JP7240786B2 - Eddy current braking device - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態は、エレベータ装置用の渦電流式ブレーキ装置に関する。 An embodiment of the present invention relates to an eddy current braking system for an elevator installation.
従来、エレベータ装置で用いられる補助ブレーキとして、ロープブレーキが知られている。ロープブレーキは、エレベータ装置のメインロープを把持することで、制動力を得るものである。 A rope brake is conventionally known as an auxiliary brake used in an elevator apparatus. A rope brake obtains a braking force by gripping the main rope of the elevator system.
しかしながら、エレベータかごの容量等によっては、ロープブレーキでは十分な制動力を得ることができない場合がある。また、ロープブレーキは、メインロープに損傷を与える懸念がある。さらに、ロープブレーキが損傷した場合には、修復作業に多くの人員を要する。 However, depending on the capacity of the elevator car, etc., the rope brake may not be able to obtain a sufficient braking force. Also, rope brakes may damage the main rope. Furthermore, if the rope brake is damaged, repair work requires a large number of personnel.
そこで、特許文献1に開示されているように、ロープブレーキに代わる補助ブレーキとして、渦電流式ブレーキ装置のエレベータへの適用が検討されている。
Therefore, as disclosed in
しかしながら、渦電流式ブレーキ装置は、鉄道での利用が開始されつつあるだけである。このため、エレベータ装置において渦電流式ブレーキ装置によって十分な制動力を得るための検討が、十分になされていない。 However, eddy current braking devices are only beginning to be used in railways. For this reason, sufficient studies have not been made to obtain sufficient braking force from the eddy current type brake device in the elevator system.
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、十分な制動力を得ることが可能な、エレベータ装置用の渦電流式ブレーキ装置を提供することを目的とする。 SUMMARY OF THE INVENTION It is an object of the present invention to provide an eddy-current braking device for an elevator system, which is capable of obtaining a sufficient braking force.
本実施の形態による渦電流式ブレーキ装置は、上下方向に延びるガイドレールに沿って移動するエレベータかご又は釣合い重りに取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、
少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、を備えている。
The eddy current braking device according to the present embodiment is an eddy current braking device attached to an elevator car or a counterweight that moves along a guide rail extending in the vertical direction,
a magnet unit including at least one magnet;
An actuating mechanism is provided for moving the magnet unit between an actuating position that approaches the guide rail to actuate the brake and a non-actuating position that is further away from the guide rail than the actuating position.
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。図面の紙面に垂直な方向に沿った矢印を、例えば図1に示すように、円の中に点を設けた記号により示した。 An embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. In order to clarify the directional relationships between the figures, some of the figures show common directions by commonly labeled arrows. Arrows along the direction perpendicular to the plane of the drawing are indicated by a dot within a circle, as shown in FIG. 1, for example.
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降可能なエレベータかご3と、エレベータかご3にメインロープ4を介して連結された釣合い重り5と、機械室6に設けられ、メインロープ4を介してエレベータかご3及び釣合い重り5を昇降させる巻上機7と、を備えている。メインロープ4は、巻上機7に連結されたトラクションシーブ7aに巻き掛けられている。このような構成において、巻上機7がトラクションシーブ7aを回転駆動することにより、メインロープ4が巻き上げられ、エレベータかご3及び釣合い重り5がそれぞれ昇降する。昇降路2内には、上下方向D1に延びる一対のかごガイドレール8,8及び一対の錘ガイドレール(不図示)が設けられている。エレベータかご3及び釣合重り5は、それぞれ、かごガイドレール8,8及び錘ガイドレールに沿って移動する。また、巻上機7には、主ブレーキとして電磁ブレーキ9が設けられている。また、エレベータかご3の上部及び下部には、補助ブレーキとして、渦電流式ブレーキ装置10が設けられている。さらに、エレベータ装置1は、エレベータ装置1の各部を制御する制御装置(不図示)を備えている。
As shown in FIG. 1, an
次に、図2~図6Bを参照して、渦電流式ブレーキ装置10について説明する。図2は、渦電流式ブレーキ装置10の斜視図である。図3~図5は、渦電流式ブレーキ装置10を模式的に示す図である。図6Aは、図5の渦電流式ブレーキ装置10のA-A線に沿った断面を示す図である。また、図6Bは、図6Aに示す磁石ユニット11,12による磁束線を示す図である。
Next, the eddy
図2に示すように、渦電流式ブレーキ装置10は、一対の磁石ユニット11,12と、各磁石ユニット11,12に取り付けられた低摩擦パッド20と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に対して相対移動させる作動機構30と、を備えている。各磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を有する。
As shown in FIG. 2, the eddy
作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、対応するかごガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置(図2及び図5参照)と、作動位置よりもかごガイドレール8から離間した非作動位置(図3参照)との間で移動させる。図5によく示されているように、一対の磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。図示された例では、かごガイドレール8は、基部8aと、基部8aからエレベータかご3の側へ向けて延び出すレールフィン8bとを有する。そして、一対の磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、かごガイドレール8のレールフィン8bの両側に位置づけられる。
The
図5によく示されているように、各磁石ユニット11,12は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、その磁石13,14が低摩擦パッド20を介してかごガイドレール8,8に対面するように、作動機構30に保持される。
As best shown in FIG. 5, each
図示された例では、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキを作動させる際、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図3に示す非作動位置から、図4に示す中間位置を経由して、図5に示す作動位置に移動させる。具体的には、作動機構30は、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に伸縮する伸縮機構31と、磁石ユニット11,12をかごガイドレール8の幅方向D3にスライドさせるスライド機構35と、を有する。図示された例では、方向D1,D2,D3は、互いに直交している。
In the illustrated example, when actuating the brake by the eddy
伸縮機構31は、例えば、方向D2に沿って伸縮可能に配置されたシリンダアーム32と、シリンダアーム32を伸縮させるアクチュエータ(不図示)と、を含む。エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、伸縮機構31のアクチュエータが作動して、シリンダアーム32を伸張させる。また、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、伸縮機構31のアクチュエータが作動して、シリンダアーム32を収縮させる。
The
スライド機構35は、フレーム36と、フレーム36に対して方向D3にスライド可能に設けられた一対のスライダ37,38と、各スライダ37,38を移動させるアクチュエータ(不図示)と、を含む。スライダ37に磁石ユニット11の磁石13が固定されている。また、スライダ37に磁石ユニット12の磁石14が固定されている。エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、スライド機構35のアクチュエータが作動して、スライダ37,38を互いに対して接近させる。また、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、スライド機構35のアクチュエータが作動して、スライダ37,38を互いから離間させる。
The
なお、図示された例では、スライド機構35のスライダ37,38は強磁性体で構成されている。このようなスライダ37,38は、磁石ユニット11,12のバックヨークとして機能し、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制することができる。スライダ37,38を構成する強磁性体としては、例えば、鉄、コバルト及び鉄コバルト合金を採用可能である。
In the illustrated example, the
図示された例では、図6Aに示すように、各磁石ユニット11,12は、上下方向に並んだ4つの磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。一対の磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき、一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、上下方向に沿った軸線を中心として鏡面対称である。図6Aに示す例では、各磁石ユニット11,12の複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dは、ハルバッハ配列で配列されている。この場合、作動位置に配置された磁石ユニット11,12による磁束線は、図6Bに示すようになる。図6Bに示す例において、各磁石ユニット11,12による磁束線は、一対の磁石ユニット11,12の一方から他方に向けてかごガイドレール8を貫通しない。しかしながら、複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dの配列方法としては、これに限られない。すなわち、複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dの配列は、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたとき、各磁石ユニット11,12による磁束線が一対の磁石ユニット11,12の一方から他方に向けてかごガイドレール8を貫通するように決定されてもよい。
In the illustrated example, as shown in FIG. 6A, each
低摩擦パッド20は、各磁石ユニット11,12に取り付けられている。図6Aに示すように、低摩擦パッド20は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき磁石ユニット11,12の磁石13,14とかごガイドレール8のレールフィン8bとの間に位置するように、磁石ユニット11,12の磁石13,14の少なくとも一部を覆う。低摩擦パッド20は、摩擦係数の低い材料で作成される。このような低摩擦パッド20が作動位置にある磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に配置されることにより、磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着して、かごガイドレール8と上下方向に移動する磁石ユニット11,12との間に摩擦力が発生し、かごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。好ましくは、低摩擦パッド20は、耐摩耗性を有する材料で作成される。具体的には、低摩擦パッド20を形成する材料として、一般にエレベータ装置の各種ガイドシューに取り付けられる低摩擦パッドと同じ材料を採用可能である。このような材料で形成された低摩擦パッド20は、摩擦係数が低くて摺動性に優れ、耐摩耗性にも優れる。
A
なお、低摩擦パッド20の厚みが大きすぎると、磁石ユニット11,12とかごガイドレール8とを十分に接近させることができず、磁石ユニット11,12による制動力を十分に得ることができない、という虞がある。その一方で、低摩擦パッド20の厚みが小さすぎると、磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着して、かごガイドレール8を損傷させてしまう、という虞がある。このような観点から、低摩擦パッド20の厚みは、2mm~30mmであることが好ましく、2mm~10mmであることがより好ましい。低摩擦パッド20の厚みが2mm~30mm、より好ましくは2mm~10mmであることにより、かごガイドレール8を損傷させずに制動力を得ることができる。
If the thickness of the low-
次に、渦電流式ブレーキ装置10の動作について説明する。
Next, the operation of the eddy
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、渦電流式ブレーキ装置10の一対の磁石ユニット11,12は、図3に示す非作動位置にある。このとき渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキは作動していない。
First, the pair of
エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図3に示す非作動位置から図4に示す中間位置に移動させる。具体的には、伸縮機構31のアクチュエータが作動して、シリンダアーム32を、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に伸張させる。これにより、一対の磁石ユニット11,12は、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。
When a signal for operating the auxiliary brake is input to the
次に、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図4に示す中間位置から、図5に示す作動位置に移動させる。具体的には、スライド機構35のアクチュエータが作動して、スライダ37,38を互いに対して接近させる。これにより、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8のレールフィン8bに近接して配置される。図示された例では、磁石ユニット11,12が低摩擦パッド20を介してレールフィン8bに接触する。上下方向に移動する磁石ユニット11,12がかごガイドレール8に近接して配置されると、かごガイドレール8内に渦電流が励起される。これにより、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが作動する。この結果、かごガイドレール8に対するエレベータかご3の移動が阻止される。図示された例では、作動機構30によって磁石ユニット11,12をかごガイドレール8に十分に接近させることができるため、磁石ユニット11,12による制動力を、補助ブレーキとして十分な大きさにすることができる。
Next, the
一方、エレベータ装置1の制御装置から作動機構30に補助ブレーキの作動を解除させる信号が入力されると、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図5に示す作動位置から、図4に示す中間位置に移動させる。具体的には、スライド機構35のアクチュエータが作動して、スライダ37,38を互いから離間させる。これにより、磁石ユニット11,12が、かごガイドレール8からかごガイドレール8の幅方向D3に離間する。
On the other hand, when a signal for releasing the operation of the auxiliary brake is input to the
次に、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を、図4に示す中間位置から図3に示す非作動位置に移動させる。具体的には、伸縮機構31のアクチュエータが作動してシリンダアーム32を収縮させる。これにより、磁石ユニット11,12がかごガイドレール8から十分に離間して配置され、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが解除される。
Next, the
なお、図3~図5に示す例では、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を非作動位置から作動位置に移動させる際、磁石ユニット11,12を、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に移動させた後、かごガイドレール8の幅方向D3に移動させるが、これに限られない。作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を非作動位置から作動位置に移動させる際、磁石ユニット11,12を、かごガイドレール8の幅方向D3に移動させた後、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に移動させてもよい。すなわち、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を非作動位置から作動位置に移動させる際、スライド機構35を作動させた後、伸縮機構31を作動させてもよい。
In the example shown in FIGS. 3 to 5, the
同様に、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を作動位置から非作動位置に移動させる際、エレベータかご3から対応するかごガイドレール8に向かう方向D2に移動させた後、磁石ユニット11,12を、かごガイドレール8の幅方向D3に移動させてもよい。すなわち、作動機構30は、一対の磁石ユニット11,12を作動位置から非作動位置に移動させる際、伸縮機構31を作動させた後、スライド機構35を作動させてもよい。
Similarly, when moving the pair of
なお、上述してきた一実施の形態に対して、さらに様々な変更を加えることが可能である。 It should be noted that various modifications can be made to the embodiment described above.
<変形例1>
例えば、図7に示すように、渦電流式ブレーキ装置10は、低摩擦パッド20の代わりに、ローラ25を備えていてもよい。この場合、図7に示すように、ローラ25は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにガイドレール8上を転動するように、磁石ユニット11,12に取り付けられる。このようなローラ25によっても、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、かごガイドレール8と磁石ユニット11,12との間に摩擦力が発生してかごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
<
For example, the eddy
<変形例2>
また、図8に示すように、渦電流式ブレーキ装置10は、かごガイドレール8の一方の側に複数の磁石ユニット11,11を配置し、かごガイドレール8の他方の側に複数の磁石ユニット12,12を配置するように構成されていてもよい。図8に示す例では、4つの磁石13a,13b,13c,13dを含む磁石ユニット11が2つ、スライド機構35のスライダ37に固定されている。また、4つの磁石14a,14b,14c,14dを含む磁石ユニット12が2つ、スライド機構35のスライダ38に固定されている。一方の磁石ユニット11の複数の磁石13a,13b,13c,13dの磁極の配置と、他方の磁石ユニット11の複数の磁石13a,13b,13c,13dの磁極の配置とは、互いに同じである。また、一方の磁石ユニット12の複数の磁石14a,14b,14c,14dの磁極の配置と、他方の磁石ユニット12の複数の磁石14a,14b,14c,14dの磁極の配置とは、互いに同じである。
<
Further, as shown in FIG. 8, the eddy current
もちろん、渦電流式ブレーキ装置10は、かごガイドレール8の一方の側にのみ磁石ユニット11を配置するように構成されていてもよい。この場合も、磁石ユニット11とかごガイドレール8との間に電磁相互作用を生じさせて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキを作動させることができる。
Of course, the eddy
<変形例3>
また、渦電流式ブレーキ装置10は、図2に示す作動機構30を含むものに限られない。例えば、渦電流式ブレーキ装置10は、図9A~図11Bに示すような作動機構40を含んでいてもよい。図9A~図11Bに示す例では、作動機構40は、リンク機構41,48と、リンク機構41,48を作動させるアクチュエータ50とを含む。なお、図9A~図11B並びに後で参照する図11C及び図11Dでは、低摩擦パッド20の図示が省略されている。
<
Also, the eddy current
各リンク機構41,48は、上下方向に延びる基部材42と、基部材42よりもかごガイドレール8側に配置された可動部材43と、を含む。各可動部材43には、磁石ユニット11又は12が固定されている。基部材42の下端及び可動部材43の下端は、それぞれ、回動部材44の一端及び他端に回動可能に接続されている。また、基部材42の上端及び可動部材43の上端は、それぞれ、回動部材45の一端及び他端に回動可能に接続されている。このようなリンク機構41,48は、図9A及び図9Bに示す折り畳み状態から、図10A及び図10Bに示す展開状態に変化可能であり、また、展開状態から折り畳み状態に変化可能である。
Each of the link mechanisms 41 and 48 includes a vertically extending
各基部材42は、回転機構46を有する。図10B及び図11Bを比較することにより理解されるように、回転機構46は、リンク機構41,48の基部材42,42が、それぞれ、上下方向D1に沿って延びる軸線X1,X3の周りを回転することを許容する。これにより、リンク機構41,48は、そのかごガイドレール8に対する角度を変更して、可動部材43,43をかごガイドレール8に接近させることができる。また、可動部材43は、回転機構47を有する。図10B及び図11Bを比較することにより理解されるように、回転機構47は、可動部材43,43がそれぞれ上下方向D1に沿って延びる軸線X2,X4の周りを回転することを許容する。これにより、可動部材43は、可動部材43のかごガイドレール8に対する角度を変更して、可動部材43に固定された磁石ユニット11,12の磁石13,14を、かごガイドレール8のレールフィン8bの表面に平行に配置することができる。
Each
アクチュエータ50は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構40に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまで、リンク機構41,48の可動部材43,43と接続してリンク機構41,48を折り畳み状態に維持する。また、アクチュエータ50は、エレベータ装置1の制御装置から作動機構40に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、リンク機構41,48の可動部材43,43との接続を解除して、リンク機構41,48を展開状態に変化させる。
The
作動機構40を備えた渦電流式ブレーキ装置10の動作について説明する。
The operation of the eddy
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構40に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、アクチュエータ50は、リンク機構41,48の可動部材43,43と接続して、リンク機構41,48を折り畳み状態に維持する。これにより、渦電流式ブレーキ装置10の一対の磁石ユニット11,12は、図9A及び図9Bに示す非作動位置にある。このとき渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキは作動していない。
First, the
エレベータ装置1の制御装置から作動機構40に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、作動機構40は、一対の磁石ユニット11,12を、図9A及び図9Bに示す非作動位置から図10A及び図10Bに示す中間位置に移動させる。具体的には、アクチュエータ50が作動してリンク機構41,48の可動部材43,43との接続が解除され、リンク機構41,48が展開状態にされる。これにより、一対の磁石ユニット11,12は、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。
When a signal for operating the auxiliary brake is input from the control device of the
次に、作動機構40は、一対の磁石ユニット11,12を、図10A及び図10Bに示す中間位置から、図11A及び図11Bに示す作動位置に移動させる。具体的には、磁石ユニット11,12の磁石13,14のガイドレール8への吸着力と回転機構46とによって、リンク機構41,48の基部材42,42が、それぞれ軸線X1,X3の周りを回転し、可動部材43,43をかごガイドレール8に接近させる。また、磁石ユニット11,12の磁石13,14のガイドレール8への吸着力と回転機構47とによって、可動部材43,43がそれぞれ軸線X2,X4の周りを回転し、可動部材43に固定された磁石ユニット11,12の磁石13,14が、かごガイドレール8のレールフィン8bの表面に平行に配置される。これにより、磁石ユニット11,12が低摩擦パッド20を介してレールフィン8bに接触する。そして、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが作動する。この結果、エレベータかご3の移動が阻止される。
Next, the actuation mechanism 40 moves the pair of
図9A~図11Bに示す例では、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動は、エレベータ装置1の保守・点検作業を行う者が手作業で行う。
In the example shown in FIGS. 9A to 11B, the movement of the
なお、図9A~図11Bに示す例では、可動部材43は回転機構47を有しているが、これに限られない。図11C及び図11Dに示すように、可動部材43は、リンク機構41,48が軸線X1,X3の周りで回転したときに、その磁石ユニット11,12が固定される面がかごガイドレール8のレールフィン8bの表面に平行になる、というように形成されてもよい。この場合、可動部材43が回転機構47を有していなくても、磁石ユニット11,12の磁石13,14を、かごガイドレール8のレールフィン8bの表面に平行に配置することができる。
In addition, in the example shown in FIGS. 9A to 11B, the
<変形例4>
また、渦電流式ブレーキ装置10は、図12A~図13Bに示すような作動機構60を含んでいてもよい。図12A~図13Bに示す例では、作動機構60は、リンク機構61,62と、リンク機構61,62を作動させるアクチュエータ50とを含む。また、リンク機構61,62は、図9A~図11Bに示すリンク機構41,48と同様に、基部材42と可動部材43と回動部材44,45とを含む。図12A~図13Bに示す例では、基部材42は回転機構46を有していない。また、可動部材43は回転機構47を有していない。その代わり、作動機構60は、リンク機構61,62をかごガイドレール8の幅方向D3にスライドさせることができるようになっている。具体的には、作動機構60は、方向D3に沿って延びる支持部材63を有している。支持部材63は、リンク機構61,62の各基部材42,42に設けられた開口に挿通されている。これにより、各基部材42,42は、支持部材63上を方向D3に沿って移動することができる。なお、図12A~図13Bでは、低摩擦パッド20の図示が省略されている。
<
The eddy
作動機構60を備えた渦電流式ブレーキ装置10の動作について説明する。
The operation of the eddy
まず、エレベータ装置1の制御装置から作動機構60に補助ブレーキを作動させる信号が入力されるまでは、アクチュエータ50は、リンク機構41,48の可動部材43,43と接続して、リンク機構41,48を折り畳み状態に維持する。これにより、渦電流式ブレーキ装置10の一対の磁石ユニット11,12は、図9A及び図9Bに示す位置と同様の非作動位置にある。このとき渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキは作動していない。
First, the
エレベータ装置1の制御装置から作動機構60に補助ブレーキを作動させる信号が入力されると、作動機構60は、一対の磁石ユニット11,12を、非作動位置から図12A及び図12Bに示す中間位置に移動させる。具体的には、アクチュエータ50が作動してリンク機構41,48の可動部材43,43との接続が解除され、リンク機構41,48が展開状態にされる。これにより、一対の磁石ユニット11,12は、対応するかごガイドレール8の両側に位置づけられる。
When a signal for operating the auxiliary brake is input from the control device of the
次に、作動機構60は、一対の磁石ユニット11,12を、図12A及び図12Bに示す中間位置から、図13A及び図13Bに示す作動位置に移動させる。具体的には、磁石ユニット11,12の磁石13,14のガイドレール8への吸着力によって、リンク機構41,48の基部材42,42が、支持部材63上を方向D3に沿って移動する。これにより、磁石ユニット11,12が低摩擦パッド20を介してレールフィン8bに接触する。そして、一対の磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に電磁相互作用が生じて、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキが作動する。この結果、エレベータかご3の移動が阻止される。
Next, the actuation mechanism 60 moves the pair of
図12A~図13Bに示す例では、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動は、エレベータ装置1の保守・点検作業を行う者が手作業で行う。
In the example shown in FIGS. 12A to 13B, the movement of the
<その他の変形例>
図6Aに示す例では、磁石ユニット11,12の複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dはハルバッハ配列で配列されているが、これに限られない。複数の磁石13, 14の配列としては、かごガイドレール8とかごガイドレール8に沿って移動する磁石ユニット11,12との間に電磁相互作用を生じさせることが可能な配列であれば、任意の配列を採用可能である。例えば、図14に示すように、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたときにN極がレールフィン8bの側を向く磁石13,14とS極がレールフィン8bの側を向く磁石13,14とが、交互に配置されていてもよい。また、図15に示すように、複数の磁石13,14が上下方向に間隔を空けて配列されていてもよい。この場合、複数の磁石13a,13b,13c;14a,14b,14cは、磁石ユニット11,12が作動位置に配置されたときに同じ極(図示された例ではN極)がレールフィン8bの側を向くように配置されていてもよい。図15に示す例では、複数の磁石13a,13b,13c;14a,14b,14cの間には、スペーサ16が配置されている。
<Other Modifications>
In the example shown in FIG. 6A, the plurality of magnets 13a, 13b, 13c, 13d; 14a, 14b, 14c, 14d of the
また、磁石ユニット11,12は複数の磁石13,14を含んでいなくてもよく、ただ1つの磁石13,14を含んでいてもよい。
Also, the
また、図示された例では、渦電流式ブレーキ装置10はエレベータかご3に取り付けられているが、これに限られない。渦電流式ブレーキ装置10は、釣合い重り5に取り付けられてもよい。この場合、渦電流式ブレーキ装置10は、その磁石ユニット11,12が錘ガイドレールとの間に電磁相互作用を生じさせることにより、ブレーキ機能を作動させるものであってよい。
Also, in the illustrated example, the eddy
また、図3~図5に示す例では、作動機構30は、スライド機構35はアクチュエータによってスライダ37,38を移動させるが、これに限られない。スライド機構35は、磁石ユニット11,12の磁石13,14のガイドレール8への吸着力によってスライダ37,38がかごガイドレール8に向けて移動する、というように構成されていてもよい。この場合、磁石ユニット11,12の作動位置から非作動位置への移動は、エレベータ装置1の保守・点検作業を行う者が手作業で行う。
In addition, in the examples shown in FIGS. 3 to 5, the
また、図6Aに示す例では、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制するため、スライド機構35のスライダ37,38は強磁性体で構成されているが、これに限られない。図16~17に示すように、磁石13,14とスライダ37,38との間にバックヨークとして機能する強磁性体39を配置することにより、磁石ユニット11,12の磁力が低下することを抑制してもよい。
Further, in the example shown in FIG. 6A, the
上述した一実施の形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、上下方向に延びるガイドレール8に沿って移動するエレベータかご3又は釣合い重り5に取り付けられる渦電流式ブレーキ装置であって、磁石ユニット11,12と作動機構30,40,60とを備える。磁石ユニット11,12は、少なくとも1つの磁石13,14を含む。作動機構30,40,60は、磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。これにより、磁石ユニット11,12の磁石13,14をガイドレール8に十分に接近させることができ、渦電流式ブレーキ装置10による制動力を、十分な大きさにすることができる。
According to the above-described embodiment and its modification, the eddy
また、上述した一実施の形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき磁石ユニット11,12の磁石13,14とガイドレール8との間に位置する低摩擦パッド20を更に備えている。この場合、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に摩擦力が発生してかごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
Further, according to the above-described embodiment and its modification, the eddy current
また、上述した変形例1によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、磁石ユニット11,12が作動位置にあるときにガイドレール8上を転動するように磁石ユニット11,12に取り付けられたローラ25を更に備えている。この場合も、作動位置にある磁石ユニット11,12の磁石13,14がかごガイドレール8に吸着する虞を抑制することができ、また、磁石ユニット11,12とかごガイドレール8との間に摩擦力が発生してかごガイドレール8が損傷する、という虞を抑制することができる。
Further, according to
また、上述した一実施の形態及びその変形例において、磁石ユニット11,12は、上下方向に並んだ複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dは、ハルバッハ配列で配列されている。この場合、作動位置に配置された磁石ユニット11,12による磁束線がガイドレール8を貫通しないように、磁石ユニット11,12を構成することができる。
In the above-described embodiment and its modification, the
また、上述した一実施の形態及びその変形例によれば、渦電流式ブレーキ装置10は、各々が少なくとも1つの磁石13,14を含む一対の磁石ユニット11,12を備えている。作動機構30,40,60は、一対の磁石ユニット11,12を、ガイドレール8に接近してブレーキを作動させる作動位置と、作動位置よりもガイドレール8から離間した非作動位置と、の間で移動させる。作動位置において一対の磁石ユニット11,12はガイドレール8の両側に位置づけられる。この場合、各磁石ユニット11,12とガイドレール8との間に電磁相互作用を生じさせることができ、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキ機能を向上させることができる。
Also according to the above-described embodiment and variations thereof, the eddy
また、上述した一実施の形態及びその変形例によれば、一対の磁石ユニット11,12は、それぞれ上下方向に並んだ複数の磁石13a,13b,13c,13d;14a,14b,14c,14dを含んでいる。一対の磁石ユニット11,12が作動位置にあるとき、一対の磁石ユニット11,12の磁極の配置は、上下方向に沿った軸線を中心として鏡面対称である。この場合、渦電流式ブレーキ装置10によるブレーキ機能を向上させることができる。
Further, according to the above-described embodiment and its modification, the pair of
本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内でこれらの実施形態および変形例を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。 While several embodiments and variations of the invention have been described, these embodiments and variations are provided by way of example and are not intended to limit the scope of the invention. These novel embodiments and modifications can be implemented in various other forms, and various omissions, replacements, and modifications can be made without departing from the spirit of the invention. These embodiments and modifications thereof are included in the scope and gist of the invention, and are included in the scope of the invention described in the claims and equivalents thereof. Also, it is of course possible to partially appropriately combine these embodiments and modifications within the scope of the present invention.
1:エレベータ装置、3:エレベータかご、5:釣合い重り、8:かごガイドレール、10:渦電流式ブレーキ装置、11,12:磁石ユニット、13,14:磁石、30,40,60:作動機構、20:低摩擦パッド、25:ローラ、31:伸縮機構、35:スライド機構、41,48:リンク機構、50:アクチュエータ 1: Elevator equipment, 3: Elevator car, 5: Counterweight, 8: Car guide rail, 10: Eddy current brake device, 11, 12: Magnet unit, 13, 14: Magnet, 30, 40, 60: Operating mechanism , 20: Low friction pad, 25: Roller, 31: Extension mechanism, 35: Slide mechanism, 41, 48: Link mechanism, 50: Actuator
Claims (4)
少なくとも1つの磁石を含む磁石ユニットと、
前記磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させる作動機構と、
前記磁石ユニットが前記作動位置にあるとき前記磁石ユニットの磁石と前記ガイドレールとの間に位置する低摩擦パッドと、
を備えた、渦電流式ブレーキ装置。 An eddy current braking device attached to an elevator car or counterweight that moves along a vertically extending guide rail,
a magnet unit including at least one magnet;
an actuating mechanism for moving the magnet unit between an actuating position in which the brake is actuated by approaching the guide rail and a non-actuating position in which the magnet unit is further away from the guide rail than the actuating position;
a low friction pad positioned between the magnet of the magnet unit and the guide rail when the magnet unit is in the operating position;
Eddy-current braking device with
前記磁石ユニットの複数の磁石は、ハルバッハ配列で配列されている、請求項1に記載の渦電流式ブレーキ装置。 The magnet unit includes a plurality of magnets arranged in the vertical direction,
The eddy current brake device according to claim 1 , wherein the plurality of magnets of the magnet unit are arranged in a Halbach arrangement.
前記作動機構は、前記一対の磁石ユニットを、前記ガイドレールに接近してブレーキを作動させる作動位置と、前記作動位置よりも前記ガイドレールから離間した非作動位置と、の間で移動させ、
前記作動位置において前記一対の磁石ユニットは前記ガイドレールの両側に位置づけられる、請求項1又は2に記載の渦電流式ブレーキ装置。 a pair of magnet units each containing at least one magnet;
The actuating mechanism moves the pair of magnet units between an actuating position in which the pair of magnet units approaches the guide rail to operate the brake and a non-actuating position in which the brake is actuated and is further away from the guide rail than the actuating position,
The eddy current brake device according to claim 1 or 2 , wherein said pair of magnet units are positioned on opposite sides of said guide rail in said operating position.
前記一対の磁石ユニットが前記作動位置にあるとき、前記一対の磁石ユニットの磁極の配置は、上下方向に沿った軸線を中心として鏡面対称である、請求項3に記載の渦電流式ブレーキ装置。 The pair of magnet units each includes a plurality of magnets arranged in the vertical direction,
4. The eddy current brake device according to claim 3 , wherein when the pair of magnet units are in the operating position, the arrangement of the magnetic poles of the pair of magnet units is mirror-symmetrical about an axis extending in the vertical direction.
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