以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<第1実施形態に係るパチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球)pを封入しており(以下、封入球ともいう)、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、左上側に設けた発射装置である発射機構30の発射ソレノイド31aを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイドが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて封入球が遊技領域27内に発射される。
発射ソレノイド31aを駆動させて封入球を1発ずつ遊技領域27に打込むと、それに伴い減算機構32で、P台2において遊技可能な遊技球数(遊技点)から1球(1点)ずつ減算する。遊技球の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域を遊技球が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれた封入球が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(例えば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(例えば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な3つの可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞球の検出信号にもとづいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(例えば、各可変表示部に同一の図柄が導出表示されるゾロ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ゾロ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(例えば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれた封入球はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞した封入球およびアウト口154に回収された封入球は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置の封入球が遊技領域27内に打込まれる。
また、P台2の打球操作ハンドル25の上方位置に遊技球数を表示するための遊技球数表示器29が設けられている。遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述する枠制御部171(図4参照)によって制御される。この遊技球数表示器29により、遊技に使用可能な遊技点である遊技球数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。なお、遊技球数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技球数表示器29の左方位置には、遊技球数を持球に移行させる計数処理を実行させるための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数処理が繰返し実行される(例えば0.3秒押下状態が継続する度に250球の計数処理が実行される)。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(例えば250球)だけ遊技球数から持球への計数(移行)が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、その時点で遊技者が所有している遊技球数のすべてが計数(移行)されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2には、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の遊技機枠(前枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、遊技機枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(例えばプリペイド残額、持球数、あるいは貯球数など)を、P台2において遊技球の発射に使用可能な“遊技球のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技球のデータによって特定される球数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技球のデータ”とは、発射可能な球の発射残数(遊技球数)を示すデータである。以下の説明では、“遊技球のデータ”を貯球や持球と同様に、単に“遊技球”と称する場合がある。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記憶された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯球数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記憶媒体(カード)に記憶されているプリペイド残額を表示するものであるが、遊技球数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持球数が記憶されているときにはその持球数の一部を引落として遊技球に変換し、変換した遊技球にもとづいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持球数が記憶されておらずかつ貯球がホール用管理コンピュータなどに記憶されている場合には、その貯球の一部が引落とされて遊技球に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯球と持球との双方が記憶されている場合には、持球が優先的に変換される。なお、再プレイボタン319とは別に、持球を変換するための専用の持球払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯球引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯球」とは、前日以前に獲得した球でホールに預けている球であり、貯球払出により遊技球となる。また、貯球は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持球」とは、当日獲得した球であり、持球払出により遊技球となる。また、持球数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技球数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預入れられていない球数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した球数を「持球」と言い、前日以前に遊技者が獲得した球数であって遊技場に預入れられた球数を「貯球」と言う。
「遊技球」とは、P台2で発射可能な球である。遊技球数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持球、あるいは貯球を引落とす変換と引き換えにして生成される。
なお、持球数を遊技場に設定された持球数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯球」と「持球」との違いは、遊技場に預入れるための貯球操作が行われて遊技場に預入れられた球数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の球数であるかの点である。
本実施形態では、貯球データは会員カードに直接記憶させずホール用管理コンピュータなどの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号にもとづいて対応する貯球を検索できるように構成されている。一方、持球は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持球は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持球をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持球を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、例えば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持球が一旦貯球としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯球として記憶された当日分の持球のみが再びそのCU3に記憶され、その持球の範囲で遊技球を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、球貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。球貸ボタン321は、挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技球への変換操作)を行うボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持球数(カード挿入時の持球数-遊技球への変換数+計数操作によって計数(移行)された持球数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、遊技機枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
遊技機枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、係合突起6a、6bに対向する外枠4の位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の遊技機枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でバネの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(例えば時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、遊技機枠5が開放される。
さらに、遊技機枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないバネによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を遊技機枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(例えば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
遊技機枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技機枠5が開放されたことが検出される。また、遊技機枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技機枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171(図4参照)へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、例えば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技機枠5を開放して遊技機枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技機枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
さらに、遊技機枠5の裏面に、枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技機枠5を開放してから、遊技機枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技機枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が遊技機枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように遊技機枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの字型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を遊技機枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ33Aが遊技機枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33Bと結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bは、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を遊技機枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ33Aが凹型ドロアコネクタ33Bと結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、遊技機枠5側の枠制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bはある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ33Aと凹型ドロアコネクタ33Bとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33Bのみで、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ33Aおよび凹型ドロアコネクタ33B自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と遊技機枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ33Aは、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33Bは、信号ケーブル36を介して、図2に示す枠制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバと通信を行うための外部出力端子340が設けられている。CU3は、外部出力端子340を介して、CU3の状態や、P台2から受信した遊技機状態情報(性能表示モニタ40で表示する情報を含む)をホール用管理コンピュータ(ホールコン)やセキュリティ上の管理を行うホールサーバなどの外部に送信する。CU制御部323は、通信制御IC325等が実装されたセキュリティ基板(SC基板;図示略)を介してP台2の枠制御基板17と通信を行っている。SC基板の通信制御IC325と枠制御基板17とは、例えば、非同期シリアル通信ポートで接続されている。CU制御部323と枠制御基板17との通信は、貸出に係る信号(挿入されたカードに記憶されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作に関する信号)を双方向で行っている。それ以外の計数に係る信号(遊技球から持球への計数処理に関する信号)、および遊技機情報に係る信号は、枠制御基板17からCU制御部323への一方向の通信である。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、例えばコネクタなどの専用のインターフェイス(専用PIF)で構成されている。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持球を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは持球数などのデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が球貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、球貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技機枠5の制御を行うとともに、遊技球を管理・記憶して遊技球数表示器29の表示を制御する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令にもとづいて発射ソレノイド31aを駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドにもとづいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163に接続されている。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に球が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、例えば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶にもとづいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドにもとづいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。例えば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドにもとづいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
枠制御基板17は、遊技機枠5に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイスなどが設けられている。枠制御基板17のCPUは、ROM(内臓)に記憶されている各種プログラムを実行することで、電源投入時処理、通信処理、遊技球数表示処理、性能表示演算処理、およびエラー検知処理など様々な各種の制御処理を行う(図24参照)。
また、枠制御基板17に対し、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、セーフ球検出スイッチ702、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13が電気的に接続された状態で設けられている。アウト球検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト球検出信号が入力される。主制御基板16は、後述するようにアウト球検出信号にもとづきベース値(単に、ベースともいう)などを算出する。電波センサ173は、電波を不正に発信して主に減算機構入口センサ32bを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。減算機構入口センサ32bは、オフからオンに変化したことにより遊技球の発射を検出し、その検知にもとづいて、枠制御部171が、遊技球数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの減算機構入口センサ32bが常時オフ状態になると、いくら球を発射しても遊技球数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
枠制御基板17には、性能表示モニタ40が設けられる。性能表示モニタ40は、7セグメント式のLEDディスプレイである。性能表示モニタ40は、枠制御部171によってベース、役物比率、連続役物比率などの所定の情報を表示する。なお、性能表示モニタ40で表示する情報を、CU3を介してホールサーバなどに出力することができるが、P台2に外部出力端子を設け、直接ホールサーバなどに出力してもよい。
ここで、ベースは、P台2の遊技領域27に打込まれた遊技球の数に対する、遊技領域27に設けられた大入賞口271、普通入賞口272~274、および、始動入賞口275~277などの入賞口への遊技球の入賞に応じて付与された遊技価値に対応する遊技球の数の割合である。また、役物比率(役比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球のうち役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである電動チューリップで構成される始動入賞口276、および、役物の1つである可変入賞球装置で構成される大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。さらに、連続役物比率(連比ともいう)は、10時間に発射させた遊技球により獲得する遊技球の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるものの割合をいう。本実施の形態においては、連続役物比率は、10時間に発射させた遊技球(1分間に100球発射可能であるので、60000球)の全入賞口への入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数のうち、役物の1つである可変入賞球装置が設けられた大入賞口271への遊技球の入賞によって付与される遊技価値に対応する遊技球の個数の割合をいう。なお、本実施の形態では、ベース、役物比率、連続役物比率を表示する形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらベース、役物比率、連続役物比率以外の他の性能情報を表示可能としてもよく、これら表示可能とされた他の性能情報も、ベース、役物比率、連続役物比率と同様に、外部に出力されるようにしてもよい。
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報の情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技球が入ったときの払出球数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞した遊技球の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞球1個に対して付与すべき球数を、遊技球数と加算球数とに加算する制御を行う。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかに遊技球が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、例えば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、例えば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
枠制御基板17から主制御基板16へ、遊技機設置情報受領結果、遊技機情報受領結果、および枠制御状態が送信される。遊技機設置情報受領結果および遊技機情報受領結果は、主制御基板16から遊技機設置情報および遊技機情報を受領したことを示すためのコマンドである。枠制御状態は、枠制御基板17の制御状態を通知するコマンドである。
CU3の通信制御IC325とP台2の枠制御基板17とが電気的に接続されており、通信制御IC325から枠制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、枠制御基板17から通信制御IC325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
遊技機枠5には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射ソレノイド31a、遊技球数表示器29が設けられている。なお、遊技球数表示器29は遊技機枠5に直接取付けてもよいが、球が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、遊技機枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。枠制御基板17の枠制御部171は遊技球数表示器29に遊技者が現在所有している遊技球数を表示する。
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射機構30の発射ソレノイド31aを励磁するための信号を出力する。これにより、遊技球が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド励磁出力を発し、発射ソレノイド31aを駆動させる。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、例えばカードが排出された後に店員により操作される。
<遊技球の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2における遊技球の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が、後述する杵42により弾発されてその遊技球が遊技領域27に打込まれる。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bと減算機構出口センサ32cとを通過することで遊技球数を減算する(図29参照)。
遊技領域27に打込まれた球のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト球は、アウト球流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞球は、遊技機背面で集められて回収球通過経路に誘導される。同様に、アウト球およびファール球も回収球通過経路に誘導される。回収球通過経路には揚上機構出口センサ33が設けられている。このため、入賞球、アウト球、およびファール球のすべてが揚上機構出口センサ33によって検出される。つまり、揚上機構出口センサ33は、弾発された遊技球のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射ソレノイド31aにより弾発された遊技球の弾発数とが等しくなったときに、打込まれた遊技球がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、揚上機構出口センサ33の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた球の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊球が存在していないかどうかを判断できる。
<CU3とP台2との通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行わない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
<CUとP台との間で送受信する信号>
次に図5を参照して、CU3とP台2との間で送受信される信号(電文)の概略を説明する。P台2の枠制御基板17よりCU3に対して、(a)貸出に係る信号、(b)計数に係る信号、および(c)遊技機情報に係る信号をそれぞれ分けた電文で、共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。CU3とP台2との間で送受信される(a)~(c)の3種類の信号(電文)では、それぞれ電文のヘッダーが異なっており、当該ヘッダーにより電文の種別を区別することが可能となっている。なお、(b)計数に係る信号と(c)遊技機情報に係る信号とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。また、(a)貸出に係る信号と(b)計数に係る信号とを共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行ってもよい。
図5(a)には、貸出に係る信号が記載されている。貸出に係る信号では、P台2が貸出球数と通信管理をするための貸出通番をCU3から受信し、受信結果を応答するために、貸出球数受領結果と貸出通番をCU3へ送信する。貸出球数、貸出球数受領結果、および貸出通番は、いずれも遊技球の貸出しを目的とする信号である。また、1回の信号で送信される貸出球数は、例えば125球である。なお、貸出に係る信号は、貸出球数が0(ゼロ)球の場合に貸出球数の信号に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図5(b)には、計数に係る信号が記載されている。計数に係る信号では、P台2が計数球数と通信管理をするための計数通番をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための信号をCU3から受信しない。計数球数および計数通番は、いずれも遊技球の計数を目的とする信号である。また、1回の信号で送信される計数球数は、例えば250球である。なお、計数に係る信号は、計数球数が0(ゼロ)球の場合に計数球数の信号に0(ゼロ)の情報を入れて送信してもよい。
図5(c)には、遊技機情報に係る信号が記載されている。遊技機情報に係る信号では、P台2が遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン情報、不正監視情報をCU3へ送信する。なお、P台2は、送信結果を確認するための信号をCU3から受信しない。遊技機設置情報は、機歴管理を目的とする信号で、電源投入後に送信される信号である。遊技機設置情報には、主/枠制御CPUのメーカコード、型式コード、チップID番号などの情報を含む。遊技機性能情報は、性能情報の集計を目的とする信号で、分間獲得遊技球数(低ベース)、役物比率、連続役物比率などの情報を含み、ホールコン情報は、ホールコンの情報集計を目的とする信号で、大当り、確率変動、時間短縮、各入賞口の入賞球数などを含み、不正監視情報は、CU3による不正監視を目的とする信号で、遊技球数(現在の持球数)、遊技球数通番や不正検知状態1、不正検知状態2、不正検知状態3をなどの情報を含む。
図6は、カードユニットとパチンコ遊技機との間の通信シーケンスを示す図である。図7は、カードユニットとパチンコ遊技機との間で送受信される信号のタイミングを示す図である。図6に示すシーケンスでは、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.3~No.4の信号、(b)計数に係る信号、および(c)遊技機情報に係る信号が共通の非同期シリアル通信ポートでP台2からCU3に送信されている。逆に、図5に示した(a)貸出に係る信号のうちNo.1~No.2の信号が共通の非同期シリアル通信ポートでCU3からP台2に送信されている。
P台2からCU3へ送信される信号のうち、(c)遊技機情報に係る信号は、図7で示すように規定期間Aごとに送信されている。つまり、P台2からCU3への信号の送信から次の信号の送信までの期間が、規定期間A(例えば、300ミリ秒=0.3秒)に制御されている。P台2は、CU3での遊技機情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技機情報をCU3に送信することができる。そのため、P台2において、遊技機情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。なお、以下においてミリ秒をmsと表記する場合がある。
このように、P台2からCU3へ300msの間隔で信号が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発の遊技球が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、球を1発発射する間に複数の信号が送受信されることになる。
遊技機情報に係る信号は、計数に係る信号と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う(半二重通信)。そのため、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングに、計数に係る信号を送信しようとした場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。そこで、P台2では、遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、情報伝送の最適化を図るため、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間Aよりも短い規定期間B(例えば、50ms)に対応するタイミングで、計数に係る信号についてCU3との間で通信を行っている。
図7では、遊技機情報に係る信号としてホールコン信号および不正監視信号をCU3に送信した後、次に遊技機情報に係る信号を送信するタイミング(規定期間A経過後)の前に、直前に遊技機情報を送信してから規定期間B以内のタイミングで計数に係る信号として計数球数および計数通番をCU3に送信している。なお、遊技者による計数ボタン28の操作は、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、計数に係る信号の送信は、操作後の遊技機情報に係る信号を送信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間B以内に行われる。
計数に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間B以内に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、規定期間B経過後から次の遊技機情報に係る信号が送信されるタイミングまでの間でもよい。
貸出に係る信号は、遊技者が球貸ボタン321又は再プレイボタン319を操作することで、CU3からP台2に対して貸出球数および貸出通番の信号が送信される。当該貸出に係る信号も、遊技機情報に係る信号と共通の非同期シリアル通信ポートにて通信を行う。そのため、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングに、CU3から貸出に係る信号が送信されて来る場合、共通の非同期シリアル通信ポート内で信号同士が輻輳し、データの衝突が発生して通信が正しく行われない可能性がある。
そこで、CU3は、P台2が遊技機情報に係る信号をCU3へ規定期間Aごとに送信している場合に、計数に係る信号を受信していないことを条件に、遊技機情報に係る信号が送信されてから規定期間Aおよび規定期間Bと異なる規定期間C(例えば、100ms)に対応するタイミングで、貸出に係る信号についてP台2との間で通信を行っている。つまり、P台2では、遊技機情報に係る信号を送信してから規定期間C経過後のタイミングで、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信している。P台2は、CU3から貸出球数および貸出通番の信号を受信すると、貸出球数受領結果および貸出通番の信号をCU3に送信する。なお、遊技者による球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が、遊技機情報に係る信号を送信する前に行われているときには、貸出球数および貸出通番の信号の送信は、操作後、P台2からの遊技機情報に係る信号を受信するタイミングを待って、当該タイミングから規定期間C経過後に行われる。
貸出に係る信号の送信は、遊技機情報に係る信号を送信するタイミングから規定期間C経過後に行われる場合に限られず、遊技機情報に係る信号との輻輳が生じないタイミングであればよく、遊技機情報に係る信号を受信してから規定期間B経過後で規定期間C以内のタイミングまでの間でもよい。なお、規定期間A~Cについては、各種情報の通信タイミングがずれるように異なる値を適宜設定することができる。
<各種別の遊技機情報の送信が重複した場合の送信態様>
次に、各種別の遊技機情報の送信が重複した場合の送信態様について説明する。図8は、本実施の形態における遊技機情報の種別とその通知条件並びに優先順位とを示す図である。
本実施の形態においては、図5(c)にて前述したように、遊技機情報に係る信号としては、遊技機設置情報、遊技機性能情報、ホールコン情報、不正監視情報がCU3へ送信される。
これらの遊技機情報のうち、ホールコン情報・不正監視情報は、P台2の起動完了から所定期間Aである、例えば、300ミリ秒毎にP台2からCU3に送信され、送信の優先順位は、最も高い「1」である。また、遊技機設置情報は、P台2の起動完了から60秒毎にP台2からCU3に送信され、送信の優先順位は、「2」である。また、遊技機性能情報は、P台2の起動完了から180秒毎にP台2からCU3に送信され、送信の優先順位は、「3」である。
なお、ホールコン情報・不正監視情報は、送信すべき遊技情報(ホールコン情報または不正監視情報)が存在する場合だけではなく、送信すべき遊技情報が存在しない場合においても送信され、これら送信すべき遊技情報が存在しない場合のホールコン情報・不正監視情報も、P台2の起動完了から所定期間Aである300ミリ秒毎にP台2からCU3に送信されるが、その優先順位は、最も低い「4」である。つまり、ホールコン情報・不正監視情報は、送信すべき遊技情報が存在する場合においては最も優先順位が高いが、送信すべき遊技情報が存在しない場合においては最も優先順位が低いことにより、他の種別の遊技機情報が優先してP台2からCU3に送信される。なお、以下の説明において、送信すべき遊技情報が存在する場合を、ホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)と表記し、送信すべき遊技情報が存在しない場合を、ホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)と表記する。
具体的には、図9に示すように、P台2の起動完了した場合には、まず、遊技機情報としてホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)がP台2からCU3に送信された後、所定期間Aが経過して次に遊技機情報が送信されるまでの期間において、計数に係る信号や貸出に係る信号等の送受が実行される。所定期間Aの経過後は、所定期間Aが経過する毎に繰返し遊技機情報(例えば、ホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)やホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり))がP台2からCU3に送信される。
そして、起動完了から60秒が経過したときに、例えば、ホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)に優先して、遊技機情報として遊技機設置情報がP台2からCU3に送信される。なお、遊技機設置情報は、該送信後において60秒が経過する毎に送信されるため、起動完了から180秒が経過したときにおいて本来送信されるべき遊技機性能情報と、送信タイミングが重複する場合がある。
このように、遊技機設置情報の送信タイミングと遊技機性能情報の送信タイミングとが重複した場合には、図9に示すように、優先順位が遊技機性能情報よりも高い遊技機設置情報が優先して先に送信され、優先順位が低い遊技機性能情報は、該遊技機設置情報の送信から所定期間である、例えば、300ミリ秒が経過したときに送信される。
なお、図9においては、起動完了から60秒が経過したときに、遊技機設置情報が送信される例を示したが、例えば、図10に示すように、起動完了から60秒が経過したときに、送信すべき遊技情報が存在していて最も優先順位の高いホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信される場合(起動完了から60秒が経過する前からホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信されていた場合を含む)には、遊技機設置情報よりも優先して先にホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信される。なお、これらホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)は、300ミリ秒が経過する毎に、遊技情報が無くなってホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)が送信されるようになるまで、最も優先して送信される。そして、送信すべき遊技情報が無くなってホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)が送信される状況となったタイミングにおいて、送信が保留されていた遊技機設置情報が送信されるようになる。
また、同様に、起動完了から180秒が経過したときに、送信すべき遊技情報が存在していて最も優先順位の高いホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信される場合(起動完了から180秒が経過する前からホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信されていた場合を含む)には、遊技機性能情報よりも優先して先にホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)が送信される。なお、これらホールコン情報・不正監視情報(遊技情報あり)は、300ミリ秒が経過する毎に、遊技情報が無くなってホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)が送信されるようになるまで、最も優先して送信される。そして、送信すべき遊技情報が無くなってホールコン情報・不正監視情報(遊技情報なし)が送信される状況となったタイミングにおいて、送信が保留されていた遊技機性能情報が送信されるようになる。
このように、本実施の形態においては、遊技機情報の各種別毎に、異なる送信タイミングが予め設定されているとともに優先順位が設定されていることにより、仮に送信タイミングが重複したとしても、優先順位が高い種別の遊技機情報が先に送信され、優先順位が高い種別の遊技機情報が全て送信された後に、送信が留保されていた優先順位が低い種別の遊技機情報が送信されるので、送信タイミングが重複したとしても、各種の遊技機情報の送受信を、非同期シリアル通信によって的確に行うことができる。
<P台2とCU3との通信形態の変形例>
上記したように、本実施の形態では、共通の非同期シリアル通信ポートで、貸出に係る信号、計数に係る信号、および遊技機情報に係る信号の通信を行う例を説明した。変形例1として、共通の非同期シリアル通信ポートで計数に係る信号および遊技機情報に係る信号の通信を行い、別の非同期シリアル通信ポートで貸出に係る信号の通信を行うようにしてもよい。変形例2として、共通の非同期シリアル通信ポートで貸出に係る信号および計数に係る信号の通信を行い、別の非同期シリアル通信ポートで遊技機情報に係る信号の通信を行うようにしてもよい。また、このように、信号の種類で非同期シリアル通信ポートを区分けるのではなく、P台2からCU3への通信と、CU3からP台2への通信とを個別の非同期シリアル通信ポートにて行うようにしてもよい。つまり、上記したように、本実施の形態では、P台2とCU3との通信として、共通の非同期シリアル通信ポートにて半二重通信を行うことで、P台2とCU3とを接続する接続ケーブルの数を低減できるが、上記のように、P台2から送信される信号と、CU3から送信される信号との輻輳を防止するために送信タイミングを調整する処理が必要となるものであるので、これらの輻輳を防止する方法として、例えば、図11に示すように、P台2からCU3への通信と、CU3からP台2への通信とを、個別の通信線である通信線1と通信線2とにより行う全二重通信とすることで、送信タイミングを調整する処理を行うことなく、輻輳の発生を防ぐことができるようにしてもよい。なお、全二重通信とするにあっては、輻輳を防止するために送信タイミングを調整する処理は不要となるものの、図8~図10を用いて説明した遊技機情報の重複に係わる処理に関しては、半二重通信と同じように行うことで、遊技機情報の送信タイミングが重複したとしても、遊技機情報の送受信を的確に行うことができるようになる。
<計数に係わる信号についてのシーケンス>
次に、計数ボタン28が操作された場合における計数に係わる信号についての具体的なシーケンスを図12に示す。図12に示す例では、P台2の遊技球は「1000」であり、CU3の持球数は「100」であるものとする。
P台2において計数ボタン28が長押し操作された場合には、該操作の検出があった後に遊技機情報に係わる信号が最初に送信されるときに、遊技球数「1000」と遊技球数通番nとを含む遊技機情報に係わる信号(遊技機情報通知)が送信されて、CU3に遊技球数が通知される。
そして、この遊技機情報が送信されてから100ミリ秒後において、計数ボタン28の1回の操作に対応する計数球数「250」と計数累積球数「250」と計数通番mとを含む計数に係わる信号(計数通知)が、P台2からCU3に出力される。この計数に係わる信号の送信に伴い、P台2における遊技球数は「1000」から「250」が減算されて「750」に更新され、CU3における持球数は「100」に「250」が加算されて「350」に更新される。
これら計数に係わる信号の送信した後には、前述したように、貸出通番kと貸出球数「0」とを含む貸出に係わる信号(貸出通知)並びに貸出球数受領結果(貸出通番k、貸出球数受領結果「正常」)との送受信が、前述したように、次の遊技機情報が送信される前に実行される。
そして、遊技球数通番nの遊技機情報に係わる信号の送信から300ミリ秒後において、減算後の遊技球数「750」と遊技球数通番n+1とを含む遊技機情報に係わる信号が送信されて、CU3に減算後の遊技球数が通知される。これにより、CU3においては、計数に係わる信号の受信前において遊技機情報にて通知された遊技球数「1000」から、計数に係わる信号の受信後において遊技機情報にて通知された遊技球数「750」から、該計数に係わる信号にて加算した「250」がP台2において適切に減算されていることを確認することができる。
そして、この遊技機情報が送信されてから100ミリ秒後において、計数ボタン28の操作が継続されていることに伴い、計数ボタン28の1回の操作に対応する計数球数「250」と計数累積球数「500」と計数通番m+1とを含む計数に係わる信号が、P台2からCU3に送信される。この計数に係わる信号の送信に伴い、P台2における遊技球数は「750」から「250」が減算されて「500」に更新され、CU3における持球数は「350」に「250」が加算されて「600」に更新される。
これら計数に係わる信号の送信後、遊技球数通番nの送信時と同様に、貸出に係わる信号(貸出通番k+1、貸出球数「0」)と貸出球数受領結果(貸出通番k+1、貸出球数受領結果「正常」)との送受信が、前述したように、次の遊技機情報が送信される前に実行される。
そして、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号の送信から300ミリ秒が経過する前に、計数ボタン28の操作が解除された場合には、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号の送信から300ミリ秒の経過時において、減算後の遊技球数「500」と遊技球数通番n+2とを含む遊技機情報が送信されて、CU3に遊技球数が通知される。
そして、この遊技球数通番n+2の遊技機情報に係わる信号が送信されてから100ミリ秒後において、計数ボタン28の操作が解除された殊に伴い、計数球数「0」と計数累積球数「500」と計数通番m+2とを含む計数に係わる信号が、P台2からCU3に送信される。このように、計数球数「0」の計数に係わる信号が送信されるので、CU3においては、持球数は「600」のままとなる。
その後、貸出に係わる信号(貸出通番k+2、貸出球数「0」)と貸出球数受領結果(貸出通番k+2、貸出球数受領結果「正常」)との送受信が、次の遊技機情報に係わる信号が送信される前に実行され、遊技球数通番n+2の遊技機情報に係わる信号が送信されてから300ミリ秒後において、再度、遊技球数「500」と遊技球数通番n+3とを含む遊技機情報が送信されて、CU3に遊技球数が通知される。
このように、計数ボタン28の操作が実行されて計数に係わる信号がP台2からCU3に送信されて持球数への加算が実行される場合には、加算前の遊技球数と、加算後の遊技球数とが、遊技機情報に係わる信号としてP台2からCU3に送信されてCU3に通知されることで、CU3側から計数に係わる信号の送信を行うことなく、CU3において遊技球数の減算が実行されたことを正確に把握することができる。
<貸出に係わる信号についてのシーケンス>
次に、CU3において球貸ボタン321が操作された場合における貸出に係わる信号についての具体的なシーケンスを図13に示す。図13に示す例では、P台2の遊技球は「50」であり、CU3には、貸出が可能な残額が存在しているものとする。
CU3において球貸ボタン321が操作された場合には、該操作のタイミングにおいて貸出に係わる信号がP台2に即時送信されるのではなく、操作後においてP台2からの遊技機情報に係わる信号とその後の計数に係わる信号の受信に応じたタイミングにて送信される。
つまり、球貸ボタン321の操作後において、遊技機情報が最初に送信されるときに、遊技球数「50」と遊技球数通番nとを含む遊技機情報に係わる信号が送信されて、CU3に遊技球数が通知される。
この遊技機情報に係わる信号が送信されてから100ミリ秒後において、例えば、計数球数「0」と計数累積球数「0」と計数通番mとを含む計数に係わる信号が、P台2からCU3に送信される。
そして、この計数通番mの計数に係わる信号の受信から170ミリ秒以内、つまり、遊技球数通番nを含む遊技機情報に係わる信号の送信から270ミリ秒以内に、例えば、貸出通番k、貸出球数「125」の貸出に係わる信号が送信される。
この貸出通番kの貸出に係わる信号の受信に応じて、P台2においては、その時点の遊技球数である「50」に「125」が加算されて「175」に更新されるとともに、該受信から10ミリ秒以内に貸出球数受領結果(貸出通番k、貸出球数受領結果「正常」)とがP台2からCU3に送信される。
この貸出球数受領結果の受信により、CU3は、貸出球数受領結果が「正常」であるか否かを確認し、「正常」である場合には、残額から「125」に対応する金額を減算更新する。なお、貸出球数受領結果が「正常」でない場合には、残額の減算更新を行わない。
なお、貸出に係わる信号と貸出球数受領結果とは、遊技機情報が送信されてから100ミリ秒後において送信される計数に係わる信号の受信から170ミリ秒+10ミリ秒以内に実行、つまり、遊技機情報が送信されてから270ミリ秒+10ミリ秒以内に実行されるため、貸出球数受領結果の送信から次に遊技機情報が送信されるまでの期間としては、20ミリ以上の期間が確保されることになるので、これら貸出球数受領結果の送信と遊技機情報が送信とが重複することはない。
このようにして、遊技機情報に係わる信号、計数に係わる信号、貸出に係わる信号、貸出球数受領結果とが、異なるタイミングにおいて送信されることで、半二重通信においては、信号の輻輳が発生してしまうことを防止できるとともに、全二重通信においては、貸出に係わる信号と他の信号との輻輳が発生しないものの、短期的に信号の送信と受信の双方が発生することによって、通信に関する処理負荷が短期的に増大してしまうことを防ぐことができる。
<専用インターフェイス断線時の復旧シーケンス>
次に、P台2とCU3とを接続する専用インターフェイスに断線が発生した場合における復旧シーケンスを図14に示す。なお、図14に示す例では、P台2の遊技球は「1000」であるものとする。
専用インターフェイスに断線が発生する前においては、前述したように、300ミリ秒毎に遊技機情報に係わる信号がP台2からCU3に送信されるとともに、これら遊技機情報に係わる信号が送信される間において、計数に係わる信号、貸出に係わる信号、貸出球数受領結果とが、異なるタイミングにおいて順次、送受信される。
具体的には、遊技機情報に係わる信号(遊技球数「1000」、遊技球数通番n)、その100ミリ秒後に計数に係わる信号(計数球数「0」、計数累積球数「0」、計数通番m)、その170ミリ秒以内に貸出に係わる信号(貸出球数「0」、貸出通番k)、その10ミリ秒以内に貸出球数受領結果(貸出通番k、貸出球数受領結果「正常」)が送信され、遊技球数通番nの送信から300ミリ秒後に遊技機情報に係わる信号(遊技球数「1000」、遊技球数通番n+1)が送信される。
そして、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号の送信後に専用インターフェイスの断線が発生した場合には、これら断線の発生が通信制御IC325にて検知されることにより、CU3(CU制御部323)は、接続信号(VL信号(BRDY信号ともいう)図20参照)をOFF状態にする。なお、接続信号(VL信号)は、専用インターフェイスを構成する専用線にてCU3からP台2に出力される所定電圧の信号であり、CU3が接続されていることをP台2が特定可能とするための信号である。
この接続信号(VL信号)がOFF状態とされることで、P台2は、遊技球pの発射を停止して遊技を不能とするとともに、計数ボタン28の操作を無効とする。そして、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号の送信後に専用インターフェイスに断線が発生したので、P台2は、計数ボタン28の操作無効に対応した計数に係わる信号(計数球数「0」、計数累積球数「0」、計数通番m+1)を送信する。但し、該送信は、CU3によって受信されない。
また、計数に係わる信号の送信後においては、通常であれば、貸出に係わる信号がCU3からP台2に送信されるが、専用インターフェイスの断線発生によって、計数に係わる信号も送信されない。
その後、遊技球数通番n+2の遊技機情報に係わる信号、計数通番m+2の計数に係わる信号が送信されるが、これらの信号もCU3によって受信されない。
これら専用インターフェイスに断線が発生した場合には、P台2とCU3において、専用インターフェイスエラーが報知されるので、遊技場の店員は、その時点の遊技球数を確認して、専用インターフェイスエラーを復旧させる。そして、CU3(CU制御部323)は、接続信号(VL信号)をON状態とした後、通信制御IC325にて専用インターフェイスの接続状況を確認する。なお、接続信号(VL信号)がON状態となることに応じて、P台2は、遊技球pの発射を可能とするとともに、計数ボタン28の操作を有効とする。
その後、遊技機情報に係わる信号(遊技球数「1000」、遊技球数通番n+3)、計数に係わる信号(計数球数「0」、計数累積球数「0」、計数通番m+3)が送信された後、貸出に係わる信号(貸出球数「0」、貸出通番0)がCU3からP台2に送信される。この場合、貸出通番を「0」とした貸出に係わる信号が送信される。そして、この貸出に係わる信号に対応する貸出球数受領結果(貸出通番k、貸出球数受領結果「異常」)が送信されることで、CU3における貸出通番が「0」から「k」に更新される。
そして、その300ミリ秒後においては、図14に示すように、更新後の貸出通番にもとづいて、貸出に係わる信号(貸出球数「0」、貸出通番k+1)がCU3からP台2に送信されることで、貸出球数受領結果(貸出通番k+1、貸出球数受領結果「正常」)が送信され、P台2とCU3との間の通信が正常に復旧される。
<計数中に通信異常におけるシーケンス>
次に、計数中に通信異常が発生した場合における復旧シーケンスを図15に示す。なお、図15に示す例では、P台2の遊技球は「1000」であり、CU3の持球数は「100」であるものとする。図15において、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号が送信される段階までは、前述した図12と同一であるので、ここでの説明は省略する。
この遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号が送信されてから100ミリ秒後において、計数ボタン28の操作に対応する計数球数「250」と計数累積球数「500」と計数通番m+1とを含む計数に係わる信号が、P台2からCU3に出力されるが、何らかのエラーが発生していることで、該計数に係わる信号はCU3に受信されないが、P台2においては、遊技球数が「750」から「250」減算されて「500」に更新される。なお、計数通番m+1の計数に係わる信号の送信後においては、エラーが発生していることに伴って、CU3からの貸出に係わる信号は送信されない。
そして、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号が送信されてから300ミリ秒後においては、遊技球数「500」と遊技球数通番n+2とを含む遊技機情報に係わる信号が送信されるが、これら遊技機情報に係わる信号も、CU3において何らかのエラーが発生していることにより、該遊技機情報に係わる信号もCU3に受信されない。
この遊技機情報に係わる信号を受信できないことにより、CU3は、通信異常を検知して接続信号(VL信号)を300ミリ秒後にOFF状態とする。これにより、P台2においては、遊技球pの発射が停止されて遊技が不能とされるとともに、計数ボタン28の操作も無効とされる。
そして、これらのエラーがP台2とCU3において報知されるので、遊技場の店員は、その時点の遊技球数と持球数を確認して、エラーを復旧させる。CU3は、エラーが復旧してから接続信号(VL信号)をON状態とすることで、CU3のエラー復旧に伴って、P台2においては、遊技球pの発射が可能となるとともに、計数ボタン28の操作が有効とされる。
なお、接続信号(VL信号)をON状態とすることによる復旧のシーケンスは、図14の場合と同様であり、貸出通番等の更新が実行されて、通信の復旧がなされる。
<貸出時の通信異常におけるシーケンス>
次に、貸出時に通信異常が発生した場合における復旧シーケンスを図16に示す。なお、図16に示す例では、図13の場合と同様に、P台2の遊技球は「50」であり、CU3には、貸出が可能な残額が存在しているものとする。
図16において、貸出通番k、貸出球数「125」の貸出に係わる信号が送信されるまでの流れは、図13の場合と同様であるので、ここでの説明は省略する。
貸出通番kの貸出に係わる信号の受信に応じて、P台2においては、その時点の遊技球数である「50」に「125」が加算されて「175」に更新されるとともに、該受信から10ミリ秒以内に貸出球数受領結果(貸出通番k、貸出球数受領結果「正常」)とがP台2からCU3に送信される。但し、これら貸出球数受領結果が、何らかの不具合により、CU3に受信されないと、CU3は、貸出に係わる信号の送信から10ミリ秒が経過しても貸出球数受領結果を受信できないことにより、貸出未完了と判断する。
そして、加算更新後の遊技球数「175」、遊技球数通番n+1の遊技機情報に係わる信号の後、計数に係わる信号を受信してから170ミリ秒以内に、貸出未完了との判断にもとづいて、前回送信した貸出に係わる信号と同一の貸出通番k、貸出球数「125」の貸出に係わる信号を、再度送信する。
P台2(枠制御部171)は、貸出に係わる信号の貸出通番の連続性をチェックし、本来であれば、「k+1」であるはずの貸出通番が「k」であるので、貸出通番「k+1」、貸出球数受領結果「正常」の貸出球数受領結果ではなく、貸出通番「k」、貸出球数受領結果「異常」の貸出球数受領結果を送信する。
この貸出通番「k」、貸出球数受領結果「異常」の貸出球数受領結果を受信したCU3は、前回の貸出に係わる信号と貸出通番が一致することにもとづいて、貸出に係わる信号がP台2(枠制御部171)において受信できていると判断し貸出を完了と判断する。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図17は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図17を参照して、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技球数の変動を算出して現在の最新の遊技球数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行っているが、その遊技球数はP台2側から送信されてきた情報にもとづいたものである。一方、持球(カード持球数)や貯球数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図17では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の枠制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している枠チップID(枠制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと枠チップIDとを記憶する。この状態で、メインチップID、枠チップIDの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら2つの情報、すなわち、メインチップIDと枠チップIDとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。一方、P台2では、電源投入後に設置情報であるメインチップID、枠チップIDの情報などの情報をCU3に送信し、その後、CU3を含む外部へ所定期間ごとに遊技機情報を送信することが可能となる。P台2では、認証処理を経ることなく遊技機情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
CU3およびP台2の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびP台2の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、前述したように、「遊技球数通番」、「計数通番」および「貸出通番」の3種類がある。「通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通番」は、送信側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通番」をカウントアップしない。受信側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「遊技球数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球数を通知する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技球の計数を要求する際に用いられる通番である。「貸出通番」はCU3がP台2に対して遊技球の貸出を要求する際に用いられる通番である。
P台2側からCU3側へは、最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報が送信される。この最新の遊技機性能情報、ホールコン情報および不正監視情報は、P台2側の枠制御部171(図4参照)のRAMに記憶されている。具体的には、計数球数カウンタの情報が含まれる。なお、遊技球数は、不正監視情報として遊技球数カウンタのカウント値をP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技球数カウンタに加えて、遊技球数も最新の遊技機性能情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめて遊技機情報に係る信号としてCU3側へ送信される。CU3では、P台2から送信されてくる最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握している。CU3では、例えば、ホールコン情報に含まれる「賞球球数×入賞個数」にもとづき遊技球数を加算し、「発射球数」にもとづき遊技球数を減算する。さらに、計数球数カウンタは、計数球数をカウントするカウンタである。計数球は、「計数操作によって遊技球から持球に変換された球」である。ここで、「賞球球」は、入賞口へ球が入賞することにより払出される球であり、セーフ球である。「発射球」は、遊技機が発射した球であり、バック球がある場合はバック球を減算した球数が発射球数となる。
枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技球数を計数球数としてカウントし、その計数数数カウンタの値(計数球数)をP台2側からCU3側へ送信する(図12)。
P台2側においては、計数球数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、当該カウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、計数球数カウンタの値を0クリアする(遊技球数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した計数球数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ計数球数のデータが送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技球数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、枠制御基板17は、入賞の発生、球の発射、および計数球の発生(遊技球から持球への変換)に応じて、遊技球数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技球数カウンタの値を遊技球数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技球数、カード持球数(単に、持球数とも言う)、貯球数、残額、およびカード挿入時持球数を記憶している。なお、カード持球数は、カード挿入時持球数から貸出球数(カード持球数から遊技球数に変換した球数)を減算し、計数球数を加算した球数である。つまり、カード持球数は、現時点で遊技者が所有している持球数である。
P台2から送信されてきた計数球数カウンタの値にもとづいてカード持球数を加算し、遊技球数から減算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新の遊技機情報によって遊技球数、カード持球数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技球数を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技球数カウンタのカウント値(遊技球数または遊技球トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技球数を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台2側から送信されてきた最新の遊技機性能情報およびホールコン情報から遊技球数の変化を把握するとともに、計数球数カウンタの値および貸出球数の値にもとづいて、記憶している遊技球数を更新するとともに、P台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値と、更新後の遊技球数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行う。
その結果、例えば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行われ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバによるエラー報知が行われるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行われる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技球数をP台2側から送信されてきた遊技球数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技球数と、P台2側で記憶している遊技球数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技球数を記憶させているが、その遊技球数がP台2側で管理記憶している遊技球数と整合するか否かの判定を行えるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技球数がCU3側で記憶している遊技球数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、例えば、CU3と接続されるホールサーバまたはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で記憶している遊技球数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行うものとしてもよい。
また、CU3は、計数に係る信号を受信できなかった場合、CU3側で記憶している遊技球数とP台2側で管理記憶している遊技球数とが一致しなくなるので、特別処理を実行する。当該特別処理として、遊技機情報にもとづく遊技球数の補填を行うため遊技機情報の履歴情報を表示させる処理を行ったり、当該履歴情報にもとづき遊技球数の補填を行ったり、エラー報知を行ったりする。
さらに、図17に示すように、CU3は、カード持球数、貯球数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのプリペイド残額を記憶する記憶領域と、およびカード挿入時持球を記憶する記憶領域とをさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯球の使用を要求する入力(例えば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持球無しのとき))に応じて貯球を記憶する記憶領域から所定数の貯球を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持球の使用を要求する入力(例えば、持球有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力)に応じて持球を記憶する記憶領域から所定数の持球を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、プリペイド残額の使用を要求する入力(例えば、球貸ボタン321の押圧入力)に応じてプリペイド残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の所有価値(例えば持球数、貯球数、あるいはプリペイド残額)から所定の大きさの価値を貸出して遊技に使用する操作を遊技者が行った場合に、その引落とし分の球数を遊技球数カウンタに加算するための貸出球数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技球数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の所有価値を引落としてドリンクなどに交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダなどを受付けることが可能である。ただし、遊技球でワゴンサービスを受けることが制限されており、持球でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ遊技機において、皿に残っている計数前の球を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行う操作が実行されたときに、持球数がワゴンサービスの希望メニューに対応する球数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作にもとづく計数球数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技球数を減算し、カード持球数を加算して更新する。
<発射機構>
次に、発射機構30について、より詳細に説明する。図18(a)は、発射機構30の正面図、図18(b)は、発射機構30の右側面図、図18(c)は、発射機構30の裏面図である。図19は、発射機構30の球通路に遊技球が充満した状態を説明するための概略図である。図20は、遊技媒体の発射および遊技球数の減算を説明するためのブロック図である。
図18を参照して、発射機構30は、発射ソレノイド31aと、杵42と、発射台43と、弁44とを主に有している。また発射機構30の近傍(背面側)には減算機構32を有している。減算機構32は、減算ソレノイド32aと、減算機構入口センサ32bと、減算機構出口センサ32cとを主に有している。
発射機構30は、主制御基板16による発射許可信号と、遊技者の直接操作に伴う打球操作ハンドル25の各状態により、発射ソレノイド31aへの通電が可能となった場合、遊技球pを遊技盤26に発射する。また、発射ソレノイド31aが作動すると、図20に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。減算基準信号は、減算機構32にある減算ソレノイド32aを通電する基準となる。
図20に示すように、CU3が遊技球等貸出装置接続端子板に接続されてCU3からVL信号が出力され、かつ主制御基板16から発射許可信号が出力されると、発射ソレノイド31aへの通電が可能となる。図21は、発射機構での処理を説明するためのブロック図である。図21に示すように、枠制御基板17に設けられたAND回路172は、CU3の接続状態と、主制御基板16から発射許可信号とが入力されると、発射制御基板31に対して発射許可信号を出力する。なお、発射許可信号が出力されていない場合、打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する(図40参照)。
ここで、打球操作ハンドル25の動作原理や各状態について説明する。打球操作ハンドル25には、図示していないが発射停止ボタン、発射停止スイッチ、ハンドルレバー、タッチセンサ、ハンドルボリューム、リングなどにより構成される。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aの作動及び停止、発射強度を変化させることができる。また、発射停止ボタンを操作すると遊技球を一発ずつ発射することができる。
遊技者が打球操作ハンドル25のリングに触れていると、リングに接続されているタッチセンサは、図21に示すように検知信号を発射制御基板31に出力する。発射制御基板31がこの信号を検知すると、発射許可信号が出力されていることを条件に発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。なお、遊技者が打球操作ハンドル25のリングに直接触れていない場合、遊技者が打球操作ハンドル25の各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。なお、遊技者が発射停止ボタンを押すことをやめ、発射停止スイッチが開放状態となった場合は、発射ソレノイド31aへの通電が可能になる。
遊技者が打球操作ハンドル25のハンドルレバーを回すとハンドルボリュームの検出電圧が変化し、回した角度に応じて、発射ソレノイド31aへの通電電流の強弱を変化させることができる。図21では、動作条件判定部31bにおいて、発射許可信号、タッチセンサの検知信号、ハンドルボリュームからの回転検知信号などにもとづいて動作許可信号がパルス・クロック生成部31cに出力されている。パルス・クロック生成部31cは、動作条件判定部31bから動作許可信号にもとづき、発射制御基板31の各種パルスおよびクロックを生成している。パルス・クロック生成部31cにおいて各種パルスおよびクロックが生成されることで、定電流制御部31dは、ハンドルボリュームの回した角度に応じたハンドル回転値検出部31eからの検出値にもとづいて、発射ソレノイド31aへの通電電流を制御している。その結果、遊技球pの飛距離が変化し、遊技者は遊技盤26上の任意の位置に遊技球pを発射することができる。
なお、ハンドルレバーが原点位置状態となり、検出電圧が設定電圧以下になった場合は、ハンドルの各状態に係わらず、発射ソレノイド31aへの通電は不可となる。図21に示すハンドル回転値比較部31fにおいて、検出電圧が設定電圧以下の場合、回転検知信号が動作条件判定部31bに出力されない。
発射ソレノイド31aを駆動させると、杵42が遊技球pの方向に動作し、発射台43に停止している遊技球pを発射する。発射された遊技球pは、弁44を通過して遊技盤26上に発射される。弁44は遊技球pが通過後に定位置に戻る。そのため、弁44は、発射された遊技球pが発射台43に戻ることを防止している。
発射ソレノイド31aが作動すると、図20に示すように連動する減算基準信号が発射制御基板31から枠制御基板17に出力される。枠制御基板17では、枠制御部171のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)がユーザープログラム領域(使用領域)内にある遊技球数管理プログラムによる後述する減算機構制御処理において減算基準信号が処理される。遊技球数管理プログラムにより減算ソレノイド制御部32dが減算機構32の減算ソレノイド32aを制御する。減算機構32は、減算基準信号を基準として、減算ソレノイド32aを通電し図19に示す可動片45を動かすことにより、電磁的方法によって記録された遊技球を実球に変換して、発射機構30へ送り出している。遊技球pが減算機構入口センサ32bを通過すると遊技球数を減算し、遊技球数表示器29に表示する。
次に、減算機構32の動作の詳細について説明する。まず、減算機構入口センサ32bに遊技球pが有り、減算機構出口センサ32cに遊技球pが無く、かつ遊技球数が有る場合、減算機構32は、減算基準信号が出力されてから16ms後に減算ソレノイド32aを通電する。減算ソレノイド32aが通電されると、可動片45が図19(a)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に遊技球pが移動する。可動片45の切欠き部に遊技球pが挟まった状態で、減算ソレノイド32aの通電が解除されると、可動片45が図19(c)に示す位置に移動する。可動片45が当該位置に移動すると、可動片45の切欠き部に挟まっていた遊技球pが発射機構30の発射台43に送り出される。
減算ソレノイド32aが通電され、遊技球pが可動片の切欠き部に移動した場合、減算機構入口センサ32bは1球の遊技球の通過を検知することになる。減算機構入口センサ32bの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理され、遊技球数を1球減算し、遊技球数表示器29に減算した遊技球数を表示する。
減算ソレノイド32aへの通電が停止すると、発射機構に送り出された遊技球pが減算機構出口センサ32cで検知される。減算機構出口センサ32cの検知信号は、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理される。
<枠制御基板17のプログラム>
次に、枠制御基板17のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)が実行するプログラムについて説明する。枠制御基板17のCPUは、プログラムを実行することで、電源投入時処理、メインループ処理、タイマ割込制御処理、通信処理、遊技球数表示処理、性能表示演算処理、およびエラー検知処理など様々な各種の制御処理を行う。まず、枠制御基板17のCPUのメモリ空間について説明する。図22は枠制御基板17におけるCPUのメモリマップを示した図である。枠制御基板17のCPUは、内蔵レジスタ、ROM、RAMなどにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図22のメモリマップに示すように、ROMのアドレス/データ信号線は、メモリ空間における0000H~2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)の16Kバイト領域の内蔵ROMエリアに割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、内蔵ROMエリアにおいて、各種の制御処理を行う。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間におけるFE00H~FEBFHの内蔵レジスタエリアに割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、この内蔵レジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAMのアドレス/データ信号線は、メモリ空間におけるF000H~F3FFHのRAM領域(内蔵RAMエリア)に割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、このRAM領域を指定してRAMからのデータの読み出しやRAMへのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H~EFFFH、F400H~FDFFH、FEC0H~FFFFH)は非使用領域とされている。
また、図23は、内蔵ROMエリアのメモリマップを示した図である。内蔵ROMエリアには、図23に示すように、使用領域内プログラムエリア、使用領域内データエリア、使用領域外プログラムエリア、及び使用領域外データエリアが割り当てられている。また、使用領域内プログラムエリアと使用領域外データエリアとの間には、空き領域が割り当てられている。同様に、使用領域内データエリアと使用領域外プログラムエリアとの間、使用領域外プログラムエリアと使用領域外データエリアとの間にも、それぞれ空き領域が割り当てられている。枠制御基板17のCPUは、この内蔵ROMエリアを指定してROMからのデータの読み出しを行う。
このうち、使用領域内プログラムエリアには、枠制御基板17のCPUが実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)や枠制御基板17のCPUがそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成され、遊技を行うための関連プログラムのデータが記憶されている。使用領域内プログラムエリアに記憶された関連プログラムには、枠制御基板17を制御するためのプログラムである制御プログラム及び遊技球数の管理や表示するための関連プログラムなどが含まれている。使用領域内プログラムエリアには、これらの関連プログラムが記憶されている。
使用領域外プログラムエリアには、枠制御基板17のCPUがベース、連比や役比を算出するための命令データ(オペコード)や枠制御基板17のCPUがそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される。ベース、連比及び役比を算出したり、表示したりするためのプログラム(以下、性能表示関連プログラムと称する場合がある)のデータが記憶されている。性能表示関連プログラムには、ベース、連比や役比を算出、表示するための性能表示演算プログラムが含まれている。使用領域外プログラムエリアには、遊技を行うための関連プログラムとは異なるプログラムが記憶されている。
ここで、使用領域内プログラムエリア及び使用領域外プログラムエリアについてさらに説明する。図24は、内蔵ROMエリアにおける使用領域プログラムエリア及び非使用領域プログラムエリアの構成を示す図である。図24に示すように、使用領域内プログラムエリアには、関連プログラムとして、「電源投入時処理」、「メインループ処理」、「タイマ割込制御処理」、「メモリ処理」、「ポート処理」、「通信処理」、「貸出処理」、「遊技球数表示処理」の各プログラムが記憶されている。また、使用領域外プログラムエリアには、「性能表示演算処理」、「エラー検知処理」、「エラー解除処理」、「不正監視処理」、「遊技球循環処理」、「球磨き処理」の各プログラムが記憶されている。
<枠制御基板17における処理>
図25は、枠制御基板17のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)における処理を示すフロー図である。CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、電源が投入されると、電源投入処理(ステップS1)を実行する。その後、メインループ処理(ステップS2)に入る。以後、枠制御基板17のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、所定時間(例えば1ms)毎に発生するタイマ割込に応じて、定期的にタイマ割込み制御処理(ステップS3)を実行する。よって、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、起動後においては、メインループ処理(ステップS2)を実行するとともに、タイマ割込に応じて定期的にタイマ割込み制御処理(ステップS3)を実行して、メインループ処理(ステップS2)に戻ることを繰り返す。
図26は、図25に示す電源投入時処理の具体的な処理内容を示すフロー図である。図26に示すように、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、電源投入時処理において、先ず、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)における処理を実行可能とするためのCPU初期設定処理(ステップS11)を実行するとともに、図22に示す内蔵RAMに記憶されているデータをクリアするRAMクリア処理を実行する(ステップS12)。
また、CPU(CPU(払出制御用マイクロコンピュータ))は、枠制御部171の所定の記憶領域に格納されている遊技球数のデータをクリアする遊技球クリア処理(ステップS13)と、後述する領域内処理を実行可能とするための各初期値を設定する領域内初期値設定処理(ステップS14)と、後述する領域外処理を実行可能とするための各初期値を設定する領域外初期値設定処理(ステップS15)と、を実行する。なお、領域外初期値設定処理(ステップS15)は、領域外処理として実行される。
図27は、図25に示すメインループ処理(ステップS2)を示すフローチャートである。メインループ処理においてCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、先ず、発射許可信号の出力・非出力等による発射の停止等の制御を含む発射停止制御処理(ステップS101)、主制御基板16(主制御部161)と通信を行うための主制御基板通信処理(ステップS102)、遊技機情報を管理するための遊技機情報管理処理(ステップS103)、CU3に設けられているSC基板と通信を行うためのSC基板通信処理(ステップS104)、遊技球数表示器29において遊技者が所持している遊技球数(持球数)を表示するための遊技球数表示制御処理(ステップS105)、領域内処理にて発生したエラーを解除するための領域内エラー解除処理(ステップS106)を実行する。なお、これらステップS101からステップS106の処理は、領域内処理として実行される。
ステップS106に続き、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、図示しない球磨き機構の制御を行うための球磨き機構制御処理(ステップS110)、内封された遊技球pを循環させるための遊技球循環機構の制御を行うための遊技球循環機構制御処理(ステップS111)、領域外処理の実行により発生したエラーを検知するための領域外エラー検知処理(ステップS112)、領域外エラー検知処理にて検知したエラーを解除するための領域外エラー解除処理(ステップS113)、P台2に対する不正を検知するための不正検知処理(ステップS114)、性能表示モニタ40に表示するベース値等の性能情報を算出するための入賞球数や賞球数等の情報を蓄積する性能情報蓄積処理(ステップS115)と、性能情報蓄積処理において蓄積した入賞球数や賞球数等に基づいて性能表示モニタ40に表示するためのベース値等の各データを計算する性能情報計算処理(ステップS116)を実行する。性能情報計算処理(ステップS116)の実行後は、ステップS101に戻ってメインループ処理を繰り返す。なお、これらステップS110からステップS116の処理は、領域外処理として実行される。
図28は、図25に示すタイマ割込み制御処理を示すフローチャートである。タイマ割込み制御処理において、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、1msタイマ減算処理(ステップS201)を実行した後、図示しない球磨き機構のカセットモータを駆動させるためのカセットモータ駆動処理(ステップS202)と、図示しない遊技球循環機構の揚上モータを駆動させるための揚上モータ駆動処理(ステップS203)を実行する。よって、これらの処理は、1ms毎に実行される処理であって、領域外処理として実行される。そして、2ms毎に実行する処理の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS204)。
2ms毎に実行する処理の実行タイミングである場合(ステップS204;Y)は、2msタイマ減算処理(ステップS205)を実行した後、遊技球数表示器29のLEDの点灯を制御するための遊技球数表示器LED制御処理(ステップS206)、ポート入力処理(ステップS207)、アウト球検出スイッチ701や前飾り開放スイッチ12、裏機構部開放スイッチ13からの入力を検知するためのスイッチ検知処理(ステップS208)、図29に示す減算機構制御処理(ステップS209)、球磨き機構の制御に使用される球磨き機構制御タイマを更新するための球磨き機構制御タイマ減算処理(ステップS210)、球磨き機構に設けられた遊技球pを検出するための球磨き機構スイッチの検出に係わる球磨き機構スイッチ検知処理(ステップS211)、図示しない遊技球循環機構に設けられた遊技球pを検出するための遊技球循環機構スイッチの検出に係わる遊技球循環機構スイッチ検知処理(ステップS212)、領域外エラー監視処理(ステップS213)、領域外エラー解除監視処理(ステップS214)、不正監視処理(ステップS215)を実行する。なお、ステップS210~ステップS215の処理は、領域外処理として実行される。
ステップS204において、2ms毎に実行する処理の実行タイミングではない場合(ステップS204;N)、或いは、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)が2ms毎に実行する処理としてステップS205~ステップS215の処理を実行した後は、更に、4ms毎に実行する処理の実行タイミングであるか否かを判定する(ステップS220)。
4ms毎に実行する処理の実行タイミングではない場合(ステップS220;N)はタイマ割込み制御処理を終了し、4ms毎に実行する処理の実行タイミングである場合(ステップS220;Y)、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、4msタイマ減算処理(ステップS221)及び試験信号出力処理(ステップS222)を実行してタイマ割込み制御処理を終了する。
このように、各処理が、1ms、2ms、4ms毎に適切なタイミング頻度にて実行されることで、処理負荷の増大を防ぎつつ、適切な処理を実行できるようになっている。
図29は、図28における減算機構制御処理(ステップS208)を示すフローチャートである。減算機構制御処理において、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、減算基準信号がオンであるか否かを判定する(ステップS301)。減算基準信号がオフである場合(ステップS301;N)は減算機構制御処理を終了し、減算基準信号がオンである場合(ステップS301;Y)は、更に遊技球数が0であるか否かを判定する(ステップS302)。
遊技球数が0である場合(ステップS302;Y)は減算機構制御処理を終了し、遊技球数が1以上である場合(ステップS302;N)は、減算機構入口センサ32bがオンであるか否かを判定する(ステップS303)。減算機構入口センサ32bがオフである場合(ステップS303;N)は減算機構制御処理を終了し、減算機構入口センサ32bがオンである場合(ステップS303;Y)は、更に減算機構出口センサ32cがオンであるか否かを判定する(ステップS304)。
減算機構出口センサ32cがオフである場合(ステップS304;N)は減算機構制御処理を終了し、減算機構出口センサ32cがオンである場合(ステップS304;Y)は、減算ソレノイド32aを、図31に示すように、所定期間に亘ってオンとする処理を実行した後(ステップS305)、減算ソレノイド32aのオンによって減算機構入口センサ32bを遊技球が通過したか否かを判定する(ステップS306)。
減算機構入口センサ32bを遊技球が通過していない場合(ステップS306;N)は、減算ソレノイド32aがオンとなってから500msが経過したか否かを判定する(ステップS307)。減算ソレノイド32aがオンとなってから500msが経過していない場合(ステップS307;N)は、ステップS306とステップS307の処理を繰返し実行し、減算ソレノイド32aがオンとなってから500msが経過した場合(ステップS307;Y)は、減算機構入口センサ異常処理(S308)を実行する。
一方、ステップS306において減算機構入口センサ32bを遊技球が通過した場合(ステップS306;Y)は、遊技球数を1減算した値を遊技球数表示器29に表示させ(ステップS309)、減算機構制御処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、特別信号である減算基準信号を受信したことにもとづいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送しているので、発射動作に対応した適切な搬送を実現できるとともに、減算基準信号がON状態となっていることによってステップS301において「Y」と判定された後に、減算機構入口センサ32bがオンとなり遊技球pを検知したことによってS303にて「Y」と判定されたことにより、遊技球数を1減算した値が遊技球数表示器29に表示されるS309の処理が実行されるので、発射動作だけではなく、搬送に対応した減算処理を実行できる。
次に、図を用いて発射機構および減算機構での処理を説明する。図30は、発射機構30での処理、および打球操作ハンドル25の動作を説明するためのタイミングチャートである。図30に示す(i)の状態は、CU3が接続されて、主制御基板16から発射許可信号がオフからオンに変化した状態であり、遊技球pが発射可能な状態である。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を握った場合、打球操作ハンドル25のリングに遊技者が直接触れることになり、タッチセンサの検知信号がオフからオンに変化した状態となる(図30に示す(ii)の状態)。
遊技者が遊技を行うために打球操作ハンドル25を時計回りに回した場合、打球操作ハンドル25のハンドルボリュームの検出電圧が弱から強に変化し、設定電圧を超えた状態となる(図30に示す(iii)の状態)。
打球操作ハンドル25の発射停止スイッチがオフ状態である(図30に示す(iv)の状態)。発射機構30は、(i)~(iv)の状態を満たした場合、(iv)の状態から37.5ms後に発射ソレノイド31aをオン状態にする。
発射機構30は、打球操作ハンドル25の角度に応じた通電電流にて、発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図30に示す(v)の状態)。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)~(iv)の状態を満たした場合、37.5ms後に発射ソレノイド31aを16msの間オン状態とし、発射制御基板31から減算基準信号を37.5msの間出力する(図30に示す(vi)の状態)。発射機構30は、(i)~(iv)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態にする。
発射機構30は、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)~(iv)の状態を満たさない場合、発射制御基板31から減算基準信号を出力しないことで減算ソレノイド32aをオンさせず、減算機構32を停止する。なお、減算機構32から杵42までの球通路に遊技球p3個分の空間があるため、仮に、当該球通路で球詰りが生じた場合でも、減算機構32を停止して、発射ソレノイド31aのみ、例えば、最後の発射強度と同じ発射強度にて3回オン状態とする特定発射動作を行うことで、詰まった遊技球pを排出できる。そのため、(i)~(iv)の状態を満たさずに減算機構32を停止する場合、球詰りを防止する目的で図30に示すように発射ソレノイド31aのみ3回オン状態とする。これにより、発射機構30に遊技球pが滞留してしまうことを特定発射動作によって防ぎつつ、該特定発射動作によって遊技球数が不適切に減算されてしまうことも防ぐことができる。
なお、発射ソレノイド31aのみオン状態とする特定発射動作の回数は、最小3回としているが、球通路の長さや発射の条件に応じて回数を変更してもよい。その後、発射機構30は、(i)~(iv)の状態を満たした場合、図30に示す(v)の状態に復帰し、遊技球pを発射する。なお、発射ソレノイド31aを3回オン状態としても球詰りが解消していない場合であっても、遊技者による打球操作ハンドル25の操作に応じて、発射ソレノイド31aのみを0.6秒毎にオン状態としてもよい。
次に、図31は、減算機構32、および遊技球数表示器29の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、図30に示した(i)~(iv)の状態を満たし発射機構30の発射ソレノイド31aがオン状態した場合、発射制御基板31から減算基準信号が37.5ms間出力される(図31に示す(i)の状態)。
減算機構32は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cのオフ状態になっていることを条件に減算ソレノイド32aを75ms間オン状態にする(図31に示す(ii)の状態)。
減算機構32は、減算ソレノイド32aをオン状態にすることで、図19に示す可動片45を駆動して、可動片45の手前で停留している遊技球pを移動させる。遊技球pが移動することで、減算機構入口センサ32bがオン状態となる(図31に示す(iii)の状態)。減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、遊技球数表示器29は、X個の遊技球数の表示から1個減算してX-1の遊技球数の表示に変更する。
減算機構32は、減算ソレノイド32aがオフ状態になると、遊技球pが減算機構出口センサ32cの位置に移動して減算機構出口センサ32cがオン状態となる(図31に示す(iv)。減算機構32は、発射機構30が、図30に示す(i)~(iv)の状態を満たしている限り、以後、約600msの周期で発射ソレノイド31aをオン状態となり、遊技球数の減算処理を繰り返す。
次に、図32は、減算機構出口センサ32cによって、球詰りを検知した場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。まず、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する(図32に示す(i)の状態)。この場合、枠制御基板17は、減算ソレノイド32aをオン状態にはいない。
枠制御基板17は、減算機構出口センサ32cがオフ状態になった場合、球詰りが解消したと判断して、発射ソレノイド31aを2回オン状態にして、正常な状態に復帰させる(図32に示す(ii)の状態)。
P台2は、遊技球pを発射する発射機構30と、発射機構30に遊技球pを搬送する減算機構32(特に、減算ソレノイド32a、可動片45など)と、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成する発射制御基板31と、遊技球数(遊技点)を管理し、減算基準信号にもとづいて減算機構32に遊技球pの搬送動作を実行させるとともに、減算基準信号にもとづいて遊技球数を減算する枠制御基板17とを備える。これにより、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
従来、発射部から枠制御基板17へ、遊技球が発射されたことを示す発射検出信号が入力され、発射検出信号を受けた枠制御基板17が、発射球数1個の検出に対して、減算球数と遊技中球数とを1加算更新するとともに遊技球数を1減算更新する処理を行っていた。つまり、遊技球の発射による遊技球数の減算と、遊技球の搬送とを個別に行っていた。そのため、ファール球検出スイッチでファール球を検出するなど遊技球の搬送に関する不具合が生じた場合、枠制御基板17では、一旦減算した遊技球数を加算して戻す処理を行う必要があった。
一方、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射動作に対応した減算基準信号を生成し、当該減算基準信号にもとづいて減算機構32が遊技球pの搬送動作を行うことにより、遊技球数を減算するので、遊技球の搬送に関する不具合が生じても遊技球数が減算されない。そのため、本実施の形態によれば、発射機構30における遊技球pの発射に対応して適切に遊技球数を減算することができる。また、本実施の形態の構成では、後述する下部発射による変形例のように、ファール球を検出するファール球検出スイッチ自体が必要なく、ファール球の検出に係る処理も省略できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことにもとづいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことにもとづいて、X個の遊技球数から1個減算してX-1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信したことにもとづいて、減算機構32による遊技球pの搬送動作を実行させる。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことにもとづいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送する。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作に対応して適切な遊技球pの搬送を実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後、減算機構入口センサ32bにて遊技球pを検知したことにもとづいて、管理している遊技点の減算処理を実行する。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことにもとづいて、遊技球pが搬送されることで減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、X個の遊技球数から1個減算してX-1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる。これにより、枠制御基板17は、発射機構30の発射動作と搬送機構(例えば、可動片45)の動作とに対応した適切な遊技球数の減算処理が実現できる。
枠制御基板17は、発射制御基板31からの減算基準信号を受信した後の所定期間内における減算機構出口センサ32cの検知状態にもとづいて、遊技球pの搬送エラーを判定可能である。具体的に、枠制御基板17は、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断する。これにより、減算ソレノイド32aや可動片45などを含む減算機構32による動作の不具合を検知できる。
主制御基板16は、枠制御基板17から特別事象が発生したことを知らせるための所定信号を受信したことにもとづいて、発射停止処理を実行する。具体的に、主制御基板16は、枠制御基板17から特定のエラー信号(特別事象が発生したことを知らせるための所定信号)を受信した場合に、発射許可信号の出力を停止する。これにより、枠制御基板17にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図33は、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。図33を参照して、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図33の矢印で示す方向に対して通知が行われる。ここで言う異常には、CU制御部323、通信制御IC325、枠制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズなどにより誤作動したり故障したりした場合や、断線などによるオフライン状態となる場合などの各種エラー状態が含まれる。図33に示される機歴管理サーバ800は、P台2の製造メーカまたはチップの提供メーカにてP台2に書き込まれるID情報など、及び設備機器メーカにてCU3に書き込まれるID情報などの管理を行うものである。
まず、CU3の通信制御IC325により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常を検知する。CU制御部323が通信制御IC325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行う制御を表示制御部350に行わせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行う。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、CU制御部323が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)をホールサーバ801に通知する。枠制御部171が枠制御部171の異常を検知した場合には、通信制御IC325を介してCU制御部323へその旨を通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。なお、図33に示してはいないが、枠制御部171が異常を検知した場合には、後述する遊技機応答情報により、主制御基板16に対してその旨が通知される。また、通信制御IC325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路から成る専用のインターフェイス(専用PIF)を介してパラレル信号で枠制御部171と接続されている。
主制御基板16に異常が発生した場合、枠制御部171が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。もちろん、主制御基板16に異常が発生した場合、主制御基板16が異常発生を検知し、その旨を示す信号をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知してもよい。
図33に示される遊技機管理サーバ802は、例えば、複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織に設けられ、遊技場に設置された遊技機が設計値と異なる異常な状態となっていないかを確認することによって遊技機を管理するサーバである。遊技機管理サーバ802は、他の組織に設けられるようにしてもよい。遊技機管理サーバ802は、ホールサーバ801、CU3およびP台2と通信可能である。
本実施の形態において、遊技機管理サーバ802は、メインチップIDなどの遊技機を各々、識別する情報に対応付けて、遊技機の機種名および遊技機の異常を判断するための遊技機の設計値を記憶する。
<P台2のエラー及び不正検知後の動作>
次に、P台2のエラー及び不正検知後の動作について説明する。図34は、報知可能なエラー及び不正検知の種類を説明するための図である。図34には、26種類のエラーが記載されており、それぞれのエラーの「エラーコード」、「エラー名称」、「エラー及び不正検知内容」、「エラー及び不正検知後の動作」が記載されている。
例えば、番号3のエラーは、「エラーコード」が「F06」、「エラー名称」が「管理遊技機内通信異常」、「エラー検知内容」が「管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技機枠5で異常を検知し、遊技機枠5側の遊技球数表示器29および遊技盤26側の音声出力(第1音声出力手段)、LCD演出、電飾で報知を行い、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
ここで、遊技機枠5で報知する場合、遊技球数表示器29などの表示装置(例えば、可変表示装置278など)に「エラーコード」を表示して報知する以外に、枠制御基板17に設けた7セグメント式のLEDディスプレイに「エラーコード」を表示して報知を行ってもよい。また、「エラーコード」を表示するのではなく、遊技を停止させてエラーを報知しても、エラーの情報を外部に出力してもよい。
また、例えば番号23のエラーは、「エラーコード」が「F97」、「エラー名称」が「主制御基板起動異常」、「エラー検知内容」が「主制御基板が規定期間経過しても起動しないことを検知した」、「エラー及び不正検知後の動作」が遊技盤26で異常を検知し、遊技盤26側の音声出力、LCD演出、電飾で報知を行い、発射停止を停止し、ホールコンに対してエラー情報を出力する。
報知手段は、エラーの種類によって遊技盤において音声出力したり電飾を点灯させたりすることでエラーの報知を行ってもよい。また、報知手段は、エラーの種類によってホールコンに対してエラー情報出力、または不正情報出力を出力することでエラーを報知してもよい。
次に、図34に示した複数のエラーについてさらに詳しく説明する。図35は、遊技機枠5および遊技盤26で発生するエラー及び不正検知を説明するためのブロック図である。まず、遊技機枠5において、専用ユニット(CU3)と管理遊技機枠(遊技機枠5)間の通信無応答を検知した場合、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答(エラーコード=F05)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、専用ユニット通信無応答のエラーを検知した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、計数ボタン28を操作しても計数処理が機能しないように計数を停止し、図35に示すように主制御基板16に対して専用ユニット通信無応答信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された専用ユニット通信無応答信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力し、CU3では、球貸ボタン321又は再プレイボタン319の操作が無効となる。
次に、遊技機枠5において、減算機構入口センサ32bが球詰まりを検出している時または減算機構入口センサ32bの故障を検知した場合、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常(エラーコード=F14)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、減算機構入口センサ異常のエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図35に示すように主制御基板16に対して減算機構入口センサ異常信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された減算機構入口センサ異常信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技機枠5において、遊技球数が40000球をオーバーした場合、枠制御基板17は、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラー報知を行う。具体的に、枠制御基板17は、遊技球数オーバーのエラーを検出した場合、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するともに、図35に示すように主制御基板16に対して遊技球数オーバー信号を出力する。主制御基板16では、ユーザープログラム16aのポート信号検知16bで枠制御基板17から送信された遊技球数オーバー信号を検知し、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17は、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
次に、遊技盤26において、管理遊技機遊技盤と管理遊技機枠間の通信無応答または未接続を検知した場合、主制御基板16は、管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図35に示すように管理遊技機内通信異常検知16cにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対してエラー情報出力を行う。
ここで、遊技機枠5と遊技盤26とは、シリアル通信を行っているため、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知は、当該シリアル通信を介して枠制御基板17に通知される。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16側で検知したエラー及び不正検知を把握することができる。例えば、主制御基板16側で管理遊技機内通信異常(エラーコード=F06)を検知し、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側でのエラー検知を把握することができる。なお、主制御基板16は、後述する図42に示す遊技機情報通知のコマンドに含まれる「遊技機エラー状態」の情報で、枠制御基板17に対してエラー情報を通知している。「遊技機エラー状態」は、Bit0~Bit5にエラーコードの情報を、Bit6にエラーを検知したのが枠制御基板17(”0”)か主制御基板16(”1”)かの情報を、Bit7にエラー情報の出力先の情報をそれぞれ含んでいる。「遊技機エラー状態」のBit7が”0”の場合、枠制御基板17側でエラー報知(発報)のみを行う。また、「遊技機エラー状態」のBit7が”1”の場合、枠制御基板17側でのエラー報知(発報)に加え、ホールコンへのエラー情報の出力(HC出力)を行う。つまり、主制御基板16から枠制御基板17にエラー情報が通知されると、枠制御基板17は、図5に示した遊技機情報に係る信号(例えば、ホールコン信号)に当該エラー情報を含めてCU3に送信する。CU3は、遊技機情報に係る信号に含まれるエラー情報を、外部出力端子340を介してホールコンに出力する。
そのため、枠制御基板17では、主制御基板16側の音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)で行われる管理遊技機内通信異常のエラー報知と、枠制御基板17側の音声出力(遊技機枠側スピーカ270W)で行われる遊技球循環装置異常のエラー報知とが重ならないように、遊技球循環装置異常のエラー報知を制限するようにエラーの優先度が定められている。つまり、枠制御基板17は、遊技盤側スピーカ270Zからのエラー報知の方が優先度が高く、当該エラー報知が行われている間、遊技機枠側スピーカ270Wからのエラー報知が制限される。
枠制御基板17は、主制御基板16側のエラー(所定事象)と異なるエラー(特定事象)の発生を検知可能であり、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力(第1音声出力手段)にて行われていないときに、枠制御基板17によってエラー(特定事象)が検知されたことにもとづくエラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力(第2音声出力手段)にて行われ、エラーの報知(所定報知)が主制御基板16側の音声出力にて行われているときに、エラーの報知(特定報知)が枠制御基板17側の音声出力にて行われない。例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない。このように、報知するエラーの優先度を定めることで、あるメーカーの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても、別のメーカーの遊技盤26を遊技機枠5に搭載したときであっても統一したエラー報知を行うことができる。
また、枠制御基板17は、特定事象と異なる特別事象の発生を検知可能であり、特別事象の発生を検知した場合には、主制御基板16に対して特別事象の検知に関する情報を送信する。例えば、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のように枠制御基板17側のみで報知を行うエラーと異なり、主制御基板16側でも報知を行う遊技球数オーバー(エラーコード=F23)では、枠制御基板17が、エラー(特別事象)を検知した場合に、主制御基板16に対して当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を送信する。具体的に、枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に当該エラーの検知に関する情報を送信する。主制御基板16は、当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことにもとづいて演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。このようにすることで、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生を適切に報知できる。
なお、これら主制御基板16へのエラー(特別事象)の検知に関する情報は、図40に示すように、主制御基板16から100ミリ秒毎に送信される遊技機情報通知に対する遊技機情報応答によって枠制御状態の情報として通知される(図38、図39参照)。そしてエラー(特別事象)が発生した旨が通知された場合には、発射許可信号をオフ状態とすることにより、遊技球の発射を不能とする。
遊技盤26において、前飾り開放を検知(前飾り開放スイッチ12のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、前飾り開放(エラーコード=F64)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図35に示すように前飾り開放スイッチ開放検知16dにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。さらに、主制御基板16は、発射制御基板31への発射停止信号(例えば、発射許可信号のオフ信号など)を送信し、遊技球の発射機能を停止させる。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
遊技盤26において、裏機構部開放を検知(裏機構部開放スイッチ13のオン状態を検知)した場合、主制御基板16は、裏機構部開放(エラーコード=F65)のエラー報知を行う。具体的に、主制御基板16は、図35に示すように裏機構部開放スイッチ開放検知16eにより当該エラーを検知すると、演出制御基板15により制御される音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270Z)、LCD演出、電飾で当該エラーの報知を行う。なお、枠制御基板17でも、遊技球数表示器29にエラーコードを表示するとともに、ホールコンに対して不正情報出力を行う。
ここで、裏機構部開放スイッチ13は、バックアップ電源基板174と接続されており、電源OFF時の夜間においても開放を検知することができる。図36は、バックアップ電源基板174の構成を説明するためのブロック図である。バックアップ電源基板174は、電源回路400と接続されているため、電源ON時において図36に示す電源ラインDC5V-1から電力供給が行われている。また、バックアップ電源基板174は、バックアップ電源II(5V)17cを有している。バックアップ電源II(5V)17cは、電源ON時、電源生成機能の充電回路174aを介して電源ラインDC5V-1からの電力で充電が行われ、電源OFF時、電源選択機能のダイオード回路174bによりバックアップ電源基板174での電力供給に切り替えることができる。
なお、バックアップ電源基板174は、遊技盤接続確認信号およびクリア信号と、裏機構部開放スイッチ13の検知信号とにもとづいて断線開放検知を判断する構成についても電源のバックアップを行っている。
枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内(特定領域内)に主制御基板16との通信制御に用いるプログラム(図24に示す通信処理)が格納されている。枠制御基板17は、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理と、使用領域外(特定領域外)で実行される処理とで検出可能な事象が異なっている。例えば、ユーザープログラムの使用領域内で遊技球数表示処理(図24)が実行されていることから、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーは使用領域内で検出可能であり、ユーザープログラムの使用領域外で遊技球循環処理(図24)が実行されていることから、遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)のエラーは使用領域外で検出可能である。そのため、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理により検知したエラー(事象)を、プログラム(特に、通信処理)を実行して主制御基板16へ送信可能である。これにより、ユーザープログラムの使用領域内と使用領域外とに跨らずに処理を実行することができる。
主制御基板16は、発射機構30の発射動作を制御可能であり、図40に示すように、枠制御基板17からエラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことにもとづいて発射機構30の発射動作を停止させる。これにより、枠制御基板17にて検出されたエラー(特別事象)の発生に対応して発射動作を停止できる。
枠制御基板17は、エラー(特定事象と特別事象とのうちいずれかの事象)の発生を検知した場合に、主制御基板16によるエラー(所定事象)の検知状況に関わらず、遊技球数表示器29に検知したエラーを特定可能な情報(例えば、エラーコードなど)を表示してもよい。これにより、遊技盤26側の制御状態によらずに、検知したエラーを特定可能に表示できる。
<主制御基板16と枠制御基板17との通信>
次に、P台2内に設けられた主制御基板16(主制御部161)と枠制御基板17(枠制御部171)との間(図4参照)での通信について説明する。まず、図37を参照して、電源投入時、主制御基板16と枠制御基板17との間で処理されるシーケンスを説明する。図37は、主制御基板16と枠制御基板17との間の通信シーケンスを示す図である。
また、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、主制御基板16を一次局としたポーリング方式による通信を行い、ポーリング間隔は例えば、100msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。主制御基板16は、通知電文を送信してから100ms間応答を受信できなかった場合、通知電文を再送する。なお、10回連続で応答を受信できなかった場合、通信回線断とする。枠制御基板17は、通知電文を受信してから1000ms間次の通知を受信できなかった場合、通信回線断とする。
さらに、枠制御基板17は正常なデータを受信した場合のみ、主制御基板16へ応答コマンドを送信する。送受信に用いる通番は、主制御基板16、枠制御基板17ともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御基板16および枠制御基板17の起動を待って、主制御基板16と枠制御基板17との間で通信が開始される。主制御基板16および枠制御基板17の起動には、例えば、最大10000msとする。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信は、平文で行われているが、暗号通信を行ってもよい。
まず、主制御基板16は、起動後に遊技機設置情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「1」として遊技機設置情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機設置情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「1」として遊技機設置情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。
主制御基板16は、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知した後、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知する。具体的に、主制御基板16は、通信通番を「2」として遊技機情報通知のコマンドを枠制御基板17に送信する。遊技機情報通知のコマンドを受信した枠制御基板17は、カウントアップせずに通信通番を「2」として遊技機情報応答のレスポンスを主制御基板16に送信する。以降、主制御基板16が枠制御基板17にコマンドを送信する際に通信通番をカウントアップしながら、遊技機情報を枠制御基板17に通知する。
ここで、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングと、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとの関係を説明する。図38、通信タイミングを説明するための通信シーケンスを示す図である。図38に示すように、主制御基板16は、一定周期(100ms)で遊技機情報を枠制御基板17に通知している。一方、枠制御基板17は、主制御基板16との通信の一定周期(100ms)より遅い(200ms)の周期で遊技機情報をCU3に送信している。なお、枠制御基板17は、200msではなく300msの周期で遊技機情報をCU3に送信してもよい。
つまり、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を2回行う通信タイミングである。なお、枠制御基板17とCU3との通信が300msの周期の場合、枠制御基板17とCU3との通信を1回行っている間に、主制御基板16と枠制御基板17との通信を3回行う通信タイミングとなる。そのため、枠制御基板17は、主制御基板16から遊技機の情報を、より頻繁に取得できるので遊技機の変化をより正確に把握することができるとともに、適切な間隔で遊技機の情報をCU3に送信することができる。なお、主制御基板16と枠制御基板17との通信タイミングを200msの周期とし、枠制御基板17(P台2)とCU3との通信タイミングとを300msの周期とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの周期を、例えば200msの同一周期としてもよいし、これらの周期を、200msや300msとは異なる周期としてもよい。
<主制御基板16と枠制御基板17との間でのコマンド>
次に、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドについて説明する。図39は、主制御基板16と枠制御基板17との間で送受信されるコマンドの一覧を示す図である。
図39に示すように、主制御基板16から枠制御基板17に送信されるコマンドは、遊技機設置情報通知、遊技機情報通知がある。遊技機設置情報通知のコマンドは、遊技機設置情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。遊技機情報通知のコマンドは、遊技機情報を枠制御基板17に通知するためのコマンドである。
一方、枠制御基板17から主制御基板16に送信されるレスポンスは、遊技機設置情報応答、遊技機情報応答がある。遊技機設置情報応答のレスポンスは、遊技機設置情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。遊技機情報応答のレスポンスは、遊技機情報受領結果を主制御基板16に応答するためのレスポンスである。
<遊技機設置情報通知・遊技機設置情報応答>
次に、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスについて詳しく説明する。図41は、遊技機設置情報通知のコマンドおよび遊技機設置情報応答のレスポンスを説明するための図である。図41(a)に示す遊技機設置情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御チップID番号」、「主制御CPUメーカコード」、「主制御CPU型式コード」を含んでいる。主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機設置情報通知のコマンドを送信する際の通信通番は1を通知する。また、遊技機設置情報通知の電文は、必ず1フレームで完結させ、分割送信しない。さらに、枠制御基板17は、遊技機設置情報通知の電文長を受信後、20ms以内にチェックサムまで受信できなかった場合、それまでの受信データをキャンセルし、再度電文長から受信する。以下のコマンドやレスポンスでも同様に行われる。
図41(b)に示す遊技機設置情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機設置情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機設置情報受領結果」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機設置情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、1以外の通信通番を受信した場合、無応答とする。
<遊技機情報通知>
次に、遊技機情報通知のコマンドについて詳しく説明する。図42は、遊技機情報通知のコマンドを説明するための図である。遊技機情報通知のコマンドは、主制御基板16が枠制御基板17に対して遊技機情報(ホールコン情報、不正監視情報など)を通知するためのコマンドであり、遊技機設置情報として「主制御状態」、「遊技機エラー状態」、「不正検知状態」、「遊技情報」を含んでいる。主制御基板16は、遊技機情報通知時に通信通番を1加算する。なお、通信通番は、255を最大とし、255の次は1にカウントを戻す。また、電文再送時には、通信通番を1加算(更新)しない。
「主制御状態」は、P台2の遊技状態の情報であり「主制御状態1」と「主制御状態2」とを含んでいる。「主制御状態1」は、大当り1(全ての大当り)、大当り2(特定の大当り)、および大当り3(時短の大当り)の情報、遊技機状態信号1~5の情報を含んでいる。遊技機状態信号1~5は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号1~5」に対応する。「主制御状態1」は、大当り+時短(変動時間短縮)中、高確率中、および時短(変動時間短縮)中の情報、遊技機状態信号6~9の情報を含んでいる。遊技機状態信号6~9は、CU3の外部出力端子340から状態を出力するために使用され、CU3の外部出力端子から出力される「外部端子状態出力信号6~9」に対応する。
「遊技機エラー状態」は、遊技機で発生中のエラーコードの情報を含む。「不正検知状態」は、盤面不正1~6を検知したことを示す情報を含む。
「遊技情報」は、主制御基板16で発生した始動口入賞、大入賞口入賞、図柄確定回数等を枠制御基板17へ通知する情報を含む。「遊技情報」は、種別情報(上位1バイト)とカウント情報(下位1バイト)の計2バイトで構成される。種別情報は、データ種別とデータ番号で構成され、データ種別毎にデータ番号が設定されている。
種別情報についてさらに詳しく説明する。図43は、遊技情報に含まれる種別情報を説明するための図である。種別情報は、データ種別(Bit4~7)の値ごとに設定されており、例えば、データ種別の値が1の場合、始動口入賞の情報である。また、データ種別ごとに、データ番号(Bit0~3)が設定されており、例えば、データ番号が1なら始動口1などと始動口番号を示している。
データ種別の値が2の場合、大入賞口に入賞したことを通知し、データ番号が1なら大入賞口1などと大入賞口番号を示している。データ種別の値が4の場合、図柄の変動回数を通知し、データ番号が1なら特図1などと特図番号を示している。データ種別の値が8の場合、役物連続作動装置が未作動時の大入賞口の開放を通知し、データ番号が1なら役物1などと役物番号を示している。データ種別の値が13の場合、CU3からパルス出力することを指示し、データ番号でCU3の外部出力端子340の端子を示す。データ種別の値が14の場合、性能情報の演算に必要となる状態を通知し、データ番号が1に固定されている。
カウント情報は、データ種別毎に異なる回数情報が設定される。データ種別が1=始動口入賞、2=大入賞口入賞、3=入賞口入賞、9=役物作動による始動口入賞、10=役物連続作動による大入賞口入賞、11=役物作動による入賞口入賞の場合、カウント情報は、賞球数(上位4Bit)と入賞個数(下位4Bit)で構成される。例えば、3個賞球の始動口1に2個入賞した場合、データ種別(Bit4~7)が”1=始動口1”、データ番号(Bit0~3)が”1=始動口1”、賞球数(Bit4~7)が”3=3個賞球”、入賞個数(Bit0~3)が”1=1個入賞”の遊技情報(0x1131)が2データとなる。
データ種別が4=図柄確定回数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と図柄確定回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が5=大当り、6=小当りの場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と当り回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が7=ゲート通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とゲート通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が8=役物回数(大入賞口開放回数)の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と役物回数(下位4Bit)で構成される。データ種別が12=特定領域通過の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と特定領域通過数(下位4Bit)で構成される。データ種別が13=パルスカウント数の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)とパルス出力回数(下位4Bit)で構成される。
データ種別が14=性能情報状態通知の場合、カウント情報は、未使用(上位4Bit)と状態フラグ(下位4Bit)で構成される。状態フラグ(Bit0~3)では、Bit0がベース状態を示し、Bit0が”0”なら低ベース中、”1”なら高ベース中であることを示し、Bit1が大当り中の状態を示し、Bit1が”0”なら通常時、”1”なら大当り中であることを示し、Bit2が高確率中の状態を示し、Bit1が”0”なら低確率、”1”なら高確率であることを示している。
<遊技機情報応答>
図44は、遊技機情報応答のコマンドを説明するための図である。図44に示す遊技機情報応答のレスポンスは、枠制御基板17が主制御基板16に対して遊技機情報通知の受領結果を応答するためのレスポンスであり、「遊技機情報受領結果」および「枠制御状態」を含んでいる。枠制御基板17は、遊技機情報通知で受信した通信通番をそのまま応答する。しかし、枠制御基板17は、連続性が成立しない通信通番を受信した場合、無応答とする。
「枠制御状態」は、枠制御基板17の状態情報を含んでおり、具体的にBit0に遊技球数オーバーの情報(エラー)が含まれる。枠制御基板17は、シリアル通信を介して主制御基板16側に遊技機情報応答を送信することで、図34に示した遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーの検知に関する情報を主制御基板16に通知することができる。そのため、主制御基板16側でも遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーを報知することができる。
つまり、図40に示すように、遊技球数オーバー(エラーコード=F23)のエラーの検知に関する枠制御状態の遊技機情報応答が枠制御基板17から主制御基板16に対して送信された場合には、主制御基板16は、発射許可信号をオフ状態とすることにより、遊技球の発射を不能とする。
<第2実施形態に係るパチンコ遊技機の構成>
次に、本発明の第2実施形態に係る封入循環式パチンコ遊技機の構成を、図45~図80に基づいて説明する。図45は、封入循環式パチンコ遊技機及びカードユニットを示す正面図である。図46は、封入循環式パチンコ遊技機を右斜め前から見た状態を示す斜視図である。図47は、封入循環式パチンコ遊技機を示す左側面図、右側面図及び背面図である。図4は、封入循環式パチンコ遊技機を示す平面図及び底面図である。図49は、図45のA-A断面図である。図50は、図45のB-B断面図である。図51は、図45のC-C断面図である。図52は、図45のD-D断面図である。図53は、図45のE-E断面図である。尚、以下においては、前記実施の形態のパチンコ遊技機2と相違する点を主に説明し、同様の構成部分や制御内容については同様の符号を付すこと等により詳細な説明は省略する。また、以下の図においては、構造を理解できるように部材や装置等を部分的に省略している場合がある。
図45に示すように、第2実施形態としての封入循環式パチンコ遊技機1002(以下、P台1002と略称することもある)は、第1実施形態としてのパチンコ遊技機2(以下、P台2と略称することもある)と同様に、遊技場(ホール)内に設置された遊技島(図示略)に設置可能とされ、P台1002の所定側の側方位置には、該P台1002に対して遊技用装置の一例のカードユニット3(以下、CU3と略称することもある)が1対1に対応設置される。
P台1002は、内部に遊技媒体の一例の遊技球(パチンコ球。以下、封入球ともいう)が所定個数(例えば、40個)封入されており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、遊技盤26の下方左側に設けた発射装置である発射機構30(図61参照)の発射ソレノイド31aを駆動させて遊技球を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。尚、第2実施形態では、遊技球として合成樹脂材からなる遊技球が用いられているが、材質は合成樹脂材に限定されるものではなく、現行の遊技球のように鉄製の遊技球(以下、鉄球と略称することもある)等が用いられてもよい。
図45~図53に示すように、P台1002は、遊技島(図示略)に固定される四角枠状の外枠4と、外枠4に対し左側辺を中心として回動可能に支持された遊技機枠5と、遊技機枠5に対し左側辺を中心として回動可能に支持されたガラス扉6と、から主に構成される。
遊技機枠5には、遊技盤26が設けられている。ガラス扉6には2枚のガラス板6GF,6GB(透光性を有する合成樹脂材でもよい)からなるガラス窓6Gが設けられており、ガラス扉6を閉鎖したときに、遊技盤26とガラス窓6Gとの間に遊技球が流下可能な遊技領域27が形成され、ガラス窓6Gを通して遊技領域27を遊技者側から透視できるようになっている。
P台1002は、遊技盤26と、それ以外の外枠4、遊技機枠5、ガラス扉6等を含む遊技用枠とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、外枠4、遊技機枠5、ガラス扉6等を含む遊技用枠は、機種に関わらず共通に使用される共通枠とされている。このため、遊技場は台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
P台1002の前面には、複数の装飾カバー1201A~1201Dからなる装飾体がガラス窓6Gを囲むように設けられている。装飾カバー1201Aはガラス窓6Gの上辺部に配置され、装飾カバー1201Bはガラス窓6Gの左側辺部に配置され、装飾カバー1201Cはガラス窓6Gの下辺部に配置され、装飾カバー1201Dはガラス窓6Gの右側辺部に配置される。
図47~図51に示すように、各装飾カバー1201A~1201Dは、透光性を有する合成樹脂材により、外形が前方に向けて漸次先細りとなる水平断面視略三角形状をなすとともに後面が開口する中空箱状に形成されており、これら前方に突出する装飾カバー1201A~1201Dにより、ガラス窓6Gを囲む立体枠状の装飾部が構成される。これにより、ガラス窓6Gの前側に装飾カバー1201A~1201Dにより囲まれた空間が形成される。
各装飾カバー1201A~1201Dの内部には複数の演出用LED1202A~1202D(図51参照)が前方に向けて光を照射可能に設けられており、また、各装飾カバー1201A~1201Dの裏面には凹凸形状をなす光拡散部(図示略)が形成されていることで、演出用LED1202A~1202Dからの光が装飾カバー1201A~1201Dの内部で拡散されて外部に出射されることにより装飾カバー1201A~1201Dが発光する。また、装飾カバー1201Aの内部左右側にはスピーカ270A,270Bが設けられており、装飾カバー1201Aにおけるスピーカ270A,270Bに対応する位置には、スピーカ270A,270Bから出力された音を外部に放出するためのスリットや孔部からなる放音部1203A,1203Bが形成されている。
図47に示すように、各装飾カバー1201A~1201Dにおける後端から前端までの突出寸法(前後寸法)のうち最も長い部分は突出寸法LA,LB,LC,LDとされている。これら突出寸法LA,LB,LC,LDのうち、装飾カバー1201Aの左右側の突出寸法LAが最も長寸であり、突出寸法LD、突出寸法LC、突出寸法LBの順に短寸となっている(LA>LD>LC>LB)。また、図4に示すように、上側の装飾カバー1201Aの左右方向の中央部には後側に凹む凹部1204が形成されており、装飾カバー1201Aにおいて凹部1204に対応する最も短い部分の突出寸法LA’は、装飾カバー1201Bの突出寸法LBよりも短寸とされている(LB>LA’)。
また、図47に示すように左側の装飾カバー1201Bの前端縁は後側に向けて凸状に湾曲する円弧状に形成され、右側の装飾カバー1201Dの前端縁は前側に向けて凸状に湾曲する円弧状に形成されていることで、左側の装飾カバー1201Bの突出寸法LBは、右側の装飾カバー1201Dの突出寸法LDよりも短寸とされている。よって、ガラス扉6を左側辺を中心に開放した際に、左側の装飾カバー1201BがP台1002の左側に配置されるCU3などの遊技用装置やP台1002などに接触しにくくなっている。
P台1002は、遊技球が封入されていることで現行のパチンコ遊技機のように遊技球の投入部(上皿)が不要であるため、下側の装飾カバー1201Cは、他の装飾カバー1201A,1201B,1201Dと同様に前方に突出するように設けられている。下側の装飾カバー1201Cの上面は、前方に向けて下方に傾斜する傾斜状に形成されており、該上面には、遊技者が操作可能な操作部1205が設けられている。装飾カバー1201Cの内部には図示しない非接触式の静電容量式検出スイッチ(タッチセンサ)などが設けられており、遊技者が操作部1205に近接または接触したことを検出可能とされている。尚、操作部1205は、押圧操作が可能なボタンスイッチ等により構成されていてもよい。また、装飾カバー1201Cをガラス扉6に対し動作可能に設けることで、装飾カバー1201C自体をボタンスイッチとして構成してもよい。
P台1002の前面におけるガラス窓6Gの下方には、操作ユニット1210が前方に突出するように設けられている。操作ユニット1210は、平面視略台形をなす立体状に形成され、上面には計数ボタン28及び遊技球数表示器29が設けられているとともに、右側面には打球操作ハンドル25が設けられている。操作ユニット1210における後端から前端までの突出寸法LE(前後寸法LE)は、右側の装飾カバー1201Dの突出寸法LDとほぼ同寸とされ、かつ、下側の装飾カバー1201Cの突出寸法LCよりも長寸とされている(LE=LD、LE>LC)。つまり、前端部が装飾カバー1201Cの前端部よりもやや前方に位置するように突出していることで、計数ボタン28及び遊技球数表示器29を遊技者が操作可能に配置できるようになっている。
また、操作ユニット1210の内部における左右方向の中央位置及び右側には、スピーカ270C,270Dが設けられているとともに(図53参照)、操作ユニット1210におけるスピーカ270C,270D各々に対応する位置には、スピーカ270C,270Dから出力された音を外部に放出するためのスリットや孔部からなる放音部1203C,1203Dが形成されている。
このように封入循環式パチンコ遊技機1002にあっては、現行のパチンコ遊技機のように遊技球を投入するための投入部である上皿が不要であるため、下側の装飾カバー1201Cを例えば左側の装飾カバー1201Cよりも前方に突出させることができ、これにより形成された装飾カバー1201Cの上面などのスペースを利用して、操作部1205や装飾部といった演出に関連する演出部等を、計数ボタン28や遊技球数表示器29といった遊技に関連する遊技部等よりも遊技領域27や可変表示装置278に近い位置に別個に配置することが可能である。
また、現行のパチンコ遊技機では、遊技球を遊技者に払い出すための払出部を有することで、払出部の下方に遊技球を貯留可能な貯留箱や計数装置を設置するためのスペースを確保する必要があったが、P台1002では払出部が不要であるため、打球操作ハンドル25等を有する操作ユニット1210を外枠4の下部位置に配置することができる。よって、現行のパチンコ遊技機よりも遊技領域27を下方向に拡大することが可能となるので、遊技盤26の設計自由度が向上する。
図47~図52に示すように、遊技盤26の背面には、主制御基板16が収納された主制御基板収納ケース16A及び演出制御基板15が収納された演出制御基板収納ケース(図示略)や、図示しない各種演出装置などが設けられており、これらは透光性を有する合成樹脂材からなるカバー部材1211により被覆されている。カバー部材1211は、遊技盤26を遊技機枠5に取付けた状態において外枠4よりも後方に突出する。尚、遊技盤26は、盤面板26A及び該盤面板26Aに設けられた障害釘や風車、各種入賞装置等を含む構造体であり、遊技盤26と、該遊技盤26の背面側に一体に設けられる主制御基板収納ケース16A、演出制御基板収納ケース(図示略)、各種演出装置と、これらを覆うカバー部材1211とからなる遊技盤ユニットは、各遊技機メーカにて提供される。
遊技機枠5の背面における遊技盤26よりも下方位置には、電源基板18が収納された電源基板収納ケース18Aと、枠制御基板17が収納された枠制御基板収納ケース17Aとを含む各種装置や部材が設けられている。詳しくは、図52に示すように、電源基板収納ケース18Aは、遊技機枠5の背面に取付けられた取付部材1212の背面右側に取付けられ、枠制御基板収納ケース17Aは、取付部材1212の背面側に重なるように設けられた取付部材1213の背面に取付けられている。よって、取付部材1212,1213を取外すことで、遊技機枠5の下部に設けられた後述する遊技球の循環経路の背面側を開放することができるようになっている。
<パチンコ遊技機の構成>
次に、封入循環式パチンコ遊技機1002の構成について、図53~図56に基づいて説明する。図54は、遊技盤の取付方法を示す斜視図である。図55は、遊技盤の取付方法を示す横断面図である。図56は、(A)(B)は上側の盤押えによる取付け状態を示す図、(C)は下側の盤押えを示す斜視図である。
図53に示すように、P台1002は、遊技島(図示略)に固定される四角枠状の外枠4と、外枠4に対し左側辺を中心として回動可能に支持された遊技機枠5と、遊技機枠5に対し左側辺を中心として回動可能に支持されたガラス扉6と、から主に構成される。
遊技機枠5における回動中心とは反対側の右側辺には、上下1対の係合突起6a,6bが背面側に突出するように設けられている。この係合突起6a,6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、係合突起6a,6bに対応する外枠4の右側辺には、係合受け片7a,7bが設けられている。開放状態の遊技機枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a,6bが係合受け片7a,7bを乗越え、乗越えた状態でバネ(図示略)の付勢力により係合突起6a,6bが下方に移動し、ロック状態となる。
また、遊技場の店員等が鍵穴10に遊技場所有の鍵(図示略)を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、バネ(図示略)の付勢力に抗して上下1対の係合突起6a,6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a,7bに対する係合突起6a,6bの係合が解除されてロック解除状態となり、遊技機枠5が外枠4に対し開放される。
また、遊技機枠5の右側辺の上部、中央部、下部にはガラス扉6用の係合突起8a,8b,8cが前方に突出するように設けられており、その係合突起8a,8b,8cに対向するガラス扉6の背面右側辺には、係合穴9a,9b,9cが設けられている。係合突起8a,8b,8cは、図示しないバネ(図示略)によって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を遊技機枠5に押付けることにより係合穴9a,9b,9cの下縁部分によって係合突起8a,8b,8cが押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8a,8b,8cが押下げられ、係合突起8a,8b,8cと係合穴9a,9b,9cとが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の店員が鍵穴10に遊技場所有の鍵(図示略)を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8a,8b,8cが引上げられ、係合突起8a,8b,8cと係合穴9a,9b,9cとの係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
遊技機枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所には裏機構部開放スイッチ13が設けられており、遊技機枠5が開放されたことが検出される。また、遊技機枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分に前飾り開放スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこの前飾り開放スイッチ12により検出される。
前飾り開放スイッチ12および裏機構部開放スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などが搭載され、P台1002の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間などの電源OFF時でもガラス扉6や遊技機枠5の開放検出回数を計数してその計数値を枠制御部171へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台1002内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
図47~図51に示すように、遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず遊技機枠5を開放して遊技機枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行うためには、遊技機枠5を開放する必要があるため裏機構部開放スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。尚、遊技盤26の背面には、演出制御基板15が設けられていてもよい。
さらに、遊技機枠5の裏面に、枠制御基板17が設けられている。枠制御基板17も、まず遊技機枠5を開放してから、遊技機枠5の裏面より取外す必要がある。よって、遊技機枠5の裏面より枠制御基板17を不正に取外す、または枠制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず裏機構部開放スイッチ13で検出することができる。
図54に示すように、遊技盤26は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成された盤面板26Aと、盤面板26Aの前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール1220や各種入賞装置などから構成されている。尚、盤面板26Aは、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技機枠5には、遊技盤26を挿通不能、かつ、カバー部材1211を挿入可能な開口部1230が形成されており、遊技盤26を前側から取付けできるようになっている。開口部1230の左側上下位置には、前後に離間して配置された前後一対の板バネにより係止凹部1231A,1231Bが設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え1232,1233が設けられており、遊技盤26の左端部を係止凹部1231A,1231Bに差し込んだ状態で、右端部を盤押え1232,1233で係止することにより取付けられるようになっている。遊技盤26が遊技機枠5に取付けられた状態において、該遊技盤26の背面のカバー部材1211が開口部1230を介して遊技機枠5の背面側に突出する。
図55及び図56(A)(B)に示すように、盤押え1232は、遊技機枠5に上下方向を向く回動軸1234を中心として回動可能に設けられた第1回動部1235と、第1回動部1235に上下方向を向く回動軸1236を中心として回動可能に設けられた第2回動部1237と、第1回動部1235を付勢する板バネ1238と、第2回動部1237の回動を規制する規制軸1239と、から主に構成される。図56(A)に示すように、第1回動部1235には遊技盤26を挿入可能な凹部1235Aが形成されており、板バネ1238により凹部1235Aが前方を向くように付勢されている。
図56(C)に示すように、盤押え1233は、遊技機枠5における開口部1230の下部右側に固定されるベース部1240と、ベース部1240に対し右側に設けられた上下方向を向く回動軸1241を中心として回動可能に設けられた回動部1242と、回動部1242に対し横方向にスライド移動可能に設けられた係止部1243と、から主に構成される。
回動部1242は、回動軸1241に環装されたコイルバネ(図示略)により常時開放方向に向けて付勢されており、上部には、遊技盤26の前面下辺右側を前側から押える押え部1242Aが左右方向に向けて延設されている。
係止部1243は、ベース部1240に形成された被係止部(図示略)に係止可能な係止爪(図示略)と、係止解除操作を行うための操作片1243Aと、を有し、圧縮バネ(図示略)により常時係止方向に向けて付勢されている。
遊技盤26を遊技機枠5に取付ける場合、まず、盤押え1232を図56(A)に示す非固定状態とし、盤押え1233を図56(C)の2点鎖線で示す非固定状態とする。次いで、図54及び図55に示すように、遊技機枠5の前面側から、遊技盤26の左側辺上下部を係止凹部1231A,1231Bに差し込んだ状態で、右側辺部を遊技機枠5側に押し込む。
すると、図56(B)に示すように、盤押え1232の第1回動部1235及び第2回動部1237が回動軸1234を中心として平面視時計回りに回動し、遊技盤26の右側辺部が凹部1235A内に挿入され遊技機枠5に対し略平行になると、第2回動部1237が規制軸1239により回動規制されるとともに、第2回動部1237の弾性片1237Aにより第1回動部1235も回動規制され、固定位置にて保持される。
次いで、図56(C)に示すように、盤押え1233の回動部1242を平面視略時計回りに回動し、係止部1243がベース部1240に形成された被係止部(図示略)に係止されることで、押え部1242Aにより遊技盤26の前面右側下部が固定される。尚、遊技盤26を取外す場合には、盤押え1232,1233による固定を解除して係止凹部1231A,1231Bから抜き出すだけで、遊技盤26を遊技機枠5から簡単に取外すことができる。
尚、特に図示しないが、遊技盤26が盤押え1232,1233により固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ(図示略)が遊技機枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ(図示略)と結合する。ここで、凸型ドロアコネクタおよび凹型ドロアコネクタは、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。遊技盤26を遊技機枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタが凹型ドロアコネクタと結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、遊技機枠5側の枠制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタおよび凹型ドロアコネクタはある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタと凹型ドロアコネクタとの位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。尚、盤押え1232,1233を設けず、凸型ドロアコネクタおよび凹型ドロアコネクタのみで、遊技盤26を遊技機枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタおよび凹型ドロアコネクタ自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と遊技機枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。凸型ドロアコネクタは、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタは、信号ケーブルを介して枠制御基板17に接続されている。
また、上記係止凹部1231A,1231B及び盤押え1232,1233からなる遊技盤26の取付機構は、形状、板厚、大きさなどが若干異なる各遊技機メーカが製造する遊技盤26に対応して共通に使用することができるようにすることが好ましい。
<遊技球の循環経路>
次に、図57~図62に基づいて、P台1002における遊技球の循環経路を概説する。図57は、遊技機枠の前面下部を右斜め前側から見た状態を示す斜視図である。図58は、遊技機枠の一部の部材を取り除き背面下部の構造を右斜め前側から見た状態を示す斜視図である。図59は、遊技機枠の背面下部を右斜め後側から見た状態を示す斜視図である。図60は、遊技機枠の背面下部を左斜め後側から見た状態を示す斜視図である。図61は、遊技球の循環経路を示す概略正面図である。図62は、遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。図63は、(A)は回収球流下経路の通常時を示す横断面図、(B)は回収球流下経路の球詰り検出時を示す横断面図である。図64は、(A)は回収球流下経路の球詰りを解除した状態を示す横断面図、(B)は回収球流下経路の球抜きを示す横断面図である。図65は、(A)は研磨カセットが支持されている状態を示す縦断面図、(B)は研磨カセットを抜き出す状態を示す縦断面図である。尚、図62において網点で示す領域は遊技機枠5の壁部を示している。尚、図59及び図60においては、揚送装置1330はケース体の一部が取外された状態とされている。
前記実施の形態(第1実施形態)では、発射機構30及び減算機構32が遊技領域27の左上部に設けられ、遊技領域27の左上部から遊技球を発射する形態を例示したが、第2実施形態では、発射機構30及び減算機構32が遊技領域27の左下方位置に設けられ、遊技領域27の左下方位置から上方に向けて遊技球が発射されるようになっている。尚、発射機構30及び減算機構32については、遊技球を打ち出す方向が異なるが基本構成や発射制御は同様であるため、同様の構成部位については同じ符号を付すことにより詳細な説明は省略する。
前記実施の形態では、遊技領域27の左上部に発射機構30及び減算機構32が配置されるため、遊技盤26の左上部に発射機構30及び減算機構32の配置スペースを確保しなければならなかった。また、遊技領域27に打ち出され流下したアウト球やセーフ球(入賞球)を遊技領域27の下方にて回収した後、遊技領域27の左上部まで揚送して発射機構30に供給するために遊技盤26の左側背面に長い揚送装置等を配置している。よって、遊技盤26を製造する遊技機メーカ側では、共通枠である遊技機枠5に設けられた発射機構30、減算機構32及び揚送装置の配置位置を考慮して遊技盤26を製造する必要があるため、遊技領域27を大型化できないなど設計自由度を高めるのに限界があった。
そこで第2実施形態では、発射機構30及び減算機構32と、遊技領域27から回収した遊技球を発射機構30に戻すための循環経路とを遊技領域27の下方に設け、遊技球を上方の遊技領域27に向けて打ち出す構成とすることで、遊技機メーカが製造する遊技盤26の配置位置の下方(配置位置外)に、発射機構30や減算機構32や揚送装置など遊技機枠5側の装置等を設けることで、遊技領域27の大型化など設計自由度を高めることができるようにした。以下、循環経路について説明する。
図57及び図58に示すように、遊技機枠5の前面左下部位置には発射機構30が設けられているとともに、この発射機構30の前面側は、発射カバー1300により覆われている。尚、発射カバー1300及びその周辺の前面側は、開閉可能に設けられたカバー体1310により覆われており(図53及び図54参照)、発射機構30内に他の遊技球やゴミ等が混入することが防止されている。発射台43からは、発射球誘導経路1301を構成する発射球誘導レール1301Aが左斜め上方に向けて延設されており、遊技盤26に設けられた盤側発射球誘導経路1302に遊技球が誘導されるようになっている。打球ハンマーは、発射台43に供給された遊技球を杵42により下側から弾くことができるように設けられている。
また、発射カバー1300は、発射球誘導経路1301の前壁と、発射台43から発射球誘導経路1301、盤側発射球誘導経路1302に打ち出されたが遊技領域27に到達せずに落下して戻ってきたファール球(戻り球ともいう)を誘導するファール球誘導経路1303の前壁、左側壁、底壁を構成している。ファール球誘導経路1303により誘導された遊技球は、遊技機枠5の背面側に誘導され、その途中に設けられたファール球検出スイッチ703によって検出される。発射球誘導経路1301及びファール球誘導経路1303の上端は、盤側発射球誘導経路1302の下部に接続されている。
図59及び図60に示すように、遊技機枠5の背面左下部位置には減算機構32が設けられているとともに、ファール球誘導経路1303が右下方に向けて延設されている。また、遊技機枠5の背面側には、循環経路を構成する各種誘導経路が設けられている。
尚、前記実施の形態では、発射機構30が遊技領域27の左上部に近接して設けられているため、ファール球誘導経路やファール球検出スイッチが不要であったが、第2実施形態では、発射機構30が遊技領域27の下方に設けられることで、発射球誘導経路1301や盤側発射球誘導経路1302が前記実施の形態よりも長寸となるため、ファール球誘導経路1303やファール球検出スイッチ703及び後述するファール球の検出に係る処理が必要とされる。また、ファール球検出スイッチ703のファール球誘導経路1303における配置位置は図61及び図62に示す位置に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
次に、図61及び図62に基づいて、循環経路について図57~図60を参照しながら説明する。まず、遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射ソレノイド31aが駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球が打球ハンマーにより弾発される。弾発された遊技球は、発射球誘導経路1301により左斜め上方に誘導され、さらに盤側発射球誘導経路1302により遊技領域27の左上部まで誘導された後、遊技領域27に進入する。
発射ソレノイド31aが作動して遊技球が発射されたことに連動して減算基準信号が減算機構32に出力される。減算機構32では、出力された減算基準信号を基準に、減算ソレノイド32aが通電して可動片45(図19参照)を動かすことで遊技球を発射機構30へ送り出し、遊技球が減算機構入口センサ32bを通過することで遊技球数を減算する。
遊技領域27に打込まれた遊技球のうち、アウト口154(図45参照)に進入したアウト球は、遊技盤26の背面側に誘導された後、遊技機枠5の下部背面に設けられたアウト球流下経路1311の上部に形成されたアウト球受入部1311Aに落下する(図49参照)。そして、アウト球流下経路1311により右側に向けて流下し、その途中に設けられたアウト球検出スイッチ701によって検出される。
また、入賞口や可変入賞球装置に入賞した全てのセーフ球(入賞球)は、遊技盤26の背面側に誘導された後、遊技盤26の背面に設けられた入賞球誘導経路1312B(図49参照)により誘導され、遊技機枠5の下部背面に設けられたセーフ球流下経路1312の上部に形成されたセーフ球受入部1312Aに落下する。そして、セーフ球流下経路1312により右側に向けて流下し、その途中に設けられたセーフ球検出スイッチ702によって検出される。
アウト球流下経路1311及びセーフ球流下経路1312各々を流下する遊技球は、遊技機枠5の下部背面右側において下方に誘導された後、左側に向けて誘導された直後に合流し、回収球流下経路1313により左側に向けて誘導される。回収球流下経路1313により誘導された遊技球は、発射機構30のやや右側方位置に設けられた球抜き部1314において後左方向に誘導され、揚送装置1330の下部に進入する。また、回収球流下経路1313には、循環経路に進入した鉄球を検出可能な鉄球検出機構1315が設けられている。
図63及び図64に示すように、鉄球検出機構1315は、回収球流下経路1313の途中に設けられた球詰り解除部材1316と、球詰り解除部材1316よりも遊技球8~10個分上流側に設けられた球詰り検出スイッチ1317と、から主に構成される。球詰り解除部材1316は、回収球流下経路1313の下方において回収球流下経路1313に対し略直交する方向に延設され、図63(A)(B)に示す第1位置と図64(A)(B)に示す第2位置との間で前後方向に向けてスライド移動可能に遊技機枠5に支持され、図示しないバネ部材により常時第1位置に維持されている。
球詰り解除部材1316は、遊技機枠5に形成された開口1318(図57参照)に挿通されており、第1位置において前端に形成された操作部1316Aが遊技機枠5の前面側に突出するとともに、後端に設けられた磁石1316Bが回収球流下経路1313の底壁下面側に近接して配置される。
よって、図63(A)に示すように、回収球流下経路1313を合成樹脂材からなる適正な遊技球pについては流下を許容する一方で、図63(B)に示すように、不適正な鉄球ptが流下してきた場合には、磁石1316Bの磁力により鉄球ptが吸着されることで流下が規制されるため、鉄球ptの後に流下してくる後続の遊技球pが滞留して球詰りが発生する。そして、球詰り検出スイッチ1317が滞留している後続の遊技球pを所定時間(例えば、5秒など)以上継続して検出した場合、枠制御部171はCU3へ不正監視情報を送信するようになっている。
図63及び図64に示すように、回収球流下経路1313における球抜き部1314には、回収球流下経路1313を流下してきた遊技球を経路外へ流出させることが可能な球抜口1320が形成されており、該球抜口1320は、球抜きレバー1321により開閉可能とされている。球抜きレバー1321は、上下方向を向く回動軸1322を中心として回動可能に設けられており、図63に示す閉鎖位置においては、回収球流下経路1313の底壁及び側壁の一部を構成し、右側に向けて流下してきた遊技球を後側に向けて誘導可能な一方で、図64に示す開放位置においては、回収球流下経路1313の前側の底壁及び側壁が除去されることで、右側に向けて流下してきた遊技球を経路外へ流出する。
詳しくは、球抜きレバー1321が開放位置へ回動して回収球流下経路1313から退避すると、遊技機枠5に形成された連通口1324の前側の底壁がなくなって遊技球が下方に落下するため、右側に向けて流下してきた鉄球ptや遊技球pを連通口1324に流入させずに球抜口1320から経路外へ流出させることができる。球抜口1320から経路外へ流出した鉄球ptや遊技球pは、遊技機枠5の前面下部に設けられた球抜き皿1323に貯留される。
このように、鉄球検出機構1315により鉄球ptが検出された場合、該鉄球ptが下流側の揚送装置1330や発射機構30に進入する前に循環経路外へ排出させることができる。また、球抜きレバー1321や球詰り解除部材1316の操作部1316Aは、遊技機枠5の下部前面側にて操作可能であるとともに、循環経路外へ排出された鉄球ptや遊技球pも遊技機枠5の下部前面側の球抜き皿1323に貯留されるようになっているため、鉄球ptの除去や循環経路から封入された遊技球を抜き取る球抜き作業等を、遊技機枠5を開放することなく、ガラス扉6を開放するだけで簡単に行うことができる。
また、図59~図62に示すように、回収球流下経路1313における球抜き部1314と鉄球検出機構1315との間には、ファール球誘導経路1303を流下してきた遊技球が合流する合流部1325が設けられており、ファール球誘導経路1303を流下してきた遊技球を球抜き部1314から排出可能、かつ、揚送装置1330に直ちに誘導可能とされている。
<揚送装置1330>
図59、図60及び図65に示すように、揚送装置1330は、遊技機枠5の背面下部に設けられ、回収球流下経路1313における球抜き部1314において遊技機枠5の背面側に誘導された遊技球を揚送部1332へ送り出す球送出機構部1331と、球送出機構部1331から上方に延在される揚送部1332と、球送出機構部1331により送り出された遊技球を揚送するための揚送スクリュー体1333と、揚送スクリュー体1333を回転駆動させるための揚送モータ1334と、揚送モータ1334の動力を揚送スクリュー体1333や球送出機構部1331に伝達するギヤ等の動力伝達部材が設けられた動力伝達機構部1339と、遊技球を揚送案内する揚送経路1335を形成する揚送ケース体1336と、揚送経路1335にて揚送された遊技球を排出する揚送球出口1337と、揚送経路1335を移動する遊技球を研磨する研磨装置1338と、を主に有している。
所定の揚送条件が成立したこと(例えば、発射可能条件が成立したことなど)に基づいて、揚送モータ1334により球送出機構部1331と揚送スクリュー体1333とが同期して回転することにより、球送出機構部1331に進入した遊技球が1球ずつ揚送経路1335へ送り出され、揚送スクリュー体1333の回転駆動により上方へ揚送された後、揚送球出口1337から排出されるようになっている。揚送球出口1337から排出された遊技球は、揚上機構出口センサ33により検出された後、揚送球誘導経路1340を流下して減算機構32に誘導されるようになっている。
図65に示すように、研磨装置1338は、揚送ケース体1336における揚送経路1335側に該揚送経路1335に沿うように形成された開口1341に嵌合される研磨ケース体1342と、研磨ケース体1342内に設けられる研磨カセット1343と、研磨カセット1343を着脱するためのレバー部材1344と、を主に有する。
研磨ケース体1342は、前面及び後面が開口するとともに、後側に向けて漸次開口が大きくなるように形成された筒状体からなり、後面開口を開口1341に臨ませた状態で揚送ケース体1336に固定されている。また、図57、図58及び図65(A)に示すように、研磨ケース体1342は、遊技機枠5に形成された開口を介して、前部が遊技機枠5の前面側に配置され、後部が遊技機枠5の背面側に配置されるように設けられている。
研磨カセット1343は、揚送経路1335を移動する遊技球pに接触可能に設けられる研磨剤(図示略)を遊技球pに押圧するための弾性材1350と、弾性材1350を保持する保持部材1351と、から構成される。弾性材1350は、研磨ケース体1342の後面開口を閉鎖可能な大きさを有する縦長直方体形状をなす弾性部材からなり、その表面に遊技球pの表面に付着したゴミ等を研磨することで除去することが可能な研磨部材を巻き付けた状態で保持部材1351により保持可能とされている。研磨剤の素材については種々に変更可能であり、布製部材や紙製部材あるいは合成樹脂製のシート材などを適用してもよい。
保持部材1351は、研磨ケース体1342の底壁に形成された係止部(図示略)に係止可能なボス1352が下部に設けられるとともに、レバー部材1344の後端左右側に係止可能な係止部1353が上部左右側に設けられている。
レバー部材1344は、係止部1353に係止可能な円筒形のボス1356が後端左右側に突設されているとともに、研磨ケース体1342の前面開口の上部左右側に形成された円弧状の係止部1358に係止可能な円筒形のボス1357が前端左右側に突設されている。
よって、保持部材1351の下部のボス1352を研磨ケース体1342に形成された係止部(図示略)に係止するとともに、保持部材1351の上部の係止部1353にレバー部材1344の後部のボス1356を係止した状態で、前部のボス1357を研磨ケース体1342の係止部1358に係止することで、レバー部材1344が前後に向けて水平をなす姿勢となる。これにより、研磨カセット1343の下部が研磨ケース体1342の底壁に支持され、研磨カセット1343の上部がレバー部材1344を介して研磨ケース体1342に支持される。このように研磨カセット1343が研磨ケース体1342の後面開口に臨むように支持されることで、揚送経路1335を上方に向けて移動する遊技球pに研磨剤(図示略)が圧接され、遊技球pが研磨される。
図65(A)に示すように、研磨剤(図示略)が汚れて交換が必要な場合は、遊技機枠5の前面側に露呈しているレバー部材1344の前端を下方に押圧することで、係止部1358によるボス1357の係止状態を解除した後、図65(B)に示すように、レバー部材1344の前端を掴んで手前側に引き出すことで、研磨カセット1343の上部が下部のボス1352を中心として前側に傾倒する。さらに手前側に引き出すと、研磨ケース体1342の係止部(図示略)による下部のボス1352の係止状態が解除されるため、研磨カセット1343を研磨ケース体1342から手前側に抜き出すことができる。
弾性材1350に巻き付けられた研磨剤を除去して新しい研磨剤(図示略)に交換した研磨カセット1343を研磨ケース体1342の後面開口に臨むように支持するには、レバー部材1344のボス1356を保持部材1351の上部の係止部1353に係止させた状態で、研磨ケース体1342の前面開口から研磨カセット1343の下部側から後側に押し込み、下部のボス1352を研磨ケース体1342の係止部(図示略)に係止させた後、レバー部材1344を後側に押し込んだ後、手前側を上方に押上げて前部のボス1357を研磨ケース体1342の係止部1358に係止することで、研磨カセット1343が研磨ケース体1342の後面開口に臨むように支持される。
このように、研磨カセット1343に接続されたレバー部材1344を遊技機枠5の前面側から操作することができるため、研磨カセット1343の交換作業等を、遊技機枠5を開放することなく、ガラス扉6を開放するだけで簡単に行うことができる。
尚、研磨装置1338にあっては、現行のパチンコ遊技機ように遊技球が遊技者に払出されることなく循環経路内に封入されているので遊技球に汚れが付着しにくいものであるため、研磨剤は適宜交換可能に設けられているが、研磨布等をモータ等の駆動源などにより適宜巻取りすることで新しい研磨布に交換できるようにしてもよい。また、循環経路に必ずしも研磨装置1338を設けなくてもよい。
図61及び図62に示すように、第2実施形態における遊技球の循環経路は、発射機構30、発射球誘導経路1301、盤側発射球誘導経路1302、ファール球誘導経路1303、遊技領域27、アウト球流下経路1311、セーフ球流下経路1312、回収球流下経路1313、球送出機構部1331、揚送経路1335、揚送球誘導経路1340、減算機構32により主に構成される。
第2実施形態では、発射機構30を遊技機枠5における遊技領域27の下方左側に配置し、遊技領域27の左上部に向けて左斜め上方に打ち出すようになっているので、発射機構30を遊技機枠5における遊技領域27の下方右側に配置するものに比べて、発射球誘導経路1301及び盤側発射球誘導経路1302の距離を短寸化できる。また、揚送装置1330を遊技機枠5の左右方向の中央よりやや発射機構30側に配置しているので、ファール球誘導経路1303も短寸化することができる。
さらに、研磨カセット1343の交換作業、球抜き部1314からの球抜き、鉄球検出機構1315による球詰りの解除操作等を、全て遊技機枠5の前面側から行うことができるため、メンテナンスの作業性を高めることができる。
また、上記循環経路では、発射機構30、発射球誘導経路1301、盤側発射球誘導経路1302、ファール球誘導経路1303、遊技領域27を遊技機枠5の前面側に配設するとともに、アウト球流下経路1311、セーフ球流下経路1312、回収球流下経路1313、球送出機構部1331、揚送経路1335、揚送球誘導経路1340、減算機構32を遊技機枠5の背面側に配設していることで、ガラス扉6により閉鎖される前面側には遊技領域27に遊技球を打ち出すために必要な最小限の経路のみを配設する一方で、他の経路を遊技機枠5の背面側に配設することができるため、遊技場の営業中にガラス扉6を開放する際に鉄球ptなどの不正遊技媒体等が循環経路内に混入されることを抑制できる。
<循環経路の変形例1>
次に、変形例1としての循環経路について、図66及び図67に基づいて説明する。図66は、変形例1としての遊技球の循環経路を示す概略正面図である。図67は、変形例1としての遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。尚、以下の変形例1においては、図61及び図62にて説明した循環経路と相違する点を主に説明し、同様の構成部分については同様の符号を付すこと等により詳細な説明は省略する。また、図67において網点で示す領域は遊技機枠5の壁部を示している。
図61及び図62にて説明した循環経路では、アウト球流下経路1311、セーフ球流下経路1312及び回収球流下経路1313が、遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より右側領域において略逆「く」の字形に配置されていたが、図66及び図67に示すように、変形例1の循環経路においては、アウト球流下経路1311及びセーフ球流下経路1312を、遊技領域27の下部における左右方向略中央位置に設けられるアウト口154の下方に、上下方向に向けて配置している。その他の構造は図61及び図62にて説明した循環経路と同様である。また、封入球数は約20~25個となる。
このようにすることで、アウト球流下経路1311及びセーフ球流下経路1312を短寸にして循環経路全体をコンパクト化することができるため、遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より右側領域のスペースを他の装置等を配置するためのスペースとして利用可能となる。また、アウト球やセーフ球を回収してから発射機構30に戻すまでの期間を短くできるので、封入する遊技球数を約20~25個など少なくすることができる。
<循環経路の変形例2>
次に、変形例2としての循環経路について、図68及び図69に基づいて説明する。図68は、変形例2としての遊技球の循環経路を示す概略正面図である。図69は、変形例2としての遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。尚、以下の変形例2においては、図61及び図62にて説明した循環経路と相違する点を主に説明し、同様の構成部分については同様の符号を付すこと等により詳細な説明は省略する。また、図69において網点で示す領域は遊技機枠5の壁部を示している。
図61及び図62にて説明した循環経路では、発射機構30、減算機構32及び揚送装置1330が遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より左側領域に配置されていたが、図68及び図69に示すように、変形例2の循環経路においては、発射機構30及び減算機構32を遊技領域27の下方であって遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置に配置するとともに、揚送装置1330を発射機構30及び減算機構32の左側近傍位置に配置している。その他の構造は図61及び図62にて説明した循環経路と同様である。また、封入球数は約40個となる。
変形例2によれば、発射機構30が遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置に配置されることで、遊技球は遊技領域27の下方における左右方向の中央位置から遊技領域27の左上部に向けて左斜め上側に向けて発射される。よって、図68に示すように、遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より左側領域のスペースを他の装置等を配置するためのスペースとして利用可能となる。
また、発射球誘導経路1301に沿って設けられるファール球誘導経路1303を、遊技機枠5の前面側において右斜め下方に延設することで、背面側に誘導するだけですぐに回収球流下経路1313に合流させることができる。よって、図61及び図62にて説明した循環経路におけるファール球誘導経路1303よりも短寸になるので、循環経路の構造を簡素化できる。
<循環経路の変形例3>
次に、変形例3としての循環経路について、図70及び図71に基づいて説明する。図70は、変形例3としての遊技球の循環経路を示す概略正面図である。図71は、変形例3としての遊技球の循環経路を示す概略斜視図である。尚、以下の変形例3においては、図61及び図62にて説明した循環経路と相違する点を主に説明し、同様の構成部分については同様の符号を付すこと等により詳細な説明は省略する。また、図71において網点で示す領域は遊技機枠5の壁部を示している。
図61及び図62にて説明した循環経路では、発射機構30、減算機構32及び揚送装置1330が遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より左側領域に配置されていたが、図70及び図71に示すように、変形例3の循環経路においては、発射機構30及び減算機構32を遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置に配置するとともに、揚送装置1330を発射機構30及び減算機構32の左側近傍位置に配置している。その他の構造は図61及び図62にて説明した循環経路と同様である。また、封入球数は約40個となる。
変形例3によれば、発射機構30が遊技領域27の下方であって遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置に配置されることで、遊技球は遊技領域27の下方における左右方向の中央位置から遊技領域27の左上部に向けて左斜め上側に向けて発射される。よって、図70に示すように、遊技機枠5の下部における左右方向の中央位置より左側領域のスペースを他の装置等を配置するためのスペースとして利用可能となる。
また、発射球誘導経路1301に沿って設けられるファール球誘導経路1303を、回収球流下経路1313に合流させるのではなく、揚送装置1330より下流側の揚送球誘導経路1340に合流させている。よって、変形例2におけるファール球誘導経路1303よりもさらに短寸になるので、循環経路の構造を簡素化できる。
また、発射球誘導経路1301の途中に弁44が設けられており、弁44を通過して遊技盤26上に発射される。弁44は遊技球が通過後に定位置に戻る。そのため、弁44は発射された遊技球が発射台43に戻ることを防止している。尚、このような弁44は、第2実施形態や変形例1,2の発射球誘導経路1301の途中に設けてもよい。
このように、循環経路の形態は、図61及び図62に説明した第2実施形態の循環経路の形態に限定されるものではなく、変形例1~3にて説明した循環経路の形態や、これら以外の形態としてもよく、種々に変形可能である。
また、特に図示しないが、上記した各種循環経路を有する複数種類の遊技機枠5のうちからいずれかの遊技機枠5を用いることができるようにしてもよいし、各種循環経路をユニット化し、これら各種循環経路ユニットを共通の遊技機枠5に交換可能に取付けることで、遊技盤26に応じた最適な循環経路を用いることができるようにしてもよい。
また、第2実施形態の循環経路や変形例1~3にて説明した循環経路では、発射機構30を遊技領域27の下方における左右方向の略中央位置や左側領域に配置する形態を例示したが、遊技領域27の下方における右側領域に配置してもよい。
また、第2実施形態の循環経路や変形例1~3にて説明した循環経路では、発射機構30を遊技領域27の下方に配置することで、前記実施の形態のように遊技領域27の上部の発射機構30まで遊技球を揚送する揚送装置よりも揚送経路を短寸化できるとともに、回収した遊技球を揚送装置1330により揚送することなく発射機構30に直接供給するようにしてもよい。尚、遊技球を揚送装置1330により揚送する必要がない場合であっても、遊技球を研磨する研磨装置を設けるために遊技球を搬送(移送)する搬送装置を設ける場合、遊技球を上方に搬送可能な揚送装置でなくても、遊技球を略水平方向や下方などに搬送可能な搬送装置等であってもよい。
<ガラス扉の構造>
次に、ガラス扉6の構造について、図72~図77に基づいて説明する。図72は、ガラス扉ベースと装飾カバーとを右斜め前側から視た状態を示す斜視図である。図73は、ガラス扉ベースと装飾カバーとを右斜め後側から視た状態を示す斜視図である。図74は、ガラス扉ベースのロック機構を示す概略背面図である。図75は、(A)は左側のロック機構のロック状態、(B)はロック解除状態を示す概略正面図である。図76は、(A)は左側のロック機構のロック状態、(B)はロック解除状態を示す概略縦断面図である。図77は、各種装飾カバーをガラス扉ベースに交換可能であることを示す説明図である。
図72及び図73に示すように、ガラス扉6は、ガラス扉ベース6Wと、ガラス扉ベース6Wの前面下部に設けられた操作ユニット1210と、ガラス扉ベース6Wの前面におけるガラス窓6Gの周囲に取付けられた複数の装飾カバー1201A~1201D可成る装飾体(演出体)と、から主に構成される。ガラス扉ベース6Wには、遊技機枠5を閉鎖したときに遊技領域27に対応する部分に前後方向に貫通する開口部6Mが形成されており、開口部6Mは、ガラス扉6の背面側に取付けられるガラス窓6Gにより閉鎖されている。ガラス窓6Gは、ガラス扉ベース6Wの背面における開口部1230の下縁部に設けられた支持部1401に下端を支持した状態で、開口部1230の上縁左右側に設けられた係止片1402により上部左右側を係止することで取付けられ、係止片1402による係止状態を解除することにより取外し可能とされている。
ガラス扉ベース6Wの前面における開口部6Mの周囲には、複数の装飾カバー1201A~1201Dが取付けられている。これら装飾カバー1201A~1201Dは、ガラス扉ベース6Wに対し着脱可能とされており、後述するように、ガラス扉6を開放して背面側から操作することにより、機種変更などに応じて異なる装飾カバーに交換可能とされている。
ガラス扉ベース6Wの前面における開口部6Mの周囲には、各装飾カバー1201A~1201Dの取付位置を決定するための複数の位置決め用ボス1410A~1410Dと、正面視縦長長方形状をなすボス用孔1411A~1411Dと、正面視横長長方形状をなすコネクタ用孔1412A~1412Dと、が各装飾カバー1201A~1201Dに対応して設けられている。
一方、各装飾カバー1201A~1201Dの後面開口は、金属製の補強板1423A~1423Dにより閉鎖されており、各補強板1423A~1423Dには、ガラス扉ベース6Wの位置決め用ボス1410A~1410Dが挿入可能な上下方向を向く位置決め用孔1420A~1420Dと、各装飾カバー1201A~1201Dをガラス扉ベース6Wに支持するためのボス1421A~1421Dと、前面に複数の演出用LED1202A~1202Dが設けられたLED基板1252A~1252D(図49~図51、図76参照)に接続される基板側コネクタ1422A~1422Dと、が設けられている。
尚、基板側コネクタ1422Aには、演出用LED1202Aからの配線が接続される基板側コネクタだけでなく、スピーカ270A,270Bからの配線が接続される基板側コネクタが含まれている。また、基板側コネクタ1422Cには、演出用LED1202Cからの配線が接続される基板側コネクタだけでなく、操作部1205の操作を検出するための光電センサ(図示略)などからの配線が接続される基板側コネクタなどが含まれている。
LED基板1252A~1252Dは各補強板1423A~1423Dの前面側、つまり、各装飾カバー1201A~1201Dの内部に配置されている。また、各ボス1421A~1421Dの周面下部には、軸心に対し直交する方向を向く凹溝状の係止部1425が形成されている。
図74~図76に示すように、ガラス扉ベース6Wには、各装飾カバー1201A~1201Dを支持するための金属製の支持板1430A~1430Dと、支持板1430A~1430Dの背面側に配置されるスライド板1431A~1431Dと、装飾カバー1201A~1201Dを取外し不能にロックするロック状態とロックを解除する解除状態とに変化させるためのロック操作部1432A~1432Dと、から主に構成されるロック機構1435A~1435Dが設けられている。
また、ガラス扉ベース6Wには、各装飾カバー1201A~1201Dの基板側コネクタ1422A~1422Dが接続可能な中継基板側コネクタ1455A~1455D(図76参照)が、コネクタ用孔1412A~1412Dの下方近傍位置に設けられている。これら中継基板側コネクタ1455A~1455Dは、ガラス扉ベース6Wの背面上部に設けられた中継基板1456(図73参照)に電気的に接続されている。尚、中継基板1456は、図示しないケーブルを介して遊技盤26側の演出制御基板15に接続されているため、スピーカ270A,270B、操作部1205、LED基板1252A~1252Dは、基板側コネクタ1422A~1422Dと中継基板側コネクタ1455A~1455Dとが接続されることで、中継基板1456を介して演出制御基板15に接続される。尚、スピーカ270C,270Dは、枠制御基板17に接続されているが、スピーカ270C,270Dのうち少なくとも一方が演出制御基板15に接続されてもよい。
各ロック機構1435A~1435Dは、上下のスライド板1431A,1431Cが左右方向に移動可能に設けられ、左右のスライド板1431B,1431Dが上下方向に移動可能に設けられているが、スライド板の移動方向が異なるだけで基本的な構成はほぼ同様であるため、以下においては左側のロック機構1435Bについて説明し、上、下、右側のロック機構1435A,1435C,1435Dについての説明は省略する。
図75及び図76に示すように、支持板1430Bには、複数の位置決め用ボス1410Bが前方に向けて突設されている。また、支持板1430Bのガラス扉ベース6Wのボス用孔1411Bに対応する位置には、ボス1421Bが挿入可能な支持孔1441Bが形成されている。ボス用孔1411B及び支持孔1441Bは、ボス1421Bを挿入可能、かつ、上下方向に移動可能な上下寸法(例えば、ボス1421Bの直径の約2倍の長さ)を有している。
図74及び図76に示すように、スライド板1431Bの支持孔1441Bに対応する位置には、ボス1421Bが挿入可能なロック用孔1451Bが形成されている。ロック用孔1451Bは、ボス1421Bが挿入されている状態においてスライド板1431Bがスライド移動可能な上下寸法を有している。
また、スライド板1431Bの下部には、ロック操作部1432Bの前面側に突設された連結軸1432Kが左右方向に摺動可能に挿入される連結孔1452Bが形成されている。ロック操作部1432Bは、ガラス扉ベース6Wの背面に前後方向を向く回動軸周りに回動可能に支持され、ガラス扉ベース6W(ガラス扉6)の背面側から操作可能に設けられている。
スライド板1431Bは、図示しない案内部により、図75(A)において点線で示すロック位置と図75(B)において点線で示すロック解除位置との間で上下方向にスライド移動可能に案内されている。つまり、スライド板1431Bは支持板1430Bに対し上下方向に移動可能とされている。また、スライド板1431Bには、上端がガラス扉ベース6Wに係止された圧縮バネ1453Bの下端が係止されていることで、常時ロック解除位置に向けて付勢されている。
次に、ロック機構1435Bの動作例について、図76に基づいて説明する。
図76(A)に示すように、装飾カバー1201Bがガラス扉ベース6Wの前面に取付けられ、スライド板1431Bがロック位置にあるロック機構1435Bのロック状態においては、装飾カバー1201Bのボス1421Bが、ガラス扉ベース6Wのボス用孔1411B及び支持孔1441Bに挿入された状態で、ボス1421Bの係止部1425が支持孔1441Bの下辺に上方から嵌合して係止されることで、装飾カバー1201Bの荷重がボス1421Bを介して支持板1430Bにより受支される。
また、装飾カバー1201Bがガラス扉ベース6Wに当接した状態で係止部1425と支持孔1441Bの下縁との係止作用によりボス1421Bの前後移動が規制されていることで、装飾カバー1201Bの前後方向への移動が規制されている。
スライド板1431Bがロック位置に位置している状態では、ボス1421Bがロック用孔1451Bの上縁に当接または近接する一方で、ボス用孔1411B及び支持孔1441Bの下部に位置している。また、ロック操作部1432Bの連結軸1432Kは、ロック操作部1432Bの回動中心位置の直下に位置しているため(図75(A)参照)、スライド板1431Bの上方への移動が規制されている。よって、ボス1421Bの上方への移動がスライド板1431Bにより規制されて係止部1425による係止状態を解除できないため、ガラス扉ベース6Wの前面から装飾カバー1201Bを取外すことはできないロック状態となる。
次に、ロック状態を解除する場合は、図76(B)に示すように、ロック操作部1432Bを正面視時計回りに約90度回動操作することで(図75(B)参照)、連結軸1432Kの上方への移動に応じてスライド板1431Bがロック位置から上方のロック解除位置へ上昇する。これにより、ロック用孔1451Bが上昇することで、ロック用孔1451Bの上縁がボス1421Bから上方に離れる。また、ボス用孔1411B及び支持孔1441Bの上縁もボス1421Bから上方に離れている。
よって、装飾カバー1201Bを上方に持ち上げることで、ボス1421Bが上昇して係止部1425による係止状態が解除される。また、装飾カバー1201Bを上方に持ち上げることで、基板側コネクタ1422Bがガラス扉ベース6Wの上部に設けられた中継基板側コネクタ1455Bから逸脱される。そして、装飾カバー1201Bを上方に持ち上げたまま手前側に引き出すことで、ガラス扉ベース6Wの前面から装飾カバー1201Bを取外すことができる。
尚、装飾カバー1201Bをガラス扉ベース6Wの前面に取付ける場合、ロック機構1435Bをロック解除状態とした状態で、ガラス扉ベース6Wの前面側からボス1421Bをボス用孔1411B及び支持孔1441Bに挿入した後、装飾カバー1201Bを下降させることで、ボス1421Bの係止部1425が支持孔1441Bの下辺に係止される。また、装飾カバー1201Bの基板側コネクタ1422Bがガラス扉ベース6Wの中継基板側コネクタ1455Bに接続される。そして、ロック操作部1432Bを反時計回りに約90度回動操作してスライド板1431Bがロック位置まで下降することで、ボス1421Bの上部にロック用孔1451Bの上縁が当接または近接するとともに、ロック操作部1432Bの連結軸1432Kがロック操作部1432Bの回動中心位置の直下に位置してスライド板1431Bの上方への移動が規制されることで、ロック機構1435Bがロック状態となり、ガラス扉ベース6Wの前面から装飾カバー1201Bを取外すことができなくなる。
このように、各装飾カバー1201A~1201Dは、ガラス扉ベース6Wの背面側に設けられた各装飾カバー1201A~1201Dに対応するロック操作部1432A~1432Dを操作して、ロック機構1435A~1435Dをロック解除状態とすることで、ガラス扉ベース6Wの前面側から取外しできるとともに、各装飾カバー1201A~1201Dをガラス扉ベース6Wの前面に係止した状態で対応するロック機構1435A~1435Dをロック状態とすることで、ガラス扉ベース6Wの前面側に取付けることができる。
また、第2実施形態では、装飾カバー1201A~1201Dをガラス扉ベース6Wから取外す場合、係止状態を解除するために装飾カバー1201A~1201Dを持ち上げる必要があるため、全ての装飾カバー1201A~1201Dを取外す場合、ロック機構1435A~1435Dをロック解除状態とした後、上側の装飾カバー1201A、左右側の装飾カバー1201B,1201D、下側の装飾カバー1201Cの順に取外すことが好ましい。一方、取付ける場合は係止状態とするために装飾カバー1201A~1201Dを下降させる必要があるため、下側の装飾カバー1201C、左右側の装飾カバー1201B,1201D、上側の装飾カバー1201Aの順に取付けることが好ましい。
また、各装飾カバー1201A~1201Dに対応してロック操作部1432A~1432Dやロック機構1435A~1435Dが設けられていることで、全ての装飾カバー1201A~1201Dを一斉に交換するだけでなく、複数のうちいずれかの装飾カバーのみを部分的に交換することも可能であることで、装飾カバー1201A~1201Dの破損、操作部1205や演出用LED1202A~1202Dの故障などに応じて最小限の部品のみを交換するだけで済むため、交換に伴うコストを抑制することができる。
また、ロック操作部1432A~1432Dがガラス扉ベース6Wの背面側に設けられていることで、各装飾カバー1201A~1201Dをガラス扉ベース6Wから取外す際にはガラス扉6を開放しなければならない。つまり、ガラス扉6を開放するためには遊技場の店員等が鍵穴10に遊技場所有の鍵(図示略)を挿入して解錠操作をする必要があるため、遊技者などが装飾カバー1201A~1201Dをガラス扉ベース6Wから取外すことは困難とされているため、装飾カバー1201A~1201Dを取外すことにより露呈したボス用孔1411A~1411Dなどから針金などの異物等を遊技用枠の内部に進入させるといった不正行為を好適に防止することができる。
また、図77に示すように、各装飾カバー1201A~1201Dからなる装飾体は、ガラス扉ベース6Wの前面に対し着脱可能であるため、例えば、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なる遊技盤26に共通して使用可能な遊技用枠(外枠4、遊技機枠5、ガラス扉6)の製造メーカが用意する装飾カバー1201A~1201Dを、同じく遊技用枠の製造メーカが用意する他の装飾体1201X,1201Yなどに交換することが可能であるとともに、遊技盤26の製造メーカが用意する装飾体1201Zなどに交換することも可能である。
よって、機種変更に伴い遊技盤26を交換する際に、外形、装飾、演出用の操作部1205などの意匠が異なる複数の装飾体1201X,1201Yや、機種に応じた意匠の装飾体1201Zなどのうちからいずれかを選択して使用することができるため、遊技領域27だけでなく、遊技領域27の周囲の意匠を機種に応じて変更可能であるため、機種に適した装飾や演出を遊技者に提供することが可能となる。
尚、前記第2実施形態では、ガラス扉6の前面におけるガラス窓6Gの周囲に着脱可能に設けられる装飾体は、4個に分割された装飾カバー1201A~1201Dにて構成される形態を例示したが、5個以上の装飾部材にて構成されていてもよいし、3個または2個の装飾部材にて構成されていてもよいし、装飾体1201Zのように単一の装飾部材にて構成されていてもよい。また、必ずしも装飾体はガラス扉6に対し着脱可能でなくても、ガラス扉6に固定されていてもよい。
また、装飾カバー1201A~1201Dなど装飾体の外形、色、柄といった装飾などを含む意匠は任意であり、種々に変更可能である。さらに、装飾体は、上記のようにスピーカ270A,270Bなどの音出力手段や、演出用LED1202A~1202Dなどの発光手段を含むものだけでなく、動作可能に設けられた可動体を有する可動演出手段や、演出用の表示手段等を有していてもよい。また、これら音出力手段、発光手段、可動演出手段及び表示手段等については装飾体側でなくガラス扉ベース6W側に設け、各種装飾体に対し共通に使用可能なものとしてもよい。
また、前記第2実施形態では、各装飾カバー1201A~1201Dに対応するロック操作部1432A~1432Dやロック機構1435A~1435Dが設けられる形態を例示したが、複数の装飾カバー1201A~1201Dのうち少なくとも2以上のカバーに対応するロック操作部やロック機構のみが設けられていてもよい。よって、例えば、複数の装飾体が一のロック操作部及びロック機構にてロック状態とロック解除状態とに変化可能とされていてもよい。
また、ロック操作部やロック機構の構造は上記した形態のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。例えば、ロック機構にソレノイドやモータを設け、リモコンや管理コンピュータなどからの遠隔操作によりロック機構をロック状態とロック解除状態とに変化させることができるようにしてもよい。また、リモコンや管理コンピュータなどからの遠隔操作により、遊技場に設置されている複数のパチンコ遊技機のロック機構を一斉にロック状態とロック解除状態とに変化できるようにしてもよい。このようにすることで、機種変更に伴う装飾体の交換作業を容易に行うことができる。
<P台1002の遊技機枠5の構成>
図78は、P台1002の遊技機枠5の構成例を示すブロック図である。発射機構30が遊技盤26の下方に設けられていることに伴って、枠制御基板17には、計数ボタン28、性能表示モニタ40、電波センサ173、減算ソレノイド32a、減算機構入口センサ32b、減算機構出口センサ32c、揚上機構出口センサ33、アウト球検出スイッチ701、入賞したセーフ球を検出するためのセーフ球検出スイッチ702、前飾り開放スイッチ12、および裏機構部開放スイッチ13に加えて、揚送装置1330、ファール球を検出するためのファール球検出スイッチ703、球詰りを検出するための球詰り検出スイッチ1317が接続されている。よって、揚送装置1330の動作は、枠制御基板17によって制御される。なお、これら揚送装置1330動作制御に係わる揚送制御処理のプログラムは、図24に示す遊技球循環処理と同じく、ROMの使用領域外プログラムとして記憶されている。
また、P台1002においては、前述したように、遊技球pの研磨が、動作しない研磨カセット1343によって行われるので、ROMの使用領域外プログラムとして球磨き処理のプログラムが記憶されていないとともに、これら球磨き処理のプログラムにもとづく領域外処理(カセットモータ駆動処理、球磨き機構制御タイマ減算処理、球磨き機構スイッチ検知処理)についても実行されないようになっている。
<P台1002の場合の減算機構制御処理>
図79は、P台1002の場合の減算機構制御処理の処理内容を示すフロー図である。下部発射の場合の減算機構制御処理は、図29に示す上部発射の場合の減算機構制御処理の発射制御の内容に、ステップS311からS314のファール球制御の部分が追加されたものとなっている。なお、発射制御の内容は、図29に示す内容と同一であるので、ここでの説明は省略する。
ファール球制御において、CPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、まず、ファール球検出スイッチ703による遊技球pの検出の有無を判定する。つまり、ファール球検出スイッチ703を遊技球pが通過したか否かを判定する(ステップS311)。ファール球検出スイッチ703を遊技球pが通過していない場合には(ステップS311;N)、減算機構制御処理を終了する一方、ファール球検出スイッチ703を遊技球pが通過した場合には(ステップS311;Y)、発射球数が、アウト球検出スイッチ701の検出数、セーフ球検出スイッチ702の検出数、ファール球検出スイッチ703の検出数の合計数以上であるか否か、つまり、アウト球検出スイッチ701の検出数、セーフ球検出スイッチ702の検出数、ファール球検出スイッチ703の検出数の合計数が発射球数よりも多い異常な状況であるか否かを判定する(ステップS312)。なお、発射球数よりも合計数が少ない場合には、その差分の遊技球数が、発射されたのちに遊技領域や発射経路等を流下中であることにより、アウト球検出スイッチ701、セーフ球検出スイッチ702、ファール球検出スイッチ703にて検出される前の状態にあることによる。
上記のように、図79に示すファール球制御においては、セーフ球検出スイッチ702の検出数(セーフ球数)を合計数に含めて発射球数と比較する形態を例示しているが、このようにすることで、より正確にファール数異常を検知できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらセーフ球検出スイッチ702の検出数(セーフ球数)は、アウト球検出スイッチ701の検出数(アウト球数)に比較して著しく小さいので、合計数にセーフ球検出スイッチ702の検出数(セーフ球数)を含めずに、アウト球検出スイッチ701の検出数とファール球検出スイッチ703の検出数の合計数と発射球数とを比較することで、これらファール数異常の判定に係わる処理負荷を低減できるようにしてもよい。
なお、ステップS312において合計数の算出に使用されるファール球検出スイッチ703の検出数の情報は、前述したように、P台1002からCUに送信される遊技機情報に係わる信号として送信される。なお、これら遊技機情報に係わる信号においては、前述したように、遊技球数と遊技球数通番とがCU3に送信されて通知されるが、遊技球数が存在しないにもかかわらずにファール球検出スイッチ703によって遊技球数が加算される場合には、発射球数としてマイナスの発射球数が通知される場合があり、これらマイナスの発射球数の通知によって、CU3に搭載されているSC基板において、異常を判断してエラー報知を実行できるとともに、ホールコンピュータ等の外部の管理装置に対して、該エラー(異常)の発生を通知できる。
ステップS312において発射球数が合計数以上でない場合には(ステップS312;N)、ファール数異常処理を実行する(ステップS314)。なお、このファール数異常処理においては、計数ボタン28の操作並びに遊技球pの発射が不能とされ、ファール数異常に対応するエラーコードが遊技球数表示器29に表示されるとともに、遊技機枠側スピーカ270C、270Dからのエラー報知が実行される。なお、このエラー報知も、前述した遊技球循環装置異常のエラー報知と同様に、主制御基板16側の音声出力(例えば、遊技盤側スピーカ270A,270B)で行われるエラー報知と重ならないように、ファール数異常のエラー報知を制限するようにエラーの優先度が定められている。
一方、発射球数が合計数以上である場合には(ステップS312;Y)、遊技球数を1加算した値を遊技球数表示器29に表示した後(ステップS313)、減算機構制御処理を終了する。
図80は、上記のように、ファール球検出スイッチ703による遊技球p(ファール球)の検出によって、遊技球数に1が加算される状況を示すタイミングチャートである。なお、図80における(i)~(iv)の状態は、図31に示す(i)~(iv)の状態と同一であるとともに、(v)~(viii)の状態も(i)~(iv)の状態と同一であり、(i)及び(v)において発射ソレノイド31aがON状態とされたことによって遊技球pが発射され、該発射後における減算基準信号の入力と減算ソレノイド32aがON状態とされることにもとづく減算機構入口センサ32bによる遊技球pの検出に応じて遊技球数Xから、X-1、X-2と減算更新されていく。
ここで、(i)の状態において発射ソレノイド31aがON状態とされたことによって発射された遊技球pが、例えば、発射強度が不十分であることにより、遊技領域に到達でずに、発射球誘導経路1301を逆流してファール球検出スイッチ703を通過すると、ファール球検出スイッチ703からファール球検出信号が枠制御基板17に入力される((ix)の状態)。
このファール球検出信号の入力に応じて、枠制御基板17のCPU(払出制御用マイクロコンピュータ)は、遊技球数表示器29に表示されているX-2個の遊技球数の表示から1個加算してX-1の遊技球数の表示に更新する((x)の状態)。
なお、P台1002における発射機構30も、図30に示すように、発射ソレノイド31aをオン状態にしてから562.5ms後に、(i)~(iv)の状態を満たさない場合に、発射機構30の球通路における球詰りを防止する目的で、発射ソレノイド31aのみをON状態とする特定発射動作を行うようにしているが、この特定発射動作において発射された遊技球pが、発射強度が弱すぎてファール球検出スイッチ703にて検出された場合には、前述したように、特定発射動作による発射については、減算基準信号が出力されないことで遊技球数が減算されないため、これら特定発射動作において発射された遊技球pがファール球となった場合に遊技球数を加算してしまうと、遊技球数が不適切に加算されてしまうことになることから、特定発射動作の期間中および特定発射動作の終了からファール球を検出可能な最大期間までは、ファール球の検出による遊技球数への加算を禁止するとともに、新たな遊技球の発射を禁止するようにしてもよい。
<実施形態の構成>
(1) 遊技球が封入された封入式遊技機と、当該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値を用いて遊技機での遊技を可能にするための遊技用装置(ユニット)とを備える遊技用システムが特許文献1(特開2013-042799号公報)に開示されている。特許文献1に開示された遊技用システムでは、遊技機で遊技をするための遊技球数などの情報を、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間で、双方向で通信することで伝送している。しかし、特許文献1の遊技用システムでは、遊技機と遊技用装置(ユニット)との間でやり取りされる情報の伝送方式に、安定性や安全性の観点から改善する余地があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機と遊技用装置との間で通信される情報を、安定かつ安全に伝送できる遊技機および遊技用システムを提供することである。
(1-1) 遊技用装置(例えば、CU3)と通信可能な遊技機(例えば、P台2)であって、前記遊技機で行われる遊技に関する遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号)を前記遊技用装置へ所定期間(例えば、規定期間A)ごとに送信する送信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う通信制御IC325)と、前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間よりも短い特定期間(例えば、規定期間B又は規定期間C)に対応するタイミングで、遊技価値に関する特定情報(例えば、計数に係る信号又は貸出に係る信号)について前記遊技用装置との間で通信する通信手段(例えば、通信制御IC325)とを備える。このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と特定情報との送信タイミングを分けているため、情報の輻輳を回避することができる。
(1-2) 遊技用装置(例えば、CU3)と、前記遊技用装置と通信可能な遊技機(例えば、P台2)とを備える遊技用システムであって、前記遊技機で行われる遊技に関する遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号)を前記遊技用装置へ所定期間(例えば、規定期間A)ごとに送信する送信手段(例えば、CU3とP台2との通信を行う通信制御IC325)と、前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間よりも短い特定期間(例えば、規定期間B)に対応するタイミングで、遊技価値に関する特定情報(例えば、計数に係る信号)について前記遊技用装置との間で通信する通信手段(例えば、通信制御IC325)とを備える。このような構成によれば、情報伝送の最適化を図ることができ、遊技情報と特定情報との送信タイミングを分けているため、情報の輻輳を回避することができる。
(1-3) 上記(1-1)の遊技機において、前記通信手段は、前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記特定期間(例えば、規定期間B)に対応するタイミングで、前記特定情報のうち前記遊技機において管理される遊技価値の大きさに関する計数情報(例えば、計数に係る信号)を前記遊技用装置へ送信可能であり、前記送信手段が前記遊技情報を送信してから前記所定期間(例えば、規定期間A)内において、前記特定期間と異なる特別期間(例えば、規定期間C)に対応するタイミングで、前記特定情報のうち前記遊技機での遊技のために貸し出された遊技価値の大きさに関する貸出情報(例えば、貸出に係る信号)を前記遊技用装置と通信可能である。このような構成によれば、遊技情報の受信から特別期間に対応するタイミングで遊技用装置から貸出情報が送信されるため、双方向通信におけるデータの衝突を回避でき、情報伝送の最適化を図ることができる。
(1-4) 上記(1-3)の遊技機において、前記送信手段が前記遊技情報を送信する伝送路(例えば、非同期シリアル通信ポート)は、前記通信手段が前記計数情報および前記貸出情報を送信する伝送路と共通である(例えば、図6)。このような構成によれば、伝送路を構成する配線の簡素化を図ることができるとともに、伝送路を共通化した構成において情報伝送の最適化を図ることができる。
(1-5) 上記(1-1)、(1-3)から(1-4)のいずれかの遊技機において、 前記送信手段は、電源投入後に設置情報(例えば、遊技機情報に係る信号のうち、遊技機設置情報)を前記遊技用装置に送信し、その後に前記遊技情報(例えば、遊技機情報に係る信号のうち、遊技機性能情報、ホールコン情報など)を前記遊技用装置へ前記所定期間ごとに送信する。このような構成によれば、遊技機において、認証処理を経ることなく遊技情報を出力可能となるため、処理負担を軽減できる。
(1-6) 上記(1-1)、(1-3)から(1-5)のいずれかの遊技機において、 前記送信手段は、前記遊技用装置での前記遊技情報の受信状況に関わらず、前記所定期間ごとに前記遊技情報を前記遊技用装置に送信する(例えば、CU3での遊技情報の受信状況に関わらず、規定期間Aごとに遊技情報をCU3に送信する)。このような構成によれば、遊技機において、遊技情報の再送処理が不要となり、過去の遊技機情報を記憶する必要がなくなり、処理負担を軽減できる。
(2) 遊技球が封入された封入式遊技機において、発射装置の前段の球送り機構における球送り動作に伴う球検知にもとづいて、遊技点(遊技球数)の減算を行う遊技機が特許文献2(特開2017-164318号公報)に開示されている。しかし、特許文献2の遊技機では、電磁的に管理している遊技点(遊技球数)の減算タイミングが、発射装置の実際の発射動作と対応しておらず不適切な処理となる虞があった。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、発射装置の発射動作と対応した適切な遊技点(遊技球数)の減算処理を行う遊技機および遊技枠を提供することである。
(2-1) 遊技点(例えば、遊技球数)に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)であって、遊技媒体を発射する発射装置(例えば、発射機構30)と、前記発射装置に遊技媒体を搬送する搬送手段(例えば、減算ソレノイド32aや可動片45など)と、前記発射装置における遊技媒体の発射動作に対応した特別信号(例えば、減算基準信号)を生成する信号生成手段(例えば、減算機構32)と、遊技点を管理し、前記特別信号にもとづいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させるとともに、前記特別信号にもとづいて遊技点を減算する制御手段(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理)とを備える。このような構成によれば、特別信号にもとづいて搬送手段が遊技媒体の搬送動作を行うことにより、遊技点を減算するので、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2-2) 遊技点(例えば、遊技球数)に対応して遊技媒体を発射することにより遊技が可能な遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技機枠5)であって、遊技媒体を発射する発射装置(例えば、発射機構30)と、前記発射装置に遊技媒体を搬送する搬送手段例えば、減算ソレノイド32aや可動片45など)と、前記発射装置における遊技媒体の発射動作に対応した特別信号(例えば、減算基準信号)を生成する信号生成手段(例えば、減算機構32)と、遊技点を管理し、前記特別信号にもとづいて前記搬送手段に遊技媒体の搬送動作を実行させるとともに、前記特別信号にもとづいて遊技点を減算する制御手段(例えば、枠制御基板17の遊技球数管理プログラムで処理)とを備える。このような構成によれば、特別信号にもとづいて搬送手段が遊技媒体の搬送動作を行うことにより、遊技点を減算するので、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2-3) 上記(2-1)の遊技機において、前記発射装置の動作を制御する発射制御手段(例えば、発射制御基板31)と、前記制御手段としての枠制御手段(例えば、枠制御基板17)とをさらに備え、前記枠制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことにもとづいて、管理している遊技点の減算処理を実行する(例えば、枠制御基板17は、減算基準信号を受信したことにもとづいて、X個の遊技球数から1個減算してX-1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる)。このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技点の減算処理が実現できる。
(2-4) 上記(2-3)の遊技機において、前記枠制御手段は、前記発射制御手段からの前記特別信号を受信したことにもとづいて、前記搬送手段による遊技媒体の搬送動作を実行させる(例えば、減算基準信号を受信したことにもとづいて、減算ソレノイド32aを制御することで可動片45を駆動して遊技球pを搬送する。)。このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作に対応して適切な遊技球の搬送を実現できる。
(2-5) 上記(2-3)または(2-4)の遊技機において、前記搬送手段は、遊技媒体の進入を検知するための進入センサ(例えば、減算機構入口センサ32b)を含み、前記枠制御手段は、前記発射制御手段から前記特別信号を受信した後、前記進入センサにて遊技媒体を検知したことにもとづいて、管理している遊技点の減算処理を実行する(例えば、減算機構入口センサ32bがオン状態となり遊技球pを検知すると、X個の遊技球数から1個減算してX-1の遊技球数を遊技球数表示器29に表示させる)。このような構成によれば、枠制御手段は、発射装置の発射動作と搬送機構の動作とに対応した遊技点の減算処理が実現できる。
(2-6) 上記(2-3)~(2-5)の遊技機において、前記搬送手段は、遊技媒体の排出を検知するための排出センサ(例えば、減算機構出口センサ32c)を含み、前記枠制御手段は、前記発射制御手段から前記特別信号を受信した後の所定期間内における前記排出センサの検知状態にもとづいて、遊技媒体の搬送エラーを判定可能である(例えば、減算基準信号がオン状態となってから16ms後において、減算機構出口センサ32cがオン状態となっている場合、球詰りが発生していると判断)。このような構成によれば、球詰りが発生しているなどの搬送機構による動作の不具合を検知できる。
(2-7) 上記(2-3)~(2-6)のいずれかの遊技機において、前記枠制御手段は、遊技制御手段(例えば、主制御基板16)と通信可能であり、特別事象(例えば、エラー)が発生したことにもとづいて、該特別事象の発生を知らせるための所定信号(例えば、エラー信号)を前記遊技制御手段に送信し、前記遊技制御手段は、前記所定信号を受信したことにもとづいて、発射停止処理を実行する(例えば、発射許可信号の出力を停止する)。このような構成によれば、枠制御手段にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
(3) 遊技球が封入された封入式遊技機は、遊技盤と遊技機枠とで構成されており、遊技盤に主制御基板、遊技機枠側に枠制御基板を備えている。枠制御基板側で検知したエラーは遊技機枠側で報知する以外に、遊技盤側でも報知することが可能な遊技機が特許文献3(特開2017-158716号公報)に開示されている。しかし、枠制御基板側で検知したエラーを音声出力により報知することが可能な構成において、特許文献3の遊技機のように、検知したエラーを遊技機枠側で報知する以外に遊技盤側でも報知することが可能な場合、遊技機枠側で検知したエラーの報知と、遊技盤の主制御基板側で検知したエラーの報知とが重複してしまうことがあり、却ってエラーが認識困難になる可能性がある。さらに、共通の遊技機枠に異なるメーカーの遊技盤を搭載することを可能とする場合に、報知するエラーの優先度に定めがないと、あるメーカーの遊技盤を遊技機枠に搭載したときは枠制御基板側で検知したエラーが優先して報知され、別のメーカーの遊技盤を遊技機枠に搭載したときは主制御基板側で検知したエラーが優先して報知され統一したエラー報知を行うことができない。本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技機枠側と遊技盤側とでエラーの報知を行うことが可能であっても、エラーの報知が重複して行われることを回避し、統一したエラー報知を行うことができる遊技機および遊技枠を提供することである。
(3-1) 遊技盤(例えば、遊技盤26)と、前記遊技盤を取付け可能な遊技枠(例えば、遊技機枠5)とを備える遊技機(例えば、P台2)であって、前記遊技盤は、遊技の進行を制御する第1制御手段(例えば、主制御基板16)と、第1音声出力手段(例えば、演出制御基板15により制御される音声出力(遊技盤側スピーカ270Z))とを含み、前記遊技枠は、遊技価値に関する情報を管理する第2制御手段(例えば、枠制御基板17)と、第2音声出力手段(例えば、枠側演出制御基板15Aにより制御される音声出力(遊技機枠側スピーカ270W))とを含み、 前記第1制御手段は、所定事象(例えば、主制御基板16で検知するエラー)の発生を検知可能であり、前記第1制御手段によって前記所定事象が検知されたことにもとづく所定報知(例えば、エラー報知)が前記第1音声出力手段にて行われ、前記第2制御手段は、前記所定事象と異なる特定事象(例えば、枠制御基板17で検知するエラー)の発生を検知可能であり、前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われていないときに、前記第2制御手段によって前記特定事象が検知されたことにもとづく特定報知が前記第2音声出力手段にて行われ、前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われているときに、前記特定報知が前記第2音声出力手段にて行われない(例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない)。このような構成によれば、遊技盤側と遊技機枠側との事象にもとづく報知が重複することを回避し、統一したエラー報知を行うことができる。
(3-2) 遊技の進行を制御する第1制御手段(例えば、主制御基板16)と、第1音声出力手段(例えば、演出制御基板15により制御される音声出力)とを含み、前記第1制御手段によって所定事象(例えば、主制御基板16で検知するエラー)が検知されたことにもとづく所定報知(例えば、エラー報知)が前記第1音声出力手段にて行われる遊技盤(例えば、遊技盤26)を取付け可能な遊技機(例えば、P台2)の遊技枠(例えば、遊技機枠5)であって、遊技価値に関する情報を管理する第2制御手段(例えば、枠制御基板17)と、第2音声出力手段(例えば、枠側演出制御基板15Aにより制御される音声出力)とを含み、前記第2制御手段は、前記所定事象と異なる特定事象(例えば、枠制御基板17で検知するエラー)の発生を検知可能であり、前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われていないときに、前記第2制御手段によって前記特定事象が検知されたことにもとづく特定報知が前記第2音声出力手段にて行われ、前記所定報知が前記第1音声出力手段にて行われているときに、前記特定報知が前記第2音声出力手段にて行われない(例えば、枠制御基板17側で遊技球循環装置異常(エラーコード=F17)を検知した場合、主制御基板16側でエラーの報知が行われていないときに、遊技球循環装置異常の報知が行われ、主制御基板16側でエラーの報知が行われているときに、遊技球循環装置異常の報知が行われない)。このような構成によれば、遊技盤側と遊技機枠側との事象にもとづく報知が重複することを回避し、統一したエラー報知を行うことができる。
(3-3) 上記(3-1)の遊技機において、前記第2制御手段は、前記特定事象と異なる特別事象(例えば、主制御基板16側でも報知を行うエラー)の発生を検知可能であり、前記特別事象の発生を検知した場合には、前記第1制御手段に対して前記特別事象の検知に関する情報を送信し(例えば、主制御基板16に対して当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を送信)、前記第1制御手段は、前記特別事象の検知に関する情報を受信したことにもとづいて前記第1音声出力手段で報知を行うことが可能である(例えば、当該エラー(特別事象)の検知に関する情報を受信したことにもとづいて演出制御基板15により制御される音声出力(遊技盤側スピーカ270Z)で当該エラーの報知を行う)。このような構成によれば、第2制御手段にて検出された特別事象の発生を適切に報知できる。
(3-4) 上記(3-3)の遊技機において、前記第2制御手段は、特定領域内(例えば、使用領域内)に前記第1制御手段との通信制御に用いるプログラム(図37に示す通信処理)が格納され、前記特定領域内で実行される処理と、特定領域外(例えば、使用領域外)で実行される処理とで検出可能な事象が異なり、前記特定領域内で実行される処理により検知した事象を、前記プログラムを実行して前記第1制御手段へ送信可能である(例えば、ユーザープログラムの使用領域内で実行される処理により検知したエラー(事象)を、プログラム(特に、通信処理)を実行して主制御基板16へ送信可能である)。このような構成によれば、ユーザープログラムの特定領域内と特定領域外とに跨らずに処理を実行することができる。
(3-5) 上記(3-3)または(3-4)の遊技機において、前記第1制御手段は、発射装置(例えば、発射機構30)の発射動作を制御可能であり、前記特別事象の検知に関する情報を受信したことにもとづいて前記発射装置の発射動作を停止させる。このような構成によれば、第1制御手段が、第2制御手段にて検出された特別事象の発生に対応して発射動作を停止できる。
(3-6) 上記(3-1)~(3-5)の遊技機において、前記第2制御手段は、特定事象と特別事象とのうちいずれかの事象の発生を検知した場合に、前記第1制御手段による前記所定事象の検知状況に関わらず、表示部(例えば、遊技球数表示器29)に検知した事象を特定可能な情報を表示する。このような構成によれば、遊技盤側の制御状態によらずに、検知した事象を特定可能に表示できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、付与された遊技価値に関する性能情報(所定情報)を算出し、当該性能情報を性能表示モニタ40に表示するための表示制御を実行可能な枠制御基板17と、外部へ信号出力可能な出力端子(CU3との接続端子)とを備えている。枠制御基板17は、性能情報を特定するためのシリアル信号(図5;ホールコン信号)を、CU3に出力可能である。CU3は、外部出力端子340からホールコン(管理装置)に出力可能である。
外部出力端子340(図4参照)は、シリアル端子とパラレル端子との両方を備えていてもよい。これにより、CU3は、パラレル端子しか備えていない従来のホールコンに対しても接続することが可能となる。なお、外部出力端子340の端子構成を、パラレル端子の構成とした場合、外部出力端子340でも、ベース値などの性能情報を出力する端子番号と、セキュリティ信号を出力する端子番号とが異なる端子となっている。また、図示していないが、P台2とCU3とを繋ぐ端子においても、性能情報を出力する端子と、セキュリティ信号を出力する端子とが異なる端子となるように構成してもよい。
また、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、枠制御基板17が、遊技球の発射数に対応する所定条件が成立する(例えば、電源投入時、大当り発生時、アウト球数が60000球に達した)毎に、外部出力端子340からシリアル信号をホールコン(管理装置)やデータランプ等の遊技機の外部へ出力可能である。これにより、所定条件が成立する毎に性能情報(例えば、ベース値など)を外部に通知でき、遊技機における遊技価値の付与に関する性能の変化を外部で随時把握することができる。
さらに、図1に示すような封入循環式パチンコ遊技機であるP台2であっても、枠制御基板17のCPUが、遊技機を識別するための識別情報(例えば、「機種名」および「メインチップID」)を性能情報(例えば、ベース値など)とともに外部に出力可能である。これにより、遊技機の外部のホールコン(管理装置)において、識別情報と性能情報とを対応付けて管理可能となるため、ホールコン(管理装置)においてより適切に管理できる。
(1) 枠制御基板17に設けられた役物比率/連続役物比率を表示させるための操作スイッチが操作されることで、性能表示モニタ40(表示モニタP29)に役物比率/連続役物比率が表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17に設けられた役物比率を表示させるための操作スイッチ(例えば、エラー解除スイッチ、RAMクリアスイッチ)が操作されることで、役物比率が表示され、枠制御基板17に設けられた連続役物比率を表示させるための操作スイッチ(例えば、球抜きスイッチ、遊技球クリアスイッチ)が操作されることで、連続役物比率が表示されるようにしてもよい。このときに、遊技機枠5が開放されていることが、表示の条件として加えられてもよい。
(2) 役物比率uおよび連続役物比率vを、性能表示モニタ40(表示モニタP29)に表示されるようにしてもよい。また、遊技機の性能表示モニタ40以外の部分で表示されるようにしてもよく、例えば、表示器312で表示されるようにしてもよいし、遊技球数表示器29で表示されるようにしてもよい。これらの性能表示モニタ40以外の部分で表示される場合であっても、所定操作に応じて表示させるようにしてもよい。また、性能表示モニタ40と異なる専用の表示器で表示されるようにしてもよい。例えば、専用の表示器を、主制御基板16に設けるようにしてもよい。
(3) 役物比率uおよび連続役物比率vは、枠制御部171によって算出され、表示されるようにした。しかし、これに限定されず、遊技機の枠制御部171以外の制御部、例えば、主制御基板16の主制御部161によって、役物比率uおよび連続役物比率vが算出されたり、表示されたりするようにしてもよい。
(4) 前述した始動入賞口276は、役物が閉じている状態において、遊技球が入賞不能なものであってもよい。始動入賞口276の役物が閉じている状態(役物非作動中の状態)においても開いている状態(役物作動中の状態)においても、遊技球が入賞可能であり、開いている状態の方が閉じている状態よりも入賞し易いものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態および変形例においては、上述の所定情報は、遊技機または遊技用装置で特定され、送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報が、遊技場の内部のサーバ(ホールサーバ801、ホールコンピュータなど)または外部のサーバ(遊技機管理サーバ802、CU3で扱われるカードを管理するカード管理会社のカード管理サーバ)などの管理装置で特定されるようにしてもよい。
(6) 所定情報を受信した管理装置または遊技用装置においては、所定情報自体(例えば、ベース、役物比率または連続役物比率の適否の判定結果)にもとづいてベース、役物比率または連続役物比率の異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよいし、所定情報(例えば、低ベース時ベース、高ベース時ベース、連続役物比率、役物比率、アウト球数+セーフ球数、アウト球数+入賞口ごとのセーフ球数)から、ベース、役物比率または連続役物比率を計算し、その異常を監視し、異常と判断した場合に異常を報知するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、上述の所定情報は、枠制御基板17の枠制御部171によって特定されるようにした。しかし、これに限定されず、主制御基板16の主制御部161など、遊技機の他の制御部によって特定されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態または変形例において、遊技機または遊技用装置において所定情報を特定した場合、遊技機または遊技用装置において所定情報にもとづいて異常を報知するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態において、上述の所定情報を遊技場の外部に送信するときに、通信が不能(オフライン状態)となっている場合は、遊技場側の遊技機、遊技用装置、管理装置に、所定情報を一時的に記憶しておき、通信が復旧した場合に、所定情報を外部の管理装置に送信するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が算出され所定契機ごとに、上述の所定情報が送信されるようにした。しかし、これに限定されず、上述の所定情報は、定期的(例えば、1時間ごと)に送信されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であることは、枠制御基板17の7セグメント式のLEDディスプレイである性能表示モニタ40(図4参照)の表示部に表示することで報知されるようにした。この報知が特定操作に応じて行われるようにしてもよい。また、ベース、役物比率または連続役物比率の値が枠制御基板17の表示部に表示されるようにしてもよい。また、枠制御基板17の表示部のような遊技者が通常見ることができない表示部とは異なる遊技者が見ることができる表示部、例えば、表示器312に表示されるようにしてもよい。この場合、表示器312のタッチパネルでの特定操作に応じて表示されるようにしてもよい。また、特定操作が無くても常に表示されるようにしてもよい。また、ベース、役物比率および連続役物比率が異常であること、ならびに、ベース、役物比率および連続役物比率のうちの少なくともいずれか1つまたは複数の情報が表示されるようにしてもよい。また、これらの情報のいずれか1つまたは複数の情報を示唆する情報(例えば、赤いアイコンを表示する、背景を赤くする)または関連する情報(例えば、ベース、役物比率または連続役物比率の棒グラフや折線グラフなどのグラフ表示)が表示されるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態において、ベース、役物比率および連続役物比率が継続して異常と判定されている場合に、異常が解消したと判断したときに、その旨を示す情報を、遊技場の外部または内部の管理装置に送信するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、遊技が可能な遊技機とは、少なくとも所定の遊技を行うことが可能なものであればよく、パチンコ遊技機に限らず、スロットマシンや一般ゲーム機であってもよい。