以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
〔実施形態の概略〕
<全天球パノラマ画像の生成方法>
図1乃至図7を用いて、全天球パノラマ画像の生成方法について説明する。
まず、図1を用いて、撮影装置1の外観を説明する。撮影装置1は、3次元の全天球(360°)パノラマ画像の元になる撮影画像を得るためのデジタルカメラである。なお、図1(a)は撮影装置の左側面図であり、図1(b)は撮影装置の正面図であり、図1(c)は撮影装置の平面図である。
図1(a)に示されているように、撮影装置1は、人間が片手で持つことができる大きさである。また、図1(a),図1(b),図1(c)に示されているように、撮影装置1の上部には、正面側(前側)に撮像素子103a及び背面側(後側)に撮像素子103bが設けられている。これら撮像素子(画像センサ)103a,103bは、半球画像(画角180°以上)の撮影が可能な光学部材(例えば、後述する図10の魚眼レンズ102a,102b)と併せて用いられる。また、図1(b)に示されているように、撮影装置1の正面側と反対側の面には、シャッターボタン等の操作部115が設けられている。
次に、図2を用いて、撮影装置1の使用状況を説明する。なお、図2は、撮影装置の使用イメージ図である。撮影装置1は、図2に示されているように、例えば、ユーザが手に持ってユーザの周りの被写体を撮影するために用いられる。この場合、図1に示されている撮像素子103a及び撮像素子103bによって、それぞれユーザの周りの被写体が撮像されることで、2つの半球画像を得ることができる。
次に、図3及び図4を用いて、撮影装置1で撮影された画像から全天球パノラマ画像が作成されるまでの処理の概略を説明する。なお、図3(a)は撮影装置で撮影された半球画像(前側)、図3(b)は撮影装置で撮影された半球画像(後側)、図3(c)はメルカトル図法により表された画像(以下、「メルカトル画像」という)を示した図である。図4(a)はメルカトル画像で球を被う状態を示した概念図、図4(b)は全天球パノラマ画像を示した図である。
図3(a)に示されているように、撮像素子103aによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102aによって湾曲した半球画像(前側)となる。また、図3(b)に示されているように、撮像素子103bによって得られた画像は、後述の魚眼レンズ102bによって湾曲した半球画像(後側)となる。そして、半球画像(前側)と、180度反転された半球画像(後側)とは、撮影装置1によって合成され、図3(c)に示されているように、メルカトル画像が作成される。
そして、OpenGL ES(Open Graphics Library for Embedded Systems)が利用されることで、図4(a)に示されているように、メルカトル画像が球面を覆うように貼り付けられ、図4(b)に示されているような全天球パノラマ画像が作成される。このように、全天球パノラマ画像は、メルカトル画像が球の中心を向いた画像として表される。なお、OpenGL ESは、2D(2-Dimensions)および3D(3-Dimensions)のデータを視覚化するために使用するグラフィックスライブラリである。なお、全天球パノラマ画像は、静止画であっても動画であってもよい。
以上のように、全天球パノラマ画像は、球面を覆うように貼り付けられた画像であるため、人間が見ると違和感を持ってしまう。そこで、全天球パノラマ画像の一部の所定領域(以下、「所定領域画像」という)を湾曲の少ない平面画像として表示することで、人間に違和感を与えない表示をすることができる。これに関して、図5及び図6を用いて説明する。
なお、図5は、全天球画像を三次元の立体球とした場合の仮想カメラ及び所定領域の位置を示した図である。仮想カメラICは、三次元の立体球として表示されている全天球画像CEに対して、その画像を見るユーザの視点の位置に相当するものである。また、図6(a)は図5の立体斜視図、図6(b)はディスプレイに表示された場合の所定領域画像を表す図である。また、図6(a)では、図4に示されている全天球画像CEが、三次元の立体球CSで表わされている。このように生成された全天球画像CEが、立体球CSであるとすると、図5に示されているように、仮想カメラICが全天球画像CEの内部に位置している。全天球画像CEにおける所定領域Tは、仮想カメラICの撮影領域であり、全天球画像CEを含む三次元の仮想空間における仮想カメラICの撮影方向と画角を示す所定領域情報によって特定される。
そして、図6(a)に示されている所定領域画像Qは、図6(b)に示されているように、所定のディスプレイに、仮想カメラICの撮影領域の画像として表示される。図6(b)に示されている画像は、初期設定(デフォルト)された所定領域情報によって表された所定領域画像である。なお、所定領域情報、仮想カメラICの位置座標ではなく、所定領域Tである仮想カメラICの撮影領域(X,Y,Z)によって示してもよい。以下では、仮想カメラICの撮影方向(rH,rV)と画角(α)を用いて説明する。
図7を用いて、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係について説明する。なお、図7は、所定領域情報と所定領域Tの画像の関係との関係を示した図である。図7に示されているように、rHはHorizontal Radian、rVはVertical Radian、αは画角(Angle)を示す。即ち、撮影方向(rH,rV)で示される仮想カメラICの注視点が、仮想カメラICの撮影領域である所定領域Tの中心点CPとなるように、仮想カメラICの姿勢を変更することになる。所定領域画像Qは、全天球画像CEにおける所定領域Tの画像である。fは仮想カメラICから中心点CPまでの距離である。Lは所定領域Tの任意の頂点と中心点CPとの距離である(2Lは対角線)。そして、図7では、一般的に以下の(式1)で示される三角関数が成り立つ。
L/f=tan(α/2)・・・(式1)
図8は、球座標による3次元ユークリッド空間内の点を示した図である。中心点CPを球面極座標系で表現したときの位置座標を(r、θ、φ)とする。(r、θ、φ)は、それぞれ動径、極角、方位角である。動径rは、全天球パノラマ画像を含む三次元の仮想空間の原点から中心点CPまでの距離であるため、fに等しい。図8は、これらの関係を表した図である。以降、仮想カメラICの位置座標(r,θ、φ)を用いて説明する。
<画像通信システムの概略>
続いて、図9を用いて、本実施形態の画像通信システムの構成の概略について説明する。図9は、本実施形態の画像通信システムの構成の概略図である。
図9に示されているように、本実施形態の画像通信システムは、撮影装置1、通信管理システム5、スマートフォン7、及びスマートフォン3によって構成されている。撮影装置1とスマートフォンは、Wi-FiやNFC(Near Field Communication)等の近距離離無線技術により通信することができる。通信管理システム5、スマートフォン7、及びスマートフォン3は、インターネット等の通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100の接続形態は、無線又は有線のいずれでも良い。
これらのうち、撮影装置1は、上述のように、被写体や風景等を撮影して全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像を得るための特殊なデジタルカメラである。
ここでは、撮影装置1及びスマートフォン3は、同じ拠点である拠点Aに置かれている。また、拠点Aでは、利用者aが、撮影装置1及びスマートフォン3を操作して映像通話に参加している。一方、スマートフォン7は、拠点Bに置かれている。また、拠点Bでは、利用者bが、スマートフォン7を操作して、映像通話に参加している。
通信管理システム5は、ビデオ会議端末3、スマートフォン7、及びスマートフォン3の通信を管理及び制御したり、送受信される画像データの種類(一般画像と特殊画像の種別)を管理したりする。よって、通信管理システムは、通信制御システムでもある。ここでは、特殊画像は全天球パノラマ画像である。なお、通信管理システム5は、ビデオ通信のサービスを行なうサービス会社等に設置されている。また、通信管理システム5は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
スマートフォン3,7は、通信端末の一例であり、自装置に設けられた後述のディスプレイ917に映像通話の画像を表示する。また、通信端末には、デジタルテレビ、スマートウオッチ、カーナビゲーション装置等も含まれる。
スマートフォン3,7は、通常は自装置に設けられた後述のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ905等で撮影するが、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の近距離無線技術を利用して、撮影装置で得られた全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像データを取得することができる。図9では、拠点Aのスマートフォン3は、撮影装置1から2つの半球画像データを取得して、通信管理システム5に送信するように用いられている。また、拠点Bのスマートフォン7は、自装置で撮影することで得られた画像データを、通信管理システム5に送信するように用いられている。
スマートフォン3,7には、OpenGL ESがインストールされており、天球パノラマ画像の一部の領域を示す所定領域情報を作成したり、他の通信端末から送られて来た全天球画像パノラマ画像から所定領域画像を作成したりすることができる。スマートフォン7には、後述の切替ボタン700が表示さている。
なお、図9に示す各端末、装置、利用者の配置は一例であり、他の例であってもよい。例えば、拠点Bでも、拠点Aと同様に全天球パノラマ画像の撮影が可能な撮影装置を利用してもよい。
〔実施形態のハードウェア構成〕
次に、図10乃至図12を用いて、本実施形態の撮影装置1、通信管理システム5、スマートフォン7,9のハードウェア構成を詳細に説明する。
<撮影装置のハードウェア構成>
まず、図10を用いて、撮影装置1のハードウェア構成を説明する。図10は、撮影装置1のハードウェア構成図である。以下では、撮影装置1は、2つの撮像素子を使用した全天球(全方位)撮影装置とするが、撮像素子は2つ以上いくつでもよい。また、必ずしも全方位撮影専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等に後付けの全方位撮影ユニットを取り付けることで、実質的に撮影装置1と同じ機能を有するようにしてもよい。
図10に示されているように、撮影装置1は、撮像ユニット101、画像処理ユニット104、撮像制御ユニット105、マイク108、音処理ユニット109、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、SRAM(Static Random Access Memory)113、DRAM(Dynamic Random Access Memory)114、操作部115、ネットワークI/F116、通信部117、及びアンテナ117aによって構成されている。
このうち、撮像ユニット101は、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)102a,102bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子103a,103bを備えている。撮像素子103a,103bは、魚眼レンズ102a,102bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOSセンサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、この画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
撮像ユニット101の撮像素子103a,103bは、各々、画像処理ユニット104とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット101の撮像素子103a,103bは、撮像制御ユニット105とは別に、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット104及び撮像制御ユニット105は、バス110を介してCPU111と接続される。さらに、バス110には、ROM112、SRAM113、DRAM114、操作部115、ネットワークI/F116、通信部117、及び電子コンパス118なども接続される。
画像処理ユニット104は、撮像素子103a,103bから出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成処理して、図3(c)に示されているようなメルカトル画像のデータを作成する。
撮像制御ユニット105は、一般に撮像制御ユニット105をマスタデバイス、撮像素子103a,103bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子103a,103bのレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU111から受け取る。また、撮像制御ユニット105は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子103a,103bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU111に送る。
また、撮像制御ユニット105は、操作部115のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子103a,103bに画像データの出力を指示する。撮影装置1によっては、ディスプレイ(例えば、ビデオ会議端末3aのディスプレイ)によるプレビュー表示機能や動画表示に対応する機能を持つ場合もある。この場合は、撮像素子103a,103bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
また、撮像制御ユニット105は、後述するように、CPU111と協働して撮像素子103a,103bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、撮影装置1には表示部(ディスプレイ)が設けられていないが、表示部を設けてもよい。
マイク108は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット109は、マイク108から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
CPU111は、撮影装置1の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM112は、CPU111のための種々のプログラムを記憶している。SRAM113及びDRAM114はワークメモリであり、CPU111で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM114は、画像処理ユニット104での処理途中の画像データや処理済みのメルカトル画像のデータを記憶する。
操作部115は、種々の操作ボタンや電源スイッチ、シャッターボタン、表示と操作の機能を兼ねたタッチパネルなどの総称である。ユーザは操作ボタンを操作することで、種々の撮影モードや撮影条件などを入力する。
ネットワークI/F116は、SDカード等の外付けのメディアやパーソナルコンピュータなどとのインターフェース回路(USBI/F等)の総称である。また、ネットワークI/F116としては、無線、有線を問わない。DRAM114に記憶されたメルカトル画像のデータは、このネットワークI/F116を介して外付けのメディアに記録されたり、必要に応じてネットワークI/F116を介してビデオ会議端末3a等の外部装置に送信されたりする。
通信部117は、撮影装置1に設けられたアンテナ117aを介して、NFC、Bluetooth、Wi-Fi等の近距離無線技術によって、スマートフォン3等の外部装置と通信を行う。この通信部117によっても、メルカトル画像のデータをスマートフォン3等の外部装置に送信することができる。
電子コンパス118は、地球の磁気から撮影装置1の方位及び傾き(Roll回転角)を算出し、方位・傾き情報を出力する。この方位・傾き情報はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。
<通信管理システムのハードウェア構成>
次に、図11を用いて、通信管理システム5のハードウェア構成を説明する。図11は、通信管理システムのハードウェア構成図である。なお、通信管理システム5及びスマートフォン7は、ともにコンピュータで同じ構成を有しているため、以下では、通信管理システム5の構成について説明し、スマートフォン7の構成の説明は省略する。
通信管理システム5は、通信管理システム5全体の動作を制御するCPU501、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM502、CPU501のワークエリアとして使用されるRAM503、通信管理システム5用のプログラム等の各種データを記憶するHD504、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)505、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ507、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ508、通信ネットワーク100を利用してデータ通信するためのネットワークI/F509、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード511、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス512、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW(Digital Versatile Disc -ReWritable)513に対する各種データの読み出しを制御するDVD-RWドライブ514、及び、上記各構成要素を図11に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン510を備えている。なお、DVD-RWに限らず、他のDVD規格、各種Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)、各種CD(Compact Disc)であってもよい。
<スマートフォンのハードウェア構成>
次に、図12を用いて、スマートフォンのハードウェアについて説明する。図12は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図12に示されているように、スマートフォン3は、CPU901、ROM902、RAM903、EEPROM904、CMOSセンサ905、加速度・方位センサ906、メディアI/F908、GPS受信部909を備えている。
これらのうち、CPU901は、スマートフォン3全体の動作を制御する。ROM902は、IPL等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。EEPROM904は、CPU901の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOSセンサ905は、CPU901の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ906は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F908は、フラッシュメモリ等の記録メディア907に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部909は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン3は、遠距離通信回路911、カメラ912、撮像素子I/F913、マイク914、スピーカ915、音入出力I/F916、ディスプレイ917、外部機器接続I/F918、近距離通信回路919、近距離通信回路919のアンテナ919a、及びタッチパネル921を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路911は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ912は、CPU901の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F913は、カメラ912の駆動を制御する回路である。マイク914は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F916は、CPU901の制御に従ってマイク914及びスピーカ915との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ917は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F918は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路919は、NFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル921は、利用者がディスプレイ917を押下することで、スマートフォン3を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン3は、バスライン910を備えている。バスライン910は、CPU901等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、上記各プログラムが記憶されたDVD-RW等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたHDは、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
なお、スマートフォン7のハードウェア構成は、スマートフォン3のハードウェア構成と同じ構成であるため、図12を代用して、説明を省略する。
〔実施形態の機能構成〕
次に、図13乃至図18を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図13は、画像通信システムの一部の機能ブロック図である。
<撮影装置の機能構成>
図13に示されているように、撮影装置1は、受付部12、撮像部13、集音部14、通信部18、及び記憶・読出部19を有している。これら各部は、図10に示されている各構成要素のいずれかが、SRAM113からDRAM114上に展開された撮影装置用のプログラムに従ったCPU111からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、撮影装置1は、図10に示されているROM112、SRAM113、及びDRAM114によって構築される記憶部1000を有している。記憶部1000には、自装置のGUID(Globally Unique Identifier)が記憶されている。
(撮影装置の各機能構成)
次に、図13を用いて、撮影装置1の各機能構成について更に詳細に説明する。
撮影装置1の受付部12は、主に、図10に示されている操作部115及びCPU111の処理によって実現され、利用者からの操作入力を受け付ける。
撮像部13は、主に、図10に示されている撮像ユニット101、画像処理ユニット104、及び撮像制御ユニット105、並びにCPU111の処理によって実現され、風景等を撮像し、画像データ(第1の画像のデータの一例)を生成する。
集音部14は、図10に示されている108及び音処理ユニット109、並びにCPU111の処理によって実現され、撮影装置1の周囲の音を集音する。
通信部18は、主に、CPU111の処理によって実現され、スマートフォン3の通信部98と、NFC、Bluetooth、Wi-Fi等による近距離無線技術によって通信することができる。
記憶・読出部19は、主に、図10に示されているCPU111の処理によって実現され、記憶部1000に各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部1000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
<スマートフォン3の機能構成>
次に、図13及び図14を用いて、スマートフォン3の機能構成について詳細に説明する。図13に示されているように、スマートフォン3は、撮像部30、送受信部31、受付部32、画像・音処理部33、表示制御部34、判断部35、作成部36、算出部37、通信部38、及び記憶・読出部39を有している。これら各部は、図12に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM904からRAM903上に展開されたスマートフォン3用プログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、スマートフォン3は、図13に示されているROM902、RAM903、及びEEPROM904によって構築される記憶部3000を有している。この記憶部3000には、画像種類管理DB3001、及び撮影装置管理DB3002が構築されている。画像種類管理DB3001は画像種類管理テーブルで構成されている。撮影装置管理DB3002は撮影装置管理テーブルで構成されている。
(画像種類管理テーブル)
図14(a)は、画像種類管理テーブルを示す概念図である。この画像種類管理テーブルでは、画像データID、送信元端末の宛先の一例であるIPアドレス、及びソース名が関連付けて記憶されて管理されている。これらのうち、画像データIDは、ビデオ通信を行なう際の画像データを識別するための画像データ識別情報の一例である。同じ送信元端末から送信される画像データには、同じ画像データIDが付加されている。これにより、送信先端末(受信側の通信端末)は、受信した画像データの送信元端末を特定することができる。送信元端末のIPアドレスは、関連付けられている画像データIDで示される画像データを送信する通信端末のIPアドレスを示す。ソース名は、関連付けられている画像データIDで示される画像データを出力する撮影装置を特定するための名称であり、画像種類情報の一例である。このソース名は、所定の名称の命名規則に従って、ビデオ会議端末3等の各通信端末によって作成された名称である。
例えば、IPアドレスがそれぞれ「1.2.1.3」、「1.2.2.3」、「1.3.1.3」の3つの通信端末は、それぞれ、画像データID「RS001」、「RS002」、「RS003」によって示される画像データを送信していることが表されている。更に、各通信端末のソース名によって示される画像の種類は、「Video.Theta」、「Video」、「Video.Theta」であり、これらは順に画像種類が「特殊画像」、「一般画像」、「特殊画像」である旨を示している。なお、特殊画像は、ここでは、全天球パノラマ画像である。
なお、画像データ以外のデータについても、画像データIDと関連付けて管理してもよい。画像データ以外のデータは、例えば、音データ、画面共有時の資料データである。また、画像データ以外のデータについても、画像データIDと関連付けて管理してもよい。画像データ以外のデータは、例えば、音データ、画面共有時の資料データである。
(撮影装置管理テーブル)
図14(b)は、撮影装置管理テーブルを示す概念図である。この撮影装置管理テーブルでは、全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像を得ることができる撮影装置のGUIDのうちのベンダIDとプロダクトIDが記憶されて管理されている。GUIDとしては、例えば、USBデバイスで利用されるベンダID(VID)とプロダクトID(PID)が利用できる。このベンダIDとプロダクトIDは、ビデオ会議端末等の通信端末の工場出荷時から記憶されているが、工場出荷後に追加で記憶してもよい。
(スマートフォン3の各機能構成)
図13を用いて、スマートフォン3の各機能構成について更に詳細に説明する。
スマートフォン3の撮像部30は、主に、CPU901の処理、及びCOMSセンサ912(又は905)によって実現され、被写体の撮像を行って画像データ(第2の画像のデータの一例)を生成する。
送受信部31は、主に、図12に示されている遠距離通信回路911及びCPU901の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、通信管理システム5と各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部32は、主にタッチパネル921及びCPU901の処理によって実現され、利用者から各種の選択又は入力を受け付ける。
画像・音処理部33は、主にCPU901からの命令によって実現され、CMOSセンサ912が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、画像・音処理部33は、マイク914によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。
更に、画像・音処理部33は、表示制御部34がディスプレイ917に画像を表示させるため、ソース名等の画像種類情報に基づき、他の通信端末から受信された画像データに対して画像処理を行なう。具体的には、画像種類情報が特殊画像である旨を示す場合には、画像・音処理部33は、画像データ(例えば、図3(a),(b)に示されているような各半球画像のデータ)に基づいて、図4(b)に示されているような全天球パノラマ画像データに変換することで全天球パノラマ画像データを作成し、更に、図6(b)に示されているような所定領域画像を作成する。また、画像・音処理部33は、他の通信端末から通信管理システム5を介して受信された音データに係る音声信号をスピーカ915に出力し、スピーカ915から音声を出力させる。
表示制御部34は、主にCPU901の処理によって実現され、ディスプレイ917に各種画像や文字等を表示させるための制御を行う。
判断部35は、主にCPU901の処理によって実現され、例えば、撮影装置1から受信された画像データに係る画像種類を判断する。
作成部36は、主にCPU901の処理によって実現され、判断部35によって、一般画像又は特殊画像(ここでは、全天球パノラマ画像)と判断された結果に基づき、上述の命名規則に従って、画像種類情報の一例であるソース名を作成する。例えば、判断部35が、一般画像であると判断した場合には、作成部36は、一般画像である旨を示すソース名「Video」を作成する。一方、判断部35が、特殊画像であると判断した場合には、作成部36は、特殊画像である旨を示すソース名「Video_Theta」を作成する。
算出部37は、主にCPU901の処理によって実現され、所定領域T2を示す所定領域情報(i2)、及び送受信部31aによって他の通信端末から受信された所定領域情報(i1)に基づき、撮影画像において所定領域T2に対する所定領域T1の位置(位置情報)を算出する。なお、所定領域情報(i1)は、撮影画像における所定領域T1を示している。また、撮影画像の全体が表示された場合の画像は、「全体画像」ともいう。また、算出部37は、OpenGLの平面画像への変換に用いる画像変換パラメータを用いて、他の通信端末と自端末の所定領域画像の表示位置関係を計算するための処理を行う。
通信部38は、主に、CPU901の処理によって実現され、撮影装置1の通信部18と、NFC、Bluetooth、Wi-Fi等による近距離無線技術によって通信することができる。なお、通信部38と送受信部31とは通信ユニットを別個に有する構成で説明したが、共用構成であってもよい。
記憶・読出部39は、CPU901の処理によって実現され、記憶部3000に各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
<通信管理システムの機能構成>
次に、図13及び図15を用いて、通信管理システム5の各機能構成について詳細に説明する。通信管理システム5は、送受信部51、判断部55、生成部56、及び記憶・読出部59を有している。これら各部は、図12に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された通信管理システム5用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、通信管理システム5は、図12に示されているRAM503、及びHD504によって構築される記憶部5000を有している。この記憶部5000には、セッション管理DB5001、画像種類管理DB5002、及び所定領域管理DB5003が構築されている。このうち、セッション管理DB5001は、図19に示されているセッション管理テーブルによって構成されている。画像種類管理DB5002は、図20に示される画像種類管理テーブルによって構成されている。所定領域管理DB5003は、図21に示される所定領域管理テーブルによって構成されている。
(セッション管理テーブル)
図15(a)は、セッション管理テーブルを示す概念図である。このセッション管理テーブルでは、セッションID、及び参加した通信端末のIPアドレスが関連付けて記憶されて管理されている。このうち、セッションIDは、映像通話を実現する通信セッションを識別するためのセッション識別情報の一例であり、仮想の会議室ごとに生成される。セッションIDは、スマートフォン3等の通信端末でも管理されており、各通信端末において通信セッションの選択の際に利用される。参加した通信端末のIPアドレスは、関連付けられているセッションIDで示される仮想の会議室に参加した通信端末のIPアドレスを示している。
(画像種類管理テーブル)
図15(b)は、画像種類管理テーブルを示す概念図である。図15(b)に示されている画像種類管理テーブルは、図14(a)に示されている画像種類管理テーブルで管理されている各情報に加え、セッション管理テーブルで管理されているセッションIDと同じセッションIDが関連付けて管理されている。ここでは、同じセッションID「se101」で示される仮想の会議室には、IPアドレスがそれぞれ「1.2.1.3」、「1.2.2.3」、「1.3.1.3」の3つの通信端末が参加していることが示されている。なお、通信管理システム5において、スマートフォン3等の通信端末で管理される、画像データID、送信元端末のIPアドレス、及び画像種類情報を同じものを管理するのは、新たな通信端末が仮想の会議室に入る場合等に、既に映像通話中の通信端末と新たに参加した通信端末に、画像種類情報等を送信するためである。これにより、既に映像通話中の通信端末と新たに参加した通信端末との間で、画像種類情報等の送受信を行なう必要がない。
(通信管理システムの各機能構成)
次に、図11及び図13を用いて、通信管理システム5の各機能構成について詳細に説明する。
通信管理システム5の送受信部51は、主に、図11に示されているネットワークI/F509及びCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介してマートフォン7,9と各種データ(または情報)の送受信を行う。
判断部55は、主にCPU501の処理によって実現され、各種判断を行なう。
生成部56は、主にCPU501の処理によって実現され、画像データIDを生成する。
記憶・読出部59は、主に、図12に示されているHDD505、及びCPU501の処理によって実現され、記憶部5000に各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
<スマートフォン7の機能構成>
次に、図13及び図14を用いて、スマートフォン7の機能構成について詳細に説明する。図13に示されているように、スマートフォン7は、送受信部71、撮像部70、受付部72、画像・音処理部73、表示制御部74、判断部75、作成部76、切替部77、通信部78、及び記憶・読出部79を有している。これら各部は、図12に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM904からRAM903上に展開されたスマートフォン3用プログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
また、スマートフォン7は、図13に示されているROM902、RAM903、及びEEPROM904によって構築される記憶部7000を有している。この記憶部7000には、画像種類管理DB7001、撮影装置管理DB7002、及び視点切り替え移動速度管理DB7003が構築されている。画像種類管理DB7001は画像種類管理テーブルで構成されている。撮影装置管理DB7002は撮影装置管理テーブルで構成されている。視点切り替え移動速度管理DB7003は視点切り替え移動速度管理テーブルで構成されている。なお、画像種類管理DB7001、及び撮影装置管理DB7002は、それぞれ、画像種類管理DB3001、及び撮影装置管理DB3002と同様のデータ構造を有するため、その説明を省略する。
(視点切り替え移動速度管理テーブル)
図14(c)は、視点切り替え移動速度管理テーブルを示す概念図である。この視点切り替え移動速度管理テーブルでは、管理する値は視点切り替え移動速度で数値をスマートフォン7のディスプレイ917より入力して設定する。ここでは、何ステップで視点を移動するかを決定する値とする。そのため、値が大きい方が視点位置切り替えの速度は遅くなり、小さいほど早くなる。
(スマートフォン7の各機能構成)
スマートフォン7における、撮像部70、送受信部71、受付部72、画像・音処理部73、表示制御部74、判断部75、作成部76、通信部78、及び記憶・読出部79は、それぞれ、スマートフォン3における、撮像部30、送受信部31、受付部32、画像・音処理部33、表示制御部34、判断部35、作成部36、通信部38、及び記憶・読出部39と同様の機能であるため、これらの説明を省略する。
スマートフォン7における切替部77は、主に、CPU901の処理によって実現され、画面の切り替えを行う。この切り替えの処理に関しては、後ほど詳細に説明する。
〔実施形態の処理又は動作〕
続いて、図16乃至図23を用いて、本実施形態の処理又は動作について説明する。
<参加の処理>
まず、図16及び図17を用いて、特定の通信セッションへの参加処理について説明する。図16は、特定の通信セッションへの参加処理を示したシーケンス図である。図17は、通信セッション(仮想の会議室)の選択画面を示した図である。
まず、拠点Aの利用者(例えば、利用者a)が、スマートフォン3において、通信セッション(仮想の会議室)の選択画面の表示を行なう操作をすると、受付部32が選択画面を表示する操作を受け付け、表示制御部34がディスプレイ917に、図17に示されているような選択画面を表示する(ステップS21)。この選択画面には、選択対象である各仮想の会議室R1,R2,R3等を示す選択ボタンb1,b2,b3等が表示されている。また、各選択ボタンb1等には、各セッションIDが関連付けられている。
ここで、利用者aが仮想の会議室の所望の選択ボタン(ここでは選択ボタンb1)を選択すると、受付部32は、通信セッションの選択を受け付ける(ステップS22)。そして、送受信部31は、通信管理システム5に対して、仮想の会議室への参加要求を送信する(ステップS23)。この参加要求には、ステップS22で選択を受け付けられた通信セッションを示すセッションID、及び要求元端末であるスマートフォン3のIPアドレスが含まれている。これにより、通信管理システム5の送受信部51は、参加要求を受信する。
次に、記憶・読出部99は、セッション管理DB5001において、ステップS23で受信されたセッションIDと同じセッションIDのレコードにおける参加端末IPアドレスのフィールドに、ステップS23で受信されたIPアドレスを追加することで、通信セッションへの参加処理を行なう(ステップS24)。そして、送受信部51は、スマートフォン3に対して、参加要求応答を送信する(ステップS25)。この参加要求応答には、ステップS23によって受信されたセッションID、及び参加処理結果が含まれている。これにより、スマートフォン3の送受信部31は、参加要求応答を受信する。以降、参加処理が成功した場合について説明する。
<画像種類情報の管理処理>
続いて、図18を用いて、画像種類情報の管理処理を説明する。図18は、画像種類情報の管理処理を示すシーケンス図である。
まず、拠点Aの利用者(例えば、利用者a)が、撮影装置1とスマートフォン3を操作して、撮影装置1とスマートフォン3との間で近距離無線通信を確立させると、撮影装置1の記憶・読出部19が記憶部1000に記憶されている自装置(撮影装置1)のGUIDを読み出し、通信部18がスマートフォン3の通信部38に対して自装置のGUIDを送信する(ステップS51)。これにより、スマートフォン3は、撮影装置1のGUIDを受信する。
次に、スマートフォン3の判断部35は、撮影装置管理DB3002において、ステップS51によって受信されたGUID中のベンダID及びプロダクトIDと、同じベンダID及びプロダクトIDが管理されているか否かを判断することで、画像種類を判断する(ステップS52)。具体的には、撮影装置管理DB3002において、同じベンダID及びプロダクトIDが管理されている場合には、判断部35は、撮影装置1が特殊画像(ここでは、全天球パノラマ画像)を撮影する撮影装置であると判断する。これに対して、撮影装置管理DB3002において、同じベンダID及びプロダクトIDが管理されていない場合には、判断部35は、撮影装置1が一般画像を撮影する撮影装置であると判断する。
次に、記憶・読出部39は、画像種類管理DB3001に対して、送信先端末である自端末(スマートフォン3)のIPアドレスと、ステップS52で判断された判断結果である画像種類情報とを関連付けて記憶する(ステップS53)。この状態では、画像データIDは関連付けられていない。画像種類情報は、例えば、所定の命名規則に従って定められたソース名や、画像種類(一般画像、特殊画像)である。
次に、送受信部31は、通信管理システム5に対して、画像種類情報の追加要求を送信する(ステップS54)。この画像種類情報の追加要求には、ステップS53で記憶した送信元端末である自端末のIPアドレス、及び画像種類情報が含まれている。これにより、通信管理システム5の送受信部51は、画像種類情報の追加要求を受信する。
次に、通信管理システム5の記憶・読出部59は、ステップS54によって受信された送信元端末のIPアドレスを検索キーとして、セッション管理DB5001(図16参照)を検索することにより、対応するセッションIDを読み出す(ステップS55)。
次に、生成部56は、固有の画像データIDを生成する(ステップS56)。そして、記憶・読出部59は、画像種類管理DB5002(図17参照)に、新たなレコードとして、ステップS55で読み出されたセッションID、ステップS56で生成された画像データID、並びに、ステップS54で受信された送信元端末のIPアドレス及び画像種類情報を関連付けて記憶する(ステップS57)。そして、送受信部51は、スマートフォン3に対して、ステップS56で生成された画像データIDを送信する。これにより、スマートフォン3の送受信部31は、画像データIDを受信する。
次に、スマートフォン3の記憶・読出部39は、画像種類管理DB3001に、上記ステップS53で記憶しておいた送信先端末である送信端末(スマートフォン3)のIPアドレス及び画像種類情報に関連づけて、ステップS58で受信された画像データIDを記憶する(ステップS59)。
一方、通信管理システム5の送受信部51は、受信通信端末であるスマートフォン7に対して、画像種類情報の追加通知を送信する(ステップS60)。この画像種類情報の追加通知には、ステップS56で生成された画像データID、並びに、ステップS53で記憶された送信先端末である送信端末(スマートフォン3)のIPアドレス及び画像種類情報が含まれている。これにより、スマートフォン7の送受信部71は、画像種類情報の追加通知を受信する。なお、送受信部31の送信先は、セッション管理DB5001で、スマートフォン3のIPアドレスと同じセッションIDに関連付けられている他のIPアドレスである。即ち、送信先は、スマートフォン3と同じ仮想の会議室に入っている他の通信端末である。
次に、スマートフォン7の記憶・読出部79は、画像種類管理DB9001(図14参照)に、新たなレコードとして、ステップS60で受信された、画像データID、送信元端末のIPアドレス、及び画像種類情報を関連付けて記憶する(ステップS61)。同じように、受信通信端末であるスマートフォン7にも画像種類情報の追加通信が送信され、スマートフォン7でも、画像種類管理DB7001(図14参照)に記憶される。以上より、各通信端末では、各画像種類管理DB3001,7001で同じ情報を共有することができる。
図19乃至図20を用いて、映像通話における画像データの通信処理について説明する。図19は、映像通話における画像データの通信処理を示すシーケンス図である。
まず、撮影装置1の通信部18からスマートフォン3の通信部38に対して、被写体や風景等を撮影して得た図20の第1の画像データを送信する(ステップS101)。この場合、撮影装置1は全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像を得ることができる装置であるため、図3(a)、(b)に示されているように、画像データは、2つの半球画像のデータによって構成されている。これにより、スマートフォン3の通信部38は、画像データを受信する。
次に、スマートフォン3の送受信部31は、通信管理システム5に対して、撮影装置1から送られてきた画像データを送信する(ステップS102)。この送信には、送信対象である画像データを識別するための画像データIDが含まれている。これにより、通信管理システム5の送受信部51は、画像データ及び画像データIDを受信する。
次に、通信管理システム5の送受信部51は、スマートフォン7に対して、スマートフォン3から送られてきた画像データを送信する(ステップS103)。この送信には、送信対象である画像データを識別するための画像データIDが含まれている。これにより、スマートフォン7の送受信部71は、画像データ及び画像データIDを受信する。
次に、スマートフォン7では、記憶・読出部79が、ステップS103によって受信された画像データIDを検索キーとして、画像種類管理DB7001を検索することにより、対応する画像種類情報(ソース名)を読み出す(ステップS104)。
同様に、スマートフォン3のCMOS912は、被写体や風景等を撮影して得た図20の第2の画像データを撮影する(ステップS121)。スマートフォン3の送受信部31は、通信管理システム5に対して、CMOS912から取得された第2の画像データを送信する(ステップS122)。この送信には、送信対象である第2の画像データを識別するための画像データIDが含まれている。これにより、通信管理システム5の送受信部51は、第2の画像データ及び画像データIDを受信する。
次に、通信管理システム5の送受信部51は、スマートフォン7に対して、スマートフォン3から送られてきた第2の画像データを送信する(ステップS123)。この送信には、送信対象である第2の画像データを識別するための画像データIDが含まれている。これにより、スマートフォン7の送受信部71は、第2の画像データ及び画像データIDを受信する。
次に、スマートフォン7では、記憶・読出部79が、ステップS103によって受信された画像データIDを検索キーとして、画像種類管理DB7001を検索することにより、対応する画像種類情報(ソース名)を読み出す(ステップS124)。そして、画像切り替え指示処理(S110参照)で、利用者からの画像切り替えの指示を処理し、第1の画像(全天球パノラマ画像)と第2の画像(スマートフォン3のCMOS912)のどちらかの画像を表示制御部74は、スマートフォン7のディスプレイ917に表示する。画像切り替え指示処理(S110参照)で切り替え指示を利用者から受けた場合、不自然さのない画像切り替え処理(S111参照)で、スマートフォン7の切替部77で画像切り替え処理を行い、表示制御部74は、スマートフォン7のディスプレイ917に、不自然さのない切り替え映像を表示し、指示された画像を表示する。
(表示位置関係の判定方法)
図21乃至図23を用いて、ステップS110で、切替部77が、他拠点と自拠点の所定領域画像の表示位置関係を判定する方法について説明する。
図21を用いて、判定に用いる角度の定義について説明する。初めに、自拠点の画像変換パラメータから方位角φを取得し、これを回転角φ1とする。次に他拠点の画像変換パラメータからφを取得し、これを回転角φ2とする。さらに、回転角φ2と回転角φ1の差を回転角φ3とする。図21(a)はこれらの関係を表した図である。また、自拠点の回転角φを中心とした角度範囲と、自拠点水平角度に180度を加えた角度を中心とした角度範囲をそれぞれα1、α2とする。図21(b)はこれらの関係を表した図である。
φ3が角度範囲α1に含まれる場合は、位置関係を「前方向」とする。
φ3が角度範囲α2に含まれる場合は、位置関係を「後方向」とする。
φ3が基準水平角度と固定角度αの半分の値を引いた値が0度より大きく180度未満の場合は、位置関係を「右方向」と判定する。
φ3が基準水平角度から固定角度αを引いた値が0度より大きく180度未満の場合は、位置関係を「右方向」と判定する。
φ3が基準水平角度から固定角度αを引いた値が180度より大きく360度未満の場合は、位置関係を「左方向」と判定する。
(第1の画像から第2の画像に不自然さのない画像切り替えを行う方法)
ここで、図9を用いて、映像通話の状態を説明する。図9に示されているように、撮影装置1を利用する場合には、全天球パノラマ画像の元になる2つの半球画像を得ることができるため、利用者aはスマートフォン3で全天球パノラマ画像の視点位置を自由に決めて表示することができる。一方、利用者aがスマートフォン3のCMOS912の画像を選択した場合、利用者aが利用者bに見せたい特定の視点位置をスマートフォン9に表示する。
通常は、撮影装置1の全天球パノラ画像データを、スマーとフォン7で受信して、利用者bが自由な視点位置でスマートフォン7上で全天球パノラマ画像を閲覧することで、利用者aと利用者bはコミュニケーションを行う。利用者aが特定の位置を高精細な画像で見せたい、もしくは注視してほしい位置を示したい場合に、利用者aはスマートフォン3の撮影画像を特定の位置に向ける。利用者aは利用者bに特定の位置を撮影していることを音声で伝え、利用者bはスマートフォン7で画面の切替ボタン700をタップする。画面の切替ボタン70の押下は、図19の画像切り替え指示処理(S110)で処理され、不自然さのない画像切り替え処理(S111参照)へ切り替え指示を渡す。利用者bが画面の切替ボタン70を押すとスマートフォン7のディスプレイ917で図23のような切り替え表示が行われる。図23は、全天球パノラマ画像における各所定領域画像を示す図である。図23では、撮影装置1からの全天球パノラマ画像(第1の画像の一例)を透視投影した受信者の視野領域701が表示されている。利用者bによって画面の切替ボタン70が押下されると、第2の画像の対応領域705に第1の画像上での視野を移動する。この時、いきなり切り替えずに、最初の所定領域701(第1の所定領域画像の一例)から第2画像の対応する所定領域705(第2の所定領域画像の一例)の座標位置の差を視点切り替え移動速度管理DB7003から視点位置切り替え速度に応じて移動速度で移動中の中間の所定領域702~704(中間の所定領域画像の一例)がスマートフォン7のディスプレイ917に順次変化しながら表示される。第2の画像に対応する所定領域705に移動後、スマートフォン3のCMOS912の第2の画像にスマートフォン7のディスプレイ917の表示を切り替える。
図24は、スマートフォン7で表示された画面の推移を示す図である。利用者bは、図24に示されている推移の画像を閲覧することになる。図23による全天球パノラマ画像における各所定領域は、スマートフォン7では、図24に示されているように、各所定了領域701~705が表示され、最後にスマートフォン3で撮影されて生成された第2の画像に切り替え表示される。なお、所定領域701~704の表示後に、所定領域705を表示させず、第2の画像を表示するようにしてもよい。
図19の画像切り替え指示処理(S110)で、利用者から全天球カメラの撮影装置1の画像からスマートフォン3 のカメラ9の画像に切り替え指示を受けたときの不自然さのない画像切り替え処理 ステップS111の処理について説明する。
初めに、画像・音処理部73が、ステップS103によって受信された画像データから全天球パノラマ画像を作成し切替部77に渡す。次に、画像・音処理部73が、ステップS123によって受信されたスマートフォンのカメラの画像を切替部77に渡す。
次に、前述のS111の処理を図22 不自然さのない画像切り替えのフローチャート で説明する。図19の画像切り替え指示処理(S110)の指示をトリガーに図22の第1画像から第2画像への切り替え処理指示(S210)が開始する。図19のステップS104,S104,S124で取得された画像から、図22の第1画像の特徴量の抽出処理(S230)と第2画像の特徴量の抽出(S240)の処理を行う。各画像の局所特徴に基づき特徴点を抽出する。局所特徴とは、エッジやプロブなど画像内に見あれるパターンや構造で、局所特徴を数値化したものである。本実施形態では、第1画像の特徴量の抽出(S230)と第2画像の特徴量の抽出(S240)は、異なる画像で各特徴点を抽出する。2つの画像は歪みが著しく大きくない限り、本実施形態のように異なる射影方式であってもよい。
第2画像の対応領域の座標算出(S250)は、最初に第1画像における複数の特徴点fp1に基づいた描く特徴量fv1を求めるとともに、第2画像における複数の特徴点fp2に基づいた各特徴量fv2を求める。特徴量の記述方法はいくつかの方式が提案されているが、本実施形態においてはスケールや回転に対して不変又は頑強であることが望ましい。続いて算出した第1画像の特徴点fp1の特徴量fv1と、第2画像の特徴点fp2の特徴量fv2の類似度に基づき画像間の対応点を算出し、算出した画像間の対応点の関係から、第2画像におけるホモグラフィを算出し、このホモグラフィで変換を行う。その結果、図23の第2画像の対応領域(S750)0を算出する。対応領域の4頂点の座標をT2とする。第2画像の対応領域の4頂点から中心点CP2を算出する。
第一画像の受信者視野の座標取得(S260)では、図6の所定領域Tを取得し、4頂点の座標をT1とする。所定領域Tの4頂点から中心点CP1を算出する。
CP1,CP2の算出式は、4頂点の座標をp1=(x1、y1)、p2=(x2、y2)、p3=(x3、y3)、p4=(x4、y4)とすると、中心点CP(x、y)は下記の式で定めることができる。
S1=((x4 - x2) * (y1 - y2) - (y4 - y2) * (x1 - x2)) / 2 ・・・(式2)
S2 = ((x4 - x2) * (y2 - y3) - (y4 - y2) * (x2 - x3)) / 2 ・・・(式3)
x = x1 + ( x3 - x1) * S1 / (S1 + S2) ・・・(式4)
y = y1 + (y3 - y1) * S1 / (S1 + S2) ・・・(式5)
また、受信者視野の座標領域と第2画像が長方形に限定される場合は、対角線画角2Lの中点を中心点CP1として下記の式で省略してもよい。
x = (x1 + x3) / 2 ・・・(式6)
y = (y1 + y3) / 2 ・・・(式7)
第1画像の座標と第2画像の対応領域の座標の差の算出(S270)では、CP1とCP2の差を算出する。
座標の差と視点切り替え移動速度から視点移動の座標値を算出S280では、視点切り替え移動速度管理DB7004から視点切り替え移動速度を取得し、CP1とCP2の差を割り、移動速度(x’, y’)を算出すし、移動量g1とする。
第1画像の座標から第2画像の座標へ視点移動の座標値から視野をスムーズに移動S290では、第1画像の受信者視野の座標T1に移動量g1を加え、移動中の視野S740を移動させる。これを移動速度の回数繰り返し、第2画像の対応領域S750まで移動中の視野S740を少しずつ移動していく。
移動が終わると、第1画像から第2画像への切り替えS300で、第1画像から第2画像へ図19の画像種類情報の読出(S124)の情報から表示制御部74で切り替えを行い、スマートフォン7のディスプレイ917に第2画像を表示する。利用者bはスマートフォン7でスマートフォン3からの送られて来る画像を見ながら、利用者aとコミュニケーションを行う。
〔本実施形態の主な効果〕
以上により、他拠点で全天球パノラマ画像の全体画像のうちのどこの部分の所定領域画像が表示されているかをより精度良く表示させることができるという効果を奏する。
〔補足〕
上記実施形態では、パノラマ画像の一例として、撮影画像(全体画像)が3次元の全天球パノラマ画像について説明したが、2次元のパノラマ画像であってもよい。
また、上記実施形態では、通信管理システム5が、各通信端末から送信された所定領域情報を中継しているが、これに限らず、各通信端末同士が直接、所定領域情報を送受信してもよい。
また、上記実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。