JP7193563B2 - コアレート生成装置、コアレート生成方法およびプログラム - Google Patents
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- Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)
Description
顧客は、取引口座を開設し、自己資金に所定のレバレッジ(日本の顧客の場合25:1)を掛けて、提供された買値(ASK)および売値(BID)で自己資金を売買する。
例えば、米ドル/日本円(USD/JPY)の通貨ペアで、事業者の買値(ASK)が1米ドル当たり109.947円、売値(BID)が109.944円とすると、スプレッドは0.003円(0.3pips:1pip=1銭)となる。
このため、一般的には、事業者が顧客に提示する投資家提示レートは、複数のカウンタパーティからそれぞれ取得される、カウンタパーティが事業者に提示するカウンタパーティ提示レートに基づいて生成される。
このコアレートに、事業者の利益となるスプレッドを付加して、スプレッド付加レートを生成する。さらに、このスプレッドに対して、任意の大きさのスキュー値を増減するスキュー処理を適用して、顧客に提示すべき投資家提示レートを生成する。
特に、選択されたカウンタパーティのうち、いずれかのカウンタパーティで突発的に不正確で変則的変動(ブレ)のあるレートが提示された場合、このような不正確で変則的変動(ブレ)のあるレートが偶然ベストBID/ASKの値となってしまうと、最終的に生成されるコアレートが、カウンタパーティ提示レートの変則的変動(ブレ)の影響をそのまま受けてしまう。
さらに、市場において1日に実行すべき為替取引のトランザクションのボリュームは、例えば、数百億米ドルに上り、レートの更新頻度も、例えば、5msと極めて高頻度であって、1日に数百万回に及ぶレートの更新が発生する。このため、コアレートを自動的に算出する処理は、システム資源への負荷の増大を低減しつつ、より高速で実行可能な処理でなければならない。
前記コアレート生成装置はさらに、前記指数関数の第2のパラメータを、所定の評価関数を用いて調整する第2の調整部をさらに備えてよい。
本発明に係るコアレート生成方法の他の一態様は、コアレート生成装置が実行するコアレート生成方法であって、複数のレートを取得するステップと、前記複数のレートの全体の中央値を算出するステップと、前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出するステップと、前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定時間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記複数のレートのそれぞれに付与すべき重みを導出するステップと、前記レートに前記重みを付与して、コアレートを生成するステップと、を含む。
本発明に係るコアレート生成プログラムの他の一態様は、コアレート生成処理をコンピュータに実行させるためのコアレート生成プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、複数のレートを取得するレート取得処理と、前記複数のレートの全体の中央値を算出する中央値算出処理と、前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出する差分算出処理と、前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定時間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記複数のレートのそれぞれに付与すべき重みを導出する重み導出処理と、前記レートに前記重みを付与して、コアレートを生成するコアレート生成処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
上記した本発明の目的、態様及び効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様及び効果は、当業者であれば添付図面及び請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態から理解できるであろう。
本実施形態に係るレート生成装置は、株式、仮想通貨、あるいは複数の通貨価値に換算可能なグローバルポイント等、通貨の為替レートに基づくあらゆる取引に適用することができる。
図1は、本実施形態に係るFX取引システムのネットワーク構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すFX取引システム10は、コアレート生成装置1と、複数のカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nを備える。コアレート生成装置1と、複数のカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nとは、ネットワーク3を介して相互通信可能に接続されている。
コアレート生成装置1はまた、顧客(投資家)のコンピュータ(不図示)とネットワークを介して接続され、生成されたコアレートから導出された投資家提示レートを顧客のコンピュータに送信するとともに、顧客コンピュータから売買注文を受け付けてFX取引を実行する。
カウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nはそれぞれ、複数の異なるカウンタパーティ(例えば、銀行、証券会社等の金融機関)により保有、またはアクセス可能に管理され、一定の頻度で、各カウンタパーティのFX事業者の提示レートを提示する。なお、コアレート生成装置1は、それぞれのカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nに対して、当該カウンタパーティの提示レートの送信を要求する要求メッセージを送信してもよい。この場合、要求メッセージを受信したカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nは、コアレート生成装置1に提示レートを送信し、レート生成装置1は送信される提示レートを受信することで、提示レートを取得してよい。
図2は、コアレート生成装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すコアレート生成装置1は、記憶部11、レート取得部12、差分算出部13、重み算出部14、レート算出部15、通信部16、および表示部17を備える。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリ、着脱可能な外部メモリ等から構成されてよい。記憶部11は、システムバスを介して、コアレート生成装置1内の各ブロック12~17が共有して利用可能な記憶領域であり、各種データの保存やワークメモリとして使用される。
差分算出部13は、複数のカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-N全体について算出される指標となるカウンタパーティ提示レートと、それぞれのカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nから取得されるカウンタパーティ提示レートとの差分を、それぞれのカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nのバラつき(エラー)として算出する。
差分算出部13はまた、すべてのカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nから取得したすべてのカウンタパーティの提示レートについて算出されたすべての中間値の中央値(median)を指標となるカウンタパーティ提示レートとして算出する。
差分算出部13は、このように算出されたすべてのカウンタパーティの提示レートの中央値と、それぞれのカウンタパーティの提示レートの中間値との差分を算出して、重み算出部14に供給する。
なお、本実施形態で説明する差分は一例であり、差分算出部13によって算出される差分は、例えば、それぞれのカウンタパーティの提示レートと、すべてのカウンタパーティの提示レートの中央値との差分であってもよい。
図3において、実線は、時系列上の真の中間値(ASKレートとBIDレートの中間値)を示し、それぞれの時点について、次のタイムフレームの中間値群の中央値がプロットされている。一方、一点鎖線は、従来のように、複数のカウンタパーティからマニュアルで選択されたカウンタパーティのサブセットのうち、ベストレートとして抽出された、時系列上のカウンタパーティ提示レートの中間値を示す。
図3に示すように、時系列上の15:28までは、一点鎖線のベストレートは、実線の真の中間値に追従しているが、15:28以降、次第に真の中間値から乖離し、15:30前から15:31過ぎまでの間は、ベストレートがフリーズしてフラットとなり、ベストレートがプロットできないプライシングエラーが発生している。
本実施形態では、このようなカウンタパーティ提示レートの変則的変動(ブレ)の影響を低減するため、それぞれのカウンタパーティのカウンタパーティ提示レートの正確性(精度)に基づき算出された重みを考慮して、すべてのカウンタパーティのカウンタパーティ提示レートからコアレートを生成する。
図4は、本実施形態に係るコアレート生成装置1が実行するコアレート生成処理の概略処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図4の各ステップは、コアレート生成装置1の記憶部に記憶されたプログラムをCPUが読み出し、実行することで実現される。また、図4に示すフローチャートの少なくとも一部をハードウエアにより実現してもよい。ハードウエアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA(Field Programmable Gate Array)上に自動的に専用回路を生成すればよい。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウエアとして実現するようにしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現するようにしてもよい。
mid rate=(ASKレート+BIDレート)/2 (式1)
代替的に、コアレート生成装置1は、カウンタパーティ提示レートの中間値を算出することなく、カウンタパーティ提示レートのASKレートおよびBIDレートそれぞれについて、S3~S6までの処理を実行してもよい。この場合、図4のS2の処理を省略することができ、後続の処理において、カウンタパーティ提示レートの中間値に替えて、ASKレートおよびBIDレートの双方またはいずれか一方を処理対象とすればよい。
なお、中間値算出部および中央値算出部は、差分算出部13に含まれてもよく、あるいは、コアレート生成装置1は、差分算出部13とは異なる別ユニットとして、中間値算出部および中央値算出部を備えてもよい。
S4で、コアレート生成装置1の重み算出部14は、S2で算出された各カウンタパーティのカウンタパーティ提示レートの中間値と、S3で算出されたすべてのカウンタパーティのカウンタパーティ提示レートの中間値の中央値とに基づいて、それぞれのカウンタパーティのカウンタパーティ提示レートに付与すべき重みWを算出するが、その詳細は図5を参照して後述する。
なお、Δtは、サンプリング間隔であって、例えば、100msであるがこれに限定されない。
図5は、図4のS4でコアレート生成装置1の重み算出部14が実行する、各カウンタパーティの重みWの算出処理の詳細処理手順の一例を示すフローチャートである。
S41で、コアレート生成装置1の重み算出部14は、各時点tにおける各カウンタパーティの真の中央値(true mid)からのエラーεを下記式3のように算出する。
さらに、調整パラメータλの値が増加すると、正確性accは、より急激に減少する。S42で算出される正確性accは、0と1の間の値を取り、accが0に近いほどエラーεの値が大きく、コアレートを算出するために有用でないことを示す。一方、accが1に近いほどエラーεの値が小さく、コアレートを算出するため有用であることを示す。すなわち、各カウンタパーティCPのエラーεを、式4の指数関数への入力とすることにより、エラーεには指数関数的にペナルティが科されることになる。
図6を参照して、実線(太線)は、英ポンド/米ドル(GBP/米ドル)の通貨ペアにおける複数のカウンタパーティのカウンタパーティ提示レートの真の中間値(True_mid)の時系列推移を示す。
図6の一点鎖線は、従来のベストレートから算出されるコアレート(best rates mid)の時系列推移を示す。従来のベストレート方式で算出されるコアレートでは、カウンタパーティ提示レートの真の中間値(True_mid)の+/-1pipsの範囲から逸脱している時点が多いことが観察できる。
ここで、
図7は、コアレート生成装置1のハードウエア構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るコアレート生成装置1は、単一または複数の、あらゆるコンピュータ、モバイルデバイス、または他のいかなる処理プラットフォーム上に実装することができる。
図7に示すように、コアレート装置1は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、外部メモリ24と、入力部25と、表示部26と、通信I/F27と、システムバス28とを備える。
なお、図1に示すカウンタパーティ装置2-1、2-2、2-3、・・・2-Nも、同様のハードウエア構成で実現することができる。
したがって、本実施形態によれば、複数のカウンタパーティから提示されるレートに発生する変則的変動(ブレ)に対して堅牢であり、かつより高精度にコアレートを生成することができる。
Claims (13)
- 複数のカウンタパーティでそれぞれ生成される複数のレートを取得するレート取得部と、
前記複数のレートの全体の中央値を算出する中央値算出部と、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出する差分算出部と、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分に基づいて、前記複数のカウンタパーティのそれぞれについて重みを導出する重み導出部と、
前記複数のレートのそれぞれに前記重みを付与して、前記複数のカウンタパーティの全体のコアレートを生成するコアレート生成部と、
を備えることを特徴とするコアレート生成装置。 - 前記重み導出部は、前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を算出し、算出された前記正確性に基づいて、前記重みを導出する
ことを特徴とする請求項1に記載のコアレート生成装置。 - 前記重み導出部は、前記複数のレートのそれぞれの前記正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定期間に亘り算出された前記正確性に基づいて、前記重みを導出する
ことを特徴とする請求項2に記載のコアレート生成装置。 - 前記重み導出部は、前記所定期間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記重みを導出する
ことを特徴とする請求項3に記載のコアレート生成装置。 - 複数のレートを取得するレート取得部と、
前記複数のレートの全体の中央値を算出する中央値算出部と、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出する差分算出部と、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定期間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記複数のレートのそれぞれに付与すべき重みを導出する重み導出部と、
前記レートに前記重みを付与して、コアレートを生成するコアレート生成部と、
を備えることを特徴とするコアレート生成装置。 - 前記コアレート生成部は、前記重みが付与された前記複数のレートの全体の中央値を、前記コアレートとして生成する
ことを特徴とする請求項5に記載のコアレート生成装置。 - 前記指数移動平均の第1のパラメータを、所定の評価関数を用いて調整する第1の調整部をさらに備える
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のコアレート生成装置。 - 前記指数関数の第2のパラメータを、所定の評価関数を用いて調整する第2の調整部をさらに備える
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のコアレート生成装置。 - 前記コアレート生成部は、さらに、生成された前記コアレートに所定のスプレッド幅でスキューを付与することにより、顧客への提示レートを生成する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のコアレート生成装置。 - コアレート生成装置が実行するコアレート生成方法であって、
複数のカウンタパーティでそれぞれ生成される複数のレートを取得するステップと、
前記複数のレートの全体の中央値を算出するステップと、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出するステップと、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分に基づいて、前記複数のカウンタパーティのそれぞれについて重みを導出するステップと、
前記複数のレートのそれぞれに前記重みを付与して、前記複数のカウンタパーティの全体のコアレートを生成するステップと、
を含むことを特徴とするコアレート生成方法。 - コアレート生成装置が実行するコアレート生成方法であって、
複数のレートを取得するステップと、
前記複数のレートの全体の中央値を算出するステップと、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出するステップと、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定期間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記複数のレートのそれぞれに付与すべき重みを導出するステップと、
前記レートに前記重みを付与して、コアレートを生成するステップと、
を含むことを特徴とするコアレート生成方法。 - コアレート生成処理をコンピュータに実行させるためのコアレート生成プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
複数のカウンタパーティでそれぞれ生成される複数のレートを取得するレート取得処理と、
前記複数のレートの全体の中央値を算出する中央値算出処理と、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出する差分算出処理と、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分に基づいて、前記複数のカウンタパーティのそれぞれについて重みを導出する重み導出処理と、
前記複数のレートのそれぞれに前記重みを付与して、前記複数のカウンタパーティの全体のコアレートを生成するコアレート生成処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
ことを特徴とするコアレート生成プログラム。 - コアレート生成処理をコンピュータに実行させるためのコアレート生成プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
複数のレートを取得するレート取得処理と、
前記複数のレートの全体の中央値を算出する中央値算出処理と、
前記複数のレートのそれぞれと、前記中央値との差分を算出する差分算出処理と、
前記複数のレートのそれぞれについて算出された前記差分を指数関数の入力として、前記複数のレートのそれぞれの正確性を所定期間に亘り算出し、前記所定期間に亘り算出された前記正確性の指数移動平均を算出することで、前記複数のレートのそれぞれに付与すべき重みを導出する重み導出処理と、
前記レートに前記重みを付与して、コアレートを生成するコアレート生成処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
ことを特徴とするコアレート生成プログラム。
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藤澤 洋徳,ロバスト統計 -外れ値への対処の仕方-,株式会社近代科学社,2017年07月31日,p.5-20 |
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