JP7239940B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、表示手段で図柄を変動表示して表示結果が特定の表示結果となった場合に所定の遊技価値を付与する遊技機がある。この種の遊技機には複数の発光体が設けられ、表示手段の表示に関連して様々な態様で発光させるようになっている。このような遊技機において、表示結果が特定の表示結果となる期待度が高い場合に複数の発光体を虹色態様(レインボー態様)で発光させる遊技機が提案されている(特許文献1)。
特開2019-017517号公報
ところで、従来と同様の遊技機では、虹色態様(レインボー態様)での発光による演出効果を高められず、遊技興趣を低下させるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑止可能な遊技機を提供することにある。
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
本発明は、
始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、
複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される複数の特定実装領域と、
画像を表示可能な演出表示手段と、
演出に関する制御を行なう演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、複数の前記特定実装領域のうちの第1特定実装領域に実装される第1特定発光体と、複数の前記特定実装領域のうちの第2特定実装領域に実装される第2特定発光体と、複数の前記特定実装領域のうちの第3特定実装領域に実装される第3特定発光体と、をそれぞれ異なる発光色で同時に発光させて当該発光色を予め定められた順序で変化させる多色発光制御を行うことが可能であり、
前記多色発光制御による発光中に所定の調節手段が操作された場合には、当該多色発光制御による発光を継続しつつ、前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度を変更可能とされ、
複数の前記特定実装領域とは別の複数の特別実装領域を有し、
複数の前記特別実装領域のうちの第1特別実装領域については、前記調節手段に対する操作に応じて前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度が変更されるなかで、前記第1特別実装領域に実装される第1特別発光体については、輝度変更の対象にせず、予め定められた一定の輝度で前記多色発光制御とは別の第1制御を継続させるようにし、
複数の前記特別実装領域のうちの第2特別実装領域については、前記調節手段に対する操作に応じて前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度が変更されるなかで、前記第2特別実装領域に実装される第2特別発光体の輝度も同期して変更されるようにし、前記多色発光制御とは別の第2制御を継続させるものであり、
さらに、前記第1特定実装領域が形成される第1基板と、前記第2特定実装領域が形成される第2基板と、前記第3特定実装領域が形成される第3基板とを備え、
前記第1基板、前記第2基板および前記第3基板の夫々には、前記多色発光制御による発光を行う前記発光体が実装されない裏実装面に、黒色の外装を有する特定電子部品が実装されるように構成され
さらに、前記第1特別実装領域に実装される前記第1特別発光体の発光色は特定色のみとされ、該特定色から他の色に切り替えられることはない
ことを特徴とする。
本発明の遊技機においては、遊技興趣の低下を抑止することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠のシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のシリンダ錠を後ろ前から見た斜視図であり、(c)は従来のパチンコ機におけるシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(d)は(a)のシリンダ錠を後ろから見た斜視図である。 (a)は図34(a)のシリンダ錠を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図34(a)のシリンダ錠を分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は図34(a)のシリンダ錠の可動機構を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図であり、(c)は(a)の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大正面図であり、(b)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大斜視図である。 ハンドルカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 ハンドルカバーユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 ハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 ハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 図41(a)におけるイ-イ線で切断した断面図である。 図1におけるア-ア線で切断した断面図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は扉枠において下皿球供給口の部位で水平に切断して要部を示す断面図であり、(b)は従来の扉枠において(a)と同じ部位を切断して要部を示す断面図である。 扉枠の皿ユニットにおける球貸操作ユニットの部位を拡大して示す平面図である。 (a)は演出操作ボタンを上方へ向けた状態で演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)の演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が上方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部ユニットが上昇位置へ移動した状態の演出操作ユニットの断面図である。 演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が下方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作部外周装飾基板、ボタン外装飾基板、及びボタン内装飾基板の位置関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は演出操作部ユニットが上昇位置の時の皿ユニットの正面図である。 演出操作ユニットの演出操作部ユニットにおいて接触検知体を複数設けた例を示す演出操作部ユニットの平面図である。 (a)は一つの接触検知センサ本体に複数の接触検知体を接続した例を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)において接触検知センサ本体と複数の接触検知体との間に切換部を設けた例を模式的に示す説明図であり、(c)は皿ユニットの皿左装飾ユニット、皿右装飾ユニット、及び演出操作ユニット等を前後方向へ進退可能とし演出操作ユニット等の前側と後側に接触検知体を設けた例を示す説明図である。 (a)は装飾性を有した接触検知体の一例を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの別の実施形態を模式的に示す説明図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 図62(a)においてウ-ウ線で切断した断面図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(d)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 図66(a)においてエ-エ線で切断した断面図である。 図66(a)においてオ-オ線で切断した断面図である。 (a)は扉枠において2色成形の外側層を不透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(b)は(a)において内側層をそのままにして外側層を透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図である。 扉枠の各装飾基板を示す正面図である。 扉枠の演出操作ユニットの部位の装飾基板を示す平面図である。 扉枠の扉窓の周囲に設けられている各装飾基板を示す背面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB-B線で切断した断面図である。 本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。 (a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。 図100(a)を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。 別の実施形態のタンクレール等を備えたパチンコ機を後ろから見てタンクレールの部位を拡大して示す斜視図である。 (a)は図106のタンクレール等を球タンクと共に組立てた状態で示す平面図であり、(b)は(a)のタンクレール等を前から見た斜視図であり、(c)は(a)のタンクレール等を後ろから見た斜視図である。 (a)は図107のタンクレール等を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図107のタンクレール等を分解して後ろから見た分解斜視図である。 図107(a)においてカ-カ線で切断したタンクレール等の断面図である。 図107のタンクレール内での遊技球の流れを断面で示す説明図である。 (a)は別の実施形態の基板ユニットの正面図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。 (a)は図111(a)の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は図111(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。 図111(a)の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図111(a)の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は図111(a)におけるキ-キ線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるク-ク線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるケ-ケ線で切断した断面図である。 図111(a)の基板ユニットを備えたパチンコ機において扉枠よりも後側の部位を示す底面図である。 アウト球通路のアウト球排出口に誘導片を設けた例を示す説明図である。 (a)はアウトセンサを着脱可能とした例を示す説明図であり、(b)は(a)においてアウトセンサを取外した状態を示す説明図である。 (a)は電源ユニット、払出制御ユニット、及びインターフェイスユニットを省略して示す第三実施形態の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。 (a)は図119の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。 (a)は図119の基板ユニットの平面図であり、(b)は(a)におけるコ-コ線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるサ-サ線で切断した断面図である。 図121(a)におけるシ-シ線で切断した断面図である。 図119の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図119の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は図119の基板ユニットの球経路部材を前から見た斜視図であり、(b)は図119の基板ユニットの球経路部材を後ろから見た斜視図である。 図119の基板ユニットにおける球詰りの解消を示す説明図である。 図119の基板ユニットにおける線状の不正工具の侵入の阻止を示す説明図である。 図119の基板ユニットにおけるゴミ落としを示す説明図である。 パチンコ機においてセンター役物等を不透明にした遊技盤の正面図である。 図129の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図129の遊技盤を左前から見た斜視図である。 遊技盤を後ろから見た斜視図である。 主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。 センター役物等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。 (a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。 (a)は前構成部材及び遊技パネルの右上隅を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)におけるス-ス線で切断した断面図であり、(c)は(a)を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はセンター役物における右下案内通路の部位を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はセンター役物における右下案内通路の前側の前部材における分離孔の部位で左右に切断して右方から見た側面断面図である。 (a)はゲート部材を前から見た斜視図であり、(b)はゲート部材を分解して前から見た分解斜視図であり、(c)はゲート部材を分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)はゲート部材の正面図であり、(b)は(a)におけるセ-セ線で切断した断面図である。 表ユニットにおける右側の遊技球の流路を示す説明図である。 図144における第一アタッカユニットと第二アタッカユニットの部位を拡大して示す説明図である。 磁気センサの配置を示す遊技盤の正面図である。 (a)は磁石からの磁力線を検知可能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(b)は磁石からの磁力線を検知不能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(c)は磁気センサによる検知範囲を斜視図により模式的に示す説明図であり、(d)は磁石からの磁力線が検知不能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(e)は磁石からの磁力線が検知可能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図である。 (a)は保持部材に磁気センサが保持されている状態を示す斜視図であり、(b)は保持部材と磁気センサとを分離させた状態で示す分解斜視図であり、(c)は保持部材を断面で示す分解図である。 (a)は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤の裏ユニットを後ろから見た斜視図である。 裏ユニットにおける裏前演出ユニットの正面図である。 (a)は裏ユニットにおける裏前演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は裏前演出ユニットを上下方向の中央付近で切断して上から見た断面図であり、(b)は(a)における左部の拡大断面図であり、(c)は(a)における右部の拡大断面図である。 裏前演出ユニットの裏前左装飾ユニットを分解して導光板と共に前から見た分解斜視図である。 裏前左装飾ユニットを分解して裏前左第一装飾体、裏前左第二装飾体、裏前左第三装飾体、及び裏前左装飾体ベースのみを後ろから見た分解斜視図である。 (a)は透明な状態で示す裏前左第一装飾体の正面図であり、(b)は透明な状態で示す裏前左第二装飾体の正面図であり、(c)は透明な状態で示す裏前左第三装飾体の正面図であり、(c)は透明な状態で示す裏前左装飾体ベースの正面図である。 (a)は裏前演出ユニットにおける導光板と導光板及び裏前左装飾ユニットを発光装飾させるための装飾基板との関係を正面から示す説明図であり、(b)は裏前演出ユニットにおける導光板と裏前下演出ユニットの装飾体を発光装飾させるための装飾基板との関係を正面から示す説明図である。 裏前左装飾ユニットを発光装飾させた状態を示す正面図である。 (a)は導光板の第一絵柄を発光させた状態を示す説明図であり、(b)は導光板の第二絵柄を発光させた状態を示す説明図である。 導光板の第二絵柄の発光構成を示す説明図である。 導光板の第二絵柄を発光させた状態で示す裏前演出ユニットの正面図である。 裏ユニットの裏後上演出ユニットにおける裏後上可動装飾体の裏後上第一装飾部を前方へ向けた状態で下降位置へ移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏後上演出ユニットにおける裏後上可動装飾体を下降位置へ移動させた状態で裏後上第二装飾部を前方へ向けた状態を示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏後下演出ユニットにおける裏後左可動装飾体及び裏後右可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏前演出ユニットの裏前下演出ユニットにおける裏前下中装飾体を上昇させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏前演出ユニットにおける裏前左装飾ユニット3120の裏前左ロゴ装飾部、裏前左上ロゴ装飾部、裏前左サブ装飾部、及び裏前左帯装飾部を発光装飾させた状態を示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第一絵柄を発光装飾させると共に、裏後下演出ユニットにおける裏後左可動装飾体及び裏後右可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 周辺制御ユニットの正面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの背面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの正面図である。 変換基板を有するROMソケットの斜視図(a)あり、リードレス型のパッケージを有する制御ROMがROMソケットに取り付けた状態における上面図(b)である。 図173(a)のP矢視図である。 周辺制御基板に形成されるスルーホールと変換基板に形成されるスルーホールとの位置関係の概要を示すスルーホールの断面図である。 変換基板に実装されるリードレス型のパッケージを有する制御ROMやROMソケットの斜視図(a)あり、リードレス型のパッケージを有する制御ROMがROMソケットに取り付けた状態における上面図(b)である。 周辺制御基板の基板管理番号を示す概略図(a)~(c)である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 主制御基板の回路を示す概略回路図である。 エラー検知機能付き主制御入力回路を示す回路図である。 停電監視回路を示す回路図である。 払出制御基板の回路を示す概略回路図である。 カバー体に主制御基板を取り付けてベース体をカバー体の開口側を覆うようにスライド移動する前の状態を示す主制御基板ボックスの斜視図(a)であり、カバー体とベース体とを封印機構により封印した主制御基板ボックスの斜視図(b)である。 設定キースイッチの正面右斜めから見た斜視図(a)であり、設定キースイッチの正面左斜めから見た斜視図(b)であり、設定キースイッチの上面図(c)である。 設定キースイッチと主制御基板ボックスのカバー体との関係を示す概略図である。 設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)を示す図(a)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その1)(b)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その2)(c)である。 図186の続きであり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その3)(d)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その4)(e)である。 主制御基板の実装面(表面)に実装される各種電子部品の配置の概要を説明する概要図である。 主制御基板の主制御MPUへの各種配線パターンの概要を説明する主制御基板のハンダ面(裏面)の概要図である。 主制御基板の実装面(表面)に形成される第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)である。 主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)である。 主制御基板の実装面(表面)に形成される第3実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)である。 主制御基板の実装面(表面)に形成される第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)である。 (a)は第一実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)と同じ部位で第二実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図である。 (a)は第二実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)において裏前演出ユニットの裏前左装飾ユニットを発光装飾させた状態で示す説明図である。 図195(a)において遊技パネルのパネル板を発光装飾させた状態で示す説明図である。 第三実施形態の遊技盤におけるパネル板とセルとを分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は第二実施形態の機能表示ユニットの正面図であり、(b)は(a)におけるソ-ソ線断面図であり、(c)は(a)の機能表示ユニットを前から見た斜視図であり、(d)は(a)の機能表示ユニットを後ろから見た斜視図である。 図198の機能表示ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図198の機能表示ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 図198の機能表示ユニットと遊技者との関係を模式的に示す説明図である。 第三実施形態の機能表示ユニットと遊技者との関係を模式的に示す説明図である。 第四実施形態の機能表示ユニットの断面図である。 (a)は磁気センサの取付けの第二実施形態を示す断面図であり、(b)は(a)の磁気センサの取付けを斜視図で示す説明図であり、(c)は(b)の磁気センサの取付けを分解して示す分解斜視図であり、(d)は(c)とは異なる保持部材で示す磁気センサの取付けの分解斜視図である。 (a)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔を第二部材に対する位置決孔と兼用している例を断面で示す説明図であり、(b)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔の後方に第二部材により閉鎖空間が形成されている例を断面で示す説明図であり、(c)は(b)において厚さの異なる装飾体を取付けている状態を断面で示す説明図であり、(d)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔を装飾体の取付孔と兼用している例を断面で示す説明図である。 (a)は第一部材に装飾体を取付けた状態で正面から示す説明図であり、(b)は(a)の断面図であり、(c)は(a)とは異なる装飾体を取付けた第一部材を正面から示す説明図である。 (a)は横長矩形状の装飾体と第一部材との関係を示す説明図であり、(b)は円形の装飾体と第一部材との関係を示す説明図であり、(c)は対称に設けられる装飾体及び第一部材との関係を示す説明図であり、(d)は(c)とは異なる形状で対称に設けられる装飾体及び第一部材との関係を示す説明図である。 (a)は装飾体及び可動する第一部材との関係を正面から示す説明図であり、(b)は(a)においてタ-タ線で切断した断面図であり、(c)は(a)及び(c)において装飾体と第一部材との位置関係を示す説明図であり、(d)は(a)とは異なる形態の装飾体及び可動する第一部材との関係を正面から示す説明図であり、(e)は(d)においてチ-チ線で切断した断面図である。 スロットマシンの概略斜視図である。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図210の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。 エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図216の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図217に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。 第一始動口通過処理(ステップS232)についてその手順を示すフローチャートである。 演出事前判定処理(ステップS245)についてその手順を示すフローチャートである。 第二始動口通過処理(ステップS234)についてその手順を示すフローチャートである。 第一特別図柄プロセス処理(ステップS238)についてその手順を示すフローチャートである。 第一特別図柄通常処理(ステップS280)についてその手順を示すフローチャートである。 当り判定処理(ステップS305)についてその手順を示すフローチャートである。 当り判定テーブル(A)、大当り図柄決定テーブル(B)、小当り図柄決定テーブル(C)を示す各種テーブル。 第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)についてその手順を示すフローチャートである。 第一変動パターン設定処理(ステップS282)についてその手順を示すフローチャートである。 第一特別図柄変動処理(ステップS283)についてその手順を示すフローチャートである。 第一特別図柄停止処理(ステップS284)についてその手順を示すフローチャートである。 大当り制御処理(ステップS235A)についてその手順を示すフローチャートである。 虹色演出の一例を示す説明図である。 遊技盤に設けられている各種の装飾基板に実装される複数のLEDのグループ分けを示す説明図である。 扉枠に設けられている各種の装飾基板に実装される複数のLEDのグループ分けを示す説明図である。 虹色演出の一例を示すタイミング図である。 異常時における虹色演出の一例を示すタイミング図である。 (A)裏後上可動装飾体の正面斜視図であり、(B)裏後上可動装飾体をA-A線で切った断面図である。 虹色演出の第1の変形例を示すタイミング図である。 虹色演出の第1の変形例を示すタイミング図である。 虹色演出の第2の変形例を示すタイミング図である。 虹色演出の第2の変形例を示すタイミング図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図89を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル195を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル195とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630のほかに払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310及び設定変更基板1311を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nと、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル195の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏前演出ユニット3100、裏後上演出ユニット3200、裏後下演出ユニット3300、等により発光演出や可動演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2-1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部13aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部23aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2-2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2-3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、左右方向へ延びた帯板状で、上下方向へ間隔をあけて設けられている複数の羽根部46bを有している。羽根部46bは、前端側が後端側よりも高くなるように、傾斜した状態で設けられている(図47を参照)。このグリル部材46は、羽根部46b同士の間の隙間を通して、幕板前部材42の内部(幕板内部空間40a)と外部とを通気可能に連通させている。
ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46における羽根部46b同士の間の隙間を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間から本体枠スピーカ622のエンクロージャ624内の音が漏れるのを防止するものである。
本実施形態のグリル部材46によれば、本体枠スピーカ622により幕板内部空間40aから外部へ放出される空気振動を、傾斜している複数の羽根部46bにより、斜め上前方のハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bを通してハンドルユニット180が収容されているハンドルカバーベース291の前筒部291a内へ向けさせることができる。これにより、遊技者が、ハンドルカバー295(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)の内側に手指を突っ込んで、ハンドル195を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。
また、ポート部材47を前方へ向かって開口させていることから、グリル部材46の複数の羽根部46bを通ってポート部材47から放出される音圧の一部が、前方へ放出されることとなるため、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者や、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内を回遊している他の遊技者に対しても、ポート部材47から放出される演出サウンドが聞えることとなり、演出サウンドによっても遊技者の関心を引付けることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本体枠4に設けられている本体枠スピーカ622のエンクロージャ624に対して、ポート部材47を外枠2の外枠下組立体40に設けていることから、エンクロージャ624の容積を大きくすることができるため、より重低音の演出サウンドを出力することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[2-4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2-5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル195を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、ハンドルユニット180の外周を覆うハンドルカバーユニット290と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット420と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット430と、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル195を備えており、ハンドルユニット180は、外周を覆うハンドルカバーユニット290を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3-1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット420が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット430が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3-1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101b(図42等を参照)と、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で前後に貫通して扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3-1b.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3-1c.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図82及び図83を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びている部位が扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3-1d.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3-1e.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101のシリンダ挿通孔101dに挿入された状態となる。
[3-1f.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3-1g.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠下ヒンジ組立体520の扉枠用下ヒンジ孔522aに挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3-1h.シリンダ錠]
扉枠3の扉枠ベースユニット100におけるシリンダ錠130について、主に図34乃至図36を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠のシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のシリンダ錠を後ろ前から見た斜視図であり、(c)は従来のパチンコ機におけるシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(d)は(a)のシリンダ錠を後ろから見た斜視図である。図35(a)は図34(a)のシリンダ錠を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図34(a)のシリンダ錠を分解して後ろから見た分解斜視図である。図36(a)は図34(a)のシリンダ錠の可動機構を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図であり、(c)は(a)の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図である。
シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後方に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
更に詳述すると、シリンダ錠130は、シリンダ本体131の後端側に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する第一カム部材134と、シリンダ取付フレーム115におけるシリンダ本体131よりも下方の部位で前後方向の軸周りに対して回転可能に取付けられている第二カム部材135と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第一アーム136と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第二アーム137と、を備えている。
また、シリンダ錠130は、第二カム部材135(回転伝達部材133)を除いてシリンダ本体131、第一カム部材134、第一アーム136、及び第二アーム137を後方から覆うようにシリンダ取付フレーム115に取付けられている後カバー138と、第一アーム136及び第二アーム137の夫々の上下両端側を、夫々第一カム部材134や第二カム部材135に対して回転可能に取付けているリベット139と、を備えている。
第一カム部材134は、第一アーム136の上端側が後面側に取付けられていると共に、第二アーム137の上端側が前面側に取付けられている。第二カム部材135は、シリンダ取付フレーム115により後側から回転可能に取付けられており、シリンダ取付フレーム115の前面を挟んだ後側に、回転伝達部材133が一体回転可能に取付けられている。第二カム部材135は、第一アーム136の下端側が前面側に取付けられていると共に、第二アーム137の下端側が第一アーム136よりも前方で前面側に取付けられている。
第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位と、第二アーム137が取付けられる部位とが、夫々の回転軸を中心に90度の角度で離隔している。また、第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位が、第二アーム137が取付けられる部位よりも、回転中心から遠ざかった位置に設けられている。
後カバー138は、左右両側面の下端から外方へ円柱状に突出した軸部138aが、シリンダ取付フレーム115のL字状の係止スリット115bに係止された状態で、上端側が図示しないビスにより、シリンダ取付フレーム115に着脱可能に取付けられている。
このシリンダ錠130は、シリンダ取付フレーム115、シリンダ本体131、回転伝達部材133、第一カム部材134、第二カム部材135、第一アーム136、及び第二アーム137が、金属により形成されている。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が扉枠右サイドユニット430のシリンダ挿通口440bの前端と略一致した状態となる。
ここで、従来のシリンダ錠130Aについて説明する。従来のシリンダ錠130Aは、図34(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131が、シリンダ取付フレーム115Aの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。このシリンダ錠130Aは、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられている。
続いて、本実施形態のシリンダ錠130の作動について説明する。従来のシリンダ錠130は、図34(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられているのに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、図34(a)及び(b)等に示すように、シリンダ本体131の軸芯から下方へ離隔した位置に回転伝達部材133が設けられている。
このシリンダ錠130は、通常の状態では、図36(a)に示すように、第一アーム136の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の右方の部位に取付けられていると共に、第二アーム137の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の下方の部位に取付けられている。シリンダ本体131では、正規の鍵によって、通常の状態から、時計回りの方向、及び反時計回りの方向へ、夫々90度の角度で回転することができる。
この状態で、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を反時計回りの方向へ回転させると、第一アーム136及び第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。この第一カム部材134の反時計回りの方向への回転により上方へ作用する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では上方へ作用する力が小さくなるのに対して、第二アーム137では上方へ作用する力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が上方へ作用する力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、反時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図36(b)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
一方、通常の状態から、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を時計回りの方向へ回転させると、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられている第一アーム136が下方へ移動すると共に、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられている第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。第一アーム136及び第二アーム137による第一カム部材134の回転を第二カム部材135に伝達する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では第二カム部材135を回転させようとする力が小さくなるのに対して、第二アーム137では第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図36(c)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
このように、本実施形態のシリンダ錠130によれば、第一カム部材134と第二カム部材135とを、互いに90度の角度で位相させて取付けた第一アーム136と第二アーム137とで連結して、回転を伝達させるようにしているため、第一カム部材134(鍵穴132に挿入された鍵)がどの回転位置にあっても、第一アーム136及び第二アーム137の少なくとも一方により回転を伝達させて、第二カム部材135(回転伝達部材133)を回転させることができ、扉枠3や本体枠4の施錠や開錠を良好なものとすることができる。
また、本実施形態のシリンダ錠130によれば、回転伝達機構としての第一アーム136及び第二アーム137により回転を伝達させることで、シリンダ本体131の軸芯に対して、回転伝達部材133(本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654)の軸芯を、異なる位置に設けることができるため、施錠ユニット650を変更しなくても、扉枠3におけるシリンダ本体131の位置を任意の位置に変更することが可能となり、扉枠3の装飾の邪魔にならない部位にシリンダ本体131(鍵穴132)を設けることができ、扉枠3の装飾性の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、扉枠3においてシリンダ本体131の位置を変更しても、本体枠4における施錠ユニット650を変更する必要がないため、施錠ユニット650を流用することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
ところで、従来のシリンダ錠130Aでは、シリンダ本体131の後方に回転伝達部材133が設けられているため、当該構成を知見している不正行為者が、前方からシリンダ本体131の後方へ工具を挿入し、当該工具により回転伝達部材133を不正に回転させることで、扉枠3を開けて不正行為を行う恐れがある。これに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、シリンダ本体131の軸芯(後方)から離れた位置に回転伝達部材133を設けていることから、シリンダ本体131の後方に工具を挿入して回転伝達部材133を回転させようとしても、当該部位に回転伝達部材133が存在していないため、回転伝達部材133を回転させることができず、扉枠3や本体枠4等を開けた不正行為が行われることを防止することができる。
更に、シリンダ錠130において、第一アーム136に対して第二アーム137が、第一カム部材134及び第二カム部材135において90度の回転角度で離間した部位同士を連結しているため、第一アーム136又は第二アーム137の一方の第一カム部材134及び第二カム部材135に取付けられている部位が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線上に位置しても、第一アーム136又は第二アーム137の他方が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線から最も離れた部位同士を連結している状態となる。従って、第一アーム136又は第二アーム137の一方が、第一カム部材134及び第二カム部材135の死点に位置することで、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができなくても、第一アーム136又は第二アーム137の他方が、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができるため、第一カム部材134の回転に大きな抵抗がかかることはなく、鍵穴132に挿入されている鍵を滑らかに回転させることができ、開錠・施錠を容易に行うことができると共に、鍵穴に挿入された鍵を無理に回転させられることを回避させることができ、鍵の破損を防止することができる。
また、第一アーム136と第二アーム137の二つのアームで鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、何らかの理由により一方のアームが破損しても、残りのアームにより回転を伝達させることができ、信頼性の高いシリンダ錠130を有したパチンコ機1を提供することができる。
また、滑らかな棒状(帯板状)の第一アーム136及び第二アーム137により、鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、ギアにより回転を伝達させるようにした場合では、工具の先端をギアの歯に引掛けることでギアが回転して回転伝達部材133が回転させられてしまう恐れがあるが、第一アーム136及び第二アーム137を表面が滑らかな棒状としていることで、工具の先端を第一アーム136や第二アーム137に引っ掛かり難くすることができ、第一アーム136や第二アーム137が動かされることで回転伝達部材133が回転させられてしまうことを回避させることができ、施錠ユニット650が不正に操作されて扉枠3や本体枠4が開錠させられてしまうことを確実に防止することができる。
なお、本実施形態のシリンダ錠130では、第一カム部材134の回転を第二カム部材135へ伝達させる回転伝達機構として、第一アーム136と第二アーム137とを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、複数の歯車を用いた回転伝達機構、歯車とラックギアを用いた回転伝達機構、スプロケットとチェーンを用いた回転伝達機構、プーリとベルトを用いた回転伝達機構、等としても良い。
[3-1i.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図37及び図38を参照して詳細に説明する。図37(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図38(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図37(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図38(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図169を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222を下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダ242が作動伝達部242bと共に下方へスライドし、作動伝達部242bの下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部242bと共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネによって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネによって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図38(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3-1j.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図90を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3-2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図96を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図96を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3-3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3-4.ハンドルユニット及びハンドルカバーユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290について、主に図41乃至図47等を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大正面図であり、(b)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大斜視図である。図42はハンドルカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図43はハンドルカバーユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図44はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図46は、図41(a)におけるイ-イ線で切断した断面図である。図47は、図1におけるア-ア線で切断した断面図である。なお、図46では、外枠2及び本体枠4を省略した扉枠3のみの断面図としている。
本実施形態のハンドルユニット180は、外周を覆うハンドルカバーユニット290と一緒に、扉枠ベースユニット100及び皿ユニット200に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
まず、ハンドルユニット180について説明する。ハンドルユニット180は、後述するハンドルカバーユニット290のハンドルカバーベース291を介して後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル195と、ハンドル195の後側に取付けられ後述するハンドルカバーベース291に案内される複数のハンドルガイド196と、ハンドル195の前端側の中央を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLED184aが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドル前レンズ185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル195の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル195が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル195に取付けられハンドル195を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291の後筒部291cの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、後述するハンドルカバーベース291の三つの突条291dと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条291dと一致させた状態で、基部181aをハンドルカバーベース291の後筒部291c内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条291dが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドルカバーベース291に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル195は、円盤状の中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aから周方向へ間隔をあけて放射状に外方へ延出している複数(ここでは三つ)のスポーク部195bと、複数のスポーク部195bの先端同士を連結している円環状の外周リング部195cと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に中央ハブ部195aを前後方向に貫通している二つのスリット195dと、スリット195dよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突起195eと、を備えている。中央ハブ部195aの外径は、従来のパチンコ機のハンドル一般外周面の外径と略同じである。
ハンドル195の三つのスポーク部195bは、ハンドル195がフリーの状態(回転させていない状態)で、中央ハブ部195aから水平に左方へ延出した一つのスポーク部195bを中心として、時計回り及び反時計回りの方向へ夫々120度の角度の部位から二つのスポーク部195bが延出している。三つのスポーク部195bは、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間に遊技者の指が挿入可能な隙間が形成されるような長さで延出している。
ハンドル195の外周リング部195cは、中央ハブ部195aの中心と同軸上に設けられている。外周リング部195cは、U字のアール側を前方へ向けた一定の断面形状で円環状に形成されている。
このハンドル195は、全体が透光性を有するように形成されていると共に、部分的に中央ハブ部195aから外周リング部195cまで電気的に連続したメッキ部が施されている。これにより、外周リング部195cのみに触れた状態でも、ハンドルタッチセンサ192によりハンドル195のタッチが検知されるようになっている。従って、外周リング部195cを回しても、遊技球Bを打込むことができる。
ハンドルガイド196は、ハンドル195の中心側へ向かって開放されたコ字状のガイド部196aと、ガイド部196aの前端から中心側へ延出している平板状の取付ステー196bと、を有している。三つのハンドルガイド196は、ガイド部196aがハンドル195における外周リング部195cの後方に位置するように、取付ステー196bがハンドル195のスポーク部195bの後側に取付けられる。ハンドルガイド196は、ガイド部196aの内部に、後述するハンドルカバーベース291のガイド片291gが挿入されることで、前後方向への移動が規制される。
カバー台座183は、ハンドル195における中央ハブ部195a外径よりも小径の円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル195のスリット195dを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。カバー台座183の取付ボス183aが、ハンドル195のスリット195dを貫通していることから、取付ボス183aがスリット195dの周方向端部に当接することとなり、ハンドル195の回転角度を規制している。本例では、ハンドル195を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドル装飾基板184は、中心に1個と、中間の円周上に周方向へ一定の間隔をあけた3個と、外周に沿って周方向へ一定の間隔をあけた6個、の合計10個のLED184a(フルカラーLED)が、三重の同心円状に実装されている。これらのLED184aは、中心の1個と、中間の3個と、及び、外周の左上の2個と、外周の右上の2個と、外周の下側の2個と、の5組に分けられている(図72を参照)。このハンドル装飾基板184には、各LED184aを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ184bが実装されている。このLEDドライバ184bは、最大で24系統まで制御することができ、5組に分けられた10個のLED184aを夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計15系統で制御するようにしている。
このハンドル装飾基板184には、図示は省略するが、LED184a及びLEDドライバ184bを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ184bを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、このハンドル装飾基板184のLEDドライバ184bでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、5組に分けられた10個のLED184aを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
このように、このハンドル装飾基板184では、LEDドライバ184bを有していることから、接続される配線ケーブルを構成している電線の数よりも多い数のLED184aの発光を、個別(ここでは組毎)に制御することができるため、電線の数を低減させることができ、電気配線にかかる構成を簡略化することができる。
ハンドル前レンズ185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドル前レンズ185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドル前レンズ185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
ハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル195を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化する。従って、ハンドル195を回転させてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗を変化させると、その内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化することとなり、ハンドル195の回転角度に応じた強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル195に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル195への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル195を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル195の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
従って、遊技者がハンドル195に触れずに、何らかの方法でハンドル195を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル195を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
単発ボタン操作センサ194は、遊技者による単発ボタン193の押圧操作を検知するものである。この単発ボタン操作センサ194が単発ボタンの193の操作を検知すると、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。従って、遊技者がハンドル195を回転操作中に単発ボタンの193を押圧操作すると、ハンドル195の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
次に、ハンドルカバーユニット290について説明する。ハンドルカバーユニット290は、ハンドルユニット180におけるハンドル195よりも後側の外周を覆い、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられるハンドルカバーベース291と、ハンドルカバーベース291の外周を覆い、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられるインナー292と、インナー292の前側に設けられており、前面に複数のLED293aが実装されている円環状のハンドルカバー装飾基板293と、ハンドルカバー装飾基板293を前方から覆っている円環状の基板カバー294と、インナー292の外周を覆い、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられるハンドルカバー295と、を備えている。
ハンドルカバーベース291は、ハンドル195の外周リング部195cの内径と略同じ内径で前後に延びた筒状の前筒部291aと、前筒部291aの後端から前方へ向かうに従って内径が小さくなるように延びている中壁部291bと、中壁部291bを貫通しハンドルベース181の基部181aを挿入可能な内径で前後に延びている筒状の後筒部291cと、後筒部291cの内周から内側へ突出していると共に前後に延びており、周方向におけるハンドルベース181の溝部181cと対応した位置に複数(ここでは三つ)設けられている突条291dと、を備えている。
また、ハンドルカバーベース291は、前筒部291aの外周の前端よりも後側の部位から外方へ延出しているフランジ部291eと、フランジ部291eの途中から前筒部291aの前端と同じ位置まで前方へ突出している円筒状の外筒部291fと、前筒部291aの前端とフランジ部291eとの間の部位において、前筒部291aから外方へ突出しているガイド片291gと、前筒部291aの下部において貫通している開口部291hと、を備えている。
ハンドルカバーベース291の中壁部291bは、前筒部291aの後端から前後方向の中央付近まで断面が外方へ膨らんだ円弧状に延びている。後筒部291cは、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられる。この後筒部291cは、ハンドルベース181の基部181aと同じ長さに形成されており、内部にハンドルベース181の基部181aが挿入される。三つの突条291dは、ハンドルベース181の三つの溝部181cと対応しており、溝部181c内に挿入されることで、ハンドルベース181を相対回転不能とすることができる。外筒部291fは、フランジ部291eの径方向の中央よりも外側の位置から前方へ延出している。このハンドルカバーベース291では、フランジ部291eの前面と外筒部291fの外周面とを繋ぐように三角形状のリブが周方向へ複数設けられている。
ガイド片291gは、前筒部291aの外周と外筒部291fの内周との間の中央から前筒部291a寄りの位置まで、前筒部291aの外周から突出している。ガイド片291gは、約110度の範囲の長さで周方向へ延びており、10度の角度の間隔をあけて、周方向へ三つ設けられている。このガイド片291g同士の間を通して、ハンドルユニット180におけるハンドルガイド196のガイド部196aの後端側を、ガイド片291gよりも後方へ挿入してハンドル195を回転させることで、コ字状のガイド部196a内にガイド片291gを位置させて、ガイド部196a(ハンドル195)の前後方向への移動を規制することができる。
開口部291hは、前後方向が前筒部291aの後端からフランジ部291e付近までの長さで、周方向が約90度の角度の範囲の大きさで、前筒部291aを貫通している。
インナー292は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でフランジ部291eよりも大きい外径の円環状の基部292aと、基部292aの外周縁から後方へ延出している脚部292bと、脚部292bの後端から基部292a付近まで切欠かれており、周方向へ離隔して設けられている複数(ここでは四つ)の切欠部292cと、を有している。基部292aは、前方からハンドルカバーベース291の前筒部291aが挿入されて、フランジ部291eの後方に位置する。脚部292bは、外側へ膨らむような湾曲状に延出しており、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられる。切欠部292cは、脚部292bにおける上下の部位と左右の部位に夫々設けられている。
ハンドルカバー装飾基板293は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でフランジ部291eと同じ外径の円環状に形成されている。ハンドルカバー装飾基板293は、12個のLED293aと、各LED293aを発光させるための固有のアドレスを有したLEDドライバ293bと、が実装されている。12個のLED293a(フルカラーLED)は、周方向へ間隔をあけて一列に設けられている。これら12個のLED293aは、中心から左下の2個と、左側の2個と、左上の2個と、右上の2個と、右側の2個と、右下の2個と、の6組に分けられている(図72を参照)。LEDドライバ293bは、最大で24系統まで制御することができ、6組に分けられた10個のLED293aを夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計18系統で制御するようにしている。
このハンドルカバー装飾基板293には、図示は省略するが、LED293a及びLEDドライバ293bを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ293bを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、このハンドルカバー装飾基板293のLEDドライバ293bでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、6組に分けられた12個のLED293aを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
基板カバー294は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でインナー292の基部292aの外径と略同じ外径の円環状の前板部294aと、前板部294aの外周縁が後方へ短く延出している筒状の側板部294bと、を有している。この基板カバー294は、前板部294aがハンドルカバーベース291のフランジ部291eとハンドルカバー装飾基板293との間に位置し、側板部294bがインナー292の基部292aまで延びている。
ハンドルカバー295は、前端にハンドルカバーベース291の外筒部291fの外径と同じ内形の前孔295aを有し、後方へ向かうに従って膨出するような紡錘台(かまくら型、或いは、お椀型、等)の筒状に形成されており、後端から前方へ向かって切欠かれた切欠開口部295bが周方向へ複数(ここでは四つ)設けられている。ハンドルカバー295は、インナー292の外周を覆うように形成されており、複数の切欠開口部295bが切欠部292cと一致するように形成されている。ハンドルカバー295の後端は、インナー292を介して皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられる。
ハンドルカバー295は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、ハンドルカバー295は、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、ハンドルカバー295の表面に表れている円形や放射状の模様は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、ハンドルカバー295を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
本実施形態のハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290は、図46等に示すように、パチンコ機1に組立てた状態で、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部に、ハンドルユニット180におけるハンドル195よりも後側の部位が挿入されていると共に、ハンドルカバーユニット290よりも前方側にハンドル195やハンドル前レンズ185等が位置している。ハンドルユニット180のハンドルベース181の後端は、ハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291の後筒部291cの後端を閉鎖している部位を挟んだ状態で、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられている。
このハンドルユニット180のハンドル195は、中央の中央ハブ部195aが、ハンドルベース181により回転可能に支持されている。また、ハンドル195は、中央ハブ部195aの外側の外周リング部195cが、その後側に取付けられているハンドルガイド196によりハンドルカバーユニット290により回転可能に支持されている。このハンドルガイド196は、ガイド部196aの後端側が、ハンドルカバーベース291における前筒部291aと外筒部291fとの間で、且つ、フランジ部291eとガイド片291gとの間に挿入(係止)されており、前後方向(軸方向)への移動が規制された状態で、回転可能に支持されている。
ハンドル195、及び、ハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291、インナー292、基板カバー294、ハンドルカバー295は、透光性を有するように形成されており、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aを発光させることで、ハンドル195の外周リング部195cを発光装飾させることができる他に、ハンドルカバーベース291(前筒部291a)の内部や、ハンドルカバー295、等も発光装飾させることができる。
ハンドルカバーユニット290は、ハンドルカバー295及びインナー292に、互いに一致する切欠開口部295b及び切欠部292cを有しているため、外側から見た時に、左右両側と下側に、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部と連通する穴が開いているように見せることができる。これにより、遊技者に対して、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部に手(指)を突っ込む精神的な不安を和らげることができる。
なお、ハンドルカバー295の上側の切欠開口部295b(インナー292の上側の切欠部292c)は、皿右装飾ユニット275と扉枠右サイドユニット430とによって閉鎖されている。
本実施形態のハンドルカバーユニット290は、ハンドルユニット180の後側が挿入されているハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部が、開口部291hを通して、インナー292及びハンドルカバー295の夫々の下側の切欠部292c及び切欠開口部295bと連通している(図47を参照)。これにより、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間の隙間を通して、飲み物等の液体や遊技球B等がハンドルカバーベース291の前筒部291a内へ侵入しても、下側の開口部291h、切欠部292c、及び切欠開口部295bを介してハンドルカバーユニット290の下方へ排出させることができる。
また、ハンドルカバー295の左右両側の切欠開口部295b内に、液体や遊技球Bが侵入した場合は、前筒部291aとインナー292の脚部292bとの間の隙間を通って、下側の切欠開口部295bから下方へ排出することができる。
また、ハンドルカバーベース291の開口部291h、インナー292の下側の切欠部292c、及びハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bは、図47に示すように、外枠2の外枠下組立体40におけるグリル部材46の羽根部46bの傾斜方向の延長線上に設けられている。これにより、本体枠スピーカ622の振動により羽根部46bを介してグリル部材46から斜め上前方へ放出された風(風圧)を、開口部291h、切欠部292c、及び切欠開口部295bを通して、前筒部291a内へ進入させることができる。従って、遊技者が、ハンドルカバー295(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)の内側に手指を突っ込んで、ハンドル195を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。
更に、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、扉枠3や本体枠4を開ける際に、右側の切欠開口部295bに指を掛けて引っ張ることができ、扉枠3等を開放する時の取っ手とすることができる。
また、ハンドル195では、外周リング部195cまでメッキ部が施されているため、ハンドルタッチセンサ192がハンドル195のタッチを検知することができ、外周リング部195cだけに触れた状態でも、遊技球Bを打込むことができる。
また、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、ハンドル195の外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むようにすることで、ハンドル195の回転位置を簡単に固定することができ、手をひねり続けていなくても一定の強さで遊技球Bを遊技領域5a内へ打込み続けることができる。このように、多様な方法でハンドル195を回転させて遊技球Bを打込むことができるため、遊技者に適した打込操作を選択可能なパチンコ機1を提供することができる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291)を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドルカバーベース291を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
このように、本実施形態のハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290によれば、左辺側を軸芯にして開閉可能に設けられ、遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖している扉枠3における右下隅に、円盤状の中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aから放射状に突出している複数のスポーク部195bと、複数のスポーク部195bの先端同士を繋いでいる円環状の外周リング部195cと、を有するハンドル195を設けていると共に、外周リング部195cから後方へ延びているような筒状のハンドルカバーユニット290を設けているため、従来のパチンコ機におけるハンドルが設けられている部位に、これまでに見たこともないような形態のハンドル195とハンドルカバーユニット290とが見えることとなり、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して本パチンコ機1での遊技に対する意欲を高めさせることができ、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内を回遊している遊技者に対し、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ハンドル195における中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通して遊技者の指をハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内へ挿入可能としていることから、遊技者が遊技領域5aに遊技球Bを打込むためにハンドル195を操作する際に、遊技者がハンドル195の中央ハブ部195aを掴むと、遊技者の指がハンドルカバーユニット290内に挿入された状態となるため、ハンドル195の操作に対して、従来のパチンコ機のハンドルとは異なった感覚を遊技者に付与することができ、新感覚の遊技球Bの打込操作により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、遊技者がハンドル195を操作している時に、本体枠4の基板ユニット620Aにおけるスピーカユニット620aに設けられている本体枠スピーカ622から演出サウンドを出力させると、本体枠スピーカ622の振動によりスピーカボックス623によるエンクロージャ624内の空気が振動し、エンクロージャ624と連通している外枠2における外枠下組立体40の幕板内部空間40a及びポート部材47を通してエンクロージャ624内の空気の振動が音圧(音風)として前方へ放出される。この際に、ポート部材47の前端に設けられているグリル部材46の複数の羽根部46bにより、本体枠スピーカ622からの音圧(音風)を、ハンドルカバー295の切欠開口部295b及びハンドルカバーベース291の開口部291hを通してハンドルカバーユニット290内(ハンドルカバーベース291の前筒部291a内)へ誘導することができ、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーユニット290内に指を挿入した状態でハンドル195を操作している遊技者の指に対して、音圧による刺激を付与することができる。従って、遊技領域5a内における遊技状態に応じて、ハンドルカバーユニット290内に挿入されている遊技者の手指に、切欠開口部295b及び開口部291hを通してポート部材47からの音圧を供給することで、遊技者を驚かせたり、チャンスの到来を予感させたり、ハンドル操作の操作量を変更させたり、することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、切欠開口部295b及び開口部291hを通してハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内に本体枠スピーカ622からの音圧(音風)を供給することができるため、ハンドルカバーユニット290内を涼しくすることができ、ハンドル195を操作している遊技者の手指まわりの環境を快適にすることで、遊技者にかかるストレスを緩和させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーユニット290内に指を挿入した状態でハンドル195を操作している遊技者の指に対して、ハンドル195やハンドルカバーユニット290が設けられている扉枠3とは異なる外枠2の外枠下組立体40に設けられたポート部材47から前方へ放出される音圧(音風)を、グリル部材46の複数の羽根部46bにより誘導して刺激を付与するようにしているため、ハンドル195に振動装置を設けるようにした場合と比較して、ハンドル195に設けられている各種のセンサ(ハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、等)や軸受機構等にダメージを与えることはなく、ハンドルユニット180を破損し難くすることが可能となり、ハンドルユニット180の破損により遊技者に不快感を与えてしまうことを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、ハンドル195に、中央ハブ部195a、スポーク部195b、及び外周リング部195cを有するようにしていることから、ハンドル195が自動車のステアリングホイールのような外観となるため、従来のパチンコ機のハンドルとは外観が大きく異なっていても、遊技者に対してハンドル195の操作が従来のパチンコ機と同様であることを直感的に認識させることが可能となる。従って、本パチンコ機1を初めて見た遊技者であっても、戸惑わせることなく本パチンコ機1のハンドル195を操作させることができ、遊技者を躊躇させることなく遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通して遊技者の指を挿入可能なハンドルカバーユニット290の外周面の下側を向いている部位に切欠開口部295b及び開口部291hを設けていることから、前方からハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内を見た時に、開口部291h及び下側の切欠開口部295bを通してハンドルカバーユニット290よりも下方が見えることとなり、筒状のハンドルカバーユニット290に対して開放感を付与することができるため、ハンドルカバーユニット290に指を挿入することに対する遊技者の不安感を軽減させることができ、遊技者を躊躇させることなくハンドル195を操作させることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の外周面における下側を向いている部位に、貫通している切欠開口部295b及び開口部291hを設けていると共に、外枠2(外枠下組立体40)のポート部材47を前方へ向かって開口させているため、ハンドルカバーユニット290内に飲み物等の液体や遊技球B等が入っても、下側の切欠開口部295b及び開口部291hから下方へ排出させることができると共に、切欠開口部295b及び開口部291hから下方へ排出された液体等をポート部材47内に入り難くすることができる。
更に、ハンドル195に、中央ハブ部195a、スポーク部195b、及び外周リング部195cを有するようにしていると共に、前端の径が外周リング部195cと同じ径のハンドルカバーユニット290のハンドルカバー295に複数の切欠開口部295bを設けるようにしているため、中央ハブ部195aにより従来のパチンコ機のハンドルと同じようなに手で掴んで操作したり、スポーク部195bにより指だけで操作したり、外周リング部195cにより自動車のステアリングホイールのような操作をしたり、外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むような操作をしたり、外周リング部195cを跨ぐようにしてハンドルカバーユニット290の内側と外側とを指で摘むような操作をしたりすることができ、多彩な遊技球Bの打込操作(ハンドル操作)が可能なパチンコ機1を提供することができる。従って、遊技状態や遊技者の状態等に応じて、遊技者が操作し易い方法で遊技球Bを遊技領域5aへ打込むことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、ハンドル195の外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むようにしたり、外周リング部195cを跨ぐようにしてハンドルカバーユニット290の内側と外側とを指で摘むようにしたりすることで、ハンドル195の操作位置を固定することが可能となる。従って、従来のパチンコ機のハンドルと同様のハンドル操作に加えて、従来のパチンコ機では成し得ないハンドル操作も行うことができるため、遊技者に対して多彩なハンドル操作を提供することができ、ハンドル操作を楽しませて遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の前端の径を、ハンドル195における外周リング部195cの径と同じとしているため、ハンドルカバーユニット290が外周リング部195cから後方へ延びているような形態となり、ハンドルカバーユニット290がハンドル195と一体となっているような外観とすることができ、見栄えを良くして遊技者の関心を引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の前端の径が外周リング部195cと同じ径であるため、ハンドルカバーユニット290の上下方向の寸法が必要以上に大きくなることを抑制することが可能となり、ハンドルカバーユニット290により遊技領域5a(扉窓101a)が上方へ圧迫されることを抑制することで、遊技領域5aが狭くなることを回避させることができ、相対的に遊技領域5aを大きくすることができると共に、大きな遊技領域5aにより本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aを適宜発光させることで、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a内やハンドルカバー295)やハンドル195の外周リング部195cを発光装飾させることができるため、遊技者がハンドル195を操作していても、遊技者の手によってハンドルカバー295や外周リング部195cの発光装飾が遮られることはなく、ハンドルカバー295や外周リング部195cを目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、扉枠3におけるヒンジ側とは反対側の右下隅にハンドル195を設けていると共に、ハンドルカバーユニット290のハンドルカバー295における外周面の右側を向いている部位に切欠開口部295bを設けているため、当該切欠開口部295bを、扉枠3を開閉させる時の取っ手に用いることができる。従って、扉枠3に見栄えが悪くなるような取っ手を設ける必要が無く、扉枠3の見栄えを良くすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291)に、ハンドル195の外周リング部195c(ハンドルガイド196)を、周方向へ回転可能に支持すると共に、前後方向への移動を規制するフランジ部291e及びガイド片291gを有するようにしており、ハンドル195の外周リング部195cが前方へ引っ張られても、ガイド片291g等によって外周リング部195cの前方への移動を規制することができるため、外周リング部195cや、外周リング部195cと中央ハブ部195aとを繋いでいるスポーク部195bが変形することはなく、ハンドル195が破損してしまうことを防止することができる。
また、ハンドルタッチセンサ192により遊技者がハンドル195に触れていることを検知した上で、ハンドル195の操作を受付けて遊技球Bを打込むようにしているため、スポーク部195bや外周リング部195cのみに触れた状態でハンドル195を操作しても遊技球Bを打込むことができ、上述したような多彩な打込操作(ハンドル操作)が可能なパチンコ機1とすることができると共に、遊技者がハンドル195に触れていない状態での遊技球Bの打込みを阻止することができ、道具を用いたハンドル操作が行われることを防止して遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[3-5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。図48は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図49は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース(図示は省略)と、取付ベースの右方に取付けられている皿ユニット中継基板(図示は省略)と、取付ベースの上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベースの下方に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が接触操作可能な接触操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、外面が球形状の演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容され皿装飾ユニット250の前面に取付けられる操作部ベース315と、操作部ベース315の上面に取付けられている円環状の演出操作部外周装飾基板320と、演出操作部外周装飾基板320の上方を覆っている外周基板カバー325と、操作部ベース315の後側に取付けられている操作部中継基板ユニット330と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作部カバーユニット310から上方へ突出可能とされており演出操作部301が設けられている演出操作部ユニット350と、操作部ベース315に取付けられており演出操作部ユニット350を昇降可能に支持している演出操作部昇降機構360と、演出操作部昇降機構360による演出操作部ユニット350の上方への突出力を調整する突出力調整機構380と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3-5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図73を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口(図示は省略)の上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口を通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具が備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3-5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図48及び図50等を参照して詳細に説明する。図50(a)は扉枠において下皿球供給口の部位で水平に切断して要部を示す断面図であり、(b)は従来の扉枠において(a)と同じ部位を切断して要部を示す断面図である。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方に対して左寄りで演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
ここで、従来のパチンコ機では、図50(b)に示すように、ファールカバーユニット150の球放出口150dと連通している皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の下皿球供給口211jに対して、その中心軸線上の前方に下皿202の下皿球抜孔202bを設けている。そして、球放出口150dから前方へ放出された遊技球Bが、真直ぐに下皿球抜孔202bへ向かうように、下皿球供給口211jを前方へ真直ぐに延びた筒状としている。これにより、下皿球供給口211jから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202bから下方へ排出させることができるようにしている。
ところで、下皿球供給口211jにより遊技球Bを下皿球抜孔202bへ向かって真直ぐに誘導させるようにした場合、下皿球抜孔202bが下皿球抜蓋265により閉鎖されていると、下皿球抜孔202bや下皿球供給口211jが下皿202の右端付近に設けられていることから、下皿202内の中央よりも右側の領域において、遊技球Bの貯留が集中してしまう恐れがある。そして、下皿202内の右側の領域に集中した遊技球Bが、下皿球供給口211jの前を塞いでしまうと、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内から遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなることで、満タン検知センサ154が作動して、下皿202内の左側の領域にまだ余裕があるのにも関わらず、下皿202が満タンであると判定されてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、図50(a)に示すように、下皿球供給口211cの左側の側壁を、斜め左前方へ延びるように傾斜させている。詳述すると、下皿球供給口211cにおける左側の側壁を、下皿球抜孔202aの真後ろとなる部位では皿ユニットベース211の前面との間の距離が、少なくとも一つの遊技球Bが流通可能な距離となるように、斜め左前方へ傾斜させている。
また、本実施形態では、図50に示すように、下皿球抜孔202aを、下皿球供給口211cの後端(球放出口150d)の中心軸線(一点鎖線で示す線)よりも左方へ移動させている。
これにより、下皿球抜孔202aを左方へ移動させることで、下皿202の最も低くなっている部位(下皿球抜孔202aの部位)が、左方へ移動することとなり、下皿球抜孔202aが閉鎖されている状態で、遊技球Bが下皿202内の右側に集中して貯留されることを低減させることができる。そして、下皿202内において、下皿球抜孔202aの部位から複数の遊技球Bが貯留されて、下皿202の後端(皿ユニットベース211の前面)に到達しても、下皿球供給口211cの左側の側壁が斜めに延びて下皿202の後端との間に遊技球Bが流通可能な隙間を形成しているため、ファールカバーユニット150(球放出口150d)や上皿球抜後ユニット240(球抜誘導路241c)から下皿球供給口211c側へ放出された遊技球Bを、斜めに延びた左側の側壁に沿って下皿202内の左側へ誘導して放出させることができ、下皿202内の全体に遊技球Bをきちんと貯留させることができる。
従って、下皿202内において遊技球Bを貯留できる領域が十分に残っているのにも関わらず、満タン検知センサ154が作動して満タンが報知されてしまうことを防止することができる。
[3-5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の後面で右下隅付近に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、皿ユニットベース211の前面の上部に取付けられている球貸操作ユニット220と、球貸操作ユニット220の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3-5c-1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口(図示は省略)と、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口は、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口(図示は省略)の前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口から球送給誘導路241bへ供給される。
[3-5c-2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3-5c-3.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、及び操作部中継基板332との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の後面における右下隅付近に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3-5c-4.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図51を参照して説明する。図51は、扉枠の皿ユニットにおける球貸操作ユニットの部位を拡大して示す平面図である。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、音量を調節したり、光量を調節したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、皿ユニットベース211の前面の上部に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部226と、ベース部221の外側で球貸ボタン224の前方に配置されている音量調節ボタン227と、音量調節ボタン227の左側に配置されている光量調節ボタン228と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されており、上面に「玉」の文字が施されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部226は、三つの7セグメントLEDと一つの砲弾型LEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して遊技者側から良好に視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部226には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部226には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
音量調節ボタン227は、扉枠3のトップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される音楽、音声、効果音、等の演出用のサウンドの音量を調節するためのものである。この音量調節ボタン227は、二つの円を組合せたような双円形のひょうたん型に形成されている。音量調節ボタン227は、一方(上側)の円の中心に「+」の文字が、他方(下側)の円の中心に「-」の文字が夫々施されていると共に、二つの円の間の部位に、スピーカから音が出ているような絵柄が施されている。音量調節ボタン227は、「+」側の円の直径が、「-」側の円の直径よりも大きく形成されている。この音量調節ボタン227は、「+」側を押圧すると音量が大きくなり、「-」側を押圧すると音量が小さくなる。
光量調節ボタン228は、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの光量(輝度)を調節するためのものである。この光量調節ボタン228は、二つの円を組合せたような双円形のひょうたん型に形成されている。光量調節ボタン228は、一方(上側)の円の中心に「+」の文字が、他方(下側)の円の中心に「-」の文字が夫々施されていると共に、二つの円の間の部位に、電球の絵柄が施されている。光量調節ボタン228は、「+」側の円の直径が、「-」側の円の直径よりも大きく形成されている。この光量調節ボタン228は、「+」側を押圧すると明るくなり、「-」側を押圧すると暗くなる。なお、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDに加えて演出表示装置1600の表示画面の明るさも調節できるようにしてもよい。
音量調節ボタン227と光量調節ボタン228は、互いに異なる色(例えば、音量調節ボタン227を白色、光量調節ボタン228を黒色、)とされており、遊技者が間違え難いようにしている。
ところで、演出操作部301の接触操作部302や押圧操作部303を用いて音量や光量を調節するようにした場合、演出操作部301の操作を必要とする遊技者参加型演出が実行されていない時に、演出操作部301を適宜操作して音量や光量等を調節するための設定用のメニューを演出表示装置1600に表示させて調節する項目を選択した上で、接触操作部302を操作して音量の大きさや光量の明るさ等を変更することとなり、音量や光量を調節するのに手間(時間)がかかることとなる。これに対して、本実施形態によれば、音量調節ボタン227や光量調整ボタン228を操作することで、音量や光量を直接(ダイレクト)に調節することができ、音量や光量の調節にかかる手間を簡略化して短時間で調節することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[3-5c-5.上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット240について、主に図49を参照して詳細に説明する。上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口を後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ(図示は省略)と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口(図示は省略)と、球受口に受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口は、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口を通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部(図示は省略)と、作動受部の後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部は、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部が、皿ユニットベース211を後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部の上面に上皿球抜ボタン222の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネは、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネの付勢力により上方への移動端に位置しており、バネの付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜後ユニット240は、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部を介して上皿球抜ボタン222を上方への移動端に位置させている。また、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口へ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネの付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3-5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図22乃至図48等を参照して詳細に説明する。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
[3-5d-1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図48及び図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3-5d-2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、夫々の前面に皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275が取付けられる。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
更に、図示は省略するが、皿ユニット本体252は、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部を備えている。演出操作ユニット取付部は、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。
[3-5d-3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図27及び図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿球抜ボタン263と、下皿球抜ボタン263の操作により貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、を備えている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252における下部前面装飾部252bの前面と一致していると共に、下皿球抜蓋265が下皿球抜孔202aを閉鎖している。この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、下皿球抜蓋265が移動して、下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧により下皿球抜蓋265を移動させると、下皿球抜蓋265が移動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧した後に押圧を放すと、下皿球抜蓋265が通常の状態の位置に復帰し、下皿球抜孔202aが閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3-5d-4.皿左装飾ユニット及び皿右装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275について、主に図48等を参照して詳細に説明する。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左装飾体271と、皿左装飾体271を貫通している透光性を有した皿左装飾レンズ272と、皿左装飾レンズ272の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左装飾基板273と、を備えている。
皿左装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左装飾レンズ272は、皿左装飾体271の前面と一致した状態でその長手方向へ延びている。皿左装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット420の下端と連続している。皿左装飾ユニット270は、皿左装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右装飾体276と、皿右装飾体276を貫通している透光性を有した皿右装飾レンズ277と、皿右装飾レンズ277の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右装飾基板278と、を備えている。
皿右装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右装飾レンズ277は、皿右装飾体276の前面と一致した状態でその長手方向へ延びている。皿右装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット430の下端と連続している。皿右装飾ユニット275は、皿右装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3-5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図52乃至図56等を参照して詳細に説明する。図52(a)は演出操作ボタンを上方へ向けた状態で演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)の演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前上から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前下から見た分解斜視図である。図55(a)は演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が上方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部ユニットが上昇位置へ移動した状態の演出操作ユニットの断面図である。図56は、演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が下方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図である。
演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が接触操作可能な接触操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成され、遊技者の操作を受付けたり、演出操作部301を可動(振動)させたりすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。演出操作部301は、接触操作部302が押圧操作部303の上部に設けられている。演出操作部301は、接触操作部302及び押圧操作部303が、演出操作ユニット300の外径に対して約5/8の大きさの直径の円形状に形成されている。
演出操作ユニット300は、皿ユニット200の左右方向中央の前面に設けられ外形が球状の演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310が外側に取付けられており皿装飾ユニット250の前面に取付けられる操作部ベース315と、操作部ベース315の上面に設けられており演出操作部カバーユニット310の上部(ユニット上カバー312)を発光装飾させるための複数のLED320aが実装されている演出操作部外周装飾基板320と、演出操作部外周装飾基板320を上方から覆うように操作部ベース315に取付けられている外周基板カバー325と、操作部ベース315の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット330と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作部301を有している演出操作部ユニット350と、演出操作部ユニット350を昇降させる演出操作部昇降機構360と、演出操作部ユニット350の突出力を調整する突出力調整機構380と、を備えている。演出操作部ユニット350は、演出操作部昇降機構360により、演出操作部カバーユニット310の上面から上方へ進退可能に設けられている。
[3-5e-1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、操作部ベース315を介して、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部に取付けられる。演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の外周(演出操作部ユニット350の周囲)を装飾するものである。
演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方へ開放された半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の上方に設けられ演出操作部301が挿通される挿通口312aを有した円環状のユニット上カバー312と、を備えている。ユニット下カバー311は、操作部ベース315の前方及び下方を覆うように半球状に形成されている。ユニット上カバー312は、ユニット下カバー311の外面と連続するように形成されている。つまり、演出操作部カバーユニット310は、外面が略球形に形成されている。因みに、本実施形態の演出操作部カバーユニット310は、直径が216mmの球形状である。
演出操作部カバーユニット310は、円環状のユニット上カバー312の軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。
演出操作部カバーユニット310は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット下カバー311の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
演出操作部カバーユニット310は、少なくともユニット上カバー312が透光性を有しており、後述する演出操作部外周装飾基板320の複数のLEDの発光により、発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、ユニット下カバー311の左右両側から皿左装飾体271及び皿右装飾体276が外方へ延出するように接続されている。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3-5e-2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース315について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。操作部ベース315は、後側が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース315は、前方と下方がユニット下カバー311により覆われていると共に、上方がユニット上カバー312及び演出操作部301により覆われている。操作部ベース315は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース315は、上方が開放された略立方体の箱状の本体部315aと、本体部の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部315bと、を備えている。本体部315aは、内部に演出操作部ユニット350が収容される。また、本体部315aは、底壁に後述する演出操作部ユニット350における演出操作部昇降機構360の一対のガイドシャフト362と中央シャフト366の下端が取付けられる。また、本体部315aは、底壁の上面において、突出力調整機構380の調整スクリュー384の下端側を回転可能に支持している。更に、本体部315aの後壁の後面に、操作部中継基板ユニット330の基板ベース331が取付けられる。
フランジ部315bは、上面に演出操作部外周装飾基板320が載置される。また、フランジ部315bは、演出操作部外周装飾基板320を挟むように、円環状の外周基板カバー325が取付けられる。外周基板カバー325にユニット上カバー312が取付けられている。
操作部ベース315は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部315bの上面が、ユニット下カバー311の上面に対して略同一面上に位置している。
[3-5e-3.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300の操作部中継基板ユニット330について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット330は、操作部ベース315の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット330は、操作部ベース315における本体部315aの後面に取付けられる基板ベース331と、基板ベース331の後面に取付けられる操作部中継基板332と、操作部中継基板332を後方から覆うように基板ベース331に取付けられる基板カバー333と、を備えている。
操作部中継基板332は、演出操作部外周装飾基板320(前装飾基板321及び後装飾基板322)、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、接触検知センサ本体358、ボタン中装飾基板364、操作ボタン昇降駆動モータ367、押圧検知センサ373、昇降検知センサ374、突出力検知センサ375、及び突出力調整駆動モータ381と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3-5e-4.演出操作部ユニット]
演出操作ユニット300における演出操作部ユニット350について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部ユニット350は、演出操作部カバーユニット310におけるユニット上カバー312の挿通口312aから外方へ臨むように設けられており、接触操作部302や押圧操作部303として機能することができるものである。
演出操作部ユニット350は、上端側が閉鎖されている有底筒状のボタン本体351と、ボタン本体351内の上部に取付けられている円盤状の接触検知体352と、下方からボタン本体351内に挿入されている円筒状のボタンスリーブ353と、ボタンスリーブ353の下端に取付けられており演出操作部昇降機構360により昇降可能に支持される円盤状のボタンベース354と、ボタンベース354の上方に配置されており上面に複数のLED355aが実装されている円環状のボタン外装飾基板355と、を備えている。
また、演出操作部ユニット350は、ボタン本体351とボタンスリーブ353との間に配置されている振動モータ356と、振動モータ356をボタンスリーブ353に取付けているモータカバー357と、接触検知体352と接続されておりボタンスリーブ353の外周に取付けられる接触検知センサ本体358と、を備えている。
ボタン本体351は、全体が透明に形成されている。ボタン本体351は、上方へ膨出するように湾曲している円盤状の上面部351aと、上面部351aの外周から下方へ延出している筒状の筒状部351bと、筒状部351bの下端から下方へ突出している係止部351cと、を有している。上面部351aは、演出操作部カバーユニット310の球状の表面と同じ直径の球面の一部を構成する形状に形成されている。この上面部351aには、外径の約1/2の直径に形成されている円形の装飾が施されている。上面部351a(筒状部351b)の外径(直径)は、演出操作部カバーユニット310の直径の約5/8である。筒状部351bの長さ(高さ)は、上面部351aの直径の約5/8である。係止部351cは、筒状部の351bの周方向へ等間隔に四つ設けられている。係止部351cは、ボタンベース354に係止される。因みに、本実施形態のボタン本体351は、直径が約127mmである。
接触検知体352は、外周が円形で、外周から一定の幅の内側が上方へ膨出した皿状に形成されている。接触検知体352は、ボタン本体351の上面部351aにおける円形の装飾の下方の部位で、上方へ斜めに膨出しその内側が平坦に形成されている。これにより、接触検知体352がボタン本体351の装飾の一部のように見えるようになっている。接触検知体352は、外周縁の左右両端と後端から下方へ延出した平板状の下方延出片352aを有している。接触検知体352は、ボタン本体351の上面部351aの下面に取付けられている。接触検知体352は、パンチングメタルにより形成されている。接触検知体352は、パンチングメタルの複数の孔により、全体の面積に対する静電容量が抑制されており、誤検知が防止されている。また、接触検知体352をパンチングメタルとしているため、下方に設けられているボタン中装飾基板364のLED364aからの光を上方へ透過させることができ、ボタン本体351の上面部351aの中央部分を良好な状態で発光装飾させることができる。
接触検知体352は、接触検知センサ本体358における接続コネクタの外部電極端子に接続されている。これにより、接触検知体352が静電容量を検知するためのセンサ電極として機能することができ、ボタン本体351の上面や側面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。つまり、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができる。
ボタンスリーブ353は、上下に延びた筒状のスリーブ本体353aと、スリーブ本体353aの下端から外方へ延出している円環状のフランジ部353bと、を有している。ボタンスリーブ353は、全体が透明に形成されている。スリーブ本体353aは、外径がボタン本体351の内径の約4/7であり、長さがボタン本体351の筒状部351bの長さと略同じである。ボタンスリーブ353は、フランジ部353bを通して、ボタン外装飾基板355の複数のLED355aからの光を上方へ透過させることができる。
ボタンベース354は、ボタン本体351の外径と略同じ直径の円盤状であり、ボタン本体351の開放されている下端側を閉鎖するようにボタン本体351の下端に取付けられている。ボタンベース354は、中心に対して対称となる部位で上下に貫通している一対のガイド孔354aと、中心において上下に貫通している中央孔354bと、中央孔の内面から中心へ向かって突出している一対の案内ピン354cと、を備えている。一対のガイド孔354aは、夫々演出操作部昇降機構360のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される。中央孔354bは、昇降カム部材371が通過可能な大きさの内径に形成されている。一対の案内ピン354cは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
ボタンベース354は、下方へ延出しており、演出操作部昇降機構360の押圧検知センサ373により検知される平板状の検知片354dを、更に有している。ボタンベース354は、ボタン本体351の係止部351cが外周面に係止される。ボタンベース354は、一対のガイド孔354aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。また、ボタンベース354は、一対の案内ピン354cが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。ボタンベース354は、下面に、演出操作部昇降機構360の一対の昇降バネ365の上端が当接しており、一対の昇降バネ365により上方へ付勢されている。
ボタン外装飾基板355は、上面に複数のLED355aが実装されている。複数のLED355aは、同心円の二重の円周上に列設されている。詳述すると、複数のLED355aは、ボタンスリーブ353のスリーブ本体353aよりもやや外側の部位と、フランジ部353bの幅の中央付近の部位と、に設けられている。ボタン外装飾基板355のLED355aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面における接触検知体352よりも外側の部位と、ボタン本体351の側面(周面)とを発光装飾させることができる。
振動モータ356は、回転軸に偏芯した錘が取付けられており、錘を回転させることで振動を発生させることができるものである。振動モータ356は、回転軸が左右方向へ延びるように配置されている。換言すると、振動モータ356は、演出操作部301の進退方向に対して直交する方向へ回転軸が延びるように配置されている。また、振動モータ356は、演出操作部301(演出操作部ユニット350)を上下方向へ案内する一対のガイドシャフト362を通る直線上の部位に設けられている。これにより、振動モータ356からの振動を演出操作部301へ良好に伝達させることができる。また、振動モータ356による振動により、一対のガイド孔354a(一対のガイドシャフト362)への影響を軽減させることができる。
接触検知センサ本体358は、静電容量センサである。接触検知センサ本体358は、詳細な図示は省略するが、サージ保護回路、発信回路、検波平滑回路、及び比較回路等を有したセンサICと、出力回路と、センサICや出力回路に電力を供給する定電圧回路と、センサ電極と、接続コネクタと、を有している。接触検知センサ本体358は、内部に有しているセンサ電極の静電容量を検知することができる。また、接触検知センサ本体358の接続コネクタは、センサ電極と接続されている外部電極端子を有しており、当該外部電極端子が接触検知体352に接続されている。つまり、接触検知センサ本体358は、接触検知体352を外部のセンサ電極として機能させることができるものである。接触検知センサ本体358は、センサ電極で静電容量を検知するとともに、外部抵抗で設定される所定の静電容量を越えたときにON信号を出力するものである。なお、本実施形態では、所定の静電容量を超えたときにON信号を出力するものであるが、静電容量の大小に応じて複数段階の信号を出力するものであっても良い。
本実施形態の演出操作部ユニット350は、ボタン本体351の上面部351aの下面に、接触検知センサ本体358により静電容量を検知するためのセンサ電極として機能させられる接触検知体352が設けられているため、接触検知体352を介してボタン本体351の上面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。また、演出操作部ユニット350の接触検知体352は、下方へ延出している複数の下方延出片352aを有しているため、演出操作部ユニット350を上方へ突出させた状態で、ボタン本体351の側面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。このようなことから、演出操作部ユニット350は、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができる。
この演出操作部ユニット350は、演出操作部昇降機構360により上下方向へ昇降可能に支持されている。演出操作部ユニット350は、最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、ボタン本体351の上面部351aが、演出操作部カバーユニット310のユニット上カバー312の上面と一致しており、演出操作ユニット300が一つの球体に見えるようになっている。そして、演出操作部ユニット350を、演出操作部昇降機構360により通常の状態から上方へ移動させた状態では、ボタン本体351の上面部351aがユニット上カバー312の上面よりも上方へ突出した状態となり、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ押圧することで、押圧操作部303として機能することができる。
詳述すると、演出操作部ユニット350は、最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、押圧してもこれ以上下方へ移動することはなく、押圧操作を行うことができない状態となっている。この通常の状態では、ボタンベース354の検知片354dが、演出操作部昇降機構360の押圧検知センサ373により検知されている。そして、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を通常の状態よりも上方へ移動させた状態にすると、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373から離れ、非検知の状態となる。そして、演出操作部ユニット350の上面を下方へ押圧し、昇降バネ365の付勢力に抗して演出操作部ユニット350を下方の移動端まで下降させると、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373により検知される。これにより、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作が検知される。
また、演出操作部ユニット350は、パンチングメタルからなる接触検知体352の上方をボタン本体351で覆っているため、接触操作部302を操作する際に、滑らかな球状のボタン本体351の上面に触れることとなり、複数の孔による凹凸を有したパンチングメタルの表面を遊技者が直接触れることはなく、遊技者に対して接触操作部302を滑らかに操作させることができる。また、接触検知体352をボタン本体351で覆っているため、ボタン本体351の表面(上面)に、微細な凹凸や複数の筋等を形成することで、接触操作部302に対して任意の触感を付与させることが可能となり、接触操作部302に対する設計自由度を高めることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記では、ボタン本体351を透明なものとしたが、これに限定するものではなく、ボタン本体351を通して下方側が視認し難い、不透明、又は、半透明なものとしても良い。これにより、ボタン本体351を通してパンチングメタルからなる接触検知体352が見え辛くなるため、演出操作部ユニット350の見栄えを良くすることができる。また、ボタン本体351を不透明なものとした場合、透光性を有するようにすることが望ましい。これにより、下方に設けられているボタン外装飾基板355のLED355aやボタン中装飾基板364のLED364a等からの光により、ボタン本体351を発光装飾させることができ、ボタン本体351の発光演出により遊技者を楽しませることができる。
[3-5e-5.演出操作部昇降機構]
演出操作ユニット300における演出操作部昇降機構360について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部昇降機構360は、操作部ベース315に取付けられており、演出操作部ユニット350を昇降させることができるものである。演出操作部昇降機構360は、演出操作部ユニット350の下方で操作部ベース315の本体部315a内に取付けられており外周が略円形状の昇降機構ベース361と、昇降機構ベース361の中心軸を対称に配置されており下端が操作部ベース315の本体部315aの底壁に取付けられていると共に上端が操作部ベース315及びボタンベース354を貫通して上方へ延出している円柱状の一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンスリーブ353の内径よりも小さい円盤状の上部ベース363と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLED364aが実装されているボタン中装飾基板364と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されておりボタンベース354を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、昇降機構ベース361及びボタンベース354の中心において上下に貫通しており下端が本体部315aの底壁に取付けられていると共に上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、を備えている。
更に、演出操作部昇降機構360は、昇降機構ベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しており昇降機構ベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することでボタンベース354を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うように昇降機構ベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、昇降機構ベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ373と、昇降機構ベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370(昇降カム部材371)の回転位置を検知することで演出操作部ユニット350の昇降を検知する昇降検知センサ374と、昇降機構ベース361に取付けられており突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385の昇降を検知することで演出操作部ユニット350の突出力を検知する突出力検知センサ375と、を備えている。
昇降機構ベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、ベース本体361aを貫通しており一対のガイドシャフト362と共に昇降バネ365が通過可能な一対の貫通孔361cと、を備えている。昇降機構ベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース315における本体部315aの内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。ベース本体361aには、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、ギアカバー372、押圧検知センサ373、及び突出力検知センサ375が、上面に取付けられている。また、ベース本体361aには、操作ボタン昇降駆動モータ367、昇降検知センサ374、及び突出力調整駆動モータ381が、下面に取付けられている。昇降機構ベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース315における本体部315aの底壁に取付けられる。これにより、操作部ベース315の本体部315aの底壁と昇降機構ベース361のベース本体361aとの間に、突出力調整機構380が配置される空間が形成されている。一対の貫通孔361cは、昇降機構ベース361のベース本体361aにおいて、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々設けられている。
一対のガイドシャフト362は、昇降機構ベース361のベース本体361aにおいて、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に設けられている一対の貫通孔361cを貫通している。中央シャフト366は、昇降機構ベース361のベース本体361aの中心を貫通している。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、夫々の下端が操作部ベース315における本体部315aの底壁に取付けられていると共に、夫々の上端が上部ベース363に取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。
上部ベース363は、外径が昇降機構ベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。上部ベース363は、下方へ突出している下突部を有している。上部ベース363は、下突部をギアカバー372の上突部に当接させることにより、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に、昇降カム部材371を収容可能な空間を形成することができる。
ボタン中装飾基板364は、上面に実装されている複数のLED364aがフルカラーLEDとされている。ボタン中装飾基板364は、複数のLED364aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、夫々においてガイドシャフト362が挿通されている。一対の昇降バネ365は、下端が突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385に当接していると共に、上端がボタンベース354に当接している。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ374により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、円柱状に形成されており、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、ギアカバー372を貫通しており、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に設けられている。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、ボタンベース354の案内ピン354cを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図55等を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、ボタンベース354の案内ピン354cの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aの第二カム371dが、昇降カム部材371の平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aによりボタンベース354の案内ピン354cを案内することができ、昇降バネ365により上方へ付勢されているボタンベース354(演出操作部ユニット350)を昇降させることができる。
ギアカバー372は、昇降バネ365及び昇降カム部材371が通過可能な貫通孔を有している。また、ギアカバー372は、上部ベース363の下突部と対面する部位に、上方へ突出している上突部を有している。ギアカバー372は、上突部を上部ベース363の下突部の下端に当接させることにより、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に、昇降カム部材371を収容可能な空間を形成することができる。
押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350におけるボタンベース354の検知片354dを検知することで、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作を検知するものである。押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350が最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、ボタンベース354の検知片354dを常時検知している。この押圧検知センサ373は、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を通常の状態よりも上方へ移動させると、ボタンベース354の検知片354dが離れるため、非検知の状態となる。そして、押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350の上面が下方へ押圧されて、昇降バネ365の付勢力に抗して演出操作部ユニット350が下方の移動端まで下降させると、ボタンベース354の検知片354dを検知し、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作を検知することができる。
昇降検知センサ374は、昇降カム駆動ギア部材370の昇降検知片370cを検知することで、昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bに連結されている被連結部371fを介して、昇降カム部材371の回転位置を検知している。
突出力検知センサ375は、突出力調整機構380における昇降バネ下保持部材385の検知片385dを検知するものである。
演出操作部昇降機構360は、前後に並んだ一対のガイドシャフト362によりボタンベース354を介して演出操作部ユニット350を昇降可能に支持することができると共に、一対の昇降バネ365によりボタンベース354を介して演出操作部ユニット350を上方へ付勢することができる。また、演出操作部昇降機構360は、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を回転させることで、演出操作部ユニット350(演出操作部301)を、演出操作部カバーユニット310に対して昇降させることができる。また、演出操作部昇降機構360は、ボタン中装飾基板364に実装されている複数のLED364aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
演出操作部昇降機構360は、通常の状態では、昇降カム部材371の下端側に設けられている係止部371cに、ボタンベース354の案内ピン354cが係止されている(図55(a)を参照)。この通常の状態では、ボタンベース354を介して演出操作部ユニット350が下方への移動端に位置しており、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)を下方へ押圧しても、演出操作部ユニット350は下方へ移動することはない。従って、通常の状態では、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。また、通常の状態では、演出操作部カバーユニット310におけるユニット上カバー312の表面(上面)と、演出操作部ユニット350におけるボタン本体351の上面とが、一致しており、演出操作部カバーユニット310とボタン本体351とで一つの球体を形成している。
通常の状態(演出操作部ユニット350が下降位置の状態)で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図55(a)において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、ボタンベース354の案内ピン354cが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン354cを介してボタンベース354が昇降バネ365の付勢力に抗して僅かに下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン354cが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン354cと一緒にボタンベース354が上昇して、演出操作部ユニット350が上昇位置の状態となる。この状態では、押圧検知センサ373から検知片354dが離れるため、押圧検知センサ373が非検知の状態となっている。
なお、昇降バネ365の下端が当接している突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385は、詳細は後述するが、突出力調整駆動モータ381により上下方向の様々な位置に移動させることができる。そして、昇降バネ下保持部材385の上下方向の位置に応じて、昇降バネ365の圧縮量を変化させることができるため、昇降バネ365の圧縮量に応じた突出力で演出操作部ユニット350を上昇位置へ突出させることができる。
演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、図55(b)に示すように、ボタンベース354の案内ピン354cが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、ボタンベース354の上面が上部ベース363の下面に当接しており、ボタンベース354のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、演出操作部ユニット350(演出操作部301)全体が上方へ移動していると共に、ボタン本体351の上面部351aがユニット上カバー312の上面よりも上方へ突出している。
この上昇位置の状態で、演出操作部ユニット350のボタン本体351(押圧操作部303)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、演出操作部ユニット350が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、ボタンベース354がギアカバー372に当接することとなる。ボタンベース354がギアカバー372に当接することで、ボタンベース354が下降位置の状態となり、ボタンベース354と共に演出操作部ユニット350(押圧操作部303)も下降位置の状態となる。
このように、ボタンベース354がギアカバー372に当接すると、ボタンベース354から下方へ突出している検知片354dが、押圧検知センサ373に検知された状態となり、演出操作部ユニットのボタン本体351(押圧操作部303)の押圧が検知される。
演出操作部ユニット350(押圧操作部303)を、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図55(b)において、ボタンベース354の案内ピン354cの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン354cの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン354cが下方へ押圧され、案内ピン354cを介してボタンベース354が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
なお、演出操作部ユニット350を下降位置へ戻す際に、突出力調整機構380の突出力調整駆動モータ381により昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の圧縮量を小さくした状態とする(図56を参照)。これにより、演出操作部ユニット350を上方へ付勢している昇降バネ365の付勢力が弱くなるため、ボタンベース354の案内ピン354cを介して昇降カム部材371の第三カム371eに作用する力も弱くなり、昇降カム部材371を回転させる操作ボタン昇降駆動モータ367にかかる負荷を軽減させることができ、操作ボタン昇降駆動モータ367の破損(故障)を低減させることができる。また、操作ボタン昇降駆動モータ367として、トルクの低い安価なものを用いることができる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン354cが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、ボタンベース354の下方への移動が停止し、案内ピン354cが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン354cが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、演出操作部ユニット350が元の下降位置の状態となる。
なお、上記では、演出操作部昇降機構360において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を反時計回りの方向へ回転させることにより、ボタンベース354の案内ピン354cを、第一カム371b(係止部371c)から第二カム371dへ移動させて、ボタンベース354(ボタン本体351)を下降位置から上昇位置へ一気に突出させる例を説明したが、ボタンベース354の案内ピン354cが昇降カム部材371の係止部371cに係止されてボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下降位置に移動している通常の状態において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を平面視において時計回りの方向へ回転させるようにしても良い。因みに、本実施形態における演出操作部昇降機構360によるボタン本体351(演出操作部ユニット350)の昇降距離は、約40mmである。
通常の状態で昇降カム部材371を時計周りの方向へ回転させると、案内ピン354cが第一カム371bから第三カム371eへ移動し、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが第三カム371eに沿って上方へ移動することとなる。そして、案内ピン354cが第三カム371eの途中の位置の時に、昇降カム部材371の回転を停止させると、ボタン本体351を下降位置と上昇位置との間の任意の位置で上方への突出を停止させることができる。そして、ボタン本体351を下降位置よりも上方の位置へ突出させることで、昇降バネ365の付勢力に抗してボタン本体351を下方へ押圧することが可能となり、ボタン本体351を押圧操作部303として機能させることができる。
なお、第三カム371eによりボタン本体351を上方へ突出させる際には、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の付勢力を弱くしておくことが望ましい。これにより、昇降カム部材371(操作ボタン昇降駆動モータ367)の回転にかかる負荷を軽減させることができると共に、ボタン本体351の押圧操作の操作感を軽くすることができる。
このように、昇降カム部材371の回転位置に応じて、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)の突出量を変化させることができるため、遊技状態に応じて(例えば、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて)、ボタン本体351の突出量を異ならせることで、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させることができる。
なお、昇降カム部材371の第三カム371eの途中に、案内ピン354cを係止可能な浅い凹部を少なくとも一つ設けるようにしても良い。これにより、同じ突出量の位置へ安定してボタン本体351(演出操作部ユニット350)を突出させることができ、突出量のバラツキを防止することができる。また、第三カム371eの途中の少なくとも一か所に凹部を設けるようにした場合、凹部に案内ピン354cが係止されることで、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を回転停止させ続ける必要が無く、操作ボタン昇降駆動モータ367にかかる負荷を軽減させることができる。
[3-5e-6.突出力調整機構]
演出操作ユニット300における突出力調整機構380について、主に図53乃至図56等を参照して説明する。突出力調整機構380は、演出操作部ユニット350を上方へ付勢している昇降バネ365の圧縮量を変化させることで、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)が上方へ突出する勢い(突出力)を変化させることができるものである。突出力調整機構380は、操作部ベース315における本体部315aの底壁と、昇降機構ベース361のベース本体361aとの間に設けられている。
突出力調整機構380は、昇降機構ベース361のベース本体361aの下面に取付けられている突出力調整駆動モータ381と、突出力調整駆動モータ381の回転軸に取付けられている平歯車状のピニオンギア382と、ピニオンギア382と噛合しておりベース本体361aの下面に回転可能に取付けられている伝達ギア383と、伝達ギア383と噛合している平歯車状のギア部384a、及びギア部384aから下方へ円柱状に延出しており外周にスパイラル状の溝が形成されているスクリュー部384bを有しており、中央シャフト366が挿通されて回転可能に支持されている調整スクリュー384と、調整スクリュー384のスクリュー部384bと噛合しており一対のガイドシャフト362が貫通していると共に一対の昇降バネ365の下端が当接している昇降バネ下保持部材385と、を備えている。
突出力調整駆動モータ381は、昇降機構ベース361のベース本体361aの下面との間に隙間が形成されるように、ベース本体361aの下面に取付けられている。突出力調整駆動モータ381は、ベース本体361aとの間の隙間に回転軸が突出している。
調整スクリュー384は、上下が、操作部ベース315における本体部315aの底壁から、昇降機構ベース361のベース本体361aまでに亘る長さに形成されている。調整スクリュー384のスクリュー部384bは、ギア部384aよりも大きい直径の円柱状に形成されている。
昇降バネ下保持部材385は、前後に延びている本体部385aと、本体部385aの中央で上下に貫通しておりスクリュー部384bと螺合している螺合孔385bと、本体部385aの前後両端に設けられており昇降バネ365の下端を収容可能な下方へ凹んだバネ保持凹部385cと、本体部385aの前端から上方へ延出している平板状の検知片385dと、を有している。昇降バネ下保持部材385は、一対のバネ保持凹部385cの中央において、ガイドシャフト362が夫々貫通している。検知片385dは、演出操作部昇降機構360の突出力検知センサ375により検知される。
突出力調整機構380は、突出力調整駆動モータ381によりピニオンギア382を回転させると、伝達ギア383及びギア部384aを介して調整スクリュー384を中央シャフト366の周りに回転させることができる。そして、突出力調整機構380は、突出力調整駆動モータ381により調整スクリュー384を回転させることで、スクリュー部384bと噛合している螺合孔385bにより昇降バネ下保持部材385を上下方向へ移動させることができる。
突出力調整機構380は、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させると、バネ保持凹部385cに保持されている昇降バネ365の下端が上方へ移動することとなり、昇降バネ365の圧縮量が大きくなる。一方、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させると、バネ保持凹部385cに保持されている昇降バネ365の下端が下方へ移動することとなり、昇降バネ365の圧縮量が小さくなる(図56を参照)。つまり、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させると、昇降バネ365による演出操作部ユニット350を上方へ付勢する付勢力を大きくすることができ、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させると、昇降バネ365による演出操作部ユニット350を上方へ付勢する付勢力を小さくすることができる。これにより、突出力調整機構380によって、演出操作部ユニット350の上方への突出力を調整することができる。
昇降バネ下保持部材385の検知片385dは、昇降バネ下保持部材385を最も上昇させた時に、突出力検知センサ375により検知される。つまり、昇降バネ365の圧縮量が最も大きくなる状態の時に、検知片385dが突出力検知センサ375により検知される。これにより、突出力調整駆動モータ381により昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させている時に、突出力検知センサ375が検知片385dを検知すると、突出力調整駆動モータ381による昇降バネ下保持部材385の上方への移動を停止させるようにすることで、昇降バネ365のこれ以上の圧縮を防止することができ、突出力調整機構380の破損を防止することができる。
また、突出力調整機構380は、上述したように、演出操作部ユニット350の突出力を適宜調整することができるため、演出操作部ユニット350が下降位置の状態で、接触検知体352によりボタン本体351への被検知対象(例えば、遊技者の手指等)の接触又は接近を検知して、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を突出させて被検知対象に当接させるようにした時に、昇降バネ下保持部材385の上下方向の位置を適宜選択してボタン本体351の突出力を異ならせるようにしても良い。これにより、ボタン本体351が上方へ突出した時に、遊技者の手指等にかかる強さを異ならせることができるため、ボタン本体351が強く当接すると、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。従って、突出力調整機構380によれば、遊技状態に応じて(例えば、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて)、ボタン本体351の突出力を強くしたり弱くしたりすることにより、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させることができる。
ところで、バネの付勢力を変化させる方法として、バネに捩れを加えることにより付勢力を変化させることが考えられる。しかしながら、演出操作部ユニット350を突出させるためには圧縮されたバネ(圧縮コイルバネ)を用いる必要があり、圧縮コイルバネに捩れを加えて付勢力を変化させるようにすると、本来の使用とは異なる無理な応力が圧縮コイルバネに作用することとなり、内部組織が早期に劣化して破損してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態の突出力調整機構380では、昇降バネ下保持部材385の上下方向への移動により昇降バネ365の圧縮量を変化させることで、演出操作部ユニット350の突出力(付勢力)を調整するようにしているため、昇降バネ365に無理な応力が作用することはなく、昇降バネ365が早期に劣化してしまうことを低減させることができ、演出操作部ユニット350を長期に亘って安定的に突出させることができる。
[3-5e-7.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図57及び図58等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作部外周装飾基板、ボタン外装飾基板、及びボタン内装飾基板の位置関係を示す説明図である。図58(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は演出操作部ユニットが上昇位置の時の皿ユニットの正面図である。演出操作ユニット300は、全体が球状に形成されており、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者の手等の接触や接近による操作が可能な接触操作部302と、押圧操作が可能な押圧操作部303とで構成されている。接触操作部302は、押圧操作部303(ボタン本体351)の上部に設けられている。
演出操作ユニット300は、上方へ突出可能な押圧操作部303(演出操作部ユニット350)の突出方向が、鉛直方向に対して上方が前方へ位置するように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられている。つまり、演出操作部301の中央が、球状の演出操作ユニット300の頂点よりも前方に位置している。これにより、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者から、演出操作部301が見え易くなっている。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が下降位置の状態となっており、演出操作部ユニット350のボタン本体351の湾曲している上面が、演出操作部カバーユニット310の球面状の表面と一致している。また、通常の状態では、押圧操作部303を下方へ押圧しても、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が下方へ移動することはない。従って、通常の状態では、遊技者に対して演出操作ユニット300が単なる球状の装飾体のように見え、操作可能なものであることを認識させ難くしている。
演出操作ユニット300は、図57に示すように、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)の外周を囲んでいるユニット上カバー312の下方に演出操作部外周装飾基板320が配置されていると共に、押圧操作部303の外縁付近の内側に円環状のボタン外装飾基板355と、更にその内側にボタン中装飾基板364とが配置されている。演出操作ユニット300は、ボタン中装飾基板364を中心にして、ボタン外装飾基板355、演出操作部外周装飾基板320の順に、外方へ配置されている。なお、ボタン中装飾基板364とボタン外装飾基板355の内側のLED355aは、接触検知体352の下方に配置されているが、接触検知体352がパンチングメタルにより形成されていることで透光性を有しているため、それらからの光を上方(遊技者側)へ良好に透過させることができる。
演出操作ユニット300は、演出操作部外周装飾基板320のLED320aにより、環状のユニット上カバー312を発光装飾させることができる。また、ボタン外装飾基板355のLED355aにより、ボタン本体351の上面の周縁付近と外周面とを発光装飾させることができる。更に、ボタン中装飾基板364のLED364aにより、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
演出操作部外周装飾基板320の複数のLED320a、ボタン外装飾基板355の複数のLED355a、及びボタン中装飾基板364の複数のLED364aは、夫々において円周上に列設されているため、周方向へ順次発光させることで、押圧操作部303の中央を中心にして光が回転するような発光演出を遊技者に見せることができる。また、複数のLED320a、LED355a、及びLED363aは、同心円状に配置されているため、押圧操作部303の中央から外側へ光が広がるような発光演出や、外側から押圧操作部303の中央へ光が収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図58(a)に示すように、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が、その上面をユニット上カバー312の表面と一致させた下降位置の状態となっている。この状態では、押圧操作部303の押圧操作が不能な状態となっている。一方、接触操作部302では、実行される遊技者参加型演出に応じて、接触操作を可能にすることができる。
押圧操作部303(演出操作部ユニット350)を突出させていない通常の状態での演出(遊技者参加型演出)としては、例えば、演出操作ユニット300の上面に触れるように促す演出画像を演出表示装置1600に表示したり、音声や効果音等を出力したりする。そして、接触検知体352によりボタン本体351への接触(又は接近)を検知したら、次の演出段階へ移行させる。なお、接触を検知した時に、ボタン外装飾基板355のLED355aやボタン中装飾基板364のLED364aの発光によりボタン本体351を発光装飾させることで、遊技者に対して接触操作が受付けられたことを認識させることができ、接触操作部302に対する操作感を付与させるようにしても良い。この際に、ボタン本体351の発光色や、発光輝度、発光パターン等により、遊技(例えば、「大当り」遊技のような遊技者が有利となる有利遊技状態の発生)に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
或いは、接触検知体352によりボタン本体351への接触(又は接近)を検知した時に、振動モータ356の駆動によりボタン本体351を振動させるようにしても良い。これにより、接触操作部302に対する操作感を付与することができ、遊技者に対して接触操作が受付けられたことを強く認識させることができる。なお、この際に、振動モータ356により強い振動を与えたり、弱い振動を与えたり、所定のリズムを有した振動を与えたりすることにより、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、通常の状態での演出(遊技者参加型演出)としては、演出操作ユニット300の上面に触れるように促す演出画像を演出表示装置1600に表示したり、音声や効果音等を出力したりした後に、接触検知体352によりボタン本体351の上面に対して遊技者(の手や指)の接触を検知したら、演出操作部昇降機構360によりボタン本体351(演出操作部ユニット350)を、昇降バネ365の付勢力により上方へ突出(ポップアップ)させる。詳述すると、通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、ボタンベース354の案内ピン354cがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、ボタンベース354と共に演出操作部ユニット350(ボタン本体351、押圧操作部303)が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図55(b)を参照)。この上昇位置の状態では、ボタン本体351の上面がユニット上カバー312の上面よりも大きく上方に位置しており、ボタン本体351が上方へ突出している。そして、上記のようにボタン本体351が上方へ突出することにより、ボタン本体351に触れた手指が、ボタン本体351と共に上方へ押上げられるため、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
その後、ボタン本体351(押圧操作部303)を押圧操作させる演出へ移行し、遊技者に対して押圧操作部303の押圧操作を楽しませる。詳述すると、ボタン本体351(押圧操作部303)が上昇位置の状態で、ボタン本体351を昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ押圧すると、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下方へ移動し、ボタン本体351の上面がユニット上カバー312の上面と同一面上となると共に、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373により検知される。これにより、ボタン本体351(押圧操作部303)の押圧操作が検知されることとなり、押圧操作を契機として演出を変化させて、遊技者参加型演出により遊技者を楽しませることができる。
なお、上記の演出の際に、突出力調整機構380により、ボタン本体351を突出させる突出力(勢い)を強くしたり弱くしたりすることで、突出力の強弱によって遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。また、ボタン本体351のポップアップ時や押圧操作時に、振動モータ356によりボタン本体351を振動させるようにしても良い。
演出操作部ユニット350を突出させる演出において、接触検知体352により、遊技者の手指等が、上方へ突出するボタン本体351の移動範囲内(突出範囲内)に接近したことを検知した時に、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。これにより、遊技者の手指等に、ボタン本体351が当接して衝撃が与えられるため、遊技者をビックリさせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。この場合でも、突出力調整機構380により、ボタン本体351が突出かる突出力を強くしたり弱くしたりして、突出力の強弱により遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、演出操作部ユニット350を突出させる演出において、接触検知体352により、遊技者の手指等が、上方へ突出するボタン本体351の突出範囲外で、突出したボタン本体351から所定距離の範囲内に接近したことを検知した時に、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。これにより、遊技者の手指等に、ボタン本体351の突出により発生する風圧を当てることができるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。この場合でも、突出力調整機構380により、ボタン本体351が突出かる突出力を強くしたり弱くしたりして、遊技者の手指等に当る風圧の強弱により遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
更に、演出操作部ユニット350を突出させる演出として、接触検知体352による遊技者の手指等の検知に関わらず、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。この際に、突出力調整機構380により、強い突出力でボタン本体351を突出させると、ボタン本体351が勢い良く突出して音(突出音)が発生するため、突出音により遊技者を驚かせることができる。また、突出力調整機構380により、弱い突出力でボタン本体351を突出させると、ボタン本体351が静かに突出することから、遊技者に対してボタン本体351の突出に気付かせ難くすることができ、いつの間にかボタン本体351が突出していることで遊技者を驚かせることができる。
演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を突出させた後の演出としては、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を弱くして、ボタン本体351(押圧操作部303)を、一般的な押圧ボタンと同様の押圧操作させるような演出を実行するようにしても良い。或いは、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を強くして、遊技者に対して、強い力でボタン本体351を押圧させるような演出を実行するようにしても良い。
また、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を突出させた後の演出としては、突出しているボタン本体351に対して接触操作させるような演出を実行するようにしても良い。この際に、接触検知体352には、下方へ延出した下方延出片352aを有しているため、ボタン本体351の側面を接触操作させるようにしても良い。また、この際に、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を強くしておくことが望ましく、これにより、突出しているボタン本体351を動き難くすることができ、ボタン本体351(接触操作部302)の接触操作を行い易いものとすることができる。
なお、演出操作部ユニット350を突出させる演出として、上記では、演出操作部昇降機構360において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を反時計回りの方向へ回転させることにより、ボタンベース354の案内ピン354cを、第一カム371b(係止部371c)から第二カム371dへ移動させて、ボタンベース354(ボタン本体351)を下降位置から上昇位置へ一気に突出させる例を示したが、これに限定するものではない。
例えば、ボタンベース354の案内ピン354cが昇降カム部材371の係止部371cに係止されてボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下降位置に移動している通常の状態において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を平面視において時計回りの方向へ回転させることにより、案内ピン354cを第一カム371bから第三カム371eへ移動させ、第三カム371eの途中で昇降カム部材371の回転を停止させて、ボタン本体351を下降位置と上昇位置との間の位置で上方への突出を停止させるようにしても良い。この際に、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の付勢力を弱くしておく。
このように、昇降カム部材371の第三カム371eによりボタン本体351を途中まで突出させるようにした場合でも、ボタン本体351を押圧操作することができ、ボタン本体351を押圧操作部303として機能させて、遊技者参加型演出を遊技者に楽しませることができる。この場合、昇降カム部材371の回転位置に応じて、ボタン本体351の上方へ突出量を異ならせることができるため、ボタン本体351の突出量に応じて、遊技に対する期待度を示唆させることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、突出させた演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を押圧操作させる演出として、演出操作部ユニット350を突出させた後に、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて昇降バネ365の圧縮を最小の状態にする。これにより、昇降バネ365の付勢力が最弱の状態となっているため、軽い(弱い)力で演出操作部ユニット350を押圧操作することができ、押圧操作の操作性を高めて押圧操作を楽しませることができる。また、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を押圧操作させる演出として、抽選された特別抽選結果に応じて、昇降バネ下保持部材385を上下方向の適宜の位置にして昇降バネ365の付勢力を最強から最弱までの何れかの強さとするようにしても良い。これにより、遊技者に演出操作部ユニット350を強く押させたり弱く押させたりすることができるため、演出操作部ユニット350の操作力の違いにより遊技者を楽しませることができると共に、より多彩な演出を提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、演出操作ユニット300を用いた演出として、接触操作部302(ボタン本体351)への遊技者の手指等の接触に対して複数の接触段階(接近段階)で検知できるように、接触検知体352の静電容量に応じた複数段階の閾値を設け、各段階に応じて演出を変化させるようにしても良い。つまり、遊技者の手指等がボタン本体351(接触検知体352)へ接近するに従って、接触検知体352の静電容量が大きくなることに着目し、その静電容量の大小に対して複数の閾値を設けることで多段階に検知して、演出に活用するようにしても良い。具体的には、例えば、遊技者の手指等がボタン本体351から所定距離以上離れている段階、遊技者の手指等がボタン本体351から所定距離以内でボタン本体351に接触していない段階、遊技者の手指等がボタン本体351に接触している段階、等に分けて、夫々の段階に応じて演出を変化させることで、一つの接触検知センサ本体358でも多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット300の通常の状態として、図55(a)に示すように、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を下降位置にすると共に、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させた状態を示したが、これに限定するものではなく、図56(a)に示すように、演出操作部ユニット350を下降位置にすると共に、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させた状態としても良い。これにより、通常の状態において、昇降バネ365が強く圧縮されていないため、昇降バネ365が早期に劣化(疲労)することを抑制させることができる。また、強く圧縮された昇降バネ365の付勢力により、ボタンベース354や昇降バネ下保持部材385が早期に劣化(疲労)することを抑制させることができる。
このように、本実施形態の演出操作ユニット300によれば、様々なパターンの遊技者参加型演出に用いることができるため、多彩な演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、演出操作ユニット300は、球形状の演出操作部カバーユニット310の上部に、円環状(二つの円弧を合わせた)の演出操作部外周装飾基板320が設けられていると共に、演出操作部外周装飾基板320よりも内側において昇降する演出操作部ユニット350に接触検知センサ本体358が設けられている。また、演出操作部ユニット350のボタンスリーブ353の内部には、位置が固定されているボタン中装飾基板364が設けられている。この接触検知センサ本体358には、静電容量を検知するためのセンサ電極が設けられているため、演出操作部ユニット350を下降位置から上昇位置へ移動させると、接触検知センサ本体358(センサ電極)が演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364に接近することとなり、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364の接近によりセンサ電極の静電容量が変化して接触検知センサ本体358が誤検知してしまう恐れがある。
そこで、演出操作部外周装飾基板320と接触検知センサ本体358との間、及び、ボタン中装飾基板364と接触検知センサ本体358との間に、グランド(GND)に接続された導電性を有するシールド(例えば、パンチングメタル、金属板、エキスパンドメタル、金網、金属線、金属箔、等)を設けるようにしても良い。これにより、演出操作部ユニット350を上下に移動させることで、接触検知センサ本体358と、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364との距離が変化しても、接触検知センサ本体358と、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364との間に、接触検知センサ本体358からの距離が変化しないグランド(GND)に接続されたシールドにより、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364の接近による静電容量の変化の影響を低減させることができ、接触検知センサ本体358における誤検知を防止することができる。
[3-5f.皿ユニットの別の実施形態]
続いて、上記とは異なる実施形態の皿ユニット200について、主に図59乃至図61等を参照して説明する。図59は、演出操作ユニットの演出操作部ユニットにおいて接触検知体を複数設けた例を示す演出操作部ユニットの平面図である。図60(a)は一つの接触検知センサ本体に複数の接触検知体を接続した例を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)において接触検知センサ本体と複数の接触検知体との間に切換部を設けた例を模式的に示す説明図であり、(c)は皿ユニットの皿左装飾ユニット、皿右装飾ユニット、及び演出操作ユニット等を前後方向へ進退可能とし演出操作ユニット等の前側と後側に接触検知体を設けた例を示す説明図である。図61(a)は装飾性を有した接触検知体の一例を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの別の実施形態を模式的に示す説明図である。なお、図59乃至図61では、上記と同様の構成部分については、同一の符号を付している。
図59に示す実施形態は、演出操作部ユニット350のボタン本体351の下側において、接触検知体352を、接触検知体左390Lと接触検知体右390Rとの左右に分割したものとしていると共に、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rの夫々に対して、接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rを接続するようにしたものである。この実施形態によれば、ボタン本体351の上面において、例えば、遊技者が手指等を左側から右側へ移動させるようにした場合、まず、遊技者の手指等がボタン本体351の左側に位置すると、接触検知体左390Lの静電容量が変化して接触検知センサ本体左391Lが検知となると共に接触検知体右390Rの静電容量は変化することはなく接触検知センサ本体右391Rは非検知のままとなる。そして、遊技者の手指等がボタン本体351の中央に移動すると、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rの両方の静電容量が変化することで接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rの両方が検知となる。更に、遊技者の手指等がボタン本体351の右側に移動すると、接触検知体左390Lの静電容量が元に戻り接触検知センサ本体左391Lが非検知となると共に接触検知体右390Rの静電容量が変化しており接触検知センサ本体右391Rが検知したままとなる。
このように、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rによる接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rの検知・非検知の組合せとその変化のバターンにより、遊技者の手指等の動きを検知することができる。これにより、より多彩な動きの接触操作を検知することができ、接触操作部302に対して多彩な接触操作を行わせることが可能な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができると共に、接触操作部302を操作する遊技者参加型演出をより楽しませることができる。なお、接触検知体を増設すれば、更に複雑な動作を検知できるようになる。
図60(a)に示す実施形態は、一つの接触検知センサ本体392に対して、複数の接触検知体393を接続した例である。この実施形態によれば、複数の接触検知体393を、互いに異なる複数の箇所に夫々設けた状態で、一つの接触検知センサ本体392により、何れかの接触検知体393において人体等の接触を検知することができる。
例えば、複数の接触検知体393を、ボタン本体351の内側(下側)に分散配置することで、遊技者の手指等がボタン本体351の表面の何れの部位に接触しても、何れかの接触検知体393により接触を検知することができ、接触操作部302への接触に対する検知精度を高めることができる。
また、複数の接触検知体393を、パチンコ機1における遊技者に触れられたくない部位(例えば、遊技者が怪我をする恐れのある部位、他の遊技者に対して迷惑をかけてしまう恐れのある部位、不正行為が行われる恐れのある部位、等)に設けるようにして、何れかの接触検知体393において人体等を検知した時に、注意や警告等を報知するようにしても良い。
また、図60(b)に示す実施形態は、一つの接触検知センサ本体392と複数の接触検知体393との間に、何れかの接触検知体393のみを接触検知センサ本体392と接続させる切換部394を設けた例である。この実施形態によれば、切換部394により複数のうちの何れかの接触検知体352に接続を切換えることで、所望の部位(接触検知体352)のみにおける人体等の接触を検知することができる。なお、切換部394としては、「リレーやトランジスタによるスイッチング回路により切換えるもの」、「その他の電子回路により切換えるもの」、「可動部材(例えば、図60(c)に示すような可動する皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300)の移動に伴って切換わるもの」、等が挙げられる。
例えば、演出操作部301(接触操作部302)において、複数の接触検知体393を分散配置し、各接触検知体393により検知される部位を順番に触れさせるような遊技者参加型演出を実行した時に、接触検知センサ本体392と接続される接触検知体393を切換部394により触れる順番で切換えて、当該接触検知体393により遊技者の手指等が接触したか否かを検知するようにしても良い。これにより、複数の接触検知体393によるゲーム性の高い遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、図60(c)に示すように、皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300を、前方へ進退できるようにした場合、演出操作ユニット300の前面側に第一接触検知体393aを設けると共に、皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300の後側に第二接触検知体393bを設け、演出操作ユニット300等を前方へ突出させる時には、切換部394により第一接触検知体393aと接触検知センサ本体392とを接続し、演出操作ユニット300等を後退させる時には、切換部394により第二接触検知体393bと接触検知センサ本体392とを接続するように切換えるようにしても良い。
これにより、演出操作ユニット300等を前方へ突出(移動)させる時に、第一接触検知体393aにより遊技者の接触又は接近を検知して、演出操作ユニット300等の前方への移動を停止させるようにする。これにより、演出操作ユニット300等が本パチンコ機1の前方に着座している遊技者を無用に圧迫してしまうことを防止することができ、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避させることができる。
一方、演出操作ユニット300等を前方へ突出させると、演出操作ユニット300等の後側には隙間が形成される場合があり、その隙間に遊技者の手指等が挿入されている状態で、演出操作ユニット300等を初めの位置へ後退させると、遊技者の手指等が挟まれて怪我をしてしまう恐れがある。そこで、この実施形態では、前方へ移動させた演出操作ユニット300等を後方へ移動させる際に、切換部394により第二接触検知体393bが接触検知センサ本体392に接続されるように切換える。そして、第二接触検知体393bにより遊技者の手指等を検知した場合には、演出操作ユニット300等の後方への移動を停止させ、演出操作ユニット300等の後側から手指等を離させる旨の案内を遊技者に報知し、第二接触検知体393bが非検知の状態でのみ演出操作ユニット300等を後方へ移動させて最初の状態に復帰させる。これにより、演出操作ユニット300等の後側の隙間により、遊技者が怪我をしてしまうことを防止することができ、パチンコ機1の安全性を高めることができる。
また、図61(a)に示す実施形態は、遊技者の手指等の接触を検知する接触検知体395の外形を星形として、装飾性(意匠性)を有するようにしたものである。なお、装飾性を有した接触検知体395の形状は、星形に限定するものではなく、円形状、多角形状、幾何学模様の形状、所定のキャラクタを模した形状、所定のアイテムを模した形状、所定のロゴを模した形状、額縁状の形状、等としても良い。これにより、透明なボタン本体351を通して見える接触検知体395が装飾性(意匠性)を有しているため、接触検知体395自身によりボタン本体351ひいてはパチンコ機1の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、上記の実施形態では、接触検知体352をパンチングメタルにより形成したものを示したが、これに限定するものではなく、接触検知体を、金属板、エキスパンドメタル、金網、金属線、メッキ、金属蒸着、箔押し、等により形成するようにしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、接触検知体は、遊技者の手指等が直接触れないように、透明な表面部材の裏面側に設けることが望ましく、接触検知体の摩耗を回避させることができると共に、表面部材により触感を滑らかなものとすることができる。
更に、上記の実施形態では、接触検知体352の下方にボタン中装飾基板364(LED364a)を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、図61(b)に示すように、透明な表面部材396の下側に接触検知体397を設けると共に、その下方に装飾体398を設けるようにしても良い。これにより、表面部材396及び接触検知体397を通して装飾体398が見えることで、表面部材396が設けられている演出操作ユニットの装飾性を高めることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
なお、図61(b)の実施形態において、接触検知体397を金属蒸着により形成し、通常の状態では、接触検知体397の金属光沢により下方に設けられている装飾体398が視認できないようにし、表面部材396への接触の検知等により接触検知体397の下方に設けたLEDにより装飾体398を照明することで、表面部材396及び接触検知体397を通して装飾体398が視認できるようにしても良い。
また、接触検知体352を、遊技者から認識不能に形成するようにしても良い。ここで、認識不能な接触検知体としては、「透明な部材により形成したもの」、「ボタン本体等の表面部材の装飾と一体的に見えるように形成したもの」、等が挙げられる。これにより、当該接触検知体352が設けられている演出操作部301では、接触検知体352を認識できないことから、遊技者に対して手指等の接触を検知したり接触操作したりするものではないと錯覚させることができるため、例えば、所定の遊技者参加型演出が実行されて、遊技者の手指等がボタン本体351に接触又は接近した時に、演出操作部昇降機構360によりボタン本体351を上方へ突出させることで、遊技者が初めて接触検知体352(接触操作部302)の存在に気付くこととなり、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3-6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット420について、主に図62乃至図65等を参照して詳細に説明する。図62(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図63は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図64は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図65は、図62(a)においてウ-ウ線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット420は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット420は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース421と、扉枠左サイドベース421の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED422aが実装されている扉枠左サイド上装飾基板422と、扉枠左サイドベース421の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED423aが実装されている扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠左サイド上装飾基板422の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド上リフレクタ424と、扉枠左サイド下装飾基板423の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド下リフレクタ425と、左サイド上リフレクタ424及び左サイド下リフレクタ425の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている扉枠左サイド装飾体426と、を備えている。
また、扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422aからの光を前方へ導光する左サイド上導光部材427と、扉枠左サイド下装飾基板423における上下方向の中央よりも上側の第一LED423aからの光を前方へ導光する左サイド中導光部材428と、扉枠左サイド下装飾基板423における上下方向の中央よりも下側の第一LED423aからの光を前方へ導光する左サイド下導光部材429と、を備えている。
扉枠左サイドベース421は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイドベース421は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠左サイドベース421は、上記のハンドルカバー295と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠左サイドベース421の表面に表れている円形や放射状の模様は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠左サイドベース421を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
扉枠左サイド上装飾基板422は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠左サイド上装飾基板422の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED422aが実装されていると共に、第一LED422a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED422bが実装されている。また、扉枠左サイド上装飾基板422には、第一LED422a及び第二LED422bを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ422cが実装されている。
この扉枠左サイド上装飾基板422では、第一LED422aが4個、第二LED422bが8個、の合計12個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED422bが設けられている第一LED422aは、それら第二LED422b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED422bは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠左サイド上装飾基板422では、図72に示すように、4個の第一LED422aが、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED422bは、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。LEDドライバ422cは、最大で24系統まで制御することができ、2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとを、夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計15系統で制御するようにしている。
この扉枠左サイド上装飾基板422には、図示は省略するが、第一LED422a、第二LED422b、及びLEDドライバ422cを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ422cを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠左サイド上装飾基板422のLEDドライバ422cでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
扉枠左サイド下装飾基板423は、上下に延びた帯板状に形成されており、右辺側が凸凹に形成されている。扉枠左サイド下装飾基板423の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED423aが実装されていると共に、第一LED423a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED423bが実装されている。また、扉枠左サイド下装飾基板423には、第一LED423a及び第二LED423bを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ423cが実装されている。
この扉枠左サイド下装飾基板423では、第一LED423aが6個、第二LED423bが12個、の合計18個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED423bが設けられている第一LED423aは、それら第二LED423b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED423bは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠左サイド下装飾基板423では、図72に示すように、6個の第一LED423aが、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED423bは、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。LEDドライバ423cは、最大で24系統まで制御することができ、3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとを、夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計21系統で制御するようにしている。
この扉枠左サイド下装飾基板423には、図示は省略するが、第一LED423a、第二LED423b、及びLEDドライバ423cを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ423cを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠左サイド下装飾基板423のLEDドライバ423cでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
左サイド上リフレクタ424は、扉枠左サイド上装飾基板422に実装されている第二LED422bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔424aが形成されていると共に、第一LED422aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒424bが形成されている。左サイド上リフレクタ424は、貫通孔424a周りの後端が、扉枠左サイド上装飾基板422の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔424aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED422bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
左サイド上リフレクタ424の保持筒424bは、後述する左サイド上導光部材427の円柱状の導光軸部427aが挿入されることで、導光軸部427aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒424bは、貫通孔424a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒424bを貫通して前方へ突出した左サイド上導光部材427の導光軸部427aにおいて、その上下両側の貫通孔424aより臨んだ扉枠左サイド上装飾基板422の第二LED422bからの光が、導光軸部427aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426の裏側に導光軸部427aの影が写ることを回避させることができる。
また、左サイド上リフレクタ424では、貫通孔424a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠左サイドベース421に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠左サイド装飾体426の裏側に写らないようになっている。
左サイド下リフレクタ425は、扉枠左サイド下装飾基板423に実装されている第二LED423bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔425aが形成されていると共に、第一LED423aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒425bが形成されている。左サイド下リフレクタ425は、貫通孔425a周りの後端が、扉枠左サイド下装飾基板423の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔425aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED423bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
左サイド下リフレクタ425の保持筒425bは、後述する左サイド中導光部材428の円柱状の導光軸部428aや左サイド下導光部材429の円柱状の導光軸部429aが挿入されることで、それら導光軸部428aや導光軸部429aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒425bは、貫通孔425a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒425bを貫通して前方へ突出した左サイド中導光部材428の導光軸部428aや左サイド下導光部材429の導光軸部429aにおいて、その上下両側の貫通孔425aより臨んだ扉枠左サイド下装飾基板423の第二LED423bからの光が、導光軸部428aや導光軸部429aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426の裏側に導光軸部428aや導光軸部429aの影が写ることを回避させることができる。
また、左サイド下リフレクタ425では、貫通孔425a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠左サイドベース421に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠左サイド装飾体426の裏側に写らないようになっている。
扉枠左サイド装飾体426は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体426は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体426は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。この扉枠左サイド装飾体426は、左右方向の幅の中心に沿って上下方向へ一定の間隔で前後に貫通している複数の開口部426aを有している。複数の開口部426aは、左サイド上リフレクタ424の保持筒424b、及び左サイド下リフレクタ425の保持筒425bと対応した位置に設けられている。これら開口部426aには、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、及び左サイド下導光部材429の導光軸部429a、の夫々の先端が、後方から挿入される。この扉枠左サイド装飾体426は、扉枠左サイドベース421よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。また、扉枠左サイド装飾体426は、複数の開口部426aを避けるように、円弧状に窪んだ一定の形状で、左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部426bを、更に有している。
左サイド上導光部材427は、円柱状に前後に延びた四つの導光軸部427aと、四つの導光軸部427aの下端同士を連結しているランナー部427bと、を有しており、透明な素材により形成されている。四つの導光軸部427aは、左サイド上リフレクタ424の四つの保持筒424bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部427aは、保持筒424bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部427aは、左サイド上リフレクタ424の保持筒424bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド上導光部材427は、導光軸部427aにより、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
左サイド中導光部材428は、円柱状に前後に延びた三つの導光軸部428aと、三つの導光軸部428aの下端同士を連結しているランナー部428bと、を有しており、透明な素材により形成されている。三つの導光軸部428aは、左サイド下リフレクタ425の上側三つの保持筒425bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部428aは、保持筒425bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部428aは、左サイド下リフレクタ425の保持筒425bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド中導光部材428は、導光軸部428aにより、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
左サイド下導光部材429は、円柱状に前後に延びた三つの導光軸部429aと、三つの導光軸部429aの下端同士を連結しているランナー部429bと、を有しており、透明な素材により形成されている。三つの導光軸部429aは、左サイド下リフレクタ425の下側の三つの保持筒425bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部429aは、保持筒425bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部429aは、左サイド下リフレクタ425の保持筒425bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド下導光部材429は、導光軸部429aにより、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420は、上下方向の中央より上側の部位が、下側の部位よりも前方へやや突出していると共に下端付近が右側に緩く湾曲している。この扉枠左サイドユニット420は、上端が扉窓101aよりも上方で扉枠上ヒンジ組立体120の下側に位置し、下端が扉窓101aよりも下方で皿ベースユニット210の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bの上側に位置している。また、扉枠左サイドユニット420は、上部が扉枠トップユニット450の左外側に位置している。扉枠左サイドユニット420は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420によれば、扉枠左サイド装飾体426の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423を設けているため、それらに実装されている第二LED422b及び第二LED423bからの光が十分に広がった状態で、扉枠左サイド装飾体426の裏側に照射されることとなるため、扉枠左サイド装飾体426を均一に発光装飾させることができる。
また、扉枠左サイド装飾体426の前面から後方へ離れた位置に設けられている扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a及び扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、及び左サイド下導光部材429の導光軸部429aにより前方へ誘導(導光)して、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aの部位を、その他の部位よりも点状に明るく発光させることができる。
また、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a及び扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aと、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a及び左サイド下導光部材429の導光軸部429aとを、隣接している二つの第二LED422b及び第二LED423b同士の間の中央に設けている。これにより、導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aに対して、両側の第二LED422bや第二LED423bから均等な光量で光が照射されることとなるため、扉枠左サイド装飾体426に後方から導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影が投影されても、当該影が見え辛くなり、扉枠左サイド装飾体426をムラなく面状に発光装飾させることができる。
更に、扉枠左サイド装飾体426に、複数の開口部426a同士を繋ぐように左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部426bを有するようにしている。これにより、仮に、第二LED422bや第二LED423bからの光により導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影が、扉枠左サイド装飾体426に投影されたとしても、当該影が投影される部位に、装飾部426bを有しているため、導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影を判り辛くすることができ、扉枠左サイド装飾体426の発光装飾における見栄えを良くすることができる。
[3-7.扉枠右サイドユニット]
次に、扉枠3における扉枠右サイドユニット430について、主に図66乃至図70等を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(d)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図69は、図66(a)においてエ-エ線で切断した断面図である。図70は、図66(a)においてオ-オ線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット430は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられる扉枠右サイドベース431と、扉枠右サイドベース431の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED432aが実装されている扉枠右サイド上装飾基板432と、扉枠右サイドベース431の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED433aが実装されている扉枠右サイド下装飾基板433と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている右サイドリフレクタ434と、右サイドリフレクタ434の前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている扉枠右サイド装飾体435と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED423aからの光を前方へ導光する右サイド上導光部材436と、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を前方へ導光する右サイド下導光部材437と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイドベース431の左側面を覆うように覆い取付けられ、所定形状で左右に貫通している複数の装飾孔438aを有している扉枠右サイド左側面装飾体438と、扉枠右サイド左側面装飾体438と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aを閉鎖するように嵌合される装飾部439aを有した透光性を有する右サイド左レンズ439と、扉枠右サイドベース431の右側面を覆うように覆い取付けられ、所定形状で左右に貫通している複数の装飾孔440aを有している扉枠右サイド右側面装飾体440と、扉枠右サイド右側面装飾体440と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aを閉鎖するように嵌合される装飾部441aを有した透光性を有する右サイド右レンズ441と、を備えている。
扉枠右サイドベース431は、左右が略一定の幅で上下に延びている。また、扉枠右サイドベース431は、後端側が、全高に亘って垂直に延びており、前端側が、上端から下方へ略真っ直ぐに上下方向の中央付近まで延びたところで、後側へ湾曲して斜め後方へ延びた後に、下部付近で垂直方向へ湾曲して下端まで垂直に延びている。
扉枠右サイドベース431は、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438a及び扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440a(右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441a)が設けられている高さの部位に、左右の側面側から窪んでおり前方へ前端まで延びている複数のリフレクタ部431aを有している。これらリフレクタ部431aは、装飾部439a及び装飾部441aの内側となる後端側が側面側へ向かって傾斜していると共に、底面が湾曲している。
また、扉枠右サイドベース431は、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440において前後方向の中央よりも後側に設けられている装飾孔438a及び装飾孔440a(右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441a)と対応しているリフレクタ部431aが、装飾部439a及び装飾部441aの内側となる部位を除いた前側の部位が、左右方向へ貫通している(左右の側面から凹んで互いに繋がっている)。
これら、扉枠右サイドベース431のリフレクタ部431aは、後述する扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cから後方へ照射された光を左右方向へ反射して、右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441aを発光装飾させるものである(図70等を参照)。
扉枠右サイド上装飾基板432は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド上装飾基板432の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED432aが実装されていると共に、第一LED432a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED432bが実装されている。また、扉枠右サイド上装飾基板432の後面には、上下方向へ間隔をあけて複数の第三LED432cが実装されている。更に、扉枠右サイド上装飾基板432には、第一LED432a、第二LED432b、及び第三LED432cを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ432dが実装されている。
この扉枠右サイド上装飾基板432では、第一LED432aが4個、第二LED432bが8個、第三LED432cが4個、の合計16個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED432bが設けられている第一LED432aは、それら第二LED432b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED432b及び第三LED432cは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠右サイド上装飾基板432では、図72に示すように、4個の第一LED432aが、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED432bは、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。更に、4個の第三LED432cは、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。
この扉枠右サイド上装飾基板432は、第一LED432aが2組、第二LED432bが3組、第三LED432cが2組、に夫々分けられていることから、各第一LED432a、第二LED432b、及び第三LED432cを夫々フルカラーで発光させるため、1組に対して3系統の合計21系統である。これに対して、扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dは、最大で24系統まで制御することができることから、上記の21系統に加えて、後述する扉枠右サイド下装飾基板433における2組に分けられている第三LED433cの上側の1組分3系統の合計24系統を制御するようにしている。
この扉枠右サイド上装飾基板432には、図示は省略するが、第一LED432a、第二LED432b、第三LED432c、扉枠右サイド下装飾基板433の上の2個の第三LED433c、及びLEDドライバ432dを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ432dを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、2組に分けられた4個の第一LED432aと、3組に分けられた8個の第二LED432bと、2組に分けられた4個の第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433において2組分けられたうちの上側の組の2個の第三LED433cとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
扉枠右サイド下装飾基板433は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド下装飾基板433の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED433aが実装されていると共に、第一LED433a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED433bが実装されている。また、扉枠右サイド下装飾基板433の後面には、上下に間隔をあけて複数の第三LED433cが実装されている。更に、扉枠右サイド下装飾基板433には、第一LED433a、第二LED433b、及び第三LED433cを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ433dが実装されている。
この扉枠右サイド下装飾基板433では、第一LED433aが6個、第二LED433bが12個、第三LED433cが4個、の合計22個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED433bが設けられている第一LED433aは、それら第二LED433b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED433b及び第三LED433cは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠右サイド下装飾基板433では、図72に示すように、6個の第一LED433aが、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED433bは、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。更に、4個の第三LED433cは、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。
この扉枠右サイド下装飾基板433は、第一LED433aが3組、第二LED433bが4組、第三LED433cが2組、に夫々分けられていることから、各第一LED433a、第二LED433b、及び第三LED433cを夫々フルカラーで発光させるため、1組に対して3系統の合計27系統である。これに対して、扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dは、最大で24系統までしか制御できないため、扉枠右サイド下装飾基板433では、2組に分けられている第三LED433cのうち上側の1組分3系統を、扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dに制御させ、残りの24系統(前側の第一LED433a及び第二LED433bの全部と、後側の第三LED433cの下側の2個)を、扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dが制御するようにしている。これにより、LEDドライバの数の増加を抑制することができる。
この扉枠右サイド下装飾基板433には、図示は省略するが、第一LED433a、第二LED433b、下の2個の第三LED433c、及びLEDドライバ433dを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ433dを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、3組に分けられた6個の第一LED433aと、4組に分けられた12個の第二LED433bと、2組に分けられたうちの下側の組の2個の第三LED433cとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
右サイドリフレクタ434は、扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432b及び扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔434aが形成されていると共に、第一LED432a及び第一LED433aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒434bが形成されている。右サイドリフレクタ434は、貫通孔434a周りの後端が、扉枠右サイド上装飾基板432や扉枠右サイド下装飾基板433の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔434aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED432b及び第二LED433bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
右サイドリフレクタ434の保持筒434bは、後述する右サイド上導光部材436の円柱状の導光軸部436aや右サイド下導光部材437の円柱状の導光軸部437aが挿入されることで、導光軸部436aや導光軸部437aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒434bは、貫通孔434a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒434bを貫通して前方へ突出した導光軸部436aや導光軸部437aにおいて、その上下両側の貫通孔434aより臨んだ扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432bや扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433bからの光が、導光軸部436aや導光軸部437aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠右サイド装飾体435の裏側に導光軸部436aや導光軸部437aの影が写ることを回避させることができる。
また、右サイドリフレクタ434では、貫通孔434a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠右サイドベース431に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠右サイド装飾体435の裏側に写らないようになっている。
扉枠右サイド装飾体435は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体435は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体435は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。この扉枠右サイド装飾体435は、左右方向の幅の中心に沿って上下方向へ一定の間隔で前後に貫通している複数の開口部435aを有している。複数の開口部435aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bと対応した位置に設けられている。これら開口部435aには、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437a、の夫々の先端が、後方から挿入される。この扉枠右サイド装飾体435は、扉枠右サイド左側面装飾体438や扉枠右サイド右側面装飾体440よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。扉枠右サイド装飾体435は、扉枠左サイド装飾体426と光の透過率が同じである。また、扉枠右サイド装飾体435は、複数の開口部435aを避けるように、円弧状に窪んだ一定の形状で、左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部435bを、更に有している。
右サイド上導光部材436は、円柱状に前後に延びた四つの導光軸部436aと、四つの導光軸部436aの下端同士を連結しているランナー部436bと、を有しており、透明な素材により形成されている。四つの導光軸部436aは、右サイドリフレクタ434の上から四つの保持筒434bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部436aは、保持筒434bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部436aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bを後側から貫通して、扉枠右サイド装飾体435の対応している開口部435aに挿入され、先端面が扉枠右サイド装飾体435の表面と一致した状態となる。この右サイド上導光部材436は、導光軸部436aにより、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aを明るく発光させることができる。
右サイド下導光部材437は、円柱状に前後に延びた六つの導光軸部437aと、六つの導光軸部437aの下端同士を連結しているランナー部437bと、を有しており、透明な素材により形成されている。六つの導光軸部437aは、右サイドリフレクタ434の下から六つの保持筒434bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部437aは、保持筒434bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部437aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bを後側から貫通して、扉枠右サイド装飾体435の対応している開口部435aに挿入され、先端面が扉枠右サイド装飾体435の表面と一致した状態となる。この右サイド下導光部材437は、導光軸部437aにより、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aを明るく発光させることができる。
扉枠右サイド左側面装飾体438は、上下に延びた板状に形成されており、所定形状(放射状の模様形状)に左右方向へ貫通した複数の装飾孔438aを有している。扉枠右サイド左側面装飾体438は、前端側が扉枠右サイド装飾体435の後端に沿った形状に形成されている。扉枠右サイド左側面装飾体438は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠右サイド左側面装飾体438は、上記のハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠右サイド左側面装飾体438の表面に表れている円形や放射状の模様の一部は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠右サイド左側面装飾体438を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438の内側(右側)の面に沿った平板状に形成されており、左方へ突出して扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aに内側(右側)から嵌合する装飾部439aを有している。装飾部439aは、装飾孔438aに嵌合させた状態で、表面が扉枠右サイド左側面装飾体438の外側(左側)の面と一致する(図70を参照)。この右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。この右サイド左レンズ439の装飾部439aは、扉枠右サイドベース431におけるリフレクタ部431aの左方に位置しており、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432cや扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cからの光により発光装飾することができる。
また、右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438における内側層3aと同じ色に形成されている。これにより、組立てた状態では、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aから臨んでいる装飾部439aが、扉枠右サイド左側面装飾体438において2色成形されている放射状の模様の部位と同じように見え、第三LED432cや第三LED433cにより発光装飾される装飾部439aの部位との見分けが付き難くなっている。
扉枠右サイド右側面装飾体440は、上下に延びた板状に形成されており、所定形状(放射状の模様形状)に左右方向へ貫通した複数の装飾孔440aを有している。また、扉枠右サイド右側面装飾体440は、シリンダ錠130のシリンダ本体131における前端に鍵穴132を有した円筒状の部位が挿入されるシリンダ挿通口440bを有している。この扉枠右サイド右側面装飾体440は、上下方向が扉枠3の全高と略同じに形成されている。また、扉枠右サイド右側面装飾体440は、上端からシリンダ挿通口440bまでの前端側が、扉枠右サイド装飾体435の後端に沿った形状に形成されている。
扉枠右サイド右側面装飾体440は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠右サイド右側面装飾体440は、上記のハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421、及び扉枠右サイド左側面装飾体438と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠右サイド右側面装飾体440の表面に表れている円形や放射状の模様の一部は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠右サイド右側面装飾体440を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440のシリンダ挿通口440bよりも上側の内側(右側)の面に沿った平板状に形成されており、右方へ突出して扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aに内側(左側)から嵌合する装飾部441aを有している。装飾部441aは、装飾孔440aに嵌合させた状態で、表面が扉枠右サイド右側面装飾体440の外側(右側)の面と一致する(図70を参照)。この右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。この右サイド右レンズ441の装飾部441aは、扉枠右サイドベース431におけるリフレクタ部431aの右方に位置しており、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432cや扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cからの光により発光装飾することができる。
また、右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440における内側層3aと同じ色に形成されている。これにより、組立てた状態では、扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aから臨んでいる装飾部441aが、扉枠右サイド右側面装飾体440において2色成形されている放射状の模様の部位と同じように見え、第三LED432cや第三LED433cにより発光装飾される装飾部441aの部位との見分けが付き難くなっている。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、上下方向の中央より上側の部位が、反対側の扉枠左サイドユニット420における同じ高さの部位よりも前方へ大きく突出している。この扉枠右サイドユニット430は、扉枠3の上端から下端までと略同じ高さに形成されている。扉枠右サイドユニット430は、上部が、扉枠トップユニット450の右外側に位置している。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体435の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。
扉枠右サイドユニット430は、上から略半部の高さの部位までが前方へ大きく突出しており、衝立を形成している。これにより、遊技ホールの島設備において、右側に隣接して設けられているパチンコ機の前方に着座している遊技者から、扉窓101a(遊技領域5a)内を視認し辛くしている。従って、扉枠右サイドユニット430を衝立状に形成していることから、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430によれば、扉枠右サイド装飾体435の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433を設けているため、それらに実装されている第二LED432b及び第二LED433bからの光が十分に広がった状態で、扉枠右サイド装飾体435の裏側に照射されることとなるため、扉枠右サイド装飾体435を均一に発光装飾させることができる。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド装飾体435の前面から後方へ離れた位置に設けられている扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を、右サイド上導光部材436の導光軸部436a及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aにより前方へ誘導(導光)して、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aの部位を、その他の部位よりも点状に明るく発光させることができる。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cを発光させることで、扉枠右サイドベース431のリフレクタ部431aを介して、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aに嵌め込まれている右サイド左レンズ439の装飾部439a、及び扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aに嵌め込まれている右サイド右レンズ441の装飾部441aを、発光装飾させることができる。また、衝立状の扉枠右サイドユニット430の左右の側面の一部(装飾部439a及び装飾部441aの部位)を発光装飾させることができるため、他の遊技者に対して本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態の扉枠右サイドユニット430によれば、扉枠右サイド上装飾基板432の前面側の第一LED432a及び第二LED432bと、扉枠右サイド下装飾基板433の前面側の第一LED433a及び第二LED433bとで、前端側の扉枠右サイド装飾体435を発光装飾させるようにしていると共に、扉枠右サイド上装飾基板432の後面側の第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433の後面側の第三LED433cとで、扉枠右サイド装飾体435よりも後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を発光装飾させるようにしているため、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の存在により、第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bからの光が、後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を照射して発光装飾させたり、第三LED432c及び第三LED433cからの光が、前側の扉枠右サイド装飾体435を照射して発光装飾させたり、することを防止することができる。これにより、扉枠右サイド装飾体435と、その後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440とを、完全に独立させて発光装飾させることができるため、より演出効果の高い発光演出を遊技者に提示することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aと、右サイド上導光部材436の導光軸部436a及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aとを、隣接している二つの第二LED432b及び第二LED433b同士の間の中央に設けている。これにより、導光軸部436a及び導光軸部437aに対して、両側の第二LED432bや第二LED433bから均等な光量で光が照射されることとなるため、扉枠右サイド装飾体435に後方から導光軸部436a及び導光軸部437aの影が投影されても、当該影が見え辛くなり、扉枠右サイド装飾体435をムラなく面状に発光装飾させることができる。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド装飾体435に、複数の開口部435a同士を繋ぐように左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部435bを有するようにしている。これにより、仮に、第二LED432bや第二LED433bからの光により導光軸部436a及び導光軸部437aの影が、扉枠右サイド装飾体435に投影されたとしても、当該影が投影される部位に、装飾部435bを有しているため、導光軸部436a及び導光軸部437aの影を判り辛くすることができ、扉枠右サイド装飾体435の発光装飾における見栄えを良くすることができる。
[3-8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図29及び図30等を参照して説明する。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の夫々の上部の間に挟まれるように扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板(図示は省略)と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている(図72を参照)。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップベース451の前面に設けられている一対のトップ中央スピーカ(図示は省略)と、一対のトップ中央スピーカの左右両外側に設けられている一対のトップサイドスピーカ(図示は省略)と、トップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカの前方を覆うように扉枠トップ装飾体453の下側に取付けられているトップ下カバー465と、扉枠トップベース451の前面の右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板(図示は省略)と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠左サイドユニット420と扉枠右サイドユニット430との間の距離と略同じ長さで左右に延びている。トップ上カバー452は、平面視において、半円弧状に前方へ突出しており、後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、平面視おいて、トップ上カバー452の前端に沿うように、半円弧状に左右に延びている。また、扉枠トップ装飾体453は、上下方向の中央が前方へ突出するように前面が半円弧状に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLED455aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLED455aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLED456aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLED456aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLED457aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLED457aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
一対のトップ中央スピーカは、左右に離隔して設けられている。一対のトップ中央スピーカは、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。一対のトップサイドスピーカは、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカやトップサイドスピーカから出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ、及びトップサイドスピーカと、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の上部の内側よりも後方の部位へ前方から沈み込むように接続されている。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ及び一対のトップサイドスピーカによって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3-9.扉枠の装飾]
次に、扉枠3の装飾(外装)について、主に図22乃至図28、及び図71等を参照して詳細に説明する。図71(a)は扉枠において2色成形の外側層を不透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(b)は(a)において内側層をそのままにして外側層を透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左装飾体271、皿右装飾体276、演出操作ユニット300のユニット上カバー312及びボタン本体351、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、ユニット上カバー312、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453の後方又は下方に、皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、演出操作部外周装飾基板320、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、左右方向の中央に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい球形状の演出操作ユニット300が取付けられている。これにより、皿ユニット200において、大きな球形状の演出操作ユニット300が中央に位置しているため、見た目のインパクトを高めることができ、演出操作ユニット300の演出操作部301(接触操作部302や押圧操作部303)を目立たせることができる。
また、通常の状態では、演出操作部301としてのボタン本体351の上面が、ユニット上カバー312の上面と連続するように一致していることで、一つの球体を形成しているため、遊技者に対して演出操作部301(ボタン本体351)が操作可能であるものと認識させ難くすることができると共に、巨大な球体からなる演出操作ユニット300により、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、皿ユニット200において、演出操作ユニット300の演出操作部301の中央(中心)を、球状の演出操作ユニット300の頂点よりも前方に位置させているため、演出操作部301(接触操作部302や押圧操作部303)の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなる。従って、皿ユニット200の中央に設けられている巨大な球体が演出操作部301であると認識した遊技者に対して、演出操作部301の全容を見え易くすることができ、演出操作部301を大きく見せることができる。また、遊技者に対して巨大な球体状の演出操作部301を操作してみたいと強く思わせることができ、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出の実行に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者に対して能動的に演出操作部301を操作させることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、本実施形態の扉枠3の外装は、図2乃至図5等に示すように、その外表面に複数の円形や放射状の模様が施されている。図71では、扉枠3の外装の一部として、扉枠右サイドユニット430を例として示している。
詳述すると、扉枠3の外装として、外表面に施されている複数の円形や放射状の模様は、色や透光性(光の透過率)の異なる2種類の合成樹脂を用いて2色成形により形成されている。扉枠3における模様が施されている外装の部位は、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。
例えば、扉枠右サイドユニット430を例に説明すると、図71(a)に示すように、内側層3aにハニカム状の模様を施し、外側層3bを不透明にすると、円形の模様の部位に内側層3aのハニカム状の模様が見え、模様以外の部位は不透明な外側層3bが見えることとなり、円形や放射状の模様が強調された外観の外装となる。
これに対して、図71(b)に示すように、外側層3bを透明にすると、外側層3bを通して内側層3aに施されているハニカム状の模様が見えるようになり、相対的に円形や放射状の模様が見え辛くなる。つまり、内側層3aに施されているハニカム状の模様が強調された外観の外装となる。
なお、図71では、外装の一部として2色成形されている扉枠右サイド右側面装飾体440において、装飾孔440aに嵌め込まれている装飾部441aが右サイド右レンズ441の一部として、扉枠右サイド右側面装飾体440とは異なる別部材としているため、外側層3bを透明にしても、装飾孔440a(装飾部441a)の模様は変化しない。
このように、本実施形態によれば、扉枠3の外装を構成している主な部材を、2色成形により形成しているため、内側層3aと外側層3bとに用いられる材料(合成樹脂)の色や光の透過率等を適宜選択して組み合わせることにより、形状はそのままでも見栄えを大きく異ならせることができる。
従って、例えば、マイナーチェンジ等の時に、外側層3bを透明にして内側層3aの模様を見えるようにすることで、コストをかけることなくパチンコ機1の外装を変更させることができる。
或いは、製造ロット毎に内側層3aと外側層3bの色等を変更し、異なるロットのパチンコ機1を同一の遊技ホールに出荷して島設備に設置させることで、カラフルな感じにして遊技者に対する訴求力を高めさせたりすることができる。
なお、上記の実施形態では、2色成形したものを示したが、これに限定するものではなく、3色成形や4色成形等の多色成型としても良い。具体的には、上記の実施形態では、2色成形の扉枠右サイド右側面装飾体440に、右サイド右レンズ441を組み合わせて外装を構成したものを示したが、3色成形として、扉枠右サイド右側面装飾体440と右サイド右レンズ441とを一体に形成するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、円形や放射状の模様を形成したものを示したが、これに限定するものではなく、様々な形状の模様を形成するようにしても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、扉枠3における遊技領域5aが前方へ臨む扉窓101aの外側に設けられるハンドルカバー295、扉枠左サイドベース421、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440等装飾体を、光透過率の異なる二つの合成樹脂により2色成形(多色成形)すると共に、当該2色成形により水玉模様の装飾を施すようにしていることから、装飾体を所望の形状に形成すると同時に、装飾体に対して所望の装飾が施されることとなるため、従来のパチンコ機の装飾体のように、所望の形状に形成した上で塗装等により所望の装飾を施す必要が無く、装飾にかかる手間を省略してコストの増加を抑制させることができる。
また、装飾体の装飾を2色成形により形成しているため、使用する合成樹脂の色を変更することで、装飾体の見栄え(外観)を簡単に変更することができる。詳述すると、2色成形により水玉模様の装飾を形成する場合、水玉模様の円の内側を構成している内側層3aと、円の外側を構成している外側層3bと、を夫々光透過率の異なる同じ色で形成した場合、内側層3aと外側層3bとが同じ色であることから水玉模様の円が見え辛くなり、水玉模様の装飾が施されていないような外観となる。一方、水玉模様の円の内側を構成している内側層3aを白色に、円の外側を構成している外側層3bを桃色にした場合、内側層3aと外側層3bとの色の違いにより水玉模様の円が明確に見えるようになり、桃色の地に白の水玉模様の装飾が施されている外観となる。このように、装飾体を形成する際に、使用する合成樹脂の光透過率(色を含む)を適宜選択することで、装飾体の外観を容易に変更することができ、外観の変更にかかるコストを抑制させることができる。
また、上述したように、装飾体を形成する際に、使用する合成樹脂の光透過率(色を含む)を適宜選択することで、装飾体の外観を容易に変更することができることから、製造ロット毎に使用する合成樹脂の組合せを変更し、異なるロットの本パチンコ機1を同一の遊技ホールに出荷して島設備において一列に設置させるようにした場合、当該島設備をカラフルな感じにすることができるため、遊技ホール内を回遊している遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を誘引可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、扉枠3における遊技領域5aが前方へ臨む扉窓101aよりも外側の部位に、光透過率の異なる複数の合成樹脂により2色成形された装飾を有するハンドルカバー295、扉枠左サイドベース421、扉枠右サイド左側面装飾体438、及び扉枠右サイド右側面装飾体440等の装飾体を設けているため、当該装飾体により扉窓101aの外側を装飾して見栄えを良くすることができる。
また、2色成形されている装飾体の外側層3bを、残りの内側層3aよりも光透過率の低い合成樹脂で形成しているため、外側層3bを通して内側層3aを見え難くすることができ、相対的に内側層3aにより構成される装飾(水玉模様)の境界が明確に見えるようになり、装飾をハッキリ見えるようにすることができる。
また、外側層3bの光透過率を残りの内側層3aよりも低くしていることから、外側層3bを通して内側層3aを見え難くすることができるため、初期モデルでは、外側層3bを光透過率の低いものとして内側層3aが外側から透けて見えないようにし、モデルチェンジの際に、外側層3bに光透過率の高い合成樹脂を使用して、内側層3aが透けて見えるようにすることで、装飾体の装飾の見方を大きく変化させることができ、装飾体の形状を変更することなく外観(装飾)を容易に変更することができる。
また、上述したように、光透過率の低い外側層3bにより、内側層3aを見え難くすることができることから、内側層3aの表面に模様(形状による模様、塗装や印刷やシールの貼り付け等による模様)を施し、初期モデルでは、光透過率の低い不透明な外側層3bにより、外側層3bを通して内側層3aの模様が透けて見えないようにし、モデルチェンジの際に、外側層3bに透明な合成樹脂を使用することで、内側層3aの模様が透けて見えるようにすることができるため、装飾体の形状を変更することなく、装飾体の外観(装飾)を大きく変更することができ、モデルチェンジにかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の内側に、光を照射可能な扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cを備えていると共に、内側層3aを他よりも光透過率の高い合成樹脂で形成しているため、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の内側に設けられている第三LED432c及び第三LED433cを発光させると、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の表面に形成されている装飾のうち内側層3aの部位(水玉の部位)を明るく発光装飾させることができ、遊技領域5aが臨む扉窓101aの外側を発光装飾させることで、見栄えを良くすることができると共に、遊技者に扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の発光装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、外側層3bの光透過率によっては、内側層3aを通して外側層3bに照射された第三LED432c及び第三LED433cからの光によって、外側層3bも発光装飾させることができるため、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440全体を発光装飾させることができ、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を綺麗に見せて遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440等の装飾体の装飾が、光透過率の異なる複数の合成樹脂の2色成形(多色成形)により形成されているため、表面までの層の数や、使用している合成樹脂の光透過率の違い等によって、第三LED432c及び第三LED433c等のLED(発光手段)を発光させていない時に見える装飾と、LEDを発光させている時に見える装飾とを、異ならせることができ、装飾が変化することで、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。詳述すると、例えば、多色成形として2色成形を例に説明すると、内側層3aにおいて、外側層3bにより覆われる部位に所定の形状の孔を形成するようにした場合、LEDを発光させていない状態では、内側層3aにおける表面に露出している部位のみが見える。一方、LEDを発光させると、内側層3aにおける孔が形成されている部位では、内側層3aを通さずにLEDからの光が外側層3bに直接照射されるため、外側層3bの表面に内側層3aの孔の形状が見えるようになり、内側層3aにおける表面に露出している部位と孔の部位とが見えることとなり、LEDを発光させていない時とは異なる装飾が見えることとなる。或いは、例えば、内側層3aを黄色に、外側層3bを青色とした場合、LEDを黄色に発光させると、表面の装飾における内側層3aの部位のみが発光装飾される。一方、LEDを緑色(又は白色)に発光させると、表面における内側層3aの部位と外側層3bの部位の両方が発光装飾されるため、LEDにおいて発光させる光の色によって、装飾体における発光装飾される部位を異ならせることができ、発光装飾される装飾を変化させることができる。このように、LEDの発光により、装飾体の装飾を異ならせることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技状態に応じてLEDを発光させるようにすることで、装飾体の装飾の変化により、遊技者に対して、チャンスの到来や打込操作の変更(例えば、「右打ち」)等を示唆させるようにすることができ、多彩な演出が可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、扉窓101a(遊技領域5a)の左右両外側に設けられている扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイド装飾体435の夫々の前後方向の突出量を異ならせていることから、本パチンコ機1を左前方から見た時と右前方から見た時の印象(見え方)を異ならせることができるため、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内において、回遊している遊技者が一旦は本パチンコ機1の前方を通り過ぎても反対側から本パチンコ機1に接近した際に、先の回遊の時とは見え方が異なることで本パチンコ機1への関心を引付けさせることができ、遊技するパチンコ機1を選択するために遊技ホール内を回遊している遊技者を本パチンコ機1へ誘引することが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
[3-10.扉枠におけるLEDの配置と系統]
次に、扉枠3に設けられている各LEDの配置と制御の系統について、主に図72及び図73等を参照して詳細に説明する。図72は扉枠の各装飾基板を示す正面図であり、図73は扉枠の演出操作ユニットの部位の装飾基板を示す平面図である。扉枠3は、図72に示すように、正面視において右下隅に、遊技者が回転操作することで遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むハンドル195が設けられている。このハンドル195は、中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aが外方へ延出している三つのスポーク部195bと、各スポーク部195bの先端同士を繋いでいる円環状の外周リング部195cと、を有しており、自動車のハンドル(ステアリング)と類似した外観を呈している。
ハンドル195は、中央ハブ部195aの前側がハンドル前レンズ185により覆われており、ハンドル前レンズ185と中央ハブ部195aとの間に、前面に複数のLED184aが実装されているハンドル装飾基板184が設けられている。また、ハンドル195の外周リング部195cの後方に、前面に複数のLED293aが実装されているハンドルカバー装飾基板293が設けられている。
ハンドル装飾基板184は、中心に1個と、中間の円周上に周方向へ一定の間隔をあけた3個と、外周に沿って周方向へ一定の間隔をあけた6個、の合計10個のLED184a(フルカラーLED)が、三重の同心円状に実装されている。これらのLED184aは、中心の1個と、図72において破線で結ばれている中間の3個と、及び夫々が破線で結ばれている、外周の左上の2個と、外周の右上の2個と、外周の下側の2個と、の5組に分けられている。これら5組に分けられたLED184aは、LEDドライバ184bにより15系統で制御されており、各組のLED184aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
一方、ハンドルカバー装飾基板293には、12個のLED293aが周方向へ間隔をあけて一列に設けられている。これら12個のLED293aは、図72において破線で結んでいるように、中心から左下の2個と、左側の2個と、左上の2個と、右上の2個と、右側の2個と、右下の2個と、の6組に分けられている。これら6組に分けられたLED293aは、LEDドライバ293bにより18系統で制御されており、各組のLED293aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
このように、ハンドル195には、ハンドル装飾基板184とハンドルカバー装飾基板293とが設けられているため、ハンドル195を中心にして光が回転するような発光演出や、ハンドル195の中心へ向かって光が集中するような発光演出や、ハンドル195の外側へ向かって光が広がるような発光演出を、遊技者に見せることができる。また、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aにより、ハンドルカバー295の外側や内側を発光装飾させることができる。
また、扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左装飾体271、皿右装飾体276、演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの略全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
この扉枠3では、図72に示すように、扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271の後方の皿左装飾基板273、皿右装飾体276の後方の皿右装飾基板278、扉枠左サイド装飾体426の後方の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド装飾体435の後方の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ装飾体453の後方の扉枠トップ中央装飾基板455及び扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457が、前方へ向けて設けられている。
詳述すると、皿左装飾基板273には、左右方向へ一列に並んで前面に実装されている4個のLED273aと、LED273aと後述する皿右装飾基板278のLED273aとを発光させるためのLEDドライバ(図示は省略)と、を備えている。これら4個のLED273aは、図72において破線で結んでいるように、左の2個と、右の2個と、の2組に分けられている。これら2組に分けられたLED273aは、LEDドライバにより6系統で制御されており、各組のLED273aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
皿右装飾基板278には、左右方向へ一列に並んで前面に実装されている4個のLED278aを備えている。これら4個のLED278aは、図72において破線で結んでいるように、左の2個と、右の2個と、の2組に分けられている。これら2組に分けられたLED278aは、皿左装飾基板273のLEDドライバにより6系統で制御されており、各組のLED278aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠左サイド上装飾基板422には、上下方向へ一定の間隔をあけて実装されている4個の第一LED422aと、第一LED422a同士の間に上下に並んで二つずつ実装されている8個の第二LED422bと、合計12個の第一LED422a及び第二LED422bを発光させるためLEDドライバ422cと、を備えている。第一LED422a及び第二LED422bは、前面に実装されている。扉枠左サイド上装飾基板422の4個の第一LED422aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED422bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとは、LEDドライバ422cにより15系統で制御されており、各組の第一LED422aや第二LED422bが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠左サイド下装飾基板423には、上下方向へ一定の間隔をあけて実装されている6個の第一LED423aと、第一LED423a同士の間に上下に並んで二つずつ実装されている12個の第二LED423bと、合計18個の第一LED423a及び第二LED423bを発光させるためのLEDドライバ423cと、を備えている。第一LED423a及び第二LED423bは、前面に実装されている。6個の第一LED423aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED423bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとは、LEDドライバ423cにより21系統で制御されており、各組の第一LED423aや第二LED423bが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠右サイド上装飾基板432には、上下方向へ一定の間隔をあけて前面に実装されている4個の第一LED432aと、第一LED432a同士の間に上下に並んで二つずつ前面に実装されている8個の第二LED432bと、上下方向へ間隔をあけて後面に実装されている4個の第三LED432cと、を備えている。また、扉枠右サイド上装飾基板432は、合計16個の第一LED432a、第二LED432b、第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433の2個の第三LED433cとを、発光させるためのLEDドライバ432dを備えている。4個の第一LED432aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED432bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。更に、4個の第三LED432cは図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。2組に分けられた第一LED432aと、3組に分けられた第二LED432bと、2組に分けられた第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433における2組に分けられた第三LED433cのうちの上側の1組の第三LED433cとは、LEDドライバ432dにより24系統で制御されており、各組の第一LED432a、第二LED432b、第三LED432c、第三LED433cが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠右サイド下装飾基板433には、上下方向へ一定の間隔をあけて前面に実装されている6個の第一LED433aと、第一LED433a同士の間に上下に並んで二つずつ前面に実装されている12個の第二LED433bと、上下方向へ間隔をあけて後面に実装されている4個の第三LED433cと、第一LED433a、第二LED433b、下側の2個の第三LED433cを発光させるためのLEDドライバ433dと、を備えている。6個の第一LED433aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED433bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。更に、後側の4個の第三LED433cは、図72において破線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。3組に分けられた6個の第一LED433aと、4組に分けられた12個の第二LED433bと、2組に分けられたうちの下側の1組の2個の第三LED433cとは、LEDドライバ433dにより24系統で制御されており、各組の第一LED433a、第二LED433b、第三LED433cが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
本実施形態では、扉窓101aの左側に設けられている扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉窓101aの右側に設けられている扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とが、扉窓101aの左右方向中央を境にして、左右非対称の形状に形成されている。また、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とは、前後方向の形状も互いに異なっている。
なお、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とは、夫々の前面に実装されている第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bと、第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bとの数が、互いに同じであると共に、配置及び系統(図72において一点鎖線や二点鎖線で結んだ系統)が左右対称に設けられている。これにより、発光演出を行うためのLEDの点灯パターンのデータの作成を容易なものとすることができる。
扉枠トップ中央装飾基板455には、左右方向へ間隔をあけて前面に実装されている6個のLED455aと、LED455aと扉枠トップ左装飾基板456のLED456a及び扉枠トップ右装飾基板457のLED457aとを発光させるためのLEDドライバ(図示は省略)と、を備えている。6個のLED455aは、図72において破線で結んでいるように、左から2個ずつの3組に分けられている。3組に分けられた6個のLED455aは、LEDドライバにより9系統で制御されており、各組のLED455aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠トップ左装飾基板456には、左右方向へあけて前面に実装されている4個のLED456aを、備えている。4個のLED456aは、図72において破線で結んでいるように、左側の2個と右側の2個との2組に分けられている。2組に分けられた4個のLED456aは、扉枠トップ中央装飾基板455のLEDドライバにより、6系統で制御されており、各組のLED456aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠トップ右装飾基板457には、左右方向へあけて前面に実装されている4個のLED457aを、備えている。4個のLED457aは、図72において破線で結んでいるように、左側の2個と右側の2個との2組に分けられている。2組に分けられた4個のLED457aは、扉枠トップ中央装飾基板455のLEDドライバにより、6系統で制御されており、各組のLED457aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
本実施形態の扉枠3によれば、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423a、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a、及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光が、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、左サイド下導光部材429の導光軸部429a、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aにより、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aや扉枠右サイド装飾体435の開口部435aまで誘導されて、外方(前方)へ照射される。これにより、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面において、点状に明るく発光する発光演出を遊技者に見せることができ、これまでのパチンコ機にはない点状にきらりとスポット発光する発光演出により、遊技者を「ハッ」とさせることができる。
また、扉枠3では、扉窓101aの外周を囲んでいる皿左装飾基板273のLED273a、皿右装飾基板278のLED278a、扉枠左サイド上装飾基板422の第二LED422b、扉枠左サイド下装飾基板423の第二LED423b、扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432b、扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433b、扉枠トップ中央装飾基板455のLED455a、扉枠トップ左装飾基板456のLED456a、及び扉枠トップ右装飾基板457のLED457aを、適宜発光させることにより、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
つまり、扉枠3では、図72において二点鎖線で結ばれているLEDの系統により、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面において、スポット発光する発光演出を実行することができ、図72において一点鎖線で結ばれているLEDの系統により、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435が面状に発光(面発光)する発光演出を実行することができる。
また、扉枠3によれば、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、及び第一LED433aからの光を、導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、及び導光軸部437aにより、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aや扉枠右サイド装飾体435の開口部435aに挿入されている前端まで導光して、そこから前方へ照射しているため、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の一般面と比較して、開口部426a及び開口部435aの部位を高輝度で明るくスポット発光させることができる。この際に、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435が、遊技領域5aが臨む扉窓101aよりも外側に配置されているため、扉枠左サイド装飾体426の開口部426a及び扉枠右サイド装飾体435の開口部435aの部位を高輝度でスポット発光させても、その眩しさにより扉窓101aから臨む遊技領域5a内が見え辛くなることはなく、扉窓101aを通して遊技領域5a内の遊技球Bや演出画像や装飾体等を良好な状態で視認させることができる。
また、扉枠3によれば、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435を、扉窓101a(遊技領域5a)よりも前方へ突出させていると共に、高輝度でスポット発光する開口部426a及び開口部435aを、前方へ突出した扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の前端となる尾根の部位(平面視において前方へ円弧状に突出している前端を結んだ上下方向の線上)に設けているため、スポット発光の光が後方側(扉窓101a側)へ照射されることはない。従って、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435におけるスポット発光の光が、扉窓101aに設けられているガラス板162により遊技者側へ反射して、扉窓101aの後方の遊技領域5a内が見え辛くなることはないと共に、高輝度でスポット発光させることで他の遊技者の関心を本パチンコ機1へ向けさせることができる。
更に、扉枠3によれば、スポット発光する部位を、扉枠3における扉窓101aよりも外側で前方へ突出している扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435に設けているため、スポット発光する部位がパチンコ機1の外周付近と略同じ位置となる。そのため、本パチンコ機1の前方に遊技者が着座していても、スポット発光する部位が遊技者よりも外側に位置するため、当該遊技者がスポット発光の光を遮ることはない。これにより、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435においてスポット発光させると、本パチンコ機1の前方に着座していない他の遊技者からも高輝度のスポット発光の光が見えることとなるため、他の遊技者に対して本パチンコ機1の存在をアピールすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技するパチンコ機を選択するために遊技ホール内を回遊している遊技者を本パチンコ機1へ誘引することが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
なお、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面をスポット発光させるためのスポット用LED(第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433a)を挟んだ両側の面用LED(第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433b)は、同一の系統に属するようにすることが望ましい。これにより、スポット用LEDの光を誘導する導光ピン(導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、及び導光軸部437a)を挟んだ両側の面用LEDが同一の点灯態様となるため、導光ピンの両側から同じタイミングで同じ光量の光が照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435において導光ピンの影をより一層見え難くすることができる。
更に、扉枠3は、図73に示すように、演出操作ユニット300の演出操作部301における接触操作部302の下方に設けられており、上面に31個のLED320aが実装されている円環状の演出操作部外周装飾基板320を備えている。この演出操作部外周装飾基板320は、31個のLED320aを発光させるための2個のLEDドライバを、備えている。演出操作部外周装飾基板320は、前装飾基板321と後装飾基板322の二つに分割されている。
演出操作部外周装飾基板320における前装飾基板321には、31個のLED320aのうち18個のLED320aが実装されている。前装飾基板321の18個のLED320aは、6個が内周に近い円周上で間隔をあけて設けられており、3個が内周と外周との中間の円周上で間隔をあけて設けられており、残りの9個が外周に近い円周上で間隔をあけて設けられている。
演出操作部外周装飾基板320における後装飾基板322には、残りの13個のLED320aが実装されている。後装飾基板322の13個のLED320aは、4個が内周に近い円周上で円弧の両端付近で間隔をあけて2個ずつ設けられており、3個が内周と外周との中間の円周上で間隔をあけて設けられており、残りの6個が外周に近い円周上で円弧の両端付近で間隔をあけて3個ずつ設けられている。
前装飾基板321の18個のLED320aは、図73において一点鎖線で繋いでいるように、内側の円周上の6個が周方向へ2個ずつの3組、中間の円周上の3個が夫々1個ずつの3組、外側の円周上の9個が周方向へ3個ずつの3組、の合計9組に分けられている。また、後装飾基板322の18個のLED320aは、図73において一点鎖線で繋いでいるように、内側の円周上の4個が両端付近の2個ずつの2組、中間の円周上の3個が夫々1個ずつの3組、外側の円周上の9個が両端付近の3個ずつの2組、の合計7組に分けられている。つまり、演出操作部外周装飾基板320では、31個のLED320aが、16組に分けられている。これら16組に分けられたLED320aは、2個のLEDドライバにより48系統で制御されており、各組のLED320aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
この演出操作部外周装飾基板320によれば、31個、48系統のLED320aを適宜発光させることで、演出操作部301において光が回転するような発光演出や、光が中心へ集中するような発光演出や、光が外側へ広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。
更に、扉枠3によると、遊技領域5aが臨む扉窓101aの左右方向の一方と他方の夫々の外側に、互いに前後方向の突出量が異なるように扉窓101aに沿って上下に延びている扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435とが設けられており、扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイド装飾体435の夫々の後方に複数の第一LED422aと第二LED422bとが実装されている扉枠左サイド上装飾基板422と複数の第一LED423aと第二LED423bが実装されている扉枠左サイド下装飾基板423、及び複数の第一LED432aと第二LED432bが実装されている扉枠右サイド上装飾基板432と複数の第一LED433aと第二LED433bが実装されている扉枠右サイド下装飾基板433とが設けられていると共に、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aからの光を扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面付近まで誘導して前方へ照射する左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、左サイド下導光部材429の導光軸部429a、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aを設けているため、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bを発光させることで扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435を面状に発光装飾(面発光)させることができ、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aを発光させると、前方へ照射された光が柱状の導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aにより扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の前面付近まで誘導された後に、それらの前端(前端面)から前方へ放射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435における導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの先端と対応している部位を点状に発光装飾(スポット発光)させることができる。
従って、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED422aと第二LED422b、第一LED423aと第二LED423b、第一LED432aと第二LED432b、及び第一LED433aと第二LED433b、を適宜発光させることで、遊技領域5a(扉窓101a)よりも外側に設けられている扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の全体を面状に発光装飾させたり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の一部を点状に発光装飾させたり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の全体を面状に発光装飾させつつ一部を点状に発光装飾させたり、することができるため、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすると共に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423の複数の第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bが分けられている系統と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の複数の第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bが分けられている系統と、を互いに左右対称としていると共に、夫々において複数の第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aと、複数の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bと、を互いに異なる系統としているため、扉枠左サイド装飾体426側の第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bと、扉枠右サイド装飾体435側の第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bとの点灯パターンのデータを作成する際に、例えば、扉枠左サイド装飾体426側用のデータを、扉枠右サイド装飾体435側用のデータに流用したり、扉枠左サイド装飾体426側と扉枠右サイド装飾体435側とで同じような流れのデータとしたり、することが可能となることから、点灯パターンのデータの作成にかかる手間を容易なものとすることができ、(同じ作成時間では)より複雑な点灯パターンのデータを構築し易くなり、点灯パターンの多彩な発光演出を遊技者に見せることができると共に、演出効果の高い多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、扉窓101aの左右両外側の扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435における発光演出に対して十分な演出効果を発揮させ得るパチンコ機1を提供することができる。
また、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aを間にして設けられている二つの第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bを、同じ系統としていることから、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433a(導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437a)を挟むように設けられている二つの第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bが必ず同時に点灯することとなるため、導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの両側から光が照射されることで、夫々の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bからの光による導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの影が打ち消されるように薄くなり、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435に投影される導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの影を見え辛くすることができ、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435をムラなく面状に発光装飾させることができる。
また、第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bにより面状に発光装飾する扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435が、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aにより導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの前端に対応する部位を点状に発光装飾させることができるため、面状に発光しつつ部分的に点状に発光するような、これまでのパチンコ機では見ることができなかった発光演出を遊技者に見せることができ、点状に明るく発光する発光演出等により遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、これまでのパチンコ機にはない点状にきらりとスポット発光する発光演出により、遊技者を「ハッ」とさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、左右方向の一方側(左側)の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、他方側(右側)の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とを、互いに左右非対称の形状としていることから、一見して扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、及び扉枠右サイド下装飾基板433を見分けることができるため、パチンコ機1の組立作業において組み付ける扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、及び扉枠右サイド下装飾基板433を間違えてしまうことを回避させることができ、組立ての作業性を向上させてコストの増加を抑制させることができる。
[3-11.装飾基板の識別]
続いて、扉枠3を例にして本パチンコ機1におけるLEDが実装されている各種の装飾基板の識別について、主に図74等を参照して詳細に説明する。図74は、扉枠の扉窓の周囲に設けられている各装飾基板を示す背面図である。ここでは、扉枠3における扉窓101aの周囲に設けられている皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、を例にして詳細に説明する。
本実施形態のパチンコ機1では、LEDが実装されている装飾基板に、白色の基板を用いており、当該装飾基板に取付けられる白色以外のLEDドライバや接続コネクタ等は、基板の後面側に取付けるようにしている。これにより、装飾基板の前面に実装されているLEDからの光を、前方側へ反射させて前方の装飾体等をより明るく発光装飾させることができるようにしていると共に、前方(遊技者側)から装飾基板を目立ち難いものとしている。
なお、白色の装飾基板は、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされているものであっても良いし、基板の板材そのものが白色のものであっても良い。
パチンコ機1では、多くの装飾基板を有していることから、夫々の装飾基板を容易に識別できるように、各装飾基板の後面に互いに異なる識別部7が施されている(図74を参照)。この識別部7は、漢字や仮名、アルファベット、記号、数字、型番、等の文字による文字識別部7aと、互いに異なった色(図74において、濃淡の異なる網掛けで示す)による色識別部7bと、を有している。
詳述すると、文字識別部7aとして、皿左装飾基板273では「下左」の文字が、皿右装飾基板278では「下右」の文字が、扉枠左サイド上装飾基板422では「左上」の文字が、扉枠左サイド下装飾基板423では「左下」の文字が、扉枠右サイド上装飾基板432では「右上」の文字が、扉枠右サイド下装飾基板433では「右下」の文字が、扉枠トップ中央装飾基板455では「上中」の文字が、扉枠トップ左装飾基板456では「上左」の文字が、扉枠トップ右装飾基板457では「上右」の文字が、夫々施されている。
また、色識別部7bは、装飾基板毎に異なる色としており、後面の略前面に亘って施されている。なお、本実施形態では、図74に示すように、色識別部7bが、後面の全面ではなく、装飾基板に実装されるLED等のハンダ付けの妨げとならないように部分的に施されている。
識別部7は、印刷(シルク印刷)、シールの貼り付け、塗料の塗布、等によって装飾基板に施されている。
なお、上記では、扉枠3における扉窓101aの周りに設けられている装飾基板を例に説明したが、ハンドルユニット180、演出操作ユニット300、及び遊技盤5、等に設けられている各種の装飾基板に対しても、文字識別部7aや色識別部7b等の識別部7を設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、識別部7として、文字識別部7aと色識別部7bとの両方を施したものを示したが、これに限定するものではなく、文字識別部7aのみとしても良いし、色識別部7bのみとしても良い。
本実施形態のパチンコ機1によれば、LEDが実装されている装飾基板に識別部7(文字識別部7aや色識別部7b)を設けているため、似たような形状の装飾基板を容易に区別することができ、組立作業の際に間違った装飾基板を組み付けてしまうことを防止することができると共に、組立ての作業性を向上させることができる。
また、パチンコ機1によれば、識別部7を装飾基板の後面に設けているため、装飾基板の前面側を可能な限り白色とすることができ、装飾基板の前面に実装されているLEDからの光を、装飾基板の前面で前方側へ反射させて前方の装飾体等をより明るく発光装飾させることができると共に、装飾基板を前方(遊技者側)から目立ち難くすることができ、見栄えを良くすることができる。
更に、パチンコ機1によれば、識別部7としての色識別部7bを、装飾基板の略全体に亘って施すようにしているため、装飾基板の一部を見ただけで所望(所望の色)の装飾基板であるか否かを認識することができる。従って、組立て等の際に、複数種類の装飾基板が重なっているような状態でも、装飾基板の一部が見えていれば、所望の装飾基板を容易に見つけることができ、組立作業にかかる手間を簡略化することができる。
また、パチンコ機1によれば、装飾基板毎に色識別部7bの色を異ならせているため、組立て時において、一つのパチンコ機1に必要な装飾基板を用意する際に、同じ色の色識別部7bが施された装飾基板がある場合には、同じ装飾基板が重複して用意されていることを簡単に認識することができる。或いは、用意した装飾基板の色識別部7bにおいて色が足りない場合には、用意されていない装飾基板があることを簡単に認識することができる。従って、パチンコ機1の組立てに必要な装飾基板を用意する際に、余分に装飾基板を用意してしまったり、用意した装飾基板が足りなかったり、していることを簡単に認識することができるため、確実に必要な分だけ装飾基板を用意することができ、組立て時における段取りのし易いパチンコ機1とすることができる。従って、パチンコ機1の組立作業をスムーズに行うことができ、組立てにかかる時間を短縮してコストの増加を抑制させることができる。
また、パチンコ機1によれば、装飾基板の後面に、他の基板と区別するための識別部7としての文字識別部7aが施されているため、作業者が文字識別部7aの文字を読むことで、当該装飾基板がどの部位のものであるのかを容易に知ることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
更に、パチンコ機1によれば、各装飾基板の前面及び後面を白色としていると共に、後面に識別部7を設けているため、装飾基板の前方に設けられている、装飾体の透明度が高くても、前方(遊技者側)から装飾基板を目立ち難いものとすることができ、装飾体の見栄えを良くすることができると共に、装飾基板の白色の前面によりLEDからの光を前方へ反射させることが可能となり、装飾体をより明るく発光装飾させることができ、演出効果の高い発光演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、パチンコ機1によれば、LEDドライバ等の機能部品を、装飾基板の後面に設けており、前方(遊技者側)から機能部品を見えないようにしているため、装飾体を通して機能部品が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体(遊技機)の見栄えを良くすることができる。また、装飾基板の後面に設けることで機能部品を見えないようしているため、目立たないように機能部品を白色(又は黄色)に着色する必要が無く、素のままで機能部品を用いることができ、機能部品に着色する手間を省略してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[3-12.扉枠の作用効果]
本実施形態によれば、パチンコ機1において互いに異なる位置に設けられている複数の接触検知体393に対して、遊技者の接近又は接触を検知したい所望の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392とが接続されるように切換部394により切換えることで、所望の部位の接触検知体393に遊技者が接近又は接触すると、当該接触検知体393の静電容量が変化することとなり、当該接触検知体393と接続されている接触検知センサ本体392により静電容量の変化を検知することができるため、所望の部位への遊技者の接近又は接触を検知することができ、接触検知センサ本体392の検知に応じて主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段により所定の制御を実行することができる。一方、切換部394により所望の部位の接触検知体393と接触検知センサ本体392とを接続している状態では、その他の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392との接続が切断されることとなるため、その他の部位に遊技者が接近又は接触することでその他の部位に設けられている接触検知体393の静電容量が変化しても、当該接触検知体393が切換部394により接続が切断されていることから、当該接触検知体393の静電容量の変化を検知することはなく、所望の部位の接触検知体393の静電容量のみを確実に検知することができ、誤検知を防止することができる。
このように、互いに異なる位置に設けられている複数の接触検知体393に対して、接触検知センサ本体392と接続する接触検知体393を切換部394により適宜選択して切換えるようにしているため、複数の接触検知体393に対して一つの接触検知センサ本体392で静電容量を検知することが可能となり、主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段において遊技者の接近又は接触の検知にかかるチャンネルの数を少なくとすることができ、相対的に演出に使用できるチャンネルの数を多くすることができる。従って、より多くの演出手段(例えば、可動装飾体、発光装飾体、演出表示装置、等)を制御手段によって制御させることが可能となるため、演出手段の増加によりより多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を十分に楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、パチンコ機1における遊技者に触れられたくない複数の部位に、夫々接触検知体393を設けるようにし、遊技状態に応じて切換部394により所望の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392とを接続し、所望の部位への遊技者の接近又は接触を検知して、主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段により所定の注意や警報を放置するようにすることが可能となるため、一つの接触検知センサ本体392でパチンコ機1の広い範囲を監視しつつ、演出に使用できるチャンネルの数を相対的に多くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、複数の接触検知体393を一つの接触検知センサ本体392で静電容量を検知するようにしていることから、各接触検知体393と接触検知センサ本体392とが離れて設けられていることとなるため、センサICや出力回路のような電子部品等を有しているセンサ本体を遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
更に、接触検知センサ本体392に、複数の接触検知体393を電気的に接続するための接続端子を、予め有するようにしていることから、接触検知体393からの配線を、接触検知センサ本体392の接続端子に接続するだけで、接触検知センサ本体392により接触検知体393の静電容量を検知することができるため、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、接触検知センサ本体392に接続端子を予め設けるようにしており、接触検知体393からの配線を接触検知センサ本体392の接続端子に接続するだけで、接触検知センサ本体392と接触検知体393とを接続することができるため、接触検知センサ本体392のセンサ電極に導電部材を接触させて、当該導電部材を介して接触検知体393と接続するようにした場合と比較して、部品点数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができると共に、接触検知体393と接続するための導電部材の取り回しの設計を無くすことができ、接触検知体393や接触検知センサ本体392の配置自由度を高めることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、接触検知センサ本体392に接続する接触検知体393を切換える切換部394を設けており、切換部394により検知したい接触検知体393を選択することができるため、例えば、複数の接触検知体393を分散配置し、分散配置した複数の接触検知体393を所定の順番で触れさせるような遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者が順番に触れるタイミングで切換部394により接触検知センサ本体392と接続される接触検知体393を切換えるようにすることで、遊技者が順番通りに接触検知体393を触れたか否かを検知することができ、ゲーム性の高い遊技者参加型演出を一つの接触検知センサ本体392により実現することが可能となり、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200における演出操作ユニット300おいて、遊技者が押圧操作可能な演出操作部ユニット350におけるボタン本体351に遊技者の手指等が接近又は接触すると、ボタン本体351により遊技者側が覆われている金属板のパチングメタルからなる接触検知体352に遊技者が接近することとなり、接触検知体352の静電容量が変化する。この接触検知体352の静電容量を接触検知センサ本体358により検知していることから、接触検知体352の静電容量の変化を検知することができるため、接触検知体352を介してボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知することができる。
このようにして接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いて演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触が検知されると、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段により所定の演出が接触検知体352及びボタン本体351を通して遊技者側へ出力されるため、当該演出により遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、演出操作部ユニット350に遊技者が接近又は接触すると、所定の演出が出力されることから、接触検知体352及び接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350を非接触操作部や接触操作部として機能させることができる。そして、非接触操作部や接触操作部として機能する演出操作部ユニット350を、突出させた時に遊技者が押圧操作可能としていることから、演出操作部ユニット350により非接触操作、接触操作、及び押圧操作のような多彩な演出操作を行うことができるため、押圧操作のみが可能な操作ボタンを備えた従来のパチンコ機とは異なる外観のパチンコ機1を具現化し易くすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることで遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、接触検知センサ本体358による接触検知体352の静電容量の検知に応じて所定の演出を遊技者側に出力するようにしており、静電容量は、接触検知体352(ボタン本体351)と遊技者との距離に応じて異なるため、静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる演出を出力することが可能となる。従って、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じた演出を出力することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352の静電容量を検知する接触検知センサ本体358を、接触検知体352から離れて設けているため、センサICや出力回路のような電子部品等を有している接触検知センサ本体358を、演出操作部ユニット350における遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
また、上述したように、操作ユニットにより非接触操作、接触操作、及び押圧操作のような多彩な演出操作を行うことができるため、遊技者の演出操作が可能となる遊技者参加型演出を実行することで、多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知センサ本体358により静電容量が検知される接触検知体352を、複数の孔が形成されている金属板からなるパンチングメタルとしているため、複数の孔により遊技者がボタン本体351に接近又は接触していない状態における接触検知体352の静電容量を小さくすることができ、接触検知センサ本体358による誤検知の発生を回避させることができる。従って、複数の孔の数や大きさや配置等を適宜選択することにより、静電容量の増加を抑制しつつ接触検知体352の面積を大きくすることが可能となるため、接触検知体352によるボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知する範囲を広くすることができる。これにより、接触検知体352を大きくして検知範囲を広くすることができるため、上記の実施形態のように、遊技者が押圧操作可能なボタン本体351(演出操作部ユニット350)を大きくすると共に、接触検知体352をボタン本体351の上面部351aと同じような大きさにした場合、遊技者参加型演出の実行により遊技者が演出操作部ユニット350(ボタン本体351)への接近又は接触を要求された時に、ボタン本体351により覆われている接触検知体352がボタン本体351の上面部351aと同じように大きいことから、演出操作部ユニット350への遊技者の手指等を接近又は接触させる移動距離が短くなり、演出操作部ユニット350を素早く操作することができ、遊技者参加型演出において操作タイミングを逃し難くすることができると共に、遊技者参加型演出に確実に参加させることができ、当該演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352を、パンチングメタルとしているため、接触検知体352に形成されている複数の孔を通して、接触検知体352における遊技者側とは反対側に設けられている演出手段としてのボタン中装飾基板364のLED364aからの発光演出を遊技者側へ出力させることができ、当該発光演出を遊技者に確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作が可能な演出操作部ユニット350(ボタン本体351)に、接触検知体352を設けるようにしているため、ある程度の強度・剛性を有した金属板であるパンチングメタルからなる接触検知体352により、演出操作部ユニット350を補強することができ、遊技者が押圧操作をする際に、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を強く押圧したり叩いたりしても、演出操作部ユニット350が変形したり破損したりし難いものとすることができる。従って、接触検知体352により演出操作部ユニット350を破損し難くすることができるため、遊技者に対して演出操作部ユニット350を心置きなく押圧操作させることができ、演出操作部ユニット350を操作する遊技者参加型演出をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知体352を、パンチングメタルとしており、接触検知体352を同じ板厚の金属板から加工したエキスパンドメタルとした場合と比較して、接触検知体352の板厚を薄くすることができるため、接触検知体352を設けるためのスペースを確保し易くすることができ、接触検知体352を設け易くすることができると共に、設計自由度を高めることができ、より遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を設計し易くすることができる。
また、接触検知体352をパンチングメタルとしていることから、エキスパンドメタルと比較して、板厚が一定であるため、プレス加工によって接触検知体352を立体的な所望の形状に容易に加工することが可能となり、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触の検知に最適な形状にし易くすることができ、上述した作用効果を確実に具現化することができる。
また、演出操作部ユニット350において、接触検知体352の遊技者側をボタン本体351で覆うようにしているため、ボタン本体351により複数の孔が形成されているパンチングメタルからなる接触検知体352を遊技者が直接触れないようにすることができ、複数の孔が形成されている接触検知体352に遊技者が触れることで不快感を与えてしまうことを回避させることができると共に、ボタン本体351を操作部として用いる遊技者参加型演出においてボタン本体351を違和感なく操作させることができ、当該演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、パンチングメタルからなる接触検知体352の遊技者側をボタン本体351で覆うようにしているため、接触検知体352に形成されている複数の孔に、ほこりや飲食物等の汚れが付着することはなく、清掃にかかる手間を容易なものとすることができ、清掃の容易なパチンコ機1として本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段を、接触検知体352における遊技者側とは反対側に設け、接触検知体352及びボタン本体351を通して所定の演出を遊技者側に出力可能としており、接触検知センサ本体358によりボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知すると、所定の演出が接触検知体352に形成されている複数の孔及び透明なボタン本体351を通して出力されるため、遊技者の関心を演出操作部ユニット350へ強く引付けさせることができ、演出操作部ユニット350を通して(介して)出力される演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段を、接触検知体352の遊技者側とは反対側に設けるようにしていることから、接触検知体352により演出手段を覆うような状態となり、接触検知体352(演出操作部ユニット350)と演出手段とをコンパクトに纏めることが可能となるため、上述したような作用効果を奏する演出操作部ユニット350及び演出手段等をパチンコ機1における所望の部位に設け易くすることができ、他のパチンコ機に対して差別化できる訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200において、上下方向へ進退可能に設けられている演出操作部ユニット350(ボタン本体351)に遊技者が接近又は接触することで、演出操作部ユニット350の接触検知体352の静電容量が変化することから、接触検知センサ本体358により接触検知体352の静電容量を検知することにより、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知することができる。そして、接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触が検知されると、演出操作部昇降機構360の昇降バネ365の付勢力により演出操作部ユニット350が上方へ突出するため、遊技者が演出操作部ユニット350に接触していない状態で演出操作部ユニット350が突出すると遊技者に当接(衝突)し、遊技者が演出操作部ユニット350に接触している状態で演出操作部ユニット350が突出すると遊技者を押すような物理的な力による演出を遊技者に提示することができる。従って、これまでのパチンコ機にはない演出により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を演出操作部ユニット350へ強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して演出操作部ユニット350の突出を確実に気付かせることができる。
この演出操作部ユニット350を突出させる際に、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を、昇降バネ365の上端部側の方向(上方)へ移動させると、昇降バネ365の圧縮が強くなって付勢力を大きくすることができ、昇降バネ365の上端部側から遠ざかる方向(下方)へ移動させると、昇降バネ365の圧縮が弱くなって付勢力を小さくすることができ、昇降バネ下保持部材385を適宜の位置へ移動させることにより、昇降バネ365による演出操作部ユニット350の付勢力を変更することができる。このように、様々な突出力で演出操作部ユニット350を突出させることができるため、物理的な力による演出のバリエーションを増やすことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、演出操作部ユニット350の突出による演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて演出操作部ユニット350の突出力を変更するようにしているため、遊技者が手指等を演出操作部ユニット350に接近又は接触させた時に、強い力で演出操作部ユニット350が当接すると、遊技者に強いインパクトが与えられることで、何か良いこと(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生)があるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350を、押圧操作が可能な押圧操作部303としているため、遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者に対して演出操作部ユニット350を押圧操作させることで、遊技者参加型演出に遊技者を参加させることができ、演出操作部ユニット350の押圧操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350を押圧操作可能なものとしているため、何時でも押圧操作できるように、演出操作部ユニット350(ボタン本体351の上面)に手指等を置いているような遊技者に対して、演出操作部ユニット350を押圧操作する遊技者参加型演出が実行された時に、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を突出させることで、演出画像やサウンド等により遊技者参加型演出の実行開始を案内しなくても、いち早く遊技者に遊技者参加型演出の実行開始を認識させることができ、演出操作部ユニット350の押圧操作に対する意欲を高めさせて遊技者参加型演出をより一層楽しませることができる。
更に、演出操作部昇降機構360における昇降バネ365の付勢力により演出操作部ユニット350を突出させるようにしているため、駆動モータを用いて演出操作部ユニット350を突出させるようにした場合と比較して、演出操作部ユニット350を容易に勢い良く突出させることができ、上述したような作用効果をより奏し易いものとすることができる。
また、接触検知センサ本体358によって接触検知体352の静電容量を検知することにより、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知するようにしており、接触検知体352の静電容量は、演出操作部ユニット350と遊技者との距離に応じて異なるため、静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる突出力で演出操作部ユニット350を突出させることが可能となる。従って、接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じた突出力で突出させることで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200において、遊技者参加型演出の実行によりポップアップさせることで、遊技者が進退可能に設けられている演出操作部ユニット350に、遊技者が接近又は接触すると、演出操作部ユニット350の遊技者が接触するボタン本体351の裏側に設けられている接触検知体352の静電容量が変化する。一方、演出操作部ユニット350における接触検知体352と離れて設けられている接触検知センサ本体358では、接触検知体352の静電容量を検知していることから、遊技者の接近又は接触による接触検知体352の静電容量の変化を捉えることができるため、演出操作部ユニット350のボタン本体351への遊技者の接近又は接触を検知することができ、接触検知センサ本体358が静電容量により遊技者を検知することができる。そして、接触検知センサ本体358の検知や遊技者による演出操作部ユニット350の進退(押圧)により、演出操作部外周装飾基板320、ボタン外装飾基板355、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、突出力調整機構380、及び演出表示装置1600等の演出手段によって所定の演出が実行されることとなる。つまり、遊技者が演出操作部ユニット350を進退させたり演出操作部ユニット350に接近又は接触したりすることで、所定の演出が実行されるため、当該演出により遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、遊技者が演出操作部ユニット350に接近又は接触すると、演出が実行されるため、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を演出操作部(非接触操作部、接触操作部)のように機能させることができる。一方、遊技者が演出操作部ユニット350を進退(押圧)させると、演出が実行されるため、演出操作部ユニット350を演出操作部(押圧操作部)のように機能させることができる。このようなことから、遊技者が多彩な演出操作を行うことが可能となるため、遊技者の演出操作が可能となる遊技者参加型演出を実行することで、多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350におけるボタン本体351の遊技者が接触する部位付近(上面部351aの下側)に設けられている接触検知体352の静電容量により遊技者を検知するようにしており、接触検知体352の静電容量は、接触検知体352(ボタン本体351)と遊技者との距離に応じて異なるため、所定の演出を実行させる静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる演出を実行させるようにすることが可能となる。従って、演出操作部ユニット350への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じて演出を提示することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352及び接触検知センサ本体358による遊技者の検知によって所定の演出が実行されるため、当該演出により接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いた演出操作(非接触操作、接触操作)に対して操作感を付与することができ、遊技者に対して演出操作をより楽しませることができる。
更に、遊技者が進退可能(押圧可能)な演出操作部ユニット350と、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知可能な接触検知体352及び接触検知センサ本体358とを備えているため、遊技者参加型演出において、遊技者に、演出操作部ユニット350を進退させる操作(押圧操作)や、演出操作部ユニット350に手指等を接近又は接触させる操作(非接触操作、接触操作)等の多彩な操作を要求することが可能となり、多彩な操作により遊技者に対して遊技者参加型演出への参加意欲を高めさせることができ、遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。そして、遊技者が遊技者参加型演出に参加した際に、演出操作部ユニット350や接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いた多彩な操作により、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350のボタンベース354の案内ピン354cを、演出操作部昇降機構360における昇降カム部材371の係止部371cに係止させることにより演出操作部ユニット350を進退不能にロックすることができるため、演出操作部ユニット350を進退させるような演出が実行されるまでは、案内ピン354cと昇降カム部材371とにより演出操作部ユニット350を進退不能としておくことで、演出操作部ユニット350が勝手に動いたり揺れたりすることを防止することができる。従って、演出操作部ユニット350が勝手に動いたり揺れたりすることで、遊技者に不信感や不安感を抱かせてしまうことを回避させることができ、演出操作部ユニット350による演出をより楽しませられるようにすることができる。
更に、演出操作部ユニット350において、接触検知センサ本体358を接触検知体352から離れた位置に設けるようにしているため、センサICや出力回路のような電子部品等を有している接触検知センサ本体358を遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、静電容量を検知するための接触検知体352と、接触検知体352の静電容量を検知するセンサICや出力回路等を有した接触検知センサ本体358とを、別体としていることから、接触検知センサ本体358とは無関係に接触検知体352の形状や素材等を適宜選択することができるため、接触検知体352を、演出操作部ユニット350のボタン本体351の形状や形態や仕様等に最適に対応したものとすることができ、上述したような作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の演出操作ユニット300において、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364、又は装飾体398を被覆しているボタン本体351又は表面部材396に遊技者が手指等を接近又は接触させると、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397の静電容量が変化し、その変化に応じてボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398により遊技者側へ光が照射される所定の演出が実行されるため、遊技者側へ照射される光によって遊技者の関心をボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398へ強く引付けさせることができ、実行された演出により遊技者を楽しませることができる。この際に、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397が、ボタン本体351又は表面部材396に設けられている装飾部に沿うように形成されているため、遊技者に対して接触検知体352又は接触検知体397を装飾部の一部のように錯覚させることができ、遊技者に対して接触検知体352又は接触検知体397が遊技者を検出するためのものであるということ認識不能にすることができる。
このように、接触検知体352又は接触検知体397を、遊技者側から認識不能としているため、喩え、接触検知体352又は接触検知体397がボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398(演出)の一部を遮ったとしても、遊技者は接触検知体352又は接触検知体397が気になることはないと共に、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398の手前に接触検知体352又は接触検知体397が設けられていても、接触検知体352又は接触検知体397の存在により遊技者に違和感を与えてしまうことはない。従って、遊技者に対してボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を良好な状態で見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン本体351又は表面部材396への遊技者の手指等の接近又は接触を接触検知体352又は接触検知体397により検出することにより、ボタン本体351又は表面部材396により被覆されているボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398において遊技者側へ光が照射される演出が実行されるようにしているため、ボタン本体351又は表面部材396を演出操作部301(接触操作部302)のように機能させることができると共に、遊技者に対して光による操作感を付与することができる。従って、例えば、遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者の手指等をボタン本体351又は表面部材396へ接近又は接触させるようにし、接触検知体352又は接触検知体397による手指等の接近又は接触の検出によって、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398により演出が実行されることで、遊技者参加型演出に遊技者を参加させることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、接触検知体352又は接触検知体397によりボタン本体351又は表面部材396への遊技者の接近又は接触を検出するようにしていることから、ボタン本体351又は表面部材396と遊技者の手指等との距離に応じて、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を異ならせることが可能となるため、遊技者の手指等の動き(位置)によってボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を変化させることができ、より多彩な演出を遊技者に見せることができると共に、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352又は接触検知体397の静電容量の変化を検出するようにしており、遊技者がボタン本体351又は表面部材396へ接近又は接触すると、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397の静電容量が変化するため、ボタン本体351又は表面部材396への遊技者の手指等の接近又は接触を容易に検出することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、接触検知体352又は接触検知体397により静電容量の変化を検出させるようにしていることから、接触検知体352又は接触検知体397を導電性の部材とすることができるため、例えば、接触検知体397を金属蒸着膜とした場合、蒸着膜を薄くすることで透明にすることができ、蒸着膜を厚くして金属光沢を有するようにすることで装飾の一部のように見せることができる。或いは、接触検知体352及び接触検知体395を星形やハート形のような意匠性を有する外形のパンチングメタルとした場合、接触検知体352及び接触検知体395を装飾の一部のように見せることができる。このようなことから、遊技者側から認識不能な接触検知体352、接触検知体395、及び接触検知体397とすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の演出操作ユニット300において、上面側(表面側)を覆っている透明なボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触により静電容量が変化し、その変化により、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、突出力調整機構380、及び演出表示装置1600等の演出提示手段によって所定の演出を提示させるための接触検知体395等(接触検知体352、接触検知体左390L、接触検知体右390R、接触検知体393、及び接触検知体397、等を含む)を、意匠性を有する所定の外周形状に形成しているため、接触検知体395自身によってパチンコ機1を装飾することができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。また、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆い、接触検知体395への遊技者の手指等の接近による接触検知体395等の静電容量の変化に応じて、演出提示手段によりボタン本体351及び接触検知体395等を介して所定の演出を提示するようにしているため、ボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触に応じて、所定の演出が提示されることとなり、ボタン本体351を演出操作部301として機能させることができる。そして、ボタン本体351を通して見える接触検知体395等が意匠性を有していることから、演出操作部301が意匠性を有しているように見えることとなり、これまでのパチンコ機にはない演出操作部301を備えたパチンコ機1であるとして遊技者に強いインパクトを与えることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、上述したように、意匠性を有した接触検知体395等により、遊技者に強いインパクトを与えることができるため、接触検知体395等(ボタン本体351)への関心を強く抱かせることができ、ボタン本体351(演出操作部301)の操作に対する期待感を高めさせることができると共に、ボタン本体351を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、ボタン本体351の操作を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触を検知する接触検知体395等が、意匠性を有した外周形状に形成しているため、一見した時に、遊技者によっては演出提示手段により演出を提示させるための演出操作部301(ボタン本体351)の存在に気付かせ難くすることができる。従って、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者に対してボタン本体351への接近又は接触を促すことで、初めてボタン本体351が接触検知体395等による演出操作部301であることに気付かせることができ、遊技者に意外性を付与して遊技者参加型演出をより楽しませることができる。或いは、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出が実行させた時に、遊技者が演出操作部301とは知らずにボタン本体351に手指等を接近又は接触すると、接触検知体395等の静電容量が変化して演出提示手段により演出が提示されるため、遊技者をびっくりさせることができ、提示された演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知体395等における静電容量の変化に応じて演出提示手段により演出を提示するようにしているため、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近や接触を容易に検知することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。また、接触検知体395等の静電容量の変化に応じて演出を提示するようにしていることから、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じて演出を提示することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体395等の外周を所定の形状に形成しているため、導電性を有する接触検知体395等として、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、のような無機質なものを用いても、接触検知体395等に意匠性を付与することができ、接触検知体395等による見栄えの悪化を防止することができると共に、接触検知体395等を目立たせることができ、上記の作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、接触検知体395等の外周形状を、所定の形状に形成しているため、接触検知体395等を立体的な形状に形成しなくても、意匠性を有したものを構築することができる。従って、接触検知体395等を平面形状や単純な立体形状のものとすることができ、接触検知体395等の製造にかかるコストを低減させることができる。
更に、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしているため、接触検知体395等にほこりや飲食物等の汚れが付着することはなく、清掃にかかる手間を容易なものとすることができる。詳述すると、接触検知体395等に、パンチングメタルのような凹凸を有するものを用いていることから、その凹凸内にほこりや飲食物等の汚れが付着し易くなり、その汚れの清掃に手間がかかることとなるが、接触検知体395等の表面側をボタン本体351で覆っているため、接触検知体395等にパンチングメタルのような凹凸を有するようなものを用いても、ボタン本体351により汚れの付着を防止することができ、清掃の容易なものとして本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしており、遊技者が接触検知体395等に触れないようにしているため、接触検知体395等として金属蒸着膜や箔押し等のような意匠性を高められるものを用いた場合、遊技者が触れることで早期に摩耗してしまうことを防止することができ、接触検知体395等の耐久性を高めることができる。
更に、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしており、上述したように、透明なボタン本体351により遊技者が接触検知体395等に直接触れないことから、接触検知体395等として手触りの悪いものや遊技者に不快感を与えてしまうようなものを用いることが可能となるため、接触検知体395等に用いる素材の自由度を高めることができ、ニーズに応じた素材により接触検知体395等を形成することができる。
また、接触検知体395等を覆っているボタン本体351に遊技者の手指等を接近又は接触させることにより、接触検知体395等の静電容量を変化させると、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して所定の演出が遊技者に提示されるため、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して提示される演出により、遊技者が手指等をボタン本体351に接近又は接触させたことを直感的に認識させることができ、遊技者に対して手指等の動作を楽しませることができる。
また、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して遊技者に演出を提示するようにしており、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触により、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して遊技者に提示される演出が実行されるため、ボタン本体351を接触操作部のように機能させることができると共に、提示される演出により操作感を付与することができ、ボタン本体351を用いた操作(遊技者参加型演出)を楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、複数の操作が可能な演出操作部ユニット350のボタン本体351を操作するために、遊技者が手指等をボタン本体351に接近又は接触させて、接触検知体352(接触検知センサ本体358)により手指等の検知領域内への進入が検知されると、ボタン外装飾基板355の複数のLED355aやボタン中装飾基板364の複数のLED364aの発光によりボタン本体351を通して遊技者に光が照射される発光演出、振動モータ356によるボタン本体351を通して(介して)接触している遊技者の手指等を振動させる演出、演出操作部昇降機構360によるボタン本体351の上方へ突出によりボタン本体351を通して(介して)遊技者に衝撃や押上げや風圧等を付与する演出、等が実行されるため、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができ、遊技者を楽しませることができる。また、この際に、ボタン本体351を通して光や振動、衝撃や押上げや風圧等の演出が遊技者に付与されるため、当該演出により遊技者を驚かせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、ボタン本体351の操作に対する意欲を高めさせることができる。そして、遊技者の手指等がボタン本体351に触れた状態で、手指等を適宜動かしてボタン本体351を下方へ押圧することで、ボタン本体351が押圧操作部303として機能するため、接触検知体352による遊技者の手指等の接近又は接触の検知による接触操作と、ボタン本体351の押圧操作とによって、遊技者に多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技者の手指等の接近又は接触を検知する検知手段を、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで構成し、接触検知体352をボタン本体351の上面部351aの裏面付近に設けるようにしているため、検知回路が設けられている接触検知センサ本体358をボタン本体351の上面部351aから離れたボタンスリーブ353のフランジ部353bに配置しても、接触検知体352によりボタン本体351の上面部351aでの遊技者の手指等の接近又は接触を検知することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、遊技者の手指等の接近又は接触を検知する検知手段を、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで構成するようにしているため、検知回路が設けられている接触検知センサ本体358をボタン本体351の上面部351a(接触検知体352)から離れたボタンスリーブ353のフランジ部353bに配置することができることから、接触検知センサ本体358を目立ち難い部位に配置することができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、ボタン本体351の裏側(下方)に、ボタン外装飾基板355及びボタン中装飾基板364や、演出操作部昇降機構360、を設けているため、それらによりボタン本体351を通して遊技者に、光や振動、衝撃や押上げや風圧等の演出を付与させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図75乃至図81を参照して詳細に説明する。図75はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図76はパチンコ機における本体枠の背面図である。図77は本体枠を右前から見た斜視図であり、図78は本体枠を左前から見た斜視図であり、図79は本体枠を後ろから見た斜視図である。図80は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図81は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4-1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図75乃至図83等を参照して詳細に説明する。図82(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図83は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fの下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチが取り付けられている。扉枠開放スイッチは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠ベース501は、扉枠開放スイッチが取り付けられた位置よりも下方のベース本体501aの後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチが取り付けられている。本体枠開放スイッチは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図83等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図83(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図83(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4-2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレーム111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4-5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図84等を参照して詳細に説明する。図84(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル195の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル195を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4-6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図91を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4-7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図87(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4-7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図91を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4-7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図86乃至図89等を参照して詳細に説明する。図88は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図89(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図88に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図89を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4-7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図91を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4-7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4-7e.払出ユニットにおける遊技球Bの流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図91を参照して詳細に説明する。図91は、本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に音声(例えば「球を抜いてください!」等)で案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4-8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図92乃至図96等を参照して詳細に説明する。図92(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図93は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図94は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図96は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図96を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板1310等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4-9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図75乃至図81を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4-10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図97を参照して詳細に説明する。図97(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4-11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図98乃至図105を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB-B線で切断した断面図である。図99は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図100(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図101は、図100(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図102は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図104は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺から夫々上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺から夫々上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球Bの外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍~4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oの夫々の左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、夫々前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図102において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、夫々低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、夫々左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図103を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図104に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図103において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図103に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[4-12.タンクレール等の別の実施形態]
続いて、本体枠4におけるタンクレール553等の別の実施形態について、主に図106乃至図110等を参照して詳細に説明する。図106は、別の実施形態のタンクレール等を備えたパチンコ機を後ろから見てタンクレールの部位を拡大して示す斜視図である。図107(a)は図106のタンクレール等を球タンクと共に組立てた状態で示す平面図であり、(b)は(a)のタンクレール等を前から見た斜視図であり、(c)は(a)のタンクレール等を後ろから見た斜視図である。図108(a)は図107のタンクレール等を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図107のタンクレール等を分解して後ろから見た分解斜視図である。図109は、図107(a)においてカ-カ線で切断したタンクレール等の断面図である。図110は、図107のタンクレール内での遊技球の流れを断面で示す説明図である。上記とは別の実施形態のタンクレール553A等は、タンクレール553Aの他に、第一レールカバー554A、第二レールカバー555A、及び球整流部材556Aが、上記の実施形態のタンクレール553、第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556とは異なっており、同様の構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態のタンクレール553Aは、球タンク552に貯留されている遊技球Bを整流して、払出ユニット560の球誘導ユニット570へ受渡すものである。このタンクレール553Aは、上方へ開放された溝状に左方へ延びている。タンクレール553Aには、上端側を閉鎖するように第一レールカバー554Aと、第一レールカバー554Aの正面視左方に設けられている第二レールカバー555Aと、第二レールカバー555Aの上側に設けられている球整流部材556Aとが取付けられていると共に、タンクレール553Aの下流側端に遊技球Bの流通を阻止可能な球止部材557が取付けられている。
タンクレール553Aは、図107(a)等に示すように、膨出部553bよりも下流側に、前後方向へ蛇行している蛇行部553cを有している。この蛇行部553cにより、遊技球Bの流通速度を抑制させることができる。第一レールカバー554Aは、蛇行部553cよりも上流側(球タンク552側)に取付けられている。
第二レールカバー555Aは、タンクレール553Aにおける開放されている上端側において、第一レールカバー554Aから蛇行部553cを含んで下流端(正面視において左端)まで覆うように左右方向へ延びている。第二レールカバー555Aは、タンクレール553Aの上端を閉鎖する板状のカバー部555aと、カバー部555aにおける左右方向中央より上流側の前後両端から上方へ延出している一対の保護壁555bと、一対の保護壁555b同士の間でカバー部555aを貫通している開口部555cと、を有している。一対の保護壁555bは、タンクレール553Aの蛇行部553cが設けられている部位では、蛇行部553cに倣って蛇行した形状に形成されている。開口部555cには、後述する球整流部材556Aの整流片556aが上方から貫通するように挿入される。
球整流部材556Aは、上流端側が前後に延び軸周りに回転可能に取付けられる。球整流部材556Aは、第二レールカバー555Aにおけるカバー部555aよりも上側で、一対の保護壁555bの間に設けられ、第二レールカバー555Aの開口部555cを貫通してタンクレール553A内へ突出する平板状の整流片556aを有している。この球整流部材556Aは、タンクレール553A内において複数段に積み重なった遊技球Bに対して上から当接することで、遊技球Bの段を崩して一列に整列させ易くしていると共に、最も上側の遊技球Bが下流側へ速く移動することを抑制してタンクレール553Aの下流側において球噛みが発生することを防止するようにしている。
本実施形態のタンクレール553A等によれば、組立てた状態で、球整流部材556Aが、第二レールカバー555Aにおける一対の保護壁555b同士の間で、保護壁555bの上端よりも下方に位置している。これにより、タンクレール553Aにおける球整流部材556Aが取付けられている部位の前上側に設けられている外部端子板558の電線接続端子558aに接続されている電線(図106において破線で示す)が、球整流部材556Aに対して上方から接触することを防止することができる。ところで、電線接続端子558aに接続された電線が球整流部材556Aに上から接触すると、その電線の重みによって、球整流部材556Aの整流片556aに遊技球Bが当接しても、球整流部材556Aが上方へ回動することができなくなる恐れがあり、球整流部材556Aによる遊技球Bの整流作用を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。これに対して、本実施形態では、第二レールカバー555Aの一対の保護壁555bにより、球整流部材556Aに対して電線接続端子558aに接続された電線の接触を防止することができるため、球整流部材556Aの整流片556aに遊技球Bが当接した時に、球整流部材556Aが上方へ回動することができ、整流作用を十分に発揮させて、タンクレール553A内での球噛みや球詰まりの発生を防止することができる。
また、タンクレール553Aに蛇行部553cを設けているため、蛇行部553cにより遊技球Bの流通速度を抑制させることができる。ところで、下流側へ向かって高さが狭くなるタンクレール553A内において、複数段に積み重なった遊技球Bのうち、上側の遊技球Bが先に下流側へ移動すると、球噛みが発生し易くなる。これに対して、本実施形態では、上述したように、蛇行部553cによって遊技球Bの流通速度を抑制させることができるため、上側の遊技球Bが先に下流側へ移動してしまうことを抑制させることができ、球噛みの発生を低減させることができる。
また、上述したように、第二レールカバー555Aの保護壁555bによって球整流部材556Aへの電線の当接を阻止して、球詰りの発生を防止することができるため、タンクレール553Aを多くの電線が接続される端子板(例えば、外部端子板558)や制御基板の近くに配置したり、タンクレール553Aの近くに多くの電線が接続される端子板や制御基板を配置したり、することができ、タンクレール553A(球タンク552)や端子板等の配置自由度の高いパチンコ機1を提供することができる。
[4-13.基板ユニットの別の実施形態]
続いて、上記とは別の実施形態(第二実施形態)の基板ユニット620Aについて、主に図111乃至図116等を参照して詳細に説明する。図111(a)は別の実施形態の基板ユニットの正面図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。図112(a)は図111(a)の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は図111(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。図113は図111(a)の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図114は図111(a)の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図115(a)は図111(a)におけるキ-キ線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるク-ク線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるケ-ケ線で切断した断面図である。図116は、図111(a)の基板ユニットを備えたパチンコ機において扉枠よりも後側の部位を示す底面図である。
本実施形態の基板ユニット620Aは、上記の基板ユニット620に換えて、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられるものである。本実施形態の基板ユニット620Aでは、ベースユニット660の構成が、上記の基板ユニット620のベースユニット620bと大きく異なっている。ここでは、上記の基板ユニット620と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
基板ユニット620Aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット660と、ベースユニット660の後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
ベースユニット660は、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース661と、前ベース661の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース662と、前ベース661と後ベース662との間に設けられており、遊技盤5から下方へ排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663と、アウト球通路663を流通する遊技球Bを一つずつ検知するアウトセンサ664と、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627により誘導された遊技球Bが流通し、後ベース662におけるアウト球通路663よりも後方に設けられている球抜排出通路665と、球抜排出通路665の後側を閉鎖するように後ベース662に取付けられている通路壁部材666と、を備えている。
前ベース661は、前方へ開放された左右に長い箱状に形成されている。後ベース662は、上下方向へ略一定の高さで左右に延びた平板状の区画壁部662aを有しており、区画壁部662aの前側にアウト球通路663及び球抜誘導部627が形成されていると共に、区画壁部662aの後側に球抜排出通路665が形成されている。後ベース662は、区画壁部662aよりも後側が、後方へ開放された箱状に形成されている。
ベースユニット660は、前ベース661、後ベース662、及び通路壁部材666が、透明な部材により形成されている。従って、球抜誘導部627、アウト球通路663、及び球抜排出通路665も、透明に形成されている。従って、ベースユニット660の上側や下側から、球抜誘導部627、アウト球通路663、及び球抜排出通路665、の内部を良好に視認することができ、球詰り等を確認し易くなっている。
アウト球通路663は、後ベース662における上下方向へ略一定の高さで左右に延びた平板状の区画壁部662aの前側に、前方が開放された状態で形成されており、開放されている前端が前ベース661により閉鎖されている。
アウト球通路663は、パチンコ機1における左右方向の略中央の位置において上方へ開放されていると共に左右に延びている球排出受部663aと、球排出受部663aに受けられた遊技球Bを左右方向へ大きく蛇行させながら一列に整流するアウト球整流部663bと、アウト球整流部663bにより一列に整流された遊技球Bを下方へ誘導する下方誘導部663cと、下方誘導部663cの下端で下方へ向かって開口しており、ベースユニット660の下面から遊技球Bを下方へ排出するアウト球排出口663dと、を有している。アウト球通路663のアウト球排出口663dは、外枠2よりも後方に設けられている(図116を参照)。
アウト球通路663の球排出受部663aは、前後方向の奥行きが、遊技球Bの外径の約2.5倍に形成されている。球排出受部663aは、右端側が低くなるように緩い角度で傾斜している。
アウト球整流部663bは、球排出受部663aの右端よりも右方の位置から球排出受部663aの下方へ向かって左端側が低くなるように緩い角度で傾斜している。また、アウト球整流部663bは、下流側(左方)へ向かうに従って、前後方向の奥行きが狭くなり、球排出受部663aの下方となる下流端付近では、遊技球Bの直径よりも若干大きい奥行となっている。また、アウト球整流部663bにおける球排出受部663aの右端よりも左側となる部位は、下流側(左方)へ向かうに従って、上下の高さが低くなり、下流端付近では、遊技球Bの直径よりも若干大きい高さとなっている。これにより、アウト球整流部663bにおいて、遊技球Bを一列に整列させることができる。
下方誘導部663cは、球排出受部663aの下方となるアウト球整流部663bの下流端から下方へ延びており、上下方向の途中において、前壁が後壁(区画壁部)と同一面上になるように後方へ小さくクランク状に曲線的に屈曲している。これにより、下方誘導部663cの下流端(アウト球排出口663d)は、後ベース662の区画壁部662aの前面よりも後方に位置している。この下方誘導部663cにおけるクランクしている部位よりも上流側に、アウトセンサ664が設けられている。この下方誘導部663cは、クランク状に屈曲している部位が、水平方向へ延びた部分を有しないように曲線状に形成されているため、アウトセンサ664を通過してクランク状に屈曲している部位に遊技球Bが当接しても、上方のアウトセンサ664側へ跳ね上がることはなく、アウトセンサ664により一つの遊技球Bが2回検知されてしまうのを防止することができる。
アウトセンサ664は、遊技球Bが頻繁に通過するため、耐久性が高く寿命の長い非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いている。
球抜誘導部627は、アウト球通路663における球排出受部663aよりも左方に設けられている。球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流側が後方へ屈曲し後ベース662の区画壁部662aの後側まで延びた上で、球抜排出通路665の上流端に接続されている(図115(a)等を参照)。
球抜排出通路665は、後ベース662における区画壁部662aの後側に形成されている。球抜排出通路665は、後方へ開放された状態で後ベース662に形成されており、後端側が通路壁部材666により閉鎖されている。この球抜排出通路665は、後端が、後ベース662の後端よりも遊技球Bの外径の一つ分ほど、前方に位置している。つまり、球抜排出通路665と後ベース662の後側に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630との間には、遊技球B一つ分以上の隙間が形成されるようになっている。
この球抜排出通路665は、上流端(左端)が球抜誘導部627の下流端と接続されており、アウト球通路663の球排出受部663aと同じ傾斜で、球排出受部663aよりも右方へ延びた横誘導部665aと、横誘導部665aの下流端(右端)から下方へ垂直に後ベース662の下面まで延びている縦誘導部665bと、縦誘導部665bの下流端(下端)において下方へ向かって開口している球抜排出口665cと、を有している。球抜排出口665cは、アウト球通路663のアウト球排出口663dよりも若干後方に設けられている(図116を参照)。
また、球抜排出通路665は、縦誘導部665bの左右の内壁において、上下方向へ一定の間隔をあけて交互に内側へ突出している複数の突起665dを有している。球抜排出通路665は、垂直に下方へ延びている縦誘導部665bを流通する遊技球Bが、複数の突起665dに交互に当接することで、遊技球Bをジグザグ状に流下させてその流通速度の増加を抑制することができ、球抜排出口665cから下方へ排出される遊技球Bの速度を抑制することができる。
この球抜排出通路665は、横誘導部665aと縦誘導部665bとにより単純なL字状の通路としているため、球抜レバー593を操作して球タンク552内の遊技球Bを排出する時に、多くの遊技球Bをスムーズに誘導して排出することができる。
この実施形態の基板ユニット620Aによれば、遊技領域5a内に打込まれて遊技盤5から排出された遊技球Bを、アウト球通路663の球排出受部663aで受取った上でアウトセンサ664により検知して遊技ホールの島設備側へ排出するようにしている。一方、球タンク552内等の遊技球Bを排出する(抜く)ために、払出装置580の球抜レバー593を操作して球抜通路580b側へ排出された遊技球Bを、アウト球通路663とは分離独立した球抜誘導部627及び球抜排出通路665を通して、遊技ホールの島設備側へ排出するようにしている。これにより、遊技盤5から排出された遊技球Bのみを、アウト球通路663に設けられているアウトセンサ664により検知することができるため、遊技盤5から排出された遊技球Bのみを正確にカウントすることができる。従って、払出装置580の払出検知センサ591によりカウントされた遊技球B(セーフ球)の数と、アウトセンサ664によりカウントされた遊技球B(アウト球)の数とにより、正確な遊技球Bの払出率(出玉率)を算出することが可能なパチンコ機1とすることができる。
アウトセンサ664によりカウントされる遊技球Bの数(アウト球数)は、遊技領域5a内に打込まれて一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受入れられて遊技盤5から排出された遊技球Bの数と、遊技領域5a内に打込まれた後に何れの入賞口に受入れられることなくアウト口1008に受入れられて遊技盤5から排出された遊技球Bの数と、を足したものであり、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bの数(発射球数)のことである。
なお、払出率(出玉率)は、遊技状態に応じて変化するため、所定期間(例えば、単位時間当り、所定時間当り、一日当たり、等)内の払出率として、「所定期間内の払出数÷所定期間内のアウト球数=所定期間内の払出率」のように算出する。
また、本実施形態によれば、遊技盤5が着脱可能に取付けられる本体枠4の基板ユニット620Aに、遊技盤5から排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663を設けると共に、アウト球通路663内を流通する遊技球Bをアウトセンサ664により検知するようにしており、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知することができるため、遊技盤5に「アウト球」を検知するアウト球検知ユニットを設ける必要が無く、遊技盤5にかかる構成を簡略化してコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によれば、球抜排出通路665の後端と、後ベース662の後側に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630との間に、遊技球Bの外径よりも大きい隙間を形成するようにしているため、アウト球通路663や球抜排出通路665が電源基板630や払出制御基板633等から遠ざかることとなり、アウト球通路663や球抜排出通路665を多くの遊技球Bが流通することで発生する静電気や誘導電流等による電気的なノイズによる電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
また、本実施形態によれば、アウト球通路663のアウト球整流部663bにより流通速度が抑制された遊技球Bを、アウトセンサ664により検知するようにしていることから、遊技球Bの流通によりアウトセンサ664にかかる衝撃を弱くすることができるため、アウトセンサ664が早期に消耗して破損してしまうことを低減させることができる。
更に、所定時間当りのセーフ球数と所定時間当りのアウト球数とから算出した所定時間当りの払出率(出玉率)を、遊技者側から視認できるように表示するようにした場合、遊技者としては多くの遊技球Bの払出しを望むことから、表示されている払出率が大きいと、多くの遊技球Bが払出される可能性が高いパチンコ機1であると即座に認識することができ、遊技するパチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、払出率を、遊技者側から視認可能に表示するようにした場合、遊技球Bが多く払出されるような不正行為を行うと、表示されている払出率が通常よりも大きくなることから、他の遊技者やパチンコ機1を設置している遊技ホールの係員等が、不正行為に気付き易くなるため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、セーフ球の数とアウト球の数とから算出した払出率を、遊技者側から視認不能な位置に表示するようにした場合、遊技ホールの係員等が見ることで、上記と同様の理由により不正行為を察知することができる。また、パチンコ機1をメンテナンス等する際に、表示されている払出率が通常の値よりも異なる場合は、パチンコ機1内(例えば、障害釘N、主制御基板1310、払出制御基板633、中継基板、コネクタ、配線ケーブル、各種センサ、等)での不具合の可能性が考えられるため、不具合に対して早期に対応することが可能となり、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、遊技盤5から排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663にアウトセンサ664を設けているため、遊技盤5に対して排出される遊技球Bを検知するための構成(例えば、アウト球検知ユニット)を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができると共に、遊技盤5において、排出される遊技球Bを検知するための構成の分だけスペースを確保することが可能となり、確保したスペースに演出装置を設けるようにすることで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1(遊技盤5)とすることができる。
また、球抜排出通路665に複数の突起665dが交互に突出している縦誘導部665bを有していることから、当該縦誘導部665bを遊技球Bが流通することで、遊技球Bの流通速度を抑制させることができるため、流通する遊技球Bの衝撃による球抜排出通路665内の破損や、球抜排出通路665から排出された遊技球Bを受取る遊技ホールの島設備側の破損、等を防止することができる。
また、アウト球通路663に蛇行しているアウト球整流部663bを設けていると共に、球抜排出通路665に複数の突起665dが突出している縦誘導部665bを設けており、それらにより遊技球Bの流通速度を抑制することができることから、アウト球通路663内や球抜排出通路665内を流通する遊技球Bから放出される電気的なノイズを低減させることができるため、近くに設けられている電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
また、アウト球通路663と球抜排出通路665の夫々のアウト球排出口663dと球抜排出口665cを、下方へ向けて開口させるようにしていることから、アウト球通路663や球抜排出通路665から遊技球Bが下方へ排出されることとなるため、島設備において遊技球Bが当該パチンコ機1の後方に設けられている他のパチンコ機や壁等に衝突し難くなり、他のパチンコ機や壁等が破損してしまうことを回避させることができる。また、アウト球通路663や球抜排出通路665から遊技球Bが下方へ排出されるため、排出された遊技球Bが飛び散り難くなり、島設備側においてアウト球通路663や球抜排出通路665から排出された遊技球Bの回収を容易なものとすることができる。
更に、本体枠4における遊技盤5が取付けられる部位の下方に、球抜排出通路665とアウト球通路663とが形成されたベースユニット660を設けるようにしていることから、遊技盤5において、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを下方へ排出するだけで、ベースユニット660のアウト球通路663に受渡すことが可能となるため、遊技盤5における遊技球Bの排出にかかる構成を、単純(簡単)な構成とすることができ、遊技盤5にかかるコストを低減させることができる。
また、球抜排出通路665の球抜排出口665cやアウト球通路663のアウト球排出口663dを、外枠2よりも後方に設けていることから、球抜排出通路665やアウト球通路663から排出された遊技球Bが外枠2に衝突することを回避させることができるため、球抜排出通路665やアウト球通路663を勢い良く流通する遊技球Bが、外枠2に衝突することで外枠2が破損してしまうことを回避させることができ、破損し難いパチンコ機1を提供することができる。
また、球抜排出通路665の球抜排出口665cやアウト球通路663のアウト球排出口663dを、外枠2よりも後方に設けているため、島設備側の遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)を外枠2に重なる位置まで前進させる必要が無く、パチンコ機1の設置の手間と、パチンコ機1の移動の手間とを軽減させることができる。
[4-13a.基板ユニットにおける球排出の別の実施形態]
次に、上記の基板ユニット620Aにおける球排出の別の実施形態について、図117及び図118等を参照して詳細に説明する。図117は、アウト球通路のアウト球排出口に誘導片を設けた例を示す説明図である。図118(a)はアウトセンサを着脱可能とした例を示す説明図であり、(b)は(a)においてアウトセンサを取外した状態を示す説明図である。
図117に示す実施形態は、ベースユニット660におけるアウト球通路663の下流端のアウト球排出口663dの部位に、遊技球Bを後側へ誘導する誘導片667を設けたものである。詳述すると、この実施形態では、アウト球通路663の下流端付近において、球抜排出通路665と合流する合流部663eを有している。合流部663eは下方へ開口しており、その開口端がアウト球排出口663d(球抜排出口665c)となっている。そして、誘導片667は、アウト球排出口663dにおける前側の壁から短く後方へ突出している。
この図117の実施形態によれば、アウト球排出口663dから下方へ排出された遊技球Bが誘導片667に当接することで、遊技球Bの排出方向を斜め後下方へ向けさせることができる。これにより、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置した時に、島設備の前面よりも後側(島設備内)に設けられている遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)側へ、遊技球Bを放出させ易くすることができ、島設備側において遊技球Bを確実に回収させることができる。
また、図117に示す実施形態によれば、誘導片667により遊技球Bの放出方向を斜め後下方へ向けさせることができるため、アウト球通路663のアウト球排出口663dを、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aの直下に近い位置(島設備内における前側に近い位置)に設けても、遊技球Bを島設備内のバケツ等へ確実に受取らせることができる。従って、アウト球通路663(アウト球排出口663d)を、可及的に前方の部位に配置することが可能となることから、本体枠4におけるアウト球通路663の後方のスペースを広くすることができるため、アウト球通路663が電源基板630や払出制御基板633等から遠ざかることで、アウト球通路663を多くの遊技球Bが流通することで発生する静電気や誘導電流等による電気的なノイズによる電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
続いて、図118に示す実施形態は、アウト球通路663におけるアウト球排出口663dの部位に、アウトセンサ664を下方から着脱可能としたものである。この実施形態では、アウト球通路663における下方誘導部663cの下流端に形成されアウトセンサ664を収容可能に下方へ開放されているセンサ取付凹部663fと、センサ取付凹部663fに収容されているアウトセンサ664の下方への移動を規制するセンサカバー668と、を備えている。
センサ取付凹部663fは、ベースユニット660のアウト球通路663におけるアウト球整流部663bの下流端に接続されている下方誘導部663cの下端の部位に形成されている。本実施形態においても、ベースユニット660は透明な部材により形成されており、ベースユニット660の上側や下側から、アウト球通路663内を視認することができる。
センサカバー668は、センサ取付凹部663fよりも長く延びており基端側がベースユニット660に回転可能に取付けられる本体部668aと、本体部668aにおけるセンサ取付凹部663fに収容されているアウトセンサ664の検知孔と一致する部位で遊技球Bが通過可能に貫通している貫通孔668bと、本体部668aにおける基端側とは反対側に設けられており弾性変形可能な係止爪部668cと、を有している。
このセンサカバー668は、ベースユニット660におけるセンサ取付凹部663fに対してアウト球整流部663bとは反対の外側の部位に、基端側が回転可能に取付けられる。センサカバー668の係止爪部668cは、ベースユニット660におけるセンサ取付凹部663fに対してアウト球整流部663b側の外側に設けられている係止部663gに係止される。
センサカバー668は、アウトセンサ664の検知孔がアウト球通路663と一致するように、センサ取付凹部663f内にアウトセンサ664を収容させた状態で、係止爪部668cが上方へ移動するように回転させて、係止爪部668cを係止部663gに係止させて閉じることで、本体部668aがアウトセンサ664の下面に当接し、アウトセンサ664の下方への移動を規制して、アウトセンサ664をベースユニット660に取付けることができる(図118(a)を参照)。この状態では、センサカバー668の貫通孔668bが、アウトセンサ664の検知孔と一致しており、アウト球通路663を流通した遊技球Bが、アウトセンサ664により検知された後に、貫通孔668bを通って下方へ排出される。このセンサカバー668の貫通孔668bは、アウト球通路663のアウト球排出口663dを兼ねている。
アウトセンサ664を交換(取外す)場合は、センサカバー668の係止爪部668cを操作することで、係止爪部668cを弾性変形させて係止部663gとの係止を解除させる。そして、係止爪部668cが下方へ移動するように、センサカバー668を本体部668aの基端側を中心にして回転させて開くことで、センサカバー668の本体部668aがアウトセンサ664の下面から遠ざかり、アウトセンサ664をセンサ取付凹部663fから取外すことができる(図118(b)を参照)。
図118(b)に示すように、本実施形態では、センサカバー668を回転させて開いた状態で、センサカバー668の下端と、二点鎖線で示す接触危惧物の上端(例えば、外枠2における外枠下組立体40の上端面、幕板後部材43の接続筒部43aの上端、等)との間、或いは、本体枠4の下端との間、にある程度の隙間ができるようになっている。これにより、センサカバー668が開いている状態で、本体枠4を外枠2に対して開閉させても、センサカバー668が接触危惧物に接触することはなく、センサカバー668の破損を防止することができる。
図118に示す実施形態によれば、アウトセンサ664は、遊技盤5の遊技領域5a内に打込まれた全ての遊技球Bを検知するものであることから、多くの遊技球Bが流通することで早期に消耗して破損する虞があるが、上述したように、センサカバー668を開くことでアウトセンサ664を下方から着脱することができるため、アウトセンサ664の交換を容易に行うことができる。
また、この実施形態によれば、センサカバー668が開いている状態で、本体枠4を外枠2に対して開閉させても、センサカバー668が外枠2等の接触危惧物に接触することはなく、センサカバー668の破損を防止することができる。詳述すると、センサカバー668はアウトセンサ664を下方から支持しているものであるが、アウトセンサ664には上方から多くの遊技球Bが接触することとなるため、多くの遊技球Bの接触による振動によってセンサカバー668の係止爪部668cが外れて、センサカバー668が開いてしまう恐れがある。遊技中にセンサカバー668が開いてアウトセンサ664が下方へ脱落してしまうと、遊技領域5a内に遊技球Bが打込まれているのにも関わらず、アウトセンサ664で遊技球Bが検知されなくなるため、主制御基板1310等により異常の発生が報知されることとなる。この異常発生の報知により、遊技ホールの係員等が異常の確認をするために、本体枠4を外枠2に対して開けることとなるが、開いているセンサカバー668の下端と、外枠2等の接触危惧物との間に隙間があるため、センサカバー668が接触危惧物に接触することなく、本体枠4を開けることができ、センサカバー668の破損を防止することができる。
更に、図118の実施形態によれば、センサ取付凹部663fにおけるアウト球整流部663bとは反対の外側の部位で、センサカバー668の基端側をベースユニット660に対して回転可能に取付けていると共に、ベースユニット660を透明としているため、センサカバー668を開いてアウトセンサ664を取外した状態とすることで、下方からアウト球通路663内を良好に視認することができる。従って、アウト球通路663内において遊技球Bが球詰りした時に、外部からアウト球通路663内を視認することができるため、遊技球Bが球詰りしている場所を一見して特定することができ、遊技球Bの球詰りを早期に解消させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、扉枠3における扉枠トップユニット450の上面が、外枠2における外枠上部材30の上面と略同一面上となるように形成されているため、本パチンコ機1をひっくり返して逆さまの状態で直立させることができ、センサカバー668の開閉によるアウトセンサ664の交換作業や、透明なベースユニット660を通した底面側からのアウト球通路663内や球抜排出通路665内の確認作業、等を容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、アウトセンサ664が破損しても、アウトセンサ664を容易に交換することができるため、アウトセンサ664の破損により中断していた遊技を早期に再開させることができ、遊技の中断による遊技者の苛立ちを緩和させて興趣の低下を抑制させることができると共に、本パチンコ機1の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、センサカバー668の一方の端部を、回転可能にベースユニット660に取付けていることから、アウトセンサ664を交換する際に、センサカバー668を開いても、センサカバー668がベースユニット660から吊下がった状態となり脱落することはないため、センサカバー668が紛失することを回避させることができる。
また、アウトセンサ664を下方から保持しているセンサカバー668において、ベースユニット660における多くの遊技球Bが流通するアウト球通路663に近い外側の部位で、前後方向(水平方向)の軸周りに対して回転可能に取付けるようにしているため、遊技球Bの流通によりアウトセンサ664を介してセンサカバー668にかかる下向きの力の分布が、ベースユニット660に回転可能に取付けられている側(一方の端部側)に大きくかかることとなり、相対的に、ベースユニット660の係止部663gに係止されている係止爪部668c側(他方の端部側)では小さくなる。従って、アウトセンサ664を多くの遊技球Bが通過することで、センサカバー668にアウトセンサ664を介して下向きの力が作用しても、回転可能に取付けられている一方の端部側でその多くを受けることができるため、他方の端部側の係止爪部668cでの係止が解除され難くなり、センサカバー668が開いてアウトセンサ664が脱落してしまうことを低減させることができる。
[4-14.基板ユニットの第三実施形態]
次に、上記とは更に異なる第三実施形態の基板ユニット700について、図119乃至図128等を参照して詳細に説明する。図119(a)は電源ユニット、払出制御ユニット、及びインターフェイスユニットを省略して示す第三実施形態の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。図120(a)は図119の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。図121(a)は図119の基板ユニットの平面図であり、(b)は(a)におけるコ-コ線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるサ-サ線で切断した断面図であり、図122は図121(a)におけるシ-シ線で切断した断面図である。
図123は図119の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図124は図119の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図125(a)は図119の基板ユニットの球経路部材を前から見た斜視図であり、(b)は図119の基板ユニットの球経路部材を後ろから見た斜視図である。図126は、図119の基板ユニットにおける球詰りの解消を示す説明図である。図127は、図119の基板ユニットにおける線状の不正工具の侵入の阻止を示す説明図である。図128は、図119の基板ユニットにおけるゴミ落としを示す説明図である。
第三実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620及び基板ユニット620Aとはベースユニット710の構成が異なるのみで、その他の構成については同一であるため、ここでは、上記の基板ユニット620や基板ユニット620Aと同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図119乃至図128では、電源ユニット620c、払出制御ユニット620d、及びインターフェイスユニット620eの図示を省略している。
本実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620又は基板ユニット620Aに換えて、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられるものである。基板ユニット700は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット710と、ベースユニット710の後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
この基板ユニット700は、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通可能な第一球経路701と、第一球経路701よりも後方に設けられており遊技盤5から下方へ放出された遊技球bが流通可能な第二球経路702と、第一球経路701を流通している遊技球Bを検知する第一球センサ703と、第二球経路702を流通している遊技球bを検知する第二球センサ704と、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bが流通する球抜通路705と、を備えている。第一球経路701及び第二球経路702は、夫々入口が上方へ向けて開口しており、夫々において第一球センサ703及び第二球センサ704で遊技球Bを一つずつ検知した上で下方へ排出する。
本実施形態では、遊技盤5において、アウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022に受入れられた遊技球Bが、第一球経路701を流通し、遊技盤5において、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006に受入れられた遊技球bが、第二球経路702を流通するように構成されている。つまり、アウト球が第一球経路701を流通し、セーフ球が第二球経路702を流通するように構成されており、第一球センサ703により全てのアウト球の数をカウントすることができると共に、第二球センサ704により全てのセーフ球の数をカウントすることができる。これにより、遊技盤5の一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等の入賞口(入賞口センサ)に対して不正行為が行われた場合、遊技盤5側でのセーフ球の数と、第二球センサ704によりカウントされるセーフ球の数とが異なることとなり、入賞口に対する不正行為を検知することができる。
更に詳述すると、基板ユニット700のベースユニット710は、スピーカボックス623の一部を後方から覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられる前ベース711と、前ベース711の後側に取付けられていると共に後面に電源ユニット620cが取付けられ球抜通路705を有している後ベース712と、前ベース711と後ベース712との間に設けられており第一球経路701及び第二球経路702を有している球経路部材713と、第一球経路701及び第二球経路702内における遊技球Bの球詰りを解消させると共に不正工具の侵入を防止するために前ベース711及び後ベース712に開閉可能に設けられている防犯カバー714と、後ベース712の後側に取付けられ球抜通路705の後端側を閉鎖している通路壁部材715と、後ベース712の後側に取付けられている枠中継基板716と、を備えている。ベースユニット710において、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715は、透明に形成されている。
前ベース711は、後方及び上方に開放された左右に長い箱状に形成されている。前ベース711は、内部に球経路部材713が後方から収容される。前ベース711は、前壁によって球経路部材713の第一球経路701の前端側を閉鎖している。前ベース711は、上側の周壁部において左右方向へ長く開口している球受口711aと、下側の周壁部の左右方向中央から右寄りの位置において開口している解消口711bと、を有している。前ベース711は、内部に球経路部材713を収容した状態で、球受口711aから球経路部材713の第一球経路701及び第二球経路702が上方へ臨んでいる。また、前ベース711は、解消口711bの前端側において、防犯カバー714を左右方向に延びた軸周りに回転可能に支持している。
後ベース712は、後方に開放された左右に長い箱状に形成されている。後ベース712は、前壁によって球経路部材713の第二球経路702の後端側を閉鎖している。後ベース712は、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導した上で下方へ誘導して排出する球抜通路705を、有している。球抜通路705は、箱状の後ベース712内に設けられており、全体が後方へ開放されている。球抜通路705は、通路壁部材715によって後端側が閉鎖されている。後ベース712の球抜通路705におけるスピーカボックス623よりも上側に位置している部位(正面視左端側の部位)は、前後方向に貫通しており、前端側が前ベース711により閉鎖されていると共に、後側が通路壁部材715により閉鎖されている。
また、後ベース712は、球経路部材713の第一球経路701を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第一排出誘導部712aと、球経路部材713の第二球経路702を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第二排出誘導部712bと、を有している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの入口側は、後ベース712の前壁よりも前方へ突出しており、第一排出誘導部712aの入口が前方へ向かって開口していると共に、第二排出誘導部712bの入口が上方へ向かって開口している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口は、前後方向が同じ位置に設けられている。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bは、前壁よりも後側が後方へ開放されており、通路壁部材715により後端側が閉鎖されている。
後ベース712は、球抜通路705、第一排出誘導部712a、及び第二排出誘導部712bの夫々の出口が、前ベース711の解消口711bよりも正面視左方に位置しており、左から右へ順番に並んで設けられている。球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口に対して、前端側が前方へ大きく広がっていると共に後端側が後方へ小さく広がっている(図120(b)を参照)。つまり、球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口よりも前後方向が大きく(広く)形成されている。
球経路部材713は、箱状の前ベース711内に後方から挿入されて収容されるものである。球経路部材713は、第一球経路701と第二球経路702とを有している。球経路部材713は、右端において上端から下方へ垂直に延出している左壁部713aと、左壁部713aの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上左棚部713bと、上左棚部713bの右端から下方へ垂直に延出している段壁部713cと、段壁部713cの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右棚部713dと、上右棚部713dの右端から斜め左下へ延出している整流壁部713eと、整流壁部713eの下端に対して右方へ離隔している位置から右方へ向かって高くなると共に上右棚部713dよりも右方に延出している下棚部713fと、下棚部713fの右端から左壁部713aの上端と略同じ高さまで垂直に上方へ延出している右壁部713gと、右壁部713gの上端から上右棚部713dの右端と同じ位置まで左方へ延出している上壁部713hと、上壁部713hの左端に接続されており上方へ開放されたコ字状の溝壁部713iと、を有している。溝壁部713iの左端は、上右棚部713dの左右方向中央に対して右寄りの部位に位置している。
また、球経路部材713は、整流壁部713eの下端から左方へ延出している下壁部上713jと、下壁部上713jの左端から上左棚部713bの下面まで垂直に上方へ延出している中壁部713kと、中壁部713kの左側面の途中から左方へ向かって低くなるように延出している庇部713lと、下棚部713fの左端付近から下方へ短く垂直に延出している垂下壁部713mと、垂下壁部713mの下端から下壁部上713jと平行に左方へ延出している下壁部下713nと、を有している。下壁部下713nにおける整流壁部713eの下端と下棚部713fの左端との間の下方に位置する部位は、遊技球Bが通過可能な大きさで上下に切欠かれている。
更に、球経路部材713は、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの夫々の下面から下方へ延出しており、左右方向に間隔をあけて設けられている複数の阻害リブ713oを、有している。また、球経路部材713は、左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、下壁部上713j、中壁部713k、垂下壁部713m、下壁部下713nで囲まれている空間を前後に仕切っている平板状の仕切壁部713pを、有している。
また、球経路部材713は、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fにおいて、夫々の前端と後端から仕切壁部713p側へ向かって凹むように切欠かれている複数の切欠部713qを、有している。夫々の切欠部713qは、基板ユニット700に組立てた時に、前ベース711や後ベース712との間に、遊技球Bの半径よりも前後方向が小さい隙間が形成されるように設けられており、当該隙間を通して第一球経路701内や第二球経路702内のゴミや塵等を下方へ排出させることができる。
また、球経路部材713は、仕切壁部713pの前面における整流壁部713eと下棚部713fとの間の部位に設けられており、左右に延びている複数の案内突条713rを、有している。
更に、球経路部材713は、仕切壁部713pよりも前側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第一球センサ703が収容されるセンサ収容部前713sと、仕切壁部713pよりも後側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第二球センサ704が収容されるセンサ収容部後713tと、を有している。
センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tには、第一球センサ703及び第二球センサ704の検知孔が、整流壁部713eと下棚部713fとの間に部位の下方に位置するように、つまり、検知孔を右側にした状態で、第一球センサ703及び第二球センサ704が収容される。図示は省略するが、第一球センサ703及び第二球センサ704から延びている配線ケーブルは、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから中壁部713kよりも左方へ延出している。
また、球経路部材713は、下壁部下713nの下面における仕切壁部713pよりも前方の部位に設けられており、下方へ突出していると共に後方へ開放されている第一球誘導部713uを、有している。第一球誘導部713uは、基板ユニット700に組立てた時に、後端側の右半分が後ベース712の前面により閉鎖されると共に、左半分が後ベース712の第一排出誘導部712aの入口側に臨んでいる。第一球誘導部713uは、仕切壁部713pの前方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、右方へ誘導した後に後方へ誘導して、後ベース712の第一排出誘導部712aに受け渡すことができる。
一方、球経路部材713における仕切壁部713pよりも後側では、下壁部下713nの下方へ開放されている部位(センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704の検知孔の部位)の下方には、後ベース712の第二排出誘導部712bの上方へ向かって開口している入口が位置する。これにより、仕切壁部713pの後方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、後ベース712の第二排出誘導部712bに受け渡すことができる。
上左棚部713bの右端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも若干右寄りに位置している。上右棚部713dの右端は、前ベース711における解消口711bの右端よりも右寄りに位置している。下棚部713fの左端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも左方に位置している。従って、前ベース711の解消口711bの直上の上方は、整流壁部713eによって覆われている。上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fは、直線状に傾斜している。一方、整流壁部713eは、曲線状に傾斜しており、左端側が下方へ垂直に向くように湾曲している。整流壁部713eと下棚部713fとの間の距離(高さ)は、左端側が一つの遊技球Bが通過可能な高さとなるように、左方へ向かうに従って狭くなるように傾斜している。この整流壁部713eと下棚部713fとにより複数の遊技球Bを一列に整流して下方へ誘導することができる。
整流壁部713eと下棚部713fとの間は、上述したように、左方(遊技球Bが流通する下流の方向)へ向かうに従って上下の寸法が狭くなるように形成されているため、遊技球Bの流通量等によっては複数の遊技球Bが整流壁部713eと下棚部713fとの間に噛み込んで、球詰りが発生する恐れがある(図126を参照)。この整流壁部713eは、解消口711bの上方に位置していることから、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、防犯カバー714を開いて解消口711bを開放させた状態とし、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入し、その工具より噛み込んだ遊技球Bを突くことで球詰りを解消させることができる。
ところで、下棚部713fには、球詰りを解消させたりゴミや塵を下方へ落下させたりするための切欠部713qが設けられているため、ピアノ線やカテーテル等のような線状の不正工具を下方から切欠部713qを通して下棚部713fの上方(第一球経路701や第二球経路702)へ侵入させ、更に不正工具の先端を、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)から上方へ延出させて、上方に設けられている遊技盤5に対して不正行為が行われる恐れがある。このような不正工具の挿入は、下棚部713fに限らず、切欠部713qが設けられている上左棚部713bや上右棚部713dにおいても同様の危惧がある。
これに対して、本実施形態では、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる(図127を参照)。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上右棚部713dと上左棚部713bにおける中壁部713kよりも右側の部位では、それらの下方及び左右の側方が、切欠部713qが設けられていない整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより閉鎖されているため、上右棚部713dと上左棚部713bの該当部位の切欠部713qを通して下方から不正工具が挿入されることはなく、当該部位の切欠部713qを介して不正行為が行わることはない。
球経路部材713は、上述したように、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qが設けられているため、切欠部713qを通してゴミや塵を下方へ排出することができる(図128を参照)。上左棚部713bにおけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方に位置している切欠部713qを通して下方へ排出されたゴミ等は、整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより囲まれた空間内に収容される。これにより、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704に対して、ゴミ等が付着することはない。
また、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704の左端側には、配線ケーブルがコネクタにより接続されており、配線ケーブル及びコネクタがセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから左方へ突出している。つまり、第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタが中壁部713kよりも左方に突出している。この中壁部713kでは、左側面におけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方の部位から庇部713lが左方へ延出しているため、上方の上左棚部713bに形成されている切欠部713qを通して下方へ落下したゴミや塵が、庇部713lの傾斜により左方へ誘導され、中壁部713kよりも左方に突出している第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタに落下することを防止することができ、ゴミ等を起因とする不具合の発生を回避させることができる。
ベースユニット710は、球経路部材713における仕切壁部713pの前方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、第一球誘導部713u、及び後ベース712の第一排出誘導部712aにより第一球経路701を形成していると共に、球経路部材713における仕切壁部713pの後方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、及び後ベース712の第二排出誘導部712bにより第二球経路702を形成している。
防犯カバー714は、平板状に形成されており、前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能な状態で前ベース711の解消口711bの前端付近に取付けられている。また、防犯カバー714は、後端側に、後ベース712に係止される弾性係止部714aを有している。図122に示すように、この防犯カバー714は、弾性係止部714aを後ベース712に係止して水平にした状態では、解消口711bを閉鎖しており、弾性係止部714aの係止を解除して後端側が下方へ位置するように回転させて垂直にした状態では、解消口711bを開放している。つまり、防犯カバー714により、解消口711bを開閉させることができる。
防犯カバー714は、閉じた状態とすることで前ベース711の解消口711bを閉鎖することができるため、解消口711bから線状の不正工具が球経路部材713内(第一球経路701や第二球経路702)へ挿入されることを防止することができる。また、防犯カバー714は、球経路部材713の整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した時に、開いた状態とすることで、前ベース711の解消口711bを開放させることができるため、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入して遊技球Bの球詰りを解消させることができる。この球詰りの解消作業は、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた状態で実施される。
この防犯カバー714は、解消口711bを開放させた状態(垂直にした状態)では、下端(弾性係止部714a側の端部)が、接触危惧物(ここでは、外枠2における幕板後部材43の接続筒部43a)の高さ(図122において一点鎖線で示す高さ)よりも下方に位置している。従って、球経路部材713内での遊技球Bの球詰りを解消させるために、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた後に、防犯カバー714を開けたままの状態で本体枠4を外枠2に対して閉じようとしても、開いている防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接し、本体枠4を閉じることができない。これにより、防犯カバー714の閉め忘れを回避させることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、外枠2に対して本体枠4を閉じている時に、何らかの理由により防犯カバー714が開いた場合、そのままの状態で本体枠4を外枠2に対して開いても、開いている防犯カバー714に前方から接触危惧物が当接することとなるが、防犯カバー714の前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能に取付けられていることから、前方から接触危惧物が当接すると防犯カバー714が閉じる方向へ回転するため、防犯カバー714が接触危惧物に引っ掛かることなく本体枠4を開くことができ、防犯カバー714や接触危惧物の破損を回避させることができる。
なお、本実施形態の防犯カバー714は、整流壁部713eと下棚部713fとの間での遊技球Bの球詰りの発生が稀であり、閉じたままの状態を基本としているため、開き難いように弾性係止部714aによる係止が硬めに設定されている。
通路壁部材715は、後ベース712の後側に取付けられており、後方へ開放されている球抜通路705の後端側を閉鎖している。また、通路壁部材715は、後ベース712における第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口側において後方へ開放されている部位を閉鎖しており、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bを流通してきた遊技球Bを下方へ排出させることができる。更に、通路壁部材715は、後ベース712とで枠中継基板716を挟持していると共に、枠中継基板716の後側を覆っている。
枠中継基板716は、後ベース712と通路壁部材715との間に挟持されている。枠中継基板716は、扉枠3のハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、第一球センサ703、及び第二球センサ704と、主制御基板1310との接続を中継するためのものである。
本実施形態のベースユニット710は、図121(a)に示すように、前ベース711の球受口711aから、球経路部材713の上左棚部713bと上右棚部713dの一部とが上方へ臨んでおり、遊技盤5から下方へ放出された全ての遊技球Bを受取ることができる。球受口711aを通して上左棚部713bや上右棚部713dに落下した遊技球bは、右方へ転動して上右棚部713dの右端から下棚部713f上へ流下する。そして、下棚部713fに流下した遊技球Bは、下棚部713fを左方へ転動する。この際に、下棚部713f上において複数の遊技球Bが上下に積み重なっていると、左方へ向かうほど一列になるように上方の整流壁部713eにより崩される。
下棚部713fを左方へ転動した遊技球Bは、下棚部713fの左端から下方へ落下し、仕切壁部713pよりも前方の場合は、センサ収容部前713sに収容されている第一球センサ703に検知された上で第一球誘導部713uを通った後に、後ベース712の第一排出誘導部712aを通って下方へ排出される。一方、仕切壁部713pよりも後方の場合は、センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704に検知された後に、後ベース712の第二排出誘導部712bを通って下方へ排出される。
このように、本実施形態のベースユニット710では、球経路部材713の仕切壁部713pの前後で互いに分離した経路を遊技球Bが流通して下方へ排出するようにしており、仕切壁部713pよりも前側を第一球経路701としていると共に、仕切壁部713pよりも後側を第二球経路702としている。従って、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも前方へ落下した遊技球Bは、第一球経路701を流通し、第一球センサ703により検知された上で下方へ排出させることができる。一方、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも後方へ落下した遊技球Bは、第二球経路702を流通し、第二球センサ704により検知された上で下方へ排出させることができる。
また、ベースユニット710は、球タンク552内等の遊技球Bを抜くために下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを、後ベース712の球抜通路705を通して下方へ排出することができる。ベースユニット710の第一排出誘導部712a(第一球経路701)、第二排出誘導部712b(第二球経路702)、及び球抜通路705から下方へ排出された遊技球Bは、島設備側の遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)に受け渡される。
本実施形態の基板ユニット700におけるベースユニット710によれば、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qを設けていることから、切欠部713qを通してゴミや塵を落下させて第一球経路701や第二球経路702から排除することができるため、ゴミ等が遊技球Bの流通を妨げることを回避させることができ、球詰り等の発生を抑制させることができる。
また、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715を透明に形成しているため、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開くと共に、本体枠4から遊技盤5を取外した状態とすることで、ベースユニット710(基板ユニット700)の上方から、球経路部材713(第一球経路701及び第二球経路702)内での遊技球Bの球詰りの有無を容易に確認することができる。そして、球経路部材713における整流壁部713eと下棚部713fとにより遊技球Bを一列に整列させる部位において、下棚部713fに切欠部713qを設けているため、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、外枠2に対して本体枠4を前方へ開くと共に、防犯カバー714を開くことで、解消口711b及び切欠部713qを通して下方から棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入することができ、その工具より球詰りを解消させることができる。
更に、下棚部713fにおける整流壁部713eの下方の部位に、下方へ開放された解消口711bを設けていると共に、解消口711bを閉鎖する防犯カバー714を設けているため、解消口711bを通して上記のように球詰りを解消させることができる上に、通常の状態では防犯カバー714により解消口711bを閉鎖しておくことで、解消口711bから線状の不正工具が第一球経路701や第二球経路702に挿入されることを阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、解消口711bを開閉する防犯カバー714を、前端側において左右方向の軸周りに対して回転させることで開閉するようにしていることから、防犯カバー714を閉め忘れた状態で本体枠4を外枠2に対して閉めようとすると、防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接して、本体枠4を閉じることができなくなるため、防犯カバー714の閉め忘れに気付かせることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
更に、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、上記のように、後ベース712の第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bや球経路部材713により、蛇行したりクランクしたりする複雑な流通経路を構成するようにしているため、第一排出誘導部712aや第二排出誘導部712bの出口側から線状の不正工具を挿入しても、複雑な経路により侵入を阻むことができ、第一球経路701及び第二球経路702を通した遊技盤5への不正工具の侵入を阻止することができる。
また、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された全ての遊技球Bを検知(カウント)することができるため、遊技盤5に対して排出される遊技球Bを検知するための構成(例えば、アウト球検知ユニット)を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができると共に、遊技盤5において、排出される遊技球Bを検知するための構成の分だけスペースを確保することが可能となり、確保したスペースに演出装置を設けるようにすることで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1(遊技盤5)とすることができる。
また、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するようにしているため、遊技盤5におけるセーフ球のカウント数と、第二球センサ704によるセーフ球のカウント数とを比較することで、遊技盤5に対して不正行為が行われているか否かを判定することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、所定時間当りのセーフ球数と所定時間当りのアウト球数とから算出した所定時間当りの払出率(出玉率)を、遊技者側から視認できるように表示するようにした場合、遊技者としては多くの遊技球Bの払出しを望むことから、表示されている払出率が大きいと、多くの遊技球Bが払出される可能性が高いパチンコ機1であると即座に認識することができ、遊技するパチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、払出率を、遊技者側から視認可能に表示するようにした場合、遊技球Bが多く払出されるような不正行為を行うと、表示されている払出率が通常よりも大きくなることから、他の遊技者やパチンコ機1を設置している遊技ホールの係員等が、不正行為に気付き易くなるため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、セーフ球の数とアウト球の数とから算出した払出率を、遊技者側から視認不能な位置に表示するようにした場合、遊技ホールの係員等が見ることで、上記と同様の理由により不正行為を察知することができる。また、パチンコ機1をメンテナンス等する際に、表示されている払出率が通常の値よりも異なる場合は、パチンコ機1内(例えば、障害釘N、主制御基板1310、払出制御基板633、中継基板、コネクタ、配線ケーブル、各種センサ、等)での不具合の可能性が考えられるため、不具合に対して早期に対応することが可能となり、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、球タンク552内の遊技球Bを排出するための球抜通路705と分離しているため、第一球センサ703や第二球センサ704において球抜きの遊技球Bは計数されない。従って、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された遊技球Bのみを正確に計数することができる。
なお、上記の実施形態では、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するものを示したが、これに限定するものではなく、第一球経路701をセーフ球が第二球経路702をアウト球が夫々流通するようにしても良いし、セーフ球及びアウト球に関わらず遊技盤5から排出された遊技球Bが第一球経路701及び第二球経路702の何れかを流通するものとしても良い。
また、上記の実施形態では、防犯カバー714を回転させることにより解消口711bを開閉させるものを示したが、これに限定するものではなく、前後又は左右にスライドさせることで解消口711bを開閉させるものとしても良い。
また、上記の実施形態では、一つの仕切壁部713pにより仕切ることで、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bを、第一球経路701及び第二球経路702の前後に別れた二つの球経路の何れかを通って排出させるものを示したが、これに限定するものではなく、複数の仕切壁部により前後に三つ以上に別れた球経路を備え、何れかの球経路を通って遊技盤5から放出された遊技球Bを下方へ排出させるようにしても良い。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図129乃至図137を参照して詳細に説明する。図129は、パチンコ機においてセンター役物等を不透明にした遊技盤の正面図である。図130は図129の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図131は図129の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図132は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図133は、主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。図134は、センター役物等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。図135は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図136は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図137は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル195の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1050と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図137等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図169等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。裏ユニット3000の後面における演出表示装置1600の後方に、パネル中継基板1710が取付けられている。パネル中継基板1710は、主制御基板1310と、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2401、ゲートセンサ2801、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2601、V入賞口センサ3003、ハズレ口センサ3004、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2612、V振分ソレノイド3007、磁気センサ1050、等との接続を中継するためのものである。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の更に異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口しているゲート2003と、遊技球Bがゲート2003に受入れられることにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bに対して受入れの機会が付与されるV入賞口2007及びハズレ口2008と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1050と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に取付けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、及び第一サブアウト口2021を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、表ユニット2000は、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており役物入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2022を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
第一アタッカユニット2400には、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、を備えている。第二アタッカユニット2600には、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2601を、備えている。ゲート部材2800には、遊技球Bによるゲート2003の通過を検知するゲートセンサ2801が設けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構(図示は省略)と、を備えている。 また、裏ユニット3000は、表ユニット2000に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、役物入賞口2006に受入れられた後にV入賞口2007に振分けられた遊技球Bを検知するV入賞口センサ3003と、役物入賞口2006に受入れられた後にハズレ口2008に振分けられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ3004と、を有している(図169等を参照)。
また、裏ユニット3000は、V入賞口2007を開閉するための前後に進退可能なV入賞口扉3006と、V入賞口扉3006を前後に進退させて役物入賞口2006に受入れられた遊技球BをV入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けるV振分ソレノイド3007と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近に設けられている裏前演出ユニット3100と、裏前演出ユニット3100の後側で裏箱3010内の上部に設けられている裏後上演出ユニット3200と、裏後上演出ユニットの下方で裏箱3010内の下部に設けられている裏後下演出ユニット3300と、を備えている。
[5-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図138及び図139を参照して詳細に説明する。図138(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。図139(a)は前構成部材及び遊技パネルの右上隅を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)におけるス-ス線で切断した断面図であり、(c)は(a)を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100を前方から視認することができる。
また、前構成部材1000は、図139に示すように、正面視右上隅における衝止部1006から右レール1005に沿った所定範囲の部位において前面から後方へ凹んでおりパチンコ機1のスペックが表示されているスペックシール1020が貼り付けられるスペックシール貼付部1021と、スペックシール貼付部1021の後方から円柱状に突出しており衝止部1006を位置決めするための挿通ピン1022と、挿通ピン1022の中心において前後に貫通している分離孔1023と、を備えている。
スペックシール貼付部1021は、スペックシール1020の外形よりも一回り大きい大きさに形成されており、スペックシール1020の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)後方へ凹んでいる(図139(b)を参照)。このスペックシール貼付部1021では、下端における水平に延出している部位と、当該部位の右端から上方へ垂直に延出している部位の直線部分とが、スペックシール1020を貼り付けるための当て面に設定されている。
挿通ピン1022は、スペックシール貼付部1021の後面から前構成部材1000の後端と同じ位置まで後方へ延出している。衝止部1006は、挿通ピン1022が挿入されることで、位置決めされている。
分離孔1023は、前構成部材1000の前側から後側まで貫通している。分離孔1023は、円形で一定の内径で前後に延びている。この分離孔1023は、遊技盤5に組立てた状態で、スペックシール貼付部1021に貼り付けられているスペックシール1020により前方側が閉鎖されていると共に、遊技パネル1100のパネル板1110により後方側が閉鎖されており、分離孔1023内が閉鎖された空間(閉鎖空間)となっている。この分離孔1023は、図示するように、スペックシール貼付部1021(スペックシール1020)の端縁付近の位置に設けられている。
本実施形態の分離孔1023は、内径が2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔1023がこれ以上小さいと、分離孔1023に挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなりスペックシール1020を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔1023がこれ以上大きいと、スペックシール1020における分離孔1023の部位で撓みが発生し、スペックシール1020の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
本実施形態の前構成部材1000によれば、パチンコ機1の製造時において、スペックシール貼付部1021に対してスペックシール1020を正しく貼り付けることができなかった場合、前構成部材1000の後方から分離孔1023に棒状部材を通し、その先端によりスペックシール1020を後方から前方へ押圧することで、スペックシール1020の端縁付近が前方へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることでスペックシール1020をスペックシール貼付部1021から容易に外すことができ、スペックシール1020を貼り直すことができる。
また、前構成部材1000と遊技パネル1100とを離した状態で、前構成部材1000の後方から分離孔1023に棒状部材を通し、その先端によりスペックシール1020を後方から押圧することで、スペックシール1020をスペックシール貼付部1021から容易に外すことができるため、機種変更に伴うスペックシール1020の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、前構成部材1000と遊技パネル1100とを離した状態では、分離孔1023を使用してスペックシール1020をスペックシール貼付部1021から容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、スペックシール貼付部1021にスペックシール1020を貼り付けることにより前方から分離孔1023を隠すことができるため、分離孔1023による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1023の存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1023を利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、スペックシール1020が貼り付けられている前構成部材1000の後側に組付けられている遊技パネル1100によって、分離孔1023を後方から閉鎖するようにしており、従来のパチンコ機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、遊技パネル1100により分離孔1023を後方から閉鎖していることから、不正工具を、前方からスペックシール1020を貫いて分離孔1023に挿通させても、遊技パネル1100(パネル板1110)によりそれ以上の後方への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔1023を通した前方からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具がスペックシール1020を貫くことでスペックシール1020に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、分離孔1023をスペックシール貼付部1021に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、証紙貼付部1012等のシールの貼り付けられる部位に分離孔を設けるようにしても良い。
[5-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図138等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されている(図137等を参照)。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、図示は省略するが、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図138示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口1008に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口1008と連通している。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と共に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と共に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[5-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図135及び図136等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628又はアウト球通路663(図115を参照)へ排出させることができる。アウト球通路663へ排出された遊技球Bは、アウトセンサ664により一つずつ検知(カウント)される。
[5-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図135及び図136等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図169を参照)と、遊技性能を設定することができる設定変更基板1311(図133を参照)と、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とから構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310及び設定変更基板1311を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310及び設定変更基板1311の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、周辺制御基板1510、設定変更基板1311と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、ゲートセンサ2801、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2601、V入賞口センサ3003、ハズレ口センサ3004、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2612、V振分ソレノイド3007、磁気センサ1050、等と接続されている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311は、パチンコ機1の設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定キースイッチ1311a、設定値を選択して切り替えることができる設定切替ボタン1311b、パチンコ機1の設定値の切り替えが許可されている状態を示す設定変更許可ランプ1311cと、を備えている。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネスを介して、電気的に接続してもよい)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号は、主制御基板1310と電気的に接続される。設定変更基板1311は、その右辺及び左辺の上下方向の距離寸法が主制御基板1310の右辺及び左辺の上下方向の距離寸法とほぼ同一であり、その左右方向の距離寸法が主制御基板1310の左右方向の距離寸法と比べて短く、主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、設定変更基板1311の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、が合致している。
設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の右辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されている。設定変更基板1311の中心線より下方に設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置され、設定変更基板1311の中心線より上方に押圧操作部を有する設定切替ボタン1311bが配置され、設定変更基板1311の中心線上であって設定キースイッチ1311aの左上方(設定切替ボタン1311bの左下方)に単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1311cが配置されている。主制御基板1310の中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310の中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタ1310hが配置され、主制御基板1310の下辺の中央寄りに押圧操作部を有するRAMクリアスイッチ1310fが配置されている。
本実施形態では、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダに形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。本実施形態では、設定キーONという機能と決定キーONという機能とが全く異なる2つの機能を、設定キーシリンが回動操作される方向によって、設定キースイッチ1311aという単体のみで実現することができ、設定キースイッチ1311aという単体のみによって、設定キーONとする操作と決定キーONとする操作とをまとめて行うことができる。
設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、それぞれ対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することができないように、これらの開口部に対して針金侵入防止部がカバー体にそれぞれ成型されている構造となっている。設定表示器1310g、及びベースモニタ1310hは、カバー体とベース体とにより形成される内部空間に収容されて全く触れることができないものの、カバー体が、上述したように、透明に成型されているため、カバー体を通して、設定表示器1310gが表示する設定値と、ベースモニタ1310hが表示する球数と、を視認することができるようになっている。
なお、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
設定キースイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、及び設定表示器1310gについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、パチンコ機1の電源投入を行うこととなる。なお、上記した「予め定めた設定値変更許可条件」として、さらにRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されて操作信号が入力されていることを条件としてもよい。即ち、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する場合に設定値の設定変更を実行可能としてもよい。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いて図7の電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作すると、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1311の設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとする。この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納する。
なお、設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻したときに決定キーのONの信号を設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力するようにしてもよく、この場合には設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作して設定値を設定表示器1310gに表示させた後、設定キースイッチ1311aをOFFするだけで設定値を決定してそのまま設定キーを設定キーシリンダから抜くことができるようになり、作業性が向上する。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとする。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプ1311cを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONすることとなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONする。この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、予め定めた設定値変更許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「復電時」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「復電後」を要件とする点で相違する。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球Bの球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振分ける時間が規定される振分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
次に、ベースモニタ1310hについて簡単に説明すると、ベースモニタ1310hは、遊技領域5aに発射された遊技球Bのうち、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球Bの球数が表示されるものである。遊技領域5aに発射された遊技球Bのうち、アウト口1008により回収された遊技球Bは、アウトセンサ664(図169等を参照)で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、アウト口1008により回収された遊技球Bの球数を計数し、計数結果(総数)を、その内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示するようになっている。
なお、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい。この場合、設定キースイッチ1311a’を設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311a’を決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようにしてもよい(設定キースイッチ1311a’の態様を「決定キーの変形例(1)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、設定変更基板1311に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、設定変更基板1311に決定キーボタンを配置する位置は、設定キースイッチ1311aの近傍であってもよし、設定切替ボタン1311bの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体には、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとが混同されないように決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとが混同されないように、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、設定変更基板1311に決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンと設定切替ボタン1311bへの配線パターンとの引き回しとして設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンと設定切替ボタン1311bからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、設定変更基板1311に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(2)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、ハンドルユニット180おける、ハンドル195に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、主制御MPU1310aは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル195に手のひらや指が触れているときには決定キーONであると判定することができる一方、ハンドル195に手のひらや指が触れていないときには決定キーONでないと判定することができるし、及び/又は、単発ボタン操作センサ194からの検出信号に基づいて遊技球Bの打ち出しを強制的に停止しているときには決定キーONであると判定することができる一方、遊技球Bの打ち出しを強制的に停止していないときには決定キーONでないと判定することができる(ハンドルタッチセンサの態様(単発ボタン操作センサの態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(3)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、後述する払出制御基板633の発射制御部633bに備える発射タイミング制御回路から発射基準パルスが払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの発射基準パルスに基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。発射基準パルスは、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出すことができる基準パルスであり、発振回路からのクロック信号に基づいて生成されるものである。この場合、主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの発射基準パルスが入力されると、決定キーONであると判定することができる一方、発射基準パルスが入力されないと、決定キーONでないと判定することができる(発射基準パルスの態様を「決定キーの変形例(4)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、パチンコ機1の対面に着座する遊技者の動作を検出することができる測距センサが遊技盤5に設けられ、この測距センサからの検出信号が中継基板を介して周辺制御基板1510へ入力されている場合には、この測距センサからの検出信号が中継基板において分岐されて中継基板を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、この検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。測距センサは、発光部が発した光が扉枠3におけるガラスユニット160の透明なガラス板162を通過して、予め定めた距離寸法内において、遊技者の腕又は手等に反射し、この反射した光が再び透明なガラス板162を通過して受光部で受光されることにより遊技者の動作を検出することができるものである。この場合、主制御MPU1310aは、測距センサからの検出信号が中継基板を介して入力されると、この検出信号に基づいて動作の有無を判定し、動作があると判定したときには決定キーONであると判定することができる一方、動作がないと判定したときには決定キーONでないと判定することができる(測距センサの態様を「決定キーの変形例(5)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、シリアル情報として、外部へシリアル出力することができるシリアル出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティを向上することができる。このシリアル出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このシリアル出力回路からシリアル出力されるシリアル情報が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、受信したシリアル情報から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝えるものであるかを判別することができる(シリアル回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(6)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、パルス信号として、外部へ出力することができるパルス出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティを向上することができる。このパルス出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、例えば、設定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が1msに設定され、決定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が3msに設定され、OFFを伝える情報である場合にはパルス幅が5msに設定される。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、入力されたパルス信号から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝える情報であるかを判別することができる(パルス出力回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(7)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーONの信号の電圧レベル、決定キーONの信号の電圧レベル、及びOFFの信号の電圧レベルを、設定変更基板1311から主制御基板1310までに亘る基板間において、中間電位(例えば、ゼロVから5Vまでのうち、2Vから3Vまでの電位)を用い、主制御基板1310においてコンパレータ回路を設けて、コンパレータ回路による比較結果が主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aが設定キーONの信号のON/OFF、決定キーONの信号のON/OFF、及びOFFの信号のON/OFFを判定してもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティを向上することができる(中間電位を用いる設定キースイッチの態様を「決定キーの変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して払出制御基板633を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、払出制御基板633に決定キーボタンを配置する位置は、後述する押圧操作部を有するエラー解除スイッチの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、決定キーボタンとエラー解除スイッチとが混同されないように決定キーボタンとエラー解除スイッチとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンとエラー解除スイッチとが混同されないように、決定キーボタンとエラー解除スイッチとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとエラー解除スイッチとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633に決定キーボタンとエラー解除スイッチとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンとエラー解除スイッチへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310のコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンとエラー解除スイッチからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(9)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有するエラー解除スイッチからの信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、この信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチは、上述したように、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、エラー解除スイッチからの信号に基づいてエラー解除スイッチの押圧操作部が操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチからの信号に基づいてエラー解除スイッチの押圧操作部が操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティを向上することができる(エラー解除スイッチの態様を「決定キーの変形例(10)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有するエラー解除スイッチからの信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPUが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチは、上述したように、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、エラー解除スイッチからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていると払出制御MPUが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていないと払出制御MPUが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティを向上することができる(エラー解除スイッチの態様2を「決定キーの変形例(11)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RAMクリアスイッチ1310fが主制御基板1310に備えられ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RAMクリアスイッチ1310fを払出制御基板633に備えるようにして、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号が払出制御基板633の払出制御MPUへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、主制御MPU1310aが入力される操作信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティを向上することができる。
払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、RAMクリアスイッチ1310fと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して払出制御基板633を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。
なお、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fを配置する位置は、後述する押圧操作部を有するエラー解除スイッチの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとが混同されないようにRAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとが混同されないように、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチ1310fとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。RAMクリアスイッチ1310fとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、RAMクリアスイッチ1310fへの配線パターンとエラー解除スイッチへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310のコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号が伝送される配線パターンとエラー解除スイッチからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(12)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RAMクリアスイッチ1310fが主制御基板1310に備えられ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RAMクリアスイッチ1310fを払出制御基板633に備えるようにして、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPUが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていると払出制御MPUが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないと払出制御MPUが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティを向上することができる(RAMクリアスイッチの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(13)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号が払出制御基板633の払出制御MPUへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよいし、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPUが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310へ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310の主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(払出ユニットの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(16)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチからの検出信号に基づいて、外枠2に対して本体枠4が閉鎖されたときには決定キーONであると判定することができる一方、外枠2に対して本体枠4が開放されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(本体枠開放スイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要があり、決定キーONした後に、外枠2に対して本体枠4を再び開放して、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を再び閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、扉枠開放スイッチからの検出信号に基づいて、本体枠4に対して扉枠3が開放されたときには決定キーONであると判定することができる一方、本体枠4に対して扉枠3が閉鎖されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(扉枠開放スイッチの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放する必要があり、決定キーONした後に、本体枠4に対して扉枠3を再び閉鎖し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるようにしてもよい(設定キースイッチの態様を「決定キーの変形例(18)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるとともに、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置へ回動操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aは、OFFの信号が入力されたときには決定キーONであると判定することができる一方、OFFの信号が入力されていないときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(設定キースイッチの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(19)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御基板1310に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して主制御基板1310を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、主制御基板1310に決定キーボタンを配置する位置は、RAMクリアスイッチ1310fの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体には、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとが混同されないように決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとが混同されないように、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、主制御基板1310に決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンとRAMクリアスイッチ1310fへの配線パターンとの引き回しとして主制御基板1310において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、主制御基板1310に決定キーボタンを設ける場合には、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様2(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(20)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aが入力されるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティを向上することができる。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様3(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(21)」と記載する場合がある)。なお、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作される期間がパチンコ機1の電源投入時と限定されるとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号は、後述するように、払出制御基板633の払出制御MPUに入力されるため、RAMクリアスイッチ1310fが後述するエラー解除スイッチの機能を兼ねるように構成する場合には、払出制御基板633にエラー解除スイッチが不要となる。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技盤5に設けられる、ゲート2003のゲートセンサ2801、各種入賞口の各種センサ(例えば、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2601、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002)、本体枠4のアウトセンサ664からの検出信号が入力される主制御MPU1310aがこれらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(各種センサ等の態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(22)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、ゲート2003へ遊技球Bを送り込んだり、各種入賞口へ遊技球Bを送り込んだり、アウト口1008へ遊技球Bを送り込んだりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aがステッピングモータ、DCモータ、ソレノイド等の電気的駆動源の駆動制御を行って可動体(役物)の作動を制御し、光学式センサ(フォトセンサや測距センサ等)から検出信号に基づいて可動体(役物)の原位置や作動位置等を判定する場合には、この光学式センサからの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(光学式役物センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(23)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、光学式センサが可動体(役物)の原位置や作動位置等を検知するように、可動体(役物)を移動させる必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1050からの検出信号が入力される主制御MPU1310aが磁気センサ1050からの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(磁気センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(24)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1の正面から遊技盤5の前面へ向かって磁石を近づける必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させる不正行為を検知する振動センサを遊技盤5に設ける場合には、主制御MPU1310aが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、振動センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(振動センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(25)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1に電波を照射して遊技盤5に設けられる各種入賞口の各種センサや払出装置580に設けられる各種センサの誤動作をさせて遊技球Bを不正に獲得する不正行為を検知する電波センサを遊技盤5や払出装置580に設ける場合には、主制御MPU1310aが電波センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、電波センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(電波センサの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(26)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1に電波を照射する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定キースイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、演出操作部ユニット350の押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ373からの検出信号、演出操作部ユニット350の接触操作部302の接触を検知する接触検知センサ本体358からの検出信号が周辺制御基板1510へ入力されるとともに、周辺制御基板1510において分岐されて主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定キースイッチ1311aを初期位置から設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定キースイッチ1311a’としてもよい(演出操作ボタンユニットの態様(設定キースイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(27)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、カバー体とベース体とから構成されている主制御基板ボックス1320の内部空間に主制御基板1310及び設定変更基板1311が収容されていたが、設定変更基板1311を別体の設定変更基板ボックスに収容して主制御基板ボックス1320の周囲又は隣接して配置してもよい。主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。このような主制御基板ボックス1320の構造は、設定変更基板ボックスの構造においても、適用することができる。この場合、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部は、それぞれと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。なお、設定変更基板ボックスの構造として、上述した主制御基板ボックス1320の構造と異なり、カバー体をベース体から開放又は閉鎖することができるように構成されている場合には、ベース体に対してカバー体の開放を検出することができる設定変更基板カバー体用開閉スイッチを設けてもよい。この場合、設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号を主制御基板1310へ直接入力されるように構成してもよいし、設定変更基板1311を介して主制御基板1310へ(間接)入力されるように構成してもよい。設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号に基づいて、カバー体をベース体から開放されている場合ことを、上述した予め定めた設定値変更許可条件に含むことができる(設定変更基板ボックスの態様を「決定キーの変形例(28)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNの端子とが接続されるように構成され、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されていたが、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、のうち、いずれか一方の配線パターンついては、設定変更基板1311のコネクタSMCNと別体に設定変更基板1311に設けられる他のコネクタを介して、主制御基板1310のコネクタMSCNと別体に主制御基板1310に設けられる他のコネクタとコネクタ接続(基板間接続)されてもよく、この設定変更基板1311に設けられる他のコネクタと主制御基板1310に設けられる他のコネクタとを、ハーネスを介して、電気的に接続されてもよい(配線パターンの引き回しの態様を「決定キーの変形例(29)」と記載する場合がある)。
また、上述した決定キーの変形例(1)~(29)のうち、適宜選択して組み合わせた態様を採用してもよい(変形例の選択組み合わせの態様を「決定キーの変形例(30)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定値では、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球Bの球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されている。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されていた。ところで、本実施形態のパチンコ機1には、設定値1~設定値6までに亘って複数の設定値が存在するものの、他のパチンコ機には遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定される単一の設定値が存在するものもある。つまり、本実施形態のパチンコ機1のように遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め複数の設定値として存在して設定変更が必要な遊技仕様のものと、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様のものと、がある。ところが、このような遊技仕様に応じて主制御基板1310のハードウェア構成を設計変更するとともに、設定変更基板1311のハードウェア構成を設計変更又は不使用とすると、主制御基板1310及び設定変更基板1311が遊技仕様に依存されることとなるため、遊技仕様に応じてハードウェア構成が類似する又は異なる主制御基板1310及び設定変更基板1311を有することとなる。そこで、主制御基板1310及び設定変更基板1311を、遊技仕様に依存されない、つまりハードウェア構成の設計変更を伴わずに共通して使用することができるものが求められる。
例えば、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様においては、設定値を遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)として使用する必要が全くなくなるため、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6を、次のような内容として割り当てるソフトウェアによる設計変更により対応することができる。
例えば、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)をクリアした後に実機確認動作パターンを複数設定することができる(RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる)設定値として使用することができる。この場合には、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる(RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(1)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、RAMクリア後の実機確認動作を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰返し行うことにより可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた内容(実機確認動作パターン)で周辺制御基板1510が制御する対象となっている可動体(役物)の動作、発光体の点灯を行うことができる。このRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様により、RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後からデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)となるまでの時間を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「10秒」を指定する時間設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「15秒」を指定する時間設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「20秒」を指定する時間設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「25秒」を指定する時間設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「30秒」を指定する時間設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「35秒」を指定する時間設定パターン6が割り当てられる(図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるまでの時間の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(2)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた時間(時間設定パターン)でデモンストレーションを開始することができる。この図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるまでの時間の変更設定の態様により、図柄の変動終了後からデモンストレーションとなるまでの時間にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後に行われるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)の内容を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「コミカル演出」を指定するデモ演出設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「コミカル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「シリアス演出」を指定するデモ演出設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「シリアル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「時代劇風演出」を指定するデモ演出設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「時代劇風演出、可動体(役物)」を指定するデモ演出設定パターン6が割り当てられる(デモ演出の内容の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(3)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデモ演出(デモ演出設定パターン)でデモンストレーションを行うことができる。このデモ演出の内容の変更設定の態様により、図柄の変動終了後に行われるデモ演出の内容にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。音量調整スイッチが回転操作されることでデフォルト音量から音量を大きくしたり、小さくしたりすることができる。この場合には、設定値1として「音量1」を指定する音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「音量2」を指定する音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「音量3」を指定する音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定する音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「音量5」を指定する音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「音量6」を指定する音量設定パターン6が割り当てられる(デフォルト音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(4)」と記載する場合がある)。なお、設定値1から設定値6へ向かって音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた音量(音量設定パターン)でデフォルト音量が設定される。また、設定値1に割り当てられる「音量1」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を小さくする方向へ移動され(音量を大きくする方向と反対方向へ移動され)、音量最小側末端へ移動完了されて最小側音量に調整されたときには、消音となるようにしてもよいし、パチンコ機の前面で立ち止まると、音を認識することができる音量としてもよい。また、設定値6に割り当てられる「音量6」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を大きくする方向へ移動され(音量を小さくする方向と反対方向へ移動され)、音量最大側末端へ移動完了されて最大側音量に調整されたときには、最大音量としてもよいし、最大音量の所定割合(例えば、85%)の音量としてもよい。このデフォルト音量の変更設定の態様により、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるエラー報知音の音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。各種エラー報知音は、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチの操作により調整することができないもの(つまり、依存されないもの)であり、最大音量とすることでエラー報知音が発するパチンコ機を遊技ホールの店員等の係員が気付きやすいものの、他のパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して、耳障りに感じる場合もある。そこで、各種エラー報知音の音量を調整することができるものも求められる。この場合には、設定値1として「エラー報知音量1」を指定するエラー報知音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知音量2」を指定するエラー報知音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知音量3」を指定するエラー報知音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定するエラー報知音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知音量5」を指定するエラー報知音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知音量6(最大音量)」を指定するエラー報知音量設定パターン6が割り当てられる(エラー報知音の音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(5)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消音とならない音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機の前面で立ち止まると、そのエラー報知音を認識することができる音量)から設定値6(最大音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機から数メートル離れてもそのエラー報知音を十分に認識することができる音量)へ向かってエラー報知音の音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知音の音量(エラー報知音量設定パターン)でエラー報知音を発する制御を行う。このエラー報知音の音量の変更設定の態様により、エラー報知におけるエラー報知音の音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっている発光体に対して、デフォルト輝度から輝度を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合には、設定値1として「輝度1」を指定するデフォルト輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「輝度2」を指定するデフォルト輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「輝度3」を指定するデフォルト輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「輝度4」を指定するデフォルト輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「輝度5」を指定するデフォルト輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「輝度6」を指定するデフォルト輝度設定パターン6が割り当てられる(デフォルト輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(6)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、デフォルト輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデフォルト輝度(デフォルト輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このデフォルト輝度の内容の変更設定の態様により、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっているランプに対して、設定値1として「エラー報知輝度1」を指定するエラー報知輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知輝度2」を指定するエラー報知輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知輝度3」を指定するエラー報知輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「エラー報知輝度4」を指定するエラー報知輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知輝度5」を指定するエラー報知輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知輝度6(最大輝度)」を指定するエラー報知輝度設定パターン6が割り当てられる(エラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(7)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消灯とならないものの、ランプの輝度が低く、パチンコ機の前面で立ち止まると、エラー報知を認識することができるランプの輝度)から設定値6(最大輝度)へ向かってランプの輝度が高くなるように設定されている。主制御MPU1310aは、エラー報知における発光体の輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知輝度(エラー報知輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このエラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様により、エラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(7)に割り当てられる各種設定値は、主制御MPU1310aが行う後述する設定値確認表示処理において予め定めた設定値表示許可条件が成立したときに設定表示器1310gに表示されるようになっているが、パチンコ機1の電源投入後から電源遮断時までに亘って常に設定表示器1310gに表示されるようにしてもよい(設定値表示の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(8)のうち、いずれか1つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入が行われると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。また、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立すると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。つまり、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立する場合には、いずれにおいても、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。そこで、上述した予め定めた設定値変更許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていてもよい(「予め定めた設定値変更許可条件の変形例」と記載する場合がある)。
また、上述した予め定めた設定値表示許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。主制御MPU1310aは、この予め定めた設定値表示許可条件が成立すると、後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行われる設定値確認表示処理において、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示する。また、RAMクリアスイッチ1310fは、上述したように、パチンコ機1の電源投入を行うときに押圧操作部が押圧操作されている必要があり、押圧操作される期間が限定されていた。そこで、上述した予め定めた設定値表示許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていなくてもよい(「予め定めた設定値表示許可条件の変形例」と記載する場合がある)。この場合、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立すると、設定値確認表示処理を後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行わずに後述する主制御側電源投入時処理において、内蔵WDTの初期設定及び起動設定を行う前までに行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。なお、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合には、まだ割り込み許可設定を行っていないため、主制御側タイマ割り込み処理を行わず、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取って後述する入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶していない。このため、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合に、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチからの検出信号と、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取る。
上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例と上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例とを共に採用することにより、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることを前提として、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行するのに対して、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定値確認表示処理を行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。この態様を採用することにより、主制御MPU1310aは、遊技の進行を開始すると、設定値確認表示処理が一度も行われない。つまり、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示することが一度もない。主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理の球数計数処理において遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008を介して本体枠4のアウト球通路663により回収された遊技球Bの球数を計数して後述する主制御側電源投入時処理のポート出力処理においてベースモニタ1310hに出力してアウト口1008により回収された遊技球Bの球数をベースモニタ1310hに表示する。そこで、設定表示器1310gが表示する設定されている現状の設定値を、上述したベースモニタ1310hに表示するようにしてもよい(「ベースモニタの利用方法の変形例」と記載する場合がある)。これにより、主制御MPU1310aは、ベースモニタ1310hを用いて、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始するまでの期間において、設定されている現状の設定値を表示することができるとともに、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、アウト口1008(本体枠4のアウト球通路663)により回収された遊技球Bの球数を表示することができるため、設定表示器1310gを設ける必要がなくなりコスト削減に寄与することができる。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(8)に採用してもよい。
[5-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図129等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート2003への遊技球Bの受入れにより抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図132及び図136等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図169を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている(図169を参照)。
[5-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図135及び図136等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、透明な遊技パネル1100や枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、縦長の状態で取付けられている。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、左側面から左方へ突出している一つの左固定片1601と、右側面から右方へ突出している二つの右固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の右内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの右固定片1602挿入した上で、左固定片1601側を前方へ移動させて、左固定片1601をロック機構の開口部内に挿入し、ロック機構を背面視において上方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図140及び図144等を参照して詳細に説明する。図140(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。図144は表ユニットにおける右側の遊技球の流路を示す説明図である。図145は、図144における第一アタッカユニットと第二アタッカユニットの部位を拡大して示す説明図である。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1112内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bの通過を検知するゲート2003と、遊技球Bがゲート2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、大入賞口2005とは異なる位置に設けられており第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bに対して受入れの機会が付与されるV入賞口2007と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、三つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されており、残りの一つが遊技領域5a内の右部における上下方向中央より上側に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向の下から約3/4の高さに配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5aの右下隅で左端の一般入賞口2001よりも若干高い高さに配置されている。大入賞口2005は、第一始動口2002と第二始動口2004との間に配置されている。役物入賞口2006は、第二始動口2004の上方で右側の一般入賞口2001の直下に配置されている。V入賞口2007は、役物入賞口2006と第二始動口2004との間の高さで、遊技パネル1100の後方に配置されている。
第一サブアウト口2021は、第二始動口2004の下方に配置されており、第二サブアウト口2022は、右側の一般入賞口2001の右側に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、及び第一サブアウト口2021を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、表ユニット2000は、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており役物入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2022を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
[5-8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図140等を参照して説明する。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けることで、第一始動口2002が、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、センター役物2500の左右方向中央の直下に位置する。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けた状態で、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方へ誘導し、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第二排出通路3182に受渡すことができる。
[5-8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図140等を参照して説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001が遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第一排出通路3181に受渡すことができる。
[5-8c.サイド左上ユニット]
次に、表ユニット2000のサイド左上ユニット2300について、主に図140等を参照して説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[5-8d.第一アタッカユニット]
次に、表ユニット2000の第一アタッカユニット2400について、主に図140乃至図145等を参照して説明する。表ユニット2000の第一アタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100の前面に前方から取付けられている。この第一アタッカユニット2400は、ゲート2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を備えている(図144等を参照)。
第一アタッカユニット2400は、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、第一サブアウト口2021が第二始動口2004の下方で大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、不正な磁気を検知する磁気センサ1050と、を備えている(図169等を参照)。大入賞口センサ2402は、並列に二つ設けられている。
第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411をゲート2003における遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
第一アタッカユニット2400は、図144に示すように、正面視において、右上隅付近から左方へ低くなるように延びている第一棚部2421と、第一棚部2421の左端から左方へ遊技球Bの直径よりも若干長く間隔をあけると共に第一棚部2421の左端よりも低い位置から左方へ低くなるように第一棚部2421よりも短く延びており、第一棚部2421との間で第二始動口2004を形成している第二棚部2422と、第二棚部2422の左端よりも左方で遊技球Bの直径よりも低い位置から左方へ低くなるように第二棚部2422よりも短く延びている第三棚部2423と、第三棚部2423の左端から左方へ遊技球Bの直径の4倍~6倍の長さの間隔をあけると共に第三棚部2423よりも低い位置から左方へ低くなるように延びており、第三棚部2423との間で大入賞口2005を形成している第四棚部2424と、を有している。
第一棚部2421の右端は、第一アタッカユニット2400の右辺から、遊技球Bの直径よりも若干長く左方へ離れている。第一棚部2421、第二棚部2422、第三棚部2423は、夫々が同じ角度で傾斜しており、第四棚部2424は、第一棚部2421等よりも急な角度で傾斜している。
また、第一アタッカユニット2400は、第一棚部2421の右端から下方へ垂直に延びている第一立壁部2425と、第一棚部2421の左端から下方へ垂直に第一立壁部2425の下端と同じ高さまで延びている第二立壁部2426と、第二棚部2422の右端から下方へ垂直に第一立壁部2425の下端と同じ高さまで延びている第三立壁部2427と、第三棚部2423の右端から下方へ垂直に第一アタッカユニット2400の下辺まで延びている第四立壁部2428と、第三棚部2423の左端から下方へ延びている第五立壁部2429と、第四棚部2424の右端から下方へ延びている第六立壁部2430と、第四棚部2424の左端から下方へ延びている第七立壁部2431と、を有している。
第五立壁部2429は、第三棚部2423の左端から下方へ第四棚部2424よりも低い位置まで延びた後に左方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ第一アタッカユニット2400の下辺まで延びている。また、第六立壁部2430は、第四棚部2424の右端から下方へ第四棚部2424よりも低い位置まで延びた後に右方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ第一アタッカユニット2400の下辺まで延びている。第五立壁部2429と第六立壁部2430との下部同士の左右方向の間隔は、遊技球Bの直径の2倍よりも長い間隔である。
更に、第一アタッカユニット2400は、第一立壁部2425、第二立壁部2426、及び第三立壁部2427の下端同士を連結している第一横壁部2432と、第一アタッカユニット2400の右辺における第一立壁部2425の下端よりも低い位置から、第一横壁部2432との間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて左方へ低くなるように傾斜した後に左方の第四立壁部2428の途中へ向かって高くなるように傾斜している第二横壁部2433と、を有している。第二横壁部2433は、第二始動口2004の下方の第一サブアウト口2021の部位が最も低くなるように形成されている。
また、第一アタッカユニット2400は、第五立壁部2429及び第六立壁部2430の夫々の下部付近から、互いに接近する方向へ、夫々第五立壁部2429と第六立壁部2430との間の中央付近まで延びている第三横壁部2434と、二つの第三横壁部2434の対向している夫々の端部同士を連結していると共に上方へ延出している仕切部2435と、を有している。
更に、第一アタッカユニット2400は、上辺に沿って左方へ低くなるように階段状に延びており、第二棚部2422及び第三棚部2423の間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている上棚部2436を、有している。上棚部2436は、右端が第一棚部2421の左端の直上に位置しており、左端が第四棚部2424の右端よりも若干右方に位置している。また、上棚部2436は、右端付近が右方へ低くなるように傾斜している。
また、第一アタッカユニット2400は、詳細な図示は省略するが、上棚部2436と大入賞口2005との間の遊技球Bが左方へ流通可能な空間内において、当該空間を形成している前壁と後壁とから左右方向へ互い違いとなるように、平面視三角形状の複数の当接部が当該空間内に突出している。これら複数の当接部は、大入賞口2005が閉状態の時に、大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bを、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させるものである。
この第二始動口扉2411は、前後方向へ移動するように設けられている。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されていない状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、第二始動口2004を閉鎖している。また、第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されている状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、第二始動口2004を開放している。
始動口ソレノイド2412は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
大入賞口扉2413は、左右に長い平板状で、前後に移動するように設けられている。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414のプランジャの前後方向への進退により、大入賞口2005を開閉することができる。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されていない状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、大入賞口2005を閉鎖している。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されている状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、大入賞口2005を開放している。
アタッカソレノイド2414は、は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
第一アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2412及びアタッカソレノイド2414が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2411が前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2411が、第二始動口2004の上方に位置しており、第二始動口扉2411により第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている(図144及び図145を参照)。
また、通常の状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、大入賞口扉2413が前方へ突出している。この状態では、大入賞口扉2413が、大入賞口2005の上方に位置しており、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている(図144及び図145を参照)。
この通常の状態で、第一棚部2421上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2421の傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2422を転動した上で、第二棚部2422の左端から左方へ放出される。第二棚部2422から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2423又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2422から左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2436の下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2422と第三棚部2423との間の隙間に進入することがある。
この際に、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bは、上棚部2436と大入賞口2005との間の空間に設けられている複数の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。大入賞口扉2413上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2424を転動した後に、その左端から第一アタッカユニット2400外へ放出される。
この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2421よりも右方に遊技球Bが流下すると、第一立壁部2425の右側を通り、第二横壁部2433の右端付近に落下し、第二横壁部2433の傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2021に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2422と第三棚部2423との間の隙間に進入すると、第三立壁部2427と第四立壁部2428との間を通って第二横壁部2433の左端付近に落下し、第二横壁部2433の傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2021に進入する。
第一サブアウト口2021に進入した遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第五排出通路3185受け渡され、第五排出通路3185から下方の基板ホルダ1200上に排出される。この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2421の右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2422と第三棚部2423の間の隙間を通った遊技球Bとが、何れも第一サブアウト口2021に進入するように形成されており、実質的に第一サブアウト口2021が二つ設けられている。
この通常の状態において、ゲート2003を遊技球Bが通過することで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2412に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2411が後方に移動する。そして、第二始動口扉2411が後方へ移動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二立壁部2426と第三立壁部2427との間を流下し、第二始動口センサ2401に検知された後に、第一アタッカユニット2400から後方へ放出される。第二始動口2004に受入れられて第一アタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第三排出通路3183に受け渡され、第三排出通路3183から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、アタッカソレノイド2414に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、大入賞口扉2413が後方へ移動する。大入賞口扉2413が後方へ移動することにより、大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。つまり、大入賞口2005が開状態となる。
大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、第五立壁部2429と第六立壁部2430との間を通った上で、第五立壁部2429と仕切部2435との間、又は、第六立壁部2430と仕切部2435との間を通って、二つの大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、第三横壁部2434上に落下し、第一アタッカユニット2400から後方へ放出される。大入賞口2005に受入れられて第一アタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第四排出通路3184に受け渡され、第四排出通路3184から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
このように、本実施形態の第一アタッカユニット2400によれば、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、仕切部2435により二つに分けて、夫々を異なる大入賞口センサ2402により検知してから後方へ放出するようにしているため、大入賞口2005と大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[5-8e.センター役物]
次に、表ユニット2000におけるセンター役物2500について、主に図140及び図141等を参照して詳細に説明する。図141(a)はセンター役物における右下案内通路の部位を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はセンター役物における右下案内通路の前側の前部材における分離孔の部位で左右に切断して右方から見た側面断面図である。表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されており、遊技パネル1100の後方に設けられた演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、全周に亘って遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している部位を有しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、前後方向に延びている枠状の周壁部2501(センターフレームとも称する)と、周壁部2501の外周から突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2502と、周壁部2501の内周から突出している平板状のサポート部2503と、を有している。周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致する位置まで後方に延びている。また、周壁部2501は、パネル板1110におけるセンター役物2500が挿入される開口部1112の内周に沿うような形状に形成されている。この周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入を防止することができる。
フランジ部2502とサポート部2503の厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4~1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2502とサポート部2503は、前後方向の同じ位置で周壁部2501から突出している。従って、サポート部2503(フランジ部2502)の後面から周壁部2501の後端までの距離が、パネル板1110の厚さと同じである。
サポート部2503は、周壁部2501の内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2503は、周壁部2501におけるフランジ部2502の突出していない部位に設けられており、周壁部2501を補強している。また、サポート部2503は、周壁部2501から突出した端辺が、周壁部2501の正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2503が目立たないようにしている。このサポート部2503は、周壁部2501からの突出量を、サポート部2503の厚さ~パネル板1110の厚さ(1mm~10mm)、の範囲内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
また、センター役物2500は、枠状の周壁部2501の後端を閉鎖している透明平板状の閉鎖板2505を、備えている。この閉鎖板2505により、遊技球Bがセンター役物2500の枠内を通って後方(裏ユニット3000)へ侵入することを防止している。
センター役物2500は、周壁部2501における正面視左側で遊技パネル1100(パネル板1110)の前面よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2511と、ワープ入口2511に進入した遊技球Bを放出可能とされ遊技パネル1100の前面よりも後側で枠内に開口しているワープ出口2512と、ワープ出口2512から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2513と、ステージ2513の上方を覆うように設けられているステージカバー2515と、を備えている(図138等を参照)。ステージカバー2515は、ステージ2513上で跳ねた遊技球Bをステージ2513側へ跳ね返すことで、センター役物2500の枠外から枠内への遊技球Bの侵入を防止するためのものである。
センター役物2500のステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2513の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を備えている。このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、案内通路群2520の右端(センター役物2500の右上隅の端部)が、遊技領域5aの内周縁(前構成部材1000の衝止部1006付近の右レール1005)に略接しており、センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路群2520を通るように形成されている。
案内通路群2520は、上下方向の長さが、遊技領域5aの全高に対して、約1/7の長さである。この案内通路群2520は、何れも前方へ開放された溝状に形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から良好な状態で視認することができる。
案内通路群2520は、センター役物2500における周壁部2501の外側に設けられており、周壁部2501から離れている第一案内通路2521と、第一案内通路2521の右方で周壁部2501に沿って延びている第二案内通路2522と、から構成されている。第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口は、左右に離隔している。また、第一案内通路2521の出口と第二案内通路2522の出口は、左右に隣接しており、右レール1005上部の円弧に沿うように斜め右下へ向かって開口している。
案内通路群2520は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、ゲート2003の上方に位置している。また、第一案内通路2521は、その入口の右端が前構成部材1000の衝止部1006の下端の直下に位置しており、衝止部1006に当接した遊技球Bの殆どが第一案内通路2521へ進入するように形成されている。
また、センター役物2500は、周壁部2501の右下隅から右方へ突出しており、上方からの遊技球Bを右方へ誘導した後に下方へ放出する右下案内通路2530を、備えている。この右下案内通路2530は、入口が左右方向の前幅に亘って上方へ開口しており、出口が遊技球B一つ分の幅で斜め左下へ向かって開口している。
この右下案内通路2530は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が右レール1005に略接しており、第一アタッカユニット2400と第二アタッカユニット2600との間に位置している。従って、案内通路群2520と右下案内通路2530との間には、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、配置されている。
センター役物2500について更に詳述すると、センター役物2500は、周壁部2501、フランジ部2502、サポート部2503、等を有している枠状の透明なセンター台板2540と、右下案内通路2530の前側を閉鎖するようにセンター台板2540に取付けられている透明で平板状の前部材2531と、前部材2531の前面に貼り付けられており所定の装飾が印刷されている右下案内通路装飾シール2532と、を備えている(図141を参照)。
センター台板2540は、正面視右下隅においてフランジ部2502の一部を構成し右方へ平板状に延出している案内通路フランジ部2540aと、案内通路フランジ部2540aの下辺に沿って周壁部2501の外周面におけるフランジ部2502よりも前方の部位から右端側が低くなるように右方へ案内通路フランジ部2540aよりも短く延出している案内通路壁2540bと、案内通路フランジ部2540aの右端付近において右端辺に沿って上下に延びていると共に案内通路壁2540bの前面と同じ位置まで前方へ延出している平板状の立壁部2540cと、立壁部2540cの下端辺と連続し斜め左下へ延出した後に斜め右下へ延出して屈曲している左方誘導部2540dと、を有している。案内通路壁2540bと立壁部2540cとの間は、遊技球Bが一つ通過可能な隙間が形成されている。
センター台板2540は、上方から案内通路壁2540bに流下してきた遊技球Bを、案内通路壁2540bにより右方へ誘導した上で、案内通路壁2540bと立壁部2540cとの間から下方へ流下させた後に、左方誘導部2540dにより斜め左下へ放出させることができる。センター台板2540は、案内通路フランジ部2540a、案内通路壁2540b、立壁部2540c、及び左方誘導部2540dにより右下案内通路2530の殆どを構成している。
前部材2531は、周壁部2501の内周面と同じ位置から案内通路フランジ部2540aの右端辺と同じ位置まで左右方向に延出しており、上端辺が案内通路フランジ部2540aの上端辺よりも上方に位置していると共に、下端辺が案内通路壁2540bよりも下方に位置している。
前部材2531は、外周形状に沿うように前面から後方へ凹んでいる貼付凹部2531aと、貼付凹部2531aにおける正面視において案内通路壁2540bと一致する部位で前後に貫通している分離孔2531bと、後面から円柱状に後方へ突出しておりセンター台板2540に取付けるための複数の取付ボス2531cと、を有している。
貼付凹部2531aは、右下案内通路装飾シール2532の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)後方へ凹んでいる(図141(b)を参照)。貼付凹部2531aでは、左端辺の部位と、上端辺における左端辺に接する付近の部位とが、右下案内通路装飾シール2532を貼り付けるための当て面に設定されている。
分離孔2531bは、内形が円形の丸孔である。この分離孔2531bは、センター役物2500に組立てた時に、貼付凹部2531aに貼り付けられている右下案内通路装飾シール2532により前方側が閉鎖されると共に、センター台板2540の案内通路壁2540bの前面により後方側が閉鎖され、分離孔2531b内が閉鎖空間となる。
本実施形態の分離孔2531bは、内径が2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔2531bがこれ以上小さいと、分離孔2531bに挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなり右下案内通路装飾シール2532を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔2531bがこれ以上大きいと、右下案内通路装飾シール2532における分離孔2531bの部位で撓みが発生し、右下案内通路装飾シール2532の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
本実施形態のセンター役物2500によれば、パチンコ機1の製造時において、前部材2531の貼付凹部2531aに対して右下案内通路装飾シール2532を正しく貼り付けることができなかった場合、前部材2531の後方から分離孔2531bに棒状部材を通し、その先端により右下案内通路装飾シール2532を後方から前方へ押圧することで、右下案内通路装飾シール2532の端縁付近が前方へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで右下案内通路装飾シール2532を貼付凹部2531aから容易に外すことができ、右下案内通路装飾シール2532を貼り直すことができる。
また、前部材2531とセンター台板2540とを離した状態で、前部材2531の後方から分離孔2531bに棒状部材を通し、その先端により右下案内通路装飾シール2532を後方から押圧することで、右下案内通路装飾シール2532を貼付凹部2531aから容易に外すことができるため、機種変更に伴う右下案内通路装飾シール2532の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、前部材2531とセンター台板2540とを離した状態では、分離孔2531bを使用して右下案内通路装飾シール2532を貼付凹部2531aから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、貼付凹部2531aに右下案内通路装飾シール2532を貼り付けることにより前方から分離孔2531bを隠すことができるため、分離孔2531bによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔2531bの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔2531bを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、右下案内通路装飾シール2532が貼り付けられている前部材2531の後側に組付けられているセンター台板2540の案内通路壁2540bによって、分離孔2531bを後方から閉鎖するようにしており、従来のパチンコ機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内や遊技球Bが流通する部位に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、センター台板2540の案内通路壁2540bにより分離孔2531bを後方から閉鎖していることから、不正工具を、前方から右下案内通路装飾シール2532を貫いて分離孔2531bに挿通させても、案内通路壁2540bによりそれ以上の後方への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔2531bを通した前方からの遊技盤5内や遊技球Bが流通する部位への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が右下案内通路装飾シール2532を貫くことで右下案内通路装飾シール2532に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態のセンター役物2500によれば、周壁部2501から内側へ突出したサポート部2503を設けるようにしていることから、サポート部2503を設けた部位では、周壁部2501がセンター役物2500の外縁となるため、周壁部2501の内側(センター役物2500の枠内)を相対的に広くすることができ、センター役物2500の枠内を通して後方の演出表示装置1600の演出画像や、裏ユニット3000の装飾等をより見え易くすることができる。
また、周壁部2501におけるフランジ部2502が設けられていない部位に内側へ突出したサポート部2503を設けているため、周壁部2501の強度を補強することができる。これにより、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位の外側に遊技球Bが当接しても、周壁部2501が変形したり破損したりすることを防止することができる。また、サポート部2503によりセンター役物2500の強度を高めることができるため、センター役物2500を変形させることなく射出成形型から脱型することができる。
また、透明なサポート部2503を周壁部2501の内周から短く突出させていると共に、周壁部2501の全周に対して部分的に設けているため、サポート部2503が後方に設けられている裏ユニット3000の装飾体や演出表示装置1600の演出画像等の視認性を妨げることを低減させることができる。
更に、サポート部2503を設けることにより、周壁部2501から外方へ突出しているフランジ部2502が設けられていない部位を有するようにしているため、遊技パネル1100(パネル板1110)におけるサポート部2503に近い部位では、周壁部2501に対して可及的に接近した位置に障害釘Nを植設することができる。これにより、遊技領域5a内において複数の障害釘Nによる遊技の領域を可及的に広くすることができ、本来の遊技を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
また、周壁部2501をパネル板1110の開口部1112の内周形状と同じような形状とした上で、周壁部2501の後端をパネル板1110の後面と同一面上としていると共に、サポート部2503をパネル板1110の前面と略同一面上に設けているため、遊技者に対してサポート部2503を目立ち難くすることができると共に、センター役物2500がパネル板1110と一体化しているように見せることができる。
更に、センター役物2500の全周の一部にサポート部2503を設けているため、全周に亘ってサポート部2503を設けるようにした場合と比較して、センター役物2500の枠内をより広くすることができ、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面をより見え易くすることができる。換言すると、センター役物2500の周壁部2501(センターフレーム)により区画される非流通領域(枠の内側)を大きく見せたい場合、サポート部2503を、周壁部2501の全周の一部に設けるようにしても良い。或いは、サポート部2503を、正面視において、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面とは重ならない程度の延出量とすることが好ましい。
なお、上記の実施形態では、前部材2531に一つの分離孔2531bを設けたものを示したが、これに限定するものではなく、正面視において案内通路壁2540bと一致する部位に分離孔2531bを複数設けるようにしても良い。
或いは、分離孔2531bを、センター台板2540における屈曲している左方誘導部2540dよりも内側の部位(正面視において右側の部位)に設けるようにしても良い。当該部位に分離孔2531bを設けた場合、分離孔2531bの後側がセンター台板2540によって直接的に閉鎖されることはないが、分離孔2531bの後方に案内通路フランジ部2540aや遊技パネル1100が位置するため、分離孔2531bと連続する孔が遊技盤5の後方まで貫通しないため、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、この場合、前方から右下案内通路装飾シール2532を貫いて分離孔2531bに不正工具を挿入しても、左方誘導部2540dにより不正工具の先端を右下案内通路2530内等の遊技球Bが流通する領域内へ侵入させることを阻止することができる。更に、この場合、左方誘導部2540dの右方が開放されていることから、J字状に曲がった線状の工具を用いることで、前部材2531を組立てたままの状態でも後方から分離孔2531bに工具を挿入することができ、右下案内通路装飾シール2532を取外すことができる。
[5-8f.第二アタッカユニット]
続いて、表ユニット2000の第二アタッカユニット2600について、主に図140乃至図145等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000の第二アタッカユニット2600は、センター役物2500の周壁部2501における右辺よりも右側で、右下案内通路2530と遊技領域5aの上下方向の中央との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。第二アタッカユニット2600は、左方へ向けて開閉可能に開口している役物入賞口2006を備えている。
第二アタッカユニット2600は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2601と、役物入賞口2006付近に作用する不正な磁気を検知する磁気センサ1050(図146を参照)と、を備えている。また、第二アタッカユニット2600は、役物入賞口2006を開閉可能に閉鎖するための役物入賞口扉2611と、役物入賞口扉2611を可動させて役物入賞口2006を開閉するための役物入賞口ソレノイド2612と、役物入賞口ソレノイド2612のプランジャの進退を伝達させて役物入賞口扉2611を可動させる伝達部材(図示は省略)と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを誘導して後方へ放出する誘導通路2613と、を有している。
第二アタッカユニット2600は、役物入賞口2006が左右方向中央から右寄りの位置で左方へ向かって開口しており、その役物入賞口2006を左方から閉鎖するように役物入賞口扉2611が設けられている。
役物入賞口扉2611は、下方へ膨出した半円形状の下辺と、下辺の右端に接して上方へ直線状に延びている右辺と、右辺の上端から左方へ膨出するように下辺の左側に接している円弧状の左辺と、で構成された、所謂羽根状に形成されている。役物入賞口扉2611は、半円形状の下辺の中心を軸芯として前後方向に延びた円柱状の回転軸2611aと、回転軸よりも離れた位置から後方へ円柱状に突出しているリンクピン(図示は省略)と、を有している。役物入賞口扉2611は、上端が左方へ移動するように、下部の回転軸が回転可能に取付けられている。
役物入賞口ソレノイド2612は、詳細な図示は省略するが、プランジャが下方へ突出する向きで取付けられている。図示しない伝達部材は、役物入賞口ソレノイド2612のプランジャの先端に取付けられる基部と、前後方向に貫通していると共に左右方向に延びており役物入賞口扉2611のリンクピンが摺動可能に挿入されるスリットと、を有しており、上下方向へスライド可能に取付けられている。
第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、右辺が前構成部材1000の右レール1005に略接するように位置しており、役物入賞口2006とセンター役物2500の周壁部2501における右辺側との間に、遊技球Bが流通可能な空間を形成している。また、第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、誘導通路2613の後端を含む後面が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
この第二アタッカユニット2600は、通常の状態では、役物入賞口ソレノイド2612が非通電(OFF)の状態となっており、プランジャが自身の自重と伝達部材の自重とにより下方へ突出している。この状態では、役物入賞口扉2611が直立しており、役物入賞口2006が役物入賞口扉2611により閉鎖されている。つまり、通常の状態では、役物入賞口2006に対して遊技球Bが受入不能となっている。
この通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、役物入賞口ソレノイド2612に通電(ON)されると、プランジャと一緒に伝達部材が上方へ移動し、伝達部材のスリット内に挿入されている役物入賞口扉2611のリンクピンが、上方へ引き上げられると共に、スリット内を摺動することで、役物入賞口扉2611が回転軸2611aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。
これにより、役物入賞口扉2611の上端が左方へ移動して、役物入賞口2006が左方へ開放された状態となると共に、役物入賞口扉2611の右端側が低くなるように傾斜した状態となる。つまり、役物入賞口2006が開状態となる。この状態で、流下してきた遊技球Bが役物入賞口扉2611に当接すると、その傾斜により右方へ転動して、役物入賞口2006に受入れられることとなる。役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、役物入賞口センサ2601により検知された後に、誘導通路2613により誘導されて後方へ放出される。誘導通路2613から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の振分通路3158に受け渡され、V入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けられた後に、裏前下演出ユニット3160を介して下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5-8g.サイド右中ユニット]
次に、表ユニット2000におけるサイド右中ユニット2700について、主に図140及び図144等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイド右中ユニット2700は、遊技領域5a内において、第二アタッカユニット2600の直上に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。このサイド右中ユニット2700は、一つの一般入賞口2001と、第二サブアウト口2022と、を備えている。
サイド右中ユニット2700は、左右方向が遊技球B一つの分の幅で上方へ向かって一般入賞口2001が常時開口していると共に、一般入賞口2001の右側に隣接して、左右方向が遊技球B二つ分の幅で上方へ向かって第二サブアウト口2022が常時開口している。
また、サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第一誘導通路2701と、第二サブアウト口2022に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第二誘導通路2702と、を有している。第一誘導通路2701は、一般入賞口2001から後方へ延出した後に、右方へ屈曲した上で更に後方へ屈曲した、クランク状に形成されている。第二誘導通路2702は、第二サブアウト口2022から第一誘導通路2701よりも下方へ延出した後に、後方へ屈曲している。第一誘導通路2701の出口と第二誘導通路2702の出口は、上下に並んでいる。
このサイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、第一誘導通路2701及び第二誘導通路2702の夫々の後端が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
また、サイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が前構成部材1000の右レール1005と略接していると共に、下端が第二アタッカユニット2600の上端と略接しており、左端とセンター役物2500における周壁部2501の右辺との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成している。このサイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001が役物入賞口2006よりも若干左方の位置で上方に開口しており、第二サブアウト口2022が一般入賞口2001と右レール1005との間の略全体に亘って上方に開口している(図144を参照)。
サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、第一誘導通路2701により遊技パネル1100のパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の第一裏誘導通路3156に受け渡すことができる。第一裏誘導通路3156に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001により検知された上で、裏前下演出ユニット3160を通して下方の基板ホルダ1200上に排出される。また、サイド右中ユニット2700は、第二サブアウト口2022に受入れられた遊技球Bを、第二誘導通路2702によりパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の第二裏誘導通路3157に受け渡すことができる。第二裏誘導通路3157に受け渡された遊技球Bは、裏前下演出ユニット3160を通って下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5-8h.ゲート部材]
次に、表ユニット2000におけるゲート部材2800について、主に図142及び図143等を参照して詳細に説明する。図142(a)はゲート部材を前から見た斜視図であり、(b)はゲート部材を分解して前から見た分解斜視図であり、(c)はゲート部材を分解して後ろから見た分解斜視図である。図143(a)はゲート部材の正面図であり、(b)は(a)におけるセ-セ線で切断した断面図である。
表ユニット2000のゲート部材2800は、遊技領域5a内において、センター役物2500の案内通路群2520とサイド右中ユニット2700との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2800は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通抽選結果の抽選が行われるゲート2003と、ゲート2003を遊技球Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2801と、を有している。ゲートセンサ2801における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート2003としている。
ゲート部材2800は、下面の右端付近から斜め左下へ向かって突出している誘導片2802を有している。誘導片2802は、ゲート2003を通過した遊技球Bを左下へ誘導するためのものである。この誘導片2802は、遊技盤5に組立てた状態で、その延長線が、サイド右中ユニット2700における一般入賞口2001の左端付近を通るように傾斜している。
ゲート部材2800は、遊技盤5に組立てた状態で、前構成部材1000の右レール1005とセンター役物2500の周壁部2501の右辺との間の略中央に位置しており、左右両外側に遊技球Bが流通可能な隙間を形成している。このゲート部材2800は、センター役物2500の案内通路群2520における第一案内通路2521の直下よりもやや左寄りに位置していると共に、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001の直上よりも右寄りに位置している。
更にゲート部材2800を詳述すると、ゲート部材2800は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられゲートセンサ2801を保持しているゲート本体2810と、ゲート本体2810の前面に取付けられ所定の装飾が印刷されているゲートシール2811と、を有している。ゲート本体2810は、透明に形成されている。
ゲート本体2810は、左右に長い平板状の前板部2810aと、前板部2810aの前面において横長の略矩形状で後方へ凹んでいる貼付凹部2810bと、貼付凹部2810bにおける左上隅に設けられている誤貼付防止部2810cと、貼付凹部2810bにおける右端付近において前板部2810aを前後に貫通している分離孔2810dと、前板部2810aの左右両端辺から後方へ延出している一対のアーム部2810eと、一対のアーム部2810eの後端から左右方向外方へ延出していると共に前板部2810aよりも下方の部位で互いに繋がっている平板状のフランジ部2810fと、を備えている。
一対のアーム部2810eは、互いに向き合っている面同士が、ゲートセンサ2801の検知孔の直径よりも大きく離れている。また、フランジ部2810fは、後面を遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接させた状態で、パネル板1110に取付けられる。
また、ゲート本体2810は、前板部2810aの後面と一対のアーム部2810eの向かい合っている夫々の面とにおいて上下方向が一定の高さで凹んでおりゲートセンサ2801を収容するための収容溝2810gと、左側のアーム部2810eの後端から当該アーム部2810e及び収容溝2810gを延長するように後方へ延出している後方延出部2810hと、右側のアーム部2810eの後端から後方延出部2810hよりも後方へ延出しており後端が左方に屈曲しており収容溝2810gに収容されているゲートセンサ2801を係止するための係止部2810iと、を備えている。
更に、ゲート本体2810は、前板部2810aと左側のアーム部2810eとが交わっている部位の収容溝2810g内に突出している突起部2810jを、備えている。突起部2810jは、ゲートセンサ2801の切欠部2801aと対応した形状に形成されている。また、ゲート本体2810は、右側のアーム部2810eの下面から下方へ延出している誘導片2802を、備えている。
ゲート本体2810の貼付凹部2810bは、ゲートシール2811の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)後方へ凹んでいる(図143(b)を参照)。誤貼付防止部2810cは、貼付凹部2810bにおける他の隅部の面取りよりも大きいC面取り状に形成されている。このゲート部材2800では、ゲートシール2811(貼付凹部2810b)を左右に長い矩形状としていることから、ゲートシール2811の上下の向きが判り辛く、上下を逆向きにして貼り付けられてしまう恐れがあるが、この誤貼付防止部2810cにより、ゲートシール2811の貼り付け向きを特定させることができ、正規の向き(誤貼付防止部2810cにケートシール2811の切欠部2811aが一致する向き)でゲートシール2811を貼り付けさせることができる。なお、ゲートシール2811を、上下逆向きにして貼付凹部2810bに貼り付けようとすると、誤貼付防止部2810cによりゲートシール2811の一部が貼付凹部2810bからはみだした状態となり、作業者に対してゲートシール2811の誤貼り付けに気付かせることができる。
この貼付凹部2810bでは、左端辺の部位と、誤貼付防止部2810cの斜めの部位とが、ゲートシール2811を貼り付けるための当て面に設定されている。これにより、上下方向及び左右方向に加えて、誤貼付防止部2810cの斜めに延びている部位の垂直方向にも、ゲートシール2811を貼り付けるためのクリアランスを確保することができる。換言すると、ゲートシール2811を貼り付ける時に有効なクリアランス方向を、上下方向、左右方向、及び斜め方向の三方向としており、貼付け作業を行い易いものとしている(図207(a)を参照)。
分離孔2810dは、上下に延びた矩形状の角孔である。この分離孔2810dは、ケート部材2800に組立てた時に、貼付凹部2810bに貼り付けられているゲートシール2811により前方側が閉鎖されると共に、収容溝2810gに収容されているゲートセンサ2801の前面により後方側が閉鎖され、分離孔2810d内が閉鎖空間となる。
本実施形態の分離孔2810dは、長辺及び短辺の長さが2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔2810dがこれ以上小さいと、分離孔2810dに挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなりゲートシール2811を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔2810dがこれ以上大きいと、ゲートシール2811における分離孔2531bの部位で撓みが発生し、ゲートシール2811の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
この分離孔2810dは、右側の内周面が、右側のアーム部2810eに形成されている収容溝2810gの底面(左方を向いている面)と同一面上である。また、分離孔2810dの上下方向の寸法に対して係止部2810iの上下寸法が小さく形成されていると共に、分離孔2810dの左右方向の寸法に対して係止部2810iの後端(爪部)が左方へ短く突出している。
この分離孔2810dは、後述するゲートシール2811を外すための機能の他に、ゲート本体2810を射出成型する際に、アンダーとなる係止部2810iの後端を形成するための中子が挿通される挿通孔としても機能させることができ、ゲート本体2810の射出成形を容易なものとすることができる。
ゲートシール2811は、貼付凹部2810bの外形から一定の距離で内側へオフセットした形状に対して、左右方向が若干長く形成されている。ゲートシール2811の左上隅には、誤貼付防止部2810cと対応しているC面取り状の切欠部2811aが形成されており、貼付凹部2810bに対する正規の貼り付け向き(ここでは上下の向き)が判るようになっている。このゲートシール2811は、裏面の全面が、粘着力を有した糊面とされている。
本実施形態のゲート部材2800によれば、パチンコ機1の製造時において、ゲート本体2810の貼付凹部2810bに対してゲートシール2811を正しく貼り付けることができなかった場合、ゲート本体2810(前板部2810a)の後方から分離孔2810dに棒状部材を通し、その先端によりゲートシール2811を後方から前方へ押圧することで、ゲートシール2811の端縁付近が前方へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることでゲートシール2811を貼付凹部2810bから容易に外すことができ、ゲートシール2811を貼り直すことができる。
また、ゲート本体2810とゲートセンサ2801とを離した状態で、ゲート本体2810の後方から分離孔2810dに棒状部材を通し、その先端によりゲートシール2811を後方から押圧することで、ゲートシール2811を貼付凹部2810bから容易に外すことができるため、機種変更に伴うゲートシール2811の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、ゲート本体2810とゲートセンサ2801とを離した状態では、分離孔2810dを使用してゲートシール2811を貼付凹部2810bから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、貼付凹部2810bにゲートシール2811を貼り付けることにより前方から分離孔2810dを隠すことができるため、分離孔2810dによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔2810dの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔2810dを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、ゲートシール2811が貼り付けられているゲート本体2810の収容溝2810gに収容されているゲートセンサ2801の前面によって、分離孔2810dを後方から閉鎖するようにしており、従来のパチンコ機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内やゲートセンサ2801の検知孔に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、ゲートセンサ2801の前面により分離孔2810dを後方から閉鎖していることから、不正工具を、前方からゲートシール2811を貫いて分離孔2810dに挿通させても、ゲートセンサ2801の前面によりそれ以上の後方への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔2810dを通した前方からの遊技盤5内やゲートセンサ2801の検知孔への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具がゲートシール2811を貫くことでゲートシール2811に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、ゲートシール2811が貼り付けられる貼付凹部2810bに、誤貼付防止部2810cを設けているため、ゲートシール2811を上下逆向きにして貼り付けようとすると、ゲートシール2811を正しく貼り付けることをできなくすることができ、作業者に対してゲートシール2811の誤貼付けに気付かせることができると共に、正規の向きでゲートシール2811を貼り付けさせることができ、ゲートシール2811が上下逆向きにして貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
また、ゲート本体2810において、収容溝2810gに突起部2810jを設けているため、突起部2810jとゲートセンサ2801の切欠部2801aとが一致しない向きでゲートセンサ2801を後方から収容溝2810gに挿入すると、ゲートセンサ2801の前面が、前板部2810aの後面に当接する前に突起部2810jに当接してしまい、ゲートセンサ2801の後面に係止部2810iを係止できないようにすることができる。つまり、突起部2810jとゲートセンサ2801の切欠部2801aとが一致する向きでゲートセンサ2801を収容溝2810gに挿入した時のみ、ゲートセンサ2801の後端に係止部2810iが係止されて、ゲートセンサ2801が保持されるようにしているため、ゲートセンサ2801の向きを誤った状態で組立てられてしまうことを回避させることができ、ゲートセンサ2801にかかる不具合の発生を抑制させることができる。
更に、ゲート本体2810の収容溝2810gに、ゲートセンサ2801を後方から収容すると共に、係止部2810iをゲートセンサ2801に係止させることで、収容溝2810gと係止部2810iと貼付凹部2810bの後側とにより、ゲートセンサ2801の上下方向、左右方向、及び前後方向への移動を規制して位置決めすることができ、パチンコ機1(ゲート部材2800)の組立てを容易なものとしてパチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。この際に、ゲート本体2810における収容溝2810gの前側の部位に分離孔2810dが位置しているため、収容溝2810gにゲートセンサ2801を収容させると、ゲートセンサ2801の前端によって分離孔2810dが後方から閉鎖されることとなる。従って、パチンコ機1に組立てられている状態では、ゲートシール2811が着接されている(貼り付けられている)ゲート本体2810の後側に組付けられているゲートセンサ2801によって、分離孔2810dを後方から閉鎖するようにしており、従来のパチンコ機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具がパチンコ機1内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、上述したように、ゲートセンサ2801をゲート本体2810の係止部2810iに係止させることで、前後方向の移動を規制することができるため、前方からゲートシール2811及び分離孔2810dを貫いた不正工具によりゲートセンサ2801を後方へ押圧しても、係止部2810iの係止によりゲートセンサ2801の後方への移動を阻止することができ、ゲートセンサ2801による分離孔2810dの後方からの閉鎖を維持して不正行為が行われることを防止することができる。
また、ゲート本体2810の係止部2810iを分離孔2810dの正面投影範囲内に突出させているため、分離孔2810dを、係止部2810iを形成するための中子が挿通する挿通孔と兼用することができ、ゲート本体2810を射出成型により形成することができる。
以上のことから以下のような技術思想A~Cを把握することができる。
[技術思想A]
遊技機において、
「所定の装飾が施されている装飾体と、
該装飾体が前方から着接される被装飾部、及び該被装飾部を前後に貫通しており着接されている前記装飾体を後方から押圧して分離可能とする分離孔、を有している前部材と、
該前部材の前記分離孔を後方から閉鎖するように前記前部材の後側に設けられており、遊技媒体が流通可能な通路部を有している通路部材と
を具備し、
前記前部材は、
前記被装飾部の後側から後方へ延出し後端から前方へ向かって凹んでいると共に前端側に前記分離孔が位置しており、前記通路部材の少なくとも一部を後方から収容可能な収容部を、更に有している」ものであることを特徴とする。
ここでは、ゲートシール2811が装飾体に、ゲート本体2810が前部材に、貼付凹部2810bが被装飾部に、ゲート2003(ゲートセンサ2801の検知孔)が通路部に、ゲートセンサ2801が通路部材に、収容溝2810gが収容部に、夫々相当している。
これにより、前部材において、収容部の前側の部位に分離孔が位置しているため、収容部に通路部材の少なくとも一部を収容させると、通路部材の前端によって分離孔を後方から閉鎖することができ、上述と同様の作用効果を奏する遊技機を提供することができる。
また、前部材に収容部を有しているため、通路部材の少なくとも一部を後方から収容部に収容することで、収容部により、通路部材の上下方向、左右方向、及び前方への移動を規制して位置決めすることができ、遊技機の組立てを容易なものとして遊技機にかかるコストを低減させることができる。
[技術思想B]
遊技機において、
「所定の装飾が施されている装飾体と、
該装飾体が前方から着接される被装飾部、及び該被装飾部を前後に貫通しており着接されている前記装飾体を後方から押圧して分離可能とする分離孔、を有している前部材と、
該前部材の前記分離孔を後方から閉鎖するように前記前部材の後側に設けられており、遊技媒体が流通可能な通路部を有している通路部材と
を具備し、
前記前部材は、
前記被装飾部よりも後方で前記分離孔の正面投影範囲内に突出しており、前記通路部材を係止するための係止部を、更に有している」ものであることを特徴とする。
ここでは、ゲートシール2811が装飾体に、ゲート本体2810が前部材に、貼付凹部2810bが被装飾部に、ゲート2003(ゲートセンサ2801の検知孔)が通路部に、ゲートセンサ2801が通路部材に、係止部2810iが係止部に、夫々相当している。
これにより、通路部材に係止される係止部を、分離孔の正面投影範囲内に突出させているため、係止部に通路部材を係止させると、分離孔を後方から閉鎖するように通路部材が被覆装飾部の後側と係止部との間に挟まれた状態となり、通路部材により分離孔を閉鎖することができると共に、通路部材の前後方向の移動を規制することができる。
また、上述したように、通路部材を係止部に係止させることで、前後方向の移動を規制することができるため、前方から装飾体及び分離孔を貫いた不正工具により通路部材を後方へ押圧しても、係止部の係止により通路部材の後方への移動を阻止することができ、通路部材による分離孔の後方からの閉鎖を維持して不正行為が行われることを防止することができる。
更に、前部材の係止部を分離孔の正面投影範囲内に突出させているため、分離孔を、係止部を形成するための中子が挿通する挿通孔と兼用することができ、前部材を射出成型により形成することができる。
[技術思想C]
遊技機において、
「所定の装飾が施されている装飾体と、
該装飾体の前後方向の奥行きよりも後方へ凹んでおり該装飾体が前方から着接される被装飾部、該被装飾部を前後に貫通しており着接されている前記装飾体を後方から押圧して分離可能とする分離孔、前記被装飾部の後側から後方へ延出し後端から前方へ向かって凹んでいると共に前端側に前記分離孔が位置している収容部、及び前記被装飾部よりも後方で前記分離孔の正面投影範囲内に突出している係止部、を有している前部材と、
該前部材の前記分離孔を後方から閉鎖するように前記収容部に後方から少なくとも一部が収容されていると共に、前記係止部に係止されており、遊技媒体が流通可能な通路部を有している通路部材と
を具備している」ものであることを特徴とする。
ここでは、ゲートシール2811が装飾体に、ゲート本体2810が前部材に、貼付凹部2810bが被装飾部に、ゲート2003(ゲートセンサ2801の検知孔)が通路部に、ゲートセンサ2801が通路部材に、収容溝2810gが収容部に、係止部2810iが係止部に、夫々相当している。
これにより、遊技媒体が流通する通路部を有している通路部材の前側に設けられている前部材の前面となる被装飾部に、所定の装飾が施されている装飾体を着接しているため、装飾体の装飾により通路部材の見栄えを良くすることができる。また、装飾体が着接される被装飾部を、装飾体の前後方向の奥行きよりも後方へ凹ませていることから、被装飾部に装飾体を着接すると、前部材における被装飾部の周囲の部分が装飾体の前面よりも前方へ突出した状態となるため、前部材の前方へ突出している部位により縁取りされることで装飾体を引き立たせることができ、装飾体の装飾による装飾効果を発揮させ易くして遊技機の見栄えを良くすることができる。
また、装飾体が着接される被装飾部を後方へ凹ませているため、前部材における被装飾部の突出している周囲をガイドにして装飾体を着接することにより、装飾体を正しい位置に着接させ易くすることができ、装飾体の着接の失敗を低減させて遊技機にかかるコストの増加を抑制することができる。
この遊技機では、前部材の被装飾部を後方へ凹ませているため、装飾体を被装飾部に着接した状態において、装飾体と被装飾部との接触面が奥まった位置にあることから、被装飾部に着接されている装飾体を外そうとしても前側からは装飾体を引掛け難く、取外す手間がかかることとなる。これに対して、被装飾部に分離孔を設けているため、前部材の後方から分離孔に棒状部材を通して装飾体を前方へ押圧することで、被装飾部との着接を容易に解除することができ、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができる。従って、製造時において、前部材の被装飾部に対して装飾体を正しく着接することができなかった場合、前部材の後方から分離孔に棒状部材を通し、その先端により装飾体を後方から押圧することで、被装飾部との着接を容易に解除することができるため、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができ、装飾体を着接し直すことができる。また、前部材と通路部材とを離した状態で、前部材の後方から分離孔に棒状部材を通し、その先端により装飾体を後方から押圧することで、被装飾部との着接を容易に解除することができるため、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができ、機種変更に伴う装飾体の取替作業を容易なものとすることができる。更に、上述したように、前部材と通路部材とを離した状態では、分離孔を使用して装飾体を被装飾部から容易に取外すことができるため、遊技機の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、遊技機の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、被装飾部に分離孔を設けているため、被装飾部に装飾体を着接することにより前方から分離孔を見え難くしたり隠したりすることができ、分離孔による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔の存在に気付かせ難くすることができ、分離孔を通した不正行為を画策させ難くすることができる。
そして、前部材の収容部に、通路部材の少なくとも一部を後方から収容すると共に、係止部を通路部材に係止させることで、収容部と係止部と被装飾部の後側とにより、通路部材の上下方向、左右方向、及び前後方向への移動を規制して位置決めすることができ、遊技機の組立てを容易なものとして遊技機にかかるコストを低減させることができる。この際に、前部材における収容部の前側の部位に分離孔が位置しているため、収容部に通路部材の少なくとも一部を収容させると、通路部材の前端によって分離孔が後方から閉鎖されることとなる。従って、遊技機に組立てられている状態では、装飾体が着接されている前部材の後側に組付けられている通路部材によって、分離孔を後方から閉鎖するようにしており、従来の遊技機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技機内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、通路部材により分離孔を後方から閉鎖していることから、不正工具を、前方から装飾体を貫いて分離孔に挿通させても、通路部材によりそれ以上の後方への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔を通した前方からの通路部内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体を貫くことで装飾体に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高い遊技機を提供することができる。
また、上述したように、通路部材を係止部に係止させることで、前後方向の移動を規制することができるため、前方から装飾体及び分離孔を貫いた不正工具により通路部材を後方へ押圧しても、係止部の係止により通路部材の後方への移動を阻止することができ、通路部材による分離孔の後方からの閉鎖を維持して不正行為が行われることを防止することができる。
また、前部材の係止部を分離孔の正面投影範囲内に突出させているため、分離孔を、係止部を形成するための中子が挿通する挿通孔と兼用することができ、前部材を射出成型により形成することができる。
[5-8i.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図137、図144及び図145等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nは、センター役物2500の左側に打込まれた遊技球Bを、風車Wの中心よりも右側の部位、へ主に進入するように調整されていると共に、それらより低い確率で、風車Wの中心よりも左側の部位へ進入するように調整されている。これにより、遊技球Bが、センター役物2500の左側を流下するように打込むことにより、ある程度の確率で、センター役物2500のワープ入口2511に進入させることができる。
センター役物2500の案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、案内通路群2520の右側の第一案内通路2521を流通した遊技球Bよりも、案内通路群2520の左側の第二案内通路2522を流通した遊技球Bの方が、高い確率でゲート2003を通過するように調整されている。また、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、ゲート部材2800の右側の部位よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、サイド右中ユニット2700よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
遊技領域5a内には、遊技球Bが、外レール1001と内レール1002とに案内されて左側から遊技領域5aの周縁に沿って上部に打込まれる。遊技領域5a内に対してセンター役物2500の左側を流通するように遊技球Bを打込んだ場合、図137に示すように、センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nにより、センター役物2500のワープ入口2511、又は、風車Wの中心よりも右側の部位、の何れかに進入するように誘導され、それらよりも低い確率で風車Wの中心よりも左側の部位に進入するように誘導される。
風車Wの中心よりも左側の部位に誘導された遊技球Bは、サイド左上ユニット2300の棚部2301により、右方へ誘導されてサイドユニット2200へ流下する。そして、サイドユニット2200に設けられている三つの一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第一排出通路3181に受け渡されて、一般入賞口センサ3001により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。一般入賞口センサ3001により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。風車Wの中心よりも左側の部位へ誘導された遊技球Bは、第一始動口2002に受入れられることは殆んどない。そして、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nにより、左右方向の中央(第一始動口2002)側へ誘導され、第一始動口2002に受入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、斜めに列設されている複数の障害釘Nの間を通って、サイドユニット2200上へ流下することがあり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
センター役物2500のワープ入口2511に進入した(受入れられた)遊技球Bは、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから遊技球Bが放出されると、或る程度の確率で第一始動口2002に受入れられる。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第二排出通路3182に受け渡されて、第一始動口センサ3002により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。第一始動口センサ3002により遊技球Bが検知されると、第一特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。ステージ2513から放出されて第一始動口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
なお、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側を流通した遊技球Bは、ゲート2003を通過したり、第二始動口2004、大入賞口2005及び役物入賞口2006に受入れられたりする可能性はない。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の右側へ打込んだ遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる確率に対して、センター役物2500の左側へ打込んだ遊技球Bが第一始動口2002に受入れられる確率の方が、高く設定されている。これにより、大入賞口2005や役物入賞口2006が開状態でない時には、センター役物2500の左側への遊技球Bの打込操作(「左打ち」)を促すことができる。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の周壁部2501の上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、ゲート2003の直上よりもやや右寄りの位置で下方へ放出される。
第一案内通路2521の出口から下方へ放出された遊技球Bは、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nにより、ゲート部材2800の左側、ゲート2003、ゲート部材2800の右側、の順に確率が低くなるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
一方、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して、第二案内通路2522を流通すると、第一案内通路2521の出口よりも左側から下方へ放出される。第二案内通路2522の出口から下方へ放出された遊技球Bは、ゲート2003とゲート部材2800の左側とが略同じ確率で、ゲート部材2800の右側がそれらよりも低い確率となるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
ゲート部材2800の右側を通った遊技球Bは、第二サブアウト口2022に受入れられる。第二サブアウト口2022に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の第二裏誘導通路3157に受け渡された後に、裏前下演出ユニット3160を通って遊技領域5a外へ排出される。また、ゲート2003を通過した遊技球Bは、ゲートセンサ2801により検知された後に、サイド右中ユニット2700側へ放出される。このゲートセンサ2801による遊技球Bの検知により、第二始動口2004が開閉する普通抽選結果の抽選が行われる。
ゲート2003及びゲート部材2800の左側を通った遊技球Bは、ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2022に受入れられたりする。サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の第一裏誘導通路3156に受け渡されて、一般入賞口センサ3001により検知された上で裏前下演出ユニット3160を通って基板ホルダ1200上に排出される。この際に、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
サイド右中ユニット2700の左側を流下する遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における役物入賞口2006の左方を流下する。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「役物当り」が抽選されている場合、役物入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で役物入賞口2006に受入れられる。
役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、役物入賞口センサ2601に検知された上で、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140の振分通路3158に受け渡される。この役物入賞口センサ2601による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
そして、振分通路3158に受け渡された遊技球Bは、V振分ソレノイド3007の駆動によりV入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けられる。V入賞口2007に振分けられた遊技球Bは、V入賞口センサ3003に検知された上で、基板ホルダ1200上に排出される。一方、ハズレ口2008に振分けられた遊技球Bは、V入賞口センサ3003に検知されることなく、ハズレ口センサ3004に検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。このV入賞口2007に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
なお、役物入賞口2006に受入れられずに、役物入賞口2006の左方を流下した遊技球Bは、センター役物2500の右下案内通路2530に進入し、右下案内通路2530の出口から第一アタッカユニット2400側へ放出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から下方(斜め左下)へ放出された遊技球Bは、第一アタッカユニット2400の第一棚部2421上に流下する。なお、右下案内通路2530と第一アタッカユニット2400との間には、複数の障害釘Nが植設されているため、遊技球Bが、右下案内通路2530から直接第一アタッカユニット2400における第一立壁部2425の右側へ流下することはない。
第一アタッカユニット2400の第一棚部2421に流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2422を転動した上で、第二棚部2422の左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2422から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2423又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、大入賞口扉2413から第四棚部2424を転動した後に、第四棚部2424から第一アタッカユニット2400外となる左方へ放出される。
ところで、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、複数の障害釘Nに当接することで、第一棚部2421に流下せずに、上棚部2436に流下することがある。そして、上棚部2436に流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して上棚部2436の左端から左方へ放出された上で、左方に植設されている障害釘Nに当接して下方へ向きを変えて、大入賞口扉2413の上面の左端付近に流下した後に、大入賞口扉2413及び第四棚部2424を左方へ転動して第一アタッカユニット2400外へ放出される。従って、遊技球Bが上棚部2436上を転動した場合でも、上棚部2436から遊技球Bが放出されるタイミングと、大入賞口2005が開状態となるタイミングとによっては、大入賞口2005に受入れられることがある。
また、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、障害釘Nや上棚部2436の右端への当接等により、右方へ跳ね返って第一棚部2421上に流下することで、第一棚部2421をその傾斜に抗して右方へ転動して、第一棚部2421の右端から右方(下方)へ放出されることがある。第一棚部2421の右端から右方へ放出された遊技球Bは、第一立壁部2425と前構成部材1000の右レール1005との間を通って、第二横壁部2433の右端付近に流下し、第二横壁部2433の傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2021に受入れられる。第一サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の第五排出通路3185に受け渡され、第五排出通路3185から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から遊技球Bが放出された際に、ゲート2003での遊技球Bの通過により普通抽選結果として「普通当り」が抽選されている場合、第二始動口扉2411が可動して第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、第一棚部2421を左方へ転動している遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、遊技領域5a外となる基板ホルダ1200上に排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
また、第二棚部2422から左方へ遊技球Bが放出された際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「大当り」が抽選されている場合、大入賞口扉2413が可動して大入賞口2005が所定のパターンで開閉するため、第二棚部2422から左方へ放出された遊技球Bが、高い確率で大入賞口2005に受入れられることとなる。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2402により検知された上で、遊技領域5a外の基板ホルダ1200上に排出される。この大入賞口センサ2402による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
なお、第二棚部2422から左方へ放出された遊技球Bの勢いによっては、上棚部2436の下面の段差に当接することで、斜め右下へ流下して第二棚部2422と第三棚部2423との間の隙間に遊技球Bが進入することがある。第二棚部2422と第三棚部2423との間の隙間に進入した遊技球Bは、第三立壁部2427と第四立壁部2428との間を通って第二横壁部2433の左端付近に落下し、第二横壁部2433の傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2021に受入れられる。
センター役物2500の右下案内通路2530から第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bが、第二始動口2004、大入賞口2005、及び第一サブアウト口2021の何れにも受け入れられなかった場合は、遊技領域5aの下端のアウト口1008から、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方の下方へ排出される。
このようなことから、大入賞口2005や役物入賞口2006を開閉させるためには、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「役物当り」や「大当り」等の第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果の抽選を行わせる必要がある。第一始動口2002は常時開口しているのに対して、第二始動口2004はゲート2003に遊技球Bを通過させて普通抽選結果としての「普通当り」を抽選させる(引き当てる)必要があるため、第二始動口2004へ遊技球Bを受入れさせる機会は、第一始動口2002よりも低くなっている。
従って、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せてパチンコ機1による本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別抽選結果として「役物当り」や「大当り」が抽選されると、大入賞口2005又は役物入賞口2006が開閉するため、大入賞口2005又は役物入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、遊技球Bの打込操作を「右打ち」に変更させて、大入賞口2005又は役物入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
この際に、センター役物2500の右上隅に第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、流通させる案内通路によって、ゲート2003を通過させ易かったり、第二サブアウト口2022に受入れられ易かったりするため、所望の案内通路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、「右打ち」を行うことで、ゲート2003に遊技球Bを通過させることで、第二始動口2004が開状態となる「普通当り」が抽選される可能性があり、開状態の第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「役物当り」や「大当り」が抽選される可能性があるため、遊技に対する期待感を高めさせることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
[5-8j.磁気センサ]
続いて、遊技盤5における複数の磁気センサ1050について、主に図146乃至図148等を参照して詳細に説明する。図146は、磁気センサの配置を示す遊技盤の正面図である。図147(a)は磁石からの磁力線を検知可能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(b)は磁石からの磁力線を検知不能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(c)は磁気センサによる検知範囲を斜視図により模式的に示す説明図であり、(d)は磁石からの磁力線が検知不能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(e)は磁石からの磁力線が検知可能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図である。図148(a)は保持部材に磁気センサが保持されている状態を示す斜視図であり、(b)は保持部材と磁気センサとを分離させた状態で示す分解斜視図であり、(c)は保持部材を断面で示す分解図である。
磁気センサ1050は、遊技盤5に複数設けられており、遊技領域5a内に作用する不正な磁気(磁力線)を検知するためのものである。磁気センサ1050は、図148(c)に示すように、磁気を検知するためのセンサ本体1051と、センサ本体1051が実装されている表面が白色のセンサ基板1052と、センサ基板1052及びセンサ本体1051を覆っている透明なセンサケース1053と、を備えている。なお、図示は省略するが、センサ基板1052には、センサ本体1051の他に、IC、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、接続用コネクタ、等が実装されている。
磁気センサ1050は、平面視が長方形で、当該長方形の短辺の長さよりも低い高さの直方体状に形成されており、高さ方向の辺の一つの部位がC面取りされている。この磁気センサ1050は、透明なセンサケース1053を通して、内部のセンサ本体1051やセンサ基板1052を外部から視認することができる。
磁気センサ1050は、直方体における最も長い長辺と平行な磁力線の通過を検知することができるものである。従って、図147(a)に示すような磁気センサ1050の向きと磁石1055との位置関係の時には、磁石1055の磁力線が、長辺と平行な方向に通過するため、磁石1055の磁気(磁力線)を検知することができる。
一方、図147(b)に示すような磁気センサ1050の向きと磁石1055との位置関係の時には、磁石1055の磁力線が、長辺と直角方向(長辺と短辺とによる長方形の面に対して垂直方向)に通過するため、磁石1055の磁気(磁力線)を検知することができない。
このようなことから、この磁気センサ1050は、図147(c)において網掛けで示すように、磁気センサ1050を中心にした長辺方向の一方側と他方側に、磁石1055の磁気の検知領域DAを有している。換言すると、磁気センサ1050は、二つの球を組み合わせたヒョウタン型の検知領域DAを有している。
そして、本実施形態の遊技盤5では、図146に示すように、複数の磁気センサ1050が夫々適宜の方向へ向けて設けられている。各磁気センサ1050は、遊技領域5aにおける一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、及びワープ入口2511、付近に作用する不正な磁気を検知することができるように配置されている。つまり、遊技領域5a内における磁石を用いた不正行為が行われると予測される部位が、磁気センサ1050の検知領域DA(図146において二点鎖線で示す領域)に含まれるように、夫々の磁気センサ1050が適宜の向きで配置されている。
また、遊技盤5では、各磁気センサ1050が、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2612、V振分ソレノイド、及び、裏ユニット3000に設けられている駆動モータ、等からの磁気(磁力線)を検知しないように、夫々の検知領域DAがソレノイドや駆動モータにかからないようにしている。
次に、図147(d)に示すように、磁石1055からの磁力線を検知可能な磁気センサ1050に対して、磁性体1056を並列に配置した場合、磁力線が磁性体1056に引き寄せられることで、磁気センサ1050を通過する磁力線が減少し、磁気センサ1050により磁石1055からの磁力線(磁気)を検知することができなくなることがある。
一方、図147(e)に示すように、磁石1055からの磁力線を検知可能な磁気センサ1050に対して、磁性体1057を直列に配置した場合、磁性体1057により磁力線が引き寄せられることで、磁気センサ1050を通過する磁力線を増加させることができる。これにより、遠くの磁石1055や、磁力の弱い磁石1055の磁気を検知することができる。
ところで、従来のパチンコ機では、磁性体からなるネジを使用して磁気センサを遊技盤に取付けているため、磁気センサとネジとの位置関係によっては、不正行為を行うための磁石からの磁力線が、透磁率の高いネジに引き寄せられることにより、磁気センサを通過する磁力線が減少し、磁石の接近を検知することができなくなる問題があった。これに対して、本実施形態では、ネジを用いることなく磁気センサ1050を取付けるようにしている。
具体的に詳述すると、図148に示すように、磁気センサ1050は、非磁性体(ここでは、合成樹脂)からなる保持部材1060を介して遊技盤5に取付けられている。保持部材1060は、磁気センサ1050を一方側から収容可能な収容部1061と、収容部1061に収容されている磁気センサ1050に係止されている弾性爪1062と、を有している。また、保持部材1060は、弾性爪1062の脚部から収容部1061内へ突出している突起1063を有している。この保持部材1060は、透明な合成樹脂により形成されている。
この保持部材1060は、外部から磁気センサ1050を収容部1061へ挿入させると、弾性爪1062が収容部1061から遠ざかる方向へ弾性変形し、磁気センサ1050が収容部1061に収容されると、弾性爪1062が復帰して磁気センサ1050に係止される。この際に、弾性爪1062の脚部に設けられている突起1063が磁気センサ1050に当接しており、磁気センサ1050を収容部1061の内面における弾性爪1062とは反対側の部位に押圧している。
この弾性爪1062の係止により、磁気センサ1050の収容部1061から抜ける方向への移動を阻止することができ、磁気センサ1050の脱落を防止することができる。また、突起1063の当接によって磁気センサ1050を収容部1061内に押圧しているため、収容部1061内での磁気センサ1050のガタツキを防止することができる。
このように、保持部材1060を非磁性体としているため、遊技領域5aに磁石が近づけられた際に、保持部材1060が磁石からの磁力線を引寄せてしまうことを回避させることができ、磁気センサ1050を通過する磁力線の減少を防止することができる。従って、遊技領域5aに作用する磁気を検知し易くすることができ、磁石を使用した不正行為を早期に検知することができると共に、磁気センサ1050による不審な磁気の検知を報知することで不正行為を思い止まらせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、非磁性体からなる保持部材1060により磁石からの磁力線の引寄せを回避させて、磁気センサ1050を通過する磁力線の減少を防止することができるため、従来のパチンコ機よりも少ない数の磁気センサ1050により遊技領域5aに作用する磁気を効果的に検知することが可能となり、従来よりも磁気センサ1050の数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、保持部材1060の弾性爪1062を弾性変形させることで、保持部材1060に対する磁気センサ1050の取付けや取外しを容易に行うことができるため、従来のパチンコ機のように、磁性体からなる金属製のネジを使用しなくても、弾性爪1062により磁気センサ1050を取付けることができると共に、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、保持部材1060の突起1063により磁気センサ1050を収容部1061へ付勢(押圧)していることから、突起1063による付勢によって磁気センサ1050が細かく振動することを抑制することができるため、当該振動により磁気センサ1050に接続されているコネクタが外れたり接触不良が発生したりすることを低減させることができ、磁気センサ1050を確実に作動させることができる。
また、非磁性体からなる保持部材1060により磁気センサ1050を保持して遊技盤5に設けるようにしていることから、保持部材1060における遊技盤5に取付けられる部位を、磁気センサ1050から離れた位置、或いは、遊技領域5aにおける磁気の検知領域DA外の位置、に設けることが可能となる。これにより、保持部材1060を遊技盤5に取付けるためのネジ等の磁性体による影響を可及的に低減させることができるため、磁気センサ1050によって遊技領域5aに作用する磁気を確実に検知させることができ、磁石を使用した不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、磁気センサ1050を透明な保持部材1060により視認可能に保持していると共に、磁気センサ1050のセンサケース1053を透明としているため、透明なセンサケース1053を通してセンサ基板1052に実装されているセンサ本体1051を遊技者に見せることができる。この際に、センサ本体1051が実装されているセンサ基板1052の表面を白色としているため、色の異なる(例えば、黒色)センサ本体1051を目立たせることができる。従って、遊技者に対して磁気センサ1050がダミーでなく本物であることを強く認識させることができ、磁気センサ1050が見えることで磁石を使用した不正行為を行おうとする者に対して、不正行為の実行を躊躇させることができると共に、不正行為に対する抑止力を高めることができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、磁気センサ1050において、センサ本体1051が実装されているセンサ基板1052の表面を白色としているため、センサ基板1052を目立ち難くすることができると共に、センサ基板1052をLEDが実装されている装飾基板と誤認させることができる。従って、磁気センサ1050のセンサ基板1052が見えていても、通常の遊技者であれば気になることはなく、遊技領域5a内の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、磁気センサ1050のセンサ本体1051を外部から見ることができることから、センサ本体1051の破損の有無を外部から確認することができるため、パチンコ機1のメンテナンスにかかる手間を容易なものとすることができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[5-9.裏ユニットの全体構成]
遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図149等を参照して詳細に説明する。図149(a)は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤の裏ユニットを後ろから見た斜視図である。遊技盤5における裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構(図示は省略)と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近に設けられている裏前演出ユニット3100と、裏前演出ユニット3100の後側で裏箱3010内の上部に設けられている裏後上演出ユニット3200と、裏後上演出ユニットの下方で裏箱3010内の下部に設けられている裏後下演出ユニット3300と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける右辺において枠内の内側から右方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の右固定片1602が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの左辺の上下方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。裏箱3010は、裏前演出ユニット3100等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
また、裏ユニット3000は、表ユニット2000に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、役物入賞口2006に受入れられた後にV入賞口2007に振分けられた遊技球Bを検知するV入賞口センサ3003と、役物入賞口2006に受入れられた後にハズレ口2008に振分けられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ3004と、を有している(図169等を参照)。
更に、裏ユニット3000は、V入賞口2007を開閉するための前後に進退可能なV入賞口扉3006と、V入賞口扉3006を前後に進退させて役物入賞口2006に受入れられた遊技球BをV入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けるV振分ソレノイド3007と、を備えている。これら、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、V入賞口センサ3003、ハズレ口センサ3004、V入賞口扉3006、及びV振分ソレノイド3007は、裏前演出ユニット3100に設けられている。
[5-9a.裏前演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100について、主に図150乃至図160を参照して詳細に説明する。図150は、裏ユニットにおける裏前演出ユニットの正面図である。図151(a)は裏ユニットにおける裏前演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図152(a)は裏前演出ユニットを上下方向の中央付近で切断して上から見た断面図であり、(b)は(a)における左部の拡大断面図であり、(c)は(a)における右部の拡大断面図である。図153は、裏前演出ユニットの裏前左装飾ユニットを分解して導光板と共に前から見た分解斜視図である。図154は、裏前左装飾ユニットを分解して裏前左第一装飾体、裏前左第二装飾体、裏前左第三装飾体、及び裏前左装飾体ベースのみを後ろから見た分解斜視図である。図155(a)は透明な状態で示す裏前左第一装飾体の正面図であり、(b)は透明な状態で示す裏前左第二装飾体の正面図であり、(c)は透明な状態で示す裏前左第三装飾体の正面図であり、(c)は透明な状態で示す裏前左装飾体ベースの正面図である。
図156(a)は裏前演出ユニットにおける導光板と導光板及び裏前左装飾ユニットを発光装飾させるための装飾基板との関係を正面から示す説明図であり、(b)は裏前演出ユニットにおける導光板と裏前下演出ユニットの装飾体を発光装飾させるための装飾基板との関係を正面から示す説明図である。図157は、裏前左装飾ユニットを発光装飾させた状態を示す正面図である。図158(a)は導光板の第一絵柄を発光させた状態を示す説明図であり、(b)は導光板の第二絵柄を発光させた状態を示す説明図である。図159は、導光板の第二絵柄の発光構成を示す説明図である。図160は、導光板の第二絵柄を発光させた状態で示す裏前演出ユニットの正面図である。
裏ユニット3000における裏前演出ユニット3100は、裏箱3010内の前端に取付けられている。裏前演出ユニット3100は、正面視中央に設けられている透明平板状の導光板3110と、導光板3110の左端部側に設けられている裏前左装飾ユニット3120と、導光板3110の右端部側に設けられている裏前右装飾ユニット3140と、導光板3110の下端部側に設けられており裏前左装飾ユニット3120と裏前右装飾ユニット3140との夫々の下端同士を連結している裏前下演出ユニット3160と、裏前左装飾ユニット3120と裏前右装飾ユニット3140との夫々の上端同士を連結している上連結ベース3190と、を備えている。
裏前右装飾ユニット3140は、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第二アタッカユニット2600の役物入賞口2006に受入れられた後にV入賞口2007に振分けられた遊技球Bを検知するV入賞口センサ3003と、第二アタッカユニット2600の役物入賞口2006に受入れられた後にハズレ口2008に振分けられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ3004と、を備えている。また、裏前右装飾ユニット3140は、第二アタッカユニット2600の役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを、V入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けるためのV入賞口扉3006と、V入賞口扉3006を進退(開閉)させるためのV振分ソレノイド3007と、を備えている。
裏前下演出ユニット3160は、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、を備えている。
[5-9a-1.導光板]
裏前演出ユニット3100における導光板3110は、左右からの光のみを前方へ反射させることにより発光表示される第一絵柄3111(図158(a)を参照)と、下方の特定部位からの光のみを前方へ反射させることにより発光表示される第二絵柄3112(図158(b)を参照)と、を備えている。つまり、導光板3110は、後述する裏前左装飾ユニット3120における裏前左装飾基板3128の複数の導光板用LED3128gと、裏前右装飾ユニット3140における裏前右第一装飾基板3148、裏前右第二装飾基板3149、及び裏前右導光板用装飾基板3150の複数の導光板用LEDとを発光させると、第一絵柄3111を発光表示させることができる。また、裏前下演出ユニット3160の導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175の複数のLED3176を発光させると、第二絵柄3112を発光表示させることができる。
導光板3110の第一絵柄3111は、図示するように、中央の「A」の文字を図案化した絵柄と、その左右両外側の「翼」を広げたような絵柄と、から構成されている。この第一絵柄3111は、図示するように、絵柄の部位によって発光表示の濃淡や光り具合が異なるように構成されており、絵柄の意匠性や装飾性が高められている。詳述すると、第一絵柄3111は、図158(a)において、網掛けの濃淡が最も濃い部位はLEDからの光の色のままで発光する複数の点により構成されており、濃淡が最も薄い部位はLEDからのカクテル光を分光させて発光する複数の点により構成されており、その他の濃淡の部位はLEDからの光の色のままで発光する複数の線により構成されている。
ここで、カクテル光とは、光の三つの原色のうち、二つ以上を含んだ色の光のことである。例えば、カクテル光として、赤色と緑色の光を混ぜ合わせた黄色の光を、分光発光部へ照射すると、黄色の光の成分が赤色の光と緑色の光とに分光され、当該部位において赤色や緑色に見える部分が現れる。或いは、カクテル光として白色の光を分光発光部へ照射すると、白色の光の成分が赤色の光と緑色の光と青色の光とに分光され、当該部位において赤色や緑色や青色に見える部分や、それらが適宜混ざり合った色の光が現れることとなり、虹色にキラキラした発光を見せることができる。なお、この分光発光部へ光の三原色のうちの一つのみの色の光を照射すると、当該光には分光される成分がないため、当該色の光で発光することとなる。このようなことから、分光発光部では、照射する光の色によって、単一の色で発光させたり、キラキラと複数の色で発光させたりすることができ、より多彩な発光演出を行うことができる。
第一絵柄3111を発光表示させるためのLED(導光板用LED3128g等)は、裏前左装飾ユニット3120の裏前左装飾基板3128と、裏前右装飾ユニット3140の裏前右第一装飾基板3148、裏前右第二装飾基板3149、及び裏前右導光板用装飾基板3150に実装されている。
導光板3110の第二絵柄3112は、下端付近における左右方向へ間隔をあけた複数の部位を中心として、放射状に上方へ延出した複数のライン3113(直線)により構成されている。第二絵柄3112の各ライン3113は、後述する導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175のLED3176からの光の色のままで発光する複数の点により構成されている。第二絵柄3112を構成している複数のライン3113は、夫々が対応しているLED3176からの光のみを前方へ反射させるように形成されており、夫々が独立して発光表示できるように形成されている。
第二絵柄3112は、複数のライン3113が、左から第一ライン群3114a、第二ライン群3114b、第三ライン群3114c、第四ライン群3114d、第五ライン群3114e、の五つのライン群3114に分けられている。そして、各ライン群3114は、左から第一ライン3113a、第二ライン3113b、第三ライン3113c、第四ライン3113d、第五ライン3113e、の五つのライン3113により構成されている。一つのライン群3114における第一ライン3113a~第五ライン3113eの五つのライン3113は、夫々の下端が同じ位置に配置されており、下端の位置を中心として放射状に上方へ延出している。
この第二絵柄3112の発光表示により、あたかもコンサートステージにおける下方からのサーチライトのような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技領域5a内を煌びやかに見せることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
第二絵柄3112を発光表示させるためのLED3176は、裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160の導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されている。
[5-9a-2.裏前左装飾ユニット]
裏前演出ユニット3100における裏前左装飾ユニット3120は、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定のロゴを形成しており複数のアルファベットの文字列からなる上下に長い裏前左ロゴ装飾部3121と、裏前左ロゴ装飾部3121の上方に設けられており「A」の文字を図案化した裏前左上ロゴ装飾部3122と、裏前左ロゴ装飾部3121の左方に設けられている裏前左サブ装飾部3123と、を有している。
裏前左装飾ユニット3120は、正面視の形状が上下に長い長方形で透明な裏前左第一装飾体3124と、裏前左第一装飾体3124の後方に設けられている透明な裏前左第二装飾体3125と、裏前左第二装飾体3125の後方に設けられている透明な裏前左第三装飾体3126と、裏前左第三装飾体3126の後方に設けられている透明な裏前左装飾体ベース3127と、を備えている。
また、裏前左装飾ユニット3120は、導光板3110の第一絵柄3111、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、及び裏前左サブ装飾部3123を発光装飾させるための裏前左装飾基板3128と、裏前左上ロゴ装飾部3122を発光装飾させるための裏前左上装飾基板3129と、裏前左ロゴ装飾部3121及び裏前左サブ装飾部3123を発光装飾させるための裏前左下装飾基板3130と、を備えている。
更に、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の右側に設けられている裏前左リフレクタ3131と、裏前左上装飾基板3129の下側に設けられている裏前左上リフレクタ3132と、裏前左下装飾基板3130の上側に設けられている裏前左下リフレクタ3133と、を備えている。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左第三装飾体3126と裏前左装飾体ベース3127との間に設けられている左拡散レンズ3134を、備えている。
裏前左第一装飾体3124は、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、左拡散レンズ3134、及び導光板3110の左端部を挟むように裏前左装飾体ベース3127の前面に取付けられるものである。裏前左第一装飾体3124は、透明平板状で上下に長い長方形に形成されている。裏前左第一装飾体3124は、下から約3/4の高さの部位に、左右に延びていると共に前後に貫通している区切装飾部3124aを有している。
また、裏前左第一装飾体3124は、前後に貫通している複数の貫通装飾部3124bを、有している。複数の貫通装飾部3124bは、上端付近及び下端付近と、区切装飾部3124aの右端の上方付近とに、設けられている。貫通装飾部3124bは、正方形の四辺を内側へ膨出した円弧に置き換えたような菱形に形成されている。
また、裏前左第一装飾体3124は、前面における区切装飾部3124aの下方に設けられており裏前左ロゴ装飾部3121の一部を構成している第一表左ロゴ装飾部3124cと、後面における第一表左ロゴ装飾部3124cと対応している部位に設けられているレリーフ状の第一裏左ロゴ装飾部3124dと、を有している。裏前左第一装飾体3124の右辺は、第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124dのロゴの文字列に沿った形状に形成されている。
また、裏前左第一装飾体3124は、裏面における区切装飾部3124aの上方にレリーフ状に設けられており裏前左上ロゴ装飾部3122の一部を構成している第一左上ロゴ装飾部3124eと、裏面における第一裏左ロゴ装飾部3124dよりも左方でレリーフ状に設けられており裏前左サブ装飾部3123の一部を構成している複数の第一左サブ装飾部3124fと、を有している。第一左上ロゴ装飾部3124eは、裏前左上ロゴ装飾部3122の最も外側の部位を構成している。第一左サブ装飾部3124fは、同じ大きさの円を四分の一ずつ重ねて一つの円の部位を抜き出した七宝模様と、七宝模様の外側の円を無くした菱模様と、に形成されており、上下に列設されている。
裏前左第一装飾体3124は、図153及び図154等では不透明として示しているが、実際には透明であるため、図155(a)に示すように、前方から後面に設けられている第一裏左ロゴ装飾部3124d、第一左上ロゴ装飾部3124e、及び第一左サブ装飾部3124fを視認することができる。
裏前左第一装飾体3124は、裏前左装飾ユニット3120に組立てた状態で、裏前左第二装飾体3125の前方に位置しており、左辺側に対して右辺側が後方に位置するように傾斜した状態で取付けられている(図152を参照)。また、裏前左第一装飾体3124は、組立てた状態では、左側面が裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bの右側面と接するように位置しており、その左方に裏前左装飾基板3128の第一下LED3128a及び第一上LED3128bが位置している。また、裏前左第一装飾体3124は、組立てた状態で、上面の上方に裏前左上装飾基板3129の第一LEDが位置していると共に、下面の下方に裏前左下装飾基板3130の第一LED3130aが位置している。
裏前左第一装飾体3124は、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128aと裏前左下装飾基板3130の第一LED3130aとを発光させると、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bを介して左側面の区切装飾部3124aよりも下方の部位から内部に入射された光や下面から内部に入射された光により、第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、及び第一左サブ装飾部3124fが発光装飾する。この際に、区切装飾部3124aの内面と、下端付近に設けられている貫通装飾部3124bの内面も、発光装飾する。
なお、区切装飾部3124aでは、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128aや裏前左下装飾基板3130の第一LED3130aから内部に入射された光が、下側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3124aの下方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3124aの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3124aの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3124aの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3124aの上方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128aや裏前左下装飾基板3130の第一LED3130aからの光が、区切装飾部3124aを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128aや裏前左下装飾基板3130の第一LED3130aからの光によって、区切装飾部3124aの上方の第一左上ロゴ装飾部3124eが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124dや第一左サブ装飾部3124fのみを明るく発光表示させることができる。
また、裏前左第一装飾体3124は、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128bと裏前左上装飾基板3129の第一LEDとを発光させると、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bを介して左側面の区切装飾部3124aよりも上方の部位から内部に入射された光や上面から内部に入射された光により、第一左上ロゴ装飾部3124eが発光装飾する。この際に、区切装飾部3124aの内面と、区切装飾部3124aよりも上方に設けられている貫通装飾部も、発光装飾する。
なお、区切装飾部3124aでは、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128bや裏前左上装飾基板3129の第一LEDから内部に入射された光が、上側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3124aの上方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3124aの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3124aの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3124aの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3124aの下方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128bや裏前左上装飾基板3129の第一LEDからの光が、区切装飾部3124aを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128bや裏前左上装飾基板3129の第一LEDからの光によって、区切装飾部3124aの下方の第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124dや第一左サブ装飾部3124fが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第一左上ロゴ装飾部3124eや上側の貫通装飾部3124bのみを明るく発光表示させることができる。
このように、裏前左第一装飾体3124では、区切装飾部3124aを境にして、上側と下側とを夫々独立して発光装飾(発光表示)できるように構成されている。
裏前左第二装飾体3125は、全体が透明に形成されており、裏前左第一装飾体3124と平行な平板状の装飾板部3125aと、装飾板部3125aの右辺を除いた周辺(左辺、上辺、下辺)に設けられている基板保持部3125bと、を有している。基板保持部3125bは、装飾板部3125aよりも外側へ延出していると共に、前方へ突出しており、後面側から前方へ窪んでいる。基板保持部3125bは、裏前左装飾体ベース3127の基板保持部3127bと協働して、裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、及び裏前左下装飾基板3130を挟持して保持するためのものである。裏前左第二装飾体3125は、基板保持部3125bの前面が遊技パネル1100の前面と平行であるのに対して、装飾板部3125aが左辺側よりも右辺側が後方に位置するように傾斜している。
また、裏前左第二装飾体3125は、装飾板部3125aにおける下から約3/4の高さの部位に、左右に延びていると共に前後に貫通している区切装飾部3125cを有している。この区切装飾部3125cは、裏前左第一装飾体3124の区切装飾部3124aと同じ大きさで、同じ高さに形成されている。
また、裏前左第二装飾体3125は、後面における区切装飾部3125cの下方に設けられており裏前左ロゴ装飾部3121の一部を構成しているレリーフ状の第二裏左ロゴ装飾部3125dを、有している。裏前左第二装飾体3125の右辺は、第二裏左ロゴ装飾部3125dのロゴの文字列に沿った形状に形成されている。
また、裏前左第二装飾体3125は、裏面における区切装飾部3125cの上方にレリーフ状に設けられており裏前左上ロゴ装飾部3122の一部を構成している第二左上ロゴ装飾部3125eと、裏面における第二裏左ロゴ装飾部3125dよりも左方でレリーフ状に設けられており裏前左サブ装飾部3123の一部を構成している複数の第二左サブ装飾部3125fと、を有している。第二左上ロゴ装飾部3125eは、裏前左第一装飾体3124の第一左上ロゴ装飾部3124eよりも一回り小さい大きさに形成されている。第二左サブ装飾部3125fは、第一左サブ装飾部3124fと対応する位置に設けられており、一回り小さい同じような形状に形成されている。
裏前左第二装飾体3125は、図153及び図154等では不透明として示しているが、実際には透明であるため、図155(b)に示すように、前方から後面に設けられている第二裏左ロゴ装飾部3125d、第二左上ロゴ装飾部3125e、及び第二左サブ装飾部3125fを視認することができる。
裏前左第二装飾体3125は、裏前左装飾ユニット3120に組立てた状態で、図152等に示すように、装飾板部3125aの前方に裏前左第一装飾体3124が位置していると共に後方に裏前左第三装飾体3126が位置している。また、裏前左第二装飾体3125は、組立てた状態では、前方へ凹んでいる基板保持部3125bに、裏前左装飾基板3128及び裏前左リフレクタ3131の前端側、裏前左上装飾基板3129及び裏前左上リフレクタ3132の前端側、裏前左下装飾基板3130及び裏前左下リフレクタ3133の前端側が、夫々挿入されている。装飾板部3125aの左面の左方に裏前左装飾基板3128の第二下LED3128c及び第二上LED3128dが、上面の上方に裏前左上装飾基板3129の第二LEDが、下面の下方に裏前左下装飾基板3130の第二LED3130bが、夫々位置している。
裏前左第二装飾体3125は、裏前左装飾基板3128の第二下LED3128cと裏前左下装飾基板3130の第二LED3130bとを発光させると、装飾板部3125aの左面における区切装飾部3125cよりも下方の部位から内部に入射された光や、装飾板部3125aの下面から内部に入射された光により、第二裏左ロゴ装飾部3125d、及び第二左サブ装飾部3125fが発光装飾する。この際に、区切装飾部3125cの内面も、発光装飾する。
なお、区切装飾部3125cでは、裏前左装飾基板3128の第二下LED3128cや裏前左下装飾基板3130の第二LED3130bから内部に入射された光が、下側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3125cの下方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3125cの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3125cの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3125cの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3125cの上方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第二下LED3128cや裏前左下装飾基板3130の第二LED3130bからの光が、区切装飾部3125cを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第二下LED3128cや裏前左下装飾基板3130の第二LED3130bからの光によって、区切装飾部3125cの上方の第二左上ロゴ装飾部3125eが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第二裏左ロゴ装飾部3125dや第二左サブ装飾部3125fのみを明るく発光表示させることができる。
また、裏前左第二装飾体3125は、裏前左装飾基板3128の第二上LED3128dと裏前左上装飾基板3129の第二LEDとを発光させると、装飾板部3125aの左面における区切装飾部3125cよりも上方の部位から内部に入射された光や、装飾板部3125aの上面から内部に入射された光により、第二左上ロゴ装飾部3125eが発光装飾する。この際に、区切装飾部3125cの内面も発光装飾する。
なお、区切装飾部3125cでは、裏前左装飾基板3128の第二上LED3128dや裏前左上装飾基板3129の第二LEDから内部に入射された光が、上側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3125cの上方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3125cの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3125cの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3125cの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3125cの下方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第二上LED3128dや裏前左上装飾基板3129の第二LEDからの光が、区切装飾部3125cを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第二上LED3128dや裏前左上装飾基板3129の第二LEDからの光によって、区切装飾部3125cの下方の第二裏左ロゴ装飾部3125dや第二左サブ装飾部3125fが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第二左上ロゴ装飾部3125eのみを明るく発光表示させることができる。
このように、裏前左第二装飾体3125では、区切装飾部3125cを境にして、上側と下側とを夫々独立して発光装飾(発光表示)できるように構成されている。
裏前左第三装飾体3126は、全体が透明に形成されており、裏前左第一装飾体3124及び裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aと平行な平板状の装飾板部3126aと、装飾板部3126aの右辺を除いた周辺(左辺、上辺、下辺)から後方へ延出しているフランジ部3126bと、を有している。裏前左第三装飾体3126は、フランジ部3126bの後面が遊技パネル1100の前面と平行であるのに対して、装飾板部3126aが左辺側よりも右辺側が後方に位置するように傾斜している。
また、裏前左第三装飾体3126は、装飾板部3126aにおける下から約3/4の高さの部位に、左右に延びていると共に前後に貫通している区切装飾部3126cを有している。この区切装飾部3126cは、裏前左第一装飾体3124の区切装飾部3124aと同じ大きさで、同じ高さに形成されている。
また、裏前左第三装飾体3126は、後面における区切装飾部3126cの下方に設けられており裏前左ロゴ装飾部3121の一部を構成しているレリーフ状の第三裏左ロゴ装飾部3126dを、有している。裏前左第三装飾体3126の右辺は、第三裏左ロゴ装飾部3126dのロゴの文字列に沿った形状に形成されている。
また、裏前左第三装飾体3126は、裏面における区切装飾部3126cの上方にレリーフ状に設けられており裏前左上ロゴ装飾部3122の一部を構成している第三左上ロゴ装飾部3126eと、裏面における第三裏左ロゴ装飾部3126dよりも左方でレリーフ状に設けられており裏前左サブ装飾部3123の一部を構成している複数の第三左サブ装飾部3126fと、を有している。第三左上ロゴ装飾部3126eは、裏前左第二装飾体3125の第二左上ロゴ装飾部3125eよりも一回り小さい大きさに形成されている。第三左サブ装飾部3126fは、第一左サブ装飾部3124fと対応する位置に設けられており、第一左サブ装飾部3124fと第二左サブ装飾部3125fとの間の大きさで同じような形状に形成されている。
裏前左第三装飾体3126は、図153及び図154等では不透明として示しているが、実際には透明であるため、図155(c)に示すように、前方から後面に設けられている第三裏左ロゴ装飾部3126d、第三左上ロゴ装飾部3126e、及び第三左サブ装飾部3126fを視認することができる。
裏前左第三装飾体3126は、裏前左装飾ユニット3120に組立てた状態で、図152等に示すように、装飾板部3126aの前方に裏前左第一装飾体3124及び裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aが位置していると共に、後方に導光板3110及び左拡散レンズ3134が位置している。また、裏前左第三装飾体3126は、組立てた状態では、装飾板部3126aの左面の左方に裏前左装飾基板3128の第三下LED3128e及び第三上LED3128fが、上面の上方に裏前左上装飾基板3129の第三LEDが、下面の下方に裏前左下装飾基板3130の第三LED3130cが、夫々位置している。
裏前左第三装飾体3126は、裏前左装飾基板3128の第三下LED3128eと裏前左下装飾基板3130の第三LED3130cとを発光させると、装飾板部3126aの左面における区切装飾部3126cよりも下方の部位から内部に入射された光や、装飾板部3126aの下面から内部に入射された光により、第三裏左ロゴ装飾部3126d、及び第三左サブ装飾部3126fが発光装飾する。この際に、区切装飾部3126cの内面も、発光装飾する。
なお、区切装飾部3126cでは、裏前左装飾基板3128の第三下LED3128eや裏前左下装飾基板3130の第三LED3130cから内部に入射された光が、下側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3126cの下方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3126cの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3126cの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3126cの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3126cの上方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第三下LED3128eや裏前左下装飾基板3130の第三LED3130cからの光が、区切装飾部3126cを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第三下LED3128eや裏前左下装飾基板3130の第三LED3130cからの光によって、区切装飾部3126cの上方の第三左上ロゴ装飾部3126eが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第三裏左ロゴ装飾部3126dや第三左サブ装飾部3126fのみを明るく発光表示させることができる。
また、裏前左第三装飾体3126は、裏前左装飾基板3128の第三上LED3128fと裏前左上装飾基板3129の第三LEDとを発光させると、装飾板部3126aの左面における区切装飾部3126cよりも上方の部位から内部に入射された光や、装飾板部3126aの上面から内部に入射された光により、第三左上ロゴ装飾部3126eが発光装飾する。この際に、区切装飾部3126cの内面も発光装飾する。
なお、区切装飾部3126cでは、裏前左装飾基板3128の第三上LED3128fや裏前左上装飾基板3129の第三LEDから内部に入射された光が、上側の内周面に到達すると、その内周面により到達した光の一部が区切装飾部3126cの上方の内部側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3126cの孔の内側へ放射される。そして、区切装飾部3126cの内側へ放射された光が、反対側の内周面に到達すると、その一部が区切装飾部3126cの内側へ反射すると共に、残りが内周面から区切装飾部3126cの下方の内部側へ入射することとなる。このように、裏前左装飾基板3128の第三上LED3128fや裏前左上装飾基板3129の第三LEDからの光が、区切装飾部3126cを通ることで大きく減光することとなるため、裏前左装飾基板3128の第三上LED3128fや裏前左上装飾基板3129の第三LEDからの光によって、区切装飾部3126cの下方の第三裏左ロゴ装飾部3126dや第三左サブ装飾部3126fが殆ど発光表示(発光装飾)されることはなく、もっぱら第三左上ロゴ装飾部3126eのみを明るく発光表示させることができる。
このように、裏前左第三装飾体3126では、区切装飾部3126cを境にして、上側と下側とを夫々独立して発光装飾(発光表示)できるように構成されている。
裏前左装飾体ベース3127は、全体が透明に形成されており、平板状の装飾板部3127aと、装飾板部3127aの右辺を除いた周辺(左辺、上辺、下辺)に設けられている基板保持部3127bと、を有している。装飾板部3127aは、遊技パネル1100の前面と平行である。
基板保持部3127bは、装飾板部3127aよりも外側へ延出していると共に、後面が後方に位置しており、前面側から後方へ窪んでいる。基板保持部3127bは、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bと協働して、裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、及び裏前左下装飾基板3130を挟持して保持するためのものである。また、基板保持部3127bは、上部に上連結ベース3190の左端部が取付けられると共に、下部に裏前下演出ユニット3160におけるユニットベース3178の上端の左端部が取付けられる。
また、裏前左装飾体ベース3127は、装飾板部3127aの後面における上下方向の中央付近に、上下に一定の高さで全幅に亘って延びており、上下に間隔をあけて設けられている三つの裏前左帯装飾部3127cと、装飾板部3127aの後面における上部付近にレリーフ状に設けられており裏前左上ロゴ装飾部3122の一部を構成しているベース左上ロゴ装飾部3127dと、を有している。ベース左上ロゴ装飾部3127dは、裏前左第三装飾体3126の第三左上ロゴ装飾部3126eよりも一回り小さい大きさに形成されている。
裏前左装飾体ベース3127は、図153及び図154等では不透明として示しているが、実際には透明であるため、図155(d)に示すように、前方から後面に設けられている裏前左帯装飾部3127c、及びベース左上ロゴ装飾部3127dを視認することができる。
裏前左装飾体ベース3127は、裏前左装飾ユニット3120に組立てた状態で、図152等に示すように、装飾板部3127aの前方に導光板3110及び左拡散レンズ3134が位置している。また、裏前左装飾体ベース3127は、組立てた状態では、後方へ凹んでいる基板保持部3127bに、裏前左装飾基板3128及び裏前左リフレクタ3131の後端側、裏前左上装飾基板3129及び裏前左上リフレクタ3132の後端側、裏前左下装飾基板3130及び裏前左下リフレクタ3133の後端側が、夫々挿入されている。装飾板部3127aの左面の左方に裏前左装飾基板3128のベース下LED3128h及びベース上LED3128iが、夫々位置している。
裏前左装飾体ベース3127は、裏前左装飾基板3128のベース下LED3128hを発光させると、装飾板部3127aの裏前左帯装飾部3127cを発光装飾させることができる。三つの裏前左帯装飾部3127cは、夫々独立して発光装飾することができる。また、裏前左装飾体ベース3127は、裏前左装飾基板3128のベース上LED3128iを発光させると、ベース左上ロゴ装飾部3127dを発光装飾させることができる。
裏前左装飾基板3128は、上下に長い平板状で、板面を左右方向へ向けている。裏前左装飾基板3128は、裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125a、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126a、及び裏前左装飾体ベース3127の装飾板部3127aの左方に配置されている。裏前左装飾基板3128は、裏前左リフレクタ3131と一緒に、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bと、裏前左装飾体ベース3127の基板保持部3127bとの間に挟持されている。
裏前左装飾基板3128は、裏前左第一装飾体3124の左方に位置し、区切装飾部3124aよりも下方に設けられている複数の第一下LED3128aと、裏前左第一装飾体3124の左方に位置し、区切装飾部3124aよりも上方に設けられている複数の第一上LED3128bと、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aの左方に位置し、区切装飾部3125cよりも下方に設けられている複数の第二下LED3128cと、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aの左方に位置し、区切装飾部3125cよりも上方に設けられている複数の第二上LED3128dと、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126aの左方に位置し、区切装飾部3126cよりも下方に設けられている複数の第三下LED3128eと、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126aの左方に位置し、区切装飾部3126cよりも上方に設けられている複数の第三上LED3128fと、を備えている。
また、裏前左装飾基板3128は、左拡散レンズ3134(導光板3110)の左方に位置している複数の導光板用LED3128gと、裏前左装飾体ベース3127の装飾板部3127aにおける裏前左帯装飾部3127cの左方に位置している三つのベース下LED3128hと、裏前左装飾体ベース3127の装飾板部3127aにおけるベース左上ロゴ装飾部3127dの左方に位置している複数のベース上LED3128iと、を備えている。
裏前左装飾基板3128の複数の第一下LED3128aを発光させると、裏前左第一装飾体3124の第一表左ロゴ装飾部3124cや第一裏左ロゴ装飾部3124d等を発光装飾させることができる。裏前左装飾基板3128の複数の第一上LED3128bを発光させると、裏前左第一装飾体3124の第一左上ロゴ装飾部3124e等を発光装飾させることができる。裏前左装飾基板3128の複数の第二下LED3128cを発光させると、裏前左第二装飾体3125の第二裏左ロゴ装飾部3125d等を発光装飾させることができる。裏前左装飾基板3128の複数の第二上LED3128dを発光させると、裏前左第二装飾体3125の第二左上ロゴ装飾部3125e等を発光装飾させることができる。
また、裏前左装飾基板3128の複数の第三下LED3128eを発光させると、裏前左第三装飾体3126の第三裏左ロゴ装飾部3126d等を発光装飾させることができる。裏前左装飾基板3128の複数の第三上LED3128fを発光させると、裏前左第三装飾体3126の第三左上ロゴ装飾部3126e等を発光装飾させることができる。
裏前左装飾基板3128の複数の導光板用LED3128gを発光させると、左拡散レンズ3134を介して導光板3110の第一絵柄3111を発光表示させることができる。裏前左装飾基板3128の複数(三つ)のベース下LED3128hを発光させると、裏前左装飾体ベース3127の裏前左帯装飾部3127cを発光装飾させることができる。裏前左装飾基板3128の複数のベース上LED3128iを発光させると、裏前左装飾体ベース3127のベース左上ロゴ装飾部3127dを発光装飾させることができる。
裏前左装飾基板3128の右面に実装されている第一下LED3128a、第一上LED3128b、第二下LED3128c、第二上LED3128d、第三下LED3128e、第三上LED3128f、導光板用LED3128g、ベース下LED3128h、ベース上LED3128iは、フルカラーLEDである。
また、裏前左装飾基板3128は、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされている。この白色のソルダーレジストにより、裏前左装飾基板3128を見え辛くすることができると共に、実装されているLEDからの光を反射させることができ、導光板3110の第一絵柄3111、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、裏前左サブ装飾部3123、等をより明るく発光装飾させることができる。また、裏前左装飾基板3128は、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。これにより、文字や記号を目立ち難くしている。更に、図示は省略するが、裏前左装飾基板3128には、LEDの他に、コネクタ、抵抗器、LEDドライバ、等が実装されている。
裏前左上装飾基板3129は、左右に長い平板状で、板面を上下方向へ向けている。裏前左上装飾基板3129は、裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125a、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126a、及び裏前左装飾体ベース3127の装飾板部3127aの上方に配置されている。裏前左上装飾基板3129は、裏前左上リフレクタ3132と一緒に、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bと、裏前左装飾体ベース3127の基板保持部3127bとの間に挟持されている。
裏前左上装飾基板3129は、図示は省略するが、裏前左第一装飾体3124の上方に設けられている複数の第一LEDと、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aの上方に設けられている複数の第二LEDと、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126aの上方に設けられている複数の第三LEDと、を備えている。
裏前左上装飾基板3129の複数の第一LEDを発光させると、裏前左第一装飾体3124の第一左上ロゴ装飾部3124e等を発光装飾させることができる。裏前左上装飾基板3129の複数の第二LEDを発光させると、裏前左第二装飾体3125の第二左上ロゴ装飾部3125e等を発光装飾させることができる。裏前左上装飾基板3129の複数の第三LEDを発光させると、裏前左第三装飾体3126の第三左上ロゴ装飾部3126eを発光装飾させることができる。
裏前左上装飾基板3129の下面に実装されている複数の第一LED、第二LED、及び第三LEDは、フルカラーLEDである。
また、裏前左上装飾基板3129は、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされている。この白色のソルダーレジストにより、裏前左上装飾基板3129を見え辛くすることができると共に、実装されているLEDからの光を反射させることができ、裏前左上ロゴ装飾部3122等をより明るく発光装飾させることができる。また、裏前左上装飾基板3129は、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。これにより、文字や記号を目立ち難くしている。更に、図示は省略するが、裏前左上装飾基板3129には、LEDの他に、コネクタ、抵抗器、LEDドライバ、等が実装されている。
裏前左下装飾基板3130は、左右に長い平板状で、板面を上下方向へ向けている。裏前左下装飾基板3130は、裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125a、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126a、及び裏前左装飾体ベース3127の装飾板部3127aの下方に配置されている。裏前左下装飾基板3130は、裏前左下リフレクタ3133と一緒に、裏前左第二装飾体3125の基板保持部3125bと、裏前左装飾体ベース3127の基板保持部3127bとの間に挟持されている。
裏前左下装飾基板3130は、裏前左第一装飾体3124の下方に設けられている複数の第一LED3130aと、裏前左第二装飾体3125の装飾板部3125aの下方に設けられている複数の第二LED3130bと、裏前左第三装飾体3126の装飾板部3126aの下方に設けられている複数の第三LED3130cと、を備えている。
裏前左下装飾基板3130の複数の第一LED3130aを発光させると、裏前左第一装飾体3124の第一表左ロゴ装飾部3124cや第一裏左ロゴ装飾部3124d等を発光装飾させることができる。裏前左下装飾基板3130の複数の第二LED3130bを発光させると、裏前左第二装飾体3125の第二裏左ロゴ装飾部3125d等を発光装飾させることができる。裏前左下装飾基板3130の複数の第三LED3130cを発光させると、裏前左第三装飾体3126の第三裏左ロゴ装飾部3126d等を発光装飾させることができる。
裏前左下装飾基板3130の下面に実装されている複数の第一LED3130a、第二LED3130b、及び第三LED3130cは、フルカラーLEDである。
また、裏前左下装飾基板3130は、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされている。この白色のソルダーレジストにより、裏前左下装飾基板3130を見え辛くすることができると共に、実装されているLEDからの光を反射させることができ、裏前左ロゴ装飾部3121等をより明るく発光装飾させることができる。また、裏前左下装飾基板3130は、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。これにより、文字や記号を目立ち難くしている。更に、図示は省略するが、裏前左下装飾基板3130には、LEDの他に、コネクタ、抵抗器、LEDドライバ、等が実装されている。
左拡散レンズ3134は、導光板3110と裏前左装飾基板3128(裏前左リフレクタ3131)との間に配置されていると共に、裏前左第三装飾体3126と裏前左装飾体ベース3127との間に挟持されている。左拡散レンズ3134は、裏前左装飾基板3128の複数の導光板用LED3128gからの光を拡散させて、導光板3110の左側面に照射させるものである。
裏前左装飾ユニット3120は、図157に示すように、裏前左第一装飾体3124の第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124d、裏前左第二装飾体3125の第二裏左ロゴ装飾部3125d、裏前左第三装飾体3126の第三裏左ロゴ装飾部3126d、が前後に重なることにより一つの裏前左ロゴ装飾部3121を形成している。これら、第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126dは、前後方向の位置が異なっているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化することとなり、複数のアルファベットからなる所定のロゴを立体的に見せることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128a、第二下LED3128c、第三下LED3128e、及び裏前左下装飾基板3130の第一LED3130a、第二LED3130b、第三LED3130c、を適宜発光させることにより、第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d、を夫々独立して発光装飾させることができ、裏前左ロゴ装飾部3121を多彩な発光態様で発光装飾させることができる。
更に、裏前左装飾ユニット3120は、図157に示すように、裏前左第一装飾体3124の第一左上ロゴ装飾部3124e、裏前左第二装飾体3125の第二左上ロゴ装飾部3125e、裏前左第三装飾体3126の第三左上ロゴ装飾部3126e、裏前左装飾体ベース3127のベース左上ロゴ装飾部3127d、が前後に重なることにより一つの裏前左上ロゴ装飾部3122を形成している。これら、第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d、前後方向の位置が異なっているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化することとなり、「A」の文字を図案化したロゴを立体的に見せることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、正面から見て略同じ位置にある第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d、のようなロゴでも、裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、裏前左装飾体ベース3127、を順次発光装飾させることにより、遊技者に対して動きのある疑似的なアニメーションを見せることができ、遊技者に強くアピールすることができる。このアニメーションのような発光演出は、第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d、を順次発光装飾させても同様の作用効果を奏することができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128b、第二上LED3128d、第三上LED3128f、ベース上LED3128i、及び裏前左上装飾基板3129の第一LED、第二LED、第三LED、を適宜発光させることにより、第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d、を夫々独立して発光装飾させることができ、裏前左上ロゴ装飾部3122を多彩な発光態様で発光装飾させることができる。
更に、裏前左装飾ユニット3120は、図157に示すように、裏前左第一装飾体3124の第一左サブ装飾部3124f、裏前左第二装飾体3125の第二左サブ装飾部3125f、裏前左第三装飾体3126の第三左サブ装飾部3126f、が前後に重なることにより一つの裏前左サブ装飾部3123を形成している。これら、第一左サブ装飾部3124f、第二左サブ装飾部3125f、第三左サブ装飾部3126f、前後方向の位置が異なっているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化することとなり、裏前左サブ装飾部3123を立体的に見せることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128a、第二下LED3128c、第三下LED3128e、及び裏前左下装飾基板3130の第一LED3130a、第二LED3130b、第三LED3130c、を適宜発光させることにより、第一左サブ装飾部3124f、第二左サブ装飾部3125f、第三左サブ装飾部3126f、を夫々独立して発光装飾させることができ、裏前左サブ装飾部3123を多彩な発光態様で発光装飾させることができる。
更に、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左第一装飾体3124の区切装飾部3124a、裏前左第二装飾体3125の区切装飾部3125c、裏前左第三装飾体3126の区切装飾部3126c、を備えているため、区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c、を境にして下側(裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左サブ装飾部3123)と上側(裏前左上ロゴ装飾部3122)の発光装飾を明確に区切ることができ、裏前左ロゴ装飾部3121及び裏前左サブ装飾部3123の発光装飾や裏前左上ロゴ装飾部3122の発光装飾による装飾効果をより高めることができる。この際に、区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c、も発光装飾するため、区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c、の見栄えを良くすることができると共に発光装飾を楽しませることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の第一下LED3128a、及び裏前左下装飾基板3130の第一LED3130a、を発光させると、裏前左第一装飾体3124の区切装飾部3124aよりも下方の貫通装飾部3124bを発光装飾させることができる。また、裏前左装飾基板3128の第一上LED3128b、及び裏前左上装飾基板3129の第一LED、を発光させると、裏前左第一装飾体3124の区切装飾部3124aよりも上方の貫通装飾部3124bを発光装飾させることができる。これら貫通装飾部3124bの発光装飾によっても見栄えを良くすることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120は、裏前左装飾基板3128の導光板用LED3128gを発光させることで、裏前右装飾ユニット3140における裏前右第一装飾基板3148、裏前右第二装飾基板3149、及び裏前右導光板用装飾基板3150の導光板用LEDと協働して導光板3110の第一絵柄3111を発光表示させることができる。
このように、裏前左装飾ユニット3120によれば、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、裏前左サブ装飾部3123、のような透明感のある立体的な装飾により、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、裏前左サブ装飾部3123、を様々な発光態様で発光装飾させることができるため、多彩な発光演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記では、LEDからの光を遮断する区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c、として前後に貫通しているものを示したが、これに限定するものではなく、溝状、突条、としても良い。また、裏前左第二装飾体3125に、裏前左第一装飾体3124の貫通装飾部3124bに挿入される突起を設け、突起の挿入により裏前左第一装飾体3124を位置決めできるようにしても良い。つまり、貫通装飾部3124bを位置決孔としても良い。
[5-9a-3.裏前右装飾ユニット]
裏前演出ユニット3100における裏前右装飾ユニット3140は、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った所定のロゴを形成しており複数のアルファベットの文字列からなる上下に長い裏前右ロゴ装飾部3141と、裏前右ロゴ装飾部3141の上方に設けられており「A」の文字を図案化した裏前右上ロゴ装飾部3142(図151(b)を参照)と、裏前右ロゴ装飾部3141の近傍に設けられている裏前右サブ装飾部(図示は省略)と、を有している。
裏前右装飾ユニット3140は、正面視の形状が上下に長い透明な裏前右第一装飾体3144と、裏前右第一装飾体3144の後方に設けられている透明な裏前右第二装飾体3145と、裏前右第二装飾体3145の後方に設けられている透明な裏前右第三装飾体3146と、裏前右第三装飾体3146の後方に設けられている透明な裏前右装飾体ベース3147と、を備えている(図152を参照)。
裏前右装飾体ベース3147は、上部に上連結ベース3190の右端部が取付けられると共に、下部に裏前下演出ユニット3160におけるユニットベース3178の上端の右端部が取付けられる。また、裏前右装飾体ベース3147は、上下方向の中央付近に、上下に一定の高さで全幅に亘って延びており、上下に間隔をあけて設けられている三つの裏前右帯装飾部3147aを有している(図151(b)を参照)。
また、裏前右装飾ユニット3140は、導光板3110の第一絵柄3111、裏前右ロゴ装飾部3141、裏前右上ロゴ装飾部3142、及び裏前右サブ装飾部を発光装飾させるための裏前右第一装飾基板3148及び裏前右第二装飾基板3149と、導光板3110の第一絵柄3111を発光装飾させるための裏前右導光板用装飾基板3150と、裏前右上ロゴ装飾部3142を発光装飾させるための裏前右上装飾基板3151と、裏前右ロゴ装飾部3141を発光装飾させるための裏前右下装飾基板3152と、を備えている(図156を参照)。
また、裏前右装飾ユニット3140は、導光板3110と裏前右第一装飾基板3148との間設けられている右上拡散レンズ3153と、導光板3110と裏前右第二装飾基板3149との間に設けられている右中拡散レンズ3154と、導光板3110と裏前右導光板用装飾基板3150との間に設けられている右下拡散レンズ3155と、を備えている(図156を参照)。右上拡散レンズ3153、右中拡散レンズ3154、右下拡散レンズ3155は、裏前右第三装飾体3146と裏前右装飾体ベース3147との間に設けられている。
更に、裏前右装飾ユニット3140は、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられて第一誘導通路2701により後方へ誘導された遊技球Bを受取って下方へ誘導する第一裏誘導通路3156と、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2022に受入れられて第二誘導通路により後方へ誘導された遊技球Bを受取って下方へ誘導する第二裏誘導通路3157と、を備えている。第一裏誘導通路3156内には、一つの一般入賞口センサ3001が設けられている。第一裏誘導通路3156及び第二裏誘導通路3157に誘導された遊技球Bは、裏前下演出ユニット3160を介して下方の基板ホルダ1200へ排出される。
また、裏前右装飾ユニット3140は、第二アタッカユニット2600の役物入賞口2006に受入れられて誘導通路2613により後方へ誘導された遊技球Bが流通し、V入賞口2007及びハズレ口2008が設けられている振分通路と、振分通路内に進退し役物入賞口2006に受入れられた遊技球BをV入賞口2007及びハズレ口2008の何れかに振分けるV入賞口扉3006と、V入賞口扉3006を進退させるV振分ソレノイド3007と、V入賞口2007に振分けられた遊技球Bを検知するV入賞口センサ3003と、ハズレ口2008に振分けられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ3004と、を備えている。V入賞口センサ3003やハズレ口センサ3004に検知された遊技球Bは、裏前下演出ユニット3160を介して下方の基板ホルダ1200へ排出される。
裏前右装飾ユニット3140における裏前右ロゴ装飾部3141、裏前右上ロゴ装飾部3142、裏前右サブ装飾部等の構成は、裏前左装飾ユニット3120と同じ構成であり、詳細な説明は省略する。
また、裏前右装飾ユニット3140の裏前右第一装飾体3144、裏前右第二装飾体3145、及び裏前右第三装飾体3146には、裏前右ロゴ装飾部3141と裏前右上ロゴ装飾部3142との間に、左右に延びていると共に前後に貫通している区切装飾部3144aを有している。この区切装飾部3144aにより、裏前右ロゴ装飾部3141と裏前右上ロゴ装飾部3142とを夫々独立して発光装飾させることができる。
更に、裏前右第一装飾体3144には、前後に貫通している複数の貫通装飾部3144bを有している。これら複数の貫通装飾部3144bは、裏前左第一装飾体3124の貫通装飾部3124bと同様の作用効果を奏することができる。
このように、裏前右装飾ユニット3140によれば、裏前左装飾ユニット3120と同様に、裏前右ロゴ装飾部3141、裏前右上ロゴ装飾部3142、裏前右サブ装飾部、のような透明感のある立体的な装飾により、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、裏前右ロゴ装飾部3141、裏前右上ロゴ装飾部3142、裏前右サブ装飾部、を様々な発光態様で発光装飾させることができるため、多彩な発光演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、正面から見て略同じ位置にある裏前右ロゴ装飾部3141や裏前右上ロゴ装飾部3142において、裏前右第一装飾体3144、裏前右第二装飾体3145、裏前右第三装飾体3146、裏前右装飾体ベース3147を順次発光装飾させることにより、遊技者に対して動きのある疑似的なアニメーションを見せることができ、遊技者に強くアピールすることができる。
[5-9a-4.裏前下演出ユニット]
裏前演出ユニット3100における裏前下演出ユニット3160は、左右方向中央の上部に「SPIN」の文字が施されている円盤状の裏前下中装飾体3161と、裏前下中装飾体3161を前後方向の軸周りに対して回転させる裏前下回転駆動モータ(図示は省略)と、裏前下中装飾体3161を昇降させる裏前下昇降駆動モータ3162と、を備えている。裏前下中装飾体3161は、透光性を有している。
また、裏前下演出ユニット3160は、裏前下中装飾体3161の左側に設けられており同じ大きさの円盤状の裏前下左内装飾体3163と、裏前下左内装飾体3163の左側に設けられており同じ大きさの円盤状の裏前下左外装飾体3164と、裏前下中装飾体3161の右側に設けられており同じ大きさの円盤状の裏前下右内装飾体3165と、裏前下右内装飾体3165の右側に設けられており同じ大きさの円盤状の裏前下右外装飾体3166と、を備えている。裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166は、透光性を有している。
また、裏前下演出ユニット3160は、裏前下左外装飾体3164の左方に設けられており、「Queen」の文字が施されている裏前下ロゴ装飾体3167を、備えている。裏前下ロゴ装飾体3167は、透光性を有している。
更に、裏前下演出ユニット3160は、裏前下中装飾体3161を発光装飾させるための裏前下中装飾基板3168と、裏前下左内装飾体3163を発光装飾させるための裏前下左内装飾基板3169と、裏前下左外装飾体3164を発光装飾させるための裏前下左外装飾基板3170と、裏前下右内装飾体3165を発光装飾させるための裏前下右内装飾基板3171と、裏前下右外装飾体3166を発光装飾させるための裏前下右外装飾基板3172と、裏前下ロゴ装飾体3167を発光装飾させるための裏前下ロゴ装飾基板3173と、を備えている(図156(b)を参照)。
これら裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173は、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、裏前下ロゴ装飾体3167、の後方に設けられている。
また、裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173は、前面に複数のフルカラーLEDが実装されていると共に、表面に白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされている。この白色のソルダーレジストにより、LEDや前方から等の光を反射させることができ、夫々の前方に設けられている装飾体を明るく発光装飾させることができる。
また、裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173には、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。これにより、前方に設けられている装飾体を通して、文字や記号を目立ち難くすることができ、装飾体による装飾効果を確実に発揮させることができる。
なお、裏前下中装飾基板3168に実装されている複数のLEDは、トップビュータイプのLEDである。一方、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173に実装されている複数のLEDは、サイドビュータイプのLEDである。
また、これらの装飾基板では、LED以外の発光しない部材(例えば、コネクタ、抵抗器、LEDドライバ、等)が後面(裏面)に設けられており、発光装飾の妨げとならないように配慮がなされている。
裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、裏前下ロゴ装飾体3167は、図156に示すように、上端から、導光板3110の下端よりも上方に位置している。これにより、導光板3110の下端が遊技者側(前方)から視認不能となっている。また、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166は、夫々の上端が、図160に示すように、導光板3110の第二絵柄3112の下端よりも下方に位置していると共に、第二絵柄3112を構成している各ライン群3114と対応するような間隔で左右方向に配置されている。
詳述すると、裏前下中装飾体3161は第三ライン群3114cに、裏前下左内装飾体3163は第二ライン群3114bに、裏前下左外装飾体3164は第一ライン群3114aに、裏前下右内装飾体3165は第四ライン群3114dに、裏前下右外装飾体3166は第五ライン群3114eに、夫々対応するように設けられている。従って、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、を発光(上端部のみを発光、又は、全体を発光)させると、第二絵柄3112のライン3113が、あたかも裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、からの光により発光表示されているように遊技者を錯覚させることができ、これまでのパチンコ機にはない発光演出を遊技者に見せることができる。
また、裏前下演出ユニット3160は、裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173、よりも後方に設けられており、導光板3110の第二絵柄3112を発光表示(発光装飾)させるための導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175を、備えている(図156(a)を参照)。
導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175には、夫々が五つのLED3176からなる五つのLED群3177を有している。各LED群3177に含まれている五つのLED3176は、右から、第一LED3176a、第二LED3176b、第三LED3176c、第四LED3176d、第五LED3176e、の順に列設されている。また、各LED群3177は、導光板3110の第二絵柄3112における各ライン群3114と対応しており、左から、第一LED群3177a、第二LED群3177b、第三LED群3177c、第四LED群3177d、第五LED群3177e、の順に配置されている。
導光板下左装飾基板3174には、第一LED群3177aと第二LED群3177bのLED3176が実装されている。導光板下右装飾基板3175には、第三LED群3177c、第四LED群3177d、第五LED群3177e、のLED3176が実装されている。
導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されている複数のLED3176は、サイドビュータイプのフルカラーLEDである。導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175は、表面に白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされており、この白色のソルダーレジストにより、前方から導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175を目立ち難くしている。また、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175には、実装されるLED3176等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。これにより、前方に設けられている装飾体を通して、文字や記号を目立ち難くすることができ、装飾体による装飾効果を確実に発揮させることができる。
導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175は、各LED群3177において、第一LED3176aを発光させると、導光板3110の第二絵柄3112における対応するライン群3114の第一ライン3113aを、発光表示(発光装飾)させることができる。また、第二LED3176bを発光させると、導光板3110の第二絵柄3112における第二ライン3113bを、発光表示(発光装飾)させることができる。また、第三LED3176cを発光させると、導光板3110の第二絵柄3112における第三ライン3113cを、発光表示(発光装飾)させることができる。更に、第四LED3176dを発光させると、導光板3110の第二絵柄3112における第四ライン3113dを、発光表示(発光装飾)させることができる。また、第五LED3176eを発光させると、導光板3110の第二絵柄3112における第五ライン3113eを、発光表示(発光装飾)させることができる。
これにより、導光板3110の第二絵柄3112を構成している複数の各ライン3113を、夫々独立して発光表示(発光装飾)させることができ、多彩な発光演出を遊技者に見せることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏前下演出ユニット3160は、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、裏前下ロゴ装飾体3167、裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172、裏前下ロゴ装飾基板3173、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175、等を支持しており、左右に長い平板状のユニットベース3178を備えている。ユニットベース3178の上端の左右両端付近に、裏前左装飾ユニット3120及び裏前右装飾ユニット3140の夫々の下端が取付けられている。
また、裏前下演出ユニット3160は、サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを受取って下方の基板ホルダ1200へ排出する第一排出通路3181と、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを受取って下方の基板ホルダ1200へ排出する第二排出通路3182と、第一アタッカユニット2400の第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを受取って下方の基板ホルダ1200へ排出する第三排出通路3183と、第一アタッカユニット2400の大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを受取って下方の基板ホルダ1200へ排出する第四排出通路3184と、第一アタッカユニット2400の第一サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを受取って下方の基板ホルダ1200へ排出する第五排出通路3185と、を備えている。
第一排出通路3181は、サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001に対応するように受渡口が三つ設けられており、夫々の受渡口に対応するように一般入賞口センサ3001が三つ設けられている。また、第二排出通路3182には、第一始動口センサ3002が設けられている。
この裏前下演出ユニット3160は、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、裏前下ロゴ装飾体3167によって、遊技領域5aの下部を装飾することができる、見栄えを良くすることができると共に、それらを発光装飾させることで発光演出により遊技者を楽しませることができる。また、裏前下中装飾体3161は、裏前下回転駆動モータにより回転することができると共に、裏前下昇降駆動モータ3162により昇降することができ、可動演出によって遊技者を楽しませることができる。
また、裏前下演出ユニット3160は、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175の複数のLED3176により、導光板3110の第二絵柄3112を発光表示させることができ、第二絵柄3112による発光演出を遊技者に楽しませることができる。
[5-9b.裏後上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏後上演出ユニット3200について、主に図129及び図149等を参照して説明する。裏ユニット3000の裏後上演出ユニット3200は、裏箱3010内における裏前演出ユニット3100の後方の上部に取付けられている。裏後上演出ユニット3200は、左右に延びた軸周りに回動可能とされていると共に昇降可能とされている裏後上可動装飾体3210と、裏前左装飾ユニット3120の裏前左装飾体ベース3127における三つの裏前左帯装飾部3127cと続くように、前後方向へ延出している三つの裏後左帯装飾部3221を有している裏後左サイド装飾体3220と、裏前右装飾ユニット3140の裏前右装飾体ベース3147における三つの裏前右帯装飾部3147aと続くように、前後方向へ延出している三つの裏後右帯装飾部3231を有している裏後右サイド装飾体3230(図131を参照)と、を備えている。
裏後上可動装飾体3210は、五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211(図129等を参照)と、裏後上第一装飾部3211の裏側に設けられており所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)が列設されている裏後上第二装飾部3212(図162を参照)と、を有している。
裏後上可動装飾体3210の裏後上第一装飾部3211は、五つの7セグメント表示部における夫々のセグメントが独立して発光可能とされており、各セグメントの組合せにより多彩な文字や数字、絵柄、等を表示することができる。これにより、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果が「大当り」であるか否かの期待度等を表示することができる。また、裏後上第二装飾部3212は、夫々の文字が独立して発光可能とされている。
裏後上可動装飾体3210は、通常の状態では、裏後上第一装飾部3211を前方へ向けた状態で、上昇位置の状態としている。この裏後上可動装飾体3210は、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、或いは、V入賞口2007への遊技球Bの受入れ(振分け)に応じて、左右に延びた軸周りに対して180度回動して裏後上第二装飾部3212を前方へ向けたり、上昇位置から下降位置(図161及び図162を参照)へ移動したりする。
この裏後上可動装飾体3210によれば、回動したり昇降したりすることで、遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
裏後左サイド装飾体3220の三つの裏後左帯装飾部3221は、裏前左装飾ユニット3120の裏前左装飾体ベース3127における左右に延出している三つの裏前左帯装飾部3127cの夫々の右端から後方へ延出するように設けられている。裏後左帯装飾部3221は、夫々が独立して発光可能とされていると共に、前後方向へ光が流れるように発光可能とされている。
裏後右サイド装飾体3230の三つの裏後右帯装飾部3231は、裏前右装飾ユニット3140の裏前右装飾体ベース3147における左右に延出している三つの裏前右帯装飾部3147aの夫々の右端から後方へ延出するように設けられている。裏後右帯装飾部3231は、夫々が独立して発光可能とされていると共に、前後方向へ光が流れるように発光可能とされている。
[5-9c.裏後下演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏後下演出ユニット3300について、主に135等を参照して説明する。裏ユニット3000の裏後下演出ユニット3300は、裏箱3010内における裏前演出ユニット3100の後方の下部で裏後上演出ユニット3200の下方に取付けられている。
裏後下演出ユニット3300は、互いに左右に隣接している基端側が夫々前後方向の軸周りに回動可能に支持されていると共に昇降可能に支持されている裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302を、有している。裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302は、基端側の昇降に伴って、互いに相反する方向へ回動するように形成されている。
裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302は、通常の状態では、夫々の先端側が互いに離間する方向へ回動しており、裏前演出ユニット3100の後方に隠れて前方(遊技者側)から視認不能な退避位置の状態となっている(図129等を参照)。
裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302は、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、基端側を中心として夫々の先端側が上方へ移動するように回動すると共に上昇し、裏後左可動装飾体3301の右辺と裏後右可動装飾体3302の左辺とが互いに当接して状態となる。これにより、裏後左可動装飾体3301と裏後右可動装飾体3302とが一体となって一つの大きな装飾体を形成すると共に、前方から視認可能な出現位置の状態となる(図163を参照)。
これにより、裏後左可動装飾体3301と裏後右可動装飾体3302とで、「A」の文字を図案化した大きな装飾体が中央に出現するため、遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて興趣の低下を抑制させることができる。この裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302には、複数のLEDが実装されている装飾基板が設けられており、複数のLEDにより発光装飾させることで、見栄えを良くすることができると共に、遊技者の関心を引付けさせることができる。
この裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302は、図167に示すように、出現位置の状態では、導光板3110の第一絵柄3111の後方に重なるように位置している。これにより、裏後左可動装飾体3301と裏後右可動装飾体3302とによる大きな装飾体を第一絵柄3111により発光装飾させることができるため、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302による立体の装飾と第一絵柄3111による平面の発光表示とにより深みのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[5-10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出について、主に図161乃至図168等を参照して詳細に説明する。図161は、裏ユニットの裏後上演出ユニットにおける裏後上可動装飾体の裏後上第一装飾部を前方へ向けた状態で下降位置へ移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。図162は、裏ユニットの裏後上演出ユニットにおける裏後上可動装飾体を下降位置へ移動させた状態で裏後上第二装飾部を前方へ向けた状態を示す遊技盤の正面図である。図163は、裏ユニットの裏後下演出ユニットにおける裏後左可動装飾体及び裏後右可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図164は、裏ユニットの裏前演出ユニットの裏前下演出ユニットにおける裏前下中装飾体を上昇させた状態で示す遊技盤の正面図である。
図165は、裏ユニットの裏前演出ユニットにおける裏前左装飾ユニット3120の裏前左ロゴ装飾部、裏前左上ロゴ装飾部、裏前左サブ装飾部、及び裏前左帯装飾部を発光装飾させた状態を示す遊技盤の正面図である。図166は、裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図167は、裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第一絵柄を発光装飾させると共に、裏後下演出ユニットにおける裏後左可動装飾体及び裏後右可動装飾体を出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図168は、裏ユニットの裏前演出ユニットにおける導光板の第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画している前構成部材1000、遊技領域5aの後端側を区画している遊技パネル1100、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図134に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている裏ユニット3000における裏前演出ユニット3100の裏前左装飾ユニット3120、裏前右装飾ユニット3140、裏前下演出ユニット3160の裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、裏前下ロゴ装飾体3167、裏後上演出ユッニト3200の裏後上可動装飾体3210、裏後左サイド装飾体3220、及び裏後右サイド装飾体3230、等を良好に視認することができると共に、センター役物2500の枠内を通して、演出表示装置1600に表示されている演出画像を、良好に視認することができる。
更に詳述すると、裏前左装飾ユニット3120の裏前左第一装飾体3124等は、センター役物2500の左辺部付近に位置し、半分ほどがセンター役物2500の枠内に位置している。また、裏前右装飾ユニット3140の裏前右第一装飾体3144等は、センター役物2500の右辺部付近に位置し、一部がセンター役物2500の枠内に位置している。裏前下演出ユニット3160は、遊技領域5aの下部で左右に延びており、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500を通して視認することができると共に、一部がセンター役物2500の枠内を通して良好に視認することができる。
また、裏前下演出ユニット3160の裏前下中装飾体3161は、第一始動口2002の上方でセンター役物2500のステージ2513の後方に位置している。裏前下左内装飾体3163及び裏前下左外装飾体3164は、サイドユニット2200の一般入賞口2001の上方でセンター役物2500の下辺付近に位置している。裏前下右内装飾体3165及び裏前下右外装飾体3166は第一アタッカユニット2400の大入賞口2005の上方でセンター役物2500の下辺付近に位置している。裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166は、上部がセンター役物2500の枠内に位置している。裏前下ロゴ装飾体3167は、センター役物2500よりも外側で遊技領域5aの左下隅に位置している。
また、裏後上演出ユニット3200の裏後上可動装飾体3210は、上昇位置に位置していることから遊技領域5aの上部で左右に延びており、左右方向中央より左側の上部が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500を通して視認することができると共に、一部がセンター役物2500の枠内を通して良好に視認することができる。裏後上可動装飾体3210は、複数の7セグメント部を有している裏後上第一装飾部3211を前方へ向けている。
裏後下演出ユニット3300の裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302は、裏前下演出ユニット3160の後方の退避位置の状態となっており、前方(遊技者側)から視認不能となっている。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100、裏後上演出ユニット3200、及び裏後下演出ユニット3300、等が所定の可動演出や発光演出を行う。
具体的には、裏ユニット3000の裏後上演出ユニット3200の裏後上可動装飾体3210を用いた可動演出としては、例えば、図161に示すように、五つの7セグメント部を有している裏後上第一装飾部3211を前方へ向けたままの状態で、裏後上可動装飾体3210を上昇位置から下降位置へ移動させる。これにより、裏後上可動装飾体3210の殆どが、センター役物2500の枠内に位置することから、裏後上第一装飾部3211が良好な状態で視認することができるようになる。この際に、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント部を変動表示させることで、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、五つの7セグメント部に所望の数字や絵柄が表示されるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。
また、裏後上可動装飾体3210を用いた演出としては、例えば、上記のように、裏後上第一装飾部3211を前方へ向けたまま下降位置へ移動させた後に、図162に示すように、左右方向の軸周りに180度回動させて、複数の文字列を有している裏後上第二装飾部3212を前方へ向ける。これにより、「JACKPOT」の文字が前方へ向くため、遊技者に対して「大当り」であることを認識させることができ、遊技者が有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技状態)に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏後上可動装飾体3210を用いた演出としては、例えば、左右方向の軸周りに回動させる際に、裏後上第一装飾部3211と裏後上第二装飾部3212の中間の部位で、正転・逆転を繰り返すようにして、裏後上第一装飾部3211又は裏後上第二装飾部3212の何れかを前方へ向けて回動停止させるようにしても良い。これにより、裏後上第二装飾部3212の「JACKPOT」が前方へ向くか否かによって、遊技者をハラハラは・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後上可動装飾体3210を用いた演出としては、例えば、上昇位置の状態のままで、左右方向の軸周りに180度回動させて裏後上第二装飾部3212を前方へ向けるようにしても良い。
また、裏後下演出ユニット3300の裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302を用いた演出としては、例えば、図163に示すように、夫々の先端が互いに離反して下方に位置している退避位置の状態から、夫々の基端側において、夫々の先端が上昇して互いに接するように、前後に延びた軸周りに互いに相反する方向へ回動させると共に上昇させて、互いを当接させた出現位置へ移動させる。これにより、裏後左可動装飾体3301と裏後右可動装飾体3302とで、「A」の文字を図案化した一つの大きな装飾体が、演出表示装置1600の表示画面の前方で遊技領域5aの中央に出現することとなるため、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏前演出ユニット3100の裏前下演出ユニット3160における裏前下中装飾体3161を用いた演出としては、例えば、図164に示すように、上昇させたり、前後方向の軸周りに対して回転させたりする。これにより、遊技領域5a内の中央の下部において、裏前下中装飾体3161が回転するため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。また、裏前下中装飾体3161は、第一始動口2002の直上でステージ2513の後方に設けられていることから、裏前下中装飾体3161が回転したり昇降したりすることで、遊技者に対して第一始動口2002を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができ、パチンコ機1本来の遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、裏前演出ユニット3100の裏前左装飾ユニット3120を用いた演出としては、例えば、図165に示すように、裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、及び裏前左下装飾基板3130、に実装されているLEDを適宜発光させることで、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、裏前左サブ装飾部3123、裏前左帯装飾部3127c、等を発光装飾させる発光演出を行うことができる。例えば、裏前左ロゴ装飾部3121において、第一表左ロゴ装飾部3124c及び第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d、を順番に発光装飾させることで、前後に流れるようなネオンサインのような発光演出を見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、図示は省略するが、裏前右装飾ユニット3140においても、裏前左装飾ユニット3120と同様の発光演出を行うことができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、裏前演出ユニット3100の導光板3110を用いた演出としては、例えば、図166に示すように、裏前左装飾ユニット3120における裏前左装飾基板3128の複数の導光板用LED3128gと、裏前右装飾ユニット3140における裏前右第一装飾基板3148、裏前右第二装飾基板3149、及び裏前右導光板用装飾基板3150の複数の導光板用LEDとを発光させて、第一絵柄3111を発光表示(発光装飾)させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方で遊技領域5aの中央に、「A」の文字を図案化した大きな第一絵柄3111が発光表示されるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板3110を用いた演出としては、例えば、図167に示すように、第一絵柄3111を発光表示させると共に、裏後下演出ユニット3300の裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302を退避位置から出現位置へ移動させる。これにより、第一絵柄3111と、裏後左可動装飾体3301と裏後右可動装飾体3302とによる大きな装飾体とが、前後に重なった状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、導光板3110を用いた演出としては、例えば、図168に示すように、裏前下演出ユニット3160の導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175の複数のLED3176を適宜発光させて、第二絵柄3112を発光表示(発光装飾)させる。これにより、裏前下演出ユニット3160における裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、の五つの装飾体の上方の部位を起点として上方へ延出した複数のライン3113が発光表示されるため、あたかもコンサートステージにおける下方からのサーチライトのような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技領域5a内を煌びやかに見せて遊技者を楽しませることができる。
また、導光板3110を用いた演出としては、例えば、図168に示すように、第二絵柄3112を発光表示させた状態で、裏前下演出ユニット3160における裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、の上端部又は全体を発光装飾させるようにしても良い。或いは、第二絵柄3112における発光表示されているライン群3114の下方に位置する装飾体を発光装飾させるようにしても良い。これにより、第二絵柄3112を構成しているライン3113が、裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166、等の装飾体からの光によって発光表示されているように遊技者を錯覚させることができ、これまでにない発光演出を遊技者に見せて楽しませることができる。
更に、図示は省略するが、導光板3110の第二絵柄3112を発光表示させると共に、裏後上可動装飾体3210を下降位置へ移動させるようにしても良い。これにより、裏後上可動装飾体3210が下方からサーチライトで照らされているような発光演出を遊技者に見せることができるため、裏後上可動装飾体3210をゴージャスに見せて楽しませることができる。
なお、本実施形態の遊技盤5では、上記したような発光演出と可動演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図169等を参照して説明する。図169は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル195の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器1310g、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球Bの球数を表示するためのベースモニタ1310hと、を備えている。主制御MPU1310aは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、ゲート2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2801、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2601、V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知するV入賞口センサ3003、ハズレ口2008に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ3004、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知するアウトセンサ664、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1050、及び遊技盤5に作用する振動を検知する振動センサ、等からの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311a、設定切替ボタン1311bからのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、扉枠開放スイッチからの検出信号と本体枠開放スイッチからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路、そして払出制御出力回路を介すことなく、そのまま)、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、アウトセンサ664、第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2401からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2801、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2601、V入賞口センサ3003、ハズレ口センサ3004、磁気センサ1050、及び振動センサからのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2612、V振分ソレノイド3007、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したり、する。また、主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板1311の設定変更許可ランプ1311cへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2401、ゲートセンサ2801、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2601、V入賞口センサ3003、ハズレ口センサ3004、アウトセンサ664には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004、ゲート2003には頻繁に入球又は通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2402による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2402にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により多量に回収されるため、アウトセンサ664による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウトセンサ664に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球するしないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU1310aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPU1310aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPU1310aに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6-2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するための押圧操作部を有するエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)に排出して、球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6-2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号、エラー解除スイッチからのエラー解除信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの所定の入力ポートへ入力されている。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「-」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部226に入力されて表示される。
[6-2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル195に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310からの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル195の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル195に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310からの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル195の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310からの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[6-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図169に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、CPU、RAM、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積された周辺制御ICと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御ICには、1つの半導体チップ上にパラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数集積されており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、周辺制御ICのCPUは遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた振動モータ356、操作ボタン昇降駆動モータ367、及び突出力調整駆動モータ381等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の接触検知センサ本体358、押圧検知センサ373、昇降検知センサ374及び突出力検知センサ375からの検知信号は、周辺制御ICに入力されている。
また周辺制御ICのCPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御ICのCPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出している音量調整スイッチを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御ICのCPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御ICのCPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御ICのCPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御ICのCPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[6-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.周辺制御ユニットの構成]
次に、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図170~図172を参照して詳細に説明する。図170は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図171は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図172は周辺制御ユニットの正面図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。なお、図171には、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているが、図面の見易さから省略した。
周辺制御ユニット1500は、図170及び図171に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有するカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[7-1.カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b~1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1~th4と対応する位置に、この貫通孔th1~th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1~1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2~コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と接続されるフレキシブルフラットケーブル(FFC(Flexible Flat Cableの略。フレキシブルフラットケーブルは、演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の平型導体が平行に配置されると共に、これらの複数の平型導体が絶縁体で被覆されている。))を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1~1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1~1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1~1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。また、これらのランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺制御基板1501の表面(実装面)1510xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に形成されるランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に形成されるランド1510rb1~1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1~1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1~1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1~1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1~1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1~1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。また、これらのランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入し、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に形成されるランド1520rf1~1520rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501i1,1501i2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1,1501ah2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に形成されるランド1520rb1~1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1~1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1~1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1~1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1~1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。また、これらのランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530をカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に形成されるランド1530rf1~1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am1,1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面裏面(ハンダ面)1530y側に形成されるランド1530rb1~1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
このように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。この状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm~6.5mmを有して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、にすき間が形成されると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、にすき間が形成される。また、カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、にすき間が形成される。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、叙述した通風孔1501azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
なお、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
[7-2.ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b~1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b~1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b~1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7と干渉しない位置(つまり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7の各端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているため、この突出する各端子と干渉しない位置)に、これらのコネクタCN2~CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1~1502aa3がそれぞれ形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[7-3.各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータ(演出データ)を予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1~CN7と、を備えている。バックアップ電源1510eは図示しないホルダに収容されている。
周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aは、上述したように、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されるものであり、上述した周辺制御部1511(各種ROMの機能を除く。)と演出表示制御部1512(各種ROMの機能を除く。)との機能を併せ持つものである。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、上述した周辺制御部1511の周辺制御ROMの機能、及び上述した演出表示制御部1512の表示制御ROMの機能等を含むものであり、256Mbit(又は128Mbit)の記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter-Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310からのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用している(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN6を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN7を介して通信している。)や扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN3を介して通信している。)に対してLED制御ICに対して発光データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(+24V、+12V、及び+5V)がインターフェイス635を介して供給されている。LEDML1は、+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、+24Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、+24Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。このように形成される空間内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8~CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1~CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1~CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520a(上述した演出表示制御部1512の画像ROMの機能等を含む。)を備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に遊技演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の可動演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[7-4.周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と、にそれぞれ持たせた寸法的な余裕により吸収することができるようになっているためである。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませてそのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となると共に、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となる。これにより、カバー体1501、及びベース体1502は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、カバー体1501、及びベース体1502が導通する状態となる。なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を遊技パネル1100に設けられる図示しない装着溝に挿入して周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して遊技パネル1100に設けられる図示しない取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができるようになっている(以下、「導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果」と記載する場合がある)。これにより、各種基板に、このようなノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500が上述したように組み立てると、図172に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から制御ROM1510bの表面とICピンの状態とを確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの+5Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から周辺データROM1520aの表面とICピンの状態とをほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの+24Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+24Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度からSDRAM1510c1,1510c2の表面とICピンの状態とを確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの+12Vがインターフェイス基板635を介して供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、このように形成される空間内を明るく照らすことができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1~LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xへ向かわせる図示しない反射部がそれぞれ形成されている。これらの図示しない反射部としては、白色などの明るい色の着色塗料のほかに光沢を有する着色塗料であってもよいし、光沢を有する金属製シートを貼り付けてもよい。
また、遊技盤5の近傍には、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電によるノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されているため、他のパチンコ機がノイズ源となってノイズの影響を受ける場合もある。このように、遊技盤5の周囲はノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製とすると共に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530と同一のグランド(GND)と電気的に接続する構成を採用した。これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502等を介して侵入するノイズを、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができる。
[7-5.制御ROMの実装]
ここで、周辺制御基板1510への制御ROM1510bの実装方法について、図173~図176を参照して説明する。図173は、変換基板を有するROMソケットの斜視図(a)あり、リードレス型のパッケージを有する制御ROMがROMソケットに取り付けた状態における上面図(b)である。図174は、図173(a)のP矢視図である。図175は、周辺制御基板に形成されるスルーホールと変換基板に形成されるスルーホールとの位置関係の概要を示すスルーホールの断面図である。図176は、変換基板に実装されるリードレス型のパッケージを有する制御ROMやROMソケットの斜視図(a)あり、リードレス型のパッケージを有する制御ROMがROMソケットに取り付けた状態における上面図(b)である。
まず、制御ROM1510bが配置される周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、図173~図176に示すように、矩形形状を有するパッド1510vが複数形成されており、予め定めた距離寸法だけ離間して2列に整列して配置されている。具体的には、パッド1510vは、リード型のパッケージ(SSOP(Shrink Small Outline Package)、以下、「リード型のパッケージ」と記載する場合がある。)を有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケットにおける長手方向の両側面から外側へ向かってそれぞれ突出する複数のリード端子とそれぞれ対応する位置に配置されている。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vには、リード型のROMソケットのリード端子がハンダ付けされることでリード型のROMソケットが周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに固定される。なお、パッド1510vは、上述した周辺制御IC1510aの近傍に配置されている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、表面側実装電子部品である制御ROM1510bの他に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている(例えば、図173(b)の制御ROM1510bの部品番号1510v1、制御ROM1510bを配置する位置(四隅を示す記号(L字状の記号)により示される内側領域)1510v2、制御ROM1510bの実装向き(実装方向、第1端子の配置位置を示す記号(三角記号(△)))1510v3)。
また、周辺制御基板1510の裏面(制御ROM1510bが実装されていない面として、以下、「非実装面」と記載する場合がある。)1510yには、裏面側実装電子部品である抵抗、コンデンサ、各種ICの他に、裏面側電子部品の部品番号、裏面側電子部品を配置する位置を示す領域等の裏面側電子部品の属性(さらに、裏面側電子部品の形状、裏面側電子部品の大きさ、裏面側電子部品の実装向き(実装方向)、裏面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す裏面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。
本実施形態では、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bが256Mビットの記憶容量を有し、長手方向の両側面から外側へ向かってそれぞれ35本のリード端子(両側面を合わせて70本のリード端子)が突出している。
制御ROM1510bは、リード型のパッケージを有するものであるが、供給不足となったり、製造中止となったりする場合には、他のパッケージを有するもので代用する必要がある。ところが、パッケージが変更されると、リードレス型(いわゆる、LGA(Land Grid Array))のパッケージ(以下、「リードレス型のパッケージ」と記載する場合がある。)では、リードレス型のパッケージの側面からリード端子が突出されずリードレス型のパッケージの底面に接続端子が配置されるため、パッド1510vの形状及び配置、パッド1510vへの配線パターンの引き回しを修正する必要があり、パッケージの変更という理由で、他の回路に電気的な問題が全くないにもかかわらず、周辺制御基板1510を製造する必要がある。
そこで、パッド1510vは、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケットにおける長手方向の両側面から外側へ向かってそれぞれ突出する複数のリード端子とそれぞれ対応する位置に配置されるように周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成し、このパッド1510vにハンダ付けされる対象を変更することにより、パッケージの変更に対応することができる仕組みを採用した。つまり、制御ROM1510bのパッケージが変更されても、周辺制御基板1510のパッド1510vの形状及び配置、パッド1510vへの配線パターンの引き回しを修正する必要がなくなって(パッド1510vの形状及び配置、パッド1510vへの配線の引き回しが同一となって)共通に使用することができる仕組みとなっており、予め定めた距離寸法だけ離間して1列あたり35個のパッド1510vが2列に整列して周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されている。
リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのリード端子は、上述したように、合計70本であるのに対して、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの接続端子は、リードレス型のパッケージの底面に56本(接続端子が56本から少ない本数である場合もある。)配置されて、本数が少なくなっている。これは、外部からの制御電源が電気的に接続される電源端子と、グランド(回路グランド)(GND)と電気的に接続されるグランド端子と、未接続(ノンコネクション)となっているNC端子と、の本数が少なくなっているからである。
制御ROM1510bのパッケージがリード型のパッケージからリードレス型のパッケージに変更される場合には、図173(a)に示すように、リードレス型パッケージを有する制御ROM1510bを着脱可能なROMソケット1510s、端子数を変更する変換基板1510tを用いて対応することができるようになっている。ROMソケット1510sは、リードレス型を有する制御ROM1510bを専用工具を用いて着脱することができるものであり、載置部1510sa、一対の回転保持片1510sb,1510sb、複数のリード端子1510scから主として構成されている。載置部1510saは、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bが載置されるものであり、一対の回転保持片1510sb,1510sbは、載置部1510saにリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bを載置するときには、開いた状態となっているのに対して、載置部1510saにリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bを載置して保持するときには、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの上面を底面へ向かって力が働くように回転して保持する閉じた状態となる。
一対の回転保持片1510sb,1510sbが閉じた状態となることにより、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの上面を底面へ向かって働く力が維持され、載置部1510saに載置されるリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの底面の56本の接続端子とそれぞれ対応するリード端子1510sc(56本)の一端が電気的に接続された状態が維持されるようになっている。
56本のリード端子1510scは、これらのリード端子1510scと対応するように形成される変換基板1510tの表面(実装面)1510txにパッド1510ta(56本)にハンダ付けされて固定されている。
変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの形状は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの形状(例えば、2.5mm×0.5mmの矩形形状)と同一の形状であり、その大きさは同一であり、パッド間の距離寸法(いわゆる、ピッチ)も同一(例えば、0.8mm)である。変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの2列間の距離寸法は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの2列間の距離寸法と比べて小さい。
変換基板1510tの外形は、矩形形状を有する板状であり、ICパッケージの外形と比べて大きく、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケットの外形とほぼ同一となっている。
変換基板1510tの板厚は、周辺制御基板1510の板厚(1.6mm)と比べて薄く(0.8mmや1.0mm)、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x及び裏面(ハンダ面、非実装面)1510yにパッド1510ta、配線パターン、ランドが形成される層(銅プレーン)の上に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜により緑色のレジスト層が形成されている。変換基板1510tには、表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyに形成される配線パターン電気的に接続するランドを有するスルーホール(以下、「スルーホール」と記載する場合がある。)が複数形成されており、スルーホールの内周壁に銅メッキが施されて導電性を有している。後述する端面スルーホール1510tbを除くスルーホールの孔は、絶縁性樹脂が充てんされ、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyと面一となるようにそれぞれに加工され、ランドと共に、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が緑色塗膜によりそれぞれ完全に覆われている(「樹脂埋め」という)。
変換基板1510tにおける長手方向の両側面には、図174に示すように、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケットにおける長手方向の両側面から外側へ向かってそれぞれ突出する複数のリード端子と対応する位置に半円状を有する端面スルーホール1510tbがそれぞれ形成され、端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaに銅メッキが施されて導電性を有している。端面スルーホール1510tbは、製造時に円状に形成された形成後にルータ加工により半円状に整形されている。なお、端面スルーホール1510tbには、ランドが変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyにそれぞれ形成されている。
変換基板1510tにおける長手方向の両側面に形成される端面スルーホール1510tbは、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのリード端子と、同一の位置に配置されており、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vのパッド間の距離寸法(いわゆる、ピッチ)と同一(例えば、0.8mm)となっている。
リード型のパッケージを有する制御ROM1510bとリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bとの相違点は、上述したように、外部からの制御電源が電気的に接続される電源端子と、グランド(回路グランド)(GND)と電気的に接続されるグランド端子と、未接続(ノンコネクション)となっているNC端子と、の本数である。このため、変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyには、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの接続端子を、電源端子、グランド端子、及びNC端子の本数を合わせるように、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのリード端子の配置となるように配線パターンが端面スルーホール1510tbに電気的に接続されるよう引き回されている。
図173に戻り、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成される合計56本のパッド1510taと、変換基板1510tにおける長手方向の両側面に形成される合計70本の端面スルーホール1510tbと、の位置関係については、図173(b)に示すように、変換基板1510tの表面(実装面)1510txの上辺下辺の中心を結ぶ線と左辺右辺の中心を結ぶ線とが交わる点(中心点)と、ROMソケット1510sの上辺下辺の中心を結ぶ線と左辺右辺の中心を結ぶ線とが交わる点(中心点)と、が一致する(ほぼ一致する場合も含む。)ように配置されることにより、パッド1510taと端面スルーホール1510tbとが電気的に接触しないようにクリアランスとして予め定めた距離寸法zdを有して離間されて配置されている。
変換基板1510tにおける長手方向の両側面に形成される合計70本の端面スルーホール1510tbは、端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとがハンダ付けされることにより変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xとが面接触した状態(つまり、変換基板1510tが周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに表面実装され、すき間のない状態)で固定される。
なお、変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyにおける露出する銅部分の表面は、ハンダリベラーにより、ハンダがのっており(ハンダによりコーティングされており)、露出する銅部分の表面の保護や実装時の濡れ性を向上させる処理が施されている。変換基板1510tに対するハンダリベラーは、水溶性フラックスでもよい。
変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成される端面スルーホール1510tbのランドは、端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとがハンダ付けされる際に、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと面接触した状態となって電気的に導通した状態となる。これは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されパッド1510vの表面は、ハンダリベラーによる処理が施されて予めハンダがのっている(ハンダによりコーティングされている)とともに、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成される端面スルーホール1510tbのランドもハンダリベラーによる処理が施されて予めハンダがのっている(ハンダによりコーティングされている)ため、端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとがハンダ付けされる際に、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成される端面スルーホール1510tbのランドは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと面接触した状態となるからである。周辺制御基板1510に対するハンダリベラーは、水溶性フラックスでもよい。
端面スルーホール1510tbには、ランドが変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyにそれぞれ形成されているが、ランドを形成しなくてもよい。この場合、端面スルーホール1510tbの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taと端面スルーホール1510tbの両側面に形成される端面スルーホール1510tbとが電気的に接触しないようにクリアランスとして予め定めた距離寸法zd(例えば、0.5mm以上)を有して離間されて配置されていることが好ましい。またこの場合、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyには、端面スルーホール1510tbの下端側と電気的に接続される下側パッドをそれぞれ形成してもよい。この下側パッドの形状は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの形状(例えば、2.5mm×0.5mmの矩形形状)と比べて小さい形状(例えば、1.5mm~1.6mm×0.5mm~0.55mmの矩形形状)であり、パッド間の距離寸法(いわゆる、ピッチ)は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと同一(例えば、0.8mm)である。この下側パッドには、上述したように、ハンダリベラーにより、ハンダがのっており(ハンダによりコーティングされており)、露出する銅部分の表面の保護や実装時の濡れ性を向上させる処理が施されている。このように構成しても、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成される端面スルーホール1510tbの下端側と電気的に接続される下側パッドは、端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとがハンダ付けされる際に、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと面接触した状態となって電気的に導通した状態となる。また、このように構成することにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vに変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成される下側パッドがハンダ付けされた場合におけるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれる剥離強度をより高めることができる。
変換基板1510tの表面(実装面)1510tには、表面側実装電子部品であるROMソケット1510sの他に、表面側電子部品の部品番号、表面側電子部品を配置する位置を示す領域等の表面側電子部品の属性(さらに、表面側電子部品の形状、表面側電子部品の大きさ、表面側電子部品の実装向き(実装方向)、表面側電子部品の型式を含む場合がある。)を示す表面側表記部が、緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている(例えば、ROMソケット1510sの部品番号1510s1、ROMソケット1510sを配置する位置(四隅を示す記号(L字状の記号)により示される内側領域)1510s2、ROMソケット1510sの実装向き(実装方向、第1端子の配置位置を示す記号(三角記号(△)))1510s3)。
なお、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taは、合計56本であるのに対して、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vは、合計70本であり、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taと比べて本数が多い。また、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの形状は、上述したように、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの形状と同一の形状であり、その大きさも同一である。更に、ROMソケット1510sのリード端子1510scと変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taとの接触面積(接合面積)は、変換基板1510tの両側面に形成される端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xとの接触面積(接合面積)と比べると、小さくなるため、変換基板1510tの両側面に形成される端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xとの接合強度は、ROMソケット1510sのリード端子1510scと変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taとの接合強度と比べると、高くなる。
このため、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taにROMソケット1510sのリード端子1510scがハンダ付けされた場合におけるパッド1510taが変換基板1510tの基材から剥がれる剥離強度は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vに変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランドがハンダ付けされた場合におけるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれる剥離強度と比べて小さくなる。
換言すると、ROMソケット1510sに外力が加わった際に、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taが変換基板1510tの基材から剥がれる剥離強度は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれる剥離強度と比べて小さいため、ROMソケット1510sのリード端子1510scとハンダ付けされた変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taが変換基板1510tの基材から剥がれることができるようになっているため、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランドとハンダ付けされた周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれることを防止することができるため、周辺制御基板1510の損傷を防止することができる。
一方、ROMソケット1510sのリード端子1510scと変換基板1510tに形成されるパッド1510taとの半田付け部分はROMソケット1510sのリード端子1510scに剥離方向に力が加わった場合、細い金属線なので変形しやすくそのため余計にリード端子1510scそれぞれに掛かる負荷が増し、変換基板1510tに形成されるパッド1510ta及び変換基板1510tに形成される配線パターンを剥離する力が掛かる。これにより、細い金属線を有するROMソケット1510s側の半田付け部はパターン剥離が発生する蓋然性が高いが、周辺制御基板1510側の半田付け部(変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとの半田付け部分)はパターン剥離が発生する蓋然性は低いと言える。
このように、ROMソケット1510sが周辺制御基板1510に直接実装されず、変換基板1510tに実装されるという新たな態様とすることにより、ROMソケット1510sへ加わった外力による周辺制御基板1510のダメージを軽減することができる。したがって、周辺制御基板1510に対する電子部品である制御ROM1510bの装着手法を新たな態様にし、より利便性を高くすることができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x及び裏面(ハンダ面、非実装面)1510yと、変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyとは、上述したように、共に緑色塗膜により緑色のレジスト層が形成され、統一色となっている。このように、周辺制御基板1510と変換基板1510tとのレジストを同じ色(緑色)にすることにより、変換基板1510tの存在を周辺制御基板1510に対してわかり難くすることができ、不正の対象との認識を持たせ難くすることができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、制御ROM1510bの実装向き(実装方向、第1端子の配置位置を示す記号(三角記号(△)))1510v3が、レジストの緑色に対して目立ち易い白色の塗料で、ベタ塗りされた緑色のレジスト上にシルク印刷により印刷されている。これにより、周辺制御基板1510と変換基板1510tのレジストが同じ色(緑色)の場合、実装する際、変換基板1510tの配置方向がわかり難いので、緑色のレジストに対し認識し易い白色のレジストにて1ピン箇所(第1端子の配置位置)を表記することにより変換基板1510tの方向がわかり易くすることができる。つまり、周辺制御基板1510には1ピン箇所(第1端子の配置位置)があり変換基板1510tにも1ピン箇所(第1端子の配置位置)があるので、周辺制御基板1510と変換基板1510tのレジストが同じ色(緑色)の場合であっても、変換基板1510tの方向がわかり易くすることができる。
また、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbを除くスルーホールの孔は、絶縁性樹脂が充てんされ、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyと面一となるようにそれぞれに加工され、スルーホールのランドと共に、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が緑色塗膜によりそれぞれ完全に覆われている(樹脂埋め)。これにより、スルーホールの金属露出部がなくなることで、周辺制御基板1510に形成される例えばスルーホールの金属露出部との接触を回避して電気的トラブルの発生を防ぐことができる。
これについて図175を参照して簡単に説明する。例えば、図175に示すように、周辺制御基板1510に形成されるスルーホールと変換基板1510tに形成されるスルーホールとがたまたま重なる場合もあれば、重ならない場合もある。たまたま重なった場合においては、周辺制御基板1510に形成されるスルーホールと変換基板1510tに形成されるスルーホールとが電気的に接続されることで導通することとなり、これを回避するために、変換基板1510tに形成されるスルーホールの孔には上述した樹脂埋めが施されている。
また、例えばROMソケット1510sが搭載されている基板に周辺制御基板1510と接続するためのコネクタを設け、周辺制御基板1510側のコネクタとの接続により電気的に接続を行なう基板を考えた場合、搭載されている制御ROMが周辺制御基板ボックス1505のカバー体1501のカバー平板1501a(基板ケース)に近づいてしまい、外来ノイズの影響が強くなる。これに対し、本実施例の変換基板1510tは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xと変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyとが面接触した状態で上述したハンダ付けにて接続されているので、搭載されている制御ROM1510bは周辺制御基板ボックス1505のカバー体1501のカバー平板1501a(基板ケース)より遠ざけることができるので外来ノイズの影響を受け難くすることができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vは、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのリード端子と対応するために70本であるのに対して、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bの接続端子は、リードレス型のパッケージの底面に56本(接続端子が56本から少ない本数である場合もある。)である。このため、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vには、例えば、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのリード端子に予め割り当てられた未接続(ノンコネクション)となっているNC端子の本数が結果的に過剰となって配置されているものもある。このように過剰となっているパッド1510vの存在により、周辺制御基板1510側の半田付け部(変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランドと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとの半田付け部分)の補強の効果があり、周辺制御基板1510側の半田付け部の接合面の強さに寄与することができる。つまり、わざわざNC端子の本数を増やして周辺制御基板1510側の半田付け部(変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランドと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとの半田付け部分)の接合面を強くしている。
また、変換基板1510tの両側面に形成される端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaは、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)(銅箔)により繋がっているため、単純なパッドを用いたハンダ付けと比べて接合強度を高めることができる。変換基板1510t側の半田付け部(ROMソケット1510sのリード端子1510scと変換基板1510tに形成されるパッド1510taとの半田付け部分)は、変換基板1510tの表面(実装面)1510txのみのパッドであり、周辺制御基板1510側の半田付け部(変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとの半田付け部分)は、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)(銅箔)により繋がっているため、周辺制御基板1510側の半田付け部は、変換基板1510t側の半田付け部と比べて接合強度が強い構成とすることができる。
また、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの形状は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの形状(例えば、2.5mm×0.5mmの矩形形状)と同一の形状であり、その大きさは同一であり、パッド間の距離寸法(いわゆる、ピッチ)も同一(例えば、0.8mm)であり、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの2列間の距離寸法は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの2列間の距離寸法と比べて小さいものとなっており、パッド間の距離寸法(ピッチ)と比べて長くなっている。変換基板1510tの両側面に形成される端面スルーホール1510tbは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vのパッド間の距離寸法(いわゆる、ピッチ)と同一(例えば、0.8mm)となっている。変換基板1510tの両側面にそれぞれ形成される端面スルーホール1510tbの距離寸法(つまり、変換基板1510tの両側面間の距離寸法)は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vの2列間の距離寸法のうち、2列間のパッド1510vの内側距離寸法と比べて大きく、かつ、2列間のパッド1510vの外側距離寸法と比べて小さくものとなっており、さらに、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの2列間の距離寸法と比べて長くなっている。これにより、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと、の接合部のピッチを長くすることにより周辺制御基板1510のたわみ防止効果を高めることができる。なお、さらに、周辺制御基板1510のたわみ防止効果を高めるためには、例えば、変換基板1510tの基板厚を厚くすることを挙げることができる。
また、変換基板1510t側の半田付け部(ROMソケット1510sのリード端子1510scと変換基板1510tに形成されるパッド1510taとの半田付け部分)と、周辺制御基板1510側の半田付け部(変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとの半田付け部分)とは、上述したように、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyと周辺制御基板1510の裏面1510yとが面接触した状態で表面実装することができる構成となっている。これにより、変換基板1510tと周辺制御基板1510を隙間なく電気的に接続することができるため、周辺制御基板ボックス1505のカバー体1501のカバー平板1501a(基板ケース)との距離を離すことができるのでノイズに強い接続方法とすることができる。
また、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)と、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vとがハンダ付けされることにより、このハンダを介して電気的に接続されている。これにより、変換基板1510tと周辺制御基板1510を隙間なく電気的に接続することができるため、周辺制御基板ボックス1505のカバー体1501のカバー平板1501a(基板ケース)との距離を離すことができるのでノイズに強い接続方法とすることができる。
また、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbを除くスルーホールの孔は、絶縁性樹脂が充てんされ、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が変換基板1510tの表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyと面一となるようにそれぞれに加工され、スルーホールのランドと共に、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が緑色塗膜によりそれぞれ完全に覆われ(樹脂埋め)、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyと周辺制御基板1510の裏面1510yとを面接触した状態で表面実装することができるため、隙間なく接続される変換基板1510tと周辺制御基板1510との短絡を防止することができる。
また、ROMソケット1510sには、制御ROM1510bが着脱されるものの、この作業には、人の手が介在し誤って制御ROM1510bや配線パターンを損傷する可能性がある。このため、変換基板1510tにROMソケット1510sを搭載し、制御ROM1510bや変換基板1510tに形成される配線パターンが損傷した場合、変換基板1510tを周辺制御基板1510から取り外して新たなものへ交換するという作業を行うことで周辺制御基板1510はそのまま(同じものを)使用することができる。
また、変換基板1510tには、ROMソケット1510sのみ搭載されている。これにより、ROMソケット1510sが損傷したり変換基板1510tが損傷したりして交換する場合は、最小単位のROMソケット1510sと変換基板1510tだけでよい。
また、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tba及び変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyに形成されるランド(又はランドに代えて上述した下側パッド)とハンダ付けされる周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vは、上述した周辺制御IC1510aの近傍に配置されている。周辺制御IC1510aは、大きなパッケージを有するICであり且つ表面実装タイプの電子部品であるため、このような表面実装タイプの電子部品は、特に基板のたわみに弱い(電子部品の接続端子やリード端子が基板の表面から剥がれたりするおそれがある)。そこで、変換基板1510tを周辺制御IC1510aの近くに実装することにより周辺制御基板1510のたわみに対し補強することができる。
また、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更する場合が生じても、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱可能なROMソケット1510sを備える変換基板1510tを周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに実装することで対応することができため、制御ROM1510bのパッケージが変更されても、周辺制御基板1510のパッド1510vの形状及び配置、パッド1510vへの配線パターンの引き回しを修正する必要がなくなって(パッド1510vの形状及び配置、パッド1510vへの配線の引き回しが同一となって)共通に使用することができる。
また、制御ROM1510bは、周辺制御基板1510を再利用する場合、製造工程において不具合の有無を検査する抜き取り検査(サンプル)を行う場合に、ROMソケット1510sから専用工具を用いて取り外される際に、制御ROM1510bがROMソケット1510sに引っ掛かってROMソケット1510sに外力が加わる場合でも、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taが変換基板1510tの基材から剥がれる剥離強度は、上述したように、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれる剥離強度と比べて小さいため、ROMソケット1510sのリード端子1510scとハンダ付けされた変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taが変換基板1510tの基材から剥がれることにより、変換基板1510tの端面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaとハンダ付けされた周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vが周辺制御基板1510の基材から剥がれることを防止することができるため、周辺制御基板1510の損傷を防止することができる。これにより、損傷したROMソケット1510sが実装される変換基板1510tごと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから取り外して、新たなROMソケット1510sが実装される変換基板1510tを周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに実装すればよく、周辺制御基板1510自体を新たな周辺制御基板1510に交換することなしに、利用することができる。
また、変換基板1510tが周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに表面実装され、すき間のない状態で固定されるようになっているため、変換基板1510tの裏面(非実装面)1510tyと周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xとのすき間に対して不正な電子部品の配置を困難とすることができる。
また、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更する場合には、上述したように、変換基板1510tを用いる必要があるものの、変換基板1510tの板厚は、上述したように、周辺制御基板1510の板厚(1.6mm)と比べて薄いため(0.8mmや1.0mm)、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)に収容されて封印されている状態において、周辺制御基板1510に実装される制御ROM1510bの上面から周辺制御基板ボックス1505のカバー体1501のカバー平板1501aの裏面までに亘る所定の高さ距離寸法も、最大でも変換基板1510tの板厚程度であり、カバー体1501から侵入するノイズに対して、耐ノイズ性を高く維持することができる。
また、制御ROM1510bは、上述したように、周辺制御基板1510を再利用する場合、製造工程において不具合の有無を検査する抜き取り検査(サンプル)を行う場合に、ROMソケット1510sから専用工具を用いて取り外される。つまり、制御ROM1510bが実装される変換基板1510tは、周辺制御基板1510を再利用する場合、製造工程において不具合の有無を検査する抜き取り検査(サンプル)を行う場合に、ROMソケット1510sから専用工具を用いて取り外される。リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更する場合には、上述したように、変換基板1510tを用いる必要があるものの、変換基板1510tからリード端子が外部へ向かって突出していないため、制御ROM1510bが実装される変換基板1510tをROMソケット1510sから専用工具を用いて取り外す作業を行っている者があやまって制御ROM1510bが実装される変換基板1510tを落下させても、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bのようにリード端子が屈曲することがなく、使用不可となることを防止することができる。
また、変換基板1510tにおける長手方向の両側面には、上述したように、半円状を有する端面スルーホール1510tbがそれぞれ形成され、端面スルーホール1510tbの孔の直径が、変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの形状(例えば、2.5mm×0.5mmの矩形形状)の幅寸法(0.5mm)とほぼ同一の寸法となるように形成されている。これに代えて、端面スルーホール1510tbの孔の直径を変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taの形状(例えば、2.5mm×0.5mmの矩形形状)の幅寸法(0.5mm)と比べて大きい寸法(例えば、0.6mm~0.7mm)としてもよい。この場合、半円と比べて短い円弧状を有する端面スルーホール1510tbとなる。
また、パッド1510vは、リード型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケットにおける長手方向の両側面から外側へ向かってそれぞれ突出する複数のリード端子とそれぞれ対応する位置に配置されるように周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成し、このパッド1510vにハンダ付けされる対象を変更することにより、パッケージの変更に対応することができる仕組みを採用していたが、他の仕組みを採用してもよい。例えば、図176(a)に示すように、パッド1510vにリード型のパッケージを有する制御ROM1510bが着脱されるリード型のROMソケット1510s’のリード端子1510sc(合計70本)をハンダ付けし(つまり、従来のROMソケット1510s’をそのまま流用するものであって)、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bがハンダ付けされた変換基板1510t’をROMソケット1510s’の載置部1510sa’に載置して、一対の回転保持片1510sb’,1510sb’を閉じた状態とする。なお、載置部1510sa’、一対の回転保持片1510sb’,1510sb’、複数のリード端子1510sc’は、図173(a)に示したROMソケット1510sの載置部1510sa、一対の回転保持片1510sb,1510sb、複数のリード端子1510scと機能が同一であるため、ここでの説明を省略する。
なお、変換基板1510t’の表面(実装面)1510tx’及び裏面(非実装面)1510ty’には、リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bがハンダ付けされたるパッド、配線パターン、ランドが形成される層(銅プレーン)の上に緑色のレジスト液が塗布されて形成される緑色塗膜により緑色のレジスト層が形成されている。変換基板1510t’には、表面(実装面)1510tx及び裏面(非実装面)1510tyに形成される配線パターン電気的に接続するランドを有するスルーホール(以下、「スルーホール」と記載する場合がある。)が複数形成されており、スルーホールの内周壁に銅メッキが施されて導電性を有している。スルーホールの孔は、絶縁性樹脂が充てんされ、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端が表面(実装面)1510tx’及び裏面(非実装面)1510ty’と面一となるようにそれぞれに加工され、ランドと共に、スルーホールの孔を塞いだ絶縁性の樹脂の一端及び他端と、が緑色塗膜によりそれぞれ完全に覆われている(樹脂埋め)。
また、変換基板1510t’の裏面(非実装面)1510ty’の長手方向の両端には、下方へ向かって突出する突出部が形成され、この突出部にパッドが形成されている。このパッドは、ROMソケット1510s’のリード端子1510sc’と対応する位置にそれぞれ配置され、一端35本及び他端35本で合計70本形成されている。
リードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bがハンダ付けされた変換基板1510t’をROMソケット1510s’の載置部1510sa’に載置して、一対の回転保持片1510sb’,1510sb’を閉じた状態とすると、図176(b)に示すように、変換基板1510t’の表面(実装面)1510tx’の上辺下辺の中心を結ぶ線と左辺右辺の中心を結ぶ線とが交わる点(中心点)と、ROMソケット1510sの上辺下辺の中心を結ぶ線と左辺右辺の中心を結ぶ線とが交わる点(中心点)と、が一致する(ほぼ一致する場合も含む。)ように配置される。
リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更した場合に、周辺制御基板1510の基板管理番号を修正する必要があり、ここでは、周辺制御基板1510の基板管理番号を修正について、図177を参照して簡単に説明する。図177(a)~(c)は、周辺制御基板の基板管理番号を示す概略図である。なお、周辺制御基板1510に搭載される部品が変更となることにより、周辺制御基板1510の基板管理番号を変更する必要が生じる。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xの所定置(例えば、周辺制御基板1510の四隅のうち一隅)には、図177(a)に示すように、箔抜き領域KBRGN(つまり、配線パターンが形成される銅箔面において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)が形成されるとともに、この箔抜き領域KBRGN内において左詰に、管理番号の共通部(同図では、「XYZA」)を基板管理番号として配線パターンで箔抜き文字KBNUMを形成し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510にベタ塗りされる緑色のレジスト液により箔抜き領域KBRGNと箔抜き文字KBNUMとがそれぞれ覆われている。
リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更した場合には、例えば、図177(b)に示すように、レーザーマーカーを用いて、箔抜き領域KBRGN内において左詰に配置された箔抜き文字KBNUMに続いて、記号HKBNUM(同図には英字A)が印字され(記号HKBNUMに沿って表面から所定深さに掘られ)、レーザーマーカーを用いると、変換基板1510tの置換(修復を含める。)ごとに、箔抜き文字KBNUMに続いて記号HKBNUMを印字することで基板管理番号(同図では、「XYZAA」)とすることができる。なお、レーザーマーカーにより箔抜き文字の一部を消すことによって基板管理番号を変更してもよいし、箔抜き文字の一部を消すことと、文字を追加することと、の両方を行って基板管理番号を変更してもよい。
また、例えば、図177(c)に示すように、管理番号の共通部(同図では、「XYZ-」)を基板管理番号として配線パターンで箔抜き文字KBNUMを形成し、箔抜き領域KBRGNとは別の領域であって近傍の領域(同図では、箔抜き領域KBRGNの真下)に箔抜き領域RGN1,RGN2,RGN3を形成するとともに、箔抜き領域RGN1,RGN2,RGN3内に記号(同図には英字A,英字B,英字C)として配線パターンで箔抜き文字を形成し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510にベタ塗りされる緑色のレジスト液により箔抜き領域KBRGNと領域RGN1,RGN2,RGN3とがそれぞれ覆われている。領域RGN1,RGN2,RGN3の周囲には、ルータによりミシン目状に孔があけられており、領域RGN1,RGN2,RGN3を周辺制御基板1510から除去できるようになっている。領域RGN1,RGN2,RGN3を周辺制御基板1510から除去されていない状態では、周辺制御基板1510の基板管理番号は、「XYZA-ABC」となっている。リード型のパッケージを有する制御ROM1510bからリードレス型のパッケージを有する制御ROM1510bに変更した場合には、領域RGN1,RGN2,RGN3のうちいずれか一つ、二つ、又はすべてを周辺制御基板1510から除去することにより基板管理番号とすることができる。
なお、周辺制御基板1510には、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路が設けられており、この電源作成回路は、矩形形状を有する基板に各種電子部品が実装され、この基板の裏面側が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに面接触した状態で直接ハンダ付けされた状態となっている。この基板の表面(実装面)は、金属製のカバー体により基板の端片を挟持するようにカシメられて覆われている。電源作成回路の基板は、周辺制御基板1510に実装されると、脱着可能な電子部品ではなく、電源作成回路が損傷した場合に、電源作成回路の基板を交換して新たな基板を周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに面接触した状態で直接ハンダ付けするものではなく、周辺制御基板1510そのものを交換することとなる。
なお、従来より、ROM等の電子部品が装着される演出制御基板を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2017-217381号公報(段落[0061]、図5))。しかしながら、従来の遊技機は、制御基板に対する電子部品の装着手法について改良の余地があった。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技に関する演出制御を司る演出制御手段である図170の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御ユニット1500は、制御基板である図173の周辺制御基板1510と、演出データが記憶されたROMである図173の制御ROM1510bが装着されるROMソケットである図173のROMソケット1510sと、ROMソケット1510sが実装される特定基板である図173の変換基板1510tと、を備えている。周辺制御基板1510の面部である表面(実装面)1510xには、変換基板1510tが重なるように実装される特定基板実装領域である図173の制御ROM1510bを配置する位置1510v2が形成されている。変換基板1510tには、ROMソケット1510sのみが半田付けされ実装されている。
このように、ROMソケット1510sが周辺制御基板1510に実装されず、変換基板1510tに実装されるという新たな態様とすることにより、ROMソケット1510sへ加わった外力による周辺制御基板1510のダメージを軽減することができる。したがって、周辺制御基板1510に対する電子部品である制御ROM1510bの装着手法を新たな態様にし、より利便性を高くすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技に関する演出制御を司る演出制御手段である図170の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御ユニット1500は、制御基板である図173の周辺制御基板1510と、演出データが記憶されたROMである図173の制御ROM1510bが装着されるROMソケットである図173のROMソケット1510sと、ROMソケット1510sが実装される特定基板である図173の変換基板1510tと、を備えている。周辺制御基板1510の面部である表面(実装面)1510xには、変換基板1510tが重なるように実装される特定基板実装領域である図173の制御ROM1510bを配置する位置1510v2が形成されている。変換基板1510tは、それぞれ半田付け可能な第1板面部である図173の変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taと、第2板面部である図173の変換基板1510tの両側面に形成される側面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと、を有し、ROMソケット1510sと変換基板1510tとは、ROMソケット1510tのリード端子部であるリード端子1510scと、変換基板1510tの第1板面部であるパッド1510taと、が半田付けにて接続され(ハンダ付けにより電気的に接続され)、周辺制御基板1510変換基板1510tとは、周辺制御基板1510の板面部である図173の周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるパッド1510vと、変換基板1510tの第2板面部である側面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaとが半田付けにて接続されている(ハンダ付けされて電気的に接続されている)。
このように、ROMソケット1510sが周辺制御基板1510に実装されず、変換基板1510tに実装されるという新たな態様とすることにより、ROMソケット1510sへ加わった外力による周辺制御基板1510のダメージを軽減することができる。したがって、周辺制御基板1510に対する電子部品である制御ROM1510bの装着手法を新たな態様にし、より利便性を高くすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技に関する演出制御を司る演出制御手段である図170の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御ユニット1500は、制御基板である図173の周辺制御基板1510と、演出データが記憶されたROMである図173の制御ROM1510bが装着されるROMソケットである図173のROMソケット1510sと、ROMソケット1510sが実装される特定基板である図173の変換基板1510tと、を備えている。変換基板1510tには、ROMソケット1510sを実装する実装面にROMソケット1510sを電気的に接続するための第1端子部である、図174の変換基板1510tの表面(実装面)1510txに形成されるパッド1510taと、ROMソケット1510sを実装する実装面の裏面に周辺制御基板1510を電気的に接続するための第2端子部である、変換基板1510tの両側面に形成される側面スルーホール1510tbの内周壁1510tbaと、が設けられている。第1端子部と第2端子部とは、異なる態様であり、第2端子部は、周辺制御基板1510の板面である表面(実装面)1510xと半田(ハンダ)を介して電気的に接続されている。
このように、ROMソケット1510sが周辺制御基板1510に実装されず、変換基板1510tに実装されるという新たな態様とすることにより、ROMソケット1510sへ加わった外力による周辺制御基板1510のダメージを軽減することができる。したがって、周辺制御基板1510に対する電子部品である制御ROM1510bの装着手法を新たな態様にし、より利便性を高くすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図178を参照して説明する。図178はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。まず、電源基板について説明し、続いてバックアップ電源、各制御基板等へ供給される電源について説明する。なお、各種基板の基板グランド(GND)や各種端子板の基板グランド(GND)は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一のグランド(GND)となっている。
[8-1.電源基板]
図94及び図95等に示した基板ユニット620に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の電源コンセントに差し込まれている。遊技ホールの島設備では、通常1つのトランスに対して、例えば4台のパチンコ機1を1つのグループとして交流電源(交流24V)をそれぞれ供給するというシステムが採用されている。例えば、1列に20台のパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備においては、4台のパチンコ機1が5つのグループとして管理され、それぞれのグループに対して1つずつトランスが設けられ(合計5つのトランスにより)、交流電源(交流24V)がそれぞれ供給されるというシステムが採用されているため、最大許容容量:1000VAという性能を有するトランスが設けられている。
電源スイッチ630aがON操作されると、遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V)が電源基板630へ供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる一方、電源スイッチ630aがOFF操作されると、遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V)が電源基板630へ供給されなくなり、パチンコ機1の電源遮断を行うことができる。電源スイッチ630aは、通常、ON操作された状態が維持され、遊技ホールの店員等の係員が営業開始するときに、遊技ホールに設置されるブレーカをON操作する(入れる)ことにより遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1の電源投入を一斉に行う。そして、遊技ホールの店員等の係員が営業終了後に、遊技ホールに設置されるブレーカをOFF操作する(切る)ことにより遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1の電源遮断を一斉に行う。このため、遊技ホールの島設備に複数列設されたパチンコ機1のうち、個別にパチンコ機1の電源投入や電源遮断を行う場合としては、例えば、遊技ホールの店員等の係員がメンテナンスを行うときに電源スイッチ630aをOFF操作して、メンテナンスを終了したときに電源スイッチ630aを再びON操作する場合、何らかのトラブルが発生したパチンコ機1に対してそのトラブルを解消するために遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをOFF操作し、そのトラブルを解消したときに電源スイッチ630aを再びON操作する場合等を挙げることができる。
電源基板630は、図178に示すように、電源スイッチ630aのほかに、ヒューズFUSE1,FUSE2、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、電源破壊回路630g、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、バックアップ電源回路630hを備えている。遊技ホールの島設備から供給されている交流電源(交流24V(以下、「AC24V」と記載する。))は、電源スイッチ630aのON操作/OFF操作にかかわらず、電源基板630を介してインターフェイス基板635へ供給され、このインターフェイス基板635からパチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)へ供給されている。
電源スイッチ630aがON操作されると、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vは、ヒューズFUSE1,FUSE2、そして電源スイッチ630aを介してノイズ対策回路630bへ供給され、このノイズ対策回路630bにおいてノイズが除去される。ノイズが除去されたAC24Vは、整流回路630cへ供給され、この整流回路630cにおいて整流(交流から直流に変換(AC-DC変換))されて直流電源となる。この整流された直流電源は、電源破壊回路630gを介して力率改善回路630dへ供給され、力率改善回路630dにおいて力率を改善した直流+35V(以下、「+35V」と記載する。)が作成される。この作成された+35Vは、平滑化回路630eへ供給され、平滑化回路630eにおいて+35Vのリップルが除去されて平滑化される。この平滑化された+35Vは、電源作成回路630fへ供給される。
電源破壊回路630gは、自身へ供給される電圧が所定電圧を超えるとヒューズFUSE1,FUSE2に許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える大電流を流して溶断させて遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vを電気的に切断するものである。ヒューズFUSE1,FUSE2は、許容電流上限(遮断電流)を超える大電流(異常電流)が流れると、ヒューズFUSE1,FUSE2のエレメント部が溶断してヒューズFUSE1,FUSE2を介して供給される後続へのAC24Vを遮断する。
平滑化された+35Vが供給される電源作成回路630fは、+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、+24V電源作成回路630fcを備えている。+5V電源作成回路630faは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+5V(以下、「+5V」と記載する。)を作成している。+12V電源作成回路630fbは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+12V(以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V電源作成回路630fcは、平滑化回路630eから供給される+35Vから直流+24V(以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5V、+12V、及び+24Vは、払出制御基板633及びインターフェイス基板635へそれぞれ供給されている。電源基板630で作成される+5Vが印加されて供給される電源ライン(電源系統)が+5V電源ライン、電源基板630で作成される+12Vが印加されて供給される電源ライン(電源系統)が+12V電源ライン、そして電源基板630で作成される+24Vが印加されて供給される電源ライン(電源系統)が+24V電源ラインとなる。
[8-2.バックアップ電源]
バックアップ電源回路630hは、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU633aaに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)へのバックアップ電源を供給している。
電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vは、払出制御基板633へ供給されている。払出制御基板633へ供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路633hを介して払出制御基板633における+5V電源ラインとなり、払出制御MPU633aaの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成される+12Vは、払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gへ供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板633からの+12Vから主制御MPU1310aの制御電源となるローカル電源として+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5V(以下、「主制御基板側作成+5V」と記載する場合がある。)は、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御基板1310における主制御基板側作成+5V電源ラインとなり、主制御MPU1310aの電源端子へ供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子へ供給されるようになっている。なお、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)と、は電気的に接続されず、それぞれ独立している。
電源基板630のキャパシタBC1のマイナス端子は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板633の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板633のダイオードPD0のカソード端子と電気的に接続されている。つまり、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子へ向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、へ向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが払出制御基板633、そして再び払出制御基板633から電源基板630に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが払出制御基板633へ供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板633へ供給されるようになっているため、払出制御MPU633aaの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU633aaが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより払出制御内蔵RAMの記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板630のキャパシタBC0のマイナス端子は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子と電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)は、主制御MPU1310aの電源端子へ向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、へ向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)が主制御基板1310、そして払出制御基板633から電源基板630へ供給されるという電気的な接続方法により、主制御基板側作成+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成される+12Vが払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gへ供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5V(主制御基板側作成+5V)を作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより主制御内蔵RAMの記憶内容が保持されるようになっている。
[8-3.各制御基板等へ供給される電源]
次に、各制御基板等へ供給される電源についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板へ供給される電源、そして主制御基板へ供給される電源について説明する。
電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、図178に示すように、払出制御基板633へ供給され、これら3種類の電源のうち、+12V及び+24Vという2種類の電源は、払出制御基板633を介して主制御基板1310へ供給されている。また電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、インターフェイス基板635へ供給されるとともに、このインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等へそれぞれ供給されている。
なお、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等へそれぞれ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、これらの各電源ラインへ過電流が流れるにより溶断することができる図示しない+5V用ヒューズ、図示しない+12V用ヒューズ、及び図示しない+24V用ヒューズを、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等にそれぞれ設けてもよい。
特に、+12V電源ライン及び+24V電源ラインは、後述するように、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより電位の低下が監視されており、+12V電源ラインの電位や+12V電源ラインの電位が低下して停電予告信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aや払出制御基板633の払出制御MPU633aaへ出力されると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行って遊技の進行を停止し、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行って払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止することとなる。
そこで、図示しない+12V用ヒューズ、及び図示しない+24V用ヒューズを、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等にそれぞれ設ける場合には、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等の+12V電源ラインや+24V電源ラインにおいて、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等に過電流が流れると、インターフェイス基板635、扉枠主中継基板104、扉枠服中継基板105等に設けられる+12V用ヒューズや+24V用ヒューズが溶断するように構成することができる。これにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位や+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
周辺制御基板1510へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、図示しない+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、及び+24V用ヒューズを介して、周辺制御基板1510の後続基板へそれぞれ供給されている。
図示しない+5V用ヒューズは、周辺制御基板1510の+5V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して後続基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+5V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+5V用ヒューズは、+5V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+5V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+5V用ヒューズを介して供給される後続への+5V電源ラインを遮断する。
図示しない+12V用ヒューズは、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して遊技盤5の各種装飾基板等の後続基板で使用される電流と、周辺制御基板1510を介して後続装置で使用される電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V用ヒューズは、+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V用ヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
図示しない+24V用ヒューズは、周辺制御基板1510の+24V電源ラインにおける、周辺制御基板1510を介して後続基板で使用される電流が加味されてその容量が予め設定されており、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。なお、周辺制御基板1510において+24Vを使用して電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)を+24V系ドライバ回路を設ける場合には、図示しない+24V用ヒューズの容量として、+24V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して後続基板で使用される電流と、が加味されて予め設定される。図示しない+24V用ヒューズは、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+24V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+24V用ヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズは、周辺制御基板1510から後続基板へ+5V電源ライン、+12電源ライン、+24V電源ラインが供給される大元のヒューズであり、流れる電流が大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けてICに内蔵されるサーマルシャットダウンによる障害が発生しないように、周辺制御部1511や演出表示制御部1512の各電子部品(例えば、マイクロプロセッサ、VDPなど)から離間して配置することが好ましく、インターフェイス基板635からの+5V、+12V、+24Vが供給されるコネクタの近傍(特に、インターフェイス基板635からの+5V、+12V、+24Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
周辺制御基板1510は、図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vから周辺制御部1511や演出表示制御部1512の制御電源となるローカル電源として直流3.3V(以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する図示しない制御電源作成回路を備えている。図示しない制御電源作成回路で作成される+3.3Vは、図示しない制御電源用ヒューズを介して周辺制御部1511や演出表示制御部1512の電子部品へ供給される。図示しない制御電源作成回路で作成される+3.3Vは、図示しない制御電源用ヒューズを介して周辺制御基板1510における+3.3V電源ラインとなる。図示しない制御電源作成回路は、図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12V電源ラインを除いて、図示しない+5V用ヒューズを介して供給される+5V電源ライン及び/又は図示しない+24V用ヒューズを介して供給される+24V電源ラインに対して異常電流が流れて溶断した場合であっても、+12V電源ラインからの+12Vから周辺制御部1511や演出表示制御部1512の制御電源となるローカル電源である+3.3Vを作成することができるため、周辺制御部1511や演出表示制御部1512は停止せず、継続して作動し、図示しない+24V用ヒューズが溶断している場合には+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動することが困難となるものの、演出の進行を継続することができる。
なお、図示しない制御電源作成回路は、+3.3Vのほかに、ローカル電源として例えば周辺制御基板1510の制御ROM等の各デバイスに対応する複数の制御電源(例えば、直流1.5V(以下、「+1.5V」と記載する。)、直流1.25V(以下、「+1.25V」と記載する。)等)を作成するようにしてもよい。この場合、図示しない制御電源用ヒューズは、複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられることとなる(例えば、+3.3Vに対しては+3.3V用ヒューズ、+1.5Vに対しては+1.5V用ヒューズ、+1.25Vに対しては+1.5V用ヒューズをそれぞれ設け、+3.3V用ヒューズを介して+3.3V電源ラインとなり、+1.5V用ヒューズを介して+1.5V電源ラインとなり、+1.25V用ヒューズを介して+1.25V電源ラインとなる)。
図示しない制御電源用ヒューズは、+3.3V電源ラインにおける、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して後続基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+3.3V電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない制御電源用ヒューズは、+3.3V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない制御電源用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない制御電源用ヒューズを介して供給される後続への+3.3V電源ラインを遮断する。なお、図示しない制御電源用ヒューズを複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられる場合(例えば、+3.3Vに対しては+3.3V用ヒューズ、+1.5Vに対しては+1.5V用ヒューズ、+1.25Vに対しては+1.25Vヒューズがそれぞれ設けられる場合)には、周辺制御基板1510自身で使用する電流と、周辺制御基板1510を介して後続基板で使用するときにはこの電流と、が加味されてその容量が予め設定され、複数の制御電源のそれぞれの電源ライン周辺制御基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができるとともに、複数の制御電源のそれぞれの電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、複数の制御電源に対応してそれぞれ設けられる図示しない制御電源用ヒューズのエレメント部が溶断し、この溶断した図示しない制御電源用ヒューズを介して供給される後続への制御電源の電源ラインを遮断する。
なお、図示しない制御電源用ヒューズは、周辺制御部1511や演出表示制御部1512等の制御電源となる+3.3V電源ラインの大元のヒューズであり、流れる電流が大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けて周辺制御部1511や演出表示制御部1512における特定の電子部品に内蔵されるサーマルシャットダウンによる障害が発生しないように、特定の電子部品から離間して配置することが好ましく、制御電源作成回路の近傍(特に、+3.3Vを作成して+3.3電源ラインとして供給する端子の近傍)に配置されることが好ましい。
本実施形態では、周辺制御基板1510の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、及び制御電源用ヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。
なお、周辺制御基板1510の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、及び制御電源用ヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、周辺制御基板1510の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、及び制御電源用ヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
周辺制御基板1510の後続基板へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源のうち、+5Vは図示しない+5V用ヒューズを介して図示しない入力バッファ回路等へ供給され、+24Vは図示しない+24V用ヒューズを介して遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動制御する図示しない+24V系ドライバ回路へ供給され、+12Vは図示しない+12V用ヒューズを介して遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動制御する図示しない+12V系ドライバ回路へ供給されるとともに、遊技盤5に備える複数の装飾基板(以下、「遊技盤5の各装飾基板」と記載する場合がある。)へそれぞれ供給されている。
図示しない+5V用ヒューズは、周辺制御基板1510の後続基板の+5V電源ラインにおける、周辺制御基板1510の後続基板自身で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、+5V電源ライン後続基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+5V用ヒューズは、+5V電源ライン後続基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+5V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+5V用ヒューズを介して供給される後続への+5V電源ラインを遮断する。
図示しない+12V用ヒューズは、周辺制御基板1510の後続基板の+12V電源ラインにおける、遊技盤5の各装飾基板を除く周辺制御基板1510の後続基板自身で使用する電流と、遊技盤5の各装飾基板で使用する電流と、が加味されてその容量が予め設定されており、+12V電源ライン後続動基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V用ヒューズは、+12V電源ライン後続基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V用ヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
図示しない+24V用ヒューズは、周辺制御基板1510の後続基板の+24V電源ラインにおける、周辺制御基板1510の後続基板自身で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、+24V電源ライン後続基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+24V用ヒューズは、+24V電源ライン後続基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+24V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+24V用ヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズは、+5V電源ライン、+12電源ライン、+24V電源ラインを供給するヒューズであり、周辺制御基板1510における大元の+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズと比べると、流れる電流が小さいものの、電流は大きく、発熱する場合があるため、例えば、この発熱の影響を受けて図示しない+12Vドライバ回路に内蔵されるサーマルシャットダウン部による機能によりシャットダウンによる障害が発生しないように、図示しない+12Vドライバ回路等の電子部品から離間して配置することが好ましく、周辺制御基板1510からの+5V、+12V、+24Vが供給されるコネクタの近傍(特に、周辺制御基板1510からの+5V、+12V、+24Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
図示しない入力バッファ回路は、周辺制御基板1510から伝送される制御信号(シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して図示しない+24V系ドライバ回路、図示しない+12V系ドライバ回路へ出力するものである。具体的には、図示しない入力バッファ回路は、周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510の後続基板との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、図示しない+5V用ヒューズを介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。
図示しない+24V系ドライバ回路は、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)を駆動するドライバICと、このドライバICへの過電流を遮断するヒューズ(以下、「図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ」と記載する場合がある。)と、から主として構成されている。図示しない+24V用ヒューズを介して供給される+24Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。
図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、周辺制御基板1510の後続基板の+24V電源ラインにおける、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や図示しない+24V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
図示しない+12V系ドライバ回路は、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動するドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断するヒューズ(以下、「図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズ」と記載する場合がある。)と、から主として構成されている。図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。
図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、周辺制御基板1510の後続基板の+12V電源ラインにおける、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や図示しない+12V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
本実施形態では、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない、+5V用ヒューズ、+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ、及び+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
遊技盤5の各装飾基板へ供給される+12Vは、図示しない+12V用ヒューズを介して遊技盤5に備えるフルカラーLEDや単色のLED等の複数のLED(以下、「遊技盤5の各種LED等」と記載する場合がある。)を点灯、消灯、点滅、階調点灯等の多様な発光を制御するLED定電流駆動回路へ供給される。LED定電流駆動回路は、遊技盤5の各種LED等に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路と、遊技盤5の各種LED等に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路と、から主として構成されている。なお、LED定電流駆動回路に入力バッファ回路が設けられていない場合には、LED定電流駆動回路の前段に入力バッファ回路を設けてもよい。
図示しない+12V用ヒューズは、遊技盤5の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、遊技盤5の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、遊技盤側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V用ヒューズは、遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V用ヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、図示しない+12V用ヒューズは、+12電源ラインを供給するヒューズであり、周辺制御基板1510における大元の+12V用ヒューズと比べると、流れる電流が小さいものの、電流は大きく、発熱する場合があるため、この発熱の影響を受けて装飾基板に実装さえる各種LEDが損傷しないように、各種LEDやLED定電流駆動回路から離間して配置することが好ましく、+12Vが供給されるコネクタの近傍(特に、+12Vが供給される電源ラインが接続される端子のコネクタの近傍)に配置されることが好ましい。
本実施形態では、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
扉枠服中継基板105へ供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源は、扉枠3に備える図示しない扉枠側駆動基板(以下、「扉枠3の各駆動基板」と記載する場合がある。)や扉枠3に備える複数の装飾基板(以下、「扉枠3の各装飾基板」と記載する場合がある。)が自身に必要とする電源がそれぞれ供給されており、電源と対応する図示しないヒューズが基板にそれぞれ設けられている。
扉枠3の各駆動基板は、電源と対応する図示しないヒューズ(例えば、+5V用ヒューズ、+24V用ヒューズ、+12V用ヒューズ)のほかに、例えば、+24V系電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)を駆動制御する+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズ、+12V系電気的駆動源(例えば、駆動モータ)を駆動制御する+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズ等も設けられている。電源と対応する図示しないヒューズは、扉枠3の各駆動基板の電源と対応する電源ラインにおける、扉枠3の各駆動基板で使用する電流が加味されてその容量が予め設定さており、扉枠側各電源ライン駆動基板許容電流上限(例えば、扉枠側+5V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流)、扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流)、扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限(遮断電流))まで電流をそれぞれ流すことができる。電源と対応する図示しないヒューズは、扉枠側各電源ライン駆動基板許容電流上限(例えば、扉枠側+5V電源ライン駆動基板許容電流上限、扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限、扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限)を超える過電流(異常電流)が流れると、電源と対応する図示しないヒューズのエレメント部が溶断し、この溶断した電源と対応する図示しないヒューズを介して供給される後続への電源ラインを遮断する。
+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+24V電源ラインにおける、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズは、扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズのエレメント部が溶断して+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズは、扉枠3の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズは、扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズのエレメント部が溶断して扉枠3の各装飾基板の図示しないヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
例えば、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+12Vを必要とする場合には、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源である駆動モータの駆動を制御する図示しない+12V系ドライバ回路へ供給される。+12V系ドライバ回路は、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)を駆動する図示しないドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断する図示しないヒューズと、から主として構成されている。+12V用ヒューズを介して供給される+12Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。+12V系ドライバ回路のヒューズは、駆動基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動モータ許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+12V系ドライバ回路のヒューズは、扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+12V系ドライバ回路のヒューズのエレメント部が溶断して+12V系ドライバ回路のヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各駆動基板のうち、+12V系ドライバ回路が設けられる(実装される、搭載される)駆動基板に対しては、図示しない+5V用ヒューズと図示しない入力バッファ回路とが設けられており、遊技盤5に備える周辺制御基板1510から伝送される制御信号(この制御信号は、シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して+12V系ドライバ回路へ出力する。具体的には、入力バッファ回路は、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3の駆動基板との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、+5V用ヒューズを介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。この抵抗に供給される+5Vに代えて、+12V用ヒューズを介して供給される+12Vとしても、同一の効果(つまりノイズ耐力の向上)を奏することができる。
また、例えば、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+24Vを必要とする場合には、図示しない+24V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド)の駆動を制御する図示しない+24V系ドライバ回路へ供給される。+24V系ドライバ回路は、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド、駆動モータ)を駆動する図示しないドライバIC、このドライバICへの過電流を遮断する図示しないヒューズと、から主として構成されている。+24V用ヒューズを介して供給される+24Vは、ヒューズを介してドライバICへ供給されている。+24V系ドライバ回路のヒューズは、駆動基板の+24V電源ラインにおける、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド、駆動モータ)や+24V系ドライバ回路で使用する電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。+24V系ドライバ回路のヒューズは、扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、+24V系ドライバ回路のヒューズのエレメント部が溶断して+24V系ドライバ回路のヒューズを介して供給される後続への+24V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各駆動基板のうち、+24V系ドライバ回路が設けられる(実装される、搭載される)駆動基板に対しては、図示しない+5V用ヒューズと図示しない入力バッファ回路とが設けられており、遊技盤5に備える周辺制御基板1510から伝送される制御信号(この制御信号は、シリアル信号であってもよいし、パラレル信号であってもよい。)が入力され、この入力された制御信号からノイズを除去して+24V系ドライバ回路へ出力する。具体的には、入力バッファ回路は、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3の各駆動基板との基板間を電気的に接続する複数配線(ハーネス)に対して、それぞれ、+5V用ヒューズを介して供給される+5Vが印加される抵抗の一端と、グランド(GND)に接地された抵抗の一端と、が電気的に接続される回路として構成されており、複数配線(ハーネス)に侵入したノイズを除去することでノイズ耐力を向上することができるものである。この抵抗に供給される+5Vに代えて、+24V用ヒューズを介して供給される+24V又は+12Vも供給されているときには+12V用ヒューズを介して供給される+12Vとしても、同一の効果(つまりノイズ耐力の向上)を奏することができる。
また、例えば、扉枠3の各装飾基板のうち、一の装飾基板、複数の装飾基板、又はすべての装飾基板が+12Vを必要とする場合には、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備えるフルカラーLEDや単色のLED等の複数のLED(以下、「扉枠3の各種LED等」と記載する場合がある。)を点灯、消灯、点滅、階調点灯等の多様な発光を制御するLED定電流駆動回路へ供給される。LED定電流駆動回路は、扉枠3の各種LED等に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路と、扉枠3の各種LED等に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路と、から主として構成されている。図示しない+12V用ヒューズは、装飾基板の+12V電源ラインにおける、扉枠3の各装飾基板で使用するそれぞれの電流が加味されてその容量が予め設定されており、扉枠側装飾基板許容電流上限(遮断電流)まで電流を流すことができる。図示しない+12V用ヒューズは、扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流(異常電流)が流れると、図示しない+12V用ヒューズのエレメント部が溶断して図示しない+12V用ヒューズを介して供給される後続への+12V電源ラインを遮断する。
なお、扉枠3の各装飾基板のうち、一の装飾基板であって、LED定電流駆動回路が設けられず扉枠3の他の装飾基板に設けられるLED定電流駆動回路により一の装飾基板自身に実装される複数のLEDの発光が制御される場合には、図示しない+12V用ヒューズを一の装飾基板に設けてもよいし、設けなくてもよい。また、LED定電流駆動回路に扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)入力バッファ回路が設けられていない場合には、LED定電流駆動回路の前段に、入力バッファ回路を設けてもよい。
本実施形態では、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズは、表面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のチップヒューズであり、予め定めた許容電流上限(それぞれ予め定めた遮断電流)を超える電流が流れると、溶断するものであり、リセッタブルヒューズと異なり、一度溶断すると、その電流が低下しても、後続に対して電源ラインを供給することができない電子部品である。なお、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズとして、SMDタイプのチップヒューズに代えて、リードタイプのヒューズにしてもよい。また、扉枠3側に設けられる上述した各ヒューズとして、SMDタイプ又はリードタイプのサーミスタ等のリセッタブルヒューズを使用してもよい。こうすれば、リセッタブルヒューズを使用する場合には、予め定めた許容電流上限を超える電流が流れると、後続に対して電源ラインを供給することができないものの、その電流が低下すると、再び後続に対して電源ラインを供給することができる。
[8-3-1.払出制御基板へ供給される電圧]
払出制御基板633は、図178に示すように、払出制御MPU633aa等のほかに、払出制御フィルタ回路633h等を備えている。この払出制御フィルタ回路633hは、電源基板630からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板630のキャパシタBC1へ供給されるほかに、例えば、払出制御部633aの払出制御MPU633aaや払出制御入力回路633ab等へ供給されている。電源基板630からの+12Vは、例えば、払出制御部633aの払出制御入力回路633ab等へ供給されるとともに、払出制御基板633を介して、外部端子板558の外部通信回路558zへ供給されている。この外部端子板558の外部通信回路558zは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技ホールに設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路558zから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板630からの+24は、払出制御基板633において何ら使用されずに、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ供給されている。
[8-3-2.主制御基板へ供給される電圧]
主制御基板1310は、図178に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板630からの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御電源である+5Vを作成している。本実施形態では、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される主制御基板側作成+5Vと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される主制御基板側作成+5Vが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5V(主制御基板側作成+5V)が供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板630のキャパシタBC0へ供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310aや主制御入力回路1310b等へ供給されている。払出制御基板633からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等へ供給され、払出制御基板633からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等へ供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの+12V及び+24Vが払出制御基板633を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板633の払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
このように、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630fa、+12V電源作成回路630fb、及び+24V電源作成回路630fcでそれぞれ作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電源のうち、+12V、+24Vという2種類の電源は、上述したように、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、及び周辺制御基板1510の後続基板等の各種基板へ供給されている。つまり、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、+12Vという電源が各種基板において同一の電位となっているとともに、+24Vという電源が各種基板において同一の電位となっている。また、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと、主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成される+5Vと、は電気的に接続されることがないが、同一の電位となっている。
また、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、上述したように、払出制御基板633、及び主制御基板1310を除いて、周辺制御基板1510には、図示しない+12V用ヒューズ、図示しない+24V用ヒューズが設けられている(実装されている、搭載されている)とともに、周辺制御基板1510の後続基板には、図示しない+12V用ヒューズ、+24V用ヒューズが設けられている(実装されている、搭載されている)。
更に、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、上述したように、+12Vという電源、+24Vという電源は、いずれも主制御基板1310の停電監視回路1310eでそれぞれ監視されている。
つまり、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+12Vと、周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、周辺制御基板1510の後続基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、が同電位となっているし、主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+24Vと、周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、周辺制御基板1510の後続基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、が同電位となっている。
また、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+12Vを必要とする場合には、上述したように、図示しない+12V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源である駆動モータの駆動を制御する図示しない+12V系ドライバ回路へ供給されるし、扉枠3の各駆動基板のうち、一の駆動基板、複数の駆動基板、又はすべての駆動基板が+24Vを必要とする場合には、上述したように、図示しない+24V用ヒューズを介して扉枠3に備える電気的駆動源(例えば、駆動ソレノイド、駆動モータ)の駆動を制御する図示しない+24V系ドライバ回路へ供給される。この場合、本実施形態におけるパチンコ機1の電源システムでは、遊技盤5の主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+12Vと、遊技盤5の周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、遊技盤5の周辺制御基板1510の後続基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+12V用ヒューズと、が同電位となっているし、遊技盤5の主制御基板1310の停電監視回路1310eにおいて監視される電源である+24Vと、遊技盤5の周辺制御基板1510に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、遊技盤5の周辺制御基板1510の後続基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、扉枠3の駆動基板に設けられる(実装される、搭載される)図示しない+24V用ヒューズと、が同電位となっている。
[9.主制御基板の回路、払出制御基板の回路]
次に、主制御基板1310、払出制御基板633の回路について、図179~図182を参照して簡単に説明する。図179は主制御基板の回路を示す概略回路図であり、図180はエラー検知機能付き主制御入力回路を示す回路図であり、図181は停電監視回路を示す回路図であり、図182は払出制御基板の回路を示す概略回路図である。まず、主制御基板1310の回路について説明し、払出制御基板633の回路について説明する。ここでは、上述した設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aが主制御基板1310に実装され、主制御基板1310のみ主制御基板ボックス1320に収容されている例として説明する。なお、各種基板の回路における電源及び入力信号基板への配線についても適宜説明する。
[9-1.主制御基板の回路]
主制御基板1310の回路における電源のうち、マイクロプロセッサである主制御MPU1310aの制御電源は電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbからの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、この供給される+12Vから+5V作成回路1310gにおいて主制御基板1310の制御電源となるローカル電源として+5Vが作成されている。このローカル電源である+5Vは、電源基板630における電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成される+5Vと同一の電位となっている。
+5V作成回路1310gにおいて主制御基板1310の制御電源となるローカル電源として+5Vは、図179に示すように、まず、主制御フィルタ回路1310hに入力される。この主制御フィルタ回路1310hは、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gからの+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続されるとともにダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。VDD端子に印加される+5VはコンデンサMC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子と電気的に接続されている。また、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗MR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して供給されるのに対して、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、ダイオードMD0により、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して供給されることが妨げられている。
主制御基板1310の回路における入力信号のうち、例えば、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、ゲートセンサ2801からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、設定キースイッチ13100aからの検出信号等は、エラー検知機能なしの主制御入力回路1310bやエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2に入力されている。
具体的には、例えば、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号は、エラー検知機能なしの主制御入力回路1310b(以下、単に「主制御入力回路1310b」と記載する場合がある。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力され、設定キースイッチ1311aからの検出信号は、主制御入力回路1310b、そして論理反転回路1310ivを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001からの検出信号、ゲートセンサ2801からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号等は、エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1~PA4にそれぞれ入力されている。
停電監視回路1310eからの停電予告信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に入力されるとともに、主制御出力回路1310cを介して払出制御基板633や演出表示装置1600等へ出力される。入力ポートPA,PBは、8ビットにより構成されている。また、他のセンサからの検出信号が主制御入力回路1310b又はエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2を介して入力ポートPA,PBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、空き端子処理としてグランド(GND)(基板グランド)に電気的に接続されている。
主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から各種信号を、主制御出力回路1310cを介して出力する。例えば、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から、停電クリア信号を、主制御出力回路1310cを介して停電監視回路1310eへ出力したり、駆動信号を、主制御出力回路1310cを介して主制御ソレノイド駆動回路1310dへ出力したりする。
なお、他のセンサからの検出信号は、主制御入力回路1310bを介してポートPBのほかに、ポートPCの所定の入力端子にそれぞれ入力される場合があり、ポートPCにおける空き端子となる入力端子については、空き端子処理としてグランド(GND)(基板グランド)に電気的に接続されている。ポートPCは、入力ポートPA,PBと同様に、8ビットにより構成されている。
[9-1-1.主制御入力回路]
次に、主制御入力回路1310bについて説明する。主制御入力回路1310bは同一の回路であるため、ここでは、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号が入力される主制御入力回路1310bと、設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、について説明する。
[9-1-1a.RWMスイッチからの主RWM信号]
払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号が入力される主制御入力回路1310bは、図179に示すように、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗MR3を介して、トランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3の他に、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されている。払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号は、主制御入力回路1310bを介して、RWM信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力される。
なお、抵抗MR2の他端には、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの主RWM信号の波形と整えるために、さらに、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたコンデンサの他端と電気的に接続されるようにしてもよい。
また、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合には、抵抗MR5を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタMTR0のコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に電気的に接続するようにしてもよい。
[9-1-1b.設定キースイッチからの検出信号]
設定キースイッチ1311aは、COM1端子、COM2端子、A端子、及びB端子を有し、B端子が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるとともに、COM1端子、COM2端子、及びA端子が電気的に接続されている。設定キースイッチ1311aがOFF操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とA端子とが内部回路において電気的に回路接続されてCOM1端子及びCOM2端子とA端子との内部回路が導通した状態となるのに対して、設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とB端子とが内部回路において電気的に回路接続されてCOM1端子及びCOM2端子とB端子との内部回路が導通して主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された状態となる。
設定キースイッチ1311aからの検出信号は、設定キースイッチ1311aがOFF操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とA端子とが内部回路において電気的に回路接続されたものとなるのに対して、設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とB端子とが内部回路において電気的に回路接続されて主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたものとなる。
設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bは、図179に示すように、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続される抵抗MR10の他端と電気的に接続される他に、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたコンデンサMC10の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗MR11を介して、トランジスタMTR10のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR10のベース端子は、抵抗MR11の他に、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗MR12の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR10のエミッタ端子は、主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタMTR10のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR13の他端と電気的に接続されるとともに、論理反転回路1310ivを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続されている。
論理反転回路1310ivは、主制御入力回路1310bを介して入力される設定キースイッチ1311aからの検出信号の論理を反転する回路である。論理反転回路1310ivは、抵抗MR14,MR15,MR16、トランジスタMTR11から構成されている。主制御入力回路1310bを構成するトランジスタMTR10のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR13の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗MR14を介して、トランジスタMTR11のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR11のベース端子は、抵抗MR14の他に、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗MR15の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR11のエミッタ端子は、主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタMTR11のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR16の他端と電気的に接続されるとともに、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続されている。設定キースイッチ1311aからの検出信号は、主制御入力回路1310b、そして論理反転回路1310ivを介して、設定キー信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力される。
なお、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合には、抵抗MR16を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタMTR11のコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に電気的に接続するようにしてもよい。また、入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子),PA5(設定キー信号入力端子)の他の入力端子PA1~PA4,PA6~PA7に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合にも、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続された抵抗の他端と電気的に接続されることなく、つまりこの抵抗を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタのコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1~PA4,PA6~PA7に電気的に接続するようにしてもよい
設定キースイッチ1311aがOFF操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とA端子とが内部回路において電気的に回路接続されたものとなるため、設定キースイッチ1311aからの検出信号は、その電圧が主制御入力回路1310bの抵抗MR10により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて、その論理がHIとなって主制御入力回路1310bのトランジスタMTR10がONする。これに伴いトランジスタMTR10のコレクタ端子に印加される電圧が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)側へ引き下げられて論理反転回路1310ivのトランジスタMTR11がOFFし、このトランジスタMTR11のコレクタ端子の電圧が論理反転回路1310ivの抵抗MR16により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、その論理がHIとなった設定キー信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力されることとなる。つまり、設定キースイッチ1311aがOFF操作されているときには、設定キー信号の論理がHI(設定不可状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力される。
これに対して、設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、COM1端子及びCOM2端子とB端子とが内部回路において電気的に回路接続されて主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたものとなるため、設定キースイッチ1311aからの検出信号は、その論理がLOWとなって主制御入力回路1310bのトランジスタMTR10がOFFする。これに伴いトランジスタMTR10のコレクタ端子に印加される電圧が主制御入力回路1310bの抵抗MR13により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて論理反転回路1310ivのトランジスタMTR11がONし、このトランジスタMTR11のコレクタ端子の電圧が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に引き下げられ、その論理がLOWとなった設定キー信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力されることとなる。つまり、設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、設定キー信号の論理がLOW(設定可状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力される。
払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないときには、RWMスイッチ633dからの検出信号が後述するように払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されてないため、後述する払出制御基板633に備える払出制御入力回路633abの抵抗PR50により電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源(+5V)側に引き上げられて後述する払出制御基板633に備える払出制御出力回路633acのトランジスタPTR60がONし、このトランジスタPTR60のコレクタ端子の電圧が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)側へ引き下げられてRWMスイッチ633dからの主RWM信号の論理がLOWとなって主制御基板1310に入力される。論理がLOWとなったRWMスイッチ633dからの主RWM信号が主制御入力回路1310bに入力されると、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR0がOFFしてトランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が主制御入力回路1310bの抵抗MR5により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、その論理がHIとなったRWM信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されることとなる。つまり、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないときには、RWM信号の論理がHI(押圧非操作状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力される。
これに対して、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されているときには、RWMスイッチ633dからの検出信号が後述するように払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるため、払出制御基板633に備える払出制御出力回路633acのトランジスタPTR60がOFFし、このトランジスタPTR60のコレクタ端子の電圧が主制御基板1310に備える主制御入力回路1310bの抵抗MR2により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、RWMスイッチ633dからの主RWM信号の論理がHIとなる。これに伴い主制御入力回路1310bのトランジスタMTR0がONしてトランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に引き下げられ、その論理がLOWとなったRWM信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されることとなる。つまり、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されているときには、RWM信号の論理がLOW(押圧操作状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力される。
このように、設定キースイッチ1311aがON操作されていると、その旨を伝える設定キー信号の論理が論理反転回路1310ivによりHIとなるし、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていると、その旨を伝えるRAWM信号の論理がHIとなる。また、設定キースイッチ1311aがOFF操作されていると、その旨を伝える設定キー信号の論理が論理反転回路1310ivによりLOWとなるし、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないと、その旨を伝えるRAWM信号の論理がLOWとなる。つまり、設定キースイッチ1311aがON操作されている旨を伝える論理と、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されている旨を伝える論理と、が同一の論理(HI)となっているし、設定キースイッチ1311aがOFF操作されている(ON操作されていない)旨を伝える論理と、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていない旨を伝える論理と、が同一の論理(LOW)となっている。
[9-1-2.エラー検知機能付き主制御入力回路]
次に、エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2について説明する。エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2は同一の回路であるため、ここでは、ゲートセンサ2801からの検出信号が入力されるエラー検知機能付き主制御入力回路1310bについて説明する。
ゲートセンサ2801からの検出信号が入力されるエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2は、図180に示すように、処理回路1310b2aを主として構成されている。処理回路1310b2aは、VCC端子を介して供給される主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)が内部電源として各種内部回路にそれぞれ供給され、各種内部回路のグランド(GND)がGND端子を介して主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
また処理回路1310b2aは、VS端子を介して供給される+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)の電源監視を行う電源端子回路と、入力端子を介して入力されるゲートセンサ2801からの検出信号に基づいて断線の有無を監視する断線監視回路と、入力端子を介して入力されるゲートセンサ2801からの検出信号に基づいて短絡の有無を監視する短絡監視回路と、入力端子を介して入力されるゲートセンサ2801からの検出信号に基づいて遊技球の通過の有無を予め定めたしきい値と比較判定する比較回路と、電源監視回路、断線監視回路、および短絡監視回路等の各監視回路からの監視結果に基づいて異常の有無を判別して異常時の処理を行う異常時処理回路と、各監視回路からの検査結果に基づいて異常時にその旨を伝えるエラー出力回路と、比較回路による比較結果を出力する出力回路と、を備えている。
異常時処理回路は、各監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、エラー出力回路からその旨(異常時である旨)を、ER端子を介して、外部へ出力する論理を設定制御するとともに、出力回路から出力される比較回路による比較結果の停止を、出力端子を介して、外部へ出力の論理を設定制御する。
処理回路1310b2aのVS端子は、+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)が電気的に接続される他に、抵抗MR50の一端と電気的に接続されるとともに、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC50の他端と電気的に接続されている。
処理回路1310b2aの入力端子は、ゲートセンサ2801からの検出信号が電気的に接続される他に、抵抗MR50の他端と電気的に接続されている。なお、処理回路1310b2aの入力端子には、ゲートセンサ2801からの検出信号の波形と整えるために、さらに、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサの他端と電気的に接続されるようにしてもよい。
処理回路1310b2aのVCC端子は、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC51の他端と電気的に接続されている。
処理回路1310b2aの出力端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR51の他端と電気的に接続されているとともに、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。ゲートセンサ2801からの検出信号は、エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2aを介して、ゲート信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
処理回路1310b2aのER端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続された抵抗MR52の他端と電気的に接続されているとともに、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB7と電気的に接続されている。また、処理回路1310b2aのER端子は、他のエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2のER端子と電気的に接続されている。つまり、複数のエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2のER端子からの各信号がOR接続されている。エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2のER端子からの信号は、センサエラー信号として主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB7に入力される。
ここで、処理回路1310b2aの異常時処理回路において、処理回路1310b2aの電源監視回路、断線監視回路、短絡監視回路等の各監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)における処理回路1310b2aの入力端子の状態について説明する。処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの電源監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、電源異常時として、処理回路1310b2aの入力端子の論理が不定となっている。処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの断線監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、断線時として、処理回路1310b2aの入力端子の論理がHIとなっている。処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの短絡監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、短絡時として、処理回路1310b2aの入力端子の論理がLOWとなっている。
また、処理回路1310b2aの異常時処理回路において、処理回路1310b2aの電源監視回路、断線監視回路、短絡監視回路等の各監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)における処理回路1310b2aの出力端子、ER端子の状態について説明する。処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの電源監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、電源異常時として、処理回路1310b2aの出力回路から出力される処理回路1310b2aの比較回路による比較結果を停止するために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの出力端子の論理をLOWとなるように処理回路1310b2aの出力回路を設定制御するとともに、異常時である旨を伝えるために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aのER端子の論理をHIとなるに処理回路1310b2aのエラー出力回路を設定制御する。
処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの断線監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、断線時として、処理回路1310b2aの出力回路から出力される処理回路1310b2aの比較回路による比較結果を停止するために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの出力端子の論理をLOWとなるように処理回路1310b2aの出力回路を設定制御するとともに、異常時である旨を伝えるために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aのER端子の論理をHIとなるに処理回路1310b2aのエラー出力回路を設定制御する。
処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの短絡監視回路からの監視結果に基づいて異常時であると判別したとき(エラー検知時)には、短絡時として、処理回路1310b2aの出力回路から出力される処理回路1310b2aの比較回路による比較結果を停止するために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aの出力端子の論理をLOWとなるように処理回路1310b2aの出力回路を設定制御するとともに、異常時である旨を伝えるために処理回路1310b2aの異常時処理回路が処理回路1310b2aのER端子の論理をHIとなるに処理回路1310b2aのエラー出力回路を設定制御する。
[9-1-3.停電監視回路]
主制御基板1310は、図178に示したように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbから+12V及び電源基板630における電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcから+24Vという2種類の電圧が払出制御基板633を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。
停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板633の払出制御MPU633aa、周辺制御基板1510、演出表示装置1600等へ出力する。停電監視回路1310eから停電予告信号が出力されると、例えば、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止し、払出制御基板633の払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行い払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を停止し、周辺制御基板1510は、演出情報のバックアップ処理を行い、演出表示装置1600は、主制御MPU1310aによる主制御側電源断時処理、及び払出制御633aaによる払出制御部電源断時処理を確実に完了できるように、電力消費をカットするためバックライト用の電源を作成する図示しないインバータをOFFし演出の進行を停止する。
ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9-1-3a.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図181に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20~MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)と電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて主制御基板側作成+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)の監視電圧V1(以下、「+24Vの監視電圧V1」と記載する。)とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)の監視電圧V2(以下、「+12Vの監視電圧V2」と記載する。)とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される主制御基板側作成+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
[9-1-3b.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図181に示すように、一端が+24V電源ライン(電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)(基板グランド)に電気的に接続される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9-1-3c.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図181に示すように、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)(基板グランド)に電気的に接続される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により主制御基板側作成+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9-1-3d.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)(基板グランド)とそれぞれ電気的に接続されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される主制御基板側作成+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、グランド端子であるGND端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号が主制御出力回路1310cを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、主制御出力回路1310cを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、主制御出力回路1310cを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御出力回路1310cと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御出力回路1310cから払出制御基板633に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図181に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0と電気的に接続されている。
なお、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合には、抵抗MR29を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタMTR20のコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に電気的に接続するようにしてもよい。
また、主制御MPU1310aの入力ポートPBの他の入力端子PB1~PB7に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合にも、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続された抵抗の他端と電気的に接続されることなく、つまりこの抵抗を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタのコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB1~PB7に電気的に接続するようにしてもよい。
また、主制御MPU1310aの入力ポートPA,PBの他に、主制御MPU1310aの入力ポートPCの入力端子PC0~PC7に対して、主制御MPU1310aの内部において、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインであって、電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と異なる。)で電気的に接続された内部プルアップ抵抗と電気的に接続されている場合には、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続された抵抗の他端と電気的に接続されることなく、つまりこの抵抗を主制御基板1310に実装することなく、トランジスタのコレクタ端子を主制御MPU1310aの入力ポートPCの入力端子PC0~PC7に電気的に接続するようにしてもよい。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられて論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cは、図181に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板633と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633と電気的に接続されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいて、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により主制御基板側作成+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により主制御基板側作成+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633においてグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cは、図181に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、周辺制御基板1510における図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに周辺制御部1511の所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が主制御基板側作成+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部4150の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力する主制御出力回路1310cにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子と電気的に接続されているのに対して、主制御出力回路1310cの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路633abにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、主制御出力回路1310cのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部4150の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御電源である主制御基板側作成+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU633aa、及び周辺制御部1511の制御電源である例えば+5Vよりも高い直流電源である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
このように、電源基板630における電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)は、上述したように、主制御基板1310の主制御入力回路1310b、主制御基板1310の停電監視回路1310eのほかに、払出制御基板633の払出制御入力回路633ab、周辺制御基板1510の図示しない制御電源作成回路、周辺制御基板の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路、遊技盤5の各装飾基板のLED定電流駆動回路、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル電源作成回路、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、及び駆動回路等に供給されている。つまり、+12V電源ラインは、主制御基板1310のほかに、払出制御基板633、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板、遊技盤5の各装飾基板、演出表示装置1600等に供給されているため、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動していても、例えば、周辺制御基板1510の図示しない制御電源作成回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、図示しない制御電源作成回路へ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル電源作成回路、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル電源作成回路、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路等のいずれかへ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路により遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や図示しない+12V系ドライバ回路へ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったり、遊技盤5の装飾基板のLED定電流駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、遊技盤5の装飾基板のLED定電流駆動回路へ過電流が流れることで+12V電源ラインの電位が下がったりする。また、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板、演出表示装置1600、遊技盤5の各装飾基板等の基板に形成される配線パターンや基板間等を電気的に接続する配線(ハーネス)等に何らかの電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合にも、過電流により+12V電源ラインの電位が下がったりする。そうすると、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止することとなる。
また、電源作成回路630fの+24V電源作成回路630fcで作成されて供給される電源ライン(つまり、+24V電源ライン)は、上述したように、主制御基板1310の主制御ソレノイド駆動回路1310d、主制御基板1310の停電監視回路1310eのほかに、払出制御基板633(主制御基板1310は払出制御基板633を介して+12V電源ラインが供給されている。)、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+24V系ドライバ回路に供給されている。つまり、+24V電源ラインは、主制御基板1310のほかに、払出制御基板633、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板等に供給されているため、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動していても、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+24V系ドライバ回路により遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や図示しない+24V系ドライバ回路へ過電流が流れることで+24V電源ラインの電位が下がったりする。また、+24V電源ラインを供給する周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板等の基板に形成される配線パターンや基板間等を電気的に接続する配線(ハーネス)等に何らかの電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合にも、+24V電源ラインの電位が下がったりする。そうすると、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aへ出力されることにより、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行い遊技の進行を停止することとなる。
[9-1-4.+12V電源ライン及び+24V電源ラインへの過電流保護]
[9-1-4a.+12V電源ラインへの過電流保護]
そこで、本実施形態では、+12V電源ラインへの過電流保護として、+12V電源ラインには、過電流対策として、周辺制御基板1510に+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設け、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズとして大元許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設け、演出表示装置1600に図示しない+12V用ヒューズから2系統へ分岐する分岐第1系統のヒューズとして分岐第1系統の許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設け、演出表示装置1600に図示しない+12V用ヒューズから2系統へ分岐する分岐第2系統のヒューズとして分岐第2系統の許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設け、周辺制御基板1510の後続基板に+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設けるとともに周辺制御基板1510の後続基板における図示しない+12V系ドライバ回路に遊技盤側駆動モータ許容電流上限まで電流を流すことができるヒューズを設け、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設けている(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設けてもよい)。なお、分岐第1系統のヒューズとして図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vは、図示しない液晶パネル電源作成回路で液晶パネル電源が作成され、この液晶パネル電源が演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路へ供給されているため、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路には、分岐第1系統のヒューズとして図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vから作成される液晶パネル電源と、分岐第2系統のヒューズとして図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vと、が供給されている。
本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510の図示しない制御電源作成回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、図示しない制御電源作成回路へ+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流が流れると、周辺制御基板1510の図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっている。このように、周辺制御基板1510に図示しない+12V用ヒューズを設けて+12V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流により図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、演出表示装置1600の+12V電源ラインにおいて、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル電源作成回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、図示しない液晶パネル電源作成回路へ分岐第1系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっている。また、本実施形態では、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、分岐第2系統のヒューズとして図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vから液晶パネル電源を作成する図示しない液晶パネル電源作成回路へ分岐第1系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっているし、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路への何らかの理由による電気的なトラブルにより、演出表示装置1600の図示しない液晶パネル、バックライト、駆動回路等のいずれかへ分岐第2系統の許容電流上限を超える過電流が流れると、演出表示装置1600の分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっている。また、本実施形態では、演出表示装置1600の大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズは、その容量が、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、のうち、いずれのヒューズの容量よりも大きく、かつ、両者を加えた容量よりも小さいものが予め選定されている。このため、大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズは、+12V電源ラインにおいて、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、のうち、過電流が流れていずれかのヒューズが溶断しても、この溶断したヒューズの系統にまだ過電流が流れて大元許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。なお、演出表示装置1600の大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズの容量として、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズの容量と、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズの容量と、を加えたものと同一のものとする場合には、大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズは、+12V電源ラインにおいて、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、のうち、過電流が流れていずれかのヒューズが溶断すると、この溶断したヒューズの系統にまだ過電流が流れて大元許容電流上限を超えるときには、溶断する場合があるし、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズと、に過電流が流れていずれのヒューズも溶断すると、溶断する。このように、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズ、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズ、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズを設けて過電流により大元ヒューズである図示しない+12V用ヒューズ、分岐第1系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズ、分岐第2系統のヒューズである図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の後続基板の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路により遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や図示しない+12V系ドライバ回路へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れると、図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズを介して供給される+12Vは、図示しない+12V系ドライバ回路のほかに、遊技盤5の各装飾基板へ供給されるようになっているため、図示しない+12V用ヒューズの容量は、図示しない+12V系ドライバ回路の遊技盤側駆動モータ許容電流上限と、遊技盤5の各装飾基板が遊技盤側装飾基板許容電流上限と、に基づいて予め選定されている。
遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)は駆動に電流がかなり必要となるため、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、のうち、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続するようになっている。このため、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズが溶断するよりも、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが先に溶断するように、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズの容量と、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズの容量と、が予め選定されているとともに、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続することができるように周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズの容量が予め設定されている。
遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続する場合として、例えば、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズの容量として、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用するものとして選定される容量よりも大きく、かつ、この選定される容量と図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズの容量とを加えたものよりも小さいものが予め選定されている場合には、図示しない+12V用ヒューズは、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用している状態において、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や図示しない+12V系ドライバ回路へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。また、例えば、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズの容量として、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用するものとして選定される容量と、図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズの容量と、を加えたものと同一のものが予め選定される場合には、図示しない+12V用ヒューズは、遊技盤5の各装飾基板がそれぞれ遊技盤側装飾基板許容電流上限まで使用している状態において、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や図示しない+12V系ドライバ回路へ遊技盤側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+12V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断する場合がある。
なお、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、のうち、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出よりも、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出を優先して継続する場合とは逆に、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出よりも、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出を優先して継続する場合には、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するよりも、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズが先に溶断するように、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズの容量と、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズの容量と、が予め選定されるとともに、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出よりも、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出を優先して継続することができるように周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズの容量が予め設定されることとなる。
また、周辺制御基板1510の後続基板の12V電源ラインへの何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、周辺制御基板1510の後続基板の12V電源ラインに過電流が流れ、遊技盤5の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)による演出と、遊技盤5の各装飾基板による各種LEDの発光演出と、の両方の演出を停止する場合には、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズの容量と、遊技盤5の各装飾基板の図示しない+12V用ヒューズの容量と、のうち、いずれか小さいヒューズの容量以下に、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+12V用ヒューズの容量が予め設定されることとなる。
このように、周辺制御基板1510の後続基板に図示しない+12V用ヒューズを設けるとともに、図示しない+12V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により図示しない+12V用ヒューズ、図示しない+12V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、遊技盤5の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板の図示しない+12V用ヒューズにより、遊技盤5の各LEDや遊技盤5の装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、遊技盤5の装飾基板の図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっている。なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設ける場合には、遊技盤5のすべて装飾基板の図示しない+12V用ヒューズにより、遊技盤5の各LEDや遊技盤5のすべての装飾基板に遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、遊技盤5のすべての装飾基板の図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっている。このように、遊技盤5の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に図示しない+12V用ヒューズを設けて遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流により図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっているため(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される遊技盤5のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設ける場合には、遊技盤5のすべて装飾基板に図示しない+12V用ヒューズを設けて遊技盤側装飾基板許容電流上限を超える過電流により図示しない+12V用ヒューズが溶断するようになっているため)、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板、演出表示装置1600、遊技盤5の各装飾基板等の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板、演出表示装置1600、遊技盤5の各装飾基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板、演出表示装置1600、遊技盤5の各装飾基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる図示しない+12V用ヒューズがそれぞれ溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。なお、周辺制御基板1510の後続基板への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生した場合には、周辺制御基板1510の後続基板に過電流が流れるとともに周辺制御基板1510の後続基板の上位基板となる周辺制御基板1510にも過電流が流れるため、周辺制御基板1510に設けられる図示しない+12V用ヒューズが溶断することとなる。
なお、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板の+12V系ドライバ回路により扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)が駆動されている際に(又は扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、扉枠3の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路へ扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れると、+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。扉枠3の各駆動基板の+12V用ヒューズの容量は、扉枠3の各駆動基板の+12V系ドライバ回路の扉枠側駆動モータ許容電流上限に基づいて予め選定されている。扉枠3の各駆動基板の+12V用ヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+12V系電気的駆動源(駆動モータ)や+12V系ドライバ回路へ扉枠側駆動モータ許容電流上限を超える過電流が流れて+12V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて扉枠側+12V電源ライン駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断するようになっている。このように、扉枠3の各駆動基板に+12V用ヒューズを設けるとともに、+12V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により+12V用ヒューズ、+12V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各装飾基板の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板の+12V用ヒューズにより、扉枠3の各LEDや扉枠3の装飾基板に扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、扉枠3の装飾基板の+12V用ヒューズが溶断するようになっている。なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される扉枠3のすべて装飾基板に対して扉枠側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズを設ける場合には、扉枠3のすべて装飾基板の+12V用ヒューズにより、扉枠3の各LEDや扉枠3のすべての装飾基板に扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流が流れると、扉枠3のすべての装飾基板の+12V用ヒューズが溶断するようになっている。このように、扉枠3の各装飾基板のうちLED定電流駆動回路が実装されている装飾基板に+12V用ヒューズを設けて扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズが溶断するようになっているため(なお、LED定電流駆動回路の有無にかかわらず+12V電源ラインが供給される扉枠3のすべて装飾基板に対して遊技盤側装飾基板許容電流上限まで電流を流すことができる+12V用ヒューズを設ける場合には、扉枠3のすべて装飾基板に+12V用ヒューズを設けて扉枠側装飾基板許容電流上限を超える過電流により+12V用ヒューズが溶断するようになっているため)、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等の+12V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、扉枠3の各駆動基板、扉枠3の各装飾基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる+12V用ヒューズが溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+12V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
[9-1-4b.+24V電源ラインへの過電流保護]
また、本実施形態では、+24V電源ラインへの過電流保護として、+24V電源ラインには、過電流対策として、周辺制御基板1510に+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+24V用ヒューズを設け、演出表示装置1600に演出表示装置1600の大元ヒューズとして大元許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+12V用ヒューズを設け、周辺制御基板1510の後続基板に+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限まで電流を流すことができる図示しない+24V用ヒューズを設けるとともに周辺制御基板1510の後続基板における図示しない+24V系ドライバ回路に遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限まで電流を流すことができるヒューズを設けている。
本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の+12V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510自身、及び/又は、周辺制御基板1510の後続基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流が流れると、周辺制御基板1510の図示しない+24V用ヒューズが溶断するようになっている。このように、周辺制御基板1510に図示しない+24V用ヒューズを設けて+24V電源ライン周辺制御基板許容電流上限を超える過電流により図示しない+24V用ヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510の後続基板の+24V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510の後続基板の図示しない+24V系ドライバ回路により遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、遊技盤5の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や図示しない+24V系ドライバ回路へ遊技盤側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れると、図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。図示しない+24V用ヒューズは、図示しない+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて+24V電源ライン演出駆動基板許容電流上限を超えると、溶断するようになっている。このように、周辺制御基板1510の後続基板に図示しない+24V用ヒューズを設けるとともに、図示しない+24V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により図示しない+24V用ヒューズ、図示しない+24V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板等の+24V電源ラインにおいて、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、周辺制御基板1510、周辺制御基板1510の後続基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる図示しない+24V用ヒューズが溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
なお、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板の+24V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板の+24V系ドライバ回路により扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)が駆動されている際に(又は扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)の駆動を待機している際に)、何らかの理由による過負荷や電気的なトラブルにより、扉枠3の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路へ扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れると、+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断するようになっている。扉枠3の各駆動基板の+24V用ヒューズの容量は、扉枠3の各駆動基板の+24V系ドライバ回路の扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限に基づいて予め選定されている。扉枠3の各駆動基板の+24V用ヒューズは、扉枠3の各駆動基板の+24V系電気的駆動源(駆動ソレノイド)や+24V系ドライバ回路へ扉枠側駆動ソレノイド許容電流上限を超える過電流が流れて+24V系ドライバ回路に設けられるヒューズが溶断しても、まだ過電流が流れて扉枠側+24V電源ライン駆動基板許容電流上限を超える場合には、溶断するようになっている。このように、扉枠3の各駆動基板に+24V用ヒューズを設けるとともに、+24V系ドライバ回路にヒューズを設けることで過電流により+24V用ヒューズ、+24V系ドライバ回路のヒューズが溶断するようになっているため、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
また、本実施形態では、主基板を構成する主制御基板1310、払出制御基板633が正常に作動している場合に、扉枠3の各駆動基板等の+24V電源ラインにおいて、扉枠3の各駆動基板等への何らかの理由による電気的なトラブルにより、漏れ電流が発生したり、短絡(ショート)が発生したりして、扉枠3の各駆動基板等に過電流が流れると、各基板に設けられる+24V用ヒューズが溶断するようになっていることにより、主制御基板1310、払出制御基板633へ供給される+24V電源ラインの電位の低下を抑制して、主制御基板1310の停電監視回路1310eにより停電予告信号が主制御MPU1310aや払出制御MPU633aaへ出力されずに済み、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を行わずに遊技の進行を継続することができるし、払出制御MPU633aaは、後述する払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理を行わずに払出の進行(遊技球を賞球として払い出す動作)を継続することができる。
[9-2.払出制御基板の回路]
払出制御基板633の回路における電源のうち、マイクロプロセッサである払出制御MPU633aaの制御電源は電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vが供給されているとともに、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから払VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vは、図182に示すように、まず、払出制御フィルタ回路633hに入力される。この払出制御フィルタ回路633hは、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faからの+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される、コンデンサPC1及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとして印加されるようになっている。なお、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの消費電力と比べると、大きいため、主制御基板1310の電解コンデンサMC2の容量(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))は、払出制御基板633の電解コンデンサPC2の容量(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))と比べると、大きいものが選定されている。これにより、主制御基板1310、払出制御基板633は、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、主制御基板1310の電解コンデンサMC2、払出制御基板633の電解コンデンサPC2にそれぞれ充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、+5Vとしてそれぞれ印加されるようになっている。
払出制御MPU633aaのVDD端子は一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続されるとともにダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU633aaのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子と電気的に接続されている。また、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗PR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して供給されるのに対して、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、ダイオードPD0により、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して供給されることが妨げられている。
払出制御基板633の回路における入力信号のうち、例えば、満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ574からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの信号は、払出制御入力回路633abにそれぞれ入力されている。
満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ574からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、RWMスイッチ633dからの信号は、それぞれ払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)~PA4にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されている。
主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPBの入力端子PB0に入力される。入力ポートPA,PBは、8ビットにより構成されている。また、他のセンサからの検出信号が払出制御入力回路633abを介して入力ポートPA,PBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、空き端子処理としてグランド(GND)(基板グランド)に電気的に接続されている。
[9-2-1.払出制御入力回路]
次に、払出制御入力回路633abについて説明する。払出制御入力回路633abは同一の回路であるため、ここでは、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの信号が入力される払出制御入力回路633abと、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号が入力される払出制御入力回路633abと、について説明する。
まず、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dは、パチンコ機1の電源投入時において払出制御基板633の払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAM、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに格納(記憶)される各種情報(遊技情報)をクリア(消去)することができるRAMクリアスイッチ(RAMクリアボタン)としての機能と、パチンコ機1の電源投入後の所定期間において設定値を選択して切り替えることができる設定切替ボタンとしての機能と、パチンコ機1の電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除することができるエラー解除ボタンとしての機能と、兼ね備えている。
[9-2-1a.RWMスイッチからの信号]
払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dは、1番端子~4番端子を有し、1番端子及び2番端子が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるとともに、3番端子及び4番端子が電気的に接続されている。RWMスイッチ633dの押圧操作部が押圧操作されていないときには、1番端子及び2番端子と3番端子及び4番端子とが内部回路において電気的に回路接続されないのに対して、RWMスイッチ633dの押圧操作部が押圧操作されているときには、1番端子及び2番端子と3番端子及び4番端子とが内部回路において電気的に回路接続されて1番端子及び2番端子と3番端子及び4番端子との内部回路が導通して払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された状態となる。
RWMスイッチ633dからの信号は、RWMスイッチ633dの押圧操作部が押圧操作されていないときには、1番端子及び2番端子と3番端子及び4番端子とが内部回路において電気的に回路接続されないのに対して、RWMスイッチ633dの押圧操作部が押圧操作されているときには、1番端子及び2番端子と3番端子及び4番端子との内部回路が導通して払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたものとなる。
RWMスイッチ633dからの信号が入力される払出制御入力回路633abは、図182に示すように、一端が電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続される抵抗PR50の他端と電気的に接続される他に、一端が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたコンデンサPC50の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗PR51を介して、トランジスタPTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR50のベース端子は、抵抗PR51の他に、一端が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗PR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR50のエミッタ端子は、払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタPTR50のコレクタ端子は、一端が電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続された抵抗PR53の他端と電気的に接続されるとともに、払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA4と電気的に接続されている。払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの信号は、払出制御入力回路633abを介して、RWM信号2として払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA4に入力される。
なお、抵抗PR50の他端とコンデンサPC50の他端とは、抵抗PR51の一端(トランジスタPTR50のベース端子と電気的に接続される抵抗PR51の他端と反対側)と電気的に接続されるほかに、払出制御出力回路633acと電気的に接続されている。払出制御出力回路633acは、抵抗PR60,PR61、トランジスタPTR60から構成されている。抵抗PR50の他端とコンデンサPC50の他端とは、抵抗PR51の一端(トランジスタPTR50のベース端子と電気的に接続される抵抗PR51の他端と反対側)と電気的に接続されるほかに、抵抗PR60を介してトランジスタPTR60のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR60のベース端子は、抵抗PR60の他に、一端が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗PR61の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR60のエミッタ端子は、払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタPTR60のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続され、図179に示した主制御入力回路1310b(一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗MR2の他端)と電気的に接続されている。払出制御基板633の払出制御出力回路633acにおけるトランジスタPTR60のコレクタ端子から出力される信号は、主RWM信号として、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310へ入力される。
[9-2-1b.停電監視回路からの停電予告信号である払出停電予告信号]
主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号が入力される払出制御入力回路633abは、図182に示すように、一端が+12V電源ライン(電源作成回路630fの+12V電源作成回路630fbで作成されて供給される電源ライン(つまり、+12V電源ライン)と電気的に接続される抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに、抵抗PR41を介して、トランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は、抵抗PR41の他に、一端が払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続された抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、払出制御基板633のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が電源作成回路630fの+5V電源作成回路630faで作成されて供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続された抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに、払出制御MPU633aaの入力ポートPBの入力端子PB0と電気的に接続されている。主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、停電予告信号2として払出制御MPU633aaの入力ポートPBの入力端子PB0に入力される。なお、抵抗PR40の他端には、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号である払出停電予告信号の波形と整えるために、さらに、一端が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたコンデンサの他端と電気的に接続されるようにしてもよい。
[10.主制御基板ボックス]
次に、遊技の進行を制御する主制御基板1310を収容する主制御基板ボックス1320について図183を参照して説明する。ここでは、上述した設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aが主制御基板1310に実装され、主制御基板1310のみ主制御基板ボックス1320に収容されている例として説明する。図183はカバー体に主制御基板を取り付けてベース体をカバー体の開口側を覆うようにスライド移動する前の状態を示す主制御基板ボックスの斜視図(a)であり、カバー体とベース体とを封印機構により封印した主制御基板ボックスの斜視図(b)である。
パチンコ機1において主制御基板1310は、遊技の進行を制御する重要な基板である。このため、主制御基板1310に対して不正な改変を行って不正な遊技球を獲得しようとする者から主制御基板1310を防止する必要がある。そこで、主制御基板1310は、透明なカバー体1301と透明なベース体1302とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されるとともに、カバー体1301とベース体1302とが封印機構であるカシメ部1303の例えばワンウェイネジ等によりカシメられている。
このカシメ部1303は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体1301をベース体1302から取り外すことができない。
カバー体1301とベース体1302とは、上述したように、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体1301とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310を収容することができるようになっている。カバー体1301とベース体1302とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310の実装面(表面)側やハンダ面(裏面)側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体1301とベース体1302とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御基板ボックス1320の組み立て方法について簡単に説明すると、図183(a)に示すように、カバー体1301の底面に主制御基板1310の実装面(表面)が対向するように(臨むように)配置し、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される各種コネクタMCN1~MCN8及び設定キースイッチ1311aの一部がそれぞれ対応するカバー体1301に形成される開口部から露出する状態とする。続いて、主制御基板1310の四隅に形成される貫通孔に対して固定ネジを主制御基板のハンダ面(裏面)からそれぞれ挿通してカバー体1301の内側四隅に形成される取付ボス孔へ向かってねじ込むことで主制御基板1310をカバー体1301の内側空間に固定することができる。続いて、カバー体1301の開口側を略塞ぐようにベース体1302を所定位置に合わせて配置し、カバー体1301の長手方向に沿ってベース体1302を特定方向(図中の矢印の方向)へ向かってスライド移動(移動距離寸法sd)してカバー体1301の内周面内にベース体1302の外周面が収まり、カバー体1301の開口側を完全に塞いで、カバー体1301とベース体1302とにより形成される空間内に主制御基板1310が収容された状態となる。続いて、カバー体1301とベース体1302とをカシメ部1303のワンウェイネジ等によりねじ込んでカシメることにより、図183(b)に示すように、カバー体1301とベース体1302とが固定され、主制御基板ボックス1320が封印される(つまり、主制御基板ボックス1320を閉じることができる)。
なお、カバー体1301の内壁には、主制御基板1310がカバー体1301の底面に取り付けられた際に、主制御基板1310の実装面(表面)の外周と当接可能なカバー体側リブ部1301rbが所定距離寸法離間して複数形成されている。また、ベース体1302には、主制御基板1310のハンダ面(裏面)の外周と当接可能なベース体側リブ部1302rbが所定距離寸法離間して複数形成されている。主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態では、主制御基板1310がカバー体1301に複数形成されるカバー体側リブ部1301rbとベース体1302に複数形成されるベース体側リブ部1302rbとにより形成される狭間(空間)に配置(挟持)された状態となる。
また、ベース体1302には、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311aと対応する主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接可能な突出部1302pが形成されている。突出部1302pは、設定キースイッチ1311aに設定キーが差し込まれた際に、この差し込まれた力により主制御基板1310が湾曲して撓むと、主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接することにより、これ以上、主制御基板1310が湾曲して撓むことを防止して、主制御基板1310に形成される配線パターンの断線やハンダの剥離を防止することができるものである。
[11.設定キースイッチ]
次に、設定キースイッチ1311aについて図184を参照して説明する。図184は設定キースイッチの正面右斜めから見た斜視図(a)であり、設定キースイッチの正面左斜めから見た斜視図(b)であり、設定キースイッチの上面図(c)である。ここでは、上述した設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aが主制御基板1310に実装される例として説明する。
設定キースイッチ1311aは、樹脂製の外筒の内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される樹脂製の設定キーシリンダが収容されているタイプのもの(以下、「樹脂製タイプの設定キースイッチ1311a」と記載する場合がある。)と、金属製の筒状の外筒に対して、設定キーが挿入されて回動操作される金属製の設定キーシリンダが収容されているタイプのもの(以下、「金属製タイプの設定キースイッチ1311a」と記載する場合がある。)と、がある。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと金属製タイプの設定キースイッチ1311aとの構造は同一であり、材質が一部異なっている。
[11-1.樹脂製タイプの設定キースイッチ]
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aは、図184(a),(b)に示すように、非導電性の有する樹脂製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される非導電性を有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abと、外筒1311aaと接続されると共に設定キーシリンダ1311abの回動操作により接点をON又はOFFする回路が形成される非導電性を有する樹脂製の直方体状のベース体1311acと、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆うように屈曲されてベース体1311acの後方に突出する一対の突出片1311ada,1311adaが両側面(同図中、前側面及び後側面)に形成される金属製のフレーム板1311adと、から構成されている。
外筒1311aaの前面は、設定キーシリンダ1311abの前面とほぼ同一平面状に配置されている。設定キーシリンダ1311abの前面には、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。金属製の設定キーは、図184(c)に示すように、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaにあるときにおいて(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(矩形状を有する差し込み口1311abaの長手方向が上下方向へ沿う位置)において)、差し込み口1311abaに差し込むことができると共に、差し込み口1311abaから抜き取ることができるようになっている。ベース体1311acは、フレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaと90度回転させた側面から黄銅製のリード端子が2本ずつ所定距離寸法だけ離間して両側面(同図中、右側面及び左側面)に形成されている。
同図中、左側面の上側リード端子であるCOM1端子と左側面の下側リード端子であるCOM2端子とは、共通端子であり、いずれか一方の端子、又は両端を用いることができる。右側面の上側リード端子であるA端子と右側面の下側リード端子であるB端子とは、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaにあるときにおいて、ベース体1311acに形成される回路により、COM1端子及びCOM2端子とA端子とを電気的に接続して導通するとともに、COM1端子及びCOM2端子とB端子とを電気的に非接続して遮断する(これにより、設定キースイッチ1311aの設定キーOFFの信号が伝送される)一方、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaから60度だけ回動操作されたときにおいて、ベース体1311acに形成される回路により、COM1端子及びCOM2端子とA端子とを電気的に非接続して遮断するとともに、COM1端子及びCOM2端子とB端子とを電気的に接続して導通する(これにより、設定キースイッチ1311aのONの信号が伝送される)。なお、COM1端子とCOM2端子とにおける端子間の距離寸法と、A端子とB端子とにおける端子間の距離寸法は、同一の距離寸法を有している。
金属製のフレーム板1311adからベース体1311acの後方に延出して突出する一対の突出片1311ada,1311adaは、主制御基板1310のハンダ面(裏面)でハンダ付けされることで設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に固定することができるようになっている。ベース体1311acのA端子、B端子、COM1端子、及びCOM2端子は、主制御基板1310のハンダ面(裏面)でハンダ付けされる。ベース体1311acの裏面側には、設定キースイッチ1311aが主制御基板1310の実装面(表面)に実装される際に、抜き差し基準位置1311aaaが同図中に示すように上側を向くように設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部が突出して形成されている。この円柱状の突出部により、製造元の作業者が設定キースイッチ1311aを主制御基板1310の実装面(表面)に実装する際に、例えば設定キースイッチ1311aの上下方向をひっくり返し(間違えて)ハンダ付けされないようにすることができる。
なお、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込む場合に、この金属製の設定キーを介して電磁波ノイズが侵入したとしても、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが、上述したように、外筒1311aa、設定キーシリンダ1311ab、及びベース体1311acがそれぞれ非導電性を有する樹脂製により成型されているため、A端子、B端子、COM1端子、及びCOM2端子への影響がない。
[11-2.金属製タイプの設定キースイッチ]
次に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aは、金属製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される金属製の設定キーシリンダ1311abと、において、上述した樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一構成における材質が異なる点で樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一の構成である。また、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されていると共に、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっている。外筒1311aaは、非導電性を有する樹脂製のベース体1311acと接続されているものの、金属製のフレーム板1311adは、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆っている。つまり、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込む場合に、この金属製の設定キーを介して電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっているため、金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入するおそれがある。
[11-3.設定キースイッチと主制御基板ボックスのカバー体との関係]
ここで、設定キースイッチ1311aと主制御基板ボックス1320のカバー体1301との関係について図185を参照して説明する。図185は設定キースイッチと主制御基板ボックスのカバー体との関係を示す概略図である。
設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面には、上述したように、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態において、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)が主制御基板ボックスのカバー体1301から露出するように、主制御基板ボックス1320のカバー体1301には、図185に示すように、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abと対応する位置に、設定キーシリンダ1311abの外径より大きい直径(例えば、設定キーシリンダ1311abの外径より2mm大きい直径)を有する貫通穴1301zの内周に沿って主制御基板1310へ向かって所定距離寸法を有するチューブ状のリブ部1301za(チューブ状のリブ部1301zaの厚みは、カバー体1301の厚みと同一の厚みを有している。)が形成されている。貫通穴1301zの内周とチューブ状のリブ部1301zaの内周とは段差なく同一の内周面となるように連通している。これにより、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)と主制御基板ボックスのカバー体1301の表面(前面)とが同一の平面に配置される(面一となる)。
貫通穴1301zは、設定キースイッチ1311aにアクセスする者の指や拳が当たる部分でもあるため、リブ部1301zaにより貫通穴1301zの周囲の強度を高めることができるようになっている。これにより、人の力により貫通穴1301zの周囲を押し込んで貫通穴1301zの周囲を撓ませて貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたり、貫通穴1301zの周囲を損傷させて貫通穴1301zの外径を大きくして貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたりすることを防止することができるため、例えば、設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする者が故意に指や拳を貫通穴1301zの周囲を押し込んでも、貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間に針金などの細長い不正工具を挿入することを防止することに寄与することができる。
なお、貫通穴1301zの直径は、設定キースイッチ1311aの直方体を有するベース体1311acの表面形状である矩形形状の内側に収まるようになっている。リブ部1301zaの端部と設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adの表面との距離寸法d1(本実施形態では、約2mm)だけ離間しており、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adが設定キースイッチ1311aにアクセスする者から直接触れられないように構成されている。
これにより、カバー体1301の貫通穴1301z及びリブ部1310zaと設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abとの「すき間(本実施形態では、貫通穴1301zの直径が設定キーシリンダ1311abの外径より2mm大きく形成されているため、すき間が1mmとなる。)」に針金などの細長い不正工具を挿入しても、貫通穴1301zの直径は、設定キースイッチ1311aの直方体を有するベース体1311acの表面形状である矩形形状の内側に収まるように形成さているため、細長い不正工具の先端がベース体1311acの表面に当たって屈曲して主制御基板1310へ向かって侵入することができないようになっている。つまり、主制御基板1310を改変することを防止するこができるようになっている。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abがそれぞれ非導電性を有する樹脂製により成型されているため、仮に静電気を帯びた者が設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)に指を近づけたり触れたりしても、静電放電による電磁波ノイズが設定キースイッチ1311aを介して主制御基板1310へ侵入することを防止することができる。また、非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zの外周に沿って形成されるリブ部1301zaの端部と設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adの表面とが距離寸法d1(本実施形態では、約2mm)だけ離間しているため、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりしても、静電放電による電磁波ノイズが貫通穴1301z及びリブ部1301zaを介して設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに侵入することが困難となることにより設定キースイッチ1311aを介して主制御基板1310へ侵入することを防止することができる。
なお、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されていると共に、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっている。外筒1311aaは、非導電性を有する樹脂製のベース体1311acと接続されているものの、金属製のフレーム板1311adは、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆っている。つまり、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりすると、静電放電による電磁波ノイズが、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっているため、金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入するおそれがある。このため、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりすると、静電放電による電磁波ノイズが金属製のフレーム板1311adに侵入して設定キースイッチ1311aを介して主制御基板1310へ侵入するおそれがある。
また、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)と主制御基板ボックスのカバー体1301の表面(前面)とが同一の平面に配置される(面一となる)ため、作業者が遊技盤5を遊技ホールの島設備に設置されるパチンコ機1の本体枠4に装着する作業を行う場合には、まず、パチンコ機1の前面やその周囲に仮置きするため、この仮置きした遊技盤5を作業中にあやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって転倒させた場合に設定キースイッチ1311aが床と衝突して破損することを防止することができる。また、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)と主制御基板ボックスのカバー体1301の表面(前面)とが同一の平面に配置される(面一となる)ため、パチンコ機1の本体枠4から遊技基板5を取り外す作業を行う場合においても、取り外した遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きするため、この仮置きした遊技盤5を作業中にあやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって転倒させた場合に設定キースイッチ1311aが床と衝突して破損することを防止することができる。
なお、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)と主制御基板ボックスのカバー体1301の表面(前面)とが同一の平面に配置される(面一となる)ため、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)を保護するたの保護カバー(保護カバーは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。)をカバー体1301に設けるようにしてもよい。
[11-4.設定キースイッチと主制御基板ボックスのベース体との関係]
ここで、設定キースイッチ1311aと主制御基板ボックス1320のベース体1302との関係について図185~図187を参照して説明する。図186は設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)を示す図(a)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その1)(b)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その2)(c)である。図187は図186の続きであり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その3)(d)であり、設定キースイッチが実装される主制御基板の実装面(表面)と対応する主制御基板のハンダ面(裏面)を示す図(その4)(e)である。
主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態では、上述したように、主制御基板1310がカバー体1301に複数形成されるカバー体側リブ部1301rbとベース体1302に複数形成されるベース体側リブ部1302rbとにより形成される狭間(空間)に配置(挟持)された状態となる。また、ベース体1302には、上述したように、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311aと対応する主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接可能な突出部1302pが形成されている。突出部1302pは、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーが差し込まれた際に、この差し込まれた力により主制御基板1310が湾曲して撓むと、主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接することにより、これ以上、主制御基板1310が湾曲して撓むことを防止して、主制御基板1310に形成される配線パターンの断線やハンダの剥離を防止することができるものである。
主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態であって、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーが差し込まれていないとき(又は、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されて設定キーから手を離して設定キーによる押圧が解除されたとき))には、図185に示すように、主制御基板1310のハンダ面(裏面)と突出部1302pの前面とは、クリアランスとして距離寸法d2(本実施形態では、約1mm)だけ離間した状態となっており、設定キーシリンダ1311abが押圧されていない状態では、主制御基板1310のハンダ面(裏面)と突出部1302pの前面とが接触しないようになっている。
突出部1302pは、円柱形状を有するものと、ベース体1302の長手方向へ沿って一定幅(本実施形態では、円柱形状を有する突出部1302pの外径と同一の寸法を一定幅の寸法としている。)を有するものと、がある。ここでは、まず、設定キースイッチ1311aへの配線パターンの引き回しについて説明し、続いて円柱形状を有する突出部1302p、ベース体1302の長手方向へ沿って一定幅を有する突出部1302pについて説明する。
[11-4-1.設定キースイッチ1311aへの配線の引き回し]
設定キースイッチ1311aは、図186(a)に示すように、主制御基板1310の下辺近傍であって設定キースイッチ1311aの直方体状のベース体1311acの側面(外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaの下方の側面と反対側の側面)が主制御基板1310の下辺と平行となるように実装面(表面)1310xに実装されている。つまり、設定キースイッチ1311aは、外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaが主制御基板1310の上辺側へ向くように実装面(表面)1310xに実装されている。
具体的には、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる主制御基板1310の左右方向(長手方向)に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するランドを有するロングスルーホールSLH1,SLH2(以下、単に「ロングスルーホールSLH1,SLH2」と記載する場合がある。)が主制御基板1310の上下方向に形成されていると共に、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子をそれぞれ挿通することができる一対のランドを有するスルーホールSLTH1,SLTH2(以下、単に「スルーホールSLTH1,SLTH2」と記載する場合がある。)と、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの左側面に形成される2本のリード端子であるCOM1端子、COM2端子をそれぞれ挿通することができる一対のランドを有するスルーホールSLTH3,SLTH4(以下、単に「スルーホールSLTH3,SLTH4」と記載する場合がある。)と、が一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2と90度回転角度を有して主制御基板1310にそれぞれ形成されている。
また、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの裏面側に設けられる設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部を挿通することができる貫通孔SSTDが、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに設定キースイッチ1311aが実装された際に設定キースイッチ1311aの左右方向の中心線上であって、スルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4とロングスルーホールSLH1,SLH2とに囲まれた領域内に形成されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、例えば図186(b)に示すように、設定キースイッチ1311aのCOM2端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH4と、設定キースイッチ1311aのCOM1端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH3と、を電気的に接続する上下方向直線配線パターンSPTN1が主制御基板1310の上下方向に沿って直線状に引き回されて形成されている。つまり、上下方向直線配線パターンSPTN1は、スルーホールSLTH4からスルーホールSLTH4へ向かって直線状に引き回されているため、その長さが最小長さとなっている。
また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのCOM1端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH3と、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1と、を電気的に接続する左右方向直線配線パターンSPTN2が主制御基板の左右方向(長手方向)に沿って直線状に形成されている。つまり、左右方向直線配線パターンSPTN2は、主制御基板1310の下辺と平行して、スルーホールSLTH3からスルーホールSLTH1へ向かって直線状に引き回されているため、その長さが最小長さとなっている。
また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1と、図179に示した主制御入力回路1310b(一端が主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に接続された抵抗MR10の他端、又は、一端がグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されたコンデンサMC10の他端)と、を電気的に接続する屈曲配線パターンSPTN3が主制御基板1310の上下左右方向に複数屈曲して引き回されて形成されている。
また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのB端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH2と電気的に接続される各種配線パターンが存在せず、主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)とに電気的に接続されている。
なお、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1から主制御MPU1310aの所定の入力端子(入力ポートPAの入力端子PA5)までに亘る設定信号伝送経路を形成する各種配線パターンは、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されている。つまり、設定信号伝送経路には、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの各種配線パターンを電気的に接続するスルーホールが介在されないようになっており、主制御基板1310の実装面(表面)1310xを視認できる状態であっても、設定キースイッチ1311aの各種端子へ電気的に接続される各配線パターンがどのように引き回れているかわからないようになっている。
また、主制御基板1310は、上述したように、カバー体1301の底面に取り付けてカバー体1301の内側空間に固定される。カバー体1301の開口側を略塞ぐようにベース体1302を所定位置に合わせて配置し、カバー体1301の長手方向に沿ってベース体1302を特定方向へ向かってスライド移動(移動距離寸法sd)してカバー体1301の開口側を完全に塞ぐ。このため、カバー体1301の長手方向に沿ってベース体1302を特定方向へ向かってスライド移動する際に、ベース体1302に形成される突出部1302pもベース体1302とともに特定方向へ向かってスライド移動することとなる。このスライド移動しているときに、突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに接触して擦れて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yを傷つけるおそれがある。そこで、突出部1302pがスライド移動する領域及びその周囲に各種配線パターンが引き回されないようにないっている。つまり、突出部1302pがスライド移動する際に、突出部1302pが各種配線パターンを跨ぐことがないように各種配線パターンが引き回されている。これにより、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行っている場合に、スライド移動する突出部1302pにより各種配線パターンが傷つけられることを防止することができる。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのCOM2端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH4、設定キースイッチ1311aのCOM1端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH3、及び設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1の周囲における銅箔が抜かれ、設定信号伝送経路を形成する各種配線パターン(例えば、上下方向直線配線パターンSPTN1、左右方向直線配線パターンSPTN2、屈曲配線パターンSPTN3等)の周囲における銅箔が抜かれ、設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部を挿通することができる貫通孔SSTDの周囲における銅箔が抜かれている。
これに対して、主制御基板1310の実装面(表面)1310x及びハンダ面(裏面)1310yには、ロングスルーホールSLH1,SLH2のほぼ周囲における銅箔がそれぞれ抜かれるとともに、各ロングホールの長手方向の両端に設けた領域にサーマルパターン(十字形状のパターン)がそれぞれ形成されている。サーマルパターン(十字形状のパターン)によりロングスルーホールSLH1,SLH2が主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(基板グランド)及びハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となる。また、主制御基板1310の実装面(表面)1310x及びハンダ面(裏面)1310yには、設定キースイッチ1311aのB端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH2のほぼ周囲における銅箔がそれぞれ抜かれるとともに、サーマルパターン(十字形状のパターン)がそれぞれ形成されている。サーマルパターン(十字形状のパターン)によりスルーホールSLTH2が主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(基板グランド)及びハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となる。
主制御基板1310の実装面(表面)1310x及びハンダ面(裏面)1310yの全面は、例えば図186(a),(b)に示すように、各種スルーホール(例えば、電子部品のリード端子が挿通されてハンダ面(裏面)1310yでハンダ付けされるもの、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続するもの、実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)とハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)とを電気的に接続するもの、電子部品を固定するもの)のうち特定のスルーホール(例えば、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続するスルーホール)を除いて、各種配線パターンや各種スルーホールが形成される銅薄層(銅プレーン)を覆うように絶縁性を有する所定色(本実施形態では、緑色)のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xr及びハンダ面側絶縁塗膜1310yrがそれぞれ形成されている。実装面側絶縁塗膜1310xrの上には、さらに、設定キースイッチ1311aを配置する位置を示す領域SSLKSW1がシルク印刷として絶縁性を有するものであってレジスト液の所定色と異なる色(本実施形態では、白色)の塗料により実線で印刷されている。なお、レジスト液の色は、緑色に代えて、赤色、黄色、橙色、青色、白色、黒色でもよく、シルク印刷の塗料の色は、レジスト液の色と異なる色であれば、緑色、赤色、黄色、橙色、青色、白色、黒色のうちいずれの色でもよい。
領域SSLKSW1の大きさは、設定キースイッチ1311aの外形と比べて大きく形成されており、領域SSLKSW1に設定キースイッチ1311aが配置されて実装(主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yでハンダ付け)された状態では、設定キースイッチ1311aの外形外側に領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が配置されるようになっている。つまり、設定キースイッチ1311aが実装されても、設定キースイッチ1311aにより領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が重ならないようになっている。
[11-4-2.円柱形状を有する突出部]
ベース体1302に形成される突出部1302pが円柱形状を有するものである場合には、突出部1302pの前面が円形状となる。設定キースイッチ1311aのCOM1端子とCOM2端子とにおける端子間の距離寸法と、設定キースイッチ1311aのA端子とB端子とにおける端子間の距離寸法は、上述したように、同一の距離寸法を有している。円柱形状を有する突出部1302pの外径は、設定キースイッチ1311aのA端子とB端子とにおける端子間の距離寸法の半分より小さい寸法であり、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行っている場合に、スライド移動する突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに仮に接触(当接)しても、スライド移動する突出部1302pの前面が、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1のランドと、設定キースイッチ1311aのB端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH2のランドと、にそれぞれ接触しない寸法となっている。
設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーが差し込まれた際に、この差し込まれた力により主制御基板1310が湾曲して撓むと、円形状を有する突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとが当接することとなる。円形状を有する突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとが当接すると、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおける絶縁性を有する所定色(本実施形態では、緑色)のレジスト液が塗布されて形成されるハンダ面側絶縁塗膜1310yrが突出部1302pの前面により擦られ、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られ、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)を傷付けるおそれがある。
そこで、突出部1302pの前面が当接する主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの領域及びその周囲には、図186(b)に示すように、銅箔が抜かれた円形状を有する箔抜き領域SINSyが形成されている。これにより、突出部1302pによりハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られても、突出部1302pによる主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)の損傷を防止することができる。銅箔が抜かれた円形状を有する箔抜き領域SINSyは、限られた基板面積を安全かつ有効に利用している。
なお、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行う場合には、上述したように、カバー体1301の長手方向に沿ってベース体1302を特定方向へ向かってスライド移動(移動距離寸法sd)する必要がある。このとき、ベース体1302に形成される突出部1302pもベース体1302とともに特定方向へ向かってスライド移動(移動距離寸法sd)することとなる。
そこで、突出部1302pがスライド移動する領域及びその周囲には、図186(c)に示すように、銅箔が抜かれた長穴形状を有する箔抜き領域SINSyが形成されるようにしてもよい。これにより、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行っている場合に、スライド移動(移動距離寸法sd)する突出部1302pによりハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られても、突出部1302pによる主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)の損傷を防止することができる。銅箔が抜かれた長穴形状を有する箔抜き領域SINSyは、限られた基板面積を安全かつ有効に利用している。
[11-4-3.ベース体の長手方向へ沿って一定幅を有する突出部]
ベース体1302に形成される突出部1302pがベース体1302の長手方向へ沿って一定幅(本実施形態では、円柱形状を有する突出部1302pの外径と同一の寸法を一定幅の寸法としている。)を有するものである場合には、突出部1302pの前面がベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状となる。なお、ベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状を有する突出部1302pの前面の両端部にはR部が施されており、円形状を有している。設定キースイッチ1311aのCOM1端子とCOM2端子とにおける端子間の距離寸法と、設定キースイッチ1311aのA端子とB端子とにおける端子間の距離寸法は、上述したように、同一の距離寸法を有している。円柱形状を有する突出部1302pの外径は、設定キースイッチ1311aのA端子とB端子とにおける端子間の距離寸法の半分より小さい寸法であり、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行っている場合に、スライド移動する突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに仮に接触(当接)しても、スライド移動する突出部1302pの前面が、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH1のランドと、設定キースイッチ1311aのB端子が挿通されてハンダ付けされるスルーホールSLTH2のランドと、にそれぞれ接触しない寸法となっている。
設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーが差し込まれた際に、この差し込まれた力により主制御基板1310が湾曲して撓むと、ベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状を有する突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとが当接することとなる。ベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状を有する突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとが当接すると、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおける絶縁性を有する所定色(本実施形態では、緑色)のレジスト液が塗布されて形成されるハンダ面側絶縁塗膜1310yrが突出部1302pの前面により擦られ、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られ、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)を傷付けるおそれがある。
そこで、突出部1302pの前面が当接する主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの領域及びその周囲には、図187(d)に示すように、銅箔が抜かれた、ベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状を有する箔抜き領域SINSyが形成されている。箔抜き領域SINSyの両端にはR部が施されており、円形状を有している。これにより、突出部1302pによりハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られても、突出部1302pによる主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)の損傷を防止することができる。銅箔が抜かれた、ベース体1302の長手方向に沿って長い矩形状を有する箔抜き領域SINSyは、限られた基板面積を安全かつ有効に利用している。
なお、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行う場合には、上述したように、カバー体1301の長手方向に沿ってベース体1302を特定方向へ向かってスライド移動する必要がある。このとき、ベース体1302に形成される突出部1302pもベース体1302とともに特定方向へ向かってスライド移動することとなる。
そこで、突出部1302pがスライド移動する領域及びその周囲には、図187(e)に示すように、銅箔が抜かれた長穴形状を有する箔抜き領域SINSyが形成されるようにしてもよい。これにより、主制御基板ボックス1320を組み立てる作業を行っている場合に、スライド移動(移動距離寸法sd)する突出部1302pによりハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られても、突出部1302pによる主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)の損傷を防止することができる。銅箔が抜かれた長穴形状を有する箔抜き領域SINSyは、限られた基板面積を安全かつ有効に利用している。
[11-5.設定変更に使用するRWMスイッチの配置場所の報知]
設定キースイッチ1311aが実装される主制御基板1310は、主制御基板ボックス1320に収容されて、この主制御基板ボックス1320が遊技盤5の基板ホルダ1200の後側に取付けられている。これに対して、RWMスイッチ633dが実装される払出制御基板633は、払出制御基板ボックス632に収容されて、この払出制御基板ボックス632が本体枠4の基板ユニット620における電源基板カバー631の後側に取付けられている。このように、設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるようにすることで設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dを離間させることができる。1つの基板に設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dを集約して配置する場合には、1つの基板に対してのみ不正な改変を行えばよく、防犯上好ましくない。そこで、本実施形態では、設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dに対する防犯性を高めている。
なお、主制御基板1310(主制御MPU1310a)は、遊技準備の制御と遊技の制御とを行う(遊技準備の制御に続いて、遊技の制御を行う)。遊技準備の制御は、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311aからの信号に基づいて、設定値の変更可能状態とすることができる第1工程(後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS14の判定、ステップS16Aの処理)と、この第1工程に続いて、払出制御基板633のRWMスイッチ633d(ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとして機能する。)からの信号に基づいて、設定値を選択して切り替えることができる第2工程(後述する設定変更処理におけるステップS216の判定、ステップS218の処理)と、から構成されている。遊技準備の制御に続いて、遊技の制御は、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側メイン処理や後述する主制御側タイマ割込処理等から構成されている。
このような防犯性を高めることができるものの、設定キースイッチ1311a、及びRWMスイッチ633dをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320に収容されているため、特に設定キースイッチ1311aがどこに配置されているのかを伝える必要がないのに対して、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、不慣れな場合もあるため、わかり難い場合がある。
そこで、本実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記が主制御基板ボックス1320に付されている。具体的には、主制御基板ボックス1320のカバー体1301には、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる図示しないシールが貼られている。このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMスイッチ(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。これにより、RWMスイッチ633d(設定切替ボタン)の配置場所を、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員に伝えることができるため、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、RWMスイッチ633dの操作する際に、RWMスイッチ633dを容易に見つけ出すことができることにより目が回らずに済む。したがって、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
なお、このシールは、主制御基板ボックス1320のカバー体1301に貼られても、主制御基板1310の視認性を妨げるものでもない。また、このシールの矩形シートに印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板ボックス1320のカバー体1301を成型するときに、凹状の文字又は凸状の文字を併せて成型するようにしてもよい(つまり、カバー体1301と文字とを一体成型してするようにしてもよい)。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板1310の実装面(表面)に文字(高さ:7mm)「RWMスイッチ(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」を白色でシルク印刷として印刷してもよいし、払出制御基板633の実装面(表面)に文字(高さ:7mm)「RWMスイッチ(設定切替ボタン)」を白色でシルク印刷として印刷してもよい。なお、シルク印刷の色は、同一色でもよいし、異なる色でもよい。また、シルク印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板1310の実装面(表面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMスイッチ(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」としてレジストにより形成してもよいし、払出制御基板633の実装面(表面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMスイッチ(設定切替ボタン)」としてレジストにより形成してもよい。なお、レジストの色は同一色でもよいが、異なる色とした方が基板の区別ができて好ましい。また、抜き文字に代えて、矢印などの記号をマスクした抜き記号でもよい。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板1310の実装面(表面)に同様のシール(このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMスイッチ(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。)を貼ってもよいし、払出制御基板633の実装面(表面)に赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMスイッチ(設定切替ボタン)」という透明な矩形シートを貼ってもよい。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、RWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよいし、演出表示装置1600にアナウンス画像を表示するようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入された状態で、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員が演出操作ユニット300の演出操作部301を操作して、演出表示装置1600に各種設定画面を表示して、RWMスイッチ633d(設定切替ボタン)の配置場所についての項目を選択する。これにより、RWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを伝える「RWMスイッチは払出制御基板にあります。RWMスイッチは設定切替ボタンを兼ねています。」というアナウンス音声が各種スピーカから流れるとともに、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えるアナウンス画像(写真で撮影したものでもよい。)が演出表示装置1600に表示される。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、このようなアナウンス音声やアナウンス画像によりRWMスイッチ633dの配置場所を把握した後に、パチンコ機1の電源を遮断して、設定値の変更をスムーズに行うことができる。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに代えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを伝える「RWMスイッチは払出制御基板にあります。RWMスイッチは設定切替ボタンを兼ねています。RWMスイッチを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。主制御MPU1310aは、設定変更処理を完了すると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止して受信した所定のコマンドに基づいて各種処理を進行(演出を進行や客待ちの状態の演出(デモ演出)等を進行)することとなる。このように構成しても、RWMスイッチ633dの所在を容易に知ることができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、RWMスイッチ633dの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体1301にシールが貼られていたが、これに加えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMスイッチ633dがどこに配置されているのかを伝える「RWMスイッチは払出制御基板にあります。RWMスイッチは設定切替ボタンを兼ねています。RWMスイッチを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。これにより、主制御基板ボックス1320のカバー体1301に貼られたシールを探す必要がなくなる。なお、このようなアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れるものの、アナウンス音声の内容を聞き漏らす場合も想定して、次回のアナウンス音声が流れる始めるまえに、主制御基板ボックス1320のカバー体1301に貼られたシールを目視することにより、RWMスイッチ633dの配置場所を知ることができるようになっている。アナウンス音声には、「RWMスイッチは払出制御基板にあります。RWMスイッチは設定切替ボタンを兼ねています。RWMスイッチを操作して設定値を変更してください。」に加えて、RWMスイッチの所在を示すシールが貼られている場所を伝える内容も案内するようにしてもよい。主制御MPU1310aは、RWMスイッチが操作されると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止する。設定値の設定変更を行う者は、その作業により設定値の設定変更に慣れてきて耳障りとなっている場合にも、その作業を開始してすぐにRWMスイッチを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができるし、また、やむを得ず遊技ホールの営業開始した後にその作業を行う必要があった場合にも遊技者に迷惑が掛からないように、その作業を開始してすぐにRWMスイッチを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
[11-6.設定値の設定変更の手順、設定値の確認表示の手順]
次に、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311a、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633d、及び主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRWMスイッチ633dの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRWMスイッチ633dの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hに表示する。
ベースモニタ1310hは、上述したように、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されているものであり、6桁までの数値を表示することができるものである。ベースモニタ1310hが設定表示器としての機能する場合には、6つ一列に連なった7セグメントLED表示器のうち最も右側に配置される7セグメントLED表示器に設定値を表示する(つまり6桁のうち一の位を表示する1桁)ようにしてもよし(この場合、ドットは点灯してもよいし、消灯してもよい。また、ドットを設定変更許可ランプとしての機能を兼ねるようにする場合には、設定変更を行っているときに点灯し、設定変更を完了したときに消灯するようにする。)、6つ一列に連なった7セグメントLED表示器のうち、一つの7セグメントLED表示器、複数の7セグメントLED表示器、またはすべての7セグメントLED表示器に設定値を表示する(この場合、ドットは点灯してもよいし、消灯してもよい。また、ドットを設定変更許可ランプとしての機能を兼ねるようにする場合には、設定変更を行っているときに点灯し、設定変更を完了したときに消灯するようにする。)ようにしてもよい。
設定値の設定変更を行う者は、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dの押圧操作部を押圧操作すると、RWMスイッチ633dからの検出信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者がRWMスイッチ633dの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、RWMスイッチ633dからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納し、設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、その後又は直後に、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域から、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数(総数)をベースモニタ1310hに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRWMスイッチ633dの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRWMスイッチ633dの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hに表示する。このとき、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者がRWMスイッチ633dの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
ベースモニタ1310hは、上述したように、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されているものであり、6桁までの数値を表示することができるものである。ベースモニタ1310hが設定表示器としての機能する場合には、6つ一列に連なった7セグメントLED表示器のうち最も右側に配置される7セグメントLED表示器に設定値を表示する(つまり6桁のうち一の位を表示する1桁)ようにしてもよし(この場合、ドットは点灯してもよいし、消灯してもよい。また、ドットを設定変更許可ランプとしての機能を兼ねるようにする場合には、現在設定されている設定値の確認を行っているときに点灯し、現在設定されている設定値の確認を完了したときに消灯するようにする。)、6つ一列に連なった7セグメントLED表示器のうち、一つの7セグメントLED表示器、複数の7セグメントLED表示器、またはすべての7セグメントLED表示器に設定値を表示する(この場合、ドットは点灯してもよいし、消灯してもよい。また、ドットを設定変更許可ランプとしての機能を兼ねるようにする場合には、現在設定されている設定値の確認を行っているときに点灯し、現在設定されている設定値の確認を完了したときに消灯するようにする。)ようにしてもよい。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器としての機能を兼ねるベースモニタ1310hに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、その後又は直後に、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域から、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数(総数)をベースモニタ1310hに表示する制御を行う。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないことが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていること」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていないこと」を要件とする点で相違する。
[12.主制御基板における設定キースイッチ及びRWMスイッチの配線パターン]
次に、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する配線パターンと払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する配線パターンと、について図188及び図189を参照して説明する。図188は主制御基板の実装面(表面)に実装される各種電子部品の配置の概要を説明する概要図であり、図189は主制御基板の主制御MPUへの各種配線パターンの概要を説明する主制御基板のハンダ面(裏面)の概要図である。ここでは、上述した設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aが主制御基板1310に実装され、主制御基板1310のみ主制御基板ボックス1320に収容されている例として説明する。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xには、コネクタMCN1~MCN8、水晶発振器、各種IC等のDIPタイプの電子部品、設定キースイッチ1311a、抵抗、集合抵抗、ダイオード、コンデンサ、電解コンデンサ、トランジスタ等のリードタイプの電子部品が実装されている。DIPタイプの電子部品の各リード端子は、主制御基板1310に形成されるスルーホールに主制御基板1310の実装面(表面)1310xから主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yへ向かって挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいてハンダ付けされて固定される。リードタイプの電子部品の各リード端子は、主制御基板1310に形成されるスルーホールに主制御基板1310の実装面(表面)1310xから主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yへ向かって挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいてハンダ付けされて固定される。
主制御基板1310に入力される各種センサからの各種検出信号は、コネクタMCN1~MCN5を介してエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2に入力されているものと、エラー検知機能を有しない主制御入力回路1310bに入力されているものと、がある。コネクタMCN1~MCN5は、主制御基板1310の上辺近傍であって、上辺中央から左辺へ向かってに順番に配置され、コネクタMCN5が主制御基板1310の上辺近傍であって左辺近傍に配置されている。
コネクタMCN1~MCN3を介して入力される各種検出信号は、エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2に入力され、コネクタMCN5を介して入力される各種検出信号は、エラー検知機能付き主制御入力回路1310b2に入力されているものと、エラー検知機能を有しない主制御入力回路1310b(上述した、抵抗とトランジスタとから構成される回路)に入力されているものと、がある。なお、コネクタMCN4は、周辺制御基板1510へのコマンドを出力するためのものである。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xには、複数のエラー検知付き主制御入力回路1310b2(本実施形態では、8個のエラー検知機能付き主制御入力回路1310b2)が集積されたDIPタイプのICとして複数(本実施形態では、2つ)実装されている。なお、複数のエラー検知付き主制御入力回路1310b2をIC化せずに、エラー検知付き主制御入力回路1310b2単体を主制御基板1310の実装面(表面)1310xに複数実装するようにしてもよい。
コネクタMCN6~MCN8は、主制御基板1310の下辺近傍であって、左辺から下辺中央へ向かってコネクタMCN6、コネクタMCN7、設定キースイッチ1311a、そしてコネクタMCN8という順番で配置され、コネクタMCN8が主制御基板1310の下辺近傍であって下辺中央より左辺寄りに配置されている。コネクタMCN6は、遊技盤5に備える電気的駆動源(ソレノイド)を駆動する信号が出力されるものであり、コネクタMCN7は、払出制御基板633とのコマンドのやり取りに関する信号の入出力を行うとともに、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633d(以下、「払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633d」と記載する場合がある。)からの検出信号(主RWM信号)が入力されるものである。コネクタMCN8は、検査照合を行う際に、各種信号をやり取りするためのものである。
主制御基板1310の左辺中心と右辺中心とを結ぶ中心線から上方寄りであって主制御基板1310の中央から右方寄りに主制御MPU1310aが主制御基板1310の下辺(上辺)と平行となるように(つまり、主制御基板1310の長手方向に沿って)配置されている。この主制御MPU1310aは、のICパッケージは、ZIP(Zigzag In-line Package)であり、主制御MPU1310aの本体底面から垂直に突出するリード端子が交互に折り曲げられることにより主制御MPU1310aの本体底面の長手方向に沿って2列に配置されて形成されている。ここでは、説明の都合上、2列に配置されたリード端子を、上側列に配置されたリード端子、下側列に配置されたリード端子として説明する。
主制御基板1310の下辺近傍に配置される設定キースイッチ1311aの上方には、リードタイプの抵抗、ダイオード、コンデンサ等が複数配置され、これらの上方にリードタイプの集合抵抗が左右に2つ一列に主制御基板1310の下辺に平行となるように配置され、このリードタイプの左側集合抵抗の上方(つまり、主制御MPU1310aから離れる方向)に、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)がコネクタMCN7を介して入力される主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR2,MR5が配置されるとともに、このリードタイプの左側集合抵抗の下方に(つまり、リードタイプの左側集合抵抗を境界(防護壁)として)払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)がコネクタMCN7を介して入力される主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0が配置されている。
つまり、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)がコネクタMCN7を介して入力される主制御入力回路1310bは、リードタイプの左側集合抵抗を境界(防護壁)として構成されており、リードタイプの左側集合抵抗の下方には、主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0が配置され、リードタイプの左側集合抵抗の上方には、主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR2,MR5が配置されている。これにより、リードタイプの左側集合抵抗を防護壁とすることにより、リードタイプの左側集合抵抗の上方に配置される抵抗MR2,MR5に対する不正改変を行えないようにすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。さらに、トランジスタMTR0は、バイアス用抵抗として抵抗MR3,MR4が内蔵されているものであるため、この点においても、抵抗MR3,MR4に対する不正改変を行えないようにすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
主制御基板1310の下辺近傍に配置される設定キースイッチ1311aの右方に配置されるコネクタMCN8の上方には、設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR10~MR13、コンデンサMC10、及びトランジスタMTR10が配置されている。なお、トランジスタMTR10は、バイアス用抵抗として抵抗MR11,MR12が内蔵されているものである。これにより、抵抗MR11,MR12に対する不正改変を行えないようにすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bの右方には、この主制御入力回路1310bを介して入力される設定キースイッチ1311aからの検出信号の論理を反転する論理反転回路1310ivを構成する抵抗MR14~MR16、及びトランジスタMTR11が配置されている。なお、トランジスタMTR11は、バイアス用抵抗として抵抗MR14,MR15が内蔵されているものである。これにより、抵抗MR14,MR15に対する不正改変を行えないようにすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
主制御基板1310の上辺近傍に一列に上辺に平行となるように配置されるコネクタMCN1~5、主制御基板1310の下辺近傍に一列に下辺に平行となるように配置されるコネクタMCN6~MC8、及び設定キースイッチ1311aは、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態では、上述したように、その一部が主制御基板ボックス1320のカバー体1301から露出する状態となり、カバー体1301とコネクタMCN1~MCN8、及び設定キースイッチ13111aとにより形成されるすき間から不正工具(例えば、細い針金等)を侵入させて、主制御基板1310の主制御MPU1310aを不正改変しようとしても、コネクタMCN1~MCN8、及び設定キースイッチ13111aの周辺には、電解コンデンサ、抵抗、ダイオード、コンデンサ、集合抵抗、各種IC、トランジスタ等の電子部品が配置されるとともに、主制御MPU1310aの周辺には、抵抗、ダイオード、コンデンサ、水晶発振器(主制御MPU1310aの下方近傍に配置されている。)、集合抵抗、各種IC等の電子部品が配置されているため、これらの電子部品が障害物又は防護壁となって、不正工具(例えば、細い針金等)を複数屈曲させる必要があり、現実的に不正工具(例えば、細い針金等)が主制御MPU1310aに到達することができない。
主制御基板1310には、ZIPタイプの主制御MPU1310aの各リート端子が挿通されるスルーホールが複数形成されている。これらのスルーホールに、主制御基板1310の実装面(表面)1310xから主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yへ向かって主制御MPU1310aの各リード端子が挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yでハンダ付けされて固定される。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、図189に示すように、主制御MPU1310aのリート端子のうち、グランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるリード端子が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、主制御MPU1310aのリート端子のうち、主制御基板側作成+5V電源ライン(主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン)や電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0から供給される主VBBの電源ラインと電気的に接続される+5V電源供給用配線パターンが形成されている。また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、主制御MPU1310aのリート端子のうち、リード端子から各種信号を出力する出力信号配線パターン、リード端子に各種信号が入力される入力信号配線パターンが形成されている。
入力信号配線パターンには、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)が入力されるコネクタMCN7から主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)までに亘るRWM信号伝送経路を形成するRWM信号配線パターン(以下、「各種配線パターン」と記載する場合がある。)と、設定キースイッチ1311aのA端子から主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)までに亘る設定信号伝送経路を形成する設定キー信号配線パターン(以下、「各種配線パターン」と記載する場合がある。)と、停電監視回路1310eからの検出信号(停電監視回路1310eを構成するDタイプフリップフロップMIC22(MIC22A)の1Q端子から主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0までに亘る停電予告信号伝送経路を形成する停電予告信号配線パターン(以下、「各種配線パターン」と記載する場合がある。)と、が含まれる。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、ZIPタイプの主制御MPU1310aの各リート端子が挿通されるスルーホールのうち、ベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるものを除くスルーホールの周辺、+5V電源供給用配線パターンの周辺、信号出力用配線パターンの周辺、入力信号配線パターンの周辺、及び特定のスルーホール(例えば、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの出力信号配線パターンを電気的に接続するスルーホール)の周辺における銅箔が箔抜きされた箔抜き領域が形成されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおける各種配線パターンが形成される領域、各種スルーホールが形成される領域、及び箔抜きが形成される領域を除いた他の領域は、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)として形成され、主制御基板1310の基材、及び銅薄層(銅プレーン、銅箔面)を覆うように絶縁性を有する所定色(本実施形態では、緑色)のレジスト液が塗布されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの全領域にハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成される。
また、主制御基板1310の実装面(表面)1310xには、ZIPタイプの主制御MPU1310aの各リート端子が挿通されるスルーホールのうち、ベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるものを除くスルーホールの周辺、+5V電源供給用配線パターンの周辺、出力信号配線パターンの周辺、及び特定のスルーホール(例えば、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの出力信号配線パターンを電気的に接続するスルーホール)の周辺における銅箔が箔抜きされた箔抜き領域が形成されているものの、ZIPタイプの主制御MPU1310aにおける、上側列に配置されたリード端子と、下側列に配置されたリード端子と、の端子間には、ZIPタイプの主制御MPU1310aの長手方向に沿って(主制御基板1310の左右方向に沿って、主制御基板1310の長手方向に沿って、主制御基板1310の上辺(下辺又は主制御基板1310の左辺中心と右辺中心とを結ぶ中心線と平行に)箔抜き領域が形成されず、ベタグランド(GND)(基板グランド)が形成されている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける出力信号配線パターンが形成される領域、各種スルーホールが形成される領域、及び箔抜きが形成される領域を除いた他の領域は、主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)として形成され、主制御基板1310の基材、及び銅薄層(銅プレーン、銅箔面)を覆うように絶縁性を有する所定色(本実施形態では、緑色)のレジスト液が塗布されて主制御基板1310の実装面(表面)1310xの全領域に実装面側絶縁塗膜1310xrが形成される。
なお、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔層(銅プレーン、銅箔面)には、主制御MPU1310aのリート端子へ引き回される各種配線パターンにより、各種配線パターンと主制御MPU1310aの多数のリード端子とにより囲まれる小さい銅箔領域が形成される場合がある。このため、小さい銅箔領域のグランドを安定化するために、主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)と、を電気的に接続するベタグランド用スルーホールが形成されている。
なお、ベタグランド用スルーホールにおけるランドの大きさは、複数の大きさあり、主制御基板1310の実装面(表面)1310xと主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続する配線パターン用スルーホールのランドの大きさと同一の大きさを有するもの、電子部品のリード端子が挿通されてハンダ面(裏面)1310yでハンダ付けされるリード端子用スルーホールのランドの大きさと同一の大きさを有するもの、配線パターン用スルーホールのランドの大きさと比べて大きく且つリード端子用スルーホールのランドの大きさと比べて小さいもの、リード端子用スルーホールのランドの大きさと比べて大きいもの等があり、ベタグラン用スルーホールは、主制御基板1310の略全面に複数ちりばめて形成されている。これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)と、を同一のグランド(GND)(基板グランド)となるように安定化させている。
また、主制御基板1310には、各種信号が入力される配線パターンに対しては、主制御基板1310の実装面(表面)1310xと主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続する配線パターン用スルーホールが全く形成されていないのに対して、各種信号を出力する配線パターンに対しては配線パターンの引き回しで配線パターンの干渉を防ぐために、主制御基板1310の実装面(表面)1310xと主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続するための配線パターン用スルーホールが複数形成される場合がある。
なお、主制御基板1310には、各種信号が入力される配線パターンに対しては、主制御基板1310の実装面(表面)1310xと主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続する配線パターン用スルーホールが全く形成されていないようにすることが好ましいが、配線パターンの引き回しにより、他の配線パターンと干渉を回避するために、やむを得ず各種信号が入力される配線パターンに対して、主制御基板1310の実装面(表面)1310xと主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続する配線パターン用スルーホールを形成する場合がある。
ところが、各種信号が入力される配線パターンに対して形成される配線パターン用スルーホール(以下、「入力信号配線パターン用スルーホール」と記載する。)を、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変が行われると、主制御MPU1310aが遊技の進行を制御する重要な電子部品であるため、不正行為者に不正な遊技球が獲得されるおそれがある。
そこで、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策を講ずる必要がある。
[12-1.入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策]
入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策として、入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成(以下、「第1乃至第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成」)について図190~図193を参照して説明する。図190は主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)であり、図191は主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)であり、図192は主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される第3実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)であり、図193は主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成を説明する概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)であり、(b)の変形例の概略図(c)である。なお、図190~図193では、同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表した。
各種スルーホールは、貫通する孔の内周壁に銅メッキが施されて導電性を有している。主制御基板1310には、スルーホール以外にノンスルーホールも設けられており、ノンスルーホールは、貫通する孔の内周壁に銅メッキが施されず、主制御基板1310の実装面(表面)1310x及びハンダ面(裏面)1310yにランドを有していない点で、貫通する孔の内周壁に銅メッキが施されるとともに、主制御基板1310の実装面(表面)1310x及びハンダ面(裏面)1310yにランドを有するスルーホールと大きく異なっている。ノンスルーホールは、基板を部材に取り付けるために形成されたり、外力が加わる電子部品(配線の着脱が行われるコネクタ等)を基板に固定するために形成されたりするものである。なお、スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成を、電子部品を実装する(つまり、電子部品の各リード端子を挿通する)ためのスルーホールに対して採用することに差し支えはない。また、スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成を、各種信号が出力される配線パターンに対して形成される配線パターン用スルーホール(以下、「出力信号配線パターン用スルーホール」と記載する場合がある。)のランドに対して採用することに差し支えはない。また、スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成を、主制御基板1310の実装面(表面)1310xのベタグランド(GND)(基板グランド)と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのベタグランド(GND)(基板グランド)と、を電気的に接続するベタグランド用スルーホールのランドに対して採用することに差し支えはない。
[12-1-1.第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成]
第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成では、図190(a),(b)に示すように、主制御基板1310の基材K1310oの板厚方向(主制御基板1310の基材K1310oの表面垂直(裏面垂直)方向)に対して細い貫通孔が形成されるとともに、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径KTHD1をそれぞれ有する実装面(表面)側ランドKRDx1とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1が形成されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNやハンダ面(裏面)側配線パターンが形成されている。貫通孔の内周面全体に対して導電性を有するメッキ加工が施されることでスルーホールKTH1が形成されている。主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1の外径と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側配線パターンSPTNの一端と、が電気的に接続されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNの他端と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される他の実装面(表面)側ランドKRDx1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側配線パターンの一端とが電気的に接続されているとともに、ハンダ面(裏面)側配線パターンの他端と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1とは、スルーホールKTH1を介して、電気的に接続された状態となっており、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側配線パターンSPTNと、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側配線パターンと、が主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1、スルーホールKTH1、そして主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1を介して、電気的に接続されている状態となっている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xrが形成されているものの、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されている。
また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されてハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成されているものの、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されている。
実装面(表面)側レジスト開口部KBxraの開口径KBxrD1とハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraの開口径KByrD1とが同一の大きさとなっている。
主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるものである。1枚の定尺の銅張積層板(基材)を製造装置に固定して塗装をする工程、乾燥する工程、孔を空ける行程、他の工程等があり、最終的に各基板が切り出される。
このように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおいて、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されているため、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1の外周から実装面(表面)側ランドKRDx1の中心へ向かって実装面(表面)側ランドKRDx1の外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっている。これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1の外周部分全体に絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることができるため、銅箔が剥き出しとなっている実装面(表面)側ランドKRDx1の面積を小さく抑えることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行い難くすることができ、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策を講ずることができる。したがって、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ向上に寄与することができる。
また、実装面(表面)側ランドKRDx1及びハンダ面(裏面)側ランドKRDy1は、共に銅箔が剥き出しとなっているため、主制御基板1310の実装面(表面)側から実装面(表面)側ランドKRDx1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができるし、主制御基板1310のハンダ面(裏面)側からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができる。つまり、実装面(表面)側ランドKRDx1及びハンダ面(裏面)側ランドKRDy1を主制御基板1310の電気検査を行う場合に、チェック端子として利用することができる。なお、コンタクトプローブとして、専用のプローブでもよいし、いわゆる「テスタ」の導通チェックを行うテストリードであってもよい。
なお、第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成では、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいて、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されることにより、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1の外周からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の中心へ向かってハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっていたが、図190(c)に示すように、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より大きい開口径KByrD2(>開口径KByrD1)を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されるようにしてもよい。これは、パチンコ機1には主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で遊技盤5の裏面側に配置されているため、このような状態で主制御基板1310に対して不正改変を行う場合には、主制御基板1310の実装面(表面)1310xしか目視することができないからである。また、主制御基板1310の検査を行う作業者は、主制御基板1310に形成される複数の各種スルーホールのうち、どのスルーホールが入力信号配線パターン用スルーホールであるかを判別する際に、実装面(表面)1310xのランドとハンダ面(裏面)1310yのランドとの大きさを比べることで入力信号配線パターン用スルーホールであるか否かを判別することに寄与することができる。
[12-1-2.第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成]
第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成では、図191(a),(b)に示すように、主制御基板1310の基材K1310oの板厚方向(主制御基板1310の基材K1310oの表面垂直(裏面垂直)方向)に対して細い貫通孔が形成されるとともに、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径KTHD1をそれぞれ有する実装面(表面)側ランドKRDx1とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1が形成されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNやハンダ面(裏面)側配線パターンが形成されている。貫通孔の内周面全体に対して導電性を有するメッキ加工が施されることでスルーホールKTH1が形成されている。主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1の外径と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっており、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における実装面(表面)側ランドKRDx1の外径とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径と同一の大きさとなっている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側配線パターンSPTNの一端と、が電気的に接続されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNの他端と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される他の実装面(表面)側ランドKRDx1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側配線パターンの一端とが電気的に接続されているとともに、ハンダ面(裏面)側配線パターンの他端と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xrが形成されているものの、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さく、且つ、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における開口径KByrD1の外径よりさらに小さく、且つ、スルーホールKTH1の孔の内径より大きい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されている。この開口径KBxrD2の内径は、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から同心円状に外側へ広がるレジスト液侵入防止領域が加味されたものであり、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁からレジスト液侵入防止距離寸法(レジスト液侵入防止距離寸法は、緑色のレジスト液が主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔への侵入を防止するために、少なくとも、0.5mm以上の距離寸法が必要であり、第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成では、0.5mmが採用されている。)だけ離れた大きさとなっている。このため、開口径KBxrD2の内径は、スルーホールKTH1の孔の内径に対してレジスト液侵入防止距離寸法(0.5mm)を2倍したものを加えたものとなり、スルーホールKTH1の孔の内径より1.0mmだけ大きいものとなっている。
これに対して、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されてハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成されているものの、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されている。開口径KByrD1の外径は、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における開口径KByrD1の外径と同一の大きさとなっている。
主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるものである。1枚の定尺の銅張積層板(基材)を製造装置に固定して塗装をする工程、乾燥する工程、孔を空ける行程、他の工程等があり、最終的に各基板が切り出される。
このように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおいて、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さく、且つ、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における開口径KByrD1の外径よりさらに小さく、且つ、スルーホールKTH1の孔の内径より大きい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されているため、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1の外周から実装面(表面)側ランドKRDx1の中心へ向かって実装面(表面)側ランドKRDx1のうちレジスト液侵入防止領域(つまり、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁からレジスト液侵入防止距離寸法(0.5mm)だけ離れた位置までに亘る領域)を除いて外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっている。これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のほぼ内側から外周部分全体に亘って(つまり、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のうちレジスト液侵入防止領域を除いた領域に亘って)絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることができるため、銅箔が剥き出しとなっている部分がレジスト液侵入防止領域となることにより、銅箔が剥き出しとなっている実装面(表面)側ランドKRDx1の面積を、第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成におけるものと比べると、極めて小さく抑えることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行い難くすることができ、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策を講ずることができる。したがって、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ向上に寄与することができる。
また、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔に対してレジスト液侵入防止領域が設けられているため、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上に絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布される場合に、主制御基板1310の実装面(表面)1310xが鉛直上向きとなるように(主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるため、1枚の定尺の銅張積層板(基材)の前面が鉛直上向きとなるように)製造装置に固定されて実際に緑色のレジスト液が塗布されても、緑色のレジスト液が主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔へ侵入し、この孔を塞ぐことなく乾燥されるようになっている。
また、実装面(表面)側ランドKRDx1及びハンダ面(裏面)側ランドKRDy1は、共に銅箔が剥き出しとなっているため、主制御基板1310の実装面(表面)側から実装面(表面)側ランドKRDx1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができるし、主制御基板1310のハンダ面(裏面)側からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができる。つまり、実装面(表面)側ランドKRDx1及びハンダ面(裏面)側ランドKRDy1を主制御基板1310の電気検査を行う場合に、チェック端子として利用することができる。なお、コンタクトプローブとして、専用のプローブでもよいし、いわゆる「テスタ」の導通チェックを行うテストリードであってもよい。
なお、第2実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成では、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいて、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されることにより、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1の外周からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の中心へ向かってハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっていたが、図191(c)に示すように、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より大きい開口径KByrD2(>開口径KByrD1)を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されるようにしてもよい。これは、パチンコ機1には主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で遊技盤5の裏面側に配置されているため、このような状態で主制御基板1310に対して不正改変を行う場合には、主制御基板1310の実装面(表面)1310xしか目視することができないからである。また、主制御基板1310の検査を行う作業者は、主制御基板1310に形成される複数の各種スルーホールのうち、どのスルーホールが入力信号配線パターン用スルーホールであるかを判別する際に、実装面(表面)1310xのランドとハンダ面(裏面)1310yのランドとの大きさを比べることで入力信号配線パターン用スルーホールであるか否かを判別することに寄与することができる。
[12-1-3.第3実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成]
第3実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成では、図192(a),(b)に示すように、主制御基板1310の基材K1310oの板厚方向(主制御基板1310の基材K1310oの表面垂直(裏面垂直)方向)に対して細い貫通孔が形成されるとともに、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径KTHD1をそれぞれ有する実装面(表面)側ランドKRDx1とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1が形成されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNやハンダ面(裏面)側配線パターンが形成されている。貫通孔の内周面全体に対して導電性を有するメッキ加工が施されることでスルーホールKTH1が形成されている。主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1の外径と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっており、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における実装面(表面)側ランドKRDx1の外径とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径と同一の大きさとなっている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側配線パターンSPTNの一端と、が電気的に接続されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNの他端と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される他の実装面(表面)側ランドKRDx1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xrが形成されているため、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域も絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xrが形成されている。
主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるものである。1枚の定尺の銅張積層板(基材)を製造装置に固定して塗装をする工程、乾燥する工程、孔を空ける行程、他の工程等があり、最終的に各基板が切り出される。このため、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上に、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布される場合に、主制御基板1310の実装面(表面)1310xが鉛直上向きとなるように(主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるため、1枚の定尺の銅張積層板(基材)の前面が鉛直上向きとなるように)製造装置に固定され、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞ぐこととなる。主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔に侵入した緑色のレジスト液は、自重により、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から孔の中央へ向かって窪んだ状態となって乾燥することとなる。
これに対して、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されてハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成されているものの、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されている。開口径KByrD1の外径は、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における開口径KByrD1の外径と同一の大きさとなっている。
このように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおいて、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域も絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっているとともに、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞いだ状態となっている。これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1の全体とスルーホールKTH1の孔とを絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることができるため、実装面(表面)側ランドKRDx1を銅箔が剥き出しとならず、且つ、スルーホールKTH1の孔の内周面全体に施された導電性を有するメッキ部分が主制御基板1310の実装面(表面)1310xから剥き出しとならないようにすることができる。また、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔を塞いだ状態とすることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行い難くすることができ、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策を講ずることができる。したがって、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ向上に寄与することができる。
また、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞いだ状態となっているものの、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側は開放された状態となっている。つまり、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔は、実装面(表面)側が緑色のレジスト液により塞がれているのに対して、ハンダ面(裏面)側が開放されている。これは、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔の内部に空気が残った状態で主制御基板1310のスルーホールKTH1のハンダ面(裏面)側を塞いだ状態とすると、レジスト除去液等の液体がスルーホールKTH1の内部に残留するおそれがあり、この液体の影響によりスルーホールKTH1の内部の導電性を有するメッキが腐食することで接触不良が起きたり、熱が加わる半田(リフローなど)工程等においてスルーホールKTH1の内部の液体が瞬間的に気化して膨張(いわゆる、「水蒸気爆発」)することによりスルーホールKTH1の内部の導電性を有するメッキが破損することでスルーホールKTH1の電気的な切断が起きたりするおそれがあるからである。
また、実装面(表面)側ランドKRDx1やスルーホールKTH1の孔は存在するものの、緑色のレジストによりその存在を隠すことができるようになっているため、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにベタ塗りされた緑色のレジストに対して、実装面(表面)側ランドKRDx1を目立たなくすることができるし、スルーホールKTH1の孔を目立たなくすることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行おうとする不正行為者に対して、入力信号配線パターン用スルーホール(実装面(表面)側ランドKRDx1やスルーホールKTH1の孔)を発見し難くすることができる。
また、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1は、共に銅箔が剥き出しとなっているため、主制御基板1310のハンダ面(裏面)側からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができる。つまり、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1を主制御基板1310の電気検査を行う場合に、チェック端子として利用することができる。なお、コンタクトプローブとして、専用のプローブでもよいし、いわゆる「テスタ」の導通チェックを行うテストリードであってもよい。
なお、第3実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成では、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいて、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されることにより、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1の外周からハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の中心へ向かってハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっていたが、図192(c)に示すように、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域には、ハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径KTHD1より大きい開口径KByrD2(>開口径KByrD1)を有するハンダ面(裏面)側レジスト開口部KByraが形成されるようにしてもよい。これは、パチンコ機1には主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で遊技盤5の裏面側に配置されているため、このような状態で主制御基板1310に対して不正改変を行う場合には、主制御基板1310の実装面(表面)1310xしか目視することができないからである。また、主制御基板1310の検査を行う作業者は、主制御基板1310に形成される複数の各種スルーホールのうち、どのスルーホールが入力信号配線パターン用スルーホールであるかを判別する際に、実装面(表面)1310xのランドとハンダ面(裏面)1310yのランドとの大きさを比べることで入力信号配線パターン用スルーホールであるか否かを判別することに寄与することができる。
[12-1-4.第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成]
第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成では、図193(a),(b)に示すように、主制御基板1310の基材K1310oの板厚方向(主制御基板1310の基材K1310oの表面垂直(裏面垂直)方向)に対して細い貫通孔が形成されるとともに、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径KTHD1をそれぞれ有する実装面(表面)側ランドKRDx1とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1が形成されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNやハンダ面(裏面)側配線パターンが形成されている。貫通孔の内周面全体に対して導電性を有するメッキ加工が施されることでスルーホールKTH1が形成されている。主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1の外径と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されるハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっており、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における実装面(表面)側ランドKRDx1の外径とハンダ面(裏面)側ランドKRDy1の外径と同一の大きさとなっている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側ランドKRDx1と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される実装面(表面)側配線パターンSPTNの一端と、が電気的に接続されているとともに、実装面(表面)側配線パターンSPTNの他端と、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに形成される他の実装面(表面)側ランドKRDx1又は電子部品の特定の端子がハンダ付けされるランド(パッド)と、が電気的に接続されている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されて実装面側絶縁塗膜1310xrが形成されているものの、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されている。開口径KBxrD1の外径は、上述した第1実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成における開口径KBxrD1の外径と同一の大きさとなっている。
これに対して、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面の上には、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されてハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成されているため、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域も絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布されてハンダ面側絶縁塗膜1310yrが形成されている。
主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるものである。1枚の定尺の銅張積層板(基材)を製造装置に固定して塗装をする工程、乾燥する工程、孔を空ける行程、他の工程等があり、最終的に各基板が切り出される。このため、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの銅箔面の上に、絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布される場合に、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yが鉛直上向きとなるように(主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるため、1枚の定尺の銅張積層板(基材)の後面が鉛直上向きとなるように)製造装置に固定され、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞ぐこととなる。主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔に侵入した緑色のレジスト液は、自重により、スルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側内周縁から孔の中央へ向かって窪んだ状態となって乾燥することとなる。
このように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおいて、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されているため、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1の外周から実装面(表面)側ランドKRDx1の中心へ向かって実装面(表面)側ランドKRDx1の外周部分が絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっている。また、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおいて、ハンダ面側絶縁塗膜1310yrのうちハンダ面(裏面)側ランドKRDy1と対応する領域も絶縁被膜として緑色のレジストにより被さった状態となっているとともに、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞いだ状態となっている。これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1の外周部分全体に絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることができるため、銅箔が剥き出しとなっている実装面(表面)側ランドKRDx1の面積を小さく抑えることができるとともに、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔を塞いだ状態とすることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行い難くすることができ、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ対策を講ずることができる。したがって、入力信号配線パターン用スルーホールに対するセキュリティ向上に寄与することができる。
また、実装面(表面)側ランドKRDx1は、銅箔が剥き出しとなっているため、主制御基板1310の実装面(表面)側から実装面(表面)側ランドKRDx1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができる。つまり、実装面(表面)側ランドKRDx1を主制御基板1310の電気検査を行う場合に、チェック端子として利用することができる。なお、コンタクトプローブとして、専用のプローブでもよいし、いわゆる「テスタ」の導通チェックを行うテストリードであってもよい。
また、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、この孔を塞いだ状態となっているものの、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側は開放された状態となっている。つまり、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔は、ハンダ面(裏面)側が緑色のレジスト液により塞がれているのに対して、実装面(表面)側が開放されている。これは、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔におけるハンダ面(裏面)側内周縁から緑色のレジスト液が侵入し、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔の内部に空気が残った状態で主制御基板1310のスルーホールKTH1の実装面(表面)側を塞いだ状態とすると、レジスト除去液等の液体がスルーホールKTH1の内部に残留するおそれがあり、この液体の影響によりスルーホールKTH1の内部の導電性を有するメッキが腐食することで接触不良が起きたり、熱が加わる半田(リフローなど)工程等においてスルーホールKTH1の内部の液体が瞬間的に気化して膨張(いわゆる、「水蒸気爆発」)することによりスルーホールKTH1の内部の導電性を有するメッキが破損することでスルーホールKTH1の電気的な切断が起きたりするおそれがあるからである。
また、実装面(表面)側ランドKRDx1やスルーホールKTH1の孔は存在するものの、実装面(表面)側ランドKRDx1は主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける緑色のレジストによりその存在を隠すことができ、スルーホールKTH1の孔は主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおける緑色のレジストによりその存在を隠すことができるようになっているため、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにベタ塗りされた白色のレジストに対して、実装面(表面)側ランドKRDx1を目立たなくすることができるし、スルーホールKTH1の孔を目立たなくすることができる。これにより、入力信号配線パターン用スルーホールを、例えばベタグランド(GND)(基板グランド)や主制御基板側作成+5V電源ラインと電気的に切り替えるという不正改変を行おうとする不正行為者に対して、入力信号配線パターン用スルーホール(実装面(表面)側ランドKRDx1やスルーホールKTH1の孔)を発見し難くすることができる。
なお、第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対する絶縁被膜を被せる構成では、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおいて、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されることにより、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1の外周から実装面(表面)側ランドKRDx1の中心へ向かって実装面(表面)側ランドKRDx1の外周部分が絶縁被膜として白色のレジストにより被さった状態となっていたが、図193(b)に示すように、実装面側絶縁塗膜1310xrのうち実装面(表面)側ランドKRDx1と対応する領域には、実装面(表面)側ランドKRDx1の外径KTHD1より小さく、且つ、開口径KByrD1の外径よりさらに小さく、且つ、スルーホールKTH1の孔の内径より大きい開口径KBxrD2を有する実装面(表面)側レジスト開口部KBxraが形成されるようにしてもよい。この開口径KBxrD2の内径は、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁から同心円状に外側へ広がるレジスト液侵入防止領域が加味されたものであり、スルーホールKTH1の孔における実装面(表面)側内周縁からレジスト液侵入防止距離寸法(レジスト液侵入防止距離寸法は、白色のレジスト液が主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔への侵入を防止するために、少なくとも、0.5mm以上の距離寸法が必要であり、第4実施形態に係る入力信号配線パターン用スルーホールのランドに対して絶縁被膜を被せる構成では、0.5mmが採用されている。)だけ離れた大きさとなっている。このため、開口径KBxrD2の内径は、スルーホールKTH1の孔の内径に対してレジスト液侵入防止距離寸法(0.5mm)を2倍したものを加えたものとなり、スルーホールKTH1の孔の内径より1.0mmだけ大きいものとなっている。
これにより、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のほぼ内側から外周部分全体に亘って(つまり、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のうちレジスト液侵入防止領域を除いた領域に亘って)絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることができるため、銅箔が剥き出しとなっている部分がレジスト液侵入防止領域となることにより、銅箔が剥き出しとなっている実装面(表面)側ランドKRDx1の面積を極めて小さく抑えることができる。
また、主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔に対してレジスト液侵入防止領域が設けられているため、主制御基板1310の実装面(表面)1310xの銅箔面の上に絶縁被膜として緑色のレジスト液が塗布される場合に、主制御基板1310の実装面(表面)1310xが鉛直上向きとなるように(主制御基板1310は、実際には1枚の定尺の銅張積層板(基材)から複数の基板を配置して最終的に切り出して製造されるため、1枚の定尺の銅張積層板(基材)の前面が鉛直上向きとなるように)製造装置に固定されて実際に緑色のレジスト液が塗布されても、緑色のレジスト液が主制御基板1310のスルーホールKTH1の孔へ侵入し、この孔を塞ぐことなく乾燥されるようになっている。
また、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のほぼ内側から外周部分全体に亘って(つまり、主制御基板1310の実装面(表面)1310xにおける実装面(表面)側ランドKRDx1のうちレジスト液侵入防止領域を除いた領域に亘って)絶縁被膜として緑色のレジストが被さった状態とすることで銅箔が剥き出しとなっている部分がレジスト液侵入防止領域となって小さくなっているものの、主制御基板1310の実装面(表面)側から実装面(表面)側ランドKRDx1に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて主制御基板1310の電気検査(動作確認や異常電位の確認)を行うことができるため、実装面(表面)側ランドKRDx1を主制御基板1310の電気検査を行う場合に、チェック端子として利用することができる。なお、コンタクトプローブとして、専用のプローブでもよいし、いわゆる「テスタ」の導通チェックを行うテストリードであってもよい。
[12-2.入力端子への配線パターン]
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの検出信号は、この検出信号を伝送する各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)を介して、主制御MPU1310aの上側列に配置されたリード端子のうち図中左から3番目に配置された入力ポートPBの入力端子PB0に停電予告信号として入力される。払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)は、この検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)を介して、主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子のうち図中左から8番目に配置された入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)にRWM信号として入力される。主制御基板1310に備える設定キースイッチ1311aからの検出信号は、この検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)を介して、主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子のうち図中左から20番目(図中右から13番目)に配置された入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力される。
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの検出信号を伝送する各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)と、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と、主制御基板1310に備える設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と、が相互に近くに配置して平行に走らない(並走しない)ように主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに引き回されている。
また、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの検出信号を伝送する各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)と、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と、主制御基板1310に備える設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と、には、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に接続するスルーホールを介することなく、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにのみ引き回されている。
このように、遊技者に利益を付与する確率を設定変更可能な設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されることで、主制御基板1310の実装面(表面)1310xから見て各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)がどのように引き回れているのか視認困難とすることができ、各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)を不正改変し難くすることに寄与することができる。したがって、セキュリティ向上に寄与することができる。また、設定変更に使用する払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dからの検出信号(主RWM信号)を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されることで、主制御基板1310の実装面(表面)1310xから見て各種配線パターン(RWM信号配線パターン)がどのように引き回れているのか視認困難とすることができ、各種配線パターン(RWM信号配線パターン)を不正改変し難くすることに寄与することができる。したがって、セキュリティ向上に寄与することができる。また、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの検出信号を伝送する各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されることで、主制御基板1310の実装面(表面)1310xから見て各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)がどのように引き回れているのか視認困難とすることができ、各種配線パターン(停電予告信号配線パターン)を不正改変し難くすることに寄与することができる。したがって、セキュリティ向上に寄与することができる。
設定値の設定変更を行う場合には、上述したように、設定キースイッチ1311a及びRWMスイッチ633dの操作が必要となる。設定キースイッチ1311aからの検出信号、RWMスイッチ633dからの検出信号は、遊技者に有利な遊技状態を発生する確率を設定変更することができる重要な信号であり、パチンコ機1を設置するホールにおいて、ホールの担当者が意図しない確率に不正に設定変更され難くする必要がある。
そこで、本実施形態では、遊技者に利益を付与する確率を設定変更することができる、設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と、RWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と、を近くに配置せず、平行に走らない(並走しない)ように主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに引き回されている。これにより、設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と、RWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と、が相互に離間して主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子(PA5(設定キー信号入力端子),PA0(RWM信号入力端子))に入力されることとなり、設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と、RWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と、を同時に不正改変され難くすることができる。したがって、設定変更のセキュリティ向上に寄与することができる。
また、設定キースイッチ1311aからの検出信号は、各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)を介して、設定キー信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力され、RWMスイッチ633dからの検出信号は、各種配線パターン(RWM信号配線パターン)を介して、RWM信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されている。入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)は、主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子のうち図中左から8番目に配置されるのに対して、入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)は、主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子のうち図中左から20番目(図中右から13番目)に配置されている。このように、設定キースイッチ1311aからの検出信号が設定キー信号として入力される主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と、RWMスイッチ633dからの検出信号がRWM信号として入力される主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA0(RWM信号入力端子)と、が隣り合った配置とならないように、設定キースイッチ1311aからの検出信号が設定キー信号として入力される主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と、RWMスイッチ633dからの検出信号がRWM信号として入力される主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA0(RWM信号入力端子)と、の間に他のリード端子(具体的には、主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子のうち図中左から9番目~19番目のリード端子であり、計11本の下側列に配置されたリード端子)が介在するように配置されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、上述したように、ZIPタイプの主制御MPU1310aの各リート端子が挿通されるスルーホールのうち、ベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されるものを除くスルーホールの周辺、+5V電源供給用配線パターンの周辺、信号出力用配線パターンの周辺、入力信号配線パターンの周辺、及び特定のスルーホール(例えば、実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの出力信号配線パターンを電気的に接続するスルーホール)の周辺における銅箔が箔抜きされた箔抜き領域が形成されている。また、設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、上述したように、設定キー信号の論理がLOW(設定可状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力されるし、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されているときには、上述したように、RWM信号の論理がLOW(押圧操作状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されるようになっている。これにより、入力端子PA5(設定キー信号入力端子),PA0(RWM信号入力端子)の周囲を箔抜きすることにより、入力端子PA5(設定キー信号入力端子),PA0(RWM信号入力端子)とグランド(GND)(基板グランド)とを電気的に切り替えるという不正改変を行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
なお、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と電気的に接続される主制御MPU1310aの設定キー信号入力端子と、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と電気的に接続される主制御MPU1310aのRWM信号入力端子と、の端子間に加えて、設定キー信号入力端子の周辺端子(隣り合う他の端子)、RWM信号入力端子の周辺端子(隣り合う端子)には、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていない状態とするRWM信号の論理がHI(押圧非操作状態を伝える論理)、設定キースイッチ1311aがOFF操作されている状態とする設定キー信号の論理がHI(設定不可状態を伝える論理)となるように、他の信号が入力される配線パターンや他の信号を出力する配線パターンと電気的に接続されるようにしてもよい。こうすれば、RWM信号入力端子、設定キー信号入力端子に対する不正改変を行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
また、設定キースイッチ1311aからの検出信号は、各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)を介して、設定キー信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力され、RWMスイッチ633dからの検出信号は、各種配線パターン(RWM信号配線パターン)を介して、RWM信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの所定の入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されることにより、設定キースイッチ1311aからの検出信号、RWMスイッチ633dからの検出信号が主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子に入力されていたが、例えば、設定キースイッチ1311aからの検出信号が主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子から上側列に配置されたリード端子に入力されるようにしてもよい。設定キースイッチ1311aからの検出信号は、各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)を介して、設定キー信号として主制御MPU1310aの入力ポートPBの所定の入力端子PB7に入力される場合には、入力ポートPBの入力端子PB7は、主制御MPU1310aの上側列に配置されたリード端子のうち図中左から22番目(図中右から11番目)に配置される。このように、設定キースイッチ1311aからの検出信号が主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子から上側列に配置されたリード端子に入力されるとともに、RWMスイッチ633dからの検出信号が主制御MPU1310aの下側列に配置されたリード端子に入力されることにより、2つの検出信号を上下列それぞれのリード端子に入力される構成を採用しても、設定変更のセキュリティ向上に寄与することができる。
主制御MPU1310aの入力ポートPA,PBの論理の状態は、メモリマップドI/O方式によるアドレス空間上のメモリ情報として扱われ、例えば入力ポートPAに対して、主制御MPU1310aが同一のアドレスで同時に各入力端子の論理状態を取得することができるようになっている。入力ポートPBについても、同様に、主制御MPU1310aが同一のアドレス(入力ポートPAと異なるアドレス)で同時に各入力端子の論理状態を取得することができるようになっている。主制御MPU1310aの入力ポートPA,PBは、8ビットを有する入力ポートであり、入力ポートPA,PBの各入力端子PA0(RWM信号入力端子)~PA7,PB0~PB7は、第0ビットから第7ビットまでに亘るいずれかに予めそれぞれ割り振られている。
[小括A]
A1.設定キースイッチ1311aからの検出信号は、上述したように、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5へ入力されるものの、設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子)、主制御入力回路1310bを構成する電子部品のリード端子(抵抗MR10~MR13、コンデンサMC10、トランジスタMTR10)、及び主制御MPU1310aのリード端子(入力ポートPAの入力端子PA5)をそれぞれ電気的に接続する配線パターンは、いずれも主制御基板1310の実装面(表面)1310xと反対側の面となるハンダ面(裏面)1310yに形成されている。
A2.設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子)と主制御MPU1310aのリード端子(入力ポートPAの入力端子PA5)との信号伝送路において配線パターンを主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに引き回して形成するため、上述したように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に層間接続するスルーホールが、この配線パターンに対しするスルーホールが主制御基板1310に形成されていない。
A3.設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子)と主制御MPU1310aのリード端子(入力ポートPAの入力端子PA5)との信号伝送路において配線パターンを主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yのみにおいて引き回しが難しく、主制御基板1310の実装面(表面)1310xも使用せざるを得ず、主制御基板1310の実装面(表面)1310xとハンダ面(裏面)1310yとの配線パターンを電気的に層間接続するスルーホールを形成する場合には、図190~図193に示したように、主制御基板1310の実装面(表面)1310x及び/又はハンダ面(裏面)1310yにおいてスルーホールのランドの外周や全体を絶縁被膜である緑色のレジストにより覆う。
A4.主制御基板1310は、上述したように、カバー体1301とベース体1302とから構成される長手方向のスライド方式により開閉可能な主制御基板ボックス1320に収容されて封印されている。主制御基板ボックス1320は、主制御基板1310の実装面(表面)1310xがカバー体1301の内側を臨むようにカバー体1301の裏面側に取り付けられている。この状態でベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させると、カバー体1301の内周面内にベース体1302の外周面が収まり、カバー体1301とベース体1302とにより形成される空間内に主制御基板1310が収容された状態となる。その後、封印部であるカシメ部1303のワンウェイネジ等をねじ込むことにより、カバー体1301とベース体1302とが固定され主制御基板ボックスが封印される。
A5.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aは、上述したように、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに設定キーが挿入されて回動操作される。設定キーが設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに挿入される際に設定キースイッチ1311aが押圧されて主制御基板1310が湾曲してたわむと、主制御基板1310に形成される配線パターンが断線するおそれがある。そこで、主制御基板1310が湾曲するのを防止するために、主制御基板1310のハンダ面(裏面)であって、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aと対応する領域には、ベース体1302に図185に示した突出部1302pが突出形成されている。
なお、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態において、設定キースイッチ1311aが押圧されていない状態(設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに設定キーが挿入されて回動操作されて設定キーによる押圧が解除された場合、設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに設定キーがそもそも挿入されていない場合)では、上述したように、ベース体1302に形成される突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとに所定のクリアランスとして距離寸法d2(例えば、約1mm)が設けられており、設定キースイッチ1311aが押圧されると、突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに当接した状態となり、主制御基板1310の湾曲を防止するようになっている。
A6.ベース体1302に形成される突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとに所定のクリアランスとして、上述したように、距離寸法d2(例えば、約1mm)が設けられており、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態において、設定キースイッチ1311aが押圧されていない状態(設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに設定キーが挿入されて回動操作されて設定キーによる押圧が解除された場合、設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに設定キーがそもそも挿入されていない場合)では、突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとが接触することがないようになっている。また、主制御基板ボックス1320を組み立てる場合にカバー体1301とベース体1302とをスライド移動させる際に、又は、主制御基板1310を取り出す場合に主制御基板ボックスの封印状態を解除してカバー体1301とベース体1302とをスライド移動させる際に、突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに当接して主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yを傷付けないようになっている。
ベース体1302に形成される突出部1302pの前面は、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yと当接する場合があるため、突出部1302pの前面が当接する場合がある主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの領域及びその周囲と対応する領域には、図186(b)に示したように、銅箔部(銅箔層、銅プレーン)が抜かれ、この銅箔部銅箔層、銅プレーン)が抜かれた全領域が絶縁被膜である緑色のレジストで覆われており、設定キースイッチ1311aが繰り返し押圧されることで突出部1302pの前面により主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成される絶縁被膜である緑色のレジストが擦れて仮に剥がれたとしても、突出部1302pの前面と銅箔部(銅箔層、銅プレーン)とが接触することがないようになっている。これにより、突出部1302pの前面が配線パターンや主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と接触しないようになっており、突出部1302pの前面により配線パターンが損傷したり、断線したりすることを防止すると共に、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)の損傷を防止することができるようになっている。
A7.主制御基板1310は、上述したように、カバー体1301とベース体1302とから構成される長手方向のスライド方式により開閉可能な主制御基板ボックスス1320に収容されて封印されている。主制御基板ボックス1320は、主制御基板1310の実装面(表面)1310xがカバー体1301の内側を臨むようにカバー体1301の裏面側に取り付けられている。この状態でベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させると、カバー体1301の内周面内にベース体1302の外周面が収まり、カバー体1301とベース体1302とにより形成される空間内に主制御基板1310が収容された状態となる。ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、ベース体1302に形成される突出部1302pの前面も、長手方向に移動することとなる。突出部1302pの前面が移動する領域と対応する主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、配線パターンが引き回されないように形成されている。これは、突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとに所定のクリアランスとして距離寸法d2(例えば、約1mm)が設けられているものの、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、ベース体1302に形成される突出部1302pの前面が主制御基板のハンダ面(裏面)1310yに形成される絶縁被膜である緑色のレジストと擦れる場合があるため、配線パターンが損傷したり断線したりすることを防止する必要があるからである。
なお、ベース体1302に形成される突出部1302pの前面が移動する領域と対応する主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、配線パターンのほかに、ベタグランド(GND)(基板グランド)を形成しないようにしてもよい。これは、突出部1302pの前面と主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yとに所定のクリアランスとして距離寸法d2(例えば、約1mm)が設けられているものの、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成される絶縁被膜である緑色のレジストと擦れる場合があるため、ベタグランド(GND)(基板グランド)の損傷を防止する必要があるからである。
A8.ベース体1302に形成される突出部1302pは、円柱形状を有している。こうすれば、突出部1302pの前面が移動する領域として、突出部1302pである円柱の前面(円形状)が移動する領域とすることができるため、突出部1302pの前面が移動する領域は、突出部1302pが主制御基板1310の下辺に沿って平行に(主制御基板1310の長手方向に沿って)スライド移動することにより、左右方向の距離寸法が突出部1302pのスライド移動する長さとなり、上下方向の距離寸法が円柱の直径となることにより、突出部1302pの前面が移動する領域を小さくすることができる。これにより、突出部1302pの前面が移動する領域を回避して配線パターンを引き回す際に、配線パターンの引き回しの自由度を高めることに寄与することができる。
また、突出部1302pが主制御基板1310の下辺に沿って平行に(主制御基板1310の長手方向に沿って)スライド移動することにより、突出部1302pの前面が移動する領域における上下方向の距離寸法が円柱の直径となり、一定となり、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、ベース体1302に形成される突出部1302pの側面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにハンダ付けされる電子部品のリード端子(設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子))と、の干渉を防止(抑制)することができる。
A9.ベース体1302に形成される突出部1302pは、ベース体1302の長手方向に沿って一定幅を有する形状(円柱形状を有する突出部1302pの外径と同一の寸法を一定幅の寸法とする形状)に形成されていてもよい。こうすれば、突出部1302pの前面が移動する領域は、突出部1302pが主制御基板1310の下辺に沿って平行に(主制御基板1310の長手方向に沿って)スライド移動することにより、左右方向の距離寸法が突出部1302pのスライド移動する長さとなり、上下方向の距離寸法が突出部1302pの一定幅とすることができる。これにより、突出部1302pが移動する領域と対応する位置近傍に配線パターンを主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに引き回す際に、突出部1302pの長手方向の形状に沿って配線パターンを主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに引き回すことで、配線パターンと突出部1302pの長手方向の形状とを平行した位置関係とすることができるため、突出部1302pの前面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成される絶縁被膜である緑色のレジストを擦って配線パターンを損傷したり断線したりすることを防止することができる。
また、突出部1302pが主制御基板1310の下辺に沿って平行に(主制御基板1310の長手方向に沿って)スライド移動することにより、突出部1302pの前面が移動する領域における上下方向の距離寸法が突出部1302pの一定幅となり、一定となり、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、ベース体1302に形成される突出部1302pの側面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにハンダ付けされる電子部品のリード端子(設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子))と、の干渉を防止(抑制)することができる。
A10.ベース体1302に形成される突出部1302pは、長手方向に対して垂直方向に沿って長い形状を有して形成されていない。仮に、突出部1302pが長手方向に対して垂直方向に沿って長い形状を有して形成されると、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、突出部1302pの側面が主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにハンダ付けされる電子部品のリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子))と干渉することとなる。このため、突出部1302pは、長手方向に対して垂直方向に沿って長い形状を有して形成されていない。こうすれば、ベース体1302をカバー体1301の所定位置に合わせて長手方向に移動させる際に、ベース体1302に形成される突出部1302pの側面と、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにハンダ付けされる電子部品のリード端子(設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子))と、の干渉を防止(抑制)することができる。
A11.設定キースイッチ1311aは、図184に示したように、設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダ1311abと、外筒1311aaと接続されると共に設定キーシリンダ1311abの回動操作により接点をON又はOFFする回路が形成される直方体状のベース体1311acと、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆うように屈曲されてベース体1311acの後方に突出する一対の突出片1311ada,1311adaが両側面に形成されるフレーム板1311adと、から構成されている。設定キーシリンダ1311abは、非導電性を有する樹脂により成型されており、フレーム板1311adは、導電性を有する金属により成型されている。設定キーシリンダ1311abとフレーム板1311adとは電気的に接続されていない非導通となっており、電気的に絶縁された状態となっている。
A12.設定キースイッチ1311aのリード端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子)は、主制御基板1310の実装面(表面)1310xからスルーホールに挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yから突出してハンダ付けされており、設定キースイッチ1311aの内部回路により、主制御基板1310の主制御MPU1310aへの信号伝送経路を形成する配線パターンと電気的に接続される。設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adには一対の突出片1311ada,1311adaが形成されており、一対の突出片1311ada,1311adaは、図186に示したように、主制御基板1310の実装面(表面)1310からロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yから突出してハンダ付けされることにより、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続され、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adと主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)とが電気的に接続された状態となっている。
なお、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adの一対の突出片1311ada,1311adaは、主制御基板1310の実装面(表面)1310xからロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されて主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yから突出してハンダ付けされるものの、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されず、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adが電気的に浮いた状態となっていてもよい。
A13.外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650は、導電性の金属により構成されている。施錠ユニット650は、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と異なり、図示しないアース線を介して遊技ホールの島設備にアース接地されている。
A14.設定キースイッチ1311aを操作する作業者は、まず本体枠4を外枠2から開放する必要があるため、施錠ユニット650におけるシリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132に鍵(この鍵は、導電性を有する金属キーである。以下、「金属キー」と記載する場合がある。)を挿入して回動操作する必要がある。仮に作業者に電位が帯電していても、作業者が金属キーを施錠ユニット650におけるシリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132へ挿入することにより、作業者から帯電した電位が施錠ユニット650、そして図示しないアース線を介して遊技ホールの島設備にアース接地されて逃がすことできるため、作業者に帯電した電位を除去することができる。
作業者が設定キーを主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに挿入しても、そもそも作業者に帯電した電位がすでに遊技ホールの島設備にアース接地されて除去済みであるから設定キースイッチ1311aに対して作業者に帯電した電位の静電放電による電磁波ノイズによる損傷を防止することができるし、もし作業者が帯電した状態で設定キーを設定キースイッチ1311aの差し込み口1311abaに挿入しても設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abとフレーム板1311adとが、上述したように、電気的に絶縁されているため、作業者に帯電した電位が設定キーシリンダ1311abを介して主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と接続された導電性を有する金属のフレーム板1311adへ侵入することがなく、主制御基板1310の損傷を防止することができる。(当然のことながら、設定キースイッチ1311aのリード端子である信号端子(COM1端子、COM2端子、A端子、B端子)は、フレーム板1311ad、設定キーシリンダ1311abと絶縁されている。)
さらに、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adは、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されているため、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adが帯電した状態のままになることもない。
なお、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adを主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と接続しない場合には、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abは、フレーム板1311adと共に主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されていないこととなる。仮に、作業者が帯電した状態で設定キーを設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに挿入した場合でも、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abはフレーム板1311adとも主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されていない(絶縁された状態である)ため、作業者に帯電した電位が設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abを介して主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)への侵入がなく主制御基板1310の損傷を防止することができる。但し、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adは、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)との電気的な接続がないため、設定キースイッチ1311aが帯電した場合、放電ができなくなる。
設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adの一対の突出片1311ada,1311adaがハンダ付けされるロングスルーホールSLH1’,SLH2’は、主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されず、電気的に浮いた状態となっている。設定キースイッチ1311aのCOM2端子が挿通されるスルーホールSLTH4、設定キースイッチ1311aのCOM1端子が挿通されるスルーホールSLTH3、設定キースイッチ1311aのA端子が挿通されるスルーホールSLTH1は配線パターンSPTN1,SPTN2が電気的に接続され、スルーホールSLTH1が配線パターンSPTN3とされに電気的に接続され、設定キースイッチ1311aのB端子が挿通されるスルーホールSLTH2が主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続されている。
このように、ロングスルーホールSLH1’,SLH2’の周囲に、配線パターンSPTN1~SPTN3、スルーホールSLTH1~SLTH4が存在するため、ロングスルーホールSLH1’,SLH2’と配線パターンSPTN1~SPTN3との間に主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)を形成するとともに、ロングスルーホールSLH1’,SLH2’とスルーホールSLTH1~SLTH4との間に主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)を形成することにより、設定キースイッチ1311aのフレーム板1311adが主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)との電気的に接続されずに設定キースイッチ1311aが帯電した場合、放電ができなくなっても、この影響を受けないように、ロングスルーホールSLH1’,SLH2’と配線パターンSPTN1~SPTN3とが主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)が介在することなく隣り合わないようにする必要がある。また、ロングスルーホールSLH1’,SLH2’とスルーホールSLTH1~SLTH4とが主制御基板1310のベタグランド(GND)(基板グランド)が介在することなく隣り合わないようにする必要がある。
[小括B]
B1.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する設定キー信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続され、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送するRWM信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と異なる他のリード端子であって入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されている。
なお、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)との論理状態は、メモリマップドI/O方式によるアドレス空間上のメモリ情報として扱われ、主制御MPU1310aが同一のアドレスで同時に取得することができるようになっている。つまり、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)とは、上述したように、8ビットを有する所定ポートに対して、第0ビットから第7ビットまでに亘るいずれかに予めそれぞれ割り振られている。
主制御MPU1310aのICパッケージは、上述したように、ZIP(Zigzag In-line Package)であり、主制御MPU1310aの本体底面から垂直に突出するリード端子が交互に折り曲げられることにより長手方向に沿って2列に配置されて形成されたものである。入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)とは、2列のうち一の列に隣接して配置して形成されていない。
例えば、2列のうち一の列に入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)とを配置する場合には、入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)とが隣り合った配置とならないように、入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)との間に他のリード端子が介在するように配置される。
B2.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する設定キー信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続され、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送するRWM信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と異なる他のリード端子であって入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されていることにより、2列のうち一の列に入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)とが配置されていたが、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する設定キー信号配線パターンと、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送するRWM信号配線パターンと、が2列のうち別々の列にそれぞれ配置されるように電気的に接続するようにしてもよい。
B3.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する設定キー信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続され、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送するRWM信号配線パターンは、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と異なる他のリード端子であって入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されていたが、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する設定キー信号配線パターンが電気的に接続される設定キー信号入力端子と、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送するRWM信号配線パターンが電気的に接続されるRWM信号入力端子と、の論理状態を異なるアドレスでそれぞれ取得するようにしてもよい。つまり、設定キー信号入力端子とRWM信号入力端子とを異なる入力ポートによりそれぞれ別個に取得することができるに予めそれぞれ割り振られていてもよい。主制御MPU1310aの入力ポートごとに入力端子(リード端子)がまとめて配置されている場合には、アドレスが異なるなることで、設定キー信号入力端子とRWM信号入力端子とを相互に離すことができる。
B4.主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンを介して伝送される主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号の論理状態は、設定不可状態を伝える論理(HI)と設定可状態を伝える論理(LOW)とがある。設定不可状態を伝える論理(HI)は、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンの電圧が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン側に引き上げられるものであるのに対して、設定可状態を伝える論理(LOW)は、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンの電圧が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられるものである。
そこで、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と隣接する他の入力端子(又は入力端子PA5(設定キー信号入力端子)の周辺における他の入力端子)を主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されるように回路構成されている。これにより、仮に、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と隣接する他の入力端子を短絡させる不正な改変が行われたとしても、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンの電圧が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン側に引き上げられるものとなることにより、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンを介して伝送される設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号の論理状態として結果的に設定不可状態を伝える論理(HI)となり、設定変更を行えなくすることができる。
主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンを介して伝送される払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号の論理状態は、押圧非操作状態を伝える論理(HI)と押圧操作状態を伝える論理(LOW)とがある。押圧非操作状態を伝える論理(HI)は、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンの電圧が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン側に引き上げられるものであるのに対して、押圧操作状態を伝える論理(LOW)は、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンの電圧が主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)側に引き下げられるものである。
そこで、入力端子PA0(RWM信号入力端子)についても、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と同様に、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と隣接する他の入力端子(又は入力端子PA0(RWM信号入力端子)の周辺における他の入力端子)を主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されるように回路構成されている。これにより、仮に、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と隣接する他の入力端子を短絡させる不正な改変が行われたとしても、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンの電圧が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ライン側に引き上げられるものとなることにより、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンを介して伝送されるRWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号の論理状態として結果的に押圧非操作状態を伝える論理(HI)となり、設定変更を行えなくすることができる。
なお、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する各種配線パターン(設定キー信号配線パターン)と電気的に接続される主制御MPU1310aの設定キー信号入力端子と、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する各種配線パターン(RWM信号配線パターン)と電気的に接続される主制御MPU1310aのRWM信号入力端子と、の端子間に加えて、設定キー信号入力端子の周辺端子(隣り合う他の端子)、RWM信号入力端子の周辺端子(隣り合う端子)には、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されていない状態とするRWM信号の論理がHI(押圧非操作状態を伝える論理)、設定キースイッチ1311aがOFF操作されている状態とする設定キー信号の論理がHI(設定不可状態を伝える論理)となるように、他の信号が入力される配線パターンや他の信号を出力する配線パターンと電気的に接続されるようにしてもよい。こうすれば、RWM信号入力端子、設定キー信号入力端子に対する不正改変を行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
B5.設定キースイッチ1311aがON操作されているときには、上述したように、設定キー信号の論理がLOW(設定可状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)に入力されるようになっているため、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)の周囲と、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンの周囲と、には、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)、設定キー信号配線パターンが不正に主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に短絡されないように、グランド(GND)(基板グランド)が形成されず箔抜き領域となっている。つまり、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)の周囲と、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンの周囲と、には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態とする設定キー信号の論理がLOW(設定可状態を伝える論理)となるグランド(GND)(基板グランド)が形成されない(配置されない)ようになっている。これにより、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)、設定キー信号配線パターンに印加される電圧が不正に主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に引き下げられることを防止することができる。
また、払出制御基板633に備えるRWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されているときには、上述したように、RWM信号の論理がLOW(押圧操作状態を伝える論理)となって主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)に入力されるようになっているため、入力端子PA0(RWM信号入力端子)の周囲と、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンの周囲と、には、入力端子PA0(RWM信号入力端子)、RWM信号配線パターンが不正に主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に短絡されないように、グランド(GND)(基板グランド)が形成されず箔抜き領域となっている。つまり、入力端子PA0(RWM信号入力端子)の周囲と、入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンの周囲と、には、RWMスイッチ633dの押圧操作部が操作されている状態とするRWM信号の論理がLOW(押圧操作状態を伝える論理)となるグランド(GND)(基板グランド)が形成されない(配置されない)ようになっている。これにより、入力端子PA0(RWM信号入力端子)、RWM信号配線パターンに印加される電圧が不正に主制御基板1310のグランド(GND)(基板グランド)に引き下げられることを防止することができる。
B6.主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続される設定キー信号配線パターンを介して伝送される主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号の論理状態は、設定不可状態を伝える論理(HI)と設定可状態を伝える論理(LOW)となっており、また主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるRWM信号配線パターンを介して伝送される払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号の論理状態は、押圧非操作状態を伝える論理(HI)と押圧操作状態を伝える論理(LOW)となっており、設定不可状態を伝える論理(HI)と押圧非操作状態を伝える論理(HI)とが同一の論理(HI)となっていると共に、設定可状態を伝える論理(LOW)と押圧操作状態を伝える論理(LOW)とが同一の論理(LOW)となっていたが、これに代えて、設定不可状態を伝える論理と押圧操作状態を伝える論理との論理状態とを同一の論理(HI又はLOW)とすると共に、設定可状態を伝える論理と押圧非操作状態を伝える論理との論理状態とを同一の論理(LOW又はHI)とするようにしてもよい。設定可状態を伝える論理と押圧操作状態を伝える論理とを同一の論理と比べて、設定可状態を伝える論理と押圧非操作状態を伝える論理とを同一の論理とするようにした方が、入力端子PA5(設定キー信号入力端子)、設定キー信号配線パターン、入力端子PA0(RWM信号入力端子)、RWM信号配線パターンに対して不正改変を行うとする者は、この組み合わせの論理を理解するまでに、時間がかかり、結果的には、一方がグランド(GND)(基板グランド)、他方が電源に短絡することとなり、手間がかかり時間を消費させることに寄与することができ、RWM信号入力端子、設定キー信号配線パターン、設定キー信号入力端子、RWM信号配線パターンに対する不正改変を行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
また、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態では、上述したように、主制御基板1310がカバー体1301に複数形成されるカバー体側リブ部1301rbとベース体1302に複数形成されるベース体側リブ部1302rbとにより形成される狭間(空間)に配置(挟持)された状態となる。また、ベース体1302には、上述したように、主制御基板1310の実装面(表面)に実装される設定キースイッチ1311aと対応する主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接可能な突出部1302pが形成されている。突出部1302pは、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーが差し込まれた際に、この差し込まれた力により主制御基板1310が湾曲して撓むと、主制御基板1310のハンダ面(裏面)と当接することにより、これ以上、主制御基板1310が湾曲して撓むことを防止して、主制御基板1310に形成される配線パターンの断線やハンダの剥離を防止することができるものである。ベース体1302に形成される突出部1302pの前面が当接する主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yの領域及びその周囲には、図186(b)に示したように、銅箔が抜かれた円形状を有する箔抜き領域SINSyが形成されている。これにより、突出部1302pによりハンダ面側絶縁塗膜1310yrが削られても、突出部1302pによる主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにおけるベタグランド(基板グランド)の損傷を防止することができる。銅箔が抜かれた円形状を有する箔抜き領域SINSyは、限られた基板面積を安全かつ有効に利用している。
B7.設定キースイッチ1311aが主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装されるとともに、RWMスイッチ633dを払出制御基板633の実装面(表面)に実装されることで、設定キースイッチ1311aとRWMスイッチ633dとが別々の制御基板にそれぞれ実装されている。これにより、遊技盤5に備える主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aと、本体枠4に備える払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dとが離間して配置されることとなり、不正しようとしても、設定キースイッチ1311a側とRWMスイッチ633d側との両方を不正改変する必要があり、その作業に極めて時間が掛かるため、設定キースイッチ1311aとRWMスイッチ633dとの配置を見た不正行為者が不正改変しようとする気力が失われ、不正され難くすることができる。
なお、実際に設定変更を行う場合には、設定キースイッチ1311aを操作したのち、RWMスイッチ633dを操作しながら、パチンコ機1の電源投入するための電源スイッチ630aを操作する必要がある。電源スイッチ630aは、本体枠4の基板ユニット620に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630に実装されているため、設定変更に必要となる、設定キースイッチ1311a、RWMスイッチ633d、電源スイッチ630aは、それぞれ別々の基板に実装されている。
B8.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号は、図179に示したように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装されるエラー検知機能なしの主制御入力回路1310b(主として、抵抗、トランジスタから構成される入力回路であり、回路構成が共通する回路となっている。)を介して、主制御MPU1310aの所定の入力端子(PA5,PA0)へ入力されていたが、入力回路を備える専用ICをそれぞれ介して(つまり、設定キースイッチ1311aからの検出信号を設定キー入力専用ICを介して、RWMスイッチ633dからの検出信号をRWM入力専用ICを介して)、主制御MPU1310aの所定の入力端子(PA5,PA0)へ入力されるようにしてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの検出信号、RWMスイッチ633dからの検出信号の論理状態を不正改変し難くすることができるため、不正対策の向上に寄与することができる。
また、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装されるエラー検知機能なしの主制御入力回路1310bは、主として、抵抗、トランジスタから構成される入力回路であり、回路構成が共通する回路となっているため、複数の主制御入力回路1310bのトランジスタを1つのICにまとめたDIPタイプのトランジスタアレイとして構成してもよい。
B9.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号は、図179に示したように、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装されるエラー検知機能なしの主制御入力回路1310b(主として、抵抗、トランジスタから構成される入力回路であり、回路構成が共通する回路となっている。)を介して、主制御MPU1310aの所定の入力端子(PA5,PA0)へ入力されていたが、入力回路を備える専用ICをそれぞれ介して(つまり、設定キースイッチ1311aからの検出信号を設定キー入力専用ICを介して、RWMスイッチ633dからの検出信号をRWM入力専用ICを介して)、主制御MPU1310aの所定の入力端子(PA5,PA0)へ入力されるようにしてもよい。この場合、別々の専用ICとの間に、他のエラー検知機能なしの主制御入力回路1310bを構成する抵抗、トランジスタを介在するように配置する。こうすれば、どの回路が、設定キースイッチ1311aからの検出信号、RWMスイッチ633dからの検出信号を判別することが困難となり、不正対策の向上に寄与することができる。
B10.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号は、図179に示したように、エラー検知機能なしの主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力端子(PA5,PA0)へ入力される。複数の主制御入力回路1310bのトランジスタを1つのICにまとめたDIPタイプのトランジスタアレイを使用する場合には、設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力されるDIPタイプのトランジスタアレイの入力端子と、RWMスイッチ633dからの検出信号が入力されるDIPタイプのトランジスタアレイの入力端子と、が隣り合わせないように配置したり、又は、DIPタイプのトランジスタアレイの一方の側面から突出する複数の入力端子のうちいずれかの入力端子に設定キースイッチ1311aからの検出信号が入力されるように配線パターンを形成するように配置すると共に、他の側面から突出する複数の入力端子のうちいずれかの入力端子にRWMスイッチ633dからの検出信号が入力されるように配線パターンを形成するように配置する。こうすれば、不正対策の向上に寄与することができる。
B11.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号は、図179に示したように、それぞれの電圧が抵抗MR16,MR5により電源ライン側にそれぞれ引き上げられている。これらの抵抗MR16,MR5は、プルアップ抵抗MR16,MR5であり、設定キースイッチ1311aから離して配置されている。具体的には、論理反転回路1310ivを構成する抵抗MR16は、一端が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されると共に、その他端が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続されるものであり、設定キースイッチ1311aの右方に配置されるコネクタMCN8の右方に配置されている。エラー検知機能なしの主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR2は、その一端が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されると共に、その他端が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるものであり、設定キースイッチ1311aの上方に配置されるリードタイプの集合抵抗のさらに上方に配置されている。RWMスイッチ633dは、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されているため、抵抗MR16,MR5は、RWMスイッチ633dから離して配置されている。抵抗MR16,MR5を不正改変されると、設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号の論理状態、RWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号の論理状態を不正に操作されるおそれがあるため、抵抗MR16,MR5を設定キースイッチ1311a(RWMスイッチ633d)から離すことで、抵抗MR16,MR5が主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される他の電子部品と紛れることで、重要な抵抗MR16,MR5の存在を隠すことができる。
また、抵抗MR16,MR5を設定キースイッチ1311a(RWMスイッチ633d)から離すことで、仮に、設定キースイッチ1311aと主制御基板ボックス1320のカバー体1301とに生じたすき間から針金などの細長い不正工具を挿入する不正なアクセスがされたとしても、抵抗MR16,MR5に対する不正改変を行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
B12.論理反転回路1310ivを構成する抵抗MR16は、一端が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されると共に、その他端が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA5(設定キー信号入力端子)と電気的に接続されるものであり、設定キースイッチ1311aの右方に配置されるコネクタMCN8の右方に配置されている。エラー検知機能なしの主制御入力回路1310bを構成する抵抗MR2は、その一端が主制御基板1310に備える+5V作成回路1310gで作成された+5Vの電源ラインと電気的に接続されると共に、その他端が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0(RWM信号入力端子)と電気的に接続されるものであり、設定キースイッチ1311aの上方に配置されるリードタイプの集合抵抗のさらに上方に配置されている。このように、抵抗MR16,MR5は、離間して配置されている。これにより、抵抗MR16,MR5が主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される他の電子部品と紛れることにより、設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号の論理状態と、RWMスイッチ633dから検出信号である操作信号の論理状態と、に関わる重要な電子部品であることに気付き難くすることができる。
また、抵抗MR16,MR5を相互に離すことで、抵抗MR16,MR5に対する不正改変を同時に行い難くすることができ、セキュリティ向上に寄与することができる。
B13.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号が入力されるエラー検知機能なしの主制御入力回路1310bと主制御MPU1310aとの間には、他の回路として、図187に示したように、DIPタイプの各種IC、リードタイプの抵抗、リードタイプのダイオード、リードタイプのコンデンサ、リードタイプの電解コンデンサ、DIPタイプの水晶発振器を介在するように配置する。こうすれば、主制御基板ボックス1320内へ針金などの細長い不正工具を侵入させて主制御MPU1310aのリード端子を短絡させようとしも、他の回路により不正工具の侵入を防止することができると共に、他の回路への短絡を誘引させて主制御基板1310の動作を阻止して遊技を行うことができないようにすることができる。なお、主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号、払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号が入力されるエラー検知機能なしの主制御入力回路1310bを、入力回路を備える専用ICに代えた場合においても、専用ICとの間には、他の回路を介在するように配置する。このように構成しても、主制御基板ボックス1320内へ針金などの細長い不正工具を侵入させて主制御MPU1310aのリード端子を短絡させようとしも、他の回路により不正工具の侵入を防止することができると共に、他の回路への短絡を誘引させて主制御基板1310の動作を阻止して遊技を行うことができないようにすることができる。
B14.払出制御基板633の実装面(表面)に実装されるRWMスイッチ633dからの検出信号は、遊技盤側ドロワコネクタと本体枠側ドロワコネクタとの結合により伝送されるように構成してもよい。この場合、遊技盤側ドロワコネクタが実装される基板からRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する配線パターンは遊技盤側ドロワコネクタが実装される反対側の面に形成されるため(又は遊技盤側ドロワコネクタが実装される実装面に形成されてもドロワコネクタにより覆われて)視認困難となっている共に、本体枠側ドロワコネクタが実装される基板からRWMスイッチ633dからの検出信号を伝送する配線パターンは本体枠側ドロワコネクタが実装される反対側の面に形成されるため(又は本体枠側ドロワコネクタが実装される実装面に形成されてもドロワコネクタにより覆われて)視認困難となっている。
ここで、ドロワコネクタについて説明する。ドロワコネクタは、遊技盤5を本体枠4に装着するだけで自動的に本体枠4と遊技盤5との電気的接続を行うことができるコネクタであり、遊技盤5の後面の所定位置に配置される遊技盤側中継基板に遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が設けられると共に、本体枠4の前面の所定位置に配置される本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)が設けられている。
遊技盤5を本体枠4に装着すると、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内されて遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子と、が電気的に接続されるようになっている。
例えば、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)について説明すると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)は、非導電性を有する樹脂により形成され、正面側が矩形形状に開口されると共に左右方向に長い箱状本体を有し、箱状本体の後面側に左右方向に長い板状のベース体が一体に形成されて全体として英字T形に形成された形状となっている。
箱状本体の開口部の周囲には、この開口部の前面から箱状本体の底面へ向かって所定距離までに亘って、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)を箱状本体の底面へ向かって案内するための傾斜部がそれぞれ形成されている。箱状本体の開口部の内側上面の中央部分(1カ所)と内側上面の左右部分(左部分に1カ所、右部分に1カ所)とには、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が正規の向きと異なる上下方向ひっくり返して本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に挿入されることを防止するすると共に、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が正規の向きで本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に挿入された際に遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)との左右方向の位置ズレを防止して遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)との嵌合を高める溝が箱状本体の開口部の前面近傍から箱状本体の底面へ向かってそれぞれ形成されている。
箱状本体の底面には、この底面に対して垂直方向に、左右方向に2列に並んだピンタイプの各端子(左右方向に1列に6つのピンタイプの端子が並んでいる。)が箱状本体及びベース体を貫通している。
ベース体の左側及び右側には、取付貫通穴がそれぞれ形成されている。取付貫通穴には、本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)を実装する場合に、まず本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の前方からリベットがそれぞれ挿入されて本体枠側中継基板の裏面(ハンダ面)において端部がカシメられて塑性変形される。これにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)は、本体枠側中継基板に固定される。
また、ベース体の裏面には、本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)を実装する際に、本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の正規の向きに実装されるように円柱状の突出部が形成されている。
本体枠側中継基板は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)のほかに、この本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)と電気的に接続されるDIP(Dual Inline Package)タイプの小型コネクタが実装され、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633と電気的に接続されている。遊技盤5を本体枠4に装着すると、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内され、遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子とが電気的に接続されることにより、DIPタイプの小型コネクタ、そして配線(ハーネス)を介して、遊技盤5に備える主制御基板1310と本体枠4に備える払出制御基板633とによる各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成されることとなる。
なお、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)は、遊技盤5に備える主制御基板1310と本体枠4に備える払出制御基板633とを電気的に接続すると共に、電源基板630からの各種電源を遊技盤5に備える各種基板へ供給する各種電源供給ライン(グランド(GND)を含む。)と電気的に接続するものであり、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)とは別にもう一つ他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)が本体枠側中継基板とは別の他の本体枠側中継基板に設けられている。この他の本体枠側中継基板は、他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)のほかに、この他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)と電気的に接続されるDIP(Dual Inline Package)タイプの小型コネクタが実装され、配線(ハーネス)を介して、扉枠3に備える各装飾基板や各種センサ等と電気的に接続されている。遊技盤5を本体枠4に装着すると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)と電気的に接続される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)とは別の他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内され、他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子とが電気的に接続されることにより、DIPタイプの小型コネクタ、そして配線(ハーネス)を介して、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3に備える各装飾基板、各種センサ、及び各種スピーカ等と、による各種制御信号や検出信号を伝える制御信号ラインが形成されることとなる。他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の構造は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)と同一の構造となっており、また他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の他の本体枠側中継基板’への固定方法は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の本体枠側中継基板への固定方法(リベットを利用する固定方法)と同一となっている。
また、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の遊技盤側中継基板への固定方法、本体枠4の他の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内される遊技盤5の他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の他の遊技盤側中継基板(この他の遊技盤側中継基板は、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)に案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が実装される遊技盤側中継基板と異なるものである。)への固定方法は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の本体枠側中継基板への固定方法(リベットを利用する固定方法)と同一となっている。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)を本体枠側中継基板に固定する場合にリベットを用いているのは、ドロワコネクタを利用することで、遊技盤5を本体枠4に装着するだけで自動的に本体枠4と遊技盤5との電気的接続を行うことができるものの、遊技盤5を本体枠4に装着する際に、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)から本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の箱状本体に大きな力が付与される場合があるため、この大きな力により本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)におけるピンタイプの各端子が本体枠側中継基板の裏面(ハンダ面)においてハンダ付けされた面が剥離することを防止するためである。なお、ボルトとナットとを用いて、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)を本体枠側中継基板に固定する場合や遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)を遊技盤側中継基板に固定する場合では、遊技盤5を本体枠4に装着したり、取り外したりすることでナットが緩む場合があるという欠点がある。
本実施形態では、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子としてピンタイプのものを利用しているが、ターミナル及びコンタクトを用いるベローズタイプを利用すると、次のような問題がある。例えば、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子をターミナルとし、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子をコンタクトとする場合において、パチンコ機1に電源が投入された状態で遊技盤5を本体枠4に装着すると、ターミナルとコンタクトとの接点(具体的には、各種電源供給ライン用接点では大電流(突入電流)が流れる)が溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤5を本体枠4に無理に押し込んで装着しようとすると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)のコンタクトが折れ曲がって壊れたり、この遊技盤5を本体枠4から取り外すときに、コンタクトが本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)から剥がれて破損したりして、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)が使用できなくなるという問題。
また、ターミナルとコンタクトとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもあるため、溶着を防止する専用回路を設ける必要があるという問題。
本実施形態では、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子としてピンタイプのものを利用することで、上述した問題が全く発生しない。つまり、仮に作業員が誤ってパチンコ機1に電源が投入された状態で遊技盤5を本体枠4に装着したとしても、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子とが溶着することがなし、溶着を防止する専用回路を設ける必要もない。
B15.主制御基板1310の実装面(表面)1310xに実装される設定キースイッチ1311aからの検出信号として、ON信号、OFF信号とするのではなく、パスル信号やシリアル信号(コマンド送信)にしてもよい。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射された遊技球が流下する遊技領域5aが区画形成される図11の遊技盤5を備え、電子部品のリード端子が挿通されて電子部品が実装される実装面(表面)1310xと、電子部品のリード端子が挿通された電子部品のリード端子がハンダ付けされるハンダ面(裏面)1310yと、を有する図188の主制御基板1310を備えている。
主制御基板1310の実装面(表面)1310xには、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサとして図188のZIPタイプの主制御MPU1310aが実装されると共に、主制御MPU1310aと電気的に接続される遊技者に利益を付与する確率を設定変更可能な状態とすることができる電子部品である操作部として図188の設定キースイッチ1311aが実装されている。
主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yには、主制御MPU1310aのリード端子がハンダ付けされると共に、設定キースイッチ1311aのリード端子がハンダ付けされている。主制御MPU1310aのリード端子と設定キースイッチ1311aのリード端子とを電気的に接続される配線パターンは、主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yにのみ形成されている。
このように、遊技者に利益を付与する確率を設定変更可能な操作部である設定キースイッチ1311aからの検出信号を伝送する配線パターンが主制御基板1310のハンダ面(裏面)1310yに形成されることで、主制御基板1310の実装面(表面)1310xから見て配線パターンがどのように引き回れているのか視認困難とすることができ、配線パターンを不正改変し難くすることに寄与することができる。したがって、セキュリティ向上に寄与することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射された遊技球が流下する遊技領域5aが区画形成される図11の遊技盤5を備え、遊技者に利益を付与する確率を設定変更可能な状態とすることができる第1操作部として図188の主制御基板1310に備える設定キースイッチ1311aと、遊技情報を記憶保持することができる記憶部として図188のZIPタイプの主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMが設けられると共に、遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサとして図188のZIPタイプの主制御MPU1310aが実装される制御基板として図188の主制御基板1310と、主制御内蔵RAMに記憶(保持)される遊技情報をクリア(消去)することができる第2操作部として図182の払出制御基板に備えるRWMスイッチ633dと、を備えている。
主制御MPU1310aは、設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号とRWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号とに基づいて遊技者に利益を付与する確率を設定変更することができるものである。
設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号が主制御MPU1310aに入力される第1伝送路として設定キー信号配線パターンと、RWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号が主制御MPU1310aに入力される第2伝送路としてRWM信号配線パターンと、が並走しないように主制御基板1310に形成されている。
このように、遊技者に利益を付与する確率を設定変更することができる第1操作部である設定キースイッチ1311aからの検出信号である操作信号が主制御MPU1310aに入力される第1伝送路である設定キー信号配線パターンと、主制御MPU1310aに設けられる主制御内蔵RAMに保持される遊技情報をクリア(消去)することができる第2操作部であるRWMスイッチ633dからの検出信号である操作信号が主制御MPU1310aに入力される第2伝送路であるRWM信号配線パターンと、が並走しないように主制御基板1310に形成されている。これにより、第1伝送路である設定キー信号配線パターンと第2伝送路であるRWM信号配線パターンとが相互に離間して主制御MPU1310aに入力されることとなり、第1伝送路である設定キー信号配線パターンと第2伝送路であるRWM信号配線パターンとを同時に不正改変し難くすることができる。したがって、セキュリティ向上に寄与することができる。
[13.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図137、図144及び図145等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル195を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル195の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501に開口しているワープ入口2511に進入すると、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。
ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「役物当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
センター役物2500のステージ2513から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2511に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501の最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通って、ゲート2003の上方に放出され、案内通路群2520とゲート2003との間に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率でゲート2003を通過する。
センター役物2500の案内通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一案内通路2521と、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二案内通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一案内通路2521に進入し、衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入する。つまり、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを流通する。
本実施形態では、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート2003を遊技球Bが通過するように構成されている。また、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート2003及びゲート2003の左側を通過するように構成されている。
このゲート2003を遊技球Bが通過してゲートセンサ2801により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第一アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、ゲート2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート2003に遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ゲート2003及びゲート2003の左側を通った遊技球Bは、ゲート2003とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2022に受入れられたりする。遊技球Bがサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられると、サイドユニット2200の一般入賞口2001と同様に、所定数の遊技球Bが払出される。一方、遊技球Bが第二サブアウト口2022に受入れられると、役物入賞口2006、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
また、ゲート2003の右側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2022に受入れられ、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001、役物入賞口2006、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
このように、案内通路群2520の下流側の第二サブアウト口2022に遊技球Bが受入れられると、当該遊技球Bが遊技領域5a外へ排出されてしまうため、遊技者に対して第二サブアウト口2022に遊技球Bが受けられないような、打込操作を促すことができる。本実施形態では、センター役物2500の案内通路群2520において、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522の方が、第二サブアウト口2022の遊技球Bの受入確率が低くなっているため、第二案内通路2522を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができる。つまり、遊技球Bが衝止部1006に当接するような「右打ち」よりも、ハンドル182の回転操作に微妙な調整が必要な打込操作を促すことができ、遊技球Bの打込操作をメインとしたパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができる。
サイド右中ユニット2700の左側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における役物入賞口2006の左方を通った後に、センター役物2500の右下案内通路2530を介して第一アタッカユニット2400側へ放出される。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「役物当り」が抽選されている場合、役物入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で役物入賞口2006に受入れられる。役物入賞口2006が開状態の時に、役物入賞口2006に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
役物入賞口2006に受入れられて役物入賞口センサ2601に検知された遊技球Bは、振分通路3158を流通し、前後に進退するV入賞口扉3006によりV入賞口2007又はハズレ口2008の何れかに振分けられる。V入賞口2007に遊技球Bが振分けられると、遊技者に有利な有利遊技状態として大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する。一方、ハズレ口2008に遊技球Bが振分けられると、遊技者に有利な有利遊技状態は発生しない。
役物入賞口2006の左方を通って第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bは、第一棚部2421、第二始動口扉2411、及び第二棚部2422、上を左方へ転動した後に、左方へ放出され、更に、第三棚部2423、大入賞口扉2413、及び第四棚部2424、上を左方へ転動して遊技領域5a内へ放出される。
そして、遊技球Bが第二始動口扉2411上を転動している時に、ゲート2003での遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2411が後退していると、当該遊技球Bが第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「役物当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
また、遊技球Bが大入賞口扉2413上を転動している際に、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果(例えば、「大当り」)の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「役物当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等がある。
特別抽選結果が「役物当り」の場合、役物入賞口2006が、所定短時間(例えば、0.2秒~0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
特別抽選結果(例えば、第二特別抽選結果)が「第二大当り」の場合、大入賞口2005が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の接触操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、及び裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100、裏後上演出ユニット3200、及び裏後下演出ユニット3300、等を適宜用いて、発光演出や表示演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、接触操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。
[14.遊技盤の第二実施形態]
次に、パチンコ機1における第二実施形態の遊技盤5Aについて、主に図194乃至図196等を参照して詳細に説明する。図194(a)は第一実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)と同じ部位で第二実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図である。図195(a)は第二実施形態の遊技盤の一部を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)において裏前演出ユニットの裏前左装飾ユニットを発光装飾させた状態で示す説明図である。図196は、図195(a)において遊技パネルのパネル板を発光装飾させた状態で示す説明図である。
第二実施形態の遊技盤5Aは、前構成部材1000Aと遊技パネル1100のパネル板1110Aとが透光性を有した乳白色の合成樹脂により形成されている他は、第一実施形態の遊技盤5と同じ構成であり、同じ構成の部位については詳細な説明は省略する。
第一実施形態の遊技盤5は、前構成部材1000と遊技パネル1100(パネル板1110及びパネルホルダ1120)とが、透明な合成樹脂で形成されているため、図194(a)に示すように、前構成部材1000や遊技パネル1100の後方に設けられている裏ユニット3000を前方(遊技者側)から視認することができる。
これに対して、本実施形態の遊技盤5Aは、前構成部材1000A及びパネル板1110Aが乳白色の合成樹脂により形成されているため、図194(b)等に示すように、前構成部材1000や遊技パネル1100の後方に設けられている裏ユニット3000等におけるパネル板1110Aの開口部1112の内側を除いた部位を、前方(遊技者側)から視認することができない。
前構成部材1000A及びパネル板1110Aは、透光性を有する乳白色不透明の合成樹脂により形成されている。パネル板1110Aは、乳白色の合成樹脂板を切削加工したものであっても良いし、乳白色の合成樹脂を用いて射出成型により成型したものであっても良い。
本実施形態の遊技盤5Aは、遊技パネル1100のパネル板1110A等が乳白色であることから、パネル板1110A等を通して後方に設けられている裏ユニット3000の一部(正面視において、開口部1112よりも外側の部位)を視認不能とすることができる。このパネル板1110A等は、透光性を有しているため、後方に設けられている装飾体等を発光装飾させると、後方の装飾体からの光がパネル板1110Aを透過し、装飾体の発光装飾を遊技者に視認させることができる。
詳述すると、図195(a)に示すように、パネル板1110A等の後方に設けられている裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100における裏前左装飾ユニット3120では、正面視において、パネル板1110Aの開口部1112よりも外側に位置している裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等は、前方から視認不能となっている。そして、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、及び裏前左サブ装飾部3123、等を発光装飾させると、図195(b)に示すように、透光性を有したパネル板1110Aを通して後方に設けられている裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等の光が透過し、発光装飾されている裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等が視認可能となる。
このパネル板1110A等は、乳白色としているため、発光装飾されている裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等の発光色が、そのままの色で透過させることができ、色彩の豊かな発光演出を遊技者に見せることができる。
なお、パネル板1110Aにおける透光性を有した不透明としては、光の透過率が2%~80%、ヘーズ値が80%~100%のものとすることが望ましい。透過率がこれよりも低いと十分な明るさで発光装飾させることが困難となるためであり、透過率がこれよりも高いと不透明な素材として入手することが困難となるためである。また、ヘーズ値がこれよりも低いと、後方に設けられている部材の形状や装飾が認識し易くなり、隠蔽による演出効果を十分に得られなくなる恐れがあるためである。
また、パネル板1110A等を乳白色(マンセル値(10YR 9.2/0.5))としているが、「白 マンセル値(N 9.5)」、「胡粉色 マンセル値(2.5Y 9.2/0.5)」、「卯花色 マンセル値(10Y 9/1)」、「生成り色 マンセル値(10YR 9/1)」、「鉛白 マンセル値(N 9)」、「オイスターホワイト マンセル値(5GY 8.5/0.3)」、「灰白色 マンセル値(10YR 9/0.5)」、「白藍色 マンセル値(9.7BG 8.2/1.3)」、「秘色 マンセル値(2B 8.5/2)」、「象牙色 マンセル値(2.5Y 8.5/1.5)」、「クリームイエロー マンセル値(5Y 8.5/3.5)」、「桜色 マンセル値(10RP 9/2.5)」、等の白色系の色としても良い。
ところで、パネル板1110A等を、透光性を有した乳白色としていることから、パネル板1110Aの後方に黒色、赤色、青色、のような着色された装飾体を設けるようにすると、装飾体を発光装飾させていない状態でも、装飾体の色によってはパネル板1110Aを通して見えてしまう場合がある。そして、パネル板1110Aを通して装飾体が透けて見えることで、遊技者がパネル板1110Aの後方の装飾体の存在に気付いてしまい、装飾体を発光装飾させた時に遊技者に与えるインパクト(驚き)が低下して所望の演出効果を得られなくなる恐れがある。
これに対して、本実施形態では、パネル板1110Aの後方に設けられている裏前左装飾ユニット3120の裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等を構成している裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127を、無色透明な部材により形成しているため、透光性を有した乳白色のパネル板1110Aを通して裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等が見えることはない。従って、裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等を発光装飾させていない状態では、それらが遊技者から見えないため、それらの存在を遊技者に気付かせ難くすることができる。そして、裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前左サブ装飾部3123等を発光装飾させると、透光性を有した乳白色のパネル板1110Aを通してそれらが見えるようになるため、遊技者を驚かせることができ、発光演出を楽しませることができると共に、パネル板1110Aを通して発光装飾の光が見えることで遊技領域5a内を明るく綺麗に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、本実施形態の遊技盤5Aは、透光性を有した乳白色のパネル板1110Aの外側に、パネル板1110Aの外周面に光を照射する複数のLED1130aが実装されたパネル装飾基板1130が設けられている。複数のLED1130aは、フルカラーLEDである。パネル装飾基板1130の複数のLED1130aを発光させると、図196において網掛けで示すように、パネル板1110Aを発光装飾させることができる。これにより、前方を遊技球Bが流通する遊技パネル1100(パネル板1110A)が自光している状態となるため、遊技領域5a内を明るくすることができ、遊技領域5a内を流通している遊技球Bを見え易くすることができると共に、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、遊技パネル1100が自光することで、遊技領域5a内を流通している遊技球Bがシルエットで見えるため、遊技球Bを視認し易くすることができ、微妙な発射強度の調整を行い易いものとすることができる。また、パネル装飾基板1130を、パネル板1110Aの左側と右側の両方に設けるようにすれば、遊技者に対して「右打ち」や「左打ち」のアドバイスを出すときに直感的に理解できるようになる。詳述すると、遊技の状況に応じて、左側又は右側の何れかのパネル装飾基板1130のLED1130aを発光させて、パネル板1110Aの左部や右部を発光装飾させることで、遊技者に対して「左打ち」や「右打ち」をアドバイスしていることを直感的に理解させることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませることができると共に、これまでのパチンコ機にはない新感覚の発光演出により遊技者を楽しませることができる。
詳述すると、従来のパチンコ機において、遊技パネルとして不透明なベニア板の合板を用いた遊技盤では、合板の前面に所定の絵柄等が印刷された化粧フィルムを貼り付けることにより、遊技領域内を装飾するようにしている。しかしながら、遊技パネルに合板を用いた場合、化粧フィルムによる装飾では他の遊技機と代り映えがせず、遊技者に対する訴求力を高めることは困難であった。一方、第一実施形態の遊技盤5のように、前方を遊技球Bが流通するパネル板1110を透明にした場合、後方に設けられている裏ユニット3000の装飾や演出表示装置1600の演出画像等が見え易く、開放感のあるパチンコ機1とすることができる一方、透明なパネル板1110の前方を流通する遊技球Bが、宙を浮いているように見え、遊技者によっては、遊技球Bの動きが判り辛くなる恐れがある。
これに対して、本実施形態の遊技盤5Aは、パネル装飾基板1130の複数のLED1130aによって、透光性を有したパネル板1110Aを発光装飾させることができるため、LED1130aの発光色や発光パターン等を適宜組合せることにより、パネル板1110Aの装飾を多彩に変化させることができ、これまでのパチンコ機にはない自光する遊技盤5Aを遊技者に見せることができると共に、遊技者に関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。また、パネル装飾基板1130の複数のLED1130aによって、パネル板1110Aが自光するため、パネル板1110Aの前方を流通する遊技球Bを見え易くすることができ、遊技者に遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
本実施形態の遊技盤5Aによれば、上記したような作用効果に加えて、パネル板1110A等を乳白色の合成樹脂としており、透明な樹脂よりもグレードの低い樹脂を使えば事足りるので、透明な樹脂を使用した場合と比較して、パネル板1110Aにかかるコストを低減させることができる。
なお、上記の実施形態では、パネル板1110Aの外周の外側にパネル装飾基板1130を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、パネル板1110Aの後方にパネル装飾基板1130を設けるようにしても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、パネル板を透明にした場合と比較して、後方に設けられているLED1130a等からの点状の光を、光性を有する乳白色のパネル板1110Aにより拡散させることができるため、パネル板1110Aを柔らかく発光装飾させることができ、眩しさを抑制して目に優しい遊技盤5Aとすることができる。
また、本実施形態の遊技盤5Aにおいて、図示は省略するが、パネル板1110Aの前面に、所定の絵柄が施された化粧フィルム(セルとも称する)を貼り付けるようにしても良い。これにより、遊技球Bの流通によるパネル板1110Aの摩耗を抑制させることができると共に、セルの絵柄により後方の装飾体を発光装飾させていない時の遊技領域5aの見栄えの低下を抑制させて見栄えを良くすることができる。また、パネル板1110Aの後方に設けられているLEDからの光により、パネル板1110Aと一緒にセルの絵柄を発光装飾させることができ、パネル板1110Aの装飾をより綺麗に見せることができる。
また、上記のように、パネル板1110Aの前面にセルを設けるようにした場合、セルに施されている絵柄を輪郭とすることで、パネル板1110Aの後方に設けられているLEDによる発光装飾(電飾)をハッキリさせることができ、発光装飾による装飾効果をより高めることができる。
更に、パネル板1110Aの後面に、セルを設けるようにしても良い。これにより、パネル板1110A(セル)の後方に設けられたLED等からの光により、セル(又は、セルに施されている絵柄)の影がパネル板1110Aに映ることとなるため、LEDの発光によりパネル板1110Aの装飾を変化させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。このパネル板1110Aに映る影として、例えば、「右打ち」、「左打ち」、「チャンス」、等のような文字としても良く、遊技状況の変化を示唆することで、遊技者を楽しませることができる。
また、上記の実施形態では、乳白色のパネル板1110Aの後方に、位置が固定されている装飾体(裏前左装飾ユニット3120)を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、パネル板1110Aの後方に、正面視においてパネル板1110Aの後方の退避位置とパネル板1110Aの開口部1112の内側の出現位置との間で移動可能な可動装飾体を設けるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、パネル板1110A等の内部を含む全体が乳白色のものを示したが、これに限定するものではなく、部分的に乳白色のものや、内部が透明で少なくとも一方の面が乳白色のものであっても良い。具体的には、例えば、透明な樹脂と乳白色の樹脂とで二色成形したパネル板、透明な樹脂板と乳白色の樹脂板とを貼り合わせたパネル板、透明な樹脂板の少なくとも一方の面に乳白色のフィルム(セル)を貼り付けたパネル板、透明な樹脂板の後面に紫外線硬化インクによるチヂミ加工を施したパネル板、透明な樹脂板の後面にサンドブラスト加工を施したパネル板、等が挙げられる。
また、上記の実施形態では、パネル板1110A等を、乳白色としたものを示したが、これに限定するものではなく、赤色、青色、黄色、等のように、適宜の色のパネル板としても良い。
また、上記の実施形態では、前構成部材1000Aを、透光性を有する乳白色としたものを示したが、これに限定するものではなく、第一実施形態の遊技盤5と同様に透明な前構成部材1000としても良いし、パネル板1110Aとは異なる色の前構成部材としても良い。
[15.遊技盤の第三実施形態]
次に、パチンコ機1における第三実施形態の遊技盤5Bについて、主に図197を参照して詳細に説明する。図197は、第三実施形態の遊技盤におけるパネル板とセルとを分解して前から見た分解斜視図である。第三実施形態の遊技盤5Bは、第一実施形態の遊技盤5において、パネル板1110の後方にセル1140を設けた構成の他は、同じ構成であり、同じ構成の部位については詳細な説明は省略する。
第二実施形態の遊技盤5Bは、遊技パネル1100における透明な遊技パネル1100のパネル板1110の後側に、所定の絵柄が施されているフィルム状のセル1140が、着脱可能に設けられている。セル1140は、厚さが0.2mm~0.4mmの合成樹脂のフィルムであり、所定の絵柄が印刷により施されている。なお、セル1140の材質としては、「ポリエチレンテレフタレート樹脂」、「ポリカーボネート樹脂」、「ABS樹脂」、「AES樹脂」、「PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂」、「ポリプロピレン樹脂」、「ポリエチレン樹脂」、「ポリスチレン樹脂」、「耐衝撃性ポリスチレン樹脂」、「ポリ塩化ビニル」、等が挙げられる。
このセル1140は、パネル板1110の全面に対して、一部(ここでは、センター役物2500の左側から下側にかけた部位)のみを覆う大きさに形成されている。また、セル1140は、図示は省略するが、所定量のガタツキを有した状態で、ネジを用いてパネル板1110の後面に取付けられている。これにより、パネル板1110の全面に貼り付けるようにした場合と比較して、セル1140の取付けにかかる手間を容易なものとすることができると共に、セル1140の使用量を低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、セル1140をパネル板1110の一部に設けるようにしているため、パネル板に貼り付けられる従来のセルと比較して、樹脂シートから取れるセル1140の数を多くすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、セル1140を、ガタツキを有した状態でパネル板1110に取付けているため、温度や湿度等の変化によってセル1140が伸縮しても、パネル板1110との伸縮差をガタツキにより吸収することができる。これにより、パネル板1110に対してセル1140が収縮しても、セル1140に皺が寄ったりヒビが入ったりすることを防止することができ、セル1140の絵柄による装飾効果を維持させることができる。
更に、セル1140をネジによりパネル板1110に取付けていることから、セル1140をパネル板1110から容易に着脱させることができるため、絵柄異なるセル1140に取替えることで、パチンコ機1のスペック変更、機種変更、或いは、設計変更、等に対して容易に対応することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、より装飾効果の高い絵柄のセル1140に交換することで遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、透明なパネル板1110の後側にセル1140を設けるようにしているため、パネル板1110の前面に設けるようにした場合と比較して、遊技者からセル1140までの距離が遠くなり、遊技者に対する圧迫感を低減させることができる。
また、セル1140に透光性を有するようにすることが望ましく、パネル板1110(セル1140)の後方に設けられているLEDからの光により、セル1140の絵柄を発光装飾させることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができると共に、セル1140の発光装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、パチンコ機1の訴求力を高めることができる。
なお、上記の実施形態では、ネジを使用してセル1140をパネル板1110に取付けたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、セル1140を、パネル板1110とパネルホルダ1120との間に挟んで取付けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、パネル板1110のセンター役物2500が設けられる開口部1112を、パネル板1110に対して右上方向へ片寄っている(右上に偏芯させた)位置に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、上方向へ片寄っている(上方に偏芯させる)ようにしても良いし、左右方向へ片寄っている(左右方向に偏芯させる)ようにしても良く、開口部1112が片寄る(偏芯する)ことにより広くなる部位の後方にセル1140を設けるようにすることで上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、センター役物2500が設けられる開口部1112は、遊技パネル1100(パネル板1110)の中心又は外縁に対して片寄っていても良いし、遊技領域5aの中心又は外縁に対して片寄っていても良い。従って、例えば、パネル板1110と遊技領域5aの中心が互いに一致していない場合、パネル板1110の中心に対して片寄っている開口部1112の中心が、遊技領域5aの中心と一致していても良いし、遊技領域5aの中心に対して片寄っている開口部1112の中心が、パネル板1110の中心と一致していても良い。
[16.機能表示ユニットの別の実施形態]
続いて、上記の遊技盤5等に設けられている機能表示ユニット1400の別の実施形態について、主に図198乃至図203等を参照して詳細に説明する。図198(a)は第二実施形態の機能表示ユニットの正面図であり、(b)は(a)におけるソ-ソ線断面図であり、(c)は(a)の機能表示ユニットを前から見た斜視図であり、(d)は(a)の機能表示ユニットを後ろから見た斜視図である。図199は図198の機能表示ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図200は図198の機能表示ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図201は、図198の機能表示ユニットと遊技者との関係を模式的に示す説明図である。図202は、第三実施形態の機能表示ユニットと遊技者との関係を模式的に示す説明図である。図203は、第四実施形態の機能表示ユニットの断面図である。
第二実施形態の機能表示ユニット1400Aは、上記の第一実施形態の機能表示ユニット1400と同様に、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、複数のLED1401を点滅させることにより変動表示させた後に、所定の組合せとなるように夫々を点灯又は消灯させることにより、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果、特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)、普通抽選結果の保留数、特別抽選結果の保留数、「大当り」の際のラウンド数、等を表示するものである。
詳述すると、第一実施形態の遊技盤5等では、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004等に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、内部処理として特別抽選結果が抽選される。そして、主制御基板1310では、抽選された特別抽選結果を表示するための制御信号を機能表示ユニット1400に送信し、機能表示ユニット1400において対応するLED1401を用いて抽選された特別抽選結果を表示するようにしている。
また、主制御基板1310において抽選された特別抽選結果の制御信号は、周辺制御基板1510にも送信され、周辺制御基板1510により特別抽選結果を示唆する演出として演出表示装置1600の所定の演出画像が表示される。演出表示装置1600に表示される演出画像は、遊技者を楽しませることに重点を置いているため、主制御基板1310において抽選された特別抽選結果を、大まかには認識できるものの詳細については判り難くなっている。一方、機能表示ユニット1400では、抽選された特別抽選結果が正確に表示されるが、小さな複数のLED1401の発光により表示するようにしているため、パッと見ただけでは表示されている内容が判り難くいものとなっている。
そこで、機能表示ユニット1400をデジカメ(デジタルカメラ)や携帯電話に付属のカメラ等で撮影することで、機能表示ユニット1400におけるLEDの発光状態を分析して、機能表示ユニット1400に表示されている内容をいち早く知ろうとすることが考えられる。
しかしながら、機能表示ユニット1400におけるLEDの発光により、抽選された特別抽選結果が簡単に判別できるようになった場合、機能表示ユニット1400に表示された特別抽選結果が「ハズレ」であると、演出表示装置1600において当該特別抽選結果を示唆するための演出画像が表示されていても、結果が判っていることで、演出画像による演出を楽しめなくなると共に、演出画像が早く終了することを望むようになり、遊技者によっては苛立ちを覚えて遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
これに対して、第二実施形態の機能表示ユニット1400Aは、遊技者の目には複数のLED1401の発光状況を明確に視認できるものの、デジカメ等により撮影した場合は、複数のLED1401の発光状況が不明確になって、表示されている内容が判別できないようにしたものである。
具体的には、機能表示ユニット1400Aは、前面に複数のLED1401が実装されている機能表示基板1402と、機能表示基板1402の前側に設けられておりLED1401からの光を夫々独立して前方へ透過させるリフレクタ後1403と、リフレクタ後1403の前側に設けられている透光性を有した透光シート1404と、透光シート1404の前側に設けられておりリフレクタ後1403を透過したLED1401からの光を夫々異なる方向へ放射させるリフレクタ前1405と、を備えている。
機能表示基板1402は、図199に示すように、複数のLED1401が、ランダムに実装されている。リフレクタ後1403は、機能表示基板1402の各LED1401に対応するように、複数の貫通孔1403aが設けられている。複数の貫通孔1403aは、機能表示基板1402の前面に対して垂直に設けられている(図198(b)等を参照)。
リフレクタ前1405は、リフレクタ後1403の各貫通孔1403aと夫々対応しており前後方向に貫通している複数の表示孔1405aを、有している。複数の表示孔1405aは、夫々の後端側が対応しているリフレクタ後1403の貫通孔1403aの直前に位置しており、先端側が後端側の中心を通る機能表示基板1402の前面り垂直線から区々の距離に位置している。つまり、複数の表示孔1405aは、その軸方向が、機能表示基板1402の前面の垂直線に対して、区々の方向へ向けられている。
また、リフレクタ前1405は、複数の表示孔1405aを結ぶように前面から後方へ凹んでいる区別凹部1405bを、有している。区別凹部1405bによって、複数の表示孔1405aを、第一特別抽選結果に関わる表示孔1405a(LED1401)と、第二特別抽選結果に関わる表示孔1405a(LED1401)との二つに分けている。
このリフレクタ前1405の複数の表示孔1405aは、図201に示すように、本パチンコ機1の前方の機能表示ユニット1400Aから50cm~70cm離れた位置に着座している遊技者から見た時に、LED1401からの光が、左目でのみ見えるものと、右目でのみ見えるものと、左目及び右目の何れでも見えるものと、の3種類の方向に向けられている。つまり、複数の表示孔1405aは、左目用、右目用、及び両目用、の三つに分けられている。
本実施形態の機能表示ユニット1400Aによれば、遊技者が両目で見ることで、全てのLED1401からの光が見えるため、特別抽選結果等を表示させた時に、複数のLED1401による発光状況を明確に視認することができ、第一実施形態の機能表示ユニット1400と同様の機能を遜色なく発揮させることができる。
また、本実施形態の機能表示ユニット1400Aによれば、デジカメ等で撮影した時には、デジカメ等が単眼であることから、左目用と両目用、又は、右目用と両目用、の何方かが撮影されることとなるため、全てのLED1401の発光状況(発光状態)を撮影することが困難となっている。つまり、デジカメ等で撮影すると、複数のLED1401による発光状況を不明確にすることができ、機能表示ユニット1400Aでの表示内容の判別を困難なものとすることができる。従って、撮影された写真に基づいて、機能表示ユニット1400Aでの表示内容が明確になり、抽選された特別抽選結果が、「ハズレ」、単なる「大当り」、「確変当り」、「時短当り」、「第二大当り(ST当り)」、等が判ることで、抽選された特別抽選結果を示唆するための演出を楽しめなくなったり、発生中の有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)を楽しめなくなったりすることを回避させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態の機能表示ユニット1400Aによれば、リフレクタ前1405の表示孔1405aの向きを異ならせていると共に、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者の位置に合わせて表示内容が良好に見えるようにしているため、着座している遊技者よりも後方からは機能表示ユニット1400Aの表示内容を不明確に見せることができる。従って、他の遊技者に対して、遊技状況を把握され難くすることができるため、他の遊技者から覗き込まれるようなことを低減させることができ、他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を楽しませることができる。
また、上述したように、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者の位置に合わせて表示内容が良好に見えるようにしているため、当該遊技者よりも後方の位置からデジカメ等による機能表示ユニット1400Aにおける表示内容の撮影を、より困難なものとすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、機能表示ユニット1400Aでは、リフレクタ前1405の表示孔1405aを、左右方向に加えて、上下方向へも向きを異ならせるようにし、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者の目の高さから見た時に、表示内容が良好に見えるようにしている。これにより、デジカメ等により撮影しようとすると、高さ方向についても合せる必要があり、機能表示ユニット1400Aにおける表示内容の撮影を、より困難なものとすることができる。
また、リフレクタ前1405の表示孔1405aの向きを異ならせて左目用や右目用等としているため、機能表示基板1402において複数のLED1401の左右方向の距離が大きくなることを抑制させることができ、機能表示ユニット1400Aの左右方向の幅を小さくすることができる。
なお、上記の実施形態では、リフレクタ前1405の複数の表示孔1405aを、左目用、右目用、等とするために区々の方向へ向けるようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、図202に示すような構成の機能表示ユニット1400Bとしても良い。
機能表示ユニット1400Bは、左右方向へ所定距離(遊技者の左右の瞳の間隔)離間している複数の左用LED1411a及び複数の右用LED1411bが前面に実装されている機能表示基板1411と、機能表示基板1411の前側に設けられており左用LED1411a及び右用LED1411bからの光を夫々独立して前方へ透過させるリフレクタ後1412と、リフレクタ後1412の前側に設けられている透光性を有した透光シート1413と、透光シート1413の前側に設けられておりリフレクタ後1412を透過した左用LED1411a及び右用LED1411bからの光を前方へ放射させるリフレクタ前1414と、を備えている。
機能表示基板1411の左用LED1411aと右用LED1411bは、左右方向へ40mm~80mm離間している。リフレクタ後1412は、機能表示基板1411の左用LED1411a及び右用LED1411bに対応するように、複数の貫通孔1412aが設けられている。複数の貫通孔1412aは、機能表示基板1411の前面に対して垂直に設けられている。リフレクタ前1414は、リフレクタ後1412の複数の貫通孔1412aに対応するように、複数の表示孔1414aが設けられている。複数の表示孔1414aは、機能表示基板1411の前面に対して垂直に設けられている。
この機能表示ユニット1400Bは、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者から見た時に、左用LED1411aからの光が左目のみで、右用LED1411bからの光が右目のみで見えるように構成されている。従って、遊技者が両目で見ることで、左用LED1411a及び右用LED1411bの全てからの光が見えるため、第一実施形態の機能表示ユニット1400と同様の機能を遜色なく発揮することができる。
また、機能表示ユニット1400Bによれば、左用LED1411aと右用LED1411bとに分けて左右方向へ離間させているため、単眼のデジカメ等では、何れか一方しか撮影することができず、第二実施形態の機能表示ユニット1400Aと同様の作用効果を奏することができる。
また、機能表示ユニット1400Bによれば、リフレクタ前1414の複数の表示孔1414aを、機能表示基板1411の前面に垂直な方向へ向けていることから、当該機能表示ユニット1400Bの正面以外の位置からは表示内容が明確に見えないため、デジカメ等による表示内容の撮影を困難なものとすることができる。
更に、機能表示ユニット1400Bによれば、リフレクタ前1414の複数の表示孔1414aを、機能表示基板1411の前面に垂直な方向へ向けており、全て同じ方向を向いているため、リフレクタ前1414を容易に成形することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、単眼のデジカメ等では撮影し難い構成の機能表示ユニット1400Aや機能表示ユニット1400Bを示したが、これに限定するものではなく、図203に示すような構成の機能表示ユニット1400Cとしても良い。
この機能表示ユニット1400Cは、デジカメ等では撮影可能な不可視光(赤外線、紫外線、等)を発光させることで、表示内容を判別し難くしたものである。具体的には、複数のLED1421aが前面に実装されている機能表示基板1421と、機能表示基板1421の前側に設けられているリフレクタ後1422と、リフレクタ後1422の前側に設けられている平板状の導光板1423と、導光板1423の側面に不可視光を照射する不可視光LED1424aが実装されている補助基板1424と、導光板1423の前側に設けられているリフレクタ前1425と、を備えている。
リフレクタ後1422は、機能表示基板1421の複数のLED1421aに夫々対応している複数の貫通孔1422aを有している。導光板1423は、側面から補助基板1424の不可視光LED1424aからの光が入射されると、少なくともリフレクタ前1425の表示孔1425aの部位が発光する。
補助基板1424の不可視光LED1424aは、不可視光として赤外線または紫外線の何れかを発光させるものである。この不可視光LED1424aは、複数のLED1421aにより特別抽選結果等を表示している状態では、発光しており、導光板1423から不可視光を放射させている。リフレクタ前1425は、リフレクタ後1422の貫通孔1422aと対応する複数の表示孔1425aを有している。リフレクタ後1422の複数の貫通孔1422aとリフレクタ前1425の複数の表示孔1425aは、機能表示基板1421の前面に対して垂直に設けられている。
この機能表示ユニット1400Cによれば、不可視光LED1424aにより導光板1423が不可視光で発光していても、当該不可視光を遊技者は見ることができないため、導光板1423を通して後方に設けられているLED1421aの光が見え、表示内容を良好な状態で見ることができる。
一方、この機能表示ユニット1400Cをデジカメ等で撮影すると、不可視光を撮影可能なものであれば、不可視光により発光している導光板によって、全ての表示孔1425aが発光しているように写るため、表示内容を不明確にすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記の実施形態では、リフレクタ後1403(リフレクタ後1412)や透光シート1404(透光シート1413)を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、機能表示基板1402(機能表示基板1411)の前面に、直にリフレクタ前1405(リフレクタ前1414)を設けた構成としても良い。
また、デジカメ等により機能表示ユニットにおける表示内容を撮影し難くする構成として、例えば、デジカメ等の撮影範囲よりも広い範囲にLEDを分散させて表示させるようにしても良いし、遊技者には点灯しているように見えるがデジカメ等で撮影すると消灯しているように写る速度でLEDを点滅させて表示させるようにしても良いし、表示とは関係ないLEDを遊技者には消灯しているように見えてデジカメ等で撮影すると点灯又は消灯しているように写る複数のダミーLEDを併用して表示させるようにしても良いし、機能表示ユニットの近傍に高輝度のLEDを配置することでデジカメ等により撮影した時にハレーションを起こさせて表示内容が写らないようにしても良い。
[17.磁気センサの取付けの第二実施形態]
次に、上記の遊技盤5等とは異なる磁気センサ1050の取付けの第二実施形態について、主に図204を参照して詳細に説明する。図204(a)は磁気センサの取付けの第二実施形態を示す断面図であり、(b)は(a)の磁気センサの取付けを斜視図で示す説明図であり、(c)は(b)の磁気センサの取付けを分解して示す分解斜視図であり、(d)は(c)とは異なる保持部材で示す磁気センサの取付けの分解斜視図である。
磁気センサ1050の取付けの第二実施形態は、遊技盤5の所定位置に取付けられており貫通した孔からなる一対の係止部1071aを有している保持部材1071と、保持部材1071の係止部1071aに係止される弾性爪1072aを有しており磁気センサ1050を収容している保持容器1072と、を備えている。保持部材1071は、合成樹脂により形成されている。保持容器1072は、透明な合成樹脂に形成されており、外部から磁気センサ1050を視認することができる。また、保持部材1071及び保持容器1072は、非磁性体により形成されている。
また、保持容器1072は、弾性爪1072aとは反対側の面に孔を有している。この保持容器1072の孔を通して、保持容器1072内に収容された磁気センサ1050からの電線を外部へ引き出すことができる。
この保持部材1071及び保持容器1072によれば、保持部材1071及び保持容器1072を非磁性体としているため、遊技領域5aに磁石が近づけられた際に、保持部材1071等が磁石からの磁力線を引寄せてしまうことを回避させることができ、磁気センサ1050を通過する磁力線の減少を防止することができる。従って、遊技領域5aに作用する磁気を検知し易くすることができ、磁石を使用した不正行為を早期に検知することができると共に、磁気センサ1050による不審な磁気の検知を報知することで不正行為を思い止まらせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、保持容器1072の弾性爪1072aを弾性変形させることで、保持部材1071に対して磁気センサ1050の取付けや取外しを容易に行うことができるため、従来のパチンコ機のように、磁性体からなる金属製のネジを使用しなくても、保持容器1072の弾性爪1072aにより磁気センサ1050を取付けることができると共に、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、保持部材1071に貫通した係止部1071aを設け、その係止部1071aに、保持容器1072の弾性爪1072aを係止させることで磁気センサ1050を取付けるようにしているため、磁気センサ1050が取付けられる保持部材1071の構成を簡素なものとすることができ、保持部材1071にかかるコストを低減させることができる。
更に、保持部材1071の係止部1071aに、保持容器1072の弾性爪1072aを係止させるようにしているため、図204(d)に示すように、保持部材1071に予め複数組の係止部1071aを設けておき、任意の係止部1071aに弾性爪1072aを係止させることで、磁気センサ1050を取付ける位置を任意に設定することができる。或いは、保持部材1071に、弾性爪1072aが係止されている係止部1071aとは異なる位置に、別の係止部1071aを設けるようにしても良い。これにより、磁気センサ1050の位置を変更したい時や、磁気センサ1050を増設したい時に、保持部材1071を新たなものと交換することなく対応することができ、コストを低減させることができると共に、保持部材1071の汎用性を高めることができる。
また、磁気センサ1050を保持容器1072に収容して、弾性爪1072aにより保持部材1071の係止部1071aに係止させるようにしているため、磁気センサ1050の取付構造を標準化し易くすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、予め保持部材1071に複数の係止部1071aを設けるようにし、磁気センサ1050を収容した保持容器1072の弾性爪1072aを、適宜位置の係止部1071aに係止させることで、磁気センサ1050を任意の位置に設けたり、位置を容易に変更したりすることができる。従って、磁気センサ1050の位置変更や増設を容易に行うことができるため、パチンコ機1のコストの増加を抑制しつつ設計変更や機種変更に容易に対応することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、保持容器1072の内側に、収容された磁気センサ1050を押圧する突起のような付勢部を設けるようにしても良い。これにより、磁気センサ1050が細かく振動することを抑制することができるため、当該振動により磁気センサ1050に接続されているコネクタが外れたり接触不良が発生したりすることを低減させることができ、磁気センサ1050を確実に作動させることができる。
なお、上記の実施形態では、保持部材1071の係止部1071aとして、貫通している孔を示したが、これに限定するものではなく、弾性爪1072aが係止できる形状であれば良く、溝、スリット、等としても良い。
また、上記の実施形態では、保持容器1072として、磁気センサ1050を縦向きに収容するものを示したが、これに限定するものではなく、磁気センサ1050を横向きに収容する保持容器としても良い。
更に、上記の実施形態では、弾性爪1072aを有した保持容器1072に磁気センサ1050を収容して保持部材1071に取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、磁気センサ1050のセンサケース1053に弾性爪を形成して保持部材1071の係止部1071aに係止させるようにしても良い。
また、上記では、磁気センサ1050の取付けについて説明したが、この取付構造を振動センサの取付けに使用しても良い。具体的には、振動センサを、弾性爪を有した保持容器に収容し、その弾性爪を保持部材の係止部に係止させることで、振動センサを取付けるようにしても良い。振動センサは、周りの磁性体の影響を受けないが、この磁気センサ1050と同様の取付構造を用いれば、取付場所の変更・移動や、取付けに関するコストダウンに有効である。
[18.シール等の装飾体の取付けに関する別の実施形態]
続いて、上記の実施形態とは異なるシール等の装飾体の取付けに関する別の実施形態について、図205乃至図208等を参照して詳細に説明する。本章では、所定の装飾が施されている部材を装飾体と、装飾体が一方の面に取付けられている部材を第一部材と、第一部材の他方の面側に取付けられている部材を第二部材と、夫々称して説明する。なお、装飾体、第一部材、及び第二部材、前後に並んでいても良いし、上下に並んでいても良いし、左右に並んでいても良い。
図205(a)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔を第二部材に対する位置決孔と兼用している例を断面で示す説明図であり、(b)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔の後方に第二部材により閉鎖空間が形成されている例を断面で示す説明図であり、(c)は(b)において厚さの異なる装飾体を取付けている状態を断面で示す説明図であり、(d)は装飾体を取外すための第一部材の分離孔を装飾体の取付孔と兼用している例を断面で示す説明図である。図206(a)は第一部材に装飾体を取付けた状態で正面から示す説明図であり、(b)は(a)の断面図であり、(c)は(a)とは異なる装飾体を取付けた第一部材を正面から示す説明図である。
図207(a)は横長矩形状の装飾体と第一部材との関係を示す説明図であり、(b)は円形の装飾体と第一部材との関係を示す説明図であり、(c)は対称に設けられる装飾体及び第一部材との関係を示す説明図であり、(d)は(c)とは異なる形状で対称に設けられる装飾体及び第一部材との関係を示す説明図である。図208(a)は装飾体及び可動する第一部材との関係を正面から示す説明図であり、(b)は(a)においてタ-タ線で切断した断面図であり、(c)は(a)及び(c)において装飾体と第一部材との位置関係を示す説明図であり、(d)は(a)とは異なる形態の装飾体及び可動する第一部材との関係を正面から示す説明図であり、(e)は(d)においてチ-チ線で切断した断面図である。
まず、図205(a)に示す実施形態は、所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる装飾体1801と、一方側に装飾体1801が貼り付けられる第一部材1821と、第一部材1821の他方側に取付けられる第二部材1841と、を備えている。
第一部材1821は、平板状の平板部1821aと、平板部1821aの一方の面から凹んでおり装飾体1801が貼り付けられる取付凹部1821bと、平板部1821aの取付凹部1821bとは反対側となる他方の面の部位から突出しているボス部1821cと、ボス部1821c及び平板部1821aを貫通している分離孔1821dと、平板部1821aの他方の面からボス部1821cの先端と同じ位置まで突出しているリブ1821eと、を備えている。取付凹部1821bは、装飾体1801の厚さよりも深く凹んでいる。
第二部材1841は、一方の面に第一部材1821のボス部1821c及びリブ1821eの先端が当接しているベース部1841aと、ベース部1841aの一方の面から突出しており第一部材1821の分離孔1821dに挿入されている位置決突起1841bと、を備えている。第二部材1841の位置決突起1841bが第一部材1821の分離孔1821dに挿入されることで、第一部材1821と第二部材1841とが互いに位置決めされる。
第一部材1821の分離孔1821dは、組立てた時に、一方側が取付凹部1821bに貼り付けられている装飾体1801により閉鎖されていると共に、他方側が第二部材1841の位置決突起1841bにより閉鎖されており、内部が閉鎖空間となっている。分離孔1821dは、取付凹部1821bにおける装飾体1801により隠れる端縁に近い位置に設けられている。この分離孔1821dは、第一部材1821を第二部材1841に位置決めするための位置決孔と兼用している。
本実施形態の構成によれば、パチンコ機1の製造時において、第一部材1821の取付凹部1821bに対して装飾体1801を正しく貼り付けることができなかった場合、第一部材1821の他方側から分離孔1821dに棒状部材を通し、その先端により装飾体1801を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1801の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1801を取付凹部1821bから容易に外すことができ、装飾体1801を貼り直すことができる。
また、第一部材1821と第二部材1841とを離した状態で、第一部材1821の他方側から分離孔1821dに棒状部材を通し、その先端により装飾体1801を他方側から押圧することで、装飾体1801を取付凹部1821bから容易に外すことができるため、機種変更に伴う装飾体1801の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、第一部材1821と第二部材1841とを離した状態では、分離孔1821dを使用して装飾体1801を取付凹部1821bから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、取付凹部1821bに装飾体1801を貼り付けることにより一方側から分離孔1821dを隠すことができるため、分離孔1821dによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1821dの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1821dを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、装飾体1801が貼り付けられている第一部材1821の分離孔1821dに挿入されている第二部材1841の位置決突起1841bによって、分離孔1821dを他方側から閉鎖しており、従来のパチンコ機のように全体に亘って通るような孔を貫通させていないため、第二部材1841よりも他方側から当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、第二部材1841の位置決突起1841bにより分離孔1821dを他方側から閉鎖していることから、不正工具を、一方側から装飾体1801を貫いて分離孔1821dに挿通させても、第二部材1841の位置決突起1841bによりそれ以上の他方側への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔1821dを通した一方側からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体1801を貫くことで装飾体1801に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1821を前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とすると共に、第二部材1841を遊技パネル1100(パネル板1110、パネルホルダ1120)とするようにしても良い。
また、装飾体1801としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図205(b)に示す実施形態は、所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる装飾体1801と、一方側に装飾体1801が貼り付けられる第一部材1822と、第一部材1822の他方側に取付けられる第二部材1842と、を備えている。第二部材1842は、図示しない構成により第一部材1822に取付けられている。
第一部材1822は、平板状の平板部1822aと、平板部1822aの一方の面から凹んでおり装飾体1801が貼り付けられる取付凹部1822bと、取付凹部1822bの部位において平板部1822aを貫通している分離孔1822cと、平板部1822aの他方の面から突出している複数のリブ1822dと、を備えている。取付凹部1821bは、装飾体1801の厚さよりも深く凹んでいる。また、詳細な図示は省略するが、複数のリブ1822dのうち、少なくとも一部のリブ1822dは、分離孔1822cを囲むように設けられている。
第一部材1822の分離孔1822cは、組立てた時に、一方側が取付凹部1822bに貼り付けられている装飾体1801により閉鎖されていると共に、他方側が複数のリブ1822dと第二部材1842の一方側の面とで囲まれて閉鎖されている空間内に開放されており、全体が閉鎖空間となっている。分離孔1822cは、取付凹部1822bにおける装飾体1801により隠れる端縁に近い位置に設けられている。
本実施形態の構成によれば、パチンコ機1の製造時において、第一部材1822の取付凹部1822bに対して装飾体1801を正しく貼り付けることができなかった場合、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1801を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1801の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1801を取付凹部1822bから容易に外すことができ、装飾体1801を貼り直すことができる。
また、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態で、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1801を他方側から押圧することで、装飾体1801を取付凹部1822bから容易に外すことができるため、機種変更に伴う装飾体1801の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態では、分離孔1822cを使用して装飾体1801を取付凹部1822bから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、取付凹部1822bに装飾体1801を貼り付けることにより一方側から分離孔1822cを隠すことができるため、分離孔1822cによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1822cの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1822cを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、装飾体1801が貼り付けられている第一部材1822の他方側に取付けられている第二部材1842によって、分離孔1822cを他方側から閉鎖しており、従来のパチンコ機のように全体に亘って通るような孔を貫通させていないため、第二部材1842よりも他方側から当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、第二部材1842により分離孔1822cを他方側から閉鎖していることから、不正工具を、一方側から装飾体1801を貫いて分離孔1822cに挿通させても、第二部材1842によりそれ以上の他方側への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔1822cを通した一方側からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体1801を貫くことで装飾体1801に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1822を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とすると共に、第二部材1842を遊技パネル1100(パネル板1110、パネルホルダ1120)とするようにしても良い。
また、装飾体1801としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図205(c)に示す実施形態は、所定の装飾が施されある程度の厚さ(例えば、0.4mm~5mm)を有するシールからなる装飾体1802と、一方側に装飾体1802が貼り付けられる第一部材1822と、第一部材1822の他方側に取付けられる第二部材1842と、を備えている。第二部材1842は、図示しない構成により第一部材1822に取付けられている。
第一部材1822は、平板状の平板部1822aと、平板部1822aの一方の面から凹んでおり装飾体1802が貼り付けられる取付凹部1822bと、取付凹部1822bの部位において平板部1822aを貫通している分離孔1822cと、平板部1822aの他方の面から突出している複数のリブ1822dと、を備えている。取付凹部1821bは、装飾体1802の厚さよりも浅く凹んでいる。また、詳細な図示は省略するが、複数のリブ1822dのうち、少なくとも一部のリブ1822dは、分離孔1822cを囲むように設けられている。
第一部材1822の分離孔1822cは、組立てた時に、一方側が取付凹部1822bに貼り付けられている装飾体1802により閉鎖されていると共に、他方側が複数のリブ1822dと第二部材1842の一方側の面とで囲まれて閉鎖されている空間内に開放されており、全体が閉鎖空間となっている。分離孔1822cは、取付凹部1822bにおける装飾体1802により隠れる端縁に近い位置に設けられている。
本実施形態の構成によれば、パチンコ機1の製造時において、第一部材1822の取付凹部1822bに対して装飾体1802を正しく貼り付けることができなかった場合、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1802を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1802の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1802を取付凹部1822bから容易に外すことができ、装飾体1802を貼り直すことができる。
また、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態で、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1802を他方側から押圧することで、装飾体1802を取付凹部1822bから容易に外すことができるため、機種変更に伴う装飾体1802の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態では、分離孔1822cを使用して装飾体1802を取付凹部1822bから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、取付凹部1822bに装飾体1802を貼り付けることにより一方側から分離孔1822cを隠すことができるため、分離孔1822cによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1822cの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1822cを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、装飾体1802が貼り付けられている第一部材1822の他方側に取付けられている第二部材1842によって、分離孔1822cを他方側から閉鎖しており、従来のパチンコ機のように全体に亘って通るような孔を貫通させていないため、第二部材1842よりも他方側から当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、第二部材1842により分離孔1822cを他方側から閉鎖していることから、不正工具を、一方側から装飾体1802を貫いて分離孔1822cに挿通させても、第二部材1842によりそれ以上の他方側への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔1822cを通した一方側からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体1802を貫くことで装飾体1802に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1822を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とすると共に、第二部材1842を遊技パネル1100(パネル板1110、パネルホルダ1120)とするようにしても良い。或いは、第一部材1822を装飾保持部材とすると共に、第二部材1842をベース部材又は装飾基板等とするようにしても良い。
また、装飾体1802としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。装飾体1802としては、射出成型、真空成型、圧空成型、高周波成型、等により形成されたのものを挙げることができる。
次に、図205(d)に示す実施形態は、所定の装飾が施され厚手(例えば、2mm~20mm)で剛性を有する装飾体1803と、一方側に装飾体1803が取付けられる第一部材1822と、第一部材1822の他方側に取付けられる第二部材1842と、を備えている。
装飾体1803は、他方側へ突出している取付ダボ1803aを有している。この取付ダボ1803aを後述する第一部材1822の分離孔1822cに圧入することにより、装飾体1803を第一部材1822に取付けることができる。
第一部材1822は、平板状の平板部1822aと、平板部1822aの一方の面から凹んでおり装飾体1803が当接する取付凹部1822bと、取付凹部1822bの部位において平板部1822aを貫通し取付ダボ1803aが圧入される分離孔1822cと、平板部1822aの他方の面から突出している複数のリブ1822dと、を備えている。取付凹部1821bは、装飾体1803の厚さよりも浅く凹んでいる。また、詳細な図示は省略するが、複数のリブ1822dのうち、少なくとも一部のリブ1822dは、分離孔1822cを囲むように設けられている。
第一部材1822の分離孔1822cは、組立てた時に、一方側が装飾体1803から突出している取付ダボ1803aにより閉鎖されていると共に、他方側が複数のリブ1822dと第二部材1842の一方側の面とで囲まれて閉鎖されている空間内に開放されており、全体が閉鎖空間となっている。分離孔1822cは、取付凹部1822bにおける装飾体1803により隠れる端縁に近い位置に設けられている。
本実施形態の構成によれば、パチンコ機1の製造時において、第一部材1822の取付凹部1822bに対して装飾体1803を正しく取付けることができなかった場合、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1803の取付ダボ1803aを他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1803の他方側の面を取付凹部1822bの面から離して装飾体1803を第一部材1822から容易に外すことができ、装飾体1803を付け直すことができる。
また、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態で、第一部材1822の他方側から分離孔1822cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1803の取付ダボ1803aを他方側から押圧することで、装飾体1803を第一部材1822から容易に外すことができるため、機種変更に伴う装飾体1803の取替作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、第一部材1822と第二部材1842とを離した状態では、分離孔1822cを使用して装飾体1803を第一部材1822から容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、取付ダボ1803aを分離孔1822cに圧入して第一部材1822に装飾体1803を取付けることにより、一方側から分離孔1822cを隠すことができるため、分離孔1822cによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1822cの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1822cを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、パチンコ機1に組立てられている状態では、第一部材1822の他方側に取付けられている第二部材1842によって、分離孔1822cを他方側から閉鎖しており、従来のパチンコ機のように全体に亘って通るような孔を貫通させていないため、第二部材1842よりも他方側から当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、分離孔1822cに一方側から取付ダボ1803aを圧入させていると共に装飾体1803が剛性を有しているため、不正工具を一方側から装飾体1803を貫いて分離孔1822cに挿通させようとしても、装飾体1803の剛性と取付ダボ1803aとにより、貫通を阻止することができる。喩え、一方側から装飾体1803を貫通させて分離孔1822cに挿通させたとしても、第二部材1842によりそれ以上の他方側への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔1822cを通した一方側からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体1803を貫くことで装飾体1803に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1822を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とすると共に、第二部材1842を遊技パネル1100(パネル板1110、パネルホルダ1120)とするようにしても良い。或いは、第一部材1822を装飾保持部材とすると共に、第二部材1842をベース部材又は装飾基板等とするようにしても良い。
また、装飾体1803としては、レリーフ状の装飾が施され、射出成型により形成されたものを挙げることができる。また、装飾体1803の取付ダボ1803aは、装飾体1803と一体成型されたものであっても良いし、インサート成型されたものであっても良いし、別途に組付けられたものであっても良い。
次に、図206(a)及び(b)に示す実施形態は、所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる装飾体1804と、一方側に装飾体1804が貼り付けられる第一部材1823と、を備えている。なお、第一部材1823の他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。
装飾体1804は、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールであり、透光性を有している。この装飾体1804は、外形が略正方形であり、三つの隅部に所定半径の面取部1804aが設けられている。この装飾体1804は、全体形状が向きを特定し難い全体的な形状であるため、一箇所の隅部の形状を残りの隅部の形状と異ならせることにより、向きを特定できるようにしている。なお、ここでは、面取部1804aをR面取りとしたものを示したが、C面取りとしても良い。
また、装飾体1804は、裏面に、外周縁に沿って略一定の幅(3mm~6mmの範囲内の幅)で設けられている糊面1804b(図206(a)において網掛けで示す部位)を、有している。糊面1804bの幅は、装飾体1804の大きさに応じて適宜の幅に設定する。このように糊面1804bを外周縁だけに制限するのは、特に透明なシール(装飾体1804)で、後方にあるLEDなどの電飾や意匠面を見せたい場合によく用いられる。
第一部材1823は、平板状の平板部1823aと、平板部1823aの一方側の面から装飾体1804よりも一回り大きい大きさで装飾体1804の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bと、取付凹部1823bの部位において平板部1823aを貫通している分離孔1823cと、を有している。この第一部材1823は、透明に形成されている。
分離孔1823cは、取付凹部1823bの隅部に接近し、装飾体1804を貼り付けたときに糊面1804bがかからない位置(糊面1804bよりも内側の位置)に設けられている。これにより、分離孔1823cに糊面1804bがかかることで、装飾体1804の貼付強度が低下することを回避させている。
この分離孔1823cは、丸孔である。本実施形態の分離孔1823cは、内径が2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔1823cがこれ以上小さいと、分離孔1823cに挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなり装飾体1804を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔1823cがこれ以上大きいと、装飾体1804における分離孔1823cの部位で撓みが発生し、装飾体1804の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
また、第一部材1823は、取付凹部1823bの三つの隅部において形成されており装飾体1804の面取部1804aよりも(半径の)大きい面取部1823dが設けられている。そして、残りの一つの隅部を誤貼付防止部1823eとしている。これにより、取付凹部1823bが装飾体1804と近似した形状となっている。取付凹部1823bにおける面取部1823dが設けられていない隅部を構成している二つの端辺が、装飾体1804を貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。これにより、装飾体1804を貼り付けるためのクリアランス方向が少なくとも二方向確保されており、貼付け作業を行い易いものとしている。
また、第一部材1823は、取付凹部1823bに当て面の部位を示す識別部1823fが設けられている。識別部1823fは、取付凹部1823bの面よりも凹んでいる。この識別部1823fを作業者が見ることで、装飾体1804を貼り付けるための当て面の位置を即座に認識させることができ、当て面の位置の間違いを防止することができると共に、貼付け作業を行い易いものとしている。
なお、第一部材1823において、平板部1823aの外周縁から取付凹部1823bの外周縁までの距離を、0.5mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1823bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体1804を取付凹部1823bに貼り付ける時には、まず初めに、装飾体1804の面取部1804aが設けられていない隅部を、識別部1823fにより示されている取付凹部1823bの当て面(誤貼付防止部1823e)に当接させ、当該部位から糊面1804bを徐々に取付凹部1823bの面に接触させて貼り付ける。なお、装飾体1804の面取部1804aが設けられている隅部を、当て面(誤貼付防止部1823e)に当接させようとすると、面取部1804aに対して誤貼付防止部1823eの形状が異なっているため、装飾体1804の貼り付け向きを間違えていることに気付かせることができ、正規の向きで装飾体1804を貼り付けさせることができる。
本実施形態の構成によれば、第一部材1823の他方側から分離孔1823cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1804を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1804の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1804を取付凹部1823b(第一部材1823)から容易に外すことができ、上記した他の構成と同様の作用効果を奏することができる。
また、第一部材1823の分離孔1823cを、取付凹部1823bに装飾体1804を貼り付けた時に、糊面1804bにかからない位置に設けているため、分離孔1823cに糊面1804bがかかることで、装飾体1804の貼付強度が低下することを回避させることができ、装飾体1804を外れ難くすることができる。
更に、装飾体1804が貼り付けられる第一部材1823の取付凹部1823bに、誤貼付防止部1823eを設けているため、装飾体1804を正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、装飾体1804の面取部1804aの形状と、誤貼付防止部1823eの形状とが異なることで、装飾体1804の向きの間違いに気付かせることができ、装飾体1804を正規の向きで第一部材1823に貼り付けさせることができると共に、装飾体1804が間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
また、第一部材1823の取付凹部1823bに、当て面を示す識別部1823fを設けているため、作業者に対して装飾体1804の貼り付け基準となる当て面の位置を即座に認識させることができ、当て面の位置の間違いを防止することができると共に、貼付け作業を行い易いものとしている。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1823を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とするようにしても良いし、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる部材(装飾保持部材)とするようにしても良い。
また、装飾体1804としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図206(c)の実施形態は、図206(a)及び(b)の実施形態において、装飾体1804の糊面1804bを、外周縁に沿った部位に加えて、一つの対角線上の部位にも設けるようにしたものである。その他の構成については、図206(a)及び(b)の実施形態と同一であり、説明は省略する。
本実施形態によれば、上記と同様の作用効果を奏する他に、装飾体1804の裏面において対角線上にも糊面1804bを設けているため、貼り付け強度を高めて装飾体1804をより外れ難いものとすることができると共に、温度や湿度等の環境の変化により装飾体1804が第一部材1823とは異なる割合で収縮しても、対角線上の糊面1804bにより中央部が貼り付けられているため、装飾体1804が膨らんだり波打ったりすることを抑制させることができ、装飾体1804の見栄えが悪くなることを防止することができる。
また、対角線上に糊面1804bを設けているため、装飾体1804の全面に糊面を設ける場合と比較して、糊面を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。また、全面に糊面を設ける場合と比較して、装飾体1804の貼付強度が低くなるため、分離孔1823cを使用した装飾体1804の取外し作業を容易なものとすることができる。
次に、図207(a)に示す実施形態は、所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる横長矩形状の装飾体1805(網掛け部分)と、一方側に装飾体1805が貼り付けられる第一部材1824と、を備えている。なお、第一部材1824の他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。また、本実施形態では、第一部材1824における分離孔及び当て面を示す識別部の記載を省略している。
装飾体1805は、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールである。この装飾体1805は、外形が横長の矩形状であり、一つの隅部(図中、左下隅部)に斜めに切欠かれたC面取り状の面取部1805aが設けられている。この装飾体1805は、上下の向きを特定し難い形状であるため、一箇所の隅部の形状を残りの隅部の形状と異ならせることにより、向きを特定できるようにしている。装飾体1805の糊面は、図206(a)等と同様に外周縁に沿って一定の幅で設けられていても良いし、全面に設けられていても良い。
第一部材1824は、平板状の平板部1824aと、平板部1824aの一方側の面から装飾体1805よりも一回り大きい大きさで装飾体1805の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体1805が貼り付けられる取付凹部1824bと、を有している。
また、第一部材1824は、取付凹部1824bにおける一つの隅部(図中、左下隅部)において、取付凹部1824b内に突出しているC面取り状の誤貼付防止部1824cを、有している。これにより、取付凹部1824bが装飾体1805と近似した形状となっている。この第一部材1824では、誤貼付防止部1824cの斜めに延びている端辺の部位と、誤貼付防止部1824cと接続している短辺の部位とが、装飾体1805を貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。これにより、装飾体1805を貼り付けるためのクリアランス方向が、取付凹部1824bの短辺方向と、長辺方向と、誤貼付防止部1824cの斜辺に対する垂直方向との、三方向が確保されており、貼付け作業を行い易いものとしている。
なお、第一部材1824において、平板部1824aの外周から取付凹部1824bまでの距離を、1mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1824bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体1805を取付凹部1824bに貼り付ける時には、まず初めに、装飾体1805の面取部1805aの斜辺と、面取部1805aと接続されている短辺とを、取付凹部1824bの当て面(誤貼付防止部1824cの斜辺の部位と、誤貼付防止部1824cと接続されている短辺の部位)に当接させ、当該部位から裏側の糊面を徐々に取付凹部1824bの面に接触させて貼り付ける。
なお、装飾体1805の面取部1805aが設けられていない隅部を、当て面(誤貼付防止部1824c)に当接させようとすると、面取部1805aに対して誤貼付防止部1824cの形状が異なっているため、装飾体1805の貼り付け向きを間違えていることに気付かせることができ、正規の向きで装飾体1805を貼り付けさせることができる。また、装飾体1805を間違えた向きで取付凹部1824bに貼り付けると、誤貼付防止部1824cの部位で、装飾体1805の直角の隅部が取付凹部1824bからはみだした状態となり、作業者に対して装飾体1805の誤貼り付けに気付かせることができる。
本実施形態によれば、装飾体1805が貼り付けられる第一部材1824の取付凹部1824bに、誤貼付防止部1824cを設けているため、装飾体1805を正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、装飾体1805の面取部1805aが設けられていない隅部の形状と、誤貼付防止部1824cの形状とが異なることで、装飾体1805の向きの間違いに気付かせることができ、装飾体1805を正規の向きで第一部材1824に貼り付けさせることができると共に、装飾体1805が間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1824を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とするようにしても良いし、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる部材(装飾保持部材)とするようにしても良い。
また、装飾体1805としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図207(b)に示す実施形態は、所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる円形状の装飾体1806(網掛け部分)と、一方側に装飾体1806が貼り付けられる第一部材1825と、を備えている。なお、第一部材1825の他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。また、本実施形態では、第一部材1825における分離孔及び当て面を示す識別部の記載を省略している。
装飾体1806は、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールである。この装飾体1806は、外形が円形状であり、外側(図中、下方)から円弧状に切欠かれた切欠部1806aが設けられている。この装飾体1806は、向きを特定し難い形状であるため、切欠部1806aを設けることにより、向きを特定できるようにしている。装飾体1806の糊面は、図206(a)等と同様に外周縁に沿って一定の幅で設けられていても良いし、全面に設けられていても良い。
第一部材1825は、平板状の平板部1825aと、平板部1825aの一方側の面から装飾体1806よりも一回り大きい大きさで装飾体1806の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体1806が貼り付けられる取付凹部1825bと、を有している。
また、第一部材1825は、取付凹部1825bの周縁(図中、周縁における下端部)において、装飾体1806の切欠部1806aと一致する半径で円弧状に突出している誤貼付防止部1825cを、有している。これにより、取付凹部1825bが装飾体1806と近似した形状となっている。この第一部材1825では、誤貼付防止部1825cの円弧状の端辺が、装飾体1806を貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。これにより、装飾体1806を貼り付けるためのクリアランス方向が、誤貼付防止部1825cの円弧に沿った方向と、誤貼付防止部1825cから遠ざかる方向(図中、上下方向)との、二方向が少なくとも確保されており、貼付け作業を行い易いものとしている。
なお、第一部材1825において、平板部1825aの外周から取付凹部1825bまでの距離を、1mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1825bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体1806を取付凹部1825bに貼り付ける時には、まず初めに、装飾体1806の切欠部1806aを取付凹部1825bの当て面(誤貼付防止部1825c)に当接させ、当該部位から裏側の糊面を徐々に取付凹部1825bの面に接触させて貼り付ける。
なお、装飾体1806を、取付凹部1825bにおける当て面(誤貼付防止部1825c)以外の周面に当てて貼り付けると、誤貼付防止部1825cの部位で、装飾体1806が取付凹部1825bからはみだした状態となり、作業者に対して装飾体1806の誤貼り付けに気付かせることができる。
本実施形態によれば、装飾体1806が貼り付けられる第一部材1825の取付凹部1825bに、誤貼付防止部1825cを設けているため、装飾体1806を正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、誤貼付防止部1825cの部位で装飾体1806がはみだすこととなり、装飾体1806の向きの間違いに気付かせることができ、装飾体1806を正規の向きで第一部材1825に貼り付けさせることができると共に、装飾体1806が間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1825を、前構成部材1000や表ユニット2000(始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、ゲート部材2800、等)とするようにしても良いし、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる部材(装飾保持部材)とするようにしても良い。
また、装飾体1806としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図207(c)及び(d)に示す実施形態は、左右対称に設けられ所定の装飾や文字等が印刷されておりシート状のシールからなる一対の装飾体左1807L及び装飾体右1807R(網掛け部分)と、一方側に装飾体左1807L及び装飾体右1807Rが貼り付けられる一対の第一部材左1826L及び第一部材右1826Rと、を備えている。なお、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。また、本実施形態では、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rにおける分離孔及び当て面を示す識別部の記載を省略している。
装飾体左1807L及び装飾体右1807Rは、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールである。この装飾体左1807L及び装飾体右1807Rは、互いが左右対称形状である。装飾体左1807L及び装飾体右1807Rは、互いに接近している端辺が直線状に上下に延びており、当該端辺の上端と下端とを互いに遠ざかる方向へ膨出する円弧状の端辺によって接続されているような、上下に長い略半円形状に形成されている。
図207(c)の装飾体左1807L及び装飾体右1807Rは、長手方向の両端、つまり、半円形の上端と下端とに設けられているR面取りの半径を異ならせたものである。一方、図207(d)の装飾体左1807L及び装飾体右1807Rは、半円形の上端側(長手方向の一端側)をR面取りし、下端側(長手方向の他端側)を直線的に切欠いている。何れの装飾体左1807L及び装飾体右1807Rも、上下を逆転させると左用と右用の特定が難しい形状であるため、上端側と下端側の形状を異ならせることで、左用か右用かを特定できるようにしている。
装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの糊面は、図206(a)等と同様に外周縁に沿って一定の幅で設けられていても良いし、全面に設けられていても良い。
第一部材左1826L及び第一部材右1826Rは、互いに左右対称に形成されている。第一部材左1826L及び第一部材右1826Rは、平板状の平板部1826aと、平板部1826aの一方側の面から装飾体1806よりも一回り大きい大きさで装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体左1807L及び装飾体右1807Rが貼り付けられる取付凹部1826bと、取付凹部1826bの下端に誤貼付防止部1826cと、を有している。
図207(c)の第一部材左1826L及び第一部材右1826Rの誤貼付防止部1826cは、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの下端側のR面取りの半径よりも大きい半径のR面取り状に設けられている。一方、図207(d)の第一部材左1826L及び第一部材右1826Rの誤貼付防止部1826cは、水平に延びた直線的な切欠き状に設けられている。何れの第一部材左1826L及び第一部材右1826Rの取付凹部1826bも、誤貼付防止部1826cの端辺が、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。
これにより、図207(c)の実施形態では、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを貼り付けるためのクリアランス方向が、誤貼付防止部1826cの円弧を転動するような円弧方向と、誤貼付防止部1826cから遠ざかる方向(図中、上下方向)との、二方向が少なくとも確保されている。一方、図207(d)の実施形態では、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを貼り付けるためのクリアランス方向が、誤貼付防止部1826cの直線に沿った方向(図中、左右方向)と、誤貼付防止部1826cから遠ざかる方向(図中、上下方向)との、二方向が少なくとも確保されている。このように、何れの実施形態でも、少なくとも二方向のクリアランス方向が確保されており、貼付け作業を行い易いものとしている。
なお、第一部材左1826L及び第一部材右1826Rにおいて、平板部1826aの外周から取付凹部1826bまでの距離を、1mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1826bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを、第一部材左1826L及び第一部材右1826Rの夫々の対応している取付凹部1826bに貼り付ける時には、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの長手方向の両端のうちR面取りの半径の大きい方又は直線的に切欠かれている方を下方へ向けた状態とし、対応している取付凹部1826bの当て面(誤貼付防止部1826cの端辺)に当接させ、当該部位から裏側の糊面を徐々に取付凹部1826bの面に接触させて貼り付ける。
なお、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを、上下に逆転させた上で、左右を逆にして貼り付けようとすると、下側の端部の形状に対して、当て面(誤貼付防止部1826c)の形状が異なっているため、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの貼り付け向きを間違えていることに気付かせることができ、正規の向きで装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを貼り付けさせることができる。
本実施形態によれば、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rが貼り付けられる第一部材左1826L及び第一部材右1826Rの夫々の取付凹部1826bに、誤貼付防止部1826cを設けているため、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの長手方向の端部の形状と、誤貼付防止部1826cの形状とが異なることで、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの向きの間違いに気付かせることができ、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rを正規の向きで第一部材左1826L及び第一部材右1826Rに貼り付けさせることができると共に、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rが間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材左1826L及び第一部材右1826Rを、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる部材(装飾保持部材)とするようにしても良い。
また、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rとしては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
次に、図208(a)乃至(c)に示す実施形態は、所定の絵柄や文字等が印刷されているシート状のシールからなる装飾体1808と、一方側に装飾体1808が貼り付けられる可動する第一部材1827と、を備えている。なお、第一部材1827の他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。また、本実施形態では、第一部材1827における当て面を示す識別部の記載を省略している。
装飾体1808は、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールである。この装飾体1808は、外形が横長の矩形状であり、上側の二つの隅部がR面取りされていると共に、下側の二つの隅部がC面取りされている。この上側と下側の面取り形状の違いにより、装飾体1808の向きを特定できるようにしている。装飾体1808の糊面は、図206(a)等と同様に外周縁に沿って一定の幅で設けられていても良いし、全面に設けられていても良い。
第一部材1827は、横長の矩形状で平板状の平板部1827aと、平板部1827aの一方側の面から装飾体1808よりも一回り大きい大きさで装飾体1808の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体1808が貼り付けられる取付凹部1827bと、取付凹部1827bの部位において平板部1827aを貫通している分離孔1827cと、取付凹部1827bにおける下側の二つの隅部に設けられている誤貼付防止部1827dと、を備えている。
また、第一部材1827は、平板部1827aの左右両側面の下端付近から夫々左右方向へ円柱状に突出している一対の軸部1827eを、有している。軸部1827eは、図208(b)に示すように、取付凹部1827bの面よりも他方側に位置している。第一部材1827は、一対の軸部1827eが、図示しない部材により回転可能に支持されている。つまり、第一部材1827は、一対の軸部1827eの軸芯周りに対して回転(回動)可能な、可動するものである。第一部材1827の軸部1827eは、平板部1827a等と一体成型されたものであっても良いし、インサート成型されたものであっても良いし、別途に組付けられたものであっても良い。
分離孔1827cは、丸孔であり、取付凹部1827b内における上側の隅部付近に設けられている。二つの分離孔1827cを、軸部1827eの軸芯から遠い位置に設けていることから、第一部材1827における軸部1827eの軸芯から遠い位置の重量を軽くすることができるため、第一部材1827を回転(回動)させた時に作用する回転モーメントを小さくすることができ、第一部材1827の回転駆動にかかる負荷を軽減させることができると共に、第一部材1827を軽快に可動させることができる。また、二つの分離孔1827cを、上側の左右の隅部付近に設けているため、左側と右側の軸部1827eにかかる力を均等なものとすることができ、第一部材1827のバランスをとることで偏摩耗等を低減させることができる。
本実施形態の分離孔1827cは、内径が2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔1827cがこれ以上小さいと、分離孔1827cに挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなり装飾体1808を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔1827cがこれ以上大きいと、装飾体1808における分離孔1827cの部位で撓みが発生し、装飾体1808の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
誤貼付防止部1827dは、装飾体1808の下側の隅部のC面取りと対応した形状で取付凹部1827bに突出している。この実施形態では、誤貼付防止部1827dの斜めの端辺と、取付凹部1827bの下側の端辺とが、装飾体1808を貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。
誤貼付防止部1827dは、取付凹部1827bに突出していることから、第一部材1827の重量が増加することとなるが、誤貼付防止部1827dを、軸部1827eの軸芯に近い位置に設けていることから、誤貼付防止部1827dによって増加した回転モーメントの影響を可及的に低減させることができ、第一部材1827の回転駆動にかかる負荷の増加を抑制させることができる。また、誤貼付防止部1827dを、取付凹部1827bの下側の二つの隅部に夫々設けているため、第一部材1827のバランスをとることができ、軸部1827eの偏摩耗等を低減させることができると共に、第一部材1827を安定した状態で回転(回動)させることができる。
なお、第一部材1827において、平板部1827aの外周から取付凹部1827bまでの距離を、1mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1827bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体1808を第一部材1827の取付凹部1827bに貼り付ける時には、まず初めに、装飾体1808のC面取りされている隅部を、取付凹部1827bの当て面(誤貼付防止部1827d)に当接させ、当該部位から糊面を徐々に取付凹部1827bの面に接触させて貼り付ける。なお、装飾体1808を上下逆にして貼り付けようとすると、装飾体1808の隅部のR面取りの形状に対して誤貼付防止部1827dの形状が異なっているため、装飾体1808の貼り付け向きを間違えていることに気付かせることができ、正規の向きで装飾体1808を貼り付けさせることができる。また、装飾体1808を間違えた向きで取付凹部1827bに貼り付けると、誤貼付防止部1827dの部位で、装飾体1808の隅部が取付凹部1827bからはみだした状態となり、作業者に対して装飾体1808の誤貼り付けに気付かせることができる。
また、第一部材1827は、取付凹部1827b内における端縁に近い部位において凹んでおり、左右方向に延びている分離溝1827fを、有している(図208(b)を参照)。この分離溝1827fは、取付凹部1827bに装飾体1808が貼り付けられている状態では、装飾体1808が跨いでおり、装飾体1808との間に空間を形成している。この分離溝1827fは、取付凹部1827bに装飾体1808を貼り付けている状態で、外側から装飾体1808における分離溝1827fの部位を押圧すると、装飾体1808の一部が分離溝1827f内へ陥没すると共に、装飾体1808の端縁側が取付凹部1827bから浮き上がった状態となり、その浮き上がった部位を引っ張ることで装飾体1808を取付凹部1827bから取外すことができる。
本実施形態の構成によれば、第一部材1827の他方側から分離孔1827cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1808を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1808の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1808を取付凹部1827b(第一部材1827)から容易に外すことができ、上記した他の構成と同様の作用効果を奏することができる。
また、装飾体1808が貼り付けられる第一部材1827の取付凹部1827bに、誤貼付防止部1827dを設けているため、装飾体1808を正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、装飾体1808の隅部の形状と、誤貼付防止部1827dの形状とが異なることで、装飾体1808の向きの間違いに気付かせることができ、装飾体1808を正規の向きで第一部材1827に貼り付けさせることができると共に、装飾体1808が間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
更に、分離孔1827cを回転の軸芯から遠い位置に設けていると共に、誤貼付防止部1827dを回転の軸芯に近い位置に設けていることから、第一部材1827を回転させた時に作用する回転モーメントによるを低減させることができるため、第一部材1827の回転駆動にかかる負荷を軽減させることができ、第一部材1827を軽快に可動(回転)させることができる。
また、第一部材1827において分離孔1827cと誤貼付防止部1827dを、夫々二つずつ設けているため、左側と右側の軸部1827eに作用する力のバランスをとることができ、軸部1827eの偏摩耗等を低減させることができると共に、第一部材1827を安定した状態で回転(回動)させることができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1827を、大入賞口や役物入賞口等の可変入賞口の扉部材とするようにしても良いし、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる演出用の可動部材とするようにしても良い。
また、装飾体1808としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
ところで、第一部材1827を、大入賞口2005や役物入賞口2006等を開閉させるための扉部材に用いるようにした場合、装飾体1808に遊技球Bが当接するため、装飾体1808と第一部材1827とを以下のような関係とすることが望ましい。
詳述すると、図208(c)に示すように、第一部材1827の平板部1827aの前面から装飾体1808の前面までの距離をd、第一部材1827の取付凹部1827bの上側の端辺から装飾体1808の上側の端辺までの距離をc、とすると共に、遊技球Bの半径をr、とした場合、距離dを、[0<d<r]の範囲内とした上で、距離cを、[0≦c<(2rd^2-d^2)^0.5]の範囲内とすることが望ましい。なお、前記の鍵カッコ内は、式を示している。
これにより、装飾体1808の上端辺に遊技球Bが当接することを回避させることができるため、遊技球Bの当接により装飾体1808が外れることを防止することができ、不具合の発生を抑制させることができる。
なお、距離dは、0.1mm~1mmの範囲内とすることが望ましい。距離dがこれ以上小さいと、装飾体1808の公差によっては装飾体1808が平板部1827aよりも前方へ突出してしまい上端辺に遊技球Bが当接可能となる恐れがあるためであり、距離dがこれ以上大きいと、取付凹部1827bの上側の端辺による影が装飾体1808に落ち易くなり、装飾体1808の装飾効果が低下してしまう恐れがあるためである。
また、取付凹部1827bにおける当て面を、上側の端辺に設定するようにしても良い。これにより、装飾体1808の上端辺が、取付凹部1827bの上側の端辺に当接している状態となるため、遊技球Bが装飾体1808の上端辺に当接することはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図208(d)及び(e)に示す実施形態は、所定の絵柄や文字等が印刷されているシート状のシールからなる装飾体1809と、一方側に装飾体1809が貼り付けられる可動する第一部材1828と、を備えている。なお、第一部材1828の他方側の構成(第二部材を含む)は、上記した何れかの構成を備えるようにしても良い。また、本実施形態では、第一部材1828における当て面を示す識別部の記載を省略している。
装飾体1809は、表面に所定の絵柄や文字等が印刷されているシールである。この装飾体1809は、外形が横長の矩形状であり、上側の二つの隅部がR面取りされていると共に、下側の二つの隅部に四角形に切取られた切欠部1809aが設けられている。この切欠部1809aは、第一部材1828の後述する誤貼付防止部1828dと対応した形状に形成されている。この上側と下側の隅部の形状の違いにより、装飾体1809の向きを特定できるようにしている。装飾体1809の糊面は、図206(a)等と同様に外周縁に沿って一定の幅で設けられていても良いし、全面に設けられていても良い。
第一部材1828は、横長の矩形状で平板状の平板部1828aと、平板部1828aの一方側の面から装飾体1809よりも一回り大きい大きさで装飾体1809の厚さよりも深く(0.4mm~1.0mm)凹んでおり装飾体1809が貼り付けられる取付凹部1828bと、取付凹部1828bの部位において平板部1828aを貫通している分離孔1828cと、取付凹部1828bにおける下側の二つの隅部に設けられている誤貼付防止部1828dと、を備えている。
また、第一部材1828は、平板部1827aの下側の左右の隅部において、軸芯にを左右方向へ向けて一方側へ膨出している半円柱状の軸支持部1828eと、軸支持部1828eの左右方向外側の夫々の端面に設けられている軸孔1828fと、軸孔1828fに挿入されている円柱状の軸部1828gと、を備えている。第一部材1828は、一対の軸部1828gが、図示しない部材により回転可能に支持されている。つまり、第一部材1828は、一対の軸部1828gの軸芯周りに対して回転(回動)可能な、可動するものである。第一部材1828の軸部1828gは、平板部1827a等の成型時においてインサートされたものであっても良いし、別途に組付けられたものであっても良い。
軸支持部1828eは、取付凹部1828bの部位まで設けられており、軸支持部1828eの一部が誤貼付防止部1828dを構成している。この軸支持部1828e(誤貼付防止部1828d)により、取付凹部1828bの下側の左右の隅部が、四角く切り取られたような形状に形成されている。
分離孔1828cは、丸孔であり、取付凹部1828b内における上側の隅部付近に設けられている。二つの分離孔1828cを、軸部1828gの軸芯から遠い位置に設けていることから、第一部材1828における軸部1828gの軸芯から遠い位置の重量を軽くすることができるため、第一部材1828を回転(回動)させた時に作用する回転モーメントを小さくすることができ、第一部材1828の回転駆動にかかる負荷を軽減させることができると共に、第一部材1828を軽快に可動させることができる。また、二つの分離孔1828cを、上側の左右の隅部付近に設けているため、左側と右側の軸部1828gにかかる力を均等なものとすることができ、第一部材1828のバランスをとることで偏摩耗等を低減させることができる。
本実施形態の分離孔1828cは、内径が2mm~6mmの範囲内とされている。分離孔1828cがこれ以上小さいと、分離孔1828cに挿入される分離用の棒状部材(工具)の直径が小さくなることで曲がり易くなり装飾体1809を十分に押圧することができなくなる恐れがあるためであり、分離孔1828cがこれ以上大きいと、装飾体1809における分離孔1828cの部位で撓みが発生し、装飾体1809の見栄えが悪くなる恐れがあるためである。
誤貼付防止部1828dは、軸支持部1828eにより取付凹部1828bの下側の隅部において四角形に突出した形態となっており、装飾体1809の下側の隅部の切欠部1809aと対応した形状となっている。この実施形態では、誤貼付防止部1828dの上側の端辺が、装飾体1809を貼り付けるための基準となる当て面に設定されている。
誤貼付防止部1828dは、取付凹部1828bに突出していることから、第一部材1828の重量が増加することとなるが、誤貼付防止部1828dを、軸部1828gの軸芯に近い位置に設けていることから、誤貼付防止部1828dによって増加した回転モーメントの影響を可及的に低減させることができ、第一部材1828の回転駆動にかかる負荷の増加を抑制させることができる。また、誤貼付防止部1828dを、取付凹部1828bの下側の二つの隅部に夫々設けているため、第一部材1828のバランスをとることができ、軸部1828gの偏摩耗等を低減させることができると共に、第一部材1828を安定した状態で回転(回動)させることができる。
なお、第一部材1828において、平板部1828aの外周から取付凹部1828bまでの距離を、1mm以上とすることが望ましい。これ以上距離が小さいと、遊技球Bが他の部材が衝突した時に、取付凹部1828bの外側の部位が欠け易くなるためである。
装飾体1809を第一部材1828の取付凹部1828bに貼り付ける時には、まず初めに、装飾体1809の切欠部1809aを、取付凹部1828bの当て面(誤貼付防止部1828d)に当接させ、当該部位から糊面を徐々に取付凹部1828bの面に接触させて貼り付ける。なお、装飾体1809を上下逆にして貼り付けようとすると、装飾体1809の隅部のR面取りの形状に対して誤貼付防止部1828dの形状が異なっているため、装飾体1809の貼り付け向きを間違えていることに気付かせることができ、正規の向きで装飾体1809を貼り付けさせることができる。また、装飾体1809を間違えた向きで取付凹部1828bに貼り付けると、誤貼付防止部1828dの部位で、装飾体1809の隅部が取付凹部1828bからはみだした状態となり、作業者に対して装飾体1809の誤貼り付けに気付かせることができる。
本実施形態の構成によれば、第一部材1828の他方側から分離孔1828cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1809を他方側から一方側へ押圧することで、装飾体1809の端縁付近が一方側へ捲れるように外すことができ、その捲れた部分を作業者が引っ張ることで装飾体1809を取付凹部1828b(第一部材1828)から容易に外すことができ、上記した他の構成と同様の作用効果を奏することができる。
また、装飾体1809が貼り付けられる第一部材1828の取付凹部1828bに、誤貼付防止部1828dを設けているため、装飾体1809を正規とは異なる向きにして貼り付けようとすると、装飾体1809の隅部の形状と、誤貼付防止部1828dの形状とが異なることで、装飾体1809の向きの間違いに気付かせることができ、装飾体1809を正規の向きで第一部材1828に貼り付けさせることができると共に、装飾体1809が間違えた向きで貼り付けられたままの状態で出荷されてしまうことを防止することができる。
更に、分離孔1828cを回転の軸芯から遠い位置に設けていると共に、誤貼付防止部1828dを回転の軸芯に近い位置に設けていることから、第一部材1828を回転させた時に作用する回転モーメントによるを低減させることができるため、第一部材1828の回転駆動にかかる負荷を軽減させることができ、第一部材1828を軽快に可動(回転)させることができる。
また、第一部材1828において分離孔1828cと誤貼付防止部1828dを、夫々二つずつ設けているため、左側と右側の軸部1828gに作用する力のバランスをとることができ、軸部1828gの偏摩耗等を低減させることができると共に、第一部材1828を安定した状態で回転(回動)させることができる。
なお、本実施形態では、例えば、第一部材1828を、大入賞口や役物入賞口等の可変入賞口の扉部材とするようにしても良いし、表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられる演出用の可動部材とするようにしても良い。
また、装飾体1809としては、PETシール、フレックスメタルシール(商品名)、メタティックシール(商品名)、ポッティングシール、アルミシール、等が挙げられる。
[19.本発明と実施形態との関係]
本実施形態における装飾体1804、装飾体1805、装飾体1806、装飾体1807L及び装飾体1807R、装飾体1808、装飾体1809、ゲートシール2811は本発明の装飾体に、本実施形態における糊面1804bは本発明の糊面に、本実施形態における第一部材1823、第一部材1824、第一部材1825、第一部材左1826L及び第一部材右1826R、第一部材1827、第一部材1828、ゲート本体2810は本発明の台座部材に、本実施形態における平板部1823a、平板部1824a、平板部1825a、平板部1826a、平板部1827a、平板部1828a、前板部2810aは本発明の平板部に、夫々相当している。
また、本実施形態における取付凹部1823b、取付凹部1824b、取付凹部1825b、取付凹部1826b、取付凹部1827b、取付凹部1828b、貼付凹部2810bは本発明の取付凹部に、本実施形態における分離孔1823c、分離孔1827c、分離孔1828c、分離孔2810dは本発明の分離孔に、本実施形態における誤貼付防止部1823e、誤貼付防止部1824c、誤貼付防止部1825c、誤貼付防止部1826c、誤貼付防止部1827d、誤貼付防止部1828d、誤貼付防止部2810cは本発明の誤貼付防止部、夫々相当している。
更に、本実施形態における第一部材1823の当て面、第一部材1824の当て面、第一部材1825の当て面、装飾体左1807L及び装飾体右1807Rの当て面、第一部材1827の当て面、第一部材1828の当て面、ゲート本体2810の当て面は、本発明の位置決部に、相当している。
[20.本実施形態の特徴的な作用効果]
次に、本実施形態の特徴的な作用効果について説明する。なお、ここから段落[1835]までは、装飾体を装飾体1804、台座部材を第一部材1823、平板部を平板部1823a、取付凹部を取付凹部1823b、分離孔を分離孔1823c、誤貼付防止部を誤貼付防止部1823e、位置決部を第一部材1823の当て面(誤貼付防止部1823e)、のように夫々を代表として説明し、他の本発明に対応している構成(部材)については同様の作用効果を奏することから、ここでの説明は省略する。
本実施形態のパチンコ機1によれば、第一部材1823には、装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bの周壁の一部を、第一部材1823の当て面(誤貼付防止部1823e)としているため、第一部材1823における平板部1823aの取付凹部1823bに装飾体1804を貼り付ける際に、装飾体1804の隣接している二辺を、取付凹部1823bの周壁部における第一部材1823の当て面(誤貼付防止部1823e)とされている部位に当接させて位置を合わせて貼り付けることにより、第一部材1823に対して装飾体1804を位置決めすることができ、装飾体1804の位置決め作業を容易なものとすることができると共に、装飾体1804を正規の位置に正確に貼り付けることができる。従って、第一部材1823の当て面(誤貼付防止部1823e)により第一部材1823に対して装飾体1804が傾いたりズレたりした状態で貼り付けられることを低減させることができることから、装飾体1804及び第一部材1823の見栄えが悪くなることを抑制させることができるため、装飾体1804による装飾効果を確実に発揮させることができ、パチンコ機1の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一部材1823の当て面(誤貼付防止部1823e)により装飾体1804を正規の位置に正確に貼り付けることができるため、装飾体1804を正しい位置に貼り付け易くすることができ、装飾体1804の貼り付けの失敗を低減させてパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制することができる。
更に、装飾体1804を非対称形状としているため、装飾体1804の向きを間違え難くすることができ、第一部材1823の平板部1823aに対して装飾体1804を正しい向きに貼り付けさせて、装飾体1804による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、第一部材1823における取付凹部1823bの周壁から突出している誤貼付防止部1823eを設けていることから、装飾体1804を正しくない向きで貼り付けると、誤貼付防止部1823eの部位において、装飾体1804が捲れ上がった状態となるため、装飾体1804の貼り付け向きを間違えていることを認識させることができ、装飾体1804を正しい向きに貼り直させて、装飾体1804による装飾効果を確実に発揮させることができる。
また、第一部材1823における装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bにおいて平板部1823aを貫通している分離孔1823cを設けているため、第一部材1823の裏側から分離孔1823cに棒状部材を挿入し、その先端により装飾体1804の裏面を押圧すると、糊面1804bの粘着力に抗して第一部材1823の平板部1823aから装飾体1804の一部が表側へ持ち上がることとなり、装飾体1804の当該部位を引っ張ることで平板部1823aから取外すことができ、装飾体1804を容易に剥がすことができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一部材1823における平板部1823aの取付凹部1823bに、所定の装飾が施されている装飾体1804を貼り付けているため、当該装飾体1804により第一部材1823の見栄えを良くすることができると共に、第一部材1823により装飾体1804を支持することができる。また、装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bを、平板部1823aの表面から凹ませていることから、取付凹部1823bに装飾体1804を貼り付けると、第一部材1823の平板部1823aにおける取付凹部1823bの周囲の部分が装飾体1804の周囲を囲んでいる状態となるため、当該部位により縁取りされることで装飾体1804を引き立たせることができ、装飾体1804の装飾による装飾効果を発揮させ易くしてパチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、平板部1823aの取付凹部1823bに貼り付けている装飾体1804の糊面1804bが、装飾体1804の周縁の帯枠状の部位と帯枠状の部位を斜めに横切る帯状の部位とからなる特定部位にのみ設けられており、裏面の全面に設けられていないため、従来と比較して貼付強度が弱いものとなっている。そのため、第一部材1823の裏側から分離孔1823cに棒状部材を挿入し、その先端により装飾体1804の裏面を押圧すると、比較的に弱い力でも糊面1804bの粘着力に抗して第一部材1823の平板部1823aから装飾体1804を取外すことができると共に、装飾体1804自体の強度が弱くても装飾体1804が途中で破れることなく取外すことができ、装飾体1804の取外作業の作業性を向上させることができる。
また、上記のようなことから、パチンコ機1の製造時において、装飾体1804を第一部材1823の平板部1823aに対して正しく貼り付けることができなかった場合、第一部材1823の裏側から分離孔1823cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1804を裏側から押圧することで、平板部1823aから装飾体1804を容易に取外すことができるため、装飾体1804を容易に貼り付け直すことができる。また、第一部材1823をパチンコ機1から取外した状態で、第一部材1823の裏側から分離孔1823cに棒状部材を通し、その先端により装飾体1804を裏側から押圧することで、第一部材1823の平板部1823aから装飾体1804を容易に取外すことができるため、機種変更に伴う装飾体1804の取替作業を容易なものとすることができる。更に、上述したように、分離孔1823cを使用して装飾体1804を平板部1823aから容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
更に、第一部材1823の分離孔1823cを、装飾体1804の糊面1804bと接触しない位置に設けているため、糊面1804bの全面を第一部材1823の平板部1823aに貼り付けることができる。従って、装飾体1804の一部(特定部位)にのみ糊面1804bを設けることで、従来よりも貼付強度が低下することとなるが、糊面1804bの全体が平板部1823aに貼り付けられるため、糊面1804bに分離孔1823cがかかることで貼付強度が必要以上に低下してしまうことを回避させることができ、装飾体1804の貼付強度を十分に維持して良好な状態で平板部1823aに貼り付けることができる。
また、装飾体1804の糊面1804bを、周縁の帯枠状の部位と斜めに横切る帯状の部位(対角線上の部位)とに設けているため、糊面1804bの帯枠状の部位により装飾体1804の周縁を平板部1823aに貼り付けることができるため、装飾体1804の周縁を平板部1823aから浮き上がらないようにすることができ、周縁を起点にして装飾体1804を剥がれ難くすることができる。また、糊面1804bの斜めに横切るような帯状の部位により、装飾体1804の中央に近い部位を平板部1823aに貼り付けることができるため、温度や湿度のような環境の変化により、第一部材1823と装飾体1804との間の収縮差が大きくなっても、装飾体1804が膨らんだり皺が入ったりすることを低減させることができ、装飾体1804の見栄えの悪化を防止することができる。従って、装飾体1804による装飾効果を確実に発揮させることができると共に、より大きな装飾体1804を良好な状態で平板部1823aに貼り付けることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、糊面1804bを装飾体1804の周縁に設けていることから、装飾体1804及び第一部材1823を、透光性を有するものとすると共に、第一部材1823の裏側に装飾体1804側へ光を照射するLEDのような光源を設けるようにする場合、帯枠状の糊面1804bが光源からの光の妨げとならない部位に位置することとなり、糊面1804bによる光の拡散や減衰によって装飾体1804の発光装飾等の見栄えの悪化を低減させることができるため、装飾体1804を良好な状態で発光装飾させたり、装飾体1804及び第一部材1823を通して良好な状態で光源を視認させたりすることができ、演出効果や表示効果の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一部材1823における平板部1823aの取付凹部1823bに分離孔1823cを設けているため、取付凹部1823bに装飾体1804を貼り付けることにより表側から分離孔1823cを見え難くしたり隠したりすることができ、分離孔1823cによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔1823cの存在に気付かせ難くすることができ、分離孔1823cを利用した不正行為を画策させ難くすることができる。
また、分離孔1823cを、装飾体1804の周縁に接近している部位に設けていることから、第一部材1823の裏側から分離孔1823cに棒状部材を挿入して、装飾体1804の裏面を押圧すると、装飾体1804における棒状部材により押圧される部位が、装飾体1804の周縁に接近しているため、棒状部材が当接している部位から辺縁側が浮き易くなり、貼り付けられている装飾体1804をより取外し易くすることができる。
更に、分離孔1823cを、装飾体1804の周縁に接近している部位に設けているため、第一部材1823の裏側から分離孔1823cを介して棒状部材により装飾体1804を押圧すると、上述したように、装飾体1804の棒状部材が当接している部位から辺縁側が平板部1823aから浮き上がることとなるため、装飾体1804の浮き上がった部位を把持して引っ張ることで、平板部1823aから装飾体1804を捲るようにして簡単に取外すことができる。
また、分離孔1823cを、直径が2mm~6mmの円が接することが可能な大きさに設けるようにしているため、上記と同様の作用効果に加えて、分離孔1823cの大きさの上限を設けていることから、分離孔1823cの存在により装飾体1804における糊面の大きさが必要よりも小さくなることを回避させることができ、平板部1823aに対する所望の貼付強度を維持することができる。
また、上記のように、装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bを、平板部1823aから凹ませているため、平板部1823aと取付凹部1823bとの境の部位をガイドにして装飾体1804を貼り付けることにより、装飾体1804を正しい位置に貼り付け易くすることができ、装飾体1804の貼り付けの失敗を低減させてパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制することができる。
また、平板部から凹んだ取付凹部1823bに装飾体1804を貼り付けるようにしていることから、装飾体1804を表側から取外すために装飾体1804と取付凹部1823bの底面との間にマイナスドライバのような工具を挿入しようとしても、凹んでいる取付凹部1823bの周縁の壁部により工具の挿入が阻まれることとなるが、第一部材1823の分離孔1823cを、装飾体1804により被覆される部位に設けるようにしていることから、装飾体1804が貼り付けられる取付凹部1823bに分離孔1823cが設けられることとなるため、上述したように、棒状部材を裏側から分離孔1823cに挿入して装飾体1804を表側へ押圧することで、凹んでいる取付凹部1823bから装飾体1804を容易に取外すことができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、従来の技術(パチンコ機)では、シールを剥がすための孔が、パチンコ機(遊技盤)の後側まで貫通しているため、ピアノ線のような線状の工具を、当該孔を介して遊技球Bの通路や信号線等に到達させることが可能となり、不正行為が行われ易くなる問題があった。そこで、第一部材1823の裏側に分離孔1823cを閉鎖可能な第二部材(図205の第二部材1841、第二部材1842、等を参照)を設けることが望ましい。これにより、パチンコ機1に組立てられている状態では、第二部材によって、分離孔1823cの裏側を外部から閉鎖しているため、従来のパチンコ機のように遊技盤の反対側まで通るような孔を貫通させておらず、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具が遊技盤5内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、上記のように第一部材1823の裏側に分離孔1823cを閉鎖する第二部材(図205の第二部材1841、第二部材1842、等を参照)を設ける場合、不正工具を、表側から装飾体1804を貫いて分離孔1823cに挿通させても、不正工具の先端が第二部材に当接することとなり、第二部材の外部(遊技盤5内)への挿入(侵入)を遮断することができるため、分離孔1823cを通した表側からの遊技盤5内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体1804を貫くことで装飾体1804に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、本体枠4における遊技盤5の下方となる基板ユニット700に設けられているベースユニット710の第一球経路701及び第二球経路702において、遊技盤5から放出された遊技球Bが詰まった場合、前ベース711の解消口711bを閉鎖している防犯カバー714を開き、複数の切欠部713qのうち解消口711bの上方の切欠部713qからマイナスドライバのような棒状の工具を挿入して、詰まっている遊技球Bを突くことで遊技球Bを崩して詰りを容易に解消させることができる。その後、解消口711bを防犯カバー714で閉鎖することにより、解消口711b及び切欠部713qからピアノ線のような線状の不正工具が第一球経路701や第二球経路702に挿入されることを防犯カバー714により阻止することができる。仮に、切欠部713q、又は第一球経路701や第二球経路702の出口から、第一球経路701や第二球経路702に不正工具が挿入された場合、その先端を第一球経路701及び第二球経路702の入口(前ベース711の球受口711a)から遊技盤5へ延出させるために、不正工具の先端を第一球経路701や第二球経路702の内面に接触させながら移動させようとしても、第一球経路701及び第二球経路702の天井から下方へ延出している複数の阻害リブ713oの何れかに当接すると、阻害リブ713oにより不正工具の移動を阻害することができる。このように、防犯カバー714や複数の阻害リブ713oにより、第一球経路701や第二球経路702を介した遊技盤5への不正行為を阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、ベースユニット710を透明に形成しているため、第一球経路701や第二球経路702において遊技球Bの詰りが発生した時に、外部から見るだけで、球詰りの発生している場所を簡単に認識することができ、解消作業を容易なものとして遊技ホール側のメンテナンスの負担を軽減させることができる。
また、ベースユニット710では遊技球Bを排出する排出通路を独立した第一球経路701及び第二球経路702により構成していることから、遊技盤5から短時間に多くの遊技球Bが放出された時に、それらの遊技球Bを各第一球経路701及び第二球経路702に分配して排出させることが可能となるため、一つの第一球経路701又は第二球経路702に多くの遊技球Bが集中してしまうことを低減させることができ、遊技球Bの集中によって球詰りが発生し易くなることを回避させることができると共に、遊技盤5から放出された多くの遊技球Bを速やかに遊技ホールの島設備側(アウト受部、バケツ、等)へ排出させることができる。
また、第一球センサ703及び第二球センサ704によって第一球経路701及び第二球経路702を流通している遊技球Bを検知することができることから、第一球経路701及び第二球経路702から排出された遊技球Bの数をカウントすることができるため、上流の遊技盤5においてカウントされた遊技球Bの数と比較することで、遊技盤5や第一球経路701及び第二球経路702に対する不正行為の有無を判定することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前後方向に独立した第一球経路701及び第二球経路702により排出通路を構成していることから、遊技盤5において、特典が付与される入賞口に受入れられた遊技球B(セーフ球)と、当該入賞口に受入れられなかった遊技球B(アウト球)とを、前後方向が異なる位置へ放出させるようにすることで、入賞口に受入れられた遊技球Bと、入賞口に受入れられなかった遊技球Bとを、互いに異なる第一球経路701及び第二球経路702を流通させて排出させることができる。そして、夫々の第一球経路701及び第二球経路702を流通している遊技球Bを一つずつ検知可能な第一球センサ703及び第二球センサ704を備えていることから、遊技盤5の外部において、入賞口に受入れられた遊技球B(セーフ球)の数と、入賞口に受入れられなかった遊技球B(アウト球)の数と、をカウントすることができるため、遊技盤5においてカウントされた遊技球B(セーフ球)の数と比較することで、遊技盤5の入賞口に対する不正行為の有無を判定することができ、遊技ホール側の負担を軽減させることが可能な不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、ベースユニット710(球経路部材713)に設けられている第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された遊技球Bの数をカウントすることができるため、遊技盤5に外部へ放出(排出)する遊技球Bの数をカウントするためのセンサや電子回路等を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができる。
また、解消口711bを開閉する防犯カバー714を、前ベース711にヒンジ回転可能に取付けているため、防犯カバー714により解消口711bを開いた状態としても、ヒンジ回転のヒンジ軸により防犯カバー714が前ベース711に取付けられている状態となる。従って、第一球経路701及び第二球経路702での遊技球Bの詰りを解消させるために、防犯カバー714を開いた状態としても、防犯カバー714が前ベース711に取り付いたままの状態となっているため、防犯カバー714を紛失し難くすることができる。
また、防犯カバー714をベースユニット710の下面に設けるようにした上で、防犯カバー714を、ヒンジ回転可能に前ベース711に取付けると共に、防犯カバー714のヒンジ軸を防犯カバー714の前端側で左右右方(水平方向)に延びるように設けているため、第一球経路701及び第二球経路702での遊技球Bの詰りを解消させる時には、遊技ホールの島設備に取付けられている外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた上で、防犯カバー714を開いて解消口711bに所定の工具を挿入して球詰りを解消させる。その後、防犯カバー714を閉じた後に本体枠4を外枠2に対して閉じることとなるが、この際に、防犯カバー714が開いていると、防犯カバー714の先端が外枠2(接触危惧物)に当接して本体枠4を閉じることができなくなるため、防犯カバー714の閉め忘れに気付かせることができ、防犯カバー714を閉じて解消口711bを確実に閉鎖させることができる。また、外枠2に対して本体枠4を閉じている時に、何らかの理由で防犯カバー714が開いた状態となっても、本体枠4を開ける際に、防犯カバー714が外枠2に当接することで、防犯カバー714が閉まる方向へ回転することとなるため、本体枠4が開かなくなることはなく、本体枠4を良好に開くことができると共に、防犯カバー714等が破損してしまうことを防止することができる。
更に、第一球経路701及び第二球経路702を形成している球経路部材713に複数の切欠部713qを設けているため、第一球経路701や第二球経路702に侵入したゴミや、遊技球Bに付着しているゴミを、切欠部713qを通して第一球経路701及び第二球経路702の下方へ排出させることができ、第一球経路701及び第二球経路702内のゴミを低減させることでゴミを起因とした遊技球Bの球詰りの発生を低減させることができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側のメンテナンスの負担を軽減させることができる。
また、複数の切欠部713qの一部を、球詰りを解消させる工具を挿入するための工具挿入口と兼用しているため、工具挿通口を別途に設ける必要が無く、パチンコ機1にかかる構成を簡単なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができると共に、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、ベースユニット710において、切欠部713qを通って落下してきたゴミが第一球センサ703や第二球センサ704にかからないようにしているため、ゴミの付着によって第一球センサ703や第二球センサ704に不具合が発生することを回避させることができ、第一球経路701や第二球経路702を流通している遊技球Bを確実に検知させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5における遊技球Bが流通する通路部(遊技領域5a、右下案内通路2530、ゲート2003、等)を形成している第一部材(前構成部材1000、前部材2531、ゲート本体2810、第一部材1821、第一部材1822、等)と第二部材(遊技パネル1100、センター台板2540、ゲートセンサ2801、第二部材1841、第二部材1842、等)とにおける第一部材の平板部(前構成部材1000の前面、平板部1821a、平板部1822a、前部材2531の前面、前板部2810a、等)の着接部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、取付凹部1821b、取付凹部1822b、等)に、所定の装飾が施されている装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)を着接しているため、装飾体の装飾により第一部材の見栄えを良くすることができる。また、装飾体が着接される着接部を、平板部の一方側の面から凹ませていることから、着接部に装飾体を着接すると、第一部材の平板部における着接部の周囲の部分が装飾体の周囲を囲んでいる状態となるため、当該部位により縁取りされることで装飾体を引き立たせることができ、装飾体の装飾による装飾効果を発揮させ易くしてパチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)が着接される着接部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、取付凹部1821b、取付凹部1822b、等)を平板部(前構成部材1000の前面、平板部1821a、平板部1822a、前部材2531の前面、前板部2810a、等)から凹ませているため、平板部と着接部との境の部位をガイドにして装飾体を着接することにより、装飾体を正しい位置に着接させ易くすることができ、装飾体の着接の失敗を低減させてパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制することができる。
このパチンコ機1では、第一部材(前構成部材1000、前部材2531、ゲート本体2810、第一部材1821、第一部材1822、等)における平板部(前構成部材1000の前面、平板部1821a、平板部1822a、前部材2531の前面、前板部2810a、等)から凹んだ着接部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、取付凹部1821b、取付凹部1822b、等)に装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)を着接させるようにしていることから、装飾体を一方側から取外すために装飾体と着接部との間にマイナスドライバのような工具を挿入しようとしても、凹んでいる着接部の周縁の壁部により工具の挿入が阻まれることとなる。これに対して、第一部材の分離孔(分離孔1023、分離孔1821d、分離孔1822c、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を、装飾体により一方側が閉鎖される部位に設けるようにしていることから、装飾体が着接される着接部に分離孔が設けられることとなるため、棒状部材を他方側から分離孔に挿入して装飾体を一方側へ押圧することで、着接部との着接を容易に解除することができ、凹んでいる着接部から装飾体を容易に取外すことができる。従って、パチンコ機1の製造時において、第一部材の平板部に対して正しく着接することができなかった場合、第一部材の他方側から分離孔に棒状部材を通し、その先端により装飾体を他方側から押圧することで、平板部との着接を容易に解除することができるため、第一部材の平板部から装飾体を容易に取外すことができ、装飾体を着接し直すことができる。また、第一部材と第二部材とを離した状態で、第一部材の他方側から分離孔に棒状部材を通し、その先端により装飾体を他方側から押圧することで、第一部材の平板部との着接を容易に解除することができるため、平板部から装飾体を容易に取外すことができ、機種変更に伴う装飾体の取替作業を容易なものとすることができる。更に、上述したように、第一部材と第二部材とを離した状態では、分離孔を使用して装飾体を平板部から容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、第一部材(前構成部材1000、前部材2531、ゲート本体2810、第一部材1821、第一部材1822、等)の平板部(前構成部材1000の前面、平板部1821a、平板部1822a、前部材2531の前面、前板部2810a、等)に分離孔(分離孔1023、分離孔1821d、分離孔1822c、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を設けているため、平板部に装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)を着接することにより一方側から分離孔を見え難くしたり隠したりすることができ、分離孔による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔の存在に気付かせ難くすることができ、分離孔を通した不正行為を画策させ難くすることができる。
そして、パチンコ機1に組立てられている状態では、装飾体(スペックシール1020、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)が着接されている第一部材(前構成部材1000、第一部材1821、第一部材1822、等)の平板部(前構成部材1000の前面、平板部1821a、平板部1822a、等)の他方側から分離孔(分離孔1023、分離孔1821d、分離孔1822c、等)を囲むように延出部(挿通ピン1022、ボス部1821c、リブ1822d、等)を第二部材(遊技パネル1100、第二部材1841、第二部材1842、等)まで延出させて、第一部材の他方側に第二部材を取付けており、分離孔の他方側を延出部と第二部材の一方側の面とにより外部から遮断された閉鎖空間を形成しているため、延出部の外側や第二部材の他方側から分離孔へ不正工具が挿入されることを阻止することができると共に、従来のパチンコ機のように反対側まで通るような孔を貫通させておらず、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具がパチンコ機1内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、第二部材(遊技パネル1100、第二部材1841、第二部材1842、等)により分離孔(分離孔1023、分離孔1821d、分離孔1822c、等)の他方側を閉鎖空間としていることから、不正工具を、一方側から装飾体(スペックシール1020、装飾体1801、装飾体1802、装飾体1803、等)を貫いて分離孔に挿通させても、不正工具の先端が外部と遮断された閉鎖空間に挿入されることとなり、第一部材(前構成部材1000、第一部材1821、第一部材1822、等)の延出部(挿通ピン1022、ボス部1821c、リブ1822d、等)や第二部材により通路部(遊技領域5a、等)側やパチンコ機1内への挿入(侵入)を遮断することができるため、分離孔を通した一方側からのパチンコ機1内への不正工具の侵入を阻止することができ、分離孔や通路部を介して不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体を貫くことで装飾体に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一部材1821の他方側から第二部材1841の位置決突起1841bを分離孔1821dに挿入することで、第一部材1821と第二部材1841とを互いに位置決めすることができるため、組立てにかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。また、分離孔1821dに位置決突起1841bを挿入して第一部材1821と第二部材1841とを互いに位置決めすると、分離孔1821dの他方側を位置決突起1841bにより閉鎖することができるため、分離孔1821d自体を上述した閉鎖空間とすることができ、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球Bが流通する通路部(遊技領域5a、右下案内通路2530、及びゲートセンサ2801の検知孔、等)を有している通路部材(遊技パネル1100、センター台板2540、ゲートセンサ2801、等)の前側に設けられている前部材(前構成部材1000、センター役物2500の前部材2531、ゲート部材2800のゲート本体2810、等)の前面となる被装飾部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、等)に、所定の装飾が施されている装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)を着接しているため、装飾体の装飾により通路部材の見栄えを良くすることができる。また、装飾体が着接される被装飾部を、装飾体の前後方向の奥行きよりも後方へ凹ませていることから、被装飾部に装飾体を着接すると、前部材における被装飾部の周囲の部分が装飾体の前面よりも前方へ突出した状態となるため、前部材の前方へ突出している部位により縁取りされることで装飾体を引き立たせることができ、装飾体の装飾による装飾効果を発揮させ易くしてパチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)が着接される被装飾部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、等)を後方へ凹ませているため、前部材(前構成部材1000、センター役物2500の前部材2531、ゲート部材2800のゲート本体2810、等)における被装飾部の突出している周囲をガイドにして装飾体を着接することにより、装飾体を正しい位置に着接させ易くすることができ、装飾体の着接の失敗を低減させてパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制することができる。
このパチンコ機1では、前部材(前構成部材1000、センター役物2500の前部材2531、ゲート部材2800のゲート本体2810、等)の被装飾部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、等)を後方へ凹ませているため、装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)を、被装飾部に着接した状態において、装飾体と被装飾部との接触面が奥まった位置にあることから、被装飾部に着接されている装飾体を外そうとしても前側からは装飾体を引掛け難く、取外す手間がかかることとなる。これに対して、被装飾部に分離孔(分離孔1023、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を設けているため、前部材の後方から分離孔に棒状部材を通して装飾体を前方へ押圧することで、被装飾部との着接を容易に解除することができ、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができる。従って、製造時において、前部材の被装飾部に対して装飾体を正しく着接することができなかった場合、前部材の後方から分離孔に棒状部材を通し、その先端により装飾体を後方から押圧することで、被装飾部との着接を容易に解除することができるため、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができ、装飾体を着接し直すことができる。
また、前部材(前構成部材1000、センター役物2500の前部材2531、ゲート部材2800のゲート本体2810、等)と通路部材(遊技パネル1100、センター台板2540、ゲートセンサ2801、等)とを離した状態で、前部材の後方から分離孔(分離孔1023、分離孔2531b、分離孔2810d、等)に棒状部材を通し、その先端により装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)を後方から押圧することで、被装飾部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、等)との着接を容易に解除することができるため、被装飾部から装飾体を容易に取外すことができ、機種変更に伴う装飾体の取替作業を容易なものとすることができる。更に、上述したように、前部材と通路部材とを離した状態では、分離孔を使用して装飾体を被装飾部から容易に取外すことができるため、パチンコ機1の構成部品に対して素材毎の分別作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1の廃棄にかかるコストを低減させることができる。
また、被装飾部(スペックシール貼付部1021、貼付凹部2531a、貼付凹部2810b、等)に分離孔(分離孔1023、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を設けているため、被装飾部に装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)を着接することにより前方から分離孔を見え難くしたり隠したりすることができ、分離孔による見栄えの悪化を抑制させることができると共に、遊技者に対して分離孔の存在に気付かせ難くすることができ、分離孔を通した不正行為を画策させ難くすることができる。
そして、パチンコ機1に組立てられている状態では、装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)が着接されている前部材(前構成部材1000、センター役物2500の前部材2531、ゲート部材2800のゲート本体2810、等)の後側に組付けられている通路部材(遊技パネル1100、センター台板2540、ゲートセンサ2801、等)によって、分離孔(分離孔1023、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を後方から閉鎖するようにしており、従来のパチンコ機のように後側まで通るような孔を貫通させていないため、当該孔を通してピアノ線のような線状の不正工具がパチンコ機1内に差し込まれることを回避させることができ、不正行為が行われることを防止することができる。
また、通路部材(遊技パネル1100、センター台板2540、ゲートセンサ2801、等)により分離孔(分離孔1023、分離孔2531b、分離孔2810d、等)を後方から閉鎖していることから、不正工具を、前方から装飾体(スペックシール1020、右下案内通路装飾シール2532、ゲートシール2811、等)を貫いて分離孔に挿通させても、通路部材によりそれ以上の後方への挿入(侵入)を阻止することができるため、分離孔を通した前方からの通路部(遊技領域5a、右下案内通路2530、及びゲートセンサ2801の検知孔(ゲート2003)、等)内への不正工具の侵入を阻止することができ、不正行為が行われることを防止することができると共に、不正工具が装飾体を貫くことで装飾体に痕跡が残るため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5における裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100では、導光板3110及び導光板3110の第二絵柄3112を発光表示させるためのLED3176が実装されている導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175の前方に、裏前下演出ユニット3160における裏前下中装飾基板3168、裏前下左内装飾基板3169、裏前下左外装飾基板3170、裏前下右内装飾基板3171、裏前下右外装飾基板3172等に実装されている前方へ光を照射するLEDにより発光装飾可能な裏前下中装飾体3161、裏前下左内装飾体3163、裏前下左外装飾体3164、裏前下右内装飾体3165、裏前下右外装飾体3166等を設けており、裏前下中装飾体3161等の後方に、LED3176(導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175)を設けることで、裏前下中装飾体3161等によってLED3176を遊技者から見えなくする(隠す)ことができるため、遊技者に対してLED3176、つまり、導光板3110の存在に気付かせ難くすることができる。このような状態で、LED3176により導光板3110の第二絵柄3112を発光表示させると共に、裏前下中装飾基板3168等に実装されているLEDの発光により裏前下中装飾体3161等を発光装飾させると、LED3176からの光は導光板3110により前方へ反射された光であるのに対して、裏前下中装飾基板3168等のLEDからの光は直接前方へ照射された光であるため、導光板3110の第二絵柄3112よりも発光装飾されている裏前下中装飾体3161等の方を明るく輝かせることができ、遊技者の関心を裏前下中装飾体3161等へ強く引付けさせることができる。そして、導光板3110の発光表示されている第二絵柄3112が、発光装飾されている裏前下中装飾体3161等と接近した所定位置(若干上方の位置)から上方へ延びていることから、遊技者に対して導光板3110の第二絵柄3112が、発光装飾されている裏前下中装飾体3161等からの光を光源として発光表示されているように強く誤認させることができるため、これまでのパチンコ機では見たこともないような導光板3110を用いた発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板3110の前方に導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175、及び裏前下中装飾体3161等を設けていることから、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されているLEDからの光が導光板3110を照らして、透明な導光板3110が遊技者から見えてしまうことを回避させることができるため、導光板3110の第二絵柄3112等の発光表示による演出効果を十分に発揮させることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175の前方に透光性を有する裏前下中装飾体3161等を設けていることから、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されているLEDを発光させると、裏前下中装飾体3161等を発光装飾させることができるため、導光板3110の第二絵柄3112等の発光表示による演出に加えて、裏前下中装飾体3161等の発光装飾による演出も遊技者に見せることができ、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、導光板3110の第二絵柄3112を発光表示させると共に導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されているLEDを発光させると、上述したように、導光板下左装飾基板3174及び導光板下右装飾基板3175に実装されているLEDにより裏前下中装飾体3161等が明るく輝くことで、遊技者の関心を発光装飾されている裏前下中装飾体3161等に引付けさせることができると共に、裏前下中装飾体3161に接近した上方の所定位置から上方へ延びている導光板3110の第二絵柄3112により、遊技者の関心を裏前下中装飾体3161等から導光板3110の第二絵柄3112を介して、当該第二絵柄3112が延びている上方の先へ向けさせることができる。従って、第二絵柄3112かせ延びている上方の先には、演出表示装置1600の表示画面の一部、裏後上演出ユニット3200における昇降する裏後上可動装飾体3210等が設けられているため、導光板3110の第二絵柄3112が延びている先で、更なる演出(演出画像による演出、可動演出、等)が実行されるか否かによってワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板3110の第二絵柄3112は、所定位置から上方へ延出している五つのライン3113を一組とした複数のライン群3114により構成した上で、各ライン3113を夫々独立して発光表示可能としていると共に、各ライン3113に対応するようにLED3176(第一LED3176a~第五LED3176e)を設けているため、LED群3177の第一LED3176a~第五LED3176eを順番に発光させることで、発光表示されるライン3113が変化して疑似的なアニメーションを見せることができる。そして、複数のライン3113の下端の位置(所定位置)に接近した下方の位置に裏前下中装飾体3161等を設けているため、導光板3110の第二絵柄3112が発光装飾されている裏前下中装飾体3161等からの光を光源として動いているように見せることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れによる始動条件の成立により特別抽選の抽選結果(特別抽選結果)が抽選されると、機能表示ユニット1400Aや機能表示ユニット1400Bにおいて、機能表示基板1402の複数のLED1401や機能表示基板1411の左用LED1411a及び右用LED1411bが点灯・点滅することにより特別図柄が変動表示された後に、特別抽選結果を示唆する特別図柄が、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bの点灯・消灯による組合せによって表示される。この際に、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bからの光が、夫々独立して前方に放射させるリフレクタ前1405の複数の表示孔1405aやリフレクタ前1414の複数の表示孔1414aによって、一部を遊技者の一方の目にのみ放射するようにしていると共に、残りの少なくとも一部を遊技者の他方の目に見にのみ放射するようにしていることから、遊技者の両目で同時に見ることにより、全てのLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bからの光を見ることができるため、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bの点灯や消灯等を良好な状態で視認することが可能となり、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bによる特別図柄を明確に視認させることができ、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bによる表示機能を遜色なく発揮させることができる。
そして、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411b(機能表示ユニット1400Aや機能表示ユニット1400B)をデジカメや携帯電話のカメラにより撮影すると、上述したように、遊技者の両目で見たときに全てのLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bからの光が見えるようにしているため、単眼のカメラでは両目のうちの片方しか撮影することはできず、全てのLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bの発光状況を正確に撮影することを困難なものとすることができる。従って、複数のLED1401や左用LED1411a及び右用LED1411bの発光状況を正確に写すことができないため、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する特別図柄が表示されているか否かを簡単に判別できなくすることができ、特別抽選の抽選結果を示唆する演出を最後まで楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、機能表示ユニット1400Aでは、リフレクタ前1405の複数の表示孔1405aの一部を遊技者の一方の目の位置へ向けて前後方向に対して傾斜させると共に、残りを遊技者の他方の目の位置へ向けて前後方向に対して傾斜させたものと前後方向へ真直ぐに向けるようにしている。これにより、上記と同様の作用効果に加えて、表示孔1405aの傾斜により、本パチンコ機1の前方に着座している以外の遊技者からは、全てのLED1401からの光を良好な状態で見え難くすることができるため、他の遊技者に対して、遊技状況を把握され難くすることが可能となり、他の遊技者から覗き込まれるようなことを低減させることができ、他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を楽しませることができる。
また、機能表示ユニット1400Bでは、機能表示基板1411に実装されている複複数の左用LED1411aと複数の右用LED1411bとを、左右方向へ所定距離(40mm~80mm)離間させた上で、それらの前方に複数の表示孔1414aを有するリフレクタ前1414を設けているため、上記と同様の作用効果を奏することができる他に、各表示孔1414aを前後方向へ真直ぐに向けていることから、複数の表示孔1414aを型成形する時の型抜きが容易なものとなり、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、機能表示ユニット1400Cでは、機能表示基板1421に実装されている複数のLED1421aからの光は、透明な導光板1423を通して遊技者側から見えるため、複数のLED1421aによる特別図柄を良好な状態で遊技者に見せることができる。この際に、不可視光LED1424aから不可視光を導光板1423の側面に照射すると、側面から入射された不可視光が導光板1423から前方の遊技者側へ放射されることとなるが、導光板1423から放射される不可視光を遊技者が見ることはできないため、導光板1423を通して複数のLED1421aによる特別図柄を明確に視認させることができ、複数のLED1421aによる表示機能を遜色なく発揮させることができる。そして、不可視光LED1424aを発光させている状態で、前方からデジカメ等により撮影すると、デジカメ等の機種によっては導光板1423から前方へ放射されている不可視光が写ることとなるため、導光板1423が明るく光って写ることで後方に設けられている複数のLED1421aからの光が写り難くなり、複数のLED1421aの発光状況を判別し難くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、機能表示ユニット1400等において、主制御基板1310により、特別図柄が点灯していることを遊技者が認識可能な速度で複数のLEDを点滅させるようにしても良い。これにより、主制御基板1310により機能表示ユニット1400の複数のLEDを所定の速度で点滅させていても遊技者からは点灯しているように見えるため、複数のLEDによる特別図柄の表示を明確に見せることができ、複数のLEDによる表示機能を十分に発揮させることができる。そして、主制御基板1310により所定の速度で点滅させているLEDをデジカメ等で撮影すると、シャッタースピードによってはLEDが点灯しているのに消灯しているように写ることとなるため、同じ状況(状態)に見える複数のLEDを撮影しても、シャッターを切るタイミングによってLEDが点灯して写っていたり消灯して写っていたりすることとなり、複数のLEDの発光状況を判別し難くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。なお、主制御基板1310によりLEDを点滅させる所定の速度としては、30Hz~100Hzの範囲内が望ましく、これよりも点滅速度が遅いと、LEDが点灯しているように見えなくなり特別図柄が変動しているように点滅して見えてしまうためであり、これよりも点滅速度が早いと、撮影した時に点灯した状態で写るためである。
また、機能表示ユニット1400等に接近して、機能表示ユニット1400等のLEDよりも高輝度の光を前方へ照射可能な高輝度のLEDを設けるようにしても良い。これにより、機能表示ユニット1400等に接近して設けられている高輝度のLEDを発光させると、そのLEDからの輝度の高い光により眩しく感じるものの、遊技者(人間)の明るさを感じるダイナミックレンジが広いことから、眩しいながらも機能表示ユニット1400等のLEDからの光も見ることができるため、機能表示ユニット1400等において表示されている特別図柄を認識させることができ、機能表示ユニット1400等による表示機能を遜色なく発揮させることができる。そして、高輝度のLEDを発光させている状態で機能表示ユニット1400等をデジカメ等で撮影すると、デジカメ等では、明るさに対するダイナミックレンジが人間よりも狭いため、高輝度のLEDからの光によりハレーションが発生し、当該LEDの付近が白飛びすることで、機能表示ユニット1400等の一部を写らなくすることができる。従って、機能表示ユニット1400等における複数のLEDの発光状況を不明確にすることができ、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を具現化することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5Aにおいて、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100の裏前左装飾ユニット3120の複数の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)における夫々の装飾部(裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前左サブ装飾部3123)を、の発光手段(裏前左装飾基板3128等に実装されているLED)により発光装飾させていない通常の状態では、裏前左装飾ユニット3120の前方に設けられている透光性を有する不透明で白色系のパネル板1110Aによって、裏前左装飾ユニット3120の裏前左上ロゴ装飾部3122等を見えなくして認識し辛くすることができ、遊技者に対して裏前左上ロゴ装飾部3122等の存在に気付かせ難くすることができると共に、白色系の色により遊技パネル1100のパネル板1110Aを明るく見せることができ、本パチンコ機1を目立たせることができる。
そして、遊技の進行に応じて裏前左装飾ユニット3120の複数のLEDにより夫々の裏前左上ロゴ装飾部3122等を適宜発光装飾させると、発光装飾された裏前左上ロゴ装飾部3122等の光が、透光性を有するパネル板1110Aを通して前方へ照射されることとなり、裏前左上ロゴ装飾部3122等の発光装飾が白色のパネル板1110Aに映ることとなるため、パネル板1110Aを介して裏前左上ロゴ装飾部3122等の発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に裏前左上ロゴ装飾部3122等の発光装飾を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、裏前左装飾ユニット3120の裏前左上ロゴ装飾部3122等を発光装飾させることで、遊技者に対して存在を予見できなかった裏前左上ロゴ装飾部3122等の存在に気付かせることができるため、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者にチャンスが到来したと強く思わせることができると共に、演出効果の高い発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、透光性を有する不透明なパネル板1110Aの色を白色系としているため、後方に設けられている裏前左装飾ユニット3120の複数の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)の夫々の装飾部(第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、第一左上ロゴ装飾部3124e、第一左サブ装飾部3124f、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第二左上ロゴ装飾部3125e、第二左サブ装飾部3125f、第三裏左ロゴ装飾部3126d、第三左上ロゴ装飾部3126e、第三左サブ装飾部3126f、ベース左上ロゴ装飾部3127d)において発光装飾されている発光色を、その色のままでパネル板1110Aを介して遊技者に見せることができ、様々な色による発光演出を遊技者に見せることができると共に、多彩な発光演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、互いに関連した形状の装飾部(「第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d」、「第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d」、「第一左サブ装飾部3124f、第二左サブ装飾部3125f、第三左サブ装飾部3126f」)が設けられている複数の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)を前後方向へ重ねていると共に、発光手段(裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、裏前左下装飾基板3130、のLED)により各装飾部を夫々独立して発光装飾できるようにしていることから、夫々の装飾部の前後方向の位置が異なっているため、夫々の装飾部を発光装飾させると、奥行感のある発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)の夫々に互いに関連した装飾部(「第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d」、「第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d」、「第一左サブ装飾部3124f、第二左サブ装飾部3125f、第三左サブ装飾部3126f」)を設けているため、発光手段(裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、裏前左下装飾基板3130、のLED)により適宜の順番で装飾部を発光装飾させることで、動きのある発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、複数の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)の夫々に設けられている装飾部(「第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、第二裏左ロゴ装飾部3125d、第三裏左ロゴ装飾部3126d」、「第一左上ロゴ装飾部3124e、第二左上ロゴ装飾部3125e、第三左上ロゴ装飾部3126e、ベース左上ロゴ装飾部3127d」、「第一左サブ装飾部3124f、第二左サブ装飾部3125f、第三左サブ装飾部3126f」)を、発光手段(裏前左装飾基板3128、裏前左上装飾基板3129、裏前左下装飾基板3130、のLED)によって夫々を独立して発光装飾させることができようにしているため、発光装飾させる装飾部を適宜組合せることにより多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。また、夫々の装飾部を独立して発光装飾させることができるため、遊技の進行に応じて発光装飾させる装飾部の組合せにより、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技状態)が発生する期待度を遊技者に示唆させることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120の夫々の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)において、互いに異なる位置に設けられている装飾部(裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前左サブ装飾部3123)同士の間に、遮光部(区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c)を設けているため、一方の装飾部を発光装飾させるための光を、遮光部により他方の装飾部へ照射されることを遮って他方の装飾部が発光装飾することを防止することができ、一方(所望)の装飾部のみを発光装飾させることができる。従って、一つの装飾体に設けられている複数の装飾部を、夫々独立して発光装飾させることができるため、遊技の進行に応じて適宜の装飾部を発光装飾させることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏前左装飾ユニット3120の夫々の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)において、複数の装飾部(裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前左サブ装飾部3123)を互いに異なる位置に設けると共に、それらの間に遮光部(区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c)を設けることにより夫々を独立して発光装飾できるようにしているため、装飾体における夫々の装飾部を全く異なる態様の装飾とすることにより、遊技の進行に応じて異なる態様の発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、発光演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏前左装飾ユニット3120の夫々の装飾体(裏前左第一装飾体3124、裏前左第二装飾体3125、裏前左第三装飾体3126、及び裏前左装飾体ベース3127)において、複数の装飾部(裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前左サブ装飾部3123)の間に、孔状の遮光部(区切装飾部3124a、区切装飾部3125c、区切装飾部3126c)を設けていることから、一方の装飾部を発光装飾させるための光が、遮光部の一部から外部へ放射されることとなるため、遮光部の一部を発光装飾させることができる。従って、遮光部を所定の形状に形成することで、装飾部の発光装飾に加えて遮光部の発光装飾も遊技者に見せることができ、より多彩な発光演出を行うことができる。
また、裏前左装飾ユニット3120の裏前左第一装飾体3124において、所定の形状で前後に貫通している貫通装飾部3124bを有するようにしていることから、遊技の進行に応じて装飾部(第一表左ロゴ装飾部3124c、第一裏左ロゴ装飾部3124d、第一左上ロゴ装飾部3124e、第一左サブ装飾部3124f)を発光装飾させると、貫通装飾部3124bの周面が発光装飾することとなるため、装飾部の発光装飾に加えて貫通装飾部3124bの発光装飾も遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5Bにおいて、温度や湿度等の環境の変化により、遊技パネル1100の透明のパネル板1110の後方に設けられているセル1140がパネル板1110よりも伸縮しても、当該セル1140がパネル板1110に対して伸縮可能な状態で設けられているため、セル1140が自由に伸縮することができ、温度や湿度等の環境が変化してもセル1140に皺や亀裂が生ずることはなく、セル1140による装飾効果を維持させることができる。この際に、セル1140を、パネル板1110におけるセンター役物2500が取付けられる開口部1112が片寄っている所定方向とは反対方向の部位の後方、つまり、パネル板1110における広い部位の後方に設けているため、透明なパネル板1110を通して見えるセル1140の絵柄を遊技者に見え易くすることができ、セル1140による装飾効果を十分に発揮させることができると共に、透明なパネル板1110を通して見えるセル1140の絵柄により遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、セル1140を伸縮可能な状態で遊技パネル1100のパネル板1110に設けており、従来のように遊技パネル(パネル板)に貼り付けていないため、透明なパネル板1110の装飾に対する手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。詳述すると、切削加工するパネル板1110では、切削加工後にセル1140を設けることができるため、パネル板1110の切削加工時にセル1140に傷が付くことはない。また、パネル板1110とセル1140との材質等に違いによって切削加工面が荒れることはなく、切削加工後の仕上工程を省くことができる。一方、切削加工や射出成形により開口部を有するように形成された遊技パネル(パネル板)では、セル1140を貼り付けていないため、貼り付けにかかる手間を無くすことができる。従って、従来の技術よりも簡単に透明なパネル板1110の後方にセル1140を設けることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、セル1140を、遊技パネル1100のパネル板1110の一部の後方に設けるようにしているため、パネル板1110の全面にセル1140を設けるようにする場合と比較して、セル1140の使用量を低減させることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110に対してセル1140を着脱可能としているため、パネル板1110に対して、絵柄の異なるセル1140を取付けたり交換したりすることで、パチンコ機1(遊技盤5B)の仕様変更や機種変更に対して容易に対応することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3100に設けられている各種のLEDの発光によりセル1140を発光装飾させることができるため、透明な遊技パネル1100のパネル板1110を通して見えるセル1140の絵柄が発光装飾されることで、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を遊技領域5a内へ強く引付けさせることができると共に、遊技領域5a内を明るくすることができ、遊技領域5a内を流通する遊技球Bを見え易くすることができる。
更に、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3100に設けられている各種のLEDにより遊技パネル1100の透明なパネル板1110の後方に設けられているセル1140を発光装飾させることができるため、セル1140の発光装飾により遊技領域5a内を流通している遊技球Bを後方から照らしてシルエットのように見せることができ、遊技球Bを視認し易くすることで遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技領域5a内を流通している遊技球Bをシルエットで見せることで視認し易くすることができるため、遊技球Bの打込強さの微妙な調整を行い易いものとすることができ、遊技球Bの打込操作を工夫するパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができる。
また、遊技パネル1100の透明なパネル板1110の一部の後方にセル1140を設けるようにしていることから、遊技者が遊技領域5a内を見た時に、セル1140の絵柄に焦点が合い易くなるため、遊技パネル1100(パネル板1110)を見るだけで自然と遊技領域5a内を流通している遊技球Bに焦点が合うこととなり、遊技領域5a内を流通している遊技球Bを視認し易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、透明なパネル板1110の一部の後方に、所定の絵柄が施されているセル1140を設けるようにしているため、セル1140の絵柄によって後方に設けられている裏ユニット3000の裏前演出ユニット3100の装飾体等を遊技者側から隠すことができる。従って、セル1140の後方に設けられている装飾体を発光装飾させていない状態では、セル1140の絵柄により遊技者に対して装飾体の存在に気付かせないようにすることができる。そして、当該装飾体を遊技の進行に応じて発光装飾させると、セル1140が装飾体からの光により発光装飾されることとなるため、遊技者に対して存在を予見できなかった装飾体の存在に気付かせることが可能となり、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者にチャンスが到来したと強く思わせることができると共に、より演出効果の高い発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、セル1140により後方に設けられている可動装飾体としての裏後下演出ユニット3300の裏後左可動装飾体3301を遊技者側から見えないように隠すことができることから、セル1140によって視認不能な状態から、遊技パネル1100のパネル板1110の前後に貫通している開口部1112を通して視認可能となる状態へ、遊技の進行に応じて裏後左可動装飾体3301を移動させると、遊技の進行に応じて裏後左可動装飾体3301が出現する可動演出を見せることができる。従って、裏後左可動装飾体3301等が出現することにより、遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができるため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」の遊技状態)が発生するのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5Aにおいて、前方に遊技球Bが流通する遊技領域5aが設けられる遊技パネル1100のパネル板1110Aを、透光性を有する不透明な乳白色としているため、遊技領域5a内を明るく見せることができ、遊技領域5a内を流通する遊技球Bを見え易くすることができると共に、本パチンコ機1に設けられているLEDや演出表示装置1600等からの光、本パチンコ機1を設置している遊技ホール内の照明等からの光、他のパチンコ機やスロットマシン等の遊技機からの光、等が遊技パネル1100に照射されると、その光が遊技パネル1100のパネル板1110Aにおいて拡散することで、パネル板1110Aが薄明るく自光しているように見せることができる。更に、パネル板1110Aの周面へ光を照射可能なパネル装飾基板1130の複数のLED1130aを発光させると、その光が透光性を有した不透明で乳白色のパネル板1110Aにより拡散されることとなるため、遊技パネル1100のパネル板1110Aをふんわりとした感じで柔らかく間接照明のような蛍光灯のように発光装飾させることができ、遊技領域5a内を明るくすることができると共に、LED1130aによる眩しさを抑制させることができ、遊技者の目に優しいパチンコ機1を提供することができる。従って、遊技パネル(パネル板)として合板や透明板を用いているこれまでのパチンコ機と比較して、これまでに見たこともないような蛍光灯のように発光する遊技領域5aを有したパチンコ機1を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を遊技パネル1100(遊技領域5a)へ強く引付けさせることができ、何か良いことがあるのではないかと感じさせて遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技領域5a内を流通している遊技球Bが後方のパネル板1110Aからの光によりシルエットのように見せることができ、遊技球Bを視認し易くすることで遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110Aの前面に装飾シート(化粧フィルム)(図示は省略)を設けるようにすると、乳白色のパネル板1110Aにより化粧フィルムに施されている絵柄の発色を良くすることができ、絵柄の装飾により遊技領域5a内の見栄えを良くすることができると共に、パネル装飾基板1130のLED1130aを発光させることで遊技パネル1100のパネル板1110Aを介して化粧フィルムの絵柄を発光装飾させることができるため、遊技領域5a内の見栄えを更に良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる
また、遊技パネル1100のパネル板1110Aの前面に化粧フィルムを設けるようにする場合、透光性を有する不透明なパネル板1110Aに起因して、LED1130a等により発光装飾される部位が不明瞭になり易くなることを、絵柄を工夫して、発光装飾が不明瞭になる部位を化粧フィルムの絵柄の一部によって隠れるように、当該絵柄を工夫(或いは、LED1130a等の配置を工夫)することで、発光装飾を明瞭に見せることができ、装飾効果をより高めることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110Aの前面に化粧フィルムを貼り付けるようにする場合、化粧フィルムとして耐摩耗性に優れた素材を用いることで、化粧フィルムによって遊技球Bの流通に対してパネル板1110Aの前面を保護することができる。これにより、パネル板1110Aの材質として、耐摩耗性の高いものを用いる必要が無く、グレードの低い安価な材質のものを用いることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、遊技パネル1100のパネル板1110Aの後面に化粧フィルムを設けるようにする場合、化粧フィルムの後方から前方へ照射された光により、化粧フィルムの絵柄の影がパネル板1110Aに映ることで、当該絵柄を遊技者に見せることができ、軽傷フィルムの絵柄や文字等を後方からパネル板1110Aに投影させる発光演出を遊技者に見せることができるため、当該演出が実行されることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。或いは、当該発光演出として、化粧フィルムにより「右打ち」、演出操作部301の操作、等を促すような絵柄や文字等を後方から遊技パネル1100のパネル板1110Aに投映させることで、遊技球Bの打込操作、遊技者参加型演出における演出操作部301の操作、等を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110Aの前面と後面の両方に化粧フィルムを設けるようにする場合、パネル装飾基板1130のLED1130a等によりパネル板1110Aの側面に光を照射すると、上述したように、パネル板1110Aが自光することで前面側の化粧フィルムが発光装飾され、遊技者に対して前面側の化粧フィルムの絵柄を楽しませることができる。一方、LED等により遊技パネル1100の後方から前方へ光を照射すると、後面側の化粧フィルムの絵柄の影がパネル板1110Aに映ると共に、当該影が前面側の化粧フィルムの絵柄と重なるため、前面側の化粧フィルムの絵柄が変化して見えることとなる。これにより、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、透光性を有する不透明で乳白色のパネル板1110Aの後方に設けられている裏前左装飾ユニット3120の裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右装飾ユニット3140の裏前右上ロゴ装飾部3142を、遊技の進行に応じて発光装飾させると、その光が遊技パネル1100のパネル板1110Aを通して前方(遊技者側)へある程度透過するため、パネル板1110Aを後方に設けられている裏前左上ロゴ装飾部3122や裏前右上ロゴ装飾部3142と同じ態様で部分的に発光装飾させることができると共に、後方に設けられている裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の存在を遊技者に気付かせることができる。従って、遊技パネル1100のパネル板1110Aを介して裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の発光装飾が見えることで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技パネル1100のパネル板1110Aの後方に設けられている裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142を、無色透明の素材により形成していることから、パネル板1110Aが乳白色の白色系であるため、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の色がパネル板1110Aの色と同化して前方から見えなくすることができ、遊技者に対して裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の存在に気付かせないようにすることができる。そして、当該裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142を発光装飾させると、上述したようにパネル板1110Aを通して裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の発光装飾が見えるため、存在を予見できなかった裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142の存在に気付くことで、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者にチャンスが到来したと強く思わせることができると共に、より演出効果の高い発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後下演出ユニット3300の裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が、通常の状態では、不透明で乳白色のパネル板1110Aの後方に位置することで、前方から視認不能な状態となっており、遊技の進行に応じてパネル板1110Aの開口部1112の後方の部位へ移動することで、開口部1112を通して視認可能な状態となるため、遊技者に対して裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が出現する可動演出を見せることができる。従って、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が出現することにより、遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができるため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」の遊技状態)が発生するのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302を発光装飾可能とすることにより、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が視認不能な状態の時に、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302(或いは、裏前左上ロゴ装飾部3122及び裏前右上ロゴ装飾部3142)の発光装飾を点灯・点滅させることで、透光性を有するパネル板1110Aを通して遊技者に裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302の存在に気付かせることができると共に、裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が視認可能となる状態に移動するか否か(裏後左可動装飾体3301及び裏後右可動装飾体3302が出現するか否か)によって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者をより楽しませることが可能な可動演出を実行することができる。
また、前方に遊技領域5aが設けられる遊技パネル1100のパネル板1110Aを、透光性を有した不透明にしていることから、遊技者が遊技領域5a内を見た時に、パネル板1110Aの前面に焦点が合い易くなるため、パネル板1110Aを見るだけで自然と遊技領域5a内を流通している遊技球Bに焦点が合うこととなる。この際に、上述したように、外部等からの光や発光しているLED1130a等からの光によりパネル板1110Aが自光しているような状態となることから、遊技領域5a内を流通している遊技球Bが後方のパネル板1110Aからの光によりシルエットのように見せることができるため、遊技領域5a内を流通している遊技球Bを視認し易くすることができ、遊技球Bの動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技球Bの打込強さの微妙な調整を行い易いものとすることができ、遊技球Bの打込操作を工夫するパチンコ機1本体の遊技を楽しませることができる。
更に、遊技パネル1100のパネル板1110Aを、透光性を有した不透明で乳白色のもの(合成樹脂)としているため、パネル板を透明なものとした場合と比較して、グレードの低い合成樹脂を使用することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、パネル板1110Aを、透光性を有した不透明な乳白色としているため、本パチンコ機1に設けられている装飾体の色を相対的に目立たせて装飾体の装飾効果を強く発揮させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができると共に、パネル装飾基板1130のLED1130aや、遊技パネル1100の後方に設けられている装飾体等を発光装飾させた時に、その発光色のままで前方へ透過させることができ、色彩豊かな発光演出を遊技者に楽しませることができる。
また、パネル板1110Aを、透光性を有した不透明で乳白色としているため、遊技パネル1100の後方に設けられた装飾体(例えば、裏前左装飾ユニット3120)等を前方(遊技者側)から視認不能とすることができる。そして、遊技パネル1100の後方に設けられた装飾体を発光装飾させると、装飾体からの光が透光性を有した遊技パネル1100(パネル板1110A)を通して前方へ透過するため、遊技パネル1100を部分的に発光装飾させることができると共に、後方に設けられている装飾体の存在を遊技者に気付かせることができる。また、遊技パネル1100の後方に設けられた装飾体を、パネル板1110Aを貫通している開口部1112の後方となる部位へ移動させると、当該開口部1112を通して装飾体を前方から視認可能とすることができ、装飾体が隠れたり出現したりする可動演出を遊技者に見せることができる。このように、多彩な発光演出や可動演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、透光性を有した不透明で乳白色のパネル板1110Aにより、パネル装飾基板1130のLED1130a等からの光を拡散させることができるため、遊技パネル1100をふんわりとした感じで柔らかく発光装飾させることができ、間接照明のような感じで遊技領域5a内を明るくすることができると共に、LED1130aによる眩しさを抑制させることができ、遊技者の目に優しいパチンコ機1を提供することができる。
また、パネル装飾基板1130のLED1130a等により遊技パネル1100のパネル板1110Aを発光装飾させることができるため、例えば、LED1130aをパネル板1110Aの左側と右側に設け、夫々を独立して発光させることができるようにした上で、遊技の状況(進行)に応じて右側を発光させると、パネル板1110Aを介して遊技領域5a内の右部が明るくなるため、遊技者の関心を遊技領域5aの右部に向けさせることができ、遊技領域5aの右部へ遊技球Bを打込む(「右打ち」する)ように促すことができる。一方、左側を発光させると、パネル板1110Aを介して遊技領域5a内の左部が明るくなるため、遊技者の関心を遊技領域5aの左部に向けさせることができ、遊技領域5aの左部へ遊技球Bを打込む(「左打ち」する)ように促すことができる。このように、適宜位置のLED1130aを発光させることで、遊技パネル1100(パネル板1110A)の発光装飾が、「左打ち」や「右打ち」をアドバイスしていることを直感的に理解させることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませることができると共に、これまでのパチンコ機1にはない新感覚の発光演出により遊技者を楽しませることができる。
また、遊技パネル1100を、板状のパネル板1110A(パネル板1110)と、パネル板1110Aよりも厚い枠状でパネル板1110Aの外周を保持しているパネルホルダ1120とで、構成するようにしているため、パネルホルダ1120の厚さを従来のパチンコ機の遊技パネルと同じ厚さにした場合、前方に遊技領域5aが設けられるパネル板1110A(パネル板1110)の厚さを従来の遊技パネルよりも薄くすることができ、遊技パネル1100(パネル板1110、パネル板1110A)に使用される材料の量が少なくなることでパチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、遊技パネル1100を、パネル板1110又はパネル板1110Aとパネルホルダ1120とで構成しているため、パネル板1110Aとパネルホルダ1120とを着脱可能としてパネルホルダ1120を共通の汎用部品することが可能となる。これにより、パネルホルダ1120を量産することで、パネルホルダ1120のコストを低減させることができる上に、機種毎に対応したパネル板1110又はパネル板1110Aを製造するようすることで、新規や機種変更等にかかるコストを低減させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、保持部材1060における弾性爪1062を有する収容部1061に磁気センサ1050を収容した状態で、その弾性爪1062を磁気センサ1050に係止させることで、保持部材1060を介して磁気センサ1050を遊技盤5に設けることができる。また、弾性爪1072aを有する保持容器1072に磁気センサ1050を収容した状態で、その弾性爪1072aを保持部材1071の係止部1071aに係止させることで、保持部材1071及び保持容器1072を介して磁気センサ1050を遊技盤5に設けることができる。この際に、保持部材1060、保持部材1071及び保持容器1072を非磁性体としているため、遊技領域5aに磁石1055が近づけられた際に、保持部材1060等が磁石1055からの磁力線を引寄せてしまうことを回避させることができ、磁気センサ1050を通過する磁力線の減少を防止することができる。従って、遊技領域5aに作用する磁気を検知し易くすることができ、磁石1055を使用した不正行為を早期に検知することができると共に、磁気センサ1050による不審な磁気の検知を報知することで不正行為を思い止まらせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、非磁性体からなる保持部材1060、保持部材1071及び保持容器1072により磁石1055からの磁力線の引寄せを回避させて、磁気センサ1050を通過する磁力線の減少を防止することができるため、従来のパチンコ機よりも少ない数の磁気センサ1050により遊技領域5aに作用する磁気を効果的に検知することが可能となり、従来よりも磁気センサ1050の数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、収容部1061の弾性爪1062や保持容器1072の弾性爪1072aを弾性変形させることで、保持部材1060や保持部材1071の係止部1071aに対する磁気センサ1050の取付けや取外しを容易に行うことができるため、従来のパチンコ機のように、磁性体からなる金属製のネジを使用しなくても、弾性爪1062や弾性爪1072aにより磁気センサ1050を取付けることができると共に、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、予め保持部材1071に複数の係止部1071aを設けるようにし、磁気センサ1050を収容した保持容器1072の弾性爪1072aを、適宜位置の係止部1071aに係止させることで、磁気センサ1050を任意の位置に設けたり、位置を容易に変更したりすることができる。従って、磁気センサ1050の位置変更や増設を容易に行うことができるため、パチンコ機1のコストの増加を抑制しつつ設計変更や機種変更に容易に対応することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、保持部材1060における突起1063により磁気センサ1050を収容部1061内へ付勢していることから、突起1063による付勢によって磁気センサ1050が細かく振動することを抑制することができるため、当該振動により磁気センサ1050に接続されているコネクタが外れたり接触不良が発生したりすることを低減させることができ、磁気センサ1050を確実に作動させることができる。
また、磁気センサ1050を保持部材1060や保持部材1071及び保持容器1072により視認可能に保持していると共に、磁気センサ1050のセンサケース1053を透明としているため、透明なセンサケース1053を通してセンサ基板1052に実装されているセンサ本体1051を遊技者に見せることができる。この際に、センサ本体1051が実装されているセンサ基板1052の表面を白色としているため、色の異なる(例えば、黒色)センサ本体1051を目立たせることができる。従って、遊技者に対して磁気センサ1050がダミーでなく本物であることを強く認識させることができ、磁気センサ1050が見えることで磁石1055を使用した不正行為を行おうとする者に対して、不正行為の実行を躊躇させることができると共に、不正行為に対する抑止力を高めることができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、透明なセンサケース1053を通してセンサ本体1051が見えても、普通の遊技者は、磁気センサ1050の存在に対してさして注意を払わないため、気になることはない。これに対して、不正行為を行おうとする者は、遊技領域5a内を注視するため、白色のセンサ基板1052と黒色のセンサ本体1051とのコントラストにより、磁気センサ1050が目に付き易くなり、良く見えてしまう。従って、磁気センサ1050の存在に気付くことで、磁石を使用した不正行為の実行を躊躇させることができ、抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、磁気センサ1050において、センサ本体1051が実装されているセンサ基板1052の表面を白色としているため、センサ基板1052を目立ち難くすることができると共に、センサ基板1052をLEDが実装されている装飾基板と誤認させることができる。従って、磁気センサ1050のセンサ基板1052が見えていても、通常の遊技者であれば気になることはなく、遊技領域5aの見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、磁気センサ1050のセンサ本体1051を外部から見ることができることから、センサ本体1051の破損の有無を外部から確認することができるため、パチンコ機1のメンテナンスにかかる手間を容易なものとすることができ、本パチンコ機1を設置している遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、磁気センサ1050を非磁性体からなる保持部材1060や、保持部材1071及び保持容器1072等を介して遊技盤5に設けるようにしているため、保持部材1060や保持部材1071を遊技盤5に取付ける時に、ネジのような磁性体を使用して取付けるようにする場合、保持部材1060や保持部材1071における遊技盤5に取付けられる部位を、磁気センサ1050から離れた位置、或いは、遊技領域5aにおける磁気の検知範囲外の位置、に設けることが可能となる。これにより、ネジ等の磁性体による影響を可及的に低減させることができるため、磁気センサ1050によって遊技領域5aに作用する磁気を確実に検知させることができ、磁石1055を使用した不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
[21.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、主制御基板1310が行う各種制御処理について、図210~図215を参照して説明する。図210は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図211は図210の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図212は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図213は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図214は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートであり、図215はエラー表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、設定値確認表示処理、エラー表示処理について説明する。
[21-1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数と、この特別乱数の初期値の決定に用いるための当り判定用初期値決定乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄や小当り図柄の決定(当り種別の決定)に用いるための図柄乱数と、この図柄乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な第二始動口扉2411を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、特別乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
[21-2.初期値更新型のカウンタの動き]
例えば、特別乱数は、主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板633のRAMクリアスイッチ(RWMスイッチ633d)が電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティ対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティ対策と、による2段階のセキュリティ対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲート2003に遊技球を通過させたとしても、第二始動口扉2411を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な状態を発生させることができない。
[21-3.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPU1310aによる制御の下、図210及び図211に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路からの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。RAMクリアスイッチは、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定では、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチが操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPU1310aは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL-FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPU1310aは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS18の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS18の判定において、主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定キーONフラグCS-FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定キーONフラグCS-FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPU1310aは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPU1310aがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310(主制御MPU1310a)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPU1310aがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310(主制御MPU1310a)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS25)。主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する。
ステップS25の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS26)。主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定する。
ステップS26の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0でないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS29)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS29に続いて、主制御MPU1310aは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPU1310aは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK-FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作してON操作したのちに、払出制御基板633のRAMクリアスイッチの押圧操作部を操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPU1310aは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするとともに、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)のままで、払出制御基板633のRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPU1310aは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするのに対し、上述したステップS18において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定して、上述したステップS20Bにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RAMクリアスイッチによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK-FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
ステップS36の判定に続いて、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する。
ステップS27の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示する。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、払出制御基板633のRAMクリアスイッチからの信号に基づいてい行う。RAMクリアスイッチは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。RAMクリアスイッチの押圧操作部が操作されるごとにその旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)が入力されて、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダがON操作からOFF操作されたことで設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPU1310aは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPU1310aは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、払出制御基板633のRAMクリアスイッチの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPU1310aは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36,S28又はステップS40に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPU1310aは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPU1310aは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPU1310aは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から主制御MPU1310aに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54~ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54~ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPU1310aは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2612、V振分ソレノイド3007、特殊モニタ等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPU1310aは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPU1310aは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPU1310aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58~ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPU1310aは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPU1310aは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS28で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RAMクリアスイッチの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、(結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRAMクリアスイッチの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時にRAMクリアスイッチが遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2412の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2412の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2414を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2402によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2414の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、第一アタッカユニット2400の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、第二始動口扉2411が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2412を駆動して第二始動口扉2411を開動作させて第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2412の駆動を開始して第二始動口扉2411を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2412の駆動を開始して第二始動口扉2411を開動作させて第二始動口2004へ遊技球Bを誘導可能な状態となっている旨を伝える画面(例えば、「第二始動口扉2411が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、RAMクリアスイッチが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[21-4.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図210及び図211に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図212に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPU1310aは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPU1310aは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPU1310aは、例えば、ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、大入賞口センサ2402からの検出信号、アウトセンサ664からの検出信号、第一球センサ703、及び第二球センサ704からの検出信号、磁気センサ1050からの検出信号、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタンからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2401からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目~3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目~4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、ゲートセンサ2801からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2401からの検出信号、大入賞口センサ2402からの検出信号、アウトセンサ664、第一球センサ703、及び第二球センサ704からの検出信号、磁気センサ1050からの検出信号、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、設定切替ボタンからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPU1310aは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPU1310aは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPU1310aの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPU1310aは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、図柄乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図211に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、図柄乱数は、当落判定(当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により当り判定用初期値決定乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図211に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPU1310aは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウトセンサ664からの検出信号が入力されて遊技盤5から排出されてアウト球通路663を流通する遊技球(遊技領域5a内に打込まれて一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受入れられて遊技盤5から排出された遊技球と、遊技領域5a内に打込まれた後に何れの入賞口に受入れられることなくアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022のいずれかに受入れられて遊技盤5から排出された遊技球)をアウトセンサ664が検出した場合には総回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行い、第一球センサ703からの検出信号が入力されてアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022に受入れられて第一球経路701を流通する遊技球を第一球センサ703が検出した場合には、アウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022により回収された遊技球、いわゆるアウト球の球数の計数をカウントするアウト球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行い、第二球センサ704からの検出信号が入力されて遊技領域5a内に打込まれて一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられて第二球経路702を流通する遊技球を第二球センサ704が検出した場合には、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受入れられた遊技球、いわゆるセーフ球の球数の計数をカウントするセーフ球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。つまり、球数計数処理では、アウトセンサ664が一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられた遊技球とアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022に受け入れられた遊技球との両方を検出し、第一球センサ703がアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022により回収された遊技球を検出し、第二球センサ704が一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられた遊技球を検出する。
そして、主制御MPU1310aは、演算結果である総回収球カウンタの値を一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられた遊技球とアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022に受け入れられた遊技球との総数として主制御内蔵RAMの特定領域における総回収球計数専用領域に格納し、アウト球カウンタの値をアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022により回収されたアウト球の総数として主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納し、セーフ球カウンタの値を一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられたセーフ球の総数として主制御内蔵RAMの特定領域におけるセーフ球計数専用領域に格納する。また、総回収球カウンタの値に対する払出数(払い出された賞球の総数)の割合、つまり打ち込まれた遊技球の総数に対する払出数(払い出された賞球の総数)の割合を算出し、その算出結果を主制御内蔵RAMの特定領域におけるベース算出領域に格納するとともに、特殊モニタに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。
また、主制御MPU1310aは、総回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の総数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPU1310aは、演算結果である回収球カウンタの値や、アウト球カウンタの値、セーフ球カウンタの値のそれぞれが最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタやアウト球カウンタ、セーフ球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタやアウト球カウンタ、セーフ球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPU1310aは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPU1310aは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPU1310aは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。電波照射による不正行為(以下、「電波照射ゴト」と記載する。)が行われていると判断すると、電波照射ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この電波ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ1050からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。本実施形態では、このような仕組みによって磁石ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2402からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶したり、セーフ球計数専用領域に格納されているセーフ球カウンタの値が、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、及び役物入賞口センサ2601で検出した遊技球の総数、つまり実際に一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口に受け入れられた遊技球の総数、と異なる場合に、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するようになっている。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、電波照射ゴト及び/又は、磁石ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットする一方、電波照射ゴト及び磁石ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD-FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPU1310aは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPU1310aは、上述した不正行為検出フラグFD-FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD-FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力されて本体枠4に対して扉枠3が開放されていると扉枠開放スイッチが検出した場合、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号が入力されて外枠2に対して本体枠4が開放されていると本体枠開放スイッチ4bが検出した場合には、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
ステップS113に続いて、主制御MPU1310aは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。そして特別乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、図柄乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに大当り種別や小当り種別に応じて予め記憶されている当り種別判定値のいずれと一致するか否かを判定(当り種別を決定)したりする。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ3002によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2401によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2414への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、時短発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPU1310aは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて普通入賞口入賞処理を行う。この普通入賞口入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2801からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して普通入賞口入賞情報として主制御内蔵RAMの普通入賞口入賞情報記憶領域に記憶する。
この普通入賞口入賞情報記憶領域には、第0区画~第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順に普通入賞口入賞情報が格納されるようになっている。例えば普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画~第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2801からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには普通入賞口入賞情報を普通入賞口入賞情報記憶の第3区画に格納する。
普通入賞口入賞情報は普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。この普通入賞口入賞情報がセットされると、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第3区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第2区画に普通入賞口入賞情報が記憶されている場合には、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第2区画及び普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第3区画に普通入賞口入賞情報が格納されていると、格納された普通入賞口入賞情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述した普通入賞口入賞情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
普通入賞口入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた普通入賞口入賞情報を読み出し、この読み出した普通入賞口入賞情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により第二始動口扉2411を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、第二始動口扉2411が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、第二始動口扉2411を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2412への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本例では普通抽選の当選確率(普通当りとなる確率)は2分の1となっている。
ステップS116に続いて、主制御MPU1310aは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPU1310aは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2414に駆動信号を出力したり、第二始動口2004を開閉させるための第二始動口扉2411の開閉動作を行う始動口ソレノイド2412に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、小当り情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、打ち込まれた遊技球の総数に対する払出数(払い出された賞球の総数)の割合を表示する特殊モニタに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPU1310aは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2402からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定キーのON操作コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、受信した球回収コマンドごとに、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまり一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまり一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、等の入賞口やアウト口1008、第一サブアウト口2021及び第二サブアウト口2022で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2412やアタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図210に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図211に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[21-5.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図213に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPU1310aは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPU1310aは、算出したチェックサムの値(サム値)が図211に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPU1310aは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK-FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可ランプ1310zに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1310zを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPU1310aは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPU1310aは、設定切替ボタンが操作されているか否かを判定する(ステップS216)。この判定は、設定切替ボタンからの検出信号を読み取り、設定切替ボタンからの検出信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPU1310aは、設定切替ボタンからの検出信号が入力されているときには設定切替ボタンが操作されていると判定する一方、設定切替ボタンからの検出信号が入力されていないときには設定切替ボタンが操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタンが操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタンが操作されていないと判定したときには、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されたか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPU1310aは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から反時計方向へ向かって設定キーシリンダが120度回動操作されて(つまり、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することによりことで設定キースイッチ1311aが決定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されているときには決定キーが操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されていないときには決定キーが操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定切替ボタンが操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタンが操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、決定キーが操作されるまで、設定切替ボタンが操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、設定切替ボタンが操作されないと、直前に設定切替ボタンが操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で決定キーが操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPU1310aは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS226)。この判定では、主制御MPU1310aは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS226の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS226の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS226の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS226の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可ランプ1310zへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1310zを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可フラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定変更許可フラグCS-FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定変更許可フラグCS-FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[21-6.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS117において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図214に示すように、確認表示フラグDCS-FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS350)。この確認表示フラグDCS-FLGは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認するためのフラグであり、設定値を確認表示しているとき値1、設定値を確認表示していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS350の判定において、主制御MPU1310aは、確認表示フラグDCS-FLGが値0であるとき、つまり設定値を確認表示していないときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS352)。この判定では、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。
ステップS352の判定において、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値を確認表示するとして確認表示フラグDCS-FLGに値1をセットし(ステップS354)、続いて、現状の設置値を取得する(ステップS356)。ここでは、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS356に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS356で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS357)。「正常範囲」とは、図213の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS356で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときにはステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS358)。
ステップS360に続いて、主制御MPU1310aは、設定キーのON操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのON操作コマンドの設定を行い(ステップS360)、本ルーチンを終了する。この設定キーのON操作コマンドは、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのON操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が開始された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定キーのON操作履歴情報(設定値を確認した旨と日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、上述した、球回収履歴情報、設定値履歴情報、エラー表示履歴情報、及び設定キーのON操作履歴情報等の特定履歴情報を表示許可することができるという予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態となる。周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、この予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態において特定履歴情報を確認する者が接触操作部302の回転操作及び押圧操作部303の押圧操作を行うことにより、これまで表示していた画像から特定履歴情報を選択表示する特定履歴情報表示画像へ切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行う。
一方、ステップS350の判定において、主制御MPU1310aは、確認表示フラグDCS-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値を確認表示しているときには、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS362)。この判定では、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号により行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS362の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、設定値を確認表示しないとして確認表示フラグDCS-FLGに値0をセットし(ステップS364)、続いて、ステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とし(ステップS366)、続いて、設定キーのOFF操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのOFF操作コマンドの設定を行い(ステップS368)、本ルーチンを終了する。この設定キーのOFF操作コマンドは、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのOFF操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、設定キーのOFF操作コマンドを受信すると、上述した予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立しない状態となる。このとき、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、上述した特定履歴情報表示画像を演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行っていた場合には、特定履歴情報表示画像に切り替える直前まで演出表示装置1600の表示領域に表示されていた画像へ切り替えて元へ戻す制御を行う。
一方、ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときには割り込み非許可設定を行う(ステップS370)。この設定により、4msごとに繰り返し行われていた図212に示した主制御側タイマ割り込み処理が停止されることとなる。
ステップS370に続いて、主制御MPU1310aは、エラー表示処理を行い(ステップS372)、続いて、主制御内蔵WDTのクリアを行い続ける無限ループに入る(ステップS374)。この無限ループにより、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることとなるが、これは、主制御内蔵WDTを一度起動すると停止することができないため、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることにより、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることで主制御内蔵WDTによる計時がクリアされ、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。また、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[21-7.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図213に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図215に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図213に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPU1310aは、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図213に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPU1310aは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
本ルーチンであるエラー表示処理が図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPU1310aは、図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS357の判定において主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定している。主制御MPU1310aは、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定をすでに行っているものの、本ルーチンであるエラー表示処理が開始される前にすでに図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS370において割り込み非許可設定が行われているため、本ルーチンであるエラー表示処理を終了すると、上述したように、無限ループに入るため、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPU1310aは、ステップS400において、主制御内蔵RAMの内容に異常がある状態で遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPU1310aは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400のの各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPU1310aは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図213に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図213に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図212に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図213に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図214に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが回転操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカ(トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ等)から流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[22.払出制御基板の各種制御処理]
次に、払出制御基板633が行う各種制御処理について、図216~図219を参照して説明する。図216は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図217は図216の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図218は図217に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図219は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[22-1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPUによる制御の下、図216~図218に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPUは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPUの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPUは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPUの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPUは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPUは、払出制御基板633のRAMクリアスイッチが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、RAMクリアスイッチからの操作信号の論理に基づいて、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断してRAMクリアスイッチが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断してRAMクリアスイッチが操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RAMクリアスイッチが操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPUは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPUは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPUは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK-FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK-FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPUに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPUは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPUは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路から入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT-FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPUの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器に表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPUは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RAMクリアスイッチの操作信号(RAMクリア信号)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPUは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPUは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPUは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPUは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR-FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPUは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPUは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPUは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPUは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPUは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPUは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539~ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539~ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPUの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPUは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPUは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPUは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK-FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPUは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPUにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570~ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[22-2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図216~図218に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPUは、図219に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT-FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPUは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[23.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図220~図224を参照して説明する。図220は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図221は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図222は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図223は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図224は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510a(以下、「周辺制御基板1510の周辺制御IC」と記載する場合がある。)は、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[23-1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図220を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御ICのCPUによる制御の下、図220に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御IC自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御ICのCPUは、まず周辺制御IC自身を初期化する処理を行うが、周辺制御ICを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御ICを初期化することができる。これにより、周辺制御ICのCPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御ICのCPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御ICのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御ICのCPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御ICのCPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB-FLGは、周辺制御ICのCPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB-FLGを一度初期化している。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御ICのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御ICのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP-FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御ICのCPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて接触操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する接触操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御ICのRAMに基づいて、接触操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、接触操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(接触操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御ICのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(接触操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、接触操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、接触操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が接触操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が接触操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が接触操作部302を操作すると、第1輝度指定値~第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が接触操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が接触操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が接触操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(接触操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調節を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
ステップS1014に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御ICのVDPが周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから画像データを読み出して周辺制御ICのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御ICのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等の演出音による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御ICの音源が周辺制御ICのCPUからの指示に基づいてSDRAMから音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御ICのCPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御ICのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の演出音の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御ICの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行うとともに、演出の各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)の更新を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御ICのCPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。
なお、周辺制御ICのCPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御ICは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを周辺制御ROMから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(接触操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御ICのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御ICのCPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0~4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始を指示するための変動パターンコマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御ICのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御ICのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。また、周辺制御基板1510は受信したコマンドに基づいて予告等に関する抽選処理を実行し、該抽選結果に基づいて画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。これにより周辺制御基板1510の抽選結果に応じた演出が実行されるようになる。
なお、周辺制御ROMには、周辺制御部1511、周辺制御部1511等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータが予め記憶されている。各種スケジュールデータには、演出表示装置1600に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等の演出音を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
ステップS1022に続いて、周辺制御ICのCPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御ICのCPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御ICのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御ICのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御ICのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御ICのCPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのVDPに出力する。
周辺制御ICのVDPは、周辺制御ICのCPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAMから画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御ICのCPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICの音源は、周辺制御ICのCPUから音指令データが入力されると、SDRAMから音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチの回転位置を特定している。周辺制御ICのCPUは、音量調整スイッチの回転位置と対応する音量となるように、周辺制御ICの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
具体的には、音量調整スイッチを回動操作することにより抵抗値が可変し、音量スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0~値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0~6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0~6に設定された音量となるように周辺制御ICの音源を制御して扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の接触操作部302や押圧操作部303を操作することで調節することができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の接触操作部302や押圧操作部303を操作することで、音データ作成処理において音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を基板ボリューム0~6の7段階の値に変換し、さらに音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧に対して、演出操作ユニット300の接触操作部302や押圧操作部303の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして基板ボリュームを設定することで演出音のサブボリューム値を調節できるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、周辺制御ICの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、周辺制御ICの内蔵音源における複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。
ここで、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。つまり、実際に、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット300の接触操作部302や押圧操作部303を操作することで演出音の音量が調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れるようになっている。
このように、演出音が扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカから流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回転操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御ICのCPUが周辺制御ICの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチを回転操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
ステップS1032に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御ICのCPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御ICのCPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008~ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから周辺制御ICのCPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[23-2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御ICのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御ICのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図221に示すように、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP-FLGは、上述したように、図220の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008~ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御ICのCPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットすると、図220の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図220の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図220の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図220の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図220の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[23-3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図220の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図222に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図220の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御ICのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図220の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御ICのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御ICのCPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御ICのCPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのCPUは、周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御ICのCPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、接触操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御ICのRAMにセットする。周辺制御ICのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から接触操作部302や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカから出力される演出音の音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LEDの輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御ICのCPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されている内容を周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御ICのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104~ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図220の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014~ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御ICが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[23-4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御ICのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御ICのCPUは、図223に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御ICのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御ICのCPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御ICのCPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御ICのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御ICのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御ICのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[23-5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御ICのCPUは、図224に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御ICのCPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御ICのCPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御ICが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御ICのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御ICのCPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御ICのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御ICのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御ICのCPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御ICのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御ICのCPUにリセットがかからない。なお、周辺制御ICのCPUにリセットがかかると、図220に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御ICのCPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御ICのCPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU1310a)で実行される制御処理の例について説明する。図225は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS106)、同図225に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS231)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS232)。また、上記第二始動口センサ2401による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS233)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS235A)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。また、「5R大当り」を示唆する態様となったときに、5R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行し、「2R大当り」を示唆する態様となったときに、2R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理(ステップS235A)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、時短状態中に第一特別図柄の変動停止時における抽選処理の結果が「2R大当り」を示唆する態様となったことに基づく2R大当り遊技状態を終了するとき、「5R大当り」を示唆する態様となったことに基づく5R大当り遊技状態を終了するとき、時短状態中及び非時短状態中に15R大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図236に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する場合には当該大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる。そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図236に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS237)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS238)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS237)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS239)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図226は、上記第一始動口通過処理(ステップS232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS231の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図226に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS241の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS242)。このステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS243~S245の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS244の処理として、上記ステップS241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS241で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS245)、処理を終了する。
ただし、上記ステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS243~ステップS245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0~4(特別図柄1記憶コマンド0~4))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第一保留数指定コマンド0~4(特別図柄1記憶コマンド0~4)を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図227は、上記演出事前判定処理(ステップS245)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS241で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS261)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS245で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS262)。
そして、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御ICは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御ICのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1~4の記憶領域を有しており、周辺制御ICは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2~4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図228は、上記第二始動口通過処理(ステップS234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS233の処理において、上記第二始動口センサ2401がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図228に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS251の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「1」であるか否かの判断を行う(ステップS252)。このステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS253~S254の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS254の処理として、上記ステップS251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS253~ステップS254の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0~1(特別図柄2記憶コマンド0~1))をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御ICは第二保留数指定コマンド0~1(特別図柄2記憶コマンド0~1)を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では第一始動口2002へ遊技球が入球したことに基づく第一保留記憶数の上限は「4」にされる一方、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づく第二保留記憶数の上限は「1」にされている。なお、第二始動口2004は時短状態中に多数の遊技球が入球可能になるものであり、第二特別図柄の変動時間が通常状態時よりも短縮されるため、第二保留記憶数の上限が「1」とされていても第二特別図柄の変動表示が行われない期間が長く続いたり、第二保留記憶数が上限となっている期間が長く続くことで第二始動口2004に遊技球が入球しても大当りの抽選の機会が得られなかったりという遊技者に不利な状態となることは抑制されている。
図229は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS238)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS239で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS282)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図210参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図230は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図230に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS302の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First-In First-Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1~4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2~4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS305の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS306)、この処理を終了する。
図231は、上記当り判定処理(ステップS305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図232(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理を実行している場合にはステップS302で読み出した第一特別乱数、第二特別図柄通常処理を実行している場合には当該第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS311)。
図232(A)に示す当り判定テーブルは、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、3/319の小当り確率で第一特別乱数が小当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。また、本例では第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、144/319の小当り確率で第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルに比べて第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、小当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合の方が遊技者に有利な状態とされるようになっている。また、高確率時の当り判定テーブルでは、低確率時の当り判定テーブルに比べて設定値毎の大当り確率が10倍に高められるように構成されている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS312)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS313)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS314)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS315)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS316)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS316)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS317)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS318)。
図233は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図233に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS321)や小当りフラグがセットされているか否か(ステップS324)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS321で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図232(B)に示す大当り図柄決定テーブルとを比較することにより大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS322)。
具体的には、
1.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させるとともに、通常よりも高い確率で特別抽選結果の抽選を行う高確率時短状態に制御する15R確変大当り
2.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを5回(5ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な5R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させる5R時短大当り、
3.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する2R大当り、
の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
また、第二特別図柄停止図柄設定処理で大当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄通常処理で読み出した第二図柄乱数と図232(B)に示す大当り図柄決定テーブルとを比較することにより大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第二特別図柄の変動制御停止時の態様(第二特別図柄の停止図柄)を決定する。
具体的には、
1.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回(15ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させるとともに、通常よりも高い確率で特別抽選結果の抽選を行う高確率時短状態に制御する15R確変大当り
2.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを5回(5ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な5R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させる5R時短大当り、
3.大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、2R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する2R大当り、
の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R確変大当りとなる場合に8個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りとなる場合に100個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に92個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には4%の確率で15R大当りとなり、50%の確率で5R大当りとなり、46%の確率で2R大当りとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R確変大当りとなる場合に92個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りとなる場合に100個の判定値が振り分けられ、2R大当りとなる場合に8個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には46%の確率で15R確変大当りとなり、50%の確率で5R大当りとなり、4%の確率で2R大当りとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルでは、15R確変大当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、2R大当りに決定した場合には大当り図柄として2R大当り図柄に決定し、5R大当りに決定した場合には大当り図柄として5R大当り図柄に決定し、15R大当りに決定した場合には大当り図柄として15R大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていない場合に、小当りフラグがセットされていれば(ステップS324)、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図232(C)に示す小当り図柄決定テーブルとを比較することにより小当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS325)。
具体的には、
1.役物入賞口200を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回実行して遊技球が役物入賞口200に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御し、役物入賞口2006に受入れられた遊技球が役物入賞口2006に受入れられた遊技球がV入賞口2007に振分けられてV入賞口センサ3003によって検知された場合に大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまで、当該変動表示の実行期間を通常よりも短縮させるとともに、通常よりも高い確率で特別抽選結果の抽選を行う高確率時短状態に制御する第一小当り
2.役物入賞口200を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回実行して遊技球が役物入賞口200に入球可能(容易)な小当り遊技状態に制御し、役物入賞口2006に受入れられた遊技球がV入賞口2007に振分けられてV入賞口センサ3003によって検知された場合に大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球.が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回繰り返すことで遊技球が大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、15R大当り遊技状態の開始前に時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が77回実行されるまでの間に大当りとならなければ終了される時短状態に制御し、15R大当り遊技状態の開始前に非時短状態に制御されていれば大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する第二小当り
の2種類の小当りの中からいずれかの小当りに決定する。
なお、第一図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第一小当りとなる場合に200個の判定値が振り分けらている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には100%の確率で第一小当りとなり、第二小当りには当選しない。一方、第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、第一小当りとなる場合に20個の判定値が振り分けられ、第二小当りとなる場合に180個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には、10%の確率で第一小当りとなり、90%の確率で第二小当りとなる。
また、小当りの種類を決定すると小当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、第一小当りに決定した場合には小当り図柄として第一小当り図柄に決定し、第二小当りに決定した場合には小当り図柄として第二小当り図柄に決定する。
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグと小当りフラグとのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄に決定する(ステップS327)。そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS328の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする(ステップS328)。そしてその後は、ステップS329の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御部1511は、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御部1511は、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから小当り又は2R大当りを特定した場合には小当り図柄(「最終決戦」)に決定し、5R時短大当りを特定した場合には5R時短大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」~「9」の図柄のうち同一の偶数図柄となる組合せ)に決定し、15R確変大当りを特定した場合には15R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「0」~「9」の図柄のうち同一の奇数図柄となる組合せ)に決定する。また、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(左・右の装飾図柄が「0」~「9」の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
なお、本例のパチンコ機1では大当り遊技状態後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が最大で77回実行されるまで時短状態に制御可能とされるが、時短状態に移行制御された後に所定回数の大当りが発生したことに基づいて時短状態を終了させるようにしてもよい。具体的には、大当り遊技状態後に時短状態に制御し、その後に所定回数(例えば2回)の大当りが発生した場合には、所定回数目の大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御することなく、通常状態に制御するようにしてもよい。また、大当りの発生回数が所定回数未満の場合であっても大当り遊技状態中は非時短状態に制御し、大当り遊技状態後に再び時短状態の制御を行うようにしてもよい。
図234は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図234に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS323で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS342)、小当りフラグがセットされて入れば(ステップS343)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS325で決定した小当りの種類に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS344)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS345)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS346)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS347)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS348)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS349)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS350)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS351の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS352)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS353)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態の制御(時短制御)を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS354)。
上記ステップS351の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS353の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS355の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短状態時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短状態時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短状態時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図235は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図235に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS372)、次にステップS373の処理に移行する。すなわち、このステップS373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図236は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図236に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS382)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS383)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS384)、時短フラグをリセットする(ステップS385)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では、77回)の変動表示が実行されたときに時短制御(時短状態の制御)を終了させて非時短制御(通常状態の制御)を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS386)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS387)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS388)。なお、図示しないがステップS388では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPU1310aが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS401)と大入賞口開放中処理(ステップS402)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS402)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS403)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS389)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS387では、大当りの種類(15R確変大当り、5R時短大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R確変大当り開始コマンド、5R時短大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、大当りの種類(15R確変大当り、5R時短大当り、2R大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R確変大当り開始コマンド、5R時短大当り開始コマンド、2R大当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS235A)の大入賞口開放後処理(ステップS403)で大当りの種類に応じた大入賞口2005の開閉制御(例えば大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを2回、5回、又は15回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS235で大当り制御処理(ステップS235A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS386)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS390)、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS391)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS392)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS393)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS391では、小当りの種類(第一小当り、第二小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でも同様に、小当りの種類(第一小当り、第二小当り)に応じた小当り開始コマンド(第一小当り開始コマンド、第二小当り開始コマンド)をセットするようになっている。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS236A)の小当り中処理(ステップS411)で小当りの種類に応じた役物入賞口200の開閉制御(例えば役物入賞口200を短時間開放(例えば80ms)した後に閉鎖させる開閉パターンを2回繰り返す開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)のステップS236で小当り制御処理(ステップS236A)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときには次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS394)、ステップS395に移行する。
上記ステップS386~ステップS394の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS395)、この処理を終了する。
図237は、上記大当り制御処理(ステップS235A)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS401)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて大入賞口2005を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて大入賞口2005を開放状態に制御し、大入賞口2005を長時間開放(例えば29秒)した後又は大入賞口2005に遊技球が10個入賞したことが上記大入賞口センサ2402で検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS402)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS403)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS42の処理において、上記大入賞口開放前処理(ステップS401)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS402)では、大入賞口2005を開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、大入賞口2005を閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
[虹色演出]
次に大当りとなる蓋然性が高い場合(例えば大当りとなる場合(大当り確定演出)や装飾図柄がリーチになる場合(リーチ予告)等)に実行される虹色演出について説明する。本例の虹色演出とは演出表示装置1600に複数の色を用いて所定の形態(模様、キャラクタ、文字等)を表示した後、演出表示装置1600の任意の表示領域における表示色を短時間で遷移させるとともに、演出表示装置1600における表示色の遷移に連動して、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDを複数の発光色(少なくとも2色以上の発光色)で発光し、該発光色を短時間で遷移させる演出である。以下では演出表示装置1600と扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDとの全てを連動させて虹色演出を実行し、演出表示装置1600に表示する所定の形態の表示色や扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの発光色を短時間で遷移させるものを示すが、演出表示装置1600と扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDと遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDとのうちのいずれか一つ、または任意の組み合わせにおいて表示色や発光色を短時間で遷移させるものであってもよい。
また、図238(A)に示すように本例では虹色演出を実行すると演出表示装置1600の表示領域を第1表示領域a~第5表示領域eの5つの領域に区分し、各領域の色を異ならせた虹色演出表示態様を表示する。そして、変動時間の経過に伴って演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色や演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの大きさ、及び形状を短時間で変化させる。
なお、演出表示装置1600に表示される虹色演出の態様としては、演出表示装置1600の全域にキャラクタや文字などによる情報を有しない形態、例えば図238(A)に示すように複数の縞状の線によって演出表示装置1600の表示領域を複数の領域(図238(A)に示す例では第1表示領域a~第5表示領域eの5つの表示領域)に区分したり、図238(B)に示すように放射状の複数の線によって演出表示装置1600の表示領域を複数の領域(図238(B)に示す例では第1表示領域a~第6表示領域fの5つの表示領域)に区分して第1表示領域a~第5表示領域を領域毎に異なる色で彩色し、これら複数の領域の一部又は全ての色を短時間で変化させるものであってもよいし、複数のキャラクタ(人物、植物、動物、物、風景等)や文字等をキャラクタ毎及び/又は文字毎(キャラクタ、文字、一単語、等の一つの意味を有する塊(構成物)毎に)異なる色で彩色したり(例えば「CHANCE」の文字を、先頭の「C」を「白色」、「H」を「黄色」、「A」を「緑色」、「N」を「青色」、二つ目の「C」を紫色、「E」を赤色で表示する。)、一のキャラクタや文字を複数の領域に区分して領域毎に異なる色で彩色し(例えば花びらの一枚一枚を異なる色で表示したり、人物の肌を複数の色で縞模様に表示したり、図238(C)に示すように線1~線7の7本の仮想線によって「CHANCE」の文字を第1領域a(「CHANCE」の文字のうち線1と線2によって囲われる領域)~第6領域f(「CHANCE」の文字のうち線6と線7によって囲われる領域)の6つの領域に区分し、それぞれの領域を異なる色で表示することで「CHANCE」の文字それぞれを複数の色で縞模様に表示する(例えば第1領域a(「CHANCE」の文字のうち線1と線2によって囲われる領域)を「白色」、第2領域b(「CHANCE」の文字のうち線2と線3によって囲われる領域)を「黄色」、第3領域c(「CHANCE」の文字のうち線3と線4によって囲われる領域)を「緑色」、第4領域d(「CHANCE」の文字のうち線4と線5によって囲われる領域)を「青色」、第5領域e(「CHANCE」の文字のうち線5と線6によって囲われる領域)を紫色、第6領域f(「CHANCE」の文字のうち線6と線7によって囲われる領域)を赤色で表示する)等)、これらの形態の色又は形状、若しくは形態の色と形状との両方を短時間で変化させるものであってもよいし、所定の色で表示される複数の領域それぞれの大きさや形状等を変化させたり、表示位置を変更(移動)したりして演出表示装置1600の任意の表示領域における表示色を変化させるようにしてもよい(「CHANCE」の文字以外の背景が表示される領域は「CHANCE」の文字と同様の(表示を短時間で変化させる等の)表示を行わないようにしてもよい)。
また、図239及び図240に示すように扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDは複数のグループに分けられてグループ毎に発光制御することが可能とされており、虹色演出を実行すると扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDをグループ毎に所定の発光色で発光させる。そして、変動時間の経過に伴って各グループの発光色を短時間で変化させるようになっている。
本例では、図239に示されるように遊技盤5に設けられている各種の装飾基板に実装される複数のLEDは、裏前左上ロゴ装飾部3122を発光装飾させるための裏前左上装飾基板3129に実装される複数のLEDが第1盤発光グループ、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、及び裏前左サブ装飾部3123を発光装飾させるための裏前左装飾基板3128に実装される複数のLEDが第2盤発光グループ、裏前下ロゴ装飾体3167を発光装飾させるための裏前下ロゴ装飾基板3173に実装される複数のLEDが第3盤発光グループ、裏前下中装飾体3161を発光装飾させるための裏前下中装飾基板3168と、裏前下左内装飾体3163を発光装飾させるための裏前下左内装飾基板3169と、裏前下左外装飾体3164を発光装飾させるための裏前下左外装飾基板3170と、裏前下右内装飾体3165を発光装飾させるための裏前下右内装飾基板3171と、裏前下右外装飾体3166を発光装飾させるための裏前下右外装飾基板3172と、に実装される複数のLEDが第4盤発光グループ、裏前右ロゴ装飾部3141を発光装飾させるための裏前右下装飾基板3152に実装される複数のLEDが第5盤発光グループ、裏前右上ロゴ装飾部3142を発光装飾させるための裏前右上装飾基板3151に実装される複数のLEDが第6盤発光グループに分けられて、虹色演出が実行されるとグループ毎にLEDを発光制御して同一グループのLEDを同一色に発光制御し、異なるグループのLEDの発光色とは異なる発光色となるように発光制御するようになっている。
なお、虹色演出として遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のうち同一基板に実装される複数のLEDを同一のグループに分けてグループ毎に発光制御するものに限らず、同一基板に実装されるLEDであっても異なるグループに分けてグループ毎に発光制御するようにしてもよい。例えば、「Queen」の文字が施されている裏前下ロゴ装飾体3167を発光装飾させるための裏前下ロゴ装飾基板3173に実装される複数のLEDを、各文字毎に異なるグループに分けてグループ毎に発光制御するようにしてもよいし、各文字を所定の仮想線で複数の領域に分けてグループ化して各グループ毎に発光制御するようにしてもよい(例えば「Queen」の文字それぞれを上・中・下の3つの領域に分けて、裏前下ロゴ装飾基板3173に実装される複数のLEDのうち上の領域に所属するLEDを上グループとしてまとめて発光制御し、裏前下ロゴ装飾基板3173に実装される複数のLEDのうち中の領域に所属するLEDを中グループとしてまとめて発光制御し、裏前下ロゴ装飾基板3173に実装される複数のLEDのうち下の領域に所属するLEDを下グループとしてまとめて発光制御して、「Queen」の文字を縞模様に発光制御する等)。
また、本例では図240に示されるように扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDは、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ右装飾基板457と、に実装される複数のLEDが枠発光グループA、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド上装飾基板422に実装される複数のLEDが枠発光グループB、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド下装飾基板423、及び皿左装飾レンズ272の後側に設けられる皿左装飾基板273に実装される複数のLEDが枠発光グループC、演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364aが枠発光グループD、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド下装飾基板433、及び皿右装飾レンズ277の後側に設けられる皿右装飾基板278に実装される複数のLEDが枠発光グループE、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド上装飾基板432に実装される複数のLEDが枠発光グループF、に分けられて、虹色演出が実行されるとグループ毎にLEDを発光制御して同一グループのLEDを同一色に発光制御し、異なるグループのLEDの発光色とは異なる発光色となるように発光制御するようになっている。
図241は虹色演出の一例を示すタイミング図である。上記したように、周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは主制御基板1310から変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始し、演出表示装置1600の表示に連動して扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDを発光制御する(タイミングt0)。
主制御基板1310から受信した変動パターンコマンドが虹色演出を実行する変動パターンである場合に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間が予め決められている所定のタイミングt1に達すると、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDのうち少なくとも演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364a、と裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDと、を除いて消灯し、演出表示装置1600にて演出操作ユニット300の押圧操作部303を促す表示(例えば「ボタンを押せ!」)を行うボタン操作促進演出を実行するとともに、演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364aを発光制御する。
そして、タイミングt2で演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されるか又は演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されることなくボタン有効期間(例えば5秒)が経過すると(タイミングt2)、演出表示装置1600の表示領域を第1表示領域a~第5表示領域eに分けて第1表示領域a~第5表示領域eそれぞれを異なる表示色で表示する虹色演出表示態様を表示し、扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDを上記した枠発光グループA~枠発光グループFに分けて、枠発光グループA~枠発光グループFの各グループに含まれているLEDをグループ毎に異なる発光色で発光させるとともに、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDを上記した第1盤発光グループ~第6盤発光グループに分けて、各グループに含まれているLEDをグループ毎に異なる発光色で発光させる。
また、変動時間の経過に応じて演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eそれぞれの表示色と、枠発光グループA~枠発光グループFの各グループの発光色と、第1盤発光グループ~第6盤発光グループの各グループの発光色と、を所定期間(例えば0.1秒)毎に変更する(タイミングt2~t100)。
本例では、上記タイミングt2で演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されると、演出表示装置1600で実行しているボタン操作促進演出(本例では「ボタンを押せ!」を表示する演出)を終了し、変動表示している装飾図柄を縮小して演出表示装置1600の右上部に表示するとともに、演出表示装置1600の第1表示領域aに「白色」、第2表示領域bに「黄色」、第3表示領域cに「緑色」、第4表示領域dに「青色」、第5表示領域eに「紫色」をそれぞれ表示し、所定期間(例えば0.1秒)毎に「白色」の表示を行っている表示領域を「黄色」に変更し、「黄色」の表示を行っている表示領域を「緑色」に変更し、「緑色」の表示を行っている表示領域を「青色」に変更し、「青色」の表示を行っている表示領域を「紫色」に変更し、「紫色」の表示を行っている表示領域を「赤色」に変更し、「赤色」の表示を行っている表示領域を「白色」に変更する。
また、演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されると、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループを「白色」、第2盤発光グループを「黄色」、第3盤発光グループを「緑色」、第4盤発光グループを「青色」、第5盤発光グループを「紫色」、第6盤発光グループを「赤色」、に発光させ、所定期間(例えば0.1秒)毎に「白色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「黄色」に変更し、「黄色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「緑色」に変更し、「緑色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「青色」に変更し、「青色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「紫色」に変更し、「紫色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「赤色」に変更し、「赤色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「白色」に変更する。
同様に、演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されると、扉枠3に設けられている枠発光グループAを「白色」、枠発光グループBを「黄色」、枠発光グループCを「緑色」、枠発光グループDを「青色」、枠発光グループEを「紫色」、枠発光グループFを「赤色」、に発光させ、所定期間(例えば0.1秒)毎に「白色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「黄色」に変更し、「黄色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「緑色」に変更し、「緑色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「青色」に変更し、「青色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「紫色」に変更し、「紫色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「赤色」に変更し、「赤色」で発光しているグループに属しているLEDの発光色を「白色」に変更する。
このように、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの発光色を短い単位発光時間で複数の発光色に順番に切り替えるように制御することで視覚的に虹色の発光がなされているかのように視認させることができるようになり、インパクトのある発光演出を実行できる。また、演出表示装置1600の表示と遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDと扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDとを連動させて制御し、演出表示装置1600に複数の色の表示を行ったり、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDを複数の色で発光させ、さらに短時間で表示色や発光色を切り換えることで通常よりもインパクトのある演出を実行できる。
なお、本例では演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、を表示領域毎又はグループ毎に予め決められている順序で規則的に変化させるものを示したが、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、のいずれか一つ又は二つ以上の任意の組み合わせ(全てでもよい)について表示色や発光色を不規則に変化させ、残りについては規則的に変化させるようにしてもよい。
また、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、同一の順序で変更するものに限らず、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、のいずれか一つ又は二つ以上の任意の組み合わせ(全てでもよい)については異なる順序(例えば、枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色を「白色→黄色→緑色→青色→紫色→赤色→白色→黄色→→・・・」の順序で変更し、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色を「赤色→紫色→青色→緑色→黄色→白色→赤色→紫色→→・・・」の順序で変更する等)で変更するようにしてもよい。
また、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、のいずれか一つ又は二つ以上の任意の組み合わせ(全てでもよい)については少なくとも一部の色が異なる複数の色の組み合わせ(例えば、枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDを「白色」、「黄色」、「緑色」、「青色」、「紫色」、「赤色」のいずれかの発光色で発光制御し、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDを「白色」、「橙色」、「黄緑色」、「青色」、「桃色」、「赤色」のいずれかの発光色で発光制御する等)としてもよい。
また、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、を同一のタイミングで変化させる(色を変化させるタイミングを一致させる)ものに限らず、演出表示装置1600の表示色を変化させるタイミングと、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色を変化させるタイミングと、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色を変化させるタイミングと、のいずれか一つ又は二つ以上の任意の組み合わせ(全てでもよい)について、同一のタイミング(例えば1秒後と)で変化させ、残りについては異なるタイミング(例えば1.5秒毎)で変化させるようにしてもよい。
また、演出表示装置1600の第1表示領域a~第5表示領域eの表示色と、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDの発光色と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDの発光色と、を変化させた後、再び変化させるまでの期間(所定期間)は常に一定とされるものに限らず、一部又は全ての期間を異ならせるようにしてもよい。例えばタイミングt2~t100のうち奇数タイミング(t1、t3、t5、t7、t9、t11、t99)では1秒毎に表示色や発光色を変化させ、偶数タイミング(t2、t4、t6、t8、t10、t98、t100)では2秒毎に表示色や発光色を変化させるようにしてもよい。
なお、本例では虹色演出に先行して裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDを発光制御する。具体的には、図241に示すように周辺制御基板1510における周辺制御ICのCPUは主制御基板1310から変動パターンコマンドを受信して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出を開始してからボタン促進演出を実行するまでのタイミングt0~タイミングt1の期間は裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を消灯状態に制御し、タイミングt1でボタン促進演出を実行するときに裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を虹色演出に応じた発光態様で発光制御するようになっている。本例ではボタン操作促進演出が開始されると(タイミングt1~タイミングt2)、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を赤色の発光色で発光制御して該裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の右から左に「アツイ!」という文字が繰り返し流れるように発光制御する。
また、ボタン操作促進演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されるか又は演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されることなくボタン有効期間(例えば5秒)が経過してボタン操作促進演出が終了し、次いで虹色演出が開始されると(タイミングt2)、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の発光色を変更することなしに赤色の発光色を維持した状態で虹色演出が終了するまで(タイミングt2~タイミングt100)、該裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の右から左に「レインボーチャンス!」という文字が繰り返し流れるように発光制御する。上記したように、本例では裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を赤色に発光制御する。また、虹色演出では枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDと、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDと、のいずれかについても裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部と同様の赤色で発光制御する。このため、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部については発光色を変更しないものの、虹色演出に関連した発光制御が行われているものと遊技者に認識させることができる。
また、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211の周囲に、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLED(LEDを実装する装飾基板)と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLED(LEDを実装する装飾基板)と、が設けられ、ボタン操作促進演出が終了すると赤色で発光装飾される裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の周囲に発光装飾が広がるような印象を与えることができるため、演出効果が高まり遊技興趣を向上させることができる。
また、本例では虹色演出の終了後(タイミングt100~タイミングt101)にも裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の発光色を変更することなしに発光制御を継続するようになっている。具体的には、虹色演出が終了した後(タイミングt100)、例えば装飾図柄のリーチの発生に応じて裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の右から左に「リーチ!」という文字が繰り返し流れるように発光制御したり、装飾図柄のリーチが発生してリーチ演出の実行中に裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の右から左に「ゲキアツ!」という文字が繰り返し流れるように発光制御したり、するようになっている。また、本例では装飾図柄の変動表示が停止したことに基づいて裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を消灯状態に制御する。これにより遊技者は変動演出が終了したことを認識できるようになっている。なお、装飾図柄の変動表示が停止した後、所定期間が経過したときに裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を消灯状態に制御するようにしてもよく、この場合には装飾図柄の変動表示が停止したときに裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部における文字の移動表示を停止するようにしてもよい。この場合にも遊技者は裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部における文字の移動表示が停止したことによって変動演出が終了したことを認識できる。
このように、虹色演出に先行して裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を発光制御し、虹色演出の終了後にも裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を継続して発光制御するため、先行して実行される裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の発光制御によって虹色演出の開始に対する期待を高めることができるとともに、虹色演出の終了後にも裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の発光制御によって大当りに対する期待を高めることができる。
なお、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の発光制御は、少なくとも虹色演出に先行して開始されるとともに、虹色演出の終了後にも継続して実行されるものであればよく、装飾図柄の変動表示を開始するタイミングt0から虹色演出を開始するタイミングt2の間のいずれのタイミング(タイミングt0で発光制御を開始するものを含む)で開始するようにしてもよいし、虹色演出を終了するタイミングt100から装飾図柄の変動表示を停止するタイミングt101の間のいずれのタイミング(タイミングt101で発光制御を停止するものを含む)で終了するようにしてもよい。また、装飾図柄の変動表示が停止しても、所定期間が経過する以前に再び装飾図柄の変動表示が開始された場合には裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部を消灯状態に制御しないようにしてもよく、この場合には装飾図柄の変動表示が停止したときに裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部における文字の移動表示を停止し(タイミングt101)、装飾図柄の変動表示を開始するときときに裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部に表示する文字を更新して裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部の右から左に当該文字の移動表示を再開させるようにしてもよい(タイミングt0)。この場合であっても裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部における文字の移動表示の有無によって装飾図柄の変動表示の有無を判別することができる。
また、虹色演出の実行中に裏後上第一装飾部3211に表示される態様は、上記したものに限られるものでなく、例えば虹色演出の実行によって視認し難い状態となる演出表示装置1600で実行されている装飾図柄の変動演出を補足する表示として、図柄の変動表示する態様を表示したり、所定の点灯パターンで複数のLEDを点滅制御したりして、虹色演出の実行後(例えば装飾図柄を停止表示するとき)に特別抽選結果に応じた態様を導出するようにしてもよいし、変動演出の実行中に遊技者によって演出操作ユニット300の押圧操作部303が操作される等の所定の増加条件や減少条件が成立した場合に点灯するLEDの数を変化させるようにしてもよい。これにより、虹色演出の実行によって装飾図柄の変動表示が視認困難となって装飾図柄の変動表示が実行されていないのではないかという不安や、特別抽選結果が導出されないのではないかという不安を与えないようにすることが可能である。また、虹色演出の実行中には演出表示装置1600における装飾図柄の表示を非表示とするようにしてもよく、この場合にも上記した不安を与えないようにすることができる。
また、上記した例ではボタン操作促進演出の終了(ボタン操作促進演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されるか又は演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されることなくボタン有効期間(例えば5秒)が経過すること)を契機として虹色演出を開始するものを示したが、ボタン操作促進演出の実行を伴うことなく、所定の実行条件が成立した場合に虹色演出の実行を開始するようにしてもよい。例えば変動演出の開始後の経過時間や変動演出の終了後に変動演出が実行されていない無変動演出期間が予め決められた所定期間となった場合等に虹色演出の実行を開始するようにしてもよい。
また、本例では虹色演出を終了するときに高い割合(リーチ状態とならないもの(いわゆるガセを含む))で装飾図柄をリーチ状態で表示する(タイミングt100)。そして虹色演出を終了すると、演出表示装置1600の虹色演出表示態様を消失させてリーチ演出を実行するとともに、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLEDと扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLEDとの虹色演出の発光制御を終了して、演出表示装置1600に表示されるリーチ演出に応じた発光態様で発光制御する。
このように本例では装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ状態を表示するまでの期間に実行されるリーチ予告として虹色演出を行うようになっている。なお、装飾図柄がリーチとならない場合(装飾図柄がリーチとならずに大当りとなるものでもよいし装飾図柄がリーチとならずにはずれとなるものでもよい)や装飾図柄がリーチとなっても大当りとならない場合にも所定の割合で虹色演出を実行するようにしてもよいし、必ず大当りとなる場合にのみ(大当り確定演出として)虹色演出を実行するようにしてもよい。また実行されるタイミングもリーチ予告に限らず装飾図柄のリーチ状態を表示してから装飾図柄を停止表示するまでの期間に実行されるリーチ演出として虹色演出を行うようにしてもよいし、装飾図柄の変動開始前に先読み予告等の演出として実行してもよいし、装飾図柄の変動表示とは無関係に(例えば所定期間に亘って装飾図柄の変動表示が開始されない場合に実行される客待ちデモ演出として)虹色演出を実行するようにしてもよい。
また上記したように、虹色演出は大当りとなる蓋然性が高い場合に実行され、遊技者の期待を向上させる重要な演出である。そのため、本例では虹色演出において発光制御されるLEDの発色を鮮やかとなるように当該LEDを実装する装飾基板のLED実装面に特徴を有するようになっている。具体的には、遊技盤5に設けられて虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板、すなわち、裏前左上ロゴ装飾部3122を発光装飾させるための裏前左上装飾基板3129と、裏前左ロゴ装飾部3121、裏前左上ロゴ装飾部3122、及び裏前左サブ装飾部3123を発光装飾させるための裏前左装飾基板3128と、裏前下ロゴ装飾体3167を発光装飾させるための裏前下ロゴ装飾基板3173と、裏前下中装飾体3161を発光装飾させるための裏前下中装飾基板3168と、裏前下左内装飾体3163を発光装飾させるための裏前下左内装飾基板3169と、裏前下左外装飾体3164を発光装飾させるための裏前下左外装飾基板3170と、裏前下右内装飾体3165を発光装飾させるための裏前下右内装飾基板3171と、裏前下右外装飾体3166を発光装飾させるための裏前下右外装飾基板3172と、裏前右ロゴ装飾部3141を発光装飾させるための裏前右下装飾基板3152と、裏前右上ロゴ装飾部3142を発光装飾させるための裏前右上装飾基板3151と、には、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。換言すると、遊技盤5に設けられて虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板には表面に、反射効率の最も高い色である白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。
また、扉枠3に設けられて虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板、すなわち、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ右装飾基板457と、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド上装飾基板422と、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド下装飾基板423と、皿左装飾レンズ272の後側に設けられる皿左装飾基板273と、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド下装飾基板433と、皿右装飾レンズ277の後側に設けられる皿右装飾基板278と、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド上装飾基板432と、には、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。換言すると、扉枠3に設けられて虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板には表面に、反射効率の最も高い色である白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。
また、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾させるためのLEDが実装される裏後上第一装飾基板(図示しない)にも、表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。ただし、上記遊技盤5や扉枠3に設けられて虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板には、フルカラーLEDが実装されているのに対し、裏後上第一装飾基板には単色発光(この例では赤色)のLEDが実装されている。そのため、遊技盤5や扉枠3に設けられるLEDを発光装飾して虹色演出が実行されても、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部では発光色を変更されずに、同一(本例では赤色)の発光色で五つの7セグメント表示部に文字や数字、絵柄、等を表示させる演出を実行するだけとなっている。つまり、文字や数字、絵柄、等を表示させる裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部においては虹色演出が実行されても発光色を変更しないことで表示される文字や数字、絵柄、等の情報を遊技者が見やすい状態で表示するようになっており、遊技者に誤った情報が伝わることが抑制される。
このように、本例ではLEDの実装されている装飾基板のLED実装面に白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされて反射効率を高めるように構成されているため、複数のフルカラーで発光可能なLEDを多種多様な色で発光させた場合でも全ての光を均一に反射させて鮮やかに発色させることが可能になり、遊技盤5に設けられる裏前左上ロゴ装飾部3122と、裏前左ロゴ装飾部3121と、裏前左上ロゴ装飾部3122と、裏前左サブ装飾部3123と、裏前下ロゴ装飾体3167と、裏前下中装飾体3161と、裏前下左内装飾体3163と、裏前下左外装飾体3164と、裏前下右内装飾体3165と、裏前下右外装飾体3166と、裏前右ロゴ装飾部3141と、裏前右上ロゴ装飾部3142と、のそれぞれをより明るく発光装飾させることができるとともに、扉枠3に設けられる扉枠トップユニット450と、扉枠左サイドユニット420と、扉枠左サイドユニット420と、皿左装飾レンズ272と、扉枠右サイドユニット430と、皿右装飾レンズ277と、扉枠右サイドユニット430と、のそれぞれをより明るく、そして鮮やかに(クリアに)発光装飾することができ、演出効果が高まる。また、単色(本例では赤色)でのみ発光する裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部についても、より明るく、そして鮮やかに発光装飾することができ、演出効果が高まる。
また、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されることにより、白色のソルダーレジスト(保護材)とスクリーン印刷される文字や記号との反射効率を近づけて基板表面における反射効率を均一に近い状態にすることが可能であるため、複数のフルカラーで発光可能なLEDを多種多様な色で発光させた場合でも全ての光を均一に反射させることができ、発光装飾における発光ムラの発生が抑制されて演出効果が高まる。また、白色のソルダーレジスト(保護材)とスクリーン印刷される文字や記号とのコントラストを小さくすることができるため、LEDが発光しているか否かを問わず装飾基板を覆うレンズを通して見た場合に装飾基板の表面にスクリーン印刷される文字や記号が目立ち難くなり、遊技者がこれらの装飾基板のLED実装面を直視するような状況となった場合に遊技と無関係の情報を視認して遊技興趣が低下することを抑制できる。また、文字や記号が黒色等の明度や彩度の低い色(暗色)のインクを用いてスクリーン印刷により施される従来の装飾基板では装飾基板を覆うレンズを通して見た場合に文字や記号をはっきりと見えなくてもレンズ自体が黒ずんで見えることで見栄えが悪くなるおそれがあるが、明度や彩度の高い色のインクを用いて文字や記号をスクリーン印刷により施すことでレンズが明るく見えるようになり、見栄えを低下させないという効果も奏する。なお、明度や彩度の高い色としては白色と最も反射効率が近い黄色を用いることが望ましいが、黄緑色や、水色等、明度や彩度の低い色(暗色、黒色や茶色等)以外であれば上記した効果を奏することが可能である。
なお、上記した例では虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板全てが、表面に白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるものを示したが、これに限られるものではなく、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの一部の装飾基板については表面に白色以外(例えば緑色や黒色)のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるものであってもよいし、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの全て若しくは一部の装飾基板についてはLEDを実装している表面にのみ白色のソルダーレジスト(保護材)でコーティングし、LEDを実装していない裏面には白色以外(例えば緑色や黒色等)のソルダーレジスト(保護材)でコーティングするようにしてもよい。
また、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号についても明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷によりLED実装面に施されるものに限らず、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの一部の装飾基板については明度や彩度の低い色(例えば、黒色等)のインクを用いてLED実装面にスクリーン印刷により施すようにしてもよいし、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの全て若しくは一部の装飾基板については実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号を箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)で形成してこの箔抜き文字の表面をLEDの実装面にコーティングされる白色のソルダーレジスト(保護材)でコーティングするようにしてもよいし、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの一部の装飾基板については2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成する(LED実装面の全体を白色のソルダーレジストでコーティングした後(第1層)、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号をマスク処理してこれらを除く領域の全体を白色のソルダーレジストで再びコーティングする(第2層)ことで、マスク処理した領域、すなわち文字や記号を白色レジスト抜き文字として形成する)ようにしてもよいし、虹色演出で発光制御されるLEDを実装する複数の装飾基板のうちの全て若しくは一部の装飾基板についてはLEDを実装している表面に明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いて文字や記号をスクリーン印刷する以外の手段、例えばLEDを実装していない裏面に、所定色(明度や彩度の高い色に限らず明度や彩度の低い色も含む)のインクを用いてスクリーン印刷により施したり、箔抜き文字で形成したり、2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成したりすること等によって装飾基板に実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるようにしてもよい。これらの場合にもLEDを実装している表面における反射効率の低下を抑制でき、さらにLED実装面における反射効率を略均一にして均一な発光を実現できるため、演出効果を高めることが可能である。
上記装飾基板に実装されるLEDは、そのパッケージの色が白色、又は白色に近い色(例えば、アイボリー色、ベージュ色、クリーム色)を有する電子部品であり、これら装飾基板のLED実装面にはパッケージ化されたLEDのみが実装され、他の電子部品は実装されないようになっている。このように本例のパチンコ機1ではLEDのパッケージによっても反射効率の低下を抑止してLED実装面における均一な発光を実現できるようになっている。また、LED非実装面には装飾基板に電気配線を接続するためのコネクタのほかに、抵抗、コンデンサ、複数のLEDの発光を制御する回路(例えば、定電流駆動回路)等の電子部品が一つ乃至複数実装されている場合がある。また、コネクタは、そのハウジングの色が白色、又は白色に近い色(例えば、アイボリー色、ベージュ色、クリーム色)を有する電子部品であり、定電流駆動回路は、集積化された回路として黒色を有す得るICパッケージに収容され表面実装タイプ(SMDタイプ)のLEDドライバICである電子部品であり、抵抗は、黒色、青色、又は白色等を有する表面実装タイプ(SMDタイプ)の電子部品であり、コンデンサは、黒色、茶色、灰色、又は白色等を有する表面実装タイプ(SMDタイプ)の電子部品である。なお、上記した装飾基板においては少なくとも黒色、茶色、灰色等の明度や彩度の低い色を有する電子部品についてLED実装面に実装することなくLED非実装面に実装するものであればよく、白色、又は白色に近い色(例えば、アイボリー色、ベージュ色、クリーム色)等の明度や彩度の高い色を有する電子部品についてはLED実装面に実装してもよい。これにより、装飾基板を覆うレンズを通して見た場合に装飾基板の表面に実装される電子部品が目立ちくくなるし、LED実装面における反射効率の低下を抑制して反射効率を略均一にすることができるため、高効率で均一な発光を実現して演出効果を高めることができる。
本例では変動演出として虹色演出を実行する場合にも光量調節ボタン228の操作を受け付けるとともに、光量調節ボタン228が操作されたタイミングで扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの光量を変更(調節)することができるようになっている。具体的には、光量調節ボタン228の二つのボタンのうち「+」の文字が付されたボタンを押圧すると即座に扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDが明るく(光量を強める)なり、「-」の文字が付されたボタンを押圧すると即座に扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDが暗く(光量を弱める)なるようになっている。
図241に示すように虹色演出を実行する変動演出の実行中に光量調節ボタン228が操作されると、LEDが消灯状態にあるか否かにかかわらず第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の虹色演出の発光装飾を行うLEDの光量を直ぐに変更し、変更後の光量で第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、を発光制御する。本例ではボタン操作促進演出の実行中に第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループC、及び枠発光グループE~枠発光グループFの複数のLEDと、を消灯状態に制御するものの、枠発光グループDの複数のLED(演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364a)については点灯状態とされて、遊技者が光量調節ボタン228を操作した場合に演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364aが変更後の光量で直ぐに発光制御されるため、演出操作ユニット300の演出操作部外周装飾基板320に実装されている複数のLED320a、円環状のボタン外装飾基板355に実装されている複数のLED355a、ボタン中装飾基板364のLED364aの光量の変化を見ながら第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の全てのLEDの光量を調節することができる。
一方、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のうち裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されて虹色演出の発光装飾を行わないLEDについては、虹色演出を実行する変動演出の実行中に光量調節ボタン228を操作しても光量が変更(調節)されないようになっている(光量が固定されている)。このように、虹色演出を実行する変動演出の実行中に裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDの光量(輝度)を変更(調節)不可能とされて光量調節ボタン228の操作の有無に関わらず光量(輝度)が一定となっているため、第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の光量を変更する際の基準として用いることができ、これらのLEDの輝度と裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。なお、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDについては虹色演出を実行する変動演出の実行中であるか否かにかかわらず、光量調節ボタン228を操作しても常に光量を変更(調節)不可能としてもよい。
また、本例では光量(輝度)の調節が不可能とされて虹色演出の発光装飾を行わないLEDが実装される裏後上第一装飾基板が設けられる裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211の周囲に、扉枠3に設けられている枠発光グループA~枠発光グループFに属しているLED(LEDを実装する装飾基板)と、遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属しているLED(LEDを実装する装飾基板)と、の光量(輝度)の調節が可能とされているLEDが設けられている。このように、光量(輝度)調節の基準となるLEDと光量(輝度)を変更するLEDとが近くに配置されているため、光量(輝度)の対比が容易となり、遊技者の好みの光量(輝度)に調節し易くなる。
上記したように、本例のパチンコ機1は大当りとなる蓋然性が高い場合に虹色演出を実行するものであるが、遊技機の状態によっては虹色演出を適正に実施できない状況もある。このような場合では虹色演出による興趣向上効果を見込めないばかりか、却って遊技興趣を低下させるおそれがある。
例えば、演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示が困難とされる異常(演出表示装置1600のバックライトのLED(一部でも全部でもよい)が発光されない異常やノイズ等により表示が乱れる異常等)が発生している場合や、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの虹色演出の発光制御が困難とされる異常(扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLED(一部でも全部でもよい)が発光されない異常やノイズ等により発光態様が乱れる異常等)が発生している場合等では、演出表示装置1600による表示と扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光とを用いた設計通りの完全な形で虹色演出を実現できず、演出表示装置1600による表示と扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光とのうちの一部が欠けた不完全な虹色演出が実行されることになる。
このような不完全な虹色演出が実行されることにより、本来の虹色演出による興趣向上効果が望めないばかりか、虹色演出とは異なる演出が実行されていると遊技者に認識されてしまい、誤解を招くおそれもある。本例ではこのような誤解を遊技者に極力与えないようになっている。図242を参照して説明する。
本例のパチンコ機1では虹色演出を実行中のタイミングt6で演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示が困難とされる異常と扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDの虹色演出の発光制御が困難とされる異常と遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの虹色演出の発光制御が困難とされる異常とのいずれかの異常が発生した異常状態となった場合に、遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、による虹色演出の発光装飾を終了し、第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDを消灯状態に発光制御し、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを異常の発生を報知するための異常報知発光態様(本例では最大輝度(光量)で赤色に点滅発光する態様)で発光制御する。
図242に示すように虹色演出を実行する変動演出における虹色演出の開始前のタイミングt0~タイミングt2のうちの任意のタイミングで演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示が困難とされる異常と扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDの虹色演出の発光制御が困難とされる異常と遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの虹色演出の発光制御が困難とされる異常とのいずれかの異常が発生した異常状態となった場合には、本来であれば虹色演出を開始するタイミングt2になっても遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、による虹色演出の発光装飾を開始することなく、第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDを消灯状態に発光制御し、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを異常の発生を報知するための異常報知発光態様(本例では最大輝度(光量)で赤色に点滅発光する態様)で発光制御する。
また、虹色演出を実行する変動演出の実行中のタイミングt6で上記した異常が発生した場合には、演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させて当該異常が発生したことを通知する表示を行う。同様に、虹色演出を実行する変動演出における虹色演出の開始前のタイミングt0~タイミングt2のうちの任意のタイミングで上記した異常が発生した場合には、演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を開始することなく当該異常が発生したことを通知する表示を行う。なお、虹色演出表示態様の一部について実行しないようにしてもよく、この場合であっても異常が発生したことを通知する表示によって異常が発生したことを認識させることができる。
このように、本例のパチンコ機1では演出表示装置1600による表示と扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光とを用いた設計通りの完全な形で虹色演出を実現できない場合には虹色演出を中断又は開始しないように制御するため、不完全な形で虹色演出が実行されないようにすることが可能になり、遊技者に誤解を与えることを抑止できる。
なお、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDについては虹色演出を実行する変動演出の実行中に異常状態が発生しても、消灯状態や異常報知発光態様に制御することなく当該虹色演出を実行する変動演出に対応する発光制御を継続するようにしてもよい。この場合には、異常状態の発生によって遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、による虹色演出の発光装飾が終了又は開始されなかったり、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDが異常報知発光態様で発光制御されていても、変動演出が継続していることを遊技者に認識させることができ、遊技者に変動演出が終了したという誤解を与えない。
また、異常状態の種類(緊急性の度合い)に応じて裏後上第一装飾部3211を消灯するか否かを異ならせるようにしてもよく、例えば遊技や虹色演出の実行に対する影響が小さいエラー(軽微なエラー:本体枠4に対する扉枠3の開放を検出した場合(扉枠3の開放によって扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光を視認し難い状態となった場合)、図示しない振動センサが所定期間(例えば30秒)継続して遊技盤5の振動を検出した場合(パチンコ機1を叩く等の行為が行われていることを検出した場合、パチンコ機1が振動することによって扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光や演出表示装置1600の表示がぶれて視認し難い状態となっている場合)、満タン検知センサ154からの検出信号が入力された場合(下皿202が遊技球で満タンになっていることを検出した場合)、球切検知センサ574からの検出信号が入力された場合(誘導通路570a内に遊技球が存在していないことを検出した場合等のゴト行為が行われている可能性の低いエラー)については裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDを消灯することなく発光制御する一方、遊技や虹色演出の実行に重大な影響を与えるエラー(重大なエラー:電波照射ゴトを検出したとき(電磁波等によって扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDによる発光にノイズが入ったり演出表示装置1600の表示にノイズが入っている場合)、磁石ゴトを検出したとき、第二始動口2004が開放していない場合に第二始動口センサ2401からの検出信号が入力されたとき、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2402からの検出信号が入力されたとき等のゴト行為の行われている可能性の高いエラー)については裏後上第一装飾部3211を消灯させるように制御することで、変動演出の実行中であっても当該変動演出を中断又は終了させるようにしてもよい。これにより、エラーの程度に応じて裏後上第一装飾部3211の制御状態を異ならせることができ、異常の発生の判別が可能になる。
また、異常状態の種類(緊急性の度合い)に応じて演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させるか否かを異ならせるようにしてもよく、例えば上記した遊技や虹色演出の実行に対する影響が小さいエラーについては演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させることなく、当該虹色演出表示態様に一部が重なるように警告表示(例えば「扉開放中」等)を行う一方、上記した遊技や虹色演出の実行に重大な影響を与えるエラーについては演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させて警告表示(例えば「不正入賞発生!」等)のみを行うことで、虹色演出の実行中であっても当該虹色演出の表示(虹色演出表示態様)を中断又は終了させるようにしてもよい。これにより、エラーの程度に応じて演出表示装置1600の表示態様を異ならせることができ、異常の発生の判別が可能になる。なお、上記した遊技や虹色演出の実行に重大な影響を与えるエラーについて裏後上第一装飾部3211を消灯させるように制御するとともに演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させるように制御する場合には、裏後上第一装飾部3211を消灯させるタイミングよりも所定期間遅れたタイミングで演出表示装置1600における虹色演出表示態様等の演出表示を終了するようにしてもよい。この場合には、演出表示装置1600において表示内容が急に切り替えられることを抑止して、虹色演出表示態様等の演出表示の余韻を残した状態で表示内容を切り替えることができる。
また異常状態となった場合に異常状態(緊急性の度合い)の種類に応じて、演出表示装置1600での異常状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力による異常状態が発生していることの通知と、のうちいずれか1つ若しくは、2つ以上(全部を含む)の任意の組合せを実行するようにしてもよい。例えば遊技に対する影響が小さい軽微なエラーが発生した場合には演出表示装置1600での異常状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力による異常状態が発生していることの通知と、のうちいずれか1つ又は任意の2つの組合せを実行し、遊技に重大な影響を与える重大なエラーが発生した場合には演出表示装置1600での異常状態となっていることを通知する表示と、扉枠3に設けられているLEDをエラー時の態様で発光制御することによる通知と、音声出力による異常状態が発生していることの通知と、の全てを実行するようにしてもよい。
また、本例では虹色演出を実行する変動演出において虹色演出の実行中(タイミングt6)や虹色演出の開始前(タイミングt0~タイミングt2のうちの任意のタイミング)に異常が発生し、当該虹色演出の実行中(当該虹色演出が終了する以前)に異常が解消して異常状態から正常状態に復帰した場合に、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDによる異常報知発光態様を終了するものの、遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、による虹色演出の発光装飾を実行しない(虹色演出の発光装飾を再開しない(虹色演出の発光装飾に復帰しない))。
すなわち、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDがノイズ等により発光態様が乱れる異常が発生したことで虹色演出の発光装飾を終了したり、虹色演出の発光装飾を開始しなかった場合に、一旦異常が解消したと判断した場合であっても再びノイズが発生する場合も考えられる。このような場合に異常の解消に応じて虹色演出の発光装飾を再開するように制御すると、虹色演出の発光装飾の実行と終了とが繰り返し行われてしまうおそれがあり、遊技者を混乱させるおそれがある。そのため、本例では異常が発生したことに基づいて虹色演出を終了したり、虹色演出を開始しなかった場合には、虹色演出の実行期間中に当該異常が解消されても虹色演出の発光装飾を実行又は再開しないようにしている。
例えば、図242に示すように虹色演出を実行する変動演出において虹色演出の実行中のタイミングt6においてノイズ等により遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDのうちいずれかのLEDによる虹色演出の発光制御が困難な異常が発生した場合に(タイミングt6)、遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、による虹色演出の発光装飾を終了し、第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDを消灯状態に発光制御し、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを最大輝度(光量)で赤色に点滅発光させる異常報知発光態様で発光制御する。
このとき、演出表示装置1600では虹色演出表示態様の表示を消失させて警告表示(「異常発生」等)を行うものの、当該虹色演出表示態様の制御データはスケジューラに沿って更新されるようになっている。また、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211に設けられる裏後上第一装飾基板に実装されるLEDは虹色演出の発光装飾を実行しないものの、虹色演出を実行する変動演出に対応する発光制御を継続するようになっており、演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示が消失されても変動演出が継続していることを遊技者に認識させることができるようになっている。また、上記した異常状態では警告音が出力されるようになっており、遊技者や遊技店員が警告音を聴取することで異常状態が発生していることを認識できるようになっている。
また、異常状態となった後のタイミングt10においてノイズ等が解消されて遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDの虹色演出の発光制御が可能な状態に復帰すると(タイミングt10)、演出表示装置1600では警告表示を終了して虹色演出表示態様の表示を再開させる。上記したように、異常状態の発生中にも虹色演出表示態様の制御データがスケジューラに沿って更新されるようになっており、変動演出開始後の経過時間に応じた態様で演出表示装置1600における虹色演出表示態様を表示するようになっており、ノイズ等により遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDのうちいずれかのLEDによる虹色演出の発光制御が困難な異常が発生したタイミングt6で表示していた虹色演出表示態様ではなく、ノイズ等が解消されて異常状態から復帰したタイミングt10に応じた虹色演出表示態様を表示させる。
また、本例ではタイミングt10において異常が解消しても一定期間(例えば30秒)は枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを最大輝度(光量)で赤色に点滅発光させる異常報知発光態様を継続するようになっている(タイミングt10~タイミングt11)。つまり、異常が解消した後(タイミングt10)、一定期間が経過する以前に再び異常が発生すると、一定期間が経過したタイミングで異常報知発光態様を終了させることなく一定期間が経過した後にも異常報知発光態様を継続するようになっている。これにより、異常の発生と解消とが頻発する場合にその都度異常報知発光態様での発光制御の終了と再開とを繰り返すことなく、連続して異常報知発光態様に発光制御することで遊技店員等が気づきやすくなる。
また、タイミングt6で異常が発生した場合に遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDを消灯した後(タイミングt6)、タイミングt10で異常が解消しても遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDについては消灯した状態を継続し、虹色演出の発光装飾に復帰しない(タイミングt10~タイミングt100)。
同様に、タイミングt6で異常が発生した場合に扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを異常報知発光態様で発光制御した後(タイミングt6)、タイミングt10で異常が解消して再び異常が発生することなく一定期間が経過した場合には、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDを消灯状態に制御し、虹色演出の発光装飾に復帰しない(タイミングt10~タイミングt100)。
そして、タイミングt100で虹色演出が終了するとともにリーチ演出が開始されると、遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の発光制御を実行してリーチ演出に応じた態様で発光させる。このように、本例のパチンコ機1では虹色演出の実行中に異常が解消されても虹色演出の発光装飾に復帰させないため、虹色演出の実行中に異常が発生したか否かを判別可能である。なお、虹色演出の開始以前に異常が発生して当該異常が虹色演出の開始以前に解消された場合には、虹色演出を開始させるタイミングt2で虹色演出の発光装飾を開始するようにしてもよい。
また、異常が解消されたタイミングt10ではなく、虹色演出の終了したタイミングt100(虹色演出の次に実行される演出(本例ではリーチ演出)を開始するタイミング)で遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDとの発光制御を開始するものに限らず(タイミングt100で発光制御を開始するものに限らず)、虹色演出を実行する変動演出を終了した場合や、虹色演出を実行する変動演出を終了して次の変動演出が開始される場合、虹色演出を実行する変動演出が終了した後に次の変動演出が開始されることなくデモ演出が開始される場合、等であってもよい。この場合でも虹色演出の実行中や当該変動演出の実行中に異常が発生したことを判別できる。
また、虹色演出を実行する変動演出の終了後に異常が解消された場合に当該異常が解消されたタイミングで遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDとのうち少なくとも遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDの発光制御を開始するようにしてもよく、この場合には異常が発生した変動演出とは異なる変動演出の実行中に異常が解消され、当該異常が解消されたタイミングで虹色演出を実行していれば当該タイミングにおける虹色演出の発光態様に制御するようにしてもよい。
また、異常が解消された場合に一部のLEDについては虹色演出の発光装飾に復帰させるようにしてもよい。例えば、異常が解消された場合に遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDのうち第4盤発光グループの複数のLEDを虹色演出の発光装飾に復帰させ、異常が解消されて一定期間が経過した場合に扉枠3に設けられる枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDのうち枠発光グループAを虹色演出の発光装飾に復帰させるようにしてもよい。この場合には、異常状態の発生中に発光制御されないものの発光制御パターンのスケジュールデータを進行させ、異常が発生したタイミングでの発光態様ではなく、異常が解消されたタイミングでの発光態様から再開されるようになる。このように、異常が解消された場合に一部のLEDについては虹色演出の発光装飾に復帰させ、他のLEDについては消灯状態とした場合には、一部のLEDについてしか虹色演出の発光装飾が行われていないことにより虹色演出の実行中に異常が発生したことを判別可能になる。
また、本例では異常状態中でも光量調節ボタン228の操作を受け付けて第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の光量(輝度)の設定値を変更することができるようになっている。
ただし、異常が発生していない正常な状態では光量調節ボタン228の操作を受け付けたタイミングで第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の光量(輝度)を直ぐに変更し、変更後の光量(輝度)で第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、を発光制御するのに対し、異常が発生している状態では光量調節ボタン228の操作を受け付けたタイミングで第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の光量(輝度)の設定値を変更するものの、当該操作を受け付けたタイミングで第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、を変更後の光量(輝度)に発光されることなく、異常の解消後、具体的には第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDについては扉枠3が閉鎖されて異常が解消されたタイミングt10以降に変更後の光量(輝度)で発光できるように発光制御され、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDについては扉枠3が閉鎖されて異常が解消されて一定期間が経過したタイミングt11以降に変更後の光量(輝度)で発光できるように発光制御される。
このように、異常が発生している状態では光量調節ボタン228を操作しても第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDと、枠発光グループA~枠発光グループFの複数のLEDと、の光量(輝度)が変更されないことで異常報知発光態様が気づかれ難くなることを抑制できる。また、異常が発生している状態であっても光量調節ボタン228の操作を受け付けて光量(輝度)の設定値を変更して、異常の解消後に実際のLEDの発光状態に反映させるため、異常の発生している状態であっても遊技者の光量(輝度)調節の機会を奪うことがない。
なお、本例では遊技盤5に設けられている第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属して光量調節が可能な複数のLED(以下調光LED群と記載)が実装される複数の装飾基板とは別個に上記7セグメント表示部を発光装飾させる光量調節が不可能な複数のLED(以下非調光LED群と記載)が実装される裏後上第一装飾基板を設けるように構成したが、これに限らず第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属している複数のLEDが実装される複数の装飾基板のうちいずれかの装飾基板の一部に7セグメント表示部を発光装飾させるためのLEDを実装するようにしてもよい。すなわち、光量調節が可能な複数のLED(調光LED群)と光量調節が不可能な複数のLED(非調光LED群)とを一枚の装飾基板に実装するようにしてもよい。
例えば、光量調節が可能な複数のLEDからなる調光LED群と光量調節が不可能な複数のLEDからなる非調光LED群とは、所定の間隔を空けて配置するようにしてもよく、この場合には、調光LED群のうちの隣接するLED同士の距離や、非調光LED群のうちの隣接するLED同士の距離を、調光LED群と非調光LED群との距離よりも近くなるように配置してもよい。このように構成することで調光LED群と非調光LED群との識別が容易となり、光量調節が可能なLEDと光量調節が不可能なLEDとの輝度の対比が容易となる。
また、光量調節が可能なLED(以下調光LEDと記載)と光量調節が不可能なLED(以下非調光LEDと記載)とに同一又は酷似する色(本例では白色)の樹脂製のパッケージを採用したり、これに加えて同一種類のパッケージを採用するようにしてもよく、これにより調光LEDと非調光LEDとを同様の条件で発光させることができるため、調光LEDと非調光LEDとの輝度の対比によって輝度調節後の調光LEDの輝度と非調光LEDの輝度との差が明確になり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。
また、調光LED群と非調光LED群との間に複数のスルーホールを形成するようにしてもよい。装飾基板の表面のうちスルーホールが形成される領域ではLEDから照射される光が反射されずに装飾基板の裏面(LED非実装面)側に漏れるようになるため、調光LED群と非調光LED群との間にスルーホールを形成することにより、調光LEDからの光と非調光LEDからの光との干渉が抑制されてそれぞれのLEDからの光を個別に視認することができるようになり、調光LED群のみからの光に基づいて輝度を調節することができるし、非調光LED群のみによる光を輝度調節の指標として利用することが可能になるため、対比の精度が高まり、遊技者好みの輝度に調節することが容易となる。また、調光LED及び非調光LEDの外径よりも小さい外径でスルーホールを形成(装飾基板のLED実装面(表面、前面)において1つのスルーホールが占める割合(面積)≦1つの調光LED又は1つの非調光LEDが占める割合(面積))することで、調光LED及び非調光LEDの光を必要以上にスルーホールから装飾基板の裏面(LED非実装面)に漏れさせることを抑止するようにしてもよい。この場合には調光LEDと非調光LEDとの間に形成されるスルーホールの個数を、当該スルーホールの側方に実装されている調光LEDの数や非調光LEDの数よりも多くすることで、調光LEDと非調光LEDとのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制を実現しながらも、必要以上に調光LED及び非調光LEDの輝度を低下させないようにするようにしてもよい。
また、装飾基板のLED実装面(前面、表面)において、調光LED群と非調光LED群との一部又は全部を隔てるような立体物(所定の厚みを有する電子部品や構造体等)を設けることで調光LEDと非調光LEDとのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制を実現するようにしてもよい。例えば、装飾基板のLED実装面(前面、表面)において調光LEDと非調光LEDとの間に抵抗や、コンデンサや、ダイオード、IC、LEDドライバ等の回路基板に実装される電子部品を実装するようにしてもよい。このように所定の厚みを有して、装飾基板のLED実装面(前面、表面)から突出するように実装される電子部品を調光LEDと非調光LEDと間に設けることで、調光LEDと非調光LEDとの一部又は全部を隔てて、調光LEDと非調光LEDとのそれぞれから照射される光の反射や干渉を抑制するようにしてもよい。
また、調光LEDと非調光LEDとの間に設けられる電子部品は反射効率の低い暗色(黒色や、灰色、緑色、青色、茶色等)の外観を有するもの(一部に暗色とは異なる部分(例えば銀色等の金属色や透明部分等)を有するものであってもよい)としてもよい。これにより、調光LEDと非調光LEDとのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制効果をさらに高めることができる。
また、上記した例では非調光LEDが実装される裏後上第一装飾基板が設けられる裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を、演出表示装置1600の左右方向の端部に亘る大きさで形成して裏後上第一装飾部3211の7セグメント表示部によって表示される文字や数字、絵柄、等を遊技者が気付きやすいものを示したが、裏後上第一装飾部3211を例えば一つの7セグメント表示部で形成したり、LEDが実装される他の装飾基板に比べて小さい装飾基板が設けられるようにする等により、遊技者が気づき難いような演出を実行するようにしてもよい。この場合には7セグメント表示部の存在に気づいた遊技者には演出表示装置1600等による演出に加えて7セグメント表示部で実行される演出によってさらなる楽しみを与えることができる。また、複数のLEDが実装される一枚の装飾基板の表面を、当該装飾基板を覆う装飾体を発光装飾する複数のLEDが実装される領域と、当該装飾体の一部に設けられる7セグメント表示部を発光装飾する複数のLEDが実装される領域と、に分けて配置するように構成した場合には、装飾基板を覆う装飾体を発光装飾する複数のLEDが実装される領域よりも装飾体の一部に設けられる7セグメント表示部を発光装飾する複数のLEDが実装される領域を狭くするようにしてもよい。
このように、輝度調節の基準となる非調光LEDと輝度を変更する調光LEDとが一枚の装飾基板に実装されて近くに配置されているため、調光LEDと非調光LEDと異なる基板に実装する場合に比べて調光LEDと非調光LEDとをより近くに配置することが可能になり、調光LEDと非調光LEDとの輝度の対比が容易である。
また、上記した例では虹色演出の発光装飾を行うLED、具体的には第1盤発光グループ~第6盤発光グループに含まれるLEDと枠発光グループA~枠発光グループFに含まれるLEDとについて輝度調節を可能とされ、虹色演出の発光装飾を行わないLED、具体的には裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDについて輝度調節を不可能とされるものを示したが、扉枠3や遊技盤5に裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLED以外にも虹色演出の発光装飾を行わない非虹色発光LEDを1つないし複数設けるようにしてもよい。この非虹色発光LEDは虹色演出が実行されると消灯された状態に制御されたり、虹色演出の発光装飾とは異なる発光装飾を行うように制御されたりするものであって、虹色演出の発光装飾を行わないが、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDとは異なり、輝度調節を可能とされている。このように虹色演出の発光装飾を行わない非虹色発光LEDについても虹色演出の実行中における輝度調節の結果を反映させることができるため、この非虹色発光LEDについても虹色演出後に実行される発光装飾で遊技者の好みの輝度(光量)で発光させることができる。
また、上記した調光LEDが虹色演出の発光装飾を実行している場合には短時間で発光色が切り替わる(チカチカする)ため、これら調光LEDの光に基づいて正確な光量(輝度)を判別することが困難である。そのため、遊技者の好みの光量(輝度)に調節したつもりでも実際には遊技者の好みの光量(輝度)とは異なる光量(輝度)に設定されてしまうという問題がある。上記したように虹色演出の実行中にも虹色演出の発光装飾を実行しない非虹色発光LEDを設けて虹色演出の発光装飾とは異なる発光装飾を実行する場合には、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの光量(輝度)を調節する場合に非虹色発光LEDからの光に基づいて正確に光量(輝度)を判別することができるようになり、遊技者の好みの光量(輝度)に容易に調節することができるようになる。
なお、非虹色発光LEDの虹色演出の実行中における発光装飾として、少なくとも虹色演出の発光装飾を行うLED、具体的には第1盤発光グループ~第6盤発光グループに含まれるLEDと枠発光グループA~枠発光グループFに含まれるLED、よりも長い単位発光時間で発光色を切り替えるものや、発光色を切り替えることなく同一の発光色で発光装飾を行うものであればよい。
また、上記した光量(輝度)の調節が不可能とされて虹色演出の発光装飾を行わない非調光LEDが実装される裏後上第一装飾基板が設けられる裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部の発光色とは異なる発光色で非虹色発光LED(フルカラーLEDを裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部の発光色とは異なる発光色で発光制御するものであってもよいし、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部の発光色とは異なる発光色で発光する単色発光のLEDを発光制御するものであってもよい)を発光制御するようにしてもよく、この場合には非虹色発光LEDと非調光LEDとのそれぞれの判別が容易となり、光量(輝度)の調節に際して光量(輝度)の比較が容易になるため、遊技者の好みの光量(輝度)に容易に調節することができる。
なお、上記した例では虹色演出の発光装飾、即ち短時間で発光色を変更する発光装飾、を行わない裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾する単色発光のLED(非調光LED)が実装される裏後上第一装飾基板の表面にも、最も反射効率の高い白色のソルダーレジスト(保護材)がコーティングされるとともに、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が、明度や彩度の高い色(例えば、黄色などの白色と反射効率の近い色)のインクを用いてスクリーン印刷により施して裏後上第一装飾基板のLEDが実装される表面の反射効率を高めるものを示したが、これに加えて、又はこれに替えてLEDが実装される裏後上第一装飾基板の表面における光の干渉を抑制してLED個々の発光を明瞭にしてセグメント表示部に表示される文字や数字、絵柄、等をより明瞭に表示できるようにしてもよい。
具体的には、図243(A)に示すように、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板と、裏後上第一装飾部3211の裏側に設けられており所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)が列設されている裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板と、を内包する裏後上可動装飾体3210を、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部と裏後上第二装飾部3212の所定の文字とを除いて透光性を有しない不透明(本例では白色)の樹脂等によって所定の厚み(本例では約10mm)で形成する。
また、図243(B)に示すように、裏後上第一装飾部3211の7セグメント表示部には夫々のセグメントに対応する筒状の貫通部が形成され、この貫通部内に1個又は複数個のLEDが配置されるように裏後上第一装飾基板の複数のLEDが実装される表面を区画する。また裏後上第二装飾部3212には所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)それぞれに対応する筒状の貫通部が形成され、この貫通部内に1個又は複数個のLEDが配置されるように裏後上第二装飾基板の複数のLEDが実装される表面を区画する。
また、裏後上可動装飾体3210は前後二つの装飾体に分割するように形成され、一方の装飾体の内側を裏後上第一装飾基板の複数のLEDが実装される表面に密着させるとともに他方の装飾体の内側を裏後上第二装飾基板の複数のLEDが実装される表面に密着させた状態で、前後二つに分割されている装飾体を組み付ける(固着する)ことで裏後上可動装飾体3210を構成するようになっている。
これにより、裏後上第一装飾部3211の7セグメント表示部における夫々のセグメントに対応する貫通部内に配置するLEDから照射される光が他のセグメントに対応する貫通部内に漏れることを抑制して、7セグメント表示部の複数のセグメントそれぞれから照射される光の干渉を抑制できるため、裏後上第一装飾部3211の7セグメント表示部の複数のセグメントそれぞれによって示される情報(文字や数字、絵柄、等)を個々に識別し易くすることができる。また、貫通部内に配置されるLEDからの光を当該貫通部外に漏らすことなく裏後上第一装飾部3211の7セグメント表示部における夫々のセグメントから放射させることができるため、貫通部内の光量(輝度)の低下を抑制できる。
同様に、裏後上第二装飾部3212の所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)夫々に対応する貫通部内に配置するLEDから照射される光が他の文字に対応する貫通部内に漏れることを抑制して、所定の文字それぞれから照射される光の干渉を抑制できるため、裏後上第二装飾部3212の所定の文字それぞれを個々に識別し易くすることができる。また、貫通部内に配置されるLEDからの光を当該貫通部外に漏らすことなく裏後上第二装飾部3212の所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)それぞれから放射させることができるため、貫通部内の光量(輝度)の低下を抑制できる。
また、上記した裏後上可動装飾体3210の構造に加えて、又は上記した裏後上可動装飾体3210の構造とは別に(裏後上可動装飾体3210の構造を採用することなく)、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部が左右に並んでいる裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板と、所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)が列設されている裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板と、の複数のLEDが実装される表面に、白色のソルダーレジスト(保護材)に替えて反射効率の低い暗色(黒色や紫色、濃紺色、深緑色等)のソルダーレジスト(保護材)をコーティングするようにしてもよい。この場合、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、における反射効率は低下するものの、それぞれの貫通部の光が干渉することなくそれぞれ独立して発光させることが可能になるため、裏後上第一装飾部3211の五つの7セグメント表示部によって示される文字や数字、絵柄、等や、裏後上第二装飾部3212の所定の文字を明瞭に表示することができ、これらの情報を遊技者に正確に伝えることができる。
なお、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、に暗色のソルダーレジスト(保護材)をコーティングした場合でも、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装されない裏後上第一装飾基板のLED非実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED非実装面と、には暗色以外(例えば白色や緑色等)のソルダーレジスト(保護材)をコーティングするようにしてもよい。また、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、のうち貫通部の内側領域にのみ白色のソルダーレジスト(保護材)をコーティングしたり、シルク印刷等によって白色塗膜を形成し、貫通部の外側領域に暗色のソルダーレジスト(保護材)をコーティングしたり、シルク印刷等によって暗色塗膜を形成するようにしてもよく、この場合には基板表面の反射効率を低下させて貫通部それぞれからの光の干渉を抑制しつつ、貫通部内に配置されるLEDから照射される光を高い割合で反射させて裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部のそれぞれのセグメントや裏後上第二装飾部3212の所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)それぞれを明るく発光装飾させることができる。
また、裏後上可動装飾体3210の五つの7セグメント表示部のそれぞれのセグメントや裏後上第二装飾部3212の所定の文字(ここでは、「JACKPOT」)それぞれに対応する裏後上可動装飾体3210の表面(貫通部の形成される部分)には、透光性を有する半透明(本例では白濁した摺りガラス状)のフィルムや透光性を有する半透明(本例では赤色等)の樹脂等で形成されるカバー体が設けるようにしてもよい。これにより、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDや裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDからの光が直視されることを抑止し、遊技者に眩しく感じさせないようにすることができる。また、上記フィルムやカバー体を面発光させることで、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDや裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが発光したときに光源を目立ち難くすることができる。
また、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、にも実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号が明度や彩度の高い色(例えば、黄色)のインクを用いてスクリーン印刷により施されている。なお、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、の一方又は両方については明度や彩度の低い色(例えば、緑色等)のインクを用いてLED実装面にスクリーン印刷により施すようにしてもよいし、実装されるLED等の電子部品や他の装飾基板との混同を避けるための文字や記号を箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)で形成してこの箔抜き文字の表面をLEDの実装面にコーティングされる暗色のソルダーレジスト(保護材)でコーティングするようにしてもよいし、LED非実装面(裏面)に所定色(明度や彩度の高い色に限らず明度や彩度の低い色も含む)のインクを用いてスクリーン印刷により施すようにしてもよい。この場合にも裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板のLED実装面と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板のLED実装面と、の光の干渉を抑制することができる。
また、裏後上第一装飾部3211を発光装飾するLEDが実装される裏後上第一装飾基板と、裏後上第二装飾部3212を発光装飾するLEDが実装される裏後上第二装飾基板と、を裏後上可動装飾体3210に強固(取外し困難、溶着等により裏後上可動装飾体3210や裏後上第一装飾基板、又は裏後上第二装飾基板の少なくとも一部を破壊しなければ取外しできない不可逆的な取付状態等)に取り付けるようにしてもよく、これにより裏後上第一装飾基板及び裏後上第二装飾基板のLED実装面を裏後上可動装飾体3210によって保護することができるため、いたずら等によって裏後上第一装飾基板や裏後上第二装飾基板に実装されるLEDに不具合が生じることを抑制できる。
なお、第1盤発光グループ~第6盤発光グループに属している複数のLEDが実装される複数の装飾基板のうちいずれかの装飾基板の一部に7セグメント表示部を発光装飾させるためのLEDを実装する場合、すなわち、光量調節が可能な複数のLED(調光LED群)と光量調節が不可能な複数のLED(非調光LED群)とを一枚の装飾基板に実装する場合には、非調光LED群のLED実装面に上記貫通部が形成される装飾体を設けるようにしてもよい。この場合には調光LEDと非調光LEDとのそれぞれから照射される光の反射や干渉の抑制効果がさらに高まる。
上記したように裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212には文字や数字、絵柄、等の情報が表示されるものであり、遊技演出において重要な情報が表示される等の重要な役割を果たし得るものである。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aによって直接制御するようにしてもよく、この場合には主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御部1511が裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212を制御する場合に比べて不具合(本来表示する内容とは異なる内容が表示される等)の発生を抑制でき、遊技者等に不利益を与えないようにすることができる。
また、周辺制御基板1510の周辺制御部1511では約33.3msごとに周辺制御部定常処理を行うのに対し、主制御基板1310の主制御MPUでは4msごとに主制御側タイマ割り込み処理を行うため、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御部1511が裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212を制御する場合に比べて短い周期で裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212の表示内容を更新することができ、仮に不具合が発生して裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212に本来表示する内容とは異なる内容が表示された場合であっても直ぐ(4ms後)に表示内容を更新して本来の表示内容に変更することができ、遊技者等に不利益を与えない。すなわち、重要な情報を表示する(重要度の高い)裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212については重要な情報を表示しない(重要度の低い)発光装飾体よりも短い周期で制御信号を出力して発光手段(LED)の発光態様を更新するため、重要な情報を表示する裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212の表示内容に不具合が生じた場合であっても直ぐに正常な表示内容に変更することができ、本来とは異なる内容が表示されて遊技者に不利益を与えることを抑制できる。また、主制御基板1310からの制御信号に基づいて周辺制御基板1510の周辺制御部1511が裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212を制御するように構成した場合には主制御基板1310と周辺制御基板1510との間で通信エラーが生じて裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212によって示される情報に不具合が発生するおそれがあるが、本例では主制御基板1310が裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212を直接制御することで、周辺制御基板1510の周辺制御部1511が裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212を制御する場合に比べて裏後上第一装飾部3211や裏後上第二装飾部3212によって示される情報に不具合が発生し難くなり、遊技者に不利益を与えることを抑制できる。
[虹色演出の変形例1]
次に上記した虹色演出の変形例について説明する。本例では虹色演出の実行中に遊技者が演出操作ユニット300の押圧操作部303を押圧操作することにより大当り期待度を判別できるようになっている。なお、変形例1では上記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、重複した説明を行わない。
具体的には、図244に示すように虹色演出が実行されている場合に、当該虹色演出後に装飾図柄がリーチとなる等の大当り期待度の高い変動表示の実行中であれば、当該虹色演出の実行中のタイミングt6で演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されても、虹色演出を終了することなしにタイミングt100まで当該虹色演出を継続して実行する。
一方、図245に示すように虹色演出が実行されている場合に、当該虹色演出後に装飾図柄がリーチとならない等の大当り期待度の高い変動表示の実行中でなければ、当該虹色演出の実行中のタイミングt6で演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されると、この演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されたタイミングt6で実行中の虹色演出を終了して、演出表示装置1600に所定の演出態様(例えば装飾図柄の変動表示等)を表示し、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDを所定の発光態様(一部又は全部を消灯させるものでもよい)で発光制御するようになっている。
これにより、虹色演出が実行されている場合に大当りとなる可能性を判別することができ、虹色演出が実行されているタイミングt2~タイミングt100の期間では遊技者が演出操作ユニット300の押圧操作部303を積極的に押圧操作するように仕向けることができる。また、虹色演出が実行されているタイミングt2~タイミングt100の期間に遊技者が演出操作ユニット300の押圧操作部303を押圧操作して大当り期待度が高いと判別した場合には遊技興趣を向上させることができる。
なお、虹色演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303を押圧操作したことに基づいて実行中の虹色演出が終了した後、演出表示装置1600にて虹色演出とは無関係の演出表示を実行するようにしてもよい。これによって虹色演出が終了していることを遊技者に気づかせて大当り期待度が低いことを確実に認識させることができる。また、演出表示装置1600にて虹色演出とは無関係の演出表示を実行した場合に、当該虹色演出とは無関係の演出表示についても演出操作ユニット300の操作に応じて終了させることができるようにしてもよいし、当該虹色演出とは無関係の演出表示の実行中に所定期間に亘って演出操作ユニット300が操作されなかった場合に当該虹色演出とは無関係の演出表示を終了するようにしてもよい。また、演出表示装置1600にて実行している虹色演出とは無関係の演出表示を終了した後、所定の開始条件が成立した場合に(例えば所定期間に亘って演出操作ユニット300が操作されなかった場合や、変動演出が実行されていない無変動演出期間が予め決められた所定期間となった場合等)、虹色演出を再び開始するようにしてもよい。これにより、虹色演出の発光態様や表示態様を遊技者の脳裏に刷り込み、以後に実行される変動演出において虹色演出が実行された場合に大当り期待度の高い変動演出が実行されているという期待を抱かせて演出操作ユニット300を操作させることができる。
また、図245において虹色演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作された場合には、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDにおける虹色演出の発光装飾を終了した後、この虹色演出の発光装飾を終了したタイミングよりも所定期間遅れたタイミングで演出表示装置1600における虹色演出表示態様等の演出表示を終了する。これにより、演出表示装置1600において表示内容が急に切り替えられることを抑止して、虹色演出表示態様等の演出表示の余韻を残した状態で表示内容を切り替えることができる。
また、虹色演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作された場合に所定の音を出力するようにしてもよく、この場合には演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されたことに基づいて所定の音を出力した後、この所定の音を出力したタイミング(虹色演出の発光装飾を終了したタイミングと同じタイミングでもよいし異なるタイミングでもよい)よりも所定期間(虹色演出の発光装飾を終了したタイミングと同じタイミングで所定の音を出力する場合には虹色演出の発光装飾を終了したタイミングからの所定期間と同一の期間、虹色演出の発光装飾を終了したタイミングと異なるタイミングで所定の音を出力する場合には虹色演出の発光装飾を終了したタイミングからの所定期間と異なる期間)遅れたタイミングで演出表示装置1600における虹色演出表示態様等の演出表示を終了するようにしてもよい。この場合にも演出表示装置1600において表示内容が急に切り替えられることを抑止して、虹色演出表示態様等の演出表示の余韻を残した状態で表示内容を切り替えることができる。
また、虹色演出の実行中に演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作された場合に、遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDにおける虹色演出の発光装飾を終了した後、再び遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDにおける虹色演出の発光装飾を開始するようにしてもよい。この場合には遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDにおける虹色演出の発光装飾を終了してから、演出表示装置1600における虹色演出表示態様等の演出表示を終了する以前に(演出表示装置1600における虹色演出表示態様等の演出表示を継続した状態で)再び遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDや扉枠3に設けられている各種の装飾基板のLEDにおける虹色演出の発光装飾を開始するようにしてもよい。これにより、虹色演出の発光装飾が終了したことで大当り期待度が低いと判断して落胆している遊技者の興趣を向上させて、再び虹色演出に注目させることができる。
また、上記した例に加えて虹色演出の実行中における音出力態様を異ならせることで大当り期待度を判別できるようにしてもよい。例えば、上記した虹色演出が実行されている場合に当該虹色演出後に装飾図柄がリーチとなる等の大当り期待度の高い変動表示の実行中であれば、当該虹色演出に応じた態様の音出力を実行する一方、虹色演出が実行されている場合に当該虹色演出後に装飾図柄がリーチとならない等の大当り期待度の高い変動表示の実行中でなければ、当該虹色演出に応じた態様の音出力を実行することなく、他の態様の音出力を実行したり、音出力を実行しないようにしてもよい。この場合にも虹色演出の実行と音出力の態様とによって大当り期待度を判別することができ、大当り期待度が高いと判別した場合には遊技興趣を向上させることができる。
[虹色演出の変形例2]
上記した虹色演出では可動体の動作を伴わないものを示したが、上記した虹色演出で発光装飾される可動体について当該虹色演出での発光装飾に加えて必ず、又は所定の割合で虹色演出に連動した動作を行うようにしてもよい。以下、変形例2として示す。なお、変形例2では上記実施形態と異なる部分についてのみ説明し、重複した説明を行わない。
図246に示すようにタイミングt2で演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されるか又は演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されることなくボタン有効期間(例えば5秒)が経過したことに応じて虹色演出を開始すると(タイミングt2)、第4盤発光グループに属する裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDを所定の発光色(この例では青色)に発光させた後、所定期間(例えば0.1秒)毎に発光色を変更するように制御する(この例では「青色」→「紫色」→「赤色」→「白色」→「黄色」→「緑色」→「青色」→「紫色」→・・・)。
また、タイミングt2で演出操作ユニット300の押圧操作部303が遊技者によって押圧操作されるか又は演出操作ユニット300の押圧操作部303が押圧操作されることなくボタン有効期間(例えば5秒)が経過したことに応じて虹色演出を開始すると裏前下中装飾基板3168が設けられる裏前下演出ユニット3160の裏前下中装飾体3161は、図164に示されるように通常の待機位置から上昇して演出表示装置1600の前方(本例では裏前下中装飾体3161の一部が演出表示装置1600の前方に重なるように上昇する。なお、演出表示装置1600の中央付近に上昇する等により裏前下中装飾体3161の全体が演出表示装置1600の前方に重なるように上昇するようにしてもよい。)で停止し、前後方向の軸周りに対して回転する。
これにより、虹色演出の実行中には演出表示装置1600の前方でLEDによる発光装飾と可動体(裏前下中装飾基板3168)による動作とが実行され、しかも裏前下中装飾体3161を発光装飾する裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDが所定期間(例えば0.1秒)毎に発光色を変化させるため、注目度の高い演出を実行することができる。また、演出表示装置1600の前方に裏前下中装飾体3161が表出して、演出表示装置1600と一部が重なった状態で裏前下中装飾体3161が回転するため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、虹色演出を終了する場合には(タイミングt99)、裏前下中装飾体3161の前後方向の軸周りに対する回転を停止して演出表示装置1600の前方から下降し、通常の待機位置で停止する。本例では、裏前下中装飾体3161の通常の待機位置への移動に同期して演出表示装置1600に装飾図柄のリーチを発生させる。このように、演出表示装置1600の前方に表出する裏前下中装飾体3161を発光装飾させつつ回転させることで演出表示装置1600の一部を覆い隠すとともに、裏前下中装飾体3161に注目させるため、裏前下中装飾体3161の通常の待機位置への移動に同期して演出表示装置1600に装飾図柄のリーチが発生したときに遊技者を驚かせ、大当りに対する期待を高めることができる。
なお、上記したように虹色演出を実行する変動演出の実行中に異常状態が発生した場合には、裏前下中装飾体3161を発光装飾する裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDによる虹色演出の発光装飾を終了する。これにより、不完全な形で虹色演出が行われないようになっている。
一方、裏前下中装飾体3161は虹色演出の実行中に異常状態が発生しても動作を停止することなく、異常状態が発生していない状態と同様の動作を行うようになっている。また、虹色演出を実行する変動演出において虹色演出の開始前に異常状態が発生しても異常状態が発生していない状態と同様に本来の虹色演出を開始するタイミングで動作を行うようになっている。すなわち、虹色演出の発光制御を設計通りの完全な形で実現できない場合には裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDによる発光装飾を中止又は実行しないようにするものの、虹色演出の発光装飾に影響を与えない動作については中止することなく予定通り(設計されている通り)に実行するようにしている。これにより、変動演出が継続していることを遊技者に認識させることができ、虹色演出が中止されたことで変動演出が終了したという誤解を遊技者に与えないようにすることができる。
具体的には、図247に示すように虹色演出の実行中のタイミングt6で異常が発生した場合に、裏前下中装飾体3161を発光装飾する裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDを含む遊技盤5に設けられる第1盤発光グループ~第6盤発光グループの複数のLEDによる虹色演出の発光装飾を終了させて消灯状態に制御する。そして、虹色演出の実行中に扉枠3が閉鎖されて異常が解消された場合であっても虹色演出の発光装飾に復帰しない(虹色演出の発光装飾を再開しない)ようになっている。
一方、裏前下中装飾体3161が虹色演出に連動して動作しているタイミングt6で異常が発生しても(タイミングt6)、裏前下中装飾体3161の虹色演出に連動する動作を停止させることなく、予め決められている虹色演出に連動した動作を継続して実行する(タイミングt6~タイミングt100)。このように、虹色演出の実行中に異常が発生した場合に、虹色演出の発光装飾を終了させる一方で裏前下中装飾体3161の動作を継続させるため、裏前下中装飾体3161の動作が継続していることによって変動演出が継続していることを遊技者に認識させることができ、不安を与えないようにすることができる。
また、虹色演出を実行する変動演出において異常が発生し、虹色演出の終了以前に異常が解消して異常状態から正常状態に復帰しても、裏前下中装飾体3161を発光装飾する裏前下中装飾基板3168に実装される複数のLEDによる虹色演出の発光装飾を再開しない。つまり、虹色演出を実行する変動演出において虹色演出の実行中に異常が発生し、当該虹色演出が終了する以前に異常が解消して異常状態から正常状態に復帰した場合には、裏前下中装飾体3161が発光装飾されない消灯状態で虹色演出に連動した動作を行う。これにより、演出表示装置1600に虹色演出表示態様が表示されている場合に、裏前下中装飾体3161が発光装飾されているか否かによって虹色演出を実行する変動演出において異常状態が発生したことを判別することができ、不正行為等の発生を抑制することができる。
なお、異常状態の種類(緊急性の度合い)に応じて裏前下中装飾体3161の虹色演出に連動した動作を継続又は開始するか否かを異ならせるようにしてもよく、例えば上記した遊技に対する影響が小さいエラーについては裏前下中装飾体3161の虹色演出に連動した動作を継続する又は虹色演出に連動した動作を予定通り(スケジューラに設定されているタイミングで動作させる)実行する一方、遊技に重大な影響を与えるエラーについては裏前下中装飾体3161の虹色演出に連動した動作を停止させる(虹色演出に連動した動作を停止させた後に通常の待機位置に戻して停止させるようにしてもよい)又は予め予定されている(スケジューラに設定されている)虹色演出に連動した動作を行わないように制御することで、変動演出の実行中であっても当該変動演出を中断又は終了させるようにしてもよい。これにより、エラーの程度に応じて裏前下中装飾体3161の動作状態を異ならせることができ、異常の発生の判別が可能になる。
また、異常状態の種類(緊急性の度合い)に応じて演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させるか否かを異ならせるようにしてもよく、例えば上記した遊技に対する影響が小さいエラーについては演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させることなく、当該虹色演出表示態様に一部が重なるように警告表示(例えば「扉開放中」等)を行う一方、遊技に重大な影響を与えるエラーについては演出表示装置1600における虹色演出表示態様の表示を消失させて警告表示(例えば「不正入賞発生!」等)のみを行うことで、虹色演出の実行中であっても当該虹色演出の表示(虹色演出表示態様)を中断又は終了させるようにしてもよい。これにより、エラーの程度に応じて演出表示装置1600における表示態様を異ならせることができ、異常の発生の判別が可能になる。
また、上記虹色演出の変形例1に示されるように、虹色演出後に装飾図柄がリーチとなる等の大当り期待度の高い変動表示を実行している場合には、必ず又は所定の割合で裏前下中装飾体3161を虹色演出に連動して動作させるようにし、虹色演出後に装飾図柄がリーチとならない等の大当り期待度の高い変動表示を実行していない場合には、裏前下中装飾体3161を虹色演出に連動して動作させないようにしてもよい。これにより、裏前下中装飾体3161が虹色演出に連動して動作していれば大当りに対する期待を向上させることができるし、裏前下中装飾体3161が虹色演出に連動して動作していない場合であっても大当り期待度の高い変動表示を実行している可能性もあることで大当りに対する期待を失わせないようにすることができる。
また、上記実施形態(変形例1、2を含む全ての実施形態)では虹色演出に関連するものを示したが、本技術思想は虹色演出以外の演出においても適用可能である。例えば、変形例2においては裏前下中装飾体3161を虹色演出に連動して動作させる場合に限らず、他の演出に連動して動作させる場合にも適用可能である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、シール等の装飾体を分離可能とする分離孔(分離孔1023、分離孔1822c、分離孔2531b、分離孔2810d、分離孔1823c、分離孔1827c、分離孔1828c、等)として貫通している孔状のものを示したが、これに限定するものではなく、スリット状、切欠き状、のものとしても良い。
例えば、上述した実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。ここで、スロットマシンについて図209を参照して説明する。図209はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図209に示すように、前面扉(前面枠)6002、本体部分(箱体)6004を備えて構成されている。前面扉(前面枠)6002と本体部分(箱体)6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉(前面枠)6002の右側端に設けた金属製の施錠装置の鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放することができるようになっている。
金属製の施錠装置は、前面扉(前面枠)6002の図示しない金属製の扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームに取付けられ、図示しない施錠ユニットと協働して、本体部分(箱体)6004と前面扉(前面枠)6002との開閉施錠に使用されるものである。金属製の施錠装置は、前後に延びた図示しない金属製の円柱状のシリンダ本体と、シリンダ本体の前端面に形成されている金属製の鍵穴6005と、シリンダ本体の後側に取付けられており鍵穴6005に挿入され正規の金属製の鍵を回転させると一緒に回転する図示しない金属製の回転伝達部材と、を備えている。金属製の施錠装置のシリンダ本体は、扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材は、前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖されると、図示しない金属製の施錠ユニットの金属製の伝達シリンダが後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダの一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材(鍵穴6005に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダに伝達させて回転させることができる。前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖された状態において金属製の施錠装置の回転伝達部材と施錠ユニットの伝達シリンダとが接触している場合には、金属製の施錠装置と施錠ユニットとが電気的に接続された状態となる。
扉枠補強ユニットは、前面扉(前面枠)6002を補強して剛性を付与することができる機能に加えて扉枠金属アースとしても機能し、図示しない扉枠金属アース線を介して本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板と電気的に接続されている。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが扉枠側のフレームグランドとなっている。この図示しないアース基板は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものであり、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検知することができる図示しない開放スイッチは、本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に配置されている。この開放スイッチは、金属製の施錠装置による開閉操作による電気的な信号が入力されたことに起因して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出するものではなく、金属製の施錠装置による開閉操作と別個独立して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出している。また、開放スイッチは、金属製の施錠装置の近傍周辺に配置されず、金属製の施錠装置へ侵入した電磁波ノイズの影響を受けないように、金属製の施錠装置の下方の位置であって本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に開放スイッチが配置されている。このように、仮に金属製の施錠装置に電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズの影響を、開放スイッチからの信号伝送ラインが受けないようになっている。
前面扉(前面枠)6002は、スロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備えている。この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有しているため、電磁波ノイズが侵入する場合がある。各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、前面扉6002を構成する扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されている(各種装飾部には、図示しない配線を介して金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されているものもあれば、導電性部材が直接金属製の扉枠補強ユニットに取り付けられて電気的に接続されているものもある)。これにより、各種装飾部へ侵入した電磁波ノイズを金属製の扉枠補強ユニットへ伝えることで各種装飾部に備える各種装飾基板の基板グランドへの侵入を防止することができるようになっている。また、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものへ侵入した電磁波ノイズは、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、扉枠金属アース線を介して、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板へ伝わり、そしてアース基板から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、スロットマシン6000から除去される。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが上述したように扉枠側のフレームグランドとなっている。
なお、前面扉(前面枠)6002の前面の所定箇所に除電部として静電除去パッドを設けてもよいし、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放する場合に、蝶番が配置される側(閉鎖側)と反対側となる開放側となる部分に除電部として静電除去パッドを設けてもよい。静電除去パッドは、静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)を除去することができるものである。
また、前面扉(前面枠)6002はスロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備え、この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもあり、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続され、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板が島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されていたが、扉枠金属アース線をアース基板に電気的に接続せず、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの電源基板の端子に電気的に接続して、金属製の扉枠補強ユニットと電源基板とを電気的に接続するようにしてもよい。電源基板は、遊技ホールの島設備から交流24Vが供給されている。この交流24VはL(ライブ)、N(ニュートラル)があり、L(ライブ)が入力される電源基板のL端子は、非接地側と接続されるものであり、N(ニュートラル)が入力される電源基板のN端子は、接地側と接続されるものである。そこで、過渡的に過大電圧から保護するサージ保護素子(サージアブソーバ)を電源基板に設ける。このサージ保護素子(サージアブソーバ)は、通常は抵抗値が高く電流をほとんど流さないものの、過大電圧(異常電圧)が侵入すると、瞬時に抵抗値が低くなって電流を流し、過大電圧がなくなると、元の通常の抵抗値(高い抵抗値)に戻る性能を有するものである。これにより、金属製の扉枠補強ユニットから伝わる電磁波ノイズは、電源基板の端子からサージ保護素子(サージアブソーバ)により電源基板のN端子から接地側(アース)へ伝わってスロットマシン6000から除去される。
前面扉(前面枠)6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉(前面枠)6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉(前面枠)6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
この主制御基板ボックス1320には、主制御基板1310と共に、設定値の変更を行うことができる設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311も収容されている。つまり、主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されているため、設定キースイッチ1311aが本体部分(箱体)6004の内部に配置されている。なお、設定変更基板1311は、主制御基板ボックス1320と別体の基板ボックスに収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されてもよいし、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの筐体に取り付けて固定されてもよい。また、設定変更基板1311の表面(実装面)には、設定キースイッチ1311aの他に、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタン、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310g、及び上述した設定変更許可ランプ1310z等を実装してもよい。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉(前面枠)6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510を備えている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。
(解決手段1)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される特定実装領域と、画像を表示可能な演出表示手段と、演出に関する制御を行なう演出制御手段と、を備え、演出制御手段は、演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光制御を行うことが可能であり、多色発光制御による発光中に所定の調節手段が操作された場合には、当該多色発光制御による発光を継続しつつ、特定実装領域に実装される複数の発光体の輝度を変更可能とされる、ことを特徴とする。解決手段1記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、発光体の光に対する実装面での反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、白色塗膜によって反射効率が向上された状態で実行される多色発光制御中に、当該多色発光制御での発光に係る輝度を遊技者が変更できるようにしたため、遊技者の好みの輝度で多色発光制御での発光を実行することができるようになり、多色発光制御での発光に対しての煩わしさや見難さを改善することができる。これにより、多色発光制御での発光に関する興趣低下要因が排除され、遊技興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段2)
解決手段1記載の遊技機において、特定実装領域とは別に、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜が形成された特別実装領域が設けられ、演出制御手段は、演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光制御を行うときに、特別実装領域に実装される複数の発光体に対して多色発光制御とは別の制御を行うことが可能であり、多色発光制御による発光中に所定の調節手段が操作された場合には、当該多色発光制御による発光を継続しつつ、特定実装領域に実装される複数の発光体の輝度を変更可能であり、さらに、特定実装領域に実装される複数の発光体の輝度が調整部に対する操作を受けて調整されるなかで、特別実装領域に実装された複数の発光体については、輝度調整の対象にせず、予め定められた一定の輝度で多色発光制御とは別の制御を継続させることを特徴とする。解決手段2記載の遊技機によれば、特別実装領域に実装される複数の発光体による発光を輝度調節の指標として利用することが可能になるため、特定実装領域に実装される複数の発光体による発光と特別実装領域に実装される複数の発光体による発光との対比の精度が高まり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。
(解決手段3)
解決手段1記載の遊技機において、特別実装領域として、多色発光制御とは別の制御が行われる複数の特別実装領域を有し、複数の特別実装領域のうちの第1の特別実装領域については、多色発光制御で発光している複数の発光体の輝度が調整部に対する操作を受けて調整されるなかで、第1の特別実装領域に実装された複数の発光体については、輝度調整の対象にせず、予め定められた一定の輝度で多色発光制御とは別の第1制御を継続させるようにし、複数の特別発光領域部のうちの第2の特別実装領域については、多色発光制御で発光している複数の発光体の輝度が調整部に対する操作を受けて調整されるなかで、第2の特別実装領域に実装された複数の発光体の輝度も同期して調整されるようにし、多色発光制御とは別の第2制御を継続させるようにしたことを特徴とする。解決手段3記載の遊技機によれば、特別実装領域に実装される複数の発光体による発光を輝度調節の指標として利用することが可能になるため、特定実装領域に実装される複数の発光体による発光と特別実装領域に実装される複数の発光体による発光との対比の精度が高まり、遊技者好みの輝度に調節することが容易になる。
(解決手段4)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される特定実装領域と、画像を表示可能な演出表示手段と、演出に関する制御を行なう演出制御手段と、遊技機の状態を検出する状態検出手段と、を備え、演出制御手段は、演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光制御を行うことが可能であり、多色発光制御による発光中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、多色発光制御で発光している複数の発光体の一部あるいは全部を消灯する、ことを特徴とする。解決手段4記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、発光体の光に対する実装面での反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、多色発光制御による発光中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に多色発光制御で発光している複数の発光体の一部あるいは全部を消灯するため、例えば遊技機の状態が多色発光制御による発光演出を適正に実施できないような場合に不完全な発光演出が実行されて遊技興趣が低下することを抑制することができる。(例えば、段落2869~段落2891、図238~図242等を参照)。
(解決手段5)
解決手段4記載の遊技機において、発光領域部として、特定発光領域部とは別に、発光体が実装される実装面に白色塗膜が設けられた特別発光領域部が設けられ、演出制御手段は、演出表示装置に表示される特定演出画像に関連して、特定発光領域部に実装される発光体を予め定められた虹色態様で発光させる制御を行う一方で、特別発光領域部に実装される発光体を虹色態様とは別の態様で発光させる制御を行うことが可能であり、さらに、特定発光領域部に実装される発光体を虹色態様で発光させる特定発光期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、特定発光期間が残存しているか否かにかかわらず、虹色態様での発光を終了させる制御を行う一方で、特別発光領域部に実装される発光体は、特定発光期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合であっても別の態様での発光を終了させることなく、特定発光期間が経過するまで別の態様での発光を継続させる制御を行うことを特徴とする。解決手段5記載の遊技機によれば、遊技機の状態が特定状態となったことで複数の発光体の一部あるいは全部が消灯された場合であっても特定発光期間が残存していることを特別発光領域部に実装される発光体による発光が継続されることで判別することができ、特定発光期間が終了したという誤解を遊技者に与えない。
(解決手段6)
解決手段4又は解決手段5記載の遊技機において、特別発光領域部として、虹色態様とは別の態様で発光体が発光する複数の特別発光領域部を有し、複数の特別発光領域部のうちの第1の特別発光領域部については、特定発光期間内に特別態様での発光が可能であり、該特定発光期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合であっても特別態様での発光を終了させることなく、特定発光期間が経過するまで特別態様での発光を継続させる制御を行うようにし、複数の特別発光領域部のうちの第2の特別発光領域部については、特定発光期間内に特別態様とは異なる特殊態様での発光が可能であり、特定発光期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、虹色態様での発光の終了とともに、第2の特別発光領域部に実装された発光体に対して、特殊態様での発光を終了させる制御を行うようにした、ことを特徴とする。解決手段6記載の遊技機によれば、遊技機の状態が特定状態となったことで複数の発光体の一部あるいは全部が消灯された場合であっても特定発光期間が残存していることを特別発光領域部に実装される発光体による発光が継続されることで判別することができ、特定発光期間が終了したという誤解を遊技者に与えない。
(解決手段7)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される特定実装領域と、画像を表示可能な演出表示手段と、演出に関する制御を行なう演出制御手段と、遊技機の状態を検出する状態検出手段と、を備え、演出制御手段は、演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光制御を行う特定期間を発生させることが可能であり、特定期間中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、特定期間が残存しているか否かにかかわらず多色発光制御を終了させ、当該特定期間内に特定状態から正常状態になった場合であっても多色発光制御による発光を再開しない、ことを特徴とする。解決手段7記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、発光体の光に対する実装面での反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、多色発光制御による発光中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に多色発光制御を終了させ、特定期間内に特定状態から正常状態になった場合であっても多色発光制御による発光を再開しないため、例えば遊技機の状態が多色発光制御による発光演出を適正に実施できないような場合に不完全な発光演出が実行されて遊技興趣が低下することを抑制することができるし、正常状態になった場合でも特定期間が経過するまでは当該特定期間内に特定状態が発生したことを判別できるようになる。(例えば、段落2869~段落2891、図238~図242等を参照)。
(解決手段8)
解決手段7記載の遊技機において、発光領域部として、特定発光領域部とは別に、発光体が実装される実装面に白色塗膜が設けられた特別発光領域部が設けられ、演出制御手段は、演出表示装置に表示される特定演出画像に関連して、特定発光領域部に実装される発光体を予め定められた虹色態様で発光させる制御を行う一方で、特別発光領域部に実装される発光体を虹色態様とは別の態様で発光させる制御を行うことが可能であり、さらに、特定発光領域部に実装される発光体を虹色態様で発光させる特定期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、特定期間が残存しているか否かにかかわらず、虹色態様での発光を終了させる制御を行い、該特定期間内に特定状態から正常状態になった場合であっても虹色態様での発光に復帰させないように制御する一方で、特別発光領域部に実装される発光体は、特定期間内に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合であっても別の態様での発光を終了させることなく継続させ、且つ、該特定期間内に特定状態から正常状態になった以降も別の態様での発光を継続させる制御を行うことを特徴とする。解決手段8記載の遊技機によれば、遊技機の状態が特定状態となったことで複数の発光体の一部あるいは全部が消灯された場合であっても特定期間が残存していることを特別発光領域部に実装される発光体による虹色態様とは別の態様での発光が継続されることで判別することができ、特定期間が終了したという誤解を遊技者に与えない。
(解決手段9)
解決手段8記載の遊技機において、演出制御手段は、特定期間の経過後に特定状態から正常状態になった場合に演出表示装置に表示される特定演出画像に関連して、特定発光領域部に実装される発光体を予め定められた虹色態様で発光させる制御を行い得ることを特徴とする。解決手段9記載の遊技機によれば、特定期間の経過後に特定状態から正常状態になった場合に演出表示装置に表示される特定演出画像に関連して、発光体を予め定められた虹色態様で発光させる制御を行うことができるため、虹色態様での発光制御によって遊技興趣の低下を抑制できる。
(解決手段10)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて当り遊技を実行する遊技機であって、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される特定実装領域と、演出に関する制御を行なう演出制御手段と、を備え、演出制御手段は、当り遊技の実行可能性を遊技者に通知する制御として、特定実装領域に実装される複数の発光体を同一色で同時に発光させる第1発光制御と、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる色で同時に発光させる第2発光制御と、を行うことが可能であり、第2発光制御は、第1発光制御よりも当り遊技の実行可能性が高いことを通知するものであり、さらに、第2発光制御とは別に、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる第3発光制御を行うことが可能であり、第3発光制御は、当り遊技の実行可能性が無いときに行われる制御であることを特徴とする。解決手段10記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、発光体の光に対する実装面での反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、特定実装領域に実装される複数の発光体を同一色で同時に発光させる第1発光制御よりも特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる色で同時に発光させる第2発光制御が実行された場合に当り遊技の実行可能性が高いことを通知するものの、第2発光制御と同様に特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる第3発光制御が実行された場合には当り遊技の実行可能性が無いため、第2発光制御が実行された場合に当り遊技に対する期待を高めることができる一方で、第3発光制御が実行されているかもしれないという不安を与えて注目させることができ、遊技興趣を向上させることが可能である。(例えば、段落2921~段落2929、図244~図245等を参照)。
(解決手段11)
解決手段10記載の遊技機において、第3制御によって特定発光領域部に実装される発光体が予め定められた虹色態様で発光する場合には、遊技者による所定の演出操作部の操作を受けて、該虹色態様での発光を終了させることができるものの、第2制御によって特定発光領域部に実装される発光体が予め定められた虹色態様で発光する場合には、遊技者による所定の演出操作部の操作を受けたとしても、該虹色態様での発光を終了させることができないようにしたことを特徴とする。解決手段11記載の遊技機によれば、特定発光領域部に実装される発光体が予め定められた虹色態様で発光する場合に演出操作部を操作させるように仕向けることができ、演出操作部の操作にあたって遊技興趣を向上させることができる。
(解決手段12)
解決手段11記載の遊技機において、第3制御の実行中に遊技者による所定の演出操作部の操作を受けて虹色態様での発光を終了させた後、特定期間が経過するまでは虹色態様での発光を不能とし、該特定期間の経過後に虹色態様での発光を可能とすることを特徴とする。解決手段11記載の遊技機によれば、第3制御の実行中に遊技者による所定の演出操作部の操作を受けて虹色態様での発光を終了させた場合には特定期間が経過するまでは虹色態様での発光が不能となるため、遊技者が虹色態様での発光の終了を見逃すことを抑止できる。
(解決手段13)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される第1特定実装領域と、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に暗色塗膜が形成される第2特定実装領域と、画像を表示可能な演出表示手段と、を備え、演出表示手段に特定演出画像が表示される場合に、第1特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光が可能であり、第2特定実装領域に実装される複数の発光体は、第1特定実装領域に実装される複数の発光体によって多色発光が実行されている場合であっても、当該多色発光とは異なる単色発光が可能とされる、ことを特徴とする。解決手段13記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、発光体の光に対する実装面での反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、実装面に白色塗膜が形成される第1特定実装領域に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、第1特定実装領域に実装される複数の発光体によって多色発光が実行されている場合であっても多色発光とは異なる単色発光が可能とされる第2特定実装領域の実装面に暗色塗膜が形成されるため、第2特定実装領域の実装面においては実装される複数の発光体それぞれの発光による干渉を抑制でき、複数の発光体それぞれの発光を明瞭にすることが可能になる。(例えば、段落2913~段落2916、図243等を参照)。
(解決手段14)
遊技球が流下可能な遊技領域が形成された遊技盤を有し、始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、演出に関する制御を行う演出制御手段と、所定の動作態様で動作可能な可動体と、複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される複数の特定装飾基板と、遊技機の状態を検出する状態検出手段と、を備え、特定装飾基板は、可動体にも設けられており、演出制御手段は、可動体の所定の動作態様で動作させるとともに、複数の特定装飾基板に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させる多色発光制御を行うことが可能であり、該多色発光制御の実行中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、複数の特定装飾基板に実装される複数の発光体の一部あるいは全部を消灯させる一方、可動体の所定の動作態様での動作は継続させる、ことを特徴とする。解決手段14記載の遊技機によれば、複数の発光体が実装される複数の特定装飾基板の実装面に白色塗膜を形成するようにしたため、特定装飾基板の実装面における発光体の光に対する反射効率を向上させて、照度ムラ等が発生することを抑制できる。これにより、実装面に白色塗膜が形成される特定実装基板に実装される複数の発光体を異なる発光色で同時に発光させることの演出効果が低下してしまうことを回避することができる。また、多色発光制御の実行中に状態検出手段が特定状態であることを検出した場合に、複数の特定装飾基板に実装される複数の発光体の一部あるいは全部を消灯させる一方、可動体の所定の動作態様での動作は継続させるため、遊技機の状態が特定状態となったことで複数の発光体の一部あるいは全部が消灯された場合であっても多色発光制御が本来であれば継続していることを可動体の所定の動作態様での動作が継続されることで判別することができ、遊技者に誤解や不安を与えない。(例えば、段落2930~段落2942、図246~図247等を参照)。
1 パチンコ機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
1000 前構成部材
1100 遊技パネル
1804 装飾体(装飾体)
1804a 面取部
1804b 糊面(糊面)
1805 装飾体(装飾体)
1805a 面取部
1806 装飾体(装飾体)
1806a 切欠部
1807L 装飾体左(装飾体)
1807R 装飾体右(装飾体)
1808 装飾体(装飾体)
1809 装飾体(装飾体)
1809a 切欠部
1823 第一部材(台座部材)
1823a 平板部(平板部)
1823b 取付凹部(取付凹部)
1823c 分離孔(分離孔)
1823e 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
1824 第一部材(台座部材)
1824a 平板部(平板部)
1824b 取付凹部(取付凹部)
1824c 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
1825 第一部材(台座部材)
1825a 平板部(平板部)
1825b 取付凹部(取付凹部)
1825c 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
1826L 第一部材左(台座部材)
1826R 第一部材右(台座部材)
1826a 平板部(平板部)
1826b 取付凹部(取付凹部)
1826c 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
1827 第一部材(台座部材)
1827a 平板部(平板部)
1827b 取付凹部(取付凹部)
1827c 分離孔(分離孔)
1827d 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
1828 第一部材(台座部材)
1828a 平板部(平板部)
1828b 取付凹部(取付凹部)
1828c 分離孔(分離孔)
1828d 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
2000 表ユニット
2810 ゲート本体(台座部材)
2810a 前板部(平板部)
2810b 貼付凹部(取付凹部)
2810c 誤貼付防止部(誤貼付防止部)
2810d 分離孔(分離孔)
2811 ゲートシール(装飾体)
2811a 切欠部
3000 裏ユニット

Claims (1)

  1. 始動条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて利益を付与する遊技機であって、
    複数の発光体が実装されるとともに、その実装面に白色塗膜が形成される複数の特定実装領域と、
    画像を表示可能な演出表示手段と、
    演出に関する制御を行なう演出制御手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記演出表示手段に特定演出画像を表示させる制御を行うとともに、複数の前記特定実装領域のうちの第1特定実装領域に実装される第1特定発光体と、複数の前記特定実装領域のうちの第2特定実装領域に実装される第2特定発光体と、複数の前記特定実装領域のうちの第3特定実装領域に実装される第3特定発光体と、をそれぞれ異なる発光色で同時に発光させて当該発光色を予め定められた順序で変化させる多色発光制御を行うことが可能であり、
    前記多色発光制御による発光中に所定の調節手段が操作された場合には、当該多色発光制御による発光を継続しつつ、前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度を変更可能とされ、
    複数の前記特定実装領域とは別の複数の特別実装領域を有し、
    複数の前記特別実装領域のうちの第1特別実装領域については、前記調節手段に対する操作に応じて前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度が変更されるなかで、前記第1特別実装領域に実装される第1特別発光体については、輝度変更の対象にせず、予め定められた一定の輝度で前記多色発光制御とは別の第1制御を継続させるようにし、
    複数の前記特別実装領域のうちの第2特別実装領域については、前記調節手段に対する操作に応じて前記第1特定発光体と前記第2特定発光体と前記第3特定発光体との輝度が変更されるなかで、前記第2特別実装領域に実装される第2特別発光体の輝度も同期して変更されるようにし、前記多色発光制御とは別の第2制御を継続させるものであり、
    さらに、前記第1特定実装領域が形成される第1基板と、前記第2特定実装領域が形成される第2基板と、前記第3特定実装領域が形成される第3基板とを備え、
    前記第1基板、前記第2基板および前記第3基板の夫々には、前記多色発光制御による発光を行う前記発光体が実装されない裏実装面に、黒色の外装を有する特定電子部品が実装されるように構成され
    さらに、前記第1特別実装領域に実装される前記第1特別発光体の発光色は特定色のみとされ、該特定色から他の色に切り替えられることはない
    ことを特徴とする遊技機。
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