[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図89を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル195を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル195とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630のほかに払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310及び設定変更基板を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nと、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006(第一V入賞口2007、第二V入賞口2008)は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006(第一V入賞口2007、第二V入賞口2008)等に、受入れられるように、遊技者に対してハンドル195の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、始動口表示部2110、演出カウント表示部3005、裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400、等により発光演出や可動演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2-1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部13aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部23aよりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材41にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2-2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2-3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、左右方向へ延びた帯板状で、上下方向へ間隔をあけて設けられている複数の羽根部46bを有している。羽根部46bは、前端側が後端側よりも高くなるように、傾斜した状態で設けられている(図47を参照)。このグリル部材46は、羽根部46b同士の間の隙間を通して、幕板前部材42の内部(幕板内部空間40a)と外部とを通気可能に連通させている。
ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46における羽根部46b同士の間の隙間を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間から本体枠スピーカ622のエンクロージャ624内の音が漏れるのを防止するものである。
本実施形態のグリル部材46によれば、本体枠スピーカ622により幕板内部空間40aから外部へ放出される空気振動を、傾斜している複数の羽根部46bにより、斜め上前方のハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bを通してハンドルユニット180が収容されているハンドルカバーベース291の前筒部291a内へ向けさせることができる。これにより、遊技者が、ハンドルカバー295(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)の内側に手指を突っ込んで、ハンドル195を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。
また、ポート部材47を前方へ向かって開口させていることから、グリル部材46の複数の羽根部46bを通ってポート部材47から放出される音圧の一部が、前方へ放出されることとなるため、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者や、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内を回遊している他の遊技者に対しても、ポート部材47から放出される演出サウンドが聞えることとなり、演出サウンドによっても遊技者の関心を引付けることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本体枠4に設けられている本体枠スピーカ622のエンクロージャ624に対して、ポート部材47を外枠2の外枠下組立体40に設けていることから、エンクロージャ624の容積を大きくすることができるため、より重低音の演出サウンドを出力することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[2-4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2-5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル195を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、ハンドルユニット180の外周を覆うハンドルカバーユニット290と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット420と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット430と、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル195を備えており、ハンドルユニット180は、外周を覆うハンドルカバーユニット290を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3-1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット420が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット430が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3-1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101b(図42等を参照)と、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で前後に貫通して扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3-1b.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3-1c.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図82及び図83を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びている部位が扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3-1d.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3-1e.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101のシリンダ挿通孔101dに挿入された状態となる。
[3-1f.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3-1g.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠下ヒンジ組立体520の扉枠用下ヒンジ孔522aに挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3-1h.シリンダ錠]
扉枠3の扉枠ベースユニット100におけるシリンダ錠130について、主に図34乃至図36を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠のシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のシリンダ錠を後ろ前から見た斜視図であり、(c)は従来のパチンコ機におけるシリンダ錠を前から見た斜視図であり、(d)は(a)のシリンダ錠を後ろから見た斜視図である。図35(a)は図34(a)のシリンダ錠を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図34(a)のシリンダ錠を分解して後ろから見た分解斜視図である。図36(a)は図34(a)のシリンダ錠の可動機構を正面から示す説明図であり、(b)は(a)の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図であり、(c)は(a)の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態で示すシリンダ錠の説明図である。
シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後方に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
更に詳述すると、シリンダ錠130は、シリンダ本体131の後端側に設けられており鍵穴132に挿入された正規の鍵を回転させると一緒に回転する第一カム部材134と、シリンダ取付フレーム115におけるシリンダ本体131よりも下方の部位で前後方向の軸周りに対して回転可能に取付けられている第二カム部材135と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも右方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第一アーム136と、上端側が第一カム部材134における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられていると共に下端側が第二カム部材135における回転中心よりも下方の部位で回転可能に取付けられている帯板状の第二アーム137と、を備えている。
また、シリンダ錠130は、第二カム部材135(回転伝達部材133)を除いてシリンダ本体131、第一カム部材134、第一アーム136、及び第二アーム137を後方から覆うようにシリンダ取付フレーム115に取付けられている後カバー138と、第一アーム136及び第二アーム137の夫々の上下両端側を、夫々第一カム部材134や第二カム部材135に対して回転可能に取付けているリベット139と、を備えている。
第一カム部材134は、第一アーム136の上端側が後面側に取付けられていると共に、第二アーム137の上端側が前面側に取付けられている。第二カム部材135は、シリンダ取付フレーム115により後側から回転可能に取付けられており、シリンダ取付フレーム115の前面を挟んだ後側に、回転伝達部材133が一体回転可能に取付けられている。第二カム部材135は、第一アーム136の下端側が前面側に取付けられていると共に、第二アーム137の下端側が第一アーム136よりも前方で前面側に取付けられている。
第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位と、第二アーム137が取付けられる部位とが、夫々の回転軸を中心に90度の角度で離隔している。また、第一カム部材134及び第二カム部材135は、夫々において、第一アーム136が取付けられる部位が、第二アーム137が取付けられる部位よりも、回転中心から遠ざかった位置に設けられている。
後カバー138は、左右両側面の下端から外方へ円柱状に突出した軸部138aが、シリンダ取付フレーム115のL字状の係止スリット115bに係止された状態で、上端側が図示しないビスにより、シリンダ取付フレーム115に着脱可能に取付けられている。
このシリンダ錠130は、シリンダ取付フレーム115、シリンダ本体131、回転伝達部材133、第一カム部材134、第二カム部材135、第一アーム136、及び第二アーム137が、金属により形成されている。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が扉枠右サイドユニット430のシリンダ挿通口440bの前端と略一致した状態となる。
ここで、従来のシリンダ錠130Aについて説明する。従来のシリンダ錠130Aは、図34(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131が、シリンダ取付フレーム115Aの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。このシリンダ錠130Aは、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられている。
続いて、本実施形態のシリンダ錠130の作動について説明する。従来のシリンダ錠130は、図34(c)及び(d)に示すように、シリンダ本体131の軸芯上に回転伝達部材133が設けられているのに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、図34(a)及び(b)等に示すように、シリンダ本体131の軸芯から下方へ離隔した位置に回転伝達部材133が設けられている。
このシリンダ錠130は、通常の状態では、図36(a)に示すように、第一アーム136の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の右方の部位に取付けられていると共に、第二アーム137の上下両端側が、第一カム部材134及び第二カム部材135の夫々において、夫々の回転中心の下方の部位に取付けられている。シリンダ本体131では、正規の鍵によって、通常の状態から、時計回りの方向、及び反時計回りの方向へ、夫々90度の角度で回転することができる。
この状態で、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を反時計回りの方向へ回転させると、第一アーム136及び第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を反時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。この第一カム部材134の反時計回りの方向への回転により上方へ作用する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では上方へ作用する力が小さくなるのに対して、第二アーム137では上方へ作用する力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から反時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が上方へ作用する力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が反時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、反時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図36(b)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から反時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
一方、通常の状態から、鍵穴132に挿入した鍵により、シリンダ本体131のシリンダを介して第一カム部材134を時計回りの方向へ回転させると、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられている第一アーム136が下方へ移動すると共に、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられている第二アーム137が上方へ移動することとなる。この際に、第一アーム136では、上端側が第一カム部材134の回転中心の右方に取付けられているため、第一アーム136により第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が大きく作用するのに対して、第二アーム137では、上端側が第一カム部材134の回転中心の下方に取付けられているため、第二アーム137からは第二カム部材135を時計回りの方向へ回転させようとする力が殆ど作用しない。
このようにして、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転すると、主に第一アーム136を介して力が伝達されて、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転し、第二カム部材135と一緒に回転伝達部材133が回転することとなる。第一アーム136及び第二アーム137による第一カム部材134の回転を第二カム部材135に伝達する力は、第一アーム136及び第二アーム137が第一カム部材134に取付けられている部位と、第一カム部材134の回転中心との間の左右方向の距離に比例している。そのため、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向へ回転するのに従って、第一アーム136では第二カム部材135を回転させようとする力が小さくなるのに対して、第二アーム137では第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなる。
従って、第一カム部材134が、通常の状態から時計回りの方向への回転角度が45度を越えると、第一アーム136よりも第二アーム137の方が第二カム部材135を回転させようとする力が大きくなり、主に第二アーム137を介して、第二カム部材135が時計回りの方向へ回転することとなる。そして、鍵穴132に挿入した鍵を、通常の状態から、時計回りの方向へ90度の角度まで回転させることができる(図36(c)を参照)。
なお、鍵により、通常の状態から時計回りの方向へ90度回転させた状態から、時計回りの方向へ90度回転させて通常の状態に復帰させる際には、上記とは逆の作用により動作することとなる。
このように、本実施形態のシリンダ錠130によれば、第一カム部材134と第二カム部材135とを、互いに90度の角度で位相させて取付けた第一アーム136と第二アーム137とで連結して、回転を伝達させるようにしているため、第一カム部材134(鍵穴132に挿入された鍵)がどの回転位置にあっても、第一アーム136及び第二アーム137の少なくとも一方により回転を伝達させて、第二カム部材135(回転伝達部材133)を回転させることができ、扉枠3や本体枠4の施錠や開錠を良好なものとすることができる。
また、本実施形態のシリンダ錠130によれば、回転伝達機構としての第一アーム136及び第二アーム137により回転を伝達させることで、シリンダ本体131の軸芯に対して、回転伝達部材133(本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654)の軸芯を、異なる位置に設けることができるため、施錠ユニット650を変更しなくても、扉枠3におけるシリンダ本体131の位置を任意の位置に変更することが可能となり、扉枠3の装飾の邪魔にならない部位にシリンダ本体131(鍵穴132)を設けることができ、扉枠3の装飾性の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、扉枠3においてシリンダ本体131の位置を変更しても、本体枠4における施錠ユニット650を変更する必要がないため、施錠ユニット650を流用することができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
ところで、従来のシリンダ錠130Aでは、シリンダ本体131の後方に回転伝達部材133が設けられているため、当該構成を知見している不正行為者が、前方からシリンダ本体131の後方へ工具を挿入し、当該工具により回転伝達部材133を不正に回転させることで、扉枠3を開けて不正行為を行う恐れがある。これに対して、本実施形態のシリンダ錠130は、シリンダ本体131の軸芯(後方)から離れた位置に回転伝達部材133を設けていることから、シリンダ本体131の後方に工具を挿入して回転伝達部材133を回転させようとしても、当該部位に回転伝達部材133が存在していないため、回転伝達部材133を回転させることができず、扉枠3や本体枠4等を開けた不正行為が行われることを防止することができる。
更に、シリンダ錠130において、第一アーム136に対して第二アーム137が、第一カム部材134及び第二カム部材135において90度の回転角度で離間した部位同士を連結しているため、第一アーム136又は第二アーム137の一方の第一カム部材134及び第二カム部材135に取付けられている部位が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線上に位置しても、第一アーム136又は第二アーム137の他方が、第一カム部材134の中心と第二カム部材135の中心とを結んだ直線から最も離れた部位同士を連結している状態となる。従って、第一アーム136又は第二アーム137の一方によって、第一カム部材134及び第二カム部材135の死点に位置することで、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができなくても、第一アーム136又は第二アーム137の他方によって、第一カム部材134からの回転を第二カム部材135へ伝達させることができるため、第一カム部材134の回転に大きな抵抗がかかることはなく、鍵穴132に挿入されている鍵を滑らかに回転させることができ、開錠・施錠を容易に行うことができると共に、鍵穴に挿入された鍵を無理に回転させられることを回避させることができ、鍵の破損を防止することができる。
また、第一アーム136と第二アーム137の二つのアームで鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、何らかの理由により一方のアームが破損しても、残りのアームにより回転を伝達させることができ、信頼性の高いシリンダ錠130を有したパチンコ機1を提供することができる。
また、滑らかな棒状(帯板状)の第一アーム136及び第二アーム137により、鍵穴132に挿入された鍵の回転を偏芯した位置に設けられている回転伝達部材133へ伝達させるようにしているため、ギアにより回転を伝達させるようにした場合では、工具の先端をギアの歯に引掛けることでギアが回転して回転伝達部材133が回転させられてしまう恐れがあるが、第一アーム136及び第二アーム137を表面が滑らかな棒状としていることで、工具の先端を第一アーム136や第二アーム137に引っ掛かり難くすることができ、第一アーム136や第二アーム137が動かされることで回転伝達部材133が回転させられてしまうことを回避させることができ、施錠ユニット650が不正に操作されて扉枠3や本体枠4が開錠させられてしまうことを確実に防止することができる。
なお、本実施形態のシリンダ錠130では、第一カム部材134の回転を第二カム部材135へ伝達させる回転伝達機構として、第一アーム136と第二アーム137とを用いたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、複数の歯車を用いた回転伝達機構、歯車とラックギアを用いた回転伝達機構、スプロケットとチェーンを用いた回転伝達機構、プーリとベルトを用いた回転伝達機構、等としても良い。
[3-1i.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図37及び図38を参照して詳細に説明する。図37(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図38(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図37(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図38(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図159を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222を下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダ242が作動伝達部242bと共に下方へスライドし、作動伝達部242bの下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部242bと共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネによって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネによって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図38(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを普通入賞口2002や第一始動口2003に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3-1j.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図90を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3-2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図96を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図96を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3-3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3-4.ハンドルユニット及びハンドルカバーユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290について、主に図41乃至図47等を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大正面図であり、(b)は扉枠におけるハンドルユニット及びハンドルカバーユニットの部位を示す拡大斜視図である。図42はハンドルカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図43はハンドルカバーユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図44はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図45はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図46は、図41(a)におけるイ-イ線で切断した断面図である。図47は、図1におけるア-ア線で切断した断面図である。なお、図46では、外枠2及び本体枠4を省略した扉枠3のみの断面図としている。
本実施形態のハンドルユニット180は、外周を覆うハンドルカバーユニット290と一緒に、扉枠ベースユニット100及び皿ユニット200に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
まず、ハンドルユニット180について説明する。ハンドルユニット180は、後述するハンドルカバーユニット290のハンドルカバーベース291を介して後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル195と、ハンドル195の後側に取付けられ後述するハンドルカバーベース291に案内される複数のハンドルガイド196と、ハンドル195の前端側の中央を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLED184aが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドル前レンズ185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル195の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル195が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル195に取付けられハンドル195を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291の後筒部291cの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、後述するハンドルカバーベース291の三つの突条291dと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条291dと一致させた状態で、基部181aをハンドルカバーベース291の後筒部291c内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条291dが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドルカバーベース291に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル195は、円盤状の中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aから周方向へ間隔をあけて放射状に外方へ延出している複数(ここでは三つ)のスポーク部195bと、複数のスポーク部195bの先端同士を連結している円環状の外周リング部195cと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に中央ハブ部195aを前後方向に貫通している二つのスリット195dと、スリット195dよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突起195eと、を備えている。中央ハブ部195aの外径は、従来のパチンコ機のハンドル一般外周面の外径と略同じである。
ハンドル195の三つのスポーク部195bは、ハンドル195がフリーの状態(回転させていない状態)で、中央ハブ部195aから水平に左方へ延出した一つのスポーク部195bを中心として、時計回り及び反時計回りの方向へ夫々120度の角度の部位から二つのスポーク部195bが延出している。三つのスポーク部195bは、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間に遊技者の指が挿入可能な隙間が形成されるような長さで延出している。
ハンドル195の外周リング部195cは、中央ハブ部195aの中心と同軸上に設けられている。外周リング部195cは、U字のアール側を前方へ向けた一定の断面形状で円環状に形成されている。
このハンドル195は、全体が透光性を有するように形成されていると共に、部分的に中央ハブ部195aから外周リング部195cまで電気的に連続したメッキ部が施されている。これにより、外周リング部195cのみに触れた状態でも、ハンドルタッチセンサ192によりハンドル195のタッチが検知されるようになっている。従って、外周リング部195cを回しても、遊技球Bを打込むことができる。
ハンドルガイド196は、ハンドル195の中心側へ向かって開放されたコ字状のガイド部196aと、ガイド部196aの前端から中心側へ延出している平板状の取付ステー196bと、を有している。三つのハンドルガイド196は、ガイド部196aがハンドル195における外周リング部195cの後方に位置するように、取付ステー196bがハンドル195のスポーク部195bの後側に取付けられる。ハンドルガイド196は、ガイド部196aの内部に、後述するハンドルカバーベース291のガイド片291gが挿入されることで、前後方向への移動が規制される。
カバー台座183は、ハンドル195における中央ハブ部195a外径よりも小径の円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル195のスリット195dを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。カバー台座183の取付ボス183aが、ハンドル195のスリット195dを貫通していることから、取付ボス183aがスリット195dの周方向端部に当接することとなり、ハンドル195の回転角度を規制している。本例では、ハンドル195を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドル装飾基板184は、中心に1個と、中間の円周上に周方向へ一定の間隔をあけた3個と、外周に沿って周方向へ一定の間隔をあけた6個、の合計10個のLED184a(フルカラーLED)が、三重の同心円状に実装されている。これらのLED184aは、中心の1個と、中間の3個と、及び、外周の左上の2個と、外周の右上の2個と、外周の下側の2個と、の5組に分けられている(図72を参照)。このハンドル装飾基板184には、各LED184aを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ184bが実装されている。このLEDドライバ184bは、最大で24系統まで制御することができ、5組に分けられた10個のLED184aを夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計15系統で制御するようにしている。
このハンドル装飾基板184には、図示は省略するが、LED184a及びLEDドライバ184bを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ184bを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、このハンドル装飾基板184のLEDドライバ184bでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、5組に分けられた10個のLED184aを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
このように、このハンドル装飾基板184では、LEDドライバ184bを有していることから、接続される配線ケーブルを構成している電線の数よりも多い数のLED184aの発光を、個別(ここでは組毎)に制御することができるため、電線の数を低減させることができ、電気配線にかかる構成を簡略化することができる。
ハンドル前レンズ185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドル前レンズ185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドル前レンズ185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
ハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル195を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化する。従って、ハンドル195を回転させてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗を変化させると、その内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化することとなり、ハンドル195の回転角度に応じた強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル195に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル195への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル195を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル195の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
従って、遊技者がハンドル195に触れずに、何らかの方法でハンドル195を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル195を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
単発ボタン操作センサ194は、遊技者による単発ボタン193の押圧操作を検知するものである。この単発ボタン操作センサ194が単発ボタンの193の操作を検知すると、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。従って、遊技者がハンドル195を回転操作中に単発ボタンの193を押圧操作すると、ハンドル195の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
次に、ハンドルカバーユニット290について説明する。ハンドルカバーユニット290は、ハンドルユニット180におけるハンドル195よりも後側の外周を覆い、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられるハンドルカバーベース291と、ハンドルカバーベース291の外周を覆い、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられるインナー292と、インナー292の前側に設けられており、前面に複数のLED293aが実装されている円環状のハンドルカバー装飾基板293と、ハンドルカバー装飾基板293を前方から覆っている円環状の基板カバー294と、インナー292の外周を覆い、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられるハンドルカバー295と、を備えている。
ハンドルカバーベース291は、ハンドル195の外周リング部195cの内径と略同じ内径で前後に延びた筒状の前筒部291aと、前筒部291aの後端から前方へ向かうに従って内径が小さくなるように延びている中壁部291bと、中壁部291bを貫通しハンドルベース181の基部181aを挿入可能な内径で前後に延びている筒状の後筒部291cと、後筒部291cの内周から内側へ突出していると共に前後に延びており、周方向におけるハンドルベース181の溝部181cと対応した位置に複数(ここでは三つ)設けられている突条291dと、を備えている。
また、ハンドルカバーベース291は、前筒部291aの外周の前端よりも後側の部位から外方へ延出しているフランジ部291eと、フランジ部291eの途中から前筒部291aの前端と同じ位置まで前方へ突出している円筒状の外筒部291fと、前筒部291aの前端とフランジ部291eとの間の部位において、前筒部291aから外方へ突出しているガイド片291gと、前筒部291aの下部において貫通している開口部291hと、を備えている。
ハンドルカバーベース291の中壁部291bは、前筒部291aの後端から前後方向の中央付近まで断面が外方へ膨らんだ円弧状に延びている。後筒部291cは、後端が扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられる。この後筒部291cは、ハンドルベース181の基部181aと同じ長さに形成されており、内部にハンドルベース181の基部181aが挿入される。三つの突条291dは、ハンドルベース181の三つの溝部181cと対応しており、溝部181c内に挿入されることで、ハンドルベース181を相対回転不能とすることができる。外筒部291fは、フランジ部291eの径方向の中央よりも外側の位置から前方へ延出している。このハンドルカバーベース291では、フランジ部291eの前面と外筒部291fの外周面とを繋ぐように三角形状のリブが周方向へ複数設けられている。
ガイド片291gは、前筒部291aの外周と外筒部291fの内周との間の中央から前筒部291a寄りの位置まで、前筒部291aの外周から突出している。ガイド片291gは、約110度の範囲の長さで周方向へ延びており、10度の角度の間隔をあけて、周方向へ三つ設けられている。このガイド片291g同士の間を通して、ハンドルユニット180におけるハンドルガイド196のガイド部196aの後端側を、ガイド片291gよりも後方へ挿入してハンドル195を回転させることで、コ字状のガイド部196a内にガイド片291gを位置させて、ガイド部196a(ハンドル195)の前後方向への移動を規制することができる。
開口部291hは、前後方向が前筒部291aの後端からフランジ部291e付近までの長さで、周方向が約90度の角度の範囲の大きさで、前筒部291aを貫通している。
インナー292は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でフランジ部291eよりも大きい外径の円環状の基部292aと、基部292aの外周縁から後方へ延出している脚部292bと、脚部292bの後端から基部292a付近まで切欠かれており、周方向へ離隔して設けられている複数(ここでは四つ)の切欠部292cと、を有している。基部292aは、前方からハンドルカバーベース291の前筒部291aが挿入されて、フランジ部291eの後方に位置する。脚部292bは、外側へ膨らむような湾曲状に延出しており、後端が皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられる。切欠部292cは、脚部292bにおける上下の部位と左右の部位に夫々設けられている。
ハンドルカバー装飾基板293は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でフランジ部291eと同じ外径の円環状に形成されている。ハンドルカバー装飾基板293は、12個のLED293aと、各LED293aを発光させるための固有のアドレスを有したLEDドライバ293bと、が実装されている。12個のLED293a(フルカラーLED)は、周方向へ間隔をあけて一列に設けられている。これら12個のLED293aは、中心から左下の2個と、左側の2個と、左上の2個と、右上の2個と、右側の2個と、右下の2個と、の6組に分けられている(図72を参照)。LEDドライバ293bは、最大で24系統まで制御することができ、6組に分けられた10個のLED293aを夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計18系統で制御するようにしている。
このハンドルカバー装飾基板293には、図示は省略するが、LED293a及びLEDドライバ293bを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ293bを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、このハンドルカバー装飾基板293のLEDドライバ293bでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、6組に分けられた12個のLED293aを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
基板カバー294は、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの外径よりも若干大きい内径でインナー292の基部292aの外径と略同じ外径の円環状の前板部294aと、前板部294aの外周縁が後方へ短く延出している筒状の側板部294bと、を有している。この基板カバー294は、前板部294aがハンドルカバーベース291のフランジ部291eとハンドルカバー装飾基板293との間に位置し、側板部294bがインナー292の基部292aまで延びている。
ハンドルカバー295は、前端にハンドルカバーベース291の外筒部291fの外径と同じ内形の前孔295aを有し、後方へ向かうに従って膨出するような紡錘台(かまくら型、或いは、お椀型、等)の筒状に形成されており、後端から前方へ向かって切欠かれた切欠開口部295bが周方向へ複数(ここでは四つ)設けられている。ハンドルカバー295は、インナー292の外周を覆うように形成されており、複数の切欠開口部295bが切欠部292cと一致するように形成されている。ハンドルカバー295の後端は、インナー292を介して皿ユニット200の皿ユニット本体252に取付けられる。
ハンドルカバー295は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、ハンドルカバー295は、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、ハンドルカバー295の表面に表れている円形や放射状の模様は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、ハンドルカバー295を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
本実施形態のハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290は、図46等に示すように、パチンコ機1に組立てた状態で、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部に、ハンドルユニット180におけるハンドル195よりも後側の部位が挿入されていると共に、ハンドルカバーユニット290よりも前方側にハンドル195やハンドル前レンズ185等が位置している。ハンドルユニット180のハンドルベース181の後端は、ハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291の後筒部291cの後端を閉鎖している部位を挟んだ状態で、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに取付けられている。
このハンドルユニット180のハンドル195は、中央の中央ハブ部195aが、ハンドルベース181により回転可能に支持されている。また、ハンドル195は、中央ハブ部195aの外側の外周リング部195cが、その後側に取付けられているハンドルガイド196によりハンドルカバーユニット290により回転可能に支持されている。このハンドルガイド196は、ガイド部196aの後端側が、ハンドルカバーベース291における前筒部291aと外筒部291fとの間で、且つ、フランジ部291eとガイド片291gとの間に挿入(係止)されており、前後方向(軸方向)への移動が規制された状態で、回転可能に支持されている。
ハンドル195、及び、ハンドルカバーユニット290におけるハンドルカバーベース291、インナー292、基板カバー294、ハンドルカバー295は、透光性を有するように形成されており、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aを発光させることで、ハンドル195の外周リング部195cを発光装飾させることができる他に、ハンドルカバーベース291(前筒部291a)の内部や、ハンドルカバー295、等も発光装飾させることができる。
ハンドルカバーユニット290は、ハンドルカバー295及びインナー292に、互いに一致する切欠開口部295b及び切欠部292cを有しているため、外側から見た時に、左右両側と下側に、ハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部と連通する穴が開いているように見せることができる。これにより、遊技者に対して、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部に手(指)を突っ込む精神的な不安を和らげることができる。
なお、ハンドルカバー295の上側の切欠開口部295b(インナー292の上側の切欠部292c)は、皿右装飾ユニット275と扉枠右サイドユニット430とによって閉鎖されている。
本実施形態のハンドルカバーユニット290は、ハンドルユニット180の後側が挿入されているハンドルカバーベース291の前筒部291aの内部が、開口部291hを通して、インナー292及びハンドルカバー295の夫々の下側の切欠部292c及び切欠開口部295bと連通している(図47を参照)。これにより、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間の隙間を通して、飲み物等の液体や遊技球B等がハンドルカバーベース291の前筒部291a内へ侵入しても、下側の開口部291h、切欠部292c、及び切欠開口部295bを介してハンドルカバーユニット290の下方へ排出させることができる。
また、ハンドルカバー295の左右両側の切欠開口部295b内に、液体や遊技球Bが侵入した場合は、前筒部291aとインナー292の脚部292bとの間の隙間を通って、下側の切欠開口部295bから下方へ排出することができる。
また、ハンドルカバーベース291の開口部291h、インナー292の下側の切欠部292c、及びハンドルカバー295の下側の切欠開口部295bは、図47に示すように、外枠2の外枠下組立体40におけるグリル部材46の羽根部46bの傾斜方向の延長線上に設けられている。これにより、本体枠スピーカ622の振動により羽根部46bを介してグリル部材46から斜め上前方へ放出された風(風圧)を、開口部291h、切欠部292c、及び切欠開口部295bを通して、前筒部291a内へ進入させることができる。従って、遊技者が、ハンドルカバー295(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)の内側に手指を突っ込んで、ハンドル195を回転操作(遊技球Bの打込装置)している時に、本体枠スピーカ622を振動させて前筒部291a内へ風を送ることで、遊技者を驚かせることができ、これまでにない演出を行うことができる。
更に、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、扉枠3や本体枠4を開ける際に、右側の切欠開口部295bに指を掛けて引っ張ることができ、扉枠3等を開放する時の取っ手とすることができる。
また、ハンドル195では、外周リング部195cまでメッキ部が施されているため、ハンドルタッチセンサ192がハンドル195のタッチを検知することができ、外周リング部195cだけに触れた状態でも、遊技球Bを打込むことができる。
また、ハンドルカバー295に切欠開口部295bを有しているため、ハンドル195の外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むようにすることで、ハンドル195の回転位置を簡単に固定することができ、手をひねり続けていなくても一定の強さで遊技球Bを遊技領域5a内へ打込み続けることができる。このように、多様な方法でハンドル195を回転させて遊技球Bを打込むことができるため、遊技者に適した打込操作を選択可能なパチンコ機1を提供することができる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291)を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドルカバーベース291を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
このように、本実施形態のハンドルユニット180及びハンドルカバーユニット290によれば、左辺側を軸芯にして開閉可能に設けられ、遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖している扉枠3における右下隅に、円盤状の中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aから放射状に突出している複数のスポーク部195bと、複数のスポーク部195bの先端同士を繋いでいる円環状の外周リング部195cと、を有するハンドル195を設けていると共に、外周リング部195cから後方へ延びているような筒状のハンドルカバーユニット290を設けているため、従来のパチンコ機におけるハンドルが設けられている部位に、これまでに見たこともないような形態のハンドル195とハンドルカバーユニット290とが見えることとなり、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して本パチンコ機1での遊技に対する意欲を高めさせることができ、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内を回遊している遊技者に対し、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ハンドル195における中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通して遊技者の指をハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内へ挿入可能としていることから、遊技者が遊技領域5aに遊技球Bを打込むためにハンドル195を操作する際に、遊技者がハンドル195の中央ハブ部195aを掴むと、遊技者の指がハンドルカバーユニット290内に挿入された状態となるため、ハンドル195の操作に対して、従来のパチンコ機のハンドルとは異なった感覚を遊技者に付与することができ、新感覚の遊技球Bの打込操作により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、遊技者がハンドル195を操作している時に、本体枠4の基板ユニット620Aにおけるスピーカユニット620aに設けられている本体枠スピーカ622から演出サウンドを出力させると、本体枠スピーカ622の振動によりスピーカボックス623によるエンクロージャ624内の空気が振動し、エンクロージャ624と連通している外枠2における外枠下組立体40の幕板内部空間40a及びポート部材47を通してエンクロージャ624内の空気の振動が音圧(音風)として前方へ放出される。この際に、ポート部材47の前端に設けられているグリル部材46の複数の羽根部46bにより、本体枠スピーカ622からの音圧(音風)を、ハンドルカバー295の切欠開口部295b及びハンドルカバーベース291の開口部291hを通してハンドルカバーユニット290内(ハンドルカバーベース291の前筒部291a内)へ誘導することができ、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーユニット290内に指を挿入した状態でハンドル195を操作している遊技者の指に対して、音圧による刺激を付与することができる。従って、遊技領域5a内における遊技状態に応じて、ハンドルカバーユニット290内に挿入されている遊技者の手指に、切欠開口部295b及び開口部291hを通してポート部材47からの音圧を供給することで、遊技者を驚かせたり、チャンスの到来を予感させたり、ハンドル操作の操作量を変更させたり、することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、切欠開口部295b及び開口部291hを通してハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内に本体枠スピーカ622からの音圧(音風)を供給することができるため、ハンドルカバーユニット290内を涼しくすることができ、ハンドル195を操作している遊技者の手指まわりの環境を快適にすることで、遊技者にかかるストレスを緩和させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通してハンドルカバーユニット290内に指を挿入した状態でハンドル195を操作している遊技者の指に対して、ハンドル195やハンドルカバーユニット290が設けられている扉枠3とは異なる外枠2の外枠下組立体40に設けられたポート部材47から前方へ放出される音圧(音風)を、グリル部材46の複数の羽根部46bにより誘導して刺激を付与するようにしているため、ハンドル195に振動装置を設けるようにした場合と比較して、ハンドル195に設けられている各種のセンサ(ハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、等)や軸受機構等にダメージを与えることはなく、ハンドルユニット180を破損し難くすることが可能となり、ハンドルユニット180の破損により遊技者に不快感を与えてしまうことを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、ハンドル195に、中央ハブ部195a、スポーク部195b、及び外周リング部195cを有するようにしていることから、ハンドル195が自動車のステアリングホイールのような外観となるため、従来のパチンコ機のハンドルとは外観が大きく異なっていても、遊技者に対してハンドル195の操作が従来のパチンコ機と同様であることを直感的に認識させることが可能となる。従って、本パチンコ機1を初めて見た遊技者であっても、戸惑わせることなく本パチンコ機1のハンドル195を操作させることができ、遊技者を躊躇させることなく遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、ハンドル195の中央ハブ部195aと外周リング部195cとの間を通して遊技者の指を挿入可能なハンドルカバーユニット290の外周面の下側を向いている部位に切欠開口部295b及び開口部291hを設けていることから、前方からハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a)内を見た時に、開口部291h及び下側の切欠開口部295bを通してハンドルカバーユニット290よりも下方が見えることとなり、筒状のハンドルカバーユニット290に対して開放感を付与することができるため、ハンドルカバーユニット290に指を挿入することに対する遊技者の不安感を軽減させることができ、遊技者を躊躇させることなくハンドル195を操作させることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の外周面における下側を向いている部位に、貫通している切欠開口部295b及び開口部291hを設けていると共に、外枠2(外枠下組立体40)のポート部材47を前方へ向かって開口させているため、ハンドルカバーユニット290内に飲み物等の液体や遊技球B等が入っても、下側の切欠開口部295b及び開口部291hから下方へ排出させることができると共に、切欠開口部295b及び開口部291hから下方へ排出された液体等をポート部材47内に入り難くすることができる。
更に、ハンドル195に、中央ハブ部195a、スポーク部195b、及び外周リング部195cを有するようにしていると共に、前端の径が外周リング部195cと同じ径のハンドルカバーユニット290のハンドルカバー295に複数の切欠開口部295bを設けるようにしているため、中央ハブ部195aにより従来のパチンコ機のハンドルと同じようなに手で掴んで操作したり、スポーク部195bにより指だけで操作したり、外周リング部195cにより自動車のステアリングホイールのような操作をしたり、外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むような操作をしたり、外周リング部195cを跨ぐようにしてハンドルカバーユニット290の内側と外側とを指で摘むような操作をしたりすることができ、多彩な遊技球Bの打込操作(ハンドル操作)が可能なパチンコ機1を提供することができる。従って、遊技状態や遊技者の状態等に応じて、遊技者が操作し易い方法で遊技球Bを遊技領域5aへ打込むことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、ハンドル195の外周リング部195cと切欠開口部295bとに指を掛けて掴むようにしたり、外周リング部195cを跨ぐようにしてハンドルカバーユニット290の内側と外側とを指で摘むようにしたりすることで、ハンドル195の操作位置を固定することが可能となる。従って、従来のパチンコ機のハンドルと同様のハンドル操作に加えて、従来のパチンコ機では成し得ないハンドル操作も行うことができるため、遊技者に対して多彩なハンドル操作を提供することができ、ハンドル操作を楽しませて遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の前端の径を、ハンドル195における外周リング部195cの径と同じとしているため、ハンドルカバーユニット290が外周リング部195cから後方へ延びているような形態となり、ハンドルカバーユニット290がハンドル195と一体となっているような外観とすることができ、見栄えを良くして遊技者の関心を引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290の前端の径が外周リング部195cと同じ径であるため、ハンドルカバーユニット290の上下方向の寸法が必要以上に大きくなることを抑制することが可能となり、ハンドルカバーユニット290により遊技領域5a(扉窓101a)が上方へ圧迫されることを抑制することで、遊技領域5aが狭くなることを回避させることができ、相対的に遊技領域5aを大きくすることができると共に、大きな遊技領域5aにより本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aを適宜発光させることで、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291の前筒部291a内やハンドルカバー295)やハンドル195の外周リング部195cを発光装飾させることができるため、遊技者がハンドル195を操作していても、遊技者の手によってハンドルカバー295や外周リング部195cの発光装飾が遮られることはなく、ハンドルカバー295や外周リング部195cを目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、扉枠3におけるヒンジ側とは反対側の右下隅にハンドル195を設けていると共に、ハンドルカバーユニット290のハンドルカバー295における外周面の右側を向いている部位に切欠開口部295bを設けているため、当該切欠開口部295bを、扉枠3を開閉させる時の取っ手に用いることができる。従って、扉枠3に見栄えが悪くなるような取っ手を設ける必要が無く、扉枠3の見栄えを良くすることができる。
また、ハンドルカバーユニット290(ハンドルカバーベース291)に、ハンドル195の外周リング部195c(ハンドルガイド196)を、周方向へ回転可能に支持すると共に、前後方向への移動を規制するフランジ部291e及びガイド片291gを有するようにしており、ハンドル195の外周リング部195cが前方へ引っ張られても、ガイド片291g等によって外周リング部195cの前方への移動を規制することができるため、外周リング部195cや、外周リング部195cと中央ハブ部195aとを繋いでいるスポーク部195bが変形することはなく、ハンドル195が破損してしまうことを防止することができる。
また、ハンドルタッチセンサ192により遊技者がハンドル195に触れていることを検知した上で、ハンドル195の操作を受付けて遊技球Bを打込むようにしているため、スポーク部195bや外周リング部195cのみに触れた状態でハンドル195を操作しても遊技球Bを打込むことができ、上述したような多彩な打込操作(ハンドル操作)が可能なパチンコ機1とすることができると共に、遊技者がハンドル195に触れていない状態での遊技球Bの打込みを阻止することができ、道具を用いたハンドル操作が行われることを防止して遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[3-5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。図48は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図49は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース(図示は省略)と、取付ベースの右方に取付けられている皿ユニット中継基板(図示は省略)と、取付ベースの上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベースの下方に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が接触操作可能な接触操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、外面が球形状の演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容され皿装飾ユニット250の前面に取付けられる操作部ベース315と、操作部ベース315の上面に取付けられている円環状の演出操作部外周装飾基板320と、演出操作部外周装飾基板320の上方を覆っている外周基板カバー325と、操作部ベース315の後側に取付けられている操作部中継基板ユニット330と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作部カバーユニット310から上方へ突出可能とされており演出操作部301が設けられている演出操作部ユニット350と、操作部ベース315に取付けられており演出操作部ユニット350を昇降可能に支持している演出操作部昇降機構360と、演出操作部昇降機構360による演出操作部ユニット350の上方への突出力を調整する突出力調整機構380と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3-5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図73を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口(図示は省略)の上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口を通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具が備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3-5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図48及び図50等を参照して詳細に説明する。図50(a)は扉枠において下皿球供給口の部位で水平に切断して要部を示す断面図であり、(b)は従来の扉枠において(a)と同じ部位を切断して要部を示す断面図であり、(c)は本実施例品と従来品における下皿での遊技球の貯留数を比較した表である。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方に対して左寄りで演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
ここで、従来のパチンコ機では、図50(b)に示すように、ファールカバーユニット150の球放出口150dと連通している皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の下皿球供給口211jに対して、その中心軸線上の前方に下皿202の下皿球抜孔202bを設けている。そして、球放出口150dから前方へ放出された遊技球Bが、真直ぐに下皿球抜孔202bへ向かうように、下皿球供給口211jを前方へ真直ぐに延びた筒状としている。これにより、下皿球供給口211jから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202bから下方へ排出させることができるようにしている。
ところで、下皿球供給口211jにより遊技球Bを下皿球抜孔202bへ向かって真直ぐに誘導させるようにした場合、下皿球抜孔202bが下皿球抜蓋265により閉鎖されていると、下皿球抜孔202bや下皿球供給口211jが下皿202の右端付近に設けられていることから、下皿202内の中央よりも右側の領域において、遊技球Bの貯留が集中してしまう恐れがある。そして、下皿202内の右側の領域に集中した遊技球Bが、下皿球供給口211jの前を塞いでしまうと、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内から遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなることで、満タン検知センサ154が作動して、下皿202内の左側の領域にまだ余裕があるのにも関わらず、下皿202が満タンであると判定されてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、詳細は後述するが、図50(a)に示すように、下皿球供給口211cの左側の側壁(球誘導部213)を、斜め左前方へ延びるように傾斜させている。詳述すると、下皿球供給口211cにおける左側の側壁を、下皿球抜孔202aの真後ろとなる部位では皿ユニットベース211の前面との間の距離が、少なくとも一つの遊技球Bが流通可能な距離となるように、斜め左前方へ傾斜させている。
また、本実施形態では、図50に示すように、下皿球抜孔202aを、下皿球供給口211cの後端(球放出口150d)の中心軸線(一点鎖線で示す線)よりも左方へ移動させている。
これにより、下皿球抜孔202aを左方へ移動させることで、下皿202の最も低くなっている部位(下皿球抜孔202aの部位)が、左方へ移動することとなり、下皿球抜孔202aが閉鎖されている状態で、遊技球Bが下皿202内の右側に集中して貯留されることを低減させることができる。そして、下皿202内において、下皿球抜孔202aの部位から複数の遊技球Bが貯留されて、下皿202の後端(皿ユニットベース211の前面)に到達しても、下皿球供給口211cの左側の側壁が斜めに延びて下皿202の後端との間に遊技球Bが流通可能な隙間を形成しているため、ファールカバーユニット150(球放出口150d)や上皿球抜後ユニット240(球抜誘導路241c)から下皿球供給口211c側へ放出された遊技球Bを、斜めに延びた左側の側壁に沿って下皿202内の左側へ誘導して放出させることができ、下皿202内の全体に遊技球Bをきちんと貯留させることができる。
従って、下皿202内において遊技球Bを貯留できる領域が十分に残っているのにも関わらず、満タン検知センサ154が作動して満タンが報知されてしまうことを防止することができ、下皿202内により多くの遊技球Bを貯留させることができる。
[3-5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の後面で右下隅付近に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、皿ユニットベース211の前面の上部に取付けられている球貸操作ユニット220と、球貸操作ユニット220の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット(図示は省略)と、上皿球抜前ユニットの後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3-5c-1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図48及び図49を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口(図示は省略)と、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口(図示は省略)の前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口から球送給誘導路241bへ供給される。
また、本実施形態の皿ユニットベース211は、下皿202内へ供給される遊技球Bを、下皿球抜孔202aから遠い位置へ誘導する球誘導部213を有している。球誘導部213は、上皿201から球抜誘導路241cにより誘導されてきた遊技球Bを、下皿202の下皿球抜孔202aから遠い位置(下皿202の左部)へ誘導するものである。この球誘導部213は、図50(a)に示すように、下皿球供給口211cの内壁の一部を形成している。詳述すると、球誘導部213は、筒状に形成されている下皿球供給口211cの内壁における球抜誘導路241cが開口している右側の内壁と対向している左側の内壁を形成しており、後端側から前端側へ向かうに従って左方へ移動するように傾斜している。この左側の内壁の傾斜(球誘導部213)により、下皿球抜孔202aの真後ろとなる部位では皿ユニットベース211の前面(下皿202の後端)との間に、少なくとも一つの遊技球Bが流通可能な距離(隙間)が形成されている。これにより、上皿201から球抜誘導部241cを流通してきた遊技球Bが、右方から球誘導部213に当接すると、球誘導部213の傾斜により左前方へ誘導されることとなり、遊技球Bを、下皿202における下皿球抜孔202aから遠ざかった下皿202内の左端側へ誘導することができる。つまり、球誘導部213により、下皿202内における最も低くなっている部位(下皿球抜孔202a)から遠い位置へ遊技球Bを誘導することができる。
ところで、図50(b)に示すように、従来のパチンコ機(従来品とも称する)における下皿球供給口211jは、前後方向へ真直ぐに延びているため、球抜誘導路241cにより誘導された遊技球Bが、下皿球供給口211jの左側の内壁に当接すると、右方へ跳ね返りながら前方へ転動することとなり、下皿202内における下皿球抜孔202bから遠い位置へ送られることはなく、下皿球抜孔202bが設けられている下皿202内の右側の領域に貯留されることとなる。そのため、従来品では、下皿202内の中央よりも右側の領域において、遊技球B(図50(b)において二点鎖線で示す)の貯留が集中してしまい、下皿202内の右側の領域に集中した遊技球Bが、下皿球供給口211jの前を塞いでしまうと、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内から遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなることで、満タン検知センサ154が作動して、下皿202内の左側の領域にまだ余裕があるのにも関わらず、下皿202が満タンであると判定されてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、上述したように、球誘導部213を有しているため、球抜誘導部241cを流通してきた遊技球Bを、下皿202内の左側の領域へ誘導することができる。また、下皿202内において、下皿球抜孔202aの部位から複数の遊技球Bが貯留されて、下皿202の後端(皿ユニットベース211の前面)に到達しても、下皿球供給口211cの左側の側壁(球誘導部213)と下皿202の後端との間を通して、ファールカバーユニット150(球放出口150d)や上皿球抜後ユニット240(球抜誘導路241c)から下皿球供給口211c側へ放出された遊技球Bを、下皿202内の左側へ誘導することができ、下皿202内の全体に亘って遊技球Bを貯留させることができる。従って、下皿202内において遊技球Bを貯留できる領域が十分に残っているのにも関わらず、満タン検知センサ154が作動して満タンが報知されてしまうことを回避させることができ、下皿202内により多くの遊技球Bを貯留させることができる。
そして、上記のような作用効果を裏付けるものとして、本願発明者等は、本実施形態品と、従来品とで、満タン検知センサ154が作動した時に、夫々の下皿202に貯留されている遊技球Bの数を計数した。遊技球Bの計数は、夫々において10回実施した。その結果は、図50(c)の表に示すように、何れの回においても、本実施例の下皿202(本実施例品)の方が、従来品よりも遊技球Bの貯留数が大きく上回っており、平均で従来品よりも遊技球Bを約40%多く貯留することができることが確認された。
[3-5c-2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3-5c-3.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、及び操作部中継基板332との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の後面における右下隅付近に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3-5c-4.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図51を参照して説明する。図51は、扉枠の皿ユニットにおける球貸操作ユニットの部位を拡大して示す平面図である。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、音量を調節したり、光量を調節したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、皿ユニットベース211の前面の上部に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部226と、ベース部221の外側で球貸ボタン224の前方に配置されている音量調節ボタン227と、音量調節ボタン227の左側に配置されている光量調節ボタン228と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されており、上面に「玉」の文字が施されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部226は、三つの7セグメントLEDと一つの砲弾型LEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して遊技者側から良好に視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部226には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部226には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
音量調節ボタン227は、扉枠3のトップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622から出力される音楽、音声、効果音、等の演出用のサウンドの音量を調節するためのものである。この音量調節ボタン227は、二つの円を組合せたような双円形のひょうたん型に形成されている。音量調節ボタン227は、一方(上側)の円の中心に「+」の文字が、他方(下側)の円の中心に「-」の文字が夫々施されていると共に、二つの円の間の部位に、スピーカから音が出ているような絵柄が施されている。音量調節ボタン227は、「+」側の円の直径が、「-」側の円の直径よりも大きく形成されている。この音量調節ボタン227は、「+」側を押圧すると音量が大きくなり、「-」側を押圧すると音量が小さくなる。
光量調節ボタン228は、扉枠3や遊技盤5に設けられている各種の装飾基板のLEDの光量や、演出表示装置1600の表示画面の明るさを調節するためのものである。この光量調節ボタン228は、二つの円を組合せたような双円形のひょうたん型に形成されている。光量調節ボタン228は、一方(上側)の円の中心に「+」の文字が、他方(下側)の円の中心に「-」の文字が夫々施されていると共に、二つの円の間の部位に、電球の絵柄が施されている。光量調節ボタン228は、「+」側の円の直径が、「-」側の円の直径よりも大きく形成されている。この光量調節ボタン228は、「+」側を押圧すると明るくなり、「-」側を押圧すると暗くなる。
音量調節ボタン227と光量調節ボタン228は、互いに異なる色(例えば、音量調節ボタン227を白色、光量調節ボタン228を黒色、)とされており、遊技者が間違え難いようにしている。
ところで、演出操作部301の接触操作部302や押圧操作部303を用いて音量や光量を調節するようにした場合、演出操作部301の操作を必要とする遊技者参加型演出が実行されていない時に、演出操作部301を適宜操作して音量や光量等を調節するための設定用のメニューを演出表示装置1600に表示させて調節する項目を選択した上で、接触操作部302を操作して音量の大きさや光量の明るさ等を変更することとなり、音量や光量を調節するのに手間(時間)がかかることとなる。これに対して、本実施形態によれば、音量調節ボタン227や光量調節ボタン228を操作することで、音量や光量を直接(ダイレクト)に調節することができ、音量や光量の調節にかかる手間を簡略化して短時間で調節することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[3-5c-5.上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット240について、主に図49を参照して詳細に説明する。上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口を後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ(図示は省略)と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口(図示は省略)と、球受口に受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口は、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口を通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部(図示は省略)と、作動受部の後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部は、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部が、皿ユニットベース211を後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部の上面に上皿球抜ボタン222の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネは、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネの付勢力により上方への移動端に位置しており、バネの付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜後ユニット240は、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部を介して上皿球抜ボタン222を上方への移動端に位置させている。また、バネの付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口へ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネの付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3-5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図22乃至図48等を参照して詳細に説明する。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と、を備えている。
[3-5d-1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図48及び図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3-5d-2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図48及び図49等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、夫々の前面に皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275が取付けられる。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
更に、図示は省略するが、皿ユニット本体252は、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部を備えている。演出操作ユニット取付部は、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。
[3-5d-3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図27及び図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿球抜ボタン263と、下皿球抜ボタン263の操作により貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、を備えている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252における下部前面装飾部252bの前面と一致していると共に、下皿球抜蓋265が下皿球抜孔202aを閉鎖している。この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、下皿球抜蓋265が移動して、下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧により下皿球抜蓋265を移動させると、下皿球抜蓋265が移動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧した後に押圧を放すと、下皿球抜蓋265が通常の状態の位置に復帰し、下皿球抜孔202aが閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3-5d-4.皿左装飾ユニット及び皿右装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275について、主に図48等を参照して詳細に説明する。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左装飾体271と、皿左装飾体271を貫通している透光性を有した皿左装飾レンズ272と、皿左装飾レンズ272の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左装飾基板273と、を備えている。
皿左装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左装飾レンズ272は、皿左装飾体271の前面と一致した状態でその長手方向へ延びている。皿左装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット420の下端と連続している。皿左装飾ユニット270は、皿左装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右装飾体276と、皿右装飾体276を貫通している透光性を有した皿右装飾レンズ277と、皿右装飾レンズ277の後側に設けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右装飾基板278と、を備えている。
皿右装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右装飾レンズ277は、皿右装飾体276の前面と一致した状態でその長手方向へ延びている。皿右装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット430の下端と連続している。皿右装飾ユニット275は、皿右装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左装飾ユニット270及び皿右装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3-5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図52乃至図56等を参照して詳細に説明する。図52(a)は演出操作ボタンを上方へ向けた状態で演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は(a)の演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前上から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前下から見た分解斜視図である。図55(a)は演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が上方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部ユニットが上昇位置へ移動した状態の演出操作ユニットの断面図である。図56は、演出操作部ユニットが下降位置で昇降バネ下保持部材が下方へ移動端の位置の状態の演出操作ユニットの断面図である。
演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が接触操作可能な接触操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成され、遊技者の操作を受付けたり、演出操作部301を可動(振動)させたりすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。演出操作部301は、接触操作部302が押圧操作部303の上部に設けられている。演出操作部301は、接触操作部302及び押圧操作部303が、演出操作ユニット300の外径に対して約5/8の大きさの直径の円形状に形成されている。
演出操作ユニット300は、皿ユニット200の左右方向中央の前面に設けられ外形が球状の演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310が外側に取付けられており皿装飾ユニット250の前面に取付けられる操作部ベース315と、操作部ベース315の上面に設けられており演出操作部カバーユニット310の上部(ユニット上カバー312)を発光装飾させるための複数のLED320aが実装されている演出操作部外周装飾基板320と、演出操作部外周装飾基板320を上方から覆うように操作部ベース315に取付けられている外周基板カバー325と、操作部ベース315の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット330と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作部301を有している演出操作部ユニット350と、演出操作部ユニット350を昇降させる演出操作部昇降機構360と、演出操作部ユニット350の突出力を調整する突出力調整機構380と、を備えている。演出操作部ユニット350は、演出操作部昇降機構360により、演出操作部カバーユニット310の上面から上方へ進退可能に設けられている。
[3-5e-1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、操作部ベース315を介して、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部に取付けられる。演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の外周(演出操作部ユニット350の周囲)を装飾するものである。
演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方へ開放された半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の上方に設けられ演出操作部301が挿通される挿通口312aを有した円環状のユニット上カバー312と、を備えている。ユニット下カバー311は、操作部ベース315の前方及び下方を覆うように半球状に形成されている。ユニット上カバー312は、ユニット下カバー311の外面と連続するように形成されている。つまり、演出操作部カバーユニット310は、外面が略球形に形成されている。因みに、本実施形態の演出操作部カバーユニット310は、直径が216mmの球形状である。
演出操作部カバーユニット310は、円環状のユニット上カバー312の軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。
演出操作部カバーユニット310は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット下カバー311の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
演出操作部カバーユニット310は、少なくともユニット上カバー312が透光性を有しており、後述する演出操作部外周装飾基板320の複数のLEDの発光により、発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、ユニット下カバー311の左右両側から皿左装飾体271及び皿右装飾体276が外方へ延出するように接続されている。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3-5e-2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース315について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。操作部ベース315は、後側が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース315は、前方と下方がユニット下カバー311により覆われていると共に、上方がユニット上カバー312及び演出操作部301により覆われている。操作部ベース315は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース315は、上方が開放された略立方体の箱状の本体部315aと、本体部の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部315bと、を備えている。本体部315aは、内部に演出操作部ユニット350が収容される。また、本体部315aは、底壁に後述する演出操作部ユニット350における演出操作部昇降機構360の一対のガイドシャフト362と中央シャフト366の下端が取付けられる。また、本体部315aは、底壁の上面において、突出力調整機構380の調整スクリュー384の下端側を回転可能に支持している。更に、本体部315aの後壁の後面に、操作部中継基板ユニット330の基板ベース331が取付けられる。
フランジ部315bは、上面に演出操作部外周装飾基板320が載置される。また、フランジ部315bは、演出操作部外周装飾基板320を挟むように、円環状の外周基板カバー325が取付けられる。外周基板カバー325にユニット上カバー312が取付けられている。
操作部ベース315は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部315bの上面が、ユニット下カバー311の上面に対して略同一面上に位置している。
[3-5e-3.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300の操作部中継基板ユニット330について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット330は、操作部ベース315の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット330は、操作部ベース315における本体部315aの後面に取付けられる基板ベース331と、基板ベース331の後面に取付けられる操作部中継基板332と、操作部中継基板332を後方から覆うように基板ベース331に取付けられる基板カバー333と、を備えている。
操作部中継基板332は、演出操作部外周装飾基板320(前装飾基板321及び後装飾基板322)、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、接触検知センサ本体358、ボタン中装飾基板364、操作ボタン昇降駆動モータ367、押圧検知センサ373、昇降検知センサ374、突出力検知センサ375、及び突出力調整駆動モータ381と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3-5e-4.演出操作部ユニット]
演出操作ユニット300における演出操作部ユニット350について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部ユニット350は、演出操作部カバーユニット310におけるユニット上カバー312の挿通口312aから外方へ臨むように設けられており、接触操作部302や押圧操作部303として機能することができるものである。
演出操作部ユニット350は、上端側が閉鎖されている有底筒状のボタン本体351と、ボタン本体351内の上部に取付けられている円盤状の接触検知体352と、下方からボタン本体351内に挿入されている円筒状のボタンスリーブ353と、ボタンスリーブ353の下端に取付けられており演出操作部昇降機構360により昇降可能に支持される円盤状のボタンベース354と、ボタンベース354の上方に配置されており上面に複数のLED355aが実装されている円環状のボタン外装飾基板355と、を備えている。
また、演出操作部ユニット350は、ボタン本体351とボタンスリーブ353との間に配置されている振動モータ356と、振動モータ356をボタンスリーブ353に取付けているモータカバー357と、接触検知体352と接続されておりボタンスリーブ353の外周に取付けられる接触検知センサ本体358と、を備えている。
ボタン本体351は、全体が透明に形成されている。ボタン本体351は、上方へ膨出するように湾曲している円盤状の上面部351aと、上面部351aの外周から下方へ延出している筒状の筒状部351bと、筒状部351bの下端から下方へ突出している係止部351cと、を有している。上面部351aは、演出操作部カバーユニット310の球状の表面と同じ直径の球面の一部を構成する形状に形成されている。この上面部351aには、外径の約1/2の直径に形成されている円形の装飾が施されている。上面部351a(筒状部351b)の外径(直径)は、演出操作部カバーユニット310の直径の約5/8である。筒状部351bの長さ(高さ)は、上面部351aの直径の約5/8である。係止部351cは、筒状部の351bの周方向へ等間隔に四つ設けられている。係止部351cは、ボタンベース354に係止される。因みに、本実施形態のボタン本体351は、直径が約127mmである。
接触検知体352は、外周が円形で、外周から一定の幅の内側が上方へ膨出した皿状に形成されている。接触検知体352は、ボタン本体351の上面部351aにおける円形の装飾の下方の部位で、上方へ斜めに膨出しその内側が平坦に形成されている。これにより、接触検知体352がボタン本体351の装飾の一部のように見えるようになっている。接触検知体352は、外周縁の左右両端と後端から下方へ延出した平板状の下方延出片352aを有している。接触検知体352は、ボタン本体351の上面部351aの下面に取付けられている。接触検知体352は、パンチングメタルにより形成されている。接触検知体352は、パンチングメタルの複数の孔により、全体の面積に対する静電容量が抑制されており、誤検知が防止されている。また、接触検知体352をパンチングメタルとしているため、下方に設けられているボタン中装飾基板364のLED364aからの光を上方へ透過させることができ、ボタン本体351の上面部351aの中央部分を良好な状態で発光装飾させることができる。
接触検知体352は、接触検知センサ本体358における接続コネクタの外部電極端子に接続されている。これにより、接触検知体352が静電容量を検知するためのセンサ電極として機能することができ、ボタン本体351の上面や側面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。つまり、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができる。
ボタンスリーブ353は、上下に延びた筒状のスリーブ本体353aと、スリーブ本体353aの下端から外方へ延出している円環状のフランジ部353bと、を有している。ボタンスリーブ353は、全体が透明に形成されている。スリーブ本体353aは、外径がボタン本体351の内径の約4/7であり、長さがボタン本体351の筒状部351bの長さと略同じである。ボタンスリーブ353は、フランジ部353bを通して、ボタン外装飾基板355の複数のLED355aからの光を上方へ透過させることができる。
ボタンベース354は、ボタン本体351の外径と略同じ直径の円盤状であり、ボタン本体351の開放されている下端側を閉鎖するようにボタン本体351の下端に取付けられている。ボタンベース354は、中心に対して対称となる部位で上下に貫通している一対のガイド孔354aと、中心において上下に貫通している中央孔354bと、中央孔の内面から中心へ向かって突出している一対の案内ピン354cと、を備えている。一対のガイド孔354aは、夫々演出操作部昇降機構360のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される。中央孔354bは、昇降カム部材371が通過可能な大きさの内径に形成されている。一対の案内ピン354cは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
ボタンベース354は、下方へ延出しており、演出操作部昇降機構360の押圧検知センサ373により検知される平板状の検知片354dを、更に有している。ボタンベース354は、ボタン本体351の係止部351cが外周面に係止される。ボタンベース354は、一対のガイド孔354aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。また、ボタンベース354は、一対の案内ピン354cが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。ボタンベース354は、下面に、演出操作部昇降機構360の一対の昇降バネ365の上端が当接しており、一対の昇降バネ365により上方へ付勢されている。
ボタン外装飾基板355は、上面に複数のLED355aが実装されている。複数のLED355aは、同心円の二重の円周上に列設されている。詳述すると、複数のLED355aは、ボタンスリーブ353のスリーブ本体353aよりもやや外側の部位と、フランジ部353bの幅の中央付近の部位と、に設けられている。ボタン外装飾基板355のLED355aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面における接触検知体352よりも外側の部位と、ボタン本体351の側面(周面)とを発光装飾させることができる。
振動モータ356は、回転軸に偏芯した錘が取付けられており、錘を回転させることで振動を発生させることができるものである。振動モータ356は、回転軸が左右方向へ延びるように配置されている。換言すると、振動モータ356は、演出操作部301の進退方向に対して直交する方向へ回転軸が延びるように配置されている。また、振動モータ356は、演出操作部301(演出操作部ユニット350)を上下方向へ案内する一対のガイドシャフト362を通る直線上の部位に設けられている。これにより、振動モータ356からの振動を演出操作部301へ良好に伝達させることができる。また、振動モータ356による振動により、一対のガイド孔354a(一対のガイドシャフト362)への影響を軽減させることができる。
接触検知センサ本体358は、静電容量センサである。接触検知センサ本体358は、詳細な図示は省略するが、サージ保護回路、発信回路、検波平滑回路、及び比較回路等を有したセンサICと、出力回路と、センサICや出力回路に電力を供給する定電圧回路と、センサ電極と、接続コネクタと、を有している。接触検知センサ本体358は、内部に有しているセンサ電極の静電容量を検知することができる。また、接触検知センサ本体358の接続コネクタは、センサ電極と接続されている外部電極端子を有しており、当該外部電極端子が接触検知体352に接続されている。つまり、接触検知センサ本体358は、接触検知体352を外部のセンサ電極として機能させることができるものである。接触検知センサ本体358は、センサ電極で静電容量を検知するとともに、外部抵抗で設定される所定の静電容量を越えたときにON信号を出力するものである。なお、本実施形態では、所定の静電容量を超えたときにON信号を出力するものであるが、静電容量の大小に応じて複数段階の信号を出力するものであっても良い。
本実施形態の演出操作部ユニット350は、ボタン本体351の上面部351aの下面に、接触検知センサ本体358により静電容量を検知するためのセンサ電極として機能させられる接触検知体352が設けられているため、接触検知体352を介してボタン本体351の上面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。また、演出操作部ユニット350の接触検知体352は、下方へ延出している複数の下方延出片352aを有しているため、演出操作部ユニット350を上方へ突出させた状態で、ボタン本体351の側面への被検知対象(遊技者の手)接触や接近を検知することができる。このようなことから、演出操作部ユニット350は、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができる。
この演出操作部ユニット350は、演出操作部昇降機構360により上下方向へ昇降可能に支持されている。演出操作部ユニット350は、最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、ボタン本体351の上面部351aが、演出操作部カバーユニット310のユニット上カバー312の上面と一致しており、演出操作ユニット300が一つの球体に見えるようになっている。そして、演出操作部ユニット350を、演出操作部昇降機構360により通常の状態から上方へ移動させた状態では、ボタン本体351の上面部351aがユニット上カバー312の上面よりも上方へ突出した状態となり、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ押圧することで、押圧操作部303として機能することができる。
詳述すると、演出操作部ユニット350は、最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、押圧してもこれ以上下方へ移動することはなく、押圧操作を行うことができない状態となっている。この通常の状態では、ボタンベース354の検知片354dが、演出操作部昇降機構360の押圧検知センサ373により検知されている。そして、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を通常の状態よりも上方へ移動させた状態にすると、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373から離れ、非検知の状態となる。そして、演出操作部ユニット350の上面を下方へ押圧し、昇降バネ365の付勢力に抗して演出操作部ユニット350を下方の移動端まで下降させると、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373により検知される。これにより、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作が検知される。
また、演出操作部ユニット350は、パンチングメタルからなる接触検知体352の上方をボタン本体351で覆っているため、接触操作部302を操作する際に、滑らかな球状のボタン本体351の上面に触れることとなり、複数の孔による凹凸を有したパンチングメタルの表面を遊技者が直接触れることはなく、遊技者に対して接触操作部302を滑らかに操作させることができる。また、接触検知体352をボタン本体351で覆っているため、ボタン本体351の表面(上面)に、微細な凹凸や複数の筋等を形成することで、接触操作部302に対して任意の触感を付与させることが可能となり、接触操作部302に対する設計自由度を高めることができ、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記では、ボタン本体351を透明なものとしたが、これに限定するものではなく、ボタン本体351を通して下方側が視認し難い、不透明、又は、半透明なものとしても良い。これにより、ボタン本体351を通してパンチングメタルからなる接触検知体352が見え辛くなるため、演出操作部ユニット350の見栄えを良くすることができる。また、ボタン本体351を不透明なものとした場合、透光性を有するようにすることが望ましい。これにより、下方に設けられているボタン外装飾基板355のLED355aやボタン中装飾基板364のLED364a等からの光により、ボタン本体351を発光装飾させることができ、ボタン本体351の発光演出により遊技者を楽しませることができる。
[3-5e-5.演出操作部昇降機構]
演出操作ユニット300における演出操作部昇降機構360について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。演出操作部昇降機構360は、操作部ベース315に取付けられており、演出操作部ユニット350を昇降させることができるものである。演出操作部昇降機構360は、演出操作部ユニット350の下方で操作部ベース315の本体部315a内に取付けられており外周が略円形状の昇降機構ベース361と、昇降機構ベース361の中心軸を対称に配置されており下端が操作部ベース315の本体部315aの底壁に取付けられていると共に上端が操作部ベース315及びボタンベース354を貫通して上方へ延出している円柱状の一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンスリーブ353の内径よりも小さい円盤状の上部ベース363と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLED364aが実装されているボタン中装飾基板364と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されておりボタンベース354を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、昇降機構ベース361及びボタンベース354の中心において上下に貫通しており下端が本体部315aの底壁に取付けられていると共に上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、を備えている。
更に、演出操作部昇降機構360は、昇降機構ベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しており昇降機構ベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することでボタンベース354を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うように昇降機構ベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
また、演出操作部昇降機構360は、昇降機構ベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ373と、昇降機構ベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370(昇降カム部材371)の回転位置を検知することで演出操作部ユニット350の昇降を検知する昇降検知センサ374と、昇降機構ベース361に取付けられており突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385の昇降を検知することで演出操作部ユニット350の突出力を検知する突出力検知センサ375と、を備えている。
昇降機構ベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、ベース本体361aを貫通しており一対のガイドシャフト362と共に昇降バネ365が通過可能な一対の貫通孔361cと、を備えている。昇降機構ベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース315における本体部315aの内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。ベース本体361aには、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、ギアカバー372、押圧検知センサ373、及び突出力検知センサ375が、上面に取付けられている。また、ベース本体361aには、操作ボタン昇降駆動モータ367、昇降検知センサ374、及び突出力調整駆動モータ381が、下面に取付けられている。昇降機構ベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース315における本体部315aの底壁に取付けられる。これにより、操作部ベース315の本体部315aの底壁と昇降機構ベース361のベース本体361aとの間に、突出力調整機構380が配置される空間が形成されている。一対の貫通孔361cは、昇降機構ベース361のベース本体361aにおいて、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々設けられている。
一対のガイドシャフト362は、昇降機構ベース361のベース本体361aにおいて、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に設けられている一対の貫通孔361cを貫通している。中央シャフト366は、昇降機構ベース361のベース本体361aの中心を貫通している。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、夫々の下端が操作部ベース315における本体部315aの底壁に取付けられていると共に、夫々の上端が上部ベース363に取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。
上部ベース363は、外径が昇降機構ベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。上部ベース363は、下方へ突出している下突部を有している。上部ベース363は、下突部をギアカバー372の上突部に当接させることにより、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に、昇降カム部材371を収容可能な空間を形成することができる。
ボタン中装飾基板364は、上面に実装されている複数のLED364aがフルカラーLEDとされている。ボタン中装飾基板364は、複数のLED364aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、夫々においてガイドシャフト362が挿通されている。一対の昇降バネ365は、下端が突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385に当接していると共に、上端がボタンベース354に当接している。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ374により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、円柱状に形成されており、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、ギアカバー372を貫通しており、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に設けられている。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、ボタンベース354の案内ピン354cを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図55等を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、ボタンベース354の案内ピン354cの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aの第二カム371dが、昇降カム部材371の平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aによりボタンベース354の案内ピン354cを案内することができ、昇降バネ365により上方へ付勢されているボタンベース354(演出操作部ユニット350)を昇降させることができる。
ギアカバー372は、昇降バネ365及び昇降カム部材371が通過可能な貫通孔を有している。また、ギアカバー372は、上部ベース363の下突部と対面する部位に、上方へ突出している上突部を有している。ギアカバー372は、上突部を上部ベース363の下突部の下端に当接させることにより、上部ベース363と昇降機構ベース361との間に、昇降カム部材371を収容可能な空間を形成することができる。
押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350におけるボタンベース354の検知片354dを検知することで、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作を検知するものである。押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350が最も下方へ移動した状態(通常の状態)では、ボタンベース354の検知片354dを常時検知している。この押圧検知センサ373は、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を通常の状態よりも上方へ移動させると、ボタンベース354の検知片354dが離れるため、非検知の状態となる。そして、押圧検知センサ373は、演出操作部ユニット350の上面が下方へ押圧されて、昇降バネ365の付勢力に抗して演出操作部ユニット350が下方の移動端まで下降させると、ボタンベース354の検知片354dを検知し、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)の押圧操作を検知することができる。
昇降検知センサ374は、昇降カム駆動ギア部材370の昇降検知片370cを検知することで、昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bに連結されている被連結部371fを介して、昇降カム部材371の回転位置を検知している。
突出力検知センサ375は、突出力調整機構380における昇降バネ下保持部材385の検知片385dを検知するものである。
演出操作部昇降機構360は、前後に並んだ一対のガイドシャフト362によりボタンベース354を介して演出操作部ユニット350を昇降可能に支持することができると共に、一対の昇降バネ365によりボタンベース354を介して演出操作部ユニット350を上方へ付勢することができる。また、演出操作部昇降機構360は、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を回転させることで、演出操作部ユニット350(演出操作部301)を、演出操作部カバーユニット310に対して昇降させることができる。また、演出操作部昇降機構360は、ボタン中装飾基板364に実装されている複数のLED364aを適宜発光させることで、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
演出操作部昇降機構360は、通常の状態では、昇降カム部材371の下端側に設けられている係止部371cに、ボタンベース354の案内ピン354cが係止されている(図55(a)を参照)。この通常の状態では、ボタンベース354を介して演出操作部ユニット350が下方への移動端に位置しており、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)を下方へ押圧しても、演出操作部ユニット350は下方へ移動することはない。従って、通常の状態では、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。また、通常の状態では、演出操作部カバーユニット310におけるユニット上カバー312の表面(上面)と、演出操作部ユニット350におけるボタン本体351の上面とが、一致しており、演出操作部カバーユニット310とボタン本体351とで一つの球体を形成している。
通常の状態(演出操作部ユニット350が下降位置の状態)で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図55(a)において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、ボタンベース354の案内ピン354cが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン354cを介してボタンベース354が昇降バネ365の付勢力に抗して僅かに下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン354cが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン354cと一緒にボタンベース354が上昇して、演出操作部ユニット350が上昇位置の状態となる。この状態では、押圧検知センサ373から検知片354dが離れるため、押圧検知センサ373が非検知の状態となっている。
なお、昇降バネ365の下端が当接している突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385は、詳細は後述するが、突出力調整駆動モータ381により上下方向の様々な位置に移動させることができる。そして、昇降バネ下保持部材385の上下方向の位置に応じて、昇降バネ365の圧縮量を変化させることができるため、昇降バネ365の圧縮量に応じた突出力で演出操作部ユニット350を上昇位置へ突出させることができる。
演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、図55(b)に示すように、ボタンベース354の案内ピン354cが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、ボタンベース354の上面が上部ベース363の下面に当接しており、ボタンベース354のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、演出操作部ユニット350が上昇位置の状態では、演出操作部ユニット350(演出操作部301)全体が上方へ移動していると共に、ボタン本体351の上面部351aがユニット上カバー312の上面よりも上方へ突出している。
この上昇位置の状態で、演出操作部ユニット350のボタン本体351(押圧操作部303)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、演出操作部ユニット350が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、ボタンベース354がギアカバー372に当接することとなる。ボタンベース354がギアカバー372に当接することで、ボタンベース354が下降位置の状態となり、ボタンベース354と共に演出操作部ユニット350(押圧操作部303)も下降位置の状態となる。
このように、ボタンベース354がギアカバー372に当接すると、ボタンベース354から下方へ突出している検知片354dが、押圧検知センサ373に検知された状態となり、演出操作部ユニットのボタン本体351(押圧操作部303)の押圧が検知される。
演出操作部ユニット350(押圧操作部303)を、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図55(b)において、ボタンベース354の案内ピン354cの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン354cの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン354cが下方へ押圧され、案内ピン354cを介してボタンベース354が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
なお、演出操作部ユニット350を下降位置へ戻す際に、突出力調整機構380の突出力調整駆動モータ381により昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の圧縮量を小さくした状態とする(図56を参照)。これにより、演出操作部ユニット350を上方へ付勢している昇降バネ365の付勢力が弱くなるため、ボタンベース354の案内ピン354cを介して昇降カム部材371の第三カム371eに作用する力も弱くなり、昇降カム部材371を回転させる操作ボタン昇降駆動モータ367にかかる負荷を軽減させることができ、操作ボタン昇降駆動モータ367の破損(故障)を低減させることができる。また、操作ボタン昇降駆動モータ367として、トルクの低い安価なものを用いることができる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン354cが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、ボタンベース354の下方への移動が停止し、案内ピン354cが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン354cが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、演出操作部ユニット350が元の下降位置の状態となる。
なお、上記では、演出操作部昇降機構360において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を反時計回りの方向へ回転させることにより、ボタンベース354の案内ピン354cを、第一カム371b(係止部371c)から第二カム371dへ移動させて、ボタンベース354(ボタン本体351)を下降位置から上昇位置へ一気に突出させる例を説明したが、ボタンベース354の案内ピン354cが昇降カム部材371の係止部371cに係止されてボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下降位置に移動している通常の状態において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を平面視において時計回りの方向へ回転させるようにしても良い。因みに、本実施形態における演出操作部昇降機構360によるボタン本体351(演出操作部ユニット350)の昇降距離は、約40mmである。
通常の状態で昇降カム部材371を時計周りの方向へ回転させると、案内ピン354cが第一カム371bから第三カム371eへ移動し、昇降バネ365の付勢力により案内ピン354cが第三カム371eに沿って上方へ移動することとなる。そして、案内ピン354cが第三カム371eの途中の位置の時に、昇降カム部材371の回転を停止させると、ボタン本体351を下降位置と上昇位置との間の任意の位置で上方への突出を停止させることができる。そして、ボタン本体351を下降位置よりも上方の位置へ突出させることで、昇降バネ365の付勢力に抗してボタン本体351を下方へ押圧することが可能となり、ボタン本体351を押圧操作部303として機能させることができる。
なお、第三カム371eによりボタン本体351を上方へ突出させる際には、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の付勢力を弱くしておくことが望ましい。これにより、昇降カム部材371(操作ボタン昇降駆動モータ367)の回転にかかる負荷を軽減させることができると共に、ボタン本体351の押圧操作の操作感を軽くすることができる。
このように、昇降カム部材371の回転位置に応じて、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)の突出量を変化させることができるため、遊技状態に応じて(例えば、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される特別図柄の抽選結果に応じて)、ボタン本体351の突出量を異ならせることで、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させることができる。
なお、昇降カム部材371の第三カム371eの途中に、案内ピン354cを係止可能な浅い凹部を少なくとも一つ設けるようにしても良い。これにより、同じ突出量の位置へ安定してボタン本体351(演出操作部ユニット350)を突出させることができ、突出量のバラツキを防止することができる。また、第三カム371eの途中の少なくとも一か所に凹部を設けるようにした場合、凹部に案内ピン354cが係止されることで、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を回転停止させ続ける必要が無く、操作ボタン昇降駆動モータ367にかかる負荷を軽減させることができる。
[3-5e-6.突出力調整機構]
演出操作ユニット300における突出力調整機構380について、主に図53乃至図56等を参照して説明する。突出力調整機構380は、演出操作部ユニット350を上方へ付勢している昇降バネ365の圧縮量を変化させることで、演出操作部ユニット350(押圧操作部303)が上方へ突出する勢い(突出力)を変化させることができるものである。突出力調整機構380は、操作部ベース315における本体部315aの底壁と、昇降機構ベース361のベース本体361aとの間に設けられている。
突出力調整機構380は、昇降機構ベース361のベース本体361aの下面に取付けられている突出力調整駆動モータ381と、突出力調整駆動モータ381の回転軸に取付けられている平歯車状のピニオンギア382と、ピニオンギア382と噛合しておりベース本体361aの下面に回転可能に取付けられている伝達ギア383と、伝達ギア383と噛合している平歯車状のギア部384a、及びギア部384aから下方へ円柱状に延出しており外周にスパイラル状の溝が形成されているスクリュー部384bを有しており、中央シャフト366が挿通されて回転可能に支持されている調整スクリュー384と、調整スクリュー384のスクリュー部384bと噛合しており一対のガイドシャフト362が貫通していると共に一対の昇降バネ365の下端が当接している昇降バネ下保持部材385と、を備えている。
突出力調整駆動モータ381は、昇降機構ベース361のベース本体361aの下面との間に隙間が形成されるように、ベース本体361aの下面に取付けられている。突出力調整駆動モータ381は、ベース本体361aとの間の隙間に回転軸が突出している。
調整スクリュー384は、上下が、操作部ベース315における本体部315aの底壁から、昇降機構ベース361のベース本体361aまでに亘る長さに形成されている。調整スクリュー384のスクリュー部384bは、ギア部384aよりも大きい直径の円柱状に形成されている。
昇降バネ下保持部材385は、前後に延びている本体部385aと、本体部385aの中央で上下に貫通しておりスクリュー部384bと螺合している螺合孔385bと、本体部385aの前後両端に設けられており昇降バネ365の下端を収容可能な下方へ凹んだバネ保持凹部385cと、本体部385aの前端から上方へ延出している平板状の検知片385dと、を有している。昇降バネ下保持部材385は、一対のバネ保持凹部385cの中央において、ガイドシャフト362が夫々貫通している。検知片385dは、演出操作部昇降機構360の突出力検知センサ375により検知される。
突出力調整機構380は、突出力調整駆動モータ381によりピニオンギア382を回転させると、伝達ギア383及びギア部384aを介して調整スクリュー384を中央シャフト366の周りに回転させることができる。そして、突出力調整機構380は、突出力調整駆動モータ381により調整スクリュー384を回転させることで、スクリュー部384bと噛合している螺合孔385bにより昇降バネ下保持部材385を上下方向へ移動させることができる。
突出力調整機構380は、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させると、バネ保持凹部385cに保持されている昇降バネ365の下端が上方へ移動することとなり、昇降バネ365の圧縮量が大きくなる。一方、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させると、バネ保持凹部385cに保持されている昇降バネ365の下端が下方へ移動することとなり、昇降バネ365の圧縮量が小さくなる(図56を参照)。つまり、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させると、昇降バネ365による演出操作部ユニット350を上方へ付勢する付勢力を大きくすることができ、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させると、昇降バネ365による演出操作部ユニット350を上方へ付勢する付勢力を小さくすることができる。これにより、突出力調整機構380によって、演出操作部ユニット350の上方への突出力を調整することができる。
昇降バネ下保持部材385の検知片385dは、昇降バネ下保持部材385を最も上昇させた時に、突出力検知センサ375により検知される。つまり、昇降バネ365の圧縮量が最も大きくなる状態の時に、検知片385dが突出力検知センサ375により検知される。これにより、突出力調整駆動モータ381により昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させている時に、突出力検知センサ375が検知片385dを検知すると、突出力調整駆動モータ381による昇降バネ下保持部材385の上方への移動を停止させるようにすることで、昇降バネ365のこれ以上の圧縮を防止することができ、突出力調整機構380の破損を防止することができる。
また、突出力調整機構380は、上述したように、演出操作部ユニット350の突出力を適宜調整することができるため、演出操作部ユニット350が下降位置の状態で、接触検知体352によりボタン本体351への被検知対象(例えば、遊技者の手指等)の接触又は接近を検知して、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を突出させて被検知対象に当接させるようにした時に、昇降バネ下保持部材385の上下方向の位置を適宜選択してボタン本体351の突出力を異ならせるようにしても良い。これにより、ボタン本体351が上方へ突出した時に、遊技者の手指等にかかる強さを異ならせることができるため、ボタン本体351が強く当接すると、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。従って、突出力調整機構380によれば、遊技状態に応じて(例えば、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される特別図柄の抽選結果に応じて)、ボタン本体351の突出力を強くしたり弱くしたりすることにより、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させることができる。
ところで、バネの付勢力を変化させる方法として、バネに捩れを加えることにより付勢力を変化させることが考えられる。しかしながら、演出操作部ユニット350を突出させるためには圧縮されたバネ(圧縮コイルバネ)を用いる必要があり、圧縮コイルバネに捩れを加えて付勢力を変化させるようにすると、本来の使用とは異なる無理な応力が圧縮コイルバネに作用することとなり、内部組織が早期に劣化して破損してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態の突出力調整機構380では、昇降バネ下保持部材385の上下方向への移動により昇降バネ365の圧縮量を変化させることで、演出操作部ユニット350の突出力(付勢力)を調整するようにしているため、昇降バネ365に無理な応力が作用することはなく、昇降バネ365が早期に劣化してしまうことを低減させることができ、演出操作部ユニット350を長期に亘って安定的に突出させることができる。
[3-5e-7.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図57及び図58等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作部外周装飾基板、ボタン外装飾基板、及びボタン内装飾基板の位置関係を示す説明図である。図58(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は演出操作部ユニットが上昇位置の時の皿ユニットの正面図である。演出操作ユニット300は、全体が球状に形成されており、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者の手等の接触や接近による操作が可能な接触操作部302と、押圧操作が可能な押圧操作部303とで構成されている。接触操作部302は、押圧操作部303(ボタン本体351)の上部に設けられている。
演出操作ユニット300は、上方へ突出可能な押圧操作部303(演出操作部ユニット350)の突出方向が、鉛直方向に対して上方が前方へ位置するように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられている。つまり、演出操作部301の中央が、球状の演出操作ユニット300の頂点よりも前方に位置している。これにより、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者から、演出操作部301が見え易くなっている。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が下降位置の状態となっており、演出操作部ユニット350のボタン本体351の湾曲している上面が、演出操作部カバーユニット310の球面状の表面と一致している。また、通常の状態では、押圧操作部303を下方へ押圧しても、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が下方へ移動することはない。従って、通常の状態では、遊技者に対して演出操作ユニット300が単なる球状の装飾体のように見え、操作可能なものであることを認識させ難くしている。
演出操作ユニット300は、図57に示すように、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)の外周を囲んでいるユニット上カバー312の下方に演出操作部外周装飾基板320が配置されていると共に、押圧操作部303の外縁付近の内側に円環状のボタン外装飾基板355と、更にその内側にボタン中装飾基板364とが配置されている。演出操作ユニット300は、ボタン中装飾基板364を中心にして、ボタン外装飾基板355、演出操作部外周装飾基板320の順に、外方へ配置されている。なお、ボタン中装飾基板364とボタン外装飾基板355の内側のLED355aは、接触検知体352の下方に配置されているが、接触検知体352がパンチングメタルにより形成されていることで透光性を有しているため、それらからの光を上方(遊技者側)へ良好に透過させることができる。
演出操作ユニット300は、演出操作部外周装飾基板320のLED320aにより、環状のユニット上カバー312を発光装飾させることができる。また、ボタン外装飾基板355のLED355aにより、ボタン本体351の上面の周縁付近と外周面とを発光装飾させることができる。更に、ボタン中装飾基板364のLED364aにより、ボタン本体351の上面の中央部分を発光装飾させることができる。
演出操作部外周装飾基板320の複数のLED320a、ボタン外装飾基板355の複数のLED355a、及びボタン中装飾基板364の複数のLED364aは、夫々において円周上に列設されているため、周方向へ順次発光させることで、押圧操作部303の中央を中心にして光が回転するような発光演出を遊技者に見せることができる。また、複数のLED320a、LED355a、及びLED364aは、同心円状に配置されているため、押圧操作部303の中央から外側へ光が広がるような発光演出や、外側から押圧操作部303の中央へ光が収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図58(a)に示すように、押圧操作部303(演出操作部ユニット350)が、その上面をユニット上カバー312の表面と一致させた下降位置の状態となっている。この状態では、押圧操作部303の押圧操作が不能な状態となっている。一方、接触操作部302では、実行される遊技者参加型演出に応じて、接触操作を可能にすることができる。
押圧操作部303(演出操作部ユニット350)を突出させていない通常の状態での演出(遊技者参加型演出)としては、例えば、演出操作ユニット300の上面に触れるように促す演出画像を演出表示装置1600に表示したり、音声や効果音等を出力したりする。そして、接触検知体352によりボタン本体351への接触(又は接近)を検知したら、次の演出段階へ移行させる。なお、接触を検知した時に、ボタン外装飾基板355のLED355aやボタン中装飾基板364のLED364aの発光によりボタン本体351を発光装飾させることで、遊技者に対して接触操作が受付けられたことを認識させることができ、接触操作部302に対する操作感を付与させるようにしても良い。この際に、ボタン本体351の発光色や、発光輝度、発光パターン等により、遊技(例えば、「大当り」遊技のような遊技者が有利となる有利遊技状態の発生)に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
或いは、接触検知体352によりボタン本体351への接触(又は接近)を検知した時に、振動モータ356の駆動によりボタン本体351を振動させるようにしても良い。これにより、接触操作部302に対する操作感を付与することができ、遊技者に対して接触操作が受付けられたことを強く認識させることができる。なお、この際に、振動モータ356により強い振動を与えたり、弱い振動を与えたり、所定のリズムを有した振動を与えたりすることにより、遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、通常の状態での演出(遊技者参加型演出)としては、演出操作ユニット300の上面に触れるように促す演出画像を演出表示装置1600に表示したり、音声や効果音等を出力したりした後に、接触検知体352によりボタン本体351の上面に対して遊技者(の手や指)の接触を検知したら、演出操作部昇降機構360によりボタン本体351(演出操作部ユニット350)を、昇降バネ365の付勢力により上方へ突出(ポップアップ)させる。詳述すると、通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、ボタンベース354の案内ピン354cがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、ボタンベース354と共に演出操作部ユニット350(ボタン本体351、押圧操作部303)が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図55(b)を参照)。この上昇位置の状態では、ボタン本体351の上面がユニット上カバー312の上面よりも大きく上方に位置しており、ボタン本体351が上方へ突出している。そして、上記のようにボタン本体351が上方へ突出することにより、ボタン本体351に触れた手指が、ボタン本体351と共に上方へ押上げられるため、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
その後、ボタン本体351(押圧操作部303)を押圧操作させる演出へ移行し、遊技者に対して押圧操作部303の押圧操作を楽しませる。詳述すると、ボタン本体351(押圧操作部303)が上昇位置の状態で、ボタン本体351を昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ押圧すると、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下方へ移動し、ボタン本体351の上面がユニット上カバー312の上面と同一面上となると共に、ボタンベース354の検知片354dが押圧検知センサ373により検知される。これにより、ボタン本体351(押圧操作部303)の押圧操作が検知されることとなり、押圧操作を契機として演出を変化させて、遊技者参加型演出により遊技者を楽しませることができる。
なお、上記の演出の際に、突出力調整機構380により、ボタン本体351を突出させる突出力(勢い)を強くしたり弱くしたりすることで、突出力の強弱によって遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。また、ボタン本体351のポップアップ時や押圧操作時に、振動モータ356によりボタン本体351を振動させるようにしても良い。
演出操作部ユニット350を突出させる演出において、接触検知体352により、遊技者の手指等が、上方へ突出するボタン本体351の移動範囲内(突出範囲内)に接近したことを検知した時に、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。これにより、遊技者の手指等に、ボタン本体351が当接して衝撃が与えられるため、遊技者をビックリさせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。この場合でも、突出力調整機構380により、ボタン本体351が突出する突出力を強くしたり弱くしたりして、突出力の強弱により遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
また、演出操作部ユニット350を突出させる演出において、接触検知体352により、遊技者の手指等が、上方へ突出するボタン本体351の突出範囲外で、突出したボタン本体351から所定距離の範囲内に接近したことを検知した時に、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。これにより、遊技者の手指等に、ボタン本体351の突出により発生する風圧を当てることができるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。この場合でも、突出力調整機構380により、ボタン本体351が突出する突出力を強くしたり弱くしたりして、遊技者の手指等に当る風圧の強弱により遊技に対する期待度を遊技者に示唆させるようにしても良い。
更に、演出操作部ユニット350を突出させる演出として、接触検知体352による遊技者の手指等の検知に関わらず、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)を上方へ突出させるようにしても良い。この際に、突出力調整機構380により、強い突出力でボタン本体351を突出させると、ボタン本体351が勢い良く突出して音(突出音)が発生するため、突出音により遊技者を驚かせることができる。また、突出力調整機構380により、弱い突出力でボタン本体351を突出させると、ボタン本体351が静かに突出することから、遊技者に対してボタン本体351の突出に気付かせ難くすることができ、いつの間にかボタン本体351が突出していることで遊技者を驚かせることができる。
演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を突出させた後の演出としては、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を弱くして、ボタン本体351(押圧操作部303)を、一般的な押圧ボタンと同様の押圧操作させるような演出を実行するようにしても良い。或いは、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を強くして、遊技者に対して、強い力でボタン本体351を押圧させるような演出を実行するようにしても良い。
また、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を突出させた後の演出としては、突出しているボタン本体351に対して接触操作させるような演出を実行するようにしても良い。この際に、接触検知体352には、下方へ延出した下方延出片352aを有しているため、ボタン本体351の側面を接触操作させるようにしても良い。また、この際に、突出力調整機構380により昇降バネ365の付勢力を強くしておくことが望ましく、これにより、突出しているボタン本体351を動き難くすることができ、ボタン本体351(接触操作部302)の接触操作を行い易いものとすることができる。
なお、演出操作部ユニット350を突出させる演出として、上記では、演出操作部昇降機構360において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を反時計回りの方向へ回転させることにより、ボタンベース354の案内ピン354cを、第一カム371b(係止部371c)から第二カム371dへ移動させて、ボタンベース354(ボタン本体351)を下降位置から上昇位置へ一気に突出させる例を示したが、これに限定するものではない。
例えば、ボタンベース354の案内ピン354cが昇降カム部材371の係止部371cに係止されてボタン本体351(演出操作部ユニット350)が下降位置に移動している通常の状態において、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降カム部材371を平面視において時計回りの方向へ回転させることにより、案内ピン354cを第一カム371bから第三カム371eへ移動させ、第三カム371eの途中で昇降カム部材371の回転を停止させて、ボタン本体351を下降位置と上昇位置との間の位置で上方への突出を停止させるようにしても良い。この際に、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて、昇降バネ365の付勢力を弱くしておく。
このように、昇降カム部材371の第三カム371eによりボタン本体351を途中まで突出させるようにした場合でも、ボタン本体351を押圧操作することができ、ボタン本体351を押圧操作部303として機能させて、遊技者参加型演出を遊技者に楽しませることができる。この場合、昇降カム部材371の回転位置に応じて、ボタン本体351の上方へ突出量を異ならせることができるため、ボタン本体351の突出量に応じて、遊技に対する期待度を示唆させることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、突出させた演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を押圧操作させる演出として、演出操作部ユニット350を突出させた後に、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させて昇降バネ365の圧縮を最小の状態にする。これにより、昇降バネ365の付勢力が最弱の状態となっているため、軽い(弱い)力で演出操作部ユニット350を押圧操作することができ、押圧操作の操作性を高めて押圧操作を楽しませることができる。また、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を押圧操作させる演出として、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて、昇降バネ下保持部材385を上下方向の適宜の位置にして昇降バネ365の付勢力を最強から最弱までの何れかの強さとするようにしても良い。これにより、遊技者に演出操作部ユニット350を強く押させたり弱く押させたりすることができるため、演出操作部ユニット350の操作力の違いにより遊技者を楽しませることができると共に、より多彩な演出を提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
また、演出操作ユニット300を用いた演出として、接触操作部302(ボタン本体351)への遊技者の手指等の接触に対して複数の接触段階(接近段階)で検知できるように、接触検知体352の静電容量に応じた複数段階の閾値を設け、各段階に応じて演出を変化させるようにしても良い。つまり、遊技者の手指等がボタン本体351(接触検知体352)へ接近するに従って、接触検知体352の静電容量が大きくなることに着目し、その静電容量の大小に対して複数の閾値を設けることで多段階に検知して、演出に活用するようにしても良い。具体的には、例えば、遊技者の手指等がボタン本体351から所定距離以上離れている段階、遊技者の手指等がボタン本体351から所定距離以内でボタン本体351に接触していない段階、遊技者の手指等がボタン本体351に接触している段階、等に分けて、夫々の段階に応じて演出を変化させることで、一つの接触検知センサ本体358でも多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット300の通常の状態として、図55(a)に示すように、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を下降位置にすると共に、昇降バネ下保持部材385を上方へ移動させた状態を示したが、これに限定するものではなく、図56(a)に示すように、演出操作部ユニット350を下降位置にすると共に、昇降バネ下保持部材385を下方へ移動させた状態としても良い。これにより、通常の状態において、昇降バネ365が強く圧縮されていないため、昇降バネ365が早期に劣化(疲労)することを抑制させることができる。また、強く圧縮された昇降バネ365の付勢力により、ボタンベース354や昇降バネ下保持部材385が早期に劣化(疲労)することを抑制させることができる。
このように、本実施形態の演出操作ユニット300によれば、様々なパターンの遊技者参加型演出に用いることができるため、多彩な演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、演出操作ユニット300は、球形状の演出操作部カバーユニット310の上部に、円環状(二つの円弧を合わせた)の演出操作部外周装飾基板320が設けられていると共に、演出操作部外周装飾基板320よりも内側において昇降する演出操作部ユニット350に接触検知センサ本体358が設けられている。また、演出操作部ユニット350のボタンスリーブ353の内部には、位置が固定されているボタン中装飾基板364が設けられている。この接触検知センサ本体358には、静電容量を検知するためのセンサ電極が設けられているため、演出操作部ユニット350を下降位置から上昇位置へ移動させると、接触検知センサ本体358(センサ電極)が演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364に接近することとなり、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364の接近によりセンサ電極の静電容量が変化して接触検知センサ本体358が誤検知してしまう恐れがある。
そこで、演出操作部外周装飾基板320と接触検知センサ本体358との間、及び、ボタン中装飾基板364と接触検知センサ本体358との間に、グランド(GND)に接続された導電性を有するシールド(例えば、パンチングメタル、金属板、エキスパンドメタル、金網、金属線、金属箔、等)を設けるようにしても良い。これにより、演出操作部ユニット350を上下に移動させることで、接触検知センサ本体358と、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364との距離が変化しても、接触検知センサ本体358と、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364との間に、接触検知センサ本体358からの距離が変化しないグランド(GND)に接続されたシールドにより、演出操作部外周装飾基板320やボタン中装飾基板364の接近による静電容量の変化の影響を低減させることができ、接触検知センサ本体358における誤検知を防止することができる。
[3-5f.皿ユニットの別の実施形態]
続いて、上記とは異なる実施形態の皿ユニット200について、主に図59乃至図61等を参照して説明する。図59は、演出操作ユニットの演出操作部ユニットにおいて接触検知体を複数設けた例を示す演出操作部ユニットの平面図である。図60(a)は一つの接触検知センサ本体に複数の接触検知体を接続した例を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)において接触検知センサ本体と複数の接触検知体との間に切換部を設けた例を模式的に示す説明図であり、(c)は皿ユニットの皿左装飾ユニット、皿右装飾ユニット、及び演出操作ユニット等を前後方向へ進退可能とし演出操作ユニット等の前側と後側に接触検知体を設けた例を示す説明図である。図61(a)は装飾性を有した接触検知体の一例を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの別の実施形態を模式的に示す説明図である。なお、図59乃至図61では、上記と同様の構成部分については、同一の符号を付している。
図59に示す実施形態は、演出操作部ユニット350のボタン本体351の下側において、接触検知体352を、接触検知体左390Lと接触検知体右390Rとの左右に分割したものとしていると共に、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rの夫々に対して、接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rを接続するようにしたものである。この実施形態によれば、ボタン本体351の上面において、例えば、遊技者が手指等を左側から右側へ移動させるようにした場合、まず、遊技者の手指等がボタン本体351の左側に位置すると、接触検知体左390Lの静電容量が変化して接触検知センサ本体左391Lが検知となると共に接触検知体右390Rの静電容量は変化することはなく接触検知センサ本体右391Rは非検知のままとなる。そして、遊技者の手指等がボタン本体351の中央に移動すると、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rの両方の静電容量が変化することで接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rの両方が検知となる。更に、遊技者の手指等がボタン本体351の右側に移動すると、接触検知体左390Lの静電容量が元に戻り接触検知センサ本体左391Lが非検知となると共に接触検知体右390Rの静電容量が変化しており接触検知センサ本体右391Rが検知したままとなる。
このように、接触検知体左390L及び接触検知体右390Rによる接触検知センサ本体左391L及び接触検知センサ本体右391Rの検知・非検知の組合せとその変化のバターンにより、遊技者の手指等の動きを検知することができる。これにより、より多彩な動きの接触操作を検知することができ、接触操作部302に対して多彩な接触操作を行わせることが可能な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができると共に、接触操作部302を操作する遊技者参加型演出をより楽しませることができる。なお、接触検知体を増設すれば、更に複雑な動作を検知できるようになる。
図60(a)に示す実施形態は、一つの接触検知センサ本体392に対して、複数の接触検知体393を接続した例である。この実施形態によれば、複数の接触検知体393を、互いに異なる複数の箇所に夫々設けた状態で、一つの接触検知センサ本体392により、何れかの接触検知体393において人体等の接触を検知することができる。
例えば、複数の接触検知体393を、ボタン本体351の内側(下側)に分散配置することで、遊技者の手指等がボタン本体351の表面の何れの部位に接触しても、何れかの接触検知体393により接触を検知することができ、接触操作部302への接触に対する検知精度を高めることができる。
また、複数の接触検知体393を、パチンコ機1における遊技者に触れられたくない部位(例えば、遊技者が怪我をする恐れのある部位、他の遊技者に対して迷惑をかけてしまう恐れのある部位、不正行為が行われる恐れのある部位、等)に設けるようにして、何れかの接触検知体393において人体等を検知した時に、注意や警告等を報知するようにしても良い。
また、図60(b)に示す実施形態は、一つの接触検知センサ本体392と複数の接触検知体393との間に、何れかの接触検知体393のみを接触検知センサ本体392と接続させる切換部394を設けた例である。この実施形態によれば、切換部394により複数のうちの何れかの接触検知体352に接続を切換えることで、所望の部位(接触検知体352)のみにおける人体等の接触を検知することができる。なお、切換部394としては、「リレーやトランジスタによるスイッチング回路により切換えるもの」、「その他の電子回路により切換えるもの」、「可動部材(例えば、図60(c)に示すような可動する皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300)の移動に伴って切換わるもの」、等が挙げられる。
例えば、演出操作部301(接触操作部302)において、複数の接触検知体393を分散配置し、各接触検知体393により検知される部位を順番に触れさせるような遊技者参加型演出を実行した時に、接触検知センサ本体392と接続される接触検知体393を切換部394により触れる順番で切換えて、当該接触検知体393により遊技者の手指等が接触したか否かを検知するようにしても良い。これにより、複数の接触検知体393によるゲーム性の高い遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、図60(c)に示すように、皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300を、前方へ進退できるようにした場合、演出操作ユニット300の前面側に第一接触検知体393aを設けると共に、皿左装飾ユニット270、皿右装飾ユニット275、及び演出操作ユニット300の後側に第二接触検知体393bを設け、演出操作ユニット300等を前方へ突出させる時には、切換部394により第一接触検知体393aと接触検知センサ本体392とを接続し、演出操作ユニット300等を後退させる時には、切換部394により第二接触検知体393bと接触検知センサ本体392とを接続するように切換えるようにしても良い。
これにより、演出操作ユニット300等を前方へ突出(移動)させる時に、第一接触検知体393aにより遊技者の接触又は接近を検知して、演出操作ユニット300等の前方への移動を停止させるようにする。これにより、演出操作ユニット300等が本パチンコ機1の前方に着座している遊技者を無用に圧迫してしまうことを防止することができ、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避させることができる。
一方、演出操作ユニット300等を前方へ突出させると、演出操作ユニット300等の後側には隙間が形成される場合があり、その隙間に遊技者の手指等が挿入されている状態で、演出操作ユニット300等を初めの位置へ後退させると、遊技者の手指等が挟まれて怪我をしてしまう恐れがある。そこで、この実施形態では、前方へ移動させた演出操作ユニット300等を後方へ移動させる際に、切換部394により第二接触検知体393bが接触検知センサ本体392に接続されるように切換える。そして、第二接触検知体393bにより遊技者の手指等を検知した場合には、演出操作ユニット300等の後方への移動を停止させ、演出操作ユニット300等の後側から手指等を離させる旨の案内を遊技者に報知し、第二接触検知体393bが非検知の状態でのみ演出操作ユニット300等を後方へ移動させて最初の状態に復帰させる。これにより、演出操作ユニット300等の後側の隙間により、遊技者が怪我をしてしまうことを防止することができ、パチンコ機1の安全性を高めることができる。
また、図61(a)に示す実施形態は、遊技者の手指等の接触を検知する接触検知体395の外形を星形として、装飾性(意匠性)を有するようにしたものである。なお、装飾性を有した接触検知体395の形状は、星形に限定するものではなく、円形状、多角形状、幾何学模様の形状、所定のキャラクタを模した形状、所定のアイテムを模した形状、所定のロゴを模した形状、額縁状の形状、等としても良い。これにより、透明なボタン本体351を通して見える接触検知体395が装飾性(意匠性)を有しているため、接触検知体395自身によりボタン本体351ひいてはパチンコ機1の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、上記の実施形態では、接触検知体352をパンチングメタルにより形成したものを示したが、これに限定するものではなく、接触検知体を、金属板、エキスパンドメタル、金網、金属線、メッキ、金属蒸着、箔押し、等により形成するようにしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、接触検知体は、遊技者の手指等が直接触れないように、透明な表面部材の裏面側に設けることが望ましく、接触検知体の摩耗を回避させることができると共に、表面部材により触感を滑らかなものとすることができる。
更に、上記の実施形態では、接触検知体352の下方にボタン中装飾基板364(LED364a)を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、図61(b)に示すように、透明な表面部材396の下側に接触検知体397を設けると共に、その下方に装飾体398を設けるようにしても良い。これにより、表面部材396及び接触検知体397を通して装飾体398が見えることで、表面部材396が設けられている演出操作ユニットの装飾性を高めることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
なお、図61(b)の実施形態において、接触検知体397を金属蒸着により形成し、通常の状態では、接触検知体397の金属光沢により下方に設けられている装飾体398が視認できないようにし、表面部材396への接触の検知等により接触検知体397の下方に設けたLEDにより装飾体398を照明することで、表面部材396及び接触検知体397を通して装飾体398が視認できるようにしても良い。
また、接触検知体352を、遊技者から認識不能に形成するようにしても良い。ここで、認識不能な接触検知体としては、「透明な部材により形成したもの」、「ボタン本体等の表面部材の装飾と一体的に見えるように形成したもの」、等が挙げられる。これにより、当該接触検知体352が設けられている演出操作部301では、接触検知体352を認識できないことから、遊技者に対して手指等の接触を検知したり接触操作したりするものではないと錯覚させることができるため、例えば、所定の遊技者参加型演出が実行されて、遊技者の手指等がボタン本体351に接触又は接近した時に、演出操作部昇降機構360によりボタン本体351を上方へ突出させることで、遊技者が初めて接触検知体352(接触操作部302)の存在に気付くこととなり、遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3-6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット420について、主に図62乃至図65等を参照して詳細に説明する。図62(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図63は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図64は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図65は、図62(a)においてウ-ウ線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット420は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット420は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース421と、扉枠左サイドベース421の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED422aが実装されている扉枠左サイド上装飾基板422と、扉枠左サイドベース421の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED423aが実装されている扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠左サイド上装飾基板422の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド上リフレクタ424と、扉枠左サイド下装飾基板423の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている左サイド下リフレクタ425と、左サイド上リフレクタ424及び左サイド下リフレクタ425の前側を覆うように扉枠左サイドベース421に取付けられている扉枠左サイド装飾体426と、を備えている。
また、扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422aからの光を前方へ導光する左サイド上導光部材427と、扉枠左サイド下装飾基板423における上下方向の中央よりも上側の第一LED423aからの光を前方へ導光する左サイド中導光部材428と、扉枠左サイド下装飾基板423における上下方向の中央よりも下側の第一LED423aからの光を前方へ導光する左サイド下導光部材429と、を備えている。
扉枠左サイドベース421は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイドベース421は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠左サイドベース421は、上記のハンドルカバー295と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠左サイドベース421の表面に表れている円形や放射状の模様は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠左サイドベース421を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
扉枠左サイド上装飾基板422は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠左サイド上装飾基板422の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED422aが実装されていると共に、第一LED422a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED422bが実装されている。また、扉枠左サイド上装飾基板422には、第一LED422a及び第二LED422bを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ422cが実装されている。
この扉枠左サイド上装飾基板422では、第一LED422aが4個、第二LED422bが8個、の合計12個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED422bが設けられている第一LED422aは、それら第二LED422b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED422bは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠左サイド上装飾基板422では、図72に示すように、4個の第一LED422aが、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED422bは、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。LEDドライバ422cは、最大で24系統まで制御することができ、2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとを、夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計15系統で制御するようにしている。
この扉枠左サイド上装飾基板422には、図示は省略するが、第一LED422a、第二LED422b、及びLEDドライバ422cを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ422cを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠左サイド上装飾基板422のLEDドライバ422cでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
扉枠左サイド下装飾基板423は、上下に延びた帯板状に形成されており、右辺側が凸凹に形成されている。扉枠左サイド下装飾基板423の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED423aが実装されていると共に、第一LED423a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED423bが実装されている。また、扉枠左サイド下装飾基板423には、第一LED423a及び第二LED423bを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ423cが実装されている。
この扉枠左サイド下装飾基板423では、第一LED423aが6個、第二LED423bが12個、の合計18個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED423bが設けられている第一LED423aは、それら第二LED423b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED423bは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠左サイド下装飾基板423では、図72に示すように、6個の第一LED423aが、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED423bは、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。LEDドライバ423cは、最大で24系統まで制御することができ、3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとを、夫々フルカラーで発光できるように、1組に対して3系統の合計21系統で制御するようにしている。
この扉枠左サイド下装飾基板423には、図示は省略するが、第一LED423a、第二LED423b、及びLEDドライバ423cを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ423cを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠左サイド下装飾基板423のLEDドライバ423cでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
左サイド上リフレクタ424は、扉枠左サイド上装飾基板422に実装されている第二LED422bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔424aが形成されていると共に、第一LED422aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒424bが形成されている。左サイド上リフレクタ424は、貫通孔424a周りの後端が、扉枠左サイド上装飾基板422の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔424aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED422bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
左サイド上リフレクタ424の保持筒424bは、後述する左サイド上導光部材427の円柱状の導光軸部427aが挿入されることで、導光軸部427aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒424bは、貫通孔424a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒424bを貫通して前方へ突出した左サイド上導光部材427の導光軸部427aにおいて、その上下両側の貫通孔424aより臨んだ扉枠左サイド上装飾基板422の第二LED422bからの光が、導光軸部427aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426の裏側に導光軸部427aの影が写ることを回避させることができる。
また、左サイド上リフレクタ424では、貫通孔424a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠左サイドベース421に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠左サイド装飾体426の裏側に写らないようになっている。
左サイド下リフレクタ425は、扉枠左サイド下装飾基板423に実装されている第二LED423bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔425aが形成されていると共に、第一LED423aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒425bが形成されている。左サイド下リフレクタ425は、貫通孔425a周りの後端が、扉枠左サイド下装飾基板423の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔425aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED423bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
左サイド下リフレクタ425の保持筒425bは、後述する左サイド中導光部材428の円柱状の導光軸部428aや左サイド下導光部材429の円柱状の導光軸部429aが挿入されることで、それら導光軸部428aや導光軸部429aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒425bは、貫通孔425a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒425bを貫通して前方へ突出した左サイド中導光部材428の導光軸部428aや左サイド下導光部材429の導光軸部429aにおいて、その上下両側の貫通孔425aより臨んだ扉枠左サイド下装飾基板423の第二LED423bからの光が、導光軸部428aや導光軸部429aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426の裏側に導光軸部428aや導光軸部429aの影が写ることを回避させることができる。
また、左サイド下リフレクタ425では、貫通孔425a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠左サイドベース421に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠左サイド装飾体426の裏側に写らないようになっている。
扉枠左サイド装飾体426は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体426は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体426は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。この扉枠左サイド装飾体426は、左右方向の幅の中心に沿って上下方向へ一定の間隔で前後に貫通している複数の開口部426aを有している。複数の開口部426aは、左サイド上リフレクタ424の保持筒424b、及び左サイド下リフレクタ425の保持筒425bと対応した位置に設けられている。これら開口部426aには、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、及び左サイド下導光部材429の導光軸部429a、の夫々の先端が、後方から挿入される。この扉枠左サイド装飾体426は、扉枠左サイドベース421よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。また、扉枠左サイド装飾体426は、複数の開口部426aを避けるように、円弧状に窪んだ一定の形状で、左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部426bを、更に有している。
左サイド上導光部材427は、円柱状に前後に延びた四つの導光軸部427aと、四つの導光軸部427aの下端同士を連結しているランナー部427bと、を有しており、透明な素材により形成されている。四つの導光軸部427aは、左サイド上リフレクタ424の四つの保持筒424bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部427aは、保持筒424bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部427aは、左サイド上リフレクタ424の保持筒424bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド上導光部材427は、導光軸部427aにより、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
左サイド中導光部材428は、円柱状に前後に延びた三つの導光軸部428aと、三つの導光軸部428aの下端同士を連結しているランナー部428bと、を有しており、透明な素材により形成されている。三つの導光軸部428aは、左サイド下リフレクタ425の上側三つの保持筒425bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部428aは、保持筒425bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部428aは、左サイド下リフレクタ425の保持筒425bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド中導光部材428は、導光軸部428aにより、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
左サイド下導光部材429は、円柱状に前後に延びた三つの導光軸部429aと、三つの導光軸部429aの下端同士を連結しているランナー部429bと、を有しており、透明な素材により形成されている。三つの導光軸部429aは、左サイド下リフレクタ425の下側の三つの保持筒425bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部429aは、保持筒425bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部429aは、左サイド下リフレクタ425の保持筒425bを後側から貫通して、扉枠左サイド装飾体426の対応している開口部426aに挿入され、先端面が扉枠左サイド装飾体426の表面と一致した状態となる。この左サイド下導光部材429は、導光軸部429aにより、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aを明るく発光させることができる。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420は、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420は、上下方向の中央より上側の部位が、下側の部位よりも前方へやや突出していると共に下端付近が右側に緩く湾曲している。この扉枠左サイドユニット420は、上端が扉窓101aよりも上方で扉枠上ヒンジ組立体120の下側に位置し、下端が扉窓101aよりも下方で皿ベースユニット210の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bの上側に位置している。また、扉枠左サイドユニット420は、上部が扉枠トップユニット450の左外側に位置している。扉枠左サイドユニット420は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
本実施形態の扉枠左サイドユニット420によれば、扉枠左サイド装飾体426の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423を設けているため、それらに実装されている第二LED422b及び第二LED423bからの光が十分に広がった状態で、扉枠左サイド装飾体426の裏側に照射されることとなるため、扉枠左サイド装飾体426を均一に発光装飾させることができる。
また、扉枠左サイド装飾体426の前面から後方へ離れた位置に設けられている扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a及び扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aからの光を、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、及び左サイド下導光部材429の導光軸部429aにより前方へ誘導(導光)して、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aの部位を、その他の部位よりも点状に明るく発光させることができる。
また、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a及び扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423aと、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a及び左サイド下導光部材429の導光軸部429aとを、隣接している二つの第二LED422b及び第二LED423b同士の間の中央に設けている。これにより、導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aに対して、両側の第二LED422bや第二LED423bから均等な光量で光が照射されることとなるため、扉枠左サイド装飾体426に後方から導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影が投影されても、当該影が見え辛くなり、扉枠左サイド装飾体426をムラなく面状に発光装飾させることができる。
更に、扉枠左サイド装飾体426に、複数の開口部426a同士を繋ぐように左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部426bを有するようにしている。これにより、仮に、第二LED422bや第二LED423bからの光により導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影が、扉枠左サイド装飾体426に投影されたとしても、当該影が投影される部位に、装飾部426bを有しているため、導光軸部427a、導光軸部428a及び導光軸部429aの影を判り辛くすることができ、扉枠左サイド装飾体426の発光装飾における見栄えを良くすることができる。
[3-7.扉枠右サイドユニット]
次に、扉枠3における扉枠右サイドユニット430について、主に図66乃至図70等を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(d)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図69は、図66(a)においてエ-エ線で切断した断面図である。図70は、図66(a)においてオ-オ線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット430は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられる扉枠右サイドベース431と、扉枠右サイドベース431の前面の上部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED432aが実装されている扉枠右サイド上装飾基板432と、扉枠右サイドベース431の前面の下部に取付けられており前面に一定の間隔をあけて上下に設設された複数の第一LED433aが実装されている扉枠右サイド下装飾基板433と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている右サイドリフレクタ434と、右サイドリフレクタ434の前側を覆うように扉枠右サイドベース431に取付けられている扉枠右サイド装飾体435と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED423aからの光を前方へ導光する右サイド上導光部材436と、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を前方へ導光する右サイド下導光部材437と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイドベース431の左側面を覆うように覆い取付けられ、所定形状で左右に貫通している複数の装飾孔438aを有している扉枠右サイド左側面装飾体438と、扉枠右サイド左側面装飾体438と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aを閉鎖するように嵌合される装飾部439aを有した透光性を有する右サイド左レンズ439と、扉枠右サイドベース431の右側面を覆うように覆い取付けられ、所定形状で左右に貫通している複数の装飾孔440aを有している扉枠右サイド右側面装飾体440と、扉枠右サイド右側面装飾体440と扉枠右サイドベース431との間に設けられており、扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aを閉鎖するように嵌合される装飾部441aを有した透光性を有する右サイド右レンズ441と、を備えている。
扉枠右サイドベース431は、左右が略一定の幅で上下に延びている。また、扉枠右サイドベース431は、後端側が、全高に亘って垂直に延びており、前端側が、上端から下方へ略真っ直ぐに上下方向の中央付近まで延びたところで、後側へ湾曲して斜め後方へ延びた後に、下部付近で垂直方向へ湾曲して下端まで垂直に延びている。
扉枠右サイドベース431は、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438a及び扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440a(右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441a)が設けられている高さの部位に、左右の側面側から窪んでおり前方へ前端まで延びている複数のリフレクタ部431aを有している。これらリフレクタ部431aは、装飾部439a及び装飾部441aの内側となる後端側が側面側へ向かって傾斜していると共に、底面が湾曲している。
また、扉枠右サイドベース431は、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440において前後方向の中央よりも後側に設けられている装飾孔438a及び装飾孔440a(右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441a)と対応しているリフレクタ部431aが、装飾部439a及び装飾部441aの内側となる部位を除いた前側の部位が、左右方向へ貫通している(左右の側面から凹んで互いに繋がっている)。
これら、扉枠右サイドベース431のリフレクタ部431aは、後述する扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cから後方へ照射された光を左右方向へ反射して、右サイド左レンズ439の装飾部439a及び右サイド右レンズ441の装飾部441aを発光装飾させるものである(図70等を参照)。
扉枠右サイド上装飾基板432は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド上装飾基板432の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED432aが実装されていると共に、第一LED432a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED432bが実装されている。また、扉枠右サイド上装飾基板432の後面には、上下方向へ間隔をあけて複数の第三LED432cが実装されている。更に、扉枠右サイド上装飾基板432には、第一LED432a、第二LED432b、及び第三LED432cを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ432dが実装されている。
この扉枠右サイド上装飾基板432では、第一LED432aが4個、第二LED432bが8個、第三LED432cが4個、の合計16個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED432bが設けられている第一LED432aは、それら第二LED432b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED432b及び第三LED432cは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠右サイド上装飾基板432では、図72に示すように、4個の第一LED432aが、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED432bは、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。更に、4個の第三LED432cは、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。
この扉枠右サイド上装飾基板432は、第一LED432aが2組、第二LED432bが3組、第三LED432cが2組、に夫々分けられていることから、各第一LED432a、第二LED432b、及び第三LED432cを夫々フルカラーで発光させるため、1組に対して3系統の合計21系統である。これに対して、扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dは、最大で24系統まで制御することができることから、上記の21系統に加えて、後述する扉枠右サイド下装飾基板433における2組に分けられている第三LED433cの上側の1組分3系統の合計24系統を制御するようにしている。
この扉枠右サイド上装飾基板432には、図示は省略するが、第一LED432a、第二LED432b、第三LED432c、扉枠右サイド下装飾基板433の上の2個の第三LED433c、及びLEDドライバ432dを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ432dを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、2組に分けられた4個の第一LED432aと、3組に分けられた8個の第二LED432bと、2組に分けられた4個の第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433において2組分けられたうちの上側の組の2個の第三LED433cとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
扉枠右サイド下装飾基板433は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド下装飾基板433の前面には、上下方向へ一定の間隔をあけて複数の第一LED433aが実装されていると共に、第一LED433a同士の間に上下に並んで二つずつ第二LED433bが実装されている。また、扉枠右サイド下装飾基板433の後面には、上下に間隔をあけて複数の第三LED433cが実装されている。更に、扉枠右サイド下装飾基板433には、第一LED433a、第二LED433b、及び第三LED433cを発光させるための固有のアドレスを有した24ビットのLEDドライバ433dが実装されている。
この扉枠右サイド下装飾基板433では、第一LED433aが6個、第二LED433bが12個、第三LED433cが4個、の合計22個のフルカラーLEDが実装されている。また、上下両側に第二LED433bが設けられている第一LED433aは、それら第二LED433b同士の中央(間の中心)に設けられている。また、少なくとも第二LED433b及び第三LED433cは、前面に対して垂直方向の光軸を中心として130度の角度の範囲で光を照射可能な広角のトップビュータイプのLEDである。
扉枠右サイド下装飾基板433では、図72に示すように、6個の第一LED433aが、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED433bは、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。更に、4個の第三LED433cは、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。
この扉枠右サイド下装飾基板433は、第一LED433aが3組、第二LED433bが4組、第三LED433cが2組、に夫々分けられていることから、各第一LED433a、第二LED433b、及び第三LED433cを夫々フルカラーで発光させるため、1組に対して3系統の合計27系統である。これに対して、扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dは、最大で24系統までしか制御できないため、扉枠右サイド下装飾基板433では、2組に分けられている第三LED433cのうち上側の1組分3系統を、扉枠右サイド上装飾基板432のLEDドライバ432dに制御させ、残りの24系統(前側の第一LED433a及び第二LED433bの全部と、後側の第三LED433cの下側の2個)を、扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dが制御するようにしている。これにより、LEDドライバの数の増加を抑制することができる。
この扉枠右サイド下装飾基板433には、図示は省略するが、第一LED433a、第二LED433b、下の2個の第三LED433c、及びLEDドライバ433dを駆動するための電力を供給する2本の電力線(1本はアース線)と、周辺制御基板1510からのコマンド及びアドレス等の信号を受信するための1本の制御信号線と、LEDドライバ433dを周辺制御基板1510と同期させるための1本のクロック線と、の4本の電線からなる配線ケーブルが接続されている。そして、この扉枠右サイド下装飾基板433のLEDドライバ433dでは、周辺制御基板1510(演出制御基板)から制御信号線を介して当該アドレス宛のコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、3組に分けられた6個の第一LED433aと、4組に分けられた12個の第二LED433bと、2組に分けられたうちの下側の組の2個の第三LED433cとを、各組毎に適宜の色と強さで発光させることができる。
右サイドリフレクタ434は、扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432b及び扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433bと対応する位置に前後に貫通している貫通孔434aが形成されていると共に、第一LED432a及び第一LED433aと対応する位置に前後に延びた筒状の保持筒434bが形成されている。右サイドリフレクタ434は、貫通孔434a周りの後端が、扉枠右サイド上装飾基板432や扉枠右サイド下装飾基板433の前面に当接するように形成されていると共に、貫通孔434aの前面側の周りが、前方へ向かって広がる皿状に形成されている。これにより、第二LED432b及び第二LED433bからの光を前方へ広く拡散させることができる。
右サイドリフレクタ434の保持筒434bは、後述する右サイド上導光部材436の円柱状の導光軸部436aや右サイド下導光部材437の円柱状の導光軸部437aが挿入されることで、導光軸部436aや導光軸部437aを前後方向へ真直ぐに保持するものである。この保持筒434bは、貫通孔434a同士の間の中央に設けられている。これにより、保持筒434bを貫通して前方へ突出した導光軸部436aや導光軸部437aにおいて、その上下両側の貫通孔434aより臨んだ扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432bや扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433bからの光が、導光軸部436aや導光軸部437aに対して上下両側から均等な光量で照射されることとなり、扉枠右サイド装飾体435の裏側に導光軸部436aや導光軸部437aの影が写ることを回避させることができる。
また、右サイドリフレクタ434では、貫通孔434a同士の間の中央(中央線上)に、扉枠右サイドベース431に取付けるための取付孔が設けられている。これにより、取付孔に挿通されたビスの頭部の影が、扉枠右サイド装飾体435の裏側に写らないようになっている。
扉枠右サイド装飾体435は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体435は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体435は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。この扉枠右サイド装飾体435は、左右方向の幅の中心に沿って上下方向へ一定の間隔で前後に貫通している複数の開口部435aを有している。複数の開口部435aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bと対応した位置に設けられている。これら開口部435aには、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437a、の夫々の先端が、後方から挿入される。この扉枠右サイド装飾体435は、扉枠右サイド左側面装飾体438や扉枠右サイド右側面装飾体440よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。扉枠右サイド装飾体435は、扉枠左サイド装飾体426と光の透過率が同じである。また、扉枠右サイド装飾体435は、複数の開口部435aを避けるように、円弧状に窪んだ一定の形状で、左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部435bを、更に有している。
右サイド上導光部材436は、円柱状に前後に延びた四つの導光軸部436aと、四つの導光軸部436aの下端同士を連結しているランナー部436bと、を有しており、透明な素材により形成されている。四つの導光軸部436aは、右サイドリフレクタ434の上から四つの保持筒434bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部436aは、保持筒434bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部436aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bを後側から貫通して、扉枠右サイド装飾体435の対応している開口部435aに挿入され、先端面が扉枠右サイド装飾体435の表面と一致した状態となる。この右サイド上導光部材436は、導光軸部436aにより、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aを明るく発光させることができる。
右サイド下導光部材437は、円柱状に前後に延びた六つの導光軸部437aと、六つの導光軸部437aの下端同士を連結しているランナー部437bと、を有しており、透明な素材により形成されている。六つの導光軸部437aは、右サイドリフレクタ434の下から六つの保持筒434bと対応するように上下に一定の間隔で設けられている。また、導光軸部437aは、保持筒434bの内径と略同じ直径で前後に延びている。各導光軸部437aは、右サイドリフレクタ434の保持筒434bを後側から貫通して、扉枠右サイド装飾体435の対応している開口部435aに挿入され、先端面が扉枠右サイド装飾体435の表面と一致した状態となる。この右サイド下導光部材437は、導光軸部437aにより、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を前方へ誘導して、先端から外方へ照射することができ、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aを明るく発光させることができる。
扉枠右サイド左側面装飾体438は、上下に延びた板状に形成されており、所定形状(放射状の模様形状)に左右方向へ貫通した複数の装飾孔438aを有している。扉枠右サイド左側面装飾体438は、前端側が扉枠右サイド装飾体435の後端に沿った形状に形成されている。扉枠右サイド左側面装飾体438は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠右サイド左側面装飾体438は、上記のハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠右サイド左側面装飾体438の表面に表れている円形や放射状の模様の一部は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠右サイド左側面装飾体438を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438の内側(右側)の面に沿った平板状に形成されており、左方へ突出して扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aに内側(右側)から嵌合する装飾部439aを有している。装飾部439aは、装飾孔438aに嵌合させた状態で、表面が扉枠右サイド左側面装飾体438の外側(左側)の面と一致する(図70を参照)。この右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。この右サイド左レンズ439の装飾部439aは、扉枠右サイドベース431におけるリフレクタ部431aの左方に位置しており、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432cや扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cからの光により発光装飾することができる。
また、右サイド左レンズ439は、扉枠右サイド左側面装飾体438における内側層3aと同じ色に形成されている。これにより、組立てた状態では、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aから臨んでいる装飾部439aが、扉枠右サイド左側面装飾体438において2色成形されている放射状の模様の部位と同じように見え、第三LED432cや第三LED433cにより発光装飾される装飾部439aの部位との見分けが付き難くなっている。
扉枠右サイド右側面装飾体440は、上下に延びた板状に形成されており、所定形状(放射状の模様形状)に左右方向へ貫通した複数の装飾孔440aを有している。また、扉枠右サイド右側面装飾体440は、シリンダ錠130のシリンダ本体131における前端に鍵穴132を有した円筒状の部位が挿入されるシリンダ挿通口440bを有している。この扉枠右サイド右側面装飾体440は、上下方向が扉枠3の全高と略同じに形成されている。また、扉枠右サイド右側面装飾体440は、上端からシリンダ挿通口440bまでの前端側が、扉枠右サイド装飾体435の後端に沿った形状に形成されている。
扉枠右サイド右側面装飾体440は、色や透光性(光の透過率)の異なる合成樹脂により2色成形されている。詳述すると、扉枠右サイド右側面装飾体440は、上記のハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421、及び扉枠右サイド左側面装飾体438と同様に、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。つまり、扉枠右サイド右側面装飾体440の表面に表れている円形や放射状の模様の一部は、内側層3aであり、円形や放射状の模様は外側層3bの裏側で繋がっている(図71(a)を参照)。なお、扉枠右サイド右側面装飾体440を成形する際に、内側層3aを先に射出成形しても良いし、外側層3bを先に射出成形しても良い。
右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440のシリンダ挿通口440bよりも上側の内側(右側)の面に沿った平板状に形成されており、右方へ突出して扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aに内側(左側)から嵌合する装飾部441aを有している。装飾部441aは、装飾孔440aに嵌合させた状態で、表面が扉枠右サイド右側面装飾体440の外側(右側)の面と一致する(図70を参照)。この右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440よりも光の透過率の高い合成樹脂により形成されている。この右サイド右レンズ441の装飾部441aは、扉枠右サイドベース431におけるリフレクタ部431aの右方に位置しており、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432cや扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cからの光により発光装飾することができる。
また、右サイド右レンズ441は、扉枠右サイド右側面装飾体440における内側層3aと同じ色に形成されている。これにより、組立てた状態では、扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aから臨んでいる装飾部441aが、扉枠右サイド右側面装飾体440において2色成形されている放射状の模様の部位と同じように見え、第三LED432cや第三LED433cにより発光装飾される装飾部441aの部位との見分けが付き難くなっている。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の部位の色と同じ色に形成されていると共に、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440における円形や放射状の模様の外側の部位の色が、ハンドルカバー295や扉枠左サイドベース421における円形や放射状の模様の外側の部位の色と同じ色に形成されている。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430は、上下方向の中央より上側の部位が、反対側の扉枠左サイドユニット420における同じ高さの部位よりも前方へ大きく突出している。この扉枠右サイドユニット430は、扉枠3の上端から下端までと略同じ高さに形成されている。扉枠右サイドユニット430は、上部が、扉枠トップユニット450の右外側に位置している。
扉枠右サイドユニット430は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体435の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。
扉枠右サイドユニット430は、上から略半部の高さの部位までが前方へ大きく突出しており、衝立を形成している。これにより、遊技ホールの島設備において、右側に隣接して設けられているパチンコ機の前方に着座している遊技者から、扉窓101a(遊技領域5a)内を視認し辛くしている。従って、扉枠右サイドユニット430を衝立状に形成していることから、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット430によれば、扉枠右サイド装飾体435の前面よりも後方へある程度離れた位置に、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433を設けているため、それらに実装されている第二LED432b及び第二LED433bからの光が十分に広がった状態で、扉枠右サイド装飾体435の裏側に照射されることとなるため、扉枠右サイド装飾体435を均一に発光装飾させることができる。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド装飾体435の前面から後方へ離れた位置に設けられている扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光を、右サイド上導光部材436の導光軸部436a及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aにより前方へ誘導(導光)して、扉枠右サイド装飾体435の開口部435aの部位を、その他の部位よりも点状に明るく発光させることができる。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cを発光させることで、扉枠右サイドベース431のリフレクタ部431aを介して、扉枠右サイド左側面装飾体438の装飾孔438aに嵌め込まれている右サイド左レンズ439の装飾部439a、及び扉枠右サイド右側面装飾体440の装飾孔440aに嵌め込まれている右サイド右レンズ441の装飾部441aを、発光装飾させることができる。また、衝立状の扉枠右サイドユニット430の左右の側面の一部(装飾部439a及び装飾部441aの部位)を発光装飾させることができるため、他の遊技者に対して本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態の扉枠右サイドユニット430によれば、扉枠右サイド上装飾基板432の前面側の第一LED432a及び第二LED432bと、扉枠右サイド下装飾基板433の前面側の第一LED433a及び第二LED433bとで、前端側の扉枠右サイド装飾体435を発光装飾させるようにしていると共に、扉枠右サイド上装飾基板432の後面側の第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433の後面側の第三LED433cとで、扉枠右サイド装飾体435よりも後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を発光装飾させるようにしているため、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の存在により、第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bからの光が、後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を照射して発光装飾させたり、第三LED432c及び第三LED433cからの光が、前側の扉枠右サイド装飾体435を照射して発光装飾させたり、することを防止することができる。これにより、扉枠右サイド装飾体435と、その後側の扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440とを、完全に独立させて発光装飾させることができるため、より演出効果の高い発光演出を遊技者に提示することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aと、右サイド上導光部材436の導光軸部436a及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aとを、隣接している二つの第二LED432b及び第二LED433b同士の間の中央に設けている。これにより、導光軸部436a及び導光軸部437aに対して、両側の第二LED432bや第二LED433bから均等な光量で光が照射されることとなるため、扉枠右サイド装飾体435に後方から導光軸部436a及び導光軸部437aの影が投影されても、当該影が見え辛くなり、扉枠右サイド装飾体435をムラなく面状に発光装飾させることができる。
更に、扉枠右サイドユニット430は、扉枠右サイド装飾体435に、複数の開口部435a同士を繋ぐように左右方向の幅の中心に沿って延びている装飾部435bを有するようにしている。これにより、仮に、第二LED432bや第二LED433bからの光により導光軸部436a及び導光軸部437aの影が、扉枠右サイド装飾体435に投影されたとしても、当該影が投影される部位に、装飾部435bを有しているため、導光軸部436a及び導光軸部437aの影を判り辛くすることができ、扉枠右サイド装飾体435の発光装飾における見栄えを良くすることができる。
[3-8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図29及び図30等を参照して説明する。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット420及び扉枠右サイドユニット430の夫々の上部の間に挟まれるように扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板(図示は省略)と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている(図72を参照)。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップベース451の前面に設けられている一対のトップ中央スピーカ(図示は省略)と、一対のトップ中央スピーカの左右両外側に設けられている一対のトップサイドスピーカ(図示は省略)と、トップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカを斜め下前方へ向けて取付けている箱状のスピーカボックスと、トップ中央スピーカ及びトップサイドスピーカの前方を覆うように扉枠トップ装飾体453の下側に取付けられているトップ下カバー465と、扉枠トップベース451の前面の右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板(図示は省略)と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠左サイドユニット420と扉枠右サイドユニット430との間の距離と略同じ長さで左右に延びている。トップ上カバー452は、平面視において、半円弧状に前方へ突出しており、後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、平面視おいて、トップ上カバー452の前端に沿うように、半円弧状に左右に延びている。また、扉枠トップ装飾体453は、上下方向の中央が前方へ突出するように前面が半円弧状に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLED455aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLED455aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLED456aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLED456aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLED457aが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLED457aを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
一対のトップ中央スピーカは、左右に離隔して設けられている。一対のトップ中央スピーカは、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。一対のトップサイドスピーカは、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカやトップサイドスピーカから出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ、及びトップサイドスピーカと、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の上部の内側よりも後方の部位へ前方から沈み込むように接続されている。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ及び一対のトップサイドスピーカによって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3-9.扉枠の装飾]
次に、扉枠3の装飾(外装)について、主に図22乃至図28、及び図71等を参照して詳細に説明する。図71(a)は扉枠において2色成形の外側層を不透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図であり、(b)は(a)において内側層をそのままにして外側層を透明にした状態で示す扉枠右サイドユニットの右側面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左装飾体271、皿右装飾体276、演出操作ユニット300のユニット上カバー312及びボタン本体351、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、ユニット上カバー312、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453の後方又は下方に、皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、演出操作部外周装飾基板320、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、左右方向の中央に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい球形状の演出操作ユニット300が取付けられている。これにより、皿ユニット200において、大きな球形状の演出操作ユニット300が中央に位置しているため、見た目のインパクトを高めることができ、演出操作ユニット300の演出操作部301(接触操作部302や押圧操作部303)を目立たせることができる。
また、通常の状態では、演出操作部301としてのボタン本体351の上面が、ユニット上カバー312の上面と連続するように一致していることで、一つの球体を形成しているため、遊技者に対して演出操作部301(ボタン本体351)が操作可能であるものと認識させ難くすることができると共に、巨大な球体からなる演出操作ユニット300により、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、皿ユニット200において、演出操作ユニット300の演出操作部301の中央(中心)を、球状の演出操作ユニット300の頂点よりも前方に位置させているため、演出操作部301(接触操作部302や押圧操作部303)の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなる。従って、皿ユニット200の中央に設けられている巨大な球体が演出操作部301であると認識した遊技者に対して、演出操作部301の全容を見え易くすることができ、演出操作部301を大きく見せることができる。また、遊技者に対して巨大な球体状の演出操作部301を操作してみたいと強く思わせることができ、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出の実行に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者に対して能動的に演出操作部301を操作させることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、本実施形態の扉枠3の外装は、図2乃至図5等に示すように、その外表面に複数の円形や放射状の模様が施されている。図71では、扉枠3の外装の一部として、扉枠右サイドユニット430を例として示している。
詳述すると、扉枠3の外装として、外表面に施されている複数の円形や放射状の模様は、色や透光性(光の透過率)の異なる2種類の合成樹脂を用いて2色成形により形成されている。扉枠3における模様が施されている外装の部位は、内側層3aと外側層3bとの2種類の樹脂により2色成形されており、内側層3aの一部が外側層3bを貫通して外側面に現れることで、円形や放射状の模様が形成されている。
例えば、扉枠右サイドユニット430を例に説明すると、図71(a)に示すように、内側層3aにハニカム状の模様を施し、外側層3bを不透明にすると、円形の模様の部位に内側層3aのハニカム状の模様が見え、模様以外の部位は不透明な外側層3bが見えることとなり、円形や放射状の模様が強調された外観の外装となる。
これに対して、図71(b)に示すように、外側層3bを透明にすると、外側層3bを通して内側層3aに施されているハニカム状の模様が見えるようになり、相対的に円形や放射状の模様が見え辛くなる。つまり、内側層3aに施されているハニカム状の模様が強調された外観の外装となる。
なお、図71では、外装の一部として2色成形されている扉枠右サイド右側面装飾体440において、装飾孔440aに嵌め込まれている装飾部441aが右サイド右レンズ441の一部として、扉枠右サイド右側面装飾体440とは異なる別部材としているため、外側層3bを透明にしても、装飾孔440a(装飾部441a)の模様は変化しない。
このように、本実施形態によれば、扉枠3の外装を構成している主な部材を、2色成形により形成しているため、内側層3aと外側層3bとに用いられる材料(合成樹脂)の色や光の透過率等を適宜選択して組合せることにより、形状はそのままでも見栄えを大きく異ならせることができる。
従って、例えば、マイナーチェンジ等の時に、外側層3bを透明にして内側層3aの模様を見えるようにすることで、コストをかけることなくパチンコ機1の外装を変更させることができる。
或いは、製造ロット毎に内側層3aと外側層3bの色等を変更し、異なるロットのパチンコ機1を同一の遊技ホールに出荷して島設備に設置させることで、カラフルな感じにして遊技者に対する訴求力を高めさせたりすることができる。
なお、上記の実施形態では、2色成形したものを示したが、これに限定するものではなく、3色成形や4色成形等の多色成型としても良い。具体的には、上記の実施形態では、2色成形の扉枠右サイド右側面装飾体440に、右サイド右レンズ441を組合せて外装を構成したものを示したが、3色成形として、扉枠右サイド右側面装飾体440と右サイド右レンズ441とを一体に形成するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、円形や放射状の模様を形成したものを示したが、これに限定するものではなく、様々な形状の模様を形成するようにしても良い。
このように、本実施形態によれば、扉枠3における遊技領域5aが前方へ臨む扉窓101aの外側に設けられるハンドルカバー295、扉枠左サイドベース421、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440等装飾体を、光透過率の異なる二つの合成樹脂により2色成形(多色成形)すると共に、当該2色成形により水玉模様の装飾を施すようにしていることから、装飾体を所望の形状に形成すると同時に、装飾体に対して所望の装飾が施されることとなるため、従来のパチンコ機の装飾体のように、所望の形状に形成した上で塗装等により所望の装飾を施す必要が無く、装飾にかかる手間を省略してコストの増加を抑制させることができる。
また、装飾体の装飾を2色成形により形成しているため、使用する合成樹脂の色を変更することで、装飾体の見栄え(外観)を簡単に変更することができる。詳述すると、2色成形により水玉模様の装飾を形成する場合、水玉模様の円の内側を構成している内側層3aと、円の外側を構成している外側層3bと、を夫々光透過率の異なる同じ色で形成した場合、内側層3aと外側層3bとが同じ色であることから水玉模様の円が見え辛くなり、水玉模様の装飾が施されていないような外観となる。一方、水玉模様の円の内側を構成している内側層3aを白色に、円の外側を構成している外側層3bを桃色にした場合、内側層3aと外側層3bとの色の違いにより水玉模様の円が明確に見えるようになり、桃色の地に白の水玉模様の装飾が施されている外観となる。このように、装飾体を形成する際に、使用する合成樹脂の光透過率(色を含む)を適宜選択することで、装飾体の外観を容易に変更することができ、外観の変更にかかるコストを抑制させることができる。
また、上述したように、装飾体を形成する際に、使用する合成樹脂の光透過率(色を含む)を適宜選択することで、装飾体の外観を容易に変更することができることから、製造ロット毎に使用する合成樹脂の組合せを変更し、異なるロットの本パチンコ機1を同一の遊技ホールに出荷して島設備において一列に設置させるようにした場合、当該島設備をカラフルな感じにすることができるため、遊技ホール内を回遊している遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を誘引可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、扉枠3における遊技領域5aが前方へ臨む扉窓101aよりも外側の部位に、光透過率の異なる複数の合成樹脂により2色成形された装飾を有するハンドルカバー295、扉枠左サイドベース421、扉枠右サイド左側面装飾体438、及び扉枠右サイド右側面装飾体440等の装飾体を設けているため、当該装飾体により扉窓101aの外側を装飾して見栄えを良くすることができる。
また、2色成形されている装飾体の外側層3bを、残りの内側層3aよりも光透過率の低い合成樹脂で形成しているため、外側層3bを通して内側層3aを見え難くすることができ、相対的に内側層3aにより構成される装飾(水玉模様)の境界が明確に見えるようになり、装飾をハッキリ見えるようにすることができる。
また、外側層3bの光透過率を残りの内側層3aよりも低くしていることから、外側層3bを通して内側層3aを見え難くすることができるため、初期モデルでは、外側層3bを光透過率の低いものとして内側層3aが外側から透けて見えないようにし、モデルチェンジの際に、外側層3bに光透過率の高い合成樹脂を使用して、内側層3aが透けて見えるようにすることで、装飾体の装飾の見方を大きく変化させることができ、装飾体の形状を変更することなく外観(装飾)を容易に変更することができる。
また、上述したように、光透過率の低い外側層3bにより、内側層3aを見え難くすることができることから、内側層3aの表面に模様(形状による模様、塗装や印刷やシールの貼り付け等による模様)を施し、初期モデルでは、光透過率の低い不透明な外側層3bにより、外側層3bを通して内側層3aの模様が透けて見えないようにし、モデルチェンジの際に、外側層3bに透明な合成樹脂を使用することで、内側層3aの模様が透けて見えるようにすることができるため、装飾体の形状を変更することなく、装飾体の外観(装飾)を大きく変更することができ、モデルチェンジにかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の内側に、光を照射可能な扉枠右サイド上装飾基板432の第三LED432c及び扉枠右サイド下装飾基板433の第三LED433cを備えていると共に、内側層3aを他よりも光透過率の高い合成樹脂で形成しているため、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の内側に設けられている第三LED432c及び第三LED433cを発光させると、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の表面に形成されている装飾のうち内側層3aの部位(水玉の部位)を明るく発光装飾させることができ、遊技領域5aが臨む扉窓101aの外側を発光装飾させることで、見栄えを良くすることができると共に、遊技者に扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440の発光装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、外側層3bの光透過率によっては、内側層3aを通して外側層3bに照射された第三LED432c及び第三LED433cからの光によって、外側層3bも発光装飾させることができるため、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440全体を発光装飾させることができ、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440を綺麗に見せて遊技者の関心を強く引付けることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、扉枠右サイド左側面装飾体438及び扉枠右サイド右側面装飾体440等の装飾体の装飾が、光透過率の異なる複数の合成樹脂の2色成形(多色成形)により形成されているため、表面までの層の数や、使用している合成樹脂の光透過率の違い等によって、第三LED432c及び第三LED433c等のLED(発光手段)を発光させていない時に見える装飾と、LEDを発光させている時に見える装飾とを、異ならせることができ、装飾が変化することで、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。詳述すると、例えば、多色成形として2色成形を例に説明すると、内側層3aにおいて、外側層3bにより覆われる部位に所定の形状の孔を形成するようにした場合、LEDを発光させていない状態では、内側層3aにおける表面に露出している部位のみが見える。一方、LEDを発光させると、内側層3aにおける孔が形成されている部位では、内側層3aを通さずにLEDからの光が外側層3bに直接照射されるため、外側層3bの表面に内側層3aの孔の形状が見えるようになり、内側層3aにおける表面に露出している部位と孔の部位とが見えることとなり、LEDを発光させていない時とは異なる装飾が見えることとなる。或いは、例えば、内側層3aを黄色に、外側層3bを青色とした場合、LEDを黄色に発光させると、表面の装飾における内側層3aの部位のみが発光装飾される。一方、LEDを緑色(又は白色)に発光させると、表面における内側層3aの部位と外側層3bの部位の両方が発光装飾されるため、LEDにおいて発光させる光の色によって、装飾体における発光装飾される部位を異ならせることができ、発光装飾される装飾を変化させることができる。このように、LEDの発光により、装飾体の装飾を異ならせることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技状態に応じてLEDを発光させるようにすることで、装飾体の装飾の変化により、遊技者に対して、チャンスの到来や打込操作の変更(例えば、「右打ち」)等を示唆させるようにすることができ、多彩な演出が可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、扉窓101a(遊技領域5a)の左右両外側に設けられている扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイド装飾体435の夫々の前後方向の突出量を異ならせていることから、本パチンコ機1を左前方から見た時と右前方から見た時の印象(見え方)を異ならせることができるため、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内において、回遊している遊技者が一旦は本パチンコ機1の前方を通り過ぎても反対側から本パチンコ機1に接近した際に、先の回遊の時とは見え方が異なることで本パチンコ機1への関心を引付けさせることができ、遊技するパチンコ機1を選択するために遊技ホール内を回遊している遊技者を本パチンコ機1へ誘引することが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
[3-10.扉枠におけるLEDの配置と系統]
次に、扉枠3に設けられている各LEDの配置と制御の系統について、主に図72及び図73等を参照して詳細に説明する。図72は扉枠の各装飾基板を示す正面図であり、図73は扉枠の演出操作ユニットの部位の装飾基板を示す平面図である。扉枠3は、図72に示すように、正面視において右下隅に、遊技者が回転操作することで遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むハンドル195が設けられている。このハンドル195は、中央ハブ部195aと、中央ハブ部195aが外方へ延出している三つのスポーク部195bと、各スポーク部195bの先端同士を繋いでいる円環状の外周リング部195cと、を有しており、自動車のハンドル(ステアリング)と類似した外観を呈している。
ハンドル195は、中央ハブ部195aの前側がハンドル前レンズ185により覆われており、ハンドル前レンズ185と中央ハブ部195aとの間に、前面に複数のLED184aが実装されているハンドル装飾基板184が設けられている。また、ハンドル195の外周リング部195cの後方に、前面に複数のLED293aが実装されているハンドルカバー装飾基板293が設けられている。
ハンドル装飾基板184は、中心に1個と、中間の円周上に周方向へ一定の間隔をあけた3個と、外周に沿って周方向へ一定の間隔をあけた6個、の合計10個のLED184a(フルカラーLED)が、三重の同心円状に実装されている。これらのLED184aは、中心の1個と、図72において破線で結ばれている中間の3個と、及び夫々が破線で結ばれている、外周の左上の2個と、外周の右上の2個と、外周の下側の2個と、の5組に分けられている。これら5組に分けられたLED184aは、LEDドライバ184bにより15系統で制御されており、各組のLED184aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
一方、ハンドルカバー装飾基板293には、12個のLED293aが周方向へ間隔をあけて一列に設けられている。これら12個のLED293aは、図72において破線で結んでいるように、中心から左下の2個と、左側の2個と、左上の2個と、右上の2個と、右側の2個と、右下の2個と、の6組に分けられている。これら6組に分けられたLED293aは、LEDドライバ293bにより18系統で制御されており、各組のLED293aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
このように、ハンドル195には、ハンドル装飾基板184とハンドルカバー装飾基板293とが設けられているため、ハンドル195を中心にして光が回転するような発光演出や、ハンドル195の中心へ向かって光が集中するような発光演出や、ハンドル195の外側へ向かって光が広がるような発光演出を、遊技者に見せることができる。また、ハンドルカバー装飾基板293のLED293aにより、ハンドルカバー295の外側や内側を発光装飾させることができる。
また、扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左装飾体271、皿右装飾体276、演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271、皿右装飾体276、扉枠左サイド装飾体426、扉枠右サイド装飾体435、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの略全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
この扉枠3では、図72に示すように、扉窓101aの外周を囲っている皿左装飾体271の後方の皿左装飾基板273、皿右装飾体276の後方の皿右装飾基板278、扉枠左サイド装飾体426の後方の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド装飾体435の後方の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ装飾体453の後方の扉枠トップ中央装飾基板455及び扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457が、前方へ向けて設けられている。
詳述すると、皿左装飾基板273には、左右方向へ一列に並んで前面に実装されている4個のLED273aと、LED273aと後述する皿右装飾基板278のLED273aとを発光させるためのLEDドライバ(図示は省略)と、を備えている。これら4個のLED273aは、図72において破線で結んでいるように、左の2個と、右の2個と、の2組に分けられている。これら2組に分けられたLED273aは、LEDドライバにより6系統で制御されており、各組のLED273aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
皿右装飾基板278には、左右方向へ一列に並んで前面に実装されている4個のLED278aを備えている。これら4個のLED278aは、図72において破線で結んでいるように、左の2個と、右の2個と、の2組に分けられている。これら2組に分けられたLED278aは、皿左装飾基板273のLEDドライバにより6系統で制御されており、各組のLED278aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠左サイド上装飾基板422には、上下方向へ一定の間隔をあけて実装されている4個の第一LED422aと、第一LED422a同士の間に上下に並んで二つずつ実装されている8個の第二LED422bと、合計12個の第一LED422a及び第二LED422bを発光させるためLEDドライバ422cと、を備えている。第一LED422a及び第二LED422bは、前面に実装されている。扉枠左サイド上装飾基板422の4個の第一LED422aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED422bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。2組に分けられた4個の第一LED422aと、3組に分けられた8個の第二LED422bとは、LEDドライバ422cにより15系統で制御されており、各組の第一LED422aや第二LED422bが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠左サイド下装飾基板423には、上下方向へ一定の間隔をあけて実装されている6個の第一LED423aと、第一LED423a同士の間に上下に並んで二つずつ実装されている12個の第二LED423bと、合計18個の第一LED423a及び第二LED423bを発光させるためのLEDドライバ423cと、を備えている。第一LED423a及び第二LED423bは、前面に実装されている。6個の第一LED423aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED423bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。3組に分けられた6個の第一LED423aと、4組に分けられた12個の第二LED423bとは、LEDドライバ423cにより21系統で制御されており、各組の第一LED423aや第二LED423bが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠右サイド上装飾基板432には、上下方向へ一定の間隔をあけて前面に実装されている4個の第一LED432aと、第一LED432a同士の間に上下に並んで二つずつ前面に実装されている8個の第二LED432bと、上下方向へ間隔をあけて後面に実装されている4個の第三LED432cと、を備えている。また、扉枠右サイド上装飾基板432は、合計16個の第一LED432a、第二LED432b、第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433の2個の第三LED433cとを、発光させるためのLEDドライバ432dを備えている。4個の第一LED432aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。また、8個の第二LED432bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と、上より3個目から5個目までの3個と、上より6個目から8個目までの3個と、の3組に分けられている。更に、4個の第三LED432cは図72において一点鎖線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。2組に分けられた第一LED432aと、3組に分けられた第二LED432bと、2組に分けられた第三LED432cと、扉枠右サイド下装飾基板433における2組に分けられた第三LED433cのうちの上側の1組の第三LED433cとは、LEDドライバ432dにより24系統で制御されており、各組の第一LED432a、第二LED432b、第三LED432c、第三LED433cが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠右サイド下装飾基板433には、上下方向へ一定の間隔をあけて前面に実装されている6個の第一LED433aと、第一LED433a同士の間に上下に並んで二つずつ前面に実装されている12個の第二LED433bと、上下方向へ間隔をあけて後面に実装されている4個の第三LED433cと、第一LED433a、第二LED433b、下側の2個の第三LED433cを発光させるためのLEDドライバ433dと、を備えている。6個の第一LED433aは、図72において二点鎖線で結んでいるように、上から2個ずつ順番に一組として3組に分けられている。また、12個の第二LED433bは、図72において一点鎖線で結んでいるように、上より1個目から3個目までの3個と、上より4個目から6個目までの3個と、上より7個目から9個目までの3個と、上より10個目から12個目まで3個と、の4組に分けられている。更に、後側の4個の第三LED433cは、図72において破線で結んでいるように、上の2個と残りの2個の2組に分けられている。3組に分けられた6個の第一LED433aと、4組に分けられた12個の第二LED433bと、2組に分けられたうちの下側の1組の2個の第三LED433cとは、LEDドライバ433dにより24系統で制御されており、各組の第一LED433a、第二LED433b、第三LED433cが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
本実施形態では、扉窓101aの左側に設けられている扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉窓101aの右側に設けられている扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とが、扉窓101aの左右方向中央を境にして、左右非対称の形状に形成されている。また、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とは、前後方向の形状も互いに異なっている。
なお、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とは、夫々の前面に実装されている第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bと、第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bとの数が、互いに同じであると共に、配置及び系統(図72において一点鎖線や二点鎖線で結んだ系統)が左右対称に設けられている。これにより、発光演出を行うためのLEDの点灯パターンのデータの作成を容易なものとすることができる。
扉枠トップ中央装飾基板455には、左右方向へ間隔をあけて前面に実装されている6個のLED455aと、LED455aと扉枠トップ左装飾基板456のLED456a及び扉枠トップ右装飾基板457のLED457aとを発光させるためのLEDドライバ(図示は省略)と、を備えている。6個のLED455aは、図72において破線で結んでいるように、左から2個ずつの3組に分けられている。3組に分けられた6個のLED455aは、LEDドライバにより9系統で制御されており、各組のLED455aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠トップ左装飾基板456には、左右方向へあけて前面に実装されている4個のLED456aを、備えている。4個のLED456aは、図72において破線で結んでいるように、左側の2個と右側の2個との2組に分けられている。2組に分けられた4個のLED456aは、扉枠トップ中央装飾基板455のLEDドライバにより、6系統で制御されており、各組のLED456aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
扉枠トップ右装飾基板457には、左右方向へあけて前面に実装されている4個のLED457aを、備えている。4個のLED457aは、図72において破線で結んでいるように、左側の2個と右側の2個との2組に分けられている。2組に分けられた4個のLED457aは、扉枠トップ中央装飾基板455のLEDドライバにより、6系統で制御されており、各組のLED457aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
本実施形態の扉枠3によれば、扉枠左サイド上装飾基板422の第一LED422a、扉枠左サイド下装飾基板423の第一LED423a、扉枠右サイド上装飾基板432の第一LED432a、及び扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED433aからの光が、左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、左サイド下導光部材429の導光軸部429a、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aにより、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aや扉枠右サイド装飾体435の開口部435aまで誘導されて、外方(前方)へ照射される。これにより、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面において、点状に明るく発光する発光演出を遊技者に見せることができ、これまでのパチンコ機にはない点状にきらりとスポット発光する発光演出により、遊技者を「ハッ」とさせることができる。
また、扉枠3では、扉窓101aの外周を囲んでいる皿左装飾基板273のLED273a、皿右装飾基板278のLED278a、扉枠左サイド上装飾基板422の第二LED422b、扉枠左サイド下装飾基板423の第二LED423b、扉枠右サイド上装飾基板432の第二LED432b、扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED433b、扉枠トップ中央装飾基板455のLED455a、扉枠トップ左装飾基板456のLED456a、及び扉枠トップ右装飾基板457のLED457aを、適宜発光させることにより、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
つまり、扉枠3では、図72において二点鎖線で結ばれているLEDの系統により、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面において、スポット発光する発光演出を実行することができ、図72において一点鎖線で結ばれているLEDの系統により、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435が面状に発光(面発光)する発光演出を実行することができる。
また、扉枠3によれば、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、及び第一LED433aからの光を、導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、及び導光軸部437aにより、扉枠左サイド装飾体426の開口部426aや扉枠右サイド装飾体435の開口部435aに挿入されている前端まで導光して、そこから前方へ照射しているため、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の一般面と比較して、開口部426a及び開口部435aの部位を高輝度で明るくスポット発光させることができる。この際に、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435が、遊技領域5aが臨む扉窓101aよりも外側に配置されているため、扉枠左サイド装飾体426の開口部426a及び扉枠右サイド装飾体435の開口部435aの部位を高輝度でスポット発光させても、その眩しさにより扉窓101aから臨む遊技領域5a内が見え辛くなることはなく、扉窓101aを通して遊技領域5a内の遊技球Bや演出画像や装飾体等を良好な状態で視認させることができる。
また、扉枠3によれば、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435を、扉窓101a(遊技領域5a)よりも前方へ突出させていると共に、高輝度でスポット発光する開口部426a及び開口部435aを、前方へ突出した扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の前端となる尾根の部位(平面視において前方へ円弧状に突出している前端を結んだ上下方向の線上)に設けているため、スポット発光の光が後方側(扉窓101a側)へ照射されることはない。従って、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435におけるスポット発光の光が、扉窓101aに設けられているガラス板162により遊技者側へ反射して、扉窓101aの後方の遊技領域5a内が見え辛くなることはないと共に、高輝度でスポット発光させることで他の遊技者の関心を本パチンコ機1へ向けさせることができる。
更に、扉枠3によれば、スポット発光する部位を、扉枠3における扉窓101aよりも外側で前方へ突出している扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435に設けているため、スポット発光する部位がパチンコ機1の外周付近と略同じ位置となる。そのため、本パチンコ機1の前方に遊技者が着座していても、スポット発光する部位が遊技者よりも外側に位置するため、当該遊技者がスポット発光の光を遮ることはない。これにより、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435においてスポット発光させると、本パチンコ機1の前方に着座していない他の遊技者からも高輝度のスポット発光の光が見えることとなるため、他の遊技者に対して本パチンコ機1の存在をアピールすることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技するパチンコ機を選択するために遊技ホール内を回遊している遊技者を本パチンコ機1へ誘引することが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
なお、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面をスポット発光させるためのスポット用LED(第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433a)を挟んだ両側の面用LED(第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433b)は、同一の系統に属するようにすることが望ましい。これにより、スポット用LEDの光を誘導する導光ピン(導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、及び導光軸部437a)を挟んだ両側の面用LEDが同一の点灯態様となるため、導光ピンの両側から同じタイミングで同じ光量の光が照射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435において導光ピンの影をより一層見え難くすることができる。
更に、扉枠3は、図73に示すように、演出操作ユニット300の演出操作部301における接触操作部302の下方に設けられており、上面に31個のLED320aが実装されている円環状の演出操作部外周装飾基板320を備えている。この演出操作部外周装飾基板320は、31個のLED320aを発光させるための2個のLEDドライバを、備えている。演出操作部外周装飾基板320は、前装飾基板321と後装飾基板322の二つに分割されている。
演出操作部外周装飾基板320における前装飾基板321には、31個のLED320aのうち18個のLED320aが実装されている。前装飾基板321の18個のLED320aは、6個が内周に近い円周上で間隔をあけて設けられており、3個が内周と外周との中間の円周上で間隔をあけて設けられており、残りの9個が外周に近い円周上で間隔をあけて設けられている。
演出操作部外周装飾基板320における後装飾基板322には、残りの13個のLED320aが実装されている。後装飾基板322の13個のLED320aは、4個が内周に近い円周上で円弧の両端付近で間隔をあけて2個ずつ設けられており、3個が内周と外周との中間の円周上で間隔をあけて設けられており、残りの6個が外周に近い円周上で円弧の両端付近で間隔をあけて3個ずつ設けられている。
前装飾基板321の18個のLED320aは、図73において一点鎖線で繋いでいるように、内側の円周上の6個が周方向へ2個ずつの3組、中間の円周上の3個が夫々1個ずつの3組、外側の円周上の9個が周方向へ3個ずつの3組、の合計9組に分けられている。また、後装飾基板322の18個のLED320aは、図73において一点鎖線で繋いでいるように、内側の円周上の4個が両端付近の2個ずつの2組、中間の円周上の3個が夫々1個ずつの3組、外側の円周上の9個が両端付近の3個ずつの2組、の合計7組に分けられている。つまり、演出操作部外周装飾基板320では、31個のLED320aが、16組に分けられている。これら16組に分けられたLED320aは、2個のLEDドライバにより48系統で制御されており、各組のLED320aが、適宜色のフルカラーで発光することができる。
この演出操作部外周装飾基板320によれば、31個、48系統のLED320aを適宜発光させることで、演出操作部301において光が回転するような発光演出や、光が中心へ集中するような発光演出や、光が外側へ広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。
更に、扉枠3によると、遊技領域5aが臨む扉窓101aの左右方向の一方と他方の夫々の外側に、互いに前後方向の突出量が異なるように扉窓101aに沿って上下に延びている扉枠左サイドユニット420の扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイドユニット430の扉枠右サイド装飾体435とが設けられており、扉枠左サイド装飾体426と扉枠右サイド装飾体435の夫々の後方に複数の第一LED422aと第二LED422bとが実装されている扉枠左サイド上装飾基板422と複数の第一LED423aと第二LED423bが実装されている扉枠左サイド下装飾基板423、及び複数の第一LED432aと第二LED432bが実装されている扉枠右サイド上装飾基板432と複数の第一LED433aと第二LED433bが実装されている扉枠右サイド下装飾基板433とが設けられていると共に、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aからの光を扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435の前面付近まで誘導して前方へ照射する左サイド上導光部材427の導光軸部427a、左サイド中導光部材428の導光軸部428a、左サイド下導光部材429の導光軸部429a、右サイド上導光部材436の導光軸部436a、及び右サイド下導光部材437の導光軸部437aを設けているため、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bを発光させることで扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435を面状に発光装飾(面発光)させることができ、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aを発光させると、前方へ照射された光が柱状の導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aにより扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の前面付近まで誘導された後に、それらの前端(前端面)から前方へ放射されることとなり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435における導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの先端と対応している部位を点状に発光装飾(スポット発光)させることができる。
従って、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433の第一LED422aと第二LED422b、第一LED423aと第二LED423b、第一LED432aと第二LED432b、及び第一LED433aと第二LED433b、を適宜発光させることで、遊技領域5a(扉窓101a)よりも外側に設けられている扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の全体を面状に発光装飾させたり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の一部を点状に発光装飾させたり、扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435の全体を面状に発光装飾させつつ一部を点状に発光装飾させたり、することができるため、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすると共に楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423の複数の第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bが分けられている系統と、扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433の複数の第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bが分けられている系統と、を互いに左右対称としていると共に、夫々において複数の第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aと、複数の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bと、を互いに異なる系統としているため、扉枠左サイド装飾体426側の第一LED422a、第二LED422b、第一LED423a、第二LED423bと、扉枠右サイド装飾体435側の第一LED432a、第二LED432b、第一LED433a、第二LED433bとの点灯パターンのデータを作成する際に、例えば、扉枠左サイド装飾体426側用のデータを、扉枠右サイド装飾体435側用のデータに流用したり、扉枠左サイド装飾体426側と扉枠右サイド装飾体435側とで同じような流れのデータとしたり、することが可能となることから、点灯パターンのデータの作成にかかる手間を容易なものとすることができ、(同じ作成時間では)より複雑な点灯パターンのデータを構築し易くなり、点灯パターンの多彩な発光演出を遊技者に見せることができると共に、演出効果の高い多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、扉窓101aの左右両外側の扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435における発光演出に対して十分な演出効果を発揮させ得るパチンコ機1を提供することができる。
また、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aを間にして設けられている二つの第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bを、同じ系統としていることから、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433a(導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437a)を挟むように設けられている二つの第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bが必ず同時に点灯することとなるため、導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの両側から光が照射されることで、夫々の第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bからの光による導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの影が打ち消されるように薄くなり、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435に投影される導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの影を見え辛くすることができ、扉枠左サイド装飾体426や扉枠右サイド装飾体435をムラなく面状に発光装飾させることができる。
また、第二LED422b、第二LED423b、第二LED432b、第二LED433bにより面状に発光装飾する扉枠左サイド装飾体426及び扉枠右サイド装飾体435が、第一LED422a、第一LED423a、第一LED432a、第一LED433aにより導光軸部427a、導光軸部428a、導光軸部429a、導光軸部436a、導光軸部437aの前端に対応する部位を点状に発光装飾させることができるため、面状に発光しつつ部分的に点状に発光するような、これまでのパチンコ機では見ることができなかった発光演出を遊技者に見せることができ、点状に明るく発光する発光演出等により遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、これまでのパチンコ機にはない点状にきらりとスポット発光する発光演出により、遊技者を「ハッ」とさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、左右方向の一方側(左側)の扉枠左サイド上装飾基板422及び扉枠左サイド下装飾基板423と、他方側(右側)の扉枠右サイド上装飾基板432及び扉枠右サイド下装飾基板433とを、互いに左右非対称の形状としていることから、一見して扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、及び扉枠右サイド下装飾基板433を見分けることができるため、パチンコ機1の組立作業において組み付ける扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、及び扉枠右サイド下装飾基板433を間違えてしまうことを回避させることができ、組立ての作業性を向上させてコストの増加を抑制させることができる。
[3-11.装飾基板の識別]
続いて、扉枠3を例にして本パチンコ機1におけるLEDが実装されている各種の装飾基板の識別について、主に図74等を参照して詳細に説明する。図74は、扉枠の扉窓の周囲に設けられている各装飾基板を示す背面図である。ここでは、扉枠3における扉窓101aの周囲に設けられている皿左装飾基板273、皿右装飾基板278、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457、を例にして詳細に説明する。
本実施形態のパチンコ機1では、LEDが実装されている装飾基板に、白色の基板を用いており、当該装飾基板に取付けられる白色以外のLEDドライバや接続コネクタ等は、基板の後面側に取付けるようにしている。これにより、装飾基板の前面に実装されているLEDからの光を、前方側へ反射させて前方の装飾体等をより明るく発光装飾させることができるようにしていると共に、前方(遊技者側)から装飾基板を目立ち難いものとしている。
なお、白色の装飾基板は、白色のソルダレジスト(保護材)がコーティングされているものであっても良いし、基板の板材そのものが白色のものであっても良い。
パチンコ機1では、多くの装飾基板を有していることから、夫々の装飾基板を容易に識別できるように、各装飾基板の後面に互いに異なる識別部7が施されている(図74を参照)。この識別部7は、漢字や仮名、アルファベット、記号、数字、型番、等の文字による文字識別部7aと、互いに異なった色(図74において、濃淡の異なる網掛けで示す)による色識別部7bと、を有している。
詳述すると、文字識別部7aとして、皿左装飾基板273では「下左」の文字が、皿右装飾基板278では「下右」の文字が、扉枠左サイド上装飾基板422では「左上」の文字が、扉枠左サイド下装飾基板423では「左下」の文字が、扉枠右サイド上装飾基板432では「右上」の文字が、扉枠右サイド下装飾基板433では「右下」の文字が、扉枠トップ中央装飾基板455では「上中」の文字が、扉枠トップ左装飾基板456では「上左」の文字が、扉枠トップ右装飾基板457では「上右」の文字が、夫々施されている。
また、色識別部7bは、装飾基板毎に異なる色としており、後面の略前面に亘って施されている。なお、本実施形態では、図74に示すように、色識別部7bが、後面の全面ではなく、装飾基板に実装されるLED等のハンダ付けの妨げとならないように部分的に施されている。
識別部7は、印刷(シルク印刷)、シールの貼り付け、塗料の塗布、等によって装飾基板に施されている。
なお、上記では、扉枠3における扉窓101aの周りに設けられている装飾基板を例に説明したが、ハンドルユニット180、演出操作ユニット300、及び遊技盤5、等に設けられている各種の装飾基板に対しても、文字識別部7aや色識別部7b等の識別部7を設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、識別部7として、文字識別部7aと色識別部7bとの両方を施したものを示したが、これに限定するものではなく、文字識別部7aのみとしても良いし、色識別部7bのみとしても良い。
本実施形態によれば、LEDが実装されている装飾基板に識別部7(文字識別部7aや色識別部7b)を設けているため、似たような形状の装飾基板を容易に区別することができ、組立作業の際に間違った装飾基板を組み付けてしまうことを防止することができると共に、組立ての作業性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、識別部7を装飾基板の後面に設けているため、装飾基板の前面側を可能な限り白色とすることができ、装飾基板の前面に実装されているLEDからの光を、装飾基板の前面で前方側へ反射させて前方の装飾体等をより明るく発光装飾させることができると共に、装飾基板を前方(遊技者側)から目立ち難くすることができ、見栄えを良くすることができる。
更に、本実施形態によれば、識別部7としての色識別部7bを、装飾基板の略全体に亘って施すようにしているため、装飾基板の一部を見ただけで所望(所望の色)の装飾基板であるか否かを認識することができる。従って、組立て等の際に、複数種類の装飾基板が重なっているような状態でも、装飾基板の一部が見えていれば、所望の装飾基板を容易に見つけることができ、組立作業にかかる手間を簡略化することができる。
また、本実施形態によれば、装飾基板毎に色識別部7bの色を異ならせているため、組立て時において、一つのパチンコ機1に必要な装飾基板を用意する際に、同じ色の色識別部7bが施された装飾基板がある場合には、同じ装飾基板が重複して用意されていることを簡単に認識することができる。或いは、用意した装飾基板の色識別部7bにおいて色が足りない場合には、用意されていない装飾基板があることを簡単に認識することができる。従って、パチンコ機1の組立てに必要な装飾基板を用意する際に、余分に装飾基板を用意してしまったり、用意した装飾基板が足りなかったり、していることを簡単に認識することができるため、確実に必要な分だけ装飾基板を用意することができ、組立て時における段取りのし易いパチンコ機1とすることができる。従って、パチンコ機1の組立作業をスムーズに行うことができ、組立てにかかる時間を短縮してコストの増加を抑制させることができる。
また、本実施形態によれば、装飾基板の後面に、他の基板と区別するための識別部7としての文字識別部7aが施されているため、作業者が文字識別部7aの文字を読むことで、当該装飾基板がどの部位のものであるのかを容易に知ることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
更に、本実施形態によれば、各装飾基板の前面及び後面を白色としていると共に、後面に識別部7を設けているため、装飾基板の前方に設けられている、装飾体の透明度が高くても、前方(遊技者側)から装飾基板を目立ち難いものとすることができ、装飾体の見栄えを良くすることができると共に、装飾基板の白色の前面によりLEDからの光を前方へ反射させることが可能となり、装飾体をより明るく発光装飾させることができ、演出効果の高い発光演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態によれば、LEDドライバ等の機能部品を、装飾基板の後面に設けており、前方(遊技者側)から機能部品を見えないようにしているため、装飾体を通して機能部品が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体(遊技機)の見栄えを良くすることができる。また、装飾基板の後面に設けることで機能部品を見えないようしているため、目立たないように機能部品を白色(又は黄色)に着色する必要が無く、素のままで機能部品を用いることができ、機能部品に着色する手間を省略してパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[3-12.扉枠の作用効果]
本実施形態によれば、パチンコ機1において互いに異なる位置に設けられている複数の接触検知体393に対して、遊技者の接近又は接触を検知したい所望の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392とが接続されるように切換部394により切換えることで、所望の部位の接触検知体393に遊技者が接近又は接触すると、当該接触検知体393の静電容量が変化することとなり、当該接触検知体393と接続されている接触検知センサ本体392により静電容量の変化を検知することができるため、所望の部位への遊技者の接近又は接触を検知することができ、接触検知センサ本体392の検知に応じて主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段により所定の制御を実行することができる。一方、切換部394により所望の部位の接触検知体393と接触検知センサ本体392とを接続している状態では、その他の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392との接続が切断されることとなるため、その他の部位に遊技者が接近又は接触することでその他の部位に設けられている接触検知体393の静電容量が変化しても、当該接触検知体393が切換部394により接続が切断されていることから、当該接触検知体393の静電容量の変化を検知することはなく、所望の部位の接触検知体393の静電容量のみを確実に検知することができ、誤検知を防止することができる。
このように、互いに異なる位置に設けられている複数の接触検知体393に対して、接触検知センサ本体392と接続する接触検知体393を切換部394により適宜選択して切換えるようにしているため、複数の接触検知体393に対して一つの接触検知センサ本体392で静電容量を検知することが可能となり、主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段において遊技者の接近又は接触の検知にかかるチャンネルの数を少なくとすることができ、相対的に演出に使用できるチャンネルの数を多くすることができる。従って、より多くの演出手段(例えば、可動装飾体、発光装飾体、演出表示装置、等)を制御手段によって制御させることが可能となるため、演出手段の増加によりより多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を十分に楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、パチンコ機1における遊技者に触れられたくない複数の部位に、夫々接触検知体393を設けるようにし、遊技状態に応じて切換部394により所望の部位に設けられている接触検知体393と接触検知センサ本体392とを接続し、所望の部位への遊技者の接近又は接触を検知して、主制御基板1310、周辺制御基板1510、周辺制御部1511、及び演出表示制御部1512等の制御手段により所定の注意や警報を放置するようにすることが可能となるため、一つの接触検知センサ本体392でパチンコ機1の広い範囲を監視しつつ、演出に使用できるチャンネルの数を相対的に多くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、複数の接触検知体393を一つの接触検知センサ本体392で静電容量を検知するようにしていることから、各接触検知体393と接触検知センサ本体392とが離れて設けられていることとなるため、センサICや出力回路のような電子部品等を有しているセンサ本体を遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
更に、接触検知センサ本体392に、複数の接触検知体393を電気的に接続するための接続端子を、予め有するようにしていることから、接触検知体393からの配線を、接触検知センサ本体392の接続端子に接続するだけで、接触検知センサ本体392により接触検知体393の静電容量を検知することができるため、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、接触検知センサ本体392に接続端子を予め設けるようにしており、接触検知体393からの配線を接触検知センサ本体392の接続端子に接続するだけで、接触検知センサ本体392と接触検知体393とを接続することができるため、接触検知センサ本体392のセンサ電極に導電部材を接触させて、当該導電部材を介して接触検知体393と接続するようにした場合と比較して、部品点数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができると共に、接触検知体393と接続するための導電部材の取り回しの設計を無くすことができ、接触検知体393や接触検知センサ本体392の配置自由度を高めることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、接触検知センサ本体392に接続する接触検知体393を切換える切換部394を設けており、切換部394により検知したい接触検知体393を選択することができるため、例えば、複数の接触検知体393を分散配置し、分散配置した複数の接触検知体393を所定の順番で触れさせるような遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者が順番に触れるタイミングで切換部394により接触検知センサ本体392と接続される接触検知体393を切換えるようにすることで、遊技者が順番通りに接触検知体393を触れたか否かを検知することができ、ゲーム性の高い遊技者参加型演出を一つの接触検知センサ本体392により実現することが可能となり、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200における演出操作ユニット300おいて、遊技者が押圧操作可能な演出操作部ユニット350におけるボタン本体351に遊技者の手指等が接近又は接触すると、ボタン本体351により遊技者側が覆われている金属板のパチングメタルからなる接触検知体352に遊技者が接近することとなり、接触検知体352の静電容量が変化する。この接触検知体352の静電容量を接触検知センサ本体358により検知していることから、接触検知体352の静電容量の変化を検知することができるため、接触検知体352を介してボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知することができる。
このようにして接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いて演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触が検知されると、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段により所定の演出が接触検知体352及びボタン本体351を通して遊技者側へ出力されるため、当該演出により遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、演出操作部ユニット350に遊技者が接近又は接触すると、所定の演出が出力されることから、接触検知体352及び接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350を非接触操作部や接触操作部として機能させることができる。そして、非接触操作部や接触操作部として機能する演出操作部ユニット350を、突出させた時に遊技者が押圧操作可能としていることから、演出操作部ユニット350により非接触操作、接触操作、及び押圧操作のような多彩な演出操作を行うことができるため、押圧操作のみが可能な操作ボタンを備えた従来のパチンコ機とは異なる外観のパチンコ機1を具現化し易くすることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることで遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、接触検知センサ本体358による接触検知体352の静電容量の検知に応じて所定の演出を遊技者側に出力するようにしており、静電容量は、接触検知体352(ボタン本体351)と遊技者との距離に応じて異なるため、静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる演出を出力することが可能となる。従って、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じた演出を出力することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352の静電容量を検知する接触検知センサ本体358を、接触検知体352から離れて設けているため、センサICや出力回路のような電子部品等を有している接触検知センサ本体358を、演出操作部ユニット350における遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
また、上述したように、操作ユニットにより非接触操作、接触操作、及び押圧操作のような多彩な演出操作を行うことができるため、遊技者の演出操作が可能となる遊技者参加型演出を実行することで、多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知センサ本体358により静電容量が検知される接触検知体352を、複数の孔が形成されている金属板からなるパンチングメタルとしているため、複数の孔により遊技者がボタン本体351に接近又は接触していない状態における接触検知体352の静電容量を小さくすることができ、接触検知センサ本体358による誤検知の発生を回避させることができる。従って、複数の孔の数や大きさや配置等を適宜選択することにより、静電容量の増加を抑制しつつ接触検知体352の面積を大きくすることが可能となるため、接触検知体352によるボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知する範囲を広くすることができる。これにより、接触検知体352を大きくして検知範囲を広くすることができるため、上記の実施形態のように、遊技者が押圧操作可能なボタン本体351(演出操作部ユニット350)を大きくすると共に、接触検知体352をボタン本体351の上面部351aと同じような大きさにした場合、遊技者参加型演出の実行により遊技者が演出操作部ユニット350(ボタン本体351)への接近又は接触を要求された時に、ボタン本体351により覆われている接触検知体352がボタン本体351の上面部351aと同じように大きいことから、演出操作部ユニット350への遊技者の手指等を接近又は接触させる移動距離が短くなり、演出操作部ユニット350を素早く操作することができ、遊技者参加型演出において操作タイミングを逃し難くすることができると共に、遊技者参加型演出に確実に参加させることができ、当該演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352を、パンチングメタルとしているため、接触検知体352に形成されている複数の孔を通して、接触検知体352における遊技者側とは反対側に設けられている演出手段としてのボタン中装飾基板364のLED364aからの発光演出を遊技者側へ出力させることができ、当該発光演出を遊技者に確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作が可能な演出操作部ユニット350(ボタン本体351)に、接触検知体352を設けるようにしているため、ある程度の強度・剛性を有した金属板であるパンチングメタルからなる接触検知体352により、演出操作部ユニット350を補強することができ、遊技者が押圧操作をする際に、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を強く押圧したり叩いたりしても、演出操作部ユニット350が変形したり破損したりし難いものとすることができる。従って、接触検知体352により演出操作部ユニット350を破損し難くすることができるため、遊技者に対して演出操作部ユニット350を心置きなく押圧操作させることができ、演出操作部ユニット350を操作する遊技者参加型演出をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知体352を、パンチングメタルとしており、接触検知体352を同じ板厚の金属板から加工したエキスパンドメタルとした場合と比較して、接触検知体352の板厚を薄くすることができるため、接触検知体352を設けるためのスペースを確保し易くすることができ、接触検知体352を設け易くすることができると共に、設計自由度を高めることができ、より遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を設計し易くすることができる。
また、接触検知体352をパンチングメタルとしていることから、エキスパンドメタルと比較して、板厚が一定であるため、プレス加工によって接触検知体352を立体的な所望の形状に容易に加工することが可能となり、ボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触の検知に最適な形状にし易くすることができ、上述した作用効果を確実に具現化することができる。
また、演出操作部ユニット350において、接触検知体352の遊技者側をボタン本体351で覆うようにしているため、ボタン本体351により複数の孔が形成されているパンチングメタルからなる接触検知体352を遊技者が直接触れないようにすることができ、複数の孔が形成されている接触検知体352に遊技者が触れることで不快感を与えてしまうことを回避させることができると共に、ボタン本体351を操作部として用いる遊技者参加型演出においてボタン本体351を違和感なく操作させることができ、当該演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、パンチングメタルからなる接触検知体352の遊技者側をボタン本体351で覆うようにしているため、接触検知体352に形成されている複数の孔に、ほこりや飲食物等の汚れが付着することはなく、清掃にかかる手間を容易なものとすることができ、清掃の容易なパチンコ機1として本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段を、接触検知体352における遊技者側とは反対側に設け、接触検知体352及びボタン本体351を通して所定の演出を遊技者側に出力可能としており、接触検知センサ本体358によりボタン本体351(演出操作部ユニット350)への遊技者の接近又は接触を検知すると、所定の演出が接触検知体352に形成されている複数の孔及び透明なボタン本体351を通して出力されるため、遊技者の関心を演出操作部ユニット350へ強く引付けさせることができ、演出操作部ユニット350を通して(介して)出力される演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、及び突出力調整機構380等の演出手段を、接触検知体352の遊技者側とは反対側に設けるようにしていることから、接触検知体352により演出手段を覆うような状態となり、接触検知体352(演出操作部ユニット350)と演出手段とをコンパクトに纏めることが可能となるため、上述したような作用効果を奏する演出操作部ユニット350及び演出手段等をパチンコ機1における所望の部位に設け易くすることができ、他のパチンコ機に対して差別化できる訴求力の高いパチンコ機1を提供し易くすることができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200において、上下方向へ進退可能に設けられている演出操作部ユニット350(ボタン本体351)に遊技者が接近又は接触することで、演出操作部ユニット350の接触検知体352の静電容量が変化することから、接触検知センサ本体358により接触検知体352の静電容量を検知することにより、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知することができる。そして、接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触が検知されると、演出操作部昇降機構360の昇降バネ365の付勢力により演出操作部ユニット350が上方へ突出するため、遊技者が演出操作部ユニット350に接触していない状態で演出操作部ユニット350が突出すると遊技者に当接(衝突)し、遊技者が演出操作部ユニット350に接触している状態で演出操作部ユニット350が突出すると遊技者を押すような物理的な力による演出を遊技者に提示することができる。従って、これまでのパチンコ機にはない演出により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を演出操作部ユニット350へ強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して演出操作部ユニット350の突出を確実に気付かせることができる。
この演出操作部ユニット350を突出させる際に、突出力調整機構380の昇降バネ下保持部材385を、昇降バネ365の上端部側の方向(上方)へ移動させると、昇降バネ365の圧縮が強くなって付勢力を大きくすることができ、昇降バネ365の上端部側から遠ざかる方向(下方)へ移動させると、昇降バネ365の圧縮が弱くなって付勢力を小さくすることができ、昇降バネ下保持部材385を適宜の位置へ移動させることにより、昇降バネ365による演出操作部ユニット350の付勢力を変更することができる。このように、様々な突出力で演出操作部ユニット350を突出させることができるため、物理的な力による演出のバリエーションを増やすことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、演出操作部ユニット350の突出による演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて演出操作部ユニット350の突出力を変更するようにしているため、遊技者が手指等を演出操作部ユニット350に接近又は接触させた時に、強い力で演出操作部ユニット350が当接すると、遊技者に強いインパクトが与えられることで、何か良いこと(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態の発生)があるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350を、押圧操作が可能な押圧操作部303としているため、遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者に対して演出操作部ユニット350を押圧操作させることで、遊技者参加型演出に遊技者を参加させることができ、演出操作部ユニット350の押圧操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350を押圧操作可能なものとしているため、何時でも押圧操作できるように、演出操作部ユニット350(ボタン本体351の上面)に手指等を置いているような遊技者に対して、演出操作部ユニット350を押圧操作する遊技者参加型演出が実行された時に、演出操作部昇降機構360により演出操作部ユニット350を突出させることで、演出画像やサウンド等により遊技者参加型演出の実行開始を案内しなくても、いち早く遊技者に遊技者参加型演出の実行開始を認識させることができ、演出操作部ユニット350の押圧操作に対する意欲を高めさせて遊技者参加型演出をより一層楽しませることができる。
更に、演出操作部昇降機構360における昇降バネ365の付勢力により演出操作部ユニット350を突出させるようにしているため、駆動モータを用いて演出操作部ユニット350を突出させるようにした場合と比較して、演出操作部ユニット350を容易に勢い良く突出させることができ、上述したような作用効果をより奏し易いものとすることができる。
また、接触検知センサ本体358によって接触検知体352の静電容量を検知することにより、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知するようにしており、接触検知体352の静電容量は、演出操作部ユニット350と遊技者との距離に応じて異なるため、静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる突出力で演出操作部ユニット350を突出させることが可能となる。従って、接触検知センサ本体358により演出操作部ユニット350への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じた突出力で突出させることで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の皿ユニット200において、遊技者参加型演出の実行によりポップアップさせることで、遊技者が進退可能に設けられている演出操作部ユニット350に、遊技者が接近又は接触すると、演出操作部ユニット350の遊技者が接触するボタン本体351の裏側に設けられている接触検知体352の静電容量が変化する。一方、演出操作部ユニット350における接触検知体352と離れて設けられている接触検知センサ本体358では、接触検知体352の静電容量を検知していることから、遊技者の接近又は接触による接触検知体352の静電容量の変化を捉えることができるため、演出操作部ユニット350のボタン本体351への遊技者の接近又は接触を検知することができ、接触検知センサ本体358が静電容量により遊技者を検知することができる。そして、接触検知センサ本体358の検知や遊技者による演出操作部ユニット350の進退(押圧)により、演出操作部外周装飾基板320、ボタン外装飾基板355、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、突出力調整機構380、及び演出表示装置1600等の演出手段によって所定の演出が実行されることとなる。つまり、遊技者が演出操作部ユニット350を進退させたり演出操作部ユニット350に接近又は接触したりすることで、所定の演出が実行されるため、当該演出により遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、遊技者が演出操作部ユニット350に接近又は接触すると、演出が実行されるため、演出操作部ユニット350(ボタン本体351)を演出操作部(非接触操作部、接触操作部)のように機能させることができる。一方、遊技者が演出操作部ユニット350を進退(押圧)させると、演出が実行されるため、演出操作部ユニット350を演出操作部(押圧操作部)のように機能させることができる。このようなことから、遊技者が多彩な演出操作を行うことが可能となるため、遊技者の演出操作が可能となる遊技者参加型演出を実行することで、多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350におけるボタン本体351の遊技者が接触する部位付近(上面部351aの下側)に設けられている接触検知体352の静電容量により遊技者を検知するようにしており、接触検知体352の静電容量は、接触検知体352(ボタン本体351)と遊技者との距離に応じて異なるため、所定の演出を実行させる静電容量の閾値を複数設けて、夫々の閾値毎に異なる演出を実行させるようにすることが可能となる。従って、演出操作部ユニット350への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じて演出を提示することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352及び接触検知センサ本体358による遊技者の検知によって所定の演出が実行されるため、当該演出により接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いた演出操作(非接触操作、接触操作)に対して操作感を付与することができ、遊技者に対して演出操作をより楽しませることができる。
更に、遊技者が進退可能(押圧可能)な演出操作部ユニット350と、演出操作部ユニット350への遊技者の接近又は接触を検知可能な接触検知体352及び接触検知センサ本体358とを備えているため、遊技者参加型演出において、遊技者に、演出操作部ユニット350を進退させる操作(押圧操作)や、演出操作部ユニット350に手指等を接近又は接触させる操作(非接触操作、接触操作)等の多彩な操作を要求することが可能となり、多彩な操作により遊技者に対して遊技者参加型演出への参加意欲を高めさせることができ、遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。そして、遊技者が遊技者参加型演出に参加した際に、演出操作部ユニット350や接触検知体352及び接触検知センサ本体358を用いた多彩な操作により、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部ユニット350のボタンベース354の案内ピン354cを、演出操作部昇降機構360における昇降カム部材371の係止部371cに係止させることにより演出操作部ユニット350を進退不能にロックすることができるため、演出操作部ユニット350を進退させるような演出が実行されるまでは、案内ピン354cと昇降カム部材371とにより演出操作部ユニット350を進退不能としておくことで、演出操作部ユニット350が勝手に動いたり揺れたりすることを防止することができる。従って、演出操作部ユニット350が勝手に動いたり揺れたりすることで、遊技者に不信感や不安感を抱かせてしまうことを回避させることができ、演出操作部ユニット350による演出をより楽しませられるようにすることができる。
更に、演出操作部ユニット350において、接触検知センサ本体358を接触検知体352から離れた位置に設けるようにしているため、センサICや出力回路のような電子部品等を有している接触検知センサ本体358を遊技者から見え辛い部位に設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、静電容量を検知するための接触検知体352と、接触検知体352の静電容量を検知するセンサICや出力回路等を有した接触検知センサ本体358とを、別体としていることから、接触検知センサ本体358とは無関係に接触検知体352の形状や素材等を適宜選択することができるため、接触検知体352を、演出操作部ユニット350のボタン本体351の形状や形態や仕様等に最適に対応したものとすることができ、上述したような作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の演出操作ユニット300において、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364、又は装飾体398を被覆しているボタン本体351又は表面部材396に遊技者が手指等を接近又は接触させると、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397の静電容量が変化し、その変化に応じてボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398により遊技者側へ光が照射される所定の演出が実行されるため、遊技者側へ照射される光によって遊技者の関心をボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398へ強く引付けさせることができ、実行された演出により遊技者を楽しませることができる。この際に、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397が、ボタン本体351又は表面部材396に設けられている装飾部に沿うように形成されているため、遊技者に対して接触検知体352又は接触検知体397を装飾部の一部のように錯覚させることができ、遊技者に対して接触検知体352又は接触検知体397が遊技者を検出するためのものであるということ認識不能にすることができる。
このように、接触検知体352又は接触検知体397を、遊技者側から認識不能としているため、喩え、接触検知体352又は接触検知体397がボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398(演出)の一部を遮ったとしても、遊技者は接触検知体352又は接触検知体397が気になることはないと共に、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398の手前に接触検知体352又は接触検知体397が設けられていても、接触検知体352又は接触検知体397の存在により遊技者に違和感を与えてしまうことはない。従って、遊技者に対してボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を良好な状態で見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン本体351又は表面部材396への遊技者の手指等の接近又は接触を接触検知体352又は接触検知体397により検出することにより、ボタン本体351又は表面部材396により被覆されているボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398において遊技者側へ光が照射される演出が実行されるようにしているため、ボタン本体351又は表面部材396を演出操作部301(接触操作部302)のように機能させることができると共に、遊技者に対して光による操作感を付与することができる。従って、例えば、遊技者参加型演出を実行した時に、遊技者の手指等をボタン本体351又は表面部材396へ接近又は接触させるようにし、接触検知体352又は接触検知体397による手指等の接近又は接触の検出によって、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398により演出が実行されることで、遊技者参加型演出に遊技者を参加させることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、接触検知体352又は接触検知体397によりボタン本体351又は表面部材396への遊技者の接近又は接触を検出するようにしていることから、ボタン本体351又は表面部材396と遊技者の手指等との距離に応じて、ボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を異ならせることが可能となるため、遊技者の手指等の動き(位置)によってボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398による演出を変化させることができ、より多彩な演出を遊技者に見せることができると共に、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体352又は接触検知体397の静電容量の変化を検出するようにしており、遊技者がボタン本体351又は表面部材396へ接近又は接触すると、ボタン本体351又は表面部材396とボタン外装飾基板355やボタン中装飾基板364又は装飾体398との間に設けられている接触検知体352又は接触検知体397の静電容量が変化するため、ボタン本体351又は表面部材396への遊技者の手指等の接近又は接触を容易に検出することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、接触検知体352又は接触検知体397により静電容量の変化を検出させるようにしていることから、接触検知体352又は接触検知体397を導電性の部材とすることができるため、例えば、接触検知体397を金属蒸着膜とした場合、蒸着膜を薄くすることで透明にすることができ、蒸着膜を厚くして金属光沢を有するようにすることで装飾の一部のように見せることができる。或いは、接触検知体352及び接触検知体395を星形やハート形のような意匠性を有する外形のパンチングメタルとした場合、接触検知体352及び接触検知体395を装飾の一部のように見せることができる。このようなことから、遊技者側から認識不能な接触検知体352、接触検知体395、及び接触検知体397とすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、本実施形態によれば、扉枠3の演出操作ユニット300において、上面側(表面側)を覆っている透明なボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触により静電容量が変化し、その変化により、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、演出操作部昇降機構360、ボタン中装飾基板364、突出力調整機構380、及び演出表示装置1600等の演出提示手段によって所定の演出を提示させるための接触検知体395等(接触検知体352、接触検知体左390L、接触検知体右390R、接触検知体393、及び接触検知体397、等を含む)を、意匠性を有する所定の外周形状に形成しているため、接触検知体395自身によってパチンコ機1を装飾することができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。また、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆い、接触検知体395への遊技者の手指等の接近による接触検知体395等の静電容量の変化に応じて、演出提示手段によりボタン本体351及び接触検知体395等を介して所定の演出を提示するようにしているため、ボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触に応じて、所定の演出が提示されることとなり、ボタン本体351を演出操作部301として機能させることができる。そして、ボタン本体351を通して見える接触検知体395等が意匠性を有していることから、演出操作部301が意匠性を有しているように見えることとなり、これまでのパチンコ機にはない演出操作部301を備えたパチンコ機1であるとして遊技者に強いインパクトを与えることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることが可能な訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、上述したように、意匠性を有した接触検知体395等により、遊技者に強いインパクトを与えることができるため、接触検知体395等(ボタン本体351)への関心を強く抱かせることができ、ボタン本体351(演出操作部301)の操作に対する期待感を高めさせることができると共に、ボタン本体351を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、ボタン本体351の操作を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、ボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触を検知する接触検知体395等が、意匠性を有した外周形状に形成しているため、一見した時に、遊技者によっては演出提示手段により演出を提示させるための演出操作部301(ボタン本体351)の存在に気付かせ難くすることができる。従って、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者に対してボタン本体351への接近又は接触を促すことで、初めてボタン本体351が接触検知体395等による演出操作部301であることに気付かせることができ、遊技者に意外性を付与して遊技者参加型演出をより楽しませることができる。或いは、演出操作部301を操作する遊技者参加型演出が実行させた時に、遊技者が演出操作部301とは知らずにボタン本体351に手指等を接近又は接触すると、接触検知体395等の静電容量が変化して演出提示手段により演出が提示されるため、遊技者をびっくりさせることができ、提示された演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、接触検知体395等における静電容量の変化に応じて演出提示手段により演出を提示するようにしているため、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近や接触を容易に検知することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。また、接触検知体395等の静電容量の変化に応じて演出を提示するようにしていることから、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近から接触までの間(距離)を多段階に分けて検知することが可能となるため、夫々の段階に応じて演出を提示することで、より多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、接触検知体395等の外周を所定の形状に形成しているため、導電性を有する接触検知体395等として、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、のような無機質なものを用いても、接触検知体395等に意匠性を付与することができ、接触検知体395等による見栄えの悪化を防止することができると共に、接触検知体395等を目立たせることができ、上記の作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、接触検知体395等の外周形状を、所定の形状に形成しているため、接触検知体395等を立体的な形状に形成しなくても、意匠性を有したものを構築することができる。従って、接触検知体395等を平面形状や単純な立体形状のものとすることができ、接触検知体395等の製造にかかるコストを低減させることができる。
更に、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしているため、接触検知体395等にほこりや飲食物等の汚れが付着することはなく、清掃にかかる手間を容易なものとすることができる。詳述すると、接触検知体395等に、パンチングメタルのような凹凸を有するものを用いていることから、その凹凸内にほこりや飲食物等の汚れが付着し易くなり、その汚れの清掃に手間がかかることとなるが、接触検知体395等の表面側をボタン本体351で覆っているため、接触検知体395等にパンチングメタルのような凹凸を有するようなものを用いても、ボタン本体351により汚れの付着を防止することができ、清掃の容易なものとして本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしており、遊技者が接触検知体395等に触れないようにしているため、接触検知体395等として金属蒸着膜や箔押し等のような意匠性を高められるものを用いた場合、遊技者が触れることで早期に摩耗してしまうことを防止することができ、接触検知体395等の耐久性を高めることができる。
更に、接触検知体395等の表面側を透明なボタン本体351で覆うようにしており、上述したように、透明なボタン本体351により遊技者が接触検知体395等に直接触れないことから、接触検知体395等として手触りの悪いものや遊技者に不快感を与えてしまうようなものを用いることが可能となるため、接触検知体395等に用いる素材の自由度を高めることができ、ニーズに応じた素材により接触検知体395等を形成することができる。
また、接触検知体395等を覆っているボタン本体351に遊技者の手指等を接近又は接触させることにより、接触検知体395等の静電容量を変化させると、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して所定の演出が遊技者に提示されるため、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して提示される演出により、遊技者が手指等をボタン本体351に接近又は接触させたことを直感的に認識させることができ、遊技者に対して手指等の動作を楽しませることができる。
また、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して遊技者に演出を提示するようにしており、接触検知体395等を覆っているボタン本体351への遊技者の手指等の接近又は接触により、ボタン本体351及び接触検知体395等を介して遊技者に提示される演出が実行されるため、ボタン本体351を接触操作部のように機能させることができると共に、提示される演出により操作感を付与することができ、ボタン本体351を用いた操作(遊技者参加型演出)を楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、複数の操作が可能な演出操作部ユニット350のボタン本体351を操作するために、遊技者が手指等をボタン本体351に接近又は接触させて、接触検知体352(接触検知センサ本体358)により手指等の検知領域内への進入が検知されると、ボタン外装飾基板355の複数のLED355aやボタン中装飾基板364の複数のLED364aの発光によりボタン本体351を通して遊技者に光が照射される発光演出、振動モータ356によるボタン本体351を通して(介して)接触している遊技者の手指等を振動させる演出、演出操作部昇降機構360によるボタン本体351の上方へ突出によりボタン本体351を通して(介して)遊技者に衝撃や押上げや風圧等を付与する演出、等が実行されるため、ボタン本体351を接触操作部302として機能させることができ、遊技者を楽しませることができる。また、この際に、ボタン本体351を通して光や振動、衝撃や押上げや風圧等の演出が遊技者に付与されるため、当該演出により遊技者を驚かせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、ボタン本体351の操作に対する意欲を高めさせることができる。そして、遊技者の手指等がボタン本体351に触れた状態で、手指等を適宜動かしてボタン本体351を下方へ押圧することで、ボタン本体351が押圧操作部303として機能するため、接触検知体352による遊技者の手指等の接近又は接触の検知による接触操作と、ボタン本体351の押圧操作とによって、遊技者に多彩な演出操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技者の手指等の接近又は接触を検知する検知手段を、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで構成し、接触検知体352をボタン本体351の上面部351aの裏面付近に設けるようにしているため、検知回路が設けられている接触検知センサ本体358をボタン本体351の上面部351aから離れたボタンスリーブ353のフランジ部353bに配置しても、接触検知体352によりボタン本体351の上面部351aでの遊技者の手指等の接近又は接触を検知することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、遊技者の手指等の接近又は接触を検知する検知手段を、接触検知体352と接触検知センサ本体358とで構成するようにしているため、検知回路が設けられている接触検知センサ本体358をボタン本体351の上面部351a(接触検知体352)から離れたボタンスリーブ353のフランジ部353bに配置することができることから、接触検知センサ本体358を目立ち難い部位に配置することができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、ボタン本体351の裏側(下方)に、ボタン外装飾基板355及びボタン中装飾基板364や、演出操作部昇降機構360、を設けているため、それらによりボタン本体351を通して遊技者に、光や振動、衝撃や押上げや風圧等の演出を付与させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図75乃至図81を参照して詳細に説明する。図75はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図76はパチンコ機における本体枠の背面図である。図77は本体枠を右前から見た斜視図であり、図78は本体枠を左前から見た斜視図であり、図79は本体枠を後ろから見た斜視図である。図80は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図81は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4-1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図75乃至図83等を参照して詳細に説明する。図82(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図83は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fの下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチが取り付けられている。扉枠開放スイッチは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠ベース501は、扉枠開放スイッチが取り付けられた位置よりも下方のベース本体501aの後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチが取り付けられている。本体枠開放スイッチは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図83等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図83(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図83(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4-2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4-4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図80及び図81等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレーム111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4-5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図84等を参照して詳細に説明する。図84(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル195の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル195を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4-6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図91を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4-7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図87(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4-7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図91を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4-7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図86乃至図89等を参照して詳細に説明する。図88は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図89(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図88に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若干大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図89を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも速く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが速い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより速く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4-7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図91を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4-7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図86及び図87等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4-7e.払出ユニットにおける遊技球Bの流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図91を参照して詳細に説明する。図91は、本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に音声(例えば「球を抜いてください!」等)で案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4-8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図92乃至図96等を参照して詳細に説明する。図92(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図93は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図94は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図96は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図96を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板1310等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4-9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図75乃至図81を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4-10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図97を参照して詳細に説明する。図97(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4-11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図98乃至図105を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB-B線で切断した断面図である。図99は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図100(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図101は、図100(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図102は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図104は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺から夫々上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺から夫々上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球Bの外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍~4倍の距離の低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oの夫々の左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、夫々前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図102において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、夫々低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、夫々左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図103を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図104に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図103において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図103に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入れられることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[4-12-1.タンクレール等の第二実施形態]
続いて、本体枠4におけるタンクレール553等の第二実施形態について、主に図106乃至図110等を参照して詳細に説明する。図106は、第二の実施形態のタンクレール等を備えたパチンコ機を後ろから見てタンクレールの部位を拡大して示す斜視図である。図107(a)は図106のタンクレール等を球タンクと共に組立てた状態で示す平面図であり、(b)は(a)のタンクレール等を前から見た斜視図であり、(c)は(a)のタンクレール等を後ろから見た斜視図である。図108(a)は図107のタンクレール等を分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は図107のタンクレール等を分解して後ろから見た分解斜視図である。図109は、図107(a)においてカ-カ線で切断したタンクレール等の断面図である。図110は、図107のタンクレール内での遊技球の流れを断面で示す説明図である。上記とは別の第二実施形態のタンクレール553A等は、タンクレール553Aの他に、第一レールカバー554A、第二レールカバー555A、及び球整流部材556Aが、上記の実施形態のタンクレール553、第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556とは異なっており、同様の構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態のタンクレール553Aは、球タンク552に貯留されている遊技球Bを整流して、払出ユニット560の球誘導ユニット570へ受け渡すものである。このタンクレール553Aは、上方へ開放された溝状に左方へ延びている。タンクレール553Aには、上端側を閉鎖するように第一レールカバー554Aと、第一レールカバー554Aの正面視左方に設けられている第二レールカバー555Aと、第二レールカバー555Aの上側に設けられている球整流部材556Aとが取付けられていると共に、タンクレール553Aの下流側端に遊技球Bの流通を阻止可能な球止部材557が取付けられている。
タンクレール553Aは、図107(a)等に示すように、膨出部553bよりも下流側に、前後方向へ蛇行している蛇行部553cを有している。この蛇行部553cにより、遊技球Bの流通速度を抑制させることができる。第一レールカバー554Aは、蛇行部553cよりも上流側(球タンク552側)に取付けられている。
第二レールカバー555Aは、タンクレール553Aにおける開放されている上端側において、第一レールカバー554Aから蛇行部553cを含んで下流端(正面視において左端)まで覆うように左右方向へ延びている。第二レールカバー555Aは、タンクレール553Aの上端を閉鎖する板状のカバー部555aと、カバー部555aにおける左右方向中央より上流側の前後両端から上方へ延出している一対の保護壁555bと、一対の保護壁555b同士の間でカバー部555aを貫通している開口部555cと、を有している。一対の保護壁555bは、タンクレール553Aの蛇行部553cが設けられている部位では、蛇行部553cに倣って蛇行した形状に形成されている。開口部555cには、後述する球整流部材556Aの整流片556aが上方から貫通するように挿入される。
球整流部材556Aは、上流端側が前後に延び軸周りに回転可能に取付けられる。球整流部材556Aは、第二レールカバー555Aにおけるカバー部555aよりも上側で、一対の保護壁555bの間に設けられ、第二レールカバー555Aの開口部555cを貫通してタンクレール553A内へ突出する平板状の整流片556aを有している。この球整流部材556Aは、タンクレール553A内において複数段に積み重なった遊技球Bに対して上から当接することで、遊技球Bの段を崩して一列に整列させ易くしていると共に、最も上側の遊技球Bが下流側へ速く移動することを抑制してタンクレール553Aの下流側において球噛みが発生することを防止するようにしている。
本実施形態のタンクレール553A等によれば、組立てた状態で、球整流部材556Aが、第二レールカバー555Aにおける一対の保護壁555b同士の間で、保護壁555bの上端よりも下方に位置している。これにより、タンクレール553Aにおける球整流部材556Aが取付けられている部位の前上側に設けられている外部端子板558の電線接続端子558aに接続されている電線(図106において破線で示す)が、球整流部材556Aに対して上方から接触することを防止することができる。ところで、電線接続端子558aに接続された電線が球整流部材556Aに上から接触すると、その電線の重みによって、球整流部材556Aの整流片556aに遊技球Bが当接しても、球整流部材556Aが上方へ回動することができなくなる恐れがあり、球整流部材556Aによる遊技球Bの整流作用を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。これに対して、本実施形態では、第二レールカバー555Aの一対の保護壁555bにより、球整流部材556Aに対して電線接続端子558aに接続された電線の接触を防止することができるため、球整流部材556Aの整流片556aに遊技球Bが当接した時に、球整流部材556Aが上方へ回動することができ、整流作用を十分に発揮させて、タンクレール553A内での球噛みや球詰まりの発生を防止することができる。
また、タンクレール553Aに蛇行部553cを設けているため、蛇行部553cにより遊技球Bの流通速度を抑制させることができる。ところで、下流側へ向かって高さが狭くなるタンクレール553A内において、複数段に積み重なった遊技球Bのうち、上側の遊技球Bが先に下流側へ移動すると、球噛みが発生し易くなる。これに対して、本実施形態では、上述したように、蛇行部553cによって遊技球Bの流通速度を抑制させることができるため、上側の遊技球Bが先に下流側へ移動してしまうことを抑制させることができ、球噛みの発生を低減させることができる。
また、上述したように、第二レールカバー555Aの保護壁555bによって球整流部材556Aへの電線の当接を阻止して、球詰りの発生を防止することができるため、タンクレール553Aを多くの電線が接続される端子板(例えば、外部端子板558)や制御基板の近くに配置したり、タンクレール553Aの近くに多くの電線が接続される端子板や制御基板を配置したり、することができ、タンクレール553A(球タンク552)や端子板等の配置自由度の高いパチンコ機1を提供することができる。
[4-12-2.タンクレール等の第三実施形態]
続いて、本体枠4におけるタンクレール553等の第三実施形態について、主に図111乃至図118等を参照して詳細に説明する。図111は、第三実施形態のタンクレール等を備えた本体枠を右後ろから見てタンクレールの部位を拡大して示す斜視図である。図112は、第三実施形態のタンクレール等を備えた本体枠を左後ろから見てタンクレールの部位を拡大して示す斜視図である。図113(a)は外部端子板の部位を拡大して示す本体枠の背面図であり、(b)は上部を拡大して示す本体枠の左側面図である。図114(a)は図113(b)においてD-D線で切断した断面図であり、(b)は図113(a)においてC-C線で切断した断面図である。図115は、図114(b)においてタンクレール付近を拡大して示す説明図である。図116(a)は第三実施形態のタンクレール等を前から見た斜視図であり、(b)は(a)のタンクレール等を右上後ろから見た斜視図であり、(c)は(a)のタンクレール等を右下後ろから見た斜視図である。図117は図116のタンクレール等を分解して前から見た分解斜視図であり、図118は図116のタンクレール等を分解して後ろから見た分解斜視図である。
第三実施形態のタンクレール等は、上記の第一実施形態のタンクレール等(球タンク552、タンクレール553、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557)の構成に、球整流部材556を上方から覆う保護カバー559を、加えたものであり、上記と同様の構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態のタンクレール等は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられていると共に上方へ開放されており溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。
このタンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位(下流へ向かうほど高さが低くなっている部位)の底面に、タンクレール553内のゴミや塵等を落下させることが可能な開口部553dが、複数形成されている。これら開口部553dは、後述する第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556の夫々の下方となる部位に設けられている。開口部553dは、タンクレール553の下方及び後方へ向かって開口していると共に、左右に延びており、遊技球Bが通過不能な大きさに形成されている。タンクレール553に遊技球Bが存在している状態では、開口部553dを通して後方から遊技球Bの一部を直接視認することができる。また、開口部553dを通して、タンクレール553内の遊技球Bを、作業者の指や細い棒等により触ることができる。これにより、当該部位において発生した球詰りを、開口部553dを通して解消させることができる。また、開口部553dを通して、当該部位の遊技球Bを介して球整流部材556を持上げることができ、球整流部材556の動作を確認することができる。
また、タンクレール等は、球タンク552よりも左方で、タンクレール553における前後方向が略一定の奥行きで左方へ延びている部位の右端から左方へ所定範囲の上方を閉鎖している第一レールカバー554と、タンクレール553における第一レールカバー554との間に間隔をあけた部位から左端までの上方を閉鎖している第二レールカバー555と、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間の部位に設けられている球整流部材556と、タンクレール553の下面の左端付近に設けられている球止部材557と、第一レールカバー554の左右方向の途中から球整流部材556を跨いで第二レールカバー555の左右方向の途中まで上方を覆っている保護カバー559と、を備えている。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられている。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止している。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図114(a)等を参照)。
ところで、タンクレール553では、上下に積み重なっている遊技球Bを一段に整列させるようにしているが、積み重なっている遊技球Bが2段から1段に減ったりする時に、上段の遊技球Bが下段の遊技球Bを追い越そうとすると、それらの遊技球Bが互いに噛み合って動かなくなってしまうことがある(所謂、球ガミによる球詰り)。これに対して、本実施形態の球整流部材556は、タンクレール553内を上下二段になって遊技球Bが流通してくると、上段側の遊技球Bが整流片556aに当接し、当該遊技球Bの流れが遅くなることで下側の遊技球Bを追い越そうとすることを防止することができる。これにより、下段側の遊技球Bが先に下流側へ移動し、その後側に上段側の遊技球Bが移動してくることで、遊技球Bを一段に整列させることができる。この際に、上段側の遊技球Bが整流片556aを下方から押圧することとなるため、整流片556aが上方へ移動するように球整流部材556が移動すると共に、その自重により上段側の遊技球Bを下方へ押圧することができ、球整流部材556(整流片556a)の上下方向への揺動により、上段側の遊技球Bの下段側への移動を促すことができると共に、タンクレール553における当該部位(下流へ向かうほど高さが低くなっている部位)での球詰りの発生を抑制することができる。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
保護カバー559は、左右に延びている帯板状の天板部559aと、天板部559aの後辺の一部から下方へ延出している平板状の後板部559bと、天板部559aの前辺と左辺とから下方へ延出している平板状の前板部559cと、前板部559cから前方へ延出している平板状の誘導板部559dと、を有している。天板部559a及び誘導板部559dは、左端側が低くなるように傾斜している。誘導板部559dは、天板部559aの左方側が前方側から左方へ回り込むように形成されており、当該部位の後端が天板部559aの後端と前後方向が一致している。
この保護カバー559は、本体枠4に組立てられた状態で、天板部559aが第一レールカバー554の左右方向の途中から第二レールカバー555の左右方向の途中までの上方を覆うように位置しており、球整流部材556との間に空間を形成して、球整流部材556を上下に揺動可能としている。後板部559bは、球整流部材556の後方を覆うように、タンクレール553の上端よりも下方の位置まで延出している。
前板部559cは、右端側が天板部559aよりも右方へ延出しており、タンクレール553に沿って球タンク552まで延びている。誘導板部559dは、天板部559aよりも前側の部位が、前板部559cから遊技球Bの直径よりも大きい長さで前方へ突出しており、遊技球Bを左方へ誘導可能に形成されている。誘導板部559dは、タンクレール553の上端の傾斜よりも緩く傾斜している。誘導板部559dの前端は、払出ベース551の後面との間に、遊技球Bが侵入不能な僅かな隙間を形成している。
保護カバー559は、パチンコ機1に組立てた状態で、外部から球整流部材556への接触を防止することができる。なお、球整流部材556の動作の確認は、タンクレール553の開口部553dに細い棒を挿入して下方から接触させたり、タンクレール553内の遊技球Bを、開口部553dを通して作業者の指等により上方へ押圧することで、遊技球Bを介して持上げたりすることで、確認することができる。
また、保護カバー559は、誘導板部559dにより、何らかの理由によって外部端子板558の後方に侵入した遊技球Bを、左方へ誘導して本体枠4の左側面より外側へ排出させることができる。
本実施形態では、球タンク552、タンクレール553、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び保護カバー559、等が透明な素材により形成されており、タンクレール553内の遊技球Bを外部から視認することができる。
また、タンクレール553の上方を、第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び保護カバー559で覆っているため、上方からタンクレール553内に、ゴミや塵等が侵入することを防止することができる。
また、第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び保護カバー559によりタンクレール553の上方を覆っていることから、上から球整流部材556や遊技球Bに触れることができない。そのため、遊技球B等にゴミや塵等が付着している場合、第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び保護カバー559等を取外す必要があるが、本実施形態では、タンクレール553の底部に複数の開口部553dを設けていることに意味がある。詳述すると、球整流部材556やタンクレール553内の遊技球Bにゴミや塵等が付着している場合、開口部553dを通して内部の遊技球Bに触れて遊技球Bや遊技球Bを介して球整流部材556を揺らすことができるため、遊技球B等に付着しているゴミや塵等を落すことができる。そして、遊技球B等から落したゴミや塵等を、開口部553dを通して外部へ排出させることができる。
ところで、本体枠4では、タンクレール553の前後方向が略一定の奥行きで左方へ延びている部位が、外部端子板558の後方に設けられているため、外部端子板558の電線接続端子558aに接続された電線が球整流部材556に上から接触すると、その電線の重みによって、球整流部材556の整流片556aに遊技球Bが当接しても、球整流部材556が上方へ回動することができなくなる恐れがあり、球整流部材556による遊技球Bの整流作用を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。
また、外部端子板558の電線接続端子558aは、先端の被覆を剥いた電線が接続されるものであるため、外部端子板558の後方において何らかの理由により遊技球Bが残留した場合、電線接続端子558aへの電線の接続(挿し込み)が不十分であると、残留した遊技球Bによりショートが発生する恐れがある。
これに対して、本実施形態では、保護カバー559によって球整流部材556の上方を覆っているため、保護カバー559により球整流部材556に対して電線接続端子558aに接続された電線の接触を防止することができる。これにより、球整流部材556の整流片556aに遊技球Bが当接した時に、球整流部材556が上方へ回動することができ、整流作用を十分に発揮させて、タンクレール553内での球噛みや球詰まりの発生を防止することができる。
ところで、何らかの理由により外部端子板558から電線が抜けて、その先端が外部端子板558の後方に存在している遊技球Bに接触した場合、ショートの発生により必要な情報を遊技ホールのコンピュータが受け取ることができなくなって、遊技ホールでの計数に誤差がでる。これに対して、本実施形態によれば、保護カバー559に誘導板部559dを設けているため、何らかの理由によって外部端子板558の後方に侵入した遊技球Bを、左方へ誘導して本体枠4の左側面より外側へ排出させることができる。これにより、外部端子板558の後方に遊技球Bが残留してしまうことを回避させることができるため、残留した遊技球Bを起因としたショートの発生を防止することができる。従って、電線のショートを回避させることで、必要な情報を遊技ホールのコンピュータ(ホールコン)が確実に受け取れるようにすることができ、遊技ホールでの計数の誤差の発生を抑制することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、保護カバー559の誘導板部559dにより、遊技球Bを本体枠4の左側面側へ排出させるようにしているため、当該遊技球Bが、本体枠4の後側に設けられている種々の電線や配線に当接して、接続が外れたりショートしたりするような不具合の発生を回避させることができる。
[4-13.基板ユニットの別の実施形態]
続いて、上記とは別の実施形態(第二実施形態)の基板ユニット620Aについて、主に図119乃至図124等を参照して詳細に説明する。図119(a)は別の実施形態の基板ユニットの正面図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。図120(a)は図119(a)の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は図119(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。図121は図119(a)の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図122は図119(a)の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図123(a)は図119(a)におけるキ-キ線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるク-ク線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるケ-ケ線で切断した断面図である。図124は、図119(a)の基板ユニットを備えたパチンコ機において扉枠よりも後側の部位を示す底面図である。
本実施形態の基板ユニット620Aは、上記の基板ユニット620に換えて、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられるものである。本実施形態の基板ユニット620Aでは、ベースユニット660の構成が、上記の基板ユニット620のベースユニット620bと大きく異なっている。ここでは、上記の基板ユニット620と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
基板ユニット620Aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット660と、ベースユニット660の後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
ベースユニット660は、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース661と、前ベース661の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース662と、前ベース661と後ベース662との間に設けられており、遊技盤5から下方へ排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663と、アウト球通路663を流通する遊技球Bを一つずつ検知するアウトセンサ664と、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627により誘導された遊技球Bが流通し、後ベース662におけるアウト球通路663よりも後方に設けられている球抜排出通路665と、球抜排出通路665の後側を閉鎖するように後ベース662に取付けられている通路壁部材666と、を備えている。
前ベース661は、前方へ開放された左右に長い箱状に形成されている。後ベース662は、上下方向へ略一定の高さで左右に延びた平板状の区画壁部662aを有しており、区画壁部662aの前側にアウト球通路663及び球抜誘導部627が形成されていると共に、区画壁部662aの後側に球抜排出通路665が形成されている。後ベース662は、区画壁部662aよりも後側が、後方へ開放された箱状に形成されている。
ベースユニット660は、前ベース661、後ベース662、及び通路壁部材666が、透明な部材により形成されている。従って、球抜誘導部627、アウト球通路663、及び球抜排出通路665も、透明に形成されている。従って、ベースユニット660の上側や下側から、球抜誘導部627、アウト球通路663、及び球抜排出通路665、の内部を良好に視認することができ、球詰り等を確認し易くなっている。
アウト球通路663は、後ベース662における上下方向へ略一定の高さで左右に延びた平板状の区画壁部662aの前側に、前方が開放された状態で形成されており、開放されている前端が前ベース661により閉鎖されている。
アウト球通路663は、パチンコ機1における左右方向の略中央の位置において上方へ開放されていると共に左右に延びている球排出受部663aと、球排出受部663aに受けられた遊技球Bを左右方向へ大きく蛇行させながら一列に整流するアウト球整流部663bと、アウト球整流部663bにより一列に整流された遊技球Bを下方へ誘導する下方誘導部663cと、下方誘導部663cの下端で下方へ向かって開口しており、ベースユニット660の下面から遊技球Bを下方へ排出するアウト球排出口663dと、を有している。アウト球通路663のアウト球排出口663dは、外枠2よりも後方に設けられている(図124を参照)。
アウト球通路663の球排出受部663aは、前後方向の奥行きが、遊技球Bの外径の約2.5倍に形成されている。球排出受部663aは、右端側が低くなるように緩い角度で傾斜している。
アウト球整流部663bは、球排出受部663aの右端よりも右方の位置から球排出受部663aの下方へ向かって左端側が低くなるように緩い角度で傾斜している。また、アウト球整流部663bは、下流側(左方)へ向かうに従って、前後方向の奥行きが狭くなり、球排出受部663aの下方となる下流端付近では、遊技球Bの直径よりも若干大きい奥行となっている。また、アウト球整流部663bにおける球排出受部663aの右端よりも左側となる部位は、下流側(左方)へ向かうに従って、上下の高さが低くなり、下流端付近では、遊技球Bの直径よりも若干大きい高さとなっている。これにより、アウト球整流部663bにおいて、遊技球Bを一列に整列させることができる。
下方誘導部663cは、球排出受部663aの下方となるアウト球整流部663bの下流端から下方へ延びており、上下方向の途中において、前壁が後壁(区画壁部)と同一面上になるように後方へ小さくクランク状に曲線的に屈曲している。これにより、下方誘導部663cの下流端(アウト球排出口663d)は、後ベース662の区画壁部662aの前面よりも後方に位置している。この下方誘導部663cにおけるクランクしている部位よりも上流側に、アウトセンサ664が設けられている。この下方誘導部663cは、クランク状に屈曲している部位が、水平方向へ延びた部分を有しないように曲線状に形成されているため、アウトセンサ664を通過してクランク状に屈曲している部位に遊技球Bが当接しても、上方のアウトセンサ664側へ跳ね上がることはなく、アウトセンサ664により一つの遊技球Bが2回検知されてしまうのを防止することができる。
アウトセンサ664は、遊技球Bが頻繁に通過するため、耐久性が高く寿命の長い非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いている。
球抜誘導部627は、アウト球通路663における球排出受部663aよりも左方に設けられている。球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流側が後方へ屈曲し後ベース662の区画壁部662aの後側まで延びた上で、球抜排出通路665の上流端に接続されている(図123(a)等を参照)。
球抜排出通路665は、後ベース662における区画壁部662aの後側に形成されている。球抜排出通路665は、後方へ開放された状態で後ベース662に形成されており、後端側が通路壁部材666により閉鎖されている。この球抜排出通路665は、後端が、後ベース662の後端よりも遊技球Bの外径の一つ分ほど、前方に位置している。つまり、球抜排出通路665と後ベース662の後側に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630との間には、遊技球B一つ分以上の隙間が形成されるようになっている。
この球抜排出通路665は、上流端(左端)が球抜誘導部627の下流端と接続されており、アウト球通路663の球排出受部663aと同じ傾斜で、球排出受部663aよりも右方へ延びた横誘導部665aと、横誘導部665aの下流端(右端)から下方へ垂直に後ベース662の下面まで延びている縦誘導部665bと、縦誘導部665bの下流端(下端)において下方へ向かって開口している球抜排出口665cと、を有している。球抜排出口665cは、アウト球通路663のアウト球排出口663dよりも若干後方に設けられている(図124を参照)。
また、球抜排出通路665は、縦誘導部665bの左右の内壁において、上下方向へ一定の間隔をあけて交互に内側へ突出している複数の突起665dを有している。球抜排出通路665は、垂直に下方へ延びている縦誘導部665bを流通する遊技球Bが、複数の突起665dに交互に当接することで、遊技球Bをジグザグ状に流下させてその流通速度の増加を抑制することができ、球抜排出口665cから下方へ排出される遊技球Bの速度を抑制することができる。
この球抜排出通路665は、横誘導部665aと縦誘導部665bとにより単純なL字状の通路としているため、球抜レバー593を操作して球タンク552内の遊技球Bを排出する時に、多くの遊技球Bをスムーズに誘導して排出することができる。
この実施形態の基板ユニット620Aによれば、遊技領域5a内に打込まれて遊技盤5から排出された遊技球Bを、アウト球通路663の球排出受部663aで受取った上でアウトセンサ664により検知して遊技ホールの島設備側へ排出するようにしている。一方、球タンク552内等の遊技球Bを排出する(抜く)ために、払出装置580の球抜レバー593を操作して球抜通路580b側へ排出された遊技球Bを、アウト球通路663とは分離独立した球抜誘導部627及び球抜排出通路665を通して、遊技ホールの島設備側へ排出するようにしている。これにより、遊技盤5から排出された遊技球Bのみを、アウト球通路663に設けられているアウトセンサ664により検知することができるため、遊技盤5から排出された遊技球Bのみを正確にカウントすることができる。従って、払出装置580の払出検知センサ591によりカウントされた遊技球B(セーフ球)の数と、アウトセンサ664によりカウントされた遊技球B(アウト球)の数とにより、正確な遊技球Bの払出率(出玉率)を算出することが可能なパチンコ機1とすることができる。
アウトセンサ664によりカウントされる遊技球Bの数(アウト球数)は、遊技領域5a内に打込まれて一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006(第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、ハズレ口2009、第一スカ口2532)、等の入賞口に受入れられて遊技盤5から排出された遊技球Bの数と、遊技領域5a内に打込まれた後に何れの入賞口に受入れられることなくアウト口2020やサブアウト口2021に受入れられて遊技盤5から排出された遊技球Bの数と、を足したものであり、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bの数(発射球数)のことである。
なお、払出率(出玉率)は、遊技状態に応じて変化するため、所定期間(例えば、単位時間当り、所定時間当り、一日当たり、等)内の払出率として、「所定期間内の払出数÷所定期間内のアウト球数=所定期間内の払出率」のように算出する。
また、本実施形態によれば、遊技盤5が着脱可能に取付けられる本体枠4の基板ユニット620Aに、遊技盤5から排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663を設けると共に、アウト球通路663内を流通する遊技球Bをアウトセンサ664により検知するようにしており、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知することができるため、遊技盤5に「アウト球」を検知するアウト球検知ユニットを設ける必要が無く、遊技盤5にかかる構成を簡略化してコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によれば、球抜排出通路665の後端と、後ベース662の後側に取付けられる電源ユニット620cの電源基板630との間に、遊技球Bの外径よりも大きい隙間を形成するようにしているため、アウト球通路663や球抜排出通路665が電源基板630や払出制御基板633等から遠ざかることとなり、アウト球通路663や球抜排出通路665を多くの遊技球Bが流通することで発生する静電気や誘導電流等による電気的なノイズによる電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
また、本実施形態によれば、アウト球通路663のアウト球整流部663bにより流通速度が抑制された遊技球Bを、アウトセンサ664により検知するようにしていることから、遊技球Bの流通によりアウトセンサ664にかかる衝撃を弱くすることができるため、アウトセンサ664が早期に消耗して破損してしまうことを低減させることができる。
更に、所定時間当りのセーフ球数と所定時間当りのアウト球数とから算出した所定時間当りの払出率(出玉率)を、遊技者側から視認できるように表示するようにした場合、遊技者としては多くの遊技球Bの払出しを望むことから、表示されている払出率が大きいと、多くの遊技球Bが払出される可能性が高いパチンコ機1であると即座に認識することができ、遊技するパチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、払出率を、遊技者側から視認可能に表示するようにした場合、遊技球Bが多く払出されるような不正行為を行うと、表示されている払出率が通常よりも大きくなることから、他の遊技者やパチンコ機1を設置している遊技ホールの係員等が、不正行為に気付き易くなるため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、セーフ球の数とアウト球の数とから算出した払出率を、遊技者側から視認不能な位置に表示するようにした場合、遊技ホールの係員等が見ることで、上記と同様の理由により不正行為を察知することができる。また、パチンコ機1をメンテナンス等する際に、表示されている払出率が通常の値よりも異なる場合は、パチンコ機1内(例えば、障害釘N、主制御基板1310、払出制御基板633、中継基板、コネクタ、配線ケーブル、各種センサ、等)での不具合の可能性が考えられるため、不具合に対して早期に対応することが可能となり、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、遊技盤5から排出された遊技球Bが流通するアウト球通路663にアウトセンサ664を設けているため、遊技盤5に対して排出される遊技球Bを検知するための構成(例えば、アウト球検知ユニット)を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができると共に、遊技盤5において、排出される遊技球Bを検知するための構成の分だけスペースを確保することが可能となり、確保したスペースに演出装置を設けるようにすることで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1(遊技盤5)とすることができる。
また、球抜排出通路665に複数の突起665dが交互に突出している縦誘導部665bを有していることから、当該縦誘導部665bを遊技球Bが流通することで、遊技球Bの流通速度を抑制させることができるため、流通する遊技球Bの衝撃による球抜排出通路665内の破損や、球抜排出通路665から排出された遊技球Bを受取る遊技ホールの島設備側の破損、等を防止することができる。
また、アウト球通路663に蛇行しているアウト球整流部663bを設けていると共に、球抜排出通路665に複数の突起665dが突出している縦誘導部665bを設けており、それらにより遊技球Bの流通速度を抑制することができることから、アウト球通路663内や球抜排出通路665内を流通する遊技球Bから放出される電気的なノイズを低減させることができるため、近くに設けられている電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
また、アウト球通路663と球抜排出通路665の夫々のアウト球排出口663dと球抜排出口665cを、下方へ向けて開口させるようにしていることから、アウト球通路663や球抜排出通路665から遊技球Bが下方へ排出されることとなるため、島設備において遊技球Bが当該パチンコ機1の後方に設けられている他のパチンコ機や壁等に衝突し難くなり、他のパチンコ機や壁等が破損してしまうことを回避させることができる。また、アウト球通路663や球抜排出通路665から遊技球Bが下方へ排出されるため、排出された遊技球Bが飛び散り難くなり、島設備側においてアウト球通路663や球抜排出通路665から排出された遊技球Bの回収を容易なものとすることができる。
更に、本体枠4における遊技盤5が取付けられる部位の下方に、球抜排出通路665とアウト球通路663とが形成されたベースユニット660を設けるようにしていることから、遊技盤5において、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを下方へ排出するだけで、ベースユニット660のアウト球通路663に受け渡すことが可能となるため、遊技盤5における遊技球Bの排出にかかる構成を、単純(簡単)な構成とすることができ、遊技盤5にかかるコストを低減させることができる。
また、球抜排出通路665の球抜排出口665cやアウト球通路663のアウト球排出口663dを、外枠2よりも後方に設けていることから、球抜排出通路665やアウト球通路663から排出された遊技球Bが外枠2に衝突することを回避させることができるため、球抜排出通路665やアウト球通路663を勢い良く流通する遊技球Bが、外枠2に衝突することで外枠2が破損してしまうことを回避させることができ、破損し難いパチンコ機1を提供することができる。
また、球抜排出通路665の球抜排出口665cやアウト球通路663のアウト球排出口663dを、外枠2よりも後方に設けているため、島設備側の遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)を外枠2に重なる位置まで前進させる必要が無く、パチンコ機1の設置の手間と、パチンコ機1の移動の手間とを軽減させることができる。
[4-13a.基板ユニットにおける球排出の別の実施形態]
次に、上記の基板ユニット620Aにおける球排出の別の実施形態について、図125及び図126等を参照して詳細に説明する。図125は、アウト球通路のアウト球排出口に誘導片を設けた例を示す説明図である。図126(a)はアウトセンサを着脱可能とした例を示す説明図であり、(b)は(a)においてアウトセンサを取外した状態を示す説明図である。
図125に示す実施形態は、ベースユニット660におけるアウト球通路663の下流端のアウト球排出口663dの部位に、遊技球Bを後側へ誘導する誘導片667を設けたものである。詳述すると、この実施形態では、アウト球通路663の下流端付近において、球抜排出通路665と合流する合流部663eを有している。合流部663eは下方へ開口しており、その開口端がアウト球排出口663d(球抜排出口665c)となっている。そして、誘導片667は、アウト球排出口663dにおける前側の壁から短く後方へ突出している。
この図125の実施形態によれば、アウト球排出口663dから下方へ排出された遊技球Bが誘導片667に当接することで、遊技球Bの排出方向を斜め後下方へ向けさせることができる。これにより、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置した時に、島設備の前面よりも後側(島設備内)に設けられている遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)側へ、遊技球Bを放出させ易くすることができ、島設備側において遊技球Bを確実に回収させることができる。
また、図125に示す実施形態によれば、誘導片667により遊技球Bの放出方向を斜め後下方へ向けさせることができるため、アウト球通路663のアウト球排出口663dを、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aの直下に近い位置(島設備内における前側に近い位置)に設けても、遊技球Bを島設備内のバケツ等へ確実に受取らせることができる。従って、アウト球通路663(アウト球排出口663d)を、可及的に前方の部位に配置することが可能となることから、本体枠4におけるアウト球通路663の後方のスペースを広くすることができるため、アウト球通路663が電源基板630や払出制御基板633等から遠ざかることで、アウト球通路663を多くの遊技球Bが流通することで発生する静電気や誘導電流等による電気的なノイズによる電源基板630や払出制御基板633等への影響を少なくすることができ、遊技球Bの流通による誤作動の少ないパチンコ機1とすることができる。
続いて、図126に示す実施形態は、アウト球通路663におけるアウト球排出口663dの部位に、アウトセンサ664を下方から着脱可能としたものである。この実施形態では、アウト球通路663における下方誘導部663cの下流端に形成されアウトセンサ664を収容可能に下方へ開放されているセンサ取付凹部663fと、センサ取付凹部663fに収容されているアウトセンサ664の下方への移動を規制するセンサカバー668と、を備えている。
センサ取付凹部663fは、ベースユニット660のアウト球通路663におけるアウト球整流部663bの下流端に接続されている下方誘導部663cの下端の部位に形成されている。本実施形態においても、ベースユニット660は透明な部材により形成されており、ベースユニット660の上側や下側から、アウト球通路663内を視認することができる。
センサカバー668は、センサ取付凹部663fよりも長く延びており基端側がベースユニット660に回転可能に取付けられる本体部668aと、本体部668aにおけるセンサ取付凹部663fに収容されているアウトセンサ664の検知孔と一致する部位で遊技球Bが通過可能に貫通している貫通孔668bと、本体部668aにおける基端側とは反対側に設けられており弾性変形可能な係止爪部668cと、を有している。
このセンサカバー668は、ベースユニット660におけるセンサ取付凹部663fに対してアウト球整流部663bとは反対の外側の部位に、基端側が回転可能に取付けられる。センサカバー668の係止爪部668cは、ベースユニット660におけるセンサ取付凹部663fに対してアウト球整流部663b側の外側に設けられている係止部663gに係止される。
センサカバー668は、アウトセンサ664の検知孔がアウト球通路663と一致するように、センサ取付凹部663f内にアウトセンサ664を収容させた状態で、係止爪部668cが上方へ移動するように回転させて、係止爪部668cを係止部663gに係止させて閉じることで、本体部668aがアウトセンサ664の下面に当接し、アウトセンサ664の下方への移動を規制して、アウトセンサ664をベースユニット660に取付けることができる(図126(a)を参照)。この状態では、センサカバー668の貫通孔668bが、アウトセンサ664の検知孔と一致しており、アウト球通路663を流通した遊技球Bが、アウトセンサ664により検知された後に、貫通孔668bを通って下方へ排出される。このセンサカバー668の貫通孔668bは、アウト球通路663のアウト球排出口663dを兼ねている。
アウトセンサ664を交換(取外す)場合は、センサカバー668の係止爪部668cを操作することで、係止爪部668cを弾性変形させて係止部663gとの係止を解除させる。そして、係止爪部668cが下方へ移動するように、センサカバー668を本体部668aの基端側を中心にして回転させて開くことで、センサカバー668の本体部668aがアウトセンサ664の下面から遠ざかり、アウトセンサ664をセンサ取付凹部663fから取外すことができる(図126(b)を参照)。
図126(b)に示すように、本実施形態では、センサカバー668を回転させて開いた状態で、センサカバー668の下端と、二点鎖線で示す接触危惧物の上端(例えば、外枠2における外枠下組立体40の上端面、幕板後部材43の接続筒部43aの上端、等)との間、或いは、本体枠4の下端との間、にある程度の隙間ができるようになっている。これにより、センサカバー668が開いている状態で、本体枠4を外枠2に対して開閉させても、センサカバー668が接触危惧物に接触することはなく、センサカバー668の破損を防止することができる。
図126に示す実施形態によれば、アウトセンサ664は、遊技盤5の遊技領域5a内に打込まれた全ての遊技球Bを検知するものであることから、多くの遊技球Bが流通することで早期に消耗して破損する虞があるが、上述したように、センサカバー668を開くことでアウトセンサ664を下方から着脱することができるため、アウトセンサ664の交換を容易に行うことができる。
また、この実施形態によれば、センサカバー668が開いている状態で、本体枠4を外枠2に対して開閉させても、センサカバー668が外枠2等の接触危惧物に接触することはなく、センサカバー668の破損を防止することができる。詳述すると、センサカバー668はアウトセンサ664を下方から支持しているものであるが、アウトセンサ664には上方から多くの遊技球Bが接触することとなるため、多くの遊技球Bの接触による振動によってセンサカバー668の係止爪部668cが外れて、センサカバー668が開いてしまう恐れがある。遊技中にセンサカバー668が開いてアウトセンサ664が下方へ脱落してしまうと、遊技領域5a内に遊技球Bが打込まれているのにも関わらず、アウトセンサ664で遊技球Bが検知されなくなるため、主制御基板1310等により異常の発生が報知されることとなる。この異常発生の報知により、遊技ホールの係員等が異常の確認をするために、本体枠4を外枠2に対して開けることとなるが、開いているセンサカバー668の下端と、外枠2等の接触危惧物との間に隙間があるため、センサカバー668が接触危惧物に接触することなく、本体枠4を開けることができ、センサカバー668の破損を防止することができる。
更に、図126の実施形態によれば、センサ取付凹部663fにおけるアウト球整流部663bとは反対の外側の部位で、センサカバー668の基端側をベースユニット660に対して回転可能に取付けていると共に、ベースユニット660を透明としているため、センサカバー668を開いてアウトセンサ664を取外した状態とすることで、下方からアウト球通路663内を良好に視認することができる。従って、アウト球通路663内において遊技球Bが球詰りした時に、外部からアウト球通路663内を視認することができるため、遊技球Bが球詰りしている場所を一見して特定することができ、遊技球Bの球詰りを早期に解消させることができる。
また、本実施形態の本実施形態によれば、扉枠3における扉枠トップユニット450の上面が、外枠2における外枠上部材30の上面と略同一面上となるように形成されているため、本パチンコ機1をひっくり返して逆さまの状態で直立させることができ、センサカバー668の開閉によるアウトセンサ664の交換作業や、透明なベースユニット660を通した底面側からのアウト球通路663内や球抜排出通路665内の確認作業、等を容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、アウトセンサ664が破損しても、アウトセンサ664を容易に交換することができるため、アウトセンサ664の破損により中断していた遊技を早期に再開させることができ、遊技の中断による遊技者の苛立ちを緩和させて興趣の低下を抑制させることができると共に、本パチンコ機1の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、センサカバー668の一方の端部を、回転可能にベースユニット660に取付けていることから、アウトセンサ664を交換する際に、センサカバー668を開いても、センサカバー668がベースユニット660から吊下がった状態となり脱落することはないため、センサカバー668が紛失することを回避させることができる。
また、アウトセンサ664を下方から保持しているセンサカバー668において、ベースユニット660における多くの遊技球Bが流通するアウト球通路663に近い外側の部位で、前後方向(水平方向)の軸周りに対して回転可能に取付けるようにしているため、遊技球Bの流通によりアウトセンサ664を介してセンサカバー668にかかる下向きの力の分布が、ベースユニット660に回転可能に取付けられている側(一方の端部側)に大きくかかることとなり、相対的に、ベースユニット660の係止部663gに係止されている係止爪部668c側(他方の端部側)では小さくなる。従って、アウトセンサ664を多くの遊技球Bが通過することで、センサカバー668にアウトセンサ664を介して下向きの力が作用しても、回転可能に取付けられている一方の端部側でその多くを受けることができるため、他方の端部側の係止爪部668cでの係止が解除され難くなり、センサカバー668が開いてアウトセンサ664が脱落してしまうことを低減させることができる。
[4-14.基板ユニットの第三実施形態]
次に、上記とは更に異なる第三実施形態の基板ユニット700について、図127乃至図138等を参照して詳細に説明する。図127(a)は電源ユニット、払出制御ユニット、及びインターフェイスユニットを省略して示す第三実施形態の基板ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを左前から見た斜視図である。図128(a)は図127の基板ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は(a)の基板ユニットを右下後ろから見た斜視図である。図129(a)は図127の基板ユニットの平面図であり、(b)は(a)におけるコ-コ線で切断した断面図であり、(c)は(a)におけるサ-サ線で切断した断面図であり、図130は図129(a)におけるシ-シ線で切断した断面図である。
図131は図127の基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図132は図127の基板ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図133(a)は図127の基板ユニットの球経路部材を前から見た斜視図であり、(b)は図127の基板ユニットの球経路部材を後ろから見た斜視図である。図134は、図127の基板ユニットにおける球詰りの解消を示す説明図である。図135は、図127の基板ユニットにおける線状の不正工具の侵入の阻止を示す説明図である。図136は、図127の基板ユニットにおけるゴミ落としを示す説明図である。
第三実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620及び基板ユニット620Aとはベースユニット710の構成が異なるのみで、その他の構成については同一であるため、ここでは、上記の基板ユニット620や基板ユニット620Aと同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図127乃至図136では、電源ユニット620c、払出制御ユニット620d、及びインターフェイスユニット620eの図示を省略している。
本実施形態の基板ユニット700は、上記の基板ユニット620又は基板ユニット620Aに換えて、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられるものである。基板ユニット700は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット710と、ベースユニット710の後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
この基板ユニット700は、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通可能な第一球経路701と、第一球経路701よりも後方に設けられており遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通可能な第二球経路702と、第一球経路701を流通している遊技球Bを検知する第一球センサ703と、第二球経路702を流通している遊技球Bを検知する第二球センサ704と、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bが流通する球抜通路705と、を備えている。第一球経路701及び第二球経路702は、夫々入口が上方へ向けて開口しており、夫々において第一球センサ703及び第二球センサ704で遊技球Bを一つずつ検知した上で下方へ排出する。
本実施形態では、遊技盤5において、アウト口2020やサブアウト口2021に受入れられた遊技球Bが、第一球経路701を流通し、遊技盤5において、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006(第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、ハズレ口2009、第一スカ口2532)に受入れられた遊技球Bが、第二球経路702を流通するように構成されている。つまり、アウト球が第一球経路701を流通し、セーフ球が第二球経路702を流通するように構成されており、第一球センサ703により全てのアウト球の数をカウントすることができると共に、第二球センサ704により全てのセーフ球の数をカウントすることができる。これにより、遊技盤5の一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006等の入賞口(入賞口センサ)に対して不正行為が行われた場合、遊技盤5側でのセーフ球の数と、第二球センサ704によりカウントされるセーフ球の数とが異なることとなり、入賞口に対する不正行為を検知することができる。
更に詳述すると、基板ユニット700のベースユニット710は、スピーカボックス623の一部を後方から覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられる前ベース711と、前ベース711の後側に取付けられていると共に後面に電源ユニット620cが取付けられ球抜通路705を有している後ベース712と、前ベース711と後ベース712との間に設けられており第一球経路701及び第二球経路702を有している球経路部材713と、第一球経路701及び第二球経路702内における遊技球Bの球詰りを解消させると共に不正工具の侵入を防止するために前ベース711及び後ベース712に開閉可能に設けられている防犯カバー714と、後ベース712の後側に取付けられ球抜通路705の後端側を閉鎖している通路壁部材715と、後ベース712の後側に取付けられている枠中継基板716と、を備えている。ベースユニット710において、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715は、透明に形成されている。
前ベース711は、後方及び上方に開放された左右に長い箱状に形成されている。前ベース711は、内部に球経路部材713が後方から収容される。前ベース711は、前壁によって球経路部材713の第一球経路701の前端側を閉鎖している。前ベース711は、上側の周壁部において左右方向へ長く開口している球受口711aと、下側の周壁部の左右方向中央から右寄りの位置において開口している解消口711bと、を有している。前ベース711は、内部に球経路部材713を収容した状態で、球受口711aから球経路部材713の第一球経路701及び第二球経路702が上方へ臨んでいる。また、前ベース711は、解消口711bの前端側において、防犯カバー714を左右方向に延びた軸周りに回転可能に支持している。
後ベース712は、後方に開放された左右に長い箱状に形成されている。後ベース712は、前壁によって球経路部材713の第二球経路702の後端側を閉鎖している。後ベース712は、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導した上で下方へ誘導して排出する球抜通路705を、有している。球抜通路705は、箱状の後ベース712内に設けられており、全体が後方へ開放されている。球抜通路705は、通路壁部材715によって後端側が閉鎖されている。後ベース712の球抜通路705におけるスピーカボックス623よりも上側に位置している部位(正面視左端側の部位)は、前後方向に貫通しており、前端側が前ベース711により閉鎖されていると共に、後側が通路壁部材715により閉鎖されている。
また、後ベース712は、球経路部材713の第一球経路701を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第一排出誘導部712aと、球経路部材713の第二球経路702を流通した遊技球Bを受取って後方へ誘導した後に下方へ排出する第二排出誘導部712bと、を有している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの入口側は、後ベース712の前壁よりも前方へ突出しており、第一排出誘導部712aの入口が前方へ向かって開口していると共に、第二排出誘導部712bの入口が上方へ向かって開口している。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口は、前後方向が同じ位置に設けられている。第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bは、前壁よりも後側が後方へ開放されており、通路壁部材715により後端側が閉鎖されている。
後ベース712は、球抜通路705、第一排出誘導部712a、及び第二排出誘導部712bの夫々の出口が、前ベース711の解消口711bよりも正面視左方に位置しており、左から右へ順番に並んで設けられている。球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口に対して、前端側が前方へ大きく広がっていると共に後端側が後方へ小さく広がっている(図128(b)を参照)。つまり、球抜通路705の出口は、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口よりも前後方向が大きく(広く)形成されている。
球経路部材713は、箱状の前ベース711内に後方から挿入されて収容されるものである。球経路部材713は、第一球経路701と第二球経路702とを有している。球経路部材713は、右端において上端から下方へ垂直に延出している左壁部713aと、左壁部713aの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上左棚部713bと、上左棚部713bの右端から下方へ垂直に延出している段壁部713cと、段壁部713cの下端から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右棚部713dと、上右棚部713dの右端から斜め左下へ延出している整流壁部713eと、整流壁部713eの下端に対して右方へ離隔している位置から右方へ向かって高くなると共に上右棚部713dよりも右方に延出している下棚部713fと、下棚部713fの右端から左壁部713aの上端と略同じ高さまで垂直に上方へ延出している右壁部713gと、右壁部713gの上端から上右棚部713dの右端と同じ位置まで左方へ延出している上壁部713hと、上壁部713hの左端に接続されており上方へ開放されたコ字状の溝壁部713iと、を有している。溝壁部713iの左端は、上右棚部713dの左右方向中央に対して右寄りの部位に位置している。
また、球経路部材713は、整流壁部713eの下端から左方へ延出している下壁部上713jと、下壁部上713jの左端から上左棚部713bの下面まで垂直に上方へ延出している中壁部713kと、中壁部713kの左側面の途中から左方へ向かって低くなるように延出している庇部713lと、下棚部713fの左端付近から下方へ短く垂直に延出している垂下壁部713mと、垂下壁部713mの下端から下壁部上713jと平行に左方へ延出している下壁部下713nと、を有している。下壁部下713nにおける整流壁部713eの下端と下棚部713fの左端との間の下方に位置する部位は、遊技球Bが通過可能な大きさで上下に切欠かれている。
更に、球経路部材713は、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの夫々の下面から下方へ延出しており、左右方向に間隔をあけて設けられている複数の阻害リブ713oを、有している。また、球経路部材713は、左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、下壁部上713j、中壁部713k、垂下壁部713m、下壁部下713nで囲まれている空間を前後に仕切っている平板状の仕切壁部713pを、有している。
また、球経路部材713は、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fにおいて、夫々の前端と後端から仕切壁部713p側へ向かって凹むように切欠かれている複数の切欠部713qを、有している。夫々の切欠部713qは、基板ユニット700に組立てた時に、前ベース711や後ベース712との間に、遊技球Bの半径よりも前後方向が小さい隙間が形成されるように設けられており、当該隙間を通して第一球経路701内や第二球経路702内のゴミや塵等を下方へ排出させることができる。
また、球経路部材713は、仕切壁部713pの前面における整流壁部713eと下棚部713fとの間の部位に設けられており、左右に延びている複数の案内突条713rを、有している。
更に、球経路部材713は、仕切壁部713pよりも前側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第一球センサ703が収容されるセンサ収容部前713sと、仕切壁部713pよりも後側において、下壁部上713j、垂下壁部713m、及び下壁部下713nにより囲まれており、第二球センサ704が収容されるセンサ収容部後713tと、を有している。
センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tには、第一球センサ703及び第二球センサ704の検知孔が、整流壁部713eと下棚部713fとの間に部位の下方に位置するように、つまり、検知孔を右側にした状態で、第一球センサ703及び第二球センサ704が収容される。図示は省略するが、第一球センサ703及び第二球センサ704から延びている配線ケーブルは、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから中壁部713kよりも左方へ延出している。
また、球経路部材713は、下壁部下713nの下面における仕切壁部713pよりも前方の部位に設けられており、下方へ突出していると共に後方へ開放されている第一球誘導部713uを、有している。第一球誘導部713uは、基板ユニット700に組立てた時に、後端側の右半分が後ベース712の前面により閉鎖されると共に、左半分が後ベース712の第一排出誘導部712aの入口側に臨んでいる。第一球誘導部713uは、仕切壁部713pの前方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、右方へ誘導した後に後方へ誘導して、後ベース712の第一排出誘導部712aに受け渡すことができる。
一方、球経路部材713における仕切壁部713pよりも後側では、下壁部下713nの下方へ開放されている部位(センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704の検知孔の部位)の下方には、後ベース712の第二排出誘導部712bの上方へ向かって開口している入口が位置する。これにより、仕切壁部713pの後方において、整流壁部713eと下棚部713fとの間から下方へ流下した遊技球Bを、後ベース712の第二排出誘導部712bに受け渡すことができる。
上左棚部713bの右端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも若干右寄りに位置している。上右棚部713dの右端は、前ベース711における解消口711bの右端よりも右寄りに位置している。下棚部713fの左端は、前ベース711における解消口711bの左端よりも左方に位置している。従って、前ベース711の解消口711bの直上の上方は、整流壁部713eによって覆われている。上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fは、直線状に傾斜している。一方、整流壁部713eは、曲線状に傾斜しており、左端側が下方へ垂直に向くように湾曲している。整流壁部713eと下棚部713fとの間の距離(高さ)は、左端側が一つの遊技球Bが通過可能な高さとなるように、左方へ向かうに従って狭くなるように傾斜している。この整流壁部713eと下棚部713fとにより複数の遊技球Bを一列に整流して下方へ誘導することができる。
整流壁部713eと下棚部713fとの間は、上述したように、左方(遊技球Bが流通する下流の方向)へ向かうに従って上下の寸法が狭くなるように形成されているため、遊技球Bの流通量等によっては複数の遊技球Bが整流壁部713eと下棚部713fとの間に噛み込んで、球詰りが発生する恐れがある(図134を参照)。この整流壁部713eは、解消口711bの上方に位置していることから、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、防犯カバー714を開いて解消口711bを開放させた状態とし、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入し、その工具より噛み込んだ遊技球Bを突くことで球詰りを解消させることができる。
ところで、下棚部713fには、球詰りを解消させたりゴミや塵を下方へ落下させたりするための切欠部713qが設けられているため、ピアノ線やカテーテル等のような線状の不正工具を下方から切欠部713qを通して下棚部713fの上方(第一球経路701や第二球経路702)へ侵入させ、更に不正工具の先端を、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)から上方へ延出させて、上方に設けられている遊技盤5に対して不正行為が行われる恐れがある。このような不正工具の挿入は、下棚部713fに限らず、切欠部713qが設けられている上左棚部713bや上右棚部713dにおいても同様の危惧がある。
これに対して、本実施形態では、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる(図135を参照)。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上右棚部713dと上左棚部713bにおける中壁部713kよりも右側の部位では、それらの下方及び左右の側方が、切欠部713qが設けられていない整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより閉鎖されているため、上右棚部713dと上左棚部713bの該当部位の切欠部713qを通して下方から不正工具が挿入されることはなく、当該部位の切欠部713qを介して不正行為が行われることはない。
球経路部材713は、上述したように、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qが設けられているため、切欠部713qを通してゴミや塵を下方へ排出することができる(図136を参照)。上左棚部713bにおけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方に位置している切欠部713qを通して下方へ排出されたゴミ等は、整流壁部713e、下壁部上713j、及び中壁部713kにより囲まれた空間内に収容される。これにより、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704に対して、ゴミ等が付着することはない。
また、センサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tに収容されている第一球センサ703及び第二球センサ704の左端側には、配線ケーブルがコネクタにより接続されており、配線ケーブル及びコネクタがセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tから左方へ突出している。つまり、第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタが中壁部713kよりも左方に突出している。この中壁部713kでは、左側面におけるセンサ収容部前713s及びセンサ収容部後713tの上方の部位から庇部713lが左方へ延出しているため、上方の上左棚部713bに形成されている切欠部713qを通して下方へ落下したゴミや塵が、庇部713lの傾斜により左方へ誘導され、中壁部713kよりも左方に突出している第一球センサ703及び第二球センサ704の配線ケーブル及びコネクタに落下することを防止することができ、ゴミ等を起因とする不具合の発生を回避させることができる。
ベースユニット710は、球経路部材713における仕切壁部713pの前方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、第一球誘導部713u、及び後ベース712の第一排出誘導部712aにより第一球経路701を形成していると共に、球経路部材713における仕切壁部713pの後方側の左壁部713a、上左棚部713b、段壁部713c、上右棚部713d、整流壁部713e、下棚部713f、右壁部713g、溝壁部713i、及び後ベース712の第二排出誘導部712bにより第二球経路702を形成している。
防犯カバー714は、平板状に形成されており、前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能な状態で前ベース711の解消口711bの前端付近に取付けられている。また、防犯カバー714は、後端側に、後ベース712に係止される弾性係止部714aを有している。図130に示すように、この防犯カバー714は、弾性係止部714aを後ベース712に係止して水平にした状態では、解消口711bを閉鎖しており、弾性係止部714aの係止を解除して後端側が下方へ位置するように回転させて垂直にした状態では、解消口711bを開放している。つまり、防犯カバー714により、解消口711bを開閉させることができる。
防犯カバー714は、閉じた状態とすることで前ベース711の解消口711bを閉鎖することができるため、解消口711bから線状の不正工具が球経路部材713内(第一球経路701や第二球経路702)へ挿入されることを防止することができる。また、防犯カバー714は、球経路部材713の整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した時に、開いた状態とすることで、前ベース711の解消口711bを開放させることができるため、下方から解消口711b及び下棚部713fの切欠部713qを通して棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入して遊技球Bの球詰りを解消させることができる。この球詰りの解消作業は、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた状態で実施される。
この防犯カバー714は、解消口711bを開放させた状態(垂直にした状態)では、下端(弾性係止部714a側の端部)が、接触危惧物(ここでは、外枠2における幕板後部材43の接続筒部43a)の高さ(図130において一点鎖線で示す高さ)よりも下方に位置している。従って、球経路部材713内での遊技球Bの球詰りを解消させるために、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた後に、防犯カバー714を開けたままの状態で本体枠4を外枠2に対して閉じようとしても、開いている防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接し、本体枠4を閉じることができない。これにより、防犯カバー714の閉め忘れを回避させることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、外枠2に対して本体枠4を閉じている時に、何らかの理由により防犯カバー714が開いた場合、そのままの状態で本体枠4を外枠2に対して開いても、開いている防犯カバー714に前方から接触危惧物が当接することとなるが、防犯カバー714の前端側が左右方向の軸周りに対して回転可能に取付けられていることから、前方から接触危惧物が当接すると防犯カバー714が閉じる方向へ回転するため、防犯カバー714が接触危惧物に引っ掛かることなく本体枠4を開くことができ、防犯カバー714や接触危惧物の破損を回避させることができる。
なお、本実施形態の防犯カバー714は、整流壁部713eと下棚部713fとの間での遊技球Bの球詰りの発生が稀であり、閉じたままの状態を基本としているため、開き難いように弾性係止部714aによる係止が硬めに設定されている。
通路壁部材715は、後ベース712の後側に取付けられており、後方へ開放されている球抜通路705の後端側を閉鎖している。また、通路壁部材715は、後ベース712における第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bの出口側において後方へ開放されている部位を閉鎖しており、第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bを流通してきた遊技球Bを下方へ排出させることができる。更に、通路壁部材715は、後ベース712とで枠中継基板716を挟持していると共に、枠中継基板716の後側を覆っている。
枠中継基板716は、後ベース712と通路壁部材715との間に挟持されている。枠中継基板716は、扉枠3のハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、第一球センサ703、及び第二球センサ704と、主制御基板1310との接続を中継するためのものである。
本実施形態のベースユニット710は、図129(a)に示すように、前ベース711の球受口711aから、球経路部材713の上左棚部713bと上右棚部713dの一部とが上方へ臨んでおり、遊技盤5から下方へ放出された全ての遊技球Bを受取ることができる。球受口711aを通して上左棚部713bや上右棚部713dに落下した遊技球Bは、右方へ転動して上右棚部713dの右端から下棚部713f上へ流下する。そして、下棚部713fに流下した遊技球Bは、下棚部713fを左方へ転動する。この際に、下棚部713f上において複数の遊技球Bが上下に積み重なっていると、左方へ向かうほど一列になるように上方の整流壁部713eにより崩される。
下棚部713fを左方へ転動した遊技球Bは、下棚部713fの左端から下方へ落下し、仕切壁部713pよりも前方の場合は、センサ収容部前713sに収容されている第一球センサ703に検知された上で第一球誘導部713uを通った後に、後ベース712の第一排出誘導部712aを通って下方へ排出される。一方、仕切壁部713pよりも後方の場合は、センサ収容部後713tに収容されている第二球センサ704に検知された後に、後ベース712の第二排出誘導部712bを通って下方へ排出される。
このように、本実施形態のベースユニット710では、球経路部材713の仕切壁部713pの前後で互いに分離した経路を遊技球Bが流通して下方へ排出するようにしており、仕切壁部713pよりも前側を第一球経路701としていると共に、仕切壁部713pよりも後側を第二球経路702としている。従って、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも前方へ落下した遊技球Bは、第一球経路701を流通し、第一球センサ703により検知された上で下方へ排出させることができる。一方、遊技盤5から球経路部材713の仕切壁部713pよりも後方へ落下した遊技球Bは、第二球経路702を流通し、第二球センサ704により検知された上で下方へ排出させることができる。
また、ベースユニット710は、球タンク552内等の遊技球Bを抜くために下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを、後ベース712の球抜通路705を通して下方へ排出することができる。ベースユニット710の第一排出誘導部712a(第一球経路701)、第二排出誘導部712b(第二球経路702)、及び球抜通路705から下方へ排出された遊技球Bは、島設備側の遊技球Bを回収する部位(アウト受部、バケツ、等)に受渡される。
本実施形態の基板ユニット700におけるベースユニット710によれば、上左棚部713b、上右棚部713d、及び下棚部713fに複数の切欠部713qを設けていることから、切欠部713qを通してゴミや塵を落下させて第一球経路701や第二球経路702から排除することができるため、ゴミ等が遊技球Bの流通を妨げることを回避させることができ、球詰り等の発生を抑制させることができる。
また、前ベース711、後ベース712、球経路部材713、及び通路壁部材715を透明に形成しているため、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開くと共に、本体枠4から遊技盤5を取外した状態とすることで、ベースユニット710(基板ユニット700)の上方から、球経路部材713(第一球経路701及び第二球経路702)内での遊技球Bの球詰りの有無を容易に確認することができる。そして、球経路部材713における整流壁部713eと下棚部713fとにより遊技球Bを一列に整列させる部位において、下棚部713fに切欠部713qを設けているため、整流壁部713eと下棚部713fとの間で球詰りが発生した場合、外枠2に対して本体枠4を前方へ開くと共に、防犯カバー714を開くことで、解消口711b及び切欠部713qを通して下方から棒状の工具を整流壁部713eと下棚部713fとの間に挿入することができ、その工具より球詰りを解消させることができる。
更に、下棚部713fにおける整流壁部713eの下方の部位に、下方へ開放された解消口711bを設けていると共に、解消口711bを閉鎖する防犯カバー714を設けているため、解消口711bを通して上記のように球詰りを解消させることができる上に、通常の状態では防犯カバー714により解消口711bを閉鎖しておくことで、解消口711bから線状の不正工具が第一球経路701や第二球経路702に挿入されることを阻止することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、解消口711bを開閉する防犯カバー714を、前端側において左右方向の軸周りに対して回転させることで開閉するようにしていることから、防犯カバー714を閉め忘れた状態で本体枠4を外枠2に対して閉めようとすると、防犯カバー714が接触危惧物(幕板後部材43の接続筒部43a)に当接して、本体枠4を閉じることができなくなるため、防犯カバー714の閉め忘れに気付かせることができ、防犯カバー714を確実に閉じさせて、防犯カバー714による防犯機能を発揮させることができる。
更に、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面には、左右方向に離隔し下方へ延出している複数の平板状の阻害リブ713oを設けているため、線状の不正工具の先端が、上左棚部713b、下棚部713f、及び上壁部713hの下面を伝って移動しようとしても、阻害リブ713oに当接して先端の移動を阻止することができ、これ以上の不正工具の挿入を阻止することができる。従って、球経路部材713(第一球経路701や第二球経路702)を通した遊技盤5への不正行為の実行を防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、上記のように、後ベース712の第一排出誘導部712a及び第二排出誘導部712bや球経路部材713により、蛇行したりクランクしたりする複雑な流通経路を構成するようにしているため、第一排出誘導部712aや第二排出誘導部712bの出口側から線状の不正工具を挿入しても、複雑な経路により侵入を阻むことができ、第一球経路701及び第二球経路702を通した遊技盤5への不正工具の侵入を阻止することができる。
また、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された全ての遊技球Bを検知(カウント)することができるため、遊技盤5に対して排出される遊技球Bを検知するための構成(例えば、アウト球検知ユニット)を設ける必要が無く、遊技盤5にかかるコストを低減させることができると共に、遊技盤5において、排出される遊技球Bを検知するための構成の分だけスペースを確保することが可能となり、確保したスペースに演出装置を設けるようにすることで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1(遊技盤5)とすることができる。
また、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するようにしているため、遊技盤5におけるセーフ球のカウント数と、第二球センサ704によるセーフ球のカウント数とを比較することで、遊技盤5に対して不正行為が行われているか否かを判定することができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、所定時間当りのセーフ球数と所定時間当りのアウト球数とから算出した所定時間当りの払出率(出玉率)を、遊技者側から視認できるように表示するようにした場合、遊技者としては多くの遊技球Bの払出しを望むことから、表示されている払出率が大きいと、多くの遊技球Bが払出される可能性が高いパチンコ機1であると即座に認識することができ、遊技するパチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、払出率を、遊技者側から視認可能に表示するようにした場合、遊技球Bが多く払出されるような不正行為を行うと、表示されている払出率が通常よりも大きくなることから、他の遊技者やパチンコ機1を設置している遊技ホールの係員等が、不正行為に気付き易くなるため、不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、セーフ球の数とアウト球の数とから算出した払出率を、遊技者側から視認不能な位置に表示するようにした場合、遊技ホールの係員等が見ることで、上記と同様の理由により不正行為を察知することができる。また、パチンコ機1をメンテナンス等する際に、表示されている払出率が通常の値よりも異なる場合は、パチンコ機1内(例えば、障害釘N、主制御基板1310、払出制御基板633、中継基板、コネクタ、配線ケーブル、各種センサ、等)での不具合の可能性が考えられるため、不具合に対して早期に対応することが可能となり、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、第一球経路701及び第二球経路702は、球タンク552内の遊技球Bを排出するための球抜通路705と分離しているため、第一球センサ703や第二球センサ704において球抜きの遊技球Bは計数されない。従って、第一球センサ703及び第二球センサ704により、遊技盤5から放出された遊技球Bのみを正確に計数することができる。
なお、上記の実施形態では、第一球経路701をアウト球が、第二球経路702をセーフ球が、夫々流通するものを示したが、これに限定するものではなく、第一球経路701をセーフ球が第二球経路702をアウト球が夫々流通するようにしても良いし、セーフ球及びアウト球に関わらず遊技盤5から排出された遊技球Bが第一球経路701及び第二球経路702の何れかを流通するものとしても良い。
また、上記の実施形態では、防犯カバー714を回転させることにより解消口711bを開閉させるものを示したが、これに限定するものではなく、前後又は左右にスライドさせることで解消口711bを開閉させるものとしても良い。
また、上記の実施形態では、一つの仕切壁部713pにより仕切ることで、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bを、第一球経路701及び第二球経路702の前後に別れた二つの球経路の何れかを通って排出させるものを示したが、これに限定するものではなく、複数の仕切壁部により前後に三つ以上に別れた球経路を備え、何れかの球経路を通って遊技盤5から放出された遊技球Bを下方へ排出させるようにしても良い。
[4-14a.球経路のアース金具]
続いて、基板ユニット700における球経路(第一球経路701及び第二球経路702)のアース金具706について、図137及び図138を参照して詳細に説明する。図137(a)は基板ユニットにおける第二球経路を第二球センサの部位で切断して後ろから見た断面図であり、(b)は(a)における第一球経路及び第二球経路の出口付近を拡大して示す要部拡大図である。図138(a)は基板ユニットにおける球経路とアース金具との関係を模式的に示す説明図であり、(b)は球センサから球経路の出口までが垂直に延びている場合の球センサと出口とアース金具との関係を模式的に示す説明図であり、(c)は球通路の底壁にアース金具を設ける場合の球センサと出口とアース金具との関係を模式的に示す説明図である。
本実施形態の基板ユニット700は、遊技盤5から下方へ放出された遊技球Bが流通する球経路としての第一球経路701及び第二球経路702において、流通する遊技球Bを検知するための第一球センサ703及び第二球センサ704よりも下流側の部位に、遊技ホール側に接地されているアース金具706が設けられている(図137を参照)。アース金具706は、遊技球Bと接触可能な部位に設けられている。アース金具706は、球経路としての第一球経路701や第二球経路702を構成している通路の、底壁及び二つの側壁、の少なくとも一つの壁に設けられている。
このアース金具706は、球経路(第一球経路701及び第二球経路702)における遊技球Bの流通方向に対する長さL3を、球経路において蛇行するように溜る遊技球Bの少なくとも一つが接触可能な長さに形成されている。例えば、球経路の一つの面(一つの側壁)に設ける場合、遊技球Bの直径をDとすると、L3の長さを、「2D≦L3」とすることが望ましい(図138(a)を参照)。或いは、アース金具706を、球経路の向かい合う二つの面(二つの側壁)、又は、底壁、に設けるようにしても良く、その場合のL3の長さは、「D≦L3」とすることが望ましい(図138(c)を参照)。また、アース金具706を装着する変わりに、当該樹脂部品(例えば、後ベース712、球経路部材713、等)を導電性樹脂で構成しても良い。
ところで、何らかのトラブルにより島設備において遊技球Bを回収するための回収部(例えば、バケツ、アウト受部、等)から遊技球Bが排出されない場合、遊技盤5から排出された遊技球Bが次々送られてくると、遊技球Bがどんどん溜まりだし、回収部から第一球経路701及び第二球経路702にも遊技球Bが溜って、アウトセンサ664としての第一球センサ703及び第二球センサ704に到達することがある。そして、その状態で、溜った遊技球Bを伝って島設備側から静電気が第一球センサ703や第二球センサ704に流入すると、第一球センサ703及び第二球センサ704等が接続されている主制御基板1310(例えば、第一球センサ703及び第二球センサ704と接続されているIC)が破損してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、第一球経路701及び第二球経路702における第一球センサ703及び第二球センサ704よりも下流側の部位にアース金具706を設けているため、当該アース金具706に島設備側から溜った遊技球Bが接触することで、静電気を逃がすことができ、第一球センサ703や第二球センサ704からの静電気の流入を阻止して主制御基板1310の破損を回避させることができる。
ところで、第一球センサ703や第二球センサ704を球通路としての第一球経路701や第二球経路702の出口707付近に設ける場合、第一球経路701や第二球経路702の出口707から第一球センサ703や第二球センサ704までの距離によっては、第一球センサ703や第二球センサ704よりも下流にアース金具706を設けていても、島設備から溜った一連の遊技球Bが、アース金具706に接触せずに第一球センサ703や第二球センサ704に接触してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態では、第一球センサ703及び第二球センサ704を出口707から距離L4よりも上流に設けるようにしている(図138(b)及び(c)を参照)。距離L4は、出口707から第一球センサ703や第二球センサ704までの最短距離である。この距離L4は、遊技球Bの直径をDとすると、「L4>D」とすることが望ましい。更には、第一球経路701や第二球経路702において、第一球センサ703や第二球センサ704から出口707までが垂直の場合、「L4>2.5×D」とすることが望ましく、アース金具706の長さL3も、「L3>2.5×D」とすることが望ましい。これにより、島設備側から溜った遊技球Bが、第一球センサ703や第二球センサ704に接触する前に、アース金具706に接触させることができ、第一球センサ703や第二球センサ704からの静電気の流入を阻止することができる。
なお、アース金具706を、第一球経路701及び第二球経路702の出口707から基板ユニット700の下面側へ回り込むように設けても良い。或いは、アース金具706を、基板ユニット700の下面に設けるようにしても良い。
上記のように、本実施形態によれば、本体枠4において、遊技盤5(遊技盤5A)から放出された遊技球Bを誘導して排出する基板ユニット700の第一球経路701及び第二球経路702に、遊技球Bを検知するための第一球センサ703及び第二球センサ704を設けているため、遊技盤5から放出された遊技球Bの数をカウントすることができる。従って、例えば、第一球センサ703及び第二球センサ704により検知された遊技球Bの数と遊技盤5の一般入賞口2001等の入賞口への遊技球Bの受入れにより払出された遊技球Bの数(賞球数)とにより、パチンコ機1(遊技盤5)における遊技球Bの出玉率を算出したり、不正行為を検知したりすることが可能となる。この際に、本体枠4の第一球経路701及び第二球経路702における第一球センサ703及び第二球センサ704よりも下流に、アース接続されているアース金具706を設けているため、何らかのトラブルにより島設備側において遊技球Bの回収に不具合が発生することで、本体枠4から排出される遊技球Bが溜りだして、本体枠4の第一球経路701や第二球経路702に達し、更に、島設備側から溜った遊技球Bが第一球経路701や第二球経路702に設けられている第一球センサ703及び第二球センサ704に到達する前に、第一球経路701や第二球経路702に設けられているアース金具706に溜った一連の遊技球Bが接触することとなり、島設備側からの静電気を逃がすことができる。このようなことから、溜った遊技球Bが第一球センサ703や第二球センサ704に到達したとしても、島設備からの静電気をアース金具706により逃すことができるため、第一球センサ703や第二球センサ704に静電気が流入することを阻止して、第一球センサ703や第二球センサ704から流入した静電気により遊技盤5の主制御基板1510が破損してしまうことを回避させることができ、静電気による不具合の発生を抑制することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、アース金具706により、第一球経路701や第二球経路702内の遊技球Bの静電気を逃がすことができるため、主制御基板1510が破損するほどではないが誤検知となるようなノイズが第一球センサ703や第二球センサ704から入ることを阻止することができ、遊技盤5から放出された遊技球Bの数を正確にカウントすることができる。
更に、アース金具706を第一球経路701や第二球経路702の一つの側壁に設ける場合は、遊技球Bの流通方向へ、遊技球Bの直径Dの二倍よりも長くアース金具706を設けると共に、第一球センサ703や第二球センサ704を第一球経路701や第二球経路702の出口707から遊技球Bの直径Dの2.5倍の距離よりも上流に設けるようにしているため、島設備側から溜った遊技球Bが、第一球経路701や第二球経路702内において蛇行するように溜っても、島設備側から連なる複数の遊技球Bのうちの少なくとも一つをアース金具706に接触させることができ、島設備側からの静電気を確実に逃すことができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を提供することができる。また、この場合、第一球センサ703や第二球センサ704から出口707までを垂直にしても、島設備から溜った一連の遊技球Bが、アース金具706に接触せずに第一球センサ703や第二球センサ704に接触してしまうことを確実に回避させることができる。
また、アース金具706を第一球経路701や第二球経路702の二つの側壁又は底壁に設ける場合は、遊技球Bの流通方向へ、遊技球Bの直径Dよりも長く設けると共に、第一球センサ703や第二球センサ704を出口707から遊技球Bの直径Dの距離よりも上流に設けるようにしているため、第一球センサ703や第二球センサ704から出口707までが垂直であるか否かに関わらず、島設備側から溜った遊技球Bが、第一球経路701や第二球経路702内において蛇行するように溜っても、島設備側から連なる複数の遊技球Bのうちの少なくとも一つをアース金具706に接触させることができ、島設備側からの静電気を確実に逃すことができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を提供することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図139乃至図145を参照して詳細に説明する。図139は、透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。図140は図139の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図141は図139の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図142は図139の遊技盤を後ろから見た斜視図である。図143は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図144は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図145は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、第二V入賞口2008、が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等に、受入れられるように、ハンドル195の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図159を参照)と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図159等を参照)と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図173等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図159等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005又は役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008と、を備えている。また、遊技盤5は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図159を参照)を、備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口2020と、遊技領域5a内におけるアウト口2020よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。アウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右に二つ設けられている。また、二つのサブアウト口2021は、遊技領域5aの左右方向中央よりも左方の部位と、遊技領域5aの左右方向中央よりも右方の部位とに、に夫々設けられている。
更に、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とを有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004と大入賞口2005と一つのサブアウト口2021とを有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており役物入賞口2006、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の右端上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している枠状の本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており第二V入賞口2008を有している抽選役物2550と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
[5-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。このアウト口1008は、始動口ユニット2100によって前方から閉鎖されている。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、右下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
[5-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120よりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、図示は省略するが、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも上側にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より上側を除いた、左側及び右側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口1008に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口1008と連通している。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と共に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と共に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[5-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口2020やサブアウト口2021を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628又はアウト球通路663(図123を参照)へ排出させることができる。アウト球通路663へ排出された遊技球Bは、アウトセンサ664により一つずつ検知(カウント)される。
[5-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図146乃至図150等を参照して詳細に説明する。図146(a)は主制御ユニットの一つである第一仕様主制御ユニットの背面図であり、(b)は第一仕様主制御ユニットを前から見た斜視図であり、(c)は第一仕様主制御ユニットを後ろから見た斜視図である。図147(a)は第一仕様主制御ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第一仕様主制御ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図148(a)主制御ユニットの一つである第二仕様主制御ユニットの背面図であり、(b)は第二仕様主制御ユニットを後ろから見た斜視図である。図149(a)は第二仕様主制御ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二仕様主制御ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図150(a1)は第一仕様主制御ユニットの背面図における設定キースイッチが実装されている部位を拡大して示す説明図であり、(a2)は(a1)における設定キースイッチの部位を断面で示す説明図であり、(b1)は第二仕様主制御ユニットの背面図における(a1)と同じ部位を拡大して示す説明図であり、(b2)は(b1)における(a2)と同じ部位を断面で示す説明図である。
主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図159を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に主制御基板1310が取付けられる基板ベース1330と、主制御基板1310を後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている基板カバー1340と、から構成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とは、透明なポリカーボネイトにより形成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とにより形成される内部空間には、主制御基板1310が収容されている。基板ベース1330と基板カバー1340が透明なポリカーボネイトにより形成されていることによって、主制御基板1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1320は、基板ベース1330と基板カバー1340とに夫々対応するように複数の封印機構1350を備えており、一つの封印機構1350を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構1350を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、アウトセンサ664、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等と接続されている。
また、主制御基板1310には、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311を有している。ベースモニタ1311は、透明な基板カバー1340を通して後方から視認することができる。このベースモニタ1311は、球発射装置540により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4のベースユニット660に設けられているアウトセンサ664により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタ1311は、100発発射してアウトセンサ664によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
本実施形態のパチンコ機1では、主制御ユニット1300として、遊技内容等の設定を変更することが可能な第一仕様主制御ユニット1300Aと、遊技内容等の設定を変更することが不能な第二仕様主制御ユニット1300Bと、の二つの仕様の異なるものが予め用意されており、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の要望に応じて何れか一方を遊技盤5に装着することができる。
まず、主制御ユニット1300としての第一仕様主制御ユニット1300Aについて、図146、図147、及び図150を参照して詳細に説明する。第一仕様主制御ユニット1300Aは、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する第一仕様主制御基板1310Aと、第一仕様主制御基板1310Aを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる第一仕様主制御基板ボックス1320Aと、を備えている。
第一仕様主制御基板ボックス1320Aは、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に第一仕様主制御基板1310Aが取付けられる基板ベース1330と、第一仕様主制御基板1310Aを後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている第一仕様基板カバー1340Aと、基板ベース1330と第一仕様基板カバー1340Aとを開閉の痕跡が残るように封印可能な複数の封印機構1350と、を有している。第一仕様主制御基板ボックス1320Aは、ポリカーボネイトのような透明な合成樹脂により形成されており、内部に収容されている第一仕様主制御基板1310Aを外部から視認することができる。第一仕様主制御基板ボックス1320Aの基板ベース1330及び封印機構1350は、上記の主制御基板ボックス1320と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
第一仕様主制御基板1310Aは、上記の主制御基板1310と同様に、インターフェイス基板635、アウトセンサ664、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、第一仕様主制御基板1310Aは、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等とも接続されている。
また、第一仕様主制御基板1310Aは、背面視において右上隅付近に、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311が設けられている。ベースモニタ1311は、透明な第一仕様基板カバー1340Aを通して後方から視認することができる。本実施形態のベースモニタ1311は、例えば、発射した遊技球Bに対して、何個の遊技球Bが賞球として排出されるかの割合(所謂ベース)を表示している。
また、第一仕様主制御基板1310Aは、背面視において右上隅に設定キースイッチ1312が設けられている。設定キースイッチ1312は、背面視において、ベースモニタ1311と同じ高さの右方に設けられている。この設定キースイッチ1312は、第一仕様主制御基板1310Aにのみ設けられている特有の特定部品である。この設定キースイッチ1312は、パチンコ機1の設定値の切替えと、設定値の確認と、を行うためのものである。設定キースイッチ1312は、設定キー(図示は省略)の挿入口1312aが第一仕様基板カバー1340Aの設定キー窓1341から外方へ臨んでいる。
設定キースイッチ1312は、底部から取付用の脚1312bや、接続用の端子1312cが突出している。設定キースイッチ1312は、図147(a)に示すように、第一仕様主制御基板1310Aに実装した状態では、脚1312b及び端子1312cの夫々の先端が、第一仕様主制御基板1310Aを貫通して基板の裏側に突出している。この第一仕様主制御基板1310Aには、設定キースイッチ1312の脚1312b及び端子1312cが挿入される取付孔及びスルーホールが、予め設けられている。
また、設定キースイッチ1312は、挿入口1312aが設けられている部位を形成している円柱状の円柱部1312dと、円柱部1312dの円の直径よりも一辺が長い正方形で円柱部1312dの前端から前方へ角柱状に延出している角柱部1312eと、を有している。設定キースイッチ1312の円柱部1312dは、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342内に挿入される。設定キースイッチ1312は、円柱部1312dと角柱部1312eとの間に、段差が形成されている。角柱部1312eの前端から脚1312b及び端子1312cが前方へ延出している。
この設定キースイッチ1312は、設定キーの挿入口1312aの長手方向が、図示するように上下方向となっている位置が、初期位置とされており、設定キースイッチ1312がOFFとなっていると共に、挿入口1312aに対して設定キーを差し込んだり、挿し込まれた設定キーを挿入口1312aから抜いたりすることができる。設定キースイッチ1312は、挿入口1312aに設定キーを差し込んで、初期位置から時計回りの方向へ60度回転させると、第一位置として設定キーONとなり、その信号が主制御MPU(図示は省略)へ入力される。一方、挿し込んだ設定キーを初期位置から反時計回りの方向へ60度回転させると、第二位置として決定キーONとなり、その信号が主制御MPU(図示は省略)へ入力される。このように、本実施形態の設定キースイッチ1312は、設定キーを回転させる方向によって、設定キーONの機能と、決定キーONの機能と、の二つの機能を操作することができ、初期位置にすることで何れの機能の操作もOFFとすることができる。
設定キースイッチ1312による設定値の変更方法としては、パチンコ機1の電源がOFFの状態で、設定キースイッチ1312に設定キーを差し込んで、時計回りの方向(右)へ回した状態とする。この状態で、RAMクリアスイッチ(図示は省略)を押しながら電源スイッチ630aをONにすると、ベースモニタ1311に設定が表示される。設定が表示されたら、設定変更スイッチ(ここではRAMクリアスイッチと兼用)を押すと、表示されている設定値が変わるため、所望の設定値を表示させた上で、設定キーを左に回して元の初期位置へ戻すと、設定が確定する。
一方、現在設定されている設定値を確認する場合は、パチンコ機1の電源がOFFの状態で、設定キースイッチ1312に設定キーを差し込んで、時計回りの方向(右)へ回した状態とする。この状態で、パチンコ機1の電源スイッチ630aをONにすると、ベースモニタ1311に現在設定されている設定値が表示される。設定値の確認が終了したら、設定キーを左に回して元の初期位置へ戻すと、通常の状態に戻る。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球Bの球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。
そして、第一仕様主制御基板1310Aの主制御MPUは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル)を選択する。
なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあっても良いし、多い範囲のものであっても良い。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としても良いし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としても良い。
第一仕様主制御ユニット1300Aにおける第一仕様主制御基板ボックス1320Aの第一仕様基板カバー1340Aは、設定キースイッチ1312の後端(挿入口1312a)を後方へ臨ませる設定キー窓1341と、設定キー窓1341の周縁から後方へ円筒状に突出している筒部1342と、を有している。また、第一仕様基板カバー1340Aは、筒部1342よりも上方の部位の裏面に、案内部1343として「設定キー」の文字が凸状に刻印されている(図150(a1)を参照)。この第一仕様基板カバー1340Aは、透明な合成樹脂により形成されているため、裏面に案内部1343が設けられていても、表側から視認することができる。
第一仕様主制御ユニット1300Aは、組立てた状態で、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342の内部に、設定キースイッチ1312の円柱部1312dが挿入されている。これにより、設定キースイッチ1312の後端面が第一仕様基板カバー1340Aの後面よりも後方へ突出していない状態で、当該後端面が設定キー窓1341から後方へ臨んでいる。また、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342の前端が、設定キースイッチ1312における円柱部1312dと角柱部1312eとの間の段差に当接している。これにより、設定キー窓1341の前端側が角柱部1312eと重なって閉鎖されている状態となり、設定キー窓1341を通して第一仕様主制御基板ボックス1320A内へのピアノ線のような不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、第一仕様主制御ユニット1300Aに組立てた状態では、設定キー窓1341から設定キースイッチ1312の後端面に設けられている挿入口1312aが後方へ露出して臨んでいると共に、その上方に設けられている案内部1343の「設定キー」の文字を視認することができるため、作業者に対して設定キー窓1341から臨んでいる挿入口1312aが、設定キーを挿入するためのものであることを認識させることができる。従って、この第一仕様主制御ユニット1300Aが、設定値を変更することが可能なものであることを容易に認識させることができる。
続いて、主制御ユニット1300としての第二仕様主制御ユニット1300Bについて、図148乃至図150を参照して詳細に説明する。第二仕様主制御ユニット1300Bは、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する第二仕様主制御基板1310Bと、第二仕様主制御基板1310Bを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる第二仕様主制御基板ボックス1320Bと、を備えている。
第二仕様主制御基板ボックス1320Bは、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に第二仕様主制御基板1310Bが取付けられる基板ベース1330と、第二仕様主制御基板1310Bを後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている第二仕様基板カバー1340Bと、基板ベース1330と第二仕様基板カバー1340Bとを開閉の痕跡が残るように封印可能な複数の封印機構1350と、を有している。第二仕様主制御基板ボックス1320Bは、ポリカーボネイトのような透明な合成樹脂により形成されており、内部に収容されている第二仕様主制御基板1310Bを外部から視認することができる。第二仕様主制御基板ボックス1320Bの基板ベース1330及び封印機構1350は、上記の主制御基板ボックス1320と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
第二仕様主制御基板1310Bは、上記の主制御基板1310と同様に、インターフェイス基板635、アウトセンサ664、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、第二仕様主制御基板1310Bは、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等とも接続されている。
また、第二仕様主制御基板1310Bは、背面視において右上隅付近に、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタ1311が設けられている。ベースモニタ1311は、透明な第二仕様基板カバー1340Bを通して後方から視認することができる。このベースモニタ1311は、球発射装置540により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4のベースユニット660に設けられているアウトセンサ664により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタ1311は、100発発射してアウトセンサ664によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
この第二仕様主制御基板1310Bは、第一仕様主制御基板1310Aとは異なり、設定キースイッチ1312が設けられていない。換言すると、第二仕様主制御基板1310Bは、背面視において右上隅(ベースモニタ1311の右方の部位)に、何らの電子部品も実装されていない未実装領域1313を有している(図150(b1)において二点鎖線で囲んでいる領域)。第二仕様主制御基板1310Bにおける未実装領域1313には、電子部品を取付けるための取付孔、電子部品を電気的に接続するためのスルーホール、等が一切設けられていない。
このように、第二仕様主制御基板1310Bには、特定部品としての設定キースイッチ1312が設けられていないため、設定値を変更することが不能となっており、パチンコ機1(遊技盤5)の遊技内容等にかかる設定値が変更不能に固定されている。
なお、図示は省略するが、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313に、電子部品(特定部品)が実装されていないことを認識させる文字や記号等を、シルク印刷等により施すようにしても良い。
第二仕様主制御基板ボックス1320Bにおける第二仕様基板カバー1340Bは、第二仕様主制御ユニット1300Bに組立てた時に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313と対向する面部1344に、第二仕様主制御基板1310Bへ向かって円筒状に延出している未実装識別部1345を有している。第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345は、第一仕様基板カバー1340Aの筒部1342と同じ構成である。
この第二仕様基板カバー1340Bは、第一仕様基板カバー1340Aとは異なり、設定キー窓1341及び案内部1343を有しておらず、設定キー窓1341の部位、つまり、未実装識別部1345の筒状の後端開口が面部1344によって閉鎖されている。従って、第二仕様基板カバー1340Bは、後面における未実装領域1313の後方となる部位が、凹凸のない平坦な面となっている。そして、第二仕様基板カバー1340Bは、透明な合成樹脂によって形成されているため、外部から未実装識別部1345を視認することができる。
なお、第二仕様基板カバー1340Bにおける未実装領域1313と対向する部位に、未実装識別部1345として、円筒状の部位に加えて特定部品が実装されていないことを示す文字や記号等を設けるようにしても良いし、円筒状の部位に替えて特定部品が実装されていないことを示す文字や記号等を設けるようにしても良い。
このように、第二仕様主制御ユニット1300Bによれば、透明な第二仕様基板カバー1340Bにおける第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313と対向する面部1344に、特定部品としての設定キースイッチ1312と対応可能な筒状の未実装識別部1345を設けているため、当該未実装識別部1345が見えることで作業者の視線を、未実装識別部1345に誘導させることができる。そして、作業者の視線が未実装識別部1345に誘導されることで、未実装識別部1345と対向している第二仕様主制御基板1310Bの部位(未実装領域1313)が見えることとなり、当該部位に何も電子部品が実装されていないことを認識させることができる。
この際に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313には、電子部品を取付けるための取付孔やスルーホール等が設けられていないため、作業者に対して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に電子部品(特定部品としての設定キースイッチ1312)が実装されていない遊技仕様のものであると即座に認識させることができ、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける遊技仕様の違いが判り易いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、第一仕様主制御基板1310Aに実装され第二仕様主制御基板1310Bには実装されていない特定部品として、設定キースイッチ1312を示したが、これに限定するものではなく、その他のスイッチ、コネクタ、ROM、IC、等としても良い。
また、上記の実施形態では、第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345として、円筒状のものを示したが、これに限定するものではなく、未実装領域1313と対向している面部1344において、表面や裏面から突出しているものとしても良いし、表面や裏面において凹んでいるものとしても良いし、表面や裏面に設けられている線状(パーティングラインを含む)のものとしても良いし、他の面部よりも一段低い面部1344としても良い。
更に、上記の実施形態では、未実装識別部1345として、第二仕様基板カバー1340Bと一体的に形成されているものを示したが、これに限定するものではなく、第二仕様基板カバー1340Bに貼り付けられるシール、第二仕様基板カバー1340Bに施される印刷や塗装によるインク、等により未実装識別部を構成するようにしても良い。
[5-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図139等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図142等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後側に設けられている演出表示装置1600の後方に設けられている。詳述すると、周辺制御ユニット1500は、裏箱3010の後面に演出表示装置1600を取付けている液晶スペーサ1610の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図159を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている(図159を参照)。周辺制御ユニット1500は、詳細は後述するが、演出表示装置1600の後側に取付けられている。
[5-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図143及び図144等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁に取付けられる液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。液晶スペーサ1610は、裏箱3010に対して着脱可能としていることから、演出表示装置1600が液晶スペーサ1610を介して裏箱3010から着脱させることができる。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、透明な遊技パネル1100や枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした15inchのフルカラーの液晶表示装置であり、横長の状態で液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、液晶スペーサ1610に対して、上方及び左方にスペースが形成されるように、その中心が液晶スペーサ1610の中心よりも右下に位置するようにオフセット(偏芯)して取付けられている。
液晶スペーサ1610は、19inchの液晶表示装置と同じ大きさで透明平板状に形成されている。液晶スペーサ1610は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1611と、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1612と、を備えている。この液晶スペーサ1610は、演出表示装置1600の液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の開口部3010aの上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1611を挿入した上で、下固定片1612側を前方へ移動させて、下固定片1612をロックスライダ3020の開口部内に挿入し、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1112内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005や役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007や第二V入賞口2008と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを遊技領域5a外へ排出するアウト口2020及びサブアウト口2021を、更に備えている。アウト口2020及びサブアウト口2021は、遊技球Bを受入可能に常時開口している。また、アウト口2020は、遊技領域5aの下流端に設けられている。
また、表ユニット2000は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている。
複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されている。普通入賞口2002は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央よりも下方に配置されている。第一始動口2003は、遊技領域5a内の左右方向中央で二つのアウト口2020の間に配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも下方に配置されている。大入賞口2005は、遊技領域5a内における第一始動口2003の右方に配置されている。役物入賞口2006は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも上方に配置されている。
アウト口2020は、遊技領域5aの下流端で第一始動口2003の左右両側の下方に配置されている。サブアウト口2021は、一つが三つの一般入賞口2001よりも左方に配置されていると共に、残りの一つが第二始動口2004の下方に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、表ユニット2000は、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており、役物入賞口2006、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、及びハズレ口2009を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を更に備えている。
[5-8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図139乃至図141、及び図145等を参照して説明する。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bを受入可能に常時開口しており受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのアウト口2020と、を有している。また、始動口ユニット2100は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101を、有している(図159を参照)。
アウト口2020は、第一始動口2003よりも低い位置に設けられている。始動口ユニット2100の二つのアウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右対称の位置に設けられている。第一始動口2003は、遊技球Bが一つ通過可能な幅で上方へ向かって開口している。アウト口2020は、遊技球B二つ分の幅で上方へ向かって開口しており、遊技領域5a内の最も低い位置に設けられている。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003とアウト口2020との高低差が、従来のパチンコ機における第一始動口とアウト口(アウト口1008)との高低差よりも小さく(低く)設けられている。これにより、遊技者に対して第一始動口2003が、従来の第一始動口よりも下方に設けられているように錯覚させることができ、相対的に遊技領域5a内を広く見せることができる。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003の下方に設けられており所定の絵柄を表示可能な始動口表示部2110を有している。始動口表示部2110は、一つの7セグメントLEDにより構成されている。この始動口表示部2110は、遊技の進行に応じて所定の絵柄(数字を含む)を表示することができる。始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、始動口表示部2110によりアウト口1008を前方から閉鎖しており、遊技者側からアウト口1008を視認不能にしている。これにより、アウト口2020が遊技領域5aの最も下端であることを遊技者に認識させることができる。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2003がセンター役物2500のステージ2513における中央放出部2513aの直下に位置しており、中央放出部2513aから放出された遊技球Bを高い確率で受入れることができる。この第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、第一始動口センサ2101に検知された上で、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方へ排出される。
アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。
[5-8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図139乃至図141、及び図145等を参照して説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001と、遊技球Bを常時受入可能に開口している一つのサブアウト口2021と、を備えている。
サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されており、左方へ向かうほど高い位置に設けられている。各一般入賞口2001は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。最も左方の一般入賞口2001の左方に、一つのサブアウト口2021が設けられている。サブアウト口2021は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。
また、サイドユニット2200は、最も右方の一般入賞口2001よりも右側に、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している棚部2201を有している。棚部2201は、始動口ユニット2100における左側のアウト口2020の右端付近まで、右方へ延出している。つまり、遊技球Bが棚部2201を転動すると、左側のアウト口2020に受入れられる。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とが、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。
また、サイドユニット2200は、サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、下方へ排出される。
[5-8c.サイド左上ユニット]
次に、表ユニット2000のサイド左上ユニット2300について、主に図139乃至図141、及び図145等を参照して説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[5-8d.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2400について、主に図139乃至図141、及び図145等を参照して説明する。表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を備えている(図145等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、一つのサブアウト口2021が第二始動口2004の下方で大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている(図159を参照)。大入賞口センサ2402は、左右に並んで二つ設けられている。
また、アタッカユニット2400は、サブアウト口2021の後方で前方から視認可能な位置にダミーセンサ2403を有している。このダミーセンサ2403は、遊技球Bを検知することはできないが、大入賞口センサ2402のように遊技球Bの通過を検知するスルーセンサと同じ態様に形成されている。この構成によれば、ダミーセンサ2403を、実際に遊技球Bを検知可能なセンサと交換することができるため、本体枠4においてアウト球をカウントする場合と、カウントしない場合の何れにも変更可能である。なお、ダミーセンサ2403を、スルーセンサと同じ態様のものとしたが、当該部位において球詰りが発生するような段差をなくすスペーサとしても良い。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411を普通入賞口2002における遊技球Bの受入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2003又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400の第二始動口2004は、左右方向の幅が遊技球Bの直径よりも若干大きい幅で上方へ向かって開口している。大入賞口2005は、左右方向の幅が、遊技球Bの直径に対して4~6倍の幅で上方へ向かって開口している。第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2411は、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。大入賞口2005を開閉可能としている大入賞口扉2413は、左右方向に延びている軸芯周りに回動することで、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。
この第二始動口扉2411は、前後方向へ移動するように設けられている。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されていない状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、第二始動口2004を閉鎖している。また、第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されている状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、第二始動口2004を開放する。
大入賞口扉2413は、左右に長い平板状で、大入賞口センサ2402よりも下方に設けられている左右方向に延びた軸芯周りに回動することにより、前後に移動するように設けられている。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414のプランジャの前後方向への進退により、大入賞口2005を開閉することができる。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されていない状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、大入賞口2005を閉鎖している。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されている状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、大入賞口2005を開放する。
アタッカユニット2400は、その上端に、第二始動口2004及び大入賞口2005との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成していると共に、左方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの上方を覆うように設けられている上棚部2421を有している。上棚部2421は、第二始動口2004の右端上方から大入賞口2005の左端上方の部位まで、左右方向へ延出している。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004よりも上方でアタッカユニット2400の右端(右レール1005)から左方へ遊技球Bが一つ通過可能な間隔をあけた部位から左方の第二始動口2004へ向かって低くなるように傾斜している第一棚部2422と、第二始動口2004の左端から左方へ低くなるように傾斜している第二棚部2423と、第二棚部2423の左方且つ下方で第二棚部2423との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけた部位から左方の大入賞口2005へ向かって低くなるように傾斜している第三棚部2424と、大入賞口2005の左端から左方へ向かって低くなるように傾斜している第四棚部2425と、を備えている。
このアタッカユニット2400は、第一棚部2422よりも右方の隙間、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間、に遊技球Bが進入すると、サブアウト口2021に受入れられて、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出する。
アタッカユニット2400は、詳細な図示は省略するが、上棚部2421と大入賞口2005との間の遊技球Bが左方へ流通可能な空間内において、当該空間を形成している前壁と後壁とから左右方向へ互い違いとなるように、平面視三角形状の複数の当接部が当該空間内に突出している。これら複数の当接部は、大入賞口2005が閉状態の時に、大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bを、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させることができ、大入賞口扉2413上を流通する遊技球Bの流通時間を長くしている。
アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2412及びアタッカソレノイド2414が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2411が前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2411が、第二始動口2004の上方に位置しており、第二始動口扉2411により第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている。
また、通常の状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、大入賞口扉2413が前方へ突出している。この状態では、大入賞口扉2413が、大入賞口2005の上方に位置しており、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている。
この通常の状態で、第一棚部2422上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2422の傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2421の下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入することがある。
そして、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bは、上棚部2421と大入賞口2005との間の空間に設けられている複数の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。大入賞口扉2413上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2425を転動した後に、その左端からアタッカユニット2400外へ放出される。第四棚部2425の左端は、第一始動口2003よりも低い位置にあるため、第四棚部2425から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられることとなる。
アタッカユニット2400は、上棚部2421上に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会が与えられることなく、アタッカユニット2400の左方へ放出される。上棚部2421の左端は、第一始動口2003よりも高い位置に設けられているため、上棚部2421から左方へ放出された遊技球Bは、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
このアタッカユニット2400では、第一棚部2422よりも右方に遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に進入する。サブアウト口2021に進入した遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を通って下方の基板ホルダ1200上に排出される。このアタッカユニット2400では、第一棚部2422の右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2423と第三棚部2424の間の隙間を通った遊技球Bとが、何れもサブアウト口2021に進入するように形成されており、実質的にサブアウト口2021が二つ設けられている。
この通常の状態において、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2412に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2411が後方に移動する。そして、第二始動口扉2411が後方へ移動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、アタッカユニット2400から後方へ放出される。第二始動口2004に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、アタッカソレノイド2414に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、大入賞口扉2413が後方へ移動する。大入賞口扉2413が後方へ移動することにより、大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。つまり、大入賞口2005が開状態となる。
大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、アタッカユニット2400から後方へ放出される。大入賞口2005に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方の基板ホルダ1200上に排出される。
このように、本実施形態のアタッカユニット2400によれば、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、二つの大入賞口センサ2402の何れかにより検知してから後方へ放出するようにしているため、大入賞口2005と大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[5-8e.センター役物]
次に、表ユニット2000におけるセンター役物2500について、主に図139乃至図141、図145、図151乃至図154等を参照して詳細に説明する。図151(a)はセンター役物における抽選役物の正面図であり、(b)は抽選役物を前方の上方から見た斜視図である。図152は、センター役物における抽選役物を左右方向の中央で切断した側面断面図である。図153(a)は抽選役物において遊技球がループ不能な状態を断面で示す説明図であり、(b)は抽選役物において遊技球がループ可能な状態を断面で示す説明図である。図154は、抽選役物における遊技球の流れを示す説明図である。
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されている。
センター役物2500は、詳細は後述するが、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bのみが受入可能となる第二V入賞口2008と、役物入賞口2006に受入れられた後に第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bが受入れられるハズレ口2009と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500は、枠状に形成されている本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられている抽選役物2550と、を備えている。本体ユニット2510は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している。抽選役物2550は、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。
[5-8e-1.本体ユニット]
センター役物2500の本体ユニット2510について詳細に説明する。本体ユニット2510は、役物入賞口2006を有している。本体ユニット2510は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。周壁部2511aは、遊技盤5に組立てた状態で、その後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致する位置まで後方に延出している。また、周壁部2511aは、遊技盤5に組立てた状態で、枠状(環状)の下辺部を除いた前端が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方に突出している。つまり、センターベース2511は、枠状の下辺部の部位では、周壁部2511aの前端からフランジ部2511bが外方へ延出している。これにより、遊技盤5に組立てた状態で、周壁部2511aによってセンター役物2500の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入を防止することができる。
フランジ部2511bとサポート部2511cの厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4~1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2511bとサポート部2511cは、前後方向の同じ位置で周壁部2511aから突出している。従って、サポート部2511c(フランジ部2511b)の後面から周壁部2511aの後端までの距離が、パネル板1110の厚さと同じである。
サポート部2511cは、周壁部2511aの内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2511cは、周壁部2511aにおけるフランジ部2511bの突出していない部位にも設けられており、周壁部2511aを補強している。また、サポート部2511cは、周壁部2511aから突出した端辺が、周壁部2511aの正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2511cが目立たないようにしている。このサポート部2511cは、周壁部2511aからの突出量を、サポート部2511cの厚さ~パネル板1110の厚さ(1mm~10mm)、の範囲内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100(パネル板1110)の前面(フランジ部2511b)よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5に組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、センター役物2500の本体ユニット2510は、センターベース2511の右上隅に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を、備えている。案内通路群2520は、普通入賞口2002及びアタッカユニット2400の上方へ遊技球Bを案内するものである。
案内通路群2520は、図145に示すように、センターベース2511の周壁部2511aの枠外に設けられており、上部の入口が衝止部1006の部位に設けられている第一案内通路2521と、上部の入口が第一案内通路2521の入口の左側に隣接して設けられている第二案内通路2522と、から構成されている。案内通路群2520(第一案内通路2521及び第二案内通路2522)は、何れも無色透明な部材により形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から視認することができる。
第一案内通路2521は、前構成部材1000の衝止部1006から垂直に短く下方へ延びた後に右方へ直角に屈曲し、右レール1005に近接すると、下方へ屈曲して右レール1005に沿って延び、遊技領域5aの高さの下から3/4の高さ付近で左方へ屈曲して、緩い角度で低くなるように左方へ延び、第二案内通路2522の入口よりも遊技球B一つ分左側の位置で下方へ屈曲して遊技領域5aの中央の高さまで延びた上で、右方へ屈曲して右レール1005付近まで延び、その後下方へ屈曲して出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
第一案内通路2521は、前後方向へは屈曲しておらず、遊技パネル1100の前面と略同一面上で遊技球Bを下方へ案内している。第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に、役物入賞口2006が設けられている。また、第一案内通路2521の出口の下方には、普通入賞口2002が上方へ向けて開口している。
一方、第二案内通路2522は、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけた部位で、上方へ向かって入口が開口している。第二案内通路2522は、上端の入口から略真直ぐに下方へ延び、第一案内通路2521が最初に右方へ屈曲する部位の高さよりも低い高さの位置で後方へ屈曲した上で、遊技パネル1100の前面よりも後側で下方へ屈曲して第一案内通路2521と前後方向に並んだ状態で、第一案内通路2521における最も左方に位置して下方へ延びている部位と左右方向が概ね一致するように下方へ延び、遊技領域5aの中央の高さの部位でクランク状に右方へ屈曲した上で下方へ屈曲し、そして、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位よりも下方の部位で前方へ屈曲した後に、第一案内通路2521と前後方向が同一面となった状態で、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位の下側に沿って延びるように右方へ屈曲し、その後、第一案内通路2521の出口の左側に隣接するように下方へ屈曲して、出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
また、本体ユニット2510は、案内通路群2520のうちの一つの通路(ここでは、第一案内通路2521)の途中に設けられており、第一始動口2003及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果に応じて遊技球Bが受入可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bをチャンス口2531に振分ける第一振分装置2530と、第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた遊技球Bを第一V入賞口2007に振分ける第二振分装置2540と、第二振分装置2540により第一V入賞口2007に振分けられなかった遊技球B(第二スカ口2541に振分けられた遊技球B)を抽選役物2550へ誘導する抽選案内通路2545と、を備えている。
本体ユニット2510(センター役物2500)における役物入賞口2006は、第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に設けられており、当該部位の左右方向の略全長に亘って左右に延びていると共に、上方へ向かって開口している。役物入賞口扉2515は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している役物入賞口2006を開閉可能としている。役物入賞口扉2515は、前進することで役物入賞口2006を閉鎖することができ、役物入賞口2006を閉鎖している状態では、第一案内通路2521における左方へ延びている部位の底面を形成して、上流側から流通してきた遊技球Bを、第一案内通路2521の出口側へ誘導することができる。
役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516の駆動によって後退することで役物入賞口2006を開放して、第一案内通路2521を流通してきた遊技球Bを、役物入賞口2006に受入れさせることができる。この役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516がOFF(非通電時)の時は役物入賞口2006を閉鎖し、役物入賞口ソレノイド2516がON(通電時)の時は役物入賞口2006を開放させる。
第一振分装置2530は、役物入賞口2006に受入れられて役物入賞口センサ2501により検知された遊技球Bが進入可能なチャンス口2531及び第一スカ口2532と、遊技球Bを一つのみ収容可能な収容部2533aを外周面に有し、前後方向の軸周りに回動可能な振分回転体2533と、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている状態と上方を向いている状態との間で振分回転体2533を回動させるための第一振分ソレノイド2534(図159を参照)と、を備えている。振分回転体2533は、外周面が後方へ窄まった円錐台状に形成されている。
第一振分装置2530のチャンス口2531は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも下流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球Bが進入可能とされており、振分回転体2533の右方に設けられている。チャンス口2531は、第二振分装置2540に繋がっている。第一スカ口2532は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも上流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容されなかった遊技球Bが進入し、振分回転体2533の上方に設けられている。第一スカ口2532は、前方へ向かって開口しており、進入した遊技球Bを遊技パネル1100よりも後方へ誘導する。
第一振分装置2530は、第一振分ソレノイド2534がOFF(非通電)の状態では、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、振分回転体2533の外周面に当接する。この振分回転体2533の外周面は、後方へ窄まった円錐台状に形成されているため、外周面の傾斜により遊技球Bが後方へ誘導され、第一スカ口2532へ進入することとなる。
一方、第一振分ソレノイド2534がON(通電)の状態では、振分回転体2533が反時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが上方を向いている状態となる。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、収容部2533aに一つのみ収容される。振分回転体2533の収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、役物入賞口2006側から更に遊技球Bが上方から振分回転体2533へ流下すると、当該遊技球Bが収容部2533aに収容されている遊技球Bに当接した後に、後方の第一スカ口2532に進入することとなる。第一スカ口2532に進入した遊技球Bは、センサにより検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡され、裏球誘導ユニット3100から基板ホルダ1200上に排出される。
収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、第一振分ソレノイド2534により振分回転体2533が時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが右方を向くと、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、収容部2533aから右方へ転動しチャンス口2531に受入れられることとなる。チャンス口2531に受入れられた遊技球Bは、次の第二振分装置2540へ送られる。
このように、第一振分装置2530では、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを、チャンス口2531側(第二振分装置2540側)、又は、第一スカ口2532側の何れかに振分けることができる。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において、チャンス口2531へ振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541又は第一V入賞口2007の何れかに振分けるものである。第二振分装置2540は、正面視において、第一振分装置2530と、案内通路群2520の出口との間の高さに設けられている。第二振分装置2540は、第一振分装置2530の振分回転体2533よりも後方に設けられている。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが進入可能に設けられている第二スカ口2541及び第一V入賞口2007と、前後方向へ進退することで第二スカ口2541を開閉可能としている振分片2543と、振分片2543を進退させるための第二振分ソレノイド2544(図159を参照)と、を備えている。
第二スカ口2541は、振分回転体2533よりも右方の位置で上方へ向かって開口しており、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bが上方から供給される。第一V入賞口2007は、第二スカ口2541の右側に隣接して設けられており、上方へ向かって開口している。振分片2543は、右方へ低くなるように傾斜している平板状で、前方へ突出することで第二スカ口2541の上端開口を閉鎖して第二スカ口2541への遊技球Bの受入れを不能とすることができると共に、上面に当接した遊技球Bを右方へ誘導して第一V入賞口2007へ受入れさせることができる。
第二振分装置2540は、第二振分ソレノイド2544がOFF(非通電)の状態では、振分片2543が前進しており、第二スカ口2541を閉鎖している。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、振分片2543の上面に当接し、振分片2543の傾斜により右方へ誘導されて第一V入賞口2007に受入れられる(振分けられる)。第一V入賞口2007に振分けられた遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から基板ホルダ1200上に排出される。
一方、第二振分ソレノイド2544がON(通電)の状態では、振分片2543が後退して、第二スカ口2541が上方へ開放された状態となり、第二スカ口2541への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが後退している振分片2543の前方を通って第二スカ口2541に受入れられる(振分けられる)こととなる。そして、第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bは、抽選案内通路2545により左方の抽選役物2550へ誘導される。
このように、第二振分装置2540では、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球B、つまり、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541(抽選役物2550)側、又は、第一V入賞口2007側、の何れかに振分けることができる。
抽選案内通路2545には、遊技球Bの流通を検知する抽選役物入球センサ2546が設けられている。この抽選役物入球センサ2546により遊技球Bが検知されると、周辺制御基板1510の周辺制御部1511により、演出表示装置1600、本体枠スピーカ622、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカ、遊技盤5や扉枠3に設けられるLED等を制御して、抽選役物2550内での遊技球Bの抽選(振分け)を盛り上げる演出が実行される。これにより、第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられることで、遊技者の残念な気分を払拭して抽選役物2550に対する期待感を高めさせる。
[5-8e-2.抽選役物]
センター役物2500における抽選役物2550について、主に図151乃至図154等を参照して詳細に説明する。センター役物2500の抽選役物2550は、枠状に形成されている本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。この抽選役物2550は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが供給される。詳しくは、役物入賞口2006に受入れられて第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた上で、更に、第二振分装置2540により第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bが供給される。また、抽選役物2550は、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500の抽選役物2550は、第二振分装置2540により第二スカ口2541へ振分けられて抽選案内通路2545を流通した遊技球Bが供給され、左方へ向かって低くなるように傾斜している誘導路2551と、誘導路2551を流通した遊技球Bをループ側又は非ループ側(ハズレ口2009側)の何れかに振分ける振分部2552と、振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bを後方へ打撃可能な打撃部2553と、打撃部2553により後方へ打撃された遊技球Bが供給され、前方へ向かって低くなるように傾斜していると共に、上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動可能な揺動樋2554と、揺動樋2554により誘導された遊技球Bが転動し、前方の誘導路2551へ向かって低くなるように傾斜している前後及び左右に広い面状で、下流端付近に第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、テーブル2555における第二V入賞口2008と揺動樋2554との間に設けられており、上下方向の軸芯周りに対して揺動可能な一対の揺動片2556と、を有している。
この抽選役物2550は、詳細は後述するが、振分部2552により遊技球Bがループ側へ振分けられる限り、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555から放出された遊技球Bが打撃部2553へ供給され、打撃部2553とテーブル2555との間で遊技球Bがループすることが可能なものである。
抽選役物2550の誘導部2551は、抽選役物2550の右端辺に沿って後端付近から前端まで前方が低くなるように延出した後に、抽選役物2550の前端辺に沿って左端付近まで左方が低くなるように延出しており、平面視においてL字状に形成されている。この誘導部2551は、遊技球Bの直径よりもやや大きい幅で延出している。誘導部2551には、右端辺に沿って前後方向へ延出している部位に、抽選案内通路2545から遊技球Bが供給される。
抽選役物2550の振分部2552は、誘導部2551の左右方向へ延出している部位における下流端(左端)に近い部位に設けられている。振分部2552は、誘導部2551を貫通し上方へ向かって開口しているハズレ口2009と、ハズレ口2009の左端付近において前後方向へ延びた軸芯周りに対して回動可能に設けられておりハズレ口2009を開閉可能としているハネ橋状の振分橋2557と、振分橋2557を回動させるための抽選ループソレノイド2558(図159を参照)と、を備えている。誘導路2551は、ハズレ口2009を境にして上流側と下流側とに分割されている。
振分橋2557は、平面視において、左右に長い平板状に形成されており、左辺側が前後方向の軸芯周りに対して回動可能に支持されており、右辺側が自由端とされている。振分橋2557は、右辺側がハズレ口2009の右辺に接近して左右方向へ延びて倒れた状態のループ位置(図153(a)を参照)と、右辺側が左辺側の上方へ位置して上下方向へ延びて直立した状態の非ループ位置(図153(b)を参照)と、の間で回動可能に設けられている。
振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009により上流側と下流側とに二つに分割された誘導路2551を橋渡すような状態となり、振分橋2557上を通って遊技球Bが上流側から下流側へ転動することができる。つまり、振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009を閉鎖して、遊技球Bを受入不能することができる。一方、振分橋2557は、非ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009が上方へ開放された状態となり、上流から転動してきた遊技球Bを、下流側へ渡すことなくハズレ口2009へ受入れさせることができる。このように、振分部2552では、振分橋2557によって遊技球Bをループ側又は非ループ側の何れかに振分けることができる。
この振分橋2557は、遊技球Bの転動面とは反対側に、×印が施されて旗状に形成されている振分表示部2557aが設けられている。この振分表示部2557aは、振分橋2557がハズレ口2009を開放する非ループ位置の状態になると、遊技者側から視認可能となる。これにより、遊技者に対して遊技球Bが下流側の打撃部2553へ行けない(ループすることができない)状態であることを認識させることができる。
また、振分橋2557は、回動可能に支持されている左端側が、テーブル2555の下流端(前端辺)における左端よりも左方に設けられている。従って、テーブル2555から誘導路2551側へ放出される遊技球Bは、非ループ位置の振分橋2557よりも右方の部位に放出されるため、非ループ位置の時にテーブル2555から遊技球Bが、二つに分割されている誘導路2551の下流側(振分橋2557よりも下流側)へ行くことはなく、開放されているハズレ口2009に受入れられる。
抽選役物2550の打撃部2553は、前端が誘導路2551の下流端よりも低く後方へ向かって高くなるように傾斜しており振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bが供給される登坂部2559と、登坂部2559の下流端に設けられており遊技球Bを打撃可能な扇状の打撃片2560と、打撃片2560を登坂部2559と垂直な軸芯周りに対して回転させる打撃片駆動モータ2561(図159を参照)と、を備えている。
扇状の打撃片2560は、打撃片駆動モータ2561により比較的早い速度で回転させられている。従って、遊技球Bが打撃片2560の設けられている部位に到達するタイミングと、打撃片2560の回転位置のタイミングと、によって遊技球Bが打撃される強さが区々となる。そのため、遊技球Bがある程度強く打撃されると、登坂部2559を乗り越えて後方の揺動樋2554側へ行くことができ、打撃が弱いと、登坂部2559を乗り越えることができずに、前方へ戻ってくることとなる。これにより、遊技球Bが強く打撃されて揺動樋2554(テーブル2555)側へ行くか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、打撃片2560による打撃が弱いと遊技球Bが戻ってくるため、当該遊技球Bによる遊技が確定するまでの時間を長くすることができると共に、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この抽選役物2550は、打撃部2553と揺動樋2554との間に、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bが供給され、左右両端が高く中央が低くなるように湾曲している揺動通路2562と、揺動通路2562の中央に設けられており遊技球Bを揺動樋2554へ放出する放出口2563と、を有している。揺動通路2562の高くなっている左右両端付近には複数の凹凸が設けられており、遊技球Bの転動速度を減衰させることができる。この揺動通路2562は、抽選役物2550の後端辺に沿って設けられており、テーブル2555よりも後ろに設けられている。打撃部2553から揺動通路2562へ供給された遊技球Bは、ステージ2513と同様に、左右方向へ転動した後に、中央の放出口2563から揺動樋2554へ放出される。
抽選役物2550の揺動樋2554は、円盤状に形成されており、中心から外周へ向かって延出している樋状に凹んだ樋部2554aを有している。円盤状の揺動樋2554は、後側が高くなるようにその回転軸が傾斜している。抽選役物2550は、揺動樋2554を所定角度の範囲内で往復回動させるための樋揺動駆動モータ2564(図159を参照)を有している。この揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564によって、樋部2554aの先端が前方の第二V入賞口2008を向いている状態を中心として、その先端が所定の角度の範囲で左右方向を向くように往復回動する。
揺動樋2554は、テーブル2555の左右方向中央の後端(上端)に設けられており、放出口2563から放出された遊技球Bが樋部2554aに受け渡される。樋部2554aに受け渡された遊技球Bは、揺動樋2554が往復回動しているため、テーブル2555における樋部2554aの先端が向いている回動方向に応じた扇状の範囲内へ遊技球Bを放出させることができる。この際に、受け取られた遊技球Bが樋部2554aを転動して先端から放出されるまでのも、揺動樋2554が回動しているため、当該回動により遊技球Bに慣性力が作用することとなる。そのため、樋部2554aの先端から放出された遊技球Bは、樋部2554aの向いている方向へ真直ぐにテーブル2555上を転動することはなく、転動方向が予想し難くなっている。
抽選役物2550のテーブル2555は、前端側が低くなるように傾斜しており、下流端となる前端側の左右方向の長さが、後端の左右方向の長さよりも短く形成されている。また、テーブル2555は、左右方向中央の上端に揺動樋2554が設けられていると共に、左右方向中央の下端付近に第二V入賞口2008が設けられている。テーブル2555は、左右方向中央において揺動樋2554から第二V入賞口2008へ延びている中央溝2555aを有していると共に、左右方向中央の下端付近において周囲よりも凹んでいる凹部2555bを有している。凹部2555bは、五角形のホームベース状に凹んでおり、その底部に第二V入賞口2008が設けられている。
このテーブル2555は、第二V入賞口2008へ続く中央溝2555aや、底部に第二V入賞口2008が設けられている凹部2555bを有しているため、遊技者に対して、それらに遊技球Bが進入すると第二V入賞口2008に受入れられるように思わせることができ、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
テーブル2555の下流端である前端側は、前方の誘導路2551よりも高い位置に設けられている。従って、誘導路2551を流通している遊技球Bが、打撃部2553及び揺動樋2554を経由せずにテーブル2555上へ供給されることはない。
抽選役物2550の揺動片2556は、テーブル2555における揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で、テーブル2555の左右方向中央を境にして左右対称の位置に、左右対称に一対が設けられている。揺動片2556は、流滴状に形成されており、基端となる円形の部位を前側にして尖った先端を後方へ向けていると共に、円形の基端側を中心として回動可能に設けられている。
抽選役物2550は、一対の揺動片2556を上下方向の軸芯周りに対して所定角度範囲内で往復回動させることで揺動させるための揺動片ソレノイド2565を備えている。一対の揺動片2556は、一つの揺動片ソレノイド2565により、互いに相反する方向へ回動するように設けられている。
一対の揺動片2556は、揺動片ソレノイド2565により回動されるため、駆動モータにより回動される場合と比較して、回動速度が速くなっている。従って、揺動片2556が揺動して動いている時に、揺動片2556に遊技球Bが当接すると、当該遊技球Bを強く跳ね飛ばすことができる。従って、揺動片2556の回動方向によって、当接した遊技球Bを、テーブル2555の左右方向中央側へ送ったり左右方向両端側へ送ったりすることができ、遊技球Bの流れに変化を付与することができる。
一対の揺動片2556は、尖った先端が互いに接近している状態では、揺動片2556同士の間の間隔が狭くなると共に、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央から遠ざかるように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ窄まった状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556の間を通ると、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなり、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央から遠ざかる方向へ誘導されるため、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が低くなる。
一方、一対の揺動片2556が、それらの尖った先端が互いに遠ざかっている状態(図154において破線で示す状態)では、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央に接近するように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ拡開した状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央へ誘導され、第二V入賞口2008に受入れられる可能性がある。
従って、一対の揺動片2556が後方へ拡開している状態では、揺動片2556に当接した遊技球Bが左右方向の中央へ誘導されるため、一対の揺動片2556が後方へ窄まっている状態と比較して、後方から流下してきた遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなっている。換言すると、一対の揺動片2556の状態に応じて、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入確率を変化させることができる。
本実施形態の抽選役物2550は、上方から全体を覆う透明なカバー2566を備えている(図139乃至図141等を参照)。このカバー2566により、抽選案内通路2545を通って供給された遊技球Bが、抽選役物2550から外部へ飛び出してしまうことを防止することができると共に、抽選案内通路2545以外の外部から遊技球Bが供給される(侵入する)ことを防止することができる。
次に、抽選役物2550での遊技球Bの流れについて説明する。抽選役物2550には、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果(例えば、「役物当り」)に応じて、所定パターンで開閉する役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bの一つが、抽選案内通路2545を通って誘導路2551の上流付近に供給される。誘導路2551の上流付近に供給された遊技球Bは、誘導路2551の傾斜に従って左方の振分部2552へ向かって転動する。
振分部2552では、所定時間の間、振分橋2557が倒れてループ位置の状態となっているおり、上流側から転動してきた遊技球Bが、振分橋2557を通って下流側の打撃部2553へ転動することとなる。そして、打撃部2553へ供給された遊技球Bは、回転している打撃片2560により後方へ打撃されることで、後方へ延出している登坂部2559を登るように転動することとなる。
この際に、打撃片2560が扇形に形成されていると共に、比較的早い速度で回転しているため、打撃片2560の回転位置に対する遊技球Bが当接するタイミングによっては、遊技球Bに強く当接したり、遊技球Bに掠るように当接したり、することとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となる。従って、打撃片2560による打撃が弱いと、後方へ高くなっている登坂部2559を登り切ることができず、登坂部2559を戻ってきてしまい、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりすることがある。
そして、打撃片2560により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えると、後方に設けられている揺動通路2562に進入し、左右方向中央が低くなっている揺動通路2562を左右方向へ転動することとなる。この際に、揺動通路2562の左右両端付近には複数の凹凸が設けられているため、遊技球Bが凹凸の部位を通ることで、凹凸の衝撃により転動速度が減衰することとなる。これにより、打撃片2560により打撃されて登坂部2559を乗り越えた遊技球Bの勢いを低減させることができる。
揺動通路2562を左右方向へ揺動するように転動した遊技球Bは、最後に中央に設けられている放出口2563から揺動樋2554を介してテーブル2555上に放出される。この際に、揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564により所定角度の範囲内において往復するように揺動回動しているため、遊技球Bが放出口2563から揺動樋2554へ放出されるタイミングと、揺動樋2554の回動位置とのタイミングと、によって揺動樋2554から様々な方向へ遊技球Bが放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、テーブル2555の傾斜に従って前方へ転動し、前端辺から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前後方向の中央付近には、左右に離隔して設けられている一対の揺動片2556が揺動しているため、揺動片2556により当接した遊技球Bを弾いて転動方向を変化させることができる。また、テーブル2555の左右方向中央における前端付近には、第二V入賞口2008が設けられているため、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられることがある。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出される。この第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005を所定のパターンで開閉させる有利遊技状態としての「大当り遊技」が実行される。従って、遊技球Bが抽選役物2550に供給されると、当該遊技球Bが第二V入賞口2008へ受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
テーブル2555の前端辺から誘導路2551へ放出された遊技球Bは、所定の時間内であれば、振分部2552の振分橋2557がループ位置の状態となっているため、振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられない限り、打撃部2553とテーブル2555との間を遊技球Bが何回でもループすることができる。つまり、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ機会が何度でも訪れる。これにより、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、ループ位置の振分橋2557を通ることで、第二V入賞口2008へ受入可能となる機会が再び訪れるため、遊技者を継続して楽しませることができる。
そして、所定時間が経過すると、振分部2552の振分橋2557がループ位置から、立上った非ループ位置の状態となり、振分橋2557により閉鎖されていたハズレ口2009が上方へ開放される。この状態では、テーブル2555の前端辺から放出された遊技球Bや、誘導路2551を転動してきた遊技球Bが、ハズレ口2009に受入れられることとなり、遊技球Bがループすることなく抽選役物2550での抽選が終了する。この際に、直立した振分橋2557により、×印の旗を模した振分表示部2557aが立上って視認可能となるため、振分表示部2557aにより遊技者に対して遊技球Bがループしないことを認識させることができる。
ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504に検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
このように、本実施形態の抽選役物2550によれば、役物入賞口2006から供給された遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、振分部2552の振分橋2557がループ位置の時には、当該遊技球Bが打撃部2553を介して再び第二V入賞口2008の上流に位置している揺動樋2554へ送られてループするため、再び第二V入賞口2008へ受入れられる機会が与えられることで、遊技者に対して再び期待感を付与することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-8f.普通入賞口ユニット]
次に、表ユニット2000における普通入賞口ユニット2600について、主に図139乃至図141、及び図145等を参照して説明する。普通入賞口ユニット2600は、普通入賞口2002を有しており、遊技領域5a内における左端付近で、上下方向の中央よりも下方の部位に設けられている。この普通入賞口ユニット2600は、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間に設けられており、普通入賞口2002が第一案内通路2521の出口の直下に位置するように設けられている。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、上方へ向けて遊技球Bを受入可能に常時開口している。普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方の基板ホルダ1200へ排出される。
[5-9.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図145等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。図示は省略するが、遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位、及び、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車W(図190を参照)が設けられている。
センター役物2500の左側には、内レール1002との間に所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nが設けられている。遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側において、センターベース2511の周壁部2511aにおける上下方向の中央よりも下方の部位において、左方からやや上方を向けてワープ通路2512の入口が開口している。そして、ワープ通路2512とサイド左上ユニット2300の棚部2301との間に風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側へ打込まれた遊技球Bは、或る程度の確率でワープ通路2512に進入する。ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる。
第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口センサ2101に検知された後に遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第一始動口センサ2101により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第一特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第一特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第一特別図柄を、第一特別抽選結果とも称する。
ステージ2513から放出されて第一始動口2003に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。
センター役物2500の左外側へ打込まれ、ワープ通路2512に進入しなかった遊技球Bは、風車Wの中心よりも右側を流通した場合では、高い確率で、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nに沿うように右方へ流下する。風車Wの中心よりも右側を流通した遊技球Bは、第一始動口2003やサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられているサブアウト口2021に受入れられることがある。第一始動口2003、一般入賞口2001、及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。一般入賞口センサ3001に遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bを払出される特典が付与される。
一方、風車Wの中心よりも左側を流通した場合では、サイド左上ユニット2300の棚部2301上に流下し、棚部2301を右方へ流下する。風車Wの中心よりも左側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられる可能性がある。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方に誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
続いて、センター役物2500の右側には、案内通路群2520、役物入賞口2006、普通入賞口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、及び、サブアウト口2021、が上から順に設けられている。案内通路群2520と第二始動口2004との間、に夫々複数の障害釘Nが植設されている。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の周壁部2511aの上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、第一案内通路2521の途中の役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、案内通路群2520の下端の右側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
一方、センター役物2500の上方に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して流通すると、後方へひねられて第一案内通路2521と前後方向に並んだ後に、前方へひねられて第一案内通路2521の出口の左側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。
普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方へ排出される。普通入賞口センサ3002に遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bを払出される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、普通図柄の保留数が4未満の状態)で、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能とする普通図柄の抽選が実行される。なお、抽選された普通図柄を、普通抽選結果とも称する。
遊技領域5a内へ右打ちされて案内通路群2520を流通した後に、普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、複数の障害釘Nに当接しながらアタッカユニット2400上へ流下する。そして、遊技球Bがアタッカユニット2400の上棚部2421に流下すると、上棚部2421の傾斜に従って左方且つ下方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会もなく、アタッカユニット2400から左方へ排出される。なお、アタッカユニット2400の上棚部2421の下流端(左端)は、第一始動口2003よりも上方に位置しているため、上棚部2421を流通した遊技球Bが第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
一方、アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、大入賞口扉2413から第四棚部2425を転動した後に、第四棚部2425からアタッカユニット2400外となる左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて排出される。
更に、アタッカユニット2400の上棚部2421及び第一棚部2422の何れにも流下せず、第一棚部2422よりも右方へ遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に受入れられる。また、遊技球Bが第一棚部2422上に流下した場合でも、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられる。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、当該遊技球Bが第二始動口扉2411を転動する。従って、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより普通図柄(普通抽選結果)として「普通当り」が抽選されて、始動口ソレノイド2412により第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004が開放されているタイミングで、第一棚部2422側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2401に検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第二特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第二特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第二特別図柄を、第二特別抽選結果とも称する。
また、アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下して第二始動口扉2411や第二棚部2423を転動した遊技球Bは、大入賞口扉2413上を転動する。従って、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄(第一特別抽選結果)、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄(第二特別抽選結果)、に応じて(例えば、抽選された特別図柄(特別抽選結果)が、「大当り」、「中当り」、「小当り」、等の時)、アタッカソレノイド2414により大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開放されているタイミングで、第二棚部2423側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。
大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402の何れかに検知された後に、遊技パネル1100の後方へ誘導されて裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、下方へ排出される。大入賞口センサ2402により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
ところで、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別図柄や第二特別図柄として「役物当り」が抽選された場合、第一案内通路2521の途中に設けられている役物入賞口2006が所定のパターンで開閉すると共に、第一振分装置2530の振分回転体2533及び第二振分装置2540の振分片2543が所定のパターンで動作する。従って、「役物当り」が抽選された場合、役物入賞口2006が開閉することから、遊技者に対して、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられるようにするために、役物入賞口2006が設けられている第一案内通路2521に遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
本実施形態では、「役物当り」は、「大当り」よりも抽選される確率が高く、「役物当り」として、「第一役物当り」、「第二役物当り」、「第三役物当り」の三つのパターンが設定されており、何れのパターンも役物入賞口2006が大別して2回開閉する。
まず、各「役物当り」における役物入賞口2006の開閉について詳述する。「第一役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって短い時間(1252ms)経過した後に、再び短い時間(80ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第二役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第一役物当り」よりも長い時間(5420ms)経過した後に、長い時間(9414ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第三役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第二役物当り」よりも長い時間(19366ms)経過した後に、長い時間(9404ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。
「第一役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。また、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。
なお、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における2回目の長い時間の開状態では、8回の開状態(80ms)が一定の間隔(1252ms)で繰返されている。つまり、役物入賞口2006は、「第一役物当り」では2回、「第二役物当り」及び「第三役物当り」では9回、開閉する(開状態となる)。
次に、「役物当り」における第一振分装置2530の振分回転体2533の動作は、実行開始と同時に反時計回りに回動して所定時間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた1回目の収容可能状態となり、その後、時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態となって所定時間(4560ms)経過すると、1回目よりも長い時間(13446ms)2回目の収容可能状態となり、短時間(500ms)収容不能状態となった後に、2回目と同じ時間(13446ms)3回目の収容可能状態となった上で、収容不能状態となる。
この振分回転体2533は、1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して収容不能状態となる。また、振分回転体2533は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に2回目の収容可能状態となる。従って、「第一役物当り」の時には、2回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、2回目と3回目の収容可能状態は実行されない。この振分回転体2533は、2回目の収容可能状態が、「第二役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が閉状態となった後で、収容不能状態となる。
また、振分回転体2533は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に3回目の収容可能状態となる。従って、「第二役物当り」の時には、3回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、3回目の収容可能状態は実行されない。つまり、振分回転体2533は、「第一役物当り」の時には1回、「第二役物当り」の時には2回、「第三役物当り」の時には3回、夫々収容可能状態となる。この振分回転体2533は、3回目の収容可能状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が終了して閉状態となった後で、収容不能状態となる。
次に、「役物当り」における第二振分装置2540の振分片2543の動作は、実行開始と同時に前方へ突出して所定時間(3020ms)第二スカ口2541を閉鎖する1回目の閉状態(第一V入賞口2007へ振分可能な状態)となり、その後、後退して第二スカ口2541が開放された開状態(抽選役物2550へ振分可能な状態)となって所定時間(23006ms)経過すると、1回目の開状態よりも長い時間(13446ms)2回目の閉状態となった上で、開状態となる。
この振分片2543は、1回目の閉状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して開状態となる。また、第二振分装置2540は、振分片2543の2回目の閉状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態の途中から開始され、役物入賞口2006の2回目の開状態が閉状態となった後で、振分片2543が閉状態から開状態となる。従って、第二振分装置2540では、「第三役物当り」の時のみ、振分片2543の2回目の閉状態が実行され、「第一役物当り」や「第二役物当り」の時には振分片2543の2回目の閉状態は実行されない。
このようなことから、「第一役物当り」では、役物入賞口2006の開閉が、短時間に2回、実行されるため、「右打ち」により第一案内通路2521を流通している遊技球Bが、役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態も、短時間であることから、遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、第一振分装置2530おける振分回転体2533の1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態と重なっている時間が、役物入賞口2006の1回目の開状態の時間よりも短いため、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低い。そして、振分回転体2533の1回目の収容可能状態と、第二振分装置2540における振分片2543の1回目の閉状態とが終了する時間が同じであるため、振分回転体2533の1回目の収容可能状態の時に、収容部2533aに収容された遊技球Bが、第一V入賞口2007側へ振分けられることはない。
一方、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、時間が長いため、第一案内通路2521を通って、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられる可能性は高い。この際に、第一振分装置2530の振分回転体2533が、役物入賞口2006が開状態となる前に収容可能状態となった上で、役物入賞口2006が開状態から閉状態となった後に収容不能状態となるため、2回目の開状態の時の役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は高い。
このように、本例では「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態において遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低いことに加えて、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低いにもかかわらず、役物当り遊技状態の実行開始と同時に振分回転体2533を反時計回りに回動して収容部2533aを上方へ向けた収容可能状態とし、所定期間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた後に時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態としている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける動作を実行して振分回転体2533による振分け動作を事前に示すようになっている。
同様に、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、役物当り遊技状態の実行開始と同時に第二振分装置2540の振分片2543を前方へ突出して第二スカ口2541を閉鎖することで第一V入賞口2007へ振分可能な状態とし、所定時間(3020ms)経過後に後退して第二スカ口2541が開放することで抽選役物2550へ振分ける状態とするようになっている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける可能性は低いものの、振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける動作を実行して振分片2543による振分け動作を事前に示すようになっている。
本例では、振分回転体2533及び振分片2543は役物当り遊技状態の実行開始と同時、即ち役物当り遊技状態開始時の演出(役物当り遊技状態のオープニング演出であって例えば「役物入賞口2006を狙ってね」等の役物当り遊技状態における遊技の説明等が行われる演出)の実行中に動作し、振分回転体2533及び振分片2543の動作後に役物入賞口2006が1回目の開状態となる。これにより、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性を低くしている。なお、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性がない、若しくは限りなく低いものであれば、振分回転体2533及び振分片2543の動作と同時に役物入賞口2006を1回目の開状態としても良い。
また、振分回転体2533と振分片2543との一方のみを事前に動作させ、他方については事前に動作させないようにしても良い。即ち、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分けを行う複数の可動部(振分回転体2533、振分片2543)のうち一部の可動部について事前に動作させて振分け動作を示し、他の可動部については事前に動作させないようにしても良い。例えば、動作することでV入賞口(この例では第一V入賞口2007)へ遊技球Bを進入させる可能性が高い(V入賞期待度が高い)振分片2543については事前に動作させないようにし、振分片2543よりもV入賞口(この例では第二V入賞口2008)へ遊技球Bを進入させる可能性が低い(V入賞期待度が低い)振分回転体2533についてのみ事前に動作させるようにしても良い。これにより、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分け先の一部について事前に知ることができるものの、他の振分け先については未知の状態とすることができ、他の振分け先が明らかになったときに振分け先が増えたことにより遊技者を驚かせて期待感を高めさせることができると共に、振分けられる遊技球Bに注目させてその動きを楽しませることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、V入賞期待度の高い可動部(振分片2543)については事前に動作させないことでその存在を隠蔽して、抽選役物2550へ遊技球Bが進入すると遊技者に思い込ませることで「第三役物当り」が実行されたときにV入賞期待度の高い可動部(振分片2543)が動作して遊技球BをV入賞口(この例では第一V入賞口2007)に進入させることで意外性を与えると共に、予想もしていなかった振分け先に遊技球Bが進入することで遊技興趣を向上させることができる。また、振分け先として第一V入賞口2007側への振分けが隠蔽され、第一スカ口2532側と抽選役物2550側との2つだけと思い込ませることができ、「第三役物当り」よりもV入賞期待度が低い「第二役物当り」が実行されて抽選役物2550側に遊技球Bが振分けられても遊技者を落胆させない。
また、本例では振分回転体2533については遊技者が容易に視認できる態様で配置するのに対し、振分片2543については遊技盤5の前後に進退する平板状とされて前面側の面積が狭いため、動作していてもその動作を気付かれ難い。ひいては、振分片2543が前方に突出することで進入可能となる第一V入賞口2007側の通路について遊技者に気付かれ難い。そのため、「第三役物当り」となった場合に振分片2543が動作して第一V入賞口2007に遊技球Bが進入した時の遊技球Bの挙動に気付かれ難くなり、遊技球Bが第一V入賞口2007に進入したことに気付かせることなく、突然V入賞が発生して15R大当りが実行されたかのような感覚を遊技者に与えることができる。
また、役物当り遊技状態のオープニング演出中に振分回転体2533が事前に動作させることで、オープニング演出における指示内容、例えば「役物入賞口2006を狙ってね」に加えて振分回転体2533の動作によっても打込み先、即ち役物当り遊技状態中に狙うべき位置を遊技者に容易に認識させることができる。
上記のように「役物当り」が抽選されることで、役物入賞口2006が開状態となった時に、第一案内通路2521を流下してきた遊技球Bが、役物入賞口2006に受入れられると、役物入賞口センサ2501により検知された後に、第一振分装置2530へ送られる。役物入賞口センサ2501により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
「役物当り」のうち、「第二役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が開状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540側へ流下し、第二スカ口2541から抽選案内通路2545を流通して抽選役物入球センサ2546により検知された上で、抽選役物2550へ送られることとなる。
抽選役物2550では、非ループ位置の振分橋2557がループ位置の状態となる。例えば、第二振分装置2540における振分片2543の後退による第二スカ口2541の開放に応じて、振分橋2557をループ位置の状態にする。そして、第二振分装置2540から抽選役物2550に送られた遊技球Bは、誘導路2551を左方へ転動し、ループ位置の振分橋2557を通って打撃部2553に送られる。そして、打撃部2553に送られた遊技球Bは、高速回転している打撃片2560の打撃により、テーブル2555の中央後端に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555上へ放出されることとなる。
テーブル2555上に放出された遊技球Bは、その傾斜により前方へ向かって転動し、テーブル2555の中央前端に設けられている第二V入賞口2008に受入れられるか、テーブル2555の前端辺から前方(誘導路2551)へ放出されるか、の何れかの動きをする。テーブル2555の前端辺から前方へ遊技球Bが放出された時に、振分橋2557がまだループ位置の状態であれば、当該遊技球Bが振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、当該遊技球Bが、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555、及び誘導路2551の順に巡回するようにループする。
そして、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、又は、所定時間の経過により振分橋2557が非ループ位置の状態となることで開放されるハズレ口2009への遊技球Bの受入れ、の何れかにより抽選役物2550でのV入賞にかかる抽選が終了する。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して基板ホルダ1200上に排出される。一方、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して基板ホルダ1200上に排出される。第二V入賞口センサ2503により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
ところで、「第三役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が閉状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540の閉状態の振分片2543の上面に当接して右方へ誘導され、第一V入賞口2007に進入する(受入れられる)こととなる。第一V入賞口2007に進入した遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して基板ホルダ1200上に排出される。第一V入賞口センサ2502により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
本実施形態では、大入賞口2005や役物入賞口2006が開閉して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する第一特別図柄や第二特別図柄の特別図柄の抽選において、第一始動口2003が遊技球Bを受入可能に常時開口しているのに対して、第二始動口2004が普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通抽選が「普通当り」の時のみ所定パターンで遊技球Bを受入可能にしている。これにより、第二始動口2004よりも第一始動口2003の方が、遊技球Bが受入れられる可能性が高くなっている。
このようなことから、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せて、遊技球Bによるパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2003へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別図柄の抽選結果として「当り」(例えば、「小当り」、「中当り」、「大当り」、「役物当り」、等)が抽選されると、大入賞口2005又は役物入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、大入賞口2005又は役物入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作(所謂、「右打ち」)を楽しませることができる共に、大入賞口2005又は役物入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込む際に、センター役物2500の右側には、第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、多様な流路を有しているため、所望の流路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、センター役物2500の右側には、普通入賞口2002が設けられており、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで第二始動口2004が受入可能となる普通抽選の抽選が行われるため、右側に打込んだ遊技球Bが普通入賞口2002を通過するか否かによって遊技者を楽しませることができると共に、第二始動口2004が受入可能となった時に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられるか否かによっても遊技者を楽しませることができる。この際に、普通入賞口2002が、案内通路群2520における第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
更に、役物入賞口2006では、受入れられて第一振分装置2530により選別された一つの遊技球Bが、第二振分装置2540において第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられるため、当該遊技球Bが第一V入賞口2007へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、第二振分装置2540において遊技球Bが第二スカ口2541へ振分けられてしまっても、当該遊技球Bが、センター役物2500の下部中央において目立つように設けられている抽選役物2550へ供給されるため、抽選役物2550において第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせることができる。その後、抽選役物2550のテーブル2555を転動している遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者を再びドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、遊技球Bが、第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に受入れられた場合、或いは、第一始動口2003及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより第一特別図柄及び第二特別図柄として「大当り」が抽選された場合、アタッカユニット2400の大入賞口2005が所定のパターンで開閉することで多くの遊技球Bが払出される機会が到来するため、開閉している大入賞口2005に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-10.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000は、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図159を参照)と、一般入賞口2001に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、を備えている。一般入賞口センサ3001及び普通入賞口センサ3002は、裏球誘導ユニット3100に設けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に左右方向へスライド可能に設けられており演出表示装置1600を着脱させるためのロックスライダ3020と、裏箱3010の後壁にヒンジ回転可能に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
裏基板ユニット3040は、正面視の形状がL字型で前後に薄い箱状の基板ボックス3041と、基板ボックス3041内に収容されているパネル中継基板及び演出駆動基板(図示は省略)と、を備えている。基板ボックス3041は、L字型の上下に延びている部位の外側辺に、裏箱3010の軸支部3010fに回転可能に支持される二つの軸部3041aを有している。また、基板ボックス3041は、L字型の左右に延びている部位の先端に、裏箱3010の係止部3010gに係止される係止爪3041bを有している。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、裏装飾ユニット3200の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200は、取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏前演出ユニット3300は、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側の前面に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、上部が取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。
裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、及び裏後演出ユニット3400は、遊技の進行に応じで、所定の可動演出や発光演出を遊技者に見せることができるものである。
[5-10a.裏箱]
次に、裏ユニット3000における裏箱3010について、主に図143及び図144等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、遊技パネル1100(パネルホルダ1120)の後側に取付けられるものであり、箱状の内部に演出ユニットが取付けられると共に、後面に演出表示装置1600や裏基板ユニット3040が取付けられるものである。裏箱3010は、透明に形成されている。これにより、遊技盤5に組立てた状態でも外側から内部を視認することができる。
裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの下辺に設けられており演出表示装置1600が載置される載置面部3010bと、開口部3010aの上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでいる二つの固定溝3010cと、載置面部3010bの左右方向中央付近の下側に設けられておりロックスライダ3020が左右へスライド可能に取付けられるロック機構部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、正面視において縦横の比が、3:4の四角形に形成されている。開口部3010aは、左右方向が、裏箱3010の後壁の左右方向と略同じ大きさに形成されている。また、開口部3010aは、上下方向が、裏箱3010の上下方向の中心に対して上方にオフセット(偏芯)した位置に設けられている。開口部3010aは、液晶スペーサ1610(19インチの液晶表示装置)と同じ大きさに形成されている。
裏箱3010の二つの固定溝3010cには、下方から演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の上固定片1611が挿入される。また、裏箱3010のロック機構部3010dには、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせた状態で、演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の下固定片1612を後方から挿入させることができる。ロック機構部3010dに液晶スペーサ1610の下固定片1612を挿入させた状態で、ロックスライダ3020を背面視において右方へスライドさせると、ロックスライダ3020により下固定片1612の後方への移動を阻止して液晶スペーサ1610(演出表示装置1600)を取付けることができる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。
更に、裏箱3010は、後面に裏基板ユニット3040の軸部3041aを上下方向に延びた軸周りに対して回転可能に支持することが可能な一対の軸支部3010fと、一対の軸支部3010fとは左右方向の反対側の後面に設けられており裏基板ユニット3040の係止爪3041bが係止される係止部3010gと、を備えている。
裏箱3010は、一対の軸支部3010fと係止部3010gとにより、開口部3010a(液晶スペーサ1610や演出表示装置1600)を跨いで裏基板ユニット3040を後側に取付けることができる。遊技盤5に組立てた時に、裏基板ユニット3040におけるL字型の上下に延びている部位が、背面視において周辺制御ユニット1500の左方に位置している。また、裏基板ユニット3040におけるL字型の左右に延びている部位は、周辺制御ユニット1500の下方に位置している。
裏箱3010は、遊技盤5に組立てた状態で、係止部3010gに係止されている裏基板ユニット3040の係止爪3041bを解除して、軸部3041aを中心として係止爪3041bが後方へ移動するように回動させることで、裏箱3010に取付けられている液晶スペーサ1610の後方を開放させることができ、裏箱3010から裏基板ユニット3040を取外すことなく、液晶スペーサ1610つまり演出表示装置1600を着脱させることができる。
また、裏箱3010は、固定片部3010eを除いた前後方向を向いている面に設けられており上下又は左右に並んでいる二つの貫通孔を一組とした複数の機能孔部と、パチンコ機1(遊技盤5)の組立て等の際に用いることが可能な前後方向を向いている機能面部と、を有している。機能孔部の二つの貫通孔は、同じ直径である。機能孔部は、演出ユニットを直接、又は、取付サポータを介して、裏箱3010に取付けるためのものである。
[5-10b.裏球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100について、主に図143等を参照して説明する。裏球誘導ユニット3100は、裏箱3010内における前端付近の下部に設けられており、裏装飾ユニット3200を介して裏箱3010に取付けられている。裏球誘導ユニット3100は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知可能な複数の磁気センサ1030と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、ハズレ口2009、アウト口2020、サブアウト口2021、及び第一スカ口2532、に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方において受け取って、左右方向の中央付近へ誘導した後に、下方(基板ホルダ1200)へ排出することができるものである。
[5-10c.裏装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200について、主に図143及び図144等を参照して説明する。裏装飾ユニット3200は、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられており、取付サポータを介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200には、振動センサ1040が取付けられている。この裏装飾ユニット3200の前面には、裏球誘導ユニット3100が取付けられる。
裏装飾ユニット3200は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500における抽選役物2550の左右両外側の後部を装飾する裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220と、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220を夫々発光装飾させるための複数のLEDが実装されている裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220は、透光性を有しており、夫々の上面に、ミニチュア状に町を模した複数の凹凸が形成されている。裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板は、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220の夫々の下方に設けられており、上面に複数のLED(フルカラーLED)が実装されている。裏下左装飾基板や裏下右装飾基板に実装されているLEDを適宜発光させることで、裏下左装飾体3210や裏下右装飾体3220を発光装飾させることができる。
[5-10d.裏前演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300について、主に図139乃至図141、及び図143等を参照して説明する。裏前演出ユニット3300は、裏箱3010内の前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられており、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側に取付けられている。
裏前演出ユニット3300は、左端側に設けられており上下に長い平板状の裏前左装飾体3301と、裏前左装飾体3301の右方において昇降可能に設けられている裏前昇降装飾体ユニット3310と、裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降機構3350と、を備えている。
裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301は、上下方向中央から下寄りの位置に設けられている磁気センサ1030が設けられている。裏前左装飾体3301は、裏箱3010内の全高と略同じ長さで上下に延びており、透光性を有している。裏前左装飾体3301の後には、前面に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板(図示は省略)が設けられている。この裏前左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前左装飾体を発光装飾させることができる。
裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右方向に長く形成されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右に長い透明平板状の裏前昇降ベース3311と、裏前昇降ベース3311の前面中央に取付けられており演出カウント表示部3005を有する裏前中央装飾体3320と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の左方に取付けられている裏前中左装飾体3330と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の右方に取付けられている裏前中右装飾体3340と、を備えている。
裏前中央装飾体3320は、立体的な所定形状に形成されている裏前中央装飾部3321と、裏前中央装飾部3321の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中央装飾基板(図示は省略)と、裏前中央装飾基板及び裏前中央装飾部3321を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中央ベース3323と、を有している。裏前中央装飾部3321は、松の図柄を立体的に模した部位を有しており、当該部位に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005が設けられている。演出カウント表示部3005は、裏前中央装飾基板に実装されている複数のLEDのうちの一部を使用している。
裏前中左装飾体3330は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中左装飾部3331と、裏前中左装飾部3331の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中左装飾基板(図示は省略)と、裏前中左装飾基板及び裏前中左装飾部3331を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中左ベース3333と、を有している。裏前中左装飾体3330は、裏前中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前中左装飾部3331を発光装飾させることができる。
裏前中右装飾体3340は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中右装飾部3341と、裏前中右装飾部3341の後に設けられており複数の第一LED3342a及び第二LED3342bが実装されている裏前中右装飾基板3342と、裏前中右装飾基板3342及び裏前中右装飾部3341を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中右ベース3343と、を有している(図160を参照)。裏前中右装飾体3340は、裏前中右装飾基板3342の第一LED3342aや第二LED3342bを適宜発光させることで、裏前中右装飾部3341を発光装飾させることができる。
裏前昇降機構3350は、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310の左端側を昇降可能に支持している裏前左昇降レール(図示は省略)と、裏前昇降装飾体ユニット3310の右端側を昇降可能に支持している裏前右昇降レール3352と、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降駆動部(図示は省略)と、を備えている。また、裏前昇降機構3350は、図示は省略するが、裏前昇降装飾体ユニット3310を上昇している待機位置の状態から落下させるための落下ソレノイドと、裏前昇降装飾体ユニット3310を下方へ落下した演出位置から上方の待機位置へ上昇させる裏前昇降駆動モータと、を有している。
裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の枠内を通して前方から視認可能に設けられている。裏前演出ユニット3300は、通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に位置しており、ロック爪の係止により下方への落下が阻止されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態では、図139等に示すように、演出表示装置1600の表示画面の上端付近に位置している。
また、裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態である待機位置の状態では、その後方に裏後演出ユニット3400における退避位置の裏後昇降装飾体ユニットが位置しており、裏後昇降装飾体3410を前方から視認不能な状態としている。
裏前演出ユニット3300は、通常の状態から、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させることで、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置から下方の演出位置へ落下可能な状態となる。そして、その状態から、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除すると、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置へ向かって自由落下する。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置している。
裏前昇降装飾体ユニット3310が落下して演出位置の状態になると、後方に設けられている裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が前方から視認可能な状態となる。これにより、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
なお、裏前昇降機構3350の下部には、落下してきた裏前昇降装飾体ユニット3310による衝撃を吸収又は緩和させるためのダンパが設けられている。
演出位置に落下した裏前昇降装飾体ユニット3310は、裏前昇降駆動モータによる昇降スライダの上方への移動により、上方の待機位置へ上昇し、ロック爪が自動で係止されることで待機位置の状態に復帰する。
この裏前演出ユニット3300には、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005を有しているため、演出カウント表示部3005において表示されている数字が減少するカウントダウン表示を実行することで、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下するカウントダウン演出を遊技者に見せることができる。なお、カウントダウン演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させずに、裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させると共に裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させるようにしても良い。
[5-10e.裏後演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3400について、主に図143及び図144等を参照して説明する。裏後演出ユニット3400は、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後に設けられており、上部が取付サポータを介して裏箱3010の後壁に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、左右に長い裏後昇降装飾体3410と、裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降機構3450と、を備えている。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降装飾体3410は、左右に長く透光性を有する裏後昇降装飾部3411と、裏後昇降装飾部3411の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏後昇降装飾基板(図示は省略)と、裏後昇降装飾基板及び裏後昇降装飾部を後方から支持しており裏後昇降機構3450により昇降させられる裏後昇降ベース(図示は省略)と、を備えている。裏後昇降装飾部3411は、左右方向の全長に亘って施されており所定のロゴからなるロゴ部3411aと、ロゴ部3411aの上方にレリーフ状に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310とは異なる複数のキャラクタが左右に列設されているキャラクタ部3411bと、を有している。裏後昇降装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏後昇降装飾部3411を発光装飾させることができる。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降機構3450は、下方へ開放されたコ字状の裏後ベース3451と、裏後ベース3451の上辺の前面に設けられており透光性を有する平板状の裏後固定装飾部3452と、裏後固定装飾部3452と裏後ベース3451との間に設けられており複数のLEDが実装されている裏後固定装飾基板3453と、を備えている。裏後固定装飾部3452は、左右方向が裏後昇降装飾体3410と略同じ長さに形成されており、前面に所定の絵柄が施されている。裏後固定装飾基板3453のLEDを適宜発光させることで、裏後固定装飾部3452を発光装飾させることができる。
また、裏後昇降機構3450は、図示は省略するが、裏後ベース3451の左辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の左端側を昇降可能に支持している裏後左レールと、裏後ベース3451の右辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の右端側を昇降可能に支持している裏後右レールと、裏後ベースの左辺側に設けられており裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降駆動部と、を有している。
裏後昇降駆動部は、裏後昇降駆動モータを有しており、裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を上方の移動端である退避位置と、下方の移動端である出現位置と、の間で昇降させることができると共に、退避位置と出現位置との間の任意の位置で裏後昇降装飾体3410を停止させることができる。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置の状態となっている。この状態では、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降機構3450の裏後固定装飾部3452の前方に位置している。従って、裏後固定装飾部3452は、退避位置の裏後昇降装飾体3410によって前方から視認不能に隠された状態となっている。
この裏後演出ユニット3400は、遊技盤5に組立てた状態では、裏前演出ユニット3300の後に設けられているため、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410の前方に裏前演出ユニット3300の待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態から、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を下方の移動端である出現位置へ移動させると、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310よりも下方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや上寄りに位置する。これにより、裏後昇降装飾体3410が遊技者側から視認可能な状態となる。
なお、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させた状態でも、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置の状態では、裏後固定装飾部3452の前方に裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しているため、裏後固定装飾部3452は前方から視認することはではない。従って、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方(出現位置)へ移動させると共に、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から下方の演出位置へ落下させると、初めて、裏後固定装飾部3452が前方から視認可能な状態となる。これにより、裏後固定装飾部3452が見えることに対してプレミアム感を付与することができる。
裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させた状態で、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させて演出位置の状態にすると、裏後昇降装飾体3410の裏後昇降装飾部3411におけるロゴ部3411aの前方に、裏前昇降装飾体ユニット3310が位置し、ロゴ部3411aが隠された状態となると共に、複数のキャラクタが列設されているキャラクタ部3411bが、裏前昇降装飾体ユニット3310よりも上側から前方へ臨んだ状態となる(図163を参照)。
裏後昇降装飾体3410を出現位置へ移動させた状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータを逆転させることで、裏後昇降装飾体3410が上昇し、退避位置へ復帰させることができる。
[5-11.遊技盤による演出]
続いて、遊技盤5による演出について、主に図155乃至図158を参照して詳細に説明する。図155は、通常の状態で示す遊技盤の正面図である。図156は、通常の状態から裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させた状態で示す遊技盤の正面図である。図157は、通常の状態から裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図158は、通常の状態から、裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させると共に、裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、図155等に示すように、主にセンター役物2500の枠内を通して、後方に設けられている裏ユニット3000や演出表示装置1600の表示画面等が視認可能となっている。この遊技盤5は、センター役物2500の枠内を通して、その下辺付近において抽選役物2550とその左右に設けられている裏装飾ユニット3200の裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220が常時視認可能に設けられていると共に、センター役物2500の枠内における左辺付近に裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301が常時視認可能に設けられている。
遊技盤5は、通常の状態では、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に移動していると共に、裏後演出ユニット3400の裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置に移動している。待機位置に移動している裏前昇降装飾体ユニット3310は、センター役物2500の枠内における上辺付近において視認可能に前方へ臨んでいる。退避位置に移動している裏後昇降装飾体3410は、裏前昇降装飾体ユニット3310の後で待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310と同じ高さに位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
また、通常の状態では、裏後演出ユニット3400の裏後固定装飾部3452の前方に、退避位置の裏後昇降装飾体3410が位置していると共に、更にその前方に、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、それらによって隠されて前方から視認不能な状態となっている。
この通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置に移動していため、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に設けられている演出カウント表示部3005が、演出表示装置1600の表示画面の中央の上方に位置しており、演出表示装置1600に表示されている演出画像を妨げることなく、遊技者側から目立つように見える。
本実施形態の遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300を使用して図156に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置へ移動している通常の状態で、裏前昇降機構3350において、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させた後に、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除し、裏前昇降装飾体ユニット3310を自由落下させて演出位置の状態とする。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置しており、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近を隠した状態となる。また、裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下すると、センター役物2500の枠内における上辺付近において、裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が見えるようになる。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310が自由落下してくるため、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
次に、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3400を使用して図157に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏後昇降装飾体3410が上方の退避位置へ移動している通常の状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータにより裏後昇降装飾体3410を下方の移動端へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310によって視認不能となっていた裏後昇降装飾体3410が視認可能となるため、遊技者を驚かせることができ、チャンスが到来したと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。また、裏後昇降装飾体3410が出現位置へ移動すると、演出表示装置1600の表示画面の上下方向の略中央に位置するため、裏後昇降装飾体3410によって表示画面を上下に分割することができ、演出画像が物理的に上下に分割される演出を遊技者に見せることができる。
また、裏後演出ユニット3400を使用した演出として、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降駆動モータにより退避位置と出現位置との間であれば任意の高さに移動させることができるため、予告演出として、裏後昇降装飾体3410を退避位置から僅かに下方へ移動させたり上下に振動させたりしても良い。
続いて、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300と裏後演出ユッニト3400の両方を使用して図158に示すような演出を実行することができる。この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から落下させて演出位置の状態とすると共に、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とにより演出表示装置1600の表示画面を覆ったような状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、これまで視認できなかった表示画面の上方に設けられている裏後固定装飾部3452が視認可能となるため、遊技者に対してプレミアム感を付与することができ、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、大当り遊技)の発生に対する期待感を高めさせることができる。
この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とを同時に下方へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を先に落下させてから裏後昇降装飾体3410を下方へ移動させても良いし、裏後昇降装飾体3410を先に下方へ移動させてから裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させても良い。
また、遊技盤5は、裏ユニット3000に前方から常時視認可能に設けられている演出カウント表示部3005を有しているため、当該演出カウント表示部3005を使用した演出を実行することができる。例えば、演出カウント表示部3005に表示される数字を刻々と減少させるカウントダウン表示により、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下したり、裏後昇降装飾体3410が下方へ移動したり、するタイミングをカウントダウンさせるようにしても良い。或いは、例えば、抽選役物入球センサ2546による遊技球Bの検知により抽選役物2550において遊技球Bがループ不能となるまでをカウントダウンさせるようにしても良い。
また、演出カウント表示部3005において、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄に対する期待度を数字として表示(示唆)させるようにしても良い。或いは、演出カウント表示部3005では、四つの7セグメント表示を有していることから、各セグメントの発光の組合せにより演出図柄を構成するようにして、当該演出図柄を変動表示させた後、停止表示させて、停止表示された演出図柄により期待度を示唆させるようにしても良い。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図159等を参照して説明する。図159は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル195の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020及びサブアウト口2021により回収された遊技球Bの球数を表示するためのベースモニタと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPUは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPUを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPUは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPUは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPUの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPUを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPUが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPUの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPUがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号(主制御MPUと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ2101、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知するアウトセンサ664、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1030、及び遊技盤5に作用する振動を検知する振動センサ1040、等からの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に、入力されている。
また、設定変更基板に備える設定キースイッチ1312、設定変更スイッチ(RAMクリアスイッチ)からのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、扉枠開放スイッチからの検出信号と本体枠開放スイッチからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路、そして払出制御出力回路を介すことなく、そのまま)、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、アウトセンサ664、第一始動口センサ2101、及び第二始動口センサ2401からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、磁気センサ1030、及び振動センサ1040からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したり、する。また、主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板の設定変更許可ランプへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPUは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、アウトセンサ664には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2003や第二始動口2004、普通入賞口2002には頻繁に入球するため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005や役物入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020やサブアウト口2021により多量に回収されるため、アウトセンサ664による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウトセンサ664に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球する・しないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6-2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するための押圧操作部を有するエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)へ排出して、球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6-2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号、エラー解除スイッチからのエラー解除信号は、払出制御入力回路を介して、払出制御MPUの所定の入力ポートへ入力されている。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「-」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部226に入力されて表示される。
[6-2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル195に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310からの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル195の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル195に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310からの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル195の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310からの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[6-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図159に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積された周辺制御ICと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御ICには、1つの半導体チップ上にパラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数集積されており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、周辺制御ICのCPUは遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた振動モータ356、操作ボタン昇降駆動モータ367、及び突出力調整駆動モータ381等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の接触検知センサ本体358、押圧検知センサ373、昇降検知センサ374及び突出力検知センサ375からの検知信号は、周辺制御ICに入力されている。
また周辺制御ICのCPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御ICのCPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出している音量調整スイッチを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御ICのCPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御ICのCPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御ICのCPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御ICのCPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[6-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図145等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル195を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル195の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、センター役物2500の左側、つまり、内レール1002とセンター役物2500との間を、複数の障害釘Nに当接しながら流通することとなる。センター役物2500の左側には、ワープ通路2512の入口が、遊技球Bを受入可能に常時開口している。
ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、第一特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第一特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第一特別図柄の抽選結果は、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第一特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、第一特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第一特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第一特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第一特別図柄の抽選結果の保留数は、第一始動口2003に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられても第一特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ通路2512に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001やサブアウト口2021、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2003等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2511aの最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通る。第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、途中において役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、普通入賞口ユニット2600の上方(直上)に放出される。一方、第二案内通路2522に進入した遊技球Bは、普通入賞口2002の左寄りの上方に放出される。従って、第一案内通路2521に遊技球Bが進入すると、役物入賞口2006に受入れられる可能性がある。
役物入賞口2006は、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別図柄の抽選結果が、「小当り」や「役物当り」等の時に、所定のパターンで開閉して遊技球Bを受入可能な状態となる。遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第一振分装置2530へ送られ、振分回転体2533によりチャンス口2531又は第一スカ口2532の何れかに振分けられる。第一スカ口2532に振分けられた遊技球Bは排出される。チャンス口2531に振分けられた遊技球Bは、第二振分装置2540へ送られる。第二振分装置2540へ送られた遊技球Bは、第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられる。第二振分装置2540の振分により第一V入賞口2007に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられると、抽選役物2550へ送られる。抽選役物2550へ送られた遊技球Bは、振分部2552の振分橋2557がループ位置へ移動している時間の間、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、遊技球Bをテーブル2555へ供給する打撃部2553との間でループする。そして、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
一方、所定時間が経過して振分橋2557がループ位置から非ループ位置へ移動してハズレ口2009が開放された状態となると、テーブル2555の第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bがハズレ口2009に受入れられる。ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、排出される。
案内通路群2520の下流に設けられている普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アタッカユニット2400へ流下する。
この普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられて普通入賞口センサ3002により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通図柄の抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口扉2411により閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通図柄の抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通図柄の抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられてから普通図柄の抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられると、普通図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、普通図柄の抽選結果の示唆の開始を、先の普通図柄の抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通図柄の抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
普通入賞口2002に受入れられずに流下した遊技球Bは、アタッカユニット2400における上棚部2421、第一棚部2422、第一棚部2422よりも右方、の何れかに流下する。上棚部2421に流下した遊技球Bは左方へ誘導されて大入賞口2005よりも左方に放出される。従って、上棚部2421上に流下した遊技球Bは、第二始動口2004及び大入賞口2005に受入れられることはない。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動し、第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411、第二棚部2423、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413、及び第四棚部2425を転動した後に、左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて排出される。従って、遊技球Bが第一棚部2422に流下すると、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられ可能性がある。
アタッカユニット2400の第一棚部2422よりも右方に流下した遊技球Bは、サブアウト口2021に受入れられて排出される。なお、稀ではあるが、第一棚部2422に流下した遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられて排出される。
アタッカユニット2400の第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、1個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、第二特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第二特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第二特別図柄の抽選結果は、第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長い所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第二特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、第二特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第二特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第二特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第二特別図柄の抽選結果の保留数は、第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても第二特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果の特別変動時間は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長く設定されている。これにより、第二特別図柄の抽選結果の方が保留数の消費に時間がかかるため、第一始動口2003及び第二始動口2004に対する単位時間当たりの遊技球Bの受入数が同じであっても、第二始動口2004の方が実行される第二特別図柄の抽選結果の数が少なくなる。従って、通常の状態において、センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込んでも、第二始動口2004しか受入れられる可能性がなく、第二特別図柄の抽選結果が実行される頻度が低いため、遊技者に対して遊技球Bがセンター役物2500の左側を流通するような打込操作を積極的に行わせることができる
上記のように、第一始動口2003又は第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果により、大入賞口2005や役物入賞口2006が、所定の開閉パターンで開閉して、遊技球Bを受入可能な状態となる。
そして、アタッカユニット2400において、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により大入賞口2005が受入可能となっているタイミングで遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
大入賞口2005は、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、20秒~40秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の第一特別図柄や第二特別図柄が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果(例えば、第二特別図柄の抽選結果)が「第二大当り」の場合、大入賞口2005又は役物入賞口2006が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
このように、大入賞口2005や役物入賞口2006が遊技球Bを受入可能な時に、大入賞口2005や役物入賞口2006に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができるため、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
本実施形態では、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果の示唆を、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行っている。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別図柄の抽選結果(第一特別図柄の抽選結果及び第二特別図柄の抽選結果)の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別図柄の抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別図柄の抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別図柄の抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別図柄の抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別図柄の抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別図柄の抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(特別変動時間))と、演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別図柄の抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の接触操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、始動口表示部2110、演出カウント表示部3005、裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400、等を適宜用いて、発光演出、表示演出、可動演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、接触操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。
本実施形態によれば、遊技者によって遊技球Bが遊技領域5aに打込まれて、所定条件の充足として、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果により役物入賞口2006が所定パターンで開閉し、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが第一振分装置2530及び第二振分装置2540を経た遊技球Bが、センター役物2500における抽選役物2550の誘導路2551に供給され、当該遊技球Bが下流の振分部2552へ向かって流通する。この振分部2552では、誘導路2551に開口しているハズレ口2009を振分橋2557により閉鎖している状態では当該遊技球Bが第一側としての打撃部2553へ振分けられ、振分橋2557が抽選ループソレノイド2558により回動させられてハズレ口2009を開放している状態では当該遊技球Bがハズレ口2009(第二側)へ振分けられ、遊技球Bの振分状態が振分橋2557の振分表示部2557aにより示されている。そして、振分部2552において、遊技球Bが第一側へ振分けられると、打撃部2553へ供給される。一方、振分部2552において、遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)へ振分けられると、打撃部2553へ供給されることはなく、抽選役物2550から排出される。
振分部2552から打撃部2553へ供給された遊技球Bは、当該打撃部2553の回転している打撃片2560により後方へ打撃されて、後方へ向かって高くなっている登坂部2559を登るように流通(転動)することとなる。この打撃部2553では、遊技球Bが供給されるタイミングと、遊技球Bを打撃片2560が打撃するタイミングとによっては、遊技球Bが強く打撃されたり殆ど打撃されなかったりすることとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となるため、打撃された遊技球Bの勢いが弱いと、遊技球Bが登坂部2559を登り切れずに打撃部2553へ戻ってしまい、遊技球Bが前後に登坂部2559を行ったり来たりすることとなる。そして、遊技球Bが打撃部2553により強く打撃されて登坂部2559を乗り越えると、テーブル2555の後端で左右方向の中央に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555に放出される。この際に、揺動樋2554が上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動しているため、遊技球Bが供給されるタイミングと揺動樋2554の回動位置のタイミングとによって、揺動樋2554の樋部2554aから様々な方向へ遊技球Bがテーブル2555に放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、その傾斜に従って前方へ転動し、テーブル2555の前端から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前端付近で揺動樋2554の中心を通る前後方向の中央軸線上に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられる可能性があると共に、揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で中央軸線を境にして左右対称に設けられている揺動片2556に遊技球Bが当接することで、遊技球Bの流通方向が、第二V入賞口2008へ向かったり、第二V入賞口2008から遠ざかったりする。テーブル2555の第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生する。一方、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられずにテーブル2555の前端から誘導路2551へ放出された後に、振分部2552によって一方側へ振分けられると、当該遊技球Bが打撃部2553によって揺動樋2554へ供給される。従って、遊技球Bが振分部2552により一方側(打撃部2553)へ振分けられる限り、当該遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、誘導路2551、振分部2552、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555の順にループする。
このようなことから、役物入賞口2006が所定パターンで開閉して遊技球Bを抽選役物2550へ供給可能となった時に、振分部2552の振分表示部2557aを見ることで、振分部2552において遊技球Bが第一側(打撃部2553)へ振分ける状態であるか否かを遊技者に確認させることができる。これにより、振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)へ振分ける状態となっている時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球B(ここでは、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されている遊技球B)が抽選役物2550(誘導路2551)に供給される否かで遊技者をワクワクさせることができる。その後、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが抽選役物2550(誘導路2551)に供給されると、振分部2552において第一側(打撃部2553側)へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、遊技球Bが第一側へ振分けられて打撃部2553に供給されると、遊技球Bが打撃されるタイミング等によっては遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによって遊技者を楽しませることができる。また、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bは、往復回動している揺動樋2554に供給されるため、揺動樋2554が遊技球Bを第二V入賞口2008へ向かって放出できるタイミングで、揺動樋2554に遊技球Bが供給されるように、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによっても、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができる。
打撃部2553により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えて揺動樋2554に供給されると、往復回動している揺動樋2554から遊技球Bが第二V入賞口2008へ向かって放出されるか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができる。この揺動樋2554から遊技球Bが中央軸線(第二V入賞口2008)から離れる方向へ放出されても、中央軸線を境にして左右対称に設けられている一対の揺動片2556の揺動状況によっては、揺動片2556に当接した遊技球Bが中央軸線側へ寄せられて、第二V入賞口2008へ向かう可能性があるため、遊技者をガッカリさせることはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。そして、テーブル2555の下流端付近に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第二V入賞口2008に受入れられると、有利遊技状態(大入賞口2005が所定パターンで開閉する大当り遊技)が発生するため、遊技者を大いに楽しませることができる。
一方、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられなかった場合でも、テーブル2555の下流端から誘導路2551に放出されるため、誘導路2551の下流に設けられている振分部2552によって、遊技球Bが再び第一側(打撃部2553)へ振分けられる否かによって遊技者の期待感を高めさせることができ、振分部2552によって再び第一側へ振分けられると、打撃部2553及び登坂部2559を介してテーブル2555の上流の揺動樋2554へ供給されるため、第二V入賞口2008へ受入れられるチャンスが再び到来することで、遊技者をガッカリさせることはない。この際に、振分橋2557の振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553)へ振分ける状態となっている時に、テーブル2555の前端から遊技球Bが誘導路2551へ放出されるか否かで遊技者をワクワクさせることもできる。従って、抽選役物2550における様々な場面において遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができるため、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者を楽しませられる抽選役物2550を備えたパチンコ機1機を提供することができる。
また、センター役物2500の抽選役物2550には、前後及び左右に広い面状のテーブル2555を有していると共に、テーブル2555の前端よりも前方に誘導路2551を設けていることから、抽選役物2550が大きなものとなっているため、本抽選役物2550によりパチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、抽選役物2550を使用する遊技に対して遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、後端が高くなるように傾斜しているテーブル2555の左右方向の中央軸線上に第二V入賞口2008を設けているため、第二V入賞口2008を目立たせることができ、遊技者の視線を第二V入賞口2008へ向けさせ易くすることができると共に、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせ易くすることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、後端が高くなっているテーブル2555の中央軸線上の後端付近に、揺動樋2554を設けると共に、中央軸線を境にして左右対称に一対の揺動片2556を設けているため、揺動片2556によって後方の揺動樋2554の視認性が阻害されることはなく、遊技者からテーブル2555に設けられている第二V入賞口2008、一対の揺動片2556、及び揺動樋2554を良好に視認させることができる。従って、一対の揺動片2556や揺動樋2554の回動状況や揺動状況が認識し易くなるため、それらの動きによる遊技球Bの転動経路等が予測し易くなり、予測通りに遊技球Bが転動するか否かによって遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、振分部2552において、第二側に連通するハズレ口2009を誘導路2551に設けているため、振分橋2557により閉鎖している状態から抽選ループソレノイド2558により振分橋2557を回動させてハズレ口2009を開放させた状態にすると、誘導路2551においてハズレ口2009が上方へ開口している状態となるため、遊技者からハズレ口2009を目立たせることができ、誘導路2551を流通している遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)に振分けられる状態、つまり、第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)に振分けられない状態であることを認識させ易くすることができる。従って、目立つハズレ口2009が振分橋2557により閉鎖されていると、第一側(打撃部2553)へ振分けられる状態であることを容易に認識させることができ、誘導路2551を見るだけで何れに振分ける状態であるのかを容易に判別させることができる。
更に、打撃部2553による遊技球Bを打撃するタイミング等によっては、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、抽選役物2550における遊技球Bの滞在時間を稼ぐ(長くする)ことができ、短時間で抽選役物2550における遊技が終わることで遊技者をガッカリさせてしまうことを回避させることができると共に、登坂部2559により稼いだ時間により演出表示装置1600における演出画像等による演出を遊技者に対して十分に見せることができ、遊技者をより楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
また、打撃部2553と揺動樋2554(揺動通路2562)との間に登坂部2559を設けていることから、打撃部2553において遊技球Bが強く打撃されても、登坂部2559を登ることでその勢いを減衰させることができると共に、揺動通路2562において左右方向へ揺動させていることで更にその勢いを減衰させることができるため、勢い良く揺動樋2554に遊技球Bが供給されることで、揺動樋2554が往復回動して放出方向を変化させているのにも関わらず、遊技球Bの勢いによって揺動樋2554の放出方向とは異なる方向へ揺動樋2554から放出されてしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまったり、揺動樋2554から勢いよくテーブル2555に遊技球Bが放出されることで、テーブル2555における遊技球Bの滞在時間(転動時間)が短くなってしまったり、することを回避させることができる。従って、遊技者に不快感を与えることなく揺動樋2554での遊技球Bの放出を楽しませることができると共に、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませられ易くすることができる。
また、抽選役物2550に遊技球Bが供給されるタイミングを、遊技球Bの打込操作によって遊技者が選択できるような場合では、振分表示部2557aにおいて遊技球Bが第一側へ振分けられる状態であることを表示するタイミングで、遊技球Bが供給されるように打込操作を行うことが可能となるため、抽選役物2550内における遊技球Bの動きだけでなく、遊技球Bの打込操作も楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、誘導路2551を遊技球Bが勢い良く流通してきてハズレ口2009を飛び越えようとしても、直立している振分橋2557により飛び越えて第一側(打撃部2553)へ侵入してしまうことを防止することができ、遊技球Bを確実にハズレ口2009(第二側)に振分けることができる。
また、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、振分橋2557が遊技者から目立って見えることになると共に、振分橋2557に設けられている振分表示部2557aが見える状態となるため、振分橋2557(振分表示部2557a)によっても遊技球Bが第二側へ振分けられる状態であることを判別させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技ホールの係員等の作業者がメンテナンス等の際に主制御ユニット1300(第二仕様主制御ユニット1300B)を見ると、透明な主制御基板ボックス1320(第二仕様主制御基板ボックス1320B)の基板カバー1340(第二仕様基板カバー1340B)の平坦な面部1344に未実装識別部1345が見えるため、作業者の視線を、未実装識別部1345を介して面部1344と対向している主制御基板1310(第二仕様主制御基板1310B)の未実装領域1313へ誘導させることができる。この際に、平坦な面部1344に未実装識別部1345を設けているため、凹凸のある部位に未実装識別部1345を設ける場合と比較して、未実装識別部1345を見え易くすることができ、当該未実装識別部1345によって作業者の視線を第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導させ易くすることができると共に、当該面部1344を通して第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313が歪んで見えることはなく、未実装領域1313を良好な状態で視認させることができる。そして、作業者が第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313を見ることで、当該未実装領域1313に設定キースイッチ1312のような電子部品等が何も実装されていないことを認識させることができるため、作業者に対して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に特定部品(設定キースイッチ1312)が実装されていない遊技仕様のものであると即座に認識させることができ、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける遊技仕様の違いが判り易いパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、第二仕様主制御基板ボックス1320Bの第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345によって、作業者の視線を第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導して、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されていないものであると即座に認識させることができるため、複数のメーカーの新旧のパチンコ機の機種がある遊技ホールにおいて、係員等の作業者がメンテナンス等をする際に、パチンコ機1の表側の意匠だけではなく裏側からも的確に遊技仕様の違いを判別することができ、短時間に多数台のメンテナンスを行うことができると共に、メンテナンス等を円滑に行わせることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、特定部品が設定キースイッチ1312であったりコネクタであったりする場合、当該特定部品が実装されている遊技仕様の第一仕様主制御ユニット1300Aでは、特定部品(設定キースイッチ1312)の一部が外部に露出するように第一仕様基板カバー1340Aに設定キー窓1341が設けられている。一方、特定部品(設定キースイッチ1312)を有しない遊技仕様の第二仕様主制御ユニット1300Bでは、第二仕様基板カバー1340Bに設定キー窓1341を設けたままにすると、その設定キー窓1341を通して不正行為が行われてしまう恐れがあるため、設定キー窓1341を塞いだ状態にすることとなる。しかしながら、第二仕様基板カバー1340Bにおいて、元から設定キー窓1341も何もなかったような状態にしてしまうと、設定キー窓1341の部位、つまり、第二仕様主制御ユニット1300Bにおける未実装領域1313が、何処にあるのかが判り難くなり、当該主制御ユニット1300が何れの遊技仕様のものであるのかを判別するのに時間がかかってしまう問題がある。これに対して、本実施形態では、平坦な面部1344により、第二仕様基板カバー1340Bにおいて、元から設定キー窓1341も何もなかったような状態にしても、未実装識別部1345を設けているため、未実装識別部1345により作業者の視線を容易に第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313へ誘導させることができ、本主制御ユニット1300が第二仕様主制御ユニット1300Bであることを即座に判別させることができる。
また、第二仕様基板カバー1340Bの未実装識別部1345を、特定部品としての設定キースイッチ1312の円柱部1312dを囲むように、第二仕様基板カバー1340Bの面部1344から第二仕様主制御基板1310Bへ向かって筒状に突出している形状のものとしていることから、作業者が第二仕様基板カバー1340B(第二仕様主制御ユニット1300B)を見ると、第二仕様主制御基板1310Bへ向かって突出している筒状の部位(未実装識別部1345)が見えるため、未実装識別部1345に注目させる(視線を誘導させる)ことができ、その形状により当該部位と対向している未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されるものと認識させることができると共に、その筒状の未実装識別部1345が面部1344によって塞がれていることで、当該主制御ユニット1300が設定キースイッチ1312(特定部品)を実装しない第二仕様主制御ユニット1300Bであると即座に認識させることができ、遊技仕様の違いを判り易くすることができる。
更に、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313において、設定キースイッチ1312(特定部品)を取付可能とする場合、仮に、未実装領域1313に設定キースイッチ1312を取付けるための取付孔やスルーホール、銅箔による回路、等が設けられていても、第二仕様基板カバー1340Bの未実装領域1313と対向している平坦な面部1344に、未実装識別部1345を設けていると共に、筒状の未実装識別部1345を面部1344によって塞いでいるため、作業者に、当該第二仕様主制御ユニット1300Bは未実装領域1313に設定キースイッチ1312が実装されていないものであると即座に認識させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、第二仕様主制御基板1310Bの未実装領域1313に、遊技仕様に応じて特定部品(設定キースイッチ1312)を取付可能としているため、主制御基板1310(第一仕様主制御基板1310Aや第二仕様主制御基板1310B)の製造工程において、遊技仕様が異なっていても途中までは同一の工程で製造することが可能となるため、製造にかかるコストを低減させることができ、コストの増加を抑制することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[8.演出基板を有する装飾体]
続いて、パチンコ機1やスロットマシンのような遊技機に設けられている演出基板3520を有する装飾体3500について、主に図160乃至図164等を参照して詳細に説明する。図160(a)は演出基板を有する装飾体の正面図であり、(b)は(a)の装飾体の断面図である。図161は、図160の演出基板の製造において、定尺基板に対して繋部を残して演出基板の外周を形成した上で、LED等の電子部品を実装した後に、演出基板と捨基板とを分離させる前の状態を示す説明図である。図162(a)は繋部を残して演出基板の外周を形成して捨基板から分離させる前の状態を示す説明図であり、(b)は繋部の部位を切断して演出基板と捨基板とを分離させた状態を示す説明図であり、(c)は演出基板における繋部の部位を仕上げた状態を示す説明図である。
図163(a)は図161の状態から演出基板と捨基板とを分離させた状態の演出基板を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から演出基板の外周を仕上げた状態を示す説明図である。図164(a)は、図161とは異なる繋部の形態を示す説明図であり、(b1)~(b3)は更に異なる形態の繋部を示すと共に捨基板から分離して仕上げるまでを示す説明図である。なお、ここで説明する装飾体3500は、複数の実施形態のうちの第一実施形態であり、他の実施形態と区別するために装飾体3501と記載する場合がある。
装飾体3500(第一実施形態の装飾体3501)は、図160に示すように、所定形状に形成されている装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており複数のLED3530が実装されている演出基板3520と、演出基板3520の後に設けられている装飾ベース3540と、を備えている。この装飾体3500は、演出基板3520に実装されているLED3530を適宜発光させることで、装飾部3510と装飾ベース3540のレンズ部3545とを発光装飾させることができる。なお、図160に示す装飾体3500は、裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310における裏前中右装飾体3340と同じものである。
装飾部3510は、透光性を有しており、全体が略一定の厚さで立体的に形成されている。この装飾部3510は、所定のキャラクタの頭部を模しており、レリーフ状に形成されている。装飾部3510は、外周縁付近の部位に前後方向(中央の部位に対して交差する方向)へ延出している側壁部3511と、側壁部3511における板厚の端面となり後方を向いている後端面3512と、を有している。本実施形態の装飾部3510では、中央の部位(前壁部3513)と側壁部3511とが滑らかな曲面により連続しており、中央の部位(前壁部3513)との明確な境界は有していない。
演出基板3520は、装飾部3510(後端面3512)よりも後ろに設けられている。演出基板3520は、装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、装飾部3510の外周よりも小さく形成されている。演出基板3520の外周縁は、略全体が装飾部3510における後端面3512の後方となるように形成されている。換言すると、演出基板3520の外周縁は、装飾部3510と重ねた時(装飾体3500に組立てた時)に、後端面3512の外周と内周との間に位置するように形成されている。
演出基板3520は、図162に示すように、基板母材3521の表面に電子回路を形成している銅箔3522と、銅箔3522を被覆している被覆膜3523と、を有している。
銅箔3522は、演出基板3520の外周縁から所定距離L1(例えば、0.5mm~3mm、本実施形態では1mm)控えて設けられている。この銅箔3522の控えは、演出基板3520の外周縁における直線状の部位や曲線状の部位に関わらず設けられている。例えば、図162に示すように、演出基板3520の外周縁に円弧状の凹みがある場合、銅箔3522の控えが、その凹みと同心円状に設けられている。また、銅箔3522の控えは、演出基板3520に貫通孔が設けられている場合、その貫通孔に対してもその周縁から所定距離L1控えて設けられている。この銅箔3522の控えにより、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができ、放電等による破損を抑制することができる。
被覆膜3523は、明色の色を有しており、銅箔3522の側面も確実に被覆するように設けられている。本実施形態の被覆膜3523は、白色のソルダレジストとしている。この被覆膜3523は、スクリーン印刷、ドライフィルム、等によって施されている。この被覆膜3523は、明色であるため、演出基板3520に実装されているLED3530からの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。また、LED3530を発光させていない時でも、装飾部3510を通って演出基板3520に照射された光を反射させることができるため、装飾部3510が暗く見えてしまうことを抑制させることができると共に、演出基板3520を認識させ辛くすることができ、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
なお、本実施形態では、被覆膜3523の明色として白色のものを示しているが、これに限定するものではなく、黄色、灰色、青色、緑色、赤色、等における明るい色であれば良く、例えば、黒色の明度を0、白色の明度を10とした時に、明度が5~10の範囲内のものとすることが望ましい。
被覆膜3523は、演出基板3520の外周縁から所定距離L2(例えば、0.4mm~0.8mm、本実施形態では0.5mm)控えて設けられており、その周縁が銅箔3522の周縁と演出基板3520の周縁との間に位置している。この被覆膜3523の控えは、演出基板3520の外周縁における直線状の部位や曲線状の部位に関わらず設けられている。例えば、図162に示すように、演出基板3520の外周縁に円弧状の凹みがある場合、被覆膜3523の控えが、その凹みと同心円状に設けられている。また、被覆膜3523の控えは、演出基板3520に貫通孔が設けられている場合、その貫通孔に対してもその周縁から所定距離L2控えて設けられている。図162における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。
演出基板3520に実装されている複数のLED3530は、前面(表面)に実装されている複数の第一LED3531と、後面(裏面)に実装されている複数の第二LED3532と、から構成されている。第一LED3531は、演出基板3520の板面に対して垂直方向へ光を照射するトップビュータイプであり、第二LED3532は、演出基板3520の板面と平行な方向へ光を照射するサイドビュータイプである。第一LED3531及び第二LED3532は、何れもフルカラーLEDである。
装飾ベース3540は、全体が無色透明に形成されており、演出基板3520の後に位置している平板状の本体部3541と、本体部3541の外周縁から前方へ壁状に延出している周壁部3542と、本体部3541を貫通しており内部に演出基板3520の後面に実装されている第二LED3532が挿入される開口部3543と、本体部3541の周縁に設けられており周縁外方へ向かうに従って前方へ位置するように斜めに形成されている面取部3544と、周壁部3542の前端面に設けられている複数の凹凸からなるレンズ部3545と、を有している。
装飾ベース3540の周壁部3542は、本体部3541の全周に亘って設けられており、前後に短い筒状に形成されている。この周壁部3542の内周の大きさは、装飾部3510の外周の大きさよりも若干大きく形成されている。これにより、筒状の周壁部3542の内側に前方から装飾部3510を挿入することができる。また、周壁部3542は、装飾体3500に組立てた時に、その前端(レンズ部3545)が装飾部3510の後端面3512よりも前方へ突出するように形成されている。
この装飾ベース3540は、装飾体3500に組立てた時に、演出基板3520の後面に実装されているサイドビュータイプの第二LED3532が開口部3543内に挿入されるため、第二LED3532を発光させると、その光が開口部3543の内周面に照射され、当該内周面から本体部3541内へ入射されることとなる。そして、本体部3541内に入射された光は、本体部3541の外周縁に設けられている面取部3544により前方の周壁部3542側へ反射し、周壁部3542の前端のレンズ部3545から前方へ放射されることとなる。これにより、第二LED3532の発光により、レンズ部3545を発光させることができ、装飾部3510の外周を発光装飾させることができる。
本実施形態の装飾体3500は、演出基板3520の前面に実装されている第一LED3531を発光させると、装飾部3510を発光装飾させることができ、演出基板3520の後面に実装されている第二LED3532を発光させると、装飾部3510の外周に設けられている装飾ベース3540のレンズ部3545を発光装飾させることができる。この際に、演出基板3520の表面(前面及び後面)には、明色(ここでは白色)の被覆膜3523が設けられているため、第一LED3531や第二LED3532からの光を反射させることができ、装飾部3510やレンズ部3545をより明るく発光装飾させることができる。
また、演出基板3520の表面が被覆膜3523によって明色となっているため、装飾部3510を通して演出基板3520が透けて見えても、演出基板3520が目立ち難く、装飾体3500の見栄えの悪化を抑制させることができる。また、装飾部3510に着色されている部位を有している場合、後ろの演出基板3520が被覆膜3523によって明色であるため、装飾部3510の色が違う色に見えてしまったり暗く見えてしまったりすることを回避させることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させることができる。
更に、装飾体3500では、演出基板3520の外周縁の前方に装飾部3510の周端面が位置しているため、装飾部3510が透明であっても、前方に設けられている曲面状の側壁部3511のレンズ効果により演出基板3520の外周縁を明瞭には見え辛くすることができる。また、演出基板3520の外周縁(外周側面)よりも外側が装飾ベース3540の周壁部3542により囲まれていると共に、周壁部3542の前端に複数の凹凸からなるレンズ部3545が設けられているため、周壁部3542を通して演出基板3520の外周縁を見え辛くすることができる。このように、装飾体3500では、演出基板3520の外周縁が見え難くなっているため、外周縁(外周側面)に明色の被覆膜3523が設けられていなくても、見栄えが悪化することはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
また、装飾体3500では、演出基板3520の外側を装飾ベース3540の周壁部3542により囲んでいるため、遊技盤5の組立て時において、作業者が演出基板3520の外周側面に触れることはない。これにより、外周側面の仕上げ具合の違いにより、演出基板3520の外周側面にギザギザな部位(例えば、後述する特定痕跡部3561)を有していても、当該部位により作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520の外周側面や周縁付近には、被覆膜3523が設けられていないため、当該部位に作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
[8-1.演出基板の詳細]
次に、装飾体3500に設けられている演出基板3520の詳細について、主に図160乃至図163等を参照して詳細に説明する。まず、初めに、本実施形態の装飾体3500(装飾部3510)のように、所定のキャラクタを模すことで外周形状が単純な矩形状ではなく、不定形の複雑な形状とする場合、発光装飾させるためのLEDが実装されている演出基板を単純な矩形状にすると、装飾部3510の後方において演出基板(LED)が設けられていない部位が存在し易くなるため、当該部位の存在により装飾部3510全体を均一な明るさで発光装飾することができず、十分な演出効果を得られなくなる恐れがある。そこで、演出基板3520の外周形状を装飾部3510の外周形状と対応した形状とすることで、上記のような問題を解決することが可能となる。
演出基板3520の外周形状を不定形の複雑な形状に形成する方法としては、NCマシンのような加工機械を使用して矩形状の定尺基板3550から切り出す方法(切削加工する方法)がある。この場合、演出基板3520を構成している基板母材3521の切粉が大量に発生するため、LEDやセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板3520に実装する前に、演出基板3520を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520の外周形状が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520をセットすることが難しくなる問題が発生する。
そこで、本実施形態では、演出基板3520の製造を以下のような方法で実施する。まず、矩形状の定尺基板3550(基板母材3521)に、回路を構成する銅箔3522、LED3530等の電子部品を取付けるための取付孔やスルーホール3524、及び明色の被覆膜3523(ソルダレジスト)を施した状態にする。この際に、銅箔3522の外周縁は、切り出す演出基板3520の外周縁から所定距離L1控えた位置とすると共に、被覆膜3523の外周縁は、所定距離L1よりも短く切り出す演出基板3520の外周縁から所定距離L2控えた位置とする(図162を参照)。
ところで、被覆膜3523では、明色にするための顔料(例えば、酸化チタン)を含ませることとなるため、当該顔料が含まれていないものと比較して硬質(硬い素材)となり、後述する切削加工を実施すると、微細な切粉(粉末)が生じ易く、明色の被覆膜3523の粉末は清掃し難い。そして、LED3530等の電子部品を実装する際に、被覆膜3523の粉末が残っていると、不具合が発生する恐れがある。これに対して、本実施形態では、被覆膜3523の外周縁を、演出基板3520の外周縁よりも所定距離L2控えて設けているため、演出基板3520の外周形状を切削加工する際に、被覆膜3523が切削されることはなく、被覆膜3523の粉末が発生することはない。
そして、定尺基板3550にインサートマシンを使用して電子部品を実装する前に、NCマシンのような切削加工機を使用して、定尺基板3550から演出基板3520が切り出されるように、エンドミル等を使用して演出基板3520の外周形状に沿ったスリット3551を形成する切削加工を実施する。この際に、演出基板3520を完全に分離させずに、繋部3552により部分的に繋がっている状態とする。この繋部3552は、図161において拡大して示すように、二つのスリット3551の間に一つの貫通孔3553が設けられている形態としている。
繋部3552を設ける位置は、図161に示すように、演出基板3520の外周形状において、直線状又は凸状の部位としている。これにより、後述する仕上げ工程において、ヤスリ等を使用して繋部3552が綺麗に仕上げ易いものとなる。
また、繋部3552を、演出基板3520の外周縁(外周形状)における外方へ膨出している部位や直線状の部位、換言すると、直線状又は凸状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520の製造時において、繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部3552を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520が自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、繋部3552を演出基板3520の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520の製造時において、繋部3552を演出基板3520の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520における繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
なお、図161に示すように、一部のスリット3551は、演出基板3520の外周から外方へ離れて、Vカット3554まで設けられている。このVカット3554は、定尺基板3550から演出基板3520を分離させる前に、折って切断することで、捨基板3555と演出基板3520とを分離させ易くするためのものである。また、定尺基板3550は、四隅に、取付用や位置決め用の孔3556が設けられている。
そして、定尺基板3550に対してスリット3551の切削加工が完了したら、切粉を集塵機等により吸い取って清掃する。この際に、明色の被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から控えて設けているため、被覆膜3523が切削加工されることはなく、被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、微細な切粉が残ることなく綺麗に清掃することができる。なお、演出基板3520の切削加工に先だって、エンドミル等で被覆膜3523だけを削り取っても良い。このように演出基板3520の端面(設計上の外形線)近くの被覆膜3523を予め除いておくことによって後工程での振動等による被覆膜3523の粉末の飛散を防ぐ効果がある。
その後、スリット3551を形成した定尺基板3550を、インサートマシンにセットして、演出基板3520の部位にLED3530等の電子部品を実装する。この際に、演出基板3520が定尺基板3550から切り離されておらず、外周が矩形状のままであるため、定尺基板3550を介して演出基板3520をインサートマシンに容易にセットして電子部品を実装させることができる。図161は、演出基板3520にLED3530等の電子部品を実装して、分離させる直前の状態である。
LED3530等の電子部品を実装したら、Vカット3554の部位で折り曲げて切断する。これにより、演出基板3520の外側に四つの捨基板3555が繋部3552で繋がっている状態となる。そして、繋部3552において切断して捨基板3555と演出基板3520とを分離させる(図162(b)及び図163(a)を参照)。なお、繋部3552では、二つのスリット3551の間に孔3556を設けているため、強度・剛性が低下しており、折り曲げることで簡単に破断して分離させることができる。
演出基板3520を分離したら、外周形状から突出している繋部3552の残りの部位(繋残部3552a)を、ヤスリ等を使用して外周形状の仮想線(図163(a)において二点鎖線で示す)まで削り落として仕上げることで、演出基板3520が完成する(図162(c)及び図163(b)を参照)。この繋残部3552aを仕上げる際に切粉が発生するが、仕上げる(削る)量が演出基板3520の全周に対して極めて短い(少ない)ため、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機等によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520に実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。この際、明色の被覆膜3523が、所定距離L2控えて設けられているため、繋部3552を切断したり仕上げたりしても、被覆膜3523の粉末が発生することはない。
ところで、演出基板3520は、外周側面の仕上がり状態が、スリット3551の部位ではエンドミル等を使用して形成しているため、エンドミル等による切削痕(一般痕跡部3560)となっているのに対して、繋部3552の部位ではヤスリ等により仕上げているため、一般痕跡部3560とは異なる切削痕(特定痕跡部3561)となっている。つまり、演出基板3520には、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。従って、演出基板3520の側面を見るだけで、特定痕跡部3561を認識することができ、繋部3552が設けられていた部位を判別することができる。
なお、一般痕跡部3560と特定痕跡部3561との仕上げ具合(例えば、表面の粗度)の違いは、一般痕跡部3560よりも特定痕跡部3561の方の粗度を細かく(例えば、滑らか、ツルツル、等)しても良いし、特定痕跡部3561よりも一般痕跡部3560の方の粗度を細かくしても良い。また、特定痕跡部3561を、鏡面状にしても良い。
上記では、繋部3552として、二つのスリット3551の間に一つの孔3556を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、図164に示すような繋部3552としても良い。詳述すると、図164(a)は、二つのスリット3551の間に二つ以上の孔3556を設けたものである。また、図164(b1)~(b3)は、二つのスリット3551を、スリット3551の幅と同じくらい接近させると共に、それらの間の部位の厚さを薄くしたものである。この場合の特定痕跡部3561は、図164(b3)に示すように、厚さ方向が全体に亘らず一部のみの状態となる。なお、図164における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。
このように、本実施形態の演出基板3520によれば、定尺基板3550(捨基板3555)との繋部3552(特定痕跡部3561)を、演出基板3520の外周形状における直線状又は凸状の部位に設けているため、繋部3552(繋残部3552a)の仕上作業を行い易いものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げ易くすることができ、見栄えの良い演出基板3520を提供することができる。
また、演出基板3520の外周に繋部3552による特定痕跡部3561を設けていることから、演出基板3520の外周をNCマシンのような切削加工機により形成しているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い形状の演出基板3520でも容易に製造することができると共に、見栄えの良い演出基板3520を得ることができる。従って、演出基板3520が見えても遊技者に不快感を与え難くすることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520の外周に特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520の取付方向等を特定する目印にすることができる。
ところで、明色の被覆膜3523(ソルダレジスト)は、他のソルダレジストと比較して硬い素材となっているため、粉末になり易い。従って、明色の被覆膜3523を表面に施した定尺基板3550から演出基板3520を切り出すために切削加工をすると、基板母材3521の大量の切粉に加えて、明色の被覆膜3523の粉末が多く発生する。そして、明色の被覆膜3523の粉末は、微細であることから、清掃(除去)に手間がかかりコストが増加する恐れがあると共に、手間がかかる故に除去しきれずに当該粉末が残ってしまう恐れがある。また、演出基板3520を定尺基板3550から切り出した後でも、演出基板3520の切断端縁まで明色の被覆膜3523が施されていると、演出基板3520の切断端縁に他の部材が当接すると、硬い素材である明色の被覆膜3523が粉末となって飛散して、演出基板3520や他の部材(装飾体3500)等に付着したり堆積したりする恐れがある。
そして、演出基板3520や装飾体3500等に、明色の被覆膜3523の粉末が付着・堆積すると、以下のような不具合が発生する恐れがある。例えば、当該粉末が、演出基板3520に実装されている電子部品としてのLED3530に付着・堆積するとLED3530を発光させた時にその影が投影されて発光演出の見栄えが悪くなる恐れがある。また、演出基板3520に実装されている電子部品としてのコネクタに付着・堆積すると接触不良が発生する恐れがある。更に、当該粉末が、演出基板3520や装飾体3500(装飾部3510)等の表面に付着・堆積するとその粉により演出基板3520や装飾体3500等の見栄えが悪くなる(低下する)恐れがある。このような不具合により、遊技者に不快感や不信感を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態によれば、演出基板3520の表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520の切断端縁と銅箔3522の端縁との間で、特定痕跡部3561の端縁を含む演出基板3520の切断端縁から内側に(ここでは、所定距離L2)控えて設けているため、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520を切り出すようにしても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、当該被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520に明色の被覆膜3523の粉末が残ることはない。また、明色の被覆膜3523を演出基板3520の切断端縁から控えて設けていることから、演出基板3520の切断端縁に他の部材(装飾体3500の装飾部3510等)等が当接しても、被覆膜3523に当接することはないため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、被覆膜3523の粉末が飛散して演出基板3520や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色の被覆膜3523の粉末が発生しないため、当該粉末によって、LED3530の発光による発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、明色の被覆膜3523を、特定痕跡部3561からも控えて(所定距離L2)設けているため、特定痕跡部3561(繋残部3552a)をヤスリ等で仕上げても、明色の被覆膜3523の粉末が発生することはなく、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記では、不定形な演出基板3520を定尺基板3550から切り出しながら、インサートマシンにおいて一体的に扱う方法として、NCマシン等の加工機械を使用して演出基板3520と定尺基板3550とが繋部3552で繋がれている状態に切削加工することで一体的に扱う方法を示したが、その他の方法として、打抜金型を使用して定尺基板から演出基板を打ち抜いた後に、定尺基板の打ち抜いた穴に演出基板を再び嵌め込んだ状態とすることで一体的に扱う方法(プッシュバック方式)がある。
このプッシュバック方式を詳述すると、打抜金型を使用して定尺基板から演出基板を打ち抜くと、打ち抜いた演出基板と定尺基板の打ち抜かれた穴との間の隙間が僅かなため、定尺基板の打ち抜かれた穴に、演出基板を嵌め込むと、演出基板が定尺基板に位置決めされた状態となり、演出基板を定尺基板と一体的に取り扱うことが可能となる。従って、プッシュバック方式では、上記の切削加工する方法と異なり、繋部3552を設ける必要がないため、演出基板に特定痕跡部が生じることはない。プッシュバック方式では、打抜金型を使用するため、短時間で多くの演出基板を打ち抜くことができる。このプッシュバック方式でも、明色の被覆膜(ソルダレジスト)を打ち抜くと粉末が発生する恐れがあるため、上記と同様に、明色の被覆膜を演出基板の切断端縁から控えて設けることが望ましい。なお、プッシュバック方式では、打抜金型が比較的高価であるため、NCマシン等の加工機械を使用して切削加工する方法の方が、多品種、小ロット、コスト、納期、等の面で有利である。
また、本実施形態によれば、演出基板3520の表面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、明色の被覆膜3523によってLED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3500を明るく発光装飾させることができる。この際に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520の外周縁から控えて設けている。つまり、特定痕跡部3561を含む基板の外周縁の色を、他の部位(被覆膜3523)と異ならせている。従って、特定痕跡部3561等を光が反射し難い色や光沢のない色とすることで、特定痕跡部3561を相対的に他の部位よりも暗く見せることができ、特定痕跡部3561を目立ち難くして装飾体3500の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
この演出基板3520(後述の演出基板3520A)は、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から控えて設けているため、特定痕跡部3561を含めて演出基板3520の外周縁が明色のソルダレジストとは色が異なっている。演出基板3520(演出基板3520A)の特定痕跡部3561を含む外周縁の異なる色としては、明色のソルダレジストよりも暗い色とすることが望ましい。また、演出基板3520等の外周縁は、ソルダレジスト(被覆膜3523)よりも光沢のないものとすることが望ましい。本実施形態では、演出基板3520(演出基板3520A)における特定痕跡部3561を含む外周縁を、明色のソルダレジストの色よりも暗い色で、明色のソルダレジストよりも光沢のないものとしている。
[8-2.第二実施形態の演出基板]
次に、上記の演出基板3520とは異なる実施形態の演出基板3520Aについて、図165乃至図168を参照して詳細に説明する。図165(a)は第二実施形態の演出基板における捨基板との繋部の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)の状態から捨基板と演出基板とを分離させた状態で示す説明図であり、(c)は(b)の状態から繋部を仕上げた状態で示す説明図である。図166(a)は図165とは異なる形態の被覆膜が設けられている演出基板を拡大して示す説明図であり、(b)は更に異なる形態の被覆膜が設けられている演出基板を拡大して示す説明図であり、(c)は(a)とは異なる形態の銅箔が設けられている演出基板を拡大して示す説明図である。
また、図167は、図163等の第一実施形態の装飾体の演出基板に図165の構成を適用した第二実施形態の装飾体の演出基板の表面を示す説明図である。図168は、図167に示す第二実施形態の装飾体の演出基板の裏面を示す説明図である。図165における網掛けの部位は、被覆膜3523が設けられている領域を示している。図168における網掛けの部位は、部品配置領域3534を示している。
第二実施形態の演出基板3520Aは、上記の装飾体3500(第一実施形態の装飾体3501)に設けられている演出基板3520と同じ構成の部位については、同じ符号を付し詳細な説明は省略する。この演出基板3520Aは、図165等に示すように、外周から台形状に凹んでいる凹部3557を設け、その凹部3557の底部3557aに繋部3552を設けたものである。換言すると、この演出基板3520Aは、凹部3557の底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を設けたものである。演出基板3520Aにおける凹部3557は、例えば、図167に示すように、外周における直線状又は凸状の部位に設けられている。従って、凹部3557の底部3557aは、演出基板3520Aの外周形状に倣って、直線状又は凸状となっている。
更に詳述すると、本実施形態の演出基板3520Aでは、凹部3557の深さが、定尺基板3550において演出基板3520Aの外周形状に沿って形成されるスリット3551の幅と同じである。これにより、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離させる際に、繋部3552における最も細くなっている中央部分が破断(切断)されることとなるため、演出基板3520Aに残された繋残部3552aが、凹部3557の底部3557aからスリット3551の幅(凹部3557の深さ)の半分の長さで外側へ向けて突出することとなる。従って、繋部3552が切断される位置が多少ズレたとしても、繋残部3552aの先端が、演出基板3520Aの設計上の外形線(図165(c)及び図167において二点鎖線で示す線)よりも外方へ突出することはない。因みに、本実施形態の演出基板3520Aでは、凹部3557の深さが、演出基板3520Aの外周縁から銅箔3522の外周縁までの長さと同じである。
なお、繋残部3552aの突出長さは、凹部3557の深さの1/3~2/3の範囲内とすることが望ましく、繋残部3552aを設計上の外形線よりも演出基板3520Aの中央側へ確実に位置させることができる。また、繋残部3552aの突出長さに対して、凹部3557の深さが相対的に深くなることを回避させることができ、凹部3557が無用に大きくなることで見栄えが悪くなったり、凹部3557の分だけ明色の被覆膜3523が少なくなることで反射光が減少して発光演出の明るさが暗くなったり不均一になったり、することはない。
この演出基板3520Aは、図165に示すように、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523の外周縁が、一般部(凹部3557を除いた部位)では演出基板3520Aの外周縁から所定距離L2控えて設けられており、凹部3557の部位では凹部3557の周縁から所定距離L2控えて設けられている。従って、スリット3551や孔3556を切削加工しても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、被覆膜3523による微細な切粉が発生することはない。
ところで、上記の第一実施形態の演出基板3520では、演出基板3520の外周縁に繋部3552を設けているため、捨基板3555と分離させた後に外周よりも突出している繋部3552の繋残部3552aを削って仕上げる際に、当該繋残部3552a(特定痕跡部3561)の仕上げが不十分であると、演出基板3520における設計上の外形線よりも特定痕跡部3561が外方へ突出した状態となり、装飾体3500における演出基板3520の外周を囲んでいる装飾ベース3540の周壁部3542に、突出している特定痕跡部3561が当ってしまい、装飾ベース3540に演出基板3520を取付けることができなくなってしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態の演出基板3520Aは、凹部3557の底部3557aに繋部3552を設けているため、繋部3552を切断して捨基板3555から演出基板3520Aを分離させると、繋部3552における演出基板3520Aに残った繋残部3552a(特定痕跡部3561)が、演出基板3520Aの設計上の外形線(図165(c)及び図167において二点鎖線で示す線)よりも外方へ突出することはない。従って、底部3557aから突出している繋部3552の繋残部3552a(特定痕跡部3561)を削って仕上げなくても(特定痕跡部3561が底部3557aから突出していても)、演出基板3520Aを装飾ベース3540における筒状の周壁部3542の内側へ挿入して取付けることができ、確実に装飾体3500(第二実施形態の装飾体3502)を組立てることができる。
また、演出基板3520Aによれば、底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)の仕上げを省くことができるため、演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
この演出基板3520Aは、上述したように、第一実施形態の演出基板3520と比較して、基板の外周縁に凹部3557が設けられていると共に、凹部3557の底部3557aから外方へ向けて特定痕跡部3561(繋残部3552a)が突出していることから、基板の外周縁が凸凹している。しかしながら、当該演出基板3520Aを装飾体3500に組立てた状態にすると、図160(b)に示すように、基板の外周縁の前方に装飾部3510の側壁部3511の後端面3512が位置すると共に、基板の外周縁よりも基板面に沿った方向の外側に装飾ベース3540の周壁部3542が位置するため、前方から基板の外周縁が視認し難くなる。これにより、基板の外周縁に凹部3557や外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が設けられていても、装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の周壁部3542に隠されることで、装飾体3500の見栄えが悪くなることはない。
また、演出基板3520Aの表面に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、明色の被覆膜3523によってLED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3500を明るく発光装飾させることができる。この際に、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を、一般痕跡部3560とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を含む演出基板3520Aの外周縁から控えて設けている。つまり、特定痕跡部3561を含む基板の外周縁の色を、他の部位(被覆膜3523)と異ならせている。従って、特定痕跡部3561等を光が反射し難い色や光沢のない色とすることで、特定痕跡部3561を相対的に他の部位よりも暗く見せることができ、特定痕跡部3561を目立ち難くして装飾体3500の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
また、演出基板3520Aでは、繋部3552(特定痕跡部3561)を、演出基板3520Aの外周縁(外周形状)における外方へ膨出している部位や直線状の部位、換言すると、直線状又は凸状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520Aの外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部3552を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520Aの外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520Aが自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、繋部3552(特定痕跡部3561)を演出基板3520Aの外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520Aの製造時において、繋部3552を演出基板3520Aの外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520Aにおける繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難くいものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520Aの変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
なお、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げないものを示したが、これに限定するものではなく、図165(c)に示すように、特定痕跡部3561を仕上げるようにしても良い。この場合、凹部3557を、演出基板3520Aの外周形状の直線状又は凸状の部位に設けていることから、凹部3557の底部3557aもその外周形状に倣った直線状又は凸状となっているため、底部3557aから突出している繋部3552の一部(特定痕跡部3561)を、ヤスリ等の工具を使用して簡単に仕上げることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることができ、見栄えの良い演出基板3520Aを提供することができる。
また、上記の実施形態では、演出基板3520Aの外周縁における凹部3557の部位において、被覆膜3523の外周縁を凹部3557の周縁から控えたものを示したが、これに限定するものではなく、図166(a)に示すようにしても良い。図166(a)の例では、被覆膜3523の外周縁を、凹部3557の底部3557aに設けられている繋部3552を切断して捨基板3555から演出基板3520Aを分離させた時に、演出基板3520A側に残っている繋残部3552a(特定痕跡部3561)の周縁から所定距離L2控えるようにしたものである。この場合、底部3557aから突出している部位(特定痕跡部3561)は、仕上げない。この実施形態によっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、繋残部3552aにも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けているため、更に多くの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3500に組立てた時に演出基板3520Aの外周縁が視認し難いものを示したが、演出基板3520Aの外周縁を認識できるような場合でも、見栄えが悪くなることを抑制させることができる。詳述すると、この演出基板3520Aでは、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を凹部3557の周縁に沿って設けているため(繋残部3552aに設けていないため)、繋残部3552a(特定痕跡部3561)を他の部位(被覆膜3523)とは異なる暗い色にすることが可能となり、繋残部3552aを認識させ難くすることができ、見栄えが悪くなることを抑制させることができる。
更に、上記の実施形態では、被覆膜3523の外周縁を演出基板3520Aの外周縁から控えたものを示したが、これに限定するものではなく、図166(b)に示すように、演出基板3520Aの外周縁まで被覆膜3523(図において網掛け部分)が設けられていても良い。これにより、演出基板3520Aの全面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されているため、より多くの光を反射させることができ、装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。この場合、演出基板3520Aの製造において、演出基板3520Aの外周縁に対して控えていない状態で(或いは定尺基板3550の全面に)被覆膜3523を施して基板外形を形成するようにしても良いし、演出基板3520Aの基板外形を形成してから被覆膜3523を施すようにしても良い。
また、上記の実施形態の演出基板3520Aとして、図166(c)に示すように、銅箔3522の周縁付近にスルーホール3524が設けられているものとしても良い。これにより、演出基板3520Aの製造工程において作用する振動や衝撃等に対して銅箔3522を基板母材3521から剥がれ難くしている。
また、図166(c)に示すように、本実施形態では、銅箔3522の外周縁が演出基板3520Aの外周縁に沿って一定の距離で基板中央側へ控えられており、凹部3557の部位でも凹部3557の周縁に沿って一定の距離で控えられている。演出基板3520Aの外周縁から銅箔3522の外周縁までの距離(控えられている距離)は、凹部3557の深さと同じである。また、演出基板3520Aの外周縁からスルーホール3524までの距離が、凹部3557の深さよりも長い。換言すると、基板の外周縁からスルーホール3524までの距離よりも凹部3557の深さが浅い。これにより、製造誤差等により凹部3557の位置がズレていても、銅箔3522が削られてしまうことはないと共に、仮に削られてしまってもスルーホール3524が削られることはないためスルーホール3524により銅箔3522を基板母材3521に支持することができ、銅箔3522が剥がれることはない。
更に、第二実施形態の演出基板3520Aについて詳述すると、この演出基板3520Aの後面(裏面)には、図168に示すように、サイドビュータイプの第二LED3532が複数実装されていると共に、ICやLEDドライバのような特定電子部品3533が実装されている。特定電子部品3533としてのICやLEDドライバは、黒色が一般的であるため、それらを演出基板3520Aの後面に設けていることから、前方から見えることはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
演出基板3520Aは、複数の第二LED3532の夫々が、演出基板3520Aの外方へ光が照射されるように設けられていると共に、演出基板3520Aの外周縁に接近するように設けられている。詳述すると、第二LED3532は、第二LED3532を通る演出基板3520Aの中心(中央)と演出基板3520Aの外周縁とを結んだ線分において、その線分の中央よりも演出基板3520Aの外周縁に近い側に設けられている。これにより、演出基板3520Aの外周縁よりも外側(装飾ベース3540の周壁部3542やレンズ部3545)をより明るく発光装飾させることができる。
この演出基板3520Aは、後面にも前面と同様に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が設けられている。これにより、サイドビュータイプの第二LED3532から照射されて、装飾ベース3540の本体部3541から前方へ漏れた光を後方へ反射させて本体部3541内へ戻すことができる。従って、本体部3541を介して周壁部3542(レンズ部3545)をより明るく発光装飾させることができる。
また、演出基板3520Aは、第二LED3532が、特定痕跡部3561(凹部3557)の近傍に設けられていると共に、第二LED3532の光の照射範囲に特定痕跡部3561が入るように設けられている。つまり、特定痕跡部3561の近傍に設けられている第二LED3532は、その光の放射面を特定痕跡部3561へ向けて設けられている。上記の構成は、特定痕跡部3561(凹部3557)を、第二LED3532の近傍でその光の照射範囲内の部位に設けているとも言える。
ところで、演出基板3520Aでは、外周縁から凹んでいる凹部3557を設けているため、当該凹部3557の部位には明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が設けられていない。そのため、凹部3557の部位では光の反射量が減少するため、装飾ベース3540の周壁部3542における凹部3557に近い部位が、他の部位よりも暗くなる恐れがある。
これに対して、第二実施形態の演出基板3520Aは、凹部3557(特定痕跡部3561)に近い第二LED3532を、凹部3557へ向けて設けているため、凹部3557を設けることによる光量不足を補うことができ、装飾ベース3540の周壁部3542を均一な明るさで発光装飾させることができる。この際に、特定痕跡部3561を繋残部3552aにより凹部3557の底部3557aから外側へ向けて突出させているため、その分の反射光を増加させることができ、凹部3557による光量不足をより補うことができる。なお、詳細は後述するが、図169に示すように、繋残部3552aの部位まで明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けるようにすることで、更に反射光の光量不足を補うことができる。
そして、第二実施形態の演出基板3520Aは、上述したように、サイドビュータイプの第二LED3532の光の照射範囲に特定痕跡部3561が設けられていることから、第二LED3532を発光させると特定痕跡部3561が照らされて目立つようになる。しかしながら、この演出基板3520Aを装飾体3500に組立てた状態では、特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520Aの外周縁の前後や側面が装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の本体部3541及び周壁部3542によって隠されるため、特定痕跡部3561における光の反射による効果を発揮させつつ、特定痕跡部3561による見栄えの悪化を回避させることができる。
また、遊技の進行に応じて演出基板3520Aと一緒に装飾体3500を移動させることで、演出基板3520Aと遊技者との位置関係が変化しても、上述したように、演出基板3520Aの側面が装飾ベース3540の周壁部3542によって隠されているため、特定痕跡部3561が見えることはない。従って、装飾体3500を使用する可動演出の見栄えが悪くなることはなく、装飾体3500の可動演出による演出効果を確実に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aは、図168に示すように、実装されているLED3530(第一LED3531及び第二LED3532)を発光させるためのICやLEDドライバ、抵抗器、ダイオード、センサ、のような電子部品(特定電子部品3533)が後面(裏面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に実装されている。多くの特定電子部品3533は、特定痕跡部3561の近傍に設けられている。更に詳述すると、複数の特定電子部品3533は、複数(ここでは三つ)の特定痕跡部3561に囲まれた部品配置領域3534(網掛け部分)内に設けられている。
ところで、演出基板3520Aは、上述したように、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離させずに、繋部3552により部分的に繋がっている状態で、インサートマシンを使用して特定電子部品3533を含む電子部品を実装するようにしている。演出基板3520Aが繋部3552により部分的に繋がっている状態では、元の定尺基板3550と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板3550を基準にした演出基板3520Aの撓み量は、繋部3552から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンにより電子部品を実装する際に、電子部品のリードや電極が銅箔3522に対して十分に接触していない状態でハンダ付けされてしまったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。この問題は、第一実施形態の演出基板3520においても同様である。
そして、演出基板3520Aに対して電子部品のハンダ付けが不十分であったり、電子部品が傾いた状態でハンダ付けされていたり、電子部品に対して実装不良がある場合、以下のような不都合が発生する。例えば、電子部品として、ICやLEDドライバのような特定電子部品3533の場合、実装不良によって正常に作動しなくなることで、演出基板3520Aに実装されているLED3530等の多くの電子部品に対して影響を及ぼしてしまう恐れがある。また、電子部品として、位置センサのような検知にかかる特定電子部品3533の場合、実装不良によって接続不良や傾いて取付けられていたりすると、可動役物(可動装飾体)の移動位置を検知できなくなることで、当該可動役物による可動演出を実行できなくなる恐れがある。更に、電子部品として、コネクタのような配線にかかる特定電子部品3533の場合、実装不良によって周辺制御基板1510との信号の遣り取りができなくなったり、コネクタに配線ケーブルを抜き差しする力により演出基板3520Aからコネクタが取れてしまったりする恐れがある。このような不都合が発生すると、演出基板3520Aによる演出効果を十分に発揮させることができなくなり、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLED3530は取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品3533)は取付不良になるとその影響は配下のLED3530全てに及ぶため、特にLEDドライバ(特定電子部品3533)は重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本実施形態では、特定電子部品3533を特定痕跡部3561の近傍に設けている。或いは、特定電子部品3533を二つの特定痕跡部3561の間に設けている。更には、特定電子部品3533を三つ以上の特定痕跡部3561により囲まれている部品配置領域3534に設けている。つまり、特定電子部品3533を、演出基板3520Aにおける撓み難い部位(撓み量の少ない部位)に設けるようしているため、特定電子部品3533のリードや電極が銅箔3522に対して確実に接触している状態でハンダ付けすることができると共に、特定電子部品3533が傾いた状態で取付けられることはない。これにより、演出基板3520Aを使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520Aによる演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[8-2a.その他の実施形態の演出基板]
続いて、その他の実施形態の演出基板について、主に図169及び図170等を参照して詳細に説明する。図169(a)は第三実施形態の演出基板の背面図であり、(b)は第四実施形態の演出基板の正面図である。図170(a)は特定痕跡部とサイドビュータイプのLEDとが設けられている演出基板を概略で示す説明図であり、(b)は(a)において特定痕跡部同士の間に外方へ延出している延出部を設けた演出基板の説明図であり、(c)は(a)及び(b)とは異なる形態の演出基板を示す説明図である。
まず、演出基板3520Bは、図169(a)に示すように、背面視において左端付近にICやLEDドライバ、コネクタ等の複数の特定電子部品3533が実装されている。この演出基板3520Bは、図示するように、上辺と下辺に設けられている複数の特定痕跡部3561(凹部3557)が、夫々の辺の長手方向へ均等ではなく、長手方向の中央よりも左側が多くなるように偏って設けられている。演出基板3520Bは、上辺と下辺の左から二つの特定痕跡部3561と、左辺の特定痕跡部3561と、で部品配置領域3534(網掛け部分)を形成しており、その部品配置領域3534に複数の特定電子部品3533が設けられている。
この演出基板3520Bによれば、複数の特定痕跡部3561に囲まれている部品配置領域3534は、演出基板3520Bの製造時において、定尺基板3550に対して繋がれている複数の繋部3552により囲まれている領域であるため、当該領域を囲む複数の繋部3552の存在によって、演出基板3520Bにおける他の部位よりも強度・剛性が高く、撓み難い領域である。従って、演出基板3520Bの製造において、部品配置領域3534が撓み難いことから、インサートマシンにより電子部品(特定電子部品3533)を取付ける際に、特定電子部品3533のリードや電極を銅箔3522に対して十分に接触している状態でハンダ付けしたり、特定電子部品3533を真直ぐな状態でハンダ付けしたり、することができ、実装不良や接続不良が発生することはない。これにより、演出基板3520Bを使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520Bによる演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Bでは、特定電子部品3533としてのICやLEDドライバは、黒色が一般的であるため、それらを演出基板3520Bの後面に設けていることから、前方から見えることはなく、装飾体3500の見栄えを良くすることができる。
次に、図169(b)に示す演出基板3520Cは、正面視において、上辺と左辺には、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が夫々において一つずつ設けられており、下辺と右辺には、凹部3557の底部3557aから突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が夫々において二つずつ設けられている。これにより、演出基板3520Cの外周縁において、外周縁の部位に応じて異なる形態の特定痕跡部3561を設けているため、パチンコ機1(遊技盤5)の組立てにおいて、視覚だけでなく触覚によっても演出基板3520Cの向きを特定することができ、組立てを容易なものとすることができると共に、組立て間違えを防止することができる。
続いて、図170(a)に示す演出基板3520Dは、透光性を有する装飾体(図示は省略)の後方に設けられるものである。演出基板3520Dは、基板外周縁から外方へ向けて突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)が複数設けられている。この演出基板3520Dは、基板表面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されている。被覆膜3523は、繋残部3552aの先端まで施されている。この演出基板3520Dは、基板表面に沿って外方へ向けて光を照射するサイドビュータイプの複数のLED3535が設けられている。一部のLED3535は、その光軸を含む光の照射方向を特定痕跡部3561へ向けて設けられている。
この演出基板3520Dによれば、一部のLED3535を、外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)へ向けて光が照射されるように設けているため、当該LED3535から照射された光を特定痕跡部3561においても反射されることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
次に、図170(b)に示す演出基板3520Eは、上記の演出基板3520Dに対して、特定痕跡部3561へ向けて設けられているLED3535同士の間に、少なくとも一つのサイドビュータイプのLED3535が設けられていると共に、特定痕跡部3561同士の間において基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525が設けられている。演出基板3520Eは、延出部3525の表面にも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されている。
この演出基板3520Eによれば、基板面に沿って外方へ光を照射するサイドビュータイプのLED3535からの光を、基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525の部位でも反射させることができる。また、前方からの光を、延出部3525の部位でも反射させることができる。従って、より多くの光を反射させることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
次に、図示は省略するが、上記の演出基板3520Eに対して、基板の外周縁において、特定痕跡部3561同士の間に設けられている延出部3525に加えて、当該延出部3525とは特定痕跡部3561を間にした反対側の部位にも、基板の外周縁から外方へ延出している延出部3525を設けると共に、その延出部3525の表面にも明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523が施すようにしても良い。これにより、基板面に実装されているLED3535からの光やや前方からの光等を、特定痕跡部3561の両側に設けられている延出部3525により反射させることができ、前方に設けられている装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
なお、演出基板3520Eでは、基板の外周縁から一定の距離で外方へ延出している延出部3525を示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561の部位を除いたLED3535の正面となる部位のみを延出させるようにしても良いし、波状や円弧状に外方へ延出させるようにしても良い。
上記のようなサイドビュータイプの第二LED3532やLED3535が設けられている演出基板3520Bや演出基板3520D及び演出基板3520Eは、装飾体(役物)に組立てた時に、外周縁(特定痕跡部3561)が視認不能または認識不能となるような装飾体に使用することが望ましいが、以下のように、外周縁が視認可能または認識可能となるような装飾体に使用することも可能である。詳述すると、例えば、遊技に進行に応じて可動する装飾体のLED基板として演出基板3520A、演出基板3520D、演出基板3520E(以下では、単に演出基板3520Dとも称する)を使用する場合、可動演出により可動装飾体の位置が変化することで遊技者から見える角度が変わって演出基板3520Dの外周縁が遊技者から視認可能になると共に、LED3535の発光により特定痕跡部3561(繋残部3552a)が光って目立つようになっても、当該可動装飾体が移動する可動演出によって遊技者の関心を可動演出に強く引き付けることができるため、光っている特定痕跡部3561に気付き難くすることができ、特定痕跡部3561が見えることによる見栄えの悪化を抑制させることができると共に、可動装飾体による可動演出の演出効果を十分に発揮させることができる。
また、可動しない固定されている装飾体のLED基板として上記の演出基板3520D等を使用する場合、演出基板3520Dの外周縁が遊技者から視認可能であっても、固定装飾体が移動しないことから特定痕跡部3561を遊技者から視認し難い部位に設けておくことで、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光っても目立ち難くして特定痕跡部3561の存在を誤魔化すことができ、固定装飾体の見栄えが悪くなることはない。
続いて、図170(c)に示す演出基板3520Fは、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561が設けられているものである。上述したように、LED3535の光の照射範囲に外方へ突出している特定痕跡部3561(繋残部3552a)を設けると共に、当該特定痕跡部3561に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けることで、光を反射させて装飾体3500をより明るく発光装飾させることができる。その反面、特定痕跡部3561においてLED3535からの光が反射することで、特定痕跡部3561が光って目立つようになる。この演出基板3520Fは、特定痕跡部3561がLED3535の光の照射範囲を避けて設けているため、LED3535を発光させた時に、特定痕跡部3561を基板の外周縁の他の部位よりも暗くして目立ち難くすることができる。
詳述すると、演出基板3520Fの製造時において、定尺基板3550との繋部3552を破断により切断して演出基板3520Fを分離させる場合、特定痕跡部3561(繋残部3552aの先端)には破断によるバリが生じ易い。そして、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲に破断によるバリを有する特定痕跡部3561が設けられていると、LED3535からの光により特定痕跡部3561のバリがキラキラと輝いて特定痕跡部3561が目立ってしまうと共に、特定痕跡部3561が輝くことで演出基板の他の部位と明るさが不均一となり、発光演出の演出効果が低減してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、サイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561にバリを有していても、当該バリがLED3561からの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部3561の部位と演出基板3520Fの他の部位との明るさが不均一となることを抑制させることができ、演出基板3520Fの前方に設けられる装飾体3500を一様な明るさで発光装飾させて発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
なお、演出基板3520Fでは、図166(a)や(b)のように特定痕跡部3561(繋残部3552a)に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けても良いが、図165(b)のように特定痕跡部3561(繋残部3552a)に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を設けないようにしても良い。或いは、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を被覆膜3523とは異なる暗い色にしても良い。これにより、特定痕跡部3561が他の部位よりも暗くなることで。目立ち難くすることができ、装飾体の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
この演出基板3520Fは、装飾体(役物)に組立てた時に、外周縁(特定痕跡部3561)が視認可能または認識可能となるような装飾体に使用することが可能である。詳述すると、例えば、可動しない固定されている装飾体のLED基板として演出基板3520Fを使用する場合、仮に演出基板3520Fの外周縁が遊技者から視認可能な状態であっても、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光ることはないため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、固定装飾体の見栄えが悪くなることはない。また、LED3535を発光させても特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つことはないため、固定装飾体に特定痕跡部3561を視認し難くするような部位を態々設ける必要がなく、遊技盤5にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、遊技に進行に応じて可動する装飾体のLED基板として演出基板3520Fを使用する場合、仮に可動装飾体の移動により遊技者から見える角度が変わって演出基板3520Fの外周縁が遊技者から視認可能な状態になっても、LED3535の発光により特定痕跡部3561が光ることはないため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、可動装飾体の見栄えが悪くなることはない。また、LED3535を発光させても特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つことはないため、可動装飾体に特定痕跡部3561を視認し難くするような部位を態々設ける必要がなく、遊技盤5にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520F、では、基板面の全面に明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を施すものを示したが、これに限定するものではなく、図166(a)等に示すように、基板の端縁から控えて被覆膜3523を施すようにしても良い。換言すると、基板の端縁から所定幅の部位には被覆膜3523を施さないようにしても良い。これにより、上述の演出基板3520等と同様に、演出基板3520D等の製造時において、被覆膜3523の粉末による不都合や不具合の発生を防止することができる。
また、上記の演出基板3520、演出基板3520A~演出基板3520F(以下では単に演出基板3520とも称する)では、一つの基板において繋残部3552aを仕上げた特定痕跡部3561か繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561の何れかが設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、一つの基板において、繋残部3552aを仕上げた特定痕跡部3561(基板の外周縁から突出していないタイプ)と、繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561(基板の外周縁から突出しているタイプ)と、が混在しているものとしても良い。この場合、遊技者から見え易い部位では繋残部3552aを仕上げて突出していないタイプの特定痕跡部3561とし、遊技者から見え難い部位では繋残部3552aを仕上げていない突出したタイプの特定痕跡部3561とすることが望ましい。これにより、装飾体の見栄えを良くすることができると共に、必要な仕上げ加工を少なくすることでコストを低減させることができる。
更に、上記の実施形態では、演出基板3520の特定痕跡部3561として、基板製造時における繋部3552の痕跡を示したが、これに限定するものではなく、例えば、定尺基板3550から演出基板3520を切り出してからインサートマシンにより電子部品を実装する場合における基板の支持装置に支持(把持)された痕跡、等としても良い。
また、上記の実施形態では、明色(白色)のソルダレジストからなる被覆膜3523を基板の外周縁から控えて設けることで、特定装飾部3561を含む基板の外周縁を被覆膜3523とは異なる色にしたものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561や基板の外周縁から所定幅の範囲等に、被覆膜3523とは異なる色を着色するようにしても良い。この際に、光沢のない黒っぽい暗い色に着色する場合、特定痕跡部3561や基板の外周縁を目立ち難くすることができる。或いは、光沢のある明るい色に着色する場合、基板全体の光の反射率を高めることができ、装飾体をより明るく発光装飾させることができる。
更に、上記の実施形態では、ICやLEDドライバのような電子部品をそのままの色の状態で使用するものを示したが、これに限定するものではなく、ICやLEDドライバのような電子部品に対して白色のような明色に着色しても良い。これにより、電子部品を目立ち難くすることができる。また、明色に着色することでICやLEDドライバのような電子部品を目立ち難くすることができるため、それら電子部品を演出基板3520の前面に設けることが可能となり、演出基板3520にかかるコストを低減させることができる。
また、上記の実施形態の演出基板3520等において、基板表面に、実装される電子部品、基板の型番、等を表す文字や記号を明色で施しても良い。これにより、文字や記号により組立て等の際に間違え難くすることができると共に、基板表面に文字や記号が施されていても装飾体の見栄えが悪くなることはない。
[8-3.演出基板を有する他の実施形態の装飾体]
続いて、演出基板を有する他の実施形態の装飾体について、主に図171及び図172を参照して詳細に説明する。図171(a)は第三実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(b)は第四実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(c)は第五実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図である。図172(a)は第六実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(b)は第七実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図であり、(c)は第八実施形態の装飾体の要部を断面で示す説明図である。以下の説明では、図171及び図172の紙面の上下方向を前後方向として記載する。また、以下では、上記の装飾体3500(装飾体3501や装飾体3502)と同じ構成の部位については、同じ符号を付して説明する。
[8-3a.第三実施形態の装飾体]
第三実施形態の装飾体3503は、図171(a)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、表面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、前方を向いている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、前壁部3513の一部と周壁部3514とに設けられている金属光沢を有するメッキ部3515と、を有している。装飾部3510は、前壁部3513と周壁部3514とにより、後方へ開放された容器状(箱状)に形成されている。
この装飾部3510は、前壁部3513におけるメッキ部3515よりも内側の部位が、メッキ部3515の部位よりも光の透過度が高くなっている。つまり、メッキ部3515により光の透過度が高い開口3516が設けられている。図171(a)における拡大して示す図の網掛け部は、メッキ部3515である。
演出基板3520Aは、装飾部3510における前壁部3513の後に設けられていると共に、周壁部3514の後端よりも前方に設けられている。つまり、演出基板3520Aは、容器状の装飾部3510の内部に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3514の内周形状よりも小さく形成されている。この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の一部(残り)が突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3503は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が正面視において装飾部3510のメッキ部3515と重なっているため、当該メッキ部3515によって演出基板3520Aの外周縁、即ち、凹部3557や特定痕跡部3561が前方から視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を装飾部3510の周壁部3542により囲んでいると共に、当該周壁部3514にもメッキ部3515を設けているため、側方からも凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3503によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位をメッキ部3515によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3503の見栄えを良くすることができる。
また、メッキ部3515によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを装飾部3510の内部に対して確実に取付けることができる。
更に、容器状の装飾部3510の内部に演出基板3520Aを設けており、演出基板3520Aの外周を周壁部3514によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3514によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561をメッキ部3515によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510の前壁部3513と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aとを有する装飾体3503の厚さを薄くすることができる。従って、装飾体3503の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3503を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3503が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3503(装飾部3510における開口3516内)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、装飾部3510にメッキ部3515を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、メッキ部3515の部位に、所定の色からなる着色部を設けたり、光を乱反射させるレンズ部を設けたり、摺ガラス状のシボ部を設けたり、しても良い。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[8-3b.第四実施形態の装飾体]
第四実施形態の装飾体3504は、図171(b)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の外周を囲むように設けられている枠状の枠部3570と、装飾部3510の後で枠部3570の枠内に設けられており表面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、前方を向いている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している側壁部3511と、側壁部3511の後端から外方へ延出しているフランジ部3517と、を有している。
枠部3570は、外周が装飾部3510よりも大きい平板部3571と、平板部3571を貫通しており装飾部3510の前壁部3513が通過可能な開口3572と、平板部3571の外周縁から後方へ壁状に延出している周壁部3573と、を有している。枠部3570は、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状に形成されている。枠部3570は、周壁部3573の内周形状が、装飾部3510の外周形状よりも若干大きく形成されている。この枠部3570は、装飾部3510よりも光の透過度が低く、不透明に形成されている。
演出基板3520Aは、外周形状が枠部3570の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3573の内周形状よりも小さく形成されている。この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3504は、組立てた状態で、枠部3570に後方から装飾部3510が挿入されており、枠部3570の開口3572から装飾部3510の前壁部3513が前方へ臨んでいると共に、枠部3570の平板部3571にフランジ部3517が当接している。また、装飾体3504は、演出基板3520Aが枠部3570の枠内、つまり、枠部3570の周壁部3573の後端よりも前方に位置しており、演出基板3520Aの外周が周壁部3573によって囲まれている。
また、装飾体3504は、図示するように、演出基板3520Aの外周縁が正面視において不透明な枠部3570の平板部3571と重なっているため、当該平板部3571によって演出基板3520Aの外周縁、即ち、凹部3557や特定痕跡部3561が前方から視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を不透明な枠部3570の周壁部3573により囲んでいるため、側方からも凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3504によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を不透明な枠部3570によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3504の見栄えを良くすることができる。
また、不透明な枠部3570によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを枠部3570の内部に対して確実に取付けることができる。
更に、演出基板3520Aの外周を枠部3570の周壁部3573によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3573によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561を枠部3570によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510の前壁部3513と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aと枠部3570とを有する装飾体3504の厚さを薄くすることができる。従って、装飾体3504の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3504を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3504が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3504(枠部3570における開口3572内、つまり、装飾部3510の前壁部3513)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、不透明な枠部3570を示したが、これに限定するものではなく、枠部3570として、透明な部材の表面にメッキ部を設けたものとしても良いし、透明な部材に所定の色からなる着色部を設けたものとしても良いし、透明な部材の表面に光を乱反射させるレンズ部を設けたものとしても良いし、透明な部材の表面に摺ガラス状のシボ部を設けたものとしても良い。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[8-3c.第五実施形態の装飾体]
第五実施形態の装飾体3505は、図171(c)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、演出基板3520Aの後に設けられている透明な装飾ベース3540と、を備えている。この装飾体3505は、上記の第一実施形態の装飾体3501の構成に対して、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520Aを用いたものであり、演出基板3520Aを除いて同じ構成である。
装飾部3510は、全体が略一定の厚さで立体的に形成されている。装飾部3510は、外周縁付近の部位に前後方向(中央の部位の前壁部3513に対して交差する方向)へ延出している側壁部3511と、側壁部3511における板厚の端面となり後方を向いている後端面3512と、を有している。本実施形態の装飾部3510では、中央の部位(前壁部3513)と側壁部3511とが滑らかな曲面により連続しており、中央の部位(前壁部3513)との明確な境界は有していない。
演出基板3520Aは、装飾部3510(後端面3512)よりも後ろに設けられている。演出基板3520Aは、装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、装飾部3510の外周よりも小さく形成されている。演出基板3520Aの外周縁は、略全体が装飾部3510における後端面3512の後方となるように形成されている。換言すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510と重ねた時(装飾体3505に組立てた時)に、後端面3512の外周と内周との間(図171(c)の拡大図において網掛けの部位)に位置するように形成されている。
演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
演出基板3520に実装されている複数のLED3530は、前面に実装されているトップビュータイプの複数の第一LED3531と、後面に実装されているサイドビュータイプの複数の第二LED3532と、から構成されている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
装飾ベース3540は、演出基板3520Aの後に位置している平板状の本体部3541と、本体部3541の外周縁から前方へ壁状に延出している周壁部3542と、本体部3541を貫通しており内部に演出基板3520Aの後面に実装されている第二LED3532が挿入される開口部3543と、本体部3541の周縁に設けられており周縁外方へ向かうに従って前方へ位置するように斜めに形成されている面取部3544と、周壁部3542の前端面に設けられている複数の凹凸からなるレンズ部3545と、を有している。
装飾ベース3540の周壁部3542は、本体部3541の全周に亘って設けられており、前後に短い筒状に形成されている。この周壁部3542の内周の大きさは、装飾部3510の外周の大きさよりも若干大きく形成されている。これにより、筒状の周壁部3542の内側に前方から装飾部3510を挿入することができる。また、周壁部3542は、装飾体3500に組立てた時に、前端のレンズ部3545が装飾部3510の後端面3512よりも前方へ突出するように形成されている。
この装飾体3505は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が、装飾部3510における後端面3512の後方に位置している。これにより、正面視において、演出基板3520Aの外周縁が、装飾部3510の後端面3512(図171(c)の拡大図において網掛けの部位)と重なっている。また、装飾体3505は、演出基板3520Aの外周縁付近の前後が、装飾部3510の後端面3512と装飾ベース3540の本体部3541とに囲まれていると共に、演出基板3520Aの外周側面の外側が装飾ベース3540の周壁部3542によって囲まれている。
このように、本実施形態の装飾体3505によれば、曲面状に形成されている装飾部3510における側壁部3511の後端面3512の後方に、演出基板3520Aの外周縁を設けているため、曲面状の側壁部3511のレンズ効果により、後方を歪ませて見せることができ、演出基板3520の外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を前方から明瞭には見え辛くすることができる。また、演出基板3520の外周側面を装飾ベース3540の周壁部3542により囲んでいると共に、周壁部3542の前端に複数の凹凸からなるレンズ部3545を設けているため、側方からも演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し難くすることができる。
従って、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を不透明な枠部3570によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3505の見栄えを良くすることができる。
また、装飾部3510の側壁部3511や装飾ベース3540の周壁部3542によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、演出基板3520Aの外周を装飾ベース3540の周壁部3542によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3542によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3505(装飾部3510及び装飾ベース3540のレンズ部3545)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aから突出している繋部3552の繋残部3552aを仕上げていない特定痕跡部3561としたものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良い。
[8-3d.第六実施形態の装飾体]
第六実施形態の装飾体3506は、図172(a)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、を有している。装飾部3510の周壁部3514は、後方を向いた後端面3512とされている。
演出基板3520Aは、装飾部3510の後端面3512に当接するように設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、外周縁が装飾部3510の後端面3512と重なるように形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510の後端面3512の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510の中央側(後端面3512の内周縁側)へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3506は、組立てた状態で、演出基板3520Aの外周縁が装飾部3510の後端面3512に当接していると共に、演出基板3520Aの外周縁が後端面3512の外周縁と接する遊技者からの視線よりも後端面3512における内周縁側に位置しているため、遊技者から演出基板3520Aの外周側面を直接視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し辛い。
このように、本実施形態の装飾体3506によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3506の見栄えを良くすることができる。
また、周壁部3514によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3506(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[8-3e.第七実施形態の装飾体]
第七実施形態の装飾体3507は、図172(b)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、装飾部3510の後に設けられており前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。また、図示は省略するが、装飾体3507は、装飾部3510の後に設けられており演出基板3520Aを支持している後部材(例えば、装飾ベース、リフレクタ、等)を有している。この後部材により、演出基板3520Aが装飾部3510よりも後方の部位に設けられている。
装飾部3510は、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、を有している。装飾部3510の周壁部3514は、後方を向いた後端面3512とされている。
演出基板3520Aは、装飾部3510の後端よりも後方に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状に形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510の後端面3512の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510(前壁部3513)の中央側へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の繋残部3552aが突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3507、組立てた状態で、演出基板3520Aが装飾部3510よりも後方に位置していると共に、演出基板3520Aの外周縁が後端面3512の外周縁と接する遊技者からの視線よりも後端面3512における内周縁側に位置しているため、遊技者から演出基板3520Aの外周側面を直接視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)を視認し辛い。
このように、本実施形態の装飾体3507によれば、演出基板3520Aに繋部3552の一部が残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3507の見栄えを良くすることができる。
また、周壁部3514によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋部3552)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3506(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
[8-3f.第八実施形態の装飾体]
第八実施形態の装飾体3508は、図172(c)に示すように、所定形状に形成されており透光性を有する装飾部3510と、前面に複数のLED3530が実装されている演出基板3520Aと、を有している。装飾部3510は、所定の立体形状に形成されている前壁部3513と、前壁部3513の外周縁から後方へ壁状に突出している周壁部3514と、前壁部3513と周壁部3514の一部とに設けられており色彩を有する加飾部3518と、を有している。装飾部3510は、前壁部3513と周壁部3514とが無色透明に形成されており、加飾部3518が有色の不透明に形成されている。この加飾部3518は、周壁部3514の後端までは設けられておらず、周壁部3514の後端との間に加飾部3518が設けられていない部位(余白部)を有している。また、加飾部3518は、スクリーン印刷やインクジェット印刷等によって形成されており、キャラクタやロゴ等の絵柄を有している。
演出基板3520Aは、装飾部3510における前壁部3513の後に設けられていると共に、周壁部3514の後端よりも前方に設けられている。つまり、演出基板3520Aは、容器状の装飾部3510の内部に設けられている。演出基板3520Aは、外周形状が装飾部3510の外周形状に倣った(沿った)形状で、周壁部3514の内周形状よりも小さく形成されている。更に詳述すると、演出基板3520Aの外周縁は、装飾部3510における加飾部3518の外周縁と接する遊技者(本パチンコ機1の前方に着座する一般的な遊技者をモデルにした仮想上の視点)からの視線(図において一点鎖線で示す)よりも装飾部3510(前壁部3513)の中央側へ位置するように設けられている。
また、この演出基板3520Aは、外周に凹部3557が形成されていると共に、凹部3557の底部3557aから繋部3552の一部(残り)が突出している。つまり、底部3557aに、外周を形成した際に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561が設けられている。
また、図示は省略するが、この演出基板3520Aにおいても、表面に明色の被覆膜3523が施されていると共に、当該被覆膜3523の外周縁が演出基板3520Aの外周縁よりも所定距離L2控えて設けられている。
この装飾体3508、組立てた状態で、演出基板3520Aが容器状の装飾部3510の内部に位置していると共に、演出基板3520Aの外周縁が加飾部3518の外周縁と接する遊技者からの視線よりも前壁部3513の中央側に位置しているため、遊技者から見ると演出基板3520Aが加飾部3518と重なる位置となり、加飾部3518に遮られて、演出基板3520Aを視認することができず、演出基板3520Aの外周縁(凹部3557や特定痕跡部3561)が視認し難くなっている。また、演出基板3520Aの外周を装飾部3510の周壁部3542により囲んでいるため、この周壁部3514の存在により側方からも演出基板3520Aの凹部3557や特定痕跡部3561が視認し難くなっている。
このように、本実施形態の装飾体3508によれば、演出基板3520Aに繋部3552の繋残部3552aが残っているような特定痕跡部3561を有することで、演出基板3520Aの見栄えが悪くなっていても、その見栄えの悪い部位を装飾部3510の加飾部3518や周壁部3514によって隠すことができるため、見栄えの悪化を回避させることができ、装飾体3508の見栄えを良くすることができる。
また、加飾部3518によって特定痕跡部3561を隠すことができることから、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を仕上げる必要がないため、演出基板3520Aにかかるコストを低減させることができ、ひいては、パチンコ機1のような遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、容器状の装飾部3510の内部に演出基板3520Aを設けており、演出基板3520Aの外周を周壁部3514によって囲んでいるため、演出基板3520Aの外周側面に、繋部3552の繋残部3552aが残る破断面のようなギザギザの特定痕跡部3561を有していても、周壁部3514によって特定痕跡部3561に触れ難くすることができ、作業者が怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、演出基板3520Aの外周側面や周縁付近に、作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面に明色の被覆膜3523が設けられているため、LED3530等からの光を反射させることができ、装飾体3508(装飾部3510)を明るく発光装飾させることができる。
なお、上記の実施形態において、装飾部3510の周壁部3514に光を撹乱(拡散)させるレンズ部を設けるようにしても良く、周壁部3514を通して演出基板3520Aをより見え難くすることができる。
また、上記の実施形態では、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設ける演出基板3520Aを示したが、これに限定するものではなく、外周縁に凹部3557を有しない外周縁に特定痕跡部3561が設けられている演出基板としても良い。この場合、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を、仕上げても良いし、仕上げなくても良い。
なお、上記の実施形態では、明色の被覆膜3523が設けられている演出基板3520及び演出基板3520Aとして、LED3530を電子部品として実装しているものを示したが、これに限定するものではなく、電子部品として、有機EL、LCD、センサ、コネクタ、ダイオード、抵抗器、IC、等を実装しているものとしても良く、LED3530を実装していないものとしても良い。また、この演出基板3520や演出基板3520Aとしては、演出表示装置1600よりも前方に設けられているもの、裏箱3010内(裏ユニット3000)に設けられているもの、遊技パネル1100よりも前方(表ユニット2000)に設けられているもの、前構成部材1000に設けられているもの、扉枠3に設けられているもの、等が挙げられる。
また、上記の実施形態では、被覆膜3523をソルダレジストとするものを示したが、これに限定するものではなく、被覆膜3523をソルダレジストとは別に設けられているもの(ソルダレジストを被覆しているもの)としても良い。
また、上記の実施形態では、被覆膜3523を演出基板3520の外周縁から所定距離L2控えて設けるものを示したが、これに限定するものではなく、被覆膜3523が捨基板3555にまで設けられているものとしても良い。この場合、被覆膜3523には、切削加工した時、切削端縁に他の部材が当接した時、等に粉末の発生し難いものを使用することが望ましい。
更に、上記の実施形態では、装飾体3500として演出基板3520の外周縁に沿って側壁部3511が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、特定痕跡部3561と対向する部位にのみ側壁部3511を設けるものとしても良い。これにより、特定痕跡部3561を側壁部3511により隠すことができ、装飾体3500の見栄えの悪化を抑制することができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3500として演出基板3520の外周縁に沿って側壁部3511が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、側壁部3511における特定痕跡部3561と対向する部位にスリット又は凹部が設けられているものとしても良い。これにより、基板の外周縁から外方へ突出している特定痕跡部3561が設けられている演出基板3520では、特定痕跡部3561(繋残部3552a)が側壁部3511のスリットや凹部に挿入されることとなり、特定痕跡部3561が側壁部3511に当接することはない。従って、演出基板3520の外周縁に凹部3557を設けると共に、その底部3557aに特定痕跡部3561を設けるようにする必要がなく、演出基板3520にかかるコストを低減させることができる。また、演出基板3520の特定痕跡部3561(繋残部3552a)を側壁部3511のスリットや凹部に挿入させるようにすることで、特定痕跡部3561により位置決めを行うことができ、装飾体3500の組立てミスを低減させることができる。
なお、側壁部3511に特定痕跡部3561(繋残部3552a)が挿入される凹部を設ける場合、その凹部を円弧状や多面体状のレンズ部としても良い。凹部のレンズ効果により外部から特定痕跡部3561を見え難くすることができる。
[8-4.演出基板を有する装飾体の作用効果]
このように、本実施形態によれば、演出に関する電子部品としてのLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周形状を、前方に設けられている装飾部3510の外周形状と対応した形状としていると共に、外周における直線状又は凸状の部位において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに他の部位(一般痕跡部3560)とは粗度の異なる特定痕跡部3561を設けているため、当該特定痕跡部3561により演出基板3520Aの見栄えの悪化を抑制することが可能となり、演出基板3520Aにより遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
詳述すると、演出基板3520A(又は演出基板3520)の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520Aに電子部品(LED3530等)を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)を切断して、定尺基板3550から演出基板3520Aを分離し、演出基板3520Aにおける定尺基板3550と繋がっていた繋残部3552aを仕上げることで、当該繋残部3552aの部位に他の部位とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断して仕上げても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されている電子部品に影響を与えることはない。
また、特定痕跡部3561を、外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに設けるようにしているが、当該底部3557aは、演出基板3520Aの外周における直線状又は凸状の部位において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aであることから、当該底部3557aの形状が演出基板3520Aの外周に倣った(平行な)形状となっており、直線状又は凸状の形状となっている。従って、演出基板3520Aの製造時において、底部3557aから突出している定尺基板3550と繋がっていた繋残部3552aを仕上げる際に、平ヤスリ等の工具を使用して簡単に仕上作業を行うことができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることができ、見栄えの良い演出基板3520Aを提供することができる。
また、演出基板3520Aの外周形状を装飾部3510の外周形状と対応させているため、演出基板3520Aの外周形状により装飾性を発揮させることができる。この際に、上述したように、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、外周形状が複雑な装飾性の高い演出基板3520Aでも、見栄えの良いものとすることができ、演出基板3520Aによる装飾効果を十分に発揮させることができると共に、遊技者に不快感を与え難くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
このように、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い演出基板3520Aでも容易に製造することができると共に、見栄えの良い演出基板3520Aを得ることができ、喩え演出基板3520Aが見えても遊技者に不快感を与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520Aの取付方向等を特定する目印にすることができる。
また、演出基板3520Aの表面を明色にしているため、電子部品として実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方へ反射させ易くすることができる。これにより、演出基板3520Aの前方に設けられている装飾部3510をより明るく発光装飾させることができるため、装飾部3510の発光演出をより目立たせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、特定痕跡部3561の表面の粗度を他の部位(一般痕跡部3560)とは異ならせているため、演出基板3520Aの周縁を一見しただけで、特定痕跡部3561の位置を特定することができる。従って、例えば、製造された演出基板3520Aを検査する場合では、特定痕跡部3561の位置を素早く把握することができ、製品(演出基板3520A)の良否の確認を容易に行うことができると共に、検査にかかる時間を短縮することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、特定痕跡部3561の粗度を異ならせるようにしているため、例えば、粗度を細かく(数値を小さく)して鏡面状にすると、特定痕跡部3561において光を反射させることが可能となるため、演出基板3520Aの周面の一部が光るようなこれまでにない発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出基板3520Aにおける外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから繋残部3552aが外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを取付対象物(装飾部3510や装飾ベース3540)に対して確実に取付けることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けていることから、特定痕跡部3561の部位で切断しても、特定痕跡部3561が演出基板3520Aの外形線から突出することはないため、特定痕跡部3561(繋残部3552a)の仕上げを省くことが可能となり、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、側方から見た時に装飾体3500における装飾部3510の周壁部3514や枠部3570の周壁部3573による遊技者からの視線の影となる領域(周壁部3514と重なる領域)に特定痕跡部3561が位置して、周壁部3514により視認し難くしている上に、周壁部3514が透明な素材によって形成されていても、当該周壁部3514にレンズ部を設けることによりそのレンズ効果によっても特定痕跡部3561を不明瞭に見せて視認し難くすることができるため、特定痕跡部3561や凹部3557が良く見えることによる演出基板3520Aの見栄えの悪化を低減させることができる。この作用効果は、演出基板3520でも同じである。従って、演出基板3520A(演出基板3520)によって装飾部3510の見栄えが悪く見えてしまうことを回避させることができるため、相対的に装飾部3510(装飾体3500)の見栄えを良くすることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、装飾部3510の周壁部3514にレンズ部を設けたり、装飾ベース3540の周壁部3542にレンズ部3545を設けたりすることで、演出基板3520A(演出基板3520)に実装されているLED3530を発光させると、その光によりレンズ部を光らせることができるため、レンズ部の光により周壁部3514(周壁部3542)を通して特定痕跡部3561(演出基板3520A(演出基板3520)の外周縁)を視認し難くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、演出基板3520A(演出基板3520)のLED3530の発光により周壁部3514(周壁部3542)が光ることで、装飾部3510の外周が発光装飾されることとなるため、装飾部3510をより目立たせることができ、装飾部3510(装飾体3500)前方体の発光演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けており、演出基板3520Aの外周縁に凹部3557を設けることで演出基板3520Aの外周形状の見栄えが悪化しても、特定痕跡部3561が周壁部3514(周壁部3542、周壁部3573)やレンズ部による遊技者からの視線の影となる領域に位置することで視認し難くしていることから、特定痕跡部3561と一緒に凹部3557も視認し難くすることができるため、凹部3557や特定痕跡部3561が良く見えることによる演出基板3520Aの見栄えの悪化を低減させることができる。従って、演出基板3520Aによって装飾部3510の見栄えが悪く見えてしまうことを回避させることができるため、相対的に装飾部3510(装飾体3500)の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、演出基板3520や演出基板3520Aの表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁と銅箔3522の端縁との間で、特定痕跡部3561の端縁を含む演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁から内側に(ここでは、所定距離L2)控えて設けているため、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520や演出基板3520Aを切り出すようにしても、明色の被覆膜3523が切削されることはなく、当該被覆膜3523の粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520や演出基板3520Aに明色の被覆膜3523の粉末が残ることはない。また、明色の被覆膜3523を演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁から控えて設けていることから、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、被覆膜3523に当接することはないため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、被覆膜3523の粉末が飛散して演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色の被覆膜3523の粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
詳述すると、演出基板3520や演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して切削加工により定尺基板3550から演出基板3520や演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520や演出基板3520Aを完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520や演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520や演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができる。換言すると、被覆膜3523が施されている演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装する前に、特定痕跡部3561の部位(繋部3552)を残して演出基板3520や演出基板3520Aの外周の殆どを切削加工により形成する。これにより、LED3530等の電子部品が実装されていないため、大量に発生する切粉の清掃を容易に行うことができると共に、被覆膜3523が演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁(ここでは設計上の外形線)から内側へ控えて設けられているため、被覆膜3523の粉末が発生することはない。続いて、定尺基板3550及び演出基板3520や演出基板3520Aの清掃後に、演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装する。この際に、当該演出基板3520や演出基板3520Aが特定痕跡部3561の部位(繋部3552)により定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520や演出基板3520Aをインサートマシンに容易にセットすることができ、演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装させることができる。そして、分離前の演出基板3520や演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552を切断(又は破断)することで、当該繋部3552に他の部位とは異なる痕跡(特定痕跡部3561)が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520や演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552が、演出基板3520や演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができると共に、被覆膜3523を特定痕跡部3561の端縁(繋部3552の切断端縁)から内側に控えているため、被覆膜3523の粉末が発生することはなく、演出基板3520や演出基板3520Aに実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。従って、上述したように、明色の被覆膜3523の粉末によって、LED3530の発光による発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520(演出基板3520A)や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するような不具合の発生を防止することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、切削加工により演出基板3520や演出基板3520Aの外周を形成しても、表面に施されている明色の被覆膜3523の粉末による不具合の発生を防止することができるため、演出基板3520や演出基板3520Aの外周形状をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することができ、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い演出基板3520や演出基板3520Aを容易に製造することができる。
また、被覆膜3523の端縁を、演出基板3520や演出基板3520Aの切断端縁(基板母材3521の切断端縁)と銅箔3522の端縁との間に位置するように設けていることから、銅箔3522の全面を被覆膜3523により被覆しており、表面に銅箔3522が露出していないため、演出基板3520や演出基板3520Aの表面全体を被覆膜3523の明色とすることができる。これにより、被覆膜3523により演出基板3520や演出基板3520Aの表面を明色にしているため、電子部品として実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方へ反射させ易くすることができる。これにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。更に、被覆膜3523により演出基板3520や演出基板3520Aの表面を明色にしているため、演出基板3520や演出基板3520Aを目立ち難くすることができると共に、当該表面の色による前方に設けられている部材(例えば、装飾部3510、装飾体、等)への影響を低減させることができ、当該部材による装飾効果を確実に発揮させて見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520や演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を設けているため、当該特定痕跡部3561が上述したように演出基板3520や演出基板3520Aの全周に対して短く、定尺基板3550と繋いでいた部位(繋部3552)の仕上時間を短くすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、特定痕跡部3561を綺麗に仕上げることで演出基板3520や演出基板3520Aの見栄えを良くすることができ、演出基板3520や演出基板3520Aが見えても遊技者に不快感を与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、当該特定痕跡部3561と対面するように設けられ演出基板3520Aの外周面を囲んでいる装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により、他の部材等が演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面に接触することを回避させることができるため、特定痕跡部3561との接触による傷付きを防止することができ、傷が無いことで他の部材の見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。また、凹部3557を有しない演出基板3520でも、同様の作用効果を奏することができる。
また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面との接触を回避させることができるため、パチンコ機1の製造や搬送、設置やメンテナンス等の作業において、作業者の手指等が演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561に触れてしまうことを防止することができ、傷付いて怪我をしてしまうことを回避させることができる。また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により特定痕跡部3561を含む演出基板3520や演出基板3520Aの外周面への接触を回避させることができることから、演出基板3520や演出基板3520Aの外周縁に対して作業者の手指等を接触し難くすることができるため、演出基板3520や演出基板3520Aに作業者の脂質が付着することを回避させることができ、脂質による不具合の発生を抑制させることができる。
更に、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573により演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561との接触を回避させることができるため、演出基板3520や演出基板3520Aを製造する際に、特定痕跡部3561を仕上げずに切断したままの状態とすることができ、演出基板3520や演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573を通して演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561を含む外周面を視認困難としているため、特定痕跡部3561や外周面が見えることによる演出基板3520や演出基板3520A、ひいては、前方の装飾部3510の見栄えの悪化を抑制することができ、装飾部3510の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520や演出基板3520Aの特定痕跡部3561や外周面が見えることにより遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出して装飾部3510の周壁部3514や装飾ベース3540の周壁部3542や枠部3570の周壁部3573に当ることはなく、演出基板3520Aを装飾部3510や装飾ベース3540や枠部3570等に対して確実に取付けることができる。
更に、本実施形態によれば、遊技の進行に応じて発光するLED3530が実装されている演出基板3520Aの外周縁において台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに、外形を形成した時に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡が生じた特定痕跡部3561を有していても、当該特定痕跡部3561を前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により視認困難としていることから、演出基板3520Aによる装飾部3510の見栄えの悪化を阻止することができるため、装飾部3510の見栄えを良くすることができ、遊技者に不快感を与えてしまうことを低減させて興趣の低下を抑制させることができる。
詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、外周から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aで定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、凹部3557の底部3557a(繋部3552)で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520AにLED3530等の電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552を切断(又は破断)することで、凹部3557の底部3557aにおいて繋がっていた繋部3552に他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520Aが完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されているLED3530等の電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561は、外周の他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡となっていると共に、特定痕跡部3561を外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに設けており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561や凹部3557の存在により演出基板3520Aの見栄えが悪化する虞があるが、前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により特定痕跡部3561を凹部3557と一緒に視認困難としているため、演出基板3520Aの特定痕跡部3561や凹部3557が目立つことはなく、演出基板3520Aによる装飾部3510の見栄えの悪化を阻止することができ、装飾部3510の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520Aの特定痕跡部3561や凹部3557により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの外周に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520Aの外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成しているため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾部3510と対応する演出基板3520Aでも容易に製造することができ、演出基板3520AのLED3530により発光装飾される装飾部3510の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aにおける外周縁から台形状に凹んでいる凹部3557の底部3557aに特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561が底部3557aから外方へ突出していても、演出基板3520Aにおける設計上の外形線よりも突出することはなく、演出基板3520Aを装飾部3510や枠部3570等の取付対象物に対して確実に取付けることができる。
更に、演出基板3520Aの外周に設けられている特定痕跡部3561や凹部3557を、前方から重なるように設けられている装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)によって隠すことができると共に、表面の明色(白色)により演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510を通して演出基板3520Aの前面が見えても、演出基板3520Aの存在によって装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させることができる。また、上述したように、演出基板3520Aを目立ち難くすることができるため、装飾部3510(前壁部3513)と演出基板3520Aとの間の距離を短く(狭く)しても、装飾部3510の見栄えが悪くなることはなく、装飾部3510と演出基板3520Aとを有する装飾体3503や装飾体3504の厚さを薄くすることができる。従って、装飾部3510(装飾体3503や装飾体3504)の配置自由度を高めることができるため、より効果的な位置に装飾体3503や装飾体3504を設けることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。また、装飾体3503や装飾体3504が薄くなることで、相対的に他の装飾体等を設けるスペースを確保し易くすることができるため、より多くの装飾体等を有するパチンコ機1とすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの特定痕跡部3561を装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)によって視認困難としているため、演出基板3520Aを製造する際に、特定痕跡部3561を仕上げずに切断したままの状態とすることができ、演出基板3520A、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)を、演出基板3520Aの外周縁と重なるように設けていることから、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)が装飾部3510の外周縁の全周に亘って設けられることとなるため、装飾部3510のメッキ部3515や枠部3570や装飾部3510の側壁部3511(後端面3512)により装飾部3510の外周縁を装飾することが可能となり、装飾部3510の見栄えをより良くすることができ、見栄えの良い装飾部3510により遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、演出基板3520AのLED3530の発光による装飾部3510の発光装飾によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520Aの表面を明色(白色)にしているため、実装されているLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、装飾部3510へ反射させ易くすることができる。これにより、より明るい装飾部3510の発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。更に、演出基板3520Aの表面を明色(白色)にしているため、演出基板3520Aを目立ち難くすることができると共に、当該表面の色による装飾部3510への影響を低減させることができ、装飾部3510による装飾効果を確実に発揮させて見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
なお、上記に示した定尺基板3550から演出基板3520等(以下では単に演出基板3520とも称する)を切り出す手法や、そのときの特定痕跡部3561の処理(突出しないように削り取る、凹部3557に残す、あえて突出するように残す)や特定痕跡部3561に対するソルダレジスト(被覆膜3523)の有無などの処理などは、演出基板3520と装飾部3510等との形状や位置関係や見栄えなどに応じて適宜選択されるべきであり、実施例として紹介された組合わせに限定されない。
また、演出基板3520と特定痕跡部3561との関係としては、以下のようなパターンが挙げられる。例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては凹部3557の底部3557aに設けられていても良い(図167を参照)。これにより、演出基板3520の仮想外形線から特定痕跡部3561が外側へ突出することはなく、特定痕跡部3561が他の部材に当接することを回避させることができる。また、特定痕跡部3561が他の部材に当接することを回避させるために、特定痕跡部3561(繋残部3552a)を削る必要はない。
また、例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては演出基板3520の外形から突出していても良い。この場合、特定痕跡部3561は、演出基板3520の直接の外周から突出していても良いし、演出基板3520の凹部3557の底部3557aから突出していても良い。これにより、製造工程において特定痕跡部3561の手触りを目安にして作業することができる。
更に、例えば、特定痕跡部3561が一つの演出基板3520に複数設けられており、その全ては演出基板3520の突部か直線部に設けられていても良い。これにより、演出基板3520の外形を、ヤスリ等を使用して仕上げる際に、特定痕跡部3561を削り易くすることができ、作業時間を短縮してコストを低減させることができると共に、演出基板3520の見栄えを良くすることができる。
また、例えば、特定痕跡部3561が演出基板3520における凹部3557の底部3557aに設けられており、その特定痕跡部3561が削られて底部3557aから突出していなくても良い。これにより、凹部3557を演出基板3520の位置決溝として使用することが可能となる。
また、例えば、演出基板3520における遊技領域5aの中央に違い側の辺に設けられている特定痕跡部3561は削られて仕上げられており、遊技領域5aの中央から遠い側の辺に設けられている特定痕跡部3561は仕上げられていないものとしても良い。これにより、遊技者から演出基板3520の側面が見えたとしても、見える側面の特定痕跡部3561は仕上げられて奇麗になっているため、見栄えが悪く見えることはない。また、演出基板における中央から遠い側の辺は、遊技者から見え難いため、特定痕跡部3561を仕上げてなくても見栄えが悪くなることはないと共に、全ての特定痕跡部3561を仕上げる必要がなくコストダウンを図ることができる。
また、演出基板3520と特定痕跡部3561との関係としては、上記したようなパターンに限定するものではなく、演出基板3520の形状や使用部位等に応じて様々なパターンから適宜選択されるべきものである。
[8-5.第二実施形態の始動口ユニット]
次に、遊技盤5における第二実施形態の始動口ユニット2150について、主に図173乃至図178等を参照して詳細に説明する。図173は、第二実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤の正面図である。図174は、第二実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤において遊技パネルよりも後側を省略して示す斜視図である。図175(a)は第二実施形態の始動口ユニットを遊技パネルの一部と共に示す前から見た斜視図であり、(b)は(a)の始動口ユニットを後ろから見た斜視図である。図176(a)は第二実施形態の始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二実施形態の始動口ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図177(a)は第二実施形態の始動口ユニットを正面から示す説明図であり、(b)は第二実施形態の始動口ユニットを断面で示す説明図である。図178(a)及び(b)は第二実施形態の始動口ユニットにおける始動口前板の貫通孔と前板シールとの関係を示す説明図である。
まず、第二実施形態の始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5のサイドユニット2200について説明する。このサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2150の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、上方及び後方に解放されている樋状で一般入賞口2001を形成している三つの球受部2202と、夫々の球受部2202の前後方向の途中を繋いでおり遊技パネル1100の前面に取付けられる平板状の台板2203と、を備えている。三つの球受部2202のうち右から二つの球受部2202は、前端の下部が、後方へ向かって斜めに傾斜している。このサイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2202における台板2203よりも前方の部位が、一般入賞口2001として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。サイドユニット2200は、一般入賞口2001(球受部2202)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
第二実施形態の始動口ユニット2150は、遊技領域5a内における左右方向中央の下端部付近に設けられておりアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2150は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2150は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2150の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2150)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
この遊技盤5では、列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)が、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2150の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2150の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2150(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
更に、遊技領域5a内には、植設されている複数の障害釘Nとして、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している一対の特定障害釘N1と、一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ第一始動口2003と特定障害釘N1との間の高さに設けられている一対の準特定障害釘N2と、が設けられている(図175(a)及び図177(a)を参照)。
一対の特定障害釘N1は、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定障害釘N1は、始動口ユニット2150の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定障害釘N2は、接近している特定障害釘N1や接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間は、一対の特定障害釘N1同士の間隔よりも広い。また、準特定障害釘N2と連釘NRとの隙間は、特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間よりも広い。
また、準特定障害釘N2は、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定障害釘N2に当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
この始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2150の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2150が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2150よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
この始動口ユニット2150は、図176等に示すように、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に前方から取付けられる始動口本体2151と、始動口本体2151の前面に取付けられる平板状の始動口前板2152と、始動口前板2152の前面に貼り付けられる前板シール2153と、を備えている。
始動口ユニット2150の始動口本体2151は、上方及び後方へ開放されている樋状の球受部2151aと、球受部2151aの底部から上方へ延出しており上端が後方へ向かうに従って低くなるように傾斜している誘導リブ2151bと、球受部2151aの外周面における前後方向の途中から平板状に外方へ延出し遊技パネル1100の前面に当接するフランジ部2151cと、フランジ部2151cの後面から円柱状に突出している位置決ピン2151dと、を備えている。
球受部2151aは、断面がU字状に形成されている。球受部2151aは、遊技盤5が組立てられている状態では、フランジ部2151cよりも後の部位が、遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112に挿入されており、後端がパネル板1110の後面と同一面上に位置している。誘導リブ2151bは、前端が球受部2151aの前壁の後面に接しており、前壁の上端付近から水平に対して45度の角度で球受部2151aの底部付近まで後方へ低くなるように傾斜した後に、水平に対して約5度の角度で球受部2151aの後端まで低くなるように傾斜しており、前後方向の途中で折れ曲がっている(図177(b)を参照)。この誘導リブ2151bは、左右に間隔をあけて二つ設けられている。フランジ部2151cは、球受部2151aに対して左右両外側及び下側へ延出している。位置決ピン2151dは、球受部2151aを間にして左右両側に夫々設けられており、遊技パネル1100の位置決孔1113に挿入される。
また、始動口本体2151は、フランジ部2151cにおける球受部2151aの左右両側と下側において貫通している複数(ここでは三つ)の取付孔2151eと、フランジ部2151cにおける球受部2151aの下方の取付孔2151eの左右両外側の部位から前方へ円柱状に突出している一対のボス部2151fと、一対のボス部2151fの夫々と球受部2151aの左右の垂直に延びている側壁の下端とを繋いでいる一対の斜壁部2151gと、フランジ部2151cの前面において一対のボス部2151f同士を繋いでおり左右方向中央が低くなるように屈曲している下壁部2151hと、球受部2151aの前面下部と一対のボス部2151fとに夫々設けられている前板取付孔2151iと、を備えている。
一対のボス部2151fは、前端が球受部2151aの前壁の前面と同一面上である。斜壁部2151gと下壁部2151hは、前端におけるボス部2151fに接している付近が、球受部2151の前壁の前面よりも後方に控えられている。これにより、ボス部2151fの前端を、後述する始動口前板2152の筒部2152eに確実に挿入させることができる。また、斜壁部2151gと下壁部2151hの前端の一部が後方へ控えられていることで、始動口前板2152を取付けた時に、始動口前板2152との間に隙間が形成される。また、下壁部2151hは、左右方向中央が球受部2151aの下方の取付孔2151eよりも下方に位置するように屈曲している。これにより当該取付孔2151eは、一対の斜壁部2151gと下壁部2151hとで囲まれた部位に設けられている。
始動口前板2152は、正面視において始動口本体2151よりも大きく形成されている。始動口前板2152は、第一始動口2003の直上で左右に離隔している一対の特定障害釘N1の頭部が後方から挿入される一対の第一保持部2152aと、第一始動口2003の直上において左右に離隔している一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ下方に設けられている一対の準特定障害釘N2の頭部が後方から挿入される第二保持部2152bと、を備えている。第一保持部2152a及び第二保持部2152bは、始動口前板2152を貫通している丸孔であり、第一保持部2152aは、第二保持部2152bよりも内径が小さく形成されている。
本実施形態では、障害釘Nの頭部の直径が4.3mmであり、第一保持部2152aの内径を6mmとしていると共に、第二保持部2152bの内径を8mmとしている。
また、始動口前板2152は、始動口本体2151の取付孔2151eと対応する部位で貫通している複数の貫通孔2152cと、始動口本体2151の前板取付孔2151iと対応する部位で貫通している取付孔2152dと、後面から円筒状に短く後方へ延出しており始動口本体2151のボス部2151fの先端が挿入される一対の筒部2152eと、外周縁から一定の幅を残して前面から凹んでおり前板シール2153が貼り付けられるシール貼付部2152fと、上端辺における左右方向の中央においてシール貼付部2152fへ突出している位置決突部2152gと、を備えている。
貫通孔2152cは、始動口ユニット2150を遊技パネル1100に取付ける際に、ドライバが挿通されるものである。取付孔2152dは、始動口前板2152を始動口本体2151へ取付けるためのものであり、前方から挿通させた取付ビスの先端を始動口本体2151の前板取付孔2151iにねじ込むことで、始動口前板2152を始動口本体2151に取付けることができる。一対の筒部2152eは、夫々に始動口本体2151のボス部2151fの先端が挿入されることで、始動口前板2152を始動口本体2151に対して位置決めすることができる。位置決突部2152gは、前板シール2153の位置決部2153aに挿入させることでシール貼付部2152fに対して前板シール2153を位置決めすることができる。
前板シール2153は、透光性を有しており、図示は省略するが、絵柄や模様、文字等が施されている。この前板シール2153は、外形が始動口前板2152のシール貼付部2152fの内周形状よりもやや小さく形成されており、上辺における左右方向の中央において切欠かれている位置決部2153aを有している。また、前板シール2153は、裏面に始動口前板2152に貼り付けるための粘着部2153bを有している。
粘着部2153bは、図177(a)において網掛けで示すように、前板シール2153の外周縁から一定の幅で全周に亘って設けられている。また、粘着部2153bは、始動口前板2152における第一保持部2152a、第二保持部2152b、貫通孔2152c、取付孔2152d、等の各孔を避けるように設けられている。これにより、前板シール2153を始動口前板2152に貼り付けた時に、始動口前板2152の各孔を通して粘着部2153bが後方へ露出することはない。
始動口ユニット2150は、遊技盤5に組立てた状態で、前端がサイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。また、始動口ユニット2150(始動口前板2152)の前面は、第一保持部2152aや第二保持部2152bの内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nが前板シール2153に接触しないように障害釘Nの前端よりも前方に位置している。
また、遊技盤5に組立てた状態で、始動口ユニット2150における始動口本体2151の取付孔2151eがザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(フランジ部2151cの前面)から突出して遊技球Bの動きを阻害することはない。また、始動口前板2152の取付孔2152dもザグリ孔であると共に、取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(シール貼付部2152fの前面)から突出して前板シール2153にシワ等が入ることはない。
この始動口ユニット2150は、遊技盤5に組立てた状態で、図177等に示すように、始動口前板2152の第一保持部2152aに特定障害釘N1の頭部が挿入されていると共に、第二保持部2152bに準特定障害釘N2の頭部が挿入されている。これにより、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが特定障害釘N1や準特定障害釘N2に当接し、その衝撃により特定障害釘N1等が曲がろうとしても、特定障害釘N1等の頭部が第一保持部2152a等の内周面に接触することで、特定障害釘N1等がそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、特定障害釘N1等への遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aの内径を、準特定障害釘N2の頭部が挿入される第二保持部2152bの内径よりも小さくしていることから、第一始動口2003に近付くほど、特定障害釘N1や準特定障害釘N2等の障害釘Nの変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける第一始動口2003の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aを第二保持部2152bよりも小さくしていることから、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために特定障害釘Nを曲げようとしても、特定障害釘N1の頭部との間の隙間が狭い第一保持部2152aにより特定障害釘N1を曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、第一保持部2152a等を有する始動口前板2152の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、特定障害釘N1の頭部や準特定障害釘N2の頭部が挿入されている始動口前板2152の第一保持部2152a及び第二保持部2152bの前方を、始動口前板2152に貼り付けられている前板シール2153によって覆っているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、特定障害釘N1等に他の部材が当接することを始動口前板2152や前板シール2153により阻止することができ、特定障害釘N1等の変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板シール2153の粘着部2153bを、始動口前板2152の貫通孔2152c等の孔を避けるように設けているため、図178(a)に示すように、貫通孔2152cを通して遊技球Bが前板シール2153に接触しても、遊技球Bが粘着部2153bに貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シール2153が貼り付けられる始動口前板2152に、第一保持部2152a等の孔を設けているため、製造時に前板シール2153を貼り損ねた時や廃棄する時に、前板シール2153に対して当該孔を通して後方から押圧することで、前板シール2153を容易に剥がすことができる。
更に、始動口ユニット2150の始動口前板2152に、特定障害釘N1の頭部が挿入される第一保持部2152aと、準特定障害釘N2の頭部が挿入される第二保持部2152bと、が設けられているため、遊技盤5の製造時において、位置決ピン2151dにより始動口ユニット2150を遊技パネル1100に対して仮止めして、第一保持部2152a等の中心に特定障害釘N1等が位置しているか否かを見ることで、障害釘Nの植設状態を検査することができる。
また、始動口ユニット2150の前面に平らな始動口前板2152を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、始動口前板2152によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される第一保持部2152a及び第二保持部2152bを、始動口前板2152を貫通している丸孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、始動口前板2152を貫通せずに始動口前板2152の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、始動口前板2152の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、前板シール2153において粘着部2153bを、始動口前板2152の貫通孔2152c等から控えて設けることで、貫通孔2152c等を通して遊技球Bが粘着部2153bに接触しないようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、図178(b)に示すように、貫通孔2152cの直径を、貫通孔2152cを通して遊技球Bが前板シール2153に接触しない大きさとしても良い。具体的には、貫通孔2152cの直径をL5、貫通孔2152cの深さ(始動口前板2152の厚さ)をL6、遊技球Bの直径をD、とした場合、
L5<2×(D×L6-L62)-2
とすることが望ましい。これにより、貫通孔2152c等を通して遊技球Bが前板シール2153の裏面に接触することはなく、前板シール2153の後面の全体に粘着部2153bを設けても遊技球Bが粘着部2153bに貼り付くことはない。
[8-6.第三実施形態の始動口ユニット]
次に、遊技盤5における第三実施形態の始動口ユニット2160について、主に図179乃至図183等を参照して詳細に説明する。図179は、遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す第三実施形態の始動口ユニットが設けられている遊技盤の正面図である。図180は、図179の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図181(a)は第三実施形態の始動口ユニットを遊技パネルの一部と共に示す前から見た斜視図であり、(b)は(a)の始動口ユニットを後ろから見た斜視図である。図182(a)は第三実施形態の始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第三実施形態の始動口ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図183(a)は第三実施形態の始動口ユニットを正面から示す説明図であり、(b)は第三実施形態の始動口ユニットを断面で示す説明図である。
第三実施形態の始動口ユニット2160は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近においてアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2160は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2160は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2160の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2160)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
この遊技盤5では、列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)が、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2160の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2160の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2160(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
この始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
この始動口ユニット2160は、図182等に示すように、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に前方から取付けられる始動口本体2161と、始動口本体2161の前面に取付けられる平板状の始動口前板2162と、始動口本体2161と始動口前板2162との間に架渡されている複数の釘シャフト2163と、始動口前板2162の前面に貼り付けられる前板シール(図示は省略)と、始動口本体2161に始動口前板2162を取付けている複数の取付ビス2164と、を備えている。始動口ユニット2160は、遊技盤5に組立てた状態で、前端がサイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。
始動口ユニット2160の始動口本体2161は、遊技パネル1100の前面に当接する平板状の台板2161aと、遊技球Bが通過可能に台板2161aを貫通している開口部2161bと、台板2161aの前面における開口部2161bの周縁から前方へ突出しており上方へ開放されている球受部2161cと、球受部2161cの後端と連続し台板2161aの後面から後方へ筒状に突出している樋部2161dと、球受部2161c及び樋部2161dの底部から上方へ延出しており上端が後方へ向かうに従って低くなるように傾斜している誘導リブ2161eと、台板2161aの後面から円柱状に突出している位置決ピン2161fと、を備えている。
台板2161aは、正面視において左右に長く上辺及び下辺が夫々上方及び下方へ膨らむように円弧状に形成されている。開口部2161bは、台板2161aの中央に設けられている。球受部2161cは、断面がU字状に形成されている。樋部2161dは、断面がU字の上端同士を繋いだような形状に形成されている。この樋部2161dは、遊技盤5が組立てられている状態で、遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112に挿入されており、後端がパネル板1110の後面と同一面上に位置している。誘導リブ2161eは、前端が球受部2161cの前壁の後面に接しており、前壁の上端付近から水平に対して45度の角度で球受部2161cの底部付近まで後方へ低くなるように傾斜した後に、水平に対して約5度の角度で樋部2161dの後端まで低くなるように傾斜しており、前後方向の途中で折れ曲がっている(図183(b)を参照)。誘導リブ2161eは、球受部2161c及び樋部2161dの左右方向中央に一つ設けられている。位置決ピン2161fは、球受部2161cを間にして左右両側に夫々設けられており、遊技パネル1100の位置決孔1113に挿入される。
また、始動口本体2161は、台板2161aの上辺に沿うように設けられており台板2161aの後面から後方へ円柱状に突出している複数の支持ボス2161gと、複数の支持ボス2161gを夫々前後に貫通しており釘シャフト2163の後端が挿入される後支持孔2161hと、球受部2161cの左右両外側の部位において台板2161aを貫通している二つの取付孔2161iと、台板2161aにおける左右両下隅付近から前方へ円柱状に突出している一対のボス部2161jと、球受部2161cの前面下部と一対のボス部2161jと夫々設けられている前板取付孔2161kと、を備えている。
複数の支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、夫々が四つずつ設けられている。二つの支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、図183(a)に示すように、球受部2161cの上方で第一始動口2003の開口幅とほぼ同じ間隔で左右に離隔して設けられている。第一始動口2003の上方に設けられている二つ(一対)の後支持孔2161hには、釘シャフト2163としての特定釘シャフト2163aの後端が挿入されて保持される。
残り二つの支持ボス2161g及び後支持孔2161hは、二つ(一対)の支持ボス2161g及び後支持孔2161h(特定釘シャフト2163a)の左右両外側で、且つ、第一始動口2003と支持ボス2161g及び後支持孔2161hとの間の高さに設けられている。これら二つの後支持孔2161hには、釘シャフト2163としての準特定釘シャフト2163bの後端が挿入されて保持される。
一対のボス部2161jは、球受部2161cとの間に遊技球Bが通過可能な間隔をあけて設けられていると共に、四つのうちの左右両外側に設けられている支持ボス2161g及び後支持孔2161hとの間にも遊技球Bが通過可能な間隔をあけて設けられている。この一対のボス部2161jは、前端が球受部2161cの前壁の前面と同一面上である。
一対のボス部2161jは、夫々において上下左右に遊技球Bが通過可能な隙間が形成されるように設けられていると共に、遊技球Bが当接可能に設けられている。ボス部2161jは、貫通している取付孔2162cに取付ビス2164が挿入される(ねじ込まれる)。ボス部2161jは、遊技球Bの流通方向を変化させることができることから、障害釘Nと同様の作用を有する。換言すると、ボス部2161jは、障害釘Nの一種とも言える。
始動口前板2162は、始動口本体2161の台板2161aと略同じ大きさに形成されている。始動口前板2162は、後面から前方へ凹んでおり釘シャフト2163の前端が挿入される複数の前支持孔2162aと、始動口本体2161の取付孔2161iと対応する部位で貫通している一対の貫通孔2162bと、始動口本体2161の前板取付孔2161kと対応する部位で貫通している複数の取付孔2162cと、後面から円筒状に短く後方へ突出しており始動口本体2161のボス部2161jの前端が挿入される一対の筒部2162dと、外周縁から一定の幅を残して前面から凹んでおり前板シールが貼り付けられるシール貼付部2162eと、を備えている。
複数(ここでは四つ)の前支持孔2162aは、始動口本体2161の複数の後支持孔2161hと対応する部位に設けられている。貫通孔2162bは、始動口ユニット2160を遊技パネル1100に取付ける際に、ドライバが挿通されるものである。取付孔2162cは、始動口前板2162を始動口本体2161へ取付けるためのものであり、前方から挿通させた取付ビス2164の先端を始動口本体2161の前板取付孔2161kにねじ込むことで、始動口前板2162を始動口本体2161に取付けることができる。一対の筒部2162dは、夫々に始動口本体2161のボス部2161jの先端が挿入されることで、始動口前板2162を始動口本体2161に対して位置決めすることができる。
釘シャフト2163は、障害釘Nの軸部と同じ直径の円柱状に形成されており、障害釘Nと同じ材質(例えば、真鍮)で形成されている。つまり、釘シャフト2163は、障害釘Nの軸部に相当するものである。釘シャフト2163は、前端が始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入され、後端が始動口本体2161の後支持孔2161hに挿入される。始動口ユニット2160を組立てた状態では、釘シャフト2163の前後両端は、前支持孔2162a及び後支持孔2161hとの間に隙間を有していない。釘シャフト2163の後端側は、図183(b)に示すように、始動口本体2161の支持ボス2161gの後端まで深く挿入され、遊技球Bが当接しても曲がり難いものとしている。
複数(ここでは四つ)の釘シャフト2163のうち、第一始動口2003(球受部2161c)の上方に設けられている後支持孔2161h及び前支持孔2162aに両端が挿入される一対の釘シャフト2163は、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わる特定釘シャフト2163aである。残り二つの釘シャフト2163は、準特定釘シャフト2163bである。
一対の特定釘シャフト2163aは、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している。一対の特定釘シャフト2163aは、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定釘シャフト2163aは、始動口ユニット2160の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定釘シャフト2163bは、接近している特定釘シャフト2163aや接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定釘シャフト2163aと準特定釘シャフト2163bとの隙間は、一対の特定釘シャフト2163a同士の間隔よりも広い。また、準特定釘シャフト2163bと連釘NRとの隙間は、特定釘シャフト2163aと準特定釘シャフト2163bとの隙間よりも広い。
また、準特定釘シャフト2163bは、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定釘シャフト2163bに当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
前板シール(図示は省略)は、透光性を有しており、絵柄や模様、文字等が施されている。この前板シールは、外形が始動口前板2162のシール貼付部2162eの内周形状よりもやや小さく形成されている。この前板シールは、裏面に始動口前板2162に貼り付けるための粘着部を有している。前板シールの粘着部は、外周縁から一定の幅で全周に亘って設けられており、貫通孔2162bを避けるように設けられている。これにより、前板シールを始動口前板2162に貼り付けた時に、貫通孔2162bを通して粘着部が後方へ露出することはない。
始動口ユニット2160は、遊技盤5に組立てた状態で、始動口本体2161の取付孔2161iがザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(台板2161aの前面)から突出して遊技球Bの動きを阻害することはない。また、始動口前板2162の取付孔2162cもザグリ孔であると共に、取付ビス2164の頭部が平らであるため、取付ビス2164の頭部がザグリ孔(シール貼付部2162eの前面)から突出して前板シールにシワ等が入ることはない。
この始動口ユニット2160は、第一始動口2003の上方に設けられている一対の特定釘シャフト2163aの前後両端と、一対の特定釘シャフト2163aの左右両外側に設けられている一対の準特定釘シャフト2163bの前後両端と、を始動口前板2162の前支持孔2162a及び始動口本体2161の後支持孔2161hで移動しないように支持(保持)している。これにより、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが特定釘シャフト2163aや準特定釘シャフト2163bに当接し、その衝撃により特定釘シャフト2163a等が曲がろうとすることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、特定釘シャフト2163a等への遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、上記のように、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の変形を抑制することができるため、遊技盤5ごとにおける第一始動口2003の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の両端を移動不能に保持していることから、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために釘シャフト2163を曲げようとしても、前端が始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入されていることで曲げることは困難であり、不正行為が行われることを回避させることができると共に、釘シャフト2163の両端が保持されていることで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、特定釘シャフト2163a等の釘シャフト2163の前方に始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、釘シャフト2163に他の部材が当接することを阻止することができ、釘シャフト2163の変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板シールの粘着部を、始動口前板2162の貫通孔2162bを避けるように設けているため、貫通孔2162bを通して遊技球Bが前板シールに接触しても、遊技球Bが粘着部に貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シールが貼り付けられる始動口前板2162に、貫通孔2162bを設けているため、製造時に前板シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、前板シールに対して貫通孔2162bを通して後方から押圧することで、前板シールを容易に剥がすことができる。
更に、始動口ユニット2160の前面に平らな始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、始動口前板2162によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、この始動口ユニット2160においても、上記の始動口ユニット2150における始動口前板2152の貫通孔2152cと同様に、始動口前板2162の貫通孔2162bの直径を、貫通孔2162bを通して遊技球Bが前板シールに接触しない大きさとしても良い。これにより、前板シールの後面の全体に粘着部を設けても遊技球Bが粘着部に貼り付くことはない。
また、上記の実施形態では、第一始動口2003を有する始動口ユニット2160に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163(特定釘シャフト2163a)が設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、一般入賞口2001を有するサイドユニット2200に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良いし、普通入賞口2002を有する普通入賞口ユニット2600に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良いし、後述するゲート2010を有するゲート部材2630に遊技球Bの受入確率に関わる釘シャフト2163を設けるようにしても良い。つまり、ゲートや入賞口が設けられているユニットに釘シャフト2163を設けるようにしても良い。これにより、第一始動口2003の他に他の入賞口においても釘シャフト2163の存在によって遊技球Bの入賞確率が経年変化することはなく、そのバラツキを少なくして一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
[8-6a.第三実施形態の始動口ユニットと前板]
続いて、第三実施形態の始動口ユニット2160と前板2170について、主に図184乃至図186を参照して詳細に説明する。図184は、第三実施形態の始動口ユニットが設けられていると共に前板が設けられており遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す遊技盤の正面図である。図185は、図184の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図186は前板を分離させた状態で示す図184の遊技盤の分解斜視図である。図184乃至図186に示す実施形態の遊技盤5は、図179乃至図183に示す遊技盤5の構成に前板2170を加えたものであり、前板2170を除いた構成は同一であり、同一の符号を付して説明する。
この遊技盤5は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前方に透明平板状の前板2170が設けられている。前板2170は、遊技パネル1100との間に遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。この前板2170は、内レール1002の前端と、センター役物2500におけるセンターベース2511の周壁部2511aの前端と、を繋ぐように設けられている。前板2170は、センター役物2500の上部における左右方向中央から左寄りの部位において周壁部2511aが垂直に延出している部位から、反時計回りの方向へ、センター役物2500の周囲を回ってアタッカユニット2400と接する部位まで、遊技領域5aの前方を覆うように円弧状に形成されている。
この前板2170が設けられている遊技盤5は、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5と同様に、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2160)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)は、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2160の右方において、始動口ユニット2150へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2160の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2160(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
これら始動口ユニット2160へ向かって列設されている連釘NRは、その延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に、始動口ユニット2160の準特定釘シャフト2163bが位置するように設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定釘シャフト2163bに当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
この遊技盤5では、始動口ユニット2160の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが、遊技パネル1100の開口部1112を通して裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に送られ、裏球誘導ユニット3100に設けられている第一始動口センサ2101に検知された後に下方へ排出される。また、始動口ユニット2160が設けられている遊技盤5では、始動口ユニット2160よりも下方へ流下した遊技球Bが、アウト口1008を通して遊技領域5a内から排出される。
本実施形態の前板2170は、前後に貫通しており障害釘Nの頭部が後方から挿入される複数の釘保持部2171と、風車Wの前端が後方から挿入される風車保持部2172と、始動口ユニット2160の始動口前板2162、サイドユニット2200における球受部2202の前端、サイド左上ユニット2300の前端、等が後方から挿入される複数の開口部2173と、を備えている。釘保持部2171、風車保持部2172、及び開口部2173は、前板2170を貫通している孔である。
釘保持部2171は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも離れて設けられている障害釘Nの部位では、当該障害釘Nの頭部の直径より大きい丸孔状に形成されている。また、釘保持部2171は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも接近して設けられている障害釘Nの部位では、接近している障害釘Nの頭部も一緒に挿入されるように繋がったスリット状に形成されている。釘保持部2171は、障害釘Nの頭部との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。なお、上記では、障害釘Nの頭部の直径を基準として、釘保持孔2171の形態を丸孔状やスリット状とするものを示したが、目安であり、障害釘Nの頭部の直径以外のものを基準としても良い。
風車保持部2172は、風車Wの外周との間に、0.5mm~2mmの隙間ができる内径の丸孔に形成されている。風車保持部2172は、一部の連釘NRが挿入される釘保持部2171と繋がっている。
前板2170は、遊技盤5に組立てた状態で、前端が始動口ユニット2160の前端と一致しており、サイドユニット2200やサイド左上ユニット2300の前端よりも若干前方に突出している。また、前板2170は、釘保持部2171の内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nの前端が前板2170の前面よりも前方へ突出しないように取付けられている。
この実施形態では、始動口ユニット2160の始動口前板2162の前支持孔2162aに障害釘Nとしての釘シャフト2163の前端が挿入されていると共に、前板2170の釘保持部2171に障害釘Nの前端(頭部)が挿入されていることから、二つの前板を備えているとも言える。
この前板2170によれば、遊技盤5に組立てることにより、釘保持部2171に障害釘Nの頭部が挿入された状態となると共に、風車保持部2172に風車Wの前端が挿入された状態となるため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが障害釘Nや風車Wに当接し、その衝撃により障害釘Nや風車Wが曲がろうとしても、障害釘Nの頭部が釘保持部2171の内面や風車Wの前端が風車保持部2172の内面に接触することで、障害釘Nや風車Wがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、障害釘Nや風車Wが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、一般入賞口2001、第一始動口2003、ワープ通路2512の入口、等への入球確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、障害釘Nや風車Wへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2170の釘保持部2171に障害釘Nの頭部を挿入させているため、障害釘Nを曲げるような不正行為をしようとしても、釘保持部2171によって障害釘Nが曲げられ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、前板2170の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2170の風車保持部2172に風車Wの前端を挿入させるようにしているため、経年変化等により風車Wが傾くように変形することを抑制することができる。これにより、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、図示するように、風車Wの右下付近からは右方の始動口ユニット2100へ向かって列設されている複数の連釘NRが設けられていることから、例えば、風車Wが右方(第一始動口2003側)へ傾くように変形した場合、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが右方へ変形している風車Wによって、風車Wの左方へ流下し易くなるため、連釘NRにより誘導され難くなり、第一始動口2003への受入確率(入賞確率)が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、前板2170の風車保持部2172により風車Wが傾くことを抑制することができるため、風車Wを介した第一始動口2003への受入確率が変化することはなく、経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
更に、遊技盤5に植設されている多くの障害釘Nの頭部を前板2170の釘保持部2171に挿入させていると共に、風車Wの前端を前板2170の風車保持部2172に挿入させているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nや風車Wに他の部材が当接することを前板2170によって阻止することができ、障害釘Nや風車Wの変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板2170の釘保持部2171や風車保持部2172に障害釘Nの頭部や風車Wの前端を挿入させるようにしていることから、遊技盤5の製造時において、前板2170を取付ける際に、障害釘Nや風車Wが変形していると、前板2170を取付けることが困難となるため、前板2170によって障害釘Nや風車Wが変形していないか否かを検査することができる。
また、多くの障害釘Nが触接されている遊技領域5aの前方に透明で平板状の前板2170を設けていると共に、始動口ユニット2160の前面に平らな始動口前板2162を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、前板2170や始動口前板2162によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
また、前板2170の釘保持部2171は、充分に小さいため、力を加えられたとしても変形範囲が制限され、ほぼ弾性変形の範囲の変形であるので障害釘Nが変形するほど曲げるのは困難である。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される釘保持部2171、及び、風車Wの前端が後方から挿入される風車保持部2172、が前板2170を貫通している孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、前板2170を貫通せずに前板2170の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、前板2170の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、複数の釘保持部2171として、障害釘Nの頭部と釘保持部2171の内面との隙間が同じであるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、第一始動口2003や一般入賞口2001、ワープ通路2512の入口、等へ近付くほど、障害釘Nの頭部との間の隙間が狭くなるように、釘保持部2171の大きさを異ならせるようにしても良い。遊技に重要な入賞口等へ近付くほど、障害釘Nを変形し難くすることができる。
更に、前板2170において、一般入賞口2001の入口に設けられている特定障害釘N1が挿入される釘保持部2171の内径を、他の釘保持部2171の内径よりも小さくするようにしても良い。これにより、一般入賞口2001への遊技球Bの受入れに大きく関わる特定障害釘N1の変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける一般入賞口2001の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、上記の実施形態において、前板2170の前面に、模様、絵柄、文字、等の装飾が施された装飾シールを貼り付けるようにしても良い。また、前板2170の前面に装飾シールを貼り付ける場合、装飾シールによって釘保持部2171の前端側を閉鎖するようにすると、前方から釘保持部2171を通して障害釘Nに他の部材や不正な工具等が接触することを防止することができる。また、この場合、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、釘保持部2171を通して後方から装飾シールを押圧することができ、装飾シールを容易に剥がすことができる。
また、上記の実施形態では、前板2170として、一つの板材からなるものを示したが、これに限定するものではなく、複数の板材に分割されているものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、第三実施形態の始動口ユニット2160と前板2170とを組合せたものを示したが、これに限定するものではなく、第二実施形態の始動口ユニット2150と前板2170とを組合せても良い。
[8-7.始動口ユニット及びサイドユニットの前方の前板]
次に、遊技盤5の変形例として、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の前方に設けられている前板2180について、主に図187乃至図189を参照して詳細に説明する。図187は、始動口ユニット及びサイドユニットの前方に前板が設けられており遊技パネルよりも後側の部材を省略して示す遊技盤の正面図である。図188は、図187の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。図189は、図188において前板を分離させた状態で要部を拡大して示す遊技盤の分解斜視図である。
この実施形態の遊技盤5は、図187乃至図189に示すように、遊技領域5a内の左右方向中央でセンター役物2500と遊技領域5aの下端のアウト口1008との間に設けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5aにおけるセンター役物2500下方の領域の前方に設けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の前端に取付けられている透明平板状の前板2180と、を備えている。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a内における左右方向中央の下端部付近に設けられておりアウト口1008の直上でセンター役物2500の下方に配置されている。始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003を有している。始動口ユニット2100の第一始動口2003は、センター役物2500におけるステージ2513の中央放出部2513aの直下に設けられている。
この始動口ユニット2100は、上方及び後方に解放されている樋状で第一始動口2003を形成している球受部2102と、球受部2102の前後方向の途中から平板状に左方方向外方へ延出しており遊技パネル1100の前面に取付けられる台板2103と、球受部2102の前面下部に設けられており前板2180を取付けるための前板取付孔2104と、を備えている。始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2102における台板2103よりも前方の部位が、第一始動口2003として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。始動口ユニット2100は、第一始動口2003(球受部2102)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、上方及び後方に解放されている樋状で一般入賞口2001を形成している三つの球受部2202と、夫々の球受部2202の前後方向の途中を繋いでおり遊技パネル1100の前面に取付けられる平板状の台板2203と、を備えている。三つの球受部2202のうち右から二つの球受部2202は、前端の下部が、後方へ向かって斜めに傾斜している。また、サイドユニット2200は、右から二つの球受部2202の前端下部の傾斜している部位に設けられている突部2204と、突部2204の前面に設けられており前板2180を取付けるための前板取付孔2205と、を備えている。
このサイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、球受部2202における台板2203よりも前方の部位が、一般入賞口2001として遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。サイドユニット2200は、一般入賞口2001(球受部2202)に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡すことができる。
この遊技盤5には、遊技球Bが流通する遊技領域5a内における遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、センター役物2500の左方でワープ通路2512の入口とサイド左上ユニット2300との間の高さの部位に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。風車Wは、障害釘Nによって回転可能に設けられている。また、遊技盤5の遊技領域5a内には、風車Wの近傍における風車Wの中心よりも下方の部位から斜め右下(始動口ユニット2100)へ向かって複数の障害釘Nが遊技球Bを誘導可能な間隔で列設されている。
列設されている複数の障害釘Nの連釘NR(道釘とも言う)は、三つのグループ(連釘NR)に分けられている。これら連釘NR同士の間には、遊技球Bが通過可能な広さの隙間が設けられており、連釘NRにより誘導された遊技球Bがその隙間を通って下方へ流下することがある。複数の連釘NRは、複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001を有するサイドユニット2200の上方に位置している。そして、三つの連釘NRによる二つの隙間は、サイドユニット2200における右から二つの一般入賞口2001の直上に対してやや左寄り(上流側)の部位に設けられており、その隙間を通って下方へ流下した遊技球Bが一般入賞口2001へ受入れられる可能性がある。
一般入賞口2001に最も近い二つの障害釘Nは、一般入賞口2001の開口幅と同じような間隔をあけて設けられており、一般入賞口2001への受入確率(入賞確率)に関係する重要な特定障害釘N1とされている。
また、遊技領域5a内には、始動口ユニット2100の右方において、始動口ユニット2100へ向かって低くなるように列設されている一つの連釘NRが設けられている。始動口ユニット2100の左右に設けられているこれらの連釘NRにより、始動口ユニット2100(第一始動口2003)へ向かって遊技球Bを誘導させることができる。
更に、遊技領域5a内には、植設されている複数の障害釘Nとして、第一始動口2003の直上で第一始動口2003の開口幅と略同じ間隔で左右に離隔している一対の特定障害釘N1と、一対の特定障害釘N1の左右両外側で且つ第一始動口2003と特定障害釘N1との間の高さに設けられている一対の準特定障害釘N2と、が設けられている(図189を参照)。
一対の特定障害釘N1は、その間隔が広がると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ易くなり、その間隔が狭くなると遊技球Bが第一始動口2003へ受入れられ難くなり、第一始動口2003への遊技球Bの受入確率(入賞確率)に大きく関わるものである。これら一対の特定障害釘N1は、始動口ユニット2100の左右両側に設けられている連釘NRの最も下流の障害釘Nよりもやや上方に設けられている。
準特定障害釘N2は、接近している特定障害釘N1や接近している連釘NR、との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけて設けられている。特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間は、一対の特定障害釘N1同士の間隔よりも広い。また、準特定障害釘N2と連釘NRとの隙間は、特定障害釘N1と準特定障害釘N2との隙間よりも広い。
また、準特定障害釘N2は、接近している連釘NRよりも下方で、その連釘NRの延長線上からやや上方(1mm~2mm)、或いは、連釘NRの延長線から上方へ遊技球Bの直径Dの1/10~1/3の距離の範囲内の部位に設けられている。これにより、連釘NRにより誘導された遊技球Bが準特定障害釘N2に当接すると、当該遊技球Bが上方へ跳ね上がり易く、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
前板2180は、遊技パネル1100との間に遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。前板2180は、遊技領域5aにおける、左右方向が風車Wとアタッカユニット2400との間で、上下方向がセンター役物2500の周壁部2511aと前構成部材1000の内周との間、の領域内を覆うように設けられている。
前板2180は、前後に貫通しており障害釘Nの頭部が後方から挿入される複数の釘保持部2181と、風車Wの前端の第一始動口2003に近い右側を囲むように円弧状に凹んでいる風車保持部2182と、前板2180を始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に取付けるための貫通孔からなる複数の取付孔2183と、を備えている。釘保持部2181は、前板2180を貫通している孔である。
釘保持部2181は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも離れて設けられている障害釘Nの部位では、当該障害釘Nの頭部の直径より大きい丸孔状に形成されている。また、釘保持部2181は、例えば、障害釘Nの頭部同士の間隔が、障害釘Nの頭部の直径よりも接近して設けられている障害釘Nの部位(ここでは、連釘NRの部位)では、接近している障害釘Nの頭部も一緒に挿入されるように繋がったスリット状に形成されている。釘保持部2181は、障害釘Nの頭部との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。なお、上記では、障害釘Nの頭部の直径を基準として、釘保持孔2181の形態を丸孔状やスリット状とするものを示したが、目安であり、障害釘Nの頭部の直径以外のものを基準としても良い。
風車保持部2182は、風車Wの外周との間に、0.5mm~2mmの隙間ができるように形成されている。
取付孔2183は、始動口ユニット2100の前板取付孔2104及びサイドユニット2200の前板取付孔2205と対応する部位に設けられている。これら取付孔2183を通して取付ビスを始動口ユニット2100の前板取付孔2104及びサイドユニット2200の前板取付孔2205にねじ込むことで、前板2180を取付けることができる。
前板2180は、遊技盤5に組立てた状態で、釘保持部2181の内部に障害釘Nの頭部を位置させつつ、障害釘Nの前端が前板2180の前面よりも前方へ突出しないように取付けられている。
また、遊技盤5に組立てた状態で、前板2180の取付孔2183がザグリ孔となっていると共に、挿通されている取付ビスの頭部が平らであるため、取付ビスの頭部がザグリ孔(前板2180の前面)から突出してパチンコ機1における遊技盤5の前方の部材(例えば、ガラス板162)に接触することはない。
この前板2180によれば、遊技盤5に組立てることにより、釘保持部2181に障害釘Nの頭部が挿入された状態となるため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが障害釘Nに当接し、その衝撃により障害釘Nが曲がろうとしても、障害釘Nの頭部が釘保持部2181の内面に接触することで、障害釘Nがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本遊技盤5(パチンコ機1)を使用し続けても、障害釘Nが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、二つの一般入賞口2001、第一始動口2003、等への入球確率が変化することはなく、遊技盤5の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、障害釘Nへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2180の釘保持部2181に障害釘Nの頭部を挿入させているため、障害釘Nを曲げるような不正行為をしようとしても、釘保持部2181によって障害釘Nが曲げられ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、前板2180の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、前板2180の風車保持部2182により風車Wの前端の第一始動口2003に近い右外側の一部を囲むようにしているため、経年変化等により風車Wが右方へ傾くように変形することを抑制することができる。これにより、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、図示するように、風車Wの右下付近からは始動口ユニット2100へ向かって列設されている複数の連釘NRが設けられていることから、例えば、風車Wが右方(第一始動口2003の方向)へ傾くように変形した場合、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが右方へ変形している風車Wによって、風車Wの左方へ流下し易くなるため、連釘NRにより誘導され難くなり、第一始動口2003への受入確率(入賞確率)が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、前板2180の風車保持部2182により風車Wが右方へ傾くことを抑制することができるため、風車Wを介した第一始動口2003への受入確率が低下することはない。
更に、遊技盤5に植設されている多くの障害釘Nの頭部を前板2180の釘保持部2181に挿入させていると共に、風車Wの前端の右外側を前板2180の風車保持部2182により囲むようにしているため、遊技盤5の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nや風車Wに他の部材が当接することを前板2180によって阻止することができ、障害釘Nや風車Wの変形を防止して所定の品質の遊技盤5を確実に提供することができる。
また、前板2180の釘保持部2181に障害釘Nの頭部を挿入させるようにしていると共に、風車保持部2182により風車Wの前端の右外側を囲むようにしていることから、遊技盤5の製造時において、前板2180を取付ける際に、障害釘Nや風車Wが変形していると、前板2180を取付けることが困難となるため、前板2180によって障害釘Nや風車Wが変形していないか否かを検査することができる。
更に、多くの障害釘Nが触接されている遊技領域5aの前方に透明で平板状の前板2180を設けているため、遊技盤5の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムを遊技盤5の前面に被せた時に、前板2180によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させて遊技盤5の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
また、前板2180を、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の下方の領域を覆うような大きさとしているため、例えば、遊技領域5aの左半分を覆うような大きさとする場合と比較して、遊技ホールにおける温度や湿度等による環境の変化により前板2180が伸縮した時に、その伸縮による釘保持部2181等の位置の変化を低減させることができる。これにより、前板2180の伸縮による釘保持部2181の位置が変化することで釘保持部2181により障害釘Nが押圧されて、障害釘Nが変形したり前板2180が変形したりすることを回避させることができる。
また、前板2180の釘保持部2181は、充分に小さいため、力を加えられたとしても変形範囲が制限され、ほぼ弾性変形の範囲の変形であるので障害釘Nが変形するほど曲げるのは困難である。
なお、上記の実施形態では、障害釘Nの頭部が後方から挿入される釘保持部2181が前板2180を貫通している孔であるものを示したが、これに限定するものではなく、前板2180を貫通せずに前板2180の後面から前方へ凹んでいる溝としても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、前板2180の前方から障害釘Nに他の部材が接触することを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、前板2180における複数の釘保持部2181として、障害釘Nの頭部と釘保持部2181の内面との隙間が同じであるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、第一始動口2003や一般入賞口2001等へ近付くほど、障害釘Nの頭部との間の隙間が狭くなるように、釘保持部2181の大きさを異ならせるようにしても良い。遊技に重要な入賞口等へ近付くほど、障害釘Nを変形し難くすることができる。
更に、前板2180において、第一始動口2003や一般入賞口2001の入口に設けられている特定障害釘N1が挿入される釘保持部2181の内径を、他の釘保持部2181の内径よりも小さくするようにしても良い。これにより、第一始動口2003や一般入賞口2001への遊技球Bの受入れに大きく関わる特定障害釘N1の変形を抑制することができ、遊技盤5ごとにおける一般入賞口2001の入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
また、上記の実施形態において、前板2180の前面に、模様、絵柄、文字、等の装飾が施された装飾シールを貼り付けるようにしても良い。また、前板2180の前面に装飾シールを貼り付ける場合、装飾シールによって釘保持部2181の前端側を閉鎖するようにすると、前方から釘保持部2181を通して障害釘Nに他の部材や不正な工具等が接触することを防止することができる。また、この場合、製造時に装飾シールを貼り損ねた時や廃棄する時に、釘保持部2181を通して後方から装飾シールを押圧することができ、装飾シールを容易に剥がすことができる。
[9.第二実施形態の遊技盤]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aについて、図190乃至図200等を参照して詳細に説明する。なお、以下では、第一実施形態の遊技盤5と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図190は第二実施形態の遊技盤の正面図であり、図191は第二実施形態の遊技盤の背面図である。図192は第二実施形態の遊技盤における前ユニットのみを示す正面図であり、図193は第二実施形態の遊技盤における後ユニットのみを示す正面図である。
遊技盤5Aは、本体枠4の本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに前方から挿入されると共に、遊技盤載置部501cに載置され、本体枠4に対して着脱可能に装着されるものである(図204を参照)。この遊技盤5Aは、本体枠4に装着したままの状態で前方へ取外すことが可能な前ユニット6Aと、前ユニット6Aを後方から支持し本体枠4に着脱可能に装着される後ユニット6Bと、を備えている。前ユニット6Aと後ユニット6Bとは、複数個所(ここでは三カ所)のユニット固定部1020において着脱可能に固定されている。また、後ユニット6Bと本体枠4とは、盤固定部1133において着脱可能に固定されている。
第二実施形態の遊技盤5Aは、詳細は後述するが、第一実施形態の遊技盤5に対して、遊技パネル1100Aと裏ユニット3000との間に、装着ユニット1130を新たに設けたものであり、装着ユニット1130の前面に遊技パネル1100Aが分離可能に当接し、装着ユニット1130の後面に裏ユニット3000及び基板ホルダ1200が取付けられる。従って、第二実施形態の遊技盤5Aの分解斜視図を、第一実施形態の遊技盤5の分解斜視図である図143及び図144のように現した場合、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aとの組立体と、裏ユニット3000との間に、装着ユニット1130が描かれることとなる。
遊技盤5Aの前ユニット6Aは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000Aと、前構成部材1000Aの後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100Aと、遊技パネル1100Aに取付けられている表ユニット2000と、を備えている。遊技パネル1100Aの前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。
遊技盤5Aの後ユニット6Bは、前面に前ユニット6Aを支持可能としていると共に本体枠4に対して着脱可能に装着される装着ユニット1130と、装着ユニット1130の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図159等を参照)を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、を備えている。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bは、装着ユニット1130の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、装着ユニット1130の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、装着ユニット1130の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
遊技盤5Aの後ユニット6Bにおける裏ユニット3000は、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060と接続されるユニット間コネクタ後1150と、装着ユニット1130の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏下演出ユニット3600と、裏箱3010内の上隅に設けられている裏上演出ユニット3620と、裏箱3010内の左隅に設けられている裏左演出ユニット3640と、裏箱3010内の右隅に設けられている裏右演出ユニット3660と、を備えている。
ユニット間コネクタ後1150は、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の前面に取付けられている。また、裏ユニット3000(裏箱3010)の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
パチンコ機1の遊技盤5Aは、上記の遊技盤5と同様に、遊技者がハンドルユニット180のハンドル195を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、ゲート2010、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第二大入賞口2012、が備えられている。この遊技盤5Aは、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、ゲート2010、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び第二大入賞口2012等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル195の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
また、遊技盤5Aは、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2452と、を備えている。
遊技盤5Aでは、一般入賞口センサ3001と第一始動口センサ2101が、後ユニット6Bに設けられており、ゲートセンサ2011、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2452が、前ユニット6Aに設けられている。
ところで、大入賞口2005や第二大入賞口2012は、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて所定のパターンで開閉している時に遊技球Bを入球させると、多くの遊技球Bが払出されるため、その払出しの契機となる大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2452を遊技者から見えるようにすることで、遊技者に安心感を付与することができると共に、遊技者をより楽しませることができる。一方、一般入賞口2001、第一始動口2003及び第二始動口2004では、入球した遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ2101及び第二始動口センサ2401を遊技者から見えるようにしても、大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2452が見えることほどの効果は得られない。つまり、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ2101及び第二始動口センサ2401は、遊技者から見えなくても、遊技者の興趣が低下することはない。このようなことから、本実施形態では、一般入賞口センサ3001及び第一始動口センサ2101を、前ユニット6Aではなく後ユニット6B(裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100)に設けている。
これにより、前ユニット6Aに設けられている電気部品の数を少なくすることができると共に、前ユニット6Aに一般入賞口センサ3001や第一始動口センサ2101が設けられることでそれらからユニット間コネクタ前1060まで延出する配線ケーブルを隠すための構成を設ける必要がなく、前ユニット6Aにかかるコストを低減させることができる。なお、本実施形態では、第二始動口センサ2401を前ユニット6Aに設けているが、第二始動口2004をアタッカユニット2400に設けているため、第二始動口センサ2401をアタッカユニット2400(前ユニット6A)から除いて後ユニット6Bに設けるよりも、アタッカユニット2400に設ける方が第二始動口2004にかかる構成を簡単なものとすることができる。また、遊技球Bを検知するための全てのセンサを、後ユニット6Bに設けるようにしても良い(後述の[9-7.第二実施形態の遊技盤のその他の変形例]を参照)。
また、設けられている位置については省略するが、遊技盤5Aは遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030と、遊技盤5A(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、を備えている。磁気センサ1030は、前ユニット6Aの表ユニット2000と後ユニット6Bの裏ユニット3000に夫々適宜の数が設けられており、振動センサ1040は後ユニット6Bの裏ユニット3000に設けられている。
また、遊技盤5Aは、枠状のセンター役物2500の枠内、及び透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660、及び演出表示装置1600の表示画面が、前方から視認可能に構成されている。
[9-1.遊技盤の前ユニット]
次に、遊技盤5Aの前ユニット6Aについて、図192、図194乃至図198等を参照して詳細に説明する。図194(a)は遊技盤ロック部材により第二実施形態の遊技盤を本体枠にロックしている状態を示す説明図であり、(b)は遊技盤ロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図である。図195(a)は第二実施形態の遊技盤のユニット固定部において前ユニットロック部材によりロックして前ユニットが裏ユニットに固定されている状態を模式的に示す説明図であり、(b)は(a)の状態から前ユニットロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図であり、(c)は(b)の状態で後ユニットから前ユニットを外した状態を示す説明図である。
図196は、第二実施形態の遊技盤における前ユニットと後ユニットの位置決めを示す説明図である。図197は、第二実施形態の遊技盤におけるアース経路を示す説明図である。図198(a)は第二実施形態の遊技盤における前ユニットの入賞口と後ユニットの球受口との関係を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から前ユニットと後ユニットとを分離させた状態を示す説明図である。
本実施形態では、後ユニット6Bと組になる前ユニット6Aとして、障害釘Nの配置と表ユニット2000とが異なる第一前ユニット6A1と第二前ユニット6A2とがあり、以下ではそれらを区別する場合を除いて前ユニット6Aと記載して説明する。
遊技盤5Aの前ユニット6Aは、図192等に示すように、遊技領域5aの外周を区画している枠状の前構成部材1000Aと、前構成部材1000Aの後に取付けられており前方に遊技領域5aが設けられている遊技パネル1100Aと、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外(遊技パネル1100Aの後方)に排出するアウト口1008と、遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に取付けられている表ユニット2000と、を備えている。アウト口1008は、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aとが協働することにより形成されている。表ユニット2000は、前構成部材1000Aの枠内に設けられている。遊技盤5Aでは、前構成部材1000A、遊技パネル1100A、及び表ユニット2000の位置関係が、第一実施形態の遊技盤5と同じである。
また、前ユニット6Aは、後ユニット6Bに固定するための複数のユニット固定部1020と、各ユニット固定部1020に設けられているユニット固定部材1021と、後ユニット6Bの機能表示ユニット1400が挿入される機能表示ユニット挿入部1050と、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入される盤固定部挿入溝1051と、後ユニット6Bの位置決ボス1136が挿入される位置決孔1055と、アース経路を形成するための第一接続金具1056及び第二接続金具1057と、を備えている。
更に、前ユニット6Aは、図194等に示すように、本体枠4の遊技盤ロック部材505が挿入される遊技盤ロック溝1058と、本体枠4の左位置規制部材531との接触を回避させるための装着用切欠部1059と、を備えている。遊技盤ロック溝1058は、下端前面における外レール1001よりも左方の部位に設けられている。詳述すると、遊技盤ロック溝1058は、前構成部材1000Aの前面における外レール1001と切欠部1010との間の部位に設けられており、前方から凹んでいると共に、下方へ開放された形態に形成されている。この遊技盤ロック溝1058に遊技盤ロック部材505が挿入されることで、前ユニット6A(遊技盤5A)の前方への移動が規制されると共に、遊技盤5Aの下辺が後方へ押し付けられる。装着用切欠部1059は、左辺から右方へ凹んでおり、本体枠4の左位置規制部材531と対応するように、上下に離間して設けられている。
前ユニット6Aの表ユニット2000は、詳細は後述するが、第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技球Bを誘導可能なサイド左上ユニット2300と、第二始動口2004、大入賞口2005、一つのサブアウト口2021、を有しているアタッカユニット2400と、第二大入賞口2012を有している第二アタッカユニット2450と、枠状のセンター役物2500と、一つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイド右中ユニット2610と、ゲート2010を有しているゲート部材2630と、を備えている。
表ユニット2000のアタッカユニット2400には、遊技球Bを検知するための第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402、第二始動口2004を開閉させるためのアタッカソレノイド2414、第二始動口2004や大入賞口2005を発光装飾させるためのLED、のような電気部品が設けられている。第二アタッカユニット2450には、遊技球Bを検知するための第二大入賞口センサ2452、第二大入賞口2012を開閉させるための第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口2012を発光装飾させるためのLED、のような電気部品が設けられている。ゲート部材2630には、電気部品として、遊技球Bを検知するためのゲートセンサ2011が設けられている。
また、表ユニット2000のアタッカユニット2400や第二アタッカユニット2450には、第二始動口2004、大入賞口2005、や第二大入賞口2012を発光装飾させるための複数のLEDが設けられている。
また、表ユニット2000は、詳細は後述するが、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150と接続されるユニット間コネクタ前1060、を備えている。ユニット間コネクタ前1060は、アタッカユニット2400の後に取付けられている。
前ユニット6Aは、表ユニット2000に設けられているLEDの数が、後ユニット6Bに設けられているLEDの数よりも少ない。更には、前ユニット6AにおけるLEDやセンサ等の電気部品の総数は、後ユニット6Bに設けられている電気部品の総数よりも少ない。これにより、前ユニット6Aにかかるコストの増加が抑制されている。
なお、表ユニット2000に、所定の装飾が施されている装飾体と装飾体を発光装飾させるための複数のLEDとからなる装飾体ユニット、導光板と導光板の絵柄を発光表示させるための複数のLEDとからなる導光板ユニット、演出表示装置1600とは別に演出画像を表示可能なサブ表示装置、役物入賞口に受入れられた遊技球BをV入賞口及びハズレ口の何れかに振分ける振分装置、等を設けるようにしても良い。上記のようなユニットや装置を設ける場合でも、前ユニット6AにおけるLEDやセンサやソレノイド(アクチュエータ)のような電気部品の総数を、後ユニット6Bに設けられている電気部品の総数よりも少なくすることが望ましい。
[9-1a.前ユニットのユニット固定部]
次に、前ユニット6Aのユニット固定部1020について詳細に説明する。ユニット固定部1020は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定するための部位であり、複数(ここでは三か所)設けられている。ユニット固定部1020は、正面視において、左上隅、右上隅、及び右下隅、の三カ所に設けられている。前ユニット6Aのユニット固定部1020は、前後に貫通し、後ユニット6Bのロック爪1135が挿通される挿通孔1020aと、挿通孔1020aを前方から隠すように左右方向へスライド可能に設けられているユニット固定部材1021と、を備えている(図195を参照)。挿通孔1020aは、前構成部材1000Aと遊技パネル1100Aのパネルホルダ1120Aとを貫通して設けられている。
ユニット固定部1020のユニット固定部材1021は、取外不能な状態で前構成部材1000Aに取付けられている。ユニット固定部材1021は、前方から左右方向へスライド操作可能に前構成部材1000Aに取付けられているロック本体1021aと、ロック本体1021aから後方へ突出している鉤状のロック片1021bと、ロック片1021bの先端において斜めに設けられている案内部1021cと、を有している。
このユニット固定部材1021は、ロック本体1021aを左右方向へスライドさて、ロック片1021bを挿通孔1020aに挿入されているにロック爪1135に係合させることで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して取外不能な状態に固定することができる。つまり、ユニット固定部材1021を操作(スライド)することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して装着したり取外したりすることが可能となる。
また、ユニット固定部1020では、前面におけるユニット固定部材1021と隣接している部位に、ユニット固定部材1021がスライドする方向へ離隔して「〇」印と「×」印とが施されている。一方、ユニット固定部材1021では、ユニット固定部1020における「〇」印及び「×」印の設けられている方向へ向いた矢印が施されている。そして、ユニット固定部材1021の矢印がユニット固定部1020の「〇」印を指している状態がロック位置の状態であり、当該矢印が「×」印を指している状態が解除位置の状態であることを示している。
なお、三つのユニット固定部1020のうち、右上隅と右下隅の二つのユニット固定部1020は、後ユニット6B(遊技盤5A)を本体枠4に固定している遊技盤固定部材1134(盤固定部1133)に隣接して設けられている。また、右下隅のユニット固定部1020に使用されているユニット固定部材1021は、他のユニット固定部材1021とは正面視の形態が異なっており、前面に証紙貼付部1012が設けられている。従って、ユニット固定部材1021を操作して前ユニット6Aを後ユニット6Bから脱着したり、遊技盤固定部材1134を操作して本遊技盤5Aを本体枠4から脱着したりする際に、右下隅のユニット固定部材1021の前面に設けられている証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入り、当該証紙の記載内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aや遊技盤5Aが取付けられてしまうことを防止することができる。
[9-1b.前ユニットの機能表示ユニット挿入部]
続いて、前ユニット6Aの機能表示ユニット挿入部1050について説明する。機能表示ユニット挿入部1050は、前ユニット6Aの正面視において、左上隅に設けられているユニット固定部1020の下方の部位に設けられており、後ユニット6Bの機能表示ユニット1400が前方へ臨むように形成されている。この機能表示ユニット挿入部1050は、左辺から右方へ向かって切り欠かれていると共に、前後に貫通しており、機能表示ユニット1400が挿入されることにより遊技パネル1100Aの面に沿った方向への位置決めを行うことができる。
[9-1c.前ユニットの盤固定部挿入溝]
続いて、前ユニット6Aの盤固定部挿入溝1051について説明する。盤固定部挿入溝1051は、前ユニット6Aの正面視において、右上隅と右下隅に設けられており、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入されるものである。盤固定部挿入溝1051は、前構成部材1000A及び遊技パネル1100Aのパネルホルダ1120Aを切り欠くようにして設けられている。この盤固定部挿入溝1051に隣接して、右上隅と右下隅のユニット固定部1020が設けられている。盤固定部挿入溝1051は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、前ユニット6Aを後ユニット6Bへ案内することができると共に、後ユニット6Bの盤固定部1133が挿入されることで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して位置決めすることができる。
[9-1d.前ユニットの位置決孔]
次に、前ユニット6Aの位置決孔1055について説明する。位置決孔1055は、前ユニット6Aの後面から前方へ向かって形成されており、複数設けられている(図196等を参照)。位置決孔1055に、後ユニット6Bの位置決ボス1136を挿入することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して上下方向及び左右方向が位置決めされる。
[9-1e.前ユニットの第一接続金具及び第二接続金具]
続いて、前ユニット6Aの第一接続金具1056及び第二接続金具1057について説明する。前ユニット6Aは、前端が外レール1001に取付けられており、後端が前ユニット6Aの後面から後方へ突出している第一接続金具1056と、前端が前ユニット6Aの前面から前方へ突出していると共に、後端が前ユニット6Aの後面が後方へ突出している第二接続金具1057と、を有している(図197を参照)。第二接続金具1057は、前ユニット6Aを前後に貫通して設けられている。図示は省略するが、第一接続金具1056及び第二接続金具1057は、前構成部材1000Aに取付けられている。
第一接続金具1056は、前ユニット6Aにおける左下隅で、外レール1001の外側に接するように設けられている。この第一接続金具1056は、パチンコ機1において、球発射装置540から発射された遊技球Bが、外レール1001に対して最初に接触する部位付近に前端側が外レール1001に取付けられている。この第一接続金具1056は、後端に設けられているU字状の後接触部1056aと、後接触部1056aを後方へ付勢することが可能なバネ部1056bと、を有している。
第二接続金具1057は、前ユニット6Aにおける左上隅で、ユニット固定部1020の下方且つスペック表示部1013の左方の部位に設けられている。この第二接続金具1057は、後端に設けられているU字状の後接触部1057aと、後接触部1057aを後方へ付勢することが可能な後バネ部1057bと、前端に設けられているU字状の前接触部1057cと、前接触部1057cを前方へ付勢することが可能な前バネ部1057dと、を有している。
第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aは、前ユニット6Aを後ユニット6Bに装着することで、後ユニット6Bの開口部1137を通して装着補強板金1132に接触する。これにより、互いに離れた位置に設けられている第一接続金具1056と第二接続金具1057とが、装着補強板金1132により電気的に接続される。また、第二接続金具1057の前接触部1057cは、遊技盤5Aを本体枠4に取付けた状態で、扉枠3を本体枠4に対して閉じると、扉枠3の扉枠補強ユニット110に接触し、外レール1001が、第一接続金具1056、装着補強板金1132、及び第二接続金具1057を介して、扉枠3の扉枠補強ユニット110と電気的に接続された状態となる。そして、扉枠補強ユニット110は、扉枠上ヒンジ組立体120、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50、を介して遊技ホール側のアースに、電気的に接続されており、外レール1001からの静電気を逃がすためのアース経路が構築される。
[9-1f.前ユニットの前構成部材]
続いて、前ユニット6Aの前構成部材1000Aについて説明する。前ユニット6Aにおける前構成部材1000Aは、上記の遊技盤5における前構成部材1000と同じような構成であり、外レール1001と、内レール1002と、アウト誘導部1003と、右下レール1004と、右レール1005と、衝止部1006と、逆流防止部材1007と、アウト口1008と、防犯凹部1009と、切欠部1010と、を備えている。前構成部材1000Aの外レール1001は、金属板により形成されている。
また、前構成部材1000Aは、正面視において右下隅に設けられている証紙貼付部1012と、左上隅に設けられているスペック表示部1013と、を備えている。スペック表示部1013は、機能表示ユニット挿入部1050の上方で、外レール1001よりも外側の部位に、外レール1001に沿うように設けられている。この前構成部材1000Aは、略全体が透明に形成されており、後方に配置されている遊技パネル1100Aや裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
なお、証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙は、本パチンコ機1(遊技盤5A)のメーカー、製造番号、遊技盤の種類、等を特定可能な内容が記載されているシールである。詳述すると、「証紙」は、横長の台形の底辺に横長の長方形が接している変五角形の外形を呈している証紙本体を有しており、証紙本体の全面に所定の模様が施されている。この証紙本体の横長の長方形の部位に、パチンコ機等の遊技機の組合証、遊技盤の種類、メーカー名が、記載されている。また、「証紙」は、証紙本体の色によって、遊技盤の種類を識別可能としている。更に、「証紙」は、証紙本体における台形の部位に、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている製造番号票のシールが貼り付けられている。製造番号票の二次元バーコードには、情報ID(例えば、本遊技盤のID、組となる主制御基板のID、組となる周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。このようなことから、本実施形態の「証紙」は、証紙本体(所謂、証紙)と製造番号票と、を組合せたものである。
スペック表示部1013に貼り付けられるスペックシールは、大当り確率、賞球数、大当りラウンド数、カウント数、等の遊技盤5Aのスペックが記載されているシールである。スペック表示部1013(スペックシール)は、遊技盤5Aをパチンコ機1に取付けた時に、扉枠3の扉窓101aを通して前方から視認可能な部位に設けられている。これら証紙やスペックシールは、予め貼り付けられた状態で遊技ホール側へ出荷される。
証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙は、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。組となる記載としては、例えば、証紙に記載されている製造番号が、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールにも記載されている。この際に、組となる記載は、管理シールとは別のシールであっても良い。
[9-1g.前ユニットの遊技パネル]
次に、前ユニット6Aの遊技パネル1100Aについて説明する。前ユニット6Aにおける遊技パネル1100は、上記の遊技盤5における遊技パネル1100と同じような構成であり、透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000Aの後側に取付けられる枠状のパネルホルダ1120Aと、を備えている。遊技パネル1100Aの前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されていると共に、表ユニット2000が取付けられている。
遊技パネル1100Aのパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120Aよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
この遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110とパネルホルダ1120Aとの取付けは、上記の遊技盤5における遊技パネル1100と同じ構成である。
[9-1h.前ユニット(第一前ユニット)の表ユニット]
続いて、前ユニット6Aの表ユニット2000について説明する。前ユニット6Aとしての第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能に設けられているゲート2010と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bがゲート2010を通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005及び第二大入賞口2012と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、アウト口1008よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。二つのサブアウト口2021は、遊技領域5aの右端付近における上下方向の中央よりも上方の部位と、遊技領域5aの右下隅付近の部位と、に夫々設けられている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、ゲートセンサ2011による遊技球Bの検知により抽選された普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2412と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、第一始動口センサ2101(図193を参照)又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2414と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第一始動口センサ2101又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて第二大入賞口2012を開閉させる第二アタッカソレノイド2451と、を備えている。
第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、一つのサブアウト口2021、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402、を有しているアタッカユニット2400を、備えている。
更に、第一前ユニット6A1の表ユニット2000は、アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2012、第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、を有している第二アタッカユニット2450と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、第二アタッカユニット2450の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイド右中ユニット2610と、サイド右中ユニット2610の上方に設けられておりゲート2010及びゲートセンサ2011を有しているゲート部材2630と、アタッカユニット2400の後面の右端付近に取付けられているユニット間コネクタ前1060と、を備えている。
[9-1h-1.始動口ユニット]
前ユニット6Aの始動口ユニット2100は、図198に示すように、遊技パネル1100Aの前面よりも前方に突出し上方へ向かって開口している受部2121と、受部2121から後方へ樋状に延出している誘導部2122と、を有している。始動口ユニット2100は、受部2121により第一始動口2003を形成している。誘導部2122は、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の開口部1112を通って、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の後面よりも後方へ突出している。
始動口ユニット2100の誘導部2122は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定した状態で、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入されている。従って、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、誘導部2122を球受口3101に挿入することで、後ユニット6Bの所定位置に案内される。
前ユニット6Aにおける後方へ突出している誘導部2122は、筒状又は樋状の球受口3101の内部に挿入されることで、誘導部2122の後端において、球受口3101の底部よりも誘導部2122の底部の方が高い段差が形成されている。
ところで、本実施形態では、第一始動口2003のような入賞口に上方から受入れられた(入賞した)遊技球Bを、一旦後方へ誘導した上で、裏球誘導ユニット3100において下方へ誘導するようにしているため、下方へ誘導するための後壁が比較的に入賞口に接近する場合がある。この場合、入賞口に進入した遊技球Bの勢いによっては、後壁に当接した遊技球Bが前方へ跳ね返ることで、一旦入賞したのに逆流して入賞口の位置まで戻ってしまいその遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えて遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
また、図198に示すように、上方から入賞口(第一始動口2003)に受入れられた遊技球Bが誘導部2122により後方へ誘導され、球受口3101に受け渡された後に下方へ誘導されるようにしており、遊技球Bの流れがクランク状となっているため、遊技球Bの流通速度が減速し易い。そのため、入賞口に受入れられて先行している遊技球Bに対して後発(後続)の遊技球Bが当接すると、後続の遊技球Bが上流側へ跳ね返り、逆流することで入賞口まで戻ってしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、誘導部2122を球受口3101に挿入していることにより、誘導部2122の後端に段差が形成されるようにしているため、誘導部2122から球受口3101に受け渡されて球受口3101の後方に設けられている後壁に遊技球Bが当接したり先行している遊技球Bに後発の遊技球Bが当接したりして上流側へ跳ね返っても、跳ね返った遊技球Bが段差に当接することで下流側へ跳ね返させることができ、入賞口へ逆流することを防止して、入賞口まで遊技球Bが戻ってしまうことを阻止することができる。従って、遊技球Bが一旦受入れられた(入賞した)のに逆流して入賞口まで戻ってしまい、入賞口から遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えてしまうことを、回避させることができるため、遊技者に入賞口への遊技球Bの受入れを確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[9-1h-2.サイドユニット及びサイド左上ユニット]
前ユニット6Aのサイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001を有しており、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられている。詳細な図示は省略するが、このサイドユニット2200でも、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
前ユニット6Aのサイド左上ユニット2300は、遊技盤5のサイド左上ユニット2300と同じ構成である。従って、説明は省略する。
[9-1h-3.アタッカユニット及び第二アタッカユニット]
第一前ユニット6A1のアタッカユニット2400は、遊技盤5のアタッカユニット2400と同じ構成である。このアタッカユニット2400においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
また、第一前ユニット6A1のアタッカユニット2400は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されているアタッカ装飾基板を備えている。アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、アタッカユニット2400(大入賞口2005や第二始動口2004等)を発光装飾させることができる。
第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、センター役物2500の周壁部2511aにおける右辺よりも右側で、右下案内通路2525と遊技領域5aの上下方向の中央との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。第二アタッカユニット2450は、左方へ向けて開閉可能に開口している第二大入賞口2012を備えている。
第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2452と、第一始動口センサ2101又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて第二大入賞口2012を開閉させる第二アタッカソレノイド2451と、を有している。
この第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、第二大入賞口2012に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
また、第一前ユニット6A1の第二アタッカユニット2450は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されている第二アタッカ装飾基板を備えている。第二アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、第二アタッカユニット2450(第二大入賞口2012)を発光装飾させることができる。
なお、アタッカユニット2400を発光装飾させるLED(アタッカ装飾基板)や、第二アタッカユニット2450を発光装飾させるLED(第二アタッカ装飾基板)を、後ユニットに備えるようにしても良い。
[9-1h-4.センター役物]
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されており、後方に設けられた演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660、のような各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100Aのパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5Aに組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、右上隅に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を、備えている。案内通路群2520は、ゲート2010、サイド右中ユニット2610、第二アタッカユニット2450、アタッカユニット2400、の上方へ遊技球Bを案内するものである。
第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、遊技盤5Aに組立てた状態で、案内通路群2520の右端(センター役物2500の右上隅の端部)が、遊技領域5aの内周縁(前構成部材1000Aの衝止部1006付近の右レール1005)に略接しており、センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路群2520を通るように形成されている。
案内通路群2520は、上下方向の長さが、遊技領域5aの全高に対して、約1/7の長さである。この案内通路群2520は、何れも前方へ開放された溝状に形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から良好な状態で視認することができる。
案内通路群2520は、センター役物2500における周壁部2511aの外側に設けられており、周壁部2511aから離れている第一案内通路2521と、第一案内通路2521の左方で周壁部2511aに沿って延びている第二案内通路2522と、から構成されている。第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口は、左右に離隔している。また、第一案内通路2521の出口と第二案内通路2522の出口は、左右に隣接しており、右レール1005上部の円弧に沿うように斜め右下へ向かって開口している。
案内通路群2520は、センター役物2500を遊技盤5Aに組立てた状態で、ゲート2010の上方に位置している。また、第一案内通路2521は、その入口の右端が前構成部材1000Aの衝止部1006の下端の直下に位置しており、衝止部1006に当接した遊技球Bの殆どが第一案内通路2521へ進入するように形成されている。
また、第一前ユニット6A1のセンター役物2500は、周壁部2511aの右下隅から右方へ突出しており、上方からの遊技球Bを右方へ誘導した後に下方へ放出する右下案内通路2525を、備えている。この右下案内通路2525は、入口が左右方向の前幅に亘って上方へ開口しており、出口が遊技球B一つ分の幅で斜め左下へ向かって開口している。
この右下案内通路2525は、遊技盤5Aに組立てた状態で、右端が右レール1005に略接しており、アタッカユニット2400と第二アタッカユニット2450との間に位置している。従って、案内通路群2520と右下案内通路2525との間には、第二アタッカユニット2450、サイド右中ユニット2610、及びゲート部材2630が、配置されている。
[9-1h-5.サイド右中ユニット及びゲート部材]
第一前ユニット6A1のサイド右中ユニット2610は、遊技領域5a内において、第二アタッカユニット2450の直上に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。このサイド右中ユニット2610は、一つの一般入賞口2001と、一つのサブアウト口2021と、を備えている。
第一前ユニット6A1のサイド右中ユニット2610においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001やサブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、前ユニット6Aの後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
第一前ユニット6A1のゲート部材2630は、遊技領域5a内において、センター役物2500の案内通路群2520とサイド右中ユニット2610との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2630は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通図柄の抽選が行われるゲート2010と、ゲート2010を遊技球Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2011と、を有している。ゲートセンサ2011における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート2010としている。
[9-1i.ユニット間コネクタ前]
続いて、第一前ユニット6A1の表ユニット2000におけるユニット間コネクタ前1060について説明する。ユニット間コネクタ前1060は、前方から遊技パネル1100(パネル板1110)の開口部1112を通して後方へ露出しているアタッカユニット2400の後面の右端付近に取付けられている。
このユニット間コネクタ前1060には、アタッカユニット2400の第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、第二アタッカユニット2450の第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、第二アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、等からの配線が電気接続されている。
ユニット間コネクタ前1060は、前ユニット6Aを後ユニット6Bに固定すると、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150(図193を参照)に、自動的に係合して接続される。なお、本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150に、ドロワコネクタを使用している。ここで、ドロワコネクタとは、家具の引き出しのように係合するコネクタであり、互いを案内する案内機能を有し、多少傾いていたり軸芯がズレていたりしても案内機能により係合して良好に接続できるコネクタである。なお、ドロワコネクタ以外に、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150に使用可能なコネクタとしては、基板同士を連結して接続するのに使用される基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)、配線ケーブルの先端に設けられているコネクタと係合し基板に実装されている一般的なコネクタ(基板対ケーブルコネクタ)、等が挙げられる。
これにより、前ユニット6Aに電気部品が設けられていても、後ユニット6Bの電気的な接続を簡単に行うことができ、前ユニット6Aの着脱にかかる手間を少なくすることができる。また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とにより、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続しているため、前ユニット6Aの着脱の際に、電気配線に作業者や他の部材が触れることはなく、断線の恐れがない。また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とをドロワコネクタとしているため、確実に電気的に接続することができる。
更に、ユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面の右端付近、つまり、前ユニット6Aの右端付近に設けているため、前ユニット6Aを後ユニット6Bに着脱する際に、ユニット間コネクタ前1060をユニット間コネクタ後に対して良好な状態で抜き差しすることができる。詳述すると、例えば、本体枠4に装着されている遊技盤5Aから前ユニット6Aのみを取外す場合、本実施形態では、ユニット固定部材1021によるロックを解除した状態で、前方へ移動させることで、後ユニット6B(本体枠4)から取外すことが可能である。
しかしながら、作業者や作業状況によっては、前ユニット6Aの左辺を軸芯にして、右辺が前方へ移動するように前ユニット6Aを回動させた後に前方へ移動させて取外した方が、作業がし易い場合がある。詳述すると、例えば、本実施形態では、遊技盤5Aを装着する本体枠4が、遊技ホールの島設備に取付けられている外枠2によって、左辺側をヒンジ回転の軸芯として開閉可能に設けられていると共に、本体枠4を前方から覆うように同じく扉枠3がその左辺側をヒンジ回転の軸芯として開閉可能に設けられている。従って、島設備において、扉枠3を開いて本体枠4に装着されている遊技盤5Aから前ユニット6Aを取外す場合、遊技盤5Aの左辺側(扉枠3や本体枠4の軸芯側)は扉枠3の存在により前方の作業スペースが狭くなる。このようなことから、扉枠3や本体枠4の軸芯に近い前ユニット6Aの左辺を軸芯にして、右辺が前方へ移動するように前ユニット6Aを回動させた後に前方へ移動させて取外した方が、作業がし易い。このような場合、ユニット間コネクタ前1060が前後方向に対して斜め方向へ抜かれることとなり、ユニット間コネクタ前1060やユニット間コネクタ後1150に無理な力が作用して破損してしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060を、前ユニット6Aの右端付近、つまり、取外作業の際の軸芯となる左辺から遠い位置に設けているため、ユニット間コネクタ前1060が大きな半径の円弧に沿って移動することとなる。これにより、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とが接合する部位において、ユニット間コネクタ前1060の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、ユニット間コネクタ前1060の移動方向の傾きが前後方向に対して僅かとなり、ユニット間コネクタ前1060やユニット間コネクタ後1150に無理な力が作用することはなく、破損することもない。これは、前ユニット6Aを後ユニット6Bに装着する時も同じであり、ユニット間コネクタ前1060を、前後方向に近い方向からユニット間コネクタ後1150に係合させることができるため、ユニット間コネクタ後1150に確実に係合させて電気的に接続させることができる。
また、ユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面の右端付近、つまり、前ユニット6Aの右下隅付近に設けており、この右下隅付近にはユニット固定部1020が設けられている。これにより、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021を解除位置からロック位置へ移動させると、ユニット固定部材1021により前ユニット6Aが後方の後ユニット6Bに押し付けられるため、その力がユニット固定部1020に近いユニット間コネクタ前1060にも強く作用することとなり、ユニット間コネクタ前1060をユニット間コネクタ後1150に対して十分に係合させることができ、確実に接続させることができる。
本実施形態の第一前ユニット6A1は、上述したように、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(アタッカ装飾基板のLEDやLEDドライバ)、第二アタッカソレノイド2451、第二大入賞口センサ2452、第二アタッカ装飾基板(第二アタッカ装飾基板のLEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、のような複数の電気部品を備えている。これら電気部品は、前ユニット6Aにおける左右方向中央よりも右側の領域に設けられている。更に詳述すると、前ユニット6Aでは、電気部品が、右辺に近い右隅の領域、換言すると、開閉可能に設けられている本体枠4の軸芯から遠い領域、に設けられている。
また、第一前ユニット6A1では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402のような各電気部品が、互いの近傍に設けられている。これら電気部品が設けられている領域は、遊技領域5aの全体に対して、1/2の領域、更には、1/3の領域とすることが望ましい。また、ユニット間コネクタ前1060は、電気部品が設けられる領域の中央、或いは、中央付近、に設けることが望ましい。このようなことから、第一前ユニット6A1に設けられている電気部品は、ユニット間コネクタ前1060の近傍に設けられている。
なお、電気部品は、前ユニット6Aの右下隅の領域に設けることが望ましい。或いは、電気部品を、前ユニット6Aにおける上下方向中央よりも下側の領域に設けるようにしても良い。これにより、電気部品が特定の領域内に纏まった状態となるため、ユニット間コネクタ前1060に対して電気部品からの電気配線を集約し易くすることができると共に、第一前ユニット6A1の右下隅に設けられているアタッカユニット2400や第二アタッカユニット2450により、ユニット間コネクタ前1060へ接続される電気配線を、透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して前方から見え難い構造にし易くすることができる。
また、第二始動口センサ2401や始動口ソレノイド2412等の電気部品からユニット間コネクタ前1060までの配線の経路は、装飾シールや装飾シート等の絵柄や模様等の後方の部位、金属光沢を有するメッキ部や不透光性部材等の後方の部位、前後に延びている壁状の部位(例えば、センター役物2500の周壁部2511a)の後方、拡散レンズやシボ加工のような無数の凹凸が形成されている部位の後方、後に設けられているLEDのような発光手段の前方から離れている部位、等を通る経路とすることが望ましい。これにより、電気部品とユニット間コネクタ前1060とを接続している配線を前方から見え難くすることができる。
[9-2.遊技盤の第二前ユニット]
次に、遊技盤5Aにおける前ユニット6Aとして、上記の第一前ユニット6A1とは別の第二前ユニット6A2について、図199及び図200を参照して詳細に説明する。図199(a)は第二実施形態の遊技盤における図192に示す前ユニットとしての第一前ユニットを示す正面図であり、(b)は第二実施形態の遊技盤における第一前ユニットとは異なる形態の第二前ユニットを示す正面図である。図200は、図199(b)に示す第二前ユニットを後ユニットに取付けた第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で示す正面図である。
この第二前ユニット6A2は、遊技パネル1100Aに植設されている障害釘Nの配置、表ユニット2000、証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙、スペック表示部1013に貼り付けられているスペックシール、が異なるのみで、その他は第一前ユニット6A1と同じ構成である。以下では、第一前ユニット6A1と同じ構成については、同じ符号を付して、説明を省略する。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能に設けられているゲート2010と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bがゲート2010を通過することにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて何れかが遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口1008を、備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、ゲートセンサ2011による遊技球Bの検知により抽選された普通図柄の抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2412と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、第一始動口センサ2101(図193を参照)又は第二始動口センサ2401による遊技球Bの検知により抽選された特別図柄の抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2414と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、を備えている。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており、一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、大入賞口2005、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402、を有しているアタッカユニット2400を、備えている。
更に、第二前ユニット6A2の表ユニット2000は、アタッカユニット2400の上方に設けられており、ゲート2010及びゲートセンサ2011を有しているゲート部材2630を、備えている。
第二前ユニット6A2の表ユニット2000では、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、が第一前ユニット6A1と同じである。
第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技領域5aの右下隅に位置するように設けられており、大入賞口2005が第二始動口2004と第一始動口2003との間に位置するように設けられている。また、アタッカユニット2400は、一つの一般入賞口2001が第二始動口2004の上方に位置するように設けられている。この一般入賞口2001の直上にゲート2010が設けられている。
また、第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、図示は省略するが、前面に複数のLEDが実装されているアタッカ装飾基板を備えている。アタッカ装飾基板のLEDを適宜発光させることで、アタッカユニット2400(第二始動口2004、大入賞口2005)を発光装飾させることができる。
また、第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400は、後面に後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150と接続されるユニット間コネクタ前1060が設けられている。このユニット間コネクタ前1060には、アタッカユニット2400の第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板、ゲートセンサ2011、等からの配線が電気接続されている。
第二前ユニット6A2のアタッカユニット2400においても、始動口ユニット2100の誘導部2122と同様に、一般入賞口2001、第二始動口2004、大入賞口2005、に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する誘導部が、第二前ユニット6A2の後面よりも後方へ突出しており、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101に挿入される。
第二前ユニット6A2のセンター役物2500は、遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターベース2511と、センターベース2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターベース2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターベース2511は、前後方向に延びている枠状の周壁部2511aと、周壁部2511aの外周から突出しており遊技パネル1100Aのパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、周壁部2511aの内周から突出している平板状のサポート部2511cと、を有している。
ワープ通路2512は、周壁部2511aにおける正面視左側で遊技パネル1100A(パネル板1110)の前面よりも前側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。
ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100Aのパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5Aに組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、第二前ユニット6A2のセンター役物2500は、右辺側における上下方向の中央よりも上方の部位に、遊技球Bが一列で流通可能な幅の案内通路2526を、備えている。センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路2526を通るように形成されている。この案内通路2526の下流に、ゲート部材2630(ゲート2010)が設けられている。
第二前ユニット6A2のゲート部材2630は、遊技領域5a内において、上下方向の中央よりも下方で、センター役物2500の案内通路2526と、アタッカユニット2400との間に配置されており、遊技パネル1100Aにおけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2630は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通図柄の抽選が行われるゲート2010と、ゲート2010を遊技球Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2011と、を有している。ゲートセンサ2011における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート2010としている。
本実施形態の第二前ユニット6A2は、上述したように、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、ゲートセンサ2011、のような複数の電気部品を備えている。これら電気部品は、前ユニット6Aにおける左右方向中央よりも右方で、且つ、上下方向中央よりも下方、の領域、つまり、右下隅の領域に設けられている。更に詳述すると、前ユニット6Aでは、電気部品が、右辺に近い右隅の領域、換言すると、開閉可能に設けられている本体枠4の軸芯から遠い領域、に設けられている。
この第二前ユニット6A2では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402のような各電気部品が、互いの近傍に設けられている。これら電気部品が設けられている領域は、遊技領域5aの全体に対して、1/3の領域に設けられている。また、ユニット間コネクタ前1060は、電気部品が設けられる領域の中央、或いは、中央付近、に設けられている。このようなことから、第二前ユニット6A2に設けられる電気部品は、ユニット間コネクタ前1060の近傍に設けられている。
従って、第二前ユニット6A2の構成によれば、電気部品が特定の領域内に纏まった状態としているため、ユニット間コネクタ前1060に対して電気配線を集約し易くすることができると共に、第二前ユニット6A2の右下隅に設けられているアタッカユニット2400により、ユニット間コネクタ前1060へ接続される電気配線を、透明な遊技パネル1100A(パネル板1110)を通して前方から見え難い構造にし易くすることができる。
また、本実施形態の第二前ユニット6A2は、第一前ユニット6A1と比較して、第二大入賞口2012を有していないため、遊技者に対してよりシンプルな遊技を楽しませることができる。
[9-3.遊技盤の後ユニット]
次に、遊技盤5Aの後ユニット6Bについて、図193、図197、及び図201等を参照して詳細に説明する。図201(a)は後ユニットロック部材により第二実施形態の遊技盤を本体枠にロックしている状態を示す説明図であり、(b)は後ユニットロック部材によるロックを解除した状態を示す説明図である。遊技盤5Aの後ユニット6Bは、前面に前ユニット6Aを支持可能としていると共に本体枠4に対して着脱可能に装着される装着ユニット1130と、装着ユニット1130の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられている主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、を備えている。
後ユニット6Bの主制御ユニット1300は、管理シールが貼り付けられる管理シール貼付部1301を有している(図191を参照)。本実施形態では、管理シール貼付部1301が、主制御基板ボックス1320における基板カバー1340に設けられている。管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール(図示は省略)は、前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。
詳述すると、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。そして、管理シールの二次元バーコードには、情報ID(例えば、組となる遊技盤のID、本主制御基板のID、組となる周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。管理シールに記載されている製造業者記号は、証紙に記載されている製造業者記号と同じである。また、管理シールに記載されている製造番号は、証紙に記載されている製造番号と、同じ、若しくは、証紙の製造番号と関連付けられているもの、である。なお、主制御ユニット1300に貼り付けられている管理シールは、周辺制御ユニット1500に貼り付けられる管理シールと同じ構成である。これにより、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙の記載内容と照合することで、互いに関連している(組となっている)ものであるか否かが判別できる。
主制御ユニット1300は、左右方向の一方の端部に基板ホルダ1200に弾性係止される係止片1321と、左右方向の反対側の端部に基板ホルダ1200に挿入される突片(図示は省略)と、を備えている。主制御ユニット1300は、係止片1321による係止を解除することにより基板ホルダ1200から取外すことができる。
第二実施形態の遊技盤5Aの主制御ユニット1300は、第一実施形態の遊技盤5の第一仕様主制御ユニット1300Aと同じ構成である。なお、第二仕様主制御ユニット1300Bと同じ構成にしても良い。
後ユニット6Bの基板ホルダ1200は、上記の遊技盤5の基板ホルダ1200と同じ構成である。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に対して着脱可能に取付けられている。機能表示ユニット1400は、上記の遊技盤5の機能表示ユニット1400と同様の機能を有しており、装着ユニット1130における装着ベース1131の前面から突出するように設けられている。
機能表示ユニット1400の前面は、後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付けた状態で、前ユニット6Aの前構成部材1000Aの前面と一致するように形成されている。これにより、後ユニット6Bに対して前ユニット6Aを取付けた時に、機能表示ユニット1400の前面と前構成部材1000Aの前面とが一致している場合は、正しく取付けられていることが判り、機能表示ユニット1400の前面と前構成部材1000Aの前面との間で段差がある場合は、正しく取付けられていない(取付不良である)ことが判る。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bは、装着ユニット1130の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、装着ユニット1130の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、装着ユニット1130の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
後ユニット6Bの裏ユニット3000は、装着ユニット1130の後面に裏箱3010を介して取付けられている。裏ユニット3000における裏箱3010の後面に演出表示装置1600が着脱可能に設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が着脱可能に設けられている。
[9-3a.装着ユニット]
装着ユニット1130は、後ユニット6Bを本体枠4に固定するためのものであり、前面に機能表示ユニット1400が取付けられていると共に、後面に基板ホルダ1200と、裏箱3010を介して裏ユニット3000が取付けられている。装着ユニット1130は、外形が扉枠3における遊技盤挿入口501b内へ挿入可能な大きさで、平板な枠状に形成されており、枠内を通して後に取付けられている裏ユニット3000の装飾や演出ユニット、演出表示装置1600の表示画面、等が前方から視認可能となっている。機能表示ユニット1400は、装着ユニット1130の前面における左上隅付近に、前方へ突出している状態で取付けられている。
装着ユニット1130は、図193及び図197等に示すように、外形が略四角形で枠状に形成されている装着ベース1131と、装着ベース1131の後側に取付けられている装着補強板金1132と、を備えている。また、装着ユニット1130は、装着ベース1131の右上隅及び右下隅に設けられており本体枠4に固定するための盤固定部1133と、盤固定部1133に設けられている遊技盤固定部材1134と、を備えている。
また、装着ユニット1130は、前ユニット6Aにおけるユニット固定部1020と対応する部位に設けられており装着ベース1131の前面から前方へ突出している複数のロック爪1135と、装着ベース1131の前面から円柱状に前方へ突出している位置決ボス1136と、を備えている。また、装着ユニット1130は、装着ベース1131を貫通しており装着補強板金1132を前方へ露出される開口部1137と、装着ベース1131の左辺において上下に離間して設けられている二つの位置決当接部1138と、を備えている。
更に、装着ユニット1130は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1139を備えている。この切欠部1139は、前構成部材1000Aの切欠部1010及び遊技パネル1100Aの切欠部1122と、一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、これら切欠部1010、切欠部1122、切欠部1139を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、装着ユニット1130は、図示は省略するが、後面における下辺の左右方向中央付近において凹んでおり、上下方向に開放されているアウト凹部1123を備えている。このアウト凹部1123は、前ユニット6Aのアウト口1008と対応する位置に設けられている。
装着ユニット1130の装着補強板金1132は、枠状に形成されており、装着ユニット1130に対して全周に亘って設けられている。装着補強板金1132は、下端から前方へ屈曲している座板部1132aを有している(図197を参照)。この装着補強板金1132により、装着ユニット1130が歪むことはない。また、座板部1132aにより装着補強板金1132の強度・剛性を高めていると共に、本体枠4に取付けた時に、座板部1132aが本体枠ベース501の遊技盤載置部501cに当接することで、装着ユニット1130の後に取付けられている演出表示装置1600や裏ユニット3000からの荷重を十分に支持することができる。
装着補強板金1132は、後ユニット6Bに前ユニット6Aを装着した時に、開口部1137を通して第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aとが前面に接触する。これにより、装着補強板金1132は、外レール1001等からの静電気を逃がすためのアース経路の一部となる。
この装着補強板金1132は、前ユニット6Aの表ユニット2000や裏ユニット3000に設けられている装飾基板や中継基板から、所定距離(例えば、10mm~20mm以上)の位置に設けられている。これにより、装着補強板金1132を、アース経路の一部に使用しても、装着補強板金1132と、装飾基板や中継基板等との間で、放電やショートが発生することはない。
装着ユニット1130の盤固定部1133は、装着ベース1131の正面視における右上隅と右下隅の二箇所において、装着ベース1131の前面から前方へ突出して設けられている。これら盤固定部1133は、その外形が、前ユニット6Aにおける対応している盤固定部挿入溝1051に後方から挿入可能に形成されている。これにより、後ユニット6Bの前面に前ユニット6Aを取付ける際に、上下二つの盤固定部1133を盤固定部挿入溝1051に挿入させると、後ユニット6Bに対する前ユニット6Aの上下方向及び右方向への移動を規制することができると共に、前ユニット6Aを後方へ案内することができる。
盤固定部1133は、前ユニット6Aを取付けた状態で、その前面が前構成部材1000Aの前面と一致する。盤固定部1133の前面には、後方へ凹んでいると共に、右方へ開放されており、遊技盤固定部材1134が取付けられる取付凹部1133aが設けられている(図201を参照)。
装着ユニット1130の遊技盤固定部材1134は、後ユニット6Bを本体枠4の遊技盤挿入口501bに挿入した状態で、操作することにより後ユニット6Bを取外不能にするためのものである。遊技盤固定部材1134は、盤固定部1133の取付凹部1133a内に取付けられており、右端となる先端側が、上下方向の軸芯周りに対して回動可能、且つ、左右方向へスライド可能に取付けられている。
遊技盤固定部材1134は、先端側に設けられている楔部1134aと、基端側に設けられている操作部1134bと、を有している。遊技盤固定部材1134は、ロック位置の状態(図201(a)を参照)では楔部1134aが装着ユニット1130の右辺よりも右方へ突出し、解除位置の状態(図201(b)を参照)では楔部1134aが装着ユニット1130内に没入する。この遊技盤固定部材1134は、ロック位置へスライドさせて楔部1134aを、本体枠4における遊技盤ロック溝501qに挿入させることで、後ユニット6Bの前方への移動を阻止することができ、後ユニット6Bを本体枠4に固定することができる。
この遊技盤固定部材1134は、操作部1134bを操作して前方へ引っ張って、盤固定部1133の前方よりも前方へ操作部1134bが位置するように、先端側を中心として回動させると、左右方向へスライド可能な状態となり、ロック位置、又は、解除位置、へスライドさせることが可能となる。また、操作部1134bを、盤固定部1133の前面よりも後方へ没入させると、操作部1134bが取付凹部1133a内に係止され、移動不能な状態となる。
装着ユニット1130のロック爪1135は、装着ベース1131の前面から逆L字状に前方へ突出している。ロック爪1135は、先端において斜めに設けられている案内部1135aを有している。このロック爪1135は、前ユニット6Aのユニット固定部1020における挿通孔1020aに挿入可能に設けられており、挿通孔1020aに挿入されている状態で、前ユニット6Aにおけるユニット固定部材1021のロック片1021bと係合させられることで、前ユニット6Aの前方への移動を阻止することができる。
装着ユニット1130の位置決ボス1136は、装着ベース1131の前面から前方へ突出しており、前ユニット6Aの位置決孔1055に対して挿入可能に設けられている。この位置決ボス1136を位置決孔1055に挿入することにより、後ユニット6Bの前面において前ユニット6Aの上下方向及び左右方向を位置決めすることができる。位置決ボス1136は、装着ベース1131の前面から、盤固定部1133の前面よりも短く前方へ突出している。
この位置決ボス1136は、図196に示すように、前方へ長く突出している第一位置決ボス1136aと、第一位置決ボス1136aよりも短く突出している第二位置決ボス1136bと、を有している。これにより、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付ける際に、前ユニット6Aを後方(後ユニット6B)へ多段階で案内することができ、取付けの作業性を高めていると共に、確実に位置決めできるようにしている。
装着ユニット1130の開口部1137は、図197に示すように、前ユニット6Aの第一接続金具1056の後接触部1056aや第二接続金具1057の後接触部1057aが挿入されるものである。この開口部1137を通して、第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが、装着補強板金1132の前面に接触する。
装着ユニット1130の位置決当接部1138は、装着ベース1131の前面から後方へ凹んでいると共に、左方へ開放されている。二つの位置決当接部1138は、本体枠4における左位置規制部材531と対応する部位に設けられており、後ユニット6Bを本体枠4に取付けている状態で、位置決当接部1138に左位置規制部材531が前方から当接している。この位置決当接部1138に左位置規制部材531を当接させることで、装着ユニット1130(後ユニット6B)の左辺に対して、前後方向及び上下方向へ移動を規制することができ、当該左辺を位置決めすることができる。
[9-3b.後ユニットの周辺制御ユニット及び演出表示装置]
次に、後ユニット6Bの周辺制御ユニット1500及び演出表示装置1600について、図191及び図202等を参照して詳細に説明する。図202(a)は周辺制御ユニットを演出表示装置に取付けている状態を断面で示す説明図であり、(b)は周辺制御ユニットを演出表示装置から取外した状態を断面で示す説明図である。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、裏ユニット3000における裏箱3010の後側に着脱可能に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、演出表示装置1600の後側に着脱可能に取付けられている。
まず、後ユニット6Bの周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している透明な周辺制御基板ボックス1520と、管理シールが貼り付けられる管理シール貼付部1501と、を備えている。本実施形態では、管理シール貼付部1501が周辺制御基板ボックス1520の後面に設けられている。
また、周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。周辺制御基板1510は、周辺制御部1511や演出表示制御部1512等を構成しているCPU、VDP、ROM、IC、等の各種の電子部品が実装されている表面が後方を向くように周辺制御基板ボックス1520内に取付けられている。
周辺制御部1511は、表ユニット2000のアタッカ装飾基板や第二アタッカ装飾基板、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3600等に設けられている装飾基板、アクチュエータ(モータやソレノイド)、位置センサ、等と接続されている。また、周辺制御部1511は、扉枠3の演出操作ユニット300に設けられている演出操作部外周装飾基板320、接触検知体352、ボタン外装飾基板355、振動モータ356、ボタン中装飾基板364、操作ボタン昇降駆動モータ367、押圧検知センサ373、昇降検知センサ374、突出力検知センサ375、突出力調整駆動モータ381、扉枠左サイド上装飾基板422、扉枠左サイド下装飾基板423、扉枠右サイド上装飾基板432、扉枠右サイド下装飾基板433、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカ、等と接続されている。更に、周辺制御部1511は、本体枠4の本体枠スピーカ622に、接続されている。
管理シール貼付部1501に貼り付けられる管理シール(図示は省略)は、前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられる証紙、主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられる管理シール、に対して組となるような内容が記載されており、互いに関連しているものであるか否かが判別できるようにしている。
詳述すると、周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501にに貼り付けられる管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。そして、管理シールの二次元バーコードには、情報ID(例えば、組となる遊技盤のID、組となる主制御基板のID、本周辺制御基板のID、等)、種別、製造業者記号、製造年、製造番号、等の情報が入れられている。なお、周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールは、主制御ユニット1300に貼り付けられる管理シールと同じ構成である。これにより、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙の記載内容と照合することで、互いに関連している(組となっている)ものであるか否かが判別できる。
なお、管理シールは、周辺制御基板1510に貼り付けても良いし、周辺制御基板1510に実装されているROM、CUP、VDP、等に貼り付けても良い。
後ユニット6Bの周辺制御基板1510は、前方へ向けて取付けられる裏面に、グランド接続部1513と、周辺側接続コネクタ1514と、有している。グランド接続部1513は、周辺制御基板1510における左右方向の一方の端部に近い部位に設けられている。グランド接続部1513は、周辺制御基板1510の電子回路におけるグランド(GND)と接続されており、面状に形成されている。
グランド接続部1513は、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックス1520内に収容されている状態で、金具用開口部1523と前後方向が一致している。このグランド接続部1513は、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の後に取付けると、グランド金具1623の先端が接触し、グランド金具1623を介してシールド板金1620と電気的に接続される。
周辺側接続コネクタ1514は、左右方向におけるグランド接続部1513とは反対側の端部に近い部位に設けられている。周辺側接続コネクタ1514は、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックス1520内に収容されている状態で、接続用開口部1524に挿入されている。周辺側接続コネクタ1514は、周辺制御基板1510における演出表示制御部1512からのビデオ信号を演出表示装置1600へ送信するためのものであり、演出表示装置1600における後述する接続中継基板1624に取付けられている表示側接続コネクタ1625に接続される。
後ユニット6Bの周辺制御基板ボックス1520は、内部に周辺制御基板1510が収容されている透明な薄い箱状に形成されており、外部から内部の周辺制御基板1510を視認することができる。この周辺制御基板ボックス1520は、左右方向へ長く形成されており、左右方向の一方の端面に外方へ突出している取付片1521と、反対側の端面において凹んでいる取付凹部1522と、を有している。
また、周辺制御基板ボックス1520は、演出表示装置1600に取付けた時に前面となる部位で取付片1521に近い位置で貫通している金具用開口部1523と、前面における取付凹部1522に近い位置で貫通している接続用開口部1524と、を有している。金具用開口部1523は、周辺制御基板1510のグランド接続部1513と一致する部位に設けられており、接続用開口部1524は、周辺側接続コネクタ1514と一致する部位に設けられている。
この周辺制御基板ボックス1520は、演出表示装置1600の面に対して取付片1521が接近するように前面を左右方向に対して斜めにした状態で、取付片1521を後カバー1621の取付係止部1621bに係止させた後に、前面を演出表示装置1600の後面と平行な状態にし、着脱ロック部材1622をスライドさせて突部1622aを取付凹部1522に挿入することで、演出表示装置1600の後面に取付けることができる。
なお、詳細な図示は省略するが、着脱ロック部材1622の突部1622aを、取付凹部1522に挿入すると、突部1622aにより、取付凹部1522を介して周辺制御基板ボックス1520(周辺制御ユニット1500)が前方の演出表示装置1600側へ押圧されるように構成されている。これにより、後述する周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625との接続を確実なものとしている。
演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100Aの後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5Aを組立てた状態で、透明な遊技パネル1100A、枠状のセンター役物2500や装着ユニット1130の枠内を通して、前側(遊技者側)から表示画面を視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、裏箱3010における後壁の左右方向の幅と略同じ幅である。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
後ユニット6Bの演出表示装置1600は、表示画面の後側に設けられている金属板からなるシールド板金1620と、シールド板金1620の後に設けられている後カバー1621と、後カバー1621にスライド可能に取付けられており周辺制御ユニット1500(周辺制御基板ボックス1520)を着脱させるための着脱ロック部材1622と、を備えている。
また、後ユニット6Bの演出表示装置1600は、基端がシールド板金1620に取付けられており先端が後カバー1621を貫通して後方へ延出しているグランド金具1623と、シールド板金1620と後カバー1621との間に設けられている接続中継基板1624と、接続中継基板1624に取付けられており周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514に接続される表示側接続コネクタ1625と、を備えている。なお、接続中継基板1624は、シールド板金1620に取付けられていても良いし、後カバー1621に取付けられていても良い。本実施形態の接続中継基板1624は、シールド板金1620に取付けられている。
シールド板金1620は、詳細な図示は省略するが、表示画面(表示装置本体)の後面の全面と概ね同じ大きさである。
後カバー1621は、透明な樹脂により形成されており、周辺制御ユニット1500が取付けられる左右方向に長い矩形状の取付領域部1621aと、取付領域部1621aの左右方向の一方の端部に設けられている取付係止部1621bと、取付領域部1621aにおける取付係止部1621bに近い部位で貫通しておりグランド金具1623が通過する金具用開口部1621cと、取付領域部1621aにおける金具用開口部1621cとは左右方向の反対側の端部に近い部位で貫通しており表示側接続コネクタ1625が通過するコネクタ用開口部1621dと、を有している。
後カバー1621の取付係止部1621bは、後カバー1621の後面から逆L字状に後方へ突出しており、先端を取付領域部1621aの中央へ向けて設けられている。この取付係止部1621bの先端と後カバー1621の後面との間に、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521が挿入される。
着脱ロック部材1622は、後カバー1621の後面から後方へ突出するように設けられており、後端に左右方向へ突出している突部1622aを有している。着脱ロック部材1622は、後カバー1621の後面における取付領域部1621aの外側で、取付領域部1621aを間にして取付係止部1621bとは左右方向の反対側の部位に、左右方向へスライド可能に設けられている。着脱ロック部材1622は、突部1622aが取付領域部1621aの中央へ向けて突出するように設けられている。着脱ロック部材1622の突部1622aは、周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522に挿入可能に形成されている。
グランド金具1623は、基端がシールド板金1620の後面に取付けられており、基端から後カバー1621の金具用開口部1621cを通って後カバー1621の後方へ先端が延びている。このグランド金具1623は、基端から後方へ斜めに延出しており、先端付近が円弧状に前方へ曲げられている。このグランド金具1623は、導電性を有すると共に弾性を有する金属のバネ材により形成されており、シールド板金1620と電気的に接続されている。
グランド金具1623は、取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500を取付けることで、その先端が周辺制御基板1510のグランド接続部1513に接触し、周辺制御基板1510のグランドと電気的に接続される。なお、詳細な図示は省略するが、グランド金具1623は、先端がフォークのように複数に分岐しており、グランド接続部1513に対して複数個所で接触する。また、グランド金具1623を複数設けても良い。
接続中継基板1624は、演出表示装置1600の表示装置本体から延出しているFPC1626(フレキシブル プリント 配線基板)が接続されており、FPC1626からの配線が表示側接続コネクタ1625に接続されている。換言すると、接続中継基板1624には、周辺側接続コネクタ1514と接続されIN側のコネクタとなる表示側接続コネクタ1625と、演出表示装置1600からのFPC1626と接続されOUT側のコネクタとなるFPC接続コネクタ1624aと、が設けられている。表示側接続コネクタ1625は、取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500を取付けることで、周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514と接続されるものである。
次に、後ユニット6Bにおける演出表示装置1600の後面への周辺制御ユニット1500の着脱について、図202を参照して説明する。演出表示装置1600の取付領域部1621aに周辺制御ユニット1500が取付けられている状態では、図202(a)に示すように、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521が、後カバー1621の取付係止部1621bに係止されていると共に、周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522にロック位置に位置している着脱ロック部材1622の突部1622aが挿入されている。これにより、周辺制御基板ボックス1520(周辺制御ユニット1500)が取外不能な状態となっている。
なお、詳細な図示は省略するが、図191に示すように、周辺制御ユニット1500の後面には、複数のコネクタが後方へ露出しており、それらコネクタには主制御基板1310や中継基板等に接続されている配線(ハーネス)のコネクタが接続されている。
この状態では、周辺制御基板1510のグランド接続部1513に演出表示装置1600のグランド金具1623の先端が接触している。このグランド金具1623は、弾性のある金属のバネ材により形成されており、先端がグランド接続部1513を後方へ押圧する(付勢する)ように接触している。これにより、周辺制御基板1510の電子回路のグランドは、グランド接続部1513及びグランド金具1623を介してシールド板金1620と接続されている。
詳述すると、演出表示装置1600(液晶表示装置)の裏側のシールド板金1620は、対ノイズ性を高めるためのものであって、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続するのが望ましい。そのために、本実施形態では、演出表示装置1600の裏側のシールド板金1620から弾性のある金属片からなるグランド金具1623を立ち上げて、周辺制御基板1510のGND(グランド接続部1513)と電気的に接続するようにしている。更には、グランド金具1623は、先端をフォークのように分岐させているため、分岐した先端の何れかがグランド接続部1513に接触することにより確実に電気的に接続できるようにしている。
また、この状態では、周辺制御基板1510の周辺側接続コネクタ1514と、演出表示装置1600の表示側接続コネクタ1625とが接続されている。これにより、周辺制御基板1510における演出表示制御部1512からのビデオ信号を、周辺側接続コネクタ1514及び表示側接続コネクタ1625を介して演出表示装置1600へ送信して演出画像を表示させることができる。
周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600から取外す場合は、まず、周辺制御ユニット1500に後方から接続されている配線のコネクタを全て取外す。そして、着脱ロック部材1622を周辺制御ユニット1500から遠ざかる方向(解除位置)へスライドさせて、先端の突部1622aを、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板ボックス1520の取付凹部1522から抜く。その状態で、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522側が後方へ移動するように、左右方向の反対側の取付片1521を支点にして、周辺制御ユニット1500を回動させて演出表示装置1600の後面に対して斜めの状態にする。
この際に、周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514が、取付片1521側を中心として円弧状に移動することとなり、周辺側接続コネクタ1514が、前後方向に対して傾いた方向へ移動することとなる。これに対して本実施形態では、周辺側接続コネクタ1514を取付片1521から遠い位置に設けているため、周辺側接続コネクタ1514が大きな半径の円弧に沿って移動することとなる。これにより、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とが接合する部位において、周辺側接続コネクタ1514の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが前後方向に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514が演出表示装置1600の表示側接続コネクタ1625からスムーズに抜ける。
その後、周辺制御ユニット1500を斜め後方へ移動させて取付片1521を、取付係止部1621bと後カバー1621との間から抜くことにより、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600から取外すことができる。
一方、演出表示装置1600の後に周辺制御ユニット1500を取付ける場合は、上記とは逆の手順を行うことで、取付けることができる。
ところで、従来から、演出表示装置1600のような液晶表示装置に対する入力は、一般的にFPC(フレキシブル プリント 配線基板)やFFC(フレキシブル フラット ケーブル)を介して行われている。そして、工場では、液晶表示装置から延びているFPC等を、周辺制御基板に設けられたコネクタに接続するという作業を行っている。この接続作業は、熟練者でないと難しく、斜めに接続したり挿入が浅かったりして接続不良を生じることが多い。
このような問題から、本実施形態では、FPC等の接続作業を、周辺制御ユニット1500の交換作業者にさせないために、接続中継基板1624を演出表示装置1600の裏側に設け、FPC1626と接続中継基板1624(FPC接続コネクタ1624a)との接続を工場で熟練者が行い、接続中継基板1624と周辺制御基板1510の間を簡易に接続できる方法としている。つまり、接続中継基板1624を設けることによって、接続するコネクタの種類の変換を行うものである。
従って、例えば、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625をドロワコネクタとして、接続中継基板1624と周辺制御基板1510の間の接続をドロワコネクタで行えば、細かい位置決めを気にすることなく接続が可能である。なお、ドロワコネクタは、比較的高価であり、コストがかかるので、周辺側接続コネクタ1514及び表示側接続コネクタ1625として、一般的に基板を重ねて設置する際に使用される基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)としても良い。
このように、本実施形態では、演出表示装置1600に、これまでのパチンコ機では設けられていなかった接続中継基板1624を新たに設けると共に、接続中継基板1624に周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514と直接接続される表示側接続コネクタ1625を設けている。この表示側接続コネクタ1625は、接続中継基板1624のIN側のコネクタであり、接続中継基板1624のOUT側のコネクタであるFPC接続コネクタ1624aに、演出表示装置1600から延出しているFPC1626を接続している。そして、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを、素人でも確実に接続できるタイプのコネクタ(例えば、ドロワコネクタ、基板対基板コネクタ(基板間コネクタ)、等)としている。つまり、周辺制御基板1510と演出表示装置1600との間に接続中継基板1624を設けることで、接続するコネクタの種類を変換している。
これにより、パチンコ機1の工場において、初めに熟練者がFPC1626のコネクタと接続中継基板1624のFPC接続コネクタ1624aとの接続を行い、以後は、表示側接続コネクタ1625において接続(抜き差し)を行わせることが可能となり、FPC1626に触れる必要はないため、熟練者ではなくても表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを確実に接続することができ、素人でも不具合を発生させることなく演出表示装置1600に対して周辺制御ユニット1500を着脱させることができる。つまり、演出表示装置1600から延出しているFPC1626に触れることなく、周辺制御基板1510(周辺制御ユニット1500)を交換することができる。従って、演出表示装置1600の再利用にかかるコストを低減させることができると共に、演出表示装置1600を再利用し易いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出表示装置1600(シールド板金1620)に接続中継基板1624を取付けているため、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625において、周辺側接続コネクタ1514との抜き差しを繰り返しても、接続中継基板1624が不動であることから演出表示装置1600からのFPC1626が移動することはなく、FPC1626の位置の変化によってノイズを拾い易くなることはない。従って、周辺制御ユニット1500を交換しても、ノイズが入るようなことはなく、ノイズの無い良好な演出画像を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に着脱する際に、周辺制御ユニット1500における周辺側接続コネクタ1514から遠い、周辺制御基板ボックス1520の取付片1521を回動中心にして、着脱するようにしている。これにより、周辺側接続コネクタ1514が大きな半径の円弧に沿って移動することとなり、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とが接合する部位において、周辺側接続コネクタ1514の移動軌跡である当該円弧の接線方向が、前後方向(接合方向)に近くなるため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514との抜き差し方向(接合方向)に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514を表示側接続コネクタ1625に対してスムーズに直接接続することができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
なお、上記では、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510に設けられている周辺側接続コネクタ1514と、演出表示装置1600の接続中継基板1624に設けられている表示側接続コネクタ1625とを、直接接続する構成を示したが、これに限定するものではなく、図203に示すような構成としても良い。図203(a)は図202とは異なる形態で周辺制御ユニットを演出表示装置に取付けている状態を断面で示す説明図であり、(b)は(a)における周辺制御基板と接続中継基板との接続を模式的に示す説明図である。
図203の実施形態は、周辺制御基板1510と接続中継基板1624とに、それぞれ信号の変換機能を持たせ、周辺側接続コネクタ1514と表示側接続コネクタ1625とを、両端にコネクタ1631を有する所定のハーネス1630を介して接続するものである。
詳述すると、周辺制御基板1510にビデオ信号をシリアル信号に変換するトランシーバIC1515を設けると共に、接続中継基板1624にシリアル信号をビデオ信号に変換するレシーバIC1627を設ける。そして、周辺制御基板1510のトランシーバIC1515に接続されている周辺側接続コネクタ1514と、接続中継基板1624のレシーバIC1627に接続されている表示側接続コネクタ1625とに、ツイストケーブルからなるハーネス1630の両端のコネクタ1631を接合して、周辺制御基板1510と接続中継基板1624とを接続している(図203(b)を参照)。
この実施形態では、周辺制御基板1510の表面(後面)に周辺側接続コネクタ1514を設けていると共に、接続用開口部1524を周辺制御基板ボックス1520の後面側に設けている。また、演出表示装置1600では、後カバー1621のコネクタ用開口部1621d(接続中継基板1624)を、取付領域部1621aよりも外側の部位に設けている。
周辺制御基板1510のトランシーバIC1515と、接続中継基板1624のレシーバIC1627は、同じものであり、例えば、ザイン社製の「V-by-One(商標)」や、ローム社製の「BU17074KV」等を使用することができる。
周辺制御基板1510と接続中継基板1624(演出表示装置1600)との間で送信されるビデオ信号(RGBの信号)は、大雑把にDE(データ・イネーブル信号)、HS(水平同期信号)、VS(垂直同期信号)という信号、R(赤色信号)で8ビット、G(緑色信号)で8ビット、B(青色信号)で8ビット、PCLK(クロック信号)の少なくとも28本の信号線が必要だが、例えば、ローム社製の「BU17074KV」のトランシーバICでは、これをたった2本の電線(DFTX+とDFTX-)で送信することが可能である。その分、信号の周波数は高くなるが、差動信号で送信しツイストケーブル(ハーネス1630)で送信することにより比較的長い距離を引き回すことが可能である。なお、図203(b)は2本の電線(DFTX+とDFTX-)に加えてグランドラインも撚り線としている。このように構成すると、通常のツイストペアの電線を使うよりも、より一層ノイズに強くなる。
従って、本実施形態のような構成とすることにより、ビデオ信号をシリアル信号で送信すれば、LVDS方式やRGB方式に比較して劇的に電線の本数を減らすことができ、接続するためのコネクタにかかるコストを低減させることができると共に、不慣れな作業者でも確実に接続することが可能となり、接続作業がより簡単になる。本実施形態では、上記のような工夫を行うことにより、更に前ユニット6Aの交換作業の信頼性をあげることができる。
図203の実施形態によれば、図202の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記の周辺制御ユニット1500では、周辺制御部1511と演出表示制御部1512とを一つの周辺制御基板1510に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、周辺制御部1511が設けられている周辺制御基板1510とは別に、演出表示制御部1512が設けられている演出表示制御基板を、設けるようにしても良い。この場合、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625と接続される周辺側接続コネクタ1514は、演出表示制御基板に設けられる。
[9-3c.後ユニットの裏ユニット]
続いて、後ユニット6Bの裏ユニット3000について説明する。裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、表ユニット2000の第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の後の後ユニット6Bにおける装着ユニット1130の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、後ユニット6Bの裏ユニット3000は、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060と接続されるユニット間コネクタ後1150と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏下演出ユニット3600と、裏箱3010内の上隅に設けられている裏上演出ユニット3620と、裏箱3010内の左隅に設けられている裏左演出ユニット3640と、裏箱3010内の右隅に設けられている裏右演出ユニット3660と、を備えている。
裏ユニット3000における裏下演出ユニット3600、裏上演出ユニット3620、裏左演出ユニット3640、裏右演出ユニット3660は、遊技の進行に応じで、所定の可動演出や発光演出を遊技者に見せることができるものである。
後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150は、正面視において裏ユニット3000の右下隅に設けられており、裏球誘導ユニット3100の前面に取付けられている。ユニット間コネクタ後1150は、枠状の装着ユニット1130の枠内を通して前方へ露出している。ユニット間コネクタ後1150は、主制御基板1310、パネル中継基板、周辺制御基板1510、演出駆動基板、等から前ユニット6Aへ向かう配線が接続されている。このユニット間コネクタ後1150は、ドロワコネクタである。
後ユニット6Bの裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100は、裏箱3010内における前端の下部に取付けられており、左右に延びた両端が上方へ屈曲されたような形状に形成されている。裏球誘導ユニット3100は、略全体が透明に形成されている。裏球誘導ユニット3100は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、を備えている。
また、裏球誘導ユニット3100は、前ユニット6Aの表ユニット2000において、おける一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第二大入賞口2012、サブアウト口2021、に受入れられて遊技パネル1100Aの後方へ誘導された遊技球Bを受け取って、下方の本体枠4における基板ユニット700の球受口711aへ向かって排出させるものである。
この裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における一般入賞口2001等の入賞口やサブアウト口2021等に受入れられて遊技パネル1100Aの後方へ誘導された遊技球Bが受け渡される球受口3101を有している。球受口3101は、筒状又は樋状に前方へ突出しており、後ユニット6Bの前面に前ユニット6Aを取付けた状態で、前ユニット6A(表ユニット2000)から後方へ突出している樋状の誘導部2122が内部に挿入される(図198を参照)。
裏球誘導ユニット3100の球受口3101は、先端が装着ユニット1130における装着ベース1131の前面よりも前方へ突出している。従って、後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付ける際に、前ユニット6Aの誘導部2122を挿入することで、前ユニット6Aを後ユニット6Bの所定位置に案内することができる。
また、球受口3101に誘導部2122が挿入されると、誘導部2122の後端において、球受口3101の底部よりも誘導部2122の底部の方が高い段差が形成さる。この段差により、第一始動口2003等の入賞口に受入れられた遊技球Bが、誘導部2122から球受口3101に受け渡されて球受口3101の後方に設けられている後壁に遊技球Bが当接したり先行している遊技球Bに後発の遊技球Bが当接したりして上流側へ跳ね返っても、跳ね返った遊技球Bが段差に当接することで下流側へ跳ね返させることができ、入賞口へ逆流することを防止して、入賞口まで遊技球Bが戻ってしまうことを阻止することができる。従って、遊技球Bが一旦受入れられた(入賞した)のに逆流して入賞口まで戻ってしまい、入賞口から遊技球Bが見えることで遊技者に不信感を与えてしまうことを、回避させることができるため、遊技者に入賞口への遊技球Bの受入れを確実に楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[9-4.第二実施形態の遊技盤における本体枠への着脱及び前ユニットの交換]
次に、本実施形態の遊技盤5Aにおける本体枠4への着脱及び前ユニット6Aの交換について、図204乃至図206等を参照して詳細に説明する。図204は、図190に示す第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で示す正面図である。図205は、図204の状態から遊技盤の前ユニットを取外した状態で示す正面図である。図206(a)は第二実施形態の遊技盤を本体枠に取付けた状態で側面から模式的に示す説明図であり、(b)は(a)において前ユニットを取外した状態で示す説明図である。まず、遊技盤5Aにおける本体枠4への着脱について説明する。
遊技盤5Aは、前ユニット6A(第一前ユニット6A1)と後ユニット6Bとが互いに取付けられている状態で工場から出荷される。なお、遊技盤5Aは、当該遊技盤5Aのみを出荷する場合と、当該遊技盤5Aに加えて外枠2、扉枠3、及び本体枠4も一緒に、つまり、パチンコ機1全体を出荷する場合とがある。ここでは、遊技盤5Aのみを出荷する場合を説明する。
遊技盤5Aの出荷時点では、遊技盤5Aの第一前ユニット6Aの証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙の内容、後ユニット6Bに取付けられている主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容、及び周辺制御ユニット1500の管理シール貼付部1501に貼り付けられている管理シールの内容、は互いに関連している。
詳述すると、第一前ユニット6A1に貼り付けられている証紙には、パチンコ機等の遊技機の組合証、遊技盤の種類、メーカー名、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコードが記載されている。一方、後ユニット6Bの主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールには、製造業者記号、製造番号、及び二次元バーコード、が記載されている。証紙と管理シールの製造業者記号は同じであり、製造番号は同じ又は関連付けられているものである。なお、証紙と管理シールに記載されている二次元バーコードは、所定のバーコードリーダを使用することで、その内容(情報)を表示させることができる。従って、これら貼り付けられている証紙や管理シールの内容から、互いに関連しているものであるか否かが判別できる。
まず、遊技盤5A(パチンコ機1)を設置する遊技ホール側では、島設備に取付けられている対応するパチンコ機1の扉枠3を開いて、本体枠4に取付けられている遊技盤を取外した状態にする。遊技盤の取外しは、本体枠4の前面に取付けられている遊技盤ロック部材505をロック位置から解除位置へ回動させると共に、遊技盤に設けられているロック部材(遊技盤固定部材1134と同じような部材)をロック位置から解除位置へスライドさせる。この状態で、遊技盤の右辺側を手前に引いて斜めにし、遊技盤の左辺側を本体枠4の本体枠補強フレーム530から引き抜くように前方へ移動させることで、遊技盤を本体枠4から取外すことができる。
遊技盤5Aの本体枠4への取付けは、遊技盤5Aの遊技領域5aを前方へ向けた状態で、遊技盤5Aの左辺側が右辺側よりも後方へ位置するように斜めにした状態で、本体枠4の遊技盤挿入口501bに挿入すると共に、遊技盤5Aの下面を本体枠4の遊技盤載置部501cに載置しつつ、遊技盤5Aの左辺側を、コ字状の本体枠補強フレーム530内に挿入する。この際に、遊技盤5Aの左辺に設けられている位置決当接部1138が、本体枠4の左位置規制部材531の後に当接するように、遊技盤5Aを挿入する。
続いて、遊技盤5Aの右辺側を後方へ移動させて遊技盤挿入口501b内に挿入させる。これにより、遊技盤5Aのアウト凹部1123の一部が本体枠4の遊技盤規制部501dに挿入され、遊技盤5Aの左右方向及び後方向への移動が規制された状態となる。
この状態で、遊技盤5A(後ユニット6B)の盤固定部1133に設けられている遊技盤固定部材1134を、解除位置から右方のロック位置へスライドさせて、楔部1134aを本体枠4の遊技盤ロック溝501qに挿入させる(図201を参照)。また、本体枠4の遊技盤ロック部材505を、解除位置からロック位置へ回動させて、遊技盤5A(前ユニット6A)の遊技盤ロック溝1058に遊技盤ロック部材505の一部を挿入させる(図194を参照)。
これにより、遊技盤5Aが本体枠4に取付けられた状態となる(図204を参照)。この状態では、遊技盤5Aは、本体枠4に対して後方へ押し付けられている。
本体枠4に遊技盤5Aを取付けたら、本体枠4を外枠2に対して前方へ開き、遊技盤5Aの後側において、主制御ユニット1300(主制御基板1310)や周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)を、所定の配線ケーブルを使用して、本体枠4の基板ユニット700(基板ユニット620、基板ユニット620A)の払出制御ユニット620dの払出制御基板633やインターフェイスユニット620eのインターフェイス基板635等と、接続する。
その後、外枠2に対して本体枠4を閉じた上で、扉枠3を閉じることで、遊技盤5Aの取付けが完了する。扉枠3を閉じると、遊技盤5A(前ユニット6A)の前面から突出している第二接続金具1057の前接触部1057cが、扉枠3の金属板からなる扉枠補強ユニット110の後面に接触する。これにより、外レール1001からの静電気を、遊技ホール側のアースへ逃がすためのアース経路が構築される。
次に、遊技盤5Aが本体枠4に取付けられている状態での前ユニット6Aの交換について説明する。前ユニット6Aの交換として、第一前ユニット6A1から第二前ユニット6A2に交換する場合、工場から遊技盤交換セット(図示は省略)が出荷される。遊技盤交換セットは、第二前ユニット6A2、第二前ユニット6A2用の主制御ユニット1300、第二前ユニット6A2の周辺制御ユニット1500、等が同梱されている。
まず、遊技ホールの島設備において、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いて、本体枠4の前面を前方へ露出させる。なお、扉枠3を取外しても良い。そして、遊技盤5A(第一前ユニット6A1)の左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部1020において、ユニット固定部材1021を、ロック位置から解除位置へスライドさせる。
詳述すると、ユニット固定部1020において、第一前ユニット6A1(前ユニット6A)を後ユニット6Bに固定してロックしている状態では、図195(a)に示すように、ユニット固定部材1021がロック位置の状態となっており、ロック片1021bが挿通孔1020aに挿入されている後ユニット6Bのロック爪1135と係合している。これにより、第一前ユニット6A1の前方への移動が阻止され、取外不能な状態となっている。そして、ユニット固定部材1021を解除位置へ移動(スライド)させると、ロック片1021bがロック爪1135から遠ざかって、ロック爪1135と係合していない状態となる(図195(b)を参照)。
また、本体枠4に設けられている遊技盤ロック部材505を、ロック位置から解除位置へ回動させて、第一前ユニット6A1(前ユニット6A)の遊技盤ロック溝1058から遊技盤ロック部材505を取り除く。
この状態で、第一前ユニット6Aが後ユニット6Bに対して前方へ移動させることが可能となるため、第一前ユニット6Aを前方へ移動させて後ユニット6Bから取外す。この際に、第一前ユニット6Aの後面に設けられているユニット間コネクタ前1060が、後ユニット6Bの前面に設けられているユニット間コネクタ後1150から外れ、第一前ユニット6A1と後ユニット6Bとの間の電気信号等の電気的な接続が解除される。
また、第一前ユニット6A1を後ユニット6Bから取外して前方へ移動させると、第一前ユニット6A1の後面から突出している第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが、後ユニット6Bにおける装着ユニット1130の装着補強板金1132から離れ、第一接続金具1056と第二接続金具1057との電気的な接続が解除される。
第一前ユニット6Aを取外した状態では、遊技盤5Aの後ユニット6Bのみが本体枠4に取付けられている状態となる(図205を参照)。この状態の後ユニット6Bは、左辺側が上下二つの位置決当接部1138に当接している本体枠4の左位置規制部材531により移動が規制されていると共に、右辺側が上下二つの遊技盤固定部材1134の楔部1134aが挿入されている本体枠4の遊技盤ロック溝501qにより移動が規制されている。従って、後ユニット6Bが本体枠4から外れることはない。
また、後ユニット6Bは、その重心位置が、本体枠4に取付けられる装着ユニット1130よりも後方に位置している(図206を参照)。従って、何らかの理由により、遊技盤固定部材1134等による移動の規制が解除されても、後ユニット6Bが本体枠4の遊技盤挿入口501bから前方へ転倒するように外れることはない。これにより、前ユニット6Aの交換作業にかかる安全性を確保することができる。
なお、本実施形態では、遊技盤固定部材1134とユニット固定部材1021とを、別々に設けるものを示したが、例えば、後ユニット6Bの重心位置が十分後方に位置する等することにより、後ユニット6Bが前方へ転倒するように外れることがほぼないような構成にする場合は、遊技盤固定部材1134とユニット固定部材1021とを兼用させても良い。
第一前ユニット6A1を取外したら、第二前ユニット6A2を後ユニット6Bの前面に取付ける。第二前ユニット6A2の取付けは、その遊技領域5aを前方へ向けた状態で、左辺側を、後ユニット6Bの装着ユニット1130の前面と本体枠4の左位置規制部材531との間に挿入した後に、右辺側の後面を後ユニット6Bの前面に当接させる。この第二前ユニット6A2は、左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部材1021が解除位置の状態(矢印が「×」印を指している状態)となっている。
この際に、後ユニット6Bには、装着ベース1131の前面から前方へ突出している盤固定部1133を有しているため、盤固定部1133が盤固定部挿入溝1051に挿入されるようにすることで、後ユニット6Bに対して第二前ユニット6A2を大まかに位置合わせすることができる。そして、盤固定部1133の先端が盤固定部挿入溝1051にかかると、盤固定部1133をガイドとすることが可能となり、盤固定部1133に沿って第二前ユニット6A2を後方へ移動させる。
この第二前ユニット6A2の後方への移動に伴って、まず、前方への突出長さが長い第一位置決ボス1136aが対応する位置決孔1055に挿入され、続いて、第一位置決ボス1136aよりも短い第二位置決ボス1136bが対応する位置決孔1055に挿入される。これにより、第二前ユニット6A2が、後ユニット6Bに対して徐々に位置決めされた後に、完全に位置決めされる。
また、第二前ユニット6A2(前ユニット6A)では、始動口ユニット2100の誘導部2122が後方へ突出しており、誘導部2122が後ユニット6Bの裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100の球受口3101内に挿入されると共に、球受口3101によっても案内される。
また、第二前ユニット6A2が後ユニット6Bへ向かって後方へ移動すると、第二前ユニット6A2におけるアタッカユニット2400の後に設けられているユニット間コネクタ前1060が、後ユニット6Bにおける裏球誘導ユニット3100の前に設けられているユニット間コネクタ後1150に係合する。本実施形態では、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150にドロワコネクタを使用しており、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を介して、第二前ユニット6A2と後ユニット6Bとの間での電気信号等の電気的な接続が確実に行われる。
更に、第二前ユニット6A2が後方へ移動すると、第二前ユニット6A2の後面から突出している第一接続金具1056の後接触部1056aと第二接続金具1057の後接触部1057aが、後ユニット6Bの装着ユニット1130における装着ベース1131の開口部1137を通って、装着補強板金1132の前面に当接する。この際に、第一接続金具1056のバネ部1056bと第二接続金具1057の後バネ部1057bが弾性変形し、夫々の後接触部1056a及び後接触部1057aが装着補強板金1132を後方へ付勢している状態で接触する。
第一接続金具1056の後接触部1056a及び第二接続金具1057の後接触部1057aが装着補強板金1132に接触することで、互いに離れた位置に設けられている第一接続金具1056と第二接続金具1057とが電気的に接続された状態となる。
また、第二前ユニット6A2が後方の後ユニット6Bへ移動することにより、後ユニット6Bの装着ベース1131から前方へ突出しているロック爪1135が、第二前ユニット6A2のユニット固定部1020の挿通孔1020aに挿入される。そして、第二前ユニット6A2の後面を後ユニット6B(装着ユニット1130)の前面に当接させたら、第二前ユニット6A2における、左上隅、右上隅、及び右下隅、に設けられているユニット固定部1020の夫々に設けられているユニット固定部材1021を、解除位置からロック位置(ユニット固定部材1021の矢印が「〇」印を指す位置)へスライドさせる。
これにより、ユニット固定部材1021のロック片1021bが、挿通孔1020aに挿入されているにロック爪1135に係合され、第二前ユニット6Aが後ユニット6Bに対して取外不能な状態に固定される。この際に、ロック片1021bの先端に設けられている案内部1021cと、ロック爪1135の先端に設けられている案内部1135aと、によって、第二前ユニット6A2と後ユニット6Bとの間に隙間があっても、傾斜している案内部1021c及び案内部1135aの案内作用により、第二前ユニット6A2が後方へ案内され、第二前ユニット6A2の後面が後ユニット6Bの前面に確実に当接した状態となる。
そして、右下隅のユニット固定部1020の後方に、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を設けているため、上記のように、ユニット固定部材1021のロック位置への移動による後方への押圧によって、ユニット間コネクタ前1060を、ユニット間コネクタ後1150へ強く押圧することができ、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを十分に係合させることができる。
なお、本実施形態では、第二前ユニット6A2(前ユニット6A)における右下隅のユニット固定部1020に設けられているユニット固定部材1021の前面に証紙貼付部1012を設けていると共に、その証紙貼付部1012に証紙を貼り付けているため、作業者が当該ユニット固定部材1021をスライド操作する際に、証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が視界に入り、当該証紙に記載されている内容を確認させることができ、間違った第二前ユニット6A2が誤って取付けられてしまうことを回避させることができる。
また、ユニット固定部材1021による固定(ロック)と合わせて、本体枠4に設けられている遊技盤ロック部材505を解除位置からロック位置へ回動させて、遊技盤ロック部材505の一部を遊技盤ロック溝1058に挿入する。これにより、第二前ユニット6A2が、遊技盤ロック部材505によって後ユニット6Bに押し付けられた状態となり、第二前ユニット6A2が後ユニット6Bに取付けられた状態となる。
このようにして、第二前ユニット6A2を後ユニット6Bに取付けることができ、第一前ユニット6A1から第二前ユニット6A2への交換作業が完了する。なお、第二前ユニット6A2を交換しただけでは、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500が対応していないため、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500も交換する。
続いて、主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500の交換は、まず、本体枠4を外枠2に対して前方へ開き、主制御ユニット1300(主制御基板1310)や周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)に接続されている配線を取外す。そして、主制御ユニット1300の係止片1321を操作して、基板ホルダ1200との係止を解除し、主制御ユニット1300を基板ホルダ1200から取外す。
また、周辺制御ユニット1500では、演出表示装置1600の後側の着脱ロック部材1622をロック位置から解除位置へスライドさせて、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522から着脱ロック部材1622の突部1622aを抜く。そして、周辺制御ユニット1500の取付凹部1522側を後方へ移動させて、斜めにしながら、取付凹部1522とは反対側の取付片1521を取付係止部1621bから抜いて、周辺制御ユニット1500を取外す。
この取外しの際に、周辺制御ユニット1500を後方へ移動させることにより、周辺側接続コネクタ1514が表示側接続コネクタ1625から外れ、周辺制御基板1510と接続中継基板1624との接続が解除される。また、周辺制御基板1510のグランド接続部1513が、グランド金具1623から離れ、周辺制御基板1510のGND(グランド)とシールド板金1620との接続が解除される。
主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を取外したら、遊技盤交換セットに同梱されている主制御ユニット1300を基板ホルダ1200に取付けると共に、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の後面に取付ける。これらの取付けは、上記とは逆の手順により行う。また、主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を取付ける際には、それらの管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容、及び管理シール貼付部1501に貼り付けられている管理シールの内容を確認して、間違えのないように取付ける。
主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500を交換したら、先に取外した配線を夫々の所定のコネクタに接続する。これにより、遊技盤5Aの後側での交換作業が完了する。
その後、外枠2に対して本体枠4を閉じると共に、扉枠3を閉じる。この扉枠3を閉じると、後ユニット6Bを介して本体枠4に取付けられている第二前ユニット6A2の、前方へ突出している第二接続金具1057の前接触部1057cが、扉枠3の扉枠補強ユニット110に接触する。この際に、第二接続金具1057の前バネ部1057dが弾性変形し、前接触部1057cが扉枠補強ユニット110に付勢された(押し付けられた)状態となる。これにより、第二前ユニット6A2における外レール1001が、第一接続金具1056、装着補強板金1132、第二接続金具1057、及び扉枠補強ユニット110、を介して遊技ホール側のアースと電気的に接続された状態となり、外レール1001からの静電気を逃がすためのアース経路が構築される。
このようにして、遊技ホール側での遊技盤交換セットによる交換作業が完了し、遊技盤5Aの全体を交換することなく、第一前ユニット6A1とは異なる第二前ユニット6A2による遊技を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記では、後ユニット6Bにおいて、主制御ユニット1300と一緒に周辺制御ユニット1500も交換する例を示したが、周辺制御ユニット1500は交換せずに主制御ユニット1300のみを交換するようにしても良い。周辺制御ユニット1500を交換しない場合としては、例えば、演出内容を変更しない場合、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510に遊技仕様(主制御ユニット1300)に応じた複数の演出内容が予め記憶されている場合、周辺制御ユニット1500に遊技仕様に応じた切替スイッチが設けられている場合、等が挙げられる。
[9-5.第二実施形態の遊技盤の変形例1]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの変形例1について説明する。上記の実施形態では、遊技盤5Aと本体枠4との間の電気信号等の遣り取りを、両端にコネクタが設けられている配線ケーブルを使用するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図207及び図208に示すような、コネクタ同士による直接的な接続としても良い。図207は第二実施形態の遊技盤の変形例1であり、(a1)は遊技盤を本体枠に取付けた状態で遊技盤の右下隅を正面から模式的に示す説明図であり、(a2)は(a1)を側面から示す説明図であり、(b1)は本体枠から取外した状態の遊技盤の右下隅を正面から模式的に示す説明図であり、(b2)は遊技盤を本体枠が取外した状態で遊技盤と共に側面から模式的に示す説明図である。図208(a)は図207(a1)を平面視で示す説明図であり、(b)は図207(b2)を平面視で示す説明図である。
詳述すると、本体枠4には、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に設けられているコネクタ支持部506と、コネクタ支持部506の前面に取付けられている本体枠側接続コネクタ507と、が設けられている。本体枠側接続コネクタ507は、払出制御基板633と接続されている第一本体枠側接続コネクタ507aと、インターフェイス基板635を介して扉枠副中継基板105と接続されている第二本体枠側接続コネクタ507bと、を有している。第一本体枠側接続コネクタ507aと第二本体枠側接続コネクタ507bは、左右方向に列設されている。
コネクタ支持部506は、正面視において、遊技盤挿入口501bの右下隅に設けられている。コネクタ支持部506の前面は、左端よりも右端が後方へ位置するように傾斜している。本体枠側接続コネクタ507は、コネクタ支持部506の前面に対して垂直に突出するように、取付けられている。
また、本体枠4は、遊技盤載置部501cにおけるコネクタ支持部506の前方の部位で下方へ凹んでいる遊技盤固定溝508を備えている。この遊技盤固定溝508には、遊技盤5Aの固定操作部1145の一部が挿入される。遊技盤固定溝508は、前側の壁(前壁)が、上端よりも下端の方が後方へ位置するように傾斜している。これにより、固定操作部1145を回転操作してその先端を下方へ挿入させる程、傾斜している前壁により固定操作部1145を介して遊技盤5Aを後方へ押圧することができ、遊技盤側接続コネクタ1142を本体枠側接続コネクタ507に対して奥までしっかり係合させることができる。
一方、遊技盤5Aには、正面視における右下隅において、後ユニット6Bの装着ユニット1130の後面から後方へ突出している取付座部1140と、取付座部1140の後面に取付けられているコネクタ基板1141と、コネクタ基板1141の後面に取付けられている遊技盤側接続コネクタ1142と、が設けられている。取付座部1140は、遊技盤5Aを本体枠4に取付けた状態で、本体枠4のコネクタ支持部506の前方に位置し、その後面が本体枠4のコネクタ支持部506の前面と平行になるように、左端よりも右端が後方に位置するように傾斜している(図208(a)を参照)。
コネクタ基板1141は、左右に長く形成されており、取付座部1140の後面に取付けられている。遊技盤側接続コネクタ1142は、コネクタ基板1141の基板面に対して垂直に突出するようにコネクタ基板1141の後面に取付けられている。
遊技盤側接続コネクタ1142は、主制御基板1310と接続されている第一遊技盤側接続コネクタ1142aと、周辺制御基板1510と接続されている第二遊技盤側接続コネクタ1142bと、を有している。第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bは、左右方向に列設されている。第一遊技盤側接続コネクタ1142aは、第一本体枠側接続コネクタ507aと係合されると共に、第二遊技盤側接続コネクタ1142bは、第二本体枠側接続コネクタ507bに係合される。
また、遊技盤5Aは、取付座部1140の前方で前面から凹んでいると共に下方へ開放されている凹部1144と、凹部1144に回動可能に設けられている固定操作部1145と、を備えている。固定操作部1145は、半円盤状に形成されており、前後方向へ延びている回動軸が正面視において第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとの間に位置している。この固定操作部1145は、全体が遊技盤5Aの下端よりも上方に位置している解除位置(図207(b1)を参照)と、一部が遊技盤5Aの下端よりも下方へ突出しているロック位置(図207(a1)を参照)と、の間で回動可能に設けられている。
この変形例1における本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142に使用するコネクタの種類としては、ドロワコネクタ、基板間コネクタ(基板対基板コネクタ)、等が挙げられる。
この変形例1では、本体枠4に遊技盤5Aが取付けられている状態では、本体枠4のコネクタ支持部506と遊技盤5Aの取付座部1140(コネクタ基板1141)とが、互いに対向しており、第一本体枠側接続コネクタ507aと第一遊技盤側接続コネクタ1142aとが係合していると共に、第二本体枠側接続コネクタ507bと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとが係合している。これにより、第一本体枠側接続コネクタ507a及び第一遊技盤側接続コネクタ1142aを介して、払出制御基板633と主制御基板1310とが接続されている。また、第二本体枠側接続コネクタ507b及び第二遊技盤側接続コネクタ1142bを介して、インターフェイス基板635(扉枠副中継基板105)と周辺制御基板1510とが接続されている。
この状態では、本体枠4のコネクタ支持部506の前面と、遊技盤5Aの取付座部1140の後面とが、互いに平行な状態となっており、夫々の左端よりも右端が後方に位置するように傾斜している。従って、コネクタ支持部506の前面や取付座部1140の後面と垂直な、本体枠側接続コネクタ507と遊技盤側接続コネクタ1142との係合方向は、前方へ向かうに従って右方へ位置するように傾斜している。
また、この状態では、固定操作部1145がロック位置の状態となっており、固定操作部1145の一部が本体枠4の遊技盤固定溝508に挿入(嵌入)されていると共に、固定操作部1145により遊技盤5Aが後方へ押圧されている。この固定操作部1145は、正面視において第一遊技盤側接続コネクタ1142aと第二遊技盤側接続コネクタ1142bとの間に設けられているため、固定操作部1145からの後方への押圧力が、第一遊技盤側接続コネクタ1142a及び第二遊技盤側接続コネクタ1142bに対して均等に作用している。この押圧力により遊技盤側接続コネクタ1142は、本体枠側接続コネクタ507に対して、奥までしっかり係合されている。
次に、本体枠4から遊技盤5Aを取外す場合は、固定操作部1145をロック位置から解除位置へ回動させ、固定操作部1145の一部を遊技盤固定溝508から抜くと共に、固定操作部1145の全体を遊技盤5Aの下端よりも上方へ位置させる。そして、上述したように、遊技盤5Aの右辺側を手前に引いて、左辺側が中心軸となるように回動させて斜めにし、遊技盤の左辺側を本体枠4の本体枠補強フレーム530から引き抜くように前方へ移動させて本体枠4から取外す。
この際に、本体枠側接続コネクタ507と遊技盤側接続コネクタ1142との係合方向が、前方へ向かうに従って右方へ位置するように傾斜しているため、遊技盤側接続コネクタ1142が係合方向に近い方向へ移動することとなる。これにより、遊技盤側接続コネクタ1142が本体枠側接続コネクタ507からスムーズに抜ける(外れる)。
一方、本体枠4に遊技盤5Aを取付ける場合は、上記とは逆の手順を実施することにより、遊技盤5Aを本体枠4に取付けることができると共に、本体枠側接続コネクタ507に対して遊技盤側接続コネクタ1142を良好な状態で係合させることができる。
このように、本変形例1によれば、本体枠4に遊技盤5Aを取付けるだけで、本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142が互いに係合して、本体枠4と遊技盤5Aとの間の電気信号等の配線接続を自動的に行うことができる。従って、遊技盤5Aの着脱の際に、作業者が配線ケーブルのコネクタの抜き差しを行う必要がなく、交換作業にかかる手間を少なくすることができると共に、配線ケーブルの断線や接続間違い等の不具合の発生をなくすことができる。
また、本変形例1によれば、本体枠4に遊技盤5Aを取付けると、本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142によって本体枠4と遊技盤5Aとの電気的な接続が自動的に行われ、本体枠4から遊技盤5Aを取外すと、本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142によって本体枠4と遊技盤5Aとの電気的な接続が自動的に解除され、本体枠4に対する遊技盤5Aの取付け取外し作業を容易なものとすることができる。この際に、本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142の前方に遊技盤5Aを本体枠4に取付けるための盤固定部1133を設けているため、盤固定部1133による固定によって遊技盤5Aを本体枠4へ押圧させることが可能となり、本体枠側接続コネクタ507と遊技盤側接続コネクタ1142との接続を確実なものとすることができる。
また、本変形例1によれば、本体枠4と遊技盤5Aとを本体枠側接続コネクタ507及び遊技盤側接続コネクタ1142により電気的に接続しているため、本体枠4と遊技盤5Aとの間で配線ケーブルが延びておらず、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、本体枠4と遊技盤5Aとの間において断線の恐れがなく、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
なお、例えば、本体枠側接続コネクタ507と遊技盤側接続コネクタ1142とを、ドロワコネクタとすれば、細かい位置決めを気にすることなく接続が可能であり、交換作業の作業性を高めることができる。
[9-6.第二実施形態の遊技盤の変形例2]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの変形例2について、図209等を参照して説明する。図209は第二実施形態の遊技盤の変形例2であり、(a)は可動する証紙貼付補助部材を設けた前ユニットを後ユニット及び本体枠と共に側面から模式的に示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態の可動する証紙貼付補助部材を設けた前ユニットを後ユニット及び本体枠と共に側面から模式的に示す説明図である。上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aにおいて、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021の前面に証紙貼付部1012を設けた構成を示したが、これに限定するものではなく、図209に示すような構成としても良い。
変形例2は、遊技盤5Aの前ユニット6Aに、前面から凹んでいる収容凹部1065と、収容凹部1065に収容可能に設けられており一端側が回転可能に軸支されている証紙貼付補助部材1066と、備えている。この証紙貼付補助部材1066には、収容凹部1065に収容した時に、前後方向を向く面に証紙貼付部1012が設けられている。
図209(a)の例は、証紙貼付補助部材1066を平板状とし、その回転軸を前ユニット6Aの前端付近に設けたものである。また、図209(b)の例は、証紙貼付補助部材1066を側面視においてL字状に形成し、その回転軸を前ユニット6Aの後端付近に設けたものである。
この証紙貼付補助部材1066は、収容凹部1065に収容していない状態で、少なくとも一部が前ユニット6Aの正面投影範囲よりも外方へ突出するように設けられている。従って、その状態で、前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている後ユニット6Bの前面に取付けようとすると、証紙貼付補助部材1066が本体枠4に当接する。これにより、前ユニット6Aの交換作業を行う作業者に対して、証紙貼付補助部材1066の存在に気付かせることができると共に、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙を視認させることができる。従って、証紙に記載されている内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aが取付けられてしまうことを回避させることができる。
なお、図209(a)の変形例のように、本体枠4に取付けられている後ユニット6Bに前ユニット6Aを取付けている状態でも、証紙貼付補助部材1066をさせることができるような場合には、収容凹部1065の底部に、前ユニット6Aを後ユニット6Bに取付けるためのユニット固定部1020(ユニット固定部材1021)を設けるようにしても良い。これにより、ユニット固定部材1021を操作するためには、必ず証紙貼付補助部材1066を回転させる必要があり、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙を視認させて、証紙に記載されている内容を確認させることができ、上記と同様の作用効果をより一層発揮させることができる。
また、証紙貼付補助部材1066を、透明な部材により形成しても良い。これにより、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙の裏側を見ることができ、裏側からでも証紙の色を確認することができると共に、証紙に対する不正な痕跡を発見し易くすることができる。詳述すると、例えば、証紙に着色してその色により遊技盤5Aを区別できるようにすれば、証紙を表側から見なくても当該証紙が貼り付けられている前ユニット6Aが、正しいものであるか否かを判別することができる。
[9-7.第二実施形態の遊技盤のその他の変形例]
次に、第二実施形態の遊技盤5Aの上記とは異なるその他の変形例について説明する。まず、上記の実施形態では、ユニット固定部材1021や証紙貼付補助部材1066のように可動する部材に証紙貼付部1012を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、前ユニット6Aにおける可動しない部位に証紙貼付部1012を設けても良い。
この場合、証紙貼付部1012は、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに固定するためのユニット固定部1020に隣接して設けることが望ましい。これにより、前ユニット6Aの交換作業において、ユニット固定部1020のユニット固定部材1021を操作する際に、隣接して設けられている証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入ることとなり、当該証紙の記載内容を確認させることができ、間違った前ユニット6Aが取付けられてしまうことを防止することができる。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとが組であることを判別する手段(組判別手段)として、前ユニット6Aに貼り付けられている証紙と、後ユニット6Bの主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シールと、に夫々記載されている内容により判別するものを示したが、これに限定するものではなく、以下のような構成としても良い。他の判別手段の構成としては、例えば、前ユニット6Aに貼り付けられているスペックールと、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500に貼り付けられている管理シール又は管理シールとは別のシールと、を使用して判別するようにしても良い。或いは、組判別手段を、上記のような証紙、スペックシール、管理シール、とは別の専用シールとしても良い。また、組判別手段としては、色彩、模様、絵柄、バーコードや二次元バーコード、等を使用しても良い。
更に、上記の実施形態では、第二前ユニット6A2において、障害釘Nの配置や表ユニット2000が、第一前ユニット6A1と異なる構成のものを示したが、これに限定するものではなく、第一前ユニット6A1と同じ構成にしても良い。この場合、表ユニット2000の意匠部(例えば、サイドユニット2200、センター役物2500、等)の形状や色彩、スペックシールの形状や色彩、等を異ならせるようにして、第一前ユニット6A1と第二前ユニット6A2との遊技仕様の違いが目立つようにすることが望ましい。このような構成にすると、意匠部の形状や色彩、スペックシールの形状や色彩、等が、主制御ユニット1300や周辺制御ユニット1500と組であることを示す「組判別手段」として機能する。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに固定するためのユニット固定部材1021として、ロック位置と解除位置との間でスライドするものを示したが、これに限定するものではなく、ロック位置と解除位置との間で回転するものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、本体枠4に遊技盤5Aの後ユニット6Bを取付けるための遊技盤固定部材1134を、後ユニット6Bに設けたものを示したが、これに限定するものではなく、本体枠4に設けても良い。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aと後ユニット6Bとを、ドロワコネクタからなるユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とで、直接接続するものを示したが、これに限定するものではなく、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用して、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するようにしても良い。この場合、比較的高価なドロワコネクタを使用しないため、コストダウンになる。
また、上記の実施形態では、前ユニット6Aのユニット間コネクタ前1060を、アタッカユニット2400の後面に設けるものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ前1060を、パネル板1110、パネルホルダ1120A、始動口ユニット2100、第二アタッカユニット2450、センター役物2500、等の後面に設けるようにしても良い。ユニット間コネクタ前1060を、パネルホルダ1120Aの後面に設ける場合、その殆どが遊技領域5aよりも外側に位置しているパネルホルダ1120Aによって、ユニット間コネクタ前1060や、ユニット間コネクタ前1060と電気部品との間の配線を、前方から見え難くすることができ、見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
更に、上記の実施形態では、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150を、裏ユニット3000の前面に設けるものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ後1150を、装着ユニット1130の前面に設けるようにしても良いし、装着ユニット1130にユニット間コネクタ後1150が前方へ臨む開口又は切欠きを設けた上で裏箱3010の固定片部3010eの前面に設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aにおいて、前ユニット6Aに設けられている第二始動口センサ2101や始動口ソレノイド2412のような電気部品からの配線をユニット間コネクタ前1060に集約すると共に、後ユニット6Bに設けられている主制御基板1310や周辺制御基板1510から前ユニット6A側へ延びる配線をユニット間コネクタ後1150に集約し、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを接続することにより前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット間コネクタ前1060及びユニット間コネクタ後1150を使用せずに、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを電気的に接続するようにしても良い。具体的には、例えば、前ユニット6Aの電気部品に設けられているコネクタと、後ユニット6Bの主制御基板1310や周辺制御基板1510や中継基板等に設けられているコネクタとを、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用して、夫々を接続するようにしても良い。この場合、後ユニット6Bにおいて、装着ユニット1130や裏ユニット3000の裏箱3010に、配線ケーブルが通過する貫通孔又は切欠部を、設けることが望ましい。このような構成とする場合、前ユニット6Aを交換する際に、配線ケーブルの両端の接続コネクタを、前ユニット6Aのコネクタからのみ外して配線ケーブルを流用するようにしても良いし、後ユニット6Bのコネクタからのみ外して配線ケーブル毎交換するようにしても良い。これにより、比較的高価なドロワコネクタを使用する必要がなく、遊技盤5Aにかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、上記のように、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続を、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用する場合、前ユニット6Aや後ユニット6Bに設けられるコネクタの向きを側方(例えば、右方)へ向けても良いし、後ユニット6Bに設けられるコネクタの向きを後方へ向けても良い。
また、上記のように、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続を、両端に接続コネクタを有する配線ケーブルを使用する場合、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間では、多くの配線ケーブルが延びることとなるため、それら配線ケーブルを纏める(束ねる)配線纒手段(例えば、スパイラルチューブ、結束バンド、ハーネス押え、等)を設けることが望ましい。これにより、バラバラな配線ケーブルが邪魔になったり他の部材に引っ掛かって断線したりすることはない。
また、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの電気的な接続としては、例えば、前ユニット6Aのパネルホルダ1120Aの後面にユニット間コネクタ前1060を設けると共に、後ユニット6Bの装着ユニット1130及び裏箱3010の固定片部3010eに、ユニット間コネクタ前1060が後方へ突出する貫通孔又は切欠部を設けるようにし、固定片部3010eの後面から後方へ突出しているユニット間コネクタ前1060に、ユニット間コネクタ後1150、又は、主制御基板1310や周辺制御基板1510等から延出している配線ケーブルの先端の接続コネクタ、を接続するような構成としても良い。
更に、上記の実施形態では、遊技盤5Aにおける後ユニット6Bにおいて、装着ユニット1130を裏ユニット3000とは別に構成するものを示したが、これに限定するものではなく、装着ユニット1130を裏ユニット3000の一部となるように構成しても良い。具体的には、例えば、裏ユニット3000の裏箱3010において、前端から外方へ延出しているフランジ状の固定片部3010eを、本体枠4の遊技盤挿入口501bに装着可能な大きさ及び形状に形成すると共に、その前面又は後面に補強板金を設ける構成とする。そして、裏箱3010の固定片部3010eに、装着ユニット1130と同様に、盤固定部1133、遊技盤固定部材1134、ロック爪1135、位置決ボス1136、位置決当接部1138、及び切欠部1139の構成を設けると共に、機能表示ユニット1400を取付けるようにする。これにより、装着ユニット1130を別途に設ける必要がなく、遊技盤5Aにかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、遊技盤5Aの前ユニット6Aに、第二始動口センサ2101、始動口ソレノイド2412、アタッカ装飾基板(LEDやLEDドライバ)、のような電気部品を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、前ユニット6Aに対して電気部品を設けない構成としても良い。具体的には、例えば、アタッカユニット2400のような入賞口を開閉する入賞口扉を有する入賞口ユニットの場合、入賞口ユニット全体を後ユニット6Bに設けると共に、遊技パネル1100A(パネル板1110)に入賞口ユニットが後方から挿入される開口部を設けて、入賞口及び入賞口扉の部位をパネル板1110の前面よりも前方へ突出させるような構成としても良い。或いは、前ユニット6Aには、入賞口と入賞口を開閉するための入賞口扉を設けると共に、後ユニット6Bには、入賞口に受入れられた遊技球Bを検知するためのセンサと、入賞口扉を開閉させるためのアクチュエータ(例えば、ソレノイド、モータ)を設けて、アクチュエータからの駆動を入賞口扉に伝達させるような構成としても良い。換言すると、第二始動口センサ2401、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、大入賞口センサ2402等の電気部品を、後ユニット6Bに設けるようにして、前ユニット6Aを後ユニット6Bに組付けた時に、第二始動口2004や大入賞口2005の球通路や開閉機構部と連結するようにしても良い。
また、上記のように、前ユニット6Aに電気部品を設けない場合のゲート2010としては、ゲートセンサ2011を後ユニット6Bに設けると共に、前ユニット6Aのゲート部材2630を後方へ開放されているように設けて、ゲート部材2630に対してゲートセンサ2011が後方から挿入される構成としても良い。或いは、ゲート2010を、第一実施形態の遊技盤5における第二案内通路2522のように、遊技パネル1100Aの前面から一旦後方へ誘導した後に遊技パネル1100Aの前面へ戻すような通路状のゲート通路とすると共に、当該ゲート通路を前ユニット6A側と後ユニット6B側の二つに分割して、ゲート通路の後ユニット6B側にゲートセンサ2011を設ける構成としても良い。
更に、上記のように、前ユニット6Aに電気部品を設けない場合、以下のような構成が挙げられる。例えば、後ユニット6Bにおいて前ユニット6Aにおける発光装飾させたい部位の後方の位置に前方へ光を照射するLEDのような発光手段を設ける構成としても良い。また、前ユニット6Aに後方からの光により特定部位が発光装飾される導光手段を設けると共に、後ユニット6Bに導光手段へ光を照射するLEDのような発光手段を設ける構成としても良い。このように、前ユニット6Aに電気部品を設けない構成とすることにより、前ユニット6Aにかかるコストの増加を抑制させることが可能となる。
また、上記の実施形態では、装着補強板金1132として枠状に形成されているものを示したが、これに限定するものではなく、コ字状に形成されているもの、L字状に形成されているもの、帯板状に形成されているもの、複数の金属板から構成されているもの、等としても良い。
また、上記の実施形態では、外レール1001と装着補強板金1132との電気的な接続や、装着補強板金1132と扉枠3の扉枠補強ユニット110との電気的な接続として、第一接続金具1056や第二接続金具1057の接触により接続するものを示したが、これに限定するものではなく、双方に設けられている接続コネクタ同士が直接接続(接合)されることにより電気的に接続されるようにしても良いし、双方に設けられている接続コネクタ同士を両端に接続コネクタが設けられている配線ケーブルにより電気的に接続されるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、装着補強板金1132のアース経路として、遊技パネル1100Aを貫通して前方の扉枠3へ接続されるものを示したが、これに限定するものではなく、遊技パネル1100Aを貫通して本体枠4へ接続されるようにしても良いし、遊技パネル1100Aの側面を迂回して前方の扉枠3又は本体枠4へ接続されるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、周辺制御基板1510のグランド接続部1513と、演出表示装置1600のシールド板金1620とを板バネ状のグランド金具1623により電気的に接続するものを示したが、これに限定するものではなく、導電性樹脂により形成されている板バネ、金属や導電性樹脂により形成されているコイルバネ、導電性の発泡体、導電性のスポンジ、等を使用して電気的に接続するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、周辺制御基板1510にグランドと接続されているグランド接続部1513を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、周辺制御基板ボックス1520の外側面に周辺制御基板1510のグランドと接続されている金属板を設け、その金属板にグランド金具1623を接触させるようにしても良い。
[9-8.第二実施形態の遊技盤の作用効果]
第二実施形態の遊技盤5Aによれば、複数の障害釘Nと複数の一般入賞口2001や第一始動口2003のような入賞口と遊技パネル1100Aと証紙(証紙貼付部1012)とが設けられている機能部としての前ユニット6Aを、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aから交換可能に設けているため、遊技ホールの島設備に取付けられているパチンコ機1の遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、本体枠4から遊技盤5A全体を取外さなくても、前ユニット6Aのみを取外すことができる。そして、予め用意した遊技仕様や機種の異なる前ユニット6Aと交換することで、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を行うことができ、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、遊技ホールにおいて機能部としての前ユニット6Aを交換することで、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機1(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおけるユニット固定部材1021の前面に証紙が貼り付けられている証紙貼付部1012を設けるようにしているため、前ユニット6Aを交換するために作業者がユニット固定部材1021を操作しようとユニット固定部材1021に視線を向けると、証紙貼付部1012に設けられている証紙が視界に入り、証紙を見落とすことはない。従って、前ユニット6Aに設けられている証紙の内容を確実に確認させることができ、間違った前ユニットや不正な前ユニットに交換してしまうことを防止することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおいて、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aからの交換の際に操作されるユニット固定部材1021に隣接して、証紙が貼り付けられている証紙貼付補助部材1066を移動可能に設けているため、証紙貼付補助部材1066が遊技盤5Aの外方へ移動しているままの状態で、当該前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている遊技盤5Aの残りの部位(後ユニット6B)に取付けようとすると、外方へ移動している証紙貼付補助部材1066が取付けの邪魔をしたり、取付けることができたとしても本体枠4に対して前方から扉枠3を閉めようとすると前方へ移動している証紙貼付補助部材1066により扉枠3を閉めることをできなくしたり、することが可能となる。従って、交換する前ユニット6Aを本体枠4に取付けられている後ユニット6Bに取付ける際に、証紙貼付補助部材1066を移動させて収容凹部1065に収容させるようにすることができる。この証紙貼付補助部材1066を移動させる際に、証紙貼付補助部材1066の証紙貼付部1012に貼り付けられている証紙が作業者の視界に入ることとなり、証紙の内容を確実に確認させることができ、当該証紙に記載されている内容により本体枠4に取付けられている後ユニット6Bとの整合性を確認(照合)することができると共に、間違った前ユニットや不正な前ユニットが取付けられてしまうことを回避させることができる。
更に、機能部としての前ユニット6Aにゲートセンサ2011や始動口ソレノイド2412、LEDが実装されている装飾基板のような電気部品を有するようにする場合、前ユニット6Aに電気部品を有しないようにする場合と比較して、後ユニット6Bに設けたソレノイドのようなアクチュエータからの駆動を伝達させるための機構や、後ユニット6Bに設けたLEDからの光を導光するための機構、等の余分な機構を前ユニット6Aに設ける必要がないため、前ユニット6Aにかかるコストの増加を抑制させることができ、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを抑制させることができる。
また、前ユニット6Aに電気部品を有するようにする場合、上述したように、機能部としての前ユニット6Aに、後ユニット6Bに設けたソレノイドのようなアクチュエータからの駆動を伝達させるための機構や、後ユニット6Bに設けたLEDからの光を導光するための機構、等の余分な機構を設ける必要がないため、当該機構が設けられていることで後ユニット6Bに対する前ユニット6Aの取付けや取り外しが複雑になることはなく、前ユニット6Aの取付け取外しを簡単なものとすることができ、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、機能部としての前ユニット6Aにゲートセンサ2011や始動口ソレノイド2412、LEDが実装されている装飾基板のような電気部品を有するようにしているため、交換前の前ユニット6Aとは、入賞口(開閉する入賞口)や発光装飾の異なる前ユニット6Aとすることが可能となり、外観を大きく変更させることが可能となるため、単なる遊技仕様の変更にとどまらず、より遊技者に対する訴求力を高められる変更を行うことができ、前ユニット6Aの交換にかかるコスト以上の効果を期待することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aにおける電気部品からの配線を纏めてユニット間コネクタ前1060により、後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150へ接続するようにしているため、前ユニット6Aを交換する際に、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して外したり付けたりするだけで、電気的な接続を外したり付けたりすることができ、前ユニット6Aの交換作業を容易なものとすることができる。
また、ユニット間コネクタ前1060とユニット間コネクタ後1150とを、直接接続させようにしていることから、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間で配線ケーブルが延びていないため、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間において断線の恐れがなく、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
また、機能部としての前ユニット6Aは、ドライバのような工具を使用しなくても交換できるようにしているため、遊技ホール側において工具を用意しなくても容易に前ユニット6Aの交換作業を行うことができ、遊技ホールの係員でも容易に交換作業を行うことができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aにおいて、複数の障害釘Nと一般入賞口2001や第一始動口2003のような複数の入賞口とが設けられている遊技パネル1100Aを、遊技盤5Aから分離可能に設けているため、例えば、遊技ホールの島設備に取付けられている本体枠4に装着されている遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、本体枠4から遊技盤5A全体を取外さなくても、遊技パネル1100A(前ユニット6A)のみを取外すことができる。そして、予め用意した遊技仕様や機種の異なる遊技パネル1100A(前ユニット6A)と交換することで、遊技ホールにおいて遊技仕様や機種の変更を行うことができ、遊技仕様や機種の変更を容易に行うことが可能なパチンコ機1を提供することができる。この際に、遊技パネル1100Aにおける左右方向中央を境にして本体枠4の軸芯から遠い側で、左右方向中央よりも右側を特定領域として第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品を設けているため、当該電気部品と接続されているユニット間コネクタ前1060を介して遊技盤の残りの部位(後ユニット6B)のユニット間コネクタ後1150と接続することで、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の際に、後ユニット6Bとの電気的な接続にかかる作業を遊技パネル1100A(前ユニット6A)のあちこちにおいて行う必要がなく、右下隅の特定領域内で効率良く作業することができ、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業を容易にすることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本体枠4に遊技盤5Aを装着している状態でヒンジ回転させて遊技ホールの島設備から本体枠4を開くと、本体枠4の自由端側の近くに遊技パネル1100A(前ユニット6A)の特定領域が位置しているため、特定領域に設けられている第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品と、後ユニット6Bとの電気的な接続に対する接続作業や解除作業を行い易いものとすることができる。詳述すると、本実施形態では、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品と接続されているユニット間コネクタ前1060を、後ユニット6Bに設けられているユニット間コネクタ後1150に対して直接接続させるようにしている。そして、本体枠4に装着されている遊技盤5Aから遊技パネル1100A(前ユニット6A)を取外す際に、本体枠4がヒンジ回転することから、その軸芯側は島設備や扉枠3等により作業スペースが狭いため、遊技パネル1100Aも本体枠4の軸芯に近い側(左端側)を軸芯として回転させながら斜めにして取付作業や取外作業を行う方が楽である。この際に、遊技パネル1100A(前ユニット6A)が後ユニット6Bに対して斜めの状態になるが、軸芯から遠い位置に直接接続されるユニット間コネクタ前1060を設けているため、当該ユニット間コネクタ前1060の移動方向の傾きが、当該ユニット間コネクタ前1060の本来の抜き差し方向(ここでは前後方向)に対して僅かとなり、遊技パネル1100A(前ユニット6A)のユニット間コネクタ前1060と後ユニット6Bのユニット間コネクタ後1150との接続や解除をスムーズにすることができる。このようなことから、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の際に、後ユニット6Bとの電気的な接続にかかる作業が容易であるため、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業を容易にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技パネル1100A(前ユニット6A)に配線纒手段としてのユニット間コネクタ前1060を有するようにしているため、遊技パネル1100Aの取付作業や取外作業の際に、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品からの配線ケーブルがバラバラになることはなく、バラバラになった配線ケーブルが他の部材に引っ掛かることで作業を邪魔してしまうことを回避させることができ、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の取付作業や取外作業の行い易い遊技機を提供することができる。
更に、上述したように、配線纒手段としてのユニット間コネクタ前1060により配線ケーブルを他の部材に引っ掛かり難くすることができるため、遊技パネル1100A(前ユニット6A)と後ユニット6Bとの間の電気的な接続において断線の恐れをなくすことができ、電気的な接続での不具合の発生を防止することができる。
また、遊技パネル1100A(前ユニット6A)の特定領域に、第二始動口センサ2401や大入賞口センサ2402等の電気部品を設けているため、遊技パネル1100Aとして透明な部材を使用する場合、電気部品から延出している配線ケーブルを隠すための構成(工夫)をある程度の範囲に纏めることが可能となり、コストの増加を抑制させることができると共に、配線ケーブルを隠すための構成が遊技パネル1100Aを透明にするメリットを阻害し難くすることができ、意図した効果を発揮させて遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aにおける表示ユニットとしての演出表示装置1600に、これまでのパチンコ機では設けられていなかった接続中継基板1624を新たに設けると共に、接続中継基板1624に周辺制御ユニット1500の周辺側接続コネクタ1514と接続される表示側接続コネクタ1625を設けている。そして、接続中継基板1624に、演出表示装置1600から延出しているFPC1626が接続されるFPC接続コネクタ1624aを設け、演出表示装置1600と接続中継基板1624とはFPC1626で接続し、FPC接続コネクタ1624aと表示側接続コネクタ1625とを接続中継基板1624の配線回路により繋ぐことで、周辺制御基板1510側との接続をFPC接続コネクタ1624aではなく、表示側接続コネクタ1625により行わせることができ、表示側接続コネクタ1625を素人でも確実に接続できるタイプのコネクタ(例えば、ドロワコネクタ、基板間コネクタ、等)とすることが可能となる。つまり、接続中継基板1624において、接続するコネクタの種類を変換することができる。従って、パチンコ機1の工場において、初めに熟練者がFPC1626のコネクタと接続中継基板1624の被コネクタとの接続を行い、以後は、表示側接続コネクタ1625において接続(抜き差し)を行わせることが可能となるため、熟練者ではなくても表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを確実に接続することができ、素人でも不具合を発生させることなく演出表示装置1600に対して周辺制御ユニット1500を着脱させることができる。このようなことから、演出表示装置1600の再利用にかかるコストを低減させることができると共に、演出表示装置1600を再利用し易いパチンコ機1を提供することができる。
また、演出表示装置1600からのFPC1626のコネクタが接続中継基板1624に接続されることに加えて、接続中継基板1624を演出表示装置1600(シールド板金1620)に取付けられているようにしているため、接続中継基板1624の表示側接続コネクタ1625において抜き差しを繰り返しても、接続中継基板1624が不動であることから演出表示装置1600からのFPC1626が移動することはなく、ノイズを拾い易くなることはない。従って、周辺制御ユニット1500を交換しても、ノイズが入るようなことはなく、ノイズの無い良好な演出画像を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、周辺側接続コネクタ1514を周辺制御基板1510に取付けているため、周辺制御ユニット1500において周辺制御基板1510とは別に周辺側接続コネクタ1514を取付けるための接続中継基板を設ける必要がなく、周辺制御ユニット1500にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、演出表示装置1600に周辺制御ユニット1500を取付けると、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とが、自動的に接続されるようにしているため、周辺制御ユニット1500の着脱作業(交換作業)の際に、演出表示装置1600側との電気的な接続作業を省くことができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業をより容易なものとすることができる。
また、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514とを直接接続するようにしていることから、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との間で配線ケーブルが延びていないため、配線ケーブルが他の部際に引っ掛かったり挟まったりすることはないと共に、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との間において断線の恐れがなく、演出表示装置1600において周辺制御基板1510からの演出画像を確実に表示させることができ、遊技者に演出画像を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、演出表示装置1600のグランド(シールド板金1620)と周辺制御ユニット1500のグランド(周辺制御基板1510のグランド接続部1513)とを、グランド金具1623により電気的に接続するようにしているため、ノイズに強くなり、演出表示装置1600や周辺制御基板1510での電気回路の動作を安定させることができる。
また、演出表示装置1600に周辺制御ユニット1500を取付けると、シールド板金1620に取付けられているグランド金具1623の先端が、反対の周辺制御基板におけるグランド接続部1513に弾性接触するため、演出表示装置1600と周辺制御基板1510とのグランド接続を自動的に行うことができ、接続作業を更に容易なものとすることができる。
更に、周辺制御ユニット1500を、周辺制御基板ボックス1520の一つの端辺に設けられている取付片1521を回動中心にして、演出表示装置1600に着脱可能としていることから、当該取付片1521により周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に対して位置決めすることができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
また、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600に着脱する際に、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板ボックス1520の取付片1521を回動中心にしていることから、表示側接続コネクタ1625に向かって周辺側接続コネクタ1514が円弧状に移動することとなるが、当該取付片1521を周辺側接続コネクタ1514から遠い位置に設けているため、周辺側接続コネクタ1514の移動方向の傾きが、表示側接続コネクタ1625と周辺側接続コネクタ1514との抜き差し方向(ここでは前後方向)に対して僅かとなり、周辺側接続コネクタ1514を表示側接続コネクタ1625に対してスムーズに直接接続することができ、周辺制御ユニット1500の着脱作業を容易なものとすることができる。
更に、上述したように、表示ユニットとしての演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500とを容易に着脱することができるため、以下のような優れた作用効果を奏することができる。詳述すると、パチンコ機1を設置する遊技ホール側では、一旦、島設備に設置した所定の遊技仕様のパチンコ機を、別の遊技仕様のものに変更したい場合がある。このような場合、パチンコ機のメーカーでは、遊技ホール側から当該パチンコ機を工場に引き取って、クリーニングすると共に、所望の遊技仕様に変更して遊技ホール側へ出荷するようにしている。しかしながら、パチンコ機を工場に引き取るようにする場合、遊技仕様が変更されたパチンコ機が戻ってくるまでに時間がかかり、その間、島設備の当該パチンコ機の部位が空いたままとなり、遊技ホールの稼働率が低下して、遊技ホール側に負担がかかる問題があった。これに対して、本実施形態では、演出表示装置1600と周辺制御ユニット1500との着脱が素人でも容易であるため、遊技ホールの島設備に取付けられているパチンコ機1に対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、遊技ホールの係員等が、島設備にパチンコ機1を取付けたまま周辺制御ユニット1500を取外して交換することが可能となり、パチンコ機1全体を交換しなくても遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができる。また、パチンコ機1において、演出表示装置1600はそのままで周辺制御ユニット1500を交換すれば良いため、パチンコ機1全体を交換する場合と比較して、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを低減させることができる。なお、遊技仕様や機種の変更において、遊技を制御するための主制御基板1310を有する主制御ユニット1300を交換する必要があることは言うまでもない。
また、上記のように、パチンコ機1を工場に引き取らなくても遊技ホールにおいて演出制御ユニットの交換ができるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、グランド金具1623の先端側を、フォークのように複数に分岐させて、周辺制御基板1510のグランド接続部1513に弾性接触させるようにしているため、接触する部位が増加することで、接触不良を低減させることができ、演出表示装置1600と周辺制御基板1510とのグランド接続を確実なものとすることができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aの前ユニット6Aの前構成部材1000Aにおける金属の外レール1001により遊技球Bを遊技領域5a内へ案内するようにしているため、樹脂レールにより案内する場合と比較して、遊技球Bとの接触による静電気の発生を低減させることができる。そして、外レール1001における遊技球Bが最初に接触する部位(下流端付近の部位)は、遊技球Bが最も強く当接することから、高い静電気が発生し易い部位となっており、外レール1001の当該部位において第一接続金具1056を介して後ユニット6Bの装着補強板金1132と電気的に接続するようにしているため、遊技球Bの当接により発生した静電気を直ちにアース接続されている装着補強板金1132を介して逃すことができ、外レール1001と他の部材との間での放電やショートの発生を防止して、不具合の発生を抑制することができる。この際に、装着補強板金1132を遊技パネル1100Aの後に設けているため、装着補強板金1132を前方から見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えが悪くなることはなく、静電気による不具合の発生を防止しつつ見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、遊技球Bを遊技領域5aへ案内する金属の外レール1001を、装着補強板金1132を介してアース接続しているため、静電気を帯びている(帯電している)遊技球Bが遊技領域5a内へ供給されようとしても、当該遊技球Bが外レール1001に接触して案内されることで、遊技球Bから静電気を除去することができる。従って、帯電していない遊技球Bを遊技領域5a内に供給することができることから、帯電している遊技球Bが遊技領域5a内に供給されることで引き起こされる不具合(例えば、遊技球Bとセンサとの間での放電やショートによる不具合、遊技球BとLEDや基板との間での放電やショートによる不具合、等)を回避させることができるため、不具合による遊技の中断によって遊技者に不快感を与えてしまうことを防止することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、装着補強板金1132を、主制御基板1310やゲートセンサ2011のような電気部品から離れた位置に設けると共に、装着補強板金1132のアース経路を遊技パネル1001を貫通して前方へ接続するようにしているため、装着補強板金1132やそのアース経路を、遊技パネル1100Aの後に設けられている電気部品から遠ざけている。従って、装着補強板金1132(アース経路)と、遊技パネル1100Aの後に設けられている電気部品と、の間で放電やショートが発生することを回避させることができるため、静電気により電気部品が破損したりノイズが入ったりする不具合の発生を防止することができ、不具合による遊技の中断によって遊技者に不快感を与えて遊技に対する興趣を低下させてしまうことを抑制させることが可能なパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、遊技パネル1100Aの後にアース接続されている装着補強板金1132を設けており、装着補強板金1132を外レール1001よりも面積(体積)を大きくしているため、大きな装着補強板金1132により外レール1001からの静電気を拡散させて弱める(電圧を低下させる)ことが期待でき、放電やショートを発生し難くすることができる。
また、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに取付けた時に、第一接続金具1056と第二接続金具1057とにより外レール1001と装着補強板金1132とが自動的に電気的に接続されるようしているため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの分離や取付け作業を容易なものとすることができ、前ユニット6Aの交換による遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができる。
更に、第二実施形態の遊技盤5Aによれば、遊技盤5Aを前後に分離可能な前ユニット6Aと後ユニット6Bとで構成しているため、遊技ホールの島設備に取付けられている本体枠4に装着されている遊技盤5Aに対して、遊技仕様や機種を変更したい時に、遊技盤5Aの前ユニット6Aのみを交換すれば良く、遊技盤5A全体を交換しなくても遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができると共に、遊技盤5A全体を交換する場合と比較して、遊技仕様や機種の変更にかかるコストを低減させることができる。この際に、前ユニット6A及び後ユニット6Bを、本体枠4における本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入した状態で自立するようにしているため、本体枠4に取付けられている遊技盤5Aから前ユニット6Aを取外して、本体枠4に後ユニット6Bのみが取付けられている状態にしても、本体枠4の遊技盤挿入口501bに挿入されている後ユニット6Bが自立して前方へ倒れてくることはない。従って、本体枠4から倒れないように後ユニット6Bを支える必要がなく、前ユニット6Aの取外し(交換)にかかる手間を容易なものとすることができ、作業性を高めることができる。このように、遊技ホールの島設備に設置されているパチンコ機1の本体枠4から遊技盤5Aにおける前ユニット6Aの着脱を容易なものとすることができることから、遊技盤5A(前ユニット6A)を工場に引き取らなくても前ユニット6Aの交換作業を遊技ホールにおいて実施することが可能となるため、遊技仕様や機種の変更にかかる時間を可及的に短くすることができ、変更にかかるコストを低減させることができると共に、遊技ホールにおけるパチンコ機1(島設備)の稼働率の低下を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、遊技盤5Aの後ユニット6Bに、遊技盤5Aの外形と同じような大きさの装着補強板金1132を有するようにしているため、装着補強板金1132の存在により後ユニット6Bの強度・剛性を高めることができる。従って、後ユニット6Bに重量のある重い演出装置(裏下演出ユニット3600のような演出ユニット、演出表示装置1600、等)を備え易くすることができるため、より遊技者を楽しませられる演出装置を設けることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、装着補強板金1132によって後ユニット6Bの強度・剛性が高いため、前ユニット6Aの遊技パネル1100Aに強度を分担させる必要がなく、前ユニット6A(遊技パネル1100A)を薄くしたり強度の弱い安価なもので構成したりすることが可能となり、前ユニット6Aの軽量化やコストの軽減化等を図ることができる。
更に、後ユニット6Bに複数の位置決ボス1136を設けているため、後ユニット6Bと前ユニット6Aとを互いに取付ける際に、位置決ボス1136により前ユニット6Aを案内させて後ユニット6Bに対して前ユニット6Aを正しい位置に位置決めすることができる。従って、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを分離できるようにしても、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの間で位置のズレによる問題が生ずることはないため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを容易に分離できるようにすることが可能となる。このようなことから、前ユニット6Aの交換が容易なパチンコ機1とすることができるため、前ユニット6Aの交換により遊技仕様や機種の変更を容易に行うことができ、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、複数の位置決ボス1136を、前方への突出長さが異なる第一位置決ボス1136aと第二位置決ボス1136bとで構成しているため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとを互いに取付ける際に、長く前方へ突出している第一位置決ボス1136aが初めに前ユニット6Aを案内し、前ユニット6Aが後ユニット6Bに接近するのに伴って、突出長さの短い第二位置決ボス1136bも前ユニット6Aを案内するようになり、前ユニット6Aを後ユニット6Bに対して多段階で案内させることができる。従って、初めの段階では、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの位置合わせを大まかなものとすることが可能となるため、前ユニット6Aと後ユニット6Bとの取付作業を容易なものとすることができる。
また、前ユニット6Aに証紙が貼り付けられる証紙貼付部1012を設けていることから、本体枠4に初めに取付けられていた遊技盤5Aの前ユニット6A(第一前ユニット6A1)にも証紙が設けられているため、当該証紙に記載されている内容と、後ユニット6Bの主制御ユニット1300の管理シール貼付部1301に貼り付けられている管理シールの内容とを照合することで、前ユニット6Aの整合性を確認することができ、間違った前ユニット6Aや不正な前ユニット6Aが取付けられてしまうことを回避させることができる。
[10.本発明と実施形態との関係]
本実施形態における遊技盤5の演出基板3520、演出基板3520A、演出基板3520B、演出基板3520C、演出基板3520D、演出基板3520E、演出基板3520Fは本発明の演出基板に、本実施形態における被覆膜3523は本発明の明色のソルダレジストに、本実施形態におけるLED3530及びLED3535は本発明のLEDに、本実施形態における特定電子部品3533は本発明の特定電子部品に、本実施形態における部品配置領域3534は本発明の特定領域に、本実施形態における凹部3557は本発明の凹部に、夫々相当している。
[11.本実施形態の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施していることから、当該明色のソルダレジストにより光を反射させることができると共に、演出基板3520等の表面に電子部品としてのLED3530を設けていることから、当該LED3530により光を照射することができるため、明色のソルダレジストにより反射した光とLED3530から照射された光とによる明るさにより演出基板3520等の外周縁に設けられている他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を演出基板3520等の外周縁と一緒に相対的に暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561が見えることで演出基板3520等の見栄えが悪くなることを低減させることができる。従って、演出基板3520等に施されている明色のソルダレジストにより、演出基板3520等の見栄えを良くすることができるため、演出基板3520等が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板3520等による演出効果を発揮させ易くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、電子部品として、LEDドライバのような特定電子部品3533を、部品配置領域3534における演出基板3520等の裏面(後面、つまり、遊技者側とは反対側の面)に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、特定電子部品3533として、LEDドライバやIC等は黒色のものが多いため、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)が施されている演出基板3520等の表面(前面)に黒色の特定電子部品3533が設けられていると当該特定電子部品3533が目立つこととなり、演出基板3520等の見栄えが悪くなる恐れがある。これに対して、本実施形態では、特定電子部品3533を演出基板3520等の裏面(後面)に設けているため、特定電子部品3533の色が黒色や濃い色のような明色でない色であっても、遊技者から当該特定電子部品3533が見えることはなく、演出基板3520等の見栄えが悪くなることはない。
また、上述したように、特定電子部品3533を部品配置領域3534における演出基板3520等の裏面に設けることで、遊技者から見えないようにすることができるため、特定電子部品3533を見え難くするために、特定電子部品3533にわざわざ着色したり明色の色が着いた特定電子部品3533を用意したりする必要がなく、演出基板3520等(パチンコ機1)にかかる手間やコストを低減させることができる。
また、第一LED3531が設けられている基板面を演出基板3520等の表面としていることから、第一LED3531からの光が遊技者側を向くこととなるため、第一LED3531からの光によってより明るく見せて演出基板3520等の外周縁(特定痕跡部3561)を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部3561を見え難くすることが可能となり上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストを施していると共に、電子部品としてのLED3530を設けていることから、明色のソルダレジストによる反射光とLED3530からの光とにより、より明るい発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出基板3520等の前方に透光性を有する装飾体3500(装飾部3510)が設けられていると、複数のLED3530からの光と、明色のソルダレジストにより反射した光と、で装飾体3500を均一な明るさで発光装飾させることが可能となるため、発光装飾の見栄えを良くすることができ、演出効果の高い演出基板3520等が設けられているパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施しているため、演出基板3520等の表面を明色にするためにソルダレジストとは別に明色の塗料やインクを印刷する(施す)必要がなく、演出基板3520等(パチンコ機1)にかかる手間やコストを低減させることができると共に、上述と同様の作用効果を奏するパチンコ機1を提供することができる。
ところで、従来より、所定の装飾形状に形成されている装飾体3500の後に設けられる演出基板3520等は、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾体3500の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板3520等を、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板3550とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LED3530、ICやLEDドライバやセンサやコネクタ等の特定電子部品3533等を演出基板3520等に実装する前に、演出基板3520等を切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520等の外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520等をセットすることが難しくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態では、演出基板3520等の外周縁の特定部位に他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を設けていることから、当該特定痕跡部3561を定尺基板3550との繋部3552の一部として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板3520等の基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となり、上記のような問題を解決することができる。詳述すると、演出基板3520等の製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520等を切り出す際に、演出基板3520等を完全に分離させずに、特定痕跡部3561の部位で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520等の外周形状が複雑な形状であっても、特定痕跡部3561の部位で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520等を簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520等にLED3530や特定電子部品3533等を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520等にLED3530や特定電子部品3533等を実装したら、定尺基板3550と繋がっている部位(特定痕跡部3561の部位)を切断(又は破断)することで、繋がっていた繋部3552に他の部位とは異なる特定痕跡部3561が生じると共に、外周が所定形状に形成された演出基板3520等が完成する。この際に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552(特定痕跡部3561の部位)が、演出基板3520等の全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552を切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520等に実装されているLED3530や特定電子部品3533等に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561は、外周縁の他の部位とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561の存在により演出基板3520等の見栄えが悪化する虞があるが、上述と同様の理由により、演出基板3520等の表面に施されている明色のソルダレジストによる反射光と、演出基板3520等の表面に設けられているLED3530からの光とにより、演出基板3520等の外周縁を相対的に暗くして外周縁に設けられている特定痕跡部3561を目立ち難くすることができるため、演出基板3520等が見えても遊技者をガッカリさせることはなく、演出基板3520等による演出効果を発揮させ易くすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板3520等の外周縁に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520等の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾体3500と対応する演出基板3520等でも容易に製造することができ、演出基板3520等に設けられている電子部品としてのLED3530により発光装飾される装飾体3500の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、上述したように、演出基板3520等の表面に明色のソルダレジストを施していることから、外周縁と一緒に外周縁の特定部位に設けられている特定痕跡部3561を目立ち難くしているため、演出基板3520等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520等の外周縁に沿うように繋部3552の残りの繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520等の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520等の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部3561の態様を演出基板3520等の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板3520等の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
ところで、演出基板3520等の製造時において、演出基板3520等が複数の繋部3552により定尺基板3550に繋がれている状態では、元の定尺基板3550と比較して全体の強度・剛性が低下しているため、撓み易くなっている。そして、元の定尺基板3550を基準にした演出基板3520等の撓み量は、繋部3552から遠ざかるほど大きくなる傾向がある。そのため、インサートマシンを使用してLED3530、LEDドライバ、IC、センサ(例えば、フォトセンサ)、コネクタ、のような特定電子部品3533、等を演出基板3520等に実装する際に、演出基板3520等が下方へ撓んでいることで特定電子部品3533のリードや電極と銅箔3522との間に僅かな隙間が形成されてしまい、銅箔3522に対してリードや電極が十分に接触していない状態でハンダ付けがなされてしまったり、特定電子部品3533が傾いた状態でハンダ付けされてしまったり、する恐れがある。そして、上記のような実装不良があると、特定電子部品3533が正常に作動しなくしなることで、意図した演出を実行することができなくなり、演出基板3520等による演出効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。更に説明すると、抵抗器やLED3530は取付不良(実装不良)になっても影響範囲は1個に過ぎないが、LEDドライバ(特定電子部品3533)は取付不良になるとその影響は配下のLED3530全てに及ぶため、特にLEDドライバ(特定電子部品3533)は重要であり、確実に実装しなくてはならない。
これに対して、本実施形態では、電子部品のうちLEDドライバのようなLED3530の発光に重要な役割を有する特定電子部品3533を、複数の特定痕跡部3561により囲まれている部品配置領域3534に設けるようにしていると共に、特定痕跡部3561を演出基板3520等の製造時における定尺基板3550と繋いでいる繋部3552としていることから、複数の繋部3552により囲まれている領域(部品配置領域3534)に特定電子部品3533を設けるようにしている。これにより、複数の繋部3552により囲まれている部品配置領域3534は、演出基板3520等における他の領域と比較して、撓み難い領域となっているため、インサートマシンを使用してLED3530や特定電子部品3533を実装する際に、当該部品配置領域3534内では特定電子部品3533のリードや電極と銅箔3522との間に隙間が形成され難く、銅箔3522に特定電子部品3534のリードや電極が十分に接触している状態でハンダ付けすることができ、接触が不十分な状態でハンダ付けされたり傾いた状態でハンダ付けされたりするような特定電子部品3534の実装不良を可及的に低減させることができる。従って、演出基板3520等に実装されている(設けられている)特定電子部品3533を正常に作動させて、演出基板3520等を使用した演出を確実に実行させることができるため、演出基板3520等による演出効果を十分に発揮させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、銅箔3522を演出基板3520等の外周縁から控えて設けているため、他の部材から演出基板3520等の銅箔3522を遠ざけることができ、他の部材のとの間でのスパーク(放電)の発生を回避させることができると共に、スパークによる演出基板3520等や他の基板や電子部品等に不具合が発生することを防止して演出基板3520等を正常に作動させることができ、演出基板3520等による演出効果等を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520等において、銅箔3522の外周縁付近に複数のスルーホール3524を設けており、当該スルーホール3524により演出基板3520等の表裏の銅箔を繋いでいるため、演出基板3520等の製造時において、基板外形をエンドミル等により切削加工することで振動が作用しても銅箔3522を剥がれ難くすることができる。また、演出基板3520等(銅箔3522)の表面に明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施すようにしていると共に、銅箔3522の外周縁よりも外側(演出基板3520等の外周縁に近い側)にソルダレジストの外周縁が位置するように施しているため、ソルダレジストによっても銅箔3522を剥がれ難くすることができると共に、銅箔3522の金属光沢が表面に現れないようにして演出基板3520等の見栄えが悪くなることを回避させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、複数のLED3530が設けられている演出基板3530A等の表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しているため、演出基板3530A等に設けられている複数のLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方の装飾部3510(装飾体3500)へ反射さることができ、従来よりも装飾体3500をより明るく発光装飾させることができると共に、装飾体3500の発光装飾をより目立たせることができ、遊技者に対する発光演出によるインパクトをより高めることができる。この際に、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520A等の外周縁から控えて施していると共に、演出基板3520A等の外周縁から所定幅L2で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けており、演出基板3520A等の外周縁において、他の部位とは異なる痕跡を有する特定痕跡部3561を、明色のソルダレジストとは異なる色(暗い色)としているため、ソルダレジストの明色により特定痕跡部3561を含む演出基板3520A等の外周縁を相対的に暗く見せることができ、特定痕跡部3561と一緒に演出基板3520A等の外周縁を目立ち難くすることができる。従って、遊技者から演出基板3520A等の外周縁が見えたとしても、当該外周縁が近接して設けられているソルダレジストの明色により目立たなくなっているため、演出基板3520A等の存在によって前方の装飾体3500(装飾部3510)の見栄えが悪くなることはなく、従来よりも装飾体3500の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を演出基板3520A等の外周縁から控えて施していると共に、演出基板3520A等の外周縁から距離L2の幅で明色のソルダレジストとは異なる色の縁取部を設けているため、遊技者側から装飾部3510(装飾体3500)を通して演出基板3520A等の表面が見えるような場合でも、ソルダレジスト(被覆膜3523)の明色により特定痕跡部3561と一緒に演出基板3520A等の外周縁を暗く見せて目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561を有する演出基板3520A等の存在によって装飾体3500の見栄えが悪くなることを軽減させることができると共に、従来よりも装飾体3500の見栄えを良くすることができ、装飾体3500による演出を楽しませて遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、従来技術のように、所定の装飾形状に形成されている装飾部3510の後に設けられる演出基板3520Aは、その外周形状が、単純な矩形状ではなく、装飾部3510の外周に沿った複雑な形状(不定形)に形成されている。このような不定形の演出基板3520Aを、NCマシンのような加工機械を使用して定尺の基板(定尺基板3550とも称する)から切り出す場合、大量の切粉が発生するため、LED3530やセンサやコネクタ等の電子部品を演出基板3520Aに実装する前に、演出基板3520Aを切り出す(分離させる)ことが望ましい。しかしながら、切り出した演出基板3520Aの外形(外周形状)が不定形であると、電子部品を実装するためのインサートマシンに当該演出基板3520Aをセットすることが難しくなる問題が発生する。
上記のような問題に対して、本実施形態によれば、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561を設けていることから、当該特定痕跡部3561を定尺基板3550との繋部3552の一部(繋残部3552a)として利用することにより、NCマシンのような加工機械を使用して演出基板3520Aの基板外形をある程度形成してから電子部品を実装することが可能となる。詳述すると、演出基板3520Aの製造時において、NCマシンのような加工機械を使用して定尺基板3550から演出基板3520Aを切り出す際に、演出基板3520Aを完全に分離させずに、繋部3552(特定痕跡部3561の部位)で定尺基板3550(捨基板3555、又は、他の基板)と繋がっている状態にすると、演出基板3520Aの外周形状が複雑な形状であっても、繋部3552で矩形状の定尺基板3550と繋がっているため、定尺基板3550を介して分離前の演出基板3520Aを簡単にインサートマシンにセットすることができ、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装することができる。そして、分離前の演出基板3520Aに電子部品を実装したら、定尺基板3550と繋がっている繋部3552の途中を切断して、定尺基板3550から分離することで所望の演出基板3520Aを得ることができる。この際に、切断した繋部3522の残り(繋残部3552a)が演出基板3520Aの外周縁から突出している特定痕跡部3561となると共に、定尺基板3550と繋がっている繋部3552が、演出基板3520Aの全周に対して短い(少ない)ため、繋部3552切断しても、発生する切粉の量は僅かであり、集塵機によって十分に吸い取ることができ、演出基板3520Aに実装されている電子部品に影響を与えることはない。
このように、演出基板3520A等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561は、外周縁の他の部位(一般痕跡部3560)とは異なる痕跡となっており、他の部位よりも目立つことから、特定痕跡部3561の存在により演出基板3520A等の見栄えが悪化する虞があるが、上述したように、特定痕跡部3561を明色のソルダレジストからなる被覆膜3523とは異なる色にしていることで、演出基板3520A等の特定痕跡部3561が目立つことはなく、演出基板3520A等による装飾部3510(装飾体3500)の見栄えの悪化を阻止することができ、装飾体3500の見栄えを良くすることができると共に、演出基板3520A等の特定痕跡部3561により遊技者に不快感を与えてしまうことはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出基板3520A等の外周縁に特定痕跡部3561を有しており、演出基板3520A等の外形をNCマシンのような加工自由度の高い加工機械で形成することが可能となるため、外周形状が複雑、つまり、装飾性の高い装飾部3510(装飾体3500)と対応する演出基板3520A等でも容易に製造することができ、演出基板3520A等のLED3530により発光装飾される装飾体3500の装飾効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、演出基板3520A等の特定痕跡部3561を明色のソルダレジストからなる被覆膜3523とは異なる色にすることで、特定痕跡部3561を目立ち難くしているため、演出基板3520A等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520A等の外周縁に沿うように繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520等の外周縁に他の部位とは異なる痕跡の特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520等の取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、一か所の特定部位において、特定痕跡部の態様を演出基板の辺によって異なられるようにしても良い。これにより、演出基板の取付方向を確実に特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
また、演出基板3520A等の外周縁から外側へ突出していることにより特定痕跡部3561(繋残部3552a)が目立つような形態であっても、上述したように、実使用状態であるLED3530等の点灯時は、特定痕跡部3561を明色のソルダレジスト(被覆膜3523)とは異なる色にすることで相対的に目立ち難くすることができるため、特定痕跡部3561が突出していても装飾部3510(装飾体3500)の見栄えが悪くなることを抑制することができる。
更に、演出基板3520A等の外周縁から控えて明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しているため、演出基板3520A等の外周縁に設けられている特定痕跡部3561を、演出基板3520A等の外周縁と一緒に明色のソルダレジストとは異なる色にすることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520A等の表面に施されている明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を、演出基板3520A等の外周縁から内側に控えて施すようにしていことから、定尺基板3550に対して予め演出基板3520A等の外周縁から控えてソルダレジストを施すようにすると、定尺基板3550から切削加工により演出基板3520A等を切り出すようにしても、明色のソルダレジストが切削されることはなく、当該ソルダレジストの粉末が発生することはない。従って、切削加工後の清掃にかかるコストの増加を抑制させることができると共に、演出基板3520A等に明色のソルダレジストの粉末が残ることはない。
更に、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を演出基板3520A等の外周縁から予め控えて施すようにすると、演出基板3520A等の外周縁に他の部材(装飾体)等が当接しても、ソルダレジストに当接することはないため、明色のソルダレジストが欠けて粉末が発生することはなく、明色のソルダレジストの粉末が飛散して演出基板3520A等や装飾体3500等に付着・堆積することはない。このようなことから、明色のソルダレジストの粉末が発生しないため、当該粉末によって、発光演出の際に影が映って見栄えが悪くなったり、コネクタ等において接触不良となったり、演出基板3520A等や装飾体3500等の表面の見栄えが悪くなったり、するようなことはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、演出基板3520Aの外周縁から控えて明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を施すようにしていることから、後工程で、ソルダレジストの切り粉を除去することを前提に、定尺基板3550に対してエンドミル等の切削工具で加工する際に外周縁のソルダレジストを工具で除去することで、演出基板3520A等の外周縁から控えて施されている明色のソルダレジストを構築するようにしても良い。この場合でも、外周縁と一緒に特定痕跡部3561を明色のソルダレジストと異なる色にすることができるため、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、演出基板3520A等の外周縁から凹んでいる凹部3557の底部3557aを特定部位として特定痕跡部3561を設けていることから、特定痕跡部3561が装飾部3510等に当たることはないため、特定痕跡部3561として、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままま外側へ突出している形態のものとすることができ、特定痕跡部3561を仕上げる必要がなく、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。この際に、特定痕跡部3561を明色のソルダレジスト(被覆膜3523)とは異なる色にしているため、特定痕跡部3561を目立ち難くすることができ、特定痕跡部3561と一緒に凹んでいる凹部3557も目立ち難くすることが可能となり、装飾部3510の見栄えを良くすることができる。
また、特定部位(特定痕跡部3561)を演出基板3520A等の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、以下のような作用効果を奏することができる。詳述すると、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と演出基板3520A等とを繋いでいる繋部3552を設ける部位として、例えば、演出基板3520A等の外周縁(基板外形)における基板の中央側へ窪んでいるような窪み部分にのみ繋部を設けるようにすると、窪み部分との間の外方へ膨出している部位に繋部3552が存在しないこととなるため、当該膨出している部位が自重によって下方へ変形し易くなる。具体的には、例えば、演出基板3520A等の外形が二つの円形状を合わせて間がくびれているようなヒョウタン型の場合、そのくびれている部分にのみ定尺基板3550との繋部3552を設けると、両側の円形状の部分には繋部3552が存在しないこととなるため、円形状の部分では繋部3552から遠ざかるほど自重によって下方へ変形し易くなる。そして、演出基板3520A等が自重によって変形すると、インサートマシンを使用してLED3530のような電子部品を実装する際に、電子部品を確実に実装することが困難となる恐れがある。これに対して、本実施形態では、特定部位(特定痕跡部3561)つまり繋部3552を演出基板3520A等の外周縁における外方へ膨出している部位や直線状の部位に設けているため、演出基板3520A等の製造時において、定尺基板3550と演出基板3520A等とを繋いでいる繋部3552を演出基板3520A等の外周縁における窪んでいるような窪み部分にのみ設ける場合と比較して、演出基板3520A等における繋部3552同士の間の部位を自重による下方への変形がし難いものとすることができ、インサートマシンによりLED3530やIC等の電子部品を実装する際に、演出基板3520A等の変形が抑制されていることにより電子部品を確実に実装することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、演出基板3520Aの表面に被覆膜3523として明色のソルダレジストを施しているため、演出基板3520Aに設けられている複数のLED3530からの光や、他のLEDや照明等からの光を、前方に設けられている装飾部3510へ反射させ易くすることができる。この際に、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561の表面にも明色のソルダレジストを施しているため、特定痕跡部3561の部位でも光を反射させることができ、演出基板3520Aの表面の全体を使用して光を一様に反射させることができる。従って、特定痕跡部3561を含めて演出基板3520Aに施されている明色のソルダレジスト(被覆膜3523)により装飾部3510(装飾体3500)を均一な明るさで発光装飾させる(光らせる)ことが可能となるため、演出基板3520AのLED3530を増やしたり高輝度のLEDにしたりしなくても、装飾体3500を見栄え良く光らせることができ、遊技者に装飾体3500の発光演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、装飾部3510(装飾体3500)を見栄え良く光らせることができるため、演出基板3520AのLED3530の数を増やしたり高輝度のLEDに変更したりしなくても良く、装飾体3500の発光演出にかかる消費電力を抑制することができ、節電効果の高いパチンコ機1を提供することができる。また、明色のソルダレジスト(被覆膜3523)を特定痕跡部3561にも施すことで、装飾体3500を見栄え良く光らせることができるため、演出基板3520Aにおいて、LED3530の数を増やしたり高輝度のLEDを使用したりしなくても良く、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520Eの外周縁における特定痕跡部3561同士の間の部位に外側へ延出している延出部3525を設けており、演出基板3520Eの表面に明色のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されていることから当該延出部3525にも明色のソルダレジストからなる被覆膜3523が施されているため、特定痕跡部3561に加えて延出部3525の部位でも光を反射させることができ、前方の装飾部3510をより明るく発光装飾させることができる。
更に、演出基板3520Aの外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561の表面にも明色のソルダレジストからなる被覆膜3523を施しており、遊技者側から装飾部3510を通して演出基板3520Aの表面が見えるような場合でも、突出している特定痕跡部3561を目立ち難いものとすることができるため、特定痕跡部3561が見えることにより装飾部3510の見栄えが悪くなることを抑制することができ、装飾部3510(装飾体3500)の装飾を確実に楽しませて遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、特定痕跡部3561を演出基板3520A等の外周縁から外側へ突出している形態としているため、演出基板3520A等を製造する際に、定尺基板3550と繋がっていた繋部3552を切断したままで、演出基板3520A等の外周縁に沿うように繋残部3552aを仕上げなくても良く、演出基板3520A等、ひいては、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、演出基板3520(3520C)の外周縁から外側へ突出している特定痕跡部3561を設けているため、作業者が組立てる際に、特定痕跡部3561を目安にして、演出基板3520Cの取付方向等を特定する目印にすることができる。この場合、例えば、図169(b)に示すように、一か所の特定部位において、外側へ突出している特定痕跡部3561の数を、演出基板3520Cの辺によって異なられるようにしても良い。これにより、視覚だけでなく触覚によっても演出基板3520Cの取付方向を特定することができ、組立てにかかる手間を容易なものとすることができる。
更に、特定痕跡部3561が設けられる特定部位を、演出基板3520Aの外周縁における外方へ膨出している部位及び直線状の部位の少なくとも一方の部位とするようにしており、特定痕跡部3561を演出基板3520Aの外周縁が窪んでいるような部位に設ける場合と比較して、特定痕跡部3561の両側を囲むように光を反射する部位を有していないため、外側へ突出している特定痕跡部3561の表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523による光の反射効果をより発揮させ易くすることができ、前方体をより明るく発光装飾させることができる。
また、特定痕跡部3561同士の間に設けられている延出部3525を、特定痕跡部3561よりも外側に延出させるようにしているため、演出基板3520Eの表面に施されている明色のソルダレジストからなる被覆膜3523によってより一層多くの光を反射させることができ、前方の装飾部3510をより見栄え良く光らせることができると共に、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、演出基板3520Eの外周縁における特定痕跡部3561同士の間の部位に設けられている延出部3525を、特定痕跡部3561よりも外側へ突出させているため、前方の装飾部3510に演出基板3520Eの外周を囲むような周壁部を有している場合、延出部3525によって特定痕跡部3561が装飾部3510の周壁部に当接し難くすることが可能となり、外側へ突出している特定痕跡部3561が周壁部に当接することで演出基板3520Eと装飾部3510とを互いに組立てられなくなることを回避させることができ、演出基板3520Eと装飾部3510とを確実に組立てることができる。
また、演出基板3520Fでは、複数のサイドビュータイプのLED3535の光の照射範囲を避けて特定痕跡部3561を設けているため、特定痕跡部3561にバリを有していても、当該バリがLED3535からの光によりキラキラと輝いて目立つことを回避させることができると共に、特定痕跡部3561の部位と演出基板3520Fの他の部位との明るさが不均一となることを抑制して前方に設けられている装飾部3510(装飾体3500)を方体を一様な明るさで見栄え良く光らせることができ、装飾体3500の発光演出による演出効果を確実に発揮させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5における入賞口としての第一始動口2003への遊技球Bの受入れに関わる特定障害釘N1や準特定障害釘N2を含む障害釘Nの前端(頭部)を、始動口ユニット2150の始動口前板2152の第一保持部2152aや第二保持部2152bに挿入して収容させるようにしているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが当該障害釘Nに当接し、その衝撃により当該障害釘Nが曲がろうとしても、当該障害釘Nの前端が第一保持部2152aや第二保持部2152bの内面に接触することで、当該障害釘Nがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本パチンコ機1を使用し続けても、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率が変化することはなく、パチンコ機1の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、第一始動口2003等の入賞口への入賞確率に対するパチンコ機1ごとの経年変化を目立ち難くすることができ、遊技者に不信感を与えることはなく、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、第一始動口2003に近付くほど始動口前板2152の第一保持部2152a及び第二保持部2152bと障害釘N(特定障害釘N1及び準特定障害釘N2)の頭部との隙間が小さくなるようにしていることから、第一始動口2003に近付くほど、障害釘Nの変形を抑制することができ、パチンコ機1ごとにおける第一始動口2003への入賞確率のバラツキをより一層少なくして、一定の品質のパチンコ機1を提供することができる。
更に、障害釘Nの前端(頭部)を始動口前板2152等の第一保持部2152a等に挿入して収容させているため、パチンコ機1の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nの前端に他の部材が当接することを始動口前板2152等により阻止することができ、障害釘Nの変形を防止して所定の品質のパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、前板2170及び前板2180に、風車Wの外周縁の少なくとも一部を囲む風車保持部2172及び風車保持部2182を設けているため、遊技ホールに設置されて遊技に使用されることで多くの遊技球Bが風車Wに当接し、その衝撃により風車Wが曲がろうとしても、風車Wの外周縁が風車保持部2172や風車保持部2182に接触することで、風車Wがそれ以上曲がることを防止することができる。従って、本パチンコ機1を使用し続けても、風車Wが出荷時の状態とほとんど変わることはないため、風車Wを通った時の第一始動口2003等の入賞口への入賞確率が変化することはなく、パチンコ機1の品質を長期間に亘って維持することができる。つまり、風車Wへの遊技球Bの当接による経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
また、風車Wが第一始動口2003の方へ傾くように変形すると、風車Wの上方から流下してきた遊技球Bが第一始動口2003の方へ変形している風車Wによって、第一始動口2003とは逆の方向へ流下し易くなるため、第一始動口2003へ向かって列設されている連釘NRにより遊技球Bが誘導され難くなり、第一始動口2003への入賞確率が低下してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、風車Wの外周縁の一部を風車保持部2172や風車保持部2182で囲むようにしていることから、風車Wの外周縁における少なくとも第一始動口2003に近い側を風車保持部2172や風車保持部2182で囲むことにより、風車Wが第一始動口2003の方へ傾くことを抑制することができ、風車Wを介した第一始動口2003への入賞確率が変化することはなく、経年変化が目立たないパチンコ機1を提供することができる。
更に、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに関わる障害釘N(釘シャフト2163)の前端を、始動口前板2152の第一保持部2152aや始動口前板2162の前支持孔2162aに挿入して収容させるようにしているため、不正行為として、第一始動口2003への遊技球Bの入賞確率を変化させるために当該障害釘N(釘シャフト2163)を曲げようとしても、第一保持部2152aや前支持孔2162aにより曲げ難くなっており、不正行為が行われることを回避させることができると共に、第一保持部2152aや前支持孔2162aを有する始動口前板2152や始動口前板2162の存在を認識することで不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、障害釘Nの前端(頭部)を挿入して収容可能な第一保持部2152a、前支持孔2162a、釘保持部2171、及び釘保持部2181を有する始動口前板2152、始動口前板2162、前板2170、及び前板2180、等の前板を設けているため、パチンコ機1の製造時において、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されているか否かを確認するための釘検査フィルムをパチンコ機1の遊技盤5の前面に被せた時に、前板によって当該釘検査フィルムを撓み難くすることができ、撓むことによる検査誤差を低減させてパチンコ機1の品質を高めることができると共に、検査にかかる手間を容易なものとすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
更に、始動口前板2152の前面に前板シール2153を貼り付けるようにしていることから、障害釘Nの頭部が挿入されて収容される第一保持部2152aや第二保持部2152bを前板シール2153によって覆うことが可能となるため、パチンコ機1の製造時や搬送時等の際に、障害釘Nに他の部材が当接することを前板シール2153により阻止することができ、障害釘Nの変形を防止して所定の品質のパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、前板シール2153の粘着部2153bを、始動口前板2152を貫通している貫通孔2152c等を避けるように設けているため、貫通孔2152c等を通して始動口前板2152の後方から遊技球Bが前板シール2153の後面に接触するような場合、前板シール2153の粘着部2153bに遊技球Bが貼り付いてしまうことはなく、球詰まりのような不具合が発生することはない。
また、前面に前板シール2153が貼り付けられる始動口前板2152に貫通孔2152c等の孔が設けられているため、製造時に前板シール2153を貼り損ねた時や廃棄する時に、当該孔を通して前板シール2153を後方から押圧することができるため、始動口前板2152から前板シール2153を容易に剥がすことができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1やスロットマシンに適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、所謂、遊技者が遊技球Bに触れることのない、封入式遊技機や、管理遊技機と呼ばれる遊技機にも、応用可能である。