以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。当該既存技術は、例えば既存のNRあるいはLTEであるが、既存のNRあるいはLTEに限られない。
また、本明細書では、PUSCH、PDCCH、RRC等の既存のNRあるいはLTEの仕様書で使用されている用語を用いているが、本明細書で使用するチャネル名、プロトコル名、信号名、機能名等で表わされるものが別の名前で呼ばれてもよい。
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、図1に示されるように、基地局装置10及びユーザ装置20を含む。図1には、基地局装置10及びユーザ装置20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。
基地局装置10は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。また、時間領域におけるTTI(Transmission Time Interval)がスロットであってもよいし、TTIがサブフレームであってもよい。
基地局装置10は、同期信号及びシステム情報をユーザ装置20に送信する。同期信号は、例えば、NR-PSS及びNR-SSSである。システム情報は、例えば、NR-PBCHあるいはPDSCHにて送信され、ブロードキャスト情報ともいう。図1に示されるように、基地局装置10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータをユーザ装置20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータをユーザ装置20から受信する。なお、ここでは、PUCCH、PDCCH等の制御チャネルで送信されるものを制御信号と呼び、PUSCH、PDSCH等の共有チャネルで送信されるものをデータと呼んでいるが、このような呼び方は一例である。
ユーザ装置20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。図1に示されるように、ユーザ装置20は、DLで制御信号又はデータを基地局装置10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局装置10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。なお、ユーザ装置20をUEと呼び、基地局装置10をgNBと呼んでもよい。
(ランダムアクセス手順について)
まず、図2を参照して、本実施の形態における無線通信システムにおいて実行される4ステップのランダムアクセス手順の例を説明する。なお、本実施の形態では、ステップ数を削減する対象となるCBRA(Contention based Random Access、衝突型ランダムアクセス)について説明している。CFRA(Contention Free Random Access、非衝突型ランダムアクセス)では、基本的にUEがMsg2を受信することでランダムアクセス手順が完了するので、そのままでステップ数が少ない。ただし、本発明はCBRAに限定されるわけではなく、本発明がCFRAに適用されてもよい。
NRでは、SS/PBCHブロック(SSBとも呼ぶ。同期信号ブロックあるいは同期信号と呼んでもよい。)を選択することによりランダムアクセス手順を実行することもできるし、CSI-RS(Channel State Information-Reference Signal)を選択することによりランダムアクセス手順を実行することもできる。
基地局装置10は、例えば、ビーム毎にSSB(又はCSI-RS)を送信し、ユーザ装置20は各ビームのSSB(又はCSI-RS)を監視する。ユーザ装置20は、複数のSSB(又はCSI-RS)のうち、受信電力が所定閾値よりも大きいSSB(又はCSI-RS)を選択し、選択したSSB(又はCSI-RS)に対応するPRACHリソース(PRACH occasion)を用いてMessage1(Msg1(=RA preamble))を送信する(図2のS1)。以降、便宜上、RA preambleをpreambleと呼ぶ。
基地局装置10は、preambleを検出すると、その応答であるMessage2(Msg2(=RAR))をユーザ装置20に送信する(S2)。Msg2を受信したユーザ装置20は、所定の情報を含むMessage3(Msg3)を基地局装置10に送信する(S3)。
Msg3を受信した基地局装置10は、Message4(Msg4)をユーザ装置10に送信する(S4)。ユーザ装置10は、上記の所定の情報がMsg4に含まれていることを確認すると、当該Msg4が、上記のMsg3に対応する自分宛てのMsg4であることを認識する(Contention resolution :OK)。
上記のランダムアクセス手順は、4ステップからなるので、これを4ステップRACHと呼ぶ。
次に、低遅延化、消費電力削減等のために、ステップ数を削減したランダムアクセス手順を図3を参照して説明する。
S11において、ユーザ装置20は、preambleとデータを有するMessageA(MsgA)を基地局装置10に送信する。一例として、ユーザ装置20は、4ステップRACHでのPRACHリソース(PRACH occasion)の選択と同様にしてPRACHリソースを選択して当該PRACHリソースでpreambleを送信するとともに、PRACHリソースに紐付けられたPUSCHリソースでデータを送信する。なお、ここでのpreambleとデータは、例えば、4ステップRACHでのMsg1とMsg3に相当する。なお、2ステップRACHにおいて、データを送信するためのリソースはPUSCHのリソースに限られるわけではなく、データ(あるいは制御情報)を送信するいかなるチャネルのリソースを使用してもよい。
S12において、基地局装置10は、MessageB(MsgB)をユーザ装置20に送信する。MsgBのコンテンツは、例えば、4ステップRACHでのMsg2とMsg4に相当する。
上記のランダムアクセス手順は、2ステップからなるので、これを2ステップRACHと呼ぶ。2ステップRACHは、ステップ数を削減したランダムアクセス手順の例である。
(課題について)
2ステップRACHでは、preamble及びPUSCHとして、Rel-15で規定されたNR PRACH preamble design及びNR PUSCHをreuseすることが想定されている。
ランダムアクセス手順では、ユーザ装置20がpreambleを送信した後に基地局装置20から受信するRARにTiming advanceの値が含まれている。これにより、ユーザ装置20はTiming advanceの値を知り、UL同期をとることができる。Timing advanceとは、ユーザ装置20が、UL data送信等の時に伝搬遅延を考慮してUL送信のタイミングを早める量のことである。それにより受信側で適切なタイミングで受信することができる。
しかし、ユーザ装置20は、preamble送信時点ではTiming advanceの値を知らないことを前提としているので、preambleのCP(cyclic prefix)長はセル半径に依存して、セル半径が大きいほど伝搬遅延を考慮しCP長を長く設定するのが一般的である。すなわち、preamble送信時点ではTiming advanceによる送信タイミング調整を行わないため、十分な量のCP長とpreamble後のguard timeが必要となる。
図3で説明した2ステップRACHのMsgAの送信において、preambleとともに送信するPUSCHによるデータの送信時には、ユーザ装置20は、MsgB(Msg2相当の情報を含む)を受信していないので、PUSCHによるデータの送信は、preambleと同様に、Timing advanceの値を知ることなく行う必要がある。
一方、MsgAの送信に使用するPUSCHとして、NR PUSCHをreuseするため、MsgAのPUSCHのnew CP長は想定されていない。つまり、PUSCHのCP長は、preambleのCP長と比べて非常に短いが、その短いCP長の他に、長い新たなCP長を、MsgA用のPUSCHに対して規定することは想定されていない。このため、ユーザ装置20と基地局装置10との距離が長いと、PUSCHのCP長では伝搬遅延と遅延スプレッドをカバーできないので、2ステップRACHを利用可能なユーザ装置20と基地局装置10との距離は短いものに限られることになる。
その場合に上記利用可能な距離以下の最大セル半径のセルのみで2ステップRACHを利用可能とすると2ステップRACHが利用可能なケースが大きく制限されてしまう。従って、2ステップRACHを実施可能であることを判断して、2ステップRACHを実施するような仕組みが必要となる。
以下、上記の課題を解決する技術として、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4を説明する。
(実施例1)
実施例1では、基地局装置10が、ユーザ装置20に対して、ユーザ装置20がランダムアクセス手順を行う際に、2ステップRACHを実行するか、あるいは、4ステップRACHを実行するかを通知する。通知に使用する信号は、RRC信号でもよいし、MAC信号でもよいし、物理レイヤの信号(DCI,PDCCH)でもよいし、その他の信号でもよい。また、セル半径が小さい場合等には、基地局装置10は、在圏する全ユーザ装置に共通なブロードキャスト情報で2ステップRACHを実行することをセル内に通知してもよい。また、RACHをトリガーする信号(RRC,PDCCHなど)により、2ステップRACHを実行するか、あるいは、4ステップRACHを実行するかを通知してもよい。
ユーザ装置20は、基地局装置10からの指示に従って、ランダムアクセス手順を行う際に、2ステップRACHを実行するか、あるいは、4ステップRACHを実行する。
図4に実施例1の処理シーケンスの例を示す。まず、S101において、基地局装置10は、ユーザ装置20に2ステップRACHを実行させるか、あるいは、4ステップRACHを実行させるかを判断する。
例えば、基地局装置10は、ユーザ装置20が上り同期の再確立が必要でありCBRAを実行することを把握し、更に、直前のユーザ装置20との通信から、ユーザ装置20が2ステップRACH可能な距離に存在することを把握すると、ユーザ装置20に2ステップRACHに実行させることを決定する。
S102において、基地局装置10は、S101の判断に基づき、ユーザ装置20に対して、ランダムアクセス手順の方式(2ステップRACH又は4ステップRACH)を指示する。S103において、ユーザ装置20は、ランダムアクセス手順実行時に、基地局装置10からの指示に基づいて、2ステップRACH又は4ステップRACHを実行する。
実施例1では、基地局装置10が、ユーザ装置20に対して、2ステップRACHを実行するか、あるいは、4ステップRACHを実行するかを通知し、ユーザ装置20は当該通知に基づいてランダムアクセス手順を実行するので、ユーザ装置20は、少ない判断処理の負荷で、迅速に2ステップRACHを実行するか、あるいは、4ステップRACHを実行するかを決定できる。
(実施例2)
実施例2では、所定の基準値に基づき、ユーザ装置20が2ステップRACHを実行するか4ステップRACHを実行するかを判断する。所定の基準値は例えば閾値である。また、所定の基準値は、例えば、基地局装置10からユーザ装置20に通知されるものである。
図5に、実施例2における処理シーケンスの例を示す。S201において、基地局装置10はユーザ装置20に対して閾値を通知する。閾値は、セルで共通の値であってもよいし、ユーザ装置個別の値であってもよい。S201での通知に使用する信号は、RRC信号でもよいし、MAC信号でもよいし、その他の信号でもよい。ユーザ装置20は、受信した閾値を保持する。
S202では、例えば、ユーザ装置20において、ランダムアクセスを実行するトリガーが発生すると(例:上り同期確立)、ユーザ装置20は、S201で受信した閾値を用いて、2ステップRACHを実行するか4ステップRACHを実行するかを判断する。S203において、ユーザ装置20は、S202での判断結果に基づいて、2ステップRACH又は4ステップRACHを実行する。なお、S202の判断は、ランダムアクセスを実行するトリガーが発生する前に行うこととしてもよい。
実施例2の具体例について、以下、オプション1とオプション2を説明する。
<オプション1>
オプション1では、S201において、基地局装置10からユーザ装置20に、ユーザ装置20が行うDL信号の測定結果と比較する閾値が通知される。当該測定結果は、例えば、RSRP、RSRQ、SINRのうちのいずれかである。また、測定を行う対象となるDL信号は、SSであってもよいし、CSI-RSであってもよいし、その他の信号でもよい。
S202において、ユーザ装置20は、ランダムアクセス手順のトリガが発生した時点(あるいはその前)の測定結果と閾値とを比較し、測定結果が閾値よりも大きければ2ステップRACHを実行することを決定し、測定結果が閾値よりも小さければ4ステップRACHを実行することを決定する。なお、閾値と比較する測定結果に関しては、ある一回の測定結果でもよいし、ある期間の測定結果の統計値(例:平均)でも良いし、ある期間の測定結果の変化量であってもよい。
図6に、オプション1のイメージを示す。図6に示すように、ユーザ装置20Aは基地局装置10から近い距離にいるので、RSRPは閾値よりも高くなり、2ステップRACHを実行する。一方、ユーザ装置20Bは基地局装置10から遠い距離にいるので、RSRPは閾値よりも低くなり、4ステップRACHを実行する。
<オプション2>
オプション2では、S201において、基地局装置10からユーザ装置20に、ユーザ装置20が保持するTiming advanceの値と比較する閾値が通知される。通常、基地局装置10とユーザ装置20との距離が大きければTiming advanceの値は大きくなり、基地局装置10とユーザ装置20との距離が小さければTiming advanceの値は小さくなる。
S202において、ユーザ装置20は、ランダムアクセス手順のトリガが発生した時点(あるいはその前)において保持しているTiming advanceの値と閾値とを比較し、Timing advanceの値が閾値よりも小さければ2ステップRACHを実行することを決定し、Timing advanceの値が閾値よりも大きければ4ステップRACHを実行することを決定する。
ユーザ装置20が保持するTiming advanceの値は、例えば、S202の直前に実行したランダムアクセス手順で受信したRARに含まれていたTiming advanceの値である。あるいは、ユーザ装置20が保持するTiming advanceの値は、例えば、S202の直前に実行したランダムアクセス手順で受信したRARに含まれていたTiming advanceの値に対し、MAC CEによるTiming advance commandにより補正が加えられた値である。
なお、Timing advanceの値と比較する閾値については、図5に示すように基地局装置10からユーザ装置20に通知されてもよいし、仕様書(規格書)で規定されてもよい。仕様書(規格書)で規定される場合、ユーザ装置20は、当該閾値を予め保持する(製品に組み込まれている)こととしてもよいし、当該閾値が基地局装置10からユーザ装置20に通知されてもよい。
また、ユーザ装置20は、上記のような閾値を用いずに、MsgAの送信に使用されるPUSCHのCP長に基づき、判断してもよい。例えば、CP長が、距離Dに相当する長さであった場合、ユーザ装置20は、ユーザ装置20が保持するTiming advanceの値に対応する距離が、距離Dよりも大きい場合に4ステップRACHを実行し、ユーザ装置20が保持するTiming advanceの値に対応する距離が、距離Dよりも小さい場合に2ステップRACHを実行する。
実施例2では、ユーザ装置20は、基地局装置10-ユーザ装置20間の距離に応じた値と閾値とを比較してランダムアクセス手順の方式を決定するので、適切にランダムアクセス手順の方式を決定できる。
(実施例3)
基地局装置10は、複数のSSB(SS Block)のそれぞれに異なる送信ビームフォーミングを適用して、当該複数のSSB(SS Block)を送信する。各SSBには番号(インデックス)が付されている。また、各SSBは、予め設定されたシンボル位置で、周期的に送信される。なお、SS(Synchronization Signal)とPBCHとで1つのブロックを構成することから、本明細書で説明するSSBをSS/PBCH blockと称してもよい。
例えば、図7に示すように、基地局装置10は、SSB#0を基地局装置10に近い場所に向けられるビームで送信し、SSB#2を基地局装置10から遠い場所に向けられるビームで送信する。
ランダムアクセス手順では、ユーザ装置20は、所定の閾値よりも大きな受信電力のSSBを選択し、当該SSBに対応するRACH occasion(preambleリソース)を選択し、当該preambleリソースでpreambleを送信する。なお、2ステップRACHにおいてもこの動作が行われてもよいし、2ステップRACHにおいてはこの動作と異なる動作が行われてもよい。
実施例3では、ユーザ装置20は、preamble送信前に選択したSSBに応じて、2ステップRACHとするのか4ステップRACHとするのかを決定する。基地局装置10は、ユーザ装置20に対し、2ステップRACHに対応するSSBインデックスと4ステップRACHに対応するSSBインデックスを通知する。ただし、2ステップRACHに対応するSSBインデックスと4ステップRACHに対応するSSBインデックスがユーザ装置20に予め設定されている場合等(仕様で規定されている場合等)には、この通知を行わないこととしてもよい。
例えば、SSB#0、SSB#1が2ステップRACHに対応し、SSB#2、SSB#4が4ステップRACHに対応する場合において、ユーザ装置20がpreamble送信前にSSB#0を選択すると、ユーザ装置20は2ステップRACHを実行する。
図8は、実施例3の処理シーケンスの例を示す。図8に示すように、ユーザ装置20はSSBを受信する(S301)。S302において、ユーザ装置20は特定のSSBを選択する。S303において、ユーザ装置20は、選択したSSBに対応した方式でランダムアクセス手順を実行する。
なお、実施例3では、SSBを例にとって説明したが、SSBに代えてCSI-RSを使用しても、上述した実施例3の処理を実施可能である。
実施例3では、ユーザ装置20は、受信したSSB(CSI-RS)に応じて、ランダムアクセス手順の方式を決定するので、適切にランダムアクセス手順の方式を決定できる。
(実施例4)
実施例4では、これまでに説明した実施例1~3のいずれにも適用可能な技術について説明する。
ユーザ装置20の判断で2ステップRACHを実行するか、それとも、4ステップRACHを実行するかが決定される場合において、基地局装置10は、ユーザ装置20から受信する信号(例:preamble)に基づいて、ユーザ装置20が2ステップRACHと4ステップRACHのうちのどちらを実行しているのかを把握できることが望ましい。
そこで、実施例4において、基地局装置10は、ユーザ装置20に対して、2ステップRACH用のconfiguration(設定情報)と4ステップRACH用のconfigurationとを別々に通知する。ただし、完全に別々である必要はなく、一部のみが別々であってもよい。通知は、RRC信号で行ってもよいし、MAC信号で行ってもよい。
例えば、基地局装置10は、ユーザ装置20に対して、2ステップRACH用のpreambleリソース(RACH occasion)として、preambleリソースAを通知し、4ステップRACH用のpreambleリソース(RACH occasion)として、preambleリソースBを通知する。
preambleリソースAとpreambleリソースBは重複しないリソースである。この場合、基地局装置10は、ユーザ装置20からpreambleリソースAでpreambleを受信した場合、ユーザ装置20は2ステップRACHを実行する、と判断する。また、基地局装置10は、ユーザ装置20からpreambleリソースBでpreambleを受信した場合、ユーザ装置20は4ステップRACHを実行する、と判断する。
また、例えば、基地局装置10は、ユーザ装置20に対して、2ステップRACH用のpreamble index(あるいはpreamble index set)として、preamble index-A(あるいはpreamble index set-A)を通知し、4ステップRACH用のpreamble index(あるいはpreamble index set)として、preamble index-B(あるいはpreamble index set-B)を通知する。
preamble index-A(あるいはpreamble index set-A)とpreamble index-B(あるいはpreamble index set-B)は重複しないpreambleである。この場合、基地局装置10は、ユーザ装置20からpreamble index-A(あるいはpreamble index set-Aの中のindex)のpreambleを受信した場合、ユーザ装置20は2ステップRACHを実行する、と判断する。また、基地局装置10は、ユーザ装置20からpreamble index-B(あるいはpreamble index set-Bの中のindex)のpreambleを受信した場合、ユーザ装置20は4ステップRACHを実行する、と判断する。
実施例4では、2ステップRACH用のconfigurationと4ステップRACH用のconfigurationとが区別されるので、基地局装置10は、ユーザ装置20が2ステップRACHと4ステップRACHのうちのどちらを実行しているかを迅速に判断できる。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局装置10及びユーザ装置20は上述した実施例1~4を実施する機能を含む。ただし、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施例1~4のうちのいずれかの実施例の機能のみを備えることとしてもよい。
<基地局装置10>
図9は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。図9に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図9に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部110は、ユーザ装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、DLデータ等を送信する機能を有する。
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。設定情報の内容は、例えば、基準値(例:閾値)、ランダムアクセス手順のために用いるpreambleリソース、PUSCHリソース、RAR window長等である。
制御部140は、例えば、ユーザ装置20がCBRAを実行することを把握し、更に、直前のユーザ装置20との通信から、ユーザ装置20が2ステップRACH可能な距離に存在することを把握すると、ユーザ装置20に2ステップRACHを実行させることを決定する。なお、制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
<ユーザ装置20>
図10は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。図10に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図10に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、DL信号の測定を行う。
設定部230は、受信部220により基地局装置10から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、基準値(例:閾値)、ランダムアクセス手順のために用いるpreambleリソース、PUSCHリソース、RAR window長等である。
制御部240は、実施例1~3等で説明したように、2ステップRACHを実行するかどうかの判断を実施する。なお、制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図9及び図10)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)あるいは送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置10、ユーザ装置20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及びユーザ装置20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局装置10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図9に示した基地局装置10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図10に示したユーザ装置20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局装置10及びユーザ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本明細書には少なくとも下記の各項に記載されたユーザ装置及び制御方法が開示されている。
(第1項)
基地局装置から、ランダムアクセス手順の方式の指示を受信する受信部と、
前記指示に応じて、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順を実行するか否かを判断する制御部と
を備えるユーザ装置。
(第2項)
DL信号の測定を行う受信部と、
前記測定の測定結果と所定の閾値とを比較することにより、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順を実行するか否かを判断する制御部と、
を備えるユーザ装置。
(第3項)
基地局装置から、タイミングアドバンスの値を受信する受信部と、
前記タイミングアドバンスの値と所定の閾値とを比較することにより、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順を実行するか否かを判断する制御部と、
を備えるユーザ装置。
(第4項)
基地局装置から送信され、それぞれがインデックスに対応付けられている複数の信号から特定の信号を選択する受信部と、
前記特定の信号のインデックスに基づいて、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順を実行するか否かを判断する制御部と
を備えるユーザ装置。
上記の第1項~第4項のそれぞれの技術により、セル半径に拠らずに、ユーザ装置が、ステップ数を削減したランダムアクセス手順を実行するか否かを判断することが可能となる。
(第5項)
前記受信部は、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順についての設定情報と、その他の方式のランダムアクセス手順についての設定情報とを別々に基地局装置から受信する
第1項ないし第4項のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
第5項の技術により、基地局装置は、ユーザ装置が2ステップRACHと4ステップRACHのうちのどちらを実行しているかを迅速に判断できるようになる。
(第6項)
基地局装置から、ランダムアクセス手順の方式の指示を受信するステップと、
前記指示に応じて、最初のメッセージをプリアンブルリソースとPUSCHリソースを用いて送信する方式のランダムアクセス手順を実行するか否かを判断するステップと
を備えるユーザ装置が実行する制御方法。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUSCH、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局装置は、ユーザ装置で読み替えてもよい。例えば、基地局装置及びユーザ装置間の通信を、複数のユーザ装置20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局装置10が有する機能をユーザ装置20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ装置は、基地局装置で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ装置が有する機能を基地局装置が有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ装置20に対して、無線リソース(各ユーザ装置20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
なお、本開示において、SSブロック又はCSI-RSは、同期信号又は参照信号の一例である。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。