JP7201261B2 - 心臓突然死の予防に用いるリドカインn-オキシド - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、心臓突然死に関し、特に、心室細動(VF)による心臓突然死を防止するために用いることができる予防治療計画に関する。
[背景技術]
心拍は、洞結節又は洞房(SA)結節と呼ばれる心臓の右心房の小さな組織領域からの電気信号から生じる。信号は最初に左右の心房を収縮させ、次に房室(又はAV)結節を活性化する。房室結節は通常、心房と心室の間、又は心室間の唯一の電気接続部である。信号は次に、ヒスプルキンエ線維を介して左右の心室へ広がり、同期した心筋収縮を生じさせる。
心臓不整脈(不整脈とも呼ぶ)は、異常な心臓リズムが存在するあらゆる状態を指す総称であり、心拍(脈拍)が速過ぎたり、遅過ぎたり、規則的であったり、不規則であったりし得る。
不整脈は速度(頻脈、徐脈等)、リズム(二段脈、細動)、及び根本的なメカニズム(自動性、リエントリー性)により分類され得る。
心室頻脈(VT)や心室細動(VF)といった心室不整脈は、心臓突然死の主な原因であり、一般的に心臓発作(急性心筋梗塞)を伴う生命に関わる心調律である。
心臓突然死(SCD)は、英国やその他の先進国において、単一最大の死因である。犠牲者の半数は、最初の症状で死亡してしまう。
VFは、心室壁が急速に震動し、ポンプ作用を妨げる状態である。特徴としては、不規則で致命的となりうる非常に速い無効な心室収縮が続くことが挙げられ、これは無秩序な電気信号が多数生じることで引き起こされる。VTは、1分間に100回を超える急速な心室収縮を伴う。心室収縮が速過ぎて心臓に血液を補充する間がない場合、脈拍が検出できなくなる。これは、無脈性VTとして知られている。VFとVTでは無効な心室収縮が起こり、どちらも組織へ供給する充分な血流が得られない。
心臓から血液が送り出されないため、VFでは一種の心停止をきたし、発生から数分以内に(徐細動等により)VFを止めない限り、致命的となる。心停止の症例の70%以上は、VFが基になっている。
心停止の症例の70%以上でVFが発生し、この不整脈の生存率は依然として非常に低い。多くの患者は最初の心筋梗塞を乗り切っても、VFにより死亡してしまう。VFに対し何も処置しなければ、数分で死に至る。患者が洞調律に復帰できたとしても、退院できる確率は低い。
米国心臓協会の推奨によると、電気的徐細動は、常に第一処置として試みるべきであるとされている。しかし、徐細動は訓練を受けた人が実施しなければならず、しかも、1分経過するごとに効果的に復帰できる確率が10%減少するため、徐細動を行う時間は極めて重要である。
リドカイン、アミオダロン、プロカインアミド、ソタロール等の抗不整脈薬が知られており、血行力学的に危殆化している心室性不整脈の緊急治療に用いることができる。心室性不整脈は例えば、心筋虚血や心筋梗塞の後で起こるものや、心臓手術や心臓カテーテルといった心臓の施術処置中に起こるものがある。
例えば、これらの抗不整脈薬は、心停止中に、難治性VF又は無脈性VTの処置に用いることができる。
リドカインの副作用には、低血圧、不整脈、心臓ブロック、心血管虚脱、徐脈(心拍数が1分間に60未満)、錯感覚がある。
心筋梗塞に続く不整脈が致命的リスクであるにも関わらず、日常的に予防のための抗不整脈薬を使用することは推奨されていない。このような薬を用いると死亡率が低下するという研究結果はなく、むしろ有害であるとする研究結果があるためである。
致命的な不整脈が発生する可能性がある場合は、アミオダロン又はリドカイン等の静脈内抗不整脈薬が推奨されている。薬物注入中は、常に心電図(ECG)でのモニタリングが必要である。基本的な心臓リズムが安定したと思われる場合、又は毒性の兆候が少しでも見られる場合は直ちに注入を終了し、過度の心機能低下(例えばPR間隔やQRS複合波の延長、不整脈の所見又は悪化等)の兆候が見られたらすぐに注入を停止する必要がある。PR間隔は、P波の開始(心房脱分極の開始を示す)からQRS複合波の開始(心室脱分極の開始を示す)までの時間である。
例えば、以下を参照することができる。
・AHFS Drug Information 2017. McEvoy GK,ed. Lidocaine Hydrochloride. Bethesda, MD: American Society of Health-System Pharmacists; 2017;
・ Baxter Healthcare Corporation. Lidocaine hydrochloride and 5% Dextrose Injection, USP prescribing information. Deerfield, IL; 1998;
・Ryan TJ, Antman EM, Brooks NH et al. ACC/AHA guidelines for the management of patients with acute myocardial infarction: 1999 update: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines (Committee on Management of Acute Myocardial Infarction); and
・The American Heart Association. Guidelines 2005 for cardiopulmonary resuscitation and emergency cardiovascular care. Circulation. 2005; 112 (Suppl I): IV1-211.
従って、リドカインは緊急時、生命に関わる状況に対応するために用いられる短期治療であることは確立されている。薬剤は必要以上に長く投与されず、電気生理学者(不整脈専門医)が投与を行う。
アミオダロンも同様の状況である。英国では、心筋梗塞後の心室不整脈に抗不整脈薬ではなく、植え込み型徐細動器(ICD)が用いられるようになっている。植え込み型徐細動器は、高リスク群患者の不整脈を徐細動することができる。不整脈及びショックの不快感が負担になる患者には、ショックの頻度を低減するために付加的にアミオダロンが投与されることが多い。ただし、アミオダロンは、不快で、時に非常に重大な副作用(すなわち肺線維症や重度の肝障害)をもたらすため、非常に高リスクな状況にのみ用いられる。
[発明の概要]
本発明は、リドカインN-オキシド(LNO)又はその薬学的に許容される塩を含む、治療の方法に用いられる医薬組成物であって、前記方法は、被験者における心室細動(VF)に伴う心臓突然死が起こることを防止する、又は減少させる予防治療の方法であり、前記方法により、前記組成物が口腔粘膜、肺での肺呼吸、又は静脈内投与(IV)により被験者の血流に提供される、医薬組成物を提供することである。
本発明は、心室細動(VF)の高リスク患者が、VFにより心臓突然死する危険性を低減するための予防治療計画が必要であるとするものである。
VFの高リスク患者は、概して、心筋梗塞のリスクが高い患者、心筋梗塞を発症中の患者、以前に心筋梗塞を経験したことがある患者、の3つのカテゴリーに分類される。
この新しい治療計画を用いることにより、心臓突然死の罹患率による死亡率を減少させることができるだけでなく、現在、心疾患関連の医療サービスが担う時間的・費用的負担を軽減することができる。
現在のところ、上記のどのカテゴリーの患者にも日常的に用いられる抗不整脈薬は、β遮断薬以外にはない。β遮断薬は、心筋梗塞後の慢性期、駆出率が低下している時に処方される。β遮断薬は、特に効果的な抗不整脈薬ではなく、主に左心室のリモデリング効果や心不全予防の目的で使用される。
本発明は、リドカインN-オキシド(LNO)又はその薬学的に許容される塩を含む、治療の方法に用いられる医薬組成物であって、前記方法は、被験者におけるVFに伴う心臓突然死が起こることを防止する、又は減少させる予防治療の方法であり、前記方法により、前記組成物が口腔粘膜、肺での肺呼吸、又は静脈内投与(IV)により被験者の血流に提供される。
LNOは、リドカインの脂肪族三級アミンN-オキシドであり、LNO自体は新しくはなく、長年にわたり当技術分野で知られている。しかし、これまでVFの予防治療のために用いられることはなかった。
例えば、国際公開第2005/044233号は、リドカインN-オキシドを含有した、喘息を伴う肺の炎症を抑制する製剤を開示している。この製剤は、エアロゾルとして送達され得る。
N-オキシドとしての脂肪族三級アミンの形成は、1999年5月、デ・モントフォート大学のPamela Tienにより博士論文において報告されている。N-オキシドの還元的代謝が研究され、ラット組織において酸素の不在下でLNOがリドカインへと還元され、他の代謝物質は検出されないことが明らかになった。
しかし上述の通り、本技術分野において、リドカインは緊急時、生命に関わる状況に対応するための短期治療でしかないことは、広く受け入れられている。すなわち、抗不整脈効果により救命できる可能性により、低血圧、不整脈、心臓ブロック、心血管虚脱、及び/又は徐脈の発生リスクが正当化されるような、生死に関わる状況に限られる。ただし、リドカインは必要以上に長い間投与されない。なぜなら、必要以上に投与されると、効能よりも著しいリスクの方が上回るためである。リドカインの副作用自体が致命的となり得るのである。
本発明に関連して現在行われている研究や調査によると、LNOは安全で効果的な予防治療として、心室細動の発生前に提供可能であることが分かっている。
上述の通り、現在まで抗不整脈薬の予防的投与が実際の死亡率に有効であることを示す研究はなく、むしろ有害性を示す研究報告がある。つまり、最善でも副作用によりあらゆる効能が相殺され、全体的な生存率は向上しない。
本発明は、リドカインの心毒性作用といった、抗不整脈薬に通常伴う有害な作用を発生させることなく、LNOを予防治療として心室細動発生前に提供することができると結論付けた。LNOは実際の生存率に有利に働くため、安全で効果的な予防治療である。
この点に関して、心筋梗塞前の血流にLNOを投与すると、心筋梗塞が実際に起きた後でVFが発生するのを防止するのに顕著な有効性が見られ、このため治療した患者群の生存率向上に有効であり、VFが実際に起きた場合の生存率向上に有効である。
重要なことに、毒性の兆候を伴わず、有効性を発揮することができる。
他の抗不整脈薬で公知の事項に基づけば、LNOが、VFに良好な有効性を発揮しつつ、オフターゲットの心毒性を発生せず、そのため予防的環境で安全かつ効果的に使用できるということは、驚くべきことである。
具体的には、収縮機能の過度の低下、心拍数の減少、完全な心臓ブロック又は心静止といった兆候を伴うことなく、リドカインN-オキシドを投与することができる。これは、心筋梗塞が生じる前(従って、VFの前)のラットの血流にリドカインN-オキシドを静脈内投与又は口腔粘膜投与した場合に示されたものである。
他の抗不整脈薬で公知の副作用を伴わないため、リドカインN-オキシド(LNO)の投与量を制限しようとする必要はない。
所与の投与量ごとに、例えば心毒性等の有害な副作用とVFの減少とを比較評価すると、被験者の生命や健康への実質的、全体的な効能は驚くほど良好である。このため、LNOには明確な効能があり、効果的で安全な予防薬であるといえる。一方で、他の抗不整脈薬の研究から、当技術分野では、LNOを予防的に用いても実効性は無く、むしろ実害があると広く理解されている。
健康面や安全性、費用の点を考慮しておよそ実効性のない治療計画は当然ながら使用されない。
麻酔したラットの研究において、心筋梗塞の前に直接血流にLNOを投与して治療した場合、ラットの生存率は100%であり、低血圧、不整脈、心臓ブロック、心血管虚脱、徐脈等の副作用はなかった。
上述の通り、心臓突然死を減らすため、心室頻脈(VT)やVF等の心室不整脈の治療が従来から必要とされてきた。
しかし、抗不整脈薬を予防的に使用するのは有害無益であるという考えも、従来から確立していた。1980年代のCAST試験では、心筋梗塞後、VT又はVFのリスクが高い患者にフレカイニドを用いると、死亡リスクが3倍に増加することが示された。VF又はVTにリドカインを用いるリドカイン治療は、緊急時、生命に関わる状況に対応する場合のみに取られる短期治療である。
従って、これらの研究以降、抗不正脈の予防分野については、ほぼ進展がなかった。心筋梗塞のリスクが高い患者、ましてや心筋梗塞を患っている患者に抗不正脈性の予防薬を用いることは、アメリカ心臓協会(AHA)や欧州心臓学会(ESC)といった国際ガイドラインではサポートされていない。
本発明は、その考え方を変えるものである。本発明は、リドカインN-オキシドを、安全かつ効果的に、予防として被験者の血流に提供できるという新規で有用な見解を提供するものである。これは心筋梗塞後の治療であり得る。すなわち、心筋梗塞に続いて発生する可能性のあるVFに対する予防、又はVFに伴う心臓突然死を防止する、心筋梗塞前の予防治療計画(リドカインが極めて適さない用途)とすることもできる。
このため、心筋梗塞のリスクが高いためにVFのリスクが高い患者は、VFに伴う心臓突然死を防止するため、心筋梗塞前の予防治療計画を提供され得る。
また、心筋梗塞を発症中であるためにVFのリスクが高い患者は、心筋梗塞の後に起こる可能性のあるVFに対する予防として予防治療計画を提供され得る。
さらに、以前に心筋梗塞を発症したが生存し、VFのリスクが高い患者は、VFに伴う心臓突然死を防止するため、再度心筋梗塞が発生する前に予防治療計画を提供され得る。
第1の予防治療として、VFに伴う心臓突然死を防止するための予防治療は、心筋梗塞を発症したことはないが心筋梗塞のリスクがある患者に、提供される。
また第2の予防治療として、以前に心筋梗塞を発症したが生存し、さらなる心筋梗塞のリスクがある患者のための、VFに伴う心臓突然死を防止する予防治療が提供される。
また第3の予防治療として、心筋梗塞を発症中の患者がVFを起こさないようにするための、VFに伴う心臓突然死を防止する予防治療が提供される。上述の通り、多くの患者は最初の心筋梗塞で生存しても、心筋梗塞に続くVFにより死亡してしまう。
第1、第2の予防治療は、中期的~長期的に用いることが可能な定期的な予防治療である。VFに伴う心臓突然死のリスクを低減するため、患者群に対し継続的に用いるものであり、数週間、数ヶ月、又は数年という期間にわたることが可能である。また定期的に、例えば1日に1回又は2回、処方することができる。
第3の予防治療は、短期的な予防治療である。VFに伴う心臓突然死のリスクを低減するため、心筋梗塞に応じて応答ベースで使用され得る。心筋梗塞を発症した場所、及び/又は病院や他の医療センターへ向かう救急車や他の車両において処方されてもよい。1回又は複数回、処方されてもよい。アドホックベースであってもよいし、数時間、又は数日間にわたって処方されてもよい。
[詳細な説明]
本発明は、予防(予防的治療)に関する。すなわち、VFによる心臓突然死を最小限にする、又は部分的に若しくは完全に抑制するための治療に関する。一実施形態において、本治療はVFの発生を最小限にする、又は部分的に若しくは完全に抑制する。他の実施形態において、VFが発生しても、心臓突然死には至らない。
本発明によると、VFの頻度又は重症度を低減することができる。本発明の予防(予防的)治療は、実施形態においてはVFを完全に排除し得るものもあるが、完全に排除することを求めるものではない。むしろ、本発明の予防治療は、VFの発生率を低減し、及び/又はVFの徐細動後の生存率を高めることを含むものである。
従って、治療の方法が提供される。前記方法は、予防治療であり、LNO、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物を、口腔粘膜、肺での肺呼吸、又はIVによって被験者の血流に投与することを備え、これにより被験者におけるVFの発生を防止し、又は被験者におけるVFの重症度を低減する。
被験者におけるVFの発生を防止し、又は被験者におけるVFの重症度を低減することにより、本方法は、被験者におけるVFに伴う心臓突然死を防止する、又はVFに伴う心臓突然死が発生する可能性を減少させる。
本発明の予防(予防的)治療は、実施形態においてはVFを完全に排除し得るものもあるが、完全に排除することを求めるものではない。むしろ、本発明の予防治療は、VFに伴う心臓突然死の発生を低減し、及び/又はVF発生後に徐細動及び/又は再灌流療法を用いた場合の被験者のVFの生存率を高めることを含むものである。
従って本発明は、VFの発生を低減し、及び/又は、被験者においてVFが発生しても生存率を高め、口腔粘膜又は静脈内投与(IV)により被験者の血流に治療上有効な量の組成物を与投し、前記組成物はLNO又はその薬学的に許容される塩を含む、方法を提供するものである。
本発明はさらに、被験者におけるVFに伴う心臓突然死の発生を低減し、口腔粘膜、肺での肺呼吸、又はIVにより、被験者の血流に治療上効果的な量の組成物を投与し、前記組成物はLNO又はその薬学的に許容される塩を含む、方法を提供するものである。
本治療は、VFに伴う心臓突然死を最小限にする、又は部分的に若しくは完全に抑制し、有利には、低血圧、不整脈、心臓ブロック、心血管虚脱、又は徐脈のうち1つ又は複数の副作用を伴わない治療である。一実施形態において、本治療は、心臓ブロック又は他の心毒性の測定可能な兆候を伴うことなく、VFに伴う心臓突然死を最小限にする、又は部分的に若しくは完全に抑制する。
本予防治療は、好適には、心臓発作のリスクが高い被験者に提供される。
被験者は哺乳類、特にヒト、特に成人したヒトであってもよい。
しかし、被験者は子供であることも考えられる。先天性心臓病等により、ヒトの子供がVFの危険にさらされる可能性があることは言うまでもない。
一実施形態において、被験者は、年齢により心臓発作のリスクが高まる。例えば、被験者は年齢45歳以上の男性(例えば50歳以上、55歳以上、60歳以上、65歳以上、70歳以上)であってもよく、55歳以上の女性(例えば60歳以上、65歳以上、70歳以上)であってもよい。
一実施形態において、被験者は、心臓発作又は冠状動脈疾患(CAD)の家族歴、例えば、親、兄弟姉妹、祖父母に心臓発作を起こした者がいる、又はCADの診断を受けた者がいる等により心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、血中コレステロールが高いこと、例えば240mg/dl以上等により、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、血圧が高いこと、例えば、140/90以上等により、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、長期の自己免疫疾患又は炎症状態があると、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、真性糖尿病と診断されたことがある場合、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、冠状動脈疾患(CAD)と診断されたことがある場合、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、失血の原因となる大手術や急性外傷といった医原性又は偶発性の急性ストレスと組み合わせた上記の実施形態のいずれかにより、心臓発作のリスクが高まる。
一実施形態において、被験者は、同様の不整脈を引き起こす他の原因、例えば、冠状動脈攣縮(コカイン等の薬により、又は冠攣縮性疾患の一部として引き起こされる)、川崎病、全身性低酸素症、心肺バイパス、高安動脈炎、他の大型血管炎、大動脈/冠状動脈解離、重度の大動脈弁狭窄等により、冠動脈虚血症のリスクが高まる。
LNO、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物は、定期的な予防的介入として投与されてもよい。特に、これまでに一度も心筋梗塞を経験したことがないが、心筋梗塞のリスクがある患者や、以前に心筋梗塞を経験し、(生存したが)更なる心筋梗塞のリスクがある患者に適用される。
このため組成物は、定期的な、中~長期の予防治療として投与されてもよい。本組成物は、数週間にわたる治療計画として用いられてもよい。例えば、2週間以上、1ヶ月以上、3ヶ月以上、6ヶ月以上、1年以上等である。その期間にわたって、本組成物は定期的に、例えば週に1~2回以上、1日1~2回等投与されてもよい。
一実施形態において本組成物は、少なくとも月に1回、例えば週1~2回か、それ以上の頻度等投与される。1日おきに、又はより頻繁に投与されてもよい。一実施形態において本組成物は、少なくとも1日1~2回以上、毎朝及び/又は毎晩投与される。
LNO、又はその薬学的に許容される塩を含む組成物は、より短期間の予防的介入として投与されてもよい。特に、心筋梗塞を発症中で、心筋梗塞後に起こるVFを防止するための予防を行う患者に適用される。上述の通り、多くの患者は最初の心筋梗塞で生存しても、心筋梗塞後のVFにより死亡する。
従って本組成物は、短期的予防治療として投与されてもよい。本組成物は、心筋梗塞の発症場所及び/又は心筋梗塞を発症中の患者を病院又は他の医療センターへ搬送中、救急車又は他の車両において、アドホックベースで、1回又は2回以上投与されてもよい。本組成物は、数時間にわたる治療計画として用いられてもよい。例えば1~2時間以上、6時間以上、12時間以上、24時間以上、48時間以上、1週間以上等である。その時間にわたって本組成物は場合により定期的に、例えば1時間に1~2回、又は1日1~2回等投与されてもよい。
本組成物は、口腔粘膜、肺での肺呼吸、IVにより被験者の血流へ投与され、消化系を介して投与されない。一実施形態において、本組成物は口腔粘膜、又はIVにより被験者の血流へ投与されてもよい。一実施形態においては、IV、頬側投与又は舌下投与である。ただし、歯茎粘膜又は口蓋粘膜を介して投与することも考えられる。
一実施形態において、本組成物は例えば頬側投与又は舌下投与を用いて口腔粘膜を介して被験者の血流へ投与される。
本発明の予防的な計画の有益な効果としては、もし被験者が突然心臓発作を起こしたとしても、被験者は、VFを発生させる可能性が著しく低い。上述の通り、VFは通常、症状が始まってから数分以内に死をもたらすものであり、救助到着を待つ時間がない。VFの発生を低減させることで、被験者は例えば病院へ運ばれ、再灌流療法、及び/又は徐細動治療といった医療救助を受けることができる。
同様に、被験者が心臓発作(心筋梗塞)を起こしている場合にも、本発明の予防的な治療計画を用いることができ、後に続くVFの発生率を著しく低減させることができる。被験者は例えば病院へ運ばれ、再灌流療法、及び/又は徐細動治療といった医療救助を受ける時間を作ることができる。
再灌流療法は、薬の投与及び/又は手術を含み得、閉塞した動脈の中又は周囲の血流を回復させるために行われる。薬は血栓溶解剤及び/又は線維素溶解剤であってもよい。手術は、例えば経皮的冠状動脈介入(PCI)の後に冠動脈再建術を行うといった低侵襲血管内処置や、閉塞部周辺に動脈を移植するバイパス手術であってもよい。
本組成物により提供されるLNO、又はその薬学的に許容される塩の量は、1μM以上、例えば5μM以上、10μM以上又は15μM以上又は20μM以上であってもよい。一実施形態において、この量は1~1000μM以上、例えば5~500μM以上、10~300μM以上であってもよい。また、10~750μM、10~700μM、10~650μM又は10~600μMでもよい。10~200μM、10~150μM、10~100μMでもよい。20~200μM、20~150μM、20~100μMでもよい。10~200μM、10~150μM、10~100μMでもよい。
LNO、又はその薬学的に許容される塩は、0.1mg/kg以上の単位投与量、例えば0.5mg/kg以上又は1mg/kg以上又は1.5mg/kg以上等として被験者に投与されてもよい。一実施形態において、投与量は、0.1~30mg/kg以上でもよく、例えば0.5~25mg/kg以上又は1~20mg/kg以上又は1.5~15mg/kg以上でもよい。一実施形態において、投与量は、0.1~20mg/kg以上でもよく、例えば0.5~15mg/kg以上又は1~10mg/kg以上又は1.5~5mg/kg以上でもよい。0.5~30mg/kg、例えば0.5~25mg/kg又は0.5~20mg/kg又は0.5~15mg/kgでもよい。1~20mg/kg、例えば1~15mg/kg又は1~10mg/kg又は1~5mg/kgでもよい。2~20mg/kg、例えば2~15mg/kg又は2~10mg/kg又は2~5mg/kgでもよい。3~20mg/kgでもよく、例えば3~15mg/kg又は3~10mg/kg又は3~5mg/kgでもよい。
LNO、又はその薬学的に許容される塩は、0.01mg/kg/分以上、例えば、0.05mg/kg/分以上又は0.1mg/kg/分以上又は0.2mg/kg/分以上の注入投与量として被験者に投与されてもよい。一実施形態において、投与量は、0.01~10mg/kg/分以上でもよく、例えば0.05~5mg/kg/分以上又は0.1~2mg/kg/分以上又は0.2~1mg/kg/分以上でもよい。0.1~10mg/kg/分でもよく、例えば0.1~5mg/kg/分又は0.1~2mg/kg/分又は0.1~1mg/kg/分でもよい。
本組成物は、口腔粘膜、肺での肺呼吸、又はIVにより被験者の血流に直接投与される。従って、本活性剤は体循環へ直接アクセスできる。
一実施形態において、本組成物は、被験者の頬に隣接した口腔内に配置して頬側投与されことができる。
他の実施形態において、本組成物は、上唇と歯肉との間に配置して歯茎投与を可能にする。
他の実施形態において、本組成物は、経口剤形を被験者の舌下に配置することにより被験者に舌下投与されてもよい。本組成物を舌下に配置した後被験者は、組成物を適所に保ち、飲み込まないよう、飲食や発話を避けなければならない。一例において、本組成物を飲み込む前に、本組成物を約10秒~約2分間、例えば約15秒~約1分、保持することができる。
一実施形態において、本組成物は肺への吸入により投与されてもよく、これは肺吸収を可能にする。例えば本組成物は吸入用のエアロゾルの形態であってもよい。
国際公開第2005/044233号は、喘息肺の炎症を抑制するためのリドカインN-オキシドを含有する製剤を開示しており、この製剤はエアロゾルとして送達され得る。従って、エアロゾルとしてのLNOの調製はこの文献の教示に従うことができ、エアロゾル調製に関するこれらの教示は参照により組み込まれる。
一実施形態において、本組成物は自己投与される。すなわち、被験者は本組成物を例えば頬側投与、舌下投与、歯茎投与、又は肺に吸入すること等により自分で服用する。これは特に、心筋梗塞を一度も発症していないが、心筋梗塞のリスクがある被験者、又は以前に心筋梗塞を発症して(生存し)更なる心筋梗塞のリスクがある被験者に組成物が投与される場合である。
一実施形態において、本組成物は、応急手当をする人又は救急隊員により投与される。これは特に、心筋梗塞後の潜在的なVFに対する予防として、心筋梗塞を発症している被験者に組成物が投与される場合である。
一実施形態において、本組成物は、電気生理学者(不整脈専門医)によって投与されない。
一実施形態における本発明は、LNOを使用する。他の実施形態において、LNOの薬学的に許容される塩を使用する。
「薬学的に許容される塩」とは、LNOの非毒性の酸又はアルカリ土類金属塩を指す。これらの塩は、LNOの最終的な分離と精製の間にその場で(in situ)調製される、もしくは、塩基又は酸性の官能基と、適した有機又は無機の酸、又は塩基とを別々に反応させることで調製される。
代表的な酸性塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩を含む。アルカリ土類金属塩の代表的なアルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム塩類を含む。
本発明に用いられる組成物は好適に薬学的に許容される担体を含む。
適切な薬剤担体は、この分野における標準的な参考文献であるRemington’s Pharmaceutical Sciences, A.Osolに記載されている。
本組成物がIV用である場合、無菌の液体又は液体の混合物であり得る薬剤担体を好適に含んでもよい。無菌の液体又は液体の混合物は、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖液等、エタノール、イソプロパノール、又はヘキサデシルアルコール等のアルコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール等のグリコール、2,2-ジメチル-1,1-ジオキソラン-4メタノール等のグリセロールケタール、ポリ(エチレングリコール)400等のエーテル類、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、アセチル化脂肪酸グリセリド等であってもよく、石鹸又は洗剤等の薬学的に許容される界面活性剤、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロース等の懸濁剤、又は乳化剤及び他の製薬補助剤等であってもよい。
IV用の組成物は典型的には、約60重量%以上の薬剤担体を含有し、例えば、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上であり、例えば70重量%~99.5重量%又は75重量%~95重量%である。
IV用の組成物は典型的には、約0.5重量%~約25重量%の有効成分を含有する。
IV用組成物には保存剤や緩衝剤も使用してもよい。注射部位での刺激を最小限にする又は排除するため、このような組成物は親水性-親油性バランス(HLB)が約12~約17である非イオン界面活性剤を含有してもよい。このような製剤における界面活性剤の量は、好ましくは約5重量%~約15重量%の範囲である。界面活性剤は上記HLBを有する単一成分であり得、又は所望のHLBを有する2つ以上の成分の混合物であり得る。
好適に使用される界面活性剤はポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含んでいてもよい。例えば、ソルビタンモノオレエート、及びプロピレンオキサイドとプロピレングリコールの縮合によって形成されるエチレンオキサイドと疎水性基剤との高分子量付加物等がある。
IV用組成物は無菌注射水性懸濁剤の形態であってもよい。このような懸濁剤は、好適な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アラビアゴム等の懸濁剤を用いた周知の方法に従い調製されてもよい。分散剤又は湿潤剤としては、天然に存在するレシチン等のリン脂質、アルキレンオキサイドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、エチレンオキサイドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカ-エチレンオキシセタノール、エチレンオキサイドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキサイドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。
あるいは、IV用組成物は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射溶液又は懸濁剤であってもよい。使用され得る希釈剤及び溶媒は、例えば、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液、等張グルコース溶液等である。加えて、無菌の不揮発性油は従来から溶媒又は懸濁媒体として用いられている。この目的のため、合成モノグリセリド又はジグリセリド等を含む、任意の無菌性の不揮発性油を用いてもよい。また、オレイン酸等の脂肪酸を注射剤の調製に用いることができる。
口腔粘膜投与用組成物の場合、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、例えばProSolv(登録商標)SMCC90(JRS Pharma社、パターソン、ニューヨーク州、アメリカ合衆国から購入可能)、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、マルトデキストリン、マルチトール、及びそれらの組み合わせから選択される担体を適切に含んでもよい。
一実施形態において、本組成物は約20重量%~約90重量%、例えば約30重量%~約85重量%、約40重量%~約83重量%、約50重量%~約80重量%、約60重量%~約80重量%等の担体を含み得る。
口腔粘膜投与用組成物の場合、口腔粘膜において、pHが約7.0~約8.0となるのに充分な緩衝剤を適切に含んでもよい。一例において、本組成物は、口腔内でpHが約7.1~約7.9であり得、他の例においては約7.2~約7.8、さらに他の例では約7.4~約7.6であり得る。
一実施形態において、緩衝剤は任意の塩基性賦形剤であり得る。緩衝剤としては、メグルミン、グリシン、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、リン酸緩衝剤、水酸化マグネシウム、及びそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。一例において、緩衝剤はメグルミン、グリシン、及びそれらの組み合わせから選択される。
LNOが口腔粘膜を多く通過するように、本組成物に1つ又は複数の透過性増強剤を用いてもよい。口腔透過性を高めるのに効果的であれば任意の透過性増強剤を用いることができる。透過性増強剤の例としては、胆汁酸塩、界面活性剤、合成界面活性剤、シクロデクストリン、溶媒、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一例において、透過性増強剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)-8ステアリン酸塩(Croda社、エディソン、ニュージャージー州、アメリカ合衆国から購入可能)、クエン酸塩緩衝剤、オレイン酸、カプリン酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、メントール、及びそれらの組み合わせであり得る。一実施形態において、透過性増強剤はカプリン酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、及びそれらの組み合わせから選択され得る。一実施形態において、透過性増強剤はカプリン酸ナトリウムである。一実施形態において、透過性増強剤は塩化セチルピリジニウムである。
一実施形態において、口腔粘膜投与用組成物は、透過性増強剤を約0.1重量%~約10重量%含有し得、例えば約0.25重量%~約8重量%、約0.3重量%~約6重量%、例えば約0.5重量%~約3重量%、約0.75重量%~約1.5重量%含有し得る。
一実施形態において、口腔粘膜投与用組成物は、当技術分野で容易に理解され使用されるように、崩壊剤、潤滑油、他の賦形剤をさらに含有していてもよい。
口腔粘膜投与用組成物は崩壊剤を含み得る。崩壊剤を含むことにより、投与後に素早く組成物を崩壊させることができる。崩壊剤としては、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、及びそれらの混合物を含み得るが、それらに限定されない。一例において、本組成物は崩壊剤を約1重量%~約20重量%含み得、例えば約2重量%~約15重量%、約2.5重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約4重量%~約6重量%含み得る。
口腔粘膜投与用組成物は潤滑油を含み得る。潤滑油の例としてはステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、タルク、ポリエチレングリコール、鉱油、及びそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。一例において、本組成物は、潤滑油を約0.05重量%~約5重量%含み得、例えば約0.1重量%~約3重量%、約0.25重量%~約1.5重量%、約0.3重量%~約1重量%含み得る。
口腔粘膜投与用組成物は追加の賦形剤を含み得るがこれらに限定されない。例えば乳糖、デンプン、コーンシロップ等の結合剤や、コロイド状二酸化ケイ素、タルク等の流動化剤や、保存剤、及び安定剤等を含んでもよい。
口腔粘膜投与用組成物は1つ又は複数の香料も含み得る。例えば甘味料、感覚剤、香料、唾液分泌剤又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
口腔粘膜投与用組成物は任意の適した経口剤形の形態で提供され得る。経口剤形のとしては、錠剤、丸薬、カプセル、凍結乾燥錠剤、トローチ剤、粉末、顆粒状物質、フィルム、分散性流体が含まれ得るが、これらに限定されない。一実施形態において、頬側又は舌下投与用組成物は錠剤、丸薬、カプセル、凍結乾燥錠剤、又はトローチ剤として提供され得る。
上記の発明は以下の実施例からより理解されるであろう。以下の実施例は例示の目的で提示されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例1-麻酔した無傷のマウス及びラット
リドカインN-オキシド(LNO)により、左冠状動脈閉塞後すぐに発生する不整脈を低減又は排除できるかどうかを検証する実験が行われた。
ステージ1:
まず、ペントバルビトンで麻酔したマウスで毒性の実験が行われた。ボーラス投与量100mg/kg(静脈注射)により(LNOがマウスに投与された。
この投与量は十分忍容されることがわかった。
ステージ2:
ペントバルビトンで麻酔したラットで忍容性を評価する実験が行われた。2匹のラットはLNO60mg/kg(静脈注射)を20分以上かけて注入した。
この投与量は忍容されることがわかった。
900匹を超えるラットで同様の対照から得たデータに基づくと、生理食塩水媒体は影響を及ぼさないと想定された。
ステージ3:
個々の体重が200~300gである雌ラット群について実験を行った。
手順については、過去多くの研究で新規化合物及び参照薬物の投与量に関するデータを集めるのに用いられた手順に従った。
薬物送達開始から5分後、左主冠状動脈が閉塞された(J Mol Cell Cardiol 19:399~419 1987)。これにより虚血の領域が発生し(閉塞ゾーン(OZ)により実証)、虚血の領域は観察期間(30分)にわたり維持され、その間に、心臓の虚血の発生の結果、重度の不整脈が発生した(J Mol Cell Cardiol 19:399~419 1987)。
この実験はランダム化されたものではなく、低投与量から高投与量へと推移するものであった。
同様の治療(0.8%生理食塩水注入及び冠状動脈結紮)を受けたラット140匹の履歴データベースを参照して、結果を評価した。
試験した投与量:
・LNO総投与量3mg/kg(0.9%生理食塩水中)。0.1ml/kg/分で1.5mg/mlを20分間投与。
・LNO総投与量10mg/kg(0.9%生理食塩水中)。0.1ml/kg/分で5mg/mlを20分間投与。
・LNO総投与量30mg/kg(0.9%生理食塩水中)。0.1ml/kg/分で15mg/mlを20分間投与。
・LNO総投与量100mg/kg(0.9%生理食塩水中)。0.1ml/kg/分で50mg/mlを20分間投与。
手順:
・心電図(ECG)から、PR、QT、及び心拍数を求めた。
・大腿動脈カテーテルから、血圧(BP)をモニタした。
・心室期外収縮(VPB)の数と心室頻脈(VT)及び心室細動(VF)の発生とをカウントすることにより不整脈スコア(AS)を求めた(Cardiovasc Res 22:656~665、1988)。
・閉塞ゾーン(OZ)は、色素排除法(J Mol Cell Cardiol 19:399~419 1987)を使って重量(g)で測定した。
結果:
Figure 0007201261000001
項目の説明:
PR=PR間隔(ミリ秒)
BP=血圧(mmHg)
HR=心拍数(ビート/分)
AS=不整脈スコア
VF=心室細動(発生数)
VT=心室頻脈(発生数)
OZ=閉塞ゾーン(冠状動脈結紮により虚血となった心室総重に占める割合(%))。
コメント:
局所的に虚血となった30分間、心室不整脈の重症度を反映する不整脈スコア(AS)は、試験を行ったLNO投与量、すなわち、3、10、30、100mg/kgのリドカインN-オキシドのすべてで著しく減少した。特に10mg/kg投与量群は、対照の平均ASスコアが6.1であったのに対し、平均ASスコア1.67を達成した。
心室細動(VF)の発生がゼロであったことから、10mg/kg投与量群が最大の効果を発揮した。
心拍数と血圧とが示す通り、LNO投与量30mg/kgまでは、オフターゲット作用のエビデンスはなかった。冠状動脈結紮から10分後、30mg/kg群において、心拍数の平均が94mmHg、血圧の平均が391ビート/分となった。これに対し、対照の値は心拍数の平均が100mmHg、血圧の平均が360ビート/分であった。LNOの投与量が最も多い100mg/kgの場合、オフターゲット作用のエビデンスが見られ、痙攣により1匹が死亡した(リドカインの典型的な副作用である)。
結論:
リドカインN-オキシド(LNO)は、局所的に虚血となった場合に効果的な抗不正脈作用を有する。
3mg/kgといった低投与量でも作用が見られ、30mg/kgの静脈内投与量までオフターゲット作用のエビデンスは見られない。つまり、治療濃度域が有効量の閾値から少なくとも10倍に及ぶことがわかる。
実施例2-ラットの摘出心臓
選択モデル:
・ラット摘出心臓。30分間の局所的な虚血(冠状動脈結紮)。
・VFに対する感受性のベースラインが高い。
・薬物によるVF抑制の検出範囲。
試験溶液:
・対照(生理食塩水媒体のみ)
・15μMリドカイン(生理食塩水中)
・150μMリドカイン(生理食塩水中)
・15μMLNO(生理食塩水中)
・150μMLNO(生理食塩水中)
方法:
・ランダム化、盲検、全検出力(fully powered)試験
・n=12ラット心臓群
・灌流溶液はインラインでマニフォールドへ送達
・試験溶液は冠状動脈結紮の10分前及びそれ以後に灌流
・虚血誘発性VF発生を虚血30分間に記録
・30分で組織サンプルを取り出す
結果:
リドカインとLNOとはVFの発生減少に同等に効果的であった。
LNO15μMのPR間隔は対照と略同一であった。一方、虚血30分間、リドカイン15μMのPR間隔は長かった(*)。
*p=<0.05vs対照(二元配置分散分析及びDunnett法)
試験中、LNO15μMを用いた場合の心拍数(bpm)は、対照と実質的に同一であった。
結論:
LNOは、虚血誘発性VFの抑制において、リドカインと同等に効果的であった。
LNOはPR間隔に影響を与えなかったが、リドカインはPR間隔に影響を与えた。
LNOは、心拍数にも小さな効果を示した。
従って、LNOは、VFの安全かつ効果的な予防治療に使用可能な、実用的な医薬品である。
実施例3-麻酔した無傷のラット
方法:
・ランダム化、盲検、全検出力(fully powered)試験
・n=6麻酔ラット群
・ 試験溶液は、心筋梗塞誘発前にラット尾部の静脈へIVにより送達
試験溶液:
・ 対照(生理食塩水媒体のみ)
・リドカイン2mg/kgボーラス投与(生理食塩水中)
・リドカイン0.5mg/kg/分で投与(生理食塩水中)
・LNO2mg/kgボーラス投与(生理食塩水中)
・LNO0.5mg/kg/分で投与(生理食塩水中)
結果:
リドカインとLNOとは、2mg/kgボーラス投与でも0.5mg/kg/分での投与でも、VFの予防に同等の効果があり、30分後に67%がVFを発生することなく生き残った。これに対し、対照群では、VFを発生させることなく生き残った割合は0%であった。LNOの試験では、心筋梗塞からVFを発症するまでの時間が他の群よりも長かった。
結論:
・リドカインとLNOとの両方がVFに効果的であった。
・しかし、リドカインは徐脈性不整脈を引き起こした一方で、LNOは徐脈性不整脈を引き起こさなかった。
・従って、死亡を防ぐための安全な治療の方法として、LNOは機能したが、リドカインは機能しなかった。
・従って、LNOは、VFの安全かつ効果的な予防治療に使用可能な実用的な医薬品である。
L.M.Heskethらによる「Development of OCT2013, a hypoxia-activated prodrug of lidocaine, for the treatment of ischaemia-induced ventricular fibrillation」(英国薬理学会の論文:http://www.pA2online.org/abstracts/Vol18Issue1abst169P.pdf)と題する要約には、「OCT2013」の効果を示すグラフが記載されている。OCT2013の化学的性質は、出願人の機密情報のため開示されなかったが、OCT2013がLNOであることは確認できる。
この要約には、「リドカインとOCT2013とは、ランゲンドルフ法において、虚血発症の前(図2A)又は虚血発症の後(図2B)のいずれに投与されてもVFの抑制に同等の効果があった。OCT2013はリドカインに比べて、用量制限徐脈又はPR間隔延長を誘発しなかった(図1A、1B)。カプランマイヤー分析により、インビボ冠状動脈結紮においてOCT2013とリドカインとが同様の抗不正脈性効果を有することが明らかになっている(図3A)。」と記載されている。
またこの要約には、「ランゲンドルフ及びAMI(急性心筋梗塞)のインビボラットモデルにおいて、OCT2013は虚血誘発性心室細動(VF)を抑制し、リドカインと同様の効果があった。しかし、リドカインとは異なり、心拍出量、PR間隔又は心拍数への副作用により効果が制限されることはなかった。」と結論付けている。
実験で得られたエビデンスの概要:
驚くべきことに、LNOは心室細動に対し効果を発揮するが、リドカインで生じるような心拍出量、PR間隔又は心拍数への副作用を生じさせない。従って、LNOは、心室細動に伴う心臓突然死の安全かつ効果的な予防治療に利用可能な実用的な医薬品である。

Claims (20)

  1. リドカインN-オキシド(LNO)又はその薬学的に許容される塩を含む、治療の方法に用いられる医薬組成物であって、
    前記方法は、被験者における心室細動(VF)に伴う心臓突然死が起こることを防止する、又は減少させる予防治療の方法であり、
    前記方法により、前記組成物が口腔粘膜、肺での肺呼吸、又は静脈内投与(IV)により被験者の血流に提供される、医薬組成物。
  2. 請求項1に記載の治療の方法に用いる組成物であって、前記治療はVFの発生を最小化する、又は部分的にあるいは完全に抑制する、組成物。
  3. 請求項1に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、VFが発生しても心臓突然死につながらない、組成物。
  4. 請求項3に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、VFの発症後、徐細動及び/又は再灌流療法が用いられる、組成物。
  5. 請求項1に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記治療はVFの発生率を減少させる、及び/又はVFの重症化を減少させる、組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記予防治療は、心臓発作のリスクが高い被験者に提供される、組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、哺乳類である、組成物。
  8. 請求項7に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、成人のヒトである、組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、年齢のため心臓発作のリスクが高い、組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、心臓発作又は冠状動脈疾患の家族歴を有するため心臓発作のリスクが高い、組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、血中コレステロールが高いため心臓発作のリスクが高い、組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、高血圧であるため心臓発作のリスクが高い、組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記被験者は、冠状動脈疾患と診断されているため心臓発作のリスクが高い、組成物。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物は、定期的な予防治療として投与される、組成物。
  15. 請求項14に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物は少なくとも月に1回投与される、組成物。
  16. 請求項15に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物は、少なくとも週に1回投与される、組成物。
  17. 請求項16に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物は、少なくとも毎日投与される、組成物。
  18. 請求項1~13のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物は、心筋梗塞後に発症する可能性のあるVFの予防として、前記心筋梗塞を発症中の患者に投与される、組成物。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物はIV、頬側投与又は舌下投与によって前記被験者の血流に投与される、組成物。
  20. 請求項1~19のいずれか1項に記載の、治療の方法に用いる組成物であって、前記組成物の投与後、前記被験者は心拍数の減少、完全な心臓ブロック又は心静止の兆候を示さない、組成物。
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