次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示された場合(特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合)と、小当り図柄が停止表示されたことに基づき入球可能となる可変入球口に入球した遊技球が所定の特定領域を通過した場合(特別図柄当否判定の結果が小当りとなり、遊技球が可変入球口内の特定領域を通過した場合)とに、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な大当り遊技を実行可能な1種2種混合タイプのパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)、及び、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(特別図柄当否判定の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれか、又は、両方を指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」や「555」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなった場合には、大当りとなったばあいと同様に、「222」や「666」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示してもよいし、「135」などの予め設定したチャンス図柄(3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なる予め定めた特定のバラケ目図柄)や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示してもよい。また、大当りの場合と小当りの場合とで何れも、演出図柄を3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で停止表示する場合には、大当りの場合と小当りの場合とで異なる図柄組合せを停止表示するものとしてもよいし、遊技者に大当りか小当りかを識別困難とするために同じ図柄組合せを停止表示する場合があってもよい。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。
これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握したり、逆に停止表示した演出図柄からは遊技の進行状況を把握するのを困難にしたりすることが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄(疑似図柄)を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材14が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当り(大当り又は小当り)への期待感を高めることとなる。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数(第1特別図柄当否判定用乱数)等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果に基づいて第1特別図柄が停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数(第2特別図柄当否判定用乱数)等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果に基づいて第2特別図柄が停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、後述する大当り遊技の実行に際して作動する第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は第1大入賞口30と開閉部材32を備えており、開閉部材32の開動作により第1大入賞口30を開放し、開閉部材32の閉動作により第1大入賞口30を閉鎖するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、後述する小当り遊技の実行に際して作動する第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は第2大入賞口35と開閉部材(羽根部材)37を備えており、開閉部材37の開作動により第2大入賞口35を開放し、開閉部材37の閉動作により第2大入賞口35を閉鎖するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39(V又はV領域ともいう)が形成されている(設けられている)。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の大当り遊技を開始させるものとなっている。つまり、特定領域39は、大当り遊技開始口となっている。また、第2大入賞装置36には、遊技球が特定領域39を通過し得る状態(開状態)と通過し得ない状態(閉状態)とを創出するための図示しない可動片(特定領域への遊技球の通過可能性を変化させる部材)が設けられている。
この可動片は、第2大入賞装置36の非作動時、すなわち開閉部材37が第2大入賞口35を閉鎖しているときには特定領域39を閉状態としており、第2大入賞装置36の作動開始、すなわち、第2大入賞口35を開閉する開閉部材37の開動作の開始に基づいて、特定領域39を開状態とすべく動作(予め定めた所定動作)を開始する。つまり、可動片は、開閉部材37の開動作に伴って動作を開始する。また、可動片は所定の動作パターンで動作するものとなっており、所定の動作時間が経過することに基づいて、特定領域39を閉状態とする状態に戻る。またこの可動片を、「特定領域への遊技球の通過を許容(開放)又は阻止(閉鎖)する可動部材」ともいう。
これにより、開放した第2大入賞口35に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定領域39に誘導される位置(可動片の入口)に到達するタイミングと、可動片が特定領域39を開放しているタイミングとが合致すると、その遊技球は特定領域39を通過(V通過)して大当り遊技が開始される。一方で、それらのタイミングが合致しなければ、遊技球は特定領域39を通過することなくそのまま機外に排出され、大当り遊技が開始されることはない。また、可動片の所定の動作パターンとして、閉状態と開状態とに複数回変化したり、複数回ある開状態又は閉状態の時間が異なったりする動作パターンを設定してもよい。そして、所定の動作パターンを開始後の、どのタイミングで第2大入賞口の開閉部材37を開動作させるか(遊技球が入球可能な状態とするか)によって、特定領域への遊技球の通過可能性を変化させてもよい。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。
このように各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当り(大当り)となり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当り(大当り又は小当り)になったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、変動時間短縮機能(時短機能)が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
ここで、ラウンド表示器45は、5R用、10R用の2個のLEDで構成されている。そして、大当り図柄として、特図1大当り図柄A、特図1大当り図柄B、又は、特図1大当り図柄Cが停止表示すると、5R用ランプが点灯表示され、「5R▲10R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、大当り図柄として、特図2大当り図柄Aが停止表示すると、10R用ランプが点灯表示され。これらのランプは、対応する大当り図柄が確定停止表示するタイミングで、点灯表示される。また、小当り経由で特定領域通過に基づいて大当りとなった場合には、特定領域通過後に実行される大当り遊技のラウンド数に、小当り遊技の開放遊技を1加算した数のラウンド数を示すランプを点灯する。具体的に、小当り図柄として、特図2小当り図柄A又は特図2小当り図柄Bが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口内の特定領域を遊技球が通過した場合には、9ラウンドに小当り分の1ラウンドを加算した10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5R△10R▲」の様な表示態様となる。また、小当り図柄として、特図2小当り図柄C又は特図2小当り図柄Dが停止表示され、小当り遊技によって開放した第2大入賞口内の特定領域を遊技球が通過した場合には、4ラウンドに小当り分の1ラウンドを加算した5R用ランプが点灯表示される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として(に基づいて)行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(判定、特別図柄当否判定、大当り抽選、小当り抽選等)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類(当り種別)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)が行われる。
具体的に、図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。同様に、第2特別図柄表示器41bも「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、各LEDの点灯と消灯との組み合わせにより複数の表示態様(最大256通り)を表示可能となっている。そして、第1特別図柄表示器41aでは第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第1特別図柄)を表示し、第2特別図柄表示器41bでは第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄(第2特別図柄)を表示する。尚、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
本実施例1では、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図1大当りA~C」の3種類を設けている(図6(A)乃至(C)を参照)。尚、第1特別図柄当否判定の結果として、小当りを設けていない。そして、これら大当りを、第1特別図柄表示器41aの表示態様によって識別可能に表示するものとなっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合、その種別が「特図1大当りA」であれば「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯し、「特図1大当りB」であれば「jnkl」の4個のLEDを点灯して残りを消灯する。また、この他の特図1大当りについてもそれぞれ他の大当りと異なる表示態様が定められている。また、第1特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯して残りを消灯する。尚、特別図柄当否判定の結果が「特図1大当りA」となる場合においても、そのときの遊技状態によって(通常状態か、第1時短状態か、第2時短状態か)、大当り遊技後に移行する遊技状態が異なるように設定されている。
また、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合の大当りの種別として「特図2大当りA」の1種類を設け(図6(A)乃至(C)を参照)、小当りとなった場合の小当りの種別として「特図2小当りA~D」の4種類を設けており(図6(A)乃至(C)を参照)、これらの大当り又は小当りを、前述の第1特別図柄表示器41aと同様に、第2特別図柄表示器41bの表示態様(各LEDの点灯と消灯との組み合わせ)によって識別可能に表示するものとなっている。尚、各当り(大当り及び小当り)に対応する特別図柄表示部41の表示態様は、複数の当り種別(時短機能や開放延長機能の作動状態のみが異なる態様も含む)に対して一の表示態様としたり、一の当りに対して一の表示態様としたり、一の当りに対して複数の表示態様としたりすることが可能で、外れについても同様に一又は複数の表示態様とすることが可能である。そして、表示態様を複数とした場合には、例えば、乱数抽選等により表示態様を選択し、該選択した表示態様に基づいて特別図柄表示部41の表示制御を行うものとすればよい。
本実施例1では、停止表示された特別図柄(停止図柄)の表示態様が大当り(第1特定態様)又は小当り(第2特定態様)である場合、その大当りや小当りの種別によって、遊技者に付与する利益の内容が異なるものとなっている。この点についての詳細は後述する。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は、第1特図保留記憶部が「4」、第2特図保留記憶部が「4」となっている。これら第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。尚、各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数(上限値)は、遊技機設計の段階で遊技性や仕様等を考慮して任意に設定可能で、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とで上限値を同じとしたり、第1特図保留記憶部の上限値を第2特図保留記憶部の上限値よりも多くしたり、第2特図保留記憶部の上限値を第1特図保留記憶部の上限値よりも多くしたりすることが可能である。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4」(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「w□x●」というように「w」のLEDを消灯し「x」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「w●x□」というように「w」のLEDを赤色で点灯させ「x」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が3の場合は「w●x●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4」(上限数)の場合は「w▲x▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として(に基づいて)行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち、普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、これらセンサに加えて、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球が特定領域39を通過しなかったことを検知する非特定領域センサを設けてもよい。これにより、第2大入賞口に入球した遊技球が、特定領域センサ又は非特定領域センサの何れかを通過したことを検知し、第2大入賞口内に遊技球がとどまるような事態(球詰りや不正)が発生した場合には、当該事態をエラー報知することで、速やかに解消することが可能となる。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び、第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及び、カードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また、図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は、色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は、加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続されたモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動して可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bを総称して単に「演出ボタン」といい、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。本実施例1では、特別図柄当否判定の結果として「大当り(第1結果、第1特定結果)」、「小当り(第2結果、第2特定結果)」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」(第1特定識別情報)が停止表示される。また、「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」(第2特定識別情報)が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技(副遊技)」と言う。
本実施例1の当りには複数の種別がある。図6(A)乃至(C)に示すように、第1特別図柄(特図1)の当り種別として「特図1大当りA~C」があり、第2特別図柄(特図2)の当り種別として「特図2大当りA」及び「特図2小当りA~D」があり、各当りの種別に応じた停止図柄(大当り図柄、小当り図柄)が設けられている。特図1大当りでは、第1大入賞口30が開放し、特図2大当り及び特図2小当りでは第2大入賞口35が開放する。そのため、遊技領域の下方領域(下流側)に設けられた第1大入賞口30は、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に専用(第1特別図柄専用、第1識別情報専用)として駆動する大入賞口とされる。また、第1大入賞口30よりも遊技領域の上方領域(上流側)に設けられた第2大入賞口35は、第2特別図柄当否判定で大当り又は小当りとなった場合に専用(第2特別図柄専用、第2識別情報専用)として駆動する大入賞口とされる。尚、このような態様に変えて、第1大入賞口を、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、並びに、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、に駆動する大当り専用の大入賞口とし、第2大入賞口を、第2特別図柄当否判定で小当りとなった場合、並びに、特定領域を通過して大当りとなった場合、に駆動する小当り専用(小当りV専用)の大入賞口としてもよい。
図6に示すように、遊技状態として、通常状態(低ベース状態)と、第1時短状態(高ベース状態)と、第2時短状態(高ベース状態)と、を有しており、これら何れの遊技状態で大当りとなるかによって、大当り遊技終了後に設定される遊技状態が異なる場合がある(同じ場合もある)。ここで、第1時短状態と第2時短状態の違いについて説明する。第1時短状態は、所定回数(例えば、50回)の時短機能(開放延長機能)が付与されている。そして、第1時短状態が設定されてから特別図柄の変動表示の回数が所定回数に至る前(例えば、15回転目)であっても小当りの発生に基づいて、時短機能(開放延長機能)を終了する状態とされている。
すなわち、第1時短状態は、当該第1時短状態が設定されてから、特別図柄の変動表示の回数が所定回数(例えば、50回)実行されること(この間、大当りも小当りもない)、並びに、特別図柄の変動表示の回数が所定回数(例えば、50回)実行される前に小当りとなること、の何れが成立した場合にも、小当り遊技の開始前に、時短機能(開放延長機能)を終了する。従って、第1時短状態で小当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過を狙う小当り遊技は、低ベース状態(通常状態)で実行される。この低ベース状態(通常状態)で実行される小当り遊技において、遊技球が特定領域を通過すると、大当りとなり、大当り遊技が実行される。そして、大当り遊技終了後は、予め定められた所定の遊技状態が設定される。
また、第2時短状態は、所定回数(例えば、90回)の時短機能(開放延長機能)が付与されている。そして、第2時短状態が設定されてから特別図柄の変動表示の回数が所定回数に至る前(例えば、15回転目)に小当りが発生したとしても、時短機能(開放延長機能)は終了しない状態とされている。すなわち、第2時短状態は、当該第2時短状態が設定されてから、特別図柄の変動表示の回数が所定回数(例えば、90回)実行された場合(この間、大当りも小当りもない)に、時短機能(開放延長機能)を終了する。従って、第2時短状態で小当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過を狙う小当り遊技は、高ベース状態(第2時短状態、時短状態)で実行される。この高ベース状態(第2時短状態、時短状態)で実行される小当り遊技において、遊技球が特定領域を通過すると、大当りとなり、大当り遊技が実行される。そして、大当り遊技終了後は、予め定められた所定の遊技状態が設定される。
このように、第1時短状態は、小当りによって時短状態を終了する遊技状態とされ、第2時短状態は小当りによって時短状態を終了しない遊技状態とされる。これにより、第1時短状態と第2時短状態とは、何れも時短状態であるが、小当り遊技が、低ベース状態で実行される状態(第1時短状態)と、高ベース状態で実行される状態(第2時短状態)と、である点で異なっている。また、第1時短状態で、小当り遊技となり遊技球が特定領域を通過して大当りとなった場合には、当該大当りは、低ベース状態で発生した大当りであると判断される。また、第2時短状態で、小当り遊技となり遊技球が特定領域を通過して大当りとなった場合には、当該大当りは、高ベース状態で発生した大当りであると判断される。
このように、第1時短状態と第2時短状態とは、時短状態を終了させるタイミングを異ならせることで、特定領域を通過して大当りとなるタイミングにおける遊技状態を異ならせ、その遊技状態によって、大当り遊技終了後に異なる遊技状態(第1時短状態又は第2時短状態)を設定するものとしている。具体的に、第1時短状態で小当りとなって小当り遊技が実行されて遊技球が特定領域を通過して大当りとなり、大当り遊技が実行される流れにおいて、第1時短状態では、小当りを契機として時短状態を終了させる。一方、第2時短状態で小当りとなって小当り遊技が実行されて遊技球が特定領域を通過して大当りとなり、大当り遊技が実行される流れにおいて、第2時短状態では、小当りを契機とすることなく、大当りを契機として時短状態を終了させる。
尚、第1時短状態は、第1時短状態が設定されてから特別図柄の変動表示の回数が所定回数に至る前に小当りが発生したとしても、その時点で、小当りを契機として時短状態を終了するため、その後に続く小当り遊技において、遊技球を特定領域に通過させることができなかった(遊技球を発射しなかったり、発射したが特定領域を通過させることができなかったりした)場合には、当該小当り遊技終了後に大当り遊技が実行されることなく、遊技状態は通常状態(低ベース状態)で遊技が行われる。
一方、第2時短状態は、第2時短状態が設定されてから特別図柄の変動表示の回数が所定回数に至る前に小当りが発生したとしても、その時点で、小当りを契機として時短状態を終了しないため、その後に続く小当り遊技において、遊技球を特定領域に通過させることができなかった(遊技球を発射しなかったり、発射したが特定領域を通過させることができなかったりした)場合にも、当該小当り遊技終了後に大当り遊技が実行されることはないが、遊技状態は第2時短状態(高ベース状態)のままで遊技が行われる。この点から、第2時短状態(第3遊技状態)は、第1時短状態(第2遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。また、第1時短状態(第2遊技状態)は時短機能(開放延長機能)が作動しているため、通常状態(第1遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
このように、本実施例のパチンコ遊技機では、同じ時短状態であっても、時短状態を終了させるタイミングとして、異なるタイミングを設定している。そのような複数の時短状態を有することで、小当りに伴って開放した大入賞口に遊技球が入球し、当該遊技球が特定領域を通過すること(「小当り経由の大当り」や「小当りV」)で発生する大当りにおいて、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)によって、当該大当り時の遊技状態を異ならせている。また、図6(A)乃至(C)に示すように、当りの種別が同じであっても、大当り(小当りVによる大当り)となった際の遊技状態によって、大当り遊技終了後に設定される遊技状態が異なる場合がある。
具体的に、本実施例1のパチンコ遊技機は、前述したように、通常状態(低ベース状態)は、左打によって第1始動口20に遊技球を入球させて遊技を進行する。そのため、第1特別図柄当否判定の実行を主体とした遊技となる。図6(A)に示すように、通常状態(低ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りAとなると、第1大入賞口を開放する(入球可能状態とする)5ラウンドの大当り遊技を実行する。また、第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に、当該大当りが特図1大当りAとなる確率は15%とされている。そして、特図1大当りAに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
また、通常状態において、第1特別図柄当否判定の結果が、特図1大当りBとなると、第1大入賞口を開放する5ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に、当該大当りが特図1大当りBとなる確率は35%とされている。そして、特図1大当りBに係る大当り遊技終了後は、50回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。また、通常状態において、第1特別図柄当否判定の結果が、特図1大当りCとなると、第1大入賞口を開放する5ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に、当該大当りが特図1大当りBとなる確率は50%とされている。そして、特図1大当りBに係る大当り遊技終了後は、5回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
特図1大当りA乃至特図1大当りCとなった場合に実行される大当り遊技は、何れも第1大入賞口30の開放回数、及び、開放時間が1ラウンドにつき、「1回」且つ「25秒」の大当りに設定されている。そのため、遊技機で実行される発射ナビ(例えば、「右打ちしてください!!」等)に従って発射操作しさえすれば、第1大入賞口30に遊技球が容易に入球可能となっており、大当り遊技において、およそ500球の遊技球の払出を受ける(遊技利益を得る)ことが可能となる。また、本実施例では、通常状態において、第1特別図柄当否判定が実行され大当りとなると、大当り遊技終了後は、より有利な第2時短状態に設定されることはなく、全て第1時短状態に設定される。詳しくは後述するが、第1時短状態において、特定の大当りになると、大当り遊技終了後の遊技状態が、遊技者に有利な第2時短状態に設定されることとなる。
また、通常状態において主体として実行される判定ではないが、遊技者が誤って又は故意に右打ちした場合には、通常状態であっても第2特別図柄当否判定が実行される場合がある。尚、通常状態(非時短状態)では、普通図柄の変動時間が時短状態よりも長く設定され(図8(F)参照)、且つ、普通図柄当否判定の当り確率も時短状態よりも低く設定されている(図8(E)参照)。そのため、通常状態では、例え右打ちを行ったとしても、単位時間当りに第2特別図柄当否判定が実行される頻度は、第1特別図柄当否判定と比較して、非常に低くなっており、効率よく、遊技を行うことはできない。
通常状態において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2大当りAとなると、第2大入賞口を開放する10ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に、当該大当りが特図2大当りAとなる確率は100%とされている(すなわち、大当りの種類が1種類に設定されている)。そして、特図2大当りAに係る大当り遊技終了後は、500回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。この500回の時短回数が設定された第2時短状態は、遊技者にとってもっとも有利な遊技状態とされる。
また、通常状態において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りAとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、第2大入賞口を開放する10ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第2特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に、当該小当りが特図2小当りAとなる確率は25%とされている。そして、特図2小当りAとなって特定領域を通過した大当りに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。また、通常状態において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りBとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、第2大入賞口を開放する10ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第2特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に、当該小当りが特図2小当りBとなる確率は20%とされている。そして、特図2小当りBとなって特定領域を通過した大当りに係る大当り遊技終了後は、50回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
また、通常状態において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りCとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、第2大入賞口を開放する5ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第2特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に、当該小当りが特図2小当りCとなる確率は20%とされている。そして、特図2小当りCとなって特定領域を通過した大当りに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。また、通常状態において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りDとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、第2大入賞口を開放する5ラウンドの大当り遊技を実行する。尚、第2特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に、当該小当りが特図2小当りDとなる確率は35%とされている。そして、特図2小当りDとなって特定領域を通過した大当りに係る大当り遊技終了後は、50回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
特図2大当りAとなった場合に実行される大当り遊技は、何れも第2大入賞口35の開放回数、及び、開放時間が1ラウンドにつき、「1回」且つ「25秒」の大当りに設定されている。そのため、遊技機で実行される発射ナビ(例えば、「右打ちしてください!!」等)に従って発射操作しさえすれば、第2大入賞口35に遊技球が容易に入球可能となっており、大当り遊技において、およそ1000球の遊技球の払出を受ける(遊技利益を得る)ことが可能となる。また、図6(A)乃至(C)に示すように、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなると、大当り遊技終了後は、全て第2時短状態に設定される。また、通常状態(低ベース状態)においては、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2大当りAとなった場合にのみ、当該大当り遊技終了後の遊技状態が、遊技者にもっとも有利な第2時短状態に設定される。その他の態様で大当りとなった場合は、当該大当り遊技終了後の遊技状態は第1時短状態に設定される。
尚、通常状態における大当りは、特別図柄当否判定の結果が大当り(大当り直撃)となる場合であっても、特別図柄当否判定の結果が小当りとなって特定領域を通過して大当り(小当りV)となった場合であっても、大当りとなるタイミングにおける遊技状態は全て低ベース状態(通常状態)である。
次に、第1時短状態における遊技の実行態様について説明する。前述したように、第1時短状態(高ベース状態)及び第2時短状態(高ベース状態)は、右打ちによって第2始動口21に遊技球を入球させて遊技を進行する。そのため、第2特別図柄当否判定の実行を主体とした遊技となる。第1時短状態及び第2時短状態は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短く設定され(図8(F)参照)、且つ、普通図柄当否判定の当り確率も通常状態よりも高く設定されている(図8(E)参照)。これにより、第1時短状態及び第2時短状態では、左打ちによる第1始動口への入球頻度よりも、右打ちによる第2始動口への入球頻度が高くなり、且つ、第2特別図柄の変動時間も短く設定される。そのため、単位時間当りに実行される特別図柄当否判定の頻度は、第2特別図柄当否判定の方が第1特別図柄当否判定よりも高くなる。従って、第1時短状態(高ベース状態)及び第2時短状態(高ベース状態)は、右打ちによって第2特別図柄当否判定を実行した方が、遊技者にとって有利であり、効率的よく遊技を行うことができる。
前述したように、第1時短状態及び第2時短状態は、通常であれば右打ちによって第2特別図柄当否判定を実行して遊技されるが、所謂初当り(通常状態での大当り)に係る大当り遊技終了後に、第1特別図柄に係る保留情報が残っている場合には、第1時短状態又は第2時短状態であっても第1特別図柄当否判定が実行され得る。また、遊技者が、誤って、又は、意図せず左打ちをしてしまい遊技球が第1始動口に入球した場合にも、第1特別図柄当否判定が実行され得る。
図6(B)に示すように、第1時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りAとなると、特図1大当りAに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。尚、図6に示す通り、大当り遊技のラウンド数や、大当り種別の振分確率は、遊技状態が変化しても、変わらないため、説明を省略する。
第1時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りBとなると、特図1大当りBに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。第1時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りCとなると、特図1大当りCに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。
前述したように、第1時短状態は、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることによっても時短状態を終了する(通常状態となる)遊技状態である。第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合(大当り直撃)は、当該大当りとなったタイミングは、高ベース状態(時短状態)であるので、特図1大当りA乃至Cの何れになった場合にも、大当り遊技終了後は、90回の時短回数が設定される遊技者に最も有利な第2時短状態に設定される。
また、第1時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行され、当該第2特別図柄当否判定の結果が特図2大当りAとなると、特図2大当りAに係る大当り遊技終了後は、500回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合(大当り直撃)は、当該大当りとなったタイミングは、高ベース状態(時短状態)であるので、特図2大当りAになった場合、大当り遊技終了後は、500回の時短回数が設定される遊技者に最も有利な第2時短状態に設定される。
また、第1時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りAとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。また、第1時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りBとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、50回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
また、第1時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りCとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。また、第1時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りDとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、50回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第1時短状態に設定される。
第1時短状態は、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることによっても時短状態を終了する(通常状態となる)遊技状態であるため、第2特別図柄当否判定の結果が特図2小当りA乃至特図2小当りDの何れとなった場合も、そのタイミングで遊技状態が低ベース状態に移行し、その後の小当り遊技において遊技球が特定領域を通過するタイミング、すなわち、大当りとなるタイミングは、低ベース状態となる。すなわち、第1時短状態において、特図2小当りA乃至特図2小当りDを経由して特定領域を通過して大当りとなった場合には、低ベース状態で大当りとなったものと判断される。そして、当該大当り遊技終了後の遊技状態は、通常状態において、特図2小当りA乃至特図2小当りDを経由して特定領域を通過して大当りとなった場合と、全く同じ遊技状態に設定される(図6(A)及び(B)を参照)。
前述したように、第1時短状態は、通常であれば、右打ちにより、第2始動口に遊技球を入球させ、第2特別図柄当否判定を主体として遊技を進行する。そのため、第1時短状態から、より有利な第2時短状態に移行するためには、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなって大当り遊技を実行する必要がある。小当り経由で大当りとなった場合には、当該大当り遊技終了後は、全て第1時短状態に設定され、第2時短状態に設定されることはない。これにより、遊技者は、単に大当りになることを望むのではなく、大当りへの移行態様(大当り直撃か、小当りVか)に注目し、遊技興趣を高めることが可能となる。
図6(C)に示すように、第2時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りAとなると、特図1大当りAに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。尚、図6に示す通り、大当り遊技のラウンド数や、大当り種別の振分確率は、遊技状態が変化しても、変わらないため、説明を省略する。
第2時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りBとなると、特図1大当りBに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。第2時短状態(高ベース状態)において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が特図1大当りCとなると、特図1大当りCに係る大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。
前述したように、第2時短状態は、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることによっても時短状態は終了しない(時短状態のまま)遊技状態である。第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合(大当り直撃)は、当該大当りとなったタイミングは、高ベース状態(時短状態)であるので、特図1大当りA乃至Cの何れになった場合にも、大当り遊技終了後は、90回の時短回数が設定される遊技者に最も有利な第2時短状態に設定される。すなわち、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合(大当り直撃)は、当該大当り遊技終了後の遊技状態は、第1時短状態のときと同じ遊技状態に設定される。
また、第2時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行され、当該第2特別図柄当否判定の結果が特図2大当りAとなると、特図2大当りAに係る大当り遊技終了後は、500回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合(大当り直撃)は、当該大当りとなったタイミングは、高ベース状態(時短状態)であるので、特図2大当りAになった場合、大当り遊技終了後は、500回の時短回数が設定される遊技者に最も有利な第2時短状態に設定される。これについても、大当り直撃であるので、当該大当り遊技終了後の遊技状態は、第1時短状態のときと同じ遊技状態に設定される。
また、第2時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りAとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。また、第2時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りBとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。
また、第2時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りCとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。また、第2時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りDとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなると、当該大当り遊技終了後は、90回の時短回数(時短機能及び開放延長機能の作動)が設定される第2時短状態に設定される。
第2時短状態は、特別図柄当否判定の結果が小当りとなっても時短状態を終了せず、継続する(時短状態のまま)遊技状態であるため、第2特別図柄当否判定の結果が特図2小当りA乃至特図2小当りDの何れとなった場合も、そのタイミングで遊技状態が低ベース状態に移行することなく、その後の小当り遊技において遊技球が特定領域を通過するタイミングにおいても時短状態(高ベース状態)が継続している。すなわち、大当りとなるタイミングは、高ベース状態となる。すなわち、第2時短状態において、特図2小当りA乃至特図2小当りDを経由して特定領域を通過して大当りとなった場合には、高ベース状態で大当りとなったものと判断される。そして、当該大当り遊技終了後の遊技状態は、通常状態及び第1時短状態において、特図2小当りA乃至特図2小当りDを経由して特定領域を通過して大当りとなった場合と異なる、有利な遊技状態(第2時短状態)に設定される(図6(A)乃至(C)を参照)。
このように遊技状態が一旦第2時短状態に移行した場合には、小当り経由で大当りとなった場合でも、大当り直撃であっても、大当り遊技終了後の遊技状態を全て第2時短状態に設定している。また、第2時短状態は、第1時短状態よりも、小当り経由で大当りとなった場合に大当り遊技終了後に設定される時短回数(の平均値)が多い回数に設定されるため、時短状態(第2時短状態)が継続する可能性が高くなり(時短状態が終了する可能性が低くなり)、遊技者は、短期間で多量の遊技利益を獲得しやすくなる。
また、第1時短状態は大当りへの移行態様(大当り直撃か、小当りVか)に注目させ、第2時短状態は大当りへの移行態様によって遊技状態の移行態様を変化させることなく(大当り直撃でも小当りVでも第2時短状態を設定)、安心感を付与して遊技利益の獲得量に注目させる。またこれにより、遊技状態を多様化すると共に、遊技性を多様化し、趣向性の高い遊技機を提供することが可能となる。
また、前述した実施例の他の態様として、図6(A)では、通常状態において、第2特別図柄当否判定が実行され、特図2大当りAとなった場合、当該大当り遊技終了後を500回の時短回数が設定される第2時短状態に設定するものとした。このような態様に変えて、通常状態において、第2特別図柄当否判定が実行され、特図2大当りAとなった場合、当該大当り遊技終了後を90回の時短回数が設定される第1時短状態に設定するものとしてもよい。このような態様とすれば、通常状態からは、いかなる態様で大当りとなっても、当該大当り遊技終了後は、第2時短状態に設定されることなく、必ず、一旦第1時短状態を経由してからでないと、最も有利な第2時短状態には移行できないものとすることができる。これにより、遊技攻略への意欲を高め、遊技興趣を高めることが可能となる。
ここで、大当りの発生により行われる大当り遊技は、第1大入賞口又は第2大入賞口が開放する複数回のラウンド(R)によって構成される。尚、時短状態とは後述するように特別図柄および普通図柄に対する変動時間短縮機能(時短機能)が作動する状態を意味する。また、本実施例1では、時短機能が作動する場合、第2始動口21が開放する際の開放時間や開放回数を通常よりも延長・増加させる開放延長機能も併せて作動することとしている。本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について詳細は後述する。
「特図2小当りA乃至D」は、いずれも第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」の小当りである。尚、小当り(小当り遊技)においては、大入賞口の開放回数をラウンド数ではなく単に開放回数という。そして、「特図2小当りA乃至D」は、いずれも第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過(以下「V通過」ともいう)すると、V通過した後に、2ラウンド目以降のラウンドを開始する(小当り遊技を1ラウンド目としている)。
また、詳しくは後述するが、本実施例1のパチンコ遊技機1では、「0~65535」の範囲で値をとる特別図柄当否判定用乱数を設けており(図7(A)を参照)、第1特別図柄当否判定及び第2特別図柄当否判定における大当り判定値は何れも「65209~65535」とされ、第2特別図柄当否判定における小当り判定値は「1~936」としている(図8(A)を参照)。つまり、大当り確率が「1/約200」、特図2小当り確率が「1/約70」となっている。このため、第2特別図柄当否判定を主体的に行う時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、大当り直撃よりも高い確率で、小当り経由の大当り(小当りV)が発生することとなる。また、本実施例の態様では、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)において、小当りが発生して小当り遊技が行われる場合、遊技機で実行される発射ナビに従って右打ちしさえすれば(若しくは、発射を継続していさえすれば)、99%程度の確率で、小当り遊技中に遊技球は第2大入賞口に入球し、当該入球した遊技球が特定領域に通過するよう設定されている。尚、このような態様に変えて、小当り遊技における特定領域通過可能性を50%程度に設定してもよい。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」、「取得情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当り種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「大当り図柄決定用乱数」、「大当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、小当りとなった場合の小当り種別の判定は「小当り種別決定用乱数(「小当り図柄決定用乱数」、「小当り図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~65535」の範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~199」の範囲で値をとり、小当り種別決定用乱数は「0~199」の範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数や大当り種別決定用乱数、小当り種別決定用乱数の他に、「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は「0~198」の範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は「0~240」の範囲で値をとる。
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。尚、本実施例1のパチンコ遊技機は1種2種混合タイプであることから、特別図柄に対する確率変動機能は備えていない。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態(第1時短状態、第2時短状態)」といい、作動していない状態を「非時短状態(通常状態)」という。時短状態及び非時短状態では、図8(A)に示す当り判定テーブルを用いて当否判定を行う。具体的には、特別図柄当否判定で大当りと判定される確率(大当り確率)が、第1特別図柄と第2特別図柄ともに「1/約200」となっている。また、特別図柄当否判定で小当りと判定される確率(小当り確率)は、第1特別図柄が「0」、第2特別図柄が「1/約70」となっており、第1特別図柄には小当りがない設定となっている(図8(A)を参照)。尚、このような態様に変えて、第1特別図柄当否判定の結果にも小当りを設け、小当り経由の大当りが発生するようにしてもよい。
また、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態(通常状態)における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態(通常状態)よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9参照)。その結果、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、特図保留の消化のペースが速くなり(単位時間当りの特別図柄の変動頻度が高くなり)、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
また、本実施例では、時短状態として、第1時短状態と第2時短状態との複数の時短状態を有しており、遊技者により有利な遊技状態である第2時短状態における特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、第1時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄(第2特別図柄)の変動時間短縮機能(第1時短状態又は第2時短状態)に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)において作動し、非時短状態(通常状態)において作動しない。よって、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態(通常状態)よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(E)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(F)参照)。さらに時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて、時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において、普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また、時短状態(第1時短状態又は第2時短状態)において、普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。尚、開放時間延長機能と開放回数増加機能を総称して単に「開放延長機能」ということがある。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合(「低頻度状態」や「所定頻度状態」ともいう)に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
本実施例では、高ベース状態は、普通図柄についての確率変動機能、変動時間短縮機能、可変入賞装置22の開放延長機能の全てが機能しているが、高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
また、大当り遊技終了後に設定される遊技状態は、時短状態且つ高ベース状態となる(図6参照)。そのため、この遊技状態を、「時短高ベース状態」ともいう。前述したように、この時短高ベース状態は、当該時短状態(第1時短状態か第2時短状態か)によって、終了条件が異なっている。終了条件が成立すると、遊技状態は、非時短状態且つ低ベース状態である通常状態に設定される。この遊技状態を「非時短低ベース状態」ともいう。尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の(初期状態の)遊技状態は非時短低ベース状態(通常状態)である。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域(右側領域)3Bへ遊技球を進入させた方が、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させるよりも、有利に遊技を進行できる。第2始動口は、右遊技領域に発射した遊技球が入球可能であって、左遊技領域に発射した遊技球が入球不能な(又は、入球しにくい)位置に配置されている。尚、ゲート28も右遊技領域に発射した遊技球が入球可能な位置に配置されている。そして、高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、左遊技領域に遊技球を発射して第1始動口20を狙うよりも、右遊技領域に遊技球を発射して第2始動口21へ狙って発射する方が始動口(第2始動口)への入球可能性が高くされている。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより高ベース状態では、左打ちをするよりも右打ちをする方が、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(高ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47(「第1発射報知手段」ともいう)が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。また、本実施例では、大当り遊技や小当り遊技においても、右打ちにより遊技を行うため、発射方向表示器47は、右遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域(左側領域)3Aへ遊技球を進入させた方が、右打ちにより遊技を進行するよりも、有利に遊技を進行できる。第1始動口は、左遊技領域に発射した遊技球が入球可能な位置に配置されている。また、第1始動口へは右遊技領域に発射した遊技球が入球不能に配置しても良いし、入球可能に配置しても良い。入球可能に配置する場合には、左遊技領域に遊技球を発射した方が、右遊技領域に遊技球を発射するよりも、第1始動口への遊技球の入球可能性を高くするものとする。また、低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっているため、右遊技領域に発射して第2始動口21への入球を狙うよりも、左遊技領域に発射して第1始動口20への入球を狙って発射する方が、始動口への入球可能性が高くされている。これにより、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う方が、右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができ、遊技者に有利である。この状態(低ベース状態)のとき、主制御部80によって表示制御される発射方向表示器47が高ベース状態のときとは異なる所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知するものとされる。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態及び当り遊技の実行中は、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図38に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、本実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、当り種別としての図柄(大当り図柄、小当り図柄)、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、保留球数処理(S207)及び電源断監視処理(S208)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S209)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特図2保留球数が4個未満の場合には(S306でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-KS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-KS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(F)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(E)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(E)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図22に示すように、特図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1302)。次いで、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1303)。この当り判定テーブルでは、特図1の当否判定(第1特別図柄当否判定)及び特図2の当否判定(第2特別図柄当否判定)における大当り判定値は「65209~65535」とされている(大当り確率:1/約200)。また、特図2の当否判定(第2特別図柄当否判定)における特図2小当り判定値は「1~936」とされている。
次いで、S1304で、当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果が大当りかどうかを判定し(S1304)、当否判定(S1303)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。
尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、大当り種別の判定は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否か、第1時短状態フラグがONであるか否か、第2時短状態フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、時短フラグがONであれば第1時短状態か第2時短状態かを判定し、第1時短状態であれば第1時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2時短状態であれば第2時短状態用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。
一方、S1304で、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、次いで、小当りか否かを判定する(S1305)。ここで、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)が特図2の小当り判定値である「1~936」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A)を参照)。そして、S1305で、当否判定の結果が「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1309)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合(S1304でNO、S1305でNO)、その結果は「外れ」となる。
一方、S1305で、小当り判定(S1305)の結果(当否判定の結果)が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-KS)を読み出して、図8(C)に示す小当り種別判定テーブルに基づいて小当り種別を判定し(S1306)、当該小当り種別決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S1307)、小当りフラグをONにして(S1308)、処理を終える。尚、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定する。また、小当り種別の判定は、当該判定を行うときの遊技状態(現在の遊技状態)に基づいて行う。すなわち、時短フラグがONであるか否か、第1時短状態フラグがONであるか否か、第2時短状態フラグがONであるか否かを判定し、時短フラグがONでなければ非時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定し、時短フラグがONであれば第1時短状態か第2時短状態かを判定し、第1時短状態であれば第1時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定し、第2時短状態であれば第2時短状態用の小当り種別判定テーブルを用いて小当り種別を判定する。また、S1308では、S1306で判定された小当り種別(S1306の判定結果)に対応する小当りフラグをONにする。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図21)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図23及び図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が非時短状態(通常状態)か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、S1401で、非時短状態(通常状態)であると判定した場合(S1401でYES)、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、第2特別図柄非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択し(S1403)、S1404の処理に移行する。本処理では変動パターンP9が選択される。尚、非時短状態中は、原則、第2特別図柄の変動表示は予定されていないため(行われる可能性も低い)、変動パターンの種類は第1特別図柄よりも少なく設定されている。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、S1405で、小当りフラグがONであると判定した場合(S1405でYES)、第2特別図柄非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1407)、S1404の処理に移行する。。具体的には、本実施例1では変動パターンP10が選択される。
また、S1405で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S1405でNO)、第2特別図柄非時短状態中外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ非時短状態且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1406)、S1404の処理に移行する。具体的には、本実施例1では変動パターンP11が選択される。
また、S1401において、遊技状態が非時短状態でない、すなわち、時短状態であると判定した場合(S1401でNO)には、図24に示すように、S1408で、当該時短状態が第1時短状態か否かを判定する(S1408)。S1408で、時短状態が第1時短状態であると判定した場合(S1408でYES)、次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1409)。S1409で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1409でYES)、第2特別図柄第1時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第1時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択し(S1410)、S1404の処理に移行する。本処理では変動パターンP14、15、16の何れかが選択される。尚、時短状態中は、原則、第2特別図柄の変動表示を主体として実行するため、変動パターンの種類は第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも多く設定されている。
一方、S1409で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1409でNO)、次いで、小当りフラグがONか否かを判定する(S1411)。そして、S1411で、小当りフラグがONであると判定した場合(S1411でYES)、第2特別図柄第1時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第1時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1413)、S1404の処理に移行する。具体的には、本実施例1では変動パターンP17、18、19の何れかが選択される。
また、S1411で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S1411でNO)、第2特別図柄第1時短状態中外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第1時短状態且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1412)、S1404の処理に移行する。具体的には、本実施例1では変動パターンP20~24の何れかが選択される。尚、外れの場合には、選択される変動パターンがP20~P22のときは、遊技演出として外れリーチ演出が実行されるため、比較的長い変動時間が設定される。また、外れの場合であって、変動パターンがP20~P22が選択されないときは、変動パターン選択時の保留数が0又は1であればP23が選択され、保留数が2又は3であればP24が選択される。
一方、S1408で、時短状態が第1時短状態でない、すなわち、第2時短状態であると判定した場合(S1408でNO)、
次いで、大当りフラグがONか否かを判定する(S1414)。S1414で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1414でYES)、第2特別図柄第2時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第2時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択し(S1415)、S1404の処理に移行する。本処理では変動パターンP27、28、29の何れかが選択される
一方、S1414で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1414でNO)、次いで、小当りフラグがONか否かを判定する(S1416)。そして、S1416で、小当りフラグがONであると判定した場合(S1416でYES)、第2特別図柄第2時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第2時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1418)、S1404の処理に移行する。具体的には、本実施例1では変動パターンP30、31、32の何れかが選択される。
また、S1416で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S1416でNO)、第2特別図柄第2時短状態中外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち第2特別図柄且つ第2時短状態且つ外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(S1417)、S1404の処理に移行する。具体的には、本実施例1では変動パターンP33~37の何れかが選択される。尚、外れの場合には、選択される変動パターンがP33~P35のときは、遊技演出として外れリーチ演出が実行されるため、比較的長い変動時間が設定される。また、外れの場合であって、変動パターンがP33~P35が選択されないときは、変動パターン選択時の保留数が0又は1であればP36が選択され、保留数が2又は3であればP37が選択される。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図21の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、且つ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図26に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図22に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1602~S1608)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1602では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出し、図8(A)の当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1603)。また、第1特別図柄(特図1)の当否判定(S1603)の結果として、小当りを有していない点が特図2当否判定処理とは異なっている。
[特図1変動パターン選択処理]
図27及び図28に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図23及び図24に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701~S1716)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
[特図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図21の特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。次いで、S1903で、時短フラグがONか否かを判定し(S1903)、時短フラグがONであると判定した場合(S1903でYES)、時短カウンタの値を1減算し(S1904)、S1905の処理に移行する。S1905で、時短カウンタの値が「0」になったかどうかを判定し(S1905)、時短カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S1905でYES)、時短フラグをOFFにし(S1906)、第1時短状態フラグをOFFにし(S1907)、第2時間状態フラグをOFFにし(S1908)、S1909の処理に移行する。
一方、S1903で、時短フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び、S1905で、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1909の処理に移行する。S1909では、特図動作ステータスを「3」にセットし(S1909)、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数、大当り種別決定用乱数、及び、小当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止表示させる等のその他の処理を行い(S1910)、処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、当該ONとなっている大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットするとともに、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数及び開放時間(図6参照)をセットする(S2002)。前述したように、本実施例1では、特図1大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「5R」、特図2大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「5R」「10R」の何れかとなることから、S2002では、ラウンドカウンタの値として「5」又は「10」の何れかをセットし、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数及び開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2002の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットし(S2003)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2004)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2005)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2006)。小当りフラグがONであれば(S2006でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値をセットすると共に、第2大入賞口35の開放時間(図6参照)をセットする(S2007)。前述したように、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放回数および開放時間が「1回」「1.6秒」であることから、S2007では、小当り用開放カウンタの値として「1」をセットし、開放時間として「1.6秒」をセットする。
S2007の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットすると共に(S2008)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2009)、特図動作ステータスを「5」にセットし(S2010)、処理を終える。一方、S2006で、小当りフラグがONでないと判定した場合(S2006でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2011)、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口又は第2大入賞口)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
S2105で、大当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2105でNO)、次いで、大入賞口の開放中か否かを判定する(S2106)。S2106で、大入賞口は開放中でないと判定した場合(S2106でNO)、大入賞口を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち、大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、若しくは、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。S2107で、ラウンドの開始時期でないと判定した場合(S2107でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2107で、ラウンドの開始時期であると判定した場合(S2107でYES)、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させ(S2110)、処理を終える。
S2106で、大入賞口を開放中であると判定した場合(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。S2111で、規定入球個数に達していないと判定した場合(S2111でNO)、次いで、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6参照、25秒)が経過したか否かを判定する(S2112)。S2112で、大入賞口の開放時間が規定時間に達していないと判定した場合(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、S2111で、規定入球個数に達していると判定した場合(S2111でYES)、若しくは、第1大入賞口30の開放時間が規定時間に達したと判定した場合(S2112でYES)、すなわち、2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立したと判定した場合には、開放中であった大入賞口を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、次いで、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。S2115で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
一方、S2115で、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、今回の大当りが10R大当りであれば大入賞口の開放が10回実行されると「0」になり、5R大当りであれば大入賞口の開放が5回実行されると「0」になる。また、前述したように、小当り経由の大当り遊技の場合、小当り遊技における開放を1ラウンドの実行としてみなすため、5R大当りの場合には、小当り遊技で1回開放(1ラウンドとみなす)を行い、大当り遊技で残りの4ラウンドの開放を行うように、制御処理がなされる。
また、S2105で、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、次いで、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定する(S2119)。S2119で、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2119でNO)、処理を終える。一方、S2119で、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、遊技状態が第1時短状態であることを示す第1時短状態フラグがONであるか否かを判定する(S2230)。これは、小当りとなったときの遊技状態が第1時短状態であれば、当該小当り遊技による大入賞口(第2大入賞口)の開放前に、時短フラグをOFFにし、遊技状態を低ベース状態に移行するためである。尚、本実施例では、小当り遊技の開始処理に伴って、第1時短状態か否かを判定して時短フラグをOFFにする処理を行ったが、このような態様に限らない。例えば、小当りとなったときの遊技状態が第1時短状態か否かを判定するタイミングは、第2特別図柄当否判定の処理内において行ってもよい。すなわち、小当りとなったのが、第1時短状態であった場合には、小当り遊技によって大入賞口が開放状態となる前に、確実に、時短フラグをOFFにできれば、時短フラグをOFFにするタイミングはいつでもよい。これらは、時短フラグをOFFにするタイミングが異なっているものの、何れも特別図柄当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果が小当りになることに基づいて、遊技状態を時短状態(高ベース状態、第1時短状態)から通常状態(低ベース状態)に移行するものである。
S2230で、第1時短状態フラグがONである、すなわち、第1時短状態における小当りが発生したと判定した場合(S2230でYES)、時短フラグをOFFにし(S2231)、S2201の処理に移行する。これにより、以後の小当り遊技が低ベース状態で実行される。一方、S2230で、第1時短状態フラグがONでないと判定した場合(S2230でNO)、そのままS2201の処理に移行する。これにより、時短フラグがONの第2時短状態である場合には、時短フラグをONにした高ベース状態のままで、小当り遊技を実行する。また、時短フラグがOFFの低ベース状態で小当りが発生した場合にも、時短フラグがOFFの低ベース状態のまま小当り遊技が実行されることとなる。
S2201では、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。S2201で、小当り終了フラグがONでないと判定した場合(S2201でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2202)。S2202で、大入賞口が開放中でないと判定した場合(S2202でNO)、第2大入賞口35を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち、小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2203)。
S2203で、大入賞口の開放タイミングでないと判定した場合(S2203でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2203で、大入賞口の開放タイミングであると判定した場合(S2203でYES)、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させると共に(S2204)、第2大入賞装置36に設けられた特定領域39を開状態とすべく、所定の動作パターンに従って可動片(図示せず)の動作を開始させ(S2205)、さらに、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間を設定し(S2206)、処理を終える。尚、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいて大当りフラグをONするということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったとしても大当りフラグをONしないということである。
ここで、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としている。また、本実施例1では、可動片の動作パターンを、第2大入賞口35の開放開始に伴い特定領域39を「0.75秒」開状態とし、その後、「0.1秒」の閉状態を経て再度「0.75秒」開状態とし、第2大入賞口35の閉鎖に合わせて特定領域39を閉状態とするものとしている。さらに、本実施例1では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後(小当り遊技での第2大入賞口35の開放終了後)の数秒間をV有効期間に設定するものとしている。第2大入賞口35の開放中だけでなく第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間もV有効期間とするのは、例えば、第2大入賞口35の開放が終了する間際に第2大入賞口35に入球した遊技球が第2大入賞口35の閉鎖後に特定領域センサ39aにより検知される(特定領域39を通過する)可能性があることを考慮したものであり、こうすることで、第2大入賞口35に入球した遊技球が正当に特定領域39を通過したにもかかわらず大当りとならないといったトラブルの発生を防ぐことが可能となる。本実施例1ではV有効期間を「2.6秒」としており、小当り遊技での第2大入賞口35の開放時間「1.6秒」に加え、第2大入賞口35の閉鎖後「1秒」は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定することとしている。
S2202で、第2大入賞口35の開放中であると判定した場合(S2202でYES)、次いで、第2大入賞口35への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2207)。S2207で、規定入球個数に達していないと判定sチア場合(S2207でNO)、次いで、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち、第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6参照)が経過したか否かを判定する(S2208)。そして、S2208で、第2大入賞口35の開放時間が経過していないと判定した場合(S2208でNO)、S2211の処理に移行する。
これに対して、S2207で、第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達したと判定した場合(S2207でYES)、若しくは、S2208で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2208でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2209)、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2210)、S2211の処理に移行する。尚、本実施例1では、小当り遊技での第2大入賞口35の開放パターンを開放回数「1回」、開放時間「1.6秒」としていることから、第2大入賞口35に遊技球が10個入球することは実質的に不可能である。このことからS2207の処理で肯定判定される可能性は無いに等しい。
次に、S2211で、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否か(遊技球が特定領域39を通過したか否か)を判定する(S2211)。S2211で、特定領域センサで遊技球の検知があったと判定した場合(S2211でYES)、図34に示すS2220以降の処理に進み、検知がないと判定した場合(S2211でNO)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2212)。S2212で、小当り用開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2212でNO)、そのまま処理を終える。一方、S2212で、小当り用開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S2212でYES)、S2213の小当り終了処理に移行する。S2213では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットすると共に、小当りのエンディング演出を開始する(S2214)。そして、小当り終了フラグをONにし(S2315)、処理を終える。尚、本実施例1では、小当り用開放カウンタは第2大入賞口35の開放が1回なされると「0」になる。
S2201で、小当り終了フラグがONである、すなわち、小当り遊技が実行されて遊技球が特定領域を通過しなかったと判定した場合(S2201でYES)、第2大入賞口35の1回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2216)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2216でNO)、処理を終える。一方、S2216で、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2216でYES)、小当り終了フラグをOFFにし(S2217)、小当りフラグをOFFにし(S2218)、S2232の処理に移行する。S2232では、第1時短状態フラグがONかどうかを判定し(S2232)、第1時短状態フラグがONでないと判定した場合(S2232でNO)、S2219の処理に移行する。また、S2232で、第1時短状態フラグがONであると判定した場合(S2232でYES)、第1時短状態フラグをOFFにし(S2233)、S2219の処理に移行する。S2219では、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2219)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、第2遊技状態において小当りとなった場合には、小当り遊技の開始に際して時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、図35)を行わない。すなわち、第1時短状態又は通常状態において小当りが発生した場合には、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。一方、第2時短状態において小当りが発生した場合には、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させる。これにより、遊技状態を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
S2211で、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったと判定した場合(S2211でYES)、小当りV経由の大当りを発生させるための処理、すなわち、小当り遊技を終了して大当り遊技を開始させるための処理を行う。具体的には、図34に示すように、特定領域センサ39aによる遊技球の検知がV有効期間中における検知であるか否かを判定する(S2220)。そして、S2220で、特定領域センサ39aによる遊技球の検知がV有効期間中であると判定した場合(S2220でYES)、小当りフラグをOFFにし(S2221)、大当りフラグをONにし(S2222)、V通過コマンドをセットする(S2223)。ここで、本実施例1では、前述したように、小当りフラグを小当り種別毎に対応して設けている。また、図6(A)乃至(C)に示すように小当り種別に応じて小当りV経由の大当りの種別(5R大当り、10R大当り)が定まっている。
また、本実施例1では、大当りフラグとして、特図1大当りAに対応する特図1大当りフラグA、特図1大当りBに対応する特図1大当りフラグB、特図1大当りCに対応する特図1大当りフラグC、特図2大当りAに対応する特図2大当りフラグAを有している。小当りフラグとして、特図2小当りAに対応する特図2小当りAフラグ、特図2小当りBに対応する特図2小当りBフラグ、特図2小当りCに対応する特図2小当りCフラグ、特図2小当りDに対応する特図2小当りDフラグを有している。また、小当り経由Vで大当りとなった場合に設定される大当りフラグとして、特図2小当りA経由大当りに対応する特図2小当りA経由大当りフラグ、特図2小当りB経由大当りに対応する特図2小当りB経由大当りフラグ、特図2小当りC経由大当りに対応する特図2小当りC経由大当りフラグ、特図2小当りD経由大当りに対応する特図2小当りD経由大当りフラグを有している。
このことから、S2222では、S2221でOFFにする小当りフラグ、すわなち、S1308またはS1608でONにした小当りフラグの小当り種別に基づいて、これに対応する小当り経由V大当り種別の大当りフラグ(特図2小当りA経由大当りフラグ、特図2小当りB経由大当りフラグ、特図2小当りC経由大当りフラグ、特図2小当りD経由大当りフラグの何れか)をONにする(S2222)。
S2224では、S2222でONとした大当りフラグに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値をセットすると共に、第1大入賞口30の1ラウンドあたりの開放回数及び開放時間(図6参照)をセットする(S2224)。本実施例1では、図6(A)乃至(C)に示すように、小当り経由Vの大当りに係る大当り遊技のラウンド数が「5R」「10R」の何れかとなることから、S2224では、ラウンドカウンタの値として、小当り遊技で行った開放回数を減算した「4」又は「9」の何れかをセットし、第2大入賞口の1ラウンドあたりの開放回数及び開放時間として「1回」「25秒」をセットする。
S2224の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2225)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2226)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2227)。尚、本オープニングコマンドは、小当り遊技に基づいて遊技球がV通過したこと(「小当りV」ともいう)により実行される大当り遊技に係るオープニングコマンドであることを特定可能なコマンドとすることが可能である。
一方、S2220で、特定領域センサが遊技球を検知したのがV有効期間中でないと判定した場合(S2220でNO)、今回の特定領域センサ39aによる遊技球の検知は正当なものではなく、不正の可能性が考えられるので、小当り経由Vの大当りを発生させることなくエラー処理を行い(S2227)、そのまま処理を終える。エラー処理としては、V有効期間中でないときに特定領域センサ39aによる遊技球の検知が発生したことを示す異常状態報知を行ったり、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく各種乱数の取得や特別図柄当否判定等の特別図柄変動に係る処理を一時的に停止(中断)したりする処理を例示できる。また、エラー処理の実行による異常状態報知や遊技進行の一時停止等は、所定の解除条件の成立により解除可能とすればよく、解除条件として、例えば、時間経過や電源再投入、RAMクリア等を例示できる。
[遊技状態設定処理]
図35及び図36に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、大当りとなった時(特別図柄当否判定で大当りと判定された時、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過した時)の遊技状態が時短状態であったかどうか(時短フラグがONであったかOFFであったか、高ベース状態であったか低ベース状態であったか)を判定する(S2301)。例えば、第2時短状態フラグがONであるかどうか、第1時短状態フラグがONであるかどうか、並びに、大当りフラグの種類を判定することによって、大当りとなった際に、遊技状態が時短状態であったかどうかを判定することが可能である。これは、今回実行した大当り遊技に係る大当り種別、及び、大当りとなった際の遊技状態によって、大当り種別がおなじであっても、大当り遊技終了後の遊技状態を異なる遊技状態(遊技状態の期間)に設定することが可能であるからである。
例えば、大当りとなった時の遊技状態が時短状態であったかどうかの判断において、第2時短状態フラグがONであると判定した場合には、何れの大当りであっても大当りとなった時の時短状態は時短状態であると判断できる。また、第1時短状態フラグがONであると判定した場合には、特別図柄当否判定の結果が大当り(大当り直撃)である場合には、大当りとなった時の時短状態は時短状態であると判断できる。一方で、小当り経由Vの大当りである場合には、大当りとなった時の時短状態は時短状態でないと判断できる。また、第1時短状態フラグ及び第2時短状態フラグの何れもOFFの場合には、何れの大当りであっても大当りとなった時の遊技状態は時短状態でない(通常状態)と判断できる。
S2301で、大当り時の時短状態が時短状態でない、すなわち、大当りとなったときの遊技状態は低ベース状態であると判定した場合(S2301でNO)、次いで、特定領域通過によって大当りとなったか、すなわち、小当り経由の大当りかどうかを判定する(S2302)。S2302で、特定領域通過による大当りでない、すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった(大当り直撃)と判定した場合(S2302でNO)、大当り種別は特図2大当りAかを判定する(S2303)。S2303で、大当り種別が特図2大当りAであると判定した場合(S2303でYES)、時短カウンタに「500」をセットし(S2304)、第1時短状態フラグがONかどうかを判定し(S2324)、第1時短状態フラグがONであると判定した場合(S2324でYES)、時短フラグをONにし(S2305)、第2時短状態フラグをONにし(S2306)、処理を終える。S2324で、第1時短状態フラグがONでないと判定した場合(S2324でNO)、S2305の処理に移行する。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。
S2303で、大当り種別が特図2大当りAでない、すなわち、特図1大当りA乃至Cの何れかであると判定した場合(S2303でNO)、その大当り種別によって時短カウンタに「90」、「50」又は「5」をセットし(S2307)、時短フラグをONにし(S2308)、第1時短状態フラグをONにし(S2309)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第1時短状態に設定される。
S2302で、特定領域通過による大当りである、すなわち、特別図柄当否判定の結果が小当りとなって小当り遊技中に特定領域を通過することにより発生した大当りである(小当り経由V)と判定した場合(S2302でYES)、その小当り種別(大当り種別)によって時短カウンタに「90」又は「50」をセットし(S2310)、時短フラグをONにし(S2311)、第1時短状態フラグをONにし(S2312)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第1時短状態に設定される。
S2301で、大当り時の時短状態が時短状態である、すなわち、大当りとなったときの遊技状態は高ベース状態であると判定した場合(S2301でYES)、次いで、特定領域通過によって大当りとなったか、すなわち、小当り経由の大当りかどうかを判定する(S2313)。S2313で、特定領域通過による大当りでない、すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった(大当り直撃)と判定した場合(S2313でNO)、大当り種別は特図2大当りAかを判定する(S2314)。S2314で、大当り種別が特図2大当りAであると判定した場合(S2314でYES)、時短カウンタに「500」をセットし(S2315)、第1時短状態フラグがONかどうかを判定し(S2326)、第1時短状態フラグがONであると判定した場合(S2326でYES)、第1時短状態フラグをOFFにし(S2327)、時短フラグをONにし(S2316)、第2時短状態フラグをONにし(S2306)、処理を終える。S2326で、第1時短状態フラグがONでないと判定した場合(S2326でNO)、S2316の処理に移行する。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。
S2314で、大当り種別が特図2大当りAでない、すなわち、特図1大当りA乃至Cの何れかであると判定した場合(S2314でNO)、何れの大当り種別であっても時短カウンタに「90」をセットし(S2318)、時短フラグをONにし(S2319)、第2時短状態フラグをONにし(S2320)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。尚、本実施例では、高ベース状態で大当りとなった場合、大当り種別が特図2大当りAのときは時短カウンタに「500」をセットし、特図1大当りA乃至Cのときは時短カウンタに「90」をセットするものとした。このような態様に変えて、高ベース状態で大当りとなった場合は、大当り種別が特図2大当りAであっても、特図1大当りA乃至Cであっても、時短カウンタに「500」をセットするものとしてもよい。すなわち、高ベース状態で特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、全て、遊技者に最も有利な(時短状態の継続期間が長い)第2時短状態に移行するものとしてもよい。これにより、遊技者は、安心感をもって遊技を行うことが可能となる。
S2313で、特定領域通過による大当りである、すなわち、特別図柄当否判定の結果が小当りとなって小当り遊技中に特定領域を通過することにより発生した大当りである(小当り経由V)と判定した場合(S2313でYES)、何れの小当り種別(大当り種別)であっても時短カウンタに「90」をセットし(S2310)、時短フラグをONにし(S2311)、第2時短状態フラグをONにし(S2312)、処理を終える。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。これにより、第2時短状態で小当り経由の大当りとなった場合には、時短状態の設定期間(の平均値)が第1時短状態よりも長くなると共に、その後も第2時短状態となり、遊技者は、安心感をもって、多量の遊技利益の獲得を狙い、遊技興趣を高めることが可能となる。
この時短カウンタの値は、特別図柄が1回変動表示する毎に1減算し、カウンタの値が「0」になると、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態となる。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで保留球数処理(S207)を行う。保留球数処理(S207)では図37に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S207)に次いで電源断監視処理(S208)を行う。電源断監視処理(S208)では図38に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図39~図45に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図39に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。尚、本実施例1では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数、ステップアップ予告決定用乱数、疑似変動予告決定用乱数、可動部予告決定用乱数、事前報知演出決定用乱数を有しており、これらの予告演出決定用乱数の取得値と図示しない各予告決定テーブルを用いて実行する予告演出を決定する。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び、10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14を駆動するための駆動データの作成及び出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、大当り遊技終了後発射報知処理を行う(S4302)。この大当り遊技終了後発射報知処理(S4302)では、大当り遊技終了後の遊技状態が低ベース状態に設定される場合において、第2特図保留(第2演出保留情報)が存在していることを条件に、発射方向を右遊技領域から左遊技領域に戻す、すなわち、右打ちから左打ちに変えることを示唆する発射報知演出の実行タイミングを制御(調整)するための処理である。
次いで、出力するランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作成及び演出時間の管理等を行う電飾制御処理を行う(S4303)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4304)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4305)。その後、演出決定用乱数を更新等のその他の処理を実行する(S4306)。
[受信コマンド解析処理]
図43及び図44に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91が主制御基板80(主制御部)から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、入球時演出開始処理を行い(S4402)、S4403の処理に移行する。S4401で始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、入球時演出開始処理を行うことなく、S4403の処理に移行する。この入球時演出開始処理は、始動口(第1始動口20又は第2始動口21)への入球があったことを示す始動入球コマンドを、主制御部から受信した際に実行する処理であり、本処理を行うことで、サブ制御部90が有する演出保留記憶部(第1演出保留記憶部104及び第2演出保留記憶部105)に未消化の演出保留情報を記憶したり、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出保留(第1演出保留9a及び第2演出保留9b)の表示制御(表示個数や演出保留の表示態様の変化に関する制御)を行ったり、始動口への入球時に主制御部で取得した取得情報に基づいて所謂先読み演出(「事前演出」ともいう)を行ったりする。
尚、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該第1始動口20への入球に基づいて取得した取得情報を示す情報が、主制御部80からサブ制御部90に送信され、サブ制御部90の第1演出保留記憶部104に未消化の演出保留情報(演出情報)として、加算して記憶される。尚、第1演出保留記憶部に記憶される保留演出情報(「第1演出保留」ともいう)の数の上限数は、第1特図保留記憶部に記憶される第1特図保留の数と同じ数(4個)とされ、その時々の記憶数も同じとされる。また、第2演出保留記憶部に記憶される保留演出情報(「第2演出保留」ともいう)の数の上限数は、第2特図保留記憶部に記憶される第2特図保留の数と同じ数(4個)とされ、その時々の記憶数も同じとされている。また、後述の変動開始コマンドを受信した場合には、それが第1特別図柄を示すものである場合には、対応する第1演出保留記憶部104に記憶される最も古い演出保留情報が削除される。第2始動口21に遊技球が入球した場合も同様である。
S4403では、主制御部から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、後述する変動演出開始処理を行い(S4404)、S4407の処理に移行する。S4403で変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4407の処理に移行する。S4407では、主制御部から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4407でYES)、後述する変動演出終了処理を行い(S4408)、S4409の処理に移行する。S4407で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4407でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4409の処理に移行する。
続いて、S4409では、主制御部からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4409でYES)、オープニングコマンド受信処理を行い(S4410)、S4411の処理に移行する。S4409でオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4409でNO)、オープニングコマンド受信処理を行うことなくS4411の処理に移行する。S4411では、主制御部からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4411でYES)、エンディングコマンド受信処理を行い(S4412)、S4413の処理に移行する。一方、S4411で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4411でNO)、エンディングコマンド受信処理を行うことなく、S4413の処理に移行する。
続いて、主制御部からV通過コマンド(小当り遊技の発生に基づいてV通過したことを示すコマンド)を受信したか否かを判定し(S4413)、V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4413でYES)、V通過報知コマンドをセットし(S4414)、S4415の処理に移行する。尚、V通過コマンドは、特別図柄当否判定の結果が、特図2小当りA乃至Dの何れかとなり、当該小当り遊技中に第2大入賞口に入球した遊技球が、V有効期間中に特定領域を通過したことを、主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて大当り遊技演出を続行する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技が実行されることが遊技者に報知される。一方で、V有効期間中にV通過コマンドを受信できなかった場合は、画像表示装置7の表示画面7aにて「終了」等の文字を表示し、大当り遊技を開始することなく、大当り遊技演出を終了する。S4413で、V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4413でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4415の処理に移行する。S4415では、その他の処理を実行し、処理を終える。
尚、V有効期間外に特定領域を遊技球が検知した場合にも、V有効期間外の通過であることを特定可能な情報を含むV通過コマンドを受信するものとしてもよい。これにより、当該有効期間外V通過コマンドの受信に基づいて、サブ制御部90で制御するスピーカ67や画像表示装置7や枠ランプ66や盤面ランプ5等を用いてエラー報知を行うことが可
[変動演出開始処理]
図45に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が予告演出決定用乱数や演出図柄決定用乱数等の演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4501)を行う。具体的に本実施例では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数(「第1予告演出決定用乱数」ともいう)、ステップアップ予告決定用乱数(「第2予告演出決定用乱数」ともいう)、キャラクタ予告決定用乱数(「第3予告演出決定用乱数」ともいう)、可動部予告決定用乱数(「第4予告演出決定用乱数」ともいう)、及び、事前報知演出決定用乱数(「第5予告演出決定用乱数」)を有しており、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得することとなる。また、後述の予告演出等設定処理(S4506)において、この取得した値に基づいて演出図柄(特別図柄)の変動表示に伴って実行する予告演出(会話予告、ステップアップ予告、キャラクタ予告、可動部予告、事前予告)等を決定する。
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8参照)。変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードA、D、Eは低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは高ベース状態に制御されているときに実行される。また、演出モードCは大当り遊技終了後に低ベース状態に制御され、且つ第2特別図柄が変動表示するときに実行される。従って、演出モードがA~Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
次に、S4504で、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための変動演出パターン決定用のテーブルをセットする(S4504)。具体的に、変動演出パターン決定用のテーブルとして、主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、図示はしないが、演出図柄の変動態様を決定するための演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。本実施例では、遊技状態や演出モードによって、異なる演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。
次いでS4505で、S4504においてセットした変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合し、且つ参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4505)。また、S4505では、変動演出パターンのうち、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が決定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)と、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが設定される。
また、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、複数のリーチ演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出等)とキャラクタ演出とが設定されており、S4505で、演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、これらのうち何れの演出が実行されるかを判定し、実行される演出の発生を事前に示唆する事前報知演出を行うことが可能となる。
ここで、遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
次いで、S4506で、予告演出等設定処理を行う。予告演出等設定処理(S4506)では、S4501で取得した演出決定用乱数に基づいて、変動演出パターンにおいて、予告演出種のうち何れの予告演出種の予告演出を実行するかを決定する。また、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定する。これらの処理(S4505及びS4506)により、変動演出パターンが決定される。
次いで、S4507で、S4505及びS4506において選択した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。
また、S4505でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出を行う。
尚、演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、例えば、特別図柄当否判定の結果が15R大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、その他の大当り(4R大当り、6R大当り)のときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とすることができる。また、小当りのときは、「135」等予め定めたチャンス目や「3☆3」等の小当り専用図柄を停止表示してもよい。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りや小当りや外れとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
次に、図46乃至図48を用いて、特別図柄当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合、表示画面7a上で実行される遊技演出(大当り遊技演出、小当り遊技演出)について説明する。図46(a)乃至(c)は特別図柄当否判定の結果が大当りとなった際の遊技演出である。図46(a)は、所定の遊技状態(例えば、通常状態)において、第1始動口への入球に基づいて第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の結果が当り(大当り(例えば、特図1大当りA))となり、表示画面7a上において、演出図柄8の変動表示を所定時間実行した後に、3桁同一の当り演出図柄(「777」、大当り演出図柄)を停止表示した場面を示している。また、この当り演出図柄の表示を、当り報知演出201(当り図柄組合せ)ともいう。
図46(b)は、図46(a)から所定時間経過後の場面で、図46(a)で当り報知演出201が実行されたことに基づいて、大当り遊技(当り遊技)を実行すべく、遊技者に、遊技球の発射方向が指示された場面を示している。通常状態では左打ちで遊技が実行され、大当り遊技、小当り遊技、及び、時短状態は、右打ちで遊技が実行される。そのため、大当り遊技が実行されることに基づいて、「右打ち」の指示がなされる。具体的には、表示画面7aの左方には、特定キャラクタ210が表示され、当該特定キャラクタ210の右側に、第1発射方向報知演出202が実行される。第1発射方向報知演出202では、右遊技領域への遊技球の発射を示唆する右矢印と、当該右矢印の下方に「右打ち」の文字と、を表示することで、遊技者に、右遊技領域への遊技球の発射を示唆している。この図46(b)の場面を、大当り遊技開始前から、大当り遊技開始直後まで(所定時間経過するまで、又は、大入賞口への入球を検知するまで)継続する。また、この第1発射方向報知演出202によって、当り遊技が実行される(開始する)ことを遊技者に示している。尚、大当り遊技及び小当り遊技を総称して単に「当り遊技」ともいう。
また、図46(c)は、図46(b)から所定時間経過後の場面で、大当り遊技を開始後の大当り遊技実行中に表示される表示態様である。表示画面の左側には、図46(b)と同じ特定キャラクタ210が、図46(b)に表示する表示態様と異なる表示態様で表示される。また、表示画面右側には、第2発射方向報知演出203が実行される。第2発射方向報知演出203では、右打ちの文字及び右矢印を、図46(b)に表示する表示態様と異なる表示態様で表示される。右打ちの文字及び右矢印の下方には、ラウンド表示部が設けられ、ラウンド数を示す「○」が5個表示される。これにより、5ラウンドの大当り遊技であることが示されている。また、表示画面下方には、獲得利益表示部205が設けられ、「35point」の表示がなされて、遊技者に付与された遊技利益の量(払い出された遊技球数)が示されている。
次に、図46(d)乃至(f)、及び、図47(g)を用いて、小当りとなって小当り遊技が実行され、遊技球が特定領域を通過する際の遊技演出について説明する。図46(d)は、所定の遊技状態(例えば、第1時短状態)において、第2始動口への入球に基づいて第2特別図柄当否判定が実行され、当該第2特別図柄当否判定の結果が当り(小当り(例えば、特図2小当りA))となり、表示画面7a上において、演出図柄8の変動表示を所定時間実行した後に、3桁同一の当り演出図柄(「333」、当り演出図柄、小当り演出図柄)を停止表示した場面を示している。また、この当り演出図柄の表示を、当り報知演出201(当り図柄組合せ)ともいう。
図46(e)は、図46(d)から所定時間経過後の場面で、図46(d)で当り報知演出201が実行されたことに基づいて、小当り遊技(当り遊技)を実行すべく、遊技者に、遊技球の発射方向が指示された場面を示している。前述した通り、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)は、右打ちで遊技が実行される。そのため、当り遊技(小当り遊技)が実行されることに基づいて、「右打ち」の指示がなされる。具体的には、表示画面7aの左方には、特定キャラクタ210が表示され、当該特定キャラクタ210の右側に、第1発射方向報知演出202が実行される。第1発射方向報知演出202では、右遊技領域への遊技球の発射を示唆する右矢印と、当該右矢印の下方に「右打ち」の文字と、を表示する。すなわち、図46(e)に示す当り遊技開始前に実行される第1発射方向報知演出(発射方向報知演出)は、大当りのとき(図46(b))と、小当りのとき(図46(e))とで共通している。また、この図46(e)の場面を、小当り遊技開始の所定時間前から、小当り遊技開始(前)まで継続する。
また、図46(f)は、図46(e)から所定時間経過後の場面で、小当り遊技を開始後の小当り遊技実行中に表示される表示態様である。図46(f)では、図46(e)の表示態様に加えて、表示画面の下方表示領域に、残時間表示部206が設けられ、当該残時間表示部206には残時間206aがリアルタイムで進行表示(減算表示)されている。この残時間表示部における残時間表示は、小当り遊技の残り期間を示しており、遊技者は、残時間が「0」になる前に、すなわち、この小当り遊技の実行期間の間に、遊技球を第2大入賞口に入球させ、特定領域を通過させる必要がある。大当りとなった場合と小当りとなった場合の何れの場合も、当り報知演出201(当り図柄組合せ)を実行し、その後に共通の第1発射方向報知演出202を実行するが、この残時間表示部206の有無が大当りと小当りとで異なる点である。小当り遊技中に(残時間が「0」になる前に)、遊技球を特定領域に通過させると、その時点で大当りとなり、改めて図46(b)の第1発射方向報知演出202を実行することなく、すぐに、図47(g)に示す大当り遊技演出移行する。
図47(g)は、図46(f)に示す小当り遊技中に遊技球が第2大入賞口に入球して特定領域を通過して大当りとなって大当り遊技を開始した場面を示している。本実施例では、小当り経由で大当りとなって実行される大当り遊技で実行される大当り遊技演出は、特別図柄当否判定の結果が大当りとなって実行される大当り遊技演出と同様の表示態様に設定されている。しかしながら、このような態様に限らず、小当り経由で大当りとなった場合と特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合とで、大当り遊技演出の表示態様を異ならせてもよい。図47(g)に示す大当り遊技は、10ラウンド大当りであるため、ラウンド表示部に表示される「○」の数が10個となっている。その他の表示態様は、図46(c)と同様であるので、説明を省略する。
また、前述したように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技状態として、高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)と低ベース状態(通常状態)と有しており、特別図柄当否判定の結果が大当り又は小当りとなることに基づいて、遊技状態を変化することが可能となる。特に、低ベース状態(通常状態)から高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)への遊技状態の変化は、大当り遊技終了後に実行される。本実施例のパチンコ遊技機1は、このような大当り又は小当りを経て遊技状態を変化するのではなく、大当り及び小当りを経ることなく、遊技状態を低ベース状態(通常状態)から高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)に変化させる機能を有している。
具体的に、大当り遊技を終了してから、又は、電源投入時(RAMクリア後の電源投入時)から、特別図柄の変動表示が、予め定めた特定回数(例えば、550回)実行された(但し、特別図柄当否判定の結果が外れである)ことに基づいて、遊技状態を低ベース状態(通常状態)から高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)に変化させる。また、大当り遊技を終了してから、又は、電源投入時(RAMクリア後の電源投入時)から、の特別図柄の変動表示回数をカウントするカウント手段を有し、特別図柄の変動表示が、予め定めた特定回数実行される前に、特別図柄当否判定の結果が大当りになると、特定回数のカウントをリセットする。
また、カウント手段のカウント値が特定回数になると遊技状態を低ベース状態(通常状態)から高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)に変化させる。高ベース状態であって、第2時短状態に変化するものとしてもよい。また、第2時短状態の設定期間を、大当り遊技後に設定される時短状態の最も長い期間と同じ長さの期間(例えば、500回)に設定してもよいし、大当り遊技後に設定される時短状態の最も長い期間よりも長い期間(例えば、800回)に設定してもよい。また、このような態様に変えて、特別図柄当否判定の結果が大当り又は小当りになると、特定回数のカウントをリセットするものとしてもよい。また、大当り遊技が実行されると、特定回数のカウントをリセットするものとしてもよい。また、大当り遊技又は小当り遊技が実行されると、特定回数のカウントをリセットするものとしてもよい。
また、特定回数は、大当り遊技後に設定される時短状態の最も長い期間よりも長い回数とする。これにより、大当り遊技後に設定された時短状態が何れであっても、当該時短状態の間に大当りになることなく通常状態に移行してしまっても、特定回数に到達することで、低ベース状態(通常状態)から高ベース状態(時短状態、第1時短状態、第2時短状態)に変化させることが可能となる。このような機能を有することで、長時間遊技を行っても大当りを得られない遊技者に対して、大当りを経ることなく有利な遊技状態を提供し、遊技者を保護することが可能となる。またこれにより、特別図柄の変動回数が特定回数に近づいた場合には、遊技者は遊技を止めづらくなるため、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。
図47(a)乃至(e)、及び、図48(f)乃至(i)を用いて、前述の遊技状態変化機能について説明する。図47(a)は、通常状態において、第1特別図柄当否判定が実行され、当該第1特別図柄当否判定の判定結果に基づいて演出図柄の変動表示を行っている場面を示している。図47(a)に示す通り、表示画面7a左下部の第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)には3個の第1演出保留9a(「〇」の絵柄)が表示されている。これは、第1始動口20への入球に基づいて取得され、記憶されている未消化の情報(特別図柄当否判定乱数等の情報)が、3個あることが示されている。また、表示画面7a下部中央の変動絵柄表示領域9eには、1個の変動絵柄9fが、第1演出保留9aより若干大きい「〇」の絵柄で表示されている。この変動絵柄表示領域9eには、現在変動表示が実行中であることを示す変動絵柄9fが表示されている。そして、この変動絵柄9fの表示態様によって、現在実行中の変動表示の結果が、大当りとなる(大当り図柄で停止表示する)可能性を示すこともある。
図47(b)は、図47(a)で示す演出図柄8の変動表示の結果、3個の演出図柄の少なくとも1個が他の演出図柄と異なる外れ演出図柄(「367」)が停止表示した場面を示している。すなわち、第1特別図柄当否判定の結果が外れであることに基づいて、実行した演出図柄の変動表示である。図47(c)は、図47(b)で演出図柄の変動表示が終了したことに基づいて、次の演出図柄の変動表示が開始した場面を示している。表示画面7aの上部には、チャンス期間表示部207が表示され、当該チャンス期間表示部207に、遊技状態が低べース状態(不利状態)から高ベース状態(有利状態)に変化するまでの残回数(残期間)が表示される。
チャンス期間表示部207には「あと50回だ!」の表示がなされる。これにより、後50回、演出図柄の変動表示の結果が外れとなり続けることで(外れ変動が連続して実行されることで)、外れ変動が連続して特定回数(550回)実行されたこととなり(特別条件が成立し)、大当りを経ることなく、遊技状態が高ベース状態に変化する(チャンス期間が開始する)ことが遊技者に報知される。このように、カウント手段のカウント値が特定回数(550回)に達するまでの残り回数が、第1回数(50回)になると、当該残り回数を報知するチャンス期間表示部207が表示される。外れ変動が特定回数連続することで実行される高ベース状態は、本パチンコ遊技機に設定される遊技状態で最も有利な第2時短状態であるため、遊技者は、チャンス期間表示部207が表示されると、大当りが発生するよりも、外れとなることに期待して、遊技を行うといったチャンス期間表示部207が表示されるまでとは異なる遊技感覚で遊技を行う遊技者も発生する。これにより、多様な遊技性を提供し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、チャンス期間表示部を表示する際に、前述した大当り遊技や小当り遊技に伴って表示される特定キャラクタ210を表示することで、現在の状態(遊技状況)が遊技者にとって有利な状態(遊技状況)になっていることを示唆している。これにより、遊技者は、直感的に有利であると感じ、遊技興趣を高めることが可能となる。図47(d)は、図47(c)の次の演出図柄の変動表示を実行中の場面を示しており、図47(c)の演出図柄の変動表示の結果が外れとなったことで、チャンス期間表示部207に表示される残期間207aが49回になったことが示される。すなわち、実行中の変動表示の結果を含めて、後49回外れ変動が続くことで、チャンス期間(高ベース状態、第2時短状態)となることが示される。
図47(e)は、図47(d)に示した演出図柄の変動表示から48回の外れ変動が連続して実行され、チャンス期間(高ベース状態、第2時短状態)まで残り1回となった場面を示している。チャンス期間表示部207には「あと1回だ!」の表示がなされ、残期間207aが1回になったことが示される。すなわち、外れ変動が549回の連続して実行され、550回目の変動表示を実行中の場面を示している。
図48(f)は、図47(e)に示す演出図柄の変動表示の結果が外れとなり、特定回数(550回)の連続外れ変動を達成し、チャンス期間移行演出208が実行される場面を示している。チャンス期間移行演出208では、表示画面の左方に特定キャラクタ210を表示し、表示画面の略中央に、1個の演出図柄(「7」)を表示する。特定回数目の演出図柄の変動表示が終了することに基づいて、遊技者に有利な有利状態に移行するものの、当該特定回数目の演出図柄の変動表示の結果は外れであるため(大当り遊技を実行するわけでもないため)、3桁同一の当り図柄組合せを表示することはできない。
そこで、1個の演出図柄だけを表示することで、有利状態となることを遊技者に示唆している。また、チャンス期間移行演出208に移行することを示す演出図柄(「7」、移行図柄)は、特別図柄当否判定の結果が当り(大当り)となることに基づいて表示される大当り図柄として、最も有利な大当り(第2時短状態確定を示す演出図柄等)に対応する演出図柄(「777」)とするのが好適である。これにより、遊技者に、有利状態(第2時短状態)に移行することを容易に理解させることが可能となる。また、本実施例では、チャンス期間移行演出208で表示される演出図柄の数を1個(「7」)としたが、2個の同じ演出図柄(例えば、「77」)としてもよい。
図48(g)は、図48(f)のチャンス期間移行演出208が継続して実行されている場面を示している。表示画面7aには、特定キャラクタ210と、遊技状態が第2時短状態に移行することを示す「第2時短状態突入!!」の文字と、が表示される。また、これらチャンス期間移行演出208は、演出図柄(特別図柄)の変動表示期間中に実行される。
図48(h)は、図48(g)で実行したチャンス期間移行演出208を終了し、特定回数目の変動表示の結果を表示した場面を示している。表示画面には、特定キャラクタ210を表示すると共に、3個の演出図柄のうち少なくとも1個が他の演出図柄と異なる外れ図柄(外れ図柄組合せ、「678」)を停止表示する。また、この外れ図柄組合せの1個にチャンス期間移行演出208で表示した演出図柄(「7」、移行図柄)を含めるのが好適である。本実施例では、外れ図柄組合せを「678」とし、移行図柄「7」を含む態様としている。すなわち、特定回数目の演出図柄の変動表示の結果は外れで、停止表示した外れ図柄は「678」であることが示されている。
図48(i)は、図48(h)で示す演出図柄の変動表示が終了したことに基づいて、次の演出図柄の変動表示が開始した場面を示している。図48(h)で、外れ変動が連続して特定回数実行される特別条件が成立し、図48(i)で示す特定回数目の次の変動表示から遊技状態が第2時短状態に設定されている。表示画面には遊技状態報知部209が設けられ、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態(且つ、より有利な第2時短状態)に移行したことを示す「第2時短状態」のモード表示(遊技状態示唆表示)がなされている。尚、本実施例では、チャンス期間に設定される第2時短状態は、外れ変動が800回連続して実行されるまで継続するものとする。
尚、この第2時短状態は、長期間に亘って大当り遊技を実行していない遊技者に付与するものであるから、この設定回数は、次回の大当りを保証する程度の長い期間に設定されるのが好適である。例えば、95%以上の確率で大当りとなる回数や、99%以上の確率で大当りとなる回数に設定することができる。また、次回の大当りが発生するまで第2時短状態を設定してもよい。これにより、遊技者は安心感をもって遊技を行うことができ、折角設定された第2時短状態において大当り遊技をえることなく、再度通常状態に移行するといった事態を極力回避することが可能となる。
[他の態様1]
また、前述した実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として、小当りを有しない態様を示したが、このような態様に限らない。第2特別図柄当否判定だけでなく、第1特別図柄当否判定の結果としても小当りを有しもよい。また、当該小当りとして、複数の小当り種別を設け、小当り種別によって特定領域を通過して大当りとなった際に大当り遊技終了後に設定される遊技状態を異なる遊技状態(第1時短状態又は第2時短状態)としてもよい。また、付与する時短回数を異なる回数に設定してもよい。
また、前述した実施例では、通常状態で第1特別図柄当否判定を実行したことに基づいて大当りとなったとき、大当り遊技終了後の遊技状態として第2時短状態は設定されないものとした。このような態様に変えて、通常状態で第1特別図柄当否判定を実行したことに基づいて大当りとなったとき(小当り経由V又は大当り直撃)、当該大当り遊技終了後の遊技状態として、大当り種別によって第1時短状態及び第2時短状態の何れかを設定するものとしてもよい。また、第1特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときに、当該大当り種別によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態に設定する場合とがあってもよい。また、第1特別図柄当否判定の結果が小当りとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなったとき、当該小当り種別(大当り種別)によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態に設定する場合とがあってもよい。またこれら、大当り種別、小当り種別によって、異なる長さの時短回数を設定してもよい。
また、前述した実施例では、第1時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合は第2時短状態に移行し、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなった場合は第2時短状態に移行しない(第1時短状態を継続する)ものとした。このような態様に変えて、第1時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときに、当該大当り種別によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態に設定する場合とがあってもよい。また、第1時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなったとき、当該小当り種別(大当り種別)によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態に設定する場合とがあってもよい。
また、前述した実施例では、第2時短状態において、大当りとなった場合、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときでも、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなったときでも、大当り遊技終了後は何れも第2時短状態を継続するものとした(第1時短状態に転落しない)。このような態様に変えて、第2時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が大当りとなったときに、当該大当り種別によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態を設定(継続)する場合とがあってもよい。また、第2時短状態において、第2特別図柄当否判定の結果が小当りとなって遊技球が特定領域を通過して大当りとなったとき、当該小当り種別(大当り種別)によって、大当り遊技終了後を第1時短状態に設定する場合と、第2時短状態に設定(継続)する場合とがあってもよい。また、通常状態を設定する場合があってもよい。
[他の態様2]
また、実施例の他の態様として以下の態様とすることが可能である。実施例1では、図44に示す左打ち報知演出(第1左打ち報知演出)の実行を、右遊技領域に設けられたゲート28への遊技球の通過に基づいて行うものとしたが、この様な態様に限らない。他の態様1では、右遊技領域(第2発射領域)に発射した遊技球を検知可能に設けられた他の入球口(一般入球口27等)や、他のゲートを設け、これらによる遊技球の検知に基づいて左打ち報知演出(第1左打ち報知演出)を実行してもよい。また、遊技球を検知する遊技球検知手段に替えて、発射ハンドルの回転量(操作量)を検知する操作量検知手段を設け、操作量検知手段によって、回転量(操作量)が所定量(右打ちに相当する量)に達したことを検知した場合に、図44に相当する処理を行うものとしても良い。
[他の態様3]
また、実施例1では、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であったとしても、特別状態中(第2特別図柄に係る演出図柄の変動表示中)は、左打ちを指示する発射報知演出(左打ち報知演出)を実行しないものとしたが、この様な態様に限らない。例えば、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であって、左打ち報知禁止フラグがOFFの場合には、右打ちを検知すると第1左打ち発射報知演出を実行するものとする。そして、遊技状態が低ベース状態(大当り遊技中及び小当り遊技中を除く)であって、左打ち報知禁止フラグがONの場合には、右打ちを検知しても第1左打ち発射報知演出を実行しないと共に、「他の発射報知演出」を実行するものとしてもよい。この「他の発射報知演出」の表示態様、実行態様としては様々な態様が考えられる。例えば、第1左打ち発射報知演出と同様に、遊技者に左打ちを指示するものであるが、第1左打ち発射報知演出よりも、目立たない態様(遊技者が左打ち遊技を行う状態であると認識し難い態様)で実行するものとすることが可能である。例えば、「他の発射報知演出」を表示画面7aに表示する場合には、第1左打ち発射報知演出よりも目立たない様に、小さいサイズで表示してもよいし、表示画面7aの端部に表示してもよいし、文字表示は行わず図形で表示してもよい。また、第1左打ち発射報知演出は表示画面7a上に表示して遊技者に目立つように表示する一方、「他の発射報知演出」は表示画面7a外のランプ等を用いて点灯・点滅等の態様で表示する様にしてもよい。
[他の態様4]
また、実施例1では、非時短状態(低ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技を実行する場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態(高ベース状態)とされる確率を100%としたが、この様な態様に限らない。大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率を100%未満の所定の確率としてもよい。この場合には、非時短状態(低ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技が実行されて当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率を、時短状態(高ベース状態)において、第2特別図柄当否判定が実行されることに基づいて大当り遊技が実行されて当該大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態とされる確率よりも高く設定することが可能である。また、第1特別図柄当否判定によって小当りと判定される確率よりも、第2特別図柄当否判定によって小当りと判定される確率を高くすることが可能である。
[その他]
前述の遊技機の構成において、「特定条件の成立に基づいて第1遊技領域発射報知を行う」とは、少なくとも特定条件が成立した後に、第1遊技領域発射報知を行うものであればよく、更に他の条件が成立(例えば、発射領域検知手段が右打ちを検知)することに基づいて第1遊技領域発射報知を行うようにしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球頻度が所定頻度の第1遊技状態」には、可変始動口への入球が不能な状態、すなわち、入球頻度が0の状態や、非常に入球が困難で殆ど可変始動口に入球しない状態を含むものとする。また、「特定の表示態様」とは、例えば、大当り表示態様や小当り表示態様をいう。尚、大当り表示態様や小当り表示態様の夫々に、複数の異なる表示態様を設けても良い。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される場合には、始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される場合よりも、特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定される可能性が高い」ものとしてもよい。また、「可変始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される可能性は、始動口への入球に基づいて特別遊技が実行される可能性よりも高い」ものとしてもよい。これにより、第1遊技状態となった後も、可変始動口への入球に基づいて取得した保留情報がある場合には、第1遊技状態から再度、特別遊技が発生したり、第2遊技状態が発生したりする可能性が比較的高いものとされる。従って、特別遊技や第2の遊技状態が再度発生するかどうかが判明する保留情報に係る識別情報の変動表示が終了するまでは、第1遊技状態となっても第1遊技領域発射報知を実行しないものとしてもよい。そして、特別遊技や第2遊技状態が再度発生するとなった場合には、引き続き第1遊技領域発射報知を実行しないものとし、特別遊技や第2遊技状態が再度発生しない(外れ)となった場合には、第1遊技領域発射報知を実行するものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口又は遊技球を検知することに基づいて可変始動口を遊技球の入球可能性が高い第2状態にすることが可能な遊技球検知手段の少なくとも一方を、第1遊技領域に発射した遊技球が入球しない(を検知しない)位置又は第1遊技領域に発射した遊技球の入球(検知)が困難な位置に配置する」ものとすることが可能である。これにより、第1遊技状態において、可変始動口に遊技球が入球しないようにすることが可能となる。また、「遊技球の発射強度として、第1発射強度と第1発射強度よりも発射強度が大きい第2発射強度とを有し、前述の可変始動口又は遊技球検知手段の少なくとも一方を、遊技領域の第2発射強度で遊技球を発射すると入球可能な位置であって、第1発射強度で遊技球を発射すると入球不能(検知不能)な位置に配置する」ものとすることができる。
また、前述の遊技機の構成において、「特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されると、第2遊技状態において識別情報が所定回数変動表示することに基づいて、第1遊技状態に設定可能とされ、第2遊技状態から第1遊技状態に設定された場合において、特定条件が成立する前は第1遊技領域発射報知を実行せず、特定条件が成立した後は第1遊技領域発射報知を実行可能とする」ものとしてもよい。また、前述の遊技機の構成において、「特別遊技終了後の遊技状態が第2遊技状態に設定されると、第2遊技状態において識別情報が所定回数変動表示することに基づいて、第1遊技状態に設定可能とされ、第2遊技状態から第1遊技状態に設定された場合において、特定条件が成立する前は発射領域検知手段が遊技球を検知しても第1遊技領域発射報知を実行せず、特定条件が成立した後は発射領域検知手段が遊技球を検知すると第1遊技領域発射報知を実行するものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「可変始動口への入球に基づいて記憶した保留情報記憶手段の保留情報に基づく識別情報の変動表示の実行中は、発射領域検知手段が遊技球を検知したときの遊技状態が第1遊技状態であっても第2遊技状態であっても、第1遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、「第1遊技領域への発射を検知する第1遊技領域発射検知手段を備え、第2遊技状態において、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があると、第2遊技領域への発射を示す第2遊技領域発射報知を実行し、第1遊技状態において、保留にかかる識別情報の変動表示中は、第2遊技領域発射検知手段で遊技球の検知があっても、第1遊技領域発射報知を実行せず、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があっても、第2遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。また、「第1遊技状態において、可変始動口への入球に基づいて記憶した保留情報に係る識別情報の変動表示が終了した後は、第2遊技領域発射検知手段で遊技球の検知があると、第1遊技領域発射報知を実行し、第1遊技領域発射検知手段での遊技球の検知があっても、第2遊技領域発射報知を実行しない」ものとしてもよい。
また、前述の遊技機の構成において、遊技球が入球可能な第1始動口と、遊技球の入球可能性が変化可能な可変式の第2始動口と、第1始動口への遊技球の入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2始動口への遊技球の入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な第1可変入球口(第1大入賞口)と、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能であって、内部に遊技球が通過可能な特定領域を有する第2可変入球口(第2大入賞口)と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると第1可変入球口又は第2可変入球口を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとしてもよい。
第2始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも第2始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態とここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。また、第1当否判定又は第2当否判定の結果として、第1特定結果(大当り)と第2特定結果(小当り)とを有し、第1当否判定又は第2当否判定の結果が第1特定結果となるか、若しくは、第1当否判定又は第2当否判定の結果が第2特定結果となって入球可能状態となった第2可変入球口に遊技球が入球し当該遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段を備えるものとしてもよい。
また、前述の実施例では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、特別図柄当否判定の結果として大当りと小当りとを有し、大当りとなったとき、及び、小当りとなって大入賞口内に設けられた特定領域39を遊技球が通過したとき、の両方のときに大当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機(所謂1種2種遊技機)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らない。特別図柄当否判定の結果が大当りになったときにのみ大当り遊技を実行可能とするパチンコ遊技(所謂1種遊技機)に本発明を適用してもよいし、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる可能性が低い低確率状態と、大当りとなる可能性が高い高確率状態とに設定可能な確率設定手段を備えた遊技機に本発明を適用してもよい。また、本発明はあらゆるタイプの遊技機に適用可能であり、また、本発明は、前述の実施例や他の態様やその他の構成の一部又は全部を組合せて実施してもよい。
[その他]
(参考発明1)
参考発明1は、多様な遊技性によって遊技興趣を高める遊技機を提供するものである。
参考発明1-1発明の遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口と、
内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記始動口への入球に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、を備え、
前記当否判定の結果として、第1結果(大当り)と、第2結果(小当り)と、を有し、
前記当否判定の結果が前記第1結果(大当り)となった場合に遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を実行し、
前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となった場合、前記可変入球口を入球可能状態とする副遊技を実行し、前記副遊技において遊技球が前記特定領域を通過すると前記特別遊技(大当り遊技)を実行する遊技機であって、
遊技状態として、第1遊技状態と(通常状態)、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な有利状態に設定される第2遊技状態と(第1時短状態:不利)、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な有利状態に設定される第3遊技状態と(第2時短状態:有利)、を有し、
前記特別遊技を実行した場合、当該特別遊技終了後の遊技状態として、前記第2遊技状態又は前記第3遊技状態を設定可能とされ、
前記第2遊技状態は、第1終了条件が成立した場合に(当該第2遊技状態を終了して他の遊技状態に移行することで)前記第1遊技状態に移行するものとされ、
前記第3遊技状態は、第2終了条件が成立した場合に(当該第2遊技状態を終了して他の遊技状態に移行することで)前記第1遊技状態に移行するものとされ、
前記第1終了条件は、前記第2遊技状態において、前記識別情報の変動表示が予め設定された回数実行されること、及び、前記識別情報の変動表示が予め設定された回数実行される前に前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となること、の何れが成立した場合にも成立し、
前記第2終了条件は、前記第3遊技状態において、前記識別情報の変動表示が予め設定された回数実行されることで成立し、前記識別情報の変動表示が予め設定された回数実行される前に前記第2結果(小当り)となることでは成立しない
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別遊技の実行態様として、当否判定の結果が第1結果となることで特別遊技を実行する実行態様と、当否判定の結果が第2結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技を実行する実行態様と、を有する。また、遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、第1遊技状態よりも有利な有利状態の第2遊技状態と、同じく第1遊技状態よりも有利な有利状態の第3遊技状態と、を有する。そして、第2遊技状態は、識別情報の変動表示が予め定められた回数実行されること、若しくは、当否判定の結果が第2結果となること、に基づいて終了して第1遊技状態に移行する。また、第3遊技状態は、識別情報の変動表示が予め定められた回数実行されることに基づいて終了して第1遊技状態に移行し、第2遊技状態のように、当否判定の結果が第2結果となることに基づいては第1遊技状態に移行しないものとする。
これにより、遊技状態によって、第2結果の発生が有利状態の終了条件となる場合と、有利状態の終了条件とならない場合と、があり、遊技者に遊技状態によって遊技中に安心感や緊張感を与え、また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第3遊技状態と第2遊技状態とは終了条件が異なる遊技状態とされる。また、第2遊技状態は第3遊技状態よりも終了条件が成立しやすく設定されており、第3遊技状態の方が第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態といってもよい。
また、第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2当否判定を実行する第2当否判定手段とを有し、第1当否判定の結果として、少なくとも、第1結果(大当り)を有し、第2当否判定の結果として、少なくとも、第1結果(大当り)と、第2結果(小当り)と、を有するものとしてもよい。また、第1当否判定の結果として、第2結果を有するものとしてもよいし、第2結果を有しないものとしてもよい。
また、参考発明1-2の遊技機は、参考発明1-1の遊技機において、
前記第2遊技状態において、前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第1期間の有利状態を有する遊技状態(第2遊技状態)に設定され、
前記第3遊技状態において、前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第2期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)に設定され、
前記第1期間と前記第2期間は異なる期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2遊技状態において当否判定の結果が第2結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第1期間の有利状態を有する遊技状態が設定され、第3遊技状態において当否判定の結果が第2結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第2期間の有利状態を有する遊技状態が設定されるものとする。また、第1期間と第2期間は異なる期間とされる。
これにより、第2結果となって特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該第2結果となった際の遊技状態が第2遊技状態か第3遊技状態かによって、特別遊技終了後に設定される有利状態が異なる期間となる。またこれにより、遊技状態によって、遊技者に緊張感や安心感を与え、遊技興趣を高める。また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1期間と第2期間は異なる期間であるため、有利状態が第1期間に設定された第2遊技状態と有利状態が第2期間に設定された第3遊技状態とでは、遊技者にとっての有利度が異なる。
また、第1期間の有利状態を有する遊技状態は第2遊技状態とし、第2期間の有利状態を有する遊技状態は第3遊技状態としてもよい。
また、参考発明1-3の遊技機は、参考発明1-2の遊技機において、
前記第2期間は、前記第1期間よりも長い期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態において当否判定の結果が第2結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第2期間は、第2遊技状態において当否判定の結果が第2結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第1期間よりも、長い期間とされる。これにより、第3遊技状態は第2遊技状態と比して遊技者にとって有利な遊技状態となり、第3遊技状態に移行した場合の遊技者の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2期間は第1期間よりも長い期間である。そのため、長い期間の有利状態が設定される第3遊技状態の方が、第2遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。また、このような態様に変えて、第1期間は、前記第2期間よりも長い期間であるものとしてもよい。このような態様によれば、長い期間の有利状態が設定される第2遊技状態の方が、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、第4発明の遊技機は、第1発明乃至第3発明の遊技機において、
前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態において実行された前記当否判定の結果が前記第1結果となって前記特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態は、第2遊技状態において実行された当否判定の結果が第1結果となって特別遊技が実行された場合に当該特別遊技終了後に設定されるものとする。これにより、遊技者は、第2遊技状態で実行された当否判定の結果が第1結果となることに期待し、遊技を行う。また、遊技状態の移行態様を多様化し、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第3遊技状態は、第2遊技状態において実行された第2当否判定の結果が第1結果(大当り)となって特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該大当り遊技終了後に設定されるものとしてもよい。
また、参考発明1-5の遊技機は、参考発明1-4の遊技機において、
前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態において前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態は、第2遊技状態において当否判定の結果が第2結果(小当り)となって特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、設定されないものとする。これにより、遊技者は、第2遊技状態において、特別遊技の実行態様が、第2結果を経由する者でなく、第1結果となって特別遊技が実行される態様に期待し、遊技興趣を高める。また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態において前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されない。すなわち、第3遊技状態は、第2遊技状態において第1結果(大当り)となって特別遊技(大当り遊技)が実行された場合においてのみ、当該特別遊技終了後に設定される。
また、第6発明の遊技機は、第1発明乃至第5発明の遊技機において、
前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態で前記当否判定を実行することに基づいて実行される前記特別遊技の終了後には設定されず、前記第2遊技状態で前記当否判定を実行することに基づいて実行される前記特別遊技の終了後に設定されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技状態で実行された当否判定に基づく特別遊技の終了後には、第3遊技状態は設定されず、第2遊技状態で実行された当否判定に基づく特別遊技の終了後には、第3遊技状態が設定される。これにより、第1遊技状態で特別遊技を実行することで第2遊技状態に移行し、第2遊技状態で特別遊技を実行することで第3遊技状態に移行するものとし、遊技状態の移行態様を多様化する。またこれにより、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考発明1-7の遊技機は、参考発明1-1乃至参考発明1-6の遊技機において、
前記第3遊技状態において前記当否判定を実行することに基づいて実行される前記特別遊技の終了後は、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態は設定されず、前記第3遊技状態が設定され、
第3遊技状態は、前記第2終了条件の終了に基づいて前記第1遊技状態に設定されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態で実行された当否判定に基づく特別遊技の終了後には、第1遊技状態及び第2遊技状態の何れにも設定されることなく第3遊技状態が設定され、第3遊技状態は第2終了条件の終了に基づいて第1遊技状態に設定される。これにより、一旦、第3遊技状態が設定されると当該第3遊技状態で特別遊技が実行される限り、第3遊技状態が継続し、第2終了条件が成立した場合に第1遊技状態に移行することとなる。これにより、第3遊技状態に移行した際の特別遊技終了後に設定される遊技状態に対して安心感を与えると共に、第3遊技状態での遊技中の第2終了条件成立への緊張感を与え、遊技興趣を高める。
また、第3遊技状態において当否判定を実行することに基づいて実行される特別遊技の終了後には、第3遊技状態に設定されるものとする。すなわち、第3遊技状態において特別遊技が実行された場合は第3遊技状態を継続するものとする。
また、参考発明1-8の遊技機は、参考発明1-1乃至参考発明1-7の遊技機において、
前記第1遊技状態において、特定回数の識別情報の変動表示を実行することに基づいて、前記特別遊技を経ることなく、遊技状態を前記第3遊技状態に設定することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技状態において、特定回数の識別情報の変動表示を実行することで、当否判定を実行して特別遊技を行うことを経ることなく、遊技状態を第3遊技状態に設定するものとする。これにより、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
参考発明1の遊技機によれば、遊技興趣を高める遊技演出を実行する遊技機の提供を図ることが可能となる。
また、他の態様として、
遊技球が入球可能な始動口と、
第1の態様と、前記第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様と、に変化可能な可変始動口と、
第1ベース状態(低ベース状態)と、前記第1ベース状態よりも前記可変始動口への入球頻度が高い第2ベース状態(高ベース状態)と、を設定可能なベース状態設定手段と、
内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記可変始動口への入球に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定手段の当否判定結果に基づいて識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、を備え、
前記当否判定の結果として、第1結果(大当り)と、第2結果(小当り)と、を有し、
前記当否判定の結果が前記第1結果(大当り)となった場合に遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を実行し、
前記当否判定の結果が前記第2結果(小当り)となった場合、前記可変入球口を入球可能状態とする副遊技を実行し、前記副遊技において遊技球が前記特定領域を通過すると前記特別遊技(大当り遊技)を実行する遊技機であって、
遊技状態として、前記第1ベース状態に設定される第1遊技状態と(通常状態)、前記第2ベース状態に設定される第2遊技状態と(第1時短状態:不利)、前記第2ベース状態に設定される第3遊技状態と(第2時短状態:有利)、を有し、
前記特別遊技を実行した場合、当該特別遊技終了後の遊技状態として、前記第2遊技状態又は前記第3遊技状態を設定可能とされ、
前記第2遊技状態において前記当否判定の結果が前記第2結果となると、前記遊技状態が前記第1ベース状態に設定されて前記副遊技は前記第1ベース状態で実行され、当該副遊技において遊技球が前記特定領域を通過すると、前記第1ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過したものとされ、
前記第3遊技状態において前記当否判定の結果が前記第2結果となると、前記遊技状態は前記第2ベース状態のままとされて前記副遊技は前記第2ベース状態で実行され、当該副遊技において遊技球が前記特定領域を通過すると、前記第2ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過したものとされ、
前記第1ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過した場合と、前記第2ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過した場合とで、前記特別遊技終了後に設定される前記第2ベース状態の設定期間(実行期間)が異なる
ことを特徴とするものとしてもよい。
また、前記第1ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過した場合の方が、前記第2ベース状態で遊技球が前記特定領域を通過した場合よりも、前記特別遊技終了後に設定される前記第2ベース状態の設定期間(実行期間)が長いものとしてもよい。
(参考発明2)
また、参考発明2-1の遊技機は、
遊技球が入球可能な第1始動口と
遊技球が入球可能な第2始動口と、
内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態と、に変化可能な可変入球口と、
前記第1始動口への入球に基づいて第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球に基づいて第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段の当否判定結果に基づいて第1識別情報を変動表示する第1識別情報表示手段と、
前記第2当否判定手段の当否判定結果に基づいて第2識別情報を変動表示する第2識別情報表示手段と、を備え、
前記第1当否判定の結果として、少なくとも、第1特定結果(大当り)を有し、
前記第2当否判定の結果として、少なくとも、第1特定結果(大当り)と、第2特定結果(小当り)と、を有し、
前記第1当否判定の結果が前記第1特定結果(大当り)となった場合、前記第2当否判定の結果が第1特定結果(大当り)となった場合、並びに、前記第2当否判定の結果が前記第2特定結果(小当り)となって前記可変入球口を入球可能状態とする副遊技を実行し、当該副遊技において遊技球が前記特定領域を通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技)を実行する遊技機であって、
遊技状態として、第1遊技状態と(通常状態)、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と(第1時短状態:不利)、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と(第2時短状態:有利)、を有し、
前記特別遊技を実行した場合、当該特別遊技終了後の遊技状態として、前記第2遊技状態又は前記第3遊技状態を設定可能とされ、
前記第2遊技状態は、第1終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態に移行するものとされ、
前記第3遊技状態は、第2終了条件が成立した場合に前記第1遊技状態に移行するものとされ、
前記第1終了条件は、前記第2遊技状態において、前記第1識別情報又は前記第2識別情報の変動表示が予め設定された回数実行されること、及び、前記第1識別情報又は前記第2識別情報の変動表示が予め設定された回数実行される前に前記第2特定結果(小当り)となること、の何れが成立した場合にも成立し、
前記第2終了条件は、前記第3遊技状態において、前記第1識別情報又は前記第2識別情報の変動表示が予め設定された回数実行されることで成立し、前記第1識別情報又は前記第2識別情報の変動表示が予め設定された回数実行される前に前記第2特定結果(小当り)となることでは成立しない
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2当否判定を実行する第2当否判定手段と、を有し、第1当否判定の結果として、少なくとも第1特定結果を有し、第2当否判定の結果として、少なくとも第1特定結果と第2特定結果とを有する。特別遊技の実行態様として、第1当否判定の結果が第1特定結果となることで特別遊技を実行する実行態様と、第2当否判定の結果が第1特定結果となることで特別遊技を実行する実行態様と、第2当否判定の結果が第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技を実行する実行態様と、を有する。
また、遊技状態として、少なくとも、第1遊技状態と、第1遊技状態よりも有利な有利状態の第2遊技状態と、同じく第1遊技状態よりも有利な有利状態の第3遊技状態と、を有する。そして、第2遊技状態は、第1識別情報又は第2識別情報の変動表示が予め定められた回数実行されること、若しくは、第2当否判定の結果が第2特定結果となること、に基づいて終了して第1遊技状態に移行する。また、第3遊技状態は、第1識別情報又は第2識別情報の変動表示が予め定められた回数実行されることに基づいて終了して第1遊技状態に移行し、第2遊技状態のように、第2当否判定の結果が第2特定結果となることに基づいては第1遊技状態に移行しないものとする。
これにより、遊技状態によって、第2特定結果の発生が有利状態の終了条件となる場合と、有利状態の終了条件とならない場合と、があり、遊技者に遊技状態によって遊技中に安心感や緊張感を与え、遊技興趣を高める。また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第3遊技状態と第2遊技状態とは終了条件が異なる遊技状態とされる。また、第2遊技状態は第3遊技状態よりも終了条件が成立しやすく設定されており、第3遊技状態の方が第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態といってもよい。
また、第1当否判定を実行する第1当否判定手段と、第2当否判定を実行する第2当否判定手段とを有し、第1当否判定の結果として、少なくとも、第1特定結果(大当り)と、第2特定結果(小当り)と、を有し、第2当否判定の結果として、少なくとも、第1特定結果(大当り)と、第2特定結果(小当り)と、を有するものとしてもよい。また、第1当否判定の結果として、第2特定結果を有しないものとしてもよい。
また、参考発明2-2の遊技機は、参考発明2-1の遊技機において、
前記第2遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第2特定結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第1期間の有利状態を有する遊技状態(第2遊技状態)に設定され、
前記第3遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第2特定結果(小当り)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第2期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)に設定され、
前記第1期間と前記第2期間は異なる期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第1期間の有利状態を有する遊技状態が設定され、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第2期間の有利状態を有する遊技状態が設定されるものとする。また、第1期間と第2期間は異なる期間とされる。
これにより、第2特定結果となって特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該第2特定結果となった際の遊技状態が第2遊技状態か第3遊技状態かによって、特別遊技終了後に設定される有利状態が異なる期間となる。またこれにより、遊技状態によって、遊技者に緊張感や安心感を与え、遊技興趣を高める。また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1期間と第2期間は異なる期間であるため、有利状態が第1期間に設定された第2遊技状態と有利状態が第2期間に設定された第3遊技状態とでは、遊技者にとっての有利度が異なる。
また、第1期間の有利状態を有する遊技状態は第2遊技状態とし、第2期間の有利状態を有する遊技状態は第3遊技状態としてもよい。
また、参考発明2-3の遊技機は、参考発明2-2の遊技機において、
前記第2期間は、前記第1期間よりも長い期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第2期間は、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第1期間よりも、長い期間とされる。これにより、第3遊技状態は第2遊技状態と比して遊技者にとって有利な遊技状態となり、第3遊技状態に移行した場合の遊技者の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2期間は第1期間よりも長い期間である。そのため、長い期間の有利状態が設定される第3遊技状態の方が、第2遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。また、このような態様に変えて、第1期間は、前記第2期間よりも長い期間であるものとしてもよい。このような態様によれば、長い期間の有利状態が設定される第2遊技状態の方が、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、参考発明2-4の遊技機は、参考発明2-1の遊技機において、
前記第2特定結果として、少なくとも、第1の第2特定結果(第1小当り)と、第2の第2特定結果(第2小当り)と、を有し、
前記第2遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第1の第2特定結果(小当り2)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第1期間の有利状態を有する遊技状態(第2遊技状態)に設定され、
前記第3遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第1の第2特定結果(小当り2)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第2期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)に設定され、
前記第1期間と前記第2期間は異なる期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2特定結果として、少なくとも、第1の第2特定結果(第1小当り)と、第2の第2特定結果(第2小当り)と、を有する。そして、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第1期間の有利状態を有する遊技状態(第2遊技状態)が設定され、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第2期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)が設定されるものとする。また、第1期間と第2期間は異なる期間とされる。
これにより、第1の第2特定結果となって特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該第1の第2特定結果となった際の遊技状態が第2遊技状態か第3遊技状態かによって、特別遊技終了後に設定される有利状態が異なる期間となる。またこれにより、遊技状態によって、遊技者に緊張感や安心感を与え、遊技興趣を高める。また、多様な遊技性をもつ遊技を提供することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1期間と第2期間は異なる期間であるため、有利状態が第1期間に設定された第2遊技状態と有利状態が第2期間に設定された第3遊技状態とでは、遊技者にとっての有利度が異なる。また、第2遊技状態と第3遊技状態とで、同じ第1の第2特定結果(小当り)となった場合の、付与される有利状態の期間が異なるため、何れの遊技状態で第1の第2特定結果(小当り)となるかが遊技者にとって重要となり、遊技興趣を高める。また、遊技性を多様化することが可能となる。
また、第1期間の有利状態を有する遊技状態は第2遊技状態とし、第2期間の有利状態を有する遊技状態は第3遊技状態としてもよい。このような遊技機によれば、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第2遊技状態が設定され(第2遊技状態の継続)、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第3遊技状態が設定される(第3遊技状態の継続)。
また、参考発明2-5の遊技機は、参考発明2-4の遊技機において、
前記第2期間は、前記第1期間よりも長い期間であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第2期間は、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第1の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合に設定される第1期間よりも、長い期間とされる。これにより、第3遊技状態は第2遊技状態と比して遊技者にとって有利な遊技状態となり、第3遊技状態に移行した場合の遊技者の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2期間は第1期間よりも長い期間である。そのため、長い期間の有利状態が設定される第3遊技状態の方が、第2遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。また、このような態様に変えて、第1期間は、前記第2期間よりも長い期間であるものとしてもよい。このような態様によれば、長い期間の有利状態が設定される第2遊技状態の方が、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、参考発明2-6の遊技機は、参考発明2-4又は参考発明2-5の遊技機において、
前記第2遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第2の第2特定結果(小当り3)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第3期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)に設定され、
前記第3遊技状態において、前記第2当否判定の結果が前記第2の第2特定結果(小当り2)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、前記第3期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)に設定されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第3期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)が設定され、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第3期間の有利状態を有する遊技状態(第3遊技状態)が設定されるものとする。
すなわち、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合と、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合とで、特別遊技終了後に設定される遊技状態が同じ遊技状態に設定される。これにより、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第3期間は第1期間と同じ期間であってもよいし、第3期間は第2期間と同じ期間であってもよいし、第3期間は第1期間及び第2期間の何れとも異なる期間であってもよい。また、第3期間は、第1期間及び第2期間よりも長い期間としてもよい。第3期間を長い期間とすることで、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合と、第3遊技状態において第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合とにおいて、特別遊技終了後に、遊技者にとって有利な遊技状態に移行することとなる。またこれにより、第2当否判定の結果が第2の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合の遊技興趣を向上することが可能となる。
また、第2特定結果(小当り)となった場合に、特別遊技終了後に付与される有利状態となる期間として、遊技状態(第2遊技状態又は第3遊技状態)によって異なる期間が付与される第2特定結果(第1の第2特定結果)と、遊技状態(第2遊技状態又は第3遊技状態)が異なっても同じ期間が付与される第2特定結果(第2の第2特定結果)と、を有する。これにより、実行される遊技状態と、発生した第2特定結果(小当り)の種類に注目させ、遊技興趣を高める。また、遊技性を多様化することが可能となる。
また、参考発明2-7の遊技機は、参考発明2-1乃至参考発明2-6の遊技機において、
前記第2特定結果として、少なくとも、第3の第2特定結果(小当り1)を有し、
前記第2遊技状態において実行された前記第2当否判定(第2当否判定)の結果が前記第3の第2特定結果(小当り3)となって遊技球が前記特定領域を通過することで前記特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、前記第3遊技状態に設定されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれが、第2特定結果として、少なくとも、第3の特定結果を有する。そして、第2遊技状態において第2当否判定の結果が第3の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技終了後に第3遊技状態が設定される。これにより、第2遊技状態において、第3の第2特定結果となって遊技球が特定領域を通過した場合の遊技興趣を向上することが可能となる。またこれにより、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、参考発明2-8の遊技機は、参考発明2-1乃至参考発明2-7の遊技機において、
前記第1遊技状態において、特定回数の識別情報の変動表示を実行することに基づいて、前記特別遊技を経ることなく、遊技状態を前記第3遊技状態に設定することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1遊技状態において、特定回数の識別情報の変動表示を実行することで、当否判定を実行して特別遊技を行うことを経ることなく、遊技状態を第3遊技状態に設定するものとする。これにより、遊技状態の移行態様を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果が第2特定結果(小当り)となる場合において、当該第2特定結果として、少なくとも、第1の第2特定結果と、第2の第2特定結果と、第3の第2特定結果と、を有するものとし、前述の構成を採用してもよい。
また、第1当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果が第2特定結果(小当り)となる場合において、当該第2特定結果として、第4の第2特定結果を有し、第1遊技状態において実行された第1当否判定の結果が第4の第2特定結果(小当り4)となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第3遊技状態に設定されるものとしてもよい。すなわち、第1遊技状態(通常状態、低ベース状態、非時短状態)において、小当り経由で特定領域通過(V通過)して大当りとなると、第2遊技状態(第1時短状態)を経ることなく、第3遊技状態に移行するものとしてもよい。
また、(第1遊技状態における)第1当否判定の結果が第2特定結果(小当り)となる確率(可能性)は、(第2遊技状態(第3遊技状態)における)第2当否判定の結果が第2特定結果(小当り)となる確率(可能性)よりも低く設定されている。そのため、第1遊技状態において、小当り経由で特定領域通過(V通過)して大当りとなる可能性は、第2遊技状態及び第3遊技状態において、小当り経由で特定領域通過(V通過)して大当りとなる可能性よりも低く設定されている。そのため、そのようなレア(可能性の低い)自体が発生した場合には、遊技者に有利な遊技状態に移行する特典を遊技者に付与するものとしている。これにより、第1遊技状態において、第1当否判定の結果、小当り経由で特定領域通過(V通過)して大当りとなった場合の遊技者の遊技興趣を高めることが可能となる。
また、このような態様に変えて、第1当否判定の結果が第2特定結果となる場合において、当該第2特定結果として、少なくとも、第4の第2特定結果と、第5の第2特定結果と、を有する。そして、第1遊技状態において実行された第1当否判定の結果が第4の第2特定結果(小当り4)となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第3遊技状態に設定され、第1遊技状態において実行された第1当否判定の結果が第5の第2特定結果(小当り5)となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技(大当り遊技)が実行された場合、当該特別遊技終了後の遊技状態が、第2遊技状態に設定されるものとしてもよい。これにより、遊技性を多様化し、遊技興趣を高めることが可能となる。また、第1当否判定の結果が第2特定結果となる場合において、当該第2特定結果として、第6の第2特定結果を有してもよい。
また、第3遊技状態(第2時短状態)は、第2遊技状態(第1時短状態)において実行された当否判定の結果が第1特定結果(大当り)となって特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されることを特徴としてもよい。
また、第3遊技状態は、第2遊技状態において当否判定の結果が第2特定結果(小当り)となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されないことを特徴としてもよい。
また、第3遊技状態は、第1遊技状態(通常状態)において当否判定の結果が第2特定結果(小当り)となって遊技球が特定領域を通過することで特別遊技(大当り遊技)が実行された場合に、当該特別遊技終了後に設定されない。すなわち、第3遊技状態は、第2遊技状態において第1特定結果(大当り)となって特別遊技(大当り遊技)が実行された場合においてのみ、当該特別遊技終了後に設定されるものとしてもよい。
また、第3遊技状態は、第1遊技状態で当否判定を実行することに基づいて実行される特別遊技の終了後には設定されず、第2遊技状態で当否判定を実行することに基づいて実行される特別遊技の終了後に設定されるものとしてもよい。
また、第3遊技状態において当否判定を実行することに基づいて実行される特別遊技の終了後には、第2遊技状態は設定されず、第2終了条件の終了に基づいて第1遊技状態が設定されることを特徴とするものとしてもよい。
また、第3遊技状態において当否判定を実行することに基づいて実行される特別遊技の終了後には、第3遊技状態に設定されるものとする。すなわち、第3遊技状態において特別遊技が実行された場合は第3遊技状態を継続するものとする。
参考発明2の遊技機によれば、遊技興趣を高める遊技演出を実行する遊技機の提供を図ることが可能となる。