JP7219726B2 - リスク評価装置、リスク評価方法及びリスク評価プログラム - Google Patents
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Description
また、非特許文献1及び3では、匿名化の対象である準識別子だけでなく、機微情報に関してプライバシリスクを考慮するため、l-多様性の指標が紹介されている。
図1は、本実施形態におけるリスク評価装置1の機能構成を示す図である。
リスク評価装置1は、サーバ又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)であり、制御部10及び記憶部20の他、各種データの入出力デバイス及び通信デバイス等を備える。
制御部10は、これらの機能部により、匿名化されたデータセットのプライバシリスクを評価する。
このような加工により匿名化されたデータセットは、実際に提供される前に、リスク評価が行われ、その結果に応じて、必要であれば再加工が行われる。
この例では、対象のデータセットには、量的属性である年齢及び口座残高、質的属性である性別、コード型属性である郵便番号、複数のデータを含む集合型属性である病歴が含まれる。
また、各属性には、準識別子であることを示す評価対象フラグ(1)、又は機微情報であることを示す非評価対象フラグ(0)が付与されている。
また、制御部10は、各クラスタ内で、非評価対象である機微情報の重複数をカウントすることにより、l-多様性を評価できる。
ここでは、図2の属性を含むデータセットのうち、評価対象フラグ(1)が立っている準識別子の属性値が汎化され匿名化されている。
例えば、クラスタ番号1は、文字列「20代|F|123-4567」により検索されたレコードであり、仮IDが001及び002のレコードが該当する。したがって、重複数(1)は2となり、それぞれ機微情報が異なるため、重複数(0)は1となる。
このとき、選択部11は、データセットの各属性に予め付与された準識別子と機微情報とを区別するフラグによって、各フラグ値(評価対象フラグ、又は非評価対象フラグ)が付与された属性からそれぞれ属性値を選択する。
例えば、図3のデータセットにおいて、年齢「20代」及び病歴「ガン」の組み合わせが希少である場合、攻撃者に大きな情報を与えることになるため、このレコード(仮ID=002)の該当の属性について、プライバシリスクが高いと判断される。
例えば、図3のデータセットにおいて、機微情報の属性値のみで検索した結果、口座残高「1億円」が外れ値として存在している。他人がいくら所有しているかは通常は知り得ない情報であるが、数少ない大金持ちであることは予想が付くことから、機微情報であっても公開することには大きなリスクがある。
例えば、機微情報における該当の属性値を削除、又はトップ・ボトムコーディング等によって汎化するといった加工が自動で施されてよい。
なお、加工部15により自動で属性値の加工が施された場合、この結果についても、出力部14により出力される。また、加工後のデータセットに対して、選択部11、第1検索部12及び第2検索部13により再評価が行われてもよい。
なお、対象とするデータセットは、評価対象フラグ及び非評価対象フラグにより属性が準識別子及び機微情報に区別され、準識別子を用いて匿名化処理がされたものとする。準識別子を用いた匿名化は、例えば、k-匿名性等を評価指標とした匿名化である。
また、対象とするデータセットは、非評価対象フラグにより区別される機微情報を用いた評価指標により匿名化処理がされてもよい。機微情報を用いた匿名化処理は、例えば、l-多様性等を評価指標とした匿名化である。
さらに、出力部14は、基準を超えるプライバシリスクがある場合に、対象とするデータセットに施した匿名化よりも更に高い匿名化を施す処理をユーザに促す通知を行ってもよい。更に高い匿名化処理とは、例えば、準識別子に対してはk-匿名性のk値が高くなる処理であり、機微情報に対してはl-多様性のl値が高くなる処理であるが、高い匿名性が得られる処理であれば、これに限らない。また、このような匿名化処理は、予め設定されたk値及びl値等のパラメータを用いて自動で実行されてもよい。
したがって、リスク評価装置1は、k-匿名性のような準識別子を対象とした評価、又はl-多様性のように機微情報のみを対象とした評価だけでなく、準識別子と機微情報とを組み合わせた場合にプライバシリスクがある属性値を検出できる。これにより、リスク評価装置1は、匿名化されたデータセットのプライバシリスクを詳細に評価できる。
したがって、リスク評価装置1は、機微情報の属性値自体のプライバシリスクを検出でき、より詳細にデータセットを評価できる。
10 制御部
11 選択部
12 第1検索部
13 第2検索部
14 出力部
15 加工部
20 記憶部
Claims (8)
- 準識別子の属性値が匿名化されたデータセットのプライバシリスクを評価するリスク評価装置であって、
前記データセットの同一レコードから、前記準識別子のいずれか1つの属性値と当該準識別子以外の機微情報のいずれか1つの属性値との組み合わせを選択する選択部と、
前記選択部により選択された組み合わせで前記データセットを検索し、当該組み合わせが同一であるレコードの数が閾値未満の場合に、当該組み合わせを記録する第1検索部と、
前記第1検索部により記録された属性値の組み合わせをリスクとして出力する出力部と、を備えるリスク評価装置。 - 前記データセットは、前記機微情報を用いた評価指標により匿名化されたものである請求項1に記載のリスク評価装置。
- 前記選択部は、属性値の前記組み合わせを総当たりで選択する請求項1又は請求項2に記載のリスク評価装置。
- 前記選択部は、前記データセットの各属性に予め付与された前記準識別子と前記機微情報とを区別するフラグによって、各フラグ値が付与された属性からそれぞれ属性値を選択する請求項3に記載のリスク評価装置。
- 前記機微情報における外れ値を検索する第2検索部を備え、
前記出力部は、前記外れ値をリスクとして出力する請求項1から請求項4のいずれかに記載のリスク評価装置。 - 前記リスクとして出力された前記機微情報における属性値を加工する加工部を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載のリスク評価装置。
- 準識別子の属性値が匿名化されたデータセットのプライバシリスクを評価するリスク評価方法であって、
前記データセットの同一レコードから、前記準識別子のいずれか1つの属性値と当該準識別子以外の機微情報のいずれか1つの属性値との組み合わせを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された組み合わせで前記データセットを検索し、当該組み合わせが同一であるレコードの数が閾値未満の場合に、当該組み合わせを記録する第1検索ステップと、
前記第1検索ステップにおいて記録された属性値の組み合わせをリスクとして出力する出力ステップと、をコンピュータが実行するリスク評価方法。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のリスク評価装置としてコンピュータを機能させるためのリスク評価プログラム。
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