本発明の一態様は、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達する第1の方法を対象とする。この第1の方法では、ある時間期間の間、対象の脳に交流電界を印加することによって、対象の脳の血液脳関門を通って関連する物質を送達することができる。ある時間期間の間での対象の脳への交流電界の印加は対象の脳において血液脳関門の透過性を向上させる。物質は、ある時間期間が経過した後に対象に投与され、血液脳関門の透過性の向上によって物質が血液脳関門を通ることが可能となる。
第1の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加される。第1の方法の一部の場合では、ある時間期間は少なくとも24時間である。第1の方法の一部の場合では、ある時間期間は少なくとも48時間である。第1の方法の一部の場合では、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。第1の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加され、ある時間期間は少なくとも24時間であり、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。
第1の方法の一部の場合では、物質を投与する工程は静脈内で行われる。第1の方法の一部の場合では、物質を投与する工程は経口で行われる。第1の方法の一部の場合では、対象の脳は腫瘍を有しない。
第1の方法の一部の場合では、物質は疾患を治療するための薬物を含む。これらの場合の例としては、がん治療薬、感染症治療薬、神経変性疾患治療薬、又は自己免疫疾患治療薬、抗てんかん薬、水頭症薬、脳卒中介入薬、又は精神病薬が含まれる。第1の方法の一部では、物質は脳活動をモニターするのに使用される。これらの場合の例としては、脳染料、レポーター、又はマーカーが挙げられる。
上述の第1の方法の場合のいずれにおいても、交流電界の印加を停止して、血液脳関門を回復させることができる。
本発明の別の態様は、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達する第2の方法を対象とする。この第2の方法では、ある時間期間の間、対象の脳に第1の周波数において交流電界を印加することによって、対象の脳の血液脳関門を通って関連する物質を送達することができ、ここで、第1の周波数は190kHz未満であり、ある時間期間は少なくとも24時間であり、ここで、ある時間期間の間での対象の脳への第1の周波数においての交流電界の印加は対象の脳において血液脳関門の透過性を向上させる。物質は、ある時間期間が経過した後に対象に投与され、血液脳関門の透過性の向上によって物質が血液脳関門を通ることが可能となる。
第2の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加される。第2の方法の一部の場合では、ある時間期間は少なくとも48時間である。第2の方法の一部の場合では、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。第2の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加され、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。
上述の第2の方法の場合のいずれにおいても、交流電界の印加を停止して、血液脳関門を回復させることができる。
本明細書に記載の方法は、腫瘍を有しない対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達するのに使用することができる。この状況では、本発明の別の態様は、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達する第3の方法を対象とする。この第3の方法では、ある時間期間の間、対象の脳に第1の周波数において交流電界を印加することによって、腫瘍を有しない対象の脳の血液脳関門を通って関連する物質を送達することができる。ある時間期間の間での対象の脳への第1の周波数においての交流電界の印加は対象の脳において血液脳関門の透過性を向上させる。物質は、ある時間期間が経過した後に対象に投与され、血液脳関門の透過性の向上によって物質が血液脳関門を通ることが可能となる。
第3の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加される。第3の方法の一部の場合では、ある時間期間は少なくとも24時間である。第3の方法の一部の場合では、ある時間期間は少なくとも48時間である。第3の方法の一部の場合では、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。第3の方法の一部の場合では、交流電界は、75kHzから125kHzの間の周波数において印加され、ある時間期間は少なくとも24時間であり、交流電界は、対象の脳の少なくとも一部において少なくとも1V/cmの電界強度を有する。
上述の第3の方法の場合のいずれにおいても、交流電界の印加を停止して、血液脳関門を回復させることができる。
本明細書に記載の方法は、脳腫瘍を有する対象の血液脳関門を通って物質を送達するのに使用することができる。この状況では、本発明の別の態様は、対象の脳内の腫瘍を治療し、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達する第4の方法を対象とする。この第4の方法では、第1の交流電界が、第1の時間期間の間、対象の脳に第1の周波数において印加される。第1の時間期間の間での対象の脳への第1の周波数においての第1の交流電界の印加は、対象の脳において血液脳関門の透過性を向上させる。物質は、第1の時間期間が経過した後に対象に投与され、血液脳関門の透過性の向上によって物質が血液脳関門を通ることが可能となる。第2の周波数における第2の交流電界が、少なくとも1週間の長さである第2の時間期間の間、対象の脳に印加される。第2の周波数は第1の周波数とは異なり、第2の周波数においての第2の交流電界は腫瘍を阻害するのに十分大きい強度を有する。
第4の方法の一部の場合では、第1の周波数は、75kHzから125kHzの間である。
第4の方法の一部の場合では、第1の周波数は、50kHzから190kHzの間である。これらの場合の一部では、第2の周波数は、190kHzから210kHzの間である。
第4の方法の一部の場合では、第1の時間期間は少なくとも24時間である。第4の方法の一部の場合では、第2の時間期間は、少なくとも1週間の長さである単回の非中断の時間区間を含む。第4の方法の他の場合では、第2の時間期間は、第2の周波数においての第2の交流電界が対象の脳に印加される複数の不連続の時間区間を含み、複数の不連続の時間区間はまとめると合計少なくとも1週間となる。
上述の第4の方法の場合のいずれにおいても、交流電界の印加を停止して、血液脳関門を回復させることができる。
一部の場合では、上記の方法のいずれも、対象の脳の血液脳関門を通って少なくとも4kDaの分子量を有する物質を送達するのに使用される。
一部の場合では、上記の方法のいずれも、対象の脳の血液脳関門を通って少なくとも69kDaの分子量を有する物質を送達するのに使用される。
一部の場合では、上記の方法のいずれも、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達するのに使用され、ここで、物質は、物質が非漏出性のBBBを通るのを通常は妨害する少なくとも1つの特徴を有する。
本発明の別の態様は、対象の身体の腫瘍を治療し、対象の身体の血液脳関門を通って物質の送達を促進するための第1の装置に関する。第1の装置は、50から190kHzの間の第1の周波数及び50から500kHzの間の第2の周波数で作動することができるAC電圧ジェネレーターを含む。第2の周波数は第1の周波数とは異なる。AC電圧ジェネレーターは制御入力を有し、AC電圧ジェネレーターは、制御入力が第1の状態にある場合に第1の周波数を出力し、制御入力が第2の状態にある場合に第2の周波数を出力するように構成されている。第1の装置はまた、(a) AC電圧ジェネレーターが第2の周波数を出力するように制御入力を第2の状態に置き、(b)第1の周波数に切り替える要求を受け取り、(c)要求を受取り次第、AC電圧ジェネレーターがある時間区間の間第1の周波数を出力するように、制御入力を第1の状態に置き、(d)時間区間が経過した後、AC電圧ジェネレーターが第2の周波数を出力するように、制御入力を第2の状態に置くようにプログラムされたコントローラーを含む。
第1の装置の一部の実施形態は、
対象の身体への取付け向けに構成された電極のセット;及び
AC電圧ジェネレーターの出力を電極のセットに接続する配線、
を更に含む。
第1の装置の一部の実施形態では、第1の周波数は75kHzから125kHzの間であり、第2の周波数は150kHzから250kHzの間である。第1の装置の一部の実施形態では、ある時間区間は少なくとも24時間である。第1の装置の一部の実施形態では、ある時間区間は少なくとも72時間である。第1の装置の一部の実施形態では、コントローラーは、要求の受取りに続いて、第1の状態と第2の状態との間で制御入力を交互に切り替えるように更にプログラムされている。
第1の装置の一部の実施形態では、AC電圧ジェネレーターは、50から500kHzの間の少なくとも1つの追加の周波数において作動することができ、AC電圧ジェネレーターは、制御入力が少なくとも1つのさらなる状態にある場合、少なくとも1つの追加の周波数を出力するように構成されており、コントローラーは、要求の受取りの前に、制御入力に第2の状態及び少なくとも1つの追加の状態を周期的に繰り返させ、ある時間区間が経過した後に、制御入力に第2の状態及び少なくとも1つの追加の状態を周期的に繰り返させるように、プログラムされている。
第1の装置の一部の実施形態は、ユーザーインターフェースを更に含み、要求は、ユーザーインターフェースを介して受け入れられる。第1の装置の一部の実施形態では、要求は、無線周波数(RF)を介して受け入れられる。
本出願は、BBBによって通常は遮断される物質がBBBを通ることができるように、交流電界を使用してBBBの透過性を一時的に向上させる、新規なアプローチに関するものである。
不死化マウス脳毛細血管内皮細胞(cerebEND)をカバーガラス及びトランスウェルインサート上で増殖して、BBBの人工的なin vitroバージョンを作製する、1セットのin vitro実験を実施したが、図1にこれらの実験のセットアップを記載する。次いで、細胞を交流電界(100~300kHz)で24時間、48時間、及び72時間処理した。交流電界の方向は、2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた(すなわち、一方の方向で1秒、これに続いて、別の方向で1秒、繰返しシーケンスで)。次いで、以下の効果について解析した。(a)細胞形態(タイトジャンクションタンパク質クローディン5及びZO-1の免疫蛍光染色);(b)BBBの完全性(経内皮電気抵抗(TEER)を使用);及び(c)BBB透過性(フローサイトメーター用フルオレセインイソチオシアネート標識デキストラン(FITC)を使用)。
第1のセットの実験には、細胞形態及び配向の視覚化、並びに染色タンパク質の局在化の視覚化が含まれた。この実験は、交流電界の周波数が人工BBBにどのように影響したかを確認するために設計した。ここでは、細胞をカバーガラス上で増殖させ、1.7V/cmの電界強度で異なる4つの周波数(100kHz、150kHz、200kHz、及び300kHz)において72時間、交流電界を印加した。交流電界の方向は、2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。交流電界を印加しない対照も存在した。次いで、クローディン5、ZO-1、及び4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)(それぞれ異なる色に染色した)の存在を記載する細胞形態画像を得た。クローディン5及びZO-1は、無傷のBBBの存在を指示する。このセットの細胞形態画像によって明らかになったことは、交流電界が、細胞境界から細胞質へのタイトジャンクションタンパク質の非局在化によって人工BBBをかき乱し、100kHzにおいて最も劇的な効果であったこと、である。
第2のセットの実験には、細胞形態の視覚化も含まれた。この実験は、交流電界が印加されている継続時間が人工BBBにどのように影響したかを確認するために設計した。内皮細胞をカバーガラス上で増殖させ、対照に加えて、100kHzの周波数においての交流電界を異なる3つの継続時間(24時間、48時間、72時間)の間印加した。交流電界の方向は、2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。次いで、クローディン5及びDAPI(それぞれ異なる色に染色した)の存在を記載する細胞形態画像を得た。このセットの細胞形態画像によって明らかになったことは、第1のセットの実験に関連して上で論議の現象が24時間後にすでに可視であり、その効果が72時間後に最も顕著であったこと、である。
第3のセットの実験には、細胞形態の視覚化も含まれた。この実験は、内皮細胞がカバーガラスの代わりにトランスウェルインサート上で増殖させたことを除いて、第2のセットの実験と同様であった。結果は、第2のセットの実験の結果と同様であった。TJタンパク質の非局在化は24時間後に可視であり、その効果は72時間後に最も顕著であった。上記の3つの実験は、交流電界が細胞の構造変化を引き起こし、このことが、BBB透過性の向上の原因となっている可能性がある、という結論を裏付けている。
図2A及び図2Bに、人工BBBを100kHzの周波数において72時間交流電界に供した後の(交流電界の方向は、2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた状態で)、及び対象について、人工BBBに関する、それぞれ、完全性及び透過性試験の結果を記載する。より具体的には、図2Aに、経内皮電気抵抗(TEER)試験の結果を記載し、このことにより、交流電界によって人工BBBの完全性が対照の35%に低下したこと、が明らかになっている。図2Bに、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)透過性試験の結果を記載し、このことにより、交流電界によって分子量4kDaのFITC-デキストランに対する人工BBBの透過性が対照の110%に向上したこと、が明らかになっている。これらの実験は、交流電界が、非漏出性のBBBを通常は通過できない分子に対するBBBの透過性を向上させる、という結論を更に裏付けている。
まとめると、これらのin vitro実験から明らかなことは、十分な継続時間の間、ある特定の周波数において交流電界を印加すると、細胞境界から細胞質へのタイトジャンクションタンパク質(クローディン5、ZO-1)の非局在化が生じ(100kHzにおいて最も劇的な効果である)、BBBの透過性を向上させること、である。交流電界の効果は24時間後にすでに現れ、72時間後に最も顕著である。より具体的には、BBBの透過性を向上させるために交流電界を使用した後、4kDaの分子がBBBを通過することができる。
次いで、交流電界をオフにした後にBBBに何が起こるかを判定するために、さらなるin vitro実験を行った。これらの実験では、細胞形態の視覚化を使用して、交流電界を停止した後に人工BBBがいかに回復するかを示した。これらの実験では、内皮細胞をカバーガラス上で増殖させ、1.7V/cmの電界強度で100kHzの交流電界で72時間処理した。交流電界の方向は、2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。次いで、交流電界をオフにし、交流電界を止めた後、細胞を96時間追跡調査した。クローディン5(染色)の存在を表す細胞形態画像を、24時間、48時間、72時間、及び96時間において取得した。これらの画像によって、24時間、48時間、72時間、及び96時間の画像で、細胞境界と細胞質の間のクローディンの局在において進行性の変化、が明らかになった。更に、これらの4つの画像を対照のそれぞれの画像(初めの72時間又は後の96時間のいずれの間も交流電界を印加しなかった)と比較して明らかになったことは、交流電界を止めて48時間後に内皮細胞の形態は部分的に回復したこと、及び交流電界を止めて96時間後にBBBが完全に回復した(すなわち、対照と同等であった)こと、である。
図3A及び図3Bに、上記の人工BBBの透過性の観察された変化が細胞死に起因する可能性があるかどうかを判定するために設計したin vitro実験の結果を記載する。この実験では、(a)交流電界を72時間印加し、これに続いて、交流電界を96時間印加しなかった場合と、(b)交流電界をいっさい印加しなかった対照との細胞カウントを比較することによって、細胞分裂について試験した。内皮細胞をカバーガラス上で増殖させ、1.7V/cmの電界強度で100kHzの交流電界で72時間処理した。交流電界の方向を2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。次いで、交流電界をオフにし、交流電界を止めた後、細胞を96時間追跡調査した。交流電界及び対照について1ml毎の細胞数をカウントし、その結果を図3A及び図3B(それぞれ対象について及び交流電界について)に記載する。これらの結果により、交流電界の印加中又はその後で細胞数に統計的に有意な増加はなかったことが明らかとなり、このことは、上述のBBB透過性の変化が細胞死に起因するとはされないこと、を指示している。
別のin vitro実験では、アポトーシスについてTUNELアッセイを使用して、上記の人工BBBの透過性の観察された変化が細胞死に起因する可能性があるかどうかを判定した。この実験では、内皮細胞をカバーガラス上で増殖させ、1.7V/cmの電界強度で100kHzの交流電界で72時間処理した。交流電界の方向を2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。対照では、交流電界を印加しなかった。アポトーシス(TUNEL)及び核(DAPI)(それぞれ異なる色に染色した)を記載する細胞形態画像を、24、48、及び72時間後に取得した。これらの画像はいずれもアポトーシスのさらなる証拠を明らかにすることはなかったが、交流電界は細胞死を引き起こさなかったことを指示している。このことにより、上述のBBB透過性の変化は細胞死に起因するものではなかったこと、が確認される。
交流電界への曝露によって引き起こされる血管透過性の向上を定量化するために、ラットに関する1セットのin vivo実験も実施した。これらの実験ではエバンスブルー(EB)染料を使用したが、これは、血清アルブミン(分子サイズおよそ69kDa)に対して非常に高い親和性を有するアゾ染料である。その分子サイズが大きいため、血清アルブミンはBBBを通ることは通常はできないことになる。しかし、BBBの透過性が十分に向上した場合、血清アルブミン分子の一部(それに結合したEB染料と一緒に)はBBBを通ることになり、次いで、ラットの脳内のEBを探すことによって検出することができる。
このセットの実験では、100kHzの交流電界をラットの脳に72時間印加し、交流電界の方向を2つの垂直方向の間で1秒毎に切り替えた。これは、ラットそれぞれの頭を剃り、容量結合電極の第1のペアをラット頭部の上部と下部に配置し、容量結合電極の第2のペアをラット頭部の左側と右側に配置することによって、行った。次いで、繰返しシーケンスで、100kHzのAC電圧を上下の電極間に1秒間印加し、これに続いて、100kHzのAC電圧を左右の電極間に1秒間印加した。
Table 1(表1)に示される条件下で、及びTable 1(表1)に示される時間の間、EBを麻酔下で尾静脈に静脈内注射し(注射されると、EBは直ちにアルブミンに結合する)、EBを全ての場合において2時間循環した。次いで、以下の工程を実行した:(a)生理食塩水による心臓内灌流;(b)ブレインスライサーで4片に脳をスライスする;(c)片について写真撮影を行なって、染色を局所化し、比較検討した;(d)TCA 50%(1:3)で組織をホモジナイズ及び遠心分離したところでのEB抽出、並びに(e)610nmでのEB定量化。結果を、組織1g毎のEBμgとして与える。
実験中、群2からの2匹の動物及び群4からの1匹の動物を除外した(処理の中断、尾静脈へのEB注射の失敗)。交流電界で処理した動物(群1と2)間に差はなかったので、これらの動物は一緒に一群とした。同様に、シャム加熱の動物と対照動物(群3と4)の間に差はなかったので、これらの動物は一緒に一群とした。
図4に示す位置で、ブレインスライサーを使用して4片にラットの脳をスライスした。次いで、これら4片の特定のセクションでのEB蓄積を測定した。加えて、コンピューターシミュレーションを実行して、これら4つのセクションのそれぞれの電界強度を決定した。Table 2(表2)に、これら4つのセクションのそれぞれでシミュレーションから得られた電界強度を、全ての値をV/cm RMS表示で与えて、明示する。
セクション1から4におけるEB蓄積の結果を、図5に記載する。これらの結果の要約は以下のとおりである:(1)電界強度が最も高かったセクション1、2(前方の大脳)で統計的に有意な増加が観察された;及び電界強度がより低かったより後方のセクション(3、4)で、より小さな増加(統計的に有意ではなかった)が観察された。
図6に、4つのセクション1~4全てにわたって平均した、ラット脳における平均EB蓄積を記載する。この結果により、交流電界で72時間処理したラットの脳におけるEBの蓄積がより高いことが明らかとなり、この結果は統計的に有意であった(p <0.05)。
上記のin vivo実験によって確認されることは、:(1)交流電界の印加は、脳組織へのおよそ69kDaの平均分子サイズの分子のBBB通過を可能にすること;(2)BBBの透過性の向上は、交流電界の印加を終了後2時間維持されること;及び(3)BBBの透過性の向上は、脳のさまざまなセクション間で異なること、である。後者は、脳の種々のセクションに加えられたさまざまな電界強度の結果とすることができる。これらの実験によって、交流電界が、非漏出性のBBBを通常は通過できない分子に対するBBBの透過性を向上させる、という我々の結論が更に裏付けられる。
別のセットのin vivo実験では、5匹のラットを100kHzにおいて交流電界で72時間処理し、4匹の対照ラットについては同じ時間期間の間交流電界で処理しなかった。72時間の期間の終わりに、4kDaの蛍光化合物TRITC-デキストランを麻酔下で尾静脈に静脈内注射し、全ての場合で2分間循環させた。次いで、脳を取り出し、凍結し、区画し、蛍光スキャナーでスキャンした。全てのスライドは同じ条件でスキャンした。結果として得られる画像によって、(対照と比較して)交流電界に供したラットの脳組織における蛍光4kDAのTRITC-デキストランの蓄積レベルが有意に高いことが明らかとなり、その結果、交流電界によってBBBの透過性が向上することが、またも確認された。
ガドリニウム造影剤(Gd-DTPA、Magnetol、MW 547)の静脈内注射によるダイナミック造影増強MRI(DCE-MRI)を使用して、更に別のセットのin vivo実験を実施した。これらの実験では、試験ラットを100kHzの交流電界で72時間処理し、対照ラットについては同じ時間期間の間交流電界で処理しなかった。この72時間の期間の後、交流電界をオフにし、ラットを麻酔し、一連の60回のTlw MRIスキャン(各スキャンは28秒の継続時間を有する)を収集した。ガドリニウム造影剤を、これらの60回のスキャンのうちの7回目中にラットの尾静脈に注射した。
各ラットの画像解析は、以下を含む:(1)各ボクセルの最初の6回のTlw MRIスキャン(すなわち、ガドリニウムの注射前のスキャン)の平均を計算することによって、各ボクセルのベースラインを決定すること;(2)ベースラインに対して経時的信号変化のパーセント(すなわち、ガドリニウム蓄積)を、ボクセルごとに算出すること;(3)脳を前、中、及び後の分節に分割すること;(4)3つの各分節について、それぞれの分節の全てのボクセルにわたりベースラインに対する信号変化の平均パーセントを作製すること;次いで、(5)4つの連続する時点(すなわち4回のスキャン)を一緒にして平均すること。最後に、所定の任意の群内の全てのラットからのデータを全体で平均した。
脳の3つの分節(すなわち、前、中、及び後)のそれぞれについてのこのDCE-MRI実験の結果を、図7に記載する。このデータによって明らかなことは、交流電界(TTフィールドで示された軌跡;n=6)で処理されたラットの脳組織における造影剤の蓄積は対照ラット(対照で示された軌跡;n=3)におけるよりも有意に高かったこと、である。更に、この特異性は、交流電界が最も高い電界強度を有していた脳の部分である後部の脳で最も顕著であった。このことから、交流電界がin vivoでBBBの透過性を首尾よく向上させたと結論することができる。
BBBの透過性のこの向上が一時的であるかどうかを試験するために、同じ試験条件を繰り返したが、これに、交流電界無しで更に96時間が続いた。この96時間の期間の後、上記と同じ手順を使用して(ガドリニウム注射を含めて)、一連の60回のTlw MRIスキャン(各スキャンは28秒の継続時間を有する)を収集した。脳の3つの分節のそれぞれに対するDCE-MRI実験に関するこの部分の結果も、図7に記載する。このデータによって明らかなことは、交流電界で72時間、これに続いて交流電界無しで96時間処理したラットの脳組織(TTフィールド+96hで示された軌跡;n=7)における造影剤の蓄積は、対照ラット(対照+96hで示された軌跡;n=3)とは有意に異なっていなかったこと、である。このことから、交流電界を停止した後、BBBの透過率は正常に復帰すると結論することができる。
交流電界をラット(n=2)に印加する前に、同じ手順を使用して、さらなる一連の60回のTlw MRIスキャン(各スキャンは28秒の継続時間を有する)も収集した。脳の3つの分節(すなわち、前、中、及び後)のそれぞれに対するDCE-MRI実験に関するこの部分の結果も、図7に記載する(「前(before)」で示された軌跡を参照されたい)。
図8に、72時間のTTフィールド (n=6)及び72時間のTTフィールド無しの対照(n=3)についての脳の3つの分節全て(すなわち、前、中、及び後)の平均を、標準偏差バーと共に示す。対応のあるt検定を使用して2群間を比較し、p<0.0001であった。
交流電界を印加した後にBBBを通過することができる分子の上限サイズはまだ決定されていなかったことに留意されたい。しかし、(a)分子量4kDaのFITC-デキストランを使用した本明細書に記載のin vitro実験、及び(b)EB(およそ69kDaの分子サイズを有する血清アルブミンに結合する)を使用した本明細書に記載のin vivo実験に基づいて、上限は少なくとも約69kDaであるように思え、最も確実には少なくとも4kDaである。
意のままにBBBの透過性を可逆的に向上させることができるという意味合いは遠大であり、なぜなら、物質が非漏出性のBBBを通るのを通常は妨害する少なくとも1つの特徴を有するという事実にもかかわらず、対象のBBを通って多くの物質を送達することがこの場合可能になるからである。こういった意味合いの多くは、対象の脳の血液脳関門を通って、それらに限定されないが治療薬や診断薬を含めて物質を送達すること、を意味する。
それらには限定されないが、例としては以下が挙げられる:
がんを治療するためにBBBを通っての化学療法剤を送達すること(これに関連して、脳への薬物の透過性の向上に基づいて、身体の他の部分において重篤な副作用を有する、脳腫瘍及び転移を治療するための薬物の投与量を減らすことができる可能性がある);免疫療法のためにBBBを通って抗体及び又は細胞ベースの療法を送達すること;診断目的のために及び研究のために(例えば、脳活動のモニター)、BBBを通って造影剤染料、レポーター、及びマーカーを送達すること;感染症を治療するためにBBBを通って抗菌剤を送達すること;ウイルス感染症を治療するために、BBBを通って抗ウイルス剤又はウイルス中和抗体を送達すること;寄生虫を治療するためにBBBを通って抗寄生虫剤を送達すること;BBBを通って神経変性疾患及び自己免疫疾患を治療する薬剤を送達すること;精神病薬を送達すること;抗てんかん薬を送達すること;水頭症薬を送達すること;脳卒中介入薬及び回復薬を送達すること;脳に不足している化合物をBBBを通って送達して、それらの化合物が不足している状態を治療すること(例えば、パーキンソン病の治療等)。
上記の試験はin vitroで及び生きたラットで行われたが、他の動物でも及びヒトでも同様の結果が得られることが期待される。
本明細書に記載の方法はまた、生きた対象の脳に交流電界を印加することによって、in vivoの状況で適用することができる。対象の脳に電界を加えると、BBBの透過性が向上し、BBBによって通常は遮断又は妨害される分子が通過することが可能となる。これは、例えば、電極を対象の皮膚の上又は下に配置し、その結果、それらの電極のうちの選択されたサブセット間にAC電圧を印加すると、対象の脳に交流電界が加えられるようになることによって、達成することができる。
例えば、1ペアの電極を、対象の頭部の前部及び後部に配置することが可能で、第2のペアの電極を、対象の頭部の右側及び左側に配置することが可能である。一部の実施形態では、電極は、対象の身体に容量結合されている(例えば、導電性プレートを含み、導電性プレートと対象の身体との間に設けられた誘電体層も有する、電極を使用することによって)。しかし、代替の実施形態では、誘電体層を省略してもよく、その場合、導電性プレートは対象の身体と直接接触することになるであろう。別の実施形態では、電極を、患者の皮膚の下に皮下挿入することが可能である。
AC電圧ジェネレーターは、第1の時間期間の間(例えば1秒)、右電極と左電極の間で選択された周波数(例えば、100kHz、又は50から190kHzの間)においてAC電圧を印加し、このことによって、力線の最も重要な成分が対象の頭部の横軸に平行である、交流電界が誘導される。次いで、AC電圧ジェネレーターは、第2の時間期間の間(例えば1秒)、前部電極と後部電極の間で同じ周波数(又は異なる周波数)においてAC電圧を印加し、このことによって、力線の最も重要な成分が対象の頭部の矢状軸に平行である、交流電界が誘導される。次いで、この2つの工程シーケンスが、治療の継続時間の間繰り返される。任意選択で、温度センサーを電極において含めることができ、AC電圧ジェネレーターは、電極で感知された温度が高くなりすぎる場合に、電極に印加されるAC電圧の振幅を減少させるように構成することができる。一部の実施形態では、1つ又は複数のさらなるペアの電極を加え、上記シーケンスに含めることができる。代替の実施形態では、単一ペアの電極のみが使用され、その場合、力線の方向は切り替わらない。このin vivoの実施形態のパラメーター(例えば、周波数、電界強度、継続時間、方向切り替え速度、及び電極の配置)のいずれもが、in vitroの実施形態に関連して上記のように変化させてもよいことに留意されたい。しかし、電界が常に対象にとって安全な状態のままであることを確実するように、in vivoの状況では注意を払うべきである。
BBBの透過性を向上させるための多種多様な適用について、in vivoの状況において容易に想定することができる。一例では、脳の腫瘍細胞(例えば、膠芽腫細胞)による薬物取込みの局所化された増強を、化学療法若しくはその他の抗腫瘍剤の投与前又はその最中にある時間期間(例えば、72時間又は少なくとも24時間)の間、脳に交流電界を印加することによって誘導することができる。
図9に、交流電界の印加と生きた患者への物質の投与との間のタイミングにおける適切な関係を記載する。上記のデータに基づいて、物質が所定の時間t=0に導入又は投与されると仮定すると、交流電界は所定の時間の前(例えば、t=0の72時間前)に開始し、所定の時間の後、ある時間区間の間(例えば、t=0の後12時間まで)継続することができる。この状況では、物質が投与される前、及び物質がBBBに到達する前に、BBBの透過性が向上し始める。これにより、物質が到着すると即座に物質がBBBを通ることを可能にする。化学療法に関連して、このことは、交流電界の印加を開始すること、72時間後に化学療法剤を投与すること、これに続いて、さらなる時間区間の間(例えば、化学療法剤が投与された時点の後の12時間まで)交流電界を印加すること、に符合するであろう。
図9に関連して上で論議の時間区間は、非中断であっても、短いことが好ましい破断を含んでも、いずれでもよいこと、に留意されたい。例えば、12時間の間隔は、12時間の単一の非中断ブロックによって満たすことが可能である。或いは、12時間の間隔は、交流電界を6時間印加し、これに続いて1時間破断し、これに続いて交流電界をさらなる6時間印加することによって満たすことが可能である。同様の破断によって、任意選択で、物質の投与に先立つ72時間の間隔が中断されてもよい。図9に関連して、物質が生きた患者に投与される場合、物質の投与は、それらに限定されないが、静脈内、経口、皮下、髄腔内、脳室内、及び腹腔内を含めて、さまざまなアプローチのいずれかを使用して実施することができる。
好ましい一部の実施形態では、交流電界の周波数は、190kHz未満(例えば、50から190kHzの間、又は25から190kHzの間)である。上で論議の実験に基づいて、190kHz未満の周波数を、少なくとも24時間の時間期間と組み合わせて使用すると、透過性の変化が高まる(これらの範囲外での作動と比較して)。
本明細書に記載の方法は、対象の脳が腫瘍を有する場合、対象の脳の血液脳関門を通って物質を送達するのに使用することができる。脳腫瘍(例えば、膠芽腫)を治療することへの既存のアプローチの1つは、50から500kHzの間、好ましくは100から300kHzの間の周波数において交流電界を腫瘍に印加することによるものである。膠芽腫の場合、200kHzが最も好ましい周波数である。これらの周波数においての交流電界はTTフィールドと呼ばれ、米国特許第6,868,289号及び第7,565,205号に記載されており、それらのそれぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。要約すると、これら2つの出願では、有糸分裂中に分裂細胞を破壊することが記載されている。TTフィールドの有効性は、電界の方向が定期的に切り替えられる場合、腫瘍の少なくとも一部の電界の強度が少なくとも1V/cmである場合、及びできる限り少ない破断で電界が長期間の間(例えば、数週間又は数か月)印加される場合に、改善する。
脳腫瘍の患者において、TTフィールドで腫瘍を治療し、また同じ患者の血液脳関門を通って物質を送達することが望ましいことになる状況が生じる場合もある(例えば、BBBを越えて治療有効量の化学療法薬を得るのを助け、その結果、腫瘍へのさらなる攻撃ラインを提供する)。一部の状況では、交流電界の単一周波数を使用して、腫瘍を治療することもBBBの透過性を向上させることも可能な場合もある。他の状況では、異なる周波数を有する交流電界を使用することが望ましい場合もある:BBBの透過性を向上させることについて改善された結果を提供するように選択される第1の周波数、及びTTフィールドの抗腫瘍作用について改善された結果を提供するように選択される第2の周波数。
図10は、BBB透過性を誘導するための第1の周波数及び細胞毒性を誘導するための第2の周波数を発生する装置の構成図である。装置は、従来のOptune(登録商標)電界発生器ユニットと同様であるが、異なる2つ周波数において作動する能力を有するAC電圧ジェネレーター44を含む。第1の周波数は50から190kHzの間であり、第2の周波数は50から500kHzの間である。一部の実施形態では、第1の周波数は75kHzから125kHzの間であり、第2の周波数は150kHzから250kHzの間である。
異なる2つ周波数において作動する能力は、例えば、第1のセットの構成要素又は第2のセットの構成要素いずれかをAC電圧を発生する従来の回路に切り替えるためのリレーを使用して、その結果発振器の作動周波数を調節して、実装することができる。AC電圧ジェネレーター44は、制御入力の状態に応じて、第1の周波数又は第2の周波数のいずれかを出力するように構成されている。制御入力が第1の状態にある場合、AC電圧ジェネレーター44は第1の周波数を出力し、制御入力が第2の状態にある場合、AC電圧ジェネレーター44は第2の周波数を出力する。コントローラー42は、制御入力を第2の状態に置き、その結果AC電圧ジェネレーター44が第2の周波数を出力するように、プログラムされている。コントローラー42はまた、第1の周波数に切り替える要求を受け入れるようにプログラムされている。図10に記載の実施形態では、要求は、それらに限定されないが、押しボタン、タッチスクリーン等を含めて、種々の従来のアプローチのいずれかを使用して実装することができるユーザーインターフェース40を介して到着する。代替の実施形態では、要求は、タブレット、スマートフォン等からRF(例えば、Bluetooth、WiFi等)を介して到着する場合もある。
要求を受取り次第、コントローラー42は、制御入力を第1の状態に置き、その結果AC電圧ジェネレーター44は、ある時間区間(例えば、72時間)の間、第1の周波数を出力することになる。ある時間区間が経過した後、コントローラー42は、制御入力を第2の状態に置き、その結果AC電圧ジェネレーター44は、第2の周波数を出力することに戻る。
任意選択で、AC電圧ジェネレーター44は、制御入力の状態に応じて、1つ又は複数の追加の周波数(例えば、第3の周波数、第4の周波数等)を出力するように構成することができる。好ましくは、これらの追加の周波数のそれぞれは、細胞毒性を誘導するように選択される。これらの実施形態では、コントローラー42は、要求が到着する前に、制御入力に、AC電圧ジェネレーター44に第2の周波数及び1つ又は複数の追加の周波数を出力させる状態を周期的に繰り返させるようにプログラムされている。コントローラー42はまた、第1の周波数に切り替える要求を受け入れるようにプログラムされている。要求を受取り次第、コントローラー42は、制御入力を第1の状態に置き、その結果AC電圧ジェネレーター44がある時間区間(例えば、72時間)の間、第1の周波数を出力することになる。ある時間区間が経過した後、コントローラー42は、制御入力に、AC電圧ジェネレーター44に第2の周波数及び1つ又は複数の追加の周波数を出力させる状態を周期的に繰り返させることに戻ることになる。
図10に記載のシステムは、TTフィールドと化学療法を含む組合せ療法によって治療されている腫瘍を患者が有する場合に特に有用である。この状況では、システムはほとんどの時間第2の周波数において作動して、最大の細胞毒性効果をもたらす。しかし、ヒトが化学療法の用量のために化学療法クリニックを受診する前に、医療従事者(又はユーザー)はユーザーインターフェース40を作動させて、BBB透過性を促進する第1の周波数にシステムを切り替える。この状況では、ユーザーインターフェースの作動は、例えば、化学療法の予想される開始の72時間前に行うことが可能である。
或いは、要求を受取り次第(例えば、ユーザーインターフェース40から)、コントローラー42は、AC電圧ジェネレーター44がある時間区間(例えば、1時間)の間第1の周波数を出力し、次いで、第2の周波数と第1の周波数との間で交互に切り替える(例えば、1時間毎の切り替え)ことになるように、制御入力を制御することができる。最終的に(例えば、関連する物質が患者の血流から消耗された場合)、コントローラー42は、AC電圧ジェネレーター44が第2の周波数を出力することに戻るように、制御入力を制御する。
Optune(登録商標)と共に使用される従来の電極と同様の電極のセット(図示せず)が、AC電圧ジェネレーター44の出力に接続されている。
上記の方法のいずれとも関連して、BBBは、交流電界の終了に続いて、適切な程度の時間が経過した後、当初のその低透過性状態に回復する必要があることに留意されたい。このことは、対象の安全のために多くの状況で重要とすることができる。
本発明を、ある特定の実施形態を参照して開示しきたが、記載した実施形態に対する多数の改変、変更、及び変化が、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本発明は、記載の実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の記述及びその均等物によって定義される全範囲を有することが意図されている。