JP7190259B2 - 植栽用加温シートおよび植栽土壌の加温方法 - Google Patents

植栽用加温シートおよび植栽土壌の加温方法 Download PDF

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Description

本発明は、植栽用加温シートおよび植栽土壌の加温方法に関する。
北陸、東北、北海道等の豪雪地帯のサッカースタジアムでは、春に試合を開催する際に芝生に積った雪の除雪に手間と費用がかかる。また、豪雪地帯以外のグラウンドであっても、試合開催の前日や当日の積雪、植栽土壌や植栽面の凍結、霜等による影響が懸念されている。
そのため、植栽土壌や植栽面の凍結防止、芝生上に積もった雪の除去、さらには、降雪時に雪が積もらないようにすることを目的として、植栽土壌を加温する技術が開発されている。
例えば特許文献1には、予め地中に埋設された管材に温水等の熱媒体を流通させることで、植栽土壌を加温する方法が開示されている。また、同様の方法として、地中に電熱線を埋設しておくことで、植栽土壌を加熱する方法も採用されている。
また、特許文献2には、カーボンファイバー製のメッシュ層と、このメッシュ層の表裏面に設けられた樹脂層とからなる膜構造体を張設することで屋根を形成し、カーボンファイバーに通電することで融雪を可能とした技術が開示されている。
特開平10-313676号公報 特開2017-106182号公報
管材や電熱線等の発熱体を埋設する特許文献1等の方法は、所定の位置に発熱体を埋設する必要があるため、供用中の施設に対しては、導入が困難であった。また、加温対象の領域に対して全体的に発熱体を埋設する作業に時間がかかるとともに、制御系を含めた設備にも費用がかかる。さらに、発熱体は地中に埋設されているため、メンテナンスにも手間がかかる。
また、特許文献2等の膜構造体では、屋根に必要な引張強度を確保するために、カーボンファイバー(発熱体)をメッシュ状に配設している。そのため、一定面積当たりの発熱体の量が多くなる。発熱体の量が多いと、製造コストが高くなるとともに、発熱時の電圧も大きくなる。
なお、芝生以外の植物(例えば、農作物)についても、植栽面や植栽土壌の凍結防止や積雪防止が求められる場合があった。
このような観点から、本発明は、大掛かりな設備を用いることなく、簡易かつ安価に植栽面や植栽土壌の加温および融雪をすることが可能な植栽用加温シートおよび植栽土壌の加温方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第一の植栽用加温シートは、植栽面に敷設されるものであって、複数のヒーターユニットと、前記ヒーターユニット同士を連結する連結手段とを有している。前記ヒーターユニットは、間隔をあけて配設された一対の電極部と、前記一対の電極部の間において間隔をあけて連設された複数の発熱体と、前記電極部および前記発熱体を上下から挟む一対の樹脂製シートとを備えており、前記樹脂製シートは、日光を透過する材料からなり、前記発熱体の幅および間隔の大きさは、植物の生育が可能な透光性が確保でき、かつ、前記植栽用加温シートの設置範囲を融雪できる温度が確保できる大きさであり、隣り合う前記ヒーターユニットの前記電極部同士が当該ヒーターユニット同士の間隔よりも長い連結用電極によって連結されている。
かかる植栽用加温シートは、発熱体に通電することで、下方の植栽面および植栽土壌を加温する。また、発熱体に通電することで、植栽用加温シートの上面も加温されるため、降雪時に植栽用加温シートの上面の雪を溶かす。また、植栽用加温シートは、植栽面に敷設するものであり、屋根等として張設する膜材としての引張強度は必要としないため、発熱体は所定の間隔をあけて平行に配置すればよい。そのため、発熱体の量を減らすことが可能となり、経済的である。また、複数の線状または帯状の発熱体を間隔をあけて配設することで採光性を確保している。植栽用加温シートは、植栽面に敷設するのみで設置が完了するため、簡易に設置することができる。また、ヒーターユニットが蝶番等の連結手段を介して連結されているとともに、ヒーターユニット同士の連結部において電極に緩みを有しているため、折りたたむことが可能である。そのため、当該植栽用加温シートは、保管時や輸送時に取り扱い易い。なお、発熱体を上下から挟む一対の樹脂製シートは透光性を備えたシートであるのが望ましい。
なお、隣り合う発熱体同士の間隔(隙間)が、前記発熱体の幅の0.5倍~1.5倍の範囲内であれば、所定の範囲を全面的に加温することができるとともに、植栽に優れた環境を確保することができる。ここで、植栽面および植栽土壌を加温するためには、発熱体同士の間隔を発熱体の幅の0.5倍~1.5倍にするのが望ましく、植物の生育に配慮すれば、同間隔を発熱体の幅の0.75~1.25倍にするのが望ましい。
また、本発明の第二の植栽用加温シートは、複数のヒーターユニットが所定の間隔をあけて配設されており、前記ヒーターユニットは、間隔をあけて配設された一対の電極部と、前記一対の電極部の間に横架された発熱体と、前記電極部および前記発熱体を上下から挟む一対の日光を透過する材料からなり、前記発熱体の幅および間隔の大きさ委は、植物の生育が可能な透光性が確保でき、かつ、前記ヒーターユニットの設置範囲を融雪できる温度が確保できる大きさである樹脂製シートとを備えている。
さらに、本発明の植栽土壌の加温方法は、前記植栽用加温シートを植栽面に敷設する準備工程と、前記植栽用加温シートの電極部に通電する加熱工程とを備えている。前記準備工程では、複数の前記植栽用加温シートを間隔をあけて敷設する作業と、前記複数の植栽用加温シートの上面を養生シートで覆う作業とを行う。
かかる植栽土壌の加温方法によれば、養生シートで覆うことで植栽用加温シートの熱によってより効率的に植栽土壌(植栽面も含む)を加温することができる。
本発明の植栽用加温シートおよび植栽土壌の加温方法によれば、大掛かりな設備を用いることなく、簡易かつ安価に植栽面や植栽土壌の加温および融雪をすることが可能となる。
第一の実施形態に係る植栽用加温シートの概要を示す斜視図である。 第二の実施形態に係る植栽用加温シートの概要を示す斜視図である。 第二の実施形態に係る植栽用加温シートの性能評価試験状況を示す平面図である。 第三の実施形態に係る植栽用加温シートの概要を示す斜視図である。 第三の実施形態に係る植栽用加温シートの性能評価試験状況を示す平面図である。 同試験結果を示す地温と経過時間との関係を示すグラフである。
<第一の実施形態>
第一の実施形態では、植栽用加温シート1を利用してグラウンドの芝生上の雪を除雪(融雪)する場合について説明する。
植栽用加温シート1は、図1に示すように、芝生が植栽された植栽面に敷設する。植栽用加温シート1は、複数のヒーターユニット2と、ヒーターユニット2同士を連結する連結手段3とを有している。
ヒーターユニット2は、電極部4と発熱体5とが印刷された樹脂製シート6の印刷面に他の樹脂製シート6を張り合わせることにより形成されている。上下の樹脂製シート6は、少なくとも周縁同士が水密に密着されている。また、樹脂製シート6は、透光性を有しいて、日光の透過が可能な材料からなる。
樹脂製シート6は、厚さ1mm程度で、600×420mmの大きさのポリエステル製のシートからなる。なお、樹脂製シート6を構成する材料、大きさおよび厚さは限定されるものではない。
発熱体5は、樹脂製シート6の表面に幅5mmのカーボンナノファイバーを5mm間隔で線状に印刷することにより形成されている。
また、電極部4は、発熱体5の両端部にそれぞれ、発熱体5の上に銀ペーストを印刷することにより形成されている。
なお、植栽用加温シート1の形成方法は限定されるものではなく、例えば、線状の電極部4および線状の発熱体5を樹脂製シート6の表面に配線してもよい。また、一対の電極部4,4の間に所定の間隔をあけた複数の帯状(布状)または線状の発熱体5,5,…を配設し、これらを樹脂製シート6,6で挟むことで植栽用加温シート1を形成してもよい。また、カーボンナノファイバー(発熱体5)の幅および間隔の大きさは、芝生の生育が可能な透光性が確保できれば限定されるものではない。なお、発熱体の間隔は、発熱体の幅の0.5倍~1.5倍にするのが望ましく、植物の生育に配慮すれば、同間隔を発熱体の幅の0.75~1.25倍にするのがより望ましい。
連結手段3は、樹脂製の蝶番である。そのため、植栽用加温シート1は、ヒーターユニット2同士は連結手段3によって折り畳み可能に連結されている。なお、連結手段3を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、折り曲げ可能な板材であってもよい。
隣り合うヒーターユニット2の電極部4同士は、連結用電極7によって連結されている。連結用電極7の長さは、隣り合うヒーターユニット2同士の間隔よりも大きい。連結用電極7の長さは限定されるものではないが、植栽用加温シート1を折り畳んだ場合であっても、隣り合うヒーターユニット2の電極部4同士の連結状態を維持できる長さを確保する。そのため、植栽用加温シート1を敷設した状態では、連結用電極7は撓んだ状態となる。また、連結用電極7を構成する材料は限定されるものではないが、電極部4と同じものを使用すればよい。なお、隣り合うヒーターユニット2の電極部4および連結用電極7は、それぞれ異なる部材を連結したものであってもよいし、一体に連続した部材(例えば、1本の線材等)であってもよい。
植栽用加温シート1を用いた植栽土壌の加温方法は、準備工程と加熱工程とを備えている。
準備工程では、植栽用加温シート1を植栽面に敷設する。植栽用加温シート1は、折り畳んだ状態で搬入し、現地において広げる(展開する)ことで、所定の範囲に敷設する。植栽用加温シート1を敷設したら、必要に応じて植栽用加温シート1の上面を養生シートで覆う。養生シートには、多数の孔が形成されていて、通気および透光が可能な材質のものを使用する。
加熱工程では、電極部4(植栽用加温シート1)に通電する。電極部4に通電することで、発熱体5が発熱する。加熱工程では、植栽用加温シート1が20~40℃程度になるように加温する。
以上、本実施形態の植栽用加温シート1によれば、間隔をあけて発熱体5を配設して採光性を確保しているため、融雪に必要な加温が可能であるとともに、芝生の育成に適した環境が提供される。また、間隔をあけて発熱体5を配置することで、発熱体5の量を減らすことができる。その結果、材料費を抑えるとともに加熱時の電力を抑えることができ、経済的である。また、植栽用加温シート1は、植栽面に敷設するものであるため、張設する膜材等のような引張強度が要求されない。そのため、比較的簡易な構成とすることができる。
また、各ヒーターユニット2は、樹脂製シート6によって覆われているため、漏電等の心配がない。
また、ヒーターユニット2同士が連結手段3を介して連結されているとともに、ヒーターユニット2同士の連結部において連結用電極7に緩みを有しているため、折り畳むことが可能である。そのため、植栽用加温シート1は、保管時や輸送時に取り扱い易く、また、省スペース化が可能である。
このように、植栽用加温シート1を降雪時に使用すれば、雪が積もることを防止することができる。また、植栽用加温シート1を雪が積もった場所に使用すれば、除雪することができる。さらに、植栽用加温シート1を雪が積もる前に設置しておき、任意の時期に電源を入れれば融雪することができる。また、芝生の生育を阻害することがないため、冬期の間、長期にわたって使用することができる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に、植栽用加温シート1を利用してグラウンドの芝生上に積もった雪を除雪(融雪)する場合について説明する。
植栽用加温シート1は、図2に示すように、芝生が植栽された植栽面に敷設する。植栽用加温シート1は、複数のヒーターユニット2と、ヒーターユニット2同士を連結する連結手段3とを有している。ヒーターユニット2の詳細は、第一の実施形態で示したヒーターユニット2と同様なため、詳細な説明は省略する。
連結手段3は、ポリエステル製メッシュ(板状部材)により構成されている。なお、連結手段3を構成する材料は限定されるものではない。
連結手段3を介して連結されたヒーターユニット2の電極部4同士は、連結用電極7(図示省略)により連結してもよい。このとき、連結用電極7は、ヒーターユニット2同士の間隔よりも長いのが望ましい。
以上、本実施形態の植栽用加温シート1によれば、間隔をあけて発熱体5を配設して採光性を確保しているため、融雪に必要な加温が可能であるとともに、芝生の育成に適した環境が提供される。また、間隔をあけて発熱体5を配置することで、発熱体5の量を減らすことができる。その結果、材料費を抑えるとともに加熱時の電力を抑えることができ、経済的である。また、植栽用加温シート1は、植栽面に敷設するものであるため、張設する膜材等のような引張強度が要求されない。そのため、比較的簡易な構成とすることができる。
また、各ヒーターユニット2は、樹脂製シート6によって覆われているため、漏電等の心配がない。
以下、第二の実施形態の植栽用加温シート1の性能評価試験結果について説明する。
本試験では、二つのヒーターユニット2(600×420mm)が連結手段3(600×420mm)により連結された、600×1260mmの植栽用加温シート1を利用した。植栽用加温シート1は、雪が積もった天然芝グラウンドに敷設した。なお、本性能評価試験では、図3に示すように、養生シート8により植栽用加温シート1の上面を覆った場合(試験区1-1)と、養生シート8を用いずに植栽用加温シート1のみを敷設した場合(試験区1-2)について検証を行った。
性能評価試験では、30分間隔で各試験区の状況を写真記録するとともに、各試験区に埋設した熱電対によって地表面下10cmの地温を10分間隔で計測した。地温の測定は、ヒーターユニット2の直下、連結手段3の直下(試験区1-1のみ)および植栽用加温シート1(養生シート8)が敷設されていない箇所(対照区)においても実施した。さらに、試験終了時に植栽用加温シート1を撤去した際の芝生の生育状況をスコアリング調査した。
表1,2にそれぞれ地温の測定結果および芝生生育の状況のスコアリング結果を示す。
Figure 0007190259000001
Figure 0007190259000002
試験の結果、養生シート8の有無に関わらず、植栽用加温シート1が敷設された領域における芝生上の雪を融雪することができた。
一方、表2に示すように、計測期間中の温度は、対照区に比べて、試験区1-1および試験区1-2の方が、平均して2.5~3.0℃高くなる結果となった。また、表3に示すように、植栽用加温シート1の下の方が、対照区よりも緑被率が高く、植栽用加温シート1を敷設した場合であっても芝生が問題なく生育することが確認できた。
<第三の実施形態>
第三の実施形態では、第三の実施形態と同様に、植栽用加温シート1を利用してグラウンドの芝生上に積もった雪を除雪(融雪)する場合について説明する。
植栽用加温シート1は、図4に示すように、芝生が植栽された植栽面に敷設する。植栽用加温シート1は、複数のヒーターユニット2と、ヒーターユニット2同士を連結する連結用電極7とを有している。
ヒーターユニット2は、間隔をあけて配設された一対の電極部4,4と、一対の電極部4,4の間に配設された発熱体5と、電極部4,4および発熱体5を上下から挟む一対の樹脂製シート6,6とを備えている。
電極部4同士の間隔は、1mとする。一対の電極部4は、略平行に配設されている。なお、電極部4同士の間隔は限定されるものではない。電極部4を構成する材料は、通電が可能な材質を有したものであれば限定されるものではなく、例えば、銅、銅合金、アルミニウム等の金属線やケーブル、銀ペースト等の導電性接着剤を付着したもの等が使用可能である。
発熱体5は、カーボンナノファイバー等の発熱繊維が織り込まれた帯状の織布である。本実施形態の発熱体5は10cm幅である。なお、発熱体5の幅は限定されるものではないが、好ましくは2cm~20cmの範囲内、より好ましくは5cm~15cmの範囲内とする。また、発熱体5を構成する材料は限定されるものではない。発熱体5の両端は、電極部4にそれぞれ接続されている。そのため、発熱体5は、電極部4を介して通電が可能である。
樹脂製シート6は、防水性および絶縁性を有しており、発熱体5の上面または下面を覆っている。本実施形態の樹脂製シート6は、透明で、日光の透光が可能である。また、上下の樹脂製シート6は、少なくとも周縁同士が水密に密着されている(図4では、説明の都合上、樹脂製シート6,6の周縁同士が密着させていない)。なお、樹脂製シート6を構成する材料は、防水性および絶縁性を有していれば限定されるものではない。
連結用電極7は、隣り合うヒーターユニット2の電極部4同士を連結している。連結用電極7を構成する材料は限定されるものではないが、電極部4と同じものを使用すればよい。また、連結用電極7は、絶縁・防水加工が施されている。なお、隣り合うヒーターユニット2の電極部4および連結用電極7は、それぞれ異なる部材を連結したものであってもよいし、一体に連続した部材(例えば、1本の線材等)であってもよい。
隣り合うヒーターユニット2同士の間隔(発熱体5同士の間隔)は、発熱体5の幅と同じ大きさとなっている。なお、発熱体5同士の間隔の大きさは限定されるものではないが、発熱体5の幅の0.5倍~1.5倍の範囲内であるのが望ましい。発熱体5同士の間隔が狭すぎると、芝生の生育に影響が及ぶ恐れがあり、発熱体5同士の間隔が広すぎると、発熱体5同士の間の領域を十分に加温できなくなるおそれがある。
植栽用加温シート1を用いた植栽土壌の加温方法は、準備工程と加熱工程とを備えている。
準備工程では、植栽用加温シート1を植栽面に敷設する。
準備工程では、まず、間隔をあけて複数の植栽用加温シート1を並設する。植栽用加温シート1は、折り畳んだ状態あるいは巻いた状態で搬入し、現地において広げる(展開する)ことで、所定の範囲に敷設する。植栽用加温シート1同士の間隔は1m(植栽用加温シート1の幅と同じ大きさ)とする。なお、植栽用加温シート1の間隔は限定されるものではないが、植栽用加温シート1の幅の0.5~2.0倍の範囲内にするのが望ましい。植栽用加温シート1の間隔が狭すぎると、芝生の生育に悪影響を及ぼすおそれがあり、植栽用加温シート1の間隔が広すぎると、植栽用加温シート1同士の間の領域を十分に加温(融雪)できなくなるおそれがある。
植栽用加温シート1を敷設したら、複数の植栽用加温シート1の上面を養生シート8で覆う(図5参照)。養生シート8には、多数の孔が形成されていて、通気および透光が可能な材質からなる。養生シート8は、複数の植栽用加温シート1を全体的に覆うことが可能となるように、複数の植栽用加温シート1が敷設された領域よりも大きな面積を有している。
加熱工程では、電極部4(植栽用加温シート1)に通電する。電極部4に通電することで、発熱体5が発熱する。加熱工程では、植栽用加温シート1が20~40℃程度になるように加温する。養生シート8は、複数の植栽用加温シート1が敷設された領域を全体的に覆っているため、植栽用加温シート1が冷却されることを抑制するとともに、当該領域内を保温する。
以上、本実施形態の植栽用加温シート1によれば、間隔をあけて帯状の発熱体5を配設しているため採光性を確保している。そのため、融雪に必要な加温が可能であるとともに、芝生の育成に適した環境が提供される。また、発熱体5を間隔をあけて配置することで、発熱体5の量を減らし、ひいては材料費および加熱時の電力を抑えることができ、経済的である。また、植栽用加温シート1は、植栽面に敷設するものであるため、張設する膜材等のような引張強度が要求されない。そのため、比較的簡易な構成とすることができる。
また、各ヒーターユニット2は、樹脂製シート6(絶縁体)によって覆われているため、漏電等の心配がない。
植栽用加温シート1を養生シート8で覆っているので、植栽用加温シート1の熱を保温することができ、ひいては、効率的に植栽面および植栽土壌を加温することができる。
このように、植栽用加温シート1を降雪時に使用すれば、雪が積もることを防止することができる。また、植栽用加温シート1を雪が積もった場所に使用すれば、除雪することができる。さらに、植栽用加温シート1を雪が積もる前に設置しておき、任意の時期に電源を入れれば融雪することができる。また、芝生の生育を阻害することがないため、冬期の間、長期にわたって使用することができる。
以下、第三の実施形態の植栽用加温シート1の性能評価試験結果について説明する。本性能評価試験では、図5に示すように、ヒーターユニット2の間隔が異なる3種類の植栽用加温シート1を敷設し、これらの上面を養生シート8により覆った場合の効果について検証した。本性能評価試験では、植栽用加温シート1の全長を5100mm、全幅を1000mmとし、発熱体5の幅を100mmとした。各試験区の長さは6000mm、幅は2000mmとして、植栽用加温シート1は、それぞれ試験区の中央に配設した。すなわち、植栽用加温シート1は、試験区内において、左右に500mm、前後に450mmの隙間を有していて、隣り合う植栽用加温シート1同士の間隔は1000mmとなっている。また、性能評価試験では、30分間隔で各試験区の状況を写真記録するとともに、各試験区に埋設した熱電対によって地表面下10cmの地温を10分間隔で計測した。地温の測定は、植栽用加温シート1の直下に加え、植栽用加温シート1が敷設されていない養生シート8の外側の位置(対照区)においても実施した。さらに、試験終了時に植栽用加温シート1を撤去した際の芝生の生育状況をスコアリング調査した。
なお、試験区2-1では、ヒーターユニット2同士の間隔をヒーターユニット2の幅(100mm)の0.5倍(50mm)とし、試験区2-2ではヒーターユニット2同士の間隔をヒーターユニット2の幅の1.0倍(100mm)とし、試験区2-3ではヒーターユニット2同士の間隔をヒーターユニット2の幅の1.5倍(150mm)とした。また、本性能評価試験では、ヒーターユニット2の表面温度が外気温に通電基準温度(本実施形態では18℃)を加えた温度以下になったら通電するようにした。一方、ヒーターユニット2の表面温度が外気温に停止基準温度(通電基準温度よりも高い温度。本実施形態では22℃)を加えた温度以上、あるいはヒーターユニット2の表面温度が加温中止温度(外気温によらない絶対的な基準温度。本実施形態では35℃)以上になったら通電を停止するように制御した。
図6に地温の測定結果を示す。また、表3に芝生生育の状況のスコアリング結果を示す。
Figure 0007190259000003
試験の結果、夜半から雪が降り出した場合であっても、降雪量が3~4cmであれば、各試験区において日中までに、養生シート8によって覆われた範囲の雪が解けることが確認できた。
また、図6に示すように、植栽用加温シート1の設置によって、対照区に比べて地温が3℃程度加温されることが確認できた。特に、試験区2-2では、地温が3月下旬に10℃に達した。
また、表1に示すように、植栽用加温シート1を敷設した場合であっても芝生が生育することが確認できた。特に、試験区2-2の芝生の生育状況が最も良い結果となった。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記各実施形態では、植栽用加温シート1を芝生上に敷設する場合について説明したが、植栽用加温シート1の設置箇所は芝生上に限定されるものではなく、他の植物の上であってもよい。また、植栽用加温シート1は、必ずしも植物の上に敷設する必要はない。
植栽用加温シート1を敷設するタイミングは限定されるものではなく、降雪前、降雪後あるいは降雪中に敷設してもよい。
植栽用加温シート1の使用目的は、雪の融雪に限定されるものではなく、植栽土壌の霜や凍結を防止することを目的として使用してもよい。
1 植栽用加温シート
2 ヒーターユニット
3 連結手段
4 電極部
5 発熱体
6 樹脂製シート
7 連結用電極
8 養生シート

Claims (4)

  1. 植栽面に敷設される植栽用加温シートであって、
    複数のヒーターユニットと、前記ヒーターユニット同士を連結する連結手段と、を有し、
    前記ヒーターユニットは、間隔をあけて配設された一対の電極部と、前記一対の電極部の間において間隔をあけて連設された複数の発熱体と、前記電極部および前記発熱体を上下から挟む一対の樹脂製シートと、を備えており、
    前記樹脂製シートは、日光を透過する材料からなり、
    前記発熱体の幅および間隔の大きさは、植物の生育が可能な透光性が確保でき、かつ、前記植栽用加温シートの設置範囲を融雪できる温度が確保できる大きさであり、
    隣り合う前記ヒーターユニットの前記電極部同士が当該ヒーターユニット同士の間隔よりも長い連結用電極によって連結されていることを特徴とする、植栽用加温シート。
  2. 隣り合う前記発熱体同士の間隔が、前記発熱体の幅の0.5倍~1.5倍の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の植栽用加温シート。
  3. 植栽面に敷設される植栽用加温シートであって、
    複数のヒーターユニットが所定の間隔をあけて配設されており、
    前記ヒーターユニットは、間隔をあけて配設された一対の電極部と、前記一対の電極部の間に横架された発熱体と、前記電極部および前記発熱体を上下から挟む一対の樹脂製シートと、を備えていて、
    前記樹脂製シートは、日光を透過する材料からなり、
    前記発熱体の幅および間隔の大きさは、植物の生育が可能な透光性が確保でき、かつ、前記ヒーターユニットの設置範囲を融雪できる温度が確保できる大きさであることを特徴とする、植栽用加温シート。
  4. ヒーターユニットを植栽面に敷設する準備工程と、
    前記ヒーターユニットに通電する加熱工程と、を備える植栽土壌の加熱方法であって、
    前記ヒーターユニットは、間隔をあけて配設された一対の電極部と、前記一対の電極部の間に配設された複数の発熱体と、前記電極部および前記発熱体を上下から挟む一対の樹脂製シートと、を備えており、
    前記樹脂製シートは、日光を透過する材料からなり、
    前記発熱体の幅および間隔の大きさは、植物の生育が可能な透光性が確保でき、かつ、前記ヒーターユニットの設置範囲を融雪できる温度が確保できる大きさであり、
    前記準備工程では、間隔をあけて複数の前記ヒーターユニットを敷設する作業と、
    前記複数のヒーターユニットの上面を養生シートで覆う作業と、を備えていることを特徴とする植栽土壌の加温方法。
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