以下、添付図面を参照しながら、本発明の第1~第38の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。また、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1の実施形態]
まず、図1~図25を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る遊技機10について説明する。
[遊技機10の概略構成]
ここで、図1は遊技機10の外観斜視図、図2及び図3は遊技機10の展開図、図4は遊技機10の遊技盤31の正面図である。以下、本実施形態で使用する前後左右及び上下の表現は、図1~図3に示されている前後方向D1、上下方向D2、及び左右方向D3により定義されるものとする。
図1~図3に示すように、遊技機10は、前面枠11、内枠12、裏パックユニット13、及び外枠14を備えるパチンコ遊技機であり、遊技ホールの島設備(不図示)に外枠14が固定されることにより遊技ホールに設置される。なお、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)、アレンジボール遊技機、じやん球遊技機のような他の遊技機にも本発明が適用可能である。
[前面枠11の構成]
前面枠11は、外枠14で左端部が回動可能に支持されることにより外枠14に対して開閉可能である。また、内枠12は、前面枠11で左端部が回動可能に支持されることにより前面枠11に対して開閉可能である。さらに、裏パックユニット13は、内枠12で左端部が回動可能に支持されることにより内枠12に対して開閉可能である。
前面枠11は、操作ボタン20、発射ハンドル22、上皿23、下皿24、パネル25、スピーカ26、及び電飾部27等を備える。
操作ボタン20は、上皿23の前方に設けられている。操作ボタン20は、押下操作の有無に応じて、後述の音声ランプ制御装置5に対する入力信号を切り換える操作スイッチ20a(図10参照)を備える。これにより、音声ランプ制御装置5では、操作ボタン20の操作状態(操作あり及び操作なし)を判断することが可能である。この操作ボタン20は、特図遊技演出における予め定められた特定期間での遊技者による操作ボタン20に対する操作を契機として実行される操作ボタン演出等を実行させるために操作される。
なお、操作ボタン20の設置位置は、上皿23の前方に限らず、遊技者が操作可能な位置であれば前面枠11の任意の位置であってよい。また、操作ボタン20は、一つに限らず二つ以上であってもよい。さらに、遊技者による操作の有無を検出するために用いることが可能であれば、操作スイッチ20aは、接点式スイッチに限らず、例えば圧電素子等であってもよい。
また、操作ボタン20に代えて、タッチキーを表示し、そのタッチキーの遊技者による操作を受け付けるタッチパネルが設けられることも考えられる。さらに、操作ボタン20に代えて、パネル25とパネル25に対する遊技者のタッチ操作を検出するタッチセンサとが設けられることも考えられる。また、操作ボタン20は、ジョグダイヤルを備えたものであってもよい。これらの場合には、特図遊技演出においてタッチパネル又はパネル25に対する遊技者の操作が操作ボタン演出等に反映されることになる。
発射ハンドル22は、遊技者が遊技球を発射させるために操作する回転式ハンドルである。遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の回転操作量に応じた強さで後述の遊技球発射機構32から遊技球が発射されることにより基本的な遊技が行われる。遊技機10では、遊技者により発射ハンドル22が操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構32が駆動制御される。
上皿23は、パネル25の下方に配置されており、後述の払出機構130の払出装置132から払い出された遊技球を貯留し、貯留されている遊技球を1列に整列させた状態で遊技球発射機構32に導くために用いられる。また、下皿24は、上皿23のさらに下方に設けられており、上皿23で余剰となった遊技球を貯留するために用いられる。
パネル25は、遊技者が遊技機10の前方から内枠12の遊技盤31を視認することのできる無色透明又は有色透明のガラス又は合成樹脂である。スピーカ26は、前面枠11の上端部の左右に設けられた一対のスピーカであり、遊技演出等において音声出力を行う。なお、スピーカ26の設置位置は、前面枠11の上端部に限らない。また、電飾部27は、表示ランプ、LED等の光源を内蔵しており、点灯又は点滅等の点灯態様によりランプ演出を実行する。
[内枠12の構成]
図2及び図3に示すように、内枠12は、遊技盤31、遊技球発射機構32、及び制御ユニット33を備える。なお、図2では図示の簡略化のために遊技盤31の盤面上の記載を省略している。
制御ユニット33は、メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332を有する。なお、遊技機10では、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332の一方向に、制御内容を指示するためのコマンド(制御信号)が送信される。メイン制御ユニット331及びサブ制御ユニット332の詳細については後段で詳述する。
図4に示すように、遊技盤31には、内レール311、外レール312、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、可変入賞口316bを有する可変入賞装置316、アウト口317(排出口)、第1スルーゲート318、第2スルーゲート319、可変表示ユニット34、メイン表示部37、振分装置35及び普通電動役物である電動サポート部材36(可動役物部材)が設けられている。以下、左第1始動口314L及び右第1始動口314Rは、機能が同一な入賞口に該当し、これらを総称して「第1始動口314」と称する。第1始動口314及び第2始動口315を総称して「始動口314,315」と称することがある。また、第1スルーゲート318及び第2スルーゲート319を総称して「スルーゲート318,319」と称することがある。なお、一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315、及び可変入賞口316bは、互いに機能が異なる入賞口に該当する。
内レール311及び外レール312は、遊技球発射機構32から発射された遊技球を遊技盤31の盤面上の遊技領域に向けて送り出すための搬送路である。そして、内レール311及び外レール312から発射された後、各種入賞口(一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315又は可変入賞口316b)に入球しなかった遊技球はアウト口317から排出される。
ここで、遊技球発射機構32は、図2に示すように、発射レール321、球送り装置322、及びソレノイド323を備える。発射レール321は、遊技球発射機構32から遊技盤31の内レール311及び外レール312に向けて形成されており、遊技球発射機構32から発射される遊技球を内レール311及び外レール312に導くものである。球送り装置322は、ソレノイド等の駆動手段を有しており、上皿23に貯留されている遊技球を1球ずつ発射レール321上に供給する。ソレノイド323は、発射レール321上に供給された遊技球を内レール311及び外レール312に向けて発射させる駆動手段である。そして、遊技機10では、遊技者による発射ハンドル22の操作に応じてソレノイド323が駆動制御され、遊技球が遊技球発射機構32から遊技盤31に発射される。なお、遊技球発射機構32は、ソレノイド323に代えてモーター等の他の駆動手段を用いて遊技球を発射させる機構であってもよい。
図4の説明に戻り、一般入賞口313、第1始動口314、第2始動口315、可変入賞口316b、及びアウト口317には、遊技盤31を前後方向に貫通する開口部が形成されている。そして、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、及び可変入賞口316b各々は、遊技球の通過を個別に検出可能な入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a(図10参照)を備える。入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316aは、例えば貫通孔を有する近接センサである。
スルーゲート318,319は、遊技球が通過し得るゲートである。スルーゲート318,319は、スルーゲート318,319を通過する遊技球を個別に検出可能な入球センサ318a,319a(図10参照)を有する。入球センサ318a,319aは、例えば貫通孔を有する近接センサである。スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合には、第2始動口315への入賞をサポートする普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選(普通判定)が行われる。但し、普通図柄当たり抽選は、大当たり遊技状態では実行されない。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果は、後述の普通図柄表示器373でのLEDランプ対の点灯及び消灯の組み合わせである普通図柄によって明示される。以下、「普通図柄」を「普図」と略称することがあり、例えば「普図乱数記憶エリア」は「普通図柄保留エリア」の略称である。
ここで、第1スルーゲート318は、遊技盤31の下部中央に配置された振分装置35の第2通路352に設けられ、入球センサ318aによって第2通路352での遊技球の通過を検知する。遊技盤31では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の左側を通過する場合、即ち左打ちしている場合に遊技球が第1スルーゲート318を通過する可能性がある。なお、第1スルーゲート318は、振分装置35における右第1始動口314Rに至る経路での電動サポート部材36の上流側であればよく、例えば振分部材38の上方の導入口350付近に配置してもよい。また、第1スルーゲート318は、振分装置35の外部において、命釘(へそ釘)31Hの近傍に配置することも考えられ、命釘(へそ釘)31Hを省略し、命釘(へそ釘)31Hが設けられていた部分に配置することも考えられる。さらに、入球センサ318aによって特定領域(本実施形態では振分装置35の第2通路352)での遊技球の通過を検知できればよく、スルーゲートとして構成する必要はない。この場合、入球センサ318aの位置に特定領域であることを示す目印を振分装置35に付すことも考えられる。
一方、第2スルーゲート319は、遊技盤31の右側において、可変入賞装置316の右部上方に設けられている。遊技盤31では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の右側を通過する場合、即ち右打ちしている場合に遊技球が第2スルーゲート319を通過する可能性がある。
入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a(図10参照)はメイン制御ユニット331に電気的に接続されており、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aの検出結果はメイン制御ユニット331に入力される。以下、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aにより遊技球の入球が検出されることを入賞と称することがある。なお、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aは、例えば電磁誘導型の近接センサであるが、他の検出手法により遊技球の入球を個別に検知することが可能な任意のセンサであってもよい。
可変入賞装置316は、可変入賞口316bの他に、可変入賞口316bへの遊技球の入球の制限の有無を切り換える開閉扉316cを有する。開閉扉316cは、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイド等の駆動手段によって開閉される。そして、可変入賞装置316では、開閉扉316cが開くことにより可変入賞口316bへの遊技球の入球が可能となり、開閉扉316cが閉じることにより可変入賞口316bへの遊技球の入球が制限される。可変入賞装置316は遊技盤31の右側に配置されており、開閉扉316cは大当たり遊技の開閉実行モードでのラウンド遊技において開放される。そのため、遊技者は、大当たり遊技での抽選結果が大当たりであることを契機として大当たり遊技状態に移行した場合に、開閉扉316cが開放するラウンド遊技において右打ちをすることで可変入賞口316bへ遊技球を入賞させることができる。これにより、遊技者は、大当たり遊技において、特図遊技よりも多くの賞球を得ることが可能になる。
遊技機10では、左第1始動口314L、右第1始動口314R又は第2始動口315への遊技球の入球が入球センサ314La,314Ra又は入球センサ315aによって検出されると、メイン制御ユニット331により大当たり抽選(特別判定)が行われる。そして、メイン制御ユニット331は、大当たり抽選での抽選結果に従ってメイン表示部37の表示を制御する。また、メイン制御ユニット331による抽選結果は、サブ制御ユニット332に送信され、サブ制御ユニット332は、抽選結果に従って可変表示ユニット34の表示等を制御する。
また、遊技機10では、一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、及び可変入賞口316bへの遊技球の入賞が、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316aによって検出されると、予め設定された数の賞球が払い出される。例えば、一般入賞口313に入球した場合の賞球数は10個、第1始動口314又は第2始動口315に入球した場合の賞球数は3個、可変入賞口316bに入球した場合の賞球数は13個である。特に、遊技機10では、メイン制御ユニット331で行われた抽選結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態(特別遊技状態)に移行し、可変入賞口316bが開放される後述のラウンド遊技(単位遊技)が所定回数(例えば2回、5回、16回)繰り返されることにより、多量の賞球の払い出しが期待できる。
また、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入賞すると、上述のように大当たり抽選が実行される。そして、大当たり抽選結果が大当たり(第1判定結果及び第2判定結果)である場合は特図遊技状態よりも遊技者にとって有利な予め定められた大当たり遊技状態に移行する。なお、本実施形態では、大当たり遊技状態には、2R通常大当たり遊技状態、2R確変大当たり遊技状態、5R通常大当たり遊技状態、5R確変大当たり遊技状態、及び16R確変大当たり遊技状態が含まれる。2R通常大当たり遊技状態及び2R確変大当たり遊技状態は、可変入賞口316bが、所定時間が経過するまで、又は可変入賞口316bに所定数以上の遊技球が入賞するまで開放されるラウンド遊技が2回行われる開閉実行モードを含む遊技状態である。5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態は開閉実行モードにおいてラウンド遊技が5回行われる遊技状態であり、16R確変大当たり遊技状態は開閉実行モードにおいてラウンド遊技が16回行われる遊技状態である。本実施形態では、いずれの遊技状態でのラウンド遊技も同程度の遊技球の獲得が可能であり、獲得可能な遊技球の点からは、開閉実行モードでのラウンド遊技数が多いほど遊技者に有利な遊技状態である。そのため、本実施形態では、獲得可能な遊技球数の点からは、16R確変大当たりが遊技者とって最も有利であり、次いで5R通常大当たり遊技状態及び5R確変大当たり遊技状態が遊技者とって有利であり、2R通常大当たり遊技状態及び2R確変大当たり遊技状態が遊技者にとって最も不利である。
可変表示ユニット34は、遊技盤31の略中央部に形成されている開口31Aを通して視認可能に配置された液晶ディスプレイ等の図柄表示部341を有している。この図柄表示部341は、静止画又は動画を表示するものであり、図柄表示部341の表示内容は、サブ制御ユニット332によって制御される。具体的に、図柄表示部341では、第1始動口314又は第2始動口315への入球に応じてメイン制御ユニット331により行われる大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄変動表示及び特図遊技演出表示のような種々の表示が行われる。また、図柄表示部341は、ドットマトリクス、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等であってもよく、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイと、有機ELディスプレイとを組み合わせたものであってもよい。さらに、図柄表示部341とは別に、1又は複数のサブ表示部を設けることも考えられる。サブ表示部は、例えば図柄表示部341の上部や下部、又は左部や右部に配置される。サブ表示部は図柄表示部341を覆う位置と図柄表示部341を覆わない位置との間を移動可能なものでもよい。また、サブ表示部は上皿23に配置してもよい。
例えば、図柄表示部341における図柄変動表示は、例えば「1」~「9」の数字が付された複数種類の主図柄が縦方向、横方向、斜め方向等に順にスクロールすることにより行われる。なお、主図柄の間には、他の文字又は図柄等の副図柄が表示されてもよい。また、本実施形態では、副図柄はなく、主図柄の種類が「1」~「9」の9種類であるとする。
遊技機10では、特図遊技において、図柄表示部341における図柄変動表示の開始から予め設定されている変動表示時間の経過後に、全ての主図柄の変動が停止するように図柄変動表示が実行される。より具体的に、図柄変動表示では、まず予め設定されている変動方向(例えば横方向、縦方向等)に沿って主図柄が全て変動し、複数の主図柄の変動が順に停止する。そして、全てのラインにおける主図柄の変動が停止して所定時間が経過すると、当該図柄変動表示が終了する。
メイン表示部37では、遊技盤31の右上部に配置され、第1特別図柄表示器371(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄表示器372(第2特別図柄表示部)、普通図柄表示器373、及び保留数表示器374を備える。なお、メイン表示部37の配置は、遊技盤31の左下部や右下部であってもよい。
第1特別図柄表示器371は、第1始動口314への入賞に対する大当たり抽選での抽選結果を表示する7セグメント表示器である。第1特別図柄表示器371としての7セグメント表示器で表示される図柄は、第1特別図柄と称される。なお、第1始動口314への入賞に対して、大当たり抽選での抽選結果を表示するために第1特別図柄表示器371において第1特別図柄が変動表示した後に停止表示することを第1特別図柄遊技という。
第2特別図柄表示器372は、第2始動口315への入賞に対する大当たり抽選での抽選結果を表示する7セグメント表示器である。第2特別図柄表示器372としての7セグメント表示器で表示される図柄は、第2特別図柄と称される。なお、第2始動口315への入賞に対して、大当たり抽選での抽選結果を表示するために第2特別図柄を変動させた後に停止させることで表示することを第2特別図柄遊技という。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して、単に特別図柄と称することがある。また、「特別図柄」を「特図」と略称することがある。例えば、「第1特図」及び「第2特図」は、それぞれ「第1特別図柄」及び「第2特別図柄」の略称であり、「第1特図遊技」及び「第2特図遊技」は、それぞれ「第1特別図柄遊技」及び「第2特別図柄遊技」の略称である。さらに、第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372は、7セグメント表示器に限らず、例えば複数のLEDが直線状、円状、円弧状、マトリックス状等に配置されたLED群であってもよい。
普通図柄表示器373は、スルーゲート318,319への入賞に対して、メイン制御ユニット331における電動サポート部材36(普通電動役物)を作動させるか否か(サポート状態とするか否か)の普通図柄当たり抽選での抽選結果を明示する。普通図柄表示器373は、LEDランプ対を含み、これらのLEDランプの点灯及び消灯の組み合わせである普通図柄によって抽選結果を明示する。なお、普通図柄表示器373は、LEDランプ対に代えて、7セグメントLED等を含む他の表示器によって構成してもよい。
保留数表示器374では、第1始動口314及び第2始動口315への入賞により生じた特別図柄の変動表示の保留数Nが、列状に複数のLEDランプ(本実施形態では8個)の点灯数によって表示される。このような保留数Nに対する表示処理は、図11を参照して後述するRAM412の特図保留格納エリア412bにおける特図保留数記憶エリアNAに記憶された保留数Nに基づいて実行される。
振分装置35は、遊技盤31の中央下部に設けられている。図4及び図5(A)に示すように、振分装置35は、導入口350、振分部材38、第1通路351及び第2通路352を備える。この振分装置35では、導入口350を介して入球した遊技球99が振分部材38の左方向(図4及び図5(A)の反時計回り方向)及び右方向(図4及び図5(A)の時計回り方向)への回動動作によって第1通路351及び第2通路352に交互に振り分けられる。
導入口350は、振分装置35への遊技球の入球を許容する部分である。この導入口350は、遊技盤31の命釘(へそ釘)31Hの直下に配置されている。そのため、導入口350には、命釘31Hを通過した遊技球が導入される。命釘31Hには、主に風車31Fから道釘31Mによって遊技球が導かれる。また、命釘31Hの上方には、遊技盤31の左側に設けられたワープ口31Wを介してステージ31Sに落下した遊技球を命釘31Hに誘導する誘導部31Eが設けられている。そのため、命釘31Hには、ステージ31Sに落下した遊技球も導かれる。ここで、風車31F及びワープ口31Wは、遊技盤31の左側に設けられている。そのため、遊技機10では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の左側を通過するように発射ハンドル22の操作を行う、いわゆる左打ちにより命釘31Hに遊技球を集め、導入口350を介して振分装置35に遊技球を導入させることができる。なお、遊技機10では、遊技盤31に送り出された遊技球が遊技盤31の右側を通過するように発射ハンドル22の操作を行う、いわゆる右打ちをした場合、可変入賞口316bに遊技球が集まり、命釘31Hには遊技球が集まらないように釘が配設されており、右打ちの場合には振分装置35の導入口350からの遊技球の導入が期待できない。従って、右打ちを行うよりも振分装置35を利用したほうが大当たり抽選を受け易く、右打ちに比べて左打ちのほうが遊技者に有利な遊状態(本実施形態では後述のモードA~モードC(図13(B)参照))では、左打ちで遊技を行うことが奨励される。
振分部材38は、導入口350から導入された遊技球を第1通路351又は第2通路352に振り分ける。第1通路351は、下方に開放しており、第1通路351に振り分けられた遊技球は、第1通路351の直下に設けられた左第1始動口314Lに向けた方向に放出される。第2通路352は、下方に開放しており、第2通路352に振り分けられた遊技球は、第2通路352の直下に設けられた右第1始動口314Rに向けた方向に放出される。
図5(A)及び図5(B)に示すように、振分部材38は、回転軸381、仕切片382、球受誘導片383及び偏心部384を有する。振分部材38では、回転軸381を中心として、仕切片382、球受誘導片383及び偏心部384が一体的に回動する。仕切片382は、球受誘導片383の中央から球受誘導片383に対して垂直に延出する。球受誘導片383は、仕切片382よりも左側の左球受誘導片385、及び仕切片382よりも右側の右球受誘導片386を有する。
また、偏心部384は、振分部材38の重心を変えるものであり、移動部材387、及びこの移動部材387を収容する収容部388を有する。移動部材387は、例えば球体、円柱体等であり、振分部材38の姿勢に応じて、収容部388を左右に移動する。振分部材38は、仕切片382が鉛直方向に対して右側に傾斜した右傾斜姿勢である場合(図5(A)及び図5(B)の実線の状態)、移動部材387が収容部388の右側に位置し、移動部材387によって振分部材38の重心が中央よりも右側に偏心される。これにより、振分部材38は、右傾斜姿勢を維持できる。一方、振分部材38は、仕切片382が鉛直方向に対して左側に傾斜した左傾斜姿勢である場合(図5(A)及び図5(B)の仮想線の状態)、移動部材387が収容部388の左側に位置し、振分部材38の重心が中央よりも左側に偏心される。これにより、振分部材38は、左傾斜姿勢を維持できる。
このような振分部材38では、振分装置35に入球された遊技球99が、仕切片382と左球受誘導片385との間、及び仕切片382と右球受誘導片386との間のいずれかに受け止められる。例えば、図6(A)及び図6(B)に示すように、振分部材38が右傾斜姿勢である場合、仕切片382と左球受誘導片385との間で遊技球99を受け止める。また、図6(C)及び図6(D)に示すように、振分部材38は、仕切片382と左球受誘導片385との間で遊技球99を受け止めた場合、遊技球の荷重により左側(反時計周り方向)に回動し、左傾斜姿勢に変化する。これにより、仕切片382と左球受誘導片385とによって受け止められた遊技球99は、左球受誘導片385に沿って左側(第1通路351側)に誘導される。
図7(A)及び図7(B)に示すように、左球受誘導片385に沿って左側に誘導された遊技球99は、第1通路351に沿って落下し、第1通路351の直下に配置された左第1始動口314Lに容易に入賞できる。なお、図4等では、第1通路351が直線状であるが、第1通路351は、屈曲形状、湾曲形状、傾斜形状、又はこれらの2以上の組み合わせた形状等のように、非直線状であってもよい。このような非直線状の第1通路351の場合、左第1始動口314Lは、第1通路351の出口の位置や形状に応じて、第1通路351を通過した遊技球が入賞容易な位置に配置される。
一方、図8(A)に示すように、振分部材38が左傾斜姿勢である場合、仕切片382と右球受誘導片386との間で遊技球99を受け止められる。また、図8(B)に示すように、振分部材38は、遊技球99を受け止めた場合、遊技球の荷重により右側(時計周り方向)に回動し、右傾斜姿勢に変化する。これにより、仕切片382と右球受誘導片386とによって受け止められた遊技球99は、右球受誘導片386に沿って右側に誘導され、第2通路352に沿って落下する。このとき、遊技球99は、第1スルーゲート318を通過する。遊技球99が第1スルーゲート318を通過したことは、入球センサ318a(図10参照)によって検知される。これにより、電動サポート部材36(普通電動役物)を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行う契機が与えられ、この普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に電動サポート部材36が作動される。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率、及び普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりの場合の電動サポート部材36の作動時間は、後述するように遊技状態(モード)に応じた値に設定されている(図13(B)~図13(D)参照)。
図8(B)及び図8(C)に示すように、右球受誘導片386に沿って右側に誘導された遊技球99は、第2通路352に沿って落下し、第2通路352の直下に配置された右第1始動口314Rに向けて移動する。
ここで、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間には、第2始動口315が配置されている。この第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間に形成された球受部391の中央に設けられており、球受部391に落下した遊技球99が第2始動口315に入賞する。また、第2通路352と右第1始動口314Rとの間には、普通電動役物としての板状の電動サポート部材36が配設されている。この電動サポート部材36は、遊技盤31の背面側に設けられたソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限すると共に第2始動口315への遊技球の入賞をサポートする作動位置(第1位置)と、第2始動口315への遊技球の入賞を制限すると共に右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を許容する待機位置(第2位置)との間で、遊技盤31に設けられた開口360において前後方向に移動される。
図8(C)に示すように、電動サポート部材36が待機位置にある場合、電動サポート部材36が遊技盤31から突出していないことから、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞が電動サポート部材36によって制限されることもないため、第2通路352に沿って落下する遊技球は、右第1始動口314Rに容易に入賞できる。なお、第2通路352は、第1通路351と同様な設計変更が可能であり、右第1始動口314Rの配置も第2通路352の形状等に応じて適宜変更される。
これに対して、図9(A)及び図9(B)に示すように、電動サポート部材36が作動位置にある場合、電動サポート部材36が遊技盤31から突出しており、右第1始動口314Rが電動サポート部材36の開閉部362によって塞がれることで、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞が制限される。また、電動サポート部材36が作動位置にある場合、第2通路352に沿って落下した遊技球99は、電動サポート部材36のガイド部363によって球受部391の上方に誘導された後、球受部391に落下する。球受部391に落下した遊技球99は、第2始動口315に入賞する。また、第2始動口315には、可変入賞装置316の下方に設けられたステージ310や電動サポート部材36の上方から流下し、電動サポート部材36によって受け止められた遊技球も入賞し得る。即ち、本実施形態では、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれも、1つの電動サポート部材36によって第2始動口315に入球させることができる。
ここで、図4及び図9(C)に示すように、電動サポート部材36は、可変入賞装置316の下方に設けられたステージ310の左方から右第1始動口314Rの上方の間において左下がり配置される板状部材である。また、図9(C)に示すように、幅方向の縁部上方に突出する一対の壁部361が設けられている。これらの壁部361は、右側(上流側)の上流側の端部から左側(下流側)の下流側の端部に遊技球99を導くガイドとして機能する。そして、電動サポート部材36の中央部よりも左側(下流側)の領域には、複数の遅延ガイド364(本実施形態では4つ)が設けられている。複数の遅延ガイド364は、壁部361から千鳥状に延出しており、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する傾斜状に形成されている。そのため、複数の遅延ガイド364(遅延部)は、前後に蛇行した経路で右側(上流側)から左側(下流側)に遊技球99を移動させる。ここで、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けた場合、遊技機10において予定された以上の利益を得られることを防止できるが、この点については後述する。
なお、電動サポート部材36の構成は、種々に変更可能である。例えば、電動サポート部材36の遅延部は、複数の傾斜状の遅延ガイド364が千鳥状に配置された構成に限定されず、電動サポート部材36は必ずしも板状部材である必要はない。なお、電動サポート部材36の代表的な変形例については、図55~図63を参照して第13~第29の実施形態として後述する。
ところで、上述のように、電動サポート部材36は、特図遊技が実行される特図遊技状態において、スルーゲート318,319での遊技球の通過が検出されることを契機に行われる普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることで作動される。また、電動サポート部材36の作動時間(電動サポート部材36が待機位置ではない時間、又は電動サポート部材36の作動開始から復帰開始までの時間)は、遊技球がスルーゲート318,319を通過したときの特図遊技状態のモード種別(後述のモードA~モードE(図13(B)参照))に応じて決定され、モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間が短く(例えば0.6秒)、モードD及びモードEでは電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間は、第2通路352を通過する遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導可能である一方、右打ち時にステージ310から電動サポート部材36に移動した遊技球や後述の第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394によって誘導されて電動サポート部材36に受け取られる遊技球が第2始動口315に入賞できない時間(例えば0.6秒)に設定される。なお、第1スルーゲート318及び第2スルーゲート319の一方又は両方について、遊技球の通過が検出された場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく電動サポート部材36を作動させるようにしてもよい。
ここで、左打ちにより振分装置35に導入される遊技球は、第1通路351又は第2通路352に振り分けられ、第1通路351の遊技球は左第1始動口314Lに入賞し、第2通路352の遊技球は右第1始動口314Rに向けて落下する。第2通路352から落下する遊技球は、電動サポート部材36が作動していなければ右第1始動口314Rに入球し、電動サポート部材36が作動すれば電動サポート部材36によるサポートによって第2始動口315に誘導される。これに対して、右打ちを行った場合などのように振分装置35の右側を流下する遊技球は、振分装置35に導入されないため第1始動口314には入賞せず、電動サポート部材36に作動により受け取られた場合でも電動サポート部材36の作動時間が短い場合(モードA~モードC)には第2始動口315に遊技球が到達する前に電動サポート部材36が待機位置に復帰し、第2始動口315に入賞しない。具体的には、電動サポート部材36は、ステージ310と右第1始動口314Rとの間に延びる板状であると共に遅延ガイド364を有するものであるため、ステージ310から電動サポート部材36に移動したサポート部材36の右端の遊技球がサポート部材36の左端に到達する時間は、モードA~モードCでの電動サポート部材36の作動時間よりも長くなる。そのため、電動サポート部材36の作動時間が短いモードA~モードCでは、遊技者は、命釘31Hに遊技球を集め、振分装置35を利用して第1始動口314又は第2始動口315に遊技球を入賞させるために左打ちが奨励される。その一方で、モードD及びモードEでは、ステージ310から電動サポート部材36に移動したサポート部材36の右端の遊技球がサポート部材36の左端に到達する時間よりも電動サポート部材36の作動時間が長いため、第2スルーゲート319に遊技球を通過させると共に電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球を入賞させるほうが、第1始動口314に遊技球が入賞する可能性のある振分装置35を利用するよりも遊技者に有利である。そのため、電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEでは、右打ちが奨励される。
ところで、従来の遊技機としては、第1始動部と、この第1始動部とは機能が異なる第2始動部とに交互に遊技球を振り分ける振分装置を備えるものがある。しかしながら、振分装置によって第1始動部と第2始動部とに交互に遊技球を振り分ける場合、遊技が単調になり、遊技の興趣が低下することが懸念される。
これに対して、本実施形態に係る遊技機10では、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球を振り分ける振分装置35を備えると共に、従来の遊技機とは異なり、第1通路351及び第2通路352のそれぞれの出口に下方に同一の機能を有する第1始動口314が設けられている。また、振分装置35では、第1通路351及び第2通路352のうちの第2通路352にのみ第1スルーゲート318が設けられている。そして、第2通路352への遊技球の通過がスルーゲート318によって検知されることを契機として、MPU41によって電動サポート部材36を作動させるか否かの普通判定が行われる。そのため、振分装置35を利用するために左打ちを行った場合、第1通路351によって左第1始動口314Lに遊技球が導かれて左第1始動口314Lに遊技球が入賞する状態、第2通路352によって右第1始動口314Rに遊技球が入賞する状態、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球が導かれる状態になりうる。また、右打ちを行った場合、振分装置35に遊技球が入賞することはなく、第2スルーゲート319への遊技球の通過を契機として電動サポート部材36が作動されることで、第2始動口315に遊技球が導かれる状態になり得る。このように、本実施形態に係る遊技機10は、従来の遊技機のように機能の異なる2種類の始動部(第1始動部及び第2始動部)に遊技球を振り分ける単調なものとは異なり、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入賞可能な複数の状態を達成することができ、遊技が単調になり難く、遊技の興趣を向上させることができる。
また、従来の遊技機としては、第1始動部が左打ち時に入賞可能な位置に配置される一方で、第2始動部がスルーゲート、電動サポート部材などの普通電動役物と共に遊技盤の右側に配置されたものが多く見受けられる。このような遊技機は、左打ちを行った場合に第1始動部に遊技球が入賞可能である一方で、遊技盤の右側に配置された第2始動部に遊技球が入賞しないのに対して、右打ちを行った場合に遊技盤の右側に配置された第2始動部に遊技球が入賞可能である一方で、第1始動部に遊技球が入賞しない。一般に、第1始動部への遊技球の入賞に比べて、第2始動部への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選での大当たりのほうが有利である。例えば、第2始動部への遊技球の入賞を契機として行われる大当たり抽選での大当たりでは、大当たり遊技でのラウンド数が多い大当たりなどのような遊技者に有利な大当たり種別の比率が高い。そして、左打ちの場合と右打ちの場合とで入賞可能な始動部の機能が異なる遊技機では、遊技状態として、大当たり当選確率及び普通図柄当たり当選確変が低く、特図変動時間及び普図変動時間が長い通常モードと、大当たり当選確率及び普通図柄当たり確率が高く、特図変動時間及び普図変動時間が短い時短確変モードとを有する。また、通常モードでは、普通図柄当たり当選確率が低い上に普図変動時間が長いだけでなく、普通図柄当たりの場合の普通電動役物のサポート時間が短い。そのため、通常モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポート時間が短い上に、普通電動役物のサポートを低頻度でしか受けることができない。即ち、通常モードでは、右打ちを行っても普通電動役物のサポートによる恩恵をほとんど受けることができないだけでなく、第1始動部への遊技球の入賞が望めないため、左打ちで遊技を行うことが得策である。これに対して、時間確変モードでは、普通図柄当たり当選確率が高い上に普図変動時間が短いだけでなく、普通図柄当たりの場合の普通電動役物のサポート時間が長い。そのため、時短確変モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポート時間が長い上に、普通電動役物のサポートを高頻度で受けることができる。即ち、時短確変モードでは、左打ちにより第1始動部に遊技球を入賞させる場合に比べて、右打ちを行うことで第2始動部への入賞させるほうが得策である。つまり、通常モードにおいて左打ちを行うことで第1始動部に遊技球を入賞させて第1特図遊技を行う一方、時短確変モードにおいて右打ちを行うことで第2特図遊技を行うことが遊技者にとっての利益が最大になる。また、確変モードとして、時短確変モードに加えて、確変モードであることが明示されない、いわゆる潜伏確変モードを有する遊技機もある。潜伏確変モードは、時短確変モードと同様に大当たり当選確率が高いが、一般に普通電動役物のサポートに関しては通常モードと同様である。即ち、潜伏確変モードでは、スルーゲートへの遊技球の通過を契機とする普通図柄抽選に対する普通図柄の変動時間が長く、普通図柄抽選での普通電動役物作動の当選確率が低いため、第2始動部への遊技球の入賞に対する普通電動役物のサポートを低時間かつ低頻度でしか受けることができない。そのため、潜伏確変モードでは、右打ちを行った場合に第2始動部への入賞がほとんど期待できないことから、通常モードと同様に左打ちにより第1始動部に遊技球を入賞させることで第1特図遊技を行うことが奨励される。通常モードや潜伏確変モードに限らず、左打ちが奨励される遊技状態では、例えば普通電動役物によるサポートを受け難くするなどの右打ちによる利点を無くすことが好ましい。
これに対して、遊技機10では、振分装置35を備えるものの、特図遊技状態として従来の遊技機と同様に確変モード(高確率モード)であることが明示されず、左打ちが奨励される潜伏確変に相当するモードCを含むものであり、モードCでは普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に電動サポート部材36が短時間ながら作動する。そのため、遊技機10でも、モードCにおいて右打ちにより電動サポート部材36が作動した場合であっても第2始動口315に遊技球が入賞しないようにすることが好ましい。そして、遊技機10では、普通電動役物としての電動サポート部材36に遅延部としての複数の遅延ガイド364が設けられている。ここで、電動サポート部材36に遅延部としての複数の遅延ガイド364が設けられていない場合、電動サポート部材36の遊技球99は、直線的な経路で右側(上流側)から左側(下流側)に向けた方向に移動する。これに対して、本実施形態のように電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けた場合、電動サポート部材36の遊技球99は、電動サポート部材36において蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に向けて移動する。そのため、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設けることで、電動サポート部材36での移動距離が大きくなり、電動サポート部材36での遊技球99の滞留時間を長く確保できる結果、電動サポート部材36の遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を、モードCでの電動サポート部材36の作動時間よりも長くできる。これにより、特図遊技状態が上述のモードCである場合、またモードCと同様に左打ちが奨励されるモードA及びモードBである場合、即ち電動サポート部材36の作動時間が短いモードである場合、遊技者が右打ちを行うなどして電動サポート部材36に遊技球が受け取られたとしても、電動サポート部材36によって第2始動口315に遊技球が誘導される前に電動サポート部材36が待機状態に復帰するため、遊技球を第2始動口315に入賞させることが困難になる。これにより、奨励される打ち方(左打ち)以外の打ち方(右打ち)を行った場合に、第2始動口315に遊技球が入賞され難くなる。即ち、遊技機10では、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
また、図4及び図5(A)に示すように、電動サポート部材36の上方には、可変入賞装置316の下方のステージ310と振分装置35との間に、複数の釘により構成される第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394(退避誘導部)が設けられている。これらの退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域である電動サポート部材36の上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する。即ち、退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を第2始動口315からより遠い位置に誘導する。そのため、第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394を設けた場合、上方から流下する遊技球を電動サポート部材36における第2始動口315から離れた位置で受け取らせるができ、遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、電動サポート部材36に遅延ガイド364を設ける場合と同様に、電動サポート部材36によって受け取られた遊技球が、モードA~モードCにおいて、電動サポート部材36の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2動始動口315に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に電動サポート部材36によるサポートを受け難くすることができる。また、遊技機10では、遊技盤31に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部(第1退避誘導釘393及び第2退避誘導釘394)を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、電動サポート部材36が短時間作動する場合に電動サポート部材36によるサポートを受け難くすることができる。
なお、退避誘導部としては、退避誘導釘393,394に代えて、樹脂成形、金属加工、これらの組み合わせ等により形成されたブロック状部材等を採用することも考えられる。
一方、モードD及びモードEで遊技球がスルーゲート318,319を通過することを契機とする普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合、電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。例えば、第1スルーゲート318を通過した遊技球は、第1スルーゲート318から電動サポート部材36の最下流端までの距離が短く、モードCのように電動サポート部材36が短時間作動される場合でも第2始動口315に入賞可能であるため、電動サポート部材36が長時間作動されるモードD及びモードEにおいても第2始動口315に入賞される。一方、第2スルーゲート319を通過した遊技球、又は当該遊技球の前後に発射された遊技球は、第2スルーゲート319から電動サポート部材36の最下流端までの距離が長いが、電動サポート部材36の作動時間が長いために、たとえ電動サポート部材36に遅延部364が設けられる場合であっても、第2始動口315に入賞される。このように電動サポート部材36の長時間作動が実行される場合、振分装置35の第2通路352を通過して落下する遊技球だけでなく、振分装置35の右側領域を流下する遊技球や可変入賞口316bの下方のステージ310に落下した遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導され得る。但し、振分装置35に導入された遊技球は、上述のように第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球を振り分けるため、電動サポート部材36が長時間作動する遊技状態であるモードD及びモードEにおいて左打ちを行うことは電動サポート部材36のサポートによる恩恵を十分に受けることができない。従って、電動サポート部材36が長時間作動される遊技状態であるモードD及びモードEでは、遊技者は、遊技盤31に配置された第2スルーゲート319に遊技球を通過させることで電動サポート部材36を作動させるべく、右打ちで遊技を行うように発射ハンドル22を操作することが奨励される。
[裏パックユニット13]
図3に示すように、裏パックユニット13は、払出機構130及び周辺制御ユニット140を備える。
払出機構130は、遊技ホールの島設備(不図示)から供給される球技球を貯留するタンク131と、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出す払出装置132とを備える。なお、上皿23の遊技球が飽和している場合、払出装置132から払い出される遊技球は下皿24に払い出される。
図10に示すように、周辺制御ユニット140は、払出制御装置7、発射制御装置8、及び電源制御装置9を備える。払出制御装置7は、払出装置132による遊技球の払出数等を制御する。発射制御装置8は、発射ハンドル22の操作に応じて遊技球発射機構32を制御する。電源制御装置9は、遊技機10が接続された島設備(不図示)から供給される電力を所定の電圧レベルに変換し、遊技機10内に設けられた制御装置及び駆動手段に供給する。
[遊技機10のシステム構成]
次に、図10を参照しつつ、遊技機10のシステム構成について説明する。
[メイン制御ユニット331]
メイン制御ユニット331は、遊技機10における遊技の主たる制御を実行する主制御装置4を備える。主制御装置4は、予め設定された大当たり遊技状態への移行の抽選として、大当たり抽選を実行する。主制御装置4には、MPU41及び入出力I/F42等が搭載されている。MPU41は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、本発明の主制御手段の一例である。また、MPU41には、ROM411及びRAM412が内蔵されている。MPU41は、ROM411等に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、主制御装置4で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
入出力I/F42は、主制御装置4に信号を入力し、主制御装置4から制御信号を出力する入出力インターフェースである。また、入出力I/F42には、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a及びメイン表示部37等が接続されている。そして、MPU41は、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aからの検出信号に基づいて一般入賞口313、左第1始動口314L、右第1始動口314R、第2始動口315、可変入賞口316b、スルーゲート318,319への入球の有無を判断する。また、入出力I/F42には、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7、発射制御装置8及び電源制御装置9等が接続されている。
そして、MPU41は、音声ランプ制御装置5に、変動パターンコマンド、シフトコマンド等のコマンドを出力する。
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、図柄表示部341及びメイン表示部37による図柄変動表示を開始する際に、後述の特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図22の特図変動開始処理でのステップS1808において設定される。なお、変動パターンコマンドは、変動表示時間のみを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドであってもよい。この場合、大当たり抽選での抽選結果や大当たり種別を音声ランプ制御装置5に通知するコマンドは、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定される。
シフトコマンドは、保留数Nが減少する場合に、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8での大当たり抽選での抽選結果を示す特図当否情報がシフトしたことを音声ランプ制御装置5に通知するコマンドである。シフトコマンドは、図21のデータ設定処理でのステップS1704において設定される。
なお、前述のコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるがそれらの説明は省略する。
また、主制御装置4には、MPU41に動作クロックを供給する手段として、発振回路及び分周回路等も搭載される。発振回路は、予め定められた所定周波数のクロック信号を出力し、分周回路は、発振回路から出力されるクロック信号の周波数を変更してMPU41に入力する。具体的に、MPU41によって実行される後述の主タイマ割込処理の実行周期は、分周回路から出力されるクロック信号によって定まる。
本実施形態では、分周回路からMPU41に、予め設定された間隔(例えば4msec)でクロック信号が供給され、MPU41が、クロック信号の立ち上がり(又は立下り)が発生するごとに後述の主タイマ割込処理を起動して実行するものとする。なお、発振回路及び分周回路は、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にも必要に応じて搭載され、サブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140における制御主体の動作クロックを供給する。また、メイン制御ユニット331からサブ制御ユニット332及び周辺制御ユニット140にクロック信号が供給されてもよい。
ROM411は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。RAM412は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU41によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。例えば、RAM412は、音声ランプ制御装置5等に送信されるコマンドの設定等に用いられる。なお、RAM412は不揮発性の記憶部であってもよい。
ここで、図11を参照しつつ、遊技機10の主制御装置4のMPU41が大当たり抽選等を行うための記憶領域について説明する。具体的には、MPU41は、RAM412の抽選用カウンタ412a、及び特図保留格納エリア412bに格納されるカウンタ情報を用いて、大当たり抽選及び変動表示時間の設定等を実行する。
抽選用カウンタ412aには、大当たり当選の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判断する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、外れ種別を判断する際に使用するリーチ乱数カウンタC3とが含まれる。また、抽選用カウンタ412aには、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する大当たり乱数初期値カウンタCIN1と、メイン表示部37及び図柄表示部341における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS1とが含まれる。さらに、抽選用カウンタ412aには、普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させるか否かの抽選に使用する普通図柄当たり乱数カウンタC4と、普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する普通図柄当たり初期値カウンタCIN2とが含まれる。以下、これらの複数種類のカウンタをまとめて説明する場合は単にカウンタと略称する。
そして、カウンタC1~C4,CIN1,CIN2,CS1は、MPU41によって短時間間隔で前回値に1が加算され、予め設定された最大値に達した後に0に戻るループカウンタとして用いられる。カウンタC1~C4,CIN1,CIN2,CS1には更新後の値が記録され、大当たり抽選及び変動表示時間の設定等の際にMPU41によって参照される。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の大当たり乱数初期値カウンタCIN1のカウンタ値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、大当たり乱数初期値カウンタCIN1は、大当たり乱数カウンタC1と同様の範囲内(0~738)で更新されるループカウンタである。大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングでのカウンタ値(乱数値)が特図保留格納エリア412bに格納される。一方、カウンタ値(乱数値)を取得した場合、大当たり乱数初期値カウンタCIN1のカウンタ値を大当たり乱数カウンタC1の初期値として設定する。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM411における当否テーブル記憶エリアに記憶された当否テーブルにより、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率の低い低確率モード(後述のモードA、モードB及びモードD(図13(B)参照))、及び大当たりとなる確率が高い高確率モード(後述のモードC及びモードE(図13(B)参照))に対応して2種類設定されている。ここで、図12(A)は低確率モードに対応する低確率モード当否テーブル、図12(B)は高確率モードに対応する高確率モード当否テーブルの一例を示す図である。図12(A)及び図12(B)に示す例では、低確率モード(モードA、モードB及びモードD)において大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる乱数値の数は3個(0~2)であり、大当たり確率は3/739(=約1/246.3)である。一方、高確率モード(モードC及びモードE)において大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるカウンタ値(乱数値)の数は30個(0~29)であり、大当たり確率は低確率モードの10倍である30/739(=約1/24.6)である。ここで、低確率モード当否テーブル及び高確率モード当否テーブルでは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる3つの乱数値(0~3)が共通するが、共通していないことも考えられる。また、大当たり当選となる乱数値は、連続した値である必要はなく、一部又は全部が離散した値であってもよい。なお、大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)が大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるカウンタ値(乱数値)以外である場合には大当たり抽選での抽選結果が外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングでの大当たり種別カウンタC2のカウンタ値が特図保留格納エリア412bに格納される。遊技機10では、ROM411における振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルにより、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技のそれぞれの大当たりに対して個別に大当たり種別カウンタC2の値が設定されている。即ち、遊技機10では、第1始動口314への遊技球の入賞での大当たり(第1特図大当たり)と、第2始動口315への遊技球の入賞での大当たり(第2特図大当たり)とで大当たり種別の振り分け異なる。ここで、図12(C)及び図12(D)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図である。図12(C)に示す例では、第1始動口314への入賞を契機とする第1特別図柄遊技での大当たりの場合、大当たり種別として2R確変大当たり(第1判定結果)及び2R通常大当たり(第2判定結果)のいずれかに振り分けられる。そして、2R確変大当たりとなる乱数の数は0~14の15個、2R通常大当たりとなる乱数の数は15~19の5個であり、5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりとなる乱数は存在しない。一方、図12(D)に示す例では、第2始動口315への入賞を契機とする第2特別図柄遊技での大当たりの場合、5R確変大当たり(第1判定結果)、16R確変大当たり(第1判定結果)及び5R通常大当たり(第2判定結果)のいずれかに振り分けられる。そして、5R確変大当たりとなる乱数の数は0~4の5個、16R確変大当たりとなる乱数の数は5~14の10個、5R通常大当たりとなる乱数の数は15~19の5個であり、2R通常大当たり及び2R確変大当たりとなる乱数は存在しない。また、本実施形態では、第1特別図柄遊技における確変大当たり(2R確変大当たり)の確率が75%(15/20)であり、第2特別図柄遊技における確変大当たり(5R確変大当たり及び16R確変大当たり)の確率が75%(15/20)である。即ち、遊技機10は、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで、確変大当たりの確率が同じである、いわゆるループ確変機である。
このように、遊技機10では、第1特図大当たりと第2特図大当たりとで大当たり種別の振り分け異なるが、大当たり遊技でのラウンド遊技数は、第2特図大当たりのほうが第1特図大当たりに比べて多く、ラウンド遊技数の点から、第2特図大当たりのほうが遊技者にとって有利である。
なお、本実施形態では、第1特別図柄遊技を実行する契機となる第1始動口314への遊技球の入賞、第2特別図柄遊技を実行する契機となる第2始動口315への遊技球の入賞のそれぞれに対して個別の大当たり種別振分テーブルが設定されており、遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれに入賞したかに応じて大当たり種別の振り分け確率が異なるが、第1特別図柄遊技と第2特別図柄遊技とで大当たり種別の振り分け確率が同一であることも考えられる。また、遊技機10は、ループ確変機に限らず、いわゆるリミット機、ST機、V-ST機、一種二種混合機等のループ確変機とは異なるスペックの遊技機として構成することも考えられる。なお、遊技機10をリミット機、ST機、V-ST機、及び一種二種混合機に適用した例については、図28~図50を参照し、第3~第6の実施形態として後述する。
そして、MPU41は、特図実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に基づいて、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり(第2判定結果)、2R確変大当たり(第1判定結果)、5R確変大当たり(第1判定結果)、5R通常大当たり(第2判定結果)、16R確変大当たり(第1判定結果)及び外れのいずれであるかを判定する。具体的には、MPU41は、第1始動口314に対する入賞に対しては、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり、2R確変大当たり及び外れのいずれであるかを判定し、第2始動口315に対する入賞に対しては、大当たり抽選での抽選結果が5R通常大当たり、5R確変大当たり、16R確変大当たり及び外れのいずれであるかを判定する。
ここで、大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たり又は2R通常大当たりの場合は、可変入賞口316bが開放されるラウンド遊技が2回繰り返される開閉実行モードが実行される。大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たり又は5R通常大当たりの場合は、可変入賞口316bが開放されるラウンド遊技が5回繰り返される開閉実行モードが実行される。大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりの場合は、ラウンド遊技が16回繰り返される開閉実行モードが実行される。
そして、大当たり遊技が終了した場合、大当たり遊技状態から大当たり種別に応じたモード(遊技状態)に移行する。ここで、図13(A)は大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定するモード移行テーブルである。図13(A)に示す例では、大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードBに移行する。抽選結果が2R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードCに移行する。抽選結果が5R通常大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードDに移行する。抽選結果が5R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。即ち、第1始動口314L,314Rに対する入賞での大当たりの場合の大当たり種別が2R通常大当たり又は2R確変大当たりであるため(図12(C)参照)、第1始動口314L,314Rに対する入賞での大当たりでは大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに移行する。一方、第2始動口315に対する入賞での大当たりの場合の大当たり種別が5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりであるため(図12(D)参照)、第2始動口315に対する入賞での大当たりでは大当たり遊技の終了後にモードD又はモードEに移行する。
ここで、図13(B)は、遊技機10での始動口314L,314R,315への遊技球の入賞により特別図柄が変動する特図遊技状態でのモード種別(モードA~モードE)の内容を規定するモードデータテーブルである。
モードAは、後述する回数限定時短モードであるモードB又はモードDにおいて、上限数の特図遊技が終了した場合、即ち時短が終了する場合に移行するモードであり、後述の説明からも明らかになるが、モードA~モードEのうちで最も遊技者に不利な遊技状態である。また、遊技機10では、主電源のオン時にRAM412の内容がクリアされた場合にも遊技状態がモードAとなる。なお、主電源のオン時にRAM412の内容がクリアされなかった場合の遊技状態は、主電源のオフ時にRAM412に記憶された遊技状態になる。
モードA(第1遊技状態)は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードAは、普通図柄の変動表示時間の短縮(時短)が無く、普通図柄の変動表示時間が通常変動表示時間(例えば30秒)である非時短モードである。そのため、モードAでは、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36の位置を通過する際には普通図柄が変更表示中であり、普通図柄抽選での抽選結果が当たりとなって電動サポート部材36が作動したとしても、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への入賞は期待できない。さらに、モードAは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が低い普通図柄低確率当否テーブルに基づいて普通図柄当たり抽選が行われる普図当たり低確率モードである。従って、モードAでは、電動サポート部材36の作動タイミングに偶発的に遊技球が第2通路352を通過する等のイレギュラーなケースを除いて第1特図遊技が実行され、第2特図遊技は実質的に実行されない。
ここで、図13(C)は、普通図柄低確率当否テーブルの一例を示す。図13(C)に示す普通図柄低確率当否テーブルでは、0~199の200個のカウンタ値(乱数値)からなる普通図柄当たり乱数カウンタC4(図11参照)のうちの1個のカウンタ値(199)が普通図柄当たり抽選での抽選結果の当たりに対応し、残りの199個のカウンタ値(0~198)が抽選結果の外れに対応する。つまり、普通図柄低確率当否テーブルでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が0.5%(1/200)に設定されている。そのため、モードAでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率が低く、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになることでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞に対する期待度が低い。なお、普通図柄低確率当否テーブルに基づく普通当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率は、後述の普通図柄高確率当否テーブルに基づく抽選結果が当たりになる確率と明確な確率差があれば特に制限はなく、抽選結果が当たりになる確率が0%であってもよく、またモードAでは普通図柄当たり抽選を行わないことも考えられる。また、モードAでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。
また、図13(B)に示すように、モードAでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合の電動サポート部材36の作動時間が短い(例えば0.6秒)。そして、上述のように電動サポート部材36の上方には、電動サポート部材36の上方から流下する遊技球を振分装置35(第2始動口315)から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(図4及び図5(A)参照)が設けられている。そのため、モードAでは、上述ように普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりである場合であっても、右打ちにより遊技盤31の右側を流下する遊技球については、電動サポート部材36の作動時間が短いため、右打ちの場合には電動サポート部材36によって第2始動口315への入賞をサポートさせることは困難である。このことに加え、上述の普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率が低いことで、モードAでは、遊技者に有利な大当たり種別に振り分けられる第2始動口315への遊技球の入賞が殆ど期待できない。また、右打ちでは、電動サポート部材36のサポートが期待できないだけでなく、振分装置35への遊技球の導入も期待できない。そのため、モードAでは、左打ちにより遊技盤31の左側で遊技球を流下させ、振分装置35に遊技球を導入させて第1始動口314L,314Rへの遊技球の入賞により大当たり抽選を受けることが奨励される。
このように、モードAでは、左打ちが奨励され、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が低い上に、電動サポート部材36の作動タイミングが遊技球の通過タイミングとはズレているため、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が殆ど期待できない。そのため、モードAでは、大当たり抽選の殆どが第1始動口314L,314Rへの遊技球の入賞に対して行われ、モードAでの大当たり種別は殆どが2R通常大当たり又は2R確変大当たりになる。その結果、モードAからは、大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに極めて移行しやすく、モードD及びモードEには実質移行しない。
モードB(第4遊技状態)は、上述のように2R通常大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードAよりも遊技者にとって有利なモード(遊技状態)である。
モードBは、モードAと同様に大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードBは、モードAとは異なり、普通図柄の変動表示時間が非時短モードの通常変動表示時間(例えば30秒)よりも短縮される短縮変動表示時間である時短モードであり、この時短モードは、最大で、特図遊技の実行回数が予め定められる上限数(例えば50回)に到達するまで継続される。つまり、モードBは、時短回数に上限が設けられる回数限定時短モードであるものの、時短モードであるためにモードAよりも有利なモードである。ここで、短縮変動表示時間は、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36のサポートによって第2始動口315に入賞できる時間に設定され、第1スルーゲート318と電動サポート部材36との位置関係(距離等)、及び電動サポート部材36の作動時間に応じて設定され、例えば0.004秒~0.2秒程度とされる。なお、本実施形態では、図柄表示部341等の演出手段においてモードB(時短モード)であることを明示する演出を実行してもよい。この場合、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。なお、モードBにおいて大当たり抽選での抽選結果が大当たりになることなく上限数の特図遊技が行われた場合にはモードAに移行する。
さらに、モードBは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高い普通図柄高確率当否テーブルに基づいて普通図柄当たり抽選が行われ、この点においてもモードAよりも有利なモードである。ここで、図13(D)は、普通図柄高確率当否テーブルの一例を示す。図13(D)に示す普通図柄高確率当否テーブルでは、普通図柄当たり乱数カウンタC4(図11参照)のカウンタ値(乱数値)のうちの199個(0~198)が普通図柄当たり抽選での抽選結果の当たりに対応し、残りの1個(199)が抽選結果の外れに対応する。つまり、普通図柄高確率当否テーブルでは、普通図柄低確率当否テーブルとは当たりと外れのカウンタ値(乱数値)が反対であり、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が99.5%(199/200)に設定されている。そのため、モードBでは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることによる電動サポート部材36のサポートで第2始動口315へ遊技球が入賞することを期待できる。なお、普通図柄低確率当否テーブルに基づく普通当たり抽選での抽選結果が当たりになる確率は、99.5%である必要はなく、他のパーセンテージであってもよい。また、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。また、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合の普通図柄当たり抽選での当選確率を100%としてもよく、また第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく、電動サポート部材36が短時間作動するようにしてもよい。この場合、モードBでは、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられることで、左第1始動口314Lと第2始動口315との入球比率が50%:50%になる。
また、図13(B)に示すように、モードBでは、モードAと同様に普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が短く(例えば0.6秒)、右打ちでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できない。そのため、モードBでは、モードAと同様に左打ちが奨励される。
このように、モードBでは、電動サポート部材36の作動時間が短いために右打ちではなく左打ちが奨励されるが、モードAとは異なり、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高いため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球については、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できる。具体的には、上述のように振分装置35に遊技球が導入された場合、遊技球が第1通路351と第2通路352とに交互に振り分けられる。第1通路351に振り分けられた遊技球は、左第1始動口314Lに入賞する。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球は、第1スルーゲート318を通過する。このとき、モードBでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過することを契機として普通図柄当たり抽選が普図当たり普通図柄高確率当否テーブルに基づいて行われる。そのため、第2通路352に振り分けられて第1スルーゲート318を通過した遊技球は、高確率(本実施形態では99.5%)で電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞する。なお、普通図柄当たり抽選での抽選結果が外れである場合、第2通路352に振り分けられた遊技球は、右第1始動口314Rに入賞する。
そして、モードBでは、大当たり抽選が、50%の確率で左第1始動口314Lへの遊技球の入賞に対して、49.75%の確率で第2始動口315への遊技球の入賞に対して、0.25%の確率で右第1始動口314Rへの遊技球の入賞に対して行われる。その結果、モードBでの大当たりでは、約半数(50.25%)が2R通常大当たり又は2R確変大当たりとなり、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードB又はモードCに移行する。また、モードBでの大当たりでは、約半数(49.75%)が5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりとなり、5R通常大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードDに移行し、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する(図13(A)参照)。即ち、モードBでは、電動サポート部材36のサポートによって特図遊技のうちの約半数で第2始動口315への遊技球の入賞に対する大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに当選することが期待でき、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は後述するように電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEに移行する。そのため、モードBでは、モードAとは異なり、遊技者とって有利な大当たりに当選する可能性があると共に、有利な大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードBよりも有利なモードに移行するため、この点においてもモードAに比べて遊技者とって有利なモード(遊技状態)である。
モードC(第2遊技状態)は、上述のように2R確変大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA及びモードBよりも遊技者に有利なモード(遊技状態)である。モードCは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い大当たり高確率モード(確変遊技状態)であり、大当たり抽選が高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行われ、この点においてモードA及びモードBよりも遊技者に有利なモード(遊技状態)である。また、モードCは、モードBと同様に時短モードであるが、モードBとは異なり、時短モードが大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなるまで継続される。つまり、モードCは、次回大当たりが保証される大当たり保証時短モードであり、この点においてもモードBよりも有利なモード(遊技状態)である。なお、本実施形態では、モードC(高確率モード)であることが特図遊技や大当たり遊技に対する図柄表示部341等の演出手段での演出において明示されない。即ち、モードCは、いわゆる潜伏確変モードである。もちろん、モードCでは、高確率モードであることを演出手段において明示してもよく、またモードBと同様に時短モードであることを演出手段において明示し、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。
さらに、モードCは、モードBと同様に、普通図柄当たり抽選が普通図柄高確率当否テーブルに基づいて行われるが、モードA及びモードBと同様に、普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が短いことから(例えば0.6秒)、右打ちでの電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できない。そのため、モードCでも左打ちが奨励される。なお、モードCでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行う一方で、第2スルーゲート319を遊技球が通過した場合には普通図柄当たり抽選を行わないようにすることも考えられる。また、モードCでは、第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合の普通図柄当たり抽選での当選確率を100%としてもよく、また第1スルーゲート318を遊技球が通過した場合に普通図柄当たり抽選を行うことなく、電動サポート部材36が短時間作動するようにしてもよい。この場合、モードCでは、第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられることで、左第1始動口314Lと第2始動口315との入球比率が50%:50%になる。
このように、モードCでは、モードA及びモードBと同様に、電動サポート部材36の作動時間が短いために左打ちが奨励されるが、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高いため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球については、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待でき、この点においてもモードAよりも有利なモード(遊技状態)である。そして、モードCでは、モードBと同様に、大当たり抽選が、50%の確率で左第1始動口314Lへの遊技球の入賞に対して、49.75%の確率で第2始動口315への遊技球の入賞に対して、0.25%の確率で右第1始動口314Rへの遊技球の入賞に対して行われる。そのため、モードCでの大当たりで期待される大当たり種別及び大当たり遊技の終了後の移行先のモードは、モードBと同様である。即ち、モードCでは、モードBと同様に、特図遊技のうちの約半数で第2始動口315への遊技球の入賞に対する大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりに当選することが期待でき、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は後述するように電動サポート部材36の作動時間が長いモードD及びモードEに移行する。そのため、モードCでは、モードAとは異なり、またモードBと同様に、遊技者とって有利な大当たりに当選する可能性がある。
モードD(第4遊技状態)は、上述のように5R通常大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA及びモードBよりも遊技者にとって有利なモード(遊技状態)である。モードDは、モードA及びモードBと同様に大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低い大当たり低確率モードであり、大当たり抽選が低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて行われる。また、モードDは、モードBと同様に回数限定時短モードであり、上限数の特図遊技が行われた場合にモードAに移行する。さらに、モードDは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりとなる確率が高い高確率当否テーブルに基づいて行われ、この点においてもモードCと同様である。なお、モードDでは、図柄表示部341等の演出手段での演出において時短モードであることが明示される。この場合、確変であることの可能性を示唆するチャンスゾーンとして演出手段において演出を行ってもよい。
但し、モードDは、モードA~モードCとは異なり、普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が長く(例えば6秒)、この点においてモードA~モードCよりも有利なモード(遊技状態)である。そして、モードDでは、電動サポート部材36の作動時間が長いため、上述のように振分装置35の右側領域を流下する遊技球や可変入賞口316bの下方のステージ310に落下した遊技球が電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導され得る。そのため、遊技盤31の右側に配置された第2スルーゲート319に遊技球を通過させることで電動サポート部材36を作動させるべく、右打ちが奨励される。また、モードDでは、右打ちをした場合には振分装置35へ遊技球が導入され難いため、殆ど第1始動口314L,314Rに遊技球が入賞することなく、高確率(略100%)で第2始動口315に遊技球が入賞して大当たり抽選が行われる。そのため、モードDでの大当たりは、高確率(略100%)で5R通常大当たり、5R確変大当たり又は16R確変大当たりとなる。そして、大当たり種別が5R通常大当たりである場合、この大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードDに移行し、大当たり種別が5R確変大当たり又は16R確変大当たりである場合、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する(図13(A)参照)。即ち、モードDでは、上述のようにモードA~モードCとは異なり、電動サポート部材36の作動時間が長く、専ら第2始動口315への遊技球の入賞に対して大当たり抽選を受けることができる。そのため、モードDは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなった場合の大当たり種別が、遊技球の獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかであり、これらの大当たりに対する大当たり遊技の終了後は電動サポート部材36の作動時間が長いモードD又はモードEに移行するため、これらの点でモードA~モードCよりも有利なモード(遊技状態)である。
モードE(第3遊技状態)は、上述のように5R確変大当たり遊技又は16R確変大当たり遊技の終了後に移行するモードであり(図13(A)参照)、モードA~モードEのうちも最も遊技者に有利なモードである。モードEは、モードCと同様に、大当り抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い大当たり高確率モード(確変遊技状態)であり、大当たり抽選が高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行われると共に、次回大当たりが保証される大当たり保証時短モードでもある。なお、モードEでは、図柄表示部341等の演出手段での演出において確変遊技状態(高確率モード)であることが明示される。
但し、モードEは、モードCとは異なり、モードDと同様に普通図柄当たり抽選に当選した場合の電動サポート部材36の作動時間が長い(例えば6秒)。そのため、モードEは、モードDと同様に右打ちが奨励される。そして、モードEでは、右打ちをした場合には振分装置35へ遊技球が導入され難いため、殆ど第1始動口314L,314Rに遊技球が入賞することなく、高確率(略100%)で第2始動口315に遊技球が入賞して大当たり抽選が行われる。そのため、モードEでの大当たりで期待される大当たり種別及び大当たり遊技の終了後の移行先のモードは、モードDと同様である。即ち、モードEでは、専ら第2始動口315への遊技球の入賞に対して大当たり抽選が受けられるため、獲得期待数の多い5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに高確率(略100%)で当選する。
なお、電動サポート部材36は、一度の普通図柄当たり抽選での当たりに対して複数回作動することも考えられる。例えば、モードD及びモードEにおいて、電動サポート部材36を1.2秒間の作動させる動作を5回行うことで、電動サポート部材36の合計作動時間を6秒とすることも考えられる。但し、先に説明した電動役物36の1回の作動時間及び作動回数は例示であり、適宜変更可能である。もちろん、モードD及びモードEでの電動サポート部材36の作動時間も6秒に限らず、適宜変更可能である。また、モードEにおいて5R通常大当たりのような通常大当たりに当選した場合には、モードDではなく、非時短モードであるモードA、又は電動役物36の作動時間が短いモードBに移行するようにしてもよい。これらの場合、モードDは省略される。
ところで、従来の遊技機としては、電動サポート部材などの普通電動役物が高頻度かつ長時間作動することで第2始動口に入賞しやすい時短モードと、普通電動役物が低頻度かつ短作動する非時短モードとを有するものがある。この種の遊技機では、大当たり抽選確率が低い通常遊技状態では非時短モードとされ、大当たり抽選確率が高い確変遊技状態において時短モードされる。
しかしながら、従来の遊技機は、時短モードにおける普通電動役物によるサポートを受けることができる可能性の理論確率は一定であり、時短モードにおける遊技性に乏しく、新規な遊技性を創出が困難である。
これに対して、遊技機10では、特図遊技状態として、モードA、モードC及びモードEを含む。これらのモードA、モードC及びモードEは、第1始動部と第2始動部との入球比率の期待値が異なる。具体的には、モードAでは第1始動口314に対する入球比率が略100%であり、モードCでは第1始動部と第2始動部との入球比率が略50%:50%であり、モードEでは第2始動口315に対する入球比率が略100%である。そのため、遊技機10によれば、第1始動部と第2始動部との入球比率の期待値が異なる3つモードA、モードC及びモードEに基づいて、遊技性が向上された新規な遊技性を創出することが可能になる。
例えば、本実施形態の遊技機10は、ループ確変機であるが、従来のループ確変機では、第1始動口314に対する入球比率が略100%のモードと、第2始動口315に対する入球比率が略100%のモードとを有していたが、本実施形態の遊技機10のモードCのような第1始動口314と第2始動口315との入球比率が略50%:50%のモードを有するものではなかった。一方、多量の遊技価値が付与される大当たりに当選する最も遊技者に有利なモードEへは、典型的にはモードAでの初当たりによって高確率モードのモードCに移行させ、このモードCにおいて略50%の確率の第2始動口315への入賞を契機とする大当たり抽選で大当たりを獲得する必要がある。即ち、遊技機10では、モードEに移行するまでにモードCにおいて第2始動口315での大当たりを獲得するという段階を経る必要があり、最も有利なモードEに移行させるために乗り越えるべき障壁を有するという新規な遊技性がループ確変機に付与される。これにより、遊技が単調となることを抑制しつつ遊技性及び興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDをさらに含むため、遊技性が向上された新規な遊技性を創出しやすくなる。具体的には、モードEには、上述のように典型的には高確率モードのモードCから移行されるが、低確率モードのモードB及びモードDからも移行される。即ち、大当たり抽選での抽選結果が通常大当たりであることで移行されるモードB及びモードDからもモードEに移行される可能性がある。そして、モードB及びモードDが低確率モードであるために、モードCに比べて大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が低いため、モードB及びモードDからモードEに移行されるためには、モードCからモードEに移行される場合に比べてより高い障壁を乗り越える必要がある。また、モードDは電動サポート部材36の作動時間が長いのに対し、モードBは電動サポート部材36の作動時間が短いため、モードBとモードDとでは第2始動口315への入賞のし易さが異なるため、モードBとモードとでモードEに移行させるために乗り越えるべき障壁の高さが異なる。このように、特図遊技状態としてモードB及びモードDを有することで、モードEに移行させるために乗り越えるべき困難さの異なる複数の障壁(本実施形態では3種類の障壁)を有する遊技性がループ確変機に付与される。これにより、遊技が単調となることを抑制しつつ遊技性及び興趣をより向上させることができる。
図11の説明に戻り、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングで特図保留格納エリア412bに格納される。
遊技機10では、リーチ乱数カウンタC3によって、大当たり抽選での抽選結果が外れである場合に図柄表示部341での変動表示の停止結果の種別が選択される。具体的には、ROM411における外れ種別テーブル記憶エリアに記憶された外れ種別テーブルにより、リーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する前後外れリーチ、同じくリーチが発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する前後外れ以外リーチ、及びリーチが発生しない完全外れの3種類の外れ種別ごとに対応するリーチ乱数カウンタC3の値が設定されている。ここで、リーチとは、図柄表示部341における図柄の変動表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの間に、大当たりに当選したことを示す主図柄の図柄組み合わせになりやすい状態が示される変動状態である。一例において、図柄表示部341における有効ライン上の3つの停止位置のうち2つの停止位置に同一の図柄が停止表示され、残りの1つの停止位置に対応する表示図柄が変動する状態である。また、図柄表示部341におけるリーチの変動状態中には、所定のキャラクタ等の動画が表示されて期待度を示唆するストーリー演出処理や、遊技者による操作ボタン20の操作が演出に反映される遊技者参加型の操作演出処理等が実行される。なお、これらの演出処理の実行中には図柄表示部341における変動表示が非表示となること、縮小又は拡大して表示されることも考えられる。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻される。具体的に、変動種別カウンタCS1は、特図遊技演出として、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等の大まかな変動種別を決定するものである。変動種別カウンタCS1は、MPU41により図17を参照して後述するメイン処理が1回実行されるごとに1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。また、変動種別カウンタCS1の値は、遊技球が第1始動口314又は第2始動口315に入賞したタイミングで特図保留格納エリア412bに格納される。
そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1と予め設定された変動テーブルとに基づいて変動表示時間を示す変動パターンを決定する。具体的に、MPU41は、ROM411の変動テーブル記憶エリアに、抽選結果に応じて予め記憶されている低確率モード大当たり変動テーブル、高確率モード大当たり変動テーブル、又は外れ変動テーブルを参照しつつ変動パターンの種別を特定する。なお、これらの変動テーブルは、現在の遊技状態が低確率モードであるか高確率モードであるかに応じて設けられていてもよく、モードA~モードEごとに個別に設けられてもよい。
そして、MPU41は、メイン表示部37の第1特別図柄表示器371、第2特別図柄表示器372及び図柄表示部341による変動表示時間を示す変動パターンを特定すると、その変動パターン及び大当たり抽選での抽選結果を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する。これにより、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて、変動パターン(変動表示時間)及び抽選結果を判断することが可能であり、その変動パターン及び抽選結果に基づいて、図柄表示部341で表示される変動種別及び演出種別等の変動態様の詳細を決定する。そして、音声ランプ制御装置5は、決定した変動態様の詳細に基づいて図柄表示部341に変動表示を実行させ、スピーカ26から変動表示に合わせて音声を再生し、電飾部27を点灯、点滅、消灯させる。
従って、遊技機10では、主制御装置4のMPU41は、図柄表示部341における変動表示について、変動種別カウンタCS1及び変動テーブルに基づいて変動パターン(変動表示時間)を決定する簡易な処理を実行することになる。そのため、遊技機10のMPU41が8ビットマイコンで構成される場合であっても、そのMPU41により安定して大当たり抽選を実行することができる。また、実際に図柄表示部341に表示される変動態様の詳細は音声ランプ制御装置5で決定されるため、その変動態様としては多種多様な変動態様を選択的に実行することが可能である。
普通図柄当たり乱数カウンタC4は、電動サポート部材36を所定時間作動させるか否かの普通図柄当たり抽選に使用するものであり、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に0に戻されるループカウンタである。普通図柄当たり乱数カウンタC4は、後述の図14の主タイマ割込処理でのステップS1003において定期的に更新され、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングでカウンタ値(乱数値)が取得され、このカウンタ値(乱数値)に基づいて、普通図柄当たり抽選が行われる。普通図柄当たり抽選は、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングで、普通図柄が変動表示されていないこと(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅していないこと)、大当たり遊技を実行していないこと、電動サポート部材36が作動していないことを条件に、スルーゲート318,319を遊技球が通過するたびに行われる。即ち、遊技機10では、普通図柄当たり抽選が大当たり抽選のように保留されることはない。一方、普通当たり抽選のために普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウント値(乱数値)を取得した場合、普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2のカウンタ値を普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として設定する。
特図保留格納エリア412bは、第1特図保留エリアRE1、第2特図保留エリアRE2、第3特図保留エリアRE3、第4特図保留エリアRE4、第5特図保留エリアRE5、第6特図保留エリアRE6、第7特図保留エリアRE7、第8特図保留エリアRE8、特図保留数記憶エリアNA、及び特図実行エリアAEを含む。
そして、第1始動口314又は第2始動口315に遊技球が入球した場合には、特図当否情報が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のいずれかに、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく、入賞順に格納される。特図当否情報は、始動口314,315への遊技球の入賞時に取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値である数値情報と、第1始動口314への入賞に対するものであるか、第2始動口315への入賞に対するものであるかを区別できる始動口情報(特図情報)と、特図当否情報を取得したときのモード種別(モードA~モードE)に対するモード情報とを含む。
なお、第1始動口314に対する入賞、及び第2始動口315に対する入賞のそれぞれに対応して、抽選用カウンタ412a(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1等)が個別に設けられてもよい。
このように、遊技機10では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3に加えて、変動種別カウンタCS1が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のいずれかに格納される。第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納されている特図当否情報に基づいて実行される特図遊技に対する大当たり抽選の抽選結果に加えて、図柄表示部341で表示される図柄変動表示の変動パターン(変動表示時間)を事前に判断することが可能である。
具体的に、始動口314,315に遊技球が入球した場合、特図当否情報は、第1特図保留エリアRE1、第2特図保留エリアRE2、第3特図保留エリアRE3、第4特図保留エリアRE4、第5特図保留エリアRE5、第6特図保留エリアRE6、第7特図保留エリアRE7、第8特図保留エリアRE8の優先順位で空いている領域に格納される。特図保留数記憶エリアNAには、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうち特図当否情報が記憶されている数が保留数Nとして格納される。即ち、遊技機10では、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8の最大保留数に対応する合計8つの記憶領域により、始動口314,315への遊技球の入賞履歴としての特図当否情報を入賞順に最大8つまで保留することが可能である。
特図実行エリアAEは、メイン表示部37及び図柄表示部341における図柄変動表示が開始される際に、第1特図保留エリアRE1に格納された特図当否情報を移動させるために用いられる記憶領域である。そして、MPU41は、1回の第1特図遊技又は第2特図遊技の開始に際して、特図実行エリアAEに特図当否情報として記憶されている数値情報及びモード情報に基づいて大当たり抽選を行い、抽選結果が大当たりである場合には、特図当否情報として記憶されている始動口情報(特図情報)に基づいて大当たり種別の振分抽選を行う。また、第1特図保留エリアRE1の特図当否情報が特図実行エリアAEに移動された場合、第2特図保留エリアRE2~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を、それぞれ優先順位が一つ高い第1特図保留エリアRE1~第7特図保留エリアRE7にシフトする。即ち、本実施形態の遊技機10では、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく入賞順に特図当否情報が第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に記憶されると共に、第1始動口314に対する遊技球の入賞と第2始動口315に対する遊技球の入賞とで区別なく入賞順に特図当否情報が特図実行エリアAEにシフトされることで特図当否情報に対する特図遊技が実行される。このように、本実施形態の遊技機10は、特図当否情報の保留及び保留消化(特図遊技の実行)に関して、いわゆるMAX8と称されるものである。
普図乱数記憶エリア412cは、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、入球センサ318a,319aによって遊技球の通過が検出されたタイミングでMPU41によって取得される普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶される記憶エリアである。普図乱数記憶エリア412cには、複数の普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されることはなく、スルーゲート318,319を遊技球が通過したタイミングで、普通図柄が変動表示されていないこと(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅していないこと)、大当たり遊技を実行していないこと、及び電動サポート部材36が作動していないことを条件に、スルーゲート318,319を遊技球が通過するたびに普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶される。即ち、遊技機10では、普通図柄当たり抽選が大当たり抽選のように保留されることはない。また、普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウント値(乱数値)を取得した場合、普通図柄当たり乱数値初期値カウンタCIN2のカウンタ値を普通図柄当たり乱数カウンタC4の初期値として設定する。
[サブ制御ユニット332]
図10に示すように、サブ制御ユニット332は、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6を備えており、主制御ユニット331から入力される制御信号に基づいて図柄表示部341における図柄変動表示及び演出表示を実行する。
[音声ランプ制御装置5]
音声ランプ制御装置5は、MPU51及び入出力I/F52等を備える。MPU51は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU51には、ROM511及びRAM512が内蔵されている。
ROM511は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、ROM511には、特図遊技演出、大当たり遊技演出等で使用される音声、ランプ点滅パターン等の情報も記憶されている。RAM512は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU51によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM512は、不揮発性の記憶部であってもよい。
音声ランプ制御装置5は、ROM511に記憶されている制御プログラムに従った処理をMPU51によって実行することにより、主制御装置4から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて、表示制御装置6にコマンド(制御信号)を出力し、図柄表示部341の表示を制御する。また、音声ランプ制御装置5は、図柄表示部341の表示に合わせてスピーカ26からの音声出力、及び電飾部27の点滅態様も制御する。例えば、MPU51は、遊技演出を実行する場合に、図柄表示部341での画像表示、スピーカ26からの音声出力、及び電飾部27の点滅態様を制御する。
入出力I/F52は、音声ランプ制御装置5に信号を入力し、音声ランプ制御装置5から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F52には、主制御装置4及び表示制御装置6が接続されている。そして、主制御装置4から音声ランプ制御装置5には、変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドが入力される。また、音声ランプ制御装置5は、表示制御装置6に表示変動パターンコマンド等を出力する。なお、表示制御装置6が、主制御装置4からのコマンドを受信し、そのコマンドを音声ランプ制御装置5に入力する構成も他の実施形態として考えられる。また、サブ制御ユニット332が、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の両方の機能を有する一つの制御装置を備える構成も他の実施形態として考えられる。
また、入出力I/F52には、スピーカ26、電飾部27、及びモータードライバ39cが接続されている。そして、音声ランプ制御装置5では、MPU51が、主制御装置4から入力されるコマンドに基づいて、スピーカ26からの音声出力、電飾部27の点滅態様等を制御することが可能である。さらに、入出力I/F52には、操作スイッチ20aが接続されている。これにより、MPU51は、操作ボタン20に対して操作が行われたことを検出し、その検出結果に基づいて、図柄表示部341で実行される遊技演出、スピーカ26からの音声出力、電飾部27の点滅態様等を制御することも可能である。
MPU51は、主制御装置4から入力される変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドに基づいて所定の演算処理を実行する。
具体的に、MPU51は、変動パターンコマンドが入力された場合に、例えば変動パターンコマンドに基づいて変動パターン、演出種別を決定し、その変動パターンに対応する表示変動パターンコマンドを表示制御装置6に送信し、図柄表示部341における主図柄の変動表示を開始させる。このとき、図柄表示部341では、変動パターンコマンドが大当たり抽選で抽選結果が外れを示すものである場合には外れに対応する主図柄の組み合わせが表示される。一方、変動パターンコマンドが大当たり抽選で抽選結果が大当たりを示す場合には大当たり種別に応じた主図柄の組み合わせが表示され。なお、MPU51は、変動パターンコマンドに大当たり種別に関する情報が含まれている場合、この大当たり種別に関する情報をRAM512に記憶し、大当たり遊技開始コマンドを受信した場合に大当たり遊技演出を決定する際にRAM512に記憶された大当たり種別に関する情報を参照する。
[表示制御装置6]
表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力されるコマンド(制御信号)に基づいて図柄表示部341の表示を制御する。具体的に、表示制御装置6は、音声ランプ制御装置5から入力される表示変動パターンコマンド等に基づいて図柄表示部341の表示を制御することにより主図柄の変動表示、及び演出表示を実行する。
表示制御装置6は、MPU61及び入出力I/F62等を備え、入出力I/F62には音声ランプ制御装置5及び図柄表示部341が接続されている。なお、音声ランプ制御装置5及び表示制御装置6の間は双方向通信可能であってよい。
MPU61は、1チップマイコンとして構成された演算装置であり、MPU61には、ROM611及びRAM612が内蔵されている。また、表示制御装置6には、時間を計時するタイマ回路、割込を受け付ける割込回路等の他の回路も内蔵されている。MPU61は、ROM611等に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行する。また、表示制御装置6で実行される処理の一部又は全部は電子回路によって実行されてもよい。
ROM611には、制御プログラムの他、図柄表示部341の図柄変動表示で用いられる主図柄等の変動図柄、予告演出画像、リーチ演出画像、大当たり演出画像、外れ演出画像、大当たり遊技演出で用いられるオープニング演出画像、開閉実行演出画像、エンディング演出画像等の画像が複数種類記憶されている。なお、図柄表示部341に表示される画像には静止画及び動画が含まれる。また、ROM611には、変動表示パターンコマンドごとに対応する表示スケジュールが記憶されている。具体的に、表示スケジュールには、使用する画像の種類や表示タイミングの他、変動図柄の変動表示時間も含まれる。そして、表示制御装置6では、MPU61が、変動表示パターンコマンドに対応する表示スケジュールに従って画像を図柄表示部341に表示させることにより主図柄の変動表示及び演出表示が実現される。
RAM612は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU61によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM612は不揮発性の記憶部であってもよい。
[払出制御装置7]
払出制御装置7には、MPU71及び入出力I/F72等が搭載されている。MPU71は、1チップマイコンとして構成された演算装置である。また、MPU71には、ROM711及びRAM712が内蔵されている。
ROM711は、制御プログラム及びパラメータ情報が予め記憶された不揮発性の記憶部である。また、RAM712は、種々の情報の読み書きが可能な揮発性の記憶部であり、MPU71によって実行される処理の一次記憶領域(作業領域)として使用される。なお、RAM712は不揮発性の記憶部であってもよい。
入出力I/F72は、払出制御装置7に信号を入力し、払出制御装置7から制御信号を出力する入出力インターフェースである。具体的に、入出力I/F72には、払出装置132及び球貸装置100が接続されている。
払出装置132は、前述したように、タンク131から上皿23に向けて遊技球を払い出すものであり、遊技球の払出の有無を切り換える球止部材を駆動させるモーター等の駆動部132aと、払い出される遊技球を個別に検出する払出センサ132bとを備える。払出制御装置7は、払出センサ132bによる検出結果に基づいて駆動部132aを制御することにより任意の数の遊技球を払い出す。
球貸装置100は、遊技機10と併せて島設備に設置される。そして、球貸装置100は、遊技機10の前面枠11に設けられている不図示の球貸操作装置の操作に応じて、球貸装置100に挿入されているカード等の記録媒体に記憶されている金額の範囲内で予め設定された金額に相当する数の遊技球を払い出して遊技者に貸し出すことが可能である。具体的には、球貸装置100から払出制御装置7に、所定数の遊技球を払い出す旨の制御信号が入力されることにより、MPU71により払出装置132が制御されて所定数の遊技球が払い出される。なお、記録媒体はカードに限らず、例えばICチップを内蔵するコイン型、スティック型の記憶媒体であってもよい。また、球貸装置100は、現金の挿入によりその現金に応じた所定数の遊技球を貸し出すことが可能なものであってもよい。
[発射制御装置8]
発射制御装置8は、遊技球発射機構32の駆動を制御する発射制御IC81を備える。具体的に、発射制御IC81は、発射ハンドル22が回転操作されている間、遊技球発射機構32の球送り装置322を駆動させることにより、上皿23に貯留されている遊技球を発射レール321上に供給させる。そして、発射制御IC81は、発射ハンドル22の操作量を検出し、その操作量に応じて遊技球発射機構32のソレノイド323を駆動させることにより、発射レール321上の遊技球を遊技盤31に向けて発射させる。このとき、発射制御IC81は、予め設定された周期(例えば0.6sec)でON/OFFが切り替わるクロック信号を駆動信号として球送り装置322及びソレノイド323を駆動させる。これにより、遊技機10では、0.6secごとに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射される。
また、発射ハンドル22には、遊技者による回転操作量を検出するための可変抵抗が設けられており、発射ハンドル22の回転操作量に応じて電圧が発射制御IC81に入力される。これにより、発射制御IC81は、発射ハンドル22の回転操作量に応じて入力される電圧値に基づいて、発射ハンドル22の回転操作量が多いほど遊技球発射機構32からの遊技球の発射強度が強くなるようにソレノイド323への印加電圧を調整する。
さらに、発射ハンドル22には、遊技者が発射ハンドル22に触れていることを検出するためのタッチセンサ21a、及び遊技者が任意に遊技球の発射を停止させるための操作を行う球止めスイッチ21bが設けられている。発射制御IC81は、タッチセンサ21a及び球止めスイッチ21bを用いて、タッチセンサ21aにより遊技者が発射ハンドル22に触れていないことを検出した場合、又は球止めスイッチ21bが遊技者によって操作されていることを検出した場合に、遊技球発射機構32による遊技球の発射を停止させる。これにより、例えば発射ハンドル22が回転操作された状態で固定され、遊技者が発射ハンドル22に触れていない状況における遊技が防止される。また、遊技者は、発射ハンドル22を回転操作したまま親指等で球止めスイッチ21bを任意のタイミングで操作することにより、球技球の発射を停止させることができる。
[電源制御装置9]
電源制御装置9は、種々のセンサ、駆動部等を駆動するための+12V電圧、制御装置で使用されるロジック用の+5V電圧等を生成する。そして、電源制御装置9は、生成した+12V又は+5Vの電圧を、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、表示制御装置6、払出制御装置7、発射制御装置8等に供給する。
なお、電源制御装置9には、遊技機10の電源をON/OFFするための電源スイッチ90、遊技機10を初期状態に戻す際に操作されるRAM消去スイッチ91が設けられている。遊技機10は、RAM消去スイッチ91がONの状態で電源スイッチ90が操作されて電源が投入された場合に初期化される。
また、電源制御装置9には、電源設備から供給される電力により充電される充電手段としてコンデンサ及び二次電池が設けられている。これにより、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置に設けられたRAMの情報が、前記コンデンサから放電される電力によって所定期間保持される。また、遊技機10では、電源設備からの電力供給が遮断された場合でも、制御装置が、二次電池から放電される電力により所定期間の間は駆動可能である。
さらに、電源制御装置9は、電力供給が遮断されたと判断した場合に、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7等に停電信号を入力する。例えば、電源制御装置9は、電源設備から供給される電力に基づいて予め設定された24Vの直流電圧を出力する場合、その直流電圧が予め設定された22V未満に達した場合に停電状態であると判断する。なお、主制御装置4、音声ランプ制御装置5、払出制御装置7等は、電源制御装置9から停電信号を受信すると、実行中の制御を中断して所定のNMI割込処理を実行する。
[主制御装置4の処理]
次に、図14~図24を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行される処理について説明する。具体的に、遊技機10において、MPU41は、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理、立ち上げ処理後に実行されるメイン処理、定期的に起動される主タイマ割込処理、停電時に実行されるNMI割込処理等を実行する。なお、本実施形態では、立ち上げ処理、NMI割込処理等については説明を省略し、主タイマ割込処理及びメイン処理について説明する。
[主制御装置4の主タイマ割込処理]
ここで、図14は、主制御装置4のMPU41により実行される主タイマ割込処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。主タイマ割込処理は、例えば2msecごとに実行される。
<ステップS1001>
まず、ステップS1001では、MPU41は、主制御装置4に接続されているセンサ又はスイッチの検出状態を判断するセンサ検出処理を実行する。例えば、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319a等の検出状態を判断する。このとき、MPU41は、入球センサ313a,314La,314Ra,315a,316a,318a,319aのいずれかによって遊技球の通過が検出された場合には、その情報を入賞検知情報としてRAM412に保存する。
<ステップS1002>
ステップS1002では、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1003>
ステップS1003では、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通図柄当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び普通図柄当たり乱数カウンタC4でのカウンタ値にそれぞれ1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1004及びS1005>
MPU41は、第1始動口314又は第2始動口315への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(ステップS1004)、発射制御処理を実行する(ステップS1005)。なお、始動入賞処理の詳細は、図15を参照して後述する。
発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていることがタッチセンサ21aにより検出されており、発射を停止させるための球止めスイッチ21bが操作されていないことを条件に、遊技球の発射を有効にする処理である。一方、発射制御処理は、遊技者が発射ハンドル22に触れていないことがタッチセンサ21aにより検出されている場合、又は球止めスイッチ21bが操作されている場合には、遊技球の発射を無効にする処理である。MPU41は、遊技球の発射が有効である場合に、発射制御装置8に対して遊技球の発射指示をする。
<ステップS1006>
ステップS1006では、MPU41は、スルーゲート処理を実行する。スルーゲート処理では、MPU41は、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かの監視を行い、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、RAM412の普図乱数記憶エリア412cに格納された情報の更新を行う。なお、スルーゲート処理の詳細は、図16を参照して後述する。
[始動入賞処理]
ここで、図15を参照しつつ、図14のステップS1004でMPU41により実行される始動入賞処理を説明する。
<ステップS1101>
まず、ステップS1101では、MPU41は、入球センサ314La,314Ra,315aでの検出結果に基づいて、始動口314,315に遊技球が入賞したか否かを判断する。ここで、MPU41は、遊技球が始動口314,315に入賞したと判断すると(ステップS1101:Yes)、処理をステップS1102に移行し、遊技球が始動口314,315に入賞していないと判断すると(ステップS1101:No)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。
<ステップS1102及びS1103>
ステップS1102では、MPU41は、RAM412の特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nが最大保留数(本実施形態では8)であるか否かを判断する。ここで、MPU41は、保留数Nが最大保留数であれば(ステップS1102:Yes)、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。一方、MPU41は、保留数Nが最大保留数でなければ(ステップS1102:No)、保留数Nに1を加算する(ステップS1103)。
<ステップS1104>
ステップS1104では、MPU41は、特図当否情報をRAM412における特図保留格納エリア412bの第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうちの優先順位の高い空き保留エリアに格納する。具体的には、MPU41は、図14のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と、後述の図17のメイン処理におけるステップS1302で更新される変動種別カウンタCS1とのカウンタ値を取得し、それらのカウンタ値(数値情報)をRAM412における第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8のうちの優先順位の高い空き保留エリアに特図当否情報として格納する。また、MPU41は、入球センサ314La,314Ra,315aでの検出結果に基づいて、今回の始動入賞が左第1始動口314L、右第1始動口314R及び第2始動口315のいずれに対するものであるかを特定すると共に、特定した始動口314,315に対する始動口情報を、特図当否情報として第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納する。さらに、MPU41は、数値情報を取得した保留遊技での遊技状態(モードA~モードE)を後述の図23及び図24の遊技状態移行処理のステップS1912、S1919、S1923、S1928及びS1931でオンに設定されるモード種別フラグ(モードAフラグ~モードEフラグ)に基づいてモードを特定すると共に、特定されたモードに対するモード情報を、特図当否情報として第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8に格納する。
<ステップS1105>
ステップS1105では、MPU41は、ステップS1104で取得された特図当否情報が後述の図22の特図変動開始処理のS1802又はS1803における大当たりの当否の判定対象となる前に特図当否情報の内容を確認し、この確認結果に基づいて保留コマンドを設定する保留コマンド設定処理を実行する。なお、ステップS1105での処理が終了した場合、当該始動入賞処理を終了し、処理を図14のステップS1005に移行する。
[スルーゲート処理]
ここで、図16を参照しつつ、図14のステップS1006でMPU41により実行されるスルーゲート処理を説明する。スルーゲート処理では、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かの監視を行い、スルーゲート318,319を遊技球が通過した場合に、RAM412の普図乱数記憶エリア412cに普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)の記憶を行う。
<ステップS1201>
まず、ステップS1201では、MPU41は、入球センサ317a、318aの検知結果に基づいて、スルーゲート318,319を遊技球が通過したか否かを判断する。MPU41は、遊技球がスルーゲート318,319を通過したと判断した場合(S1201:Yes)、処理をステップS1202に移行し、遊技球がスルーゲート318,319を通過していないと判断した場合(S1201:No)、当該スルーゲート処理を終了する。
<ステップS1202>
ステップS1202では、MPU41は、後述の図18の普通図柄制御処理のステップS1412でオンに設定される普図変動表示中フラグに基づいて、普通図柄が変動表示中(普通図柄表示器373のLEDランプ対が点滅中)であるか否かを判断する。MPU41は、普通図柄が変動表示中であると判断した場合(S1202:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、普通図柄の変動表示中には普通図柄当たり抽選を実行せず、電動サポート部材36の作動を開始することもない。一方、MPU41は、普通図柄が変動表示中でないと判断した場合(S1202:No)、処理をステップS1203に移行する。
<ステップS1203>
ステップS1203では、MPU41は、後述の図19の普通電動役物制御処理のステップS1508でオンに設定される電動役物作動中フラグに基づいて、電動サポート部材36が作動中であるか否かを判断する。MPU41は、電動サポート部材36が作動中であると判断した場合(S1203:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、電動サポート部材36が作動中には普通図柄当たり抽選を実行しない。一方、MPU41は、電動サポート部材36が作動中でないと判断した場合(S1203:No)、処理をステップS1204に移行する。
<ステップS1204>
ステップS1204では、MPU41は、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中であるか否かは、例えば図23の遊技状態移行処理のステップS1907でオンに設定される大当たり遊技状態フラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断する。MPU41は、大当たり遊技中であると判断した場合(S1204:Yes)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、MPU41は、大当たり遊技中には普通図柄当たり抽選を実行せず、電動サポート部材36の作動を開始することもない。一方、MPU41は、大当たり遊技中でないと判断した場合(S1204:No)、処理をステップS1205に移行する。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中での普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止しているが、大当たり遊技のうちの開閉実行モードにおいてのみ普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止してもよく、またオープニング及び開閉実行モードにおいて普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を停止してもよい。即ち、エンディングでは、普通図柄当たり抽選及び電動サポート部材36の作動を行うようにしてもよい。
<ステップS1205及びS1206>
普通図柄が変動表示中でなく(S1202:No)、電動サポート部材36が作動中でなく(S1203:No)、かつ大当たり遊技中でもない場合(S1204:No)、MPU41は、普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)を取得し(ステップS1205)、このカウンタ値(乱数値)を普図乱数記憶エリア412cに記憶し(ステップS1206)、当該スルーゲート処理を終了する。即ち、普通図柄が変動表示中でなく、電動サポート部材36が作動中でなく、かつ大当たり遊技中でもないことを条件に、電動サポート部材36を作動させるか否か決定する普通図柄当たり抽選を行うための乱数値を取得し、その乱数値を記憶する。
[主制御装置4のメイン処理]
次に、図17を参照しつつ、主制御装置4のMPU41によって実行されるメイン処理について説明する。メイン処理では変動遊技及び大当たり遊技の進行に対する主要な制御処理が実行される。メイン処理では、ステップS1301~S1308の処理が、例えば4msec周期の定期処理として実行され、ステップS1309~S1311のカウンタ更新処理がステップS1301~S1308の処理の終了後から次周期までの残余時間で実行される。
<ステップS1301>
まず、ステップS1301では、MPU41は、図14の主タイマ割込処理又は前回のメイン処理で設定されたコマンド等の出力データをサブ制御ユニット332や周辺制御ユニット140等の制御装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、RAM412において変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等のコマンドが設定されている場合には、音声ランプ制御装置5にそのコマンドを送信する。また、当該メイン処理での後述のステップS1303の賞球コマンド設定処理においてRAM412に賞球コマンドが設定されている場合には、その賞球コマンドを払出制御装置7に対して送信する。
<ステップS1302>
ステップS1302では、MPU41は、変動種別カウンタCS1の値を更新する。具体的には、MPU41は、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1303>
ステップS1303では、MPU41は、払出制御装置7及びサブ制御ユニット332に出力する賞球コマンドをRAM412に設定する。具体的に、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、一般入賞口313、可変入賞口316b等に入賞が発生したか否かを判断する。そして、入賞が発生している場合は、その入賞に応じて払い出す賞球数を示す賞球コマンドをRAM412に設定する。また、MPU41は、RAM412に記憶されている入賞検知情報に基づいて、可変入賞口316bに入賞が発生していると判断した場合、可変入賞口入賞コマンドをRAM412に設定する。この可変入賞口入賞コマンドは、当該メイン処理のステップS1301の外部出力処理において音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、音声ランプ制御装置5のMPU51は、大当たり遊技において、図柄表示部341に遊技球の払い出し数の表示(出玉表示)を行わせることができる。
<ステップS1304>
ステップS1304では、MPU41は、普通図柄制御処理を実行する。普通図柄制御処理では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されている普通図柄当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)に基づいて、電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細は、図18を参照して後述する。
<ステップS1305>
ステップS1305では、MPU41は、普通電動役物制御処理を実行する。普通電動役物制御処理では、MPU41は、特図遊技状態のモード種別(モードA~モードE)に応じた作動時間だけ電動サポート部材36を作動させる処理を実行する。なお、普通電動役物制御処理の詳細は、図19を参照して後述する。
<ステップS1306>
ステップS1306では、MPU41は、変動遊技における遊技を制御するための特図遊技制御処理を実行する。なお、特図遊技制御処理の詳細については後述するが、特図遊技制御処理では、前述の大当たり抽選が実行され、図柄表示部341による図柄変動表示に必要な変動パターンコマンドが設定される。このとき、MPU41は、図14の主タイマ割込処理のステップS1003で更新される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、並びにステップS1302及びS1311で更新される変動種別カウンタCS1の各値に基づいて、変動表示時間及び大当たり抽選の抽選結果を示す変動パターンコマンドをRAM412に設定すると共に、メイン表示部37の第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372の変動表示及び停止表示の制御を行う。
<ステップS1307>
ステップS1307では、MPU41は、大当たり遊技における遊技の進行を制御するための大当たり遊技制御処理を実行する。大当たり遊技制御処理では、開閉扉316cの開閉を制御する開閉実行モードを実行する。この開閉実行モードでは、可変入賞口316bへの遊技球の入球が可能なラウンド遊技が、大当たり種別に応じて複数回実行される。これにより、遊技者は、大当たり遊技において多くの遊技球の獲得が可能になる。また、大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技の開始時(オープニングの開始時)、開閉実行モードの開始時、開閉実行モードの終了時(エンディングの開始時)、大当たり遊技の終了時(エンディングの終了時)等に各種のフラグ及びコマンドを設定する。例えば、MPU41は、大当たり遊技の進行に応じて、大当たり遊技開始コマンド、大当たり遊技終了コマンド、開閉実行モード開始コマンド、開閉実行モード終了コマンド等のコマンドをRAM412にセットし、大当たり遊技開始フラグ、大当たり遊技終了フラグ、開閉実行モード開始フラグ、開閉実行モード終了フラグ等のフラグのオンオフを制御する。
<ステップS1308>
ステップS1308では、MPU41は、後述の図22の特図変動開始処理におけるステップS1804での大当たり抽選の判断結果などに基づいて、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU41は、所定の条件を満たす場合に遊技状態を大当たり遊技状態、及びモードA~モードEに移行させる。なお、遊技状態移行処理の詳細は、図23及び図24を参照して後述する。
<ステップS1309>
ステップS1309では、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングであるか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判断する。ここで、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングであると判断した場合(ステップS1309:Yes)、処理をステップS1301に移行させ、前述したS1301以降の各処理を実行する。一方、MPU41は、次のメイン処理の実行タイミングでないと判断した場合(ステップS1309:No)、次のメイン処理の実行タイミングが到来するまでの間、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間の間は、次のメイン処理の実行タイミングであると判断するまで(ステップS1309:Yes)、ステップS1309~S1311を繰り返し実行する。
<ステップS1310>
ステップS1310では、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2を更新する。具体的には、MPU41は、大当たり乱数初期値カウンタCIN1及び普通図柄当たり乱数初期値カウンタCIN2でのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にする。
<ステップS1311>
ステップS1311では、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新する。具体的には、変動種別カウンタCS1でのカウンタ値に1を加算し、それらのカウンタ値が最大値に達した場合には当該カウンタ値を0にする。そして、MPU41は、変動種別カウンタCS1を更新した後、処理をステップS1309に戻す。
[普通図柄制御処理]
ここで、図18は、図17のメイン処理でのステップS1304において実行される普通図柄制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通図柄制御処理では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに格納されている普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)に基づいて、電動役物36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行うと共に、普通図柄の変動表示を制御する。
<ステップS1401及びS1402>
まず、ステップS1401では、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、電動サポート部材36を作動させるか否かの普通図柄当たり抽選を行うか否かを判断する。MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されている場合(ステップS1401:Yes)、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数値)を消去し(ステップS1402)、処理をステップS1403に移行する。一方、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されていない場合(ステップS1401:No)、処理をステップS1413に移行する。
<ステップS1403>
ステップS1403では、MPU41は、モード種別がモードAであるか否か、即ち普通図柄当たり抽選を普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて行うか否かを判断する。MPU41は、モード種別がモードAであると判断した場合(ステップS1403:Yes)、即ち普通図柄当たり抽選を普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて行うと判断した場合、処理をステップS1404に移行する。一方、MPU41は、モード種別がモードAでないと判断した場合(ステップS1403:No)、即ちモードB~モードEのいずれかであり、普通図柄当たり抽選を普通図柄高確率当否テーブル(図13(D)参照)に基づいて行うと判断した場合、処理をステップS1407に移行する。
<ステップS1404~S1406>
モード種別がモードAであると判断した場合(ステップS1403:Yes)、MPU41は、普通図柄変動表示カウンタに非時短モードのカウンタ値を設定する(ステップS1404)。このカウンタ値は、非時短モードでの普通図柄の変動表示時間を規定するものであり、例えば30秒に対応する値として設定される。そして、MPU41は、普通図柄低確率当否テーブル(図13(C)参照)に基づいて普通図柄当たり抽選を行い(ステップS1405)、抽選結果が当たりであるか否かを判断する(ステップS1406)。具体的には、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数)が199であるか否かによって抽選結果が当たりであるか否かを判断する。
ここで、MPU41は、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1406:Yes)、処理をステップS1410に移行し、抽選結果が外れであると判断した場合(ステップS1406:No)、処理をステップS1411に移行する。
<ステップS1407~S1409>
モード種別がモードAでないと判断した場合(ステップS1403:No)、即ち遊技状態がモードB~モードEのいずれかであると判断した場合、MPU41は、普通図柄変動表示カウンタに時短モードのカウンタ値を設定する(ステップS1407)。このカウンタ値は、時短モードでの普通図柄の変動表示時間を規定するものであり、第1スルーゲート318を通過した遊技球が電動サポート部材36のサポートによって第2始動口315に入賞できる時間、例えば0.004秒~0.2秒程度に設定される。そして、MPU41は、普通図柄高確率当否テーブル(図13(D)参照)に基づいて普通図柄当たり抽選を行い(ステップS1408)、抽選結果が当たりであるか否かを判断する(ステップS1409)。具体的には、MPU41は、普図乱数記憶エリア412cに記憶されたカウンタ値(乱数)が0~198であるか否かによって抽選結果が当たりであるか否かを判断する。
ここで、MPU41は、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1409:Yes)、処理をステップS1410に移行し、抽選結果が外れであると判断した場合(ステップS1409:No)、処理をステップS1411に移行する。
<ステップS1410>
普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであると判断した場合(ステップS1406又はステップS1409でYes)、MPU41は、抽選結果が当たりであることを示す普図当たりフラグをオンに設定する(ステップS1410)。普図当たりフラグは、後述の図19の普通電動役物制御処理のステップS1503において、電動サポート部材36を作動させるか否かを判断するために参照される。
<ステップS1411及びS1412>
ステップS1411では、MPU41は、普通図柄の変動表示(普通図柄表示器373のLEDランプ対の点滅)を開始し、さらに普図変動表示中フラグをオンに設定し(ステップS1412)、当該普通図柄制御処理を終了する。ここで開始された普通図柄変動表示は、ステップS1404又はステップS1407で設定された普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0になった場合、即ちモード種別に応じて設定される普通図柄の変動表示時間の経過後に、後述のステップS1415において停止表示される。
<ステップS1413>
普図乱数記憶エリア412cに普通当たり乱数カウンタC4のカウンタ値(乱数値)が記憶されていない場合(ステップS1401:No)、MPU41は、ステップS1404又はステップS1407で設定される普通図柄の変動表示時間カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1413)。変動表示時間カウンタの値が0である場合(ステップS1413:Yes)、処理をステップS1414に移行し、変動表示時間カウンタの値が0でない場合(ステップS1413:No)、処理をステップS1418に移行する。
<ステップS1414>
普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0であると判断した場合(ステップS1413:Yes)、MPU41は、普図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1414)。普図変動表示中フラグは、普通図柄が変動中であるか否かを示すものであり、ステップS1412でオンに設定される。換言すれば、MPU41は、普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値が0である場合に(ステップS1414:Yes)、普図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かを判断することで、普通図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、普図変動表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1414:Yes)、処理をステップS1415に移行し、普図変動表示中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1414:No)、当該普通図制御処理を終了する。
<ステップS1415~S1417>
普通図柄の変動カウンタのカウンタ値が0で(ステップS1413:Yes)、普図変動表示中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1414:Yes)、普通図柄の停止表示タイミングであるので、MPU41は、普通図柄表示器373のLEDランプ対を点灯又は消灯させることで普通図柄を停止表示させる(ステップS1415)。即ち、MPU41は、ステップS1405又はS1408における普通図柄当たり抽選での抽選結果を普通図柄の停止表示図柄によって明示する。また、MPU41は、普通図柄が変動中であることを示す普図変動表示中フラグをオフに設定し(ステップS1416)、普図変動停止フラグをオンに設定する(ステップS1417)。普図変動停止フラグは、普通図柄の変動表示が停止されたことを示すフラグであり、後述の普通電動役物制御処理のステップS1501において、電動サポート部材36を作動させるタイミングであるか否かを判断するために参照される。
<ステップS1418>
普通図柄の変動カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1413:No)、普通図柄の停止表示タイミングではないので、MPU41は、普通図柄の変動表示時間カウンタのカウンタ値を1減算し、当該普通図柄制御処理を終了する。
[普通電動役物制御処理]
ここで、図19は、図17のメイン処理でのステップS1305において実行される普通電動役物制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。普通電動役物制御処理では、MPU41は、モード種別(モードA~E)に応じた作動時間だけ普通電動役物としての電動サポート部材36を作動させる処理を実行する。
<ステップS1501>
まず、ステップS1501では、MPU41は、図18の普通図柄制御処理のステップS1417でオンに設定される普図変動停止フラグがオンに設定されているか否か、即ち電動サポート部材36を作動させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、普図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1501:Yes)、普通変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1502)、処理をステップS1503に移行する。一方、MPU41は、普図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1501:No)、処理をステップS1509に移行する。
<ステップS1502及びS1503>
普図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1501:Yes)、MPU41は、普通変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1502)、普図当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1503)。普図当たりフラグは、普通図柄当たり抽選での抽選結果が当たりであることを示すものであり、図18の普通図柄制御処理のステップS1410でオンに設定される。MPU41は、普図当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、処理をステップS1504に移行し、普図当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1504~S1506>
普図当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1503:Yes)、MPU41は、モード種別がモードA~モードCのいずれかであるか否かを判断する。MPU41は、モード種別がモードA~モードCのいずれかであると判断した場合(ステップS1504:Yes)、電動役物作動カウンタのカウンタ値の初期値として、電動サポート部材36をショート作動させるための値を設定し(ステップS1505)、処理をステップS1507に移行する。ショート作動の場合の初期値は、例えば0.6秒に対応する値とされる。一方、モード種別がモードA~モードCのいずれでもないと判断した場合(ステップS1504:No)、即ちモードD又はモードEである場合、電動役物作動カウンタのカウンタ値の初期値として、電動サポート部材36をロング作動させるための値を設定し(ステップS1506)、処理をステップS1507に移行する。ロング作動の場合の初期値は、例えば6秒に対応する値とされる。
<ステップS1507及びS1508>
ステップS1507では、MPU41は、電動サポート部材36の作動を開始し、さらに電動役物作動中フラグをオンに設定する(ステップS1508)。電動役物作動中フラグは、電動サポート部材36が作動中であることを示すものであり、後述のステップS1511において電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させるか否かを判断するために参照される。
ここで、電動サポート部材36の作動を開始されることで電動サポート部材36が遊技盤31から突出した作動位置に移動し、電動サポート部材36によって右第1始動口314Rが覆われる(図9(B)参照)。この状態では、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、右第1始動口314Rへの入賞が制限される。一方、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、電動サポート部材36によって受け取り可能である。電動サポート部材36によって第2通路352から放出された遊技球が受け取られた場合、その遊技球は電動サポート部材36によって第2始動口315に誘導される。また、振分装置35の右側を流下する遊技球に関しても、電動サポート部材36によって受け取り可能である。
<ステップS1509及びS1510>
MPU41は、普図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1501:No)、ステップS1505又はS1506で初期値が設定される電動役物作動カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判断する(ステップS1509)。電動役物作動カウンタは、電動サポート部材36が作動する残り時間を示す。即ち、MPU41は、電動サポート部材36が作動しておらず、電動サポート部材36が待機位置にあるか否かを判断する。MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1509:Yes)、処理をステップS1511に移行する。一方、MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1509:No)、電動役物作動カウンタのカウンタ値を1減算し(ステップS1510)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1511>
電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1509:Yes)、即ち普通電動役物である電動サポート部材36が作動していない場合、MPU41は、電動役物作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1511)。電動役物作動中フラグは、電動サポート部材36が作動中であることを示すものであり、ステップS1508でオンに設定される。換言すれば、MPU41は、電動役物作動カウンタのカウンタ値が0である場合に(ステップS1509:Yes)、電動役物作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断することで、電動サポート部材36の作動を終了させるタイミングであるか否か、即ち電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、電動役物作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1511:Yes)、処理をステップS1512に移行し、電動役物作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS1511:No)、当該普通電動役物制御処理を終了する。
<ステップS1512及びS1513>
電動役物作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS1511:Yes)、MPU41は、電動サポート部材36を作動位置から待機位置に復帰させる(ステップS1512)。即ち、MPU41は、遊技球が第2始動口315に入賞することを制限する。さらに、MPU41は、電動サポート部材36が作動していることを示す電動役物作動中フラグをオフに設定し(ステップS1513)、当該普通図柄制御処理を終了する。
ここで、電動サポート部材36の待機位置に復帰されることで、電動サポート部材36によって右第1始動口314Rが開放される(図8(C)参照)。この状態では、振分装置35の第2通路352から放出された遊技球は、右第1始動口314Rへの入賞が許容される一方、電動サポート部材36によって受け取り不能である。そのため、第2通路352から放出された遊技球は、第2始動口315への入球が制限される。また、振分装置35の右側を流下する遊技球に関しても、電動サポート部材36によって受け取り不能であり、第2始動口315への入球が制限される。
ところで、従来の遊技機では、大当たり遊技に移行させるための大当たり抽選を行う契機となる始動部として、普通電動役物のサポートを受けることなく遊技球の入球が可能な第1始動部と、普通電動役物のサポートを受けて遊技球の入球が可能になる第2始動部とを有するものがある。また、遊技機としては、振分装置によって第1始動部と第2始動部とに交互に遊技球を振り分けるものもある。
これに対して、本実施形態の遊技機10では、振分装置35によって第1通路351と第2通路352とに遊技球が振り分けられ、振分装置35によって第2通路352に遊技球が振り分けられた場合には電動サポート部材36の作動の有無に応じて、右第1始動口314R及び第2始動口315への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動せずに待機位置にある場合(図8(C)参照)、右第1始動口314Rへの遊技球の入球が許容される一方で第2始動口315への遊技球の入球が制限される。また、電動サポート部材36が作動して作動位置にある場合(図9(B)参照)、右第1始動口314Rへの遊技球の入球が制限される一方で第2始動口315への遊技球の入球が許容される。また、電動サポート部材36は、作動位置にある場合に、遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球に加えて、振分装置35から放出される遊技球も第2始動口315に誘導することができる。このように、遊技機10は、従来の振分装置によって第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分けるものとは異なる。また、遊技機10の電動サポート部材36は、従来の普通電動役物とは異なり、第2始動口315への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路352に振り分けられた遊技球の右第1始動口314Rへの遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。また、1つの電動サポート部材36によって、第2通路352の遊技球と、右打ちされた遊技球とを第2始動口315に誘導できる。そして、遊技機10は、振分装置35と電動サポート部材36とが協働することで、右第1始動口314Rと第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、遊技機10では、遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣が向上された遊技機を提供できる。例えば、モードA~モードCにおいて電動サポート部材36をショート作動する一方、モードD及びモードEにおいてロング作動することで(図13(B)参照)、上述のように遊技者に最も有利なモードEに移行させるために、困難性の異なる複数の障壁を有する遊技性を遊技機10に付与できる。また、電動サポート部材36は、板状部材であり、樹脂成形等によって簡易に形成できる。そのため、本実施形態では、前述の効果を簡易な構成によって安価に実現可能である。
[特図遊技制御処理]
ここで、図20を参照しつつ、図17のメイン処理でのステップS1306でMPU41により実行される特図遊技制御処理について説明する。特図遊技制御処理では、第1特別図柄表示器371又は第2特別図柄表示器372での特別図柄の変動表示及び停止表示の制御、特図保留格納エリア412bのデータの設定、時短回数の管理等を行う処理が実行される。
<ステップS1601>
ステップS1601では、MPU41は、遊技機10が大当り遊技中であるか否かを判断し、大当り遊技中である場合は(ステップS1601:Yes)、当該変動遊技制御処理を終了し、大当り遊技中でない場合は(ステップS1601:No)、処理をステップS1602に移行する。例えば、大当り遊技の実行の有無は、MPU41が大当り遊技の開始時にオンに設定し、大当り遊技の終了時にオフに設定する大当り遊技実行フラグに基づいて判断される。
<ステップS1602>
ステップS1602では、MPU41は、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判断し、図柄変動表示中である場合は(ステップS1602:Yes)、処理をステップS1603に移行させ、図柄変動表示中でない場合は(ステップS1602:No)、処理をステップS1607に移行させる。例えば、特別図柄が変動表示中であるか否かは、後述の図22の特図変動開始処理でのステップS1810においてオンに設定され、変動表示時間が経過した場合に(ステップS1603:Yes)、ステップS1605でオフに設定される特図変動表示中フラグがオンに設定されているか否かに基づいて判断される。
<ステップS1603>
ステップS1603では、MPU41は、特別図柄の変動表示が開始してからの時間が、特別図柄大当たり抽選での抽選結果に応じて決定される変動表示時間を経過したか否かを判断し、変動表示時間が経過したと判断した場合は(ステップS1603:Yes)、処理をステップS1604に移行し、変動表示時間が経過していないと判断した場合は(ステップS1603:No)、当該特図遊技制御処理を終了する。
<ステップS1604~S1606>
変動表示時間が経過した場合(ステップS1603:Yes)、MPU41は、第1特別図柄表示器371及び第2特別図柄表示器372のうちの変動表示中である特別図柄表示器371,372において、当該特図遊技に対応する大当たり抽選での抽選結果に応じた図柄を停止表示させる(ステップS1604)。さらに、MPU41は、特図変動表示中フラグをオフに設定し(ステップS1605)、特別図柄の変動が停止されたことを示す特図変動停止フラグをオンに設定する(ステップS1606)。
<ステップS1607>
特別図柄が変動表示中でない場合(ステップS1602:No)、MPU41は、特図保留格納エリア412bの特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nが0であるか否かを判断する(ステップS1607)。ここで、MPU41は、保留数Nが0である場合(ステップS1607:Yes)、当該特別遊技制御処理を終了する。一方、MPU41は、保留数Nが0でない場合は(ステップS1607:No)、処理をステップS1608に移行する。
<ステップS1608>
ステップS1608では、MPU41は、特図保留格納エリア412bに記憶されている特図当否情報についてデータ設定処理を実行する。MPU41は、ステップS1608の処理を終了した場合、処理をステップS1609に移行する。なお、データ設定処理の詳細は図21を参照して後述する。
<ステップS1609>
ステップS1609では、MPU41は、特図実行エリアAEに格納された特図当否情報に基づく変動表示を特別図柄表示器371,372に実行させ、特図当否情報に基づく変動表示を図柄表示部341に実行させるため変動パターンコマンドを設定する変動開始処理を実行し、当該特図遊技制御処理を終了する。なお、特図変動開始処理の詳細は、図22を参照して後述する。
[データ設定処理]
ここで、図21を参照しつつ、図20のステップS1608においてMPU41によって実行されるデータ設定処理の一例について説明する。データ設定処理では、RAM412の特図保留格納エリア412bのデータの更新を行い処理が実行される。
<ステップS1701及びS1702>
まず、MPU41は、特図保留格納エリア412bの特図保留数記憶エリアNAに記憶されている保留数Nを1減算し(ステップS1701)、さらに特図保留格納エリア412bの第1特図保留エリアRE1から特図実行エリアAEに特図当否情報を移動させる(ステップS1702)。
<ステップS1703>
ステップS1703では、MPU41は、第2特図保留エリアRE2~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を1つずつシフトさせる。具体的に、ステップS1703では、第2特図保留エリアRE2の特図当否情報を第1特図保留エリアRE1に移動させ、第3特図保留エリアRE3の特図当否情報を第2特図保留エリアRE2に移動させ、第4特図保留エリアRE4の特図当否情報を第3特図保留エリアRE3に移動させ、第5特図保留エリアRE5の特図当否情報を第4特図保留エリアRE4に移動させ、第6特図保留エリアRE6の特図当否情報を第5特図保留エリアRE5に移動させ、第7特図保留エリアRE7の特図当否情報を第6特図保留エリアRE6に移動させ、第8特図保留エリアRE8の特図当否情報を第7特図保留エリアRE7に移動させる。
<ステップS1704>
ステップS1704では、MPU41は、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8の特図当否情報がシフトした旨を示すシフトコマンドをRAM412に設定する。そして、このステップS1704で設定されたシフトコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理(図17参照)のステップS1301の外部出力処理で音声ランプ制御装置5に送信される。これにより、図柄表示部341に表示される保留図柄の表示数等が変更されることになる。ステップS1704の処理が終了した場合、MPU41は、当該データ設定処理を終了し、処理を図20のステップS1609の特図変動開始処理に移行する。
[特図変動開始処理]
ここで、図22を参照しつつ、図20のステップS1609においてMPU41によって実行される特図変動開始処理の一例について説明する。
<ステップS1801~S1803>
まず、MPU41は、RAM412の特図保留格納エリア412bの特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報中のモード情報に基づき、当該当否情報の取得時の遊技状態がモードC又はモードEであるか否かを判断する(ステップS1801)。ここで、モードC及びモードEは、高確率モード当否テーブルに基づいて、特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報に数値情報として含まれる大当たり乱数カウンタC1のカウンタ値が大当たり当選に対応する値であるか否かの当否判定を行うモードである(図12(B)及び図13(B)参照)。即ち、ステップS1801では、当否判定を高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて行うモードであるか否かを判断する。MPU41は、特図遊技状態がモードC又はモードEである場合(ステップS1801:Yes)、高確率モード当否テーブル(図12(B)参照)に基づいて、当否判定を行う(ステップS1802)。一方、遊技状態がモードC又はモードEでない場合(ステップS1801:No)、即ち遊技状態がモードA、モードB又はモードDである場合、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて当否判定を行う(ステップS1803)。
<ステップS1804及びS1805>
ステップS1804では、MPU41は、ステップS1802又はS1803での当否判定の結果が大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、当否判定の結果が大当たりである場合(ステップS1804:Yes)、特図実行エリアAEに記憶されている特図当否情報に数値情報として含まれる大当たり種別カウンタC2のカウンタ値、及び特図当否情報に含まれる始動口情報(特図情報)に基づいて大当たり種別の振り分けを行い、処理をステップS1806に移行する。例えば、始動口情報(特図情報)が第1始動口(第1特図)を示すものである場合、大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に応じて、2R通常大当たり及び2R確変大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。また、始動口情報(特図情報)が第2始動口(第2特図)を示すものである場合、大当たり種別カウンタC2のカウンタ値に応じて、5R通常大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。一方、MPU41は、当否判定の結果が大当たりでない場合(ステップS1804:No)、即ち抽選結果が外れである場合、大当たり種別の振り分け(ステップS1805)を行うことなく、処理をステップS1806に移行する。
<ステップS1806>
ステップS1806では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果、即ちステップS1802又はS1803での当否判定、及びステップS1805での大当たり種別の振り分け結果に応じた抽選結果フラグの設定を行う抽選結果フラグ設定処理を実行する。この抽選結果フラグ設定処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たり2R通常大当たりである場合に2R通常大当たりフラグが、2R確変大当たりである場合に2R確変大当たりフラグが、5R通常大当たりである場合に5R通常大当たりフラグが、5R確変大当たりである場合に5R確変大当たりフラグが、16R確変大当たりである場合に16R確変大当たりフラグが、外れである場合に外れフラグがそれぞれ設定される。ここで、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグは、抽選結果が大当たりであると共に大当たり種別を示すフラグであり、図23及び図24の遊技状態移行処理において、大当たり遊技の終了後に遊技状態を大当たり遊技状態からモードB~モードEに移行させる場合に参照され、大当たり遊技の終了後に目的とするモードに移行された場合にオフに設定される。また、外れフラグは、大当たり抽選での抽選結果が外れであることを示すものであり、後述のステップS1813でオフに設定される。そして、本ステップS1806では、抽選結果フラグを設定する際に大当たり抽選での抽選結果に応じてメイン表示部37の特図表示器371,372の停止表示図柄も設定される。
<ステップS1807及びS1808>
ステップS1807では、MPU41は、当該特図遊技に対する大当たり抽選での抽選結果に応じて、特別図柄表示器371,372での特別図柄の変動表示時間を示す変動パターンをリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCS1のカウンタ値に基づいて決定する。そして、MPU41は、ステップS1807で決定された変動パターンに基づいて、変動パターンコマンドをRAM412に設定する(ステップS1808)。この変動パターンコマンドには、当該特図遊技に対する大当たり抽選での抽選結果を含ませてもよい。もちろん、大当たり抽選での抽選結果は、変動パターンコマンドに含ませることなく、変動パターンコマンドとは別のコマンドとして設定してもよい。なお、ステップS1808で設定された変動パターンコマンドは、MPU41により実行される次回のメイン処理のステップS1301(図17参照)において音声ランプ制御装置5に送信される。これに対し、音声ランプ制御装置5は、変動パターンコマンドに基づいて図柄表示部341による図柄変動表示等を実行する。
<ステップS1809及びS1810>
MPU41は、変動パターンを設定した場合、特別図柄表示器371,372での特別図柄の変動表示を開始させ(ステップS1809)、特図変動表示中フラグをオンに設定する(ステップS1810)。ここで変動表示が開始された特別図柄は、図20の特図遊技制御処理において、ステップS1807で設定された変動表示時間(変動パターン)の経過後に停止される(図20のステップS1603:Yes及びS1604)。このとき、特別図柄は、大当たり抽選での抽選結果に応じてステップS1806で設定された停止表示図柄で停止する。
<ステップS1811>
ステップS1811では、MPU41は、後述の図23及び図24の遊技状態移行処理でのS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグがオンに設定されているか否かを判断し、時短フラグがオンに設定されている場合(ステップS1811:Yes)、処理をステップS1812に移行し、時短フラグがオフに設定されている場合(ステップS1811:No)、当該特図変動開始処理を終了する。
<ステップS1812>
MPU41は、時短フラグがオンに設定されている場合(ステップS1811:Yes)、外れフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1812:Yes)。MPU41は、外れフラグがオンに設定されている場合(ステップS1812:Yes)、即ちステップS1802又はS1803での当否判定の結果が外れである場合、処理をステップS1813に移行する。一方、MPU41は、外れフラグがオフに設定されている場合(ステップS1812:No)、即ちステップS1802又はS1803での当否判定の結果が大当たりである場合、処理をステップS1817に移行する。
<ステップS1813~S1816>
MPU41は、外れフラグがオンに設定されている場合(ステップS1812:Yes)、外れフラグをオフに設定すると共に(ステップS1813)、後述の図23及び図24の遊技状態移行処理でのS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグをオンに設定する際にセットされる時短カウンタのカウンタ値を1減算し(ステップS1814)、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判断する(ステップS1815)。なお、時短カウンタのカウンタ値は、残りの時短回数を示す。MPU41は、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0である場合(ステップS1815:Yes)、即ち残りの時短回数が0であり時短モードを終了する必要がある場合、時短終了フラグをオンに設定し(ステップS1816)、処理をステップS1817に移行する。時短終了フラグは、時短モードを終了か否かを判断するために、図23の遊技状態移行処理のステップS1909でMPU41によって参照される。一方、MPU41は、減算後の時短カウンタのカウンタ値が0でない場合(ステップS1815:No)、当該特図変動開始処理を終了する。
<ステップS1817>
MPU41は、外れフラグがオフに設定されている場合(ステップS1812:No)、即ち大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合、又は時短終了フラグをオンにセットした場合(ステップS1816)、時短フラグをオフに設定し(ステップS1817)、当該特図変動開始処理を終了する。
[遊技状態移行処理]
ここで、図23及び図24を参照しつつ、図17のメイン処理でのステップS1308でMPU41により実行される遊技状態移行処理を説明する。遊技状態移行処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に遊技状態をモードA~モードEからなる特図遊技状態から開閉実行モードを含む大当たり遊技状態に移行させ、当該大当たり遊技状態での大当たり遊技の終了後に、大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たりの種別に応じて、大当たり遊技状態から特図遊技状態のモードB~モードEのいずれかに移行させる処理を実行する(図13(A)参照)。また、遊技状態移行処理では、特図遊技状態のモードB又はモードDにおいて、上限回数の特図遊技を実行した後に、モードAに移行させる処理を実行する(図13(A)参照)。なお、モードA~モードEの詳細については既に説明済みであるため、ここでのモードA~モードEの説明は省略する。
<ステップS1901及びS1902>
まず、ステップS1901では、MPU41は、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されているか否か、即ち特図遊技が終了したことで遊技状態を他の遊技状態に移行するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1901:Yes)、特図変動停止フラグをオフに設定し(ステップS1902)、処理をステップS1903に移行する。一方、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1901:No)、処理をステップS1914に移行する。
<ステップS1903>
ステップS1903では、MPU41は、変動表示が停止された特別図柄を変動表示させる契機となった大当たり抽選での抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。即ち、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断する。抽選結果が大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのいずれかのフラグがオンに設定いるか否かにより判断される。
MPU41は、抽選結果が大当たりであると判断した場合(ステップS1903:Yes)、処理をステップS1904に移行し、抽選結果が大当たりではない(外れである)と判断した場合(ステップS1903:No)、処理をステップS1909に移行する。
<ステップS1904及びS1905>
ステップS1904では、MPU41は、後述のステップS1917又はS1926でオンに設定される時短フラグがオンに設定されているか否かを判断する。時短フラグは、回数限定の時短モードであることを示すものである。MPU41は、時短フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1904:Yes)、即ちモードB又はモードDでの大当たりである場合、回数限定の時短モードを終了するために時短フラグをオフに設定し(ステップS1905)、処理をステップS1906に移行する。一方、MPU41は、時短フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1904:No)、即ちモードA、モードC又はモードEでの大当たりである場合、処理をステップS1906に移行する。
<ステップS1906及びS1907>
ステップS1906では、MPU41は、遊技状態を大当たり遊技状態に移行し、さらに大当たり遊技状態フラグをオンに設定する(ステップS1907)。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であることを示すものであり、例えば図16のスルーゲート処理でのステップS1204において大当たり遊技中であるか判断するために参照される。
<ステップS1908>
ステップS1908では、MPU41は、モード種別フラグをオフに設定し(ステップS1908)、モード種別フラグをオフに設定する(ステップS1908)。モード種別フラグは、特図遊技状態でのモード種別がモードA~モードEのいずれのモードであるかを示すものであり、本ステップS1908では、大当たり遊技状態に移行する場合にオンに設定されているモード種別フラグをオフに設定する。
なお、モード種別フラグは、ステップS1912でオンに設定されると共にモードAであることを示すモードAフラグ、ステップS1919でオンに設定されると共にモードBであることを示すモードBフラグ、ステップS1923でオンに設定されると共にモードCであることを示すモードCフラグ、ステップS1928でオンに設定されると共にモードDであることを示すモードDフラグ(図24参照)、及びステップS1931でオンに設定されると共にモードEであることを示すモードEフラグ(図24参照)を含む。
<ステップS1909>
大当たり抽選での抽選結果が外れである場合(ステップS1903:No)、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1816でオンに設定される時短終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS1909)。時短終了フラグは、回数限定の時短モードにおいて上限数の特別図柄遊技を実行したこと(残りの時短回数が0であること)を示すものであり、時短モードを終了させるためのフラグである。
MPU41は、時短終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1909:Yes)、処理をステップS1910に移行する。一方、MPU41は、時短終了フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1909:No)、モードAへの移行を行うことなく、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1910~S1913>
時短終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1909:Yes)、MPU41は、時短終了フラグをオフに設定する(ステップS1910)。そして、MPU41は、モード種別を時短モードであるモードB又はモードDからモードAに移行させる(ステップS1911)。このとき、MPU41は、モードAフラグをオンに設定すると共に(ステップS1912)、モードAに移行する前のモードを示すモードBフラグ又はモードDフラグをオフに設定し(ステップS1913)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1914及びS1915>
ステップS1914では、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合に(ステップS1901:No)、図17のメイン処理におけるステップS1307の大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されているか否か、即ち大当たり遊技が終了することでモードB~モードEのいずれかに移行させるタイミングであるか否かを判断する。
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS1914:Yes)、大当たり遊技終了フラグをオフに設定し(ステップS1915)、処理をステップS1916に移行する。一方、MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS1914:No)、モードB~モードEへの移行を行うことなく、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1916>
ステップS1916では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R通常大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が2R通常大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、2R通常大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1916:Yes)、処理をステップS1917に移行し、2R通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1916:No)、処理をステップS1921に移行する。
<ステップS1917~S1920>
ステップS1917では、MPU41は、回数限定の時短モードであることを示す時短フラグをオンに設定する。このとき、MPU41は、時短回数の上限数を時短カウンタとしてセットする。時短回数は、例えば50回であり、この場合、時短カウンタとして「50」がセットされる。そして、MPU41は、遊技状態をモードBに移行すると共に(ステップS1918)、モードBフラグをオンに設定する(ステップS1919)。さらに、MPU41は、2R通常大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1920)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1921>
ステップS1921では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される2R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が2R確変大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、2R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1921:Yes)、処理をステップS1922に移行し、2R確変大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1921:No)、処理を図24のステップS1925に移行する。
<ステップS1922~S1924>
ステップS1922では、MPU41は、遊技状態をモードCに移行させ、さらにモードCフラグをオンに設定する(ステップS1923)。そして、MPU41は、2R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1924)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1925>
図24に示すステップS1925では、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される5R通常大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、終了した大当たり遊技の種別が5R通常大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、5R通常大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS1925:Yes)、処理をステップS1926に移行し、5R通常大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS1925:No)、処理をステップS1930に移行する。
<ステップS1926~S1929>
ステップS1926では、MPU41は、回数限定の時短モードであることを示す時短フラグをオンに設定する。このとき、MPU41は、時短回数の上限数を時短カウンタとしてセットする。時短回数は、例えば50回であり、この場合、時短カウンタとして「50」がセットされる。そして、MPU41は、遊技状態をモードDに移行させると共に(ステップS1927)、モードDフラグをオンに設定する(ステップS1928)。さらに、MPU41は、5R通常大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1929)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS1930~S1932>
ステップS1930では、MPU41は、遊技状態をモードEに移行させ、さらにモードEフラグをオンに設定する。即ち、大当たり遊技終了フラグがオンに設定され(ステップS1914:Yes)、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ及び5R通常大当たりフラグのいずれもがオフに設定されている場合(ステップS1916、S1921及びS1925のいずれもNo)、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかがオンに設定されていると判断できる。そのため、ステップS1930では、MPU41は、5R確変大当たり遊技及び16R確変大当たり遊技の終了後の移行先モードであるモードEに移行させ、モードEフラグをオンに設定する。そして、MPU41は、オンに設定されている5R確変大当たりフラグ又は16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS1932)、当該遊技状態移行処理を終了する。
[音声ランプ制御装置5の副タイマ割込処理]
ここで、図25は、MPU51によって実行される副タイマ割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。MPU51は、例えば副タイマ割込処理を1msec周期の定期処理として実行する。
図25に示すように、MPU51は、副タイマ割込処理において、操作ボタン操作検出処理(ステップS2001)、操作検出パターン判定処理(ステップS2002)、カウンタ更新処理(ステップS2003)、コマンド判定処理(ステップS2004)、特図遊技演出処理(ステップS2005)、及び大当たり遊技演出処理(ステップS2006)を実行する。
[操作検出処理]
ステップS2001の操作検出処理では、MPU51は、操作ボタン20の操作状態を検出し、例えば過去3回分の操作履歴を順次更新するための処理を実行する。遊技機10では、MPU51によって操作ボタン操作検出処理が実行されることにより、副タイマ割込処理の割込周期に対応した予め定められた間隔(本実施形態では1msec間隔)で操作ボタン20の操作の有無が判断されることになる。
[操作検出パターン判定処理]
ステップS2002の操作検出パターン判定処理では、MPU51は、例えば過去3回分の操作履歴から操作ボタン20に対する操作状態に応じた操作パターンフラグを設定する。この操作パターンフラグにより、操作ボタン20に対する操作状態を判定できる。操作状態としては、操作ボタン20に対する操作の開始状態、操作ボタン20に対する操作の継続状態、操作ボタン20に対する操作の終了状態、及び操作ボタン20に対する操作がなされていない非操作状態が挙げられる。
[カウンタ更新処理]
ステップS2003のカウンタ更新処理では、MPU51は、演出種別カウンタ、変動表示カウンタ等の更新を実行する。具体的には、MPU51は、演出種別カウンタでのカウンタ値に1を加算し、そのカウンタ値が最大値に達した場合は当該カウンタ値を0にする。ここで更新される演出種別カウンタは、主制御装置4から受信する変動パターンコマンドに基づいて変動種別及び演出種別を決定するために使用される。一方、MPU51は、変動表示カウンタを1減算する。この変動表示カウンタは、図柄表示部341での飾り図柄の変動表示時間を計時するためのものであり、変動表示カウンタでのカウンタ値は残り変動表示時間が0になる場合に0になるように設定される。従って、変動表示カウンタのカウンタ値に基づいて、残りの変動表示時間、飾り図柄が変動中であること、図柄表示部341での飾り図柄の変動表示が終了したこと等を把握できる。
[コマンド判定処理]
ステップS2004のコマンド判定処理では、MPU51は、主制御装置4から受信するコマンドを判定し、そのコマンドに対応する処理を実行する。例えば、主制御装置4から受信するコマンドとしては、変動パターンコマンド、保留コマンド、シフトコマンド等が挙げられる。これらのコマンド以外のコマンドが主制御装置4から音声ランプ制御装置5に出力されることがあるが、それらのコマンドの説明は省略する。
変動パターンコマンドは、変動表示時間及び大当たり抽選での抽選結果を示すコマンドであり、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合には大当たり種別に関する情報を含む。変動パターンコマンドは、特別図柄表示器371,372で特別図柄の変動表示を開始する際に、特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図22の特図変動開始処理でのステップS1808において設定される。MPU51は、変動パターンコマンドを受信した場合、変動パターンコマンドによって特定される内容に従い、図柄表示部341等に実行させる特図遊技演出、大当たり遊技演出を決定する。
保留コマンドは、特図保留格納エリア412bに記憶されている保留数Nが増加する際に、増加した保留に対する大当たり抽選での抽選結果、変動パターン、及び保留数Nを示すコマンドである。保留コマンドは、保留数Nの増加があった場合に、特図保留格納エリア412bに記憶されている情報に基づいて、図15の始動入賞処理でのステップS1105において設定される。
シフトコマンドは、保留数Nが減少する場合に、第1特図保留エリアRE1~第8特図保留エリアRE8での大当たり抽選での抽選結果を示す特図当否情報がシフトしたことを示すコマンドである。シフトコマンドは、図21のデータ設定処理でのステップS1704において設定される。
[特図遊技演出処理]
ステップS2005の特図遊技演出処理では、特図遊技において、例えばコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に決定される特図遊技演出を図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27等に実行させる。
[大当たり遊技演出処理]
ステップS2006の大当たり遊技演出処理では、大当たり遊技において、例えばコマンド判定処理において変動パターンコマンドを受信した場合に決定される大当たり遊技演出(オープニング演出、開閉実行モード演出及びエンディング演出)を図柄表示部341、スピーカ26、電飾部27等に実行させる。
以上、説明したように、本実施形態に係る遊技機10では、第1始動部とこの第1始動部とは機能の異なる第2始動とに遊技球を振り分ける振分装置を備えた従来の遊技機とは異なり、振分装置35の第1通路351と第2通路352との下方に同じ機能を有する第1始動口314が配置されている。また、遊技機10では、従来の遊技機と同様に普通電動役物(電動サポート部材36)が設けられているものの、この電動サポート部材36が、右打ち時に遊技球が集められるステージ310の下流側と第2通路352の遊技球の出口の下方(右第1始動口314Rの上方)との間で一連に延び、遅延部364を有する板状に形成されている。これにより、電動サポート部材36は、左打ち時に振分装置35に導入されて第2通路352に振り分けられた遊技球を第2始動口315に入賞させることを可能にすると共に、右打ち時にステージ310に集められた遊技球を第2始動口315に入賞させることを可能にする。換言すれば、電動サポート部材36は、作動の有無応じて、第2始動口315への遊技球の入賞を許容又は制限し、同時に、右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限又は許容する。つまり、電動サポート部材36は、従来の遊技機の普通電動役物とは異なり、第2始動口315への遊技球の入賞を制限することで右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を許容する一方で、第2始動口315への遊技球の入賞を許容することで右第1始動口314Rへの遊技球の入賞を制限する。また、遊技機10は、特図遊技状態として、従来の遊技機において採用されている通常モード(モードA)、潜伏確変モード(モードC)及び時短確変モード(モードE)を含むが、振分装置35及び電動サポート部材36と協働することで、潜伏確変モード(モードC)での遊技性が向上する。
具体的には、遊技機10では、モードA及びモードCにおいて左打ちが奨励され、左打ちを行った場合に振分装置35に遊技球が入球し、それらの遊技球が第1通路351と第2通路352に交互に振り分けられる。一方、モードEでは、右打ちが奨励され、右打ちを行うことで電動サポート部材36によるサポートを長時間かつ高頻度で受けることができ、大当たり遊技状態に移行するまでの特図遊技として第2特図遊技のみが実行される。つまり、モードEは、振分装置35を利用することなく右打ちで高確率モードが実行される従来の遊技機の時短確変モードと同様に、第2始動口315への入球比率が100%である。
そして、モードAでは、第1通路351に振り分けられた遊技球は、左第1始動口314Lに入賞する。また、モードAが時短モードではないため、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動する前に右第1始動口314Rに入賞する。つまり、モードAでは、振分装置35によって遊技球が第1通路351と第2通路352とに交互に振り分けられるものの、振分装置35に導入された遊技球は、第1始動口314(左第1始動口314L又は右第1始動口314R)に入賞する。そのため、モードAは、実質的に従来の遊技機の通常モードと同様に、第1始動口314への入球比率が100%である。
これに対して、モードCでは、モードAと同様に、左打ちが奨励され、左打ちを行った場合に振分装置35に遊技球が入球し、それらの遊技球が第1通路351と第2通路352に交互に振り分けられ、第1通路351に遊技球が振り分けられた場合に左第1始動口314Lに遊技球が入賞する。また、モードCは、モードAとは異なり時短モードであるため、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動して右第1始動口314Rへの入球を制限することで第2始動口315に入賞する。つまり、モードCでは、左打ちを行うことで、振分装置35によって第1始動口314(左第1始動口314L)と第2始動口315とに交互に遊技球が振り分けられる。そのため、モードCは、潜伏確変モードでありながら、第1始動口314(左第1始動口314L)と第2始動口315とに交互に遊技球が振り分けられ、第1始動口(左第1始動口314L)と第2始動口315との入球比率が普図当たり抽選の結果が外れとならない限り50%:50%である。
このように、遊技機10では、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を有する。そのため、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。特に、遊技機10は、MAX8として構成されているため入賞順に保留が消化されることから、モードCでは、第1始動口314での大当たり抽選と第2始動口315での大当たり抽選とを交互に受けることになり、1/2の確率で第2始動口315への入賞による大当たり種別の振り分けを受けることができ、1/2の確率で第1始動口314への入賞による大当たり種別の振り分けを受けることができる。
また、本実施形態に係る遊技機10では、第2通路352に振り分けられた遊技球は、モードAでは右第1始動口314Rに入球する一方で、モードCでは第2始動口315に入球する。これは、第2通路352に振り分けられた遊技球は、電動サポート部材36が作動していない待機位置にある場合に右第1始動口314Rへの遊技球の入球が許容される一方で第2始動口315への遊技球の入球が制限され、電動サポート部材36が作動する作動位置にある場合に右第1始動口314Rへの遊技球の入球が制限される一方で第2始動口315への遊技球の入球が許容されるように電動サポート部材36を配置し、モードAとモードCとで電動サポート部材36の作動時間を異ならせていることに起因することで実現する。このように、電動サポート部材36は、第2始動口315への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路352に振り分けられた遊技球の右第1始動口314Rへの遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。つまり、振分装置35と電動サポート部材36とが協働することで、モードA及びモードCにおいて、右第1始動口314Rと第2始動口315との遊技球の入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36の動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
そして、遊技機10では、第2始動口315に遊技球を導く電動サポート部材36に遅延ガイド364が設けられることで、例えば左打ちが奨励される遊技状態(モードA又はモードC)において遊技者が右打ちを行うなどして電動サポート部材36に遊技球が受け取られたとしても、遅延ガイド364によって遊技球が第2始動口315に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、電動サポート部材36の作動開始から待機位置に復帰するまでに電動サポート部材36によって受け取られた遊技球が第2始動口315に到達することを防止できるため、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
[他の実施形態]
以下、本発明に係る遊技機10の他の実施形態について説明する。また、下記の他の実施形態において、前述の第1の実施形態で説明した遊技機10と同様の構成、及び処理手順と同様のステップについては、同一の符号及び同一のステップ番号を付し、以下での説明を省略する。なお、前述の第1の実施形態及び下記の他の実施形態の各構成及び各処理手順を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[第2~第6の実施形態]
前述の第1の実施形態では、遊技機10のループ確変機として構成され、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合について説明した。一方、第2~第6の実施形態は、遊技機10のスペックが前述の第1の実施形態とは異なる。以下、第2~第6の実施形態について、個別に説明する。
<第2の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態に係る遊技機10では、モードA、モードC及びモードEの3つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される。即ち、本実施形態の遊技機10では特図遊技状態として、回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まない点で前述の第1の実施形態とは異なる。また、特図遊技状態がモードA~モードCの3つから構成されるために、モードの移行についても前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図26及び図27を参照して具体的に説明する。ここで、図26(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図26(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図26(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図26(D)はモード移行例を示す図、図27は図17のメイン処理で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図26(A)に示す大当たり種別振分テーブルは、前述の第1実施形と同様である。即ち、本実施形態においても、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たり及び2R通常大当たりのいずれかに振り分けられ、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは5R確変大当たり、16R確変大当たり、及び5R通常大当たりのいずれかに振り分けられる。もちろん、大当たり種別の振り分けは、前述の第1の実施形態とは異なるものとしてもよく、例えば大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能である。
図26(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC及びモードEの3つのモードの内容を規定しているが、これらのモードA、モードC及びモードEの内容は、前述の第1の実施形態と同様であり、モードE、モードC及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図26(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。大当たり抽選での抽選結果が2R通常大当たり及び5R通常大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードAに移行される。抽選結果が2R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当たり遊技の終了後にモードCに移行される。抽選結果が5R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当たり遊技の終了後にモードEに移行される。即ち、抽選結果が大当たりであることを契機として実行される大当たり遊技の終了後に、通常大当たりの場合にはモードAに移行され、第1始動口314L,314Rに対する入賞での確変大当たりの場合にはモードCに移行され、第2始動口315に対する入賞での確変大当たりの場合にはモードEに移行される。
図26(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R通常大当たりが25%、2R確変大当たりが75%である。そのため、モードAからは、大当たり遊技の終了後に基本的にモードA又はモードCに移行され、モードAへの移行確率が25%、モードCへの移行確率は75%となる。
モードCでは、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R通常大当たりが25%、2R確変大当たりが75%である。一方、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは5R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが50%、5R通常大当たりが25%である。そのため、モードCからは、大当たり遊技の終了後にモードA、モードC及びモードEのいずれにも移行可能であり、モードAへの移行確率が25%、モードCへの移行確率は37.5%、モードEへの移行確率が37.5%となる。
モードEでは、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは5R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが50%、5R通常大当たりが25%である。そのため、モードCからは、大当たり遊技の終了後に基本的にモードA又はモードEに移行され、モードAへの移行確率が25%、モードEへの移行確率は75%となる。
[遊技状態移行処理]
ここで、遊技機10では回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを実行しないため、図27に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されている場合(ステップS1900:Yes)、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理での時短フラグに関するステップS1903及びS1904(図23参照)が省略され、抽選結果が外れである場合にモード移行を行うことなく当該遊技状態移行処理を終了する。
一方、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1900:No)、図17のメイン処理のステップS1307でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に(ステップS1914:Yes)、大当たり遊技終了フラグをオフに設定し(ステップS1915)、大当たり種別に応じて、大当たり遊技状態からモードA、モードC及びモードEのいずれかに移行させる処理を実行する(ステップS2001~S2009)。以下、ステップS2001~S2009について説明する。
<ステップS2001~S2003>
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技フラグをオフにした場合 (ステップS1914:Yes、ステップS1915)、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が通常大当たり(2R通常大当たり又は5R通常大当たり)であるか否かを判断する(ステップS2001)。抽選結果が通常大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806においてオンに設定される2R通常大当たりフラグ又は5R通常大当たりがオンに設定されているか否かによって判断される。
MPU41は、抽選結果が通常大当たりである場合(ステップS2001:Yes)、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードAに移行させ(ステップS2002)、モードAフラグをオンに設定し(ステップS2003)、処理をステップS2009に移行する。一方、抽選結果が通常大当たりでない場合(ステップS2001:No)、処理をステップS2004に移行する。
<ステップS2004~S2006>
MPU41は、抽選結果が通常大当たりでない場合(ステップS2001:No)、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりであるか否かを判断する(ステップS2004)。抽選結果が2R確変大当たりであるか否かは、図22の特図変動開始処理のステップS1806においてオンに設定される5R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かによって判断される。
MPU41は、抽選結果が2R確変大当たりである場合(ステップS2004:Yes)、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードCに移行させ(ステップS2005)、モードCフラグをオンに設定し(ステップS2006)、処理をステップS2009に移行する。一方、抽選結果が2R確変大当たりでない場合(ステップS2004:No)、処理をステップS2007に移行する。
<ステップS2007及びS2008>
MPU41は、抽選結果が通常大当たりでなく(ステップS2001:No)、2R確変大当たりでもない場合(ステップS2004:No)、抽選結果が5R確変大当たり又は16R確変大当たりであると判断できる。そのため、MPU41は、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードEに移行させ(ステップS2007)、モードEフラグをオンに設定し(ステップS2008)、処理をステップS2009に移行する。
<ステップS2009>
MPU41は、モード種別フラグをオンに設定した場合(ステップS2003、S2006及びS2008)、大当たり種別フラグをオフに設定する(ステップS2009)。即ち、MPU41は、2R通常大当たりフラグ、2R確変大当たりフラグ、5R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのオンに設定されている大当たり種別フラグをオフに設定する。MPU41は、大当たり種別フラグをオフに設定した場合、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードB及びモードEの3モードからなり、時短モードとしては、回数限定の時短モード(モードB、モードD)がない。また、抽選結果が通常大当たりの場合には、当該大当たりに対する大当たり遊技の終了後に非時短モードであるモードAに移行する。そのため、本実施形態では、前述の第1の実施形態に比べて、時短モードの滞在割合が低くなる。一方、時短モードは、電動サポート部材36のサポートによる第2始動口315への遊技球の入賞が期待できるモードであるため、モードEへの移行の契機となる5R確変大当たり又は16R確変大当たりが期待できる。そのため、時短モードの滞在割合が低くなることで時短モードであるモードEに移行し難く、モードAに転落し易いゲーム性を有することとなる。これにより、モード移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる賞球についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
なお、本実施形態では、モードA、モードC及びモードEの3モードである場合を説明したが、3モードとする場合、モードA、モードB及びモードDの3モード、モードA、モードB及びモードEの3モード、又はモードA、モードC及びモードDの3モードであってもよい。また、特別遊技状態は、4モードであっても、6モード以上であってもよい。特別遊技状態が4モードである場合の例として、モードA、モードB、モードC及びモードDの4モード、モードA、モードB、モードC及びモードEの4モード、モードA、モードB、モードD及びモードEの4モードが挙げられる。
また、特図遊技状態は、モードA~モードE以外のモードを含んでいてもよい。例えば、特図遊技状態は、モードA及びモードEに加えて、時短回数が少なく制限された、例えば時短回数が大当たり確率の1/40~1/10程度の微時短モードを含むものであってもよい。微時短モードとしては、電動サポート部材36のサポートを受け難い難サポ微時短モードと、電動サポート部材36のサポートを受け易い易サポ微時短モードとを含んでいてもよい。難サポ微時短モードにはモードAでの大当たりに対する大当たり遊技後に移行し、易サポ微時短モードには難サポ微時短モードでの大当たりに対する大当たり遊技後に移行する。また、モードAには微時短モードにおいて所定回数の特図遊技を消化した後に移行し、モードEには第2始動口315に対する遊技球の入賞を契機とする大当たり抽選で抽選結果が大当たりである場合に、当該大当たりに対する大当たり遊技の終了後に移行する。このような難サポ微時短モードと易サポ微時短モードとを含む特別遊技状態が4モードの遊技機10は、例えばモードEからモードAに転落可能なように、大当たり当否テーブルとして高確率モード当否テーブルに基づいて大当たり抽選を行う回数に上限のあるST又はV-STとして構成することが好ましい。
<第3の実施形態>
前述の第1の実施形態では、特図遊技状態がモードA~モードEの5モードからなり、確変大当たりの継続数に上限がない場合について説明した。一方、本実施形態は、第2の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC及びモードEの3モードであると共に、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)での大当たりである、いわゆる初当たりからの大当たり数が予め定められた上限数まで継続する点で前述の第1の実施形態とは異なる。即ち、本実施形態に係る遊技機10は、特図遊技状態がモードA、モードC及びモードEの3モードとして構成されたリミット機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図28~図30を参照して具体的に説明する。ここで、図28(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図28(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図28(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図28(D)はモード移行例を示す図、図29は図20の特図遊技制御処理のステップS1609で実行される特図変動開始処理の手順の一例を示すフローチャート、図30は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図28(A)に示す大当たり種別振分テーブルは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合の大当たり種別を規定する。本実施形態の大当たり種別は、前述の第1実施形とは異なり、2R確変大当たり、5R確変大当たり及び16R確変大当たりの3種であり、全ての大当たりが確変大当たりである。但し、初当たりからの大当たり回数が上限数に達した場合、その大当たりは通常大当たりとして扱われ、当該大当たり遊技の終了後に、低確率モード当否テーブル(図12(A)参照)に基づいて大当たり抽選が行われるモードAに強制的に移行される。
また、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たり及び5R確変大当たりのいずれかに振り分けられ、2R確変大当たりと5R確変大当たりとの振り分け比率は75:25である。即ち、第1特図遊技での大当たりでは、多量の遊技球の獲得が期待できる16R確変大当たりの振り分けがなく、獲得される遊技球の期待値が小さい2R確変大当たりの振り分けが大きくなっており、多量の遊技球の獲得が期待できない。一方、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは5R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれかに振り分けられ、5R確変大当たりと16R確変大当たりとの振り分け比率は50:50である。即ち、第2特図遊技での大当たりでは、2R確変大当たりの振り分けがなく、多量の遊技球の獲得が期待できる。
図28(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC及びモードEの3つのモードの内容を規定しているが、これらのモードA、モードC及びモードEの内容は、前述の第1の実施形態と同様であり、モードE、モードC及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図28(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。本実施形態では、初当たり時にセットされる大当たり回数分の大当たりに当選し、最後の大当たり遊技の終了後にモードAに移行する。なお、初当たり時にセットされる大当たり回数分の大当たりに当選するまでは、RAM412に記憶された残りの大当たり回数が消去されない限り、モードAに転落することはない。また、最後の大当たり遊技の終了後を除き、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードCに移行し、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。
図28(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、上述のように第2始動口315への入賞が期待できず、第1始動口314への入賞による第1特図遊技が実行されるため、モードAからは、イレギュラーなケースを除いて、100%モードCに移行する。なお、モードAには最後の大当たり遊技の終了後に移行することから、モードAでの大当たりに対する大当たり遊技の終了後にモードAに移行することはない。
モードCでは、左打ちを行うことで第1始動口314への入賞による第1特図遊技と第2始動口315への入賞による第2特図遊技とが交互に実行される。そのため、最後の大当たり遊技の終了後を除き、第1特図遊技での大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードCに移行し、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。また、モードCでは、第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行されるため、イレギュラーなケースを除いて、モードCへの移行確率が50%、モードEへの移行確率が50%となる。
モードEでは、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行されるため、モードEからは、大当たり遊技の終了後にモードEに移行する。
[特図変動開始処理]
本実施形態に係る遊技機10がリミット機として構成されているため、特図変動開始処理が、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22)とは相違点を有する。図29に示すように、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)において、時短フラグや時短カウンタに関するステップS1811~S1817が省略され、特図変動表示中フラグをオンに設定した場合に(ステップS1810)、当該遊技状態移行処理を終了する。また、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)において、大当たり種別を振り分けるステップS1805と、変動パターン設定処理(ステップS1807)との間で、抽選結果フラグ設定処理(ステップS1807)に代えて大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に大当たり種別フラグ、及び当該大当たり抽選の対象となった特図種別を設定する特図種別フラグを設定し(ステップS2101及びS2102)、さらに確変大当たり回数を監視するステップ(ステップS2103~S2107)を実行する点で異なる。また、本実施形態では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まないため、本実施形態の特図変動開始処理では、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理での以下、ステップS2101~S2107について説明する。
<ステップS2101>
MPU41は、大当たり種別の振り分けを行った場合(ステップS1805)、大当たり種別フラグを設定する(ステップS2101)。具体的には、MPU41は、ステップS1805において振分られた大当たり種別に応じて、2R確変大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかをオンに設定する。なお、本ステップS2101では、前述の第1の実施形態における図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理とは異なり、時短回数のカウントに必要とされた外れフラグは設定されない。
<ステップS2102>
MPU41は、大当たり抽選の対象となった特図種別を特定する特図種別フラグを設定する(ステップS2102)。具体的には、MPU41は、第1特図遊技において大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に第1特図大当たりフラグをオンに設定し、第2特図遊技において大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に第2特図大当たりフラグをオンに設定する。
<ステップS2103~S2107>
ステップS2103では、MPU41は、次のステップS2104でセットされる大当たり上限数(初期セット数Mmax)に対する残りのセット数Mが0であるか否かを判断する。即ち、MPU41は、今回の大当たりが初当たりであるか否かを判断する。MPU41は、残りのセット数Mが0である場合(ステップS2103:Yes)、残りのセット数Mとして初期セット数Mmaxをセットし(ステップS2104)、処理をステップS1807に移行する。初期セット数Mmaxは、例えば3回~10回の範囲から予め決定されたセット数とされる。
一方、MPU41は、残りのセット数Mが0でない場合(ステップS2103:No)、残りのセット数Mから1を減算し(ステップS2105)、減算後の残りのセット数Mが0であるか否かを判断する(ステップS2106)。即ち、MPU41は、今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、減算後の残りのセット数Mが0である場合(ステップS2106:Yes)、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりである場合、大当たりリミットフラグをオンに設定し(ステップS2107)、処理をステップS1807に移行する。大当たりリミットフラグは、ステップS2104でセットされる初期セット数Mmaxに相当する回数の大当たりに当選したこと、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりであることを示すフラグである。この大当たりリミットフラグは、後述の図30の遊技状態移行処理でのステップS2202において、モードAに移行させるか否かを判断するために参照される。また、MPU41は、減算後の残りのセット数Mが0でない場合(ステップS2106:No)、即ち今回の大当たりが初期セットされた大当たりでの最終の大当たりでない場合、大当たりリミットフラグをオンに設定することなく、処理をステップS1807に移行する。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態の遊技機10では、特図遊技状態として回数限定の時短モードであるモードB及びモードDを含まないため、図30に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23参照)において、時短モードに関するステップが省略され、モードB及びモードDに移行させるステップが省略される。また、本実施形態の遊技状態移行処理では、初期セットされた大当たりでの最終の大当たりである場合にモードAに移行し、大当たり遊技状態への移行の契機となる大当たり抽選を行った特図種別に応じてモードC又はモードEに移行する点で(ステップS2201~S2212)、前述の第1の実施形態とは異なる。以下、ステップS2201~S2212について説明する。
<ステップS2201>
MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技フラグをオフにした場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915)、図29の特図変動開始処理のステップS2101でオンに設定される大当たり種別フラグをオフに設定する(ステップS2001)。即ち、MPU41は、2R確変大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのうちのオンに設定されている大当たり種別フラグを、大当たり遊技の終了を契機としてオフに設定する。
<ステップS2202~S2205>
MPU41は、図29の特図変動開始処理のステップS2105でオンに設定される大当たりリミットフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2202)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技が図29の特図変動開始処理のステップS2104でセットされる初期セット数Mmaxに対する最後の大当たりであり、当該大当たり遊技の終了後に特図遊技状態のうちのモードAに移行させるための大当たりリミットフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、大当たりリミットフラグがオンに設定されている場合(ステップS2202:Yes)、大当たりリミットフラグをオフに設定すると共に(ステップS2203)、大当たり遊技状態からモードAに移行させ(ステップS2204)、モードAフラグをオンに設定し(ステップS2205)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS2206~S2009>
MPU41は、大当たりリミットフラグがオフに設定されている(ステップS2202:No)、図29の特図変動開始処理でのステップS2102でオンに設定される第1特図大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2206)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技の移行の契機となった大当たり抽選が第1特図遊技に対するものか否かを判断する。
MPU41は、第1特図大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2206:Yes)、第1特図大当たりフラグをオフに設定すると共に(ステップS2207)、特図遊技状態のうちのモードCに移行させ(ステップS2208)、モードCフラグをオンに設定し(ステップS2209)、当該遊技状態移行処理を終了する。一方、第1特図大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2206:No)、処理をステップS2010に移行する。
<ステップS2210~S2212>
MPU41は、第1特図大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2206:No)、第2特図大当たりフラグがオン設定されていると判断できるため、第2特図大当たりフラグをオフに設定すると共に(ステップS2210)、特図遊技状態のうちのモードEに移行させ(ステップS2211)、モードEフラグをオンに設定し(ステップS2212)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態に係る遊技機10は、特図遊技状態が遊技者にとっての有利さの異なるモードA、モードC及びモードEの3モードであると共に、初当たりからの大当たり数が予め定められた上限数まで継続する。そして、本実施形態に係る遊技機10は、第1特図遊技での大当たりであるか、第2特図遊技での大当たりであるかによってモード移行先が異なる。そのため、本実施形態では、初当たり後の残りのセット数(初期セット数Mmax-1)で、多量の遊技球の獲得が期待できるモードEに、如何に多くのセット数の大当たりを残したままで移行させるか、またモードEに移行後は16R大当たり遊技に如何に多く振り分けられるかというゲーム性を有する遊技機10を提供できる。
なお、本実施形態では、モードAにおいて第1特図遊技で大当たりとなった場合に大当たり遊技の終了後にモードCに100%移行するが、モードAでの第1特図遊技での大当たりの場合に一定割合、例えば50%でモードCに移行し、残りの割合でモードAがループするようにしてもよい。このようにすることで、遊技者とって不利なモードAがループすることのあるゲーム性を提供でき、その結果、モードCに移行した場合に如何に多くのセット数の大当たりを残したまま多量の遊技球の獲得が期待できるモードEに移行させるかというゲーム性だけでなく、如何に多くのセット数の大当たりを残したままモードEへの移行が期待できるモードCに移行させるかというゲーム性を有する遊技機10を提供できる。
<第4の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、特図遊技状態として、モードAに加え、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い高確率モードかつ回数限定の時短モードであるモードC’及びモードE’を含む3モードである。また、本実施形態に係る遊技機10は、大当たり種別の全てが確変大当たりあると共に、大当たり遊技の終了後に回数限定の時短モード(モードC’又はモードE’)に移行するST機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図31~図33を参照して具体的に説明する。ここで、図31(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図31(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図31(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図31(D)はモード移行例を示す図、図32及び図33は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図31(A)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たりに振り分けられ、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは16R確変大当たりに振り分けられる。即ち、本実施形態では、全ての大当たりが確変大当たりであり、特図種別に応じて大当たり種別が振り分けられる。もちろん、大当たり種別の振り分けは、大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能であり、例えば全ての大当たりが確変大当たりである必要はなく、確変大当たりと通常大当たりとが所定の割合で振り分けられることも考えられる。
図31(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードAの内容は、前述の第1の実施形態と同様である。モードC’及びモードE’は、回数限定の時短モードである点を除いて、前述の第1の実施形態のモードC及びモードEと同様である。即ち、モードC’及びモードE’は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる確率が高い高確率モードかつ回数限定の時短モードである。ここで、モードC’及びモードE’の時短回数の上限数は、前述の第1の実施形態のモードB及びモードDの時短回数の上限数と同程度に設定され、例えば50回である。そして、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図31(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。モードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合には、モードAに移行する。抽選結果が2R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’に移行される。抽選結果が16R確変大当たりの場合、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードE’に移行される。即ち、回数限定の時短モードの終了後にモードC’又はモードE’からモードAに転落し、第1始動口314L,314Rに対する入賞での2R確変大当たりの場合にモードC’に移行され、第2始動口315に対する入賞での16R確変大当たりの場合にモードE’に移行される。
図31(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは2R確変大当たりが100%である。そのため、モードAからは、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’に移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技では2R確変大当たりに100%振り分けられ、第2特図遊技では16R確変大当たりに100%振り分けられる。そのため、モードC’からは、時短モードが終了するまでに抽選結果が大当たりとなった場合に当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードC’及びモードE’のいずれかに移行される。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行される。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは16R確変大当たりが100%であるため、モードE’からは、当該大当たりを契機として実行される大当り遊技の終了後にモードE’に移行する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードE’からモードAに移行する。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が2R確変大当たりと16R確変大当たりとの2つである点で前述の第1の実施形態とは異なるため、図22の特図変動開始処理のステップS1806では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして2R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。また、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードであるため、図32及び図33に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23及び図24参照)とは、モード移行に対する処理が異なる(ステップS2301~S2308)。以下、ステップS2301~S2308について説明する。
<ステップS2301>
図32に示すステップS2301では、MPU41は、時短モードが終了してモードC’又はモードE’からモードAに移行した場合(ステップS1908~S1912)、オンに設定されているモードC’フラグ又はモードE’フラグをオフに設定する。
<ステップS2302~S2305>
図33に示すステップS2302では、MPU41は、図17のメイン処理のステップS1307での大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技状態フラグ及び時短フラグをオフに設定した場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915及びS1917)、図22の特図変動開始処理のステップS1806で設定される2R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりであるか否かを判断する。
MPU41は、2R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2302:Yes)、即ち当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が2R確変大当たりである場合、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS2303)、モードC’フラグをオンに設定する(ステップS2304)。次いで、MPU41は、2R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2305)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS2306~S2308>
MPU41は、2R確変大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2302:No)、即ち当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が16R確変大当たりである場合、特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS2306)、モードE’フラグをオンに設定する(ステップS2307)。次いで、MPU41は、16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2308)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技者に最も有利なモードE’に移行させるためには、モードC’を経由する必要がある。即ち、モードE’に移行させるためには、初当たりでモードC’に移行させた後に、時短モード終了するまでに第2特図遊技で大当たりとなる必要がある。そして、モードAでの初当たり及びモードC’での第1特図遊技での大当たりは2R確変大当たりであるため、大当たり遊技で獲得できる遊技球が少量で、モードA及びモードC’に滞在する間は、遊技球の増加が期待できない。一方、右打ち時のモードE’では、100%16R確変大当たりとなるため、大当たり遊技で多量の遊技球の獲得が期待できる。そのため、本実施形態では、初当たり後にモードC’に移行させた後に、如何に早く第2特図遊技で大当たりを獲得し、多量の遊技球の獲得が期待できるモードE’に移行させるかというゲーム性を有し、さらにモードE’に移行した後に時短モードで如何に多くの大当たりを獲得して多量の遊技球を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
<第5の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、前述の第1の実施形態とは異なり、前述の第4の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードである。また、本実施形態に係る遊技機は、確変大当たり遊技の特定ラウンドにおいて特別可変入賞装置のV入賞口に遊技球が入賞することを条件に確変大当たり遊技の終了後に回数限定の時短モードに移行するV-ST機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図34~図41を参照して具体的に説明する。ここで、図34は、図1に示す遊技機10の遊技盤31の一例を示す正面図、図35(A)、図35(C)及び図35(E)は図34に示す遊技機10の特別可変入賞装置82の要部を示す断面図、図35(B)及び図35(D)は特別可変入賞装置82の要部を示す平面図、図36(A)は大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図36(B)はモードデータテーブルの一例を示す図、図36(C)はモード移行テーブルの一例を示す図、図36(D)はモード移行例を示す図、図37は図17のメイン処理のステップS1307で実行される大当たり遊技制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図38及び図39は図37の大当たり遊技制御処理で実行される開閉実行モード制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図40及び図41は図17のメイン処理のステップS1308で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図34に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤31に設けられた特別可変入賞装置82を備える。特別可変入賞装置82は、可変入賞口316bの下方に設けられている。
図35(A)~図35(D)に示すように、特別可変入賞装置82は、遊技球99を特別可変入賞装置82の内部に導入する導入口821、及びこの導入口821を閉鎖する閉鎖位置と導入口821を開放する開放位置との間で、遊技盤31の背面に設けられるソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、遊技盤31に対して進退される可動舌部822を備える。図35(A)及び図35(B)に示すように、可動舌部822が待機位置にあることで可動舌部822によって導入口821が閉鎖された状態では、遊技球99が特別可変入賞装置82の内部に導入されることはない。一方、図35(C)及び図35(D)に示すように、可動舌部822が開放位置にあることで導入口821が開放された状態では、遊技球99が特別可変入賞装置82の内部に導入され得る。なお、特別可変入賞口39が作動されていない状態では、可動舌部822によって導入口821が閉鎖されている。一方、導入口821は、大当たり遊技における後述のV入賞ラウンドにおいて、可動舌部822が作動されることで開放される。
図35(C)及び図35(E)に示すように、特別可変入賞装置82の内部には、可動爪部823、V入賞口824及び通常入賞口825が設けられている。V入賞口824及び通常入賞口825には、それぞれ入球センサ(不図示)が設けられており、これらの入球センサによってV入賞口824又は通常入賞口825に遊技球が入賞したことが検知される。可動爪部823は、V入賞口824に遊技球99を導く左傾斜位置と、通常入賞口825に遊技球99を導く右傾斜位置との間でソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される。特別可変入賞口39が作動されていない状態では、可動爪部823は、左傾斜状態とされてV入賞口824に遊技球99を導く状態で待機している。そして、可動爪部823は、特別可変入賞装置82を作動させる後述のV入賞ラウンドにおいて、V入賞口824に遊技球99が入賞したことが検知された場合に、左傾斜状態から右傾斜状態に回動される。また、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドが終了した場合、可動爪部823は左傾斜状態に復帰し、V入賞口824に遊技球99を導く状態で待機する。
図36(A)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、第1始動口314への入賞による第1特図遊技での大当たりは4R通常大当たり又は5R確変大当たりに振り分けられる。4R通常大当たり遊技では、第1~第4ラウンド遊技が可変入賞口316bに対して遊技球を入賞される遊技として実行され、特別可変入賞装置82が遊技球を入賞させるV入賞ラウンド遊技は実行されない。そのため、4R通常大当たり遊技では、V入賞口824に遊技球を入賞させることができず、時短モードに移行することもない。これに対して、5R確変大当たり遊技では、例えば第1~第4ラウンドまでは可変入賞口316b(図4参照)に対して遊技球を入賞される遊技として実行され、第5ラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技として実行される。そのため、遊技者は、5R確変大当たり遊技では、第5ラウンド遊技において特別可変入賞装置82のV入賞口824に遊技球99を入賞させることで、当該大当たり遊技の終了後に時短モードに移行させることができる。また、第5ラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技として実行されることで、第4ラウンド遊技の終了後にV入賞ラウンド遊技である第5ラウンド遊技が実行される否かによって、4R通常大当たりであるか5R確変大当たりであるかを知り得ることができる。そのため、4ラウンド遊技の終了後に昇格演出(失敗演出を含む)を実行するなどして遊技の興趣を高めることができる。
一方、第2始動口315への入賞による第2特図遊技での大当たりは10R確変大当たり又は16R確変大当たりに振り分けられる。10R確変大当たり遊技、及び16R確変大当たり遊技では、特定のラウンド遊技がV入賞ラウンド遊技とされる。特定のラウンド遊技は、少なくとも1つあればよく、2つ以上であってもよい。また、モードE’での大当たり種別が10R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合、例えば10ラウンドが特定のラウンド遊技とされる。このようにすることで、V入賞ラウンド遊技を実行した後に11ラウンドがあるか否か、即ち大当たり種別が10R確変大当たり及び16R確変大当たりのいずれであるかをV入賞ラウンド遊技の終了後に知り得ることができる。そのため、10ラウンド遊技の実行又は終了後に10R確変大当たりから16R確変大当たりへの昇格演出を実行するなどして遊技の興趣を高めることができる。なお、大当たり種別の振り分けは、大当たりの種別数や大当たり遊技の開閉実行モードのラウンド数は適宜変更可能である。
図36(B)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードAの内容は、前述の第1の実施形態と同様である。また、モードAでは、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行されるため、モードAにおいて抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は50%である。モードC’及びモードE’は、回数限定の時短モードである点を除いて、前述の第1の実施形態のモードC及びモードEと同様であり、前述の第4の実施形態と同様である。また、モードC’では、左打ちを行うことで第1始動口314と第2始動口315に遊技球が交互に振り分けられるため、モードC’において抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は75%である。モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行されるため、モードE’において抽選結果が大当たりとなる場合の確変期待度は100%である。このように、本実施形態では、確変期待度の異なる3つのモードを有し、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図36(C)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。モードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、抽選結果が4R確変大当たりの場合に大当たり遊技の終了した場合、及び抽選結果が確変大当たりの場合にV入賞口824に遊技球99が入賞することなく大当たり遊技が終了した場合にモードAに移行する。抽選結果が5R確変大当たりの場合、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードC’に移行する。抽選結果が10R確変大当たり又は16R確変大当たりの場合、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。
図36(D)は、各モードからのモード移行例を示す。モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たり種別の振り分けは4R通常大当たりが50%、5R確変大当たりが50%である。そのため、モードAからは、大当たり遊技の終了後にモードAに50%、モードC’に50%の割合で移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。また、上述のように第1特図遊技では4R通常大当たりに50%、5R確変大当たりに50%の割合で振り分けられ、第2特図遊技では10R確変大当たりに25%、16R確変大当たりに75%の割合で振り分けられる。そのため、モードC’からは、時短モードが終了するまでに抽選結果が大当たりとなった場合に大当たり遊技の終了後にモードA、モードC’及びモードE’のいずれかに移行する。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行する。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、第2特図遊技での大当たり種別の振り分けは10R確変大当たりが25%、16R確変大当たりが75%であるため、モードE’からは、大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することを条件に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、及び大当たり遊技のV入賞ラウンド遊技においてV入賞口824に遊技球99が入賞することなく大当たり遊技が終了した場合、モードE’からモードAに移行する。
[大当たり遊技制御処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が4R通常大当たり、5R確変大当たり、10R確変大当たり及び16R確変大当たりの4つであり、前述の第1の実施形態とは異なるため、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。そして、図37に示す大当たり遊技制御処理では、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである場合に大当たり種別に応じて、可変入賞口316b又は特別可変入賞装置82への遊技球の入球が可能なラウンド遊技を複数回実行する大当たり遊技を行うための制御を実行する。
<ステップS2401>
ステップS2401では、MPU41は、後述の図40の遊技状態移行処理のステップS2600でオンに設定される大当たり遊技開始フラグがオンであるか否か、即ち大当たり遊技を開始するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、大当たり遊技を開始するタイミングであると判断した場合(ステップS2401:Yes)、処理をステップS2402に移行し、大当たり遊技を開始するタイミングでないと判断した場合(ステップS2401:No)、処理をステップS2407に移行する。
<ステップS2402~S2404>
大当たり遊技を開始するタイミングである場合に(ステップS2401:Yes)、MPU41は、大当たり種別を特定し(ステップS2402)、大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判断する(ステップS2403)。大当たり種別は、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される大当たり種別フラグ(4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグ)がオンに設定されているか否かに基づいて特定される。
ここで、MPU41は、大当たり種別が確変大当たりであると判断した場合(ステップS2403:Yes)、確変大当たりのラウンド数に応じて、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドをセットし(ステップS2404)、処理をステップS2405に移行する。例えば、MPU41は、5R確変大当たりの場合にV入賞ラウンドとして5ラウンドをセットし、10R確変大当たり及び16R確変大当たりの場合にV入賞ラウンドとして10ラウンドをセットする。一方、MPU41は、大当たり種別が確変大当たりでないと判断した場合(ステップS2403:No)、特別可変入賞装置82を作動させるV入賞ラウンドをセットすることなく処理をステップS2405に移行する。
<ステップS2405及びS2406>
ステップS2405において、MPU41は、図22の特図変動開始処理のステップS1806でオンに設定される大当たり種別フラグ(4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグ)に基づいて、大当たり遊技の開閉実行モードにおいて実行するラウンド遊技数Rをセットする。具体的には、MPU41は、4R通常大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「4」として、5R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「5」として、10R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「10」として、16R確変大当たりフラグがオンである場合にラウンド遊技数Rを「16」としてRAM412に記憶させる。これにより、MPU41は、後述のステップS2416の開閉実行モード制御処理において、大当たり種別に応じたラウンド遊技数Rのラウンド遊技が実行される。次いで、MPU41は、オープニングフラグをオンに設定し(ステップS2406)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。オープニングフラグは、後述のステップS2407においてオープニング時間の計時を開始するか否かを判断するために参照される。
<ステップS2407>
ステップS2407において、MPU41は、ステップS2406においてオンに設定されるオープニングフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、オープニングが開始されているか否かを判断する。MPU41は、オープニングフラグがオンに設定されている場合(ステップS2407:Yes)、処理をステップS2408に移行し、オープニングフラグがオフに設定されている場合(ステップS2407:No)、処理をステップS2415に移行する。
<ステップS2408>
オープニングフラグがオンに設定されている場合に(ステップS2407:Yes)、MPU41は、後述のステップS2409で計時が開始されるオープニング時間の計時中であるか否かを判断する(ステップS2408)。MPU41は、オープニング時間の計時中である場合(ステップS2408:Yes)、処理をステップS2410に移行し、オープニング時間の計時中でない場合(ステップS2408:No)、処理をステップS2409に移行する。
<ステップS2409>
ステップS2409において、MPU41は、オープニングの実行時間の計時を開始し、当該大当たり遊技制御処理を終了する。このステップS2409において計時が開始されるオープニング時間は、後述のステップS2410においてオープニングを終了して開閉実行モードに移行させるか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2410>
ステップS2410において、MPU41は、ステップS2409において計時が開始されるオープニング時間がオープニングの実行に必要な予め定められる所定時間に達したか否かを判断する。MPU41は、オープニング時間が所定時間に達している場合(ステップS2410:Yes)、処理をステップS2411に移行し、オープニング時間が所定時間に達していない場合(ステップS2410:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2411~S2414>
MPU41は、オープニング時間が所定時間に達している場合(ステップS2410:Yes)、オープニング時間の計時を終了し(ステップS2411)、オープニングフラグをオフに設定する(ステップS2412)。次いで、MPU41は、開閉実行モードフラグをオンに設定し(ステップS2413)、1ラウンド開始フラグをオンに設定する(ステップS2214)。開閉実行モードフラグは、後述のステップS2415において開閉実行モード処理に移行させるか否かを判断する際に参照される。また、1ラウンド開始フラグは、後述の図38の開閉実行モード処理のステップS2501において、開閉実行モードの1ラウンド目を開始するか否かを判断する際に参照される。
<ステップS2415>
ステップS2415において、MPU41は、ステップS2413でオンに設定される開閉実行モードフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、開閉実行モードフラグがオンに設定されている場合(ステップS2415:Yes)、処理をステップS2416に移行し、開閉実行モードフラグがオフに設定されている場合(ステップS2415:No)、処理をステップS2417に移行する。
<ステップS2416>
ステップS2416において、MPU41は、開閉実行モード制御処理を実行する。開閉実行モード制御処理では、MPU41は、可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動するラウンド遊技を大当たり種別に応じて複数回実行する。なお、開閉実行モード制御処理の詳細は、図38及び図39を参照して後述する。
<ステップS2417>
ステップS2417において、MPU41は、後述の図39の開閉実行モード制御処理でのステップS2524でオンに設定されるエンディングフラグがオンに設定されているか否かを判断する。MPU41は、エンディングフラグがオンに設定されている場合(ステップS2417:Yes)、処理をステップS2418に移行し、エンディングフラグがオフに設定されている場合(ステップS2417:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2418>
エンディングフラグがオンに設定されている場合に(ステップS2417:Yes)、MPU41は、後述のステップS2419で計時が開始されるエンディング時間の計時中であるか否かを判断する(ステップS2418)。MPU41は、エンディング時間の計時中である場合(ステップS2418:Yes)、処理をステップS2420に移行し、エンディング時間の計時中でない場合(ステップS2418:No)、処理をステップS2419に移行する。
<ステップS2419>
ステップS2419において、MPU41は、エンディングを開始してからのエンディング時間の計時を開始し、当該大当たり遊技制御処理を終了する。このステップS2419において計時されるエンディング時間は、後述のステップS2420においてエンディング(大当たり遊技)を終了するか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2420>
ステップS2420において、MPU41は、ステップS2419で計時が開始されるエンディング時間がエンディングの実行に必要な予め定められる所定時間に達したか否かを判断する。MPU41は、エンディング時間が所定時間に達している場合(ステップS2420:Yes)、処理をステップS2421に移行し、エンディング時間が所定時間に達していない場合(ステップS2420:No)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。
<ステップS2421~S2423>
MPU41は、エンディング時間が所定時間に達している場合(ステップS2420:Yes)、後述の図39の開閉実行モード制御処理でのステップS2524でオンに設定されるエンディングフラグをオフに設定する(ステップS2421)。さらに、MPU41は、エンディング時間の計時を終了し(ステップS2422)、大当たり遊技終了フラグをオンに設定し(ステップS2423)、当該大当たり遊技制御処理を終了する。これにより、MPU41は、エンディング、即ち大当たり遊技を終了させることができる。なお、大当たり遊技終了フラグは、図41の遊技状態移行処理でのステップS1914でMPU41によって参照され、MPU41は、大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に(ステップS1914:Yes)、大当たり種別に応じて遊技状態を大当たり遊技状態からモードA,モードC’及びモードE’のいずれかに移行させる。
[開閉実行モード制御処理]
図38及び図39に示す開閉実行モード制御処理では、上述のように可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動するラウンド遊技を大当たり種別に応じて複数回実行する。
<ステップS2501及びS2502>
ステップS2501において、MPU41は、図37の大当たり遊技制御処理のステップS2414でオンに設定される1ラウンド開始フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、開閉実行モードを開始するか否か(ラウンド遊技での1ラウンド目を開始するか否か)を判断する。MPU41は、1ラウンド開始フラグがオンに設定されている場合(ステップS2501:Yes)、1ラウンド開始フラグをオフに設定した後に(ステップS2502)、処理をステップS2506に移行する。一方、MPU41は、1ラウンド開始フラグがオフに設定されている場合(ステップS2501:No)、処理をステップS2503に移行する。
<ステップS2503>
ステップS2503において、MPU41は、当該開閉実行モード制御処理のステップS2510でオンに設定される可変入賞口開放フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、可変入賞装置316の可変入賞口316bが開放中であるか否かを判断する。MPU41は、可変入賞口開放フラグがオンに設定されている場合(ステップS2503:Yes)、処理を図39のステップS2511に移行し、可変入賞口開放フラグがオフに設定されている場合(ステップS2503:No)、処理をステップS2504に移行する。
<ステップS2504>
ステップS2504において、MPU41は、当該開閉実行モード制御処理のステップS2508でオンに設定される特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、特別可変入賞装置82が作動中であるか否かを判断する。MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS2504:Yes)、処理を図39のステップS2514に移行し、可変入賞口開放フラグがオフに設定されている場合(ステップS2504:No)、処理をステップS2505に移行する。
<ステップS2505>
可変入賞口開放フラグがオフに設定され(ステップS2503:No)、特別可変入賞装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS2504:No)、MPU41は、図39のステップS2522で計時が開始されるインターバル時間が予め定められた所定時間を超えたか否かを判断する(ステップS2505)。ここで、インターバル時間は、ラウンド遊技を終了してから次のラウンド遊技を開始するまでの休止時間である。即ち、本ステップS2505において、MPU41は、インターバルを終了してラウンド遊技を開始させるか否かを判断する。MPU41は、インターバル時間が所定時間を超えたと判断した場合(ステップS2505:Yes)、処理をステップS2506に移行し、インターバル時間が所定時間を超えていないと判断した場合(ステップS2505:No)、インターバルを継続すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2506~S2508>
インターバル時間が所定時間を超えた場合(ステップS2505:Yes)、MPU41は、開始予定のラウンド遊技が図37の大当たり遊技制御処理のステップS2404でセットされるV入賞ラウンドであるか否か判断する(ステップS2506)。MPU41は、V入賞ラウンドであると判断した場合(ステップS2506:Yes)、特別可変入賞装置82を作動させる(ステップS2507)。具体的には、MPU41は、特別可変入賞装置82の可動舌部822を、導入口821を閉鎖する待機位置から導入口821を開放する開放位置に移動させる。さらに、MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグをオンに設定し(ステップS2508)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。なお、特別可変入賞装置作動フラグは、上述のステップS2504において特別可変入賞装置82が作動であるか否かを判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2509及びS2510>
開始予定のラウンド遊技がV入賞ラウンドでない場合(ステップS2506:No)、MPU41は、開始予定のラウンド遊技が可変入賞口316bを開放するラウンド遊技であると判断できるため、可変入賞装置316の開閉扉316cを作動させることで可変入賞口316bを開放する(ステップS2509)。さらにMPU41は、可変入賞口開放フラグをオンに設定し(ステップS2510)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。なお、可変入賞口開放フラグは、上述のステップS2503において可変入賞装置316が作動しているか否か(可変入賞口316bが開放しているか否か)を判断する際にMPU41によって参照される。
<ステップS2511>
可変入賞口開放フラグがオンに設定されている場合(ステップS2503:Yes)、図39のステップS2511において、MPU41は、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、MPU41は、可変入賞口316bが開放されてから所定時間(例えば30秒)が経過したか、可変入賞口316bに入賞した遊技球数が所定数(例えば9個)を超えたか否かを判断する。MPU41は、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立している場合(ステップS2511:Yes)、処理をステップS2512に移行し、可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立していない場合(ステップS2511:No)、可変入賞口316bの開放状態を維持すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2512及びS2513>
可変入賞口316bを閉鎖するための条件が成立している場合(ステップS2511:Yes)、MPU41は、開閉扉316cを復帰させることで可変入賞口316bを閉鎖し(ステップS2512)、さらに可変入賞口開放フラグをオフに設定する(ステップS2513)。
<ステップS2514~S2516>
特別可変入賞装置作動フラグがオンに設定されている場合(図38のステップS2504:Yes)、ステップS2514において、MPU41は、特別可変入賞装置82のV入賞口824に遊技球が入賞したか否かを判断する。V入賞口824に遊技球が入賞したか否かは、V入賞口824に設けられる入球センサ(不図示)での検出結果に基づいて判断される。なお、特別可変入賞装置82では、作動開始時において可変爪部393が左傾斜状態とされているため、最初に特別可変入賞装置82に導入される遊技球は、左傾斜状態の可変爪部393によってV入賞口824に誘導される。MPU41は、V入賞口824に遊技球が入賞したと判断した場合(ステップS2514:Yes)、V入賞フラグをオンに設定し(ステップS2515)、特別可変入賞装置82の可変爪部393を左傾斜状態から右傾斜状態に回動させる(ステップS2516)。即ち、MPU41は、V入賞口824への遊技球の入賞が確認された場合、特別可変入賞装置82に導入された遊技球が右傾斜状態の可変爪部393によって通常入賞口825に誘導される。
<ステップS2517>
V入賞口824に遊技球が入賞していない場合(ステップS2514:No)、又はV入賞口824に遊技球が入賞することで、V入賞フラグをオンに設定して可動爪部823を右傾斜状態に作動させた場合(ステップS2514:YesかつステップS2515及びS2516)、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立しているか否かを判断する(ステップS2517)。具体的には、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動が開始されてから(可動舌部822の作動が開始されることで導入口821が開放されてから)所定時間(例えば30秒)が経過したか、特別可変入賞装置82に導入された遊技球数(V入賞口824及び通常入賞口825に入賞した合計遊技球数)が所定数(例えば9個)を超えたか否かを判断する。MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立している場合(ステップS2517:Yes)、処理をステップS2518に移行し、特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立していない場合(ステップS2517:No)、特別可変入賞装置82の作動を継続すべく、当該開閉実行モード制御処理を終了する。
<ステップS2518~S2520>
特別可変入賞装置82の作動を停止するための条件が成立している場合(ステップS2517:Yes)、MPU41は、特別可変入賞装置82の作動を停止する(ステップS2518)。具体的には、MPU41は、可動舌部822を復帰させることで導入口821を閉鎖すると共に、可動爪部823を左傾斜状態に復帰させ、次回の特別可変入賞装置82の作動開始時に、遊技球がV入賞口824に誘導される状態にする。さらに、MPU41は、特別可変入賞装置作動フラグをオフに設定し(ステップS2519)、処理をステップS2520に移行する。
<ステップS2520及びS2521>
可変入賞口開放フラグをオフに設定した場合(ステップS2513)、又は特別可変入賞装置作動フラグをオフに設定した場合(ステップS2519)、MPU41は、RAM412に記憶されたラウンド遊技数Rを1だけ減算した後(ステップS2520)、減算後のラウンド遊技数Rが「0」であるか否かを判断する(ステップS2521)。即ち、MPU41は、先に終了したラウンド遊技が開閉実行モードでの最終のラウンド遊技であるか否かを判断する。MPU41は、減算後のラウンド遊技数Rが「0」である場合(ステップS2521:Yes)、処理をステップS2523に移行し、減算後のラウンド遊技数Rが「0」でない場合(ステップS2521:No)、処理をステップS2522に移行する。
<ステップS2522>
減算後のラウンド遊技数Rが「0」でない場合(ステップS2521:No)、MPU41は、次のラウンド遊技を実行するまでのインターバル時間の計時を開始し(ステップS2522)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。このステップS2522において計時が開始されるインターバル時間は、可変入賞装置316又は特別可変入賞装置82を作動させるタイミングであるか否かを判断するために図38のステップS2505においてMPU41によって参照される。
<ステップS2523及びS2524>
減算後のラウンド遊技数Rが「0」である場合(ステップS2521:Yes)、MPU41は、先に終了したラウンド遊技が開閉実行モードでの最終のラウンド遊技であると判断できるために、開閉実行モードを終了すべく開閉実行モードフラグをオフに設定し(ステップS2523)、さらにエンディングフラグをオンに設定し(ステップS2524)、当該開閉実行モード制御処理を終了する。このエンディングフラグは、エンディングを開始するかを判断するために図37の大当たり遊技制御処理でのステップS2417においてMPU41によって参照される。
[遊技状態移行処理]
ここで、本実施形態では、大当たり種別が2R確変大当たりと16R確変大当たりとの2つであるため、図22の特図変動開始処理のステップS1806では、大当たり抽選での抽選結果に応じて、抽選結果フラグとして2R確変大当たりフラグ、16R確変大当たりフラグ及び外れフラグのいずれかが設定される。なお、本実施形態では、特図変動開始処理の手順に関するフローチャートは省略する。また、本実施形態の遊技状態移行処理では、ステップS1906において大当たり遊技状態フラグをオンに設定した後に大当たり遊技開始フラグがオンに設定される(図40のステップS2600)。大当たり遊技開始フラグは、大当たり遊技が開始されることを示すものであり、図37に示す大当たり遊技制御処理のステップS2401においてMPU41によって参照される。
さらに、本実施形態では、特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードであるため、図40及び図41に示す本実施形態の遊技状態移行処理では、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理(図23及び図24参照)とは、モード移行のための処理が異なる(ステップS2601~S2610)。以下、ステップS2601~S2610について説明する。
<ステップS2601>
図40に示すステップS2601では、MPU41は、時短モードが終了してモードC’又はモードE’からモードAに移行した場合(ステップS1908~S1912)、オンに設定されているモードC’フラグ又はモードE’フラグをオフに設定する。
<ステップS2602~S2604>
図41に示すステップS2602では、MPU41は、大当たり遊技を終了する場合に(ステップS1914:YesかつステップS1915及びS1917)、図39の開閉実行モード制御処理のステップS2515でオンに設定されるV入賞フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2602)。MPU41は、V入賞フラグがオンに設定されていない場合(ステップS2602:No)、特図遊技状態のうちのモードAに移行させ(ステップS2603)、さらにモードAフラグをオンに設定し(ステップS2604)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、4R通常大当たりの場合、又は確変大当たり遊技におけるV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞がなかった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードでも高確率モードでもないモードAに移行させる。
<ステップS2605~S2607>
MPU41は、V入賞フラグがオンである場合(ステップS2602:Yes)、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される5R確変大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2605)。即ち、MPU41は、当該大当たり遊技状態への移行の契機となった大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、5R確変大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2605:Yes)、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS2606)、さらにモードC’フラグをオンに設定し(ステップS2607)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が5R確変大当たりであり、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞があった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであるモードC’に移行させる。
<ステップS2608及びS2609>
MPU41は、V入賞フラグがオンで5R確変大当たりフラグがオフである場合(ステップS2602:YesかつステップS2605:No)、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される10R確変大当たりフラグ及び16R確変大当たりフラグのいずれかがオンに設定されていると判断できるため、大当たり遊技状態から特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS2608)、さらにモードE’フラグをオンに設定し(ステップS2609)、処理をステップS2610に移行する。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が10R確変大当たり又は16R確変大当たりであり、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824への遊技球の入賞があった場合、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであるモードE’に移行させる。
<ステップS2610>
MPU41は、図22の特図変動開始処理でのステップS1806の抽選結果フラグ設定処理でオンに設定される大当たり種別フラグ、即ち4R通常大当たりフラグ、5R確変大当たりフラグ、10R確変大当たりフラグ又は16R確変大当たりフラグをオフに設定し(ステップS2610)、当該遊技状態移行処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技者に最も有利なモードE’に移行させるためには、初当たりにおいて50%の確率で振り分けられるモードC’に移行させた後に、モードC’で時短モード終了するまでに、振分装置35によって50%の確率で振り分けられる第2特図遊技で大当たりを獲得する必要がある。即ち、本実施形態では、時短モードの終了によりモードが転落する場合を除き、確変大当たりの確率がモードAでは50%、モードC’では75%、モードE’では100%であり、3段階の確変割合を有する遊技機を提供できる。
なお、本実施形態では、可変入賞装置316とは別に、V入賞口824を有する特別可変入賞装置82を設ける場合を説明したが、開閉可能なV入賞口824を可変入賞装置316に設け、大当たり遊技のV入賞ラウンドにおいてV入賞口824を開放する構成であってもよい。
<第6の実施形態>
前述の第1の実施形態では、モードA~モードEの5つの遊技状態のいずれかにおいて特別図柄遊技が実行される場合を説明した。一方、本実施形態は、前述の第2の実施形態と同様に特図遊技状態がモードA、モードC’及びモードE’の3モードである。また、本実施形態に係る遊技機は、第1始動口314及び第2始動口315による特図遊技である1種遊技と、羽役物装置による2種遊技とを行う1種2種混合機である。
以下、本実施形態に係る遊技機10を前述の第1の実施形態に係る遊技機10との相違点を中心に図42~図50を参照して具体的に説明する。ここで、図42は、図1に示す遊技機10の遊技盤31の一例を示す正面図、図43及び図44は図42に示す遊技機10の羽役物装置83の要部を示す断面図、図45(A)は大当たり当否テーブルの一例を示す図、図45(B)は1種大当たり時の大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図45(C)は2種大当たり時の大当たり種別振分テーブルの一例を示す図、図45(D)はモードデータテーブルの一例を示す図、図45(E)はモード移行テーブルの一例を示す図、図46は主制御装置4で実行されるメイン処理の手順の一例を示すフローチャート、図47は図46のメイン処理で実行される羽役物装置制御処理の手順の一例を示すフローチャート、図48は図20の特図遊技制御処理で実行される特図変動開始処理の手順の一例を示すフローチャート、図49及び図50は図46のメイン処理で実行される遊技状態移行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図42に示すように、本実施形態に係る遊技機10は、遊技盤31に設けられた羽役物装置83を備える。羽役物装置83は、可変入賞装置316の上方かつ図柄表示部341の右側に設けられている。図43に示すように、羽役物装置83は、遊技球99を羽役物装置83の内部に導入する導入口831、及びこの導入口831を閉鎖とする閉鎖位置(図43の実線の位置)と導入口831を開放する開放位置(図43の仮想線の位置)との間で、ソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される可動羽部832を有する。可動羽部832が待機位置にあることで可動羽部832によって導入口831が閉鎖された状態では、遊技球99が羽役物装置83の内部に導入されることはない。一方、図44(A)及び図44(B)に示すように、可動羽部832が開放位置にあることで導入口831が開放された状態では、可動羽部832によって遊技球の受け取りが可能である。可動羽部832によって受け取られた遊技球は、導入口831を介して羽役物装置83の内部に導入され得る。可動羽部832は、第2始動口315の入賞を契機とする大当たり抽選での抽選結果が小当たり(図45(A)参照)である場合に開放位置に作動され、導入口831を所定時間、例えば羽役物装置83に1~3個の遊技球が入球する時間(0.5秒~1.5秒程度)だけ開放する。もちろん、小当たり時の導入口831の開放時間は、適宜設定すればよく、先に示した時間には限定されない。
羽役物装置83の内部には、V入賞口833、通常入賞口834及びV入賞口開閉部835が設けられている。V入賞口833及び通常入賞口834には、それぞれ入球センサ(不図示)が設けられており、これらの入球センサによってV入賞口833又は通常入賞口834に遊技球が入賞したことが検知される。V入賞口開閉部835は、V入賞口833を閉鎖状態とする閉鎖位置(図44(A))とV入賞口833を開放する開放位置(図44(B))との間で、ソレノイド(不図示)等の駆動手段によって回動される。V入賞口開閉部835は、通常はV入賞口833を閉鎖する閉鎖位置で待機しており、例えば大当たり抽選での抽選結果が小当たりである場合に可動羽部832が開放位置に作動されるタイミングに同期して可動羽部832の作動時間よりも短い所定時間、例えばEモードにおいて時短回数と同数だけ羽役物装置83を作動させた場合に50%~80%の確率でV入賞口824に遊技球が入賞する時間だけV入賞口833を開放する。
図45(A)に大当たり当否テーブルとして示すように、本実施形態の大当たり当否テーブルは、前述の第1の実施形態のように高確率モードと低確率モードとで分類されるものではなく(図12(A)及び図12(B)参照)、第1始動口314への入賞による第1特図遊技と、第2始動口315への入賞による第2特図遊技とで分類される。第1特図遊技では、0~738の大当たり乱数カウンタのカウンタ値(乱数値)のうちの0~2の3個が大当たりで、残りの3~738の736個が外れであり、第1特図遊技での大当たり確率は前述の第1の実施形態に低確率モードと同様に3/739(=約1/246.3)である。一方、第2特図遊技では、第1特図遊技と同様に0~738の大当たり乱数カウンタのカウンタ値(乱数値)のうちの0~2の3個のカウンタ値(乱数値)が大当たりであり、大当たり確率が3/739(=約1/246.3)である。即ち、第1特図遊技及び第2特図遊技を問わず、大当たり抽選での大当たりは、1種遊技での大当たりとなる。また、3~735の723個が小当たり、736~738の3個が外れである。ここで、小当たりとは、羽役物装置83の可動羽部832を所定時間開放させる2種遊技を実行する当たりである。そして、小当たりにより羽役物装置83が作動された場合に羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞した場合、2種遊技での大当たりとなる。即ち、第2特図遊技では、2種遊技での大当たりがメインであり、第2特図遊技と同様に1種遊技で大当たりとなる確率は低い。以下、大当たり抽選での抽選結果が大当たりとなる1種遊技での大当たりを「1種大当たり」、羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞することによる大当たりを「2種大当たり」と呼称することがある。
図45(B)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、1種大当たりでは、4R時短大当たり又は8R時短大当たりに振り分けられる。また、図45(C)に大当たり種別振分テーブルとして示すように、2種大当たりでは、4R時短大当たり、8R時短大当たり、又は16R時短大当たりに振り分けられる。ここで、各時短大当たりでの時短回数は、大当たり抽選での抽選確率、小当たり確率、小当たり時の羽役物装置83の作動時間やV入賞口開閉部835の作動時間等に応じて設定され、本実施形態では、例えば50回とされる。また、本実施形態では、1種大当たり及び2種大当たり共に全ての大当たりが時短大当たりであるが、一定の割合(例えば20%~50%)で非時短大当たりとなるように大当たり種別を振り分けるようにしてもよい。この場合、モードE’において時短モードが終了するまでに羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞する確率が、止め打ちや捻り打ちなどの特殊な打ち方をすることなく右打ちを行う限り、90%以上、好ましくは実質的に100%となるようにV入賞口開閉部835を作動させるようにしてもよい。また、モードE’において時短モードが終了するまでに羽役物装置83のV入賞口833に遊技球が入賞する確率を実質的に100%とすると共に、初当たりからの大当たり回数に上限を設けてもよい。即ち、本実施形態に係る1種2種混合機としての遊技機10は、前述の第3の実施形態に係るリミット機のスペックを組み合わせてもよい。
図45(D)に示すように、モードデータテーブルは、特図遊技状態のモード種別を規定するものである。この大当たり種別振分テーブルは、モードA、モードC’及びモードE’の3つのモードの内容を規定している。モードA、モードC’及びモードE’の内容は、前述の第4の実施形態と同様であり、モードE’、モードC’及びモードAの順に遊技者に有利な遊技状態である。
図45(E)に示すモード移行テーブルは、大当たり遊技の終了後の移行先モードを規定する。時短モードであるモードC’及びモードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合にモードAに移行する。また、1種大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードC’に移行し、2種大当たりの場合には大当たり遊技の終了後にモードE’に移行する。
ここで、モードAでは、イレギュラーなケースを除いて、左打ちを行うことで第1特図遊技が実行され、第1特図遊技での大当たりは1種大当たりであるため、モードAからは大当たり遊技の終了後にモードC’に移行する。
モードC’では、左打ちを行うことで第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行される。即ち、モードC’では、1種大当たりが100%の第1特図遊技と、2種大当たりがメインとなる第2特図遊技とが交互に実行される。そのため、モードC’からは、時短モードが終了しないことを条件に、大当たり遊技の終了後に概ね50%の確率(正確には50%を少し上回る確率)でモードC’に移行し、概ね50%の確率(正確には50%を少し下回る確率)でモードE’に移行する。なお、上述のように、モードC’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードC’からモードAに移行する。
モードE’では、右打ちを行うことで第2特図遊技が実行され、2種大当たりがメインとなり、低い確率(本実施形態では約1/246.3)で1種大当たりとなる。そのため、モードE’からは、大当たり遊技の終了後に概ねモードE’に移行し、低い確率でモードC’に転落する。なお、上述のように、モードE’において大当たり遊技状態に移行することなく上限数の特図遊技を実行した場合、モードE’からモードAに移行する。また、モードE’での1種大当たりの場合に、モードC’に転落することなく、モードE’をループするようにしてもよい。
本実施形態に係る遊技機10は、大当たり当否テーブルが前述の第1の実施形態とは異なり(図45(A)参照)、羽役物装置83を作動させる2種遊技を実行可能であるため、前述の第1の実施形態とは、メイン処理の一部が異なり、メイン処理として実行される特図遊技制御処理での特図変動開始処理、及び遊技状態移行処理が異なる。
[メイン処理]
図46に示すように、本実施形態のメイン処理では、ステップS1306の特図遊技制御処理とステップS1307の大当たり遊技制御処理との間において、羽役物装置制御処理を実行する(ステップS2701)。なお、羽役物装置制御処理の詳細は、図47を参照して後述する。
[羽役物装置制御処理]
<ステップS2801>
図47に示すように、羽役物装置制御処理では、まずMPU41は、図20の特図遊技制御処理のステップS1606でオンに設定される特図変動停止フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2801)。即ち、MPU41は、特図遊技が終了したことで2種遊技を実行するタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2801:Yes)、処理をステップS2802に移行し、羽役物装置作動フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS2801:No)、処理をステップS2809に移行する。
<ステップS2802>
MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2801:Yes)、後述の図48の特図変動開始処理のステップS2907でオンに設定される羽役物装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2802)。MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS2802:Yes)、羽役物装置83を作動させるタイミングであると判断できるため、処理をステップS2803に移行する。一方、MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS2801:No)、羽役物装置83を作動させるタイミングでないと判断できるため、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2803~S2808>
MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS2802:Yes)、羽役物装置作動フラグをオフに設定すると共に(ステップS2803)、羽役物装置83の可動羽部832の作動を開始し(ステップS2804)、可動羽部作動中フラグをオンに設定する(ステップS2805)。これにより、羽役物装置83では、導入口831が開放され、可動羽部832によって羽役物装置83の内部に遊技球を導入可能な状態とされる。次いで、MPU41は、V入賞口開閉部835の作動を開始し(ステップS2806)、V入賞口開閉部作動中フラグをオンに設定する(ステップS2807)。これにより、羽役物装置83のV入賞口833が開放され、羽役物装置83の内部に導入口831を介して導入された遊技球がV入賞口833に入賞可能な状態とされる。さらに、MPU41は、作動時間の計時を開始する(ステップS2808)。このステップS2808での計時時間は、後述のステップS2810においてV入賞口開閉部835を待機状態に復帰させてV入賞口833を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断するために、又はステップS2814において可動羽部832を復帰させて導入口831を閉鎖するタイミングであるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。
<ステップS2809>
MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS2801:No)、即ち羽役物装置83を作動させるタイミングではない場合、ステップS2807でオンに設定されるV入賞口開閉部作動中フラグをオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2809)。即ち、MPU41は、V入賞口833が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2809:Yes)、処理をステップS2810に移行し、V入賞口開閉部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2809:No)、処理をステップS2815に移行する。
<ステップS2810>
MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2809:Yes)、ステップS2808で計時が開始される計時時間が予め定められる第1所定時間に対しているか否かを判断する(ステップS2810)。即ち、MPU41は、V入賞口開閉部835を待機位置に復帰させてV入賞口833を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していると判断した場合(ステップS2810:Yes)、処理をステップS2813に移行し、計時時間が第1所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2810:No)、処理をステップS2811に移行する。
<ステップS2811及びS2812>
MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2810:No)、V入賞口833に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS2811)。V入賞口833に遊技球が入賞したか否かは、例えばV入賞口833に設けられる入球センサ(不図示)によって遊技球が検知されたか否かによって判断される。MPU41は、V入賞口833に遊技球が入賞したと判断した場合(ステップS2811:Yes)、2種大当たりフラグをオンに設定し(ステップS2812)、当該羽役物装置制御処理を終了する。ここで、2種大当たりフラグは、V入賞口833への遊技球の入賞に基づく大当たり遊技を実行するかを示すものであり、後述の図49の遊技状態移行処理でのステップS3005において大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。一方、MPU41は、V入賞口833に遊技球が入賞していない判断した場合(ステップS2811:No)、2種大当たりフラグをオンに設定することなく、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2813及びS2814>
MPU41は、計時時間が第1所定時間に達していると判断した場合(ステップS2810:Yes)、即ちV入賞口833を閉鎖させるタイミングであると判断した場合、V入賞口開閉部835を待機位置に復帰させると共に(ステップS2813)、V入賞口開閉部作動中フラグをオフに設定し(ステップS2814)、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2815>
MPU41は、V入賞口開閉部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2809:No)、ステップS2805でオンに設定される可動羽部作動中フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2815)。即ち、MPU41は、V入賞口833が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、羽役物装置83の導入口831が開放中であるか否かを判断する。MPU41は、可動羽部作動中フラグがオンに設定されている場合(ステップS2815:Yes)、処理をステップS2816に移行し、可動羽部作動中フラグがオフに設定されている場合(ステップS2815:No)、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2816>
MPU41は、可動羽部作動中フラグがオンに設定されている(ステップS2815:Yes)、ステップS2808で計時が開始される計時時間が予め定められる第2所定時間に達したか否かを判断する(ステップS2816)。即ち、MPU41は、可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖させるタイミングであるか否かを判断する。MPU41は、計時時間が第2所定時間に達していると判断した場合(ステップS2816:Yes)、処理をステップS2817に移行し、計時時間が第2所定時間に達していないと判断した場合(ステップS2816:No)、羽役物装置83の導入口831の開放状態を維持すべく、当該羽役物装置制御処理を終了する。
<ステップS2817~S2820>
MPU41は、計時時間が第2所定時間に達している場合(ステップS2816:Yes)、可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖し(ステップS2817)、可動羽部作動中フラグをオフに設定する(ステップS2818)。これにより、第2始動口315への遊技球の入賞を契機とする大当たり抽選での抽選結果が小当たりである場合の2種遊技を終了する。さらに、MPU41は、ステップS2808で開始された羽役物装置83の作動時間の計時を終了すると共に(ステップS2819)、羽役物装置作動終了フラグをオンに設定し(ステップS2820)、当該羽役物装置制御処理を終了する。羽役物装置作動終了フラグは、羽役物装置83の作動が終了したこと、即ち2種遊技が終了したことを示すものであり、後述の図49の遊技状態移行処理のステップS3003において2種遊技の終了後に大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。
[特図変動開始処理]
本実施形態に係る遊技機10が1種2種混合機として構成されているため、特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)とは相違点を有する。図48に示すように、本実施形態の特図変動開始処理は、前述の第1の実施形態における特図変動開始処理(図22参照)とは、抽選結果フラグを設定するまでの処理が異なる(ステップS2901~S2908)。また、本実施形態では、第2特図遊技での大当たり抽選での大当たり以外の抽選結果として、外れに加えて小当たりがあるため、本実施形態の特図変動開始処理では、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理での外れに関するステップS1811及びS1817(図22参照)が小当たりの場合を考慮したものとされている(ステップS2909及びS2910)。以下、ステップS2901~S2910について説明する。
<ステップS2901~S2903>
本実施形態の特図変動開始処理では、まずMPU41は、特図の変動を開始する場合、開始予定の特図遊技が第1特図遊技であるか否かを判断する(ステップS2901)。MPU41は、第1特図遊技を開始すると判断した場合(ステップS2901:Yes)、第1特図大当たり当否テーブル(図45(A)参照)に基づいて当否判定を行い(ステップS2902)、処理をステップS2904に移行する。一方、MPU41は、第1特図遊技を開始しないと判断した場合(ステップS2901:No)、即ち第2特図遊技を開始すると判断した場合、第2特図大当たり当否テーブル(図45(A)参照)に基づいて当否判定を行い(ステップS2903)、処理をステップS2904に移行する。
<ステップS2904>
ステップS2904では、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであるか否かを判断する。MPU41は、抽選結果が大当たりである場合(ステップS2904:Yes)、処理をステップS2905に移行し、抽選結果が大当たりでない場合(ステップS2904:No)、即ち抽選結果が小当たり又は外れである場合、処理をステップS2906に移行する。
<ステップS2905>
MPU41は、抽選結果が大当たりである場合(ステップS2904:Yes)、特図大当たりテーブル(図45(B)参照)に基づいて大当たり種別の振り分けを行い(ステップS2905)、処理をステップS2908に移行する。具体的には、MPU41は、大当たり種別カウンタのカウンタ値に応じて、4R時短大当たり又は8R時短大当たりのいずれかに大当たり種別を振り分ける。
<ステップS2906及びS2907>
MPU41は、抽選結果が大当たりでない場合(ステップS2904:No)、即ち抽選結果が小当たり又は外れである場合、抽選結果が小当たりであるか否かを判断する(ステップS2906)。MPU41は、抽選結果が小当たりである場合(ステップS2906:Yes)、羽役物装置作動フラグをオンに設定し(ステップS2907)、処理をステップS2908に移行する。羽役物装置作動フラグは、羽役物装置83を作動させるためのフラグであり、図47の羽役物装置制御処理のステップS2802において、羽役物装置83を作動させるか否かを判断するためにMPU41によって参照される。一方、MPU41は、抽選結果が小当たりでない場合(ステップS2906:No)、即ち抽選結果が外れである場合、羽役物装置作動フラグをオンに設定することなく、処理をステップS2908に移行する。
<ステップS2908>
MPU41は、抽選結果に応じた処理を実行した場合(ステップS2904~S2907)、抽選結果フラグをオンに設定する。具体的には、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が4R時短大当たり又は8R時短大当たりである場合に1種大当たりフラグをオンに設定し、小当たりである場合に小当たりフラグをオンに設定し、外れである場合に外れフラグをオンに設定する。
<ステップS2909及びS2910>
MPU41は、抽選結果フラグをオンに設定した場合(ステップS2908)、前述の第1の形態と同様に所定の処理(ステップS1807~S1811)を実行した後に、ステップS2908でオンに設定される外れフラグ又は小当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS2809)。MPU41は、外れフラグ又は小当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS2909:Yes)、外れフラグ又は小当たりフラグがオンをオフに設定し(ステップS2810)、処理をステップS1815に移行する。一方、外れフラグ又は小当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS2909:No)、処理をステップS1818に移行する。以下、前述の第1の実施形態の特図変動開始処理(図22参照)のステップS1815~S1818の処理を実行し、当該特図変動開始処理を終了する。
[遊技状態移行処理]
前述の第1の実施形態に係る遊技機は、ループ確変機として構成されているため、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理では、特図遊技の終了時(1種遊技の終了時)に時短モードが終了するか否かを判断し、時短モードの終了後にモードAに移行させている(図23のステップS1909~S1913参照)。これに対して、本実施形態の遊技機10は1種2種混合機として構成されているため、特図遊技の終了時(1種遊技の終了時)だけでなく、羽役物装置の作動終了時(2種遊技の終了時)にも時短モードが終了するか否かを判断し、時短モードの終了後にモードAに移行させる点で(図49のステップS3001及びS3002)、前述の第1の実施形態の遊技状態移行処理とは異なる。また、前述の第1の実施形態では、特図遊技の大当り(1種大当たり)を契機として大当たり遊技状態に移行させているが、本実施形態では、1種大当りだけでなく、羽役物装置83のV入賞口833への遊技球の入賞に基づく2種大当たりによって大当たり遊技状態に移行する点で(図49のステップS3003~S3005)、前述の第1の実施形態とは異なる。さらに、前述の第1の実施形態では、大当たり種別に応じてモードの移行先が決定されていたが(図13(A)、図23のステップS1914~S1932参照)、本実施形態では、1種大当たりか2種大当たりかによってモードの移行先が決定される点で(図45(E)、図50のステップS3006~S3012)、前述の第1の実施形態とは異なる。以下、図49及び図50を参照してステップS3001~S3012について説明する。
<ステップS3001>
図49に示すステップS3001では、MPU41は、特図変動停止フラグがオンに設定されている場合に特図変動停止フラグをオフに設定した場合(ステップS1900:YesかつステップS1901)、図48の特図変動開始処理のステップS2908でオンに設定される1種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3001)。1種大当たりフラグは、大当たり抽選での抽選結果が大当たりであることを示すものである。MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)、大当たり遊技状態に移行させるために処理を実行する(ステップS1903~S1907)。一方、MPU41は、1種大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3001:No)、即ち大当たり抽選での抽選結果が小当たり又は外れである場合、処理をステップS3002に移行する。
<ステップS3002>
ステップS3002では、MPU41は、図48の特図変動開始処理のステップS2907でオンに設定される羽役物装置作動フラグがオンに設定されているか否かを判断する。羽役物装置作動フラグは、大当たり抽選での抽選結果が小当たりであること、即ち羽役物装置83を作動させることを示すものである。MPU41は、羽役物装置作動フラグがオンに設定されている場合(ステップS3002:Yes)、羽役物装置83を作動する必要があるために遊技状態を移行するタイミングではないと判断できるため、当該遊技状態移行処理を終了する。一方、MPU41は、羽役物装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS3002:No)、モードA、モードC’又はモードE’のいずれかに移行させるか否かの処理を実行する(ステップS1908~S1911、S3013、図50のステップS1914、S1915、S1917、S3006~S3012)。
<ステップS3003~S3004>
MPU41は、特図変動停止フラグがオフに設定されている場合(ステップS1900:No)、図47の羽役物装置制御処理のステップS2820でオンに設定される羽役物装置作動終了フラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3003)。羽役物装置作動終了フラグは、羽役物装置83の作動を終了させるタイミングであること、即ち可動羽部832を待機位置に復帰させて導入口831を閉鎖させるタイミングであることを示すものである。MPU41は、羽役物装置作動終了フラグがオンに設定されている場合(ステップS3003:Yes)、羽役物装置作動終了フラグをオフに設定し(ステップS3004)、処理をステップS3005に移行する。一方、羽役物装置作動終了フラグがオフに設定されている場合(ステップS3003:No)、図50のステップS1914に処理を移行する。
<ステップS3005>
MPU41は、羽役物装置83の作動を終了させるタイミングである場合(ステップS3003:YesかつステップS3004)、図47の羽役物装置制御処理のステップS2812でオンに設定される2種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する(ステップS3005)。即ち、MPU41は、羽役物装置83の作動終了後に大当たり遊技状態に移行させるか否かを判断する。MPU41は、2種大当たりフラグがオンに設定されていると判断した場合(ステップS3005:Yes)、1種当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3001:Yes)と同様に、大当たり遊技状態に移行させるために処理を実行する(ステップS1903~S1907)。一方、MPU41は、2種大当たりフラグがオフに設定されていると判断した場合(ステップS3005:No)、羽役物装置作動フラグがオフに設定されている場合(ステップS3002:No)と同様に、モードA、モードC’又はモードE’のいずれかに移行させるか否かの処理を実行する(ステップS1908~S1911、S3013、図50のステップS1914、S1915、S1917、S3006~S3012)。
<ステップS3006>
図50に示すステップS3006では、MPU41は、図17のメイン処理のステップS1307での大当たり遊技制御処理でオンに設定される大当たり遊技終了フラグがオンに設定されている場合に大当たり遊技状態を終了する処理を実行した場合(ステップS1914:Yes、ステップS1915及びS1917)、図48の特図変動開始処理のステップS2908でオンに設定される1種大当たりフラグがオンに設定されているか否かを判断する。即ち、MPU41は、大当たり遊技の終了後の移行先が特図遊技状態のうちのモードC’及びモードE’のいずれであるか否かを判断する。MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3006:Yes)、処理をステップS3007に移行する。一方、MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されていない場合(ステップS3002:No)、即ち2種大当たりフラグがオンに設定されている場合、処理をステップS3010に移行する。
<ステップS3007~S3009>
MPU41は、1種大当たりフラグがオンに設定されている場合(ステップS3006:Yes)、特図遊技状態のうちのモードC’に移行させ(ステップS3007)、さらにモードC’フラグをオンに設定する(ステップS3008)。即ち、MPU41は、大当たり抽選での抽選結果が大当たりである1種大当たりの場合に、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであり、第1始動口314と第2始動口315に交互に遊技球が入球し得るモードC’に移行させる。そして、MPU41は、1種大当たりフラグをオフに設定し(ステップS3009)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS3010~S3012>
MPU41は、1種大当たりフラグがオフに設定されている場合(ステップS3006:No)、即ち2種大当たりフラグがオンに設定されている場合、特図遊技状態のうちのモードE’に移行させ(ステップS3010)、さらにモードE’フラグをオンに設定する(ステップS3011)。即ち、MPU41は、羽役物装置83のV入賞口833への遊技球の入賞による2種大当たりの場合に、大当たり遊技の終了後に時短モードかつ高確率モードであり、電動サポート部材36によるサポートで遊技球が第2始動口315に入賞し易いモードE’に移行させる。そして、MPU41は、2種大当たりフラグをオフに設定し(ステップS3012)、当該遊技状態移行処理を終了する。
<ステップS3013>
なお、1種大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードC’に移行されてモードC’フラグがオンに設定され(ステップS3007及びS3008)、2種大当たりの場合に大当たり遊技の終了後にモードE’に移行されてモードE’フラグがオンに設定されるため(ステップS3010及びS3011)、時短モードの終了によりモードAに移行される場合には(図49のステップS1908~S1910)、ステップS3008でオンに設定されるモードC’フラグ、又はステップS3010でオンに設定されるモードE’フラグがオフに設定される。
このように、本実施形態の遊技機10は、特図遊技状態において、モードAからモードC’に、モードC’からモードA、モードC’及びモードE’のいずれかに、モードE’からモードA及びモードE’のいずれかに移行する。即ち、モードAでの初当たり後、時短終了によるモードAへの転落の前に時短モードであるモード’C及びモードE’において如何に1種大当たり又は2種大当たりによって時短モードを継続するかというゲーム性を有する。即ち、本実施形態では、1種2種混合機でありながら、ST機のようなゲーム性を有する遊技機10を提供できる。また、モードC’では、左打ちにより第1特図遊技と第2特図遊技とが交互に実行され得る一方で、モードE’では、右打ちにより基本的に第2特図遊技が実行されると共に、第1特図遊技及び第2特図遊技での1種大当たりとなる確率に比べて、第2特図遊技での小当たりによる羽役物装置の作動により2種大当たりとなる期待度が高い。そのため、本実施形態の遊技機10では、モードE’では、モードC’に比べて時短モードの終了によりモードAへ転落する可能性が低く、その結果、大当たりとなる期待度ひいては遊技者に有利なモードC’及びモードE’が継続する期待度が異なる2種類のモードを有することになり、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
[第7~第12の実施形態]
前述の第1の実施形態では、遊技球によって時計回り方向及び反時計周り方向に交互に回動される振分部材38によって第1通路351と第2通路352とに交互に遊技球が振り分けられる振分装置35を備える遊技機10について説明した。一方、第7~第12の実施形態は、振分装置の振分部の構成が第1の実施形態とは異なる。以下、第7~第12の実施形態について、図51~図54を参照して個別に説明する。
<第7の実施形態>
本実施形態の振分装置は、時計回り方向及び反時計周り方向に交互に回動される振分部を備える点で前述の第1の実施形態と共通するが、振分部がソレノイド等の駆動手段(不図示)によって時計回り方向及び反時計周り方向に交互に回動される点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図51(A)及び図51(B)に示すように、本実施形態の振分装置35Aは、導入口350の直下に回動可能に固定された振分部材38A(振分部)を備える。この振分部材38Aは、爪状に形成されており、図51(A)に示す右傾斜位置と、図51(B)に示す左傾斜位置との間で、駆動手段(不図示)によって回動駆動される。図51(A)に示す右傾斜位置に振分部材38Aが位置する場合に、導入口350を介して導入された遊技球99は、振分部材38Aによって第1通路351に誘導される。これにより、遊技球99は、左第1始動口314Lに入賞する。これに対して、図51(B)に示す左傾斜位置に振分部材38Aが位置する場合に、導入口350を介して導入された遊技球99は、振分部材38Aによって第2通路352に誘導される。これにより、遊技球99は、電動サポート部材36のサポートを受ける場合には第2始動口315に入賞し、電動サポート部材36のサポートを受けない場合には右第1始動口314Rに入賞する。なお、本実施形態の振分装置35Aでは、第2通路352に遊技球が入球されるように遊技球が打ち出されるのを防止するために、例えば振分装置35Aを不透明にするなどして振分部材38Aを外部から視認不能にすることが好ましい。
また、振分部材38Aは、例えば一定時間(例えば0.5秒~2秒程度)ごとに左傾斜位置と右傾斜位置との間で交互に回動するように駆動手段によって駆動されることが考えられる。もちろん、振分部材38Aは、必ずしも一定周期で回動させる必要はなく、パターン化された不規則な回動動作を行うように駆動してもよく、複数の異なる回動パターンで一定時間又は不定時間ごとに変更して動作させてもよい。例えば、第1通路351に入球し易い回動パターンと第2通路352に入球し易い回動パターンとを一定時間又は不定時間ごとに変更してもよい。第1通路351に入球し易い回動パターンとしては、振分部材38Aが右傾斜位置で停止する時間が左傾斜位置で停止する時間よりも長いパターン、振分部材38Aが右傾斜位置から左傾斜位置に回動する速度(時間)が左傾斜位置から右傾斜位置に回動する速度(時間)よりも遅い(長い)パターンなどが考えられる。複数の回動パターンを併用する場合、最終的に1:1の理論値で第1通路351と第2通路352とに遊技球99が振分られるように振分部材38Aを回動駆動させるのが好ましい。但し、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率が1:1以外となるように振分部材38Aを回動駆動させるようにしてもよい。この場合、遊技状態に応じて、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率を変更するようにしてもよい。例えば、モードBに比べてモードCのほうが第2通路352に遊技球が誘導され易いように構成することができ、その逆に構成することも考えられる。また、導入口350の近傍に入球センサを設け、この入球センサによって導入口350への遊技球99の入球が検知された場合、振分部材38Aが左傾斜位置にある場合は振分部材38Aを右傾斜位置に回動させる一方で、振分部材38Aが右傾斜位置にある場合は振分部材38Aを左傾斜位置に回動させることも考えられる。
このように、本実施形態では、振分部材38Aが駆動手段によって予め定められたタイミングで回動されるため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的に偶発的又は意図的に偏りを持たせることができる。これにより、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第8の実施形態>
本実施形態に係る遊技機10は、前述の第7の実施形態に係る遊技機10と同様に、ソレノイド等の駆動手段によって振分部が右傾斜位置と左傾斜位置との間で回動される点で前述の第1の実施形態に係る遊技機10とは異なる。また、本実施形態に係る遊技機は、振分部の形状が前述の第7の実施形態に係る遊技機とは異なる。
図52(A)及び図52(B)に示すように、本実施形態の振分装置35Bは、導入口350の直下に回動可能に固定された振分部材38B(振分部)を備える。この振分部材38Bは、円弧部382B及びシャフト部383Bを有する略T字状ないし錨状に形成されており、図52(A)に示す右傾斜位置と、図52(B)に示す左傾斜位置との間で、不図示の駆動手段によって回動駆動される。なお、本実施形態の振分部材38Bは、形状のみが前述の第7の実施形態の振分部材38Aとは異なり、その他の点では前述の第7の実施形態の振分部材38Aと同様であり、前述の第7の実施形態に係る遊技機10と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態の振分部材38Bは、前述の第7の実施形態の振分部材38Aと同様な設計変更が可能である。
さらに、駆動手段によって回動されることで遊技球99を第1通路351又は第2通路352に振り分ける振分部の形状等は、図51に示す第7の実施形態の振分部材38Aや図52に示す第8の実施形態の振分部材38Bには限定されず、種々に設計変更可能である。例えば、前述の第1の実施形態の振分部材38と同一又は類似の形状としてもよく、第8の実施形態の振分部材38Bにおいて、円弧部382Bに代えて平板部や屈曲部を設けた構成であってもよい。
<第9及び第10の実施形態>
第9及び第10の実施形態の振分装置35は、振分部として、遊技球99が干渉することで、時計回り方向又は反時計周り方向に回転することで遊技球99を第1通路351又は第2通路352のいずれかに振り分ける回転体を備える点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図53(A)に示すように、第9の実施形態に係る遊技機10では、振分装置35Cの振分部が、時計周り方向及び反時計周り方向の双方に自由回転可能な円柱状のローラ38C(回転体)として構成されて、導入口350の直下に配置されている。
一方、図53(B)に示すように、第10の実施形態に係る遊技機10では、振分装置35Dの振分部が、時計周り方向及び反時計周り方向の双方に自由回転可能な風車38Dとして構成され、導入口350の直下に配置されている。風車38Dは、回転体382Dが釘381D(固定部)によって自由回転可能に固定されたものである。釘381Dは、端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端部、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、釘381Dは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、風車38Dの釘381Dが塑性変化可能とされていることで、釘381Dの位置が初期設定位置からズレ、ひいては回転体382Dの位置が初期設定位置からズレた場合に釘381Dを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを釘381Dの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第9及び第10の実施形態に係る遊技機10においても、遊技球99が干渉することで時計回り方向又は反時計周り方向に自由回転するローラ38Cや風車38Dなどの回転体が振分部として採用されているため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、前述の第7の実施形態や第8の実施形態に係る遊技機10と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部がローラ38Cや風車38Dなどの回転体である場合、遊技者は振分部としての回転体による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、振分部としての回転体の構成は、図53(A)に示す円柱状のローラ38Cや図53(B)に示す風車38Dに限定されず、設計変更可能である。例えば、回転体としては、三角柱や四角柱等の角柱状の回転体、楕円柱部材や平板状部材等の断面扁平状部材、歯車等の外周面に凹凸を有する回転体、複数の羽を有するプロペラ状部材等であってもよい。
また、円柱状のローラ38Cや風車38D等の回転体は、当該回転体に接続されたソレノイド等の駆動手段によって時計周り方向及び反時計周り方向に回転可能に構成してもよい。この場合の回転体の回転駆動は、例えば一定時間(例えば0.5秒~2秒程度)ごとに時計周り方向と反時計周り方向とを交互に切り替えることが考えられる。もちろん、回転体は、必ずしも一定時間ごとに回転方向を切り替える必要はなく、パターン化された不規則な時間間隔で回転方向を切り替えてもよい。この場合、1:1の理論値で第1通路351と第2通路352とに遊技球99が振分られるように回転体の回転方向を切り替えるのが好ましいが、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率が1:1以外となるように回転体の回転方向を切り替えるようにしてもよい。この場合、遊技状態に応じて、第1通路351と第2通路352との遊技球の理論振分比率を変更するようにしてもよい。例えば、モードBに比べてモードCのほうが第2通路352に遊技球が誘導され易いように回転体を駆動するように構成することができ、その逆に構成することも考えられる。また、導入口350の近傍に入球センサを設け、この入球センサによって導入口350への遊技球99の入球が検知された場合、前回の回転方向とは逆方向に回転体を回転させることも考えられる。
<第11及び第12の実施形態>
第11及び第12の実施形態の振分装置は、回動や回転によらず、不動かつ回転不能な振分部(固定振分部)によって遊技球99を第1通路351又は第2通路352のいずれかに振り分ける点で前述の第1の実施形態とは異なる。
図54(A)に示すように、第11の実施形態に係る遊技機10の振分装置35Eでは、導入口350の直下に頂部389Eを有し、左右対称な山状固定部38Eとして振分部が形成されている。この山状固定部38Eでは、頂部389E又はその近傍に干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路351及び第2通路352に遊技球99が振り分けられる。
一方、図54(B)に示すように、第12の実施形態に係る遊技機10の振分装置35Fでは、頂点釘389F(固定部)が導入口350の直下に位置し、左右対称な三角釘38Fによって構成された振分部が形成されている。この三角釘38Fでは、頂点釘389Fに干渉した遊技球99が左右に振り分けられるため、第1通路351及び第2通路352に遊技球99が振り分けられる。三角釘38Fは、それぞれ端部が遊技盤31に打設されており、前記端部が固定端部、前記端部の反対側の端部が自由端とされている。また、三角釘38Fは、例えば金属により形成されており、塑性変形が可能である。そのため、三角釘38Fのそれぞれが塑性変化可能とされていることで、三角釘38Fの位置が初期設定位置からズレた場合に三角釘38Fを初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを三角釘38Fの位置を調整することで改善することが可能になる。
また、第11及び第12の実施形態に係る遊技機10においても、振分部が山状固定部38Eや三角釘38Fなどの不動かつ回転不能な固定振分部であるため、遊技球99が第1通路351と第2通路352とに振り分けられる比率について、一時的かつ偶発的に偏りを持たせることができる。これにより、前述の第7の実施形態や第8の実施形態に係る遊技機10と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCである場合に、遊技球99が第1通路351及び第2通路352のいずれに誘導されるか、即ち遊技球99が電動サポート部材36のサポートを受けて第2始動口315に入賞するか否かについて一喜一憂しつつ遊技を楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、振分部が山状固定部38Eや三角釘38Fなどの不動かつ回転不能な固定振分部である場合、遊技者は固定振分部による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
なお、遊技球99を第1通路351及び第2通路352に振り分ける振分部の構成は、図54(A)に示す山状固定部38Eや図54(B)に示す三角釘38Fに限定されず、設計変更可能である。例えば、振分部としては、ドーム状山部等の左右対称な他の形状であってもよく、また頂点釘が導入口350の直下に位置する四角釘(菱形釘)等の4本以上の釘からなるものや、1本の釘からなるものであってもよい。もちろん、左右非対称な形状とすることで、第1通路351と第2通路352との遊技球の振り分け比率に偏りを持たせてもよい。
[第13~第29の実施形態]
前述の第1の実施形態では、普通電動役物としての電動サポート部材36に、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する傾斜状に壁部361から複数の遅延ガイド364を設け、これらの複数の遅延ガイド364を千鳥状に配置することで、電動役物36における遊技球99の滞留時間を長く確保できるように構成されていた。これに対して、第13~第29の実施形態では、前述の第1の実施形態とは異なる構成によって電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保している。以下、第13~第29の実施形態について、図55~図63を参照して個別に説明する。
<第13~第15の実施形態>
前述の第1の実施形態では、普通電動役物である電動サポート部材36の遅延部として、壁部361から千鳥状に延出し、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する複数の傾斜状の遅延ガイド364を設け、電動サポート部材36において遊技球99を蛇行した経路で移動させることで、電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保していた。これに対して、第13の実施形態~第15の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に電動サポート部材において遅延部によって遊技球99を蛇行した経路で移動させるように構成されているが、遅延部の構成が前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図55(A)~図55(C)を参照して第13~第15の実施形態を説明する。ここで、図55(A)は第13の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Aの平面図、図55(B)は第14の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Bの平面図、図55(C)は第15の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Cの平面図である。
図55(A)に示すように、第13の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Aでは、遅延部としての複数の遅延ガイド364Aのそれぞれが、平面視において正三角形であり、右側(上流側)に傾斜辺が位置し、全体で千鳥状に配置されている。一方、図55(B)に示すように、第14の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Bでは、遅延部としての複数の遅延ガイド364Bのそれぞれが、平面視において半円形であり、全体で千鳥状に配置されている。図55(A)及び図55(B)に示す複数の遅延ガイド364A,364Bでは、電動サポート部材36A,36Bにおいて、遊技球99が各遅延ガイド364A,364Bに干渉することで、遊技球99が蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動する。
なお、遅延部としての複数の遅延ガイドは、平面視形状が正三角形や半円形のものに限らず、遊技球99を蛇行させることができる形状であれば特に制限はない。例えば、複数の遅延ガイドは、それぞれを2等辺三角形、直角三角形、台形、平行四辺形等の角形に形成し、傾斜辺が右側(上流側)に位置するように千鳥状に配置したもの、それぞれを4分円、半楕円、4分楕円等の放物線状や円弧状の外周部を有する形状に形成し、放物線状や円弧状の外周部が右側(上流側)に位置するように千鳥状に配置したもの等であってもよい。
図55(C)に示すように、第15の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Cでは、遅延部が蛇行溝364Cとして形成されている。このような蛇行溝364Cによっても、電動サポート部材36Cにおいて遊技球99が蛇行しながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動する。なお、遅延部としての蛇行溝364Cの形状は、遊技球99を蛇行させることができる溝形状であるある限り、種々に可能である。
このように第13~第15の実施形態の電動サポート部材36A~36Cでは、前述の第1の実施形態に係る遊技機10と同様に、電動サポート部材36A~36Cにおいて遊技球99を蛇行させながら右側(上流側)から左側(下流側)に移動させることで、電動サポート部材36A~36Cにおける遊技球99の滞留時間を長く確保できる。これにより、第13~第15の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、特図遊技状態がモードB又はモードCであるときに遊技者が右打ちを行った場合、電動サポート部材36A~36Cによるサポートを受けることが困難になる。そのため、左打ちが奨励される状況下で右打ちをした場合に、遊技機10において予定される利益を超えた異常な利益が得られることを防止できる。
<第16~第29の実施形態>
前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36の遅延部として、壁部361から千鳥状に延出し、先端部が基端部に比べて左側(下流側)に位置する複数の傾斜状の遅延ガイド364を設けて電動サポート部材36において遊技球99を蛇行した経路で移動させることで、電動サポート部材36での遊技球の移動距離を大きくし、電動サポート部材36における遊技球99の滞留時間を長く確保していた。これに対して、第16の実施形態~第29の実施形態では、電動サポート部材の遅延部として、電動サポート部材において遊技球を直線的に移動させつつも、電動サポート部材における遊技球の滞留時間を長く確保できるように構成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図56~図63を参照して第16~第29の実施形態を具体的に説明するが、これらの実施形態の電動サポート部材においても遊技球の滞留時間を長く確保できるため、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏する。即ち、特図遊技状態がモードB又はモードCであるときに遊技者が右打ちを行った場合に電動サポート部材によるサポートを受けることが困難になるため、左打ちが奨励される状況下で右打ちをした場合に遊技機10において予定される利益を超えた異常な利益が得られることを防止できる。
(第16の実施形態)
ここで、図56(A)は第16の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Dの斜視図、図56(B)は図56(A)のA1-A1切断線に沿う断面図である。
図56(A)及び図56(B)に示すように、第16の実施形態では、電動サポート部材36Dの遅延部として、壁部361の間で一連に延びる複数の線状凸部364Dが設けられている。複数の線状凸部364Dは、一定間隔を隔てて互いに平行に延びている。各線状凸部364Dは、水平面365Dと垂直面366Dとを有し、三角形の一様断面を有する。本実施形態の電動サポート部材36Dでは、水平面365Dが設けられることで、この水平面365Dにおいて遊技球99の移動が遅延される。
なお、水平面365Dは、滑面であっても、粗面であってもよいが、遊技球を遅延させる観点からは移動抵抗の大きい粗面が好ましい。ここで、粗面には、シボによる梨地面の他、エンボスなどによる凹凸を有する面などが含まれる。また、水平面に弾性部材を配置し、あるいは水平面を弾性材料により形成することで、遊技球の移動抵抗を大きくするようにしてもよい。
線状凸部364Dは、水平面365Dに代えて、左側(下流側)が右側(上流側)に比べて若干低位又は高位である微傾斜面を設けたものであってもよい。この場合の微傾斜面の水平に対する傾斜角度は、電動サポート部材36Dの水平に対する傾斜角度よりも小さければ遅延機能を奏するため、例えば水平面に対して-10°~+10°(0°を除く)が好ましい。また、遅延部としての線状凸部は、必ずしも複数設ける必要はなく、1つであってもよい。
(第17~第19の実施形態)
ここで、図57(A)は第17の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Eの要部を示す断面図、図57(B)は第18の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Fの要部を示す断面図、図57(C)は第19の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Gの要部を示す断面図である。
第17~第19の実施形態の電動サポート部材36E~36Gは、水平面365E~365Gを有する線状凸部364E~364Gが複数設けられている点で、前述の第16の実施形態の電動サポート部材36Dと共通する。一方、図57(A)に示すように、第17の実施形態の線状凸部364Eは、前述の第16の実施形態の垂直面366Dに代えて傾斜面366Eが設けられている点で、図57(B)に示すように、第18の実施形態の線状凸部364Fは、水平面365Fを有するが、前述の第16の実施形態の垂直面366Dに代えて円弧面366Fが設けられている点で、前述の第16の実施形態とは異なる。なお、第16の実施形態の電動サポート部材36Dの垂直面366Dの代替となる面は、傾斜面366Eや円弧面366Fに限らず、他の形状の面であってもよい。
また、図57(C)に示すように、第18の実施形態では、複数の線状凸部364Gが隣接して設けられ、水平面365Gと垂直面366Gとが交互に連続している点で、前述の第16の実施形態の線状凸部364Dとは異なる。もちろん、第18の実施形態においても、垂直面366Gに代えて、傾斜面や円弧面等の他の形状の面を採用してもよい。
なお、第17~第19の実施形態の線状凸部364E,364F,364Gにおいても、前述の第16の実施形態と同様な変更が可能である。
(第20の実施形態)
ここで、図58(A)は第20の実施形態に係る遊技機の電動サポート部材36Hの斜視図、図58(B)は図58(A)のA2-A2切断線に沿う断面図である。
図58(A)及び図58(B)に示す第20の実施形態の電動サポート部材36Hは、複数の線状凹部として設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図58(A)及び図56(B)に示すように、第20の実施形態では、電動サポート部材36Hの遅延部として、壁部361の間で一連に延びる複数の線状凹部364Hが設けられている。複数の線状凹部364Hは、一定間隔を隔てて互いに平行に延びている。各線状凹部364Hは、水平面365Hと垂直面366Hとを有し、三角形の一様断面を有する。本実施形態の電動サポート部材36Hでは、水平面365Hが設けられることで、この水平面365Hにおいて遊技球99の移動が遅延される。なお、線状凹部364Hは、水平面365H及び垂直面366Hに代えて、前述の第16~第19の実施形態と同様に他の形状の面を採用してもよい。また、遅延部としての線状凹部は、必ずしも複数設ける必要はなく、1つであってもよい。
(第21~第26の実施形態)
ここで、図59(A)は第21の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Iの斜視図、図59(B)は第22の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Jの斜視図、図60(A)は第23の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Kの要部を示す斜視図、図60(B)は第24の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Lの要部を示す斜視図、図61(A)は第25の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Mの要部を示す斜視図、図61(B)は第26の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Nの要部を示す斜視図である。
図59~図61に示す第21~第26の実施形態の電動サポート部材36I~36Nは、遅延部が離散的に配置された複数の凸部364I~364Nとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図59(A)に示すように、第21の実施形態では、電動サポート部材36Iの遅延部が複数の凸部364Iとして形成され、これらの凸部364Iが矩形格子状に配置されている。各凸部364Iは、電動サポート部材36Iの長手方向に沿った断面形状が前述の第16の実施形態の線状凸部364Dの長手方向に沿った断面形状(図56(A)のA1-A1切断線に沿った断面形状(図56(B)参照))と同様な形状とされている。
図59(B)に示すように、第22の実施形態では、前述の第21の実施形態と同様な形状を有する複数の凸部364Jが、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置されている。
図60(A)に示すように、第23の実施形態では、複数の凸部364Kが四角柱状に形成され、これらの凸部364Kが矩形格子状に配置されている。複数の凸部364Kは、三角柱状、五角柱状等の四角柱状以外に多角柱状に形成してもよく、千鳥状(斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状))に配置してもよい。
図60(B)に示すように、第24の実施形態では、複数の凸部364Lが四角錐状に形成され、これらの凸部364Lが矩形格子状に配置されている。複数の凸部364Lは、三角錐状、五角錐状等の四角錐状以外に多角錐状に形成してもよく、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置してもよい。
図61(A)に示すように、第25の実施形態では、複数の凸部364Mが円柱状に形成され、これらの凸部364Mが矩形格子状に配置されている。
図61(B)に示すように、第26の実施形態では、複数の凸部364Nが半球状に形成され、これらの凸部364Nが矩形格子状に配置されている。
第25の実施形態の複数の凸部364M及び第26の実施形態の複数の凸部364Nは、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置してもよい。また、複数の凸部364M及び複数の凸部364Nに代えて、円錐状、円錐台形状等の底面が円形の他の形状の複数の凸部を離散的に配置してもよい。
なお、遅延部としての複数の凸部は、全てが同一の形状である必要はなく、複数の異なる形状の凸部を組み合わせて配置してもよく、線状凸部や線状凹部と組み合わせて配置してもよい。また、遅延部としての複数の凸部は、必ずしも格子状に配置する必要はなく、格子状以外に規則性を有するように配置し、又は規則性を有しないランダム配置等であってもよい。
(第27及び第28の実施形態)
ここで、図62(A)は第27の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Oの斜視図、図62(B)は第28の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Pの斜視図である。
図62(A)及び図62(B)に示す第27及び第28の実施形態の電動サポート部材36O,36Pは、遅延部が離散的に配置された複数の凹部364O,364Pとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図62(A)に示すように、第27の実施の形態の電動サポート部材36Oでは、遅延部として複数の凹部364Oが形成され、これらの凹部364Oが矩形格子状に配置されている。各凹部364Oは、電動サポート部材36Oの長手方向に沿った断面形状が前述の第16の実施形態の線状凸部364Dの長手方向に沿った断面形状(図56(A)のA1-A1切断線に沿った断面形状(図56(B)参照))と同様な形状とされている。
図62(B)に示すように、第28の実施の形態の電動サポート部材36Pでは、遅延部として、前述の第27の実施形態の凹部364Oと同様な形状を有する複数の凹部364Pが、斜方格子状(菱形格子状、三角格子状、二等辺格子状)に配置されている。
なお、遅延部としての複数の凹部の形状は、種々に変更可能であり、例えば四角柱状等の多角柱状、四角錐状等の多角錐状、円柱状、半球状、円錐状、円錐台形状等の底面が円形形状のもの等であってもよい。
また、遅延部としての複数の凹部は、全てが同一の形状である必要はなく、複数の異なる形状の凹部を組み合わせて配置してもよく、線状凸部、線状凹部、複数の凸部と組み合わせて配置してもよい。さらに、遅延部としての複数の凹部は、必ずしも格子状に配置する必要はなく、格子状以外に規則性を有するように配置し、又は規則性を有しないランダム配置等であってもよい。
(第29の実施形態)
ここで、図63(A)は第29の実施形態に係る遊技機10の電動サポート部材36Qの斜視図、図63(B)は図63(A)のA3-A3切断線に沿う断面図である。
図63(A)及び図63(B)に示す第29の実施形態の電動サポート部材36Qは、遅延部が回転駆動される複数のローラ364Qとして設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
図63(A)及び図63(B)に示すように、第29の実施形態の電動サポート部材36Qは、遅延部としての複数のローラ364Q(本実施形態では5つ)を備える。但し、ローラ364Qは、必ずしも複数設ける必要はなく、少なくとも1つあればよい。各ローラ364Qは、回転軸が電動サポート部材36Qの短手方向(遊技球99の移動方向に交差する方向)に沿うように配置され、回転可能に支持されている。また、各ローラ364Qは、ソレノイド等の駆動手段(不図示)によって、遊技球の移動方向とは逆方向である時計周り方向に回転駆動される。そのため、電動サポート部材36Qを移動する遊技球99は、複数のローラ364Qと干渉することで、右側(上流側)に向けら負荷が作用される。これにより、右側(上流側)から左側(下流側)に移動する遊技球99の勢いが減ぜられることで、電動サポート部材36Qを移動する遊技球99の滞留時間が長く確保される。
なお、ローラ364Qは、外表面が滑面であっても、粗面であってもよいが、遊技球を遅延させる観点からは移動抵抗の大きい粗面が好ましい。ここで、粗面には、シボによる梨地面の他、エンボスなどによる凹凸を有する面などが含まれる。また、ローラ364Qの外表面に弾性部材を配置し、あるいはローラ364Qは、外表面を弾性材料により形成することで、遊技球の移動抵抗を大きくするようにしてもよい。
また、遅延部をローラとして構成する場合、ローラを介して遊技球99に対して磁力又は電磁力を与える構成としてもよい。これにより、遊技球99がローラに吸引されることで、遊技球99の勢いを減じることができる。この場合、ローラが、第29の実施形態のように反時計周り方向に回転駆動してもよいが、駆動手段によって回転駆動することなく、自由回転可能な構成としてもよい。
さらに、ローラ364Qは、前述の第16~第28の実施形態の電動サポート部材36D~36Pのように、線状凸部364D~364G、線状凹部364H、格子状に配置された複数の凸部364I~364Nや凹部364O,364Pを設ける構成に付加して使用することも考えられる。
[第30~第38の実施形態]
前述の第1の実施形態では、機能が同一である2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられ、また第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315が左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間における振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられる場合を説明した。これに対して、第30~第38の本実施形態では、第1始動口及び第2始動口のそれぞれが1つずつ設けられる点で前述の第1の実施形態とは異なる。以下、図面を参照し、第30~第38の実施の形態を個別に説明する。
<第30の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36によって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が逆への字状に形成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、電動サポート部材が逆への字状に形成されているため、第1始動口及び第2始動口の構成も前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図64~図66を参照して第30の実施形態を具体的に説明する。ここで、図64(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Rを含む遊技盤31の要部を示す図、図64(B)は電動サポート部材36Rの斜視図、図65(A)は図64(A)において電動サポート部材36Rが待機状態にある場合の図、図65(B)は図65(A)のA3-A3切断線に沿う断面図、図66(A)は図64(A)において電動サポート部材36Rが作動位置にある場合の図、図66(B)は図66(A)のA4-A4切断線に沿う断面図である。
前述の第1の実施形態では、機能が同一の2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。さらに、前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36は、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方と、振分装置35の第2通路352の出口下方(第2始動口315の上方)との間に一連に延びており、第2始動口315への遊技球の入球を制限する待機位置と、第2始動口315への遊技球の入球を許容する作動位置との間で遊技盤31の前後に移動可能である。
これに対して、本実施形態では、図64(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。即ち、本実施形態の第1始動口314は、前述の第1の実施形態の第2始動口315の位置に設けられており、第1通路351に振り分けられる遊技球99及び第2通路352に振り分けられる遊技球99のいずれも、同一の第1始動口314に入賞可能である。また、本実施形態の第2始動口315は、後述の振分装置35の第2通路352の直下から右側にオフセットした位置に設けられており、第2通路352から放出される遊技球99がダイレクトに第2始動口315に入球されることはない。
図64(A)及び図64(B)に示すように、電動サポート部材36Rは、左誘導部361R(第1部分)及び右誘導部362R(第2部分)を有する逆への字状である。左誘導部361Rは、振分装置35の第2通路352の下方かつ第2始動口315の左方に位置し、第2始動口315に向けて右下がりに傾斜している。そのため、左誘導部361Rは、第2通路352から放出される遊技球99を右側に誘導可能である。右誘導部362Rは、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方と第2始動口315の右方との間に一連に延び、第2始動口315に向けて左下がりに傾斜している。そのため、右誘導部362Rは、ステージ310から移動する遊技球を第2始動口315に向けて左側に誘導可能である。また、右誘導部362Rには、前述の第1の実施形態と同様に遅延部を設けるのが好ましい。これにより、電動サポート部材36Rが短時間動作される遊技状態において、奨励される打ち方(左打ち)以外の打ち方(右打ち)を行った場合に、第2始動口315に遊技球が入賞され難くなる。即ち、遊技機10では、左打ちが奨励される遊技状態で右打ちを行うことの利点を無くすことで、遊技者に対して積極的に左打ちを行わせることができる。
左誘導部361Rと右誘導部362Rとの間には、第2始動口315の上方に位置するように貫通部363Rが設けられている。この貫通部363Rは、前方に開放する切欠状であり、遊技球99を通過させることが可能な形態に形成されている。そのため、左誘導部361Rから誘導される遊技球99は、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球可能であり、右誘導部362Rから誘導される遊技球99は、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球可能である。また、電動サポート部材36Rは、遊技球の第2始動口315への入球を制限する待機位置と、遊技球の第2始動口315への入球を許容する作動位置との間で前後方向に移動可能である。電動サポート部材36Rの前後方向への移動は、ソレノイド等の駆動手段(不図示)により実現される。また、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36とは形状が異なるものの、作動条件及び作動パターンなどは前述の第1の実施形態と同様である。具体的には、モードA~モードCでは、普図当たり抽選での抽選結果が当たりである場合に第1スルーゲート318を通過する遊技球99が第2始動口315に入球可能に短時間駆動され、モードD及びモードEでは、普図当たり抽選での抽選結果が当たりである場合にステージ310から移動してくる遊技球99が第2始動口315に入球可能に長時間駆動される。なお、電動サポート部材36Rは、普図当たり抽選を行うことなく、第1スルーゲート318において振分装置35の第2通路352での遊技球の通過が検知されることを条件に作動させるようにしてもよい。
図65(A)及び図65(B)に示すように、電動サポート部材36Rが待機位置にある場合、電動サポート部材36Rは、遊技盤31から突出することはなく、全体が遊技盤31の内部に位置する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、左誘導部361Rによって第2始動口315に誘導されることなく、第1始動口314に入球される。また、ステージ310から移動してくる遊技球99は、右誘導部362Rによって第2始動口315に誘導されることなく、ステージ310の左方で遊技盤31に沿って落下してアウト口317から排出される。即ち、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に、待機位置にある場合に第1始動口314への遊技球99の入球を許容する一方で、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。
図66(A)及び図66(B)に示すように、電動サポート部材36Rが作動位置にある場合、電動サポート部材36Rは、遊技盤31から突出する。そのため、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99は、左誘導部361Rによって貫通部363Rに向けて誘導され、遊技球99が貫通部363Rに到達するまで電動サポート部材36Rが作動位置にある場合に、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球される。また、ステージ310から移動してくる遊技球99は、右誘導部362Rによって貫通部363Rに向けて誘導され、遊技球99が貫通部363Rに到達するまで電動サポート部材36Rが作動位置にある場合に、貫通部363Rを通過して第2始動口315に入球される。即ち、電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に、作動位置にある場合に第1始動口314への遊技球99の制限を許容する一方で、第2始動口315への遊技球99の入球を許容する。また、電動サポート部材36Rは、作動位置にある場合に振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれもが第2始動口315に入球されることを許容する。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられている。退避誘導釘393,394は、電動サポート部材36Rの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する。即ち、退避誘導釘393,394は、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Rが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Rによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Rが作動されることで電動サポート部材36Rのサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36Rによるサポートを受けることができなかった場合には第1始動口314に入球される。そのため、本実施形態では、第1通路351によって第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352によって第1始動口314に遊技球99が入球される状態と、第2通路352又は電動サポート部材36Rによって第2始動口315に遊技球が入球される状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられた遊技球99が第1始動口314及び第2始動口315のいずれかに入球するかは電動サポート部材36Rの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Rの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態では、振分装置35と電動サポート部材36Rとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられた遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態の電動サポート部材36Rは、前述の第1の実施形態と同様に、第2始動口315への遊技球99の入球の制限の有無だけでなく、振分装置35の第2通路352を通過する遊技球99の第1始動口314への入球の制限の有無を同時に切り替える。そのため、本実施形態の遊技機10では、前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35と電動サポート部材36Rとが協働することで、第1始動口314と第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を実現し、入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて遊技の単調さを低減し、電動サポート部材36Rの動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
ところで、前述の第1の実施形態では、電動サポート部材36のように右打ち時の遊技球が第1始動口314Rの上方を通過して第2始動口315に入球する。この場合、第1始動口314Rの上方を遊技球が通過するタイミングで電動サポート部材36が待機位置に復帰した場合、右打ち時の遊技球が第1始動口314に入球する可能性がある。これに対して、本実施形態では、右打ち時の遊技球が電動サポート部材36Rの右誘導部362Rによって第2始動口315に誘導されるため、右打ち時の遊技球が第1始動口314の上方を通過することがない。そのため、右打ち時の遊技球が第1始動口314に入球されることを防止できる。
なお、電動サポート部材36Rの貫通部は、前方に開放した切欠状に限らず、水平方向に開放することなく、上方及び下方にのみ開放する貫通孔であってもよい。
<第31の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36によって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、普通電動役物が電動チューリップとして構成されている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、普通電動役物が電動チューリップとして構成されているため、第1始動口及び第2始動口の構成も前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図67(A)及び図67(B)を参照して第31の実施形態を具体的に説明する。ここで、図67(A)及び図67(B)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動チューリップ役物装置36Sを含む遊技盤31の要部を示す図であり、図67(A)は電動チューリップ役物装置36Sが閉鎖された状態を、図67(B)は電動チューリップ役物装置36Sが開放された状態をそれぞれ示している。
前述の第1の実施形態では、機能が同一の2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図67(A)及び図67(B)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。即ち、本実施形態の第1始動口314は、前述の第1の実施形態の第2始動口315の位置に設けられており、第1通路351に振り分けられた遊技球99及び第2通路352に振り分けられた遊技球99のいずれも、同一の第1始動口314に入賞可能である。また、本実施形態の第2始動口315は、後述の電動チューリップ役物装置36Sの内部に設けられている。
電動チューリップ役物装置36Sは、振分装置35の第2通路352の直下領域から右側にオフセットした位置に設けられ、遊技盤31に固定されたハウジング367S、及び回動可能な左右羽部材3681S,3682Sを有する。
ハウジング367Sは、左右羽部材3681S,3682Sの回動及び遊技球99の入球を許容する上部開口369Sを有する。この上部開口369Sは、電動チューリップ役物装置36Sの内部に遊技球99を導入する部分であり、振分装置35の第2通路352の直下領域よりも右側にオフセットした位置に設けられている。即ち、第2通路352に誘導された遊技球は、上部開口369Sに直接導入されることが制限されている。また、上部開口369Sの直下には、第2始動口315が設けられている。第2始動口315は、上部開口369Sと同様に、第2通路352に対して右側にオフセットしている。
また、上部開口369Sの上方には3本の釘により構成される三角釘31Sが設けられている。この三角釘31Sは、左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態(図67(A)参照)において、電動チューリップ役物装置36Sの内部への遊技球99の入球を制限する。なお、三角釘31Sに代えて、1本の釘により遊技球99の入球を制限してもよく、釘以外のもので遊技球の入球を制限してもよい。また、閉鎖状態での左右羽部材3681S,3682Sの先端部間の距離を小さくするなどして、左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態での電動チューリップ役物装置36Sへの遊技球99の入球を制限できる場合、三角釘31Sを省略してもよい。
電動チューリップ役物装置36Sの右側には、遊技球99の通過を許容する隙間を介して、複数の釘により構成される道釘31M’(誘導部)が設けられている。道釘31M’は、左下がりに傾斜するように設けられており、遊技盤31の右側領域に打ち出されて右側領域を流下する遊技球99を電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導する。そのため、後述の左右羽部材3681S,3682Sが開放された状態(図67(B)参照)では、道釘31M’に誘導されることで、遊技球99が上部開口369Sを介して電動チューリップ役物装置36Sの内部に導入され、第2始動口315に遊技球99が入球される。一方、後述の左右羽部材3681S,3682Sが閉鎖された状態(図67(A)参照)では、道釘31M’に誘導された遊技球99は、右羽部材3682Sによって上部開口369Sへの入球が制限され、電動チューリップ役物装置36Sと道釘31M’の間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
左右羽部材3681S,3682Sは、遊技盤31の背面に設けられたソレノイド等の駆動手段(不図示)によって回動可能であり、駆動手段によって、左右羽部材3681S,3682Sの先端部が近接する閉鎖状態(図67(A)参照)と、左右羽部材3681S,3682Sの先端部が離間する開放状態(図67(B)参照)とが切り替えられる。なお、左右羽部材3681S,3682Sは、MPU41によって、前述の第1の実施形態の電動サポート部材36と同様に駆動される。即ち、前述の第1の実施形態での普通電動役物制御処理(図19参照)において、普通電動役物(電動サポート部材36)の作動が本実施形態の左右羽部材3681S,3682Sの開放に相当し、普通電動役物(電動サポート部材36)の復帰が本実施形態の左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖に相当する。
図67(A)に示す左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態では、第2通路352を通過した遊技球99は、左羽部材3681Sの側面に衝突し、電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球できない。即ち、左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態では、第2通路352から放出される遊技球99の第2始動口315への入球が、左羽部材3681Sによって阻害される。このとき、左羽部材3681Sの側面に衝突した遊技球99は、左側に弾かれて球受部391に落下し、球受部391によって第1始動口314に誘導されることで第1始動口314に入賞する。また、遊技盤31の右側領域に打ち出されて道釘31M’によって電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導される遊技球99は、電動チューリップ役物装置36Sの側面に衝突し、電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球できない。このとき、電動チューリップ役物装置36Sの側面に衝突した遊技球99は、上述のように電動チューリップ役物装置36Sと道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
図67(B)に示す左右羽部材3681S,3682Sの開放状態では、第2通路352から放出される遊技球99は、左羽部材3681Sに拾われて電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球し、第2始動口315に入賞される。また、遊技盤31の右側領域を流下して道釘31M’によって電動チューリップ役物装置36Sに向けて誘導される遊技球99は、第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする右羽部材3682Sに拾われて電動チューリップ役物装置36Sの内部に入球し、第2始動口315に入賞される。即ち、電動チューリップ役物装置36Sは、左右羽部材3681S,3682Sの閉鎖状態である場合に、振分装置35の第2通路352を通過した遊技球99、及び遊技盤31の右側領域に打ち出された遊技球99のいずれもが第2始動口315に入球されることを許容する。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態の電動チューリップ役物装置36Sは、前述の第1の実施形態と同様に、第2始動口315への遊技球99の入球の制限の有無だけでなく、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99の第1始動口314への入球の制限の有無を同時に切り替える。そのため、本実施形態の遊技機10では、前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35と電動チューリップ役物装置36S(左右羽部材3681S,3682S)とが協働することで、第1始動口314と第2始動口315との入球比率を可変化することができる。これにより、第1始動口314と第2始動口315との入球比率の期待値が異なるモードA(期待値が0%)、モードC(期待値が50%)及びモードE(期待値が100%)の3つの遊技状態を実現し、入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて遊技の単調さを低減し、電動チューリップ役物装置36S(左右羽部材3681S,3682S)の動作を制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。特に、電動チューリップ役物装置36Sとして構成する場合、例えば遊技盤31の左側領域に遊技球を打ち出す左打ちが奨励される遊技状態(例えばモードAやモードC)において、遊技盤31の右側領域に遊技球を打ち出す右打ちが行われた場合に電動チューリップ役物装置36Sに遊技球99が入球するのを防止するため遅延部(前述の第1の実施形態の電動サポート部材36の遅延ガイド364)を設ける必要はなく、公知の電動チューリップ役物装置36Sを採用できる。そのため、本実施形態の遊技機10は、前述の第1の実施形態に比べて設計が容易になるといった利点を有する。また、本実施形態では、第1始動口314が一つでよいことから、前述の第1の実施形態に比べて第1始動口及び入球センサを一つ省略できるため、この点においても前述の第1の実施形態に比べて設計が容易であり、また製造コスト的に有利である。
<第32の実施形態>
前述の第1の実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下に右第1始動口314Rが設けられる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第1始動口とは機能の異なる一般入賞口が設けられている点で、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図68(A)を参照して第32の実施形態を具体的に説明する。ここで、図68(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36を含む遊技盤31の要部を示す図である。
図68(A)に示すように、本実施形態では、第1始動口314が1つである点で前述の第1の実施形態とは異なるが、この第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に設けられている点で前述の第1の実施形態と共通する。なお、第1始動口314とは機能が異なる第2始動口315は、前述の第1の実施形態と同様に、導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。また、電動サポート部材36は、前述の第1の実施形態と同様に、可変入賞装置316の下方のステージ310の左側と、振分装置35の第2通路352の出口下方との間に一連に延びており、待機位置と作動位置との間で遊技盤31の前後方向に移動可能である。さらに、第2通路352の下方には、第1始動口ではなく、第1始動口314及び第2始動口315とは機能が異なる一般入賞口313’が設けられている。即ち、電動サポート部材36は、待機位置において一般入賞口313’が開放された状態とする一方で、作動位置において一般入賞口313’が閉鎖された状態とする。また、電動サポート部材36は、待機位置において一般入賞口313’を開放した状態では第2始動口315への遊技球の入球を制限する一方、作動位置において一般入賞口313’を閉鎖した状態では第2始動口315へ誘導し、第2始動口315への遊技球の入球を許容する。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられた遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球99は、電動サポート部材36が作動されることで電動サポート部材36のサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36によるサポートを受けることができなかった場合には一般入賞口313’に入球される。
ここで、従来の遊技機の振分装置は、第1始動部と第2始動部とに遊技球を振り分けるものであり、遊技が単調になる欠点があった。これに対して、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に入球される状態と、第2通路352の遊技球が一般入賞口313’に入球される状態と、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられた遊技球99が一般入賞口313’及び第2始動口315のいずれに入球されるかは電動サポート部材36の作動の有無に依存し、電動サポート部材36の作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態では、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられる遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
特に、本実施形態では、第2通路352の遊技球99が一般入賞口313’に入球し得ることで、従来の遊技機では実現し得ない新規な遊技性を有する遊技機10が提供される。具体的には、例えばモードAでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球されるが、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されることなく一般入賞口313’に入球される。一方、潜伏確変としてのモードCでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球され、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第2始動口315に入球する。即ち、振分装置35に導入された遊技球99は、モードAでは半分が始動口(第1始動口314)に入球されると共に半分が一般入賞口313’に入球される一方で、モードCでは全ての遊技球99が始動口(半部が第1始動口314、半分が第2始動口315)に入球される。そのため、モードCでは、モードAでは実行されない第2特図遊技が実行されるだけでなく、振分装置35に入球される遊技球数を基準とすれば、モードAの2倍数の特図遊技が実行される。換言すれば、モードC(潜伏確変)では、モードAに比べて大当たり抽選を受ける機会が2倍になる。このように、本実施形態では、従来の遊技機では実現し得なかった新たな遊技機の遊技機10が提供される。
また、第1始動口314と一般入賞口313’とで賞球数を異なったものとずれば、特図遊技における遊技球の増減を前述の第1の実施形態とは異なったものとすることもできる。例えば、一般入賞口313’に対する賞球数を第1始動口314に対する賞球数よりも多くすることで、特図遊技における遊技球の減少が緩やかな遊技性を付与できる。一方、一般入賞口313’に対する賞球数を第1始動口314に対する賞球数よりも少なくすることで、特図遊技における遊技球の減少が激しい遊技性を付与できる。この場合、大当たり遊技での獲得遊技球数を多くすることで、遊技球の増減の激しい遊技機10とすることもできる。
<第33の実施形態>
前述の第1の実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下に右第1始動口314Rが設けられる場合を説明した。また、前述の第32の実施形態では、第2通路352の直下に一般入賞口313’が設けられる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第1始動口及び一般入賞口のいずれも設けられていない点で、前述の第1の実施形態及び第32の実施形態とは異なる。なお、本実施形態では、振分装置の第2通路の直下に第2始動口も設けられていない。
以下、図68(B)を参照して第33の実施形態を具体的に説明する。ここで、図68(B)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36を含む遊技盤31の要部を示す図である。
図68(B)に示すように、本実施形態では、第1始動口314が1つである点で前述の第1の実施形態とは異なるが、この第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に設けられている点で前述の第1の実施形態と共通し、さらには第32の実施形態と共通する。また、本実施形態は、第2始動口315及び電動サポート部材36についても前述の第1の実施形態及び第32の実施形態と共通する。一方、本実施形態では、振分装置35の第2通路352の直下には、第1始動口及び一般入賞口のいずれも設けられていない。また、振分装置35の第2通路352の直下には、第1始動口及び一般入賞口とは機能の異なる第2始動口やスルーゲート等の入賞口等も設けられていない。そして、本実施形態では、電動サポート部材36が作動位置にある場合に遊技球99を第2始動口315へ誘導し、第2始動口315への遊技球の入球を許容する点で前述の第1の実施形態及び第32の実施形態と共通するが、電動サポート部材36が待機位置にある場合には、第2通路352の遊技球99は遊技盤31に沿って落下し、各種入賞口に入賞することなくアウト口317から排出される点で、前述の第1の実施形態及び第32の実施形態とは異なる。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36が作動されることで電動サポート部材36のサポートを受けた場合に第2始動口315に入球され、電動サポート部材36によるサポートを受けることができなかった場合にはアウト口317から排出される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に入球する状態と、第2通路352の遊技球がアウト口317から排出される状態と、第2通路352及び電動サポート部材36によって第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球する状態との3つの状態をとり得る。また、第2通路352に振り分けられる遊技球99がアウト口317から排出されるか、第2始動口315に入球されるかは電動サポート部材36の作動の有無に依存し、電動サポート部材36の作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36との協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352に振り分けられた遊技球99の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
特に、本実施形態では、第2通路352の遊技球99が第1始動口314にも第2始動口315にも入球されないことで、従来の遊技機ではなし得ない新規な遊技性を有する遊技機10が提供される。具体的には、例えばモードAでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球されるが、第2通路352に振り分けられる遊技球99はアウト口317から排出される。一方、潜伏確変であるモードCでは、第1通路351に振り分けられる遊技球99は第1始動口314に入球され、第2通路352に振り分けられる遊技球99は第2始動口315に入球される。即ち、振分装置35に導入された遊技球99は、モードAでは半分が始動口(第1始動口314)に入球されると共に半分がアウト口317から排出される一方で、モードCでは全ての遊技球99が始動口(半部が第1始動口314、半分が第2始動口315)に入球される。そのため、モードCでは、モードAでは実行されない第2特図遊技が実行されるだけでなく、振分装置35に入球される遊技球数を基準とすれば、モードAの2倍数の特図遊技が実行される。換言すれば、モードC(潜伏確変)では、モードAに比べて大当たり抽選を受ける機会が2倍になる。このように、本実施形態では、従来の遊技機では実現し得なかった新たな遊技機の遊技機10が提供される。
なお、本実施形態では、第2通路352を通過した遊技球は、電動サポート部材36によるサポートがない場合にアウト口317から排出されるが、振分装置35の下方において、第2通路352から離れた位置に入賞口を設け、第2通路352を通過した遊技球が当該入賞口に入球し得るようにしてもよい。
<第34の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に沿ってスライド移動される点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図69及び図70を参照して第34の実施形態を具体的に説明する。ここで、図69(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び待機状態にある電動サポート部材36Tを含む遊技盤31の要部を示す図、図69(B)は図69(A)の要部の斜視図、図70(A)は図69(A)において電動サポート部材36Tが作動位置にある場合の要部を示す図、図70(B)は図70(A)の要部を示す斜視図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域である球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図69(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Tが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Tに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
電動サポート部材36Tは、若干左下がりに傾斜した板状であり、遊技盤31に沿って電動サポート部材36Tにおける遊技球99の移動方向に沿って移動可能である。具体的には、電動サポート部材36Tは、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置と、道釘31M’の左方側に隣接する作動位置との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Tは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
図69(A)及び図69(B)に示すように、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合、即ち電動サポート部材36Tが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Tは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Tが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Tによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Tは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2作動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36T(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
図70(A)及び図70(B)に示すように、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合、即ち電動サポート部材36Tが道釘31M’の左方側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Tは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Tによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、第2始動口315の左上方には、ガード部としての複数のガード釘31B(本実施形態では2本)が配設されている。複数の釘31Bは、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Tから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止するものである。即ち、電動サポート部材36Tから第2始動口315に向かう遊技球99は、移動速度が大きな場合等には、第2始動口315にダイレクトに入球されることなく、複数のガード釘31Bに衝突してから第2始動口315に入球される。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられた遊技球99は、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Tが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合、電動サポート部材36Tが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Tの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Tの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態において、振分装置35と電動サポート部材36Tとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
<第35の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)回動可能である点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図71を参照して第35の実施形態を具体的に説明する。ここで、図71(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Uを含む遊技盤31の要部を示す図、図71(B)は図71(A)の要部を示す図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図71(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Uが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Uに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図71(A)及び図71(B)に示すように、電動サポート部材36Uは、幅方向の縁部上方に突出する一対の壁部361Uを有する板状であり、若干左下がりに傾斜して配置されている。一対の壁部361Uは、右側(上流側)の端部362から左側(下流側)の端部363に遊技球99を導くガイドとして機能する。電動サポート部材36Uには、回転軸362Uが設けられており、この回転軸362Uにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Uが平面視において図71(B)の時計回り方向及び反時計回り方向に回転される。電動サポート部材36Uは、若干傾斜した状態であることから、水平面に対して若干傾斜した略水平面において回転される。
また、電動サポート部材36Uは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置(図71(A)及び図71(B)の実線の位置)と、道釘31M’の左側に隣接する作動位置(図71(A)及び図71(B)の2点鎖線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Uは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
図71(A)及び図71(B)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Uがある場合、即ち電動サポート部材36Uが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Uは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Uが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Uによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Uは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2作動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36U(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
一方、図71(A)及び図71(B)に2点鎖線で示す作動位置に電動サポート部材36Uがある場合、即ち電動サポート部材36Uが道釘31M’の左側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Uは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Tによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Uが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Uが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Uが作動位置にある場合、電動サポート部材36Uが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Uの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Tの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Uとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Uは、水平面に対して傾斜させることなく、水平に配置し、水平面に沿って回動可能に構成してもよい。この場合、電動サポート部材36Uの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
<第36の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入賞がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に沿って鉛直面において回動可能である点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図72を参照して第36の実施形態を具体的に説明する。ここで、図72は、本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Vを含む遊技盤31の要部を示す図であり、図72(A)は電動サポート部材36Vが待機位置にある場合、図72(B)は電動サポート部材36Vが待機位置と作動位置の中間位置にある場合、図72(C)は電動サポート部材36Vが作動位置にある場合をそれぞれ示している。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図面上は省略しているが、前述の第34の実施形態及び第35の実施形態と同様に、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、図72(A)に示すように、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、本実施形態においても、可変入賞装置316の下方のステージ310(不図示)の左側には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方と、第2始動口315の上方との間で回動可能に電動サポート部材36Vが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Vに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
電動サポート部材36Vには、回転軸362Vが設けられており、この回転軸362Vにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Vが遊技盤31の沿う鉛直面において図72(A)~図72(C)の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材36Vは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで鉛直面において回転され、振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上の待機位置(図72(A)の実線の位置)と、道釘31M’の左側に隣接する作動位置(図72(C)の実線の位置)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Vは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置(図72(A)の実線の位置)と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置(図72(C)の実線の位置)との間で動作可能である。なお、電動サポート部材36Vは、待機位置及び作動位置において若干左下がりに傾斜した状態とされている。これにより、電動サポート部材36Vにおいて、遊技球99を左側に移動させやすくなる。但し、電動サポート部材36Vは、水平に配置してもよく、この場合には電動サポート部材36Vの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
図72(A)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Vがある場合、即ち電動サポート部材36Vが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置する場合、電動サポート部材36Vは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Vが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Vによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Vは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な隙間を形成する。そのため、道釘31M’によって第2作動口315側に誘導される遊技球99は、電動サポート部材36V(第2始動口315)と道釘31M’との間の隙間を通過し、アウト口317から排出される。
一方、図72(C)に実線で示す待機位置に電動サポート部材36Vがある場合、即ち電動サポート部材36Vが道釘31M’の左側に隣接する位置する場合、電動サポート部材36Vは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入球が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左方に移動する遊技球は、電動サポート部材36Vによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Vが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Vが待機位置にある場合に道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Vが作動位置にある場合、電動サポート部材36Vが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられる遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Vの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Vの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Vとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、本実施形態では、電動サポート部材36Vが第2始動口315の上方と道釘31M’の左方との2か所を停止位置としているが、これらの停止位置に加えて、図72(B)に示す電動サポート部材36Vが起立する位置を作動位置として停止するようにしてもよい。この電動サポート部材36Vが起立する位置では、第2始動口315、及び第2始動口315と道釘31M’との間の隙間の双方が同時に開放される。そのため、第2通路352の遊技球99が第2始動口315に入球可能であるのに対して、振分装置35の右側を流下する遊技球99や道釘31M’を移動する遊技球99の第2始動口315への入球が、起立した電動サポート部材36Vによって制限される。これにより、退避誘導釘393,394などの退避誘導部を設けるまでもなく、電動サポート部材36Vが短時間開放される遊技状態(モードA~モードC)において、振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Vによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
<第37の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、電動サポート部材が待機位置と作動位置との間で遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)回動可能であり、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有する点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図73及び図74を参照して第37の実施形態を具体的に説明する。ここで、図73(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び待機位置にある電動サポート部材36Wを含む遊技盤31の要部を示す図、図73(B)は図73(A)の要部の斜視図、図74(A)は図73(B)において電動サポート部材36Wが作動位置にある場合を示す図、図74(B)は本実施形態における電動サポート部材36Wの変形例を示す平面図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図73(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左方には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Wが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Wに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図73(A)及び図73(B)に示すように、電動サポート部材36Wは、平面視において楕円形の板材であり、楕円形の貫通孔363W及び閉鎖部364Wを有する。電動サポート部材36Wは、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有し、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。これにより、電動サポート部材36Wは、作動位置において道釘31M’の遊技球99を第2始動口315に適切に移動させることができる。なお、電動サポート部材36Wは、水平に配置してもよく、この場合にはサポート部材36Wの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
貫通孔363Wは、短径が遊技球99の直径よりも大きく、遊技球99の通過が可能である。また、貫通孔363Wは、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第2始動口315と道釘31M’との間に位置し、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合に第2始動口315の直上に位置することが可能な箇所に形成されている。なお、電動サポート部材36W及び貫通孔363Wの形状は、楕円形に限らず、円形、長円形、長矩形などの他の形状であってもよい。閉鎖部364Wは、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第2始動口315の上方に位置し、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合に第2始動口315と道釘31M’との間に位置する。
電動サポート部材36Wには、回転軸362Wが設けられており、この回転軸362Wにソレノイド等の駆動手段(不図示)から回転力が入力されることで、電動サポート部材36Wが遊技盤31に交差する方向に(略水平面で)、図73(B)の時計回り方向又は反時計回り方向に回転される。また、電動サポート部材36Wは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで略水平面において回転され、振分装置35の第2通路352を塞く一方で貫通孔363Wが第2始動口315と道釘31M’との間に位置する待機位置(図73(B)参照)と、貫通孔363Wが振分装置35の第2通路352の直上に位置して第2始動口315を開放する一方で、第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする作動位置(図74(A)参照)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Wは、第2始動口315を閉鎖状態とする待機位置と、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を塞ぐ作動位置との間で動作可能である。
電動サポート部材36Wが待機位置にある場合、即ち電動サポート部材36Wの閉鎖部364Wが第2始動口315の上方に位置し、貫通孔363Wが道釘31M’の左側に隣接する位置にある場合、電動サポート部材36Wは閉鎖部364Wによって第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Wが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Wによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Wは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間に遊技球99が通過可能な位置に貫通孔363Wが位置する。そのため、道釘31M’によって左側に誘導される遊技球99は、貫通孔363Wを通過し、アウト口317から排出される。
一方、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合、即ち電動サポート部材36Wの貫通孔363Wが振分装置35の第2通路352の直下かつ第2始動口315の直上に位置し、閉鎖部364Wが第2始動口315と道釘31M’との間に位置する場合、電動サポート部材36Wは、貫通孔363Wによって第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入賞が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を閉鎖部364Wによって橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左側に移動する遊技球は、電動サポート部材36Wによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられる遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Wが待機位置にある場合に貫通孔363Wを通過して道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Wが作動位置にある場合、電動サポート部材36Wの貫通孔363Wが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左方に移動する遊技球99は、いずれも第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも遊技球が入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられた遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Wの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Wの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Wとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Wは、上下にのみ開放する貫通孔363Wに代えて、図74(B)に示すように、上下だけでなく一部が側方に開放した切欠などの貫通部363W’を設けたものであってもよい。
<第38の実施形態>
前述の第1の実施形態では、板状に形成された電動サポート部材36が遊技盤31に対して待機位置と作動位置との間で前後方向に移動されることによって第2始動口315への遊技球99の入球がサポートされる場合を説明した。これに対して、本実施形態では、水平方向に対して傾斜した回転軸周りに回転可能であり、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有する点で、前述の第1の実施形態とは異なる。また、第1始動口314が振分装置35の第1通路351の直下に1つ設けられ、第2始動口315が振分装置35の第2通路352の直下に設けられている点でも、前述の第1の実施形態とは異なる。
以下、図75から図78を参照して第38の実施形態を具体的に説明する。ここで、図75(A)は本実施形態に係る遊技機10の振分装置35及び電動サポート部材36Xを含む遊技盤31の要部を示す図、図75(B)は電動サポート部材36Xの斜視図、図76(A)は図75(B)のA5-A5切断線に沿う断面図、図76(B)は図75(B)のA6-A6切断線に沿う断面図、図77(A)は電動サポート部材36Xが待機位置にある場合の電動サポート部材36Xを含む要部を示す図、図77(B)は電動サポート部材36Xが作動位置にある場合の電動サポート部材36Xを含む要部を示す図、図78は本実施形態における電動サポート部材36Xの変形例を示す斜視図である。
前述の第1の実施形態では、2つの第1始動口314(314L,314R)を有し、左第1始動口314Lが振分装置35の第1通路351の直下に設けられ、右第1始動口314Rが振分装置35の第2通路352の直下に設けられている。また、前述の第1の実施形態では、第2始動口315は、左第1始動口314Lと右第1始動口314Rとの間において、振分装置35の導入口350の直下領域に設けられた球受部391の中央に設けられている。
これに対して、本実施形態では、図75(A)に示すように、第1始動口314が1つであり、この第1始動口314が振分装置35の直下に設けられている。一方、第2始動口315は、第2通路352の直下に設けられている。また、可変入賞装置316の下方のステージ310の左側には、道釘31M’が設けられ、この道釘31M’の左方には電動サポート部材36Xが設けられている。道釘31M’は、ステージ310から移動してくる遊技球99を電動サポート部材36Xに向けて導くものである。なお、本実施形態においても、ステージ310の寸法を大きくすることで、道釘31M’に代替し、ステージ310を誘導部として構成してもよい。
図75(A)、図75(B)、図76(A)及び図76(B)に示すように、電動サポート部材36Xは、第1貫通部361X及び第2貫通部362Xを有し、第2始動口315の上方から道釘31M’の左方に至る長さ寸法を有し、若干左下がりに傾斜した状態で配置されている。これにより、電動サポート部材36Xは、作動位置において道釘31M’の遊技球99を第2始動口315に適切に移動させることができる。なお、電動サポート部材36Xは、水平に配置してもよく、この場合にはサポート部材36Wの表面に左下がりに傾斜する溝などのガイド部を設け、遊技球99の第2始動口315側への移動を促進してもよい。
第1貫通部361Xは、互いに対向する一対の突出片361aX,361bXによって規定され、左側方に開放している。第1貫通部361Xは、振分装置35の第2通路352の直下に位置し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に突出片361aXによって第2始動口315への遊技球99の入球を制限し(図77(A)参照)、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合に上下方向に貫通した状態となることで第2始動口315への遊技球99の入球を許容する(図77(B)参照)。
第2貫通部362Xは、互いに対向する一対の突出片362aX,362bXによって規定され、右側方に開放している。また、第2貫通部362Xは、第1貫通部361Xと直交する方向に貫通している。なお、第2貫通部362Xは、必ずしも第1貫通部362Xと直交した方向に貫通している必要はなく、第1貫通部361Xと交差する方向に貫通していればよい。第2貫通部362Xは、第2始動口315と道釘31M’との間の隙間に位置し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に上下方向に貫通した状態となることで第2始動口315と道釘31M’との間の隙間での遊技球99の通過を許容し(図77(A)参照)、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合に突出片362aXによって第2始動口315と道釘31M’との間に遊技球99の通過を制限する(図77(B)参照)。
電動サポート部材36Xは、MPU41によって制御されるソレノイド等の駆動手段(不図示)によって水平方向に対して若干傾斜した略水平方向に沿って延びる回転軸周りに回転可能とされる。また、電動サポート部材36Xは、MPU41によって駆動手段(不図示)を制御することで回転され、第1貫通部361Xが前後方向に貫通した状態となって振分装置35の第2通路352を塞く一方で、第2貫通部363Wが第2始動口315と道釘31M’との間で上下方向に貫通した状態となる待機位置(図77(A)参照)と、第1貫通部361Xが振分装置35の第2通路352の直下において上下方向に貫通する一方で、第2貫通部362Wが前後方向に貫通して第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しする作動位置(図77(B)参照)との間で移動可能である。即ち、電動サポート部材36Xは、図77(A)に示す第2始動口315を閉鎖状態とする一方で第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を開放状態とする待機位置と、図77(B)に示す第2始動口315を開放状態とする一方で第2始動口315と道釘31M’との間の隙間を閉鎖状態とする作動位置との間で動作可能である。
図77(A)に示すように、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合、電動サポート部材36Xは第2始動口315を閉鎖し、第2始動口315への遊技球99の入球を制限する。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球されることなく、電動サポート部材36Xが左下がりに傾斜していることで、電動サポート部材36Xによって第2始動口315の左方側に誘導され、アウト口317から排出される。また、電動サポート部材36Xは、待機位置にある場合に、道釘31M’との間で第2貫通部362Xが上下方向に貫通することで遊技球99が通過可能である。そのため、道釘31M’によって左側に誘導される遊技球99は、第2貫通部362Xを通過し、アウト口317から排出される。
一方、図77(B)に示すように、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合、電動サポート部材36Xは、第2始動口315を開放して遊技球99の入球を許容すると共に、道釘31M’を左側に移動する遊技球99の第2始動口315への入賞が可能なように道釘31M’と第2始動口315との間を橋渡しする。そのため、振分装置35の第2通路352から放出される遊技球99は、第2始動口315に入球され、道釘31M’を左方に移動する遊技球は、電動サポート部材36Xによって第2始動口315に向けて移動し、第2始動口315に入球される。なお、本実施形態においても、第2始動口315の左上方には、電動サポート部材36Tが作動位置にある場合に、電動サポート部材36Uから第2始動口315に向かう遊技球99が第2始動口315を飛び超えてしまうことを防止する複数のガード釘31B(ガード部)が配設されている。
また、本実施形態においても前述の第1の実施形態と同様に、振分装置35の右側に、電動サポート部材36Tの上方を流下する遊技球99を振分装置35から退避する方向に誘導する退避誘導釘393,394(退避誘導部)が設けられており、振分装置35の右方領域を流下する遊技球99を電動サポート部材36Uや第2始動口315からより遠い位置に誘導することで、電動サポート部材36Uが短時間開放する場合に振分装置35の右方領域する遊技球99が電動サポート部材36Uによって第2始動口315に誘導されることを防止できる。
このように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、第1通路351の下方に第1始動口314が設けられているため、第1通路351に振り分けられた遊技球99は、第1始動口314に入球される。一方、第2通路352に振り分けられる遊技球99は、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されない。また、可変入賞装置316の下方のステージ310から移動する遊技球は、道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動し、電動サポート部材36Xが待機位置にある場合に第2貫通部362Xを通過して道釘31M’と第2始動口315との間から落下してアウト口317から排出される。これに対して、電動サポート部材36Xが作動位置にある場合、電動サポート部材36Xの第1貫通部361Xが第2始動口315を開放した状態で第2始動口315と道釘31M’との間を橋渡しするため、第2通路352に振り分けられる遊技球99、及びステージ310から道釘31M’を第2始動口315に向けて左側に移動する遊技球99は、いずれも第1貫通部361Xを通過して第2始動口315に入球される。そのため、本実施形態では、左打ちにより振分装置35に遊技球を導入させた場合、第1通路351の遊技球が第1始動口314に遊技球が入球される状態と、第2通路352の遊技球が第2始動口315に入球される状態と、第2通路352の遊技球が第1始動口314及び第2始動口315のいずれにも入球されず、アウト口317から排出される3つの状態をとり得る。また、左打されて第2通路352に振り分けられた遊技球99、及び右打ちされてステージ310を移動する遊技球が、第2始動口315に入球されるか、アウト口317から排出されるかは電動サポート部材36Xの作動の有無に依存し、電動サポート部材36Xの作動時間や作動頻度は特図遊技状態のモード種別に依存する。そのため、本実施形態においても、振分装置35と電動サポート部材36Xとの協働によって複数の状態となり得るだけでなく、特図遊技状態のモード種別に応じて第2通路352及びステージ310の第2始動口315への入球し易さが異なるため、従来の遊技機のように遊技が単調になることもなく、遊技の興趣が向上する。
なお、電動サポート部材36Xは、上下だけでなく一部が側方に開放した第1貫通部361X及び第2貫通部362Xに代えて、図78に示すように、上下にだけ開放した貫通孔361X’,362X’を設けたものであってもよく、上下だけでなく一部が側方に開放した貫通部と、上下にだけ開放した貫通孔とを併用してもよい。
さらに、第30~第38の実施形態では、第1始動口314が1つ設けられていたが、前述の第1の実施形態と同様に、2つの第1始動口を設け、一方の第1始動口によって第1通路351から放出される遊技球99を入球させ、他方の第1始動口314Lによって第2通路352から放出される遊技球99を入球させるようにしてもよい。
また、第30~第38の実施形態では、前述の第1の実施形態と同一の構成については、前述の第1の実施形態と同様な変更が可能であり、前述の第2~12の実施形態の構成(図26~図54参照)及びその変形例の構成を採用することもできる。例えば、第30~第37の実施形態では、振分部として、第9の実施形態のローラ38C(図53(A)参照)及び第10の実施形態の風車38D(図53(B)参照)などの回転体、第11の実施形態の山状固定部38E(図54(A)参照)、第12の実施形態の三角釘38F(図53(A)参照)、及び三角釘38Fの頂部釘のみの1本釘などの固定振分部を好適に採用できる。このような回転体や固定振分部を振分部として採用した場合、遊技者は振分部による第1通路351と第2通路352との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、発射ハンドル22の回転操作量を調整して遊技球の発射強度(発射ストローク)を調整することで、第2通路352に遊技球が振り分けられやすい発射ストロークを見つけ出すことも可能になるため、第2通路352に遊技球が振り分られやすい発射強度を模索する楽しみ、あるいは複数ある遊技機10から第2通路352に遊技球が振り分られやすい遊技機10を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[発明の概要]
以下、上述の各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、各付記と各実施形態との対応関係の理解に供するために便宜上符号等を付して説明することがあるが、当該付記に係る発明はその符号を付した具体的構成に限定されるものではない。また、以下で説明する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[付記A1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が入球可能な第1入賞口(314L)と、
遊技球の入球が可能であり、前記第1入賞口(314L)とは機能が異なる第2入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(352)を通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって遊技球が前記第2通路(352)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が許容される第2位置(作動位置)に動作する可動役物部材(36)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記A1に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が制限される一方で、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、振分装置と可動役物部材とが協働することで、第2入賞口への入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記A2]
前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が入球可能であり、前記第1入賞口(314L)と機能が同一である第3入賞口(314R)をさらに備えることを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
付記A2に係る遊技機では、振分装置によって第1始動口と、この第1始動口と機能が同一である第3始動口とに遊技球が振り分けられる。これにより、可動役物部材が待機位置にある場合に、同一機能の異なる入賞口(第1入賞口及び第2入賞口)に遊技球が入球ウされることで、遊技の単調さをより低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記A3]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記A1又は付記A2に記載の遊技機。
[付記A4]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記A3に記載の遊技機。
付記A3及び付記A4に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による第3入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとしても、右側領域に打ち出された遊技球が第3入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた第3入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、遊技盤の左側領域に遊技球を打ち出す左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において、遊技盤の左側領域に遊技球を打ち出す右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において右打ちにより遊技が進行されることを抑制し、左打ちにより遊技が進行されることを促進することが可能になる。
[付記A5]
前記第2入賞口(315)は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記A4に記載の遊技機。
付記A5に係る遊技機によれば、検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間と、他の検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が第2入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が第3入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記A6]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容し、前記他の検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記A4又は付記A5に記載の遊技機。
付記A5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に第2入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記A7]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記A4から付記A6のいずれかに記載の遊技機。
付記A6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記A8]
可動役物部材(36,36R,36S)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)のうちの一方の入賞口(314R)への遊技球の入球を制限し、前記一方の入賞口(314R)とは異なる他方の入賞口(315)への遊技球の入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記一方の入賞口(314R)への遊技球の入球を許容し、前記他方の入賞口(315)への遊技球の入球を制限することを特徴とする付記A1から付記A6のいずれかに記載の遊技機。
付記A7に係る遊技機では、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口及び第3入賞口のうちの一方の入賞口への遊技球の入球が許容されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が制限される状態、及び一方の入賞口への遊技球の入球が制限されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が許容される状態のいずれかが実現される。このように、付記A7に係る遊技機は、可動役物部材が、一方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、他方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記A9]
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第3入賞口(314R)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記第3入賞口(314R)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)と、
前記開閉部(362)に連続し、前記第1位置(待機位置)において前記第3入賞口(314R)の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を制限し、前記第2位置(動作位置)において前記第3入賞口(314R)の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を許容するガイド部(363)と、
を有することを特徴とする付記A2に記載の遊技機。
[付記A10]
前記開閉部(362)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第3入賞口(314R)への入球を許容し、前記第2入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第3入賞口(314R)への入球を制限し、前記第2入賞口(315)への入球を許容し、
前記ガイド部は、
前記第1位置(待機位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(363)へ向けた移動を許容することを特徴とする付記A9に記載の遊技機。
付記A9及び付記A10に係る遊技機によれば、第3入賞口を開閉可能な開閉部と第3入賞口の右方の遊技球を開閉部に向けて移動させるガイド部と有する可動役物部材を設けるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって、複数の経路から遊技球を第3入賞口へ入賞させることができる。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記A11]
前記可動役物部材(36R)は、前記第2入賞口(315)の左方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記第2入賞口(315)の右方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
[付記A12]
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記第1始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記A11に記載の遊技機。
付記A11及び付記A12に係る遊技機では、可動役物部材が、第2入賞口の左方から遊技球を第2入賞口に入球させる第1部分と、第2入賞口の右方から遊技球を第2入賞口に入球させる第2部分と、を設けるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって、複数の経路から遊技球を第2入賞口へ入賞させることができる。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記A13]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記A11又は付記A12に記載の遊技機。
付記A13に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、第2入賞口に入球させることができる。
[付記A14]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記A1に記載の遊技機。
付記A14に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記A15]
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第1入賞口(314)に向けて移動させ、前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記A14に記載の遊技機。
付記A15に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記A15に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記A16]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記検知手段(318)又は前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置(作動位置)にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記A1から付記A9のいずれかに記載の遊技機。
付記A16に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第2入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記A17]
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記第2入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)をさらに備えることを特徴とする付記A1から付記A16のいずれかに記載の遊技機。
付記A17に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第2入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記A12に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における第2入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記A18]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記第2入賞口(315)に遠い側の釘が前記第2入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記A11に記載の遊技機。
付記A18に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記A19]
前記可動役物部材(36)は、前記第2位置において前記第2入賞口(315)に向けて遊技球を移動させるものであり、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする付記A1から付記A18のいずれかに記載の遊技機。
付記A19に係る遊技機では、第2入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から第1位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記A20]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記A19に記載の遊技機。
[付記A21]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記A19又は付記A20に記載の遊技機。
[付記A22]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記A19から付記A21のいずれかに記載の遊技機。
[付記A23]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記A22に記載の遊技機。
付記A22及び付記A23に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記A24]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記A19から付記A23のいずれかに記載の遊技機。
[付記A25]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記A24に記載の遊技機。
[付記A26]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記A24又は付記A25に記載の遊技機。
付記A24から付記A26に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記A27]
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第2入賞口(315)への入球比率の期待値が異なる第3遊技状態(モードA)、第4遊技状態(モードC、モードC’)及び第5遊技状態(モードE、モードE’)を含むことを特徴とする付記A2に記載の遊技機。
付記A27に係る遊技機では、第2入賞口に対する入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記A27に係る遊技機によれば、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記A28]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314L)及び前記第3入賞口(314R)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314L)、前記第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)のいずれにも入球し難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(314L)、前記第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314L)及び前記第3入賞口(314R)に入球され難く、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記A27に記載の遊技機。
付記A28に係る遊技機では、第3から第5遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記A29]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第1位置から前記第2位置に動作し、
前記第3遊技状態及び前記第4遊技状態は、前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第5遊技状態は、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記A28に記載の遊技機。
付記A29に係る遊技機では、検知手段又は他の検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第2入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第3から第5遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第3入賞口への入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記A30]
前記第1入賞口(314L)及び前記第3始動口(314R)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記A29に記載の遊技機。
付記A30に係る遊技機では、第1始動口及び第3始動口に対する遊技機の入球と第2始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口及び第2入賞口と第3始動口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記A31]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)に入球され易く、第2始動口(315)及び前記第3入賞口(314R)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314R)及び前記第2入賞口(315)に入球され難く、前記第3入賞口(314R)に入球され易く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)に入球され易く、前記第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314R)及び前記第3入賞口(314L)に入球され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314L)及び前記第3入賞口(314R)に入球され難く、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記A30に記載の遊技機。
[付記A32]
前記第3遊技状態及の前記第4遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314L)、第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)のいずれにも入球され難いことを特徴とする付記A31に記載の遊技機。
[付記A33]
前記第5遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)に入球され易く、前記第2入賞口(315)及び前記第3入賞口(314R)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)及び前記第3入賞口(314R)に入賞され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記A31又は付記A32に記載の遊技機。
付記A31から付記A33に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第3遊技状態及び第4遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第5遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記A34]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記A30から付記A33のいずれかに記載に遊技機。
[付記A35]
前記第1入賞口(314L)及び前記第3始動口(314R)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314L)及び前記第3入賞口(314R)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記A34に記載の遊技機。
付記A34及び付記A35に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記A36]
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果として、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行される第1判定結果(確変大当たり)と、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)以外の遊技状態に移行される第2判定結果(通常大当たり)と、
を含むことを特徴とする付記A35に記載の遊技機。
[付記A37]
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に、前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に比べて、前記第1特別判定又は前記第2特別判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される確率が低い第6遊技状態(モードB、モードD)に移行させ、
前記第6遊技状態(モードB、モードD)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記A36に記載の遊技機。
付記A36及び付記A37に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果として、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される第1判定結果と、特別遊技の終了後に第5遊技状態以外の遊技状態に移行される第2判定結果とを含む。また、第4遊技状態及び第5遊技状態は、第3遊技状態に比べて、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高い。そして、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、第1入賞口又は第3入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるループ確変機を含めた確変機に適用できる。そして、付記A36及び付記A37に係る遊技機によれば、最も遊技者に有利な第5遊技状態には第4遊技状態を経て段階的に移行する。即ち、最も遊技者に有利な第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させ、第4遊技状態において特別遊技判定において第2入賞口に遊技球を入球させて第2特別判定での結果として第1判定結果となる必要がある。従って、段階的に遊技者に有利な遊技状態に移行させる遊技性の遊技機を提供できる。
[付記A38]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記A37に記載の遊技機。
付記A38に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が第2判定結果である場合に特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行するため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなる。一方、第4遊技状態及び第5遊技状態は、可動役物部材によるサポートによって第2入賞口への遊技球の入球が期待できるだけでなく、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高いモードである。そのため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなることで、第3遊技状態に転落し易い遊技性を有する反面、遊技状態の移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる遊技価値についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
[付記A39]
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記特別遊技状態への移行を初回として前記特別遊技状態に移行される移行上限数を設定する移行回数設定手段と、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記移行回数設定手段(41)により設定された前記移行上限数の前記特別遊技状態の終了後に前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記A35に記載の遊技機。
付記A39に係る遊技機では、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、移行上限数まで、初当たりからの特別遊技状態への移行が継続する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるリミット機に適用できる。そして、第1入賞口又は第3入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1入賞口又は第3入賞口への入球を契機とするか、第2入賞口への入球を契機とするかによって特別遊技後の遊技状態の移行先が異なる。従って、初当たり後の残りの特別遊技状態への移行機会において、最も遊技者に有利な第5遊技状態に如何に多くの特別遊技状態への移行機会を残したままで移行させるかという遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記A40]
前記遊技状態移行手段は(41)、前記第4遊技状態(モードC’)又は前記第5遊技状態(モードE’)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記A35に記載の遊技機。
[付記A41]
前記特別遊技において開放される特別入球部(824)を有する特別可変入球装置(82)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC’)に移行させ、
前記第4遊技状態(モードC’)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部(824)に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE’)に移行させることを特徴とする付記A40に記載の遊技機。
付記A40及び付記A41に係る遊技機では、第4遊技状態又は第5遊技状態において第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、第1遊技状態に移行される。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるV-ST機を含めたST機に適用できる。また、付記A40及び付記A41に係る遊技機では、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるためには第4遊技状態を経由する必要がある。即ち、第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させた後に、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに第2特別図柄遊技で特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものとなる必要がある。従って、第3遊技状態から第4遊技状態に移行させた後に、如何に早く第2特別図柄遊技で特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得し、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるかという遊技性を有し、さらに第5遊技状態に移行させた後に第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに如何に多くの特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
[付記A42]
前記第1入賞口(314L)又は前記第3入賞口(314R)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が、前記特別遊技状態に移行させるものとは異なる特定の結果(小当たり)である場合に作動されることで遊技球の入球が可能であり、遊技球の入球により前記遊技状態移行手段(41)による前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)が付与される特殊入球部(833)を有する羽役物装置(83)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるもの(1種大当たり)であることを契機として前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC)に移行させ、
前記特殊入球部(833)に遊技球が入球することで付与される前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)に基づいて、前記羽役物装置(83)の作動終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記特殊入球部(833)への遊技球の入球を契機して移行される前記特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE)に移行させることを特徴とする付記A34に記載の遊技機。
[付記A43]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第4遊技状態又は前記第5遊技状態において、前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の合計遊技数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態に移行させることを特徴とする付記A42に記載の遊技機。
付記A42及び付記A43に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであること(1種大当たり)、又は特殊入球部に遊技球が入球することによって特別遊技状態への移行の権利が付与されることで(2種大当たり)、特別遊技状態に移行する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆる1種2種混合機にも適用できる。
[付記A44]
前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されること、又は前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機として、前記可動役物部材(36)を前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)と間で動作させるか否かの普通判定を行う普通判定手段(41)をさらに備え、
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記普通判定手段(41)による前記普通判定において前記可動役物部材(36)を作動させると判定される確率が高いことを特徴とする付記A29から付記A41のいずれかに記載に遊技機。
付記A44に係る遊技機では、第4遊技状態及び第5遊技状態と第3遊技状態とで、普通判定手段による普通判定において可動役物部材を作動させると判定される確率が異なる。これにより、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記A45]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知されてから、前記可動役物部材(36)の作動が開始されるまでの時間が短いことを特徴とする付記A27から付記A44に記載に遊技機。
付記A45に係る遊技機では、第4遊技状態では、第3遊技状態に比べて、検知手段によって第2通路を遊技球が通過したことを検知されてから、可動役物部材の作動が開始されるまでの時間が短い。これにより、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口の入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記A46]
前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)及び前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に比べて、前記可動役物部材(36)の作動時間が長いことを特徴とする付記A27から付記A45のいずれかに記載に遊技機。
付記A46に係る遊技機では、第5遊技状態では、第2遊技状態及び第3遊技状態に比べて、可動役物部材の作動時間が長い。これにより、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記A47]
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記A1から付記A40のいずれかに記載の遊技機。
付記A47に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記A48]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)有することを特徴とする付記A47に記載の遊技機。
付記A48に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記A49]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記A48に記載の遊技機。
[付記A50]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記A49に記載の遊技機。
[付記A51]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記A48から付記A50のいずれかに記載の遊技機。
付記A49から付記A51に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定位置からズレた場合に固定部を初期設定位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記A52]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記A48から付記A51のいずれかに記載の遊技機。
付記A52に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記A53]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記A48から付記A52のいずれかに記載の遊技機。
付記A53に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記A54]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記A53に記載の遊技機。
[付記A55]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記A54に記載の遊技機。
付記A54及び付記A55に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記B1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球及び前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が入球可能な第1入賞口(314)と、
遊技球の入球が可能であり、前記第1入賞口(314)とは機能が異なる第2入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(352)を通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって遊技球が前記第2通路(352)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が制限される第1位置から、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が許容される第2位置に動作する可動役物部材(36)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記B1に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない待機位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が制限される一方で、可動役物部材が作動する作動位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、振分装置と可動役物部材とが協働することで、第1入賞口と第2入賞口との入球比率を可変化することができる。これにより、第1通路に振り分けられた遊技球及び第2通路に振り分けられた遊技球のいずれもが同一の第1入賞口に入球可能な遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記B2]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記B1に記載の遊技機。
[付記B3]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記B2に記載の遊技機。
付記B2及び付記B3に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による第2入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が第2入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた第2入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記B4]
前記第2入賞口(315)は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記B3に記載の遊技機。
付記B4に係る遊技機によれば、検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間と、他の検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が第2入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が第2入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記B5]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容し、前記他の検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記B3又は付記B4に記載の遊技機。
付記B5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に第2入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記B6]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記B3から付記B5のいずれかに記載の遊技機。
付記B6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記B7]
可動役物部材(36,36R,36S)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を許容し、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を制限し、前記第2入賞口(315)への遊技球の許容を制限することを特徴とする付記B1から付記B6のいずれかに記載の遊技機。
付記B7に係る遊技機では、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口及び第3入賞口のうちの一方の入賞口への遊技球の入球が許容されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が制限される状態、及び一方の入賞口への遊技球の入球が制限されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が許容される状態のいずれかが実現される。このように、付記A7に係る遊技機は、可動役物部材が、一方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、他方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記B8]
前記可動役物部材(36R)は、前記第2入賞口(315)の左方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記第2入賞口(315)の右方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記B1から付記B7のいずれかに記載の遊技機。
[付記B9]
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記第1始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記B8に記載の遊技機。
付記B8及び付記B9に係る遊技機では、可動役物部材が、第2入賞口の左方から遊技球を第2入賞口に入球させる第1部分と、第2入賞口の右方から遊技球を第2入賞口に入球させる第2部分と、を設けるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって、複数の経路から遊技球を第2入賞口へ入賞させることができる。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記B10]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記B8又は付記B9に記載の遊技機。
付記B10に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、第2入賞口に入球させることができる。
[付記B11]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記B7に記載の遊技機。
付記B11に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記B12]
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第1入賞口(314)に向けて移動させ、前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記B11に記載の遊技機。
付記B12に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記B12に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記B13]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記検知手段(318)又は前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記第3入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記B1から付記B12のいずれかに記載の遊技機。
付記B13に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第2入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記B14]
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記第2入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)をさらに備えることを特徴とする付記B1から付記B13のいずれかに記載の遊技機。
付記B14に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第2入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記B14に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における第2入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記B15]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記第2入賞口(315)に遠い側の釘が前記第2入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記B14に記載の遊技機。
付記B15に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記B16]
前記可動役物部材(36)は、前記第2位置において前記第2入賞口(315)に向けて遊技球を移動させるものであり、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする付記B1から付記B15のいずれかに記載の遊技機。
付記B16に係る遊技機では、第2入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から第1位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記B17]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記B16に記載の遊技機。
[付記B18]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記B16又は付記B17に記載の遊技機。
[付記B19]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記B16から付記B18のいずれかに記載の遊技機。
[付記B20]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記B19に記載の遊技機。
付記B17から付記B20に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記B21]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記B16から付記B20のいずれかに記載の遊技機。
[付記B22]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記B21に記載の遊技機。
[付記B23]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記B21又は付記B22に記載の遊技機。
付記B21から付記B23に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記B24]
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第2入賞口(315)への入球比率の期待値が異なる第3遊技状態(モードA)、第4遊技状態(モードC、モードC’)及び第5遊技状態(モードE、モードE’)を含むことを特徴とする付記B1に記載の遊技機。
付記B24に係る遊技機では、第2入賞口に対する入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記B24に係る遊技機によれば、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記B25]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球し難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記B24に記載の遊技機。
付記B25に係る遊技機では、第3から第5遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口と第2入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記B26]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第1位置から前記第2位置に動作し、
前記第3遊技状態及び前記第4遊技状態は、前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第5遊技状態は、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記B25に記載の遊技機。
付記B26に係る遊技機では、検知手段又は他の検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第2入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第3から第5遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記B27]
前記第1入賞口(314R)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記B26に記載の遊技機。
付記B27に係る遊技機では、第1始動口に対する遊技機の入球と第2始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口と第2始動口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記B28]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)に入球され易く、第2始動口(3145)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第3入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記B27に記載の遊技機。
[付記B29]
前記第3遊技状態及の前記第4遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され難いことを特徴とする付記B28に記載の遊技機。
[付記B30]
前記第5遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入賞され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記B28又は付記B29に記載の遊技機。
付記B28から付記B30に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第3遊技状態及び第4遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第5遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記B31]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記B27から付記B30のいずれかに記載に遊技機。
[付記B32]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記B31に記載の遊技機。
付記B31及び付記B32に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記B33]
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果として、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行される第1判定結果(確変大当たり)と、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)以外の遊技状態に移行される第2判定結果(通常大当たり)と、
を含むことを特徴とする付記B32に記載の遊技機。
[付記B34]
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に、前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に比べて、前記第1特別判定又は前記第2特別判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される確率が低い第6遊技状態(モードB、モードD)に移行させ、
前記第6遊技状態(モードB、モードD)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記B33に記載の遊技機。
付記B33及び付記B34に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果として、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される第1判定結果と、特別遊技の終了後に第5遊技状態以外の遊技状態に移行される第2判定結果とを含む。また、第4遊技状態及び第5遊技状態は、第3遊技状態に比べて、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高い。そして、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるループ確変機を含めた確変機に適用できる。そして、付記B33及び付記B34に係る遊技機によれば、最も遊技者に有利な第5遊技状態には第4遊技状態を経て段階的に移行する。即ち、最も遊技者に有利な第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させ、第4遊技状態において特別遊技判定において第2入賞口に遊技球を入球させて第2特別判定での結果として第1判定結果となる必要がある。従って、段階的に遊技者に有利な遊技状態に移行させる遊技性の遊技機を提供できる。
[付記B35]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記B34に記載の遊技機。
付記B35に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が第2判定結果である場合に特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行するため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなる。一方、第4遊技状態及び第5遊技状態は、可動役物部材によるサポートによって第2入賞口への遊技球の入球が期待できるだけでなく、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高いモードである。そのため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなることで、第3遊技状態に転落し易い遊技性を有する反面、遊技状態の移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる遊技価値についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
[付記B36]
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記特別遊技状態への移行を初回として前記特別遊技状態に移行される移行上限数を設定する移行回数設定手段と、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記移行回数設定手段(41)により設定された前記移行上限数の前記特別遊技状態の終了後に前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記B32に記載の遊技機。
付記B36に係る遊技機では、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、移行上限数まで、初当たりからの特別遊技状態への移行が継続する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるリミット機に適用できる。そして、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1入賞口への入球を契機とするか、第2入賞口への入球を契機とするかによって特別遊技後の遊技状態の移行先が異なる。従って、初当たり後の残りの特別遊技状態への移行機会において、最も遊技者に有利な第5遊技状態に如何に多くの特別遊技状態への移行機会を残したままで移行させるかという遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記B37]
前記遊技状態移行手段は(41)、前記第4遊技状態(モードC’)又は前記第5遊技状態(モードE’)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記B32に記載の遊技機。
[付記B38]
前記特別遊技において開放される特別入球部(824)を有する特別可変入球装置(82)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC’)に移行させ、
前記第4遊技状態(モードC’)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部(824)に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE’)に移行させることを特徴とする付記B37に記載の遊技機。
付記B37及び付記B38に係る遊技機では、第4遊技状態又は第5遊技状態において第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、第1遊技状態に移行される。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるV-ST機を含めたST機に適用できる。また、付記B37及び付記B38に係る遊技機では、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるためには第4遊技状態を経由する必要がある。即ち、第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させた後に、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに第2特別図柄遊技で特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものとなる必要がある。従って、第3遊技状態から第4遊技状態に移行させた後に、如何に早く第2特別図柄遊技で特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得し、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるかという遊技性を有し、さらに第5遊技状態に移行させた後に第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに如何に多くの特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
[付記B39]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が、前記特別遊技状態に移行させるものとは異なる特定の結果(小当たり)である場合に作動されることで遊技球の入球が可能であり、遊技球の入球により前記遊技状態移行手段(41)による前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)が付与される特殊入球部(833)を有する羽役物装置(83)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるもの(1種大当たり)であることを契機として前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC)に移行させ、
前記特殊入球部(833)に遊技球が入球することで付与される前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)に基づいて、前記羽役物装置(83)の作動終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記特殊入球部(833)への遊技球の入球を契機して移行される前記特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE)に移行させることを特徴とする付記B28に記載の遊技機。
[付記B40]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第4遊技状態又は前記第5遊技状態において、前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の合計遊技数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態に移行させることを特徴とする付記B39に記載の遊技機。
付記B39及び付記B40に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであること(1種大当たり)、又は特殊入球部に遊技球が入球することによって特別遊技状態への移行の権利が付与されることで(2種大当たり)、特別遊技状態に移行する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆる1種2種混合機にも適用できる。
[付記B41]
前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されること、又は前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機として、前記可動役物部材(36)を前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)と間で動作させるか否かの普通判定を行う普通判定手段(41)をさらに備え、
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記普通判定手段(41)による前記普通判定において前記可動役物部材(36)を作動させると判定される確率が高いことを特徴とする付記B26から付記B40のいずれかに記載に遊技機。
付記B41に係る遊技機では、第4遊技状態及び第5遊技状態と第3遊技状態とで、普通判定手段による普通判定において可動役物部材を作動させると判定される確率が異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記B42]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知されてから、前記可動役物部材(36)の作動が開始されるまでの時間が短いことを特徴とする付記B24から付記B41に記載に遊技機。
付記B42に係る遊技機では、第4遊技状態では、第3遊技状態に比べて、検知手段によって第2通路を遊技球が通過したことを検知されてから、可動役物部材の作動が開始されるまでの時間が短い。これにより、第1入賞口と第2入賞口の入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記B43]
前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)及び前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に比べて、前記可動役物部材(36)の作動時間が長いことを特徴とする付記B24から付記B42のいずれかに記載に遊技機。
付記B43に係る遊技機では、第5遊技状態では、第2遊技状態及び第3遊技状態に比べて、可動役物部材の作動時間が長い。これにより、第1入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記B44]
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記B1から付記B43のいずれかに記載の遊技機。
付記B44に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記B45]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)を有することを特徴とする付記B44に記載の遊技機。
付記B45に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記B46]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記B45に記載の遊技機。
[付記B47]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記B46に記載の遊技機。
[付記B48]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記B45から付記B47のいずれかに記載の遊技機。
付記B46から付記B48に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記B49]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記B45から付記B48のいずれかに記載の遊技機。
付記B49に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記B50]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記B45から付記B49のいずれかに記載の遊技機。
付記B50に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記B51]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記B50に記載の遊技機。
[付記B52]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記B51に記載の遊技機。
付記B51及び付記B52に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記C1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が入球可能な第1入賞口(314)と、
前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が入球可能であり、前記第1入賞口(314)とは機能が異なる第2入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(352)を通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって遊技球が前記第2通路(352)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が制限される第1位置から、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(315)への入球が許容される第2位置に動作する可動役物部材(36T~36X)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記C1に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない待機位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が制限される一方で、可動役物部材が作動する作動位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、振分装置と可動役物部材とが協働することで、第1入賞口と第2入賞口との入球比率を可変化することができる。これにより、第1通路に振り分けられた遊技球と第2通路に振り分けられた遊技球とが機能が異なる入賞口に入球可能な遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記C2]
前記可動役物部材(36T~36X)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記C1に記載の遊技機。
[付記C3]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記C2に記載の遊技機。
付記C2及び付記C3に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による第2入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が第2入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた第2入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記C4]
前記第2入賞口(315)は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記C3に記載の遊技機。
付記C4に係る遊技機によれば、検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間と、他の検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が第2入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が第2入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記C5]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容し、前記他の検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記C3又は付記C4に記載の遊技機。
付記C5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に第2入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記C6]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記C3から付記C5のいずれかに記載の遊技機。
付記C6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記C7]
前記第2入賞口(315)との間に遊技球の通過が可能な隙間を形成し、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させる誘導部(31M’)と、
をさらに備え、
前記可動役物部材(36T~36X)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2入賞口(315)を閉鎖状態にして、前記第2通路(352)を通過した遊技球、及び遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2入賞口(315)を開放状態にし、かつ前記誘導部(31M’)と前記第2入賞口(315)との間に遊技球の通路を形成し、前記第2通路(352)を通過した遊技球、及び前記右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記C1から付記C6に記載の遊技機。
付記C7に係る遊技機では、可動役物部材が第2位置にある場合に誘導部と第2入賞口との間に遊技球の通路が形成されることで、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第2入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記C8]
前記可動役物部材(36T)は、前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間でスライド移動可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記C7に記載の遊技機。
付記C8に係る遊技機では、第2入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と第2入賞口との隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材をスライドさせるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記C9]
前記可動役物部材(36U,36V)は、回転により前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で動作可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記C7に記載の遊技機。
[付記C10]
前記可動役物部材(36U)は、遊技盤(31)に沿った方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記C9に記載の遊技機。
[付記C11]
前記可動役物部材(36V)は、遊技盤(31)に交差する方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記C9に記載の遊技機。
付記C9から付記C11に係る遊技機では、第2入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と第2入賞口との隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材を鉛直方向に沿った回転軸を中心に回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記C12]
前記回転体(36V)は、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放する第3位置(待機位置)において起立状態で停止可能であることを特徴とする付記C11に記載の遊技機。
付記C12に係る遊技機では、退避誘導部を設けるまでもなく、可動役物部材が短時間開放される遊技状態(モードA~モードC)において、振分装置の右方領域する遊技球が可動役物部材によって第2始動口に誘導されることを防止できる。
[付記C13]
前記可動役物部材(36W)は、回転可能であり、前記第2始動口(315)及び前記隙間を閉鎖可能な閉鎖部(364W)と、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放可能な貫通部(363W)を有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記閉鎖部(364W)によって前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記貫通孔(363W)によって前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記貫通孔(363W)によって前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記閉鎖部(364W)によって前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記C7に記載の遊技機。
付記C13に係る遊技機では、閉鎖部及び貫通部を有する可動役物部材を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記C14]
前記可動役物部材(36X)は、前記隙間において前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で水平方向に対して傾斜した方向に延びる回転軸の周りに回転可能な回転体であり、
前記回転体(36X)は、
前記回転軸(36X)に直交する方向に沿って貫通し、遊技球が通過可能な第1貫通部(361X)と、回転軸方向視における前記第1貫通部(361X)と交差する方向に貫通し、遊技球が通過可能な第2貫通部(362X)とを有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2貫通部(362X)によって前記隙間で遊技球を落下させる位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第1貫通部(361X)が前記第2入賞口(315)に連通する位置であることを特徴とする付記C7に記載の遊技機。
付記C14に係る遊技機では、第3入賞口と誘導部との間で回転体を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第3入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記C15]
前記可動役物部材(36T~36X)が前記第2位置(作動位置)にある場合に、前記可動役物部材(36T~36X)を前記第3入賞口(315)に向けて移動する遊技球が前記第3入賞口(315)を超えることを防止するガード部(31B)さらに備えることを特徴とする付記C7から付記C14のいずれかに記載の遊技機。
付記C15に係る遊技機では、ガード部を設けることで、可動役物部材が第2位置にある場合に、第2入賞口に向けて可動役物部材を移動する遊技球を確実に第2入賞口に入球させることができる。
[付記C16]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記検知手段(318)又は前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記第3入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記C1から付記C15のいずれかに記載の遊技機。
付記C16に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第2入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記C17]
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記第2入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)をさらに備えることを特徴とする付記C1から付記C16のいずれかに記載の遊技機。
付記C17に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第2入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記C17に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における第2入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記C18]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記第2入賞口(315)に遠い側の釘が前記第2入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記C17に記載の遊技機。
付記C18に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記C19]
前記可動役物部材(36)は、前記第2位置において前記第2入賞口(315)に向けて遊技球を移動させるものであり、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする付記C1から付記C18のいずれかに記載の遊技機。
付記C19に係る遊技機では、第2入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から第1位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記C20]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記C19に記載の遊技機。
[付記C21]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記C19又は付記C20に記載の遊技機。
[付記C22]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記C19から付記C21のいずれかに記載の遊技機。
[付記C23]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記C22に記載の遊技機。
付記C20から付記C23に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記C24]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記C19から付記C23のいずれかに記載の遊技機。
[付記C25]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記C24に記載の遊技機。
[付記C26]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記C24又は付記C25に記載の遊技機。
付記C24から付記C26に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記C27]
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第2入賞口(315)への入球比率の期待値が異なる第3遊技状態(モードA)、第4遊技状態(モードC、モードC’)及び第5遊技状態(モードE、モードE’)を含むことを特徴とする付記C1に記載の遊技機。
付記C27に係る遊技機では、第2入賞口に対する入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記C27に係る遊技機によれば、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記C28]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球し難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記C27に記載の遊技機。
付記C28に係る遊技機では、第3から第5遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口と第2入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記C29]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第1位置から前記第2位置に動作し、
前記第3遊技状態及び前記第4遊技状態は、前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第5遊技状態は、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記C28に記載の遊技機。
付記C29に係る遊技機では、検知手段又は他の検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第2入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第3から第5遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記C30]
前記第1入賞口(314R)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記C29に記載の遊技機。
付記C30に係る遊技機では、第1始動口に対する遊技機の入球と第2始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口と第2始動口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記C31]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314L)に入球され易く、第2始動口(3145)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第3入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記C30に記載の遊技機。
[付記C32]
前記第3遊技状態及の前記第4遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され難いことを特徴とする付記C31に記載の遊技機。
[付記C33]
前記第5遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入賞され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記C31又は付記C32に記載の遊技機。
付記C31から付記C33に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第3遊技状態及び第4遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第5遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記C34]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記C30から付記C33のいずれかに記載に遊技機。
[付記C35]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記C34に記載の遊技機。
付記C34及び付記C35に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記C36]
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果として、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行される第1判定結果(確変大当たり)と、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)以外の遊技状態に移行される第2判定結果(通常大当たり)と、
を含むことを特徴とする付記C35に記載の遊技機。
[付記C37]
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に、前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に比べて、前記第1特別判定又は前記第2特別判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される確率が低い第6遊技状態(モードB、モードD)に移行させ、
前記第6遊技状態(モードB、モードD)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記C36に記載の遊技機。
付記C36及び付記C37に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果として、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される第1判定結果と、特別遊技の終了後に第5遊技状態以外の遊技状態に移行される第2判定結果とを含む。また、第4遊技状態及び第5遊技状態は、第3遊技状態に比べて、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高い。そして、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるループ確変機を含めた確変機に適用できる。そして、付記C36及び付記C37に係る遊技機によれば、最も遊技者に有利な第5遊技状態には第4遊技状態を経て段階的に移行する。即ち、最も遊技者に有利な第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させ、第4遊技状態において特別遊技判定において第2入賞口に遊技球を入球させて第2特別判定での結果として第1判定結果となる必要がある。従って、段階的に遊技者に有利な遊技状態に移行させる遊技性の遊技機を提供できる。
[付記C38]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記C37に記載の遊技機。
付記C38に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が第2判定結果である場合に特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行するため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなる。一方、第4遊技状態及び第5遊技状態は、可動役物部材によるサポートによって第2入賞口への遊技球の入球が期待できるだけでなく、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高いモードである。そのため、第4遊技状態及び第5遊技状態の滞在割合が低くなることで、第3遊技状態に転落し易い遊技性を有する反面、遊技状態の移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる遊技価値についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
[付記C39]
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記特別遊技状態への移行を初回として前記特別遊技状態に移行される移行上限数を設定する移行回数設定手段と、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記移行回数設定手段(41)により設定された前記移行上限数の前記特別遊技状態の終了後に前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記C35に記載の遊技機。
付記C39に係る遊技機では、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、移行上限数まで、初当たりからの特別遊技状態への移行が継続する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるリミット機に適用できる。そして、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第4遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第5遊技状態に移行される。即ち、第1入賞口への入球を契機とするか、第2入賞口への入球を契機とするかによって特別遊技後の遊技状態の移行先が異なる。従って、初当たり後の残りの特別遊技状態への移行機会において、最も遊技者に有利な第5遊技状態に如何に多くの特別遊技状態への移行機会を残したままで移行させるかという遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記C40]
前記遊技状態移行手段は(41)、前記第4遊技状態(モードC’)又は前記第5遊技状態(モードE’)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記C35に記載の遊技機。
[付記C41]
前記特別遊技において開放される特別入球部(824)を有する特別可変入球装置(82)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第3遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC’)に移行させ、
前記第4遊技状態(モードC’)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部(824)に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE’)に移行させることを特徴とする付記C40に記載の遊技機。
付記C40及び付記C41に係る遊技機では、第4遊技状態又は第5遊技状態において第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、第1遊技状態に移行される。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるV-ST機を含めたST機に適用できる。また、付記C40及び付記C41に係る遊技機では、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるためには第4遊技状態を経由する必要がある。即ち、第5遊技状態に移行させるためには、まず第4遊技状態に移行させた後に、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに第2特別図柄遊技で特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものとなる必要がある。従って、第3遊技状態から第4遊技状態に移行させた後に、如何に早く第2特別図柄遊技で特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得し、遊技者に最も有利な第5遊技状態に移行させるかという遊技性を有し、さらに第5遊技状態に移行させた後に第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに如何に多くの特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
[付記C42]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が、前記特別遊技状態に移行させるものとは異なる特定の結果(小当たり)である場合に作動されることで遊技球の入球が可能であり、遊技球の入球により前記遊技状態移行手段(41)による前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)が付与される特殊入球部(833)を有する羽役物装置(83)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるもの(1種大当たり)であることを契機として前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC)に移行させ、
前記特殊入球部(833)に遊技球が入球することで付与される前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)に基づいて、前記羽役物装置(83)の作動終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記特殊入球部(833)への遊技球の入球を契機して移行される前記特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE)に移行させることを特徴とする付記C31に記載の遊技機。
[付記C43]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第4遊技状態又は前記第5遊技状態において、前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の合計遊技数が上限数に達した場合に、前記第3遊技状態に移行させることを特徴とする付記C42に記載の遊技機。
付記C42及び付記C43に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであること(1種大当たり)、又は特殊入球部に遊技球が入球することによって特別遊技状態への移行の権利が付与されることで(2種大当たり)、特別遊技状態に移行する。即ち、第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆる1種2種混合機にも適用できる。
[付記C44]
前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されること、又は前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機として、前記可動役物部材(36)を前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)と間で動作させるか否かの普通判定を行う普通判定手段(41)をさらに備え、
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記普通判定手段(41)による前記普通判定において前記可動役物部材(36)を作動させると判定される確率が高いことを特徴とする付記C27から付記C43のいずれかに記載に遊技機。
付記C44に係る遊技機では、第4遊技状態及び第5遊技状態と第3遊技状態とで、普通判定手段による普通判定において可動役物部材を作動させると判定される確率が異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記C45]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知されてから、前記可動役物部材(36)の作動が開始されるまでの時間が短いことを特徴とする付記C27から付記C44に記載に遊技機。
付記C45に係る遊技機では、第4遊技状態では、第3遊技状態に比べて、検知手段によって第2通路を遊技球が通過したことを検知されてから、可動役物部材の作動が開始されるまでの時間が短い。これにより、第1入賞口と第2入賞口の入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記C46]
前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)及び前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に比べて、前記可動役物部材(36)の作動時間が長いことを特徴とする付記C27から付記C45のいずれかに記載に遊技機。
付記C46に係る遊技機では、第5遊技状態では、第2遊技状態及び第3遊技状態に比べて、可動役物部材の作動時間が長い。これにより、第1入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記C47]
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記C1から付記C46のいずれかに記載の遊技機。
付記C47に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記C48]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)有することを特徴とする付記C47に記載の遊技機。
付記C48に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記C49]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記C48に記載の遊技機。
[付記C50]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記C49に記載の遊技機。
[付記C51]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記C48から付記C50のいずれかに記載の遊技機。
付記C49から付記C51に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記C52]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記C48から付記C51のいずれかに記載の遊技機。
付記C52に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記C53]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記C48から付記C52のいずれかに記載の遊技機。
付記C53に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記C54]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記C53に記載の遊技機。
[付記C55]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記C54に記載の遊技機。
付記C54及び付記C55に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記D1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が入球可能な第1入賞口(314)と、
前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が入球可能であり、前記第1入賞口(314)とは機能が異なる第2入賞口(313’)と、
前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が入球可能であり、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)とは機能が異なる第3入賞口(315)と、
遊技球が前記第2通路(352)を通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって遊技球が前記第2通路(352)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)のうちの一方の入賞口への入球が制限され、かつ他方の入賞口への入球が許容される第1位置から、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記一方の入賞口(313’)への入球が許容され、かつ前記他方の入賞口(315)への入球が制限される第2位置に動作する可動役物部材(36)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記D1に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、第3入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に第3入賞口への遊技球の入球が制限される一方で、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に第3入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、振分装置と可動役物部材とが協働することで、第3入賞口への入球比率を可変化することができる。これにより、振分装置によって振り分けられる遊技球が機能の異なる3つの入賞口のいずれかに入球可能な遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記D2]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記D1に記載の遊技機。
[付記D3]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記D2に記載の遊技機。
付記D2及び付記D3に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による第3入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が第3入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた第3入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記D4]
前記第3入賞口(315)は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第3入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第3入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記D3に記載の遊技機。
付記D4に係る遊技機によれば、検知手段によって検知される遊技球が第3入賞口に入球するまでに要する時間と、他の検知手段によって検知される遊技球が第3入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が第3入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が第3入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記D5]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第3入賞口(315)に入球されることを許容し、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第3入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記D3又は付記D4に記載の遊技機。
付記D5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に第3入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記D6]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第3入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記D3から付記D5のいずれかに記載の遊技機。
付記D6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで第3入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記D8]
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第2入賞口(313’)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記第2入賞口(313’)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)と、
前記開閉部(362)に連続し、前記第1位置(待機位置)において前記第2入賞口(313’)の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を制限し、前記第2位置(動作位置)において前記第2入賞口(313’)の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を許容するガイド部(363)と、
を有することを特徴とする付記D1から付記D7のいずれかに記載の遊技機。
[付記D9]
前記開閉部(362)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(313’)への入球を許容し、前記第3入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(313’)への入球を制限し、前記第3入賞口(315)への入球を許容し、
前記ガイド部は、
前記第1位置(待機位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を許容することを特徴とする付記D8に記載の遊技機。
付記D8及び付記D9に係る遊技機によれば、第2入賞口を開閉可能な開閉部と第2入賞口の右方の遊技球を開閉部に向けて移動させるガイド部と有する可動役物部材を設けるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって、複数の経路から遊技球を第2入賞口へ入賞させることができる。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記D10]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記検知手段(318)又は前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記第3入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記D1から付記D9のいずれかに記載の遊技機。
付記D10に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第3入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第3入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記D11]
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記第3入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)をさらに備えることを特徴とする付記D1から付記D10のいずれかに記載の遊技機。
付記D11に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第3入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記D11に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における第3入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が第3入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第3入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記D12]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記第3入賞口(315)に遠い側の釘が前記第3入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記D11に記載の遊技機。
付記D12に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記D13]
前記可動役物部材(36)は、前記第2位置において前記第3入賞口(315)に向けて遊技球を移動させるものであり、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする付記D1から付記D12のいずれかに記載の遊技機。
付記D13に係る遊技機では、第3入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が第3入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から第1位置に復帰するまでの短時間で第3入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記D14]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記D13に記載の遊技機。
[付記D15]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記D13又は付記D14に記載の遊技機。
[付記D16]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記D13から付記D15のいずれかに記載の遊技機。
[付記D17]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記D16に記載の遊技機。
付記D14から付記D17に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記D18]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記D13から付記D17のいずれかに記載の遊技機。
[付記D19]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記D18に記載の遊技機。
[付記D20]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記D18又は付記D19に記載の遊技機。
付記D18から付記D20に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記D21]
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第3入賞口(315)への入球比率の期待値が異なる第3遊技状態(モードA)、第4遊技状態(モードC、モードC’)及び第5遊技状態(モードE、モードE’)を含むことを特徴とする付記D1に記載の遊技機。
付記D21に係る遊技機では、第3入賞口に対する入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記D21に係る遊技機によれば、第3入賞口への入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記D22]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)に入球され易く、前記第3入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)、前記第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)のいずれにも入球し難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(314)、前記第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)のいずれにも入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)に入球され難く、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第3入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記D21に記載の遊技機。
付記D22に係る遊技機では、第3から第5遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口及び第2入賞口と第3入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記D23]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第1位置から前記第2位置に動作し、
前記第3遊技状態及び前記第4遊技状態は、前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第5遊技状態は、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記D22に記載の遊技機。
付記D23に係る遊技機では、検知手段又は他の検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第3入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第3から第5遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第3入賞口への入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記D24]
前記第1入賞口(314L)及び前記第2始動口(314R)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第3入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記D23に記載の遊技機。
付記D24に係る遊技機では、第1始動口に対する遊技機の入球と第3始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口と第3始動口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記D25]
前記第2始動口(313’)は、一般入賞口であることを特徴とする付記D24に記載の遊技機。
付記D25に係る遊技機では、第2始動口が一般入賞口であることで、第3から第5遊技状態において、特別判定(第1特別判定及び第2特別判定)を受けることができる頻度が異なる。これにより、遊技状態に応じた頻度で特別判定を受けることができるため、遊技が多様になることで、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記D26]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、第2始動口(313’)及び前記第3入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第3入賞口(315)に入球され難く、前記第2入賞口(313’)に入球され易く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)に入球され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第3入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)に入球され難く、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第3入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記D25に記載の遊技機。
[付記D27]
前記第3遊技状態及の前記第4遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)、第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)のいずれにも入球され難いことを特徴とする付記D26に記載の遊技機。
[付記D28]
前記第5遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(313’)及び前記第3入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)に入賞され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第3入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記D26又は付記D27に記載の遊技機。
付記D26から付記D28に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第3入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第3遊技状態及び第4遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第5遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記D29]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記D24から付記D28のいずれかに記載に遊技機。
[付記D30]
前記第1入賞口(314)及び前記第2始動口(313’)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第3入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(313’)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第3入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記D29に記載の遊技機。
付記D29及び付記D30に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記D31]
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記D1から付記D30のいずれかに記載の遊技機。
付記D31に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記D32]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)有することを特徴とする付記D31に記載の遊技機。
付記D32に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記D33]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記D32に記載の遊技機。
[付記D34]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記D33に記載の遊技機。
[付記D35]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記D32から付記D34のいずれかに記載の遊技機。
付記D33から付記D35に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記D36]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記D32から付記D35のいずれかに記載の遊技機。
付記D36に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記D37]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記D32から付記D36のいずれかに記載の遊技機。
付記D37に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記D38]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記D37に記載の遊技機。
[付記D39]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記D38に記載の遊技機。
付記D38及び付記D39に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記E1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
第1入賞口(314)、及び前記第1入賞口(314)とは機能が異なる第2入賞口(315)を含む複数の入賞口と、
前記複数の入賞口に入球しなかった遊技球を排出する排出口(317)と、
遊技球が前記第2通路(352)を通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって遊技球が前記第2通路(352)を通過したことが検知されることを契機とし、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2入賞口(314)への遊技球の入球が許容される第2位置(作動位置)に動作可能な可動役物部材(36)と、
を備え、
前記第1入賞口(314)は、前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が入球可能であり、
前記第2通路(352)を通過した遊技球は、
前記可動役物部材(36)が前記第1位置(待機位置)にある場合に前記第2入賞口(315)への入球が制限され、かつ前記排出口(317)から排出され、
前記可動役物部材(36)が前記第2位置(作動位置)にある場合に前記第2入賞口(315)への入球が許容されることを特徴とする遊技機。
付記E1に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が制限される一方で、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に第2入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、振分装置と可動役物部材とが協働することで、第2入賞口への入球比率を可変化することができる。これにより、第2通路に振り分けられた遊技球が排出口に排出され得る遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を実現し、遊技の興趣の向上を図ることができる。
[付記E2]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記E1に記載の遊技機。
[付記E3]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記E2に記載の遊技機。
付記E2及び付記E3に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による第3入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が第3入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた第3入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記E4]
前記第2入賞口(315)は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記E3に記載の遊技機。
付記E4に係る遊技機によれば、検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間と、他の検知手段によって検知される遊技球が第2入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が第2入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が第2入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記E5]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記検知手段(318)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容し、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記E3又は付記E4に記載の遊技機。
付記E5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に第2入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記E6]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記他の検知手段(319)によって検知される遊技球が前記第2入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記E3から付記E5のいずれかに記載の遊技機。
付記E6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記E7]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記検知手段(318)又は前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記第3入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記E1から付記E6のいずれかに記載の遊技機。
付記E7に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第3入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第3入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記E8]
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記第2入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)をさらに備えることを特徴とする付記E1から付記E7のいずれかに記載の遊技機。
付記E8に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第2入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記E8に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における第2入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記E9]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記第2入賞口(315)に遠い側の釘が前記第2入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記E8に記載の遊技機。
付記E9に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記E10]
前記可動役物部材(36)は、前記第2位置において前記第2入賞口(315)に向けて遊技球を移動させるものであり、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする付記E1から付記E9のいずれかに記載の遊技機。
付記E10に係る遊技機では、第2入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が第2入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から第1位置に復帰するまでの短時間で第2入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記E11]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記E10に記載の遊技機。
[付記E12]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記E10又は付記E11に記載の遊技機。
[付記E13]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記E10から付記E12のいずれかに記載の遊技機。
[付記E14]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記E13に記載の遊技機。
付記E11から付記E14に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記E15]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記E10から付記E14のいずれかに記載の遊技機。
[付記E16]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記E15に記載の遊技機。
[付記E17]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記E15又は付記E16に記載の遊技機。
付記E15から付記E17に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記E18]
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第2入賞口(315)への入球比率の期待値が異なる第3遊技状態(モードA)、第4遊技状態(モードC、モードC’)及び第5遊技状態(モードE、モードE’)を含むことを特徴とする付記E1に記載の遊技機。
付記E18に係る遊技機では、第2入賞口に対する入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記E18に係る遊技機によれば、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記E19]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球し難く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記E18に記載の遊技機。
付記E19に係る遊技機では、第3から第5遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口と第2入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記E20]
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する他の検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第1位置から前記第2位置に動作し、
前記第3遊技状態及び前記第4遊技状態は、前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第5遊技状態は、前記他の検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記E19に記載の遊技機。
付記E20に係る遊技機では、検知手段又は他の検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第2入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第3から第5遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第2入賞口への入球比率の期待値が異なる第3から第5遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記E21]
前記第1入賞口(314)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記E20に記載の遊技機。
付記E21に係る遊技機では、第1始動口に対する遊技機の入球と第2始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口と第2始動口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。また、付記E21に係る遊技機では、複数の入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球が排出口から排出されるため、第3から第5遊技状態において、特別判定(第1特別判定及び第2特別判定)を受けることができる頻度が異なる。これにより、遊技状態に応じた頻度で特別判定を受けることができるため、遊技が多様になることで、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記E22]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第4遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第5遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)に入球され難く、前記他の検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記E21に記載の遊技機。
[付記E23]
前記第3遊技状態及の前記第4遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)、及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球され難いことを特徴とする付記E22に記載の遊技機。
[付記E24]
前記第5遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易く、前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入賞され難く、前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記E22又は付記E23に記載の遊技機。
付記E22から付記E24に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第3遊技状態及び第4遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第5遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記E25]
前記第4遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第5遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第3遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記E20から付記E24のいずれかに記載に遊技機。
[付記E26]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第3入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第4遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第5遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記E25に記載の遊技機。
付記E25及び付記E26に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記E27]
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする付記E1から付記E26のいずれかに記載の遊技機。
付記E27に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記E28]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)有することを特徴とする付記E27に記載の遊技機。
付記E28に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記E29]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記E28に記載の遊技機。
[付記E30]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記E29に記載の遊技機。
[付記E31]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記E28から付記E30のいずれかに記載の遊技機。
付記E29から付記E31に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記E32]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記E29から付記E31のいずれかに記載の遊技機。
付記E32に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを固定部の位置を調整することで改善することが可能になる。
[付記E33]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記E28から付記E32のいずれかに記載の遊技機。
付記E33に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記E34]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記E33に記載の遊技機。
[付記E35]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記E34に記載の遊技機。
付記E34及び付記E35に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記F1]
遊技球の入球が可能な第1入賞口(314)と、
遊技球の入球が可能であり、前記第1入賞口(314)とは機能が異なる第2入賞口(315)と、
複数の遊技状態の間で所定状態の成立により遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)と、
を備え、
前記遊技状態移行手段(41)は第1遊技状態(モードA)、第2遊技状態(モードC、モードC’)及び第3遊技状態(モードE、モードE’)を含み、
前記第1遊技状態(モードA)、前記第2遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第3遊技状態(モードE、モードE’)は、互いに前記第1入賞口(314)と前記第2入賞口(315)との入球比率の期待値が異なることを特徴とする遊技機。
付記F1に係る遊技機では、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する。そのため、付記F1に係る遊技機によれば、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる3つ遊技状態に基づいて、遊技性を向上させた新規な遊技性を創出することが可能になる。
[付記F2]
前記第1遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球し難く、
前記第2遊技状態は、
前記左側領域に打ち出された遊技球が、右側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第1入賞口(351)及び前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第3遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され難い一方で、前記左側領域に打ち出された遊技球に比べて前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記F1に記載の遊技機。
付記F2に係る遊技機では、第1から第3遊技状態のそれぞれで、遊技盤に対する遊技球の打ち出し領域によって第1入賞口及び第2入賞口への入球し易さが異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記F3]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、遊技盤(31)の左側領域に打ち出されて前記導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段(318)と、
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段(319)と、
前記第1検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されること、又は前記第2検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機とし、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球が制限される第1位置(待機位置)から、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球が許容される第2位置(作動位置)に動作可能な可動役物部材(36)と、
をさらに備え、
前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態は、前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利であり、
前記第3遊技状態は、前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記右側領域に打ち出すほうが前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように遊技球を前記左側領域に打ち出す場合に比べて遊技者に有利であることを特徴とする付記F2に記載の遊技機。
付記F3に係る遊技機では、第1検知手段又は第2検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として可動役物部材が作動することで第2入賞口への遊技球の入球を可能にする。そして、可動役物部材の作動の有無を利用して、第1から第3遊技状態のそれぞれが遊技者に有利な打ち出し領域を有するものとされている。即ち、可動役物部材を利用した簡易な方法により、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を実現できる。
[付記F4]
前記第1入賞口(314)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与え、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記F3に記載の遊技機。
付記F4に係る遊技機では、第1始動口に対する遊技機の入球と第2始動口に対する遊技球の入球とで、遊技者に有利な第2特別遊技に移行される期待度(機能)が異なる。そのため、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異ならせることで、第2特別遊技に移行される期待度が異なる3つの遊技状態を実現できる。これにより、遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記F5]
前記第1遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球され難く、
前記第2遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(351)に入球され易い一方で前記第2入賞口(352)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(351)に入球され難い一方で、前記第1検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易く、
前記第3遊技状態は、
前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)に入球され難い一方で、前記第2検知手段(319)によって前記右側特定領域を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(315)に入球され易いことを特徴とする付記F4に記載の遊技機。
[付記F6]
前記第1遊技状態及の前記第2遊技状態は、前記右側領域に打ち出された遊技球が前記第1入賞口(314)及び前記第2入賞口(315)のいずれにも入球され難いことを特徴とする付記F5に記載の遊技機。
[付記F7]
前記第3遊技状態は、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第1通路(351)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入球され易い一方で前記第2入賞口(315)に入球され難く、
前記左側領域に打ち出されて前記振分装置(35)によって前記第2通路(352)に振り分けられた遊技球が、前記第1入賞口(314)に入賞され難い一方で、前記第1検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過することが検知されることを契機として前記第2入賞口(352)に入球され易いことを特徴とする付記F5又は付記F6に記載の遊技機。
付記F5から付記F7に係る遊技機では、可動役物部材と共に振分装置を採用することで第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる3つの遊技状態が実現される。そのため、左側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用して遊技を進行する第1遊技状態及び第2遊技状態と、右側領域に遊技球を打ち出して振分装置を利用することなく遊技を進行する第3遊技状態とを実現できる。これにより、遊技に幅を持たせることができ、同時に遊技性を高められ、遊技球の興趣が向上される。
[付記F8]
前記第2遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第3遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第1遊技状態(モードA)に比べて、前記第1特別判定及び前記第2特別判定において、前記特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させると判定される確率が高いことを特徴とする付記F4から付記F7のいずれかに記載に遊技機。
[付記F9]
前記第1入賞口(314)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記第1特別図柄遊技の終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1入賞口(314L,314R)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態(モードC、モードC’)に移行させ、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第3遊技状態(モードE、モードE’)に移行させることを特徴とする付記F8に記載の遊技機。
付記F8及び付記F9に係る遊技機によれば、例えば、多量の遊技価値が付与される特別遊技状態に移行するまでに障壁のある遊技性、実質的に確変継続率を複数持った遊技性といった多様な遊技性を有する遊技機の提供が可能になる。
[付記F10]
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果として、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第3遊技状態(モードE、モードE’)に移行される第1判定結果(確変大当たり)と、
当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第3遊技状態(モードE、モードE’)以外の遊技状態に移行される第2判定結果(通常大当たり)と、
を含むことを特徴とする付記F9に記載の遊技機。
[付記F11]
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に、前記第2遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第3遊技状態(モードE、モードE’)に比べて、前記第1特別判定又は前記第2特別判定において前記特別遊技状態に移行させると判定される確率が低い第4遊技状態(モードB、モードD)に移行させ、
前記第4遊技状態(モードB、モードD)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記F10に記載の遊技機。
付記F10及び付記F11に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果として、特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行される第1判定結果と、特別遊技の終了後に第3遊技状態以外の遊技状態に移行される第2判定結果とを含む。また、第2遊技状態及び第3遊技状態は、第1遊技状態に比べて、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高い。そして、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第2遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行される。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるループ確変機を含めた確変機に適用できる。そして、付記F10及び付記F11に係る遊技機によれば、最も遊技者に有利な第3遊技状態には第2遊技状態を経て段階的に移行する。即ち、最も遊技者に有利な第3遊技状態に移行させるためには、まず第2遊技状態に移行させ、第2遊技状態において特別遊技判定において第2入賞口に遊技球を入球させて第2特別判定での結果として第1判定結果となる必要がある。従って、段階的に遊技者に有利な遊技状態に移行させる遊技性の遊技機を提供できる。
[付記F12]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記第2判定結果である場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定を契機とする前記特別遊技の終了後に前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記F9に記載の遊技機。
付記F12に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が第2判定結果である場合に特別遊技の終了後に第1遊技状態に移行するため、第2遊技状態及び第3遊技状態の滞在割合が低くなる。一方、第2遊技状態及び第3遊技状態は、可動役物部材によるサポートによって第2入賞口への遊技球の入球が期待できるだけでなく、第1特別判定又は第2特別判定において特別遊技状態に移行させると判定される確率が高いモードである。そのため、第2遊技状態及び第3遊技状態の滞在割合が低くなることで、第1遊技状態に転落し易い遊技性を有する反面、遊技状態の移行に対するメリハリがあり、遊技者が得られる遊技価値についてもメリハリのある遊技機を提供できる。
[付記F13]
前記第1遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該第1特別判定又は当該第2特別判定に基づく前記特別遊技状態への移行を初回として前記特別遊技状態に移行される移行上限数を設定する移行回数設定手段と、
前記遊技状態移行手段(41)は、前記移行回数設定手段(41)により設定された前記移行上限数の前記特別遊技状態の終了後に前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記F9に記載の遊技機。
付記F13に係る遊技機では、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有すると共に、移行上限数まで、初当たりからの特別遊技状態への移行が継続する。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるリミット機に適用できる。そして、第1入賞口への遊技球の入球を契機とする第1特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第2遊技状態に移行され、第2入賞口への遊技球の入球を契機とする第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、特別遊技の終了後に第3遊技状態に移行される。即ち、第1入賞口への入球を契機とするか、第2入賞口への入球を契機とするかによって特別遊技後の遊技状態の移行先が異なる。従って、初当たり後の残りの特別遊技状態への移行機会において、最も遊技者に有利な第3遊技状態に如何に多くの特別遊技状態への移行機会を残したままで移行させるかという遊技性を有する遊技機を提供できる。
[付記F14]
前記遊技状態移行手段は(41)、前記第2遊技状態(モードC’)又は前記第3遊技状態(モードE’)において前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態(モードA)に移行させることを特徴とする付記F9に記載の遊技機。
[付記F15]
前記特別遊技において開放される特別入球部(824)を有する特別可変入球装置(82)をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1遊技状態(モードA)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第2遊技状態(モードC’)に移行させ、
前記第2遊技状態(モードC’)での前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合に、当該特別遊技状態での前記特別遊技において前記特別入球部(824)に遊技球が入球することを条件に、当該特別遊技の終了後に前記第3遊技状態(モードE’)に移行させることを特徴とする付記F14に記載の遊技機。
付記F14及び付記F15に係る遊技機では、第2遊技状態又は第3遊技状態において第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達した場合に、第1遊技状態に移行される。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆるV-ST機を含めたST機に適用できる。また、付記F14及び付記F15に係る遊技機では、遊技者に最も有利な第3遊技状態に移行させるためには第2遊技状態を経由する必要がある。即ち、第3遊技状態に移行させるためには、まず第2遊技状態に移行させた後に、第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに第2特別図柄遊技で特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものとなる必要がある。従って、第1遊技状態から第2遊技状態に移行させた後に、如何に早く第2特別図柄遊技で特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得し、遊技者に最も有利な第3遊技状態に移行させるかという遊技性を有し、さらに第3遊技状態に移行させた後に第1特別図柄遊技及び第2特別図柄遊技の回数が上限数に達するまでに如何に多くの特別遊技状態に移行させる判定結果を獲得するかというゲーム性を有する遊技機を提供できる。
[付記F16]
前記第1入賞口(314L,314R)への遊技球の入球を契機とする前記第1特別判定の結果を、第1特別図柄により表示する第1特別図柄遊技を実行する第1特別図柄表示部(371)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果を、第2特別図柄により表示する第2特別図柄遊技を実行する第2特別図柄表示部(372)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を契機とする前記第2特別判定の結果が、前記特別遊技状態に移行させるものとは異なる特定の結果(小当たり)である場合に作動されることで遊技球の入球が可能であり、遊技球の入球により前記遊技状態移行手段(41)による前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)が付与される特殊入球部(833)を有する羽役物装置(83)と、
をさらに備え、
前記遊技状態移行手段(41)は、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるもの(1種大当たり)であることを契機として前記特別遊技状態に移行させ、
前記第1特別判定又は前記第2特別判定の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであることを条件に、当該特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態(モードC)に移行させ、
前記特殊入球部(833)に遊技球が入球することで付与される前記特別遊技状態への移行の権利(2種大当たり)に基づいて、前記羽役物装置(83)の作動終了後に前記特別遊技状態に移行させ、
前記特殊入球部(833)への遊技球の入球を契機して移行される前記特別遊技状態での前記特別遊技の終了後に前記第3遊技状態(モードE)に移行させることを特徴とする付記F8に記載の遊技機。
[付記F17]
前記遊技状態移行手段(41)は、前記第2遊技状態又は前記第3遊技状態において、前記第1特別図柄遊技及び前記第2特別図柄遊技の合計遊技数が上限数に達した場合に、前記第1遊技状態に移行させることを特徴とする付記F16に記載の遊技機。
付記F16及び付記F17に係る遊技機では、第1特別判定又は第2特別判定の結果が特別遊技状態に移行させるものであること(1種大当たり)、又は特殊入球部に遊技球が入球することによって特別遊技状態への移行の権利が付与されることで(2種大当たり)、特別遊技状態に移行する。即ち、第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を有する遊技機は、いわゆる1種2種混合機にも適用できる。
[付記F18]
前記第1検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されること、又は前記第2検知手段(319)によって前記特定領域を遊技球が通過したことが検知されることを契機として、前記可動役物部材(36)を前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)と間で動作させるか否かの普通判定を行う普通判定手段(41)をさらに備え、
前記第2遊技状態(モードC、モードC’)及び前記第3遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第1遊技状態(モードA)に比べて、前記普通判定手段(41)による前記普通判定において前記可動役物部材(36)を作動させると判定される確率が高いことを特徴とする付記F3から付記F17のいずれかに記載に遊技機。
付記F18に係る遊技機では、第2遊技状態及び第3遊技状態と第1遊技状態とで、普通判定手段による普通判定において可動役物部材を作動させると判定される確率が異なる。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記F19]
前記第2遊技状態(モードC、モードC’)は、前記第1遊技状態(モードA)に比べて、前記第1検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知されてから、前記可動役物部材(36)の作動が開始されるまでの時間が短いことを特徴とする付記F1から付記F18に記載に遊技機。
付記F19に係る遊技機では、第2遊技状態では、第1遊技状態に比べて、第1検知手段によって第2通路を遊技球が通過したことを検知されてから、可動役物部材の作動が開始されるまでの時間が短い。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記F20]
前記第3遊技状態(モードE、モードE’)は、前記第1遊技状態(モードA)及び前記第2遊技状態(モードC、モードC’)に比べて、前記可動役物部材(36)の作動時間が長いことを特徴とする付記F1から付記F19のいずれかに記載に遊技機。
付記F20に係る遊技機では、第3遊技状態では、第1遊技状態及び第2遊技状態に比べて、可動役物部材の作動時間が長い。これにより、第1入賞口と第2入賞口との入球比率の期待値が異なる第1から第3遊技状態の3つの遊技状態を簡易な方法で実現できる。
[付記G1]
遊技球の入球が可能な複数の入賞口と、
複数の入賞口のうちの特定の入賞口(315)への遊技球の入球が制限される第1位置と、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球が許容される第2位置との間で動作可能な可動役物部材(36)と、
前記可動役物部材(36)の上方側に設けられ、前記特定の入賞口(315)から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部(393,394)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記G1に係る遊技機では、可動役物部材の上方側に第2入賞口から離間する方向に遊技球を誘導する退避誘導部が設けられている。そのため、付記G1に係る遊技機によれば、例えば可動役部材の作動時間が短く、遊技盤の左側領域に遊技機を打ち出すことが奨励される遊技状態において、可動役物部材における特定の入賞口から離れた位置で遊技球を受け取ることができるため、遊技球が特定の入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で特定の入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記G2]
前記退避誘導部(393,394)は、前記複数の釘を含み、
前記複数の釘は、前記特定の入賞口(315)に遠い側の釘が前記特定の入賞口(315)に近い側の釘に比べて下方に位置する傾斜状に配列されていることを特徴とする付記G1に記載の遊技機。
付記G2に係る遊技機によれば、複数の釘を傾斜状に配列するという簡易な構成によって遊技球の移動方向の上流側に遊技球を誘導できる。また、遊技機では、一般に遊技盤に多数の釘が打設されているため、これらの釘を打設する際に退避誘導部を設けることが可能になる。そのため、退避誘導部を設けることによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制しつつ、可動役物部材が短時間作動する場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記G3]
前記複数の入賞口は、前記特定の入賞口(315)とは機能が異なる所定の入賞口(314R)をさらに含み、
前記可動役物部材(36)は、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を許容し、かつ前記所定の入賞口(314R)への遊技球の入球を制限する第1位置(待機位置)と、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を制限し、かつ前記所定の入賞口(314R)への遊技球の入球を許容する第2位置(作動位置)との間で動作可能であることを特徴とする付記G1又は付記G2に記載の遊技機。
付記G3に係る遊技機では、可動役物部材の作動の有無に応じて、特定の入賞口及び所定の入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に特定の入賞口への遊技球の入球が許容される一方で所定の入賞口への遊技球の入球が制限され、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に特定の入賞口への遊技球の入球が制限される一方で所定の入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、付記G3に係る遊技機は、可動役物部材が、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記G4]
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記所定の入賞口(314R,314)を開放状態として前記所定の入賞口(314R,314)への遊技球の入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において前記所定の入賞口(314R)を覆うことで前記所定の入賞口(314R)を閉鎖状態として前記所定の入賞口(314R)への遊技球の入球を制限することを特徴とする付記G3に記載の遊技機。
付記G4に係る遊技機によれば、可動役物部材を所定の入賞口を開閉可能な位置に設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を行える。
[付記G5]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記所定の入賞口(314R,314)は、前記第2通路(352)を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられ、
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R,314)への入球を許容する一方で前記特定の入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R,314)への入球を制限する一方で前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記G4に記載の遊技機。
付記G5に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、特定の入賞口及び所定の入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が許容される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が制限され、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が制限される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、付記G5に係る遊技機では、可動役物部材が、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路に振り分けられた遊技球の所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。そして、付記G5に係る遊技機は、振分装置と可動役物部材とが協働することで、特定の入賞口と所定の入賞口との入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記G6]
前記可動役物部材(36)は、前記第2通路(352)と前記所定の入賞口(314R)との間における前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R)に向けた移動経路の途中に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記所定の入賞口(314R)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記所定の入賞口(314R)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)を有することを特徴とする付記G5に記載の遊技機。
付記G6に係る遊技機によれば、可動役物部材の一部を開閉部として第2通路と所定の入賞口との間における第2通路を通過した遊技球の所定の入賞口に向けた移動経路の途中、例えば可動役物部材を所定の入賞口の開閉可能な位置に設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行える。
[付記G7]
前記可動役物部材(36)は、前記開閉部(362)に連続し、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球を前記開閉部(362)に向けて移動させるガイド部(363)をさらに有することを特徴とする付記G6に記載の遊技機。
付記G7に係る遊技機によれば、可動役物部材の一部を開閉部に連続するガイド部として右側領域に打ち出された遊技球を開閉部に向けて移動させる位置に設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行える。
[付記G8]
前記可動役物部材(36R)は、前記第2入賞口(315)の左方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記第2入賞口(315)の右方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記G3に記載の遊技機。
付記G8に係る遊技機では、可動役物部材が、第2入賞口の左方から遊技球を第2入賞口に入球させる第1部分と、第2入賞口の右方から遊技球を第2入賞口に入球させる第2部分と、を有する。これにより、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記G9]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記第1始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容することを特徴とする付記G8に記載の遊技機。
付記G9に係る遊技機では、可動役物部材の第1部分が、振分装置の第2通路の遊技球の第2入賞口への入球を可能にする。これにより、振分装置を採用した遊技機において、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記G10]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記G8又は付記G9に記載の遊技機。
付記G10に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記G11]
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1部分(361R)において、前記第2通路(352)を通過する遊技球の前記特定の入賞口(351)への入球を、前記第1位置(作動位置)において制限し、かつ前記第2位置(作動位置)において許容し、
前記第2部分(362R)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記特定の入賞口(351)への入球を、前記第1位置(作動位置)において制限し、かつ前記第2位置(作動位置)において許容することを特徴とする付記G8から付記G10のいずれかに記載の遊技機。
付記G11に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記G12]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記G3に記載の遊技機。
付記G12に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を行える。
[付記G13]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記所定の入賞口(314)に向けて移動させ、前記作動位置において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記特定の入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記G12に記載の遊技機。
付記G13に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、所定の入賞口及び特定の入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材が待機位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が許容される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が制限され、第1可動役物部材及び第2可動役物部材が作動位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が制限される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、付記G13に係る遊技機は、第1可動役物部材及び第2可動役物部材が、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路に振り分けられた遊技球の所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。そして、付記G13に係る遊技機は、振分装置と可動役物部材とが協働することで、所定の入賞口と特定の入賞口との入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記G14]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記特定の入賞口(315)との間に遊技球の通過が可能な隙間を形成し、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球を前記特定の入賞口(315)に向けて移動させる誘導部(31M’)と、
をさらに備え、
前記可動役物部材(36S~36X)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記特定の入賞口(315)を閉鎖状態にして、前記第2通路(352)を通過した遊技球、及び遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記特定の入賞口(315)を開放状態にし、かつ前記誘導部(31M’)と前記特定の入賞口(315)との間に遊技球の通路を形成し、前記第2通路(352)を通過した遊技球、及び前記右側領域に打ち出された遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記G1又は付記G2に記載の遊技機。
付記G14に係る遊技機では、可動役物部材が第2位置にある場合に誘導部と特定の入賞口との間に遊技球の通路が形成されることで、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって特定の入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記G15]
前記可動役物部材(36T)は、前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間でスライド移動可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記特定の入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記特定の入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記G14に記載の遊技機。
付記G15に係る遊技機では、特定の入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と特定の入賞口との隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材をスライドさせるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記G16]
前記可動役物部材(36U,36W)は、回転により前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で動作可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記特定の入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記特定の入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記G14に記載の遊技機。
[付記G17]
前記可動役物部材(36U)は、遊技盤(31)に沿った方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記G16に記載の遊技機。
[付記G18]
前記可動役物部材(36V)は、遊技盤(31)に交差する方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記G16に記載の遊技機。
付記G16から付記G18に係る遊技機では、特定の入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と特定の入賞口との隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材を水平方向に回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記G19]
前記回転体(36V)は、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放する第3位置(待機位置)において起立状態で停止可能であることを特徴とする付記G18に記載の遊技機。
付記G19に係る遊技機では、退避誘導部を設けるまでもなく、可動役物部材が短時間開放される遊技状態(モードA~モードC)において、振分装置の右方領域する遊技球が可動役物部材によって第2始動口に誘導されることを防止できる。
[付記G20]
前記可動役物部材(36W)は、回転可能であり、前記第2始動口(315)及び前記隙間を閉鎖可能な閉鎖部(364W)と、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放可能な貫通部(363W)を有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記閉鎖部(364W)によって前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記貫通孔(363W)によって前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記貫通孔(363W)によって前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記閉鎖部(364W)によって前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記G14に記載の遊技機。
付記G20に係る遊技機では、閉鎖部及び貫通部を有する可動役物部材を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記G21]
前記可動役物部材(36X)は、前記隙間において前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で水平方向に対して傾斜した方向に延びる回転軸の周りに回転可能な回転体であり、
前記回転体(36X)は、
前記回転軸に直交する方向に沿って貫通し、遊技球が通過可能な第1貫通部(361X)と、回転軸方向視における前記第1貫通部(361X)と交差する方向に貫通し、遊技球が通過可能な第2貫通部(362X)とを有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2貫通部(362X)によって前記隙間で遊技球を落下させる位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第1貫通部(361X)が前記特定の入賞口(315)に連通する位置であることを特徴とする付記G14に記載の遊技機。
付記G21に係る遊技機では、特定の入賞口と誘導部との間で回転体を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記G22]
前記可動役物部材(36T~36X)が前記第2位置(作動位置)にある場合に、前記可動役物部材(36T~36X)を前記特定の入賞口(315)に向けて移動する遊技球が前記特定の入賞口(315)を超えることを防止するガード部(31B)さらに備えることを特徴とする付記G14から付記G21のいずれかに記載の遊技機。
付記G22に係る遊技機では、ガード部を設けることで、可動役物部材が第2位置にある場合に、特定の入賞口に向けて可動役物部材を移動する遊技球を確実に特定の入賞口に入球させることができる。
[付記G23]
前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知する検知手段(318)と、
前記検知手段(318)によって前記第2通路(352)を遊技球が通過したことが検知されることを契機として、前記可動役物部材(36)を前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で動作させるか否かの普通判定を行う普通判定手段(41)と、
をさらに備えることを特徴とする付記G5から付記G7から付記G11、及び付記G13から付記G22のいずれかに記載の遊技機。
付記G23に係る遊技機では、可動役物部材の作動により特定の入賞口へ遊技球を入球させることが可能な第2通路に遊技球の検知手段を設け、この検知手段によって遊技球が検知されることを契機として、普通判定手段によって可動役物部材を作動させるか否かの普通判定を行う。そのため、付記G23に係る遊技機では、第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられるものの、可動役物部材が作動されるか否か、即ち可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球が可能にされる否かは普通判定の結果に応じて決定される。従って、第2通路の遊技球が特定の入賞口に入球するかは普通判定の結果に依存するため、遊技が単調になり難く、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記G24]
前記特定の入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与えるものであることを特徴とする付記G1から付記G23のいずれかに記載の遊技機。
[付記G25]
前記特定の入賞口(313’)は、一般入賞口であることを特徴とする付記G1から付記G24のいずれかに記載の遊技機。
[付記H1]
遊技球の入球が可能な複数の入賞口(314,315)と、
前記複数の入賞口(314,315)のうちの特定の入賞口(315)への遊技球の入球が制限される第1位置(待機位置)と前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球が許容される第2位置(作動位置)との間で動作可能であり、前記第2位置において前記特定の入賞口(315)に向けて遊技球を移動させる可動役物部材(36)と、
を備え、
前記可動役物部材(36)は、当該可動役物部材(36)での遊技球の移動を遅延させる遅延部(364)を有することを特徴とする遊技機。
付記H1に係る遊技機では、特定の入賞口に遊技球を導く可動役物部材に遅延部が設けられている。そのため、例えば可動役部材の作動時間が短く、左打ちが奨励される遊技状態において遊技者が右打ちを行うなどして可動役物部材に遊技球が受け取られたとしても、遅延部によって遊技球が特定の入賞口に到達するまでの時間を長く確保できる。これにより、可動役物部材によって受け取られた遊技球が、可動役物部材の作動開始から待機位置に復帰するまでの短時間で特定の入賞口に到達することを防止できるため、奨励されない打ち方を行った場合に可動役物部材によるサポートを受け難くすることができる。
[付記H2]
前記遅延部(364,364A~364C)は、前記可動役物部材(36,36A~36C)において遊技球を蛇行した経路で移動させることを特徴とする付記H1に記載の遊技機。
[付記H3]
前記遅延部(364D~364H)は、前記可動役物部材(36D~36H)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる1以上の線状凸部(364D~364G)又は線状凹部(364H)であることを特徴とする付記H1又は付記H2に記載の遊技機。
[付記H4]
前記遅延部(364I~364P)は、離散的に配置された複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)であることを特徴とする付記H1から付記H3のいずれかに記載の遊技機。
[付記H5]
複数の凸部(364I~364N)又は複数の凹部(364O,364P)は、格子状に配置されていることを特徴とする付記H4に記載の遊技機。
付記H2から付記H5に係る遊技機によれば、簡易な構成の遅延部よって可動役物部材での遊技球の移動を遅延させることができる。例えば、可動役物部材を樹脂成形により形成する場合、樹脂成形によって遅延部を可動役物部材に一体的に造り込むことができる。これにより、遅延部を形成することによる製造工程の複雑化や製造コストの上昇を抑制できる。
[付記H6]
前記遅延部(364Q)は、前記可動役物部材(36Q)での遊技球の移動方向に交差する方向に延びる回転軸を有する1以上のローラ(364Q)であることを特徴とする付記H1から付記H5のいずれかに記載の遊技機。
[付記H7]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球の移動方向とは反対方向である逆方向に回転駆動されることを特徴とする付記H6に記載の遊技機。
[付記H8]
前記1以上のローラ(364Q)は、遊技球に磁力又は電磁力を作用させることを特徴とする付記H6又は付記H7に記載の遊技機。
付記H6から付記H8に係る遊技機によれば、可動役物部材がローラを備えたものとされるため、遊技機の意匠性が向上するばかりか、可動役物部材を移動する遊技球の挙動に着目させやすくなるため、遊技の興趣が向上する。
[付記H9]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、遊技盤(31)の左側領域に打ち出されて導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段(318)と、
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段(319)と、
をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記第1検知手段(318)又は前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記H1から付記H8のいずれかに記載の遊技機。
付記H9に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって特定の入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記H10]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記H9に記載の遊技機。
[付記H11]
前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記H10に記載の遊技機。
付記H10及び付記H11に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による特定の入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が特定の入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた特定の入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記H12]
前記特定の入賞口(315)は、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記第1検知手段(318)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記H11に記載の遊技機。
付記H12に係る遊技機によれば、第1検知手段によって検知される遊技球が特定の入賞口に入球するまでに要する時間と、第2検知手段によって検知される遊技球が特定の入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が特定の入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が特定の入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記H13]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記第1検知手段(318)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを許容し、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記H11又は付記H12に記載の遊技機。
付記H13に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に特定の入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記H14]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記H11から付記H13のいずれかに記載の遊技機。
付記H14に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記H15]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記所定の入賞口(314R,314)は、前記第2通路(352)を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられ、
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R,314)への入球を許容する一方で前記特定の入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R,314)への入球を制限する一方で前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記H1から付記H14のいずれかに記載の遊技機。
付記H15に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられた場合には、可動役物部材の作動の有無に応じて、特定の入賞口及び所定の入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。具体的には、第2通路に振り分けられた遊技球は、可動役物部材が作動していない第1位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が許容される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が制限され、可動役物部材が作動する第2位置にある場合に所定の入賞口への遊技球の入球が制限される一方で特定の入賞口への遊技球の入球が許容される。このように、付記H15に係る遊技機では、可動役物部材が、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、第2通路に振り分けられた遊技球の所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。そして、付記H15に係る遊技機は、振分装置と可動役物部材とが協働することで、特定の入賞口と所定の入賞口との入球比率を可変化することができる。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記H16]
前記可動役物部材(36)は、前記第2通路(352)と前記所定の入賞口(314R)との間における前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記所定の入賞口(314R)に向けた移動経路の途中に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記所定の入賞口(314R)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記所定の入賞口(314R)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)を有することを特徴とする付記H15に記載の遊技機。
付記H16に係る遊技機によれば、可動役物部材の一部を開閉部として第2通路と所定の入賞口との間における第2通路を通過した遊技球の所定の入賞口に向けた移動経路の途中、例えば可動役物部材を所定の入賞口の開閉可能な位置に設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行える。
[付記H17]
前記可動役物部材(36)は、前記開閉部(362)に連続し、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球を前記開閉部(362)に向けて移動させるガイド部(363)をさらに有することを特徴とする付記H16に記載の遊技機。
付記H17に係る遊技機によれば、可動役物部材の一部を開閉部に連続するガイド部として右側領域に打ち出された遊技球を開閉部に向けて移動させる位置に設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限だけでなく、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行える。
[付記H18]
前記可動役物部材(36R)は、前記特定の入賞口(315)の左方から遊技球を前記特定の入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記特定の入賞口(315)の右方から遊技球を前記特定の入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記H1から付記H17のいずれかに記載の遊技機。
付記H18に係る遊技機では、可動役物部材が、特定の入賞口の左方から遊技球を特定の入賞口に入球させる第1部分と、特定の入賞口の右方から遊技球を特定の入賞口に入球させる第2部分と、を有する。これにより、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記H19]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記他の特定の始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする付記H18に記載の遊技機。
付記H19に係る遊技機では、可動役物部材の第1部分が、振分装置の第2通路の遊技球の特定の入賞口への入球を可能にする。これにより、振分装置を採用した遊技機において、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、所定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、特定の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記H20]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記H18又は付記H19に記載の遊技機。
付記H20に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記H21]
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1部分(361R)において、前記第2通路(352)を通過する遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を、前記第1位置(作動位置)において制限し、かつ前記第2位置(作動位置)において許容し、
前記第2部分(362R)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を、前記第1位置(作動位置)において制限し、かつ前記第2位置(作動位置)において許容することを特徴とする付記H19又は付記H20に記載の遊技機。
付記H21に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記H22]
前記特定の入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与えるものであることを特徴とする付記H1から付記H121のいずれかに記載の遊技機。
[付記H23]
前記複数の入賞口は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与える第1入賞口(314)と、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与える第2入賞口(315)とを含み、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高く、
前記特定の入賞口(315)は、前記第2入賞口であることを特徴とする付記H1から付記H22のいずれかに記載の遊技機。
[付記I1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)を備え、
前記振分部(38)は、前記導入口(350)から導入された遊技球が干渉する位置に固定されていることを特徴とする遊技機。
付記I1に係る遊技機では、振分装置の振分部が導入口から導入された遊技球が干渉する位置に固定されている。そのため、遊技者は振分部による第1通路と第2通路との振り分けの傾向(遊技機間の個体差)を読み取ることも可能である。これにより、遊技者は、遊技球の打ち出し位置を調整して試行錯誤することで、第2通路に遊技球が振り分けられやすい遊技球の打ち出し位置を見つけ出すことも可能になるため、第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技球の打ち出し位置を模索する楽しみ、あるいは遊技ホールの島設備に同種の遊技機が複数設置されている場合に、それらの遊技機から第2通路に遊技球が振り分られやすい遊技機を模索する楽しみを得ることが可能になる。
[付記I2]
前記振分部(38D,38F)は、不動かつ回転不能な固定部(381D,389F)有することを特徴とする付記I1に記載の遊技機。
付記I2に係る遊技機では、固定部に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記I3]
前記固定部(381D,389F)は、一端部が固定され、前記一端部以外の部分の少なくとも一部が塑性変形可能であることを特徴とする付記I2に記載の遊技機。
[付記I4]
前記固定部(381D,389F)は、前記一端部と前記一端部以外の部分との境界部分が塑性変形可能であることを特徴とする付記I3に記載の遊技機。
[付記I5]
前記固定部(381D,389F)は、釘であることを特徴とする付記I2から付記I4のいずれかに記載の遊技機。
付記I3から付記I5に係る遊技機では、振分部の固定部の少なくとも一部が塑性変化可能であるため、固定部の位置が初期設定値からズレて来た場合に固定部を初期位置に戻すことが可能になる。これにより、経時的な振分比率の偏りを改善することが可能になる。
[付記I6]
前記振分部(38F)は、複数本の釘を有し、
前記複数本の釘は、正面視において、1本の釘を頂部とし、この1本の釘を通る鉛直線を対称軸する左右対称に配置されていることを特徴とする付記I2から付記I5のいずれかに記載の遊技機。
付記I6に係る遊技機では、頂部の釘を調整することで、経時的な振分比率の偏りを改善することが可能になる。
[付記I7]
前記振分部(38E)は、前記固定部(381D)により回転可能に固定された回転体(382D)を有し、
前記回転体(382D)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に回転可能であることを特徴とする付記I2から付記I5のいずれかに記載の遊技機。
付記I7に係る遊技機では、回転体の回転方法を選択することで、第1通路及び第2通路への遊技球の振り分けパターンを種々のパターンから選択して設計することが可能になり、第1通路と第2通路との振分割合を調整することも可能になる。
[付記I8]
前記回転体(382D)は、前記第1方向及び前記第2方向に自由回転可能であることを特徴とする付記I7に記載の遊技機。
[付記I9]
前記振分部(38C)は、前記第1通路(351)に向けて遊技球を移動させる第1方向、及び前記第1方向とは反対方向であり、前記第2通路(352)に向けて遊技球を移動させる第2方向に自由回転可能に固定されたローラであることを特徴とする付記I1に記載の遊技機。
付記I8及び付記I9に係る遊技機では、振分部として自由回転可能なローラなどの回転体が採用されており、この回転体によっても、回転体に対する遊技球の衝突位置などの偶発的な要素によって決定される。そのため、遊技球が第1通路と第2通路とに偶発的な要素によってランダムに振り分けられることで、遊技の単調性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記J1]
遊技球の入球が可能な第1入賞口(314,314R,313’)と、
遊技球の入球が可能であり、前記第1入賞口(314,314R,313’)とは機能が異なる第2入賞口(315)と、
前記第1入賞口(314,314R,313’)及び前記第2入賞口(315)のうちの一方の入賞口(314,314R,313’)への遊技球の入球を制限し、かつ前記一方の入賞口(314,314R)とは異なる他方の入賞口(315)への遊技球の入球を許容する第1位置(待機位置)と、前記一方の入賞口(314,314R,313’)への遊技球の入球を許容し、かつ前記他方の入賞口(315)への遊技球の入球を制限する第2位置(作動位置)との間で動作可能な可動役物部材(36,36R,36S)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
付記J1に係る遊技機では、可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口のうちの一方の入賞口への遊技球の入球が許容されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が制限される状態、及び一方の入賞口への遊技球の入球が制限されるのに対して他方の入賞口への遊技球の入球が許容される状態のいずれかが実現される。このように、付記J1に係る遊技機は、可動役物部材が、一方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限するだけでなく、他方の入賞口への遊技球の入球の許容又は制限を同時に行う。これにより、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記J2]
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第1入賞口(314R,313’)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記第1入賞口(314R,313’)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)と、
前記開閉部(362)に連続し、前記第1位置(待機位置)において前記第1入賞口の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を制限し、前記第2位置(動作位置)において前記第1入賞口の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を許容するガイド部(363)と、
を有することを特徴とする付記J1に記載の遊技機。
付記J2に係る遊技機によれば、第1入賞口を開閉可能な開閉部と第1入賞口の右方の遊技球を開閉部に向けて移動させるガイド部と有する可動役物部材を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記J3]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記開閉部(362)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第1入賞口(314R,313’)への入球を許容するのに対して、前記第2入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(314R,313’)への入球を制限するのに対して、前記第2入賞口(315)への入球を許容し、
前記ガイド部は、
前記第1位置(待機位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を制限し
前記第2位置(作動位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を許容することを特徴とする付記J2に記載の遊技機。
付記J3に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられ遊技球は、可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記J3に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記J4]
前記可動役物部材(36R)は、前記第2入賞口(315)の左方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記第2入賞口(315)の右方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記J1に記載の遊技機。
付記J4に係る遊技機では、可動役物部材が、第2入賞口の左方から遊技球を第2入賞口に入球させる第1部分と、第2入賞口の右方から遊技球を第2入賞口に入球させる第2部分と、を有する。これにより、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記J5]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記第1始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容することを特徴とする付記J4に記載の遊技機。
付記J5に係る遊技機では、可動役物部材の第1部分が、振分装置の第2通路の遊技球の第2入賞口への入球を可能にする。これにより、振分装置を採用した遊技機において、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記J6]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記J4又は付記J5に記載の遊技機。
付記F6に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記J7]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記J1に記載の遊技機。
付記J7に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記J8]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第1入賞口(314)に向けて移動させ、前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記J7に記載の遊技機。
付記J8に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記J8に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記J9]
遊技盤の左側領域に打ち出された遊技球が通過可能な第1特定領域(352)を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段(318)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されることを契機として、前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作されることを特徴とする付記J1からI8のいずれかに記載の遊技機。
付記J9に係る遊技機では、第1検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として、可動役物部材によって第2入賞口に遊技球が入球されることを許容する。これにより、可動役物部材は、遊技盤の左側領域に打ち出された遊技球を第2入賞口に入賞させることができる。
[付記J10]
遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球が通過可能な第2特定領域を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段(319)をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として、前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作されることを特徴とする付記J1からI9のいずれかに記載の遊技機。
付記J10に係る遊技機では、第2検知手段によって遊技球の通過が検知されることを契機として、可動役物部材によって第2入賞口に遊技球が入球されることを許容する。これにより、可動役物部材は、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球を第2入賞口に入賞させることができる。
[付記J11]
前記第1入賞口(314R,314)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第1特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与えるものであり、
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの第2特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与えるものであり、
前記特別遊技は、第1特別遊技と、前記第1特別遊技よりも遊技者に有利な第2特別遊技とを含み、
前記第2特別判定は、前記第1特別判定に比べ、前記第2特別遊技に移行させる判定結果が得られる期待度が高いことを特徴とする付記J1から付記J10のいずれかに記載の遊技機。
[付記J12]
前記第1入賞口(313’)は、一般入賞口であり
前記第2入賞口(315)は、遊技球の入球により遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行される特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの特別判定(大当たり抽選)を行う契機を与えるものであり、
ることを特徴とする付記J1から付記J10のいずれかに記載の遊技機。
[付記K1]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
遊技球の入球が可能な第1入賞口と、
前記第1通路(351)又は前記第2通路(352)を通過した遊技球の入球が可能な第1入賞口(314)と、
前記第2通路(352)を通過した遊技球の入球が可能であり、前記第1入賞口とは機能が異なる第2入賞口と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を制限する第1位置(待機位置)と、前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を許容する第2位置(作動位置)との間で動作可能な可動役物部材(36S~36X)と、
前記第2入賞口(315)との間に遊技球の通過が可能な隙間を形成し、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させる誘導部(31M’)と、
を備え、
前記可動役物部材(36S~36X)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2入賞口(315)を閉鎖状態にして、前記第2通路(352)を通過した遊技球、及び遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2入賞口(315)を開放状態にし、かつ前記誘導部(31M’)と前記第2入賞口(315)との間に遊技球の通路を形成し、前記右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする遊技機。
付記K1に係る遊技機では、可動役物部材が第2位置にある場合に誘導部と第2入賞口との間に遊技球の通路が形成されることで、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって第2入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記K2]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記K1に記載の遊技機。
付記K2に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記K3]
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第1入賞口(314)に向けて移動させ、前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記K2に記載の遊技機。
付記K3に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記K3に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記K4]
前記可動役物部材(36T)は、前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間でスライド移動可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記K1に記載の遊技機。
付記K4に係る遊技機では、第2入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と第2入賞口との隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材をスライドさせるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記K5]
前記可動役物部材(36U,36V)は、回転により前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で動作可能であり、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記K1に記載の遊技機。
[付記K6]
前記可動役物部材(36U)は、遊技盤(31)に沿った方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記K5に記載の遊技機。
[付記K7]
前記可動役物部材(36V)は、遊技盤(31)に交差する方向に延びる回転軸の周りを回転可能であることを特徴とする付記K5に記載の遊技機。
付記K5から付記K7に係る遊技機では、第2入賞口を閉鎖する第1位置と、誘導部と第2入賞口との間の隙間を閉鎖する第2位置とで可動役物部材を水平方向に回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記K8]
前記回転体(36V)は、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放する第3位置(待機位置)において起立状態で停止可能であることを特徴とする付記K7に記載の遊技機。
付記K8に係る遊技機では、退避誘導部を設けるまでもなく、可動役物部材が短時間開放される遊技状態(モードA~モードC)において、振分装置の右方領域する遊技球が可動役物部材によって第2始動口に誘導されることを防止できる。
[付記K9]
前記可動役物部材(36W)は、回転可能であり、前記第2始動口(315)及び前記隙間を閉鎖可能な閉鎖部(364W)と、前記第2始動口(315)及び前記隙間を開放可能な貫通部(363W)を有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記閉鎖部(364W)によって前記第2入賞口(315)を閉鎖し、かつ前記貫通孔(363W)によって前記隙間を開放する位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記貫通孔(363W)によって前記第2入賞口(315)を開放し、かつ前記閉鎖部(364W)によって前記隙間を閉鎖する位置であることを特徴とする付記K1に記載の遊技機。
付記K9に係る遊技機では、閉鎖部及び貫通部を有する可動役物部材を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記K10]
前記可動役物部材(36X)は、前記隙間において前記第1位置(待機位置)と前記第2位置(作動位置)との間で水平方向に対して傾斜した方向に延びる回転軸の周りに回転可能な回転体であり、
前記回転体(36X)は、
前記回転軸に直交する方向に沿って貫通し、遊技球が通過可能な第1貫通部(361X)と、回転軸方向視における前記第1貫通部(361X)と交差する方向に貫通し、遊技球が通過可能な第2貫通部(362X)とを有し、
前記第1位置(待機位置)は、前記第2貫通部(362X)によって前記隙間で遊技球を落下させる位置であり、
前記第2位置(作動位置)は、前記第1貫通部(361X)が前記第2始動口(315)に連通する位置であることを特徴とする付記K1に記載の遊技機。
付記K10に係る遊技機では、第2入賞口と誘導部との間で回転体を回転させるという簡易な構成により、1つの可動役物部材によって複数の経路から第2入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。
[付記K11]
前記可動役物部材(36T~36X)が前記第2位置(作動位置)にある場合に、前記可動役物部材(36T~36X)を前記第2入賞口(315)に向けて移動する遊技球が前記第2入賞口(315)を超えることを防止するガード部(31B)さらに備えることを特徴とする付記K4から付記K10のいずれかに記載の遊技機。
付記K11に係る遊技機では、ガード部を設けることで、可動役物部材が第2位置にある場合に、第2始動口に向けて可動役物部材を移動する遊技球を確実に第2入賞口に入球させることができる。
[付記L1]
遊技球の入球が可能な複数の入賞口(314,315)と、
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、遊技盤(31)の左側領域に打ち出されて導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)と、
前記第2入賞口(315)への遊技球の入球を制限する第1位置(待機位置)と、前記第2入賞口(314R)への遊技球の入球を許容する第2位置(作動位置)との間で動作可能な可動役物部材(36)と、
前記第2通路(352)を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段(318)と、
遊技盤(31)の右側領域に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段(319)と、
をさらに備え、
前記可動役物部材(36)は、
前記第1検知手段(318)又は前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されることを契機として前記第1位置(待機位置)から前記第2位置(作動位置)に動作され、
前記第2位置にある場合に、前記第2通路(352)を通過する遊技球及び前記特定領域を通過した遊技球のいずれの遊技球の前記特定の入賞口(315)への入球を許容することを特徴とする遊技機。
付記L1に係る遊技機によれば、振分装置の第2通路を通過する遊技球だけでなく、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球も可動役物部材によって特定の入賞口に入球させることができる。そのため、1つの可動役物部材によって複数の経路から特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。これにより、新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記L2]
前記可動役物部材(36)は、第1の条件を満たす場合の作動時間に比べ、前記第1の条件とは異なる第2の条件を満たす場合の前記作動時間が長いことを特徴とする付記L1に記載の遊技機。
[付記L3]
前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過の検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出すほうが前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過が検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第1遊技状態と、前記第2検知手段(319)によって遊技球の通過の検知されるように前記右側領域に遊技球を打ち出すほうが前記第1検知手段(318)によって遊技球の通過が検知されるように前記左側領域に遊技球を打ち出す場合に比べて遊技者に有利な第2遊技状態と、を含む複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(41)をさらに備え、
前記第1の条件は、前記第1遊技状態(モードA、モードC)であることであり、
前記第2の条件は、前記第2遊技状態(モードE)であることであることを特徴とする付記L2に記載の遊技機。
付記L2及び付記L3に係る遊技機によれば、第1の条件を満たす場合と第2の条件を満たす場合とで、可動役物部材による特定の入賞口への遊技球の入球し易さが異なるものとされる。例えば、遊技状態(有利な打ち出し位置)に応じて可動役物部材の作動時間が異なるものとされる。そのため、第1の条件を満たす場合には、可動役物部材が動作されたとして、右側領域に打ち出された遊技球が特定の入賞口に入球し難いなど、遊技球の移動経路に応じた特定の入賞口への遊技球のし易さを設定することが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記L4]
前記特定の入賞口(315)は、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球するまでに要する時間が、前記第1検知手段(318)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球するまでに要する時間に比べて長い位置に配置されていることを特徴とする付記L3に記載の遊技機。
付記L4に係る遊技機によれば、第1検知手段によって検知される遊技球が特定の入賞口に入球するまでに要する時間と、第2検知手段によって検知される遊技球が特定の入賞口に入球するまでに要する時間とが異なる。そのため、例えば遊技盤の左側領域打ち出された遊技球が特定の入賞口への入球が可能である一方で、右側領域に打ち出された遊技球が特定の入賞口への入球し難くすることが可能になる。これにより、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記L5]
前記第1遊技状態(モードA、モードC)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記第1検知手段(318)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを許容し、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを制限する時間であることを特徴とする付記L3又は付記L4に記載の遊技機。
付記L5に係る遊技機によれば、左打ちが奨励される第1遊技状態において右打ちを行った場合に特定の入賞口に遊技球が入球されることを適切に制限できる。そのため、左打ちが奨励される状況(例えば第1遊技状態)において右打ちを行った場合に遊技者に不利な状況となるため、左打ちが奨励される状況において左打ちを行うことを促進することが可能になる。
[付記L6]
前記第2遊技状態(モードE)である場合の前記可動役物部材(36)の前記作動時間は、前記第2検知手段(319)によって検知される遊技球が前記特定の入賞口(315)に入球されることを許容する時間であることを特徴とする付記L3から付記L5のいずれかに記載の遊技機。
付記L6に係る遊技機によれば、第2遊技状態において右打ちを行うことで特定の入賞口に遊技球を入球させることが可能になる。そのため、第2遊技状態において右打ちを行うことで、遊技球の増減が殆どない状態で遊技を進行することが可能になる。
[付記L7]
前記可動役物部材(36)は、
前記第1位置(待機位置)において前記第1入賞口(314R,313’)を前記開放状態とし、前記第2位置(作動位置)において前記第1入賞口(314R,313’)を前記閉鎖状態とする開閉部(362)と、
前記開閉部(362)に連続し、前記第1位置(待機位置)において前記第1入賞口の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を制限し、前記第2位置(動作位置)において前記第1入賞口の右方の遊技球の前記開閉部(362)に向けた移動を許容するガイド部(363)と、
を有することを特徴とする付記L1から付記L6のいずれかに記載の遊技機。
付記L7に係る遊技機によれば、第1入賞口を開閉可能な開閉部と第1入賞口の右方の遊技球を開閉部に向けて移動させるガイド部と有する可動役物部材を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記L8]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記開閉部(362)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第1入賞口(314R,313’)への入球を許容するのに対して、前記第2入賞口(315)への入球を制限し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(314R,313’)への入球を制限するのに対して、前記第2入賞口(315)への入球を許容し、
前記ガイド部は、
前記第1位置(待機位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を制限し
前記第2位置(作動位置)において、遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記開閉部(362)へ向けた移動を許容することを特徴とする付記L7に記載の遊技機。
付記L8に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球が振り分けられ遊技球は、可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記L8に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。
[付記L9]
前記可動役物部材(36R)は、前記第2入賞口(315)の左方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第1部分(361R)と、前記第2入賞口(315)の右方から遊技球を前記第2入賞口(315)に入球させる第2部分(362R)と、を有することを特徴とする付記L1から付記L6のいずれかに記載の遊技機。
付記L9に係る遊技機では、可動役物部材が、第2入賞口の左方から遊技球を第2入賞口に入球させる第1部分と、第2入賞口の右方から遊技球を第2入賞口に入球させる第2部分と、を有する。これにより、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記L10]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記可動役物部材(36R)は、
前記第1位置(待機位置)において、前記第2通路を通過する遊技球の前記第1始動口(314)への入球を許容し、
前記第2位置(作動位置)において、前記第1部分(361R)が前記第2通路(352)を通過した遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容し、前記第2部分(362R)が遊技盤(31)の右側領域に打ち出された遊技球の前記第2入賞口(352)への入球を許容することを特徴とする付記L9に記載の遊技機。
付記L10に係る遊技機では、可動役物部材の第1部分が、振分装置の第2通路の遊技球の第2入賞口への入球を可能にする。これにより、振分装置を採用した遊技機において、可動役物部材に第1部分と第2部分を設けるという簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記L11]
前記可動役物部材(36R)は、前記第1部分(361R)と前記第2部分(362R)との間に設けられ、前記特定の入賞口(315)への遊技球の入球を許容する貫通部(363R)をさらに有し、
前記第1部分(361R)及び前記第2部分(362R)は、前記貫通部(363R)に向かうにしたがって低位となるように傾斜していることを特徴とする付記L9又は付記L10に記載の遊技機。
付記L11に係る遊技機では、異なる傾斜状態を有する第1部分と第2部分との間に貫通部を設けるという簡易な構成により、第2通路の遊技球、及び右側領域の遊技球のいずれも貫通部に移動させ、特定の入賞口に入球させることができる。
[付記L12]
前記可動役物部材(36S)は、回動可能な第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)を含み、
第1可動役物部材(3681S)及び第2可動役物部材(3682S)は、前記第1位置(待機位置)において互いの先端部が近接しており、前記第2位置(作動位置)において互いの先端部が離間していることを特徴とする付記L1から付記L6のいずれかに記載の遊技機。
付記L12に係る遊技機では、可動役物部材がいわゆる電動チューリップとして構成されている。そのため、簡易な構成により、可動役物部材によって、第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行える。
[付記L13]
導入口(350)、第1通路(351)、第2通路(352)及び振分部(38)を有し、導入口(350)から導入された遊技球を、前記振分部(38)によって前記第1通路(351)及び前記第2通路(352)のいずれかに振り分ける振分装置(35)をさらに備え、
前記第1可動役物部材(3681S)及び前記第2可動役物部材(3682S)のうちの一方は、前記第2通路(352)の下方に設けられ、前記第1位置(待機位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第1入賞口(314)に向けて移動させ、前記第2位置(作動位置)において前記第2通路(352)を通過した遊技球が干渉することで遊技球を前記第2入賞口(315)に向けて移動させることを特徴とする付記L12に記載の遊技機。
付記L13に係る遊技機では、振分装置によって第1通路と第2通路とに遊技球が振り分けられ、振分装置によって第2通路に遊技球は、可動役物部材としての第1可動役物部材及び第2可動役物部材の作動の有無に応じて、第1入賞口及び第2入賞口への遊技球の入球が許容又は制限される。そして、付記L13に係る遊技機では、振分装置と可動役物部材とが協働することで、可動役物部材によって、第2通路に振り分けられた遊技球の第1入賞口への遊技球の入球の許容又は制限と、第2入賞口への遊技球の入球の許容又は制限とを同時に行う。これにより、振分装置を採用した遊技機において、遊技の単調さを低減し、可動役物部材の動作の制御態様に応じて新たな遊技性を有する興趣の高い遊技機を提供できる。