JP7227161B2 - 基体使用が最適化されたエアロゾル発生物品、装置およびシステム - Google Patents

Description

本発明は、加熱されるエアロゾル形成基体を備える、ロッド形態のエアロゾル発生物品に関する。本発明はさらに、こうした物品で使用するための電気加熱式のエアロゾル発生装置、ならびにこうした物品およびこうした装置を備えるエアロゾル発生システムに関する。

加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを形成するエアロゾル形成基体を備えるロッド状のエアロゾル発生物品は、一般的に周知である。基体を加熱するために、物品は、電気ヒーターを含むエアロゾル発生装置の受け入れチャンバーの中へと挿入されうる。ヒーターは、抵抗ヒーターまたは誘導ヒーターでもよい。いずれの場合でも、ヒーターは、装置の一部であるか、またはエアロゾル発生物品に組み込まれてエアロゾル発生物品の一部となる、細片状の発熱体を備えうる。例えば、抵抗ヒーターの場合、発熱体は、装置と共に配置され、物品の装置の中への挿入に伴い物品の内側部分を貫通するように構成された、電気抵抗性のある加熱用ブレードであってもよい。同様に、誘導ヒーターの場合、発熱体は、エアロゾル発生物品の基体と共に配置される金属サセプタテープであってもよい。

こうした発熱体は、単純かつ安価な製造に関して有利であることが証明されているが、物品内の基体は、発熱体が細片状である場合は部分的にのみ加熱されることが観察されている。特に、細片状の発熱体に近接する部分のみが十分に加熱されてエアロゾル形成を可能にすることが観察されている。

従って、先行技術の解決策の利点を有するが、それらの制限のないエアロゾル発生物品、電気加熱式のエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生システムを有することが望ましいことになる。特に、エアロゾル形成基体の最適化された使用を提供するエアロゾル発生物品、装置およびシステムを有することが望ましい。

本発明の第一の態様によれば、エアロゾル発生装置での使用のために構成された、ロッド形態のエアロゾル発生物品が提供されている。物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む非円形の外側断面を有する基体コアを備える。さらに、物品は、基体コアを囲むフィラースリーブを備える。

本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、加熱された際にエアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出するエアロゾル形成基体を含む物品を意味する。エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。すなわち、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品である。エアロゾル発生物品は、消耗品、特に単回使用後に廃棄される消耗品であってもよい。ロッド状の物品は、従来的な紙巻たばこに似た物品、特にたばこ物品であってもよい。

本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を示す。エアロゾル形成基体は、たばこ材料を含んでもよく、または非たばこ材料を含んでもよく、またはたばこ材料および非たばこ材料の両方の組み合わせを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンで含浸されたセルロース材料であってもよく、一つ以上の風味を含むことが好ましい。有利なことに、エアロゾル形成基体は、好ましくは一つ以上のエアロゾル形成体を含むたばこ材料、好ましくは均質化したたばこ材料を含む。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状のたばこを凝集することによって形成される材料を意味する。エアロゾル形成基体は、例えば、たばこ材料の捲縮したシートの集合体の形態であってもよい。エアロゾル形成基体はまた、ロッド状に配置された切断されたまたは細かく切られた均質化したたばこ材料の形態であってもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体はまた、その他の添加物および成分（ニコチンまたは風味剤など）を含んでもよい。特に、エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。エアロゾル形成基体はまた、ペースト様の材料、エアロゾル形成基体を含む多孔性材料のサシェ、または例えばゲル化剤または粘着剤と混合されたルースたばこであってもよく、これはグリセリンなどの一般的なエアロゾル形成体を含むことができ、その後でプラグへと圧縮または成形される。

本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾルを発生するために、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用する装置を説明するために使用される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であることが好ましい。

本発明によれば、細片状の発熱体を使用する場合、ロッド状のエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体内の熱伝達は、物品の断面図に見られるように、基体を通って延びる細片状の発熱体の断面プロファイルに本質的に従うことが認識されている。従って、基体の加熱は一般に、発熱体に十分に近接しており、発熱体までの距離が増えると加熱効率が低下する。結果として、現在利用可能なロッド状の物品内の最大３０パーセント～４０パーセントのエアロゾル形成基体について、エアロゾル形成が不十分となる。

この欠点を改善するために、本発明は、物品内のエアロゾル形成基体を、細片状の発熱体によって十分に加熱可能であって、なおもエアロゾル形成を可能とするように選択される、適切な形状の制限された容積に限ることを提案する。従って、本発明は、細片状の発熱体の有効な断面加熱領域に形状的に適合された外側断面を有する基体含有コアを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を提供する。本発明によれば、細片状の発熱体の有効な断面加熱領域は、非円形であることが認識されている。従って、本発明によるエアロゾル発生物品は、加熱されるエアロゾル形成基体を含む、非円形の外側断面を有する基体コアを備える。

その結果、本発明によるエアロゾル発生物品は、有利なことに、市販の標準的なロッド状の物品と比較して、最大３０パーセント～４０パーセント少ないエアロゾル形成基体を備えうる。しかしながら、本発明によるエアロゾル発生物品は、標準的な物品と比較して、エアロゾル形成に関してなおも本質的に同じ性能を提供する。この利点は、本発明によるエアロゾル発生物品は、現在入手可能なロッド状の物品と比較して、実際にエアロゾル形成基体の総量は少ないものの、細片状の発熱体によって吸引可能な基体の有効量は同じであるという事実による。

特に、細片状の発熱体の有効な断面加熱領域は、扁平形状または長楕円形であってもよい。さらに、断面加熱領域の外側プロファイルは、少なくとも部分的に湾曲していてもよい。例えば、有効な断面加熱領域は、長円形、特に楕円形であってもよい。同様に、有効な断面加熱領域は、本質的に長方形、特に丸みのある角を有する長方形であってもよい。従って、基体コアの外側断面は、長楕円形または扁平形状であってもよい。基体コアの外側断面は、長円形、特に楕円形、または長方形、特に丸みのある角を有する長方形であってもよいことが好ましい。

さらに、基体コアの非円形の外側断面は、少なくとも一つの対称軸を含みうる。特に、基体コアの非円形の外側断面は、相互に直交する対称長軸および対称短軸を含みうる。

本明細書で使用される「外側断面」および「内側断面」という用語は、要素の長さ延長部に垂直な幾何学的要素を通した断面に見られるように、それぞれの要素の外側カウンター線または内側カウンター線またはプロファイルを意味する。

節約された基体容積を補充するために、本発明によるエアロゾル発生物品は、基体コアを囲むフィラースリーブを備える。フィラースリーブの外側断面は、物品が併用されるエアロゾル発生装置の受け入れチャンバーの内側断面と一致するか、または対応することが好ましい。これにより、本発明による物品は、特に、フィラースリーブと本質的に同じ外側断面を有する現在入手可能なロッド状の物品と同じくらい確実に、受け入れチャンバー内にしっかりと受けられうる。

フィラースリーブの長さ延長部は、基体コアの長さ延長部に等しいことが好ましい。当然ながら、フィラースリーブの長さ延長部はまた、基体コアの長さ延長部よりも大きくてもよく、または小さくてもよい。

基体コアおよびフィラースリーブに関して本明細書で使用される場合、「長さ延長部」という用語は、ロッド状の物品またはフィラースリーブそれぞれの長軸方向または軸方向を意味する。同様に、「半径方向」という用語は、それぞれロッド状の物品またはフィラースリーブそれぞれの横断方向を意味する。

受け入れチャンバーの内側断面の形状に応じて、物品は、少なくとも部分的に収容され、フィラースリーブは、長円形または楕円形もしくは正方形もしくは長方形もしくは三角形もしくは多角形もしくは多角形の外側断面を有してもよい。フィラースリーブは、円形の外側断面を有することが好ましい。

フィラースリーブと基体コアとの間の境界面に関して、フィラースリーブは、スリーブの内周面が基体コアの外周面に対して半径方向の距離に少なくとも部分的に配置されるように、基体コアを囲んでもよい。従って、エアロゾル発生物品は、スリーブの内側断面と基体コアの外側断面との間にギャップ容積を含みうる。ギャップ容積は、基体コアの長さ延長部または周囲のうちの少なくとも一つに沿って少なくとも部分的に延びてもよい。有利なことに、ギャップ容積は、基体コアの外周面上の空気流通路として機能して、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物が物品から自由に漏れ出ることを可能にしうる。さらにより有利なことに、ギャップ容積のサイズおよび形状は、所定の引き出し抵抗を有するエアロゾル形成物品を提供するように選択されうる。一般に、物品の全体的な設計は、所定の引き出し抵抗を有するエアロゾル形成物品を提供するように選択されうる。例えば、材料、材料密度およびフィラースリーブの形状、および基体は、所定の引き出し抵抗を提供するように選択されうる。

フィラースリーブ、特にフィラースリーブの内周面は、基体コアの外周面と少なくとも部分的に接触してもよい。これは、エアロゾル発生物品の寸法安定性に関して有利である。フィラーの内周面が基体コアの外周面と部分的にのみ接触している場合、物品は、上述の通り、基体コアとフィラースリーブとの間に空気流通路を含みうる。

また後者の場合でも、フィラースリーブの内周面が基体コアの外周面と直接接触しない場合、フィラースリーブの内側断面は、基体コアの非円形の外側断面と比較して異なる形状を有してもよい。

別の方法として、フィラースリーブの内周面は、基体コアの外周面と完全に接触してもよい。特に、フィラースリーブは、緊密に適合するように基体コアを囲んでもよい。これはさらに、エアロゾル発生物品の寸法安定性を高める。この場合、フィラースリーブは、基体コアの非円形の外側断面に対応する非円形の内側断面を有しうる。

フィラースリーブは、取り外しできないように、または取り外し可能なように、基体コアに取り付けられうる。本明細書で使用される「取り外しできないように取り付けられる」という用語は、フィラースリーブと基体コアとの間の堅い結合を意味する。例えば、フィラースリーブは、基体コアの周りに、接着される、またはしっかりと押し付けられる、または緊密に適合されてもよい。対照的に、本明細書で使用される「取り外し可能なように取り付けられる」という用語は、フィラースリーブの基体コアへの着脱可能な接続を意味する。後者の場合、フィラースリーブは有利なことに、複数回使用することが可能である。従って、基体コア内のエアロゾル形成基体の消費の後、フィラースリーブを使用済みの基体コアから抽出し、新しいエアロゾル形成基体を含む別の基体コアに再び取り付けうる。

有利なことに、フィラースリーブは、少なくともエアロゾル形成を可能とする温度まで、すなわち、少なくとも摂氏１５０度まで、特に、少なくとも摂氏２５０度まで、好ましくは少なくとも摂氏３００度まで、さらにより好ましくは少なくとも摂氏４００度まで耐熱性のある、耐熱性フィラー材料を含む。例えば、耐熱性のフィラー材料は、セラミック材料またはポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）またはポリイミドなどの耐熱性プラスチック材料のうちの少なくとも一つを含んでもよい。

本明細書で使用される場合、「耐熱性材料」という用語は、液相または気相への相転移を実質的に受けない材料、特に溶融または揮発しない、または、その温度までは耐熱性があると定義される温度未満では燃焼しない材料を意味する。この定義はまた、以下にさらに定義される任意の挿入スリーブを言及する。

フィラースリーブは、多孔性フィラー材料、例えば多孔性セラミック材料を含みうる。有利なことに、多孔性材料は、加熱に伴い活性化されてフィラースリーブから放出されうる、フィラースリーブ内の少なくとも一つの揮発性物質を貯蔵することを可能にする。

従って、フィラースリーブは、香味剤、芳香剤、防臭剤、または活性炭などのケミカルトラップ剤（ｃｈｅｍｉｃａｌ－ｔｒａｐｐｉｎｇ ａｇｅｎｔ）のうちの少なくとも一つを含みうる。風味剤は、使用者の口またはユーザーの肺のうちの少なくとも一つで知覚されるように調整されることが好ましいが、芳香剤は使用者の鼻で知覚されるが、ユーザーの口および肺では知覚されないことが好ましい。

フィラーはたばこ材料を含まない、すなわち、たばこ材料を含まないことが好ましい。

フィラースリーブ内の少なくとも一つの揮発性物質は、加熱に伴い活性化されて放出されうる。揮発性物質は、基体コア内のエアロゾル形成基体よりも少ない熱エネルギーを必要とするように調整されることが好ましい。これにより、フィラースリーブ内の揮発性物質は、有利なことに、基体コア内のエアロゾル形成基体と一緒に加熱される、またはエアロゾル形成基体と調時された関係で放出される。特に、単一の発熱体がこのために使用されうる。単一の加熱は、基体コア内のエアロゾル形成基体と接触するようになる発熱体であることが好ましい。

基体コアは、エアロゾル形成基体を囲むラッパーを含みうる。主に、ラッパーは、エアロゾル形成基体を一緒に保持し、基体コアの望ましい非円形の断面形状を維持するように機能する。例えば、ラッパーは、紙ラッパー、特に紙巻たばこ用紙で作製された紙ラッパーであってもよい。別の方法として、ラッパーは、例えば金属またはプラスチックで作製された箔であってもよい。ラッパーは、気化されたエアロゾル形成基体が基体コアから放出されることを許容するような流体透過性であることが好ましい。外側ラッパーは多孔性であってもよい。さらに、ラッパーは、加熱に伴い活性化されてラッパーから放出される少なくとも一つの揮発性物質を含みうる。例えば、ラッパーは香味揮発性物質で含浸されうる。

エアロゾル発生物品が装置の一体型の部分として細片状の発熱体を備えるエアロゾル発生装置で使用される場合、物品は、細片状の発熱体を受けるための予め形成された細片状のスロットを備えうる。同様に、発熱体はエアロゾル発生物品の一体型の部分であってもよい。すなわち、エアロゾル発生物品は、基体コアを少なくとも部分的に通って延びる細片状の発熱体を備えうる。

いずれの場合でも、基体コアの非円形の外側断面は有利なことに、基体コアの外側断面カウンター線の任意の点の、細片状のスロットまたは細片状の発熱体への最短距離が、それぞれ、０．２ミリメートル～４ミリメートルの範囲となるようなものであり、特に範囲が０．３ミリメートル～３ミリメートルの範囲となるようなものであり、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲内となるようなものであることが好ましい。

さらに、基体コアの外側断面が相互に直交する対称長軸および対称短軸を含む場合、細片状のスロットは、スロットの幅延長部が対称長軸と本質的に一致し、スロットの厚さ延長部が対称短軸と本質的に一致するように、基体コアを少なくとも部分的に通って延びることが好ましい。従って、スロットの長さ延長部は、基体コアおよびロッド状の物品の、ぞれぞれの長軸方向の中心軸と本質的に一致する。同様に、細片状の発熱体は、発熱体の幅延長部および厚さ延長部が本質的に基体コアの非円形の外側断面の対称長軸および対称短軸それぞれと本質的に一致するように、基体コアを少なくとも部分的に通って延びうる。従って、発熱体の長さ延長部は、基体コアおよびロッド状の物品の長軸方向の中心軸とそれぞれ一致する。

本明細書で使用される場合、「幅延長部」および「厚さ延長部」という用語は、本明細書で言及されるように、それぞれの要素の幅延長および厚さ延長を示し、これらは両方とも要素の質量中心または幾何学的中心を通って延びる。したがって、本明細書で言及されるように、対称長軸および対称短軸と本質的に一致する、それぞれの要素の幅延長および厚さ延長を有することは、対称長軸および対称短軸が要素の質量中心または幾何学的中心を通って延びることを暗示する。

「本質的に一致する」という用語はまた、最大２０度、特に最大１０度の軸上の配向の一致からの偏差を含む。上記の幅延長部および厚さ延長部は、それぞれ基体コアの非円形の外側断面の対称長軸または対称短軸と一致することが好ましい。

従って、いずれの場合でも、基体コアの非円形の外側断面は、細片状の発熱体の有効な断面加熱領域に本質的に一致する。さらに、基体コアの外側断面に対して固定して配置されるスロットを有することで、装置のユーザーがエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を同一の明確に画定された方法で組み立てることも確実にする。これは、発熱体に対する基体コアの配向の変動がほとんどない、または実質的にないことを確実にする。これにより、製品性能の変動が低減される。これは、物品の断面図で見られるように、エアロゾル形成基体が所定の方向に沿って構造化されている場合にさらに有利である。これは、例えば、エアロゾル発生物品が、層内に配置されたエアロゾル形成基体として捲縮したたばこキャストリーフを含む場合でありうる。

本明細書で使用される場合、「細片状の」という用語は、共に要素の厚さ延長部よりも大きな、長さ延長部および幅延長部を有する要素を意味する。長さ延長部は幅延長部よりも大きいことが好ましい。従って、細片状の発熱体は細長い細片状の発熱体であってもよい。同様に、細片状のスロットは細長い細片状のスロットであってもよい。しかしながら、細片状の発熱体または細片状のスロットの長さ延長部は、それぞれの幅延長部と等しくてもよい。特に、細片状の発熱体は、ブレード、プレート、シート、バンド、または箔であってもよい。

基体コア内に挿入または配置される時、細片状の発熱体は、エアロゾル形成基体と熱的に接触して、または熱的に近接して配置される。これにより、基体を効率的に加熱してエアロゾルを形成することが可能になる。加熱はエアロゾル形成基体と直接物理接触していることが好ましい。

上述の通り、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体の電気的加熱は、抵抗加熱または誘導加熱のいずれかに基づきうる。

従って、細片状の発熱体は抵抗発熱体であってもよい。熱発生のために、抵抗発熱体は、電流がそれを通過する際に昇温するように構成された電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。有利なことに、電気抵抗性のある材料は、温度と抵抗との間に明確な関係を有する材料である。特に、これにより、温度測定および温度制御が可能となる。電気抵抗性のある材料は、白金またはステンレス鋼などの金属であることが好ましい。

例えば、抵抗発熱体は、その上に形成された金属トラックを有するブレードの形態の絶縁基体を備えてもよく、これは、電流がトラックを通過する際に昇温する。絶縁基体は、絶縁セラミック材料で被覆された金属ブレードであってもよい。同様に、抵抗発熱体は、平坦なＵ字形状またはＶ字形状の金属ブレードであってもよい。Ｕ字形状またはＶ字形状の金属ブレードの脚部は、電流を供給するためのそれぞれのコネクタを提供する。

さらに、抵抗発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の受け入れチャンバーの中への挿入に伴い、エアロゾル発生装置の電源と自動的に結合するように構成されることが好ましい別の方法として、細片状の発熱体は、エアロゾル発生装置の誘導源によって生成される交流電磁場と相互作用するサセプタ素子であってもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を含む要素を意味する。それ故に、交流電磁場内に位置している時に、サセプタ素子は加熱される。これは、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ素子内で誘導されるヒステリシス損失または渦電流の結果でありうる。例えば、サセプタ素子は、アルミニウム、またはステンレス鋼またはフェライトセラミックなどの鉄またはフェライト材料を含みうる。

エアロゾル形成基体とは別に、エアロゾル発生物品は、支持要素、エアロゾル冷却要素、フィルター要素、およびマウスピース要素のうちの少なくとも一つをさらに備えうる。これらの要素の任意の一つまたは任意の組み合わせは、基板コアに連続して配置されてもよい。これらの要素は、基体コアと同じ外側断面を有してもよい。特に、基体コアおよび上記要素の任意の一つまたは任意の組み合わせは、連続して配置され、外側ラッパーによって囲まれてコアロッドを形成しうる。このコアロッドは、少なくとも部分的にその長さ延長部に沿ってフィラースリーブによって囲まれうる。別の方法として、前述の要素は、フィラースリーブと同じ外側断面を有してもよい。この場合、フィラースリーブは基体コアを囲むのみとしうる。

本発明の第一の態様によれば、本発明の第一の態様による、および前述のエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。システムは、エアロゾル発生物品で使用するための電気加熱式のエアロゾル発生装置をさらに備える。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に受け入れチャンバーに収容するための受け入れチャンバーを備える。

受け入れチャンバーは、エアロゾル発生物品のフィラースリーブの外側断面に対応する内側断面を有することが好ましい。有利なことに、これはエアロゾル発生物品を受け入れチャンバーの中へ挿入および確実に保持することを容易にする。さらに、これは、装置のユーザーがエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置を同一の明確に画定された方法で組み立てることを確実にする。これは、製品性能の変動を低減する、発熱体に対する基体コアの配向の変動がほとんどない、または本質的にないことを確実にする。

電気加熱式のエアロゾル発生装置は、抵抗ヒーターまたは誘導ヒーターのいずれかを備えうる。従って、ヒーターは、上述のように、細片状の抵抗発熱体、または細片状の誘導発熱体、特に細片状のサセプタ素子を含むことが好ましい。いずれの場合でも、発熱体は、装置の一部であってもよく、特に、装置の中への挿入に伴い物品の内側部分を貫通するように、受け入れチャンバーの中へと少なくとも部分的に配置されてもよい。別の方法として、発熱体はエアロゾル発生物品内に組み込まれて、その一部であってもよい。それぞれの抵抗発熱体または誘導発熱体、特にサセプタ素子のさらなる特徴および利点を、本発明の第一の態様のエアロゾル発生物品に関して説明した。従って、これらの特徴および利点は繰り返さない。

エアロゾル発生装置は、それぞれのヒーターに電力を供給するための電源と、加熱プロセスを制御するための電気回路とを備えうる。

抵抗ヒーターの場合、抵抗発熱体は、回路を介して電源と動作可能に連結されうる。従って、そこを電流が通過するのに伴い、ジュール加熱によって抵抗発熱体が昇温する。さらに、エアロゾル発生物品内に組み込まれた抵抗発熱体を有する場合、エアロゾル発生装置はドッキングコネクターを備えうる。ドッキングコネクターは、物品を装置の受け入れチャンバーの中へと挿入するのに伴い、発熱体を電源と動作可能に結合するように構成される。

誘導ヒーターである場合、エアロゾル発生装置は誘導源を備えてもよい。誘導源は、交流電磁場を生成するために電源および電気回路に動作可能に結合される。誘導源は、そこを交流電流が通過するのに伴い交流電磁場を生成する誘導コイルに動作可能に結合される交流電流発生器を備えることが好ましい。交流電磁場は、その電気的特性および磁性に応じて、サセプタ素子内の渦電流またはヒステリシス損失のうちの少なくとも一つを誘発する。

本発明の第一の態様によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点は、非円形の基体コアおよび周囲のフィラースリーブを有するエアロゾル発生物品に関して、およびこうした物品と相互作用するエアロゾル発生装置の上述の特徴に関して説明した。従って、これらの特徴および利点は繰り返さない。

本発明の第二の態様によれば、エアロゾル発生物品で使用するための電気加熱式のエアロゾル発生装置も提供されている。エアロゾル発生物品は、細片状の発熱体によって加熱されるエアロゾル形成基体を含む非円形の外側断面を有する。装置は、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に受け入れチャンバーに収容するための受け入れチャンバーをスリーブ内に形成する挿入スリーブを備える。挿入スリーブは、非円形の内側断面を有する。さらに、挿入スリーブは、エアロゾル発生装置のくぼみ内に取り外し可能なように配置される。これにより、挿入スリーブは有利なことにアダプターとして機能して、エアロゾル発生装置のくぼみが、対応する非円形の外側断面を有するエアロゾル発生物品と相互作用することを可能にしている。これは、細片状の発熱体によって加熱される際にエアロゾル発生基体の最適化された使用のために構成されるエアロゾル発生装置と相互作用するためである。

有利なことに、挿入スリーブの非円形の内側断面は長楕円形または扁平形状である。挿入スリーブの内側断面は、長円形、特に楕円形、または長方形、特に丸みのある角を有する長方形であることが好ましい。

装置で使用されるためのエアロゾル発生物品の外側断面が対称長軸および対称短軸を含む場合、挿入スリーブの非円形の内側断面は有利なことに、対応する対称長軸および対応する対称短軸を含む。

物品の非円形の断面プロファイル内の基体を加熱するために使用される細片状の発熱体は、エアロゾル発生装置の一部であることが好ましい。従って、エアロゾル発生装置は、物品を装置内に受けるのに伴ってエアロゾル発生物品内の中へと挿入するための細片状の発熱体を備えうる。特に、細片状の発熱体は、装置のくぼみ内に配置され、くぼみの中心軸に沿って対称的に配置されることが好ましい。

エアロゾル発生物品は、挿入スリーブをエアロゾル発生装置のくぼみの中へと挿入する前に、挿入スリーブの受け入れチャンバーの中へと挿入されうる。別の方法として、挿入スリーブは、物品を挿入スリーブのくぼみの中へと挿入する前に装置のくぼみの中へと挿入されうる。

発熱体は、エアロゾル発生装置のくぼみ内に取り外し可能なように配置されうる。これは、発熱体を清掃および交換するのに有利である。さらに、これは、細片状の発熱体をエアロゾル発生装置の基体の中へと挿入することを容易にする。

物品は、細片状の発熱体を受けるための細片状のスロットを備えることが好ましい。これはまた、細片状の発熱体をエアロゾル発生物品の基体の中へと挿入することを容易にする。有利なことに、細片状のスロットは、スロットの幅延長部および厚さ延長部がそれぞれ、存在する場合に、物品の非円形の断面プロファイルの対称長軸および対称短軸と本質的に一致するように、物品の基体を少なくとも部分的に通って延びる。

挿入スリーブの非円形の内側断面は、有利なことに、挿入スリーブの内側断面カウンター線の任意の点の、細片状の発熱体への最短距離が０．２ミリメートル～４ミリメートルの範囲、特に０．３ミリメートル～３ミリメートルの範囲、好ましくは、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲となるようなものである。

挿入スリーブの内側断面が対称長軸および対称短軸を含む場合、細片状の発熱体は、細片状の発熱体の幅延長部が対称長軸と本質的に一致し、発熱体の厚さ延長部が対称短軸と本質的に一致するように、挿入スリーブの受け入れチャンバー内に少なくとも部分的に配置される。さらに、受け入れチャンバーの内側断面に対して固定して配置される発熱体を有することはまた、受け入れチャンバーの中への挿入に伴う物品の外側断面に対する発熱体の配向の変動がほとんどないか、または本質的にないことを確実にする。これにより、製品性能の変動が低減される。

挿入スリーブは、少なくともエアロゾル形成を可能とする温度まで、すなわち、少なくとも摂氏１５０度まで、特に、少なくとも摂氏２５０度まで、好ましくは少なくとも摂氏３００度まで、さらにより好ましくは少なくとも摂氏４００度まで耐熱性のある、耐熱性フィラー材料を含むことが好ましい。例えば、耐熱性の材料は、セラミック材料またはポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）またはポリイミドなどの耐熱性プラスチック材料のうちの少なくとも一つを含んでもよい。

本発明の第二の態様によるエアロゾル発生装置のさらなる特徴および利点については、本発明の第一の態様に関連して既に説明されており、繰り返さない。

本発明の第三の態様によれば、電子エアロゾル発生物品で使用するための電気加熱式のエアロゾル発生装置も提供されている。エアロゾル発生物品は、細片状の発熱体によって加熱されるエアロゾル形成基体を含む非円形の外側断面を有する。装置は、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に収容するための受け入れチャンバー内を備える。受け入れチャンバーは、非円形の内側断面を有する。非円形の内側断面は、装置で使用される物品の非円形の外側断面に対応することが好ましい。有利なことに、受け入れチャンバーの非円形の内側断面は長楕円形または扁平形状である。受け入れチャンバーの内側断面は、長円形、特に楕円形、または長方形、特に丸みのある角を有する長方形であることが好ましい。さらに、受け入れチャンバーの非円形の内側断面は、対称長軸および対称短軸を含みうる。受け入れチャンバーの非円形の内側断面のために、本発明の第三の態様によるエアロゾル発生装置は、対応する非円形の外側断面を有するエアロゾル発生物品と相互作用するよう、容易に調製される。これは、本発明の第一および第二の態様に関して上述したように好ましい。

本発明の第三の態様による装置は、受け入れチャンバーに受けられる際にエアロゾル発生物品の中へと挿入するための細片状の発熱体をさらに備える。特に、細片状の発熱体は、装置の受け入れチャンバー内に配置され、受け入れチャンバーの中心軸に沿って対称的に配置されることが好ましい。

受け入れチャンバーの非円形の内側断面は、有利なことに、受け入れチャンバーの内側断面カウンター線の任意の点の、細片状の発熱体への最短距離が、０．２ミリメートル～４ミリメートルの範囲、特に０．３ミリメートル～３ミリメートルの範囲、好ましくは、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲となるようなものである。

受け入れチャンバーの非円形の内側断面が対称長軸および対称短軸を含む場合、細片状の発熱体は、好ましくは、発熱体の幅延長部が対称長軸と本質的に一致し、発熱体の厚さ延長部が対称短軸と本質的に一致するように、受け入れチャンバー内に少なくとも部分的に配置される。この配置により、エアロゾル発生装置は有利なことに、発熱体が同一の明確に画定された方法でエアロゾル発生物品と係合することを可能にする。これにより、エアロゾル発生物品の外側断面が細片状の発熱体の有効な断面加熱領域に自動的に一致することを確実にする。従って、これは、物品の外側断面に対する発熱体の配向の変動がほとんどないか、または実質的にないことを確実にする。有利なことに、これは製品性能の変動を低減する。

発熱体は、少なくとも部分的に受け入れチャンバー内に配置されうる。これは、発熱体を清掃および交換するのに有利である。さらに、これは、エアロゾル発生物品を装置の受け入れチャンバーの中へと挿入する前に細片状の発熱体をエアロゾル発生物品の基体の中へと挿入することを容易にする。

有利なことに、受け入れチャンバーは、対応する非円形の内側断面を有する挿入スリーブによって形成される。挿入スリーブは、エアロゾル発生装置のくぼみ内に取り外し可能なように配置されるように構成される。したがって、取り外し可能な挿入スリーブは、上述の通りアダプターとして機能する。

挿入スリーブは、少なくともエアロゾル形成を可能とする温度まで、すなわち、少なくとも摂氏１５０度まで、特に、少なくとも摂氏２５０度まで、好ましくは少なくとも摂氏３００度まで、さらにより好ましくは少なくとも摂氏４００度まで耐熱性のある、耐熱性フィラー材料を含むことが好ましい。例えば、耐熱性の材料は、セラミック材料またはポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）またはポリイミドなどの耐熱性プラスチック材料のうちの少なくとも一つを含んでもよい。

本発明の第三の態様によるエアロゾル発生装置のさらなる特徴および利点は、本発明の第一および第二の態様に関して説明したものである。従って、これらの特徴および利点は繰り返さない。

本発明によると、本発明の第二または第三の態様による、および上記に記載の電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供されている。システムは、エアロゾル発生装置で使用するための、ロッドの形態のエアロゾル発生物品をさらに備える。エアロゾル発生物品は、装置の受け入れチャンバーの非円形の内側断面に対応する非円形の外側断面を有する。さらに、エアロゾル発生物品は、その非円形の外側断面内にエアロゾル形成基体を含む。

本発明の本態様によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点は、本発明の第二および第三の態様によるエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品に関して既に説明した。従って、これらの特徴および利点は繰り返さない。
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。

図１は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品の第一の実施形態を概略的に斜視図で示す。 図２は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品の第二の実施形態を概略的に断面図で示す。 図３は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品の第三の実施形態を概略的に断面図で示す。 図４は、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に斜視図で示す。 図５は、本発明の第三の態様によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に斜視図で示す。

図１は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品１の第一の実施形態を概略的に示す。物品１は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために加熱されるエアロゾル形成基体を含む。物品１は、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターを備える電気的に駆動されるエアロゾル発生装置（図示せず）の受け入れチャンバーの中へと挿入される。本実施形態では、エアロゾル発生物品１は、その基体の誘導加熱のために構成される。このために、ロッド状の物品１は、物品１の長さ延長部に沿って物品１の中心を通って延びる細片状のサセプタ素子４０（細片状の発熱体４０）を備える。例えば、サセプタ素子４０は、アルミニウムの細片状の箔であってもよい。細片状のサセプタ素子４０の対応部分として、エアロゾル発生装置の電気ヒーターは、受け入れチャンバー内に交番電磁場を生成するために構成される誘導源を備える。したがって、受け入れチャンバー内にエアロゾル発生物品１を収容するのに伴い、サセプタ素子４０は、その電気的特性および磁性に応じてサセプタ材料内の交流電磁場によって誘発される渦電流および／またはヒステリシス損失に起因して昇温する。有利なことに、サセプタ素子４０は、基体の効率的な加熱を可能にするように、エアロゾル形成基体と直接的物理接触している。

上述の通り、発熱体までの距離が増えると加熱効率が低下する。従って、断面図で見られるように、発熱体は、エアロゾル形成のために加熱がまだ十分である要素に近接する有効な断面加熱領域を提供する。この有効な加熱領域を超えると、発熱体によって提供される熱エネルギーは一般に、十分なエアロゾル形成を許容するには低すぎる。

物品のエアロゾル形成基体の使用を最適化するために、本発明は、エアロゾル発生物品の基体分布を、できるだけ良好に使用される発熱体の有効な断面加熱領域に一致する、適切な形状の領域に限ることを提案する。

図１の実施形態による細片状のサセプ素子４０に関して、有効な断面加熱領域は、非円形、特に、長方形の細片状の長楕円形の断面プロファイルに起因する扁平形状である。従って、基体の使用を最適化するために、図１の実施形態による物品１のエアロゾル形成基体は、その外側断面１１ができるだけ良好に細片状のサセプタ要素４０の有効な断面加熱領域に一致するような非円形である、基体コア１０に限られる。

図１から分かるように、基体コア１０の非円形の外側断面１１は長円形である。特に、基体コア１０の外側断面１１は有利なことに、基体コア１０の外側断面カウンター線の任意の点の、細片状のサセプタ要素４０への最短距離が０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲となるようなものである。

図１からさらに分かるように、基体コア１０の長円形の外側断面１１は、相互に直交する対称長軸１３および対称短軸１４を含む。基体コア１０内の基体の均質的な加熱を提供するために、細片状のサセプタ要素４０は有利なことに、サセプタ要素４０の幅延長部が対称長軸１４に本質的に一致し、サセプタ要素４０の厚さ延長部が対称短軸１３に本質的に一致するように、その中心軸に沿って基体コア１０全体を長さ方向に貫通する。

図１の実施形態による物品１は、基体コア１０を囲むフィラースリーブ２０をさらに備える。そのため、フィラースリーブ２０は主に、エアロゾル発生物品１の外側形状を画定する容積フィラーとして機能する。特に、フィラースリーブ２０は、現在入手可能なロッド状の物品に匹敵する物品の外側形状を画定するように機能しうる。有利なことに、これにより、物品１が市販のエアロゾル発生装置で使用されるようになる。本実施形態では、フィラースリーブ２０は、ロッド状の物品１の外側形状を直円筒にする円形の外側断面２１を備える。

対照的に、フィラースリーブ２０の内側断面２２は長円形である。特に、フィラースリーブ２０の内側断面２２は、フィラースリーブ２０の内周面は、ぴったりと緊密に基体コア１０の外周面と完全に接触するように、基体コア１０の長円形の断面１１に対応する。有利なことに、これはエアロゾル発生物品１の高い寸法安定性を提供する。

本実施形態では、フィラースリーブ２０はフィラー材料として多孔性セラミック材料を含む。多孔性セラミック内では、フィラースリーブ２０は、加熱に伴い活性化されてフィラーススリーブから放出されうる揮発性香味剤をさらに含む。揮発性物質は、基体コア１０内のエアロゾル形成基体とともに加熱されるように調整されることが好ましい。

基体コア１０内のエアロゾル形成基体は、紙ラッパー３０によって囲まれる。紙ラッパー３０は、基体を一緒に保つよう機能し、従って基体コア１０の外周面を画定する。さらに、紙ラッパー３０は、気化されたエアロゾル形成基体が基体コア１０から放出されることを許容するような流体透過性である。

図２は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品１の第二の実施形態を概略的に示す。図２による物品は、図１による物品と類似している。従って、同一または類似の特徴は、同一の参照番号で示されている。図１による物品とは対照的に、図２による物品１は、その外側断面が丸みのある角を有する長方形である基体コアを備える。従って、フィラースリーブ２０の内側断面２２も、基体コア１０の外側断面１１に対応する丸みのある角を有する長方形である。図１と比較すると、基体コア１０の外側断面カウンター線は、サセプタ要素４０のカウンター線にさらに近い。ここで、基体のコア１０の外側断面カウンター線の任意の点の、細片形状のサセプタ素子４０への最短距離は、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲であり、特に０．５ミリメートル～１．５ミリメートルの範囲である。有利なことに、これにより、物品１内のエアロゾル形成基体のさらにより十分な使用が可能となる。

図３は、本発明の第一の態様によるエアロゾル発生物品１の第三の実施形態を概略的に示す。図３による物品は、図１による物品と類似している。従って、同一または類似の特徴は、同一の参照番号で示されている。図１による物品とは対照的に、図３による物品１のフィラースリーブ２０の内周面は、基体コア１０の外周面と完全には接触していない。フィラースリーブ２０の内側断面２２は同じく長円形であるが、フィラースリーブ２０の内側断面２２の半短軸は、基体コア１０の外側断面１１の半短軸の長さとは異なる。対照的に、フィラースリーブ２０の内側断面２２の半長軸は、基体コア１０の外側断面１１の半長軸と同一である。これにより、フィラースリーブ２０の内周面は、基体コア１０の半長軸の外側端でのみ基体コア１０の外周表面と接触する。その結果、二つのギャップ容積が、フィラースリーブ１１の内側断面２２と基体コア１０の外側断面１１との間に形成される。ギャップ容積は、対称長軸に対して基体コア１０の両側において、基板コア１０の長さ延長部に沿って軸方向に延びる。有利なことに、ギャップ容積は、基体コア１０の外周面に沿った空気流通路として機能し、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物が物品１から自由に漏れ出ることを可能にする。さらにより有利なことに、ギャップ容積のサイズおよび形状は、所定の引き出し抵抗を提供するように選択されうる。

さらに、図１による物品とは対照的に、図３による物品は、物品の一体型の部分として発熱体を含まない。代わりに、物品１は、物品１と併用されるエアロゾル発生装置の一体型の部分である細片状の発熱体との相互作用のために構成される。発熱体の物品１の基体の中への挿入を容易にするために、図３による物品１は、その中心軸に沿って基体コア１０全体を通して縦方向に延びる、予め形成された細片状のスロット５０を備える。細片状のスロット５０は、スロット５０の幅延長部が基体コア１０の対称長軸１４と本質的に一致し、スロット５０の厚さ延長部が基体コア１０の対称短軸１３と本質的に一致するように配置される。有利なことに、これにより、基体コア１０内の基体の均質な加熱が可能となる。基体の最適な使用を達成するために、基体コア１０の外側断面１１が、基体コア１０の外側断面カウンター線の任意の点の、細片状のスロット５０への最短距離が、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲にある、特に、０．５ミリメートル～１．５ミリメートルの範囲となるようなものである。

図４は、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に示す。システムは、エアロゾル発生物品１００と、物品１００で使用されるための電気加熱式のエアロゾル発生装置２００とを備える。エアロゾル発生物品１００は、細片形状の発熱体２４０によって加熱されるエアロゾル形成基体１１０を含む長円形の外側断面１１１を有する。本実施形態では、細片形状の発熱体２４０は、装置２００の一体型の部分である。例えば、発熱体２４０は、抵抗加熱または誘導加熱可能なステンレス鋼で作製される加熱用ブレードとしうる。別の方法として、細片状の発熱体は、エアロゾル発生物品１００の一体型の部分であってもよい。例えば、発熱体は、物品１００の基体１１０内に配置された金属サセプタテープであってもよく、これは物品を装置と係合するのに伴って装置の誘導源によって加熱可能でありうる。

図４から分かるように、発熱体２４０は、物品１００が挿入される装置２００のくぼみ２６０内に配置される。くぼみ２６０は、円形の外側断面を有するロッド状の物品と相互作用するように構成される、現在入手可能な多くの装置と同様に、円形の内側断面を有する。装置２００の円形のくぼみ２６０が非円形の外側断面を有する物品１００と、すなわち、本発明の第二の態様によるエアロゾル発生物品１００と相互作用することを可能とするために、図４によるエアロゾル発生装置２００は、挿入スリーブ２２０を備える。挿入スリーブ２２０の外側形状は、装置２００のくぼみ２６０内に取り外し可能なように配置可能となるように構成される。対照的に、インサートスリーブ２２０の内側形状は、エアロゾル発生物品１００をスリーブ内に収容するための受け入れチャンバー２２５を形成するためのものである。従って、挿入スリーブ２２０の内側断面２２２は、物品１００の長円形の外側断面１１１に対応する長円形である。同様に、挿入スリーブ２２０の外側断面２２１は、くぼみ２６０の内側断面２６２に対応する円形である。その結果、挿入スリーブ２２０は、装置２００の長円形の物品１００と円形のくぼみ２６０との間のアダプターとして機能する。従って、挿入スリーブ２２０は、細片状の発熱体２４０を有するエアロゾル発生装置２００を、長円形の断面内にエアロゾル形成基体を含み、従って細片状の発熱体２４０での使用のために最適化された、エアロゾル発生物品１００で使用されるよう適合する。

物品１００および、装置２００のくぼみ２６０の中への挿入スリーブ２２０の組み立てにあたって、細片状の発熱体２４０は、発熱体２４０の幅延長部が物品１００の外側断面１１１の対称長軸１１４と、かつ挿入スリーブ２２０の外側断面２２１の対称長軸２２４と本質的に一致するように、くぼみ２６０内の中央に配置される。同様に、発熱体２４０の厚さ延長部は、物品１００の外側断面１１１の短軸１１３、ならびに挿入スリーブ２２０の外側断面２２１の対称短軸２２３と本質的に一致する。一方で、これは、装置２００の細片状の発熱体２４０と組み合わせて使用される際に、物品１００内の基体１１０の最適な使用を確実にする。一方で、これはまた、物品１００のスリーブ２２０の受け入れチャンバー２２５の中への正確な挿入、また、挿入スリーブ２２０の装置２００のくぼみ２６０の中への正確な挿入を確実にする。

挿入スリーブ２２０の内側断面は、くぼみ２６０の中へとの挿入後に、挿入スリーブ２２０の内側断面カウンター線の任意の点の、細片状の発熱体２４０への最短距離が、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲、特に、０．５ミリメートル～１．５ミリメートルの範囲となるようなものであることが好ましい。

細片状の発熱体２４０の物品１００の基体１１０の中への挿入を容易にするために、物品１００は、細片状の発熱体２４０を受けるための、予め形成された細片状のスロット１５０を備える。スロット１５０は、スロット１５０の幅延長部が長円形の物品１００の長軸１１４と実質的に一致するように、物品１００の中心軸に沿って対称的に延びる。同様に、発熱体２４０の厚さ延長部は、長円形の物品１００の対称短軸１１３と本質的に一致する。

図５は、本発明の第三の態様によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に示す。システムは、図４に示す本発明の第二の態様によるエアロゾル発生システムと類似している。従って、同一または類似の特徴は、同一の参照番号で示されている。図４の装置とは対照的に、図５によるエアロゾル装置２００自体は、対応する長円形の外側断面１１１を有するエアロゾル発生物品１００を収容するための、非円形、特に長円形の内側断面２１２を有する受け入れチャンバー２１０を備える。

受け入れチャンバー２１０内で、装置２００は細片状の発熱体２４０を備える。発熱体２４０は、エアロゾル発生装置２００の一体型の部分として提供されている。例えば、発熱体２４０は、抵抗加熱または誘導加熱可能なステンレス鋼で作製される加熱用ブレードとしうる。

有利なことに、発熱体２４０は、発熱体２４０の幅延長部が受け入れチャンバー２１０の外側断面２１２の対称長軸２１４と本質的に一致するように、受け入れチャンバー２１０内に中央に配置される。同様に、発熱体２４０の厚さ延長部は、受け入れチャンバー２１０の外側断面２１２の対称短軸２１３と本質的に一致する。

受け入れチャンバー２１０の長円形の断面２１２は、受け入れチャンバー２１０の内側断面カウンター線の任意の点の、細片状の発熱体２４０への最短距離が、０．５ミリメートル～２ミリメートルの範囲、特に、０．５ミリメートル～１．５ミリメートルの範囲となるようなものであることが好ましい。

さらに、発熱体２４０は、受け入れチャンバー２１０内に取り外し可能なように配置されてもよい。これは、発熱体２４０を清掃および交換するのに有利である。

Claims (10)

1. 電気加熱式のエアロゾル発生装置で使用するためのロッド状のエアロゾル発生物品であって、前記物品が、基体コアと前記基体コアを囲むフィラースリーブを備え、前記基体コアが細片状の発熱体によって加熱されるエアロゾル形成基体を含み、かつ非円形の外側断面を有し、前記フィラースリーブが、少なくとも摂氏１５０度まで耐熱性のある耐熱性のフィラー材料を含む、ロッド状のエアロゾル発生物品。
2. 前記フィラースリーブが、前記基体コアの外周面と少なくとも部分的に接触する、請求項１に記載の物品。
3. 前記フィラースリーブが、前記基体コアの前記非円形の外側断面に対応する非円形の内側断面を有する、請求項１または２に記載の物品。
4. 前記フィラースリーブが、前記基体コアに取り外し可能なように、または取り外しできないように取り付けられる、請求項１～３のいずれか一項に記載の物品。
5. 前記フィラースリーブが、多孔性フィラー材料、香味剤、芳香剤、防臭剤、ケミカルトラップ剤（ｃｈｅｍｉｃａｌ－ｔｒａｐｐｉｎｇ ａｇｅｎｔ）のうちの少なくとも一つを含む、請求項１～４のいずれか一項に記載の物品。
6. 前記基体コアが、前記エアロゾル形成基体を囲むラッパーを含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の物品。
7. 前記基体コアの前記非円形の外側断面が、相互に直交する対称長軸および対称短軸を含み、前記物品が、細片状の発熱体を挿入するための、予め形成された細片状のスロットをさらに備え、前記細片状のスロットが、前記スロットの幅延長部が前記対称長軸と本質的に一致し、前記スロットの厚さ延長部が前記対称短軸と本質的に一致するように、前記基体コアを少なくとも部分的に貫通する、請求項１～６のいずれか一項に記載の物品。
8. 前記基体コアの前記非円形の外側断面が、相互に直交する対称長軸および対称短軸を含み、前記物品が、前記基体コアを少なくとも部分的に貫通する細片状の発熱体をさらに備え、前記発熱体の幅延長部が前記対称長軸と本質的に一致し、前記発熱体の厚さ延長部が前記対称短軸と本質的に一致する、請求項１～７のいずれか一項に記載の物品。
9. 前記細片状の発熱体が抵抗性発熱体またはサセプタ素子である、請求項８に記載の物品。
10. 請求項１～９のいずれか一項に記載のロッド状のエアロゾル発生物品と、前記エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に収容する受け入れチャンバーを含む、電気加熱式のエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。

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