JP7202633B2 - 高分子成形品 - Google Patents

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本発明は、高分子成形品に関する。
食品の製造や加工などを行なう食品工場において、異物が食品に混入することは、衛生上の問題から、回避すべき重要な課題である。したがって、食品工場においては、まず、食品に異物が混入するのを回避することが求められるが、たとえ食品に異物が混入したとしても、食品の出荷前に異物を検出することができれば、異物が混入した食品の流通を回避することができる。
食品工場においては、たとえば、ヘラ、チリトリ、スクレーパなど、高分子材料により成形された高分子成形品がさまざま使用される。これらの高分子成形品は、使用時に欠けたりして、破片が食品に混入してしまう可能性がある。そのような観点から、破片が食品に混入したとしても容易に検出することができるように、たとえば特許文献1には、強磁性ステンレス粉を含む高分子材料により成形された高分子成形品(ハケなど)が開示されている。特許文献1の高分子成形品は、その一部または全部が食品に混入したとしても、金属探知機が強磁性ステンレス粉に反応することで、金属探知機により検知することができる。
特開2014-237786号公報
金属探知機による異物の検知は、低コストで実現可能であるという理由により、これまで広く採用されてきた。しかし、近年では、食品への異物混入をより確実に検知するために、より精度の高いX線検査装置を採用する事例が多くなってきている。
ところが、特許文献1に開示されるような高分子成形品に含まれる強磁性ステンレス粉は、X線に対する感度が低いために、X線検査装置で検知するためには、高分子成形品に大量に含ませる必要がある。強磁性ステンレス粉を大量に含ませることにより、素材が脆くなって製造が困難になるだけでなく、使用中も破壊されやすくなってしまう。さらに、強磁性ステンレス粉は、たとえ少ない量であっても、その磁性により凝集しやすいために、高分子材料中で均一に分散させることが難しい。そのため、強磁性ステンレス粉が凝集して2次粒子を形成した部分において、製造中、使用中を問わず、高分子成形品が破壊してしまう可能性がある。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、X線検査装置で容易に検知することが可能な高分子成形品を提供することを目的とする。
本発明の高分子成形品は、高分子材料を成形してなる高分子成形品であって、高分子材料と、高分子材料に分散して混入されるタングステン含有粉とを含み、前記高分子成形品が、ヘラ、チリトリ、ハサミのハンドル、紐、結束バンド、筆記具、ハンマー、ベローズ、吸盤、スクレーパ、食品成形用型枠または食品容器であることを特徴とする。
また、前記タングステン含有粉の含有量が、1~40質量%であることが好ましい。
また、前記タングステン含有粉の粒径が、0.4~10μmであることが好ましい。
また、前記タングステン含有粉の粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。
本発明によれば、X線検査装置で容易に検知することが可能な高分子成形品を提供することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るヘラの斜視図であり、(b)は、(a)のA-A線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るチリトリの斜視図であり、(b)は、(a)のB-B線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るハサミのハンドルの側面図であり、(b)は、(a)のC-C線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る紐の斜視図であり、(b)は、(a)のD-D線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る結束バンドの斜視図であり、(b)は、(a)のE-E線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る筆記具の側面図であり、(b)は、(a)のF-F線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るハンマーの斜視図であり、(b)は、(a)のG-G線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るベローズの側面図であり、(b)は、(a)のH-H線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る吸盤の側面図であり、(b)は、(a)のI-I線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係るスクレーパの使用状態を模式的に示す図であり、(b)は、(a)のJ-J線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る食品成形用型枠の斜視図であり、(b)は、(a)のK-K線切断端面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る食品容器の斜視図であり、(b)は、(a)のL-L線切断端面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係る高分子成形品を説明する。ただし、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の高分子成形品は以下の例に限定されることはない。
本実施形態の高分子成形品は、図1~図12に示されるように、高分子材料を成形してなる高分子成形品である。高分子成形品は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。高分子成形品は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、高分子成形品は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、高分子成形品の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
高分子成形品は、たとえば、食品などに混入したような場合にX線検査装置により検知する必要のある、食品の製造や加工などを行なう食品工場などにおいて有利に使用することができる成形品とすることができる。高分子成形品は、たとえば、ヘラ(図1)、チリトリ(図2)、ハサミのハンドル(図3)、紐(図4)、結束バンド(図5)、筆記具(図6)、ハンマー(図7)、ベローズ(図8)、吸盤(図9)、スクレーパ(図10)、食品成形用型枠(図11)または食品容器(図12)である。
高分子成形品に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
高分子成形品に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、高分子成形品に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む高分子成形品の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、高分子成形品の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における高分子成形品の破断を抑制できる。
高分子成形品に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、高分子成形品に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、高分子成形品の破断強度を高く保つという観点から、高分子成形品に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
以下、高分子成形品の例として、ヘラ、チリトリ、ハサミのハンドル、紐、結束バンド、筆記具、ハンマー、ベローズ、吸盤、スクレーパ、食品成形用型枠および食品容器を説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるヘラ11を示している。ヘラ11は、たとえば、対象物に塗布物を塗布したり、対象物に付着した付着物を剥がしたりする用途に用いられる。ヘラ11は、図示されるように、ブレード11aおよび把手11bを備え、ブレード11aおよび把手11bが一体として成形されている。ただし、ヘラ11は、ブレード11aおよび把手11bが互いに別個に成形されて連結されてもよい。ヘラ11は、本実施形態では、ブレード11aおよび把手11bともに、高分子材料を成形してなる高分子成形品であるが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばブレード11aおよび把手11bのいずれか一方だけが高分子成形品であってもよい。
ヘラ11は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。ヘラ11は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、ヘラ11は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、ヘラ11の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
ヘラ11に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ヘラ11に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、ヘラ11に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むヘラ11の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、ヘラ11の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるヘラ11の破断を抑制できる。
ヘラ11に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、ヘラ11に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、ヘラ11の破断強度を高く保つという観点から、ヘラ11に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図2は、本発明の一実施形態であるチリトリ12を示している。チリトリ12は、たとえば、掃き集めた塵を受けて、捨てる所まで運ぶ用途に用いられる。チリトリ12は、図示されるように、チリトリ本体12aおよび持ち手12bを備え、チリトリ本体12aおよび持ち手12bが一体として成形されている。ただし、チリトリ12は、チリトリ本体12aおよび持ち手12bが互いに別個に成形されて連結されてもよい。チリトリ12は、本実施形態では、チリトリ本体12aおよび持ち手12bともに、高分子材料を成形してなる高分子成形品であるが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばチリトリ本体12aおよび持ち手12bのいずれか一方だけが高分子成形品であってもよい。
チリトリ12は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。チリトリ12は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、チリトリ12は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、チリトリ12の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
チリトリ12に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
チリトリ12に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、チリトリ12に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むチリトリ12の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、チリトリ12の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるチリトリ12の破断を抑制できる。
チリトリ12に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、チリトリ12に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、チリトリ12の破断強度を高く保つという観点から、チリトリ12に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図3は、本発明の一実施形態であるハサミ13のハンドル13a、13aを示している。ハサミ13は、たとえば、物を二つの刃13b、13bで挟んで切断する用途に用いられる道具であり、ハンドル13a、13aは、ハサミ13の持ち手部分である。ハンドル13aは、高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ハンドル13aは、本実施形態では、その全体が高分子成形品として構成されているが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばハンドルの一部、たとえば指穴部分のみが高分子成形品であってもよい。
ハサミ13のハンドル13aは、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。ハンドル13aは、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、ハンドル13aは、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、ハンドル13aの破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
ハンドル13aに含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ハンドル13aに含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、ハンドル13aに含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むハンドル13aの破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、ハンドル13aの成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるハンドル13aの破断を抑制できる。
ハンドル13aに含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、ハンドル13aに含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、ハンドル13aの破断強度を高く保つという観点から、ハンドル13aに含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図4は、本発明の一実施形態である紐14を示している。紐14は、細長の長尺部材であり、たとえば、対象物を縛るために用いられる。紐14は、高分子材料を成形してなる高分子成形品である。紐14は、本実施形態では略円筒状に形成されているが、細長の長尺状に形成されていれば、その形状は特に限定されることはなく、略四角筒状、略円柱状など他の形状であってもよい。
紐14は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。紐14は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、紐14は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、紐14の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
紐14に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
紐14に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、紐14に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む紐14の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、紐14の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における紐14の破断を抑制できる。
紐14に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、紐14に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、紐14の破断強度を高く保つという観点から、紐14に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図5は、本発明の一実施形態である結束バンド15を示している。結束バンド15は、たとえば、複数のケーブルなどの対象物を束ねる用途に用いられる。結束バンド15は、バンド部15aおよびバンド固定部15bを備えている。結束バンド15は、バンド部15aをバンド固定部15bの挿通孔内に挿通して係止させることによって、対象物を結束することができる。結束バンド15は、本実施形態では、バンド部15aおよびバンド固定部15bともに、高分子材料を成形してなる高分子成形品であるが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばバンド部15aおよびバンド固定部15bのいずれか一方のみが高分子成形品であってもよい。
結束バンド15は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。結束バンド15は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、結束バンド15は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、結束バンド15の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
結束バンド15に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
結束バンド15に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、結束バンド15に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む結束バンド15の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、結束バンド15の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における結束バンド15の破断を抑制できる。
結束バンド15に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、結束バンド15に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、結束バンド15の破断強度を高く保つという観点から、結束バンド15に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図6は、本発明の一実施形態である筆記具16を示している。筆記具16は、たとえば、文字や絵をかく用途に用いられる。筆記具16は、ケース16aと、グリップ16bと、ノックバー16cと、芯材16dとを備えている。本実施形態では、筆記具16のケース16a、グリップ16b、ノックバー16cおよび芯材16dの一部が、高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ただし、筆記具16は、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばケース16a、グリップ16b、ノックバー16cおよび芯材16dの一部のいずれかが、高分子成形品ではなく、他の材料により形成されてもよい。
筆記具16は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。筆記具16は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、筆記具16は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、筆記具16の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
筆記具16に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
筆記具16に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、筆記具16に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む筆記具16の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、筆記具16の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における筆記具16の破断を抑制できる。
筆記具16に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、筆記具16に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、筆記具16の破断強度を高く保つという観点から、筆記具16に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図7は、本発明の一実施形態であるハンマー17を示している。ハンマー17は、たとえば、板金作業で金属板の形状を修正するような場合など、対象物に衝撃を加える用途に用いられる道具である。ハンマー17は、対象物に衝撃を加える際に対象物に衝突するヘッド部17aと、使用者の持ち手部分である柄部17bとを備えている。ハンマー17は、本実施形態では、ヘッド部17aおよび柄部17bともに、高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ただし、ハンマー17は、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばヘッド部17aおよび柄部17bのいずれか一方のみが高分子成形品であってもよい。
ハンマー17は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。ハンマー17は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、ハンマー17は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、ハンマー17の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
ハンマー17に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ハンマー17に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、ハンマー17に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むハンマー17の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、ハンマー17の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるハンマー17の破断を抑制できる。
ハンマー17に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、ハンマー17に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、ハンマー17の破断強度を高く保つという観点から、ハンマー17に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図8は、本発明の一実施形態であるベローズ18を示している。ベローズ18は、蛇腹状に形成された伸縮部材であり、たとえば、流体の漏洩防止などのシール用部品として用いられる。ベローズ18は、本実施形態では、その全体が高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ただし、ベローズ18は、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえばベローズ18の端部の接続部分のみが他の材料により形成されていてもよい。
ベローズ18は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。ベローズ18は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、ベローズ18は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、ベローズ18の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
ベローズ18に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ベローズ18に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、ベローズ18に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むベローズ18の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、ベローズ18の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるベローズ18の破断を抑制できる。
ベローズ18に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、ベローズ18に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、ベローズ18の破断強度を高く保つという観点から、ベローズ18に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図9は、本発明の一実施形態である吸盤19を示している。吸盤19は、たとえば、内外の圧力の差を利用して対象物に吸着する部品として用いられる。吸盤19は、本実施形態では、その全体が高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ただし、吸盤19は、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえば吸盤19の端部の接続部分のみが他の材料により形成されていてもよい。
吸盤19は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。吸盤19は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、吸盤19は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、吸盤19の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
吸盤19に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
吸盤19に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、吸盤19に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む吸盤19の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、吸盤19の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における吸盤19の破断を抑制できる。
吸盤19に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、吸盤19に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、吸盤19の破断強度を高く保つという観点から、吸盤19に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図10は、本発明の一実施形態であるスクレーパ20を示している。スクレーパ20は、たとえば、回転駆動部Dに接続されて、鍋Pの内面に付着した食材を削り落とすなど、対象物の表面に付着している付着物を削り落とす用途に用いられる。スクレーパ20は、本実施形態では、その全体が高分子材料を成形してなる高分子成形品である。ただし、スクレーパ20は、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよく、たとえば対象物(鍋Pの内面など)に接触する部位(先端部分)のみが高分子成形品により形成されていてもよい。
スクレーパ20は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。スクレーパ20は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、スクレーパ20は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、スクレーパ20の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
スクレーパ20に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
スクレーパ20に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、スクレーパ20に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含むスクレーパ20の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、スクレーパ20の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分におけるスクレーパ20の破断を抑制できる。
スクレーパ20に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、スクレーパ20に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、スクレーパ20の破断強度を高く保つという観点から、スクレーパ20に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図11は、本発明の一実施形態である食品成形用型枠21を示している。食品成形用型枠21は、たとえば、型枠21aに食材(チョコレートなど)を充填して固めることにより、食品を形作る用途に用いられる。食品成形用型枠21は、図示された例では、略円形状の型枠21aを備えているが、型枠の形状や大きさは、特に限定されることはなく、形作る食品の形状や大きさに応じて適宜選択可能である。また、食品成形用型枠21は、全体が、高分子材料を成形してなる高分子成形品であるが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよい。
食品成形用型枠21は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。食品成形用型枠21は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、食品成形用型枠21は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、食品成形用型枠21の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
食品成形用型枠21に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
食品成形用型枠21に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、食品成形用型枠21に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む食品成形用型枠21の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、食品成形用型枠21の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における食品成形用型枠21の破断を抑制できる。
食品成形用型枠21に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、食品成形用型枠21に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、食品成形用型枠21の破断強度を高く保つという観点から、食品成形用型枠21に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
図12は、本発明の一実施形態である食品容器22を示している。食品容器22は、食品を収容する用途に用いられ、たとえば、食品を収容して運搬するばんじゅう(食品運搬容器)などとして用いられる。食品容器22は、図示された例では、略直方体形状に形成された、食品を収容するための収容部22aを備えているが、収容部22aの形状は、特に限定されることはなく、収容する食品に応じて適宜決定可能である。また、食品容器22は、全体が、高分子材料を成形してなる高分子成形品であるが、少なくとも一部が高分子成形品により構成されていればよい。
食品容器22は、高分子材料1と、高分子材料1に分散して混入されるタングステン含有粉2とを含んでいる。食品容器22は、X線に対する感度の高いタングステンを含むタングステン含有粉2を含むことにより、従来の強磁性ステンレス粉を含む高分子成形品と比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、食品容器22は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、部分的に破損して落下したりしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の強磁性ステンレス粉と比べて、タングステン含有粉2の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉2の含有量を少なく抑えることができ、また、タングステン含有粉2の重量が従来の強磁性ステンレス粉と同じでも体積を小さく抑えることができ、食品容器22の破断強度を高いレベルで維持することができるとともに、耐摩耗性など高分子材料が本来有する物性の低下を抑制することができる。
食品容器22に含まれる高分子材料1は、特に限定されることはなく、たとえば、合成樹脂またはゴムを含み、より具体的には、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、硬質または軟質ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性または熱硬化性ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)などや、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、共重合ナイロンなどのポリアミド系樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、オレフィン系エラストマーなどのプラスチックエラストマーなどを含む。高分子材料1は、これらの成分が1種だけ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
食品容器22に含まれるタングステン含有粉2は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などであり、その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉2は、食品容器22に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
タングステン含有粉2の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性や、高分子材料1およびタングステン含有粉2を含む食品容器22の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の粒径分布は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉2の粒径分布を上記範囲とすることにより、高分子材料1中でのタングステン含有粉2の分散性を高めることができ、タングステン含有粉2を含む高分子材料1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉2の[(d90-d10)/d50]が、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
タングステン含有粉2の形状は、特に限定されることはないが、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の凝集を抑えて、高分子材料1内でのタングステン含有粉2の分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉2の形状を略球形とすることで、食品容器22の成形時に、高分子材料1中でタングステン含有粉2同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉2の凝集が抑制され、タングステン含有粉2の凝集部分における食品容器22の破断を抑制できる。
食品容器22に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、食品容器22に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、食品容器22の破断強度を高く保つという観点から、食品容器22に含まれるタングステン含有粉2の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
1 高分子材料
2 タングステン含有粉
11 ヘラ
11a ブレード
11b 把手
12 チリトリ
12a チリトリ本体
12b 持ち手
13 ハサミ
13a ハンドル
13b 刃
14 紐
15 結束バンド
15a バンド部
15b バンド固定部
16 筆記具
16a ケース
16b グリップ
16c ノックバー
16d 芯材
17 ハンマー
17a ヘッド部
17b 柄部
18 ベローズ
19 吸盤
20 スクレーパ
21 食品成形用型枠
21a 型枠
22 食品容器
22a 収容部
D 回転駆動部
P 鍋

Claims (3)

  1. 高分子材料を成形してなる高分子成形品であって、
    高分子材料と、高分子材料に分散して混入されるタングステン含有粉とを含み、
    前記高分子成形品が、ヘラ、チリトリ、ハサミのハンドル、紐、結束バンド、筆記具、ハンマー、ベローズ、吸盤、スクレーパ、食品成形用型枠または食品容器であり、
    前記タングステン含有粉の粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることを特徴とする、高分子成形品。
  2. 前記タングステン含有粉の含有量が、1~40質量%であることを特徴とする請求項1記載の高分子成形品。
  3. 前記タングステン含有粉の粒径が、0.4~10μmであることを特徴とする請求項1または2記載の高分子成形品。
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