り発展大当りの発生が実質的に確定していることであってもよい。具体的には、(1)特徴5で説明するように、先読みによって保留内に小当りとなる情報が存在すること、(2)今回の大当り(小当り図柄)が時短継続回数100回が付与されるものであることでもよい。
特徴4に関連するさらに別の変形例を説明する。演出決定手段303は、示唆演出の実行可能期間、すなわち、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放が終了してから、小当り遊技に続いて実行される特別遊技における大入賞口20の最初の開放までの間に、示唆演出の他に、楽曲選択演出とキャラクタ選択演出の一方または両方を表示させてもよい(示唆演出の実行と同時、または示唆演出の終了後に表示)。楽曲選択演出は、特別遊技中と特別遊技終了後の通常遊技中の一方または両方でスピーカーから出力させる楽曲を、複数の候補の中から選択可能な演出であってもよい。キャラクタ選択演出は、特別遊技中と特別遊技終了後の通常遊技中の一方または両方で演出に登場させるキャラクタ(すなわち演出の実施態様である演出モード)を、複数の候補の中から選択可能な演出であってもよい。
小当り発展大当りでは、小当り遊技が1ラウンド目であり、大当り演出(特別遊技演出)を実行可能なラウンドが1ラウンド分少ない。そこで、1ラウンド~2ラウンド間で楽曲やキャラクタを選択可能にすることで、遊技者により選択された楽曲やキャラクタを用いた演出をより長い時間、遊技者に提供することができる。なお、楽曲やキャラクタの選択可能期間は、ラウンド間のみで不十分と考えられる場合には、第2ラウンドの実行期間にまたがって選択可能期間を継続させてもよい。
特徴4に関連するさらに別の変形例を説明する。上記実施例では、小当り遊技における大入賞口20の最後の閉鎖期間(3.5秒)+役物連続作動装置の開始デモ時間(10.5秒)の期間中に示唆演出を表示させた。変形例として、役物連続作動装置の開始デモ時間(10.5秒)の期間中に示唆演出を表示させてもよい。また、V入賞が発生した小当り遊技の最後に小当り終了デモ(例えば0.004秒)が実行される場合、小当り遊技における大入賞口の最後の閉鎖期間(3.5秒)+小当り終了デモ時間(0.004秒)+役物連続作動装置の開始デモ時間(10.5秒)の期間中に示唆演出を表示させてもよい。
特徴4に関連するさらに別の変形例を説明する。ぱちんこ遊技機500は、不正防止のための振動検知手段をさらに備えてもよい。振動検知手段は、小当り遊技における大入賞口20開放時に振動の有無を検知し、振動を検知した場合、所定の不正報知処理(警告表示や外部装置への通知等)を実行してもよい。一般的に特定領域を有する大入賞口を開閉する特別遊技の単位遊技ないし小当り遊技において、振動検知を開放期間および開放期間終了後の残留球検出期間中において有効とすることが実施されるが、特徴4の構成によると、振動検知のタイミングを外して示唆演出を行うようにする(大入賞口の3.5秒の閉鎖期間への移行から5秒間が振動検知有効期間とすると、示唆演出開始から6秒後以降にボタン有効期間を発生させるようにする)ため、遊技者にボタンを押させる演出等、振動が発生する示唆演出も可能になる。なお、ボタン有効期間には、有効期間であることを示す画像表示(演出ボタン109を模した画像表示)の前に、有効期間になることを示唆する表示(ボタン画像がフェードイン表示されるなどのボタン表示導入演出)がなされることがあるが、ボタン表示導入演出の開始がなされると、演出ボタン109が遊技者により有効期間になる前から操作されることもあるので、ボタン表示導入演出の開始も振動検知有効期間が終了した後にずらすことが好ましい。
<特徴5.小当り先読み>
前提技術および第1実施例で記載したように、メイン基板200の事前判定手段235は、第2始動口12への入球があった場合、その入球を契機として取得された抽選値(例えば当否抽選値)に基づく図柄変動が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定(本判定)が実行された場合の結果が大当りまたは小当りとなるか否かを事前に判定する。事前判定手段235は、その入球の事前判定結果が大当りまたは小当りとなるとき、その入球に対応する変動において大当りまたは小当りとなることを示す事前判定情報を演出決定手段303へ送信する。なお、演出決定手段303に送信される事前判定情報は、大当りと小当りのいずれが実施されるかが識別可能な態様で送信される。例えば、図9に示したように事前判定情報として、当否範囲「4」を示す情報が送信されることで、小当りであることが識別可能となる。
演出決定手段303は、小当り遊技中にV入賞が発生し、かつ、特図2に対する保留内についてメイン基板200から受け付けた事前判定情報が、小当りとなる抽選値が1つ以上保留されている場合、V入賞から、特別遊技が終了して通常遊技が開始されるまでの間に、当該特別遊技の終了後の通常遊技において小当りの発生を事前に予告する演出(以下「小当り予告演出」とも呼ぶ。)を1回以上実行し得る。言い換えれば、演出決定手段303は、小当り遊技中に大当り移行の権利が獲得され、かつ、当否抽選が小当りとなる保留が存在する場合、少なくとも1回以上の小当りが実行されることを示唆または報知する内容の小当り予告演出を、大当りが終了して時短状態が開始されるまでの期間に実行し得る。小当りの先読み対象となる保留は、時短中に主の遊技となる特図2保留である。実施例では、演出決定手段303は、小当り予告演出として、外観上「V」がストックされているように見せるVストック画像を、予告する小当りの個数分表示させる。
演出決定手段303は、V入賞から小当り発展大当り終了後の時短状態へ移行するまでの間に複数の予告タイミングで小当り予告演出を実行し得る。複数の予告タイミングは、小当り発展大当りのラウンド数が多いほど、小当り保留の予告個数が多くなるよう構成される。具体的には、第2実施例における複数の予告タイミングは、V入賞時、小当り発展大当りの3ラウンド目、小当り発展大当りの9ラウンド目、大当り終了デモ時である。複数の予告タイミングのそれぞれで、予告される小当りの個数は1つに制限される。すなわち、1回の小当り予告演出では、Vストック画像が1つ増加する。
したがって、小当り発展大当りのラウンド数が最大(具体的には10ラウンド)の場合のみ、4回の小当り予告演出を実行可能であり、すなわち、4つの保留(特図2保留)のすべてが小当りであるとき、そのことを遊技者に示唆することができる。言い換えれば、小当り発展大当りのラウンド数が4ラウンドの場合、9ラウンド目の小当り予告演出を実行できないため、4つの保留のすべてが小当りであっても、最大で3つの小当りの報知に留まる。演出決定手段303は、保留された小当りとなる事前判定結果の個数を上限として、小当り予告演出を何回実行するか、どの予告タイミングで実行するかを抽選により決定する。
なお、演出決定手段303は、存在する4つの保留のすべてに対する事前判定情報が小当りとなる情報の場合、4回の小当り予告演出を実行するが、その中の少なくとも1回の小当り予告演出として、プレミア演出を表示させてもよい。プレミア演出は、4つの保留のすべてが小当りであるとき以外には表示されない希少演出であり、非常に大きな利益が得られることを示唆または報知する内容であってもよい。
特徴5によると、小当り発展大当りの搭載機において、小当り発展大当りを連続的に獲得可能なことを示唆することで、大きな利益が得られる可能性が高いことを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
特徴5に関連する変形例を説明する。演出決定手段303は、先に発生した第1の小当り発展大当り中(または大当り中)に小当りが3つ保留されている場合、1つの小当りを秘匿して、2個のVストック画像を表示させてもよい。小当り発展大当り終了後の直後の変動で第2の小当り発展大当りとなった場合、Vストック画像を1個に減らすよう更新する(このとき、第1の小当り発展大当り中から存在する保留内の小当りは2個)。また、第2の小当りの変動中に発生した1個の保留が小当りであった場合(保留内の小当りは3個に変化)、演出決定手段303は、第2の小当りに伴う小当り遊技中または大当り遊技中に、Vストック画像を第1の小当り発展大当り中に存在していた保留内の小当りの数も含めて2個増加させる小当り予告演出を表示させてもよい。なお、第1の小当り発展大当り、第2の小当り発展大当りについての定義は前述したように、小当り遊技中においてV入賞した後の役物連続作動装置の作動中に行われる特別遊技であるが、本小当り先読み演出の実行タイミングとしては、本実施例で前述したように「V入賞時」を含んでいるため、小当り遊技中に小当り先読み(Vストック報知)を行うものも、本段落において「第1の小当り発展大当り」、「第2の小当り発展大当り」で実行される小当り先読みとして表現している。
これを実現するための手法1として、演出決定手段303は、小当りまたは大当りの際に(例えば小当り図柄または大当り図柄の停止時や、小当り遊技でのV入賞時に)、事前判定情報に基づいて保留内の小当り数を特定してもよい。演出決定手段303は、表示中のVストック数と、保留内の小当り数との差分を算出し、その差分を上限として、報知可能なVストックの演出パターンの中から抽選によりいずれかを選択してもよい。例えば、その差分の個数、Vストック画像を増加させる小当り予告演出を表示させてもよい。
また手法2として、演出決定手段303は、小当りまたは大当りの際に、事前判定情報に基づいて保留内の小当り数を特定し、特定した小当り数に基づいて、小当り予告演出のパターン(例えば小当り予告演出の表示タイミング)を決定してもよい。演出決定手段303は、決定したパターンに基づく小当り予告演出の表示タイミングにおいて、表示されているVストック数に応じて小当り予告演出の表示をキャンセルしてもよく、通常の演出パターンに差し替えてもよい。例えば、3回の小当り予告演出(V入賞時、9ラウンド目、終了デモ時)を決定した場合であって、かつ、小当り前から2個のVストックを表示中の場合、2回の小当り予告演出(例えば後ろの9ラウンド目、終了デモ時)をキャンセルしてもよい。
この変形例によると、小当り(または小当り発展大当り)ごとに保留された小当り数を特定するため、保留された小当り数が最大(4個)である場合の特殊演出(プレミア演出)を実行する機会を増やすことができる。なお、小当り予告演出により4つ目のVストック画像を表示させるタイミングはまちまちであるため、例えば、演出決定手段303は、Vストック画像が4個貯まった時点で各Vストック画像を虹色に変化させ、小当り発展大当りの終了直後の通常遊技にて特殊演出(プレミア演出)を表示させることが好ましい。
特徴5に関連する別の変形例を説明する。演出決定手段303は、保留内に小当りが存在しない場合でも、今回の小当り発展大当り終了後の時短継続回数が所定値または所定値以上の場合、抽選により(所定確率にて)、保留内に小当りがある場合と同様の小当り予告演出を表示させてもよい。本変形例では、時短継続回数が100回の場合に、小当り予告演出(すなわちVストック画像)を表示させ得る。ぱちんこ遊技機500における特図2の小当り確率は1/10であり、時短状態における100回の変動中にほぼ確実に小当りが発生するからである。なお、小当り予告演出を表示させる時短継続回数は、100回に限らず、小当り確率に応じてほぼ確実に小当りの発生が見込まれる回数以上の値であればよい。なお、本変形例の小当り予告演出で表示されるVストック画像は、その後のV入賞を必要としない大当りの際にも、V入賞のチャンスであることを示唆するVストック画像を消去しないとその後の遊技について誤解を与える恐れ(Vストック表示があるにもかかわらず1回も小当りしない状況の発生が起こりうることによる表示の信頼性の低下)があるため、便宜的に変形例の小当り予告演出を第2小当り予告演出と称する。
この変形例の第2小当り予告演出によると、小当り発展大当り後に保留を4つ消化してもVストック画像が残ることで、小当り(または大当り)の実行可能性が極めて高いことの報知を継続して実行できるので意外性のある演出を実現できる。例えば、演出決定手段303は、小当り発展大当り後の4つ目の保留(外れ)消化時にVストック画像に「HOLD」の画像を重ねて表示させ、大当りまたは小当りの変動まで、「HOLD」したVストック画像の表示を維持してもよい。演出決定手段303は、大当りまたは小当りの図柄変動開始時、変動中、変動終了時のいずれかに、「HOLD」したVストック画像の表示を終了してもよい。
本実施例においてVストック表示は、小当り変動の実行において小当り遊技の実行が確定的となることを報知するときに減算されて表示される(0の場合は表示を消去)ものであるが、変形例の時短100回に対するVストック表示について大当りでも「HOLD」したVストック画像を消去する理由は、大当りになると時短継続回数がリセットされ、時短継続回数が短い場合、その時短中に小当りが発生する補償がなくなるからである。同様の理由により、保留内に小当りが存在せず大当りが存在する場合、今回の小当り発展大当り終了後の時短継続回数が上記所定値以上であっても、第2小当り予告演出を表示させない。または、小当り予告演出の抽選に当選しても当該演出の実行をキャンセルする。
特徴5に関するさらに別の変形例を説明する。演出決定手段303は、保留内に小当りと大当りが存在し、少なくとも1つの小当りより先に大当りが変動する場合も、保留内の小当りの数をVストック画像により予告する小当り予告演出を表示させる。演出決定手段303は、小当りの変動開始から小当り遊技の開始までの間に、Vストック消化演出として、Vストック画像が示す小当りの個数(Vストック画像の個数が小当りの個数を示す場合はVストック画像自体)を1つ減少させる。
一方、演出決定手段303は、大当り変動の際には、Vストック画像が示す小当りの個数を変化させず、大当り期間を跨いで、Vストック画像が示す小当りの個数を維持する。なお、演出決定手段303は、大当り変動中または大当り遊技中に新たに生起した保留に小当りがあれば、大当り遊技中に、Vストック画像が示す小当り個数を増加させる小当り予告演出を表示させてもよい。
時短状態の通常遊技における小当り変動において実行されるVストック消化演出の演出パターンは、Vストック画像が虹色に発光して消去される等の、特殊態様の演出パターンを含んでもよい(通常パターンは白く発光して消去されるものなどの例が挙げられる)。演出決定手段303は、今回の小当り図柄が高利益をもたらすもの(例えば10ラウンドの小当り発展大当りや時短継続回数100回)である場合、Vストック消化演出の演出パターンとして、特殊態様の演出パターンを選択し、特殊態様のVストック消化演出を表示させてもよい。これにより、高利益がもたらされることを遊技者に効果的に予告することができる。本実施例において、演出決定手段303が小当り予告演出の実行を決定する際に参照する、時短遊技中の通常遊技で消化される特図2の保留について事前判定した結果には、特別図柄の停止表示態様(小当り図柄)に関する情報を含んでおらず、当否判定に使用する乱数に係る事前判定情報を用いて、保留が小当りであるか否かについてのみ事前に判断するものとしている。そのため、Vストック画像として表示されている段階では、各V入賞の機会において発生する小当り発展大当りの種類までは判定されるものではないため、単純にV入賞の機会の数を表示するものであるが、本変形例のように、実際に変動が開始された際にメインCPU290より演出決定手段303へ送信される特別図柄の停止図柄情報を基に消化演出にパターンを切り替えることで、Vストック画像を用いた演出の多様化、興趣性の向上を図ることが可能となる。
特徴5に関するさらに別の変形例を説明する。第1実施例で記載したように、特定遊技制御手段270は、小当りが発生すると時短を終了させる。そのため、小当り遊技においてV入賞しない場合(いわばパンクした場合)、小当り遊技終了後は、時短遊技ではない通常状態の通常遊技となる。演出決定手段303は、小当り遊技でV入賞しなかったが、小当り遊技終了時に少なくとも1つの小当りが保留されていることを示すVストック画像を表示していれば、小当り遊技終了後、時短が継続されているように見せる演出を表示させてもよい。言い換えれば、演出決定手段303は、小当り遊技終了後の通常状態の通常遊技における演出として、時短状態時の演出(もしくは近似する内容の演出)を表示させてもよい。
この構成によると、連荘に対する遊技者の期待感を維持したまま、次の小当りへ繋げることができる。なお、この変形例では、演出決定手段303は、通常状態時にメインCPUで選択され得る図柄変動パターンと、時短中の演出パターン(変動演出パターン、予告演出パターン)とを対応付けた例外的な演出パターンテーブルを記憶し、その例外的な演出パターンテーブルを参照して、演出パターンを決定する。
以上、本発明を第2実施例をもとに説明した。第2実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1変形例を説明する。第1変形例では、主に、第2実施例の特徴3と特徴4について、V入賞後も発射を継続させるための構成を示す。演出決定手段303は、小当り遊技中に、宝箱のオブジェクト等によるカウント演出に代えて、「アタッカー(大入賞口20)へ入球させてゲージを貯めろ!」等のミッション演出を表示させてもよい。本演出は一例として、演出表示装置60の表示領域に、小当り遊技の発生に伴い、空のインジケータ表示(またはチャンス度合いに応じて初期量の異なるインジケータ)を表示し、小当り遊技中の大入賞口20への入球に伴い、インジケータ表示内の期待度示唆表示の領域を拡大する演出(ゲージを貯める演出)を実行する例が挙げられる。
また、演出決定手段303は、特徴2の期待度画像の表示と同様に、このミッション演出において、小当り発展大当りの1ラウンド~2ラウンド間における示唆演出の結果の期待度を示す画像を表示させ、ミッションの達成度合い(上記の例ではゲージの貯まり具合)に応じて、小当り発展大当りで獲得される利益の期待度を示す画像の態様を変化させてもよい。なお、インジケータの表示は、増加態様に限らず、減少態様とするものであってもよいし、期待度示唆につなげることで発射の継続を促す演出としてインジケータのように連続的に変化するものでなく、「アイテム○○獲得でチャンス、さらに3つのアイテム全てを獲得できれば大チャンス」といったような、入球に応じて宝箱が開放された際に、アイテムが表示されるか否かを演出表示して、最終的に表示された示唆オブジェクトの個数や組合せによって期待度示唆を行うものであってもよい。
また、演出決定手段303は、所定単位量(1球または2球等)の遊技球が大入賞口20へ入球するたび、または、ミッション演出でのゲージが単位量増加するたびに、保留されている小当りの個数を示唆または報知する演出(特徴5の小当り予告演出)を表示するか否かを抽選により決定してもよい。この抽選に当選した場合、演出決定手段303は、保留内に未報知の小当りがあれば、その小当りを示唆または報知する小当り予告演出を表示させてもよい。
また、演出決定手段303は、保留内に小当りが存在する場合、V入賞後の大入賞口20への入球に応じて、所定確率(例えば2%)にて、大入賞口20の近傍に設置された導光板を点灯させてもよい。導光板を点灯させた場合、演出決定手段303は、小当り発展大当りの1ラウンド~2ラウンド間における示唆演出として、小当り発展大当りの連荘が確定していることを示唆する特殊演出(上述のVVボーナス)を所定確率(例えば100%)にて表示させてもよい。
第2変形例を説明する。第2変形例も、主に、第2実施例の特徴3と特徴4について、V入賞後も発射を継続させるための構成を示す。演出決定手段303は、小当り遊技の開始時に、大入賞口20を示す大入賞口画像とキャラクタ画像を含み、大入賞口20を狙って発射を促す内容の演出(「発射促進演出」と呼ぶ。)を表示させてもよい。演出決定手段303は、小当り遊技においてV入賞した場合、図52で示したようにV報知画像を表示させるが、V報知画像の表示後、暫くの間、発射促進演出の表示を継続してもよい。すなわち、V報知画像と発射促進演出を並行して表示させてもよい。
発射促進演出の表示を終了させるタイミングは、V入賞後、一定時間が経過した場合と、小当り遊技における大入賞口の閉鎖条件成立(10球の入球または15回の開放終了)の早いほうであってもよい。または、発射促進演出の表示を終了させるタイミングは、V入賞有りかつ大入賞口20に3球以上入球したとき、大入賞口20に3球以上入球後のV入賞時(+数秒後でもよい)であってもよい。
なお、演出決定手段303は、小当り遊技中における大入賞口20への入球数表示オブジェクト(図52の入球数報知画像566等)や、発射促進演出の画像を、V報知画像568よりも表示優先度を高くしてもよい。例えば、演出決定手段303は、入球数報知画像566や発射促進演出の画像を、演出表示装置60に設けられた複数層の描画レイヤのうち相対的に上層の描画レイヤに描画することにより、他の画像で隠されないように配置してもよい。また、演出決定手段303は、V報知画像568の表示優先度を高くする場合、V報知画像568と重ならないように、V報知画像568とは別の位置に、入球数報知画像566や発射促進演出の画像を配置してもよい。また、演出決定手段303は、V報知画像568と重ならないように、入球数報知画像566や発射促進演出の画像のサイズを、V報知画像568非表示の場合より小さくしてもよい。
ここで図54および図55を参照して、第2実施例および変形例に適用可能な演出例を説明する。図54(a)は、小当り(または大当り)の発生を報知する変動演出画面570を示しており、装飾図柄61の変動が、小当り(または大当り)を示す態様で停止した状態を示している。また、図54(a)の変動演出画面570では、小当り(または大当り)を示唆または報知する態様でキャラクタ画像572を表示させている。
図54(b)は、図54(a)に続く小当り遊技演出画面560を示している。図54(b)の小当り遊技演出画面560は、例えば小当り遊技開始デモとして表示される。図54(b)の小当り遊技演出画面560は、右打ちを遊技者に指示する右打ち指示画像562と、大入賞口20の外観を模した大入賞口画像574と、キャラクタ画像572を含む。図54(b)の小当り遊技演出画面560では、右打ちを促す態様(例えば右を指差した状態)でキャラクタ画像572を表示させている。
図54(c)は、図54(b)に続く小当り遊技演出画面560を示している。図54(c)の小当り遊技演出画面560は、例えば小当り遊技におけるV入賞発生後に表示される。図54(c)の小当り遊技演出画面560は、V入賞を報知するV報知画像568と、1ラウンド目であることを示すラウンド画像564と、アタッカー(大入賞口20)を狙うように促すメッセージ576と、大入賞口20への入球個数を示すゲージ画像578を含む。ゲージ画像578は、第2実施例の入球数報知画像566に対応し、例えば、大入賞口20への入球数に応じて色が変化していく。
図55(a)は、図54(c)に続く小当り遊技演出画面560を示している。図55(a)の小当り遊技演出画面560では、小当り遊技中の大入賞口20への入球数が所定数以上(例えば7球以上)になったため、大入賞口20を狙って発射することを促すためのメッセージ576と大入賞口画像574が非表示になっている。
図55(b)は、図55(a)に続くラウンド間演出画面580を示している。ラウンド間演出画面580は、小当り遊技(1ラウンド目)の終了から、特別遊技の最初の単位遊技(2ラウンド目)の開始前までに表示されるラウンド間演出を表示する。ラウンド間演出は、第2実施例の特徴4の示唆演出に対応する。ラウンド間演出画面580は、演出ボタン109等の操作を促すボタン画像584と、ラウンド数や時短継続回数が異なる複数種類の大当りの中から今回の大当りの種類を示唆するボーナス示唆画像582を含む。ボーナス示唆画像582は、演出ボタン109等の操作に応じて回転するルーレットを模した画像を含んでもよい。また、ラウンド間演出画面580は、画面端部にエフェクト画像586を含む。エフェクト画像586は、時間経過とともに色が変化するものであってもよく、ラウンド間演出の最後には、小当り遊技演出画面560におけるゲージ画像578の色と同じ色に変化してもよい。
図55(c)は、図55(b)に続く大当り演出画面588を示している。図55(c)の大当り演出画面588は、特別遊技の最初の単位遊技(2ラウンド目)の演出を示している。一部既述したが、大当り演出画面588は、ラウンド画像564、獲得賞球情報590、Vストック画像592を含む。図55(c)のVストック画像592は、小当りが2つストックされていること(すなわち保留内に小当りが2つ存在すること)を示している。
第3変形例を説明する。ぱちんこ遊技機500における時短の終了条件は、(1)特図1の変動回数A(例えば7回)、(2)特図2の変動回数B(例えば100回、9回または1回)、(3)特図1および特図2の変動回数C(例えば100回、15回または7回(A+B-1))を含む。第1実施例で既述したように、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232は、特図1と特図2それぞれの変動に応じて、変動パターンテーブルを切り替える。
時短終了に関する処理1:
本変形例の第1変動パターン決定手段231は、時短終了のタイミングで、変動パターンテーブルをモード0テーブルに切り替える。特図1の時短用の変動パターンテーブルで規定された変動パターンの候補数(選択されうる候補数)は少ない。そのため、時短終了時に変動パターンテーブルをモード0テーブルに強制的に切り替えることで、時短終了後の複数変動の間、特図1保留の変動に伴って決定される演出が単調になってしまうことを回避できる。
時短終了に関する処理2:
一方、本変形例の第2変動パターン決定手段232は、時短が終了しても、時短終了後の4変動は、通常とは異なる変動パターンテーブル(図43のモード7テーブル)を参照して、特図2の変動パターンを決定する。ぱちんこ遊技機500では、時短終了後に特図2の保留が消化される間は時短演出モード(図40のラッシュ演出)が継続するため、特図1の時短終了条件で例外的に時短が終了しても、特図2保留が生起した場合は時短演出モードに対応した変動パターンを選択する必要があるからである。
時短終了に関する処理3:
例外的な時短終了である小当り遊技でのV入賞なし(パンク)の場合、第1変動パターン決定手段231は、特図1の変動パターンテーブルを特図1のモード0テーブルに切り替える。また、第2変動パターン決定手段232も、特図2の変動パターンテーブルを特図2のモード0テーブルに切り替える。
上記の処理3は、第1実施例のように特図1で小当りが発生しない場合、または、特図1で小当りが発生する可能性があって、かつ、特図1の小当り遊技において特図2と同じようにV入賞し得る場合に実行される。一方、特図1で小当りが発生する可能性があるが、特図1の小当り遊技においてV入賞しないように特定領域開閉装置552の開閉制御がなされる場合(特図1での小当り遊技がほぼ確実にパンクすることが前程で設計されている場合)、特図1の小当り遊技では上記の処理3および時短終了の制御を行わない。すなわち、特図1の小当り遊技ではV入賞しなくても時短を継続する。初当り時(初回時短移行時)に、特図2保留が生起する前の特図1変動で小当りとなった場合に、小当り遊技のパンクにより時短が終了してしまうことを回避するためである。
第4変形例を説明する。第4変形例では、ラウンド表示灯に関する変形例を説明する。前提技術に記載したように、遊技状態表示部76は、7セグメントLEDにより特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示するラウンド表示灯として機能する。メイン基板200(例えばメイン表示制御手段250)は、10ラウンドの図柄大当りと、10ラウンドの小当り発展大当り(小当り1R、大当り9R)の両方で、遊技状態表示部76(すなわちラウンド表示灯)を同一パターンで発光させてもよい。同様に、メイン基板200(例えばメイン表示制御手段250)は、4ラウンドの図柄大当りと、4ラウンドの小当り発展大当り(小当り1R、大当り3R)の両方で、遊技状態表示部76を同一パターンで発光させてもよい。
なお、メイン基板200は、10ラウンドの小当り発展大当りと、4ラウンドの小当り発展大当りでは、V入賞やV入賞後の役物連続作動装置の作動に基づく特別遊技状態の開始(小当り発展大当りの開始)までは小当り遊技用の共通パターンで遊技状態表示部76を発光させてもよい。そしてV入賞後に、それぞれ、10ラウンド図柄大当りと同じパターン、4ラウンド図柄大当りと同じパターンで遊技状態表示部76を発光させてもよい。これにより、V入賞前に、10ラウンドか、4ラウンドかを識別することを不可能または困難にすることができる。
第5変形例を説明する。第5変形例では、性能表示部159に関する変形例を説明する。性能表示部159は前提技術に記載したように「セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率(ベース値と称する)を算出して表示するもの」であるが、本変形例においては、特に通常状態の通常遊技時(低確率遊技状態かつ非時短遊技状態)におけるベース値を表示するものとし、時短遊技中の通常遊技時、役物連続作動装置の作動時における特別遊技中は、性能表示部の表示のための計数データとして扱わないものである。
第1実施例および第2実施例に記載する遊技機では、小当り発展大当りの実質的な1ラウンド目に該当する小当り遊技が開始する際に時短遊技を終了させ、小当り遊技の終了に伴って役物連続作動装置を作動させるように構成されている。そのため、小当り遊技中は、通常状態の通常遊技時(低確率遊技状態かつ非時短遊技状態)と同じ状態であることを意味し、小当り発展大当りにおける実質的な1ラウンド目に該当する状態であるにも拘わらず、獲得した遊技球が通常状態の通常遊技時のベース値としてカウントされてしまうことになる。このような状況下で、第5変形例のベース値の算出を行うと、小当りVとなる小当り発展大当りの発生の度に大当り1R分の出玉と同等のセーフ球(第2実施例では120球)がベース値に加算されるため、遊技的に特別遊技中として扱われるべき小当り遊技において、本来計数の対象とすべきでない値まで性能表示部159の計数データに含まれてしまうことになる恐れが生じる。
そのため第5変形例として、小当り発展大当りを採用する第1実施例、第2実施例における性能表示部159のデータ計数手法として最適な手法を以下に記載する。
第5変形例の性能表示部159に表示するデータについて、メインCPU290は、小当り発展大当りとなる小当り遊技の実行中において、V入賞した場合に大当り遊技の実行が確定的となることから、V入賞後について大当りと同等とみなし、V入賞後の大入賞口20への入球によって発生した賞球、およびV入賞後に発射されたセーフ玉、アウト玉の総数を、ベース値の算出の対象外となるよう制御する手法を採用する。V入賞後に大当りと同等の遊技状態と満たすための方法としては、小当り遊技中にV入賞したことに基づいて、条件装置または役物連続作動装置の作動にかかるフラグを大当り中と同等になる値に切り替えることがあげられる。
このようにすることによって、例えば第2実施例の小当り遊技中において、3球目に入球した遊技球が特定領域を通過する(V入賞する)と、4球目の遊技球からは、小当り発展大当りに発生した賞球とみなすことができ、通常状態の通常遊技時に発生した賞球数として「36球」(賞球数12×入球数3)のみが、計数対象として加算されるように抑えられるので、小当り発展大当りを採用する遊技機において、実質的な1ラウンド目に該当する小当り遊技が発生することに基づいて、通常状態の通常遊技時のベースが過度に引き上げられることを防止できる。
第6変形例を説明する。各実施例では、小当り図柄に応じて、小当り発展大当りのラウンド数、および、小当り発展大当り終了後の時短継続回数が決定された。変形例として、上記のラウンド数と時短継続回数の少なくとも一方は、小当り図柄ではなく、V入賞時の抽選(小当り図柄が関与してもよい)の結果に応じて決定されてもよい。
(第3実施例)
第3実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造、メイン基板200の機能構成、サブ基板300の機能構成は、第2実施例と同様である(図49、図3、図4、図11)。また、第3実施例のぱちんこ遊技機500には、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、設定変更装置170が設けられ(図2)、遊技設定として6段階の設定(設定1~設定6)のうちいずれかに設定され、当否抽選が大当りとなる確率が第2実施例のぱちんこ遊技機に加えて設定差を有し、小当りとなる確率は、設定差を有しない仕様である。
以下、前提技術、第1実施例および第2実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。また、第3実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術、第1実施例および第2実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
第3実施例のぱちんこ遊技機500の概要を説明する。第3実施例のぱちんこ遊技機500は、第1実施例および第2実施例のぱちんこ遊技機500を基本構成とするが、第1実施例および第2実施例のぱちんこ遊技機500の構成に加えて、設定変更装置170(設定メモリ)に記憶された設定値を遊技者に示唆する演出(以下「設定示唆演出」とも呼ぶ。)を実行する。
ぱちんこ遊技機500の設定値は、メイン基板200のRAM(例えば設定変更装置170のメモリ)と、サブ基板300のRAMの両方に記憶されてもよい。サブ基板300は、サブ基板300のRAMに記憶された設定値を参照して、設定示唆演出を実行してもよい。例えば、メイン基板200は、設定変更が確定したタイミングで、変更後の設定値を示す所定のコマンドをサブ基板300へ送信し、サブ基板300は、その設定値をRAMに格納してもよい。また、メイン基板200は、電源投入時およびRAMクリア時にも、現在の設定値を示す所定のコマンドをサブ基板300へ送信してもよい。
さらに、メイン基板200は、図柄変動毎にサブ基板300へ送信する各種コマンドにも、現在の設定値を示す設定値情報を含めてもよい。同様に、メイン基板200は、特別遊技時およびエラー復帰時にサブ基板300へ送信する各種コマンドにも、現在の設定値を示す設定値情報を含めてもよい。このように、遊技中にも予め定められた契機で設定値情報を送信することにより、遊技中にもメイン基板200が記憶する設定値と、サブ基板300が記憶する設定値とを同期させることができ、遊技の公平性を保ちやすくなる。例えば、サブ基板300を落としている間にメインの設定値のみ不正に変更する不正操作がなされた場合、不正変更後の設定値をサブ基板300側に反映し、不正変更後の設定値を遊技者や遊技店のスタッフ等に提示することができる。
第3実施例のぱちんこ遊技機500は、設定示唆演出に関する以下の4つの特徴を備える。これらの特徴は、単体の実装が可能である他、任意の組み合わせが可能であり、また、前提技術、第1実施例および第2実施例に記載の特徴との任意の組み合わせも可能である。
特徴1.Vストック時のみ終了デモ設定示唆:
これまでのぱちんこ遊技機では設定示唆演出が一般的でないため、特別遊技の終了デモにおいて設定示唆演出を表示させた場合、その設定示唆演出が、有利な状態(例えば特定遊技である確変状態や保留内連荘)への移行が予定されていることを示唆または報知するものであると遊技者に誤認させてしまう可能性がある。そこで、第3実施例のぱちんこ遊技機500は、有利な状態への移行が予定されていることを示唆または報知する演出である「有利報知演出」を実行済であることを条件として、特別遊技の終了デモにおいて設定示唆演出を表示させる。これにより、設定示唆演出に対する遊技者の誤認を防止でき、また、有利な状態へ移行するはずという遊技者の期待感を損なってしまうことを防止できる。
特徴2.設定示唆演出の格下げ防止:
後の時点出実行される設定示唆演出による示唆内容が、先の時点で実行される設定示唆演出による示唆内容より遊技者の利益(言い換えれば有利さの度合い)が低い場合、先の時点の設定示唆演出を見た遊技者の期待感を損なってしまう。そこで、第3実施例のぱちんこ遊技機500では、遊技者にとっての利益が大きい内容を示唆する設定示唆演出ほど高い優先度を付与し、第1の優先度に対応する設定示唆演出を実行後は、第1の優先度より低い第2の優先度に対応する設定示唆演出の実行を制限する。これにより、遊技者の抱く期待感を損なってしまうことを防止できる。
特徴3.V非入賞時は終了デモ設定示唆演出を非実行:
既述したように、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過しなければ、大当りへ発展せず、小当り遊技の終了デモ演出後に通常遊技へ戻る。小当り遊技の終了デモ演出の実行時間は非常に短く、設定示唆演出の時間を確保することは困難である。そこで、第3実施例のぱちんこ遊技機500は、小当り遊技の終了デモにおいて設定示唆演出を非実行とすることで、設定示唆演出のための、実質的に意味のない抽選処理や表示処理の実行を回避できる。
特徴4.保留変化頻度に設定差:
ぱちんこ遊技機では、1回の遊技(例えば図柄変動)が、スロットマシンのように遊技者による操作の契機で進行するのではなく、時間経過に基づき進行する。そのため、保留された抽選値の情報を先読みすることによる、複数回の図柄変動に跨って実行する先読み演出を実行可能である。第3実施例のぱちんこ遊技機500は、複数回の図柄変動に亘り実行可能な保留先読みによる演出について、その演出における特定の演出態様が設定値を示唆するものとする。これにより、保留先読み演出を大当りを示唆するものであるとともに設定値を示唆するものとして遊技者に提示でき、遊技者の期待感および遊技の興趣を一層高めることができる。また、複数回の図柄変動に亘って実行されるため、遊技者が示唆内容を見逃してしまうことを防止しやすくなる。
以下、上記4つの特徴を順次詳細に説明する。
<特徴1.Vストック時のみ終了デモ設定示唆>
第3実施例のぱちんこ遊技機500は、第2実施例と同様に、小当り遊技中にV入賞が発生し、かつ、特図2保留についてメイン基板200から受け付けた事前判定情報の中に小当りとなる抽選値が1つ以上保留されている場合、V入賞から、小当り発展大当り(特別遊技)が終了して通常遊技が開始されるまでの間に、小当り予告演出としてVストック画像を表示し得る。小当り予告演出は、Vストック画像を追加または加算する演出であり、以下「Vストック演出」とも呼ぶ。
ぱちんこ遊技機500の演出決定手段303は、設定示唆演出を特別遊技の終了デモ演出(「大当り終了デモ演出」とも呼ぶ。)において表示可能な条件として2つの条件を記憶する。第1条件は、終了デモ演出開始前までに1つ以上のVストック画像を表示していることであり、言い換えれば、終了デモ演出開始前までにVストック演出を1回以上実行していることである。第2条件は、終了デモ演出でのVストック演出に当選していないことである。演出決定手段303は、第1条件と第2条件の両方が満たされる場合、予め定められた所定の確率で、終了デモ演出中の設定示唆演出の実行を決定する。
第2実施例に既述したように、演出決定手段303は、小当り遊技におけるV入賞を契機に、Vストック演出を実行するか否か、Vストック演出を何回実行するか、Vストック演出の実行タイミング(例えばV入賞時、小当り発展大当りの3ラウンド目、小当り発展大当りの9ラウンド目、大当り終了デモ時)を抽選により決定する。演出決定手段303は、この抽選の結果が特定のパターンである場合、特別遊技の終了デモ演出で設定示唆演出を実行しない。例えば、抽選結果が、Vストック演出を実行し、かつ、大当り終了デモ時にVストック演出を実行するパターンである場合、特別遊技の終了デモ演出で設定示唆演出を実行しない。
確変状態を有する遊技機の場合、上記の第2条件は、特別遊技の終了デモ演出として、確変昇格演出(例えば一旦敗北したバトルに逆転で勝利するような復活演出等)に当選していないことでもよい。このような第2条件を設けた理由は、Vストック演出や確変昇格演出等、設定値よりも遊技者の利益に直結する内容を示唆・報知する演出を優先して表示させるためである。なお、設定示唆演出とVストック演出(または確変昇格演出など)の演出上の見た目に明確に異なることが遊技者に理解される場合には、第2条件は規定されず第1条件のみ規定され、場合によっては同時に表示可能としてもよい。
また、終了デモにおける確変昇格演出等は、演出の尺を確保するために終了デモ時間を長くするよう設計されることがあり、また、大当り(小当りVの場合は小当り)の停止図柄に基づいて実行されることがある。この場合、第2条件として、大当り(小当りVの場合は小当り)の停止図柄が、終了デモ時に、確変昇格演出等、設定示唆演出より優先される演出を実行する特定態様でないことが定められてもよい。演出決定手段303は、大当りの停止図柄が上記特定図柄の場合、第2条件が満たされないとして、終了デモ演出中の設定示唆演出の実行を回避してもよい。
図56(a)-(d)は、大当り終了デモ演出の例を示す。図56(a)に示すように、演出決定手段303は、終了デモ画面600を演出表示装置60に表示させる。演出決定手段303は、終了デモ画面600に、それまでの連荘回数に応じた内容(モチーフやキャラクタの種類等)を示す壁紙画像602を表示させる。不図示ではあるが、演出決定手段303は、終了デモ画面600に、有利期間での連荘回数と、有利期間での獲得賞球総数とを表示させてもよい。
図56(b)-(d)は、設定示唆演出を示している。図56(b)に示すように、演出決定手段303は、終了デモ画面600にキャラクタ画像604を表示させ、それまで表示された壁紙画像602をキャラクタ画像604が取り外す動作(アニメーション)を表示させる。続いて、図56(c)に示すように、演出決定手段303は、キャラクタ画像604が設定を選択しているような動作を表示させる。最終的には、図56(d)に示すように、演出決定手段303は、設定値を示唆する内容のオブジェクトである絵馬画像606を表示させる。
ぱちんこ遊技機500には、複数の設定値に対応する複数種類の態様(形状や模様、色彩等であり、外観とも言える)の絵馬画像606が予め記憶される。演出決定手段303は、設定変更装置170に記憶された設定値と、予め定められた選択確率とに応じて、複数種類の絵馬画像606の中からいずれかを選択する。複数種類の絵馬画像606は、「設定6確定」、「設定4確定」、「設定4以上」、「設定2以上」、「設定値は奇数」等のそれぞれに対応する外観が設定されたものを含む。これにより、設定示唆演出で提示された絵馬画像606の態様によって設定値の期待値が変化する。なお、演出決定手段303は、図56(a)で表示した連荘回数と獲得賞球総数を、図56(b)以降の演出画面では表示態様を変更して(例えば帯表示態様で)画面隅に継続表示させることにより、図56(b)以降の演出画面でも連荘回数と獲得賞球総数を確認可能にしてもよい。
図57は、大当り終了デモ演出に関するタイムチャートである。図57(a)は、Vストック演出と設定示唆演出のいずれも実行しない通常時のタイムチャートを示している。図57(b)は、終了デモ演出中にVストック演出を実行する場合のタイムチャートを示している。図57(c)は、終了デモ演出中に設定示唆演出を実行する場合のタイムチャートを示している。大当り終了デモ演出の時間は、通常時、Vストック演出実行時、設定示唆演出実行時のいずれにおいても13秒である。なお、この大当り終了デモ演出の時間は、例えば主制御装置における特別遊技の終了デモ時間(図28のS814)の時間に合わせて実行される演出であり、大当り遊技の種類(大当り開始の際に停止表示された特別図柄である大当り図柄)に対してそれぞれ定められるものであり、大当り終了デモ演出の時間として、設定示唆演出等を行うのに不十分な時間尺しかない場合、そのような種類の大当りでは設定示唆演出等を行わないように構成してもよい。
図57(a)に示すように、通常時、連荘回数に応じた背景(壁紙画像602)を6秒表示し、ラッシュ演出突入の文字列を6秒表示し、背景画像移行を1秒表示する。また、図57(b)に示すように、Vストック演出実行時、連荘回数に応じた背景(壁紙画像602)を3秒表示し、キャラクタおよびVストック画像追加を9秒表示し、背景画像移行を1秒表示する。また、図57(c)に示すように、設定示唆演出実行時、連荘回数に応じた背景(壁紙画像602)を2秒表示し、キャラクタ画像604および絵馬の回転を6秒表示し、停止した絵馬画像606を5秒表示する。なお、不図示ではあるが、図57(b)(c)において、ラッシュ演出突入の報知に関し、その後の遊技状態を遊技者に報知するために、図57(a)の通常時とは異なる態様(例えば画面隅のテロップやアイコン表示)でラッシュ演出への突入を報知してもよい。
このように、第3実施例のぱちんこ遊技機500では、キャラクタがアニメーションで動作する設定示唆演出を表示させる。したがって、単純に大当り終了デモの背景画像が設定値を示唆する特殊背景に置き換わるようなものと比して、演出に対する遊技者の注目を集めやすくなる。その一方、アニメーションによる演出であるからには保留内連荘による大当り(小当りV)または確変等の特定遊技への移行といった遊技者に対する利益を予告するものであるという遊技者の誤認が生じやすい。また、ぱちんこ遊技機500はスロットマシンと異なり、大当り終了デモが時間を契機に終了するため、遊技者操作の関与が無く特殊な演出が発生すると、やはり保留内連荘または確変移行を予告するものであるという遊技者の誤認が生じやすい。
そこで、第3実施例のぱちんこ遊技機500では、既に有利な状態であることを予告する演出(前述した遊技者に対する利益を予告するものに該当する演出であり、第3実施例ではVストック演出)が実行済であることを条件として、設定示唆演出を表示させる。これにより、遊技者の誤認を生じにくくし、また、遊技者の期待感を損なってしまうことを回避できる。
演出決定手段303は、終了デモ時の設定示唆演出で提示された絵馬画像606を、その後の遊技においても、演出画面の隅(言い換えれば演出表示装置60の隅)に表示させ続ける。このようにすることにより、遊技する者がいなくなった状況においても、次の遊技者に対して、設定値に関する情報を提供することが可能になり、遊技意欲の向上、遊技の動機付けにつながる。ただし、演出決定手段303は、小当り遊技中、大当り遊技中(設定示唆ありの終了デモ時を除く)、およびスーパーリーチ演出中には、過去の設定示唆演出で提示された絵馬画像606を非表示とする。演出決定手段303は、設定示唆の実行に当選した終了デモ時に、過去の設定示唆演出で提示された絵馬画像606を新たな絵馬画像606に差し替える内容の演出を表示させてもよい。
また、演出決定手段303は、複数回の設定示唆演出において異なる外観の複数種類の絵馬画像606が提示された場合、言い換えれば、異なる設定値を示唆する複数種類の絵馬画像606が提示された場合、それら複数種類の絵馬画像606を、その後の遊技においても表示させ続ける。既述したように、第3実施例の絵馬画像606は、(1)設定値が偶数または奇数であること(または偶数または奇数である期待度が高いこと)を示すもの、(2)設定値が特定の値以上であること(または特定の値以上である期待値が高いこと)を示すもの、(3)設定値が特定の値であること(または特定の値である期待値が高いこと)を示すものを含む。そのため、複数の絵馬画像606を組み合わせることで、実際の設定値を絞り込むことが可能になり、遊技の興趣を高めることができるからである。なお、複数の絵馬画像606を表示する場合であっても、前述(1)~(3)の同種の内容にて複数表示すると矛盾する示唆を表示することになる場合もあるため、絞り込み要素につながりにくい同種の絵馬画像606を表示した場合は、後述する優先度等に基づいて同種の絵馬画像606のうち、一部絵馬画像606を非表示とするようにしてもよい。
変形例として、演出決定手段303は、複数回の設定示唆演出において互いに異なる外観の複数の絵馬画像606を表示させた場合、複数の絵馬画像606のうち最も優先度が高い絵馬画像606(言い換えれば最も優先度が高い設定示唆演出で提示された絵馬画像606)のみを、その後の遊技において表示させてもよい。優先度については後述する。また、演出決定手段303は、優先度に代えて、または優先度とともに、最も高い設定値を示唆する絵馬画像606のみを、その後の遊技において表示させてもよい。この変形例では、1の絵馬画像606のみを遊技中に表示する場合であっても、演出決定手段303は、遊技待機デモ中のメニュー画面での操作に応じて、大当り履歴とともに、各大当り中の設定示唆演出で提示された絵馬画像606を並べて一覧表示させ得るよう構成してもよいし、十字キー110の操作等により、表示された絵馬画像606を表示された順番やあらかじめ定められた表示順により順次切り替え表示する(設定示唆演出として未表示の絵馬画像606は表示しない)ように構成してもよい。
別の変形例として、演出決定手段303は、設定示唆演出実行後の遊技において、絵馬画像606を常時表示させるのではなく、遊技待機デモ中、または、メニュー画面のみで絵馬画像606を表示させてもよい。
さらに別の変形例として、演出決定手段303は、今回の大当り(小当り発展大当りまたは図柄大当り)ではVストック演出を実行しないが、以前の大当りでVストック演出を実行した結果、Vストック画像が残っていれば、今回の大当りの終了デモ時に設定示唆演出を表示させてもよい。例えば、演出決定手段303は、以前の大当りでVストック演出を実行した結果のVストック画像を今回の大当り演出画面で表示していれば、今回の大当りの終了デモ時に設定示唆演出を表示させてもよい。
また、他の変形例として、通常遊技中において引き続き表示されている絵馬画像606に関し、大当りの終了デモにおいて新規の絵馬画像606が表示されることにより更新されるのみでなく、変動演出において特殊な予告抽選に当選した場合に、絵馬画像606を別の画像に差し替える演出を実行するようにしてもよい。例えば、保留ランプ画像に他のオブジェクト画像が関与することによって保留ランプ画像が切り替わる保留変化演出と同等の演出であって、他のオブジェクト画像が保留ランプ画像でなく、絵馬画像606に対して関与する画像を表示することに伴い絵馬画像606を差し替えるものや、特別なリーチ演出(SPリーチ)での外れの場合や、特定の演出が発生した場合に一定量のポイントを付加して、ポイントが所定値になったことに基づいて絵馬画像606の差し替え(または差し替えの実行抽選)を行うようなものがあげられる。なお、このような差し替えを行う場合、後述する特徴2に示す設定示唆演出(絵馬画像606)の格下げは防止されるように制御することが好ましい。
第3実施例のぱちんこ遊技機500の上記特徴1および変形例は、スロットマシン1010においても有用である。例えば、スロットマシン1010の演出決定手段1304は、ビッグボーナス等の特別遊技において、終了デモの開始前に有利報知演出(例えばアシストリプレイタイム(以下「ART」と呼ぶ。)当選を報知する演出)を実行した場合、終了デモ演出において設定示唆演出を実行可能に構成されてもよい。また、演出決定手段1304は、特別遊技の終了デモの開始前に有利報知演出を未実行の場合、終了デモ演出において設定示唆演出の実行を制限してもよい。スロットマシン1010における有利報知演出は、特別遊技実行中に、複数の図柄が特定の態様で揃うことであってもよく、所定のボタンが押下された場合にART当選を報知する演出でもよい。なお、有利報知演出(ART当選報知演出)内で、設定示唆演出を表示させてもよい。
<特徴2.設定示唆演出の格下げ防止>
演出決定手段303は、複数種類の設定示唆演出と複数の優先度とを対応付けて記憶する。複数種類の設定示唆演出は、第3実施例では互いに異なる態様の絵馬画像606を提示する演出であり、したがって、演出決定手段303は、設定示唆演出において提示されうる複数種類の絵馬画像606と、複数の優先度とを対応付けて記憶するとも言える。
第3実施例では、遊技者にとって利益が高い設定示唆演出(言い換えれば絵馬画像606)ほど高い優先度を対応付ける。具体的には以下の(1)~(11)で示すように、示唆する設定値の幅が狭い(言い換えれば実際の設定値を特定しやすい)設定示唆演出ほど高い優先度を対応付ける。
(1)設定値2以上(設定値2~6)を示唆する絵馬画像606を提示する示唆設定演出→優先度1
(2)設定値3以上(設定値3~6)を示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度2
(3)高設定(設定値4~6)を示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度3
(4)設定値が奇数(設定値1、3または5)であることを示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度3
(5)設定値が偶数(設定値2、4または6)であることを示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度3
(6)設定1を確定的に示唆(言い換えれば報知)する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度4
(7)設定2を確定的に示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度4
(8)設定3を確定的に示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度4
(9)設定4を確定的に示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度5
(10)設定5を確定的に示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度5
(11)設定6を確定的に示唆する絵馬画像606を提示する設定示唆演出→優先度6(優先度最大)
演出決定手段303は、第1の優先度に対応する設定示唆演出(例えば上記(4)の設定示唆演出)を実行後、その第1の優先度より低い第2の優先度に対応する設定示唆演出(例えば上記(1)の設定示唆演出)の実行を制限する。言い換えれば、演出決定手段303は、相対的に高い優先度に対応する設定示唆演出を実行後、相対的に低い優先度に対応する設定示唆演出の実行を制限する。実施例では、第2の優先度に対応する設定示唆演出を禁止する。例えば、演出決定手段303は、第1の優先度に対応する設定示唆演出の実行後、抽選により第2の優先度に対応する設定示唆演出に当選した場合、その実行をキャンセルしてもよい。
なお、演出決定手段303は、或る優先度に対応する設定示唆演出の実行後、同一の優先度に対応する設定示唆演出を実行してもよい。また、上記(6)~(11)の優先度は、設定値が高いほど遊技者に有利という観点から、設定値が高いほど優先度を高くしている。このように実施例では、主パラメータとして示唆する設定値の幅が狭いほど、副パラメータとして設定値が高いほど、高い優先度を付与している。
変形例として、演出決定手段303は、示唆する設定値の幅の広狭に関わらず、遊技の有利性が高い設定値ほど高い優先度を対応付けて記憶してもよい。例えば、設定1→優先度1、設定2→優先度2、・・・、設定5→優先度5、設定6→優先度6と定めてもよい。この設定値との対応付けは、設定示唆演出が示唆する1または複数の設定値の内、最も有利度合いの低い設定値と対応付けされる。ただし、奇数示唆(設定「1」「3」「5」の示唆)、偶数示唆(設定「2」「4」「6」)等の同格に扱うべきものに関しては、同一の優先度に設定しておくことが望ましい。また、ある設定値が確定的となる種類の設定示唆演出は、その後の設定示唆演出の出現の意味が希薄になるため、高い優先度を設定する。そして、演出決定手段303は、第1の優先度に対応する設定値を示唆する設定示唆演出を実行後、前記第1の優先度より低い第2の優先度に対応する設定値を示唆する設定示唆演出の実行を制限してもよい。
別の変形例として、演出決定手段303は、優先度6の設定示唆演出を実行後、優先度4以上の設定示唆演出を実行可能とし、優先度1~3の設定示唆演出の実行を制限してもよい。また、演出決定手段303は、優先度4の設定示唆演出を実行後、優先度2~6の設定示唆演出を実行可能とし、優先度1の設定示唆演出の実行を制限してもよい。このように、実行済の設定示唆演出の優先度より所定値以上(例えば2以上)小さい優先度の設定示唆演出の実行を制限してもよい。言い換えれば、実行済の設定示唆演出の優先度から所定範囲内の優先度の示唆演出の実行を許容してもよい。また、優先度1~優先度3をレベル1、優先度4~優先度6をレベル2としてグループ化しておき、実行済の設定示唆演出と同じレベルの設定示唆演出の実行を許容してもよい。
さらに別の変形例として、演出決定手段303は、最高設定値を確定的に報知する内容(絵馬画像606)を示す設定示唆演出を表示させた場合、設定示唆禁止フラグを記憶し(または設定示唆禁止フラグをオンにし)、当該フラグを記憶中は(または当該フラグがオンの場合は)、設定示唆演出を実行するか否かの抽選を実行しないこととしてもよい。または、抽選の結果、設定示唆演出に当選しても、設定示唆演出の実行をキャンセルしてもよい。
さらに別の変形例を説明する。設定示唆演出は、演出表示装置60に表示させる画像の種類と、スピーカー108から出力する音声パターンと、装飾ランプ111の発光パターンとの組み合わせについて、異なる組み合わせ態様により異なる設定値を示唆するものであってもよい。例えば、装飾ランプ111のレインボー発光と、音声「信じていいかも」と、設定3以上を示す画像との組み合わせ(第1の組み合わせ)を、設定3以上を信頼度100%で示唆する設定示唆演出として定めてもよい。演出決定手段303により参照され、演出の種類を決定するための抽選テーブルは、第1の組み合わせの設定示唆演出が、設定3以上の場合に所定確率で選択され、設定2以下の場合には選択されないよう構成されてもよい。
また、装飾ランプ111の通常発光と、音声「調子いいかも」と、設定3以上を示す画像との組み合わせ(第2の組み合わせ)を、設定3以上を信頼度40%で示唆する設定示唆演出として定めてもよい。抽選テーブルは、第2の組み合わせの設定示唆演出が選択された場合の設定値の可能性が、設定3以上:設定2未満=4:6(例えば、設定示唆演出に当選したあるタイミングにて設定値「3」~「6」の場合に第2の組み合わせに当選する置数範囲の総和を、設定示唆演出に当選したあるタイミングにて設定値「1」~「6」の場合に第2の組み合わせに当選する置数範囲の総和で割った値が「0.4」となる設計)になるよう構成されてもよい。このように、同一の設定示唆画像(例えば絵馬画像606)が表示された場合でも、組み合わせられる他の演出装置による出力内容が異なれば、設定示唆の信頼度が異なるよう構成されてもよい。
例えば、抽選テーブルにおいて選択されうる設定示唆演出の優先度は、以下のパターン1<パターン2<パターン3<パターン4の順に示唆される設定値範囲が狭くなるほど高く定められてもよい。
パターン1.設定2以上示唆パターン(画像のみ、信頼度30%)
パターン2.設定2以上示唆パターン(画像、音声、ランプチャンスアップ発光、信頼度100%)
パターン3.設定3以上示唆パターン(画像のみ、信頼度40%)
パターン4.設定3以上示唆パターン(画像、音声、ランプチャンスアップ発光、信頼度100%)
別の例として、優先度をパターン3<パターン2とするように、確定報知や高信頼度の演出の優先度を高めてもよい。
さらに別の変形例を説明する。終了デモ時の設定示唆演出は、Vストック(すなわち保留連であり、変形例として確変等の有利な特定遊技状態への移行)が条件になるため、そもそもの実行条件が厳しいとも考えられる。例えば、保留連の条件が、保留内で当りに当選していることや、時短モード中の大当りのときしか満たされないものがあるためである。そこで、保留連等の条件を満たさなくても、終了デモ時の設定示唆演出を例外的に実行可能としてもよい。ただし、設定示唆演出の有無を決定するための抽選における、この例外的な設定示唆演出の当選確率は、保留連成立時の当選確率より低く設定される。さらに、初当り(通常時当りであり、例えばラッシュ状態以外での当り)の場合にのみ当選しうるよう構成されてもよい。
また、遊技経験が豊富な遊技者であれば、設定示唆演出が設定値を示唆するものであると認識しやすい。そのため、演出決定手段303は、保留連等の条件を満たさない場合、設定示唆演出の実行抽選に当選し、かつ、終了デモ演出中の特定タイミングで演出用入力操作装置115(演出ボタン109等)が押下された場合に、いわゆる裏ボタン演出として設定示唆演出を表示させてもよい。裏ボタン演出は、遊技に慣れた遊技者、あるいは設定示唆があるという知識を持つ人が見ることのできるものである。そのため、ここでの裏ボタン演出に使用するボタンは、通常の遊技で使用する演出ボタンとは異なるサブボタン(音量調整ボタン、十字キー110等)とすることにより、初心者の誤操作による設定示唆演出の表示を防止することができる。
第3実施例のぱちんこ遊技機500の上記特徴2および変形例は、スロットマシン1010においても有用である。例えば、スロットマシン1010の演出決定手段1304は、複数の設定示唆演出と複数の優先度とを対応付けて記憶し、第1の優先度に対応する設定示唆演出を実行後、第1の優先度より低い第2の優先度に対応する設定示唆演出の実行を制限してもよい。
<特徴3.V非入賞時は終了デモ設定示唆演出を非実行>
小当り遊技中にV入賞が発生すると、演出決定手段303は、Vストック演出(小当り予告演出)の実行有無および実行タイミングを決定するとともに、特徴1に記載の条件を満たす場合、特別遊技終了デモ(言い換えれば役連作動終了デモ)時の設定示唆演出の実行有無を決定する。特別遊技終了デモ開始時点で、設定示唆演出の実行有無を決定してもよい。なお、大当り図柄の停止に基づく大当りの実行に際しては、V入賞の判定は行わないため、大当り遊技の開始時や大当り終了デモ演出の開始時に設定示唆演出の抽選を行うものとする。
一方、第2実施例と同様に第3実施例でも、小当り遊技中にV入賞がない場合、大当りに発展させず通常遊技に移行する。具体的には、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放終了後の閉鎖時間(3.5秒)+小当り遊技の終了デモ時間(例えば0.1秒)の後、通常状態の通常遊技に移行する。
小当り遊技における大入賞口20の最終開放後の閉鎖時間において、メイン基板200の開閉制御手段275は、大入賞口20の入口(例えば図50のスライド板540)を閉鎖している間に、特定領域の弁部材(例えば図50の特定領域開閉装置552)を開閉し、球詰まりを解消して特定領域の通過可能性を増やす必要がある。そのため、上記閉鎖時間はある程度の長さを確保する必要がある(実施例では3.5秒)。上記閉鎖時間では、大入賞口20が閉鎖されているため、遊技者にはラウンドが終了しているように見える。そのため、小当り終了デモ演出を実行したいが、小当り終了デモ時間も長くすると、大入賞口20の開放中にV入賞しなかった場合の小当り終了デモ中の残留球でのV入賞の判定に基づき大当り遊技への移行に差し替えられるよう終了デモ演出を冗長にしなければならなくなり、演出制御が煩雑化し、また、却って遊技の興趣を損なってしまう可能性がある。このような問題を解消するため、上記閉鎖時間を長くしつつ、小当り遊技の終了デモ時間を短く構成している。
演出決定手段303は、小当り遊技中にV入賞がない場合、小当り遊技の終了デモ演出を実行する。第3実施例では、小当り遊技における大入賞口20の最後の開放終了後の閉鎖時間+小当り遊技の終了デモ時間である3.6秒間、小当り遊技の終了デモ演出を実行する。すなわち、演出決定手段303は、小当り遊技中にV入賞がない場合、特別遊技の終了デモ演出の実行時間(第3実施例では13秒)より短い時間(3.6秒)、小当り遊技の終了デモ演出を実行する。
演出決定手段303は、小当り遊技の終了デモ演出において、それまでにVストック演出が実行済(Vストック画像592を表示済)であっても、設定示唆演出の実行を制限し、実施例では、設定示唆演出の実行を禁止またはキャンセルする。V非入賞時の小当り終了デモ演出用の時間尺は非常に短い(大入賞口20の閉鎖時間を加えても3.6秒)であるため、意味のある設定示唆演出の実行が困難だからである。
<特徴4.保留変化頻度に設定差>
第3実施例の演出決定手段303は、メイン基板200から送信された事前判定情報に応じて、将来の図柄変動において特別遊技への移行(第3実施例では大当りおよび小当り、以下総称する場合、単に「当り」とも呼ぶ。)が発生する期待度を示唆する示唆演出を、上記将来の図柄変動までの複数回の図柄変動に亘って実行可能である。
第3実施例では、演出決定手段303は、上記の示唆演出として、保留変化演出を表示させる。演出決定手段303は、保留変化演出として、事前判定情報による先読みの対象となった特図2保留に対応する保留ランプ画像の色を、デフォルトの色(例えば白)とは異なる色に変化させる。具体的には、デフォルト色から、青、緑、赤、金に1段階以上変化させる。なお、保留変化演出の対象は特図1保留でもよく、特図1保留と特図2保留の両方であってもよい。
すなわち、演出決定手段303は、保留変化演出を開始してから1回以上の図柄変動消化を契機に、保留ランプ画像の色を1回以上変化させうる。例えば、先読み対象となった特図2保留が、変動順位4番目の保留(以下「保留4」とも呼ぶ。)、3番目の保留(以下「保留3」とも呼ぶ。)、2番目の保留(以下「保留2」とも呼ぶ。)、1番目の保留(次回変動対象の保留であり、以下「保留1」とも呼ぶ。)と進むに伴い、当該特図2保留を示す保留ランプ画像の色を1回以上変化させうる。
演出決定手段303は、保留変化演出の複数のシナリオ(パターン)を定めた保留変化抽選テーブルを記憶し、保留変化抽選テーブルを参照して、今回の保留変化演出で実行する特定のシナリオを決定する。保留変化抽選テーブルは、保留ランプ画像の変化の最終段階(保留1)における保留ランプ画像の色が、青、緑、赤、金の順に、当り発生の期待度が高くなるよう設計される。また、保留変化演出のシナリオは、保留ランプ画像の態様(色)が示唆する当りの期待度が、先の図柄変動における態様が示唆する期待度と同等以上になるよう設計される。すなわち、保留変化演出のシナリオは、保留ランプ画像の色が、青、緑、赤、金の順で段階的に、かつ、不可逆に変化するよう設計される。
図58および図59は、保留変化抽選テーブルの例を示す。図58は、先読み対象の特図2保留(図中のトリガ保留)が外れの時のサブ変動パターン(変動演出パターン)の種類に応じた、保留変化抽選テーブル(以下「外れ保留変化抽選テーブル」と呼ぶ。)を示している。図59は、先読み対象の特図2保留が当りの時のサブ変動パターン(変動演出パターン)の種類に応じた、保留変化演出の抽選テーブル(以下「当り保留変化抽選テーブル」と呼ぶ。)を示している。演出決定手段303は、先読み対象の特図2保留に対する事前パターン判定の結果(変動パターン範囲)に応じて、先読み対象の特図2保留のサブ変動パターンを識別してもよい。
図58と図59のいずれのテーブルにおいても、演出用乱数の総数を10000とし、保留変化演出の47個のシナリオに対して置数(選択確率)を割り振っている。外れ保留変化設定テーブルと当り保留変化設定テーブルは設定値毎に設けられ、演出決定手段303は、自機の設定値に対応する外れ保留変化設定テーブルと当り保留変化設定テーブルを参照して保留変化演出のシナリオを決定する。
ぱちんこ遊技機500では、保留変化演出において先読み対象の特図2保留を示す保留ランプ画像が特定の態様となる確率は、設定変更装置170に記憶された(実際にはサブ基板300のRAMにも記憶された)設定値に応じて異なる。特定の態様は、第3実施例では金色であり、以下「金保留」とも呼ぶ。ぱちんこ遊技機500では、金保留の出現頻度であり、言い換えれば、最終的に金保留が出現するシナリオの選択確率を高設定の場合ほど高くする。このことは、ぱちんこ遊技機500が高設定であるほど、金保留が出た場合の当りの期待度(金保留の信頼度とも言える)が低いと言え、言い換えれば、金保留のガセが多いとも言える。
具体的には、設定1では金保留の信頼度は約99%になり、設定が高くなるほど金保留の信頼度が徐々に下がり、設定6では金保留の信頼度は約70%になるように、外れ保留変化抽選テーブルと当り保留変化抽選テーブルが設計される。例えば、設定1用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID36~ID47のシナリオ(図58の斜線領域)に割り当てられる置数と、設定1用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID36~ID47のシナリオ(図59の斜線領域)に割り当てられる置数は、(1)外れ変動となる確率、先読み対象保留となり得る外れ変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID36~ID47に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり外れ変動が実行される場合で金保留となる先読みに当選する確率)と、(2)当り変動となる確率、先読み対象保留となり得る当り変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID36~ID47に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり当り変動が実行される場合で金保留となる先読みに当選する確率)との比率が、1:99になるよう設定される。その一方、設定6用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID36~ID47のシナリオに割り当てられる置数と、設定6用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID36~ID47のシナリオに割り当てられる置数は、前述の(1)、(2)の比率が、3:7になるよう設定される。
なお、保留ランプ画像の青色表示(青保留)、保留ランプ画像の緑色表示(緑保留)、保留ランプ画像の赤色表示(赤保留)の信頼度は、自機の設定値に関わらず一定であってよく、例えば、順に5%、10%、20%であってもよい。青保留、緑保留、赤保留の信頼度も、外れ保留変化抽選テーブルにおける置数範囲と、当り保留変化抽選テーブルにおける置数範囲との比率により実現されてよい。
このように、保留変化演出において、不可逆的に段階的に変化する保留ランプ画像の態様のうち特定の態様が設定示唆につながるよう設計することにより、途中段階の変化態様(例えば青、緑、赤)となっている場合に、「この緑保留当たるかも」という当否に関する期待感の他、「後1回変化したら高設定の可能性があるかも」「金保留になったし、外れても高設定であるが可能性高そうだ」という設定に関する遊技者の期待感を高め、遊技意欲を向上させやすくなる。また、金保留が当りにならない場合でも、遊技者に高設定への期待感を持たせることができ、「高期待保留が外れた」という悪い印象を「高設定の可能性が高まった」という良い印象で減らすことができ、遊技意欲の減退を抑制することができる。
特徴4に関する第1変形例を説明する。上記実施例では、保留入賞から保留1までの間に保留ランプ画像の態様を変化させる保留変化演出を説明した。変形例として、演出決定手段303は、当該変動(実行中の図柄変動)の当否判定結果や図柄判定結果等に応じて、当該変動の当りの期待度を示唆する予告演出(以下「当該示唆演出」とも呼ぶ。)を表示させてもよい。ここで、当該示唆演出は、保留ランプ画像に類似する外観であってもよく、演出制御手段304は、変動開始前まで保留1に表示された保留ランプ画像を当該示唆演出のオブジェクトに移行させるように、保留ランプ画像と当該示唆演出のオブジェクトとを連動させてもよい。
当該示唆演出のオブジェクトは、第3実施例の保留ランプ画像と同様に、複数種類の演出態様(例えばデフォルト色、青、緑、赤、金)のいずれかに制御されてもよく、そのオブジェクトの演出態様に応じて当りの期待度が異なるように設計されてもよい。ここでも当りの期待度は、青<緑<赤<金の順に高くなるとする。そして、当該示唆演出のオブジェクトが特定の演出態様(ここでは金色であり、以下「金オブジェクト」とも呼ぶ。)になる確率は、設定変更装置170に記憶された設定値に応じて異なってもよい。
この変形例においても、演出決定手段303は、自機の設定値毎に外れ保留変化抽選テーブルまたは当り保留変化抽選テーブルを参照して、当該示唆演出のオブジェクトの演出態様を決定してもよい。この変形例における外れ保留変化抽選テーブルおよび当り保留変化抽選テーブルは、図58および図59のテーブルと同様に、当該変動におけるサブ変動パターンの種類に応じて、当該示唆演出のオブジェクトの複数の演出態様に置数が割り振られたものとなる。
この変形例においても、ぱちんこ遊技機500が設定1では金保留の信頼度は約99%になり、設定が高くなるほど金保留の信頼度が徐々に下がり、設定6では金保留の信頼度は約70%になるように、外れ保留変化抽選テーブルと当り保留変化抽選テーブルが設計されてもよい。この変形例においても、上記の特徴4と同様の効果を奏する。
なお、演出決定手段303は、保留入賞時に、保留入賞から保留1までの保留ランプ画像の変化シナリオ、および、当該示唆演出でのオブジェクトの表示態様を一括して決定してもよい。また、保留ランプ画像の変化と、当該示唆演出でのオブジェクトの表示態様とは一続きのシナリオとして、外れ保留変化抽選テーブルおよび当り保留変化抽選テーブルに定められてもよい。すなわち、単一のシナリオが、保留ランプ画像の変化シナリオと、当該示唆演出でのオブジェクトの表示態様の両方を含んでもよい。
特徴4に関する第2変形例を説明する。保留入賞時(保留生起時)~保留1までの過程のうち特定のタイミングにおける金保留表示のみを、設定値により出現率に差を設ける対象としてもよい。ここでは特定のタイミングを保留生起時(図59中の「保留入賞時」に該当する)とし、すなわち、保留ランプ画像が最初に表示された時点での金保留表示(以下「直沸き金保留」とも呼ぶ。)のみに設定値による差を設けることとする。
この変形例でも、設定1では直沸き金保留の信頼度を約99%とし、設定が高くなるほど直沸き金保留の信頼度が徐々に下がり、設定6では金保留の信頼度を約70%とする。この場合、設定1用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID47のシナリオ(図58の斜線領域の最下段)に割り当てられる置数と、設定1用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID47のシナリオ(図59の斜線領域の最下段)に割り当てられる置数は、(3)外れ変動となる確率、先読み対象保留となり得る外れ変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID47に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり外れ変動が実行される場合で金保留となる先読みに当選する確率)と、(4)当り変動となる確率、先読み対象保留となり得る当り変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID47に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり当り変動が実行される場合で金保留となる先読みに当選する確率)との比率が、1:99になるよう設定されればよい。また、設定6用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID47のシナリオに割り当てられる置数と、設定6用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID47のシナリオに割り当てられる置数は、前述の(3)、(4)の比率が、3:7になるよう設定されればよい。
なお、設定示唆の対象を、保留生起時(初回表示タイミング)、保留1、当該変動の組み合わせとしたり、任意の箇所に限定したりしてもよい。また、保留生起時の特定保留(金保留)を対象とする場合、演出決定手段303は、保留生起時に金保留であるときにチャンスを示す音声を出力してもよく、高設定になるほど、チャンスを示す音声のパターンとして特殊パターンを高確率で出力してもよい。なお、保留生起時に設定示唆演出(保留変化演出等)の実行を決定する場合、ぱちんこ遊技機500における遊技の進行(即ち図柄変動開始)に伴う演出抽選の実行以外のタイミングで、設定示唆演出の実行有無や態様を決定すると言える。
特徴4に関する第3変形例を説明する。上記実施例では設定示唆演出の対象を金保留としたが、変形例として、保留ランプ画像を青色にする「青保留」のような当りの信頼度が比較的低い保留ランプ画像の態様を設定示唆演出の対象としてもよい。例えば、設定1では青保留の信頼度を約3%とし、青保留の信頼度が徐々に上がり、設定6では、青保留の信頼度を約6%としてもよい。
この場合、設定1用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID1~4のシナリオ(図58の上段)に割り当てられる置数と、設定1用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID1~4のシナリオ(図59の上段)に割り当てられる置数は、(5)外れ変動となる確率、先読み対象保留となり得る外れ変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID1~ID4に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり外れ変動が実行される場合で青保留となる先読みに当選する確率)と、(6)当り変動となる確率、先読み対象保留となり得る当り変動パターンが選択される確率、先読み抽選でID1~ID4に当選する確率を乗算した確率(すなわち、ある保留が先読み対象保留となり当り変動が実行される場合で青保留となる先読みに当選する確率)との比率が、97:3になるよう設定されればよい。また、設定6用の外れ保留変化抽選テーブルにおいてID1~4のシナリオに割り当てられる置数と、設定6用の当り保留変化抽選テーブルにおいてID1~4のシナリオに割り当てられる置数は、前述の(5)、(6)の比率が、94:6になるよう設定されればよい。
実施例では、金保留が外れて遊技者が落胆する状況が設定示唆につながる一方、第3変形例では、青保留が当りとなって遊技者が意外性を感じる状況が設定示唆につながる。なお、先読み結果が当りの特図2保留に限って、青保留を設定示唆演出の対象としてもよい。高設定であるほど当り変動の青保留(例えば図59のID1~4のシナリオ)への振り分け比率を高くすればよく、実装が容易だからである。
特徴4に関する第4変形例を説明する。保留変化演出には、禁則として、(ア)先に保留変化(ないし保留変化以外の先読み演出を実行)している保留がある場合、新たな保留は変化できない、(イ)先の保留にリーチ変動がある場合変化できない、(ウ)先の保留に当りとなる保留がある場合変化できない、(エ)時短の終了や変動パターンテーブル切替等の遊技状態の変化が、先読み対象となる保留の変動までに行われる場合変化できない、等の少なくとも一部が定められることがある。このような禁則があると、設定示唆の実行頻度が低くなる。
保留変化の禁則に当てはまる状況において設定示唆を行うために、特殊な設定示唆抽選を実行してもよい。例えば、保留生起時に禁則に当てはまる場合、演出決定手段303は、当該保留の保留ランプ画像をデフォルト色で表示させつつ、所定確率でチャンスを示す特殊音声を出力させてもよい。このような禁則時における特殊な設定示唆抽選は、遊技者の目に見えるものが実行されているとき(例えば上記(ア)の状況であって、先読み対象保留の保留ランプ画像がデフォルトでないとき)に限って実行することが望ましい。
なお、演出決定手段303は、保留変化演出以外の先読み演出(後述する同色チャンス目先読み等)では、複数の先読み演出を同時に実行することを禁止する一方、互いに異なる保留に関する複数の保留変化演出を同時に進行させてもよい。この場合、演出決定手段303は、同カテゴリの先読み演出(例えば異なる保留を対象とした他の保留変化演出)の実行中にも、新たな保留変化演出を設定示唆演出として実行させることができる。また、演出決定手段303は、予め定められた所定レベル未満の保留変化演出の複数表示を許可する一方、所定レベル以上の保留変化演出の複数表示を禁止してもよい。例えば、変化の範囲がデフォルト色~緑保留に収まる保留変化演出については複数の同時表示を許可し、変化の範囲が赤保留または金保留に達する保留変化演出については複数の同時表示を禁止してもよい。
特徴4に関する第5変形例を説明する。先読み演出(および先読み演出のための抽選)では、変動パターンの先読み情報(すなわち事前パターン判定の情報)もパラメータとして使用可能である。そのため、特定の変動パターンが実行予定の保留を対象として保留変化演出を実行する場合、特定の変動パターンに移行する際に表示されていた保留ランプ画像(ここでは当該変動を示すオブジェクトであり、「当該変動ランプ画像」とも呼ぶ。))の態様(色等)を設定示唆に用いてもよい。
具体的には、特定の変動パターンとしてのバトルリーチ発展時の当該変動ランプ画像の色の振り分けの比率を以下のように設定してもよい。設定1の場合、デフォルト色:30%、青:30%、緑:20%、赤:10%、金:10%であってもよい。また、設定6の場合、デフォルト色:30%、青:10%、緑:25%、赤:20%、金:15%であってもよい。このように、演出決定手段303は、設定値が高いほど高確率で、当該変動ランプ画像を当りの期待度が高いことを示す色で表示させてもよい。この場合、設定値が高いほど、本来当りの期待度が高いことを示す色(赤、金)が出現した場合の当りの期待度は低下することになる。
デフォルト色は、保留変化非当選(または変動開始時に抽選される当該変動ランプ画像変更予告抽選の非当選)の場合の色である。そこで、デフォルト色での表示に設定値による差を設けないことで、全体として1回でも保留変化する確率を同じにしつつ、高期待色に設定値による差を設けることができる。すなわち、高設定の場合に、保留変化演出が安売り状態とならないよう構成できる。なお、デフォルト色での表示に設定値による差を設けない構成は、実施例に記載した金保留での設定示唆においても適用可能である。
さらにまた、上記の変動パターンの先読み情報に基づく先読み演出に設定差を設ける思想と、金保留による先読み演出(特定の先読み演出)に設定差を設ける思想とを組み合わせて、金保留が表示された状況下で、スーパーリーチ到達前に変動が終了した(外れた)等の状況の出現頻度(確率)を設定示唆として用いてもよい。例えば、スーパーリーチ発展前(ノーマルリーチの当落分岐であり、スーパーリーチ発展の煽りを行う演出中)に図柄変動が停止し、当りとなるときに金保留であれば高設定の示唆とすることも可能である。なお、この場合、金保留または赤保留以上は、このような設定示唆となる例外的状況を除き、原則としてスーパーリーチが確定することが前提となる。
特徴4に関する第6変形例を説明する。特徴4に記載の技術は、複数変動に跨って変動単位で不可逆的に変化する演出であり、言い換えれば、変化するたびに有利遊技への移行期待度が高まっていく演出であれば、保留変化演出とは異なる種類の先読み演出にも適用可能である。例えば、装飾図柄61の色を使用した同色チャンス目演出に適用可能である。同色チャンス目演出は、先読み(言い換えれば当り示唆)の対象となる保留について、保留生起から対応する変動の終了までの複数回の変動に亘って、3つの装飾図柄61の態様(ここでは色)を変化させていく先読み演出である。
同色チャンス目演出における装飾図柄61の態様は、期待度が低い方から順に、青図柄(青色の装飾図柄61)、緑図柄、赤図柄、赤図柄+金エフェクト(設定示唆用)、赤図柄+虹エフェクト(当り確定)であってもよい。そして、実施例の金保留と同様に、設定値が高いほど、赤図柄+金エフェクトの選択確率が高くなるように設計されてもよい。言い換えれば、設定値が高いほど、赤図柄+金エフェクトの当りの期待度が低くなるように設計されてもよい。例えば、設定1における期待度は70%であり、設定6における期待度は50%であってもよい。すなわち、赤図柄+金エフェクトで外れが出るほど高設定が示唆されるよう設計されてもよい。
同色チャンス目演出では、図柄変動における停止直前(例えば装飾図柄61の低速化前)までは、差し替え抽選が可能である。したがって、演出決定手段303は、図柄変動開始後に、当該変動における同色チャンス目演出の有無および態様を抽選により決定してもよい。なお、同色チャンス目演出を所定回数以上連続して表示させるべき演出設計の場合、保留生起時に保留1であった場合、演出決定手段303は、同色チャンス目演出の実行を制限(例えば禁止)してもよい。
別の例として、特徴4に記載の技術は、を適用可能な先読み演出の別の例として、可動役物66の作動演出やゾーン移行演出に適用されてもよい。可動役物66の作動演出は、先読み対象保留の生起後の次変動から、その保留に対応する変動までの間、その保留の事前判定情報に応じた態様で、可動役物66の作動を継続する先読み演出であってもよい。また、ゾーン移行演出は、演出の傾向(モチーフやキャラクタ、背景、ストーリー等)が異なる複数種類の演出ゾーンのうち、第1の演出ゾーンから、それとは異なる演出ゾーンであって、先読み対象保留の事前判定情報に応じた第2の演出ゾーンへ切り替える演出であってもよい。
可動役物66の作動演出やゾーン移行演出の場合も、特徴4の金保留と同様に、高設定であるほど、これらの演出の出現率が高まるが、外れの結果となりやすい(すなわち期待度が低い)ように、図58、図59と同様の抽選テーブルが定められてもよい。または、高設定であるほど、これらの演出が高期待度パターンまで進展しつつも外れの結果となりやすいように、図58、図59と同様の抽選テーブルが定められてもよい。
特徴4に関する第7変形例を説明する。演出決定手段303は、保留の保留ランプ画像を、数字を示す画像で表示させてもよい。かつ、演出決定手段303は、保留ランプ画像の数字として、保留に対応する変動(当該変動)がリーチとなった場合のテンパイ図柄(装飾図柄61の種類)を示唆する数字を設定してもよい。この場合、演出決定手段303は、当該変動時に設定示唆を行う場合、保留ランプ画像の数字とは異なる(または矛盾する)数字の装飾図柄61にてリーチを成立させてもよい。なお、保留ランプ画像の数字と、変動におけるテンパイ図柄の数字のどちらを設定示唆に用いてもよい。
特徴4に関する第8変形例を説明する。保留変化演出における特定態様(例えば金保留)の信頼度の変化(設定値による差)は、そのことが遊技者に認識されていないと、高期待度の保留変化演出が表示されながらも外れてしまうことにより、遊技者の変動結果が当りとなることに対する期待感を損なうだけの結果になる可能性がある。そこで、演出決定手段303は、保留変化演出の対象保留に対応する図柄変動中に、当該変動ランプ画像を変化させてもよい。
例えば、演出決定手段303は、金保留(金色の当該変動ランプ画像)の中からプレミアムキャラクタやレアキャラクタを登場させ、登場させたキャラクタの種類により設定を示唆してもよい。または、演出決定手段303は、当該変動において、設定値を示唆する内容の予告演出や、キャラクタの台詞の変化等、視覚的な変化による設定値告知等の予告演出を表示させてもよい。なお、変動演出や予告演出の当落分岐で外れとなった後に、上記の演出を表示させると、いわゆる復活演出による当りが発生したと遊技者に誤認させる可能性があるため、当落分岐の後は実行しないよう制限することが望ましい。
以上、本発明を第3実施例をもとに説明した。第3実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。なお、第3実施例では、特徴ごとに変形例を説明した。
(第4実施例)
第4実施例のぱちんこ遊技機500は、第1実施例および第2実施例のぱちんこ遊技機500を基本構成とするが、第1実施例および第2実施例のぱちんこ遊技機500の構成に加えて、第3実施例と同様に設定示唆演出を実行する。以下、前提技術、第1実施例~第3実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。また、第4実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術、第1実施例~第3実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
第4実施例のぱちんこ遊技機500は、設定示唆演出に関する以下の特徴を備える。
特徴.矛盾設定示唆報知:
設定示唆演出は、通常、高設定である場合ほど様々な態様で表示されやすく、低設定の場合は、設定値以上の有利度を示唆する内容を設定されている状況では、表示の実行を決定しなかったり表示が制限されたりするため、実行可能な演出数が少なく単調な内容になりやすい。また、設定示唆演出により低設定であることが確定すると、遊技者の遊技意欲を損なってしまう可能性がある。そこで、第4実施例のぱちんこ遊技機500は、遊技状況の法則性にしたがって必ずまたは抽選の結果に応じて出現し得る演出が、上記遊技状況とは異なる(または矛盾する)遊技状況で表示された場合に、設定示唆演出となる、または、設定示唆演出としての信頼度が上がるよう構成される。以下、第4実施例における設定示唆演出を「矛盾設定示唆演出」とも呼ぶ。
具体的には、第4実施例のぱちんこ遊技機500は、有利期間での特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出と、有利期間での特別遊技の実行回数に不整合な内容の設定示唆演出とを選択的に実行可能とする。通常演出と設定示唆演出とは、同種の演出カテゴリー(演出種類)に属する演出であり、異なる状況であれば同一(遊技者の見た目に略同一)の演出パターンが選択され得る。なお、通常演出と設定示唆演出の「同一」とは、抽選テーブルや抽選結果が同一でもよいし、異なる抽選テーブルや抽選結果であっても遊技者に視認される演出が同一(ほとんど同じ見た目となる略同一も含む)であればよい。これにより、遊技機が実際には低設定であっても、高設定時と同等の内容の通常演出が実行され得るため、演出の多様性を実現するとともに、遊技者から見て高設定の可能性が残るため、遊技者の遊技意欲を促進しやすくなる。
第4実施例の上記特徴は、単体の実装が可能である他、前提技術、第1実施例~第3実施例に記載の特徴との任意の組み合わせも可能である。以下、矛盾設定示唆演出に関する構成を詳細に説明する。
第4実施例のぱちんこ遊技機500における演出決定手段303は、遊技者に有利な遊技状態が継続する期間である有利期間において特別遊技が終了する場合に、その有利期間においてそれまで実行された特別遊技の回数(いわば連荘回数)に整合する内容の通常演出を実行可能である。また、演出決定手段303は、有利期間に特別遊技が終了する場合に所定確率にて、通常演出ではなく、その有利期間においてそれまで実行された特別遊技の回数に不整合な内容の演出を設定示唆演出として実行可能である。
第4実施例における有利期間は、図40に記載の連荘状態の期間であり、以下「連荘期間」とも呼ぶ。連荘期間は、時短状態の通常遊技と、特別遊技(小当りVおよび図柄大当りを含む)とを繰り返す期間であり、既述のラッシュ演出の実行期間でもある。演出決定手段303は、連荘期間において特別遊技が終了する場合に、特別遊技終了画面を演出表示装置60に表示させる。特別遊技終了画面は、特別遊技の終了デモ演出で表示されてもよい。
図60は、特別遊技終了画面の例を示す。特別遊技終了画面610は、キャラクタ等を含む背景画像612と、結果画像614と、トロフィー画像616とを含む。結果画像614は、現在の連荘期間における大当り回数(○○回)と、現在の連荘期間に払い出された賞球数(××××PT)とを示す。トロフィー画像616は、設定示唆のためのトロフィーを示す。
演出決定手段303は、予め定められた第1の確率にて、連荘期間における特別遊技の実行回数(言い換えれば連荘回数)に整合する内容のトロフィー画像616を通常演出として表示させる。演出決定手段303は、通常演出として、連荘期間における特別遊技の実行回数に応じて、トロフィー画像616を複数種類の態様のうちいずれかで表示させる。通常演出は、トロフィー画像616の表示を特別遊技の終了画面610に重ねて表示させるか否かの抽選に当選した場合に表示されるものであって、通常演出の実行に当選した場合に表示されるトロフィー画像616は後述するように特別遊技の実行回数に対応付けられるため、トロフィー画像616を設定示唆演出として使用する場合に示唆されることとなる設定値に整合しない態様のトロフィー画像616を表示させることがあり、通常演出の実行に伴うトロフィー画像616の表示は設定示唆の観点からはガセ演出とも言える。
実施例では、通常演出において特別遊技終了画面610に表示されるトロフィー画像616の色と特別遊技の実行回数とが対応付けられる。具体的には、銅色のトロフィー画像616(「銅トロフィー」とも呼ぶ。)は連荘回数2回に対応し、銀色のトロフィー画像616(「銀トロフィー」とも呼ぶ。)は連荘回数3回に対応し、金色のトロフィー画像616(「金トロフィー」とも呼ぶ。)は連荘回数4回に対応する。また、キリン柄のトロフィー画像616(「キリン柄トロフィー」とも呼ぶ。)は連荘回数5回に対応し、虹色(例えば7色)のトロフィー画像616(「虹トロフィー」とも呼ぶ。)は連荘回数6回以上に対応する。
また、演出決定手段303は、予め定められた第2の確率にて、有利期間における特別遊技の実行回数(言い換えれば連荘回数)に不整合な内容のトロフィー画像616を設定示唆演出として表示させる。実施例では、トロフィー画像616の色と、示唆する設定値とが対応付けられる。具体的には、銅トロフィーは設定2以上(設定2~6)に対応し、銀トロフィーは設定3以上(設定3~6)に対応し、金トロフィーは設定4以上(設定4~6)に対応し、キリン柄トロフィーは設定5以上(設定5または6)に対応し、虹トロフィーは設定6に対応する。
演出決定手段303は、トロフィー画像616を用いた通常演出または設定示唆演出の実行を決定するための抽選テーブル(「トロフィー抽選テーブル」とも呼ぶ。)を記憶する(図61ないし図65)。なお図61に示す実施例では、先に述べた通常演出である有利期間における連荘回数に対応する複数種類のトロフィー画像616の表示と、設定示唆演出となるトロフィー画像616の表示とを同一のトロフィー抽選テーブルによる1回の抽選で決定可能に記憶している。演出決定手段303は、有利期間における連荘回数に対応するトロフィー抽選テーブルを参照し、自機の設定値に基づく抽選により、特別遊技終了画面610に表示させるトロフィー画像616の色を決定する。なお、トロフィー画像616の表示に関して、通常演出と設定示唆演出の抽選をそれぞれ別のテーブルを用いて個別に実施してもよく、個別に実施する場合には、設定示唆演出を先に抽選して当選した場合に通常演出の抽選を行わないものとするか、個別の抽選で同時に当選した場合に設定示唆演出のみを優先して表示する態様とし、可能な限り設定示唆演出を実行する態様とすることが好ましい。
図61は、トロフィー抽選テーブルの例を示す。同図の抽選テーブルは、連荘回数2回の場合に演出決定手段303により参照される抽選テーブルである。同図の抽選テーブルは、値数範囲10000で記載し、自機の設定値に応じた各トロフィーの置数(選択確率)を示している。トロフィー画像616の出現確率は、20%(ID1~5の置数合計が2000)に設計されており、すなわち20%の確率で特別遊技終了画面610にトロフィー画像616が表示される。なお、ここでの「出現確率」とは、通常演出としてのトロフィー画像616の表示確率と、設定示唆演出としてのトロフィー画像616の表示確率との合算確率を意味している。
また、連荘回数2回のときに銅トロフィーを表示すること、連荘回数3回のときに銀トロフィーを表示すること等、通常演出として連荘回数に対応するトロフィーを出現させることを、設定示唆ではないと言う意味で以下「ガセ」とも呼ぶ。また、図61の抽選テーブルは、自機の設定値より上位の設定値を示唆するトロフィーは選択しないように設計されている。例えば、設定4において、キリン柄トロフィーと虹トロフィーには置数が割り当てられず、すなわち、これらのトロフィーは選択されない。
図61の抽選テーブルにおいて、設定3の場合の銀トロフィーの領域、設定4の場合の銀トロフィーと金トロフィーの領域、設定5の場合の銀トロフィーと金トロフィーとキリン柄トロフィーの領域、および設定6の場合の銀トロフィー以上の領域は、設定示唆になる領域である。また、設定2の場合を除く銅トロフィーの領域は、ガセ(言い換えれば通常演出)になる領域である。また、設定2の場合の銅トロフィーの領域は、設定示唆かガセかわからない領域(遊技者視点では、連荘回数とトロフィー画像616の対応関係は矛盾する関係に無いため「ガセ」として扱ってもよい)である。
図61の抽選テーブルでは、トロフィー画像616が表示される場合のガセ比率(通常演出の実行確率)は、50%に設計されている。また、トロフィー画像616が表示される場合の設定示唆演出の実行確率(設定示唆演出が表示される信頼度)も、50%に設計されている。例えば、設定4の場合、通常演出(設定示唆演出の「ガセ」)としての銅トロフィーに置数範囲1000が割り当てられている。また、設定示唆演出としての銀トロフィーおよび金トロフィーにも置数範囲1000(合計)が割り当てられている。なお、本第4実施例においては、設定値「1」を示唆する設定示唆演出(トロフィー画像616)を備えていない、すなわち通常演出として設定示唆演出と同様の演出パターンのいずれを実行しても「ガセ」となるため、設定値「1」である場合のガセ比率は50%でなく、例外的に100%である。
実施例の構成によると、連荘期間において特別遊技が終了する場合に、トロフィー画像616を用いる点では共通する演出であるが、連荘回数に整合する内容の通常演出と、連荘回数に不整合な内容の設定示唆演出を選択的に実行可能とする。これにより、仮に遊技機が低設定であっても高設定時と同じ態様のトロフィー画像616が表示されうるため、遊技意欲の促進につなげることができる。例えば、遊技機の設定値が「1」であっても、連荘回数「4」のときには、設定4以上を示唆する金トロフィーが通常演出として表示される可能性があり、遊技者の遊技意欲を維持させやすくなる。
第4実施例に記載の技術は、スロットマシン1010にも有用である。スロットマシン1010における有利期間は、例えば、ARTと特別遊技とを繰り返す期間である。スロットマシン1010の演出決定手段1304は、有利期間に特別遊技(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)が終了する場合に第1の確率にて、有利期間での特別遊技の実行回数(ビッグボーナスの回数だけでもよい)に整合する内容の通常演出を実行させ、第2確率にて、有利期間での特別遊技の実行回数に不整合な内容の設定示唆演出を実行させてもよい。
また第4実施例における「有利期間」は、連荘期間であり、時短状態の通常遊技と、特別遊技(小当りVおよび図柄大当りを含む)とを繰り返す期間として説明したが、当業者において「連荘期間」と認識される状況であればよく、遊技機仕様として小当りVを有しない機種等では、確率変動期間の作動中と特別遊技を繰り返す期間等を「有利期間」として設計することも可能である。また、主制御装置における遊技状態が「有利期間」を終了した場合であっても、予め定められた期間内(例えば、「連荘期間」終了後、特別図柄が30変動するまでの間など)に「有利期間」に復帰した場合においては、「有利期間」が継続したものとみなして演出制御手段(サブCPU)側において処理を行う(先の連荘期間の終了時の特別遊技回数等の設定示唆演出決定用の情報を引き継ぐ)ものであってもよい。
以上、本発明を第4実施例をもとに説明した。第4実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を挙げる。
第1変形例を説明する。上記実施例では、自機の設定値より高い設定値を示唆するトロフィー画像616の表示を制限したが、変形例として、自機の設定値より高い設定値を示唆するトロフィー画像616を表示可能な構成としてもよい。図62は、図61のトロフィー抽選テーブルに関連する、変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す。図62のトロフィー抽選テーブルは、図61のトロフィー抽選テーブルにおける「ガセ領域」または「設定示唆かガセかわからない領域」の置数の一部を、図61のトロフィー抽選テーブルにおける「0」の領域(非選択領域)に割り振ったものである。これにより、例えば、演出決定手段303は、自機の設定値が「3」の場合に、自機の設定値より高い設定値を示唆する金トロフィーおよびキリン柄トロフィーを表示し得る。
なお、図61のトロフィー抽選テーブルでは、虹トロフィーが設定示唆として出現すると設定6が確定であるが、図62のトロフィー抽選テーブルでは、設定4、設定5であってガセとして虹トロフィーが出現しうる。したがって、本変形例における虹トロフィーは、設定6が濃厚であることを示唆するものとなる。設定1から設定3について虹トロフィーが出現しないように設定しているのは、虹トロフィーが表示された場合に遊技者が抱く出玉への期待感と、実際の出玉(有利度合い)との乖離が大きくなってしまうことを防ぐ目的がある。また、虹トロフィーについては、設定4、設定5についても出現しないように設定し、特別な設定値確定演出として構成するようにしてもよい。
また、図62のトロフィー抽選テーブルでは、低設定(例えば設定1~3)の場合、虹トロフィーには置数を割り振っておらず、すなわち、ガセとしても虹トロフィーを表示させない。これにより、実際の設定値と大きく乖離したトロフィー画像616を表示し、遊技者の期待感を過度に高めてしまうことを防止できる。また、自機が設定1の場合、設定1を示唆するトロフィーはないため、トロフィーが出現すれば全てガセとなる。また、自機が設定6の場合、どのトロフィーでも真になるためガセは無いとも言える。
第1変形例においては、演出決定手段303は、自機の設定値とは異なる設定値を示唆するトロフィー画像616を表示させる可能性がある。また、実施例においても、設定示唆とはならない通常演出を表示させる可能性がある。ここで、演出決定手段303が、自機の設定値を正しく示唆する設定示唆演出を実行する確率は、有利期間における特別遊技の実行回数に応じて異なり得るよう構成されてもよい。
具体的な構成として、演出決定手段303により参照されるトロフィー抽選テーブルは、有利期間での特別遊技の実行回数が多くなるほどガセ比率が低下するよう構成されてもよい。また、トロフィー抽選テーブルは、有利期間での特別遊技の実行回数が所定値以上になった時にその実行回数が所定値未満である場合よりガセ比率が低下するように構成されてもよい。
例えば、図61および図62で示したように連荘回数2回の場合のガセ比率が50%である場合、連荘回数5回時に参照されるトロフィー抽選テーブルは、ガセ比率が50%より小さくなるよう(例えば25%等)設定されてもよい。また例えば、連荘回数5回時に参照されるトロフィー抽選テーブルは、図61および図62で示したガセになる領域に割り振られる値数の範囲が縮小され、設定示唆になる領域に割り振られる置数の範囲が拡大されたものであってもよい。
この態様によると、有利期間を継続させて大当り(小当りVおよび図柄大当り)を多く獲得したことへの特典として、設定値を正しく示唆する設定示唆演出を遊技者に提供でき、遊技の興趣を一層高めることができる。
第2変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、ぱちんこ遊技機500は、有利期間での特別遊技が終了する場合に、有利期間での特別遊技の実行回数に応じて、通常演出(ガセ演出)と設定示唆演出のいずれか一方としてトロフィー画像616を表示させる確率を高くしてもよい。例えば、演出決定手段303は、有利期間での特別遊技の実行回数が高くなるほど高い確率で、または、有利期間での特別遊技の実行回数が所定値以上になった場合にその実行回数が所定値未満である場合より高確率で、特別遊技終了画面610にトロフィー画像616を表示させてもよい。
図63は、変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す。同図のトロフィー抽選テーブルは、図61のトロフィー抽選テーブルに関連し、連荘回数が増加したとき(ここでは連荘回数5回時)に演出決定手段303により参照される。図63のトロフィー抽選テーブルでは、設定2の場合の銅トロフィーの領域、設定3の場合の銅トロフィーと銀トロフィーの領域、設定4の場合の銅トロフィー~金トロフィーの領域、設定5の場合の銅トロフィー~金トロフィーの領域、設定6の場合の銅トロフィー~金トロフィーの領域および虹トロフィーの領域が、設定示唆になる領域である。また、設定5の場合を除くキリン柄トロフィーの領域は、ガセ(言い換えれば通常演出)になる領域である。また、設定5の場合のキリン柄トロフィーの領域は、設定示唆かガセかわからない領域である。
図63のトロフィー抽選テーブルでは、図61のトロフィー抽選テーブル(連荘回数2回時)に対して、トロフィー画像616の出現率が上昇している。トロフィー画像616の出現率は、ガセの可能性はあるが、設定示唆になりうるトロフィー画像616が表示される確率である。例えば、図61の抽選テーブルにおけるトロフィー画像616の出現率は20%だが、図63の抽選テーブルにおけるトロフィー画像616の出現率は30%である。具体的には、図63の抽選テーブルでは、図61の抽選テーブルと比べて、トロフィーなし(ID0)の置数範囲が7000に縮小し、何らかのトロフィーを選択する置数範囲が3000に拡大している。
第2変形例の構成によると、有利期間を継続させて大当り(小当りVおよび図柄大当り)を多く獲得したことへの特典として、高頻度でトロフィー画像616による演出(通常演出または設定示唆演出)を遊技者に提供でき、遊技の興趣を一層高めることができる。
第3変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、ぱちんこ遊技機500は、有利期間での特別遊技が終了する場合であって、かつ、通常演出と設定示唆演出のいずれかを実行する場合において、有利期間での特別遊技の実行回数に応じて、設定示唆演出を選択的に実行する確率を高くするよう構成(言い換えると、通常演出、すなわち「ガセ」演出が実行される比率を低下させるよう構成)されてもよい。例えば、演出決定手段303は、有利期間での特別遊技の実行回数が多くなるほど高い確率で、または、有利期間での特別遊技の実行回数が所定値以上になった場合にその実行回数が所定値未満である場合より高確率で、設定示唆演出としての態様でトロフィー画像616を表示させてもよい。図63の5連荘時の例では、何らかのトロフィー画像616が表示されることとなる通常演出と設定示唆演出の比率がおよそ通常演出:設定示唆演出=1(33%):2(67%)に構成されている例を示し、図61の2連荘時の例に示した比率、通常演出:設定示唆演出=1:1よりも設定示唆演出の割合が大きくなっている。
本変形例でも図63のトロフィー抽選テーブルを参照する。図63のトロフィー抽選テーブルでは、図61(連荘回数2回時)の抽選テーブルに対して、トロフィー画像616の出現率が上昇しており、かつ、設定示唆演出の出現率が上昇している。図61のトロフィー抽選テーブルにおけるトロフィー画像616の出現率は20%だが、図63のトロフィー抽選テーブルにおけるトロフィー画像616の出現率は30%である。
また、図61のトロフィー抽選テーブルでは、トロフィー画像616が表示される場合のガセ比率(通常演出の実行確率)は50%であるが、図63のトロフィー抽選テーブルでは、トロフィー画像616が表示される場合のガセ比率は33%である。言い換えれば、図63のトロフィー抽選テーブルでは、トロフィー画像616が表示される場合にそれが設定示唆に該当する確率は67%である。例えば、設定4の場合、通常演出としてのキリン柄トロフィーに置数範囲1000が割り当てられ、設定示唆演出としての銅トロフィー~金トロフィーには置数範囲2000(合計)が割り当てられている。
第3変形例の構成によると、有利期間を継続させ、大当り(小当りVおよび図柄大当り)を多く獲得したことへの特典として、高頻度でトロフィー画像616による設定示唆演出を遊技者に提供でき、遊技の興趣を一層高めることができる。
また、第4実施例では、有利期間を「連荘期間」としているため、特別遊技を獲得できずに有利期間が終了することもあるため、「連荘期間」における特別遊技の獲得回数が増えるにつれて有利期間における特別遊技の試行回数が反比例して減少する。そのため、試行回数として少なくなりうる状況下における抽選では、第2変形例、第3変形例のようにトロフィー画像616を出やすくすることや、トロフィー画像616を設定示唆として出現させる比率を上昇させる(信頼度を上昇させる)ことで、より達成困難な条件を達成したことに対して遊技者に報いるように構成することができる手法であるといえる。
第4変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、ぱちんこ遊技機500は、有利期間での特別遊技が終了する場合に、有利期間での特別遊技の実行回数に応じて、設定示唆演出で示唆される設定値の幅が絞られるよう構成されてもよい。例えば、演出決定手段303は、有利期間での特別遊技の実行回数が高くなるほど、示唆する設定の幅が相対的に狭い態様でトロフィー画像616を表示させることを高確率で決定してもよい。または、演出決定手段303は、有利期間での特別遊技の実行回数が所定回数以上に達した場合に、示唆する設定の幅が相対的に狭い態様でトロフィー画像616を表示させることを、それまでより高頻度で決定してもよい。
図64は、変形例のトロフィー抽選テーブルの例を示す。同図のトロフィー抽選テーブルは、図61のトロフィー抽選テーブルに関連し、連荘回数が増加したとき(ここでは連荘回数4回時)に演出決定手段303により参照される。同図の抽選テーブルでは、トロフィー出現率が27%、ガセ比率(通常演出の出現率)が35%となるよう置数が設定されている。
第4変形例における連荘回数ごとのトロフィー抽選テーブルでは、示唆対象となる設定値(または設定値範囲)が通常演出未満の設定値(または設定値範囲)であるトロフィー態様に対して、置数範囲(選択確率)が0に設定される。既述したが、通常演出は、連荘回数に応じた色のトロフィー画像616が表示されるガセ演出である。例えば、図64の抽選テーブルでは、連荘回数4に対応する金トロフィー(設定4以上示唆)未満の示唆内容となる銅トロフィー(設定2以上示唆)と銀トロフィー(設定3以上示唆)の領域に対し、置数範囲が0に設定されている。
別の態様として、連荘回数ごとのトロフィー抽選テーブルでは、示唆対象となる設定値範囲が、同タイミングにおける通常演出となる演出パターンの演出が設定示唆演出として実行された場合に示唆する設定値範囲より広いトロフィー態様に対して、置数範囲が0に設定されてもよい。図64のトロフィー抽選テーブルでは、連荘回数4に対応する通常演出の金トロフィー(設定示唆演出の場合、設定4以上示唆)より広い設定値範囲を示唆する設定示唆演出である銅トロフィー(設定2以上示唆)と銀トロフィー(設定3以上示唆)に対し、置数範囲が0に設定されている。この結果、図61のトロフィー抽選テーブルで示すように連荘回数2回時には示唆対象となる最大の設定範囲が5(すなわち設定2~6)であったところ、連荘回数4回時には示唆対象となる最大の設定範囲が3(すなわち設定4~6)に絞り込まれる。
第4変形例の構成によると、有利期間での特別遊技の実行回数に応じて設定示唆演出の示唆範囲を狭くすることにより、有利期間において多くの特別遊技を獲得したことへの特典として、正確度がより高い設定示唆演出を提供することができる。
さらに別の態様として、示唆する設定値範囲の大小以外にも、第3実施例に示した設定示唆演出の優先度の大小の概念を採用し、同タイミングで通常演出として実行されうる設定示唆演出の内容の演出パターンの優先度より低い優先度となる設定示唆演出パターンに対する抽選テーブル中の置数範囲を0とする構成でもよい。この態様によると、遊技者への示唆内容を、より優先度が高く、より有益と考えられる内容に絞り込んでいくことができる。なお、第4変形例では、示唆対象となる範囲を狭くする(通常演出が設定示唆となる場合の設定値以下の設定値を示唆する設定示唆演出を実行しない)ものとしたが、完全に実施しないもの(置数範囲を0)とすることに限られず、これらの実行頻度を限りなく低くする(例えば置数範囲を10以下にする)ことによって出現しにくくする仕様を採用してもよい。
第5変形例を説明する。上記実施例では、有利期間として特別遊技が終了する場合に、トロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行した。変形例として、演出決定手段303は、有利期間として特定遊技状態(ぱちんこ遊技機の確変遊技状態や時短遊技状態)が終了する場合に、有利期間の終了演出の中でトロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行してもよい。有利期間の終了タイミングは、遊技状態として時短(確変)遊技状態が終了するタイミングや時短終了後の特図2保留が0となる変動であってもよく、時短終了後の特図2の4変動目であってもよい。また、確変付きの遊技機の場合、確変移行を伴わない通常大当りの特別遊技が終了することでもよい。
第5変形例において、演出決定手段303は、図60で示したように、有利期間の終了時に表示させる演出の画面に、当該有利期間においてそれまで獲得した大当り回数(小当りV+図柄大当り)と賞球数を示す結果画像614を表示させるとともに、通常演出または設定示唆演出としてのトロフィー画像616を表示させてもよい。第5変形例は、通常演出または設定示唆演出としてのトロフィー画像616を表示させるタイミングが第4実施例と異なるものであり、第4実施例に関する他の変形例と組み合わせることももちろん可能である。
第6変形例を説明する。上記実施例では、有利期間に特別遊技が終了する場合に、有利期間における特別遊技の実行回数に応じたトロフィー抽選テーブルにて抽選を行い、トロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行した。変形例として、演出決定手段303は、有利期間(特定遊技状態)の残り遊技数が所定の区間内(言い換えれば値範囲内)であるとき、特別遊技が獲得されたことを条件として実行される演出として、いずれの区間で特別遊技を獲得したかに応じて、トロフィー抽選テーブルの使用の有無や種類を変更し、トロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行してもよい。特別遊技が獲得されたことを条件として実行される演出は、特別遊技移行前の演出、特別遊技開始デモ、特別遊技終了デモまたは特別遊技終了後の演出であってもよい。
別の態様として、演出決定手段303は、有利期間において実行された図柄変動の累計数(言い換えれば累計ゲーム数)が所定の区間内であるとき、特別遊技が獲得されたことを条件として実行される演出として、トロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行してもよい。さらに別の態様として、演出決定手段303は、前回の特別遊技終了後に実行された図柄変動の累計数(言い換えれば経過ゲーム数)が所定の区間内であるとき、特別遊技が獲得されたことを条件として実行される演出として、トロフィー画像616を用いた通常演出と設定示唆演出を選択的に実行してもよい。第6変形例のように、有利期間における残り遊技数が少ない状況、有利期間における累計遊技数が多い状況において特別遊技が獲得された場合という条件は、当該状況にて特別遊技を獲得して設定示唆演出の実行抽選を行う試行回数が、当該状況に至るまでの状況に比して減少するため、特別遊技を獲得すること、すなわち設定示唆演出の実行抽選を行うことの困難性が高い状況を条件とするものであるといえる。このように設定示唆演出の抽選を受ける条件の達成に係る困難性が高い場合に、設定示唆演出の抽選を受けられる、またはより高信頼度の設定示唆演出が実行されるものとすることによって、有利期間である特定遊技状態における遊技の興趣性を高めることができる。
第7変形例を説明する。上記の第4実施例または変形例で一部既述したが、演出決定手段303は、有利期間における連荘回数、言い換えれば、1回のまたは1連の有利期間における特別遊技獲得回数が所定値以上の場合にのみ設定示唆演出を実行してもよい。例えば、演出決定手段303は、実施例と同様に、連荘回数に不整合のトロフィー画像616を表示させることにより設定示唆演出を実行してもよい。また、演出決定手段303は、設定示唆演出としてのトロフィー画像616の表示に関して、連荘回数に基づく表示、特定区間での特別遊技の実行などの状況以外に、1回のまたは1連の有利期間中に獲得された遊技価値(例えば賞球やメダル)の累計数が所定量以上の場合や、予め区分けされた所定量の範囲に属する場合に設定示唆演出を実行するものとしてもよい。例えば、演出決定手段303は、予め定められた第1の確率で、遊技価値の累計数に整合するトロフィー画像616を通常演出として表示させ、予め定められた第2の確率で、通常演出に代えて、遊技価値の累計数に不整合のトロフィー画像616を設定示唆演出として表示させてもよい。
第7変形例において、演出決定手段303は、達成困難な条件が達成されるほど、以下の(1)から(3)の単体または組み合わせを実行してもよい。(1)演出決定手段303は、設定示唆演出の信頼度を高めてもよく、言い換えれば、真贋比率でガセ演出(虚偽の内容を示唆する演出または実施例の通常演出)の比率を減少させてもよい。また、(2)演出決定手段303は、設定示唆演出にて示唆する設定値範囲を絞ってもよく、言い換えれば、示唆する設定値範囲が狭い態様の設定示唆演出を高確率で表示させてもよい。また、(3)演出決定手段303は、設定示唆演出の実行有無を決定する抽選の当選率を高めてもよい。言い換えれば、演出決定手段303により参照される抽選テーブル(ここでは図61~図64で示したようなトロフィー抽選テーブルとする)は、達成困難な条件が達成されるほど、設定示唆演出を高確率で実行するよう設定されてもよい。
この変形例において、連荘回数3回(または連荘回数3回~5回)のトロフィー抽選テーブルは、通常演出と設定示唆演出の合計の実行確率(言い換えればトロフィー画像616の表示確率)が10%に設定される一方、連荘回数6回以上のトロフィー抽選テーブルは、通常演出と設定示唆演出の合計の実行確率が20%に設定されてもよい。また、連荘回数3回(または連荘回数3回~5回)のトロフィー抽選テーブルは、通常演出と設定示唆演出の振り分け率が50%:50%に設定される一方、連荘回数6回以上のトロフィー抽選テーブルは、通常演出と設定示唆演出の振り分け率が35%:65%に設定されてもよい。
また、連荘回数3回(または連荘回数3回~5回)のトロフィー抽選テーブルは、設定2以上(すなわち設定2~6の5種類)を示唆する画像Aが、相対的に高確率で選択されるように設定されてもよい。例えば、連荘回数6回以上のトロフィー抽選テーブルにおける画像Aの選択確率より高確率で選択されるように設定されてもよい。その一方、連荘回数6回以上のトロフィー抽選テーブルは、設定5以上(すなわち設定5または6の2種類)を示唆する画像Bが相対的に高確率で選択されるように設定されてもよい。例えば、連荘回数3回のトロフィー抽選テーブルにおける画像Bの選択確率より高確率で選択されるように設定されてもよい。
なお、演出決定手段303は、達成困難な条件として、有利期間の残りが少ないほど、または有利期間の残りが所定値以下の場合に、上記の(1)から(3)の単体または組み合わせを実行してもよい。この態様は、特に、回数切り確変搭載機(いわゆるST機)に好適である。また、演出決定手段303は、達成困難な条件として、有利期間の継続時間が長いほど、または有利期間の継続時間が所定値以上の場合に、上記の(1)から(3)の単体または組み合わせを実行してもよい。この態様は、特に、次回まで確変機または転落スペックの遊技機に好適である。
第7変形例で示した構成の例外として、大当りが単発終了した場合、すなわち初回の特別遊技の後の特定遊技状態において特別遊技を再度獲得することである連荘が発生することなく有利期間が終了した場合、演出決定手段303は、当該有利期間終了時に低確率(例えば当該有利期間において所定回数以上の大当りが発生した場合より低確率であり、例えば1%程度の確率)で当選する設定示唆演出用抽選テーブル(トロフィー抽選テーブル)を使用して設定示唆演出を表示させてもよい。この場合の、設定示唆演出の実行確率は低確率とする一方で信頼度は95%等の高確率であってよい。例えば、トロフィー抽選テーブルは、通常演出と設定示唆演出の選択確率が5%:95%に設定されてもよい。このように、単発終了等、遊技者にとって残念な結果になった場合に高信頼度の設定示唆演出を実行しうる構成とすることで、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。また、有利区間の遊技数を設定示唆演出の実行条件とする場合は、例えば、残りゲーム数がぞろ目の場合に、設定示唆演出の信頼度や実行確率が向上する例外を設けてもよい。
第8変形例を説明する。演出決定手段303は、計時手段307から出力された時間情報などに応じて、設定示唆演出の実行確率を変化させてもよい。以下、第3実施例における保留変化抽選テーブル、第4実施例におけるトロフィー抽選テーブル等、設定示唆演出のための抽選テーブルを総称して「設定示唆抽選テーブル」と呼ぶ。例えば、特定の時間帯において参照される設定示唆抽選テーブルは、それ以外の時間帯に参照される設定示唆抽選テーブルよりも、設定示唆演出の実行確率が高く設定されてもよい。特定の時間帯は、午前中、夕方(例えば午後5時~7時)、電源投入後の所定回数の変動終了まで、電源投入後の所定の演出(例えば設定示唆パターンを含む演出)のN回目(Nは例えば2~3)の実行まで、のいずれか、または組み合わせであってもよい。
また、特定の時間帯において参照される設定示唆抽選テーブルは、それ以外の時間帯に参照される設定示唆抽選テーブルよりも、通常演出(ガセ演出)と設定示唆演出の合計の実行確率が高く設定されてもよい。例えば、通常演出または設定示唆演出としてトロフィー画像616を表示させる場合に、特定の時間帯におけるトロフィー画像616の出現確率を高めてもよい。また、特定の時間帯において参照される設定示唆抽選テーブルは、それ以外の時間帯に参照される設定示唆抽選テーブルより、設定示唆の信頼度が高く設定されてもよく、言い換えれば、通常演出(ガセ演出)の実行確率が低く設定されてもよい。
第9変形例を説明する。ぱちんこ遊技機500は、第2始動口12への入球に伴う小当り確率が第1始動口11への入球に伴う小当り確率より高く設定され、時短時に第2始動口12への入球に伴う小当りを数多く獲得することにより出玉を増やす遊技性を持ついわゆる「小当りラッシュ」機であってもよい。小当りラッシュ機における演出決定手段303は、有利期間(例えば確変中や時短中)における小当りの連続回数が所定回数に達したとき、または、有利期間における出玉が一定量に到達したときに、通常遊技中の特殊な予告演出(カットイン演出等)として矛盾設定示唆演出を表示させてもよい。有利期間中に遊技価値(出玉)が増える結果、特別遊技の終了時のみでは設定示唆演出の表示機会が失われてしまうことを防止できる。
例えば、有利期間において獲得した遊技価値の累計が6000~6999の範囲の属し、設定示唆演出を実行するための条件が成立した場合に特別遊技終了演出として設定示唆演出を表示させる遊技機(第7変形例)を考える。この遊技機では、有利期間における通常遊技中に小当りによる賞球を得ることによって6000~6999の遊技価値を獲得した場合に、当該箇所で特別遊技を獲得して特別遊技が終了した場合に実行可能であった設定示唆演出や設定示唆演出の抽選を実行させることができないという問題が生じうる。本変形例の構成によると、通常遊技中であっても特殊な予告演出(カットイン演出等)により設定示唆演出を表示できるため、上記問題を解決できる。なお、スロットマシン1010の場合、ARTと特別遊技とを繰り返す期間を有利期間とし、その有利期間内に獲得されたメダルが一定量に到達したときに、上記の特殊な予告演出として矛盾設定示唆演出を表示させてもよい。
設定示唆演出の例示として、獲得した遊技価値の数が1000×N(Nは整数)の遊技価値を有利期間において特別遊技の実行中以外のタイミングで累計で獲得したという条件を満たした場合に、「○○○○(1000×Nの数値) GET!」の表示にN人のキャラクタ画像付属する画像を表示する内容が通常演出として表示され、設定示唆演出を実行する場合には「○○○○ GET!」の表示にM人のキャラクタ画像が付属する画像を表示する内容が設定示唆(例えば設定値M以上示唆)として表示される、といったものがあげられる。また、設定示唆演出として、画像(見た目)の矛盾のみでなく、同時に実行される音声やランプが通常とは異なる矛盾態様で組み合わせて実行される態様を設定示唆演出として実行してもよく、例えば、キャラクタ人数の矛盾でなく、N人のキャラクタ画像が表示されている際に再生される音声データが特殊な音声データであった場合に、設定値を示唆(設定値N以上を示唆)するような方法を採用してもよい。なお、このようなランプ、音声データが画像データの組み合わせと矛盾する態様を設定示唆とする例については、第4実施例、その他変形例についても適用可能である。
第10変形例を説明する。演出決定手段303は、第4実施例で説明した矛盾設定示唆演出以外にも、遊技状態と矛盾する状況、または、遊技状態と不整合という状況が発生しないで表示し得る設定示唆演出(ここでは「整合設定示唆演出」と呼ぶ。)を実行してもよい。整合設定示唆演出は、矛盾設定示唆演出と比して出現率が高く、かつ、信頼度が低い(ガセが多い)ように設計されてもよい。また、整合設定示唆演出の一例として、設定値の偶奇を示唆する演出例を有する。当該演出は設定値の偶奇(設定値が2、4、6であるか、または1、3、5であるか)に応じて、整合設定示唆演出のうち偶数設定を示唆する偶数示唆演出と奇数設定を示唆する奇数示唆演出との出現比率を変化させるように構成する。また、設定6の場合のみ、整合設定示唆演出のうち、ガセとのなる演出の出現率と、真となる演出の出現率の比率を1:1とし、設定1~5では、整合設定示唆演出のうち、ガセとのなる演出の出現率と、真となる演出の出現率の比率を1:4としてもよい。
第11変形例を説明する。図65は、変形例の特別遊技終了画面の例を示す。演出決定手段303は、特別遊技終了画面610に、背景画像としてのキャラクタ画像604、有利期間中に獲得された大当り総数(1回の有利期間での連荘回数であり、ここでは3回)、有利期間中に獲得された賞球総数(ここでは3310pt)、称号618(ここではレベル2)を表示させる。
演出決定手段303は、特別遊技終了画面610における通常演出として、連荘回数または出玉量に整合する人数のキャラクタ画像604を表示させる。本変形例では、通常演出として、連荘回数と同じ人数のキャラクタ画像604を表示させる。別の態様として、出玉量1000~1999ptの場合に1人のキャラクタ画像604、出玉量2000~2999ptの場合に2人のキャラクタ画像604、出玉量3000~3999ptの場合に3人のキャラクタ画像604を表示させてもよい。
また、演出決定手段303は、特別遊技終了画面610における通常演出として、連荘回数または出玉量に整合する内容の称号618を表示させる。本変形例では、通常演出として、連荘回数と同じレベル(LV)を示す称号618を表示させる。別の態様として、出玉量1000~1999ptの場合にレベル1を示す称号618、出玉量2000~2999ptの場合にレベル2を示す称号618、出玉量3000~3999ptの場合にレベル3を示す称号618を表示させてもよい。
演出決定手段303は、図61等で示した設定示唆抽選テーブルで定められた第1の確率にて、特別遊技終了画面610における設定示唆演出として、連荘回数または出玉量に不整合の人数のキャラクタ画像604を表示させる。本変形例では、設定示唆演出として、連荘回数と異なる人数のキャラクタ画像604を表示させる。例えば、図65では、連荘回数が3回であるにも関わらず、2人のキャラクタ画像604を表示させることにより設定2以上であることを示唆している。
演出決定手段303は、図61等で示した設定示唆抽選テーブルで定められた第2の確率にて、特別遊技終了画面610における設定示唆演出として、連荘回数または出玉量に不整合の内容の称号618を表示させる。本変形例では、設定示唆演出として、連荘回数と異なるレベルを示す称号618を表示させる。例えば、図65では、連荘回数が3回であるにも関わらず、レベル2を示す称号618を表示させることにより設定2以上であることを示唆している。なお、一般的にレベルは格下げにならないことが望ましい。そのため、演出決定手段303は、以前の通常演出および設定示唆演出で表示した称号618のレベルを記憶し、新たな設定示唆演出として表示させるレベルが以前に表示したレベル未満である場合、新たな設定示唆演出の実行を禁止してもよい。
なお、スロットマシン1010の場合、特別遊技終了画面610での表示内容は、キャラクタ画像604、有利期間(例えばART期間)におけるビッグボーナス数、レギュラーボーナス数、メダル獲得累計数であってもよい。また、スロットマシン1010の演出決定手段1304は、ARTのゲーム数の上乗せ演出(上乗せ数の累計値を報知する演出)を実行してもよく、その際に、キャラクタ画像604と称号618の少なくとも一方を使用した通常演出または設定示唆演出を実行してもよい。
第12変形例を説明する。上記第4実施例では言及していないが、演出決定手段303は、特別遊技終了直後の所定回数の特図変動(例えば4回の特図2変動)の間に、特別遊技の終了デモに類似する内容の演出(ここでは「疑似デモ演出」と呼ぶ。)を表示させてもよい。演出決定手段303は、疑似デモ演出の中で、実施例および変形例の少なくとも1つに記載の設定示唆演出(例えばトロフィー画像616の表示)を実行してもよい。なお、特別遊技終了直後の1変動目が大当りまたは小当りの場合、遊技者が設定示唆演出の内容を十分に確認できない可能性がある。そこで、特別遊技終了後のセレブレーション画像表示中に、カットイン演出等の特殊予告により設定示唆演出を実行してもよい。
第13変形例を説明する。連荘期間中に電源切断が発生した場合、サブ基板300のRAMに記憶された連荘回数情報や獲得遊技価値に関する情報が消去(サブリセット)されるため、電源復帰時に設定示唆演出の抽選を実行できなくなる可能性がある。例えば、連荘回数に応じた設定示唆抽選テーブルが設けられる場合、連荘回数情報が消去されると本来参照すべきであったテーブルを判断できないため、設定示唆演出の抽選を実行できないといった不都合が生じ得る。前述したような連荘回数が5回以上の場合等、状況的に高設定示唆を期待できる状況や高信頼度の設定示唆演出の実行抽選を受けられる状況での電源切断ほど遊技者の不利益になる可能性がある。
そこで、電源復帰時の遊技状態が、大当り中または電チューサポート遊技中(時短中)等の有利期間に該当する場合、演出決定手段303は、有利期間終了までや、次回の設定示唆演出の実行抽選タイミングなど予め定められた期間において、設定示唆演出の実行確率(当選確率)が通常の設定示唆抽選テーブルより高い特殊な設定示唆抽選テーブル(例えば電源復帰時にのみ参照するテーブル)を参照して抽選を実行してもよい。または、演出決定手段303は、電源復帰時の遊技状態が有利期間である場合、通常の設定示唆抽選テーブルにおいて設定示唆演出を実行することとなる領域の置数を計算により増加させた上で(例えば2倍に増加させ)、設定示唆演出の有無を決定する抽選を実行してもよい。
第14変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、原則として有利期間外の通常状態の通常遊技でのみ実行され得る特定の演出(ここでは「特定演出」と呼ぶ。)を、例外的に有利期間中に表示させることにより設定示唆を行ってもよい。例えば、通常状態の通常遊技中に表示されうる複数種類の変動演出(例えばリーチ演出であり、ここでは「通常変動演出」と呼ぶ。)を、複数種類の設定値と予め対応付けてもよい。演出決定手段303は、所定の変動時間の特別図柄の変動パターンがメイン基板で決定された状況において、時短中の変動開始時、1%程度の低確率にて設定示唆抽選に当選した場合に、自機の設定値に対応する通常変動演出を表示させてもよい。この場合、時短中における図柄変動において、通常状態の変動と同じ演出(例えば同じリーチ)に発展した場合に設定示唆となる。
上記の「同じ演出」は、モチーフ、ストーリーまたは登場するキャラクタ等が共通することを意味し、演出の流れ等は異なってもよい。例えば、リーチ発展後の所定タイミングまでは異なる内容だが、リーチ発展後の所定タイミング以降は同じ内容であってもよい。このように部分的に改変を加えた演出とすることで、時短中と通常遊技中とで選択される異なる変動時間に演出尺を対応付けするようにしている。また、演出決定手段303は、時短中における設定示唆として通常変動演出を表示させつつ、実施例のトロフィー画像616のような設定示唆用のオブジェクトをさらに表示させてもよい。
第14変形例に関連し、演出決定手段303は、通常状態の通常遊技時に大当りまたは小当りの可能性が高いことを報知する場合、その大当りまたは小当りを報知する第1態様の外観のリーチ演出(ここではストーリーリーチ演出)を高確率で表示させてもよい。その一方、演出決定手段303は、電チューサポート中(時短中)に大当りまたは小当りの可能性が高いことを報知する場合、その大当りまたは小当りを報知する第2態様の外観のリーチ演出(ここではバトル演出)を高確率で表示させてもよい。
この場合、演出決定手段303は、電チューサポート中に大当りまたは小当りを報知するとき、設定示唆演出として、上記第1態様の外観のリーチ演出(ストーリーリーチ演出)を低確率で表示させてもよい。また、演出決定手段303は、自機の設定値に応じて、電チューサポート中に表示させるストーリーリーチ演出の態様を変化させてもよい。例えば、演出決定手段303は、偶数の設定値(2、4、6)を示唆する場合、ストーリーAを示すストーリーリーチ演出を選択し、奇数の設定値(1、3、5)を示唆する場合、ストーリーBを示すストーリーリーチ演出を選択してもよい。また、演出決定手段303は、高設定(例えば設定4以上)を示唆する場合、ストーリーCを示すストーリーリーチ演出を選択し、設定6を示唆する場合、ストーリーDを示すストーリーリーチ演出を選択してもよい。
なお、通常状態の通常遊技におけるストーリーリーチ演出は、種類によって時間尺が異なるが、電チューサポート中には、前回の特別遊技の終了から起算してあらかじめ定められた期間に特殊変動パターンテーブルによって、各変動の演出時間が固定される場合がある。そのため、通常状態中に表示されるストーリーリーチ演出と、電チューサポート中に表示されるストーリーリーチ演出とは、同じ内容を示すものであっても、時間尺の調整により一部の内容が異なる場合がある。上記の特殊変動パターンテーブルは、以下のように選択確率が定められてもよい。
[外れ時]短縮変動パターン75%、通常予告外れパターンA16%、通常予告外れパターンB4%、設定示唆ありリーチ発展外れパターン(例えば外れとなるストーリーリーチ)5%。
[当り時]当りパターンA30%、当りパターンB20%、当りパターンC20%、設定示唆ありリーチ発展当りパターン30%(例えば当りとなるストーリーリーチ)。
第15変形例(遊技性説明演出矛盾)を説明する。この変形例では、セリフ予告により説明される遊技内容に矛盾や誤りがあることが設定示唆となり、言い換えれば、セリフ予告により説明される遊技とは異なる遊技が実行されることが設定示唆となる。例えば、或る変動で、キャラクタAによるセリフ予告『セリフNO24 保留が緑まで変化するとスーパーリーチへの発展を期待できるぜ!』が表示され、その後に保留変化演出で緑保留まで変化したにも関わらず、緑保留に係る変動がスーパーリーチに発展しなかった場合、「セリフNO24」の下一桁の値である「4」が設定値4以上を示唆するものとなってもよい。
この場合、演出決定手段303は、設定値が4以上に設定されている場合に限り、スーパーリーチに発展しない保留に関する事前判定情報を受け付けたとき、所定の確率で、保留ランプ画像を緑保留まで変化させる保留変化演出のシナリオを決定するとともに、上記セリフ予告の実行を決定してもよい。また、演出決定手段303は、自機の設定値に整合するように、「セリフNO」の下一桁の値を設定してもよい。
別の例として、或る変動で、キャラクタBによるセリフ予告『セリフNO32 変動開始から3回目の擬似変動まで3回同じ予告が出現するとXリーチ発展の可能性が高いらしいわ』が表示され、その後の変動において3回目の擬似変動まで3回同じ予告が出現したにも関わらず、Xリーチに発展しなかった場合、「セリフNO32」の下一桁の値である「2」が設定値2以上を示唆するものとなってもよい。
さらに別の例として、或る変動で、キャラクタAによるセリフ予告『セリフNO3 チャンスだぜ』と、ボタン画像が表示され、当該変動でボタンが押下されたにも関わらず、新たな画像等が表示されることなく外れとなった場合、または、ボタン押下操作に伴い残念な内容を示す画像が表示された場合、「セリフNO3」の下一桁の値である「3」が設定値3以上を示唆するものとなってもよい。
この場合、演出決定手段303は、スーパーリーチに発展しない変動が開始される際に、所定の確率で、上記セリフ予告の実行とボタン画像の表示を決定してもよい。演出決定手段303は、自機の設定値に整合するように「セリフNO」の下一桁の値を設定してもよい。なお、ボタン操作が押下された場合の成功パターンは、擬似連続変動や、スーパーリーチへの発展等である。
第15変形例では、キャラクタXによるセリフ予告『セリフNO99 キャラクタA、キャラクタBが嘘をつくことには何か意味があるようだが・・・』等のように、ガセとなるセリフ予告が設定示唆につながっていることを暗に仄めかす内容の演出が設けられることが望ましい。また、設定示唆演出時にガセとなるセリフ予告のセリフの内容は、断言ではなく、「期待できる」、「可能性が高い」等のように曖昧な表現にすることが望ましい。なお、上記の例では、セリフNOの下一桁を設定示唆情報としたが、十の桁の値と一の桁の値との差を設定示唆の情報としてもよい。いずれの場合も、セリフ予告の画像にあわせて、何らかの形で設定値が示唆されることが望ましい。
(第5実施例)
第5実施例のぱちんこ遊技機500は、第3実施例に記載の弾球遊技機を基本とする。第5実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造、背面側における基本的な構造、メイン基板200の機能構成、サブ基板300の機能構成は、第3実施例と同様である(図49、図2、図3、図4、図11)。なお、第5実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術、第1実施例、第2実施例、第4実施例に記載の弾球遊技機を基本としてもよい。以下、第3実施例に記載の弾球遊技機との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。また、第5実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術、第1実施例~第4実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
第5実施例のぱちんこ遊技機500の概要を説明する。第5実施例のぱちんこ遊技機500は、小当り発展大当りを搭載し、また、小当り確率も1/10と高確率であるため、小当り発展大当りが実施され得る状況下において、保留制御手段240内にさらなる小当り保留が存在することにより短時間のうちに連続的に小当り発展大当りが発生し得る(保留制御手段240に存在する後続の小当り保留を「Vストック」とも呼ぶ。)。第5実施例のぱちんこ遊技機500は、主な特徴として、演出に関する4つの特徴を備える。これらの特徴は、単体の実装が可能である他、任意の組み合わせが可能であり、また、前提技術、第1実施例~第4実施例に記載された特徴との任意の組み合わせも可能である。
4つの特徴の概要を説明する。
特徴1.右打ち報知:
高確率(例えば1/10以上の確率)で小当りが当選する可能性がある小当り発展大当り搭載機では、その性質上、少ない変動回数にて当落(言い換えれば大当りまたは小当りの有無)が報知されるスペックとなるため、1変動における当落報知演出に趣向を凝らすことが重要になる。そこで近年、高確率で小当りが当選し得る複数回の特別図柄変動について、演出表示装置60において、装飾図柄61の変動表示を演出上1回の装飾図柄の変動演出であるかのように見せる「まとめ変動」と呼ばれる手法が採用されている。「まとめ変動」を行うことにより、例えば1/10の確率で小当りの当選する当否判定の5回分(1回の変動と保留4個分の変動であり、保留4個については先読み判定により当否を識別する)を「まとめ変動」として実行し得るよう構成する場合、1回の変動表示にて、約40%の確率で小当り発展大当りが獲得可能な演出が実行可能となる。この場合、複数回の変動を1変動にまとめた擬似的な変動であることを遊技者に悟らせないようにすることが望ましいが、保留表示があることによって、擬似的な変動であることが露呈するおそれがある。
そこで、第5実施例のぱちんこ遊技機500では、入球容易状態において「まとめ変動」が実行されるタイミングにおいて、右打ち報知と簡易的な保留表示とを兼用しつつ、保留が上限に達すると、右打ち報知の表示態様を変化させ、以後の保留表示を行わない(あるいは、保留表示と認識し難い表示に切り替えたり、表示サイズを小さくして表示するなど視認性を低下させる)ようにする。これにより、入球容易状態を含む所定期間において、遊技者に保留の存在を意識させないようにでき、遊技者に実際の変動の区切りに捕らわれず演出内容に一喜一憂させることができる。
なお、(1)演出表示装置60上では保留個数を認識可能な態様で表示しない一方で、演出表示装置60以外の手段により一目には保留個数を認識できないレベルの態様で保留個数を表示させてもよい。例えば、遊技盤80の隅に演出表示装置60よりも小さい表示装置を設け、その表示装置にて特図1および特図2の保留個数を表示させてもよい。または、(2)演出表示装置60とは別のLED(ランプ等)の消灯、点灯、点滅の組合せにより特図1および特図2の保留個数を示してもよい。これにより、保留個数を確認したい遊技者に対しては、保留個数を報知することができる。
特徴2.保留内小当り表示:
先読み演出として保留内の小当りを告知後(特徴1に記載した「まとめ変動」の保留内に小当りがあることを変動演出として告知した後)、実際に小当りが発生するまでには外れ変動を挟むことがあり、特別図柄表示部等や簡易図柄によって外れ変動を見た遊技者に、小当りがないものと誤認させてしまう可能性がある。そこで、第5実施例のぱちんこ遊技機500は、先読み演出として保留内に小当りが存在することを報知後、小当りが発生する保留(以下「小当り保留」とも呼ぶ。)より先に変動表示がなされる保留(以下「外れ保留」とも呼ぶ。)を消化する間、小当りが発生することを示唆する内容のオブジェクトを継続して表示させる。これにより、遊技者の誤認を防止することができる。
特徴3.説明予告:
近年、ドラマやアニメ等の作品とタイアップした遊技機が普及しているが、作品の背景や登場人物を遊技者が知らない場合、演出の意図が遊技者に伝わらず、演出の効果が十分に発揮されないことがある。そこで、第5実施例のぱちんこ遊技機500は、主となる演出の内容を説明する予告演出(以下「説明予告」とも呼ぶ。)を表示させる。説明予告は、演出のモチーフ、作品の世界観、背景、テーマ、ストーリー、登場人物、目的のうち1つまたは複数を説明する内容を含んでもよい。
なお、主となる演出が、既存の作品でないオリジナル作品に基づく場合も、作品のモチーフ、世界観、登場人物等を説明する説明予告を表示させてもよい。また、主となる演出が、ビンゴやルーレット等、ストーリー性がないテーマに基づく場合も、そのテーマに関する規則や目的、トリビア等の情報を提示する説明予告を表示させてもよい。
ただし、説明予告は、大当りや小当りの期待度(言い換えれば大当り発生有無)には関係しない演出である。そのため、説明予告が頻発すると、遊技者が煩わしく感じるおそれがある。そこで、第5実施例のぱちんこ遊技機500は、基本的に1人の遊技者に対して1回だけ説明予告を提示することを想定して、説明予告の実行に係る抽選に制限を設ける。これにより、演出のモチーフや世界観、登場人物等を遊技者に理解させることができ、一方で、遊技者に煩わしさを感じさせることを回避できる。
特徴4.特定の期間における特定の変動で特定の演出表示:
第5実施例のぱちんこ遊技機500では、入球容易状態ではない通常状態において、特図1の変動が主たる遊技となるが、図40に示す普通図柄当りに伴うチャンス演出における特図2の最終変動等では、予め定められた演出パターンによる演出を表示させる。これにより、設計者の意図するタイミングで、設計者の意図する演出を遊技者に提示する。
以下、上記4つの特徴を順次詳細に説明する。
まず、特徴1の右打ち報知と、特徴2の保留内小当り表示を説明する。
演出決定手段303は、入球容易状態を含む所定期間、1回以上の図柄変動に亘って連続する内容の特殊演出を表示させる。実施例では、演出決定手段303は、通常状態における時短1回当選時(図40の4R+時短1回の初当り時)に、時短1回および保留(特図2保留)4回の合計5変動を1変動であるように見せる「まとめ変動演出」としてチャンス演出(ここでは「かくれんぼチャンス」と呼ぶ。)を演出表示装置60に表示させる。
なお、入球容易状態である時短1回の遊技は、第2特別図柄52を対象とする変動表示1回の遊技を意味しており、小当りの当選確率が低く設定される第1特別図柄51が変動表示される場合には、予め定めた回数(例えば5回)などの変動表示がされるまで入球容易状態を終了させない。
そして、本実施例の「かくれんぼチャンス」演出は、大当り終了後の時短1回の変動表示として、第2特別図柄の変動表示が開始されたタイミングにて演出表示が開始され、以下に示すような演出表示が実行される。
図66(a)~(c)は、第5実施例でのチャンス演出(当り、外れ共通)の例を示す。図66(a)~(c)の演出画面700は、時短1回の図柄変動時に表示される。図66(a)の演出画面700は、かくれんぼチャンス画像702、第1指示オブジェクト704、第2指示オブジェクト706、ミニ装図708を含む。かくれんぼチャンス画像702は、キャラクタの動作を含む。ミニ装図708は、装飾図柄61の役割を果たすものであるが、通常の装飾図柄61より視認性が低く表示される。具体的には、ミニ装図708は、通常の装飾図柄61より小さいサイズで、また演出画面700の隅に表示される。ミニ装図708は、透過度が高く設定されてよく、半透明で表示されてもよい。
既述したように、実施例のぱちんこ遊技機500は、第2特別図柄の小当り確率が高確率(1/10)に設定されており、また、入球容易状態も第2特別図柄の1回目の変動表示が停止表示された場合に終了することとなるため、時短中(入球容易状態)においては、第2始動口12へ入球させて特図2保留を貯めることが重要になる。そこで、実施例では、第1指示オブジェクト704および第2指示オブジェクト706として、右打ち、すなわち第2始動口12を狙った遊技球の発射を遊技者に促す内容の画像を二つ表示するものである。第2指示オブジェクト706のサイズは、第1指示オブジェクト704のサイズより大きく設定される。
第2指示オブジェクト706は、4つのエリアに分割されている。特図2保留が上限個数(第5実施例では4個)に達するまで、演出決定手段303は、特図2保留が生起する都度、第2指示オブジェクト706の左のエリアから色を順次変化させていく。例えば、図66(a)の第2指示オブジェクト706は、特図2保留が2個であることを示している。また、2つの遊技球が連続して発射される時間間隔が0.6秒~0.8秒である場合、第2指示オブジェクト706の1つのエリアの色の変化が開始してから完了するまでの時間も0.6秒~0.8秒に設定されてもよい。
図66(b)は、特図2保留が上限個数(第5実施例では4個)に達した場合に表示される演出画面700を示している。演出決定手段303は、特図2保留が上限個数に達しても、第1指示オブジェクト704の内容(例えば形状や文章等)を変化させない。入球容易状態では、遊技者にとって右打ちが有利だからである。一方、演出決定手段303は、特図2保留が上限個数に達すると、第2指示オブジェクト706の内容を、保留個数を示唆する内容(実施例では特図2保留が上限に未達であるため右打ちを示唆する内容)から、保留個数を示唆しない内容に切り替える。
図66(b)では、上記の切替として、第2指示オブジェクト706の形状を右向き矢印から四角に切り替えるとともに、指示文章も単に「準備完了」という内容に切り替えている。これにより、遊技者に、かくれんぼチャンスの演出表示の裏でなされる図柄変動を意識させずに、かくれんぼチャンスの表示内容に注視させやすくなる。
図66(c)は、当落分岐時の演出画面700を示している。同図のかくれんぼチャンス画像702は、演出ボタン109(十字キー110でもよい)の押下を促す内容である。演出決定手段303は、変動開始から所定時間が経過して当落分岐のタイミングに達すると、第2指示オブジェクト706を消去する一方、第1指示オブジェクト704の表示は継続する。
既述したように、メイン基板200の事前判定手段235は、第2始動口12への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された第2抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果に関する事前判定情報をサブ基板300へ通知する。言い換えれば、事前判定手段235は、第2始動口12への入球を契機として取得された第2抽選値に基づく当否判定が当り(大当りと小当りを含む)となるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報をサブ基板300へ通知する。演出決定手段303は、メイン基板200から通知された、当該変動に係る当否判定結果、および、特図2保留に係る事前判定情報に基づいて、時短1回の当該変動と特図2保留(最大4個)の中に大当りまたは小当りがある場合、そのことを検出し、当落分岐後の演出を振り分ける。
図67(a)~(c)は、第5実施例でのチャンス演出(外れ)の例を示す。図67(a)は、図66(c)(すなわち当落分岐画面)に続く演出画面700であり、外れを示す演出画面700を示している。すなわち、時短1回の図柄変動と特図2保留のいずれにも小当りも大当りも存在しない場合に表示される演出画面700を示している。演出決定手段303は、時短1回の変動停止時、図67(b)に示すように、かくれんぼチャンスの終了を報知するかくれんぼチャンス画像702と、外れ停止態様のミニ装図708を含む演出画面700を表示させる。
以降、特図2の最終保留の直前の保留まで、メイン基板200の第2変動パターン決定手段232は、外れ用の超短縮変動パターン(0.5秒)を選択する。演出決定手段303は、特図2の最終保留の直前の保留が消化されるまで、図67(b)のかくれんぼチャンス画像702を維持する。それとともに、演出決定手段303は、ミニ装図708の超短縮変動と外れ態様での停止とを繰り返す。
特図2の最終保留の変動停止時、図67(c)に示すように、演出決定手段303は、演出画面700において、ミニ装図708より大きいサイズの装飾図柄61を外れ態様で停止させる。このように、時短1回の変動から特図2保留の最終変動まで、(1)ミニ装図708を視認性が相対的に低い態様で表示させ、(2)最終変動において視認性が相対的に高い装飾図柄61を表示させ、(3)第2指示オブジェクト706の内容を変化させることで、時短1回の変動から特図2保留の最終変動までをあたかも1変動であるように遊技者に感じさせやすくなる。
図68(a)~(c)は、第5実施例でのチャンス演出(当り)の例を示す。図68(a)は、図66(c)(すなわち当落分岐画面)に続く演出画面700であり、当りを示す演出画面700を示している。すなわち、時短1回の変動と特図2保留のいずれかに小当りまたは大当りが存在する場合に表示される演出画面700を示している。ここでは、特図2保留の中に小当りまたは大当りが存在することとする。演出決定手段303は、時短1回の変動停止時、図68(b)に示すように、かくれんぼチャンスの成功(例えば、見つけるべき特定のキャラクタが見つかったこと)を報知する態様のかくれんぼチャンス画像702と、外れ停止態様のミニ装図708を含む演出画面700を表示させる。
以降、当りとなる特図2保留の直前の保留まで、メイン基板200の第2変動パターン決定手段232は、外れ用の超短縮変動パターン(0.5秒)を選択する。演出決定手段303は、当りとなる特図2保留の直前の保留が消化されるまで、図68(b)のかくれんぼチャンス画像702を維持する。それとともに、演出決定手段303は、ミニ装図708の超短縮変動と外れ態様での停止とを繰り返す。当りとなる特図2保留の変動停止時、図68(c)に示すように、演出決定手段303は、演出画面700において、装飾図柄61を当り態様で停止させる。
図68(a)および図68(b)で示したように、演出決定手段303は、事前判定情報(ここでは特図2保留の事前判定情報)が小当りまたは大当りとなる抽選値が保留されていることを示す場合、小当りまたは大当りとなる抽選値に基づく図柄変動が開始される前に、有利な状態への移行を示唆する演出を表示させる。図では、ピースサインを出すウサギを含むかくれんぼチャンス画像702を表示させる。
演出決定手段303は、小当りまたは大当りとなる抽選値より先に保留された抽選値に基づく図柄(ここでは特図2)の変動表示がなされる間、有利な状態への移行を示唆する所定のオブジェクト(当り示唆画像710)の表示を継続させる。図68(b)では、演出決定手段303は、ピースサインを出すウサギを含むかくれんぼチャンス画像702を表示するとともに、当り示唆画像710を表示させ、大当りまたは小当りとなる特図2保留より先に保留された特図2保留の変動表示の間、当り示唆画像710の表示を維持する。また、演出決定手段303は、当り示唆画像710、すなわち「ラッシュ獲得」の文字列を、小当りまたは大当りとなる保留より先に保留された残存保留の消化中、同一態様で表示させる。
なお、第5実施例では、当り示唆画像710をミニ装図708の近傍位置に表示させる。これにより、ミニ装図708が外れ態様で停止しても、将来、大当りまたは小当りが発生することを遊技者に示唆することができる。また、当り示唆画像710の表示中もミニ装図708の変動表示は継続するが、演出決定手段303は、小当りまたは大当りとなる変動が近づくほど、ミニ装図708における3つの数字の組合せを当りを示す態様に近づけてもよい。例えば、特図2保留の複数回の超短縮変動に亘って、ミニ装図708の停止態様を、テンパイ無し外れ、テンパイ有り外れ、当りの順に変化させてもよい。
図69(a)~(c)は、第5実施例でのチャンス演出(復活当り)の例を示す。当落分岐後の当否結果の表示(図67(a)、図68(a))は、時短1回の変動中になされるが、第2始動口12の開放(実施例では複数回の短時間開放)が容易となる入球容易状態は、時短1回の変動が終了し第2特別図柄52が停止表示するまで継続する。時短1回の第2特別図柄52の停止表示時間(図柄固定時間)は、第2始動口12が第2特別図柄52の停止表示手前のタイミングで開放状態となった場合であっても、停止表示時間中に閉鎖状態となるよう定められる。したがって、かくれんぼチャンスの変動演出が開始された後の予め定められたタイミング(小当りや大当り獲得の可能性が高まっていることを示唆する最初のチャンスアップ演出が出現する前や、当落分岐後の当否結果の表示など)より後に、大当りまたは小当りの特図2保留が生起した場合、かくれんぼチャンス演出の内容を差し替えることが難しいことから、演出決定手段303は、復活当りの演出を表示させる。なお、演出決定手段303は、当落分岐前に時短1回の図柄変動と特図2保留のいずれかに大当りまたは小当りが存在する場合にも、所定確率にて、復活当りの演出を表示させてもよい。
図69(a)に示す当落分岐後の当否結果の表示と、図69(b)に示す当り保留前までの変動表示は、外れ時(図67(a)、図67(b))と同様である。復活当りの場合、図69(c)に示すように、演出決定手段303は、当りとなる特図2保留の変動停止時に装飾図柄61を当り態様で停止させる。この場合、当落分岐後の当否結果の表示と、当り保留前までの変動表示は外れ時と同様であり、さらに、当り保留変動時のかくれんぼチャンス画像702の表示態様も外れ時と同様でありながら、大当りまたは小当りが発生するため、遊技者に意外感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、変形例として、復活当りの場合、当落分岐後の当否結果の表示が外れを示唆するものであれば、外れ時と異なる演出内容であってもよい。
特徴1および特徴2に関する変形例を説明する。
第1変形例を説明する。上記実施例では、時短1回の図柄変動中に特図2保留が上限に達すると、第2指示オブジェクト706を保留個数を示唆しない内容に切り替え、具体的には、「準備完了」の文字列を表示することとした。変形例として、演出決定手段303は、時短1回の図柄変動中に特図2保留が上限に達すると、第2指示オブジェクト706を遊技を説明する内容に切り替えてもよい。遊技説明は、かくれんぼチャンスが成功条件であり、例えば、特定のキャラクタが見つかれば当りとなることを遊技者に示す内容であってもよい。
第2変形例を説明する。第1変形例に関連するが、演出決定手段303は、時短1回の図柄変動中、特図2保留が上限個数に達しないまま所定時間が経過した場合(例えば図66(c)で示す当落分岐のタイミングに至った場合)、第2指示オブジェクト706を遊技を説明する内容に切り替えてもよい。
第3変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、演出決定手段303は、時短1回の図柄変動中、特図2保留が上限個数に達しない間、特図2保留の個数を示す画像(「保留画像」と呼ぶ。)を演出画面700に表示させてもよい。特図2保留が上限個数に達すると、演出決定手段303は、保留画像を消去するとともに、第2指示オブジェクト706の態様を「準備完了」に切り替えてもよく、第2指示オブジェクト706の態様を遊技説明に切り替えてもよい。
第4変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、時短1回の図柄変動中に特図2保留が上限個数に達した場合の、第2指示オブジェクト706がとりうる態様は複数種類定められてもよい。ただし、いずれの種類も、保留個数を示唆しない態様である。例えば文字列「準備完了」、文字列「充填済」、遊技説明1、遊技説明2等の種類を含んでもよく、種類毎にサイズや色彩が異なってもよい。そして、ぱちんこ遊技機500の設定値ごとに、これら複数種類の態様の選択確率が定められてもよい。演出決定手段303は、ぱちんこ遊技機500の設定値に応じた選択確率にて、特図2保留が上限個数に達した場合の態様として、複数種類の中からいずれかを選択してもよい。これにより、第2指示オブジェクト706の変化態様を設定示唆に活用することができる。
第5変形例を説明する。第4変形例に記載したように、時短1回の図柄変動中に特図2保留が上限個数に達した場合の、第2指示オブジェクト706の態様は複数種類定められてもよい。演出決定手段303は、特図2保留が上限個数に達した場合、特図2保留内の小当りの有無または個数に応じて、第2指示オブジェクト706の態様として、上記複数種類の態様の中からいずれかを決定してもよい。なお、第2指示オブジェクト706の態様を変化させるタイミングは、小当りとなる保留の入球時(事前判定情報により小当りを先読みした時点)でもよく、得2保留が上限に達したときでもよい。
例えば、特図2保留内に小当りがある期待度が相対的に低いことを示す場合、「準備完了」を白色で示す態様を決定してもよい。また、特図2保留内に小当りがある期待度が相対的に高いことを示す場合、「準備完了」を青色で示す態様を決定してもよい。また、特図2保留内に1つ以上の小当りがあることを確定的に示す場合、「準備完了」を赤色で示す態様決定してもよい。また、特図2保留内に2つ以上の小当りがあることを確定的に示す場合、「準備完了」を金色で示す態様決定してもよい。
第6変形例を説明する。演出決定手段303は、時短1回の図柄変動中に特図2保留が上限個数に達したときに、特図2保留内の小当り有無を告知してもよい。例えば、演出決定手段303は、通常、第2指示オブジェクト706を「準備完了」を示す画像に変化させるところ、特図保留内に小当りがあれば、プレミア的な演出として、第2指示オブジェクト706を虹色で「RUSH」を示す画像に変化させてもよい。これから実行される当落分岐演出の開始前に小当り有無が告知されるため、遊技者の不意を突いた演出を実現でき、言い換えれば、遊技者にとって意外性のある演出を実現できる。
第7変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、当り示唆画像710の態様は複数種類定められてもよい。例えば、種類毎にサイズや色彩、文章が異なってもよい。そして、ぱちんこ遊技機500の設定値ごとに、これら複数種類の当り示唆画像710の選択確率が定められてもよい。演出決定手段303は、ぱちんこ遊技機500の設定値に応じた選択確率にて、複数種類の当り示唆画像710の中からいずれかを選択してもよい。これにより、当り示唆画像710の態様を設定示唆に活用することができる。
第8変形例を説明する。上記実施例で言及はしていないが、かくれんぼチャンス演出は、時短1回(入球容易状態が第2特別図柄52の変動表示1回が終了するまで継続)となる大当りの大当り遊技中(大当りの終盤ラウンドである最終ラウンドや最後の2ラウンド、あるいは大当り終了デモ演出期間)から演出の一部(「〇〇すれば大当り!」等の説明演出)を実行するものであってもよい。
また、入球容易状態(時短1回)中の第1特別図柄の大当り変動は、入球容易状態中の第2特別図柄の最初の変動で小当りないし大当りに当選した場合と同じ演出が実行されるようになっており、入球容易状態中の第1特別図柄のはずれ変動(1秒程度の短めの変動)は、かくれんぼチャンスの説明演出画面の表示を継続しながら、ミニ装図708の変動表示のみで表示を行う。
第9変形例を説明する。小当りVを搭載した遊技機において出玉を増加させるためには、時短中に始動口へ入球させ、小当りを獲得する必要がある。一方で、時短の期間(時短での変動回数)は比較的短期間に設定されることが多い。本変形例は、時短中に始動口への十分な入球を確保するための好適な演出を実現することを主な目的とする。
図66に関連して既述したように、演出決定手段303(演出表示制御手段305)は、入球容易状態の図柄変動において第2指示オブジェクト706を表示させる。ここでは第2指示オブジェクト706の表示態様に関する変形例を説明する。以下では、第2指示オブジェクト706に対応する演出要素(画像とも言える)を「保留状態示唆オブジェクト」と呼ぶ。保留状態示唆オブジェクトは、第2指示オブジェクト706と同様に、特図2保留(言い換えれば第2始動口12への入球に伴い保留された第2抽選値)の個数を示唆するものである。図66(a)に示したように、保留状態示唆オブジェクト(第2指示オブジェクト706)は、右向きの矢印形状であり、遊技者に右打ちを促す役割も担う。
本変形例の保留状態示唆オブジェクトは、図66(a)の第2指示オブジェクト706と同様に、保留個数に応じた複数のエリア(ここでは4つのエリア)を含む。例えば、保留状態示唆オブジェクトにおける第1エリアは1個目の特図2保留に対応し、第2エリアは2個目の特図2保留に対応し、第3エリアは3個目の特図2保留に対応し、第4エリアは4個目の特図2保留に対応してもよい。演出決定手段303は、第2始動口12への入球に応じて保留状態示唆オブジェクトの表示態様を変化させる。演出決定手段303は、第2始動口12への入球数の増加に伴って、第1エリアから第4エリアの色を、保留なしを示す色(例えば白)から保留ありを示す色(例えば青)に順次変化させる。また、本変形例では、特図2保留として4個を上限値としているが、4個に限定される必要はなく、3個以下を上限値としてもよい。その場合、保留状態示唆オブジェクトは保留の上限値に対応した数のエリアを設けるようにするのが好適であるが、例えば、特図2保留の上限値が2のとき、保留状態示唆オブジェクトのエリアを4つ設けるようにし、保留の上限値を超える第2始動口への入球に対応してエリアの色を変化させるようにしてもよい。
本変形例の演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの初期表示態様として、特図2保留の実際の個数に関わらず所定態様(言い換えれば同じ態様)で保留状態示唆オブジェクトを表示させる。例えば、入球容易状態の開始時点で特図2保留個数が既に1~4個(すなわち1個以上)であっても、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの初期表示態様として、第1エリアから第4エリアの全てを、保留なしを示す色で表示させてもよい。言い換えれば、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの初期表示態様として、特図2保留の実際の個数に関わらず、特図2保留の個数が0個であることを示唆する態様で保留状態示唆オブジェクトを表示させてもよい。また、演出決定手段303は、特図2保留の実際の個数に関わらず、入球容易状態中での第2始動口12への入球に応じて、初期表示態様を起点として第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの順に色を変化させていってもよい。
ここで、入球容易状態開始時点において特図保留が2個貯まっていた場合の表示例を説明する。演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの初期表示態様として、特図2保留の個数が0個であることを示唆する態様で保留状態示唆オブジェクトを表示させる。入球容易状態中に第2始動口12へ1球目が入球すると(実際の特図2保留は3個)、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの第1エリアを保留ありの色に変化させる。続いて、第2始動口12へ2球目が入球すると(実際の特図2保留は4個)、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの第2エリアを保留ありの色に変化させる。続いて、第2始動口12へ3球目が入球すると(実際の特図2保留は4個で変わらない)、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの第3エリアを保留ありの色に変化させる。続いて、第2始動口12へ4球目が入球すると(実際の特図2保留は4個で変わらない)、演出決定手段303は、保留状態示唆オブジェクトの第4エリアを保留ありの色に変化させる。
また、演出決定手段303は、上記の所定態様(初期表示態様)にて保留状態示唆オブジェクトが表示された状態から第2始動口12に対して所定個数分(例えば4個)の入球があると、上記の所定態様とは異なる特定態様で保留状態示唆オブジェクトを表示させる。例えば、図66(b)に示したように、演出決定手段303は、入球容易状態移行後の第2始動口12に対する入球数が特図2保留の上限値(4個)に達すると、保留状態示唆オブジェクトが示す内容を、特図2保留が上限に達したことを示唆する特定態様(例えば「準備完了」)に変化させてもよい。
保留状態示唆オブジェクトは、保留個数の示唆だけでなく、矢印形状により右打ちを促進する役割も兼用する。そのため、特図2保留が存在することを示す状態で保留状態示唆オブジェクトを表示させると、遊技者にとって、第2始動口12へあとどれだけ入球させればよいか分かりづらくなる。そこで、保留状態示唆オブジェクトの初期表示態様として、実際の特図2保留個数に関わらず所定態様で保留状態示唆オブジェクトを表示させることで、第2始動口12へ新たに4個入球させるよう遊技者を促し、特図2保留が不足すること(4個未満になること)で遊技者に不利益が生じることを防止しやすくなる。また、特図2保留が上限に達した状態においても更なる遊技球の発射を促すことで、総アウト数の増加が図れ、ぱちんこ遊技機500のベースを下げることができる。
次に、特徴3の説明予告を説明する。
第5実施例における説明予告は、演出に登場するキャラクタ(すなわち登場人物)を紹介する内容の予告演出である。図70は、説明演出に係る演出画面の例を示す。説明演出に係る演出画面720は、キャラクタ画像722と、そのキャラクタを紹介する内容の紹介文章724を含む。第5実施例における説明予告は、6人のキャラクタと、それらのキャラクタにより構成されるグループを紹介する7種類の予告(以下「個別予告」とも呼ぶ。)を含む。7種類の個別予告は、キャラクタ画像722と紹介文章724が互いに異なる。サブ基板300は、7種類の個別予告のデータを予め記憶する。
演出決定手段303は、所定の開始条件が満たされた場合、メモリ内の所定の説明実行フラグをオンにし、特殊演出である説明予告を表示可能な状態に移行する。第5実施例における上記開始条件は、(1)電源切断後、電源復旧したことと、(2)遊技待機デモ(特図1または特図2の変動が所定時間なされない場合のデモ画像)を表示したことのいずれかにより満たされる。
演出決定手段303は、上記開始条件が満たされた後(すなわち説明実行フラグがオンの場合)、特定の変動パターンに基づく複数回の図柄変動に亘って7種類の個別予告を、予め定められた順番で表示する。第5実施例では、7種類の個別予告、具体的には、キャラクタ1説明(ID=1)、キャラクタ2説明(ID=2)、・・・、キャラクタ6説明(ID=6)、グループ説明(ID=7)をIDの昇順で表示する。
上記特定の変動パターンは、リーチに発展することなく外れとなる変動パターンであり、ある程度の演出変動尺が確保できるいわゆる非短縮変動はずれ(保留数が3個ないし4個の時に選択されやすくなる短縮変動はずれよりも変動時間が長いはずれ変動)の変動パターンである。演出決定手段303は、上記開始条件が満たされた後、メイン基板200により非短縮変動はずれの変動パターンが選択されるたびに、その変動パターンによる図柄変動とともに、7種類の個別予告を連続して表示させる。すなわち、演出決定手段303は、上記開始条件が満たされてから、7回の非短縮変動はずれの変動表示の間に、7種類の個別予告を順次表示させる。具体的には、最初の非短縮変動はずれの変動パターン選択時に、キャラクタ1説明(ID=1)を表示させ、2回目の非短縮変動はずれの変動パターン選択時に、キャラクタ2説明(ID=2)を表示させる。演出決定手段303は、7回目の非短縮変動はずれの変動パターン選択時に、グループ説明(ID=7)を表示させ、一連の説明予告の表示を終了する。
演出決定手段303は、説明予告の終了条件が満たされた場合、実施例では、最後の個別予告(グループ説明(ID=7))を表示させた場合、上記開始条件が再度満たされるまでメモリ内の説明実行フラグをオフにすることにより、説明予告を表示させないようにする。説明実行フラグがオフの場合、メイン基板200が非短縮変動はずれの変動パターンを選択しても、演出決定手段303は説明予告を選択しない。演出決定手段303は、上記開始条件が再度満たされた場合、メモリ内の説明実行フラグを再度オンに切り替えることで、説明予告を表示可能な状態に再度移行する。これにより、基本的に、説明予告を遊技者1人あたり1回だけ見せることができる。
また、演出決定手段303は、説明予告を表示可能な状態に移行後、説明予告の所定の終了条件が満たされるまで、すなわちメモリ内の説明実行フラグがオンの間、少なくとも他の一部の演出を表示させないようにする。表示が禁止される他の一部の演出は、例えば、先読み予告(保留変化等)等の予告演出を含む。装飾図柄61の変動演出は、表示禁止の対象から除外されてよい。これにより、複数の個別予告を比較的短時間のうちに遊技者に提示でき、タイアップ作品等に対する遊技者の理解を深めやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第5実施例では、非短縮変動はずれの変動パターンが選択された場合に説明予告を表示させる。そのため、電源復旧時(例えば遊技店開店直後の遊技)や、遊技待機デモからの復帰時(例えば遊技者交代時)に、説明予告が表示されない場合(説明予告以外の演出が表示された場合)、または、最後の個別予告の表示前に別の演出が表示された場合、非短縮変動はずれ以外の結果を期待できる状況になる。これにより、本来表示されるはずの説明予告が表示されないことをもって、大当り、小当り、リーチ等を遊技者に期待させる遊技性を実現できる。言い換えれば、説明予告実行中(すなわち最後の個別予告の表示前)に遊技説明がなされない変動があると、その変動は非短縮変動はずれ以外の変動パターンであることを意味するため、遊技知識のある遊技者に、その変動が非短縮変動はずれではない(すなわちチャンスかもしれない)という期待感を抱かせることができる。
特徴3に関する変形例を説明する。
第1変形例を説明する。演出決定手段303は、説明予告を表示可能な状態に移行後、説明予告の所定の終了条件が満たされるまで、他の予告を表示させないようにするが、この状況を示す画像を演出表示装置60に表示させてもよく、この状況を示す音声をスピーカー108から出力させてもよい。例えば、「説明予告実施中」や、「説明予告実施中のため他の予告は抑止中」等のメッセージを演出表示装置60に表示させてもよい。
第2変形例を説明する。上記実施例の開始条件に代えて、または上記実施例の開始条件とともに、別の開始条件が定められてもよい。別の開始条件は、以下の3つの単体であってもよく、任意の組合せであってもよい。(1)大当りまたは小当りから所定回数(例えば1000回等)の図柄変動が実行されたこと。(2)図12に示した携帯連携システムにより遊技者が識別され、または、遊技者の交代が検知されたこと。(3)計時手段307から所定の時間情報が出力されたこと。例えば、電源投入時から所定時間の経過が検知され、または、予め定められた時刻(日時)になったことが検知されたこと。
第3変形例を説明する。複数種類の説明予告が設けられてよく、これら複数種類の説明予告の選択確率が、ぱちんこ遊技機500の設定値ごとに定められてもよい。演出決定手段303は、今回開始条件が満たされたことを契機に表示させる説明予告として、ぱちんこ遊技機500の設定値に応じた選択確率にて、複数種類の説明予告の中からいずれかを選択してもよい。複数種類の説明予告は、複数の個別予告の表示順序が互いに異なるものであってもよい。また、複数種類の説明予告は、少なくとも1つの個別予告の態様(キャラクタ画像722の内容、紹介文章724の内容、サイズ、表示位置等)が互いに異なるものであってもよい。これにより、説明予告の態様を設定示唆に活用することができる。
第4変形例として、説明予告の途中で大当りが発生した場合の処理を説明する。第1のパターンとして、大当り遊技、時短または確率変動による特定遊技を実行して通常状態に移行後、前回実行した個別演出のIDに続くIDの個別演出から説明予告を再開してもよい。例えば、個別予告A(ID=1)、個別予告B(ID=2)、個別予告C(ID=3)を実行後に大当りとなった場合、通常状態に復帰後、個別予告D(ID=4)から実行してもよい。
第2のパターンとして、大当り遊技、時短または確率変動による特定遊技を実行して通常状態に移行後、前回実行した個別演出のIDから説明予告を再開してもよい。例えば、個別予告A(ID=1)、個別予告B(ID=2)、個別予告C(ID=3)を実行後に大当りとなった場合、通常状態に復帰後、個別予告C(ID=3)から実行してもよい。
第3のパターンとして、大当り遊技、時短または確率変動による特定遊技を実行して通常状態に移行後、最初の個別演出のIDから説明予告を再開してもよい。例えば、個別予告A(ID=1)、個別予告B(ID=2)、個別予告C(ID=3)を実行後に大当りとなった場合、通常状態に復帰後、個別予告A(ID=1)から実行してもよい。
第5変形例として、エラーによる電源切断の場合の処理を説明する。説明予告を最後まで実行した後、発生したエラーを解除するため電源切断の必要が生じることがあるが、この場合、電源復帰後に説明予告を再度実行しないことが望ましい。そこで、演出決定手段303は、サブ基板300においてエラー発生が検知されている状態で電源切断が発生した場合、実行済の個別予告のIDをリセットしなくてもよい(例えばID=7を維持してもよい)。一方、エラー未検知の状態で電源切断が発生した場合、実行済の個別予告のIDをリセットしてもよい。これにより、同一遊技者に対して説明予告を再度提示することを防止できる。
第6変形例として、遊技者による説明予告のオン・オフ選択について説明する。演出決定手段303は、最初の個別予告実行時に「説明予告を継続しますか?YES/NO」等のメッセージを演出表示装置60に表示させることにより、遊技者に説明予告の実行可否(継続有無)を選択させてもよい。演出決定手段303は、説明予告の継続有無を指定する遊技者の操作にしたがって、説明予告を継続させ(次の個別予告を表示させ)、または説明予告を中断してもよい。この変形例によると、遊技者が一時的にぱちんこ遊技機500を離れたことにより遊技待機デモが発生し、同一遊技者に対して説明予告が再度開始された場合でも、遊技者の任意の選択によって説明予告をオフにすることができる。
次に、特徴4の、特定の期間における特定の変動で特定の演出を表示させる技術を説明する。
第5実施例のぱちんこ遊技機500では、第2始動口12への入球を契機に取得された第2抽選値の保留(特図2保留)に対する変動演出として特殊演出が表示される特殊演出期間が定められている。特殊演出は、所定のキャラクタ(例えばキャラクタA)が登場する予告を含む。第5実施例での特殊演出期間は、図40に示す通常時の普通図柄当りを契機とする特図2保留4個(最大)の変動期間である。
図71は、特殊演出期間の第1区間における特殊演出のフローを示す。第1区間は、通常状態での普通図柄当りを契機とする第2始動口12への入球により生じた特図2保留について、特図2保留が4個貯まった状態から2個貯まった状態の間で開始される特図2の変動期間である。言い換えれば、第1区間は、特図2保留のうち最終保留以外に対応する変動期間である。図71(後述の図72も同様)に示すように、特殊演出期間における特殊演出は、1変動毎に当落報知が完結する。
図71のプレゼント予告は、遊技者に演出ボタン109の操作を促す内容である。演出ボタン109が押下されると、演出決定手段303は、特殊演出期間の第1区間用の予告決定テーブルを参照して、キャラAセリフ予告、キャラA探索予告、思い出予告、パトランプ予告のうちいずれかを選択して表示させる。第1区間用の予告決定テーブルは、キャラAセリフ予告、キャラA探索予告、思い出予告、パトランプ予告のいずれかを実行する複数の演出パターンの選択基準を定める。例えば、第1区間用の予告決定テーブルは、キャラAセリフ予告を含む演出パターン、キャラA探索予告を含む演出パターン、思い出予告を含む演出パターンそれぞれの選択確率を30%に定める一方、パトランプ予告を含む演出パターンの選択確率を10%に定めてもよい。
図71に示すように、キャラAセリフ予告、キャラA探索予告、思い出予告を表示した場合、テンパイ煽り画像の表示を経て、SP発展予告(スーパーリーチ)またはガセ(外れ画像)に進む。一方、パトランプ予告、キャラA告知予告を表示した場合、SP発展予告またはガセに直接進む。
パトランプ予告は、パトランプを頭の上にのせたキャラクタAが登場する予告であり、予告内でパトランプが点灯した場合、大当りまたは小当りが確定する一発告知型の予告である。演出決定手段303は、特図2の当該変動が大当りまたは小当りの場合、パトランプが点灯するパトランプ予告を含み、パトランプ予告後にSP発展予告へ進む演出パターンを選択する。特図2の当該変動が外れ(小当りを含まない)の場合、演出決定手段303は、パトランプを点灯しないパトランプ予告を含み、パトランプ予告後にガセを表示する演出パターンを選択する。
プレゼント予告に対して演出ボタン109の操作が入力されなければ、演出決定手段303は、所定確率にてキャラA告知予告を含む演出パターンを選択する。キャラA告知予告は、パトランプ予告と同様に、一発告知型の予告である。例えば、第1区間用の予告決定テーブルとして、プレゼント予告中にボタンが押下されなかった場合における演出パターンの選択確率は、キャラAセリフ予告、キャラA探索予告、思い出予告、パトランプ予告、キャラA告知予告を各20%で抽選されるものとしてよい。プレゼント予告に対して実行される各演出パターンは、ボタン押下時と非押下時とで異なる実行確率になるとともに変動開始時の演出抽選中に押下した場合、押下しなかった場合の結果として決定され得る。なお、本実施例では、キャラAセリフ予告、キャラA探索予告、思い出予告、パトランプ予告、キャラA告知予告のいずれが実行された場合でもSP発展予告へ進めば、以降のかくれんぼリーチまたはかくれんぼミッションで大当りまたは小当りが発生する可能性に係る告知を実行するように演出パターンが設定される。
図72は、特殊演出期間の第2区間における特殊演出のフローを示す。第2区間は、特図2保留が1個の状態で開始される特図2の変動期間であり、言い換えれば、普通図柄当りを契機として貯まった特図2保留の最終保留に対応する変動期間である。
演出決定手段303は、特殊演出期間の第2区間に至ったと判定すると、第1区間用の予告決定テーブルとは異なる演出決定基準である第2区間用の予告決定テーブルを参照して、特殊演出の演出パターンを決定する。第2区間用の予告決定テーブルは、パトランプ予告を実行する演出パターンが必ず選択されるように構成される。すなわち、第2区間用の予告決定テーブルでは、パトランプ予告を実行する演出パターンの選択確率が100%に定められる。
演出決定手段303は、特図2の当該変動が大当りまたは小当りの場合、パトランプが点灯するパトランプ予告を含み、パトランプ予告後にSP発展予告へ進む演出パターンを選択する。特図2の当該変動が外れ(小当りを含まない)の場合、演出決定手段303は、パトランプを点灯しないパトランプ予告を含み、パトランプ予告後にガセを表示する演出パターンを選択する。このように、特殊演出期間における特図2の最終変動で必ず一発告知型のパトランプ予告を表示させることで、当り時の爽快感を提供できる。
本実施例において、特殊演出期間の第2区間に至ったと判定する条件であり、言い換えれば、特殊演出期間の第2区間用の予告決定テーブルを使用する条件は、次の(1)(2)の両方が満たされることである。(1)特図2変動開始時の特図2の残り保留個数が0であること、すなわち、特図2保留の最後の変動であること。(2)今回開始する変動の直前の変動(1変動前)が特図2変動であること。
演出決定手段303は、メイン基板200から送信された保留情報や変動開始コマンドにより条件(1)の充足有無を判定してもよい(実施例のぱちんこ遊技機500では、変動開始コマンドとして、今回の変動に対する変動パターン情報と、変動開始後の保留個数情報を含むコマンド群が送信されるよう構成されている)。また、演出決定手段303は、変動開始コマンドに含まれる図柄判定結果が示す変動対象の特別図柄の種類を1変動分記憶し、次回の変動開始時に、先に記憶した特別図柄の種類を参照することで条件(2)の充足有無を判定してもよい。演出決定手段303は、条件(1)と条件(2)の両方が満たされた場合、特殊演出期間の第2区間に至ったと判定し、条件(1)と条件(2)の少なくとも一方が満たされなければ特殊演出期間の第2区間に至らない(すなわち第1区間である)と判定する。
通常、一時的に貯まった特図2保留を消化する期間の最終変動で特定の演出を表示する場合、条件(1)だけでも特図2保留を消化する期間の最終変動でパトランプ予告を実施可能である。しかし、ぱちんこ遊技機500は、通常状態において普通電動役物90の長開放当りを獲得した際に生起する特図2保留の変動時に、特殊演出を実行する仕様である。そのため、特図2保留を蓄積する過程で特図1が変動していない場合や、特図2保留の2個目が生起する前に、特図2保留の1個目による特図2変動が開始する可能性があり、条件(1)だけであると、特殊演出期間における特図2の初回変動でパトランプ予告が必ず出現してしまう可能性がある。条件(2)を設けることにより、このようなイレギュラーな状況においても、設計の意図と異なる形で特殊演出期間の特図2の初回変動で第2区間用の予告決定テーブルが使用されることを回避できる。
特定の演出期間の特定の変動で特定の予告を出すために、その演出期間でのみ使用する特殊変動パターンテーブルを設け、メイン基板200が特殊な変動パターンIDを選択することに伴い、演出決定手段303が特殊な演出パターンを選択することも考えられる(例えば、第2実施例に記載した変動パターンモードに基づく特殊な変動パターンの選択)。しかし、ぱちんこ遊技機500において特殊変動パターンテーブルを用いて特定の予告を出す場合、変動パターンモードの制御は、変動回数や大当り、小当りの獲得によるものが多く、遊技者が設計者の意図しない遊技の仕方をした場合(例えば入球容易状態の終了時に保留を4つ溜めないで終了させた場合、普通電動役物の長開放となる普図当たりの際に第2始動口に4球の入球をさせない場合等)に、ずれが生じ得るなど、遊技進行上の保留個数に依存して設計者の意図したタイミングで意図した抽選が行われない問題が生じうる。そこで、実施例のように、特殊な演出を実行すべき演出期間の特定の変動であるかをサブ基板300で判断することにより、問題の発生を抑制できる。
上記の特殊変動パターンテーブルの使用することに対する実施例の構成のメリットについて再度整理する。本実施例の特徴4は、特図2保留の最終変動でのみ特殊な演出を行う技術思想である。そのため、例えば、通常時の普通図柄当りを契機とする第2始動口12の長開放後の4変動目に特殊変動パターンテーブルを用いれば、通常であれば特図2保留の4変動目に特殊な演出を行うことができる。しかし、特殊変動パターンテーブルへの切替契機(変動パターンモードの設定タイミング)は、遊技回数、大当り、小当り等の特別図柄に係る制御タイミングに限定される。そのため、特殊変動パターンテーブルを使用して想定通りのタイミングで特殊な演出を行うためには、大当り後の時短遊技(入球容易状態)を設計者の意図通り特図2保留が最大の状態で終了することや、普通図柄当り時に特図2保留が4個貯まることが前提となる。しかし、遊技球が発射されない等のトラブルや、遊技者の意図的な遊技操作等によっては、特図2保留が3個以下しか貯留されない状況が生じうる。このような状況では、4変動目が特図2保留では無くなってしまうため、例えば、特図1の通常変動の際に特殊変動パターンテーブルが用いられ、パトランプ予告を行うための変動パターンが選択されてしまうといったギャップが生じてしまう。実施例では、特殊な演出の表示タイミングをサブ基板300が判断することにより、保留個数には依存せず、設計者の意図するように、特定の演出期間の特定の変動で特定の予告を出すことができる。
特徴4に関する変形例を説明する。
第1変形例を説明する。第5実施例では、通常状態での特図2の最終変動(特図2保留が0となる特図2変動)において特定の予告であるパトランプ予告を表示させる状況を例示した。実施例に記載した技術であり、すなわち、特定の演出期間の特定の変動で特定の予告を出す技術は、他の状況にも適用可能である。
例えば、第5実施例に記載の技術は、以下の(A)~(C)の状況において、特定の予告を表示させる場合にも適用可能である。(A)入球容易状態終了後(主となる遊技が特図1の変動に移行後)に残存する特図2保留の最終変動。(B)入球容易状態突入時の初回の特図2変動。(C)並列スペック(特図1と特図2が並列して変動するスペックであり、例えば小当りラッシュ搭載の遊技機等)において、特図2の変動を主として表示する演出モードから、特図1の変動を主として表示する演出モードへ移行後の特図2の最終変動。
上記(A)または(C)の状況で特定の予告を表示させる場合、例えば、特定の予告の選択確率が100%である特殊演出抽選テーブル(実施例の第2区間用の予告決定テーブルに対応)を使用してもよい。
特殊演出抽選テーブルの使用条件は、上記(A)の場合、実施例と同様に、(1)特図2変動開始時の特図2の保留個数が0であることと、(2)今回開始する変動の直前の変動(1変動前)が、特図2変動であることの両方が満たされることでもよい。上記(B)の場合、例えば、通常遊技状態から大当りを獲得し、入球容易状態が開始されたときの初回変動にて特殊な演出を出現させることを意図したものであり、条件(2)に関して、1変動前が、特図1変動である場合とする点で実施例と相違する。そして、上記(C)のような並列遊技を採用するぱちんこ遊技機で実施する状況では、メイン基板200における1変動前の変動表示が特図1の可能性があるため、サブ基板300(演出決定手段303)が、主体として表示する特別図柄の変動演出(時短抜け後に特図1と特図2が並列して変動している場合であっても、特図2の変動を演出の主体として表示する場合等)として、直前に変動演出を行った特図の種類を記憶してもよい。
条件(1)(2)が異なる場合を整理する。上記(B)の状況で特定の予告を表示させる場合、上記の特殊演出抽選テーブルの使用条件は、以下の(1)(2)の両方が満たされることでもよい。すなわち、(1)特図2変動開始時の特図2の残り保留個数が0であること(実施例と同様)、(2)今回開始する変動の直前の変動(1変動前)が、特図1変動であること(実施例と異なる)。上記(C)の状況で特定の予告を表示させる場合は、上記の特殊演出抽選テーブルの使用条件は、以下の(1)(2)の両方が満たされることでもよい。すなわち、(1)特図2変動開始時の特図2の残り保留個数が0であること(実施例と同様)、(2)今回開始する変動の直前に変動演出として主体的に表示した変動(1変動前の装飾図柄変動表示)が、特図2変動であること(実施例と異なる)。
第2変形例を説明する。上記実施例では、第2区間用の予告決定テーブルを使用する第2の条件として、今回開始する変動の直前の変動(1変動前)が特図2変動であることとした。変形例として、第2の条件は、(条件2’-1)普通電動役物90の長開放が実行されていないことであってもよい。条件2’-1は、メイン基板200から普通電動役物90の開放終了コマンドを受信したことであってもよい。このように構成することで、普通電動役物90が開放している期間、すなわち特図2に係る保留を獲得し得る期間には、第2区間用予告決定テーブルの使用が制限されることとなり、仮に保留を溜めている最中に特図2が保留個数0となる変動を開始してしまった場合であっても、遊技者が特図2に係る保留を溜められる期間中の初回変動にてパトランプ予告が決定されてしまうことを抑制できる。
また、第2の条件は、(条件2’-2)直前の変動の変動パターンが、チャンス演出を実行し得る変動パターンID(特殊演出期間に選択されうる変動パターンIDであり、特図2でのみ選択可能)であることであってもよい。条件2’-2を適用する場合、演出決定手段303は、特殊演出期間に選択されうる変動パターンIDのリストを記憶してもよい。
また、第2の条件は、(条件2’-3)直前の変動が特図2の変動であり、かつ、通常状態(非入球容易状態)の変動であることであってもよい。条件2’-3を適用する場合、演出決定手段303は、メイン基板200から受信した変動パターンにより選択された変動演出パターンが、通常状態の特図2変動にて選択されるパターン(ID)である場合に、条件2’-3が満たされたと判定してもよい。このようにすることで、例えば、入球容易状態の最終変動の際に、特図2の保留が1個しかなかった場合、残り保留の変動演出として、1パターンに限定するよりも、第1区間用の予告決定テーブルを使用することにより、複数のパターンが表示され得るように構成したいという設計者の意図を達成することができる。
また、第2の条件は、(条件2’-4)直前の変動が、優先消化対象外の特図変動(ぱちんこ遊技機500の場合は特図1変動)であることであってもよい。条件2’-4は、特に、特殊演出期間の最初の変動(特図2変動)での特定の予告表示を実現するために好適である。例えば、入球容易状態の終了条件が、特図1の変動数、特図2の変動数、特図1+特図2の変動数の3種類設けられたいわゆる2種混合タイプの遊技機において、メイン基板200が特殊な変動パターンテーブルを参照することなく、特殊演出期間または入球容易状態の入口(最初の変動)で特殊演出を表示させる場合に好適である。
第3変形例を説明する。ぱちんこ遊技機500では、入球容易状態終了後の特図2保留の4変動消化後に特図1保留が存在せず、その状況下で普通電動役物90の長開放当り発生すると、特図2保留の初回変動が、実施例に記載の条件(1)と(2)の両方を満たす可能性がある。これを回避するため、条件(2)の変形例として、条件(2’-5)直前の変動の変動パターンが、特殊演出を実行し得る変動パターンIDであることを満たすか否かを判定してもよい(例えば、第2実施例における変動パターンモード「7」以外で選択されうる特図2変動パターンではないことを判定する、など)。また、変動パターン(メイン基板200で決定)に基づいてサブ基板300側の演出抽選にて決定される装飾図柄の変動演出パターンの結果に基づいて判定してもよく、特殊演出を実行し得る変動演出パターンIDは、例えば、キャラAセリフ予告等を実行してSPリーチに発展しない態様を含む演出パターンに対応づけられた変動演出パターンID、キャラA探索予告等を実行した後SPリーチに発展する態様を含む演出パターンに対応づけられた変動演出パターンIDであってもよい。
第4変形例を説明する。第5実施例のぱちんこ遊技機500では、第2区間の予告抽選において、プレゼント予告の結果が必ずパトランプ予告(選択率100%)となるよう構成したが、パトランプ確率を高頻度(例えば90%)で選択するように構成しつつも、他の予告(キャラAセリフ予告など)を選択可能に構成してもよい。このような変形例は、言い換えると、第1区間の予告決定テーブルにて高確率で決定されていた予告(キャラAセリフ予告など)を第2区間の予告決定テーブルでは決定されにくいよう構成することであるともいえる。
また、第2区間の予告抽選でパトランプ予告以外の予告が出現する条件として、メイン基板200で選択された変動パターンが、特殊演出期間にて選択される変動パターンであり、SPリーチ演出の実行が可能な変動時間を有する変動パターンである場合に限定してもよく。このように構成することで、第2区間において、メインの変動パターンを条件に複数種類の予告抽選が実行し得るよう構成してもよい。また、このように構成した場合、第2区間となる特定の変動(本実施例では特殊演出期間の最終変動であり、変形例では入球容易状態の初回変動など)において、高頻度で発生し得る特定の予告(パトランプ予告)以外の予告が出現した場合、高期待度の変動(SPリーチ発展を伴う変動)であることを確定的に報知することを可能とすることも可能である。
また、第5実施例のぱちんこ遊技機500および変形例では、特殊演出期間の最終変動や初回変動を第2区間として設定するように構成したが、第2区間と連続する第3区間などにおいて、第3区間用演出決定テーブル(第2区間用演出決定テーブルと同一でも可)を用いて演出決定を行うように構成してもよい。例えば、このように構成することによって、特殊演出期間の最終変動の1回前の変動と、最終変動とで高頻度で連続して同一種別の予告を出現させるよう構成可能であり、場合によっては、複数の変動に跨って同一種類の予告をステップアップさせるよう表現することで期待感を高めるよう演出を行うものであってもよい。
以上、本発明を第5実施例をもとに説明した。第5実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(第6実施例)
第6実施例のぱちんこ遊技機500は、第1実施例~第5実施例のいずれかに記載の弾球遊技機を基本とする。第6実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造は、図41または図49に関連して既述した構成が適用される。また、第6実施例のぱちんこ遊技機500の背面側における基本的な構造は、図2に関連して既述した構成が適用される。また、第6実施例のぱちんこ遊技機500のメイン基板200の機能構成、および、サブ基板300の機能構成は、図3、図4、図11に関連して既述した構成が適用される。以下では、第6実施例のぱちんこ遊技機500の特徴について、他の実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。また、第6実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術、第1実施例~第5実施例で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
図73は、第6実施例のぱちんこ遊技機500の遊技フローを示す。同図および以下の説明での時短は、いわゆる電チューサポートを含み、入球容易状態とも言える。通常モードは、図40の通常時に対応する。通常モードは、通常状態の通常遊技が実行され、左打ちにより特図1の図柄大当り(初当りとも言え、大当り確率は1/319)を狙う遊技状態である。通常モードは、演出のテーマや背景、キャラクタ、ストーリー等が異なる複数の演出ステージ(ステージA~ステージD)を含み、所定条件成立時に演出ステージが切り替わる。
通常モードにおいて7以外の装飾図柄61が揃う通常大当りに当選すると(振り分け確率70%)、特別遊技を実行後にチャンスモードへ移行する。チャンスモードは、図40のチャンス演出に対応する。チャンスモードは、時短1回および残保留4個(典型的には特図2保留4個)の合計5変動の中で小当りVの獲得(特図2の小当り確率は1/7.7)を狙う遊技状態である。チャンスモードではバトル演出を含むチャンス演出が表示される。
通常モードにおいて7の装飾図柄61が揃う特別大当りに当選した場合(振り分け確率30%)、および、チャンスモードにおいて小当りVを獲得した場合(獲得確率50%)、特別遊技を実行後にラッシュモードへ移行する。ラッシュモードは、図40のラッシュ演出に対応する。ラッシュモードは、時短13回の13変動の中で小当りVの獲得を狙う遊技状態である。ラッシュモードではミッション演出を含むラッシュ演出が表示される。ラッシュモードの時短13回転で1/7.7の小当りに当選する確率は約84%であり、小当り当選時に適切にアタッカーへ入球させることができた場合にはV入賞することが確実な仕様となっているため、ラッシュモードにおける小当りV獲得確率は約84%となり、約84%の確率で、ラッシュモード、特別遊技、ラッシュモードを繰り返すことになる。
ラッシュモードにおける13変動内で小当りVを獲得できなければ(13回転で1/7.7の小当りが1度も当選しない確率は約16%)、チャンスモードへ移行する。チャンスモードは、時短1回転と残りの4個の保留からなる5変動の中で小当りVの獲得を狙う遊技状態である。チャンスモードにおける5変動内で小当りVを獲得できなければ(5回転で1/7.7の小当りが当選する確率は約50%)、即止め防止モードへ移行する。即止め防止モードは、通常状態の通常遊技であり、左打ちにより特図1の図柄大当り(大当り確率は1/319)を狙う遊技状態である。即止め防止モードでは、チャンスモード終了後すぐに遊技が終了されることを防止するため、通常モードとは異なる内容の即止め防止用の演出を表示する。即止め防止モードにおける30変動内で大当りを獲得できなければ通常モードに戻る。この即止め防止モードでは専用の演出を表示するだけでなく、例えば、通常時よりもプレミア演出(出現により当選が確実となる演出)の発生確率を高くする等の付加価値を高めることで、より遊技者が離席し難い状況を作ることができる。
第6実施例のぱちんこ遊技機500の第1の特徴として保留変化演出を説明する。現在、保留画像が変化する保留変化演出として、多種多様な保留変化演出が実現されている。このような状況において、今以上に斬新な保留変化演出の創出が望まれている。第1の特長の保留変化演出は、斬新な保留変化演出を実現することを主な目的とする。
演出決定手段303は、実行中の図柄変動(「当該変動」とも呼ぶ。)の抽選値1個に対応するアイコン画像(「当該変動オブジェクト」とも呼ぶ。)と、特図1保留または特図2保留の4個に対応するアイコン画像を演出表示装置60に表示させる。特図2保留4個に対応するアイコン画像は、変動順が早いものから「保1オブジェクト」、「保2オブジェクト」、「保3オブジェクト」、「保4オブジェクト」とも呼び、これらを総称して「保留オブジェクト」とも呼ぶ。図73の通常モードおよび即止め防止モードにおいて、保留オブジェクトは、特図1保留に対応するものであってよい。一方、チャンスモードおよびラッシュモードにおいて、保留オブジェクトは、特図2保留に対応するものであってよい。なお、当該変動オブジェクトと保1オブジェクト~保4オブジェクトを総称して保留オブジェクトと捉えることもできる。
保留変化演出は、当該変動オブジェクトと複数の保留オブジェクトのうち少なくとも1つの表示態様を変化させる先読み予告である。演出決定手段303は、保留変化演出の対象とする抽選値(例えば通常モードでは特図1の第1抽選値)に関するメイン基板200から通知された事前判定情報に応じて、その抽選値に対応する当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトに関する保留変化演出を実行可能である。保留変化演出では、例えば、当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトの外観(例えば色)を、当りの期待度が相対的に低い態様から、当りの期待度が相対的に高い態様へ変化させる。言い換えれば、成り上がりの変化を行う。
実施例では、当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトの色は、当りの期待度が高い方から順に、金、赤、緑、青、デフォルト(白とする)である。演出決定手段303は、保留変化演出の対象とする抽選値が当りの場合、その抽選値が外れの場合より高い確率で、その抽選値に対応する当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトを金または赤まで変化させることを決定する。なお、当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトの色が金である場合、当り確定であることとし、すなわち、演出決定手段303は、保留変化演出の対象とする抽選値が外れの場合、その抽選値に対応する当該変動オブジェクトまたは保留オブジェクトを金まで変化させることはない。
演出決定手段303は、複数種類の保留変化演出として、落雷保留変化演出、七星保留変化演出、断末魔保留変化演出およびキャラクタ保留変化演出を実行可能である。図74は、落雷保留変化演出の例を示す。落雷保留変化演出は、或る抽選値(例えば通常モードでは特図1の第1抽選値)に対応する当該変動オブジェクト730および保留オブジェクト732(保1オブジェクト732a、保2オブジェクト732b、保3オブジェクト732c、保4オブジェクト732dを含む)を1回で完結する態様で変化させる演出である。図74に示す落雷保留変化演出では、変化対象の保1オブジェクト732aに対して稲妻を示すオブジェクト(稲妻734)を落とし、そのタイミングで保1オブジェクト732aの色を変化させる。
図75は、保留変化演出の実行可能タイミングを示す。同図は、落雷保留変化演出、七星保留変化演出、断末魔保留変化演出およびキャラクタ保留変化演出を縦に並べ、図柄変動演出を構成する複数の区間を横に並べ、各保留変化演出の実行可能タイミングを「○」で示している。同図の「入賞&先読み」は、第1始動口11または第2始動口12への入球時(言い換えれば第1抽選値または第2抽選値の生起時)と、保留移動時(先の保留が消化されて保留オブジェクト732が移動するタイミング)とを含む。「第1変動開始」は、図柄変動開始時であり、擬似連続変動演出における擬似的な1回目の変動の開始時である。「第1変動中」は、擬似連続変動演出における擬似的な1回目の変動の途中である。
「第2変動開始」は、擬似連続変動演出における擬似的な2回目の変動の開始時である。「第2変動中」は、擬似連続変動演出における擬似的な2回目の変動の途中である。「第3変動開始」は、擬似連続変動演出における擬似的な3回目の変動の開始時である。「第3変動中」は、擬似連続変動演出における擬似的な3回目の変動の途中である。「後半発展時」は、図柄変動演出が当りの期待度が高い状態(スーパーリーチ等)に発展する場合、その発展時または発展後のタイミングである。
演出決定手段303は、第1始動口11または第2始動口12への入球時、当該入球に伴い取得された第1抽選値または第2抽選値を落雷保留変化演出の対象とするか否かを抽選により決定する。言い換えれば、入球に伴い取得された抽選値を落雷保留変化演出の対象とすることを所定確率で決定する。演出決定手段303は、或る抽選値を落雷保留変化演出の対象として決定した場合、落雷保留変化演出の1回以上の実行タイミングを抽選により決定する。図75に示すように、落雷保留変化演出は、演出対象の抽選値(以下「対象抽選値」とも呼ぶ。)に基づく図柄変動開始前と図柄変動開始後のいずれにおいても実行可能であり、さらに演出発展時(後半発展時)にも実行可能である。
また、同じ対象抽選値に対応する保留オブジェクト732と当該変動オブジェクト730に対して複数回の落雷保留変化演出を実行可能である。例えば、演出決定手段303は、1つの対象抽選値に対応する保留オブジェクト732を変化(例えば白から青)させた後に、同じ対象抽選値に対応する当該変動オブジェクト730を変化(例えば青から赤)させることを決定し得る。
図76は、七星保留変化演出の例を示す。図76(a)に示すように、七星保留変化演出では、第1始動口11または第2始動口12への入球時に、その入球により取得された抽選値に対応する保留オブジェクト732を表示させ、保留オブジェクト732の上に重ねて北斗七星を示すオブジェクト(七星736)をさらに表示させる。図76(b)に示すように、七星736は、保留移動時に7つの星が1つまたは複数個点灯していく。
七星保留変化演出対象の抽選値に基づく図柄変動の開始まで、言い換えれば、保留オブジェクト732が当該変動オブジェクト730に変わるまでに、七星736の星すべてが点灯した場合(図76(c))、七星736は消えて、保留オブジェクト732(または当該変動オブジェクト730)は、赤保留以上(赤保留または金保留)に変化する(図76(d))。これを成功とも呼ぶ。一方、図柄変動の開始までに七星736の少なくとも1つの星が点灯しない場合、七星736は消え、保留オブジェクト732はデフォルトのまま変化しない(ガセ演出となる)。これを失敗とも呼ぶ。
演出決定手段303は、第1始動口11または第2始動口12への入球時、当該入球に伴い取得された第1抽選値または第2抽選値を七星保留変化演出の対象とするか否かを抽選により決定する。演出決定手段303は、或る抽選値を七星保留変化演出の対象として決定した場合、七星保留変化演出を成功させるか失敗させるかを抽選により決定し、また、七星736の点灯態様(点灯個数および点灯タイミング)を抽選により決定する。図75に示すように、七星保留変化演出における保留変化タイミング(初期表示を含む)は、入賞時、保留移動時、第1変動開始時となる。
図77は、断末魔保留変化演出の例を示す。図77(a)に示すように、断末魔保留変化演出では、第1始動口11または第2始動口12への入球時に、その入球により取得された抽選値に対応する保留オブジェクト732を通常とは異なる1段階目の態様で表示させる。言い換えれば、断末魔保留変化演出では、演出対象となる抽選値に基づく図柄変動開始前に、その抽選値に対応する保留オブジェクト732を上記1段階目の態様で表示させる。図77(a)では、1段階目の態様として、断末魔状態の敵キャラクタを示す保留オブジェクト732を示している。
図77(b)に示すように、断末魔保留変化演出では、演出対象の抽選値に基づく図柄変動開始後に、敵キャラクタを示す保留オブジェクト732が破裂して、通常とは異なる2段階目の態様であるセリフ(例えば文字列「チャンス」)を示す当該変動オブジェクト730に変化する。2段階目の態様は、示唆する当りの期待度が異なる複数のセリフを含んでもよい。実施例の断末魔保留変化演出では、演出対象の抽選値に基づく図柄変動の開始前に敵キャラクタを示す保留オブジェクト732が破裂することはないが、変形例として、図柄変動開始前に敵キャラクタを示す保留オブジェクト732が破裂して、セリフを示す保留オブジェクト732に変化してもよい。
演出決定手段303は、第1始動口11または第2始動口12への入球時、当該入球に伴い取得された第1抽選値または第2抽選値を断末魔保留変化演出の対象とするか否かを抽選により決定する。演出決定手段303は、或る抽選値を断末魔保留変化演出の対象として決定した場合、セリフの内容と、そのセリフを示す当該変動オブジェクト730への変化タイミングを抽選により決定する。図75に示すように、敵キャラクタを示す保留オブジェクト732の表示タイミングは、入賞時(保留オブジェクト732の初期表示時)である。また、セリフを示す当該変動オブジェクト730への変化タイミングは、第1変動開始~第3変動中のいずれかである。
キャラクタ保留変化演出を説明する。キャラクタ保留変化演出では、第1始動口11または第2始動口12への入球時に、その入球により取得された抽選値に対応する保留オブジェクト732(通常態様でよい)を表示させ、その保留オブジェクト732の近傍位置に(もしくは上に重ねて)キャラクタ画像をさらに表示させる。キャラクタ画像に代えて武器画像等でもよい。保留移動中は、保留オブジェクト732の近傍位置にキャラクタ画像が滞在し続ける。そして図柄変動開始後に、キャラクタ画像がアクションして、当該変動オブジェクト730を成り上げる(例えば当りの期待度がより高い色に変化させる)。
演出決定手段303は、第1始動口11または第2始動口12への入球時、当該入球に伴い取得された第1抽選値または第2抽選値をキャラクタ保留変化演出の対象とするか否かを抽選により決定する。演出決定手段303は、或る抽選値をキャラクタ保留変化演出の対象として決定した場合、キャラクタ画像のアクションのタイミング(言い換えれば当該変動オブジェクト730の変化タイミング)と、当該変動オブジェクト730の変化態様(何色に変化させるか)を抽選により決定する。図75に示すように、キャラクタ画像の表示タイミングは、入賞時(保留オブジェクト732の初期表示時)である。また、キャラクタ画像のアクションのタイミング(言い換えれば当該変動オブジェクト730の変化タイミング)は、第1変動開始~第3変動中のいずれかである。
図78は、保留変化演出のタイミングチャートである。ここでは保留変化演出の対象とする抽選値を対象抽選値と呼ぶ。図78(a)に示すように、演出決定手段303は、断末魔保留変化演出により対象抽選値に対応する当該変動オブジェクト730(または保留オブジェクト732)を2段階目の態様(例えばセリフ「チャンス」)に変化させた後でも、その当該変動オブジェクト730(または保留オブジェクト732)に対して落雷保留変化演出を実行可能である。言い換えれば、演出決定手段303は、断末魔保留変化演出により対象抽選値に対応する当該変動オブジェクト730(または保留オブジェクト732)を2段階目の態様に変化させた後でも、その当該変動オブジェクト730(または保留オブジェクト732)に対して落雷保留変化演出を実行するように保留変化演出のパターンを決定することができる。
例えば、演出決定手段303は、後半演出発展後に、「チャンス」を示す当該変動オブジェクト730(または保留オブジェクト732)の文字色や背景色を、それまでより当りの期待度が高い色へ変化させてもよい(例えば青から赤への変化等)。なお、図78(a)における断末魔保留変化演出を七星保留変化演出に置き換えてもよく、キャラクタ保留変化演出に置き換えてもよい。この構成によると、一の保留変化演出が行われた後でも、他の保留変化演出が行われることに対する遊技者の期待感を継続させ、演出の興趣を一層高めることができる。
また、図78(b)に示すように、演出決定手段303は、対象抽選値に対応する保留オブジェクト732に対して落雷保留変化演出を実行した後は、その保留オブジェクト732に対する断末魔保留変化演出は実行しない一方、その保留オブジェクト732(または保留移動後の当該変動オブジェクト730)に対する2回目の落雷保留変化演出は実行可能である。
また、図78(c)に示すように、演出決定手段303は、対象抽選値に対応する保留オブジェクト732に対して断末魔保留変化演出の実行により保留オブジェクト732が1段階目の態様となった後から2段階目の態様となる前は、その保留オブジェクト732に対する落雷保留変化演出は実行しない。その一方、演出決定手段303は、対象抽選値に対応する保留オブジェクト732に対して断末魔保留変化演出の実行により保留オブジェクト732(または保留移動後の当該変動オブジェクト730)が2段階目の態様となった後は、その保留オブジェクト732(または保留移動後の当該変動オブジェクト730)に対する落雷保留変化演出が実行可能である。
図78(b)および図78(c)における断末魔保留変化演出を七星保留変化演出に置き換えてもよく、キャラクタ保留変化演出に置き換えてもよい。この構成によると、一の保留変化演出が行われた後でも、他の保留変化演出が行われることに対する遊技者の期待感を継続させ、演出の興趣を一層高めることができる。また、保留オブジェクト732(または保留移動後の当該変動オブジェクト730)の変化の推移に齟齬が生じることで遊技者の混乱を招く可能性を低減できる。
図79は、保留変化演出の抽選ルートを示す。まず、演出決定手段303は、親抽選にて先読み演出の種類を決定する。親抽選で保留変化演出を決定した場合、後述の子抽選テーブル(図80)を用いて、保留変化演出の種類と当該変動開始前までの変化態様を決定するための子抽選を実行する。そして、後述の複数の孫抽選テーブル(図81~図90B)の中から子抽選の結果に対応する孫抽選用テーブルを用いて、当該変動における変化態様を決定するための孫抽選を実行する。
実際の子抽選テーブルと孫抽選テーブルでは、メインの変動パターン(例えばメイン基板200で決定される図柄変動パターン)、または、メインの変動パターンに応じて細分化されたサブの変動パターン(例えばサブ基板300で決定される変動演出パターン)に応じて、複数の演出パターン(以下「変化パターン」とも呼ぶ。)の中からいずれかを選択するために、変化パターン毎に置数が割り当てられている。ただし、以下の子抽選テーブルの図と孫抽選テーブルの図では、便宜上、抽選で「当りとなった場合」と「外れになった場合」に選択される変化パターンごとの置数を合計した数値を載せている。これらの数値は、当りと外れの場合に、実際はメインまたはサブの変動パターン毎に選択される割合は異なるが、相対的にどの変化パターンがどれほどの割合で選択される可能性があるかを示すものである。なお、不図示だが、親抽選も同様に、メインまたはサブの変動パターン毎にどの演出パターンが選択されるかの割合が異なる。
図80は、子抽選テーブルの例を示す。子抽選テーブルの各レコード(変化パターンと呼ぶ。)は、(1)保4入賞時(4番目の特図1保留または特図2保留生起時)の変化態様、(2)保3入賞時または保4から保3への移動時の変化態様、(3)保2入賞時または保3から保2への移動時の変化態様、(4)保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様を定める。また、既述したように、図80では、子抽選テーブルにおいて、各変化パターンが、当り(図柄大当りまたは小当り)時に選択される割合と、外れ時(図柄大当りでも小当りでもないとき)に選択される割合を示している。すなわち、各変化パターンの実行可能性を示している。実施例の子抽選では、1回の抽選で、複数種類の保留変化演出を含む複数の変化パターンの中から特定の変化パターンを選択する。変形例として、子抽選は、保留変化演出の種類を決定する1段階目の抽選と、1段階目の抽選で決定した種類に対応する複数の変化パターンの中から特定の変化パターンを選択する2段階目の抽選を含んでもよい。
図81は孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「断末魔保留_ビリビリザコ」となる変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「断末魔保留 ビリビリザコ」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。孫抽選テーブルの各レコード(変化パターンと呼ぶ。)は、(1)第1変動開始~変動中の変化態様、(2)第2変動開始~変動中の変化態様、(3)第3変動開始~変動中の変化態様、(4)後半発展時の変化態様を定める。また、既述したように、図81では、孫抽選テーブルにおいて、各変化パターンが、当り(図柄大当りまたは小当り)時に選択される割合と、外れ時(図柄大当りでも小当りでもないとき)に選択される割合とを示している。すなわち、各変化パターンの実行可能性を示している。
図82も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「ミニキャラ保留_デフォ」となる(すなわちキャラクタ保留変化においてデフォルト色のキャラクタが付加される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「ミニキャラ保留_デフォ」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。図83も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、「ミニキャラ保留_青」となる(すなわちキャラクタ保留変化において青色のキャラクタが付加される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「ミニキャラ保留_青」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。
図84も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「ミニキャラ保留_緑」となる(すなわちキャラクタ保留変化において緑色のキャラクタが付加される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「ミニキャラ保留_緑」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。図85も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「ミニキャラ保留_赤」となる(すなわちキャラクタ保留変化において赤色のキャラクタが付加される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「ミニキャラ保留_赤」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。
図86も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「青」となる(すなわち落雷保留変化を経由して青色の保1オブジェクト732aが表示される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「青」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。図87も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「緑」となる(すなわち落雷保留変化を経由して緑の保1オブジェクト732aが表示される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「緑」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。
図88も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「赤」または「七星保留_7点灯→赤保留」となる(すなわち落雷保留変化または七星保留変化を経由して赤色の保1オブジェクト732aが表示される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「赤」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。図89も孫抽選テーブルの例を示す。本図の孫抽選テーブルは、子抽選で選択された変化パターンが、保1入賞時または保2から保1への移動時の変化態様が「金」または「七星保留_7点灯→金保留」となる(すなわち落雷保留変化または七星保留変化を経由して金色の保1オブジェクト732aが表示される)変化パターンである場合に、当該変動開始時の孫抽選において使用される。つまり、孫抽選テーブルは、保1の保留オブジェクト732が「金」となる場合において、その保留の当該変動中の変化パターンを決定するものである。
図90Aおよび図90Bも孫抽選テーブルの例を示す。これらの図の孫抽選テーブルは、親抽選で保留変化演出に当選しなかった場合、言い換えれば、保留オブジェクト732に対する保留変化演出が未実行の場合に、当該変動時の演出抽選に用いられる。すなわち、これらの図の孫抽選テーブルは、デフォルト態様の当該変動オブジェクト730に対する変化パターンを規定したものである。
上記特徴1の保留変化演出に関する変形例を説明する。
第1変形例として、断末魔保留変化演出とキャラクタ保留変化演出は、同時に発生しないように制限されてもよい。この場合、演出決定手段303は、断末魔保留変化演出の実行を決定した場合、キャラクタ保留変化演出を実行しないよう決定してもよい。また、演出決定手段303は、キャラクタ保留変化演出の実行を決定した場合、キャラクタ保留変化演出を実行しないよう決定してもよい。断末魔保留変化演出とキャラクタ保留変化演出はいずれも、保留オブジェクト732に関連するキャラクタを表示する演出であるため、同時に発生すると遊技者の混乱を招く可能性があるからである。例えば、図80の子抽選テーブルで示したように、キャラクタ保留変化演出を含む変化パターンから断末魔保留変化演出の要素が排除され、断末魔保留変化演出を含む変化パターンからキャラクタ保留変化演出の要素が排除されてもよい。また、図82~85のキャラクタ保留変化演出用の孫抽選テーブルの各変化パターンから断末魔保留変化演出の要素が排除されてもよい。また、図81の断末魔保留変化演出の孫抽選テーブルの各変化パターンから断末魔保留変化演出の要素が排除されてもよい。
第2変形例を説明する。断末魔保留変化演出により当該変動で2段階目の変化(例えばセリフ「チャンス」への変化)を行う場合よりも、キャラクタ保留変化演出により当該変動で2段階目の変化(キャラクタのアクションによる変化)を行う場合の方が、当りの期待度が相対的に高くなるよう構成してもよい。例えば、当りの場合に断末魔保留変化演出により2段階目の変化を行う保留変化演出パターンが選択される確率をAとし、当りの場合にキャラクタ保留変化演出により2段階目の変化を行う保留変化演出パターンが選択される確率をBとするとき、AよりBが大きく定められてもよい。具体的には、図80の子抽選テーブルにおいて、断末魔保留変化演出を規定する変化パターンの当り時の選択割合より、キャラクタ保留変化演出(ミニキャラ)を規定する変化パターンの当り時の選択割合の方が高くなるよう定めてもよい。
この変形例では、例えば、断末魔保留変化演出を経由すると最終的に赤保留以上の変化が確定するように構成し、キャラクタ保留変化演出を経由すると平均的に緑保留相当の信頼度に該当するセリフに変化するように構成するのが好適である。これにより、いずれの保留変化演出が実行された場合でも、最終的に変化する保留アイコンとしては同程度の当り期待度への変化が期待できる一方で、実行された保留変化演出そのものの当り期待度(断末魔保留変化演出<キャラクタ保留変化演出)に差を持たせることができる。
第3変形例を説明する。七星保留変化演出と落雷保留変化演出は、変化後の保留オブジェクト732(または当該変動オブジェクト730)が同じ態様になり得る。例えば、同じ赤保留になり得る。ここで、変化後の保留オブジェクト732(または当該変動オブジェクト730)が同じ態様であっても、七星保留変化演出を経て変化した方が、当りの期待度が相対的に高くなるよう構成してもよい。例えば、当りの場合に落雷保留変化演出により赤保留に変化する保留変化演出パターンが選択される確率をAとし、当りの場合に七星保留変化演出により赤保留に変化する保留変化演出パターンが選択される確率をBとするとき、AよりBが大きく定められてもよい。具体的には、図80の子抽選テーブルにおいて、落雷保留変化演出を規定する変化パターンであり、かつ、最終的に赤保留まで変化する変化パターンの当り時の選択割合より、七星保留変化演出を規定する変化パターンであり、かつ、最終的に赤保留まで変化する変化パターンの当り時の選択割合の方が高くなるよう定めてもよい。これにより、同じ保留アイコン(例えば赤保留)に変化する場合であっても、瞬間的に保留アイコンを変化させる落雷保留変化演出を経て赤保留に変化するよりも、先読みタイミングから変動を跨いで実行される七星保留変化演出を経て赤保留に変化する方が実行される演出時間が長くなるため、遊技者に期待感を持たせることができる。
第4変形例を説明する。演出決定手段303は、上述した4種の保留変化演出とは異なる他の先読み予告(例えば○○ゾーンを示す予告)をさらに実行可能であってよい。この場合、他の先読み予告が実行されている方が、他の先読み予告が実行されていない場合よりも、七星保留変化演出の2段階目の変化(7つの星が全て点灯し、赤保留以上に変化すること)がなされる可能性が高くなるよう構成されてもよい。また、他の先読み予告が実行されている方が、他の先読み予告が実行されていない場合よりも、断末魔保留変化演出の2段階目の変化にて当りの期待度がより高い保留オブジェクト732または当該変動オブジェクト730(例えば期待度が高いセリフ等)に変化する可能性が高くなるよう構成されてもよい。このように構成することで、同じ保留変化演出(第4変形例における、七星保留変化演出と断末魔保留変化演出)が実行されている場合でも、他の先読み予告が実行されている場合には、実行中の保留変化演出の成功可能性や変化後の保留オブジェクトに期待することができる。特に、瞬間的に保留変化が行われるような保留変化演出(本実施例における落雷保留変化演出)よりも、先読みタイミングから変動を跨いで実行される保留変化演出(本実施例における七星保留変化演出、断末魔保留変化演出、キャラクタ保留変化演出)において効果的に作用する。
また、他の先読み予告が実行されている方が、他の先読み予告が実行されていない場合よりも、キャラクタ保留変化演出の2段階目の変化にて、当りの期待度がより高い保留オブジェクト732または当該変動オブジェクト730(例えば赤保留や金保留)に変化する可能性が高くなるよう構成されてもよい。また、他の先読み予告が実行されている方が、他の先読み予告が実行されていない場合よりも、落雷保留変化演出による1回の保留変化にて、当りの期待度がより高い保留オブジェクト732または当該変動オブジェクト730(例えば赤保留や金保留)に変化する可能性が高くなるよう構成されてもよい。
第5変形例を説明する。既述したように、通常モードは複数種類の演出ステージを含む。演出決定手段303は、演出ステージごとに異なる態様(異なる形状)の保留オブジェクト732および当該変動オブジェクト730を表示させてもよい。一方で、演出決定手段303は、保留変化演出後の保留オブジェクト732および当該変動オブジェクト730として、演出ステージの種類に関わらず同じ態様の保留オブジェクト732および当該変動オブジェクト730を表示させてもよい。なお、ここでの同じ態様の保留オブジェクト732および当該変動オブジェクト730は、形状や模様は同じだが、色(すなわち示唆する期待度)は異なってもよい。このように、演出ステージ毎の保留オブジェクトはステージのモチーフに合わせたオブジェクトを採用しつつ、保留変化演出が実行された後の変化後の保留オブジェクトはステージ毎に同じものを採用することで、いずれの演出ステージでも変化後の保留オブジェクトにおける当り期待度を一見して分かるようにすることができる。
第6変形例を説明する。既述したように、保留変化演出の種類ごとに、保留変化演出後の当該変動オブジェクト730または保留オブジェクト732(総称して「保留アイコン」)の態様が異なってもよい。例えば、キャラクタ保留変化演出による変化後の保留アイコンは、通常形状の保留アイコンの色が変化したものである一方、断末魔保留変化演出による変化後の保留アイコンは、セリフ(「チャンス」等)であってもよい。
第7変形例を説明する。保留変化演出の対象となる保留アイコンについて、図柄変動開始後の後半発展時(スーパーリーチ発展後)に期待度が高い当該変動オブジェクト730(赤保留等)に変化するよりも、入賞&先読みの段階で期待度が高い保留オブジェクト732に変化する方が、当りの期待度が高くなるよう構成されてもよい。言い換えれば、図柄変動の後半発展時に期待度が高い当該変動オブジェクト730(赤保留等)に変化した場合に当りとなる確率より、入賞&先読みの段階で期待度が高い保留オブジェクト732に変化した場合に当りとなる確率の方が高くなるよう構成されてもよい。図80の子抽選テーブルにおいて落雷保留変化演出を規定した変化パターンを例として説明する。図80の子抽選テーブルでは、最終的に赤保留以上となる変化パターンの当り時の選択割合は593、外れ時の選択割合は260である。一方、最終的に青保留または緑保留となる変化パターン(当該変動で赤以上に変化しうるもの)の当り時の選択割合は22524、外れ時の選択割合は21974である。したがって、図80の子抽選テーブルは、入賞&先読みの段階で期待度が高い保留オブジェクト732に変化する方が、当りの期待度が高くなるよう構成されている。
一般的に、一回で保留の変化が行われる保留変化演出(本実施例における落雷保留変化演出)にて期待度が高い保留アイコン(赤保留)への変化を行うよりも、先読みタイミングから変動タイミングにかけて段階的に保留アイコンに変化させる保留変化演出(本実施例における七星保留変化演出、断末魔保留変化演出、キャラクタ保留変化演出、もしくは、複数回実行される落雷保留変化演出)にて期待度が高い保留アイコン(赤保留)への変化を行う方が、遊技者への期待感を維持させることができるため、例えば、最終的に赤保留への変化が行われる保留変化演出が実行される場合には、一回で保留の変化が行われる保留変化演出よりも先読みタイミングから変動タイミングにかけて段階的に保留アイコンに変化させる保留変化演出の方が選択される可能性が高くなる。つまり、一回で保留の変化が行われる保留変化演出にて赤保留に変化する頻度よりも、先読みタイミングから変動タイミングにかけて段階的に保留アイコンに変化させる保留変化演出にて赤保留に変化する頻度の方が高くなるため、その分、当りの場合も外れの場合も選択され易くなる。言い換えれば、演出として選択される頻度が高い、先読みタイミングから変動タイミングにかけて段階的に保留アイコンに変化させる保留変化演出にて赤保留に変化した場合の当り期待度よりも、演出として選択される頻度が低い、一回で保留の変化が行われる保留変化演出発生にて赤保留に変化した場合の当り期待度の方が相対的に高くなる。また、同様に、一回で保留の変化が行われる保留変化演出においても、保留が少ないタイミング(例えば、1個目の保留アイコンや当該変動アイコン)で赤保留に変化するよりも、保留が多いタイミング(例えば、4個目の保留アイコン)で赤保留に変化する方が、相対的に当り期待度が高くなる。
第8変形例を説明する。既述したように、演出決定手段303は、第1の保留変化演出と第2の保留変化演出を実行可能であってもよい。第1の保留変化演出は、入球&先読みの段階で1段階目の保留変化(例えば保留オブジェクト732に七星736が付帯すること)が発生した後、2段階目の変化が発生する場合と発生しない場合の両方を含むものである。第2の保留変化演出は、1段階目の保留変化(例えば保留オブジェクト732にキャラクタ画像が付帯すること)が発生した後、必ず2段階目の変化(例えばキャラクタ画像のアクションと保留オブジェクト732の色変化)が発生するものである。上記実施例の七星保留変化演出は第1の保留変化演出に該当する。また、上記実施例の断末魔保留変化演出およびキャラクタ保留変化演出は第2の保留変化演出に該当する。
第6実施例のぱちんこ遊技機500の第2の特徴として、チャンスアップ演出を含むオーバー入賞演出を説明する。不測の事態により遊技盤上に球詰まりが発生すると、遊技球の本来の流路が遮断されてしまい、遊技者に損な感情を抱かせてしまうことがある。第2の特徴のオーバー入賞演出の主な目的は、遊技盤上に球詰まりが発生した状況に対応する好適な演出を実現することである。なお、本実施例のオーバー入賞演出は、第2実施例の特徴2で説明したオーバー入賞に対する演出と同じ技術思想に基づくものである。ただし、第2実施例の演出は、大入賞口20に対するオーバー入賞を対象としたが、本実施例のオーバ入賞演出は、入球容易状態における第2始動口12(いわゆる電チュー)に対するオーバー入賞を対象とする。
演出決定手段303は、事前判定情報に応じて、保留された抽選値の中に当りが存在する期待度を示唆する先読み予告であるオーバー入賞演出を表示させる。図91は、オーバー入賞演出の例を示す。演出決定手段303は、チャンスモードの入球容易状態(変動回数1回)において、特図2保留の事前判定情報を参照して、当該変動または最大4つの特図2保留の中に当り(典型的には小当り)が存在する期待度を示すキャラクタの画像(キャラクタ738)を表示させる。
演出決定手段303は、特図2保留に関する事前判定情報に応じて、当りの期待度が異なる複数種類のキャラクタ738の中からいずれかを表示させる。複数種類のキャラクタ738は、当りの期待度が低い方から順に、北斗の軍、南斗の凶漢、救世主伝説、ビッグボス、極悪同盟の5種類である。演出決定手段303は、予め定められた基準(実施例では後述のオーバー入賞演出決定テーブル)にしたがって、チャンスモードの入球容易状態における第2始動口12への入球数の増加に伴って、より高い期待度を示すようにキャラクタ738の態様を変化させるチャンスアップ演出を実行する。実施例のチャンスアップ演出では、キャラクタ738を、北斗の軍、南斗の凶漢、救世主伝説、ビッグボス、極悪同盟の順に変化させていく。
図92は、オーバー入賞演出決定テーブルの例を示す。本図のテーブルの横軸1回~20回は、オーバー入賞数を示す。オーバー入賞数は、特図2保留の上限個数を超えて第2始動口12に入球した個数であり、言い換えれば、第2始動口12に対する特図2保留上限個数を超えた分の入球数である。本図のテーブルの縦軸は、キャラクタ738の変化パターンを示す。本図のテーブルにおいてオーバー入賞数と変化パターンの各組み合わせに対応する値のうち「0」は北斗の軍、「1」は南斗の凶漢、「2」は救世主伝説、「3」はビッグボス、「4」は極悪同盟を示す。本図のテーブルに規定される変化パターンは、「北斗の軍_青1」を除いて、オーバー入賞数が増えるほど、より高い期待度を示すキャラクタに切り替わるように定められる。
演出決定手段303は、チャンスモードの入球容易状態において、オーバー入賞演出決定テーブルに定められた複数の変化パターンの中からいずれかの変化パターンを抽選により選択する。変化パターンの抽選は、外れの場合に南斗の凶漢または救世主伝説が選択されやすく、当りの場合にビッグボスまたは極悪同盟が選択されやすいよう構成されてもよい。また、極悪同盟は当り確定であってもよく、例えば、演出決定手段303は、当該変動または特図2保留の中に当り(図柄大当りまたは小当り)が存在する場合にのみ、所定の確率で極悪同盟の変化パターンを選択してもよい。
ここで、チャンスモードの入球容易状態における普通電動役物90(言い換えれば入球変動機構)の開閉時間をNとし、N時間での発射可能遊技球数をMとし、チャンスモードにおける普通電動役物90の開放割合をOとする。この場合、チャンスモードの入球容易状態における第2始動口12への入球数について、その設計上想定される最大値は(M×O)個になる。また、チャンスモードの入球容易状態における第2始動口12へのオーバー入賞数について、その設計上想定される最大値は(M×O-特図2保留の上限値)となる。
第6実施例のぱちんこ遊技機500では、チャンスモードの入球容易状態における普通電動役物90の開閉時間は20秒である。また、1分間での発射可能球数は100個未満(99.9個とする)であるため、20秒間での発射可能球数は(99.9×20/60)個となる。また、チャンスモードの入球容易状態における普通電動役物90の開放割合は0.58である。また、特図保留の上限値は4個である。したがって、チャンスモードの入球容易状態における第2始動口12へのオーバー入賞数について、その設計上想定される最大数は(99.9×20/60×0.58-4)≒15個となる。
オーバー入賞演出決定テーブルは、第2始動口12へのオーバー入賞数が設計上想定される最大数を超えた場合にキャラクタ738の態様(すなわちキャラクタの種類)を変化させる規定を含む。具体的には、オーバー入賞演出決定テーブルは、オーバー入賞数が(M×O-特図2保留上限値)である15個を超えた場合にキャラクタ738の態様を変化させる規定を含む。例えば、図92のオーバー入賞演出決定テーブルにおける変化パターン「極悪同盟_レインボー1」は、オーバー入賞数18個で、キャラクタ738をビッグボスから極悪同盟に変化させる。また、変化パターン「極悪同盟_レインボー2」は、オーバー入賞数17個で、キャラクタ738をビッグボスから極悪同盟に変化させる。また、変化パターン「極悪同盟_レインボー3」は、オーバー入賞数16個で、キャラクタ738をビッグボスから極悪同盟に変化させる。
したがって、演出決定手段303は、チャンスモードの入球容易状態において第2始動口12に対するオーバー入賞数が設計上想定される最大数を超えた場合に、キャラクタ738の態様を変化させ得る。ぱちんこ遊技機500での遊技中、不測の事態により盤面上に球詰まり(いわゆる葡萄)が発生し、普通電動役物90の開放中に球詰まりが解消した場合等、入球容易状態において設計上想定される最大数を超えて第2始動口12への入球が発生する可能性がある。上記特徴2によると、オーバー入賞演出決定テーブルにおいて設計上想定される最大数を超えたオーバー入賞時にキャラクタ738を変化させるパターンを設けることで、不測の事態が生じても演出の変化が起こり得る。これにより、遊技者にとって望ましくない不測の事態(葡萄等)が生じても、普段見られない演出が見られる可能性があるため、遊技者のストレスを軽減させることができる。
また、図92のオーバー入賞演出決定テーブルは、オーバー入賞数が設計上想定される最大数(既述したように実施例では15個)に達した場合に、キャラクタ738を最終変化させる変化パターンを含む。例えば、変化パターン「ビッグボス_金1」、「極悪同盟_レインボー4」が該当する。また、図92のオーバー入賞演出決定テーブルは、オーバー入賞数が設計上想定される最大数に達した場合に、キャラクタ738が途中変化を行う変化パターンを含む。例えば、変化パターン「極悪同盟_レインボー1」が該当する。
上記特徴2のオーバー入賞演出に関する変形例を説明する。
第1変形例として、オーバー入賞演出決定テーブルは、第2始動口12へのオーバー入賞数ごとのキャラクタ738の変化確率(成り上がり確率)を規定するものであってもよい。例えば、オーバー入賞数1個から4個は変化確率0%、オーバー入賞数5個から8個は変化確率20%、オーバー入賞数9個から12個は変化確率25%、オーバー入賞数13個から16個は変化確率30%、オーバー入賞数17個から20個は変化確率40%と定められてもよい。
別の態様として、オーバー入賞演出決定テーブルには、実施例と同様のオーバー入賞数の増加に伴う確定的な変化と、上記の確率的な変化の組み合わせが定められてもよい。例えば、図92の変化パターン「ビッグボス_金3」に対応するものとして、オーバー入賞数1個または2個は「0」、オーバー入賞数3個から9個は「1」、オーバー入賞数10個から12個は変化確率20%(変化態様は「1」から「2」)、オーバー入賞数13個から20個は変化確率30%(変化態様は「1」から「2」または「2」から「3」)と定められてもよい。
この変形例においても上記実施例と同様に、演出決定手段303は、チャンスモードの入球容易状態において第2始動口12に対するオーバー入賞数が設計上想定される最大数を超えた場合に、キャラクタ738の態様を変化させ得ることとなり、上記実施例と同様の効果を奏する。
第2変形例を説明する。第2始動口12へのオーバー入賞によって一切変化しないパターンは当り(図柄大当りまたは小当り)確定であってもよい。図92のオーバー入賞演出決定テーブルでは変化パターン「北斗の軍_青1」が該当する。演出決定手段303は、当該変動または特図2保留の中に当り(図柄大当りまたは小当り)が存在する場合にのみ、所定の確率で変化パターン「北斗の軍_青1」を選択してもよい。なお、図92のオーバー入賞演出決定テーブルの場合、オーバー入賞が5個以上になってキャラクタ738が一度も変化しなければ、変化パターンが「北斗の軍_青1」であることが確定し、すなわち当りが確定することになる。
第3変形例を説明する。演出決定手段303は、キャラクタ738の態様を成り上げるチャンスアップ演出を実行中の場合、第2始動口12への更なるオーバー入賞に起因する新たな演出を実行しないようにしてもよく、少なくとも新たなチャンスアップ演出を実行しないようにしてもよい。或るチャンスアップ演出が途中で中断され、別のチャンスアップ演出が開始されると、演出内容が遊技者に分かりづらくなるからである。
なお、図92に示したオーバー入賞演出決定テーブルは、連続するオーバー入賞では連続してキャラクタ738を変化させないよう構成されている。つまり、オーバー入賞N個でキャラクタ738が変化する場合に、オーバー入賞N+1個でさらにキャラクタ738が変化するパターンは規定されていない。これにより、チャンスアップ演出の時間的な重複がないことを担保している。
第4変形例を説明する。上記実施例では、チャンスモードの入球容易状態においてオーバー入賞演出を実行した。変形例として、通常モード(通常状態)の毎変動においてもオーバー入賞演出を実行してもよい。この場合、第1始動口11へのオーバー入賞(特図1保留4個を超えた入球)に対してオーバー入賞演出を実行してもよい。
第5変形例を説明する。上記実施例のオーバー入賞演出では、当該変動または最大4つの特図2保留の中に当りが存在することの期待度をキャラクタ738の態様により示唆した。変形例として、当該変動に対応する当該変動オブジェクト730と、最大4つの特図2保留に対応する最大4つの保留オブジェクト732のそれぞれについて、個別にオーバー入賞演出を実行してもよい。この場合、当該変動または最大4つの特図2保留のそれぞれに対応するオーバー入賞演出決定テーブルを設けてもよい。また、当該変動オブジェクト730と最大4つの保留オブジェクト732の色や、各オブジェクトに付加するキャラクタの種類によって当りの期待度を示唆してもよい。
第6変形例を説明する。上記実施例のオーバー入賞演出では、チャンスモードの入球容易状態において第2始動口12に対する所定個数(特図2保留の上限である4個)を超えた分の入球数に応じてチャンスアップを表示した。変形例として、チャンスモードの入球容易状態において第2始動口12に対する入球数に応じてチャンスアップを表示してもよい。この場合、オーバー入賞演出決定テーブルは、チャンスモードの入球容易状態における第2始動口12に対する入球数が設計上想定される最大値(既述したようにM×Oであり、例えば19個)を超えた場合にキャラクタ738の態様を変化させ得る規定を含んでもよい。
第6実施例のぱちんこ遊技機500の第3の特徴として入球容易状態に関する変動パターンテーブルの管理方法を説明する。第2始動口12への入球容易性が高まる入球容易状態では、第2始動口12への入球に基づく特図2の変動を前提として設計された特殊演出が実行されることがある。この場合、入球容易状態において第1始動口11への入球に基づく特図1の変動がなされると、設計上意図されない形で特殊演出が進行することがあり得る。第3の特徴の変動パターンテーブルの管理方法は、設計上意図されない形で演出が進行することを防止することを主な目的とする。
まず、図73に示したラッシュモードとチャンスモードでの演出内容を説明する。
(1)ラッシュモード1回転目:
大当り終了デモからラッシュ突入までの変動である。基本的に、大当り終了を示す演出と、ラッシュの開始を示す演出とを実行するガイダンスパートであるため、ここで当りに当選した場合は役物落下のような当りを一発で示唆する演出を実行する。また、初当りにおいては、大当り終了デモとラッシュ突入演出を実行してから当り報知をした方が遊技者にとって分かりやすいと言えるが、右打ち中(小当りVのループ中)には大当り終了後に即、当り報知を実行してもよい。
(2)ラッシュモード2回転目以降:
時短14回転のうち、初めの1回転目は上述のように終了デモ+ラッシュ突入演出となり、最後の14回転目(チャンスモードの1回転目)は後述のように保留チャージ演出となる。そのため、ラッシュモード中の1回転目を除く残りの12回転では、一連の背景ステージに基づいて当否を示唆する演出を実行する。また、12回転と少ない回転数の中で1回の変動時間を長く構成し、かつ、冗長な演出にならないように、擬似連続変動を繰り返す。具体的には、1回転(1変動)につき4回の擬似変動を実行し、12回転中に合計48回の擬似連続変動を実行する。なお、この擬似連続変動中には、残り表示回数(残り変動数)を表示させ、残り表示回数は48回からカウントダウン表示する。これにより、実際には12回転であることが遊技者に判別されづらくすることができる。
(3)チャンスモード:
以下の(3-1)~(3-3)に示す演出パターンであってもよい。
(3-1)保留チャージの1回転と残保留の4回転を1回の演出として見せる演出パターンであり、いわゆる先読みまとめ変動とも呼ばれる演出パターンであってもよい。例えば、当落演出後に、当り保留までミニ図柄(通常より小さいサイズの装飾図柄)の変動と停止を高速で繰り返す内容であってもよい。
(3-2)5回転の1変動ずつ当落報知演出を行う演出パターンであってもよい。
(3-3)5回転と演出における当落報知回数がずれている演出パターンであってもよい。例えば、5回転の中で当落報知演出としてのバトル演出を3回だけ実行する演出パターンであってもよい。なお、最後の1変動は、リザルト画面(バトル演出の結果を示す画面)と、復活演出(バトルが敗北の場合に逆転して当りとなる内容の演出)であってもよい。
なお、保留チャージ演出が実行されるチャンスモードの1回転目の演出は、以下の(A)~(C)の演出パターンであってもよい。
(A)ラッシュモードと同じ内容の演出と保留チャージ演出を実行する演出パターンであってもよい。当りの場合にはラッシュモードと同じ態様で当りを報知してもよい。
(B)チャンス演出としての1回目のバトル演出を実行する演出パターンであってもよい。当りの場合には1回目のバトル演出で勝利となることで当りを報知してもよい。
(C)後続の変動とは独立した1変動として特殊な演出を実行する演出パターンであってもよい。例えば、当りの場合、保留チャージ演出の後、演出ボタン109の操作を促す内容(例えば「ボタンを押せ」)の表示と、役物落下演出を1変動内で完結して実行する演出パターンであってもよい。
ぱちんこ遊技機500における入球容易状態は、特図1の変動回数に基づく終了条件と、特図2の変動回数に基づく終了条件とが定められる。特定遊技制御手段270は、いずれかの終了条件が満たされた場合、入球容易状態を終了させて通常状態に移行させる。
第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232は、入球容易状態において、特殊変動パターンテーブルを参照して特図1および特図2の変動パターンを決定する。特殊変動パターンテーブルは、入球容易状態での特殊演出(例えばラッシュ演出および保留チャージ演出)を実行するための変動パターンを定めた変動パターンテーブルであって、参照回数が制限された変動パターンテーブルである。
図93は、特殊変動パターンテーブルの種類を示す。「限定モード」は特殊変動パターンテーブルの識別情報である。「時短有無」は、入球容易状態において参照されるテーブルであるか(○)、否か(×)を示す。「回数」は、特殊変動パターンテーブルの参照回数の制限値を示す。「特図1減算」は、特図1の変動に伴い参照回数を減算するか(○)、否か(×)を示す。「特図2減算」は、特図2の変動に伴い参照回数を減算するか(○)、否か(×)を示す。図73に関連して既述したように、ラッシュモードにおける13変動と、チャンスモードにおける初回1変動が入球容易状態に該当する。したがって、図93に示す限定モード1~9の特殊変動パターンテーブルのうち入球容易状態において参照されるものは限定モード7~9の特殊変動パターンテーブルである。
第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232は、小当りVまたは7揃い図柄大当りに伴う特別遊技終了時、すなわち、ラッシュモード(入球容易状態)突入のタイミングで、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルをセットする。特殊変動パターンテーブルの推移は、前から順に限定モード7、8、9にセットする。
図93に示すように、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルの参照回数は、特図2変動により減算されるが、特図1変動では減算されない。例えば、第1変動パターン決定手段231は、入球容易状態において、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルを参照して特図1の変動パターンを決定した場合でも、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルの参照回数を減算しない。一方、第2変動パターン決定手段232は、入球容易状態において、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルを参照して特図2の変動パターンを決定した場合、限定モード7、8、9の特殊変動パターンテーブルの参照回数を減算する。
既述したように、特図1は小当り確率が0または非常に低い一方、特図2は小当り確率が高い(例えば1/7.7)。第6実施例のぱちんこ遊技機500は、特図2変動によって小当りを獲得することが主の遊技となる入球容易状態中には、特図2変動でのみ特殊変動パターンテーブルの参照回数を減算し、特図2変動でのみ特殊変動パターンテーブルを推移させる。これにより、入球容易状態中に意図しない特図1変動が行われた場合でも(例えば、特別遊技終了時に特図1保留が残った状態で遊技者が離席し、入球容易状態において特図1変動が行われても)、ラッシュ演出や保留チャージ演出が進行しないように制御することができる。
変形例を説明する。上記チャンスモードの演出パターン(3-3)で既述したように、チャンスモードにおいてバトル演出を3回実行することを前提とした場合、実施例では特図2の保留上限を4個としたが、変形例として、特図2の保留上限が3個または2個の場合、以下のようにチャンスモードの演出を構成してもよい。
特図2の保留上限が3個の場合、第1変動(時短の最終変動)にて保留チャージ演出を実行し、第2変動(特図2保留1個目の変動)にて1回目のバトル演出を実行し、第3変動(特図2保留2個目の変動)にて2回目のバトル演出を実行してもよい。そして、第4変動(特図2保留3個目の変動)にて3回目のバトル演出と、リザルト表示および復活演出を実行してもよい。
特図2の保留上限が2個の場合、第1変動(時短の最終変動)にて保留チャージ演出と、1回目のバトル演出を実行し、第2変動(特図2保留1個目の変動)にて2回目のバトル演出を実行し、第3変動(特図2保留2個目の変動)にて3回目のバトル演出と、リザルト表示および復活演出を実行してもよい。
特図2の保留上限個数を少なく(4個未満に)設定することで以下のメリットがある。
(1)出玉の時速(言い換えれば単位時間当りの出玉数)を増加させることができる。特にチャンスモードのようにバトル演出を実行する場合、見た目上の演出的な遊技感を変えずに、出玉速度を上げることができる。
(2)図柄大当り確率(1/319)による直撃当り(特図2での図柄大当り)の可能性を下げることができる。つまり、保留上限個数を少なくすることで直撃当りの可能性を小さくできるため、意図しない直撃当りで出玉が生じる可能性を抑制し、本来の小当り確率に基づく出玉設計を行うことができる。
上記変形例では、特図2の保留上限個数を実施例より少なくした(4個未満)が、これに代えて、またはこれとともに、時短回数を実施例より少なくしてもよく、例えば、ラッシュモードにおける時短回数を13回より少なくしてもよい。この態様でも、図柄大当り確率(1/319)による直撃当り(特図2での図柄大当り)の可能性を下げることができ、意図しない直撃当りで出玉が生じる可能性を抑制し、本来の小当り確率に基づく出玉設計を行うことができる。
特定遊技制御手段270は、入球容易状態において特図1変動が14回に達した場合(例えば14回目の特図1変動が終了した場合)、または、特図2変動が14回に達した場合(例えば14回目の特図2変動が終了した場合)、遊技状態を入球容易状態から通常状態に移行させる。第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232は、入球容易状態終了のタイミングで、限定モード3、4、5、6、1、2の特殊変動パターンテーブル(通常状態用の特殊変動パターンテーブル)を再セットする。特殊変動パターンテーブルの推移は、前から順に限定モード3、4、5、6、1、2にセットする。入球容易状態が終了した場合(例えば特図1変動が14回に達したことを契機として終了した場合)、特殊変動パターンテーブルの参照回数が残っていても、強制的に通常状態用の特殊変動パターンテーブルに切り替える。
限定モード3、4、5、6の特殊変動パターンテーブルの参照時、すなわち入球容易状態終了後の4変動の期間中に特図1が変動する場合、特殊変動パターンテーブルの推移は行われるが、演出ステージは即止め防止演出となる。また、その後の限定モード3、4、5、6の特殊変動パターンテーブルの参照期間における特図2変動時にはチャンス演出を表示させる。このように、入球容易状態終了後は、特図1変動と特図2変動の両方で演出を進行させることにより、変動対象の特別図柄と演出内容とを整合させることができる。
以上、本発明を第6実施例をもとに説明した。第6実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の各実施例に適用可能な、装飾図柄61に関する変形例を説明する。
本変形例の装飾図柄61には、少なくとも特別図柄の停止時において演出表示装置60へ主要な図柄として表示される通常装飾図柄802と、少なくとも通常装飾図柄802が視認困難なときに通常装飾図柄802より簡略化された表示形態にて表示される簡易装飾図柄804とが含まれる。通常装飾図柄802は、簡易装飾図柄804より大きなサイズで表示される図柄である。通常装飾図柄802は、3個の図柄で構成され、変動表示後に原則として1個ずつ順に停止される。簡易装飾図柄804もまた3個の図柄で構成されるが、変動表示後に3個が同時に停止される。簡易装飾図柄804の停止図柄の組合せとしては、通常装飾図柄802の停止図柄の組合せと同じ組合せが表示される。簡易装飾図柄804は、上記の前提技術および実施例に記載の代替図柄および簡易図柄に対応するものである。
なお、スーパーリーチ演出の実行中は、少なくとも一部の期間において通常装飾図柄802を小さく表示する(代替図柄を表示する)よう構成してもよいし、通常装飾図柄802を非表示としてもよい(代替図柄も表示しないよう構成してもよい)が、そのような状況において、簡易装飾図柄804は常に変動表示している。この簡易装飾図柄804は、演出表示装置60の右上に小さく表示され、特別図柄が変動している最中は変動表示を行い、特別図柄が停止している最中は停止表示を行うものであり、通常装飾図柄802と同じく、3つの図柄が変動表示および停止表示するものである。この簡易装飾図柄804を設けることで、通常装飾図柄802を小さくしたい又は非表示としたいような状況(例えば、スーパーリーチ演出を実行する場合、可動役物による演出を行って演出表示装置60の中央が隠れる場合など)であっても、変動中であること(換言すれば、当否結果が確定していないこと)を報知することができる。
つまり、この簡易装飾図柄804は、表示担保用の(通常装飾図柄802の表示状態を補償するための)図柄であると言える。なお、この簡易装飾図柄804が変動表示する場合、特別図柄の変動開始から停止表示を行うまで、常に変動表示を継続することが好適である、つまり、通常装飾図柄802が途中で仮停止を行う場合(例えば擬似連演出を実行するに際し、「NEXT」などの文字を表示する特殊な通常装飾図柄802を仮停止する場合)であっても簡易装飾図柄804は途中で仮停止を行うことがないように構成することが好適であり(そのため、簡易装飾図柄804については、「NEXT」などの文字を表示する特殊な図柄を設けておらず、簡易装飾図柄804は確定停止しか行わない)、更に、はずれ変動である場合は大当りであるとの誤認を防ぐよう、大当り変動である場合は事前に大当りであることを察知されないよう、はずれ変動であっても大当り変動であっても、遊技者に対してはずれを示す図柄組み合わせを維持した状態で変動表示する(例えば、簡易装飾図柄804の種類が「1」~「7」である場合、「123」→「234」→「345」→「456」→「567」→「671」→「712」→「123」→・・・のように変動表示する)ことが好適である。
更に、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せ(変動開始直後の最初の図柄組合せ)は、確定停止時の図柄組合せから1つ進行した図柄組合せであるが、簡易装飾図柄804が確定停止している状況から変動開始する場合、その起点となる図柄組合せは、確定停止時の組合せにかかわらず、あらかじめ決まった図柄組合せとなる。例えば、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804に係る数字組合せのいずれも「243」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が変動開始する場合、通常装飾図柄802の起点となる図柄組合せは「354」となるが、簡易装飾図柄804の起点となる図柄組合せは「123」固定であり、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804に係る数字組合せのいずれも「333」で確定停止している状況にて、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が変動開始する場合、通常装飾図柄802の起点となる図柄組合せは「444」となるが、簡易装飾図柄804の起点となる図柄組合せは「123」固定である。
これ以外にも、簡易装飾図柄804については、以下のような特徴を有することで、通常装飾図柄802と明確に役割を差別化することができる。
(1)遊技者が認識しやすい通常装飾図柄802の表示領域のほうが、表示担保用の(通常装飾図柄802の表示状態を補償するための)簡易装飾図柄804の表示領域よりも大きい。これは、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が確定停止している状況、通常装飾図柄802はリーチ状態を形成した直後(スーパーリーチ演出へ発展していない状態でのリーチ状態)であり簡易装飾図柄804は変動表示中である状況に限らず、スーパーリーチ演出中などで通常装飾図柄802が小図柄となっている状況であり簡易装飾図柄804は変動表示中である状況であっても、このように構成することが好適である。
(2)通常装飾図柄802の表示位置は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モードで(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)あるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄802での演出の多様性を実現できる。一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。なお、演出モードの詳細については後述する。
(3)通常装飾図柄802の表示態様は第1演出モード(例えば、通常モード、もしくは通常モードにおけるステージA)であるか第2演出モード(例えば、ラッシュモード、もしくは通常モードにおけるステージB)であるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて通常装飾図柄802での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の通常装飾図柄802のみで通常装飾図柄802が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった通常装飾図柄802)、第2演出モードでは数字の通常装飾図柄802と味方キャラクタの通常装飾図柄802とを組み合わせて通常装飾図柄802が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄802)。一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の通常装飾図柄802のみで簡易装飾図柄804を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(4)通常装飾図柄802の表示領域は変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、スーパーリーチ演出中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する、小図柄とする)ことで、通常装飾図柄802の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄804の表示領域は可変しない(移動しない、小図柄としない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(5)通常装飾図柄802は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変とすることで、通常装飾図柄802の演出に多様性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄804の変動速度は可変としない、もしくは可変とする段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、通常装飾図柄802は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、簡易装飾図柄804は、上から下への変動のみとすることが好適である。
(6)通常装飾図柄802は確定停止(特別図柄が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(特別図柄の変動途中における仮停止であり、微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の通常装飾図柄802である特定図柄(例えば、スーパーリーチ演出への発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた通常装飾図柄802)を仮停止させることで、通常装飾図柄802の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせればよいので、簡易装飾図柄804は仮停止もしなければ、特定図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(7)通常装飾図柄802はその他の予告演出(例えば、コメント予告演出、ステップアップ予告演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。演出表示装置60上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、簡易装飾図柄804については、通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割を果たすため、簡易装飾図柄804の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、演出表示装置60全体に表示される群予告演出、背景予告演出など)との関係性については、簡易装飾図柄804の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(簡易装飾図柄804のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、右打ち報知画像(特別遊技中に表示される画像とは異なり、高ベース状態中に表示される高ベース状態専用の右打ち報知画像、但し、特別遊技中の画像と共通する画像でもよい)についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、簡易装飾図柄804の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、通常装飾図柄802の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、通常装飾図柄802の表示領域と右打ち報知画像の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、通常装飾図柄802の表示優先度を、右打ち報知画像の表示優先度よりも低く設定する(通常装飾図柄802のほうが右打ち報知画像よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
(8)特別遊技中においては、通常装飾図柄802は組み合わせ表示ではなく、1つのみの表示としてよい。例えば、「777」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「7」が表示され、「222」が確定停止したうえで特別遊技が実行された場合は、特別遊技中には「2」が表示される。これにより、どの通常装飾図柄802で大当りしたかを特別遊技中に認識することができる。変形例として、有利度が高い大当りに対応した通常装飾図柄802(例えば、7R以上の大当りまたは10Rの大当りであることを示す「333」、「555」、「777」など)のみ、特別遊技中に表示してもよい。このように特別遊技中に表示される1つの通常装飾図柄802を表示する表示領域は、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましい(但し、強調表示とは重畳表示してもよく、その場合、強調表示の方が表示優先度は高い)。また、簡易装飾図柄804については、特別遊技中には非表示とすることが好適であるが(特別遊技中は変動表示が行われないため)、特別遊技中に表示してもよく、そのように構成する場合、特別遊技中の他の表示領域であるラウンド表示領域、右打ち表示領域、賞球獲得表示領域、累積賞球数表示領域とは重複しない、つまり重畳表示しないよう構成することが望ましく、強調表示とも重畳表示しないことが望ましい。
(9)通常装飾図柄802においては、変動(例えば、上から下への移動)を行う以外にも、変動開始時、仮停止直後、リーチ成立後、仮停止中などにおいては、所定の動作を伴った表示を行ってもよい(それぞれの状況における動作を、変動開始時動作、仮停止時動作、リーチ成立時動作、揺れ動作と称してもよい)。例えば、非リーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が「624」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄802における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「6」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「4」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる。この場合においては、簡易装飾図柄804は、各動作を一切行わない。
また、ノーマルリーチとなる場合(確定停止時において、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が「212」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄802における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、中図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「1」が仮停止し揺れ動作を少しだけ行い、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は回転動作を行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄804は、各動作を一切行わない。
また、スーパーリーチ演出に発展する場合(確定停止時において、通常装飾図柄802および簡易装飾図柄804が「232」と表示される場合)、変動開始時は、通常装飾図柄802における左図柄、中図柄、右図柄の全てが拡大するような動作を行ったうえで変動を開始し、その後、左図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、右図柄が仮停止する際に、跳ねるような動作を行ったうえで「2」が仮停止してから揺れ動作を継続し、その後、リーチであることを報知するために左図柄と右図柄が回転動作を行ったうえで再度揺れ動作を継続し、その後、左図柄と右図柄とが揺れ動作を行っている最中に中図柄が変動し(この際、中図柄が拡大した状態で上から下へ変動しており、それまでは重複していなかったまたは重複割合が少なかった左右の図柄に対して、重複しているまたは重複割合が高くなっている)、その後、スーパーリーチ演出を実行するために通常背景からリーチ背景へと移行し、はずれの結果であることがスーパーリーチ演出にて報知されるとリーチ背景から通常背景へと移行し、移行後、左図柄、中図柄、右図柄が所定時間揺れ動作を継続し、その後、確定停止タイミングにて、左図柄、中図柄、右図柄の全ての動作を終了させる(中図柄は跳ねる動作も回転動作も行わない)。この場合においては、簡易装飾図柄804は、各動作を一切行わない。
このように構成することで、通常装飾図柄802の演出に多様性を持たせることができる一方で、簡易装飾図柄804は通常装飾図柄802の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、簡易装飾図柄804については、特に動作を行わないよう構成し、余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動停止してから待機デモ演出が表示されるまでの間であっても、変動停止してから所定時間経過後(例えば、10秒後)には通常装飾図柄802が揺れ動作を行ってもよいが、この状況においても、簡易装飾図柄804は一切動作を行わないことが好適である。このように構成することで、遊技待機中(図柄停止中)であっても、遊技意欲をかきたてることができるとともに、簡易装飾図柄804は揺れ動作を行わないことで、遊技待機中であることの報知を担保できる。
その他、待機デモ演出が表示された場合、通常装飾図柄802は非表示となるが、簡易装飾図柄804は表示が継続されることが好適である。こうすることで、待機デモ演出画面の表示を強調しつつも、どのような図柄が停止しているかの表示を担保することができる。但し、待機デモ演出中であれば、遊技が行われていないため、簡易装飾図柄804についても非表示としてもよい。また、通常装飾図柄802の中でも特定の図柄(例えば、中図柄の「7」)については、その他図柄と比べて、所定の動作を行わないまたは行う確率が低くなるよう構成してもよい。この所定の動作は、例えば前述した仮停止時動作(跳ねるような動作)であってよい(特に、リーチ成立後の中図柄の「7」について)。このように構成することで、特定の図柄における動作の希少性を高めることができる。
なお、数字の通常装飾図柄802と味方キャラクタの通常装飾図柄802とを組み合わせて通常装飾図柄802が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった通常装飾図柄802)場合、通常装飾図柄802の揺れ動作については、数字の通常装飾図柄802も、味方キャラクタの通常装飾図柄802も、いずれも揺れ動作を行うが、その揺れ幅(揺動距離であり、例えば、上下に揺れるのであれば、揺れ動作中の通常装飾図柄802が最も上に表示されている状態と最も下に表示されている状態との距離幅)を異ならせることで、躍動感のある揺れ動作を実現しても良く、そのように構成した場合、数字の通常装飾図柄802の揺れ幅を、味方キャラクタの通常装飾図柄802の揺れ幅よりも小さくする、もしくは、数字の通常装飾図柄802は揺れ動作を行わず、味方キャラクタの通常装飾図柄802のみ揺れ動作を行うよう構成しても良い。
上記の各実施例に適用可能な、演出モードと擬似連続変動演出(「擬似連演出」とも呼ぶ。)に関する変形例を説明する。
本変形例では、複数種類の演出モードがあり、演出モードごとに図柄変動演出や予告演出などの演出のうちいずれの種類の演出が実行され得るかが定められている。
演出モードおよび演出モードにて実行される演出内容について具体的に説明すると、例えば、複数種類の演出モードとして、「通常モード」、「チャンスモード」、「ラッシュモード」が設定されており、遊技状態(又は変動パターン選択状態)や特別図柄の変動表示回数などに応じて、複数種類の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。基本的には、遊技状態が通常状態であるときは「通常モード」が設定され、遊技状態が時短状態であるときは「チャンスモード」が設定され、遊技状態が確変状態であるときは「ラッシュモード」が設定される。いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄61の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカー108から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
具体的には、「通常モード」については「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」の4つのステージを備え、20変動以上の経過又はスーパーリーチ演出がはずれることを契機に、「ステージA」から「ステージB」へ移行、「ステージB」から「ステージC」へ移行、「ステージC」から「ステージA」へ移行し、先読み予告演出判定にて「先読みステージ」の実行(移行)に当選した場合は、現在滞在しているステージから「先読みステージ」へ移行する(「先読みステージ」に移行した時点でスーパーリーチ演出の実行が確定し、大当りする場合は「先読みステージ」にてゾロ目が表示され、はずれる場合は「先読みステージ」にてゾロ目以外が表示され、次の変動で「先読みステージ」移行前のステージに復帰する)。「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のそれぞれについてBGM(ステージBGM)が異なる(「チャンスモード」のステージBGMとも、「ラッシュモード」のステージBGMとも異なる)が、「ステージA」においては、非リーチはずれ(リーチ状態を形成せずのはずれであり、例えば「351」などのばらけ目)の変動停止(確定停止)を契機にステージBGMが途切れ(終了し)、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始され、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においては、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される(「チャンスモード」および「ラッシュモード」についても、同様に継続出力する構成である)。
ここで、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても、擬似連演出を実行可能であるが、いずれのステージにおいても、擬似連演出における仮停止時(中図柄として所定の擬似連図柄(例えば「NEXT」という文字の図柄)が所定の仮停止位置の近傍に変動表示されたうえで仮停止表示される際)には、ステージBGMが出力されず(途切れ)、再変動表示(仮停止後の再度の変動)を契機にステージBGMが最初から開始される、もしくは、再変動表示前とは異なる特定のBGMへと切り替わる。その後、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」においてスーパーリーチ演出へ発展する場合、各ステージ(滞在していたステージ)の背景画像からスーパーリーチ演出の背景画像へと切り替わり(それとともにスーパーリーチ演出専用のBGMへと切り替わり)、スーパーリーチ演出実行中はステージBGMが出力されず、スーパーリーチ演出にてはずれを示す演出が表示されることで、スーパーリーチ演出が実行された変動表示内で再度各ステージの背景画像(スーパーリーチ演出発展前に表示していたステージの背景画像)へと切り替わるが、その状況においては、次の変動表示が開始するまで、ステージの背景画像が表示されていても、ステージBGMは出力されず、スーパーリーチ演出専用のBGMも出力されない(無音である、もしくは、ステージBGMともスーパーリーチ演出専用BGMとも異なる特定のBGMが出力される)。よって、非リーチはずれの変動停止(確定停止)となってもステージBGMが途切れることはなく(終了することはなく)、次変動に継続してステージBGMが出力される「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」であっても(そうではない「ステージA」であっても)、スーパーリーチ演出を経由してはずれとなった場合は、変動停止(確定停止)よりも前にステージBGMが途切れることなり、次変動開始を契機にステージBGMが最初から開始される。
なお、「チャンスモード」および「ラッシュモード」においては擬似連演出が実行されない。ここで、擬似連演出が実行されることを示唆する特殊演出(例えば、継続セリフ予告であり、以降の擬似連演出の実行が確定する「継続するよ!」、以降の擬似連演出の実行が確定しない「継続するかも?」などの演出)が実行されることで、以降に擬似連演出(再変動表示)が行われることが示唆されるが、この特殊演出は、「ステージA」および「ステージC」でのみ表示され、「ステージB」および「先読みステージ」では表示されない。つまり、事前に擬似連演出が実行される可能性を察知できるステージと察知できないステージの両方を用意し、そのステージ間でステージ遷移を繰り返すことで、遊技者に対して飽きさせないような演出を実現している。なお、「ステージA」では、キャラクタAをモチーフとした特殊演出を実行するが、「ステージC」では、キャラクタBをモチーフとした特殊演出を実行する。また、特殊演出とは異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されることが確定する擬似連確定演出(例えば、キャラクタCが出現すると必ず「継続確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられ、更に、特殊演出とも擬似連確定演出とも異なる演出であり、発生するだけで以降に擬似連演出が実行されずスーパーリーチ演出に発展することが確定する発展確定演出(例えば、キャラクタDが出現すると必ず「発展確定!」とのセリフが表示される演出)も設けられる。この擬似連確定演出および発展確定演出は、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「先読みステージ」のいずれにおいても実行可能である。
このように、擬似連演出が行われる場合および擬似連演出が行われない場合、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出を1以上組み合わせて表示させることで、擬似連演出の実行期待度、スーパーリーチ演出への発展期待度を多様化させることができる。なお、1回の変動表示中において、特殊演出、擬似連確定演出、発展確定演出の全てが実行されてもよく、その場合、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)においては、特殊演出が実行されるパターン、擬似連確定演出が実行されるパターン、発展確定演出が実行されるパターンを備えてもよく、ここで、ある再変動表示中(例えば、再変動表示の1回目や2回目)において特殊演出が実行されるパターンでは、当該ある再変動表示中において特殊演出が実行された後に当該ある再変動表示中に擬似連確定演出が更に実行されてもよい。
本明細書または特許請求の範囲にいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数でなくてもよく、16ビットカウンタを利用したハードウェア乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数の組合せ、例えばカウンタが1周するたびに初期値を変更するプラス乱数方式でもよい。
本明細書または特許請求の範囲において「テーブル」や「基準(選択基準)」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「基準(選択基準)」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
上記の実施例では、入球に基づく利益として遊技球(賞球)を払い出す形態のパチンコ機を例示したが、賞球払出に代わり、電子的な利益管理システムを利用して遊技球の発射・賞球付与管理を行ういわゆる封入式タイプのぱちんこ機にも応用できる。このような封入式タイプのぱちんこ機は、典型的には、所定個数の遊技球が遊技機内で循環しその循環する遊技球にて遊技を行い、賞球を払い出す代わりに遊技球の発射可能回数を増やすことで遊技者に利益を与える。例えば、遊技領域を転動した遊技球を受容し、遊技機外へ排出させずに再び遊技領域へ送出することで遊技機内で循環させる球循環手段と、遊技球の発射球数、受容球数、および払出賞球数に基づいて持ち玉を管理する球数管理手段と、管理された持ち玉の数を表示する持玉表示手段を備えてもよい。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
上述した第1実施例および変形例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様1-1-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させる弾球遊技機。
[態様1-1-2]
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした1回の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記入球容易状態における前記第2始動口への入球を契機とした1回の図柄変動時間は、前記作動抽選が連続して実行された場合に少なくとも前記普通図柄の当りが2回以上発生し得る時間以上に定められた態様1-1に記載の弾球遊技機。
[態様1-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記作動制御手段は、前記入球変動機構の開放時間が前記所定時間に達した場合、または、前記第2始動口への入球数が前記第2抽選値の保留個数の上限値以下の所定個数に達した場合、前記入球変動機構の開放を終了させる弾球遊技機。
[態様1-3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、前記特殊演出の表示中、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す装飾図柄の変動演出を縮小表示させ、
前記入球容易状態の通常遊技において、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄の変動時間は、前記通常状態の通常遊技における平均変動時間より短い時間に固定され、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態の通常遊技において前記特殊演出を表示させ、前記特殊演出の表示中、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す装飾図柄の変動演出を非表示とする弾球遊技機。
[態様1-4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした所定回数の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態における最終回の図柄変動中に、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させる弾球遊技機。
[態様1-5-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、
前記演出制御手段は、前記第1始動口への入球に基づく前記特別図柄の変動、または、前記第2始動口への入球に基づく前記特別図柄の変動が、所定の待機デモ移行時間なされない場合、前記演出表示装置に所定の待機デモを表示させ、
前記保留制御手段は、前記作動口への入球を契機として取得された前記作動抽選のための普図抽選値を、所定個数を上限に、前記作動抽選の結果を示す前記普通図柄の変動表示開始まで保留し、
前記待機デモ移行時間は、前記普図抽選値が上限まで保留された場合の前記普通図柄の最長変動時間より長く設定される弾球遊技機。
[態様1-5-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記作動制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄が所定の当りを示す態様で停止表示された場合、複数個の遊技球が発射される時間間隔以上に定められた所定時間、前記入球変動機構を開放させ、
前記演出制御手段は、前記通常状態の通常遊技において前記普通図柄の前記所定の当りに伴い前記入球変動機構が開放される場合、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容の特殊演出を表示させ、
前記演出制御手段は、前記遊技領域に設けられた複数の入賞口または入球口のいずれかへの遊技球の入球が、所定の待機デモ移行時間未検出であり、かつ、前記特別図柄が変動中でなければ、前記演出表示装置に所定の待機デモを表示させ、
前記保留制御手段は、前記作動口への入球を契機として取得された前記作動抽選のための普図抽選値を、所定個数を上限に、前記作動抽選の結果を示す前記普通図柄の変動表示開始まで保留し、
前記待機デモ移行時間は、前記普図抽選値が上限まで保留された場合の前記普通図柄の最長変動時間より長く設定される弾球遊技機。
[態様1-6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
前記作動抽選の結果を示すための普通図柄を変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
前記作動抽選の結果が当りとなり前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を開放させる作動制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、少なくとも前記作動抽選の当選確率が前記通常状態より高まることで前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
所定の演出表示装置に演出的な内容を表示させる演出制御手段と、
を備え、
前記入球容易状態は、前記第2始動口への入球を契機とした所定回数の図柄変動が終了することを契機として終了し、
前記演出制御手段は、前記入球容易状態の終了契機となる変動、または、前記入球容易状態の終了後に前記保留制御手段に残存する前記第2抽選値に基づく変動が外れの結果で終了した場合に、それまでの出玉に関する演出を前記演出表示装置に表示させ、
前記演出制御手段は、前記第1始動口への入球に基づく当否判定の結果を示す特別図柄が変動中の場合、変動演出よりも視認性が高い態様で前記出玉に関する演出を表示させる弾球遊技機。
上述した第2実施例および変形例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様2-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記大入賞口の開閉を制御する開閉制御手段と、
を備え、
前記大入賞口は、前記大入賞口の開放状態と閉鎖状態を切り替えるための開閉部材を備え、前記大入賞口が閉鎖状態の場合、遊技球は前記開閉部材の上を転動し、
前記特別遊技における単位遊技と、前記小当り遊技はともに、前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合に終了し、
前記小当り遊技における前記大入賞口の1回の開放時間は、前記開閉部材の上を転動している遊技球が前記大入賞口に入球可能な短時間に設定され、
前記開閉制御手段は、前記小当り遊技において、前記大入賞口の短時間の開放を前記所定個数以上の回数繰り返し得る弾球遊技機。
この構成によると、小当り発展大当り搭載機において、大当りと小当りで共通の大入賞口を使用することで、演出を実行可能な盤面領域を広く確保可能になり、演出の興趣を高めることができる。また、小当り遊技において、大当り中の1ラウンドと同等の賞球獲得が可能になり、十分な出玉感を遊技者に抱かせやすくなる。
[態様2-2-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記小当り遊技は、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合、または、所定時間が経過した場合に終了し、
前記所定個数は、前記特別遊技における単位遊技の終了条件である前記大入賞口への入球数であり、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に前記所定個数に対応する画像を表示させ、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球に応じて前記画像を変化させる弾球遊技機。
この構成によると、小当り発展大当り搭載機において、小当り遊技中に大入賞口への比較的多くの入球が可能であること(言い換えれば出玉獲得可能性)を遊技者へ示唆し、遊技者に小当り遊技中の発射を促すことができる。
[態様2-2-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記小当り遊技は、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合、または、所定時間が経過した場合に終了し、
前記所定個数は、前記特別遊技における単位遊技の終了条件である前記大入賞口への入球数であり、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合、前記小当り遊技の終了後、小当りを示す図柄の種類に応じて、遊技者が獲得し得る利益を示唆する複数種類の示唆演出の中からいずれかを表示させ、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に、後の示唆演出において高利益が示唆される期待度を示す画像を表示させ、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球に応じて前記画像を変化させる弾球遊技機。
この構成によると、小当り発展大当り搭載機において、小当り遊技中に大入賞口へ入球させることにより後の示唆演出により高利益が示唆される期待度を識別可能であるため、遊技者に小当り遊技中の発射を促すことができる。
[態様2-3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、特別電動役物の作動と前記大入賞口の開放とを伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記特別電動役物の作動と前記大入賞口の開放とを伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記小当り遊技は、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合、または、所定時間が経過した場合に終了し、
前記所定個数は、前記特別遊技における単位遊技の終了条件である前記大入賞口への入球数であり、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合、そのことを報知する演出を表示させ、かつ、小当り遊技から特別遊技に亘って前記特別電動役物が作動した累積回数を示す画像を表示させ、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に、前記画像として、前記特別電動役物の1回目の作動であることを示す画像を表示させる弾球遊技機。
この構成によると、小当り遊技中においても「1ラウンド目」等を示す画像を表示させ、すなわち、小当り遊技から特別遊技に亘って一連のカウント表示を行う。これにより、小当り遊技において特別遊技の1つのラウンドと同等の出玉を獲得できることを示唆し、遊技者に小当り遊技中の発射を促すことができる。
[態様2-4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記小当り遊技は、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合、または、所定時間が経過した場合に終了し、
前記所定個数は、前記特別遊技における単位遊技の終了条件である前記大入賞口への入球数であり、
前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合に実行される特別遊技に関して遊技者が獲得しうる利益の種類と、その特別遊技の終了後の通常遊技に関して遊技者が獲得しうる利益の種類の少なくとも一方は、小当りを示す図柄の種類に応じて異なり、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合、前記小当り遊技における前記大入賞口の最後の開放が終了してから、前記特別遊技における前記大入賞口の最初の開放までの間に、小当りを示す図柄の種類に応じて、遊技者が獲得しうる利益の種類を示唆する演出を表示させる弾球遊技機。
この構成によると、遊技球が特定領域を通過したことを条件として、小当り図柄に応じて、遊技者が獲得し得る利益の種類を示唆する演出を表示することで、小当り遊技において遊技球が特定領域を通過しない場合に演出内容と実際の利益種類とが不整合になってしまうことを防止できる。また、小当り遊技では不正防止のため振動検知が行われることがあるが、上記構成によると、振動検知のタイミングを外して示唆演出を行うため、遊技者にボタンを押させる演出等、振動が生じる態様の示唆演出も可能になる。
[態様2-5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記第2始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が小当りとなるとき、当該入球に対応する変動において小当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記小当り遊技は、前記小当り遊技中の前記大入賞口への入球数が所定個数に達した場合、または、所定時間が経過した場合に終了し、
前記演出決定手段は、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球が前記特定領域を通過した場合であり、かつ、前記事前判定情報が、小当りとなる抽選値が1つ以上保留されていることを示す場合、前記特別遊技が終了して通常遊技が開始されるまでの間に、小当りの発生を予告する演出を1回以上実行し得る弾球遊技機。
この構成によると、小当り発展大当りの搭載機において、小当り発展大当りを追加的に獲得可能なことを示唆することで、大きな利益が得られる可能性が高いことを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
上述した第3実施例および変形例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様3-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
遊技者に有利な状態への移行が予定されていることを報知する有利報知演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記特別遊技において、終了デモの開始前に前記有利報知演出を実行した場合、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を前記終了デモにおいて実行可能であるが、前記終了デモの開始前に前記有利報知演出を未実行の場合、前記終了デモにおいて前記設定示唆演出の実行を制限する弾球遊技機。
これまで、弾球遊技機では設定示唆演出が一般的でなかった。そのため、特別遊技の終了デモにおいて設定示唆演出を表示させた場合、その設定示唆演出が、有利な状態(例えば確率変動状態や保留内連荘)への移行が予定されていることを示唆または報知するものであると遊技者に誤認させてしまう可能性がある。上記の弾球遊技機によると、有利報知演出が実行済であることを条件として設定示唆演出を実行するため、遊技者の上記誤認を防止しやすくなり、また、遊技者の期待を損なってしまうことを防止しやすくなる。
なお、「設定示唆演出の実行を制限する」とは、演出上全く表示されないこと、表示可能性が著しく低下することを含み、設定示唆演出の抽選をそもそも行わないようにすることや、先に決定されていた設定示唆演出の実行となる演出抽選結果をキャンセルすることを含む。他の態様においても同様である。
[態様3-2]
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、複数の設定示唆演出と複数の優先度とを対応付けて記憶し、第1の優先度に対応する設定示唆演出を実行後、前記第1の優先度より低い第2の優先度に対応する設定示唆演出の実行を制限する遊技機。
この遊技機によると、設定示唆演出の種類と優先度との対応関係に応じて、遊技の興趣を高めることができ、または、遊技の興趣の低下を抑制することができる。例えば、示唆する設定値の範囲が狭い設定示唆演出ほど高い優先度を付与してもよい。この場合、設定示唆演出により遊技者に示唆する設定値の範囲が、それより前に示唆した設定値の範囲より広くなることで遊技者の期待感(設定値を特定できるという期待感)を損なってしまうことを防止できる。また、示唆する設定値が高い設定示唆演出ほど高い優先度を付与してもよい。この場合、設定示唆演出により遊技者に示唆する設定値が、それより前に示唆した設定値より低くなることで遊技者の期待感を損なってしまうことを防止できる。
[態様3-3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄の変動を表示する図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、または、前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記特別遊技が終了する場合、前記特別遊技の終了デモ演出を第1時間実行し、前記特定領域を遊技球が不通過のまま前記小当り遊技が終了する場合、前記小当り遊技の終了デモ演出を、前記第1時間より短い第2時間実行し、
前記演出制御手段は、前記特別遊技の終了デモ演出において設定示唆演出を実行可能であるが、前記小当り遊技の終了デモ演出において前記設定示唆演出の実行を制限する弾球遊技機。
小当り遊技の終了デモ演出の実行時間は短く、設定示唆演出の時間を確保することが困難である。そのため、小当り遊技の終了デモでは設定示唆演出を非実行とすることで、実質的に意味を持たない抽選処理や表示処理の実行を回避できる。
[態様3-4-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出を実行する演出制御手段と、
前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が大当りとなるとき、当該入球に対応する変動において大当りとなることを示す事前判定情報を前記演出制御手段へ通知可能な事前判定手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記事前判定情報に応じて、将来の図柄変動において前記特別遊技への移行が発生する期待度を示唆する示唆演出を、前記将来の図柄変動までの複数回の図柄変動に亘って実行可能であり、
前記示唆演出は、複数種類の演出態様のいずれかに制御され、前記示唆演出の演出態様に応じて、前記特別遊技への移行が発生する期待度が異なるように設計され、
前記複数回の図柄変動のうち後の図柄変動における前記示唆演出の演出態様が示唆する前記期待度は、先の図柄変動における前記示唆演出の演出態様が示唆する前記期待度と同等以上になるよう設計され、
前記示唆演出が特定の演出態様となる確率は、前記記憶手段に記憶された設定値に応じて異なる弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、保留先読みによる示唆演出における特定の演出態様が設定値を示唆するものとすることで、示唆演出を大当りを示唆するものであるとともに設定値を示唆するものとして遊技者に提示でき、遊技者の期待感および遊技の興趣を一層高めることができる
[態様3-4-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が大当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
今回の図柄変動において前記特別遊技への移行が発生する期待度を示唆する示唆演出を実行可能な演出制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記示唆演出は、複数種類の演出態様のいずれかに制御され、前記示唆演出の演出態様に応じて、前記特別遊技への移行の期待度が異なるように設計され、
前記示唆演出が特定の演出態様となる確率は、前記記憶手段に記憶された設定値に応じて異なる弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、示唆演出がとりうる複数の演出態様それぞれの出現頻度により、設定を推測する遊技性を新たに提供できる
上述した第4実施例および変形例に記載の技術は以下のように表現できる。
[態様4-1-1]
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
遊技者に有利な遊技状態が継続する期間である有利期間において前記特別遊技が終了する場合に、前記有利期間での前記特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記有利期間に前記特別遊技が終了する場合に所定確率にて、前記通常演出ではなく、前記有利期間における前記特別遊技の実行回数に不整合な内容の演出を、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出として実行可能である遊技機。
この遊技機によると、有利期間において特別遊技が終了する場合に、有利期間での特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出と、有利期間での特別遊技の実行回数に不整合な内容の設定示唆演出とを選択的に実行可能とすることで、遊技機が低設定であっても、高設定時と同等の内容の通常演出が実行され得ることとなり、遊技意欲の促進につなげることができる。
[態様4-1-2]
前記演出制御手段が、前記記憶手段に記憶された設定値を正しく示唆する設定示唆演出を実行する確率は、前記有利期間における前記特別遊技の実行回数に応じて異なり得るよう構成された態様4-1-1に記載の遊技機。
この遊技機によると、設定値を正しく示唆する設定示唆演出の実行確率を、有利期間における特別遊技の実行回数に応じて変化させることで、有利期間での遊技の興趣を一層高めることができる。また、例えば、有利期間における特別遊技の実行回数が多くなるほど、設定値を正しく示唆する設定示唆演出の実行確率を高める場合、有利期間を継続させたことへの特典として、設定値を正しく示唆する設定示唆演出を提供することができる。
[態様4-1-3]
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
遊技者に有利な遊技状態が継続する期間である有利期間において前記特別遊技が終了する場合に、前記有利期間での前記特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、さらに、前記通常演出ではなく、前記有利期間における前記特別遊技の実行回数に不整合な内容の演出を、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出として実行可能であり、
前記有利期間での前記特別遊技が終了する場合に、所定確率にて前記通常演出または前記設定示唆演出のいずれかを実行可能であり、前記通常演出または前記設定示唆演出のいずれかを実行する場合において、前記有利期間での前記特別遊技の実行回数に応じて、前記設定示唆演出を選択的に実行する確率が高くすることを特徴とする遊技機。
この遊技機によると、有利期間において特別遊技が終了する場合に、有利期間での特別遊技の実行回数に応じて設定示唆演出の実行確率を高くすることにより、有利期間において特別遊技を獲得したことへの特典として設定示唆演出を提供することができる。
[態様4-2-1]
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
遊技者に有利な遊技状態が継続する期間である有利期間が終了する場合に、前記有利期間での前記特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記有利期間が終了する場合に所定確率にて、前記通常演出ではなく、前記有利期間における前記特別遊技の実行回数に不整合な内容の演出を、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出として実行可能である遊技機。
この遊技機によると、有利期間が終了する場合に、有利期間での特別遊技の実行回数に整合する内容の通常演出と、有利期間での特別遊技の実行回数に不整合な内容の設定示唆演出とを選択的に実行可能とすることで、遊技機が低設定であっても、高設定時と同等の内容の通常演出が実行され得ることとなり、遊技意欲の促進につなげることができる。
[態様4-2-2]
前記演出制御手段が、前記記憶手段に記憶された設定値を正しく示唆する設定示唆演出を実行する確率は、前記有利期間における前記特別遊技の実行回数に応じて異なり得るよう構成された態様4-2-1に記載の遊技機。
この遊技機によると、設定値を正しく示唆する設定示唆演出の実行確率を、有利期間における特別遊技の実行回数に応じて変化させることで、有利期間での遊技の興趣を一層高めることができる。また、例えば、有利期間における特別遊技の実行回数が多くなるほど、設定値を正しく示唆する設定示唆演出の実行確率を高める場合、有利期間を継続させたことへの特典として、設定値を正しく示唆する設定示唆演出を提供することができる。
[態様5-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態を含む所定期間、1回以上の図柄変動に亘って連続する内容の特殊演出を表示させ、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態において、前記第2始動口を狙った遊技球の発射を促すための第1オブジェクトと第2オブジェクトとを表示させ、
前記第2オブジェクトのサイズは、前記第1オブジェクトのサイズより大きく、
前記第1オブジェクトは、前記第2抽選値の保留個数に関わらず、内容は変化せず、
前記第2オブジェクトは、前記第2抽選値の保留個数に応じて、その保留個数を示唆する内容の表示有無が切り替わることを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、第1オブジェクトは、入球容易状態中、第2始動口を狙った遊技球の発射を促す内容が変化しないことで、遊技球の最適な発射方向を遊技者に提示し続けることができる。一方、第1オブジェクトよりサイズが大きく、遊技者の注目を集めやすい第2オブジェクトは、第2抽選値の保留個数に応じて保留個数を示唆する内容の表示有無が切り替わることにより、特殊演出中に1回以上の図柄変動が実行されていることを分かり難くし、特殊演出を一層効果的に提示することができる。
[態様5-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放され、遊技球の入球が遊技者への利益付与の契機となる大入賞口と、
前記当否判定の結果が小当りであることを示す図柄が停止表示された場合、前記大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記小当り遊技中に前記大入賞口内に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合、通常遊技より遊技者に有利な状態であり、前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記第2始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された第2抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記事前判定情報が、小当りとなる抽選値が保留されていることを示す場合、前記小当りとなる抽選値に基づく図柄の変動表示が開始される前に、有利な状態への移行を示唆する演出を表示させ、前記小当りとなる抽選値より先に保留された抽選値に基づく図柄の変動表示がなされる間、前記有利な状態への移行を示唆する所定のオブジェクトの表示を継続させることを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、いわゆる先読みにより保留内の小当り(有利な状態への移行)を示唆する演出を表示させた後、小当りとなる保留に到達するまでの外れ保留の変動停止(外れ表示)によって、小当りがないものと遊技者が誤認してしまうことを防ぐことができる。
[態様5-3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、所定条件が満たされた場合に、特殊演出を表示可能な状態に移行し、
前記特殊演出は、複数回の図柄変動に亘って複数種類の個別演出を予め定められた順番で表示する演出であり、
前記演出決定手段は、前記特殊演出の最後の個別演出を表示させた場合、前記所定条件が再度満たされるまで前記特殊演出を表示させないようにし、前記所定条件が再度満たされた場合、前記特殊演出を表示可能な状態に再度移行することを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、所定条件が満たされた場合に特殊演出を1回だけ見せる制御を実現できる。例えば、特殊演出として大当り期待度とは関係がない遊技機情報(タイアップする作品の説明等)やキャラクタ紹介の演出が頻発することは、遊技者に煩わしさを感じさせる可能性がある。本発明によると、このような大当り期待度とは関係がない演出を所定条件の充足を契機に1回だけ見せることができる。
[態様5-4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、所定の開始条件が満たされた場合に、複数回の図柄変動に亘って行う特殊演出を表示可能な状態に移行し、
前記演出決定手段は、前記特殊演出を表示可能な状態に移行後、前記特殊演出の所定の終了条件が満たされるまで、少なくとも他の一部の演出を表示させないようにすることを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、所定条件が満たされたことを契機として、複数回の図柄変動に亘る特殊演出を集中的に遊技者に提示することができる。特殊演出は、例えば、遊技機情報(タイアップする作品の説明等)やキャラクタ紹介でもよく、間を置かずに提示することにより、遊技者の理解を深めやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。
[態様5-5-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1の当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2の当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1の当否判定の結果を示す第1の特別図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、
前記第2の当否判定の結果を示す第2の特別図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する第1の特別図柄と第2の特別図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記第1の特別図柄が、前記第1の当否判定の結果が当りであることを示す態様で停止表示された場合、および、前記第2の特別図柄が、前記第2の当否判定の結果が当りであることを示す態様で停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記第1の特別図柄および前記第2の特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動演出を前記演出表示装置に表示させる演出決定手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、前記保留制御手段により前記第2抽選値が保留されている場合、前記第1の当否判定に対応する図柄変動表示の開始を留保する一方、前記第2表示制御手段は、前記保留制御手段により前記第1抽選値が保留されているか否かにかかわらず前記第2の当否判定に対応する図柄変動表示を開始し、
前記第2抽選値の保留に対する変動演出として特殊演出が表示される特殊演出期間が定められており、
前記演出決定手段は、前記特殊演出期間における前記第2の特別図柄の変動表示開始時に、前記第2抽選値の保留個数が所定値である場合、前記第2抽選値の保留個数が前記所定値でない場合とは異なる演出パターン決定基準を用いて、前記特殊演出の演出パターンを決定することを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、特殊な演出を実行する期間(特殊演出期間)における特定の変動で、所定の演出パターンによる演出を表示させることができる。例えば、特殊演出期間において第2抽選値の保留個数が0個の場合に開始される第2の特別図柄の変動表示に対応する変動演出にて、予め定められた演出パターンによる演出を表示させることができる。
[態様5-5-2]
特定遊技制御手段をさらに備え、
前記第2始動口は、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有し、
前記特定遊技制御手段は、前記通常遊技における前記第2始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記第2始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、所定の条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を入球容易状態へ移行させ、
前記特殊演出期間は、前記通常状態の所定の遊技期間である態様5-5-1に記載の弾球遊技機。
この態様によると、入球容易状態でない通常状態における特定の変動で、所定の演出パターンによる演出を表示させることができる。これにより、通常状態においても、遊技の興趣を高めやすくなる。
[態様5-6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値に基づいて第1の当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて第2の当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1の当否判定の結果を示す第1の特別図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、
前記第2の当否判定の結果を示す第2の特別図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する第1の特別図柄と第2の特別図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記第1の特別図柄が、前記第1の当否判定の結果が当りであることを示す態様で停止表示された場合、および、前記第2の特別図柄が、前記第2の当否判定の結果が当りであることを示す態様で停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記第1の特別図柄および前記第2の特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動演出を前記演出表示装置に表示させる演出決定手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、前記保留制御手段により前記第2抽選値が保留されている場合、前記第1の当否判定に対応する図柄変動表示の開始を留保する一方、前記第2表示制御手段は、前記保留制御手段により前記第1抽選値が保留されているか否かにかかわらず前記第2の当否判定に対応する図柄変動表示を開始し、
前記第2抽選値の保留に対する変動演出として特殊演出が表示される特殊演出期間が定められており、
前記演出決定手段は、前記特殊演出期間における前記第2の特別図柄の変動表示開始時に、前記第2抽選値の保留個数が所定値であって、かつ、所定の許可条件を満たす場合、前記第2抽選値の保留個数が前記所定値でない場合とは異なる演出パターン決定基準を用いて、前記特殊演出の演出パターンを決定することを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、特殊な演出を実行する期間(特殊演出期間)における特定の変動で所定の演出パターンによる演出を表示させることができる。また、許可条件の充足有無を判断することにより、イレギュラーな状況においても、設計者の意図するタイミングで、所定の演出パターンによる演出を表示させることができる。
[態様6-1]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記通常遊技における前記始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態において、前記第2抽選値の保留個数を示唆するオブジェクトを表示させ、
前記演出決定手段は、前記オブジェクトの初期表示態様として、前記第2抽選値の実際の保留個数に関わらず所定態様で前記オブジェクトを表示させ、当該所定態様にて前記オブジェクトが表示された状態から前記第2始動口に対して前記所定個数分の入球があると、前記所定態様とは異なる特定態様で前記オブジェクトを表示させることを特徴とする弾球遊技機。
第2抽選値の保留個数を示唆するオブジェクトを、その初期表示時に、第2抽選値の実際の保留個数に対応する態様で表示させると、遊技者にとって第2始動口へあと何個入球させればよいか分かりがたくなることがある。本弾球遊技機の構成によると、上記オブジェクトの初期表示態様を、実際の保留個数に関わらず所定態様とすることで、遊技者に不利益が生じないよう、第2抽選値の保留個数を上限まで貯めさせやすくなる。また、第2抽選値の保留個数が上限に達していても遊技球の発射を促すことで、総アウト数を増やし、遊技機のベースを低下させることができる。
[態様6-2]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記第1抽選値に基づく当否判定の結果に応じて、その結果を示すための第1特別図柄の変動パターンを決定し、前記第2抽選値に基づく当否判定の結果に応じて、その結果を示すための第2特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンにしたがって前記第1特別図柄および前記第2特別図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄が前記当否判定の結果が当りであることを示す態様で停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記通常遊技における前記始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、
前記入球容易状態は、前記第1特別図柄の変動回数に基づく終了条件と、前記第2特別図柄の変動回数に基づく終了条件とが定められ、いずれかの終了条件が満たされた場合に終了するものであり、
前記変動パターン決定手段は、前記入球容易状態において、特殊演出を実行するための変動パターンを定めた基準であって、参照回数が制限される基準である特殊基準を参照して、前記第1特別図柄および前記第2特別図柄の変動パターンを決定し、
前記特殊基準の参照回数は、前記第2特別図柄の変動に伴い減算する一方、前記第1特別図柄の変動では減算しないことを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、入球容易状態においては第2特別図柄の変動でのみ特殊基準を推移させることができる。これにより、設計者および遊技者が意図しない第1特別図柄の変動がなされても(例えば、大当り終了時に第1抽選値の保留が残った状態で遊技者が離席し、入球容易状態中に第1特別図柄の変動が行われた状況であっても)、特殊演出が進行しないように制御でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
[態様6-3]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記通常遊技における前記始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、
前記演出決定手段は、前記事前判定情報に応じて、保留された前記抽選値の中に当りが存在する期待度を示すオブジェクトを表示させ、
前記演出決定手段は、予め定められた基準に応じて、前記入球容易状態における前記始動口への入球数の増加に伴って、より高い期待度を示すように前記オブジェクトの態様を変化させることが可能であり、
前記基準は、前記入球容易状態において前記始動口に対する前記所定個数を超えた分の入球数が設計上想定される最大数を超えた場合に前記オブジェクトの態様を変化させ得る規定を含むことを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、遊技領域内での遊技球の詰まり(いわゆる葡萄)が解消される等により、始動口へのオーバー入賞数が設計上想定される最大数を超えた場合にオブジェクトの変化が生じ得る基準とすることにより、通常では見ることが困難な演出を実現することができる。また、遊技者にとって望ましくない不測の事態(例えば葡萄)が生じた場合でも、通常では見ることが困難な演出が見られる可能性があるため、遊技者のストレスや不満を軽減することができる。
[態様6-4]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記通常遊技における前記始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、
前記演出決定手段は、前記事前判定情報に応じて、保留された前記抽選値の中に当りが存在する期待度を示すオブジェクトを表示させ、
前記演出決定手段は、予め定められた基準に応じて、前記入球容易状態における前記始動口への入球数の増加に伴って、より高い期待度を示すように前記オブジェクトの態様を変化させることが可能であり、
前記入球容易状態における前記入球変動機構の開閉時間をNとし、N時間での発射可能球数をMとし、前記入球容易状態における前記入球変動機構の開放割合をOとするとき、前記基準は、前記入球容易状態において前記始動口に対する前記所定個数を超えた分の入球数が(M×O-前記所定個数)を超えた場合に前記オブジェクトの態様を変化させ得る規定を含むことを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、遊技領域内での遊技球の詰まり(いわゆる葡萄)が解消される等により、始動口へのオーバー入賞数が設計上想定される最大数を超えた場合にオブジェクトの変化が生じ得る基準とすることにより、通常では見ることが困難な演出を実現することができる。また、遊技者にとって望ましくない不測の事態(例えば葡萄)が生じた場合でも、通常では見ることが困難な演出が見られる可能性があるため、遊技者のストレスや不満を軽減することができる。
[態様6-5]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、保留されている抽選値に対応する保留画像を前記演出表示装置に表示させ、
前記演出決定手段は、保留された或る抽選値に関する事前判定情報に応じて、前記或る抽選値に対応する保留画像に対する第1保留変化演出と第2保留変化演出を実行可能であり、
前記第1保留変化演出は、前記或る抽選値に基づく図柄変動開始前に、前記或る抽選値に対応する保留画像を通常とは異なる1段階目の態様で表示させ、図柄変動開始後に、その保留画像を通常とは異なる2段階目の態様に変化させる演出であり、
前記第2保留変化演出は、前記或る抽選値に基づく図柄変動開始前と図柄変動開始後のいずれにおいても実行可能な演出であり、1回で完結する態様で前記或る抽選値に対応する保留画像を変化させる演出であり、
前記第1保留変化演出により前記或る抽選値に対応する保留画像を前記2段階目の態様に変化させた後でも、その保留画像に対して前記第2保留変化演出を実行可能であることを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、一の保留変化演出が行われた後でも、他の保留変化演出が行われることに対する遊技者の期待感を継続させ、演出の興趣を一層高めることができる。
[態様6-6]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出が表示される演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、保留されている抽選値に対応する保留画像を前記演出表示装置に表示させ、
前記演出決定手段は、保留された或る抽選値に関する事前判定情報に応じて、前記或る抽選値に対応する保留画像に対する第1保留変化演出と第2保留変化演出を実行可能であり、
前記第1保留変化演出は、前記或る抽選値に基づく図柄変動開始前に、前記或る抽選値に対応する保留画像を通常とは異なる1段階目の態様で表示させ、図柄変動開始後に、その保留画像を通常とは異なる2段階目の態様に変化させる演出であり、
前記第2保留変化演出は、前記或る抽選値に基づく図柄変動開始前と図柄変動開始後のいずれにおいても実行可能な演出であり、1回で完結する態様で前記或る抽選値に対応する保留画像を変化させる演出であり、
前記或る抽選値に対応する保留画像に対して前記第2保留変化演出が実行された後は、その保留画像に対する前記第1保留変化演出は実行されない一方、その保留画像に対する2回目の前記第2保留変化演出は実行可能であり、
前記或る抽選値に対応する保留画像に対して前記第1保留変化演出の実行により保留画像が1段階目の態様となった後から2段階目の態様となる前は、その保留画像に対する前記第2保留変化演出は実行されない一方、前記或る抽選値に対応する保留画像に対して前記第1保留変化演出の実行により保留画像が2段階目の態様となった後は、その保留画像に対する前記第2保留変化演出が実行可能であることを特徴とする弾球遊技機。
この弾球遊技機によると、一の保留変化演出が行われた後でも、他の保留変化演出が行われることに対する遊技者の期待感を継続させ、演出の興趣を一層高めることができる。また、保留画像の変化の推移に齟齬が生じることで遊技者の混乱を招く可能性を低減できる。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 20 大入賞口、 221 第1当否判定手段、 222 第2当否判定手段、 240 保留制御手段、 260 特別遊技制御手段、 265 小当り遊技制御手段、 270 特定遊技制御手段、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段、 500 ぱちんこ遊技機。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう変位可能な入球変動機構を有する始動口と、
    前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
    前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
    前記当否判定の結果が当りであることを示す図柄が停止表示された場合、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    演出が表示される演出表示装置と、
    前記演出表示装置に表示される演出を決定する演出決定手段と、
    前記始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく当否判定が実行された場合の結果が当りとなるとき、当該入球に対応する変動において当りとなることを示す事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
    を備え、
    前記通常遊技における前記始動口への入球容易性に関する遊技状態として、通常状態と、前記始動口への入球容易性が前記通常状態より高まる入球容易状態とを有し、
    前記演出決定手段は、前記事前判定情報に応じて、保留された前記抽選値の中に当りが存在する期待度を示すオブジェクトを表示させ、
    前記演出決定手段は、予め定められた基準に応じて、前記入球容易状態における前記始動口への入球数の増加に伴って、より高い期待度を示すように前記オブジェクトの態様を変化させることが可能であり、
    前記入球容易状態における前記入球変動機構の開閉時間をNとし、N時間での発射可能球数をMとし、前記入球容易状態における前記入球変動機構の開放割合をOとするとき、前記基準は、前記入球容易状態において前記始動口に対する前記所定個数を超えた分の入球数が(M×O-前記所定個数)を超えた場合に前記オブジェクトの態様を変化させ得る規定を含むことを特徴とする弾球遊技機。
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