《第1の実施形態》
以下、無線制御システムの第1の実施形態について、図1~図14に基づいて詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る無線制御システム100の構成が概略的に示されている。
無線制御システム100は、図1に示すように、利用者端末10と、予約受付装置としての予約管理サーバ20と、制御装置としてのコントローラ50と、無線LANアクセスポイント70と、を備える。コントローラ50と、無線LANアクセスポイント70は、広域ネットワーク(WAN(Wide Area Network))に接続されており、WANは、インターネットに接続されている。また、インターネットには、利用者端末10や予約管理サーバ20が接続されている。
利用者端末10は、例えばノート型のPC(Personal Computer)や、スマートフォン、タブレット型端末などの持ち運び可能な端末である。利用者は、利用者端末10をインターネットに接続した状態で、貸し会議室やレンタルオフィスなどの共用スペースの利用予約を行ったり、共用スペース内で無線LANに接続した状態で、業務等を行ったりする。
図2(a)には、利用者端末10のハードウェア構成が示されている。図2(a)に示すように、利用者端末10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークI/F(interface)97、無線I/F98、表示部93、入力部95、及び可搬型記憶媒体91に格納されたデータやプログラムを読み出し可能な可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これら利用者端末10の構成各部は、バス98に接続されている。利用者端末10は、ネットワークI/F97を介してインターネットに接続され、無線I/F98を介して無線LANアクセスポイント70に接続される。
予約管理サーバ20は、共用スペースの利用予約に関する情報を管理する装置である。予約管理サーバ20は、例えば、利用者端末10からの求めに応じて予約画面を送信し、予約画面に入力された予約情報を取得して、管理する。また、予約管理サーバ20は、取得した予約情報をコントローラ50に通知するとともに、コントローラ50から得た情報(予約情報に対して割り当てられたSSIDやパスワード)を利用者端末10に通知する。
図2(b)には、予約管理サーバ20のハードウェア構成が示されている。予約管理サーバ20は、図2(b)に示すように、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD)196、ネットワークI/F197、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら予約管理サーバ20の構成各部は、バス198に接続されている。予約管理サーバ20では、ROM192あるいはHDD196に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラムをCPU190が実行することにより、図5に示す各部の機能が実現される。なお、図5には、予約管理サーバ20のHDD196等に格納されている利用者DB(database)32、場所DB34、及び予約DB36も図示されている。なお、図5の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
コントローラ50は、無線LANアクセスポイント70の動作を制御する装置である。具体的には、コントローラ50は、予約管理サーバ20から、共用スペースの予約情報を受け付けると、予約情報に対してSSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)を割り当て、予約管理サーバ20に返送する。また、コントローラ50は、予約情報に基づいてSSIDとパスワードを有効化又は無効化し、その情報(設定変更の情報)を予約された共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70に制御情報として送信することで、無線LANアクセスポイント70の動作を制御する。なお、「共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント」は、必ずしも共用スペースの内部に設置されていなくてもよい。また、複数の共用スペースで1つの無線LANアクセスポイントを利用可能であってもよい。
図3(a)には、コントローラ50のハードウェア構成が示されている。コントローラ50は、図3(a)に示すように、CPU290、ROM292、RAM294、記憶部(HDD)296、WAN I/F289及び可搬型記憶媒体用ドライブ299等を備えている。これらコントローラ50の構成各部は、バス298に接続されている。コントローラ50では、ROM292あるいはHDD296に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ299が可搬型記憶媒体291から読み取ったプログラムをCPU290が実行することにより、図5に示す各部の機能が実現される。なお、図5には、コントローラ50のHDD296等に格納されている予約DB62、場所-装置DB64、及びアクセスポイントDB66も図示されている。なお、図5の各部の機能は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
無線LANアクセスポイント70は、IEEE802.11シリーズ(例えば、IEEE802.11b、IEEE802.11a、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11ac等)に準拠した無線接続が可能な無線LANアクセスポイントである。無線LANアクセスポイント70は、WiFi(登録商標)認証を受けているものとする。無線LANアクセスポイント70は、コントローラ50から送信されてくる設定変更の情報を参照し、設定変更の情報に含まれるSSIDを自己の識別情報とし、当該SSIDを含む電波の送信を開始したり、停止したりする。また、無線LANアクセスポイント70は、利用者端末10から接続要求があった場合に、利用者端末10上で利用者が入力したパスワードを用いた認証を行い、認証に成功した場合に、無線LANへの利用者端末10の接続を許可する。
図3(b)には、無線LANアクセスポイント70のハードウェア構成が示されている。無線LANアクセスポイント70は、図3(b)に示すように、CPU390、ROM392、RAM394、フラッシュメモリ396、WAN I/F389、無線I/F397等を備えている。これら無線LANアクセスポイント70の構成各部は、バス398に接続されている。
(無線制御システム100の処理の概要)
無線制御システム100においては、図4に示すような処理を実行する。
(1) 利用者が利用者端末10に共用スペースの予約情報を入力すると、予約管理サーバ20が、共用スペースの予約情報を登録する。
(2) 次いで、予約管理サーバ20は、登録した予約情報をコントローラ50に通知する。
(3) コントローラ50は、予約情報に対してSSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)を新たに生成して割り当て、予約管理サーバ20に返送する。
(4) 予約管理サーバ20は、コントローラ50から取得したSSIDとパスワードを予約に用いられた利用者端末10に通知する。
(5) その後、コントローラ50は、予約開始日時になると、予約情報に対して割り当てられたSSIDとパスワードを有効化し、予約された共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70に対して設定変更の情報を通知する。
(6) SSIDとパスワードが有効化された旨の設定変更の情報を受け取った無線LANアクセスポイント70は、有効化されたSSIDを含む電波の送出を開始する。
(7) 無線LANアクセスポイント70は、上記電波を送出している間に利用者端末10から接続要求があると、利用者が入力したパスワードの認証を実行し、認証に成功した場合に、利用者端末10を無線LANに接続する。
(8) その後、予約終了日時になると、コントローラ50は、SSIDとパスワードを無効化し、無線LANアクセスポイント70に対して設定変更の情報を通知する。これにより、無線LANアクセスポイント70は、SSIDを含む電波の送出を終了し、利用者端末10との無線LAN接続を終了(切断)する。
(予約管理サーバ20及びコントローラ50の機能について)
次に、図5に基づいて、予約管理サーバ20とコントローラ50の機能について、詳細に説明する。
(予約管理サーバ20)
予約管理サーバ20は、CPU190がプログラムを実行することにより、図5に示すように、予約登録部22及びコントローラ連携部24として機能する。
予約登録部22は、利用者端末10からログイン要求があった場合に、利用者DB32を参照して、ログインIDとログインPWを用いた認証を行う。ここで、利用者DB32は、予め登録されている利用者の情報を格納するデータベースであり、図6(a)に示すように、「利用者番号」、「氏名」、「ログインID」、「ログインPW」等のフィールドを有する。「利用者番号」のフィールドには、利用者の識別番号が格納され、「氏名」のフィールドには、利用者の氏名の情報が格納される。また、「ログインID」、「ログインPW」のフィールドには、利用者がログインに用いるIDとパスワードが格納される。なお、利用者DB32には、その他の利用者の情報(住所や電話番号など)が格納されていてもよい。
また、予約登録部22は、ログイン後の利用者端末10から共用スペースの利用予約の要求があると、場所DB34を用いて予約画面を生成し、利用者端末10に送信する。ここで、場所DB34は、共用スペースの情報を管理するデータベースであり、図6(b)に示すように、「場所番号」、「名称」、「開始時刻」、「終了時刻」等のフィールドを有する。「場所番号」のフィールドには、共用スペースの識別番号が格納され、「名称」のフィールドには、共用スペースの名称(例えば、ビル名やルーム名)が格納される。また、「開始時刻」及び「終了時刻」のフィールドには、共用スペースの営業開始時刻及び営業終了時刻が格納される。なお、場所DB34には、予約画面を生成するために必要な共用スペースのその他の情報(例えば、共用スペースの位置情報や、共用スペースの種別、収容人数、共用スペースの設備や備品の情報など)が格納されているものとする。
また、予約登録部22は、予約画面においてユーザが予約情報を入力すると、入力された予約情報を予約DB36に登録する。ここで、予約DB36は、共用スペースの予約情報を格納するデータベースであり、「予約番号」、「利用者番号」、「場所番号」、「予約開始日時」、「予約終了日時」、「SSID」、「PW」等のフィールドを有する。「予約番号」のフィールドには、予約情報の識別番号が格納され、「利用者番号」のフィールドには、予約を行った利用者の利用者番号が格納される。また、「場所番号」のフィールドには、予約された共用スペースの場所番号が格納され、「予約開始日時」及び「予約終了日時」のフィールドには、共用スペースの予約時間の始期と終期を示す情報が格納される。また、「SSID」及び「PW」のフィールドには、コントローラ50が予約情報に対して割り当てたSSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)が格納される。なお、予約情報を登録する段階では、SSIDとパスワードのフィールドには何も格納されないものとする。なお、予約DB36には、その他の予約に関する情報(例えば、予約人数など)が格納されてもよい。
図5に戻り、コントローラ連携部24は、予約登録部22が予約DB36に新たな予約情報を登録した場合に、コントローラ50の予約情報受付部52に対して、新たに登録された予約情報を通知する。また、コントローラ連携部24は、予約情報受付部52から予約情報に対応するSSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)を受信すると、SSIDとパスワードを予約DB36に格納する。このように、予約DB36にSSIDとパスワードが格納されると、予約登録部22は、格納されたSSIDとパスワードを利用者端末10に通知する。
(コントローラ50)
コントローラ50は、CPU290がプログラムを実行することにより、図5に示すように、予約情報受付部52及びアクセスポイント制御部54として機能する。
予約情報受付部52は、予約管理サーバ20のコントローラ連携部24から予約情報を受信すると、予約情報に対応付けてSSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)を生成し(割り当て)、生成したSSIDとパスワードを予約管理サーバ20のコントローラ連携部24に通知する。また、予約情報受付部52は、生成したSSIDとパスワードを予約情報とともに予約DB62に格納する。なお、予約DB62は、図7(a)に示すように、予約管理サーバ20が有する予約DB36と同様のデータ構造を有している。
アクセスポイント制御部54は、予約DB62において予約開始日時になった共用スペースがあった場合に、対応するSSIDとパスワードを予約DB62から読み出す。また、アクセスポイント制御部54は、場所-装置DB64を参照して、予約開始日時になった共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70を特定する。更に、アクセスポイント制御部54は、アクセスポイントDB66を参照して、特定した無線LANアクセスポイント70のコマンドカタログ(コマンドリスト)を取得する。そして、アクセスポイント制御部54は、読み出したSSIDとパスワードを有効化した旨を示す情報(設定変更の情報)を生成し、取得したコマンドカタログに従って、設定変更の情報を無線LANアクセスポイント70に送信する。
一方、予約DB62において予約終了日時になった共用スペースがあった場合には、アクセスポイント制御部54は、対応するSSIDとパスワードを無効化した旨を示す情報(設定変更の情報)を生成し、コマンドカタログに従って、無線LANアクセスポイント70に送信する。
ここで、場所-装置DB64は、各共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70の情報を管理するデータベースであり、図7(b)に示すように、「場所番号」と「装置ID」のフィールドを有している。「装置ID」のフィールドには、無線LANアクセスポイント70の識別情報が格納されている。なお、場所-装置DB64には、その他の情報が格納されていてもよい。アクセスポイントDB66は、各無線LANアクセスポイント70の設定コマンドカタログを管理するデータベースであり、図7(c)に示すように「装置ID」と「コマンドカタログ」のフィールドを有している。なお、アクセスポイントDB66には、その他の無線LANアクセスポイントに関する情報が格納されていてもよい。
(予約管理サーバ20とコントローラ50の処理について)
次に、予約管理サーバ20とコントローラ50の処理について、フローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
(予約登録処理)
以下、図8のフローチャートに沿って、予約管理サーバ20による予約登録処理(図4の(1)~(4)の予約管理サーバ20の処理)について、説明する。
図8の処理では、まずステップS10において、予約登録部22が、利用者端末10からのログイン要求に応じて、利用者ログイン処理を実行する。この利用者ログイン処理においては、予約登録部22が、利用者端末10の表示部93上に表示されたログイン画面において利用者が入力したログインIDとログインパスワードを取得し、利用者DB32を参照して認証処理を実行する。予約登録部22は、認証結果を利用者端末10に通知する。なお、予約登録部22は、認証に成功した場合にステップS12に移行するが、認証に失敗した場合には、図8の処理が強制終了となる。
ステップS12に移行すると、予約登録部22は、共用スペースを検索して表示する。例えば、利用者が利用者端末10の表示部93上において、図9(a)に示すように地図を表示したとする。この場合、予約登録部22は、表示部93に表示されている範囲を示す情報を取得し、当該範囲に含まれる共用スペースを場所DB34から検索して、検索結果を地図上に表示する。図9(a)の例では、符号A~Eで示す共用スペースが検索されたものとする。
次いで、ステップS14では、予約登録部22が、利用者によって指定された共用スペース、開始終了日時を取得する。例えば、利用者が図9(a)の画面上において、共用スペースの1つ(例えば符号Cで示すPQR駅ビル)を選択したとする。この場合、予約登録部22は、図9(b)に示すようなルーム選択画面を場所DB34に基づいて生成し、利用者端末10に送信する。そして、利用者が図9(b)のルーム選択画面において、ルームの1つ(例えばルームA)の予約ボタンを押した場合に、予約登録部22は、図10(a)に示すような予約日時設定画面を生成し、利用者端末10に送信する。その後、利用者が図10(a)の予約日時設定画面上において、予約日時を入力し、予約ボタンを押した場合に、予約登録部22は、予約情報として、選択された共用スペース(PQR駅ビルのルームA)の情報と、入力された開始終了日時の情報を取得する。
図8に戻り、次のステップS16では、予約登録部22が、ステップS14において取得した情報を予約DB36に登録する。例えば、利用者である富士太郎が、11月2日16時から18時までPQRビルのルームAの利用予約を行った場合には、図11(a)に示すように予約DB36に予約情報が登録される。
次いで、ステップS18では、コントローラ連携部24が、コントローラ連携処理を実行する。このステップS18においては、コントローラ連携部24が、図12のフローチャートに沿った処理を実行する。
図12の処理では、まず、ステップS30において、コントローラ連携部24が、予約情報をコントローラ50に送信する。すなわち、コントローラ連携部24は、ステップS16において予約DB36に登録された情報(図11(a)の情報)をコントローラ50の予約情報受付部52に送信する。
次いで、ステップS32では、コントローラ連携部24が、送信できたか否かを判断する。このステップS32の判断が否定された場合(送信できなかった場合)には、ステップS30に戻るが、肯定された場合には、ステップS34に移行する。なお、ステップS30、S32(否定)が所定回数以上繰り返された場合には、エラーが発生したとして、図12(図8)の処理を強制終了してもよい。
ステップS32の判断が肯定されてステップS34に移行すると、コントローラ連携部24は、ステップS30において送信した予約情報に対応するSSIDとパスワードをコントローラ50の予約情報受付部52から受信する。
次いで、ステップS36では、コントローラ連携部24が、受信できたか否かを判断する。このステップS36の判断が否定された場合(受信できなかった場合)には、ステップS34に戻るが、肯定された場合には、ステップS38に移行する。なお、ステップS34、S36(否定)が所定回数以上繰り返された場合には、エラーが発生したとして、図12(図8)の処理を強制終了してもよい。
ステップS36の判断が肯定されてステップS38に移行すると、コントローラ連携部24は、SSIDとパスワードを予約DB36に登録する。例えば、受信したSSIDが「AAAAA」でパスワードが「12345678」であった場合には、コントローラ連携部24は、図11(b)に示すように、予約DB36にSSIDとパスワードを予約情報と対応付けて登録する。
以上のようにして、図12の処理が終了すると、図8のステップS20に移行する。
図8のステップS20に移行すると、予約登録部22は、ステップS38において予約DB36に登録されたSSIDとパスワードを利用者端末10に通知する。この通知により、利用者端末10には、図10(b)に示すような画面が表示されることになる。図10(b)の画面には、予約された共用スペースの情報及び予約日時が表示されるとともに、無線LAN設定としてSSIDとパスワードが表示される。
次いで、ステップS22では、予約登録部22が、利用者端末10からログアウト要求があるまで待機する。そして、利用者端末10からログアウト要求があると、予約登録部22は、利用者端末10のログアウト処理を行ったうえで、図8の全処理を終了する。
(予約情報受付処理)
次に、コントローラ50の予約情報受付部52による予約情報受付処理(図4の(2)、(3)のコントローラ50の処理)について、図13のフローチャートに沿って説明する。なお、図13の処理は、図8(及び図12)の処理と並行して実行される処理である。
図13の処理では、まずステップS50において、予約情報受付部52が、予約情報を受信するまで待機する。すなわち、コントローラ連携部24が予約情報をコントローラ50に送信した段階(図12のステップS32が肯定された段階)で、予約情報受付部52は、ステップS52に移行する。
ステップS52に移行すると、予約情報受付部52は、SSID(ワンタイムSSID)とパスワード(ワンタイムパスワード)を新たに生成する。
次いで、ステップS54では、予約情報受付部52が、生成したSSIDとパスワードを予約管理サーバ20(コントローラ連携部24)に送信する。
次いで、ステップS56では、予約情報受付部52が、送信できたか否かを判断する。このステップS56の判断が否定された場合には、ステップS54に戻るが、肯定された場合には、ステップS58に移行する。なお、ステップS54、S56(否定)が所定回数以上繰り返された場合には、エラーが発生したとして、図13の処理を強制終了してもよい。
ステップS56の判断が肯定されてステップS58に移行すると、予約情報受付部52は、ステップS50で受信した予約情報と、ステップS52で生成したSSID及びパスワードとを予約DB62に格納する。
以上により、図13の全処理が終了する。なお、図13の処理は、繰り返し実行される。
(制御処理)
次に、コントローラ50のアクセスポイント制御部54による無線LANアクセスポイント70の制御処理(図4の(5)、(8)の処理)について、図14のフローチャートに沿って説明する。
図14の処理において、ステップS70では、アクセスポイント制御部54が、所定時間経過するまで待機する。なお、所定時間とは、図10(a)の画面において開始時刻及び終了時刻を設定できる時間間隔と同一であるものとする。例えば、開始時刻及び終了時刻を毎時0分と30分に設定できる場合には、所定時間は30分であり、毎時0分と30分にステップS70の判断が肯定されるものとする。また、開始時刻及び終了時刻を10分間隔で設定できる場合には、所定時間は10分であり、毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分にステップS70の判断が肯定されるものとする。ただし、これに限らず、所定時間は、開始時刻及び終了時刻を設定できる時間間隔よりも短くてもよい。
所定時間が経過し、ステップS72に移行すると、アクセスポイント制御部54は、予約DB62を参照して、現在の時刻と予約開始時刻が一致している予約情報があるか否かを判断する。このステップS72の判断が肯定された場合には、ステップS74に移行し、アクセスポイント制御部54は、当該予約情報に対応するSSIDとパスワードを有効化し、ステップS76に移行する。例えば、現在日時が11月2日16時である場合には、図7(a)の予約番号「1」、「2」の予約開始日時と一致しているため、SSID「AAAAA」、パスワード「12345678」と、SSID「BBBBB」、パスワード「87654321」を有効化する。一方、ステップS72の判断が否定された場合には、アクセスポイント制御部54は、ステップS74を経ずにステップS76に移行する。
ステップS76に移行すると、アクセスポイント制御部54は、予約DB62を参照して、現在の時刻と予約終了時刻が一致している予約情報があるか否かを判断する。このステップS76の判断が肯定された場合には、ステップS78に移行し、アクセスポイント制御部54は、当該予約情報に対応するSSIDとパスワードを無効化し、ステップS80に移行する。例えば、現在日時が11月2日18時である場合には、図7(a)の予約番号「1」、「2」の予約終了日時と一致しているため、SSID「AAAAA」、パスワード「12345678」と、SSID「BBBBB」、パスワード「87654321」を無効化する。一方、ステップS76の判断が否定された場合には、アクセスポイント制御部54は、ステップS78を経ずにステップS80に移行する。
ステップS80に移行すると、アクセスポイント制御部54は、有効化/無効化に関する変更があったか否かを判断する。すなわち、ステップS80では、アクセスポイント制御部54が、ステップS74又はS78を経たか否かを判断する。このステップS80の判断が否定された場合には、アクセスポイント制御部54は、ステップS70に戻る。
一方、ステップS80の判断が肯定された場合には、ステップS82に移行し、アクセスポイント制御部54は、無線LANアクセスポイント70に設定変更の情報を通知する。この場合、アクセスポイント制御部54は、有効化又は無効化したSSID及びパスワードが予約DB62において対応付けられている共用スペースの場所番号を特定し、場所-装置DB64を参照して、当該場所番号に対応する装置IDを特定する。そして、アクセスポイント制御部54は、アクセスポイントDB66を参照して、特定した装置IDに対応するコマンドカタログを取得し、取得したコマンドカタログに従って、SSIDとパスワードを有効化又は無効化した旨を示す設定変更の情報を無線LANアクセスポイント70に通知する。この場合、設定変更の情報がSSIDとパスワードを有効化した旨を示すものであれば、ステップS82の処理は、図4の(5)の処理に相当する。一方、設定変更の情報がSSIDとパスワードを無効化した旨を示すものであれば、ステップS82の処理は、図4の(8)の処理に相当する。なお、このステップS82において無線LANアクセスポイント70に通知される設定変更の情報は、予約時間内にSSIDを含む電波を送出させるための指示情報であると言える。
その後は、管理者等からの終了要求があるまで、アクセスポイント制御部54は、図14の処理を繰り返し実行する。
ここで、無線LANアクセスポイント70は、SSID及びパスワードを有効化/無効化した旨の設定変更の情報を受け付けた場合には、有効化されたSSIDを含む電波の送出を開始したり、無効化されたSSIDを含む電波の送出を停止したりする。すなわち、無線LANアクセスポイント70は、予約情報で特定される時間(予約開始時刻と予約終了時刻の間の予約時間)に、予約情報受付部52が生成したSSIDを含む電波を送出する。これにより、予約時間内においては、共用スペース内に存在する利用者端末10の表示部93に表示される無線LANアクセスポイントの一覧の中に、有効化されたSSIDの無線LANアクセスポイントが含まれるようになる。この場合、利用者は、利用者端末10上で、通知されているSSIDに対応する無線LANアクセスポイント70を選択して、通知されているパスワードを入力すれば、無線LANアクセスポイントに接続できるようになっている。このようにすることで、共用スペースを予約している時間内において、予約した利用者(SSIDとパスワードが通知されている利用者)のみが、共用スペースに設置された無線LANを利用することが可能となる。
これまでの説明からわかるように、本第1の実施形態では、コントローラ50の予約情報受付部52により、利用者による共用スペースの予約情報を取得する取得部、及び予約情報で特定される共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイントを識別するためのSSIDを特定する特定部としての機能が実現されている。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、無線制御システム100は、共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70と、共用スペースの予約情報に基づいて無線LANアクセスポイント70に設定変更の情報を通知するコントローラ50と、を備えている。このうち、コントローラ50は、利用者による共用スペースの予約情報を取得するとともに、予約情報で特定される共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70のSSIDを生成する予約情報受付部52を有している。また、予約情報で特定される共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70は、予約情報で特定される時間(予約開始時刻と予約終了時刻の間の予約時間)に、予約情報受付部52が生成したSSIDを含む電波を送出する。これにより、予約されている共用スペース内で利用可能な無線LANアクセスポイントのSSID(ワンタイムSSID)を予約時間の間のみ有効にすることができる。したがって、予約時間の間のみ有効になるSSID及びこれに対応するパスワードを知らない第三者による無線LAN接続を防止することができる。これにより、無線LAN接続を適切な利用者に制限することができるため、セキュリティを強化することが可能である。また、無線LANアクセスポイント70は、予約時間の間のみSSIDを含む電波を送出するため、消費電力の削減を図ることが可能である。
また、本第1の実施形態によると、利用者端末10と接続され、利用者端末10からの予約情報の入力を受け付ける予約管理サーバ20が、コントローラ50の予約情報受付部52が生成したSSIDとパスワードを利用者端末10に通知する。これにより、予約情報の入力が行われた利用者端末10に対してSSIDとパスワードを通知するため、共用スペースを利用する利用者にSSIDとパスワードを知らせることができる。したがって、適切な利用者による無線LANへの接続を許可することが可能となる。
また、本第1の実施形態によると、コントローラ50は、予約された共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70に対して、予約時間内にSSIDを含む電波を送出させるための指示情報(SSID及びパスワードの有効化/無効化を示す設定変更の情報)を通知する。これにより、無線LANアクセスポイント70に特別な機能を持たせなくても、予約された共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70から予約時間内にSSIDを含む電波を送出させることができる。
なお、上記第1の実施形態では、図1に示すようなネットワーク構成を例に説明したが、これに限られるものではない。すなわち、利用者端末10と予約管理サーバ20との間、予約管理サーバ20とコントローラ50との間、及びコントローラ50と無線LANアクセスポイント70との間において情報のやり取りが可能であれば、ネットワークの構成は図1と異なるものであってもよい。
なお、上記第1の実施形態では、無線制御システム100が、予約管理サーバ20とコントローラ50とを備える場合について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、無線制御システム100は、予約管理サーバ20とコントローラ50の機能を統合した装置を有していてもよい。また、コントローラ50の一部の機能(例えば、SSIDとパスワードを生成する機能)を予約管理サーバ20が有していてもよい。
なお、上記第1の実施形態においては、共用スペースの予約に用い、予約管理サーバ20からSSID及びパスワードが通知された利用者端末10から、他の利用者端末10にSSID及びパスワードを送信し、共有することができる。これにより、共用スペースを同時に利用する他の利用者も無線LANに接続することが可能となる。この場合、利用者は、例えば、図10(b)の画面の「予約を共有」ボタンを選択して、共有先を選択又は入力することで、SSIDとパスワードを他の利用者と共有することができる。なお、共用スペースの予約の際に、SSIDとパスワードの通知先(メールアドレスなど)を利用者に入力させるようにしてもよい。この場合、予約管理サーバ20は、入力された通知先に対して、予約情報とともにSSIDとパスワードを通知する。また、利用者は、通知されたSSID及びパスワードを用いて、予約に用いた利用者端末10以外の利用者端末を無線LANに接続してもよい。
なお、1つの共用スペースを複数の利用者が同時に利用する場合には、各利用者が別々に共用スペースを予約してもよい。この場合、各利用者に対して、別々のSSID、パスワードが割り当てられることになる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図15~図20に基づいて詳細に説明する。なお、本第2の実施形態の無線制御システム100の装置構成は、第1の実施形態と同様であるが、コントローラ50及び無線LANアクセスポイント70の機能及び実行する処理が第1の実施形態と異なっている。
図15には、第2の実施形態の処理の概要が示されている。図15に示すように、本第2の実施形態の無線制御システム100においては、以下の処理が実行される。なお、(1)~(4)については、第1の実施形態と同様である。
(5) コントローラ50は、SSID(ワンタイムSSID)及びパスワード(ワンタイムパスワード)と、有効期間(予約情報に含まれる予約開始日時から予約終了日時までの期間)の情報を無線LANアクセスポイント70に通知する。無線LANアクセスポイント70は、通知された情報を登録する。
(6) 共用スペース内に入った利用者は、利用者端末10から(4)で通知されたSSIDとパスワードを用いて無線LANアクセスポイントに対して接続要求を行う。
(7) 利用者が入力したSSIDに対応する無線LANアクセスポイント70は、当該SSIDの有効期間内であれば、当該SSIDとパスワードを有効化する。
(8) そして、無線LANアクセスポイント70は、利用者が入力したパスワードが有効化したパスワードと一致していれば、利用者端末10を無線LANに接続する。なお、無線LANアクセスポイント70は、有効期間を過ぎた場合には、SSIDを含む電波の送出を終了し、利用者端末10との無線LAN接続を終了(切断)する。
(各装置の機能について)
次に、コントローラ50及び無線LANアクセスポイント70の機能及び処理内容について、図16に基づいて説明する。なお、予約管理サーバ20については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略するものとする。
(コントローラ50)
コントローラ50は、第1の実施形態と同様、予約情報受付部52とアクセスポイント制御部54の機能を有しているが、アクセスポイント制御部54が実行する処理の内容が第1の実施形態と異なっている。また、コントローラ50は、第1の実施形態の予約DB62に代えて、予約DB162を有している。ここで、予約DB162は、図17(a)に示すように、「利用者番号」のフィールドを有していない点が予約DB62とは異なる。ただし、本第2の実施形態の予約DB162は、予約DB62と同一のデータ構造を有していてもよい。
アクセスポイント制御部54は、図18のフローチャートに沿った処理(情報送信処理)を実行する。なお、図18の処理は、図15の(5)の処理に相当する。図18の処理では、まず、ステップS104において、アクセスポイント制御部54は、新規予約があるまで待機する。すなわち、アクセスポイント制御部54は、予約情報受付部52が予約管理サーバ20から予約情報を受信し、予約DB162に予約情報、SSID及びパスワードを登録するまで待機する。予約DB162に新たな予約情報、SSID及びパスワードが登録されると、アクセスポイント制御部54は、ステップS106に移行する。
ステップS106に移行すると、アクセスポイント制御部54は、予約DB162に新たに登録された予約情報に対応する無線LANアクセスポイント70に対して、SSID、パスワード、及び有効期間の情報を送信する。アクセスポイント制御部54は、予約情報に対応する無線LANアクセスポイント70に情報を送信する際には、予約DB162、場所-装置DB64、アクセスポイントDB66を参照して、予約情報に対応する装置のコマンドカタログを取得し、取得したコマンドカタログに従って情報を送信する。この場合、アクセスポイント制御部54は、予約情報で特定される共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70に対して、予約情報で特定される時間にSSIDを送信すべきことを示すスケジュール情報を通知していると言える。
その後は、アクセスポイント制御部54は、上記処理を繰り返し実行する。
(無線LANアクセスポイント70)
図16に戻り、無線LANアクセスポイント70は、登録部72及び制御部74の機能を有している。
登録部72は、アクセスポイント制御部54から受信した情報を有効期間DB80に格納(登録)する。ここで、有効期間DB80は、図17(b)に示すようなデータ構造を有している。図17(b)に示すように、有効期間DB80は、「登録番号」、「SSID」、「PW」、「開始日時」、「終了日時」のフィールドを有する。「登録番号」のフィールドには、登録した情報の識別番号が格納され、「SSID」、「PW」のフィールドには、アクセスポイント制御部54から受信したSSIDとパスワードが格納される。また、「開始日時」及び「終了日時」のフィールドには、アクセスポイント制御部54から受信した有効期間の情報が格納される。
図19には、登録部72の処理(登録処理)がフローチャートにて示されている。図19の処理では、まず、ステップS110において、登録部72が、コントローラ50のアクセスポイント制御部54から情報を受信するまで待機する。すなわち、登録部72は、図18のステップS106が実行されると、ステップS112に移行する。
ステップS112に移行すると、登録部72は、送信されてきたSSID、パスワード、及び有効期間の情報を有効期間DB80に格納(登録)する。
その後は、登録部72は、上記処理を繰り返し実行する。
図16に戻り、制御部74は、有効期間DB80を参照して、無線LANアクセスポイント70の動作を制御する(図15の(6)~(8)の処理に対応)。具体的には、制御部74は、図20(a)、図20(b)の処理を実行する。なお、図20(a)、図20(b)は、同時並行的に実行される処理であるものとする。
図20(a)では、まず、ステップS120において、制御部74が、利用者端末10から、SSID及びパスワードを用いた接続要求があるまで待機する。利用者は、利用者端末10において、「非公開のネットワーク」を検索するための画面に通知されたSSIDを入力するとともに、通知されたパスワードを入力する。これにより、利用者端末10は、共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70に対して接続要求を行う。
ステップS120の判断が肯定され、ステップS122に移行すると、制御部74は、有効期間DB80を参照して、現在時刻が入力されたSSIDの有効期間内であるか否かを判断する。このステップS122の判断が否定された場合には、ステップS120に戻るが、肯定された場合には、ステップS124に移行する。
ステップS124に移行すると、制御部74は、有効化されたパスワードと、利用者が入力したパスワードとを用いて認証を行い、認証に成功した場合に、利用者端末10の無線LANへの接続を許可する。
その後は、ステップS120に戻り、制御部74は、上述した処理を繰り返し実行する。
一方、図20(b)の処理では、まず、ステップS130において、制御部74は、所定時間経過するまで待機する。この場合の「所定時間」は、終了時刻を設定できる時間間隔と同一であるものとする。例えば、終了時刻を毎時0分と30分に設定できる場合には、所定時間は30分であり、毎時0分と30分にステップS130の判断が肯定されるものとする。また、終了時刻を10分間隔で設定できる場合には、所定時間は10分であり、毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分にステップS130の判断が肯定されるものとする。ただし、これに限らず、所定時間は、終了時刻を設定できる時間間隔よりも短くてもよい。
所定時間が経過すると、ステップS132に移行し、終了日時になったか否か、すなわち有効期間を過ぎたSSIDがあるか否かを判断する。このステップS132の判断が否定された場合には、ステップS130に戻るが、肯定された場合にはステップS134に移行する。
ステップS134に移行すると、予約日時になったSSIDとパスワードを無効化し、当該SSIDを含む電波の送出を終了し、利用者端末10との無線LAN接続を終了(切断)する。
その後は、ステップS130に戻り、制御部74は、上述した処理を繰り返し実行する。
以上説明したように、本第2の実施形態によると、予約情報で特定される共用スペースで利用可能な無線LANアクセスポイント70は、予約情報で特定される時間内かつ利用者端末10から予約情報に対応するSSIDを用いた接続要求があったときに、予約情報受付部52が生成したSSIDを含む電波を送出する。これにより、予約されている共用スペース内で利用可能な無線LANアクセスポイントのSSID(ワンタイムSSID)を適切なタイミングで有効にすることができる。したがって、予約時間の間のみ有効になるSSID及びこれに対応するパスワードを知らない第三者による無線LAN接続を防止することができる。これにより、セキュリティを強化することが可能である。また、無線LANアクセスポイント70は、予約時間内かつ接続要求があったときにのみSSIDを含む電波を送出するため、共用スペースに利用者がいない間は電波を送出しない。したがって、消費電力を削減することが可能である。
なお、上記第2の実施形態では、利用者端末10から接続要求があったときに、SSID及びパスワードを有効にする場合について説明したが、上述した第1の実施形態のように、予約時間内においてSSIDとパスワードを有効にし、予約時間中はSSIDを含む電波を送出し続けてもよい。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態について、図21~図24(b)に基づいて詳細に説明する。なお、本第3の実施形態の無線制御システム100の装置構成及び各装置の機能は、第1の実施形態と同様であるが、一部処理が第1の実施形態と異なっている。
図21には、第3の実施形態の処理の概要が示されている。図21に示すように、本第3の実施形態の無線制御システム100においては、以下の処理が実行される。
(1) 利用者が利用者端末10から利用者登録を行う際に、予約管理サーバ20は利用者の個人用のSSIDとパスワードを登録する。ここで、本第3の実施形態では、利用者DBとして、第1の実施形態の利用者DB32に代えて、図22に示すような利用者DB132を用いるものとする。図22の利用者DB132には、図6(a)の利用者DB32の各フィールドに加えて、「SSID」と「PW(パスワード)」のフィールドが設けられている。
(2) 次いで、利用者が利用者端末10に共用スペースの予約情報を入力すると、予約管理サーバ20が、共用スペースの予約情報を予約DB36に登録する。
(3) 次いで、予約管理サーバ20は、予約情報と、利用者の個人用のSSID及びパスワードをコントローラ50に通知する。コントローラ50では、予約管理サーバ20から通知された情報を予約DB62に格納する。
なお、本第3の実施形態では、利用者がSSIDとパスワードを設定しているため、予約管理サーバ20は、(3)の後にSSID及びパスワードを利用者端末10に通知する処理(図4の(4)の処理)は実行しないものとする。
なお、これ以降の処理((5)~(8)の処理)については、第1の実施形態と同様となっている。
(予約管理サーバ20の処理について)
次に、予約管理サーバ20による、利用者登録処理(図21の(1)の処理)と予約登録処理(図21の(2)、(3)の処理)について、図23、図24(a)、図24(b)のフローチャートに沿って説明する。
(利用者登録処理)
以下、図23に基づいて、利用者登録処理について説明する。図23の処理では、まずステップS202において、予約登録部22が、氏名、予約管理サーバ用のログインID、ログインパスワードの入力を受け付ける。この場合、利用者は、利用者端末10の表示部93に利用者登録画面を表示し、氏名やログインID、ログインパスワードを入力するため、予約登録部22は、入力された情報を取得する。予約登録部22は、情報を取得した後、個人用SSIDとパスワードの入力用画面を利用者端末10に送信する。
次いで、ステップS204では、予約登録部22が、無線LANアクセスポイント接続用の個人用SSIDとパスワードの入力を受け付ける。この場合、利用者は、利用者端末10の表示部93に表示された入力用画面に、個人用SSID、パスワードを入力するので、予約登録部22は、入力用画面に入力された情報を取得する。
次いで、ステップS206では、予約登録部22が、入力情報がOKか否かを判断する。例えば、ステップS202やステップS204で入力された情報が既に利用者DB132に登録されている情報と重複しているなど問題があった場合には、ステップS206の判断は否定され、ステップS202に戻る。なお、ステップS202に戻る際に、予約登録部22は、エラー等のメッセージを表示するとともに、利用者に再入力を促す画面を表示するものとする。一方、入力された情報に問題が無く、ステップS206の判断が肯定された場合には、ステップS208に移行する。
ステップS208に移行すると、予約登録部22は、入力された情報を利用者DB132に保存する。これにより、図23の全処理が終了する。
(予約登録処理)
次に、図24(a)、図24(b)に基づいて、予約登録処理について説明する。図24(a)の処理のうち、ステップS220~S226までの処理は、第1の実施形態(図8の処理)と同様となっている。すなわち、S220~S226までの処理により、ログイン処理と予約情報の登録処理が完了し、次のステップS228に移行する。
ステップS228に移行すると、コントローラ連携部24が、コントローラ連携処理として、図24(b)の処理を実行する。具体的には、図24(b)に示すように、ステップS240において、コントローラ連携部24は、ステップS226で予約DB36に登録された予約情報と、利用者DB132に格納されている個人用のSSID及びパスワードをコントローラ50(予約情報受付部52)に送信する。次いで、ステップS242では、コントローラ連携部24が、送信できたか否かを判断する。このステップS242の判断が否定された場合には、ステップS240に戻るが、肯定された場合には、図24(a)のステップS232に移行する。なお、ステップS240、S242(否定)が所定回数以上繰り返された場合には、エラーが発生したとして、図24(a)、図24(b)の処理を強制終了してもよい。
ステップS232に移行すると、予約登録部22は、利用者端末10からログアウト要求があるまで待機する。そして、利用者端末10からログアウト要求があると、予約登録部22は、利用者端末10のログアウト処理を行ったうえで、図24(a)の全処理を終了する。
以上、説明したように、本第3の実施形態によると、利用者が個人用のSSIDとパスワードを設定するため、コントローラ50が予約情報に対してSSIDやパスワードを設定し、予約管理サーバ20に通知する処理を省略することができる。また、本第3の実施形態では、SSIDとパスワードを利用者が設定するため、利用者へのSSIDとパスワードの通知が不要となる。ただし、これに限らず、予約管理サーバ20は、利用者による予約が行われた際に、利用者にSSIDとパスワードを通知することとしてもよい。
なお、上記第3の実施形態では、利用者が個人用のSSIDやパスワードを入力して設定する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者登録処理において、予約管理サーバ20が個人用のSSIDとパスワードを生成して、利用者に紐づけて利用者DB132に登録することとしてもよい。
なお、上記第3の実施形態は、第1の実施形態をベースとして、利用者登録処理において個人用のSSIDやパスワードを利用者DB132に登録する場合について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、上記第2の実施形態をベースとして、利用者登録処理において個人用のSSIDやパスワードを利用者DB132に登録することとしてもよい。
なお、上記第1~第3の実施形態では、共用スペースがレンタルオフィス等である場合について説明したが、これに限られるものではない。共用スペースは、例えばホテルのロビーやラウンジ、部屋などであってもよい。この場合、宿泊者のみ宿泊日に限り、無線LANへの接続を許可することができる。また、共用スペースは、利用者が乗車する飛行機や新幹線などの乗り物であってもよい。この場合、搭乗者のみ搭乗時間に限り、無線LANへの接続を許可することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
なお、以上の第1~第3の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 共用スペースで利用可能な無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントと、前記共用スペースの予約情報に基づいて前記アクセスポイントに制御情報を通知する制御装置と、を備える無線制御システムであって、
利用者による前記共用スペースの予約情報を取得する取得部と、
前記予約情報で特定される共用スペースで利用可能なアクセスポイントを識別するための識別情報を特定する特定部と、を有し、
前記予約情報で特定される共用スペースで利用可能なアクセスポイントは、前記予約情報で特定される時間に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信する、ことを特徴とする無線制御システム。
(付記2) 前記利用者が利用する端末と接続され、前記端末からの前記予約情報の入力を受け付ける予約受付装置を更に備え、
前記予約受付装置は、前記特定部が特定した前記識別情報及び該識別情報に対応するパスワードを前記端末に通知する、ことを特徴とする付記1に記載の無線制御システム。
(付記3) 前記制御装置は、前記予約情報で特定される共用スペースで利用可能なアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信させるための指示情報を通知する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の無線制御システム。
(付記4) 前記制御装置は、前記予約情報で特定される共用スペースで利用可能なアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信すべきことを示すスケジュール情報を通知し、
前記アクセスポイントは、前記スケジュール情報に基づいて、前記特定部が特定した前記識別情報を送信する、ことを特徴とする付記1又は2に記載の無線制御システム。
(付記5) 前記アクセスポイントは、前記利用者が利用する端末から前記識別情報を用いた接続要求があり、接続要求があった時刻が前記予約情報で特定される時間内である場合に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信する、ことを特徴とする付記4に記載の無線制御システム。
(付記6) 前記特定部は、前記利用者が設定した識別情報又は予約情報に対して自動付与した識別情報を特定する、ことを特徴とする付記1~5のいずれかに記載の無線制御システム。
(付記7) 利用者による共用スペースの予約情報を取得する取得部と、
前記予約情報で特定される前記共用スペースで利用可能な無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを識別するための識別情報を特定する特定部と、
前記予約情報で特定されるアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信させるための指示情報を通知する通知部と、を備える制御装置。
(付記8) 利用者による共用スペースの予約情報を取得する取得部と、
前記予約情報で特定される前記共用スペースで利用可能な無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを識別するための識別情報を特定する特定部と、
前記予約情報で特定されるアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、前記特定部が特定した前記識別情報を送信すべきことを示すスケジュール情報を通知する通知部と、を備える制御装置。
(付記9) 利用者による共用スペースの予約情報を取得し、
前記予約情報で特定される前記共用スペースで利用可能な無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを識別するための識別情報を特定し、
前記予約情報で特定されるアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、特定した前記識別情報を送信させるための指示情報を通知する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする無線制御方法。
(付記10) 利用者による共用スペースの予約情報を取得し、
前記予約情報で特定される前記共用スペースで利用可能な無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを識別するための識別情報を特定し、
前記予約情報で特定されるアクセスポイントに対して、前記予約情報で特定される時間に、特定した前記識別情報を送信すべきことを示すスケジュール情報を通知する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする無線制御方法。
(付記11) 前記特定する処理で特定した前記識別情報及び該識別情報に対応するパスワードを端末に通知する、処理を前記コンピュータが更に実行することを特徴とする付記9又は10に記載の無線制御方法。
(付記12) 前記特定する処理では、前記利用者が設定した識別情報又は予約情報に対して自動付与した識別情報を特定する、ことを特徴とする付記9~11のいずれかに記載の無線制御方法。