<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を遊技球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、遊技球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された遊技球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、遊技球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された遊技球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、遊技球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には遊技球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車、およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、作動入賞口660、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、作動入賞口660、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。外レール62の先端部分(図2の左上部)には、遊技球が入球可能な作動入賞口660が設けられている。この作動入賞口660は、遊技球が入球した場合に遊技者にとって有利な状態である大当たり状態(特別遊技状態)へと移行する。詳述すると、特別図柄(第1図柄)の抽選で大当たりと判定された場合に、この作動入賞口660への入球が有効とされる状態(大当たり待機状態)に設定される。なお、通常時は作動入賞口660へと遊技球が入球したとしても、何ら遊技に影響を与えることは無い。大当たり待機状態において、遊技者が遊技球を作動入賞口660に向けて発射することにより、遊技球が作動入賞口へと入球(入賞)して大当たりが開始される。なお、図2に示した通り、作動入賞口660の正面視左方向には、一定の回転速度で回転動作する回動部材670aが配設されている。この回動部材670aは、その回転位置に応じて作動入賞口660に向けて発射された遊技球が作動入賞口660の方向へ向かうのを妨げる配置と、妨げない配置とを取り得るため、回動部材670aが遊技球を妨げない配置となるタイミングを狙って遊技球を打ち出さなければ作動入賞口660へと遊技球を入球させること(大当たりを開始させること)ができない。よって、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に、回動部材670aの配置を加味して遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、作動入賞口660は、図2に示した通り、遊技球1個分よりも広く、2個分よりも狭い幅の流路(作動入賞口用流路)の終端に設けられている。この作動入賞口用流路は、少なくとも最大の勢い(発射強度)を含む所定範囲の発射強度(例えば、発射強度が95%~100%の範囲)で発射された遊技球が届く(流入する)ように構成されている。このため、特別図柄の抽選で大当たりと判定され、大当たり待機状態になった場合には、作動入賞口660を狙う際に、単にハンドル51を可動し得る最大の範囲まで回転操作するだけで容易に作動入賞口660へと遊技球を入球させることができる。
内レール61の先端部分には、返しゴム69が取り付けられている。所定の発射強度(例えば、発射強度が90%~95%範囲)で発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、遊技球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、遊技球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の遊技球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」~「大当たりF」の6種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA~C」の3種類は、遊技球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりD~F」の3種類は、遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、遊技球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒~90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における遊技球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、正面視上方から第2入球口640に向かって流下してきた球は、電動役物640aに阻まれることにより第2入球口640へと入球することが不可能(困難)となる。一方、普通図柄の当たりとなった場合は、電動役物640aが開放されることにより、第2入球口640に向かって流下してきた球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、第2特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に遊技球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」~「大当たりF」の6種類が設けられている。
「大当たりA」になると、ラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりB」、または「大当たりC」になると、ラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5ラウンド大当たり)となり、「大当たりD」になると、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、「大当たりE」、「大当たりF」になると、ラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10ラウンド大当たり)となる。更に、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」になった場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。また、特別図柄の高確率状態が付与された場合には、普通図柄の当たり確率もアップする(普通図柄の時短状態が付与される)。特別図柄の高確率状態、および普通図柄の時短状態は、大当たり終了後から次に大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりC」、または「大当たりF」になると、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が付与されるものの、特別図柄の高確率状態は付与されない。この「大当たりC」、または「大当たりF」の終了後に付与される普通図柄の時短状態は、特別図柄の抽選が100回実行されることにより終了する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の低確率状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ遊技球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て5ラウンド)としても良い。また、本実施形態では、大当たり後に付与された「特別図柄の確変状態」が、次に大当たりとなるまで継続する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、「特別図柄の確変状態」が継続する期間を、特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、100回)実行されるまでの間に限定する構成としてもよい。この場合において、「特別図柄の確変状態」となる抽選回数と、「普通図柄の時短状態」となる抽選回数とを異ならせてもよい。また、大当たりの種別に応じて、抽選回数を可変させる構成としてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」、および「普通図柄の通常状態」に設定される。そして、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」の何れかになった場合は、「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の確変状態」へ移行すると共に、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「特別図柄の確変状態」と、「普通図柄の時短状態」とは、次に大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりC」、または「大当たりF」になると、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の時短状態」に移行する。以降、説明の簡略化のため、大当たりの終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」)のことを、「確変大当たり」と称する。一方、大当たりの終了後に100回の「普通図柄の時短状態」のみが付与される大当たり(「大当たりC」、「大当たりF」)のことを、「通常大当たり」と称する。
遊技盤13の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA~Fに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、遊技球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ遊技球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「1」から「9」の数字を付した9種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、「1」から「9」の数字を模して構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「1」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が確変大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれか)であれば、「1」~「9」のいずれかが付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、通常大当たり(「大当たりC」、または「大当たりF」)であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。即ち、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示は、確変大当たりでのみ実行される可能性がある。確変大当たりの場合でも、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示が行われる可能性がある構成とすることにより、偶数の数字が付された主図柄が揃った場合にも、確変大当たりであることを期待して大当たり中の遊技を行わせることができる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。なお、確変大当たりにおいて、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示が行われる割合は、例えば、60%に設定される。また、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示によって確変大当たりが開始された場合には、大当たりの所定期間(例えば、5ラウンドのラウンド期間中)において、確変大当たりであったことを報知する演出が実行される。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1~Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりが確定し、大当たり待機状態を示す待機状態演出が表示される。この待機状態演出の詳細については、図7を参照して後述する。また、大当たり待機状態の間に遊技球を作動入賞口660に入球(入賞)させることにより、大当たりが開始され、大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに遊技球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が遊技球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64に対して新たに遊技球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎に、それぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。なお、小領域Ds1のうち、左半分には、第1入球口64への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示し、小領域Ds2のうち、右半分には、第2入球口640への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示する構成としている。図6(b)の例では、小領域Ds1の左半分に4つの保留球数図柄が表示されている一方で、右半分には保留球数図柄が1つも表示されていないので、第1特別図柄の保留球が4つ存在するが、第2特別図柄の保留球は0個となっている状態を示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、遊技球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、遊技球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に遊技球が入り易い状態となるように構成されている。遊技球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における遊技球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第1特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、遊技球が入球すると5個の賞球が払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、この第1入球口64は、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した遊技球(左打ちされた遊技球)の方が、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した遊技球(右打ちされた遊技球)に比べて入球し易くなるように、釘等が配置されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右下側には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第2特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、遊技球が入球すると5個の賞球が払い出される入賞口の1つにもなっている。図2に示した通り、第2入球口640は、遊技盤13の右側に設けられているため、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下した遊技球のみが入球する。
第2入球口640の正面視左下方向には、右可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の右特定入賞口65aが設けられている。また、右可変入賞装置65の正面視左下方向には、左可変入賞装置650が配設されている。この左可変入賞装置650は、左特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。開閉板は、通常時は、遊技球が入賞できない閉状態になっている。開閉板の閉状態においては、開閉板と遊技盤13とが同一平面上となるように閉鎖されるため、遊技球が開閉板の手前側を通過可能となる。また、開閉板が前面下側に傾倒することで、遊技球が左特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成する。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの確定(大当たりの権利を得たこと)が示される。そして、大当たりが確定したことで移行した大当たり待機状態において、遊技球を作動入賞口660へと入球させることで、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで)開放される。即ち、通常時は右特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たり(特別遊技状態)の1ラウンド目となることにより開放され、右特定入賞口65aへと球が入球可能となる。右特定入賞口65aに遊技球が1個入球する毎に10個の賞球が付与される。加えて、大当たり(特別遊技状態)の2ラウンド目以降の各ラウンドでは、左特定入賞口650aが開放されて入球可能となる。左特定入賞口650aも、右特定入賞口65aと同様に、遊技球が1個入球する毎に10個の賞球が付与される。
なお、右特定入賞口65a、左特定入賞口650a、および上述した第2入球口640は、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した遊技球(右打ちされた遊技球)が入球可能(入球容易)となる位置に配置されている。言い換えれば、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した遊技球が入球不可能(入球困難)となる位置に配置されている。よって、遊技者が大当たり中に賞球の払い出しを受ける(利益を得る)ためには、遊技球を右打ちすればよい。ここで、図2に示した通り、右可変入賞装置65は、正面視左下方向に下る向きに若干傾斜した状態で配設されている。これにより、開閉扉65f1が閉鎖された状態で遊技者が右打ちを行い、遊技球が右可変入賞装置65の上面に到達した場合に、その到達した遊技球を右可変入賞装置65の傾斜に沿って正面視左下方向へと流下させてアウト口66に入球させることができる。よって、右打ちにより発射された遊技球が右可変入賞装置65の上部(開閉扉65f1の上面)に滞留してしまうことを防止(抑制)することができる。なお、図2に示した通り、左可変入賞装置650は、右可変入賞装置65の左下に配設されているので、左特定入賞口650aが開放されている場合には、右可変入賞装置65の傾斜に沿って正面視左下方向へと流下した遊技球が左特定入賞口650aへと入球する。
本第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの各ラウンドが終了する(開放された右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aを、再度閉鎖する)条件を、大当たりのラウンド(開放される特定入賞口の種別)に応じて異ならせている。具体的には、1ラウンド目(右特定入賞口65aが開放されるラウンド)は、開閉扉65f1が開放されてから30秒間が経過するか、または、2個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入賞(入球)した場合に開閉扉65f1が閉鎖されて1ラウンド目が終了される。一方、大当たりの2ラウンド目以降の各ラウンド(左特定入賞口650aが開放されるラウンド)においては、左特定入賞口650aが開放されてから30秒間が経過するか、または、10個以上の遊技球が左特定入賞口650aへと入賞した場合に左特定入賞口650aが閉鎖されてラウンドが終了される。
なお、右可変入賞装置65において、右特定入賞口65aに対する遊技球の入球を検知するためのセンサは、右可変入賞装置65の内部に設けられている。よって、右特定入賞口65aへと遊技球が入賞(入球)してから、入球が検知されるまでにはタイムラグが生じる。より具体的には、遊技球が右特定入賞口65aへと入球してから、実際に入球数がカウントされるまでには約0.5秒間を要する。つまり、ラウンドの終了条件が成立する個数となる遊技球が右特定入賞口65aに入球してから開閉扉65f1が閉鎖されるまでには約0.5秒間を要する。よって、この0.5秒間の間に遊技球を追加で入球させることができれば、通常(ラウンドの終了上限が成立する個数のみが入賞した場合)よりも多くの賞球を獲得することができる。本第1実施形態では、1ラウンド(右特定入賞口65aが開放されるラウンド)において、ラウンドの終了条件となる個数以上の遊技球を遊技者が意図的に右特定入賞口65aに対して入球させることができる構成としている。以降、説明の簡略化のため、各ラウンドで規定されている上限の入賞個数(入球個数)を上回る個数の遊技球が特定入賞口65aに入賞(入球)することを、「オーバー入賞」と称する。
詳細については図4、および図5を参照して後述するが、本第1実施形態では、オーバー入賞を発生させ易くするために、遊技球が開閉扉65f1の上面に到達してから、開閉扉65f1の上面を通過しきるまでの期間が長くなるように開閉扉65f1の上面を構成している。このように構成することで、1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下している間に、複数の遊技球を追加して開閉扉65f1の上面に到達させ易くなる。よって、大当たり待機状態において、より多くの遊技球が開閉扉65f1の上面を流下しているタイミングで、作動入賞口660へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる(開閉扉65f1を開放させる)ことにより、開閉扉65f1の上面を流下中の全ての遊技球を開放された右特定入賞口65aへと入球させることができる。上述した通り、大当たりの1ラウンド目では特定入賞口65aに対する2個以上の入賞(入球)を検出した場合に終了する。しかしながら、大当たりの開始前に3個以上の遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させた状態で大当たりの1ラウンド目を開始させることができれば、3個以上の遊技球を右特定入賞口65aへと入賞(入球)させて、本来(2個分の入賞に対する賞球)よりも多くの賞球を獲得することができる。よって、作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングに応じて、遊技者が大当たりの1ラウンド目に獲得可能な賞球数に影響を与える遊技性を提供することができるので、大当たり待機状態中における遊技をより楽しませることができる。なお、大当たり待機状態の間に、開閉扉65f1へと遊技球を到達させるには、作動入賞口660へと遊技球が入球しない(作動入賞口用流路(図2参照)へと遊技球が流入しない)程度の発射強度(95%未満の発射強度)で右打ちを行えばよい。
次に、図4、および図5を参照して、開閉扉65f1の上面の構造について説明する。まず、図4(a)は、開閉扉65f1が閉鎖された状態における可変入賞装置65の正面斜視図であり、図4(b)は、開閉扉65f1が開放された状態における可変入賞装置65の正面斜視図である。
図4(a)に示した通り、開閉扉65f1の上面には、遊技球の流下を妨げるために設けられている凸部65f1a~65f1cが設けられている。開閉扉65f1の上面を流下する遊技球は、各凸部65f1a~65f1cによって流下を妨げられるので、各凸部65f1a~65f1cの外周に沿って開閉扉65f1上を流下する。つまり開閉扉65f1上には、各凸部65f1a~65f1cによってつづら折り状の流路が形成されることになる。このため、各凸部65f1a~65f1cが設けられていない場合(即ち、遊技球が開閉扉65f1上を正面視右方向から左方向へと直線的に流下可能な場合)に比較して、開閉扉65f1の上面を流下しきるまでに要する期間を長くすることができる。これにより、1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下している間に、複数の遊技球を追加して開閉扉65f1の上面に到達させ易くなる。よって、大当たり待機状態において、より多くの遊技球が開閉扉65f1の上面を流下しているタイミングで、作動入賞口660へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる(開閉扉65f1を開放させる)ことによって、より多くの遊技球をオーバー入賞させることができる。
図4(b)は、開閉扉65f1が開放された状態を示した図である。図4(b)に示した通り、開閉扉65f1は、正面視手前側から正面視奥側に向けてスライド動作し、遊技盤13に設けられている開口部を介して遊技盤13の内側に収納される。これにより、右特定入賞口65aが開放された状態となる。右特定入賞口65aが開放されると、右可変入賞装置65の右方向から流下してきた遊技球が右特定入賞口65aに入球可能となる。また、開閉扉65f1を収納するための開口部の高さは、遊技球の直径に対して十分に低いので、開閉扉65f1のスライド移動が開始される時点で開閉扉65f1の上面を流下中であった遊技球が開閉扉65f1と共に遊技盤13の内部に収納されてしまうことを抑制できる。よって、開閉扉65f1が遊技盤13の内部へとスライド移動した場合に、開閉扉65f1の上面に乗っていた遊技球を特定入賞口65aへと落下させることができる。
ここで、本第1実施形態では、1の遊技球が開閉扉65f1を通過しきるまでに要する期間が約4秒間となるように構成している。そして、遊技球の発射間隔(1の遊技球を発射してから、次の遊技球を発射するまでの間隔)は最短で0.6秒となるように構成している。これにより1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下中に、追加で6個前後の遊技球を発射することができる。よって、大当たり待機状態において、7個前後の遊技球を可変入賞装置65に向けて連続して発射してから、作動入賞口660に対して遊技球を入球させることにより、7個前後の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下中の状態で1ラウンド目を開始させることができる。即ち、開閉扉65f1を開放させて開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球を全て特定入賞口65aに入賞させることができる。これにより、本来(2個分の入賞に対する賞球)よりも多い賞球を獲得することができるので、大当たり待機状態において、より多くの遊技球を開閉扉65f1に到達させた状態で作動入賞口660へ遊技球を入球させようと遊技者に工夫させることができる。従って、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。これにより、大当たり待機状態において、遊技球が開閉扉65f1を流下している間に作動入賞口660へと遊技球を入球させることにより、オーバー入賞を意図的に発生させることができる遊技性を提供できる。
なお、本第1実施形態では、開閉扉65f1の上面に3つの凸部65f1a~65f1cを設けることにより、凸部65f1a~65f1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉65f1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部65f1a~65f1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉65f1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や可変入賞装置65の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
本第1実施形態では、1ラウンドが開始されてから30秒間が経過するか、または30秒間が経過する前に特定入賞口65aに2個以上の遊技球が入球した場合に1ラウンド目を終了させる構成としていた。即ち、右打ちを行っていれば、ほぼ確実に上限個数(2個)の遊技球を特定入賞口65aに入球させて1ラウンド目が終了するように、終了条件を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンドが開始されてから右特定入賞口65aを狙って右打ちを行っても、遊技球を入球させることが困難となる長さの期間で1ラウンド目が終了する構成としてもよい。具体的には例えば、1ラウンドが開始されてから0.5秒間が経過するか、0.5秒間が経過する前に10個以上の遊技球が特定入賞口65aに入賞した場合に1ラウンド目を終了する構成としてもよい。このように構成した場合、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を遊技球が通過中でなければ、遊技球を1個も右特定入賞口65aへと入球させることなく1ラウンド目が終了してしまう可能性が高くなる遊技性を提供することができる。よって、1ラウンド目において賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球を入球させる前に、遊技球を開閉扉65f1に向けて打ち出させた後で作動入賞口660を狙うという遊技性を楽しませることができる。よって、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
図5は、開閉扉65f1を鉛直上面側から見た上面図である。図5に示した通り、開閉扉65f1の上面のうち、遊技球が転動可能(容易)なつづら折り状の経路に、遊技球の通過を検出可能な通過検出センサ228a~228fが埋め込まれている。これらの通過検出センサ228a~228fは、開閉扉65f1の上面に形成されている経路において、互いに少なくとも遊技球の直径を超える距離を離して配置されている。これらの通過検出センサ228a~228fは、その上方に遊技球が配置されている場合に出力がH(ハイ)となり、上方を妨げるものが何もない場合に出力がL(ロー)となる公知の光学センサで構成されている。本第1実施形態では、これらの通過検出センサ228a~228fの出力の組み合わせを音声ランプ制御装置113側で監視する構成としている。そして、大当たり待機状態の間は、通過検出センサ228a~228fの出力の組み合わせに応じて、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数の目安を示唆する演出を実行可能に構成している。即ち、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する演出を実行可能に構成している。これにより、演出内容に応じてより多くの遊技球が開閉扉65f1上を流下中であることを示唆されたタイミングで作動入賞口660へと遊技球を入球させることにより、より多くの個数の遊技球をより容易にオーバー入賞させることができる。よって、遊技者がより気軽にオーバー入賞を狙うことができる。この大当たり待機状態中に実行される待機状態演出の詳細について、図7を参照して説明する。
図7(a),(b)は、大当たり待機状態において実行される待機状態演出中の表示態様を示した図である。図7(a)に示した通り、大当たり待機状態になると、第3図柄表示装置81の表示画面における正面視上側に、「大当たり確定!」という文字が表示された表示領域HR1が形成される。この表示領域HR1の表示内容により、遊技者に対して大当たりが確定した(大当たりの権利を得た)ことを容易に認識させることができる。また、表示領域HR1の下方には、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)が表示される。大当たり待機状態の間も最終停止図柄を表示させておくことにより、今回の大当たりが確変大当たりであるか、通常大当たりであるかを遊技者が任意のタイミングで容易に確認することができる。
最終停止図柄に対して正面視右側には、縦長で、縦方向に6つの小領域に分割されているチャンスメーターCMが表示されている。このチャンスメーターCMを構成する各領域は、消灯した見た目となる態様と、発光した見た目となる態様とに可変可能に構成されており、発光した見た目となっている小領域の個数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた際の有利度合いを示唆する構成としている。より具体的には、小領域の個数は、通過検出センサ228a~228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数に応じて、下側の小領域から順番(優先的)に発光した見た目(点灯態様)に設定される構成となっている。つまり、チャンスメーターCMのうち、発光した見た目(点灯態様)となっている小領域の個数分の遊技球が、少なくとも開閉扉65f1の上面を通過中である(開閉扉65f1が開放された場合に右特定入賞口65aへと入賞させることができる)ことが示唆される。以降、説明の簡略化のため、チャンスメーターCMのうち、発光した見た目の小領域のことを「ゲージ」と称し、発光した見た目の小領域の個数のことを「ゲージ数」と称し、小領域が発光した見た目に可変することを、「ゲージが貯まる」と称することにする。
最終停止図柄の下方には、「「GO!」を狙うとメーターチャージ!!」との文字と、「タイミングを合わせて右上を狙え!!」との文字と、作動入賞口660を狙うように示唆する画像とが表示された表示領域HR2が形成される。この表示領域HR2の表示内容により、遊技者に対して「GO!」の文字が付された普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)を狙うことにより、表示画面における正面視右側に表示されたチャンスメーターCMのゲージ数を増加させることができるということを容易に理解させることができる。なお、上述した通り、このチャンスメーターCMは、開閉扉65f1の上面に配設されている通過検出センサ228a~228fの検出内容に連動してゲージ数が可変される。普通入球口(スルーゲート)67に入球する程度の発射強度(発射速度)で遊技球を発射することにより、その下流に配設されている可変入賞装置65に対しても遊技球を到達させることができる。よって、普通入球口(スルーゲート)67が配置されている方向に向けて連続して遊技球を発射することで、可変入賞装置65の開閉扉65f1の上面にも遊技球が連続して到達する。この状態で、表示領域HR2の表示内容に従って作動入賞口660を狙って(即ち、95%~100%の発射強度で)遊技球を発射することにより、大当たりが開始されて開閉扉65f1が開放される。これにより、開閉扉65f1を流下中の遊技球をほぼ右特定入賞口65aに入賞(入球)させることができる。なお、上述した通り、作動入賞口660に対して正面視左方には、一定の回転速度で回転動作を行う回動部材670aが設けられている。この回動部材670aは、その回転位置に応じて、作動入賞口660へと遊技球が入球することを妨げ得るため、遊技者に対して、チャンスメーターCMのゲージ数だけでなく、回動部材670aの回転位置も加味した発射タイミングで遊技球を発射させることができる。よって、大当たり待機状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図7(b)は、チャンスメーターCMのゲージが3つ分貯まっている状態を示した図である。図7(b)に示した通り、通過検出センサ228c~228eの3つのセンサの上側を遊技球が通過中となっている場合に、これら3つのセンサの出力がH(ハイ)となる。音声ランプ制御装置113は、H出力となっているセンサの個数を検出して、チャンスメーターCMの態様に反映させる。図7(b)の例では、3つのセンサ(通過検出センサ228c~228e)の出力がHとなっているので、チャンスメーターCMのゲージが3つ貯まった状態の態様で表示される。このように、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を通過検出センサ228a~228fによって検出し、検出結果に応じて、通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数で表示させる構成とすることにより、遊技者に対して作動入賞口660を狙うべきタイミングをより分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10での遊技を行った経験が浅い遊技者に対しても、作動入賞口660を狙うタイミングを直感的に理解させ易くすることができる。これにより、初めて遊技を行う遊技者に対しても、気軽に遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、大当たり待機状態において、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数によって示唆することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって大当たりの有利度合いを示唆する構成としてもよい。具体的には例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって、大当たり種別を示唆することにより、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。また、例えば、大当たりが確定した時点では大当たりのラウンド数が不定となるように構成し、作動入賞口660を通過させたタイミングで大当たりのラウンド数を抽選する構成としてもよい。そして、ゲージ数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合に実行される抽選で決定されるラウンド数を示唆することで、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の右下側の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられている。この、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により遊技球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の遊技球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122(図3参照)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図12参照)が設けられている。
ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別を選択するために使用する停止種別カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図30参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、実行エリア203cが設けられており、抽選を実行する対象となる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値が格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203dが設けられており、これらの各エリアには、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図21参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、遊技球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の確変状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図9(b)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。一方、遊技球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。
ここで、実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は2個あり、その乱数値である「0,1」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図9(b)の202a1参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。なお、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は20個あり、その値である「0~19」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図9(b)の202a2参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が20なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/20」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図10(a)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」(8ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「5~64」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」(5ラウンド確変大当たり)となり、値が「65~99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」(5ラウンド通常大当たり)となる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」(16ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「5~64」であった場合の大当たり種別は、「大当たりE」(10ラウンド確変大当たり)となり、値が「65~99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりF」(10ラウンド通常大当たり)となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、6種類の当たり種別(大当たりA~F)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90~97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0~89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。また、遊技球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90~97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0~79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80~97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図30参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図11(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図11(a)~(d)を参照して、変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図11(a)に示すように、第1特別図柄の抽選に基づく変動パターンを選択するためのテーブルとして、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図11(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図11(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図11(d)参照)とが少なくとも規定されている。
まず、図11(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図11(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0~50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図11(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0~98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99~198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0~149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150~197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図11(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図12に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、遊技球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図10(b)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図10(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その値は「5~28」である。このように、普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~28」の範囲内であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図21参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図30参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図29参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
次に、ROM202の具体的な内容について、図9(a)を参照して説明する。図9(a)は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の値と、抽選結果との対応関係が規定されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0,1」が規定され(図9(b)の202a1参照)、特別図柄の高確率状態(確変状態)において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0~19」が規定されている(図9(b)の202a2参照)。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)に規定されている大当たりに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図10(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b1参照)。この「大当たりA」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA」は、第1特別図柄の大当たりの中で最もラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後に有利な「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与されるので、第1特別図柄の大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~64」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b2参照)。この「大当たりB」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりB」は、ラウンド数が少ないものの、「大当たりA」と同様に、大当たりの終了後に有利な「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与されるので、遊技者にとって比較的有利な大当たり種別である。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b3参照)。この「大当たりC」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が100回終了するまでの間継続する「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりC」は、ラウンド数が少なく、且つ、大当たり終了後の遊技状態も、「大当たりA」や「大当たりB」に比較して不利となるため、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。
また、図10(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b4参照)。この「大当たりD」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりD」は、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別となる。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~64」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b5参照)。この「大当たりE」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりE」は、「大当たりD」に比較してラウンド数が少ないものの、大当たり終了後の遊技状態は「大当たりA」、「大当たりB」、および「大当たりD」と同様に有利な遊技状態が設定されるので、遊技者にとって有利な大当たり種別の一種である。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b6参照)。この「大当たりF」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりF」は、ラウンド数は第1特別図柄の大当たり(「大当たりA」~「大当たりC」)に比較して多いものの、大当たり終了後の遊技状態が不利となるため、遊技者にとって不利な大当たり種別である。
このように、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、第1特別図柄の抽選よりもラウンド数が多い大当たり種別となるので、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者にとって有利となる。なお、確変大当たりと通常大当たりとの比率は、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも同一(確変大当たりが65%、通常大当たりが35%)となるように構成されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)は、普通図柄の当たり判定値が規定(記憶)されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図10(b)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図10(b)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を遊技球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図11参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
次に、RAM203の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図13に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、実行エリア203c、普通図柄保留球格納エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり開始フラグ203k、大当たり中フラグ203m、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、遊技球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の値が、実行エリア203c(図12参照)へシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリア203cへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリアを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
実行エリア203cは、特別図柄の抽選を実行に用いるための各カウンタC1~C3の値が格納される記憶領域である。この実行エリア203cに格納された各カウンタC1~C3の値と、上述した第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b等とが比較されて、特別図柄の抽選が実行される。
普通図柄保留球格納エリア203dは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ遊技球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図24のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS210参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図22のS211、図24のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ遊技球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図24のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS205参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、遊技球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図27のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS605参照)。
遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203dに記憶される(図27のS705)。一方、遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203dには新たに何も記憶されない(図27のS703:No)。
確変フラグ203hは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203hがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203hがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態の間は、普通図柄の時短状態となる。よって、確変フラグ203hがオンであれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変フラグ203hは、初期値がオフに設定されており、確変大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれか)となった場合に、その大当たりの終了時にオンに設定される(図32のS1215参照)。また、確変フラグ203hは、大当たり遊技が開始される場合にオフにリセット設定される(図22のS219参照)。
この確変フラグ203hは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図23のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図23、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図23、S213)では、確変フラグ203hが参照され、オンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)の202a2参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。一方、確変フラグ203hがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)の202a1参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変フラグ203hは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図26のS608,S614,S620)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変フラグ203h、および後述する時短中カウンタ203iが参照され、確変フラグ203hがオンであるか、または時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態中と判別されて、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)の202c2参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS609参照)。一方、確変フラグ203hがオフであり、且つ、時短中カウンタ203iの値が0であれば、普通図柄の通常状態中と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)の202c1参照)に基づいて普通図柄の抽選が行われる(図26のS610参照)。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも確変フラグ203hが参照される(図26のS614,S620参照)。
時短中カウンタ203iは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203iの値が0、且つ、確変フラグ203hがオフであれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203iは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、通常大当たりとなる度に、その通常大当たりの終了時に値が100にセットされる(図32のS1214参照)。また、大当たり種別に関わらず、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合は、その大当たりの開始を設定する中で値が0に設定される(図22のS219参照)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203iの値、および確変フラグ203hの状態が参照され、時短中カウンタ203iの値が1以上であるか、確変フラグ203hがオンであれば、普通図柄の時短中と判別される。この場合、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS609参照)。一方、時短中カウンタ203iの値が0であり、且つ、確変フラグ203hがオフであれば、普通図柄の通常状態と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS610参照)。
入球待機フラグ203jは、作動入賞口660へと遊技球が入球するまで大当たりの開始が待機される大当たり待機状態であるか否かを示すフラグである。この入球待機フラグ203jがオンであれば、大当たり待機状態であることを意味し、オフであれば、大当たり待機状態ではないことを意味する。この入球待機フラグ203jは、特別図柄の抽選で大当たりとなり、当該大当たりに対応する変動パターンの変動時間が経過した際にオンに設定される(図22のS220参照)。また、入球待機フラグ203jは、大当たり待機状態中において、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合にオフに設定される(図31のS1104参照)。この入球待機フラグ203jがオンの間は、作動入賞口660への入球が有効として扱われる(入球を検出した場合に大当たりが開始される)。
大当たり開始フラグ203kは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203kがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングである(作動入賞口660へと遊技球が入球して大当たり待機状態が終了した)ことを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203kは、大当たり待機状態中に作動入賞口660へと遊技球が入球することでオンに設定される(図31のS1103参照)。また、大当たり開始フラグ203kは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図32のS1203参照)。
大当たり中フラグ203mは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203mがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203mは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図32のS1203参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図32のS1217参照)。特別図柄変動処理(図22参照)では、この大当たり中フラグ203mが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図22のS201参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、主制御装置110のRAM203には、各種のカウンタやフラグが設けられている。
図8に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、右特定入賞口65aおよび左特定入賞口650aを閉鎖または開放する開閉扉65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209、回動部材670aを回転動作させるための回転体用モータ670cが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により遊技球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた遊技球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、遊技球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、通過検出センサ228a~228f、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、通過検出センサ228a~228fの出力を監視し、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数から、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の大まかな個数を把握することが可能に構成されている。そして、大当たり待機状態では、センサの個数に応じて把握した遊技球の個数に対応させて、第3図柄表示装置81に表示させるチャンスメーターCMの態様(ゲージの量)を可変させる。これにより、遊技者に対して、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に得られる賞球の量(開閉扉65f1が開放された場合に入球する遊技球の個数)を見た目で分かり易く理解させることができる。よって、大当たり待機状態の間に、より積極的に作動入賞口660に到達しない発射強度(95%未満の発射強度)で右打ちを行わせ、開閉扉65f1の上面により多くの遊技球を到達させようとさせることができる。よって、大当たり待機状態中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図14(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図14(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図14(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、変動時間カウンタ223fと、待機状態演出フラグ223gと、レベルカウンタ223hと、遊技状態格納エリア223iと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)からなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。加えて、1つの実行エリアを有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の抽選に対応する保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、第2特別図柄の抽選に対応する保留球数を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図36のS4308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図36のS4302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38のS4502参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図36のS4305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図38のS4507参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
変動時間カウンタ223fは、特別図柄の変動表示の変動時間をカウントするカウンタである。主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対応する変動時間が変動時間カウンタ223fに設定される。
待機状態演出フラグ223gは、待機状態演出(図7(a),(b)参照)の実行中であるか否かを示すフラグである。この待機状態演出フラグ223gがオンであれば、待機状態演出の実行中であることを意味し、オフであれば、待機状態演出の実行中ではないことを意味する。この待機状態演出フラグ223gは、大当たり待機状態となったことを示す待機状態コマンドを主制御装置110から受信して、待機状態演出の開始を設定したことを契機としてオンに設定される(図37のS4403参照)。また、この待機状態演出フラグ223gは、主制御装置110から大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図37のS4406参照)。
レベルカウンタ223hは、待機状態演出(図7(a),(b)参照)において第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるチャンスメーターCMのゲージ数(レベル)を示すカウンタである。このレベルカウンタ223hの値は、通過検出センサ228a~228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数に連動して更新される(図35のS4204参照)。即ち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数がカウンタ値として設定される。
遊技状態格納エリア223iは、パチンコ機10の遊技状態に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この遊技状態格納エリア223iは、主制御装置110から、パチンコ機10の遊技状態に変更が生じる毎に出力される状態コマンドを受信する毎に更新される(図36のS4310参照)。なお、遊技状態格納エリア223iは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、下位2ビットの状態によって遊技状態を特定可能に構成されている。より具体的には、例えば、最下位のビットが普通図柄の時短状態であるか否かを示し、下位2ビット目のビットが特別図柄の確変状態であるか否かを示す。よって、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の通常状態」では、下位2ビットが「00B」となり、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の時短状態」では、下位2ビットが「01B」となり、「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」では、下位2ビットが「11B」となる。音声ランプ制御装置113のMPU221は、この遊技状態格納エリア223iに格納されたデータに基づいて、音声ランプ制御装置113側でパチンコ機10の遊技状態を把握することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図15を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図28参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図15を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図15は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図39のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図39のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図20参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図41(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図39のS6003,S6004参照)。
ここで、図16を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図16は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図16(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図16(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図16(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図16(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図16(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図16(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図17を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図17は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図17(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図17(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図17に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図17(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図17(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図17(a)~(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図17(a)~(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図15参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「1」から「9」の数字を付した上述の9種類の主図柄(図6(b)参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「1」から「9」の数字が付されていない主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「青年」や「女性」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA~Fのいずれかであれば、それぞれの大当たり種別を示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図18を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図18は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図18の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図20参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図19を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図19は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図19のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図19のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図19の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図16(a)~(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図39参照)の中でオンに設定される(図39のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図51(b)のS7705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図41(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図42~図47参照)および表示設定処理(図48~図50参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図51(a)のS7601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図51(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図52参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図41(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図48のS7305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図20を参照して、描画リストの詳細について説明する。図20は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図20に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図41(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図48のS7307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図39のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図52参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図52のS7813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図52のS7814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図53のS7902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図41(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図21~図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図22~図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図26および図27を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、遊技球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して遊技球の発射指示をする。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図22は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中の何れかであるかを判定する(S201)。具体的には、入球待機フラグ203j、および大当たり中フラグ203mの何れかがオンであるかを判定する。判定の結果、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、大当たり待機状態中でも、特別図柄の大当たり中でもないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0であると判定した場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S209)。
S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(S209:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S209:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S212)、処理をS213へと移行する。S207、またはS212の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図23を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、変動時間を計測するための変動時間カウンタを更新し(S214)、更新後の変動時間カウンタの値に基づいて第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図23を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA~Fのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりEとなる場合には、赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりFとなる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には青色のLEDと赤色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定すると共に、時短中カウンタ203iの値を0にリセットする(S219)。そして、入球待機フラグ203jをオンに設定すると共に、大当たり待機状態の開始を示す待機状態コマンドを設定して(S220)、S223の処理へと移行する。ここで設定された待機状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、待機状態コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の表示画面において待機状態演出(図7(a),(b)参照)を開始させるための表示用待機状態コマンドを表示制御装置114に出力するコマンドとして設定する。その結果、第3図柄表示装置81において、待機状態演出が開始される。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、時短中カウンタ203iの値が0より大きい値であるか(即ち、普通図柄の時短状態であるか)を判別し(S221)、時短中カウンタ203iの値が0より大きいと判別した場合は(S221:Yes)、時短中カウンタ203iの値を1減算して(S222)、処理をS223へと移行する。これに対し、S221の処理において、時短中カウンタ203iの値が0であると判別した場合は(S221:No)、S222の処理をスキップして、処理をS223に移行する。なお、図示については省略したが、S222の処理において減算後の時短中カウンタ203iの値が0になった場合には、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に遊技状態が変更されたことを示す状態コマンドが設定される。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
S223の処理では、停止種別を示す停止コマンドを設定して、本処理を終了する。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、停止コマンドが示す停止種別に基づいて、第3図柄の停止図柄を設定する。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図23は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図21参照)の特別図柄変動処理(図22参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203hを読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変フラグ203hがオンならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変フラグ203hがオフであれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a2参照)と比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0~19」の20個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a1参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとを比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0,1」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲にあれば、大当たりA(8ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5~64」の範囲にあれば、大当たりB(5ラウンド確変大当たり)であると判定し、「65~99」の範囲にあれば、大当たりC(5ラウンド通常大当たり)であると判定する(図10(a)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲にあれば、大当たりD(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5~64」の範囲にあれば、大当たりE(10ラウンド通常大当たり)であると判定し、「65~99」の範囲にあれば、大当たりF(10ラウンド通常大当たり)であると判定する(図10(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA~F)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA~F)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図11(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリア203cに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80~97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタに設定する(S311)。そして、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S312)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図30参照)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理(図22参照)へ戻る。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図24は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、遊技球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、遊技球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、遊技球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、処理をS413へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、S413の処理へ移行する。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S413の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S413)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図25を参照して説明する。
図25は、先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)では、まず、今回の始動入賞処理(図24参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S501)、新たな入球を検出していなければ(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S502)、上限値であると判別した場合は(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S502:No)、当該入球に基づく変動表示を開始するタイミングが特別図柄の確変状態であるか否かを判別する(S503)。このS503の処理では、現在の遊技状態と、今回の入球以前に保留された保留球の先読み結果とに応じて、確変状態であるか否かを判別している。具体的には、保留球の中に大当たりが含まれていなければ、現在の遊技状態と、今回検出した入球に基づく変動表示を開始するタイミングとが一致するので、現在の遊技状態が確変状態であると判別する。また、保留球の中に大当たりが含まれている場合は、大当たりの種別に応じて遊技状態が変更される可能性がある。具体的には、確変大当たりが保留されている場合は当該大当たり後に確変状態へと移行し、通常大当たりが保留されている場合は、当該大当たり後に通常状態へと移行する。これらを加味して、今回検出した入球に基づく変動表示の開始タイミングが確変状態であるか否かを判別する。
S503の処理において、今回検出した入球に基づく変動の開始時が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S503:Yes)、入球を検出した入球口の種別と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a2参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S504)、処理をS506へと移行する。一方、変動開始時が特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S503:No)、入球を検出した入球口の種別と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a1参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S505)、処理をS506へと移行する。
S504、またはS505の処理後に実行されるS506の処理では、今回の入球を検出した入球口の種別と、S504、またはS505の処理で取得した抽選結果とに基づいて入賞情報コマンドを設定し(S506)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドにより通知された入球口の種別、および抽選結果を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図26は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203dの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S608)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、確変フラグ203hがオンであるか、または、時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態であると判定する一方で、確変フラグ203hがオフで、且つ、時短中カウンタ203iの値が0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S608の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(b)の202c2参照)。
S608の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S608:No)、S610の処理へ移行する。S610の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5~28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、0~4,29~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(b)の202c1参照)。
次に、S609またはS610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S611)、普通図柄の当たりであると判定した場合には(S611:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S612)。このS612の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS614へと移行する。一方、S611の処理において、普通図柄の当たりではない(普通図柄の外れである)と判定した場合には(S611:No)、外れ時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS614へと移行する。
S612、またはS613の処理後に実行されるS614の処理では、普通図柄の時短状態であるか(確変フラグ203hがオン、または時短中カウンタ203iが1以上であるか)を判定し(S614)、普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S615)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変フラグ203hがオフであり、且つ、時短中カウンタ203iの値が0である)と判定した場合は(S614:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S616)、本処理を終了する。
また、S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S617)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S615の処理またはS616の処理によって予め設定された時間である。
S617の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S617:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S617の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S617:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S618)。S618の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S612の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S618の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の第2図柄表示更新処理(S1008参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S612の処理またはS613の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S619)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S619:Yes)、次いで、普通図柄の時短状態中であるか(即ち、確変フラグ203hがオン、または時短中カウンタ203iが1以上であるか)を判別し(S620)、時短状態中でなければ(S620:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数を「0.2秒間×1回」に設定して(S621)、処理をS623へと移行する。一方、S620の処理において、普通図柄の時短中ではあると判別した場合は(S620:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数を「1秒間×2回」に設定して(S622)、処理をS623へと移行する。
S623の処理では、S621、またはS622の処理で決定された開放時間、および開放回数の開閉制御開始を設定し(S623)、本処理を終了する。S623の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の電動役物開閉処理(S1006参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S621の処理またはS622の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S619の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S619:No)、S620~S623の各処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図27は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、遊技球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
遊技球が普通入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、遊技球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図29を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図29は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS915へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、図30のS1015の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S915)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S916,S917)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。RAMの初期化処理(S916,S917)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S916)、その後、RAM203の初期値を設定する(S917)。S917の処理が終了した後は、処理をS910へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S910の処理が終了した後は、確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり中フラグ203mを読み出して(S911)、読み出した確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり中フラグ203mが示す遊技状態を通知するための状態コマンドを設定する(S912)。S912の処理が終了した後は、回転体用モータ670cの駆動開始を設定し(S913)、割込みを許可して(S914)、後述するメイン処理に移行する。S913の処理により設定された回転体用モータ670cの駆動の設定は、電源が遮断されるまで変更されない。これにより、遊技機に対して電源が投入されている間は、回動部材670aを常に等速で回転動作させ続けることができる。よって、大当たり待機状態において、遊技者に対して回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660方向への遊技球の流下(飛翔)を妨げない配置となっているタイミングを狙って遊技球を発射させることができるので、遊技者に対してタイミング良く遊技球を発射する楽しみを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、遊技機に対して電源が投入されている間、回動部材670aを等速で回転動作させ続けるように構成したが、これに限られるものではない。大当たり待機状態において、回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660への入球を妨げる配置と、妨げない配置とに可変される構成となっていればよく、例えば、大当たり待機状態の間のみ回動部材670aを等速で回転動作させ、その他の状態では動作を停止させる構成としてもよい。
また、本第1実施形態では、回動部材670aの回転速度が等速となるように構成していたが、これに限られるものではなく、ランダムに、または規則的に回転速度や回転方向が可変する構成としてもよい。このように構成することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させる難易度がより高くなるため、作動入賞口660へと狙い通りに遊技球が入球した場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
次に、図30を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001~S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図21参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図21参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図22参照)や始動入賞処理(図24参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図32参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、遊技球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、大当たり待機状態において、作動入賞口660への入球を監視し、作動入賞口660への入球が検出された場合に大当たりを開始するための大当たり開始処理を実行する(S1004)。この大当たり開始処理(S1004)の詳細については、図31を参照して後述する。S1004の処理が終了すると、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の右特定入賞口65aおよび左特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1005)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に右特定入賞口65a(開閉扉65f1)、または左特定入賞口650aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると右特定入賞口65a(開閉扉65f1)、または左特定入賞口650aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S1005)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S1005)の詳細については、図32を参照して後述する。
S1005の処理が終了すると、次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS623の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図26参照)におけるS621の処理またはS622の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS615の処理またはS616の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS618の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS612の処理またはS613の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001~S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001~S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図29のS901参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、大当たり開始処理(S1004)の詳細について説明する。この大当たり開始処理(S1004)は、上述した通り、作動入賞口660への入球を監視し、入球が検出された場合に大当たりを開始するための処理である。
この大当たり開始処理(図31参照)では、まず、入球待機フラグ203jがオンであるかを判別し(S1101)、入球待機フラグ203jがオフであると判別した場合は(S1101:No)、現在が大当たり待機状態ではないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、入球待機フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1101:Yes)、現在が大当たり待機状態中であることを意味するので、次に、作動入賞口660への入球を検出したか否かを判別する(S1102)。S1102の処理において、作動入賞口660への入球を検出していないと判別した場合は(S1102:No)、大当たりの開始タイミングではないため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1102の処理において、作動入賞口660への入球を検出したと判別した場合は(S1102:Yes)、大当たりの開始を設定すると共に、大当たり開始フラグ203kをオンに設定する(S1103)。そして、入球待機フラグ203jをオフに設定することで、大当たり待機状態を終了させ(S1104)、本処理を終了する。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1005)を説明する。図32は、この大当たり制御処理(S1005)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1005)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図32参照)では、まず、大当たり開始フラグ203kがオンであるか(即ち、大当たりの開始が設定されたか)を判定する(S1201)。S1201の処理において、大当たり開始フラグ203kがオンであると判別した場合には(S1201:Yes)、大当たりのオープニング期間の開始を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1202)。ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。なお、本第1実施形態では、オープニング期間を0.1秒とし、作動入賞口660に対する遊技球の入球を検出してから、ほとんど時間差無く1ラウンドが開始される(開閉扉65f1が開放される)構成としている。このように構成することで、作動入賞口660へと入球した時点で開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球をほぼ右特定入賞口65aに入球させることができる。よって、遊技者が作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングを図り易くすることができる。S1202の処理後は、大当たり中フラグ203mをオンに設定すると共に、大当たり開始フラグ203kをオフに設定して(S1203)、本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、大当たりフラグ203jがオフであると判定した場合は(S1201:No)、大当たり中フラグ203mがオンであるか(特別図柄の大当たり中であるか)を判別する(S1204)。S1204の処理において、大当たりフラグ203mがオフである(特別図柄の大当たり中ではない)と判別した場合は(S1204:No)、本処理を終了する。
一方、S1204の処理において、大当たり中フラグ203mがオンであると判別した場合は(S1204:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1205)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1205:Yes)、ラウンド数に対応する特定入賞口の開放を設定する(S1206)。より具体的には、今回が1ラウンド目の開始タイミングであれば、開閉扉65f1を開放することで右特定入賞口65aを開放状態に設定し、1ラウンド目以外であれば左特定入賞口650aを開放状態に設定する。S1206の処理が終了すると、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1207)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1205の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1205:No)、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判定する(S1208)。具体的には、現在が1ラウンドのラウンド期間であれば、右特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過したか、または、右特定入賞口65aを開放した後に遊技球が右特定入賞口65aに2個以上入賞したことを検出した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。また、現在が1ラウンド目以外のラウンドのラウンド期間であれば、左特定入賞口650aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過したか、または、左特定入賞口650aを開放した後に遊技球が左特定入賞口650aに10個以上入賞したことを検出した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1208の処理において、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1208:Yes)、開放状態に設定されている特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖を設定して(S1209)、本処理を終了する。一方、S1208の処理において、特定入賞口の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S1208:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1210)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態の全ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1210の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1210:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1211)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1210の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判定した場合は(S1210:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1212)、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1212:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1212の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1212:Yes)、今回の大当たりが確変大当たり(大当たりA,B,D,Eの何れか)であるか否かを判別する(S1213)。
S1213の処理において、確変大当たりでない(即ち、通常大当たりである)と判別した場合は(S1213:No)、時短中カウンタ203iの値に100を上書きすることにより、大当たり終了後に100回の普通図柄の時短期間が付与されるように設定して(S1214)、処理をS1216へと移行する。一方、S1213の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S1213:Yes)、確変フラグ203hをオンとすることで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるように設定し(S1215)、処理をS1216へと移行する。
S1214の処理、又はS1215の処理後に実行されるS1216の処理では、大当たりが終了した後の遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態であるか、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態であるか)を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1216)、大当たりの終了を設定して(S1217)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33~図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図34参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図34を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図34のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008の処理へと移行する。
S4002の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S4004)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S4005)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S4005の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S4006)、処理をS4008へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S4005の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図34のS4117参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値の設定を行う(S4010)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S4010の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図29参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容を解析して(S4011)、解析結果に応じて遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S4012)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S4012の処理後は、割込み許可を設定して(S4013)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、S4010~S4013の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS4101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1m秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102~S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4102~S4111が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理や、S4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103~S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S4107の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後、音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理が終了すると、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理が終了すると、次に、演出更新処理を実行して(S4111)、処理をS4112に移行する。演出更新処理(S4111)では、大当たり待機状態において実行される待機状態中演出の演出態様(チャンスメーターCM(図7(a),(b)参照)のゲージ数)を、通過検出センサ228a~228fの検出結果に応じて可変させる制御が実行される。この演出更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。
S4112の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4112)。このコマンド判定処理の詳細については、図36、および図37を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S4113)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S4113の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S4114:Yes)、電源断フラグ、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出更新処理(S4111)の詳細について説明する。図35は、この演出更新処理(S4111)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111)は、上述した通り、待機状態演出における演出態様を更新するための処理である。
演出更新処理(図35参照)では、まず、待機状態演出フラグ223gがオンであるかを判別し(S4201)、オフであると判別した場合は(S4201:No)、現在が待機状態演出の実行中ではない(演出態様を更新する可能性が無い)ため、そのまま本処理を終了する。一方で、S4201の処理において、待機状態演出フラグ223gがオンであると判別した場合は(S4201:Yes)、通過検出センサ228a~228fのうち、出力がH(ハイ)のセンサの数をカウント(計数)する(S4202)。
S4202の処理が終了すると、S4202の処理によるカウント値(計数値)と、レベルカウンタ223hのカウンタ値とが一致するかを判別する(S4203)。上述した通り、このレベルカウンタ223hは、第3図柄表示装置81において表示されるチャンスメーターCMのゲージ数を示すカウンタである。チャンスメーターCMのゲージ数は、通過検出センサ228a~228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの数に連動して可変される。よって、S4203の処理において、レベルカウンタ223hのカウント値と、S4202の処理におけるカウント値とが異なっていると判別した場合は(S4203:No)、開閉扉65f1の上面における遊技球の個数が変化した等により、チャンスメーターCMの表示態様と出力がH(ハイ)のセンサの数とがずれていることを意味するので、S4202の処理におけるカウント値(計数値)を、レベルカウンタ223gの値に上書きすることで更新する(S4204)。そして、チャンスメーターCMの態様を、S4204の処理で更新したレベルカウンタ223gの値に対応するゲージ数の態様に更新して(S4205)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において、S4202の処理によるカウント値(計数値)と、レベルカウンタ223gの値とが一致していると判別した場合は(S4203:Yes)、現状の通過検出センサ228a~228fの出力と、チャンスメーターCMのゲージ数とが一致しており、チャンスメーターCMの表示態様(待機状態演出の演出態様)を更新する必要がないので、S4204,S4205の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理(図35参照)を実行することで、チャンスメーターCMの態様を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数に対応させて更新することができる。よって、チャンスメーターCMの態様を参照して、よりゲージ数が多い態様となっている間に作動入賞口660へと遊技球が入球することを狙って遊技を行わせることができる。つまり、遊技者に対して作動入賞口660を狙うべきタイミングをより分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10での遊技を行った経験が浅い遊技者に対しても、作動入賞口660を狙うタイミングを直感的に理解させ易くすることができる。これにより、初めて遊技を行う遊技者に対しても、気軽に遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、待機状態演出の実行中において、演出更新処理(図35参照)が実行される毎にS4203の処理によって通過検出センサ228a~228fの出力状況と、チャンスメーターCMのゲージ数との齟齬が生じていないか(チャンスメーターCMの態様を更新すべきか)を判別する構成としていたが、チャンスメーターCMの態様を更新する頻度を少なくしてもよい。具体的には、例えば、待機状態演出の実行中は、0.5秒に1回のみS4203の処理を実行する構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図34参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S4301)。S4301の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S4301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S4302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4303)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S4301の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S4301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S4305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4306)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S4304の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S4304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S4307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(S4308)。また、S4308の処理では、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4308の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S4308の処理によって音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。尚、S4308の処理が実行されると、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4307:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S4309)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S4309:Yes)、受信したコマンドに応じて遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S4310)。即ち、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた情報に基づき、特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「11B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「01B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の通常状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「00B」に設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S4309の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S4309:No)、次いで、入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S4311)。S4311の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4311:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された情報(新たな始動入賞を検出した入球口の種別、および抽選結果を示す情報)を、入賞情報格納エリア223aの対応する記憶領域に格納して(S4312)、本処理を終了する。
S4311の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4311:No)、次いで、当たりに関連するコマンド(待機状態コマンド、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S4313)。そして、当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S4313:Yes)、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための当たり関連処理を実行して(S4314)、本処理を終了する。この当たり関連処理(S4314)の詳細については、図37を参照して後述する。
一方、S4313の処理において、大当たりに関連するコマンドを受信していないと判定した場合には(S4313:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4315)、本処理を終了する。S4315の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S4314)について説明する。図37は、この当たり関連処理(S4314)を示したフローチャートである。
当たり関連処理では、まず、待機状態コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、待機状態コマンドを受信していれば(S4401:Yes)、待機状態演出を開始させるための表示用待機状態コマンドを設定する(S4402)。ここで設定された表示用待機状態コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用待機状態コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たり待機状態であることを報知するための待機状態演出を開始する。S4402の処理が終了すると、次に、待機状態演出フラグ223gをオンに設定することで待機状態演出の実行中であることを示し(S4403)、本処理を終了する。
一方、S4401の処理において、待機状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4401:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4404)、オープニングコマンドを受信していれば(S4404:Yes)、オープニング演出を開始させるための表示用オープニングコマンドを設定し(S4405)、待機状態演出フラグ223gをオフにすることで待機状態演出の終了を設定して(S4406)、本処理を終了する。S4405の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。
一方、S4404の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4404:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S4407:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S4408)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S4408の処理後は、本処理を終了する。
一方、S4407の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4407:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S4409:Yes)、エンディング演出を開始させるための表示用エンディングコマンドを設定し(S4410)、本処理を終了する。S4410の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を報知するためのエンディング演出を開始する。
一方、S4409の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4409:No)、そのまま本処理を終了する。この当たり関連処理(図37参照)を実行することにより、当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)について説明する。図38は、この変動表示設定処理(S4113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図34参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S4501)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4501:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4506の処理へ移行する。一方、S4501の処理において、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合は(S4501:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S4502)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS4303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S4503)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S4504)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S4505)、処理をS4506へと移行する。S4505の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S4506の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S4506)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S4506:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理(図38参照)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S4506:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S4507)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS4306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S4508)。次に、S4508の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S4509)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図39から図53を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図39を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型フラッシュメモリ234dに格納されることにより、NOR型フラッシュメモリは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図40を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図40は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図39のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図39のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図40に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103~S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図39の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図51(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図51(a)のS7602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図41(b)参照)において、図16に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図41(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図41(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図41(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図41(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図41(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図42~図47を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図48~図50を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図51および図52を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図20に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図53を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA~F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図42~図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図42は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図42に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図43(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図42の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図43(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図41(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図42に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用待機状態コマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用待機状態コマンドがあれば(S6408:Yes)、待機状態コマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図44を参照して、待機状態コマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図44は、待機状態コマンド処理を示すフローチャートである。この待機状態コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した待機状態コマンドに対応する処理を実行するものである。
待機状態コマンド処理では、まず、待機状態演出用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、待機状態演出用表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定した待機状態演出用表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6705)、待機状態コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、待機状態コマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6410:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図45(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6802)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6803)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6410の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6412:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図45(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
そして、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻って説明を続ける。S6412の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6414:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図46を参照して、エンディングコマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図46は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S7001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7002)。
次いで、S7001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7003)、ポインタ233fを0に初期化する(S7004)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7005)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6414の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、背面画像変更コマンドがあれば(S6416:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図47(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7101)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7102)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理(S6304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7102によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7102の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図42の説明に戻る。S6416の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6418)、エラーコマンドがあれば(S6418:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図47(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理(S6303)では、S7201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図42の説明に戻る。S6418の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6420)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6420の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図41(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図43(a)参照)および停止種別コマンド処理(図43(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図43(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図48~図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図48は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図48に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7301:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7302~S7304の処理をスキップし、S7305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7302)、S7303~S7304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7304)。
ここで、図49を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図49は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7401)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図48の説明に戻る。警告画像設定処理(S7304)の後、又は、S7303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7303:No)、次いで、S7305の処理へ移行する。
S7305では、ポインタ更新処理を実行する(S7305)。ここで、図50を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図50は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7502)。その結果、End情報であれば(S7502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7503)、デモ用表示データテーブルであれば(S7503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7504)、S7507の処理へ移行する。
一方、S7503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7503:No)、表示データテーブルが待機状態演出用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7505)、待機状態演出用表示データテーブルであれば(S7505:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている待機状態演出用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7506)、S7507の処理へ移行する。
S7507の処理では、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7507)、本処理を終了して、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7505の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルが待機状態演出用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7505:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7508)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図48に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7306)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7309:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7309の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7309:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ用表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7317)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7318)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図41(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図51及び図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図51(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図51(b)を参照して後述する。
一方、S7601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図52を参照して後述する。
次いで、図51(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7602)について説明する。図51(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7701)、転送指示を送信していれば(S7701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7702)。このS7702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7702:Yes)、S7703の処理へ移行する。また、S7701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7701:No)、S7703の処理へ移行する。
S7703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7704)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7705)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図41(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図42~図47参照)および表示設定処理(図48~図50参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図52参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図51(a)のS7601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(図51(a)、S6305参照)の一処理である通常画像転送設定処理(S7603)について説明する。図52は、この通常画像転送設定処理(S7603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(図48、S6303参照)のポインタ更新処理(S7305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7802)、転送データ情報であれば(S7802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7804)、S7805の処理へ移行する。
また、S7802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7802:No)、S7803及びS7804の処理をスキップして、S7805の処理へ移行する。S7805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7805)、転送指示を設定していれば(S7805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7806)。
このS7806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7806:Yes)、S7807の処理へ移行する。また、S7805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7805:No)、S7807の処理へ移行する。
S7807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7807)、転送開始フラグがオンであれば(S7807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7808)、S7803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7812)、S7813の処理へ移行する。
S7813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7813)。このS7813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7815)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図53は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図20参照)を生成する(S7901)。即ち、S7901の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図41(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり中に遊技球が入球することで賞球が払い出される可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖され、右特定入賞口65aに遊技球を入球させることが不可能な状態において、開閉扉65f1の上面を遊技球が流下可能となるように構成している。そして、開閉扉65f1の上面は、1ラウンド目の終了条件となる入球個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球を同時に流下させることが可能に構成している。言い換えれば、1の遊技球が開閉扉65f1の上面に到達してから、開閉扉65f1の上面を通過するまでの間に、1ラウンド目の終了条件となる入球個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることが可能となるように構成している。これにより、1ラウンド目が開始される(開閉扉65f1が開放される)タイミングで、開閉扉65f1の上面を流下している遊技球が多くなるほど、開閉扉65f1上を流下していた遊技球を、開放された開閉扉65f1から右特定入賞口65aへと入球させて、より多くの賞球を獲得することができる。よって、大当たりの1ラウンドの開始タイミングにおいて、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数に注目して遊技を行わせることができるので、1ラウンド目の開始時における遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、作動入賞口660へと遊技球が入球したことを契機として大当たりが開始される構成としている。これにより、作動入賞口660へ向けて遊技球を発射するタイミングを調節することにより、大当たりの1ラウンド目が開始されるタイミングを遊技者が調節することができるので、遊技者にとってより有利となるタイミング(つまり、開閉扉65f1の上面をより多くの遊技球が通過しているタイミング)を狙って作動入賞口660へと遊技球を入球させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の技量(作動入賞口660を狙うタイミング)に応じて、大当たりの所定期間(1ラウンド終了まで)に遊技者が獲得できる賞球(特典)の量を異ならせることができるので、作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングをより真剣に図らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第1実施形態では、大当たりが確定してから大当たりが開始されるまでの間の大当たり待機状態において、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に遊技者が受けることができる恩恵(賞球数)の目安を、演出態様(チャンスメーターCMのゲージ数)によって遊技者に示唆する構成としている。このように構成することで、作動入賞口660を狙うべきタイミングを、より分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10で遊技を行った経験が浅い遊技者であっても、分かり易い遊技性を実現することができるので、遊技者に敬遠され難い遊技機を提供できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、開閉扉65f1の上面に3つの凸部65f1a~65f1cを設けることにより、凸部65f1a~65f1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉65f1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部65f1a~65f1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉65f1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や右可変入賞装置65の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
本第1実施形態では、1ラウンドが開始されてから30秒間が経過するか、または30秒間が経過する前に右特定入賞口65aに2個以上の遊技球が入球した場合に1ラウンド目を終了させる構成としていた。即ち、右打ちを行っていれば、ほぼ確実に上限個数(2個)の遊技球を右特定入賞口65aに入球させて1ラウンド目が終了するように、終了条件を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンドが開始されてから右特定入賞口65aを狙って右打ちを行っても、遊技球を入球させることが困難となる長さの期間で1ラウンド目が終了する構成としてもよい。具体的には例えば、1ラウンドが開始されてから0.5秒間が経過するか、0.5秒間が経過する前に10個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入賞した場合に1ラウンド目を終了する構成としてもよい。このように構成した場合、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を遊技球が通過中でなければ、遊技球を1個も右特定入賞口65aへと入球させることなく1ラウンド目が終了してしまう可能性が高くなる遊技性を提供することができる。よって、1ラウンド目において賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球を入球させる前に、遊技球を開閉扉65f1に向けて打ち出させた後で作動入賞口660を狙うという遊技性を楽しませることができる。よって、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1実施形態では、大当たり待機状態において、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数によって示唆することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって大当たりの有利度合いを示唆する構成としてもよい。具体的には例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって、大当たり種別を示唆することにより、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。また、例えば、大当たりが確定した時点では大当たりのラウンド数が不定となるように構成し、作動入賞口660を通過させたタイミングで大当たりのラウンド数を抽選する構成としてもよい。そして、ゲージ数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合に実行される抽選で決定されるラウンド数を示唆することで、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。
本第1実施形態では、遊技機に対して電源が投入されている間、回動部材670aを等速で回転動作させ続けるように構成したが、これに限られるものではない。大当たり待機状態において、回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660への入球を妨げる配置と、妨げない配置とに可変される構成となっていればよく、例えば、大当たり待機状態の間のみ回動部材670aを等速で回転動作させ、その他の状態では動作を停止させる構成としてもよい。
本第1実施形態では、回動部材670aの回転速度が等速となるように構成していたが、これに限られるものではなく、ランダムに、または規則的に回転速度や回転方向が可変する構成としてもよい。このように構成することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させる難易度がより高くなるため、作動入賞口660へと狙い通りに遊技球が入球した場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
本第1実施形態では、待機状態演出により、大当たりが開始された場合の有利度合い(1ラウンド目に獲得できる賞球数)を示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりが開始された場合の有利度合いに代えて、又は加えて、待機状態演出により大当たり自体の有利度合いを示唆する演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、大当たり後の遊技状態(確変大当たりであるか否か)や、ラウンド数等を示唆する演出を実行する構成としてもよい。また、大当たり自体の有利度合いを示唆する演出を実行する場合には、大当たり待機状態中に実行しなくても良い。例えば、第3図柄の停止表示時に、第3図柄の種別によって実行中に大当たり自体の有利度合いを示唆してもよい。また、オープニング期間やラウンド期間、エンディング期間等において大当たり自体の有利度合いを示唆してもよい。
本第1実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなり、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるタイプのパチンコ機10を例に取って説明したが、異なる仕様のパチンコ機10に適用してもよい。例えば、遊技盤13における特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるパチンコ機10に対して適用してもよい。即ち、特別図柄の抽選を行う機能自体が搭載されていないタイプのパチンコ機10(所謂、2種タイプ)や、特別図柄の抽選を行う機能は搭載されているものの、特別図柄の抽選結果とは無関係に、特定領域に遊技球が入球すると大当たりが開始されるタイプのパチンコ機10(所謂、1種2種混合タイプ)に適用してもよい。このように構成することで、特定領域へと遊技球を入球させる時点における開閉扉65f1の上面の遊技球個数に応じて大当たりの1ラウンド目の有利度合いを可変させることができる。
<第2実施形態>
次に、図54から図62を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり待機状態に移行し、その大当たり待機状態の間に作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に大当たりが開始される構成としていた。また、作動入賞口660は遊技盤13の右上側に1箇所のみ設ける構成としていた。即ち、大当たり待機状態となった場合には、大当たり種別によらず、遊技盤13の右上側に向かって遊技球を発射して作動入賞口660へと遊技球を入球させない限り、大当たりが開始されない構成としていた。
これに対して本第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13の右上側と、左下側とにそれぞれ大当たり開始の契機となる作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としている。また、左作動入賞口662は、大当たり待機状態となった場合に、比較的短い時間(約0.5秒間)で、ほぼ自動的に遊技球が入球する構成としている。つまり、左作動入賞口662が大当たりの開始の契機となる大当たり種別の場合には、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させるよりも前に、大当たりの1ラウンド目が開始される構成としている。つまり、遊技者が1ラウンド目にオーバー入賞を狙うことが不可能な大当たり種別を設ける構成としている。これにより、オーバー入賞を狙うことができる大当たり種別と、オーバー入賞を狙うことができない大当たり種別とを設けることができるので、ラウンド数や大当たり後の遊技状態以外にも、大当たり種別毎の有利度合いに差を設けることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図54を参照して、第2実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図54に示した通り、遊技盤13の正面視右上側には、第1実施形態における作動入賞口660に代えて、遊技球が入球可能な右作動入賞口661が設けられている。この右作動入賞口661は、本第2実施形態における8種類の大当たり(大当たりA2~H2)のうち、大当たりA2,B2,D2,F2~H2の6種類の大当たりの開始の契機となる作動入賞口である。この右作動入賞口661は、特別図柄の抽選で上記6種類の大当たり(大当たりA2,B2,D2,F2~H2)のいずれかとなった場合に移行される大当たり待機状態の間のみ、入球が有効と判定されるように構成されている。
また、図54に示した通り、第1入球口64に対して正面視左下側には、遊技球が入球可能な左作動入賞口662が設けられている。この左作動入賞口662は、本第2実施形態における8種類の大当たり(大当たりA2~H2)のうち、大当たりC2,E2の2種類の大当たりの開始の契機となる作動入賞口である。即ち、特別図柄の抽選で大当たりC2,E2のどちらかとなったことを契機として移行する大当たり待機状態において、遊技球の入球が有効と判定される作動入賞口である。この左作動入賞口662に対して正面視上方には、図54に示した通り、貯留装置675が設けられている。この貯留装置675は、鉛直上方から流下してきた遊技球を1個のみ貯留することが可能に構成されている。この貯留装置675は、1個の遊技球が流下可能な幅で構成された流路の下端に、貯留装置675に入球した遊技球を受け止めて貯留する(遊技球の流下を妨げる)ことが可能な閉鎖位置と、貯留装置675へと入球した遊技球の流下を妨げることなく、遊技球をそのまま貯留装置675の下方へと排出する開放位置とに可変可能な貯留弁675aが設けられている。
この貯留装置675の貯留弁675aは、大当たり待機状態が設定された場合に開放位置に可変され、大当たりの終了時に閉鎖位置に可変される。図54に示した通り、貯留装置675の直下には左作動入賞口662が配設されているので、貯留装置675に遊技球が貯留されている状態で大当たり待機状態になると、貯留弁675aが開放されることで貯留されていた遊技球が下方へと流下する結果、大当たり待機状態となった直後(約0.5秒後)に左作動入賞口662へと遊技球が入球する。ここで、通常時(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)においては、第2入球口640へと遊技球が入球し難い(電動役物640aが開放され難い)ので、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行うのが遊技者にとって最も損の少ない遊技方法となる。第1入球口64を狙って遊技球を発射すると、第1入球口64の左下側に配設されている貯留装置675の方向へも遊技球が流下する。これにより、通常時においては、大当たりとなるまでの間に、ほぼ、貯留装置675に遊技球が貯留された状態となる。よって、通常時に大当たりC2,E2のいずれかになった場合は、ほぼ、大当たり待機状態となった直後に大当たりが開始されることとなる。このため、大当たりC2,E2になると、大当たり待機状態となる期間が短すぎて、大当たり待機状態の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることがほぼ不可能となるため、オーバー入賞を狙うことができなくなる。このため、大当たりの1ラウンド目における入賞個数が最低限(2個)となる可能性が極めて高くなる結果、他の大当たりの1ラウンド目に比較して、獲得できる賞球数の面で不利となる。
このように、本第1実施形態では、右作動入賞口661が大当たり開始の契機となる大当たり種別(大当たりA2,B2,D2,F2~H2)では、第1実施形態と同様に1ラウンド目にオーバー入賞を狙って賞球をより多く獲得する遊技性で遊技を行うことができる一方で、左作動入賞口662が大当たり開始の契機となる大当たり種別(大当たりC2,E2)では、ほぼ、オーバー入賞を狙う間もなく大当たりが開始される構成とした。これにより、大当たり種別に応じて大当たりの1ラウンド目における有利度合いに差をつけることができるので、大当たりとなった場合に、遊技者に対して大当たり種別により注目させることができる。よって、遊技者の興趣をより向上させることができる。なお、以降では、説明の簡略化のために、右作動入賞口661への入球を契機として開始される大当たり種別のことを、「右契機大当たり」と称し、左作動入賞口662への入球を契機として開始される大当たり種別のことを、「左契機大当たり」と称する。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図55、および図56を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のROM202、RAM203について説明する。なお、本第2実施形態のROM202は、上述した第1実施形態のROM202に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更となっているのみであり、その他の構成については、上述した第1実施形態と同一である。よって、第2実施形態におけるROM202の説明としては、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細のみを説明する。
図55は、本第2実施形態におけるROM202に規定されている第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図55に示した通り、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る5種類の大当たり種別(大当たりA2~E2)と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る3種類の大当たり種別(大当たりF2~H2)とが規定されている。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりA2」が対応付けて規定されている(図55の202b1参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA2」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA2」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA2」は、第1実施形態における「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりA2」は、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、大当たり待機状態の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させた状態で右作動入賞口660へと遊技球を入球させることができれば、通常(1ラウンドが開始されてから遊技球を右打ちした場合)よりも多くの賞球を獲得できるので、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~14」の範囲に対しては、「大当たりB2」が対応付けて規定されている(図55の202b2参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB2」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりB2」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりB2」は、「大当たりA2」と同様に、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「15~64」の範囲に対しては、「大当たりC2」が対応付けて規定されている(図55の202b3参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC2」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC2」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC2」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりC2」は、左作動入賞口662への入球を契機として開始される左契機大当たりの一種である。このため、右契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が不利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~74」の範囲に対しては、「大当たりD2」が対応付けて規定されている(図55の202b4参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD2」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりD2」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりD2」は、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「75~99」の範囲に対しては、「大当たりE2」が対応付けて規定されている(図55の202b5参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE2」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE2」が決定される割合は25%(25/100)である。この「大当たりE2」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりE2」は、左作動入賞口662への入球を契機として開始される左契機大当たりの一種である。このため、右契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が不利となり易い。
このように、本第2実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、25%の割合で右契機大当たり(大当たりA2,B2,D2の何れか)となり、75%の割合で左契機大当たり(大当たりC2,E2の何れか)となるように構成している。即ち、大当たり待機状態の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させた後でタイミング良く右作動入賞口661を狙う遊技性で遊技を行うことができるのは、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の25%である。大半(75%の割合)は、大当たり待機状態となってから、即座に(約0.5秒間で)大当たりが開始されてしまう大当たりであるので、右契機大当たりとなった場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
また、図55に示した通り第2特別図柄の大当たりは、右契機大当たりのみで構成されている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、必ず右作動入賞口661へと遊技球が入球したことを契機として大当たりが開始される。このように構成しているのは、第2特別図柄の抽選が実行されるのは、基本的に「普通図柄の時短状態」の間であり、遊技者が遊技球を連続して右打ちにより発射している間となるため、大当たり待機状態の開始時に貯留装置675に対して遊技球が貯留されていない可能性が高いからである。つまり、第2特別図柄の大当たりの中に左契機大当たりを設ける構成にしたとしても、大当たり待機状態の直後に大当たりを開始させることができない可能性が高いので、無駄に左契機大当たりを設けず、右契機大当たりのみを設ける構成としている。これにより、大当たり種別を削減することができるので、大当たり種別毎のデータを格納しておくための記憶領域の記憶容量を削減することができる。
第2実施形態における第2特別図柄の各大当たり(大当たりF2~H2)は、それぞれ第1実施形態における第2特別図柄の各大当たり(大当たりD~F)と、ラウンド数や大当たり後の遊技状態が全く同一である。よって、その詳細な説明については省略する。
なお、本第2実施形態では、第2特別図柄の大当たりとなった場合に必ず右契機大当たりとなるように構成していたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の大当たりとなった場合にも、所定の割合(例えば、10%)で左契機大当たりとなるように構成してもよい。上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、貯留装置675に遊技球が貯留されている可能性は低いので、左契機大当たりとなった場合にも、大当たり待機状態となった場合に即座に遊技球が左作動入賞口662へと入球することはない。よって、左契機大当たりとなった場合には、左作動入賞口662へと遊技球を入球させるタイミングを計る遊技性を提供することができる。即ち、右契機大当たりとなるか、左契機大当たりとなるかによって大当たり待機状態の間に狙う作動入賞口を異ならせることができる。よって、大当たり待機状態の間の遊技のバリエーションを多様化することができる。
次に、図56を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のRAM203について説明する。図56は、RAM203の構成を示したブロック図である。図56に示した通り、本第2実施形態におけるRAM203は、上述した第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、開始契機格納エリア203nが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
開始契機格納エリア203nは、大当たりの開始契機となる作動入賞口の種別を示すデータが格納される記憶領域である。より具体的には、この開始契機格納エリア203nにデータとして「01H」が格納されている場合には、大当たりの開始契機が右作動入賞口661である(今回の大当たりが右契機大当たりである)ことを意味し、「02H」が格納されている場合には、大当たりの開始契機が左作動入賞口662である(今回の大当たりが左契機大当たりである)ことを意味する。この開始契機格納エリア203nは、初期値が「00H」に設定されており、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり待機状態に移行する際に、今回の大当たり種別に応じたデータが上書きされる(図57のS232参照)。大当たり待機状態の間は、この開始契機格納エリア203nに格納されているデータに対応する作動入賞口に対する入球を監視して、当該監視している作動入賞口に対する入球を検出した場合に、大当たりの開始を設定する構成としている(図59のS1113,S1114参照)。これにより、大当たり種別に応じて、異なる作動入賞口への入球を契機として大当たりを開始させることができるので、右契機大当たりとなった場合には、第1実施形態と同様の、タイミング良く作動入賞口を狙う遊技性を実現できる一方で、左契機大当たりとなった場合には、作動入賞口を狙わなくても大当たりが開始される遊技性を実現することができる。よって、大当たり待機状態における遊技性を多様化させることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図57から図60を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図57を参照して、特別図柄変動処理2(S111)について説明する。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示の設定や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動処理2(図57参照)のうち、S201~S23の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS201~S223の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における特別図柄変動処理2(図57参照)では、S220の処理が終了すると、貯留弁675aの開放を設定する(S231)。貯留弁675aを開放することで、貯留装置675に対して遊技球が貯留されている場合に、大当たり待機状態の開始直後に左作動入賞口662に対して遊技球を入球させることができる。これにより、左契機大当たりとなった場合に、開放扉65f1の上面に対して遊技球を到達させる間もなく大当たりを開始させることができる。
S231の処理が終了すると、次に、開始契機格納エリア203nに格納されているデータを、今回の大当たり種別に応じたデータに更新して(S232)、処理をS223へと移行する。S232の処理では、今回の大当たりが右契機大当たり(大当たりA2,B2,D2,F2~H2の何れか)である場合に、データとして「01H」を格納し、左契機大当たり(大当たりC2,E2の何れか)である場合に、データとして「02H」を格納する。
次に、図58を参照して、本第2実施形態における立ち上げ処理2について説明する。この立ち上げ処理2は、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、電源投入に伴って起動される処理である。
この第2実施形態における立ち上げ処理2(図58参照)のうち、S901~S914の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901~S914の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における立ち上げ処理2(図58参照)では、S911の処理が終了すると、次に、入球待機フラグ203jと、大当たり中フラグ203mのどちらかがオンであるか判別し(S921)、いずれかのフラグがオンであると判別した場合は(S921:Yes)、貯留装置675の貯留状態が解除されているべき期間(大当たり待機状態中、または大当たり中)であることを意味するので、貯留弁675aの開放を設定して(S922)、処理をS912へ移行する。これに対し、S921の処理において、入球待機フラグ203jと、大当たり中フラグ203mのどちらもオフであると判別した場合は(S921:No)、貯留装置675が貯留状態に設定されているべき期間(通常遊技中)であることを意味するので、貯留弁675aの閉鎖を設定して(S923)、処理をS912へと移行する。
次に、図59を参照して、本第2実施形態における大当たり開始処理2(S1021)について説明する。この大当たり開始処理2(S1021)は、メイン処理(図30参照)の中で、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、大当たり種別に対応する作動入賞口(右作動入賞口661、または左作動入賞口662)への入球を監視し、作動入賞口への入球が検出された場合に大当たりを開始するための処理である。
この第2実施形態における大当たり開始処理2(図59参照)のうち、S1101,S1103、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1103、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における大当たり開始処理2(図59参照)では、S1101の処理において入球待機フラグ203jがオンである(即ち、大当たり待機状態である)と判別した場合に(S1101:Yes)、次いで、開始契機格納エリア203nのデータを読み出して(S1111)、読み出したデータが右作動入賞口661を示すデータ(即ち、「01H」)であるかを判別する(S1112)。S1112の処理において、右作動入賞口661に対応するデータ(即ち、「01H」)が格納されていると判別した場合は(S1112:Yes)、次いで、右作動入賞口661への入球を検出したか判別し(S1113)、入球を検出していない場合は(S1113:No)、大当たり待機状態を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、S1113の処理において、右作動入賞口661への入球を検出したと判別した場合は(S1113:Yes)、大当たり待機状態を終了して大当たりを開始させるために、処理をS1103へと移行する。
これに対して、S1112の処理において、開始契機格納エリア203nに格納されているデータが、左作動入賞口662を示すデータ(即ち、「02H」)であると判別した場合は(S1112:No)、左作動入賞口662への入球を検出したか判別し(S1114)、左作動入賞口662への入球を検出していない場合は(S1114:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1114の処理において、左作動入賞口662への入球を検出したと判別した場合は(S1114:Yes)、大当たり待機状態を終了して大当たりを開始させるために、処理をS1103へと移行する。
この大当たり開始処理2(図59参照)を実行することにより、大当たり種別(右契機大当たりであるか、左契機大当たりであるか)に応じて、大当たりの契機となる作動入賞口の種別を切り替えることができる。よって、右契機大当たりとなった場合は、右作動入賞口661を狙うタイミングに応じて大当たりの1ラウンドに遊技者が享受できる利益(賞球数)が可変する遊技性と、大当たり待機状態中の遊技方法が利益(賞球数)に影響しない遊技性とを切り替えることができる。
次に、図60を参照して、本第2実施形態における大当たり制御処理2(S1022)について説明する。この大当たり制御処理2(S1022)は、メイン処理(図30参照)の中で第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理(図32参照)と同様に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
この第2実施形態における大当たり制御処理2(図60参照)のうち、S1201~S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201~S1217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図60参照)では、S1214、またはS1215の処理が終了した後で、貯留装置675の貯留弁675aの閉鎖を設定して(S1221)、処理をS1216へと移行する。これにより、貯留装置675の貯留状態が解除される期間を、大当たり待機状態中、および大当たり中に限ることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61、および図62を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図61を参照して、本第2実施形態における当たり関連処理2(S4321)について説明する。この当たり関連処理2(S4321)は、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態における当たり関連処理(図61参照)のうち、S4401、およびS4404~S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401、およびS4404~S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)では、S4401の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に待機状態コマンドがあると判別した場合に(S4401:Yes)、受信した待機状態コマンドに応じて待機状態演出の内容を決定するための待機状態コマンド処理を実行し(S4421)、本処理を終了する。この待機状態コマンド処理(S4421)の詳細について、図62を参照して説明する。
図62は、待機状態コマンド処理(S4421)を示すフローチャートである。待機状態コマンド処理(S4421)では、まず、今回の大当たりが、右契機大当たりであるかを判別し(S4601)、右契機大当たりであると判別した場合は(S4601:Yes)、第1実施形態と同様に待機状態演出(図7参照)を実行させるための表示用待機状態コマンドを設定し(S4602)、待機状態演出フラグ223gをオンに設定して(S4603)、本処理を終了する。
一方、S4601の処理において、今回の大当たりが右契機大当たりでない(左契機大当たりである)と判別した場合は(S4601:No)、待機状態演出を実行する代わりに、変動表示演出において確定表示された第3図柄をそのまま確定表示させ続ける(確定表示を延長させる)態様の待機状態演出を実行させるための表示用待機状態コマンドを設定して(S4604)、本処理を終了する。左契機大当たりの場合に、単に第3図柄の確定表示を延長させる態様の待機状態演出としているのは、左契機大当たりとなった場合の大当たり待機状態が、極めて短期間(0.5秒程度)で終了して大当たりが開始されるためである。よって、左契機大当たりとなった場合に、右契機大当たりと同様の待機状態演出(図7参照)を実行する構成にすると、一瞬(約0.5秒間)だけ待機状態演出が表示された後で大当たりが開始されるので、遊技者が表示内容に違和感を抱かせてしまったり、遊技者を混乱させてしまう虞がある。そこで、本第2実施形態では、左契機大当たりとなったことに基づいて設定された大当たり待機状態において、変動表示演出の終了時の表示態様(第3図柄の確定表示)を大当たりが開始されるまでそのまま表示させ続ける構成としている。このように構成することで、変動表示が終了してからそのまま大当たりが開始されたかのように遊技者に感じさせることができるので、遊技者に対して違和感を抱かせてしまったり、遊技者を混乱させてしまうことを防止(抑制)することができる。
以上説明した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13の右上側と、左下側とに、2種類の作動入賞口を配設し、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を異ならせる構成としている。遊技盤13の右上側に設けられた右作動入賞口661は、右打ちにより遊技球を発射した場合に入球し得る位置に設けられている一方で、遊技盤13の左下側に設けられた左作動入賞口662は、左打ちにより遊技球を発射した場合に入球し得る位置に設けられている。また、左作動入賞口662の上方には、遊技球を1個のみ貯留しておくことができる貯留装置675が配設されており、左打ちを行う遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において、遊技者が第1入球口64を狙って遊技球を発射する遊技を行うと、第1特別図柄の大当たりとなるまでの間に、ほぼ、貯留装置675に対して遊技球が貯留された状態となるように構成している。この貯留装置675の貯留状態は、大当たり待機状態となったことを契機に解除されるので、左作動入賞口662へと入球したことを契機に開始される大当たり種別(左契機大当たり)となった場合には、貯留装置675に貯留されていた遊技球が下方へと流下して左作動入賞口662へと入球するため、大当たり待機状態となった直後に大当たりが開始される。これにより、左契機大当たりは、大当たりの1ラウンド目において、開閉扉65f1の上面に遊技球が到達していない状態で大当たりが開始される可能性が高くなるので、遊技者の技量によらず、得られる賞球数が毎回ほぼ同一となる。これに対して右契機大当たりになると、右作動入賞口661を狙って遊技球を発射しない限り大当たりが開始されないので、第1実施形態と同様に、右作動入賞口661へと遊技球を入球させるタイミングに応じて、大当たりの1ラウンド目に遊技者が得られる賞球数を異ならせることができる遊技性を実現することができる。よって、本第2実施形態では、左契機大当たりとなるか、右契機大当たりとなるかに応じて、大当たり待機状態、および大当たりの1ラウンド目における遊技性を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、全ての大当たり種別で、左右のどちらの作動入賞口へ遊技球が入球した場合にも大当たりが開始されるように構成した上で、貯留弁675aが開放される大当たり種別と、開放されない大当たり種別とを設ける構成としてもよい。即ち、左契機大当たりの場合には、大当たり待機状態が開始されてから大当たりが終了するまでの間、貯留弁675aが開放される一方で、右契機大当たりの場合には、大当たり待機状態が開始されてから大当たりが終了するまでの間、貯留弁675aが閉鎖されたままの状態となるように構成としてもよい。このように構成することで、左契機大当たりの場合は、大当たりが確定表示された直後に、貯留弁675aが解除されて貯留されていた遊技球が左作動入賞口662へと入球(入賞)するので、上述した第2実施形態と同様に、開閉扉65f1の上面に遊技球を貯める間もなく(大当たり待機状態となってから約0.5秒間で)大当たりを開始させることができる。一方、右契機大当たりとなった場合には、貯留弁675aが開放されないため、大当たりが確定表示されたとしても、即座に左作動入賞口662へと遊技球が入球する可能性が低くなる。よって、大当たりの確定表示後、即座に大当たりが開始される可能性も低くなるので、上述した第1実施形態、および第2実施形態と同様に、遊技球の発射速度(発射強度)を異ならせることで、遊技球が開閉扉65f1の上面により多く到達している(乗っている)状態で右作動入賞口661へと入球させることにより、1ラウンド目の終了条件となる入賞個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球が右特定入賞口65aに入賞し得る画期的な遊技性を提供することができる。これらにより、第2実施形態と同様に、大当たり種別に応じて、1ラウンド目が予め定められた入賞個数で終了する遊技性と、遊技者の技量次第で予め定められた入賞個数を上回る個数の遊技球を入賞させることができる遊技性とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2実施形態では、2つの作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設ける構成とし、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていた。即ち、大当たりを示す第3図柄の組み合わせ(即ち、ぞろ目)が確定表示されてから、即座に遊技球が入球する可能性が高い左作動入賞口662に遊技球が入球(入賞)することで開始される大当たり種別と、大当たりを示す第3図柄の組み合わせが確定表示されてから、遊技者が狙わなければ遊技球が入球する可能性が低い右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)することで開始される大当たり種別とを設ける構成としていた。これに対して、単に右作動入賞口661のみを設ける構成とし、右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)しなくても(即ち、大当たりを示す第3図柄の組み合わせが確定表示されただけで)開始される大当たり種別と、右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)しなければ大当たりが開始されない大当たり種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、左作動入賞口662、および貯留装置670を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10の部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第2実施形態では、第1入球口64に対する遊技球の入球し易さが、貯留装置675の状態とは無関係に一定であったが、第1入球口64に対する入球し易さを、貯留装置675の状態(遊技球が貯留されているか否か)に応じて可変させる構成としてもよい。具体的には、例えば、貯留装置675を第1入球口64の左上側に設ける構成とし、貯留装置675に対して遊技球が貯留されている場合には、その貯留されている遊技球の上面が貯留装置675の上面から一部はみ出すように貯留装置675の高さを設定する。そして、左打ちにより発射された遊技球が、貯留装置675に貯留されている遊技球に衝突した場合には、第1入球口64が配置されている方向へはじき返され易くなるように、貯留装置675の位置を設定する。このように構成することで、貯留装置675に遊技球が貯留されている場合に、第1入球口64へと遊技球が入球し易くなるので、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる。つまり、貯留装置675に遊技球が貯留されている方が、遊技者にとって有利となるので、遊技者に対して通常時に積極的に遊技球を貯留させることができる。よって、より確実に貯留装置675に遊技球が貯留された状態で大当たり待機状態を開始させることができるので、左契機大当たりとなった場合に、貯留装置675に貯留されていた遊技球を即座に左作動入賞口662へと入球させて、左契機大当たりを開始させることができる。
本第2実施形態では、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を切り替えることにより、大当たり待機状態となってから大当たりが開始されるまでの期間を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、作動入賞口自体を削除して(つまり、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始される構成とし)、単に大当たり種別に応じてオープニング期間を異ならせるのみとしてもよい。このように構成することで、オープニングが長い大当たりではオープニングの間に右打ちを行うことでより多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるのに対し、オープニング期間が短い大当たりでは、遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させ難くなるので、作動入賞口を用いること無く、1ラウンド目の有利度合いを大当たり種別に応じて可変させることができる。
本第2実施形態では、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態において、どちらの作動入賞口へと遊技球が入球したとしても、大当たりが開始される構成としてもよい。そして、入賞した作動入賞口の種別に応じて、大当たりの有利度合いを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、左作動入賞口662に入賞して大当たりが開始されるよりも、右作動入賞口661に入賞して大当たりが開始された方が、大当たりのラウンド数が多くなり易くなる構成としてもよい。このように構成することで、大当たり待機状態となった場合に即座に右作動入賞口661へと遊技球を入賞(入球)させることができれば、遊技者にとって有利な結果となるので、大当たりとなるか否かを変動表示の実行中から予測して、大当たり待機状態となってから即座に(遊技球が左作動入賞口662に入賞するまでの約0.5秒間の間に)遊技球が右作動入賞口661へと入球するように工夫して遊技を行わせることができる。また、この場合において、有利度合いを作動入賞口の種別に応じて切り替えるのに代えて、遊技性を切り替える構成としてもよい。具体的には、例えば、左作動入賞口662へと入球して大当たりが開始された場合には、必ず10ラウンドの大当たりが開始される構成とする一方で、右作動入賞口661へと入球して大当たりが開始された場合には、4ラウンド、又は16ラウンドの大当たりのどちらかが抽選で選択される構成としてもよい。このように構成することで、安定して10ラウンドの大当たりが付与される遊技性と、多いラウンド数にも少ないラウンド数にもなり得る不安定な(ギャンブル性が高い)遊技性とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第2実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった後で大当たり種別に対応する作動入賞口へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、作動入賞口を構成に含まず、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に即座に開始される大当たり(所謂、1種当たり)と、遊技盤13に設けられた特定領域に遊技球が入球した場合に開始される大当たり(所謂、2種当たり)とが存在するタイプのパチンコ機10(所謂、1種2種混合機)に対して本実施形態の右可変入賞装置65を適用しても、同様の動作を実現し得る。即ち、1種当たりとなった場合には、右可変入賞装置65に向けて遊技球を発射する間もなく大当たりが開始されるので、オーバー入賞を狙うことができなくなる一方で、特定領域が入球可能な状態(2種当たりを狙える状態)となった場合には、先に開閉扉65f1の上面に遊技球を発射してから特定領域を狙って遊技球を発射することにより、オーバー入賞を意図的に発生させることができる。
<第3実施形態>
次に、図63から図68を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり待機状態に移行した場合に、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多い程、遊技者に有利となる(1ラウンド目に獲得できる賞球数が多くなる)構成としていた。
これに対して第3実施形態では、大当たりとなった場合以外でも、開閉扉65f1の上面を通過する遊技球の数に応じて遊技者の有利度合いを異ならせる場面を設ける構成とした。より具体的には、特別図柄の抽選が外れとなった場合の一部で、右特定入賞口65aが所定期間(例えば、0.2秒間)開放される抽選結果(小当たり)を設けている。これにより、小当たりが開始されたタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多いほど、小当たりにおいて獲得できる賞球数が多くなるので、小当たりの度に開閉扉65f1の上面に注目して遊技を行わせることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図63を参照して、本第3実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図63に示した通り、本第3実施形態では、普通入球口(スルーゲート)67と、第2入球口640とを、可変表示装置ユニット80の左側に設けられた流路に配設する構成としている。また、これにより、遊技球を左打ちにより発射することで、普通入球口(スルーゲート)67、第1入球口64、および第2入球口640の何れに対しても遊技球を入球させることができる。このため、大当たり待機状態中、および大当たり中以外では、遊技状態によらず、遊技者に対して左打ちによって遊技を行わせることができる。そして、大当たり、または小当たりとなった場合には、右打ちにより開閉扉65f1の上面に遊技球を発射することで、開閉扉65f1が開放されるタイミングにより多くの遊技球を右特定入賞口65aに入賞させる遊技性を楽しませることができる。
なお、本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合の一部で小当たりとなって開閉扉65f1が所定期間(0.2秒間)開放されるが、第1特別図柄の抽選では小当たりに当選しない構成としている。このように構成することで、普通図柄の時短状態が設定されている間における有利度合いをより高めることができる。よって、普通図柄の時短状態における遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図64を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81において実行される表示演出について説明する。まず、図64(a)は、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)において第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における表示態様の一例を示した図である。本実施形態では、小当たりとなった場合に、第3図柄表示装置81において、小当たりを示す第3図柄の組み合わせ(所謂、チャンス目)として、「3」、「4」、「1」の数字が付された第3図柄の組み合わせが表示される。図64(a)は、小当たりとなって、全ての図柄列が停止表示された瞬間を示している。
図64(a)に示した通り、確変状態において、小当たりに対応する図柄の組み合わせが確定表示されるまでの間は、小領域Ds3において左打ちを遊技者に促す画像が表示される。これにより、確変状態において、遊技盤13の左側に設けられた第2入球口640を狙って左打ちを行わせることができる。
図64(b)は、小当たりの確定表示中における表示態様を示した図である。小当たりの確定表示中は、第3図柄表示装置81における小領域Ds3に対して、「右からだよ!」という文字と、右向きの矢印の図形とが表示された吹き出しが形成される。この表示内容によって、右打ちを行うことにより、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることができる。よって、小当たりの開放期間が開始された場合に、開閉扉65f1の上面に配置されていた遊技球を右特定入賞口65aへと入球させることができる。この小当たりの確定表示(図64(b)参照)は、小当たりに対応する変動表示の変動期間が経過してから、小当たりが終了するまでの間に渡って表示され続ける。以降、説明の簡略化のため、小当たりの間に表示される、右打ちを促す画像(図64(b)参照)のことを、「右打ち報知画像」と称する。
なお、本第3実施形態における小当たりは、4秒間のオープニング期間が設定される構成となっている。即ち、表示画面に右打ち報知画像(図64(b)参照)が表示開始されてから4秒間が経過した後で、開閉扉65f1が所定期間(0.2秒間)開放される構成となっている。これにより、4秒間のオープニング期間の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させることで、小当たりの開放期間となり、開閉扉65f1が開放された場合に、より多くの遊技球を右特定入賞口65aへと入球させることができる。
また、上述した通り、開閉扉65f1の上面は、遊技球が約4秒で通過可能に構成されている。即ち、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球は、小当たりのオープニング期間とほぼ同一の期間開閉扉65f1の上面を転動する。よって、右打ち報知画像(図64(b)参照)が表示されてから右打ちを開始した場合に、オープニング期間が経過するよりも前に遊技球が開閉扉65f1の上面を通過してしまうことを抑制できる。また、小当たりが確定表示された後、より早く遊技球の右打ちを開始する程、より多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるので、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における電気的構成>
次に、図65を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のROM202、RAM203について説明する。なお、本第3実施形態のROM202は、上述した第1実施形態のROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202aの規定内容が一部変更となっているのみであり、その他の構成については、上述した第1実施形態と同一である。よって、第3実施形態におけるROM202の説明としては、第1当たり乱数テーブル202aの詳細のみを説明する。
図65(a)は、本第3実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図65(a)に示した通り、第3実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)に加えて、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が規定されている。
より具体的には、特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかによらず、第2特別図柄の抽選に対して、第1当たり乱数カウンタC1の値が「360~399」の範囲に対して、小当たりが対応付けて規定されている(図65(a)の202a2、202a4参照)。一方で、第1特別図柄の抽選に対しては、小当たりに対応する第1当たり乱数カウンタC1の値が1つも対応付けられていない(図65(a)の202a2、202a4参照)。このため、第1特別図柄の抽選が実行された場合、小当たりになる可能性は無いが、第2特別図柄の抽選が実行されると、1/10(40/400)の確率で小当たりとなる。よって、確変状態や時短状態では、普通図柄の当たり確率が高くなることで第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる上に、比較的高確率で小当たりとなって賞球を獲得するチャンスが得られるので、遊技者にとって極めて有利な遊技状態となる。また、小当たりとなった場合に特定入賞口65aを狙って遊技を行うか否かによって、遊技者の有利度合いに大きな差を設けることができる。即ち、本実施形態では、小当たりが報知された後、4秒間のオープニング期間の間に遊技球を右打ちすることにより、開閉扉65f1の上面に多量(6個前後)の遊技球を到達させることができる。言い換えれば、小当たりの開放期間が開始される時点で、6個前後の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態とすることができる。特定入賞口65aに対して遊技球が1個入賞する毎に、10個の賞球が付与されるので、小領域Ds3に表示される右打ち報知(図64(b)参照)に従って右打ちを行うことにより、小当たりとなる毎に60個前後の賞球を獲得することができる。よって、小当たりとなった場合に第3図柄表示装置81の表示内容(右打ち報知画像)に従って右打ちを行うか否かで、確変状態および時短状態の間の有利度合いを大きく異ならせることができる。従って、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。
次に、図65(b)を参照して、本第3実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。図65(b)は、RAM203の構成を示したブロック図である。この第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、小当たり中フラグ203pが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
小当たり中フラグ203pは、小当たり中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば小当たり中であることを意味する。一方、オフであれば、小当たり中ではないことを意味する。ここで、小当たり中とは、小当たりのオープニング期間が開始されてから、小当たりのエンディング期間が終了するまでの間を示している。この小当たり中フラグ203pは、小当たりのオープニング期間の開始時にオンに設定され(図67のS1303参照)、小当たりの終了時にオフに設定される(図67のS1311参照)。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図66、および図67を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図66のフローチャートを参照して、本第3実施形態におけるメイン処理3について説明する。このメイン処理3は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理であり、メイン処理(図30参照)と同様に、遊技の主要な制御を行うための処理である。
この第3実施形態におけるメイン処理3(図66参照)のうち、S1001~S1005、およびS1006~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001~S1005、およびS1006~S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態におけるメイン処理3(図66参照)では、S1005の処理が終了すると、次に、小当たりの実行中における特定入賞口65aの開閉動作を制御するための小当たり制御処理を実行して(S1021)、処理をS1006へと移行する。この小当たり制御処理(S1021)の詳細について、図67を参照して説明する。
図67は、小当たり制御処理(S1021)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1021)では、まず、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(S1301)。なお、S1301の処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)において特別図柄の抽選結果が小当たりと判定されたことに基づいて変動パターンが実行され、当該小当たりに対応する変動パターンの終了タイミングとなった場合に、小当たりの開始タイミングであると判別する。
S1301の処理において、小当たりの開始タイミングであると判別した場合は(S1301:Yes)、小当たりのオープニング期間の開始を示す小当たり用オープニングコマンドを設定し(S1302)、小当たり中フラグ203pをオンに設定して(S1303)、本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、小当たりの開始タイミングではないと判別した場合は(S1301:No)、次いで、小当たり中フラグ203pがオンであるか(つまり、小当たり中であるか)を判別し(S1304)、小当たり中フラグ203pがオフであると判別した場合は(S1304:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、小当たり中フラグ203pがオンであると判別した場合は(S1304:Yes)、次に、右特定入賞口65aの開放タイミングになったか否かを判別する(S1305)。即ち、オープニング期間(3秒間)の終了タイミングであるかを判別する。
S1305の処理において、右特定入賞口65aの開放タイミングであると判別した場合は(S1305:Yes)、右特定入賞口65aの開放を設定して(S1306)、本処理を終了する。S1306の処理によって右特定入賞口65aの開放が設定されることにより、開閉扉65f1が開放されて開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が右特定入賞口65aへと入賞(入球)する。これにより、開閉扉65f1の上面に多くの遊技球が到達しているほど、多量の賞球を遊技者に獲得させることができる。よって、小当たりのオープニング期間の間に、より多くの遊技球を遊技者に発射させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
S1305の処理において、右特定入賞口65aの開放タイミングではない(即ち、オープニング期間の終了タイミングではない)と判別した場合は(S1305:No)、次いで、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したか否かを判別する(S1307)。なお、本第3実施形態では、右特定入賞口65aが開放されてから0.2秒間が経過するか、或いは、遊技球が2個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1307の処理において、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1307:Yes)、右特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S1308)、小当たりのエンディング期間の開始を示す小当たり用エンディングコマンドを設定して(S1309)、本処理を終了する。なお、小当たりのエンディング期間は、右特定入賞口65aへと入球した全ての遊技球を排出するのに十分な期間(例えば、0.5秒間)が設定される。
一方、S1307の処理において、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したタイミングではないと判別した場合は(S1307:No)、次いで、小当たりの終了タイミングであるか(即ち、エンディング期間の終了タイミングであるか)を判別し(S1310)、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1310:Yes)、小当たり中フラグ203pをオフにすることで小当たりの終了を設定して(S1311)、本処理を終了する。また、S1310の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別した場合は(S1310:No)、そのまま本処理を終了する。
この小当たり制御処理(図66参照)を実行することで、毎回の小当たりで同一の右特定入賞口65aの開閉動作を実現することができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図68を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図68は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理3(S4331)を示すフローチャートである。この第3実施形態における当たり関連処理3(S4331)は、コマンド判定処理(図36参照)の中で、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)のうち、S4401~S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401~S4410の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)では、S4409の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4409:No)、次に、主制御装置110から小当たり用オープニングコマンドを受信したかを判別し(S4431)、小当たり用オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S4431:Yes)、右打ち報知画像(図64(b)参照)を表示させるための表示用コマンドを表示制御装置114に対して設定して(S4432)、本処理を終了する。
一方、S4431の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4431:No)、次いで、主制御装置110から小当たり用エンディングコマンドを受信しているかを判別し(S4433)、小当たり用エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S4433:Yes)、右打ち報知画像を解除して通常の左打ちを報知する画像(図64(a)参照)に戻すための表示用コマンドを設定して(S4434)、本処理を終了する。小当たりの終了タイミングではなく、小当たりのエンディング期間の開始時に右打ち報知画像を解除することにより、右特定入賞口65aが閉鎖されて、遊技球が右特定入賞口65aへと入球する可能性がないにも拘わらず遊技者が遊技球を右打ちにより発射示続けてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、遊技者にとって損となることを防止できる。これに対し、S4433の処理において、小当たり用エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4433:No)、そのまま本処理を終了する。
この第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)におけるS4431~S4434の処理により、小当たりのオープニング期間の開始時から小当たり終了までの間に渡って、右打ち報知画像の表示を設定することができる。よって、小当たりの開放期間が開始されるよりも前(4秒間のオープニング期間の間)に遊技者に右打ちを行わせることができるので、右打ち報知画像に従って右打ちを行うことにより、小当たりの開放期間の開始時に開閉扉65f1の上面に複数の遊技球を到達した状態とすることができる。従って、小当たりの開放期間は自体は短い(最大0.2秒間)にも拘わらず、複数の遊技球を特定入賞口65aへと入球させることができるので、右打ち報知画像に従って遊技を行った場合の有利度合いをより大きくすることができる。これにより、遊技者に対してより真剣に第3図柄表示装置81の表示内容を確認させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で外れとなった場合の一部で、右特定入賞口65aが最大0.2秒間だけ開放される抽選結果(小当たり)を設ける構成としている。この小当たりになると、4秒間のオープニング期間が設定された後で、右特定入賞口65aが0.2秒間開放される。よって、4秒間のオープニング期間の間に開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を連続して発射することにより、開放期間の開始時に複数の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態とすることができるので、その複数の遊技球を開放された右特定入賞口65aへと入球させることができる。また、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間の開始から開放期間の終了までに渡って右打ち報知画像を表示させる構成としている。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示内容に従って右打ち報知画像が表示されている間のみ右打ちを行うことで、毎回の小当たりで容易に複数の遊技球を0.2秒間の開放期間の間に右特定入賞口65aへと入賞させることができる。よって、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。更に、本第3実施形態では、右打ちが有利となるのが大当たり、または小当たりの場合のみであり、通常時は左打ちによって遊技を行う構成としている。このように構成することで、時短状態中や確変状態中は、右打ちと、左打ちとを頻繁に切り替えさせることができるので、遊技者に対して遊技球を発射する方向を切り替える楽しみを抱かせることができる。また、右打ちが報知されれば賞球を獲得できるチャンスであるので、右打ちが報知された場合に遊技者を喜ばせることができる。
なお、本第3実施形態では、通常時に小当たりとなった場合は右打ちを報知する演出を実行し、それ以外では左打ちを報知する演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、小当たりとなった場合に、即座に(例えば、変動終了後、0.1秒間で)開放期間が設定される構成とする。即ち、変動表示の実行中に右打ちを開始していなければ小当たりの開放期間中に遊技球を入球させることが困難となるように構成する。そして、第2特別図柄の変動表示中に小当たりとなる期待度を示唆する演出を実行する構成としてもよい。具体的には例えば、第3図柄の変動表示の実行中に、小領域Ds3に対して、「10%」との文字と、「30%」との文字と、「60%」との文字と、「100%」との文字との中から何れかの文字を選択して表示させる構成としてもよい。選択する際には、第2特別図柄の抽選結果に応じた選択確率で表示させる文字を決定する構成としてもよい。より具体的には、「100%」との文字は、小当たりの場合にしか選択されないが、選択される確率が他の文字に比べて低確率となるように構成する。また、「10%」との文字は、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に「30%」や「60%」よりも選択され難く、且つ、外れの場合に最も選択され易くなるように構成する。また、「30%」との文字は、小当たりの場合に選択される確率が「10%」よりは高く、且つ、「60%」よりも低くなるように構成する一方、外れの場合に選択される確率が「10%」よりは低く、且つ、「60%」よりも高くなるように構成する。また、「60%」との文字は、小当たりの場合に選択される確率が「30%」よりも高くなるように構成する一方、外れの場合に選択される確率が「30%」よりも低くなるように構成する。このように構成することで、小当たりとなった場合に表示される文字の多くは、外れの場合にも表示され得る「30%」や「60%」となるので、表示された文字から、小当たりとなるか否かを遊技者に予測させることができる。そして、小当たりになると予測した遊技者に対して、変動表示の実行中から(小当たりが開始される前から)右打ちにより開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を発射させることができる。これにより、遊技者の予測通りに小当たりとなれば、開閉扉65f1が開放されて賞球を獲得できる一方、予測が外れた場合には無駄に右打ちを行ってしまっただけとなるので、遊技者に小当たりであるか否かをより真剣に予測させることができる。また、「100%」との文字が表示された場合は、必ず小当たりとなるので、遊技者に対して安心して変動表示の実行中から右打ちを行わせることができる。よって、確変状態、および時短状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第3実施形態では、小当たり種別として、オープニング期間が4秒間の小当たりのみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、オープニング期間が異なる複数の種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、オープニング期間が1秒間の種別と、2秒間の種別と、4秒間の種別と、8秒間の種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、オープニング期間が短い(1秒間や2秒間)種別の小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間が開始されてから右打ちを行った場合に、小当たりの開放期間が開始されるまでの間に開閉扉65f1に到達する遊技球の個数が少なくなるので、オープニング期間が4秒間の小当たり種別に比べて賞球数が少なくなり易い。一方、オープニング期間が、開閉扉65f1の上面を遊技球が通過するのに要する期間よりも長い(8秒間)種別の小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間が開始されてから右打ちをし続けると、オープニング期間の前半で発射された遊技球が、開放期間の開始よりも前に開閉扉65f1を通過してしまう。よって、無駄球が発生しやすくなるため、オープニング期間が4秒間の小当たり種別よりも、持ち球が減り易くなってしまう。これにより、小当たり種別によって遊技者の有利度合いが可変されるので、小当たりが報知された(右打ち報知画像が表示された)場合に、有利な小当たりであることを願いながら右打ちを行わせることができる。
本第3実施形態では、小当たりとなった場合に右打ち報知画像を表示させる構成としていたが、右打ち報知画像を表示させるのは、小当たりの間に限られるものではない。例えば、大当たりの実行中の表示(例えば、オープニング期間の表示)にも右打ち報知画像を転用してもよい。このように構成することで、大当たり中と小当たり中とで別々の演出を用意する必要がなくなるので、表示データテーブルのデータ数を削減することができる。
本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する可能性がある構成としたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の抽選に代えて、または加えて、第1特別図柄の抽選が実行された場合に所定確率(例えば、1/50の確率)で小当たりに当選する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者にとって最も不利な特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態において、小当たりとなった場合にある程度まとまった出球を得ることが可能となるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、最も不利な状態が長く続いた(所謂、ハマりが発生した)としても、遊技者が遊技に飽き難くすることができる。この場合において、小当たりに当選した場合における右打ち報知画像を表示する割合(右打ちナビの発生率)を、外れが連続した回数によって可変させる構成としてもよい。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとならずに特定回数、外れとなるまでは、小当たりとなっても右打ちナビがほとんど発生しない構成とし、特定回数を超えた場合に右打ちナビの発生率が高確率(例えば、50%)となる構成としてもよい。これにより、特定回数を超えると持ち球が減り難くなるので、遊技者に対してより長く遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第3実施形態では、第1実施形態と同様に、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としていたが、作動入賞口660を削除して、小当たりとなった場合にのみ、オーバー入賞が発生し得る構成としてもよい。
本第3実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たりが開始される構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、右可変入賞装置65の内部の特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としてもよい。即ち、小当たりに当選したことに基づく右特定入賞口65aの開放期間の間に、右特定入賞口65aへと遊技球を入球させることで、特定領域へと遊技球が入球して大当たりが開始される可能性がある構成としてもよい。このように構成することで、小当たりにおいて右特定入賞口65aへと入球させるメリットをより大きくすることができるので、右打ちナビが発生するかどうかにより注目して遊技を行わせることができる。この場合において、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選するように構成した上で、遊技状態毎に小当たりとなった場合の右打ちナビの発生率を可変させる構成としてもよい。即ち、普通図柄の低確率状態では、ナビ発生率を低くし、普通図柄の時短状態ではナビ発生率を高くする構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態における有利度合いをより高めることができる。また、逆に、普通図柄の低確率状態の方がナビ発生率を高くしてもよい。これにより、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、小当たりとなった場合にも特定領域に入球させて大当たりになるチャンスが与えられるので、長い間大当たりに当選しないという状況を発生し難くすることができる。よって、遊技者に対してより長く遊技を継続させることができる。更に、普通図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選で外れとなった回数が特定回数以上となった場合に、小当たりとなった場合における右打ちナビの発生率を高くする構成としてもよい。このように構成することで、特定回数を超えた場合に、超える前よりも大当たりに当選し易い(特定領域に遊技球を入球させ易い)状況を形成することができるので、長い間特別図柄の外れが連続するという状況が発生し難くなるように構成できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図69から図74を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、開閉扉65f1の上面を遊技球が通過している間に作動入賞口660へと遊技球を入球させることで、大当たりが開始されて開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が右特定入賞口65aへと入球する構成としていた。つまり、大当たり待機状態になった場合には、必ず大当たりを開始させる(作動入賞口660へと入球させる)タイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(1ラウンド目に右特定入賞口65aへと入球させる遊技球の個数)が可変する遊技性になる構成としていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりを開始させるタイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)が可変する遊技性と、大当たりを開始させるタイミングと1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)とが無関係になる遊技性とを遊技者が選択することができる構成としている。より具体的には、本第4実施形態では、大当たり待機状態における遊技者の選択により、大当たりの1ラウンド目に、右可変入賞装置65の右特定入賞口65aを開放させるか、左可変入賞装置650の左特定入賞口650aを開放させるかを可変させる構成としている。これにより、遊技者に対して好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を提供することができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、大当たりの各ラウンドにおいて左特定入賞口650aを閉鎖すると判定される条件を、「30秒が経過したか、或いは4個以上の遊技球が入賞した場合」とした点、主制御装置110におけるRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、および主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図69を参照して、本第4実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図69に示した通り、本第4実施形態では、遊技盤13における正面視右上側には、第1実施形態における作動入賞口660に代えて、振り分け装置680が配設されている。振り分け装置680の内部には、遊技球が入球可能な2つの作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)が設けられている。これら2つの作動入賞口は、いずれも第1実施形態における作動入賞口660と同様に、大当たり待機状態の間のみ、遊技球の入球が有効と判定される。大当たり待機状態において、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合には、大当たりの1ラウンドにおいて右特定入賞口65aが開放される大当たりが開始され、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、大当たりの1ラウンドにおいて左特定入賞口650aが開放される大当たりが開始される。
また、2つの作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)の上方には、振り分け装置680へと入球した遊技球を、どちらかの作動入賞口へと振り分けるための振り分け部材683が設けられている。この振り分け部材683は、軸683aを回転軸として回動可能に構成されており、経過時間に応じて(2秒毎に)右側に傾倒した配置(図69の実線参照)と、左側に傾倒した配置(図69の破線参照)とに交互に可変される。振り分け部材683が右側に傾倒した配置になると、右作動入賞口681の上方が振り分け部材683によって塞がれると共に、左作動入賞口682の上方が開放される。このため、振り分け部材683が右側に傾倒した配置となっている間に振り分け装置680へと入球した遊技球は、振り分け部材683が形成する、正面視右上方向から正面視左下方向に向かう傾斜に沿って左下方向へと流下して、左作動入賞口682へと入球する。
大当たり待機状態において左作動入賞口682へと遊技球が入球すると、大当たりの全ラウンドで左特定入賞口650aが開放される大当たりが開始される。左可変入賞装置650は、右可変入賞装置65と異なり、左特定入賞口650aが閉鎖されている間に、左特定入賞口650aへと遊技球が入球可能な位置に遊技球を留めておくことが不可能となるように構成されている。よって、大当たりの1ラウンド目において、遊技球の入球数がバラつき難く、毎回ほぼ同一の個数の賞球を安定して払い出させることができる。よって、タイミングを合わせて遊技球を打ち出す遊技に自信が無い遊技者等に対しては、左特定入賞口650aが開放される大当たりを選択させることができる。
なお、上述した通り、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合に開始される大当たりは、各ラウンドの開始から30秒が経過するか、或いは遊技球が左特定入賞口650aに4個以上入球した場合にラウンドが終了する。よって、左作動入賞口682へと遊技球が入球して開始された大当たり(左契機大当たり)の1ラウンド目では、ほぼ、遊技球が左特定入賞口650aに4個入賞して大当たりが終了する。
一方、振り分け部材683が左側に傾倒した配置になった場合は、右作動入賞口681の上方が開放されると共に、左作動入賞口682の上方が振り分け部材683によって塞がれる。このため、振り分け部材683が左側に傾倒した配置となっている間に振り分け装置680へと入球した遊技球は、振り分け部材683が形成する、正面視左上方向から正面視右下方向に向かう傾斜に沿って右下方向へと流下して、右作動入賞口681へと入球する。右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合には、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放され、2ラウンド目以降に左特定入賞口650aが開放される大当たり(右契機大当たり)が開始される。この右契機大当たりの1ラウンド目は、右特定入賞口65aが開放されてから30秒が経過するか、或いは遊技球が右特定入賞口65aに2個以上入球した場合に終了する。しかしながら、上述した通り、右特定入賞口65aへの入賞個数は、右特定入賞口65aの開放時点で開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数に応じて、おおよそ2個~6個の範囲で上下する。よって、大当たり待機状態において右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、その入球のタイミングに応じて獲得できる賞球数が可変する遊技性となる。
このように、本第4実施形態では、大当たり待機状態になると、2秒毎に振り分け部材683の配置が切り替わるので、遊技者に対して、振り分け部材683の配置を確認して、好みの遊技性に対応する作動入賞口へと入球可能となるタイミングで遊技球を入球させることにより、各遊技者の趣向に合った遊技性を提供することができる。
右作動入賞口681と、左作動入賞口682との間には、振り分け装置680へと入球した遊技球がいずれの作動入賞口へも入球しなかった場合に、当該遊技球を振り分け装置680の外部へと排出するためのアウト口が設けられている。このアウト口を設けておくことで、振り分け装置680の内部において球詰まり等の不具合が生じることを防止(抑制)することができる。
次に、図70を参照して、本第4実施形態における表示演出について説明する。図70(a),(b)は、本第4実施形態における大当たり待機状態において実行される待機状態演出中の表示態様の一例を示した図である。図70(a)は、大当たり待機状態において、振り分け部材683が右側に傾倒した状態となっている間の表示態様を示している。
図70(a)に示した通り、本第4実施形態における大当たり待機状態では、第1実施形態と同様に、表示画面における正面視上部に「大当たり確定!」との文字が表示された表示領域HR1と、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)とが表示される。また、図70(a)に示した通り、振り分け部材683が右側に傾倒した状態となっている間は、表示画面に形成される表示領域HR2に対して、「今打つと安心モード!?」との文字と、「賞球を安定して獲得できるよ!」との文字と、振り分け装置680へと入球した遊技球が流下する方向(左作動入賞口682が配置されている方向)を示す画像とが表示される。また、第1実施形態とは異なり、チャンスメーターCMは表示されず、表示画面の右側が空いた状態となる。これらの表示内容により、振り分け装置680へ向けて遊技球を発射すると、左作動入賞口682へと入球する可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。即ち、左作動入賞口682へと遊技球を入球させるタイミングとは無関係に、1ラウンド目において安定して5個の遊技球を左特定入賞口650aに入球させることができる遊技性の大当たりが開始されると認識させることができる。
図70(b)に示した通り、振り分け部材683が左側に傾倒した状態となっている間は、第1実施形態と同様に、表示画面における正面視上部に「大当たり確定!」との文字が表示された表示領域HR1と、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)とが表示される。加えて、表示画面の右側に、第1実施形態と同様にチャンスメーターCMが表示される。そして、表示画面に形成される表示領域HR2に対して、「今打つと不安定モード!?」との文字と、「運が良ければ大量獲得!!運が悪ければ、、、」との文字と、振り分け装置680へと入球した遊技球が流下する方向(右作動入賞口681が配置されている方向)を示す画像とが表示される。これらの表示内容により、振り分け装置680へ向けて遊技球を発射すると、右作動入賞口681へと入球する可能性が高いことを遊技球に認識させることができる。即ち、開閉扉65f1に到達している遊技球の個数をチャンスメーターCMのゲージ数から判別して、タイミング良く(ゲージ数がより多いタイミングで)右作動入賞口681へと遊技球を入球させることでより多くの賞球を獲得できる遊技性の大当たりが開始されると認識させることができる。
このように、本第4実施形態では、大当たり待機状態において、振り分け装置680を狙って遊技球を発射した場合に入球する作動入賞口の種別と、入球により開始される大当たりの概要(遊技性)とを第3図柄表示装置81において表示させる構成としている。このように構成することで、遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性の大当たりを選択させることができる。よって、遊技者毎の好みに合わせて遊技性を切り替えることができる遊技機を提供することができる。
<第4実施形態における電気的構成>
次に、図71を参照して、第4実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する。図71は、RAM203の構成を示したブロック図である。この第4実施形態におけるRAM203は、上述した第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、特定入賞口種別格納エリア203qと、振分状態格納エリア203rと、振分状態タイマ203sと、が追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
特定入賞口種別格納エリア203qは、大当たりの1ラウンド目において開放される特定入賞口の種別を示すデータが格納される記憶領域である。具体的には、特定入賞口種別格納エリア203qに「01H」が格納されている場合は、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放され、2ラウンド目以降は左特定入賞口650aが開放される大当たり種別であることを意味する。一方、「02H」が格納されている場合は、大当たりの各ラウンドで左特定入賞口650aが開放される大当たり種別であることを意味する。この特定入賞口種別格納エリア203qは、初期値が「00H」に設定されており、大当たり待機状態において右作動入賞口681へと遊技球が入球することで「01H」が格納される一方、左作動入賞口682へと遊技球が入球することで「02H」が格納される(図72のS1131,S1133参照)。大当たりの1ラウンド目の開始条件が成立すると、この特定入賞口種別格納エリア203qのデータに基づいて開放させる特定入賞口の種別を判別する(図73のS1232)。
振分状態格納エリア203rは、振り分け部材683の向きを示すデータが格納される記憶領域である。具体的には、振分状態格納エリア203rに「00H」が格納されている場合は、振り分け部材683が左側に傾倒した状態(右作動入賞口681に遊技球が入球可能となる状態)となっていることを意味し、「01H」が格納されている場合は、振り分け部材683が右側に傾倒した状態(左作動入賞口682に遊技球が入球可能となる状態)となっていることを意味する。この振分状態格納エリア203rのデータは、大当たり待機状態において、振り分け部材683の配置が切り替わる毎に、切り替わり後の配置に対応したデータに更新される(図72のS1125,S1127参照)。なお、振り分け部材683の初期の配置は、左側に傾倒した状態となる。これに合わせて、振分状態格納エリア203rの初期値も「00H」となる。大当たり待機状態においては、振分状態格納エリア203rのデータが更新される毎に、更新後のデータに対応する振り分け部材683の配置を音声ランプ制御装置113に通知するためのコマンド(振分状態コマンド)が設定される。この振分状態コマンドにより、振り分け部材683の配置が切り替わったと判別して、待機状態演出の表示態様を切り替わり後の配置に対応する表示態様に更新する。
振分状態タイマ203sは、振り分け部材683の状態を切り替えるまでの残り時間をカウントするためのタイマである。この振分状態タイマ203sは、大当たり待機状態において振り分け部材683の状態が切り替えられる毎にタイマ値が「0」にリセットされ、後述する大当たり開始処理4(図72参照)が実行される毎に1ずつ加算される(図72のS1121)。即ち、メイン処理の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新される。そして、タイマ値が500以上となった場合に振り分け部材683の状態が切り替えられる(図72のSS1124,S1126参照)。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図72、および図73を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図72を参照して、本第4実施形態における大当たり開始処理4(S1041)について説明する。この大当たり開始処理4(S1041)は、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、作動入賞口(右作動入賞口681、および左作動入賞口682)への入球を監視し、作動入賞口への入球が検出された場合に、作動入賞口の種別に対応する大当たりを開始するための処理である。
この第4実施形態における大当たり開始処理4(図72参照)のうち、S1101,S1103、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1103、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における大当たり開始処理4(図72参照)では、S1101の処理において入球待機フラグ203jがオンである(即ち、大当たり待機状態中である)と判別した場合は(S1101:Yes)、次いで、振分状態タイマ203sの値に1を加算し(S1121)、加算後のタイマ値が500以上であるかを判別する(S1122)。S1122の処理において、加算後の振分状態タイマ203sのタイマ値が500以上であると判別した場合は(S1122:Yes)、振り分け部材683の状態を切り替えるタイミングになったことを意味するため、振り分け部材683の状態を切り替えるためのS1123~S1129の各処理を実行する。
具体的には、振分状態格納エリア203rに格納されたデータが「00H」であるか(振り分け部材683が左側に傾倒した状態であるか)否かを判別する(S1123)。S1123の処理において、「00H」が格納されていると判別した場合は(S1123:Yes)、左側に傾倒した状態の振り分け部材683を、右側に傾倒した状態に可変させ(S1124)、振分状態格納エリア203rに「01H」を格納して(S1125)、処理をS1128へと移行する。
一方、S1123の処理において、振分状態格納エリア203rに格納されたデータが「01H」であると判別した場合は(S1123:No)、右側に傾倒した状態の振り分け部材683を、左側に傾倒した状態に可変させ(S1126)、振分状態格納エリア203rに「00H」を格納して(S1127)、処理をS1128へと移行する。
S1125、またはS1127の処理後に実行されるS1128の処理では、切り替え後の振り分け部材683の配置を示す振分状態コマンドを設定し(S1128)、振分状態タイマ203sの値を0にリセットして(S1129)、処理をS1130へと移行する。
これに対して、S1122の処理において、更新後の振分状態タイマ203sの値が500未満であると判別した場合は(S1122:No)、振り分け部材683の状態を切り替えるタイミングではないことを意味するので、S1123~S1129の各処理をスキップして、処理をS1130へと移行する。S1130の処理では、右作動入賞口681への入球を検出したかを判別し(S1130)、入球を検出したと判別した場合は(S1130:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに対して右特定入賞口650aを示すデータである「01H」を格納して(S1131)、処理をS1103へと移行する。これにより、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放される大当たりの開始を設定することができる。
一方、S1130の処理において、右作動入賞口681への入球を検出していないと判別した場合は(S1130:No)、次に、左作動入賞口682への入球を検出したか判別する(S1132)。S1132の処理において、左作動入賞口682への入球を検出したと判別した場合は(S1132:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに対して左特定入賞口650aを示すデータである「02H」を格納して(S1133)、処理をS1103へと移行する。これに対し、S1132の処理において、左作動入賞口682への入球を検出していないと判別した場合は(S1132:No)、大当たり待機状態の終了タイミングではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
また、本第4実施形態における大当たり開始処理4(S1041)では、S1104の処理が終了すると、次に、振分状態タイマ203sを0にリセットして(S1134)、本処理を終了する。このS1134の処理において、大当たり待機状態の終了時に振分状態タイマ203sをリセットしておくことにより、次の大当たり待機状態において、振分状態タイマ203sがリセットされた状態からタイマ値の更新を開始できる。
次に、図73を参照して、本第4実施形態における大当たり制御処理4(S1042)について説明する。図73は、大当たり制御処理4(S1042)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理4(S1042)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えてメイン処理(図30参照)の中で実行される処理であり、大当たり制御処理(図32参照)と同様に、右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aの開閉動作を制御するための処理である。
この第4実施形態における大当たり制御処理4(図73参照)のうち、S1201~S1205、およびS1207~S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201~S1205、およびS1207~S1217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における大当たり制御処理4(図73参照)では、S1205の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(S1205:Yes)、今回開始されるラウンドが1ラウンドであるかを判別する(S1231)。
S1231の処理において、1ラウンドであると判別した場合は(S1231:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに格納されているデータに対応する特定入賞口の開放を設定して(S1232)、処理をS1207へと移行する。より具体的には、特定入賞口種別格納エリア203qに格納されているデータが「01H」であれば、右特定入賞口65aの開放を設定する一方で、格納されているデータが「02H」であれば、左特定入賞口650aの開放を設定する。
一方、S1231の処理において、今回開始されるラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S1232:No)、左特定入賞口650aの開放を設定して(S1233)、処理をS1207へと移行する。
この大当たり制御処理4(図73参照)を実行することで、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が大当たり待機状態において通過させた(選択した)作動入賞口の種別に応じた特定入賞口を開放させることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が選択した作動入賞口の種別に応じた遊技性を提供することができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図74を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図74は、本第4実施形態における当たり関連処理4(S4341)を示すフローチャートである。この当たり関連処理4(S4341)は、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第4実施形態における当たり関連処理4(図74参照)のうち、S4401~S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401~S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における当たり関連処理4(図74参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4409:No)、次に、振分状態コマンドが含まれているか判別する(S4441)。
S4441の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に振分状態コマンドが含まれていると判別した場合は(S4441:Yes)、受信した振分状態コマンドが示す振分状態に対応する待機状態演出の態様に更新するための表示用コマンドを設定して(S4442)、本処理を終了する。一方、S4441の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に振分状態コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4441:No)、そのまま本処理を終了する。
この当たり関連処理4(図74参照)により、振り分け部材683の状態が切り替わる毎に、切り替わり後の状態に応じた表示態様(図70(a),(b)参照)を設定することができる。よって、大当たり待機状態となった場合に、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示内容を確認するだけで、現在の振り分け装置680の状態が、遊技球を入球させた場合に自己の趣向に合った遊技性の大当たりが開始される状態であるか否かを容易に判別することができる。
以上説明した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりとなった場合に遊技球が入球可能となる2種類の特定入賞口(右特定入賞口65a、左特定入賞口650a)を設ける構成としている。より具体的には、右特定入賞口65aは、閉鎖されている間に、右特定入賞口65aが開放されると入球可能となる位置(開閉扉65f1の上面)に遊技球を比較的長い時間滞在させることが可能となる構成となっている一方で、左特定入賞口650aは、閉鎖されている間に、左特定入賞口650aへと遊技球が入球可能な位置に遊技球を留めておくことが不可能となるように構成されている。加えて、本第4実施形態では、大当たりの開始契機となる2種類の作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)を設け、大当たり待機状態において入球させる作動入賞口を遊技者に選択させる構成としている。右作動入賞口681へと遊技球が入球すれば、大当たりの毎ラウンドで右特定入賞口65aが開放される右契機大当たりが開始され、左作動入賞口682へと遊技球が入球すれば、大当たりの毎ラウンドで左特定入賞口650aが開放される左契機大当たりが開始される。これにより、右作動入賞口681へと遊技球を入球させるタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数が、1ラウンド目に獲得できる賞球数に大きく影響を及ぼす遊技性と、大当たり待機状態中の状況が獲得賞球数に影響しない遊技性とを、遊技者に対して選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に沿った遊技性を提供することができる。
なお、本第4実施形態では、左契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態において左特定入賞口650aへと入球可能な位置に遊技球を滞在させておくことが不可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面よりも少ない範囲で、所定数(例えば、1個)まで遊技球を左特定入賞口650aに入球可能な位置に滞在させることが可能に構成してもよい。このように構成することで、左作動入賞口682を遊技者が選択した場合にも、遊技球を入球させるタイミングに応じて有利度合いが可変する遊技性を提供することができる。
本第4実施形態では、右契機大当たりとなった場合に、大当たりの全ラウンドで右特定入賞口65aを開放させる一方で、左契機大当たりとなった場合には、全ラウンドで左特定入賞口650aを開放させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンド目のみ作動入賞口に対応する特定入賞口を開放させる構成とし、2ラウンド目以降は共通の特定入賞口を開放させる構成としてもよい。このように構成したとしても、1ラウンド目における遊技性を、遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて切り替えることができる。
本第4実施形態では、入球した作動入賞口の種別に応じて右契機大当たりと、左契機大当たりとのどちらを開始させるかを異ならせていた。即ち、大当たりにおいて開放させる特定入賞口の種別を、作動入賞口の種別に応じて異ならせていたが、作動入賞口の種別に応じて異ならせるのはこれに限られるものではない。例えば、作動入賞口の種別に応じて、大当たりのラウンド数を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、ラウンド数が16ラウンド、又は4ラウンドの大当たりが半々で抽選されるのに対し、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、ラウンド数が10ラウンドの大当たりが必ず選択される構成としてもよい。また、大当たり中に特定領域に遊技球が入球した場合に、大当たり後に確変状態が付与される遊技機(所謂、V確機)において、作動入賞口の種別に応じて、特定領域への入球率を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、特定領域への入球率が20%の大当たりと100%の大当たりとが半々で抽選されるのに対し、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、特定領域への入球率が60%の大当たりが必ず選択される構成としてもよい。
<第5実施形態>
次に、図75から図79を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり待機状態において開閉扉65f1の上面に向けて発射した遊技球の個数に応じて、大当たりが開始された場合の有利度合い(1ラウンド目に獲得できる賞球数)が可変する構成としていた。
これに対して本第5実施形態では、大当たりに対応する変動表示が終了すると、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始される構成とした。そして、大当たりのオープニング期間やインターバル期間を大当たり種別に応じて異ならせることにより、オープニング期間や、インターバル期間において開閉扉65f1の上面に到達させることができる遊技球の個数を異ならせ、大当たり種別毎に有利度合いを可変させる構成とした。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、大当たりの各ラウンドの終了条件を、「30秒が経過したか、或いは2個以上の遊技球が入賞した場合」に統一した点、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図75を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図75に示した通り、本第5実施形態における遊技盤13は、第1実施形態における遊技盤13(図2参照)の正面視右上側に設けられていた作動入賞口660が削除されている。このため、本第5実施形態では、大当たりに対応する変動表示が終了すると、即座に(大当たり待機状態を介さずに)大当たりのオープニング期間が開始される。
また、図75に示した通り、本第5実施形態では、左可変入賞装置650aが削除されている。このため、本第5実施形態では、大当たりの全てのラウンドで、ラウンドが開始してから30秒が経過するか、或いは、遊技球が2個以上入球することで閉鎖される右特定入賞口65aが開放される。
<第5実施形態の電気的構成>
次に、図76を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のROM202について説明する。図76(a)は、ROM202の構成を示したブロック図である。図76(a)に示した通り、本第5実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるRM202の構成に対して、期間長選択テーブル202eが追加されている点と、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更となっている点とが相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるROM202と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
期間長選択テーブル202eは、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間を大当たりの種別毎に規定したデータテーブルである。大当たりのオープニング期間の開始タイミング、およびインターバル期間の開始タイミングとなった場合は、この期間量選択テーブル202eが参照されて、大当たり種別に応じたオープニング期間、およびインターバル期間が設定される。詳細については図70(c)を参照して後述するが、この期間長選択テーブル202eには、オープニング期間として比較的長い期間(5秒間)と、比較的短い期間(1秒間)との2種類が規定されている。また、インターバル期間も同様に、比較的長い期間(3秒間)と、比較的短い期間(0.5秒間)との2種類が規定されている。これらによって、大当たりが開始されてから1ラウンド目が開始するまでの閉鎖期間(オープニング期間)、および2ラウンド目以降の各ラウンド間の閉鎖期間(インターバル期間)が長い大当たりと、短い大当たりとを設けることができる。
次に、図76(b)を参照して、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図76(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図76(b)に示した通り、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として「大当たりA5」~「大当たりE5」の5種類の大当たり種別が規定され、第2特別図柄の大当たり種別として「大当たりF5」~「大当たりH5」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図76(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりA5」が対応付けて規定されている(図76の202b1参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA5」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA5」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA2」は、第1実施形態における「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりA5」は、オープニング期間、およびエンディング期間として、比較的長い期間が設定される大当たり種別の1種である。上述した通り、本第5実施形態では、大当たりの全てのラウンドにおいて、30秒が経過するか、或いは、2個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入球することで右特定入賞口65aが閉鎖されてラウンドが終了する。このため、オープニング期間、およびインターバル期間が長ければ、閉鎖期間の間により多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるので、次のラウンドの開始時に、より多くの遊技球が開閉扉65f1に乗っている状態とすることができる。つまり、新たなラウンドが開始されて開閉扉65f1が開放された場合に、より多くの遊技球を開閉扉65f1から落下させて右特定入賞口65aに入球させることができる。これにより、各ラウンドで規定されている上限の入球個数(2個)を超える個数の遊技球が右特定入賞口65aに入球する(オーバー入賞する)可能性が高くなるので、遊技者にとって賞球数の面で有利となり易くなる。一方、オープニング期間、およびインターバル期間が短ければ、これらの閉鎖期間の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることが困難になるので、大当たりの各ラウンドにおいて、上限(規定)個数(即ち、2個)の遊技球が入球してラウンドが終了する可能性が高くなる(オーバー入賞する可能性が低くなる)。つまり、賞球数の面で不利となり易くなる。以降の説明では、オープニング期間、およびインターバル期間が長い大当たり(各ラウンドで獲得する賞球が多くなり易い大当たり)のことを「長間隔大当たり」と称し、オープニング期間、およびインターバル期間が短い大当たり(各ラウンドで獲得する賞球が多くなり難い大当たり)のことを「短間隔大当たり」と称する。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~14」の範囲に対しては、「大当たりB5」が対応付けて規定されている(図76の202b2参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB5」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりB5」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりB5」は、「大当たりA5」と同様に、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「15~64」の範囲に対しては、「大当たりC5」が対応付けて規定されている(図76の202b3参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC2」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC5」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC5」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりC5」は、短間隔大当たりの一種である。このため、長間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり難い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~74」の範囲に対しては、「大当たりD5」が対応付けて規定されている(図76の202b4参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD5」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD5」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりD5」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりD5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「75~99」の範囲に対しては、「大当たりE5」が対応付けて規定されている(図76の202b5参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE5」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE5」が決定される割合は25%(25/100)である。この「大当たりE5」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりE5」は、短間隔大当たりの一種である。このため、長間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり難い。
また、第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対しては、「大当たりF5」が対応付けて規定されている(図76の202b6参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF5」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF5」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりF5」は、第1実施形態における「大当たりD」と同様にラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりF5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~64」の範囲に対しては、「大当たりG5」が対応付けて規定されている(図76の202b7参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG5」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG5」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりG5」は、第1実施形態における「大当たりE」と同様にラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりG5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲に対しては、「大当たりH5」が対応付けて規定されている(図76の202b8参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりH5」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりH5」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりH5」は、第1実施形態における「大当たりD」と同様にラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりH5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
このように、本第5実施形態では、長間隔大当たりと、短間隔大当たりとを設ける構成としている。長間隔大当たりでは、ラウンド間の右特定入賞口65aの閉鎖期間が長くなるため、その長い閉鎖期間の間に右打ちにより開閉扉65f1の上面により多くの遊技球を到達させることができる。よって、閉鎖期間が終了し、新たなラウンドが開始されることで、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球を右特定入賞口65aに入球させることができるため、より多くの賞球を獲得することができる。一方、短間隔大当たりでは、右特定入賞口65aが閉鎖されてから、次に開放されるまでの間の期間が短く、閉鎖期間の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることがほとんどできないので、次のラウンドでオーバー入賞が発生する可能性も低くなる。よって、各ラウンドで獲得できる賞球が長間隔大当たりに比べて少なくなり易い。よって、本第5実施形態では、ラウンド数や、大当たり後の遊技状態とは別に、オーバー入賞する可能性を大当たり種別毎に異ならせることで大当たり毎の有利度合いを可変させることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
次に、図76(c)を参照して、期間長選択テーブル202eの詳細について説明を行う。図76(c)は、期間長選択テーブル202eの規定内容を示した図である。図76(c)に示した通り、この期間長選択テーブル202eには、大当たりの種別毎に、オープニング期間、およびインターバル期間として設定すべき期間の長さが規定されている。
具体的には、大当たり種別が「大当たりA5」,「大当たりB5」,「大当たりD5」,「大当たりF5」~「大当たりH5」(長間隔大当たり)に対しては、オープニング期間として「5秒間」が対応付けて規定されていると共に、インターバル期間として「3秒間」が対応付けて規定されている(図76(c)の202e1参照)。また、大当たり種別が「大当たりC5」,「大当たりE5」(短間隔大当たり)に対しては、オープニング期間として「1秒間」が対応付けて規定されていると共に、インターバル期間として「0.5秒間」が対応付けて規定されている(図76(c)の202e2参照)。これらの規定内容を参照してオープニング期間、およびインターバル期間を選択することにより、長間隔大当たりでは、各閉鎖期間(オープニング期間、インターバル期間)が比較的長くなるので、閉鎖期間の間に遊技球を比較的多く開閉扉65f1の上面に到達させることができる。一方、短間隔大当たりでは、各閉鎖期間が、閉鎖期間が開始されてから右打ちしても1個の遊技球が開閉扉65f1の上面にとどくかどうかという程度の短い長さに設定されるので、大当たりの各ラウンドでオーバー入賞が発生し難くなる。よって、この期間長選択テーブル202eを参照して閉鎖期間を設定することにより、大当たり種別に応じてオーバー入賞が発生する可能性を異ならせることができる。従って、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図77から図79を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図77を参照して、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(S121)について説明する。この特別図柄変動処理5(S121)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えてタイマ割込み処理(図21参照)の中で実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示の設定や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)のうち、S202~S219、およびS222~S224の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS202~S219、およびS222~S224の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)が開始されると、大当たり中であるか否かを判別して(S241)、大当たり中であれば(S241:Yes)、処理をそのまま終了する。一方、S241の処理において、大当たり中ではないと判別した場合は(S241:No)、処理をS202へと移行する。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)では、S219の処理が終了すると、大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S242)、処理をS224へ移行する。
次に、図78のフローチャートを参照して、本第5実施形態における大当たり制御処理5(S1052)について説明する。この大当たり制御処理5(S1052)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えてメイン処理(図30参照)の中で実行される処理であり、右特定入賞口65aの開閉動作を制御するための処理である。
この大当たり制御処理5(図78参照)のうち、S1201,S1203~S1209、およびS1210~S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201,S1203~S1209、およびS1210~S1217の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図78参照)では、S1201の処理において大当たり開始フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、期間長選択テーブル202e(図76(c)参照)を読み出して(S1241)、読み出した期間長選択テーブル202eから今回の大当たり種別に対応する長さのオープニング期間を特定し、その特定した期間を示すオープニングコマンドを設定する(S1242)。S1242の処理では、長間隔大当たりの場合には5秒間のオープニング期間を示すオープニングコマンドを設定し、短間隔大当たりの場合には1秒間のオープニング期間を示すオープニングコマンドを設定する。S1242の処理が終了すると、処理をS1203に移行する。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図78参照)では、S1208の処理において右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合に(S1208:Yes)、大当たり種別に応じたインターバル期間を設定するためのインターバル設定処理を実行して(S1243)、本処理を終了する。このインターバル設定処理(S1243)の詳細について、図79を参照して説明する。
図79は、インターバル設定処理(S1243)を示すフローチャートである。このインターバル設定処理(S1243)では、まず、今回成立した閉鎖条件が、最終ラウンドの終了に伴う閉鎖であったかを判別し(S1401)、最終ラウンドの終了に伴う閉鎖であると判別した場合は(S1401:Yes)、インターバル期間を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1401の処理において、最終ラウンド以外のラウンドの終了に伴う閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1401:No)、期間長選択テーブル202eを読み出して(S1402)、今回の大当たり種別に対応するインターバル期間の長さを、読み出した期間長選択テーブル202eから選択(特定)する(S1403)。そして、S1403の処理で特定した長さのインターバル期間の開始を設定して(S1404)、本処理を終了する。
このインターバル設定処理(図79参照)を実行することで、長間隔大当たりであるか、短間隔大当たりであるかに応じてインターバル期間の長さを可変させることができる。これにより、長間隔大当たりでは、インターバル期間毎に閉鎖中の開閉扉65f1の上面に多量の遊技球を到達させることができるので、次のラウンドの開始時に右特定入賞口65aへと多量の遊技球をオーバー入賞させることができる。これに対して、短間隔大当たりとなった場合には、インターバル期間として極めて短い期間(0.5秒間)が設定されるので、インターバル期間中に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることが困難となる。よって、各ラウンドでオーバー入賞が発生し難くなるので、各ラウンドで獲得できる賞球数が少なくなる。よって、大当たり種別として長間隔大当たりが選択されることを期待して遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間が比較的長い長間隔大当たりと、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間が比較的短い短間隔大当たりとを設ける構成としている。長間隔大当たりとなった場合には、大当たりが報知されてから1ラウンド目が開始されるまでの間の閉鎖期間(オープニング期間)、および1のラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの間の閉鎖期間(インターバル期間)において、右打ちを行うことで多量の賞球を開閉扉65f1の上面に到達させることができる。よって、閉鎖期間が経過して右特定入賞口65aが開放される際に、開閉扉65f1の上面の遊技球を一気に右特定入賞口65aへと入球させることができるので、大当たりの各ラウンドでオーバー入賞が発生する割合を高くすることができる。一方、短間隔大当たりの場合には、閉鎖期間の間に右打ちを行っていても、閉鎖期間が短すぎて開閉扉65f1の上面に遊技球がほとんど到達しないまま次のラウンドが開始されてしまう。よって、オーバー入賞が発生し難くなるので、長間隔大当たりよりも賞球数の面で不利となる。これらにより、大当たりのラウンド数や、大当たり終了後の遊技状態の他に、オーバー入賞の発生し易さも大当たり種別に応じて異ならせることができるので、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。よって、大当たりとなった場合に、大当たりの種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第5実施形態では、全ての閉鎖期間が長い長間隔大当たりと、全ての閉鎖期間が短い短間隔大当たりとの2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。より多くの種類を設ける構成としても良い。具体的には、例えば、長間隔大当たり、および短間隔大当たりに加えて、大当たりの所定ラウンド(例えば、3ラウンド目)までは閉鎖期間として長間隔(例えば、3秒間)が設定され、以降のラウンドでは短間隔(例えば、0.5秒間)が設定される大当たり種別や、逆に、所定のラウンド(例えば、3ラウンド目)までは閉鎖期間として短間隔(例えば、0.5秒間)が設定され、以降のラウンドでは長間隔(例えば、3秒間)が設定される大当たり種別を設ける構成としても良い。また、例えば、短間隔と長間隔とが交互に繰り返される大当たり種別を設ける構成としても良い。このように構成することで、オープニング期間が短間隔であったとしても、所定のラウンドを経過したら長間隔になる大当たり、または短間隔と長間隔が交互に繰り返される大当たりになることを遊技者に期待させることができる。また、オープニング期間が長間隔であった場合には、全ての閉鎖期間に長間隔が設定される大当たりであることを期待させることができる。これにより、大当たり種別を予測させる楽しみを遊技者に与えることができる。
本第5実施形態では、長間隔大当たりとなった場合に、オープニング期間と、インターバル期間とをどちらも長間隔とし、短間隔大当たりとなった場合に、オープニング期間と、インターバル期間とをどちらも短間隔とするこうせいとしていたが、これに限られるものではない。例えば、一方は共通の長さの期間とし、他方の期間の長さのみを大当たり種別に応じて異ならせる構成としてもよい。これにより、制御を簡素化することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
本第5実施形態では、大当たり種別に応じてオープニング期間とインターバル期間との長さを異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、オープニング期間とインターバル期間とのうち少なくとも一方を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、遊技者に不利な特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態では、短いオープニング期間(例えば、1秒間)、およびインターバル期間(例えば、0.5秒間)が設定される一方で、普通図柄の時短状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)では、長いオープニング期間(例えば、5秒間)、およびインターバル期間(例えば、3秒間)が設定される大当たり種別を設ける構成としてもよい。これにより、遊技者に有利な確変状態、および時短状態の有利度合いを更に向上させることができる。また、逆に、遊技者に不利な遊技状態において、長い閉鎖期間が設定され、有利な遊技状態では短い閉鎖期間が設定される構成としてもよい。これにより、遊技者に不利な状態で大当たりとなった場合に、より多くの賞球を獲得できるので、不利な状態になった場合に遊技を辞めてしまうことを抑制できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、遊技状態、若しくは大当たり種別に応じて閉鎖期間の長さを可変させる制御は、必ずしも本実施形態における右可変入賞装置65と組み合わせる必要はない。オーバー入賞を意図的に発生させることができない構造の可変入賞装置(例えば、上記各実施形態における左可変入賞装置650)のみが設けられているパチンコ機10に適用してもよい。これにより、閉鎖期間を状況(当選した大当たり種別、当選した時点の遊技状態等)に応じて可変させることができるので、閉鎖期間で実行する演出を異ならせることができる。よって、演出態様を多様化させることができる。
<第5実施形態の変形例>
次に、図80を参照して、上述した第5実施形態の変形例について説明する、上述した第5実施形態では、1の可変入賞装置65を用いて、オーバー入賞し易い大当たり種別と、オーバー入賞し難い大当たり種別とを設ける技術について説明した。これに対して本変形例では、2種類の可変入賞装置(下可変入賞装置65、上可変入賞装置650)を用いて、閉鎖期間を変えずにオーバー入賞が発生する可能性を異ならせる技術について説明する。
図80は、第5実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13を示した図である。図80に示した通り、本変形例では、上記各実施形態における右可変入賞装置65と同一の構造の下可変入賞装置65が、上記各実施形態における右可変入賞装置65と同一の位置に配置されている。また、下可変入賞装置65の上方には、上記第1~第4実施形態における左可変入賞装置650と同一の構造の上可変入賞装置650が配設されている。本変形例では、大当たり種別に応じて、上可変入賞装置650の上特定入賞口650aと、可変入賞装置65の下特定入賞口65aとが1ラウンド毎に交互に開放される大当たり種別(交互大当たり)と、大当たりの毎ラウンドで下特定入賞口65aが開放される大当たり種別(片方大当たり)とが少なくとも設けられている。また、各閉鎖期間(オープニング期間、インターバル期間)は、上述した第5実施形態における短間隔大当たりと同一の期間が設定される。このように構成した場合、片方大当たりでは、上述した第5実施形態における短間隔大当たりと同一の動作となるので、ほとんどオーバー入賞が発生せず、賞球数の面で不利となる。
一方で、交互大当たりとなった場合には、上特定入賞口650aが開放されているラウンドにおいて右打ちを行うと、一部の遊技球が上特定入賞口650aの右側を抜けて(上特定入賞口650aに入賞せずに)下方へと流下し、開閉扉65f1の上面に到達する場合がある。つまり、次のラウンド(下特定入賞口65aが開放されるラウンド)の開始時に、開閉扉65f1の上面に遊技球が1又は複数配置されている状態となる可能性がある。これにより、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球が多いほど、次のラウンド(下特定入賞口65aが開放されるラウンド)におけるオーバー入賞の発生割合が高くなる。よって、交互大当たりとなった場合に、遊技者に対して、上特定入賞口650aの右側を抜けて開閉扉65f1の上面に到達し易くなる発射強度となるように工夫して遊技を行わせることができる。つまり、上特定入賞口650aが開放されている最大30秒間の間に、より多くの遊技球を開閉扉65f1の上面へ到達させてから上特定入賞口650aに上限個数(2個)以上の遊技球を入球させることを狙って遊技を行わせることができる。これにより、交互大当たりとなった場合には、遊技者の遊技方法に応じて獲得できる賞球が異なってくるので、技術に自信のある遊技者に対して、積極的にパチンコ機10で遊技を行わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第6実施形態>
次に、図81から図90を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第5実施形態では、大当たり種別に応じてオープニング期間、およびエンディング期間の長さ(閉鎖期間の長さ)を異ならせることにより、各閉鎖期間において右可変入賞装置65の開閉扉65f1に到達させることが可能な遊技球の数を異ならせる構成とした。これにより、各ラウンドの開始時に開閉扉65f1上面を通過中の遊技球(即ち、右特定入賞口65aが開放された場合に、右特定入賞口65aの内部へと誘導される位置に配置されている遊技球)の数を異ならせることが可能となるように構成した。2個を上回る遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることが可能な長さの閉鎖期間が設定される長間隔大当たりでは、閉鎖期間中に連続して遊技球を開閉扉65f1に向けて発射し続けるだけで、次のラウンドの開始時に開閉扉65f1上を通過中の遊技球を全て、開放された右特定入賞口65aへと入賞させることができる。よって、遊技球が2個以上入賞することで終了する大当たりの各ラウンドにおいて、閉鎖期間中に連続して右打ちを行うだけで、規定個数(2個)を上回る個数の遊技球を入球させることができる。一方、2個以下の遊技球のみを開閉扉65f1の上面に到達させることが可能な長さの閉鎖期間が設定される短間隔大当たりでは、大当たりの各ラウンドの開始時に開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数がほぼ2個以下になる。これにより、大当たりの各ラウンドにおいて、ほぼ、規定個数(2個)の遊技球のみが入球してラウンドが終了する。これらによって、大当たり種別に応じて大当たりの各ラウンドで獲得可能となる賞球数を異ならせることができるので、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。
これに対して本第6実施形態では、オープニング期間の長さが大当たり種別によらず0.5秒間で固定となるように構成している。つまり、オープニング期間が開始されてから右打ちを行ったとしても、遊技球が開閉扉65f1に到達するよりも前にオープニング期間が終了して右特定入賞口65aが開放されてしまう構成としている。そして、変動表示演出の実行中における示唆内容により、変動表示中から遊技球を発射した方がよいかどうか(開閉扉65f1の上面に遊技球が複数到達した状態で開閉扉65f1が開放されるかどうか)を遊技者に判断させる構成としている。即ち、変動表示の実行中に、右打ちを行った場合に有利となる可能性を遊技者に報知する演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して演出の内容から右打ちを行った方がよいかどうかを予測させて、右打ちを行った方がよいと判断した場合に、変動が終了するよりも前に右打ちを開始させることができる。よって、予測通りに開閉扉65f1が開放された場合には、遊技者に対して自力でオーバー入賞を発生させたことに対する幸福感を抱かせることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、右可変入賞装置65に設けられている通過検出センサ228の配置および個数を変更した点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図81を参照して、本第6実施形態における右可変入賞装置65に設けられている通過検出センサ228の配置について説明する。図81は、本第6実施形態における右可変入賞装置65の上面図である。図81に示した通り、本第6実施形態における右可変入賞装置65は、開閉扉65f1の上面に設けられている流路の入口側(正面視右側)、および出口側(正面視左側)に、それぞれ遊技球の通過を検出可能な通過検出センサ228g1,228g2が設けられている。通過検出センサ228g1により開閉扉65f1の上面に設けられている流路へと流入する遊技球を検出することができる。また、通過検出センサ228g2により、開閉扉65f1の上面に設けられている流路を通過しきって開閉扉65f1の左側へと排出された遊技球を検出することができる。本第6実施形態では、開閉扉65f1の上面に設けられている流路へと流入する遊技球の個数(通過検出センサ228g1によって検出された遊技球の個数)と、開閉扉65f1の上面に設けられている流路から排出された遊技球の個数(通過検出センサ228g2によって検出された遊技球の個数)との差分を算出することにより、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を、より正確に把握することが可能に構成している。
また、図81に示した通り、本第6実施形態における右可変入賞装置65では、遊技球の流下を妨げる(遊技球を減速させて開閉扉65f1の上面を遊技球が通過するのに要する期間を長くする)ための構成として、開閉扉65f1の上面の凸部65f1a~65f1cに加えて、開閉扉65f1の左右にも、遊技球の流下を妨げることが可能な凸部65f1d,65f1eが設けられている。凸部65f1dにより、右可変入賞装置65の右側から流下してきた遊技球を、右可変入賞装置65の上面における正面視手前側から、開閉扉65f1の上面の流路に流入させることができる。また、凸部65f1eにより、開閉扉65f1の上面に設けられている流路から排出される際に、排出位置を右可変入賞装置65における正面視手前側に限ることができる。これらの開閉扉65f1の上面の流路の入口側(正面視右側)、および出口側(正面視左側)の遊技球が通過可能な流路(凸部65f1d,65f1eで妨げられていない範囲)は、遊技球が1個のみ通過可能な幅(遊技球1.5個分の幅)で構成されており、その中央にそれぞれ通過検出センサ228g1,228g2が配設されている。入口側、および出口側の流路を上記各実施形態よりも狭くする(遊技球1.5個分の幅にする)ことにより、1個の入口側、および出口側に設けられている通過検出センサ228g1,228g2によって、開閉扉65f1の上面の流路へと流入する遊技球と、流路から流出する遊技球とをより確実に検出することができる。よって、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数をより正確に把握することができる。
次に、図82~図84を参照して、本第6実施形態における変動表示演出の実行中に、第3図柄表示装置81に表示される可能性がある右打ち期待度示唆演出について説明を行う。この右打ち期待度示唆演出は、スーパーリーチまたはスペシャルリーチに発展する変動表示演出の一部で実行される可能性がある演出であり、開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を発射した場合に遊技者に有利となるかどうかの期待度を示唆するための演出である。即ち、変動表示中に開閉扉65f1の上面の流路に遊技球をより多く到達させた場合に、右特定入賞口65aが開放されてオーバー入賞が発生するかどうかの期待度を示唆するための演出である。
図82(a)は、右打ち期待度示唆演出が設定されたスーパーリーチ中の表示態様を示した図である。上述した通り、本第6実施形態では、スーパーリーチ、又はスペシャルリーチ演出に発展した場合の一部で、右打ち期待度示唆演出が実行される。この右打ち期待度示唆演出では、図82(a)に示した通り、剣と盾とを所持した冒険者のキャラクタと、敵である怪獣とが睨み合っている画像が第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される。また、表示画面の上側には、「敵を倒せ!!」という文字が表示された表示領域HR4が形成されると共に、表示領域HR4の右側に、リーチ状態で変動中の第3図柄が縮小表示される。これらの表示内容により、冒険者が敵である怪獣を倒すことができれば大当たりになるということを遊技者に理解させることができる。
なお、図82(a)に示した通り、怪獣の胴体には十文字に交差した傷が付いている。更に、本第6実施形態における右可変入賞装置65の正面視手前側には、怪獣の胴体に付いている傷を模した装飾が施されている。これにより、怪獣の傷と右可変入賞装置65とが関連しているかのような印象を遊技者に抱かせることができる。なお、詳細については後述するが、本第6実施形態では、冒険者が怪獣の傷を狙って攻撃を行う演出が実行される。そして、これに合わせて、遊技者参加型の演出として、怪獣の傷を模した装飾が施された右可変入賞装置65を狙って遊技球を発射させる演出が実行される。
図82(b)に示した通り、右打ち期待度示唆演出において、冒険者と怪獣とが睨み合う画像が表示された後、怪獣の腹部から上側がズームアップされて表示されると共に、怪獣の画像の右側に、怪獣の残りの体力を示す体力ゲージLGが表示された表示領域HR5が形成される。これらの表示内容により、怪獣の残り体力を遊技者に視覚的に分かり易く理解させることができる。
また、怪獣の左側には、怪獣の傷を指し示す矢印の画像が表示されると共に、表示領域HR4に対して、「傷を狙うんだ!!」との文字と、傷を模した画像とが表示される。更に、右可変入賞装置65における傷を模した装飾の箇所付近が、今回の演出の期待度に応じた色に発光する。これらの演出内容により、傷を模した装飾が施された右可変入賞装置65を狙って遊技球を発射することで、オーバー入賞が発生する可能性があることを遊技者に対して示唆することができる。
なお、本第6実施形態における右可変入賞装置65は、傷を模した装飾の箇所付近を発光させるために、複数種類の発光色の発光ダイオード(LED)が内蔵されている。即ち、白色LEDと、青色LEDと、緑色LEDと、赤色LEDとが内蔵されている。詳細については後述するが、本第6実施形態では、白色の発光色が最も期待度が低く、青色が白色よりも期待度が高く、緑色が青色よりも期待度が高く、赤色が最も期待度が高くなるように構成されている。これにより、右可変入賞装置65の発光色を手掛かりとして、開閉扉65f1の上面へと遊技球を発射した場合に有利となるか(右特定入賞口65aが開放されてオーバー入賞が発生するか)どうかを推測させることができる。よって、右打ち期待度示唆演出の内容により注目して遊技を行わせることができる。
図83(a)は、右打ち期待度示唆演出において、遊技者が右打ちにより開閉扉65f1の上面を狙って遊技球を発射した場合の表示態様である。図83(a)に示した通り、右打ち期待度示唆演出において、怪獣の傷を狙って攻撃を行うように示唆する表示内容(図82(b)参照)が表示された後は、遊技球が通過検出センサ228g1を通過する毎に、冒険者が怪獣の傷に攻撃を加えることで怪獣の体力ゲージLGが1ゲージずつ減少する演出が実行される。このゲージが減少する演出を実行することにより、右打ちを行った方が怪獣を倒しやすくなるかのように遊技者に思わせることができるので、遊技球を積極的に右打ちさせることができる。よって、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第6実施形態における右打ち期待度示唆演出では、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に、体力ゲージLGのゲージ数が0まで減少し得る一方で、特別図柄の抽選結果が外れの場合には、残り1ゲージまでしか減少しない(ゲージ数が0になることはない)構成としている。これにより、特別図柄の抽選結果を第3図柄が停止表示されるよりも前に知りたいと考える遊技者に対して、より積極的に遊技球を開閉扉65f1の上面へ向けてと発射させることができる。これにより、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲をより向上させることができる。
図83(b)は、特別図柄の抽選で大当たりとなり、右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示が実行された場合における変動停止時の表示態様の一例を示した図である。図83(b)に示した通り、大当たりを報知する場合には、表示領域HR3において第3図柄が同一の数字が揃った状態で停止表示される。これに加えて、冒険者の攻撃によって怪獣が倒れると共に、体力ゲージのゲージ数が0に減少する演出が実行される。また、表示領域HR4に対して「勝利」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりになったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、これらの表示内容はオープニング期間中も表示され続ける。上述した通り、本第6実施形態では、オープニング期間が0.5秒間と極めて短くなるように構成している。よって、右打ち期待度示唆演出を、オープニング期間まで用いて実行することにより、0.5秒間だけ演出を行うことで演出が不自然となってしまうことを防止する構成としている。オープニング期間の終了時には、右特定入賞口65aが開放されるので、右打ち期待度示唆演出の実行中に遊技者が右打ちを行って開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させていた場合には、遊技球が開放された右特定入賞口65aへと入球する。
次に、図84を参照して、本第6実施形態において右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示演出の前後における表示態様の経時変化について説明する。図84(a)は、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の変動表示演出で右打ち期待度示唆演出が実行された場合における表示態様の経時変化を示した図である。図84(a)では、変動時間が60秒間のスーパーリーチが変動種別として選択された場合を例にとって説明する。図84(a)に示した通り、大当たりに対応する変動表示が開始されると、まず、通常の変動表示が開始され、各図柄列を構成する第3図柄の変動表示が開始される。そして、第3図柄の変動表示が開始されてから10秒間が経過すると、リーチ状態が発生する。即ち、左図柄列Z1と右図柄列Z3とが同一の数字を付した第3図柄で停止表示され、中図柄列Z2のみが変動表示されている状態となる。
リーチ状態が発生してから20秒間が経過すると、スーパーリーチに発展すると共に、右打ち期待度示唆演出(図82(a)参照)が開始される。そして、この右打ち期待度示唆演出が開始されてから26秒間が経過すると(即ち、変動終了まで残り4秒間になると)、表示領域HR4に「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出(図82(b)参照)が実行される。この演出では、上述した通り、右可変入賞装置65の発光色によって、右打ちを行った場合に有利となるかどうかの期待度を示唆する構成としている。変動時間が終了するまでの間の残りの4秒間と、大当たりのオープニング期間の0.5秒間との4.5秒間に渡って右打ちを行うことで、7個前後の遊技球を発射することができるので、1ラウンドの開始時に7個前後の遊技球をほぼ同時に入球させることができる。以降の説明では、右可変入賞装置65の発光色によって右打ちを行った場合に有利となるか否かの期待度を報知する演出(表示画面に「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出)のことを、「期待度報知演出」と称する。
なお、実際には、発光色を確認して、開閉扉65f1が開放されるかどうかを判断してから発射を開始する場合が大半となるので、発射までに要する期間が長くなるほど、オーバー入賞の個数が少なくなる。外れの場合に遊技球を発射してしまうと、発射した全ての遊技球が無駄となる(ほぼ全ての遊技球がアウト口66から排出されてしまう)ため、演出発生時に毎回即座に右打ちを行う遊技方法で遊技を行うと、却って損になってしまうためである。よって、遊技者に対して、「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出(期待度報知演出)が発生する毎に、右特定入賞口65aが開放されるかどうかを正確に判断して、開放されると判断した場合に、迅速に右打ちを開始しようとして遊技を行わせることができる。よって、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
大当たりにおけるオープニング期間の0.5秒間が経過すると、大当たりの1ラウンド目が開始されて右特定入賞口65aが開放されると共に、大当たりが開始されたことを示す演出(オープニング演出に相当する演出)が1ラウンドのラウンド期間、および1ラウンドが終了した後のインターバル期間に渡って実行される。そして、大当たりの2ラウンド目が開始されると、通常の態様の大当たり演出が実行される。大当たりの2ラウンド目が開始されるまでの期間に渡ってオープニング演出に相当する演出を実行する構成にすることで、実際のオープニング期間の0.5秒間の間にオープニング演出を実行する場合に比較して、十分長い時間に渡って大当たりが開始されたことを演出により報知することができる。よって、遊技者に対して大当たりが開始されたことをより確実に認識させることができる。
図84(b)は、変動時間が60.5秒間のスーパーリーチ外れの変動種別が変動パターンとして決定され、右打ち期待度示唆演出が設定された場合における表示態様の経時変化を示した図である。図84(b)に示した通り、外れの場合における演出態様の経時変化は、少なくとも期待度報知演出が発生するまでの間、大当たりの場合と全く同一となる。一方、上述した通り、右可変入賞装置65の装飾部分の発光色の選択率が大当たりの場合とは異なっている。よって、期待度報知演出が発生した場合には、大当たりにおいて選択される割合が高い発光色であるか、外れにおいて選択される割合が高い発光色であるかによって、右打ちを開始させるかどうかを遊技者に判断させることができる。
図84(b)に示した通り、変動開始から60秒が経過すると、冒険者の攻撃で怪獣を倒すことができなかったことが報知されると共に、外れに対応する第3図柄の組み合わせが停止表示されて、外れとなったことが報知される。これにより、遊技者に対して今回の特別図柄の抽選結果が外れだったことを容易に理解させることができる。この外れとなったことの報知(外れに対応する第3図柄の組み合わせの停止表示)は、0.5秒間継続する。なお、外れの方が、変動時間が0.5秒間長くなっているのは、大当たりとなる場合には、上述した通り、大当たりのオープニング期間である0.5秒間も用いて右打ち期待度示唆演出を実行するためである。つまり、外れの場合も、大当たりの場合と同一の演出時間とすることで、最終結果が報知される60秒経過時までの演出態様を共通化することができる。よって、共通のデータを用いて演出を実行することができるので、右打ち期待度示唆演出を実行するためのデータ量を削減することができる。
このように、本第6実施形態では、右打ち期待度示唆演出が設定された場合に、右可変入賞装置65の装飾部分の発光色の選択率以外は態様が共通する演出が、演出終了の0.5秒前まで継続する。これにより、遊技者に対して右可変入賞装置65の発光色を手掛かりに、右打ちを行った方が良いか否かを判断させることができる。
なお、上述した通り、本第6実施形態では、期待度報知演出が発生した後で、遊技球が通過検出センサ228g1を通過する毎に、怪獣の体力を示す体力ゲージLGのゲージ数が1ずつ減少して表示される。そして、大当たりとなる(右特定入賞口65aが開放される)場合には、体力ゲージLGが0まで減少する一方で、外れの場合には体力ゲージLGが1までしか減少しない。よって、遊技者が右打ちをし続けた場合には、大当たりとなるかどうかを若干早く察知できる場合がある。体力ゲージLGは、ゲージ数の初期値が5となるので、5個の遊技球を通過検出センサ228g1に到達させることにより、大当たりか否かを察知することができる。即ち、ゲージ数が0まで減少すれば大当たりであると判断することができる一方、ゲージ数が1から減少しなかった場合は、外れであると判断することができる。しかしながら、5個の遊技球を発射するには、最低でも3秒間を要する。そして、発射された遊技球が通過検出センサ228g1に到達するまでには、1秒前後の時間を要する。よって、右可変入賞装置65の発光色を確認した後で遊技球を発射したとしても、5個の遊技球を通過検出センサ228g1に通過させることは困難となる。このため、大当たりを少しでも早く察知したいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が発生するよりも前に遊技球を発射させることができる。つまり、遊技者毎の趣向に応じて、少しでも早く大当たりか否かを知ることができる遊技性と、大当たりかどうかを右可変入賞装置65の発光色から推測して右打ちを行うかどうかを判断する遊技性とを遊技者に選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、大当たりに対応する変動表示演出において右打ち期待度示唆演出が設定された場合には、通過検出センサ228g1を5個以上の遊技球が通過した場合は体力ゲージLGのゲージ数が必ず0まで減少する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりとなる場合に所定の割合(例えば、50%の割合)で体力ゲージLGのゲージ数を0まで減少可能に構成し、その他の場合にはゲージ数が1となるまでしか減少しないように構成してもよい。このように構成することで、ゲージ数が1までしか減少しなくても、大当たりに対する期待感を持続させることができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図85、および図86を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223について説明する。図85(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図85(a)に示した通り、本第6実施形態におけるROM222は、第5実施形態(および第1実施形態)におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、演出態様選択テーブル222bが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第5実施形態と同一であるので、その詳細については省略する。
演出態様選択テーブル222bは、変動表示演出において実行する演出態様を選択する際に参照するデータテーブルである。この演出態様選択テーブル222bには、上述した右打ち期待度示唆演出を含む複数の演出態様が規定されており、変動表示演出の開始時に、後述する演出抽選カウンタ223jの値に対応する態様が決定される。この演出態様選択テーブル222bの詳細について、図86を参照して説明する。
図86は、演出態様選択テーブル222bの規定内容を示した図である。図86に示した通り、演出態様選択テーブル222bは、変動種別毎に、選択され得る演出態様と、演出抽選カウンタ223jの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、変動種別「当たりスペシャルリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0~39」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b1参照)。この通常演出とは、右打ちを行った場合に有利となるか否かが、変動停止の直前まで分かり難くなる演出態様の総称である。より具体的には、大当たりの場合と、外れの場合とで、変動終了時に同一の数字が付された第3図柄が揃うか否か以外は、演出態様から大当たりとなるか否かを見分けることが困難となる態様の演出である。この通常演出が実行された場合には、大当たりであるかどうかを、第3図柄の停止時まで判断できない。よって、遊技者が大当たりを察知して右打ちを開始したとしても、2個を上回る遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させるよりも前に1ラウンド目が開始されてしまう。よって、通常演出が選択された場合には、1ラウンド目にオーバー入賞させることが困難になる。
演出抽選カウンタ223jの値が取り得る「0~99」の100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は40個なので、当たりスペシャルリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は40%(40/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「40~99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b2~222b5参照)。このうち、「40~49」の範囲には、右可変入賞装置65の発光色として「白色」が設定される態様の期待度報知演出が発生する右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定され(図86の222b2参照)、「50~74」の範囲には、発光色として「青色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b3参照)、「75~90」の範囲には、発光色として「緑色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b4参照)、「90~99」の範囲には、発光色として「赤色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b5参照)。
演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ10個、25個、15個、10個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ10%(10/100)、25%(25/100)、15%(15/100)、10%(10/100)である。
また、変動種別「当たりスーパーリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0~74」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b6参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は75個なので、当たりスーパーリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は75%(75/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「75~99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b7,222b8参照)。このうち、「75~94」の範囲には、期待度報知演出における右可変入賞装置65の発光色として「白色」が対応付けて規定され(図86の222b7参照)、「95~99」の範囲には、発光色として「赤色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b8参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「赤色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ20個、5個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、5%(5/100)である。
また、変動種別「外れスペシャルリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0~89」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b9参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は90個なので、外れスペシャルリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は90%(90/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「90~99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b10~222b12参照)。このうち、「90~96」の範囲には、期待度報知演出における右可変入賞装置65の発光色として「白色」が対応付けて規定され(図86の222b10参照)、「97,98」の範囲には、発光色として「青色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b11参照)、「99」に対しては、発光色として「緑色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b12参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「青色」、「緑色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ7個、2個、1個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ7%(7/100)、2%(2/100)、1%(1/100)である。
即ち、当たりスペシャルリーチと、外れスペシャルリーチとを比較すると、当たりスペシャルリーチの方が右打ち期待度示唆演出が選択される割合が高くなる(通常演出が選択される割合が低くなる)。よって、右打ち期待度示唆演出が実行された時点で、大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、当たりスペシャルリーチでは、外れスペシャルリーチに比べて、右打ち期待度示唆演出が決定される場合における、「白色」および「青色」の発光色の決定割合が低くなる一方で、「緑色」の発光色の決定割合が高くなる。また、当たりスペシャルリーチの場合にのみ、「赤色」の発光色が決定される可能性がある。よって、発光色が「緑色」となった場合には、右打ちをした方が有利になる可能性が高いと遊技者に思わせることができる。また、「赤色」となった場合には、右特定入賞口65aが開放されることを遊技者に察知させることができる。
また、変動種別「外れスーパーリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0~94」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b13参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は95個なので、外れスーパーリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は95%(95/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「95~99」に対しては、演出態様として、「白色」の発光色に対応する期待度報知演出が対応付けて規定されている(図86の222b14参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」の期待度報知演出に対応付けられているカウンタ値は5個なので、発光色が「白色」の期待度報知演出が決定される割合は5%(5/100)である。
即ち、当たりスーパーリーチと、外れスーパーリーチとを比較すると、当たりスーパーリーチの方が右打ち期待度示唆演出が選択される割合が高くなる(通常演出が選択される割合が低くなる)。よって、右打ち期待度示唆演出が実行された時点で、大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、当たりスーパーリーチでは、外れスーパーリーチに比べて、右打ち期待度示唆演出が決定される場合における、「白色」の発光色の決定割合が低くなる。また、当たりスペシャルリーチの場合にのみ、「赤色」の発光色が決定される可能性がある。よって、発光色が「白色」となった場合には、右打ちをした方が有利となるのか、ならないのかを遊技者に推測させることができる。また、「赤色」となった場合には、右特定入賞口65aが開放されることを遊技者に察知させることができる。
また、変動種別「当たりスペシャルリーチ」、「当たりスーパーリーチ」、「外れスペシャルリーチ」、「外れスーパーリーチ」以外の変動種別(「当たりノーマルリーチ」、「外れノーマルリーチ」、「長外れ」、「短外れ」)に対しては、演出抽選カウンタ223jが取り得る全ての値の範囲に対して、「通常演出」が対応付けて規定されている(図86の222b15参照)。このため、変動種別が「当たりノーマルリーチ」、「外れノーマルリーチ」、「長外れ」、「短外れ」となった場合には、右打ち期待度示唆演出が実行されることはない。
このように、本第6実施形態では、右打ち期待度示唆演出を決定する割合や、右打ち期待度示唆演出の中の期待度報知演出で各発光色を選択する割合を、変動種別に応じて異ならせる構成としている。これにより、期待度報知演出が実行された場合における右可変入賞装置65の発光色から、右打ちを行った方が良いかどうかを遊技者に判断させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図85(b)を参照して、本第6実施形態におけるRAM223の構成について説明する。図85(b)に示した通り、本第6実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、演出抽選カウンタ223jと、通過個数カウンタ223kと、報知演出中フラグ223mと、体力ゲージカウンタ223nと、報知待機フラグ223pと、報知種別格納エリア223qとが追加されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223jは、上述した演出態様選択テーブル222b(図86参照)から、変動表示演出の態様を選択するために用いるカウンタであり、「0~99」の範囲で値が更新される。変動開始時には、この演出抽選カウンタ223jの値に対応する演出態様が演出態様選択テーブル222bから選択される。
通過個数カウンタ223kは、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数をカウントするためのカウンタである。この通過個数カウンタ223kの値は、通過検出センサ228g1,228g2のうち、上流側に設けられている通過検出センサ228g1によって遊技球の通過が検出される(出力がHになる)毎に値に1ずつ加算される。即ち、開閉扉65f1の上面に遊技球が流入する毎に1ずつ加算される。また、通過個数カウンタ223kの値は、下流側に設けられている通過検出センサ228g2によって遊技球の通過が検出される(出力がHになる)毎に1ずつ加算される。即ち、開閉扉65f1の上面の流路から遊技球が流出する毎に1ずつ減算される。
報知演出中フラグ223mは、期待度報知演出(右可変入賞装置65の発光色により右打ちを行った場合に有利となるか否かの期待度を報知する演出)の実行中であるか否かを示すフラグである。この報知演出中フラグ223mがオンであれば、期待度報知演出の実行中であることを示し、オフであれば、期待度報知演出の実行中ではないことを示す。この報知演出中フラグ223mは、期待度報知演出の開始を設定した場合にオンに設定され(図88のS4708参照)、大当たりが開始された場合にオフに設定される。
体力ゲージカウンタ223nは、期待度報知演出の実行中に第3図柄表示装置81に表示される体力ゲージLGのゲージ数を示すカウンタである。この体力ゲージカウンタ223nのカウンタ値は、期待度報知演出の開始時に、初期値として体力ゲージ数の最大値である「5」から通過個数カウンタ223kの値を減算した値が設定される(図88のS4706参照)。これにより、期待度報知演出が開始されるよりも前から遊技球を右打ちし、期待度報知演出の開始時に複数の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態にしておけば、期待度報知演出の実行中に体力ゲージカウンタLGのゲージ数を減らし切るまでに要する期間を短くすることができる。よって、大当たりとなるか否かを少しでも早く知りたいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が開始されるよりも前から遊技球を右打ちさせることができる。なお、期待度報知演出の開始時に、通過個数カウンタ223kの値が4以上の場合には、通過個数カウンタ223kの値によらず、体力ゲージカウンタ223nの値を一律で1に設定する(図88のS4705参照)。即ち、大当たりの場合でも、期待度報知演出の開始直後に体力ゲージLGのゲージ数が0となることはない。よって、右可変入賞装置65の発光色を手掛かりに右打ちを開始した方が良いかどうかを遊技者に判断させることができる。この体力ゲージカウンタ223nは、特別図柄の抽選結果毎に設定された下限値(大当たりの場合は0、外れの場合は1)となるまで、上流側の通過検出センサ228g1によって遊技球の通過が検出される毎に、値が1ずつ減算して更新される(図87のS4217参照)。
報知待機フラグ223pは、右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示演出の実行中であり、且つ、期待度報知演出の開始タイミングに達していない状態であるか否かを示すフラグである。この報知待機フラグ223pは、右打ち期待度示唆演出の実行が決定された場合にオンに設定され(図90のS4805参照)、期待度報知演出の開始が設定された場合にオフに設定される(図88のS4708参照)。
報知種別格納エリア223qは、右打ち期待度示唆演出において実行される期待度報知演出の種別(右可変入賞装置65の発光色)を示すデータが格納される記憶領域である。変動開始時に演出態様選択テーブル222bを参照して期待度報知演出の種別が決定されると、この報知種別格納エリア223qに対して、決定された種別に対応するデータが格納される(図90のS4804参照)。なお、報知種別格納エリア223qは、例えば、1バイトの記憶領域で構成され、「01H」が格納されていれば発光色「白色」が設定される期待度報知演出を示し、「02H」が格納されていれば発光色「青色」が設定される期待度報知演出を示し、「03H」が格納されていれば発光色「緑色」が設定される期待度報知演出を示し、「04H」が格納されていれば発光色「赤色」が設定される期待度報知演出を示す。一方、「00H」が格納されている場合は、右打ち期待度示唆演出が設定されていないことを示す。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図87から図90を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図87のフローチャートを参照して、本第6実施形態における演出更新処理6(S4121)について説明する。この演出更新処理6(S4121)は、演出更新処理(図35参照)に代えてメイン処理(図34参照)の中で実行される処理であり、遊技の状況に応じて演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理6(図87参照)では、まず、右可変入賞装置65の上面における上流側(開閉扉65f1の上面の流路の入口側)に配置されている通過検出センサ228g1の出力がH(ハイ)であるかを判別して(S4211)、出力がHであると判別した場合は(S4211:Yes)、通過個数カウンタ223kの値に1を加算して更新する(S4212)。次に、報知演出中フラグ223mがオンであるか否かを判別して(S4213)、報知演出中フラグ223mがオンであると判別した場合は(S4213:Yes)、体力ゲージLGの態様を更新するための処理(S4214~S4218)を実行した後で、処理をS4219へと移行する。一方、S4211の処理において通過検出センサ228g1の出力がLであると判別した場合(S4211:No)、およびS4213の処理において報知演出中フラグ223mがオフであると判別した場合は(S4213:No)、体力ゲージLGの表示態様を変更する可能性が無いため、体力ゲージLGの態様を更新するためのS4214~S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
ここで、体力ゲージLGの態様を更新するための処理について詳しく説明する。体力ゲージLGを更新するための処理では、まず、今回の特別図柄の抽選が大当たりであったか否かを判別し(S4214)、今回の特別図柄の抽選の結果が大当たりであると判別した場合は(S4214:Yes)、次いで、体力ゲージカウンタ223nの値が1以上であるか否かを判別する(S4215)。即ち、体力ゲージLGのゲージ数が当たりの場合の下限(0)に達しているか否かを判別して、体力ゲージカウンタ223nの値が1以上である(ゲージ数が下限に達していない)と判別した場合は(S4215:Yes)、体力ゲージカウンタ223nの値を1減算して更新すると共に(S4217)、体力ゲージLGの表示態様を、更新後の体力ゲージカウンタ223nの値に対応するゲージ数の態様に更新して(S4218)、処理をS4219へと移行する。一方、S4215の処理において体力ゲージカウンタ223nの値が0である(ゲージ数が下限に達している)と判別した場合は(S4215:No)、体力ゲージLGの表示態様を更新する必要が無いため、S4217,S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
これに対して、S4214の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が外れである(大当たりではない)と判別した場合は(S4214:No)、次いで、体力ゲージカウンタ223nの値が2以上であるか否かを判別する(S4216)。即ち、外れの場合における体力ゲージLGのゲージ数の下限値(1)に達しているかを判別して(S4216)、体力ゲージカウンタ223nの値が2以上である(ゲージ数が下限値に達していない)と判別した場合は(S4216:Yes)、体力ゲージカウンタ223nの値、および体力ゲージLGの表示態様を更新するためのS4217,S4218の各処理を実行して、処理をS4219へと移行する。一方、S4216の処理において、体力ゲージカウンタ223nの値が1である(外れの場合におけるゲージ数の下限値である)と判別した場合は(S4216:No)、体力ゲージLGの表示態様を更新する必要が無いため、S4217,S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
S4219の処理では、右可変入賞装置65の上面における下流側(開閉扉65f1の上面の流路の出口側)に設けられている通過検出センサ228g2の出力がH(ハイ)であるかを判別して(S4219)、出力がHである(遊技球が通過した)と判別した場合は(S4219:Yes)、通過個数カウンタ223kの値を1減算して更新し(S4220)、処理をS4221へと移行する。一方、S4219の処理において、通過検出センサ228g2の出力がLである(遊技球の通過を検出していない)と判別した場合は(S4219:No)、S4220の処理をスキップして、処理をS4221へと移行する。
S4221の処理では、期待度報知演出の開始タイミングであるかを判別して、開始タイミングとなった場合に期待度報知演出を実行するための報知開始判別処理を実行して(S4221)、本処理を終了する。この報知開始判別処理(S4221)の詳細について、図88を参照して説明する。
図88は、上述した報知開始判別処理(S4221)を示したフローチャートである。この報知開始判別処理(S4221)では、まず、報知待機フラグ223pがオンであるかを判別し(S4701)、オフであると判別した場合は(S4701:No)、右打ち期待度示唆演出の実行中でないか、或いは、右打ち期待度示唆演出の実行中であるが、既に期待度報知演出を開始済みであることを意味し、期待度報知演出の実行を開始する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S4701の処理において、報知待機フラグ223pがオンであると判別した場合は(S4701:Yes)、次いで、期待度報知演出の開始タイミングであるかを判別し(S4702)、期待度報知演出の開始タイミングではないと判別した場合は(S4702:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S4702の処理において期待度報知演出の開始タイミングになったと判別した場合は(S4702:Yes)、通過個数カウンタ223kの値を読み出して(S4703)、読み出したカウンタ値が4以上であるか否かを判別する(S4704)。
S4704の処理において、通過個数カウンタ223kの値が4以上であると判別した場合は、体力ゲージカウンタ223nの値に1を設定して(S4705)、処理をS4707へと移行する。一方、S4704の処理において、通過個数カウンタ223kの値が4未満であると判別した場合は、ゲージ数の最大値である5から通過個数カウンタ223kの値を減じた値を体力ゲージカウンタ223nの値に設定して(S4706)、処理をS4707へと移行する。このように、本第6実施形態では、期待度報知演出の開始時における体力ゲージLGのゲージ数の初期値を、通過個数カウンタ223kの値(開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数)に応じて異ならせる構成としている。これにより、少しでも早く大当たりとなるか否かを知りたいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が開始されるよりも前から、右打ちにより開閉扉65f1の上面に遊技球をより多く到達させようと思わせることができる。
S4707の処理では、報知種別格納エリア223qに格納されているデータと、S4705、またはS4706の処理で設定された体力ゲージカウンタ223nの値と、に応じた態様で、期待度報知演出の開始を設定する(S4707)。具体的には、報知種別格納エリア223qに格納されているデータに対応する発光色で右可変入賞装置65を発光させると共に、体力ゲージカウンタ223nのカウンタ値に応じたゲージ数を、体力ゲージLGの表示態様として設定する。次いで、報知待機フラグ223pをオフに設定すると共に、報知演出中フラグ223mをオンに設定して(S4708)、本処理を終了する。
この報知開始判別処理(図88参照)を実行することにより、演出態様選択テーブル222bから選択された態様の期待度報知演出を正確に実行することができる。
次に、図89を参照して、本第6実施形態における変動表示設定処理6(S4122)について説明する。この変動表示設定処理6(S4122)は、変動表示設定処理(図38参照)に代えて実行される処理である。この第6実施形態における変動表示設定処理6(S4122)のうち、S4501~S4509の各処理では、それぞれ変動表示設定処理(図38参照)におけるS4501~S4509の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第6実施形態における変動表示設定処理6(図89参照)では、S4503の処理が終了すると、S4503の処理で抽出した変動パターン(変動種別)に応じた態様の演出態様を演出態様選択テーブル222bから決定するための演出態様選択処理を実行して(S4511)、処理をS4504へと移行する。この演出態様選択処理(S4511)の詳細について、図90を参照して説明する。
図90は、演出態様選択処理(S4511)を示したフローチャートである。この演出態様選択処理(S4511)では、まず、演出態様選択テーブル222bと、演出抽選カウンタ223jの値とを読み出して(S4801)、読み出した演出態様選択テーブル222bから、変動パターンコマンドによって主制御装置110から通知された変動種別と、演出抽選カウンタ223jの値とに対応する演出態様を特定する(S4802)。
次いで、特定した演出態様が、右打ち期待度示唆演出に対応する演出態様であるかを判別して(S4803)、右打ち期待度示唆演出が実行されない演出態様であると判別した場合は(S4803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4803の処理において、右打ち期待度示唆演出を伴う態様が特定された場合には、今回の演出態様(右可変入賞装置65の発光色)に対応するデータを報知種別格納エリア223qに格納し(S4804)、報知待機フラグ223pをオンに設定して(S4805)、本処理を終了する。
この演出態様選択処理(図89参照)を実行することにより、演出態様選択テーブル222bから、変動種別に応じた割合で、期待度報知演出の演出態様を選択することができるので、期待度報知演出が実行された場合に、右可変入賞装置65の発光色から右打ちを行うと有利となるか否かを推測して、右打ちを開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり種別によらず、大当たりのオープニング期間として0.5秒間が設定される構成としている。即ち、大当たりが開始されるよりも前から右可変入賞装置65へ向けて遊技球を発射していない限り、大当たりの1ラウンド目の開始時に、規定個数(2個)を上回る個数の遊技球が開閉扉65f1の上面の流路を通過中の状態にすることが不可能に構成としている。そして、大当たりを報知するための変動表示演出の一部、および外れを報知するための変動表示演出の一部で、右特定入賞口65aが開放される期待度を報知するための期待度報知演出を実行可能に構成している。これにより、期待度報知演出の内容から、変動表示演出の実行中(特別図柄の抽選結果が報知されるよりも前)に、右打ちを開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。変動表示の実行中に右打ちを開始し、遊技者の狙い通り右特定入賞口65aが開放されれば、オーバー入賞を発生させることができるので遊技者を満足させることができる。また、変動表示の実行中に右打ちを行わず、遊技者の狙い通り右特定入賞口65aが閉鎖されたままになった(特別図柄の抽選で外れになった)場合には、無駄に右打ちをして持ち球を消費することを回避できたことに対する安堵感を抱かせることができる。一方、遊技者の狙いに反する結果となった場合(右打ちを行ったのに右特定入賞口65aが開放されなかった場合、および右打ちを行わなかったのに右特定入賞口65aが開放された場合)には、次回の期待度報知演出では、右打ちをした方が良いかどうかの予測を当てたいという目的意識を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第6実施形態では、オープニング期間を大当たり種別によらず共通とし、音声ランプ制御装置113側の制御により、変動表示の実行中から右打ちを行った方が良いかどうかを遊技者に判断させる構成とすることで、大当たり毎に1ラウンド目の有利度合い(右特定入賞口65aへと入賞する遊技球の個数)を異ならせている。これにより、上述した第5実施形態とは異なり、主制御装置110において、大当たり種別と閉鎖期間との対応関係を規定した期間長選択テーブル202e(図76(c)参照)を設ける必要が無いため、ROM202の容量を削減することができる。また、オープニング期間を選択する際の制御処理も、単に共通の期間を設定する処理となるため、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。主制御装置110のMPU201は、大当たりの抽選や第1図柄の変動表示等の、遊技に関する主要な制御を行う必要があるものであるので、処理負荷を軽減することにより各種の主要な制御をより確実に実行することができる。
なお、本第6実施形態では、期待度報知演出として、右可変入賞装置65の発光色により右打ちを行った方が有利となるか否かの期待度を示す構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、例えば、第3図柄表示装置81に表示される怪獣の色や態様を異ならせることで期待度を示す構成としてもよいし、冒険者の攻撃の内容によって期待度を報知する構成としてもよい。また、右可変入賞装置65の発光色や第3図柄表示装置81の表示態様に代えて、又は加えて、楽曲や効果音を異ならせることにより期待度を報知する構成としてもよい。
本第6実施形態では、全ての大当たり種別のオープニング期間を0.5秒間に統一したが、これに限られるものではない。例えば、上述した第5実施形態と同様に、大当たり種別に応じてオープニング期間を異ならせる構成とし、オープニング期間が短い大当たりとなった場合(および特別図柄の抽選で外れとなった場合)の一部で、変動表示の実行中に期待度報知演出を実行する構成としてもよい。これにより、オープニング期間が長い大当たり種別になった場合は、大当たりが報知された後で安心して右打ちを行わせることができる。また、期待度報知演出が実行された場合には、報知内容(右可変入賞装置65の発光色)に基づいて変動表示の実行中から右打ちを開始した方が良いかどうかを遊技者に判断させる遊技性を提供することができる。
本第6実施形態では、期待度報知演出において、傷を模した装飾を右可変入賞装置65に施した上で、第3図柄表示装置81において、傷を狙うように促す表示を行うことで、間接的に右打ちを遊技者に示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、期待度報知演出において、右打ちを明確に報知する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して右打ちを行うことで有利になる(オーバー入賞が発生する)可能性があることを容易に理解させることができる。
本第6実施形態では、右打ちを行った場合に遊技者に有利となるか否かの期待度を報知する期待度報知演出を実行することにより、変動表示の実行中に右打ちを行った方が良いかどうかを判断させる構成としていたが、期待度報知演出は、必ずしも本実施形態における右可変入賞装置65(右特定入賞口65aが開放された場合に入賞可能となる位置に複数の遊技球を留めることができる構造の可変入賞装置)と組み合わせる必要はない。例えば、期待度報知演出を、左可変入賞装置650のように、開放された後で打ち出した遊技球のみを入賞させることが可能な可変入賞装置のみが設けられているパチンコ機10に適用してもよい。即ち、期待度報知演出を、単に変動終了後に大当たりとなるかどうかの期待度を報知する演出として実行する構成としてもよい。
本第6実施形態では、特別図柄の抽選が外れとなった場合も、期待度報知演出を実行可能に構成していたが、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にのみ、期待度報知演出を実行する構成としてもよい。この場合において、期待度報知演出を開始するタイミングを可変させる構成としてもよい。即ち、第6実施形態では、変動時間が終了する4秒前に期待度報知演出が発生する構成としていたが、例えば、抽選により4秒前、2秒前、1秒前のいずれかのタイミングで期待度報知演出が発生する構成としてもよい。更に、この場合において、例えば、外れに対応する変動表示の連続回数が多くなるほど、4秒前や2秒前に期待度報知演出が発生する割合が高くなるように構成してもよい。即ち、外れの連続回数が多くなる程、大当たりとなって右打ち期待度示唆演出が選択された場合に、変動表示の実行中に、右打ちをより長い期間実行できるように構成してもよい。このように構成することで、前回大当たりとなってからの変動表示の実行回数が多くなる程、大当たりに当選した場合における1ラウンド目の賞球数が多くなり易くなるので、外れが連続した場合に、遊技者に対して大当たりとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、例えば、RTC(Real-Time-Clock)等の時刻を計時可能な装置を設ける構成とし、時間帯に応じて期待度報知演出が発生し易いタイミングを異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、変動終了の4秒前や2秒前に期待度報知演出が発生し易い時間帯に遊技を行いたいと遊技者に思わせることができる。
<第7実施形態>
次に、図91から図99を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、遊技盤13の右上側と、左下側とにそれぞれ大当たり開始の契機となる作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていた。また、左作動入賞口662には、大当たり待機状態となった場合に、比較的短い時間(約0.5秒間)で、ほぼ自動的に遊技球が入球する構成としていた。つまり、左作動入賞口662が大当たりの開始の契機となる左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させるよりも前に、大当たりの1ラウンド目が開始される一方で、右作動入賞口661が大当たりの開始の契機となる右契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態の間に開閉扉65f1の上面の流路に遊技球を複数到達させてから右作動入賞口661へと遊技球を入球させることで遊技者がオーバー入賞を狙うことが可能に構成していた。
これに対して、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、左契機大当たりに当選した場合も、大当たり待機状態となってから遊技者が左打ちを行わなければ遊技球が左作動入賞口662へと入球する可能性が無いように構成している。そして、大当たり待機状態において、第3図柄表示装置81において実行される演出として、通常の遊技状態であるかのような演出を行う構成としている。即ち、大当たり待機状態の間も、疑似的に第3図柄の変動表示演出等を実行し、遊技者に対して大当たり待機状態に移行していないかのように(通常の遊技状態であるかのように)誤認させて左打ちを継続させることが可能に構成している。つまり、左契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態となったことを遊技者に認識され難い演出を実行することで、遊技者に対して左打ちを継続させ、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと遊技者が意識する間もなく、左作動入賞口662へと遊技球を入球させてしまう構成としている。これにより、左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に規定個数(1ラウンド目の上限個数である2個)を上回る個数の遊技球を到達させてから大当たりを開始させることが困難となる一方で、右契機大当たりとなった場合には開閉扉65f1の上面により多くの遊技球が到達しているタイミングで右作動入賞口661へと遊技球を入球させることにより、容易にオーバー入賞を発生させることができる。よって、上述した第2実施形態と同様に、左契機大当たりと右契機大当たりとで1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図91を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図91に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成は、第2実施形態における遊技盤13(図54参照)に対して、貯留装置675が削除されている点で相違している。貯留装置675が削除されたことにより、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態になった場合も、上述した第2実施形態のように、即座に左作動入賞口662へと遊技球が入球することはない。つまり、左契機大当たりの場合でも、大当たり待機状態において左打ちにより作動入賞口662へと遊技球を入球させなければ、大当たりが開始されることがない。なお、本第7実施形態では、左契機大当たりとなった場合に、第3図柄表示装置81において外れの組み合わせの第3図柄を停止表示させ、大当たり待機状態に移行した後も、通常の遊技状態と同様に変動表示を実行する構成としている。これにより、遊技者が大当たり待機状態となったことを認識し難くなるように構成し、大当たり待機状態となった後も左打ちを継続して左作動入賞口662へと遊技球が入球するように構成している。よって、第2実施形態と同様に、右契機大当たりではオーバー入賞を狙って発生させることが可能な一方で、左契機大当たりとなった場合にはオーバー入賞を狙う間もなく大当たりが開始されてしまう遊技性を提供することができる。また、左打ちによって発射された遊技球のうち、左作動入賞口662へと入賞する遊技球の割合は、第1入球口64へと入球する割合よりも高くなるように構成されている。これにより、左契機大当たりの大当たり待機状態となった場合に、より短期間で左作動入賞口662へと遊技球を入球(入賞)させることができる。なお、図示については省略したが、貯留装置675が削除されたことにより、貯留装置675の貯留弁675aを開閉する制御処理も削除されている。
次に、図92を参照して、左契機大当たりとなった場合において、変動表示が開始されてから大当たりが開始されるまでの間の演出態様の経時変化について説明する。図92は、変動開始時に保留球数が2個貯まっている状態で、左契機大当たりに対応する変動表示演出(変動時間が60秒間の当たりスーパーリーチ)が実行された場合を例示した図である。図92に示した通り、左契機大当たりに対応する変動表示が実行されると、変動終了時に外れとなったことが疑似的に報知される。即ち、第3図柄表示装置81において、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される。なお、このとき第1図柄表示装置37では、大当たりに対応する停止図柄が停止表示される。しかしながら、第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37に比べて大きく、且つ、見易い位置に配置されている。よって、ほとんどの遊技者は、第1図柄表示装置37において当たりとなる停止図柄となっていることに気付かないので、第3図柄表示装置81の表示内容を確認した遊技者に対して特別図柄の抽選結果が外れになった(大当たり待機状態に移行していない)と思わせることができる。
図92に示した通り、左契機大当たりに対応する変動表示が終了すると、大当たり待機状態が開始されると共に、第3図柄表示装置81において、疑似的な変動表示が開始される。即ち、左契機大当たりに対応する変動表示の実行中に保留されていた2個の保留球に対応する変動表示を疑似的に実行する。この疑似的な変動表示は、それぞれ2秒間の変動時間が設定され、変動終了時に完全外れに対応する停止図柄が停止表示される。なお、この疑似的な変動表示を実行するために、表示制御装置114において、疑似的な変動表示用の表示データテーブルが用意されている。また、大当たり待機状態において疑似的な変動表示が実行されると、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示されている保留球数図柄の数も疑似的に減らされる。これにより、2秒毎に保留球が減っていくかのように遊技者に思わせることができるので、追加で第1入球口64へと遊技球を入球させて特別図柄の抽選を実行させようと思わせることができる。疑似的な変動表示が終了し、疑似的な保留球も無くなると、疑似的な変動停止状態が設定される。この疑似的な変動停止状態は、通常の遊技状態において保留球の数が0になった場合と全く同一の表示態様となる。よって、遊技者に対して第1入球口64へと遊技球を入球させなければ特別図柄の抽選が実行されないと思わせることができるので、より積極的に左打ちを行わせることができる。
なお、本実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選でのみ、左契機大当たりに当選する構成としている。即ち、左契機大当たりに当選する状況を、第1入球口64を狙って遊技を行う遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)に限定する構成としている。これにより、疑似的な変動表示演出や疑似的な変動停止状態となった場合に、遊技を継続する(特別図柄の抽選を行わせる)ために遊技者が遊技球を発射する方向を、遊技盤13の左側に限定することができる。よって、疑似的な通常状態において、遊技を継続しようとした遊技者に対して、より確実に、左作動入賞口662へと遊技球を入球させることができる。
大当たり待機状態において遊技者が左打ちを継続して行うことにより、左作動入賞口662へと遊技球が入球すると、特殊な態様の演出(ブラックアウト演出)が実行される。詳細については後述するが、この、通常の遊技状態中には発生しないブラックアウト演出が実行されることで、大当たり待機状態だったこと、および大当たりが開始されることを遊技者に即座に理解させることができる。このブラックアウト演出は、オープニング期間の0.1秒間の間実行され、演出終了後は通常の大当たり演出が開始される。
なお、疑似的な変動停止状態において、3秒間が経過しても左作動入賞口662への入賞が検知されなかった場合は、疑似的な変動停止状態を終了して、待機状態演出(図7参照)を実行する。3秒間で疑似的な変動停止状態を終了する構成としているのは、変動停止状態となったタイミングで、遊技者が遊技を辞めようと思った場合に、遊技者が台を離れるよりも前に、実は大当たり待機状態となっていたことを遊技者に気づかせるためである。即ち、大当たりが確定している状態で遊技者が離席してしまい、他の遊技者に大当たり待機状態から遊技を開始されることを抑制するためである。これにより、大当たりに当選していたにも拘わらず、気づかずに遊技を辞めてしまい、遊技者に遊技に対する不満を抱かせてしまうことを防止できる。
次に、図93を参照して、本第7実施形態における左契機大当たり中の演出態様について説明する。図93(a)は、左契機大当たりのオープニング期間において実行されるブラックアウト演出を示した図である。上述した通り、本第7実施形態では、左契機大当たりに当選して大当たり待機状態へと移行した場合に、疑似的な変動表示、および疑似的な変動停止状態演出を実行することにより、大当たり待機状態となったことを遊技者に認識され難くしている。これらの疑似的な演出の実行中に左作動入賞口662へと遊技球が入賞し、大当たりを開始させる場合にはオープニング期間が極めて短い(0.1秒間)ため、第3図柄を当たりの組み合わせで停止表示させる等の演出により大当たりを報知するだけの期間が無い。そこで本第7実施形態では、遊技者に特別な演出が実行されたことを一見して理解させることができ、演出時間も短くて済む態様として、図93(a)に示したブラックアウト演出を実行する構成としている。即ち、左作動入賞口662へと遊技球が入賞して、左契機大当たりのオープニング期間となった場合に、突如として第3図柄表示装置81の表示画面全体が暗転する(ブラックアウトする)演出が実行される構成としている。それまで実行されていた疑似的な変動表示、または疑似的な変動停止状態演出とは大きく異なる見た目になることで、遊技者に対して瞬時に特別な演出が実行されたことを理解させることができる。
ブラックアウト演出が終了した後は、図93(b)に示した、大当たりが開始されたことを示す演出が実行される。即ち、主表示領域Dmにおいて、「大当たり確定!」という文字が表示されると共に、同一の数字が付された第3図柄が3つ揃った状態で停止表示される。更に、小領域Ds1において、ラウンド数を示す表示(「1ラウンド」との文字)、および払い出された賞球数を示す表示(「0000GET」との文字)が表示される。また、小領域Ds3には、右特定入賞口65aに向けて遊技球を発射させるための、「右打ち!!」との文字と、右向きの矢印の図形とが表示される。これらの表示内容により、大当たりが既に開始されていることを、遊技者に対して即座に理解させることができる。
<第7実施形態における電気的構成>
次に、図94を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223について説明する。図94は、RAM223の構成を示したブロック図である。図94に示した通り、本第7実施形態におけるRAM223は、第2実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、疑似保留球数カウンタ223rと、疑似通常状態フラグ223sと、疑似変動中タイマ223tと、疑似変動停止状態タイマ223uとが追加されている。
疑似保留球数カウンタ223rは、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態となった後における疑似的な変動表示の保留数を示すカウンタである。大当たり待機状態において、この疑似保留球数カウンタ223rの値が1以上の間は疑似的な変動表示が繰り返し実行され(図96のS4907参照)、疑似保留球数カウンタ223rの値が0となった状態で疑似的な変動表示が終了した場合は、疑似的な変動停止状態が設定される(図96のS4906参照)。この疑似保留球数カウンタ223rは、左契機大当たりに対応する大当たり待機状態への移行時に、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が設定される(図98のS4614参照)。つまり、疑似保留球数カウンタ223rは、疑似的な第1特別図柄の保留球数をカウントするためのカウンタと、疑似的な第2特別図柄の保留球数をカウントするためのカウンタとで少なくとも構成されている。また、この疑似保留球数カウンタ223rは、疑似的な変動表示の開始を設定する毎に値が1ずつ減算される(図96のS4908参照)。
疑似通常状態フラグ223sは、大当たり待機状態において、疑似的に通常の遊技状態であるかのような態様の演出(疑似通常状態演出)を実行しているか(左契機大当たりに当選した場合に設定される大当たり待機状態であるか)否かを示すフラグである。この疑似通常状態フラグ223sがオンであれば、疑似通常状態演出の実行中であることを示し、オフであれば疑似通常状態演出を実行していないことを示す。この疑似通常状態フラグ223sは、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態が開始された場合にオンに設定される(図98のS4617参照)。一方、この疑似通常状態フラグ223sは、疑似通常状態演出が終了した際(左作動入賞口662へと遊技球が入球して大当たりのオープニング期間に移行した場合、または疑似的な変動停止状態が3秒継続して待機状態演出が開始された場合)にオフに設定される(図96のS4912,図98のS4617参照)。
疑似変動中タイマ223tは、疑似的な変動表示の変動時間を計時するタイマである。この疑似変動中タイマ223tには、疑似的な変動表示の開始を設定する毎に、2秒に対応するタイマ値(即ち、2000)が設定される(図96のS4907参照)。この疑似変動中タイマ223tの値が0であるかいなかによって、疑似的な変動表示の実行中であるか否かを判別する。
疑似変動停止状態タイマ223uは、疑似的な変動停止状態の継続時間を計時するタイマである。この疑似変動停止状態タイマ223uには、疑似的な変動停止状態が設定されたタイミングで、3秒に対応するタイマ値(即ち、3000)が設定される(図96のS4906参照)。この疑似変動停止状態タイマ223uが0になった場合は、疑似的な変動停止状態が開始されてから3秒間が経過したことを意味するので、待機状態演出の開始を設定する。3秒間で疑似的な変動停止状態を終了する構成とすることにより、仮に遊技者が遊技を辞めようと思ったとしても、遊技者が台を離れるよりも前に、大当たり待機状態となっていたことを遊技者に気づかせることができる。これにより、左契機大当たりに当選していたにも拘わらず、気づかずに遊技を辞めてしまい、遊技者に遊技に対する不満を抱かせてしまうことを防止できる。
<第7実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図95から図99を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図95を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理7について説明を行う。このメイン処理7は、第2実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図34参照)に代えて実行される処理である。
この第7実施形態におけるメイン処理7(図95参照)のうち、S4101~S4118の各処理では、それぞれ第2実施形態におけるメイン処理(図34参照)のS4101~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態におけるメイン処理7(図95参照)では、演出更新処理(S4111)が終了した後で、疑似的な通常状態が設定されている間の演出態様を設定するための疑似通常状態演出処理を実行して(S4131)、処理をS4112へと移行する。この疑似通常状態演出処理(S4131)の詳細について、図96を参照して説明する。
図96は、上述した疑似通常状態演出処理(S4131)を示したフローチャートである。この疑似通常状態演出処理(S4131)では、まず、疑似通常状態フラグ223sがオンであるかを判別し(S4901)、疑似通常状態フラグ223sがオフであると判別した場合は(S4901:No)、疑似的な通常の遊技状態が設定されていない(左契機大当たりに基づく大当たり待機状態ではない)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオンであると判別した場合は(S4901:Yes)、次に、疑似的な変動表示演出の実行中であるか否かを判別する(S4902)。より具体的には、疑似変動中タイマ223tの値が1以上であるかを判別する。S4902の処理において、疑似的な変動表示演出の実行中である(疑似変動中タイマ223tの値が1以上である)と判別した場合は(S4902:Yes)、疑似変動中タイマ223tの値を1減算することで更新し(S4903)、減算後の疑似変動中タイマ223tの値が0になったかを判別する(S4904)。即ち、疑似的な変動表示の変動時間が終了したかを判別する。
S4904の処理において、疑似変動中タイマ223tの値が0になっていないと判別した場合は(S4904:No)、疑似的な変動表示を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、疑似変動中タイマ223tの値が0になったと判別した場合は(S4904:Yes)、次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値が0であるか(第1特別図柄に対応する疑似的な保留球数と第2特別図柄に対応する疑似的な保留球数とが共に0であるか)を判別し(S4905)、疑似保留球数カウンタ223rの値が0であると判別した場合は(S4905:Yes)、疑似的な変動表示を開始させることができないので、疑似的な変動停止状態に移行させるために、疑似変動停止状態タイマ223uの値に3000を設定して(S4906)、本処理を終了する。なお、疑似通常状態演出処理(図96参照)は、メイン処理7(図95参照)の中で1ミリ秒毎に実行される処理であるので、疑似変動停止状態タイマ223uのタイマ値として3000を設定することで、3秒(3000ミリ秒)経過時にタイマ値が0となる。これにより、疑似的な変動停止状態となってから3秒間を正確に計ることができる。
一方、S4905の処理において、疑似保留球数カウンタ223rの値が0になっていないと判別した場合は(S4905:No)、疑似的な変動表示の開始を新たに設定すると共に、疑似変動中タイマ223tの値に2000(2秒間に対応するタイマ値)を設定する(S4907)。次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値を1減算すると共に、減算後の疑似的な保留球数に応じた表示態様に更新して(S4908)、本処理を終了する。
また、S4902の処理において、疑似的な変動表示の実行中ではないと判別した場合は(S4902:No)、現在が疑似的な変動停止状態であることを意味するので、疑似変動停止状態タイマ223uの値を1減算し(S4909)、減算後の疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になったかを判別する(S4910)。S4910の処理において、疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になっていない(1以上の値である)と判別した場合は(S4910:No)、疑似的な変動停止状態を継続させるために、そのまま本処理を終了する。
一方、S4910の処理において、減算後の疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になったと判別した場合は(S4910:Yes)、表示用待機状態コマンドを設定することで、待機状態演出(図7参照)の実行を設定する(S4911)。次いで、待機状態演出フラグ223gをオンに設定すると共に、疑似通常状態フラグ223sをオフに設定して(S4912)、本処理を終了する。
この疑似通常状態演出処理(図96参照)を実行することにより、左契機大当たりに当選したことに基づいて移行した大当たり待機状態において、遊技者に対して通常の遊技状態が継続しているかのように思わせる態様の演出を実行することができる。これにより、左契機大当たりとなって大当たり待機状態に移行した場合に、遊技者に対して左打ちを継続させることができるので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと思う間もなく左契機大当たりの1ラウンド目を開始させることができる。
なお、本第7実施形態では、疑似的な変動表示を、大当たり待機状態の開始時(変動終了時)において保留されている保留球数の分だけ実行する構成とし、大当たり待機状態となった後で第1入球口64への入球を検出した場合には、その入球に対応する疑似的な保留球数を増加させない構成としている。これは、上述した通り、左打ちを行った場合に、第1入球口64よりも、左作動入賞口662へと遊技球が入球し易くなるように遊技盤13が構成されているため、大当たり待機状態の間に連続して左打ちを行った場合に、左作動入賞口662へと遊技球が入賞せずに連続して第1入球口64へと入球する可能性が極めて低いためである。よって、疑似的な保留球数を増加させるための処理を省略することができるので、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。また、仮に、保留球数を増加させる処理も行う構成とした場合、主制御装置110において、大当たり待機状態の間に第1入球口64への入球を検出した場合に、既に保留球数が上限に達していたとしても、入球したことを音声ランプ制御装置113に対して通知しなければならなくなる。保留球数が上限に達している状態で大当たり待機状態に移行し、1回以上疑似的な変動表示演出が実行された後で第1入球口64に対する入球を検出した場合は、疑似的に保留球数を増加させる必要があるからである。このため、主制御装置110において出力すべきコマンドが増加するので、主制御装置110の処理負荷も増加することとなる。これに対して本第7実施形態では、疑似的な保留球数を増加させない構成としているので、主制御装置110においてコマンドを新たに増加させる必要が無く、主制御装置110の処理負荷を軽減させることができる。更に、運良く先に第1入球口64へと入球し、保留球数図柄が増加しないことを遊技者が認識した場合には、実は大当たり待機状態になっていたということを遊技者に理解させることができる。よって、運良く大当たり待機状態を察知できた遊技者に対して、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させてから左作動入賞口662へと入球させようと工夫して遊技を行わせることができる。これにより、通常の遊技状態であるか、大当たり待機状態であるかを見極めるために、より積極的に左打ちを行わせることができる。
次に、図97を参照して、本第7実施形態における当たり関連処理7(S4341)について説明する。この当たり関連処理7(S4341)は、第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理2(図61参照)と同様に、当たりに関連するコマンドを受信した場合に、コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)のうち、S4401,S4404、およびS4407~S4410の各処理では、それぞれ第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)のS4401,S4404、およびS4407~S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)では、S4401の処理において、主制御装置110から待機状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4401:Yes)、待機状態コマンド処理(図62参照)に代えて、待機状態コマンド処理7を実行し(S4441)、本処理を終了する。詳細については図98を参照して後述するが、この待機状態コマンド処理7(S4441)は、大当たり待機状態として、大当たり種別に応じた演出態様を設定するための処理である。
また、本第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)では、S4404の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4404:Yes)、大当たりが開始された状況に応じた態様のオープニング演出を実行するためのオープニングコマンド処理を実行して(S4442)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理(S4442)の詳細については、図99を参照して後述する。
次いで、図98を参照して、上述した待機状態コマンド処理7(S4441)の詳細について説明する。図98は、待機状態コマンド処理7(S4441)を示したフローチャートである。この待機状態コマンド処理7(S4441)のうち、S4601~S4603の各処理では、それぞれ第2実施形態における待機状態コマンド処理(図62参照)のS4601~S4603の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第7実施形態における待機状態コマンド処理7(図98参照)では、S4601の処理において、今回の大当たりが右契機大当たりではない(左契機大当たりである)と判別した場合に(S4601:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を読み出して(S4611)、読み出した各カウンタ値が共に0であるか否かを判別する(S4612)。
S4612の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が共に0であると判別した場合は(S4612:Yes)、特別図柄の保留球数が0であり、疑似的な変動表示を開始させてしまうと遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことになるので、疑似的な変動停止状態を設定する。即ち、疑似変動停止状態タイマ223uの値に3000(3秒間に対応するタイマ値)を設定して(S4613)、処理をS4617へと移行する。
一方、S4612の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値のうち、少なくとも一方が0ではないと判別した場合は(S4612:No)、読み出した第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を疑似保留球数カウンタ223rの値として格納し(S4614)、疑似的な変動表示の開始を設定すると共に、疑似変動中タイマ223tの値に2000(2秒間に対応するタイマ値)を設定する(S4615)。そして、疑似保留球数カウンタ223rの値を1減算して更新すると共に、保留球数図柄を疑似的に1個減少して表示させ(S4616)、処理をS4617へと移行する。S4617の処理では、疑似通常状態フラグ223sをオンに設定して(S4617)、本処理を終了する。
この待機状態コマンド処理7(図98参照)を実行することにより、左契機大当たりの大当たり待機状態では、通常の遊技状態が継続しているかのような演出を疑似的に実行することができる一方で、右契機大当たりとなった場合には、待機状態演出を実行することができる。これにより、左契機大当たりとなった場合は、遊技者に対して大当たり待機状態となったことを気づかせずに左打ちを継続させることができるので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させる間もなく左作動入賞口662へと入賞させて大当たりを開始させることができる。一方、右契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態となったことを遊技者に容易に理解させることができるので、遊技球を右作動口661へと入賞させるタイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(右特定入賞口65aへと入球させることができる遊技球の個数)が可変する遊技性を提供することができる。よって、遊技者に対してタイミング良く遊技球を発射する楽しみを与えることができる。
次に、図99を参照して、上述したオープニングコマンド処理(S4442)の詳細について説明する。このオープニングコマンド処理(S4442)では、まず、疑似通常状態フラグ223sがオンであるかを判別する(S5001)。S5001の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオンであると判別した場合は(S5001:Yes)、疑似的な変動表示演出、または疑似的な変動停止状態が表示されている間に左作動入賞口662へと入球して大当たりのオープニング期間が開始されたことを意味するので、ブラックアウト演出(図93(a)参照)に対応する表示用オープニングコマンドを設定する(S5002)。
次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値と、疑似変動中タイマ223tの値と、疑似変動停止状態タイマ223uの値とを全て0にリセットし(S5003)、疑似通常状態フラグ223sをオフに設定して(S5004)、本処理を終了する。
一方、S5001の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオフであると判別した場合は(S5001:No)、通常のオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S5005)、待機状態演出フラグ223gをオフに設定して(S5006)、本処理を終了する。
このオープニングコマンド処理(図99参照)を実行することにより、左契機大当たりに当選して移行した大当たり待機状態で、左作動入賞口662へと遊技球が入賞してオープニング期間が開始された場合に、突如として第3図柄表示装置81の表示画面全体が暗転する(ブラックアウトする)ブラックアウト演出を実行することができる。即ち、それまで実行されていた疑似的な変動表示、または疑似的な変動停止状態演出とは大きく異なる態様に設定することができる。これにより、遊技者に対して瞬時に特別な演出が実行されたことを理解させることができる。
以上説明した通り、第7実施形態におけるパチンコ機10では、第1入球口64を狙って発射された遊技球の一部が入球可能となる位置に、左契機大当たりの開始契機となる左作動入賞口662を配置する構成とした。そして、左契機大当たりとなった場合には、特別図柄の変動表示中における第3図柄表示装置81の演出として、外れの組み合わせの第3図柄が停止表示される演出が実行される構成とした。更に、変動終了後に移行する大当たり待機状態では、通常の遊技状態が継続しているかのような態様の演出が実行される構成としている。即ち、大当たり待機状態の間も、疑似的な変動表示演出等の疑似通常状態演出を実行し、遊技者に対して通常の遊技状態中であるかのように誤認させて左打ちを継続させることが可能に構成している。これにより、左契機大当たりに当選して大当たり待機状態となった場合に、遊技者に対して左打ちを継続させることができる(遊技者が右打ちを行うことを抑制できる)ので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと遊技者が意識する間もなく、左作動入賞口662へと遊技球を入球さることができる。よって、左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に規定個数(1ラウンド目の上限個数である2個)を上回る個数の遊技球を到達させてから大当たりを開始させることが困難となる一方で、右契機大当たりとなった場合には開閉扉65f1の上面により多くの遊技球が到達しているタイミングで右作動入賞口661へと遊技球を入球させることにより、容易にオーバー入賞を発生させることができる。よって、左契機大当たりと右契機大当たりとで1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第7実施形態では、左契機大当たりの大当たり待機状態となった場合に必ず疑似通常状態演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左契機大当たりとなった場合に、疑似通常状態演出を実行するか、待機状態演出を実行するかを抽選により決定する構成としてもよい。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示を、大当たり待機状態の開始時(変動終了時)において保留されている保留球数の分だけ実行する構成とし、大当たり待機状態となった後で第1入球口64への入球を検出した場合には、その入球に対応する疑似的な保留球数を増加させない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、始動入賞が検出される毎に、疑似的に保留球数図柄を増加させる構成としても良い。これにより、疑似通常状態演出が実行されているのか否かをより遊技者に認識され難くできる。
本第7実施形態では、期待度報知演出の実行開始タイミングを、変動種別毎に固定としていた。即ち、当たり又は外れスペシャルリーチの場合には、変動開始から86秒が経過したタイミングで期待度報知演出を実行開始させ、当たり又は外れスーパーリーチの場合には、変動開始から56秒が経過したタイミングで期待度報知演出を実行開始させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、同一の変動種別であっても、抽選等により、期待度報知演出の実行開始タイミングを異ならせる構成としてもよい。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示として、通常とは異なる2秒間の専用の演出を実行する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、通常の変動表示と同一の変動時間、および表示態様の変動表示演出を疑似的に実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たり待機状態となる直前に実行されていた変動表示を繰り返す構成としてもよい。このように構成することで、直前に使用していた変動表示のデータをそのまま転用すれば良いので、疑似的な変動表示を実行する際の処理負荷を軽減させることができる。
本第7実施形態では、左契機大当たりとなって大当たり待機状態に移行した場合、その時点の保留球数に応じた回数の疑似的な変動表示を実行してから、疑似的な停止表示状態に移行させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態に移行した場合に、保留球数とは無関係に、即座に停止表示状態に移行させる構成としてもよい。この場合において、保留球数図柄を、大当たり待機状態に移行した際、又は変動表示中から疑似的に0個にする構成としてもよい。このように構成することで、大当たり待機状態に移行した場合に保留球が0個になったかのような印象を遊技者に抱かせることができるので、大当たり待機状態の開始時から、特別図柄の抽選を実行させようとして遊技者に左打ちを行わせることができる。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示を実行する場合に、通常の変動表示と同一の大3図柄の画像を用いて変動表示を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常の第3図柄とは態様が異なる図柄を、疑似的な変動表示に専用の図柄として用意する構成としてもよい。
<第1制御例>
次に、図100から図117を参照して、上記各実施形態におけるパチンコ機10に対して適用し得る第1の制御例について説明する。この第1の制御例では、興趣演出の一環として、通常遊技中における所定期間(例えば、確変状態が設定されている期間)において出力(再生)される楽曲(音声演出)を、遊技者が選択可能に構成している。より具体的には、所定期間(確変状態が設定されている期間)において、前面枠14に設けられている操作ボタン230に対する操作を検出した場合に、第3図柄表示装置81において、選曲(選択)可能な楽曲のリスト(選曲メニュー画面)を表示する構成としている。そして、選曲メニュー画面が表示された状態で遊技者が任意の楽曲(音声演出)を選択し、決定操作(操作ボタン230の中央ボタンCBに対する押下操作)を行うことにより、当該選択された楽曲(音声演出)の出力(再生)が開始される構成としている。なお、本第1制御例では、所定期間が開始された(確変状態に移行した)タイミングで、まず1の楽曲(演出態様)をランダムに選択して再生する構成としている。このランダムに選択された楽曲の再生は、遊技者により選択された楽曲の再生が開始されるか、確変状態(所定期間)が終了するまで継続する。これにより、確変状態に移行してから遊技者によって楽曲が選択されるまでの間(楽曲が選択されていない状態の間)も、楽曲を再生しておくことができるので、遊技者に有利な確変状態となったことに対する遊技者の満足感をより大きくすることができる。
また、本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置として、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲(演出態様)の種別とは無関係に、それまでの遊技において遊技者により選択された頻度の高い(回数が多い)楽曲程、選択し易いメニュー位置に配置されるように構成している。ここで、「選択し易いメニュー位置」とは、楽曲を選択するまでの間に操作ボタン230に対して実行される操作の回数が少ない(3回以内の操作で選択可能な)メニュー位置を意味する。
まず、図100を参照して、本第1制御例におけるパチンコ機10の外観について説明する。図100は、本第1制御例におけるパチンコ機10の正面図である。図100に示した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、貸球操作部40に対して正面視左側に、操作ボタン230が配設されている。この操作ボタン230は、正面視上側に配置された上ボタンUB、正面視下側に配置された下ボタンDB、正面視右側に配置された右ボタンRB、正面視左側に配置された左ボタンLB、および操作ボタン230の中央部分に配置された中央ボタンCBの5つのボタンで構成されている。詳細については図101、および図102を参照して後述するが、この操作ボタン230は、上述した通り、確変状態が設定されている期間において、パチンコ機10に予め設定され、選曲メニュー画面に表示されている複数の楽曲(楽曲A~楽曲Zの26曲)の中から、任意の楽曲を遊技者に対して選択させるために設けられている。
次に、図101、および図102を参照して、本第1制御例における確変状態中の表示態様について説明する。図101(a)は、確変状態中における第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示した図である。図101(a)に示した通り、確変状態では、主表示領域Dmにおける正面視左側(変動表示されている第3図柄の左側)に、再生中の楽曲の情報を表示させるための楽曲用領域MRが形成される。より具体的には、図101(a)に示した通り、現在再生中(出力中)の楽曲(図101(a)の例では楽曲A)を示す「楽曲A」という文字と、「ボタン操作で曲を選択できるよ!」という文字とが楽曲用領域MRに対して表示される。これらの表示内容により、現在再生されている楽曲が何であるかを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、操作ボタン230を操作することにより、任意の楽曲を選択できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図101(b)は、図101(a)に示した画像が表示されている状態において、操作ボタン230を遊技者が操作した(各ボタンUB,DB,RB,LB,CBの何れかを押下した)場合に切り替わる表示内容を示した図である。図101(b)は、遊技者が下ボタンDBを押下したことに基づいて(連動して)表示内容(表示態様)が切り替わった場合を例示している。図101(b)に示した通り、操作ボタン230が操作(押下)されると、楽曲用領域MRの内部に、楽曲のタイトル(楽曲名)が付された横長略長方形形状の表示領域が複数表示される。また、複数の表示領域の下方には、「上下ボタンで選択」という文字と、「中央ボタンで決定」という文字とが表示される。これらの表示内容(選曲メニュー画面)により、操作ボタン230を操作することにより、任意の楽曲を選択して再生させることができることを遊技者に対して容易に理解させることができる。以降、説明の簡略化のため、この選曲メニュー画面が表示されている状態(操作ボタン230の操作内容に応じて任意の楽曲を選択できる状態)のことを「楽曲選択モード」と称する。この楽曲選択モード中の表示内容について、図102を参照してより詳細な説明を行う。
図102(a)は、楽曲選択モードに移行した場合に最初に表示される選曲メニュー画面における各項目(楽曲の種別(楽曲名)を示す画像)の配置を示した図である。図102(a)に示した通り、選曲メニュー画面には、互いに異なる項目(楽曲の種別を示す画像)が配置された少なくとも5つの表示領域(全楽曲数である26曲よりも少ない数の表示領域)が表示される。選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBが押下されると、5つの表示領域のうち、中央に表示されている表示領域に配置されている項目(楽曲)の再生が決定される。
選曲メニュー画面に表示される5つの表示領域のうち、上側2つの表示領域には、遊技者がこれまでの確変状態において選択した回数が多い楽曲の種別(遊技者の選択頻度が高い楽曲)に対応する項目PA1,PA2(楽曲Y、および楽曲Zを示す画像)が配置される。なお、中央の表示領域に対して相対的に近い位置に配置されている項目PA1(楽曲Zを示す画像)の方が、中央の表示領域に対して相対的に遠い項目P2(楽曲Yを示す画像)よりも、遊技者の選択頻度がより高くなっている。
選曲メニュー画面において中央に表示された項目RA1(楽曲Aを示す画像)には、ランダムに選択された楽曲(確変状態に移行後、最初に再生された楽曲)を示す項目が配置される。そして、中央よりも下側には、最初に選択された楽曲を基準として、予め定められた順番(本第1制御例では、アルファベット順)で2つの項目が並べて表示される。即ち、中央に表示された項目RA1(楽曲A)を基準として、アルファベット順となる「楽曲B」、および「楽曲C」との項目RA2,RA3が、項目RA1の下方に並べて表示される。以降の説明では、説明の簡略化のため、選曲メニュー画面における最初の配置において、中央の項目RA1よりも上側に表示される2つの項目PA1,PA2(遊技者がこれまでに選択した頻度が高い項目)が配置される表示領域のことを「履歴エリア」と称する。また、履歴エリアよりも下側に表示される3つの項目が表示される表示領域(ランダムに選択された項目が配置される表示領域)のことを「ランダム選択エリア」と称する。また、遊技者が中央ボタンCBを押下した場合に再生される項目が配置される表示領域のことを「選曲エリア」と称する。
図102(a)に示した通り、選曲エリア(選曲メニュー画面における中央)に配置されている項目PA1は、点灯した状態で表示され、他の項目PA1,PA2,RA2,RA3は消灯した状態で表示される。これにより、中央ボタンCBを押下した場合に他の項目(楽曲の種別を示す画像)とは異なる態様(点灯した見た目の態様)で表示されている項目が、今回再生される楽曲として決定されることを、遊技者に対してより容易に理解させることができる。また、選曲エリアの上側、且つ、項目PA1の右側には、上向きの略三角形形状の上画像UGが表示されると共に、選曲エリアの下側、且つ、項目RA2の右側には、下向きの略三角形形状の下画像DGが表示される。これらの表示内容により、上ボタンUBを押下すると、押下に連動して、選曲エリアに表示される表示内容(楽曲)を現状よりも1つ上側の表示内容(図102(a)の例では、楽曲Zを示す画像)にずらすことが可能であること、および下ボタンDBを押下すると、押下に連動して、選曲エリアに表示される表示内容(楽曲)を現状よりも1つ下側の表示内容(図102(a)の例では、楽曲Bを示す画像)にずらすことが可能であることを遊技者に対して直観的に理解させることができる。
図102(b)は、図101(a)に示した選曲メニュー画面が表示されている状態において、遊技者が操作ボタン230における上ボタンUBを押下(操作)した場合の表示態様の一例を示した図である。図102(b)に示した通り、上ボタンUBを遊技者が押下すると、当該押下に連動して、全ての表示内容が、表示領域1つ分ずつ下方向に移動された見た目の表示態様に可変される。これにより、図102(a)において選曲エリアの1つ上に配置されていた項目PA1(楽曲Z)が、上ボタンUBに対する押下に連動して、選曲エリアに移動された見た目の表示態様に可変される。選曲エリアに移動された項目PA1は、点灯した見た目の態様に設定され、他の項目は消灯した見た目の態様に設定される。また、項目PA2の1つ上側に、「楽曲X」を示す項目PA3が表示される。この項目PA3は、遊技者がこれまでに選択した回数として、項目PA2(楽曲Y)の次に多い項目(図102(b)の例では、「楽曲X」)が表示される。また、各項目が表示領域1つ分ずつ下方向にシフトすることに伴って、上ボタンUBに対応する画像である上画像が点灯した見た目になる。これにより、上ボタンUBを押下したことに連動して、選曲メニュー画面の項目の配置が変更された(選曲エリアの1つ上に配置されていた項目PA1を選曲エリアに移動させることができた)ことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、上ボタンUBが複数回押下された場合は、その押下回数に応じて項目が下方向にシフトされる。例えば、図102(a)に示した選曲メニュー画面の配置において、上ボタンDBを遊技者が3回押下した場合には、各項目が表示領域3つ分ずつ下方向にシフトされることで、選曲エリアに対して、項目PA3(楽曲Xを示す画像)が配置される。なお、メニュー項目の配置はループ状になっており、上ボタンを押下し続けることで全ての楽曲を順番に選曲エリアにシフトさせることが可能となっている。また、末尾の楽曲に対応する項目が選曲エリアに配置された状態で、更に上ボタンUBが押下された場合には、先頭の楽曲(図102(a)の例では、楽曲A)を示す項目が選曲エリアに戻ってくる構成となっている。
なお、図示については省略したが、下ボタンDBを遊技者が操作(押下)した場合は、上ボタンUBを押下した場合とは反対の動作が行われる。即ち、各項目表示領域1つ分ずつ上方向にシフトすることにより、操作の時点で選曲エリアの1つ下の表示領域に配置されていた項目が選曲エリアへと移動された見た目の表示態様に可変される。例えば、図102(a)に示した配置において下ボタンDBが押下された場合には、当該押下に連動して、項目RA2が選曲エリアに移動された見た目の表示態様に可変される。また、下ボタンDBに対応する下画像DGが点灯した見た目の態様に設定される。これにより、遊技者が下ボタンDBを押下した場合にも、押下に連動して項目がシフトされたことを遊技者に容易に理解させることができる。
なお、本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において選曲エリアの上側に対して、遊技者がこれまでに選択した回数が多い順に3つの項目(項目PA1~PA3)を配置する構成としている。即ち、上ボタンUBに対する押下回数が3回以内の範囲で選択可能(選曲エリアにシフトさせることが可能)な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目(楽曲)を配置する構成としている。これは、これまでに選択された頻度が高い項目ほど、今回の確変状態においても遊技者が選択する可能性が高いと考えられるからである。仮に、選曲メニュー画面の初期配置を決定するにあたって、ランダムに選択された項目(楽曲)に対応する項目を選曲エリアに配置し、その他の項目を、選曲エリアに配置された項目を基準として、単純にアルファベット順(予め定められた順番)に配置する構成にすると、遊技者が好みの楽曲を選択し難くなってしまう可能性がある。即ち、遊技者が選択したい項目(楽曲)と、ランダムに選択された項目(楽曲)とが順番として離れている場合に、選択したい項目を選曲エリアまでシフトさせるための操作ボタン230に対する操作の回数が多くなってしまい、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまう虞がある。また、煩わしさを感じさせ難くするための方法として、確変状態となった場合に最初に選曲エリアに配置される項目を、遊技者の選択頻度が高い項目に設定する方法も考えられるが、この方法では、そもそも確変状態において最初に再生(出力)された楽曲に対して遊技者が満足してしまい、楽曲を変更しようと思わない(選曲メニュー画面を表示させない)可能性が高くなる。遊技者が選曲メニュー画面を表示させる機会が少なくなる程、パチンコ機10に設定されている他の楽曲の種別を知る機会も少なくなってしまう。このため、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまう。よって、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。
更に、遊技者が好みの楽曲を選択し易くする方法として、全ての項目を第3図柄表示装置81の表示画面に一括して表示させる(項目をマトリクス状に配置させる)ことにより、どの楽曲(項目)がどの位置に配置されているかを一目で理解できるようにする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、項目を表示させるための表示領域(選曲メニュー画面の面積)が広くなってしまい、他の表示内容(第3図柄や、保留球数図柄等)を表示させるための表示領域が狭くなりすぎてしまう可能性がある。
これらに対して本第1制御例では、遊技者が選択する可能性が高い項目(これまでの遊技において選択した頻度が高い項目)を選択し易くなるように、選曲メニュー画面に表示される項目の初期配置を設定している。より具体的には、遊技者がこれまでの遊技で選択した頻度が高い(選択した回数が多い)3つの項目(楽曲)を示す画像を、少ない操作回数(操作ボタン230に対する押下回数)で選択可能となる位置(選曲エリアの上側3つ分の表示領域)に配置させる構成としている。このように構成することで、選曲メニュー画面の選曲エリアに最初に配置される項目(楽曲名を示す画像)がいずれになったとしても、少ない操作回数(3回以内の操作)で選択可能な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。なお、1回以上選択された項目(再生された楽曲)が3つに満たない(即ち、遊技者の選択頻度が高い項目が3つに満たない)場合には、1回以上選択された項目(3つ未満の項目)のみが履歴エリアに配置され、その他の項目が、選曲エリアに配置されている項目を基準として、予め定められた順序(楽曲アルファベット順)で配置される。このため、パチンコ機10に対する電源投入の直後等、遊技者が1回も楽曲を選択していない状態の場合には、単純に、ランダムな抽選により選曲エリアに配置することが決定された項目を基準として、全ての項目が予め定められた順序(楽曲のアルファベット順)で配置される。
また、本第1制御例では、確変状態へ移行した後、最初に表示される選曲メニュー画面において、選曲エリアに対して、ランダムに選択した1の楽曲の楽曲名を示す画像を配置し、選曲エリアの上側に履歴エリアを配置する構成としている。このように構成することで、少なくとも確変状態に移行した直後は、ランダムに選択した楽曲を再生させることができるので、選択する頻度が高い楽曲以外の楽曲を聴く機会を遊技者に与えることができる。よって、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲を無駄なく再生することができる。また、ランダムに選択された楽曲を聴くうちに、当該楽曲を遊技者が気に入り、次回以降の確変状態でも再生させたいと考える可能性がある。よって、遊技者の好みの楽曲を増加させることができるので、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。また、同じ楽曲ばかりを選択し続けることで、遊技が単調となってしまうことを抑制(防止)できる。
更に、本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目(楽曲名を示す画像)の数を5個(全楽曲数である26よりも少ない個数)に限る構成とし、操作ボタン230に対する操作内容に応じて、選曲メニュー画面に表示される項目の種別を可変させることにより、パチンコ機10に設定されている全ての項目を選択することができる構成としている。このように構成することで、全ての項目を一括して表示させる場合に比較して、選曲メニュー画面の表示面積を小さくすることができる。よって、第3図柄や、保留球数図柄等の、選曲メニュー画面以外の表示内容をより大きな表示面積で表示させることができる。
なお、本第1制御例では、選曲エリアの上側3つ分の表示領域に対して、遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度(回数)が多い楽曲(項目)に対応する表示領域を配置する構成とし、残りの表示領域はランダムに選択された1の表示領域を基準として、予め定められた順番(アルファベット順)で配置する構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度(回数)が多い項目の個数は、3つより少なく設定しても良いし、多く設定してもよい。
本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において、履歴エリアに配置させる項目として、これまでの遊技において遊技者が選択した頻度が高い項目を配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において遊技者が選択した項目を、選択されたタイミングが新しい(近い)順に履歴エリアに配置する構成としてもよい。このように構成することにより、気に入った楽曲を連続して選択する傾向がある遊技者が選択する可能性の高い楽曲を示す画像(項目)を履歴エリアに配置しておくことができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、確変状態になった後で、操作ボタン230を操作しなければ選曲メニュー画面が表示されない構成としていたが、これに限られるものではなく、確変状態中は常時、選曲メニュー画面を表示させておく構成としてもよい。このように構成することで、楽曲を選択したいと考える遊技者の手間を軽減することができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに対して最初に表示される項目を、ランダムな抽選によって選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面における選曲エリアに最初に表示される項目として、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において、遊技者が最後に選択した項目を配置させる構成としてもよい。
本第1制御例では、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目を、選曲メニュー画面における初期配置において、比較的少ない操作回数で選択する(選曲エリアにシフトさせる)ことが可能な位置に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者が選択する可能性が高い楽曲(これまでに選択された回数が多い楽曲)が選曲メニュー画面のどこに配置されているのかを遊技者が容易に理解できればよく、例えば、選曲メニュー画面における初期配置として、楽曲用領域MRのどこかに表示されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、楽曲用領域MRに表示させる項目数を5個よりも増加させた場合であっても、遊技者が選択しようとしている可能性が高い項目を最初から表示しておくことができる。よって、遊技者が項目を選択し易くなるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに表示されている項目と、その他の表示領域に表示されている項目とで、表示態様を異ならせる構成としていたが、これに加えて、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(選曲メニュー画面の初期配置において履歴エリアに配置させた項目)であるか否かによって表示態様を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が選択する可能性が高い項目を遊技者がより容易に発見できるので、遊技者の利便性を高めることができる。
<第1制御例における電気的構成>
次に、図103から図108を参照して、本第1制御例における電気的構成について説明する。図103は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この第1制御例におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して操作ボタン230が電気的に接続されている点で、上記各実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成(図8参照)と相違している。また、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている。その他の構成については、上記各実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。なお、以降の第1制御例の説明では、第1実施形態を比較対象として、第1実施形態との相違点を中心に説明を行う。
操作ボタン230を構成するいずれかのボタン(UB,DB,RB,LB,CB)が押下(操作)されると、操作されたボタンに対応する信号線に対してオン信号(出力がHの信号)が出力される。音声ランプ制御装置113は、操作ボタン230からの出力を監視して、いずれかのボタンに対応する信号の出力がHとなっている場合には、ボタンの種別に応じた制御を実行する。具体的には、例えば、確変状態において選曲メニュー画面が表示されていない状態でいずれかのボタンに対応する信号の出力がHになったことを検出した場合は、選曲メニュー画面を表示させるための制御を行う。また、選曲メニュー画面が表示された状態において、上ボタンUBに対応する信号の出力がHとなったことを検出した場合は、選曲メニュー画面における各項目を1つ分ずつ下方向にシフトさせるための制御を行う。
次に、図104(a)を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図104(a)は、本第1制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図104(a)に示した通り、本第1制御例におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、項目順記憶エリア222aaが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。
項目順記憶エリア222aaは、選曲メニュー画面における項目の並び順が規定されているデータテーブルであり、選曲メニュー画面の初期配置を設定する際に参照される。より具体的には、確変状態に移行した際に、選曲メニュー画面の初期配置が決定される。この初期配置の決定時には、まず、履歴エリアに配置する3つの項目(楽曲)を決定し、次に、履歴エリアに配置されていない他の項目の中から、選曲エリアに配置する1の項目をランダムに(例えば、乱数を用いた抽選等により)決定する。そして、選曲エリアに配置した項目を基準として、この項目順記憶エリア222aaに規定されている並び順で、他の項目(選曲エリア、および履歴エリアのいずれにも配置されなかった項目)の配置を設定する。なお、上述した通り、本第1制御例では、項目の並び順が、楽曲のアルファベット順になるように項目順記憶エリア222aaが設定されている。
次に、図104(b)を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図104(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図104(b)に示した通り、本第1制御例におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、項目配置格納エリア223aaと、メニュー位置ポインタ223abと、選曲回数格納エリア223acと、選曲許可フラグ223adと、メニュー表示フラグ223aeとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。
項目配置格納エリア223aaは、選曲メニュー画面における各項目(各楽曲の種別を示す画像)の配置を記憶しておくための記憶領域である。確変状態に移行した場合は、この項目配置格納エリア223aaに対して、各項目の初期配置が設定され(図113のS5204,S5208,S5212参照)、選曲メニュー画面が表示された場合には、項目配置格納エリア223aaに設定されている配置で、選曲メニュー画面が表示される。この項目配置格納エリア223aaの詳細について、図105(a)を参照して説明する。
図105(a)は、項目配置格納エリア223aaの内容の一例を示した図である。図105(a)では、履歴エリアに対して「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」が配置され、選曲エリアに対して「楽曲A」が配置されるように設定された場合における項目配置格納エリア223aaの内容を例示している。図105(a)に示した通り、この項目配置格納エリア223aaには、メニュー位置ポインタ223abが取り得る各値(「00H」~「19H」)に対応させて、メニュー項目を示すデータを格納するための記憶領域が設けられている。図105(a)の例では、メニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に対して、メニュー項目「楽曲A」に対応するデータが記憶され、メニュー位置ポインタ223abの値「01H」に対応する記憶領域に対して、メニュー項目「楽曲B」に対応するデータが記憶されている。以降も、メニュー位置ポインタ223abの値「0BH」までは、楽曲のアルファベット順にデータが格納されている。また、「0BH」の次の「0CH」に対応する記憶領域には、「楽曲Q」に対応するデータが格納されている。つまり、既に履歴エリアに格納されている「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」に対応するデータがランダム選択エリアに対して重複して格納されることが回避される。
メニュー位置ポインタ223abの値「0CH」に対応する記憶領域から、「16H」に対応する記憶領域までは、「00H」~「0BH」の範囲と同様に、楽曲のアルファベット順でデータが格納される。また、メニュー位置ポインタ223abの値が「17H」~「19H」の範囲は、履歴エリアに対応しており、図105(a)の例では、「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」に対応するデータがそれぞれ格納される。なお、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」に対応する記憶領域に対して、最も選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納され、「18H」に対応する記憶領域に対して、2番目に選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納され、「17H」に対応する記憶領域に対して、3番目に選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納される。
本第1制御例では、選曲メニュー画面を表示させる場合に、この項目配置格納エリア223aaに記憶されたデータ(メニュー位置ポインタ223abの値と、メニュー項目との対応関係)と、メニュー位置ポインタ223abの現在値とを比較して、メニュー位置ポインタ223abの現在値に対応する記憶領域に格納されているメニュー項目を、選曲エリアに配置する構成としている。また、メニュー位置ポインタ223abの値の前後2つ分の値に対応する記憶領域に格納されているメニュー項目を、選曲エリアの上下にそれぞれ配置させる構成としている。例えば、図105(a)の例において、メニュー位置ポインタ223abの値が「19H」であれば、選曲エリアに対して「楽曲P」を示す項目が表示される。また、選曲エリアの1つ上には、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」よりも1つ上の値(即ち、「18H」)に対応する記憶領域に格納されている「楽曲O」が配置される。同様に、選曲エリアの2つ上側には、メニュー位置ポインタ223abの値「17H」に対応する「楽曲N」が配置される。逆に、選曲エリアの1つ下には、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」よりも1つ下の値に対応する項目が配置される。ここで、本制御例では、メニュー位置ポインタ223abの最大値である「19H」の次の値は「00H」と判定されるように設定されている(同様に、最小値である「00H」の次(1つ下)の値は「19H」と判定される)このため、選曲エリアの1つ下側、および2つ下側には、それぞれ「00H」、および「01H」に対応する記憶領域に格納されている「楽曲A」、および「楽曲B」がそれぞれ配置される。
図104(b)に戻って説明を続ける。メニュー位置ポインタ223abは、上述した項目配置格納エリア223aaのうち、選曲メニュー画面に表示させる項目の範囲を判別するために用いられるポインタである。上述した通り、選曲メニュー画面を表示させる場合は、メニュー位置ポインタ223abの値に対応する記憶領域を中心として、5つの記憶領域に格納されているデータを読み出して、各データに対応する5つの項目を選曲メニュー画面に配置する構成としている。このメニュー位置ポインタ223abは、初期値が「00H」に設定されており、選曲メニュー画面の表示中に上ボタンUBに対する押下を検出する毎に、値が1ずつ減らされる。なお、「00H」の状態で上ボタンUBの押下を検出した場合は、最大値である「19H」に更新される。また、選曲メニュー画面の表示中に下ボタンDBに対する押下を検出する毎に、値が1ずつ増やされる。なお、値が最大値である「19H」となっている状態でさらに下ボタンUBに対する押下を検出した場合は、値が最小値である「00H」に更新される(図111のS5110参照)。また、メニュー位置ポインタ223abの値は、大当たりとなる毎に初期値である「00H」にリセットされる(図114のS4452参照)。確変状態は、必ず大当たりの終了後に移行するため、大当たりとなった場合に初期値にリセットしておくことで、確変状態の開始時にメニュー位置ポインタ223abの値を必ず「00H」に設定しておくことができる。
選曲回数格納エリア223acは、各楽曲(項目)の選択回数を記憶しておくための記憶領域である。項目配置格納エリア223aaに対してメニュー項目の配置を設定する場合には、この選曲回数格納エリア223acが参照されて、選択された回数が多い楽曲から順番に、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」,「18H」,「17H」に対応する記憶領域(即ち、履歴エリア)にデータが格納される。この選曲回数格納エリア223acの詳細について、図105(b)を参照して説明する。
図105(b)は、選曲回数格納エリア223acの内容の一例を示した図である。図105(b)に示した通り、選曲回数格納エリア223acは、楽曲の種別と、これまでに選択(選曲)された回数とを対応付けて記憶することが可能に構成されている。例えば、図105(b)の例では、「楽曲A」に対して選択回数として0回が対応付けて記憶され、楽曲Bに対して選択回数として1回が対応付けて記憶され、楽曲Cに対して選択回数として0回が対応付けて記憶されている。他の楽曲種別についても同様に、選択回数が対応付けて記憶されている。この選曲回数格納エリア223acは、選曲メニュー画面の表示中に、遊技者が中央ボタンCBを押下することで1の楽曲の再生を決定する毎に、当該決定された楽曲に対応する選択回数に対して1が加算されて更新される(図111のS5108参照)。なお、音声ランプ制御装置113のRAM223はバックアップされていないので、パチンコ機10の電源がオフになると、各楽曲の選択回数を示すデータはすべてクリアされる。
図104(b)に戻って説明を続ける。選曲許可フラグ223adは、楽曲を遊技者が選択可能な状態であるか否かを示すフラグである。この選曲許可フラグ223adがオンであれば、任意の楽曲を選択可能な状態であることを示し、オフであれば、楽曲を選択することが不可能な状態であることを示す。この選曲許可フラグ223adは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110から出力される状態コマンドによって、確変状態へ移行したことが通知された場合にオンに設定される(図113のS5213参照)。また、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信する毎に、オフにリセットされる(図114のS4451参照)。選曲許可フラグ223adがオンの間は、楽曲の選択が可能な期間であると判別されて、操作ボタン230に対する押下が有効として扱われる。
メニュー表示フラグ223aeは、選曲メニュー画面(図102(a)参照)が表示されているか否かを示すフラグである。このメニュー表示フラグ223aeがオンであれば、選曲メニュー画面が表示されていることを示し、オフであれば、選曲メニュー画面が表示されていないことを示す。このメニュー表示フラグ223aeは、初期値がオフに設定されており、選曲メニュー画面の表示が設定された場合にオンに設定される(図111のS5105参照)。また、選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBに対する押下を検出すると、選曲メニュー画面が閉じられると共に、このメニュー表示フラグ223aeがオフに設定される(図111のS5109参照)。また、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信した場合にもオフにリセットされる(図114のS4451参照)。メニュー表示フラグ223aeがオンの間は、上ボタンUB、または下ボタンDBに対する押下を検出する度に、対応する方向に選曲メニュー画面の各項目がシフトされる。また、中央ボタンCBに対する押下を検出することで、選曲エリアに配置されている項目の再生が設定されると共に、選曲メニュー画面が閉じられる。
次に、図106から図108を参照して、音声出力装置226の電気的構成について説明する。図106は、音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図106に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113から出力されるデータを受信可能に接続されている。
図106に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM303とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPU301は、入力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入力ポート305、およびバスライン304を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。例えば、楽曲に対応する音声データは、CN1に対して出力され、効果音に対応する音声データは、CN2に対して出力され、警告音に対応する音声データは、CN3に対して出力される。
音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。
次に、図107(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301に設けられているROM302の構成について説明する。図107(a)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302aが少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリア302aには、楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)が記憶されている記憶領域である。確変状態において、遊技者が選択可能な楽曲(楽曲A~楽曲Z)を再生するための音声ファイルも、この音声ファイル記憶エリア302aに格納されている。各種音声データの出力が音声ランプ制御装置113により指示された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
この音声ファイル記憶エリア302aの詳細について、図108を参照して説明する。図108は、音声ファイル記憶エリア302aの構成を示したブロック図である。図108に示した通り、音声ファイル記憶エリア302aには、各楽曲を再生するために用いられる複数のデータで構成された楽曲用データ群(楽曲A用データ群302a1~楽曲Z用データ群302a26)や、各効果音を出力するために用いられるデータ(例えば、効果音A用データ302a27)等、音声出力装置226によって再生可能な全ての音声ファイル(音声データ)が格納されている。
なお、上述した通り、確変状態中に再生可能な各楽曲(楽曲A~楽曲Z)に対応する音声ファイル(楽曲A用データ群302a1~楽曲Z用データ群302a26)は、それぞれ複数のデータで構成されている。これらの楽曲用データ群302a1~302a26の構成について、図109を参照して説明する。
図109は、楽曲用データ群の構成の一例を示した図である。図109に示した通り、楽曲用データ群は、楽曲のパート(区切り)単位の複数のデータで構成されている。より具体的には、図109に例示した通り、例えば、楽曲の前奏(所謂、イントロ)部分に対応するイントロ用データと、楽曲の最初のメロディ(所謂、Aメロ部分)に対応するAメロ1用データと、楽曲の2番目(Aメロの次)のメロディ(所謂、Bメロ部分)に対応するBメロ1用データと、楽曲において最も盛り上がる部分(所謂、サビ部分)に対応するサビ1用データと、楽曲の間奏部分に対応する間奏用データと、楽曲の2番のAメロ部分に対応するAメロ2用データと、楽曲の2番のBメロ部分に対応するBメロ2用データと、楽曲の2番のサビ部分に対応するサビ2用データと、楽曲のアウトロ部分に対応するアウトロ用データとで構成されている。これらのパート単位の音声データを、楽曲毎に定められている順番で再生(出力)することにより、1の楽曲が再生されるように構成している。このように構成することで、他の演出等で楽曲の一部分を使用する際(例えば、変動表示演出中に所定の楽曲のサビ部分を再生する場合等)に、音声データを転用することができる。言い換えれば、楽曲1曲分の音声データと、楽曲の一部分の音声データとを別々に記憶しておく必要が無いため、音声ファイル記憶エリア302aの記憶容量を削減することができる。また、楽曲用データ群を構成する各データには、RAM303に設定された後述する楽曲用ポインタ303bのポインタ値に対応するデータと、各データを再生した場合の再生時間とが対応付けて規定されている。本第1制御例では、楽曲用ポインタ303bの値の順番に再生を行う構成としている。即ち、再生中の楽曲用データの再生時間が経過した場合に、楽曲用ポインタ303bの値を1更新して、更新後のポインタ値に対応する楽曲用データを再生する構成としている。これにより、各楽曲用データを、毎回同じ順番で再生することができる。
次に、図107(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301に設けられているRAM303の構成について説明する。図107(b)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図107(b)に示した通り、RAM303は、楽曲用データ群格納エリア303aと、楽曲用ポインタ303bと、最大値格納エリア303cと、楽曲用タイマ303dとが少なくとも設けられている。
楽曲用データ群格納エリア303aは、確変状態中に再生する楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を格納しておくための記憶領域である。確変状態中は、この楽曲用データ群格納エリア303aに格納されている楽曲用データ群を楽曲用ポインタ303bの値の順番に再生していくことにより、1の楽曲を再生する構成となっている。この楽曲用データ群格納エリア303aには、音声ランプ制御装置113より、確変状態の開始時に抽選で決定された楽曲の再生を指示するために出力されたコマンド(音声用抽選楽曲コマンド)、または遊技者が選択した楽曲の再生を指示するために出力されたコマンド(音声用選択楽曲コマンド)を受信した場合に、コマンドにより指示された楽曲に対応する楽曲用データ群が音声ファイル記憶エリア302aから読み出されて格納される(図116のS9205,S9210参照)。
なお、本第1制御例では、楽曲用データ群格納エリア303aに格納された楽曲用データ群に基づいて楽曲の再生を開始する際に、楽曲が決定された経緯によって、再生位置を異ならせる構成としている。具体的には、確変状態の開始時に抽選で決定された楽曲の再生を開始する際は、サビ部分から再生を開始する(サビ1用データの再生を設定する)一方で、遊技者の選択によって決定された楽曲の再生を開始する場合には、楽曲の最初(イントロ部分)から再生を開始する(イントロ用データの再生を設定する)構成としている。遊技者が選択した楽曲については、遊技者が楽曲の最初からじっくりと聴きたいと考えている可能性が高いのに対して、ランダムに選択された楽曲については、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さ(特徴)を最大限、遊技者に伝達する(理解させる)ことができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
楽曲用ポインタ303bは、楽曲用データ群格納エリア303aに格納された楽曲用データ群のうち、いずれのデータを再生中であるかを示すためのポインタである。この楽曲用ポインタ303bは、遊技者が選択した楽曲の再生が指示された(音声用選択楽曲コマンドにより楽曲が通知された)場合に、値が「00H」に設定される(図116のS9206参照)。また、これに伴って、ポインタ値「00H」に対応するイントロ用データの再生が設定される。一方、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲の再生が指示された(音声用抽選楽曲コマンドにより楽曲が通知された)場合に、サビ1部分に対応する値が設定される(図116のS9211参照)。この楽曲用ポインタ303bの値は、楽曲用データ群格納エリア303aに設定されている1の楽曲用データの再生が終了する毎に、値が1ずつ更新される。また、楽曲用ポインタ303bの値が、楽曲の種別毎に設定されている最大値(本第1制御例では、アウトロ部分の1つ前に対応するポインタ値)となっている状態で、更にポインタ値が更新される際には、値が「01H」に更新される。
ここで、アウトロ部分の1つ前まで再生を終了した場合に、アウトロ部分、およびイントロ部分を再生させずに、楽曲用ポインタ303bの値を、Aメロ1部分に対応する「01H」に更新しているのは、楽曲が繰り返し再生された場合に、楽曲の切れ目を遊技者に対して認識させ難くするためである。仮に、楽曲のアウトロ部分まで再生した後、再度、イントロ部分から再生させることで楽曲を繰り返し再生させる構成にすると、楽曲の切れ目を遊技者が容易に認識できてしまう。この場合、楽曲の切れ目が気になってしまい、確変状態中における遊技に集中し難くなってしまう可能性がある。これに対して本制御例では、楽曲を繰り返し再生する場合に、楽曲におけるアウトロ部分、およびイントロ部分を飛ばしてAメロ1部分に戻る構成としているので、より自然な繋がりで楽曲をループさせることができる。よって、楽曲の切れ目に遊技者が気付き難くなるため、遊技者に対してより集中して確変状態中における遊技を行わせることができる。
最大値格納エリア303cは、楽曲用ポインタ303bの最大値を一時的に記憶しておくための記憶領域である。上述した通り、本第1制御例では、Aメロ1部分から、アウトロ部分の1つ手前の部分までを繰り返し再生する構成としているが、アウトロ部分の1つ手前の部分に対応するポインタ値は、楽曲によって異なる可能性がある。楽曲によっては、Bメロの次にCメロが設定されていたり、サビが複数種類設定されていたり、間奏が設定されていなかったりする場合があり、図109に示したデータ構成とは異なっている場合がある。よって、楽曲用データ群を楽曲用データ群格納エリア303aに格納して楽曲の再生を設定する場合には、この最大値格納エリア303cに対して、再生しようとしている楽曲に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を予め設定しておく構成としている(図116のS9207,S9212参照)。そして、楽曲用データ群格納エリア303aに設定した1の楽曲用データの再生が終了する毎に、楽曲用ポインタ303bの値と、最大値格納エリア303cに格納されている最大値とを比較して、アウトロ部分の1つ手前の部分までの再生が終了したか(楽曲用ポインタ303bを「01H」に戻すべきタイミングか)どうかを判別可能に構成している。これにより、楽曲毎にデータ構成が異なっていたとしても、イントロ部分とアウトロ部分とを確実にスキップしてループ再生させることができる。
楽曲用タイマ303dは、再生中の楽曲用データの再生時間を計時するタイマである。この楽曲用タイマ303dには、新たな楽曲用データの再生を設定する度に、当該楽曲用データの再生時間に対応するタイマ値が設定される。なお、各楽曲用データの再生時間は、楽曲用データ群格納エリア303aにおいて、楽曲用データの種別に対応付けて規定される。楽曲の再生中は、この楽曲用タイマ303dの値に基づいて、再生時間が経過したかどうかを判別する。なお、図示については省略したが、この楽曲用タイマ303dは、定期的(例えば、1ミリ秒毎)に更新される。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図110から図114を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図110は、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理8を示したフローチャートである。
この第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)のうち、S4101~S4111、およびS4113~S4118の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)のS4101~S4111、およびS4113~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)では、S4111の演出更新処理が終了した後で、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための操作検出処理を実行し(S4141)、処理をS4142へと移行する。この操作検出処理(S4141)の詳細については、図111を参照して後述する。
また、S4141の処理が終了するか、または、S4101の処理において、前回の処理から1ミリ秒が経過していないと判別した場合は(S4101:No)、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)に代えて、コマンド判定処理8を実行し(S4142)、処理をS4113へと移行する。このコマンド判定処理8(S4142)の詳細については、図112を参照して後述する。
次に、図111を参照して、上述した操作検出処理(S4141)の詳細について説明する。図111は、この操作検出処理(S4141)を示すフローチャートである。操作検出処理(S4141)では、まず、操作ボタン230に対する操作(押下)を検出したかを判別する(S5101)。このS5101の処理では、操作ボタン230の各ボタンに接続された信号線の出力を検出して、何れかの出力がHとなっていれば、操作ボタン230に対する操作を検出したと判別する。
S5101の処理において、操作ボタン230に対する操作を検出していない(即ち、全てのボタンに対応する信号の出力がLである)と判別した場合は(S5101:No)、そのまま処理を終了する。一方、操作ボタン230に対する操作を検出した(即ち、何れかのボタンに対応する信号の出力がHである)と判別した場合は(S5101:Yes)、次に、選曲許可フラグ223adがオンであるかを判別し(S5102)、選曲許可フラグ223adがオフであれば(S5102:No)、楽曲を選択することができない期間であることを意味し、操作ボタン230に対する操作が無効とされるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S5102の処理において、選曲許可フラグ223adがオンであると判別した場合は(S5102:Yes)、次に、メニュー表示フラグ223aeがオンであるか否かを判別する(S5103)。S5103の処理において、メニュー表示フラグ223aeがオフであると判別した場合は(S5103:No)、選曲メニュー画面の表示を設定し(S5104)、メニュー表示フラグ223aeをオンに設定して(S5105)、本処理を終了する。これらの処理により、確変状態中で、且つ、選曲メニュー画面が表示されていない場合には、押下されたボタンの種別によらず、選曲メニュー画面を表示させることができる。
これに対し、S5103の処理においてメニュー表示フラグ223aeがオンであると判別した場合は(S5103:Yes)、遊技者によって操作(押下)されたボタンの種別に応じて異なる制御を実行する。具体的には、まず、S5101の処理により検出されたのが、中央ボタンCBに対する操作であるかを判別し(S5106)、今回検出された操作が、中央ボタンCBに対する操作であると判別した場合は(S5106:Yes)、現在のメニュー位置ポインタ223abの値に対応する楽曲の再生を音声出力装置226に対して通知するための音声用選択楽曲コマンドを設定する(S5107)。
S5107の処理が終了すると、次いで、選曲回数格納エリア223acに設定されている各記憶領域のうち、S5107の処理によって再生が設定された(選択された)楽曲の選曲回数に1を加算して更新し(S5108)、選曲メニュー画面を閉じると共にメニュー表示フラグ223aeをオフに設定して(S5109)、本処理を終了する。
一方、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出していないと判別した場合は(S5106:No)、操作を検出したボタンの種別に応じて、メニュー位置ポインタ223abの値を更新する(S5110)。このS5110の処理では、上ボタンUBの押下を検出していた場合に、メニュー位置ポインタ223abの値から1を減算する一方で、下ボタンDBの押下を検出していた場合に、メニュー位置ポインタ223abの値に1を加算する。なお、メニュー位置ポインタ223abが「00H」の状態で上ボタンUBの押下を検出した場合には、ポインタ値が最大値である「19H」に更新される。また、メニュー位置ポインタ223abが最大値である「19H」となっている状態で下ボタンDBの押下を検出した場合には、ポインタ値が「00H」に更新される。
S5110の処理が終了すると、次に、S5110の処理により更新された後のメニュー位置ポインタ223abの値に応じて選曲メニュー画面の表示態様を更新し(S5111)、本処理を終了する。このS5111の処理では、メニュー位置ポインタ223abの値に対応する項目(楽曲の種別を示す画像)を選曲エリアに配置すると共に、メニュー位置ポインタ223abの現在値の前後2つの値に対応する項目(楽曲の種別を示す画像)を、それぞれ選曲エリアの上下に配置する。
この操作検出処理(図111参照)を実行することで、操作ボタン230に対する操作内容(押下を検出したボタンの種別)に応じて選曲メニュー画面の更新や、楽曲の決定等を、遊技者の思い通りに実行することができる。
次に、図112を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理8(S4142)について説明する。このコマンド判定処理8(S4142)は、上述した通り、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)に代えて実行される処理である。
このコマンド判定処理8(図112参照)のうち、S4301~S4309,S4311~S4313、およびS4315の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)のS4301~S4309,S4311~S4313、およびS4315の各処理と同一の処理が実行される。また、本第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)では、S4309の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4309:Yes)、次いで、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を実行するための状態コマンド処理を実行して(S4351)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4351)の詳細については、図113を参照して後述する。
また、本第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)では、S4313の処理において、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合に(S4313:Yes)、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて、当たり関連処理8を実行して(S4352)、本処理を終了する。この当たり関連処理8(S4352)の詳細については、図114を参照して後述する。
次に、図113を参照して、上述した状態コマンド処理(S4351)の詳細について説明する。図113は、この状態コマンド処理(S4351)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S4351)は、上述した通り、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
この状態コマンド処理(図113参照)では、まず、主制御装置110から受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて、遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S5201)。即ち、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた情報に基づき、特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「11B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「01B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の通常状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「00B」に設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
S5201の処理が終了すると、次いで、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態)への移行を示す状態コマンドであるか否かを判別して(S5202)、確変状態への移行を示す状態コマンドではないと判別した場合は(S5202:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5202の処理において、確変状態への移行を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S5202:Yes)、次いで、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)から、再生回数が多い順に最大3つのデータを読み出す(S5203)。なお、電源投入後、遊技者が選択した楽曲の数が3つに満たない場合は、選択した楽曲のみ(即ち、3つ未満のデータ)を読み出す。また、電源投入後、1回も楽曲を選択していない(即ち、選曲回数格納エリア223acの全ての楽曲種別に対応する選曲回数が0である)場合には、S5203の処理ではデータが読み出されることはない。
S5203の処理が終了すると、次いで、S5203の処理で読み出した最大3つのデータを、項目配置格納エリア223aaにおける履歴エリア(メニュー位置ポインタ223abの値「17H」~「19H」に対応する記憶領域)に格納し(S5204)、選曲メニュー画面における選曲エリアに配置する項目(楽曲)を抽選により決定する(S5205)。なお、S5204の処理において、S5203の処理によって読み出されたデータが3つ未満だった場合には、履歴エリアの全て(3つ)の記憶領域にデータを格納することができないため、履歴エリアのうち、1又は複数の記憶領域が空きエリアとなる。S5205の処理が終了すると、次に、S5205の処理による抽選で決定した項目が、既に履歴エリアに格納済みの項目(楽曲)であるかを判別し(S5206)、履歴エリアに格納済みの項目であれば(S5206:Yes)、選曲エリアと履歴エリアとに同一の項目(楽曲)が重複して配置されることを防止するために、再度、S5205の処理に戻って抽選をやり直す。
一方、S5206の処理において、S5205の処理による抽選で決定した項目(楽曲)が履歴エリアに格納済みの項目ではないと判別した場合は(S5206:No)、S5205の処理による抽選で決定した項目に対応する楽曲の再生を通知するための音声用抽選楽曲コマンドを設定する(S5207)。ここで設定された音声用抽選楽曲コマンドは、メイン処理8(図110参照)のコマンド出力処理(S4102)によって、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用抽選楽曲コマンドを受信すると、コマンドにより指定された楽曲がサビ1部分から再生されるように設定する。ここで、ランダムな抽選で選択された楽曲を、サビ1部分から再生するのは、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さを最大限、遊技者に伝達することができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
S5207の処理が終了すると、次いで、S5205の処理による抽選で決定した項目を、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納し(S5208)、直前に格納した項目に続けて配置するべき順番の項目を、項目順記憶エリア222aaに規定されている並び順(即ち、楽曲のアルファベット順)を参照して特定する(S5209)。そして、S5209の処理で特定した項目(楽曲)が、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納したデータ(項目)であるかを判別し(S5210)、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納した項目以外の項目を特定したと判別した場合には(S5210:No)、履歴エリアに既に格納済みの項目を特定したか否かを判別する(S5211)。
S5211の処理において、履歴エリアに格納していないデータをS5209の処理で特定したと判別した場合は(S5211:No)、S5209の処理で特定した項目を、S5208の処理、または前回のS5212の処理において格納した記憶領域の次の記憶領域に格納し(S5212)、処理をS5209に戻す。これに対し、S5211の処理において、S5209の処理で特定した項目が、既に履歴エリアに格納済みの項目であると判別した場合は(S5211:Yes)、特定した項目を項目配置格納エリア223aaに格納せずに(S5212の処理をスキップして)、処理をS5209へと戻す。移行は、S5210の処理において、「00H」に対応する記憶領域に格納した項目を特定するまで、項目順記憶エリア222aaに規定されている順番で項目を特定するS5209の処理と、特定した項目を項目配置格納エリア223aaに格納するS5212の処理とを繰り返す。
また、S5210の処理において、S5209の処理により特定した項目が、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納した項目であると判別した場合は(S5210:Yes)、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」~「19H」の全てに対応する記憶領域に項目を格納し、一周して「00H」に戻ってきたことを意味するので、S5209~S5212の各処理のループを終了し、処理をS5213へと移行する。S5213の処理では、選曲許可フラグ223adをオンに設定して(S5213)、本処理を終了する。S5209~S5212の処理を繰り返すことにより、S5204の処理において履歴エリアに格納されたデータの個数に関係なく、S5204,S5205の処理によりデータが格納された領域以外の全ての記憶領域に対して、重複無く確実にデータを格納することができる。
この状態コマンド処理(図113参照)を実行することにより、選曲メニュー画面の構成の初期配置を設定することができる。また、遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目(楽曲)を、選曲メニュー画面における履歴エリアに配置させることができる。即ち、選曲エリアの上側3つ分の配置に対して、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い項目(遊技者が選択する可能性が高い項目)を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。
また、確変状態となる毎に、最初に再生される楽曲をランダムな抽選により決定することができる。これにより、少なくとも確変状態に移行した直後は、ランダムに選択した楽曲を再生させることができるので、選択する頻度が高い楽曲以外の楽曲を聴く機会を遊技者に与えることができる。よって、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲を無駄なく再生することができる。また、ランダムに選択された楽曲を聴くうちに、当該楽曲を遊技者が気に入り、次回以降の確変状態でも再生させたいと考える可能性がある。よって、遊技者の好みの楽曲を増加させることができるので、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。また、同じ楽曲ばかりを選択し続けることで、遊技が単調となってしまうことを抑制(防止)できる。
次に、図114を参照して、上述した当たり関連処理8(S4352)の詳細について説明する。図114は、この当たり関連処理8(S4352)を示したフローチャートである。この第1制御例における当たり関連処理8(S4352)のうち、S4401~S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)と同一の処理が実行される。
また、本第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)では、S4406の処理が終了すると、選曲許可フラグ223adと、メニュー表示フラグ223aeとをいずれもオフにリセットし(S4451)、メニュー位置ポインタ223abの値を「00H」にリセットして(S4452)、本処理を終了する。S4451,S4452の各処理を実行することで、選曲メニュー画面に関連するフラグやポインタを、オープニングコマンドを受信する毎(即ち、大当たりに当選する毎)にリセットすることができる。
なお、本第1制御例では、選曲メニュー画面に関連するフラグやポインタのリセットを、大当たりに当選する毎にリセットする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態において大当たりに当選した場合にのみ、リセット処理を実行する構成としてもよい。また、確変状態の開始時にリセット処理を実行する構成としてもよい。
<第1制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図115から図117を参照して、本第1制御例における音声出力装置226のMPU301によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図115(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図115(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S9001)。このコマンド判定処理(S9001)の詳細については、図116を参照して後述する。S9001の処理後は、音声データの再生およびデータの切り替えを設定するための音声設定処理を実行する(S9002)。この音声設定処理(S9002)の詳細については、図117を参照して後述する。
S9002の処理が終了すると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S9003)。S9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S9003:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S9005)、電源断処理を実行する(S9006)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S9007)、その後、処理を無限ループする。
一方、S9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S9003:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(S9004)、RAM303が破壊されていなければ(S9004:No)、S9001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(S9004:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図115(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図115(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。
このコマンド割込処理(図115(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S9101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図116を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図115(a)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(S9001)について説明する。このコマンド判定処理(S9001)では、音声ランプ制御装置113から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行する。図116は、このコマンド判定処理(S9001)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(図116参照)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S9201)、未処理の新規コマンドがなければ(S9201:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S9201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(S9202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S9203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、遊技者が操作ボタン230に対する操作によって選択した楽曲を通知するための音声用選択楽曲コマンドがあるか否かを判別して(S9204)、音声用選択楽曲コマンドがあると判別した場合には(S9204:Yes)、コマンドにより通知された楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を、ROM302の音声ファイル記憶エリア302aから読み出して、読み出した楽曲用データ群を楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9205)。次に、楽曲用ポインタ303bの値に「00H」を設定し、イントロ用データの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9206)。これにより、遊技者が操作ボタン230を操作して選択した楽曲を、先頭から再生することができるので、遊技者が選択した楽曲を遊技者に対してじっくりと(楽曲の先頭から完全な形で)聴かせることができる。
S9206の処理が終了すると、次いで、今回楽曲用データ群格納エリア303aに格納した楽曲用データ群に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を、最大値格納エリア303cに格納し(S9207)、イントロ用データの再生を設定して(S9208)、本処理を終了する。
一方、S9204の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用選択楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9204:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、確変状態となったことに基づいてランダムに選択された楽曲を通知するための音声用抽選楽曲コマンドがあるか否かを判別する(S9209)。S9209の処理において、音声用抽選楽曲コマンドがあると判別した場合は(S9209:Yes)、受信した音声用抽選楽曲コマンドが示す楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を音声ファイル記憶エリア302aから読出して、読み出した楽曲用データ群を、楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9210)。
S9210の処理が終了すると、次いで、楽曲用ポインタ303bの値に対して、サビ1部分に対応するポインタ値を設定すると共に、サビ1用データの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9211)。そして、今回楽曲用データ群格納エリア303aに格納した楽曲用データ群に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を、最大値格納エリア303cに格納し(S9212)、サビ1用データの再生を設定して(S9213)、本処理を終了する。
これに対し、S9209の処理において、音声ランプ制御装置113から音声用選択楽曲コマンドを受信していないと判別した場合は(S9209:No)、音声ランプ制御装置113から受信したその他のコマンドに応じた処理を実行して(S9214)、処理をS9201へと戻す。このS9214の処理では、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが、例えば、効果音の再生を指示するコマンドであれば、コマンドによって指定された種別の効果音の再生を設定する。また、警告音の再生を指示するコマンドであれば、コマンドによって指定された種別の警告音の再生を設定する。
次に、図117を参照して、音声出力装置226のMPU301により、メイン処理(図115(a)参照)の中で実行される音声設定処理(S9002)の詳細について説明する。図117は、この音声設定処理(S9002)を示したフローチャートである。
この音声設定処理(図117参照)では、まず、確変状態中の楽曲を再生中であるか否かを判別し(S9301)、確変状態中の楽曲の再生中ではないと判別した場合は(S9301:No)、単発の効果音や警告音等を再生しているか、音声が出力されていないことを意味し、音声の再生中に他の音声データへの切り替えを行う可能性が無いので、そのまま本処理を終了する。
一方、S9301の処理において、確変状態中の楽曲を再生中であると判別した場合は(S9301:Yes)、次に、再生中の楽曲用データの終了タイミングであるかを判別する(S9302)。即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になったかを判別し、楽曲用データの再生終了タイミングではない(即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になっていない)と判別した場合は(S9302:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S9302の処理において、再生中の楽曲用データの終了タイミングになった(即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になった)と判別した場合は(S9302:Yes)、楽曲用データ群格納エリア303aのうち、今回再生が終了した楽曲用データの次の楽曲用データの再生を設定するための処理を実行する。具体的には、まず、最大値格納エリア303cに格納されているデータ(今回再生中の楽曲用データ群に対応する最大値)と、楽曲用ポインタ303bの現在の値とを比較して(S9303)、楽曲用ポインタ303bの値が今回の楽曲用データ群に対応する最大値(最大値格納エリア303cに格納されているデータ)に一致したか否かを判別する(S9304)。
S9304の処理において、楽曲用ポインタ303bの値が、今回の楽曲用データ群に対応する最大値に一致していないと判別した場合は(S9304:No)、楽曲用ポインタ303bの値に1を加算して更新し(S9305)、処理をS9307へと移行する。これに対し、S9304の処理において、楽曲用ポインタ303bの値が、今回の楽曲用データ群に対応する最大値に一致したと判別した場合は(S9304:Yes)、楽曲用ポインタ303bの値を「01H」に更新し(S9306)、処理をS9307へと移行する。このS9306の処理により、楽曲用ポインタ303bの値を「01H」に更新しておくことで、設定されている楽曲のAメロ1部分に戻ってループ再生を行うことができる。即ち、イントロ部分とアウトロ部分とをスキップしてループ再生を行うことができる。
ここで、仮に、楽曲のループ再生を行う場合において、楽曲のアウトロ部分まで再生した後、再度、イントロ部分から再生させることでループ再生する構成にすると、楽曲の切れ目を遊技者が容易に認識できてしまう。この場合、楽曲の切れ目が気になってしまい、確変状態中における遊技に遊技者が集中し難くなってしまう可能性がある。これに対して本第1制御例では、楽曲を繰り返し再生する場合に、楽曲におけるアウトロ部分、およびイントロ部分を飛ばしてAメロ1部分に戻る構成としているので、より自然な繋がりで楽曲をループさせることができる。よって、楽曲の切れ目に遊技者が気付き難くなるため、遊技者に対してより集中して確変状態中における遊技を行わせることができる。
S9305、またはS9306の処理が終了した後で実行されるS9307の処理では、更新後の楽曲用ポインタ303bの値に対応する1の楽曲用データを、楽曲用データ群格納エリア303aから読み出し(S9307)、読み出した楽曲用データの再生を設定して(S9308)、本処理を終了する。
この音声設定処理(図117参照)を実行することにより、確変状態中において、設定されている楽曲のイントロ部分とアウトロ部分とをスキップしてループ再生を行うことができる。
以上説明した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、通常遊技中における所定期間(例えば、確変状態が設定されている期間)において、第3図柄表示装置81に対して、遊技者の操作ボタン230に対する操作に連動して表示態様(選曲エリアに点灯した見た目の態様で表示される項目)が可変する選曲メニュー画面を表示させる構成とし、当該選曲メニュー画面が表示された状態で遊技者によって中央ボタン230が押下された場合に、選曲メニュー画面の表示態様(選曲エリアに表示されている項目)に応じた楽曲(音声演出)を再生する(実行する)構成とした。また、所定期間となった後で、最初に表示される選曲メニュー画面の構成を、遊技者がこれまで(少なくとも前回)に選択した楽曲の種別(音声演出の種別)に基づいて可変させる構成としている。
より具体的には、確変状態へと移行した場合に、まず、複数の楽曲(楽曲A~Z)の中からランダムに1曲(1の音声演出の種別)を選択して選曲エリアに配置する項目として決定すると共に、当該選択した楽曲の再生を開始させる構成としている。また、確変状態の間に、遊技者が操作ボタン230を操作することで、遊技者の任意の楽曲(任意の演出)を選択することができるように構成している。確変状態への移行時に、1の楽曲をランダムに選択して再生する構成とすることで、遊技者によって楽曲が選択されるまでの間(楽曲が選択されていない状態の間)も、楽曲を再生しておくことができるので、遊技者に有利な確変状態となったことに対する遊技者の満足感をより大きくすることができる。また、操作ボタン230に対する操作によって楽曲を選曲するための画面(選曲メニュー画面)の初期配置として、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲の種別とは無関係に、遊技者が選択する可能性が高いと考えられる楽曲(これまでの遊技において遊技者によって選択された回数が多い楽曲)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内の操作回数)で選択可能な位置に配置する構成としている。ここで、仮に、選曲メニュー画面の初期配置を決定するにあたって、ランダムに選択された項目(楽曲)を選曲エリアに配置し、その他の項目を、選曲エリアに配置された項目を基準として、単純にアルファベット順(予め定められた順番)で配置する構成にすると、遊技者が好みの楽曲を選択し難くなってしまう可能性がある。即ち、遊技者が選択したい項目(楽曲)と、ランダムに選択された項目(楽曲)とが順番として離れている場合に、選択したい項目(選択したい楽曲の種別を示す画像)を選曲エリアまでシフトさせるための操作ボタン230に対する操作の回数が多くなってしまい、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまう虞がある。また、煩わしさを感じさせ難くするための方法として、確変状態となった場合に最初に選曲エリアに配置される項目を、遊技者が選択した頻度が高い項目としておく方法も考えられるが、この方法では、そもそも確変状態において最初に再生(出力)された楽曲に対して遊技者が満足してしまい、楽曲を変更しようと思わない(選曲メニュー画面を表示させない)可能性が高くなる。遊技者が楽曲選択メニューを表示させる機会が少なくなる程、パチンコ機10に設定されている楽曲の種別を知る機会も少なくなってしまう。このため、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまう。よって、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。従って、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまうので、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。
これに対して本第1制御例では、遊技者が選択する可能性が高い項目(これまでの遊技において選択した頻度が高い項目)を選択し易くなるように、選曲メニュー画面の初期配置を設定している。より具体的には、遊技者がこれまでの遊技で選択した頻度が高い(選択した回数が多い)3つの項目(楽曲)を、少ない操作回数(操作ボタン230に対する押下回数)で選択可能となる位置(選曲エリアの上側3つ分の表示領域)に配置させる構成としている。このように構成することで、選曲メニュー画面の選曲エリアに最初に配置される項目(楽曲の種別を示す画像)が、いずれの楽曲に対応する項目になったとしても、少ない操作回数(上ボタンUBの押下回数が3回以内)で選択可能な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。
また、本第1制御例では、楽曲(音声演出)の再生が設定された経緯に応じて、楽曲(音声演出)の再生位置(実行開始位置)を可変させる構成としている。より具体的には、遊技者が操作ボタン230を操作することによって選択した楽曲については、楽曲の先頭(即ち、イントロ部分)から(第2の開始位置から)再生を開始する構成としているのに対して、確変状態の開始時に、ランダムな抽選によって決定(選択)された楽曲については、楽曲のサビ1部分から(第2の開始位置から)再生を開始する構成としている。これにより、遊技者が自らの意思で選択した楽曲については、楽曲の最初から完全な形で聴かせることができる。一方、ランダムな抽選により選択された楽曲を、サビ1部分から再生するのは、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さを最大限、遊技者に伝達することができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目を5個(項目の全数よりも少ない数)に限り、操作ボタン230を操作することにより、選曲メニュー画面に表示される項目を可変させることで、遊技者の操作に連動させて全ての項目を選択可能に構成している。ここで、選曲メニュー画面において、遊技者が好みの楽曲を選択し易くする方法として、全ての項目を第3図柄表示装置81の表示画面に一括して表示させる(項目をマトリクス状に配置させる)ことにより、どの楽曲(項目)がどの位置に配置されているかを一目で理解できるようにする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、各項目を表示させるための表示領域(選曲メニュー画面の面積)が広くなってしまい、他の表示内容(第3図柄や、保留球数図柄等)を表示させるための表示領域が狭くなりすぎてしまう可能性がある。これに対して本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目の数を5個(項目の全数よりも少ない数)に限る構成としている。このように構成することで、全ての項目を一括して表示させる場合に比較して、選曲メニュー画面の表示面積を小さくすることができる。よって、第3図柄や、保留球数図柄等の、選曲メニュー画面以外の表示内容をより大きな表示面積で表示させることができる。
なお、本第1制御例では、確変状態の開始時にランダムな抽選によって決定された楽曲については、サビ1部分からの再生を設定する一方で、確変状態中に操作ボタン230に対する操作を行って選択した楽曲については、イントロ部分から再生する構成としていたが、これに限られるものではない。逆に、ランダムな抽選によって決定された楽曲については、イントロ部分からの再生を設定する一方で、遊技者が操作ボタン230を操作することで自発的に選択した楽曲については、サビ1部分から再生する構成としてもよい。自発的に楽曲を選択した遊技者の多くが最も聴きたいのは、当該選択した楽曲のサビ部分であるので、自発的に選択された楽曲をサビ部分から再生させることにより、遊技者の要望を即座に叶えることができる。また、確変状態の開始(移行)時にランダムな抽選によって再生が決定された楽曲を、イントロ部分から再生させることにより、遊技者に対して楽曲を落ち着いて選択させることができる。詳述すると、楽曲のイントロ部分は比較的落ち着いたメロディーとなるのに対して、楽曲のサビ部分は比較的激しいメロディーとなるのが一般的である。よって、イントロ部分からの再生を設定することにより、比較的落ち着いたメロディーが最初に流れるように設定できる。従って、比較的落ち着いたメロディーが流れている間に、遊技者に対して落ち着いた気分で楽曲を選択させることができる。また、必ずしも再生を設定された経緯に応じて再生位置を異ならせる必要はない。例えば、経緯によらず、サビ1部分から(即ち、楽曲における最も盛り上がる部分から)再生を開始する構成としてもよいし、イントロ部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、経緯を判別して再生位置を可変させる制御を省略することができるので、処理負荷を軽減させることができる。
本第1制御例では、選曲メニュー画面において、履歴エリアを選曲エリアの上側に配置する構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の配置に設定してもよい。例えば、選曲エリアの下側に履歴エリアを配置する構成としてもよい。即ち、遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度が高い項目(楽曲)を、選曲エリアの下側に3つ配置する構成としてもよい。
本第1制御例では、履歴エリアとして、遊技者が選択した回数が多い(頻度が高い)項目が配置されるエリアを設ける構成としていたが、履歴エリアの構成はこれに限られるものではない。例えば、第1制御例の構成に代えて、または加えて、第2の履歴エリアとして、遊技者の過去の傾向から、遊技者が選択する可能性の低い項目を配置しておくエリアを、遊技者が選択し難い(楽曲を選択するための操作ボタン230に対する操作回数が比較的多い)範囲に設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、ランダムに選択された楽曲が再生されている状態で、所定期間が経過するよりも前に(例えば、5秒以内に)他の楽曲に変更された場合には、当該楽曲を、次回以降、遊技者が選択する可能性が低い項目として、遊技者が比較的選択し難い範囲(例えば、少なくとも10回以上の操作を行わなければ選択することができない範囲)に配置させる構成としてもよい。所定期間内に楽曲が変更されたということは、遊技者が聴きたくない楽曲が再生されたため、遊技者が急いで楽曲を変更したという可能性があるため、次回以降も遊技者が当該楽曲を聴きたくないと考えている可能性(再生された場合に、即座に楽曲を変更される可能性)が高くなる。即ち、再生されることで、遊技者に不快感を抱かせてしまう可能性がある。よって、再生中の比較的早い段階(所定期間内)で変更された楽曲を、第2の履歴エリアに配置することにより、次回以降の確変状態においてランダムな抽選時に選択される可能性を排除できると共に、他の項目(第2の履歴エリアに配置した項目に比較して、遊技者により選択される可能性が高い項目)を、相対的に選択し易い(比較的少ない操作回数で選択可能な)位置に配置させることができる。よって、確変状態の開始時に再生される楽曲によって遊技者に対して不快感を抱かせてしまう可能性を低くすることができる。
本第1制御例では、パチンコ機10に対する電源投入が行われた後における各楽曲の選択回数を楽曲別にカウントしておき、回数が多い順に3つの項目(楽曲)を履歴エリアに配置する構成としていたが、遊技者が選択する可能性が高い楽曲を推定する方法はこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10を開発したメーカーが所有している外部サーバーに対して、遊技者毎の選曲の傾向を蓄積可能に構成してもよい。より具体的には、パチンコ機10の第3図柄表示装置81において、外部サーバーへ接続するためのURLの情報を、携帯端末で読み取り可能な形式(例えば、二次元バーコード形式)により表示可能に構成する。当該URL情報を携帯端末で読み取って、携帯端末から外部サーバーへアクセスし、事前に登録しておいた、または今回新規に登録するID、およびパスワードを入力することで、遊技者の個人データ(パチンコ機10で大当たりに当選した回数や、特別図柄の抽選回数等)を確認可能に構成する。この項目の中に、選択した楽曲の履歴および回数も設定しておく。そして、サーバーへログインした状態でパチンコ機10による遊技を開始した場合には、サーバーに記憶されている選択履歴をパチンコ機10に反映させて、当該選択履歴に基づいて選択エリアに格納する項目を決定する構成としてもよい。なお、サーバーのデータをパチンコ機10に反映させる方法としては、例えば、サーバーに設定されているデータをパスワード化(符号化)して遊技者の携帯端末に表示させ、当該パスワードを携帯端末の操作者によってパチンコ機10側に入力させる方法が挙げられる。即ち、パチンコ機10側で、パスワードと履歴との対応関係を予め規定しておき、パスワードが入力された場合には、当該パスワードに対応する履歴(楽曲毎の選択回数)を選曲回数格納エリア223acに設定しておく構成としてもよい。このように構成することで、遊技者毎の傾向に即した選曲メニュー画面を表示させることができるので、遊技者が自己の好きな楽曲をより容易に選択することができるパチンコ機10を提供することができる。
本第1制御例では、選曲メニュー画面の項目の初期配置を、これまでに遊技者が選択した楽曲の種別や回数等(遊技者の選択履歴)に応じて可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。所定の操作ボタンに対する操作を促す演出等の、遊技者参加型の演出を実行する場合において、遊技者の参加状況に応じて演出の初期態様を可変させる構成としてもよい。例えば、積極的に参加する傾向の遊技者に対しては、より多い回数の操作を促す演出態様が選択され易くなるように制御する一方で、演出に参加する頻度が低い遊技者の場合には、比較的少ない操作回数の操作を促す演出態様が選択され易くなるように制御する構成としてもよい。また、例えば、演出に参加する頻度が低い遊技者の場合には、押下することで遊技者にとって有利な結果が報知される期待度が高い態様の演出が実行され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、参加頻度が低い遊技者が、押下演出に参加しようと思う可能性が高くなるので、遊技者の傾向に応じて適切な態様を設定できる。また、この場合において、遊技者の参加状況(履歴)に応じて演出態様を決定するのに代えて、操作回数等の演出態様を抽選でランダムに決定してもよい。このように構成することで、遊技者の参加状況を記憶しておく必要がなくなるため、制御を単純化することができる。
本第1制御例では、遊技者が選曲メニュー画面から1の楽曲を決定した場合に、状況によらず、楽曲の先頭部分から再生を開始させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態が終了するまでの残りの時間が短い場合(例えば、実行中の変動表示が終了すると大当たりが開始される場合)には、サビ部分から再生を開始させる構成としてもよい。
本第1制御例では、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲については、楽曲のサビ部分から再生を開始させる一方で、選曲メニュー画面から遊技者が選択した楽曲については、楽曲の先頭から再生させるように構成していたが、楽曲の再生が決定された経緯に応じて楽曲の再生位置(最初に用いる楽曲用データの種別)を可変させる制御は、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に再生される楽曲として、大当たりの1ラウンド目が開始されたことに基づいて楽曲の再生を設定する場合は、楽曲の先頭(イントロ部分)から再生を開始させる一方、大当たりのエンディング期間が開始されたことに基づいて楽曲の再生を設定する場合には、楽曲のアウトロ部分から再生を開始させる構成としてもよい。
本第1制御例では、楽曲(音声演出)の種別が決定された経緯(ランダムな抽選で選択されたのか、遊技者により自発的に選択されたのか)に応じて、楽曲の再生位置(音声演出の実行開始位置)を可変させる構成としていたが、本制御は、音声による演出に限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81において実行する表示演出について、本制御を適用しても良い。また、演出の種別が決定された経緯についても、本第1制御例において例示したもの(ランダムな抽選で選択されたのか、遊技者により自発的に選択されたのか)に限られるものではない。例えば、外れに対応する変動表示の実行中という状況下において特定の演出の実行が決定された場合には、当該特定の演出を最初から実行するように構成する一方で、大当たりに対応する変動表示の実行中という状況下において特定の演出の実行が決定された場合には、特定の演出の途中から実行を開始する構成としてもよい。このように構成することで、演出の内容により注目して遊技を行わせることができる。
本第1制御例では、遊技者が楽曲を選択した履歴(各楽曲の選択回数)に応じて、選曲メニュー画面の初期配置を可変させ、遊技者が選択する可能性が高い項目ほど、少ない操作回数で選択可能な位置に配置する構成としていたが、本制御は、楽曲を選択する場合に限られるものではない。例えば、音声出力装置226から出力される音声の音量に対応する項目や、第3図柄表示装置81に表示される画像の明るさに対応する項目、遊技履歴に対応する項目等で構成された遊技メニュー画面を、操作ボタン230に対する操作によって表示可能に構成する。そして、過去に遊技者が選択した項目の履歴に応じて、遊技者が選択する可能性が高い項目ほど、少ない操作回数で選択可能な位置に配置させるように構成してもよい。
本第1制御例では、確変状態になった後で、操作ボタン230を操作しなければ選曲メニュー画面が表示されない構成としていたが、これに限られるものではなく、確変状態中は常時、選曲メニュー画面を表示させておく構成としてもよい。このように構成することで、楽曲を選択したいと考える遊技者の手間を軽減することができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに対して最初に表示される項目を、ランダムな抽選によって選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面における選曲エリアに最初に表示される項目として、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において、遊技者が最後に選択した項目を配置させる構成としてもよい。
本第1制御例では、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目を、選曲メニュー画面における初期配置において、比較的少ない操作回数で選択する(選曲エリアにシフトさせる)ことが可能な位置に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者が選択する可能性が高い楽曲(これまでに選択された回数が多い楽曲)が選曲メニュー画面のどこに配置されているのかを遊技者が容易に理解できればよく、例えば、選曲メニュー画面における初期配置として、楽曲用領域MRのどこかに表示されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、楽曲用領域MRに表示させる項目数を5個よりも増加させた場合であっても、遊技者が選択しようとしている可能性が高い項目を最初から表示しておくことができる。よって、遊技者が項目を選択し易くなるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに表示されている項目と、その他の表示領域に表示されている項目とで、表示態様を異ならせる構成としていたが、これに加えて、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(選曲メニュー画面の初期配置において履歴エリアに配置させた項目)であるか否かによって表示態様を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が選択する可能性が高い項目を遊技者がより容易に発見できるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、確変状態の開始時においてランダムな抽選により決定された楽曲を再生させる場合に、楽曲における最も特徴的な部分であるサビ部分から再生を開始させる構成としていたが、これに限られるものではなく、遊技者の注意が向き易い(ランダムに選択された楽曲を聴こうと遊技者が思い易い)再生位置であればよい。例えば、他の演出(例えば、変動表示演出等)に一部が流用されている楽曲(例えば、スーパーリーチリーチ演出の開始時に、演出のバックミュージックとしてAメロ部分から再生が開始される楽曲等)については、演出で設定されている再生開始位置と同一の再生開始位置から楽曲の再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、通常遊技中にも再生されていた再生位置(即ち、遊技者にとって比較的馴染み深い再生位置)から再生を開始させることができる。よって、通常遊技中に再生され得るメロディー(遊技者が既に聴いたことがある可能性が高いメロディー)から再生させることにより、遊技者の注意を引くことができるので、当該楽曲をよりじっくりと聴かせることができる。
本第1制御例では、確変状態において選曲メニュー画面を表示可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に選曲メニュー画面を表示させることが可能に構成してもよいし、時短状態の間に表示させる構成としてもよい。また、例えば、変動表示の実行中の演出態様として、特定の演出態様(例えば、スーパーリーチ演出)が選択された場合に、当該特定の演出態様の実行中に選曲メニュー画面を表示させて、変動表示の実行中における楽曲を遊技者が自由に選択できるように構成してもよい。
<第2制御例>
次に、図118から図139を参照して、第2制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1制御例におけるパチンコ機10では、確変状態の開始時に、ランダムに選択した楽曲(音声演出)の再生を開始させる構成にすると共に、操作ボタン230を操作することで、任意の楽曲(音声演出)に変更可能に構成していた。また、ランダムに選択した楽曲については、楽曲におけるサビ部分(楽曲における最も盛り上がる部分)から再生を開始するのに対して、遊技者が自発的に選択した楽曲については、楽曲の最初(イントロ部分)から再生を開始する構成としていた。
これに対して第2制御例では、大当たり中の楽曲(音声演出の種別)を遊技者が選択可能に構成した。そして、最終ラウンドが終了するまでの間に、なるべくサビ部分が再生されるように、大当たりの進行状況に応じて、動的に楽曲用データの再生順を組み替える構成とした。即ち、大当たりの実行中における所定のタイミング(例えば、最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時や、最終ラウンドの開始時)で、現在再生が設定されている楽曲用データの種別(Aメロ1、Bメロ1、サビ1等)を判別して、サビ部分から遠いパートが再生されている場合には、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順を組み替えて、次に再生されるパートがサビ部分に近いパートとなるように変更する構成としている。これにより、大当たりの終了までに、より確実に楽曲における最も盛り上がる(最も特徴的な)部分であるサビ部分を遊技者に聞かせることができる。
また、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了時において、サビ部分(特定の範囲)を再生中である場合にはエンディング演出の開始タイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を継続させる構成としている。このように構成することで、楽曲において最も盛り上がる(最も特徴的な)サビ部分が、大当たりの終了により強制的に終了されてしまうことをなるべく防止することができる。これにより、サビ部分を遊技者に対してより楽しませることができるので、大当たり中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2制御例におけるパチンコ機10が、第1制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声出力装置226の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声出力装置226のRAM303の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声出力装置226のMPU301により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行されるその他の処理については、第1制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図118を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の大当たりの構成について説明する。図118に示した通り、大当たりのオープニング期間が開始されると、オープニング期間専用の楽曲(オープニング用楽曲)が再生される。オープニング期間が終了して、1ラウンド目が開始されると、楽曲の選択が可能な期間(選曲期間)が設定される。この選曲期間では、第1制御例における確変状態と同様に、第3図柄表示装置81の左側に、楽曲用領域MR(図101(a),(b)参照)が形成される。この楽曲用領域MRに対する表示内容は、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
なお、本第2制御例では、選曲期間の間に遊技者が選曲メニュー画面(図101(b)参照)を表示させて楽曲を選択したとしても、即座に再生が開始されず(再生が遅延され)、1ラウンド目が終了したタイミングで楽曲の再生が設定される。また、選曲期間が設定されている1ラウンド目の間は、選曲期間専用の楽曲(選曲用楽曲)が再生される。このように構成することで、1ラウンドのラウンド期間の間であれば、遊技者が即座に楽曲を選択した場合も、1ラウンドの終了間際に楽曲を選択した場合も、楽曲の再生開始タイミングを同一にすることができるので、選曲期間の間に好みの楽曲をじっくりと選択させることができる。なお、選曲メニュー画面の項目の初期配置は、上述した第1制御例と同様の制御により設定される。即ち、選曲エリアには、ランダムな抽選により選択された楽曲(項目)が配置されると共に、選曲エリアの上側3つの表示領域に、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い楽曲(項目)が配置される。
図118に示した通り、1ラウンドが終了してインターバル期間が開始されると、遊技者が選択した楽曲(遊技者が選曲メニュー画面において楽曲の選択を行わなかった場合は、大当たり開始時の抽選で選曲エリアに配置された楽曲)の再生が開始される。この楽曲の再生は、大当たりの最終ラウンドが終了するまで少なくとも継続する。そして、最終ラウンドが終了して、エンディング期間の開始タイミングになると、基本的にエンディング演出が開始されると共に、エンディング演出用の楽曲が再生される。なお、上述した通り、最終ラウンドの終了タイミングで、サビ部分を再生中の場合には、エンディング演出の開始タイミングを遅延させることで、より長く楽曲のサビ部分の再生を継続する。楽曲のうち最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができるので、大当たり中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、図118に示した通り、本第2制御例における大当たりには、楽曲用データ群の再生順を組み替えるかを判別するための組み替え判別タイミングが二箇所(大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および大当たりの最終ラウンドの開始時)に設定されている。これらの組み替え判別タイミングになると、楽曲の再生位置(現在再生している楽曲用データの種別)に基づいて、次に再生する楽曲用データを組み替えるか(通常の再生順から可変させるか)否かを判別する。この判別において、楽曲を組み替えると判別した場合には、次のサビが再生されるまでのパート数(再生される楽曲用データの数)が少なくなるように(現在再生が設定されている楽曲用データ群の次にサビ部分の再生が設定されるように)、楽曲用データの再生順を組み替える。これにより、次にサビが再生されるまでの時間を短くすることができるので、大当たりが終了するまでの間に、より確実にサビ部分を再生することができる。なお、楽曲の再生順を組み替えると判別される種別の楽曲用データであるか否かは、後述する組み替え判別テーブル222bb(図123参照)に対して予め設定(規定)されている。
次に、図119、および図120を参照して、楽曲の再生順を組み替える場合の具体例について説明する。図119は、楽曲Aの再生中に組み替え判別タイミング1(最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時)となり、再生順を組み替えると判別された場合の、大当たりの状態の推移と、楽曲のパートの推移との対応関係の一例を示している。
図119に示した通り、大当たりの1ラウンドの間は、楽曲として、選曲期間専用の選曲用楽曲が再生される。この間に遊技者によって楽曲Aが選択されると、大当たりの1ラウンドが終了したことを契機として、楽曲Aの先頭から(即ち、楽曲Aのイントロ部分から)再生が開始される。これ以降は、楽曲Aに対応する楽曲用データ群の並び順(各データに対応付けられている楽曲用ポインタ303bの値の順番)で、Aメロ1部分からアウトロ部分の1つ手前のパートまでの間がループ再生される。
ループ再生が継続している間に、組み替え判別タイミング1になると、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かが判別される。図119では、組み替え判別タイミング1となった時点で、Aメロ1部分が再生中となっている場合を例示している。図119の中段(組み替え前の楽曲の推移)に示した通り、組み替え判別タイミング1においてAメロ1部分の再生中である場合には、大当たりの最終ラウンドが終了するまでに、Bメロ1部分を再生中に最終ラウンドが終了する可能性が高い。即ち、遊技者が最も聴きたい可能性が高い部分(パート)である、サビ1部分に到達するよりも前に、楽曲Aの再生が終了してしまう可能性が高い。よって、この場合は、組み替え判別タイミング1になった場合に、楽曲用データ群の再生順を組み替えて、最終ラウンドの終了までに、サビ1部分が再生されやすくなるように再生順を設定する。
より具体的には、図119の下段(組み替え後の楽曲の推移)に示した通り、組み替えが決定された時点で再生中であったAメロ1部分の再生が終了すると、本来(図119の中段に示した組み替え前の推移)の順番であるBメロ1部分を飛ばして、サビ1部分が再生されるように制御される。より具体的には、楽曲用ポインタ303bのポインタ値を、楽曲Aのサビ1部分(サビ1用データ)に対応する値に更新すると共に、サビ1用データの再生を設定する。これにより、最終ラウンドにおいて、楽曲において最も盛り上がる部分であるサビ1部分を遊技者に聴かせることができるので、遊技者の気分を高揚させることで、大当たりに対してより大きな満足感を抱かせることができる。
再生順を組み替えて、サビ1の再生を設定した後は、楽曲用ポインタ303bの値の順番で再生を継続する。即ち、図119の下段に示した通り、サビ1部分の再生中に大当たりの終了タイミングとならなかった場合は、通常通り、間奏部分(間奏用データ)が再生される。
次に、図120を参照して、組み替え判別タイミング2(即ち、大当たりの最終ラウンドの開始タイミング)において、楽曲の再生順を組み替えると判別した場合の具体例について説明する。図120の例では、組み替え判別タイミング1になった時点でBメロ1部分を再生中であり、且つ、組み替え判別タイミング2に到達するまでにBメロ1部分の再生が終了してサビ1部分の再生に移行する場合を例示している。
図120の例では、組み替え判別タイミング1において、Bメロ1部分を再生中であり、次に再生されるのがサビ1部分であるので、再生順を組み替えなくても、最終ラウンドの間にサビ1部分が再生された状態になる可能性が高い。よって、組み替え判別タイミング1では、再生順の組み替えが回避される。また、図120の例では、組み替え判別タイミング2において、サビ1部分を再生中の状態となる。この場合、図120の中段に示した通り、再生順を組み替えずにそのまま再生を継続すると、最終ラウンドの途中でサビ1部分の再生が終了し、比較的長い期間、サビ1部分の次のパートである間奏部分の再生が実行される。間奏部分は、比較的穏やかなメロディーとなるので、最終ラウンドにおいて間奏部分が長く再生されることにより、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、組み替え判別タイミング2においてサビ1部分が既に再生中である場合は、楽曲の再生順を組み替えて、図120の下段に示した通り、サビ1部分の再生後に、サビ2部分(サビ1部分の次のサビ)が再生されるように設定する。このように構成することで、大当たりにおける最終ラウンドにおいて、より長い期間、楽曲の最も盛り上がる部分であるサビ部分を再生し続けることができる。よって、大当たりの最終ラウンドにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第2制御例では、大当たりにおける所定のタイミング(最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時)において、楽曲の進行状況(楽曲における現在の再生位置)に応じて、楽曲の再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としている。そして、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分が全く再生されないか、または再生時間が短くなる可能性がある場合には、最終ラウンド中により長くサビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)が再生されるように、楽曲用データの再生順を組み替える(少なくとも次に再生する楽曲用データを、予め定められた順番(楽曲用ポインタ303bの値の順)から可変させる)構成としている。言い換えれば、大当たりの進行状況と、楽曲の再生位置とに基づいて、大当たりの所定期間(最終ラウンド)の間により長くサビ部分が再生されるように、動的に楽曲用データの再生順を可変させる構成としている。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドにおいて、楽曲における最も盛り上がるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者に対して、大当たりの終了間際により大きな高揚感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。
また、ラウンド数が比較的少ない大当たり(例えば、ラウンド数が5ラウンドの大当たりB等)になった場合は、そもそもサビ部分に到達せずに全てのラウンドが終了してしまう可能性がある。特に、遊技者が選曲メニュー画面を表示させて自発的に選択した楽曲の再生中にも拘わらず、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)を聴けずに大当たりが終了してしまうと、遊技者を大きく落胆させてしまう可能性がある。遊技者が自発的に楽曲を選択した場合には、当該選択した楽曲のサビ部分を聴くことを楽しみにしている可能性が高いためである。これに対して本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了するまでにおいて、より確実にサビ部分を少なくとも1回再生することができる。よって、楽曲を選択した遊技者を満足させることができる。
ここで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分を再生させるための方法として、楽曲の進行状況とは無関係に、最終ラウンドの開始時にサビ部分に対応する楽曲用データの再生を設定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、最終ラウンドの開始前後(つまり、サビ部分の再生に切り替わる前後)において、楽曲の繋がりが不自然になってしまう虞がある。即ち、他のパートの途中から唐突にサビ部分の再生が開始されしまう可能性が高くなってしまう。よって、この方法では、遊技者が再生されている楽曲に違和感を抱いてしまい、パチンコ機10の故障等を疑わせてしまう可能性がある。即ち、パチンコ機10が正常に動作しているのかどうかが疑わしくなり、遊技に対して不安感を抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第2制御例では、パート単位(メロディー(曲調)の区切り単位)で楽曲用データの再生順を組み替える(可変させる)構成としているので、再生順を組み替えた場合に、違和感の少ない音声態様で楽曲を再生することができる。よって、遊技者に対して、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
なお、本第2制御例では、大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。再生順を組み替えるか否かの判別の回数、およびタイミングは、任意に定めることができる。
また、本第2制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分がより長く再生されるように楽曲用データの再生順を組み替える構成としていたが、これに限られるものではなく、サビ部分を再生させるラウンドは任意に設定することができる。
次に、図121を参照して、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる場合における、大当たり状態の推移と、楽曲のパートの推移との対応関係について説明する。図121は、楽曲用データの再生順を組み替えられた結果、最終ラウンドの終了時にサビ2部分の再生途中になる場合を例示した図である。
図121の最上段は、大当たりにおける状態の推移を示し、上から2段目は、エンディング演出の開始を遅延させなかったと仮定した場合における楽曲の推移を示し、下から2段目は、サビ部分をより長く再生するためにエンディング演出の開始タイミングを遅延させた場合における楽曲の推移を示し、最下段は、大当たり中に第3図柄表示装置81に対して表示される演出態様の推移を示している。
図121の上から2段目の図に示した通り、エンディング演出の遅延制御を行わなければ、サビ2部分の再生中に、楽曲の再生が打ち切られ、エンディング用の楽曲が再生される。この場合、遊技者に対して、折角最も盛り上がる部分を聴いていたのに、唐突に異なるメロディーが開始されたかのような印象を抱かせてしまい、遊技者が不満に思ってしまう可能性がある。そこで、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了タイミングにおいて、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)の再生中である場合は、図121の下から2段目の図に示すように、エンディング用の楽曲が再生されるタイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を行い続ける構成としている。これに伴って、演出態様も、大当たり中に表示される演出態様がそのまま継続される。即ち、実際にはエンディング期間が開始されているにも拘わらず、最終ラウンドが終了してから所定期間(例えば、最大4秒間)が経過するまでの間、大当たりが継続しているかのような演出態様(表示態様、音声態様)に設定する構成としている。
このように構成することで、サビ部分の再生途中で楽曲が終了されてしまう可能性を低くし、大当たりのエンディング演出が開始されるまでの間に、より長く、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聴かせることができる。よって、楽曲を選択した遊技者に対して、より大きな満足感を抱かせることができる。
<第2制御例における電気的構成>
次に、図122から図126を参照して、本第2制御例における電気的構成について説明する。まず、図122(a)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の構成について説明する。図122(a)は、本第2実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。
図122(a)に示した通り、本第2制御例におけるROM222の構成は、上述した第1制御例におけるROM222の構成(図104(a)参照)に対して、楽曲用データ群種別格納エリア222baと、組み替え判別テーブル222bbと、エンディング演出選択テーブル222bcとが追加されている点で相違している。
楽曲用データ群種別格納エリア222baは、各楽曲に対応する楽曲用データ群の構成を記憶したデータテーブルである。この楽曲用データ群種別格納エリア222baには、楽曲の種別毎に、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順、および再生時間を示す情報が少なくとも規定されている。上述した第1制御例では、音声ランプ制御装置113において、再生する楽曲の種別、および楽曲が決定された経緯(ランダムな抽選で選択された楽曲であるか、遊技者が選択した楽曲であるか)を音声出力装置226に通知すると、その後は音声出力装置226において楽曲用データを予め定められた順番でループ再生する構成だった。即ち、音声ランプ制御装置113側では、再生中の楽曲の進行状況を把握する必要が無かった。これに対して本第2制御例では、大当たりの進行状況と、楽曲の再生位置(再生中の楽曲用データの種別)とに応じて楽曲用データの再生順を組み替えたり、エンディング演出の開始タイミングの遅延制御を実行する必要がある。このため、音声ランプ制御装置113側でも、楽曲の再生位置(現在再生中の楽曲用データの種別)等を把握する必要がある。よって、本第2制御例では、この楽曲用データ群格納エリア222baを規定しておく構成とし、音声出力装置226において設定されている楽曲用データ群の構成や、使用(再生)中の楽曲用データの種別、次に再生される楽曲用データの種別等を把握可能に構成している。
組み替え判別テーブル222bbは、大当たりにおける組み替え判別タイミング1,2のいずれかとなった場合に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かを判別するために参照されるデータテーブルである。この組み替え判別テーブル222bbには、現在再生が設定されている楽曲用データの種別に応じて、組み替えるか否かの判別結果と、組み替えると判別する場合における、次に再生を設定する楽曲用データの種別とが規定されている。この組み替え判別テーブル222bbの詳細について、図123を参照して説明する。
図123は、組み替え判別テーブル222bbの規定内容を示した図である。図123に示した通り、この組み替え判別テーブル222bbには、楽曲の種別毎に、組み替え判別タイミングとなった時点で再生中の状態となっている楽曲用データの種別と、判別結果(再生順を組み替えると判別するか否か)とが対応付けて規定されている。
より具体的には、例えば、楽曲AにおけるAメロ1部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ1」が対応付けて規定されている。このため、Aメロ1部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、Aメロ1部分の再生が終了した後で、サビ1部分が再生される(Bメロ1部分の再生をスキップする)ように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。また、Bメロ1部分に対しては、判別結果として「不可」が対応付けて規定されている。このため、Bメロ部分を再生中に組み替え判別タイミングになったとしても、楽曲用データの再生順は組み替えられない。よって、Bメロ1部分の再生が終了した後は、通常通りサビ1部分が再生される。
同様にして、図123に示した通り、楽曲Aにおけるサビ1部分、間奏部分、およびAメロ2部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ2」が対応付けて規定されている。このため、サビ1部分、間奏部分、またはAメロ2部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、サビ1部分、間奏部分、またはAメロ2部分の再生が終了した後で、サビ2部分が再生されるように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。また、楽曲AにおけるBメロ2部分に対しては、判別結果として、「不可」が対応付けて規定されている。このため、Bメロ2部分の再生が終了した後は、通常通りサビ2部分が再生される。更に、楽曲Aにおけるサビ2部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ1」が対応付けて規定されている。このため、サビ2部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、サビ2部分の再生が終了した後で、サビ2部分が再生されるように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。
楽曲B以降についても同様に、楽曲において複数回設定されているサビ部分に対して、比較的遠い再生位置(1つ分以上のパートが離れている再生位置)を再生中の状態で、組み替え判別タイミングとなった場合には、現在再生中のパートが終了した後で、直近のサビ部分が再生されるように、組み替え判別テーブル222bbのデータが規定されている。このように構成することで、最終ラウンドにおいて、より確実にサビ部分を再生させることができるので、楽曲の最も盛り上がる部分を再生した上で、大当たりを終了させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
図122(a)に戻って説明を続ける。エンディング演出選択テーブル222bcは、エンディング演出が開始されたタイミング毎にエンディング演出の態様を規定したデータテーブルである。上述した通り、本第2制御例では、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)の再生中に最終ラウンドの終了タイミングとなった場合は、サビ部分の再生を続行すると共に、エンディング演出の開始を遅延させる構成としている。ここで、エンディング演出の開始タイミングを遅延させたとしても、大当たりのエンディング期間は一定であるため、遅延させた分だけエンディング演出の実行期間が短くなる。本第2制御例では、このエンディング演出選択テーブル222bcに対して、エンディング演出の実行期間に応じて選択し得る複数のエンディング演出を規定している。このエンディング演出選択テーブル222bcの詳細について、図124を参照して説明する。
図124は、エンディング演出選択テーブル222bcの規定内容を示した図である。図124に示した通り、エンディング演出選択テーブル222bcには、大当たりの最終ラウンドの終了時点における、サビ部分の再生が終了するまでの残り時間(残再生時間タイマ223bbの値)の範囲毎に、選択されるエンディング演出の種別が対応付けて規定されている。なお、残再生時間タイマ223bbは、楽曲用データの再生を設定されるタイミングで、当該データの再生時間に対応するタイマ値が設定され、定期的に(1ミリ秒毎に)値が1ずつ減算される構成となっている。
図124に示した通り、残再生時間タイマ223bbの値(T)が1000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒以下)の範囲に対しては、通常の態様のエンディング演出(通常エンディング)が対応付けて規定されている。この通常エンディング演出は、演出時間が4秒間で構成されている。即ち、エンディング期間が開始されてからエンディング演出が終了するまでの期間(サビ部分の残りの再生時間と、通常エンディングの演出期間との和)が、4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。これに対し、大当たりのエンディング期間は5秒間が設定される。即ち、通常エンディング演出が終了してからエンディング期間が終了までの間には、最大で約1秒間の間が空く構成となっている。本制御例では、エンディング演出中に、遊技者が大当たり中に獲得した賞球の個数を報知する画像(リザルト画像)を表示させる構成とし、エンディング演出の終了から、エンディング期間が終了するまでの差分の期間は、リザルト画像を静止画として表示させ続ける構成としている。これにより、エンディング演出の終了から、実際にエンディング期間が終了するまでの間の期間において、演出が途切れてしまったかのような印象を遊技者に抱かせてしまうことを防止(抑制)することができる。
残再生時間タイマ223bbの値(T)が1000より大きく、且つ、2000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒より長く、且つ、2秒以下)の範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が3秒間の短縮エンディング1が対応付けて規定されている。即ち、サビ部分の残りの再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。よって、この場合にも、エンディング演出の終了から、実際にエンディング期間が終了するまでの間の期間を1秒以下にすることができる。よって、リザルト画像が静止画として表示され続ける期間を短く限ることができるので、遊技者に対して第3図柄表示装置81の表示内容に違和感を抱かせてしまうことを防止できる。
また、残再生時間タイマ223bbの値(T)が2000より大きく、且つ、3000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が2秒より長く、且つ、3秒以下)の範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が2秒間の短縮エンディング2が対応付けて規定されている。即ち、通常エンディングや短縮エンディング1が設定される場合と同様に、サビ部分の残りの再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。また、残再生時間タイマ223bbの値(T)が3000より大きい範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が1秒間の短縮エンディング3が対応付けて規定されている。ここで、本第2制御例では、エンディング演出の演出時間を確保するために、エンディング演出の開始タイミングを4秒以上遅延させないように構成としている。即ち、エンディング期間が開始されてから4秒間が経過しても、サビ部分が再生され続けている場合には、楽曲の再生(大当たり演出)を打ち切って、エンディング演出を実行する構成としている。このため、短縮エンディング3が設定される場合には、サビ部分の再生時間を3秒と4秒との間に限ることができる。よって、通常エンディングや短縮エンディング1,2が設定される場合と同様に、サビ部分の再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。
このように、本第2制御例では、最終ラウンドの終了タイミングとなった時点で、サビ部分の再生中である場合には、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる構成としている。そして、エンディング期間が開始してから、サビ部分の再生を終了する(または再生を打ち切る)までの間の期間の長さに応じて、エンディング演出の態様を異ならせる構成とし、サビ部分の残り時間によらず、エンディング期間が終了するまでの間にエンディング演出を終了させることが可能に構成している。このように構成することで、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができつつ、違和感の無いエンディング演出を実行することができる。
次に、図122(b)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図122(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図122(b)に示した通り、本第2制御例におけるRAM223の構成は、第1制御例におけるRAM223の構成(図104(b)参照)に対して、再生データ種別格納エリア223baと、残再生時間タイマ223bbと、エンディング遅延フラグ223bcと、楽曲種別格納エリア223bdと、エンディング種別格納エリア223beと、遅延期間タイマ223bfとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例におけるRAM223と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
再生データ種別格納エリア223baは、音声出力装置226によって再生中の楽曲用データの種別を示すデータを格納しておくための記憶領域である。大当たりにおける楽曲再生期間の間は、この再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータに基づいて、楽曲の再生位置を特定し、組み替え判別タイミングとなった場合に、楽曲用データの再生順を組み替えるかどうか判断することができる。この再生データ種別格納エリア223baは、音声出力装置226から楽曲コマンドを受信する毎に、コマンドが示す種別の楽曲用データに対応する値に更新される(図135のS5701参照)。ここで、楽曲コマンドは、音声出力装置226において、1の楽曲用データの再生時間が終了し、次の楽曲用データの再生を設定する際に、設定する楽曲用データの種別を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドである。この楽曲用コマンドにより、音声出力装置113が再生している楽曲用データの種別を、音声ランプ制御装置113側で正確に把握することができる。
残再生時間タイマ223bbは、楽曲用データの残りの再生時間を計時するためのタイマである。この残再生時間タイマ223bbは、定期的に(例えば、1ミリ秒毎に)更新される。大当たりの最終ラウンドの終了タイミングにおいて、サビ部分を再生中の場合は、この残再生時間タイマ223bbのタイマ値が参照されて、サビ部分の残りの再生時間が特定される。この残りの再生時間と、上述したエンディング演出選択テーブル222bcの規定内容とに応じて、エンディング演出の演出種別が決定される(図134のS5603参照)。
エンディング遅延フラグ223bcは、エンディング演出の実行開始を遅延させている間の期間であるか否かを示すフラグである。このエンディング遅延フラグ223bcがオンであれば、エンディング演出の開始の遅延が決定されてから、エンディング演出が開始されるまでの間の期間(エンディング遅延期間)であることを示す。一方、エンディング遅延フラグ223bcがオフであれば、エンディング遅延期間ではないことを示す。このエンディング遅延フラグ223bcは、エンディングコマンドを受信した時点でサビ部分を再生中である場合に、オンに設定される(図134のS5605)。また、エンディング遅延期間が経過して、エンディング演出の開始を設定した場合にオフに設定される(図129のS5306参照)。
楽曲種別格納エリア223bdは、大当たりの1ラウンド目に設定される選曲期間の間に遊技者によって選択された楽曲の種別に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この楽曲種別格納エリア223bdには、選曲期間(即ち、大当たりの1ラウンド目)の開始時に、ランダムな抽選により決定された1の楽曲(項目)に対応するデータが格納される(図132のS5221参照)。また、選曲期間の間に遊技者によって楽曲が選択された場合には、当該選択された楽曲に対応するデータが上書きされる(図128のS5121参照)。選曲期間(大当たりの1ラウンド目)の終了時には、この楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに応じた楽曲の再生を通知するための音声用選択楽曲コマンドが設定される(図133のS5507参照)。
エンディング種別格納エリア223beは、エンディング演出の開始タイミングを遅延させた場合に、エンディング演出選択テーブル222bcと、残再生時間タイマ223bbのタイマ値とに応じて決定されたエンディング演出の演出種別を、エンディング遅延期間の間、記憶しておくための記憶領域である。このエンディング種別格納エリア223beには、エンディングコマンドを受信した時点でサビ部分を再生中であり、エンディング演出の開始の遅延が決定されると共に、エンディング演出の演出種別が決定された場合に、当該決定された演出種別に対応するデータが格納される(図134のS5604参照)。エンディング遅延期間の経過時には、このエンディング種別格納エリア223beに格納されているデータに対応するエンディング演出の開始を設定する(図129のS5305参照)。
遅延期間タイマ223bfは、エンディング演出の開始の遅延が決定されてからの経過時間(エンディング遅延期間の長さ)を計時するためのタイマである。この遅延期間タイマ223bfは、エンディング遅延期間の間、定期的に(例えば、1ミリ秒毎に)更新される。この遅延期間タイマ223bfの値に基づいて、サビ部分の再生が終了するよりも前に、エンディング遅延期間の長さが4秒に達したと判別された場合には、エンディング遅延期間が打ち切られてエンディング演出が開始される(図129のS5303参照)。
次に、図125、および図126を参照して、本第2制御例における音声出力装置226の構成について説明する。まず、図125は、本第2制御例における音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図125に示した通り、本第2制御例における音声出力装置226の構成は、第1制御例における音声出力装置226の構成(図106参照)に対して、入力ポート305に代えて入出力ポート311が設けられている点、およびバスライン304に代えてバスライン312が設けられている点、RAM303の構成が一部変更となっている点で相違している。
入出力ポート311、およびバスライン312に変更したのは、音声出力装置226のMPU301から音声ランプ制御装置113に対して、コマンドを出力可能に構成するためである。即ち、入出力ポート311、およびバスライン312は、音声ランプ制御装置113からMPU301へ向かう方向と、MPU301から音声ランプ制御装置113へ向かう向きとの双方向に通信可能に構成されている。
次に、図126を参照して、本第2制御例における音声出力装置226のRAM303の構成について説明する。図126は、RAM303の構成を示したブロック図である。図126に示した通り、本第2制御例におけるRAM303は、第1制御例におけるRAM303の構成(図107(b)参照)に対して、組み替え待機フラグ303eと、組み替え種別格納エリア303fとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
組み替え待機フラグ303eは、音声ランプ制御装置113より、楽曲用データの再生順の組み替えが通知されてから、順番の組み替えを実際に設定するまでの間の期間であることを示すフラグであり、組み替え種別格納エリア303fは、再生順の組み替え後に、最初に再生を設定するべき楽曲用データの種別として音声ランプ制御装置113から通知された種別に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。音声ランプ制御装置113より、楽曲用データの再生順の組み替えを通知するための音声用組み替えコマンドを受信した場合は、コマンドにより通知された楽曲用データの種別に対応するデータが組み替え種別格納エリア303fに格納されると共に、組み替え待機フラグ303eがオンに設定される(図138のS9402,S9403参照)。組み替え待機フラグ303eがオンの状態で、再生中の楽曲用データの再生時間が経過すると、次に再生する楽曲用データとして、組み替え種別格納エリア303fに格納されているデータに対応する楽曲用データが設定される(図139のS9313参照)。
<第2制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図127から図135を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図127を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理9について説明する。このメイン処理9は、第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)のうち、S4101~S4111、およびS4113~S4118の各処理では、それぞれ第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)のS4101~S4111、およびS4113~S4118の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)では、S4111の演出更新処理が終了すると、第1制御例における操作検出処理(図111参照)に代えて、操作検出処理9を実行する(S4151)。この操作検出処理9(S4151)は、第1制御例における操作検出処理(図111参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための処理である。この操作検出処理9(S4151)については、図128を参照して後述する。
操作検出処理9(S4151)が終了すると、次に、エンディング演出の開始の遅延が設定されている間の期間(エンディング遅延期間)において、エンディング演出を開始させるか否かを判定するためのエンディング演出開始判定処理を実行する(S4152)。このエンディング演出開始判定処理(S4152)の詳細については、図129を参照して後述する。
エンディング演出開始判定処理(S4152)が終了すると、第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)に代えて、コマンド判定処理9を実行し(S4153)、処理をS4113へと移行する。このコマンド判定処理9(S4153)では、第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)に対して、当たり関連処理8(図114参照)に代えて当たり関連処理9(S4361)が実行される点以外は同一であるため、その図示については省略している。
次に、図128を参照して、上述した操作検出処理9(S4151)の詳細について説明する。図128は、本第2制御例における操作検出処理9(S4151)を示したフローチャートである。この操作検出処理9(S4151)は、上述した通り、第1制御例における操作検出処理(図111参照)に代えて実行される処理であり、操作検出処理(図111参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための処理である。
この第2制御例における操作検出処理9(図128参照)のうち、S5101~S5106、およびS5109~S5111の各処理では、それぞれ第1制御例における操作検出処理(図111参照)のS5101~S5106、およびS5109~S5111の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における操作検出処理9では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出したと判別した場合に(S5106:Yes)、メニュー位置ポインタ223abの現在の値に対応する楽曲(現在、選曲メニュー画面の選曲エリアに配置されている項目)を示すデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5121)、処理をS5109へと移行する。
この操作検出処理9(図128参照)により、選曲メニュー画面における項目の配置を、遊技者の操作ボタン230に対する操作内容に応じて可変させることができると共に、選曲期間の間に遊技者によって決定操作(選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBを押下する操作)が行われた場合に、選曲エリアに配置されている楽曲(楽曲)が楽曲再生期間の間にループ再生するように設定することができる。
次に、図129のフローチャートを参照して、上述したエンディング演出開始判定処理(S4152)の詳細について説明する。このエンディング演出開始判定処理(S4152)は、上述した通り、エンディング遅延期間において、エンディング演出を開始させるか否かを判定するための処理である。
エンディング演出開始判定処理(図129参照)では、まず、エンディング遅延フラグ223bcがオンであるかを判別し(S5301)、エンディング遅延フラグ223bcがオフであると判別した場合は(S5301:No)、エンディング遅延期間ではないことを意味し、エンディング演出の開始を設定する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S5301の処理において、エンディング遅延フラグ223bcがオンであると判別した場合は(S5301:Yes)、エンディング遅延期間であることを意味するので、エンディング遅延期間を終了してエンディング演出を開始させるか否かを判定するための処理を実行する。
具体的には、まず、残再生時間タイマ223bbの値が0であるかを判別する(S5302)。S5302の処理において、残再生時間タイマ223bbの値が0ではない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S5302:No)、楽曲のサビ部分の再生が終了していないことを意味するので、次に、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上であるかを判別する(S5303)。即ち、エンディング演出の開始を遅延させてから、4秒以上が経過したか否かを判別する。S5303の処理において、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上ではない(4000未満である)と判別した場合は(S5303:No)、エンディング遅延期間を継続させる(楽曲のサビ部分の再生を継続させる)ために、そのまま本処理を終了する。
一方、S5303の処理において、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上であると判別した場合は(S5303:Yes)、エンディング演出の開始を設定するためのS5304~S5306の処理を実行する。また、S5302の処理において、残再生時間タイマ223bbの値が0である(即ち、サビ部分の再生時間が終了した)と判別した場合も(S5302:Yes)、処理をS5304に移行してエンディング演出の開始を設定する。
S5304の処理では、エンディング種別格納エリア223beに格納されているデータに対応するエンディング演出の演出種別(通常エンディング、短縮エンディング1~3のいずれか)を特定し(S5304)、その特定した演出種別のエンディング演出を実行させるための、表示用エンディングコマンド、および音声用エンディングコマンドを設定する(S5305)。そして、エンディング遅延フラグ223bcをオフに設定することでエンディング遅延期間の終了を設定し(S5306)、本処理を終了する。
このエンディング演出開始判定処理(図129参照)により、エンディング遅延期間が設定されている間に、楽曲の再生状況(サビ部分の再生が終了したか否か)、およびエンディング遅延期間の長さを判別し、適切なタイミングでエンディング演出の開始を設定することができる。
次に、図130を参照して、当たり関連処理9(S4361)の詳細について説明する。この当たり関連処理9(S4361)は、第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理8(図114参照)と同様に、主制御装置110より受信した当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この当たり関連処理9(S4361)のうち、S4401~S4407、およびS4409の各処理では、それぞれ第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)のS4401~S4407、およびS4409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における当たり関連処理9(S4361)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合は(S4407:Yes)、ラウンド数コマンドが示すラウンド数に応じた制御を行うためのラウンド数コマンド処理を実行して(S4461)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理(S4461)の詳細については、図131を参照して後述する。
また、本第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に、ラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4407:No)、次に、インターバル期間の開始を意味するインターバルコマンドを主制御装置110から受信したか否かを判別する(S4462)。S4462の処理において、インターバルコマンドを受信したと判別した場合は(S4462:Yes)、インターバルの種別(何ラウンド目のインターバルであるか)に応じた制御を行うためのインターバルコマンド処理を実行して(S4463)、本処理を終了する。このインターバルコマンド処理(S4463)の詳細については、図133を参照して後述する。一方、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4462:No)、処理をS4409へと移行する。
また、本第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S4409:Yes)、楽曲の再生状況に応じて、エンディング演出の開始を遅延させるか否か判別するためのエンディングコマンド処理を実行して(S4464)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理(S4464)の詳細については、図134を参照して後述する。
一方、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4409:No)、次いで、音声制御装置226から出力される楽曲コマンドを受信しているかを判別し(S4465)、楽曲コマンドを受信していると判別した場合は(S4465:Yes)、楽曲コマンドが示す楽曲用データの種別に応じて、再生データ種別格納エリア223ba、再生時間タイマ223bbを更新するための楽曲コマンド処理を実行して(S4466)、本処理を終了する。この楽曲コマンド処理(S4466)の詳細については、図135を参照して後述する。また、S4465の処理において、楽曲コマンドを受信していないと判別した場合は(S4465:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図131を参照して、上述したラウンド数コマンド処理(S4461)の詳細について説明する。ラウンド数コマンド処理(S4461)では、まず、ラウンド数コマンドが示すラウンド数を表示制御装置114に対して通知するための表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5401)、次いで、ラウンド数コマンドが示すラウンド数が、今回の大当たりにおける最終ラウンドに対応するラウンド数であるかを判別する(S5402)。
S5402の処理において、今回開始されるラウンドが最終ラウンドであると判別した場合は(S5402:Yes)、組み替え判別タイミング2(楽曲の再生順を組み替えるか否かを判別するタイミング)になったことを意味するので、再生順を組み替えるか否かを判別するためのS5403~S5405の各処理を実行する。具体的には、組み替え判別テーブル222bbの規定内容と、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータとを比較し(S5403)、現在再生中の楽曲用データの種別(再生中のパート)が、再生順を組み替えるべき種別であるかを判別する(S5404)。
S5404の処理において、再生中の楽曲用データの種別が、再生順を組み替えるべき種別であると判別した場合は(S5404:Yes)、再生順の組み替えを行った結果(現在再生している楽曲用データの次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)を通知するための音声用組み替えコマンドを設定して(S5405)、本処理を終了する。ここで設定された音声用組み替えコマンドは、メイン処理9のコマンド出力処理(図127のS4102参照)において、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226のMPU301は、音声用組み替えコマンドを受信すると、コマンドにより通知された組み替え結果(次に再生すべき音声用データの種別)を示すデータを組み替え種別格納エリア303fに格納しておく。そして、現在再生中の楽曲用データの再生期間が経過した場合に、組み替え後の楽曲用データの再生を開始させる。これにより、最終ラウンドが終了するまでの間に、より確実に、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を再生させることができる。
一方、S5404の処理において、データの再生順を組み替えるべき種別ではないと判別した場合は(S5404:No)、再生順の組み替えを行わなくとも、最終ラウンドが終了するまでにサビ部分が再生される可能性が高いため、S5405の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S5402の処理において、ラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が、最終ラウンドではないと判別した場合は(S5402:No)、次いで、通知されたラウンド数が1ラウンド目であるか否かを判別する(S5406)。S5406の処理において、通知されたラウンド数が1ラウンド目であると判別した場合は(S5406:Yes)、選曲期間の開始を設定するための選曲期間設定処理を実行して(S5407)、本処理を終了する。この選曲期間設定処理(S5407)の詳細については、図132を参照して後述する。これに対し、S5406の処理において、通知されたのが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S5406:No)、S5407の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図132を参照して、上述した選曲期間設定処理(S5407)の詳細について説明する。この選曲期間設定処理は、遊技者が楽曲を選択することが可能となる(選曲メニュー画面を表示することが可能となる)選曲期間を設定するために、選曲メニュー画面の初期配置を決定するための処理である。即ち、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)に対応する処理である。この選曲期間設定処理(S5407)と、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)とは、処理内容の共通点が多いため、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)との相違点を中心に説明を行う。
この選曲期間設定処理(図132参照)におけるS5203~S5206、およびS5208~S5213の各処理では、それぞれ第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)のS5203~S5206、およびS5208~S5213の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2制御例における選曲期間設定処理(図132参照)では、S5208の処理が終了すると、次いで、S5205の処理によるランダムな抽選で決定された項目(楽曲)に対応するデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5221)、処理をS5209へと移行する。なお、上述した通り、本第2制御例では、選曲期間(即ち、大当たりの1ラウンド目)の開始時には、ランダムな抽選により決定された楽曲を再生せず、選曲期間用の専用楽曲を再生する構成としているので、第1制御例における状態コマンド処理のように、抽選により決定された楽曲を即座に再生させる処理(S5207の処理)は行われない。
また、本第2制御例における選曲期間設定処理(図132参照)では、S5210の処理において、項目配置格納エリア223aaのうち、メニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に既に格納済みの項目が再度特定されたと判別した場合は(S5210:Yes)、選曲期間用の楽曲の再生を音声出力装置226に対して指示(通知)するための音声用コマンドを設定して(S5222)、処理をS5213へと移行する。
次に、図133を参照して、上述したインターバルコマンド処理(S4463)の詳細について説明する。図133は、このインターバルコマンド処理(S4463)を示すフローチャートである。インターバルコマンド処理(S4463)では、まず、終了したラウンドに応じた態様のインターバル演出を設定するための表示用インターバルコマンドを設定し(S5501)、次いで、主制御装置110より受信したインターバルコマンドが、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドであるか否かを判別する(S5502)。
S5502の処理において、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドであると判別した場合は(S5502:Yes)、組み替え判別タイミング1(楽曲の再生順を組み替えるか否かを判別するタイミング)になったことを意味するので、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かを判別するためのS5503~S5505の各処理を実行する。具体的には、組み替え判別テーブル222bbの規定内容と、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータとを比較し(S5503)、現在再生中の楽曲用データの種別(再生中のパート)が、再生順を組み替えるべき種別であるかを判別する(S5504)。
S5504の処理において、再生中の楽曲用データの種別が、再生順を組み替えるべき種別であると判別した場合は(S5504:Yes)、再生順の組み替えを行った結果(現在再生している楽曲用データの次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)を通知するための音声用組み替えコマンドを設定して(S5505)、本処理を終了する。ここで設定された音声用組み替えコマンドは、メイン処理9のコマンド出力処理(図127のS4102参照)において、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226のMPU301は、音声用組み替えコマンドを受信すると、コマンドにより通知された組み替え結果(次に再生すべき音声用データの種別)を示すデータを組み替え種別格納エリア303fに格納しておく。そして、現在再生中の楽曲用データの再生期間が経過した場合に、組み替え後の楽曲用データの再生を開始させる。これにより、最終ラウンドが終了するまでの間に、より確実に、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を再生させることができる。
一方、S5504の処理において、データの再生順を組み替えるべき種別ではないと判別した場合は(S5504:No)、再生順の組み替えを行わなくとも、最終ラウンドが終了するまでにサビ部分が再生される可能性が高いため、S5505の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S5502の処理において、今回のインターバルコマンドが、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドではないと判別した場合は(S5502:No)、次いで、1ラウンドの終了後に設定されるインターバルを示すコマンドであるかを判別する(S5506)。S5506の処理において、1ラウンドの終了後のインターバルを示すコマンドであると判別した場合は(S5506:Yes)、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲の再生を指示(通知)するための音声用選択楽曲コマンドを設定し(S5507)、選曲回数格納エリア223acの各データのうち、今回再生を設定した楽曲の選曲回数に対応するデータに対して1を加算する(S5508)。そして、選曲メニュー画面の非表示を設定すると共に、メニュー表示フラグ223ae、および選曲許可フラグ223adを共にオフに設定して(S5509)、本処理を終了する。これに対し、S5506の処理において、今回のインターバルコマンドが、1ラウンド目の終了後のインターバルを示すコマンドではないと判別した場合は(S5506:No)、S5507~S5509の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図134を参照して、上述したエンディングコマンド処理(S4464)の詳細について説明する。このエンディングコマンド処理(S4464)は、上述した通り、楽曲の再生状況に応じて、エンディング演出の開始を遅延させるか否か判別するための処理である。
エンディングコマンド処理(図134参照)では、まず、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータ(即ち、現在再生中の楽曲用データの種別に応じたデータ)を読み出して(S5601)、読み出したデータが、サビ部分に対応するデータであるか(即ち、サビ部分を再生中であるか)を判別する(S5602)。S5602の処理において、サビ部分に対応するデータを読み出したと判別した場合は(S5602:Yes)、エンディング演出の開始を遅延させて、サビ部分の再生時間をより長くするためのS5603~S5605の各処理を実行する。具体的には、エンディング演出選択テーブル222bc(図124参照)から、残再生時間タイマ223bbの値が属する範囲に対応するエンディング演出の演出種別を選択する(S5603)。
具体的には、図124に示した通り、残再生時間タイマ223bbの値が、1000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が4秒間の通常エンディングを選択し、残再生時間タイマ223bbの値が1000より大きく、且つ、2000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒より長く、且つ、2秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が3秒間の短縮エンディング1を選択し、残再生時間タイマ223bbの値が2000より大きく、且つ、3000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が2秒より長く、且つ、3秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が2秒間の短縮エンディング2を選択し、残再生時間タイマ223bbの値が3000より大きい(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が3秒より長い)範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が1秒間の短縮エンディング3を選択する(図124参照)。
S5603の処理が終了すると、次いで、S5603の処理で選択したエンディング演出に対応するデータを、エンディング種別格納エリア223beに格納し(S5604)、エンディング遅延フラグ223bcをオンに設定して(S5605)、本処理を終了する。
これらのS5603~S5605の各処理を実行することにより、エンディング演出の開始タイミングを遅延させることができると共に、エンディング遅延期間後に実行するエンディング演出の種別を予めエンディング種別格納エリア223beに設定しておくことができる。これにより、エンディング期間が開始してから、サビ部分の再生を終了する(または再生を打ち切る)までの間の期間の長さに応じて、適切な演出時間(演出態様)のエンディング演出を設定することができる。また、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができる。
S5602の処理において、再生データ種別格納エリア223baから読み出したデータがサビ部分以外のパートに対応するデータであると判別した場合は(S5602:No)、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる必要が無いため、通常エンディング演出に対応する表示用エンディングコマンドを設定すると共に(S5606)、通常エンディング演出に対応する楽曲を示す音声用エンディングコマンドを設定して(S5607)、本処理を終了する。これにより、エンディング期間の開始時(最終ラウンドの終了時)に、サビ部分以外のパートが再生されている場合には、エンディング期間の開始と同時に、通常のエンディング演出を実行することができる。
次に、図135を参照して、上述した楽曲コマンド処理(S4466)の詳細について説明する。この楽曲コマンド処理(S4466)では、まず、音声出力装置226から出力された楽曲コマンドが示す楽曲用データ(音声出力装置226において再生を設定する楽曲用データ)の種別を示すデータを、再生データ種別格納エリア223baに格納する(S5701)。そして、通知された楽曲用データの種別に対応するタイマ値を、残再生時間タイマ223bbに設定して(S5702)、本処理を終了する。
この楽曲コマンド処理(S4466)を実行することにより、音声出力装置226が再生している楽曲用データ(再生中のパート)の種別、および再生時間を、音声ランプ制御装置113側で容易に把握することができる。
<第2制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図136から図139を参照して、本第2制御例における音声出力装置226のMPU301によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図136を参照して、本第2制御例において、第1制御例におけるメイン処理(図115(a)参照)に代えて実行されるメイン処理9について説明する。図136は、このメイン処理9を示したフローチャートである。
この第2制御例におけるメイン処理9(図136参照)のうち、9003~S9007の各処理では、第1制御例におけるメイン処理(図115(a)参照)のS9003~S9007の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例におけるメイン処理9(図136参照)では、処理が開始されると、まず、S9012、およびS9013の各処理によって設定された、音声ランプ制御装置113に対する各種コマンドを、音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(S9011)。
次いで、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)に代えて、コマンド判定処理9を実行する(S9012)。このコマンド判定処理9(S9012)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)と同様に、音声ランプ制御装置113から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。このコマンド判定処理9(S9012)の詳細については、図137を参照して後述する。
S9012の処理が終了すると、第1制御例における音声設定処理(図117参照)に代えて、音声設定処理9を実行し(S9013)、処理をS9003へと移行する。詳細については図139を参照して後述するが、この音声設定処理9(S9013)は、第1制御例における音声設定処理(図117参照)と同様に、楽曲用データ等の音声データの再生、および楽曲用データの切り替えを設定するための処理である。
次に、図137を参照して、上述したコマンド判定処理9(S9012)の詳細について説明する。このコマンド判定処理9(S9012)は、上述した通り、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)のうち、S9201~SS9214の各処理では、それぞれ第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)のS9201~SS9214の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)では、S9209の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用抽選楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9209:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれているか否かを判別する(S9221)。
S9221の処理において、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれていると判別した場合は(S9221:Yes)、コマンドの種別に応じた制御を実行するための大当たり楽曲関連処理を実行して(S9222)、本処理を終了する。この大当たり楽曲関連処理(S9222)の詳細については、図138を参照して後述する。また、S9221の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9221:No)、処理をS9214に移行する。
次に、図138を参照して、上述した大当たり楽曲関連処理(S9222)の詳細について説明する。この大当たり楽曲関連処理(S9222)では、まず、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用組み替えコマンドが含まれているかを判別し(S9401)、音声用組み替えコマンドが含まれていると判別した場合は(S9401:Yes)、コマンドにより通知された組み替え内容(次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)に応じて、組み替え種別格納エリア303fのデータを更新する(S9402)。次いで、組み替え待機フラグ303eをオンに設定することにより、現在再生中の楽曲用データの次に再生する楽曲用データを組み替える(楽曲用ポインタ303bの値順の再生順から可変させる)ことを示して(S9403)、本処理を終了する。
一方、S9401の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用組み替えコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9401:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用エンディングコマンドが含まれているかを判別する(S9404)。
S9404の処理において、音声用エンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S9404:Yes)、現在再生中の楽曲の再生を打ち切って(S9405)、音声用エンディングコマンドにより通知された種別のエンディング用楽曲の再生を設定し(S9406)、本処理を終了する。一方、S9404の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用エンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9404:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図139を参照して、上述した音声設定処理9(S9013)の詳細について説明する。図139は、音声設定処理9(S9013)を示したフローチャートである。この音声設定処理9(S9013)は、上述した通り、第1制御例における音声設定処理(図117参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例における音声設定処理9(図139参照)のうち、S9302~S9308の各処理では、それぞれ第1制御例における音声設定処理(図117参照)のS9302~S9308の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における音声設定処理9(図139参照)が開始されると、まず、大当たり中の楽曲(楽曲A~楽曲Zのいずれか)を再生中であるか否かを判別して(S9311)、大当たり中の楽曲を再生中であれば(S9311:Yes)、処理をS9302へと移行する。一方、S9311の処理において、大当たり中の楽曲の再生中ではないと判別した場合は(S9311:No)、そのまま本処理を終了する。
また、本第2制御例における音声設定処理9(図139参照)では、S9302の処理において、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングであると判別した場合に(S9302:Yes)、次いで、組み替え待機フラグ303eがオンであるか否かを判別する(S9312)。S9312の処理において、組み替え待機フラグ303eがオンであると判別した場合は(S9312:Yes)、楽曲毎に予め定められている再生順とは異なる再生順(音声ランプ制御装置113によって指定された順)で楽曲用データの再生を設定する必要があるので、組み替え種別格納エリア303fに格納されているデータに対応する値を、楽曲用ポインタ303bの値に上書きすることで更新し(S9313)、処理をS9307へと移行する。これにより、組み替え後の楽曲用データの再生を設定することができる。
一方、S9312の処理において、組み替え待機フラグ303eがオフであると判別した場合は(S9312:No)、処理をS9303へと移行し、楽曲用ポインタ303bの値順の再生を設定する。
以上説明した通り、第2制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中の楽曲を遊技者が選択可能に構成した。そして、最終ラウンドが終了するまでの間に、なるべくサビ部分が再生されるように、大当たりの進行状況に応じて、動的に楽曲用データの再生順を組み替える構成としている。即ち、大当たりの実行中における所定のタイミング(例えば、最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時や、最終ラウンドの開始時)で、現在再生が設定されている楽曲用データの種別(Aメロ1、Bメロ1、サビ1等)を判別して、サビ部分から遠いパートが再生されている場合には、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順を組み替えて、次に再生されるパートがサビ部分に近いパートとなるように変更する構成としている。これにより、大当たりの終了までに、より確実に楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聞かせることができる。
ここで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分を再生させるための方法として、楽曲の進行状況とは無関係に、最終ラウンドの開始時にサビ部分に対応する楽曲用データの再生を設定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、最終ラウンドの開始前後(つまり、サビ部分の再生に切り替わる前後)において、楽曲の繋がりが不自然になってしまう虞がある。即ち、他のパートの途中から唐突にサビ部分の再生が開始されしまう可能性が高くなってしまう。よって、この方法では、遊技者が再生されている楽曲に違和感を抱いてしまい、パチンコ機10の故障等を疑わせてしまう可能性がある。即ち、パチンコ機10が正常に動作しているのかどうかが疑わしくなり、遊技に対して不安感を抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第2制御例では、パート単位(メロディー(曲調)の区切り単位)で楽曲用データの再生順を組み替える(可変させる)構成としているので、再生順を組み替えた場合に、違和感の少ない音声態様で楽曲を再生することができる。よって、遊技者に対して、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
また、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了時において、サビ部分(サビ1、サビ2等)を再生中である場合にはエンディング演出の開始タイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を継続させる構成としている。このように構成することで、楽曲において最も盛り上がるサビ部分が、大当たりの終了により強制的に終了されてしまうことをなるべく防止することができる。これにより、サビ部分を遊技者に対してより楽しませることができるので、大当たり中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの途中でサビ部分が終了した場合には、再生順を組み替えずに、楽曲用データの順番で楽曲を再生させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、最終ラウンドにおいてサビ部分の再生が終了した場合には、再度、楽曲用データの再生順を組み替えて、サビ部分が繰り返し再生されるように構成してもよい。この場合において、再生が終了した楽曲用データを再度再生する構成としても良いし、再生が終了したサビ部分とは異なるサビ部分を再生する(例えば、サビ1部分の再生が終了した場合には、続けてサビ2部分の再生を設定し、サビ2部分の再生が終了した場合には、サビ1部分の再生を設定する)構成としてもよい。このように構成することで、最終ラウンドにおいて、より長く、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を、より長く再生することができるので、最終ラウンドにおける遊技者の興趣をより向上させることができる。また、単純にサビ部分を繰り返し再生するのではなく、サビ部分の再生を繰り返した場合における、当該サビ部分の終了タイミングを最終ラウンドの進行状況等から予め予測し、最終ラウンドのラウンド期間内に収まる可能性が高いという予測結果になった場合にのみ、サビ部分を繰り返す構成としてもよい。このように構成することで、サビ部分の繰り返しを設定した直後にエンディング期間が開始され、サビ部分を十分に聴くことができずにサビ部分の再生が打ち切られてしまうことを抑制できる。
本第2制御例では、大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。再生順を組み替えるか否かの判別の回数、およびタイミングは、任意に定めることができる。
本第2制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分がより長く再生されるように楽曲用データの再生順を組み替える構成としていたが、これに限られるものではなく、サビ部分を再生させるラウンドは任意に設定することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの再生順の組み替えを、パート単位で行う構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の単位で組み替えを行って良い。パート単位よりも細かい単位で組み替えを行うことにより、組み替えをより細かく設定することができる。また、パート単位よりも荒い単位で組み替える構成とすることで、楽曲用データ群の構成を単純化することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの組み替えを決定した場合に、再生中のパート(楽曲用データ)の再生時間が経過してから、本来の再生順とは異なる順序のパートを再生させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、組み替えを決定した場合に、即座に組み替え後の楽曲用データを再生させる構成としてもよい。このように構成することで、音声出力装置226において、組み替えのタイミングとなるまで、組み替え後の楽曲用データの種別を保持しておくための構成(即ち、組み替え種別格納エリア303f)を設ける必要がなくなるので、記憶容量を削減することができる。また、より単純に、大当たりの最終ラウンドの開始時に、楽曲の再生位置によらず、サビ部分の再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、処理をより単純化させることができるので、音声ランプ制御装置113、および音声出力装置226の処理負荷を軽減することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの組み替え可否を音声ランプ制御装置113のMPU221が行う構成としていたが、これに限られるものではなく、音声出力装置226のMPU301が実行する構成としてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113側では、組み替え判別タイミングとなったことのみを音声出力装置226に対して通知する構成とすれば良い。そして、音声ランプ制御装置113のROM222に設けていた組み替え判別テーブル222bbを音声出力装置226に移設し、組み替え判別タイミングとなったことが音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して通知されたことに基づいて、音声出力装置226のMPU301によって、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成とすればよい。
本第2制御例では、大当たり遊技の進行状況と、楽曲の再生位置とに応じて、楽曲用データの再生順を組み替えることが可能に構成していたが、最終ラウンドの間にサビ部分が再生される可能性を高めるための方法は、これに限られるものではない。例えば、遊技の進行状況と、楽曲の再生位置とに応じて、楽曲の再生速度を可変させる構成としてもよい。即ち、例えば、組み替え判別タイミング1において、現在の再生位置と、サビ部分とが遠い(2パート以上離れている)場合は、サビ部分が再生されるまで楽曲を通常よりも速い再生速度(例えば、1.5倍速)で再生させ、近い場合(1パート以下の場合)には、サビ部分が再生されるまで楽曲を通常よりも遅い再生速度(例えば、0.5倍速)で再生させる構成としてもよい。
本第2制御例では、大当たりの進行状況と、楽曲の進行状況の両方を判別して、楽曲用データの再生順を可変させる(組み替える)か否か判別する構成としていたが、単純に、大当たりの進行状況(最終ラウンドの開始タイミングになったか否か)のみを判別して、特定のパート(サビ部分)に対応する楽曲用データの再生を開始させるか否かを判別する構成としてもよい。また、この制御は、最終ラウンドに限られるものではない。例えば、1の楽曲を大当たり中にループ再生し、エンディング期間には楽曲のアウトロ部分をエンディング演出用の音声として再生する構成のパチンコ機10において、大当たりの1ラウンド目の開始タイミングか否かを判別し、1ラウンド目の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、イントロ部分に対応するデータを再生させる(楽曲の先頭から再生させる)構成としてもよい。また、エンディング期間の開始タイミングか否かを判別し、エンディング期間の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、再生するデータをアウトロ部分に対応する楽曲用データに可変させる構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出中の楽曲を、大当たり中に流れていた楽曲に対応するアウトロ部分の楽曲に設定できるので、大当たり中と、エンディング演出中とで、再生される楽曲に統一感を持たせることができる。また、この制御は、エンディング専用の楽曲が設けられている場合にも適用し得る。即ち、大当たりにおいて、エンディング期間の開始タイミングか否かを判別し、エンディング期間の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、エンディング演出のための専用の楽曲に対応する楽曲用データの再生を開始させる構成としてもよい。
本第2制御例では、エンディング期間の開始タイミングにおいて、楽曲の進行状況(再生位置)を判別し、特定の再生範囲(サビ部分)を再生中である場合には、エンディング演出の開始を遅延させて、特定の再生範囲をより長く再生可能に構成していたが、当該制御を適用できるのは、エンディング期間の開始時に限られるものではない。楽曲を再生中に、他の楽曲を再生させる条件が成立した場合であれば適用することができ、例えば、上述した確変状態の間に楽曲をループ再生させる構成とし、確変状態の終了タイミングとなった場合にサビ部分を再生中であれば、確変状態が終了したことを示す演出の開始を遅延させて、より長くサビ部分を再生させる構成としても良い。また、RTC(Real Time Clock)等の公知の計時装置を構成に含み、計時装置の計時する時刻が所定時刻になった場合に、通常とは異なる特定演出(所謂、島連動演出)を実行可能な仕様の遊技機において、島連動演出の開始時に第2制御例における制御を適用してもよい。具体的には、特定演出の開始タイミングで、楽曲のサビ部分(特定の再生範囲)を再生中の場合には、特定演出の開始タイミングを遅延させることにより、サビ部分(特定の再生範囲)をより長く再生させる構成としてもよい。また、本制御を適用可能な対象は、音声を伴う演出(楽曲を再生する演出)に限られるものではない。第3図柄表示装置81に表示される表示演出に適用することもできる。具体的には、例えば、変動表示の実行中に、計時装置の計時する時刻が所定時刻になった場合に、実行中の変動演出の進行状況(演出態様)に応じて、島連動演出の開始を遅延させるか否か判別する構成としてもよい。具体的には、例えば、比較的大当たりの期待度が高いスーパーリーチ演出の実行中は、当該スーパーリーチ演出が終了するまで、島連動演出が実行されることを抑制する(遅延させる)構成としてもよい。このように構成することで、変動表示演出の結果を遊技者に適切に報知することができる。また、例えば、変動表示演出や、大当たり中の演出として、所定の操作ボタンを操作することを促す演出を実行し、操作を検出するか、操作有効期間が経過することで異なる演出態様に切り替わる押下演出を実行可能な遊技機に適用しても良い。即ち、操作有効期間の間は、操作ボタンに対する操作を検出したとしても、操作有効期間の間の演出が終了するまでは、演出態様が切り替わることを遅延させる(操作有効期間が終了するまで演出態様が可変することを抑制する)構成としてもよい。
本第2制御例では、エンディング期間の開始時にサビ部分を再生中であれば、エンディング演出の開始タイミングを遅延させてサビ部分をより長く再生させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、エンディング期間の開始タイミングでサビ部分を再生中の場合には、表示態様としてエンディング演出用の表示態様を開始させておきつつ、サビ部分の再生を継続する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出として、残りのエンディング期間に応じた複数の表示態様を用意しておく必要がなくなるので、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができる。よって、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
本第2制御例では、エンディング期間の開始時にサビ部分を再生中である場合に、最大で4秒間、エンディング演出の開始を遅延させ、遅延期間が経過後に、残りのエンディング期間の範囲内で終了する長さのエンディング演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遅延期間が経過した後で開始させるエンディング演出を、遅延させずに開始されるエンディング演出と同一の内容(通常用エンディング演出)にしてもよい。即ち、エンディング期間が終了するまでの長さを、遅延期間に応じて延長する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出の演出態様として、演出期間が異なる複数の種別を設ける必要がないので、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができる。よって、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。また、エンディング期間を延長するのに代えて、エンディング演出のみを、エンディング期間が終了しても継続させる構成としてもよい。この場合、大当たりの終了時点において保留されていた保留球に基づく変動表示を、エンディング演出に比較して目立ち難い態様で(例えば、第3図柄表示装置81の右下に縮小して)実行する構成としてもよい。このように構成した場合も、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができるので、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
<第3制御例>
次に、図140から図150を参照して、第3制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中に再生(実行)する楽曲(音声演出の種別)として、遊技者が任意の楽曲(音声態様)を選択可能に構成した。そして、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分が再生される可能性が高くなるように、大当たりにおける所定のタイミングで、楽曲の再生位置を切り替える(楽曲用データの再生順を組み替える)か否かの判別を実行する構成としていた。
これに対して第3制御例におけるパチンコ機10では、選曲メニュー画面において、楽曲(音声演出の態様)がランダムに選択される「ランダム選曲」というメニュー項目を追加し、「ランダム選曲」が遊技者によって決定された場合には、1ラウンド目(選曲期間)の終了後に再生させる楽曲を所定の抽選により決定する構成としている。また、「ランダム選曲」では、選曲メニュー画面には項目として表示されない楽曲(音声演出)が決定され得る構成とした。より具体的には、確変大当たりにおいて「ランダム選曲」が決定されると、選曲メニュー画面に表示される「楽曲A」~「楽曲Z」に対して、「楽曲a」を加えた中から抽選により大当たり中に再生する楽曲を決定する構成としている。これにより、通常は聴くことができない「楽曲a」が決定されることを期待して、「ランダム選曲」を選択させることができる。
また、本第3制御例では、大当たり中に実行される演出の一種として、大当たりが開始されてから所定期間(例えば、5ラウンド目や10ラウンド目が終了するまで)の間、大当たりのラウンド数を、本来のラウンド数よりも少なく報知しておき、所定期間の経過時に、本来のラウンド数を報知する演出を選択可能に構成している。このラウンド数を疑似的に本来のラウンド数よりも少なく報知する演出(疑似少ラウンド演出)を実行可能に構成することで、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合(即ち、第1特別図柄の大当たりで5ラウンドが報知された場合や、第2特別図柄の大当たりで10ラウンドが報知された場合、図10(a)参照)に、所定期間が経過した後で、より多いラウンド数(8ラウンドや、16ラウンド)が報知されることを期待して、所定期間が経過するまでの間の遊技を行わせることができる。また、これに伴って、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生されるように構成している。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
この第3制御例におけるパチンコ機10が、第2制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行される各種処理については、第2制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図140(a),(b)を参照して、本第3制御例における選曲メニュー画面の構成について説明する。図140(a)は、大当たりの選曲期間が開始されてから、最初に選曲メニュー画面が表示された場合における楽曲用領域MRの表示態様の一例を示した図である。図140(a)に示した通り、本第3制御例における選曲メニュー画面には、遊技者が選択可能な楽曲名が表示された複数の表示領域(項目RA1~RA3,PA1,PA2が配置された表示領域)に加えて、「ランダム選曲」という項目OAが表示された表示領域が、楽曲名が表示された複数の画像に対して正面視右側に表示される。この「ランダム選曲」という項目OAは、パチンコ機10に設定されている楽曲(楽曲A~Z、および楽曲a)の中から、抽選によりランダムに1の楽曲が選択される項目である。
「ランダム選曲」という項目OAは、最初に選曲メニュー画面を表示させた時点では、消灯した見た目の態様(選曲エリア以外の表示領域に配置された項目と同様の態様)に設定される。また、楽曲名が表示された複数の画像と、項目OAとの間には、右向きの略三角形形状の右画像RGが表示される。これらの表示内容により、操作ボタン230における右ボタンRBを押下(操作)すれば、「ランダム選曲」を選択できることを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
図140(b)は、選曲メニュー画面が表示されている状態で、遊技者が右ボタンRBを操作(押下)した場合の楽曲用領域MRの表示態様を示した図である。図140(b)に示した通り、遊技者が右ボタンRBを押下すると(右ボタンRBに対応する信号の出力がHになったことを検出すると)、選曲エリアに配置されている項目RA1(「楽曲A」との文字が表示された画像)が、消灯した見た目の態様に切り替わると共に、項目OAが点灯した見た目の態様に切り替わる。即ち、選曲エリアに配置されている項目PA1の見た目の態様と、項目OAの見た目の態様とが入れ替わる。また、右画像RGが、発光した見た目の態様となる。これらの表示内容により、中央ボタンCBを押下した場合に、「ランダム選曲」が決定される状態になったということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、「ランダム選曲」が決定された場合には、1バイト(8ビット)で構成されたメニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)に設定される。上述した通り、上記第1制御例や第2制御例では、メニューの初期配置を決定する際に、メニュー位置ポインタ223abの値の範囲「00H」(00000000B)~「19H」(00011001B)に対して「楽曲A」~「楽曲Z」が1つずつ対応付けられて、その対応関係が項目配置格納エリア223aaに格納される。言い換えれば、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットによって選曲エリアに配置されている項目を特定可能に構成しており、上位3ビットは空きビットとなっている。本第3制御例では、空きビットのうち1のビット(例えば、最上位ビット)を「ランダム選曲」に対応するビットとして規定している。このように構成することで、「ランダム選曲」が選択された状態になったとしても、「ランダム選曲」が選択される直前に選曲エリアに配置されていた項目(楽曲)を、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットから容易に判別することができる。即ち、遊技者が右ボタンRBを押下して「ランダム選曲」を選択してから、再度、左ボタンLBを押下したとしても、「ランダム選曲」を選択する直前の状態(選曲メニュー画面の表示態様)に容易に戻すことができる。また、選曲メニュー画面が表示された状態(メニュー表示フラグ223aeがオンの状態)において遊技者により中央ボタンCBが押下された場合には、最上位ビットの状態を確認するだけで、容易に「ランダム選曲」が決定されたか否かを識別することができる。
なお、詳細については後述するが、本第3制御例では、「ランダム選曲」を遊技者が選択した(項目OAが点灯した見た目の態様となっている状態で中央ボタンCBに対する操作を検出した)場合に、特定条件が成立していれば(例えば、実行中の大当たりが確変大当たりであれば)、選曲メニュー画面の中には項目として表示されない(遊技者が選択することができない)特別な楽曲(即ち、楽曲a)を含めた複数の楽曲(楽曲A~楽曲Z、および楽曲a)の中から1の楽曲を抽選によって決定する構成としている。これにより、特別な楽曲を聴きたいと考える遊技者に対して、積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。
次に、図141(a),(b)を参照して、上述した疑似少ラウンド演出(大当たり種別に対応する実際のラウンド数よりも少ないラウンド数かのように見せる演出)が設定された大当たりにおける第3図柄表示装置81の表示態様の一例について説明する。図141(a),(b)では、ラウンド数が8ラウンドの大当たりAに当選し、且つ、疑似少ラウンド演出が設定されたことにより実際よりも少ないラウンド数(5ラウンド)が報知された場合を例にとって説明する。
図141(a)は、疑似少ラウンド演出の実行中における、疑似的な最終ラウンドの表示態様(5ラウンド目)の表示態様を示した図である。図141(a)に示した通り、本第3制御例では、大当たり中に、第3図柄表示装置81における小領域Ds1に対して、大当たりの進行状況(現在のラウンド数と、最大ラウンド数との対比)を示す文字(「5/5ラウンド」という文字)が表示される。また、大当たりの進行状況を示す文字の下方には、賞球の獲得状況(現在までに払い出された賞球数と、今回の大当たりにおいて払い出される最大の賞球数との対比)を示す文字(即ち、「500/500 GET」という文字)が表示される。図141(a)は、疑似的な最終ラウンド(5ラウンド目)において、規定個数(即ち、10個)の遊技球が左特定入賞口650に対して入球したことを検出した時点(即ち、払い出された賞球数が500個になった時点)の表示態様の例を示しており、小領域Ds1における賞球数の表示が「490/500 GET」から「500/500 GET」に更新された瞬間を示している。
また、図141(a)に示した通り、主表示領域Dmには、宝箱を模した画像が表示される。これにより、遊技者が多量の賞球(利益)を得ることができる状態であることを示唆している。また、楽曲用領域MRには、選曲期間の間に遊技者が選択し、現在再生されている楽曲の楽曲名を示す画像が表示される。図141(a)では、遊技者が選曲期間の間に「楽曲Z」を選択した場合を例示しており、楽曲用領域MRには、「楽曲Z」という文字が付された項目(画像)が表示される。
図141(b)は、疑似少ラウンド演出が設定された大当たりにおいて、疑似的な最終ラウンドが終了した直後(即ち、図141(a)の表示態様となった直後)の表示態様を示した図である。疑似少ラウンド演出における疑似的な最終ラウンドが終了すると、本来のラウンド数を報知する演出が実行される。より具体的には、図141(b)に示した通り、小領域Ds1に表示されていた文字が、本来の最大ラウンド数、および本来の最大の賞球数を示す文字に更新される。即ち、小領域Ds1における上側に表示されていた「5/5ラウンド」という文字が、「5/8ラウンド」という文字に更新されると共に、小領域Ds1における下側に表示されていた「500/500 GET」という文字が、「500/800 GET」という文字に更新される。また、小領域Ds2に表示されていた少年のキャラクタ710が、「まだまだー!!」という台詞を発する演出が実行される。これらの演出態様によって、遊技者に対して、大当たりが5ラウンドで終了せず、8ラウンドまで継続するということ(疑似少ラウンド演出が実行されていたこと)を容易に認識させることができる。よって、より多くの賞球を獲得することができるということを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。以降、説明の簡略化のため、疑似少ラウンドにおける疑似的な最終ラウンドが終了したことに基づいて実行される、大当たりが終了せずに継続することを報知する演出(図141(b)参照)のことを、「継続演出」と称する。
なお、詳細については後述するが、本第3制御例では、第2制御例と同様に、大当たりの最終ラウンドにおいて、楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように、大当たり中の所定タイミング(最終ラウンドの直前のインターバル開始時、および最終ラウンドの開始時)で、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としている。加えて、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生される可能性が高くなるように制御する構成としている。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
<第3制御例における電気的構成>
次に、図142(a)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図142(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図142(a)に示した通り、本第3実施形態におけるROM222は、第2制御例におけるROM222の構成(図122(a)参照)に対して、ランダム選曲テーブル222caと、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第2制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
ランダム選曲テーブル222caは、遊技者が「ランダム選曲」を選択した場合において、1の楽曲を決定するために参照されるデータテーブルである。このランダム選曲テーブル222caの詳細について、図143を参照して説明する。
図143は、ランダム選曲テーブル222caの規定内容を示した図である。図143に示した通り、このランダム選曲テーブル222caは、楽曲の種別と、楽曲抽選カウンタ223caの値との対応関係が、抽選を実行する際の状況(当選した大当たりの種別、および大当たりを報知した図柄の種別)毎に規定されている。ここで、楽曲抽選カウンタ223caは、ランダム選曲テーブル222caから1の楽曲を選択するために設けられており、「0~259」の範囲で値が更新される乱数カウンタである。
図143に示した通り、変動パターン演出において、奇数の数字が付された第3図柄が揃う演出態様(即ち、確変大当たりの場合にのみ、40%の割合で選択される演出態様)によって報知された確変大当たり(奇数図柄報知の確変大当たり)の場合には、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0~8」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値9個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「9~17」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「18~26」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値9個分の範囲に対して、「楽曲D」~「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」~「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ9個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、奇数図柄報知の確変大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」~「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約3.5%(9/260)である。
また、図143に示した通り、確変図柄報知の確変大当たりとなった状況において、楽曲抽選カウンタ223caの値が「234~259」の範囲に対しては、選曲メニュー画面には表示されない特別な楽曲である「楽曲a」が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲a」に対応付けられている値が「234~259」の26個であるので、奇数図柄報知の確変大当たりの選曲期間において、遊技者により「ランダム選曲」が選択された場合に、「楽曲a」が決定される割合(確率)は、10%(26/260)である(図143の222ca27参照)。
これに対し、変動パターン演出において、偶数の数字が付された第3図柄が揃う演出態様(即ち、確変大当たりの場合に60%の割合で選択される一方で、通常大当たりの場合に100%の割合で選択される演出態様)によって報知された確変大当たり(偶数図柄報知の確変大当たり)の場合には、図143に示した通り、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0~6」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値7個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「7~13」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「14~20」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値7個分の範囲に対して、「楽曲D」~「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」~「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ7個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、偶数図柄報知の確変大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」~「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約2.7%(7/260)である。
また、図143に示した通り、偶数図柄報知の確変大当たりとなった状況において、楽曲抽選カウンタ223caの値が「182~259」の範囲に対しては、選曲メニュー画面には表示されない特別な楽曲である「楽曲a」が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲a」に対応付けられている値が「182~259」の78個であるので、奇数図柄報知の確変大当たりの選曲期間において、遊技者により「ランダム選曲」が選択された場合に、「楽曲a」が決定される割合(確率)は、30%(78/260)である(図143の222ca27参照)。即ち、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が、「ランダム選曲」を選択した場合に「楽曲a」が選択される割合が高くなっている。よって、「楽曲a」を聴きたい(再生させたい)と考える遊技者に対して、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示が実行されて大当たりが報知された場合に、より積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。
図143に示した通り、通常大当たりに対しては、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0~9」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値10個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「10~19」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「20~29」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値10個分の範囲に対して、「楽曲D」~「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」~「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ10個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、通常大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」~「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約3.8%(10/260)である。一方、通常大当たりの場合には、特別な楽曲である「楽曲a」に対して楽曲抽選カウンタ223caの値は対応付けられていない(図143の222ca27参照)。即ち、通常大当たりとなった場合には、「ランダム選曲」を選択したとしても、「楽曲a」が決定される(再生される)可能性は無い。言い換えれば、「ランダム選曲」を選択して、「楽曲a」が再生された場合には、確変大当たりが確定する。よって、特に、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示(変動演出)によって大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。また、遊技者の期待通りに「楽曲a」が再生された場合に、遊技者を喜ばせることができる。更に、「楽曲a」が再生されなかった場合であっても、大当たり中に確変状態に移行するか否かを報知する演出が実行されるまでは、確変状態に対する期待感を抱かせ続けることができる。
図142(a)に戻って説明を続ける。疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、疑似少ラウンド演出を実行するか否かを判別(抽選)するために参照されるデータテーブルである。この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを用いた疑似少ラウンド演出を実行するか否かの抽選は、大当たりA、又は大当たりDに対応するオープニングコマンドを受信した場合に実行される(図147のS5833参照)。図示については省略したが、この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、大当たりA、又は大当たりDとなった場合に、50%の割合で疑似少ラウンド演出の実行が決定されるように設定されている。
次に、図142(b)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図142(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図142(b)に示した通り、本第3制御例におけるRAM223は、上述した第2制御例におけるRAM223の構成(図122(b)参照)に対して、楽曲抽選カウンタ223caと、大当たり状況格納エリア223cbと、疑似最終R格納エリア223ccとが追加されている点で相違している。
楽曲抽選カウンタ223caは、上述したランダム選曲テーブル222caから1の楽曲を選択(決定)するために用いられるカウンタであり、「0~259」の範囲で値が更新される。選曲期間中に遊技者によって「ランダム選曲」が決定された場合には、この楽曲抽選カウンタ223caの値に対応する楽曲がランダム選曲テーブル222caから選択される。
大当たり状況格納エリア223cbは、大当たりの種別、および大当たりに当選した際に実行された変動演出で揃った図柄に対応するデータが格納される記憶領域である。この大当たり状況格納エリア223cbは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、データとして「01H」が格納されていれば、奇数図柄報知の確変大当たりであることを示す。また、「02H」が格納されていれば、偶数図柄報知の確変大当たりであることを示し、「03H」が格納されていれば、偶数図柄報知の通常大当たりであることを示す。一方、「00H」が格納されていれば、大当たりに当選していないことを示す。この大当たり状況格納エリア223cbは、大当たりを報知する変動演出の実行が設定された場合に、当選した大当たりの種別と、大当たりを報知する図柄の種別(奇数の数字が付された第3図柄が揃うか、偶数の数字が付された第3図柄が揃うか)とに応じて、対応するデータが格納される(図150のS4522参照)。選曲期間において、遊技者が「ランダム選曲」を選択(決定)した場合には、ランダム選曲テーブル222caのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caとが比較されて、大当たり中に再生する1の楽曲が決定される。
疑似最終R格納エリア223ccは、疑似少ラウンド演出が決定された場合において、疑似的な最終ラウンドを示すデータが格納される記憶領域である。この疑似最終R格納エリア223ccには、8ラウンド大当たり(大当たりA)となって疑似少ラウンド演出が決定された場合に、5ラウンド(即ち、第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない大当たりB,Cのラウンド数)に対応するデータが設定される一方で(図147のS5836参照)、16ラウンド大当たり(大当たりD)となって疑似少ラウンド演出が決定された場合に、10ラウンド(即ち、第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない大当たりE,Fのラウンド数)に対応するデータが設定される(図147のS5837参照)。大当たりにおいて、新たなインターバル期間の開始時や、新たなラウンドの開始時には、この疑似最終R格納エリア223ccに格納されたデータに応じて、疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始タイミングであるか、および疑似的な最終ラウンドの開始タイミングであるかが判別される。即ち、楽曲の組み替え判別タイミングであるかが判別される。
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図144から図150を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。図示については省略したが、本第3制御例では、第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)に代えて、メイン処理10が実行される。このメイン処理10は、第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)に対して、操作検出処理9(S4151、図128参照)に代えて操作検出処理10(S4161)が実行される点、コマンド判定処理9(S4153)に代えてコマンド判定処理10(S4165)が実行される点、変動表示設定処理(図38参照)に代えて変動表示設定処理10(S4162)が実行される点のみが相違している。
まず、図144を参照して、本第3制御例における操作検出処理10(S4161)の詳細について説明する。この操作検出処理10(S4161)は、第2制御例における操作検出処理9(図128参照)に代えて実行される処理であり、上述した操作検出処理9(図128参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に操作内容に応じた制御を実行するための処理である。
この第3制御例における操作検出処理10(図144参照)のうち、S5101~S5106,S5109、およびS5110の各処理では、それぞれ第2制御例における操作検出処理9(図128参照)のS5101~S5106,S5109、およびS5110の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例における操作検出処理10(図144参照)では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作(押下)を検出したと判別した場合に(S5106:Yes)、選択した項目の種別に応じて選曲期間の終了後に再生する楽曲を決定するための楽曲決定処理を実行して(S5121)、本処理を終了する。この楽曲決定処理(S5121)の詳細について、図145を参照して説明する。
図145は、上述した楽曲決定処理(S5121)の詳細を示したフローチャートである。この楽曲決定処理(S5121)では、まず、遊技者によってランダム選曲が決定されたか(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)であるか)否かを判別する(S5801)。S5801の処理において、ランダム選曲以外の項目が決定された(中央ボタンCBの押下を検出した時点でメニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオフ(0)である)と判別した場合は(S5801:No)、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットの値に対応する楽曲を示すデータを項目配置格納エリア223aaから特定し、楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5802)、処理をS5806に移行する。
一方、S5801の処理において、ランダム選曲が決定された(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)である)と判別した場合は(S5801:Yes)、ランダム選曲テーブル222ca(図143参照)を読み出して(S5803)、読み出したテーブルのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caの値とを比較することで、楽曲抽選カウンタ223caの値に対応する1の楽曲を決定する(S5804)。そして、S5804の処理において決定した楽曲に対応するデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5805)、処理をS5806に移行する。
S5802、またはS5805の処理後に実行されるS5806の処理では、選曲メニュー画面を閉じると共に、メニュー表示フラグ223aeをオフに設定して(S5806)、本処理を終了する。この楽曲決定処理(図145参照)を実行することにより、ランダム選曲が決定された場合には、複数の楽曲の中から1の楽曲をランダムに選択することができる。
なお、上述した通り、ランダム選曲が決定された場合には、選曲メニュー画面に項目として表示されない楽曲(即ち、「楽曲a」)が決定される可能性がある。この「楽曲a」は、確変大当たりの場合にのみ決定される可能性がある上に、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)の方が、奇数図柄報知の確変大当たりとなった場合(確変大当たりであることが確定する場合)よりも高い割合で決定される構成としている。このように構成することで、偶数図柄報知の大当たりとなった場合に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。また、遊技者の期待通りに「楽曲a」が再生された場合に、遊技者を喜ばせることができる。更に、「楽曲a」が再生されなかった場合であっても、大当たり中に確変状態に移行するか否かを報知する演出が実行されるまでは、確変状態に対する期待感を抱かせ続けることができる。
次に、図146を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(S4371)の詳細について説明する。この当たり関連処理10(S4371)は、第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)に代えて実行される処理である。この第3制御例における当たり関連処理10(S4371)のうち、S4401~S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464~S4466の各処理では、それぞれ第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)のS4401~S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464~S4466の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4404の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4404:Yes)、次いで、本来のラウンド数よりも少ないラウンド数であるかのように見せる演出である疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するための疑似少ラウンド抽選処理を実行して(S4471)、処理をS4406へと移行する。この疑似少ラウンド抽選処理(S4471)の詳細については、図147を参照して後述する。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合に(S4407:Yes)、次いで、第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)に代えて、ラウンド数コマンド処理10を実行し(S4472)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理10(S4472)の詳細については、図148を参照して後述する。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていると判別した場合に(S4462:Yes)、次いで、第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)に代えて、インターバルコマンド処理10を実行して(S4473)、本処理を終了する。このインターバルコマンド処理10(S4473)の詳細については、図149を参照して後述する。
次に、図147を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理である、上述した疑似少ラウンド抽選処理(S4471)の詳細について説明する。この疑似少ラウンド抽選処理(S4471)は、上述した通り、疑似少ラウンド演出の実行を設定するか否かを抽選するための処理である。
疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)では、まず、今回のオープニングコマンドによりオープニング期間の開始が通知された大当たりの種別が大当たりA(第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が多い8ラウンド大当たり)、または大当たりD(第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が多い16ラウンド大当たり)のどちらかであるか否かを判別する(S5831)。S5831の処理において、今回の大当たりが大当たりA、および大当たりDのどちらでもないと判別した場合は(S5831:No)、今回の大当たりが大当たりB,C(第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない5ラウンド大当たり)、およびE,F(第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない10ラウンド大当たり)の何れかであることを意味する。よって、この場合は、元々のラウンド数が少なく、疑似少ラウンド演出を実行する可能性が無いため、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するためのS5832~S5837の各処理をスキップして、処理をS5838へと移行する。
これに対し、S5831の処理において、今回の大当たりが大当たりA、または大当たりDのどちらかであると判別した場合には(S5831:Yes)、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するためのS5832~S5837の各処理を実行する。具体的には、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを読み出して(S5832)、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)する(S5833)。なお、上述した通り、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、50%の割合で疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果となるように設定されている。
S5833の処理が終了すると、次いで、S5833の処理による抽選(判定)結果が、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果であるか否かを判別し(S5834)、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果ではないと判別した場合は(S5834:No)、疑似少ラウンド演出の実行を設定するためのS5835~S5837の各処理をスキップして、処理をS5838に移行する。
一方、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果であると判別した場合は(S5834:Yes)、次いで、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S5835)。S5835の処理において、今回の大当たりが大当たりA(第1特別図柄の8ラウンド大当たり)であると判別した場合は(S5835:Yes)、今回の大当たりを、第1特別図柄の大当たりのうち、ラウンド数が比較的少ない大当たり(5ラウンド大当たり)かのように見せるために、疑似最終R格納エリア223ccに対して5ラウンドに対応する値(データ)を格納して(S5836)、処理をS5838へと移行する。
これに対し、S5835の処理において、今回の大当たりが大当たりAではない(即ち、大当たりDである)と判別した場合は(S5835:No)、今回の大当たりを、第2特別図柄の大当たりのうち、ラウンド数が比較的少ない大当たり(10ラウンド大当たり)かのように見せるために、疑似最終R格納エリア223ccに対して10ラウンドに対応する値(データ)を格納して(S5837)、処理をS5838に移行する。
S5838の処理では、実行するオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定して、本処理を終了する。この疑似少ラウンド抽選処理を実行することにより、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合(即ち、第1特別図柄の大当たりで5ラウンドが報知された場合や、第2特別図柄の大当たりで10ラウンドが報知された場合)であっても、より多いラウンド数が報知されること(疑似少ラウンド演出が実行されていること)を期待して、大当たり中における遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図148を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理であり、第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)に代えて実行されるラウンド数コマンド処理10(S4472)の詳細について説明する。図148は、このラウンド数コマンド処理10(S4472)を示したフローチャートである。
この第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)のうち、S5401~S5407の各処理では、それぞれ第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)のS5401~S5407の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10では、S5401の処理が終了すると、次いで、今回のラウンド数コマンドによって通知されたラウンドが、疑似最終R格納エリア223ccに設定されている疑似的な最終ラウンドに一致するかを判別し(S5411)、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドであると判別した場合は(S5411:Yes)、処理をS5403に移行して、楽曲用データ種別の再生順を組み替えるか否かの判別を行う。一方、S5411の処理において、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドではないと判別した場合は(S5411:No)、処理をS5402へと移行する。
このラウンド数コマンド処理10(図148参照)を実行することにより、疑似少ラウンド演出が実行されている場合における疑似的な最終ラウンドの開始時(大当たりAにおける5ラウンド開始時、および大当たりDにおける10ラウンドの開始時)に、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲用データの再生順の組み替えを判別して、疑似的な最終ラウンドの間に楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように構成することができる。即ち、疑似的な最終ラウンドにおける音声態様と、本来の最終ラウンドにおける音声対用途を同等にすることができるので、楽曲の音声態様から、疑似的な最終ラウンドであるか、本来の最終ラウンドであるかを、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に遊技者に察知されてしまうことを防止(抑制)できる。よって、疑似少ラウンド演出が設定された場合に、継続演出(図141(b)参照)の開始タイミング(即ち、疑似的な最終ラウンドの終了タイミング)となるまで、継続演出が実行されるのか、そのまま大当たりが終了してしまうのかを識別困難にできるので、疑似的な最終ラウンドの間における遊技者の期待感を高めることができる。
次に、図149を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理であり、第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)に代えて実行されるインターバル数コマンド処理10(S4473)の詳細について説明する。図149は、このインターバル数コマンド処理10(S4473)を示したフローチャートである。
この第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)のうち、S5501~S5509の各処理では、それぞれ第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)のS5501~S5509の各処理と同一の処理が実行される。また、第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)では、S5501の処理が終了すると、次いで、今回のインターバルコマンドによって通知されたインターバル期間が、疑似的な最終ラウンド(疑似最終R格納エリア223ccに設定されているラウンド)の直前に設定されるインターバル期間であるかを判別し(S5511)、今回のインターバル期間が疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間であると判別した場合は(S5511:Yes)、処理をS5503に移行して、楽曲用データ種別の再生順を組み替えるか否かの判別を行う。一方、S5511の処理において、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドではないと判別した場合は(S5511:No)、処理をS5502へと移行する。
このS5511の処理を実行することにより、疑似少ラウンド演出が実行されている場合における疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時に、本来の最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時と同様に、楽曲用データの再生順の組み替えを判別して、疑似的な最終ラウンドの間に楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように構成することができる。即ち、疑似的な最終ラウンドにおける音声態様と、本来の最終ラウンドにおける音声対用途を同等にすることができるので、楽曲の音声態様から、疑似的な最終ラウンドであるか、本来の最終ラウンドであるかを、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に遊技者に察知されてしまうことを防止(抑制)できる。よって、疑似少ラウンド演出が設定された場合に、継続演出(図141(b)参照)の開始タイミング(即ち、疑似的な最終ラウンドの終了タイミング)となるまで、継続演出が実行されるのか、そのまま大当たりが終了してしまうのかを識別困難にできるので、疑似的な最終ラウンドの間における遊技者の期待感を高めることができる。
また、本第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)では、S5506の処理において、今回のインターバルコマンドにより通知されたインターバル期間が、大当たりの1ラウンド目の終了後のインターバル期間ではないと判別した場合に(S5506:No)、次いで、今回のインターバルが、疑似的な最終ラウンド(疑似最終R格納エリア223ccに設定されているラウンド)が終了した後のインターバル期間であるかを判別する(S5512)。そして、S5512の処理において、疑似的な最終ラウンドが終了した後のインターバル期間であると判別した場合は(S5512:Yes)、継続演出(図141(b)参照)の実行を設定し(S5513)、疑似最終R格納エリア223ccに格納されているデータをリセットして(S5514)、本処理を終了する。
次に、図150を参照して、本第3制御例における変動表示設定処理10(S4162)の詳細について説明する。図150は、この変動表示設定処理10(S4162)を示したフローチャートである。この第3制御例における変動表示設定処理10(S4162)は、第2制御例(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定するための処理である。
この第3制御例における変動表示設定処理10(図150参照)のうち、S4501~S4509の各処理では、それぞれ第2制御例(第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)のS4501~S4509の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例における変動表示設定処理10(図150参照)では、S4504の処理が終了すると、次に、今回の変動パターンが、大当たりを報知するための変動パターンであるかを判別し(S4521)、大当たりを報知するための変動パターンであると判別した場合は(S4521:Yes)、大当たりの種別と、今回設定した変動パターンにおいて揃う第3図柄の種別(奇数図柄であるか、偶数図柄であるか)とに応じたデータを、大当たり状況格納エリア223cbに格納して(S4522)、処理をS4505に移行する。このS4522の処理では、奇数図柄報知の確変大当たりである場合に、大当たり状況格納エリア223cbに対して「01H」を格納し、偶数図柄報知の確変大当たりである場合に、「02H」を格納し、偶数図柄報知の通常大当たりである場合に、「03H」を格納する。
S4522の処理によって大当たり状況格納エリア223cbに格納されたデータは、選曲期間において、遊技者が「ランダム選曲」を選択(決定)した場合に参照され、ランダム選曲テーブル222caのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caとが比較されて、大当たり中に再生する1の楽曲が決定される。
一方、S4521の処理において、今回設定した変動パターンが、大当たりに対応する変動パターンではない(即ち、外れに対応する変動パターンである)と判別した場合は(S4521:No)、S4522の処理をスキップして、処理をS4505に移行する。
以上説明した通り、本第3制御例では、選曲メニュー画面において、「ランダム選曲」が遊技者によって決定された場合には、1ラウンド目(選曲期間)の終了後に再生させる楽曲をランダムな抽選により決定する構成としている。また、「ランダム選曲」が決定された際に、特定の条件が成立していれば(即ち、今回の大当たりが確変大当たりであれば)、選曲メニュー画面には項目として表示されない特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)が選択され得る構成としている。これにより、通常は聴くことができない「楽曲a」が決定されることを期待して、「ランダム選曲」を選択させることができる。特に、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示(変動演出)によって大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。更に、「楽曲a」が抽選により決定される割合は、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が高くなるように構成されている。これにより、偶数図柄報知の大当たりに当選した場合に、より積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。なお、遊技者によって「ランダム選曲」が決定される可能性を高めることにより、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲(楽曲A~楽曲Z)をまんべんなく再生させることができる。これにより、複数の楽曲を無駄なく聴かせることができる。
また、本第3制御例では、大当たり中に実行される演出の一種として、大当たりが開始されてから所定期間(例えば、5ラウンド目や10ラウンド目が終了するまで)の間、大当たりのラウンド数を、本来のラウンド数よりも少なく報知しておき、所定期間の経過時に、本来のラウンド数を報知する疑似少ラウンド演出を選択可能に構成している。この疑似少ラウンド演出を実行可能に構成することで、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合に、所定期間が経過した後で、より多いラウンド数(8ラウンドや、16ラウンド)が報知されることを期待して、所定期間が経過するまでの間の遊技を行わせることができる。また、これに伴って、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生されるように構成している。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
なお、本第3制御例では、確変大当たりの場合にのみ、遊技者が「ランダム選曲」を決定すると、「楽曲a」が再生される可能性がある構成とし、且つ、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が、「楽曲a」が選択される割合が高くなるように構成していたが、「ランダム選曲」を決定した場合において各楽曲が決定される割合は、任意に定めることができる。具体的には、例えば、通常大当たりになった場合も、低確率(例えば、0.1%の割合)で「楽曲a」が決定される構成としてもよい。即ち、確変大当たりの実行中に「ランダム選曲」を選択した場合の方が、通常大当たりの実行中に「ランダム選曲」を選択した場合よりも「楽曲a」が選択される割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、「楽曲a」が再生されたとしても、確変大当たりが確定する訳ではなくなるので、確変状態が報知されるまでは、緊張感を持って遊技を行わせることができる。また、「楽曲a」が決定される割合を、偶数図柄報知の確変の大当たりよりも、奇数図柄報知の確変大当たりの方が高くなるように構成してもよい。
本第3制御例では、大当たり(所定期間)の間に実行される興趣演出のうち、音声による興趣演出の演出態様(再生される楽曲の種別)を、遊技者の操作ボタン230に対する操作内容(選曲メニュー画面における選択結果)に応じて決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、所定期間の間に第3図柄表示装置81において、表示される表示演出の演出態様を、遊技者の選択結果(操作ボタン230に対する操作内容)に応じて可変させる構成としてもよい。より具体的には、特定の演出実行条件が成立した場合に、複数の演出態様に対応する複数の項目(第3制御例における「楽曲A」~「楽曲Z」のそれぞれに対応する項目に相当)と、演出態様がランダムに選択される項目(第3制御例における「ランダム選曲」に対応する項目に相当)とを第3図柄表示装置81に対して表示可能に構成する。そして、遊技者が操作ボタン230を操作することによって選択した項目に応じて、実行する演出の演出態様を決定する。即ち、演出態様に対応する項目が選択された場合は、選択した項目に対応する演出態様で演出を実行する一方で、ランダムに選択される項目が選択された場合には、所定のタイミングで選択し得る複数の演出態様の中から1の演出態様が決定される構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の好みの演出態様を選択する遊技性と、演出態様をランダムに選択させ、いずれの演出態様が選択されるかに注目させる遊技性とを遊技者に選択させることができる。また、この場合において、上記第3制御例と同様に、演出態様がランダムに選択される項目を遊技者が選択した場合にのみ決定され得る特別な演出(上記第3制御例における特別な楽曲である「楽曲a」に相当する表示演出)を設定しておいてもよい。このように構成することで、特別な演出が実行されたか否かを視覚によって判別することができるので、特別な演出であるか否か(即ち、大当たり後に確変状態に移行するか否か)をより容易に理解させることができる。
本第3制御例では、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」を選択した場合にのみ、特別な楽曲である「楽曲a」が選択され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変大当たりが確定している場合(即ち、奇数図柄報知の確変大当たりとなり、遊技者が既に確変大当たりであることを確信している場合)には、選曲メニュー画面に対して「楽曲a」という項目が表示されるように構成してもよい。このように構成することで、確変状態が確定している状況においては、「楽曲a」を聴きたいと考える遊技者に対して、他の楽曲が選択される可能性の方が高い「ランダム選曲」を選択するのでなく、「楽曲a」という項目を選択させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。また、この場合において、偶数図柄報知の確変大当たり(遊技者が確変状態となるか否かを知ることができない状況)において表示される選曲メニュー画面に対して、所定の割合で、「楽曲a」という項目が表示されるように構成してもよい。このように構成することで、確変状態となるか否かを早期に察知する方法にバリエーション(項目の中に「楽曲a」が含まれるか否か、および「ランダム選曲」を選択した場合に「楽曲a」が再生されるか否か)を設けることができるので、偶数図柄報知の大当たりの選曲期間において、遊技者の興趣をより向上させることができる。
本第3制御例では、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」を選択した場合にのみ、特別な楽曲である「楽曲a」が選択され得る構成としていたが、必ずしも遊技者が楽曲を選択することができるように構成しなくても良い。例えば、操作ボタン230を廃止し、大当たりの実行中に再生される楽曲を、毎回、ランダム選曲テーブル222caを参照してランダムに選択する構成としてもよい。即ち、大当たり終了後に確変状態となる場合には、「楽曲a」が再生され得るが、大当たり終了後が低確率状態の場合は、「楽曲a」が再生される可能性が無いように構成してもよい。このように構成した場合にも、偶数図柄報知の大当たりとなった場合に、「楽曲a」が再生されるか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。また、確変状態であるか否かを示唆するために「楽曲a」を用いる場合に限定されることはない。遊技中の所定期間において、所定期間が経過した後の状態が遊技者にとって有利な状態(例えば、大当たりや時短状態、小当たりRUSH、スロットのBIG BONUS、ART、AT等)となるか、その有利な状態よりも不利な状態になるかを判別し、有利な状態となる場合には、特別な楽曲が再生され得る構成とする一方で、不利な状態となる場合には、特別な楽曲が再生される可能性が無いように構成すれば良い。
本第3制御例では、確変大当たりであるか否かに応じて、「ランダム選曲」を選択した場合に選択され得る楽曲を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出の実行中であるか否かに応じて、「ランダム選曲」を選択した場合に選択され得る楽曲を異ならせる構成としてもよい。具体的には、疑似少ラウンド演出の実行中に「ランダム選曲」が決定されると、「楽曲a」を含む複数の楽曲の中から1の楽曲を選択し、疑似少ラウンド演出が実行されていない場合には、複数の楽曲のうち、「楽曲a」を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。
本第3制御例では、大当たり中の楽曲を設定する際の制御を例にとって説明したが、本制御は大当たり中に限られるものではない。所定の楽曲再生期間の終了後に、遊技者にとって比較的有利な状態となる場合には、「ランダム選曲」を選択した場合に特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)が選択され得る構成とする一方で、再生期間の終了後に比較的不利な状態となる場合には、特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)を少なくとも除外した中(即ち、「楽曲A」~「楽曲Z」の中)から1の楽曲を選択する構成にできる状況であれば、何でもよい。例えば、第1制御例と同様に、確変状態中の楽曲を選択するための制御に用いる構成としてもよい。この場合において、保留球の中に大当たりが含まれている状態で「ランダム選曲」が選択された場合には、特別な楽曲が選択され得る構成とする一方で、保留球の中に大当たりが含まれていない場合には、特別な楽曲を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。また、変動表示演出の実行中に、選曲メニュー画面を表示させることが可能に構成し、大当たりに対応する変動表示の実行中に「ランダム選曲」が選択(決定)された場合には、特別な楽曲が選択され得る構成とする一方で、外れに対応する変動表示の実行中に「ランダム選曲」が選択(決定)された場合には、特別な楽曲を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。
本第3制御例では、「ランダム選曲」を選択した場合に、「楽曲a」が選択されれば確変状態が確定する構成としていたが、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」以外の項目を選択した場合についても、所定の割合で確変状態が確定する場合を設けてもよい。具体的には、例えば、確変大当たりの実行中に遊技者が1の楽曲を選択した場合に、所定の確率で、当該楽曲の再生位置を通常とは異なる再生位置から再生する(例えば、サビ部分から再生したり、曲の2番から再生したりする、等)構成としてもよい。また、これに代えて、または加えて、所定の確率で、選択した楽曲とは異なる楽曲(例えば、「楽曲a」)が再生されたり、曲調を通常とは異ならせたり、バージョンを通常とは異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、自分の好みの楽曲を選択したいという考えと、確変状態となるかどうか早期に察知したいという考えとの両方を抱く遊技者の欲求に応じることができる。また、この場合において、所定回数の大当たりに渡って同一の楽曲を選択し続けている場合にのみ、通常とは異なる音声態様で、遊技者に選択された楽曲を再生する構成としてもよい。
本第3制御例では、大当たりのラウンド数によらず、大当たりの1ラウンド目が終了した時点で、選曲期間中に選択された楽曲を先頭(イントロ部分)から再生する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ラウンド数が多い大当たり(例えば、8ラウンド大当たりや16ラウンド大当たり)については、楽曲の先頭から再生を開始する一方で、ラウンド数が少ない(例えば、5ラウンドの)大当たり、および疑似少ラウンド演出が設定された大当たりについては、楽曲のサビ部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、ラウンド数が少ない大当たり種別であっても、1の大当たりにおいて、楽曲のサビ部分をより確実に遊技者に聴かせることができる。また、この場合において、疑似少ラウンド演出が設定されている場合には、楽曲のサビ部分から再生を開始するか、楽曲のイントロ部分から再生を開始するかを抽選により決定してもよい。具体的には、例えば、疑似少ラウンド演出が設定された場合には、90%の割合で楽曲のサビ部分から再生を開始し、10%の割合で楽曲の先頭部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、少ないラウンド数(例えば、5ラウンド)が報知されたにも拘わらず、楽曲の先頭部分から再生が開始されれば、その時点で疑似少ラウンド演出が実行されているということを遊技者に理解させることができるので、継続演出を確認するよりも前に、ラウンド数が多い大当たりであることに対する満足感を抱かせることができる。
<第4制御例>
次に、図151から図169を参照して、第4制御例におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第1~第3制御例におけるパチンコ機10では、選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、上ボタンUBに対する3回以内の操作で選択可能な範囲(履歴エリア)に、遊技者の選択頻度が高い最大3個の項目を配置させる構成としている。また、選択回数が1回以上の項目が3個未満の場合には、3個未満の項目を履歴エリアに配置させ、残りのエリアにはランダムな抽選により決定した項目を配置する(選曲エリアに抽選により決定した1の項目を配置し、当該1の項目を基準にアルファベット順で他の項目を配置する)構成としている。このように構成することで、電源投入直後等、楽曲を選択した回数が少ない場合であっても、全ての楽曲を選曲メニュー画面に重複無く配置させることができる。
これに対して本第4制御例では、履歴エリアに対して設定する項目が少ない(3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリア(選択頻度が高い項目が配置されなかったエリア)に対して配置させる項目の優先順位を規定しておく構成としている。この優先順位は、より多くの遊技者が知っている可能性が高い楽曲(例えば、パチンコ機10のモチーフとなった作品のテーマ曲や、リーチ演出等の通常遊技時に再生される楽曲等)ほど高くなるように設定されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、遊技者が選択する可能性の高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
また、上述した第2、および第3制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中の最終ラウンドにおいて、サビ部分が再生中の状態となる可能性が高くなるように、大当たり中の所定タイミングで楽曲用データの再生順を組み替え可能に構成していた。これにより、楽曲において最も盛り上がる部分(特徴的な部分)であるサビ部分を、最終ラウンドにおいてより確実に遊技者に聴かせることができるように構成していた。
これに加えて本第4制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分の再生が終了した場合に、最終ラウンドの進行状況に応じてサビ部分を繰り返して再生させるか否か判別する構成としている。より具体的には、サビ部分の再生が終了してから最終ラウンドが終了するまでの間(若しくはエンディング演出を遅延させることが可能な期間が終了するまでの間)にサビ部分を終了させることができる可能性が高ければ、サビ部分を繰り返して再生させ、サビ部分が途中で終了してしまう(サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始されてしまう)可能性が高ければ、サビ部分を繰り返さずに楽曲用データの再生順に従って再生を設定する構成としている。このように構成することで、最終ラウンドにおいてサビ部分が途中で打ち切られずに、完全な形で再生できる可能性を高くすることができる。
また、上述した第3制御例では、大当たりの1ラウンド目を選曲期間とし、遊技者に対して楽曲を選択させる構成としていた。この選曲期間の間は、再生させる楽曲が決定された(中央ボタンCBが押下された)か否かに拘わらず、選曲期間に専用の楽曲が再生され続ける構成とし、選曲期間が経過(1ラウンド目が終了)したタイミングで楽曲の先頭(イントロ部分)から再生を開始させる構成としていた。
これに対して本第4制御例では、選曲期間において遊技者が操作ボタン230を操作することで選曲エリアに異なる項目を配置させる毎に、配置させた項目に対応する楽曲のサビ部分を再生させる構成としている。これにより、選曲メニュー画面に表示された楽曲名だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分のメロディーを加味して楽曲を選択させることができる。また、本第4制御例では、選曲期間において楽曲が決定された場合に、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生開始位置や再生開始タイミングを可変させる構成としている。具体的には、ラウンド数が多い(16ラウンドの)大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲の先頭から(イントロ部分)から再生を開始させ、10ラウンド、および8ラウンドの大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲のAメロ部分から(即ち、イントロ部分をスキップして)再生を開始させる構成としている。一方で、ラウンド数が少ない(5ラウンドの)大当たりの場合には、遊技者が楽曲を決定した時点で、既に再生中のサビ部分の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる(選曲期間が終了する前から楽曲を再生させる)構成としている。このように構成することで、少ないラウンド数の場合でも、サビ部分をより長い時間、遊技者に聴かせることができる。
この第4制御例におけるパチンコ機10が、第3制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声出力装置226におけるRAM303の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声出力装置226のMPU301により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行されるその他の処理については、第3制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図151(a)を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図151(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図151(a)に示した通り、本第4制御例におけるROM222は、第3制御例におけるROM222の構成(図142(a)参照)に対して、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbの規定内容が一部変更となっている点、および優先度規定テーブル222daと、サビループ判別テーブル222dbとが追加されている点で相違している。
優先度規定テーブル222daは、履歴エリアに配置させる項目の優先順位を定めたテーブルである。選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、1回以上選択された楽曲の個数が3個未満であれば、履歴エリアの空きエリアに対して、この優先度規定テーブル222daに規定された優先度が高い項目から順番に項目を配置させる構成としている(図163のS5275参照)。この優先度規定テーブル222daの詳細について、図152(b)を参照して後述する。
サビループ判別テーブル222dbは、最終ラウンドにおいて、サビ部分に対応する楽曲用データの再生終了タイミングとなった場合に、サビ部分を繰り返し再生させる(ループ再生させる)か否かを判別するために参照されるデータテーブルである(図158のS5905参照)。このサビループ判別テーブル222dbの詳細については、図153を参照して後述する。
次に、図152(a)を参照して、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbの詳細について説明する。この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、上述した第3制御例と同様に、疑似少ラウンド演出を実行するか否かを判別(抽選)するために参照されるデータテーブルである。
図152(a)に示した通り、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、演出態様を抽選するための演出抽選カウンタの値の範囲に対応付けて、疑似少ラウンド演出の実行可否(通常演出を実行するか、疑似少ラウンド演出を実行するか)が対応付けて規定されている。加えて、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、楽曲を再生する際の音声態様(再生態様)を疑似少ラウンド演出によって疑似的に報知されるラウンド数に合わせるか、本来のラウンド数に合わせるかについても、演出抽選カウンタの値に対応付けて規定されている。即ち、本第4制御例では、疑似少ラウンド演出の表示態様と、楽曲の再生態様とを一致させるか否かについても、この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbによって抽選する構成としている。楽曲の再生態様が疑似少ラウンド演出によって報知されたラウンド数と一致しないことを遊技者が認識した場合には、疑似少ラウンド演出が実行されていることを理解させることができる。よって、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に、疑似少ラウンド演出が実行されたことを理解した遊技者に対して満足感を抱かせることができる。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「0~49」の範囲に対しては、表示態様として「通常演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「0~49」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行されず、大当たりの最初から8ラウンドの大当たりであることが報知される(通常演出が実行される)。また、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。このため、遊技者に対して第1特別図柄の大当たりの中では比較的ラウンド数が多い8ラウンドの大当たりであることを大当たりの開始時から遊技者に認識させることができる。よって、大当たりの開始時から大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「0~49」の50個であるので、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は50%(50/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「50~94」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「5R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「50~94」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、8ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、5ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、遊技者が楽曲を決定した時点で再生されている再生位置からそのまま楽曲の再生が継続される再生態様(5R用の再生態様)が設定される。これにより、継続演出が実行されるまでは、表示態様としても、音声の再生態様としても、5ラウンド大当たり(大当たりB、および大当たりC)と同一になるので、所定期間が経過するまでの間、疑似少ラウンド演出が実行されているのか、5ラウンドの大当たりが実行されているのかを識別することを困難にすることができる。よって、継続演出が実行された場合に、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「50~94」の45個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」が決定される割合は45%(45/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「95~99」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「95~99」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、8ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、5ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。これにより、少なくとも選曲期間において遊技者が楽曲を決定するまでの間は、表示態様としても、音声の再生態様としても、5ラウンド大当たり(大当たりB、および大当たりC)と同一になるが、楽曲を決定した後の音声の再生態様は5ラウンド大当たりとは異なる態様に設定される。よって、遊技者に対して音声の再生態様と表示態様とが合っていないことに対する違和感を抱かせることができるので、疑似少ラウンド演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。これにより、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを見抜くことができた遊技者に対して、優越感を抱かせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「95~99」の5個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「0~49」の範囲に対しては、表示態様として「通常演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「16R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「0~49」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行されず、大当たりの最初から16ラウンドの大当たりであることが報知される(通常演出が実行される)。また、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がイントロ部分から再生される再生態様(16R用の再生態様)が設定される。このため、遊技者に対して第2特別図柄の大当たりの中では比較的ラウンド数が多い16ラウンドの大当たりであることを大当たりの開始時から遊技者に認識させることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「16R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「0~49」の50個であるので、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「16R用」が決定される割合は50%(50/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「50~94」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「50~94」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、16ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、10ラウンド大当たりであるかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。これにより、継続演出が実行されるまでは、表示態様としても、音声の再生態様としても、10ラウンド大当たり(大当たりE、および大当たりF)と同一になるので、所定期間が経過するまでの間、疑似少ラウンド演出が実行されているのか、10ラウンドの大当たりが実行されているのかを識別することを困難にすることができる。よって、継続演出が実行された場合に、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「50~94」の45個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は45%(45/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「95~99」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「16R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「95~99」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、16ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、10ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がイントロ部分から再生される再生態様(16R用の再生態様)が設定される。これにより、少なくとも選曲期間が終了するまでの間は、表示態様としても、音声の再生態様としても、10ラウンド大当たり(大当たりE、および大当たりF)と同一になるが、選曲期間が終了した後の音声の再生態様は10ラウンド大当たりとは異なる態様に設定される。よって、遊技者に対して音声の再生態様と表示態様とが合っていないことに対する違和感を抱かせることができるので、疑似少ラウンド演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。これにより、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを見抜くことができた遊技者に対して、優越感を抱かせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0~99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「16R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「95~99」の5個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「16R用」が決定される割合は5%(5/100)である。
このように、本第4制御例では、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生態様(楽曲の再生が開始されるタイミング、および楽曲の再生位置)を異ならせる構成としている。そして、疑似少ラウンド演出(実際のラウンド数よりも少ないラウンド数の(不利な)大当たりであるかのような演出)が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみが実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様に設定される構成としている。このように構成することで、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
次に、図152(b)を参照して、優先度規定テーブル222daの規定内容について説明する。この優先度規定テーブル222daは、上述した通り、履歴エリアに対して配置する項目の優先度(優先順位)を定めたデータテーブルである。選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、1回以上選択された楽曲の個数が3個未満であれば、履歴エリアの空きエリアに対して、この優先度規定テーブル222daに規定された優先度が高い項目から順番に項目が配置される。
図152(b)に示した通り、優先度規定テーブル222daには、履歴エリアに配置させる優先度と、メニュー項目とが対応付けて規定されている。より具体的には、優先度規定テーブル222daにおいて、優先度「高」に対しては、メニュー項目として「楽曲A」が対応付けて規定され、優先度「中」に対しては、メニュー項目として「楽曲J」が対応付けて規定され、優先度「低」に対しては、メニュー項目として「楽曲E」が対応付けて規定されている。これらの項目は、より多くの遊技者に知られている可能性が高い楽曲ほど、高い優先度となるように設定されている。具体的には、例えば、優先度「高」に対応する「楽曲A」として、パチンコ機10のモチーフとなった作品のオープニング曲(テーマ曲)が規定され、優先度「中」に対応する「楽曲J」として、モチーフとなった作品のエンディング曲が規定され、優先度「低」に対応する「楽曲E」として、モチーフとなった作品の挿入歌が規定されている。
優先度規定テーブル222daを参照して履歴エリアに配置させる項目を決定することにより、例えば、1回以上選択された楽曲の個数が2個の状態で確変状態に移行した場合は、選曲メニュー画面の初期配置として、まず、遊技者によって1回以上選択されている2個の楽曲(項目)が履歴エリアに配置される。そして、項目1個分の空きエリアに対して、優先度「高」に対応する項目である「楽曲A」が配置される。また、1回以上選択された楽曲の個数が1個の状態で確変状態に移行した場合は、遊技者によって1回以上選択されている1個の項目を履歴エリアに配置させ、項目2個分の空きエリアに対して、優先度が「高」に対応する「楽曲A」と、優先度が「中」に対応する「楽曲J」とが格納される。更に、楽曲が1回も選択されていない場合には、優先度規定テーブル222daに規定されている3つの項目が全て履歴エリアに格納される。
このように、本第4制御例では、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合において、履歴エリアの空きエリアに配置させる項目の優先度を、優先度規定テーブル222daによって予め規定しておく構成としている。この優先度規定テーブル222daは、より多くの遊技者に知られている可能性が高い楽曲ほど優先度が高くなるように構成されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、履歴エリアに対して遊技者が選択する可能性が高い楽曲を配置させることができる。よって、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図153を参照して、上述したサビループ判別テーブル222dbの詳細について説明する。図153は、サビループ判別テーブル222dbの規定内容を示した図である。このサビループ判別テーブル222dbは、上述した通り、最終ラウンドの間にサビ部分に対応する楽曲用データの再生が終了した場合に、再生が終了したサビ部分を再度ループ再生させるか否かを判別するために参照されるデータテーブルである。
図153に示した通り、このサビループ判別テーブル222dbは、現在再生中の楽曲におけるサビ部分の再生時間の範囲と、ループ再生が可能と判定される入賞個数(最終ラウンドにおいて左特定入賞口650aに入球した遊技球の個数)とが対応付けて規定されている。ここで、上述した通り、パチンコ機10における遊技球の発射間隔(1の遊技球を発射してから、次の遊技球を発射するまでの間隔)は最短で0.6秒となるように構成している。大当たりの間は、多くの場合、遊技者が最短の発射間隔で遊技球を発射するのが通常であると考えられるため、最終ラウンドにおいて遊技球は約0.6秒間隔で左特定入賞口650aに入球(入賞)する。これにより、最終ラウンドにおける入賞個数によって、エンディング演出が開始されるまでの大まかな時間を予測することができる。サビループ判別テーブル222dbは、最終ラウンドにおける入賞個数から予測されるエンディング演出が開始されるまでの残り時間がサビ部分の再生時間以上となる場合に、サビ部分のループ再生を許容し、サビ部分の再生時間未満となる場合にはサビ部分のループ再生が制限されるように対応関係が規定されている。なお、楽曲A~楽曲Z、および楽曲aの中で最もサビ部分が短い楽曲のサビ部分の長さは7秒間である。よって、図153に示した通り、サビループ判別テーブル222dbには、サビ部分の再生時間(L)が7秒以上の範囲についてのみ規定されている。
より具体的には、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が7秒以上、且つ、7.6秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0~3」が対応付けて規定されている。入賞個数が3個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に4個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに5個目~10個目の6個分の入賞を検出するまでの時間である約3.6秒間(0.6秒間隔×6個)が確保できる。加えて、上述した通り、エンディング演出の開始タイミングは、大当たりの最終ラウンドが終了してから最大で4秒間遅延させることができる。よって、エンディング演出が開始されるまでの間には、7.6秒以上の時間が経過する可能性が高いため、7.6秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなる。従って、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒未満の範囲の場合には、入賞個数が3個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒以上、且つ、8.2秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0~2」が対応付けて規定されている。入賞個数が2個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に3個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに4個目~10個目の7個分の入賞を検出するまでの約4.2秒間(0.6秒間隔×7個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した8.2秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、8.2秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒以上、且つ、8.2秒未満の範囲の場合には、入賞個数が2個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が8.2秒以上、且つ、8.8秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0,1」が対応付けて規定されている。入賞個数が1個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に2個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに3個目~10個目の8個分の入賞を検出するまでの約4.8秒間(0.6秒間隔×8個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した8.8秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、8.8秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が8.2秒以上、且つ、8.8秒未満の範囲の場合には、入賞個数が1個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が8.8秒以上、且つ、9.4秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0」のみが対応付けて規定されている。入賞個数が0個の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に1個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに2個目~10個目の9個分の入賞を検出するまでの約5.4秒間(0.6秒間隔×9個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した9.4秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、9.4秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が8.8秒以上、且つ、9.4秒未満の範囲の場合には、入賞個数が0個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
これらに対して、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が9.4秒以上の範囲の場合には、ループ再生が許容されることは無い。これは、入賞個数に拘わらず、サビ部分の再生中にエンディング演出の開始タイミングとなってしまう可能性が高いからである。
このように、本第4制御例では、最終ラウンドにおいてサビ部分の再生が終了した場合に、このサビループ判別テーブル222dbによってサビ部分をループ再生させるか否か判別する構成としている。このように構成することで、エンディング演出が開始されるまでの間にサビ部分をループ再生させることができるかどうか(サビ部分の再生途中にエンディング演出が開始されてしまう可能性が低いかどうか)を正確に判別することができる。よって、サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始される可能性を低減することができるので、大当たりの最終ラウンド(およびエンディング遅延期間)の間に、サビ部分を完全な形で再生することができる。
次に、図151(b)を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図151(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図151(b)に示した通り、本第4制御例におけるRAM223は、第3制御例におけるRAM223の構成(図142(b)参照)に対して、ループ判別フラグ223daと、再生態様格納エリア223dbと、入賞個数カウンタ223dcとが追加されている点で相違している。
ループ判別フラグ223daは、サビ部分のループ再生の可否を判別する期間であるか否かを示すフラグである。このループ判別フラグ223daがオンであればループ再生の可否を判別する期間(即ち、大当たりの最終ラウンド)であることを示し、オフであれば、ループ再生の可否を判別する期間ではないことを示す。このループ判別フラグ223daは、大当たりの最終ラウンドの開始時にオンに設定され(図161のS5421参照)、大当たりのエンディング期間の開始時にオフに設定される(図159のS4484参照)。
再生態様格納エリア223dbは、楽曲の再生態様(5R用、8R・10R用、16R用のいずれであるか)を示すデータを格納するための記憶領域である。この再生態様格納エリア223dbには、大当たりのラウンド数、および疑似少ラウンド演出の実行可否の抽選結果に応じた再生態様を示すデータが格納される(図160のS5841,S5842参照)。この再生態様格納エリア223dbに格納されたデータに基づいて、楽曲が決定された場合における再生態様が設定される。
入賞個数カウンタ223dcは、大当たりの各ラウンドにおいて右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aに対して入賞した遊技球の個数をカウントするためのカウンタである。この入賞個数カウンタ223dcは、初期値が0に設定されており、主制御装置110において右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aに対する入賞を検出した場合に出力される入賞コマンドを受信する毎に値が1ずつ加算される(図159のS4486参照)。また、各ラウンドが終了した場合に値が0にリセットされる(図159のS4484、図164のS5521参照)。大当たりの最終ラウンド(ループ判別フラグ223daがオンの間)においてサビ部分の再生が終了した場合には、この入賞個数カウンタ223dcの値と、上述したサビループ判別テーブル222dbとが参照されて、サビ部分をループ再生するか否かが判別される(図158のS5905参照)。
次いで、図154を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のRAM303の構成について説明する。図154は、本第4制御例におけるRAM303の構成を示したブロック図である。図154に示した通り、本第4制御例におけるRAM303は、第3制御例(および第2制御例)におけるRAM303の構成(図126参照)に対して、仮選曲フラグ303gが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第3制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
仮選曲フラグ303gは、選曲期間において、遊技者の操作ボタン230に対する操作によって選曲エリアに配置された(仮選曲された)楽曲のサビ部分をループ再生させるべき状態であるか否かを示すフラグである。この仮選曲フラグ303gがオンであれば、サビ部分のループ再生を行うべき状態であることを示し、オフであれば、サビ部分のループ再生を行うべき状態ではないことを示す。この仮選曲フラグ303gは、選曲メニュー画面が表示された状態において、遊技者により操作ボタン230が操作され、選曲エリアに対して新たな項目が配置される毎にオンに設定される(図168のS9507参照)。また、5ラウンド大当たりにおいて選曲期間中に楽曲を遊技者が決定した(中央ボタンCBを遊技者が押下した)場合、若しくは5ラウンド以外の大当たりにおいて選曲期間が終了した場合にオフに設定される(図167のS9233,S9239参照)。この仮選曲フラグ303gがオンの間は、サビ部分をループ再生するように制御される(図169のS9603参照)。
<第4制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図155から図165を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図155を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理11について説明する。図155は、メイン処理11を示したフローチャートである。
このメイン処理11(図155参照)のうち、S4101~S4111,S4114~S4118、およびS4152の各処理では、それぞれ第3制御例におけるメイン処理10(図示せず)のS4101~S4111,S4113~S4118、およびS4152の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるメイン処理11(図155参照)では、S4111の処理が終了すると、第3制御例における操作検出処理10(図144参照)に代えて、操作検出処理11を実行する(S4171)。詳細については図156を参照して後述するが、この操作検出処理11(S4171)は、操作検出処理10(図144参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に操作内容に応じた制御を実行するための処理である。
操作検出処理11(S4171)が終了すると、次に、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分の再生が終了した場合に、サビ部分をループ再生するか否かを判別するためのサビ部分ループ処理を実行する(S4172)。このサビ部分ループ処理(S4172)の詳細については、図158を参照して後述する。また、サビ部分ループ処理(S4172)が終了すると、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を行うためのコマンド判定処理11を実行して(S4173)、処理をS4162へと移行する。
次に、図156のフローチャートを参照して、上述した操作検出処理11(S4171)の詳細について説明する。この操作検出処理11(S4171)は、上述した通り、第3制御例における操作検出処理10(図144参照)に代えて実行される処理である。この操作検出処理11(S4171)のうち、S5101~S5106,S5109、およびS5110の各処理では、それぞれ第3制御例における操作検出処理10(図144参照)のS5101~S5106,S5109、およびS5110の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における操作検出処理11(図156参照)では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出したと判別した場合は(S5106:Yes)、第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)に代えて、楽曲決定処理11を実行して(S5131)、本処理を終了する。この楽曲決定処理11(S5131)は、選択した項目の種別と、大当たりのラウンド数とに応じて選曲期間の終了後、若しくは選択した直後から再生する楽曲を決定するための処理である。この楽曲決定処理11(S5131)の詳細については、図157を参照して後述する。
また、本第4制御例における操作検出処理11(図156参照)では、S5110の処理が終了すると、S5109の処理によって更新されたメニュー位置ポインタ223abの値に対応する楽曲のサビ部分をループ再生させるための音声用仮選曲コマンドを設定して(S5132)、本処理を終了する。ここで設定された音声用仮選曲コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用仮選曲コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す楽曲のサビ部分から再生の開始を設定する。これにより、遊技者が操作ボタン230を操作して、新たな項目が選曲エリアに配置される毎に、当該配置された項目に対応するサビ部分を再生させることができる。よって、楽曲名だけでなく、サビ部分のメロディーも加味して楽曲を選択させることができるので、より正確に好みの楽曲を選択させることができる。従って、遊技者の利便性をより高めることができる。
次に、図157を参照して、上述した楽曲決定処理11(S5131)の詳細について説明する。この楽曲決定処理11(S5131)は、上述した通り、第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)に代えて実行される処理である。
この第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)のうち、S5801~S5806の各処理では、それぞれ第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)のS5801~S5806の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)では、S5801の処理において遊技者によってランダム選曲が決定されていない(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)でない)と判別した場合に(S5801:No)、次いで、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータを読み出して(S5811)、読み出したデータが5R用の再生態様に対応するデータであるかを判別する(S5812)。
S5812の処理において、5R用の再生態様に対応するデータが再生態様格納エリア223dbに格納されていない(即ち、8R・10R用、または16R用の再生態様に対応するデータが格納されている)と判別した場合は(S5812:No)、処理をS5802へと移行する。一方、S5812の処理において、5R用の再生態様に対応するデータが再生態様格納エリア223dbに格納されていたと判別した場合は(S5812:Yes)、サビ部分のループ再生の解除を通知するための音声用ループ解除コマンドを設定して(S5813)、本処理を終了する。ここで設定された音声用ループ解除コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用ループ解除コマンドを受信すると、サビ部分のループ再生を解除する(即ち、仮選曲フラグ303gをオフに設定する)。これにより、現在再生中のサビ部分の再生時間が終了すると、サビ部分がループ再生されずに、サビ部分の次の再生順に規定されているパート(楽曲用データ)の再生が設定される。以降は、楽曲用データの再生順に従って、各楽曲用データが順番に再生される。これにより、ラウンド数が少なく、大当たりが終了するまでの期間(即ち、楽曲を再生可能な期間)が短くなり易い5ラウンド大当たりにおいて、楽曲を決定した時点から(即ち、選曲期間の終了を待たずに)楽曲を再生させることができる。よって、ラウンド数が少ない5ラウンド大当たりにおいて、大当たり終了までの比較的短い期間を有効利用して楽曲を再生させることができる。
また、本第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)では、S5805の処理が終了すると、選曲期間用の楽曲の再生を設定して(S5814)、処理をS5806に移行する。ランダム選曲が決定された場合(S5801:Yes)に、ランダム選曲テーブル222caを用いた抽選により決定された楽曲のサビ部分を再生させずに、選曲期間用の楽曲の再生を設定するのは、選曲期間中にランダム選曲を何度も決定することにより、「楽曲a」のサビ部分が再生されるかどうかを何度も判別する変則的な選択方法を防止し、1の大当たりにつき、「楽曲a」が再生されるかどうかを1回のみ確認可能に構成するためである。
次に、図158を参照して、上述したサビ部分ループ処理(S4172)について説明する。図158は、このサビ部分ループ処理(S4172)を示したフローチャートである。このサビ部分ループ処理(S4172)は、上述した通り、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分の再生が終了した場合に、サビ部分をループ再生するか否かを判別するための処理である。
サビ部分ループ処理(図158参照)では、まず、ループ判別フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S5901)、ループ判別フラグ223daがオフであると判別した場合は(S5901:No)、サビ部分をループ再生させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S5901の処理において、ループ判別フラグ223daがオンであると判別した場合は(S5901:Yes)、次いで、現在再生中のパートがサビ部分であるか否かを判別し(S5902)、サビ部分を再生中でないと判別した場合は(S5902:No)、サビ部分をループ再生させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5902の処理において、再生中のパートがサビ部分であると判別した場合は(S5902:Yes)、次に、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0であるかを判別し(S5903)、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0でないと判別した場合は(S5903:No)、サビ部分の再生を継続させるために、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5903の処理において、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0になったと判別した場合は(S5903:Yes)、サビ部分のループ再生の実行可否を判別するためのS5904~S5907の処理を実行する。
より具体的には、まず、サビループ判別テーブル222db(図153参照)を読み出して(S5904)、読み出したサビループ判別テーブル222dbの規定内容と、今回再生中の楽曲のサビ部分の再生時間(L)と、入賞個数カウンタ223dcの値とに基づいて、サビ部分のループ再生の実行可否を判定する(S5905)。なお、上述した通り、サビループ判別テーブル222db(図153参照)は、エンディング演出が開始されるよりも前にサビ部分が終了する可能性が高い場合に、サビ部分のループ再生を許容するように設定されている。
次に、S5905の処理による判定結果が、ループ再生の実行に対応する判定結果であるかを判別して(S5906)、ループ再生の実行に対応する判定結果でないと判別した場合は(S5906:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5906の処理において、ループ再生の実行に対応する判定結果であると判別した場合は(S5906:Yes)、サビ部分のループ再生を示す音声用ループ再生コマンドを設定して(S5907)、本処理を終了する。ここで設定された音声用ループ再生コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用ループ再生コマンドを受信すると、再生を終了したサビ部分を再度先頭から再生させる。これにより、エンディング演出が開始されるまでの間に、より多くの回数、楽曲において最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図159を参照して、本第4制御例における当たり関連処理11(S4381)について説明する。この当たり関連処理11(S4381)は、第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)に代えて実行される処理である。この第4制御例における当たり関連処理11(S4381)のうち、S4401~S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464~S4466の各処理では、それぞれ第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)のS4401~S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464~S4466の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4404の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4404:Yes)、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)に代えて、疑似少ラウンド抽選処理11を実行し(S4481)、処理をS4406に移行する。詳細については図160を参照して後述するが、この疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)は、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)と同様に、疑似少ラウンド演出の実行可否を判別するための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合に(S4407:Yes)、第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)に代えて、ラウンド数コマンド処理11を実行し(S4482)、本処理を終了する。詳細については図161を参照して後述するが、このラウンド数コマンド処理11(S4482)は、ラウンド数コマンドが示すラウンド数に応じた制御を行うための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていると判別した場合に(S4462:Yes)、第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)に代えて、インターバルコマンド11を実行し(S4483)、本処理を終了する。詳細については図164を参照して後述するが、このインターバルコマンド処理11(S4483)は、インターバルの種別(何ラウンド目のインターバルであるか)に応じた制御を行うための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4409:Yes)、ループ判別フラグ223daをオフに設定すると共に、入賞個数カウンタ223dcを0にリセットして(S4484)、処理をS4464に移行する。このS4484の処理により、サビ部分のループ再生を判別する期間を終了させることができる。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4465の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4465:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞コマンドが含まれているか否かを判別し(S4485)、入賞コマンドが含まれていると判別した場合は(S4485:Yes)、入賞個数カウンタ223dcの値に1を加算して(S4486)、本処理を終了する。入賞個数カウンタ223dcの値を入賞コマンドに応じて更新することにより、大当たりの各ラウンドの進行状況(ラウンドが終了するまでの大まかな残り時間)を把握することができる。よって、最終ラウンドにおいて、サビ部分を最後まで再生しきることができるだけの期間が残されているかどうかを、この入賞個数カウンタ223dcのカウンタ値を加味して正確に判断することができる。一方、S4485の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4485:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図160を参照して、上述した疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)の詳細について説明する。図160は、疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)を示したフローチャートである。この疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)は、上述した通り、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)に代えて実行される処理である。この第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)のうち、S5831~S5838の各処理では、それぞれ第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)のS5831~S5838の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)では、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出を実行すると判別した場合に(S5834:Yes)、疑似少ラウンド演出の実行可否の抽選と同時に、疑似少ラウンド抽選テーブル222cb(図152(a)参照)を用いた抽選で決定された楽曲の再生態様を示すデータを再生態様格納エリア223dbに格納して(S5841)、処理をS5835に移行する。S5841の処理によって格納されたデータに基づいて、選曲期間中に楽曲が決定された場合に、当該決定された楽曲の再生態様を適切に設定することができる。これにより、疑似少ラウンド演出(実際のラウンド数よりも少ないラウンド数の(不利な)大当たりであるかのような演出)が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみを実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様に設定することができる。このように構成することで、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
また、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)では、S5831の処理において、今回当選した大当たりが大当たりAでも大当たりDでもない(即ち、大当たりB,C,E,Fのいずれかである)と判別した場合(S5831:No)、および、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出を実行しないと判別した場合には(S5834:No)、大当たりのラウンド数に対応する楽曲の再生態様を示すデータを再生態様格納エリア223dbに格納して(S5842)、本処理を終了する。具体的には、今回の大当たりが大当たりB,Cのいずれか(5ラウンド大当たり)であれば、「5R用」の再生態様に対応するデータを格納する一方で、大当たりE,Fのいずれか(10ラウンド大当たり)であれば、「8R・10R用」の再生態様に対応するデータを格納する。また、今回の大当たりが大当たりA(8ラウンド大当たり)であり、且つ、疑似少ラウンド演出を実行しない場合には、「8R・10R用」の再生態様に対応するデータを再生態様格納エリア223dbに格納する一方で、大当たりD(16ラウンド大当たり)であり、且つ、疑似少ラウンド演出を実行しない場合には、「16R用」の再生態様に対応するデータを格納する。
この疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)を実行することにより、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生態様(楽曲の再生が開始されるタイミング、および楽曲の再生位置)を異ならせることができる。そして、疑似少ラウンド演出が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみが実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様を設定することができる。これにより、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
次に、図161のフローチャートを参照して、上述したラウンド数コマンド処理11(S4482)の詳細について説明する。このラウンド数コマンド処理11(S4482)は、上述した通り、第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)に代えて実行される処理である。
この第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)のうち、S5401~S5406、およびS5411の各処理では、それぞれ第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)のS5401~S5406、およびS5411の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)では、S5402の処理において、今回のラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が最終ラウンドであると判別した場合に(S5402:Yes)、ループ判別フラグ223daをオンに設定して(S5421)、処理をS5403に移行する。このS5421の処理でループ判別フラグ223daをオンに設定しておくことにより、最終ラウンド中にサビ部分の再生時間が経過したタイミングで、サビ部分をループ再生させるか否かを判別することができる。これにより、1の大当たりの実行中にサビ部分が再生される機会をより多くすることができる。
また、本第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)では、S5406の処理において、今回のラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が1ラウンド目であると判別した場合に(S5406:Yes)、第3制御例(および第2制御例)における選曲期間設定処理(図132参照)に代えて、選曲期間設定処理11を実行し(S5422)、本処理を終了する。この選曲期間設定処理11(S5422)の詳細について、図162を参照して説明する。
図162は、選曲期間設定処理11(S5422)を示したフローチャートである。この選曲期間設定処理11(S5422)のうち、S5205,S5206,S5208~S5213,S5221、およびS5222の各処理では、それぞれ第3制御例(および第2制御例)における選曲期間設定処理(図132参照)のS5205,S5206,S5208~S5213,S5221、およびS5222の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4制御例における選曲期間設定処理11(図162参照)では、まず、履歴エリアに配置する項目を設定するための履歴エリア設定処理を実行して(S5231)、処理をS5205へと移行する。この履歴エリア設定処理(S5231)の詳細について、図163を参照して説明する。
図163は、履歴エリア設定処理(S5231)を示すフローチャートである。この履歴エリア設定処理(S5231)は、上述した通り、履歴エリアに配置する項目を設定するための処理である。この履歴エリア設定処理(S5231)では、まず、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)に格納されているデータを読み出して(S5271)、再生回数が1以上の楽曲が3つ以上あるか否かを判別する(S5272)。S5272の処理において、再生回数が1以上の楽曲が3つ未満であると判別した場合は(S5272:No)、選曲回数格納エリア223acに規定されているデータのうち、再生回数が1以上のデータを全て読み出して(S5273)、読み出したデータを項目配置格納エリア223aa(図105(a)参照)の履歴エリア(メニュー位置ポインタ223abの値の範囲「17H」~「19H」に対応する記憶領域)に対して、再生回数が多い順に格納する(S5274)。次いで、履歴エリアのうち、S5274の処理においてデータが格納されなかった残りのエリア(空きエリア)に対して、優先度規定テーブル222da(図152(b)参照)に規定されている優先順位が高い項目から順番にデータを格納して(S5275)、本処理を終了する。
一方、S5272の処理において、再生回数が1以上の楽曲の個数が3つ以上であると判別した場合は(S5272:Yes)、選曲回数格納エリア223acから、再生回数が多い順に3つのデータを読み出して(S5276)、読み出した3つのデータを、再生回数が多い順に項目配置格納エリア223aaの履歴エリアに格納して(S5277)、本処理を終了する。
この履歴エリア設定処理(図163参照)を実行することにより、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合であっても、履歴エリアの空きエリアに対して遊技者が選択する可能性が高い項目(優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い項目)を配置させることができる。より具体的には、パチンコ機10のモチーフとなった作品のオープニング曲(テーマ曲)やエンディング曲、挿入歌等の、過去にモチーフとなった作品を見たことがある遊技者であればほぼ確実に聴いたことがある楽曲を優先度が高い項目として規定している。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、履歴エリアに対し、より多くの遊技者が知っている可能性が高い項目を配置させることができる。即ち、楽曲の選択回数に拘わらず、遊技者が選択する可能性が高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図164を参照して、上述したインターバルコマンド処理11(S4483)の詳細について説明する。この第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(S4483)のうち、S5501~S5506、およびS5511~S5514の各処理では、それぞれ第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)のS5501~S5506、およびS5511~S5514の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(図164参照)では、S5501の処理が終了すると、次いで、入賞個数カウンタ223dcを0にリセットして(S5521)、処理をS5511に移行する。インターバルコマンドを受信する毎に入賞個数カウンタ223dcをリセットする構成とすることにより、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)に入賞した遊技球の個数を、音声ランプ制御装置113側において正確に把握することができる。
また、本第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(図164参照)では、S5506処理において、今回のインターバルコマンドにより開始が通知されたインターバル期間が、1ラウンド目が終了した後のインターバル期間であると判別した場合は(S5506:Yes)、選曲期間(即ち、1ラウンド目)において遊技者に選択(決定)された楽曲の再生を設定するための、選択楽曲設定処理を実行して(S5522)、本処理を終了する。この選択楽曲設定処理(S5522)の詳細について、図165を参照して説明する。
図165は、選択楽曲設定処理(S5522)を示したフローチャートである。この選択楽曲設定処理(S5522)では、まず、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲を特定し(S5551)、次いで、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータに対応する再生態様を特定する(S5552)。そして、S5552の処理において特定した再生態様が、5R用の再生態様であるか否かを判別し(S5553)、5R用の再生態様であると判別した場合は(S5553:Yes)、次に、選曲期間中の楽曲を再生中であるか否か判別する(S5554)。S5554の処理において、選曲期間中の楽曲を再生中であると判別された場合は(S5554:Yes)、選曲期間において、選曲メニュー画面を一度も表示させていないか、遊技者がランダム選曲を決定したことを意味し、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲の再生が設定されていないことを意味するので、S5551の処理により特定した楽曲をサビ部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5555)、処理をS5559に移行する。
一方、S5554の処理において、選曲期間用の楽曲を再生中ではないと判別した場合は(S5554:No)、選曲期間中に遊技者が選曲メニュー画面を表示させて、「ランダム選曲」以外(即ち、楽曲A~楽曲Zのいずれか)を選択したことを意味する。上述した通り、5R用の再生態様が設定さている状態で楽曲を決定すると、その時点で当該楽曲のサビ部分のループ再生が解除されて、決定時点で再生されていた再生位置から楽曲用データの再生順に従って楽曲の再生が開始されるように設定される。即ち、選曲期間の終了時に楽曲の再生を新たに設定する必要は無いため、S5555の処理をスキップして、処理をS5559に移行する。
また、S5553の処理において、S5552の処理で特定した再生態様が5R用の再生態様ではないと判別した場合には(S5553:No)、次いで、S5552の処理で特定した再生態様が16R用の再生態様であるかを判別する(S5556)。S5556の処理において、16R用の再生態様を特定していない(8R・10R用の再生態様を特定した)と判別した場合は(S5556:No)、S5551の処理により特定した楽曲をAメロ1部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5557)、処理をS5559に移行する。一方、S5556の処理において、特定した再生態様が16R用の再生態様であると判別した場合は(S5556:Yes)、S5551の処理により特定した楽曲をイントロ部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5558)、処理をS5559に移行する。
S5559の処理では、選曲回数格納エリア223acのうち、今回再生した楽曲の選曲回数に対応するデータに1を加算し(S5559)、選曲メニュー画面を閉じると共に、メニュー表示フラグ223aeと、選曲許可フラグ223adとをオフに設定して(S5560)、本処理を終了する。
この選択楽曲設定処理(図165参照)を実行することにより、選曲期間の終了時に、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータに応じた再生態様で、遊技者が選択した楽曲の再生を設定することができる。
<第4制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図166から図169を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のMPU301により実行される各種制御処理について説明する。まず、図166を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理11について説明する。このメイン処理11は、第3制御例(および第2制御例)におけるメイン処理9(図136参照)に代えて実行される処理である。
このメイン処理11(図166参照)のうち、S9003~S9007,S9011,S9013の各処理では、それぞれ第3制御例(および第2制御例)におけるメイン処理9(図136参照)のS9003~S9007,S9011,S9013の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるメイン処理11(図166参照)では、S9011の処理が終了すると、次いで、第3制御例(および第2制御例)におけるコマンド判定処理9(図137参照)に代えて、コマンド判定処理11を実行し(S9021)、処理をS9013に移行する。詳細については図167を参照して後述するが、このコマンド判定処理11(S9021)は、第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)と同様に、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
また、本第4制御例におけるメイン処理11(図166参照)では、S9013の処理が終了すると、次いで、選曲期間において遊技者が選曲エリアに配置した(仮選曲した)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための仮選曲期間中処理を実行して(S9022)、処理をS9003に移行する。この仮選曲期間中処理(S9022)の詳細については、図169を参照して後述する。
次いで、図167を参照して、上述したコマンド判定処理11(S9021)の詳細について説明する。図167は、コマンド判定処理11(S9021)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理11(S9021)は、上述した通り、第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)に代えて実行される処理である。このコマンド判定処理11(図167参照)のうち、S9201~S9205,S9207,S9214,S9221、およびS9222の各処理では、それぞれ第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)のS9201~S9205,S9207,S9214,S9221、およびS9222の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例におけるコマンド判定処理11(図167参照)では、S9205の処理が終了すると、次いで、音声ランプ制御装置113から受信した音声用選択楽曲コマンドが示すパートに対応するポインタ値を楽曲用ポインタ303bに設定すると共に、再生を設定するパートの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定して(S9231)、処理をS9207に移行する。また、S9207の処理が終了すると、音声ランプ制御装置113から受信した音声用選択楽曲コマンドが示すパートに対応する楽曲用データからの再生を設定し(S9232)、仮選曲フラグ303gをオフに設定して(S9233)、本処理を終了する。
また、本第4制御例におけるコマンド判定処理11(図167参照)では、S9204の処理において、未処理のコマンドの中に音声用選択楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンド(即ち、最終ラウンドにおいてサビ部分のループ再生を指示するためのコマンド)が含まれるか否かを判別する(S9234)。S9234の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれると判別した場合は(S9234:Yes)、再生が終了するサビ部分の再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに再設定すると共に、再生が終了するサビ部分の再生を再設定して(S9235)、本処理を終了する。このS9235の処理を実行することで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分をループ再生させることができる。よって、1の大当たりの間により多くの回数、サビ部分を再生することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S9234の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれていないと判別した場合は、次に、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンド(選曲エリアに新たに配置された楽曲のサビ部分のループ再生を指示するコマンド)が含まれているか否かを判別する(S9236)。S9236の処理において、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンドが含まれていると判別した場合は(S9236:Yes)、選曲エリアに新たに配置された(仮選曲された)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための仮選曲コマンド処理を実行して(S9237)、本処理を終了する。この仮選曲コマンド処理(S9237)の詳細については、図168を参照して後述する。
また、S9236の処理において、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9236:No)、次いで、未処理のコマンドの中に音声用ループ解除コマンドが含まれているか否かを判別する(S9238)。S9238の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ解除コマンド(5ラウンド大当たりにおいて、仮選曲された楽曲のサビ部分のループ再生の解除を指示するコマンド)が含まれていると判別した場合は(S9238:Yes)、仮選曲フラグ303gをオフにすることで、仮選曲された楽曲のサビ部分のループ再生の解除を設定して(S9239)、本処理を終了する。このS9239の処理においてサビ部分のループ再生を解除しておくことにより、サビ部分の再生時間が経過して以降は、楽曲用データの再生順に従って楽曲用データを順番に再生させることができる。これにより、ラウンド数が少なく、大当たりが終了するまでの期間(即ち、楽曲を再生可能な期間)が短くなり易い5ラウンド大当たりにおいて、楽曲を決定した時点から(即ち、選曲期間の終了を待たずに)楽曲を再生させることができる。よって、ラウンド数が少ない5ラウンド大当たりにおいて、大当たり終了までの比較的短い期間を有効利用して楽曲を再生させることができる。
一方、S9238の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれていないと判別した場合は、処理をS9221へと移行する。
次に、図168を参照して、上述した仮選曲コマンド処理(S9237)の詳細について説明する。この仮選曲コマンド処理(S9237)は、上述した通り、選曲エリアに新たに配置された(仮選曲された)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための処理である。
仮選曲コマンド処理(図168参照)では、まず、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドであるか否かを判別し(S9501)、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドであると判別した場合は(S9501:Yes)、選曲期間用楽曲の再生を設定して(S9502)、本処理を終了する。一方、S9501の処理において、受信した仮選曲コマンドが、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドではないと判別した場合は(S9501:No)、コマンドが示す楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を音声ファイル記憶エリア302aから読み出して、読み出した音声ファイルを楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9503)。
S9503の処理が終了すると、次いで、楽曲用ポインタ303bに対して、コマンドにより通知された楽曲のサビ1部分に対応するポインタ値を設定すると共に、サビ1部分の再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9504)。次に、楽曲用ポインタ303bの最大値を最大値格納エリア303cに格納し(S9505)、サビ1部分に対応する楽曲用データの再生を設定する(S9506)。そして、仮選曲フラグ303gをオンに設定して(S9507)、本処理を終了する。
この仮選曲コマンド処理(図168参照)を実行することにより、仮選曲された楽曲のサビ1部分のループ再生を開始させることができる。これにより、遊技者に対して、選曲メニュー画面に表示される楽曲名だけでなく、楽曲のサビ部分のメロディーも加味して好みの楽曲を選択させることができる。よって、楽曲を選択する際の遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図169のフローチャートを参照して、上述したメイン処理11(図166参照)の中で実行される仮選曲期間中処理(S9022)の詳細について説明する。この仮選曲期間中処理(S9022)は、上述した通り、楽曲が仮選曲されている(選曲エリアに配置されている)場合において、楽曲のサビ部分をループ再生させるための処理である。
この仮選曲期間中処理(図169参照)では、まず、仮選曲フラグ303gがオンであるか否かを判別して(S9601)、仮選曲フラグ303gがオフであると判別した場合は(S9601:No)、楽曲が仮選曲されていないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S9601の処理において、仮選曲フラグ303gがオンであると判別した場合は(S9601:Yes)、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングであるか否かを判別し(S9602)、再生終了タイミングではないと判別した場合は(S9602:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、S9602の処理において、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングである(楽曲用タイマ303dの値が0である)と判別した場合は(S9602:Yes)、サビ1部分の再生開始を再設定し(S9603)、楽曲用タイマ303dに対してサビ1部分に対応する再生時間を再設定して(S9604)、本処理を終了する。
この仮選曲期間中処理(図169参照)を実行することにより、仮選曲された(選曲エリアに配置された)楽曲のサビ1部分を繰り返し再生させることができる。よって、好みの楽曲をより容易に選択させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
以上説明した通り、本第4制御例におけるパチンコ機10では、履歴エリアに対して設定する項目が少ない(3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリア(選択頻度が高い項目が配置されなかったエリア)に対して配置させる項目の優先順位(優先度)を規定しておく構成としている。この優先順位は、より多くの遊技者が知っている可能性が高い楽曲(例えば、パチンコ機10のモチーフとなった作品のテーマ曲(オープニング曲)や、エンディング曲、挿入歌等)ほど高くなるように設定されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、遊技者が選択する可能性の高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
また、本第4制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分の再生が終了した場合に、最終ラウンドの進行状況に応じてサビ部分を繰り返して再生させるか否か判別する構成としている。より具体的には、サビ部分の再生が終了してから最終ラウンドが終了するまでの間(若しくはエンディング演出を遅延させることが可能な期間が終了するまでの間)にサビ部分を終了させることができる可能性が高ければ、サビ部分を繰り返して再生させ、サビ部分が途中で終了してしまう(サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始されてしまう)可能性が高ければ、サビ部分を繰り返さずに楽曲用データの再生順に従って再生を設定する構成としている。このように構成することで、最終ラウンドにおいてサビ部分が途中で打ち切られずに、完全な形で再生できる可能性を高くすることができる。
更に、本第4制御例では、選曲期間において遊技者が操作ボタン230を操作することで選曲エリアに異なる項目を配置させる(仮選曲する)毎に、配置させた項目に対応する楽曲のサビ部分を再生させる構成としている。これにより、選曲メニュー画面に表示された楽曲名だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分のメロディーを加味して楽曲を選択させることができる。また、本第4制御例では、選曲期間において楽曲が決定された場合に、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生開始位置や再生開始タイミングを可変させる構成としている。具体的には、ラウンド数が多い(16ラウンドの)大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲の先頭から(イントロ部分)から再生を開始させ、10ラウンド、および8ラウンドの大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲のAメロ部分から(即ち、イントロ部分をスキップして)再生を開始させる構成としている。一方で、ラウンド数が少ない(5ラウンドの)大当たりの場合には、遊技者が楽曲を決定した時点で、既に再生中のサビ部分の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる(選曲期間が終了する前から楽曲を再生させる)構成としている。このように構成することで、少ないラウンド数の場合でも、サビ部分をより長い時間、遊技者に聴かせることができる。
なお、本第4制御例では、履歴エリアに配置させる項目が少ない場合(遊技者が1回以上選択した楽曲が3個未満の場合)に、履歴エリアの空きエリアに対して、優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い楽曲を示すデータから順に格納する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、履歴エリアの空きエリアの個数とは無関係に、履歴エリアに配置した項目に続けて、優先度が高い楽曲を示すデータから順に項目配置格納エリア223aaに格納する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が多くの楽曲を選択している場合であっても、遊技者が選択する可能性が比較的高い(優先度が高い)楽曲を、比較的少ない操作回数で選曲エリアに移動させることができる配置に設定することができる。
本第4制御例では、選曲メニュー画面の初期配置を決定する際に、項目配置格納エリア223aaの各記憶領域のうち、少ない操作回数で選択可能な範囲(項目配置格納エリア223aaにおける履歴エリア)に対して、選択回数が1個以上の項目のうち、選択回数が多い順に最大3つの項目を格納する構成としていた。そして、履歴エリアに配置した項目が3つ未満であれば、選択回数が0個の項目の中から履歴エリアの空きエリアに配置させる項目を追加して設定する構成としていたが、本制御は、選曲メニュー画面の初期配置を決定する際の制御に限られるものではない。RAM等の記憶手段における特定範囲の記憶領域に対し、予め定められている個数のデータを設定する制御であれば転用することができる。言い換えれば、記憶手段のうち、第1の記憶領域と、第2の記憶領域とに対して予め定められている個数のデータを設定する場合であり、且つ、第1の記憶領域には特定条件を満たしているデータを格納し、第2の記憶領域にはそれ以外のデータを配置させる制御を行うものであれば転用可能である。具体的には、例えば、複数の項目の中から1の項目を選択する所定のメニュー画面(例えば、遊技メニュー画面や、リーチ演出における演出態様を選択するためのメニュー画面)において、遊技者が選択可能な項目と、選択不可能な項目とを含む複数の項目を同時に表示させる場合(例えば、遊技者が予め設定されている所定のミッション(課題)を達成する毎に、選択可能な項目が増えていく仕様のメニューを表示させる場合)に転用してもよい。つまり、特定の表示範囲に対しては、遊技者が選択可能な項目を優先的に配置させ、他の表示範囲に残りの項目を配置させるためのデータ設定を行う際の制御に転用してもよい。この場合は、まず、特定の表示範囲に表示させる項目に対応するデータを設定する。そして、特定の表示範囲に表示させるために十分な個数の項目を設定することができた場合は、続けて残りのデータを他の表示範囲に表示させる項目として設定する。一方、特定の表示範囲に表示させることができる項目数未満の個数の項目が遊技者に選択可能な状態の場合には、特定の表示範囲に表示させる項目として、遊技者が選択不可能な項目の中から優先度が高い項目の順に特定の表示範囲に表示されるようにデータを設定する構成としても良い。この場合の優先度の設定方法としては、例えば、選択可能な状態に切り替わり易い項目(難易度が比較的容易なミッションを達成することで選択可能な状態に切り替わる項目)ほど、優先度が高くなるように設定してもよい。
本第4制御例では、履歴エリアに配置させる項目(選択回数が1回以上の項目)が3個に満たない場合に、履歴エリアに追加して配置させる項目の優先度(優先順位)として、パチンコ機10のモチーフとなった作品で使用された頻度が高い楽曲(オープニング曲(テーマ曲)、エンディング曲、挿入歌等)ほど優先度が高くなる構成としていたが、これに限られるものではない。優先度は任意に設定して良く、例えば、パチンコ機10における遊技の中で使用される頻度が高い楽曲(例えば、リーチ演出中に再生される楽曲等)ほど優先度が高くなるように構成してもよい。また、例えば、通常遊技中に遊技者が優先度を設定することが可能に構成してもよい。
本第4制御例では、選択回数が1以上の楽曲が少ない(3個未満)場合に、優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い楽曲を優先して履歴エリアに配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの選曲期間において遊技者により選択された回数を、選曲回数格納エリア223acにおいてカウントしておくのに加え、通常遊技中に再生された楽曲(例えば、スーパーリーチ演出に発展することにより再生された楽曲)の再生回数をカウントしておく構成としてもよい。そして、遊技者の選択回数が少ない間は、通常遊技中に再生された回数が多い楽曲を履歴エリアの空きエリア(遊技者の選択回数が1以上の楽曲を格納した後の残りの記憶領域)に対して格納する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が遊技中に聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。遊技者が自発的に楽曲を選択する場合のほとんどは、自己が聴いたことがある楽曲を選択するので、確実に聴いたことがある楽曲(通常遊技中に再生済みの楽曲)を履歴エリアに配置させる構成とすることで、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(メニュー項目)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内)で選択可能な範囲に配置させることができる。よって、遊技者の利便性をより高めることができる。この変形例について、図170から図172を参照して、より詳細に説明を行う。
<第4制御例の変形例>
図170は、第4制御例の変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223に追加された演出中再生回数格納エリア223ddを示した図である。この演出中再生回数格納エリア223ddは、通常遊技中に実行される変動表示演出において楽曲が再生(使用)された回数を、楽曲の種別毎に記憶しておくための記憶領域である。図170に示した通り、演出中再生回数格納エリア223ddは、楽曲の種別(楽曲A~楽曲Z)毎に、通常遊技中に再生(使用)された回数を示すデータが対応付けて記憶されるように構成されている。即ち、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)と同様の構成となっている。図170の例では、楽曲C、および楽曲Zが通常遊技中にそれぞれ1回ずつ再生され、他の楽曲が再生されていない場合を例示している。
この演出中再生回数格納エリア223ddに記憶されている各楽曲の再生回数は、本変形例における変動表示設定処理12(図172参照)の中で、変動パターン演出の詳細な態様を決定し、表示用変動パターンコマンドを設定した後で、当該決定された変動パターン演出において再生される楽曲が存在する場合に、当該楽曲の再生回数に1が加算される(図172のS4532参照)。また、この演出中再生回数格納エリア223ddに記憶されている各楽曲の再生回数(使用回数)は、選曲メニュー画面の初期配置において、履歴エリアに配置させる項目を設定する際に参照される(図171のS5281)。
<第4制御例の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図171、および図172を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図171を参照して、本変形例における履歴エリア設定処理12(S5241)の詳細について説明する。図171は、履歴エリア設定処理12(S5241)を示したフローチャートである。この履歴エリア設定処理12(S5241)は、第4制御例における履歴エリア設定処理(図163参照)に代えて実行され、履歴エリア設定処理(図163参照)と同様に、選曲メニュー画面における履歴エリアに配置させる項目(楽曲)を決定するための処理である。
この第4制御例の変形例における履歴エリア設定処理12(図171参照)のうち、S5271~S5277の各処理では、それぞれ第4制御例における履歴エリア設定処理(図163参照)のS5271~S5277の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における履歴エリア設定処理12(図171参照)では、S5274の処理が終了すると、次いで、演出中再生回数格納エリア223ddのデータ(通常遊技中に各楽曲が再生された回数に対応するデータ)を読み出して(S5281)、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、S5274の処理において履歴エリアにデータが格納されなかった空きエリアのエリア数以上であるか否かを判別する(S5282)。
S5282の処理において、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、履歴エリアの空きエリアのエリア数以上であると判別した場合は(S5282:Yes)、演出中再生回数格納エリア223ddに格納されている再生回数が多い順に、履歴エリアの空きエリアのエリア数分の楽曲に対応するデータを読み出し(S5283)、読出したデータを履歴エリアの空きエリアに対して再生回数が多い順に格納して(S5284)、本処理を終了する。
一方、S5282の処理において、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、履歴エリアの空きエリアのエリア数未満であると判別した場合は(S5282:No)、通常遊技中の再生回数が1以上となっている楽曲を読み出し(S5285)、読み出した全ての楽曲を履歴エリアの空きエリアに格納して(S5286)、処理をS5275に移行する。
この履歴エリア設定処理12(図171参照)を実行することで、遊技者によって楽曲が選択された回数が少ない場合において、遊技者が通常遊技中に聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。よって、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(項目)を履歴エリアに優先的に配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図172を参照して、第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(S4182)の詳細について説明する。図172は、変動表示設定処理12(S4182)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理12(S4182)は、第4制御例(および第3制御例)における変動表示設定処理10(図150参照)に代えて実行される処理であり、変動表示設定処理10(図150参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出(変動表示演出)を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定するための処理である。
この第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(図172参照)のうち、S4501~S4509,S4521、およびS4522の各処理では、それぞれ第4制御例(および第3制御例)における変動表示設定処理10(図150参照)のS4501~S4509,S4521、およびS4522の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(図172参照)では、S4504の処理が終了すると、次いで、S4504の処理で設定した表示用変動パターンコマンドによって実行される変動表示演出が、楽曲の再生を伴う演出内容であるか否かを判別する(S4531)。なお、本変形例では、スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出が実行される場合に、リーチの種別に対応する楽曲の一部が再生されるように構成されている。
S4531の処理において、今回の変動表示演出が、楽曲の再生を伴う演出内容であると判別した場合は(S4531:Yes)、次いで、演出中再生回数格納エリア223ddのうち、今回の変動表示演出の実行中に再生される楽曲に対応する再生回数に1を加算して(S4532)、処理をS4521に移行する。一方、S4531の処理において、今回の変動表示演出が、楽曲の再生を伴わない演出内容(例えば、完全外れの変動パターンに対応する変動表示演出)であると判別した場合は(S4531:No)、S4532の処理をスキップして、処理をS4521に移行する。
以上説明した通り、第4制御例の変形例では、遊技者により選択されたことがある楽曲が少ない(3個未満)場合に、通常遊技中において、変動表示演出の実行中に再生(実行)された楽曲(音声演出)に対応する画像を優先的に履歴エリア(少ない操作回数で選択可能なメニュー位置)に配置させる構成としている。このように構成することで、遊技者により選択されたことがある楽曲が少ない(3個未満)場合であっても、遊技者が聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。よって、楽曲の選択回数に拘わらず、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(メニュー項目)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内)で選択可能な範囲に配置させることができるので、遊技者の利便性をより高めることができる。
なお、本変形例では、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリアに対して通常遊技中に再生されたことがある楽曲に対応する画像(項目)を優先的に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、履歴エリアに配置させる項目として、まず、通常遊技中に再生された回数が多い楽曲を優先的に配置させる構成とし、履歴エリアに空きエリアが生じている場合には、遊技者が選曲期間において選択(決定)した回数が多い楽曲に対応する画像を空きエリアに配置させる構成としてもよい。また、例えば、遊技者が選択した回数が多い楽曲を履歴エリアに配置させた後で、履歴エリアに対して空きエリアが生じているか否かに拘わらず、選択回数が多い楽曲に対応する画像に続けて、通常遊技中に再生された回数が多い順に最大3個(所定の上限数)の楽曲に対応する画像を配置させる構成としてもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、ランダム選曲を遊技者が仮選曲した場合、およびランダム選曲を遊技者が決定した場合に、選曲期間用の楽曲が再生される構成とし、ランダムな抽選により決定された楽曲が何であるのかを、選曲期間が経過するまで識別不可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、ランダム選曲を遊技者が決定した時点で、ランダムな抽選により決定された楽曲のサビ部分の再生を開始させる構成としてもよい。また、例えば、ランダム選曲を遊技者が仮選曲した時点で再生させる楽曲を抽選により決定し、他の項目と同様にサビ部分のループ再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、抽選により決定された楽曲を選曲期間中に遊技者が識別可能となるので、抽選により決定された楽曲が気に入らなかった場合に、他の項目を選択し直す機会を与えることができる。よって、遊技者の利便性をより高めることができる。なお、これらの場合において、1の選曲期間において遊技者がランダム選曲を仮選曲、または決定する毎に、ランダムな抽選による楽曲の決定をやり直す構成としてもよいし、ランダム選曲が決定された場合に再生される楽曲を、1の選曲期間において最初に抽選により決定された楽曲に固定する構成としてもよい。ランダム選曲を仮選曲、または決定する毎に、ランダムな抽選による楽曲の決定をやり直す構成にすることで、選曲期間の間に、好みの楽曲が再生されるまでランダム選曲の仮選曲、または決定を繰り返すという選択肢を遊技者に与えることができる。よって、ランダム選曲により好みの楽曲を再生させることができるか否かを選曲期間中における1つの楽しみとして大当たり中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。これに対して、ランダム選曲が決定された場合に再生される楽曲を、1の選曲期間において最初に抽選により決定された楽曲に固定する構成とした場合には、再生された時点で確変大当たりが確定する「楽曲a」が抽選で決定されるかどうかの機会を、1の大当たりにおいて1回に限ることができる。よって、ランダム選曲を仮選曲、または決定した場合に「楽曲a」が再生されなかったとしても、たまたま抽選に外れただけだと思わせることができるので、遊技者の確変大当たりに対する期待感を維持させることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、選曲期間中に仮選曲された楽曲のサビ部分をループ再生させる構成としているが、これに限られるものではなく、仮選曲された楽曲の再生位置は任意に定めることができる。また、仮選曲されたことに基づいて再生する楽曲と、選曲期間が経過した後に再生する楽曲とで、音量を異ならせる構成としてもよい。例えば、仮選曲された楽曲の音量を小さくし、選曲期間が経過した後に再生する楽曲の音量を大きくすることにより、遊技者が選択した楽曲をより大きな音量で遊技者に聴かせることができる。よって、楽曲を聴いた遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。また、仮選曲した楽曲の音量を大きくすることで、選曲期間中に仮選曲された楽曲のサビ部分のメロディーをより明快に遊技者に認識させることができる。よって、好みの楽曲であるか否かをより容易に判断することができるので、遊技者の楽曲選択時における利便性を向上させることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が決定された場合の一部において、疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応する楽曲の再生態様とは異なる再生態様で楽曲を再生することにより、疑似少ラウンド演出が実行されているか否かを事前に察知させることができる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、再生態様に代えて、表示態様の一部を疑似少ラウンド演出によって報知されたラウンド数とは異なるラウンド数に対応する態様に設定することで、疑似少ラウンド演出が実行されているのか否かを疑似少ラウンド演出が終了する前(継続演出が実行される前)に遊技者が察知可能な場合を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、第3図柄表示装置81における小領域Ds2に表示されるキャラクタをラウンド数に応じて異ならせる構成とし、疑似少ラウンド演出が決定された場合は基本的に疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応するキャラクタが表示されるが、所定の割合(例えば、10%の割合)で、小領域Ds2に表示されるキャラクタを実際のラウンド数に対応するキャラクタを表示させる構成としてもよい。このように構成することで、第3図柄表示装置81により注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が実行される場合に、疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応する楽曲の再生態様に設定するか、実際のラウンド数に対応する楽曲の再生態様に設定するかを抽選により決定する構成としていたが、本制御は、疑似少ラウンド演出が実行される場合に限定されるものではない。有利な状態に移行した(または今後移行することが決定している)場合において、一時的に、不利な状態に移行した(または今後移行することが決定している)場合に実行される演出と区別し難い態様の演出を実行するものであれば適用することができる。具体的には、例えば、偶数図柄報知の確変大当たりと、偶数図柄報知の通常大当たりとでは、大当たりのオープニング演出やオープニング用の楽曲として基本的に同一の表示態様および音声態様となるように設定する。一方、奇数図柄報知の確変大当たりの場合には、大当たりのオープニング演出やオープニング用の楽曲として、偶数図柄報知の通常大当たり等におけるオープニングの表示態様および音声態様とは異なる態様を設定する構成とする。この場合において、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合の一部(例えば、10%の割合)で、オープニング用の楽曲として、奇数図柄報知の確変大当たりとなった場合と同一の楽曲を再生する構成としてもよい。このように構成することで、偶数図柄で大当たりが報知されたが、実は確変大当たりであったということを、遊技者に対して察知させることができる。よって、オープニング期間中の音声態様をより集中して聴かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、オープニング用の楽曲を可変させるのに代えて、又は加えて、オープニング演出の表示態様を、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合の一部(例えば、10%の割合)で、奇数図柄報知の確変大当たりになった場合と同一の表示態様に設定する構成としてもよい。このように構成することで、オープニング期間中の表示態様により注目して遊技を行わせることができる。また、これらの変形例は、オープニング期間中の表示態様および音声態様に限られるものではない。大当たり中における所定のラウンドにおける表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよいし、所定のインターバル期間における表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよいし、エンディング期間における表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを用いて、疑似少ラウンド演出の実行可否と、楽曲の再生態様の抽選態様との両方を同時に抽選可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出が決定された場合に、楽曲の再生態様として疑似少ラウンド演出により報知されるラウンド数に対応する再生態様を設定するか、本来のラウンド数に対応する再生態様を設定するか抽選するための専用のデータテーブルを別個に設ける構成としてもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が実行される場合に、疑似少ラウンド演出で報知されるラウンド数に対応する再生態様を設定するか、本来のラウンド数に対応する再生態様を設定するかを抽選により選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出が実行される場合には、必ず本来のラウンド数に対応する再生態様を設定する構成としてもよい。このように構成することで、楽曲の再生態様をより注意深く確認させることができる。
上記第3、第4制御例、および第4制御例の変形例では、ランダム選曲を遊技者が決定したことにより実行されるランダムな抽選で決定された楽曲が再生された場合についても、選曲回数格納エリア223acに記憶されている再生回数に対して1を加算する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ランダム選曲を決定したことにより再生された楽曲については、再生回数のカウントの対象から除外する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が自発的に選択した楽曲の選択回数のみをカウントすることができるので、履歴エリアに配置させる項目として、より遊技者が選択する可能性が高い項目を配置させることができる。
上記第2、および第3制御例では、選曲期間(1ラウンド目)において、選曲期間専用の楽曲を再生し、1ラウンド目の終了時から、遊技者が選択した楽曲を再生する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面において遊技者が上ボタンUBや下ボタンDBを操作(押下)する毎(点灯した見た目の表示態様となる項目が切り替わる毎)に、選曲エリアに新たに配置された項目のサビ部分を再生する構成としてもよい。このように構成することで、楽曲のタイトル(楽曲名)だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分の音声態様も加味して、大当たりの間に再生する楽曲を決定させることができるので、楽曲をより選択し易くすることができる。また、この場合において、今回の大当たりがラウンド数の少ない大当たり(例えば、5ラウンド大当たり)である場合に、遊技者が中央ボタンCBを押下して選択した際の再生位置の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる構成としてもよい。このように構成することで、ラウンド数が少ない大当たりの残りの期間を用いて、より効果的に楽曲を再生することができる。
上記各制御例では、所定期間(確変状態中や、大当たり中)において実行される興趣演出のうち、音声による演出の演出態様(再生される楽曲の種別)を遊技者が選択することができる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81において表示される表示演出の演出態様を選択することが可能に構成してもよい。
上記各制御例では、再生する楽曲の種別毎に、楽曲用データ群を設け、予め定めた順番で楽曲用データ群を構成する各データを再生することにより1の楽曲を再生する構成としていたが、これに限られるものではない。1の楽曲を開始から終了まで再生することができる1のデータのみを、楽曲の数だけ設ける構成としてもよい。この場合において、再生位置を識別可能な形式のデータ構成としておき、再生位置を、少なくともパート単位で可変させることが可能に構成してもよい。このように構成することで、上述した第1制御例のように、楽曲が選択された経緯に応じて、異なる再生位置から楽曲の再生を開始させることができる。また、上述した第2制御例のように、大当たりの最終ラウンドのラウンド期間中にサビ部分が再生される可能性が高くなるように、再生位置を可変させることができる。
上記各制御例では、選曲エリアに配置する項目のみをランダムな抽選により決定し、他の項目(履歴エリア以外のメニュー位置に配置させる項目)については、選曲エリアに配置する項目を基準として予め定められた順序(アルファベット順)で配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、他の項目についても、ランダムな抽選により決定する構成としてもよい。
上記各制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において、少ない操作回数で選択できる範囲に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させ、選曲エリアに対してランダムな抽選により選択した1の項目を配置させ、これら以外の項目を、選曲エリアに配置させた項目を基準として予め定めた順序で配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技者が選曲メニュー画面における項目の配置を操作ボタン230に対する操作等によって自由にカスタムできるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が選択したいと考える楽曲を、予め操作回数が少ない範囲で選択可能な位置に配置させておくことができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1~第4実施形態、および第7実施形態では、遊技球が入球することで大当たりの開始契機となる作動入賞口を1又は複数設ける構成としていたが、大当たりの開始契機はこれに限られるものではない。例えば、遊技者の手が届く範囲にスイッチ等の操作手段を設ける構成とし、特別図柄の抽選で大当たりとなってから当該操作手段に対して特定の操作を行った場合に大当たりが開始される構成としてもよい。このように構成することで、簡単に大当たりを開始させることができるので、作動入賞口を狙って遊技球を発射したにも拘わらず作動入賞口に入球しなかった等により遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
<第8実施形態>
次に、図173から図185を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり待機状態に移行し、その大当たり待機状態の間に作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に大当たりが開始される構成としていた。また、作動入賞口660は遊技盤13の右上側に1箇所のみ設ける構成としていた。即ち、大当たり待機状態となった場合には、大当たり種別によらず、遊技盤13の右上側に向かって遊技球を発射して作動入賞口660へと遊技球を入球させない限り、大当たりが開始されない構成としていた。
これに対して本第8実施形態におけるパチンコ機10では、複数の作動入賞口を設ける構成とし、大当たり待機状態において入賞した作動入賞口の種別に応じて開始される大当たりの種別(有利度合い)を異ならせる構成とした。より具体的には、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c、および特殊MAX用作動入賞口6720の4つの作動入賞口を設ける構成とし、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710a、および特殊MAX用作動入賞口6720のどちらかへと遊技球が入球した場合には、ラウンド数が16ラウンドの大当たりが開始される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと遊技球が入球した場合には、ラウンド数が4ラウンドの大当たりが開始される構成としている。この第8実施形態におけるパチンコ機10では、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることにより大当たりを開始させることができれば、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球し易い状態を形成することができるので、次回の大当たり待機状態において特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、2回の大当たりにおいて連続してラウンド数が多い(即ち、遊技者に有利な)16ラウンド大当たりとなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第8実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図173を参照して、本第8実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図173は、本第8実施形態における遊技盤13の正面図である。図173に示した通り、本第8実施形態における遊技盤13では、可変表示装置ユニット80の下方に、遊技球をMAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかに振り分けるための振分装置6700が設けられている。この振分装置6700は、正面視右方に遊技球が内部へと入球可能となる開口部と、その開口部を開閉するための作動ゲート6700aとが設けられている。この作動ゲート6700aは、通常時においては遊技球が振分装置6700の内部へと入球不可能な閉鎖状態(閉鎖位置)となり、大当たり待機状態の間のみ、振分装置6700の内部へと入球可能となる開放状態(開放位置)となる。
図173に示した通り、振分装置6700の内部には、開口部から入球した遊技球が流下可能な誘導流路6700bと、その誘導流路6700bを流下した遊技球を、3つの作動入賞口(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c)のいずれかへとランダムに振り分けるための3穴クルーン6710とが設けられている。大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと入球すると、ラウンド数が16ラウンドの大当たりが開始される一方で、大当たり待機状態において通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球すると、ラウンド数が4ラウンドの大当たりが開始される。
3穴クルーン6710は、公知のクルーン手段で構成されており、すり鉢形状の内壁の底面部分に3つの作動入賞口が設けられている。誘導流路6700bを流下して3穴クルーン6710へと流入した遊技球は、すり鉢状の内壁を所定期間転動した後、いずれかの作動入賞口へと入球する。なお、3穴クルーン6710へと流入した遊技球が各作動入賞口へと入球する割合は均等となっている。即ち、振分装置6700へと入球した遊技球がMAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球する確率(割合)は、各1/3である。言い換えれば、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に16ラウンド大当たりとなる確率(MAX用作動入賞口6710aへと振り分けられる確率)は1/3であり、4ラウンド大当たりとなる確率(通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかに振り分けられる確率)は2/3である。
図173に示した通り、本第8実施形態における遊技盤13では、振分装置6700に対して正面視左下方向に、特殊MAX用作動入賞口6720が設けられている。この特殊MAX用作動入賞口6720は、大当たり待機状態において遊技球が入球することで、16ラウンド大当たりの開始が設定される作動入賞口の一種である。即ち、特殊MAX用作動入賞口6720は、MAX用作動入賞口6710aと同一の機能を有する作動入賞口である。この特殊MAX用作動入賞口6720には、図173に示した通り、特殊MAX用作動入賞口6720を開放、および閉鎖させることが可能な非電動役物6720aが付随して設けられている。
非電動役物6720aは、MAX用作動入賞口6710aの内部に設けられている図示しない開放機構と接続されており、非電動役物6720aが閉鎖されている間にMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する(遊技球が開放機構を通過する)ことにより、非電動役物6720aが機械的に(電気的な制御を用いずに)開放されるように構成されている。なお、開放機構は、非電動役物6720aを開放する機能のみを有しており、非電動役物6720aが開放されている状態において、更にMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した(遊技球が開放機構を通過した)としても、非電動役物6720aの状態が変わる(非電動役物6720aが閉鎖される)ことはない。
また、非電動役物6720aは、開放状態の間に、特殊MAX用作動入賞口6720の内部に設けられている図示しない閉鎖機構を遊技球が通過することで、非電動役物6720aが機械的に(電気的な制御を用いずに)閉鎖される。なお、特殊MAX用作動入賞口6720は、他の作動入賞口とは異なり、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路を流下した遊技球が入球可能となる位置に設けられている。即ち、他の作動入賞口(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c)に対して遊技球を入球させるためには、作動ゲート6700aが開放されている間に右打ちを行えば良いのに対して、特殊MAX用作動入賞口6720に対して遊技球を入球させるためには、非電動役物6720aが開放されている間に左打ちを行えば良い。
なお、上述した通り、非電動役物6720aは、通常時は閉鎖されており、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した場合にのみ開放される。つまり、非電動役物6720aが閉鎖されている状態で大当たりになり、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球すると、ラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たり遊技(遊技者にとって有利な種別の大当たり)が実行される上に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態にすることができる。よって、次に大当たりとなるまでの間に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球しなければ(遊技球が閉鎖機構を通過しなければ)、次回の大当たり待機状態において左打ちを行うだけで、容易に、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たり(遊技者にとって有利な種別の大当たり)を開始させることができる。なお、本第8実施形態では、大当たり終了後の遊技状態として、次回の大当たりまで継続する確変状態、または時短回数が100回の時短状態のうち、どちらかが大当たり種別(確変大当たりであるか、通常大当たりであるか)に応じて設定される。即ち、特別図柄の抽選で外れ続けたとしても、最低でも特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態が継続するので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され易くなる。このため、少なくとも特別図柄の抽選が100回終了するまでは、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことになる(遊技者が左打ちを行うことがない)ため、大当たり終了後、即座に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球してしまい、非電動役物6720aが閉鎖されてしまうことを抑制(防止)することができる。これにより、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球して大当たりが開始された場合に、遊技者にとって最も有利な16ラウンドの大当たりに連続して当選し易くなる状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図173に示した通り、作動ゲート6700aの上方には、振分装置6700に対する遊技球の到達間隔を長くするための整流装置6800が設けられている。詳細については後述するが、この整流装置6800は、到達した遊技球を装置内に停留させる停留状態と、停留していた遊技球を振分装置6700に向けて流下させる流下状態とに周期的に切り替わる。この切り替わりの周期は、5秒間に1個の遊技球を流下させることが可能となる期間となるように設定されているので、振分装置6700の作動ゲート6700aが開放された場合に、1の遊技球が開口部を介して振分装置6700へと入球してから、次の遊技球が振分装置6700へと到達するまでの間に5秒の間隔を空けることができる。一方で、振分装置6700は、いずれかの作動入賞口へと遊技球が入球した時点で作動ゲート6700aが閉鎖されるように制御される。加えて、振分装置6700の内部へと入球した遊技球がいずれかの作動入賞口へと入球するまでの期間は、4秒前後となるように振分装置6700の内部構造が構成されている。つまり、1の遊技球が振分装置6700へと入球してから作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの期間が5秒未満となるように構成しているので、整流装置6800によって振分装置6700に対する遊技球の最短の到達間隔を5秒間にすることにより、1の大当たり待機状態の間に2個以上の遊技球が振分装置6700へと入球してしまうことを抑制することができる。
ここで、仮に整流装置6800を設けずに振分装置6700に遊技球が複数入球し得る構成とした場合、1の大当たり待機状態において異なる複数の作動入賞口へと遊技球が入球する可能性がある。つまり、1の遊技球が通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと入球した後で、他の遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと入球してしまう可能性がある。この場合、通常作動入賞口に対応する4ラウンド大当たりが実行されるにもかかわらず、非電動役物6720aが開放されてしまう(特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能な状態となってしまう)ので、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能な状態となるケースが増加してしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまう可能性がある。
これに対して本第8実施形態では、振分装置6700の開口部の上流側に、整流装置6800を設けることにより、1の大当たり待機状態において振分装置6700へと入球可能な遊技球を1個に限る(1の遊技球が振分装置6700へと入球してからいずれかの作動入賞口へと入球して作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの間に振分装置6700に対して次の遊技球が到達することを防止する)構成としているので、非電動役物6720aが閉鎖された状態で大当たりに当選した場合(振分装置6700へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる場合)に、毎回、1/3の確率(割合)で非電動役物6720aを開放させることができる。よって、非電動役物6720aの開放頻度が高くなり、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるので、ホールに対して不測の不利益を生じさせてしまうことを防止することができる。
次に、図174を参照して、整流装置6800の動作の詳細について説明する。図174(a)は、振分装置6700の作動ゲート6700aが開放されている状態において、停留状態の整流装置6800へと遊技球が到達した場合を示した図である。図174(a)に示した通り、整流装置6800は、遊技球を振分装置6700へと流下させることが可能な縦方向の流路と、その流路の途中に設けられ、流路を閉鎖および開放させることが可能なゲート誘導弁6800aとで構成されている。整流装置6800の停留状態においては、ゲート誘導弁6800aが閉鎖された状態となるので、遊技球が整流装置6800を通過することが不可能(困難)となる。よって、整流装置6800へと到達した遊技球は、図174(a)に示した通り、ゲート誘導弁6800aによって流下を阻まれるので、ゲート誘導弁6800aの上方に停留される。なお、ゲート誘導弁6800aの上方は、遊技球が1個のみ停留可能となる幅で構成されているため、1の遊技球が停留された状態で他の遊技球が整流装置6800に到達したとしても、ゲート誘導弁6800aの上方に停留されることはなく、整流装置6800の右方の流路を介して遊技盤13の下方へと流下する。これにより、ゲート誘導弁6800aが開放された場合に2個以上の遊技球が同時に振分装置6700へと向かって流下することを抑制できるので、1の大当たり待機状態において複数の遊技球が振分装置6700の内部に入球することをより確実に防止することができる。
図174(b)は、ゲート誘導弁6800aの上方に遊技球が停留された状態でゲート誘導弁6800aが開放された場合を示した図である。図174(b)に示した通り、ゲート誘導弁6800aが開放されると、ゲート誘導弁6800aの上方に停留されていた遊技球が下方へと落下する。これにより、作動ゲート6700aが開放されている場合には、遊技球が振分装置6700へと入球する。なお、図174(c)に示した通り、ゲート誘導弁6800aは、遊技球がゲート誘導弁6800aを通過した直後に閉まるように、ゲート誘導弁6800aの開閉の周期が設定されている。より具体的には、ゲート誘導弁6800aは、4.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すように構成されている。これにより、5秒間あたり、最大1個の遊技球のみを振分装置6700に向けて流下させることができるので、1の遊技球が振分装置6700へと入球してから振分装置6700の作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの間の約4秒の間に他の遊技球が振分装置6700へと入球してしまうことをより確実に防止することができる。
次に、図175を参照して、各作動入賞口の詳細について説明する。図175(a)は、遊技球が3穴クルーン6710の内壁を転動中の状態を示した図である。図175(a)に示した通り、振分装置6700の内部に設けられている3穴クルーン6710には、その略中央部分に、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cの3つの作動入賞口が設けられている。MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球すると、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球した場合は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される。よって、大当たり待機状態において振分装置6700へと遊技球が入球した場合には、3穴クルーン6710に設けられている3つの作動入賞口のうち、有利な16ラウンド大当たりの契機となるMAX用作動入賞口6710aへと入球することを期待させる遊技性を実現することができる。
また、図175(a)に示した通り、MAX用作動入賞口6710aと、特殊MAX用作動入賞口6720とは機械的に接続されている。より具体的には、図175(b)に示した通り、遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと入球して、MAX用作動入賞口6710aの内部に設けられている図示しない開放機構を通過すると、遊技球の通過に連動して、特殊MAX用作動入賞口6720に付随する非電動役物6720aが開放する。これにより、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するまでの間、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態に維持される。よって、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するよりも前に大当たりに当選し、大当たり待機状態に移行すれば、左打ちにより特殊MAX用作動入賞口6720を狙うだけで、容易にラウンド数が多い(即ち、遊技者にとって有利な)16ラウンド大当たりを開始させることができる。よって、有利な大当たり種別に連続して当選する可能性が高い極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第8実施形態では、大当たりのラウンド数のみを大当たり待機状態の間に遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて決定する構成とし、大当たり終了後の遊技状態に関しては、大当たり種別に応じて予め定められている(確変大当たりとなるか、通常大当たりとなるかが特別図柄の抽選を実行した時点で決定されている)構成としている。このため、MAX用作動入賞口6710aへと入球して(即ち、非電動役物6720aが開放された状態で)実行された16ラウンド大当たりの終了後の遊技状態は、確変状態、および時短状態のどちらの可能性もある。言い換えれば、比較的不利な通常大当たりに当選した場合でも、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることができれば、時短状態が経過するまでの間、大当たりに当選した場合にラウンド数が16ラウンドに設定される有利な状態が継続するので、時短大当たりとなって通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと入球した場合(非電動役物6720aが開放されなかった場合)に比較して、時短状態における抽選結果が大当たりとなることをより強く期待して遊技を行わせることができる。即ち、同じ時短状態であっても、非電動役物6720aの状態に応じて、大当たりに当選することに対する期待感を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと1個入球することにより、特殊MAX用作動入賞口6720が開放される機構を採用していたが、これに限られるものではなく、特殊MAX用作動入賞口6720が開放されるまでに要するMAX用作動入賞口6710aへの入賞個数は任意に定めることができる。また、同様にして、開放された状態の特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されるまでに要する特殊MAX用作動入賞口6720に対する入賞個数も任意に定めることができる。
次に、図176、および図177を参照して、本第8実施形態における第3図柄表示装置81に表示される特徴的な表示演出について説明する。図176(a)は、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で大当たりが終了した場合における大当たりのエンディング演出の表示態様の一例を示した図である。なお、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で大当たりが終了する場合とは、基本的に、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したことにより実行された16ラウンド大当たりが終了した場合である。なお、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態において大当たりになったにもかかわらず、遊技者が発射方向を誤った等により、大当たり待機状態において右打ちを行って振分装置6700へと入球させ、3穴クルーン6710に設けられているいずれかの作動入賞口へと入球した場合にも、大当たりの終了時に特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態になる。この場合にも同様のエンディング演出が実行される。
特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態におけるエンディング演出では、第3図柄表示装置81の表示画面に対して、「MAXゾーン突入!!」という文字と、「右打ち中に当たればMAX確定!?」という文字とが表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、右打ちを行っている間に大当たりに当選することで、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たり(MAX大当たり)を開始させることができるということを容易に理解させることができる。以降は、説明の便宜上、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態のことを、「MAXゾーン」と称する。
次に、図176(b)を参照して、MAXゾーンの間に大当たりに当選した場合における、大当たり待機状態中の表示態様(待機状態演出)について説明する。図176(b)に示した通り、MAXゾーンにおいて大当たりに当選すると、第3図柄表示装置81の表示画面の上方に、「左打ちでMAXを狙え!!」という文字が表示された表示領域HR5が形成されると共に、表示領域HR5の下方に、特殊MAX用作動入賞口6720を模した画像に対して矢印の画像が向けられている表示内容が表示された表示領域HR6が形成される。これらの表示内容により、今回の大当たり待機状態においては、右打ちにより振分装置6700を狙うのではなく、左打ちにより特殊MAX用作動入賞口6720を狙えば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図177(a)を参照して、MAXゾーン中に時短回数が終了した(時短期間が経過した)場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。図177(a)に示した通り、MAXゾーンにおいて時短回数が経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面における下方に、「MAXゾーン転落のピンチ!!」という文字と、「転落する前に当たればMAX確定!?」という文字とが表示された表示領域HR7が形成される。この表示内容により、遊技者に対してMAXゾーンが終了する可能性があることを容易に理解させることができる。逆に言えば、時短期間が経過し、左打ちにより遊技を行う必要がある比較的不利な遊技状態(通常遊技状態)に移行したとしても、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するよりも前に第1入球口64へと遊技球を入球して大当たりに当選することができれば、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させるだけで有利な16ラウンド大当たりが実行されるというMAXゾーンの恩恵がそのまま受けられるので、時短状態が終了した場合に、即座に遊技を辞めてしまうことを防止することができる。即ち、少なくとも特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球して、MAXゾーンが終了してしまうまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放されている状態において左打ちを行った場合に、遊技球約5個に1個の割合で非電動役物6720aへと遊技球を入球させることが可能に構成されている。これに対し、第1入球口64に対しては遊技球約10個に1個の割合でしか入球しないため、非電動役物6720aが開放されている状態で左打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選が実行される回数はほぼ、1回以下となる。よって、非電動役物6720aが開放されている状態で先に第1入球口64へと入球して、且つ、入球に基づく抽選で大当たりになる可能性は非常に低いため、この状況が生じた場合に、遊技者に対してより大きな達成感と満足感とを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図177(b)は、MAXゾーンにおいて特殊MAX用作動入賞口6720へと入球したことによりMAXゾーンが終了した場合(非電動役物6720aが閉鎖した場合)を示した図である。図177(b)に示した通り、MAXゾーンにおいて時短期間が経過し、特別図柄の抽選を実行させるために左打ちを行ったことにより、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球すると、表示領域HR7の表示内容が「転落!!」という文字に変更されると共に、非電動役物6720aが閉鎖される。この表示内容により、遊技者に対してMAXゾーンが終了してしまったことを容易に理解させることができる。
なお、本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放されている状態において左打ちを行った場合に、発射された遊技球が約5個に1個の割合で入球する構成としていたが、遊技球が入球する割合は任意に定めてもよい。遊技球が入球する割合を高くする(例えば、1/3の割合)ことにより、非電動役物6720aが開放された状態で大当たりとなった場合に、より少ない発射個数で特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させることができるので、効率良く遊技を行わせることができる。これに対して、遊技球が入球する割合を低くする(例えば、1/20の割合)ことにより、非電動役物6720が開放された状態で時短回数が経過した場合に、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球するよりも前に第1入球口64へと入球して特別図柄の抽選を実行させることができる可能性が高まるため、非電動役物6720aが開放された状態で大当たりとなる可能性を高くすることができる。更に、左打ちを行った場合に特殊MAX用作動入賞口6720へと入球する割合を、ホールの店員等が可変させることが可能となるように構成してもよい。即ち、効率良く遊技を行うことができるように設定するか、特殊MAX用作動入賞口6720aが開放された状態で大当たりとなる可能性を高めるかを選択することができるように構成してもよい。このように構成することで、ホール毎の経営方針等に合わせたスペックを実現することができる。
<第8実施形態における電気的構成>
次に、図178、および図179を参照して、本第8実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。本第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110に設けられているROM202の構成、および音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成が、第1実施形態から一部変更となっている。まず、図178を参照して、本第8実施形態におけるROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容以外については、第1実施形態におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図178に示した通り、本第8実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、大当たり種別として、「大当たりA12」と、「大当たりB12」との2種類の大当たり種別が規定されている。なお、本第8実施形態では、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかによらず、共通の大当たり種別が選択される。より具体的には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~64」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりA12」が決定される(図178の202b1参照)。この「大当たりA12」は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される大当たり種別である。なお、ラウンド数に関しては、上述した通り、大当たり待機状態において入賞した作動入賞口の種別に応じて可変する。より具体的には、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球した場合に、4ラウンドの大当たりになる一方で、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと入球した場合に、16ラウンドの大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA12」に対応付けられているのは「0~64」の65個のカウンタ値なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA12」が決定される割合は65%(65/100)である。
これに対して、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりB12」が決定される(図178の202b2参照)。この「大当たりB12」は、大当たり終了後の遊技状態として、時短回数が100回の時短状態に設定される大当たり種別である。よって、確変状態よりも不利な遊技状態となるので、「大当たりB12」は、「大当たりA12」よりも遊技者にとって不利となる。なお、ラウンド数に関しては、「大当たりA12」と同様に、入賞した作動入賞口の種別に応じて可変する。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB12」に対応付けられているのは「65~99」の35個のカウンタ値なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB12」が決定される割合は35%(35/100)である。
このように、本第8実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たり終了後に設定される遊技状態のみが予め定められており、ラウンド数については、大当たり待機状態において遊技球が(最初に)入球した作動入賞口の種別に応じて決定されるように構成している。即ち、大当たり遊技の有利度合いが、大当たり待機状態において遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて可変する構成としている。これにより、大当たり待機状態となった場合に、遊技球が入球する作動入賞口の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図179を参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図179は、RAM223の構成を示したブロック図である。図179に示した通り、第8実施形態におけるRAM223の構成は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、MAXゾーン中フラグ223daが追加されている点、およびレベルカウンタ223hが削除されている点で相違する。
MAXゾーン中フラグ223daは、MAXゾーン中であるか(即ち、非電動役物6720aが開放されているか)否かを示すためのフラグである。このMAXゾーン中フラグ223daがオンであれば、MAXゾーン中である(非電動役物6720aが開放されている)ことを示し、オフであれば、MAXゾーン中ではない(非電動役物6720aが閉鎖されている)ことを示す。このMAXゾーン中フラグ223daは、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへの入賞を検出した場合にオンに設定され(図185のS40003参照)、特殊MAX用作動入賞口6720への入賞を検出した場合にオフに設定される(図185のS40005,40009参照)。大当たりのエンディング期間となり、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合には、このMAXゾーン中フラグ223daの状態を参照して、通常のエンディング演出を実行するか、MAXゾーンを示すエンディング演出を実行するかが決定される(図184のS4493~S4495参照)。
<第8実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図180から図183を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図180のフローチャートを参照して、本第8実施形態における特別図柄変動処理12(S131)について説明する。この特別図柄変動処理12(S131)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示態様の設定、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)のうち、S201~S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS201~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)では、S220の処理が終了すると、次いで、作動ゲート6700aの開放を設定して(S251)、処理をS223へと移行する。作動ゲート6700aの開放を設定することにより、大当たり待機状態において右打ちを行うことで振分装置6700の内部へと容易に遊技球を入球させることができるようになる。
次に、図181を参照して、本第8実施形態における立ち上げ処理12について説明する。この立ち上げ処理12は、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)と同様に、電源投入に伴い起動される処理である。この第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)のうち、S901~S912、およびS914~S917の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901~S912、およびS914~S917の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)では、S912の処理が終了すると、ゲート誘導弁6800aの駆動開始を設定して(S931)、処理をS914へと移行する。ゲート誘導弁6800aの駆動が開始されると、ゲート誘導弁6800aは、4.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを電源が遮断されるまで周期的に繰り返す。これにより、整流装置6800へと到達した遊技球が振分装置6700へと到達する間隔を5秒間隔以上とすることができるので、1の大当たり待機状態において1の遊技球が振分装置6700へと入球してから当該遊技球がいずれかの作動ゲートへと入球する(作動ゲート6700aが閉鎖される)までの約4秒間の間に他の遊技球が振分装置6700の内部に入球することを防止することができる。よって、非電動役物6720aが閉鎖された状態において大当たりとなった場合に、MAX用作動入賞口6710aへの入球に基づいてMAXゾーンに移行する(非電動役物6720aが開放される)割合を1/3に維持することができる。よって、MAXゾーンに過剰に移行してしまい、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制できる。
次に、図182を参照して、本第8実施形態におけるメイン処理12について説明する。このメイン処理12は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)と同様に、遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)のうち、S1001~S1003、およびS1005~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001~S1003、およびS1005~S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)では、S1003の処理が終了すると、第1実施形態における大当たり開始処理(図31、S1004参照)に代えて、大当たり開始処理12を実行して(S1061)、処理をS1005へと移行する。この大当たり開始処理12(S1061)の詳細について、図183を参照して説明する。
図183は、大当たり開始処理12(S1061)を示すフローチャートである。この大当たり開始処理12(S1061)は、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、作動入賞口への入球に基づいて大当たりを開始するための処理である。この第8実施形態における大当たり開始処理12(S1061)のうち、S1101,S1102、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1102、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、第8実施形態における大当たり開始処理12(図183参照)では、S1102の処理が終了すると(S1102:Yes)、次に、作動ゲート6700aの閉鎖を設定し(S1121)、入賞を検出した作動入賞口の種別を音声ランプ制御装置113に通知するための入賞口種別コマンドを設定する(S1122)。ここで設定された入賞口種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理12(図182参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞口種別コマンドを受信すると、コマンドにより通知された作動入賞口の種別に応じてMAXゾーン中フラグ223daを更新する。これにより、大当たり終了時に実行されるエンディング演出の態様を、特殊MAX用作動入賞口6720の状態(MAXゾーンであるか否か)に応じて設定することができる。
また、S1122の処理が終了すると、次いで、入賞を検出した作動入賞口の種別に応じたラウンド数の大当たりの開始を設定する(S1123)。より具体的には、通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへの入賞を検出した場合に、4ラウンド大当たりの開始を実行する一方で、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720のどちらかへの入賞を検出した場合に、16ラウンド大当たりの開始を設定する。S1123の処理が終了すると、大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S1124)、処理をS1104へと移行する。
<第8実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図184および図185を参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図184を参照して、本第8実施形態における当たり関連処理12(S4391)について説明する。この当たり関連処理12(S4391)は、コマンド判定処理(図36参照)において、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)のうち、S4401~S4409の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401~S4409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4407:No)、次いで、未処理のコマンドの中に入賞口種別コマンドが含まれているか否かを判別し(S4491)、入賞口種別コマンドが含まれていると判別した場合は(S4491:Yes)、コマンドにより通知された作動入賞口の種別に応じた制御を実行するための入賞口種別コマンド処理を実行して(S4492)、本処理を終了する。この入賞口種別コマンド処理(S4492)の詳細については、図185を参照して後述する。
一方、S4491の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に入賞口種別コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4491:No)、処理をS4409へと移行する。S4409の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S4409:Yes)、次いで、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S4493)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S4493:Yes)、非電動役物6720aが開放されていることを意味し、大当たり終了後に設定される確変状態、または時短状態の間に再度大当たりに当選することにより、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させて有利な16ラウンド大当たりを開始させることが可能であることを意味するので、MAXゾーンへの突入を示す態様のエンディング演出(図176(a)参照)の実行を設定して(S4494)、本処理を終了する。一方で、S4493の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S4493:No)、通常のエンディング演出を設定して(S4495)、本処理を終了する。
次に、図185を参照して、上述した入賞口種別コマンド処理(S4492)の詳細について説明する。この入賞口種別コマンド処理(S4492)は、上述した通り、主制御装置110から受信した入賞口種別コマンドによって通知された作動入賞口の種別に応じた制御を実行するための処理である。
この入賞口種別コマンド処理(図185参照)では、まず、待機状態演出フラグ223gがオンであるか否かを判別し(S40001)、待機状態演出フラグ223gがオンであると判別した場合は(S40001:Yes)、次いで、今回受信した入賞口種別コマンドが、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドであるか否かを判別する(S40002)。S40002の処理において、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドであると判別した場合は(S40002:Yes)、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したことを意味し、非電動役物6720aを開放させるための開放機構を遊技球が通過した(非電動役物6720aが開放された)ことを意味するので、MAXゾーン中フラグ223daをオンに設定して(S40003)、本処理を終了する。
一方で、S40002の処理において、今回受信した入賞口種別コマンドが、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドではないと判別した場合は(S40002:No)、次いで、特殊MAX用作動入賞口6720を示すコマンドであるか否かを判別し(S40004)、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドであると判別した場合は(S40004:Yes)、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して閉鎖機構を遊技球が通過する(非電動役物6720aが閉鎖される)ことを意味するので、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定して(S40005)、本処理を終了する。これに対し、S40004の処理において、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドではないと判別した場合は(S40004:No)、非電動役物6720aの状態が切り替わることがないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S40001の処理において、待機状態演出フラグ223gがオフであると判別した場合は(S40001:No)、次に、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドを受信したか否かを判別し(S40006)、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドであると判別した場合は(S40006:Yes)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別する(S40007)。S40007の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S40007:Yes)、大当たり待機状態以外の状態において、開放された状態の特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して非電動役物6720aが閉鎖されたことを意味するので、転落演出(図177(b)参照)の実行を設定する(S40008)。次いで、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定して(S40009)、本処理を終了する。これにより、遊技者に対してMAXゾーンが終了したことを容易に理解させることができる。
一方、S40006の処理において、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドではない(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかを示す入賞口種別コマンドである)と判別した場合は(S40006:No)、大当たり待機状態ではない(作動ゲート6700aが閉鎖され、振分装置6700の内部に遊技球が入球不可能である)にもかかわらず、振分装置6700の内部に遊技球が入球したことを意味し、作動ゲート6700aの故障や何らかの不正行為が行われた可能性があるので、表示用エラーコマンドを設定することによりエラーを報知して(S40010)、本処理を終了する。また、S40007の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S40007:No)、非電動役物6720aが閉鎖されているはずであるのにもかかわらず、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球したことを意味し、非電動役物6720aの故障等の不具合が発生している可能性があるため、処理をS40010へと移行してエラーの報知を設定し、本処理を終了する。
この入賞口種別コマンド処理(図185参照)を実行することにより、入賞を検出した作動入賞口の種別に応じて好適にMAXゾーン中フラグ223daを更新することができる。
以上説明した通り、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり待機状態において入球した作動入賞口の種別に応じて、実行(決定)される大当たり遊技の有利度合い(大当たり種別)が可変する構成としている。即ち、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球すると、比較的有利な16ラウンド大当たりが実行される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球すると、比較的不利な4ラウンド大当たりが実行される。4つの作動入賞口のうち、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cの3つの作動入賞口は、振分装置6700の内部に設けられており、振分装置6700の内部に入球した遊技球が各1/3の確率(割合)で均等に振り分けられる構成としている。つまり、大当たり待機状態において振分装置6700へと遊技球が入球すると、1/3の割合で16ラウンド大当たりとなり(即ち、MAX用作動入賞口6710aへと入球し)、2/3の割合で4ラウンド大当たりとなる(即ち、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球する)。これにより、MAX用作動入賞口6710aへと振り分けられることを期待させる遊技性を実現することができるので、大当たり待機状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球することにより、通常時は閉鎖されている特殊MAX用作動入賞口6720が開放されるように構成している。この特殊MAX用作動入賞口6720の開放状態は、次に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するまで維持される。ここで、特殊MAX用作動入賞口6720は遊技盤13における左側の流路に配置されているので、普通図柄の時短状態が設定される確変状態、および時短状態の間(即ち、右打ちにより遊技を進行する遊技状態の間)は、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して非電動役物6720aが閉鎖されることはない。よって、確変大当たり(大当たりA12)に当選して、大当たり待機状態でMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合は、16ラウンド大当たりが実行される上に、次に大当たりとなった場合に特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させることができるので、2回の大当たりで連続して、遊技者にとって有利な種別の大当たりが実行されることが確定するという遊技性を提供することができる。一方で、通常大当たり(大当たりB12)に当選してMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合には、時短状態が継続している間に大当たりとなることにより、次の大当たりも16ラウンド大当たりとなるため、時短状態の間に再度大当たりになることを強く願って遊技を行うという遊技性を実現することができる。このように、MAX用作動入賞口6710aへと入球したのが確変大当たりの大当たり待機状態であるか、通常大当たりの大当たり待機状態であるかに応じて、大当たり終了後の遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、振分装置6700の内部に3穴クルーン6710を設けることにより、3つの作動入賞口に対してランダムに遊技球を振り分ける構成としていたが、遊技球をランダムに振り分けるための構成はこれに限られるものではない。複数の作動入賞口に対してランダムに遊技球を振り分けることができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
本第8実施形態では、1の大当たり待機状態において1の遊技球のみが振分装置6700の内部へと入球可能となるように制御していたが、条件(例えば、大当たり種別や大当たり待機状態に移行した時点の遊技状態、大当たり当選時の特別図柄の抽選回数等)に応じて、振分装置6700の内部へと入球可能となる遊技球の個数を可変させてもよい。より多くの遊技球が入球可能となる場合の方がMAX用作動入賞口6710aへと入球して特殊MAX用作動入賞口6720が開放される可能性も高くなるため、遊技者に対してMAXゾーンへの移行をより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、振分装置6700へと入球した遊技球を3つの作動入賞口のいずれかへとランダムに振り分ける構成としていたが、必ずしもランダムに振り分ける必要はない。例えば、大当たり待機状態となる毎に、遊技球が振り分けられる作動入賞口が予め定められた順序で切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、次回に振り分けられる作動入賞口がMAX用作動入賞口6710aである場合に、大当たりとなるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第8実施形態では、MAX用作動入賞口6710aが、大当たりの開始契機となる作動入賞口としての役割と、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させる役割とを兼任していたが、これに限られるものではない。例えば、通常用作動入賞口6710bに対して特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための開放機構を設ける構成としてもよい。このように構成することで、比較的不利な大当たり(4ラウンドの大当たり)が実行された場合に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放した有利な状態となるので、不利な大当たりとなったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。更に、大当たりが通常大当たりであった場合に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放されたままに維持される100回の時短回数の中で再度大当たりとなって16ラウンド大当たりに当選させたいと強く願って遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。また、作動入賞口とは別に、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための専用の入球口を設ける構成としてもよい。この場合において、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための専用の入球口は、必ずしも振分装置6700の内部に設ける必要はなく、例えば、特定入賞口65aの内部に設ける構成としてもよい。
本第8実施形態では、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aに遊技球が入球すると必ず16ラウンド大当たりとなる一方で、通常作動入賞口6710b,6710cに遊技球が入球すると必ず4ラウンド大当たりになる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて、ラウンド数が16ラウンドに設定される作動入賞口と、4ラウンドが設定される作動入賞口との配分を異ならせる構成としてもよい。即ち、MAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に加え、通常作動入賞口6710bへと入球した場合にも16ラウンド大当たりが設定される大当たり種別や、振分装置6700の内部のいずれの作動入賞口へと振り分けられたとしてもラウンド数が16ラウンドに設定される大当たり種別や、振分装置6700の内部のいずれの作動入賞口へと振り分けられたとしてもラウンド数が4ラウンドに設定される大当たり種別を設ける構成としてもよい。
本第8実施形態では、大当たり終了後の遊技状態は大当たり種別に応じて予め定められており、大当たりのラウンド数のみを、遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて設定する構成としていたが、作動入賞口の種別によって可変させるのは、大当たりのラウンド数に限られるものではなく、ラウンド数に代えて、又は加えて、大当たりの有利度合いに関する他の要素を作動入賞口の種別に応じて設定する構成としてもよい。具体的には、例えば、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと入球した場合には、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成してもよい。また、通常作動入賞口6710bへと入球した場合には、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成してもよい。また、通常作動入賞口6710bへと入球した場合には、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技球が作動入賞口の種別に応じて設定される有利度合いの差をより大きくすることができるので、遊技球が入球する作動入賞口の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放された状態において、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が1個入球することにより非電動役物6720aが閉鎖される構成としていたが、開放状態の特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖状態に切り替わる条件(遊技球の入球個数)は、これに限られるものではない。例えば、遊技球が2個入球するまで特殊MAX用作動入賞口6720が開放状態に保たれる構成としてもよい。このように構成した場合、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることができれば、右打ち遊技中に大当たりに当選した場合に16ラウンド大当たりが確定する有利な状態(MAXゾーン)を最大2回の大当たりに渡って継続させることができる。よって、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した場合における恩恵をより大きくすることができるので、振分装置6700へと入球した遊技球が振り分けられる作動入賞口の種別により注目して遊技を行わせることができる。
本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放された状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したとしても、非電動役物6720aの状態に何ら影響を及ぼすことがない構成としていた(単に閉鎖状態の非電動役物6720aを開放させるのみであった)が、これに限られるものではなく、非電動役物6720aが開放されている状態でMAX用作動入賞口6710aへと入球させた場合に、非電動役物6720aの状態が更に遊技者に有利になるように構成してもよい。具体的には、例えば、非電動役物6720aが開放されている状態でMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する毎に、非電動役物6720aが閉鎖されるまでの特殊MAX用作動入賞口6720に対する入球個数が1ずつ増加していくように構成してもよい。このように構成することで、非電動役物6720aが開放されている状態において大当たりになった場合であっても、大当たり待機状態において振分装置6700を狙って遊技球を発射させるという選択肢を遊技者に与えることができる。即ち、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることにより非電動役物6720aが閉鎖されるまでの入球個数を上乗せさせようと考えさせることができる。よって、非電動役物6720aが開放されている状態において、発射方向を選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、確変大当たりになると、次に大当たりとなるまで確変状態、および時短状態が継続する構成とし、通常大当たりになると、特別図柄の抽選が100回実行されるまで時短状態が継続する構成としていたが、これに限られるものではなく、時短回数を多様化させてもよい。具体的には、例えば、次に大当たりとなるまで時短状態が継続する確変大当たり(大当たりa)と、時短回数が10回に設定される確変大当たり(大当たりb)と、時短回数が100回に設定される通常大当たり(大当たりc)と、時短回数が10回に設定される通常大当たり(大当たりd)と、を少なくとも設ける構成としてもよい。このように構成することで、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態において大当たりとなった場合に、大当たり種別を加味して、大当たり待機状態において特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させるか、振分装置6700へと遊技球を入球させるかを選択させる遊技性を実現することができる。即ち、大当たりaや大当たりc(時短状態の間に再度大当たりに当選する可能性が比較的高い大当たり種別)となった場合には、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態を次の大当たりまで持ち越すために、振分装置6700を狙って遊技球を発射するという選択肢を遊技者に与えることができる。一方で、大当たりbや大当たりd(時短状態が10回しかなく、時短回数内に大当たりに当選する可能性が比較的低い大当たり種別)となった場合は、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させないと、時短状態が経過して左打ち遊技に戻ってしまい、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球する可能性が高くなる(特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されて16ラウンド大当たりの権利を失ってしまう可能性が高くなる)ので、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たりを実行させるという選択肢を遊技者に与えることができる。なお、この場合において、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する毎に特殊MAX用作動入賞口6720の閉鎖条件となる入球個数に1が加算されていく仕様を組み合わせると、より効果的である。即ち、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で振分装置6700へと遊技球を入球させ、MAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に、16ラウンド大当たりとなるだけでなく、特殊MAX用作動入賞口6720の閉鎖条件が1加算されるので、特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されているか、開放されているかによらず、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球することで遊技者にメリットを生じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態>
次いで、図186から図208を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に、有利な16ラウンド大当たりが開始される上に、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能となるMAXゾーンが付与される構成とすることにより、有利な種別の大当たりが連続して実行され易くなる構成とし、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
これに対して本第9実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、特別図柄の抽選で外れの一種である小当たりとなって、当該小当たり遊技の間に遊技領域に設けられているV入賞口(特定領域)に遊技球が入球することによっても大当たりに当選する仕様を採用している。また、本第9実施形態において、小当たりは第2特別図柄の抽選(第2入球口640への入球に基づく特別図柄の抽選)でのみ高確率で(例えば、9/10で)当選し得る(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が小当たりとなり易くなる)構成とし、且つ、遊技状態に応じて第2入球口640への入球し易さを可変させる構成としている。即ち、本第9実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになる確率は遊技状態によらず一定としておき、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放確率(普通図柄の当たりとなる確率)や、普通図柄の変動時間、開放時間等を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たりに当選する可能性を異ならせ、結果的に大当たりに当選する可能性を異ならせる構成(所謂、1種2種混合機の仕様)としている。
また、本第9実施形態では、小当たりに当選した場合に入球すると大当たりに当選するV入賞口の種別として、16ラウンド大当たりが実行される契機となるMAX用V入賞口と、小当たり種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される契機となる通常V入賞口との2種類を設ける構成としている。また、上述した第8実施形態と同様に、16ラウンド大当たりが付与される1のMAX用V入賞口(特殊MAX用V入賞口6752)に対して非電動役物6752aを付随して設ける構成とし、16ラウンド大当たりが付与される1のV入賞口(MAX用V入賞口6750f1)へと遊技球が入球したことに連動して、非電動役物6752aが開放される構成としている。これにより、普通図柄の時短状態が継続している間に小当たりとなった場合は、小当たりが終了するよりも前に左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、容易に16ラウンドの大当たりを確定させることができる。
この第9実施形態におけるパチンコ機10が、第8実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図186を参照して、本第9実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図186は、本第9実施形態における遊技盤13の正面図である。図186に示した通り、本第9実施形態における遊技盤13は、第8実施形態における遊技盤13の盤面構成(図173参照)に対して、振分装置6700に代えて抽選装置6750が設けられている点、特殊MAX用作動入賞口6720に代えて、特殊MAX用V入賞口6752が設けられている点で相違している。
抽選装置6750は、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、所定期間、遊技球が入球可能な状態となり(即ち、小当たり用アタッカー6750aが開放され)、抽選装置6750の内部に設けられている3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)のうちいずれかへと遊技球が入球することにより、大当たりに当選する。なお、抽選装置6750の内部には、V入賞口の個数(3個)と同数のアウト口(アウト口6750f2,6750f4,6750f6)が設けられている。抽選装置6750の内部に入球した遊技球は、いずれかのV入賞口、若しくはいずれかのアウト口へと必ず入球するので、抽選装置6750へと入球した遊技球がいずれかのV入賞口へと入球する(V入賞が発生する)割合(確率)は1/2(3/6)である。
小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間中)に通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかへと遊技球が入球すると、実行された小当たりの種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される一方で、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球すると、小当たり種別によらず、16ラウンドの大当たりが実行される。また、MAX用V入賞口6750f1の内部には、特殊MAX用V入賞口6752に付随して設けられている非電動役物6752aを開放させるための開放機構が設けられている。このため、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球すると、ラウンド数が最も多い(遊技者に有利な)16ラウンドの大当たりが実行される上に、左打ちを行うだけで、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を容易に入球させることが可能な状態となる。小当たり有効期間において特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合についても、MAX用V入賞口6750f1へと入球した場合と同様に、小当たり種別によらず、ラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たりに当選するので、有利な大当たりに連続して当選するチャンスが付与される。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第9実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行された場合、小当たりに当選する可能性は0であるが、第2特別図柄の抽選が実行された場合、高確率(例えば、9/10)で小当たりに当選する構成としている。よって、第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる普通図柄の時短状態では、右打ちをし続けることにより、高確率で小当たりとなって小当たり用アタッカー6750aが開放されるので、V入賞口に入球し易い状態となる。一方で、普通図柄の通常状態では、右打ちを行っても第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるので、左打ちによって遊技を進行させる必要がある。左打ちされた遊技球は、第1入球口64に入球可能であるが、第2入球口640に入球不可能であるので、普通図柄の通常状態では、小当たりに当選することがない。よって、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した(特殊MAX用V入賞口6752が開放された)ことに基づいて実行された大当たりの終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態となった場合は、小当たりになるよりも前に左打ちされた遊技球が特殊MAX用V入賞口6752へと入球することで、非電動役物6752aが閉鎖されてしまう。これに対し、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した(特殊MAX用V入賞口6752が開放された)ことに基づいて実行された大当たりの終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態であれば、高確率で小当たりに当選するので、小当たりに当選した時点で左打ちを行うことで、小当たり有効期間の間に容易に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させることができる。よって、2回の大当たりで連続して有利な大当たり種別の大当たりを実行させることができる。
次に、図187を参照して、本第9実施形態における抽選装置6750の詳細について説明する。図187は、抽選装置6750の内部構造を示した図である。図187に示した通り、抽選装置6750の内部には、3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)と、3つのアウト口(アウト口6750f2,6750f4,6750f6)とが設けられ、常時一定速度で回転動作を行う振分回転体6750fが設けられている。振分回転体6750fに到達した遊技球は、3つのV入賞口と3つのアウト口のうち、いずれかに入球する。振分回転体6750fは、パチンコ機10に対して電源が投入されてから電源が遮断されるまでの間、常に、等速で回転動作を行うため、小当たりに当選するタイミングや抽選装置6750内における遊技球の転動速度等によって、振分回転体6750fに設けられているいずれの入球口(3つのV入賞口、および3つのアウト口)へと振り分けられるかが可変する。即ち、小当たりとなって遊技球が抽選装置6750の内部へと入球する毎に、いずれかの入球口へと遊技球をランダムに振り分けることができる。
また、図187に示した通り、抽選装置6750における正面視右側には、抽選装置6750の入り口部分を開閉するための小当たり用アタッカー6750aが設けられている。この小当たり用アタッカー6750aは、小当たりに当選した場合に、所定期間(例えば、0.5秒間)開放される。この開放期間の間に上方から小当たり用アタッカー6750aへと到達した遊技球は、抽選装置6750の内部へと流入する。抽選装置6750の内部には、図187に示した通り、遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させるための誘導流路6750bが設けられており、その誘導流路6750bの床面の一部には、床面を開閉させる球排出扉6750cが設けられている。球排出扉6750cが閉鎖されている場合は、誘導流路6750bの床面と、球排出扉6750cの上面とで1の流路を形成するので、遊技球を球排出扉6750cよりも下流側へと流下させることができる。一方、球排出扉6750cが開放されている状態では、遊技球が球排出扉6750cの下方に形成されている排出領域6750dへと落下して、パチンコ機10の外部へと排出される。即ち、振分回転体6750fへと到達することなく、外部へと排出される。また、図187に示した通り、球排出扉6750cの下端よりも、遊技球1個分程度下流側には、流下してきた遊技球を誘導流路6750b内で一時的に停止させる(誘導流路6750bの特定位置を閉鎖する)ことが可能な球止め部6750eが設けられている。
球排出扉6750c、排出領域6750d、および球止め部6750eは、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を最大1個に限るために設けられている。この振分回転体6750fへと到達する遊技球を1個に限定するための制御方法について、図188を参照して説明する。図188(a)は、球排出扉6750c、および球止め部6750eがどちらも閉鎖されている状態で複数の遊技球が抽選装置6750の内部に入球した場合を示した図である。図188(a)に示した通り、球排出扉6750c、および球止め部6750eが閉鎖されている状態においては、抽選装置6750の内部へと流入した遊技球が球排出扉6750cの上面を通過して、球止め部6750eにより流下が妨げられ、球止め部6750eの右方に停留される。なお、1の遊技球が停留されている状態で更に遊技球が誘導流路6750bを流下した場合は、既に停留されている遊技球によって流下が妨げられ、停留されている遊技球の右方に停留される。なお、上述した通り、球止め部6750eは、球排出扉6750cの下端に対して遊技球1個分程度の距離を空けて配設されているので、2個目以降に抽選装置6750へと入球した遊技球は、球排出扉6750cの上面に停留される。
図188(b)は、遊技球が停留されている状態で球排出扉6750cが開放された状態を示した図である。図188(b)に示した通り、球排出扉6750cが開放されると、球止め部6750eの右方に停留されている遊技球以外の遊技球が、排出領域6750dへと落下することによりパチンコ機10の外部へと落下する。これにより、抽選装置6750の内部に1の遊技球のみが停留された状態を形成することができる。球止め部6750eは、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒間が経過した後で、正面視左方向へと傾倒することにより誘導流路6750bを通過可能な状態となる。これにより、抽選装置6750内に残存する1の遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させることができる。このように制御することにより、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達可能となる遊技球を最大1個に限ることができるので、抽選装置6750を用いた大当たり抽選の確率(振分回転体6750fによりV入賞口に振り分けられる割合)を一定にすることができる。
次に、図189を参照して、振分回転体6750fの詳細について説明する。図189(a)は、振分回転体6750fの上面図である。図189(a)に示した通り、振分回転体6750fは、上面視略円形で構成されており、その外縁部分に6つの入球口が配置されている。振分回転体6750fは、その中心から外縁方向に向かって下る向きの傾斜が設けられているので、振分回転体6750fの中心付近に対して上方から到達した遊技球は、外縁方向に向かう傾斜に沿って、外縁部分に設けられている何れかの入球口へと振り分けられる。
図189(a)に示した通り、振分回転体6750fには、上面視略台形形状の3つのV入賞口と、上面視略台形形状の3つのアウト口とが交互に配置されている。即ち、MAX用V入賞口6750f1と、アウト口6750f2と、通常V入賞口6750f3と、アウト口6750f4と、通常V入賞口6750f5と、アウト口6750f6とが順番に配置されている。なお、図189(a)に示した通り、振分回転体6750fは、パチンコ機10に電源が投入されている間、常に、軸6750fzを回転軸として、上面視時計回り方向に等速(例えば、5秒間で1回転する回転速度)で回転動作を行い続けるように構成されている。
図189(b)に示した通り、振分回転体6750fに到達した遊技球がMAX用V入賞口6750f1へと入球すると、遊技球がMAX用V入賞口6750f1の内部に設けられている開放機構を通過するため、この開放機構の通過に連動して、非電動役物6752aが開放される。これにより、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球可能となる開状態を形成する。この開状態は、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球し、内部に設けられている閉鎖機構を通過するまでの間継続する。なお、特殊MAX用V入賞口6752へは、遊技球を右打ちしている限り入球することがないため、特殊MAX用V入賞口6752が開状態に切り替わる契機となる大当たり(MAX用V入賞口6750f1への入球に基づいて当選した大当たり)が時短大当たりであれば、大当たり終了後の時短状態を右打ちで第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させることができ、左打ちをせずに小当たりに当選させることができる。よって、小当たりに当選した際に、小当たり有効期間の間左打ちを行うだけで、容易に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させて有利な種別の大当たり(16ラウンド大当たり)を実行させることができる。これに対し、MAX用V入賞口6750f1へと入球することで当選した大当たりが通常大当たりである場合は、大当たり終了後に普通図柄の通常状態となってしまい、右打ちしても第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となってしまうので、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させることで遊技を進行する必要がある。よって、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入り易くなるので、比較的早い段階で非電動役物6752aが閉鎖されてしまう。このため、ほとんどの場合、特殊MAX用V入賞口6752が開放されたことによる恩恵を受けることはできない。
このように、本第9実施形態では、小当たりにおいてMAX用V入賞口6750f1へと振り分けられて実行された大当たりが時短大当たりであるか、通常大当たりであるかによって、特殊MAX用V入賞口6752が開放されたことによる恩恵(次に小当たりとなった場合に16ラウンド大当たりに容易に当選させることができること)を受けられるか否かが可変する構成となっている。よって、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球して大当たりが実行された場合に、遊技者に対して、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態となることをより期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図190を参照して、本第9実施形態における第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、抽選装置6750の各部(小当たり用アタッカー6750a、球止め部6750e、および球排出扉6750c)の作動パターン(開放パターン)について説明する。図190は、小当たり当選時における各部の状態の経時変化を示した図である。
図190に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、小当たりの開始(小当たり有効期間の開始)と共に、小当たり用アタッカー6750aが開放される。図190に示した通り、この小当たり用アタッカー6750aの開放状態は0.5秒間継続し、0.5秒経過時に閉鎖される。以降は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6750aが閉鎖状態に維持される。0.5秒間の開放期間の間に遊技球を小当たりアタッカー6750aへと入球させることができれば、小当たり有効期間の間に振分回転体6750fへと遊技球を到達させて、いずれかの入球口へと遊技球を入球させることができる。
また、図190に示した通り、球止め部6750eは、小当たりの開始から2秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図188(a)参照)に維持され、2秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6750bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6750cは、小当たりの開始から1.5秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図188(a)参照)に維持され、1.5秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(図188(b)参照)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから1.5秒の間は、球止め部6750eも球排出扉6750cも閉鎖された状態となるので、抽選装置6750の内部へと入球した遊技球は全て、球止め部6750eによって誘導流路6750b内に停留される。
また、小当たりの開始から1.5秒が経過すると、球止め部6750eが閉鎖された状態で球排出扉6750cが開放されるので、球止め部6750eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6750cの開口部から排出領域6750dへと落下して外部へと排出される。即ち、抽選装置6750の内部に停留されている遊技球が1個のみの状態となる。そして、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒後に球止め部6750eが開放されるので、抽選装置6750の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6750fに向けて流下する。このように、先に球排出扉6750cを開放させてから球止め部6750eを開放させる構成とすることにより、小当たり用アタッカー6750aの開放期間中に抽選装置6750の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6750eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6750dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を、毎回1個に限ることができるので、小当たりにおける大当たりの当選確率(V入賞口へと遊技球が入球する確率)を常時一定(50%)とすることができる。
次に、図191を参照して、本第9実施形態における第3図柄表示装置81において実行される特徴的な表示演出について説明する。本第9実施形態では、小当たり有効期間の間に遊技球が入球することにより大当たりが付与されるV入賞口として、右打ちされた遊技球が入球可能となる抽選装置6750の内部に設けられている3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)に加えて、左打ちにより発射された遊技球が入球可能となる位置に特殊MAX用V入賞口6752が設けられている。本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりとなった場合に、小当たり有効期間内に、抽選装置6750ではなく、特殊MAX用V入賞口6752を狙うように促す演出(特殊小当たり演出)が実行される。この特殊小当たり演出の表示態様には、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させた場合に時短大当たりとなる期待度を示唆可能な3種類の表示態様が設けられている。
図191(a)は、時短大当たりの期待度が低いことを示唆する特殊小当たり演出(低期待度用の特殊小当たり演出)が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図191(a)に示した通り、低期待度用の特殊小当たり演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面における左上に、小当たり有効期間が終了するまでの残り時間(特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、当該入球が有効として扱われ、16ラウンドの大当たりに当選する期間)を表示するための表示領域HR8が形成される。この表示領域HR8の内部には、図191(a)に示した通り、「MAX有効タイマー」という文字が表示され、その「MAX有効タイマー」という文字の下方に、小当たりの有効期間が経過するまでの残り時間に応じた秒数が表示される。この表示領域HR8の表示内容を確認することにより、特殊MAX用V入賞口6752への入球が無効になるまでの残り時間を遊技者が容易に理解することができる。
また、図191(a)に示した通り、表示画面における略中央部分には、「タイマーが0になる前にMAXに入ればMAX大当たり確定!!」という文字と、「時短モードにも突入するかも・・・?」という文字とが表示された表示領域HR9が形成される。更に、表示領域HR9の下方には、特殊MAX用V入賞口6752を模した画像と、その特殊MAX用V入賞口6752を模した画像の方向を向き、「左打ち」という文字が表示された矢印を模した画像とが表示された表示領域HR10が形成される。これらの表示領域HR9,HR10の表示内容により、左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752を狙って遊技球を発射することにより、少なくとも16ラウンド大当たりに当選するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR9に対して、「時短モードにも突入するかも・・・?」という比較的弱気な表現の文字が表示されることにより、遊技球を入球させても時短モード(普通図柄の時短状態)に移行する可能性が低いということを遊技者に対して認識させることができる。よって、小当たり期間の間に左打ちを行って16ラウンド大当たりに当選させるか、遊技球の打ち出しを止めて次の小当たりまで待つ(今回の小当たりでのV入賞を回避する)かを遊技者に選択させるという遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、低期待度用の特殊小当たり演出は、時短大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され難く、且つ、通常大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され易くなるように構成されている。
図191(b)は、時短大当たりの期待度が高いことを示唆する特殊小当たり演出(高期待度用の特殊小当たり演出)が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図191(b)に示した通り、高期待度用の特殊小当たり演出の表示態様は、低期待度用の特殊小当たり演出の表示態様に対して、表示領域HR9の表示態様のみが異なって構成されている。具体的には、表示領域HR9の内部における下段に表示される文字が、「時短モードの期待大!!」という文字となる。この表示態様により、遊技者に対して今回の小当たり有効期間の間に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させることにより、時短大当たりに当選する可能性が極めて高いということを容易に理解させることができる。詳細については図195(b)を参照して後述するが、この高期待度用の特殊小当たり演出は、時短大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され易く、且つ、通常大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され難くなるように構成されている。
なお、図示については省略したが、本第9実施形態における特殊小当たり演出には、低期待度用、および高期待度用に加えて、中期待度用が設けられている。特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合には、これらの3つの期待度のうち、小当たり種別に応じて1の期待度用の特殊小当たり演出が決定される。これにより、遊技者に対して特殊小当たり演出により示唆される期待度を加味して、左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752への入賞を狙うのか、V入賞を回避するのかを選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態における電気的構成>
次に、図192(a)を参照して、本第9実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図192(a)は、本第9実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図192(a)に示した通り、本第9実施形態におけるROM202の構成は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202eaが追加されている点、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更されている点で相違している。
小当たり種別選択テーブル202eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、その小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。詳細については図193(b)を参照して後述するが、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、この小当たり種別選択テーブル202eaが参照されて、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別が決定される。
次に、図192(b)を参照して、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図192(b)は、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図192(b)に示した通り、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0,1」の2つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図192(b)の202a1参照)。なお、大当たりとなる判定値は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される判定値(カウンタ値)の個数が2個なので、特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/200(2/400)である。
また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「2~399」が規定され(図192(b)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値は規定されていない(図192(b)の202a3参照)。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「2~39」が規定され(図192(b)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「40~399」が規定されている(図192(b)の202a3参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される判定値(カウンタ値)の個数が360個なので、特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は9/10(360/400)である。
このように、本第9実施形態では、第2特別図柄の抽選でのみ、小当たりに当選し得る構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる普通図柄の時短状態において、V入賞口へと遊技球が入球し易くなるので、短い期間で再度大当たりが発生し易くなる。これにより、時短状態における有利度合いをより高めることができるので、時短状態となった場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
次に、図193(a)を参照して、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図193(a)は、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図193(a)に示した通り、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA13,B13の2種類が設けられており、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC13,D13の2種類が設けられている。
図193(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている(図193(a)の202b1参照)。この「大当たりA13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後の遊技状態が普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別(4ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は50%(50/100)である。
図193(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている(図193(a)の202b2参照)。この「大当たりB13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図193(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~79」の範囲に対して「大当たりC13」が対応付けて規定されている(図193(a)の202b3参照)。この「大当たりC13」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別(16ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は80個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は80%(80/100)である。
また、図193(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲に対して「大当たりD13」が対応付けて規定されている(図193(a)の202b4参照)。この「大当たりD13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
このように、本第9実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、必ずラウンド数が少ない4ラウンドの大当たりが実行される一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、80%の割合でラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たりが実行され、20%の割合でラウンド数が少ない4ラウンドの大当たりが実行される構成としている。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、大当たり終了後に有利な時短状態が設定される割合が50%であるのに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、時短状態が設定される割合が80%となる。よって、第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、遊技者にとって有利となり易くなるように構成されている。
次に、図193(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202eaの詳細について説明する。図193(b)は、小当たり種別選択テーブル202eaの規定内容を示した図である。この小当たり種別選択テーブル202eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定するための判定値が規定されているデータテーブルであり、小当たり種別カウンタC5の判定値が、各小当たり種別に対応付けて規定されている。
具体的には、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~4」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりA13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea1参照)。この「小当たりA13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりE13」(16ラウンド時短大当たり)に当選する小当たり種別である。即ち、通常V入賞口6750f3,6750f5へと遊技球が入球した場合にも、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合と同様に、ラウンド数が最も多い(遊技者に有利な)16ラウンド大当たりが実行される上に、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される最も有利な大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりA13」となるカウンタ値は5個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA13」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「5~54」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりB13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea2参照)。この「小当たりB13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりF13」(特殊時短大当たり)に当選する小当たり種別である。この「大当たりF13」は、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかへと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される一方で、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される。つまり、「小当たりB13」は、大当たりのラウンド数(有利度合い)が入賞したV入賞口の種別に応じて可変するので、通常V入賞口へと遊技球が入球した場合には、遊技者にとって不利となる。また、大当たり後の遊技状態が時短状態に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者に有利となる大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「55~99」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりC13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea3参照)。この「小当たりC13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりG13」(特殊通常大当たり)に当選する小当たり種別である。この「大当たりG13」は、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかへと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される一方で、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される。つまり、「小当たりC13」は、大当たりのラウンド数(有利度合い)が入賞したV入賞口の種別に応じて可変するので、通常V入賞口へと遊技球が入球した場合には、遊技者にとって不利となる。また、大当たり後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者に不利となる大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりC13」となるカウンタ値は45個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC13」が決定される割合は45%(45/100)である。
このように、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、時短大当たりに対応する小当たり種別(小当たりA13,B13)が決定される割合は55%(5%+50%)に設定されている一方で、通常大当たりに対応する小当たり種別(小当たりC13)が決定される割合は45%に設定されている。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率が9/10となるので、普通図柄の時短状態において大当たりに当選するのは、ほぼ、小当たりとなってV入賞が発生した場合である。よって、普通図柄の時短状態において大当たりとなった場合に、大当たり後に再度、有利な普通図柄の時短状態となる割合は45%である。また、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、V入賞が発生した場合に当選する大当たりのラウンド数については、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて可変するように構成されている。即ち、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されていれば、小当たり有効期間中にV入賞を発生させるためには抽選装置6750へと遊技球を入球させる必要があるため、V入賞が発生する場合の1/3は、MAX用V入賞口6750f1に対するV入賞であるのに対し、V入賞が発生する場合の2/3は、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対するV入賞である。そして、上述した通り、小当たりとなった場合の50%の割合で決定される小当たりB13、および45%の割合で決定される小当たりC13は、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに遊技球が入球すると、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される。即ち、MAX用V入賞口6750f1に対するV入賞が発生した場合には100%の割合で16ラウンド大当たりが設定される一方で、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対するV入賞が発生した場合には、5%の割合(小当たりA13)で16ラウンド大当たりが設定される一方で、95%の割合(小当たりB13,C13のいずれか)で4ラウンド大当たりが設定される。このため、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖された状態においては、V入賞が発生した場合の約36.7%の割合(1/3+2/3×5%)で16ラウンド大当たりとなる一方で、約63.3%の割合(2/3×95%)で4ラウンド大当たりとなる。これに対して、上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、80%の割合で16ラウンド大当たりとなるので、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態において、有利な16ラウンド大当たりとなる割合としては、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間中)にV入賞が発生して大当たりとなった場合(約36.7%)よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合(80%)の方が高くなる。
これに対して、時短状態で、且つ、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり種別が何であっても、左打ちを行って、開放された状態の特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、必ず最もラウンド数の多い16ラウンド大当たりが設定されるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも、ラウンド数の面では有利となる。言い換えれば、本第9実施形態では、同一の遊技状態(普通図柄の時短状態)であっても、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中にV入賞が発生して大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合との有利度合いが切り替わる構成となっている。このように構成することで、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図194を参照して、本第9実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成について説明する。図194は、本第9実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図194に示した通り、本第9実施形態におけるRAM203の構成は、上述した第8実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、小当たり中フラグ203eaと、大当たり種別格納エリア203ebと、V通過フラグ203ecとが追加されている点、確変フラグ203hと、入球待機フラグ203jとが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第8実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
小当たり中フラグ203eaは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203eaがオンであれば、小当たり中であることを意味し、オフであれば小当たり中でないことを意味する。小当たり中フラグ203eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなり、小当たりが開始される際にオンに設定される。また、小当たりの終了時にオフに設定される(図203のS1311参照)。特別図柄変動処理13(図197参照)では、この小当たり中フラグ203eaが参照されて、小当たり中であるか否かが判別される(図197のS261参照)。
大当たり種別格納エリア203ebは、大当たりに当選した場合に、当該当選した大当たりの種別を示すデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この大当たり種別格納エリア203ebには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別に対応するデータが格納される(図198のS321参照)。また、特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たりにおいてV入賞口へと遊技球が入球した場合に、小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータが格納される(図199のS1502参照)。この大当たり種別格納エリア203ebに格納されたデータは、当選した大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の遊技状態を、大当たり種別に応じて設定するために用いられる。
V通過フラグ203ecは、小当たり遊技の実行中に、V入賞口へと遊技球が入球済みであるか否か(小当たり終了後に大当たりとなることが確定しているか否か)を示すためのフラグである。小当たりの終了時に、このV通過フラグ203ecがオンであれば、小当たり終了時に大当たりの開始が設定される一方で、V通過フラグ203ecがオフであれば、大当たりが開始されずに小当たりが終了される。このV通過フラグ203ecは、初期値がオフに設定されており、小当たり遊技の実行中に遊技球がV入賞口に入賞した場合にオンに設定される(図204のS1608参照)。また、V入賞口へと遊技球が入球したことに基づく大当たりの開始を設定した後でオフに設定される(図203のS1325参照)。
次に、図195(a)を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図195(a)は、本第9実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図195(a)に示した通り、本第9実施形態におけるROM222の構成は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、期待度選択テーブル222eaが追加されている点でのみ相違している。この期待度選択テーブル222eaは、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合に実行される特殊小当たり演出の演出態様(演出により示唆される期待度)を決定するために参照されるデータテーブルである。ここで、上述した通り、本第9実施形態では、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと入球することにより大当たりに当選する構成としている。また、V入賞口へと入球した場合に当選する大当たりの種別(大当たり図柄)は、小当たり種別毎に予め定められている(図193(b)参照)。即ち、V入賞口へと遊技球を入球させて大当たりに当選した場合に、当該大当たりの終了後に時短状態が付与されるか否かは、小当たり種別が決定された時点(特別図柄の変動開始時点)で決定されている。本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている間に小当たりに当選した場合は、小当たり有効期間の間に、V入賞させることにより時短状態が付与される期待度を示唆する特殊小当たり演出を期待度選択テーブル222eaから選択して実行する構成としている。このように構成することで、特殊MAX用V入賞口6752が開放された状態で小当たりとなった場合に、小当たり有効期間内に遊技球を特殊MAX用V入賞口6752に入球させて大当たりを開始させるか否かを、特殊小当たり演出により示唆される期待度に応じて決定させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この期待度選択テーブル222eaの詳細について、図195(b)を参照して説明する。
図195(b)は、期待度選択テーブル222eaの規定内容を示した図である。図195(b)に示した通り、この期待度選択テーブル222eaは、小当たり種別毎に、期待度の種別(特殊小当たり演出で示唆される期待度)と、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図195(b)に示した通り、小当たりA13、および小当たりB13(V入賞が発生すると時短大当たりに当選する小当たり種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~19」の範囲に高期待度用の演出態様(図191(b)参照)が対応付けて規定され、「20~89」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「90~99」の範囲に低期待度用の演出態様(図191(a)参照)が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223eaは、「0~99」の100個の値を取り得るので、小当たりA13、またはB13となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、70%(70/100)、および10%(10/100)である。
また、図195(b)に示した通り、小当たりC13(V入賞が発生すると通常大当たりに当選する小当たり種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~4」の範囲に高期待度用の演出態様(図191(b)参照)が対応付けて規定され、「5~49」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「50~99」の範囲に低期待度用の演出態様(図191(a)参照)が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223ekaは、「0~99」の100個の値を取り得るので、小当たりC13となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ5%(5/100)、45%(45/100)、および50%(50/100)である。これらの規定内容から、高期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合に選択され易くなる一方で、小当たりC13に当選した場合に選択し難くなると言える。また、中期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合にも、小当たりC13に当選した場合にも比較的高い割合で選択され、低期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合に選択され難く、小当たりC13に当選した場合に選択され易くなる。よって、高期待度用の演出態様が実行された場合には、実行中の小当たりが小当たりA13、または小当たりB13である可能性が高いということを示唆することが可能となる一方で、低期待度用の演出態様が実行された場合には、実行中の小当たりが小当たりC13である可能性が高いということを示唆することが可能となる。また、中期待度用の演出態様が実行された場合には、小当たりA13、および小当たりB13の可能性も、小当たりC13の可能性もあるということを示唆することが可能となる。これにより、演出態様により示唆された期待度に応じて、遊技者に対して特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるか否かを選択させる遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合に、特殊小当たり演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖された状態において小当たりとなった場合においても、特殊小当たり演出を実行可能に構成してもよい。この場合において、例えば、小当たりに当選する毎に、特殊小当たり演出が実行されるか、通常の小当たり演出(V入賞させた場合に時短大当たりとなる期待度が示唆されない態様の演出)が実行されるかを抽選により決定してもよい。また、抽選確率を状況に応じて可変させてもよい。より具体的には、通常大当たりに連続して当選しているほど、時短大当たりに当選して時短状態へと移行した場合に、特殊小当たり演出が実行される確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、通常大当たりに連続して当選するという遊技者にとって比較的不利な状況が発生した場合における救済を図ることができるので、不利な状況が発生したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図196を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図196は、RAM223の構成を示したブロック図である。図196に示した通り、本第9実施形態におけるRAM223は、第8実施形態におけるRAM223の構成(図179参照)に対して、演出抽選カウンタ223eaが追加されている点、および待機状態演出フラグ223gが削除されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223eaは、上述した期待度選択テーブル222eaから1の演出態様(期待度種別)を選択するために用いるカウンタである。この演出抽選カウンタ223eaは、「0~99」の範囲で値が更新される。特殊小当たり演出の演出態様(期待度種別)を選択する場合は、期待度選択テーブル222eaに規定された乱数値(カウンタ値)と、この演出抽選カウンタ223eaの値と比較されて、対応する1の演出態様(期待度種別)が選択される。この演出抽選カウンタ223eaは、例えばメイン処理13(図201参照)の中で1ms毎に更新される。
<第9実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図197から図204を参照して、本第9実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図197を参照して、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(S141)について説明する。この特別図柄変動処理13(S141)は、第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示態様の設定、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)のうち、S202~S212,S214~S218、およびS221~S223の各処理では、それぞれ第8実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)のS202~S212,S214~S218、およびS221~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)が実行されると、まず、大当たり遊技、または小当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(S261)、大当たり遊技、または小当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S261:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方で、S261の処理において、大当たり遊技、または小当たり遊技のいずれも実行されていないと判別した場合は(S261:No)、処理をS202へと移行する。なお、S261の処理では、大当たり中フラグ203mがオンであれば大当たり遊技の実行中であると判別され、小当たり中フラグ203eaがオンであれば小当たり遊技の実行中であると判別され、大当たり中フラグ203m、および小当たり中フラグ203eaが共にオフであると判別した場合は、大当たり中でも小当たり中でもないと判別する。
また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S207、またはS212の処理が終了すると、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動処理(S213、図23参照)に代えて、特別図柄変動処理13を実行して(S262)、本処理を終了する。この特別図柄変動処理13(S262)の詳細については、図198を参照して後述する。また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S218:Yes)、時短中カウンタ203iを0にリセットし(S263)、大当たりの開始を設定すると共に大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S264)、処理をS223へと移行する。
また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S222の処理が終了すると、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S265)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S265:Yes)、小当たりの開始を設定するための小当たり開始処理を実行して(S266)、本処理を終了する。この小当たり開始処理(S266)の詳細については、図199を参照して後述する。一方、S265の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合は(S265:No)、小当たり開始処理(S266)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次いで、図198を参照して、本第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(S262)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理13(S262)は、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)と同様に、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の外れ」、又は「特別図柄の小当たり」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
この第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(図198参照)のうち、S301~S312の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)のS301~S312の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(図198参照)では、S305の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S305:Yes)、大当たり種別格納エリア203ebに対して今回の抽選により当選した大当たり種別を示すデータを格納して(S321)、処理をS306へと移行する。
一方、S305の処理において、今回の特別図柄の抽選が大当たりではないと判別した場合に(S305:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選が小当たりであるか否かを判別して(S322)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S322:Yes)、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり時の表示態様を設定する(S323)。より具体的には、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値と、小当たり種別選択テーブル202ea(図193(b)参照)とを比較し、小当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、小当たり種別カウンタC5の値が「0~4」の範囲にあれば、小当たりA13であると判定し、「5~54」の範囲にあれば、小当たりB13であると判定し、「55~99」の範囲にあれば、小当たりC13であると判定する(図193(b)参照)。
S323の処理が終了すると、小当たり時の変動パターンを決定する(S324)。S324の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たりを示す図柄の組み合わせで停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。S324の処理が終了すると、本処理を終了する。
次いで、図199を参照して、上述した小当たり開始処理(S266)の詳細について説明する。この小当たり開始処理(S266)は、上述した通り、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たりの開始を設定するための処理である。この小当たり開始処理が実行されると、まず、小当たり種別に対応する抽選装置6750の動作シナリオを読み出す(S1501)。この動作シナリオには、小当たり用アタッカー6750a、球止め部6750e、および球排出扉6750cに対して図190に示した動作を設定するためのデータが規定されている。
S1501の処理が終了すると、次に、大当たり種別格納エリア203ebに対して、今回の小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータを格納する(S1502)。このS1502の処理では、今回の小当たり種別が小当たりA13であれば、大当たりE13(16ラウンド時短大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納し、今回の小当たり種別が小当たりB13であれば、大当たりF13(特殊時短大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納し、今回の小当たり種別が小当たりC13であれば、大当たりG13(特殊通常大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納する。S1502の処理が終了すると、小当たりの開始を設定して(S1503)、本処理を終了する。
次に、図200を参照して、本第9実施形態における立ち上げ処理13について説明する。この立ち上げ処理13は、第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)と同様に、電源投入に伴い起動される処理である。この第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)のうち、S901~S910,S912、およびS914~917の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901~S910、およびS914~S917の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)では、S910の処理が終了すると、時短中カウンタ203i、大当たり中フラグ203m、および小当たり中フラグ203eaを読み出して(S941)、処理をS912へと移行する。
また、本第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)では、抽選装置6750の内部に設けられている振分回転体6750fの回転動作の開始を設定して(S942)、処理をS914へと移行する。このS942の処理を実行することにより、パチンコ機10の電源が遮断されるまでの間、振分回転体6750fが一定の回転速度(例えば、5秒間で1回転する回転速度)で回転動作を行い続ける。よって、小当たりに当選したタイミング等に応じて、抽選装置6750へと入球した遊技球が振り分けられる入球口をランダムに可変させることができる。
次に、図201を参照して、本第9実施形態におけるメイン処理13の詳細について説明する。このメイン処理13は、第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)と同様に、遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第9実施形態におけるメイン処理13(図201参照)のうち、S1001~S1003、およびS1006~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001~S1003、およびS1006~S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態におけるメイン処理13(図201参照)では、S1003の処理が終了すると、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(S1005、図30参照)に代えて、大当たり制御処理13を実行し(S1071)、次いで、小当たり遊技中の各種制御を実行するための小当たり制御処理13を実行して(S1072)、処理をS1006へと移行する。これらの大当たり制御処理13(S1071)、および小当たり制御処理13(S1072)の詳細については、それぞれ図202、および図203を参照して後述する。
まず、図202を参照して、上述した大当たり制御処理13(S1071)の詳細について説明する。この大当たり制御処理13は、上述した通り、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、特定入賞口65aの開閉制御を行うための処理である。
この第9実施形態における大当たり制御処理13(S1071)のうち、S1201~S1212,S1214,S1216、およびS1217の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図32参照)のS1201~S1212,S1214,S1216、およびS1217の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第9実施形態における大当たり制御処理13(図202参照)では、S1212の処理において、エンディング演出の終了タイミングになったと判別した場合に(S1212:Yes)、今回の大当たりが時短大当たりであるか否かを判別して(S1251)、時短大当たりであると判別した場合は、処理をS1214へと移行する。これに対し、S1251の処理において、時短大当たりではないと判別した場合は(S1251:No)、処理をS1216へと移行する。
次に、図203を参照して、上述した小当たり制御処理13(S1072)の詳細について説明する。この小当たり制御処理13(S1072)は、上述した通り、小当たり遊技中の各種制御を実行するための処理である。言い換えれば、上述した第3実施形態における小当たり制御処理(図67参照)と同様の制御を行うための処理である。
この小当たり制御処理13(図203参照)のうち、S1301~S1304,S1310、およびS1311の各処理では、それぞれ第3実施形態における小当たり制御処理(図67参照)のS1301~S1304,S1310、およびS1311の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1303の処理が終了すると、次いで、小当たり用の動作シナリオの開始を設定して(S1321)、本処理を終了する。
また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1311の処理が終了すると、次に、V通過フラグ203ecがオンであるか否かを判別し(S1322)、V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合は(S1322:Yes)、時短中カウンタ203iの値を0にリセットし(S1323)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータに対応する種別の大当たりの開始を設定し(S1324)、V通過フラグ203ecをオフに設定して(S1325)、本処理を終了する。一方、S1322の処理において、V通過フラグ203ecがオフであると判別した場合は(S1322:No)、S1323~S1325の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1310の処理において、小当たりの終了タイミングではないと判別した場合に(S1310:No)、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うためのV通過検出処理を実行して(S1326)、本処理を終了する。このV通過検出処理(S1326)の詳細について、図204を参照して説明する。
図204は、V通過検出処理(S1625)を示したフローチャートである。このV通過検出処理(S1625)は、上述した通り、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うための処理である。このV通過検出処理(S1625)が実行されると、まず、V通過フラグ203ecがオンであるか否かを判別し(S1601)、V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合は(S1601:Yes)、既にいずれかのV入賞口への入球(通過)を検出済みであり、新たな設定の必要がないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
これに対して、V通過フラグ203ecがオフであると判別した場合は(S1601:No)、いずれかのV入賞口に対する入球(通過)を検出したか否かを判別して(S1602)、V入賞口に対する入球(通過)を検出していないと判別した場合は(S1602:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1602の処理において、V入賞口に対する入球を検出したと判別した場合は(S1602:Yes)、次いで、V入賞の有効期間中であるか否かを判別し(S1603)、有効期間外である場合は(S1603:No)、不正行為等により遊技球がV入賞口へと入球した(通過した)可能性があるため、エラーコマンドを設定して(S1604)、本処理を終了する。
これに対し、S1603の処理において、V有効期間内であると判別した場合は(S1603:Yes)、次に、S1602の処理で入球を検出したV入賞口の種別が、通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかであるか否かを判別し(S1605)、今回の入球(通過)が通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらでもない(MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752のいずれかである)と判別した場合は(S1605:No)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータを、16ラウンド大当たりに対応するデータに書き換えて(S1606)、処理をS1607へと移行する。
これに対して、S1605の処理において、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対する入球を検出したと判別した場合は(S1605:Yes)、S1606の処理をスキップして、処理をS1607へと移行する。S1607の処理では、V通過コマンドを設定し(S1607)、次いで、V通過フラグ203ecをオンに設定する(S1608)。次に、通過を検出したV入賞口の種別を音声ランプ制御装置113に通知するためのV入賞口コマンドを設定して(S1609)、本処理を終了する。
このV通過検出処理により、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1、および特殊MAXV入賞口6752への入球を検出した場合に、小当たり種別とは無関係に16ラウンドの大当たりを実行することができる。これにより、小当たり有効期間の間に入球するV入賞口の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図205から図207を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図205を参照して、本第9実施形態における当たり関連処理13(S43001)について説明する。この当たり関連処理13(S43001)は、コマンド判定処理(図36参照)において、第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)のうち、S4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理では、それぞれ第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)のS4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に、ラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4407:No)、次に、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に小当たり用オープニングコマンドが含まれているか否かを判別し(S44001)、小当たり用オープニングコマンドが含まれていると判別した場合は(S44001:Yes)、小当たり中の演出態様を設定するための期待度示唆設定処理を実行して(S44002)、本処理を終了する。この期待度示唆設定処理(S44002)の詳細については、図206を参照して後述する。
また、本第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)では、S44001の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合に(S44001:No)、次いで、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にV入賞口コマンドが含まれているか否かを判別し(S44003)、V入賞口コマンドが含まれていると判別した場合は(S44003:Yes)、入球を検出したV入賞口の種別、および状態に応じた制御を実行するためのV入賞口コマンド処理を実行して(S44004)、本処理を終了する。一方、S44003の処理において、V入賞口コマンドが含まれていないと判別した場合は(S44003:No)、処理をS4409へと移行する。なお、V入賞口コマンド処理(S44004)の詳細については、図207を参照して後述する。
次に、図206を参照して、上述した期待度示唆設定処理(S44002)の詳細について説明する。この期待度示唆設定処理(S44002)は、上述した通り、小当たり中の演出態様を設定するための処理である。この期待度示唆設定処理(S44002)では、まず、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S40101)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S40101:Yes)、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりが実行されたことを意味するので、特殊小当たり演出の演出態様を決定するためのS40103~S40105の各処理を実行する。より具体的には、期待度選択テーブル222eaを読み出して(S40103)、読み出した期待度選択テーブル222eaから、今回の小当たり種別、および演出抽選カウンタ223eaのカウンタ値に対応する期待度種別を特定し(S40104)、特定した期待度種別の特殊小当たり演出の実行を設定して(S40105)、本処理を終了する。
これに対して、S40101の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S40101:No)、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されていることを意味するので、通常の小当たり演出の実行を設定して(S40102)、本処理を終了する。この期待度示唆設定処理(図206参照)により、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合に、特殊小当たり演出の演出態様によってV入賞させた場合に時短大当たりが実行される期待度を遊技者に示唆することができる。よって、特殊小当たり演出の示唆内容を加味して、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるか否かを選択させるという遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図207を参照して、上述したV入賞口コマンド処理(S44004)の詳細について説明する。このV入賞口コマンド処理(S44004)は、上述した通り、入球を検出したV入賞口の種別、および状態に応じた制御を実行するための処理である。このV入賞口コマンド処理(S44004)では、まず、今回受信したV入賞口コマンドが、MAX用V入賞口6750f1への入球を示すコマンドであるか否かを判別し(S40201)、MAX用V入賞口6750f1を示すコマンドであると判別した場合は(S40201:Yes)、MAXゾーン中フラグ223daをオンに設定し(S40202)、小当たり有効期間中にV入賞口へと入賞したことを示すV入賞演出を設定して(S40203)、本処理を終了する。
一方、S40201の処理において、MAX用V入賞口6750f1への入球を示すコマンドではないと判別した場合は(S40201:No)、次に、特殊MAX用V入賞口6752への入球を示すV入賞口コマンドであるか否かを判別する(S40204)。S40204の処理において、今回のV入賞口コマンドが特殊MAX用V入賞口6752を示すコマンドであると判別した場合は(S40204:Yes)、次に、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定し(S40205)、次いで、現在が小当たり遊技の実行中であるか否かを判別する(S40206)。S40206の処理において、現在が小当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S40206:Yes)、小当たり有効期間中に、開放状態の特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球したことを意味するので、V入賞演出の実行を設定して(S40207)、本処理を終了する。一方、S40206の処理において、小当たり遊技の実行中ではない(通常遊技中である)と判別した場合は(S40206:No)、小当たり有効期間外において左打ちを行ったことにより、開放されていた特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球して特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されたことを意味するので、転落演出の実行を設定して(S40208)、本処理を終了する。
これに対し、S40204の処理において、今回受信したV入賞口コマンドが、特殊MAX用V入賞口6752への入賞を示すコマンドではないと判別した場合は(S40204:No)、通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかを示すコマンドであることを意味するので、V入賞演出の実行を設定して(S40209)、本処理を終了する。このV入賞口コマンド処理(図207参照)を実行することにより、入賞を検出したV入賞口の種別、および特殊MAX用V入賞口6752の状態等に応じて、好適な制御を実行することができる。
以上説明した通り、本第9実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりに当選した場合に入球すると大当たりに当選するV入賞口の種別として、16ラウンド大当たりが実行される契機となるMAX用V入賞口と、小当たり種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される契機となる通常V入賞口との2種類を設ける構成としている。また、16ラウンド大当たりが付与されるMAX用V入賞口として、MAX用V入賞口6750f1と、特殊MAX用V入賞口6752との2つを設ける構成とし、特殊MAX用V入賞口6752に対しては非電動役物6752aを付随して設ける構成としている。この非電動役物6752aは、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球したことに連動して開放される構成としている。この開放状態は、次に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球するまでの間継続するので、小当たり中にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球を入球させることができれば、小当たりとなった場合に、小当たりが終了するよりも前に左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、容易に16ラウンドの大当たりを確定させることができる非常に有利な状態を形成することができる。つまり、連続して最も有利な種別の大当たりに当選する可能性が高い、極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、本第9実施形態では、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、特殊MAX用V入賞口6752の状態によらず、80%の割合で16ラウンド大当たりとなるように構成されている。これに対し、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態においてV入賞が発生した場合には、約36.7%の割合(MAX用V入賞口6750f1に入球した場合、および小当たりA13の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合)でしか16ラウンド大当たりに当選しない一方で、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり有効期間中に特殊MAX用V入賞口6752を狙って遊技球を発射するだけで必ず16ラウンド大当たりに当選する構成となっている。言い換えれば、普通図柄の時短状態において特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている場合には、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利な16ラウンド大当たりとなる割合が高くなる一方で、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合には、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合の方が、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも16ラウンド大当たりとなる割合が高くなる。よって、同一の遊技状態であるにもかかわらず、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中にV入賞が発生して大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合との有利度合いを切り替えることができる。よって、普通図柄の時短状態において、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態の変形例>
次に、図208を参照して、上述した第9実施形態の変形例について説明する。上述した第9実施形態では、小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間の間)に遊技球をいずれかのV入賞口へと入球(通過)させることにより、V入賞口の種別に対応するラウンド数の大当たりが開始される構成としていた。即ち、小当たり種別に応じて、V入賞した場合に時短大当たりとなるか、通常大当たりとなるかのみが予め定められており、大当たりのラウンド数についてはV入賞が発生するまで不定となる構成としていた。
これに対して第9実施形態の変形例では、大当たりのラウンド数に加えて、大当たり終了後の遊技状態についても、小当たり有効期間の間に入球したV入賞口の種別に応じて可変し得る構成としている。より具体的には、大当たりG13(特殊通常大当たり)に対応する小当たりC13に当選したとしても、当該小当たり有効期間においてMAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと入球すれば、16ラウンド時短大当たりが付与される(大当たりG13が16ラウンド時短大当たりに書き換えられる)構成としている。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合における恩恵をより大きくすることができるので、抽選装置6750へと遊技球が入球した場合には、入球するV入賞口の種別に対してより注目して遊技を行わせることができる。また、特殊MAX用V入賞口6752が開放された状態で時短状態に移行した場合には、9/10で当選する小当たりの小当たり有効期間内に左打ちを行うだけで、容易に16ラウンド時短大当たりに当選させることができる極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第9実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第9実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第9実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図208を参照して、本変形例における主制御装置110のMPU201により実行されるV通過検出処理(S1625)について説明する。このV通過検出処理(S1625)は、上述した第9実施形態におけるV通過検出処理(図204参照)と同様に、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うための処理である。
この第9実施形態の変形例におけるV通過検出処理(図208参照)のうち、S1601~S1605、およびS1607~S1609の各処理では、それぞれ第9実施形態におけるV通過検出処理(図204参照)のS1601~S1605、およびS1607~S1609の各処理と同一の処理が実行される。
また、本変形例におけるV通過検出処理(図208参照)では、S1605の処理において、今回通過を検出したV入賞口が、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらでもない(即ち、MAX用V入賞口6750f1、特殊MAX用V入賞口6752のいずれかである)と判別した場合に(S1605:No)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータを、16ラウンド時短大当たりを示すデータに書き換えて(S1611)、処理をS1607へと移行する。
このように、本変形例におけるV通過検出処理(図208参照)では、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752への入球を検出した場合に、小当たり種別によらず(即ち、小当たり種別に対応する大当たり種別によらず)、16ラウンド時短大当たりが設定されるように構成している。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合における遊技者の有利度合いをより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第9実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した場合に、特殊MAX用V入賞口6752が開放される上に、16ラウンド時短大当たりに当選するように構成している。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1へと入球させると、必ず、右打ちにより遊技を行う遊技状態へと移行することになるので、特殊MAX用V入賞口6752が開放された後、小当たりに1度も当選せずに特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されるという自体が生じることを抑制することができる。また、小当たり有効期間の間に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合にも、16ラウンド時短大当たりに当選する構成としているので、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球を入球させることで、短い間隔で少なくとも2回、16ラウンド時短大当たりに当選することがほぼ確定する極めて有利な状態を形成することができる。よって、小当たり有効期間中に抽選装置6750の内部へと遊技球が入球した場合に、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本変形例では、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される構成としているので、時短状態への移行し易さを、遊技状態、および特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて可変させることができる。より具体的には、普通図柄の通常状態においては、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で時短大当たりとなるのに対し、普通図柄の時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりになると、80%の割合で時短大当たりとなるように構成されている(図193(a)参照)。一方、時短状態において小当たり中のV入賞により大当たりに当選する場合に時短状態となる割合は、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて可変する。即ち、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態においてV入賞が発生した場合には、小当たりA13,B13(時短大当たりに対応する小当たり)のどちらかにおける小当たり有効期間の間にV入賞が発生した場合(55%)と、小当たりC13の小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと入球した場合(45%×1/3)とに、時短大当たりに当選する。つまり、70%の割合で時短大当たりとなる。これに対し、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり有効期間中に左打ちを行うだけで、特殊MAX用V入賞口6752へと入球させて時短大当たりを実行させることができる。このため、時短状態において特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合の方が、小当たり有効期間中にV入賞が発生する場合よりも時短状態に移行し易くなるのに対し、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、小当たり有効期間中にV入賞が発生した方が時短状態に移行し易くなる。よって、普通図柄の時短状態において、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第9実施形態、およびその変形例では、小当たり種別毎に、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合に当選する大当たりの種別を対応付けて規定しておき、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合には、大当たり種別を16ラウンド大当たり、または16ラウンド時短大当たりに書き換える構成としていたが、必ずしも小当たり種別毎に大当たり種別を予め規定しておく必要はない。大当たり種別は、V入賞が発生した時点で抽選により決定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5へと遊技球が入球した場合には、5%の割合で16ラウンド時短大当たり、50%の割合で4ラウンド時短大当たり、45%の割合で4ラウンド通常大当たりが決定されるように抽選を行う構成としてもよい。また、MAX用V入賞口6750f1、特殊MAX用V入賞口6752への入球を検出した場合には、必ず16ラウンド時短大当たりが決定されるように抽選を行う構成としてもよい。このように構成することで、小当たり種別と大当たり種別とを対応付けて規定しておく必要がなくなるので、小当たり種別選択テーブル202eaを省略することができる。
<第10実施形態>
次に、図209から図220を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第9実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態の間に実行され易くなる第2特別図柄の抽選において、高確率で小当たりに当選する一方で、第1特別図柄の抽選では小当たりに当選し得ない構成としていた。そして、小当たり有効期間の間にV入賞口へと遊技球が入球することにより、大当たりに当選する構成としていた。
これに対して本第10実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選が実行された場合にも、所定確率(例えば、1/100)で小当たりに当選する構成とし、且つ、第1特別図柄の小当たりの一部でV入賞し得る開放パターンが設定される構成としている。即ち、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射することにより遊技を進行すべき通常状態においても、V入賞による大当たり当選が発生し得る構成としている。また、V入賞が発生し得る第1特別図柄の小当たりとして、V入賞率が異なる複数の小当たり種別(50%、75%、および100%のV入賞率)を設ける構成としている。これにより、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、V入賞が可能となる開放パターンの小当たりとなることを期待させることができる上に、より高いV入賞率の小当たりとなることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第10実施形態におけるパチンコ機10が、第9実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図209を参照して、本第10実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図209は、本第10実施形態における遊技盤13の正面図である。図209に示した通り、本第10実施形態では、可変表示装置ユニット80の下方に、第9実施形態における抽選装置6750に代えて、抽選装置6755が設けられていると共に、第9実施形態における特殊MAX用V入賞口6752が削除されている点で相違している。この抽選装置6755の詳細について、図210から図212を参照して説明する。
図210は、本第10実施形態の遊技盤13における抽選装置6755周辺の拡大正面図である。図210に示した通り、本第10実施形態における抽選装置6755の内部には、第9実施形態における振分回転体6750fに代えて、振分回転体6755fが設けられている。この振分回転体6755fには、3つのV入賞口(中央V入賞口6755fv1~6755fv3)と、3つのアウト口(中央アウト口6755fo1~6755fo3)とが設けられており、第9実施形態における振分回転体6750fと同様に、常時一定速度で回転動作を行うように構成されている。小当たりに当選するタイミング等によって振分回転体6755fに到達した遊技球が6つの入球口のいずれかへとランダムに振り分けられるので、振分回転体6755fに到達した遊技球がV入賞口に振り分けられる確率(割合)は1/2(3/6)となる。
また、図210に示した通り、抽選装置6755には、抽選装置6755を開閉可能な小当たり用アタッカー6755aと、遊技球を外部へと排出させるための排出領域6755dと、排出領域6755を開閉するための球排出扉6755cと、球排出扉6755cの上面を通過した遊技球を一時的に誘導流路6755b内に停留させるための球止め部6755eとが設けられている。これらの小当たり用アタッカー6755a、排出領域6755d、球排出扉6755c、および球止め部6755eは、それぞれ第9実施形態における抽選装置6750に設けられていた小当たり用アタッカー6750a、排出領域6750d、球排出扉6750c、および球止め部6750eと同一の機能を有して構成されているので、ここではその詳細な説明については省略する。
また、図210に示した通り、抽選装置6755の内部における小当たり用アタッカー6755aと、排出領域6755dとの間の所定位置には、遊技球を振分回転体6755fとは異なる方向(下方)へと流下させることが可能な誘導流路6755b2と、その誘導流路6755b2を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている2つの入球口(右V入賞口6755bV、および右アウト口6755bO)と、誘導流路6755b2の上端を開閉させることが可能な上開閉扉6755bUと、右V入賞口6755bVの上方を開閉することが可能な下開閉扉6755bDと、が設けられている。この誘導流路6755b2の周辺構造について、図211を参照して詳細に説明する。
図211(a)は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図であり、図211(b)は、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図であり、図211(c)は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図である。
図211(a)に示した通り、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態になると、上開閉扉6755bUの上面を遊技球が転動することにより通過可能となる。これにより、抽選装置6755の内部へと入球した遊技球は、上開閉扉6755bUの上を通過して、振分回転体6755fへ向けて流下する。また、図211(b)に示した通り、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態になると、遊技球が誘導流路6755b2へと流入可能となり、且つ、流入した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球不可能(困難)となる。また、図210(b)に示した通り、下開閉扉6755bDは、閉鎖状態において、右アウト口6755bOへと向けて下る向きの傾斜を形成する。これにより、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態で抽選装置6755の内部へと流入した遊技球は、上端が開放されている誘導流路6755b2へと流入し、閉鎖されている下開閉扉6755bDの上面が成す傾斜により右アウト口6755bOの方向へと誘導される結果、右アウト口6755bOへと入球する。
また、図210(c)に示した通り、右V入賞口6755bVは、誘導流路6755b2の直下に配置されている一方で、右アウト口6755bOは、誘導流路6755b2の流下方向に対して左側に分岐した位置に設けられている。よって、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態において抽選装置6755の内部へと入球した遊技球は、誘導流路6755b2の流下方向に沿って流下し、右V入賞口6755bVへと入球する。
このように、本第10実施形態の抽選装置6755は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDの開閉の組み合わせに応じて、抽選装置6755の内部へと流入した遊技球を振分回転体6755f側へと流下させる状態(図211(a)参照)と、右アウト口6755bOへと流下させる状態(図211(b)参照)と、右V入賞口6755bVへと流下させる状態とに切り替えることができる。つまり、1/2の割合でV入賞が発生する流下方向(振分回転体6755fが設けられている方向)と、V入賞不可能(困難)な流下方向(右アウト口6755bOの方向)と、V入賞が確定する(容易となる)流下方向(右V入賞口6755bVの方向)とを切り替えることができる。よって、抽選装置6755へと入球した遊技球の流下方向により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、詳細については後述するが、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと入球することによりV入賞が発生した場合の方が、右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生した場合よりも時短大当たりとなる可能性が高くなるように構成している。より具体的には、第2特別図柄の小当たり遊技中に中央V入賞口6755fv1~6755fv3へと遊技球が入球すると、100%の割合で16ラウンド時短大当たりに当選する一方で、右V入賞口6755bVへと入球した場合には、4割弱でしか時短大当たりとならないように構成している。このように構成することで、第2特別図柄の小当たりとなった場合に、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと入球することをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、特に、第2特別図柄の小当たり遊技の実行中に、振分回転体6755fへと向けて遊技球が流下した場合(即ち、中央V入賞口6755fv1~6755fv3、または中央アウト口6755fo1~6755fo3のいずれかへと遊技球が振り分けられることが確定した場合)に、V入賞することを強く願わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図212を参照して、本第10実施形態における振分回転体6755fの構成について説明する。図212は、本第10実施形態における振分回転体6755fの上面図である。図212に示した通り、本第10実施形態における振分回転体6755fには、第9実施形態における振分回転体6750(図189(a)参照)と同様に、外周部分に沿って6つの入球口が配置されている。具体的には、図212に示した通り、中央V入賞口6755fv1~6755fv3と、中央アウト口6755fo1~6755fo3とが、V入賞口とアウト口とが交互に隣接するように配置されている。振分回転体6755fは、軸6755fzを回転軸として、一定方向に一定速度で回転動作を行い続けるので、振分回転体6755fへと到達した遊技球は、各入球口へと均等な割合で振り分けられる。即ち、V入賞口へと遊技球が入球する割合(確率)は1/2(3/6)である。
次に、図213を参照して、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターンについて説明する。ここで、本第10実施形態では、小当たりに当選した場合に、小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の態様(開放パターン)のみを小当たり種別に応じて異ならせ、その他の作動態様(上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターン)については小当たり種別によらず共通となるように構成している。図213では、小当たり種別によらず共通となる、小当たり用アタッカー6755a以外の部分の作動態様について説明する。なお、小当たり種別毎の小当たり用アタッカー6755aの開放パターンについては、図214、および図215を参照して後述する。
図213は、小当たり遊技の実行中における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの開閉状態の経時変化(作動パターン)を示した図である。図213に示した通り、上開閉扉6755bUは、開放状態が初期状態として設定されており、小当たりが開始されてから0.2秒間が経過した時点で閉鎖状態に切り替わる。即ち、振分回転体6755fの方向へと遊技球を流下させることが可能となる状態に切り替わる。この閉鎖状態は、0.2秒間継続し(即ち、小当たりの開始から0.4秒が経過するまで継続し)、閉鎖状態に切り替わってから0.2秒経過時に開放状態に切り替わる。その後、小当たりの開始から2秒間経過時点まで上開閉扉6755bUは開放状態に維持され、2秒経過時点から3秒経過時点までの間、再び閉鎖状態に切り替わる。そして、小当たりの開始から3秒が経過した時点で、再度、開放状態に切り替わり、以降は小当たり終了まで開放状態が維持される。即ち、小当たり開始後0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までの間、および2秒経過時点から3秒経過時点までの間に抽選装置6755の内部に入球した遊技球は、閉鎖されている上開閉扉6755bUの上面を転動して振分回転体6755f側へと流下し(図211(a)参照)、その他の期間において抽選装置6755の内部に入球した遊技球は誘導流路6755b2へと流入して、右V入賞口6755bV、または右アウト口6755bOへと誘導される(図211(b),(c)参照)。
また、図213に示した通り、下開閉扉6755bDは、閉鎖状態が初期状態として設定されており、小当たりの開始から0.6秒間が経過するまでの間、閉鎖状態が維持される。そして、小当たりの開始から0.6秒間が経過した時点で、開放状態に切り替わる。これにより、誘導流路6755b2へと流入した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球可能な状態となる。この下開閉扉6755bDの開放状態は、0.2秒間の間継続し、小当たり開始から0.8秒経過時に閉鎖状態に切り替わる。その後は、小当たり開始から3秒間が経過するまでの間、下開閉扉6755bDが閉鎖状態に保たれ、3秒経過時点で再度、開放状態に切り替わる。この開放状態は、1秒間の間継続する。即ち、小当たりの開始から4秒間が経過する時点まで、開放状態が継続し、小当たりの開始から4秒経過時点で閉鎖状態に切り替わる。そして、以降は小当たりが終了するまでの間、閉鎖状態が維持される。
これらの上開閉扉6755bU、および下開閉扉6755bDの作動パターンの組み合わせにより、大当たりの開始から0.2秒間の間は遊技球を右アウト口6755bOへと誘導する状態(図211(b)参照)となる。即ち、小当たりの開始から0.2秒間の間は、遊技球が抽選装置6755へと入球したとしても、V入賞口へと入球することが不可能(困難)な期間(V不可期間)となる。そして、小当たりの開始から0.2秒間が経過して上開放扉6755bUが閉鎖状態に切り替わると、遊技球を振分回転体6755fへと誘導する状態(図211(a)参照)となる。上述した通り、振分回転体6755fに到達した遊技球は、1/2の割合でいずれかのV入賞口へと振り分けられるので、小当たり開始から0.2秒間が経過することで、抽選装置6755へと入球した遊技球が1/2の割合でV入賞する期間(V入賞率50%期間)となる。このV入賞率50%期間は、小当たり開始から0.4秒経過時点まで継続して0.4秒経過時に、V不可期間に切り替わる。
V不可期間は、小当たり開始から0.6秒経過時まで継続し、小当たり開始から0.6秒間が経過した時点で、上開閉扉6755bUが開放状態に維持されたまま、下開閉扉6755bDが開放される。これにより、抽選装置6755へと入球した遊技球を右V入賞口6755bVへと誘導する状態(図211(c)参照)となる。つまり、抽選装置6755へと入球した遊技球がほぼ100%の割合でV入賞する期間(V入賞率100%期間)となる。このV入賞率100%期間は、0.2秒間継続し、小当たりの開始から0.8秒間が経過した時点で下開閉扉6755bDが閉鎖されることにより、再びV不可期間に切り替わる。このV不可期間は、小当たり開始から2秒間経過時点まで継続し、小当たり開始から2秒経過時点で上開閉扉6755bUが閉鎖されることにより、小当たり開始後3秒経過時までの1秒間の間、V入賞率50%期間に切り替わる。そして、小当たり開始後3秒経過時点で、上開閉扉6755bUが開放されると共に、下開閉扉6755bDが開放されることにより、V入賞率100%期間に切り替わる。このV入賞率100%期間は、小当たり開始後4秒経過時点までの間(即ち、1秒間)継続し、1秒間が経過すると、下開閉扉6755bDが閉鎖されることによりV不可期間へと切り替わる。そして、以降は、小当たりが終了するまでの間、V不可期間が維持される。
このように、小当たり遊技の実行中は、V不可期間、V入賞率50%期間、およびV入賞率100%期間が切り替わるので、抽選装置6755へと遊技球が入球したタイミングに応じて、V入賞率を可変させることができる。よって、抽選装置6755へと遊技球が入球するタイミングに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図213に示した通り、球止め部6755eは、小当たりの開始から5秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、5秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、2秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6755bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6755cは、小当たりの開始から4.5秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、4.5秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから4.5秒の間は、球止め部6755eも球排出扉6755cも閉鎖された状態となるので、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部へと入球し、閉鎖された状態の上開閉扉6755bUの上面を通過した遊技球は、全て、球止め部6755eによって誘導流路6755b内に停留される。
また、小当たりの開始から4.5秒が経過すると、球止め部6755eが閉鎖された状態で球排出扉6755cが開放されるので、球止め部6755eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6755cの開口部から排出領域6755dへと落下して外部へと排出される。即ち、V入賞率50%期間の間に複数の遊技球が抽選装置6755の内部へと流入したとしても、球排出扉6755eが開放されて以降は、抽選装置6755の内部に停留されている遊技球が最大で1個のみの状態とすることができる。そして、球排出扉6755cが開放されてから0.5秒後に球止め部6755eが開放されるので、抽選装置6755の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6755fに向けて流下する。先に球排出扉6755cを開放させてから球止め部6755eを開放させる構成とすることにより、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6755eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6755dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6755fへと到達する遊技球を、最大1個に限ることができるので、V入賞率50%期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合におけるV入賞率を、毎回一定(50%)とすることができる。
このように、本第10実施形態では、小当たりに当選した場合における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの動作を、小当たりの種別によらず、共通としている。これにより、小当たり種別に応じて小当たり用アタッカー6755aの動作のみを異ならせればよいので、小当たり当選時における処理負荷を軽減することができる。
次に、図214を参照して、本第10実施形態において第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり用アタッカー6755aに対して設定される開放パターンについて説明する。本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、4種類の異なる開放パターンが設けられている。具体的には、図214に示した通り、V入賞確定パターン(図214(a)参照)と、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)と、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)と、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)との4種類が設けられている。
図214(a)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターンが設定されると、小当たりの開始から1秒間が経過するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に保たれる。この間は、右打ちにより発射された遊技球が閉鎖されている小当たり用アタッカー6755aに阻まれて、抽選装置6755内に入球することが不可能となる。そして、小当たりの開始から1秒間が経過した時点で、0.1秒間の間、小当たり用アタッカー6755aが開放される。0.1秒間が経過すると、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この0.1秒間の間は、V不可期間に相当するため、抽選装置6755へと遊技球を入球させることができたとしても、単に入球に対する賞球(例えば、10個の賞球)を得ることができるのみであり、V入賞口へと入球させることはできない。
0.1秒間の開放期間経過後の閉鎖状態は、小当たり開始後3秒間が経過するまで継続する。そして、小当たり開始後3秒間が経過すると、1秒間の間(即ち、小当たり開始後4秒間経過時点まで)小当たり用アタッカー6755aが開放状態に設定される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後3秒間から4秒間の間は、V入賞率100%期間となる。即ち、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態(図211(c)参照)となるので、開放期間の間に遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、ほぼ確実に右V入賞口6755bVへと遊技球が入球して、大当たりに当選する。小当たりの間に右打ちを行い続けていれば、1秒間の開放期間の間に容易に遊技球を抽選装置6755へと入球させることができるので、開放パターンとしてV入賞確定パターンが設定されると、ほぼ、V入賞が確定する。
一方、図214(b)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターンが設定された場合、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンと同一となる。即ち、小当たり開始後1秒経過時点から0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される。そして、V入賞率50%パターンでは、小当たり開始後2秒間が経過した時点で、小当たり用アタッカー6755aが開放され、この開放状態が1秒間の間継続する。即ち、小当たり開始後2秒経過時点から3秒経過時点まで開放状態が維持され、3秒経過時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この1秒間は、最短の発射間隔(即ち、0.6秒間隔)で遊技球を右打ちし続けることにより、1以上の遊技球を容易に抽選装置6755へと入球させることが可能となる期間として設定されている。小当たり用アタッカー6755aが閉鎖されて以降は、小当たり終了まで、小当たりアタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒間から3秒間の間は、V入賞率50%期間となる。即ち、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態(図211(a)参照)となるので、開放期間の間に遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、1の遊技球を振分回転体6755fへと流下させることができる。上述した通り、振分回転体6755fへと遊技球が到達すると、1/2の割合でV入賞口へと振り分けられるので、開放パターンとしてV入賞率50%パターンが設定された場合にV入賞が発生する割合は50%である。
また、図214(c)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターンが設定された場合、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンや、V入賞率50%パターンと同一となる。即ち、小当たり開始後1秒経過時点から0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される。そして、V入賞率75%パターンでは、小当たり開始後2.5秒間が経過した時点で、小当たり用アタッカー6755aが開放され、この開放状態が1秒間の間継続する。即ち、小当たり開始後2.5秒経過時点から3.5秒経過時点まで開放状態が維持され、3.5秒経過時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。以降は、小当たり終了まで、小当たりアタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒間から3秒間の間は、V入賞率50%期間となり、3秒間から4秒間の間は、V入賞率100%期間となる。即ち、V入賞率75%パターンが設定された場合は、開放期間の前半0.5秒間がV入賞率50%期間になると共に、開放期間の後半0.5秒間がV入賞率100%期間になる。よって、1秒間の開放期間の前半に抽選装置6755へと遊技球が入球すると、V入賞率が50%となる一方で、後半で抽選装置6755へと入球すると、V入賞率が100%となる。よって、V入賞率75%パターンが設定された場合におけるV入賞率は、平均75%(50%×1/2+100%×1/2)となる。
これらに対し、図214(c)に示した通り、通常小当たり用パターンが設定された場合には、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンや、V入賞率50%パターンや、V入賞率75%パターンと同一になるものの、0.1秒間の開放期間が終了した後は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが開放されることはない。よって、通常小当たり用パターンが設定されると、小当たり有効期間の間に0.1秒間という極めて短い期間しか小当たり用アタッカー6755aが開放されない上に、開放期間の間に運良く遊技球を抽選装置6755の内部へと入球させることができたとしても、右アウト口6755bOへと入球する。即ち、V入賞が発生することはない。よって、通常小当たり用パターンは、遊技者にとって最も不利となる(恩恵が少ない)開放パターンである。
このように、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、V入賞率の異なる4種類の開放パターンのうちいずれかが小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして設定される構成としている。また、少なくとも小当たりが開始されてから2秒間が経過するまでは、小当たり用アタッカー6755aに対して設定された開放パターンによらず、共通の開閉動作(1秒経過時に0.1秒間のみ開放される動作)が実行される構成としている。このように構成することで、小当たりが開始されてから少なくとも2秒間が経過するまでの間は、いずれの開放パターンが設定されたのかを遊技者が認識困難になるように構成できるので、全ての小当たり種別において、V入賞を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態においては、1の小当たりにおける遊技球の上限の入球個数を1個に設定し、1個の遊技球の入球を検出したことに基づいて、小当たりの終了が設定されるように構成していた。即ち、小当たり用アタッカー6755aの閉鎖が設定されると共に、小当たり用アタッカー6755aが完全に閉鎖されるまでの間に抽選装置6755内に入球した全ての遊技球がいずれかの抽選装置6755内のいずれかの入球口へと入球して排出されることにより、小当たりが開始されてからの経過時間によらず、小当たりが終了される構成としている。よって、例えば、右打ちした遊技球が、0.1秒間の開放期間の間に抽選装置6755の内部へと入球してしまった場合には、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖されると共に、入球した遊技球が右アウト口6755bOへと入球した時点で小当たりが終了されてしまう構成となっている。言い換えれば、V入賞可能な開放パターン(図214(a)~(c)参照)が設定されていたとしても、小当たり開始後1秒経過時点で設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させてしまうと、V入賞可能な期間(V入賞率50%期間、およびV入賞率100%期間)に到達するよりも前に小当たりが終了されてしまうという極めて不利な状況が生じ得る。一方で、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)が設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させなければ、その後に小当たり用アタッカー6755aが開放されることはなく、賞球を得る機会もないため、0.1秒間の開放期間にあわせて右打ちを行わないと、遊技者にとって損になる可能性がある。このため、V入賞可能な開放パターンが設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させない方が遊技者にとって有利になる可能性が高いのに対して、V入賞が不可能な通常小当たり用パターンが設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させた方が遊技者に有利となるので、小当たり種別(設定される開放パターン)を予測して0.1秒間の開放期間の間に抽選装置6755へと入球させるか否かを選択させる遊技性を実現することができる。即ち、V入賞可能な開放パターンであると予測した遊技者に対して、0.1秒間の開放期間において遊技球が抽選装置6755へと入球しないように待機若しくは左打ちを行うという選択をさせる一方で、通常小当たり用パターンであると予測した遊技者に対して、0.1秒間の開放期間を狙って右打ちを行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態では、全ての小当たり種別において、小当たりの開始から2秒間の動作を共通化していたが、これに限られるものではない。一部のV入賞可能な小当たりにおいては、通常小当たり用パターンと同一の動作態様が含まれない小当たり用アタッカー6755aの開放パターンが設定される構成としてもよい。このように構成することで、V入賞可能となる小当たりをいち早く察知できるケースを設けることができるので、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンに注目して遊技を行わせることができる。
次に、図215を参照して、本第10実施形態において第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり用アタッカー6755aに対して設定される開放パターンについて説明する。本第10実施形態では、第2特別図柄の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、3種類の異なる開放パターン(開放パターンA~C)が設けられている。
本第10実施形態では、小当たり中に遊技球1個以上の遊技球が入球した場合に、当該入球した遊技球が排出された時点で小当たりが終了される一方で、遊技球が入球しなかった場合には、8秒が経過するまで小当たりが終了しない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放期間が全て終了した時点で遊技球の入球を検出していなければ、その時点で小当たりを打ち切る構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が抽選装置6755へと入球しなかった(即ち、V入賞が発生する可能性が無い)にもかかわらず、小当たり開始から8秒経過するまで小当たりが終了されないという事象が生じることを抑制できるので、遊技の効率化を図ることができる。
また、逆に、小当たり用アタッカー6755aの開放期間が全て終了した時点からの経過時間によって小当たりの終了を設定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、小当たり用アタッカー6755aの開放期間が終了してから所定期間(例えば、5秒間)が経過した時点で小当たりが強制的に(抽選装置6755内に遊技球が残存していても)終了する構成としても良い。この場合において、小当たりを終了させるまでの期間は、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が、振分回転体6755fによっていずれかの入球口へと振り分けられる(入球を検出する)よりも少なくとも長い期間で、且つ、磁石等により無理矢理振分回転体6755f側の流路(中央ルート)へと遊技球を誘導することが困難となる長さの期間に設定すればよい。このように構成することで、磁石等を用いて無理矢理遊技球を振分回転体6755fへと誘導する不正行為に対する抑制を図ることができる。ここで、遊技球は磁性体(金属)で構成されているのが通常であるため、遊技領域を流下している遊技球に対して磁石等を近接させることにより、遊技球の流下方向を可変させることが可能となる。この性質を利用することで、例えば、抽選装置6755に入球した遊技球を磁石によって引きつけ、上開閉扉6755bUが閉鎖されているか開放されているかに関係なく、磁石の磁力によって遊技球を誘導することにより、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cを通過させて振分回転体6755fへと誘導する不正行為を行われる可能性がある。特に、普通図柄の時短状態においては、振分回転体6755fへと到達した遊技球がV入賞口へと入球することで、最も有利な16ラウンド時短大当たりとなる。つまり、磁石等によって毎回の小当たりで振分回転体6755fへと遊技球を誘導する不正行為が行われてしまうと、小当たりに当選する確率が高い(9/10)時短状態と、最も有利な16ラウンド時短大当たりとが延々と繰り返されてしまい、不正行為者にとって極めて有利な状況となってしまう。言い換えれば、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまう可能性がある。これに対して本変形例では、磁石等によって無理矢理振分回転体6755fへと遊技球を誘導しようとしても、遊技球がいずれかの入球口へと入球する前に小当たりが終了されてしまうように構成している。つまり、上開閉扉6755bUが開放されている状態で、遊技盤13の手前側から磁石によって遊技球を引きつけることにより、誘導流路6755bに対して遊技球を浮かせて、開放状態の上開閉扉6755bUや球排出扉6755cの上方を無理矢理通過させるという一連の不正行為を行った場合、通常(V入賞率50%期間の間に抽選装置6755へと遊技球が入球して振分回転体6755fへと遊技球が流下した場合)よりも振分回転体6755fへと流下するまでの期間が長くなるため、不正行為により振分回転体6755fへと到達した遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられるよりも前に小当たりを終了させることができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
また、小当たり用アタッカー6755aの閉鎖タイミングから所定期間(例えば、5秒間)経過後に小当たりを終了させるのではなく、小当たりにおける最後のV入賞率50%期間が経過してから所定期間経過後に小当たりを終了させる構成とした上で(即ち、小当たりの種別によらず、小当たり開始からの小当たりが打ち切られるまでの期間を共通化した上で)、V入賞率50%期間やV入賞率100%期間の順序を異ならせることにより、磁石等により振分回転体6755fの側へと誘導する不正行為を防止する構成としてもよい。このように構成することで、小当たりの終了条件を単純化することができるので、処理負荷を軽減することができる。
図215(a)に示した通り、開放パターンAが設定されると、小当たりの開始と共に、小当たり用アタッカー6755aが開放される。この開放状態は、0.6秒間の間継続し、小当たり開始後0.6秒が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。以降は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。開放時間が0.6秒間と比較的短いため、最短の発射間隔(即ち、0.6秒間隔)で右打ちを実行していたとしても、遊技球が入球する割合は7割程度である。また、開放期間の間に2個以上の遊技球を入球させることは極めて困難となる。
図213を参照して上述した通り、小当たりの開始から0.2秒間が経過するまでの間、および0.4秒経過時点から0.6秒経過時点までは、V不可期間に設定される一方で、0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までは、V入賞率50%期間に設定される。このため、開放パターンAが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)はV入賞率50%期間の間における入球となる。即ち、1/3の割合で、抽選装置6755へと入球した遊技球が振分回転体6755fへと振り分けられ、その1/2の割合でV入賞が発生する。
また、図215(b)に示した通り、開放パターンBが設定されると、小当たりの開始後0.4秒間の間は、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、0.4秒経過時から1秒経過時までの0.6秒間の間、開放状態に切り替わり、1秒経過以降は小当たり終了まで閉鎖状態に維持される。上述した通り、小当たりの開始後0.4秒経過時点から0.6秒経過時点まで、および0.8秒経過時点から1秒経過時点までは、V不可期間に設定される一方で、0.6秒経過時点から0.8秒経過時点までは、V入賞率100%期間に設定される。このため、開放パターンBが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)はV入賞率100%期間の間における入球となる。即ち、1/3の割合で、抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生する。なお、上述した通り、第2特別図柄の小当たりとなった場合に右V入賞口6755bVへと入球すると、時短状態となる可能性が比較的低くなる(4割弱になる)ように構成されている。一方、上述した通り、中央V入賞口6755fv1~6755fv3へと入球した場合は、遊技者にとって最も有利な16ラウンド時短大当たりが確定する。このため、右V入賞口6755bVへしか入球し得ない開放パターンBは、開放パターンAよりも不利な開放パターンであるといえる。
また、図215(c)に示した通り、開放パターンCが設定されると、小当たりの開始後0.2秒間の間は、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、0.2秒経過時から0.8秒経過時までの0.6秒間の間、開放状態に切り替わり、0.8秒経過以降は小当たり終了まで閉鎖状態に維持される。上述した通り、小当たりの開始後0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までは、V入賞率50%期間に設定され、0.4秒経過時点から0.6秒経過時点までは、V不可期間に設定され、0.6秒経過時点から0.8秒経過時点までは、V入賞率100%期間に設定される。このため、開放パターンCが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)は、V入賞率50%期間の間における入球となり、1/3(0.2s/0.6s)は、V入賞率100%期間の間における入球となる。即ち、開放パターンCは、抽選装置6755へと入球した場合の2/3でV入賞が発生する開放パターンとなるので、他の開放パターンよりもV入賞率が高い有利な開放パターンとなる。
このように、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、3種類の開放パターンのいずれかが設定される構成とし、開放パターンに応じて、V入賞率や、入球し得るV入賞口の種別を異ならせる構成としている。このように構成することで、小当たり時に小当たり用アタッカー6755aに設定される開放パターン(開放期間中における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bDの動作)により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図216を参照して、本第10実施形態における第3図柄表示装置81において実行される特徴的な演出について説明する。図216は、本第10実施形態において、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に実行される選択演出の表示態様の一例を示した図である。上述した通り、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞可能な開放パターン(図214(a)~(c)参照)が設定される小当たりと、V入賞不可能(困難)な開放パターン(図214(d)参照)が設定される小当たりとが設けられているが、少なくとも2秒間が経過するまでは、小当たり用アタッカー6755aの開放パターン(小当たり用アタッカー6755aの動作態様)が共通となるため、見た目からV入賞可能な開放パターンが設定されているのか否かを区別することが困難となる。よって、共通の開放パターンで動作している間に設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、遊技者にとって特になるのか損になるのかも、不明となる。つまり、V入賞可能な開放パターンが設定されている場合には、V不可期間において設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、賞球は付与されるものの、小当たりが終了されてしまうため損になるが、通常小当たり用パターンが設定されている場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、賞球が付与されるため遊技者にとって得になる。選択演出は、共通の開放パターン(動作態様)が実行されている間に設定される0.1秒間の開放期間を狙って遊技球を発射すべきかどうかを遊技者に選択させるための演出である。
図216に示した通り、選択演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面における中央上部に対して、「選べ!!」という文字が表示された表示領域HR8が形成される。また、表示画面における中央左側には、「賞球ゲットの期待度低」という文字と、「Vチャレンジ期待度中」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR9が形成される。また、表示領域HR9の下方には、「左打ち」という文字が表示された、左向きの矢印を模した形状の矢印画像YG1が表示される。一方、表示画面における中央右側には、「賞球ゲットの期待度中」という文字と、「Vチャレンジ期待度低」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR10が形成される。また、表示領域HR10の下方には、「右打ち」という文字が表示された、右向きの矢印を模した形状の矢印画像YG2が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行った場合のメリット、デメリットと、右打ちを行った場合のメリット、デメリットを遊技者に把握させることができる。即ち、左打ちを行うと、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させて賞球を得ることはできないが、V入賞可能となる期間において小当たり用アタッカー6755aが開放される(Vチャレンジが実行される)可能性があるということを遊技者に理解させることができる。また、右打ちを行うと、0.1秒間の開放期間の間に遊技球が入球することで賞球を獲得できる可能性があるが、V入賞可能な開放パターンが設定されていた場合には、Vチャレンジ(V入賞可能な期間における小当たり用アタッカー6755aの開放)が実行されずに小当たりが終了されてしまう可能性があるということを遊技者に理解させることができる。
なお、選択演出の態様には、V入賞可能な開放パターンが設定されている期待度が異なる複数の種類が設けられている。即ち、V入賞可能な開放パターンが設定された場合に選択される割合、および通常小当たり用の開放パターンが設定された場合に選択される割合が異なる複数の種類が設けられている(図示せず)。これにより、選択演出により示唆されるV入賞可能な開放パターンの期待度も加味して、右打ちを行うか左打ちを行うかを遊技者に決断させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図217を参照して、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における第3図柄表示装置81の表示態様の経時変化について説明する。図217(a)は、V入賞可能な開放パターンが設定される小当たり(Vチャレンジ小当たり)に当選した場合における表示態様の経時変化を示した図である。図217(a)では、Vチャレンジ小当たりとして、V入賞率50%パターンが設定される小当たりに当選した場合を例にとって説明する。
図217(a)に示した通り、V入賞率50%パターンが設定される小当たりに当選すると、まず、小当たりに対応する変動表示が開始される。この変動表示は60秒間継続した後、小当たりの当選が報知されると共に、選択演出(図216参照)が開始される。即ち、小当たりに対応する図柄が確定表示される期間となった時点で、選択演出が開始される。この選択演出は、最大で3秒間の間継続する。即ち、小当たりが開始されてから2秒間が経過するまで(共通の動作態様が終了するまで)の間継続する。
小当たり開始後1秒経過時に設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球が抽選装置6755内に入球しなければ(即ち、小当たりの終了条件が成立していなければ)、V入賞可能な期間において小当たり用アタッカー6755aが開放されると共に、Vチャレンジ演出が実行されたことを示すVチャレンジ演出が実行される。図示については省略するが、このVチャレンジ演出は、右打ちを行って遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、振分回転体6755f、または右V入賞口6755bVのどちらかへと遊技球を到達させることができるということを報知する演出である。つまり、最低でも50%の割合でV入賞が発生するということを報知するための演出である。このVチャレンジ演出において遊技球を抽選装置6755へと入球させ、V入賞が発生すると、大当たりが実行される。
なお、選択演出の実行中に右打ちを行って、0.1秒間の開放期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合には、賞球を獲得したことを祝福する演出が実行されて、選択演出が終了される。即ち、Vチャレンジ小当たりにおいて、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させたことにより、Vチャレンジの実行がキャンセルされてしまったとしても、通常小当たり用パターンが設定されて遊技球が入球した場合と区別することが不可能(困難)に構成できる。よって、Vチャレンジの実行がキャンセルされたとしても、遊技者に対して、通常小当たり用パターンが設定されたと予測して右打ちを行い、狙い通りに遊技球を入球させることができたと思わせることができる。従って、Vチャレンジがキャンセルされたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。
図217(b)は、通常小当たり用パターンが設定される通常小当たりに当選した場合における演出態様の経時変化を示した図である。図217(b)に示した通り、通常小当たりに当選した場合、通常小当たりに対応する変動表示が開始されてから、小当たり開始後2秒間が経過するまでの間の演出態様の経時変化は、Vチャレンジ小当たりに当選した場合と同一となる。即ち、60秒間の変動表示演出の実行後に、選択演出が実行される。選択演出は、0.1秒間の開放期間の間に遊技球の入球が検出されなかったこと(即ち、小当たりの終了条件が成立しなかったこと)を条件に、4秒間の間継続する。即ち、Vチャレンジ小当たりのうち、小当たり用アタッカー6755aが開放されるまでの期間が最も長いV入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たりのVチャレンジの開始タイミングと同一のタイミング(小当たり開始から4秒間経過時点)まで、選択演出が実行され続ける。そして、小当たり開始後4秒が経過した時点で、Vチャレンジが実行されないこと(Vチャレンジに非当選であったこと)を報知するための演出を実行する。これにより、Vチャレンジ小当たりであると予測して選択演出の間、左打ちを行うという選択を行った遊技者に対して、より長く、Vチャレンジに対する期待感を抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態では、小当たり変動の終了時に選択演出を開始させる構成とし、選択演出の開始から2秒経過時に0.1秒間の開放期間が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。選択演出のタイミング、および開放期間はより早いタイミングで設定してもよい。具体的には、変動中(第1図柄表示装置37において第1図柄が停止表示されるよりも前)から選択演出を実行すると共に、小当たり開始直後に解放期間が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄を識別することにより小当たり種別を特定して、開放期間に遊技球が入球するように遊技球を発射するか否かを決定しても、開放期間に間に合わないようにすることができるので、より真剣に、右打ちするか、左打ちするかを予め選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第10実施形態における電気的構成>
次に、図218から図220を参照して、本第10実施形態における主制御装置110のROM202について説明する。ここで、本第10実施形態では、上述した第9実施形態におけるROM202の構成(図192(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202a、および小当たり種別選択テーブル202eaの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違する。その他の構成については、上述した第9実施形態におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図218を参照して、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図218(a)は、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図218(a)に示した通り、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0,1」の2つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図218(a)の202a1参照)。なお、大当たりとなる判定値は、第9実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は2個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/200(2/400)である。また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「2~395」が規定され(図218(a)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として、「396~399」が規定されている(図218(a)の202a3参照)。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は4個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は1/100(4/400)である。なお、詳細については後述するが、第1特別図柄の小当たりのうち6割は開放パターンとして通常小当たり用パターン(即ち、抽選装置6755に遊技球を入球させてもV入賞が発生し得ない開放パターン)が設定される。つまり、Vチャレンジ小当たりは第1特別図柄の小当たりのうち4割である。即ち、1/100の割合で、Vチャレンジ小当たりを遊技者に期待させることが可能となる小当たり用アタッカー6755aの0.1秒間の開放動作が実行され、そのうち4割でVチャレンジが実行される(即ち、V入賞可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放される)。よって、第1特別図柄の抽選でVチャレンジ小当たりとなる確率は1/250(1/100×4/10)である。
また、図218(a)に示した通り、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「2~39」が規定され(図218(a)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「40~399」が規定されている(図218(a)の202a3参照)。よって、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は、上述した第9実施形態と同様に、9/10(360/400)である。なお、第2特別図柄の小当たりに関しては、全ての小当たり種別において、小当たり用アタッカー6755aの開放期間の間にV入賞可能な期間が含まれるように構成している。
このように、本第10実施形態では、第9実施形態と同様に、第2特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(9/10)で小当たりに当選する構成としているのに加え、第1特別図柄の抽選が実行された場合にも、低確率(1/100)で小当たりに当選する構成としている。即ち、不利な通常状態において主として実行される第1特別図柄の抽選でも、V入賞に基づく大当たりの当選を期待させることができる。また、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞が可能となる期間(V入賞率50%期間、V入賞率100%期間のうち一方又は両方)に小当たり用アタッカー6755aが開放されるVチャレンジ小当たりと、V入賞が不可能(困難)となる期間(V不可期間)にのみ小当たり用アタッカー6755aが開放される通常小当たりとを設ける構成としている。これにより、小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりに当選していることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、上述した通り、本第10実施形態では、通常小当たりと、Vチャレンジ小当たりとで、小当たり開始後2秒間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の動作態様を共通としている。即ち、小当たり開始後1秒経過時点で、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される動作態様が実行される。このため、小当たりの当選が報知された後も、少なくとも2秒間の間は、通常小当たりであるかVチャレンジ小当たりであるかを遊技者が認識困難に構成することができる。よって、通常小当たりに当選したとしても、小当たりの開始から所定期間(2秒間)の間は、Vチャレンジ小当たりに対する期待感を持続して抱かせ続けることができる。よって、小当たりに当選する毎に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図218(b)を参照して、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaの詳細について説明する。図218(b)は、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaの構成を示した図である。図218(b)に示した通り、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaには、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照される特図1小当たり用テーブル202ea1と、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照される特図2小当たり用テーブル202ea2とが設けられている。まず、図219を参照して、特図1小当たり用テーブル202ea1の詳細について説明する。
図219は、上述した特図1小当たり用テーブル202ea1の規定内容を示した図である。図219に示した通り、特図1小当たり用テーブル202ea1には、小当たり種別カウンタC5の値の範囲に対応付けて、決定される小当たり種別が規定されている。より具体的には、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0,1」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりA14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1a参照)。この「小当たりA14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりA14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」に当選する。「大当たりE14」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。よって、「小当たりA14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に右打ちして抽選装置6755へと遊技球を入球させるだけで、ほぼ確実にV入賞を発生させることができる上に、V入賞が発生することにより大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は2個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA14」が決定される割合は2%(2/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「2,3」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりB14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1b参照)。この「小当たりB14」は、「小当たりA14」と同様に、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりB14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」に当選する。「大当たりF14」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が不利な普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別である。よって、「小当たりB14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に右打ちして抽選装置6755へと遊技球を入球させるだけで、ほぼ確実にV入賞を発生させることができるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に不利な通常状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりB14」は、「小当たりA14」よりも不利な小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は2個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB14」が決定される割合は2%(2/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「4~9」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりC14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1c参照)。この「小当たりC14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりC14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)に当選する。よって、「小当たりC14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定されるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりC14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」や「小当たりB14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面では、「小当たりB14」よりも有利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりC14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は6個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC14」が決定される割合は6%(6/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「10~15」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりD14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1d参照)。この「小当たりD14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりD14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」(5ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりD14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定される上に、V入賞が発生した場合は、大当たり後に不利な通常状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりD14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」や「小当たりB14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面も、最も不利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりD14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は6個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりD14」が決定される割合は6%(6/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「16~27」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりE14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1e参照)。この「小当たりE14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりE14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)に当選する。よって、「小当たりE14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」、およびV入賞率75%パターンが設定される「小当たりC14」や、「小当たりD14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定されるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりE14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」~「小当たりD14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。一方で、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面では、最も有利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりE14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は12個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりE14」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「28~39」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりF14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1f参照)。この「小当たりF14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりF14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」(5ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりF14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」、およびV入賞率75%パターンが設定される「小当たりC14」や、「小当たりD14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定される上に、V入賞が発生した場合に、大当たり後に不利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりF14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして「小当たりA14」~「小当たりD14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面でも、最も不利となる。つまり、「小当たりF14」は、Vチャレンジ小当たりの中で、小当たり用アタッカー6755aに設定される開放パターンの面でも、V入賞が発生した場合における大当たり終了後の遊技状態の面でも最も不利となる小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりF14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は12個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりF14」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「40~99」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりG14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1g参照)。この「小当たりG14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)が設定される小当たり種別である。このため、小当たり有効期間中にV入賞させることはほぼ不可能となる。なお、V入賞が発生することは極めて困難ではあるが、「小当たりG14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりG14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は60個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりG14」が決定される割合は60%(60/100)である。
このように、本第10実施形態では、第1特別図柄のVチャレンジ小当たりとして、V入賞率が異なる複数種類の小当たり種別を設ける構成としている。即ち、V入賞率が100%となる「小当たりA14」、「小当たりB14」と、V入賞率が75%となる「小当たりC14」、「小当たりD14」と、V入賞率が50%となる「小当たりE14」、「小当たりF14」とが設けられている。このように構成することで、遊技者に対して、より高いV入賞率の小当たりに当選することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第10実施形態では、Vチャレンジ小当たりに加え、V入賞が不可能(困難)となる期間(V不可期間)にのみ小当たり用アタッカー6755aが開放される「小当たりG14」(通常小当たり)を設ける構成としている。これにより、小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりに当選していることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第10実施形態では、通常小当たりと、Vチャレンジ小当たりとで、小当たり開始後2秒間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の動作態様を共通としている。即ち、小当たり開始後1秒経過時点で、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される動作態様が実行される。このため、小当たりの当選が報知された後も、少なくとも2秒間の間は、通常小当たりであるかVチャレンジ小当たりであるかを遊技者が認識困難に構成することができる。よって、通常小当たりに当選したとしても、小当たりの開始から所定期間(2秒間)の間は、Vチャレンジ小当たりに対する期待感を持続して抱かせ続けることができる。よって、小当たりに当選する毎に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図220を参照して、上述した特図2小当たり用テーブル202ea2の詳細について説明する。図220は、この特図2小当たり用テーブル202ea2の規定内容を示した図である。図220に示した通り、この特図2小当たり用テーブル202ea2には、「小当たりH14」~「小当たりM14」の6種類の小当たり種別が規定されている。
図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~12」の範囲に対しては、「小当たりH14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2a参照)。この「小当たりH14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンA(図215(a)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは振分回転体6755fへと到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりH14」においてV入賞が発生した場合、入球したV入賞口の種別に応じて異なる大当たり種別に当選する。より具体的には、右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生した場合には、「大当たりG14」に当選する。この「大当たりG14」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。一方、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと遊技球が入球する(即ち、振分回転体6755fに設けられているV入賞口に入球する)ことによりV入賞が発生した場合には、「大当たりI14」に当選する。この「大当たりI14」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も有利な大当たり種別である。なお、図220に示した通り、第2特別図柄の小当たりとなって、当該小当たりの有効期間中に中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと遊技球が入球した場合には、小当たり種別とは無関係に「大当たりI14」に当選するように構成されている。よって、振分回転体6755fへと遊技球が流下した場合には、50%の割合で最も有利な大当たりに当選するので、遊技者の期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、開放パターンAでは、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりH14」でV入賞が発生した場合には、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかに対するV入賞である。即ち、「小当たりH14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に最も有利な「大当たりI14」に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりH14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりH14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「13~25」の範囲に対しては、「小当たりI14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2b参照)。この「小当たりI14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンB(図215(b)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは右V入賞口6755bVへと入球する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりI14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりH14」と同様に、「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。なお、開放パターンBでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりI14」でV入賞が発生した場合には、右V入賞口6755bVに対するV入賞である。即ち、「小当たりI14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりI14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりI14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「26~38」の範囲に対しては、「小当たりJ14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2c参照)。この「小当たりJ14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンC(図215(c)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、右V入賞口6755bVへと入球するか、若しくは振分回転体6755fに到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりJ14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりH14」、「小当たりI14」と同様に、「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。なお、開放パターンCでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングでも、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングでも小当たり用アタッカー6755aが開放される。即ち、「小当たりJ14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりG14」となる可能性も、「大当たりI14」となる可能性もある。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりJ14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりJ14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「39~58」の範囲に対しては、「小当たりK14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2d参照)。この「小当たりK14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンA(図215(a)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは振分回転体6755fへと到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりK14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「大当たりH14」に当選する。この「大当たりH14」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に不利な普通図柄の通常状態が設定される大当たり種別である。なお、開放パターンAでは、右V入賞口6755bVへと入球可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりK14」でV入賞が発生した場合には、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかに対するV入賞である。即ち、「小当たりK14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりI14」(16ラウンド時短大当たり)に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりK14」に対応付けられているカウンタ値の個数は20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりK14」に当選する割合は20%(20/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「59~79」の範囲に対しては、「小当たりL14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2e参照)。この「小当たりL14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンB(図215(b)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは右V入賞口6755bVへと入球する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりL14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりK14」と同様に、「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。なお、開放パターンBでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりL14」でV入賞が発生した場合には、右V入賞口6755bVに対するV入賞である。即ち、「小当たりL14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりL14」は、V入賞が発生すると遊技者に不利になる(時短状態が終了してしまう)小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりL14」に対応付けられているカウンタ値の個数は21個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりL14」に当選する割合は21%(21/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「80~99」の範囲に対しては、「小当たりM14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2f参照)。この「小当たりM14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンC(図215(c)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、右V入賞口6755bVへと入球するか、若しくは振分回転体6755fに到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりM14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりK14」、「小当たりL14」と同様に、「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。なお、開放パターンCでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングでも、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングでも小当たり用アタッカー6755aが開放される。即ち、「小当たりM14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりH14」となる可能性も、「大当たりI14」となる可能性もある。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりM14」に対応付けられているカウンタ値の個数は20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりM14」に当選する割合は20%(20/100)である。
このように、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技球が入球したV入賞口の種別に応じて異なる大当たり種別に当選する構成としている。即ち、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと遊技球が入球した場合には、最も有利な「大当たりI14」が確定する一方で、右V入賞口6755bVへと入球した場合には、比較的有利な「大当たりG14」と、不利な「大当たりH14」とのいずれかとなる。また、「大当たりG14」となる割合(即ち、「小当たりH14」~「小当たりJ14」のいずれかに当選する割合)よりも、「大当たりH14」となる割合(即ち、「小当たりK14」~「小当たりM14」のいずれかに当選する割合)の方が高くなるように構成している。これにより、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技者に対して、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、50%の割合でしかV入賞が発生しない振分回転体6755fへと遊技球が到達することを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、抽選装置6755へと遊技球が入球する毎に、遊技球の流下方向に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第10実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、所定確率(例えば、1/100)で小当たりに当選する構成としている。これにより、左打ちによって遊技を進行する必要がある普通図柄の通常状態においても、特別図柄の抽選で小当たりになることを期待して遊技を行わせることができる。また、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞率が異なる複数の種別が設けられている。即ち、V入賞率が100%、75%、および50%のVチャレンジ小当たりと、V入賞が不可能(困難)になる通常小当たりとが設けられている。これにより、小当たりに当選した場合に、より高いV入賞率に対応する小当たり種別が決定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別によらず、小当たり開始から2秒間の間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の態様を共通化している。このように構成することで、少なくとも小当たり開始から2秒間が経過するまでは、いずれの小当たり種別の小当たりが実行されているのかを遊技者に認識困難にすることができるので、通常小当たりが実行されている場合においても、Vチャレンジ小当たりに対する期待感をより長く抱かせ続けることができる。
また、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりであるか否かを予測して、その予測結果に応じて遊技球の発射方向を遊技者に可変させる選択演出を実行する構成としている。即ち、今回の小当たりが通常小当たりだった場合には、小当たりの開始後2秒間の、共通の動作態様が実行されている間に右打ちを行うことにより、遊技球を抽選装置6755へと入球させて賞球を獲得することが可能となる一方で、左打ちを行うと賞球を獲得することができない。一方で、今回の小当たりがVチャレンジ小当たりであった場合は、共通の動作態様が実行されている間に右打ちを行って遊技球が抽選装置6755へと入球してしまうと、その時点で小当たりの終了条件(1個以上の遊技球が入球すること)が成立してしまい、Vチャレンジが実行されずに小当たりが終了されてしまう。これに対し、Vチャレンジ小当たりにおいて共通の動作態様が実行されている間(即ち、選択演出の実行中に)、左打ちを行った場合、Vチャレンジが開始されるまで小当たりが終了されることはない。よって、通常小当たりでは、選択演出の間に右打ちを行うことで賞球を獲得可能になるというメリットが生じるのに対し、Vチャレンジ小当たりでは、選択演出の間に左打ちを行うことにより、確実にVチャレンジを実行させることができるというメリットがある。よって、遊技者に対して、小当たり種別を予測させて、予測に応じた方向へと遊技球を発射させるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本第10実施形態では、通常小当たりとVチャレンジ小当たりとで、小当たり用アタッカー6755aの開放動作が共通となる小当たり開始後2秒間の間において、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aを開放する構成としていたが、これに限られるものではなく、V入賞が不可能(困難)な期間の間に小当たり用アタッカー6755aが開放されるのであれば、共通の動作態様として任意の動作態様を設定してもよい。例えば、共通の動作態様として、小当たり開始後0.8秒経過時点から0.5秒間の開放動作を設定する構成としても良い。このように構成することで、共通の動作態様の実行中に遊技球を抽選装置6755の内部へと入球させ易くなるので、通常小当たりと予測した遊技者に対して、右打ちによってより容易に賞球を獲得させることができる。
本第10実施形態では、抽選装置6755において、小当たり用アタッカー6755a以外の各部の作動パターンを、小当たり種別とは無関係に共通としたが、これに限られるものではなく、小当たり種別に応じて、各部の作動パターンを異ならせてもよい。これにより、小当たり種別毎の動作を多様化させることができるので、小当たり当選時における動作の自由度を向上させることができる。
本第10実施形態では、小当たり中に遊技球1個以上の遊技球が入球した場合に、当該入球した遊技球が排出された時点で小当たりが終了される一方で、遊技球が入球しなかった場合には、8秒が経過するまで小当たりが終了しない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放期間が全て終了した時点で遊技球の入球を検出していなければ、その時点で小当たりを打ち切る構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が抽選装置6755へと入球しなかった(即ち、V入賞が発生する可能性が無い)にもかかわらず、小当たり開始から8秒経過するまで小当たりが終了されないという事象が生じることを抑制できるので、遊技の効率化を図ることができる。
<第10実施形態の第1の変形例>
次に、図221から図223を参照して、上述した第10実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、抽選装置6755の内部に設けられているいずれかのV入賞口へと遊技球が入球することにより大当たりに当選する構成としていた。また、第2特別図柄の小当たりでは、遊技球が入球したV入賞口の種別によって、大当たり終了後に時短状態となる期待度が異なるように構成していた。即ち、第2特別図柄の小当たりとなって中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかに遊技球が入球して大当たりに当選した場合は、小当たり種別とは無関係に、必ず大当たり終了後に時短状態が設定されるのに対し、右V入賞口6755bVに入球して大当たりに当選した場合は、39%の割合(即ち、小当たりH14~J14であった場合)でしか時短状態が設定されない構成となっていた。即ち、第2特別図柄の小当たりにおいては、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、振分回転体6755fへと遊技球が到達した方が遊技者にとって喜ばしい構成としている。また、第2特別図柄の小当たりの開放期間は0.6秒と短いため、1の遊技球を入球させるのがせいぜいとなるように構成していた。
これに対して本変形例では、第2特別図柄の小当たりの一部において、右V入賞口6755bVへと遊技球が振り分けられる期間の間に小当たり用アタッカー6755aが開放された後で、振分回転体6755fへと遊技球が誘導される期間においても再度、小当たり用アタッカー6755aが開放される特殊開放パターンが設定される構成とした。また、右V入賞口6755bVへと続く流路の途上に、遊技球の流下速度を遅延させるための遅延装置6755b3を設ける構成とし、特殊開放パターンにおいて右V入賞口6755bVへと遊技球が誘導される期間と、振分回転体6755fへと遊技球が誘導される期間との両方で遊技球を入球させた場合に、振分回転体6755fによって遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられた後で右V入賞口6755bVへと遊技球が流下するように、遅延装置6755b3による遅延期間を設定している。これにより、遊技者に対して、振分回転体6755fによって中央V入賞口6755fv1~6755fv3の何れかへと振り分けられなければ(即ち、中央アウト口6755fo1~6755fo3の何れかへと振り分けられてしまうと)、時短状態の期待度が低い右V入賞口6755bVへと遊技球が入球してしまうことを認識させることができるので、振分回転体6755fにより振り分けられる入球口の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
まず、第10実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10の抽選装置6755の構成について、図221を参照して説明する。図221は、第1の変形例における抽選装置6755の誘導流路6755b2周辺における拡大正面図である。図221に示した通り、本第1の変形例における誘導流路6755b2は下開閉扉6755bDと、右V入賞口6755bVとの間に、下開閉扉6755bDを通過した遊技球(即ち、V入賞100%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球)が右V入賞口6755bVへと到達するまでの期間を長くする(遅延させる)ための遅延装置6755b3が設けられている。この遅延装置6755b3は、公知のクルーン手段で構成されている。つまり、下開閉扉6755bDを通過して遅延装置6755b3の左側から入射した遊技球が、内壁部分を約8秒間の間周回し続けた後に、中央に設けられている通過口を介して右V入賞口6755bVへ向けて落下するように構成されている。なお、図221に示した通り、誘導流路6755b2における上部右側は、遅延装置6755b3の左側に向かって下る向きの傾斜を形成している。これにより、V入賞率100%期間において抽選装置6755へと入球し、下開閉扉6755bDを通過した遊技球を、確実に遅延装置6755b3の左方へと落下させることができる。つまり、下開閉扉6755bDを通過した遊技球が、遅延装置6755b3の開口部を直接通過してしまう(遊技球の流下を遅延させることができなくなってしまう)ことを抑制することができる。これにより、特殊開放パターン(V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とで小当たりアタッカー6755aが開放される開放パターン)が設定される小当たりが実行され、且つ、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方で遊技者が遊技球を抽選装置6755へと入球させた場合に、確実に、振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが終了した後で、右V入賞口6755bVへと遊技球を入球させることができる。このため、特殊開放パターンが設定された場合に、振分回転体6755fによっていずれかのV入賞口へと遊技球が振り分けられることをより強く期待させる遊技性を提供することができる。即ち、時短大当たりに当選する期待度が低い右V入賞口6755bVへと入球するよりも前に、入球した時点で16ラウンド時短大当たり(大当たりI14)の当選が確定する中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと遊技球を入球させたいと強く願わせる遊技性を実現することができる。よって、特殊開放パターンが設定された場合における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、誘導流路6755b2以外の盤面構成については、上述した第10実施形態における遊技盤13の盤面構成と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図222を参照して、第10実施形態の第1の変形例における特殊開放パターンの詳細について説明する。この特殊開放パターンは、第2特別図柄の小当たりのうち、所定割合(例えば、第2特別図柄の小当たりの1%の割合)で選択される特殊小当たりとなった場合に、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして設定される。図222に示した通り、特殊開放パターンが設定されると、小当たりの開始から0.4秒間が経過するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、小当たりの開始から0.4秒間が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが開放される。この開放状態は、0.6秒間の間継続し、小当たり開始後1秒が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この閉鎖状態は、小当たり開始後2秒経過時点まで継続する。即ち、特殊開放パターンは、小当たり開始後2秒間の間、上述した開放パターンB(図215(b)参照)と全く同一の動作となる。つまり、小当たり開始後0.4秒間~1秒間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が、1/3の割合で右V入賞口6755bVへと流下する。
また、図222に示した通り、特殊開放パターンでは、小当たり開始後2秒間が経過すると、0.5秒間の間、小当たり用アタッカー6755aが開放され、小当たり開始後2.5秒が経過した時点で再度、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。そして、以降は小当たりが終了するまで小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒~2.5秒の間は、V入賞率50%期間に設定されるので、この0.5秒間の開放期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球は、閉鎖状態の上開閉扉6755bUの上面を通過して、振分回転体6755fへと誘導される。即ち、50%の割合で、いずれかの中央V入賞口へと振り分けられて最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する。なお、上述した通り、V入賞率100%期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球していた場合、遅延装置6755b3によって右V入賞口6755bVへの到達が遅延される。よって、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方で抽選装置6755へと遊技球を入球させたとしても、先に振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが完了してから右V入賞口6755bVへと遊技球が入球する。よって、振分回転体6755fにより中央V入賞口へと遊技球が振り分けられた場合には、最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する一方で、振分回転体6755fにより中央アウト口へと振り分けられた場合には、時短状態が付与される期待度が低い右V入賞口6755bVへの入球に基づく大当たりに当選する。このため、振分回転体6755fにより振り分けられる入球口の種別により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第1の変形例では、第2特別図柄の小当たりの一部において、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とで小当たり用アタッカー6755aが開放される特殊開放パターンが設定される構成とし、且つ、V入賞率100%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVへと到達するよりも先に、V入賞率50%期間の間に入球した遊技球がいずれかの入球口に振り分けられる構成とした。つまり、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方において遊技球が入球した場合に、まず、振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが完了してから、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球する構成とした。言い換えれば、最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する(振分回転体6755fにより中央V入賞口へと振り分けられる)か否かの結果が出てから、右V入賞口6755bVへと入球するように構成している。右V入賞口6755bVへの入球に基づく大当たりは、時短状態が付与される期待度が低い(例えば、39%の割合)ので、遊技者に対して、振分回転体6755fによって中央V入賞口へと振り分けられることを強く願って遊技を行わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1の変形例では、1の小当たりにおいてV入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とに遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、先に振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが終了してから右V入賞口6755bVへと遊技球が到達するように、右V入賞口6755bVへと向かう遊技球の流下速度を遅延させる構成としていたが、必ずしも1の小当たりでなくてもよい。遅延装置6755b3によって遊技球が遅延されている間に、小当たりを終了させて次の変動および小当たりを開始可能に構成することにより、複数の小当たりをまたいで右V入賞口6755bVへと到達するよりも前に振分回転体6755fによる振り分けが終了する動作を実現してもよい。このように構成することで、特殊開放パターンが設定される小当たりを設ける必要がなくなる(開放パターンBが設定される小当たりの後で開放パターンAが設定される小当たりに当選することで同様の動作を実現できる)ので、ROM202の記憶容量を削減することができる。
本第1の変形例では、小当たり有効期間において最初に遊技球が入球したV入賞口の種別に基づいて大当たり種別を決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の小当たり有効期間において最後に遊技球が入球したV入賞口の種別に基づいて大当たり種別を決定する構成としてもよい。このように構成することで、1の小当たり有効期間中に先に右V入賞口6755bVへと入球した後で遊技球が振分回転体6755fへと誘導されたとしても、振分回転体6755fによって中央V入賞口へと振り分けられることにより最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選するように構成できる。言い換えれば、遅延装置6755b3を設けることなく、上述した第1の変形例と同一の遊技性を実現することができる。これにより、遊技盤13の盤面構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
<第10実施形態の第2の変形例>
次に、図223を参照して、第10実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が、振分回転体6755fによって中央アウト口へと振り分けられた場合は、大当たりに当選する可能性が無かった。
これに対して第2の変形例では、振分回転体6755fによって遊技球が中央アウト口へと振り分けられた場合にも、大当たりに当選し得る構成としている。
この第10実施形態の第2の変形例について、図223を参照して説明する。図223(a)は、抽選装置6755の誘導流路6755bにおける球排出扉6755cよりも右側の部分を示した上面図である。図223(a)に示した通り、本第2の変形例における誘導流路6755bは、球排出扉6755cと、上開閉扉6755bUとの間の部分が正面視手前側と奥側とに分岐している。また、分岐点には、遊技球を正面視手前側の流路、または奥側の流路のどちらかへと振り分けるための振分部材6755gが設けられている。この振分部材6755gは、通常時は遊技球を正面視手前側に誘導する状態(図223(b)参照)に配置されており、V入賞率50%期間の間に、所定期間の間(例えば、0.1秒間)のみ、遊技球を奥側の流路へと振り分け可能な配置(図223(a)参照)に可変するように構成されている。
更に、図223(a)に示した通り、誘導流路6755bにおける正面視奥側の流路には、遊技球が通過可能なV通過口6755hが設けられている。このV通過口6755hは、抽選装置6755内に設けられている各種V入賞口と同様の機能を有して構成されている。即ち、小当たり有効期間の間に遊技球がV通過口6755hを通過することによって、大当たりに当選する。
このように、V入賞率50%期間の間における所定期間、V通過口6755hが設けられている側の流路を遊技球が通過可能となるように構成することで、V通過口6755hを通過後に振分回転体6755fへと到達し、中央アウト口へと振り分けられたとしても、小当たり終了後に、先にV通過口6755hを通過していたことにより既に当選していた大当たりを開始させることができる。即ち、中央アウト口へと振り分けられた時点で、遊技者に対して大当たりに当選しなかったと一旦思わせておいて、大当たりを開始させることができるので、遊技者に対して大きな驚きと喜びとを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、分岐している流路のいずれを遊技球が通過したのかについては、装飾等によって視認困難となるように構成されている。このように構成することで、V通過口6755hを通過することにより既に大当たりに当選しているのか否かを遊技者に認識困難とすることができるので、中央アウト口へと振り分けられたにもかかわらず大当たりの当選が報知された場合に、遊技者をより確実に驚かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、図示については省略したが、V通過口6755hを通過した後で、遊技球が中央アウト口に振り分けられた場合には、一旦、アウト口へと振り分けられたために大当たりに当選しなかったということを報知する演出が実行される。そして、その後に所謂復活演出によって大当たりの当選が報知されて大当たりが開始される。これにより、中央アウト口へと遊技球が振り分けられて大当たりに当選しなかったことが報知される毎に、復活演出が発生することを期待させることができる。よって、遊技者に対して大当たりへの期待感をより長く抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第10実施形態、およびその各種変形例では、複数のV入賞口を別々に設ける構成とし、各V入賞口へと遊技球が入球した時点で大当たりに当選する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技球が入球することによって大当たりに当選する特定領域を1つのみ設ける構成とし、各V入賞口へと入球した遊技球は、最終的に1の特定領域へと流下される構成としてもよい。このように構成することで、各V入賞口に対して入球を検出するセンサ等の検出手段を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
第10実施形態、およびその各種変形例では、V入賞率100%期間における入球し易さを小当たり種別に応じて異ならせることにより、小当たり種別に応じてV入賞が発生する期待度を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、振分回転体6755fへと到達可能な遊技球の個数を小当たり種別に応じて異ならせることにより、V入賞が発生する期待度を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、小当たり用アタッカー6755aの開放期間の間に右打ちを行うことで、振分回転体6755fへと最大1個の遊技球が到達可能となる小当たり種別と、振分回転体6755fへと最大2個の遊技球が到達可能となる小当たり種別とを設ける構成としてもよい。2個の遊技球を振分回転体6755fへと到達させることができた場合、V入賞が発生する割合は75%(2個の遊技球が共にV入賞できない確率が50%×50%=25%)であるので、振分回転体6755へと到達する遊技球が多くなるほど、V入賞に対する遊技者の期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第11実施形態>
次に、図224から図256を参照して、第11実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に加え、特別図柄の抽選で小当たりになって、その小当たりの有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合にも、大当たり遊技が実行される構成としていた。また、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、小当たりとなる確率を可変させる構成とし、第2特別図柄の抽選では、高確率(9/10)で小当たりになる一方で、第1特別図柄の抽選では比較的低確率(1/100)でしか小当たりに当選しない構成とした。これにより、第2特別図柄の抽選が実行され易い(普通図柄の当たりとなる確率が高い)普通図柄の時短状態においては、相対的に小当たりに当選し易くなる(V入賞が発生し易くなる)ので遊技者に有利となる一方で、第1特別図柄の抽選により遊技を進行する必要がある普通図柄の通常状態では、相対的に小当たりに当選し難くなる(V入賞が発生し難くなる)ので遊技者に不利となる。
これに加えて第11実施形態におけるパチンコ機10では、第10実施形態の仕様(スペック)のパチンコ機10において実行することで遊技者の興趣をより向上させることが可能となる各種興趣演出を追加している。より具体的には、特別図柄の変動表示の実行中に、大当たりや小当たりとなる期待度を示唆するために実行される興趣演出や、時短状態における小当たり遊技の実行中に、振り分け回転体6755fへと遊技球が振り分けられ易い入球タイミングを示唆するために実行される興趣演出等が追加されている。
この第11実施形態におけるパチンコ機10が、第10実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、前面枠14に対して、上述した第1制御例と同様に、操作ボタン230(図100参照)が設けられている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、および表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第10実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第10実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、本第11実施形態における操作ボタン230の構成について説明する。なお、本第11実施形態における操作ボタン230の形状は、上述した第1制御例における操作ボタン230の形状と同一であるため、ここでは、第1制御例における説明で参照した図100を再度参照して説明を行う。図100に示した通り、操作ボタン230は、貸球操作部40に対して正面視左側に配設されている。この操作ボタン230は、正面視上側に配置された上ボタンUB、正面視下側に配置された下ボタンDB、正面視右側に配置された右ボタンRB、正面視左側に配置された左ボタンLB、および操作ボタン230の中央部分に配置された中央ボタンCBの5つのボタンで構成されている。本第11実施形態では、上ボタンUBおよび下ボタンDBは、パチンコ機10における各種発光部材の輝度(電飾部29~33の発光輝度や、第3図柄表示装置81の表示画面の輝度等)を調節するためのボタンとして用いられ、右ボタンRBおよび左ボタンLBは、パチンコ機10における各種音声の音量を調節するためのボタンとして用いられる。より具体的には、操作ボタン230を操作することによって、輝度および音量を、それぞれ5段階のいずれかの段階に設定することができる。即ち、上ボタンUBを操作(押下)する毎に、各種発光部材の輝度を1段階増加させるように設定することが可能となる一方で、下ボタンDBを操作(押下)する毎に、各種発光部材の輝度を1段階減少させるように設定することが可能となる。また、右ボタンRBを操作(押下)する毎に、音量を1段階増加させるように設定することが可能となる一方で、左ボタンLBを押下する毎に、音量を1段階減少させるように設定することが可能となる。また、中央ボタンCBは、変動表示演出の実行中に設定され得る所定の演出(例えば、後述する操作応援演出等のボタン操作演出)において操作が促される。詳細については図224等を参照して後述するが、操作応援演出では、演出の実行中に中央ボタンCBを押下する毎に、大当たり等の期待度を示す表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して積極的に中央ボタンCBを押下させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、輝度の設定変更、および音量の設定変更は基本的に常時可能となるように構成されている。即ち、変動表示演出の実行中や、大当たり遊技の実行中でも、操作ボタン230を押下することにより遊技者の好みの設定に変更することができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。なお、本第11実施形態では、中央ボタンCBの周辺に輝度の設定変更を行うための上ボタンUB、下ボタンDBと、音量の設定変更を行うための右ボタンRB、左ボタンLBとが設けられている。即ち、中央ボタンCBに対する操作が促される演出(例えば、後述する操作応援演出等のボタン操作演出)が実行されている間、中央ボタンCBを押下しようとした遊技者が、誤って異なるボタンを押下してしまう可能性が比較的高いボタン配置となっている。言い換えれば、ボタン操作演出に参加しようとした遊技者が中央ボタンCBを押下しようとしたにもかかわらず、輝度の設定が変更されてしまったり、音量の設定が変更されてしまったりする可能性がある。
そこで、本第11実施形態では、ボタン操作演出が設定されている変動表示演出の実行期間のうち、少なくとも中央ボタンCBに対する操作が有効として扱われる操作有効期間の間は、輝度または音量の設定変更が制限されるように構成されている。より具体的には、中央ボタンCBの操作有効期間が開始される1秒前から、操作有効期間の終了後1秒経過するまでの期間に渡って、各種設定(輝度の設定、および音量の設定)を変更するために要する各種ボタン(非演出用ボタン)の操作回数を通常よりも増加させる構成としている。より具体的には、通常時においては、各種ボタン(非演出用ボタン)を1回操作する毎に設定が1段階変更される(例えば、右ボタンRBを1回押下する毎に、音量が1段階大きい設定となる)ように構成する一方で、操作有効期間の開始1秒前から終了後1秒経過時までの間は、各種ボタンを2回操作しなければ設定が変更されないように構成している。このように構成することで、ボタン操作演出の実行中に中央ボタンCBを操作しようとした遊技者が誤って非演出用ボタンを押下してしまった場合に、遊技者の意に反して各種設定が変更されてしまうことを抑制することができると共に、操作に対応する演出態様が表示されなかったことにより、遊技者に対して操作の誤り(押下するボタンの種別を誤ったこと)を認識させることができる。よって、ボタン操作演出をより好適に実行することができる。ここで、操作有効期間の間だけでなく、操作有効期間の前後1秒間も非演出用ボタンに対する操作に基づく設定変更が制限されるように構成したのは、ボタン操作演出が開始されることを察知して操作有効期間が始まる前からボタン操作を開始する遊技者や、操作有効期間が終了したことに気付かずに操作を継続し続ける遊技者が誤操作を行ってしまった場合にも対応するためである。これにより、遊技者の意に反する設定変更が行われてしまう可能性をより低減することができる。以降は、説明の簡略化のため、操作有効期間の開始1秒前から終了後1秒経過時までの間の期間のことを、非演出用ボタン制限期間と称する。
なお、本第11実施形態では、非演出用ボタン制限期間において非演出用ボタンを2回押下することにより各種設定を1段階変更することが可能となるように構成したが、設定変更を行うための規定の操作回数(押下回数)は2回に限られるものではなく、任意の回数を設定することができる。また、例えば、規定の操作回数に渡って連続して同一の非演出用ボタンを操作しなければ、設定が変更されないように構成してもよい。即ち、異なるボタンを操作する毎に、規定の操作回数がリセットされるように構成してもよい。このように構成することで、非演出用ボタン制限期間において敢えて設定を変更しようと考えて非演出用ボタンを操作した場合以外(例えば、中央ボタンCBを大まかに操作することにより、数回に1度程度他のボタンが操作されてしまう場合等)に、設定が変更されてしまうことを抑制することができるので、遊技者の意に反して設定が変更されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
本第11実施形態では、中央ボタンCBの操作有効期間、および操作有効期間の前後1秒間を非演出用ボタン制限期間として設定する構成としていたが、非演出用ボタン制限期間は任意に定めることができる。例えば、ボタン操作演出が設定されている変動表示演出の変動期間の間は常に非演出用ボタン制限期間に設定してもよい。このように構成することで、遊技者が誤操作を行った場合に、遊技者の意に反して設定が変更されてしまうことを抑制することができる。また、例えば、操作有効期間の間のみを非演出用ボタン制限期間に設定する構成としてもよい。このように構成することで、操作有効期間の直前若しくは直後に設定変更を行おうとした遊技者に対して、何らの制限も課さずに設定変更を行わせることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、本第11実施形態では、操作応援演出においてのみ、非演出用ボタン制限期間を設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、他のボタン操作演出でも非演出用ボタン制限期間を設定する構成としてもよい。このように構成することで、他のボタン操作演出でも、遊技者の意に反して設定が変更されてしまうことを抑制することができる。また、他のボタン操作演出において非演出用ボタン制限期間を設定することで、例えば、出現した時点で大当たり期待度が大きく跳ね上がるボタン操作演出が実行されるか否かを、非演出用ボタンを操作することにより予め知ることができる遊技性を実現することができる。より具体的には、例えば、大当たりとなる場合の一部で、一旦外れの図柄で停止表示された後、ボタン操作演出が発生し、当該ボタン操作演出の演出期間の間に中央ボタンCBに対する操作が行われた(または所定の演出期間が経過した)ことに基づいて大当たり図柄に変更される演出に対して非演出用ボタン制限期間を設定される構成とする。そして、例えば、有効期間の1秒前(例えば、外れ図柄が停止した時点)に非演出用ボタン制限期間を開始する構成とする。このように構成することで、外れ図柄が停止した際に非演出用ボタンを操作することで、ボタン操作演出が実行されるよりも前に、ボタン操作演出の実行を遊技者に察知させることができる。よって、ボタン操作演出が開始されるよりも前に大当たりとなることを遊技者に理解させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、中央ボタンCBとは異なる他の操作手段に対しても、非演出用ボタンを隣接して配置しておき、当該操作手段に対する操作を促す演出が実行される変動表示演出においても、非演出用ボタン制限期間を設定する構成としてもよい。特に、期待度が高い演出でのみ、操作が促される操作手段の近傍に非演出用ボタンを配置させる構成とすることにより、期待度の高い操作手段に対する操作を促す演出の実行を、非演出用ボタン制限期間において非演出用ボタンを操作することにより、早期に察知することができるので、非演出用ボタン制限期間となっている可能性がある場合に、積極的に非演出用ボタンを押下する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図224から図226を参照して、本第11実施形態におけるボタン操作演出の1種である操作応援演出について説明する。この操作応援演出は、演出期間の間に遊技者が中央ボタンCBを操作する毎に、実行中の変動表示において大当たりが報知されることに対する期待度や、実行中の変動表示においてより期待度の高い変動表示態様へと発展することに対する期待度(リーチに発展する期待度や、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展することに対する期待度等)を遊技者に示唆するための演出である。以下の説明では、スーパーリーチ演出として、冒険者を模したキャラクタ811と、怪獣を模したキャラクタ812とが対決する演出が実行されている間に操作応援演出が実行された場合を例にとって説明を行う。
図224(a)に示した通り、操作応援演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける左上部分に対して、横長略長方形形状の表示領域HR11が形成される。また、表示領域HR11以外の箇所では、スーパーリーチ演出として、冒険者を模したキャラクタ811と、怪獣を模したキャラクタ812とが対決する演出が実行される。図224(a)に示した通り、表示領域HR11には、鳥を模したキャラクタ813が表示されると共に、キャラクタ813の下方に、「ボタンPUSHで応援だ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、操作ボタン230を操作することにより、キャラクタ813が応援する演出が実行されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図224(b)に示した通り、操作応援演出の実行中に操作ボタン230の中央ボタンCBが操作(押下)されると、表示領域HR11に、「ガンバレー」という文字を模した文字画像814が表示される。なお、図225(a)に示した通り、表示領域HR11には、複数の文字画像が表示され得る構成となっている。即ち、表示領域HR11が表示されている間(中央ボタンCBの操作有効期間の間)に遊技者が中央ボタンCBを押下する毎に、文字画像が表示される。図225(a)は、2つの文字画像814a,814bが、通常(デフォルト)の表示態様(白文字の表示態様)で表示されている場合を例示した図である。
図225(b)は、表示領域HR11に対して表示されている2つの文字画像のうち、1の文字画像が、より期待度の高いリーチ演出に発展する期待度が高い表示態様(文字態様)に設定された場合を示した図である。図225(b)に示した通り、本第11実施形態では、発展する期待度が高い文字態様として、ストライプ柄の文字態様(文字画像814c)が設けられている。このストライプ柄の文字態様が表示されることにより、期待度が高いリーチ演出に発展することを遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、文字画像814の文字態様として6種類が設けられている。具体的には、上述したストライプ柄の文字態様に加え、例えば、外れの変動表示の実行中よりも、大当たりの変動表示の実行中に表示され易くなる(即ち、大当たりの期待度が高くなる)赤文字の表示態様(文字態様)等が設けられている。操作応援演出の実行中は、中央ボタンCBが押下される毎に、6種類の文字態様の中から1の文字態様が抽選により決定されて、その決定された文字態様の文字画像が表示される。よって、大当たりとなる期待度が高くなる文字態様や、発展する期待度が高くなる文字態様が表示されることを期待して、操作応援演出の実行中に積極的に中央ボタンCBを操作させることができるので、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲を向上させることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、遊技者の操作状況(操作の傾向)に応じて、各文字態様の選択率を可変させる構成としている。即ち、操作応援演出の実行中に積極的に中央ボタンCBに対する操作を行う傾向の遊技者であるかを判別して、その判別結果に応じて各文字態様の選択率を異ならせることが可能に構成している。より具体的には、操作応援演出の実行中に積極的に中央ボタンCBを押下する傾向の遊技者が遊技を行っていると判別した場合は、期待度が高い文字態様(大当たりの期待度が高い赤文字の文字態様や、発展の期待度が高いストライプ柄の文字態様)が決定される割合が比較的低くなる一方で、操作応援演出の実行中に中央ボタンCBを押下する頻度が低い傾向の遊技者が遊技を行っていると判別した場合は、期待度が高い文字態様の決定割合が比較的高くなるように構成している。
ここで、操作応援演出において、遊技者の押下の傾向によらず、実行中の変動表示演出の当否および発展状況のみによって各文字態様の決定割合を設定する構成とした場合、積極的に押下を行う(即ち、1の操作応援演出における押下回数が多い)遊技者の方が、文字態様を抽選する回数が多くなり易いため、相対的に期待度が高い文字態様の表示割合が高くなってしまう。つまり、遊技者の傾向に応じて、操作応援演出により示される期待度が変わってしまうという問題点がある。
これに対して本第11実施形態では、操作応援演出の実行中における遊技者毎の押下の傾向に応じて、各文字態様の決定割合を可変させ、積極的に押下を行う遊技者と、比較的押下回数が少ない遊技者とで、操作応援演出の実行中に示唆される期待度の信頼度の差が少なくなるように構成している。これにより、遊技者の押下の傾向によらず、文字態様の期待度をより適切に提供することができる。
次に、図226を参照して、操作応援演出が設定された変動表示演出が実行された場合における、操作応援演出の実行期間について説明する。なお、図226では、スーパーリーチの変動パターン(即ち、60秒間の変動時間の変動パターン、図11(b)~(d)参照)に対して操作応援演出が設定された場合を例にとって説明を行う。図226に示した通り、スーパーリーチの変動パターンに対して操作応援演出の実行が決定されると、1の変動期間の間に3回の操作応援演出が設定される。具体的には、図226に示した通り、変動開始から5秒経過時点から9秒経過時点までの4秒間(第1演出期間)と、変動開始から25秒経過時点から29秒経過時点までの4秒間(第2演出期間)と、変動開始から55秒経過時点から59秒経過時点までの4秒間(第3演出期間)とで操作応援演出が実行される。即ち、リーチ演出に発展する(リーチが発生する)タイミング(変動開始から10秒経過時)の5秒前から1秒前までの間の4秒間(第1演出期間)と、スーパーリーチに発展するタイミング(変動開始から30秒経過時)の5秒前から1秒前までの間の4秒間(第2演出期間)と、変動停止タイミング(変動開始から60秒経過時)の5秒前から1秒前までの間の4秒間(第3演出期間)とで操作応援演出が実行される。即ち、より期待度の高いリーチ演出へと発展する5秒前、および変動停止の5秒前となる毎に操作応援演出が実行される。
また、図226に示した通り、各演出期間の開始前1秒間から、終了後1秒経過時までの間の6秒間は、非演出用ボタン(輝度の設定変更を行うための上ボタンUBおよび下ボタンDBと、音量の設定変更を行うための右ボタンRBおよび左ボタンLB)に対する操作に基づく設定変更が制限される非演出用ボタン制限期間に設定される。即ち、各種設定(輝度の設定、および音量の設定)を変更するために要する各種ボタン(非演出用ボタン)の操作(押下)回数を通常よりも増加させる(1回から2回に変更する)構成としている。このように構成することで、ボタン操作演出の実行中に中央ボタンCBを操作しようとした遊技者が誤って非演出用ボタンを押下してしまった場合に、遊技者の意に反して各種設定が変更されてしまうことを抑制することができると共に、操作に対応する演出態様が表示されなかったことにより、遊技者に対して操作の誤り(押下するボタンの種別を誤ったこと)を認識させることができる。よって、ボタン操作演出をより好適に実行することができる。また、操作有効期間の前後1秒間も非演出用ボタン制限期間とすることにより、ボタン操作演出が開始されることを察知して操作有効期間が始まる前からボタン操作を開始する遊技者や、操作有効期間が終了したことに気付かずに操作を継続し続ける遊技者が誤操作を行ってしまった場合にも、遊技者の意に反する設定変更が行われてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、全ての発展が完了する前か後か(スーパーリーチの変動パターンの場合は、スーパーリーチ演出まで発展する前後)で、各文字態様の選択比率が可変するように構成している。即ち、図226に示した例において、スーパーリーチに発展する前(第1演出期間、および第2演出期間において実行される操作応援演出)では、発展の期待度が高い文字態様(例えば、ストライプ柄の文字態様)の選択割合が比較的高くなる一方で、大当たりの当否を示唆する文字態様(青文字、緑文字、赤文字等)の選択割合が比較的低くなる。これに対し、スーパーリーチに発展した後(第3演出期間において実行される操作応援演出)では、発展の期待度を示す文字態様の選択割合が低くなる一方で、大当たりの当否を示唆する文字態様の選択割合が比較的高くなる。これにより、変動表示における発展の段階毎に、遊技者が表示されることを期待する文字態様の種別を異ならせることができる。即ち、基本的には期待度の高いリーチ演出に発展する程、大当たりの期待度が高くなるので、リーチ演出の発展前や、ノーマルリーチ演出の実行中など、少ない発展の段階(期待度が低い段階)においては、発展の期待度が高くなる文字態様が表示されることを遊技者に期待させることができる。一方、大当たりの期待度が高まる段階(例えば、スーパーリーチ)まで発展した後は、大当たりの期待度が高くなる文字態様が表示されることを遊技者に期待させることができる。よって、操作応援演出という同一の表示態様の演出が実行されているにもかかわらず、リーチ演出の発展の段階に応じて表示されることを期待する文字態様の種別を異ならせることができるという、斬新な演出を実現することができる。
なお、図226では、スーパーリーチの変動パターンに対して操作応援演出が設定された場合を例示して説明したが、その他の変動パターンにおける操作応援演出の実行タイミングについても簡単に説明すると、完全外れの変動パターンでは、変動停止の5秒前にのみ操作応援演出が実行される。即ち、リーチ演出に発展するか否かに遊技者が注目する期間においてのみ、操作応援演出が実行される。また、ノーマルリーチの変動パターンに対して操作応援演出が設定された場合には、リーチ演出に発展する5秒前、および変動停止の5秒前にそれぞれ操作応援演出が実行される。即ち、リーチ演出に発展するか否かに遊技者が注目する期間と、スーパーリーチ演出に発展するか否かに注目する期間とに操作応援演出が実行される。更に、スペシャルリーチの変動パターンに対して操作応援演出が設定された場合には、リーチ演出に発展する5秒前、スーパーリーチ演出に発展する5秒前、スペシャルリーチ演出に発展する5秒前、および変動停止の5秒前にそれぞれ操作応援演出が実行される。
このように、本第11実施形態では、操作応援演出が設定されると、第3図柄が停止表示される可能性があるタイミング(より期待度の高いリーチ演出に発展する可能性があるタイミング)の5秒前となる毎に、4秒間の操作応援演出が実行される構成としている。この操作応援演出では、4秒間の演出期間の間に、遊技者が中央ボタンCBを押下する毎に、当該変動表示の終了時に大当たりが報知されることに対する期待度や、操作応援演出の終了後により期待度の高いリーチ演出に発展することに対する期待度を文字画像814の文字態様によって示唆する構成としている。このため、なるべく多くの示唆を確認することにより、大当たりとなるか否か、および発展するか否かについてより正確に予測したいと考える遊技者に対して、4秒間の演出期間の間に積極的に中央ボタンCBを操作させることができる。よって、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、遊技者の操作状況(操作の傾向)に応じて、各文字態様の選択率を可変させる構成としている。即ち、操作応援演出の実行中に積極的に中央ボタンCBに対する操作を行う傾向の遊技者であるかを判別して、その判別結果に応じて各文字態様の選択率を異ならせることが可能に構成している。これにより、積極的に押下を行う遊技者と、比較的押下回数が少ない遊技者とで、操作応援演出の実行中に示唆される期待度の差を少なくすることができるので、遊技者の押下の傾向によらず、文字態様の期待度をより適切に提供することができる。
なお、本第11実施形態では、第3図柄が停止表示される可能性があるタイミング(変動開始後10秒経過時、30秒経過時、60秒経過時、および90秒経過時)の5秒前から、操作応援演出を4秒間に渡って実行する構成としていたが、操作応援演出の実行タイミングは、これに限られるものではない。例えば、1の変動表示演出の演出期間の中で、擬似的に複数回の変動表示を実行する演出(所謂、擬似連演出)を実行することが可能なタイプのパチンコ機10においては、次の擬似的な変動が実行され得るタイミングとなる所定期間(例えば、5秒)前から操作応援演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、擬似連の回数毎に、遊技者に対して異なる種別の文字態様が表示されることを期待させることができる。即ち、擬似連の回数が少ない(1回や2回)うちは、次の擬似連に発展する期待度が高くなる文字態様が表示されることを期待させることができる一方で、擬似連の回数が多くなり、大当たりか否かの報知が行われうる段階まで発展した後は、大当たりの期待度が高くなる文字態様が表示されることを期待させることができる。よって、操作応援演出の実行中に表示される文字画像814の文字態様により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第11実施形態では、操作応援演出が設定されると、第3図柄が停止表示される可能性があるタイミング(変動開始後10秒経過時、30秒経過時、60秒経過時、および90秒経過時)の5秒前となる毎に、操作応援演出を実行する構成としていたが、各タイミングにおいて必ず操作応援演出を実行する必要はなく、例えば、実行タイミングとなる毎に、抽選により操作応援演出を実行するか否かを決定する構成としてもよい。この場合において、大当たりとなるか否かや、発展するか否か等に応じて抽選確率を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、操作応援演出が実行されるか否かについても注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図227から図232を参照して、本第11実施形態における変動表示演出の変動期間中に実行され得るミニキャラ予告演出について説明する。このミニキャラ予告演出は、第3図柄表示装置81に表示されるキャラクタ(ミニキャラ)が所定の動作(アクション)を行う演出であり、普通図柄の通常状態において、Vチャレンジ小当たり(図214(a)~(c)参照)となることを示唆するために実行される。即ち、変動期間中にミニキャラが最大で3段階のアクションを行う演出が実行され、3段階目のアクションまで実行されることによりVチャレンジ小当たりが確定するという内容の演出が実行される。
まず、図227(a),(b)を参照して、ミニキャラ予告演出における1段階目のアクション(第1アクション)について説明する。変動表示の実行中にミニキャラ予告演出における1段階目のアクションが開始されると、まず、図227(a)に示した通り、ロボットを模したキャラクタ(ミニキャラ)MCが第3図柄表示装置81の表示画面における中央下方に出現する。第3図柄表示装置81の表示画面の下方に出現したミニキャラMCは、その後、図227(b)に示した通り、正面視右方向へと移動していき、そのまま表示画面外へとフェードアウトする。
また、1段階目のアクションが終了して、ミニキャラMCが画面外へとフェードアウトしてから所定期間が経過した後で実行される2段階目のアクション(第2アクション)では、図228(a)に示した通り、ミニキャラMCが表示画面の右方向から表示画面に対してフェードインし、画面の右方向から左上方向へと飛び上がる態様のアクションが実行される。この2段階目のアクションでは、左上方向へと飛び上がったミニキャラが、表示画面の上方へとそのままフェードアウトしていく。
更に、2段階目のアクションが終了してから所定期間が経過した後で実行される3段階目のアクション(第3アクション)では、図228(b)に示した通り、表示画面の上方へとフェードアウトしていたミニキャラMCが、「Vチャレンジ」という文字が表示された看板を模した画像(Vチャレンジシンボル)と共に上方から表示画面内へとフェードインしてくる演出が実行される。この3段階目のアクションが実行されて、Vチャレンジシンボルが表示されることにより、遊技者に対してVチャレンジ小当たりに当選したことを容易に理解させることができる。なお、この3段階目のアクション(第3アクション)が実行されると共に、第3図柄がVチャレンジ小当たりを示す図柄の組合せ(図228(b)の例では、「3」、「V」、「3」の組合せ)で停止表示される。
次に、図229を参照して、ミニキャラ予告演出が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の経時変化について説明する。図229は、ミニキャラ予告演出においてミニキャラMCが第3アクションまで実行する場合における、ミニキャラ予告演出の開始時を起点としたミニキャラMCの表示態様の経時変化を示した図である。図229に示した通り、ミニキャラ予告演出が開始されると、まず、ミニキャラMCが表示画面の中央下部に出現して右方向へと移動する第1アクション(図227(a),(b)参照)を行う。この第1アクションは、5秒間継続し、5秒が経過した時点でミニキャラMCが画面外へとフェードアウトした状態となる。このミニキャラMCが画面外へとフェードアウトした状態の期間(ミニキャラ不在期間)は、5秒間~10秒間の間継続する。不在期間の長さは、変動種別(特別図柄の抽選結果、および変動期間の長さ等)に応じて抽選により決定される。
また、図229に示した通り、設定されたミニキャラ不在期間が経過すると、ミニキャラMCが表示画面の右方向から左上方向へと飛び上がる第2アクションが実行される。この第2アクションは3秒間継続し、3秒間が経過した時点でミニキャラMCが画面外へとフェードアウトした状態となる。ミニキャラがフェードアウトした後のミニキャラ不在期間は4秒間~9秒間の間継続し、設定されたミニキャラ不在期間が経過すると、ミニキャラMCがVチャレンジシンボルと共に表示画面内に落下する第3アクションが実行される。第3アクションが実行されることにより、Vチャレンジ小当たりの当選が確定するため、ミニキャラ予告演出が開始される毎に、第3アクションまで予告演出が継続することを遊技者に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、ミニキャラ不在期間の長さを可変させることにより、ミニキャラMCが行う各種アクション(第1~第3アクション)の実行タイミングを異ならせる構成としている。また、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示において、第3アクションまで発展することなく変動表示が終了する場合には、必ず、変動停止のタイミングがミニキャラ不在期間となるように設定する構成としている。これにより、ミニキャラMCが表示画面内においてアクションを行っている途中で変動表示が終了されてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、より好適な表示演出を提供することができる。また、ミニキャラMCがアクションを行っている途中で変動表示が終了されることを抑制する構成とすることにより、ミニキャラMCのアクション開始のタイミングによっては、より期待度の高いリーチ演出に発展することを、発展に係る演出が実行されるよりも前に予め知ることができる遊技性を提供することができる。即ち、リーチ演出に発展する可能性がある変動開始から10秒経過時の直前(例えば、2秒前)にミニキャラMCがアクションを開始した場合には、ミニキャラMCのアクションが変動開始後10秒経過時をまたいで実行されそうだと遊技者に対して認識させることができる。10秒をまたぐということは、10秒経過時点において図柄が停止されて変動表示が終了されることがないということを意味するため、ミニキャラMCのアクションが発生した段階で、リーチ演出に発展することを遊技者に間接的に理解させることができる。よって、ミニキャラMC自体のアクションの内容だけでなく、ミニキャラMCがアクションを開始する際の第3図柄の変動表示の状況にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図230から図231を参照して、第3図柄の変動表示の状況と、ミニキャラMCのアクションの状況との対応関係について説明する。本第11実施形態では、ミニキャラ予告演出における各アクションの実行期間として、低期待度、中期待度、および高期待度の3種類の実行期間が設定されている。即ち、ミニキャラMCのアクション自体は共通としておき、ミニキャラMCがアクションを行う期間のみを異ならせることでVチャレンジ小当たりとなることに対する期待度を示唆する構成としている。このように構成することで、ミニキャラ予告演出に要する画像データを最低限にすることができるので、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
まず、図230(a)を参照して、長外れの変動パターンに対してミニキャラ予告演出が設定された場合における、ミニキャラMCのアクションの期間と、第3図柄の変動時間(変動期間)との対応関係について説明する。図230(a)に示した通り、長外れの変動パターンに対してミニキャラ予告演出が設定された場合には、必ず、変動開始から5秒経過時点で第1アクションが開始され、外れ図柄停止時に第1アクションが終了される。長外れの変動パターンにおいて第1アクションが実行され得る構成とすることにより、長外れの変動パターンにおいてもVチャレンジ小当たりとなることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、図230(b)~図231を参照して、ノーマルリーチの変動パターンに対してミニキャラ予告演出が設定された場合における変動時間とミニキャラMCのアクションの期間との対応関係について説明する。図230(b)は、ノーマルリーチ外れ(通常小当たり含む)の変動パターンに対して、低期待度のアクションタイミングのミニキャラ予告演出が設定された場合を示した図である。図230(b)に示した通り、低期待度のミニキャラ予告演出が設定された場合、変動開始から5秒経過時に第1アクションが実行される。即ち、第1アクションの実行期間として、長外れの変動パターンと同一の実行期間が設定される。よって、第1アクションが実行された段階では、遊技者の期待感をさほど向上させることはない。また、図230(b)に示した通り、変動開始から20秒が経過すると、第2アクションが実行される。この第2アクションは、上述した通り、3秒間の間継続する。第2アクションが終了すると、外れ図柄が停止する(変動期間が終了する)までの間、ミニキャラ不在期間に設定される。この低期待度のアクションタイミングは、Vチャレンジ小当たりとは異なる抽選結果となった場合に、他の期待度(中期待度、および高期待度)のアクションタイミングよりも高い割合で選択される。よって、アクションのタイミングを確認した遊技者に対して、Vチャレンジの期待度がさほど高くないということを認識させることができるので、期待度を適切に認識させることができる。
また、図230(c)は、ノーマルリーチ小当たり(Vチャレンジ小当たり)の変動パターンに対して低期待度のアクションタイミングのミニキャラ予告演出が設定された場合を示した図である。図230(c)に示した通り、Vチャレンジ小当たりの抽選結果に対応するノーマルリーチの変動パターンに対して低期待度のアクションタイミングのミニキャラ予告演出が設定されると、第1アクション、および第2アクションが、ノーマルリーチ外れの場合(図230(b)参照)と同一の期間で実行される。即ち、変動開始後5秒経過時に第1アクションが実行され、20秒経過時に第2アクションが実行される。そして、図230(c)に示した通り、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンの開始から27秒間が経過すると、第3アクションが実行されてVチャレンジ小当たりの当選が報知される。即ち、変動開始後27秒が経過するまでの間は、少なくともミニキャラMCのアクションタイミングが全く同一となるように構成されている。よって、ミニキャラMCのアクションの内容から、低期待度用のミニキャラ予告演出が設定されたノーマルリーチ外れの変動パターンであるか、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンであるのかを見分けることが困難(不可能)となるので、第3アクションによってVチャレンジ小当たりが報知された場合に、遊技者に対してより大きな喜びや驚きを与えることができる。
図231(a)は、ノーマルリーチ外れ(通常小当たり含む)の変動パターンに対して中期待度のアクションタイミングのミニキャラ予告演出が設定された場合を示した図である。図231(a)に示した通り、中期待度のミニキャラ予告演出が設定された場合、変動開始から10秒経過時に第1アクションが実行される。即ち、リーチ演出に発展した直後に第1アクションが実行される。この第1アクションは、変動開始後15秒経過時まで継続し、15秒経過後はミニキャラ不在期間となる。そして、図231(a)に示した通り、変動開始から20秒間が経過した時点で第2アクションが実行される。第2アクションは変動開始後23秒経過時まで実行され、その後は変動終了までミニキャラ不在期間に設定される。
図231(b)は、ノーマルリーチ小当たり(Vチャレンジ小当たりに限る)の変動パターンに対して中期待度のアクションタイミングが設定された場合を示した図である。図231(b)に示した通り、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンに対して中期待度のアクションタイミングが設定された場合には、第1アクション、および第2アクションが、ノーマルリーチ外れの場合(図231(a)参照)と同一の期間で実行される。即ち、変動開始後10秒経過時に第1アクションが実行され、20秒経過時に第2アクションが実行される。そして、図231(b)に示した通り、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンの開始から27秒間が経過すると、第3アクションが実行されてVチャレンジ小当たりの当選が報知される。即ち、低期待度のアクションタイミングと同様に、変動開始後27秒が経過するまでの間は、少なくともミニキャラMCのアクションタイミングが全く同一となるように構成されている。よって、ミニキャラMCのアクションの内容から、中期待度用のミニキャラ予告演出が設定されたノーマルリーチ外れの変動パターンであるか、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンであるのかを見分けることが困難(不可能)となるので、第3アクションによってVチャレンジ小当たりが報知された場合に、遊技者に対してより大きな喜びや驚きを与えることができる。
また、中期待度のアクションタイミングが設定された場合、長外れの変動パターンにミニキャラ予告演出が設定される場合(図230(a)参照)とは明らかに異なるタイミング(リーチ演出に発展した後)で第1アクションが実行されるので、遊技者に対してより期待度の高い変動表示演出であることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図231(c)は、ノーマルリーチ外れ(通常小当たり含む)の変動パターンに対して高期待度用のアクションタイミングが設定された場合を示した図である。図231(c)に示した通り、高期待度用のアクションタイミングが設定されると、変動開始から8秒経過時に第1アクションが開始される。即ち、リーチ演出に発展する前で、且つ、低期待度用の第1アクションのタイミングよりも遅いタイミングで第1アクションが開始される。これにより、通常時に比較的発生し易い低期待度用の第1アクションとは異なるアクションタイミングが設定されたことを遊技者に対して実感させることができる。よって、Vチャレンジ小当たりに対する期待感を高めることができる。また、上述した通り、第1アクションは5秒間継続するので、リーチ演出に発展するタイミングをまたいで第1アクションが実行されることになる。よって、第1アクションの進行状況と、第3図柄の変動表示の態様とを比較して確認した遊技者に対して、リーチ演出が発生するか否かが確定するタイミングよりも第1アクションの終了タイミングの方が後になりそうだと感じさせることができる。ここで、上述した通り、本第11実施形態では、ミニキャラMCのアクションの途中で変動表示が終了することはない。よって、この仕様を理解して遊技を行っている遊技者に対して、リーチ演出の発生タイミングになるよりも前に、リーチ演出が発生することを察知させることができる。従って、変動表示の進行状況と、ミニキャラMCのアクションの進行状況とを比較しながら遊技を行うという斬新な楽しみ方を遊技者に対して提供することができる。
また、図231(c)に示した通り、第1アクションが終了する変動開始後13秒経過時点から、変動開始後20秒経過時点までの間の7秒間は、ミニキャラ不在期間に設定される。そして、変動開始後20秒経過時点で3秒間の第2アクションが実行され、以降は変動終了までミニキャラ不在期間に設定される。
また、図231(d)に示した通り、ノーマルリーチ小当たり(Vチャレンジ小当たり)の変動パターンに対して高期待度用のアクションタイミングのミニキャラ予告演出が設定されると、第1アクション、および第2アクションがノーマルリーチ外れの場合と同一の期間で実行される。即ち、変動開始後27秒が経過するまでの間は、少なくともミニキャラMCのアクションタイミングが全く同一となるように構成されている。よって、ミニキャラMCのアクションの内容から、低期待度用のミニキャラ予告演出が設定されたノーマルリーチ外れの変動パターンであるか、ノーマルリーチ小当たりの変動パターンであるのかを見分けることが困難(不可能)となるので、第3アクションによってVチャレンジ小当たりが報知された場合に、遊技者に対してより大きな喜びや驚きを与えることができる。
高期待度用のアクションタイミングは、特別図柄の抽選でVチャレンジ小当たりとなった場合に設定される割合が比較的高く、且つ、外れの場合に設定される割合が極めて低くなるため、ミニキャラMCのアクションのタイミングから高期待度用のアクションであると判断した遊技者に対して、Vチャレンジ小当たりとなることに対する大きな期待感を抱かせることができる。よって、ミニキャラMCのアクションの内容だけでなく、アクションが開始されるタイミングにも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図示については省略したが、変動時間が60秒間のスーパーリーチの変動パターンや、変動時間が90秒間のスペシャルリーチの変動パターンについても、低期待度用、中期待度用、および高期待度用のアクションタイミングが規定されている。スーパーリーチおよびスペシャルリーチの場合にも、基本的にはノーマルリーチの場合と同様であり、低期待度のアクションタイミングでは、第1アクションがリーチ演出における最後の発展タイミングの直前にアクションが終了するように構成されている。即ち、スーパーリーチの変動パターンであれば、スーパーリーチに発展する直前(即ち、変動開始後30秒経過時)に第1アクションが終了するように第1アクションが実行され、スペシャルリーチの変動パターンであれば、スペシャルリーチに発展する直前(即ち、変動開始後60秒経過時)に第1アクションが終了するように第1アクションが実行される。また、中期待度用のアクションタイミングでは、リーチ演出における最後の発展タイミングの直後に第1アクションが開始されるように構成されており、高期待度用のアクションタイミングでは、リーチ演出における最後の発展タイミングをまたいで第1アクションが実行されるように構成されている。
このように、本第11実施形態では、Vチャレンジの実行を示唆する演出の一種として、ミニキャラ予告演出を実行可能に構成している。このミニキャラ予告演出では、ミニキャラMCが第1から第3の全てのアクションを完了することによりVチャレンジが実行されることを遊技者に報知する演出態様となっている。また、ミニキャラ予告演出には、Vチャレンジが実行される期待度が異なる複数の種別(低期待度、中期待度、および高期待度)が設けられており、ミニキャラMCのアクションの内容自体は同一であるが、アクションが実行されるタイミングが期待度毎に異なって構成されている。これにより、ミニキャラMCのアクションを表示させるために用いる画像データ自体は共通化することができるので、表示制御装置114のキャラクタROM234の記憶容量を削減することができる。更に、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示において、高期待度用のアクションタイミングが設定された場合、より期待度の高いリーチ演出に発展するタイミングをまたいで第1アクションが実行される。よって、第1アクションの進行状況と、第3図柄の変動表示の態様とを比較して確認した遊技者に対して、より期待度の高いリーチ演出に発展するか否かが確定するタイミングよりも第1アクションの終了タイミングの方が後になりそうだと感じさせることができる。ここで、上述した通り、本第11実施形態では、ミニキャラMCのアクションの途中で変動表示が終了することはない。よって、この仕様を理解して遊技を行っている遊技者に対して、実際に演出が発展するタイミングになるよりも前に、発展することを察知させることができる。従って、変動表示の進行状況と、ミニキャラMCのアクションの進行状況とを比較しながら遊技を行うという斬新な楽しみ方を遊技者に対して提供することができる。
次に、図232を参照して、本第11実施形態における普通図柄の時短状態において実行される中央ルート示唆演出について説明する。この中央ルート示唆演出は、基本的に、遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に振分回転体6755fへと振り分けられる(中央ルートを遊技球が流下する)可能性が高い(振分回転体6755fへと振り分けられ易くなる)期間(図215参照)を示唆する演出である。上述した通り、振分回転体6755fへと到達した遊技球は、振分回転体6755fに設けられている6つの入球口(中央V入賞口6755fv1~6755fv3、中央アウト口6755fo1~6755fo3のいずれか)へと入球する(図212参照)。これら6つの入球口のうち、中央V入賞口6755fv1~6755fv3のいずれかへと遊技球が入球した場合は、最も有利な「大当たりI14」に当選する。即ち、ラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後に再度普通図柄の時短状態が設定されるので、中央V入賞口6755fv1~6755fv3へと遊技球が入球した場合に、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。一方、上述した通り、中央アウト口6755fo1~6755fo3へと入球した場合には、遊技者に対して何らの特典も付与されない状態となる。よって、振分回転体6755fへと遊技球が振り分けられてからいずれかの入球口へと振り分けられるまでの間は、遊技者にとって最も期待感が高まる期間の一種である。従って、中央ルート示唆演出により振分回転体6755へと遊技球が振り分けられ易い(中央ルートを流下し易い)タイミングを示唆する構成とすることにより、中央ルート示唆演出が実行されている間に遊技球を抽選装置6755へと入球させたいと遊技者に願わせる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図232(a),(b)は、時短状態において小当たりが実行された場合における、第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図232(a)は、上開閉扉6755bUが開放されている間(V不可期間やV入賞率100%期間)における表示態様の一例を示しており、図232(b)は、上開閉扉6755bUが閉鎖されている間(V入賞50%期間)における表示態様の一例を示している。図232(a)に示した通り、時短状態における小当たり遊技の実行中は、小領域Ds2に対して少年のキャラクタ710が表示されると共に、小領域Ds3において、「右打ち!」という文字と、右側を向いた矢印を模した画像とが表示される。これらの表示内容により、小当たり遊技の実行中に右打ちを行うことで小当たり用アタッカー6755aへと遊技球を入球させ、V入賞を狙うことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、主表示領域Dmにおいて、小当たりを示す停止図柄が表示され続ける。これにより、小当たり遊技の実行中であることを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、小領域Ds1の表示内容については、通常時と同一である。即ち、保留図柄が表示されるのみであるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図232(b)は、上開放扉6755bUが閉鎖されている間(V入賞率50%期間)における表示態様の一例を示している。図232(b)に示した通り、小領域Ds2に表示されている少年のキャラクタ710の周囲が発光した(オーラを纏った)見た目の態様に変更される。この小領域Ds2の表示態様の変更により、遊技球が抽選装置6755へと入球することで中央ルートへと振り分けられる(1/2の割合で最も有利な大当たりI14に当選する状況となる)ということを容易に認識させることができる。よって、時短状態において小当たりとなった場合には、少年のキャラクタ710がオーラを纏った(発光した)表示態様となっている間に遊技球が抽選装置6755へと入球するか否かについて、より注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、中央ルートへと振り分けられることが無い期間においても、中央ルート示唆演出を実行される可能性がある。具体的には、小当たりH14~J14のいずれか(即ち、V入賞が発生した場合に10ラウンド時短大当たりとなる小当たり種別)となった場合におけるV入賞率100%期間においても、所定の割合(例えば、40%の割合)で中央ルート示唆演出を実行する構成としている。これにより、中央ルート示唆演出が発生している間に遊技球を抽選装置6755へと入球させたにもかかわらず、右V入賞口6755bVへと遊技球が誘導されて、且つ、大当たり後に時短状態に継続するという、通常とは異なる挙動(振分回転体6755fへと振り分けられる挙動)を実現することができる。よって、遊技者に対して大きな驚きと、喜びとを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、上述した通り、中央ルート示唆演出は、小当たり開始後1秒以内に設定されるV入賞率50%期間、若しくはV入賞率100%期間に同期して実行される演出であるため、演出時間は0.2秒間となる(図215参照)。よって、中央ルート示唆演出が発生したことを視認してから遊技球を発射したとしても、演出が終了するまでの間に抽選装置6755へと遊技球を到達させることは不可能(困難)となる。これにより、普通図柄の時短状態において、中央ルート示唆演出が発生している間に抽選装置6755へと遊技球を入球させることを狙う変則的な遊技方法を成り立たなくすることができるので、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、中央ルート示唆演出を視認してから遊技球を発射しても、演出の実行期間中に抽選装置6755へと遊技球を入球させることが不可能な仕様とすることにより、既に発射した遊技球が抽選装置6755に入球するタイミングで、中央ルート示唆演出が発生することを期待させる遊技性を実現することができる。つまり、抽選装置6755へと入球した遊技球の流下経路だけでなく、抽選装置6755へと入球する時点の演出状況にも注目して遊技を行わせることができる。言い換えれば、中央ルート示唆演出の発生状況と、抽選装置6755に対する遊技球の入球タイミングとを比較して、遊技球の流下経路を予め遊技者に把握させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第11実施形態では、普通図柄の時短状態において小当たりに当選した場合に、V入賞率50%期間(振分回転体6755fへと遊技球が誘導され易い期間)であることを遊技者に示唆するための中央ルート示唆演出を実行する構成としている。このように構成することで、遊技球が抽選装置6755の内部へと入球した遊技球がいずれかの入球口へと入球するまでの間の流下経路だけでなく、遊技球が抽選装置6755へと入球する際の演出状況にも注目して遊技を行わせることができる。即ち、抽選装置6755へと遊技球が入球するタイミングと、小領域Ds2において実行される中央ルート示唆演出の状況とを比較して中央ルートを流下する(振分回転体6755fへと遊技球が振り分けられる)期待度を遊技者に予測させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この挙動から、中央ルート示唆演出は、演出発生中に抽選装置6755へと入球した遊技球によってV入賞が発生した場合に、大当たり終了後の時短状態が確定する(演出が発生していない状況で入球した遊技球によりV入賞が発生した場合よりも時短状態が設定され易くなる)演出とも言える。
なお、本第11実施形態では、中央ルート示唆演出によって中央ルートに振り分けられる可能性が高い入球タイミングを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、中央ルート示唆演出の表示態様に複数の種別を設ける構成とし、表示態様に応じて中央ルートに振り分けられる期待度を異ならせるように構成してもよい。このように構成することで、中央ルート示唆演出が実行されている期間だけでなく、中央ルート示唆演出の表示態様にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第11実施形態では、中央ルート示唆演出を、V入賞率50%期間、若しくはV入賞率100%期間に同期して実行する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、抽選装置6755へと入球してから上開閉扉6755bU(下開閉扉6755bD)へと遊技球が到達するまでの間のタイムラグを加味して中央ルート示唆演出の実行タイミングを設定する(例えば、期間が開始される0.1秒前から、期間が終了する0.1秒前までの間を実行期間に設定する)構成としてもよい。このように構成することで、中央ルート示唆演出が実行されている間に抽選装置6755へと遊技球が入球したにもかかわらず、振分回転体6755f(若しくは右V入賞口6755bV)へと遊技球が流下しない状況が発生し、遊技者に不満感を抱かせてしまったり、中央ルート示唆演出の意味が理解し難くなってしまったりすることを防止(抑制)することができる。
<第11実施形態の電気的構成>
次に、図233(a)を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図233(a)は、本第11実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図233(a)に示した通り、本第11実施形態におけるROM222の構成は、第10実施形態(および第8実施形態)におけるROM222の構成(図195(a)参照)に対して、文字態様選択テーブル222faと、ミニキャラ演出選択テーブル222fbと、小当たり時演出選択テーブル222fcとが追加されている点で相違している。
文字態様選択テーブル222faは、操作応援演出(図224(b)参照)の実行中において、中央ボタンCBを遊技者が押下(操作)した場合に表示される文字画像814の文字態様を決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。詳細については、図234および図235を参照して後述するが、この文字態様選択テーブル222faは、操作応援演出の実行中において中央ボタンCBが操作された場合に、特別図柄の抽選結果や遊技者の中央ボタンCBに対する操作状況等に応じた文字態様を選択するために参照される(図245のS40609参照)。
ミニキャラ演出選択テーブル222fbは、ミニキャラ予告演出(図227および図228参照)においてミニキャラMCにより実行されるアクションのタイミングを決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。詳細については図236および図237を参照して後述するが、このミニキャラ演出選択テーブル222fbは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づく変動表示の実行を設定する際に参照され、ミニキャラ予告演出の有無、および予告演出により示唆する期待度(ミニキャラMCのアクションのタイミング)を決定するために参照される(図254のS41307参照)。
小当たり時演出選択テーブル222fcは、普通図柄の時短状態において小当たりとなった場合に、中央ルート示唆演出(図232(b)参照)の実行有無、および実行タイミングを決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。詳細については図238を参照して後述するが、この小当たり時演出選択テーブル222fcは、小当たりの開始時(主制御装置110から、小当たり種別を示す小当たり種別コマンドを受信した場合)に参照されて、小当たり種別に応じて中央ルート示唆演出の実行有無、および実行タイミングが決定される(図250のS41004,S41005参照)。
次に、図234および図235を参照して、文字態様選択テーブル222faの詳細について説明する。この文字態様選択テーブル222faは、上述した通り、操作応援演出(図224(b)参照)の実行中において、中央ボタンCBを遊技者が押下(操作)した場合に表示される文字画像814の文字態様を決定するために参照されるデータテーブルである。
図234(a)は、文字態様選択テーブル222faの規定内容を示したブロック図である。図234(a)に示した通り、文字態様選択テーブル222faは、大当たりに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも前に実行された操作応援演出において文字態様を選択するために参照される当たり(発展完了前)用テーブル222fa1と、大当たりに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも後に実行された操作応援演出において文字態様を選択するために参照される当たり(発展完了後)用テーブル222fa2と、外れに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも前に実行された操作応援演出において文字態様を選択するために参照される外れ(発展完了前)用テーブル222fa3と、外れに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも後に実行された操作応援演出において文字態様を選択するために参照される外れ(発展完了後)用テーブル222fa4と、で構成されている。
まず、図234(b)を参照して、当たり(発展完了前)用テーブル222fa1の詳細について説明する。図234(b)は、当たり(発展完了前)用テーブル222fa1の規定内容を示した図である。図234(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲毎に、当たり(発展完了前)用テーブル222fa1には、操作応援演出において文字画像814に設定され得る6種類の文字態様がそれぞれ対応付けて規定されている。また、演出抽選カウンタ223eaの値は、遊技者の操作状況(操作応援演出に対する参加状況)に応じて異なる範囲が規定されている。操作頻度が少ない遊技者が遊技を行っている場合(操作応援演出が設定された前回の変動表示における各操作応援演出の操作回数の平均が5回以下である場合)には、図234(b)における「操作頻度少」に対応する規定内容が参照され、操作頻度が中程度の遊技者が遊技を行っている場合(操作応援演出が設定された前回の変動表示における各操作応援演出の操作回数の平均が6回以上、9回以下である場合)には、図234(b)における「操作頻度中」に対応する規定内容が参照され、操作頻度が高い遊技者が遊技を行っている場合(操作応援演出が設定された前回の変動表示における各操作応援演出の操作回数の平均が10回以上である場合)には、図234(b)における「操作頻度多」に対応する規定内容が参照される。
図234(b)に示した通り、操作頻度が少ない遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~199」の範囲に対して、文字態様として「白」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1a)。演出抽選カウンタ223eaは、「0~999」の1000個の値を取り得るので、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、20%(200/1000)の割合で白文字の文字画像814が表示される。
また、図234(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「200~449」の範囲に対して、文字態様として「青」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1b)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、25%(250/1000)の割合で青文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「450~479」の範囲に対して、文字態様として「緑」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1c)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、3%(30/1000)の割合で緑文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「480~499」の範囲に対して、文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1d)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、2%(20/1000)の割合で赤文字の文字画像814が表示される。
また、図234(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「500~949」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1e)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、45%(450/1000)の割合で黒のストライプ柄の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「950~999」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1f)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、5%(50/1000)の割合で赤のストライプ柄の文字画像814が表示される。
このように、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、操作頻度が少ない(1の操作応援演出における平均の操作回数が5回以下)遊技者が中央ボタンCBを操作した場合、1/2の割合で、発展の期待度が高くなる黒若しくは赤のストライプ柄の文字態様が設定される。また、詳細については後述するが、当たりとなる期待度が高くなる種別の文字態様(緑文字や赤文字)が、外れの場合よりも高い割合で設定される。よって、発展する期待度が高い文字態様(黒のストライプ柄や赤のストライプ柄)が選択された場合に、遊技者に対してより期待度の高いリーチ演出に発展することを期待させることができる。また、当たりとなる期待度が高くなる種別の文字態様(緑文字や赤文字)が選択された場合に、大当たりとなることに対する期待感を高めることができる。なお、赤ストライプ柄に関しては、リーチ演出における最後の発展が完了した後に実行される操作応援演出においては表示され得ないように構成している。つまり、赤ストライプ柄の文字画像814が表示された時点で、現状のリーチ演出の段階よりも期待度の高い演出に発展することが確定する。
一方、操作頻度が中程度の遊技者(1の操作応援演出における平均の操作回数が6回以上、9回以下)に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~579」の範囲に対して、文字態様として「白」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1a)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合58%(580/1000)の割合で白文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「580~779」の範囲に対して、文字態様として「青」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1b)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、20%(200/1000)の割合で青文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「780~791」の範囲に対して、文字態様として「緑」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1c)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、1.2%(12/1000)の割合で緑文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「792~799」の範囲に対して、文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1d)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、0.8%(8/1000)の割合で赤文字の文字画像814が表示される。
また、図234(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「800~979」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1e)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、18%(180/1000)の割合で黒のストライプ柄の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「980~999」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1f)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、2%(20/1000)の割合で赤のストライプ柄の文字画像814が表示される。
このように、操作頻度が中程度(平均の操作回数が6回以上、9回以下)の場合は、操作頻度が少ない(平均の操作回数が5回以下)場合に比較して、大当たりの期待度が高い文字態様(緑文字、赤文字)や、発展に対する期待度が高い文字態様(黒のストライプ柄や赤のストライプ柄)の選択割合が低くなっている。このように構成することで、操作の傾向によらず各文字態様の選択割合を共通とした場合に比べて、操作回数の傾向が異なる遊技者が遊技を行った場合でも、1の操作応援演出において大当たりおよび発展の期待度が高い文字態様が表示される回数の差を少なくすることができる。よって、操作の傾向によらず、好適に演出を設定することができる。
一方、操作頻度が多い遊技者(1の操作応援演出における平均の操作回数が10回以上)に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~799」の範囲に対して、文字態様として「白」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1a)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合80%(800/1000)の割合で白文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「800~889」の範囲に対して、文字態様として「青」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1b)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、9%(90/1000)の割合で青文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「890~895」の範囲に対して、文字態様として「緑」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1c)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、0.6%(6/1000)の割合で緑文字の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「896~899」の範囲に対して、文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1d)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、0.4%(4/1000)の割合で赤文字の文字画像814が表示される。
また、図234(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「900~989」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1e)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、9%(90/1000)の割合で黒のストライプ柄の文字画像814が表示される。また、演出抽選カウンタ223eaの値が「990~999」の範囲に対して、文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図234(b)の222fa1f)。よって、大当たりに対応する変動演出における最後の発展が終了するよりも前に実行された操作応援演出において、中央ボタンCBを遊技者が操作した場合、1%(10/1000)の割合で赤のストライプ柄の文字画像814が表示される。
このように、操作頻度が多い(平均の操作回数が10回以上)場合は、操作頻度が少ない(平均の操作回数が5回以下)場合や中程度(平均の操作回数が6回以上、9回以下)の場合に比較して、大当たりの期待度が高い文字態様(緑文字、赤文字)や、発展に対する期待度が高い文字態様(黒のストライプ柄や赤のストライプ柄)の選択割合が更に低くなっている。このように構成することで、操作の傾向によらず各文字態様の選択割合を共通とした場合に比べて、操作回数の傾向が異なる遊技者が遊技を行った場合でも、1の操作応援演出において大当たりおよび発展の期待度が高い文字態様が表示される回数の差を少なくすることができる。よって、操作の傾向によらず、好適に演出を設定することができる。
次に、図234(c)を参照して、上述した当たり(発展完了後)用テーブル222fa2の詳細について説明する。この当たり(発展完了後)用テーブル222fa2は、上述した通り、大当たりに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも後に実行された操作応援演出において文字態様を選択する場合に参照されるデータテーブルである。
図234(c)に示した通り、操作頻度が少ない遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~99」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2a参照)、「100~199」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2b参照)、「200~699」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2c参照)、「700~949」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(c)の222fa2d参照)、「950~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図234(c)の222fa2e参照)。また、「ストライプ(赤)」については演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(図234(c)の222fa2f参照)。よって、中央ボタンCBを押下しても赤のストライプ柄が設定されることはない。
このように、リーチ演出における最後の発展が完了した後に実行される操作応援演出では、最後の発展が完了するよりも前に実行される操作応援演出に比較して、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が増加する(緑文字の選択比率が3%→50%、赤文字の選択比率が2%→25%に増加する)。よって、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様が表示されることにより、現在の発展段階で大当たりが報知されることをより強く期待させることができる。一方で、リーチ演出における最後の発展が完了した後は、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が大幅に低下する(黒のストライプ柄の選択比率が45%→5%、赤のストライプ柄の選択比率が5%→0%に低下する)ので、発展の期待度が高いことを示す文字態様が表示されない程、現在の発展段階で抽選結果が報知される可能性が高いということを遊技者に認識させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図234(c)に示した通り、操作頻度が中程度の遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~399」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2a参照)、「400~679」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2b参照)、「680~879」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2c参照)、「880~979」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(c)の222fa2d参照)、「980~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている。また、「ストライプ(赤)」については演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(中央ボタンCBを押下しても赤のストライプ柄が設定されることはない)。
即ち、操作頻度が中程度の遊技者が遊技を行っている場合においても、リーチ演出における最後の発展が完了した後に実行される操作応援演出では、最後の発展が完了するよりも前に実行される操作応援演出に比較して、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が増加する(緑文字の選択比率が1.2%→20%、赤文字の選択比率が0.8%→10%に増加する)と共に、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が大幅に低下する(黒のストライプ柄の選択比率が18%→2%、赤のストライプ柄の選択比率が2%→0%に低下する)。発展の期待度が高いことを示す文字態様が出難くなることで、現在の発展段階で特別図柄の抽選結果が報知される可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。また、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様が出易くなることで、現在の発展段階で大当たりとなることに対する期待感を向上させることができる。
また、図234(c)に示した通り、操作頻度が多い遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~699」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2a参照)、「700~839」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2b参照)、「840~939」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図234(c)の222fa2c参照)、「940~989」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定されている(図234(c)の222fa2d参照)、「990~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている。また、「ストライプ(赤)」については演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(中央ボタンCBを押下しても赤のストライプ柄が設定されることはない)。
即ち、操作頻度が多い遊技者が遊技を行っている場合においても、リーチ演出における最後の発展が完了した後に実行される操作応援演出では、最後の発展が完了するよりも前に実行される操作応援演出に比較して、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が増加する(緑文字の選択比率が0.6%→20%、赤文字の選択比率が0.4%→5%に増加する)と共に、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が大幅に低下する(黒のストライプ柄の選択比率が9%→1%、赤のストライプ柄の選択比率が1%→0%に低下する)。発展の期待度が高いことを示す文字態様が出難くなることで、現在の発展段階で特別図柄の抽選結果が報知される可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。また、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様が出易くなることで、現在の発展段階で大当たりとなることに対する期待感を向上させることができる。
次に、図235(a)を参照して、上述した外れ(発展完了前)用テーブル222fa3の詳細について説明する。この外れ(発展完了前)用テーブル222fa3は、上述した通り、外れに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも前に実行された操作応援演出において文字態様を選択する場合に参照されるデータテーブルである。
図235(a)に示した通り、操作頻度が少ない遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~99」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3a参照)、「100~479」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3b参照)、「480~494」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3c参照)、「495~499」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3d参照)、「500~949」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3e参照)、「950~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図235(a)の222fa3f参照)。
このように、外れに対応する変動演出において、最後の発展が完了する前に操作応援演出が実行された場合は、当たり(発展完了前)用テーブル222fa1(図234(b)参照)が参照された場合よりも、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が低くなる(緑文字の選択比率が3%→1.5%、赤文字の選択比率が2%→0.5%に減少する)。これに対し、発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択比率は、当たり(発展完了前)用テーブル222fa1(図234(b)参照)が参照された場合と同一である。最後の発展が完了する前において、大当たりの場合も外れの場合も発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を共通とすることにより、各文字態様の選択比率をほぼ共通とすることができる。よって、外れの場合でも当たりの場合でも、最後の発展が完了するまでは、当たりとなる期待度が高いことを示す文字態様が選択され難くなる結果、最後の発展が完了するまでの間、大当たりに対する期待感を持続して抱かせ続けることができる。
また、図235(a)に示した通り、操作頻度が中程度の遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~599」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3a参照)、「600~791」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3b参照)、「792~797」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3c参照)、「798,799」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3d参照)、「800~979」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3e参照)、「980~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図235(a)の222fa3f参照)。
更に、図235(a)に示した通り、操作頻度が多い遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~799」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3a参照)、「800~895」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3b参照)、「896~898」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3c参照)、「899」に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3d参照)、「900~989」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定され(図235(a)の222fa3e参照)、「990~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(赤)」が対応付けて規定されている(図235(a)の222fa3f参照)。
このように、外れ(発展完了前)用テーブル222fa3においても、操作頻度が多い遊技者が遊技を行っているほど、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択割合が低くなる。これにより、1の操作応援演出における各文字態様の出現回数が大きく異なってしまい、遊技方法に応じて期待度が可変してしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図235(b)を参照して、上述した外れ(発展完了後)用テーブル222fa4の詳細について説明する。この外れ(発展完了後)用テーブル222fa4は、上述した通り、外れに対応する変動表示(変動演出)の実行中であり、且つ、リーチ演出における最後の発展タイミングよりも後に実行された操作応援演出において文字態様を選択する場合に参照されるデータテーブルである。
図235(b)に示した通り、操作頻度が少ない遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~254」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4a参照)、「255~754」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4b参照)、「755~944」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4c参照)、「945~949」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4d参照)、「950~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図235(b)の222fa4e参照)。一方、「ストライプ(赤)」の文字態様に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(図235(b)の222f4f参照)。
このように、外れに対応する変動演出において、最後の発展が完了した後に操作応援演出が実行された場合は、当たり(発展完了後)用テーブル222fa2(図234(c)参照)が参照された場合よりも、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様の選択比率が低くなる(緑文字の選択比率が50%→19%、赤文字の選択比率が25%→0.5%に減少する)。これに対し、発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択比率は、当たり(発展完了後)用テーブル222fa2(図234(c)参照)が参照された場合と同一であり、黒のストライプ柄の文字態様が5%の割合で選択され、赤のストライプ柄の文字態様は選択されない。即ち、発展の期待度が高い文字態様がほとんど選択されない。最後の発展が完了した後において、大当たりの場合も外れの場合も発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を共通の低確率(5%の割合)とすることにより、演出がこれ以上発展しないということ(即ち、現状の発展段階で特別図柄の抽選結果が報知されること)を遊技者に認識させることができる。よって、停止表示される第3図柄の組合せに対してより注目して遊技を行わせることができる。
また、図235(b)に示した通り、操作頻度が中程度の遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~699」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4a参照)、「700~899」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4b参照)、「900~977」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4c参照)、「978,979」の範囲に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4d参照)、「980~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図235(b)の222fa4e参照)。一方、「ストライプ(赤)」の文字態様に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(図235(b)の222fa4f参照)。
更に、図235(b)に示した通り、操作頻度が多い遊技者に対応する規定内容として、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~849」の範囲に対して文字態様として「白」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4a参照)、「850~949」の範囲に対して文字態様として「青」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4b参照)、「950~988」の範囲に対して文字態様として「緑」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4c参照)、「989」に対して文字態様として「赤」が対応付けて規定され(図235(b)の222fa4d参照)、「990~999」の範囲に対して文字態様として「ストライプ(黒)」が対応付けて規定されている(図235(b)の222fa4e参照)。一方、「ストライプ(赤)」の文字態様に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が対応付けられていない(図235(b)の222fa4f参照)。
よって、外れ(発展完了後)用テーブル222fa4においても、操作頻度が多い遊技者が遊技を行っているほど、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展する期待度が高いことを示す文字態様の選択割合が低くなる。これにより、1の操作応援演出における各文字態様の出現回数が大きく異なってしまい、遊技方法に応じて期待度が可変してしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
このように、本第11実施形態では、同一の変動演出(変動表示)に対して操作応援演出が複数回実行されるように構成し、操作応援演出が実行されるタイミング(全ての発展が完了する前であるか、後であるか)に応じて、中央ボタンCBを遊技者が押下した際に表示される文字態様の選択比率が可変するように構成した。より具体的には、全ての発展が完了する前に実行された操作応援演出においては、特別図柄の抽選結果によらず、発展の期待度が高くなる文字態様(黒のストライプ柄や赤のストライプ柄)に設定される割合が高くなる一方で、大当たりとなる期待度が高くなる文字態様に設定される割合が極めて低くなる。これにより、最後の発展が完了するよりも前に実行される操作応援演出においては、大当たりの場合も外れの場合も表示される文字態様に差がほぼ生じないので、少なくとも最後の発展が完了するまでは遊技者に対して大当たりに対する期待感を損ねずに遊技を行わせることができる。また、大当たりとなる期待度が高くなる文字態様の選択率は低いものの、選択された場合には大当たりとなる期待度が高まるため、毎回の操作応援演出において、大当たりとなる期待度が高まる文字態様が表示されることを期待して中央ボタンCBを押下させることができる。よって、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、本第11実施形態では、操作応援演出において遊技者が中央ボタンCBを押下した回数をカウントし、1の操作応援演出における平均の操作回数を算出する構成としている。そして、平均の操作回数に応じて、中央ボタンCBに対する押下1回当たりの各文字態様の選択比率を異ならせる構成としている。即ち、押下の頻度が少ない遊技者が遊技を行っている場合は、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を高くする一方で、押下の頻度が多い遊技者が遊技を行っている場合は、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を低くする構成とした。このように構成することで、遊技者の操作の傾向によらず、操作応援演出において期待度が高いことを示す文字態様の表示回数を同等にすることができるので、より好適な演出を実現することができる。
次に、図236および図237を参照して、上述したミニキャラ演出選択テーブル222fbの詳細について説明する。図236(a)は、ミニキャラ演出選択テーブル222fbの規定内容を示した図である。図236(a)に示した通り、ミニキャラ演出選択テーブル222fbは、Vチャレンジ小当たりに対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するために参照されるVチャレンジ小当たり用テーブル222fb1と、通常小当たりに対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するために参照される通常小当たり用テーブル222fb2と、小当たり以外の抽選結果に対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するために参照される非小当たり用テーブル222fb3と、の3つのデータテーブルで少なくとも構成されている。
まず、図236(b)を参照して、Vチャレンジ小当たり用テーブル222fb1の詳細について説明する。このVチャレンジ小当たり用テーブル222fb1は、上述した通り、Vチャレンジ小当たりに対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。図236(b)に示した通り、Vチャレンジ小当たり用テーブル222fb1は、変動種別毎に、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲と、ミニキャラ予告演出の演出態様とが対応付けて規定されている。
具体的には、図236(b)に示した通り、ノーマルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~99」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図236(b)の222fb1a参照)、「100~399」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(c)参照)が対応付けて規定され(図236(b)の222fb1b参照)、「400~699」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(b)参照)が対応付けて規定され(図236(b)の222fb1c参照)、「700~999」の範囲に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(d)参照)が対応付けて規定されている(図236(b)の222fb1d参照)。
また、図236(b)に示した通り、スーパーリーチ、およびスペシャルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~99」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図236(b)の222fb1e参照)、「100~149」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(c)参照)が対応付けて規定され(図236(b)の222fb1f参照)、「150~649」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(b)参照)が対応付けて規定され(図236(b)の222fb1g参照)、「650~999」の範囲に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(d)参照)が対応付けて規定されている(図236(b)の222fb1h参照)。
即ち、より期待度の高いリーチに発展する変動種別の方が、期待度が高いミニキャラ予告演出が選択され易くなるように構成している。特に、高期待度のミニキャラ予告演出の選択比率を、期待度の高いリーチ演出において高める構成とすることによって、より期待度の高い発展段階において、高期待度のアクションタイミングが設定される可能性を高くすることができる。上述した通り、高期待度の第1アクションが設定されると、より期待度の高いリーチ演出へと発展するタイミングをまたいでミニキャラMCが第1アクションを行う。そして、ミニキャラMCの各アクションは、途中で打ち切られることが無いように構成されている(即ち、ミニキャラMCのアクションの途中で変動時間が経過することが無いようにアクションが設定される)。よって、当該仕様を理解して遊技を行う遊技者に対して、期待度の高いリーチ演出へと発展するよりも前に、発展することを察知させることができる。しかしながら、比較的期待度の低い発展段階において高期待度の第1アクションが実行され、発展を察知することができたとしても、期待度が低い発展段階で特別図柄の抽選結果が報知される可能性が高くなるため、Vチャレンジ小当たりに対する期待感をさほど高めることができない。そこで、本第11実施形態では、期待度が高い変動種別の方が、高期待度のアクションが実行される割合を高める構成としている。これにより、期待度の高い発展段階までリーチ演出が発展した状態で、更に期待度の高い演出に発展することを遊技者に事前に察知させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図237(a)を参照して、上述した通常小当たり用テーブル222fb2の詳細について説明する。図237(a)は、この通常小当たり用テーブル222fb2の規定内容を示した図である。この通常小当たり用テーブル222fb2は、上述した通り、通常小当たりに対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。
図237(a)に示した通り、ノーマルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~499」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図237(a)の222fb2a参照)、「500~899」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(b)参照)が対応付けて規定され(図237(a)の222fb2b参照)、「900~989」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(a)参照)が対応付けて規定され(図237(a)の222fb2c参照)、「990~999」の範囲に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(c)参照)が対応付けて規定されている(図237(a)の222fb2d参照)。
また、図237(a)に示した通り、スーパーリーチ、およびスペシャルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~99」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図237(a)の222fb2e参照)、「100~799」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(b)参照)が対応付けて規定され(図237(a)の222fb2f参照)、「800~949」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(a)参照)が対応付けて規定され(図237(a)の222fb2g参照)、「950~999」の範囲に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(c)参照)が対応付けて規定されている(図237(a)の222fb2h参照)。
よって、通常小当たりとなってノーマルリーチの変動種別が選択されると、Vチャレンジ小当たりの場合に比較して、ミニキャラ予告演出の実行割合が低くなり(90%→50%)、更に、実行されたとしても、ほぼ、低期待度のミニキャラ予告演出が決定される。よって、ノーマルリーチの変動パターンにおいて中期待度や高期待度のミニキャラ予告演出が実行された場合に、遊技者のVチャレンジ小当たりに対する期待感を向上させることができる。また、通常小当たりとなってスーパーリーチ、若しくはスペシャルリーチの変動種別が選択されると、ミニキャラ予告演出自体の実行割合は同等となるが、中期待度や高期待度のミニキャラ予告演出の選択割合が低くなる。よって、中期待度や高期待度のミニキャラ予告演出が実行された場合に、遊技者のVチャレンジ小当たりに対する期待感を向上させることができる。
次に、図237(b)を参照して、上述した非小当たり用テーブル222fb3の詳細について説明する。図237(b)は、この非小当たり用テーブル222fb3の規定内容を示した図である。この非小当たり用テーブル222fb3は、上述した通り、小当たり以外の抽選結果に対応する変動表示においてミニキャラ予告演出の実行可否、およびアクションタイミングを決定するためのデータが規定されているデータテーブルである。
図237(b)に示した通り、長外れの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~949」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図237(b)の222fb3a参照)、「950~999」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(b)参照)が対応付けて規定されている(図237(b)の222fb3b参照)。
また、図237(b)に示した通り、ノーマルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~599」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図237(b)の222fb3c参照)、「600~949」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(b)参照)が対応付けて規定され(図237(b)の222fb3d参照)、「950~998」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(a)参照)が対応付けて規定され(図237(b)の222fb3e参照)、「999」に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(c)参照)が対応付けて規定されている(図237(b)の222fb3f参照)。
また、図237(b)に示した通り、スーパーリーチ、およびスペシャルリーチの変動種別(変動パターン)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~399」の範囲に対してミニキャラ予告演出無しが対応付けて規定され(図237(b)の222fb3g参照)、「400~899」の範囲に対して低期待度のミニキャラ予告演出(図230(b)参照)が対応付けて規定され(図237(b)の222fb3h参照)、「900~979」の範囲に対して中期待度のミニキャラ予告演出(図231(a)参照)が対応付けて規定され(図237(b)の222fb3i参照)、「980~999」の範囲に対して高期待度のミニキャラ予告演出(図231(c)参照)が対応付けて規定されている(図237(b)の222fb3j参照)。
よって、小当たり以外の抽選結果になると、通常小当たりの場合よりも、ミニキャラ予告演出の実行割合が低下する上に、中期待度用や高期待度用のミニキャラ予告演出が選択される割合もより低くなる。これにより、ミニキャラ予告演出が実行された時点で、少なくとも小当たり(Vチャレンジ小当たり、または通常小当たり)の抽選結果となっている、可能性が高くなるので、ミニキャラ予告演出が実行されることにより、遊技者の小当たり遊技に対する期待感を向上させることができる。
なお、本第11実施形態では、Vチャレンジ小当たりの場合にのみ、ミニキャラ予告演出で第3アクション(図228(b)参照)まで実行される構成としたが、これに限られるものではない。例えば、第3アクションを、通常小当たりでも実行する構成にするとともに、第3図柄表示装置81の表示内容として、小当たりのみが確定する表示態様(例えば、「小当たり」という文字が表示されたシンボルと共にミニキャラMCが落下するアクション)を設定してもよい。このように構成することで、ミニキャラMCが第3アクションまで実行した場合に、アクションの内容からVチャレンジ小当たりであるか、通常小当たりであるかを予測する遊技性を実現することができる。即ち、上述した第10実施形態における選択演出(図216参照)と同様に、小当たり種別を予測させ、予測結果に応じて発射方向を切り替える斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図238を参照して、上述した小当たり時演出選択テーブル222fcの詳細について説明する。図238(a)は、小当たり時演出選択テーブル222fcの構成を示したブロック図である。図238に示した通り、小当たり時演出選択テーブル222fcは、普通図柄の時短状態において小当たりH14~J14のいずれかとなった場合に、中央ルート示唆演出(図232(b)参照)の実行可否、および実行タイミングを選択するための小当たりH14~J14用テーブル222fc1と、普通図柄の時短状態において小当たりK14~M14のいずれかとなった場合に、中央ルート示唆演出(図232(b)参照)の実行可否、および実行タイミングを選択するための小当たりK14~M14用テーブル222fc2と、で構成されている。
まず、図238(b)を参照して、小当たりH14~J14用テーブル222fc1の詳細について説明する。図238(b)は、小当たりH14~J14用テーブル222fc1の規定内容を示した図である。図238(b)に示した通り、小当たりH14~J14用テーブル222fc1には、中央ルート示唆演出の実行タイミング毎に、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲が対応付けて規定されている。
図238(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~599」の範囲に対しては、中央ルート示唆演出の実行タイミングとして、「V入賞率50%期間」が対応付けて規定されている(図238(b)の222fc1a参照)。演出抽選カウンタ223eaは、「0~999」の1000個の値を取り得るので、小当たりH14~J14のいずれかとなった場合に、V入賞率50%期間の間(即ち、抽選装置6755へと入球した遊技球が振分回転体6755fに振り分けられ易くなる期間)にのみ中央ルート示唆演出が実行される割合(確率)は60%(600/1000)である。
また、図238(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「600~749」の範囲に対しては、中央ルート示唆演出の実行タイミングとして「V入賞率100%期間」が対応付けて規定されている(図238(b)の222fc1b参照)。よって、小当たりH14~J14のいずれかとなった場合に、V入賞率100%期間の間(即ち、抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVに振り分けられ易くなる期間)にのみ中央ルート示唆演出が実行される割合(確率)は15%(150/1000)である。つまり、小当たりH14~J14に当選した場合は、基本的に振分回転体6755fへと遊技球が流下し易くなる(中央ルートを流下し易くなる)タイミングを示唆する中央ルート示唆演出を、中央ルートを流下し得ないタイミングにも実行し得る構成としている。これは、小当たりH14~J14になると、中央V入賞口6755fv1~6755fv3へと入球した場合も、右V入賞口6755bVへと入球した場合も、時短大当たりとなるためである。つまり、中央ルート示唆演出の実行中に抽選装置6755へと入球したにもかかわらず、振分回転体6755fへと遊技球が振り分けられるという基本的な演出法則から外れ、時短状態となる期待度が低い(39%の割合でしか時短状態にならない)右V入賞口6755bVへと遊技球が入球した場合に、逆に、大当たり終了後の時短状態が確定するという斬新な挙動を実現することができる。よって、中央ルート示唆演出の実行中に抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球した場合(即ち、中央ルート示唆演出の基本的な演出法則に外れた挙動が発生した場合)に、遊技者に対して時短状態が付与されることを確信させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図238(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「750~799」の範囲に対しては、中央ルート示唆演出の実行タイミングとして「両期間」(V入賞率50%期間、およびV入賞率100%期間の両方の期間)が対応付けて規定されている(図238(b)の222fc1c参照)。よって、小当たりH14~J14のいずれかとなった場合に、V入賞率50%期間と、V入賞率100%期間との両方の期間で中央ルート示唆演出が実行される割合(確率)は5%(50/1000)である。両方の期間で中央ルート示唆演出を実行することにより、通常よりも時短状態となるチャンスが増加しているかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、図238(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「800~999」の範囲に対しては、「非実行」が対応付けて規定されている。よって、小当たりH14~J14のいずれかとなった場合に、中央ルート示唆演出が実行されない割合(確率)は20%(200/1000)である。小当たりに当選しても、中央ルート示唆演出が実行されない場合を設ける構成とすることにより、中央ルート示唆演出が実行されていない間に抽選装置6755へと遊技球が入球したとしても、振分回転体6755fへと遊技球が流下したり、右V入賞口6755bVへと入球して時短状態が付与されたりする事象が生じ得る構成とすることができる。よって、中央ルート示唆演出が実行されていない状態で抽選装置6755へと遊技球が入球した場合にも、時短状態を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図238(c)を参照して、上述した小当たりK14~M14用テーブル222fc2の詳細について説明する。図238(c)は、小当たりK14~M14用テーブル222fc2の規定内容を示した図である。図238(c)に示した通り、小当たりK14~M14用テーブル222fc2において、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~949」の範囲に対しては、中央ルート示唆演出の実行タイミングとして、「V入賞率50%期間」が対応付けて規定されている(図238(c)の222fc2a参照)。演出抽選カウンタ223eaは、「0~999」の1000個の値を取り得るので、小当たりK14~M14のいずれかとなった場合に、V入賞率50%期間の間(即ち、抽選装置6755へと入球した遊技球が振分回転体6755fに振り分けられ易くなる期間)にのみ中央ルート示唆演出が実行される割合(確率)は95%(950/1000)である。
図238(c)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「950~999」の範囲に対しては、「非実行」が対応付けて規定されている。よって、小当たりK14~M14のいずれかとなった場合に、中央ルート示唆演出が実行されない割合(確率)は5%(50/1000)である。小当たりに当選しても、中央ルート示唆演出が実行されない場合を設ける構成とすることにより、中央ルート示唆演出が実行されていない間に抽選装置6755へと遊技球が入球したとしても、振分回転体6755fへと遊技球が流下したり、右V入賞口6755bVへと入球して時短状態が付与されたりする事象が生じ得る構成とすることができる。よって、中央ルート示唆演出が実行されていない状態で抽選装置6755へと遊技球が入球した場合にも、時短状態を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第11実施形態では、V入賞率50%期間、若しくはV入賞が発生することで時短大当たりとなる種別の小当たりにおけるV入賞率100%期間に同期させて、中央ルート示唆演出を実行する構成とした。このように構成することで、中央ルート示唆演出の実行中に遊技球が抽選装置6755へと入球すれば、振分回転体6755fに振り分けられて1/2の割合で16ラウンド時短大当たりとなるか、右V入賞口6755bVに入球して時短大当たりになるので、中央ルート示唆演出の実行中に抽選装置6755へと遊技球を入球させたいと強く期待して遊技を行わせることができる。よって、抽選装置6755に対する遊技球の入球タイミングと、中央ルート示唆演出の実行状況(第3図柄表示装置81の表示態様)とを比較して時短状態となるか否かを予測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図233(b)を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図233(b)は、本第11実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図233(b)に示した通り、本第11実施形態におけるRAM223の構成は、第10実施形態におけるRAM223の構成(図196参照)に対して、演出タイミング格納エリア223faと、操作有効期間中フラグ223fbと、応援演出フラグ223fcと、発展完了フラグ223fdと、押下回数カウンタ223feと、操作頻度フラグ223ffと、ミニキャラフラグ223fgと、アクションタイミング格納エリア223fhと、アクションカウンタ223fiと、制限期間中フラグ223fjと、制限期間中カウンタ223fkと、が追加されている点で相違している。
演出タイミング格納エリア223faは、普通図柄の時短状態における小当たり開始時に決定された中央ルート示唆演出の実行タイミングを示すデータを、少なくとも実際に中央ルート示唆演出を開始させるまでの間一時的に記憶しておくための記憶領域である。この演出タイミング格納エリア223faは、例えば、1バイトの記憶領域が割り当てられており、データとして「00H」が格納されている場合に中央ルート示唆演出を実行しないことを示し、「01H」が格納されている場合にV入賞率50%期間でのみ中央ルート示唆演出を実行することを示し、「02H」が格納されている場合にV入賞率100%期間でのみ中央ルート示唆演出を実行することを示し、「03H」が格納されている場合にV入賞率50%期間とV入賞率100%期間との両方で中央ルート示唆演出を実行することを示す。この演出タイミング格納エリア223faは、初期値が「00H」に設定されており、小当たり開始時(小当たり種別コマンドを受信した際)に、小当たり種別に応じた演出タイミングを小当たり時演出選択テーブル222fcより決定したことに基づいて、その決定された演出タイミングに対応するデータが格納される(図250のS41006参照)。また、小当たり終了時に「00H」にリセットされる。
操作有効期間中フラグ223fbは、中央ボタンCBの操作有効期間中であるか否かを示すフラグである。この操作有効期間中フラグ223fbがオンであれば、操作有効期間中であることを意味する。即ち、遊技者が中央ボタンCBを押下することにより、文字態様選択テーブル222faを用いて文字態様が抽選され、抽選により決定された文字態様の文字画像814が表示される。この操作有効期間中フラグ223fbは、初期値がオフに設定されており、操作応援演出が設定された変動演出(変動表示)における各操作応援演出の実行期間の開始時にオンに設定される(図243のS40405参照)。また、操作応援演出の終了タイミングでオフに設定される(図243のS40408参照)。
応援演出フラグ223fcは、操作応援演出が設定されている変動演出(変動表示)の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば操作応援演出の設定された変動演出の実行中であることを示す。この応援演出フラグ223fcは、操作応援演出を伴う変動表示演出が決定された場合にオンに設定される(図253のS41201参照)。また、変動停止時にオフに設定される。
発展完了フラグ223fdは、変動表示における発展の最終段階までが完了しているか否かを示すフラグである。即ち、ノーマルリーチの変動パターンであれば、ノーマルリーチまで発展しているか否かを示し、スーパーリーチの変動パターンであれば、スーパーリーチまで発展しているか否かを示し、スペシャルリーチの変動パターンであれば、スペシャルリーチまで発展しているか否かを示す。この発展完了フラグ223fdがオンであれば、変動表示における最終段階までの発展が完了済みであることを意味し、オフであれば、変動表示における最終段階までの発展が未完了であることを意味する。この発展完了フラグ223fdは、初期値がオフに設定されており、各変動演出における最終段階の発展が行われるタイミングでオンに設定される(図244のS40504,S40508参照)。また、変動停止時にオフに設定される。操作応援演出の実行中に中央ボタンCBが押下された場合には、この発展完了フラグ223fdが参照されて発展が完了したか否か判別され、判別結果に応じて文字態様選択テーブル222faに規定されている4つのデータテーブルのうちいずれか1のデータテーブルが、文字態様を選択するためのテーブルとして決定される(図245のS40604,S40605、S40607,S40608参照)。
押下回数カウンタ223feは、操作応援演出が設定された1の変動表示演出における中央ボタンCBの押下回数をカウントするカウンタである。この押下回数カウンタ223feは、初期値が0に設定されており、操作応援演出の操作有効期間の間に中央ボタンCBが押下される(押下を検出する)毎に、値が1ずつ加算して更新される(図245のS40601参照)。この押下回数カウンタ223feの値は、次に操作応援演出が設定された変動表示演出の実行が設定されるまで保持され、保持されたカウンタ値に基づいて、前回の遊技者の操作の傾向(1の操作応援演出における平均の操作回数)を判別した後に、値が0にリセットされる(図253のS41209参照)。なお、押下回数カウンタ223feに基づいて判別された遊技者の操作の傾向は、後述する操作頻度フラグ223ffの状態(「00H」~「02H」のいずれか)として設定される。操作応援演出において遊技者の中央ボタンCBに対する操作に基づいて文字態様を決定する際は、操作頻度フラグ223ffの状態が示す遊技者の操作頻度に対応するデータテーブルが文字態様選択テーブル222faから選択されて、その選択されたテーブルを用いて文字態様が決定される(図245のS40609参照)。
操作頻度フラグ223ffは、遊技者の操作の傾向(操作頻度)を示すデータが設定されるフラグである。この操作頻度フラグ223ffは、1バイトで構成され、「00H」であれば、操作頻度が多い遊技者が遊技を行っていることを示し、「01H」であれば、操作頻度が中程度の遊技者が遊技を行っていることを示し、「02H」であれば、操作頻度が低い遊技者が遊技を行っていることを示す。この操作頻度フラグ223ffは、初期設定が「00H」に設定されており、操作応援演出が設定された変動表示の開始時に、押下回数カウンタ223feに基づいて判別される遊技者の押下の傾向(平均の操作回数)に応じて、状態が設定される(図253のS41205,S41207,S41208参照)。
ミニキャラフラグ223fgは、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであればミニキャラ予告演出が設定された変動表示の実行中であることを示す一方で、オフであればミニキャラ予告演出が設定されていないことを示す。このミニキャラフラグ223fgは、変動表示演出の開始時に、ミニキャラ演出選択テーブル222fb(図236(a)参照)を用いた抽選によりミニキャラ予告演出の実行が決定された場合にオンに設定される(図254のS41309)。また、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示の終了時にオフに設定される。
アクションタイミング格納エリア223fhは、ミニキャラ予告演出における各アクションの実行タイミングを示すデータが格納される記憶領域である。このアクションタイミング格納エリア223fhには、ミニキャラ演出選択テーブル222fb(図236(a)参照)に基づいてミニキャラ予告演出の実行が決定された場合に、決定されたミニキャラ予告演出の種別(期待度)に対応する実行タイミングを示すデータが格納される(図254のS41310参照)。ミニキャラ予告演出が設定された変動表示演出の実行中は、このアクションタイミング格納エリア223fhに格納されているデータに基づいて各アクションの実行タイミングが判別されて、各アクションの実行が設定される(図246のS40705参照)。
アクションカウンタ223fiは、ミニキャラ予告演出のアクションの段階を示す値が設定されるカウンタである。このアクションカウンタ223fiは、ミニキャラ予告演出において、アクションの段階が1段階進む毎に、値に1が加算される(図246のS40704参照)。ミニキャラ予告演出における新たなアクションの開始タイミングとなった場合は、このアクションカウンタ223fiのカウンタ値に応じたアクションが設定される(図246のS40705参照)。
制限期間中フラグ223fjは、非演出用ボタン制限期間(操作有効期間の開始1秒前から終了後1秒経過時までの間の期間)であるか否かを示すフラグであり、オンであれば非演出用ボタン制限期間であることを示す一方、オフであれば非演出用ボタン制限期間ではないことを示す。この制限期間中フラグ223fjは、操作応援演出が設定された変動表示において、各操作応援演出(操作有効期間)が開始される1秒前となったタイミングでオンに設定され(図248のS40905参照)、操作応援演出の終了後1秒が経過したタイミングでオフに設定される(図248のS40903参照)。この制限期間中フラグ223fjがオンの間は、非演出用ボタンが操作されても、操作されたボタンに対応する設定の変更が制限される。これにより、操作応援演出の実行中に中央ボタンCBを操作しようとした遊技者が誤って非演出用ボタンを押下してしまった場合に、遊技者の意に反して各種設定が変更されてしまうことを抑制することができると共に、操作に対応する演出態様が表示されなかったことにより、遊技者に対して操作の誤り(押下するボタンの種別を誤ったこと)を認識させることができる。よって、操作応援演出をより好適に実行することができる。ここで、操作有効期間の間だけでなく、操作有効期間の前後1秒間も非演出用ボタンに対する操作に基づく設定変更が制限されるように構成したのは、操作有効期間が開始されることを察知して、操作有効期間が始まるよりも前からボタン操作を開始する遊技者や、操作有効期間が終了したことに気付かずに操作を継続し続ける遊技者が誤操作を行ってしまった場合にも対応するためである。これにより、遊技者の意に反する設定変更が行われてしまう可能性をより低減することができる。
制限期間中カウンタ223fkは、1の非演出用ボタン制限期間において非演出用ボタンが押下(操作)された回数をカウントするためのカウンタである。本第11実施形態では、非演出用ボタン制限期間の間に2回以上非演出用ボタンが操作されない限り、押下されたボタンの種別に対応する設定変更を行わない構成としている。つまり、この制限期間中カウンタ223fkの値が1以下の状態においては、パチンコ機10の光量若しくは音量の設定変更が回避(制限)される構成としている。このように構成することで、操作有効期間、およびその前後の1秒間の期間において、中央ボタンCBを押下することで操作応援演出に参加しようとした遊技者が、中央ボタンCBの近傍(所定距離以内の範囲)に配設されている非演出用ボタンを誤って押下してしまった場合に、パチンコ機10の設定が遊技者の意に反して変更されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者を操作応援演出に対してより集中させることができるので、好適な演出態様を実現することができる。
<第11実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図239、および図240を参照して、本第11実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図239を参照して、本第11実施形態における小当たり開始処理14(S271)について説明する。この小当たり開始処理14(S271)は、第10実施形態における小当たり開始処理(図199参照)に代えて実行される処理であり、第10実施形態における小当たり開始処理(図199参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たりの開始を設定するための処理である。
この第11実施形態における小当たり開始処理14(図239参照)のうち、S1501~S1503の各処理では、それぞれ第10実施形態における小当たり開始処理(図199参照)のS1501~S1503の各処理と同一の処理が実行される。また、第11実施形態における小当たり開始処理14(図239参照)では、S1503の処理が終了すると、今回開始させる小当たりの種別を示す小当たり種別コマンドを設定して(S1511)、本処理を終了する。ここで設定された小当たり種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理13(図201参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普通図柄の時短状態において小当たり種別コマンドを受信すると、コマンドにより通知された小当たり種別に応じて、中央ルート示唆演出の実行可否および実行タイミングを決定する。
次に、図240を参照して、本第11実施形態における小当たり制御処理14(S1081)について説明する。この小当たり制御処理14(S1081)は、第10実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)に代えて実行される処理であり、第10実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)と同様に、小当たり遊技中の各種制御を実行するための処理である。
この第11実施形態における小当たり制御処理14(図240参照)のうち、S1301~S1304,S1310,S1311,およびS1321~S1326の各処理では、それぞれ第10実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)のS1301~S1304,S1310,S1311,およびS1321~S1326の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第11実施形態における小当たり制御処理14(図240参照)では、S1304の処理において、小当たり中フラグ203eaがオンであると判別した場合に(S1304:Yes)、次いで、抽選装置6755の各作動部材(小当たり用アタッカー6755a、上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD)の作動タイミングであるか否かを判別し(S1331)、いずれかの作動部材の作動タイミングであると判別した場合は(S1331:Yes)、作動する作動部材の種別や可動位置(作動内容)を示す作動内容コマンドを設定して(S1332)、本処理を終了する。ここで設定された作動内容コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理13(図201参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、中央ルート示唆演出の実行が決定された状態で作動内容コマンドを受信すると、作動内容と、決定された中央ルート示唆演出の実行タイミングとを比較して、中央ルート示唆演出を開始させるか否かを判別する。
この小当たり制御処理14(図240参照)を実行することにより、各作動部材の作動タイミングを正確に把握することができるので、上開閉扉6755bUの閉鎖タイミング(V入賞率50%期間の開始タイミング)や、下開閉扉6755bDの開放タイミング(V入賞率100%期間の開始タイミング)に正確に同期させて、中央ルート示唆演出を実行することができる。
<第11実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図241~図254を参照して、本第11実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図241を参照して、本第11実施形態におけるメイン処理14について説明する。このメイン処理14は、第10実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図34参照)に代えて実行される処理である。
この第11実施形態におけるメイン処理14(図241参照)のうち、S4101~S4110、およびS4114~S4118の各処理では、それぞれ第10実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図34参照)のS4101~S4110、およびS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第11実施形態におけるメイン処理14(図241参照)では、S4110の処理が終了すると、第10実施形態(および第1実施形態)における演出更新処理(図35参照)に代えて、演出更新処理14を実行する(S4191)。詳細については図242を参照して後述するが、この演出更新処理14は、第11実施形態におけるパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を更新するための処理である。
また、第11実施形態におけるメイン処理14(図241参照)では、演出更新処理14(S4191)が終了すると、次いで、非演出用ボタン(音量や光量の設定変更を行うためのボタン)に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に、操作が行われたボタンの種別に応じて設定変更を行うための各種設定ボタン入力監視処理を実行する(S4192)。この各種設定ボタン入力監視処理(S4192)の詳細については、図243を参照して後述する。
また、各種設定ボタン入力監視処理(S4192)が終了すると、次いで、第10実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図36参照)に代えて、コマンド判定処理14を実行し(S4193)、その後、第10実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)に代えて、変動表示設定処理14を実行して(S4194)、処理をS4114へと移行する。なお、変動表示設定処理14の詳細については、図252を参照して後述する。
次に、図242を参照して、上述した演出更新処理14(S4191)の詳細について説明する。図242は、演出更新処理14(S4191)を示すフローチャートである。この演出更新処理14は、上述した通り、各種演出の演出態様を更新するための処理である。図242に示した通り、演出更新処理14(S4191)が実行されると、操作応援演出が設定された変動表示における演出態様を更新するための操作応援演出処理を実行し(S40301)、次いで、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示における演出態様を更新するためのミニキャラ設定処理を実行して(S40302)、本処理を終了する。これらの操作応援演出処理(S40301)、およびミニキャラ設定処理(S40302)の詳細については、それぞれ図243~図245、および図246を参照して後述する。
次に、図243を参照して、上述した操作応援演出処理(S40301)の詳細について説明する。図243は、操作応援演出処理を示したフローチャートである。この操作応援演出処理(S40301)は、上述した通り、操作応援演出が設定された変動表示における演出態様を更新するための処理である。
操作応援演出処理(図243参照)が実行されると、まず、応援演出フラグ223fcがオンであるか否かを判別し(S40401)、オフであると判別した場合は(S40401:No)、操作応援演出が設定されている変動表示の実行中ではないため、そのまま本処理を終了する。一方、S40401の処理において、応援演出フラグ223fcがオンであると判別した場合は(S40401:Yes)、次いで、実行中の変動演出の発展状況を判別するための発展判別処理を実行する(S40402)。この発展判別処理(S40402)の詳細については、図244を参照して後述する。S40402の処理が終了すると、次に、操作有効期間中フラグ223fbがオンであるか否かを判別し(S40403)、操作有効期間中フラグ223fbがオンではない(オフである)と判別した場合は(S40403:No)、操作有効期間の開始タイミングであるかを判別する(S40404)。S40404の処理において、操作有効期間の開始タイミング(即ち、操作応援演出の開始タイミング)であると判別した場合は(S40404:Yes)、操作有効期間中フラグ223fbをオンに設定し(S40405)、操作応援演出(図224参照)の開始を設定して(S40406)、本処理を終了する。一方、S40404の処理において、操作有効期間の開始タイミング(操作応援演出の開始タイミング)ではないと判別した場合は(S40404:No)、S40405,S40406の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S40403の処理において、操作有効期間中フラグ223fbがオンである(即ち、操作応援演出の実行期間中である)と判別した場合は(S40403:Yes)、操作有効期間の終了タイミング(即ち、操作応援演出の終了タイミング)であるか否かを判別する(S40407)。S40407の処理において、操作有効期間の終了タイミングであると判別した場合は(S40407:Yes)、操作有効期間中フラグ223fbをオフに設定し(S40408)、操作応援演出の終了を設定して(S40409)、本処理を終了する。
一方、S40407の処理において、操作有効期間の終了タイミングではないと判別した場合は(S40407:No)、中央ボタンCBに対する押下(操作)を検出したか否かを判別し(S40410)、中央ボタンCBに対する押下を検出したと判別した場合は(S40410:Yes)、特別図柄の当否および遊技者の操作状況に応じて、第3図柄表示装置81に表示させる文字画像814の文字態様を決定するための文字態様設定処理を実行し(S40411)、本処理を終了する。この文字態様設定処理(S40411)の詳細については、図245を参照して後述する。これに対し、S40410の処理において、中央ボタンCBに対する押下を検出していないと判別した場合は(S40410:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図244を参照して、上述した発展判別処理(S40402)の詳細について説明する。この発展判別処理(S40402)は、上述した通り、実行中の変動演出の発展状況を判別するための処理である。この発展判別処理(S40402)が実行されると、まず、発展完了フラグ223fdがオンであるか否かを判別し(S40501)、発展完了フラグ223fdがオンであると判別した場合は(S40501:Yes)、現在実行中の変動演出において、これ以上リーチ演出の段階が発展することは無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S40501の処理において、発展完了フラグ223fdがオフであると判別した場合は(S40501:No)、次いで、リーチが発生する(ノーマルリーチ演出に発展する)タイミング(即ち、変動開始後10秒経過のタイミング)であるか否かを判別し(S40502)、リーチ発生のタイミングであると判別した場合は(S40502:Yes)、次に、実行中の変動種別がノーマルリーチの変動種別(変動パターン)であるか否かを判別する(S40503)。S40503の処理において、ノーマルリーチの変動種別(変動パターン)であると判別した場合は(S40503:Yes)、ノーマルリーチへの発展が変動表示における最後の発展であることを意味するため、発展完了フラグ223fdをオンに設定して(S40504)、本処理を終了する。一方、S40503の処理において、ノーマルリーチの変動種別ではないと判別した場合は(S40503:No)、ノーマルリーチへの発展が最後の発展ではない(スーパーリーチやスペシャルリーチへの発展が残っている)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S40502の処理において、リーチが発生する(ノーマルリーチ演出に発展する)タイミングではないと判別した場合は(S40502:No)、次に、スーパーリーチ演出に発展するタイミング(即ち、変動開始後30秒経過のタイミング)であるか否かを判別し(S40505)、スーパーリーチ演出に発展するタイミングであると判別した場合は(S40505:Yes)、現在実行中の変動種別がスーパーリーチの変動種別であるか否かを判別する(S40506)。S40506の処理において、スーパーリーチの変動種別であると判別した場合は(S40506:Yes)、スーパーリーチへの発展が変動表示における最後の発展であることを意味するため、発展完了フラグ223fdをオンに設定して(S40508)、本処理を終了する。一方、S40506の処理において、スーパーリーチの変動種別ではないと判別した場合は(S40506:No)、スーパーリーチへの発展が最後の発展ではない(スペシャルリーチへの発展が残っている)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S40505の処理において、スーパーリーチ演出への発展タイミングではないと判別した場合は(S40505:No)、次に、スペシャルリーチ演出への発展タイミング(即ち、変動開始後60秒が経過したタイミング)であるか否かを判別し(S40507)、スペシャルリーチ演出に発展するタイミングであると判別した場合は(S40507:Yes)、発展完了フラグ223fdをオンに設定して(S40508)、本処理を終了する。これに対し、S40507の処理において、スペシャルリーチに発展するタイミングではないと判別した場合は(S40507:No)、そのまま本処理を終了する。
この発展判別処理を実行することにより、リーチ演出の発展状況に応じて、発展完了フラグ223fdを好適に更新することができる。よって、操作応援演出において、発展完了フラグ223fdが示す発展状況を用いて、好適に文字態様を設定することができる。
次に、図245を参照して、上述した文字態様設定処理(S40411)の詳細について説明する。この文字態様設定処理(S40411)は、上述した通り、操作応援演出において中央ボタンCBが押下された場合に、特別図柄の当否および遊技者の操作状況に応じて、第3図柄表示装置81に表示させる文字画像814の文字態様を決定するための処理である。
文字態様設定処理(S40411)が実行されると、まず、押下回数カウンタ223feの値に1を加算して更新し(S40601)、次に、発展完了フラグ223fdがオンであるか否かを判別する(S40602)。S40602の処理において、発展完了フラグ223fdがオフであると判別した場合は(S40602:No)、次に、大当たりに対応する変動表示の実行中であるかを判別し(S40603)、大当たりに対応する変動表示の実行中であると判別した場合は(S40603:Yes)、文字態様選択テーブル222faの当たり(発展完了前)用テーブル222fa1(図234(b)参照)を、文字態様を決定(抽選)するためのデータテーブルとして読み出して(S40604)、処理をS40609へと移行する。一方、S40603の処理において、大当たりに対応する変動表示の実行中ではない(即ち、外れに対応する変動表示の実行中である)と判別した場合は(S40603:No)、文字態様選択テーブル222faの外れ(発展完了前)用テーブル222fa3(図235(a)参照)を、文字態様を決定(抽選)するためのデータテーブルとして読み出して(S40605)、処理をS40609へと移行する。
これに対し、S40602の処理において、発展完了フラグ223fdがオンであると判別した場合は(S40602:Yes)、次に、大当たりに対応する変動表示の実行中であるかを判別し(S40606)、大当たりに対応する変動表示の実行中であると判別した場合は(S40606:Yes)、文字態様選択テーブル222faの当たり(発展完了後)用テーブル222fa2(図234(c)参照)を、文字態様を決定(抽選)するためのデータテーブルとして読み出して(S40607、処理をS40609へと移行する。一方、S40606処理において、大当たりに対応する変動表示の実行中ではない(即ち、外れに対応する変動表示の実行中である)と判別した場合は(S40606:No)、文字態様選択テーブル222faの外れ(発展完了後)用テーブル222fa4(図235(b)参照)を、文字態様を決定(抽選)するためのデータテーブルとして読み出して(S40608)、処理をS40609へと移行する。
S40604,S40605,S40607,S40608の各処理が終了した後で実行されるS40609の処理では、直前の処理において読み出されたデータテーブルから、演出抽選カウンタ223eaの値と、操作頻度フラグ223ffの状態に対応する操作頻度と、に応じて文字態様を特定し(S40609)、特定した文字態様の台詞(文字画像814)の表示を設定して(S40610)、本処理を終了する。
操作応援演出が実行されている間に中央ボタンCBが押下される毎に、この文字態様設定処理(図245参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果、変動表示の発展状況、および遊技者の操作頻度に応じて適切な文字態様を設定することができる。
次に、図246を参照して、上述したミニキャラ設定処理(S40302)の詳細について説明する。このミニキャラ設定処理(S40302)は、上述した通り、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示における演出態様を更新するための処理である。このミニキャラ設定処理(S40302)が実行されると、まず、ミニキャラフラグ223fgがオンであるか否かを判別し(S40701)、ミニキャラフラグ223fgがオンではない(オフである)と判別した場合は(S40701:No)、ミニキャラ予告演出が設定されている変動表示の実行中ではないことを意味し、ミニキャラ予告演出に関する演出態様の更新を行う可能性がないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S40701の処理において、ミニキャラフラグ223fgがオンであると判別した場合は(S40701:Yes)、アクションタイミング格納エリア223fhのデータを読み出して(S40702)、読み出したデータに基づいて特定されるアクションタイミングとなったか否かを判別する(S40703)。より具体的には、変動開始からの経過時間(変動時間カウンタ223fの値)が、S40702の処理において読み出されたデータに対応するアクションタイミングに一致するか否かを判別する。
S40703の処理において、ミニキャラMCのアクションの開始タイミングではないと判別した場合は(S40703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S40703の処理において、ミニキャラMCの新たなアクションの開始タイミングであると判別した場合は(S40703:Yes)、アクションカウンタ223fiの値に1を加算して更新し(S40704)、加算後のアクションカウンタ223fiの値に対応するアクションを示す表示用アクションコマンドを設定して(S40705)、本処理を終了する。
ここで設定された表示用アクションコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理14(図241参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用アクションコマンドを受信すると、ミニキャラMCがコマンドに対応するアクションを実行するように表示制御を実行する。
このミニキャラ設定処理(図246参照)を実行することで、変動表示の開始時に決定されたミニキャラ予告演出の各アクションタイミングで、正確に各アクションを開始させることができる。よって、毎回のミニキャラ予告演出で、Vチャレンジ小当たりとなる期待度を正確に示唆することができる。
次に、図247を参照して、上述した各種設定ボタン入力監視処理(S4192)の詳細について説明する。上述した通り、この各種設定ボタン入力監視処理(S4192)は、メイン処理14(図241参照)の中の1処理であり、非演出用ボタン(音量や光量の設定変更を行うためのボタン)に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に、操作が行われたボタンの種別に応じて設定変更を行うための処理である。
各種設定ボタン入力監視処理(図247参照)では、まず、いずれかの非演出用ボタン(上ボタンUB、下ボタンDB、右ボタンRB、左ボタンLBのいずれか)に対する押下(操作)を検出したか否かを判別し(S40801)、非演出用ボタンに対する押下(操作)を検出していないと判別した場合は(S40801:No)、次に、応援演出フラグ223fcがオンであるか否かを判別する(S40802)。S40802の処理において、応援演出フラグ223fcがオンであると判別した場合は(S40802:Yes)、操作応援演出が設定されている変動表示の実行中であることを意味するので、変動開始後の経過時間に応じて非演出用ボタン制限期間を設定するための制限期間設定処理を実行して(S40803)、本処理を終了する。この制限期間設定処理(S40803)の詳細については、図248を参照して後述する。一方、S40802の処理において、応援演出フラグ223fcがオンではない(オフである)と判別した場合は(S40802:No)、操作応援演出が設定されている変動表示の実行中ではないことを意味し、非演出用ボタン制限期間を設定および終了する可能性がないため、そのまま本処理を終了する。
また、S40801の処理において、いずれかの非演出用ボタンに対する押下を検出したと判別した場合は(S40801:Yes)、次に、制限期間中フラグ223fjがオンであるか否かを判別し(S40804)、制限期間中フラグ223fjがオフであると判別した場合は(S40804:No)、処理をS40808へと移行する。一方、S40804の処理において、制限期間中フラグ223fjがオンであると判別した場合は(S40804:Yes)、制限期間中カウンタ223fkの値に1を加算して更新する(S40805)。次に、更新後の制限期間中カウンタ223fkの値が2になったか(即ち、非演出用ボタン制限期間の間に非演出用ボタンを遊技者が2回以上押下したか)否かを判別し(S40806)、更新後のカウンタ値が2になっていない(即ち、1である)と判別した場合は(S40806:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S40806の処理において、更新後の制限期間中カウンタ223fkの値が2である(即ち、非演出用ボタン制限期間の間に非演出用ボタンが2回以上押下された)と判別した場合は(S40806:Yes)、制限期間中カウンタ223fkの値を0にリセットし(S40807)、処理をS40808へと移行する。S40808の処理では、操作を検出した非演出用ボタンの種別に応じてパチンコ機10の設定を更新して(S40808)、本処理を終了する。具体的には、上ボタンUBが押下された場合に光量(輝度)の設定を1段階上昇させる一方で、下ボタンDBが押下された場合に光量の設定を1段階減少させる。また、右ボタンRBが押下された場合に音量の設定を1段階上昇させる一方で、左ボタンLBが押下された場合に音量の設定を1段階減少させる。
このように、本第11実施形態では、非演出用ボタン制限期間において、非演出用ボタンを2回以上押下しなければ、パチンコ機10の各種設定(音量、および光量の設定)が変更されないように構成している。これにより、操作応援操作演出の実行中に中央ボタンCBを操作しようとした遊技者が誤って非演出用ボタンを押下してしまったとしても、遊技者の意に反して各種設定が変更されてしまうことを抑制することができると共に、操作に対応する演出態様が表示されなかったことにより、遊技者に対して操作の誤り(押下するボタンの種別を誤ったこと)を認識させることができる。よって、操作応援演出をより好適に実行することができる。また、非演出用ボタン制限期間において、非演出用ボタンを2回押下することにより設定を変更可能に構成したことで、操作応援演出の実行中にパチンコ機10の設定を変更したいと考える遊技者の要望に添うことができる。よって、多様な遊技者のニーズに応えることができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。
次に、図248を参照して、上述した制限期間設定処理(S40803)の詳細について説明する。この制限期間設定処理(S40803)は、上述した通り、変動開始後の経過時間に応じて非演出用ボタン制限期間を設定するための処理である。この制限期間設定処理(S40803)では、まず、制限期間中フラグ223fjがオンであるか否かを判別し(S40901)、制限期間中フラグ223fjがオンであると判別した場合は(S40901:Yes)、次いで、非演出用ボタン制限期間の終了タイミング(即ち、操作応援演出の終了後1秒間が経過したタイミング)であるか否かを判別する(S40902)。
S40902の処理において、非演出用ボタン制限期間の終了タイミングであると判別した場合は(S40902:Yes)、制限期間中カウンタ223fkの値を0にリセットし(S40903)、制限期間中フラグ223fjをオフに設定して(S40904)、本処理を終了する。一方、S40902の処理において、非演出用ボタン制限期間の終了タイミング(操作応援演出の終了後1秒間が経過したタイミング)ではないと判別した場合は(S40902:No)、S40903,S40904の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S40901の処理において、制限期間中フラグ223fjがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S40901:No)、非演出用ボタン制限期間の開始タイミング(即ち、操作応援演出が開始される1秒前のタイミング)であるか否かを判別し(S40905)、非演出用ボタン制限期間の開始タイミング(即ち、操作応援演出が開始される1秒前のタイミング)であると判別した場合は(S40905:Yes)、制限期間中フラグ223fjをオンに設定して(S40906)、本処理を終了する。一方、S40905の処理において、非演出用ボタン制限期間の開始タイミング(即ち、操作応援演出が開始される1秒前のタイミング)ではないと判別した場合は(S40905)、S40906の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この制限期間設定処理(図248参照)を実行することにより、操作応援演出が開始される1秒前から、操作応援演出の終了後1秒経過時までの間を、正確に非演出用ボタン制限期間に設定することができる。よって、操作応援操作演出の実行中に中央ボタンCBを操作しようとした遊技者が誤って非演出用ボタンを押下してしまったとしても、遊技者の意に反して各種設定が変更されてしまうことを抑制することができる。
次に、図249を参照して、本第11実施形態における当たり関連処理14(S43011)の詳細について説明する。この当たり関連処理14(S43011)は、本第11実施形態におけるコマンド判定処理14(S4193)の中で、第10実施形態における当たり関連処理13(図205参照)に代えて実行される処理であり、第10実施形態における当たり関連処理13(図205参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。なお、本第11実施形態におけるコマンド判定処理14は、第10実施形態における当たり関連処理13(図205参照)に代えて当たり関連処理14(S43011)が実行される点以外、変更がないため、その詳細な説明については省略する。
この第11実施形態における当たり関連処理14(図249参照)のうち、S4404,S4405,S4407~S4410、およびS44001~S44004の各処理では、それぞれ第10実施形態における当たり関連処理13(図205参照)のS4404,S4405,S4407~S4410、およびS44001~S44004の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第11実施形態における当たり関連処理14(図249参照)では、S44001の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に小当たり用オープニングコマンドが含まれていないと判別した場合に(S44001:No)、次いで、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に小当たり種別コマンドが含まれているか否かを判別する(S44011)。S44011の処理において、未処理のコマンドの中に小当たり種別コマンドが含まれていると判別した場合は(S44011:Yes)、コマンドにより通知された小当たり種別に応じた制御を実行するための小当たり種別コマンド処理を実行して(S44012)、本処理を終了する。この小当たり種別コマンド処理(S44012)の詳細については、図250を参照して後述する。
一方、S44011の処理において、未処理のコマンドの中に小当たり種別コマンドが含まれていないと判別した場合は(S44011:No)、次いで、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に作動内容コマンドが含まれているか否かを判別し(S44013)、作動内容コマンドが含まれていると判別した場合は(S44013:Yes)、受信したコマンドが示す作動内容に応じた制御を実行するための作動内容コマンド処理を実行して(S44014)、本処理を終了する。この作動内容コマンド処理(S44014)の詳細については、図251を参照して後述する。これに対し、S44013の処理において、未処理のコマンドの中に作動内容コマンドが含まれていないと判別した場合は(S44013:No)、処理をS44003へと移行する。
次いで、図250を参照して、上述した小当たり種別コマンド処理(S44012)の詳細について説明する。図250は、この小当たり種別コマンド処理(S44012)を示したフローチャートである。この小当たり種別コマンド処理(S44012)は、当たり関連処理14(図249参照)の中の1処理であり、上述した通り、コマンドにより通知された小当たり種別に応じた制御を実行するための処理である。
小当たり種別コマンド処理(図250参照)では、まず、遊技状態格納エリア223iに格納されているデータを読み出して(S41001)、読み出したデータが普通図柄の時短状態を示すデータであるか否かを判別する(S41002)。S41002の処理において、時短状態とは異なる遊技状態(即ち、普通図柄の通常状態)を示すデータを読み出したと判別した場合は(S41002:No)、中央ルート示唆演出(図232(b)参照)を実行する可能性がないため、そのまま本処理を終了する。一方、S41002の処理において、時短状態を示すデータが読み出されたと判別した場合は(S41002:Yes)、次に、小当たり種別コマンドによって通知された小当たり種別が、小当たりH14~J14のいずれかであるか否かを判別し(S41003)、小当たりH14~J14のいずれかであると判別した場合は(S41003:Yes)、小当たりH14~J14用テーブル222fc1を参照して中央ルート示唆演出(図232(b)参照)の実行可否、および実行タイミングを決定して(S41004)、処理をS41006へと移行する。
一方、S41003の処理において、コマンドにより通知された小当たり種別が小当たりH14~J14ではない(小当たりK14~M14のいずれかである)と判別した場合は(S41003:No)、小当たりK14~M14用テーブル222fc2を参照して中央ルート示唆演出(図232(b)参照)の実行可否、および実行タイミングを決定して(S41005)、処理をS41006へと移行する。
S41004、またはS41005のいずれかの処理後に実行されるS41006の処理では、S41004、またはS41005の処理によって決定された演出タイミングを示すデータを演出タイミング格納エリア223faに格納して(S41006)、本処理を終了する。
次に、図251を参照して、上述した作動内容コマンド処理(S44014)の詳細について説明する。この作動内容コマンド処理(S44014)は、当たり関連処理14(図249参照)の中の1処理であり、上述した通り、受信したコマンドが示す作動内容に応じた制御を実行するための処理である。この作動内容コマンド処理(S44014)では、まず、演出タイミング格納エリア223faのデータを読み出して(S41101)、読み出したデータに対応する示唆演出の開始タイミングが、今回の作動内容コマンドにより通知された作動部材の作動タイミングに一致するか否かを判別する(S41102)。このS41102の処理では、演出タイミングとしてV入賞率50%期間が設定されている状態で、上開閉扉6755bUの閉鎖を示す作動内容コマンドを受信した場合、および演出タイミングとしてV入賞率100%期間が設定されている状態で、下開閉扉6755bDの開放を示す作動内容コマンドを受信した場合に、演出タイミングに一致したと判別する。
S41102の処理において、コマンドにより通知された作動内容の作動タイミングと、示唆演出の開始タイミングとが一致したと判別した場合は(S41102:Yes)、示唆演出の実行を設定して(S41103)、本処理を終了する。これに対し、S41102の処理において、コマンドにより通知された作動内容の作動タイミングと、示唆演出の開始タイミングとが一致していないと判別した場合は(S41102:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図252を参照して、本第11実施形態における変動表示設定処理14(S4194)の詳細について説明する。この変動表示設定処理14(S4194)は、メイン処理14(図241参照)の中の1処理であり、上述した通り、第10実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)に代えて実行される処理である。この第11実施形態における変動表示設定処理14(S4194)のうち、S4501~S4509の各処理では、それぞれ第10実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)のS4501~S4509の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第11実施形態における変動表示設定処理14(図252参照)では、S4504の処理が終了すると、次に、S4504の処理において設定した変動パターン(変動表示演出)が、操作応援演出を伴う変動パターンであるか否かを判別し(S4541)、操作応援演出を伴う変動パターンであると判別した場合は(S4541:Yes)、操作応援演出の設定を行うための応援演出設定処理を実行して(S4542)、処理をS4543へと移行する。応援演出設定処理(S4542)の詳細については、図253を参照して後述する。一方、S4541の処理において、操作応援演出を伴う変動パターンではないと判別した場合は(S4541:No)、S4542の処理をスキップして、処理をS4543へと移行する。
S4543の処理では、ミニキャラ予告演出の実行可否、および実行タイミングを抽選するためのアクションタイミング決定処理を実行して(S4543)、処理をS4505へと移行する。このアクションタイミング決定処理(S4543)の詳細については、図254を参照して後述する。
次に、図253を参照して、上述した応援演出設定処理(S4542)の詳細について説明する。この応援演出設定処理(S4542)は、上述した通り、操作応援演出の設定を行うための処理である。この応援演出設定処理(S4542)では、まず、応援演出フラグ223fcをオンに設定し(S41201)、次に、押下回数カウンタ223feの値を読み出す(S41202)。そして、読み出した押下回数カウンタ223feの値から、前回の操作応援演出が設定された変動表示における1の操作応援演出の平均の押下回数(A)を算出する(S41203)。ここで、操作応援演出は、変動種別に応じて、1の変動期間の間に2~4回実行される。具体的には、ノーマルリーチの変動パターンでは、ノーマルリーチに発展する前、およびノーマルリーチに発展した後の2回実行され、スーパーリーチの変動パターンでは、ノーマルリーチに発展する前、ノーマルリーチに発展した後、およびスーパーリーチに発展した後の3回実行され、スペシャルリーチの変動パターンでは、ノーマルリーチに発展する前、ノーマルリーチに発展した後、スーパーリーチに発展した後、およびスペシャルリーチに発展した後の4回実行される。S41203の処理では、前回実行された操作応援演出を伴う変動表示の変動種別がノーマルリーチであれば、押下回数カウンタ223feの値を2で割った値を平均の操作回数(A)として算出し、スーパーリーチであれば、3で割った値を平均の操作回数(A)として算出し、スペシャルリーチであれば、押下回数カウンタ223feの値を4で割った値を平均の操作回数(A)として算出する。
S41203の処理が終了すると、次に、S41203の処理で算出した平均の操作回数(A)が5以下の値である(即ち、前回の操作応援演出における遊技者の平均の操作回数が5回以下である)か否かを判別し(S41204)、5以下であると判別した場合は(S41204:Yes)、操作頻度フラグ223ffに「操作頻度少」を示す「02H」を設定して(S41205)、処理をS41209へと移行する。一方、S41204の処理において、平均の操作回数(A)が5よりも大きい値であると判別した場合は(S41204:No)、次に、平均の操作回数(A)が9以下の値であるか否かを判別する(S41206)。
S41206の処理において、平均の操作回数(A)が9以下の値であると判別した場合は(S41206:Yes)、操作頻度フラグ223ffに「操作頻度中」を示す「01H」を設定して(S41207)、処理をS41209へと移行する。一方、S41206の処理において、平均の操作回数(A)が10以上の値であると判別した場合は(S41206:No)、操作頻度フラグ223ffに「操作頻度多」を示す「00H」を設定して(S41208)、処理をS41209へと移行する。S41209の処理では、押下回数カウンタ223feの値を0にリセットして(S41209)、本処理を終了する。
この応援演出設定処理(図253参照)を実行することにより、前回の操作応援演出を伴う変動表示における遊技者の押下の傾向を元に、操作頻度フラグ223ffを更新することができる。よって、実際に操作応援演出が開始されて中央ボタンCBが押下された場合に、操作の傾向に応じて適切に文字態様を設定することができる。
なお、本第11実施形態では、押下回数カウンタ223feの値を次に操作応援演出が実行される変動表示の開始タイミングとなるまで保持しておき、その保持しておいた押下回数カウンタ223feの値に応じて、操作応援演出が設定された変動表示の開始時に操作頻度フラグ223ffの状態を設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、操作応援演出が設定された変動表示の終了時に、押下回数カウンタ223feの値に基づいて操作頻度フラグ223ffの状態を設定しておき、操作頻度フラグ223ffの状態のみを、次回に操作応援演出が設定された変動表示が実行されるまで保持しておく構成としてもよい。このように構成することで、変動開始時における処理負荷を軽減することができる。また、本第11実施形態では、単純に操作有効期間の間に中央ボタンCBを押下した回数をカウントして、遊技者の操作回数の傾向を判別する構成としていたが、遊技者の押下の傾向の判別方法はこれに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、操作有効期間における前半で中央ボタンCBを押下する傾向が高いか、後半で中央ボタンCBを押下する傾向が高いか、まんべんなく押下する傾向かを判別して、遊技者が押下する傾向が高いと判別される期間と、そうでない期間とで発展若しくは大当たりの期待度が高い文字態様の決定割合を切り替える構成としてもよい。押下の傾向が高い期間に期待度が高い文字態様の決定割合を高くすることで、遊技者毎の傾向に応じた適切な表示態様を設定することができる。また、逆に、遊技者が押下する傾向が低い期間に期待度が高い文字態様の決定割合を高くすることにより、通常とは異なる押下方法を試してみようと遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図254を参照して、上述したアクションタイミング決定処理(S4543)について説明する。このアクションタイミング決定処理は、上述した通り、ミニキャラ予告演出の実行可否、および実行タイミングを抽選するための処理である。このアクションタイミング決定処理(S4543)では、まず、今回の変動パターンが小当たりの変動パターンであるか否かを判別し(S41301)、小当たりの変動パターンではないと判別した場合は(S41301:No)、次いで、短外れの変動パターンであるか否かを判別する(S41302)。S41302の処理において、短外れの変動パターンであると判別した場合は(S41302:Yes)、ミニキャラ予告演出を実行する可能性が無い変動パターンであるため、そのまま本処理を終了する。
一方、S41302の処理において、短外れの変動パターンではないと判別した場合は(S41302:No)、ミニキャラ予告演出の演出態様(アクションタイミング)を決定するためのデータテーブルとして、非小当たり用テーブル222fb3(図237(b)参照)を読み出して(S41303)、処理をS41307へと移行する。
これに対し、S41301の処理において、今回実行する変動パターンが小当たりの変動パターンであると判別した場合は(S41301:Yes)、Vチャレンジ小当たりに対応する変動パターンであるか否かを判別し(S41304)、Vチャレンジ小当たりに対応する変動パターンであると判別した場合は(S41304:Yes)、ミニキャラ予告演出の演出態様(アクションタイミング)を決定するためのデータテーブルとして、Vチャレンジ小当たり用テーブル222fb1(図236(b)参照)を読み出して(S41305)、本処理を終了する。
一方、S41304の処理において、今回の変動パターンがVチャレンジ小当たりに対応する変動パターンではないと判別した場合は(S41304:No)、ミニキャラ予告演出の演出態様(アクションタイミング)を決定するためのデータテーブルとして、通常小当たり用テーブル222fb2(図237(a)参照)を読み出して(S41306)、処理をS41307へと移行する。
S41307の処理では、S41303,S41305、またはS41306のいずれかの処理により読み出されたテーブルから、演出抽選カウンタ223eaの値に対応する演出態様(ミニキャラ予告演出の実行可否、および実行する場合のアクションタイミング)を特定し(S41307)、次いで、S41307の処理においてミニキャラ予告演出の実行が特定されたかを判別する(S41308)。S41308の処理において、ミニキャラ予告演出の実行が特定されたと判別した場合は(S41308:Yes)、ミニキャラフラグ223fgをオンに設定し(S41309)、S41307の処理で特定した演出態様に対応するアクションタイミングを示すデータをアクションタイミング格納エリア223fhに格納して(S41310)、本処理を終了する。これに対し、S41308の処理において、ミニキャラ予告演出の実行が特定されていない(ミニキャラ予告演出を実行しない)と判別した場合は(S41308:No)、S41309,S41310の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。このアクションタイミング決定処理(図254参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果に応じて適切な演出態様を設定することができる。
<第11実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図255、および図256を参照して、本第11実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される各種制御処理について説明する。まず、図255を参照して、本第11実施形態における表示制御装置114のコマンド判定処理14(S6311)について説明する。このコマンド判定処理14(S6311)は、第10実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図42参照)に代えて実行される処理であり、第10実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図42参照)と同様に、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第11実施形態におけるコマンド判定処理14(S6311)のうち、S6401~S6420の各処理では、それぞれ第10実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(図42参照)のS6401~S6420の各処理と同一の処理が実行される。また、本第11実施形態におけるコマンド判定処理14(S6311)では、S6418の処理において、音声ランプ制御装置113から受信した未処理のコマンドの中に、エラーコマンドが含まれていないと判別した場合に(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に表示用アクションコマンドが含まれているか否かを判別する(S6431)。S6431の処理において、未処理のコマンドの中に表示用アクションコマンドが含まれていると判別した場合は(S6431:Yes)、表示用アクションコマンドが示すミニキャラMCのアクションを表示させるためのアクションコマンド処理を実行して(S6432)、本処理を終了する。一方、S6431の処理において、未処理のコマンドの中に表示用アクションコマンドが含まれていないと判別した場合は(S6431:No)、処理をS6420へと移行する。このアクションコマンド処理(S6432)の詳細について、図256を参照して説明する。
図256は、アクションコマンド処理(S6432)を示すフローチャートである。このアクションコマンド処理(S6432)では、まず、音声ランプ制御装置113から受信した表示用アクションコマンドによって通知されたアクションに対応するアクションデータをアクションデータテーブルから読み出して(S8001)、その読み出したアクションデータを、表示データテーブルバッファ233dに既に格納されているデータに対して、現状のポインタ233fの値を起点として追加する(S8002)。
S8002の処理が終了すると、設定したアクションデータ(表示データテーブル)に対応する転送用アクションデータテーブルを決定して、その決定した転送用アクションデータテーブルに規定された内容を、転送データテーブルバッファ233eに対して、現在のポインタ233fの値を起点として追加し(S8003)、本処理を終了する。
このアクションコマンド処理(図256参照)を実行することにより。表示用アクションコマンドにより通知された内容のアクションを表示させるための表示データを、表示データテーブルバッファ233dや転送データテーブルバッファ233eに対して正確に追加することができるので、既に設定されている変動表示演出の表示態様に影響を与えずに、好適にミニキャラ予告演出を実行することができる。
以上説明した通り、第11実施形態におけるパチンコ機10では、操作応援演出やミニキャラ予告演出、中央ルート示唆演出等の、多様な興趣演出を実行可能に構成している。操作応援演出は、演出期間の間に特定条件が成立する(遊技者が中央ボタンCBを押下する)毎に、表示態様により各種期待度を示唆する文字画像が表示される演出である。この操作応援演出を実行することにより、実行中の変動演出における各種期待度を知りたいと考える遊技者に対して、特定条件が成立し易くなるように遊技を行わせる(積極的に中央ボタンCBを押下(操作)させる)ことができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。また、操作応援演出は、同一の変動演出(変動表示)に対して複数回実行されるように構成し、操作応援演出が実行されるタイミング(全ての発展が完了する前であるか、後であるか)に応じて、中央ボタンCBを遊技者が押下した際に表示される文字態様の選択比率が可変するように構成した。より具体的には、全ての発展が完了する前に実行された操作応援演出においては、特別図柄の抽選結果によらず、発展の期待度が高くなる文字態様(黒のストライプ柄や赤のストライプ柄)に設定される割合が高くなる一方で、大当たりとなる期待度が高くなる文字態様に設定される割合が極めて低くなる。これにより、最後の発展が完了するよりも前に実行される操作応援演出においては、大当たりの場合も外れの場合も表示される文字態様に差がほぼ生じないので、少なくとも最後の発展が完了するまでは遊技者に対して大当たりに対する期待感を損ねずに遊技を行わせることができる。また、大当たりとなる期待度が高くなる文字態様の選択率は低いものの、選択された場合には大当たりとなる期待度が高まるため、毎回の操作応援演出において、大当たりとなる期待度が高まる文字態様が表示されることを期待して中央ボタンCBを押下させることができる。よって、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲を向上させることができる。また、本第11実施形態では、操作応援演出において遊技者が中央ボタンCBを押下した回数をカウントし、1の操作応援演出における平均の操作回数を算出する構成としている。そして、平均の操作回数に応じて、中央ボタンCBに対する押下1回当たりの各文字態様の選択比率を異ならせる構成としている。即ち、押下の頻度が少ない遊技者が遊技を行っている場合は、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を高くする一方で、押下の頻度が多い遊技者が遊技を行っている場合は、大当たりの期待度が高いことを示す文字態様や、発展の期待度が高いことを示す文字態様の選択比率を低くする構成とした。このように構成することで、遊技者の操作の傾向によらず、操作応援演出において期待度が高いことを示す文字態様の表示回数を同等にすることができるので、より好適な演出を実現することができる。更に、変動表示毎に遊技者が故意に操作の傾向を異ならせる遊技方法を行うことにより、独特の遊技性を実現することができる。即ち、操作応援演出が実行されるまでの間における変動表示演出の態様から、大当たりの期待度が低いと判断した場合に、操作応援演出に参加しないという遊技方法を選択する一方で、大当たりの期待度が高そうだと判断した場合にのみ操作応援演出に対して参加するという遊技方法を選択することで、遊技者が操作応援演出に参加する際に、操作頻度が少ない遊技者であると判別されて文字態様が抽選される可能性が高くなる。つまり、遊技者が操作応援演出に参加する際は、高い確率で、大当たりの場合に期待度の高い文字態様が選択され易くなる状態を形成することができるので、操作応援演出に対してまんべんなく参加した場合よりも、期待度が高い文字態様の表示確率を高めることができる。よって、大当たりとなるか否かをより正確に予測することができる遊技性を提供することができる。
また、ミニキャラ予告演出は、Vチャレンジの実行を示唆する演出の一種である。このミニキャラ予告演出では、ミニキャラMCが第1から第3の全てのアクションを完了することによりVチャレンジが実行されることを遊技者に報知する演出態様となっている。また、ミニキャラ予告演出には、Vチャレンジが実行される期待度が異なる複数の種別(低期待度、中期待度、および高期待度)が設けられており、ミニキャラMCのアクションの内容自体は同一であるが、アクションが実行されるタイミングが期待度毎に異なって構成されている。これにより、ミニキャラMCのアクションを表示させるために用いる画像データ自体は共通化することができるので、表示制御装置114のキャラクタROM234の記憶容量を削減することができる。更に、ミニキャラ予告演出が設定された変動表示において、高期待度用のアクションタイミングが設定された場合、より期待度の高いリーチ演出に発展するタイミングをまたいで第1アクションが実行される。よって、第1アクションの進行状況と、第3図柄の変動表示の態様とを比較して確認した遊技者に対して、より期待度の高いリーチ演出に発展するか否かが確定するタイミングよりも第1アクションの終了タイミングの方が後になりそうだと感じさせることができる。ここで、本第11実施形態では、ミニキャラMCのアクションの途中で変動表示が終了することはないようにアクションタイミングが設定される。よって、この仕様を理解して遊技を行っている遊技者に対して、実際に演出が発展するタイミングになるよりも前に、発展することを察知させることができる。従って、変動表示の進行状況と、ミニキャラMCのアクションの進行状況とを比較しながら遊技を行うという斬新な楽しみ方を遊技者に対して提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、中央ルート示唆演出は、V入賞率50%期間、若しくはV入賞が発生することで時短大当たりとなる種別の小当たりにおけるV入賞率100%期間に同期して実行される演出である。つまり、遊技球が抽選装置6755へと入球することにより、振分回転体6755fへと流下し易くなる期間、若しくは右V入賞口6755bVへと振り分けられ、且つ、時短状態が付与され易くなる期間を示唆する演出である。この中央ルート示唆演出を実行することで、中央ルート示唆演出の実行中に抽選装置6755へと遊技球を入球させたいと強く期待して遊技を行わせることができる。よって、抽選装置6755に対する遊技球の入球タイミングと、中央ルート示唆演出の実行状況(第3図柄表示装置81の表示態様)とを比較して時短状態となるか否かを予測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第11実施形態では、変動表示単位で中央ボタンCBに対する操作の頻度を判別して操作頻度フラグ223ffの状態を更新する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、操作応援演出単位で操作の頻度を判別して操作頻度フラグ223ffの状態を更新する構成としてもよい。これにより、遊技者の押下の傾向をより正確に判断することができるので、各文字態様の選択割合をより好適に設定することができる。
本第11実施形態では、特別図柄の抽選結果(大当たりであるか否か)、および発展完了フラグ223fdの状態が同一であれば、文字態様選択テーブル222faから毎回同一のデータテーブルが読み出される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選結果と、発展完了フラグ223fdの状態との組合せ毎に複数のテーブルを規定しておき、抽選により1のテーブルが選択されるように構成してもよい。即ち、当たりであるにもかかわらず、文字態様として緑文字や赤文字が選択され難いテーブルが選択されたり、外れであるにもかかわらず、緑文字や赤文字が比較的選択され易いテーブルが選択され得る構成としても良い。このように構成することで、演出態様をより多様化させることができる。また、特別図柄の抽選結果と、発展完了フラグ223fdの状態との組合せのみに応じてテーブルを可変させるのではなく、例えば、変動パターンや選択された変動表示演出の態様に応じて異なるテーブルを参照して文字態様を決定する構成としてもよい。更に、本第11実施形態では、発展完了フラグ223fdの状態として、全ての発展が完了しているか否かの2つの状態のみを取り得る構成としていたが、それぞれの発展段階で参照されるテーブルを切り替える構成としてもよい。
本第11実施形態では、当たりか外れかによって文字態様選択テーブル222faから選択されるテーブルを異ならせる構成としていたが、当たり、Vチャレンジ小当たり、および外れ(通常小当たり含む)の3パターンでそれぞれ選択されるテーブルを異ならせる構成としても良い。この場合において、当たりや外れの場合よりも、Vチャレンジ小当たりの場合に設定され易い文字態様(例えば、黄文字)を設ける構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか、小当たりであるか、外れであるかを遊技者に予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、Vチャレンジ小当たりとなった場合におけるV入賞率に応じて、文字態様の選択比率を可変させる構成としてもよい。
本第11実施形態では、Vチャレンジ小当たりである場合には、小当たり種別によらず、ミニキャラ予告演出のアクションタイミングを共通のテーブルを参照して決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、Vチャレンジ小当たりに当選するか否かだけで無く、Vチャレンジ小当たりの小当たり種別(V入賞率)も加味してアクションタイミングを選択するように構成してもよい。このように構成することで、ミニキャラMCのアクションのタイミングからVチャレンジ小当たりの種別まで予測可能な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第11実施形態では、操作応援演出の実行期間(操作応援演出が終了されるまでの残り時間)を遊技者に対して示唆(報知)していなかったが、操作応援演出の実行期間をタイマ表示やインジケータ表示等によって遊技者に示唆(報知)する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して容易に操作応援演出の実行期間を把握させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。この場合において、操作応援演出の実行期間を、文字画像814によって表示させる構成としてもよい。具体的には、例えば、中央ボタンCBに対する押下が検出された時点における操作応援演出の残りの演出期間を判別して、残りの演出期間に応じた文字を模した文字画像814を表示させる構成としてもよい。即ち、残り1.2秒の段階で中央ボタンCBが押下された場合に、「1.2」という文字を模した文字画像を、押下時の抽選により決定された文字態様で表示させる構成としてもよい。また、例えば、残り時間が少なくなる程、鳥を模したキャラクタ813が透過した見た目の態様となっていき、操作応援演出の実行期間が経過した時点でキャラクタ813が完全に透過して見えなくなるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者に対して操作応援演出の残り時間を容易に理解させることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
<第12実施形態>
次に、図257から図267を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第11実施形態におけるパチンコ機10では、操作応援演出において、遊技者が中央ボタンCBを押下する毎に、大当たりとなる期待度や発展することに対する期待度を示唆する文字画像814の文字態様を表示させる構成としていた。そして、操作応援演出の実行期間の開始1秒前から、終了1秒後までの間の期間は、中央ボタンCBの周囲に配設されている非演出用ボタンに対する操作が制限される(2回以上押下しなければ押下を検出したボタンに対応する設定変更が行われない)ように構成した。
これに対して第12実施形態におけるパチンコ機10では、操作応援演出の実行期間において、操作応援演出に参加するか、パチンコ機10の設定を変更するかを、操作ボタン230に対する操作によって遊技者に選択させることが可能に構成した。これにより、操作応援演出に参加しようとした遊技者が操作を誤ってしまい、意に反してパチンコ機10の設定が変更されてしまうことをより確実に防止(抑制)することができる。
また、上述した第9~第11実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりにおいて、1球以上の遊技球が抽選装置6755へと入球した後で入球した全ての遊技球が排出されるか、または、小当たりの開始から8秒間が経過した場合に小当たり遊技の終了条件が成立したとして、小当たりを終了させる構成としていた。しかしながら、この構成では、例えば、抽選装置6755へと入球した遊技球を、磁石等を用いて有利な流路(中央ルート)へと強制的に誘導させる不正行為が可能となってしまう虞がある。即ち、抽選装置6755へと入球した遊技球を遊技盤13の手前側(ガラスユニット16の手前側)から磁石の引力によって引き寄せることで、遊技球を誘導流路6755bに対して浮かせ、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cの開閉状況とは無関係にこれらの上方を通過させて振分回転体6755fへと誘導する不正行為が行われる可能性があった。
これに対して第12実施形態におけるパチンコ機10では、磁石等を用いて遊技盤13の手前側から遊技球を引き寄せる不正行為に対する抑制を図るために、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cを、ガラスユニット16の手前側から発せられる磁力による引力の影響を受け難い配置とした。また、抽選装置6755へと入球した遊技球を、磁石等を用いて強制的に振分回転体6755f側の流路へと誘導された遊技球が振分回転体6755fによっていずれかの入球口へと入球するよりも前に小当たりが終了されるように小当たり有効期間を設定する構成とした。つまり、抽選装置6755に入球した全ての遊技球がいずれかの入球口まで到達していなかった(抽選装置6755内に残存していた)としても、小当たりの開始から特定期間(例えば、6.5秒間)が経過した時点で小当たりを終了させる構成とした。言い換えれば、磁力等の外力を介さずに(重力や誘導流路6755bの傾斜のみによって)抽選装置6755内を流下した遊技球がいずれかの入球口へと容易に入球可能となる一方で、磁石等により流下方向を強制的に(無理矢理)可変させて本来とは異なる方向に誘導された遊技球がいずれかの入球口へと到達することが困難となる有効期間を設定する構成とした。
この第12実施形態におけるパチンコ機10が、第11実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、抽選装置6755の内部構造が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置114のMPU231により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図257を参照して、第12実施形態におけるパチンコ機10の抽選装置6755の内部構造について説明する。図257は、抽選装置6755の誘導流路6755bの上面図である。図257に示した通り、本第12実施形態における誘導流路6755bのうち、開閉扉6755bUや、球排出扉6755c(およびその下方に設けられている排出領域6755d)、および球止め部6755eは、誘導流路6755bにおける他の部分に比較して正面視奥側に設けられている。このため、遊技盤13におけるガラスユニット16よりも手前側から磁石等によって遊技球を振分回転体6755fへと誘導しようとした場合に、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cへと遊技球が到達する前後でガラスユニット16に対する距離を長くすることができる。即ち、磁石等により上開閉扉6755bUや球排出扉6755cが開放されている状態(正規の遊技方法では振分回転体6755fに到達し得ない状態)において遊技球を振分回転体6755fへと誘導しようとした場合に、開放状態の上開閉扉6755bUや球排出扉6755cに到達した段階で磁石と遊技球との距離が最も離れるように構成することができる。つまり、開放状態の上開閉扉6755bUや球排出扉6755cに遊技球を到達させた段階で、遊技球に作用する磁力を最も弱めることができるので、開放状態の上開閉扉6755bUや球排出扉6755cを介して右アウト口6755bOや排出領域6755dへと遊技球が落下し易くなるように構成できる。これにより、磁石等を用いて振分回転体6755fへと不正に遊技球を到達させる不正行為を成功し難くすることができるので、不正行為に対する抑制を図ることができる。よって、不正行為によりホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。また、誘導流路6755bが直線ではなく、蛇行した形状となっていることにより、遊技球を磁石等により誘導しようとした場合に、振分回転体6755fまで誘導するのに要する期間をより長くすることができる。よって、不正行為により振分回転体6755fへと誘導された遊技球がいずれかの入球口へと誘導されるよりも前に、小当たり遊技を終了させることができる。従って、不正行為に対する抑止効果をより高めることができる。
次に、図258、および図259を参照して、本第12実施形態における操作応援演出の表示態様について説明する。まず、図258(a)は、本第12実施形態における操作応援演出の開始時における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図258(a)に示した通り、本第12実施形態における操作応援演出が実行されると、鳥を模したキャラクタ813の下方に、「応援」という文字が表示された応援ボタン画像815aと、その応援ボタン画像815aの下方に表示され、「音量設定」という文字が表示された音量設定ボタン画像815bと、応援ボタン画像815aと音量設定ボタン画像815bとの間に表示され、上向き略正三角形形状の上ボタン画像815cと、その上ボタン画像815cの下方に表示され、下向き略正三角形形状の下ボタン画像815dと、が表示される。また、応援ボタン画像815aが発光した見た目となるように設定される。これらの表示内容により、上ボタンUBを押下することにより「応援」という項目を選択することができること(即ち、操作応援演出に参加するという選択を行うことができること)、および下ボタンDBを押下することにより「音量設定」という項目を選択することができること(即ち、音量設定の変更を行うことができること)を遊技者に対して直感的に理解させることができる。また、応援ボタン画像815aが光った見た目の表示態様に設定されることにより、「応援」という項目が選択されていることを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
なお、本第12実施形態では、表示領域HR11において表示される文字画像814の文字態様だけでなく、応援ボタン画像815aの表示態様(発光色)によっても、大当たりとなる期待度を示唆することが可能に構成されている。詳細については後述するが、この応援ボタン画像815aの表示態様による大当たり期待度の示唆は、操作を全く行わない遊技者が遊技を行っている場合の方が発生し易くなる(大当たりの場合に期待度の高い発光色に設定される割合が高くなる)ように構成している。これにより、操作応援演出に参加しない遊技者に対しても、大当たり期待度を示唆することができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図258(b)は、「応援」という項目が選択された状態(応援ボタン画像815aが光った見た目に設定されている状態)において更に遊技者が上ボタンUBを押下した場合における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図258(b)に示した通り、「応援」という項目が選択された状態で遊技者が上ボタンUBを押下すると、文字態様選択テーブル222faを用いた抽選により文字態様が決定されて、その決定された文字態様の文字画像814が表示される。即ち、「応援」という項目が選択された状態で遊技者が上ボタンUBを押下する毎に、上述した第11実施形態において中央ボタンCBを押下した場合と同様、大当たりや発展に対する期待度を示唆する文字画像を表示させることができる。操作応援演出の開始時の設定を「応援」という項目が選択された状態にしておくことにより、上述した第11実施形態と同様の操作性(操作応援演出の開始時の状態において特定のボタン(上ボタンUB)を押下する毎に文字画像を表示させることが可能となる操作性)を実現することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
一方、図259(a)に示した通り、「応援」という項目が選択された状態において遊技者が下ボタンDBを押下すると、応援ボタン画像815aが光った見た目から消灯した見た目に変更されると共に、音量設定ボタン画像815bが消灯した見た目から発光した見た目に変更される。即ち、「音量設定」という項目が選択された状態に変更される。更に、表示領域HR11における正面視右方向に、横長略長方形形状の表示領域816が形成される。この表示領域816には、図259(a)に示した通り、現在の音量の設定を示す画像が表示される。即ち、スピーカーを模した画像が表示されると共に、そのスピーカーを模した画像の下方に、現在の音量設定をバーの長さに応じて5段階で表示する音量バーSBが表示される。音量バーSBは、大きい音量の設定になるほど斜線を付されたバーの個数が増加していき、小さい音量の設定になるほど斜線を付されたバーの個数が減少していく。なお、図259(a)では、音量バーSBを構成する5個のバーのうち、左から3つのバーが斜線を付された表示態様に設定されているので、音量設定が5段階中3段階に設定された状態を示している。音量バーSBの示す音量設定(斜線が付されたバーの個数)が左詰で表示されることにより、左ボタンLBを押下することで斜線を付されたバーの個数を減少させることができること、および右ボタンRBを押下することで斜線を付されたバーの個数を増加させることができることを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、音量設定の変更方法を遊技者に対して容易に理解させることができる。
図259(b)は、「音量設定」の項目が選択された状態において遊技者が右ボタンRBを押下した場合の表示態様を示した図である。図259(b)に示した通り、「音量設定」の項目が選択された状態において遊技者が右ボタンRBを押下すると、斜線を付されて表示されたバーの個数が1個増加する。即ち、押下の直前まで表示されていた3つの斜線を付されたバーの右側に、追加で1個、斜線を付されたバーが表示される。この表示態様の変化により、音量設定の変更が正常に実行されたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第11実施形態における操作応援演出では、上ボタンUBおよび下ボタンDBに対する操作(押下)に応じて、「応援」という項目と、「音量設定」という項目とを遊技者に選択させることが可能に構成している。そして、「応援」という項目が選択された状態においては、「応援」に対応する上ボタンUBを押下する毎に文字画像814の表示が設定される一方で、「音量設定」に対応する右ボタンRBや左ボタンLBを押下したとしても、何らの設定変更も行われないように構成した。一方、「音量設定」という項目が選択された状態においては、右ボタンRBや左ボタンLBを押下することにより音量設定を変更することが可能となる一方で、上ボタンUBを押下したとしても文字画像814が表示されないように構成した。このように構成することで、操作応援演出に参加しようとした遊技者が誤って右ボタンRBや左ボタンLBを押下してしまったとしても、遊技者の意に反する設定変更が実行されてしまうことを抑制することができる。また、音量設定を行おうとした遊技者が誤って上ボタンUBや下ボタンDBを押下してしまったとしても、遊技者の意に反して文字画像814が表示されてしまうことを防止することができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
なお、本第12実施形態では、「音量設定」の項目が選択された状態において下ボタンDBを押下したとしても、何らの表示態様および設定の変更も行われないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特定の条件下においては、下ボタンDBに対する押下を検出した場合にも文字画像814の文字態様の抽選および表示が行われるように構成してもよい。より具体的には、例えば、「音量設定」の項目が選択された状態において下ボタンDBが所定回数(例えば、5回)以上押下された場合には、遊技者が操作応援演出に対する参加方法を誤って認識している(下ボタンDBを押下することで文字画像814が表示されると勘違いしている)と判断して、文字画像814の文字態様の抽選および表示を設定する構成としてもよい。このように構成することで、勘違い等により下ボタンDBを連続して押下してしまった遊技者に対しても、操作応援演出に参加させることができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。なお、この場合において、下ボタンDBに対する所定回数以上の押下を検出した後は、音量設定ボタン画像815bの表示態様を、応援ボタン画像815aと同一の見た目に変更する構成としてもよい。このように構成することで、「音量設定」が選択されているにもかかわらず文字画像814が表示されるという不自然な見た目となることを防止(抑制)できるので、表示態様をより好適に設定することができる。
次に、図260を参照して、本第12実施形態において特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターンについて説明する。ここで、本第12実施形態では、上述した第11実施形態と同様に、小当たりに当選した場合に、小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の態様(開放パターン)のみを小当たり種別に応じて異ならせ、その他の作動態様(上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターン)については小当たり種別によらず共通となるように構成している。図260では、小当たり種別によらず共通となる、小当たり用アタッカー6755a以外の部分の作動態様について説明する。
図260は、本第12実施形態の小当たり遊技の実行中における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの開閉状態の経時変化(作動パターン)を示した図である。図260に示した通り、上開閉扉6755bUは、開放状態が初期状態として設定されており、小当たりの開始と同時に閉鎖状態に切り替わる。この閉鎖状態(V入賞率50%期間)は、1秒間継続し(即ち、小当たりの開始から1秒が経過するまで継続し)、閉鎖状態に切り替わってから1秒経過時に開放状態に切り替わる。その後、小当たりの開始から1.2秒間経過時点まで上開閉扉6755bUは開放状態に維持され、1.2秒経過時点から1.4秒経過時点までの間、再び閉鎖状態(V入賞率50%期間)に切り替わる。そして、小当たりの開始から1.4秒が経過した時点で、再度、開放状態に切り替わり、以降は小当たり終了まで開放状態が維持される。即ち、小当たり開始直後から1秒経過時点までの間、および1.2秒経過時点から1.4秒経過時点までの間に抽選装置6755の内部に入球した遊技球は、閉鎖されている上開閉扉6755bUの上面を転動して振分回転体6755f側へと流下し(図211(a)参照)、その他の期間において抽選装置6755の内部に入球した遊技球は誘導流路6755b2へと流入して、右V入賞口6755bV、または右アウト口6755bOへと誘導される(図211(b),(c)参照)。即ち、本第12実施形態では、第11実施形態に比較して、V入賞率50%期間が早期に終了するように構成している。なお、本第12実施形態では、小当たりの開始から6.5秒間が経過した時点で、抽選装置6755内に遊技球が残存していたとしても、小当たりを強制的に終了させる構成としている。これにより、磁石等により無理矢理に遊技球の進行経路を代えて、振分回転体6755fへと遊技球を誘導させるという、比較的時間を要する不正行為が行われた場合等に、振分回転体6755fによって遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられるよりも前に小当たりを強制終了させることができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
また、図260に示した通り、下開閉扉6755bDは、閉鎖状態が初期状態として設定されており、小当たりの開始から1.6秒間が経過するまでの間、閉鎖状態が維持される。そして、小当たりの開始から1.6秒間が経過した時点で、開放状態(V入賞率100%期間)に切り替わる。これにより、誘導流路6755b2へと流入した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球可能な状態となる。この下開閉扉6755bDの開放状態は、0.2秒間の間継続し、小当たり開始から1.8秒経過時に閉鎖状態に切り替わる。その後は、小当たり開始から2秒間が経過するまでの間、下開閉扉6755bDが閉鎖状態に保たれ、2秒経過時点で再度、開放状態(V入賞率100%期間)に切り替わる。この開放状態は、1秒間の間継続する。即ち、小当たりの開始から3秒間が経過する時点まで、開放状態が継続し、小当たりの開始から3秒経過時点で閉鎖状態に切り替わる。そして、以降は小当たりが終了するまでの間、閉鎖状態が維持される。
また、図260に示した通り、球止め部6755eは、小当たりの開始から2.9秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、2.9秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6755bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6755cは、小当たりの開始から2.4秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、2.4秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、1秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから2.4秒の間は、球止め部6755eも球排出扉6755cも閉鎖された状態となるので、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部へと入球し、閉鎖された状態の上開閉扉6755bUの上面を通過した遊技球は、全て、球止め部6755eによって誘導流路6755b内に停留される。
また、小当たりの開始から2.4秒が経過すると、球止め部6755eが閉鎖された状態で球排出扉6755cが開放されるので、球止め部6755eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6755cの開口部から排出領域6755dへと落下して外部へと排出される。即ち、V入賞率50%期間の間に複数の遊技球が抽選装置6755の内部へと流入したとしても、球排出扉6755eが開放されて以降は、抽選装置6755の内部に停留されている遊技球が最大で1個のみの状態とすることができる。そして、球排出扉6755cが開放されてから0.5秒後に球止め部6755eが開放されるので、抽選装置6755の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6755fに向けて流下する。先に球排出扉6755cを開放させてから球止め部6755eを開放させる構成とすることにより、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6755eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6755dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6755fへと到達する遊技球を、最大1個に限ることができるので、V入賞率50%期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合におけるV入賞率を、毎回一定(50%)とすることができる。
このように、本第12実施形態では、第10および第11実施形態に対して、V入賞率50%期間の設定タイミングを早める構成とした。これにより、球排出扉6755cや球止め部6755eの作動のタイミングを第10実施形態および第11実施形態よりも早めることができるため、小当たりの終了タイミングを早めることができる。よって、V入賞率50%期間よりも後に設定されるV不可期間、およびV入賞率100%期間に抽選装置6755内に入球した遊技球を、磁石等により不正に振分回転体6755fへと誘導しようとしても、誘導した遊技球が振分回転体6755fによりいずれかの入球口へと振り分けられるよりも前に小当たりを終了させることができる。つまり、不正によりV入賞口へと遊技球を入球させたとしても、大当たりが実行され難くなるように構成している。よって、不正行為に対する抑止効果を高めることができる。更に、本第12実施形態では、小当たりの開始から6.5秒間が経過したタイミング(V入賞率50%期間の間に抽選装置6755へと入球して振分回転体6755fへと流下した遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられることが十分に可能となる長さの期間)で、小当たり遊技を強制的に修了させる構成としている。このように構成することで、正規の遊技方法で遊技を行う遊技者には影響を与えることなく、磁石等を用いた不正行為に対する抑制を図ることができる。即ち、磁石等によって遊技球を引き寄せて流下経路を強制的に変更させることにより振分回転体6755fへと到達させようとすると、遊技球が通常の動作(傾斜や重力の作用のみによって流下する動作)で振分回転体6755fまで到達する場合に比較して、振分回転体6755fへと到達するまでの期間が長くなる。小当たり開始後6.5秒間という期間は、通常の動作で振分回転体6755fまで到達した遊技球が問題無くいずれかの入球口へと振り分けられることが可能となり、且つ、磁石等による不正行為によって振分回転体6755fへと誘導された遊技球がいずれかの入球口に振り分けられることが困難(不可能)となる期間で構成されている。これにより、磁石等を用いて抽選装置6755内に流入した遊技球を振分回転体6755fへと強制的に誘導する不正行為を行ったとしても、遊技球が何れかの入球口へと振り分けられる前に小当たりを終了させることができるので、当該不正行為が成立しないように構成することができる。よって、不正行為によりホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
<第12実施形態における電気的構成>
次に、図261(a)を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図261(a)は、本第12実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図261(a)に示した通り、本第12実施形態におけるROM222の構成は、第11実施形態におけるROM222の構成(図233参照)に対して、ボタン態様選択テーブル222gaが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第11実施形態におけるROM222の構成(図233参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
ボタン態様選択テーブル222gaは、操作応援演出において表示される応援ボタン画像815a(図258(a)参照)の表示態様(発光色)を選択する際に参照されるデータテーブルである。操作応援演出の開始時には、このボタン態様選択テーブル222gaが参照されて、特別図柄の抽選結果や遊技者の操作状況等に応じて1の表示態様が決定される。このボタン態様選択テーブル222gaの詳細について、図262、および図263を参照して説明する。
図262(a)は、ボタン態様選択テーブル222gaの構成を示すブロック図である。図262(a)に示した通り、本第12実施形態におけるボタン態様選択テーブル222gaは、操作応援演出において全く操作を行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状況において、大当たりに対応する変動表示に対して設定する操作応援演出における応援ボタン画像815aの発光色(ボタン色)を選択するための当たり(非操作)用テーブル222ga1と、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状況において、大当たりに対応する変動表示に対して設定する操作応援演出における応援ボタン画像815aの発光色(ボタン色)を選択するための当たり(操作)用テーブル222ga2と、操作応援演出において全く操作を行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状況において、外れに対応する変動表示に対して設定する操作応援演出における応援ボタン画像815aの発光色(ボタン色)を選択するための外れ(非操作)用テーブル222ga3と、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状況において、外れに対応する変動表示に対して設定する操作応援演出における応援ボタン画像815aの発光色(ボタン色)を選択するための外れ(操作)用テーブル222ga4と、で少なくとも構成されている。
まず、図262(b)を参照して、当たり(非操作)用テーブル222ga1の詳細について説明する。図262(b)は、当たり(非操作)用テーブル222ga1の規定内容を示した図である。図262(b)に示した通り、当たり(非操作)用テーブル222ga1には、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲毎に、ボタン色が対応付けて規定されている。具体的には、図262(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~199」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「白」が対応付けて規定されている(図262(b)の222ga1a参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「白」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が200個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「白色」が設定される割合(確率)は20%(200/1000)である。
また、図262(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「200~599」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「青」が対応付けて規定されている(図262(b)の222ga1b参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「青」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が400個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「青色」が設定される割合(確率)は40%(400/1000)である。
また、図262(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「600~899」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「緑」が対応付けて規定されている(図262(b)の222ga1c参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「緑」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が300個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「緑色」が設定される割合(確率)は30%(300/1000)である。
更に、図262(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「900~999」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「赤」が対応付けて規定されている(図262(b)の222ga1d参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「赤」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「赤色」が設定される割合(確率)は10%(100/1000)である。
このように、全く操作を行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状況下において、大当たり変動中に操作応援演出が実行される場合には、80%の割合で大当たり期待度が低い「白色」以外のボタン色に設定される上に、40%の割合で大当たり期待度が高い「緑色」や「赤色」のボタン色が設定される。即ち、全く操作を行わない傾向の遊技者が遊技を行っている場合には、大当たりとなった場合に大当たり期待度が高いボタン色を選択する割合が比較的高くなる。このように構成することで、操作応援演出に参加しない遊技者に対しても、大当たりとなる期待度を適切に示唆することができるので、操作を行わない(操作応援演出に参加しない)傾向の遊技者に対しても、操作応援演出を楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図262(c)を参照して、ボタン態様選択テーブル222gaを構成するデータテーブルの一種である当たり(操作)用テーブル222ga2の詳細について説明する。図262(c)は、当たり(操作)用テーブル222ga2の規定内容を示した図である。図262(c)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~499」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「白」が対応付けて規定されている(図262(c)の222ga2a参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「白」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が500個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「白色」が設定される割合(確率)は50%(500/1000)である。
また、図262(c)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「500~899」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「青」が対応付けて規定されている(図262(c)の222ga2b参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「青」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が400個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「青色」が設定される割合(確率)は40%(400/1000)である。
また、図262(c)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「900~979」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「緑」が対応付けて規定されている(図262(c)の222ga2c参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「緑」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が80個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「緑色」が設定される割合(確率)は8%(80/1000)である。
更に、図262(c)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「980~999」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「赤」が対応付けて規定されている(図262(c)の222ga2d参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「赤」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「赤色」が設定される割合(確率)は2%(20/1000)である。
このように、操作応援演出の実行中に操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている場合には、全く操作を行わない遊技者が遊技を行っている場合に比較して、大当たり変動の実行中でも最も期待度の低い「白色」が選択される割合が高くなる上に、期待度の高いボタン色の選択割合が10%と大幅に低くなる。よって、ボタン色から大当たりとなる期待度を予測することが困難になるので、操作応援演出において積極的に押下を行うことで、表示される文字画像814の文字態様から大当たり期待度を予測しようと考えさせることができる。従って、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲を向上させることができる。
次に、図263(a)を参照して、外れ(非操作)用テーブル222ga3の詳細について説明する。図263(a)は、外れ(非操作)用テーブル222ga3の規定内容を示した図である。図263(a)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~799」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「白」が対応付けて規定されている(図263(a)の222ga3a参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「白」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が800個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「白色」が設定される割合(確率)は80%(800/1000)である。
また、図263(a)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「800~949」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「青」が対応付けて規定されている(図263(a)の222ga3b参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「青」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が150個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「青色」が設定される割合(確率)は15%(150/1000)である。
また、図263(a)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「950~998」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「緑」が対応付けて規定されている(図263(a)の222ga3c参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「緑」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が49個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「緑色」が設定される割合(確率)は4.9%(49/1000)である。
更に、図263(a)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「999」に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「赤」が対応付けて規定されている(図263(a)の222ga3d参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「赤」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個なので、操作応援演出において操作を全く行わない傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「赤色」が設定される割合(確率)は0.1%(1/1000)である。
このように、操作応援演出に参加しない(ボタンを操作しない)遊技者が遊技を行っている状況下において特別図柄の抽選で外れとなった場合には、ボタン色「白色」の選択割合が高くなる一方で、期待度の高い「緑色」や「赤色」の選択割合が大幅に低くなる。よって、ボタン色から大当たり期待度を予測する遊技性を提供することができる。
次に、図263(b)を参照して、外れ(操作)用テーブル222ga4の詳細について説明する。図263(b)は、外れ(操作)用テーブル222ga4の規定内容を示した図である。図263(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~599」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「白」が対応付けて規定されている(図263(b)の222ga4a参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「白」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が600個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「白色」が設定される割合(確率)は60%(600/1000)である。
また、図263(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「600~949」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「青」が対応付けて規定されている(図263(b)の222ga4b参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「青」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が350個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「青色」が設定される割合(確率)は35%(350/1000)である。
また、図263(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「950~997」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「緑」が対応付けて規定されている(図263(b)の222ga4c参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「緑」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が48個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で外れとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「緑色」が設定される割合(確率)は4.8%(48/1000)である。
更に、図263(b)に示した通り、演出抽選カウンタ223eaの値が「998,999」の範囲に対しては、ボタン色(応援ボタン画像815aの表示態様)として「赤」が対応付けて規定されている(図263(b)の222ga4d参照)。演出抽選カウンタ223eaの取り得る1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、ボタン色「赤」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が2個なので、操作応援演出において操作を行う傾向の遊技者が遊技を行っている状態において、特別図柄の抽選で大当たりとなり、操作応援演出を実行する場合にボタン色として「赤色」が設定される割合(確率)は0.2%(2/1000)である。
このように、操作応援演出に参加する(ボタンを操作する)遊技者が遊技を行っている状況下においても、特別図柄の抽選で外れとなった場合の方が、ボタン色「白色」の選択割合が高くなる一方で、期待度の高い「緑色」や「赤色」の選択割合が低くなる。よって、全く操作を行わない遊技者が遊技を行っている場合よりも大当たりとなった場合との差が少なくなるものの、ボタン色から大当たり期待度を予測する遊技性を提供することができる。
次に、図261(b)を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図261(b)は、本第12実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図261(b)に示した通り、本第12実施形態におけるRAM223の構成は、第11実施形態におけるRAM223の構成(図233(b)参照)に対して、カーソル位置格納エリア223gaが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第11実施形態におけるRAM223の構成と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
カーソル位置格納エリア223gaは、操作応援演出の実行中において、遊技者が選択している項目(カーソル位置)を示す情報を格納するための記憶領域である。このカーソル位置格納エリア223gaに「00H」が格納されている場合は、「応援」という項目が選択されている状態を示し、「01H」が格納されている場合は、「音量設定」という項目が選択されている状態を示す。このカーソル位置格納エリア223gaは、操作応援演出の実行中において遊技者が異なる項目を選択する毎に、項目に応じたデータに更新される。
<第12実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図264から図267を参照して、本第12実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図264を参照して、本第12実施形態における操作応援演出処理15(S40301)について説明する。この操作応援演出処理15(S40301)は、第11実施形態における操作応援演出処理(図243参照)に代えて実行される処理であり、第11実施形態における操作応援演出処理(図243参照)と同様に、操作応援演出が設定された変動表示における演出態様を更新するための処理である。
この第12実施形態における操作応援演出処理15(図264参照)のうち、S40401~S40409の各処理では、それぞれ第11実施形態における操作応援演出処理(図243参照)のS40401~S40409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第12実施形態における操作応援演出処理15(図264参照)では、S40405の処理が終了すると、次いで、ボタン態様選択テーブル222gaのうち、今回の特別図柄の抽選結果、および遊技者の操作状況(操作頻度フラグ223ffの状態)に対応するテーブルを読み出して(S40421)、その読み出したテーブルから、演出抽選カウンタ223eaの値に対応するボタン色を特定する(S40422)。S40422の処理が終了すると、処理をS40406に移行する。なお、本第12実施形態では、操作頻度フラグ223ffの状態として、全く操作を行っていないことを示す状態(「03H」)が追加されている。S40421の処理では、操作頻度フラグ223ffの状態が「03H」であるか否かによって、非操作用のテーブル(当たり(非操作)用テーブル222ga1や外れ(非操作)用テーブル222ga3)を選択するか否かが可変する。
次に、図265を参照して、本第12実施形態における各種設定ボタン入力監視処理15(S4195)の詳細について説明する。この第12実施形態における各種設定ボタン入力監視処理15(S4195)は、第11実施形態における各種設定ボタン入力監視処理(図247参照)に代えて実行される処理であり、第11実施形態における各種設定ボタン入力監視処理(図247参照)と同様に、非演出用ボタン(音量や光量の設定変更を行うためのボタン)に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に、操作が行われたボタンの種別に応じて設定変更を行うための処理である。
この第12実施形態における各種設定ボタン入力監視処理15(図265参照)のうち、S40801,およびS40808の各処理では、それぞれ第11実施形態における各種設定ボタン入力監視処理(図247参照)のS40801,およびS40808の各処理と同一の処理が実行される。また、本第12実施形態における各種設定ボタン入力監視処理15(図265参照)では、S40801の処理において、いずれかの非演出用ボタンに対する押下を検出したと判別した場合に(S40801:Yes)、次いで、操作有効期間中フラグ223fbがオンであるか否かを判別する(S40811)。S40811の処理において操作有効期間中フラグ223fbがオフであると判別した場合は(S40811:No)、処理をS40808へと移行する。一方、S40811の処理において、有効期間中フラグ223fbがオンであると判別した場合は、次いで、S40801の処理で検出されたのが上ボタンUBまたは下ボタンDBに対する押下であったのか否かを判別する(S40812)。
S40812の処理において、上ボタンUBまたは下ボタンDBに対する押下を検出したと判別した場合は(S40812:Yes)、ボタン押下時のカーソル位置(選択されている項目)、および押下を検出したボタンの種別に応じた制御を実行するための上下ボタン押下時処理を実行して(S40813)、本処理を終了する。この上下ボタン押下時処理(S40813)の詳細については、図266を参照して後述する。一方、S40812の処理において、今回押下を検出したのは上ボタンUBでも下ボタンDBでもないと判別した場合は(S40812:No)、次いで、右ボタンRBまた左ボタンLBに対する押下を検出したかを判別する(S40814)。
S40814の処理において、右ボタンRBまたは左ボタンLBに対する押下を検出したと判別した場合は(S40814:Yes)、ボタン押下時のカーソル位置(選択されている項目)、および押下を検出したボタンの種別に応じた制御を実行するための左右ボタン押下時処理を実行して(S40815)、本処理を終了する。この左右ボタン押下時処理(S40815)の詳細については、図267を参照して後述する。これに対し、S40814の処理において、今回押下を検出したのが右ボタンRBでも左ボタンLBでもないと判別した場合は(S40814:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図266を参照して、上述した上下ボタン押下時処理(S40813)の詳細について説明する。図266は、この上下ボタン押下時処理(S40813)を示したフローチャートである。この上下ボタン押下時処理(S40813)は、上述した通り、操作応援演出において上ボタンUB、または下ボタンDBのいずれかが押下された場合に、ボタン押下時のカーソル位置(選択されている項目)、および押下を検出したボタンの種別に応じた制御を実行するための処理である。
上下ボタン押下時処理(図266参照)では、まず、カーソル位置格納エリア223gaのデータを読み出して(S41401)、読み出したデータが上側のカーソル位置(「応援」の項目を選択した状態)を示すデータ(即ち、「00H」)であるか否かを判別する(S41402)。S41402の処理において、カーソル位置格納エリア223gaに格納されているデータが上側のカーソル位置を示すデータであると判別した場合は(S41402:Yes)、次いで、上ボタンUBに対する押下を検出したか否かを判別する(S41403)。
S41403の処理において、上ボタンUBに対する押下を検出したと判別した場合は(S41403:Yes)、次に、文字態様設定処理(図245参照)を実行することで、押下に対応する文字態様を抽選すると共に抽選により決定された文字態様の文字画像814の表示を設定して(S41404)、本処理を終了する。一方、S41403の処理において、上ボタンUBに対する押下ではない(即ち、下ボタンDBに対する押下である)と判別した場合は(S41403:No)、音量設定ボタン画像815bを発光態様に設定し(S41405)、カーソル位置格納エリア223gaのデータを「01H」に更新して(S41406)、本処理を終了する。
これに対し、S41402の処理において、カーソル位置格納エリア223gaに格納されているデータが上側のカーソル位置を示すデータではない(下側のカーソル位置を示すデータである)と判別した場合は(S41402:No)、次に、上ボタンUBに対する押下を検出したか否かを判別する(S41407)。S41407の処理において、上ボタンUBに対する押下を検出したと判別した場合は(S41407:Yes)、次に、応援ボタン画像815aを発光態様に設定し(S41408)、カーソル位置格納エリア223gaのデータを「00H」に更新して(S41409)、本処理を終了する。一方、S41407の処理において、上ボタンUBに対する押下を検出していない(即ち、下ボタンDBに対する押下である)と判別した場合は(S41407:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図267を参照して、上述した左右ボタン押下時処理(S40815)の詳細について説明する。この左右ボタン押下時処理(S40815)は、上述した通り、操作応援演出において左ボタンLB、または右ボタンRBのいずれかが押下された場合に、ボタン押下時のカーソル位置(選択されている項目)、および押下を検出したボタンの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この左右ボタン押下時処理(図267参照)では、まず、カーソル位置格納エリア223gaに格納されているデータを読み出して(S41501)、読み出したデータが下側のカーソル位置(「音量設定」の項目を選択した状態)を示すデータ(即ち、「01H」)であるか否かを判別する(S41502)。S41502の処理において、下側のカーソル位置を示すデータ(「01H」)が読み出されたと判別した場合は(S41502:Yes)、次いで、右ボタンRBに対する押下を検出したか否かを判別する(S41503)。
S41503の処理において、右ボタンRBに対する押下を検出したと判別した場合は(S41503:Yes)、パチンコ機10の音量設定を1段階増加させると共に、第3図柄表示装置81に表示される音量バーの個数(斜線が付されたバーの個数)を1つ増加させて(S41504)、本処理を終了する。なお、右ボタンRBに対する押下の時点で音量設定が最大値(5段階)である場合は、音量設定をこれ以上増加させることができないため、S41504の処理をスキップする。一方、S41503の処理において、左ボタンLBに対する押下を検出したと判別した場合は(S41503:No)、パチンコ機10の音量設定を1段階減少させると共に、第3図柄表示装置81に表示される音量バーの個数を1つ減少させて(S41505)、本処理を終了する。なお、左ボタンLBに対する押下の時点で音量設定が最小値(1段階)である場合は、音量設定をこれ以上減少させることができないため、S41505の処理をスキップする。
これに対し、S41502の処理において、上側のカーソル位置を示すデータ(「00H」)が読み出されたと判別した場合は(S41502:No)、「応援」の項目が選択されているにもかかわらず右ボタンRB、若しくは左ボタンLBを押下した(音量の設定変更ができない状態で音量の設定変更に対応する操作が行われた)ことを意味するので、S41503~S41505の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、操作応援演出の実行期間において、操作応援演出に参加するか、パチンコ機10の設定を変更するかを、操作ボタン230に対する操作によって遊技者に選択させることが可能に構成した。具体的には、操作応援演出の実行中に、第3図柄表示装置81に対して、「応援」という項目(応援ボタン画像815a)と、「音量設定」という項目(音量設定ボタン画像815b)とを表示させる構成とし、上ボタンUBおよび下ボタンDBを操作することにより遊技者の任意の項目を選択することが可能に構成した。そして、より具体的には、「応援」という項目が選択された状態で上ボタンUBを押下する毎に、大当たりや発展に対する期待度を示唆する文字画像814が表示される一方で、「音量設定」という項目が選択された状態で右ボタンRBまたは左ボタンLBを押下することで、パチンコ機10の音量設定を変更することが可能に構成している。また、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、1の項目が選択されている状態において、他の項目に対応する操作を行ったとしても、他の項目に対応する制御が回避されるように構成している。即ち、「応援」の項目が選択された状態で右ボタンRBや左ボタンLBが押下されたとしても、音量設定を変更する制御が回避(制限)される。また、「音量設定」の項目が選択された状態で上ボタンUBが押下されたとしても、単に「応援」の項目が選択されるに過ぎない。即ち、文字画像814を表示させる制御が回避(制限)される。これにより、操作応援演出に参加しようとした遊技者が操作を誤ってしまい、意に反してパチンコ機10の設定が変更されてしまうことをより確実に防止(抑制)することができる。
また、本第12実施形態におけるパチンコ機10では、操作応援演出の実行中に表示領域HR11において表示される文字画像814の文字態様に加えて、応援ボタン画像815aの表示態様(発光色)によっても、大当たりとなる期待度を示唆することが可能に構成した。また、応援ボタン画像815aの表示態様による大当たり期待度の示唆は、操作を全く行わない遊技者が遊技を行っている場合の方が発生し易くなる(大当たりの場合に期待度の高い発光色に設定される割合が高くなる)ように構成した。これにより、操作応援演出に参加しない遊技者に対しても、大当たり期待度を示唆することができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第12実施形態におけるパチンコ機10では、磁石等を用いて遊技盤13の手前側から遊技球を引き寄せる不正行為に対する抑制を図るために、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cを、ガラスユニット16の手前側から発せられる磁力による引力の影響を受け難い配置(誘導流路6755bの他の部分よりも正面視奥側の配置)とした。これにより、磁石等によって遊技球を振分回転体6755fへと誘導しようとする不正行為が行われたとしても、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cの直上で磁力の影響を弱めることができるので、上開閉扉6755bUの直下の誘導流路6755b2や、球排出扉6755cの直下の排出領域6755dへと遊技球が流下し易くなる。即ち、振分回転体6755f側へと遊技球を誘導することが困難となるので、磁石等を用いた不正行為に対する抑制を図ることができる。加えて、本第12実施形態では、抽選装置6755へと入球した遊技球を、磁石等を用いて強制的に振分回転体6755f側の流路へと誘導された遊技球が振分回転体6755fによっていずれかの入球口へと入球するよりも前に小当たりが終了されるように小当たり有効期間を設定する構成とした。つまり、抽選装置6755に入球した全ての遊技球がいずれかの入球口まで到達していなかった(抽選装置6755内に残存していた)としても、小当たりの開始から特定期間(例えば、6.5秒間)が経過した時点で小当たりを終了させる構成とした。言い換えれば、磁力等の外力を介さずに(重力や誘導流路6755bの傾斜のみによって)抽選装置6755内を流下した遊技球がいずれかの入球口へと容易に入球可能となる一方で、磁石等により流下方向を強制的に(無理矢理)可変させて本来とは異なる方向に誘導された遊技球がいずれかの入球口へと到達することが困難となる有効期間を設定する構成とした。このように構成することで、不正行為者が磁石等を用いて抽選装置6755内に流入した遊技球を振分回転体6755fへと誘導しようとしたとしても、振分回転体6755fによって遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられるよりも前に小当たり有効期間を終了させることができる(たとえV入賞口に入球しても大当たりが開始されない)ので、不正行為を行うメリットを無くすことができる。よって、不正行為に対する抑止効果を更に高めることができる。
なお、本第12実施形態では、操作応援演出の実行中に表示される応援ボタン画像815aの発光色によって、大当たりとなる期待度を示唆する構成としていたが、発光色によって示唆する対象は大当たりの期待度に限られるものではない。大当たりの期待度に代えて、または加えて、発展に対する期待度や、Vチャレンジ小当たりとなる期待度を示唆する構成としてもよい。このように構成することで、応援ボタン画像815aの発光色(表示態様)に対してより注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第12実施形態では、応援ボタン画像815aの発光色を、文字態様選択テーブル222faから選択されるデータテーブルとは無関係に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、応援ボタン画像815aの発光色によって、文字態様選択テーブル222faのうちいずれのテーブルが文字態様を抽選するために用いられるのかを示唆するように構成してもよい。即ち、期待度の高い文字態様が選択される割合が高いテーブルが設定される場合に、応援ボタン画像815aに対して期待度の高い発光色が設定される構成としても良い。このように構成することで、期待度の高い発光色が設定された場合に、より積極的に操作応援演出に参加させることができる。
本第12実施形態では、小当たり遊技の開始から6.5秒間が経過した時点で強制的に小当たりを終了させることにより、磁石等を用いた不正行為が成立不可能(困難)になるように構成していたが、磁石等を用いた不正行為を抑止する方法は、これに限られるものではない。例えば、誘導流路6755bの所定範囲(例えば、上開閉扉6755bUや球排出扉6755cが設けられている範囲)における天井部分に遊技球が接触しているか否かを検出することが可能な公知のセンサ手段を設ける構成とし、センサ手段に接触している期間が所定期間(例えば、1秒間)以上となった場合にエラーを報知する構成としてもよい。磁石等を用いて遊技球を振分回転体6755fへと誘導しようとした場合、少なくとも上開閉扉6755bUや球排出扉6755cを通過させる際に遊技球を誘導流路6755bに対して浮かせる必要がある。つまり、これらが配置されている範囲における天井部分に遊技球が接触し易くなる。よって、所定期間(例えば、1秒間)以上天井部分に接触していることを検出した場合には、ほぼ、磁石等を用いた不正行為が行われていることを意味するため、この場合にエラーを報知する構成とすることで、磁石等を用いた不正行為に対する抑制を図ることができる。
<第12実施形態の変形例>
次に、図268を参照して、上述した第12実施形態の変形例について説明する。上述した第12実施形態では、操作応援演出の実行中に、第3図柄表示装置81に対して「応援」の項目を示す応援ボタン画像815aと、「音量設定」の項目を示す音量設定ボタン画像815bとを表示させ、遊技者の操作によって項目(操作応援演出に参加するか、音量設定を変更するか)を選択することが可能に構成していた。しかしながら、第12実施形態では、操作応援演出の実行中に光量の設定変更を行うことができない構成となっていた。
これに対して本変形例では、第3図柄表示装置81に対して「光量設定」の項目(光量設定ボタン815g)も表示させる構成とした。即ち、遊技者の操作ボタン230に対する操作に応じて、「応援」という項目と、「音量設定」という項目と、「光量設定」という項目とを選択することが可能に構成した。これにより、操作応援演出の実行中に音量設定を変更したいと考える遊技者の要望だけでなく、光量設定を変更したいと考える遊技者の要望も叶えることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
図268は、この第12実施形態の変形例における操作応援演出の実行中の表示態様の一例を示した図である。図268に示した通り、本変形例では、応援ボタン画像815aと、音量設定ボタン画像815bと、上ボタン画像815cと、下ボタン画像815dと、に加えて、音量設定ボタン画像815bの右側に表示された左向き略正三角形形状の左ボタン画像815eと、その左ボタン画像815eの右側に表示された右向き略正三角形形状の右ボタン画像815fと、その右ボタン画像815fの右側に表示された横長略長方形形状の光量設定ボタン画像815gとが表示される。この光量設定ボタン815gは、「音量設定」の項目が選択された状態(音量設定画像815bが発光した表示態様となった状態)において、右ボタンRBを押下することにより、「光量設定」の項目を選択することができる。即ち、音量設定画像815bが消灯した見た目になると共に、光量設定画像815gが発光した見た目になる(図268参照)。また、「光量設定」の項目が選択された状態で左ボタンLBが押下されると、「音量設定」の項目が選択される。一方で、「応援」の項目が選択された状態で左ボタンLBや右ボタンRBが押下された場合には、「応援」の項目が選択されたままとなる(「光量設定」の項目が選択されることはない)。
このように、操作応援演出の実行中に、音量設定だけでなく、光量設定も変更可能に構成することで、操作応援演出の実行中に設定変更を行いたいと考える遊技者の要望を叶えることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができる。
なお、本変形例では、「音量設定」の項目を選択した状態で右ボタンRBを押下することにより「光量設定」の項目を選択することが可能に構成したが、各ボタンに対する操作内容と選択される項目との対応関係は、任意に定めることができる。具体的には、例えば、「応援」の項目が選択された状態で右ボタンRBを押下すると、「光量設定」の項目が選択される一方で、「光量設定」の項目が選択された状態で左ボタンLBを押下すると、「応援」の項目が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、「音量設定」の項目を選択する場合も、「光量設定」の項目を選択する場合も、「応援」の項目が選択された状態(即ち、操作応援演出における初期状態)において1のボタンを押下するだけで選択を行うことができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。
上記第12実施形態、およびその変形例では、操作応援演出の実行中に、いずれかの項目が選択された状態で選択項目に対応する操作を行うことにより、選択項目に応じた制御が実行される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、いずれかの項目を選択した状態で所定の決定操作(例えば、中央ボタンCBを押下する操作)を行うことにより、対応する項目の選択が確定する構成としてもよい。この場合において、決定操作の後は他の項目を選択することが不可能(困難)となるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が選択した項目に対して集中させることができる。
上記第11実施形態、および第12実施形態では、操作応援演出の実行中において、文字画像814の表示条件が成立する毎に、抽選により文字態様を決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技者の操作回数に応じて、文字態様がステップアップする(白→青→緑→赤と昇格していく)構成を採用してもよい。この場合において、例えば、大当たりの場合は赤までステップアップし得るが、外れの場合には赤までステップアップすることが不可能(困難)となるように構成してもよい。そして、各色においてステップアップが発生する規定の操作回数を、特別図柄の抽選結果、および遊技者の操作の傾向(操作応援演出に対する参加状況)に応じて異ならせる構成としてもよい。本構成を採用することにより、ある程度の回数(例えば、2回)以上の操作を行わなければ必ず最も期待度の低い文字態様が表示されるので、文字態様から期待度を予測したいと考える遊技者に対して、より積極的に操作を行わせることができる。なお、ステップアップする条件は、操作回数に限られるものではなく、例えば、特別図柄の抽選結果、および遊技者の操作の傾向に応じた確率で、ステップアップするか否かを抽選する構成としてもよい。このように構成した場合も、遊技者に対して積極的に操作応援演出に対して参加させることができる。更に、この場合において、ステップアップの発生し易さを、予め示唆する構成としてもよい。具体的には、例えば、鳥を模したキャラクタ813の色によって示唆する構成としてもよい。このように構成することで、操作を行わない傾向の遊技者に対しても、ステップアップの発生期待度が高い態様のキャラクタ813が表示された場合には、操作応援演出に参加してみようと思わせることができるので、遊技者の操作応援演出に対する参加意欲をより向上させることができる。
上記各実施形態では、大当たり、又は小当たりとなった場合に、遊技球を入球させることで賞球を付与するための構成として右可変入賞装置65を設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右可変入賞装置65の内部の特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるタイプの遊技機(所謂、二種、および一種二種タイプ)に用いる構成としてもよい。このように構成することで、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多いほど、右特定入賞口65aへと入球する遊技球も多くなるので、特定領域へと遊技球が入球し易いと思わせることができる。よって、開閉扉65f1の上面の遊技球の個数から大当たりとなる期待度を遊技者に判断させることができる。
上記第1~第4実施形態、および第7実施形態では、閉鎖条件が異なる2種類の特定入賞口(右特定入賞口65a、左特定入賞口650a)を設ける構成とし、ラウンド数等に応じて開放させる特定入賞口の種別を切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。右特定入賞口65aのみを設ける構成とし、ラウンド数を判別して閉鎖条件(最大の入賞個数)を切り替える構成としてもよい。このように構成することで、左可変入賞装置650を削除することができるので、部品点数の削減によりパチンコ機10の原価率を低減することができる。
上記第1~第4実施形態、および第7実施形態では、最大の発射強度(発射速度)で遊技球を発射させることで、作動入賞口(第1~第3実施形態における作動入賞口660、第4実施形態における右作動入賞口661、左作動入賞口662)へと常時遊技球が入球可能となるように構成し、大当たり待機状態の間のみ作動入賞口への入球を有効と判定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態以外の状態では、物理的に作動入賞口へと入球不可能となるように構成してもよい。具体的には、例えば、作動入賞口用流路を閉鎖可能な電動役物を設ける構成とし、大当たり待機状態となってから作動入賞口へと遊技球が入球するまでの間のみ、電動役物を開放する構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり待機状態において作動入賞口への入球を検出したことに基づいて大当たりを開始させることができる。
上記各実施形態では、待機状態演出や右打ち期待度示唆演出等の演出態様の開始タイミングや態様の更新処理等を音声ランプ制御装置113側で制御する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110や、表示制御装置114において演出態様に関する制御を行う構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。なお、この場合は、通過検出センサ228を主制御装置110、または表示制御装置114に電気的に接続すればよい。これにより、演出態様に関する制御を他の制御装置に移植したとしても、チャンスメーターCMの態様の更新や、体力ゲージLGの態様の更新等を正確に実行できる。
上記第1~第4実施形態、および第7実施形態では、待機状態演出の実行中に開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を検出するための通過検出センサ228を設け、センサの検出結果に応じてチャンスメーターCMの態様を可変させることにより遊技者に対して開閉扉65f1の上面の遊技球数を把握させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面を撮影するための公知の撮影手段(例えば、ビデオカメラ等)を設ける構成とし、大当たり待機状態の間は、第3図柄表示装置81の表示画面の少なくとも一部に撮影手段により撮影した画像または映像を表示させる構成としてもよい。これにより、開閉扉65f1の上面における状況をより正確に遊技者に把握させることができる。
上記各実施形態では、開閉扉65f1の上面に、遊技球の進行方向が複数回可変されるつづら折り状の流路を形成することで、遊技球を連続して右打ちした場合に、大当たりの1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る個数の遊技球が開閉扉65f1の上面を同時に流下可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面につづら折り状の流路を形成するのに代えて、単に開閉扉65f1(および右特定入賞口65a)の幅を広げて遊技球が開閉扉65f1上を通過する際の距離を長くすることにより、1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る個数の遊技球が同時に流下可能となる構成としてもよい。また、この場合において、連続して右打ちをし続けた場合に同時に開閉扉65f1の上面を流下する遊技球の個数が、1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る構成としなくてもよい。例えば、開閉扉65f1の上面の幅(経路長)が、遊技球の直径に対して1ラウンド目における上限の入賞個数を乗じた長さを上回る長さとなるように構成してもよい。このように構成することで、例えば球詰まり等が生じて、開閉扉65f1の上面の遊技球が遊技盤13の下方に流下できなくなった場合に、右打ちにより開閉扉65f1の上面に1ラウンド目の上限個数以上の遊技球を予め到達させておくだけで、次に大当たりとなった場合に、1ラウンド目に上限個数以上の遊技球を同時に入球させることができる。なお、通常時に、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球が遊技盤13の下方に流下することを防止する遮蔽部材等を設ける構成としてもよい。即ち、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球は、大当たりとなるまで開閉扉65f1の上面に停留する構成としてもよい。このように構成した場合、大当たりとなる前に遊技球を右打ちしておくだけで、次に大当たりとなった場合に容易にオーバー入賞させることができる。
<第13実施形態>
上述した第9実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、特別図柄の抽選で外れの一種である小当たりとなって、当該小当たり遊技の間に遊技領域に設けられているV入賞口(特定領域)に遊技球が入球することによっても大当たりに当選する仕様を採用していた。また、上述した第9実施形態において、小当たりは第2特別図柄の抽選(第2入球口640への入球に基づく特別図柄の抽選)でのみ高確率で(例えば、9/10で)当選し得る(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が小当たりとなり易くなる)構成とし、且つ、遊技状態に応じて第2入球口640への入球し易さを可変させる構成としている。即ち、上述した第9実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになる確率は遊技状態によらず一定としておき、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放確率(普通図柄の当たりとなる確率)や、普通図柄の変動時間、開放時間等を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たりに当選する可能性を異ならせ、結果的に大当たりに当選する可能性を異ならせる構成(所謂、1種2種混合機の仕様)としていた。
これに対して、本第13実施形態では、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選し得る(第2特別図柄の抽選のほうが第1特別図柄の抽選よりも小当たりに当選し易いが、第1特別図柄の抽選で大当たり当選する確率よりも高い確率で小当たりに当選し得る)構成としている。
即ち、本第13実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合においても入球可能(設定される遊技状態に応じて入球のし易さが可変しない)な第1入球口64に球が入球したことに基づいて実行条件が成立する抽選(第1特別図柄の抽選)にて、小当たりに当選させ、当該小当たり遊技の間に遊技領域(小当たり遊技中に遊技球が入球可能となる可変入賞装置内)に設けられているV入賞口(特定領域)に遊技球が入球することによっても大当たりに当選(大当たり遊技の実行条件が成立)する仕様を採用している。即ち、本第13実施形態では、上述した第9実施形態に対して、第1特別図柄の抽選が主に実行される遊技状態である通常状態が設定されている状況においても複数の契機で大当たり遊技を実行させることが可能としている点で相違している。これにより、遊技者に対して、常時特別図柄の大当たり当選、或いは小当たり当選を期待させた状態で遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第13実施形態では、小当たり遊技中に可変動作される可変入賞装置の内部領域に、複数のV入賞口(特定領域)を設け、小当たり遊技期間中に球をV入賞口(特定領域)へと通過させるための遊技内容として、球がV入賞口(特定領域)へと到達し易い流路と、到達し難い流路と、を設けるように構成している。そして、設定されている遊技状態や、当選した小当たりの種別に応じて、小当たり遊技中におけるV入賞口(特定領域)への球の到達のし易さを異ならせるように構成している。
加えて、本第13実施形態では、1回の小当たり遊技中にV入賞口(特定領域)へと到達し得る球の数が必ず1個となるように構成している。これにより、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過し大当たり遊技が実行される頻度を抑制することが可能となる。よって、遊技者に対して大当たり遊技を過剰に実行してしまう事態の発生を抑制することができる。また、一度の小当たり遊技中に複数の球がV入賞口(特定領域)へと到達し得るルートに誘導されないように構成しているため、V入賞口(特定領域)へと到達し得るルートを流下する球1個当たりにおけるV入賞口(特定領域)への入賞率を高めることができる。
さらに、本第13実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技と、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選したことに基づいて実行される大当たり遊技とで、その大当たり遊技に基づいて遊技者に付与される特典量を異ならせるように構成している。具体的には、本実施形態では、特図1抽選において大当たりに当選した場合よりも、小当たりに当選した場合のほうが、実行される大当たり遊技に基づいて遊技者に付与される特典(大当たり遊技中に付与される賞球数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)が多くなる(遊技者に有利になる)ように構成している。
これにより、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過するか否かについて遊技者により興味を持たせることができる。また、本実施形態では、小当たり遊技中に球が入賞可能となる可変入賞装置内に複数(2つ)のV入賞口(特定領域)を配設し、可変入賞装置内に入賞した球を複数の流路に振り分け可能な振分手段を有している。そして、振分手段によって振り分けられた流路に応じて異なるV入賞口(特定領域)へと球が誘導されるように構成している。
さらに、可変入賞装置に入賞した球が各V入賞口(特定領域)に到達するまでに要する時間(流下時間)を異ならせるように各V入賞口(特定領域)へと誘導される各流路を形成している。これにより、小当たり遊技中に可変入賞装置に入賞した球を様々なタイミングでV入賞口(特定領域)に到達させることが可能となる。よって、小当たり遊技が終了するまで継続してV入賞に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、本第13実施形態では、可変入賞装置に入賞した球が流下する複数の流路の一つとして、球の流下時間を不定にする(遅らせる)ための遅延流路を設けている。そして、遅延流路を流下している球を遊技者が視認可能となるように構成している。また、遅延流路に複数の流出口を設け、その複数の流出口の一部にV入賞口(特定領域)を設けるように構成している。
これにより、遅延流路を流下している球がV入賞口(特定領域)を通過するか否かを遊技者に注視させることができる。また、遅延流路を設けることで、球が複数の流出口の何れかから流出するまでの期間を確保することができる。
本第13実施形態では、遊技状態として時短状態が設定されると、高確率(約1/2の確率)で小当たり当選する第2特別図柄の抽選が実行され易く(通常状態よりも実行され易く)なり、且つ、時短状態中に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、可変入賞装置に入賞した球が高確率(ほぼ100%)でV入賞口(特定領域)を通過するように構成している。そして、時短状態中に実行された大当たり遊技の終了後には通常状態が設定されるように構成している。さらに、第2特別図柄の抽選権利を記憶(保留記憶)可能に構成している。
つまり、本第13実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態が設定される大当たり遊技が実行された場合には、その後もう1回大当たり遊技が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者にとって有利な大当たり遊技(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技)が実行されたにも関わらず、その後、大当たり遊技が実行されること無く、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行してしまう事態が発生することを抑制することができる。また、時短状態中に大当たり条件(特別図柄抽選で大当たりに当選、或いは、小当たり遊技中にV入賞口(特定領域)を球が通過)が成立した場合は、その大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されるように構成している。よって、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が大当たり遊技を跨いで連続して設定されてしまい遊技者に過剰に有利な遊技が行われてしまうことを抑制することができる。加えて、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が連続して設定されることが無いため、1回の大当たり遊技において遊技者に付与される特典(大当たり遊技中に付与可能な賞球数)の量を多くすることができる。
加えて、本第13実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を保留記憶可能に構成しているため、時短状態中に大当たり条件が成立し、大当たり遊技が実行された後の通常状態にて、保留記憶されている数だけ第2特別図柄の抽選を実行することができるように構成している。よって、通常状態が設定された後も第2特別図柄の抽選で大当たり、又は小当たりに当選し、再度大当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。さらに、第2特別図柄にて小当たり当選した場合は、V入賞口(特定領域)に球を通過させ易い小当たり遊技が実行され、且つ、V入賞口(特定領域)を球が通過したことに基づいて実行される大当たり遊技の後には、時短状態が設定される(設定し易くなる)ように構成している。
これにより、通常状態中の大当たりと時短状態中の大当たりと、を1つのセットとして遊技者に提供可能な遊技性を構成することができ、遊技者に対して所定条件(時短状態が設定される大当たり条件)が成立した場合に、複数回の大当たり遊技を提供し易くすることができる。
<第13実施形態におけるパチンコ機10の盤面構成について>
次に、図269から図277を参照して、本第13実施形態におけるパチンコ機10の盤面構成について説明をする。本第13実施形態におけるパチンコ機10の盤面構成は、上述した第9実施形態におけるパチンコ機10の盤面構成に対して、遊技盤13上の遊技領域のうち、可変表示装置ユニット80の右側に形成される右側領域に設けられる装置を変更した点で大きく相違している。それ以外の構成(可変表示装置ユニット80の左側に形成される左側領域に設けられる装置など)については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、本第13実施形態では、遊技盤13上の遊技領域について、可変表示装置ユニット80の右側に形成される右側領域(可変表示装置ユニット80の上側の遊技領域を越えるように発射された球が流下可能な領域)と、可変表示装置ユニット80の左側に形成される左側領域(可変表示装置ユニット80の上側の遊技領域を越えないように発射された球が流下可能な領域)と、右側領域を流下した球と、左側領域を流下した球と、が共に流下可能な下側領域(アウト口66の上方付近の領域)と、に区分けして説明をする。また、右側領域を狙う遊技を右打ち遊技と称し、左側領域を狙う遊技を左打ち遊技と称して説明をする。
まず、図269を参照して、本第13実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の全体構成について説明をする。図269は、第13実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13を示す正面図である。図269に示した通り、本第13実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第9実施形態における遊技盤13の盤面構成(図186参照)に対して、抽選装置6750に替えて小当たり用入賞装置(可変入賞装置)10650が設けられている点、電動役物640aが付随する第2入球口640の構成に替えてゲート式電動役物10640aが付随する第2入球口10640が設けられている点、特殊MAX用V入賞口6752を削除した点で相違している。
小当たり用入賞装置10650は、上述した第9実施形態の抽選装置6750と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技球が入球可能な状態となる(即ち、開閉扉10650bが開放される)可変入賞装置として構成されている。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、1回の小当たり遊技にてラウンド遊技が1回実行されるように構成しており、1回のラウンド遊技にて開閉扉10650bが複数回開閉するように構成している。なお、本実施形態の構成とは異なり、1回のラウンド遊技にて開閉扉10650bを1回だけ開状態にするように構成しても良い。
さらに、小当たり用入賞装置10650は、上述した小当たり遊技中に入賞した球が通過し得るように、その内部に複数のV入賞口(特定領域)を有している。つまり、小当たり用入賞装置10650は、可変入賞装置の機能に加え、大当たり条件を成立させるための機能を有している装置となる。詳細な説明は、図270以降を参照して後述するが、この小当たり用入賞装置10650に入賞した球は、2つのV入賞口(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)、又は、3つのアウト口(アウト口10654,10680a,10680b)の何れかに入球し、遊技盤13の外部へと排出されるように構成している。
なお、本第13実施形態では、小当たり遊技中に球が小当たり用入賞装置10650に入賞した場合には、その入賞した球が何れのV入賞口(特定領域)、或いは、アウト口に入球したとしても同一価値の賞球(3個)を付与するように構成している。よって、小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技中に遊技者に付与される賞球数を、その小当たり遊技結果に関わらず一定にすることができるため、遊技者は、小当たり遊技中に獲得する賞球数の大小を気にすること無く、入賞した球がV入賞口(特定領域)に通過するか否かに注視して遊技を行わせることができる。
上述した第13実施形態の構成とは異ならせて、例えば、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が入球する入球口の種別(V入賞口、アウト口)に応じて遊技者に付与される賞球数の数を異ならせるように構成しても良く、例えば、V入賞口に入球した場合に、アウト口に入球するよりも多くの賞球が遊技者に付与されるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技中にV入賞口(特定領域)に球を入球させた場合には、V入賞口(特定領域)に球を入球させることが出来なかった場合に比べて、大当たり遊技の実行の有無に加え、小当たり遊技中に付与される賞球の数までも遊技者に有利な状態となるようにすることができる。このように、小当たり遊技の遊技結果に応じて遊技者に付与される特典(大当たり遊技、小当たり遊技中の賞球)の差が大きくなるように構成することにより、より多くの特典を得ようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した構成とは異なり、アウト口に入球した場合にV入賞口に入球した場合よりも、多くの賞球が遊技者に付与されるように構成しても良い。このように構成することにより、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球しなかった場合においても、所定数の賞球(V入賞口に入球した場合よりも多くの賞球)を遊技者に付与することが可能となるため、V入賞口(特定領域)に球を入球させることができなかった小当たり遊技が連続した場合であっても、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
本第13実施形態における小当たり用入賞装置10650の内部には、回転体10652が設けられており、小当たり用入賞装置10650に入賞し、第1流路10651aを流下した球が受け入れられるように構成している。この回転体10652は、小当たり用入賞装置10650に入賞した球のうち、V入賞口(特定領域)へと入球し得る流路(第2流路10652)に流下させる球数を制限するための制限手段の機能を有しており、小当たり遊技の開始を契機に予め定められた規則に従って回転駆動するように構成している。なお、回転体10652の詳細な説明は、図270以降を参照して後述する。
そして、第2流路10651bを流下する球は、可動片10653の開閉状況に応じて直V入賞口10657に入球可能な流路、或いは、役物ルートV入賞口10677に入球可能な流路の何れかに振り分けられる。ここで、直V入賞口10657に入球可能な流路には、直V入賞口10657以外に球が入球可能な入球口が設けられていない。つまり、球が直V入賞口10657に入球可能な流路に振分られた時点で、球がV入賞口(特定領域)に入球することが確定するように構成している。なお、本第13実施形態では、上述した回転体10652の作動により第2流路10651bに到達した球が直V入賞口10657へと入球するのに要する期間が約1秒となるように構成している。
一方、役物ルートV入賞口10677に入球可能な流路に振り分けられた球は、役物ルート10670を流下し、可変表示装置ユニット80の下側に設けられた役物装置10675へと誘導される。この役物装置10675の具体的な構成については図275を参照して後述するが、役物装置10675には、転動する球の挙動を不規則にするための転動装置と、その転動装置から排出された球が入球可能な1つのV入賞口(役物ルートV入賞口10677)と、2つのアウト口(10680a,10680b)とが設けられている。
転動装置は、すり鉢状に形成された転動体と、その転動体上に設けられた転動面を転動する球と衝突可能に形成された羽根部材を有する常時回転体10675aと、から構成されており、転動面を転動している球が常時回転体10675aと衝突し、球に対して不規則な力が付与されることにより、球の挙動を可変させながら転動面を転動している球が1つのV入賞口(役物ルートV入賞口10677)、或いは、2つのアウト口(10680a,10680b)の何れかに入球するように構成している。なお、本第13実施形態では、役物装置10675に到達した球の1/4がV入賞口へ、残りの3/4がアウト口(10680a,10680b)へ入球するように入球割合が設定されている。なお、本第13実施形態では、上述した回転体10652の作動により第2流路10651bに到達した球が役物装置10675へと到達するのに要する期間が約2秒となるように構成している。そして、役物装置10675内の転動体上の転動面を転動した後に役物ルートV入賞口10677に入球するまでの期間は不定(約1秒~約100秒)となるように構成している。
つまり、本第13実施形態では、小当たり用入賞装置10650内に2つのV入賞口(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)のそれぞれに入賞し得る流路を構成し、直V入賞口10657に入賞し得る流路を流下した球は確実にV入賞口(特定領域)に入球し、役物ルートV入賞口10677に入賞し得る流路を流下した球は約1/4の割合でV入賞口(特定領域)に入球するように構成されている。そして、直V入賞口10657に球が入球するまでの期間よりも、役物ルートV入賞口10677に球が入球するまでの期間のほうが長くなるように構成している。
このように構成することで、確実に球がV入賞口(特定領域)に入球する場合には、その結果を短時間で遊技者に報知可能とすると共に、約1/4の確率でV入賞口(特定領域)に入球する場合には、球がV入賞口(特定領域)に入球するか否かについて時間を掛けて楽しませることができる。さらに、役物装置10675内では、転動装置によって球の挙動が不規則となるように構成し、且つ、球が転動装置から排出されるまでの期間が不定となるように構成している。そして、役物ルートV入賞口10677に球が入球するか否かが転動装置の転動面上を転動する球の挙動によって決定するように構成している。
よって、球がどのような挙動でどれくらいの期間転動するのかを遊技者に注視させながら、遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細な構成についての説明は後述するが、本第13実施形態では、小当たり当選した特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)、及び、小当たり当選時の遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、小当たり遊技中に球が直V入賞口10657に入賞可能な流路に振り分けられるか、役物ルートV入賞口10677に入賞可能な流路に振り分けられるかを可変設定するように構成している。具体的には、時短状態中に実行される第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合に、その小当たり遊技にて小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞可能な流路へ振り分けられ易く(他の条件で小当たり当選した場合よりも振り分けられ易く)なるように構成している。
即ち、上述した通り、本実施形態は時短状態中に第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように構成しており、第2特別図柄の抽選では第1特別図柄の抽選よりも小当たりに当選する確率が高くなる(約1/2の確率で小当たり当選する)ように構成している。そして、時短状態が特別図柄の抽選(変動)が100回実行されるまで継続するように構成している。よって、時短状態が設定された場合の殆どが、その時短状態が終了するまでに次の大当たり遊技が実行される。このように、次回の大当たり遊技が約束されている時短状態においては、効率良く大当たり遊技が実行させるために、小当たり遊技中に球が役物ルートV入賞口10677に入賞可能な流路に振り分けられ難く構成しているため、遊技をスムーズに行わせることができる。
遊技盤13の右側領域に発射された球は、右側流路10600を流下し、S字状に形成された蛇行流路10600aを流下する。この蛇行流路10600aの最上流部に小当たり用入賞装置10650の開閉扉10650bが配設され、小当たり遊技によって開閉扉10650bが開状態である場合には、右打ち遊技によって右側領域に発射された球が小当たり用入賞装置10650に入賞する。一方、開閉扉10650bが閉状態である場合は、開閉扉10650bの上面が蛇行流路10600aの一部となり、球が開閉扉10650bの上面を転動して蛇行流路10600aを流下する。
蛇行流路10600aの流出口10600bから流出した球は、遊技盤13に植設された釘によって約1/2の球が普図入賞口10067に入球し、残りの1/2の球が、ゲート式電動役物10640aが配設されている領域へと流下するように構成している。普図入賞口10067は、普通図柄の抽選契機となる入賞口であって、球が入球した場合に、普通図柄の抽選条件が成立すると共に、1個の賞球が遊技者に払い出されるように構成している。このように、普通図柄の抽選契機となる構成を、球が通過可能なゲート形状では無く、球が入球する形状にすることにより、普通図柄の抽選契機を成立させた球によって、他の特典が付与されることを抑制することができる。
ゲート式電動役物10640aは、普通図柄の抽選で当たりに当選した場合に作動する電動役物であって、通常は遊技盤13に埋設された待機状態に位置し、普通図柄の抽選で当たり当選(普図当たりに当選)した場合に、遊技盤13から突出した誘導状態へと作動する。誘導状態へと作動したゲート式電動役物10640aは遊技領域を流下する球を受け止め可能となり、ゲート式電動役物10640aの上面で受け止めた球を第2入球口10640に向けて誘導するように流下させるべく、その上面が第2入球口10640側の一端側に向けて下り傾斜するように構成している。
詳細な構成については、図277を参照して後述するが、通常状態において普図当たりに当選した場合には、通常普図当たり遊技としてゲート式電動役物10640aを短時間(0.2秒)作動させ、時短状態において普図当たりに当選した場合には、時短普図当たり遊技としてゲート式電動役物10640aを長時間(2秒)作動させるように構成しており、ゲート式電動役物10640aは、その上面を球が通過するのに約0.8秒要するように構成している。よって、通常状態中に普図当たりに当選したとしても球が第2入賞口10640に入球することが無い。
待機状態のゲート式電動役物10640aを通過した球、或いは、誘導状態中のゲート式電動役物10640aの上面を流下し、第2入賞口10640に到達する前にゲート式電動役物10640aが待機状態となり、下方に落下した球は、大当たり用可変入賞装置10065に向けて流下するように構成している。そして、大当たり用可変入賞装置10065に入賞しなかった球はアウト口66に流入し、排出口(図示せず)からパチンコ機10の外部へと排出される。
次に、本実施形態における遊技盤13の右側領域の詳細な構成について、図270から図277を参照して説明をする。まずは、小当たり用入賞装置10650近傍の構成について、図270~図274を参照して説明をする。図270は、遊技盤13の右側領域のうち小当たり用入賞装置10650近傍を拡大した拡大図であり、図271は小当たり遊技中に球が回転体10652の貯留部に貯留されている状態における球の挙動を示した図であり、図272は、回転体10652が作動し、球が役物ルートV入賞口10677に入賞可能な流路へと振り分けられた状態における球の挙動を示した図であり、図273は、回転体10652が作動し、球が直V入賞口10657に入賞可能な流路へと振り分けられた状態における球の挙動を示した図である。そして、図274は、回転体10652の構造を詳細に示すための部分断面図である。
図270に示した通り、開閉扉10650bの下方には、開閉扉10650bと転動壁10650fとの間に第1流路10651aが形成されている。転動壁10650fは、開状態となった開閉扉10650bから流入した球が回転体10652に向けて流下するように、回転体10652方向(図270の視点で左下方向)に向けて下り傾斜するように構成されている。そして、転動壁10650fの下流端が回転体10652の上方に臨む位置となるように構成されており、転動壁11650fの下流端部から排出された球は、球の半径(5.5ミリ)よりも高い15ミリの落差を回転体10652に向けて流下するように構成しており、開状態である開閉扉10650bから流入した球が第1流路10651aを流下して、回転体10652に到達するまでの期間が0.5秒となるように構成している。
第1流路10651aは、球が1個流下可能な程度の空間(図270視点で奥行き方向が約15ミリ、高さ方向が約15ミリ)を有した状態で開閉扉10650bと略平行に形成されており、開閉扉10650bから流入した球が1列に整列した状態で第1流路10651aを流下するように構成している。
転動壁10650fの下流端位置は、開閉扉10650bの下流端位置よりも回転体10652方向に延設されており、転動壁10650f下流端部の上方(垂直方向の上側)にリブ10650cが設けられている。このように構成することで、小当たり遊技となり、開状態となった開閉扉10650bに入賞した球が転動壁10650f上を転動すること無く直接回転体10652に到達することを抑制している。よって、球が勢いよく回転体10652に衝突することにより回転体10652が破損してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。また、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、小当たり遊技中に開閉扉10650bが短い期間(例えば、0.2秒)の開放動作を繰り返し実行するように構成しており、1回の開放動作中に複数の球(3つ以上の球)が小当たり用入賞装置10650に入賞し難くなるように構成している。これにより、大量の球が一度に入賞してしまい、第1流路10651aにて球詰まりが発生することを抑制することができる。
なお、図示は省略しているが、開閉扉10650bの上面には流下遅延部材が設けられており、球が開閉扉10650bの上面を通過するのに要する時間が、小当たり遊技中に複数回開閉される開閉扉10650bにおける1回の閉状態期間(例えば、0.3秒)よりも長くなるように構成している。これにより、小当たり遊技中に右打ち遊技によって発射された球を高確率で小当たり用入賞装置10650に入賞させることができる。よって、短い間隔で開閉扉10650bを開閉動作する小当たり遊技を設定したとしても、遊技者に不利な状態(小当たり遊技中に球が入賞しない状態)が発生し難く、且つ、入賞した球を円滑に処理することができる。
回転体10652は、第1流路10651aを流下した球が到達可能な位置に配設されており、図示しない電気的駆動源(モータ等)の駆動力によって予め定められた規則に従って初期位置と作動位置とに回動可能に構成している。図270では、初期位置に位置している回転体10652が示されており、所定の作動条件が成立した場合に、図271を参照して示すように左方向に90度回転した作動位置へと回動するように構成している。本実施形態では、回転体10652が一方の位置(例えば、初期位置)から他方の位置(例えば、作動位置)へと可変される場合の作動時間が0.1秒となるように構成しており、何れの回動方向に対しても同一の速度で回動するように構成している。
なお、回転体10652の可変内容(回動内容)については、本実施形態で用いた構成以外を用いても良く、例えば、回転体10652が初期位置から作動位置へと可変する際の可変期間(作動期間)と、作動位置から初期位置へと可変する際の可変期間を異ならせても良い。この場合、初期位置から作動位置へと回転体10652を可変させる場合よりも、作動位置から初期位置へと回転体10652を可変させる場合のほうが、可変期間(作動時間)が長くなるように構成しても良い。
回転体10652の貯留部10652aに球が貯留されていない(されている可能性が低い)場合には、可変期間(作動時間)を短くし、回転体10652の貯留部10652aに球が貯留されている(貯留している可能性が高い)場合には、貯留部10652aに貯留されている球が飛び出ないように可変期間(作動時間)が長くなるように構成しても良い。
回転体10652には、球を1個貯留可能な貯留部10652aが形成されており、回転体10652が作動位置に位置している場合には、第1流路10651aから流出した球を1個貯留可能に構成している。一方、図270に示した通り、回転体10652が初期位置に位置している状態では、第1流路10651aから流出した球が貯留部10652aに貯留されること無く、回転体10652の上方に形成された第1流入口10651bに流入し、アウト流路10651baを流下(流下時間0.5秒)し、アウト口10654に入球する。
このアウト口10654に球が入球すると、小当たり用入賞装置10650内に設けられた他の入賞口と同一の賞球(3個)が払い出されると共に、入球した球がパチンコ機10の外部へと排出されるように構成している。また、アウト流路10651ba内にはアウト流路10651baを通過した球を検知するためのアウトセンサSZaが設けられており、小当たり用入賞装置10650に入賞した全ての球数を計測可能な入賞センサSZ0により計測された球の入賞数に対応した球数が小当たり用入賞装置10650から排出されたかを判別する際に参照される。また、アウトセンサSZaは、上述した各実施形態で用いられる近接センサと同一の仕様で構成されており、球が近接センサの検知範囲を通過するのに十分な所定期間(例えば、1秒)以上連続して球を検知しているか否かを判別することにより球アウト流路10651ba内の球詰まりを監視可能に構成している。
図270に示した通り、回転体10652が初期位置に位置している場合には、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が、全て第1流入口に流入し、アウト口10654に入球するように構成しているため、例えば、不正に開閉扉10650bを開放させ球を入賞させる遊技が行われたとしても、入賞した球がV入賞口(特定領域)へ入賞し得る流路を流下することが無い。よって、パチンコ機10に対して不正行為が実行されることを抑制することができる。
回転体10652の右下方向には第2流路10651c(流下期間1秒)が形成されており、その下流端部には可動片10653が配設されている。この可動片10653は、図示しない電気的駆動源(ソレノイド等)の駆動力によって小当たり遊技の開始を契機に予め定められた規則に従って閉鎖位置と、開放位置とに可変可能に構成されている。可動片10653は、電気的駆動源(ソレノイド等)の駆動力を受けていない状態(初期状態)では、遊技盤13から突出した閉鎖位置に位置するように構成しており、電気的駆動源(ソレノイド等)の駆動力を受けることにより遊技盤13に埋没する解除位置へと可変するように構成されている。
そして、図270に示した通り、可動片10653が閉鎖位置に位置している場合は、第2流路10651cを流下した球が閉鎖位置に位置する可動片10653に衝突し、第2流入口10651dに流入するように構成している。第2流入口10651dに流入した球は役物ルート用流路10651daを流下して、役物装置10675(図269参照)に向けて誘導される。この役物ルート用流路10651da内には役物ルート用流路10651daを通過した球を検知するための役物ルートセンサSZ2が設けられており、上述したアウトセンサSZaと同様に、通過した球の数、及び、流路内の球詰まり状況を判別する際に用いられる。この役物ルートセンサSZ2は、第2流入口10651dに入球した球が役物ルート用流路10651daを0.7秒流下した際に通過する位置に配設されている。
詳細な説明は省略するが、第2流路10651cを流下した球は可動片10653の可動状況に応じて異なる流路(直V流路10651e、役物ルート用流路10651da)に振り分けられるように構成しており、球が開放状態である可動片10653を通過し、直V入賞口10657に入賞するまでに要する期間が0.5秒、閉鎖状態である可動片10653に衝突し、役物ルートセンサSZ2を通過するまでに要する期間が0.7秒となるように構成している。そして、球が直V入賞口10657に入賞した場合、または、球が役物ルートセンサSZ2を通過した場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に専用の画面が表示されるように構成している(図283参照)。
つまり、小当たり用入賞装置10650に入賞にした球が回転体10675aの作動によって第2流路10651cを流下した場合において、直V入賞口10657に入賞したことを報知するための表示画面(図283(a)参照)が表示されるタイミングよりも、役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知したことを報知するための表示画面(図283(b)参照)が表示されるタイミングのほうが遅くなるように構成している。このように構成することにより、小当たり用入賞装置10650に入賞した球がどの流路を流下したのか、具体的には、球が直V入賞口10657に入球することを期待しながら第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様を注視する遊技者に対して、直V入賞口10657に球が入賞したことを報知するための表示画面が表示され得るタイミングが到来するまでに、球が役物ルートセンサSZ2を通過したことを、即ち、球が直V入賞口10657に入賞しなかったことを報知するための表示画面が表示されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して、直V入賞口10657に球が入賞し得るタイミングが到来するまでの間、期待感を抱かせながら第3図柄表示装置81の表示態様に対して興味を持たせることができる。
以上、説明をした通り、本第13実施形態の小当たり用入賞装置10650は、その内部に、小当たり遊技の開始(小当たり遊技のオープニング期間の開始)を契機に予め定められた規則に従って可変する複数の可変手段(回転体10652、可動片10653)を設け、小当たり用入賞装置10650に球が入賞したタイミングに応じて、入賞した球を異なる流路(アウト流路10651ba、役物ルート用流路10651da、直V流路)へと振り分けるように構成している。
そして、小当たり遊技が実行されていない期間は、小当たり用入賞装置10650内の複数の可変手段が遊技者に不利となる流路へ球が振り分けられる位置に位置するように構成しているため、小当たり遊技中で無いにも関わらず、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させる不正行為を抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した複数の可変手段が、何れも2つの位置の間を可変可能な構成としているが、これに限ること無く、3つ以上の位置に可変可能な構成を用いても良い。例えば、可動片10653を、役物ルート用流路10651daに球を振り分ける第1位置と、直V流路10651eに球を振り分ける第2位置と、パチンコ機10の外部に球を排出するためのアウト口に球を振り分ける第3位置とに可変可能に構成し、可動片10653に対して電気的駆動源(ソレノイド等)が駆動力を付与していない場合には、第2流路10651cを流下した球がアウト口へと振り分けられる第3位置に位置するように構成すると良い。この場合、アウト口に球が入球した場合には、賞球が付与されないように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中以外に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる不正行為が行われることをより抑制することができる。また、このように小当たり遊技中以外に球が小当たり用入賞装置10650に入賞した場合のみ球が流下可能となる流路を設けた場合には、その流路に球を検知するための検知手段(近接センサ)を設け、その検知手段が球を検知した場合に異常報知を行う異常報知手段を設けると良い。
次に、小当たり遊技中における小当たり用入賞装置10650内の球流れについて、図271から図273を参照して説明をする。まず小当たり遊技が開始されると、所定のオープニング期間(0.5秒、又は5秒)が経過した後に、開閉扉10650bが開状態(図271では点線状態)へと可変制御されるラウンド遊技期間が設定される。このラウンド遊技期間中は、開閉扉10650bが開状態と閉状態とを予め定められた規則に従って可変するように構成しており、ラウンド遊技期間中に右打ち遊技で右側領域に発射された球が開状態である開閉扉10650bから小当たり用入賞装置10650内へと入賞する。
図271に示すように、小当たり用入賞装置10650内の第1流路10651aを流下(流下時間0.5秒)した球ta1は、作動位置に位置している回転体10652の貯留部10652aに受け入れられ、回転体10652が初期位置(図272参照)へと回動されるまで貯留される。この状態において次に入賞した球ta2は、貯留部10652aに貯留されている球ta1に衝突した後に、第1流入口10651bに流入し、アウト流路10651baを流下(流下時間0.5秒)してアウト口10654に入球する。
ここで、図274を参照して、回転体10652と、第1流入口10651bとの関係について説明をする。図274(a)は、回転体10652が作動位置に位置している状態における断面図であり、図274(b)は、回転体10652が初期位置に位置している状態における断面図である。図274(a)に示した通り、回転体10652は遊技盤13の表面よりも突出して設けられており、遊技盤13側(図271の視点で奥側)の後面部10652cと、ガラスユニット16側(図271の視点で手前側)の前面部10652dとの間を切り欠くように貯留部10652aが形成されている。
この貯留部10652aは、球を1個貯留可能な程度の空間を有しており、貯留部10652aの入口側(前面部10652dの上端部と、後面部10652cの上端部との間の領域)よりも、底面10652bがガラスユニット16側(図271の視点で手前側、図274の視点で左側)に位置するように直方体状に形成されている。
このように構成することで、第1流路10651aから流入した球をスムーズに貯留部10652aで貯留させることができる。また、貯留された球ta1は底面10652aの傾斜に沿って貯留部10652aの後面部10652cと当接する位置に維持され、球ta1と、前面部10652dの内側面との間に隙間SK1が形成される状態となる。
この状態に維持される球ta1に対して、第1流路10651aから流出した球ta4が衝突すると、後面部10652cの厚み分遊技盤13から離間した位置に維持される球ta1の中心位置よりも、球ta2の中心位置が遊技盤13側にずれた状態(間隔SK2が生じた状態)で球ta1と球ta2とが衝突することになる。そして、球ta1は中心位置よりも遊技盤13側(図274の視点で右側)に衝突した球ta2から受ける力によって、前面部10652d側へと移動する(矢印Y1方向に移動する)。このように、貯留部10652aを隙間SK1が形成される程度の大きさに構成することにより、球ta1に対して球ta2が衝突した際に、球ta1を前面部10652d側へと移動させることができるので、球ta1と球ta2とが衝突した際に生じる力を分散することができ、衝突後の球ta2に加わる力を弱めることが可能となる。よって、球ta2が大きく跳ね返ってしまい、第1流路10651a近傍で球詰まりが生じてしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、球ta1が前面部10652d側(矢印Y1方向)に移動することにより、球ta1の中心位置と、球ta2の中心位置との距離が、間隔SK2よりも広がるため、球ta2が第1流入口10651bにより流入し易くすることが可能となる。加えて、本第13実施形態では、回転体10652の貯留部10652aを構成する前面部10652dの上端位置が、後面部10652cの上端位置よりも高くなるように構成している。これにより、球ta1が球ta2との衝突により矢印Y1方向に移動したとしても球ta1が貯留部10652aから溢れてしまうことを抑制している。また、後面部10652cの上端位置が貯留部10652aに貯留されている球ta1の上端位置よりも低くなるように構成し、球ta1に衝突した球ta2が矢印Y2方向に向けて流下する際に後面部10652cの上端と接触しないように構成している。これにより、第1流入口10651bへと球を円滑に流入させることができる。
次に、図274(b)を参照して、回転体10652が初期位置に位置している場合の構成について説明をする。図274(b)に示した通り、回転体10652は、断面視で遊技盤13側(後面部10652c)のほうが、ガラスユニット16側(前面部10652d)よりも狭い台形状に形成されており、初期位置に位置している回転体10652に対して第1流路10651aから流出した球が衝突した場合には、回転体10652の外壁面に形成された傾斜に沿って球が第1流入口10651bに向けて流下するように構成している。上述した通り、本第13実施形態における回転体10652は、作動位置に位置し貯留部10652aに球を貯留している場合も、初期位置に位置している場合も、次に到達する球を円滑に第1流入口10651bへと誘導することが可能となるため、小当たり用入賞装置10650内の球流れを円滑にすることができる。よって、小当たり遊技中に球詰まりが発生してしまい遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
図271に戻り説明を続ける。回転体10652は、小当たり遊技中以外は、初期位置(図270参照)に位置し、小当たり遊技が開始(小当たり遊技のオープニング期間が開始)してから、0.5秒後に作動位置(図271参照)へと可変し、作動位置を3秒間維持(第1作動)するように規定されている。そして第1作動の終了後には初期位置で2秒間待機し、その後、作動位置を5秒間維持(第2作動)し、第2作動後に初期位置へと移動するように構成している。そして、作動位置を維持する期間が経過すると、図271に示した状態(作動位置)から図272に示した状態(初期位置)へと移行する。
図272に示した通り、回転体10652が作動位置から初期位置へと可変されると、貯留部10652aに貯留されていた1個の球ta1が第2流路10651cを流下(流下時間1秒)し、第2流路10651cの下流端側に配設された可動片10653に到達する。図272では、球ta1が可動片10653に到達した状態において、可動片10653が閉鎖位置(閉状態)であるため、可動片10653の上方に設けられた第2流入口10651dに球が流入し、役物ルート用流路10651daを役物装置10675に向けて流下する。なお、詳細な説明は省略するが、可動片10653の構成も、上述した回転体10652と同様に第2流入口10651dに球が振り分けられ易い構成を用いており、球が可動片10653上方で詰まることが無いように構成している。
一方、第2流路10651cを流下した球が可動片10653に到達した状態において、可動片10653が解除位置に位置している場合には、図273に示した通り、解除位置に位置する可動片10653を通過し、直V流路10651eを流下(流下時間0.5秒)し、直V入賞口10657に入賞することになる。
次に、図275、及び図276を参照して、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルート用流路10651daを流下した場合に誘導される役物装置10675の詳細な構成について説明をする。図275(a)は、役物装置10675を正面視した拡大図であり、図275(b)は、役物装置10675を平面視した拡大図である。そして、図276(a)、及び図276(b)は、役物装置10675内の転動面を球が転動している場合における球の挙動を模式的に示した模式図である。
図275(a)に示した通り、小当たり用入賞装置10650の役物ルート用流路10651daを流下した球は、役物ルート10670を流下し、転動装置10675cの転動面10675dに排出される。この転動装置10675cは、すり鉢形状に形成されており、その中心部(最も窪んだ箇所)に常時回転体10675aが設けられている。
役物ルート10670の下流側は、転動面10675dに沿って流出口10670aから球を排出させるために、屈曲形成されており、図275(b)に示した通り、転動装置10675cの奥行き方向(図275(b)視点で上側方向)に向けて流出口10670aが形成される。これにより、役物ルート10670から勢い良く排出された球は、転動面10675d上で左回りの弧を描くように転動し、徐々に転動面10675dの中心側に向かって渦巻き状に転動する。
そして、中心部の近傍に到達した球は、常時回転体10675aの羽根部材10675bと衝突し、転動装置10675cの外周壁方向に向かって弾かれる。本実施形態では、常時回転体10675aが右回りに回転し、役物ルート10670から排出された球が左回りに転動するように構成している。これにより、球が常時回転体10675aの羽根部材10675bに衝突した際に大きな力が掛かるため、衝突後の球を勢いよく転動装置10675cの外周壁方向に向けて弾かせることが可能となる。この常時回転体10675aの羽根部材は、耐久性に優れた樹脂(例えば、ABS)で構成されており、球との衝突により係る衝撃に耐える強度を備えている。
また、転動面10675dには、円弧状の溝が複数形成されており、転動面10675dに存在する球が外周壁側から中心側に向けて直線状に流下し難くなるように構成している。これにより、球の挙動をより不規則にすると共に、転動面10675d上を円弧状に転動する球の勢いを維持し易くすることができる。さらに、転動面10675dの手前側(図275(b)の視点では下側)には、球が入球可能な入球口として、アウト口10680a,10680bと、役物ルートV入賞口10677とが設けられており、転動面10675dを転動する球が各入球口に入球し難くするために第1規制壁10670b、第2規制壁10670c、第3規制壁10675e、第4規制壁10675fが設けられている。
第1規制壁10670b、第2規制壁10670cは、転動面10675dのうち、上流側(外周壁側)を転動する球の挙動を規制するものであって、第2規制壁10670cに沿って転動した球は、その転動方向が転動面10675dの中心側に向けて規制され、第1規制壁10670bに向けて転動することになる。このように、転動装置10675c自体は、平面視で略正円形状(図275(b)参照)であって、その中心位置に常時回転体10675aを備えたすり鉢形状(図275(a)参照)に構成されているが、その中で球が転動可能な範囲が第1規制壁10670b、第2規制壁10670cによって規制され、転動装置10675cの中心位置に対して偏心楕円形状となるように構成している。このように構成することで、球が転動装置10675cの中心位置に対して正円弧状に転動可能となるように転動面10675dを設けた場合に比べて、球が常時回転体10675aの羽根部材10675bと接触するタイミングや、接触時の球の勢いにばらつきを持たせることが可能となるため、転動面10675dを転動する球の挙動に幅を持たせ易くすることができる。よって、転動面10675d上の球の挙動に注視している遊技者に対して予測困難な球の挙動を提供することが可能となり、どの入球口に球が入球するのかを分かり難くすることができる。
第3規制壁10675e、及び第4規制壁10675fは、常時回転体10675aの羽根部材10675bによって弾かれた球がいずれかの入球口に入球し難くするための規制壁であって、各アウト口と役物ルートV入賞口10677との間に設けられている。本実施形態では、転動面10675dを転動する球のうち、約1/4が役物ルートV入賞口10677に入球し、残りの3/4が左右のアウト口(アウト口10680a、アウト口10680b)に入球するように構成している。
さらに、本実施形態では、転動面10675dのうち、最も低い位置(最も窪んだ位置)に常時回転体10675aを設け、転動面10675dのうち、最も高い位置(外周壁側)に各入球口を設けるように構成している。よって、最終的に何れかの入球口に入球する球は、転動面10675dを上るように転動することになる。よって、常時回転体10675aが設けられている位置と同じ高さ位置に入球口を設ける構成に比べて、球が入球する際の転動速度を弱めることが可能となる。これにより、遊技者が認識不可能な速度で球が入球口に入球してしまうことで遊技者に分かり難い遊技を提供してしまうことを抑制すると共に各入球口が破損することを抑制することができる。
加えて、転動面10675dのうち、最も低い位置(最も窪んだ位置)に常時回転体10675aを設け、転動面10675dのうち、最も高い位置(外周壁側)に各入球口を設けるように構成しているため、故障により常時回転体10675aが回転しなくなった場合には、球が転動装置10675cの中央位置に滞留し、各入球口に入球することが無いように構成している。
このように構成することで、例えば、パチンコ機10に電源が投入されている間、常時回転している常時回転体10675aが、故障して停止している場合といった正常では無い状態において、役物ルート10670から排出された球が転動装置10675cから排出されてしまう(何れかの入球口に入球してしまう)ことを抑制することができる。また、転動装置10675c内を球が転動している際中に停電が発生し、常時回転体10675aの駆動が停止した場合において、その停電中に球が入賞口に入賞してしまうことを抑制することができる。
次に、図276を参照して、転動装置10675cの転動面10675dを転動する球の挙動について説明をする。図276(a)は、転動面10675dを転動した球が役物ルートV入賞口10677へと入球する場合の球の挙動を模式的に示した模式図であって、図276(b)は、転動面10675dを転動した球がアウト口10680aに入球した場合の球の挙動を模式的に示した模式図である。
図276(a)に示した通り、役物ルート10670の排出口10670aから転動面10675dに向けて排出された球は、転動面10675d上を円弧状に転動(水平転動)し、第2規制壁10670cに衝突し、転動面10675dの中心部に向けて転動(下降転動)する。そして、回動している常時回転体10675aの羽根部材10675bと衝突し、その衝撃で第4規制壁10675fに向かって転動(上昇転動)し、第4規制壁10675fと衝突した後に、再度転動面10675dの中心部に向けて転動(下降転動)する。そして、1回目の羽根部材10675bと衝突した地点とは異なる地点で、常時回転体10675aの羽根部材10675bと再度衝突し、その衝撃で第3規制壁10675eと第4規制壁10675fとの間に形成されたV入賞口10677の開口部に向かって転動(上昇転動)し、V入賞口10657に入賞する。
上述した通り、本実施形態では、転動装置10675cの転動面10675dに球が排出される際に、排出された球がすり鉢状に形成された転動面10675dのうち、常時回転体10675aと接触することの無い高さ位置で水平方向に転動するように排出口10670aが形成されている。これにより、転動面10675dに排出された球が常時回転体10675aに最初に衝突するまでの期間を長くすることができる。また、本実施形態では、転動面10700a上に水平方向に溝が設けており、その溝上を球が転動することにより、球が水平方向に転動し易くなるように構成している。なお、この溝は、常時回転体10675aの羽根部材10675bと衝突した球が上昇転動する際に、転動している球に対して不規則に摩擦力を付与する構成にもなる。つまり、水平転動している球に対しては現状の転動を維持させ易くし、上昇転動している球に対しては、現状の転動を維持し難く(転動速度を落とす、転動方向を可変させる)することが可能な機能を有している。
さらに、本実施形態では、正円形状で形成された転動面10700aの内壁から中心方向に突出する複数の規制壁10675b~10675fが形成されており、常時回転体10675aの羽根部材10675bと衝突した球の転動方向(上昇転動方向)によって、次に衝突する壁(転動装置10675cの内壁、規制壁10675b~10675f)までの距離が異なるように構成している。このように構成することで、羽根部材10675bと衝突した後の転動方向(羽根部材10675bと衝突する位置)に応じて、球の挙動を異ならせ易くすることができる。
加えて、本実施形態では、転動面10700aのうち、各入球口が設けられている側(図276の視点で下半分側)の斜面を上昇転動している球が衝突し得る規制壁10675b~10675fの球衝突面形状が、各入球口が設けられていない側(図276の視点で上半分側)に向かって衝突した後の球が転動するように形成されている。これにより、転動面10700aを転動している球が各入球口に入球し難くなるため、転動装置10675c内の球転動時間を長くすることができる。なお、本実施形態の構成に限ること無く、転動装置10675c内に設けられた規制壁の形状を、衝突した後の球が各入賞口に向かって転動し得るようにする誘導機能を有した形状としても良い。このように構成することで、各入球口に入球可能な球の転動経緯として、常時回転体10675aの羽根部材10675bに衝突した後の上昇転動に加え、規制壁に衝突した後の誘導転動を加えることが可能となるため、転動経緯を増加させることにより遊技興趣を向上させることができる。
次に、図276(b)に示した通り、役物ルート10670の排出口10670aから転動面10675dに向けて排出された球が、転動面10675d上を円弧状に転動(水平転動)し、第2規制壁10670cに衝突し、転動面10675dの中心部に向けて転動(下降転動)する。そして、回動している常時回転体10675aの羽根部材10675bと衝突し、その衝撃で第4規制壁10675fに向かって転動(上昇転動)し、上述した図276(a)よりも若干浅い角度(約30°)で第4規制壁10675fと衝突すると、衝突後の球が転動装置10675cの内壁に向かって上昇転動し、転動装置10675c内壁に衝突した球が円弧状に下降転動しながらアウト口10680aへ入球する。
以上、説明をした通り、本実施形態の転動装置10675cでは、転動面10700aを転動している球が各規制壁10675に衝突する角度や速度によって、衝突後の転動方向が可変するため、遊技者が予測し難い球の挙動を提供することができる。なお、本実施形態では、各入球口の開口部が形成される高さ位置が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、各入球口の開口部が形成される高さ位置を異ならせても良い。例えば、アウト口10680aのみ開口部の高さ位置を低くし、球の自重による転動によっても入球可能に構成しても良い。さらに、本実施形態では、転動面10700aの一方向側(図276(a)の視点で下方向側)の端面に各入球口の開口部を形成しているが、これに限ること無く、転動面10700aの端面の全方向に渡って開口部を配設しても良い。また、本実施形態では、球が転動可能な転動面10700aが一面の一層構造を用いているが、これに限ること無く、例えば、転動面10700aを多層式に形成し、転動面10700aの一部に設けられた通過穴を通過した球が下層の転動面10700aへと侵入し、再度、各入球口に向かって転動するように構成しても良い。
この場合、上層の転動面10700aからも、下層の転動面からも役物ルートV入賞口10677に球が入賞可能に構成し、さらに、下層の転動面のほうが、上層の転動面よりも転動中の球が役物ルートV入賞口10677に入賞し易くなるように構成すると良く、例えば、上層の転動面は、1/4で役物ルートV入賞口10677に入賞し、1/4で通過穴(下層の転動面へ連通する穴)を通過し、1/2でアウト口に入賞するように構成し、下層の転動面は、1/2で役物ルートV入賞口10677に入賞し、1/2でアウト口に入賞するように構成すると良い。このように構成することで、球が役物ルートV入賞口10677に入賞する期待度を段階的に高めていくことができる。
次に、図277を参照して、遊技盤13の右側領域下方に設けられた第2入球口10640、及び電動役物10640a近傍の構成について説明をする。図277は、遊技盤13の右側領域の一部を模式的に示した拡大図である。本実施形態は、第2特別図柄の抽選において高確率(約1/2)で小当たり当選するように構成しており、時短状態中に獲得した第2特別図柄の保留記憶を用いた抽選が通常状態中に実行されることにより、再度時短状態が設定され易くなるように構成している。
このように構成された本パチンコ機10では、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口10640に球が入球されてしまうと、通常状態における適正な遊技(左打ち遊技を行い、第1特別図柄抽選を実行することにより大当たり遊技を狙う遊技)よりも、容易に大当たり遊技を実行されてしまうことになるため、通常状態中に第2入球口10640に球が入球しない(し難い)構成を用いている。
具体的には、右側領域を流下し、隔壁10700aの下方に形成された流路を流下した球は、ゲート式電動役物10640aを臨む位置に排出される。ここで、ゲート式電動役物10640aが誘導状態(突出状態)である場合には、ゲート式電動役物10640aの上面を第2入球口10640方向に向けて流下する。一方、ゲート式電動役物10640aが開放状態(埋没状態)である場合には、ゲート式電動役物10640aを通過して大当たり用可変入賞装置10065に向けて流下する。
次に、球がゲート式電動役物10640a上を流下する場合について詳細に説明をする。上述した通り、ゲート式電動役物10640aは隔壁10700aの下方に形成された流路から排出された球を、一端側(上流側)で受け入れて、他端側(下流が)に向けて流下可能に構成している。ゲート式電動役物10640aの上方には釘K1が植設されており、隔壁10700aの下方に形成された流路から排出された球がゲート式電動役物10640aの上流側に落下するように釘K1の位置を調整可能に構成している。
ゲート式電動役物10640aは、普通図柄の抽選で当たりに当選した場合に開放状態(埋没状態)から所定期間、誘導状態(突出状態)へと可変する可変動作を実行する可変手段であり、可変動作の開始時点における遊技状態に応じて可変動作の動作時間を異ならせるように構成している。具体的には、可変動作の開始時点における遊技状態が通常状態である場合には、誘導状態(突出状態)を0.2秒維持する可変動作を実行し、時短状態である場合には、誘導状態(突出状態)を2秒維持する可変動作を実行するように構成している。
そして、ゲート式電動役物10640aは、球の流下期間tz1が0.8秒となるように構成されている。よって、通常状態中に右打ち遊技を行い、普図入賞口10067に球を入球させることで普通図柄の抽選を実行し、その普通図柄の抽選にて当たり当選したとしても、その当たり当選に基づいて実行されるゲート式電動役物10640aの可変動作によって第2入球口10640に入球可能な位置まで球を流下すること無く、流下時間0.3の範囲を示すtz2の何れかの位置まで流下した後に、釘群K3の左側の領域に落下することになる。
一方、ゲート式電動役物10640aの可変動作タイミングが時短状態である場合には、2秒間の可変動作が実行されるため、誘導状態(突出状態)中のゲート式電動役物10640a上を流下した球がゲート式電動役物10640aの下流端まで到達することから、第2入球口10640に球を入球可能となる。なお、本実施形態では、1分間に100発の球を発射可能にパチンコ機10が構成されているため、球の流下間隔は0.6秒となる。そして、図269を参照して上述した通り、右打ち遊技によって発射された球の約1/2がゲート式電動役物10640aに到達するように構成している。よって、少なくとも、1.2秒に1回は球がゲート式電動役物10640aに到達することになる。
本実施形態では、時短状態中のゲート式電動役物10640aの可変動作期間(ゲート式電動役物10640aを誘導状態(突出状態)に維持させる期間)を2秒に設定していることから、継続して右打ち遊技を行うことにより、ゲート式電動役物10640aが可変動作されているどのタイミングで球がゲート式電動役物10640a上に落下したとしても、ゲート式電動役物10640a上に落下した球を確実に第2入球口10640に入賞させることができる。また、第2入球口10640の上方には釘群K2が植設されており、ゲート式電動役物10640aを流下した球がtz2の範囲を超えた状態でゲート式電動役物10640aから落下した場合に、球の慣性力によって第2入球口10640へと入球することを防止するようにしている。
以上、説明をしたとおり、本実施形態では、球が流下可能な流下状態と、流下困難な非流下状態とに可変可能な可変手段を設け、流下状態である可変手段によって所定領域まで球が流下した場合に、第2特別図柄の抽選条件が成立するように構成している。そして、遊技状態に応じて、可変手段が流下状態である場合に、球を所定領域まで流下させ易い状態と、流下させ難い状態と、を設定可能に構成している。このように構成することで、第2特別図柄の抽選条件が成立し易い状態と、し難い状態とを設定することが可能となり、遊技者に対して第2特別図柄の抽選条件が成立し易い遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
<第13実施形態における遊技の流れについて>
次に、図278から図280を参照して、本第13実施形態のパチンコ機10における特徴的な遊技の流れについて説明をする。上述した通り、本第13実施形態では遊技盤13に形成される遊技領域の右側領域に小当たり用入賞装置10650を設け、小当たり遊技中に入賞した球を複数の流路へと振り分け可能に構成している。そして、振り分けられた流路に応じてV入賞口(特定領域)への球の通過し易さを可変可能に構成している。
さらに、本実施形態では、小当たり当選時の遊技状態、及び、小当たり当選した特別図柄の種別に応じて、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過し易い状態と、し難い状態とを設定可能に構成している。このように構成することにより、小当たり遊技経由で実行される大当たり遊技の実行確率を予め定められた規定範囲内に納めることができるため、遊技者に過剰に有利な遊技や、過剰に不利な遊技を行わせてしまうことを抑制することができる。
上述したように、小当たり当選時の遊技状態、及び、小当たり当選した特別図柄の種別に応じて、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過し易い状態と、し難い状態とを設定可能にする場合には、例えば、小当たり遊技中に作動する複数の装置(開閉扉10650b、回転体10652、可動片10653)のそれぞれに対して、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が、高確率(約100%)でV入賞口(特定領域)に入賞し得る有利流路(直V流路10651e)へ振り分けられる有利動作パターン(動作シナリオ)と、有利流路を流下するよりも低確率(約25%)でV入賞口(特定領域)に入賞し得る不利流路(役物ルート用流路10651da)へ振り分けられる不利動作パターン(動作シナリオ)と、を設定可能に構成することが考えられるが、上述したような構成を用いた場合には、複数の装置に対して異なる動作パターン(動作シナリオ)に基づく動作制御を実行しなければならず、各種装置に対する動作制御プログラム量が増大してしまうという問題があった。
また、上述した複数の装置は、動作異常が生じてしまうと遊技結果に大きく影響を与えることになるため、正常な動作をしているか否かを監視するための監視処理の精度を高めて実行する必要があることから、異なる動作パターン(動作シナリオ)に基づく動作制御を実行可能に構成した場合には、各動作パターン(動作シナリオ)に対して精度の高い監視処理を行う必要があり、監視処理の処理負荷が増大してしまうという問題もあった。
これに対して、本実施形態では、小当たり状態中に作動する複数の装置(開閉扉10650b、回転体10652、可動片10653)の動作内容を変えること無く、各種装置の動作開始タイミングを変更する処理を実行するだけで、小当たり当選時の遊技状態、及び、小当たり当選した特別図柄の種別に応じて、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過させ易い状態と、させ難い状態とを設定可能に構成している。このように構成することで、各種装置に対する動作制御プログラム量が増大したり、各種装置に対する監視処理の処理負荷が増大したりしてしまうことを抑制することができる。
ここで、図278、及び、図279を参照して小当たり遊技中における各種装置の動作の流れについて説明をする。図278は、球が有利流路(直V流路10651e)へと振り分けられ易い小当たり遊技における各種装置の動作パターンを示したタイミングチャートであり、図279は、球が不利流路(役物ルート用流路10651da)へと振り分けられ易い小当たり遊技における各種装置の動作パターンを示したタイミングチャートである。
図278、及び図279に示した通り、本実施形態では、小当たり遊技が開始された(オープニング期間が設定された)ことを契機に、回転体10652、及び、可動片10653が予め定められた一定の規則に従って作動するように構成しており、小当たり遊技のラウンド遊技が開始されたことを契機に、開閉扉10650bが予め定められた一定の規則に従って作動するように構成している。そして、小当たり遊技のオープニング期間の長さを可変可能に構成している。これにより、オープニング期間が開始されたことを契機に作動する回転体10652、及び、可動片10653の作動状況と、ラウンド遊技が開始されたことを契機に作動する開閉扉10650bの作動状況との関係を、オープニング期間の長さに応じて異ならせることが可能となる。
本実施形態では、オープニング期間の長さを可変し、回転体10652、可動片10653の作動状況と、開閉扉10650bの作動状況との関係を異ならせることにより、ラウンド遊技中に入賞した球の振分先を可変させるように構成している。なお、本実施形態では、回転体10652と可動片10653とが同一の作動契機(オープニング期間の開始)に基づいて予め定められた一定の規則に従って作動するように構成しているため、回転体10652の作動状況と、可動片10653の作動状況との関係は常に一定とすることができる。よって、小当たり用入賞装置10650に入賞した球を複数の流路へと振り分けるための装置(回転体10652、可動片10653)を、常に一定の関係性を持たせた状態で動作させることになるため、各装置の制御異常を監視するための監視処理内容を簡素化することができる。
次に、図278を参照し、球が有利流路(直V流路10651e)へと振り分けられ易い小当たり遊技における各構成の動作内容(小当たり開放パターンA)について具体的に説明をする。本実施形態における小当たり遊技は、オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間の3つの期間が設定される当たり遊技であって、ラウンド遊技中には1回のラウンド遊技が実行されるように構成している。
オープニング期間が開始(設定)されると、オープニング期間の開始を契機に作動を始める回転体10652、及び、可動片10653のそれぞれに対して一定の動作シナリオがセットされる。まず、回転体10652は、オープニング期間が開始されてから0.5秒間、初期位置(小当たり用入賞装置10650に入賞した球を貯留部10652aで受け入れ困難な位置)を維持した後に、作動位置(小当たり用入賞装置10650に入賞した球を貯留部10652aで受け入れ可能な位置)を3秒間維持する第1作動が実行される。
そして、第1作動(3秒)が経過すると、初期位置で2秒間待機し、その後、作動位置を5秒間維持する第2作動が実行される。第2作動(5秒)が経過すると、初期位置が設定され、1回の小当たり遊技の開始に基づいて実行される回転体の動作シナリオを完了する。つまり、本実施形態では、1回の小当たり遊技中(オープニング期間からエンディング期間までの間)に、回転体10652の貯留部10652aに球を貯留可能な作動位置へと回転体10652を2回作動させるように構成し、貯留部10652aに貯留された球をV入賞口(特定領域)に到達し得る第2流路10651cへと排出可能な動作(作動位置から初期位置へと移動するための動作)を2回実行するように構成している。
次に、可動片10653の動作内容について説明をする。可動片10653は、上述した回転体10652と同様に、小当たり遊技のオープニング期間が開始された(設定された)ことを契機に一定の動作シナリオがセットされる。可動片10653は、小当たり遊技が実行されている期間以外は常に閉状態(図272参照)となるように構成しており、小当たり遊技中以外に球が小当たり用入賞装置10650に入賞(異常入賞)した場合において、入賞した球が遊技者に有利な有利流路を流下し得ないように構成している。
可動片10653に動作シナリオがセットされると、オープニング期間が開始されてから1秒間、閉状態(図272参照)を維持した後に、4秒間の開状態(図273参照)が設定される。そして、4秒間の開状態が経過すると、1回の小当たり遊技の開始に基づいて実行される可動片10653の動作シナリオが完了し、初期状態である閉状態が設定される。
遊技者に有利な小当たり遊技(球が有利流路(直V流路10651e)へと振り分けられ易い小当たり遊技)では、オープニング期間の長さが0.5秒に設定されており、大当たり遊技が開始されてから0.5秒後にラウンド期間が設定(ラウンド遊技が開始)されるように構成している。そして、ラウンド期間の設定(ラウンド遊技の開始)を契機として開閉扉10650bの動作シナリオが設定される。開閉扉10650bの動作シナリオが設定されると、第1動作として開状態(球が入球可能な状態)が0.2秒間設定された後に、閉状態(球が入球困難な状態)が0.3秒間設定される動作を5回繰り返し、その後、第2動作として開状態が0.5秒間設定され、その後、閉状態が1.9秒間設定された後に、再度開状態が0.1秒間設定されるように開閉扉10650bが作動する。
なお、詳細な説明は後述するが、上述した各種装置(開閉扉10650b、回転体10652、可動片10653)に設定される動作シナリオは、主制御装置110のROM202が有する小当たりシナリオテーブル202mf(図288参照)に予め規定されている。
上述したように、小当たり遊技として小当たり開放パターンA(遊技者に有利な小当たり遊技に対応する開放パターン)が設定された場合には、ラウンド遊技中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球が第1作動期間中である回転体10652の貯留部10652aに貯留されることになる。そして、図273に示したように、回転体10652が第1作動期間の経過後に初期位置へと回動することにより、貯留部10652aに貯留されていた球が第2流路10651cへと流下し、開状態中の可動片10653を通過して直V流路10651eを通過するため、V入賞口(特定領域)に球を入球させ易い小当たり遊技が実行される。ここで、回転体10652が作動位置から初期位置へと可変し、球が第2流路10651cを流下し、可動片10653に到達するまでの期間が1秒に設計しており、可動片10653は、その球流下時間よりも0.5秒遅くまで開状態を継続するように構成している。よって、第2流路10651c内で球の流下速度が低下したとしも十分に球を直V入賞口10657に入球可能な状態を維持することができる。加えて、可動片10653が開状態を維持する期間は、回転体10652の第2作動が終了するよりも前の期間となるように設定しているため、回転体10652の他の作動によって第2流路10651cを流下した球が直V入賞口10657に入賞することを禁止することができる。
さらに、小当たり開放パターンAでは、小当たり遊技のエンディング期間が0.6秒となるように構成している。この0.6秒は、小当たり遊技のラウンド期間中に小当たり用入賞装置10650に入賞にした球がV入賞するまでの最短期間を確保するための時間である。つまり、本実施形態では1分間に100発の球を発射可能に構成しており、小当たり遊技のラウンド終了条件として、5秒経過、或いは、10球の入賞が規定されている。そして、小当たり用入賞装置10650に入賞した球がV入賞するまでに要する期間が最短で5秒となるように構成している。
よって、エンディング期間を0.6秒設定することにより、最短で球がV入賞した場合にエンディング期間中に球をV入賞させることが可能となる。一方、これ以上短い期間をエンディング期間として設定してしまうと、常に、V入賞するタイミングがエンディング期間を超えたタイミングとなってしまう。本実施形態では、上述した各実施形態と同様に、小当たり遊技として予め設定されている小当たり遊技期間の終了タイミング(エンディング期間の終了タイミング)にて小当たり用入賞装置10650に入賞した球が小当たり用入賞装置10650内に残存しているかを判別し、球が残存していると判別した場合には、小当たり遊技の終了タイミングを、残存球が無くなるまで延期するように構成している。
図278に示したエンディング期間よりも短い期間をエンディング期間として設定してしまうと、正常に遊技をしている場合であっても、常に、小当たり遊技の終了タイミングを延期する処理を実行する必要があり、処理負荷を増大させてしまうという問題が生じる。
これに対して、本実施形態の小当たり開放パターンAでは、小当たり遊技の遊技期間を短くすると共に、小当たり遊技中の処理負荷を軽減するためのエンディング期間を設定しているため、上述した問題を解決することができる。なお、エンディング期間の長さはこれに限ること無く、小当たり遊技の実行期間を短くするために、より短いエンディング期間を設定しても良いし、小当たり遊技中の処理負荷を軽減させるために長いエンディング期間を設定するように構成しても良い。
また、本実施形態では、予め定められた小当たり遊技期間の終了タイミング(エンディング期間の終了タイミング)が経過するまでは、小当たり遊技が終了しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球したことを強制終了条件として設定しておき、その強制終了条件が成立した場合に、予め定められている小当たり遊技期間の終了タイミング(エンディング期間の終了タイミング)が経過しなくとも、小当たり遊技を終了させる強制終了処理を実行するように構成しても良い。
一方、小当たり遊技として小当たり開放パターンB(球が不利流路(役物ルート用流路10651da)へと振り分けられ易い小当たり遊技)が設定された場合には、図279に示した通り、上述した小当たり開放パターンAに対して、小当たり遊技のオープニング期間の長さを5秒に変更した点と、エンディング期間の長さを5秒に変更した点でのみ相違した小当たり遊技が実行される。このようにオープニング期間の長さを長くすることにより、球を直V流路10651eに振分可能な回転体10652の第1作動期間をオープニング期間中(ラウンド遊技が開始されるよりも前の期間中)に経過させることができる。そして、回転体10652の第2作動期間中にラウンド期間が設定(ラウンド遊技が実行)されるため、ラウンド遊技中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させ、回転体10652の貯留部10652aに球を貯留させたとしても、その貯留された球が役物ルート用流路10651daへと振り分けられることになる。
なお、本実施形態では、オープニング期間を5秒間に設定することにより、開閉扉10650bが開状態となるタイミングを、可動片10653の開状態が終了した後とすることで、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞することを確実に抑制するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、回転体10652の第1作動が終了した後、即ち、小当たり遊技の開始から3.5秒が経過した状態で開閉扉10650bが開状態となるように、オープニング期間を3.5秒に構成しても良い。このように構成した場合は、可動片10653が開状態のタイミングで小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることになるが、回転体10652が初期位置に位置しているため、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が第2流路へと流下されず、アウト口10654に入球することになるため、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞することを抑制することができる。また、本実施形態では、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657へと誘導される小当たり遊技(小当たり開放パターンAで開放動作が実行される小当たり遊技)と、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677へと誘導される小当たり遊技(小当たり開放パターンBで開放動作が実行される小当たり遊技)と、を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、小当たり用入賞装置10650に入賞した球を直V入賞口10657と役物ルートV入賞口10677との何れにも誘導可能なタイミングで開閉扉10650bを開放させる小当たり遊技を実行可能に構成しても良い。
また、エンディング期間を5秒にすることで、例えば、小当たり遊技中に球が役物ルート用流路10651daを流下しない限り、小当たり遊技期間を延長すること無く小当たり遊技を終了させることができるため、小当たり遊技中の処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態では、図278を参照して上述した通り、小当たり遊技中に各種装置に設定される動作シナリオが完了するまでの期間が小当たり遊技期間となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技期間中に所定の終了条件が成立し、且つ、小当たり用入賞装置10650内に球が存在していないと判別した場合には、各種装置に設定される動作シナリオを強制終了するように構成しても良い。このように構成することにより、例えば、図278に示した小当たり開放パターンが設定された小当たり遊技において、回転体10652の動作シナリオが完了する(第2作動期間が経過する)前に小当たり遊技を終了させることができる。このように構成することで、小当たり遊技の期間を短くすることができるため、遊技効率を高めることができる。
さらに、本実施形態では、上述した通り、小当たり遊技のオープニング期間を短くすることで、遊技者に有利な小当たり遊技(小当たり開放パターンA)を実行可能に構成している。つまり、小当たり遊技中の各種装置の動作パターンとして、直V入賞口10657に入賞可能な動作パターンを、役物ルートV入賞口10677に入賞可能な動作パターンよりも先に実行するように構成している。
このように構成することで、例えば、遊技者に不利な小当たり遊技(小当たり開放パターンB)の実行中に小当たり用入賞装置10650に入賞させた球を、磁石等を用いて小当たり用入賞装置10650内に不正に滞留させたとしても、その後、直V入賞口10657に入賞可能な状態(可動片10653が開放する状態)が設定されることが無くなるため、遊技者が不正に直V入賞口10657に球を入球させる行為を行われ難くすることができる。また、大当たり遊技が実行される確率が高い小当たり遊技(小当たり開放パターンA)に対する各種装置の動作パターンを先に実行するため、次の大当たり遊技が実行され易い時短状態中の小当たり遊技の遊技時間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、小当たり遊技の動作シナリオとして、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞し得る小当たり開放パターンAと、役物ルートV入賞口10677に入賞し得る小当たり開放パターンBと、を小当たり遊技のオープニング期間を可変設定することで設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、何れのV入賞口にも球が入賞し得ない小当たり開放パターンや、両方のV入賞口に球を入賞可能な小当たり開放パターンを、小当たり遊技のオープニング期間を可変設定することで設定しても良い。これにより、実行される小当たり遊技の種別に応じて遊技者に付与可能な特典(大当たり遊技の実行の可能性)の大きさに幅を持たせることができるため、より遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、小当たり遊技のオープニング期間の長さのみを可変させることで小当たり遊技中の遊技内容(V入賞口のし易さ、入賞し得るV入賞の種別)を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、その他の装置(回転体10652、可動片10653)の動作パターンを可変させたり、動作開始タイミングを異ならせたりすることで、小当たり遊技中の遊技内容(V入賞口のし易さ、入賞し得るV入賞の種別)を可変させるように構成しても良い。
また、本実施形態では、当選した小当たり種別に対応した動作パターンで各種装置を動作させるように構成しているが、異常状態(例えば、小当たり遊技中に停電し電源が遮断された状態や不正行為が行われていると判別された状態)では、当選した小当たり種別に関わらず、予め定められた異常時用の動作パターンで各種装置を動作させるように構成しても良い。この場合、各小当たり種別に対応して設定される動作パターンよりも遊技者に不利となる動作パターンを異常時用の動作パターンとして設定すると良い。これにより、不正に異常状態を発生させる行為を抑制することができる。
次に、本第13実施形態における遊技状態の遷移について図280を参照して説明をする。図280は、本第13実施形態の遊技状態の遷移状況を模式的に示したゲームフローである。図280に示した通り、本実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成している。
そして、通常状態中は図277を参照して説明をした通り、第2入球口10640に球が入球することが無い(し難い)ため、左打ち遊技によって第1入球口64に球を入球させる遊技(特1遊技)が行われる。この特1遊技にて実行される第1特別図柄の抽選では、1/300の確率で大当たりに当選し、1/70の確率で小当たりに当選する特別図柄抽選が実行される。特1遊技で大当たりに当選した場合には、95%の割合で大当たりBが実行される。この大当たりBは、大当たり遊技として2ラウンド分のラウンド遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に通常状態(不利状態)が設定される大当たり遊技である(図287(a)参照)。残りの5%の割合で大当たりAが実行される。この大当たりAは、大当たり遊技として10ラウンド分のラウンド遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に時短状態(有利状態)が設定される大当たり遊技である(図287(a)参照)。
また、特1遊技にて小当たりに当選した場合は、1/4の確率でV入賞口(特定領域)に球が入球可能な小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球した場合には、当選した小当たり種別に応じた大当たり遊技が実行され、当選した小当たり種別が小当たりA、B(小当たり当選の50%)である場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、小当たりC(小当たり当選の50%)である場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。また、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球しなかった場合(非V入賞の場合)には、その小当たり遊技終了は、そのまま通常状態となる。
次に、時短状態中の遊技の流れについて説明をする。この時短状態は、特別図柄が低確率状態、普通図柄が高確率状態に設定される遊技状態であって、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に比べて、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技によって遊技球が第2入球口10640に入球し易くなる遊技状態である。なお、本実施形態では、時短状態が設定された場合において、通常状態が設定されている場合よりも普図当たり遊技によって遊技球が第2入球口10640に入球し易くするために、時短状態が設定されている場合のほうが、通常状態が設定されている場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように構成することで単位時間当たりにおける普通図柄抽選の実行回数を増加させると共に、普通図柄抽選で当たり当選する確率が通常状態よりも時短状態のほうが高くなるように構成し、さらに、普図当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の開放パターン(ゲート式電動役物10640aの動作パターン)として、通常状態(普通図柄の低確率状態)中に実行される普図当たり遊技よりも、時短状態(普通図柄の高確率状態)中に実行される普図当たり遊技のほうが、遊技球を第2入球口10640へと誘導させ易くなるように構成しているが、通常状態よりも時短状態のほうが、普図当たり遊技によって遊技球が第2入球口10640に入球し易く、且つ、時短状態中において、第1入球口64を狙う左打ち遊技を行うよりも、第2入球口10640を狙う右打ち遊技を行ったほうが特別図柄の抽選を実行し易くなるように構成していれば良く、本実施形態で用いた構成以外を用いても良い。例えば、通常状態よりも時短状態のほうが第2入球口10640に遊技球を入球させ易くするために本実施形態にて用いられる上記各構成のうち、いずれかの構成のみを用いたり、各構成を適宜選択して用いたりする構成でも良い。時短状態が設定されると、ゲート式電動役物10640aがロング可変(2秒)するため、第2入球口10640に球が入球し易い状態となる。第1入球口64に対する球の入球割合は、通常状態と、時短状態とで変化しないが、通常状態では第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64のほうが、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口10640よりも球を入球させ易くなるように構成しているのに対して、時短状態では、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口10640のほうが、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64よりも球を入球させ易くなるように構成しているため、時短状態が設定されている間は第2入球口10640に球を入球させるための特2遊技(右打ち遊技)が行われる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の抽選権利を最大で4つ記憶(保留記憶)可能に構成し、第2特別図柄の抽選権利を最大で1つ記憶(保留記憶)可能に構成している。よって、第1特別図柄の抽選権利を所定数(例えば、3つ)保留記憶している状態で大当たりに当選(大当たり遊技を実行)し、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合には、保留記憶されている第1特別図柄の抽選が実行され得るように構成している。本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶と、第2特別図柄の保留記憶とを共に有している場合には、第2特別図柄の保留記憶に基づく抽選(遊技者に有利となる抽選)が先に実行されるように構成しているが、例えば、通常状態で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、その時点で第2特別図柄の保留記憶が存在していないため、時短状態中に第1特別図柄の抽選が実行されることになる。
時短状態中に第1特別図柄の抽選が実行されると、通常状態と同一の確率で大当たり抽選(1/300)、小当たり抽選(1/70)が実行され、大当たりに当選した場合、小当たり当選後の小当たり遊技中に球がV入賞口に入球し大当たり遊技が実行された場合、の何れにおいても大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。
一方、時短状態中における特2遊技にて実行される第2特別図柄の抽選では、1/300の確率で大当たりに当選し、1/2の確率で小当たりに当選する特別図柄抽選が実行される。特2遊技で大当たりに当選した場合は、100%の割合で大当たりCが実行される。この大当たりCは、大当たり遊技として15ラウンド分のラウンド遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に通常状態(不利状態)が設定される大当たり遊技である(図287(a)参照)。
また、特2遊技にて小当たりに当選した場合は、ほぼ100%の確率でV入賞口(特定領域)に球が入球可能な小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球した場合には、当選した小当たり種別に応じた大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。また、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)に入球しなかった場合には、その小当たり遊技終了は、そのまま時短状態となる。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技を介すること無く、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させる移行条件(時短終了条件)が設定されている。具体的には、時短状態中に特別図柄抽選(変動)の実行回数が99回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、時短状態中に実行された小当たり遊技の回数が2回に到達した場合に成立する第2時短終了条件と、が設定されている。このように、遊技者に有利な遊技状態を、大当たり遊技を介すること無く終了させることが可能となるように構成することで、遊技者に対して過剰な特典が付与されてしまうことを抑制することができる。また、本実施形態では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選にて高確率(1/2)で小当たりに当選するように構成している。よって、例えば、時短状態中に当選した小当たりの種別を判別し、遊技者に有利な小当たりに当選するまで、その小当たり遊技中に球をV入賞口(特定領域)に入球させない遊技を実行することが可能となる。
このような遊技が実行されることを抑制するために、本実施形態では上述した第2時短終了条件(小当たり遊技の実行回数に基づいて時短状態を終了させるための条件)を設定している。これにより、時短状態中において、所望の小当たり種別が設定される小当たりに当選するまで繰り返し小当たり遊技を実行する遊技を抑制し適正な遊技を提供することができる。なお、上述した第2時短終了条件を設ける場合には、例えば、主制御装置110の制御処理にて、時短状態中に実行される小当たり遊技の実行回数をカウントするカウント手段を設け、そのカウント手段のカウント結果に基づいて時短状態を終了させる条件が成立したかを判別するように構成すると良い。この場合、時短終了条件の成立の有無を判別するタイミングは適宜設定すれば良く、例えば、特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別されたタイミング、小当たり当選した特別図柄変動が開始されたタイミング、小当たり当選を示す特別図柄が停止表示、確定表示されたタイミング、小当たり遊技の実行中、大当たり遊技の実行中のタイミングの何れにおいて判別しても良い。また、時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについても上述したタイミングに基づいて適宜設定すれば良い。これにより、様々なタイミングで時短状態を終了させることができるため、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、通常状態中における特2遊技について説明をする。上述した通り、本実施形態では第2特別図柄の抽選権利を1つ保留記憶可能に構成しており、時短状態から通常状態へと移行した場合に、保留記憶されている数に対応した回数、第2特別図柄抽選が実行されるように構成している。そして、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行されると、時短状態と同様に1/300の確率で大当たりに当選し、1/2の確率で小当たりに当選する。ここで、大当たりに当選した場合は、100%の割合で大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、小当たりに当選した場合も、その小当たり遊技中に球をV入賞口(特定領域)に入球させることにより100%の割合で時短状態が設定されるように構成している。つまり、通常状態において第1特別図柄抽選で大当たり、或いは小当たりに当選するよりも、第2特別図柄で大当たり、小当たりに当選する場合のほうが、大当たり遊技の終了後に、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定され易くなるように構成している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、通常状態が設定されている特1遊技中は、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される可能性が低く(大当たり当選の5%)、且つ、ラウンド数の少ない大当たり遊技が実行され易い大当たり遊技が実行されるため、実質、小当たり遊技経由で大当たり遊技を狙うことを主とした遊技が実行される。そして、第1特別図柄の抽選で小当たり当選(1/70)した場合に実行される小当たり遊技は、転動装置10675c(図275参照)が用いられる役物ルートV入賞口10677を狙う小当たり遊技となる。この役物ルートV入賞口10677を狙う小当たり遊技では、約1/4の確率で球が役物ルートV入賞口10677に入賞するように設計されているため、通常状態における特1遊技では、小当たり当選(1/70)後に役物ルートV入賞口10677へ球を入賞させる(約1/4)ことで大当たり遊技(約1/280)を狙う遊技が行われることになる。以降、小当たり遊技のうち、役物ルートV入賞口10677を狙う小当たり遊技のことを役物チャレンジと称し、説明をする。
このように、通常状態が設定されている状態おいて特別図柄の抽選結果(小当たり当選)と、球の転動結果(役物ルートV入賞口10677へと入球)と、に基づいて実行され得る大当たり遊技を狙う遊技を実行可能にすることで、遊技者に斬新な遊技を行わせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、時短状態が設定された状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に必ず通常状態が設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技を跨いで遊技者に有利な遊技状態が連続して設定され難くする(されないようにする)ことが可能となるため、遊技者に過剰に有利な遊技が行われてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者に有利な遊技状態が連続して設定され難くする(されないようにする)ことにより、1回の大当たり遊技によって遊技者に付与される特典(賞球数)を高め易くすることができる。
なお、本実施形態では、時短状態が設定された状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に必ず通常状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の終了を契機に通常状態(大当たり遊技前の遊技状態)から時短状態(大当たり遊技後の遊技状態)へと移行する割合(確率)よりも、大当たり遊技の終了を契機に時短状態(大当たり遊技前の遊技状態)から時短状態(大当たり遊技後の遊技状態)へと移行する割合(確率)が低くなるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を1つ保留記憶可能に構成しているが、これに限ること無く、2つ以上の抽選権利を保留記憶可能に構成しても良い。また、本実施形態では、遊技状態として通常状態と、時短状態とを設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)や、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しても良い。
<第13実施形態における演出内容について>
次に、図281から図285を参照して、本第13実施形態におけるパチンコ機10にて実行される特徴的な演出の内容について説明をする。本実施形態では、遊技状態として通常状態が設定されている場合には左打ち遊技(左側領域に球を流下させるための遊技)を行わせ、時短状態が設定されている場合、小当たり遊技中、及び、大当たり遊技中は右打ち遊技(右側領域に球を流下させるための遊技)を行わせるように構成している。
そして、遊技者に対して遊技方法を可変させる場合、例えば、通常状態が設定されている状態で小当たり当選し、小当たり遊技が実行される場合には、小当たり遊技のラウンド期間が設定されるまでに(ラウンド遊技が実行されるまでに)、右打ち遊技を促すための準備演出を所定期間(例えば5秒間)実行するように構成している。このように実際にラウンド遊技が実行されるまでに遊技者に対して右打ち遊技を促すことにより、ラウンド遊技が開始される時点において右打ち遊技を行わせ易くなり、遊技者に不利な遊技(小当たり遊技中にも関わらず、左打ち遊技を継続して実行してしまい、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることができない遊技)が行われてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、上述した通り、小当たり遊技中に設定されるオープニング期間の長さを小当たり遊技の開放パターンに応じて可変させるように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、オープニング期間の長さが長い開放パターンB(オープニング期間の長さが5秒)が設定される場合には、オープニング期間を用いて準備演出を実行すれば良いが、オープニング期間の長さが短い開放パターンA(オープニング期間が0.5秒)が設定される場合には、オープニング期間のみで5秒間の準備演出を実行することが出来ず、小当たり当選した特別図柄変動が停止表示されるよりも前のタイミングから準備演出を実行させる必要があった。
このように構成することで、オープニング期間の長さが異なる小当たり遊技が実行される場合において、一定の準備演出期間を確保することは可能であるが、準備演出が実行された時点における特別図柄の変動状況(特別図柄変動中、或いは、特別図柄変動停止中)を判別することにより、今回の準備演出が特別図柄の変動期間中(小当たり当選した特別図柄の変動期間中)に実行されたものなのか、小当たり遊技のオープニング期間中に実行されたものなのかを遊技者に識別されてしまい、小当たり遊技が開始される前に、今回当選した小当たりの種別が判別されてしまうという問題があった。
上述した問題を解決するために、本実施形態では、図281に示した通り、特別図柄変動を確定表示するための確定期間の長さを当選した小当たりの種別に応じて異ならせ、特別図柄の確定期間と、小当たり遊技のオープニング期間と、を合算させた期間が同一となるように構成している。具体的には、小当たり遊技の開放パターンとして開放パターンAが設定される小当たりに当選したことを示す特別図柄変動に対しては、図281(a)に示した通り、特別図柄の確定期間として5秒が設定される。これにより、特別図柄変動が停止表示されてから小当たり遊技のラウンド期間が設定されるまでの間に、5.5秒の期間(確定期間とオープニング期間とを合算した期間)を設定することができ、一定期間(5秒)の準備演出を実行する期間を確保することが可能となる。
一方、小当たり遊技の開放パターンとして開放パターンBが設定される小当たりに当選したことを示す特別図柄変動に対しては、図281(b)に示した通り、特別図柄の確定期間として0.5秒が設定される。これにより、特別図柄変動が停止表示されてから小当たり遊技のラウンド期間が設定されるまでの間に、5.5秒の期間(確定期間とオープニング期間とを合算した期間)を設定することができ、一定期間(5秒)の準備演出を実行する期間を確保することが可能となる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、小当たり遊技として設定されるオープニング期間の長さに応じて異なる長さの確定期間が設定されるように構成し、何れの小当たり遊技が実行される場合にも、特別図柄変動が停止表示されてから一定期間の準備演出を実行することが可能となるため、準備演出の実行タイミングに基づいて、後に実行される小当たり遊技の種別を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、何れの小当たり遊技が実行される場合であっても(異なるオープニング期間が設定される小当たり遊技が実行される場合であっても)、小当たり当選した特別図柄が停止表示されてから小当たり遊技におけるラウンド遊技が開始されるまでの準備期間(特別図柄の確定表示期間と、小当たり遊技のオープニング期間と、を合算させた期間)が同一となるように構成し、その準備期間中に一定期間(5秒)の準備演出を実行することで準備演出の実行タイミングから今回実行される小当たり遊技の内容(小当たり種別)を分かり難くしているが、実行される準備演出に基づいて後に実行される小当たり遊技の内容(小当たり種別)が遊技者に判別されてしまうことを抑制できるものであれば、それ以外の構成を用いても良く、例えば、準備期間として第1準備期間(例えば、5.5秒)と、その第1準備期間(例えば、10秒)と、を設定可能に構成し、実行される小当たり遊技の種別に応じて異なる準備期間を設定するように構成しても良い。この場合、第1準備期間が設定される小当たり種別と、第2準備期間が設定される小当たり種別とを、少なくともそれぞれ2以上設けることにより、第1準備期間、第2準備期間の何れが設定された場合であっても、後に実行される小当たり遊技の内容(小当たり種別)を遊技者に予測させ難くすることができる。また、本実施形態では、準備期間(特別図柄の確定表示期間と、当たり遊技にてラウンド期間が設定されるまでの期間(オープニング期間))内で準備演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、準備期間が設定されるよりも前、即ち、特別図柄の変動期間を用いて準備演出を実行するように構成しても良い。この場合は、設定される小当たり遊技の内容(小当たり種別)に関わらず、必ず準備期間が設定される所定期間前(変動停止タイミングの所定秒数前)が準備演出の実行タイミングとなるように構成すると良い。このように構成することにより、何れの小当たり遊技に当選した場合であっても、特別図柄が変動停止される所定時間前から準備演出を実行させることができるため、当選した小当たり種別に関わらず準備期間の長さを同一とするための処理を実行するだけで、準備演出の演出期間を長くすることが可能となる。
次に、図282を参照して、準備演出期間中に実行される準備演出の演出態様について説明をする。図282(a)は、小当たり当選した特別図柄が停止表示された場合に表示される表示内容を模式的に示した模式図であって、図282(b)は、準備演出が実行されてから3秒経過時点に表示される表示内容を模式的に示した模式図である。
図282(a)に示した通り、小当たり当選した特別図柄変動が停止表示されると、表示領域HR21にて特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄が小当たり当選を示す表示態様「341」で停止表示され、表示領域HR22にて遊技者に右打ち遊技を案内するための案内表示態様として「右打ち」が表示される。そして、主表示領域Dmには、キャラクタ1800が、小当たり遊技が実行されることを報知する報知態様として「Vゲーム」の文字が付されたカード1800aが表示される。なお、図282(a)の表示画面は、小当たり遊技の開放パターンとして開放パターンAが設定される小当たりに当選した場合は、確定期間(5秒)のうち、最初の2秒間で表示され、開放パターンBが設定される小当たりに当選した場合は、確定期間(0.5秒)が設定されてから小当たり遊技のオープニング期間が1.5秒経過するまでの2秒間で表示される。
このように、何れの開放パターンが設定される小当たりに当選した場合であっても、既に特別図柄変動が停止している状態であるため、表示領域HR21には同一の表示態様が表示される。よって、第3図柄表示装置81の表示画面の表示内容に基づいて今回の小当たり種別を遊技者に判別され難くすることができる。
次いで、準備演出が実行されてから3秒が経過すると、図282(b)に示した通り、表示領域HR22が拡大表示され、準備演出の開始時の表示画面(図282(a)参照)よりも強調して右打ち遊技を促す画面が表示されると共に、表示領域HR23に、実際に遊技者が右打ち遊技によって狙う箇所を示す画像が表示される。さらに、副表示領域Dsには、右打ち遊技によって狙う箇所を示す「右のアタッカーを狙え!!」のコメントが表示される。
本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が小当たり用入賞装置10650に到達するまでに要する期間が約1.5秒となるように構成しており、図282(b)に示した表示画面が表示されてから右打ち遊技を開始することで、小当たり遊技のラウンド遊技中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させることができるように構成している。
次に、図283から図285(a)を参照して、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容の一例について説明をする。まず、小当たり遊技中に球が直V入賞口10657に入賞する場合について説明をする。図283(a)は、小当たり遊技中に球が直V入賞口10657に入賞した場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。
図283(a)に示した通り、球が直V入賞口10657に入賞した場合には、主表示領域Dmにて、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過(入球)したことを報知する報知態様1801として「V」を模した画像が表示され、副表示領域Dsには「Vゲットおめでとう!!」のコメントが表示される。本実施形態では、時短状態中の特図2変動にて小当たりに当選した場合にのみ、小当たり遊技中に球が直V入賞口10657に入賞し易い開放パターン(開放パターンA)が設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定された状態は、正常に遊技を行っていれば次の大当たり遊技が実行される確率が高い(ほぼ100%)状態となるように構成している。
よって、小当たり遊技中に球が直V入賞口10657に入賞する場合には、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過するか否かを煽る演出を実行すること無く、図283(a)に示した表示画面が表示される。
一方で、小当たり遊技中に球が役物ルート用流路10651daへ振り分けられ易い開放パターン(開放パターンB)が設定された場合には、図283(b)に示す表示画面が表示される。図283(b)は、小当たり遊技中に球が役物ルート用流路10651daを通過した場合に表示される役物チャレンジ演出の一例を模式的に示した模式図である。小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルート用流路10651daに振り分けられ、役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知すると、図283(b)に示した表示画面が表示される。この表示画面では、主表示領域Dmに転動装置10675cを用いた小当たり遊技(小当たり用入賞装置10650に入賞した球を用いた遊技)が実行されることを示す「役物チャレンジ突入」の文字が表示されると共に、転動装置10675cを模した役物画像1802が表示されると共に、副表示領域Dsには「V通過を祈れ」の文字が表示される。
さらに、主表示領域DmのHR24には、今回の役物チャレンジ演出の経過期間を示すための経過期間表示態様として、役物チャレンジ演出が開始された状態(役物チャレンジ演出開始後、0秒経過した状態)であることを示す「0:00」が表示される。この役物チャレンジの経過期間は、小当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測する経過カウンタ203mgの値を用いて算出されるように構成しており、具体的には、球が役物ルートセンサSZ2を通過した時点における経過期間カウンタ223maの値(役物チャレンジ演出開始時間)を記憶し、時間の経過に合わせて更新される経過期間カウンタ223maの値と、記憶されている役物ルートセンサSZ2を通過した時点における経過期間カウンタ223maの値との差分値に対応する秒数を算出し、その算出結果を経過時間として表示するように構成している。これにより、様々な用途で用いられる経過期間カウンタ223maの値を用いて、役物チャレンジ演出の経過期間を算出することが可能となるため、経過期間を計測するためのカウンタを共通化することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、役物チャレンジ演出が開始されてからの経過時間が所定単位分経過した場合に表示領域HR24の表示態様を可変表示するように構成しており、具体的には1/100秒単位で表示可能に構成している。そして、役物チャレンジ演出が開始されると、図284に示した表示画面が表示される。図284(a)は、役物チャレンジ演出が開始されてから15秒が経過した時点における表示画面の一例を示した模式図である。図284(a)に示した通り、役物チャレンジ演出中は、主表示領域Dmに爆弾を模した画像が表示される。この爆弾は、球が転動装置10675cから排出(アウト口10680a,1060b、或いは、役物ルートV入賞口10677に球が入球)したことに基づいて爆弾し、遊技結果を示す表示態様が表示される演出が実行される。
図284(a)に示した時点では、球が転動装置10675cの転動面10675dを流下している状態(図284(a)の点線囲み図参照)であるため、爆弾の導火線が徐々に短くなる演出が実行される。なお、この爆弾の表示態様を、例えば、役物チャレンジ演出の経過期間や、転動装置10675c内を転動する球の数や、転動位置に応じて可変させても良いし、実行中の小当たり遊技に対応する大当たり種別に応じて可変させても良い。また、本実施形態では役物チャレンジ演出として第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示演出のみを説明しているが、第3図柄表示装置81以外の構成を用いて役物チャレンジ演出を実行しても良く、例えば、役物装置10675近傍に発光手段(フルカラーLED等)を複数設け、球の転動状況に応じて、発光手段を発光制御するように構成しても良い。
図284(a)に示した状態から小当たり遊技が経過し、球が役物ルートV入賞口10677に入賞した場合に表示される表示内容の一例を、図284(b)を参照して説明をする。図284(b)は、役物チャレンジ演出が実行されてから41秒が経過し、V入賞口10677に球が入球した時点で表示される表示内容の一例を示した模式図である。図284(b)に示した通り、球がV入賞口10677に入賞すると、主表示領域Dmに、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過(入球)したことを報知する報知態様1801として「V」を模した画像が表示される。そして、副表示領域Dsには「Vゲットおめでとう!!」の文字が表示される。また、表示領域HR25には、実行される大当たり遊技の種別を遊技者に示唆するための示唆コメントとして「激アツ」の文字が表示され、表示領域HR24には、今回の役物チャレンジ演出の経過期間(転動装置10675c内を球が転動していた時間)が41秒であったことを示す「41:00」が表示される。
ここで、表示領域HR25には、後述する表示コメント選択テーブル222ma(図291(b)参照)を参照して、役物チャレンジ演出の終了時(転動装置10675cから球が排出時)の経過期間と、今回の大当たり種別と、球が入球した入球口の種別(アウト口10680a,10680b、役物ルートV入賞口10677)に応じたコメントが表示されるように構成している。
一方、転動装置10675c内を転動していた球が、アウト口10680aに入球した場合には、図285(a)に示した表示画面が表示される。図285(a)は、役物チャレンジ演出が開始されてから51秒が経過した時点における表示画面の一例を示した模式図である。図285(a)に示した通り、転動装置10675c内を転動していた球が、アウト口10680aに入球した場合は、主表示領域Dmに今回の小当たり遊技にて球がV入賞口に入球しなかったことを示す演出結果態様1802として「残念」の文字が表示され、表示領域HR25には「残念、当たっても通常だったよ」のコメントが表示される。また、表示領域HR24には、今回のチャレンジ演出の経過期間が51秒であったことを示す「51:00」が表示される。そして、副表示領域Dsには「次こそ頑張れ」の文字が表示される。
詳細な説明は図291(b)を参照して後述するが、本実施形態では、チャレンジ演出の経過期間が所定期間(40秒)を経過した状態で、球がアウト口10680aに入球した場合には、実際に設定され得る大当たり種別が遊技者に有利な大当たり種別(時短大当たり)であったとしても、遊技者に不利な大当たり種別(通常大当たり)であったことを示唆する表示コメントが表示されるように構成している。これにより、長時間の小当たり遊技の結果、大当たり遊技が実行されなかった場合において、遊技者の遊技意欲がより低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図285(b)を参照して、パチンコ機10に電源を投入した際に表示される表示画面のうち、特徴的な表示内容について説明をする。本実施形態では、小当たり遊技中の一部状態(球が転動装置10675c内に残存し得る状態)において電源が遮断された場合、再度電源を投入した後に、通常とは異なる電源復帰処理が実行されるように構成している。具体的には、通常であれば、電源投入時に実行される電源復帰処理(立ち上げ処理)にて駆動が開始される常時回転体10675aを駆動させない処理を実行する(常時回転体10675aを駆動させるための処理をスキップする処理を実行する)ように構成している。図285(b)は、常時回転体10675aの駆動処理をスキップする電源復帰処理(立ち上げ処理)の実行中に表示される表示画面の一例を示した模式図である。図285(b)に示した通り、主表示領域Dmに「電源投入中しばらくお待ち下さい」の共通コメントが表示され、その下に、今回の電源投入処理が異常処理であることを示す「小当たり遊技中に電断したためエラー状態で復帰します係員をお呼び下さい」のコメントが表示される。
このように構成することで、正常に電源投入されなかったことを遊技者に報知することができる。なお、この状態で電源が復帰したパチンコ機10は、主制御装置110のバックアップ用RAMに記憶されている情報に基づいて、電断前の遊技状態が設定される。つまり、小当たり遊技中であって、小当たり用入賞装置10650内に球が存在している状態として復帰する。本実施形態では、予め定められている小当たり遊技期間が経過した場合であっても、小当たり用入賞装置10650に球が残存している間は小当たり遊技期間(V入賞を有効に判別可能な期間)を延長するように構成している。よって、エラー状態で電源復帰した場合は、転動装置10675c内の球が排出されるまで小当たり遊技期間(V入賞を有効に判別可能な期間)が継続することになる。
これにより、表示画面を見た遊技者が係員を呼んでいる間に小当たり遊技が終了してしまうことが無い。また、常時回転体10675aが駆動停止している状態であるため、店員を呼んでいる間に球が転動装置10675cから排出されることも無い。
<第13実施形態における電気的構成について>
次に、図286から図289を参照して、本第13実施形態における主制御装置110のROM202について説明をする。図286(a)は、本第13実施形態における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第13実施形態では、上述した第9実施形態のROM202(図192(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに替えて第1当たり乱数14テーブル202maを、第1当たり種別選択テーブル202bに替えて第1当たり種別選択14テーブル202mbを、変動パターン選択テーブル202dに替えて変動パターン選択14テーブル202mdを、小当たり種別選択テーブル202eaに替えて小当たり種別選択14テーブル202meを設けた点、及び、新たに小当たりシナリオテーブル202mfを追加した点で相違している。その他の構成については、上述した第9実施形態と同一である。よって、第13実施形態におけるROM202の説明としては、上述した変更点のみを説明し、第9実施形態と同一の要素については、その説明を省略する。
第1当たり乱数14テーブル202maは、上述した第9実施形態の第1当たり乱数テーブル202a(図192(b)参照)に対して、第1特別図柄の抽選でも小当たり当選し得るように構成した点と、第2特別図柄の抽選で小当たり当選する確率を変更した点とで相違し、それ以外は同一である。
ここで、図286(b)を参照して、第1当たり乱数14テーブル202maの内容について説明をする。図286(b)は、第1当たり乱数14テーブル202maに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図286(b)に示した通り、第1当たり乱数14テーブル202maでは、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として「2~590」が、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値の範囲として「591~599」が規定され、第2特別図柄の抽選で外れと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として「2~300」が、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値の範囲として「301~599」がそれぞれ規定されている。
つまり、本第13実施形態では、第1特別図柄の抽選において、1/300(2/600)の割合で大当たりとなり、589/600の割合で外れとなり、3/200(9/600)の割合で小当たりとなるように構成している。また、第2特別図柄の抽選において、1/300(2/600)の割合で大当たりとなり、299/600の割合で外れとなり、299/600(約1/2)の割合で小当たりとなるように構成している。
これにより、第1特別図柄の抽選が実行される通常状態においても小当たり遊技を実行し、小当たり遊技経由で大当たり遊技を実行させることが可能となる。
第1当たり種別選択14テーブル202mbは、上述した第9実施形態の第1当たり種別選択テーブル202b(図193(a)参照)に対して、大当たり遊技の種別、及び、大当たり種別を判定するための判定値(第1当たり種別カウンタC2)の規定範囲を変更している点で相違している。
図287(a)を参照して、第1当たり種別選択14テーブル202mbの内容について説明をする。図287(a)は、第1当たり種別選択14テーブル202mbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図287(a)に示した通り、第1当たり種別選択14テーブル202mbには、大当たり遊技の種別として、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に選択される「大当たりA14」,「大当たりB14」と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に選択される「大当たりC14」と、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過したことに基づいて選択される「大当たりD14」と、がそれぞれ規定されている。
「大当たりA14」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定され、当選時の遊技状態が時短状態である場合には、その大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されている大当たり種別である。
「大当たりB14」は、大当たり遊技として、2ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されている大当たり種別である。
「大当たりC14」は、大当たり遊技として、15ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定され、当選時の遊技状態が時短状態である場合には、その大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されている大当たり種別である。
「大当たりD14」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態に関わらず、その大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように規定されている大当たり種別である。この「大当たりD14」は、第1特別図柄の抽選で小当たり当選し、その小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過した場合において選択され得る大当たり種別である。
変動パターン選択14テーブル202mdは、上述した第9実施形態の変動パターン選択テーブル202d(図11((a)参照)に対して、特別図柄の変動時間に加えて特別図柄の停止時間(確定時間)を規定している点で相違している。つまり、本第13実施形態では、変動パターン選択14テーブル202mdによって、特別図柄の変動時間と確定時間を選択可能に構成している点で上述した第9実施形態と相違している。なお、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照し、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターン(変動時間)を選択する構成については、上述した第9実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、変動パターン選択14テーブル202mdの内容について、図289を参照して説明をする。図289(a)は、変動パターン選択14テーブル202mdに規定されている内容を模式的に示した模式図であって、図289(b)は、変動パターン選択14テーブル202mdに規定されている通常用変動パターン14テーブル202md1の内容を示した模式図であって、図289(c)は、変動パターン選択14テーブル202mdに規定されている時短用変動パターン14テーブル202md2の内容を示した模式図である。
図289(a)に示した通り、変動パターン選択14テーブル202mdには、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照される通常用変動パターン14テーブル202md1と、時短状態が設定されている場合に時短用変動パターン14テーブル202md2とが規定されている。
通常用変動パターン14テーブル202md1には、図289(b)に示した通り、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて様々な変動パターン(30秒~90秒)が規定されている。なお、図289(b)では、その説明を省略している。そして、特別図柄の抽選結果に応じて、異なる確定時間(特別図柄を停止表示する時間)が設定されるように構成している。
具体的には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特別図柄の抽選結果が当たりである場合には確定時間として1秒が設定され、小当たりAである場合には確定時間として5秒が設定され、小当たりB,Cである場合には確定時間として0.5秒が設定され、外れである場合には0.5秒が設定されるように規定している。
そして、時短用変動パターン14テーブル202md2には、図289(c)に示した通り、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて様々な変動パターン(5秒~10秒)が規定されている。なお、図289(c)では、その説明を省略している。そして、特別図柄の抽選結果に関わらず、確定時間として0.5秒が設定されるように規定している。
これにより、遊技状態および特別図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の確定時間を異ならせることができるため、図281を参照して上述した通り、小当たり遊技のオープニング期間の長さを可変させることにより、小当たり遊技中における入賞球の挙動を異ならせる構成を用いた場合において、小当たり当選した特別図柄の変動が停止してから、小当たり遊技のラウンド期間が開始されるまでの間に一定期間(特別図柄の確定期間と、小当たり遊技のオープニング期間を合算した期間)を確保することが可能となる。
よって、図282を参照して説明をした準備演出の実行タイミングに基づいて、遊技者に対して今回実行される小当たり遊技の種別(遊技者に有利な小当たり遊技、不利な小当たり遊技)が事前に(小当たり遊技が実行されるよりも前に)判別されてしまうことを抑制することができる。
小当たり種別選択14テーブル202meは、当選した小当たりに対して小当たり種別を設定する場合に参照されるデータテーブルである。なお、特別図柄の抽選を実行してから小当たり種別が設定されるまでの制御処理内容については、上述した第9実施形態と同一であり、本実施形態では、選択される小当たり種別の内容を上述した第9実施形態から変更している点で相違している。よって、小当たり種別選択14テーブル202meに規定されている内容についてのみ説明をし、それ以外は省略する。
ここで、図287(b)を参照して、小当たり種別選択14テーブル202meの内容について説明をする。図287(b)は、小当たり種別選択14テーブル202meに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図287(b)に示した通り、小当たり種別選択14テーブル202meには、第1特別図柄で小当たりに当選した場合に選択される小当たり種別と、第2特別図柄で小当たりに当選した場合に選択される小当たり種別と、がそれぞれ規定されている。
具体的には、小当たりに当選した特別図柄が第1特別図柄の場合は、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0」に「小当たりA14」、「1~49」の範囲に「小当たりB14」、「50~99」の範囲に「小当たりC14」が規定されており、小当たりに当選した特別図柄が第2特別図柄の場合は、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に「小当たりA15」、「50~99」の範囲に「小当たりB15」が規定されている。
選択された小当たり種別に応じて、小当たり遊技中における動作シナリオとして異なる動作シナリオが選択されると共に、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過した場合に実行される大当たり遊技として異なる大当たり種別が設定されるように構成している。
具体的には、小当たり種別として「小当たりA14、小当たりA15」が選択されると、V通過時(V入賞口に球が入球した場合)に実行される大当たり遊技の種別として「小当たりA14」では「大当たりA14(10R時短大当たり)」が、「小当たりA15」では「大当たりC14(15R時短大当たり)」が設定され、小当たり遊技の動作シナリオとして、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞し易い動作シナリオ(小当たり遊技中にV入賞口する確率が高い(ほぼ100%))が設定される。
「小当たりB14、小当たりB15」が選択されると、V通過時(V入賞口に球が入球した場合)に実行される大当たり遊技の種別として「小当たりB14」では「大当たりA14(10R時短大当たり)」が、「小当たりB15」では「大当たりC14(15R時短大当たり)」が設定され、小当たり遊技の動作シナリオとして、遊技状態が通常状態の場合は、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677に入賞し易い(小当たり遊技中にV入賞口する確率が低い(約25%))動作シナリオが設定され、時短状態の場合は、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞し易い動作シナリオ(小当たり遊技中にV入賞口する確率が高い(ほぼ100%))が設定される。つまり、遊技状態に応じて異なる動作シナリオが設定されるように構成している。これにより、同一の小当たり種別に当選した場合であっても、当選した遊技状態に応じて小当たり遊技の遊技内容(V入賞のし易さ)を異ならせることができるために、遊技者に対して、特別図柄抽選の抽選結果に加え、小当たり当選した時点における遊技状態にまで興味を持たせることができる。
「小当たりC14」が選択されると、V通過時(V入賞口に球が入球した場合)に実行される大当たり遊技の種別として「大当たりD14(10R時短大当たり)」が設定され、小当たり遊技の動作シナリオとして、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677に入賞し易い(小当たり遊技中にV入賞口する確率が低い(約25%))動作シナリオが設定される。
小当たりシナリオテーブル202mfは、小当たり遊技中に実行される各種装置(開閉扉10650b、回転体10652、可動片10653)に対する動作内容を、設定されている小当たり種別に対応させて規定しているデータテーブルであって、小当たり遊技が実行される場合に読み出されるものである。そして、小当たり遊技の開始に合わせて読み出されたシナリオがセットされ、経過時間や経過条件に基づいてシナリオ情報が更新され、更新後のシナリオ情報に対応した動作制御が各装置に対して実行される。
ここで、図288を参照して、小当たりシナリオテーブル202mfに規定されている内容について説明をする。図288は小当たりシナリオテーブル202mfの内容を模式的に示した模式図である。なお、図288では、小当たりシナリオテーブル202mfに規定されている内容(各種装置の動作内容)を分かり易く説明するために、動作の流れを時間経過に合わせて示しているが、実際は、主制御装置110のメイン処理にて定期的に実行されるカウンタ更新処理にて更新されるカウンタ値に対応させて、各種装置の動作内容が規定されているものである。
次に、図290を参照して、本第13実施形態における主制御装置110のRAM203の内容について説明をする。図290は、本実施形態における主制御装置110のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図290に示した通り、本実施形態では、上述した第9実施形態における主制御装置110のRAM203(図194参照)に対して、第2特別図柄保留球格納エリア203bに替えて第2特別図柄保留球格納エリア203maを、第2特別図柄保留球数カウンタ203fに替えて第2特別図柄保留球数カウンタ203mbを設けた点、及び、入球フラグ203mc、貯留フラグ203md、Vルート通過フラグ203me、役物ルート通過フラグ203mf、経過カウンタ203mg、遊技状況格納エリア203miを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第13実施形態では、上述した第9実施形態に対して、記憶可能な第2特別図柄の保留数(保留記憶数)を、4個から1個に減少されている点で相違しており、この相違点に対応させるように、第2特別図柄保留球格納エリア203ma、及び、第2特別図柄保留球数カウンタ203mbの構成を、上述した第9実施形態の第2特別図柄保留球格納エリア203b、及び、第2特別図柄保留球数カウンタ203fに対して異ならせている。
つまり、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2特別図柄保留球格納エリア203bを、1つの保留エリア(保留第1エリア)のみからなる第2特別図柄保留球格納エリア203maに替えている。また、第2入球口10640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数可能な第2特別図柄保留球数カウンタ203fに対して、最大1回まで計数可能な第2特別図柄保留球数カウンタ203mbに替えている。それ以外の内容は同一であるため、詳細な説明及び、本要素が用いられる制御処理の内容については省略する。
入球フラグ203mcは、図270を参照して上述した小当たり用入賞装置10650に球が入賞したことを示すためのフラグであって、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が入球センサSZ0を通過した場合にオンに設定される。そして、小当たり遊技中における遊技状況を判別する場合に参照される。そして、小当たり遊技の終了と共にオフに設定されるものである。
貯留フラグ203mdは、当たり用入賞装置10650に入賞した球が回転体10652の貯留部10652aに貯留された(図271参照)ことを示すためのフラグであって、貯留部10652aに球が貯留された場合にオンに設定されるものである。この貯留フラグ203mdは、遊技状況判別処理(図300のS3201参照)において、貯留部10652aに設けられた貯留センサSZ1が球を検知していると判別し、且つ、そのタイミングが貯留可能期間であると判別した場合にオンに設定され(S3208参照)、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、小当たり遊技における現在の遊技状況を判別する際に参照される(図299のS3202参照)。また、小当たり中監視処理(図301のS1395参照)において、小当たり遊技中の異常状態を判別する際にも参照される(図301のS3303参照)。そして、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、小当たり遊技における現在の遊技状況が進行した場合にオフに設定される。
Vルート通過フラグ203meは、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V流路10651eを通過したことを示すためのフラグであって、球が直V流路10651eを通過した場合にオンに設定されるものである。
このVルート通過フラグ203meは、遊技状況判別処理(図300のS3201参照)において、直VルートセンサSZ3が球を検知している状態が、直V流路10651eを球が通過可能な期間であると判別した場合に、オンに設定される(図300のS3212参照)。そして、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、小当たり遊技中の遊技状況を設定するために、Vルート通過フラグ203meの設定状況が参照される(図299のS3210)。
Vルート通過フラグ203meは、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V流路10651eを通過したことを示すためのフラグであって、球が直V流路10651eを通過した場合にオンに設定されるものである。このVルート通過フラグ203meは、遊技状況判別処理(図300のS3201参照)において、直VルートセンサSZ3が球を検知している状態が、直V流路10651eを球が通過可能な期間であると判別した場合に、オンに設定される(図300のS3212参照)。そして、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、小当たり遊技中の遊技状況を設定するために、Vルート通過フラグ203meの設定状況が参照される(図299のS3210)。そして、小当たり遊技が終了した場合にオフに設定される。
役物ルート通過フラグ203mfは、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルート用流路10651daを通過したことを示すためのフラグであって、球が役物ルート用流路10651daを通過した場合にオンに設定されるものである。この役物ルート通過フラグ203mfは、遊技状況判別処理(図300のS3201参照)において、役物ルートセンサSZ2が球を検知している状態が、役物ルート用流路10651daを球が通過可能な期間であると判別した場合に、オンに設定される(図300のS3216参照)。そして、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、小当たり遊技中の遊技状況を設定するために、役物ルート通過フラグ203mfの設定状況が参照される(図299のS3207)。そして、小当たり遊技が終了した場合にオフに設定される。
経過カウンタ203mgは、小当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであって、小当たり制御処理15(図297のS1092参照)において、小当たり遊技が開始された場合にカウンタの値に1がセットされ(図297のS1391参照)、小当たり中フラグ203eaがオンに設定されている間、その値が更新される(図297のS1392参照)。そして、小当たり終了のタイミングであると判別した場合に(図297のS1310:Yes)、カウンタの値がリセットされる(図297のS1396参照)。
この経過カウンタ203mgの値は、異なる流下期間が設定される複数のV入賞口(特定領域)への球の入球が正常であるか否かを判別する際に参照される(図298参照)。また、小当たり中監視処理(図301のS1395参照)において、小当たり遊技中に異常が発生しているかを判別する際に参照される(図301のS3305)。つまり、異なる流下期間が設定される複数のV入賞口(特定領域)を小当たり遊技中に球が入球可能となる可変入球装置(小当たり用入賞装置10650)内に設けた場合には、一方のV入賞口と、他方のV入賞口とで、球が入球するタイミングが異なることになる。そこで、V入賞口への球の入球タイミングが正常であると判別可能な期間(V入賞有効期間)として、何れのV入賞口に対しても共通の期間を設定してしまうと、個々のV入賞口に対する実際のV入賞有効期間よりも長い期間のV入賞有効期間を設定しまうことになり、異常(不正)に球をV入賞口に入賞させたことを監視し難くなるという問題が発生した。
これに対し、本実施形態では、各V入賞口に対して、V入賞有効期間を設定し、経過カウンタ203mgの値と、球が入賞したV入賞口の種別とに基づいて、今回の入賞が有効であるか否かを判別するように構成している。これにより、不正なV入賞を監視し易くすることができる。
遊技状況格納エリア203miは、小当たり遊技中における遊技状況を一時的に記憶するための格納エリアであって、遊技状況設定処理(図299のS1394参照)において、設定される各種遊技状況を記憶するための記憶領域である。この遊技状況格納エリア203miは、現在設定されている遊技状況を記憶するための現在記憶エリアと、過去に設定された遊技状況を最大で4つ記憶可能な過去記憶エリアと、を有している。
本制御例では、小当たり遊技中の遊技状況として、小当たり遊技の進行度合いに合わせて、貯留待ち状況(回転体10652の貯留部10652aに球が一度も貯留されていない状況)、待機状況(回転体10652の貯留部10652aに球が貯留されている状況)、役物通過状況(球が役物ルート用流路10651daを通過した状況)、直V通過状況(球が直V流路10651eを通過した状況)と、を設定可能に構成しており、現在設定されている遊技状況に応じて、小当たり遊技中における異常の有無判別や、小当たり遊技中に発生した電断状態(停電等)から復帰した場合に実行される小当たり中復帰処理(図296のS992参照)にて実行される復帰処理内容を異ならせるように構成している。
次に、図291を参照して、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容について説明をする。図291(a)は、第13実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、上述した第9実施形態のROM222に対して、表示コメント選択テーブル222maを追加した点で相違している。なお、詳細な説明は省略するが、変動パターン選択テーブル222aの内容を、主制御装置110のROM202が有する変動パターン選択14テーブル202mdの内容や、第3図柄表示装置81の表示画面にて表示する表示内容に対応させて変更させている。
表示コメント選択テーブル222maは、小当たり遊技中において小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルート用流路10651daを流下し、転動装置10675cを転動した後、アウト口10680a,10680b或いは、役物ルートV入賞口10677に入球したタイミングで第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるコメント(図284(b),図285(a)参照)の種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、表示コメント選択テーブル222maの内容について、図291(b)を参照して説明する。図291(b)は、表示コメント選択テーブル222maの内容を模式的に示した模式図である。図291(b)に示した通り、表示コメント選択テーブル222maには、大当たりが開始されてからの経過期間を計測する経過期間カウンタ223maの値と、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(V入賞した場合に実行される大当たり種別)と、球が入球した入球口(アウト口、V入賞口)の種別と、に応じて異なる表示コメントが選択されるように構成している。
具体的には、経過期間カウンタ223maの値が、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間として「0~2秒」を示す値であって、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「時短当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「激アツ」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念、アツかったのに」が選択される。また、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「通常当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「おめでとう」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念」が選択される。
つまり、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間が短い場合(第1期間内である場合)は、入賞結果が何れであっても、今回当選した小当たりに対して設定された大当たり種別(抽選結果)を、遊技者が判別し易い内容の表示コメントが表示され易くなるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技にてV入賞した場合には、実際に大当たり遊技が実行されるよりも前に、その大当たり遊技の種別(大当たり種別)を予測することができると共に、小当たり遊技にてV入賞しなかった場合であっても、今回の小当たり遊技にてV入賞した場合に付与される大当たり遊技の種別を予測することが可能となる。
経過期間カウンタ223maの値が、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間として「2~20秒」である場合には、抽選結果に関わらず、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「おめでとう」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念」が選択される。このように、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間が特定の範囲(第2期間である場合)には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるコメントからは、今回の抽選結果を遊技者が予測することが出来ないように構成している。よって、小当たり遊技にてV入賞した場合には、実際に実行される大当たり遊技を注視させることができると共に、小当たり遊技にてV入賞しなかった場合に今回の抽選結果を遊技者が予測することができないため、今回の小当たり遊技の遊技結果を気にすること無く、次の小当たり当選に向けて遊技を行わせることができる。
次に、経過期間カウンタ223maの値が、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間として「20~40秒」を示す値であって、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「時短当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「おめでとう」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念、アツかったのに」が選択される。また、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「通常当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「おめでとう」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念」が選択される。
つまり、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間が特定期間(第3期間)の範囲内である場合は、入賞結果が「V入賞」である場合にのみ、今回当選した小当たりに対して設定された大当たり種別(抽選結果)を、遊技者が判別し易い内容の表示コメントが表示され易くなるように構成している。このように、入賞結果が何れか一方の場合にのみ、今回の抽選結果を遊技者に判別し易くすることで、全ての抽選結果を遊技者に判別され難くすることができる。なお、本実施形態では、入賞結果が「V入賞」である場合に、今回の抽選結果を遊技者が判別し易い内容のコメントを表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、入賞結果が「外れ(アウト口)」である場合に、今回の抽選結果を遊技者が判別し易い内容のコメントを表示するように構成しても良いし、所定の抽選を実行可能とし、その抽選結果が所定の抽選結果である場合に、今回の抽選結果を遊技者が判別し易い内容のコメントを表示するように構成しても良い。
最後に経過期間カウンタ223maの値が、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間として「40秒以上」を示す値であって、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「時短当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「激アツ」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念、当たっても通常だったよ」が選択される。また、今回の小当たり遊技にて設定されている大当たり種別(抽選結果)が「通常当たり」であり、球が入球した入球口(入賞結果)が「V入賞」である場合には、表示コメントとして「おめでとう」が選択され、球が入球した入球口(入賞結果)が「外れ(アウト口)」である場合には、表示コメントとして「残念、当たっても通常だったよ」が選択される。
つまり、転動装置10675cに球が流入してからの経過時間が長い場合は、入賞結果が「V入賞」である場合は、今回当選した小当たりに対して設定された大当たり種別(抽選結果)を、遊技者が判別し易い内容の表示コメントが表示され易くなるように構成し、入賞結果が「外れ(アウト口)」である場合は、何れの抽選結果であっても、遊技者に不利となる抽選結果(通常当たり)であったことを示す表示コメントが表示される。このように構成することで、小当たり遊技にてV入賞した場合には、実際に大当たり遊技が実行されるよりも前に、その大当たり遊技の種別を予測することができると共に、小当たり遊技にてV入賞しなかった場合には、実際の抽選結果とは異なる内容を示す表示コメントを表示させることで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した内容で表示コメントを選択するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、経過時間と表示内容の関係性を異ならせても良い。また、本実施形態では、抽選結果を判別可能な表示内容と、判別困難な表示内容と、の2種類を選択可能に構成しているが、これに限ること無く、抽選結果の判別のし易さを異ならせた3種類以上の表示内容から一の表示内容を選択可能に構成しても良い。
さらに、本実施形態では、実際に転動装置10675cから球が排出されたタイミング(アウト口、V入賞口の何れかの入球口に球が入球したタイミング)で、遊技者が抽選結果を予測可能な表示コメントを表示するように構成しているが、別のタイミングで抽選結果を予測可能な表示コメントを表示するように構成しても良く、例えば、転動装置10675cの転動面10675d上を球が転動している期間が所定期間に到達した場合に、今回の抽選結果を遊技者が予測可能な表示コメントを表示するように構成しても良い。このように構成することで、表示コメントの内容に基づいて、今回の小当たり遊技の遊技結果をより強く注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、小当たり用入賞装置10650に入賞した球数に応じて選択される表示コメントの内容を可変させるように構成しても良く、例えば、小当たり用入賞装置10650に入賞させた球の数が多いほど、遊技者に有利な表示内容が選択されるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技中に多くの球を小当たり用入賞装置10650に入賞させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面に今回の抽選結果を予測可能な表示コメントを表示するように構成しているが、遊技者が今回の抽選結果を予測可能な態様で報知できれば良く、例えば、パチンコ機10に設けられている発光手段による発光色を可変させることで抽選結果を予測可能に構成しても良いし、パチンコ機10から出力される音声の種別によって抽選結果を予測可能に構成しても良い。
次に、図292を参照して、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容について説明をする。図292は、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図292に示した通り、本実施形態では、上述した第9実施形態のRAM223に対して、経過期間カウンタ223maを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
経過期間カウンタ223maは、小当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタであって、当たり関連処理15(図303のS43071参照)において、小当たり用オープニングコマンドを受信した場合に、カウンタの値として1がセットされる(図303のS44051)。そして、演出更新処理15(図302のS4191参照)において、その値が1更新される。この演出更新処理15は、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図34参照)にて実行されるものであり、経過期間カウンタ223maの値が1加算されると、1ミリ秒経過したことになる。よって、例えば、「1秒の経過」を判別する場合には、経過期間カウンタ223maの値が1秒に対応する「1000」であるかを判別している。なお、本実施形態では、説明の便宜上、経過時間の判別内容を説明する際に、経過期間カウンタ223maの値では無く秒数を用いているが、実際の制御処理としては経過期間カウンタ223maの値に基づいて判別するものである。
<第13実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図293から図301を参照して、主制御装置110の制御処理内容について説明をする。本実施形態では、上述した第9実施形態に対して、特別図柄変動処理13(図197のS141参照)に替えて特別図柄変動処理15(図293参照)を、小当たり開始処理(図199のS266参照)に替えて小当たり開始処理15(図294参照)を、立ち上げ処理13(図200参照)に替えて立ち上げ処理15(図295参照)を、小当たり制御処理13(図203のS1072参照)に替えて小当たり制御処理15(図297参照)を、V通過検出処理(図204のS1625参照)に替えてV通過検出処理15(図298参照)を、設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図293を参照して特別図柄変動処理15(S141)の内容について説明をする。図293は、特別図柄変動処理15(S141)の内容を示したフローチャートである。図293に示した通り、特別図柄変動処理15(S141)は、上述した特別図柄変動処理13(図197のS141参照)に対して、S221の処理において時短カウンタ203iの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S221:No)も、S265の処理へ移行する点と、S265の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合に(S265:Yes)、実行される処理を、小当たり開始処理15(S266)に変更した点で相違し、それ以外は同一である。
次に、図294を参照して、小当たり開始処理15(S266)の内容について説明をする。図294は、小当たり開始処理15(S266)の内容を示したフローチャートである。図294に示した通り、小当たり開始処理15(S266)が実行されると、まず、今回当選した小当たり種別に対応する小当たりシナリオを小当たりシナリオテーブル202mfから読み出し(S1591)、その後、上述した小当たり開始処理(図199のS266参照)と同一のS1502,S1503の処理を実行し、本処理を終了する。
次いで、図295を参照して、立ち上げ処理15の内容について説明をする。図295は、立ち上げ処理15の内容を示したフローチャートである。本実施形態では、小当たり遊技の一部として転動装置10675cを用いて球を転動させ、転動装置10675cから排出された球が入球した入球口の種別(アウト口、V入賞口)に応じて、小当たり遊技の遊技結果を異ならせるように構成している。そして、転動装置10675cには常時回転体10675aが設けられており、その常時回転体10675aと、転動装置10675cの転動面10675dを転動する球が衝突することにより、球の挙動を不規則にし、遊技者に対して予測し難い挙動で球を転動させることで遊技者が早期に飽きることの無い小当たり遊技を提供可能に構成している。
さらに、転動装置10675cは図275を参照して上述した通り、すり鉢形状に形成され、常時回転体10675aと衝突することにより球が受ける力を用いて転動装置10675c外へと排出されるように構成している。このように構成することで、転動装置10675cを転動する球が、常時回転体10675aと衝突すること無く(球の挙動を不規則にすることなく)、転動装置10675c外へ排出されてしまうことを抑制している。
このような装置を用いている本実施形態におけるパチンコ機10では、小当たり遊技のうち転動装置10675cを球が転動している状態において、停電等の電断状態が発生した場合には、転動装置10675c内に球が残留した状態となる。
この場合において、電源が復帰し、常時回転体10675aの駆動が開始されてしまうと、球が転動装置10675c内で停止している状態(すり鉢状の転動装置10675cの底面に停止している状態)で、常時回転体10675aと衝突することになり、球が規則的な挙動で転動してしまう虞があった。また、その規則性が、役物ルートV入賞口10677に向けて転動し易い規則性である場合には、小当たり遊技中であって、転動装置10675c内に球が存在する状態で意図的にパチンコ機10の電源を遮断させる不正行為が行われてしまう虞があった。
これに対して、本実施形態では、停電等の電断状態が発生し、転動装置10675c内に球が残留した状態で電源が復帰した場合には、常時回転体10675aを駆動させること無く、エラー状態として電源を復帰するように立ち上げ処理15を実行するように構成している。これにより、転動装置10675c内に球が存在する状態で意図的にパチンコ機10の電源を遮断させる不正行為が行われてしまうことを抑制することができる。また、電断状態時の状況を維持したままエラー状態として電源を復帰することができるため、電源復帰後における対応を店員に委ねることが可能となる。
立ち上げ処理15が実行されると、まず、上述した立ち上げ処理13(図200参照)と同一のS901~S910の処理を実行し、その後、RAM203に記憶されている時短中カウンタ203i、大当たり中フラグ203m、小当たり中フラグ203ea、役物ルート通過フラグ203meの設定状況を読み出す(S991)。なお、本実施形態においても、上述した各実施形態と同様に、RAM203に記憶されている情報は、パチンコ機10への電源が遮断された状態でも保持可能に構成されている。具体的な構成については、上述した各実施形態と同一であるため、その説明は省略する。
S991の処理を終えると、S912の処理を実行し、その後、小当たり中復帰処理を実行し(S992)、S914の処理を実行し、メイン処理15へ移行する。なお、メイン処理15は、上述したメイン処理13(図201参照)に対して、小当たり制御処理13(図203のS1072参照)に替えて小当たり制御処理15(図297のS1092参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。よって、メイン処理15の内容について、図示、及び内容の説明を省略する。
次に、図296を参照して、立ち上げ処理15(図295参照)にて実行される小当たり中復帰処理(S992)の内容について説明をする。図296は、小当たり中復帰処理(S992)の内容を示したフローチャートである。この小当たり中復帰処理(S992)は、電源を投入した状態が小当たり遊技中である場合において、その小当たり遊技の遊技状況に応じて異なる電源復帰処理を実行するためのものである。
小当たり中復帰処理(S992)が実行されると、まず、小当たり中フラグ203eaがオンに設定されているかを判別し(S3001)、オンに設定されていない、即ち、現在が小当たり遊技中では無いと判別した場合は(S3001:No)、加速回転体(常時回転体)10675aの回動開始を設定し(S3009)、本処理を終了する。一方、S3001の処理において、小当たり中フラグ203eaがオンに設定されていると判別した場合は(S3001:Yes)、次に、Vフラグ(V通過フラグ)203ecがオンに設定されているかを判別し(S3002)、Vフラグ(V通過フラグ)203ecがオンに設定されていると判別した場合は(S3002:Yes)、既に、小当たり遊技の遊技結果が確定している状態であるため、実行中の小当たりシナリオの進行内容を、電断時処理にて一時的に退避記憶させておいた記憶エリア(バックアップエリア)から読み出し(S3007)、読み出した進行内容に対応させた情報をRAM203に設定し(S3008)、S3009の処理へ移行し、その後本処理を終了する。
S3002の処理において、Vフラグ(V通過フラグ)203ecがオンに設定されていないと判別した場合(S3002:No)、即ち、現在が小当たり遊技中であって、且つ、V入賞口に球が入球していない状態である場合は、遊技状況格納エリア203miに格納されている現在の遊技状況を読み出し(S3003)、現在の遊技状況が、貯留待ち状況、又は、待機状況であるかを判別する(S3004)。ここで、現在の遊技状況が、貯留待ち状況、又は、待機状況であると判別した場合は(S3004:Yes)、小当たり用入賞装置10650内において、球が回転体10652よりも下流側に到達していない状態であり、正常に電源復帰しても問題がないため、S3007の処理へ移行する。
一方、S3004の処理において、現在の遊技状況が、貯留待ち状況、又は、待機状況では無い、即ち、現在の遊技状況が役物通過状況、或いは、直V通過状況であると判別した場合は(S3004:No)、小当たり遊技中のエラーを示すエラーコマンドを設定する(S3005)。このS3005の処理において設定されるエラーコマンドとしては、現在の遊技状況が直V通過状況である場合には、直V流路10651eを球が通過した状態にも関わらず、Vフラグ(V通過フラグ)203ecがオンに設定されていない状態、即ち、直V流路10651e内に設けられた直VルートセンサSZ3が球を検知してから球が直V入賞口10657に入球するまでの間に、電断状態が発生した状態では、電断状態中に球が直V入賞口10657を入球したことを示すエラーコマンドが設定され、現在の遊技状況が役物通過状況である場合には、転動装置10675c内に球が存在している状態である可能性が高いことを示すエラーコマンドが設定される。
S3005の処理において設定されたエラーコマンドは、他のコマンドと同様に主制御装置110のメイン処理にて音声ランプ制御装置113等の外部装置へと出力される。音声ランプ制御装置113が上述したエラーコマンドを受信した場合には、受信したエラーコマンドの内容を判別し、その判別結果に基づくエラー表示を第3図柄表示装置81の表示画面に表示させるための表示用コマンドを設定し、表示制御装置114へと出力し、表示制御装置114によって、第3図柄表示装置81の表示画面にエラー表示が表示される(図285(b)参照)。
S3005の処理を終えると、次に、現在の遊技状況が役物通過状況であるかを判別し(S3006)、役物通過状況では無い(直V通過状況である)と判別した場合は(S3006:No)、転動装置10675c内に球が存在していることが無いため、S3009の処理へ移行する。S3006の処理において、役物通過状況であると判別した場合は(S3006:Yes)、加速回転体(常時回転体)10675aの回動開始を設定するためのS3009の処理をスキップして本処理を終了する。
このように構成することにより、転動装置10675c内に球が存在する状態(存在している可能性が高い状態)では、その旨を示すエラーコマンドを設定すると共に、加速回転体(常時回転体)10675aを回動させること無く立ち上げ処理15を終了させることができるため、転動装置10675c内に球が存在する状態で意図的にパチンコ機10の電源を遮断させる不正行為が行われてしまうことを抑制することができる。また、電断状態時の状況を維持したままエラー状態として電源を復帰することができるため、電源復帰後における対応を店員に委ねることが可能となる。
なお、本処理において加速回転体(常時回転体)10675aの回動を開始させること無くエラー状態で電源を復帰した場合には、図示しないエラー解除ボタンを店員が操作することにより、エラー状態を解除した後に、加速回転体(常時回転体)10675aの回動を開始するように構成しているが、これに限ること無く、RAM203に記憶されている情報の全て、或いは一部を消去するためのボタン(RAM消去スイッチ)を操作した状態で電源を再度立ち上げるように構成しても良い。
次に、図297を参照して、小当たり制御処理15(S1092)の内容について説明をする。図297は、小当たり制御処理15(S1092)の内容を示したフローチャートである。図297に示した通り、小当たり制御処理15(S1092)は、上述した小当たり制御処理13(図203のS1072参照)に対して、小当たり遊技中の経過時間を計測するための経過カウンタ203mgの値を更新するための処理と、小当たり遊技中有に実行する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理15が実行されると、まず、上述した小当たり制御処理13(図203のS1072参照)と同一のS1301~S1321の処理を実行し、その後、経過カウンタ203mgの値に1をセットし(S1391)、本処理を終了する。また、S1301,S1304の順で処理を実行し、S1304の処理で小当たり中フラグ203eaがオンに設定されていると判別した場合は(S1304:Yes)、次いで、小当たり動作シナリオの内容、及び、経過カウンタ203mgの値を更新し(S1392)、S1310の処理へ移行する。S1310の処理において、小当たり終了タイミングでは無いと判別した場合、即ち、現在が小当たり遊技中であると判別した場合(S1310:No)は、V通過検出処理15を実行し(S1393)、遊技状況設定処理を実行し(S1394)、小当たり中監視処理を実行し(S1395)、その後、本処理を終了する。
S1393の処理において実行されるV通過検出処理15(S1393)は、上述した第9実施形態のV通過検出処理13(図204のS1625)に替えて実行されるものであり、その詳細な説明は、図298を参照して後述する。また、S1394の処理において実行される遊技状況設定処理(S1394)の詳細な内容については、図299を参照して説明し、S1395の処理において実行される小当たり中監視処理(S1395)の詳細な内容については、図301を参照して説明をする。
図297に戻り説明を続ける。S1310の処理において、小当たり終了のタイミングであると判別した場合は(S1310:Yes)、S1311の処理を実行し、経過カウンタ203mgの値をリセットし(S1396)、その後、小当たり制御処理13(図203のS1072参照)と同一のS1322~S1325の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図298を参照して、小当たり制御処理15(図297のS1092参照)にて実行されるV通過検出処理15(S1393)の内容について説明をする。図298は、V通過検出処理15(S1393)の内容を模式的に示したフローチャートである。このV通過検出処理15(S1393)は、上述したV通過検出処理(図204のS1625参照)に対して、球が通過したV入賞口の種別に応じてV通過時の処理内容を異ならせている点で相違している。なお、V通過検出処理15(S1393)では、説明の便宜上、上述した第9実施形態のV通過検出処理13(図204のS1625)と異なる符号を付しているが、実質同一の処理内容がある。その場合、対応関係のみを説明し、その詳細な内容の説明を省略する。
V通過検出処理15(S1393)が実行されると、まず、V通過検出処理13(図204のS1625)のS1601,S1602と同一のS3101,S3102の処理を実行する。そして、S3102の処理においてV通過あり(V入賞口に球が入球した)と判別した場合は(S3102:Yes)、次に、今回球が入球したV入賞口が直V入賞口10657であるかを判別し(S3103)、直V入賞口10657であると判別した場合は(S3103:Yes)、経過カウンタ203mgの値を読み出し(S3104)、読み出した値が直V入賞の有効期間内であるかを判別する(S3105)。
ここで、本実施形態では、図288に示した通り、小当たり遊技中に動作制御される各種装置(回転体10652、可動片10653、開閉扉10650b)の動作内容が小当たりシナリオテーブル202mfに規定されているため、常に各種装置が規則的に作動するように構成している。これにより、今回の小当たり遊技において球が各V入賞口(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)に入球し得る期間(V入賞有効期間)をRAM202の記憶領域に予め設定している。よって、小当たり遊技が開始されてからの経過時間を経過カウンタ203mgの値で判別し、その判別結果と、予め設定しているV入賞有効期間とに基づいてS3105の判別が実行される。
S3105の処理において、現在が直V入賞有効期間内では無いと判別した場合は(S3105:No)、エラーコマンドを設定し(S3109)、本処理を終了し、現在が直V入賞有効期間内であると判別した場合は(S3105:Yes)、上述したV通過検出処理13(図204のS1625)のS1607,S1608,S1609と同一の処理であるS3106,S3107,S3108の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S3103の処理において、今回球が入球したV入賞口が直V入賞口10657では無い(役物ルートV入賞口10677である)と判別した場合は(S3103:No)、経過カウンタ203mgの値を読み出し(S3110)、読み出した値が役物ルートV入賞口10677のV入賞有効期間内であるかを判別する(S3111)。なお、本実施形態では、役物ルートV入賞口10677に球が入球するまでに転動装置10675cによる球の転動動作が実行されるため、役物ルートV入賞口10677のV入賞有効期間は、最短期間、即ち、小当たり遊技が開始されてから、球が転動装置10675cへと流入し得る最短の時間(10秒)のみが設定されている。
S3111の処理においてV入賞有効期間では無いと判別した場合は(S3111:No)、エラーコマンドを設定し(S3112)、本処理を終了する。一方、V入賞有効期間であると判別した場合は(S3111:Yes)、S3106の処理へ移行する。なお、S3109、及びS3112の処理でエラーコマンドが設定された場合は、上述したV通過検出処理13(図204のS1625)のS1604の処理と同一の処理が実行される。
以上、説明をした通り、本実施形態では、複数のV入賞口(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)のそれぞれに対してV入賞有効期間を設定し、小当たり遊技が開始されてからの経過期間と、球が入球したV入賞口の種別とに応じて正常なV入賞であるか否かを判別するように構成している。これにより、球が到達するまでに要する期間(小当たり遊技が開始されてからの期間)が異なる経路を経由してV入賞口に到達するように構成されたパチンコ機10において、今回のV入賞が正常であるか否か精度を高めて判別することができる。
なお、本実施形態は、複数のV入賞口を設け、各V入賞口に球が到達するまでの期間を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、一のV入賞口に対して球を到達させることが可能な経路(流路)を複数設ける構成であれば、球が流下した流路毎にV入賞有効期間を予め設定しておき、球が通過した経路(流路)を判別する判別手段と、球がV入賞口に到達するまでに要した期間と、に基づいて、今回のV入賞が正常であるか否かを判別するように構成しても良い。
また、本実施形態では、主制御装置110のデータ容量を削減するために、他の用途でも用いられる値(経過カウンタ203mgの値)に基づいてV入賞有効期間の判別を実行するように構成しているが、これに限ること無く、V入賞有効期間を判別するための専用のカウンタ(計測手段)を設けても良く、例えば、回転体10652が初期位置に作動する時点からの経過期間を計測するカウンタ(計測手段)を設け、その計測手段の計測結果に基づいてV入賞有効期間を判別可能に構成しても良い。このように構成した場合には、計測手段の計測範囲を、小当たり遊技開始からの経過期間を計測する場合に比べて短くすることができ、考慮すべき誤差範囲を狭くすることができるため、より精度の高い判別を実行することが可能となる。また、回転体10652は、直V入賞口10657に入球し得る球も、役物ルートV入賞口10677に入球し得る球も通過する装置であるため、上述した計測手段を用いた場合であっても、各V入賞口に対するV入賞有効期間を判別する際に用いる計測手段を共通化することが可能となる。それ以外にも、例えば、役物ルート用流路10651daを球が通過した場合や、転動装置10675cに球が流入した場合に計測を開始する計測手段を設け、その計測手段の計測結果に基づいてV入賞有効期間を判別可能に構成しても良い。
次に、図299を参照して、遊技状況設定処理(S1394)の内容について説明をする。図299は、遊技状況設定処理(S1394)の内容を示したフローチャートである。この遊技状況設定処理(S1394)は、小当たり遊技中における遊技状況を設定し、遊技状況格納エリア203miに格納するための処理が実行される。
遊技状況設定処理(S1394)が実行されると、まず、遊技状況判別処理を実行する(S3201)。この遊技状況判別処理(S3201)は、遊技状況を設定するために用いる各種フラグに対して、小当たり用入賞装置10650内に設けられた複数の検知手段(センサ)の検知結果(球の検知結果)に基づいた内容を設定するための処理が実行される。
ここで、図300を参照して遊技状況判別処理(S3201)の内容について説明をする。図300は、遊技状況判別処理(S3201)の内容を示したフローチャートである。遊技状況判別処理(S3201)が実行されると、まず、入球フラグ203mcがオンであるか判別する(S3202)。入球フラグ203mcがオンではないと判別した場合には(S3202:No)、入球センサSZ0がオンであるか判別する(S3203)。入球センサSZ0がオンであると判別した場合には(S3203:Yes)、入球フラグ203mcをオンに設定し(S3204)、S3205の処理に移行する。一方、S3202の処理において入球フラグ203mcがオンであると判別した場合(S3202:Yes)、或いは、S3203の処理において入球センサSZ0がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には、S3204の処理をスキップし、S3205の処理に移行する。
次に、貯留フラグ203mdがオンであるか判別する(S3205)。貯留フラグ203mdがオンではないと判別した場合には(S3205:No)、貯留センサSZ1が遊技球を検知したか判別する(S3206)。貯留センサSZ1が遊技球を検知したと判別した場合には(S3206:Yes)、遊技球の貯留可能期間であるか判別する(S3207)。遊技球の貯留可能期間であると判別した場合には(S3207:Yes)、貯留フラグ203mdをオンに設定し(S3208)、S3209の処理に移行する。一方、S3207の処理において、遊技球の貯留期間ではないと判別した場合には(S3207:No)、エラーコマンドを設定し(S3217)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3205の処理において貯留フラグ203mdがオンであると判別した場合(S3205:Yes)、或いは、S3206の処理において貯留センサSZ1が遊技球を検知していないと判別した場合には(S3206:No)、S3207~S3208の処理をスキップし、S3209の処理に移行する。
S3209の処理では、Vルート通過フラグ203meがオンか判別する(S3209)。Vルート通過フラグ203meがオンではないと判別した場合には(S3209:No)、直VルートセンサSZ3がオンであるか判別する(S3210)。直VルートセンサSZ3がオンであると判別した場合には(S3210:Yes)、次に、通過可能期間か判別する(S3211)。通過可能期間であると判別した場合には(S3211:Yes)、Vルート通過フラグ203meをオンに設定し(S3212)、S3213の処理に移行する。一方、S3211の処理において、通過可能期間ではないと判別した場合には(S3211:No)、エラーコマンドを設定し(S3217)、本処理を終了する。
一方、S3209の処理においてVルート通過フラグ203meがオンであると判別した場合(S3209:Yes)、或いは、S3210の処理において、直VルートセンサSZ3がオンではないと判別した場合には(S3210:No)、S3211~S3212の処理をスキップし、S3213の処理に移行する。
S3213の処理では、役物ルート通過フラグ203mfがオンであるか判別する(S3213)。役物ルート通過フラグ203mfがオンではないと判別した場合には(S3213:No)、役物ルートセンサSZ2がオンであるか判別する(S3214)。役物ルートセンサSZ2がオンであると判別した場合には(S3214:Yes)、通過可能期間であるか判別する(S3215)。通過可能期間ではないと判別した場合には(S3215:No)、エラーコマンドを設定し(S3217)、そのまま本処理を終了する。一方、通過可能期間であると判別した場合には(S3215:Yes)、役物ルート通過フラグ203mfをオンに設定し(S3216)、本処理を終了する。一方、S3213の処理において、役物ルート通過フラグ203mfがオンであると判別した場合(S3213:Yes)、或いは、S3214の処理において、役物ルートセンサSZ2がオンではないと判別した場合には(S3214:No)、S3215~S3216の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
図299に戻り、遊技状況設定処理(S1394)の説明を続ける。図300を参照して説明をした遊技状況判別処理(S3201)を終えると、次に貯留フラグ203mdがオンに設定されているかを判別し(S3202)、貯留フラグ203mdがオンに設定されていないと判別した場合は(S3202:No)、球が回転体10652の貯留部10652aに貯留されていない状態であるため、現在の遊技状況として貯留待ち状況を設定し(S3203)、S3213の処理へ移行する。
一方、S3202の処理において貯留フラグ203mdがオンに設定されていると判別した場合は(S3202:Yes)、次に、入球フラグ203mcがオンに設定されているかを判別し(S3204)、入球フラグ203mcがオンに設定されていないと判別した場合(S3204:No)、即ち、入球センサSZ0が球を検知していないにも関わらず、貯留フラグ203mdがオンに設定されている状態であると判別した場合は、正常ルート以外を用いて球を貯留部10652aに貯留させた場合、或いは、センサの故障が考えられるため、エラーコマンドを設定し(S3205)、本処理を終了する。
S3204の処理において、入球フラグ203mcがオンに設定されていると判別した場合は(S3204:Yes)、現在の遊技状況として、正常に球が回転体10652の貯留部10652aに貯留されている状態であることを示す待機状態を設定する(S3206)。次に、役物ルート通過フラグ203mfがオンに設定されているかを判別し(S3207)、オンに設定されている場合は(S3207:Yes)、貯留フラグ203mdをオフに設定し(S3208)、現在の遊技状況を役物通過状況に設定し(S3209)、S3210の処理へ移行する。一方、S3207の処理において、役物ルート通過フラグ203mfがオンに設定されていないと判別した場合は(S3207:No)、S3208、及びS3209の処理をスキップしてS3210の処理へ移行する。
S3210の処理では、Vルート通過フラグ203meがオンに設定されているかを判別し(S3210)、オンに設定されていると判別した場合は(S3210:Yes)、貯留フラグ203mdをオフに設定し(S3211)、現在の遊技状況を直V通過状況に設定し(S3212)、S3213の処理へ移行する。一方、S3210の処理において、Vルート通過フラグ203meがオンに設定されていないと判別した場合は(S3210:No)、S3211、及びS3212の処理をスキップしてS3213の処理へ移行する。
S3203の処理を実行した後、S3212の処理を実行した後、或いは、S3210の処理にてVルート通過フラグ203meがオンに設定されていないと判別した後に実行するS3213の処理では、現時点で遊技状況格納エリア203miに格納されている遊技状況を読み出す(S3213)。そして、読み出した遊技状況と、今回の処理で設定した遊技状況と、を比較し(S3214)、遊技状況の推移が正常であるか否かを判別する(S3215)。ここで、遊技状況格納エリア203miに格納される遊技状況の種別は、小当たり遊技の進行状況に応じて設定されるものであり、貯留待ち状況が設定された後に、待機状況が設定され、その後、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が流下する流路に応じて、役物通過状況、或いは直V通過状況が設定されるものである。
S3215の処理では、上述した小当たり遊技の進行状況に対応した順序で遊技状況が設定されているか否かの判別が実行される。これにより、小当たり遊技中に不正に球を小当たり用入賞装置10650内に侵入させる行為、例えば、回転体10652の貯留部10652aに球を貯留させること無く、ガラスユニット16に穴を開けて第2流路10651c(図270参照)に直接球を入れる行為が行われたことを判別することが可能となる。S3215の処理において、遊技状況の移行内容(推移)が正常であると判別した場合は(S3215:Yes)、今回の処理で設定した遊技状況を遊技状況格納エリア203miに格納し(S3216)、本処理を終了する。なお、本実施形態では、遊技状況格納エリア203mi内に現在の遊技状況を記憶する記憶エリア(現在記憶エリア)と、過去の遊技状況を記憶する記憶エリア(過去記憶エリア)と、を設けており、新たな遊技状況が設定されると、以前設定していた遊技状況を示す情報が、過去記憶エリアへとシフトされるように構成している。そして、過去記憶エリアのうち、最も古い遊技状況が消去されるように構成している。
S3215の処理において、遊技状況の移行内容(推移)が正常ではないと判別した場合は(S3215:No)、エラーコマンドを設定し(S3205)、本処理を終了する。
次に、図301を参照して、小当たり中監視処理(S1395)の内容について説明をする。図301は、小当たり中監視処理(S1395)の内容を示したフローチャートである。この小当たり中監視処理(S1395)は、小当たり遊技中において発生し得る異常状態を監視するための処理である。
小当たり中監視処理(S1395)を実行すると、まず、溢れセンサ(アウトセンサ)SZa(図270参照)がオンであるかを判別する。この溢れセンサ(アウトセンサ)SZaは、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が第1流入口からアウト流路10651baへと流入した球を検知するためのセンサである。
次いで、回転体10675aが作動位置に位置させているかを判別し(S3302)、次に、貯留センサSZ1が球を検知しているか(貯留センサSZ1がオンであるか)を判別する(S3303)。S3303の処理において、貯留センサSZ1がオン状態であると判別した場合は(S3303:Yes)、次にS3304の処理へと移行する。一方、S3303の処理で貯留センサSZ1がオンに設定されていないと判別した場合は(S3303:No)、エラーコマンドを設定し(S3309)、本処理を終了する。
<第13実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図302から図304を参照して、本第13実施形態における音声ランプ制御装置113の制御内容について説明をする。本第13実施形態では、上述した第9実施形態にて実行される音声ランプ制御装置113の制御処理内容に対して、演出更新処理15(図302参照)と、当たり関連処理15(図303参照)と、を変更した点で相違する。それ以外は同一であるため、同一の制御内容に対してはその詳細な説明を省略する。
まず、図302を参照して、演出更新処理15(S4191)の内容について説明をする。図302は、演出更新処理15(S4191)の内容を示したフローチャートである。演出更新処理15(S4191)が実行されると、まず、経過期間カウンタ223maの値が1以上であるかを判別し(S45001)、1以上であると判別した場合は(S45001;Yes)、経過期間カウンタ223maの値に1を加算する(S45002)。そして、経過期間カウンタ223maの値が40秒に対応する値であるかを判別するS45003。
S45003の処理にて、経過期間カウンタ223maの値に基づいて現在が40秒経過に対応するタイミングであると判別した場合は(S45003:Yes)、大当たり種別格納エリアに格納されている大当たり種別、即ち、今回の小当たり当選の際に設定された大当たり種別を示唆するための示唆演出を示す表示用コマンドを設定し(S45004)、その他、実行中の演出内容を更新するための処理を実行し(S45005)、本処理を終了する。
このように構成することで、小当たり遊技が開始されてからの経過期間が所定期間に到達した場合には、今回の小当たり遊技でV入賞した場合に実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別を小当たり遊技中に示唆することができる。なお、本実施形態では、小当たり遊技が開始されてから40秒が経過したタイミングで示唆演出を実行するように構成しているが、示唆演出が実行されるタイミングはこれに限ることは無く、転動装置10675cを球が転動する場合にのみ経過し得る長さの経過期間であれば、その値を適宜設定しても良い。
例えば、後述する当たり関連処理15(図303のS43071参照)において、役物通過状況を示す小当たり用遊技状況コマンドを受信した場合に、オンに設定されるフラグ(役物通過中フラグ)を設け、その役物通過中フラグがオンに設定されており、且つ、経過期間カウンタ223maの値が所定期間以上(例えば、40秒)となった場合に、示唆演出を実行するように構成しても良い。
また、本実施形態では、設定されている大当たり種別に関わらず、特定の経過期間(40秒)が経過した場合に示唆演出を実行するように構成しているが、例えば、設定されている大当たり種別に応じて示唆演出を実行するための実行条件(経過期間)を異ならせても良く、この場合、設定されている大当たり種別が遊技者に有利な大当たり種別(例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別や、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技数が多い大当たり種別)に対応して設定される実行条件を、遊技者に不利な大当たり種別(例えば、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別や、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技数が少ない大当たり種別)に対応して設定される実行条件よりも成立し易くするように構成すると良い。これにより、遊技者に有利な大当たり種別であることを示唆する示唆演出を、遊技者に不利な大当たり種別であることを示唆する示唆演出よりも実行し易くすることができるため、実行される示唆演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
一方、設定されている大当たり種別が遊技者に有利な大当たり種別(例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別や、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技数が多い大当たり種別)に対応して設定される実行条件を、遊技者に不利な大当たり種別(例えば、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別や、大当たり遊技として実行されるラウンド遊技数が少ない大当たり種別)に対応して設定される実行条件よりも成立し難くするように構成しても良い。これにより、遊技者に有利な大当たり種別であることを示唆する示唆演出を実行させ難くすることができるため、遊技者に有利な大当たり種別であることを示唆する示唆演出が実行された場合に遊技者に特別な満足感を与えることができる。
さらに、本実施形態では、大当たり種別格納エリアに格納されている大当たり種別を読み出して示唆演出の演出態様を設定するように構成しているが、小当たり遊技の終了後に実行され得る大当たり遊技に対応する大当たり種別を示唆可能な情報であれば良く、例えば、小当たり種別と大当たり種別とが対応付けて設定されるパチンコ機10であれば、今回当選した小当たりの小当たり種別に応じて示唆演出の演出態様を設定するように構成しても良い。
次に、図303を参照して、当たり関連処理15(S43071)の内容について説明をする。図303は、当たり関連処理15(S43071)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理15(S43071)では、主制御装置110側で設定される小当たりに関連したコマンドを受信した場合の処理内容を上述した第9実施形態にて実行される当たり関連処理13(図205のS43001参照)に対して異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
当たり関連処理15(S43071)が実行されると、まず、上述した当たり関連処理13(図205のS43001参照)と同一のS4404~S4408、及びS44001の処理を実行する。そして、S44001の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S44001:Yes)、経過期間カウンタ223maの値に1をセットし(S44051)、次いで、小当たり遊技開始を示すための表示用オープニングコマンドを設定し(S44052)、本処理を終了する。
一方、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S44001:No)、次に、小当たり用遊技状況コマンドを受信したかを判別する(S44053)。この小当たり用遊技状況コマンドは、上述した遊技状況設定処理(図299のS1394参照)にて、新たな遊技状況を遊技状況格納エリア203miに格納した場合に設定されるコマンドであって、新たに格納した遊技状況を示すための情報を有するコマンドである。
S44053の処理において、小当たり用遊技状況コマンドを受信したと判別した場合は(S44053:Yes)、受信したコマンドに応じた表示用コマンドを設定し(S44054)、本処理を終了する。S44054の処理は、第3図柄表示装置81の表示画面に小当たり遊技の進行状況を示すための表示態様を表示するための表示用コマンドを設定するための処理であり、例えば、図284を参照して上述した各遊技状況に応じた表示態様を示す表示用コマンドが設定される。
小当たり用遊技状況コマンドを受信していないと判別した場合は(S44053:No)、次に、小当たり入賞コマンドを受信したかを判別し(S44055)、受信したと判別した場合は(S44055:Yes)、小当たり入賞コマンド処理を実行し(S44056)、本処理を終了する。この小当たり入賞コマンド処理(S44056)の内容については、図304を参照して後述する。S44055の処理において、小当たり入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S44055:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したかを判別する(S4409)。
S4409の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S4409:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4410)、次いで、経過期間カウンタ223maの値が1以上であるかを判別し(S44057)、1以上であると判別した場合は(S44057:Yes)、経過期間カウンタ223maの値をリセットし(S44058)、本処理を終了する。一方、S44057の処理にて、1以上では無いと判別した場合、即ち、今回のエンディングコマンドが大当たり遊技の終了を示すコマンドであると判別した場合は(S44057:No)、S44058の処理をスキップして本処理を終了する。
S4409の処理で、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4409:No)、エラーコマンドを受信したかを判別し(S44059)、受信したと判別した場合は、受信したエラーコマンドに含まれる情報に応じた表示用コマンドを設定し(S44060)、本処理を終了し、エラーコマンドを受信していないと判別した場合は(S44059:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、当たり関連処理15(図303のS43071参照)において実行される小当たり入賞コマンド処理(S44055)の内容について、図304を参照して説明をする。図304は、小当たり入賞コマンド処理(S44055)の内容を示したフローチャートである。この小当たり入賞コマンド処理(S44055)は、小当たり遊技中に遊技球が入球した入球口の種別に応じて異なる表示態様の表示コメントを選択するための処理が実行される。
まず、小当たり入賞コマンド処理(S44055)が実行されると、今回受信したコマンドが、役物ルートV入賞口10677への入賞を示すコマンドであるかを判別し(S44101)、役物ルートV入賞口10677への入賞を示すコマンドであると判別した場合は(S44101:Yes)、役物ルートV入賞口10677への入賞を示す表示用コマンドを設定し(S44102)、S44107の処理へ移行する。
S44101の処理で、今回受信したコマンドが、役物ルートV入賞口10677への入賞を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S44101:No)、次に、今回受信したコマンドが、直VルートV入賞口(直V入賞口)10657への入賞を示すコマンドであるかを判別し(S44103)、直VルートV入賞口(直V入賞口)10657への入賞を示すコマンドであると判別した場合は(S44103:Yes)、直VルートV入賞口(直V入賞口)10657への入賞を示す表示用コマンドを設定し(S44104)、S44107の処理へ移行する。
S44103の処理で、今回受信したコマンドが、直VルートV入賞口(直V入賞口)10657への入賞を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S44103:No)、次に、今回受信したコマンドが、役物ルート用のアウト口10680a,10680bへの入賞を示すコマンドであるかを判別し(S44105)、役物ルート用のアウト口10680a,10680bへの入賞を示すコマンドであると判別した場合は(S44105:Yes)、役物ルート用のアウト口10680a,10680bへの入賞を示す表示用コマンドを設定し(S44106)、S44107の処理へ移行する。
S44105の処理で、今回受信したコマンドが、役物ルート用のアウト口10680a,10680bへの入賞を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S44105:No)、そのままS44107の処理へ移行する。S44107の処理では、大当たり種別格納エリアに格納されている大当たり種別を読み出し(S44107)、読み出した大当たり種別と、入賞結果と、に基づいて、表示用コメント選択テーブル222maを参照して表示コメントを決定し(S44108)、決定した表示コメントを示す表示用コマンドを設定し(S44109)、本処理を終了する。
なお、上述した小当たり入賞コマンド処理(S44055)のS44108の処理において設定される表示コメントについても、上述した演出更新処理15(図302のS4191参照)において実行される示唆演出を設定する技術思想と同一の技術思想に基づいて設定しても良い。
<第14実施形態>
次に、図305~図308を参照して、第14実施形態について説明をする。上述した第13実施形態では、小当たり遊技の種別と、遊技状態とに応じて、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞し得る小当たり遊技と、役物ルートV入賞口10677に入賞し得る小当たり遊技と、を実行可能に構成し、次の大当たり遊技が実行される可能性が高い(ほぼ次回大当たりが確定している)遊技状態(時短状態)が設定されている場合は、小当たり遊技を短時間で終了させるために、直V入賞口10657に入賞し得る小当たり遊技が実行され易くし、時短状態よりも不利な遊技状態である通常状態においては、小当たり遊技を長時間楽しませるために、役物ルートV入賞口10677に入賞し得る小当たり遊技を実行させ易くするように構成していた。
そして、役物ルートV入賞口10677に入賞し得る小当たり遊技では、転動装置10675c内を球が転動することにより、球の挙動を不規則にすることで、球が役物ルートV入賞口10677へ入球するか否か、及び、どのタイミングで役物ルートV入賞口10677に入球するのかを遊技者に予測させ難くすることで、遊技者に対して小当たり遊技の遊技内容に長時間興味を持たせることができるものであった。
しかしながら、上述した第13実施形態のパチンコ機10では、球の挙動を不規則にすることで、球が役物ルートV入賞口10677へ入球するか否か、及び、どのタイミングで役物ルートV入賞口10677に入球するのかを遊技者に予測させ難くすることは可能だが、転動装置10675c内で球が転動する期間に関わらず、球が役物ルートV入賞口10677に入球する割合が常に一定の割合(1/4)であるため、長時間遊技を行っている遊技者に対して徐々に遊技に飽きられてしまうという問題があった。
また、転動装置10675c内を転動する球の挙動が不規則になることから、短時間で球が転動装置10675c外へ排出(アウト口10680a,10680b、或いは、役物ルートV入賞口10677の何れかに入球)されてしまう場合もあり、転動装置10675cに球が流入したことに基づいて実行される演出(図283(b)~図284参照)の実行期間が短くなってしまい、演出効果が低下してしまうと共に、遊技者に分かり難い遊技を提供してしまうという問題があった。
これに対して、本第14実施形態では、転動装置10675c内を転動している球が、アウト口10680a,10680bに入球し易い状態(上述した第13実施形態と同一の割合で入球し得る状態)と、入球し難い状態(上述した第13実施形態よりも入球し難くなる状態)と、を設定可能にしている。さらに、その状態が小当たり遊技の経過期間に応じて可変するように構成している。
このように構成することで、小当たり遊技の経過期間に基づいて、転動装置10675c内を転動している球が、アウト口10680a,10680bに入球し易い状態(上述した第13実施形態と同一の割合で入球し得る状態)と、入球し難い状態(上述した第13実施形態よりも入球し難くなる状態)と、設定する。即ち、役物ルートV入賞口10677に入球可能な状態と、その状態よりも入球し易い(他の入球口に入球し難い状態)と、を設定することが可能になる。よって、遊技者に対して、小当たり遊技の遊技内容に長時間興味を持たせることができる。
さらに、本第14実施形態では、転動装置10675cに球が流入し得る期間が設定されてから所定期間(2秒間)の間、転動装置10675c内を転動している球が、アウト口10680a,10680bに入球し難い状態を設定するように構成している。これにより、転動装置10675cに流入した球が、短時間でアウト口10680a,10680bに入球してしまうことを抑制することができる。
加えて、本第14実施形態では、転動装置10675cに球が流入し得る期間が設定されてから一定期間(40秒間)が経過した場合にも、アウト口10680a,10680bに入球し難い状態を設定するように構成している。これにより、転動装置10675c内で球が長時間(40秒以上)転動することにより、役物ルートV入賞口10677への入球割合を高めることが可能となる。よって、小当たり遊技の実行期間が長くなることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができるため、小当たり遊技中における遊技について遊技者が飽きてしまう事態を抑制することができる。
また、本第14実施形態では、転動装置10675c内を転動している球が、アウト口10680a,10680bに入球し難い状態が設定されるまでの期間(残時間)を遊技者に報知可能に構成している。これにより、あとどれくらいの期間、転動装置10675c内で球が転動すると有利な状態が設定されるかを事前に判別することが可能となる。
まず、図305を参照して、本第14実施形態における役物装置10675の構成について説明をする。本実施形態における役物装置10675は、上述した第13実施形態の役物装置10675に対して、アウト口10680a,10680bへの球の入球を規制するための規制片10678a,10678bを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図305(a)は、規制片10678a,10678bが突出した状態を示す役物装置10675を模式的に示した正面図であって、図305(b)は、規制片10678a,10678bが突出した状態を示す役物装置10675を模式的に示した平面図である。図305(a)に示した通り、本実施形態では、アウト口10680a,10680bへの球の入球を規制するための規制片10678a,10678bが設けられている。具体的には、左アウト口10680aへの球の入球を規制するための左規制片10678aと、右アウト口10680bへの球の入球を規制するための右規制片10678bと、が配設されており、各規制片10678が、所定の規則に従ってアウト口10680の開口部を塞ぐ規制位置(図306(a)参照)と、その規制位置よりもアウト口10680の開口部を塞がない開放位置(図306(b)参照)と、に可変可能に構成している。
次に、図306を参照して、本実施形態における転動装置10675c内の球の挙動について説明をする。図306(a)は、規制片10678a,10678bが規制位置に位置している場合における球の挙動を模式的に示した模式図であって、図306(b)は、規制片10678a,10678bが開放位置に位置している場合における球の挙動を模式的に示した模式図である。
規制片10678a,10678bがアウト口10680a,10680bへの球の入球を規制している状態では、図306(a)に示した通り、転動装置10675c内を転動する球が規制片10678a,10678bに衝突することで、アウト口10680a,10680bへ入球され難くなるため、結果として、役物ルートV入賞口10677への入球割合を高めることができる。
一方、規制片10678a,10678bが開放位置に位置している場合は、図306(b)に示した通り、上述した第13実施形態と同一の割合で球を各入球口へと振り分けることができる。このように、規制片10678a,10678bを可変させることにより、アウト口10680a,10680bへの球の入球のし易さを可変することができ、結果として役物ルートV入賞口10677への球の入球のし易さを可変することが可能となる。
なお、本第14実施形態では、規制片10678a,10678bが規制位置(図306参照)に位置している状態で、球が規制片10678a,10678bに衝突した場合に、転動装置10675cの中央部に向けて球が跳ね返るように規制片10678a,10678bを構成しているが、これに限ること無く、例えば、規制片10678a,10678bが規制位置(図306参照)に位置している状態で、球が規制片10678a,10678bに衝突した場合に、衝突した球の一部、或いは全部が役物ルートV入賞口10677に向かって跳ね返るような形状で規制片10678a,10678bを構成しても良い。このように構成することで、規制片10678a,10678bがアウト口10680a,10680bへの球の入球を制限する制限手段としての役割と、役物ルートV入賞口10677へ球を誘導する誘導手段としての役割を担うことになり、より積極的に球を役物ルートV入賞口10677へ入球させ易い状態を設定することが可能となる。
また、本第14実施形態では、規制片10678a,10678bが共に連動して可変するように構成しているが、何れか一方のみ(例えば、規制片10678a)が規制位置に位置するような動作を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、アウト口10680a,10680bに球が入球し難い状態を段階的に設定することが可能となり、小当たり遊技中の遊技を興趣の富んだ遊技とすることが可能となる。
次に、図307を参照して、本実施形態における小当たり遊技の流れと、規制片10678a,10678bの動作内容と、の関係について説明をする。図307は、本実施形態における小当たり遊技の流れを模式的に示したタイミングチャートである。図307に示した通り、本実施形態は、上述した第13実施形態に対して、規制片10678a,10678bの作動が追加された点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
図307に示した通り、規制片10678a,10678bは、小当たり遊技の開始(オープニング期間の開始)を契機に予め定められた規則に従って動作制御される装置である。なお、図示は省略するが、この規制片10678a,10678bの動作パターン(シナリオ)は、他の装置(回転体10652、可動片10653、開閉扉10650b)と同様に、小当たりシナリオテーブル202mf(図288参照)に規定されている。
具体的には、小当たり遊技が開始されてから、9秒(第1期間)が経過するまでは、初期位置(規制位置)を維持し、その後、初期位置(規制位置)から作動位置(開放位置)へと3秒(第2期間)かけて作動する。そして、作動位置(開放位置)を38秒間(第3期間)維持した後、2秒(第4期間)かけて作動位置(開放位置)から初期位置(規制位置)へと作動し、動作シナリオが完了するように構成している。
図307によれば、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物装置10675の転動装置10675cへ流入するタイミングが最短で規制片10678a,10678bが第2期間中であるため、最短で転動装置10675cに球が流入した場合は、その時点で球がアウト口10680a,10680bに入球し難い状態となる。よって、転動装置10675cに球が流入して直ぐにアウト口10680a,10680bに入球してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知した時点における経過期間カウンタ223maの値を基準に、転動装置10675cで球が転動している期間を計測し、第3図柄表示装置81の表示画面に表示するように構成している。そして、その経過時間の表示に加え、規制片10678a,10678bが第4期間に到達するまでの残期間を遊技者に報知可能に構成している。
図307に示した例によれば、回転体10652が初期位置に作動し、役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知したタイミングで経過表示として基準である0秒を示す「00:00」が表示され、その後、経過期間カウンタ223maの値の加算状況に合わせ、第3期間到達時には2秒経過を示す「02:00」、第4期間到達時には40秒経過を示す「40:00」、第5期間到達時には42秒経過を示す「42:00」が表示されるように構成している。
ここで、図308を参照して、本実施形態において表示される特徴的な表示内容について説明をする。図308(a)は、役物ルートに球が到達(役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知してから)35秒経過した時点における表示内容の一例を示した図であって、図308(b)は、役物ルートに球が到達(役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知してから)40秒経過した時点における表示内容の一例を示した図である。
図307を参照して上述した通り、規制片10678a,10678bに対する動作シナリオが第4期間に到達すると、規制片10678a,10678bが作動位置(開放位置)から初期位置(規制位置)へと可変し、徐々に転動装置10675c内を転動している球がアウト口10680a,10680bに入球し難くなるように構成している。そして、規制片10678a,10678bに対する動作シナリオが第4期間に到達するまでの残期間が5秒となった時点で(第3期間が設定されてから33秒が経過した時点で)、図308(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域HR25にて、第4期間に到達するまでの残期間を示す表示態様として「残り5秒」のコメントが表示される。また、扉1804が表示され、扉1804から何かが出てくることを遊技者に予測させる演出が実行されることで、表示画面で実行されている役物チャレンジ演出の演出態様が可変されることを示唆する示唆演出を実行する。さらに、副表示領域Dsには「もう少しガンバレ!!」の文字が表示される。なお、表示領域HR25に表示される第4期間に到達するまでの残期間を示す表示態様は、経過期間カウンタ223maの値の更新に伴って、1秒単位で減算表示されるように構成しており、「5秒」、「4秒」とカウントダウン表示されるように構成している。
そして、図308(a)に示した表示画面が表示されてから、5秒が経過すると、図308(b)に示した通り、表示領域HR24には、経過期間が40秒となったことを示す「40:00」が表示され、扉1804から天使を模したキャラクタ1805a,1805bが登場し、役物チャレンジ演出で用いている爆弾1803の表示態様を星柄の表示態様に可変させる演出が実行される。これにより、遊技者に対して有利な遊技状態、即ち、アウト口10680a,10680bに球が入球し難い遊技状態(規制片10678a,10678bがアウト口10680a,10680bを塞いだ状態(図306(a)参照))になったことが報知される。そして、副表示領域Dsには、遊技者を祝福するための「よくがんばったね!!」のコメントが表示される。
以上、説明をした通り、本実施形態では、規制片10678a,10678bの動作内容に基づいて役物チャレンジ演出の演出態様を可変させることにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができると共に、表示領域HR25にて遊技者が有利な遊技状態が設定されるまでの残期間を遊技者に報知することで、転動装置10675c内を転動する球の挙動に遊技者をより注視させることができる。
また、本実施形態では、小当たり遊技が開始されてからの経過時間に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に経過期間を表示するのでは無く、役物ルートセンサSZ2が球を検知したタイミングに基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に経過期間(表示領域HR24に表示される経過期間)を表示し、小当たり遊技が開始されてからの経過時間に基づいて規制片10678a,10678bが第4期間に到達するまでの残期間(表示領域HR25に表示される残期間)を表示するように構成しているため、小当たり用入賞装置10650を流下する球の挙動によって役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知するタイミングが若干異なった場合であっても、表示領域HR24に表示される経過期間を実際の球の挙動に対応させて表示することができるため、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
さらに、小当たり用入賞装置10650を流下する球の挙動によって役物ルートセンサSZ2が球の通過を検知するタイミングが異なることにより、表示領域HR24に表示される経過期間の表示態様と、表示領域HR25に表示される残期間の表示態様との関係性を異ならせることができる。具体的には、図307に示した例によれば、表示領域HR24に経過期間0秒を示す「00:00」が表示されるタイミングにおいて、規制片10678a,10678bの第4期間が設定されるまでの残期間は40秒であるため、図308(a)に示した通り、表示領域HR24に経過期間35秒を示す「35:00」が表示された時点で表示領域HR25に残期間が5秒であることを示す表示態様が表示されるが、例えば、回転体10652が作動してから、役物ルートセンサSZ2が球を検知するまでの期間が、図307に示した例よりも2秒遅れた場合には、表示領域HR24に経過期間0秒を示す「00:00」が表示されるタイミングにおいて、規制片10678a,10678bの第4期間が設定されるまでの残期間は38秒となるため、表示領域HR24に経過期間33秒を示す「33:00」が表示された時点で表示領域HR25に残期間が5秒であることを示す表示態様が表示されることになる。
このように、経過期間を算出する契機(役物ルートセンサSZ2の球検知)と、残期間を算出する契機(小当たり遊技の開始)とを異ならせることにより、経過期間と残期間との対応関係をランダムにすることができ、残期間が表示される前の時点から表示される経過期間に基づいて遊技者に第4期間が到達するまでの残期間を容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、図307に示した通り、規制片10678a,10678bに対して他の装置よりも長い期間の動作シナリオが設定されるように構成しているが、規制片10678a,10678bに対して設定される動作シナリオが完了するまでに、小当たり遊技の終了条件(予め定められている小当たり遊技期間が終了し、且つ、小当たり用入賞装置10650内に球が残存していない状態)が成立した場合には、動作シナリオを途中で強制的に終了させ、初期位置へと移動させるように構成すると良い。このように構成することで、小当たり遊技の遊技期間が無用に長くなってしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした第14実施形態では、転動装置10675c内を転動する球の転動期間が長くなると球が役物ルートV入賞口10677に入球し易くなるように、可変手段(規制片)を駆動させるように構成しているが、同様の技術思想であれば良く、例えば、図175に上述した様な3穴クルーン6710を用いる場合には、遊技者に有利な入賞口(例えば、V入賞口)と、遊技者に不利な入賞口(例えば、アウト入賞口)と、を設け、時間経過に基づいて遊技者に不利な入賞口への球の入賞が規制されるように可変手段を構成しても良いし、可変手段が可変動作することにより、3穴クルーン6710を転動する球が遊技者に不利な入賞口よりも遊技者に有利な入賞口に入賞し易くなるように誘導する構成としても良い。
さらに、図189に示したような振分回転体6750fを転動装置10675cに替えて設ける場合には、振分回転体6750fを流下した球が入球可能な入球口のうち、遊技者に有利な入賞口に球が入賞し易くなるように可変手段を可変制御可能に構成すれば良い。
<第14実施形態の第1変形例>
次に、図309から図311を参照して、第14実施形態の第1変形例について説明をする。上述した第14実施形態では、小当たり遊技の遊技期間、即ち、転動装置10675c内の球の転動期間が長くなるほど球がV入賞口に入球し易くなるように構成していた。これに対し、本第1変形例では、小当たり遊技の遊技期間、即ち、転動装置10675c内の球の転動期間が長くなるほど転動装置10675c内に複数の球を存在させ易くし、転動装置10675c内に複数の球が存在した状態のほうが、転動装置10675c内に1個の球が存在した状態よりもV入賞口に入球し易くなるように構成している点で相違している。
つまり、本第1変形例は、上述した第14実施形態と同様の技術思想、即ち、転動装置10675c内の球の転動期間が長くなるほど球がV入賞口に入球し易くなるという技術思想を別の具体例で具現化したものである。
まず、図309、及び図310を参照して、本第1変形例の役物装置10675の構成について説明をする。なお、上述した第14実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図309(a)は、本変形例における役物装置10675の構成を模式的に示した正面図であって、図309(b)は、本変形例における役物装置10675の構成を模式的に示した平面図である。本変形例では、上述した第14実施形態の役物装置10675の構成(図305参照)に対して、規制片10678a,10678bの構成を削除し、常時回転体10675aの構成を変更した点で相違し、それ以外は同一である。
図309(a),(b)に示した通り、本変形例では、常時回転体10675aの中心部に第2役物ルートV入賞口10677aを配設している。この第2役物ルートV入賞口10677aは、1個の球が転動装置10675c内を転動している限り、球が入球し得ないように、常時回転体10675aの上方に開口部が設けられている。
次に、図310を参照して、本変形例における転動装置10675c内に複数(2個)の球が転動した場合における球の挙動について説明する。図310(a)は、複数の球が転動装置10675c内を転動している状態を示した模式図で、図310(b)は、複数の球が衝突した際の球の挙動を示した模式図である。
図310(a)に示した通り、転動装置10675c内に複数の球が転動している場合は、それぞれの球が異なるタイミングで常時回転体10675aに衝突するため、それぞれが独立した球の挙動を示す。また、定期的に球と常時回転体10675aとが衝突するため、複数の球が異なるタイミングで転動装置10675c内に流入したとしても、個々の球の勢い(転動速度)は、ほぼ一定となる。この状態にて球と常時回転体10675aとの衝突が何回も繰り返されると、球同士が衝突する機会が発生する。
転動装置10675c内で転動している球同士が衝突すると、衝突した際の角度や場所によって、衝突後の球の挙動は不規則であるが、例えば、転動装置10675cの転動面10675dの上流側付近で、球同士が衝突した場合において、図310(b)に示したように、一方の球(球Ta2)が浮き上がり、第2役物ルートV入賞口10677aに入賞する。
このように、1個の球だけでは入賞し得ない(困難)なV入賞口を設けることにより、複数の球が転動装置10675c内に流入した場合に球がV入賞口に入球し易くすることができる。なお、本実施形態では球同士が衝突し浮き上がった球が入賞し得る位置にV入賞口を配設するように構成しているが、複数の球が転動装置10675c内に流入した場合に球がV入賞口に入球し易く箇所にV入賞口を追加すれば良く、例えば、第1規制壁10670bや第2規制壁10670cによって常時回転体10675aに衝突して跳ね返った球が侵入し得ない領域にV入賞口を追加し、球同士が衝突した場合に入球し得るように構成しても良い。
次に、図311を参照して、本変形例において、転動装置10675c内に複数の球を流入させるための動作内容について説明をする。図311は、本変形例における小当たり遊技中の各種装置(開閉扉10650b、回転体10652、可動片10653)の動作内容を示したタイミングチャートである。図311に示した通り、本変形例では、上述した第14実施形態(図307参照)に対して、規制片10678a,10678bに関する動作内容が削除され、回転体10652の動作内容を可変した点で相違している。
具体的には、1回の小当たり遊技中に、回転体10652が3回作動するようにし、第2作動(2秒)と、第3作動(3秒)の何れにも球を回転体10652の貯留部10652aに貯留させることが可能に構成している。このように構成することで、回転体10652の第2作動中に貯留部10652aに貯留された球が先に、転動装置10675cに流入し、その後、第3作動中に貯留部10652aに貯留された球が転動装置10675cに流入することが可能となる。
つまり、回転体10652の第2作動に基づいて転動装置10675cに流入した球が転動し続けている状態で、第3作動に基づいて転動装置10675cに球が流入した場合に、転動装置10675c内に複数の球を存在させることができるように構成している。このように構成することで、最初に転動装置10675cに流入した球が長い期間転動することを願いながら小当たり遊技を行わせることができる。
加えて、ラウンド期間中において、回転体10652が作動位置に位置している状態と、初期位置に位置している状態とが設定されるため、タイミング良く球を小当たり用入賞装置10650に入賞させなければ、2個の球を転動装置10675c内に流入させることができないように構成している。これにより、遊技者に対して、タイミングを計って小当たり用入賞装置10650に球を入賞させる楽しみを提供することができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本変形例では、上述した通り、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させるタイミングによって、遊技者に有利な場合と不利な場合とが発生してしまうため、パチンコ機10の遊技をあまり行ったことのない初心者に対して不利な遊技を提供し易くなるという問題があった。
この問題を解決するためには、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が回転体10652に到達するまでの期間を異ならせる(不規則に遅らせる)ための遅延手段を設けると良い。このように遅延手段を設けることにより、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させるタイミングを計ったとしても遅延手段により回転体10652へ球が到達するタイミングをランダムにすることができるため、上述した問題を解決することができる。ここで、図312を参照して、遅延手段の構成例について説明をする。図312(a)は、小当たり用入賞装置10650の開閉扉10650bと、回転体10652との間に設けられた遅延手段である遅延装置11700の構成を模式的に示した正面図であり、図312(b)は、小当たり用入賞装置10650の開閉扉10650bと、回転体10652との間に設けられた遅延手段である遅延装置11700の構成を模式的に示した平面図である。
図312(a)に示した通り、開状態の開閉扉10650bから小当たり用入賞装置10650に入賞した、転動壁11650fを流下した球を受け入れるように遅延装置11700が設けられている。この遅延装置11700はすり鉢形状を為したものであって、その球転動面10700aの底部に球を回転体10652へと誘導する排出口10700bが形成されている。図312(b)に示した通り、転動壁11650fを流下した球が、遅延装置11700の球転動面10700aを円弧状に転動するように転動壁11650fと、遅延装置11700とが配設されており、球転動面10700aを転動する球の勢いが弱まるにつれて排出口10700bに向かって球が流下するように構成している。ここで、図312(b)に示した通り、転動壁11650fの上流側(図312(b)の視点で右側)には球が転動壁11650fから落下することを防止する防止壁が形成されているのに対して、下流側(図312(b)の視点で左側)には、防止壁が形成されておらず、転動壁11650fの下流側からランダムに球が遅延装置11700へと落下するように構成している。このように構成することで、遅延装置11700へと落下する球の勢いや落下位置を不定にすることができるため、球が遅延装置11700の排出口10700bから排出されるまでの期間をよりランダムにすることができる。よって、遊技者に技量に関わらず、転動装置10675c内に複数の球を入球させ得る状態と、入球させ得ない状態と、を発生させることができる。
なお、図312(a)に示した遅延装置11700は、遅延手段の一例であり、上述した各実施形態に用いられる遅延手段の構成を適用しても勿論良い。
また、図312(a)に示した遅延装置11700の構成を用いて、以下の技術思想の基、パチンコ機10を構成しても良い。例えば、図311に示した小当たり遊技中の各種装置の動作内容に対し、例えば、回転体10652の第3作動(3秒)が終了してから、3秒後に第4作動(2秒)が実行され、その第4作動が終了してから2秒後に第5作動(2秒)が実行されるように構成し、さらに、可動片10653に対して、小当たり遊技が開始されてから17秒後からの4秒間の間、開状態となるように各種装置の動作パターン(動作シナリオ)を設定するように構成しても良い。このように構成することで、遅延装置11700によって遅延された球が第4作動中の回転体10652の貯留部10652aに貯留された場合に、第4作動の終了に伴って流下した遊技球が開状態中の可動片10653を通過し、直V入賞口10657へと入賞することになる。このように、1回の小当たり遊技中において、役物ルートV入賞口10677へ入球し得る流路と、直V入賞口10657へ入球し得る流路と、のそれぞれに球を振り分け可能とすることで、1回の小当たり遊技中にV入賞口へ球を入球させる機会を複数回提供することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、遅延装置11700から回転体10652へと球を誘導するための排出口を複数設け、その一つを、上述した第10実施形態の第2の変形例(図223参照)のように、球が通過可能なV入賞口(Vゲート)として構成しても良い。これにより、遅延手段である遅延装置11700が、V入賞口へ球を入球(通過)させるか否かを振り分ける振分手段の機能を有することになる。よって、小当たり用入賞装置10650に入賞した1個の球に対して複数回のV入賞機会を提供することができる。この場合、上述した第10実施形態の第2の変形例と同様に、V入賞口(Vゲート)を通過した時点ではその旨を遊技者に報知せず、小当たり遊技の終了条件(予め定められた小当たり遊技期間が終了し、且つ、小当たり用入賞装置10650内に球が残存していない状態)が成立した場合に、V入賞の有無を報知するように構成すると良い。このように構成することで、小当たり遊技が終了するまでV入賞したか否かを遊技者に気付かせ難くすることができるため、1回の小当たり遊技中に実行される複数回のV入賞機会のそれぞれに対して遊技者を注視させることができる。
また、図312に示したパチンコ機10のように、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が回転体10652に到達するまでの時間を遅延(不定に)する遅延装置11700を有している場合には、図313に示したように、小当たり遊技のラウンド期間が経過した後に実行される回転体10652、可動片10653の動作パターンに、遊技者に有利となる動作パターンを設定し、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が所定タイミングで回転体10652に到達するように遅延装置11700にて球の流下を遅延させた場合に遊技者に有利となるように(V入賞口に球が入球し易くなるように)構成しても良い。
ここで、図313を参照して、小当たり遊技中の各種装置に対する動作パターン(動作シナリオ)の変形例について説明をする。図313は小当たりシナリオテーブル202mfに規定される小当たりシナリオ(小当たり開放パターン)の変形例(小当たり開放パターンD)を用いた場合における小当たり遊技中の流れを模式的に示したタイミングチャートである。なお、詳細な説明は省略するが、本変形例に用いられる小当たり開放パターンDも、対応する小当たりシナリオが小当たりシナリオテーブル202mfに規定されており、特定の小当たり種別に対応して選択されるように構成している。
図313に示した通り、小当たり開放パターンDは、上述した小当たり開放パターンBに対して、回転体10652の動作シナリオと、可動片10653の動作シナリオと、を変更し、さらに、図312に示した遅延装置11700によって、小当たり用入賞装置10650に球が入賞したタイミングと、球が回転体10652に到達するタイミングとが、一定では無く不定となっている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
本変形例では、1回の小当たり遊技において、回転体10652が球を受け入れ可能な状態(作動位置に可変される状態)が4回設定されるように動作シナリオが設定されており、第2作動の終了後、4秒経過した場合に第3作動(1秒)を実行し、その第3作動が終了してから1秒後に第4作動(1秒)が実行されるように設定している。また、可動片10653が開状態(球を直V入賞口10657に入賞させることが可能な状態)となる回数が2回となるように動作シナリオが設定されており、1回目の開状態が終了してから9秒後に2回目の開状態が2.5秒間設定されるように構成している。
ここで、回転体10652の第3作動、第4作動が実行される期間、及び、可動片10653の2回目の開状態が設定される期間は、小当たり遊技のラウンド期間として予め定められている5秒間よりも後に設定されている。即ち、ラウンド期間中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球が所定期間以上、遅延装置11700にて遅延した球のみが到達可能な期間に設定されている。
そして、図313に示した通り、回転体10652の第3作動期間中に球が回転体10652の貯留部10652aに貯留された場合は、その球が可動片10653に到達する時点では、可動片10653が閉状態であるため、球が役物装置10675へと振り分けられ、第4作動期間中に球が回転体10652の貯留部10652aに貯留された場合は、その球が可動片10653に到達する時点で、可動片10653が開状態(2回目の開状態)となるため、球が直V入賞口10657に入賞し得る流路(第2流路10651c)へと振り分けられることになる。また、回転体が作動位置に位置している状態において、球が直V入賞口10657に入賞した場合であっても、遅延装置11700により球の流下が遅延されることから、遅延期間の長さに応じて回転体10652の貯留部10652aにて球を貯留することができないように構成している。
このように構成することで、遅延装置11700によって、球を遅延させたほうが遊技者に有利な状態と、球を遅延させないほうが遊技者に有利な状態と、を設けることができるため、小当たり遊技中における球の挙動に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることが可能な期間(ラウンド期間)を経過した後に、遊技者に有利な状態を設定することができるように構成しているため、その有利な状態を狙って球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる行為を完全に防止することができ、適正な遊技を提供し易くすることができる。
以上、説明をした通り、上述した各実施形態では、小当たり用入賞装置10650に入賞した球をV入賞口に入賞させるための経路を複数設けることで小当たり遊技中の遊技内容(小当たり用入賞装置10650に入賞した球を用いた遊技の内容)を多様化するように構成していた。具体的には、V入賞口を複数設け(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)、各V入賞口に対して球を入球させるための経路を設け、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が何れの経路に振り分けられるかを遊技者に楽しませる遊技を行うように構成していた。なお、上述した各実施形態と同様に、小当たり遊技中の遊技内容を多様化するものとして、例えば、1つのV入賞口(特定領域)に球を入球させることが可能な経路(流路)を複数設け、流下する流路によってV入賞口(特定領域)に球が入球する割合や、時間を異ならせるように構成しても良い。
例えば、図270を参照して説明をすると、第2流路10651c内に新たに振分手段を設け、その振分手段を、小当たり遊技の開始を契機に所定パターンで第1状態と第2状態とに可変可能に構成する。そして、振分手段が第1状態である場合には、球を可動片10653に向けて流下可能に構成し、第2状態である場合には、特殊ルートへ球を振り分けるように構成する。特殊ルートを、役物装置10675を介すること無く役物ルートV入賞口10677に連通するように構成する。
このように構成することにより、1つのV入賞口(役物ルートV入賞口10677)に入球可能な経路を複数設けることができ、さらに、各経路を流下する球のV入賞口への入球確率を異ならせることができる。なお、上述した例では、特殊ルートを流下した球が役物ルートV入賞口10677に確実に入球する構成であるが、これに限ること無く、役物装置10675を介して役物ルートV入賞口10677に向けて流下する球のV入賞確率(1/4)よりも高いV入賞確率が設定されれば良く、V入賞確率が1/2となるように構成しても良い。また、同一のV入賞確率を設定しても良いし、役物装置10675を介して役物ルートV入賞口10677に向けて流下する球のV入賞確率(1/4)よりも低いV入賞確率となるように構成しても良い。
加えて、特殊ルートを流下した球が、可動片10653を介さずに直V入賞口10657に入賞可能な構成としても良いし、特殊ルートへの分岐部を第2流路10651cでは無く、第1流路10651aや、役物ルート用流路10651daに設けても良い。さらに、図312に示した遅延装置11700を設けた場合には、遅延装置11700に通過穴を複数設け、その一部を特殊ルートへの振分手段として用いても良い。
また、上述した第13実施形態、第14実施形態では、図270に示した通り、小当たり用入賞装置10650に入賞した球の全てを第2流路10651cへと誘導可能な回転体10652へと誘導可能な構成を用いているが、これに限ること無く、小当たり用入賞装置10650に入賞した球の一部のみが回転体10652に向けて流下するように構成しても良い。これにより、回転体10652の貯留部10652aに球が貯留されるか否かについても遊技者に興味を持たせることができる。
<第15実施形態>
次に、図314から図341を参照して、第15実施形態について説明をする。上述した第9実施形態から第14実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、特別図柄の抽選で外れの一種である小当たりとなって、当該小当たり遊技の間に遊技領域に設けられているV入賞口(特定領域)に遊技球が入球することによっても大当たりに当選(大当たり遊技を実行)する仕様を採用していた。また、上述した第9実施形態では、小当たりは第2特別図柄の抽選(第2入球口640への入球に基づく特別図柄の抽選)でのみ高確率で(例えば、9/10で)当選し得る(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が小当たりとなり易くなる)構成とし、且つ、遊技状態に応じて第2入球口640への入球し易さを可変させる構成としていた。即ち、上述した第9実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになる確率は遊技状態によらず一定としておき、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放確率(普通図柄の当たりとなる確率)や、普通図柄の変動時間、開放時間等を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たりに当選する可能性を異ならせ、結果的に大当たりに当選する可能性を異ならせる構成(所謂、1種2種混合機の仕様)としていた。
また、上述した第13実施形態では、第1特別図柄の抽選においても小当たりに当選し得る(第2特別図柄の抽選のほうが第1特別図柄の抽選よりも小当たりに当選し易いが、第1特別図柄の抽選で大当たり当選する確率よりも高い確率で小当たりに当選し得る)構成とし、第1特別図柄の抽選が実行される遊技状態である通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態でも、小当たり当選に基づいた大当たり遊技を実行可能な構成としていた。
さらに、上述した第13実施形態では、小当たりに当選した特別図柄の種別に応じて小当たり遊技中に実行される遊技内容を異ならせるように構成しており、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選(当選確率1/70)した場合は、その小当たり遊技としてパチンコ機10の中央部に設けられた転動装置10675内の役物ルートV入賞口10677(図269参照)への球の入賞を期待させる小当たり遊技(役物チャレンジ、V入賞確率:約1/4)が、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、その小当たり遊技としてパチンコ機10の右側領域に設けられた直V入賞口10657(図269参照)への球の入賞を期待させる小当たり遊技(直Vチャレンジ、V入賞確率:約1/1)が、それぞれ実行され易くなるように構成していた。
このように、小当たり当選した特別図柄の種別に応じて異なる遊技性の小当たり遊技を実行可能に構成することにより、遊技者が早期に飽きてしまうことの無いパチンコ機10を提供することができるという効果を奏するものであった。
しかしながら、上述した第13実施形態のパチンコ機10では、時短状態が設定されることにより、通常状態よりも抽選が実行され易くなる特別図柄の種別が固定されていたため(時短状態が設定されると第2特別図柄の抽選のみが実行され易くなるように構成していたため)、役物ルートV入賞口10677(図269参照)への球の入賞を期待させる小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行され易い遊技状態を設定することができず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第15実施形態では、通常状態よりも特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態として、通常状態よりも第1特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(時短B状態)と、通常状態よりも第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態(時短A状態)と、を設定可能に構成している。このように構成することで、通常状態よりも特別図柄の抽選が実行され易い有利遊技状態中に、役物チャレンジを実行させ易くする遊技状態(時短B状態)と、直Vチャレンジを実行させ易くする遊技状態(時短A状態)と、を遊技者に提供することができ、有利遊技状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、上述した第13実施形態では、第2特別図柄の保留記憶数の上限を1個とし、且つ、時短状態中に第2特別図柄の抽選を契機に大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に必ず通常状態が設定されるように構成していた。そして、時短状態中に獲得した第2特別図柄の保留記憶(1個)に基づく第2特別図柄の抽選が通常状態中に実行され、その第2特別図柄の抽選で小当たりに当選(小当たり確率1/2)し、大当たり遊技が実行された場合には、再度、時短状態が設定されるように構成していた。
つまり、上述した第13実施形態は、一旦時短状態が設定されると、次回の大当たり遊技がほぼ確定する代わりに、時短状態が連続して設定されることが無いように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)が設定されたにも関わらず、大当たりに当選すること無く(大当たり遊技が実行されること無く)、有利遊技状態が終了してしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制しながら、遊技者に過剰な特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した第13実施形態のパチンコ機10では、遊技者に有利となる有利遊技状態(時短状態)が連続して設定されることが無く、大当たり遊技が実行される毎に、大当たり遊技終了後に実行される1回目の特別図柄抽選(時短状態中に保留記憶された第2特別図柄抽選)にて小当たり当選するか否かを注視する必要があることから、遊技者に安心して遊技を行わせることが出来ないという問題があった。
これに対して、本第15実施形態では、上述した第13実施形態の時短状態と同様の遊技が実行される時短A状態(時短状態中に第2特別図柄の抽選が実行され易くなる遊技状態)に加え、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる有利遊技状態(時短B状態)を設定可能に構成し、その時短B状態において第1特別図柄の抽選で小当たり当選した場合には、当選した小当たり遊技に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に再度時短B状態が設定されるように構成している。つまり、本第15実施形態では、時短状態中に大当たり遊技が実行され易く、且つ、時短状態が連続して設定され難い有利遊技状態(時短A状態)と、時短状態中に大当たり遊技が実行され難く、且つ、時短状態が連続して設定され易い有利遊技状態(時短B状態)と、を遊技者に提供することが可能となるように構成されている。
さらに、本第15実施形態では、上述した時短A状態が設定される第1条件と、時短B状態が設定される第2条件と、を異ならせており、通常状態が設定されている場合には、第1条件が成立し易くし、時短A状態が設定されている場合のほうが、通常状態が設定されている場合よりも第2条件が成立し易くなるように構成している。加えて、時短A状態が設定されている場合よりも、時短B状態が設定されている場合のほうが、第2条件が成立し易くなるように構成している。
つまり、本第15実施形態では、通常状態、時短A状態、時短B状態の順で段階的に遊技状態が設定されるように構成し、一度時短B状態が設定されると、時短B状態が高確率で繰り返し設定されるように構成している。そして、時短B状態が設定されている状態において、何れの契機で大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されることが無いように構成している。
つまり、遊技者に有利な遊技状態である有利遊技状態のうち、時短A状態が設定されている間は、大当たり遊技が実行された後に遊技者に不利な遊技状態である通常状態が設定され易く、時短B状態が設定されている間は、大当たり遊技が実行された後に遊技者に不利な遊技状態である通常状態が設定され難くなるように構成している。これにより、有利遊技状態として時短B状態が設定されている間は、安心して大当たり遊技が実行させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図314を参照して、本第15実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図314は、本第15実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。本実施形態では、上述した第13実施形態のパチンコ機10に対して、遊技盤13の右側領域の構成を変更している点で相違し、それ以外は同一である。なお、同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図314に示した通り、本第15実施形態のパチンコ機10は、上述した第13実施形態のパチンコ機10に対して、蛇行流路10600aを流下する球が入球し得る第1作動用入球口20064bと、第2作動用入球口20064aと、を設けた点と、ゲート式電動役物20640aの下流端側(図314の視点で右下側)に、上述した第1作動用入球口20064b、第2作動用入球口20064aを球が入球可能な状態へと作動させるための振分入賞装置20070(図315参照)を設けた点と、で相違している。
そして、右打ち遊技によって遊技領域へと発射された球は、遊技盤13の右側領域を流下し、閉状態の開閉扉10650b上を流下した後に、蛇行流路10600aに流入する。蛇行流路10600aの流出口10600bから排出された球は、遊技盤13に植設された釘と衝突することにより様々な方向へと振り分けられ、流出口10600bから排出された球の約1/3が普図入賞口10067(賞球1個)に入球し、それ以外の球(2/3)が転動面20700b(図315参照)上を転動し、ゲート式電動役物20640aを臨むように形成される開口部から大当たり用入賞装置10065に向けて排出される。
ここで、図315及び図316を参照して、振分入賞装置20070の構成について説明をする。図315は、第15実施形態のパチンコ機10の遊技盤13の右下側領域を拡大した部分拡大図であり、図316は、第15実施形態の振分入賞装置20070の作動の流れを示した部分拡大図である。
図315に示した通り、振分入賞装置20070の上流側にはゲート式電動役物20640aが設けられている。このゲート式電動役物20640aは、上述した第13実施形態のゲート式電動役物10640aと同一に構成されており、普通図柄の抽選で当たりに当選した場合に作動する電動役物である。通常は遊技盤13に埋設された待機状態に位置し、普通図柄の抽選で当たり当選(普図当たりに当選)した場合に、遊技盤13から突出した誘導状態へと予め定められた作動パターンに従って作動するように構成している。誘導状態へと作動したゲート式電動役物20640aは隔壁20700aにより遊技盤13上に形成された流路20700bを流下する球を受け止め可能となり、ゲート式電動役物20640aの上面で受け止めた球を振分入賞装置20070に向けて誘導するように流下させるべく、その上面が振分入賞装置20070の一端側に向けて下り傾斜するように構成している。
なお、本第15実施形態では、上述した第13実施形態と同様に、通常状態が設定されている場合において普通図柄抽選で当たりに当選し、普図当たり遊技が実行されたとしても振分入賞装置20070に球が流入し得ないように、ゲート式電動役物20640aの開放パターンおよび、ゲート式電動役物20640aの流下長(ゲート式電動役物20640aの上流端から下流端までの長さ)が設定されているが、具体的構成が上述した第13実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
振分入賞装置20070の内部には、第1流路20075a、および第2流路20075bの2つの流路が形成されており、第1流路20075aを流下した球は第1作動口20073aに入球し、第2流路20075bを流下した球は第2作動口20073bに入球するように構成している。さらに、第1流路20075aと第2流路20075bとが分岐する位置には、切換弁(可変流路)20072が設けられている。
この切換弁(可変流路)20072は、振分入賞装置20070に流入した球を第1流路20075aへと流下させる第1切換状態(図315にて実線で示した状態)と、第2流路20075bへと流下させる第2切換状態(図315にて点線で示した状態)とに切り換え(スライド変位させる)可能に構成されており、普通図柄抽選で当たりに当選し、当たり遊技が実行されることに基づいて、予め定められた作動パターンで作動されるように構成している。切換弁20072が第1切換状態に位置すると、第2流路20075bの上流側が塞がれ、第1流路20075aのみが開放された状態となる。そして、振分入賞装置20070内に流入した球が、切換弁20072の傾斜面を流下し、第1流路20075aへと進行する。
一方、切換弁20072が第2切換状態に位置すると、第1流路20075aの上流側が塞がれ、第2流路20075bのみが開放された状態となる。そして、振分入賞装置20070内に流入した球が、隔壁20070aと、切換弁20072の垂直面との間に形成される領域を流下し、第2流路20075bへと進行する。
ここで、切換弁20072は、通常では(当たり遊技が実行されていない状態では)、第1切換状態を維持するように構成している。本実施形態では、上述した通り、通常状態中の普図当たり遊技によって、球が振分入賞装置20070へと流入し得ないようにゲート式電動役物20640aを作動させるように構成しているが、通常状態における普図当たり遊技中に流路20700bから勢いよく球が排出され、瞬間的に誘導状態となったゲート式電動役物20640aと衝突し、その跳ね返りによって球が振分入賞装置20070へと流入する虞もある。
しかしながら、本実施形態では、通常状態中に普図当たり遊技(ゲート式電動役物20640aの開閉動作)が実行される期間(0.5秒間)中には、切換弁20072が第1切換状態を維持するように構成しているため、たとえ、通常状態中に右打ち遊技を実行し、球が振分入賞装置20070に流入したとしても、第1作動口20073aに入球することになる。そして、第1作動口20073aに球が入球すると第1作動役物20064b1が作動し、第1作動用入球口20064bに球が入球可能な状態となる。
さらに、右打ち遊技を継続して実行することにより、第1作動用入球口20064bに球を入球させることで、第1入球口64に球を入球させた場合と同様に第1特別図柄の抽選を実行するための処理が行われる。このように、通常状態中に右打ち遊技を行い、球の跳ね返りによって振分入賞装置20070に球を流入させる遊技を行ったとしても、通常状態中に左打ち遊技を行い第1入球口64に球を入球させる遊技と同一の処理が実行されるだけであり、さらに、左打ち遊技を実行することにより遊技盤13の左側領域を流下させた球が第1入球口64に入球する割合(約15球に1球の割合)よりも、右打ち遊技を実行することにより遊技盤13の右側領域を流下させた球が短時間開放されるゲート式電動役物20640aと衝突し、振分入賞装置20070へと流入する割合のほうが格段に低くなるため、通常状態中に右打ち遊技を行うメリットが無いことから、遊技者は通常状態中は左打ち遊技を実行することになる。
なお、本実施形態では、切換弁20072を2つの状態(第1切換状態、第2切換状態)に切り換え可能に構成し、切換弁20072が何れの状態であっても、振分入賞装置20070に球が流入すること抑制すること無く、且つ、第1作動口20073a、或いは、第2作動口20073bの何れかに球が入球するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、切換弁20072を3つ以上の状態に切り換え可能に構成し、振分入賞装置20070に流入した球を第1作動口20073aに向けて流下させる状態と、第2作動口20073bに向けて流下させる状態と、アウト口に向けて流下させる状態と、に切り換え可能に構成しても良い。
また、切換弁20072とは別に、振分入賞装置20070に球が流入することを防ぐ遮蔽部材を設け、普図当たり遊技が実行されることに基づいて、切換弁20072に合わせて遮蔽部材も作動させるように構成し、その作動パターンとして、時短状態中に普図当たり遊技が実行される場合は、遮蔽部材を、球が振分入賞装置20070に流入困難な遮蔽状態から、その遮蔽状態よりも流入し易い許容状態へと作動し、通常状態中に普図当たり遊技が実行される場合は、その普図当たり遊技中において、遮蔽部材が遮蔽状態を維持するように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態中に普図当たり遊技が実行された場合において、球が振分入賞装置20070へと流入することを確実に防止することができる。
次に、図316を参照して、各作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)に球が入賞した場合における作動内容について説明をする。第1作動口20073aの内部には、第1作動機構20074aが設けられており、第1作動口20073aに球が入賞した場合に、第1作動機構20074aが作動し、第1作動役物20064b1が開放状態となるよう公知の非電動役物で構成されている。
即ち、第1作動機構20074aの一端側が第1作動口20073aに入賞した球と接触するように構成されており、第1作動機構20074aの他端側が第1作動役物20064b1と連結するように構成されている。そして、第1作動口20073aへと入球した球の重みによって、第1作動機構20074aが作動し、第1作動役物20064b1を開放状態に切り替えるように構成している。また、第1作動役物20064b1が開放状態において、第1作動用入球口20064bに球が所定個数(2個)入球した場合に第1作動役物20064b1が閉鎖状態に切り替わるように構成している。第1作動用入球口20064bは、第1特別図柄の抽選契機となる始動口であって、球が入球した場合には、第1入球口64に球が入球した場合と同一の制御処理が実行される。
同様に、第2作動口20073bの内部には、第2作動機構20074bが設けられており、第2作動口20073bに球が入賞した場合に、第2作動機構20074bが作動し、第2作動役物20064a1が開放状態となるよう公知の非電動役物で構成されている。
即ち、第2作動機構20074bの一端側が第2作動口20073bに入賞した球と接触するように構成されており、第2作動機構20074bの他端側が第2作動役物20064a1と連結するように構成されている。そして、第2作動口20073bへと入球した球の重みによって、第2作動機構20074bが作動し、第2作動役物20064a1を開放状態に切り替えるように構成している。また、第2作動役物20064a1が開放状態において、第2作動用入球口20064aに球が所定個数(2個)入球した場合に第2作動役物20064a1が閉鎖状態に切り替わるように構成している。第2作動用入球口20064aは、第2特別図柄の抽選契機となる始動口であって、球が入球した場合には、第2入球口640に球が入球した場合と同一の制御処理が実行される。
このように、本実施形態では、ゲート式電動役物20640a上を流下する球が振分入賞装置20070へと流入可能な遊技状態(時短状態(普通図柄の高確率状態))において、切換弁20072の状態に応じて、球が入球する作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)を異ならせるように構成している。
そして、球が入球した作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)に対応する作動役物(第1作動役物20064b1、第2作動役物20064a1)が開放状態となり、開放状態となった作動役物(第1作動役物20064b1、第2作動役物20064a1)が付設されている作動用入球口(第1作動用入球口20064b、第2作動用入球口20064a)に球が入球可能な状態を提供することができる。よって、通常状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選が実行され易い(遊技者に有利となる普図当たり遊技が実行され易い)時短状態中において、抽選が実行される特別図柄の種別を適宜変更することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、特別図柄の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される場合において、その大当たり種別に応じて異なる種別の時短状態(時短A状態、時短B状態)を設定可能に構成しており、設定された時短状態の種別によって、振分入賞装置20070に流入した球が第1作動口20073aに入賞し易い時短状態(時短B状態)と、第2作動口20073bに入賞し易い時短状態(時短A状態)と、を設定可能に構成している。具体的には、普通図柄の当たり当選を契機に実行される普図当たり遊技におけるゲート式電動役物20640aの開放動作パターンを設定されている時短種別に応じて異ならせることにより、球が振分入賞装置20070に流入した際の切換弁20072の状態を異ならせるように構成している。
ここで、図317を参照して、普図当たり遊技中に実行されるゲート式電動役物20640aの動作(開放パターン)と、切換弁(可変流路)20072の切換動作との対応関係について説明する。図317は、時短状態が設定されている場合におけるゲート式電動役物20640aの動作と、切換弁20072の切換動作との対応関係を示したタイミングチャートである。図317に示した通り、ゲート式電動役物20640aは、設定されている時短種別に対応させた2種類の開放パターン(開放パターンA、および開放パターンB)で作動可能に構成されており、時短種別として時短A状態が設定されている場合には開放パターンBが、時短B状態が設定されている場合には開放パターンAが設定されるように予め規定されている。なお、この開放パターンは、主制御装置110のROM202の普電動作シナリオ16テーブル202ngに規定されており、普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、現在設定されている遊技状態、及び時短種別に対応する普電動作シナリオ(開放パターン)が読み出されるように構成している。
振分入賞装置20070内の切換弁20072は、普図当たり遊技の開始タイミングを契機に予め定められた動作パターンで第1切換状態(第1流路20075aに球を流下させることが可能な状態)と、第2切換状態(第2流路20075bに球を流下させることが可能な状態)とに切り換わる(スライド変位する)ように構成されており、具体的には、図317に示した通り、普図当たり遊技が開始されてから第1切換状態を1.5秒間維持した後に、第2切換状態へとスライド変位し、第2切換状態を3秒間維持する。そして、第2切換状態を3秒間維持した後に、初期状態である第1切換状態へとスライド変位する動作パターンが規定されている。
なお、本実施形態では、普図当たり遊技が実行される場合の遊技状態に関わらず、切換弁20072を予め定められた一定パターンで動作させるように構成しており、上述した普図当たり遊技の開放パターンを可変させることにより球が入球可能な作動口を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技状態に応じて普図当たり遊技の開放パターンを可変させるという他でも用いられる制御(例えば、通常状態と時短状態とで普図当たり遊技の開放パターンを可変させる制御)を利用して球が入球可能な作動口を異ならせことができるため、振分入賞装置20070へと流入した球が入球する作動口を可変させるための制御処理を、専用の制御処理を用いる場合よりも簡略化することができる。
開放パターンAが設定されると、普通図柄の当たり遊技が開始された直後に比較的長い時間(即ち、1秒間)ゲート式電動役物20640aが誘導状態(球を振分入賞装置20070に向けて流下させることが可能な突出状態)となり、その後1.4秒間の開放状態(球を振分入賞装置20070に向けて流下させることが困難な埋没状態)を経て、0.1秒間の誘導状態が設定される普図当たり遊技が実行される。なお、本実施形態では、振分入賞装置20070に球を流入させるために必要なゲート式電動役物20640aの動作期間(継続して誘導状態が設定される期間)が0.5秒となるように、ゲート式電動役物20640aの下流長tz1(図315参照)が設定されているため、0.1秒間の誘導状態が設定される普図当たり遊技の後半期間においては、球が振分入賞装置20070に流入し得ないように構成されている。
つまり、開放パターンAが設定される普図当たり遊技では、普図当たり遊技が開始された直後に設定される誘導状態(1秒間の誘導状態)によって球が振分入賞装置20070に流入する。また、本実施形態では、ゲート式電動役物20640aの下流端から排出された球が第1流路20075a、或いは、第2流路20075bに到達するまでに要する期間が約0.3秒となるように設計されている。
そして、上述した通り、切換弁20072は普図当たり遊技が開始されてから1.5秒間、第1流路20075aへと球を流下させることが可能な第1切換状態に位置するように構成しているため、開放パターンAが設定される普図当たり遊技において振分入賞装置20070に流入した球は、第1流路20075aを流下し、第1作動口20073aに入賞することになる。
一方、開放パターンBが設定されると、普通図柄の当たり遊技が開始された直後に極めて短い時間(0.1秒間)ゲート式電動役物20640aが誘導状態(球を振分入賞装置20070に向けて流下させることが可能な突出状態)となり、その後1.4秒間の開放状態(球を振分入賞装置20070に向けて流下させることが困難な埋没状態)を経て、1秒間の誘導状態が設定される普図当たり遊技が実行される。なお、本実施形態では、振分入賞装置20070に球を流入させるために必要なゲート式電動役物20640aの動作期間(継続して誘導状態が設定される期間)が0.5秒となるように、ゲート式電動役物20640aの下流長tz1(図315参照)が設定されているため、0.1秒間の誘導状態が設定される普図当たり遊技の後半期間においては、球が振分入賞装置20070に流入し得ないように構成されている。
つまり、開放パターンBが設定される普図当たり遊技では、普図当たり遊技が開始された直後に設定される誘導状態(0.1秒間の誘導状態)によって球が振分入賞装置20070に流入することは無く、普図当たり遊技の後半期間において設定される誘導常態(1秒間の誘導状態)によって球が振分入賞装置20070に流入するように構成している。
そして、上述した通り、切換弁20072は普図当たり遊技が開始されてから1.5秒経過後に、第2流路20075bへと球を流下させることが可能な第2切換状態を3秒間設定するように構成しているため、開放パターンBが設定される普図当たり遊技において振分入賞装置20070に流入した球は、第2流路20075bを流下し、第2作動口20073bに入賞することになる。
このように構成することで、設定される時短種別に応じて異なる開放パターンでゲート式電動役物20640aを作動させることにより、抽選が実行される特別図柄の種別を異ならせることができるため、時短遊技中に実行される特別図柄の抽選遊技を多様化させることが可能となり、時短状態中に実行される遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えば、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な特別図柄抽選が実行されるように構成している場合であれば、時短状態中に何れの特別図柄抽選が実行されるのかに対して遊技者に興味を抱かせることができる。
本実施形態では、上述した通り、時短種別に応じて異なる開放パターンで普図当たり遊技が実行されるように構成し、時短種別として時短A状態が設定された場合は、開放パターンBで普図当たり遊技が実行されることにより第2特別図柄の抽選が実行され、時短種別として時短B状態が設定された場合は、開放パターンAで普図当たり遊技が実行されることにより第1特別図柄の抽選が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、何れの時短種別が設定された場合であっても、開放パターンAの普図当たり遊技と、開放パターンBの普図当たり遊技とが実行され得るように構成し、設定された時短種別に応じて各開放パターンの選択割合を異ならせるように構成しても良い。このように構成することにより、設定されている時短種別が遊技者に把握されたとしても、次に実行される普図当たり遊技が何れの開放パターンで実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
また、時短状態中に実行される特別図柄の変動回数(抽選回数)や、普通図柄の変動回数(抽選回数)に対応させて普図当たり遊技の開放パターンを規定したシナリオデータを設け、そのシナリオデータに規定されている開放パターンで普図当たり遊技が実行されるように構成しても良い。これにより、時短状態中に実行される遊技(特別図柄抽選、普通図柄抽選)の進行状況に応じて普図当たり遊技の開放パターンを可変させることが可能となる。
なお、この場合、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態(特図変動100回)に対して、最初の所定期間(例えば、特図変動10回分)は、開放パターンBで普図当たり遊技が実行され、残りの期間(例えば、特図変動90回分)は、開放パターンAで普図当たり遊技が実行されるようにシナリオデータを設定すると良く、さらに、開放パターンBの普図当たり遊技のほうが、開放パターンAの普図当たり遊技よりも遊技者に有利となる普図当たり遊技となるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技の終了後に設定される有利遊技状態(時短状態)の中でも、遊技者に有利な有利時短状態と、その有利時短状態よりも遊技者に不利となる不利時短状態と、を遊技者に順に提供することができる。また、シナリオデータには上述した規定内容以外の内容を規定しても良く、開放パターンAの普図当たり遊技と、開放パターンBの普図当たり遊技とが交互に実行されるように規定しても良いし、遊技者に不利となる不利時短状態が先に遊技者に提供されるように構成しても良い。
さらに、本実施形態では、切換弁20072が遊技状態に関わらず常に一定の作動パターンで作動するように構成し、ゲート式電動役物20640aの開放パターンを遊技状態(時短種別)に応じて異ならせることにより、時短状態中の普図当たり遊技において、球が入球可能な作動口の種別を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ゲート式電動役物20640aが遊技状態に関わらず常に一定の開放パターンで作動させ、切換弁20072の作動パターンを遊技状態(時短種別)に応じて異ならせるように構成しても良い。このように構成した場合でも、時短状態中の普図当たり遊技において、球が入球可能な作動口の種別を異ならせることが可能となる。また、切換弁20072の作動パターンと、ゲート式電動役物20640aの開放パターンの両方を遊技状態(時短種別)に応じて異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、複数の装置(切換弁20072、ゲート式電動役物20640a)の動作内容を組み合わせることで球が入球可能な作動口の種別を異ならせることが可能となるため、入球可能な作動口の種別をより複雑に設定することが可能となる。
さらに、本実施形態では、第1作動口20073aと、第2作動口20073bとをそれぞれ1つずつ設けているが、各作動口の個数はこれに限ること無く、2個以上設けても良い。また、各作動口の個数を異ならせても良い。このように各作動口を複数設けることにより、振分入賞装置20070へと流入した球がどの作動口に入球するのかを分かり難くすることができるため、遊技者に予測され難い遊技を提供することができる。
次に、図318を参照して、本第15実施形態におけるパチンコ機10における遊技状態移行の流れについて説明をする。図318は、本第15実施形態におけるパチンコ機10のゲームフローを模式的に示した模式図である。本第15実施形態では、上述した第13実施形態のパチンコ機10のゲームフロー(図280参照)に対して、時短状態を2つの時短状態(時短A状態、時短B状態)に分けた点と、時短状態中における遊技状態の移行内容を変更した点と、各移行契機における移行割合の一部を変更した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
本第15実施形態では、図314に示した通り、通常状態が設定されている間は、第2特別図柄の抽選契機となる始動口(第2作動用入球口20064a1)に球が入球することが無い(し難い)ため、左打ち遊技によって第1入球口64に球を入球させ、第1特別図柄の抽選が実行されることを狙う遊技(特1遊技)が行われる。この特1遊技中に実行される第1特別図柄の抽選では、1/300の確率で大当たりに当選し、1/20の確率で小当たりに当選する特別図柄抽選が実行される。特1遊技で大当たりに当選した場合には、95%の割合で大当たりBが実行される。この大当たりBは、大当たり遊技として10ラウンド分のラウンド遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に通常状態(不利状態)が設定される大当たり遊技である(図325(a)参照)。一方、残りの5%の割合では大当たりAが実行される。この大当たりAは、大当たり遊技として10ラウンド分のラウンド遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に時短状態(時短A状態)が設定される大当たり遊技である(図325(a)参照)。
また、特1遊技にて小当たり(当選確率1/20)に当選した場合は、70%の割合で小当たり用入賞装置10650が開放される小当たり遊技として、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が小当たり用入賞装置10650内に設けられたV入賞口(直V入賞口10657、役物ルートV入賞口10677)に入賞し難い小当たり遊技が実行される小当たりCが選択される(図325(b)参照)。詳細な説明は後述するが、この小当たりCに対応する小当たり遊技が実行されると、回転体10652が初期位置(横向き)に位置する期間中のみ球が小当たり用入賞装置10650に入賞するように小当たり遊技が実行されるため、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が全てアウト口10654に入球することになる。よって、通常状態中に実行される小当たりCに対応した小当たり遊技は遊技者に最も不利な小当たり遊技となる。
残りの30%の割合で実行される小当たり遊技(小当たりA,B)では、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677に入賞し得る流路へと誘導される小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される。この役物チャレンジは、上述した第13実施形態と同様に、転動装置10675内に球を流下させる小当たり遊技であって、1/4の確率で役物ルートV入賞口10677(特定領域)に球が入球可能な小当たり遊技となる。なお、この役物チャレンジの詳細な内容は上述した第13実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
そして、通常状態中に第1特別図柄の抽選で小当たり当選し、その小当たり遊技中に球が役物ルートV入賞口10677(特定領域)に入球すると、大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短状態(時短A状態)が設定される。つまり、本第15実施形態のパチンコ機10では、小当たり当選確率が1/20で、そのうち、70%の割合でV入賞し得ない小当たり遊技が実行され、30%の割合でV入賞率25%の小当たり遊技が実行されるため、通常状態中における第1特別図柄抽選において、小当たり当選を契機に大当たり遊技が実行される確率は、約1/280となる。よって、第1特別図柄の抽選にて、大当たりに当選(1/300)し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率(大当たり当選(1/300)の5%)よりも、小当たり当選(1/20)に基づく大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率(小当たり当選(1/20)の約8%)のほうが高くなるため、第1特別図柄の抽選が主に実行される通常状態では、小当たり当選を契機に時短状態が設定されることを狙う遊技が行われる。
次に、時短状態中の遊技の流れについて説明をする。本実施形態では、時短状態の種別として、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる時短A状態と、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる時短B状態と、を設定可能に構成しており、通常状態における第1特別図柄抽選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後には、時短A状態が設定されるように構成している。つまり、本実施形態のパチンコ機10は、通常状態中の遊技において、設定され易い時短種別(時短A状態)と、設定され難い時短種別(時短B状態)と、を有している。このように設定され易い時短種別と、設定され難い時短種別と、を設けることにより、遊技者に対してどの時短種別が設定されるのかを楽しませながら遊技を行わせることができる。
まず、通常状態から移行し易い(設定され易い)時短種別である時短A状態中の遊技の流れについて説明をする。なお、本実施形態における時短A状態中の遊技の流れは、上述した第13実施形態における時短状態の遊技の流れに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合における遊技状態の移行先を異ならせた点と、時短状態から通常状態へと遊技状態を移行させるための時短終了条件の内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
時短A状態が設定されると、ゲート式電動役物20640aがロング可変(1秒)するため、振分入賞装置20070へと球が流入し易くなり、さらに、普図当たり遊技において、開放パターンBの開放動作が実行されるため(実行され易くなるため)、第2作動口20073bに球が入球し易くなる。第2作動口20073bに球が入球すると、蛇行流路10600aに設けられた第2作動役物20064a1が開状態(開放状態)となり、第2作動用入球口20064a1に球が入球し易い状態となる。よって、時短A状態が設定されている期間中は、右打ち遊技を継続して行うだけで第2特別図柄の抽選を容易に行うことができる期間となる。
また、時短A状態が設定されている場合は、左打ち遊技による第1入球口64へ球を入球させるよりも高確率で右打ち遊技による第2作動用入球口20064a1への球の入球が実行されるように構成しているため、時短A状態が設定されている間は遊技者が右打ち遊技を行うことになる。なお、本実施形態では、時短A状態が設定されている間は、普図当たり遊技において第1作動口20073aに球が入球することが無いように構成しているため、時短A状態中に行われる右打ち遊技によって第1作動用入球口20064bに球が入球することが無い。
なお、本実施形態のように、特定の時短種別(時短A状態)が設定された場合において、一方の特別図柄抽選のみが行われる構成に限定すること無く、一方の特別図柄抽選のほうが他方の特別図柄抽選よりも実行され易く(優先して実行される)なるように構成しても良い。
時短A状態中に第2特別図柄抽選が実行されると、1/300の確率で大当たりに当選し、1/2の確率で小当たりに当選する当たり抽選が実行される。なお、時短状態中に実行される第2特別図柄の各当たり抽選確率、及び、小当たり当選時における遊技の流れについては、上述した第13実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
一方、時短A状態中に第2特別図柄抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり終了後に、時短B状態が設定される。つまり、時短A状態中において、1/2の確率で当選する小当たり遊技に基づいて大当たりが実行されるよりも前に、大当たり当選(1/300)した場合にのみ時短B状態が設定されるように構成している。なお、本実施形態では、上述した第13実施形態と同じく、第2特別図柄の抽選権利を1個保留記憶させることが可能に構成している。よって、第2特別図柄の抽選で大当たり当選し、時短B状態が設定されたとしても、時短B状態が設定されている状態で保留記憶されていた第2特別図柄の抽選が実行される場合がある。
さらに、本実施形態では、図314を参照して上述した通り、大当たり遊技中に開放動作される大当たり用入賞装置10065に球を入賞させるための右打ち遊技によって発射された球が流下する蛇行流路10600aに第2作動役物20064a1、および第2作動用入球口20064aを設けているため、時短B状態が設定されてから第2特別図柄の抽選が実行されないように開状態中の第2作動用入球口20064aに球を入球させることなく大当たり遊技を実行することが困難となるように構成している。
このように構成することで、時短B状態において第1特別図柄の抽選を実行させる時短遊技(役物ラッシュ)が実行される確率を、時短A状態において第2特別図柄抽選で大当たりに当選する確率(1/300)よりも低くすることができるため、具体的には、時短A状態において第2特別図柄抽選で大当たりに当選し(1/300)、その大当たり遊技の終了後に設定される時短B状態において実行される第2特別図柄の抽選(保留記憶されていた第2特別図柄)に基づいて大当たり遊技が実行されない(大当たり当選しない(299/300)、小当たり当選しない(1/2))場合に、時短B状態において第1特別図柄の抽選を実行させる時短遊技(役物ラッシュ)が実行可能となるため、役物ラッシュをより実行され難くすることができる。よって、実行され難い遊技を行おうと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、例えば、第2特別図柄の抽選権利を保留記憶するための機能を排除した構成を用いても良い。この場合、時短B状態が設定された後に、第2特別図柄の抽選が実行され難くすることができるため、時短A状態において大当たりに当選した場合の付加価値を高めることができる。
また、上述した通り、第2作動用入球口20064aが球を入球し易い開放状態のまま大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技中に球が第2作動用入球口20064aに入球し、第2作動役物20064a1が閉鎖するため、大当たり遊技終了後、即ち、時短B状態が設定される際に、第2作動用入球口20064aが開放状態となることを抑制することができる。よって、時短B状態が設定されている間に第2特別図柄の抽選が実行されることをより抑制することができる。
上述した第13実施形態は、時短状態が設定されている状態で小当たり当選(1/2)し、その小当たり当選に基づく大当たり遊技が実行された場合も、大当たり当選(1/300)したことにより大当たり遊技が実行された場合も、その大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されるものであった。つまり、大当たり遊技の実行契機として、成立し易い実行契機(小当たり遊技中のV入賞)と、成立し難い実行契機(特別図柄抽選における大当たり当選)と、で、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が同一であるため、成立し難い側の実行契機が成立し、大当たり遊技が実行された場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第15実施形態では、時短A状態が設定されている場合に成立し易い大当たり遊技の実行条件(小当たり当選)が成立した場合には、上述した第13実施形態と同様に、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定され、時短A状態が設定されている場合に成立し難い大当たり遊技の実行条件(大当たり当選)が成立した場合には、その大当たり遊技の終了後に時短B状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短A状態中に成立し得る複数の大当たり条件に基づいて、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を可変させることが可能となるため、時短状態(時短A状態)中に実行される遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、時短A状態において第2特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて設定される時短B状態の遊技の流れについて説明をする。この時短B状態は、上述した時短A状態と同様に、大当たり遊技が実行されることなく特別図柄の抽選が99回実行されるまで継続するように構成している。時短B状態が設定されると、ゲート式電動役物10640aがロング可変(1秒)するため、振分入賞装置20070へと球が流入し易くなり、さらに、普図当たり遊技において、開放パターンAの開放動作が実行されるため(実行され易くなるため)、第1作動口20073aに球が入球し易くなる。第1作動口20073aに球が入球すると、蛇行流路10600aに設けられた第1作動役物20064b1が開状態となり、第1作動用入球口20064bに球が入球し易い状態となる。よって、時短B状態が設定されている期間中は、右打ち遊技を継続して行うだけで第1特別図柄の抽選を容易に行うことができる。また、時短B状態が設定されている場合は、左打ち遊技による第1入球口64へ球を入球させるよりも高確率で右打ち遊技による第1作動用入球口20064bへの球の入球が実行されるように構成しているため、時短B状態が設定されている間は遊技者が右打ち遊技を行うことになる。なお、本実施形態では、時短B状態が設定されている間は、普図当たり遊技において第2作動口20073bに球が入球することが無いように構成しているため、時短B状態中に行われる右打ち遊技によって第2作動用入球口20064aに球が入球することが無い。
なお、本実施形態のように、特定の時短種別(時短A状態)が設定された場合において、一方の特別図柄抽選のみが行われる構成に限定すること無く、一方の特別図柄抽選のほうが他方の特別図柄抽選よりも実行され易く(優先して実行される)なるように構成しても良い。
時短B状態中に第1特別図柄の抽選が実行されると、通常状態における第1特別図柄の抽選と同一の当選確率で大当たり当選(1/300)、小当たり当選(1/20)が判別される。そして、小当たり当選した場合は、その100%の割合で転動装置10675cに球を流下させる小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される。このように、本第15実施形態では、遊技状態に応じて、第1特別図柄の抽選により小当たり当選した場合において、役物チャレンジが実行される確率を異ならせており、通常状態中は小当たり当選の30%の確率で役物チャレンジが実行されるのに対して、時短B状態中は小当たり当選の100%の確率で役物チャレンジが実行されるように構成している。
このように構成することで、通常状態と、時短状態とで第1特別図柄抽選の実行のされ易さ(第1特別図柄の抽選契機となる始動口への球の入賞のし易さ)だけでは無く、第1特別図柄抽選に基づく大当たり遊技の実行のされ易さも異ならせることができ、時短状態(時短B状態)を、より有利な遊技状態とすることができる。また、球の挙動を楽しむことができる役物チャレンジを実行し易い遊技状態とすることで、遊技者が早期に飽きてしまうことの無い遊技状態を設定することができる。
なお、本実施形態では、通常状態に対して、時短B状態を、第1特別図柄の抽選が行われ易く、且つ、役物チャレンジが実行され易い遊技状態としているが、時短B状態が、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように構成していれば良く、例えば、第1特別図柄の抽選が行われ易く、役物チャレンジの実行確率は変わらない遊技状態となるように構成しても良いし、第1特別図柄の抽選のし易さを変えること無く、役物チャレンジが実行され易くなる遊技状態となるように構成しても良い。
そして、役物チャレンジにて球が役物ルートV入賞口10677に入賞し、大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技終了後に、再度、時短B状態が設定される。つまり、時短終了条件が成立するまでに(特別図柄の抽選が99回行われるまでに)、小当たりに当選(確率1/20)し、その小当たり遊技においてV入賞口(役物ルートV入賞口10677)に球を入賞させる(確率1/4)ことで、時短B状態をループ可能に構成している(ループ率約70%)。
このように構成することで、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が連続して設定され難い時短A状態と、連続して設定され易い時短B状態とを設定することが可能となるため、時短状態中にバリエーションの富んだ遊技を提供することができる。
一方、時短B状態中に実行される第1特別図柄の抽選で大当たり当選(1/300)した場合は、設定される大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が異なるように構成しており、大当たり種別が大当たりA(5%の割合で)の場合は、大当たり遊技終了後に、再度、時短B状態が設定され、大当たり種別が大当たりB(95%の割合)の場合は、大当たり遊技終了後に、時短A状態が設定されるように構成している。
このように、一度、時短B状態が設定されると、時短B状態中に大当たり遊技が実行された場合において、その大当たり遊技終了後に通常状態が設定されることが無いように構成しているため、時短状態中に実行される大当たり遊技を安心して実行させることができる。
以上、説明をしたとおり、本第15実施形態では、時短状態の時短種別として時短A状態と時短B状態とを設定可能に構成し、設定される時短種別に応じて実行され易くなる特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成している。これにより、時短状態中に様々な遊技性を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、設定される時短種別によって、時短状態中における大当たり遊技の実行確率と、時短状態が継続して設定される時短状態継続率と、が異なるように構成している。
これにより、設定されている時短種別によって、大当たり遊技が実行されることを期待する遊技性と、大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定されることを期待する遊技性と、を時短状態中に遊技に持たせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、時短B状態において役物チャレンジが実行される確率と、通常状態において役物チャレンジが実行される確率と、を異ならせるように構成しているため、通常状態と、時短B状態と、で同一の第1特別図柄抽選を実行する場合であっても、時短B状態を、通常状態よりもより有利な遊技状態とすることができる。なお、本実施形態では、役物チャレンジの実行確率を、通常状態と、時短B状態とで異ならせるように構成しているが、通常状態よりも時短B状態のほうが遊技者に有利となるように構成していれば良く、例えば、役物チャレンジの実行確率を変えること無く、役物チャレンジが実行された場合におけるV入賞口(役物ルートV入賞口10677)へと球の入賞率を異ならせるように構成しても良い。
なお、本実施形態では、時短A状態と時短B状態とで同一の時短終了条件(特図変動99回)を設定しているが、これに限ること無く、時短A状態の時短終了条件と、時短B状態の時短終了条件と、を異ならせて設定しても良い。また、時短A状態と時短B状態とで共通の時短終了条件を設定する場合には、設定される時短終了条件として、第1特別図柄の抽選によって成立し得る時短終了条件と、第2特別図柄の抽選によって成立し得る時短終了条件を設定するように構成すると良い。このように構成することで、設定される時短状態の種別に応じて時短終了条件を可変設定する必要が無くなるため、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
次に、図319を参照して、本実施形態における小当たり遊技中の各種装置の動作内容について説明をする。図319は、小当たり遊技中の各種装置の動作内容を示したタイミングチャートである。図319に示した通り、本第15実施形態では、上述した第13実施形態のパチンコ機10に対して、小当たり遊技として実行される小当たり用入賞装置10650の開閉扉10650bの開放動作の内容を異ならせた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の動作内容についてはその詳細な説明を省略する。
本第15実施形態では、実行される小当たり遊技の種類として、役物ルートV入賞口10677に球を入賞させることを狙う小当たり遊技(役物チャレンジ)と、直V入賞口10657に球を入賞させることを狙う小当たり遊技(直Vチャレンジ)と、何れのV入賞口(役物ルートV入賞口10677、直V入賞口10657)にも球を入賞させることができない(入賞させ難い)小当たり遊技(ガセ小当たり)を設定可能に構成しており、通常状態中に第1特別図柄の抽選で小当たり当選し、小当たり種別として小当たりCが設定された場合(小当たり当選の70%)に実行される小当たり遊技が上述したガセ小当たりとなるように構成している。
なお、小当たり種別として小当たりCが設定された場合に実行される小当たり遊技の遊技内容は、小当たり当選時の遊技状態に応じて可変するように構成しており、通常状態が設定されている場合には、上述したガセ小当たりを実行し、時短状態(時短B状態)が設定されている場合には、役物チャレンジが実行されるように構成している。このように、同一の小当たり種別に対応して実行させる小当たり遊技の内容を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たり遊技中におけるV入賞口(特定領域)への球の入賞のし易さを容易に可変設定させることが可能となる。
図319に示した通り、本第15実施形態では、上述した第13実施形態に対して、小当たり遊技の開始を契機に実行される回転体10652、及び可動片10653の動作パターンを異ならせている。具体的には、小当たり遊技が開始されてから回転体10652が作動するまでの期間を、第13実施形態の0.5秒(図278参照)から5.5秒に変更し、小当たり遊技が開始されてから可動片10653を開状態へと可変させるまでの期間を、第13実施形態の1秒(図278参照)から6秒に変更している。
つまり、本第15実施形態では、小当たり遊技が実行されてから回転体10652、及び可動片10653が作動するまでの期間(非作動期間)が、上述した第13実施形態よりも5秒長くなるように構成している。そして、この非作動期間を用いて、上述したガセ小当たりに対応する小当たり遊技を実行するように構成している。
具体的には、通常状態において第1特別図柄の抽選で小当たり当選し、小当たりCの小当たり遊技(特1小当たりC)が実行されると、オープニング期間(1秒)、ラウンド期間(1.5秒)、エンディング期間(2.5秒)の動作シナリオで小当たり遊技が実行される。このように小当たり遊技を実行することで、ガセ小当たり中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球がV入賞口(役物ルートV入賞口10677、直V入賞口10657)に入賞することを確実に抑制している。また、本第15実施形態では、小当たり遊技のラウンド期間を1.5秒とし、ラウンド期間の経過、或いは、小当たり用入賞装置10650に球が10個入賞した場合に、小当たり遊技(ラウンド期間)が終了するように構成している。
上述した各実施形態と同様に、本第15実施形態でも、球の発射は1分間に100個が上限となるように構成しているため、小当たり遊技のラウンド期間(1.5秒)中に小当たり用入賞装置10650に球が10個入賞することは殆ど無く、1.5秒が経過したタイミングでラウンド期間が終了するように構成している。そして、ラウンド期間の終了間際に小当たり用入賞装置10650に入賞した球が第1流入口10651bに流入し、アウト口10654に到達するまでに要する期間(0.5秒)よりも長いエンディング期間(2.5秒)を経て、小当たり遊技が終了するように構成している。
このように構成することで、特1小当たりCの終了タイミングを、小当たり遊技開始から5秒後に固定することができる。この小当たり遊技開始から5秒後のタイミングは、図319に示した通り、回転体10652、可動片10653が作動していないタイミングとなるため、小当たり用入賞装置10650に入賞した球がV入賞口(役物ルートV入賞口10677、直V入賞口10657)に入賞することが無いガセ小当たりを実行する際に、回転体10652、及び可動片10653が作動することを抑制することができる。よって、不必要に回転体10652、及び可動片10653を作動させてしまい、回転体10652、及び可動片10653を劣化させてしまうことを防止することができる。
また、小当たり遊技開始から5秒後のタイミングは、正常であれば、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が全て小当たり用入賞装置10650の外部へと排出されているタイミングとなるため、本第15実施形態では、このタイミングで入賞装置10650内に球が残存しているかの判別(第1判別)を実行し、小当たり遊技中に異常な状態が発生したか否かの判定を行うように構成している。具体的には、小当たり用入賞装置10650に入賞した球の数を、入球センサSZ0(図270参照)の検知結果に基づいて算出し、小当たり用入賞装置10650から排出された球の数を、溢れセンサ(アウトセンサ)SZa(図270参照)の検知結果に基づいて算出し、その差分値に基づいて、現在、小当たり用入賞装置10650内に球が残存しているかを判別し、球が残存していると判別した場合に、遊技異常であると判定するように構成している。
ここで遊技異常であると判定された場合は、小当たり遊技中に異常(エラー)が発生したことを示すエラーコマンドを設定し、設定されたエラーコマンドを外部に出力する処理が実行される。これにより、例えば、ガセ小当たり中に小当たり用入賞装置10650に入賞させた球を、磁石等を用いて小当たり用入賞装置10650内に残存させておき、回転体10652、可動片10653が作動するタイミングに合わせて残存球を流下させる不正行為が実行されることを抑制することができる。
さらに、本第15実施形態では、小当たり遊技中に異常(エラー)が発生した場合には、その小当たり遊技が終了しないように構成しているため、小当たり遊技中に異常(エラー)が発生したまま遊技が進行されてしまうことを抑制することができる。なお、本第15実施形態のように、小当たり遊技中に異常(エラー)が発生した場合には、その小当たり遊技が終了しないように構成する場合は、小当たり遊技が異常状態のまま延長していることを示す異常延長状態を設定可能に構成し、この異常延長状態である場合には、回転体10652、可動片10653を正常の動作パターンで作動させない(遊技者に最も不利となる作動位置に作動させる)異常用動作パターンを設定するように構成すると良い。このように構成することで、磁石等を用いて小当たり用入賞装置10650内に残存させておき、回転体10652、可動片10653が作動するタイミングに合わせて残存球を流下させる不正行為が実行されることをより確実に抑制することができる。
一方、通常状態が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりAが設定される小当たり遊技(特1小当たりA)や、小当たり種別として小当たりBが設定される小当たり遊技(特1小当たりB)が実行される場合、或いは、時短状態(時短B状態)が設定されている状態において、上述した特1小当たりA~特1小当たりCが実行される場合には、上述した第13実施形態にて、第1特別図柄で小当たり当選した場合と同様に、小当たり用入賞装置10650に入賞した球を役物ルートV入賞口10677に向けて流下させる役物チャレンジが実行されるように開閉扉10650bが動作制御される。
なお、本実施形態では、上述した通り、小当たり遊技が開始されてから回転体10652、及び可動片10653が作動を開始するまでの期間を、上述した第13実施形態に対して5秒遅らせているため、役物チャレンジが実行されるように設定される開閉扉10650bの動作パターンも、上述した第13実施形態に対して5秒遅らせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、上述した第13実施形態を参考にし、その詳細な説明を省略する。
図319に示した通り、役物チャレンジが実行される小当たり遊技では、小当たり遊技が開始されてから開閉扉10650bを開放させるまでの期間(オープニング)として12秒が設定され、その後、ラウンド期間(1.5秒)、エンディング期間(3.5秒)が設定される。このラウンド期間中に入賞した球は、上向き位置(作動位置)に位置している回転体10652の貯留部に貯留され、その後、回転体10652、及び可動片10653の作動に応じて、役物ルートセンサSZ2を通過し、転動装置10675に向けて流下するように構成している。
エンディング期間の3.5秒は、回転体10652の作動が完了し、球が役物ルートセンサSZ2を通過するのに十分な時間として設定しているものである。つまり、このエンディング期間が経過したタイミングは、回転体10652、及び可動片10653が作動中では無いタイミングとなるため、エンディング期間の経過に基づいて小当たり遊技を終了させたとしても、動作中の回転体10652、及び可動片10653を強制的に終了させる必要が無くなる。よって、小当たり遊技を終了させるための処理として、回転体10652、及び可動片10653の作動を異ならせた動作パターンを設ける必要が無く、制御処理を簡素化することができる。
また、エンディング期間の経過タイミングを、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートセンサSZ2を通過するのに十分な時間で設定しているため、エンディング期間の経過タイミングにおいて、今回の小当たり遊技において、役物チャレンジが実行されたか否かを確実に判別可能に構成している。そして、エンディング期間の経過タイミングにおいて、役物ルートセンサSZ2を球が通過していないと判別された場合は、小当たり遊技を終了させるための処理として、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が残存している遊技異常を判定する処理を実行し、役物ルートセンサSZ2を球が通過していると判別された場合は、小当たり遊技の期間を延長する延長処理を実行するように構成している。
このように構成することで、役物チャレンジを実行可能な小当たり遊技が実行された場合において、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることができなかった場合(小当たり遊技のエンディング期間経過時に、役物ルートセンサSZ2を球が通過しなかった場合)と、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることができた場合(小当たり遊技のエンディング期間経過時に、役物ルートセンサSZ2を球が通過した場合)とで、小当たり遊技の終了タイミングを異ならせることが可能となる。よって、役物チャレンジが実行されない小当たり遊技において、その小当たり遊技を、役物チャレンジが終了し得るまでの期間待機させてから終了させる構成に比べて、小当たり遊技を効率良く消化させることができるという効果がある。
また、上述した第13実施形態と同様に、小当たり遊技として、役物チャレンジを実行し、延長処理が実行された場合は、役物チャレンジが十分に終了し得る期間(例えば、120秒)の経過後に、小当たり遊技を終了させるための処理を実行するように構成している。これにより、同一の小当たり種別が設定される小当たり遊技(例えば、特1小当たりA)において、その小当たり遊技における遊技内容に応じて、小当たり遊技の終了タイミング、及び、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が残存している状態である遊技異常状態を判定するタイミングを異ならせることができる。
なお、役物チャレンジが実行される小当たり遊技、即ち、正常な遊技が行われている場合であっても、その小当たり遊技の終了タイミングが球の挙動によって不定となる小当たり遊技が実行されている場合には、小当たり遊技の終了タイミングとして、タイミングを異ならせた複数のタイミングを設定し、各タイミングが経過した場合に対応する終了処理を実行するように構成すると良い。具体的には、例えば、役物チャレンジが実行されてから120秒経過したタイミングを第1タイミングとし、180秒経過したタイミングを第2タイミングとして予め設定しておき、第1タイミング経過時に球が転動装置10675内に残存しているかを判定し、残存していると判定された場合には、役物チャレンジが長時間実行されていることを示す長期実行コマンドを設定し、設定されたコマンドに対応させた演出表示(例えば、第3図柄表示装置81の表示面に「ロングチャレンジ中」の文字を表示)を実行すると共に、外部にも長期実行コマンドを出力し、遊技場の店員に対して役物チャレンジが長時間実行されていることを報知する。そして、第1タイミングよりも長い期間として設定されている第2タイミング(180秒)が経過した場合に、遊技異常状態であるかの判定を行うように構成すると良い。
このように構成することにより、第1タイミング経過時点では、役物チャレンジ中の球の挙動により役物チャレンジが長時間実行されている状態なのか、小当たり遊技中に遊技異常が発生した状態なのかが不明な状態を店員に報知し、店員に直接パチンコ機10を確認させるための報知(事前報知)を行うことができるため、役物チャレンジ中の球の挙動によって役物チャレンジが長時間継続して実行されている遊技者に対して、遊技異常状態を設定してしまい、不快感を与えてしまうことを抑制することができる。また、実際に遊技異常状態が発生している場合であっても、第1タイミングの経過に基づいて、その状態を遊技場の店員に視認させることができるため、遊技者が不必要に長い時間(第2タイミングが経過するまでの時間)、遊技異常状態が発生したまま待機させられてしまうことを抑制することができる。
図319に戻り、説明を続ける。第2特別図柄の小当たりに当選した場合は、上述した第13実施形態にて、第2特別図柄で小当たり当選した場合と同様に、小当たり用入賞装置10650に入賞した球を直V入賞口10657に向けて流下させる直Vチャレンジが実行されるように開閉扉10650bが動作制御される。
なお、本実施形態では、上述した通り、小当たり遊技が開始されてから回転体10652、及び可動片10653が作動を開始するまでの期間を、上述した第13実施形態に対して5秒遅らせているため、直Vチャレンジが実行されるように設定される開閉扉10650bの動作パターンも、上述した第13実施形態に対して5秒遅らせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、上述した第13実施形態を参考にし、その詳細な説明を省略する。
図319に示した通り、直Vチャレンジが実行される小当たり遊技では、小当たり遊技が開始されてから開閉扉10650bを開放させるまでの期間(オープニング)として5.5秒が設定され、その後、ラウンド期間(1.5秒)、エンディング期間(3.5秒)が設定される。このラウンド期間中に入賞した球は、上向き位置(作動位置)に位置している回転体10652の貯留部に貯留され、その後、回転体10652、及び可動片10653の作動に応じて、直VルートセンサSZ3を通過し、直V入賞口10657に向けて流下するように構成している。
エンディング期間の3.5秒は、回転体10652の作動、及び、可動片10653の作動が完了し、球が直V入賞口10657に入賞するのに十分な時間として設定しているものである。つまり、このエンディング期間が経過したタイミングは、回転体10652、及び可動片10653が作動中では無いタイミングとなるため、エンディング期間の経過に基づいて小当たり遊技を終了させたとしても、動作中の回転体10652、及び可動片10653を強制的に終了させる必要が無くなる。よって、小当たり遊技を終了させるための処理として、回転体10652、及び可動片10653の作動を異ならせた動作パターンを設ける必要が無く、制御処理を簡素化することができる。
また、通常に遊技が行われている場合であれば、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が全て小当たり用入賞装置10650の外部に排出されているタイミングとなるため、小当たり用入賞装置10650内に球が残存していないタイミングとなる。よって、本第15実施形態では、このタイミングで入賞装置10650内に球が残存しているかの判別(第2判別)を実行し、小当たり遊技中に異常な状態が発生したか否かの判定(遊技異常状態であるかの判定)を行うように構成している。そして、遊技異常状態であると判定された場合は遊技異常状態に対応した処理を実行し、遊技異常状態では無いと判定された場合は小当たり遊技を終了させるための処理を実行する。
<第15実施形態における演出内容について>
次に、図320から図323を参照して、本第15実施形態のパチンコ機10において実行される各種演出のうち、特徴的な内容について説明をする。本第15実施形態では、上述した第13実施形態に対して、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる時短状態(時短A状態)が設定されている場合に、第2特別図柄抽選で大当たりに当選すると(特定条件の成立に基づいて大当たり遊技が実行されると)、その大当たり遊技の終了後に、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる時短状態(時短B状態)が設定される遊技性を設けた点で大きく相違している。
よって、本第15実施形態では、上述した遊技性に対応させた各種演出を、特徴的な演出として実行するように構成している。そこで、図320から図322を参照して、本第15実施形態の特徴的な遊技性に対応させた演出内容について説明をする。なお、以下に示す演出内容のうち、上述した第13実施形態と同一内容を示す演出内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図320を参照して、時短A状態中の演出内容について説明をする。図320(a)は、時短A状態中に実行される演出内容を模式的に示した模式図であり、図320(b)は、時短A状態中に第2特別図柄で大当たり当選した場合の大当たり遊技終了時の演出内容を模式的に示した模式図である。図320(a)に示した通り、時短A状態で第2特別図柄の抽選が実行されると、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmにて、キャラクタ1800が走り、アイコン1810a~1810dの何れかを獲得する演出が実行される。
アイコン1810a~1810dは、実行中の第2特別図柄の抽選結果を示唆するための表示態様であり、キャラクタ1800が「?」を模したアイコン1810aを獲得した場合は、第2特別図柄変動が停止するまで(演出実行後、所定期間が経過するまで)、今回の第2特別図柄の抽選結果が分からない演出が実行される。詳細な演出内容についての図示は省略したが、このアイコン1810aは、キャラクタ1800がアイコン1810aを獲得してから表示態様が可変するように構成しており、「?」を示す表示態様が、その他の「V,7,×」の表示態様へと可変されるように構成している。これにより、キャラクタ1800がアイコン1810aを獲得する獲得演出が実行された場合には、その獲得演出が実行されてからも、第2特別図柄の抽選結果を事前に把握するために、実行される演出に対して遊技者に注視させることができる。また、このように、獲得演出の内容に応じて、第2特別図柄の抽選結果を示唆報知するタイミングを異ならせることにより、第2特別図柄の変動期間中に実行される演出に対して継続させて興味を持たせることができる。
次に、「V」を模したアイコン1810bは、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」であることを示唆する示唆態様である。キャラクタ1800がアイコン1810bを獲得する獲得演出を実行した場合には、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりであることが示唆報知される。そして、「×」を模したアイコン1810cは、第2特別図柄の抽選結果が「外れ」であることを示唆する示唆態様である。キャラクタ1800がアイコン1810cを獲得する獲得演出を実行した場合には、今回の第2特別図柄の抽選結果が外れであることが示唆報知される。最後に、「7」を模したアイコン1810dは、第2特別図柄の抽選結果が「大当たり」であることを示唆する示唆態様である。キャラクタ1800がアイコン1810dを獲得する獲得演出を実行した場合には、今回の第2特別図柄の抽選結果が大当たりであることが示唆報知される。
本第15実施形態では、上述した第13実施形態とは異なり、第2特別図柄の抽選に基づいて実行される大当たり遊技の実行契機によって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成している。よって、遊技者は、時短A状態が設定されている場合における第2特別図柄の抽選結果(成立し得る大当たり遊技の実行契機)を把握するために、実行される演出を注視することになる。よって、演出効果を高めることができる。
そして、時短A状態中に実行される第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されると、図320(b)に示した通り、大当たり遊技終了時に、時短B状態が設定されることを示すための表示態様として「役物ラッシュ突入」の文字表示と、キャラクタ1800が大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための案内ボード1800bを掲げる演出表示と、が実行され、副表示領域Dsには、「役物ラッシュ」中の遊技内容を説明するための「役物ルートに球が入り易くなるよ」のコメントが表示される。
また、主表示領域Dmの左下側には、表示領域HR30に、大当たり遊技中に獲得した球数を示すための獲得情報「600P」が表示され、表示領域HR31に、所定期間内に実行された大当たり遊技の回数を示すための回数情報として、2回の大当たり遊技が実行されたことを示す「V×2」が表示されている。ここで、本実施形態では、上述した第13実施形態と同様に、第2特別図柄の保留記憶数の上限が1個であり、時短状態(時短A状態)中に第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技(小当たり遊技中に球が特定領域(直V入賞口10657)に入球したことに基づいて実行される大当たり遊技)の終了後に通常状態が設定されるように構成している。
そして、時短A状態中から通常状態へと遊技状態が移行し、その後、保留記憶されている第2特別図柄抽選(抽選回数1回)で小当たり当選し、大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技の終了後に再度、時短状態(時短A状態)が設定されるように構成している。本第15実施形態では、一度、時短状態が設定されてから、通常状態において第1特別図柄抽選が実行されるまでの期間を所定期間とし、その所定期間中に実行される大当たり遊技の回数や、その所定期間中に獲得した球数に関する情報を、第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成している。これにより、遊技者に対して、過去の遊技内容を分かり易く報知することができる。なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選権利を1つ保留可能に構成しているため、時短A状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、時短B状態へ移行したとしても、最大で1回の第2特別図柄抽選が実行されることになる。本実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技中に保留記憶されている第2特別図柄に対応している入賞情報を先読みし、小当たりに当選していない場合にのみ図320(b)に示した表示画面を表示するように構成している。さらに、本実施形態では、大当たり遊技中に開放動作される大当たり用可変入賞装置10065に球を入賞させる右打ち遊技によって開放状態中の第2作動用入球口20064aに球が入球するように構成しているため、大当たり遊技終了後に第2特別図柄の保留が記憶されている状態となり易いように構成している。これにより、時短B状態が設定されている状態で実行される役物ラッシュ遊技を実行可能な確率を実質1/600程度にすることができる。
なお、このような構成を用いること無く、例えば、第2特別図柄の保留記憶機能を有さないように構成しても良い。これにより、時短A状態中に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、確実に役物ラッシュ遊技を実行させることができる。また、上述した通り、大当たり遊技中に開放動作される大当たり用可変入賞装置10065に球を入賞させる右打ち遊技によって開放状態中の第2作動用入球口20064aに球が入球するように構成しているため、大当たり遊技終了後に第2作動用入球口20064aが開放状態となり難くすることができる。さらに、本実施形態の構成を用いた場合において、時短B状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間、及び、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技期間中に右打ち遊技を実行させないようにする報知手段を設けても良い。これにより、時短B状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技に基づいて大当たり遊技が実行されることを抑制することができる。
時短A状態にて第2特別図柄で大当たり当選し、その大当たり遊技終了後に時短B状態が設定されると、図321(a)に示した演出が実行される。次に、図321を参照して、時短B状態(役物ラッシュ)が設定されている間に実行される演出内容について説明をする。図321(a)は、役物ラッシュが開始された直後の演出内容を示すための模式図であって、図321(b)は、役物ラッシュ終了画面を模式的に示した模式図である。
上述した通り、本第15実施形態では、時短B状態が設定されると、第1特別図柄の抽選が実行され易く(第1作動用入球口20064bに球が入球し易く)なる時短状態が設定される。そして、時短B状態中に実行される第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、設定される小当たり種別に関わらず、役物チャレンジを実行し得る小当たり遊技が実行されるように構成している。そして、時短B状態が設定されると、図321(a)に示した通り、表示領域HR31に時短B状態が終了するまでの特別図柄変動回数が表示され(図321(a)の例では「残り90回」)、表示領域HR32には、時短B状態が設定されている間に実行された役物チャレンジ回数と、その役物チャレンジによって球が役物ルートV入賞口10677に入賞した回数と、が表示され、表示領域HR33には、時短B状態が設定されている間に実行された役物チャレンジ中の経過時間の累積秒数が表示される。
本第15実施形態では、時短B状態が設定されている間に大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技の終了後に高確率で再度時短B状態が設定されるように構成している。具体的には、第1特別図柄の小当たり当選(当選確率1/20)を契機に大当たり遊技が実行された場合には、100%の割合で時短B状態が設定され、第1特別図柄の大当たり当選(当選確率1/300)を契機に大当たり遊技が実行された場合には、5%の割合で時短B状態が設定されるように構成している。
表示領域HR32、及び表示領域HR33に表示される回数、及び秒数は、一度時短B状態が設定されてから、時短B状態以外の遊技状態が設定されるまでの期間を対象とした累積値が表示されるように構成している。よって、時短B状態が繰り返し設定される回数が増加するほど、表示領域HR32、及び表示領域HR33に表示される回数、及び秒数が増加し易くなる。
なお、本実施形態では、上述した通り、一度時短B状態が設定されてから、時短B状態以外の遊技状態が設定されるまでの期間を対象として表示領域HR32、及び表示領域HR33の表示内容を決定するように構成しているが、これに限ること無く、時短B状態が設定されてから大当たり遊技が実行されるまで、或いは、大当たり遊技が実行されること無く時短B状態が終了するまでの単位期間を対象にして、表示領域HR32、及び表示領域HR33の表示内容を決定するように構成しても良い。
次に、表示領域HR32に表示される表示内容について説明をする。本第15実施形態では、時短B状態が設定されている間に、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、役物チャレンジを実行し得る小当たり遊技が実行されるように構成している。そして、その小当たり遊技中に、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートセンサSZ2を通過した場合、即ち、小当たり遊技中に役物チャレンジが実行されることが確定した場合に、役物チャレンジ回数が1加算されるように構成している。つまり、表示領域HR32に表示される役物チャレンジ回数(表示領域HR32の表示のうち、分母側の回数)は、時短B状態中における小当たり遊技回数(役物チャレンジを実行し得る小当たり遊技の実行回数)では無く、実際に役物チャレンジが実行される回数が表示されるように構成している。
このように構成することにより、小当たり遊技が実行されたにも関わらず、球を小当たり用入賞装置10650に入賞させることができなかった場合に、役物チャレンジ回数が加算表示されないため、役物チャレンジ回数に対する役物ルートV入賞口10677への球入賞回数(表示領域HR32の表示のうち、分子側の回数)の割合(設計値では1/4)を精度良く遊技者に把握させることができる。よって、表示領域HR32に表示される表示内容に基づいて、今回実行される役物チャレンジにて球が特定領域(役物ルートV入賞口10677)に入賞するか否かを予測しながら遊技を楽しませることができる。
なお、表示領域HR32に表示される表示内容について、上述した方法以外の方法で表示内容を決定しても良く、例えば、第1特別図柄の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行されていることを判別し、第1特別図柄の小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行された回数を役物チャレンジ回数として表示するように構成しても良い。また、役物チャレンジを実行可能な小当たり遊技が実行されたにも関わらず、役物チャレンジが実行されなかった回数(小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることができなかった回数)を遊技者が把握できるような表示内容を表示しても良いし、役物チャレンジにて球が役物ルートV入賞口10677以外の入賞口に入賞した回数を遊技者が把握できるような表示内容を表示しても良い。
また、役物チャレンジが実際に実行された回数を判別するために、本第15実施形態では、転動装置10675に球を流入させるための役物ルート10670に球が流入したことを、役物ルートセンサSZ2を用いて検知し、その検知結果に基づいて役物チャレンジの実行回数を判別しているが、これに限ること無く、例えば、実際に転動装置10675内に球が流入したことを検知する検知手段を設け、その検知手段の検知結果に基づいて役物チャレンジの実行回数を計測するように構成しても良い。
また、本実施形態では、1回の小当たり遊技中に複数の球が転動装置10675内に流入した場合には、転動装置10675内に流入した球数に応じて役物チャレンジ回数を更新するように構成しているが、これに限ること無く、1回の小当たり遊技中に実行される役物チャレンジの回数の上限を1回に規定し役物チャレンジ回数を更新するように構成しても良い。このように構成することにより、例えば、1回の小当たり遊技中に複数個の球を転動装置10675内に流入させることが可能な小当たり遊技が実行されるパチンコ機10では、1回の小当たり遊技中に複数個の球を用いて役物チャレンジを実行した方が、役物チャレンジ回数に対する役物ルートV入賞口10677への入賞割合を高めた表示内容を表示領域HR32に表示させることができ、遊技者の満足度を高めることができる。よって、1回の小当たり遊技中に多くの球を転動装置10675内へと流入させるために、小当たり遊技中に意欲的に遊技を行わせることができる。
次いで、時短B状態が終了する場合、即ち、時短B状態中に大当たり遊技が実行されること無く、時短終了条件(特図変動回数99回)が成立した場合、或いは、大当たり遊技終了後に時短B状態以外の遊技状態が設定される大当たり遊技が終了した場合には、図321(b)に示した通り、時短B状態が終了することを示す終了表示が表示される。この終了表示では、時短B状態中に実行した役物チャレンジ回数(5回)と、役物ルートV入賞口10677への入賞回数(0回)と、が表示領域HR32に表示されると共に、表示領域HR33に、今回実行された役物チャレンジ(5回)における役物チャレンジ継続時間の累積値(120秒)が表示される。
さらに、主表示領域Dmの中央部には、今回の時短B状態にて実行された小当たり遊技の内容に応じた称号が表示される。この称号の内容についての詳細は後述するが、時短B状態中に実行された小当たり遊技回数(役物チャレンジ回数)と、時短B状態中に実行された役物チャレンジの経過期間と、に基づいて段階的に設定された称号のうち、対応する称号が選択され、表示画面に表示されるように構成している。このように時短B状態が終了するタイミングにて、今回の時短B状態の内容に基づく称号を遊技者に報知することにより、今回実行した遊技(時短B状態中の遊技)の遊技内容が優秀であったか否かを遊技者に分かりやすく報知することができる。
次に、図322を参照して、時短B状態が設定されている場合に、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の大当たり遊技中の演出内容について説明をする。本実施形態では、上述した通り、時短B状態が設定されている間に、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまうと、小当たり当選に基づく大当たり遊技が実行された場合よりも高確率で、その大当たり遊技の終了後に時短B状態以外の遊技(例えば、時短A状態)が実行されるように構成している。よって、時短B状態が設定されている状態では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選したほうが、大当たりに当選するよりも遊技者に有利な遊技結果とすることができる。
図322は(a)は、役物ラッシュ中(時短B状態設定中)に、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したことを示す表示画面を模式的に示した模式図であり、図322(b)は、大当たり遊技中に表示される表示内容を模式的に示した模式図である。図322(a)に示した通り、役物ラッシュ中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、特別図柄の大当たりに当選したことを示す「V」のアイコン1811が、宝箱2801を付設した表示態様で表示される。これにより、大当たり遊技中に宝箱2801を開放させるための演出が実行されることを遊技者に事前報知することができる。
そして、大当たり遊技中に所定期間が経過すると、図322(b)に示した通り、宝箱2801が開放し、その中から、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を示唆するための示唆態様2801aが登場する演出が実行される。図322(b)に示した例によれば、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されることを示す「残念」の文字が表示される。
次に、小当たり遊技中のエラー状態を報知するための表示画面について、図323を参照して説明をする。図323は、小当たり遊技中に発生したエラー情報を模式的に示した模式図である。このエラー情報は、小当たり遊技中において、実行されている小当たり遊技の種別(遊技内容)に応じて異なるタイミングで実行される遊技異常状態判別処理において、パチンコ機10に遊技異常状態(球詰まり)が発生したことに基づいて表示されるものである。
<第15実施形態における電気的構成について>
次に、図324から図327を参照して、本第15実施形態における主制御装置110のROM202について説明をする。図324(a)は、本第15実施形態における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第15実施形態では、上述した第9実施形態のROM202(図192(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに替えて第1当たり乱数16テーブル202naを、第1当たり種別選択テーブル202bに替えて第1当たり種別選択16テーブル202nbを、変動パターン選択テーブル202dに替えて変動パターン選択14テーブル202mdを、小当たり種別選択テーブル202eaに替えて小当たり種別選択16テーブル202neを設けた点、及び、新たに小当たりシナリオ16テーブル202nf、普電動作シナリオ16テーブル202ngを追加した点で相違している。その他の構成については、上述した第9実施形態と同一である。よって、第15実施形態におけるROM202の説明としては、上述した変更点のみを説明し、第9実施形態と同一の要素については、その説明を省略する。また、変動パターン選択14テーブル202mdの内容については、上述した第14実施形態と同一であるためその詳細な説明を省略する。
第1当たり乱数16テーブル202naは、上述した第9実施形態の第1当たり乱数テーブル202a(図192(b)参照)に対して、第1特別図柄の抽選でも小当たり当選し得るように構成した点と、第2特別図柄の抽選で小当たり当選する確率を変更した点とで相違し、それ以外は同一である。
ここで、図324(b)を参照して、第1当たり乱数16テーブル202naの内容について説明をする。図324(b)は、第1当たり乱数16テーブル202naに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数16テーブルnaは、第15実施形態における特別図柄の大当たり判定を実行するために使用するテーブルであり、第1入球口64、第1作動用入球口20064b、第2作動用入球口20064aのいずれかに遊技球が入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタの値に対して、第1当たり乱数16テーブル202naに規定されている判定値とを照合することによって、大当たり、外れ、小当たりの判定が実行できるように構成されている。
図324(b)に示した通り、第1当たり乱数16テーブル202naでは、第1特別図柄の抽選において、大当たり(当たり)と判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「0,1」が、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として「2~569」が、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値の範囲として「570~599」が規定され、第2特別図柄の抽選で大当たり(当たり)と判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として「0,1」が、第2特別図柄の抽選で外れと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として「2~300」が、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値の範囲として「301~599」がそれぞれ規定されている。
つまり、本第15実施形態では、第1特別図柄の抽選において、1/300(2/600)の割合(確率)で大当たりとなり、568/600の割合で外れとなり、1/20(30/600)の割合で小当たりとなるように構成している。また、第2特別図柄の抽選において、1/300(2/600)の割合で大当たりとなり、299/600の割合で外れとなり、299/600(約1/2)の割合で小当たりとなるように構成している。
これにより、第1特別図柄の抽選が実行される通常状態においても小当たり遊技を実行し、小当たり遊技経由でV入賞させることにより大当たり遊技を実行させることが可能となる。
第1当たり種別選択16テーブル202nbは、上述した第9実施形態の第1当たり種別選択テーブル202b(図193(a)参照)に対して、大当たり遊技の種別、及び、大当たり種別を判定するための判定値(第1当たり種別カウンタC2)の規定範囲を変更している点で相違している。
図325(a)を参照して、第1当たり種別選択16テーブル202nbの内容について説明をする。図325(a)は、第1当たり種別選択16テーブル202nbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図325(a)に示した通り、第1当たり種別選択16テーブル202nbには、大当たり遊技の種別として、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に選択される「大当たりA16」,「大当たりB16」と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に選択される「大当たりC16」と、小当たり遊技中に球がV入賞口(特定領域)を通過したことに基づいて選択される「大当たりD16」,「大当たりE16」と、がそれぞれ規定されている。
「大当たりA16」は、取得されている第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0~4」である場合に実行(決定)され、「大当たりB16」は、取得されている第1当たり種別カウンタ値C2の値が「5~99」である場合に実行(決定)され、「大当たりC16」は、取得されている第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0~99」である場合に実行(決定)され、「大当たりD16」は、取得されている第1当たり種別カウンタ値C2の値が「0~49」である場合に実行(決定)され、「大当たりE16」は、取得されている第1当たり種別カウンタ値C2の値が「50~99」である場合に実行(決定)されるように、第1当たり種別選択16テーブル202nbには、それぞれ判定値が設定されている。
「大当たりA16」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態A(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定され、当選時の遊技状態が時短状態AまたはBである場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態B(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定される。
「大当たりB16」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、通常遊技状態が大当たり遊技の実行後にも設定され、当選時の遊技状態が時短状態Aまたは時短状態Bである場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態A(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定される。
「大当たりC16」は、大当たり遊技として、15ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態B(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定され、当選時の遊技状態が時短状態AまたはBである場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態B(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定される。
「大当たりD16」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態A(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定され、当選時の遊技状態が時短状態Aである場合には、通常遊技状態が大当たり遊技の実行後にも設定され、当選時の遊技状態が時短状態Bである場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態B(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定される。
「大当たりE16」は、大当たり遊技として、10ラウンド(R)のラウンド遊技が実行され、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、通常遊技状態が大当たり遊技の実行後にも設定され、当選時の遊技状態が時短状態Aである場合には、通常遊技状態が大当たり遊技の実行後に設定され、当選時の遊技状態が時短状態Bである場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態B(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が100回(特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続する時短状態)が設定される。
このように、本第15実施形態における第1当たり種別選択16テーブルnbでは、時短遊技状態が設定されている場合にも、その設定されている時短遊技状態の種別(時短状態Aまたは時短状態B)によって、小当たりした場合に設定される遊技状態が異なるように設定されている。このように構成することで、遊技者が遊技を行う上では、時短状態Aであっても、時短状態Bであっても、特別図柄の変動時間や、普通図柄の当たり確率、普通電動役物の作動時間(開放時間)や開放回数等の見た目による遊技の状態は変わりないことから、現在設定されている遊技状態が時短状態Aであるか、時短状態Bであるかを判別することができないように構成されている。このような遊技構成であっても、大当たり遊技に当選した時点の遊技状態が時短状態Aであれば、大当たり遊技後には、通常遊技状態が設定され、時短状態Bであれば、時短状態Bが設定されるので、時短状態Bであれば、大当たり遊技が実行された後にも、継続して遊技者に有利となる時短状態Bが設定されることとなり、時短状態Bが設定されることは、時短状態Aが設定されるよりも遊技者にとって有利な遊技状態が設定されることになるように構成されている。
なお、本実施形態では、時短状態Aである場合には、大当たり遊技後に通常遊技状態が設定されるように構成したが、時短状態Aで時短回数を少なく(例えば、10回等)に設定するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり遊技後にも継続して時短状態が設定され、時短回数が何回であるかに興味を持たせて遊技を行わせることができる。
次に、図325(b)を参照して、小当たり種別選択16テーブル202neについて説明する。図325(b)は、この小当たり種別選択16テーブル202neの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択16テーブル202neは、小当たりに当選した場合に、実行される小当たり遊技の種別を取得している小当たり種別カウンタ値C5の値に基づいて決定するための選択テーブルである。
小当たり種別選択16テーブル202neには、第1特別図柄の抽選により小当たりと判定された場合に決定される小当たり種別として「小当たりA16」、「小当たりB16」、「小当たりC16」が設定され、第2特別図柄の抽選により小当たりと判定された場合に決定される小当たり種別として「小当たりA17」、「小当たりB17」が設定されている。
「小当たりA16」は、小当たりに当選した場合に、小当たり種別選択カウンタ値C5の値として「0」が取得されている場合に決定される小当たり種別であり、小当たりA16における小当たり遊技の実行中にV入賞した場合には、「大当たりC16」が実行される。
「小当たりB16」は、小当たりに当選した場合に、小当たり種別選択カウンタ値C5の値として「1~29」が取得されている場合に決定される小当たり種別であり、小当たりB16における小当たり遊技の実行中にV入賞した場合には、「大当たりA16」が実行される。
「小当たりC16」は、小当たりに当選した場合に、小当たり種別選択カウンタ値C5の値として「30~99」が取得されている場合に決定される小当たり種別であり、小当たりC16における小当たり遊技の実行中にV入賞した場合には、「大当たりE16」が実行される。
「小当たりA17」は、小当たりに当選した場合に、小当たり種別選択カウンタ値C5の値として「0~49」が取得されている場合に決定される小当たり種別であり、小当たりA17における小当たり遊技の実行中にV入賞した場合には、「大当たりD16」が実行される。
「小当たりB17」は、小当たりに当選した場合に、小当たり種別選択カウンタ値C5の値として「50~99」が取得されている場合に決定される小当たり種別であり、小当たりB17における小当たり遊技の実行中にV入賞した場合には、「大当たりE16」が実行される。
このように、小当たり種別選択16テーブル202neでは、第1特別図柄と第2特別図柄とで、実行される小当たり種別が異なり、その小当たり遊技では、小当たり種別に対応した大当たり種別の大当たり遊技がV入賞時には実行されるように構成されているので、第1特別図柄で小当たりした場合と、第2特別図柄で小当たりした場合とで、遊技者に付与される有利な状態の程度を異ならせることができる。また、本第15実施形態では、時短状態では、時短状態Aと時短状態Bとで、第1作動口20073a(遊技球が入球することで第1特別図柄の抽選が実行可能)と第2作動口20073b(遊技球が入球することで第2特別図柄の抽選が実行可能)とへの入球を切り替えるように構成されているので、設定される時短状態の種別により入球する作動口の種別を制御することができ、遊技者がより有利となる作動口へ振り分けられる時短状態(本実施形態では、時短状態B)が設定されることを期待して遊技を行うことができる。
また、本実施形態では、時短状態では遊技者に不利となる時短状態Aが設定されて、第2作動口20073bに遊技球が入球するように切替られ、第2特別図柄の抽選が実行される場合であっても、通常状態中に第1特別図柄の保留記憶を獲得していた場合には、獲得していた第1特別図柄の保留記憶に基づいた第1特別図柄の抽選が実行されることになる。そしてその変動で小当たり当選した場合し、小当たりA16または小当たりB16が実行されることでV入賞した場合には、そのV入賞することで実行された大当たり遊技の後に時短状態Bが設定されることとなるので(大当たりA16または大当たりC16が実行される為)、遊技者の有利な時短状態へとランクアップして移行させることができる。その確率は、小当たり種別選択16テーブル202neに示した通り、第1特別図柄で小当たりした場合に3/10の確率で設定されている。よって、通常状態において第1特別図柄の保留記憶をより多く獲得した状態で時短A状態へと移行することを期待させながら遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を高めることができる。
次に、図326を参照して、小当たりシナリオテーブル202nfについて説明する。図326は、この小当たりシナリオテーブル202nfの内容を模式的に示した模式図である。この小当たりシナリオテーブル202nfは、小当たり遊技が実行される場合における小当たり入賞装置10650の動作内容(動作タイミングを含む)を設定するためのシナリオデータが設定されているテーブルである。
小当たりシナリオテーブル202nfには、小当たり種別に対応してそれぞれ、動作シナリオが設定されている。小当たりA16および小当たりB16は、小当たり遊技が実行される際に設定されている遊技状態が通常遊技状態である場合と、時短遊技状態(時短状態Aまたは時短状態B)である場合とでそれぞれ専用の動作シナリオが設定されている。小当たりC16、小当たりA17、小当たりB17では、設定されている遊技状態に関わらず対応する動作シナリオが設定(選択)されるように構成されている。
小当たりA16または小当たりB16が実行される場合には、通常遊技状態であれば、オープニング期間として1s(秒)、開閉扉10650bのラウンド期間(開放期間)として1.5s、エンディング期間として3sが設定されるように構成されている。ここで、オープニング期間とは、小当たりA16または小当たりB16と判定された特別図柄の変動表示期間(動的表示期間)が終了(経過)してから開閉扉10650bが開放状態とされるまでの期間であり、小当たり遊技が実行されている期間の一部である。その後、開放期間の動作データが設定され、開閉扉10650bが開放状態(開閉扉10650bが遊技機10の背面側方向へ移動(可動)された状態)に1.5s間可動される。開放期間の1.5秒が経過した場合または小当たり入賞装置10650へ所定数(本実施形態では10球)の遊技球が入球した場合に閉鎖状態へと開閉扉10650bが可動されて、エンディング期間の3秒間が経過した後に、新たに特別図柄の変動が開始されたり、V入賞した場合には、大当たり遊技の開始が実行される。
なお、本実施形態では、小当たり遊技において小当たり入賞装置10650へ入賞した遊技球は、回転体10652の貯留部10652aに貯留されること無く小当たり用入賞装置10650の外部へと排出されるアウト口10654(図270参照)、直V入賞口10657または役物ルートV入賞口10677が配置された転動装置10675へと誘導されるように構成されている。直V入賞口10657へと誘導された場合には、直V入賞口10657に遊技球が入球することで、実行されている小当たり種別に対応する大当たり遊技の実行がエンディング期間の経過後に実行される。転動装置10675へと案内された場合には、常時回転体10675aの回転動作によって振り分けられ、役物ルートV入賞口10677へと入球した場合には小当たり遊技の実行後(エンディング期間の経過後)に大当たり遊技が実行されるように構成されている。
また、小当たりA16または小当たりB16が時短遊技状態(時短状態AまたはB)である場合に実行される場合には、オープニング期間として12s(秒)、開閉扉10650bのラウンド期間(開放期間)として1.5s、エンディング期間として3.5sが設定されるように構成されている。この場合、図319を参照して上述した通り、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677に向けて流下する小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される。
同様に、小当たりC16が実行される場合には、オープニング期間として12s(秒)、開閉扉10650bのラウンド期間(開放期間)として1.5s、エンディング期間として3.5sが設定されるように構成されている。この場合、図319を参照して上述した通り、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が役物ルートV入賞口10677に向けて流下する小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される。
小当たりA17または小当たりB17が実行される場合には、オープニング期間として5.5s(秒)、開閉扉10650bのラウンド期間(開放期間)として1.5s、エンディング期間として3.5sが設定されるように構成されている。この場合、図319を参照して上述した通り、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口11657に向けて流下する小当たり遊技(直Vチャレンジ)が実行される。
以上、説明をした通り、本第15実施形態では、小当たりA16、及び小当たりB16が設定された場合、即ち、第1特別図柄抽選で小当たりに当選した場合において70%の割合で選択される小当たりが設定された場合に、通常状態では、オープニング期間が1秒に設定されガセ小当たり遊技が実行されるのに対して、時短状態では、オープニング期間が12秒に設定され役物チャレンジ小当たり遊技が実行されるように構成している。
このように、同一の小当たり種別が設定された場合であっても、遊技状態に応じて特定領域への球の入球期待度を異ならせた小当たり遊技を実行可能とすることで、遊技状態に応じて、小当たり当選時における大当たり期待度を可変させることができる。よって、遊技者に対して複雑な遊技性を提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図327を参照して、本第15実施形態における主制御装置110のRAM203について説明する。図327は、本第15実施形態における主制御装置110のRAM203の内容を模式的に示した模式図である。本第15実施形態における主制御装置110のRAM203は、第9実施形態における主制御装置110のRAM203に対して、時短種別格納エリア203na、緊急停止フラグ203nb、小当たり種別格納エリア203nc、入賞異常フラグ203nd、延長フラグ203neがそれぞれ追加されている点で相違する。その他の構成については、第9実施形態で説明した内容と同一であるのでその説明を省略する。
時短種別格納エリア203naは、時短遊技状態において設定される時短状態の種別に対応したデータが格納される記憶エリアである。本実施形態では、時短遊技状態としては、時短状態Aと時短状態Bの2種類の時短種別が設定されており、大当たり遊技後に実行された大当たり種別に対応した時短状態種別に対応したデータが設定される。また、時短遊技状態以外である場合には、通常遊技状態であることを示すデータが設定される。これにより、時短回数(例えば、100回)等が経過して通常遊技状態が設定されることに基づいて、通常遊技状態であることを示すデータに上書きされて設定される。なお、主制御装置110のRAM203のデータは電源断が発生して、遊技機に外部より電力が供給されない状態であっても、バックアップ電源によってデータの内容が保持されるように構成されている。また、バックアップされた状態で再度電源が投入される場合にもRAMクリアスイッチがオンされた状態で電源スイッチがオンにされることによりRAM203の内容が初期化されて遊技機が立ち上がる構成となっている。なお、時短種別格納エリア203naは、初期化(RAMクリア等)されて電源投入された状態では、通常遊技状態であることを示すデータが保存された状態で立ち上がる構成となっている。
緊急停止フラグ203nbは、小当たり遊技中に電源断が発生(遊技機10に供給されている電力(電力基板に供給されている電力(20A)))が所定値以下(例えば、12.4V以下)となった場合)に常時回転体10675aを停止させたことを示すフラグである。小当たり遊技中に電源断が発生した場合には、常時回転体10675aを停止する処理をすることで、設計上V入賞しないはずのタイミングであるのに、常時回転体10675aの回転速度が低下したり、途中で止まる等の通常時とは異なる動作がされることでV入賞してしまったり、逆に、V入賞するはずのタイミングであるのに、V入賞しない等の不具合が発生することを抑制するために常時回転体10675aを停止させる処理が実行される。なお、この緊急停止フラグ203nbは、主制御装置110のMPU201により実行される電源断時処理(S1002)内のS1804の処理によりオンに設定され、図331における小当たり中復帰処理16(S995)内のフラグがオンと判別された後に実行されるS3052の処理によりフラグがオフに設定される。S3052の処理が実行された後に、エラーコマンドが設定されることで、エラーの報知が遊技者に実行され、小当たり遊技中に回転体10675aが停止しても遊技者が異常により停止したことを識別でき、安心して遊技を行うことができるように構成されている。
小当たり種別格納エリア203ncは、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の種別を示すデータ格納されるエリアである。この小当たり種別格納エリア203ncには、主制御装置110により大当たり判定が実行され、小当たりであると判別された場合に、取得している小当たり種別選択カウンタC5の値に基づいて小当たり種別が決定されて、その決定された小当たり種別に対応したデータが記憶されるように構成されている。そして、小当たり遊技が実行されるタイミングで、小当たりシナリオテーブル202nfより小当たり種別格納エリア203ncに格納されているデータに対応する小当たり動作シナリオが設定されて、小当たり遊技が実行される。
入賞異常フラグ203ndは、小当たり遊技が実行され、所定の経過期間が経過しても残存球が小当たり入賞装置10650内にあることを示すためのフラグである。経過期間は、実行されている小当たり種別に対応して設定されており、通常遊技状態において実行されている小当たりA16または小当たりB16である場合には5秒に設定されている。この入賞異常フラグ203ndがオンに設定されることにより、主制御装置110にて小当たり遊技中の球詰まり判別を容易に判別することができる。
延長フラグ203neは、時短遊技状態において、小当たりA16または小当たりB16が実行される場合または遊技状態に関わらず小当たりC16が実行される場合に、小当たり遊技の開始から17秒が経過したにも関わらず残存球があることを示すフラグである。この延長フラグ203neがオンに設定されることにより役物ルートV入賞有効期間内(役物ルートV入賞口10677に遊技球が入球した場合に、入球が有効として処理されて対応する大当たり遊技が実行される期間)であっても小当たりの終了が設定される。
この延長フラグ203neは、主制御装置110のMPU201が実行する小当たり終了タイミング判別処理(S1381)内のS1721の処理によりオンに設定される。一方、図335に示すV通過検出処理16(S1382)内のS3131の処理において、延長フラグ203neがオンであるか判別されて、オンであれば、小当たりの終了が設定されて、S3133の処理により延長フラグ203neがオフに設定される。
次に、図328を参照して、本第15実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222について説明する。図328(a)は、本第15実施形態におけるROM222の内容示した模式図である。本第15実施形態では、第9実施形態に対して、称号選択テーブル222naが追加されている点で相違する。その他の構成については、第9実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、称号選択テーブル222naについて、図328(b)を参照して説明する。図328(b)は、この称号選択テーブル222naの内容を模式的に示した模式図である。称号選択テーブル222naは、時短状態Bの終了時に実行される称号演出において実行される称号の演出内容(演出態様)を選択するためのテーブルである。
この称号選択テーブル222naは、後述する時間累積カウンタ223nbと、チャレンジ回数カウンタ223naとの値に対してそれぞれ選択される称号演出内容が設定されている。時間累積カウンタ223nbおよびチャレンジ回数カウンタ223naについて説明する。
図329は、本第15実施形態において音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を示した模式図である。本第15実施形態におけるRAM223は、第9実施形態におけるRAM223に対して、チャレンジ回数カウンタ223naと時間累積カウンタ223nbとがそれぞれ追加されている点で第9実施形態と相違する。その他の構成は、第9実施形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
チャレンジ回数カウンタ223naは、時短状態B(時短B状態)である場合に小当たり入賞装置10650に入賞することが可能な小当たり遊技(役物チャレンジ小当たり)が実行された回数をカウントするためのカウンタである。このチャレンジ回数カウンタ223naは、電源が投入された初期状態では、初期値である0が設定される。また、時短状態Bが設定された場合には、主制御装置110のMPU201が実行する状態コマンド処理16(S4350:図338)内のS41603の処理で初期値である0に設定される。また、図339に示す当たり関連処理16内のS44072の処理において、役物チャレンジ小当たりと判定されることに基づいてチャレンジ回数カウンタ223naの値が1加算されて更新される。
時間累積カウンタ223nbは、時短状態中に実行される役物チャレンジ小当たりの実行期間を累積するためのカウンタである。この役物チャレンジ小当たりの経過期間は、小当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測する経過カウンタ203mgの値を用いて算出されるように構成しており、具体的には、球が役物ルートセンサSZ2(図270参照)を通過した時点における経過期間カウンタ223maの値(役物チャレンジ演出開始時間)を記憶し、時間の経過に合わせて更新される経過期間カウンタ223maの値と、記憶されている役物ルートセンサSZ2を通過した時点における経過期間カウンタ223maの値との差分値に対応する秒数を算出し、その算出結果を経過時間として表示するように構成している。この時間累積カウンタ223nbは、電源が投入された初期状態では、初期値である0が設定され、さらに、状態コマンド処理16(S4350:図338)内のS41603の処理において、時短B状態への移行を示すコマンドを受信した場合に初期値である0に設定される。また、図339に示す当たり関連処理16内のS44073の処理において、今回実行された小当たり遊技が役物チャレンジ小当たり(通常状態中に当選した小当たりA16,B16、或いは、時短状態中に当選した小当たりA16,B16,C16)と判定されることに基づいて、今回の役物チャレンジ小当たりにて実行された小当たりチャレンジ期間(転動装置10675を用いた球の転動期間)に対応する秒数を示す値を、時間累積カウンタ223nbに加算することで更新される。
図328(b)に戻って、称号選択テーブル222naについて説明する。この称号選択テーブル222naは、音声ランプ制御装置113のMPU222により実行される最終変動演出設定処理(S4552:図341)内のS4552の処理において、チャレンジ回数カウンタ223na、時間累積カウンタ223nbの値とが参照されて、対応する称号演出の内容が決定されるのに用いられる。最終変動演出設定処理(S4552)は、時短状態Bが終了する最終1変動(特別図柄の最終1変動)にて実行される処理であるので、時短状態Bにおいて実行された役物チャレンジ小当たりの実行回数と、その累積時間とに基づいた称号内容が決定されて遊技者に報知される。これにより、時短状態Bが設定された場合における遊技の評価を遊技者が行うことができ、同じ時短状態Bが設定された遊技と比較した遊技を行わせることができ、時短状態Bを実行することに遊技者が飽きてしまう不具合を抑制できる。
具体的には、チャレンジ回数カウンタ223naの値が「0~2」であって、時間累積カウンタ223nbの値が「0~140秒」の範囲を示す値である場合は、ランク1である「平凡」が選択され、「140秒」を超える範囲を示す値である場合は、ランク3である「逆神」が選択される。また、チャレンジ回数カウンタ223naの値が「3~7」であって、時間累積カウンタ223nbの値が「0~140秒」の範囲を示す値である場合は、ランク2である「一般」が選択され、「140秒」を超える範囲を示す値である場合は、ランク4である「上級」が選択される。最後に、チャレンジ回数カウンタ223naの値が「8~」であって、時間累積カウンタ223nbの値が「0~40秒」の範囲を示す値である場合は、ランク3である「逆神」が選択され、「40秒~140秒」の範囲を示す値である場合は、ランク4である「上級」が選択され、「140秒」を超える範囲を示す値である場合は、ランク5である「達人」が選択される。
そして、称号選択テーブル222naを参照して選択された称号は、時短B状態の最終変動中に表示される。なお、この称号が表示される期間は、時短B状態が終了し、通常状態へと移行した後に、所定期間(例えば、1秒)が経過するまで表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者に対して前回の時短B状態の遊技結果を分かり易く報知することができる。
<第15実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図330から図336を参照して、本第15実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図330を参照して、本第15実施形態における普通図柄変動処理16(S136)について説明する。この普通図柄変動処理16(S136)は、第13実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(S106)に代えて実行される処理であり、第13実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(S106)と同様に、普通図柄の抽選を設定するための処理と抽選結果に応じて電動役物の開閉制御処理を実行する。
この第15実施形態における普通図柄変動処理16(S136)のうち、S601~S621,S623の各処理では、それぞれ第13実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(S106)のS601~S621,S623の各処理と同一の処理が実行されるが、本第15実施形態における普通図柄変動処理16(S136)では、遊技状態が時短中である場合における電動役物の開放制御、また可変流路の動作制御の開始を設定する点で相違する。その他の処理については、同一であるためその詳細な説明を省略する。
普通図柄変動処理16(S136)では、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであり(S619:Yes)、当選時の遊技状態が時短中であると判別した場合には(S620:Yes)、設定されている時短種別に対応した開放パターンを設定する(S631)。具体的には、図317を参照して、上述したように、普通図柄の抽選の当選時に設定されている時短種別に応じて、開放パターンA、或いは、開放パターンBを設定する。そして、S631の処理において設定した開放パターンに応じて電動役物の開閉制御を設定し(S623)、次に、可変流路の動作制御の開始を設定し(S632)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、時短中の電動役物の開放パターンを2種類に設定したがこれに限ることなく2種類以上としてもよい。このように構成することで、遊技者は、今回どの開放パターンが設定されるのかをより期待して待つことができ、遊技の興趣が向上する。また、切換弁20072の動作制御の内容を時短種別に応じて切り替えるように設定しても良い。このように構成することで、同じ時短状態においても、複数の遊技状態を設定することが可能であり、より遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図331を参照して、本第15実施形態における小当たり中復帰処理16(S995)について説明する。本第15実施形態における小当たり中復帰処理16(S995)は、上述した第13実施形態における小当たり中復帰処理(図296のS992参照)に対して、小当たり遊技中に、転動装置10675に遊技球が残存したまま電源断が実行されてしまった場合にエラーコマンドを設定する処理が追加されている点で相違する。その他の点については、同一であるため、その詳細な説明は省略する。
小当たり中復帰処理16(S995)では、まず、小当たり中フラグ203eaがオンであるか判別する(S3001)。小当たり中フラグ203eaがオンであると判別した場合には(S3001:Yes)、小当たり遊技中に電源断が発生した状態であるため、役物ルートV入賞口10677を遊技球が通過せず電源断があったことを示す緊急停止フラグ203nbがオンであるか判別する(S3051)。緊急停止フラグ203nbがオンである(S3051:Yes)、即ち、小当たり遊技中に役物ルートV入賞口10677を通過せずに電源断があったと判別した場合には、緊急停止フラグ203nbをオフに設定し(S3052)、小当たり遊技中のエラーを示すエラーコマンドを設定し(S3005)、本処理を終了する。
ここで、エラーコマンドを設定した場合には、上述した図285(b)に示したようなエラー画面を第3図柄表示装置81に表示する。このように構成することで、小当たり遊技が終了する前に電源断が発生したことを遊技者に分かり易く報知することができ、速やかに遊技を再開することができる。また、電源復帰時に加速回転体10675aの回動を設定し、突然遊技球が弾かれ、役物ルートV入賞口10677に入賞せずに小当たり遊技が終了してしまう等の不透明な遊技を提供してしまう恐れをなくすことが出来る。一方、S3051の処理において、緊急停止フラグ203nbがオンではない、即ち、オフであると判別した場合には(S3051:No)、上述した第14実施形態における小当たり中復帰処理(図296のS992参照)のS3007~S3009と同一の処理を実行し本処理を終了する。
なお、本実施形態では、上述したように小当たり遊技中に電源断があり、遊技球が転動装置10675に残留したまま電源復帰する場合には、加速回転体10675aの回動の開始を設定せずにエラーコマンドを設定するよう構成したが、これに限るものではなく、例えば、電源復帰から加速回転体10675aが動き出すことを報知する演出(カウントダウンなど)を実行してもよい。このように構成することで、急に加速回転体10675aが動き出すなどの不透明な遊技を提供してしまう恐れを防ぐことができ、また加速回転体10675aが動き出すことを事前に報知することで、遊技者は加速回転体10675aが動き出すことを容易に理解することができ、注意して加速回転体10675aが動き出す様子を確認することができるため、透明性のある遊技を提供することができる。
また、小当たり遊技中に電源断が発生し、転動装置10675に遊技球が残留している場合には、電源復帰時に第3図柄表示装置81に、加速回転体10675aを動かす、或いは、エラーとして係員を呼ぶかどうかを選択する演出を表示し、遊技者が操作可能な操作手段で遊技者自身に選択させるようにしてもよい。このように構成することで、小当たり遊技中に電源断が発生してしまった場合にも、遊技者自身がその後の対応を選択することができるため、納得がいく遊技を遊技者に提供することができる。また、そのどちらかがランダムに設定される構成にしても良い。
なお、このように構成した場合、悪意のある遊技者が、小当たり遊技中に故意に本パチンコ機10の電源を落とし、更には、役物ルートV入賞口10677に入賞し易い位置で電源復帰するよう不正を働く恐れがある。このような不正を防ぐため、電源断の回数をカウントし、1時間に複数回などの不審な電源断が実行されている場合には、強制的にエラーコマンドを設定し、係員に知らせるよう構成しても良い。このように構成することで、不正を防止することができる。
また、立ち上げ処理が全て終了してから、最後に加速回転体10675aを回転させるよう構成しても良い。このように構成した場合、上述したカウントダウン演出を実行するようにしてもよい。このように構成することで、遊技者は加速回転体10675aが回動することを理解することが容易となり、遊技者が目視していない間に回動し遊技球が入賞してしまうことを防ぐことができ、透明性のある遊技を提供できる。
次に、図332を参照して、本第15実施形態におけるメイン処理16(図332参照)について説明する。本第15実施形態におけるメイン処理16(図332参照)は、第13実施形態におけるメイン処理13(図201参照)に替えて実行される処理であり、小当たり制御処理13(図203のS1072参照)に替えて小当たり制御処理16(S10001)を実行する点、電源断時処理(S10002)を追加する点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
メイン処理16(図332参照)では、まず、第13実施形態のメイン処理(図201参照)と同一の処理であるS1001~S1003、及びS1071の処理を実行し、次に、小当たり制御処理16(S10001)を実行する。この小当たり制御処理16(S10001)では、小当たりの開始や終了タイミングを設定する処理が実行される。この小当たり制御処理16(S10001)の詳細な説明については、図333を参照して後述する。
そして、小当たり制御処理16(S10001)を実行した後、次に、上述したS1006~S1009の処理を実行し、S1009の処理おいて、電源断の発生情報があると判別した場合には(S1009:Yes)、上述したS1013の処理を実行し、電源断時処理(S10002)を実行し、S1014の処理に移行する。
ここで、図333を参照して、本第15実施形態におけるメイン処理16(図332参照)の一処理である小当たり制御処理16(S10001)について説明する。図333は、小当たり制御処理16(S10001)の内容を示したフローチャートである。本第15実施形態における小当たり制御処理16(S10001)は、第13実施形態における小当たり制御処理15(図297のS1092)に替えて実行される処理であり、V通過検出処理15(S1393)に替えてV通過検出処理16(S1382)を実行する点と、小当たり終了タイミング判別処理(S1381)を追加する点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
小当たり制御処理16(S10001)では、まず小当たり開始のタイミングか判別し(S1301)、小当たり開始のタイミングであると判別した場合には(S1301:Yes)、上述した第13実施形態における小当たり制御処理15(図297のS1092)のS1302~S1303,S1321、及びS1391の処理と同一の処理を実行し、本処理を終了する。一方、小当たり開始のタイミングではないと判別した場合には(S1301:No)、小当たり中フラグ203eaがオンであるか判別する(S1304)。小当たり中フラグ203eaがオンではない、即ち、オフである場合には(S1304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり中フラグ203eaがオンである、即ち、小当たり中であると判別した場合には(S1304:Yes)、小当たり動作シナリオ経過カウンタの値を更新し(S1392)、小当たり終了タイミング判別処理を実行し(S1381)、S1310の処理に移行する。
ここで、図334を参照して、本第15実施形態における小当たり制御処理16(S10001)の一処理である小当たり終了タイミング判別処理(S1381)について説明する。図334は、小当たり終了タイミング判別処理(S1381)の内容を示したフローチャートである。この小当たり終了タイミング判別処理(S1381)では、当選した小当たり種別と小当たりの開始時間から計測しているかカウンタとの値に応じて、小当たりの終了のタイミングを決定し、また、小当たり遊技の終了タイミングに転動装置10675に遊技球が残っている場合には、エラーコマンドを設定する処理を実行する。
小当たり終了タイミング判別処理(S1381)では、まず、経過カウンタ203mgの値の読み出しを実行する(S1701)。次に、S1701の処理において読み出した経過カウンタ203mgの示す値が5秒であるか判別する(S1702)。この5秒は、遊技状態が通常状態である場合の、小当たりAと小当たりBの終了タイミングである(図319の判別1参照)。経過時間が5秒であると判別した場合には(S1702:Yes)、小当たり種別格納エリア203ncの情報の読み出しを実行する(S1703)。
そして、S1703の処理において読み出した小当たり種別が、通常状態の小当たりA16、或いは、小当たりB16であるか判別する(S1704)。小当たりA16、或いは、小当たりB16ではないと判別した場合には(S1704:No)、小当たりの終了タイミングではないため、そのまま本処理を終了する。一方、読み出した小当たり種別が通常状態の小当たりA、或いは、小当たりBであると判別した場合には(S1704:Yes)、転動装置10675に遊技球が残存していないか判別する(S1705)。この遊技球が残存しているかどうかの判別は、転動装置10675に設けられているセンサなどで判別を実行する。
S1705の処理において遊技球が転動装置10675に残存していないと判別した場合には(S1705:Yes)、小当たり終了タイミングを設定し(S1706)、本処理を終了する。一方、S1705の処理において、遊技球が転動装置10675内に残存していると判別した場合には(S1705)、残存エラーコマンドを設定し(S1707)、入賞異常フラグ203ndをオンに設定し(S1708)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1702の処理において、経過時間は5秒ではないと判別した場合には(S1702:No)、経過時間は10.5秒であるか判別する。経過時間は10.5秒であると判別した場合には(S1709:Yes)、小当たり種別格納エリア203ncの情報の読み出しを実行する(S1710)。S1710の処理において読み出した小当たり種別が小当たりA17、或いは、小当たりB17でないと判別した場合には(S1711:No)、小当たり終了のタイミングではないためそのまま本処理を終了する。一方、S1711の処理において小当たり種別が小当たりA17、或いは、小当たりB17であると判別した場合には(S1711:Yes)、転動装置10675内に残存球があるか判別する(S1712)。残存球がないと判別した場合には(S1712:No)、小当たり終了タイミングを設定し(S1713)、本処理を終了する。一方、転動装置10675内に残存球があると判別した場合には(S1712:Yes)、残存エラーコマンドを設定し(S1714)、入賞異常フラグ203ndをオンに設定し(S1715)、本処理を終了する。
一方、S1709の処理において、経過時間は10.5秒ではないと判別した場合には(S1709:No)、経過時間は17秒であるか判別する(S1716)。経過時間が17秒ではないと判別した場合には(S1716:No)、そのまま本処理を終了する。一方、経過時間が17秒であると判別した場合には(S1716:Yes)、小当たり種別格納エリア203ncの情報の読み出しを実行し(S1717)、その読み出した小当たり種別が時短状態の小当たりA16,小当たりB16、或いは、小当たりC16であるか判別する(S1718)。その読み出した小当たり種別が時短状態の小当たりA16,小当たりB16、或いは、小当たりC16ではないと判別した場合には(S1718:No)、小当たり終了のタイミングではないため、そのまま本処理を終了する。一方、その読み出した小当たり種別が時短状態の小当たりA16,小当たりB16、或いは、小当たりC16であると判別した場合には(S1718:Yes)、転動装置10675内に残存球があるか判別する(S1719)。
S1719の処理において、転動装置10675内に残存球がないと判別した場合には(S1719:No)、小当たり終了のタイミングを設定し(S1720)、本処理を終了する。一方、転動装置10675内に残存球がある場合には(S1719:Yes)、延長フラグ203neをオンに設定し(S1721)、本処理を終了する。
図333に戻り説明を続ける。小当たり終了タイミング判別処理(S1381)を実行した後、次に小当たり終了のタイミングであるか判別する(S1310)。S1310の処理において小当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1310:No)、V通過検出処理16を実行し(S1382)、上述した第13実施形態の小当たり制御処理15のS1394~S1395の処理を実行し本処理を終了する。
次に、図335を参照して、本第15実施形態における小当たり制御処理16(図333のS10001参照)内の一処理であるV通過検出処理16(S1382)について説明する。図335は、V通過検出処理16(S1382)の内容を示したフローチャートである。本第15実施形態におけるV通過検出処理16(S1382)は、上述した第13実施形態におけるV通過検出処理15(S1393)に対して、当選した小当たり種別が、時短状態の小当たりA16,小当たりB16、或いは、小当たりC16である場合に、役物ルートV入賞口に入賞が検知され、小当たり期間が延長されていることを示す延長フラグ203neがオンではある場合に小当たりの終了タイミングを設定する処理が追加されている点で相違する。その他の点については、同一であるため、その詳細な説明を省略する。
V通過検出処理16(S1382)では、まず、上述した第13実施形態におけるV通過検出処理15(S1393)のS3101~S3103と同一の処理を実行し、S3103の処理において、直V入賞口を遊技球が通過していないと判別した場合には(S3103:No)次に経過カウンタ203mgの値の読み出しを実行し(S3110)、次に読み出した経過カウンタ203mgの値が役物ルートV入賞有効期間内であるか判別する(S3111)。役物ルートV入賞有効期間内であると判別した場合には(S3111:Yes)、延長フラグ203neがオンであるか判別する(S3131)。
S3131の処理において延長フラグ203neがオンであると判別した場合には(S3131:Yes)、小当たり終了タイミングを設定し(S3132)、延長フラグ203neをオフに設定し(S3133)、上述したS3106の処理に移行する。一方、S3131の処理において延長フラグ203neがオンではないと判別した場合には(S3131:No)、S3132~S3133の処理をスキップし、上述したS3106の処理へ移行する。
次に、図336を参照して、本第15実施形態におけるメイン処理(図332参照)内の一処理である電源断時処理(S10002)について説明する。図336は電源断時処理(S10002)の内容を示したフローチャートである。この電源断時処理(S10002)は、小当たり遊技中に電源断があり、役物ルートV入賞口10677に入球がない場合に加速回転体10675aの停止を実行するための処理である。
電源断時処理(S10002)では、まず、小当たり中フラグ203eaがオンであるか判別する(S1801)。小当たり中フラグ203eaがオンではないと判別した場合、即ち、小当たり中ではないと判別した場合には(S1801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり中フラグ203eaがオンであると判別した場合には(S1801:Yes)、次に、V通過フラグ203ecがオンであるか判別する(S1802)。即ち、今回の電源断の発生の前に役物ルートV入賞口10677に入球があったことを判別する。V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合には(S1802:Yes)、V入賞してからの電源断であるため、そのまま本処理を終了する。一方、V通過フラグ203eaがオンではない、即ち、オフであると判別した場合には(S1802:No)、加速回転体10675aの回動を停止し(S1803)、緊急停止フラグ203nbをオンに設定し(S1804)、本処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、小当たり遊技中に電源断があった場合には、加速回転体10675aの駆動を停止してから電源断の処理を実行するよう構成している。このように、小当たり遊技中にV通過フラグ203ecがオンに設定されていない場合にのみ加速回転体10675aの回動をまず止めることで、電源断時の処理負荷を軽減することが出来る。また、加速回転体10675aの回動をまず止めることで、転動装置10675に遊技球が残存している状態で電源断があり、V入賞の有効期間が経過してから加速回転体10675aに弾かれた遊技球が役物ルートV入賞口10677に入賞してしまい、遊技者が損をした気分になることを抑制することができる。
なお、これに限ることなく、電源断時もバックアップ電源などにより役物ルートV入賞口10677に入賞したことを検知するセンサなどを設け、そのセンサが遊技球を感知した場合に、立ち上げ処理が実行されてから、大当たり遊技を実行するよう構成しても良い。このように構成することで、急な電源断中に、役物ルートV入賞口10677に入球があり大当たりが付与されないという不具合を防止することができる。また、本実施形態では、小当たり遊技中に電源断があった場合に、まず回転役物10675aを停止するよう構成したが、これに限ることなく、電源断が発生した場合には、遊技状態に関わらず、まず回転役物10675aを停止するよう構成しても良い。このように構成することで電源断処理において回転役物10675aの停止を制御することが可能となり、処理負荷を軽減することができる。
さらに、電源断が発生した場合に用いられるバックアップ用電源からの電力供給によって、役物ルートV入賞口10677への球の入球を電源断中の検知可能に構成し、その検知結果を一時的に記憶する記憶手段を設け、電源断状態が復帰した場合に、記憶手段に記憶されている検知結果に基づいて小当たり遊技を継続させるように構成しても良い。このように構成した場合でも、役物ルートV入賞口10677に球が入球したにも関わらず、大当たり遊技が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
また、電源断時には役物ルートV入賞口10677に入球する球を、役物ルートV入賞口10677への球の入球を検知する検知手段の直前で保持する保持手段を設けても良い。これにより、電断中に球が役物ルートV入賞口10677に入球することを確実に防止することができる。この場合、保持手段の解除は電源投入されて、パチンコ機10の制御処理が完全に復帰した後に実行すると良く。例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて保持部材を解除する旨の報知演出を実行した後に解除処理を実行するように構成しても良い。
<第15実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図337から図341を参照して、本第15実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図337を参照して、本第15実施形態におけるコマンド判定処理16(S41012)について説明する。このコマンド判定処理16(S41012)は、第13実施形態(および第1実施形態)におけるコマンド判定処理(S4112)に代えて実行される処理であり、第13実施形態におけるコマンド判定処理(S4112)に対して、状態コマンド処理(S4310)に替えて状態コマンド処理16(S4350)を実行する点と、当たり関連処理15(S43071)に替えて当たり関連処理16(S4354)を実行する点とで相違する。その他の処理については、同一の処理を実行するためその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理16(S41012)では、まず、上述したS4301~S4308の処理を実行し、次に、主制御装置110より状態コマンドを受信したか判別する(S4309)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4309:Yes)、状態コマンド処理16(S4350)を実行し、本処理を終了する。この状態コマンド処理16(S4350)については、図338を参照して後述する。一方、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S4309:No)、上述したS4311~S4312の処理を実行し、次に当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4313)。当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4313:Yes)、当たり関連処理16(S4354)を実行し、本処理を終了する。この当たり関連処理16(S4354)の詳細な説明については、図339を参照して後述する。一方、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S4313:No)、上述したS4315の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図338を参照して、本第15実施形態におけるコマンド判定処理(図337のS41012参照)内の一処理である状態コマンド処理16(S4350)について説明する。図338は、状態コマンド処理16(S4350)の内容を示したフローチャートである。本第15実施形態における状態コマンド処理16(S4350)では、遊技状態が時短B状態に移行した場合に、チャレンジ回数カウンタ223naと時間累積カウンタ223nbとをリセットする処理が実行される。
状態コマンド処理16(S4350)では、まず、今回受信したコマンドに応じて遊技状態格納エリアのデータを更新する(S41601)。次に、今回受信したコマンドが時短B状態への移行を示すコマンドか判別する(S41602)。受信した状態コマンドが時短B状態への移行を示すコマンドではないと判別した場合には(S41602:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短B状態への移行を示すコマンドであると判別した場合には、チャレンジ回数カウンタ223naと時短累積カウンタ223nbとの値を初期値に設定し(S41603)、本処理を終了する。
なお、上述したように本実施形態では、チャレンジ回数カウンタ203naと時間累積カウンタ223nbとの値を初期値に設定する処理を遊技状態が時短B状態に移行する場合に実行されるよう構成したが、これに限ることなく、遊技状態が時短B状態から他の遊技状態に移行する際に、チャレンジ回数カウンタ203naと時間累積カウンタ223nbとの値を初期値に設定する処理を実行しても良い。このように構成することで、再度時短B状態が設定されるまでカウンタの値を保持する必要がなくなり処理負荷を軽減することができる。
次に、図339を参照して、本第15実施形態におけるコマンド判定処理(図337のS41012参照)内の一処理である当たり関連処理16(S4354)について説明する。図339は当たり関連処理16(S4354)の詳細な内容を示したフローチャートである。本第15実施形態における当たり関連処理16(S4354)は、第13実施形態における当たり関連処理15(図303のS43071参照)に対して、遊技状態が時短状態Bであり役物チャレンジ小当たりに当選した場合に、チャレンジ回数カウンタ223naと時短累積カウンタ223nbとの値を更新する処理を追加する点で相違する。その他の処理については、同一であるためその詳細な説明は省略する。
当たり関連処理16(S4354)では、まず、S4404~S4408,S44401,S44051~S44056の処理を実行し、エンディングコマンドを受信したか判別する(S4409)。エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4409:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4410)、次に、今回の当たり関連コマンドが役物チャレンジ小当たりであるか判別する(S44071)。役物チャレンジ小当たりであると判別した場合には(S44071:Yes)、チャレンジ回数カウンタ223naの値を1加算し(S44072)、次に、時間累積カウンタ223nbの値を更新し(S44073)、上述したS44058の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図340を参照して、本第15実施形態における変動表示設定処理16(S44194)について説明する。図340は、変動表示設定処理16(S44194)の内容を示すフローチャートである。本第15実施形態における変動表示設定処理16(S44194)は、第13実施形態(および第1実施形態)における変動表示設定処理(S4113)に対して、時短B状態の最終変動演出を設定する処理が追加されている点で相違する。その他の点については、同一であるためその詳細な説明は省略する。
変動表示設定処理16(S44194)では、まず、上述したS4501~S4504の処理を実行し、次に、今回の変動が、時短B状態の最終変動であるか判別する(S4551)。今回の変動が時短B状態の最終変動であると判別した場合には(S4551:Yes)、最終変動演出設定処理(S4552)を実行し、その他演出設定処理実行する(S4553)。そして上述したS4505~S4509の処理を実行し、本処理を終了する。この最終変動演出設定処理(S4552)の詳細については、図341を参照して後述する。一方、S4551の処理において、今回の変動が時短B状態の最終変動ではないと判別した場合には(S4551:No)、最終変動演出設定処理(S4552)をスキップし、S4553の処理に移行する。
次に、図341を参照して、本第15実施形態における変動表示設定処理16(S44194)内の一処理である最終変動演出設定処理(S4552)について説明する。図341は、この最終変動演出設定処理(S4552)の内容を示したフローチャートである。最終変動演出設定処理(S4552)では、遊技状態が時短B状態である場合の最終変動において、チャレンジ回数カウンタ223naと時間累積カウンタ223nbとの値に基づいて、遊技者に称号を与える演出を設定する処理が実行される。
最終変動演出設定処理(S4552)では、チャレンジ回数カウンタ223naと時間累積カウンタ223nbの値に基づいて、称号選択テーブル222naを参照して遊技者に付与する称号を選択する(S4571)。次に、今回の変動で大当たりに当選したか判別する(S4572)。今回の変動で大当たりに当選していないと判別した場合には(S4572:No)、選択された称号をそのまま設定し(S4573)、S4575の処理に移行する。一方、S4572の処理において、大当たりに当選したと判別した場合には(S4572:Yes)、S4571の処理において選択された称号より、2ランク高い称号を設定し(S4574)、S4575の処理へ移行する。S4575の処理では、設定した称号を示すための表示用コマンドを設定し(S4575)、本処理を終了する。ここで設定された表示用コマンドは、表示制御装置113に送られ、この表示用コマンドに基づいて、図321(b)に示した様な称号を付与する画面を第3図柄表示装置81に表示する。
このように構成することで、実際の遊技結果(時短B状態中に、実行された役物チャレンジ回数と、役物チャレンジの累計遊技期間)に対して、表示された称号のランクが高い場合には、時短B状態の最終変動で大当たりに当選したのではと遊技者に思わせることができる。
なお、本実施形態では、時短Bの最終変動が設定される際に、遊技者に称号を付与する演出を実行するよう構成したが、これに限ることなく、時短遊技の変動回数が予め定められた規定回数に到達するごとに、その時点での称号を遊技者に報知するよう構成しても良い。このように構成することで、遊技者は、遊技者自身の称号が変化していくことを楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。また、遊技者が操作可能な操作手段により遊技者が現在の称号を確認することができるよう構成しても良い。遊技者自身が確認したいタイミングで称号を確認できるよう構成することで、分かり易い遊技を提供することができる。
<第15実施形態の変形例1>
次に、図342から図344を参照して、上述した第15実施形態の変形例1について説明をする。上述した第15実施形態では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、さらに、時短状態として、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短A状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短B状態と、を設定可能に構成していた。そして、時短A状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、時短B状態が設定されるように構成することで、段階的に複数の時短状態が設定されるように構成していた。さらに、時短A状態よりも時短B状態のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることで、遊技者に対して、より有利な遊技状態が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができるように構成していた。
加えて、上述した第15実施形態では、時短A状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された場合は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成し、時短A状態中に実行される大当たり遊技の実行契機によって、後の遊技内容を大きく異ならせるように構成することで、遊技の興趣を向上させていた。
これに対して、本第15実施形態の変形例1では、時短A状態が設定されている場合に、大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技終了後に時短B状態が設定されるように構成し、その時短B状態中に大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技終了後に時短A状態が設定されるように構成している。そして、時短B状態を終了させる条件を、上述した第15実施形態よりも成立し易くすることで、時短A状態のほうが、時短B状態よりも有利な遊技状態としている点で上述した第15実施形態と相違している。
一方、時短B状態は、上述した第15実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選を、通常状態よりも実行され易くしているため、時短B状態は、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態としている。つまり、本変形例のパチンコ機10は、上述した第15実施形態と同様の構成を用いて、時短A状態と、時短B状態と、を設定可能に構成し、時短A状態中に大当たり遊技が実行された場合に、所定期間の引き戻しゾーンとして時短B状態を設定可能に構成している。
このように構成することで、時短A状態が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合に、その大当たり遊技終了後に遊技者に最も不利な遊技状態(通常状態)が設定されるのでは無く、時短A状態よりも不利ではあるが、通常状態よりは有利な時短B状態を設定することが可能となる。よって、時短B状態が設定されている間に大当たり遊技を実行し、再度時短A状態が設定されることを期待しながら継続的に遊技を行わせることができる。なお、本変形例では、上述した第15実施形態に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に対する規定内容と、時短B状態の終了条件を変更した点と、その変更点に応じた演出を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については上述した第15実施形態の内容を参考にし、その詳細な説明を省略する。
<第15実施形態の変形例1の演出内容について>
次に、図342を参照して、本変形例のパチンコ機10にて実行される各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。図342(a)は、時短A状態(通常ラッシュ)中に実行された大当たり遊技終了時の表示画面を模式的に示した模式図であり、図342(b)は、時短B状態(復活チャンス)中の表示画面を模式的に示した模式図である。
図342(a)に示した通り、通常ラッシュ中に大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技終了後には時短B状態(復活チャンス)が設定されることを報知するためのコメントが主表示領域Dmの中央部に表示される。そして、時短B状態(復活チャンス)の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が開始されると、図342(b)に示した通り、時短B状態(復活チャンス)が終了するまでの特別図柄変動回数として「残り19回」が表示領域HR31に表示され、表示領域HR35には「役物チャレンジ高確中」の文字が表示され、副表示領域Dsには、「残り回数中に、役物チャレンジをゲットしろ」のコメントが表示される。
時短B状態が設定されると、上述した第15実施形態のパチンコ機10における時短B状態と同一の遊技が実行されるため、通常状態の第1特別図柄の抽選で小当たり当選した場合は、役物チャレンジの実行確率が30%であるのに対して、時短B状態の第1特別図柄の抽選で小当たり当選した場合は、役物チャレンジの実行確率が100%となるため、通常状態に対して、役物チャレンジの実行確率が高確率となる。よって、図342(b)に示した通り、時短B状態が設定された場合には、役物チャレンジの実行確率が高まっている状態であることを遊技者に報知するための演出が実行される。
なお、本変形例では、上述した第15実施形態と同様に、時短B状態が設定されると、通常状態に対して、第1特別図柄の抽選が実行され易くなり、且つ、役物チャレンジが実行され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特別図柄抽選の実行のされ易さを通常状態と変えること無く(同程度となるように構成し)、役物チャレンジの実行確率のみ高めるように構成しても良い。
次に、図343を参照して、本変形例における遊技状態の遷移状況について説明をする。図343は、本変形例におけるパチンコ機10の遊技状況が遷移する流れを模式的に示したゲームフローである。本変形例のパチンコ機10は、上述した第15実施形態のパチンコ機10のゲームフロー(図318参照)に対して、通常状態にて大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に、必ず時短A状態が設定されるように構成し、時短A状態にて大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に、必ず時短B状態が設定されるように構成し、時短B状態にて大当たり遊技が実行された場合は、大当たり遊技終了後に、必ず時短A状態が設定されるように構成している点で上述した第15実施形態と相違している。
さらに、時短B状態を終了させるための条件(時短終了条件)を、上述した第15実施形態では、特別図柄変動(抽選)が99回変動(実行)した場合を時短終了条件として設定していたのに対して、本変形例では、特別図柄変動(抽選)が20回変動(実行)した場合を時短終了条件として設定し、時短B状態の終了条件を成立し易くしている点で相違している。それ以外の内容は、上述した第15実施形態と同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
このように構成することで、本変形例では、大当たり遊技が実行される毎に、規則性を持たせて遊技状態を遷移させていくことが可能となり、分かり易い遊技性を遊技者に提供することができる。また、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる時短B状態を、通常状態よりも時短A状態が設定され易くなる引き戻しゾーン(復活チャンス)として用いているため、時短A状態での大当たり遊技終了後に通常状態が設定されてしまう遊技性に比べて、時短A状態が終了した直後に遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
<第15実施形態の変形例1の電気的構成について>
次に、図344を参照して、本変形例における電気的構成について説明をする。本変形例では、上述した第15実施形態のパチンコ機10の電気的構成に対して、主制御装置110のROM202が有する第1当たり種別選択16テーブル202nbに代えて第1当たり種別選択17テーブル202pbを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、上述した相違点に基づく演出を、第3図柄表示装置81の表示面にて表示する場合において、新たな電気的構成を用いるが、音声ランプ制御装置113にて演出設定をする際に用いられる情報の有無判別を実行し、その有無判別の判別結果に基づいて演出内容を設定するための電気的構成については、上述した何れか各実施形態に記載されている技術思想と同一であるため、具体手な表示内容が異なったとしても、その説明を省略する。
図344(a)は、本変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図344(a)に示した通り、本変形例では、第1当たり種別選択16テーブル202nbに代えて第1当たり種別選択17テーブル202pbを設けることで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を上述した第15実施形態と異ならせている。
ここで、図344(b)を参照して、第1当たり種別選択17テーブル202pbの内容について説明をする。図344(b)は、第1当たり種別選択17テーブル202pbの内容を模式的に示した模式図である。図344(a)に示した通り、上述した第15実施形態の第1当たり種別選択16テーブル202nbに対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別および終了条件を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
具体的には、第1特別図柄の大当たり当選時に設定される大当たり種別であって、その大当たり種別が大当たりA16(10R(ラウンド)大当たり)である場合は、当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に「時短A状態」が設定され、大当たりB16(10R(ラウンド)大当たり)である場合は、当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当たり遊技終了後に「通常状態」が設定され、時短A状態、時短B状態であれば「時短A状態」が設定される。
また、第2特別図柄の大当たり当選時に設定される大当たり種別であって、その大当たり種別が大当たりC16(15R(ラウンド)大当たり)である場合は、当選時の遊技状態が通常状態、或いは、時短B状態であれば「時短A状態」が設定され、時短A状態であれば「時短B状態」が設定される。
さらに、小当たり当選した場合に設定され得る大当たり種別であって、その大当たり種別が大当たりD16(10R(ラウンド)大当たり)である場合は、当選時の遊技状態が通常状態、或いは、時短B状態であれば「時短A状態」が設定され、時短A状態であれば「時短B状態」が設定される。また、大当たり種別が大当たりE16(10R(ラウンド)大当たり)である場合は、当選時の遊技状態が通常状態であれば「通常状態」が設定され、時短A状態であれば、「時短B状態」が設定され、時短B状態であれば「時短A状態」が設定される。
なお、本変形例では、時短A状態が設定される場合には、その時短終了条件として、大当たり遊技が実行されること無く、特別図柄変動が100回実行された場合に成立する時短終了条件(特図変動100回)が設定され、時短B状態が設定される場合には、その時短終了条件として、大当たり遊技が実行されること無く、特別図柄変動が20回実行された場合に成立する時短終了条件(特図変動20回)が設定される。
時短A状態が設定されている場合は、1/2の確率で小当たりに当選する第2特別図柄の抽選が実行され易くなり、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、高確率(ほぼ100%)で小当たり入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入賞する小当たり遊技(直Vチャレンジ)が実行されるため、通常の遊技を行っている場合には、時短終了条件が成立すること無く、大当たり遊技が実行される。一方で、時短B状態では、1/20の確率で小当たりに当選する第1特別図柄の抽選が実行され易くなる遊技状態である。時短B状態中は、第1特別図柄の小当たり当選にて必ず役物チャレンジを実行し得る小当たり遊技が実行されるが、役物チャレンジにて球が役物ルートV入賞口10677に入賞する確率は1/4であるため、時短B状態は、時短終了条件が時短A状態よりも時短終了条件が成立し易い時短状態となる。しかしながら、時短B状態は、通常状態よりも大当たり遊技が実行され易い状態であるため、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
<第15実施形態における変形例2>
次に、図345を参照して、第15実施形態における変形例2について説明をする。上述した第15実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて、大当たり種別が設定されるように構成していた。具体的には、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、或いは小当たりに当選した場合に、第1当たり種別選択16テーブル202nbを参照して大当たり種別を選択し、大当たり遊技を実行する場合に、選択された大当たり種別に対応した大当たり遊技を実行し、大当たり遊技の終了後に、選択された大当たり種別に対応した遊技状態を設定するように構成していた。
しかしながら、特別図柄の抽選結果を第1図柄表示装置37にて表示する場合において、今回の特別図柄の抽選結果に加え、選択された大当たり種別も識別可能に表示するように構成していたため、例えば、時短状態が設定されている場合に、小当たり当選した際に第1図柄表示装置37に表示される内容を識別することにより、今回の小当たり遊技中に球をV入賞口(特定領域)に入球させることで実行される大当たり遊技が遊技者に有利な大当たり遊技であるか、不利な大当たり遊技であるかを事前に把握されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、第1図柄表示装置37に特別図柄の抽選結果が停止表示されてから球を発射した場合には、小当たり遊技中にV入賞口(特定領域)へ球を入球させることができないように遊技盤13の構造を構成することが考えられるが、このような構成を用いることにより、限られたスペースである遊技盤13に対して遊技性を向上させるための構成を設ける自由度に制限が掛けられてしまうという問題が生じてしまう。
そこで、本変形例2では、小当たり遊技中に球が入球し得る複数の特定領域(V入賞口)を設け、球が入球した特定領域(V入賞口)に対応させて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成している。
さらに、上述した遊技状態を設定するための複数の特定領域(V入賞口)を、転動装置10675に流入した遊技球が入球し得る領域に配設している。このように構成することで、小当たり遊技中に球が入球した特定領域に対応させた遊技状態を設定する構成を用いた場合に、遊技者が意図的に特定の遊技状態が設定されることを狙って遊技を行うことを抑制することが可能となる。
ここで、図345を参照して、本変形例2で用いられる転動装置10675の構成について説明をする。図345(a)は、本変形例2における転動装置10675を正面視した拡大図であり、図345(b)は、本変形例2における転動装置10675を平面視した拡大図である。図345に示した通り、本変形例2では、上述した第15実施形態の転動装置10675に対して、アウト口10680a,10680bの位置と、役物ルートV入賞口10677の位置を変更している点と、特定領域である役物ルートV入賞口10677の数を増加している点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図345(a)、及び図345(b)に示した通り、本変形例2では、転動装置10675から排出された球が入球可能な特定領域として第1役物ルートV入賞口10677aと、第2役物ルートV入賞口10677bと、を設けており、小当たり遊技の有効期間中に何れかの入賞口に球が入球することで、大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、上述した第15実施形態に対して、転動装置10675に流入した球が入球可能な特定領域の数を増加させている。そして、球が第1役物ルートV入賞口10677aに入球した場合と、第2役物ルートV入賞口10677bに入球した場合とで、実行される大当たり遊技の遊技内容は同一だが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成している。
具体的には、第1役物ルートV入賞口10677aに球が入球した場合は、大当たり遊技終了後に時短A状態が設定され、第2役物ルートV入賞口10677bに球が入球した場合は、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定されるように構成している。つまり、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、大当たり遊技の内容のみ大当たり種別として選択し、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を小当たり遊技中に球が入球した特定領域(V入賞口)の種類に応じて設定するように構成している。
このように構成することで、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合において、第1図柄表示装置37に表示される表示内容によって、特別図柄の抽選結果(小当たり当選)と大当たり種別(大当たり遊技内容)を識別されたとしても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に識別されることが無いため、意図的に特定の大当たり遊技(遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たり遊技)を狙った遊技を遊技者に行われてしまうことを確実に防止することができる。
なお、本変形例2では、入球する特定領域(V入賞口)に応じて、時短状態の種別を異ならせる例について説明をしたが、これに限ること無く、入球する特定領域(V入賞口)に応じて、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される特定領域を設けても良い。また、本変形例2では、何れの特定領域に球が入球するかを視認可能とするために、転動装置10675内に複数の特定領域を設けているが、これに限ること無く、遊技者が視認困難な部位に複数の特定領域を設けても良く、例えば、上述した第15実施形態の構成(図275参照)のように転動装置10675に1つの役物ルートV入賞口10677(疑似V入賞口)を設け、その疑似V入賞口に入球した球を第1流路と第2流路とに振り分ける振分手段を設け、振分手段により第1流路に振り分けられた球が、時短A状態が設定される特定領域に入球し、第2流路に振り分けられた球が、時短B状態が設定される特定領域に入球するように構成しても良い。これにより、疑似V入賞口に球が入球することにより、大当たり遊技が実行されることが確定し、最終的に球が入球した特定領域に応じて、大当たり遊技終了の遊技状態が設定されることになる。この場合、疑似V入賞口に球が入球したことを検知する検知手段を設け、その検知手段が球を検知した場合に、大当たり遊技の実行条件が成立したことを示す演出として、上述した第15実施形態のパチンコ機10にて、役物ルートV入賞口10677に球が入球したことを示す演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、疑似V入賞口に球が入球したことに基づいて大当たり遊技が実行されたと思わせることができるため、どのタイミングで大当たり遊技終了後の遊技状態が決定されたのかを分かり難くすることができる。よって、大当たり遊技終了後にどの遊技状態が設定されるのかを予測する楽しみを提供することができる。加えて、大当たり遊技が終了するまで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者が容易に識別出来ない構成を用いる場合は、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が設定されてから、大当たり遊技が終了するまでの間(例えば、大当たり遊技中)に、設定される遊技状態を示唆する示唆演出を実行するように構成すると良い。これにより、いち早く大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を把握しようとする遊技者が実行される示唆演出を意欲的に見ることになるため、演出効果を高めることができる。
なお、本変形例2では、図345に示した通り、異なる遊技状態が設定される割合が均等となるように各特定領域を設けているが、これに限ること無く、特定の遊技状態が設定される割合を、他の遊技状態が設定される割合よりも高く(或いは、低く)なるように、特定領域の個数や、配設位置を設定しても良い。これにより、大当たり遊技終了後に設定され易い遊技状態と、設定され難い遊技状態と、を容易に設定することができる。
さらに、上述した第14制御例のように、役物チャレンジが実行されてからの経過時間に応じて、球が入球し易い入賞口(アウト口)が可変するような構成を用いても良い。このように構成することで、役物チャレンジが実行されてからの経過時間に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、特定の遊技状態が設定され易い期間と、設定され難い期間と、を設けることができる。よって、役物チャレンジ中の球の挙動に対してより遊技者に興味を持たせることができる。
<第15実施形態の変形例3について>
次に、図346、及び図347を参照して、上述した第15実施形態の変形例3について説明をする。上述した第15実施形態では、上述した第15実施形態では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、さらに、時短状態として、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短A状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短B状態と、を設定可能に構成していた。そして、時短A状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、時短B状態が設定されるように構成することで、段階的に複数の時短状態が設定されるように構成していた。さらに、時短A状態よりも時短B状態のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることで、遊技者に対して、より有利な遊技状態が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができるように構成していた。
加えて、上述した第15実施形態では、時短A状態が設定されている場合に、第2特別図柄の抽選で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された場合は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成し、時短A状態中に実行される大当たり遊技の実行契機によって、後の遊技内容を大きく異ならせるように構成することで、遊技の興趣を向上させていた。
しかしながら、上述した第15実施形態では、時短A状態が設定されている遊技状態において、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たり種別に関わらず、小当たり入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入球するように構成しているため、例え、設定された小当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が異なるように構成したとしても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を任意に選択することができなかった。
これに対して、本変形例3では、小当たり遊技中の遊技方法によって、特定の小当たり種別が設定されている小当たり当選時のみ、小当たり遊技中に球を特定領域(V入賞口)に入球させることができるように構成している点で上述した第15実施形態と相違している。このように構成することで、遊技者が任意に大当たり遊技終了後の遊技状態を選択することができるため、遊技者の所望する遊技を行わせることにより遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、図346を参照して、本変形例3におけるパチンコ機10の構成について説明をする。図346は、本変形例3におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。本変形例3のパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第15実施形態のパチンコ機10の遊技盤13に対して、遊技盤13の左側領域に、第2小当たり用入賞装置11650を設けている点で相違し、それ以外は同一である。なお、同一の構成には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2小当たり用入賞装置11650は、小当たり遊技が実行される場合に球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも球が入球し難い閉鎖状態と、に予め定められた可変パターンで移行する入賞装置であって、第2開閉扉11650bが遊技盤13側に埋没することで開放状態となり、遊技盤13側から突出することで閉鎖状態となるように構成している。
この第2小当たり用入賞装置11650は、小当たり遊技が実行されていない状態では閉鎖状態となり、球が入賞し得ないように構成されている。第2開閉扉11650bは、小当たり用入賞装置10650に設けられている開閉扉10650bと同一の駆動源によって、同一タイミングで可変制御される部材であって、駆動源からの駆動力に応じて作動する作動部材(図示せず)によって、開閉扉10650bと連結している連結部材である。つまり、小当たり遊技が実行されると、小当たり遊技の動作シナリオに基づいて、開閉扉10650bと第2開閉扉11650bとが、同一タイミングで開閉されるため、小当たり用入賞装置10650と、第2小当たり用入賞装置11650と、は、同一タイミングで開放状態と閉鎖状態とに可変される入賞装置となる。
第2小当たり用入賞装置11650の内部には、球が入球することにより大当たり遊技の実行契機となる第2直V入賞口11657と、球を第2小当たり用入賞装置11650の外部へと排出する第2アウト口11654と、が設けられており、さらに、第2小当たり用入賞装置11650に入賞した球が第2直V入賞口11657に入球可能な開状態と、第2直V入賞口11657に入球すること無く、第2アウト口11654に入球可能な閉状態とに可変動作される第2可動片11653と、が設けられており、第2可動片11653は、小当たり遊技の開始を契機に予め定められた動作パターンで作動するように構成されている。
詳細な動作パターンについては、図347を参照して後述するが、本変形例3では、小当たり種別が小当たりAである場合に実行される小当たり遊技では、第2小当たり用入賞装置11650に入賞した球が第2直V入賞口11657に入球することが無く、小当たり種別が小当たりBである場合に実行される小当たり遊技では、第2小当たり用入賞装置11650に入賞した球が第2直V入賞口11657に入球し得るように、開閉扉10650b、第2開閉扉11650bの動作パターン、及び、第2可動片11653の動作パターンが規定されている。また、上述した第15実施形態と同様に、小当たり用入賞装置10650に入賞した球は、小当たり種別に関わらず、直V入賞口10657に入球し得るように構成されている。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に、時短B状態が設定されることを所望する遊技者は、時短A状態が設定されている状態で小当たり当選した場合(第2特別図柄の抽選で小当たり当選した場合)に、遊技方法を、右打ち遊技から左打ち遊技へと切り替えて、第2小当たり用入賞装置11650に球を入賞させるための小当たり遊技を実行するだけで、大当たり遊技の終了後に時短B状態が設定される小当たりBに対応する小当たり遊技のみ球を特定領域である第2直V入賞口11657に入球させることが可能となる。
これにより、遊技者が所望する遊技状態が設定される小当たり遊技が実行されている場合のみ、大当たり遊技を実行することができるため、遊技者が所望する遊技状態を遊技者が任意に選択して設定することができる。よって、遊技者が積極的に遊技に参加することによる遊技の興趣向上を図ることができる。
また、小当たり用入賞装置10650の開閉扉10650bと、第2小当たり用入賞装置11650の第2開閉扉10650bと、を同一の駆動源を用いて同一タイミングで可変させるように構成しているため、新たな入賞装置を設けたとしても、パチンコ機10に新たな駆動源を設ける必要が無く、コスト削減を図ることができる。また、小当たり用入賞装置10650と、第2小当たり用入賞装置11650とで、開放状態となる期間が同一であることから、小当たり遊技中に何れの入賞装置を狙う遊技を行ったとしても、小当たり遊技中に入賞させることができる球数を同一にすることができるため、賞球の払出数において遊技者に有利不利が発生することが無い。
なお、詳細な説明は省略するが、本変形例3では、1回の小当たり遊技が実行された場合に、小当たり用入賞装置10650と、第2小当たり用入賞装置11650とが共に開放状態となるように構成しているため、何れの入賞装置にも球を入賞させることが可能となるため、各入賞装置に入賞した球数を累積した累積値を用いて、小当たり遊技の終了条件の成立の有無を判別するように構成している。よって、例えば、小当たり遊技の終了条件として、小当たり遊技中の入賞数が10個に到達した場合に成立する終了条件を設定した場合において、小当たり遊技が開始された直後は右打ち遊技によって小当たり用入賞装置10650に球を入賞させ、入賞した球数が所定個数(例えば、8個)に到達した場合に、遊技方法を左打ち遊技へと切り替え、第2小当たり用入賞装置11650に球を入賞させる遊技を行ったとしても、1回の小当たり遊技中に過剰に球が入賞装置に入賞してしまう事態を抑制することができる。
なお、詳細な図示は省略しているが、第2小当たり用入賞装置11650の内部にも、小当たり用入賞装置10650と同様に、球の通過を検知する検知手段としての検知センサが複数設けられており、例えば、第2小当たり用入賞装置11650に球が入賞したことを検知するための第2入球センサ、球が閉状態の第2可動片11653を通過したことを検知するための第2通過センサ、球が閉状態の第2可動片11653によってアウト口11654に向けて流下したことを検知する第2排出センサが設けられている。このように、第2小当たり用入賞装置11650内の球の挙動も、上述した第15実施形態の小当たり用入賞装置10650と同様に判別可能に構成することで、第2小当たり用入賞装置11650内で発生する遊技異常状態を確実に判別することができる。
次に、図347を参照して、本変形例3における第2特別図柄の小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技(特2小当たり遊技)中の回転体10652、可動片10653、第2可動片11653、開閉扉10650b,11650bの動作内容について説明をする。図347は、特2小当たり遊技中の各種装置の動作内容を模式的に示したタイミングチャートである。図347に示した通り、特2小当たり遊技として小当たりA(特2小当たりA)が設定された場合と、小当たりB(特2小当たりB)が設定された場合とでは、開閉扉10651a,10651bが開状態となるタイミングを異ならせており、特2小当たりAが設定される小当たり遊技では、オープニング期間(5.5秒)、ラウンド期間(1秒)、エンディング期間(4.5秒)が小当たりシナリオとして規定されており、特2小当たりBが設定される小当たり遊技では、オープニング期間(6.5秒)、ラウンド期間(1秒)、エンディング期間(3.5秒)が小当たりシナリオとして規定されている。
そして、回転体10652は、小当たり種別に関わらず、小当たり遊技が開始されてから、5.5秒経過後に初期状態(横向き状態)から作動し、作動状態(上向き状態)を3.5秒間維持(第1作動)し、その後、初期状態(横向き状態)が2.5秒間維持するように作動し、再度、作動状態(上向き状態)を5秒間維持(第2作動)するように動作制御される。また、可動片10653は、小当たり遊技が開始されてから、6秒経過後に、閉状態から開状態へと作動し、開状態を4.5秒間維持し、その後、閉状態となるように動作制御され、第2可動片11653は、小当たり遊技が開始されてから、6.7秒経過後に閉状態から開状態へと1秒間作動し、その後、閉状態となるように動作制御される。
このように小当たり遊技中の各種装置の動作パターンが設定されている本変形例3では、例えば、特2小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650を狙う右打ち遊技が行われると、特2小当たりAの小当たり遊技が実行された場合も、特2小当たりBの小当たり遊技が実行された場合も、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が上向き状態(第1作動中)の回転体10652の貯留部10652aに貯留され、第1作動が終了したタイミングで第2流路10651b(図346参照)へ排出され、開状態である可動片10653を通過し、直V入賞口11657に入球する。なお、具体的な時間経過については、上述した第13実施形態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
つまり、本変形例3では、特2小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650を狙う右打ち遊技を行った場合には、設定されている小当たり種別に関わらず、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が直V入賞口10657に入球するため、小当たり当選した場合に確実に大当たり遊技を実行させることが可能となるように構成している。よって、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関わらず、いち早く大当たり遊技を実行させたいと考えている遊技者は、特2小当たり遊技中に右打ち遊技を行うことになる。
一方、特2小当たり遊技中に第2小当たり用入賞装置11650を狙う左打ち遊技が行われると、特2小当たりAの小当たり遊技、即ち、特定領域に球を入球させることで、大当たり遊技終了後に時短A状態が設定される大当たり遊技の実行契機となる小当たり遊技が実行された場合には、第2小当たり用入賞装置11650内に入球した球が、閉状態中の第2可動片11653によって第2アウト口11654へと誘導される。つまり、特2小当たりAの小当たり遊技は、第2小当たり用入賞装置11650を狙う左打ち遊技によって、球を第2小当たり用入賞装置11650内に入賞させることができるが、小当たり遊技中に球を特定領域である第2直V入賞口11657に入球させることができないように構成している。
これに対して、特2小当たりBの小当たり遊技、即ち、特定領域に球を入球させることで、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される大当たり遊技の実行契機となる小当たり遊技が実行された場合には、第2小当たり用入賞装置11650内に入球した球が開状態中の第2可動片11653を通過し、第2直V入賞口11657に入球するように構成している。つまり、特2小当たりBの小当たり遊技は、第2小当たり用入賞装置11650を狙う左打ち遊技によって、球を第2小当たり用入賞装置11650内に入賞させることができ、さらに、小当たり遊技中に球を特定領域である第2直V入賞口11657に入球させることができるように構成している。
このように構成することで、時短B状態が設定されることを所望する遊技者は、時短A状態中に小当たり当選した場合、小当たり遊技を左打ち遊技で行うことで、確実に時短B状態を設定させることができる。なお、本変形例3では、時短A状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりA、時短B状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりBの何れにおいても、小当たり遊技中に球を特定領域に入球させることが可能な小当たり用入賞装置10650と、時短B状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりBのみ、小当たり遊技中に球を特定領域に入球させることが可能な第2小当たり用入賞装置11650と、を設け、遊技者が大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を選択可能に構成しているが、遊技者が遊技状態を選択し得る構成であれば、これ以外の構成を用いても良く、例えば、時短A状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりAのみ、小当たり遊技中に球を特定領域に入球させることが可能な第3小当たり用入賞装置を設けても良い。
さらに、本変形例3では、遊技方法を右打ちから左打ちへと変更することにより、遊技者に大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を選択可能に構成しているが、遊技方法の変更内容はこれに限ること無く、例えば、遊技盤13の右側領域に、強右打ち領域と、弱右打ち領域との2つの遊技領域を形成し、一方の領域を流下した球が他方の領域を流下することが無いように構成し、各領域に異なる入賞装置を設けるように構成しても良い。このように構成することで、各入賞装置を近傍に配設することが可能となるため、同一の駆動源によって駆動される各入賞装置の開閉扉を容易に連結させることができる。
また、本変形例3では、小当たり遊技中に球を入賞させる入賞装置を異ならせることにより任意の遊技状態が大当たり遊技終了後に設定される構成を用いているが、これに限ること無く、一の入賞装置のみで、遊技者が大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を任意に選択できるように構成しても良い。この場合、例えば、1回の小当たり遊技を前半期間と、後半期間に分け、各期間にて球が入賞装置に入賞し得るように開閉扉を開閉制御する。そして、入賞装置内に設けられた可動片の動作タイミングに対応させて、各小当たり種別に対応させた開閉扉の開放タイミングを設定することにより、時短A状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりAが実行された場合は、小当たり遊技の前半期間に入賞装置に入賞した球が特定領域に入球し得るように構成し、時短B状態が設定される大当たり遊技が実行され得る特2小当たりBが実行された場合は、小当たり遊技の後半期間に入賞した球が特定領域に入球し得るように構成すると良い。
このように構成することで、一の入賞装置に対して、球を入賞させるタイミングを異ならせるだけで、遊技者が所望する遊技状態を大当たり遊技終了後に設定させることが可能となる。よって、遊技者に遊技方法を選択させること無く、球の発射タイミングを異ならせるだけで所望の遊技状態を選択させることができるため、遊技方法を変更するという煩わしさを遊技者に与えることを無くすことができる。
次に、図348を参照して、本変形例3の演出内容について説明をする。図348は、本変形例3において、時短A状態中に小当たり当選し、小当たり遊技が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。
図348に示した通り、時短A状態中に小当たりに当選すると、小当たり遊技の遊技方法を遊技者に選択させるための選択画面が表示される。具体的には、主表示領域Dmが中央部分で左右に区画され、主表示領域Dmの右側には右打ち遊技を示す矢印画像YG2が表示され、主表示領域Dmの左側には左打ち遊技を示す矢印画像YG1が表示される。
そして、左打ち遊技を行った場合の遊技内容として表示領域HR9に、大当たり期待度が右打ち遊技よりも低く、大当たり遊技が実行された場合における時短状態の継続期待度が高いことを示すコメントが表示される。
このように選択画面を表示することにより、小当たり遊技中に実行する遊技方法に応じてどのような遊技結果が提供されるのかを遊技者が事前に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、主表示領域Dmの右側には、右打ち遊技によって球がV入賞し得る開放期間、即ち、小当たりAの開放期間と小当たりBの開放期間とを合算した期間に対応したタイムゲージ2811が表示領域HR40に表示され、時間経過に応じて残期間表示態様2811aが減少するように表示されている。
一方、主表示領域Dmの左側には、左打ち遊技によって球がV入賞し得る開放期間、即ち、小当たりBの開放期間に対応したタイムゲージ2811Zが表示領域HR40Zに表示され、時間経過に応じて残期間表示態様2811zaが減少するように表示される。
このように、V入賞し得る開放期間を遊技者に報知することで、遊技者により分かり易い遊技を実行させることができる。
<第16実施形態>
次に、図349から図354を参照して、第16実施形態について説明をする。上述した第13実施形態から15実施形態では、通常状態で小当たり当選し、小当たり遊技が実行される場合において、遊技盤13の右側領域に設けられた小当たり用入賞装置10650に球を入賞させる遊技を行わせるための右打ち遊技案内表示(図282(b)参照)を行うことで、遊技者に分かり易い遊技を提供するものであった。
しかしながら、上述した右打ち遊技案内表示は、小当たり遊技が実行されることを遊技者に把握させることは可能だが、どのタイミングで小当たり用入賞装置10650が球を入球させ易い開放状態となるのかを遊技者に把握させることができないという問題があった。また、小当たり用入賞装置10650に球を入賞させることができる期間の残期間を遊技者に把握させることができないため、確実に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させるために、遊技者が不必要に右打ち遊技を行ってしまうという問題があった。
これに対して、本第16実施形態では、小当たり遊技が実行される場合において、小当たり用入賞装置10650が開放状態となる期間を遊技者に報知することができるように構成している。このように構成することで、効率良く球を小当たり用入賞装置10650に入賞させることができる。
また、上述した第13実施形態のように、1回の小当たり遊技として、小当たり用入賞装置10650を、一旦開放状態(連続して開放させる状態)とした後に、所定期間の閉鎖状態とし、その後再度開放状態(連続して開放させる状態)とする小当たり遊技、即ち、1回の小当たり遊技中に、開放前半期間と、開放後半期間と、が設定された小当たり遊技を実行する場合には、小当たり遊技中に、小当たり用入賞装置10650が球を入賞させ難い閉鎖状態となる期間が発生してしまうため、図282(b)に示した右打ち遊技案内表示では、遊技者がより不必要に球を発射させてしまうという問題があった。
これに対して、本第16実施形態では、実行される小当たり遊技の種別に基づいて、前半期間における開放状態の残期間と、後半期間における開放状態の残期間と、を分けて遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行されると、まず、前半期間に設定される開放状態の期間(残期間)が報知され、その前半期間中に球が小当たり用入賞装置10650に入賞しなかった場合は、後半期間の開始に基づいて、後半期間に設定される開放状態の期間(残期間)が報知される。これにより、小当たり用入賞装置10650の動作パターンとして、小当たり遊技中に所定期間の閉鎖状態が設定される動作パターンが設定される場合であってとしても、遊技者に小当たり用入賞装置10650が開放状態となる期間(残期間)を、確実に報知することができる。
さらに、上述した第13実施形態から第15実施形態では、小当たり用入賞装置10650に入賞した球を回転体10652の貯留部10652aに貯留可能に構成しており、小当たり遊技が開始されてから所定期間経過後(例えば、3.5秒後)に、貯留部10652aに貯留していた球を下流側へと排出させる動作を実行するように構成している。このように、小当たり用入賞装置10650に入賞させた球が所定期間貯留させる構成を用いたパチンコ機10では、回転体10652の貯留部10652aに球を貯留させることができれば良く、どのタイミングで貯留部10652aに球を貯留させたとしても、遊技者に何ら影響が無いため、いち早く球を貯留部10652aに貯留させようとする意欲が低下するものであった。
これに対して、本第16実施形態では、球が貯留部10652aに貯留されたことが判別されたタイミングにおける小当たり用入賞装置10650の開放状態の残期間に基づいて演出態様を異ならせるように構成し、いち早く球を貯留部10652aに貯留させたほうが遊技者に有利となる演出態様が設定され易くなるように構成している。これにより、遊技者に対して、いち早く球を貯留部10652aに貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第16実施形態では、球が貯留部10652aに貯留された後、所定期間経過後(1秒後)に、貯留された球が下流側に排出されるまでの残期間を遊技者に報知するための第2残期間報知を実行するように構成している。これにより、貯留部10652aに貯留された球が下流側に排出される過程を遊技者に分かり易く報知することができる。さらに、上述した第2残期間報知の報知態様は、球が貯留部10652aに貯留されたタイミングに応じて可変設定されるように構成しており、いち早く球が貯留部10652aに貯留された場合に、遊技者に有利となる情報を示す報知態様が設定されるように構成している。これにより、遊技者に対して、いち早く球を貯留部10652aに貯留させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第16実施形態では、小当たり種別に応じて、小当たり用入賞装置10650の動作パターン(開閉扉10650bの動作シナリオ)が異なる小当たり遊技を実行可能に構成しており、例えば、上述した第13実施形態のように、前半期間の開放状態期間が終了した後、所定期間(例えば、1.9秒)の閉鎖状態期間を経て、後半期間の開放状態期間が設定される小当たり種別と、小当たり遊技中に所定期間(例えば、1.9秒)よりも短い期間の閉鎖状態期間が設定される小当たり種別と、を有している。
このように複数の動作パターンで小当たり遊技が実行される場合において、小当たり遊技中に所定期間(例えば、1.9秒)以上の閉鎖状態期間が設定される小当たり遊技に対しては、その閉鎖状態期間が設定されるよりも前の開放状態期間(第1開放期間)と、閉鎖状態期間が設定された後の開放状態期間(第2開放期間)と、に分けて、遊技者の開放期間を報知するための案内表示を実行し、小当たり遊技中に所定期間(例えば、1.9秒)未満の閉鎖状態期間が設定される小当たり遊技に対しては、閉鎖状態期間の前後に設定される開放状態期間(全開放期間)を報知するための案内表示を実行するように構成している。
このように構成することで、短い間隔で複数回の開放状態が設定される小当たり遊技が実行された場合において、開放状態が終了する毎に案内表示が期間の終了を表示してしまい、遊技者に分かり難い表示が実行されてしまうことを抑制することができる。また、上述した全開放期間を報知するための案内表示を実行する場合には、小当たり遊技期間の全期間を示すタイムゲージを表示し、そのタイムゲージの更新状況に応じて、小当たり用入賞装置10650が開放状態である期間を遊技者に視認させることができるように構成している。これにより、短い間隔で複数回の開放状態が設定される小当たり遊技が実行された場合であっても、今回の小当たり遊技期間中に、どの程度の開放期間が設定されるのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第16実施形態における演出内容について>
次に、図349から図351を参照して、本第16実施形態のパチンコ機10で実行される特徴的な演出内容について説明をする。図349(a)は、通常状態中に小当たり遊技が実行されている場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であって、図349(b)は、小当たり遊技における第1開放期間が終了した場合に表示される表示内容の一例を示した模式図であって、図350(a)は、小当たり遊技における第2開放期間が開始された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。また、図350(b)は、短い間隔で開放状態が設定される第2小当たり遊技が実行されている場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
図349(a)に示した通り、小当たり遊技が実行されると、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに右打ち遊技を案内する矢印アイコン2810が表示され、その下の表示領域HR40にて、第1開放期間(小当たり遊技の前半期間に設定される球が入賞し易い状態が設定される期間)を示すタイムゲージ2811と、第1開放期間の残期間を示す残期間表示態様2811aと、が表示される。
残期間表示態様2811aは、タイムゲージ2811上を右端から左端側へと減少表示するように構成しており、第1開放期間が設定された直後は、タイムゲージ2811の全てが残期間表示態様2811a(図349(a)では塗りつぶし)で表示され、第1開放期間が終了する際には、タイムゲージ2811の左端まで移動した残期間表示態様2811aが非表示となるように構成している。つまり、タイムゲージ2811上において残期間表示態様2811aで示されている期間が、第1開放期間の残期間を示すための表示態様となり、タイムゲージ2811上において残期間表示態様2811aで示されていない期間が、第1開放期間の経過期間を示すための表示態様となる。
このように構成することにより、小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650が球を入賞可能な開放状態となる期間を遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、第1開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させなかった場合は、図349(b)に示した通り、表示領域HR40には、第1開放期間が終了したことを示す表示態様が表示され、矢印アイコン2810が消去される。そして、小当たり遊技中の遊技方法が正常では無いことを遊技者に報知するための注意表示が表示領域HR41に表示される。
なお、図349(b)の表示が実行される期間は、小当たり遊技中における閉鎖状態期間であり、後に、第2開放期間が設定される状態であることから、表示領域HR22には、小当たり遊技中であることを示す右打ちの案内表示が継続して実行され、副表示領域Dsには小当たり遊技を案内するための「右打ちしてアタッカーを狙え」のコメントが継続表示される。また、表示領域HR22に表示される案内表示の表示態様が強調表示されて実行される。
次に、小当たり遊技中に第2開放期間が設定されると、図350(a)に示した通り、小当たり遊技で、球を小当たり用入賞装置10650に入賞させることが可能な開放状態が再度設定されたこと(第2開放期間が設定されたこと)を、示すための表示が実行される。この第2開放期間は、小当たり遊技中に設定される最後の開放状態であるため、主表示領域Dmに「ラストチャンス」のコメントが表示され、矢印アイコン2810が第1開放期間よりも強調された表示態様(図350(a)では、塗りつぶし)で表示される。そして、表示領域HR40には、第2開放期間を示すタイムゲージ2811と、その残期間表示態様2811aが表示される。
このように、小当たり遊技中に実行される小当たり用入賞装置10650の開放動作として、所定期間(例えば、1.9秒)の間隔を空けて複数回の開放状態が設定されるように小当たり用入賞装置10650の開放動作が設定される小当たり遊技が実行される場合において、各開放状態(開放期間)に対応させて開放期間および、その開放期間の残期間を表示するように構成することで、遊技者に対して、右打ち遊技によって発射された球が小当たり用入賞装置10650に入賞するタイミングを分かり易く報知することができる。
さらに、現在設定されている開放期間が、今回の小当たり遊技における最後の開放期間であることを、遊技者に報知することで、小当たり遊技中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させるように意欲的に遊技を行わせることができる。また、1回目の開放期間を報知する報知態様(図349(a)参照)よりも、2回目(最後)の開放期間を報知する報知態様(図350(a)参照)のほうが、強調した態様で報知されるため、遊技者に対して危機感を持たせて右打ち遊技を行わせることができる。
次に、小当たり遊技中に実行される小当たり用入賞装置10650の開放動作として、複数回の開放状態が設定される間隔が所定期間(例えば、1.9秒)未満となるように小当たり用入賞装置10650の開放動作が設定される小当たり遊技(第2小当たり遊技)が実行される場合には、図350(b)に示した報知態様が表示される。図350(b)に示した通り、第2小当たり遊技が実行される場合には、開放期間を報知するための開放期間表示態様として、第2小当たり遊技中に設定される全ての開放期間を対象とした開放期間表示態様が表示領域HR40に表示される。
具体的には、小当たり遊技の全期間の長さに対応したタイムゲージ2811が表示され、残期間表示態様2811aが、小当たり遊技の進行に応じて右端から左端側へと減少表示される。そして、タイムゲージ2811の下方に開放状態が設定される開放期間を示す表示態様として、第1開放期間表示2812aと、第2開放期間表示2812bとが「チャンス」の文字と共に表示される。
このように、第1開放期間と第2開放期間とが短い間隔で設定される小当たり遊技(第2小当たり遊技)が実行される場合には、上述した図349(a)から図350(a)に示した期間表示、即ち、各開放期間に対応させた期間表示を実行してしまうと、期間終了表示(図349(b)参照)と、期間開始表示(図350(a)参照)とが頻繁に切り替え表示されてしまい、遊技者に分かり難い表示が実行されてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題が発生する虞があるため、本実施形態では、図350(b)に示した通り、小当たり遊技の全期間を示す期間表示を実行し、その期間表示を用いて開放期間が設定される期間を遊技者に報知するように構成している。これにより、遊技者に対して、開放期間が設定される期間を分かり易く報知することが可能となる。
次に、図351を参照して、小当たり用入賞装置10650に入賞した球が回転体10652の貯留部10652aに貯留された場合に実行される表示内容について説明をする。図351(a)は、小当たり遊技中において貯留部10652aに球が貯留されたことを示す表示内容の一例を示した模式図であって、図351(b)は、貯留部10652aに球が貯留された後であって、貯留部10652aに貯留された球が第2流路10651bへと排出されるまでの残期間を示すための第2残期間表示の一例を示した模式図である。
図351(a)に示した通り、小当たり遊技の開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させ、その入賞した球が回転体10652の貯留部10652aに貯留されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに、球が貯留されたことを示す「スタンバイOK」の文字が表示され、副表示領域Dsに、「貯留完了」のコメントが表示される。そして、表示領域HR40では、タイムゲージ2811の残期間表示態様2811aの更新が停止し、その下方に、残期間表示態様2811aの領域の大きさ(長さ)に対応した領域を用いた予告表示態様2815として「チャンス」の文字が表示される。
このように、本実施形態では、球が回転体10652の貯留部10652aに貯留されたと判別した時点における開放期間の残期間に応じて予告表示態様2815の表示態様(表示領域、及び、表示内容)を異ならせるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させるタイミングによって、予告表示態様2815の表示態様を可変させることができるため、小当たり遊技中における小当たり用入賞装置10650への球の入賞タイミングを可変させる楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態では、小当たり遊技が開始されてからなるべく早いタイミングで球を回転体10652の貯留部10652aに貯留させたほうが、貯留部10652aに球が貯留した時点における開放期間の残期間が長くなり、予告表示態様2815の表示領域が大きくなるように構成し、予告表示態様2815の表示領域が大きくなるほど、予告表示態様の表示内容として遊技者に有利となる情報が表示され易くなるように構成している。これにより、遊技者に対して、小当たり遊技中にいち早く球を小当たり用入賞装置10650に入賞させるよう意欲的に遊技を行わせることができる。
図351(a)の表示が実行されてから所定期間(1秒)が経過すると、小当たり遊技の開放期間の残期間表示が、回転体10652の貯留部10652aに貯留された球が第2流路10651bへと排出されるまでの残期間を示す第2残期間表示へと切り替えて表示される。具体的には、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示領域HR41に、回転体10652の貯留部10652aに貯留された球が第2流路10651bへと排出されるまでの残期間を示すタイムゲージ2821が表示され、時間経過に応じて残期間表示態様2821aが更新表示される。そして、副表示領域Dsには、現在の小当たり遊技の状況が、貯留部10652aに貯留された球が排出されることを待機する「排出待機中」のコメントが表示される。
そして、タイムゲージ2821の表示領域の大きさに対応させた第2予告表示態様2825が表示される。この第2予告表示態様2825は、今回の小当たり遊技において実行される大当たり遊技の内容を示唆する予告内容が設定されるものであり、タイムゲージ2821の表示領域の大きさ(長さ)に対応した予告内容が設定されるように構成しており、図351(b)に示した例によれば、第2予告表示態様2825として「大チャンス」の文字が表示される。上述した通り、タイムゲージ2821の表示領域の大きさ(長さ)は、小当たり遊技中に球をいち早く回転体10652の貯留部10652aに貯留させたほうが、球が貯留部10652aに貯留されてから排出されるまでの期間(待機期間)が長くなり、タイムゲージ2821の表示領域の大きさ(長さ)も長くなるように構成している。よって、遊技者に対して、小当たり遊技中にいち早く球を小当たり用入賞装置10650に入賞させるよう意欲的に遊技を行わせることができる。
<第16実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図352から図354を参照して、本第16実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図352を参照して、本第16実施形態における演出更新処理17(S20091)について説明する。図352は、演出更新処理17(S20091)の内容を示したフローチャートである。演出更新処理17(S20091)は、上述した第13実施形態における演出更新処理15(図302のS4191参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理15(図302のS4191参照)に対して、案内期間表示の更新コマンドを設定する処理を追加する点で相違する。その他の処理については、同一であるため、その詳細な説明は省略する。
演出更新処理17(S20091)では、まず、上述した第13実施形態における演出更新処理15(図302のS4191参照)のS45001~S45004と同一の処理を実行し、次に、案内表示期間の更新コマンドを設定する(S45101)。そして、上述した第13実施形態における演出更新処理15(図302のS4191参照)S45005の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図353を参照して、本第16実施形態における当たり関連処理17(S43171)について説明する。図353は、当たり関連処理17(S43171)の内容を示したフローチャートである。当たり関連処理17(S43171)は、上述した第13実施形態における当たり関連処理15(図303のS43071参照)に代えて実行する処理であり、当たり関連処理15(図303のS43071参照)に対して、案内期間表示コマンドを設定する処理と状況コマンド処理(S44152)とを追加する点で相違する。その他の処理については同一であるため、その詳細な説明は省略する。
当たり関連処理17(S43171)では、まず、上述した第13実施形態におけるS4404~S4408と同一の処理を実行し、次に、小当たり用オープニングコマンドを受信したか判別する(S44001)。小当たり用オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S44001:Yes)経過期間カウンタ223maの値を1にセットし、小当たり遊技開始を示すための表示用オープニングコマンドを設定する(S44052)。次に、当選した小当たり種別に対応する案内期間表示コマンドを設定し(S44151)、本処理を終了する。
一方、S44001の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合には(S44001:No)、小当たり用遊技状況コマンドを受信したか判別する(S44053)。小当たり用遊技状況コマンドを受信したと判別した場合には(S44053:Yes)、状況コマンド処理を実行し(S44152)、本処理を終了する。
次に、図354を参照して、本第16実施形態における当たり関連処理17(図353S43171参照)の一処理である状況コマンド処理(S44152)について説明する。図354は、状況コマンド処理(S44152)の内容を示したフローチャートである。
状況コマンド処理(44152)では、まず、貯留を示すコマンドを受信したか判別する(S20101)。貯留を示すコマンドを受信したと判別した場合には(S20101:Yes)、貯留完了を示す表示用コマンドを設定し(S20102)、案内期間表示の残期間を算出する(S20103)。次に、S20103の処理において算出した残期間と小当たり種別とに基づいた予告表示態様を設定する(S20104)。そして、S20104の処理において設定した予告表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S20105)、経過期間カウンタ223maの値の読み出しを実行する(S20106)。
次に、S20106の処理において読み出した経過期間カウンタ223maの値に基づいて、球排出期間までの残期間を算出する(S20107)。そして、算出した残期間に対応する第2案内期間表示態様を設定し(S20108)、S20108の処理において設定した第2案内期間表示態様を1秒後に示す表示用コマンドを設定し(S20109)、その他受信したコマンドに応じ表示用コマンドを設定し(S20110)、本処理を終了する。一方、S20101の処理において、貯留を示すコマンドを受信していないと判別した場合には(S20101:No)、S20102~S20109の処理をスキップし、上述したS20110の処理を実行し、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第16実施形態では、判別手段(特別図柄抽選)の判別結果(抽選結果)が特定の判別結果(小当たり当選)であることに基づいて、可変入球手段(小当たり用入賞装置10650)を、球が入賞し難い閉状態(開閉扉10650bが閉鎖している状態)と、入賞し易い開状態(開閉扉10650bが開放している状態)とに所定の可変パターンで可変制御させる特典遊技(小当たり遊技)が実行される場合において、球を可変入球手段へと入球させるための遊技方法(右打ち遊技)を案内するための案内表示(右打ち報知)に加え、可変入球手段が開状態となる期間(開放期間)を遊技者に報知可能に構成している。これにより、小当たり遊技中において、右打ち遊技を行うタイミングを遊技者に把握させることが可能となるため、小当たり遊技中に効率の良い右打ち遊技を実行させることができる。
なお、上述した可変入球手段が開状態となる開放期間とは、実際に、可変入球手段が開状態となる期間に対応させて設定しても良いし、短期間(例えば、0.2秒)の閉状態を挟んで、可変入球手段の開状態が複数回設定される場合において、連続して設定される複数回の開状態に対応させて1つの開放期間を設定しても良い。つまり、小当たり遊技中において、遊技者が右打ち遊技によって発射した球が、小当たり用入賞装置10650に入賞し難い状態と、入賞し易い状態と、を判別し、入賞し易い状態に対応する期間を開放期間として設定するように構成すれば良い。
また、実際に可変入球手段が開状態となる期間に対して、右打ち遊技によって発射された球が小当たり用入賞装置10650に到達するまでの時間を考慮した開放期間を設定するように構成しても良く、例えば、右打ち遊技によって発射された球が小当たり用入賞装置10650に到達するまでに要する期間が、1秒である場合には、可変入球手段が開状態となる期間よりも1秒早いタイミングを開放期間と設定するように構成すると良い。これにより、第3図柄表示装置81に表示された開放期間表示に基づいて右打ち遊技を実行した場合に、右打ち遊技によって発射された球を、開状態中の小当たり用入賞装置10650へと到達させ易くすることができる。
本実施形態では、可変入球手段が開状態となる全ての期間を対象として、開放期間を設定し、設定された開放期間、及び、開放期間の残期間を遊技者に報知するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、開放期間として球を小当たり用入賞装置10650に入賞させることが困難な短時間(例えば、0.3秒)が設定される開放期間については、遊技者に報知しないように構成しても良い。これにより、球が小当たり用入賞装置10650に入賞し難い状況(短時間の開状態設定)となる開放期間に対して右打ち遊技を行わせることを抑制することができる。よって、第3図柄表示装置81に表示された開放期間表示に基づいて右打ち遊技を実行した場合に、右打ち遊技によって発射された球を、小当たり用入賞装置10650に入賞させ易くすることができる。
また、本実施形態では、可変入球手段が開状態となった場合に、開放期間表示を実行するように構成しているが、これに限ること無く、可変入球手段が開状態となるよりも前に、後に実行される開状態に対応させた開放期間表示を実行するように構成しても良い。これにより、実際の可変入球手段が開状態となるよりも前に、開放期間表示を実行することができるため、遊技者に余裕を持たせて右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、本第16実施形態では、可変入球手段が開状態となる期間(開放期間)を遊技者に報知する場合において、開放期間が設定される残期間も合わせて遊技者に報知するように構成している。これにより、報知される開放期間の残期間に合わせて、右打ち遊技の実行の可否を判別しながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に技量に合わせた遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第16実施形態では、1回の小当たり遊技中に、可変入球手段が開状態となり易い期間が2回到来する小当たり遊技を少なくとも実行可能に構成している。そして、小当たり遊技が実行されてから最初に到来する可変入球手段が開状態となり易い期間(第1開放期間)と、次に到来する可変入球手段が開状態となり易い期間(第2開放期間)と、のそれぞれに対応させて開放期間表示を実行するように構成している。
このように構成することで、1回の小当たり遊技中に、球を可変入球手段に入球させ易い期間と、入球させ難い期間とが繰り返し設定される場合において、球を可変入球手段に入球させ易い期間のみを確実に報知することができ、小当たり用入賞装置10650に入賞させるための右打ち遊技を効率良く実行させることができる。なお、本実施形態では、1回の小当たり遊技中に可変入球手段が開状態となり易い期間が2回到来する小当たり遊技の動作パターンを用いているが、可変入球手段が開状態となり易い期間が3回以上到来するような小当たり遊技の動作パターンを設定しても良い。
さらに、本実施形態では、複数回の開放期間の間に設定される可変入球手段に球を入球させ難い閉状態の期間の長さに応じて、開放期間表示の表示態様を異ならせる様に構成しており、閉状態の期間が所定期間(例えば、1.9秒)よりも短い場合は、その閉状態の前に設定される開放期間と、後に設定される開放期間とを含めた期間を開放期間として設定し、開放期間表示を実行するように構成している。このように構成することで、開放期間表示の終了と、開始とが煩雑になり遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
本第16実施形態では、小当たり遊技中に可変入球手段(小当たり用入賞装置10650)に入賞した球を所定期間(最大3秒)貯留可能な貯留手段(回転体10652)を有しており、貯留手段が貯留可能な状態(回転体10652が作動し上向きの状態)にて小当たり用入賞装置10650に入賞した球を貯留可能に構成している。そして、球が貯留手段に貯留されると、貯留期間が経過し、貯留状態が解除されるまでの残期間を遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、小当たり遊技中の遊技の進行状況を遊技者に容易に把握させることが可能となる。よって、小当たり遊技の貯留期間が設定されている場合に、遊技が進行しなくても安心しながら小当たり遊技を実行することができる。
<第15実施形態の構造変形例>
次に、図355から図357を参照して、第15実施形態の構造変形例について説明をする。図314から図317を参照して上述した通り、第15実施形態では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において、第1特別図柄の抽選が実行され易い状態(時短B状態)と、第2特別図柄の抽選が実行され易い状態(時短A状態)と、を設定するために、振分入賞装置20070(第1作動口20073a、第2作動口20073b)、及び、作動役物(第1作動役物20064b1、第2作動役物20064a1)を設けていた。
図316を参照して上述した通り、第15実施形態のパチンコ機10で用いられる振分入賞装置20070の構成では、切換弁20072が何れの状態(第1切換状態、第2切換状態)に位置している場合であっても、何れかの作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)に球が入球し得る状態となるため、通常状態が設定されている場合において、右打ち遊技を行い、振分入賞装置20070へと球を流入させる遊技が行われる虞があった。
上述した第15実施形態のパチンコ機10では、通常状態中、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている間に右打ち遊技を行ったとしても、球が振分入賞装置20070へと流入し難くなるようにゲート式電動役物20640a(図316参照)を構成し、さらに、万が一、通常状態中に球が振分入賞装置20070へと流入したとしても、通常時に左打ち遊技が行われる場合よりも遊技者に有利な特典(例えば、通常状態中の左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄抽選の実行)が付与されることが無いように構成しているため、上述した切換弁20072を用いたとしても通常状態中に左打ち遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第15実施形態では、通常状態中に右打ち遊技が行われたとしても、振分入賞装置20070へと球を流入させないようにしたり、振分入賞装置20070に球が流入した場合に遊技者に有利な特典が付与されないようにするために、特殊な構造を用いる必要があり、遊技盤13という限られたスペースの中において演出効果を高めるためのその他の構造物や、遊技性を高めるためのその他の構造物を配設する自由度が低下してしまうという問題があった。
また、図316に示した通り、上述した第15実施形態で用いた切換弁20072の構成では、切換弁20072がスライド変位する場合、具体的には、第1流路20075aを塞ぐ第2切換状態から、第2流路20075bを塞ぐ第1切換状態へと切換弁20072がスライド変位する場合において、隔壁20070aと、切換弁20072のうち隔壁20070aと対向する対向面との間に形成されたスペース(球流路)が隔壁20070aと切換弁20072の対向面との平行状態を維持したまま狭くなるため、振分入賞装置20070内を流下する球の流下状況と、切換弁20072のスライド変位状況によっては、上述したスペースにて球が詰まる虞があった。
これに対して、本構造変形例では、上述した切換弁20072に代えて、上述した通常状態中において球が振分入賞装置20070へと流入することを防止(抑制)するための部材(遮蔽部材20173(図356参照))と、切換弁20072とは異なる構造で形成された切換弁20172(図356参照)と、を設け、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて遮蔽部材と、切換弁20172上述した第15実施形態のパチンコ機10にて発生し得る問題を解決するように構成している。なお、それ以外の構成は上述した第15実施形態と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図356を参照して、本構造変形例の具体的な内容について説明をする。図356は、本構造変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13のうち、振分入賞装置20070の近傍を拡大した模式図である。
図356に示した通り、本構造変形例では、上述した第15実施形態に対して、遮蔽部材20173を追加した点と、切換弁20072に代えて切換弁20172を設けた点とで相違し、それ以外は同一である。遮蔽部材20173は、通常時、即ち、普図当たり遊技による動作制御が実行されていない状態では、振分入賞装置20070に向けて形成される流入経路内に突出した状態(規制状態)となり、球が振分入賞装置20070へと流入し得ないように構成している。また、遮蔽部材20173によって流下が阻害された球が釘K3と隔壁20070aとの間の領域を流下し得る位置に設けられている。
そして、普図当たり遊技が開始されると、所定の動作パターンに基づいて、振分入賞装置20070に向けて形成される流入経路から退避した状態(退避状態)となり、球が振分入賞装置20070へと流入可能な状態となるように可変可能に構成されている。また、詳細な説明は図357を参照して後述するが、この遮蔽部材20173は、通常状態中に実行される普図当たり遊技にてゲート式電動役物20640aが誘導状態(球がゲート式電動役物20640aの上面を転動可能な状態)となる期間(普図当たり遊技の開始から0.1秒間)は規制状態を位置するように動作制御される。
このように構成することにより、通常時、即ち、普図当たり遊技による動作制御が実行されていない状態では、球が振分入賞装置20070へと流入することを確実に防止することができる。さらに、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたとしても、誘導状態に位置するゲート式電動役物20640aに衝突し、その跳ね返りによって振分入賞装置20070に向けて移動する球が振分入賞装置20070へと流入することを確実に防止することができる。
次に、切換弁20172は、第1流路20075aと、第2流路20075bとを隔てる隔壁の頂点部を中心軸として回動可能に構成される可変部材であって、普図当たり遊技の開始に基づいて、球が第1流路20075aを流下可能な第1状態(図356にて実線で示した状態)と、第2流路20075bを流下可能な第2状態(図356にて破線で示した状態)と、に切り換わるように動作制御されるものである。
この切換弁20172は、第1流路20075aと、第2流路20075bとを隔てる隔壁の頂点部を中心軸として回動するように構成しているため、第1状態と第2状態とに切り換え動作される場合において、隔壁20072aと切換弁20172との間のスペース(流下領域)が平行状態を維持すること無く狭くなる。よって、上述した第15実施形態にて用いられた切換弁20072のスライド変位動作に対して、振分入賞装置20070内で球詰まりが発生し難くすることができる。
次に、図357を参照して、本構造変形例における時短状態中の普図当たり遊技にて実行される各種装置の動作内容について説明をする。図357は、時短状態中の普図当たり遊技にて実行される各種装置の動作内容を模式的に示したタイミングチャートである。なお、本構造変形例は、上述した第15実施形態に対して、切換弁20072に代えて切換弁200172を動作させる点と、遮蔽板20173に対する動作制御を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
切換弁20172は、第15実施形態の切換弁20072と同一の内容で動作制御されるものであって、普図当たり遊技が開始されてから1.5秒間、第1流路20075aに球が流下可能な第1状態を維持し、その後、第2流路20075bに球が流下可能な第2状態へと切り換えられ、その第2状態を3秒間継続した後に、第1状態へと切り換えられる動作制御が実行される。
遮蔽板20173は、普図当たり遊技が開始されてから0.1秒間閉鎖状態(規制状態)を維持し、その後、開放状態(退避状態)へと可変し、その開放状態(退避状態)を1.5秒間維持した後に、閉鎖状態(規制状態)へと可変する動作制御が実行される。
図示は省略するが、本構造変形例では、通常状態中に普図当たり遊技が実行された場合には、普図当たり遊技が開始されてから0.1秒間の開放状態が設定される開放パターンでゲート式電動役物20640aが動作制御されるように構成している。よって、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、ゲート式電動役物20640aが誘導状態となる0.1秒間の間に球が振分入賞装置20070へと流入し得る状況が発生した場合であっても、遮蔽板20173が閉鎖状態(規制状態)を維持しているため、球が振分入賞装置20070へと流入することを確実に防止することができる。
なお、本構造変形例では、遮蔽板20173の動作パターンとして、普図当たり遊技が開始されてから0.1秒間、即ち、通常状態中の普図当たり遊技においてゲート式電動役物20640aが誘導状態となっている間、規制状態を維持する動作パターンを用いているが、通常状態中に実行される普図当たり遊技によって誘導状態となるゲート式電動役物20640aと衝突した球が振分入賞装置20070へと流入し得る期間が経過するまで(例えば、普図当たり遊技が開始されてから0.3秒が経過するまで)、規制状態を維持するように構成しても良い。これにより、通常状態中に球が振分入賞装置20070へと流入する事態をより確実に防止することができる。
この場合、普図当たり遊技が開始されてから遮蔽板20173が開放状態(退避状態)となるまでの期間を必要以上に長く設定してしまうと、時短状態中に実行される普図当たり遊技における振分入賞装置20070への球の流入が阻害されてしまうため、遮蔽板20173が規制状態を維持する期間を、ゲート式電動役物20640aの上面を転動した球が振分入賞装置20070へと流入するのに要する期間(図315のtz1に相当)よりも短くなるように設定すると良い。このように構成することで、通常状態中に球が振分入賞装置20070へと流入することを防止しながら、時短状態中に球を振分入賞装置20070へと効率良く流入させることができる。
なお、上述した第15実施形態、及び本構造変形例では、振分入賞装置20070へと流入した球が入球可能な作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)を切り換えるための切換弁20072、200172を常時一定の動作パターンで動作させる例について示したが、これに限ること無く、例えば、設定されている遊技状態(時短種別)に応じて異なる動作パターンで切換弁20072,200172を作動させる動作パターンを設定可能に構成しても良い。このように構成することで、時短種別に応じて普図当たり遊技の動作パターン(ゲート式電動役物20640aの開放パターン)を異ならせること無く、時短種別に応じて球が入球可能な作動口(第1作動口20073a、第2作動口20073b)を容易に切り換えることが可能となる。また、ゲート式電動役物20640aの開放パターンによって、現在設定されている時短種別が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した第15実施形態、及び本構造変形例では、異なる時短種別が設定されている場合であっても、普図当たり遊技においてゲート式電動役物20640aが誘導状態となる期間の合計が1.5秒となるように各開放パターンを設定しているが、時短種別に応じてゲート式電動役物20640aが誘導状態となる合計期間の長さを異ならせても良いし、誘導状態へと可変される回数を異ならせても良い。
<第16実施形態の演出変形例について>
次に、図358を参照して、上述した第16実施形態の演出変形例について説明をする。上述した第16実施形態では、小当たり遊技が実行される場合に実行される案内報知として、小当たり遊技中に遊技者が球を発射させるべき遊技領域を遊技者に案内するための右打ち報知に加え、小当たり遊技が実行されることにより球が入球し難い閉鎖状態から球が入球し易い開放状態へと可変制御される可変入球手段(小当たり用入賞装置10650)が開放状態となる期間(残期間)を遊技者に示唆する開放期間報知を実行するように構成していた。
さらに、1回の小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650が複数回開放状態となる開放パターンで小当たり遊技が実行される場合には、その複数回の開放状態が設定される間隔(インターバル期間)に基づいて、開放期間報知の対象を異ならせるように構成しいていた。具体的には、上述したインターバル期間の長さが1.9秒よりも長い場合は、インターバル期間の前に設定される第1開放状態の期間(第1開放期間)と、インターバル期間経過後に設定される第2開放状態の期間(第2開放期間)と、で別々の開放期間報知を実行するように構成し、インターバル期間の長さが1.9秒以下である場合は、上述した第1開放状態の期間と、第2開放状態の期間と、を1の開放期間として開放期間報知を実行するように構成していた。
上述した第16実施形態では、小当たり遊技中に遊技者が右打ち遊技を行わなかった場合における救済措置として第2開放期間を設定しているため、第1開放期間に対応する開放期間報知が実行されている場合(図349(a)参照)には、次いで、第2開放期間が設定されることを遊技者に事前に報知するものではなかった。
これに対して、例えば、図311や図313を参照して上述したように、1回の小当たり遊技中において、小当たり用入賞装置10650が複数回開放状態となる開放パターンが設定され、第1開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる場合と、第2開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる場合とで、小当たり遊技における遊技内容を異ならせることが可能なパチンコ機10では、上述した第16実施形態で用いた開放期間報知を用いたとしても、今回の小当たり遊技にて小当たり用入賞装置10650が何回開放状態となるのかを遊技者に事前に報知することができず、小当たり遊技を遊技者に十分に楽しませることができないものであった。
これに対して、本演出変形例では、第1開放期間に対応する開放期間報知の実行中に、第1開放期間よりも後に設定される第2開放期間の存在を遊技者に事前に報知可能な事前報知演出を実行するように構成している。このように構成することで、今回実行されている小当たり遊技の遊技内容をいち早く認識することができる。
また、例えば、第1開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる場合と、第2開放期間中に球を小当たり用入賞装置10650に入賞させる場合とで、異なる内容の小当たり遊技(例えば、直Vチャレンジと役物チャレンジ)が実行されるように構成しているパチンコ機10であれば、第1開放期間が終了するよりも前に、今回の小当たり遊技において第2開放期間が設定されることを把握することができるため、遊技者に小当たり遊技の内容を選択させ易くすることができる。
ここで、本演出変形例では、小当たり遊技中に実行される小当たり用入賞装置10650の第1開放期間中に球を入賞させた場合に第1小当たり遊技(直Vチャレンジ)が実行され、第2開放期間中に球を入賞させた場合に第2小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される小当たり遊技(特定小当たり遊技)が実行される場合における演出内容について説明をする。なお、本演出変形例では、特定小当たり遊技にて実行される演出内容についてのみ説明をし、それ以外の内容(遊技盤13の構成、各主制御装置の制御内容)については、上述した各実施形態に用いられる内容を適宜選択して用いているため、その詳細な内容の説明を省略する。
まず、図358を参照して、本演出変形例において実行される演出表示のうち、特徴的な表示内容について説明をする。図358(a)では、第1開放期間、及び第2開放期間が設定される小当たり遊技中であって、第1開放期間中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。なお、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容のうち、上述した第15実施形態と同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図358(a)に示した通り、本演出変形例では、小当たり遊技の第1開放期間中に、右打ち遊技を案内するための矢印アイコン2810が表示される。本演出変形例では、第1開放期間中に球を入賞させた場合に第1小当たり遊技として直Vチャレンジが実行されるため、矢印アイコン2810に、入賞時に実行される小当たり遊技の種別を示す「直」のマークが付されている。これにより、第1開放期間中に球を入賞させた場合に直Vチャレンジが実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、残期間表示態様2811aが所定の残期間を示すと、主表示領域Dmの下方側から表示領域HR45が徐々に範囲を広げるように表示される。この表示領域HR45は、次に実行される第2開放期間に関する情報が表示されるものであり、図358(a)に示した状態では、今回の小当たり遊技にて第2開放期間が設定されることを示す情報として矢印アイコンの一部のみが表示されている。また、第2開放期間が後に設定されることを遊技者に報知するために「待機中」の文字が表示領域HR45に表示される。
なお、図358(a)に示した状態において、球を小当たり用入賞装置10650に入賞させると、球が回転体10652の貯留部10652a(図270参照)に貯留され、図351(a)に示した表示画面が表示される。この場合、第1開放期間における球の入賞により第1小当たり遊技(直Vチャレンジ)が実行されることが確定するため、第2開放期間に対して表示される表示領域HR45の表示内容が消去される。
一方、図358(a)に示した状態から球を入賞させること無く、所定時間経過すると、図358(b)に示した表示内容が表示される。図358(b)は、第1開放期間の終了直前において表示される表示内容の一例を示した模式図である。図358(b)に示した通り、残期間表示態様2811aが示す第1開放期間の残期間が減少すると、第1開放期間に対応して表示される矢印アイコン2810、タイムゲージ2811が徐々に縮小表示され、次に設定される第2開放期間に対応した情報が表示される表示領域HR45が徐々に拡大表示される。
図358(b)に示した状態では、矢印アイコン2815の全体が表示され、第2開放期間中に球を入賞させた場合に第2小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行されることを示すための「役」のマークが表示される。さらに、第2開放期間に対応するタイムゲージ2815aも表示される。
このように、第1開放期間が終了するよりも前に、次に設定される第2開放期間の情報を表示することにより、遊技者に対して第1開放期間中に球を入賞させるのか、第2開放期間中に球を入賞させるのかを選択させ易くすることができるため、遊技者に分かり易い遊技を行わせることができる。
また、第1開放期間の残期間が減少するほど、次に設定される第2開放期間に対する情報量を増加させることにより、第1開放期間中のどのタイミングで球を入賞させるのかを遊技者に考えさせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このような演出表示を用いる場合には、例えば、小当たり遊技が開始されてから第1期間(例えば、2秒)経過後に第1開放期間(例えば、3秒)が設定され、その後、第2開放期間が設定される第1小当たり動作パターンと、小当たり遊技が開始されてから第1期間(例えば、2秒)経過後に第1開放期間(例えば、3秒)が設定され、その後、第2開放期間が設定されない第2小当たり動作パターンと、を実行可能に構成すると良く、上述した第1小当たり動作パターンに基づく小当たり遊技が実行される場合も、第2小当たり動作パターンに基づく小当たり遊技が実行される場合も、第1開放期間中の演出表示として図358(a)に示した演出表示を実行するように構成すると良い。
つまり、第1開放期間中の表示演出として、表示領域HR45に表示される内容が、次に第2開放期間が設定されることを報知するものでは無く、第2開放期間が設定されない場合も含むように構成すると良い。この場合、第1開放期間の残期間が所定期間未満(例えば、2秒未満)となった場合に、第2開放期間が設定されないことを遊技者に報知するように構成すると良い。
また、本演出変形例では、第2開放期間中に球を入賞させた場合に第2小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される場合、即ち、各開放期間に対して実行され得る小当たり遊技内容が固定されている場合を示したが、これに限ること無く、第2開放期間中に球を入賞させた場合に、第1小当たり遊技(直Vチャレンジ)が実行される小当たりと、第2小当たり遊技(役物チャレンジ)が実行される小当たりと、何れの遊技も実行されない小当たりと、を設けても良い。
上述した第16実施形態、及び演出変形例では、小当たり遊技中に設定される開放期間として第1開放期間と第2開放期間の2つの開放期間が設定される場合について説明をしたが、小当たり遊技中に設定される開放期間の数を3以上に設定しても良い。また、上述した第16実施形態、及び演出変形例では、小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650が開放状態となる開放期間を遊技者に報知する演出表示について説明をしたが、これに限ること無く、小当たり用入賞装置10650が閉鎖状態となる閉鎖期間を遊技者に報知する演出表示として、上述した各内容を用いても良い。
また、上述した第16実施形態、及び演出変形例では、小当たり用入賞装置10650の開放状態に対応する期間を開放期間として設定し、設定された開放期間に対応する開放期間報知を実行するように構成しているが、実行されている開放期間報知の報知態様に基づいて、遊技者が開放期間を予測可能なものであれば良く、例えば、実際に開放状態となる期間よりも、開放期間を長く設定したり、短く設定したりしても良い。加えて、開放期間報知の実行タイミングは、小当たり用入賞装置10650が開放状態となったタイミングでも良いし、小当たり遊技が開始されたタイミングでも良い。また、小当たり遊技が開始されてから所定期間経過後に実行するように構成しても良い。
さらに、上述した第16実施形態、及び演出変形例では、小当たり遊技中に設定される開放期間に基づく演出について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中に設定される開放期間に対して上述した案内報知を実行しても良いし、普通図柄の抽選にて当たりに当選した場合に実行される普図当たり遊技中に設定される開放期間に対して上述した案内報知を実行しても良い。
<第15実施形態の制御変形例>
次に、図359から図363を参照して、第15実施形態の制御変形例について説明をする。本制御変形例では、上述した第15実施形態の制御内容のうち、電断時、及び立ち上げ時に実行される制御処理の内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
上述した第15実施形態では、小当たり遊技中に停電が発生し主制御装置110の制御処理を正常に継続することが出来ない場合に、小当たり用入賞装置10650に入賞した球の状況(小当たり遊技の遊技状況)に応じて、電源断時処理(図336参照)や小当たり中復帰処理16(図331参照)の制御内容を異ならせることで、遊技の不具合、即ち、小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球が、電源断中に特定領域(V入賞口)に入球してしまう事態を抑制するように構成している。
これに対して、本制御変形例では、上述した制御内容としてより詳細な制御を実行するように構成した点で相違している。具体的には、停電時(電断時)における小当たり用入賞装置10650に入球した球の状況と、復電時(立ち上げ時)における球の状況と、を比較し、比較した結果が正常状態であるかエラー状態であるかを判別し、その判別結果に基づいた処理を実行するように構成している。これにより、より詳細な処理を実行することができる。
また、本制御変形例のパチンコ機10は、上述した内容の制御処理を実行するために、停電等により外部装置からの電源供給が遮断された(電断状態になった)と判別した場合に、一時的にパチンコ機10の各種制御処理のうち、一部の処理のみを電断状態中も継続して実行可能とするための内部電源(バックアップ電源)を、電源装置115(図8参照)に設けており、電源断時処理において、所定条件が成立したと判別された場合に、内部電源を用いた電断中制御を実行可能に構成している。そして、電断中制御として、小当たり用入賞装置10650内に設けられ、球の通過を検知可能な各種検知手段の検知動作と、その検知手段の検知結果を記憶する記憶処理と、を電断中制御として実行可能に構成している。
このように、電断中においても球の流下状況(通過状況)を検知可能に構成することにより、電断時の状況と、復電時の状況とを容易に比較することが可能となる。なお、本制御変形例では、上述した構成を用いて、電断中における球の移動(流下)を検知することにより復電時の状況を判別可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、復電後に小当たり用入賞装置10650内の球の状況を検知可能に構成し、その検知結果に基づいて復電時の状況を判別するように構成しても良い。この場合、電断時と復電時とで球が移動していない(小当たり用入賞装置10650内の所定位置に位置している球が、電断時と復電時とで移動していない)場合においても、復電時における球の状況を判別する必要があるため、球の通過を検知するための検知手段(例えば、近接センサ)以外に、球の存在を検知するための検知手段(例えば、重量検出手段)を設け、球の重みを検知可能に構成すると良い。
次に、図359を参照して、本制御変形例において第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容について説明をする。図359(a)は、小当たり遊技中に電断状態となった後に、電源投入された場合のエラー状態を示すための表示画面であって、図359(b)は、小当たり遊技中に電断状態となった後に、電源投入された場合の正常状態を示すための表示画面である。なお、図359に示した表示画面を表示するための詳細な表示制御内容については、上述した図16に示した表示画面を表示するための制御と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図359(a)に示した通り、電源投入時(復電時)にエラー状態であると判別されると、その旨を示す表示態様として「エラーが発生しました係員をお呼び下さい」のコメントが電源投入画面の主表示領域Dmに表示され、副表示領域Dsには、現在の状況を示す「復帰時エラー発生」のコメントが表示される。これにより、エラーが発生したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、図359(b)に示した通り、電源投入時(復電時)が正常状態であると判別されると、その旨を示す表示態様として「小当たり遊技が再開されますご注意下さい」のコメントが電源投入画面の主表示領域Dmに表示され、副表示領域Dsには、現在の状況を示す「正常復帰中」のコメントが表示される。これにより、途中で中断された小当たり遊技が正常に復帰することを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、図359に示した表示例では、電源投入画面において、エラー復帰、及び正常復帰を示す表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、電源投入画面の表示期間を経過した後に、表示するように構成しても良い。また、表示期間を長く設定するために、正常状態で復帰した場合であっても、小当たり遊技の再開タイミングを遅延させるための遅延処理を実行し、小当たり遊技が復帰することを遊技者に認識させてから小当たり遊技が再開させるように構成しても良い。
<第15実施形態の制御変形例の電気的構成について>
次に、図360及び図361を参照して、本制御変形例における電気的構成について説明をする。本制御変形例では、上述した第15実施形態に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成、及びRAM203の一部構成を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図360(a)は、本制御変形例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図360(a)に示した通り、本制御変形例では、第15実施形態に対して復電時状況選択テーブル202nnを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、復電時状況選択テーブル202nnの内容について、図360(b)を参照して説明をする。図360(b)は、復電時状況選択テーブル202nnに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この復電時状況選択テーブル202nnは、電断時の球の状況と、復電時の球の状況と、を比較して現在の状況(復電時の状況)が正常状態であるかエラー状態であるかを選択(判別)するためのデータテーブルであって、後述する小当たり中復帰処理A(図363のS19051参照)が実行される場合に参照される。
この復電時状況選択テーブル202nnでは、後述する電断時状況格納エリア203nnに格納されている電断時状況と、内部電源を用いて実行される電断中制御によってRAM203のその他メモリエリアが有する記憶手段(電断中記憶エリア)に記憶された情報に基づいて判別される復電時状況と、が参照される。
このように構成することで、小当たり遊技中に電断状態が発生した場合における様々な状況と、復電時における様々な状況との組合せによって復電時の状況が正常であるか異常であるかを選択することができるため、より精度の高い異常判別を行うことができる。
この復電時状況選択テーブル202nnに規定されている内容について具体的に説明をすると、まず、電断状態が発生すると、上述した遊技状況設定処理(図299)により、設定された遊技状況(球の状況)を遊技状況格納エリア203miから読み出し、読み出した情報に基づいて、小当たり用入賞装置10650に球が入賞している状態として、球が転動装置10675(図314参照)に球が入賞していない未進入状態、転動装置10675(図314参照)に存在している(存在し得る)進入状態、それ以外の状態の3つの状態に判別し、その判別結果を電断時状況格納エリア203nnに格納する。
電断状態中は、内部電源を用いた電断中制御が実行され、電断中に小当たり用入賞装置10650内に設けられた各検知手段(検知センサ)が球の通過を検知し、その検知結果が電断中記憶エリアに記憶される。そして、復電時において、電断中記憶エリアに記憶された情報(各検知手段の検知結果)と、電断時状況格納エリア203nnに格納された情報とに基づいて現在の状況(未進入、進入、V通過、アウト通過)を判定(判別)する。
そして、電断時状況が「未進入」で、復電時状況が「未進入」、或いは「進入」である場合は「正常」が選択され、「V通過」、或いは「アウト通過」である場合は「エラー(異常)」が選択される。また、電断時状況が「進入」である場合は、復電時状況が何れの状況であっても「正常」が選択される。また、電断時状況が「その他」で、復電時状況が「未進入」、或いは「進入」である場合は「エラー」が選択され、「V通過」、或いは「アウト通過」である場合は、状況判別が行われない。
次に、図361を参照して、本制御変形例の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の電気的構成について説明をする。図361は、本制御変形例の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した模式図である。図361に示した通り、本制御変形例では、上述した第15実施形態に対して、電断時状況格納エリア203nnを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
電断時状況格納エリア203nnは、小当たり遊技中に電断状態が発生した場合において、小当たり用入賞装置10650に入賞した球の状況(流下状況)を記憶しておくための記憶エリアであって、後述する電源断時処理A(S19002)にて設定された電断時の状況が記憶されるものである。
<第15実施形態の制御変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図362、及び図363を参照して、主制御装置110の制御処理内容について説明をする。本制御変形例では、上述した第15実施形態に対して、電源断時に実行される処理(電源断時処理)の内容と、小当たり中復帰処理16(図331参照)の内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図362を参照して、電源断時処理A(S19002)の内容について説明をする。この電源断時処理A(S19002)は、上述した第15実施形態にて実行される電源断時処理(図336のS10002参照)に対して、電源断時における小当たり用入賞装置10650内の球の状況を記憶するための処理を実行する点で相違している。
電源断時処理A(S19002)が実行されると、まず、上述した電源断時処理(図336のS10002参照)と同一のS1801~S1803の処理を実行し、その後、遊技状態格納エリア203miから現在の小当たり遊技状況を読み出す(S19011)。そして、読み出した小当たり遊技状況が「待機状況」、或いは「貯留待ち状況」であるかを判別し(S19012)、「待機状況」、或いは「貯留待ち状況」であると判別した場合は(S19012:Yes)、回転体10652を上向き(回転体10652の貯留部10652aに球を貯留することができない状態)で停止し(S19013)、電断時状況を「未進入」に設定し、電断時状況格納エリア203nnに格納する(S19014)。
つまり、電源断時処理A(S19002)が実行されるタイミングが、小当たり遊技中であって、球が小当たり用入賞装置10650に入賞していない状態、球が小当たり入賞装置10650に入賞したが回転体10652の貯留部10652aに到達していない状態、回転体10652の貯留部10652aに貯留されている状態では、回転体10652の作動を停止し、即ち、回転体10652の貯留部10652aに貯留されている球が小当たり用入賞装置10650の下流側へと排出されることを停止したうえで、球が転動装置10675に流入し得ない「未進入」状態として電断時の状況を設定する。
次に、S19014の処理を終えた場合、或いは、19012の処理において、読み出した小当たり遊技状況が「待機状況」、或いは「貯留待ち状況」では無いと判別した場合(S19012:No)は、次に、S19015の処理へ移行する。
S19015の処理では、読み出した小当たり遊技状況が「役物通過状況」、即ち、転動装置10675に球が流入した状態であるかを判別し(S19015)、「役物通過状況」であると判別した場合は(S19015:Yes)、電断時状況を「進入」に設定し、電断時状況格納エリア203nnに格納する(S19016)。そして、電断状態となった場合でも、小当たり用入賞装置10650内の各検知センサによる球の通過検知と、その通過検知結果を電断中記憶エリアに記憶するための処理と、を実行するために内部電源供給の開始を設定し(S19017)、本処理を終了する。
一方、S19015の処理において、「役物通過状況」では無いと判別した場合、例えば、球が直V入賞口11657に向けて流下している「直V通過状況」である場合には(S19015:No)、電断時状況を「その他」に設定し、電断時状況格納エリア203nnに格納し(S19018)、S19017の処理へ移行する。なお、S19018の処理では、S19014の処理において既に電断時状況格納エリア203nnに電断時状況が格納されている場合には、新たな電断時状況を設定すること無く処理を終了するように構成している。
また、S1801の処理で小当たり中フラグ203eaがオンでは無い(S1801:No)、即ち、現在が小当たり遊技中では無い。或いは、S1802の処理でV通過フラグ203ecがオンである(S1802:Yes)、即ち、小当たり遊技にて球が特定領域(V入賞口)に入球した後であると判別した場合は、電断中に球の通過を監視する必要が無いため、S19017の処理をスキップして本処理を終了する。
以上、説明をした通り、電源断時処理A(S19002)では、電断中に発生し得る状況に応じて、4段階以上に細分化されていた小当たり遊技状況を3段階に区分けした状況で記憶するように構成している。これにより、処理負荷や、電断時状況格納エリア203nnに格納される情報量を抑えながらも、異常判別を精度良く実行することができる。
次に、図363を参照して、小当たり中復帰処理A(S19051)の内容について説明をする。図363は小当たり中復帰処理A(S19051)の内容を模式的に示したフローチャートである。この小当たり中復帰処理A(S19051)では、小当たり遊技中に電断状態が発生した場合において、電断時状況格納エリア203nnに格納された電源断時における球状況と、電源投入時(復帰時)における球状況とに基づいて、電源投入時(復帰時)の状況が正常であるか否かを判別するための処理が実行される。
小当たり中復帰処理A(S19051)が実行されると、まず、小当たり中フラグ203eaがオンである、即ち、現在が小当たり遊技中であるかを判別する(S3001)。そして、小当たり中フラグ203eaがオンに設定されていないと判別した場合は(S3001:No)、正常な復帰動作を行うために加速回転体10675aの回動開始を設定し(S3009)、本処理を終了する。
一方、S3001の処理において、小当たり中フラグ203eaがオンに設定されていると判別した場合は(S3001:Yes)、次に、遊技状況格納エリア203miに格納されている小当たり遊技状況を読み出す(S19071)。ここで、本制御変形例では、電断中であっても内部電源を用いて電断中制御を実行可能に構成しており、この電断中制御によって、電断中における小当たり用入賞装置10650内の球の移動を検知、及び記憶することができるように構成している。S19071の処理では、電断中制御によって更新された内容を反映させた現在の小当たり遊技状況が読み出される。
次に、S19071の処理で読み出した情報(現在の状況)と、電断時状況格納エリア203nnに格納された情報(電断時の状況)とに基づいて復電時状況選択テーブル202nnを参照してエラー状態の有無(正常状態の有無)を選択(判別)し(S19072)、選択結果に基づく表示コマンドを設定する(S19073)。
このS19073の処理において、エラー状態を示す表示用コマンドが設定された場合には、図359(a)に示した表示画面が表示され、正常状態を示す表示用コマンドが設定された場合には、図359(b)に示した表示画面が表示される。そして、今回の復帰処理が正常状態であるかを判別し(S19074)、正常であれば(S19074:Yes)、上述した第15実施形態の小当たり中復帰処理16(図331参照)と同一のS3007~S3009の処理を実行し、本処理を終了する。また、S19074の処理にて正常では無いと判別した場合は(S19074:No)、正常な復帰動作(S3007~S3009の処理)を実行すること無く、本処理を終了する。
また、上述した各実施形態では、小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球を用いて、V入賞口(特定領域)に球が入球するか否かを決定するV入賞遊技が複数種類実行可能に構成しているが、このV入賞遊技の種別を遊技者に報知するタイミングが適宜設定すれば良く、例えば、小当たり遊技の開始に基づいて、今回実行され得るV入賞遊技の種別を予め遊技者に報知しても良いし、V入賞遊技が実行されたとしても遊技者に報知しないように構成しても良い。さらに、1回の小当たり遊技内の異なるタイミングで複数回V入賞遊技を実行可能に構成する場合には、実行され得るV入賞遊技が複数存在する旨のみを遊技者に示唆する演出を所定のタイミング(小当たり遊技の開始タイミングや、小当たり当選した特別図柄の変動中等)で実行するように構成しても良い。
また、上述した各実施形態では、様々な機構(振分手段)を用いて、球を複数の流路へと振り分けるように構成し、特定領域への球の入球割合を異ならせるように構成しているが、各実施形態に用いられた様々な振分手段を適宜組合せた振分手段を各実施形態に転用しても勿論良いし、一の実施形態にて用いる振分手段の配設位置や個数について、上述した各実施形態に記載の各種発明における技術思想を逸脱しない範囲であれば適宜決定しても良い。
さらに、上述した各実施形態における球を振り分けるための振分手段は、振分手段に到達した球を複数の経路に振り分けるものであるが、条件に応じて異なる経路に球を誘導可能な構成であれば良く、球を所定の経路に誘導可能な誘導手段を振分手段に替えて設けても良い。この場合、例えば、所定の経路内に球を滞留させ、その滞留した球の影響で後続の球が異なる流路へと誘導される構成も含まれる。
また、上述した各実施形態では、球が自重により進行することを示す流下の文言を用いて発明の内容を説明しているが、上述した流下を用いた説明は、発明を実施するための一例であり、例えば、球を可動式の磁石に吸着させることで移動させたり、球を載置した状態で可動可能な可動手段を設け、可動手段を可動させることにより球を移動させるといった技術思想も勿論含まれるものである。この場合、全ての概念を含む文言として球の移動や、球の誘導、球の通過等の文言を用いれば良い。
上述した各実施形態において実行される小当たり遊技は、オープニング期間と、ラウンド期間と、エンディング期間とを予め定めるように構成しているが、例えば、エンディング期間を設けずに、オープニング期間とラウンド期間のみを設定するように構成しても良い。また、小当たり遊技の終了条件として、球が所定個数(10個)入球した場合、或いは、小当たり遊技が開始されてからの経過時間が所定期間(例えば、5秒)に到達した場合に、ラウンド期間終了条件を成立させ、その後、小当たり遊技にて可変制御される入賞装置(小当たり用入賞装置10650)に入賞した球が全て排出されたと判別した場合に、小当たり遊技終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、球がV入賞口に入球したことに基づいてラウンド期間終了条件を成立させるように構成しても良く。この場合、V入賞口に入球した球が小当たり遊技にて可変制御される入賞装置(小当たり用入賞装置10650)から排出された場合に、他の球の残存状況に関わらず、小当たり遊技の終了条件が成立するように構成しても良い。
つまり、小当たり遊技中に成立する大当たり遊技の実行条件が成立した場合には、その大当たり遊技の実行条件を成立させた球が正常に処理されたことに基づいて、大当たり遊技が開始されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技の実行条件の成立に関わらなかった球の流下状況に応じて、大当たり遊技の実行タイミングが遅れてしまい、小当たり遊技と大当たり遊技との関連性が弱くなってしまうことを抑制することができる。
なお、この場合、例えば、小当たり遊技中にV入賞口に入賞し得る球が、最後に小当たり用入賞装置10650から排出されるように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く、小当たり遊技から大当たり遊技へと移行することができる。また、小当たり遊技中に可変制御される入賞装置と、大当たり遊技中に可変制御される入賞装置とを異ならせることにより、小当たり遊技中に小当たり用入賞装置10650に入賞した球が残存している状態で大当たり遊技後を実行させても、大当たり遊技の遊技内容に支障を与え難くすることができる。
以上、説明をした通り、上記各実施形態では、大当たりと、小当たりと、外れと、を少なくとも含む複数の抽選結果から1の抽選結果が選択される特別図柄抽選において、小当たりに当選した場合に、小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に球が入球し難い状態(開状態)と入球し易い状態(閉状態)とを所定の可変パターンで可変制御される可変入球手段を設け、可変入球手段に入球した球が、可変入球手段内に設けられた特定領域(V入賞口)を通過(入球)したことに基づいて、大当たり遊技が実行されるように構成している。
このように、特別図柄抽選で小当たりに当選し、その小当たり当選を契機に大当たり遊技が実行される構成における各要素の関係性を以下に定義する。
<パターン1>
特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、予め記憶されている複数の小当たり種別から1の小当たり種別が小当たり種別決定手段により決定される。各小当たり種別には、後に実行され得る大当たり遊技の種別を示すための情報(大当たり種別情報)が対応付けられている。そして、大当たり遊技の一部(1ラウンド目)として、小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、決定した小当たり種別に対応付けられている大当たり種別情報に基づいて大当たり遊技(2ラウンド目以降)が実行されるように構成されたパターン1。
上述したパターン1の構成によれば、小当たり当選した場合に、大当たり種別情報が決定するため、小当たり当選した時点における遊技状態に応じて小当たり遊技後に実行され得る大当たり遊技種別(大当たり遊技中のラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を予め設定することが可能となる。このように、小当たり当選した時点で後に実行され得る大当たり遊技を示すための大当たり種別情報を決定可能にすることで、小当たり当選した特別図柄の変動開始タイミングから大当たり遊技が実行されるまでの長期間を用いて、実行され得る大当たり遊技に対応する大当たり遊技種別を遊技者に示唆するための演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
また、小当たり当選した時点で後に実行され得る大当たり遊技を示すための大当たり種別情報を決定可能にすることで、小当たり遊技中に球が特定領域を通過(入球)しなかった場合において、特定領域を通過した際に実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別を報知する演出を実行することができる。
一方、本パターン1の構成では、大当たり遊技の一部として小当たり遊技を実行するように定義しているため、小当たり遊技中に球が特定領域に入球した場合であっても、小当たり遊技(大当たり遊技の1ラウンド目)の遊技期間(小当たり遊技のオープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)が終了した後に、大当たり遊技(大当たり遊技の2ラウンド目以降)が実行される。つまり、小当たり遊技中に特定領域に球が入球することで、大当たり遊技(2ラウンド目以降)を実行する権利を獲得することになる。
よって、小当たり遊技中に球が特定領域に入球した時点で小当たり遊技の遊技期間が残っている場合には、特定領域に球が入球した直後から大当たり遊技(2ラウンド目)を実行させることが出来ない。また、見た目上の大当たり遊技は、実質2ラウンド目からの開始となるため、大当たり遊技の最大ラウンド数が1少なくなる。
なお、本パターン1の構成によれば、特別図柄抽選の抽選で大当たりに当選した場合は、特別図柄の抽選によって、大当たりに当選した権利(第1権利)、大当たり内容を決定する権利(第2権利)、大当たり内容に基づく大当たり遊技を全て実行する権利(第3権利)の全てを含む大当たり権利を獲得したことになり、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、特別図柄の抽選によって、上記第1権利、第2権利に加え、大当たり内容に基づく大当たり遊技の一部(1ラウンド分)のみ実行する権利(第4権利)を含む小当たり権利を獲得したことになる。
次に、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、予め記憶されている複数の小当たり種別から1の小当たり種別が小当たり種別決定手段により決定される。そして、小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、入球したV入賞口に対応した大当たり遊技種別を決定し、大当たり遊技の実行条件が成立するパターン2。
パターン2の構成によれば、特別図柄抽選の抽選で大当たりに当選した場合は、特別図柄の抽選によって、大当たりに当選した権利(第1権利)、大当たり内容を決定する権利(第2権利)、大当たり内容に基づく大当たり遊技を全て実行する権利(第3権利)の全てを含む大当たり権利を獲得したことになり、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、大当たり権利がいずれも成立すること無く、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、上述した第1権利~第3権利が全て成立する。
上述したパターン2の構成によれば、小当たり当選した場合には、大当たりに関する情報が決定されず、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、大当たり種別情報が決定されるため、小当たり当選した時点における遊技状態に応じて小当たり遊技後に実行され得る大当たり遊技種別(大当たり遊技中のラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を、V入賞時に設定することが可能となる。このように構成することで、例えば、複数のV入賞口を設け、各V入賞口に対して異なる大当たり遊技種別を規定しておくことで、球が入賞したV入賞口に応じて異なる大当たり遊技を実行させることが可能となる。よって、球がどのV入賞口に入球するかについて遊技者により興味を持たせることができる。
次に、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、予め記憶されている複数の小当たり種別から1の小当たり種別が小当たり種別決定手段により決定される。各小当たり種別には、後に実行され得る大当たり遊技の種別を示すための情報(大当たり種別情報)の一部(小当たり当選時の遊技状態を示す情報)が対応付けられている。そして、小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、入球したV入賞口に対応した大当たり遊技種別を決定し、当選した小当たり種別に対応した大当たり種別情報の一部と、入球したV入賞口に対応した大当たり遊技種別とに基づいて大当たり遊技の実行条件が成立するパターン3。
パターン3の構成によれば、特別図柄抽選の抽選で大当たりに当選した場合は、特別図柄の抽選によって、大当たりに当選した権利(第1権利)、大当たり内容を決定する権利(第2権利)、大当たり内容に基づく大当たり遊技を全て実行する権利(第3権利)の全てを含む大当たり権利を獲得したことになり、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を用いてV入賞時に選択される大当たり種別の選択範囲を特定するための情報(大当たり種別選択条件情報)が設定され、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口)に入球した場合に、入球したV入賞口に対応して規定されている大当たり遊技情報のうち、小当たり当選に基づいて設定された大当たり種別選択条件情報に対応した大当たり遊技情報が設定される。
つまり、上記パターン3の構成によれば、特別図柄抽選に基づいて設定される第1情報と、V入賞時に取得される第2情報との両方に基づいて、実行される大当たり種別が決定されるため、遊技者に対して提供される大当たり遊技の種別をより複雑に設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した各パターンのうち、パターン2、及びパターン3は、小当たり遊技を大当たり遊技の一部として実行していないため、例えば、大当たり遊技の実行条件が成立した場合(V入賞口に球が入球した場合)に、実行中の小当たり遊技を強制的に終了させ、大当たり遊技を実行することが可能となる。
上記各実施形態において用いた小当たり遊技と、大当たり遊技との関係性を、上述したパターン1からパターン3のいずれかの定義が成立するように構成しても良い。
<第17実施形態>
次に、図364から図388を参照して、第17実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、多量の賞球を得る(発射した遊技球の個数よりも多くの個数の賞球の払い出しを受ける)機会として、大当たりのみを設ける構成としていた。
これに対して本第17実施形態では、大当たり(第1の特典遊技)に加え、普通図柄の当たりとなったことを契機に、多量の賞球を得ることが可能となる状態(第2の特典遊技)を形成することが可能に構成した。これにより、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のみならず、普通図柄の抽選で当たりとなった場合にも遊技者にとって有利な状態を形成するため、普通図柄の抽選結果により注目して遊技を行う斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第17実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図364を参照して、本第17実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図364は、遊技盤13の盤面構成を示した図である。図364に示した通り、本第17実施形態における遊技盤13では、上述した第1実施形態における遊技盤13(図2参照)の正面視右上側に配置されていた作動入賞口660、および回転部材670aが削除されると共に、遊技盤13における正面視右上側に可変入賞装置6850aが追加されている点で相違している。この可変入賞装置6850は、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に開放され、第1実施形態における左可変入賞装置650と同様に、遊技球が入球する毎に対応する個数(15個)の賞球を払い出す契機となる大入賞口として設けられている。この可変入賞装置6850は、遊技球が入球可能な特定入賞口6850aと、その特定入賞口6850aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)と、特定入賞口6850aへと入球した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(図示せず)と、で少なくとも構成されており、特定入賞口6850aは、通常時において遊技球が入賞できない閉状態(開閉板が閉鎖された状態)になっている。開閉板の閉状態においては、開閉板と遊技盤13とが同一平面上となるように閉鎖されるため、遊技球が開閉板の手前側を通過可能となる。また、開閉板が前面下側に傾倒することで、遊技球が特定入賞口6850aに入賞しやすい開状態を一時的に形成する。なお、可変入賞装置6850を設けたことに伴って、第1実施形態における右可変入賞装置65、および左可変入賞装置650が削除されている。
また、図364に示した通り、本第17実施形態における遊技盤13では、可変入賞装置6850の下流側に、遊技球が入球可能な4つの役物(第1役物6801、第2役物6802、第3役物6803、および第4役物6840)で構成される役物群6800が設けられている。この役物群6800は、普通図柄の当たりとなったことを契機として、各役物が予め定められた順序(上流側の役物から下流側に順番に)で開放(遊技球が入球可能な開状態に可変)されるように構成されている。
第1役物6801は、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に所定期間開放される普通電動役物6801aと、その普通電動役物6801aによって閉鎖され、普通電動役物6801aが開放されている間のみ入球可能に構成され、遊技球が1個入球する毎に15個の賞球が払い出される第1一般入賞口6801bと、で構成されている。普通図柄の抽選で当たりになると、第1役物6801の普通電動役物6801aに対して、普通図柄の当たり種別に応じた開放パターンが設定される。より具体的には、6秒間の開放が1回設定される開放パターンA(1の普通図柄の当たり期間に対する開放期間の割合が比較的高い開放パターン)と、1秒間の開放が4秒おきに6回繰り返される開放パターンB(1の普通図柄の当たり期間に対する開放期間の割合が比較的低い開放パターン)とのどちらかが設定される。開放パターンAでは、開放期間の割合が37.5%となる(オープニング期間5秒間、開放期間6秒間、エンディング期間5秒間のうち、開放期間が6秒間なので開放期間の割合は6/16となる)。一方、開放パターンBでは、開放期間の割合が約17%となる(オープニング期間5秒間、開放期間1秒間×6、閉鎖期間4秒間×5、エンディング期間5秒間のうち、開放期間が6秒間なので開放期間の割合は6/36となる)。なお、詳細については図369、図370を参照して後述するが、本第17実施形態では、当たり期間に対する開放期間となる割合が低い開放パターンBの方が、より多くの特典(賞球)を獲得できる可能性が高くなるように構成している。即ち、一般的な遊技機において不利となり易い、開放期間となる割合が低い開放パターンの方が、遊技者にとって有利になり易いという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図364に示した通り、第1役物6801の直下に配置されている第2役物6802は、遊技球が1個入球する毎に15個の賞球が払い出される(付与される)第2一般入賞口6802bと、その第2一般入賞口6802bを開放および閉鎖することが可能な非電動役物6802aと、で少なくとも構成されている。ここで、図365を参照して、第1役物6801と、第2役物6802との関係性について説明する。
図365(a)に示した通り、第1役物6801と、第2役物6802とは、作動機構6802cによって接続されている。この作動機構6802cは、閉鎖されている非電動役物6802aを開放することが可能に構成されている。より具体的には、図365(b)に示した通り、遊技球が第1役物6801の第1一般入賞口6801bへと入球すると、第1一般入賞口6801bの内部に設けられている作動機構6802cの作動スイッチを遊技球が通過することに連動して、非電動役物6802aが機械的に(即ち、電気的制御を用いずに)開放される。つまり、非電動役物6802aは、所謂第2種非電動役物で構成されている。これにより、普通図柄の当たりとなって普通電動役物6801aが開放されると、第1一般入賞口6801bへと遊技球を多量に(1の当たりで最大10個)入球させることが可能となる上に、第1一般入賞口6801bへの入球に連動して第2一般入賞口6802bが開放されて、その第2一般入賞口6802bへの入球に基づく賞球を獲得することも可能となるため、1の普通図柄の当たりにおいて、より多くの賞球を獲得することができる。よって、普通図柄の当たりに対する遊技者の期待感をより向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、非電動役物6802aは、第2一般入賞口6802bへと1個の遊技球が入球することにより、作動機構6802cによって閉鎖されるように構成されている。
また、図364に示した通り、第2役物6802の直下に配置されている第3役物6803は、遊技球が1個入球する毎に15個の賞球が払い出される(付与される)第3一般入賞口6803bと、その第3一般入賞口6803bを開放および閉鎖することが可能な非電動役物6803aと、で少なくとも構成されている。ここで、図366を参照して、第2役物6802と、第3役物6803との関係性について説明する。
図366(a)に示した通り、第2役物6802と、第3役物6803とは、作動機構6803cによって接続されている。この作動機構6803cは、閉鎖されている非電動役物6803aを開放することが可能に構成されている。より具体的には、図366(b)に示した通り、遊技球が第2役物6802の第2一般入賞口6802bへと入球すると、第2一般入賞口6802bの内部に設けられている作動機構6803cの作動スイッチを遊技球が通過することに連動して、非電動役物6803が機械的に(即ち、電気的制御を用いずに)開放される。つまり、非電動役物6803aは、第2役物6802における非電動役物6802aと同様に、所謂第2種非電動役物で構成されている。これにより、非電動役物6802aが開放されている状態においては、遊技球を第2一般入賞口6802bへと入球させることにより、15個の賞球を得ることが可能となる上に、非電動役物6803aが開放されて、第3一般入賞口6803bへと遊技球を入球させる機会も得ることができる。即ち、第2一般入賞口6802bへと遊技球が入球することにより、非電動役物6802aが閉鎖される代わりに、非電動役物6803aが開放される。なお、非電動役物6803aは、第2役物6802の非電動役物6802aと同様に、第3一般入賞口6803bへと1個の遊技球が入球したことを契機として、作動機構6803cによって閉鎖される。
また、図364に示した通り、第3役物6803の直下に配置されている第4役物6804は、遊技球が1個入球する毎に15個の賞球が払い出される(付与される)と共に、特別図柄の抽選の契機にもなる第4特別入球口6840bと、その第4特別入球口6840bを開放および閉鎖することが可能な非電動役物6804aと、で少なくとも構成されている。なお、非電動役物6804aは、非電動役物6803aと同様に、1個上流側の役物の入賞口(第3役物6803の第3一般入賞口6803b)へと遊技球が入球したことに連動して、作動機構6840cによって機械的に開放される。そして、非電動役物6804aは、第4特別入球口6840bへと2個以上の遊技球が入球したことに基づいて、作動機構6840cによって機械的に閉鎖される。
このように、本第17実施形態では、普通図柄の当たりとなった場合に、右打ちにより役物群6800を狙って遊技球を発射し続けていることを条件として、第1役物6801の第1一般入賞口6801bへと遊技球が入球可能な状態(第1有利状態)と、第2一般入賞口6802bへと遊技球が入球可能な状態(第2有利状態)と、第3一般入賞口6803bへと遊技球が入球可能な状態(第3有利状態)と、第4特別入球口6840bへと遊技球が入球可能な状態(第4有利状態)と、が順番に(連動して)成立するように構成されている。更に、第4特別入球口6840bへの入球(始動入賞)に基づく特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、特定入賞口6850aが開放される有利な状態に移行する構成となっている。このように、普通図柄の当たりを契機として、大当たりとは異なる複数の有利状態が順番に成立する斬新な遊技性を実現することにより、大当たりにならなくても、通常遊技を楽しませることができる。更に、大当たりとなった場合には、遊技者の興趣をより向上させることができる。なお、以降は、説明の便宜上、普通図柄の当たりが開始されてから、役物群6800を構成する全ての役物が閉鎖されるまでの間の状態のことを総称して、「ボーナス状態」と呼ぶことにする。
また、図364に示した通り、遊技盤13の中央下部(可変表示装置ユニット80の正面視下方)には、第1実施形態における第1入球口64が削除され、代わりにスルーゲート67が配置されている。つまり、本第17実施形態では、特別図柄の抽選の契機となる入球口が、第4役物6840の第4特別入球口6840bのみとなっている。つまり、普通図柄の抽選により当たりとならなければ、特別図柄の抽選を実行させることが不可能(困難)となるように構成されている。このため、通常時(ボーナス状態でも、大当たり状態でもない状態)においては、左打ちによりスルーゲート67を狙って遊技球を発射する遊技性となる。つまり、第1実施形態におけるパチンコ機10の、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させて、特別図柄の抽選で大当たりとなることを目指す遊技性(即ち、一般的なパチンコ機における通常時の遊技性)とほぼ同等の遊技性を実現することができる。よって、本第17実施形態におけるパチンコ機10の遊技に慣れていない遊技者であっても、違和感なく通常時における遊技を楽しむことができる。なお、これに伴って、本第17実施形態では、第3図柄表示装置81において、普通図柄の抽選結果を示すための図柄(普通図柄)の変動表示を、第1実施形態における第3図柄の変動表示と同様の表示態様で実行する構成としている。これにより、本第17実施形態におけるパチンコ機10の遊技に慣れていない遊技者にとって、より理解し易い遊技性を提供することができる。
更に、通常時に普通図柄の抽選で普通図柄の当たりに当選した場合には、複数の有利状態が連動して(予め定められた順序で)成立するという極めて特殊、且つ、斬新なボーナス状態に移行する構成としているので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、ボーナス状態において第4役物6840の第4特別入球口6840bへと遊技球が入球することにより、特別図柄の抽選が実行されるので、当該抽選で大当たりになることにより、ボーナス状態に加えて、大当たり状態も獲得することができる。よって、ボーナス状態における興趣をより向上させることができる。
次に、図367、および図368を参照して、本第17実施形態におけるボーナス状態の前後において第3図柄表示装置81において実行される各種表示演出について説明する。まず、図367(a)を参照して、普通図柄の当たりのオープニング期間における表示態様について説明する。普通図柄の変動表示において同一の数字を付した主図柄が揃う演出が実行されて普通図柄の当たり(ボーナス状態への移行)が報知され、普通図柄の当たりにおけるオープニング期間が開始されると、第3図柄表示装置81における中央上部に形成される表示領域HR1に対して、「ボーナス確定!」という文字が表示される。また、第3図柄表示装置81における中央下部に形成される表示領域HR2に対して、「右打ちで役物1~役物4を順番に狙え!!」という文字が表示されると共に、正面視右側に形成される表示領域HR31に対して、役物群6800を模した画像と、第1役物6801に向けた矢印を模した画像とが表示される。更に、第3図柄表示装置81における左上側に対して、「右打ち」という文字が表示された表示領域HR32が形成される。これらの表示内容により、ボーナス状態の間は、右打ち遊技を行って役物群6800を狙えば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図367(b)は、ボーナス状態において第4役物6840の非電動役物6840aが開放された場合における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図367(b)に示した通り、ボーナス状態において第3一般入賞口6803bへと遊技球が入球し、作動機構6840cの作動によって非電動役物6840aが開放されると、第4特別入球口6840bへの入球に基づいて実行される2回分の特別図柄の抽選結果を示すための演出(扉突破チャンス演出)が開始される。
より具体的には、図367(b)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面における上方に形成された表示領域HR1に対して、「扉突破チャンス開始!!役物4を狙って鍵を2つ選べ!!」という文字が表示される。また、表示領域HR1の下方に、鍵付きの扉を模した扉852が表示されると共に、その下方に、松明と剣を持った冒険者を模したキャラクタ851が表示される。更に、キャラクタ851の右方には、複数(例えば、3種類)の態様の鍵が変動表示される2つの表示領域HR34a,HR34bが形成される。これらの表示領域HR34a,HR34bに対して最終的に停止表示された態様の鍵が、今回の扉突破チャンス演出において扉852に対して用いる鍵として決定される。これらの表示内容により、遊技者に対して第4役物6840を狙って遊技球を発射すればよいこと、および扉突破チャンス演出において扉852を突破することで遊技者にとって有利になることを容易に理解させることができる。
図368(a)は、扉突破チャンス演出の実行中に、第4特別入球口6840bへの入球(始動入賞)を検出した場合における表示態様の一例を示した図である。図368(b)に示した通り、非電動役物6840aの開放中に始動入賞を検出すると、始動入賞に基づく特別図柄の抽選結果に応じて鍵の態様が選択されて、その選択された態様の鍵が表示領域HR34a、HR34bに対して表示される。図368(a)の例では、扉突破チャンス演出が開始されてから1回目の始動入賞を検出して、1個目の鍵が表示領域HR34aに対して表示された場合を図示している。なお、鍵の態様としては、図368(a)に示した態様(大当たり期待度が中程度の態様)に加え、錆びてボロボロの見た目の態様(大当たり期待度が低い態様)や、宝石等によって装飾が施された豪華な態様(大当たり期待度が高い態様)等が設けられている。扉突破チャンス演出の開始後、2回目の始動入賞を検出する(即ち、非電動役物6840aの閉鎖条件が成立する)と、抽選結果に応じて2つめの鍵が表示領域HR34bに表示されると共に、扉852を突破するか否かの結果を報知する演出が実行される。なお、本第17実施形態では、特別図柄の抽選が外れの場合には、極めて短時間(0.2秒間)で変動表示が終了する一方で、当たりとなった場合には5秒間で変動表示が終了するように構成している。このため、1回目の始動入賞が外れで、2回目の始動入賞が当たりとなった場合も、1回目の始動入賞が当たりとなった場合も、ほぼ、タイムラグ無く大当たりを開始させることができる。言い換えれば、扉突破チャンス演出の演出態様として、演出時間のパターンを最低限にすることができるので、表示制御装置114のキャラクタROM234等の記憶容量を削減することができる。
図368(b)は、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に実行される、扉852を突破する演出の一例を示した図である。図368(b)に示した通り、第4特別入球口6840bへの始動入賞に基づく抽選で大当たりに当選した場合は、選択した2つの鍵のどちらかによって扉852を突破する態様の演出が実行される。また、表示領域HR1に対して、「突破!!エクストラボーナスGET!!」という文字が表示される。これにより、大当たりになったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、2回の特別図柄の抽選が共に外れだった場合には、2つの鍵のどちらも扉852の鍵穴に合わずに扉852を突破することができない演出が実行される。これにより、大当たりに当選しなかったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図369、および図370を参照して、普通電動役物6801aの開放パターン毎の、各役物の開閉動作の経時変化について説明する。まず、図369を参照して、普通電動役物6801aが開放パターンA(6秒間の開放が1回設定される開放パターン)で開放された場合における各役物の開閉動作の経時変化の一例について説明する。
図369に示した通り、普通図柄の抽選で開放パターンAに対応する当たりに当選すると、まず、普通図柄のオープニング期間(5秒間)が設定され、そのオープニング期間が経過すると、普通電動役物6801aが開放される。この開放状態は、6秒間が経過するか、第1一般入賞口6801bへと10個以上の遊技球が入球するまでの間維持される。なお、本第17実施形態における遊技球の発射間隔は、最短で0.6秒間隔に設定されているので、最短の発射間隔で遊技球を発射し、且つ、発射された遊技球の全てが第1一般入賞口6801bへと入賞しない限り、先に6秒が経過して普通電動役物6801aが閉鎖される。即ち、ほとんどの場合、開放パターンAが設定された普通電動役物6801aは、開放から6秒経過後(普通図柄の当たりが開始されてから11秒経過時)に閉鎖される。閉鎖後は、5秒間のエンディング期間が設定されて、その後、普通図柄の当たり状態が終了する。
また、図369に示した通り、第2役物6802の非電動役物6802aは、普通図柄の当たり開始後、第1一般入賞口6801bに対する最初の遊技球の入球に連動して開放され、遊技球が第2一般入賞口6802bへと入球することで閉鎖される。なお、上流側の普通電動役物6801aも開放されているため、第2一般入球口6802bへと到達する遊技球は、右打ちにより発射された遊技球の1/3~1/4程度である。よって、非電動役物6802aが閉鎖されるまでの期間は、普通電動役物6801aが閉鎖されている場合に比較して長くなる(2秒前後となる)。よって、非電動役物6802aが閉鎖されてから、再度、第1一般入賞口6801bへと入球して非電動役物6802aが開放されるまでの期間(0.6秒前後)も加味すると、6秒間の普通電動役物6801aの開放期間の間に、非電動役物6802aが3回程度開放される。
また、図369に示した通り、第3役物6803の非電動役物6803aは、普通図柄の当たり開始後(即ち、ボーナス状態の開始後)、第2一般入球口6802bに対する最初の遊技球の入球に連動して開放され、遊技球が第3一般入球口6803bへと入球することで閉鎖される。第2一般入球口6803bに対しては、第1一般入賞口6801bや第2一般入賞口6802bへの入球を回避しなければ入球することができないため、開放パターンAが設定されるボーナス状態においては、非電動役物6803aが2回程度開放する。
更に、図369に示した通り、第4役物6840の非電動役物6840aは、普通図柄の当たり開始後、第3一般入球口6803bに対する最初の遊技球の入球に連動して開放され、第4特別入球口6840bへと遊技球が2個入第1一般入賞口6801bや第2一般入賞口6802b、第3一般入球口6803bへの入球を回避しなければ入球することができないため、第4役物6840以外の全ての役物が閉鎖された後でなければ遊技球が入球することはない。よって、開放パターンAが設定されるボーナス状態においては、ほぼ、特別図柄の抽選回数が2回以下となる。図369の例では、2回の特別図柄の抽選がどちらも外れで、0.1秒間の短変動が2回実行されてボーナス状態が終了した場合を例示している。
なお、本第17実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率を1/4に設定している。このため、開放パターンAが設定される普通図柄の当たり(ボーナス状態)となり、特別図柄の抽選が2回のみ実行される実行される場合であっても、約44%の割合で大当たりに当選する。よって、ボーナス状態の終了までに実行される特別図柄の抽選回数が比較的少ない開放パターンAが設定された場合であっても、遊技者に対して大当たりとなることを強く期待させることができるので、普通図柄の当たりが報知された(同一の数字が付された普通図柄が停止表示された)場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図370を参照して、普通電動役物6801aが開放パターンB(1秒間の開放が4秒おきに6回設定される開放パターン)で開放された場合における各役物の開閉動作の経時変化の一例について説明する。
図369に示した通り、普通図柄の抽選で開放パターンBに対応する当たりに当選すると、開放パターンAと同様に普通図柄のオープニング期間(5秒間)が設定され、そのオープニング期間が経過すると、普通電動役物6801aが1秒間開放される。1秒間の開放期間が経過すると、4秒間の閉鎖期間が設定され、その閉鎖期間の終了後に再度、1秒間の開放期間が設定される。そして、以降も、4秒間の閉鎖期間と、1秒間の開放期間とが繰り返され、6回目の開放が終了した時点で、普通図柄の当たりにおけるエンディング期間が開始される。なお、6回分の開放が終了するよりも前に10個以上の遊技球が第1一般入賞口6801bへと入賞したことを検出した場合には、その時点で普通図柄の当たりが終了されて、エンディング期間が設定される。しかしながら、上述した通り、遊技球の発射間隔は最短で0.6秒間隔であるため、各開放期間において第1一般入賞口6801bへと入球する遊技球の個数はほぼ1個である。よって、多くの場合、6回の開放が終了してからエンディング期間が設定される。
また、図370に示した通り、第2役物6802の非電動役物6802aは、ほぼ、第1一般入賞口6801bへの入球を検出する毎に開放され、普通電動役物6801aの閉鎖後、比較的短い期間で(最短の発射間隔である0.6秒以内に)第2一般入賞口6802bへと遊技球が入球して閉鎖される。また、図370に示した通り、第3役物6803の非電動役物6803aは、ほぼ、第2一般入賞口6802bへの入球を検出する毎に開放される。開放パターンBが設定されるボーナス状態においては、非電動役物6803aが開放された時点において、ほぼ、普通電動役物6801aも、非電動役物6802aも閉鎖された状態となっている(即ち、第3役物6803よりも上流側の役物が全て閉鎖されている)ので、比較的短い期間で第3一般入賞口6803bへと遊技球を入球させて非電動役物6803aを閉鎖させると共に非電動役物6840aを開放させることができる。
更に、図370に示した通り、第4役物の非電動役物6840aは、第3一般入賞口6803bへと遊技球が入球したことに基づいて開放される。非電動役物6840aが開放された時点では、ほぼ、他の役物が全て閉鎖された状態となるため、右打ちされた遊技球は何ら遮られずに第4特別入球口6840bへと入球する。よって、ほぼ、次の普通電動役物6801aの開放期間よりも前に、第2~第4役物の開閉および2回分の特図抽選を終了させることができる。つまり、開放パターンBが設定されると、1の普通電動役物6801bの開放期間が設定される毎に、第2一般入賞口6802b~第4特別入球口6840bへの遊技球の入球を完了させることができ、2回分の特別図柄の抽選を実行させることができる。よって、開放パターンBでは、普通電動役物6801aが6回開放されるので、第2役物、第3役物、および第4役物の開放を6回ずつ実行させて、最大で12回分(2回×6)の特別図柄の抽選を実行させることができる。
ここで、上述した通り、本第17実施形態において特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/4であるため、開放パターンBが設定されるボーナス状態の間に大当たりとなる(12回以内の特別図柄の抽選で大当たりになる)割合は、約97%である。つまり、開放パターンBが設定された場合には、ほぼ、ボーナス状態中に大当たりに当選するので、開放パターンBであるということを遊技者が認識できた時点で、遊技者を喜ばせることができる。よって、ボーナス状態となった(普通図柄の当たりが報知された)場合に、ボーナス状態中に設定される開放パターンの種別に注目して遊技を行わせることができる。
このように、本第17実施形態では、1回の開放期間が長い(6秒間の)開放パターンAよりも、1回の開放期間が短く、閉鎖期間が長い開放パターンBの方が、各役物に対する入球の機会が多くなる上に、特別図柄の抽選回数も多くなるように構成されている。つまり、開放パターンAよりも、開放パターンBの方が有利となるように構成されている。ここで、一般的には、当たり期間に対する開放期間の割合が低い当たりよりも、開放期間の割合が高い当たりの方が有利となるのが通常である。これに対して本第17実施形態では、一般的な動作とは逆に、当たり期間に対する開放期間の割合が低い開放パターンBの方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図371を参照して、第4役物6840の非電動役物6840aが開放された後における演出態様の経時変化について説明する。図371(a)は、非電動役物6840aが開放されている間に第4特別入球口6840bへと入球した2個の遊技球に基づく2回の特別図柄の抽選がいずれも外れた場合における演出態様の経時変化を示した図である。図371(a)に示した通り、非電動役物6840aが開放されると、鍵選択演出(図367(b)、図368(a)参照)が開始され、始動入賞が発生する毎に、鍵を選択する0.2秒間の演出が実行される。そして、2回目の鍵を選択する演出が終了すると、4.8秒間の扉突破演出(扉852を突破するか否かを報知する演出)が実行される。そして、2回とも外れの抽選結果であった場合には、扉突破に失敗する演出結果となって演出が終了される。なお、外れの場合の特別図柄の変動時間は0.1秒となるため、外れ変動が終了した後で扉突破の可否(大当たりか否か)が報知される。
なお、本第17実施形態においては、通常状態(非時短状態)において特別図柄の抽選が実行され難く構成する代わりに、大当たり確率を一般的なパチンコ機よりも高く(1/4の確率に)構成している。このため、保留記憶機能を設けると、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまう虞がある。具体的には、例えば、非電動役物6840aが開放されている間に検出された始動入賞がいずれも大当たりである場合に、大当たりに連続当選する可能性が高くなる。よって、本第17実施形態では、保留記憶機能を有しない構成とし、1のボーナス状態における大当たりの当選回数を、最大1回のみに限る構成とした。これにより、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制できるので、ホールに不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。保留記憶機能を削除したことに伴って、本第17実施形態では、外れ変動の変動時間を0.1秒間に固定化している。これにより、非電動役物6840aが開放された後、2個の遊技球が連続して第4特別入球口6840bへと入球したとしても、1個目の特別図柄の抽選が外れの場合には、当該外れ変動を2個目の遊技球の入球の検出よりも前に終了させることができる。よって、保留記憶機能無しに、2個目の遊技球の入球に対する特別図柄の抽選を確実に実行させることができるので、遊技者にとって不利益となってしまうことを抑制することができる。
次に、図371(b)を参照して、非電動役物6840aが開放されている間に第4特別入球口6840bへと入球した2個の遊技球に基づく2回の特別図柄の抽選のうち、1回目が外れとなる一方で2回目が当たりとなる場合について説明する。図371(b)に示した通り、非電動役物6840aが開放されると、鍵選択演出(図367(b)、図368(a)参照)が開始され、始動入賞が発生する毎に、鍵を選択する0.2秒間の演出が実行される。そして、2回目の鍵を選択する演出が終了すると、4.8秒間の扉突破演出(扉852を突破するか否かを報知する演出)が実行され、大当たりを示す、扉突破に成功する演出が実行される。大当たりの変動時間は5秒間に固定化されているので、鍵を選択する演出(0.2秒間)と、扉852の突破に成功する演出(4.8秒間)との合計5秒間の演出期間が終了すると、丁度、大当たりのオープニング期間となる。よって、演出態様を好適に設定することができる。
なお、本第17実施形態では、特別図柄の保留記憶機能を有しない構成としていたが、保留記憶機能を導入してもよい。保留記憶機能を導入することにより、複数の大当たり遊技が連続して実行され得るように構成できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第17実施形態における電気的構成>
次に、図372、および図373を参照して、本第17実施形態における主制御装置110のROM202の構成について説明する。図372(a)は、本第17実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図372(a)に示した通り、本第17実施形態におけるROM202の構成は、第1実施形態におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、普通図柄の変動パターン(変動時間)を選択するために参照される普図変動パターン選択テーブル202qaと、普通図柄の当たりとなった場合に当たり種別を選択するために参照される第2当たり種別選択テーブル202qbと、が追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dの規定内容が一部変更となっている点で相違している。
なお、普図変動パターン選択テーブル202qaについては、第1実施形態における特別図柄の変動時間と同様の変動時間を選択するためのデータが規定されており、通常状態において第1実施形態における変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)を参照して選択される変動時間と同様の変動時間が選択されるように構成されている。即ち、普通図柄の抽選が実行されて当たりとなった場合には、30秒、60秒、または90秒の変動時間が選択される一方で、外れとなった場合には7秒~90秒の変動時間が選択されるように構成している。これにより、普通図柄の変動表示の実行中において、第1実施形態における特別図柄の変動表示の実行中と同様の演出を実行することができる。よって、本第17実施形態におけるパチンコ機10での遊技に慣れていない遊技者であっても、違和感なく遊技を行うことができる。
まず、図372(b)を参照して、本第17実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。この第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図372(b)に示した通り、本第17実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で(図372(b)の202a1参照)、特別図柄の外れと判定される乱数値(カウンタ値)として、「100~399」の300個の乱数値(カウンタ値)が規定されている(図372(b)の202a2参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が100個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、1/4(100/400)の確率で大当たりに当選する。なお、本第17実施形態では、確変機能を搭載していないため、特別図柄の抽選が実行されると、常に同一の確率(1/4の確率)で大当たりに当選する。
次に、図372(c)を参照して、本第17実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図372(c)に示した通り、本第17実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、3種類の大当たり種別(大当たりA20,B20,C20)に対して、それぞれ第1当たり種別選択カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図372(c)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA20」が対応付けて規定されている(図372(c)の202b1参照)。この「大当たりA20」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後、特別図柄の抽選が1回実行されるまでの間普通図柄の時短状態に設定される(時短回数が1回に設定される)大当たり種別(8ラウンド時短大当たり)である。なお、本第17実施形態における時短状態では、普通図柄の当たり確率が100%になるため、スルーゲート67を1回通過させるだけで、容易にボーナス状態(役物群6800が連動して作動する状態)に移行させることができる。ボーナス状態においては、最低でも第4特別入球口6840bへと2個の遊技球を入球させることができるので、約44%の割合(開放パターンAが設定された場合)、または約97%の割合(開放パターンBが設定された場合)で、ボーナス状態中に大当たりに再度当選する。つまり、大当たり終了後に時短状態が付与されると、1個の遊技球をスルーゲート67に通過させるだけで、容易にボーナス状態へと移行させて各役物への入賞に対する賞球を獲得することが可能となる上に、大当たり抽選を実行させることが可能となる極めて有利な状態を形成する。よって、時短状態が付与された場合に、遊技者の興趣をより向上させることができる。
第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA20」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~4」の5個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA20」が選択される割合(確率)は5%(5/100)である。この「大当たりA20」は、ラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定されるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、図372(c)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「5~69」の範囲に対して、「大当たりB20」が対応付けて規定されている(図372(c)の202b2参照)。この「大当たりB20」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後、特別図柄の抽選が1回実行されるまでの間普通図柄の時短状態に設定される(時短回数が1回に設定される)大当たり種別(4ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB20」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「5~69」の65個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB20」が選択される割合(確率)は65%(65/100)である。この「大当たりB20」は、「大当たりA20」よりもラウンド数が少ないが、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定されるため、遊技者にとって比較的有利な大当たり種別である。
また、図372(c)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対して、「大当たりC20」が対応付けて規定されている(図372(c)の202b3参照)。この「大当たりC20」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC20」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「10~99」の30個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC20」が選択される割合(確率)は30%(30/100)である。この「大当たりC20」は、ラウンド数が少ない上に、大当たり終了後の遊技状態も不利となるため、遊技者にとって最も不利な大当たり種別である。
次に、図373(a)を参照して、本第17実施形態における第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)と同様に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図373(a)に示した通り、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5」が規定されている(図373(b)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~239」が規定されている(図373(b)の202c2参照)。よって、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりとなる(ボーナス状態に移行する)確率は1/240であり、普通図柄の時短状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/1(240/240)である。このため、普通図柄の通常状態においては、左打ち遊技を行ってスルーゲート67を遊技球が通過したとしても、低確率(1/240)でしかボーナス状態へと移行しないため、遊技者にとって不利となる。一方、普通図柄の時短状態においては、左打ち遊技を行ってスルーゲート67を1の遊技球が通過することにより、ボーナス状態へと移行する有利な状態を形成するので、時短状態となった場合に、遊技者を喜ばせることができる。
次に、図373(b)を参照して、本第17実施形態における変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この第17実施形態における変動パターン選択テーブル202dは、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動時間を決定するために参照されるデータテーブルである。図373(b)に示した通り、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動種別として、変動時間が5秒間の当たりミドル変動が選択される(図373(b)の202d1参照)。これに対して、特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタC1の値によらず、変動種別として、変動時間が0.1秒間の外れショート変動が選択される(図373(b)の202d2参照)。
このように、本第17実施形態においては、外れ変動の変動時間を0.1秒間に固定化している。よって、非電動役物6840aが開放された後、2個の遊技球が連続して第4特別入球口6840bへと入球したとしても、1個目の特別図柄の抽選が外れの場合には、当該外れ変動を2個目の遊技球の入球の検出よりも前に終了させることができる。従って、保留記憶機能無しに、2個目の遊技球の入球に対する特別図柄の抽選を確実に実行させることができるので、遊技者にとって不利益となってしまうことを抑制することができる。
次に、図373(c)を参照して、本第17実施形態における第2当たり種別選択テーブル202qdの詳細について説明する。この第2当たり種別選択テーブル202qdは、普通図柄の当たりとなった場合に、普通図柄の当たり種別(普通電動役物6801aに対して設定される開放パターン)を選択するために参照されるデータテーブルである。図373(c)に示した通り、普通図柄の当たり種別毎に、第2当たり種別カウンタC6の値の範囲が対応付けて規定されている。具体的には、第2当たり種別カウンタC6の値が「0~74」の範囲に対して、開放パターンA(図369参照)が設定される普図当たりAが対応付けて規定されている(図373(c)の202qb1参照)。第2当たり種別カウンタC6の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりAに対応付けられているカウンタ値の個数が75個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に開放パターンAが設定されるボーナス状態に移行する割合(確率)は75%(75/100)である。
また、図373(c)に示した通り、第2当たり種別カウンタC6の値が「75~99」の範囲に対して、開放パターンC(図370参照)が設定される普図当たりBが対応付けて規定されている(図373(c)の202qb2)。第2当たり種別カウンタC6の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりBに対応付けられているカウンタ値の個数が25個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に開放パターンBが設定されるボーナス状態に移行する割合(確率)は25%(25/100)である。
上述した通り、開放パターンBは、開放パターンAよりも、1のボーナス状態において獲得できるトータルの賞球数、および実行される特別図柄の抽選回数が多くなり易いので、遊技者に対して、選択される普図当たり種別(開放パターン種別)に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図374を参照して、本第17実施形態におけるRAM203の構成について説明する。図374は、本第17実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図374に示した通り、本第17実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203h、入球待機フラグ203j、大当たり開始フラグ203kが削除されている点で相違している。これらの変更は、特別図柄の種別を1種類にすると共に、保留機能、確変機能、大当たり待機状態等を全て廃止したことに伴うものである。
次に、上述した主制御装置110のROM202やRAM203に設定されたデータやフラグ等に基づいて実現される、本第17実施形態におけるパチンコ機10の状態の推移(遊技の流れ)について説明する。図375に示した通り、本第17実施形態におけるパチンコ機10では、主として3つの状態が設定されている。即ち、遊技者にとって最も不利な通常状態(普通図柄の通常状態)と、遊技者にとって有利なボーナス状態と、通常状態よりもボーナス状態に移行し易い時短状態と、の3種類の状態間を推移する。
まず、図375の上方に示した通常状態について説明する。図375に示した通り、通常状態においては、普通図柄の抽選で当たりとなった場合にのみ、他の状態へと移行する可能性がある。即ち、左打ち遊技によりスルーゲート67へと入球したことに基づいて実行される普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、ボーナス状態へと移行する。なお、上述した通り、普通図柄の当たり確率は1/240である。
また、図375の中央部分に示した通り、ボーナス状態においては、大当たり状態となった場合、および大当たりに当選せずにボーナス状態が終了した場合に他の状態へと移行する可能性がある。即ち、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に70%の割合で決定される大当たりA20,B20のいずれかとなった場合は、大当たり終了後の状態が時短状態に設定される。一方で、大当たりとなった場合に30%の割合で決定される大当たりC20となった場合は、大当たり終了後の状態が通常状態に設定される。更に、通常状態においてボーナス状態となって、特別図柄の抽選で大当たりにならずにボーナス状態が終了した場合は、通常状態へと移行する。つまり、ボーナス状態の間に実行される2回、または12回の特別図柄の抽選が全て外れとなった場合に通常状態へと移行する。また、時短状態においてボーナス状態となって、時短状態のままボーナス状態が終了した(即ち、普通図柄の当たり状態の間に遊技者が遊技球を第1一般入賞口6801bへと入球させなかった)場合には、ボーナス状態が終了した後、時短状態に移行する。なお、この事象は、遊技者が右打ちを行わないという変則的な遊技方法を行った場合にのみ生じる特殊な状態移行である。
また、図375の下部に示した通り、時短状態においては、普通図柄の当たりとなった場合に他の状態へと移行する。より具体的には、左打ち遊技によりスルーゲート67へと入球したことに基づいて実行される普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、ボーナス状態へと移行する。なお、上述した通り、普通図柄の当たり確率は1/1であるためスルーゲート67へと1個の遊技球を通過させるだけで、容易にボーナス状態へと移行させることができる。
このように、本第17実施形態では、大当たりとは異なる有利状態であるボーナス状態へと移行する確率が異なる複数の遊技状態を設ける構成としている。これにより、遊技が単調となってしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図376を参照して、本第17実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図376は、本第17実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図376に示した通り、本第17実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、役物状態格納エリア223qaと、ボーナス中フラグ223qbと、ボーナス終了待機フラグ223qcと、終了演出中フラグ223qdと、が追加されている点で少なくとも相違している。
役物状態格納エリア223qaは、役物群6800を構成する第1役物6801~第4役物6840の状態を示すデータが格納される記憶領域であり、例えば、1バイトの記憶領域が割り当てられている。より具体的には、下位1ビット目に対して第1役物6801の状態(普通電動役物6801aが開放されているか閉鎖されているか)を示すデータが格納され、下位2ビット目に対して第2役物6802の状態(非電動役物6802aが開放されているか閉鎖されているか)を示すデータが格納され、下位3ビット目に対して第3役物6803の状態(非電動役物6803aが開放されているか閉鎖されているか)を示すデータが格納され、下位4ビット目に対して第4役物6840の状態(非電動役物6840aが開放されているか閉鎖されているか)を示すデータが格納される。各ビットに1(Hデータ)が格納されている場合は、対応する役物が開放状態に可変していることを示し、0(Lデータ)が格納されている場合は、対応する役物が閉鎖状態に可変していることを示す。この役物状態格納エリア223qは、各役物が開放または閉鎖される毎に、主制御装置110から出力される役物動作コマンドが示す役物種別に対応するビットが、役物動作コマンドにより通知された状態を示すデータに更新される(図384のS4271参照)。
ボーナス中フラグ223qbは、ボーナス状態中であるか否かを示すためのフラグであり、オンであればボーナス状態中であることを意味する一方で、オフであればボーナス状態ではないことを意味する。このボーナス状態中フラグ223qbは、主制御装置110より普通図柄の当たりが開始されたことを示す普図オープニングコマンドを受信した場合にオンに設定され(図385のS44026参照)、ボーナス状態が終了した場合にオフに設定される(図381のS4238、図385のS44023、図386のS44205参照)。なお、ボーナス状態は、ボーナス状態が開始された後、全ての役物および特定入賞口65aが閉鎖された状態となり、且つ、扉突破チャンス演出(図367(b)、図368参照)が終了した状態となっている場合に終了される。
ボーナス終了待機フラグ223qcは、ボーナス状態の終了条件が成立していない状態で、先に普通図柄の当たり期間が終了したことを示すフラグであり、普通図柄の当たりが終了した時点でボーナス状態の終了条件が成立していないと判別された場合にオンに設定される(図386のS44206参照)。また、ボーナスの終了条件が成立し、ボーナス終了演出の開始を設定した場合にオフに設定される(図381のS4238、図385のS44023、図386のS44205参照)。
終了演出中フラグ223qdは、ボーナス状態が終了したことを示す終了演出の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば終了演出の実行中であることを示す一方で、オフであれば終了演出の実行中ではないことを示す。この終了演出中フラグ223qdは、ボーナス状態が終了してボーナス終了演出の実行を設定した場合にオンに設定され(図381のS4238、図385のS44023、図386のS44205参照)、ボーナス終了演出の終了時にオフに設定される(図381のS4233参照)。
<第17実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図377から図379を参照して、本第17実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図377を参照して、本第17実施形態における特別図柄変動処理20(S151)について説明する。この特別図柄変動処理20(S151)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22,S104参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第17実施形態における特別図柄変動処理20(S151)のうち、S202,S214~S218,S220~S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22,S104参照)のS202,S214~S218,S221~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17実施形態における特別図柄変動処理20(S151)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中の何れかであるかを判別し(S281)、特別図柄の大当たり中であれば(S281:Yes)、特別図柄の変動を実行不可能な状態であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S281の処理において、特別図柄の大当たり中ではないと判別した場合は(S281:No)、処理をS202へと移行する。
また、本第17実施形態における特別図柄変動処理20(図377参照)では、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合に(S218:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定し(S282)、大当たりの開始を設定して(S283)、S223の処理へと移行する。
また、本第17実施形態における特別図柄変動処理20(図377参照)では、保留記憶機能を有さない構成としていると共に、特別図柄の種別を1種類のみで構成しているため、これらに対応するS203~S213の各処理が削除されている。
次に、図378を参照して、本第17実施形態における始動入賞処理20(S152)について説明する。この始動入賞処理20(S152)は、第1実施形態における始動入賞処理(図24,S105参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)と同様に、始動入賞口への入賞に応じて各種カウンタ値を取得するための処理である。
この第17実施形態における始動入賞処理20(S152)のうち、S401の処理では、第1実施形態における始動入賞処理(図24,S105参照)のS401の処理と同一の処理が実行される。また、本第17実施形態における始動入賞処理20(S152)では、S401の処理において、遊技球が第1入球口(第4特別入球口)6840へと入賞(始動入賞)したと判別した場合に(S401:Yes)、次いで、大当たり中、または特別図柄の変動表示の実行中のいずれかであるか否かを判別し(S421)、大当たり中でも変動表示の実行中でもないと判別した場合は(S421:No)、次いで、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の実行エリア203cに格納して(S422)、処理をS423へと移行する。これに対し、S421の処理において、大当たり中であるか、または特別図柄の変動表示の実行中であると判別した場合は(S421:Yes)、特別図柄の変動表示を開始させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
S423の処理では、実行エリア203cのデータと、第1当たり乱数テーブル202aとを参照して抽選結果を取得し(S423)、次に、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S424)。取得した抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S424:Yes)、大当たり時の表示態様を設定し(S425)、大当たり変動パターンを設定して(S426)、S427の処理へ移行する。一方、S424の処理において、取得した抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(S424:No)、外れ時の表示態様を設定し(S427)、外れ変動パターンを設定し(S428)、S429の処理へ移行する。
S429の処理では、変動パターンコマンドを設定し(S429)、今回の変動時間に対応する値を変動時間カウンタに設定し(S430)、停止種別コマンドを設定して(S431)、本処理を終了する。このように、本第17実施形態では、保留記憶機能が搭載されていないため、本始動入賞処理20(図378参照)において、始動入賞を検出した時点で特別図柄の抽選を実行する構成としている。
次に、図379を参照して、本第17実施形態における普通図柄変動処理20(S153)について説明する。この普通図柄変動処理20(S153)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図26,S106参照)に代えて実行される処理である。
この第17実施形態における普通図柄変動処理20(S153)のうち、S601~S613,S617~S619,S623の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図26,S106参照)のS601~S613,S617~S619,S623の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第17実施形態における普通図柄変動処理20(S153)では、S612およびS613のいずれかの処理を実行した後で、普図変動パターン選択テーブル202qaに基づいて変動種別を選択し(S631)、選択した普図変動パターンを示す普図変動パターンコマンドを設定して(S632)、本処理を終了する。また、S619の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合は(S619:Yes)、普図当たり種別に応じた第1電動役物6801aの開放パターンを設定し(S633)、S623の処理へ移行する。より具体的には、今回の普図当たりが普図当たりAであれば、開放パターンA(図369参照)で普通電動役物6801aが開閉されるように設定する一方で、今回の普図当たりが普図当たりBであれば、開放パターンB(図370参照)で普通電動役物6801aが開閉されるように設定する。
なお、上述した通り、本第17実施形態では、1回の開放期間が長い(6秒間の)開放パターンAよりも、1回の開放期間が短く、閉鎖期間が長い開放パターンBの方が、各役物(第1役物6801~第4役物6840)に対する入球の機会が多くなる上に、特別図柄の抽選回数も多くなるように構成されている。つまり、開放パターンAよりも、開放パターンBの方が有利となるように構成されている。ここで、一般的には、当たり期間に対する開放期間の割合が低い当たりよりも、開放期間の割合が高い当たりの方が有利となるのが通常である。これに対して本第17実施形態では、一般的な動作とは逆に、当たり期間に対する開放期間の割合が低い開放パターンBの方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第17実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図380から図388を参照して、本第17実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理について説明する。まず、図380を参照して、本第17実施形態におけるメイン処理20について説明する。このメイン処理20は、第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)に対して、演出更新処理(S4111)に替えて演出更新処理20(S41111)を実行する点と、コマンド判定処理(S4112)に替えてコマンド判定処理20(S41112)を実行する点と、変動表示設定処理(S4113)に替えて変動表示設定処理20(S41113)を実行する点とで相違する。その他の処理については、同一の処理を実行するためその詳細な説明を省略する。まず、図381を参照して、演出更新処理20(S41111)の詳細について説明する。この演出更新処理20(S41111)は、第1実施形態における演出更新処理(図35,S4111参照)に代えて実行される処理であり、パチンコ機10で実行される各種の興趣演出の演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理20(S41111)では、まず、終了演出中フラグ223qdがオンであるか否かを判別する(S4231)。終了演出中フラグ223qdがオンであると判別した場合は(S4231:Yes)、ボーナス状態が終了したことを示すためのボーナス終了演出(1のボーナス状態において獲得した(払い出された)賞球数や、大当たりの当選回数等を報知するための5秒間の演出)の実行中であることを意味するので、次いで、実行中のボーナス終了演出の終了タイミングとなったか否かを判別する(S4232)。このS4232の処理では、ボーナス終了演出が開始されてから5秒間が経過した時点で演出の終了タイミングであると判別する。S4232の処理において、ボーナス終了演出の終了タイミングになったと判別した場合は(S4232:Yes)、終了演出中フラグ223qdをオフに設定し(S4233)、本処理を終了する。一方、S4232の処理において、ボーナス終了演出の終了タイミングではないと判別した場合は(S4232:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4231の処理において、終了演出中フラグ223qdがオフであると判別した場合は(S4231:No)次に、現在が扉突破チャンス演出(図367(b)、図368参照)の終了タイミングであるか否かを判別する(S4234)。S4234の処理において、扉突破チャンス演出の終了タイミングであると判別した場合は(S4234:Yes)、次に、扉突破チャンス演出の演出結果が失敗であるか否かを判別する(S4235)。更に、扉突破チャンス演出の演出結果が失敗であると判別した場合は(S4235:Yes)、次に、ボーナス終了待機フラグ223qcがオンであるか否かを判別して(S4236)、ボーナス終了待機フラグ223qcがオンであると判別した場合は(S4236:Yes)、ボーナス終了演出の開始を設定する(S4237)。次いで、ボーナス中フラグ223qb、ボーナス終了待機フラグ223qcをオフに設定し、終了演出中フラグ223qdをオンに設定し(S4238)、本処理を終了する。
一方、S4234の処理において、現在が扉突破チャンス演出の終了タイミングではないと判別した場合と(S4234:No)は、そのまま本処理を終了する。また、S4235の処理において、扉突破チャンス演出の演出結果が成功である(即ち、大当たり遊技が開始される)と判別した場合は(S4235:No)、少なくともその後に実行される大当たり遊技が終了するまでの間、ボーナス状態が継続する(エクストラボーナス状態に移行する)ことを意味するので、この場合も、ボーナス終了演出を設定せずに、そのまま本処理を終了する。更に、S4236の処理において、ボーナス終了待機フラグ223qcがオフであると判別した場合は(S4236:No)、普通図柄の当たり期間が残っているか、または、いずれかの役物が開放された状態となっていることにより、ボーナス状態が継続していることを意味するので、この場合も、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理20(図381参照)を実行することにより、ボーナス状態が完全に終了した後でボーナス終了演出を開始させることができるので、演出態様を好適に設定することができる。
次に、図382を参照して、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(S41112)について説明する。このコマンド判定処理20(S41112)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36,S4112参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの内容に応じた制御を実行するための処理である。
この第17実施形態におけるコマンド判定処理20(S41112)のうち、S4301~S4306,S4309,S4310,S4313,S4315の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36,S4112参照)のS4301~S4306,S4309,S4310,S4313,S4315の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(S41112)では、S4304の処理において、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S4304:No)、次に、主制御装置110より受信した未処理のコマンドの中に普図変動パターンコマンドが含まれているか(主制御装置110から普図変動パターンコマンドを受信したか)否かを判別する(S43021)。S43021の処理において、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(S43021:Yes)、普図変動パターンコマンドにより通知された変動パターン(変動時間)に応じて第3図柄表示装置81において実行される変動パターン演出の変動表示態様を設定するための普図変動パターンコマンド処理を実行し(S43022)、本処理を終了する。なお、この普図変動パターンコマンド処理(S43022)の詳細については、図383を参照して後述する。一方、S4331の処理において、主制御装置110から普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4331:No)、処理をS4309へと移行する。
また、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(図382参照)では、S4309の処理において、主制御装置110より状態コマンドを受信していないと判定した場合に(S4309:No)、次いで、主制御装置110より役物動作コマンドを受信したか否かを判別する(S43023)。S43023の処理において、役物動作コマンドを受信したと判別した場合は(43023:Yes)、役物動作コマンドにより通知された役物の種別、および動作内容に応じた制御を実行するための役物動作コマンド処理を実行し(S43024)、本処理を終了する。また、この役物動作コマンド処理(S43024)の詳細については、図384を参照して後述する。
一方、S4333の処理において、主制御装置110から役物動作コマンドを受信していないと判別した場合は(S4333:No)、次いで、当たりに関連するコマンド(待機状態コマンド、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S4313)。そして、当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S4313:Yes)、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための当たり関連処理20を実行して(S43025)、本処理を終了する。この当たり関連処理20(S43025)の詳細については、図385を参照して後述する。
次に、図383を参照して、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(図382のS41112参照)の中の一処理である普図変動パターンコマンド処理(S4332)について説明する。図383は普図変動パターンコマンド処理(S4332)の詳細な内容を示したフローチャートである。この普図変動パターンコマンド処理(S4332)では、まず、受信したコマンドにより通知された普図変動パターンに応じた変動表示態様を決定する(S4251)。なお、図示については省略したが、本第17実施形態では、普図変動パターン(普通図柄の変動時間)と、普通図柄の当否とに応じて、第3図柄表示装置81で実行される普通図柄の変動表示態様を選択するための普図変動パターンテーブルがROM222に規定されている。つまり、第1実施形態等において、変動パターンコマンドに応じて第3図柄の変動表示演出の演出態様を選択するための変動パターン選択テーブル222aと同様の、普通図柄用のデータテーブルがROM222に規定されている。S4251の処理では、普図変動パターンテーブルを参照して、普図変動パターンに応じた1の変動表示態様を決定する。次いで、表示用普図変動パターコマンドを設定し(S4252)、普図入賞情報格納エリアのデータをシフトして(S4253)、本処理を終了する。
この普図変動パターンコマンド処理(図383参照)を実行することにより、第3図柄表示装置81において、他の実施形態における特別図柄の変動表示演出と同様の演出を、普通図柄の抽選が実行される毎に実行することができる。よって、スルーゲート67を通過させて普通図柄の当たり(ボーナス状態への移行)を目指す遊技性だということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図384を参照して、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(図382のS41112参照)の中野一処理である役物動作コマンド処理(S43024)について説明する。図384は役物動作コマンド処理(S43024)を示したフローチャートである。
この役物動作コマンド処理(S43024)では、まず、受信したコマンドに応じて役物状態格納エリア223qaのデータを更新し(S4271)、次いで、受信したコマンドが第4役物6840の閉鎖を示すコマンドであるか否かを判別する(S4272)。S4272の処理において、受信したコマンドが第4役物6840の閉鎖を示すコマンドではないと判別した場合は(S4272:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドが第4役物6840の閉鎖を示すコマンドであると判別した場合は(S4272:Yes)、次に、現在が、特別図柄の大当たり変動中であるか否かを判別する(S4273)。S4273の処理において、現在が特別図柄の大当たり変動中ではないと判別した場合は(S4273:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が、特別図柄の大当たり変動中であると判別した場合は(S4273:Yes)、残変動時間で、2個目の鍵を選択して扉を突破する態様の演出を設定し(S4274)その後、本処理を終了する。
次に、図385を参照して、本第17実施形態におけるコマンド判定処理20(図382のS41112参照)の中の一処理である当たり関連処理20(S43025)について説明する。図385は、この当たり関連処理20(S43025)を示したフローチャートである。この当たり関連処理20(S43025)は、第1実施形態における当たり関連処理(図37,S4314参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)と同様に、主制御装置110より受信した当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第17実施形態における当たり関連処理20(S43025)のうち、S4404,S4405,S4407~S4409の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37,S4314参照)のS4404,S4405,S4407~S4409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17実施形態における当たり関連処理20(S4335)では、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始されるため、大当たり待機状態に関連するS4401~S4403の処理が削除されている。
また、本第17実施形態における当たり関連処理20(図385参照)では、S4409の処理において、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S4409:Yes)、次いで、ボーナス終了待機フラグ223qcがオンであるか否かを判別する(S44021)。ボーナス終了待機フラグ223qcがオフであると判別した場合は(S44021:No)、大当たりの終了以降もボーナス状態が継続する(いずれかの役物が開放状態に設定されている)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、ボーナス終了待機フラグ223qcがオンであると判別した場合は(S44021:Yes)、大当たりの終了時点でボーナス状態が終了することを意味するので、大当たりのエンディング演出として、ボーナス終了演出を設定し(S44022)、ボーナス中フラグ223qb、ボーナス終了待機フラグ223qcをオフに設定して(S44023)、本処理を終了する。
一方、S4409の処理において、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信していないと判定した場合は(S4409:No)、次いで、主制御装置110より普通図柄の当たりのオープニング期間が開始されたことを示す普図オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S44024)。そして、普図オープニングコマンドを受信したと判定した場合には(S44024:Yes)、普通図柄の当たりが開始されることを意味し、役物群6800を構成する各役物が順番に開放されるボーナス状態が開始されることを意味するので、ボーナス状態に移行することを示すボーナス演出の実行を指示するための表示用エンコマンドを設定し(S44025)、ボーナス中フラグ223qbをオンに設定して(S44026)、本処理を終了する。S44025の処理で設定された表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理20(図380参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてボーナス状態への移行を報知するためのボーナス演出が実行される。
一方、S44024の処理において、普図オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S44024:No)、次いで、主制御装置110より普通図柄の当たりの終了タイミングであることを示す普図当たり終了コマンドを受信したか否かを判定する(S44027)。そして、普図当たり終了コマンドを受信したと判定した場合には(S44027:Yes)、普図当たり終了コマンド処理を実行し(S44028)、その後、本処理を終了する。この、普図当たり終了コマンド処理(S44028)の詳細については図386を参照して後述する。一方、S44027の処理において、普図当たり終了コマンドを受信していないと判定した場合には(S44027:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図386を参照して、本第17実施形態における当たり関連処理20(図385,S4335参照)の中の一処理である普図当たり終了コマンド処理(S44028)について説明する。図386は普図当たり終了コマンド処理(S44028)を示したフローチャートである。この普図当たり終了コマンド処理(S44028)では、まず、現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S44201)。S44021の処理において、現在が大当たり中ではないと判別した場合は(S44201:No)、次に、現在が、扉突破チャンス演出の実行中であるか否かを判別する(S44202)。S44202の処理において、扉突破チャンス演出の実行中ではないと判別した場合は(S44202:No)、次に、全ての役物が閉鎖されているか否かを判別する(S44203)。全ての役物が閉鎖されていると判別した場合は(S44203:Yes)、普通図柄の当たりが終了し、全ての役物が閉鎖され、且つ、特別図柄の変動中でも大当たり中でもなく、ボーナス状態が完全に終了したタイミングであることを意味する。よって、ボーナス終了演出の開始を設定し(S44204)、ボーナス中フラグ223qb、ボーナス終了待機フラグ223qcをオフに設定すると共に、終了演出中フラグ223qdをオンに設定して(S44205)、本処理を終了する。
一方、S44201~S44203の処理において、現在が、大当たり中であると判別した場合と(S44201:Yes)、現在が、扉突破演出の実行中であると判別した場合と(S44202:Yes)、全ての役物が閉鎖されてはいないと判別した場合は(S44203:No)、ボーナスの終了条件の全てが成立したわけではないため、S44206の処理へ移行して、ボーナス終了待機フラグ223qcをオンに設定し(S44206)、本処理を終了する。
この普図当たり終了コマンド処理(図386参照)を実行することにより、普通図柄の当たり終了タイミングの状況に応じて、ボーナス終了演出の実行を設定するか、実行を待機させるかを切り替えることができる。よって、演出を好適に実行することができる。
次に、図387を参照して、本第17実施形態における変動表示設定処理20(S41113)について説明する。図387は、変動表示設定処理20(S41113)の内容を示すフローチャートである。本第17実施形態における変動表示設定処理20(S41113)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図38,S4113参照)に代えて実行される処理である。
この第17実施形態における変動表示設定処理20(S41113)のうち、S4501~S4509の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図38,S4113参照)のS4501~S4509の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17実施形態における変動表示設定処理20(S41113)では、まず、S4504の処理が終了すると、次に、扉突破チャンス演出の演出態様を設定するための扉突破演出設定処理を実行し(S4561)、処理をS4505へと移行する。この扉突破演出設定処理(S4561)の詳細について、図388を参照して説明する。
図388は、上述した扉突破演出設定処理(S4561)を示したフローチャートである。この扉突破演出設定処理(S4561)では、まず、1つ目の鍵を選択済であるか(即ち、第4特別入球口6840が開放されてから2回目の始動入賞であるか)否かを判別する(S44301)。S44301の処理において、1つ目の鍵を選択済であると判別した場合は(S44301:Yes)、抽選結果に応じた態様の2つ目の鍵の選択、および扉突破の結果報知を行う態様の5秒間の演出を設定し(S44302)、その後、本処理を終了する。
一方、1つ目の鍵を選択済ではない(即ち、今回の変動パターンコマンドが、第4特別入球口6840が開放されてから最初の始動入賞に対応する変動パターンコマンドである)と判別した場合は(S44301:No)、抽選結果に応じた態様の1つ目の鍵を選択する演出を設定し(S44303)、その後、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第17実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり(第1の特典遊技)に加え、普通図柄の当たりとなったことを契機に、多量の賞球を得ることが可能となる状態(第2の特典遊技)を形成することが可能に構成した。この第2の特典遊技においては、互いに異なる複数の有利な状態が予め定められた順序で設定されるように構成されている。即ち、通常時には閉鎖されている(入球困難な状態に設定されている)複数の異なる入賞口が、予め定められた順序で開放されることにより、各入賞口へと遊技球を入球させて入球に応じた賞球(1個の入賞に対して15個の賞球)を獲得することができるように構成している。より具体的には、普通図柄の当たりとなった場合に、右打ちにより役物群6800を狙って遊技球を発射し続けていることを条件として、第1役物6801の第1一般入賞口6801bへと遊技球が入球可能な状態(第1有利状態)と、第2一般入賞口6802bへと遊技球が入球可能な状態(第2有利状態)と、第3一般入賞口6803bへと遊技球が入球可能な状態(第3有利状態)と、第4特別入球口6840bへと遊技球が入球可能な状態(第4有利状態)と、が順番に(連動して)成立するように構成されている。このように構成することで、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のみならず、普通図柄の抽選で当たりとなった場合にも遊技者にとって有利な状態を形成するため、普通図柄の抽選結果により注目して遊技を行う斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第17実施形態では、役物群6800のうち下流に設けられている第4特別入球口6840bへの入球(始動入賞)に基づく特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、特定入賞口6850aが開放される有利な状態に移行する構成となっている。つまり、役物群6800を構成する各役物が連動して開放されるボーナス状態において、大当たりに当選して更に多くの特典を獲得することが可能に構成しているので、ボーナス状態(第2の特典遊技)が、単に複数の役物に対して順番に遊技球を入賞させるだけの作業のようになってしまうことを抑制し、第4特別入球口6840bへと遊技球が入球する毎に、大当たりとなることを期待させることができる。よって、ボーナス状態(第2の特典遊技)における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、本第17実施形態では、普通図柄の当たりとなった場合に普通電動役物6801aに対して設定される開放パターンとして、普通図柄の当たりの期間に対する開放期間の割合が比較的高い開放パターンA(普通図柄の当たりのオープニング期間が終了した後、最大6秒間の開放期間が設定された後でエンディング期間が設定される開放パターン)と、普通図柄の当たりの期間に対する開放期間の割合が比較的低い開放パターンB(オープニング終了後、1秒間の開放期間と4秒間の閉鎖期間とを、6回目の1秒間の開放期間が終了するまで繰り返した後、エンディング期間が設定される開放パターン)と、が設けられている。そして、本第17実施形態では、開放期間の割合が高い開放パターンAよりも、開放期間の割合が低い開放パターンBの方が、各役物に対する入球の機会が多くなる上に、特別図柄の抽選回数も多くなるように構成されている。より詳述すると、開放パターンAが設定されると、普通電動役物6801aが開放されている間、下流側(第2役物6802~第4役物6840)へと遊技球が到達し難くなるため、第2役物~第4役物へと遊技球を入球させ難くなる。よって、第2役物6802が開放されている間に無駄に第2役物6802の開放条件が成立したり、第3役物6803が開放されている間に無駄に第3役物6803の開放条件が成立する等、開放回数を損してしまう可能性が高くなる。これに対して、開放パターンBが設定された場合には、普通電動役物6801aの1の開放期間が終了してから、次の開放期間が開始されるまでの間の4秒間で、第2役物6802~第4役物6840へと規定個数(閉鎖条件が成立する個数)の遊技球を入球させることができるので、普通電動役物6801aの開放期間の回数分、第2役物6802~第4役物6840へと規定個数の遊技球を入球させることができる。よって、開放パターンB(開放期間の割合が低い開放パターン)の方が、開放パターンA(開放期間の割合が高い開放パターン)よりも、各役物への入球回数が増加するので、賞球の獲得数が増加することに加え、特別図柄の抽選もより多く実行され易くなる。ここで、一般的には、当たり期間に対する開放期間の割合が低い当たりよりも、開放期間の割合が高い当たりの方が有利となるのが通常である。これに対して本第17実施形態では、一般的な動作とは逆に、当たり期間に対する開放期間の割合が低い開放パターンBの方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第17実施形態では、第1一般入賞口6801bへと1個目の遊技球が入球することで非電動役物6802aが開放され、第2一般入賞口6802bへと1個目の遊技球が入球することで閉鎖されるように構成したが、非電動役物6802aの開放および閉鎖条件となる遊技球の入球個数はこれに限られず、任意に定めることができる。また、非電動役物6803aや非電動役物6840aの開放および閉鎖条件となる入球個数に関しても同様に、任意の個数を定めることができる。
本第17実施形態では、普通図柄の当たりとなった場合に設定される普通電動役物6801aの開放パターンとして、有利度合いが低い開放パターンAと、有利度合いが高い開放パターンBとの2種類の開放パターンのみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、開放パターンAと開放パターンBとの中間の有利度合いの開放パターン(例えば、普通電動役物6801aの開放回数が2回以上、6回未満の開放パターン)を1又は複数設ける構成としてもよい。また、開放パターンAよりも不利な開放パターン(例えば、普通電動役物6801aが1秒間のみ開放される開放パターン)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の当たりとなった場合に設定される開放パターンの種別により注目して遊技を行わせることができる。
本第17実施形態では、普通図柄の当たりになったことを契機として移行するボーナス状態において、3つの非電動役物が順番に開放及び閉鎖されるように構成したが、非電動役物の個数(および非電動役物によって開閉される入賞口の個数)は3個に限られるものではなく、3個よりも少なくしてもよいし、3個よりも多くしてもよい。非電動役物の個数を3個よりも多くすることで、1のボーナス状態においてより多くの賞球を獲得する機会を与えることができるので、遊技者の有利度合いを向上させることができる。一方、非電動役物の個数を3個よりも少なくすることで、1のボーナス状態において始動入賞が発生するまでのプロセスを少なくすることができるので、特に、開放パターンAが設定された場合に、より多くの回数、特別図柄の抽選を実行させ易くすることができる。
本第17実施形態では、始動入賞口(第4特別入球口6840b)を、役物群6800における最も下流側に設ける構成としたが、下流側に限られるものではなく、任意の役物に設けてもよい。また、役物群6800に対して複数の始動入賞口を設けてもよい。
本第17実施形態では、役物群6800を構成する第2役物6802~第4役物6840を非電動役物で構成したが、これに限られるものではなく、電気的制御によって同一の動作を実現してもよい。このように構成することで、作動機構を省略することができるので、パチンコ機10の構成をコンパクト化することができる。
本第17実施形態では、ボーナス状態において、複数の入賞口(第1一般入賞口6801b、第2一般入賞口6802b、第3一般入賞口6803b、第4特別入球口6840b)が順番に(連動して)入球可能な状態に可変する(設定される)ことにより、複数の異なる有利な状態が順番に成立するように構成していたが、有利な状態の種類は必ずしも入賞口の入球可能状態に限られるものではない。例えば、所定条件の成立(例えば、特定の種別の大当たりに当選したこと)に基づいて、有利度合いが異なる複数の有利な状態が順番に設定されるように構成してもよい。より具体的には、例えば、通常状態において特定の種別の大当たりになると、大当たり終了後に通常状態よりも有利な確変状態へと移行し、確変状態において大当たりになると、通常状態よりも有利な潜確状態へと移行し易くなり、潜確状態において大当たりになると、通常状態よりも有利な時短状態に移行し易くなるように構成してもよい。このように構成することで、大当たりとなる毎に異なる有利状態に遷移するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、特別図柄の抽選で所定の抽選結果(例えば、小当たりの抽選結果)となったことを契機として、変動パターンテーブルを切り替える構成とし、通常よりも変動時間が短い変動パターンが選択され易い複数のテーブルが順番に選択されるように構成してもよい。これにより、所定の抽選結果となることを期待して遊技を行わせることができる。
本第17実施形態では、第1役物6801~第4役物6840を、可変表示装置ユニット80の右側の流路に縦一列に並べて配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、少なくとも一部の役物を、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路に配置させる構成としてもよい。このように構成することで、ボーナス状態において、開放された役物の種別に応じて遊技球を異なる方向に打ち分ける楽しみを遊技者に与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第17実施形態では、普通電動役物6801aが開放された状態において、下流側の他の役物へと遊技球が入球し難くなるように構成することで、当たり期間に対する開放期間の割合が低い開放パターンの方が有利となるように構成していたが、開放期間の割合が低い開放パターンの方が有利とする構成はこれに限られるものではない。例えば、普通電動役物6801aが開放されている状態でのみ入球可能となる始動入賞口(第1始動口)と、普通電動役物6801aが閉鎖されている状態でのみ入球可能となる始動入賞口(第2始動口)とを別々に設ける構成とし、第2始動口の方が有利な抽選が実行されるように構成することにより、開放期間の割合が低い開放パターンの方が第2始動口への入球機会を多くして有利度合いを高める構成としてもよい。
本第17実施形態では、ボーナス状態(複数の役物が予め定められた順番で開放される有利状態)において開放される第4特別入球口6840bへと遊技球が入球しなければ、特別図柄の抽選が実行されないように構成していた。つまり、特別図柄の大当たりは、ボーナス状態においてのみ当選する可能性があるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、スルーゲート67の周囲(例えば、スルーゲート67の直下や真上等)にも特別図柄の抽選契機となる入球口(始動入賞口)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、通常状態における遊技において、普通図柄の抽選で当たりとなることと、特別図柄の抽選で大当たりとなることとの両方を目指すという斬新な遊技性を実現することができる。また、大当たりとなった場合に、時短大当たりが付与されることを期待させることができる。即ち、ボーナス状態に移行し易い状態となる(大当たりとなったことに基づいてボーナス状態に移行する)ことを期待する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、この場合において、大当たり終了後の遊技状態として、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)や潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)を追加する構成としてもよい。つまり、特別図柄の大当たりが低い(例えば、1/40)状態(通常状態、時短状態)と、特別図柄の大当たり確率が高い(例えば、1/4)状態(確変状態、潜確状態)とを設ける構成としてもよい。即ち、ボーナス状態へと移行し易い(普通図柄の当たりに当選し易い)上に、大当たりとなり易い遊技状態(確変状態)と、ボーナス状態へと移行し難い(普通図柄の当たりに当選し難い)が、大当たりとなり易い遊技状態(潜確状態)と、ボーナス状態へと移行し易い(普通図柄の当たりに当選し易い)が、大当たりとなり難い遊技状態(時短状態)と、ボーナス状態になり難い(普通図柄の当たりに当選し難い)上に、大当たりとなり難い遊技状態(通常状態)と、の4つの遊技状態を設けることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第17実施形態では、ボーナス状態(複数の役物が予め定められた順番で開放される有利状態)において開放される第4特別入球口6840bへと遊技球が入球しなければ、特別図柄の抽選が実行されないように構成していた。つまり、特別図柄の大当たりは、ボーナス状態においてのみ当選する可能性があるように構成していたが、これに限られるものではない。逆に、特別図柄の大当たり遊技が実行されている間にのみ通過し得る位置(例えば、可変入賞装置6850の内部等)にスルーゲート67を配置する構成としてもよい。この場合に、本第17実施形態におけるスルーゲート67の配置に、第4特別入球口6840bを設ければよい。このように構成することで、大当たりを契機に、大当たり遊技と、ボーナス状態とが連動して実行され得る遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第17実施形態では、普通図柄の当たり期間に対する開放期間の割合が高い開放パターンAよりも開放期間の割合が低い開放パターンBの方が、各役物への入球機会(開放機会)が多くなり易く構成することで、開放パターンBの方が有利になるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、大当たりにおいて開放される特定入賞口(大入賞口)の開放パターンとして、開放期間の割合が低い開放パターンの方が有利になるように構成してもよい。より具体的には、例えば、第1実施形態における右可変入賞装置65(図4参照)と同様の構造(開閉扉65f1が閉鎖している状態において、開閉扉65f1の上面を比較的長い時間を掛けて遊技球が通過する)の可変入賞装置を採用すると共に、大当たり種別等に応じて、開閉扉65f1の開放パターンを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、1秒間の開放期間と1秒間の閉鎖期間とが繰り返される開放パターンAと、1秒間の開放期間と5秒間の閉鎖期間とが繰り返される開放パターンBとを少なくとも設ける構成としてもよい。このように構成した場合、開閉扉65f1の開放間隔(閉鎖期間)が長い(開放期間の割合が低い)開放パターンB方が、閉鎖期間の間により多くの遊技球を開閉扉65f1の上面へと到達させることができるので、1秒間という短い開放期間の間に、多量の賞球を右可変入賞装置65へと入賞させることができる。一方で、開放間隔(閉鎖期間)が長い(開放期間の割合が高い)開放パターンAでは、1秒間の閉鎖期間の間に開閉扉65f1の上面へと遊技球を複数到達させることが困難になるので、1秒間の開放期間の間に遊技球を右可変入賞装置65へと複数入賞させることも困難となる。よって、開放期間の割合が低い開放パターンの方が遊技者に取って有利になるという斬新な遊技性を、大当たり遊技の実行中も実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、これに加えて、右特定入賞口65aにおける手前側から入球した遊技球が入球困難で、且つ、奥側(下流側)から入球した遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球することで所定の特典(例えば、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されること等)が付与される契機となる特定領域を設ける構成としてもよい。つまり、右可変入賞装置65の内部領域を、上流側の領域(通常領域)と下流側の領域(特定領域)とに分断する仕切りを設け、開閉扉65f1が閉鎖されている間に開閉扉65f1における下流側の領域の真上まで到達した状態で開閉扉65f1が開放された場合にのみ、下流側の領域(特定領域)へと遊技球が入球し得る構成としてもよい。このような構造の右可変入賞装置65fを採用した場合には、閉鎖期間が長い(開放期間の割合が低い)開放パターンの有利度合いをより高めることができる。即ち、閉鎖期間が短い開放パターンでは、閉鎖期間の間に下流側の領域(特定領域)の真上へと遊技球を到達させることが困難となる一方で、閉鎖期間が長い開放パターンでは、閉鎖期間の間に下流側の領域(特定領域)の真上へと遊技球を到達させることが容易となるため、閉鎖期間が長い(開放期間の割合が低い)開放パターンの方が、確変状態が設定され易くなるように構成することができる。よって、開放期間の割合が低い開放パターンの方が、有利度合いがより高くなるように構成できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、特定入賞口の内部に、通常領域と、特定領域と、通常領域と特定領域とのどちらかへと振り分ける振分部材とを設ける構成とし、振分部材の可変パターンとして、通常領域へと振り分けられる期間の方が比較的長い可変パターンとなるように制御する構成としてもよい。そして、開閉扉65f1の開放パターンによって、特定領域へと振り分けるか、通常領域へと振り分けるかを異ならせてもよい。即ち、比較的短い特定領域へと振り分けられる期間のみ開閉扉65f1が開放される開放パターンと、比較的長い通常領域へと振り分けられる期間のみ開閉扉65f1が開放される開放パターンとを設ける構成としてもよい。このように構成した場合も、開放期間の割合が低い開閉扉65f1の開放パターンの方が、遊技者に取って有利になるという斬新な遊技性を実現することができる。
<第18実施形態>
次に、図389から図398を参照して、第18実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり待機状態に移行し、その大当たり待機状態の間に作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に大当たりが開始される構成としていた。また、作動入賞口660は遊技者が右打ちを行うことで比較的容易に入球させることが可能となる位置に設ける構成とし、大当たりにおいて遊技者が作動入賞口660入球させるタイミングに応じて、大当たりにおいて獲得可能な賞球数を可変させる遊技性を実現していた。
これに対して本第18実施形態では、大当たり待機状態へと移行させることを比較的容易に構成する一方で、作動入賞口660へと入球させることを比較的困難に構成することにより、作動入賞口660へと遊技球を入球させることを主な目的に遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現している。
この第18実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図389を参照して、本第18実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図389に示した通り、本第18実施形態における遊技盤13では、可変表示装置80の左側の流路の下流側に、遊技球が通過可能な第1特別通過口6904が設けられている。この第1特別通過口6904は、特別図柄の抽選の契機となる始動入賞口の1つとして構成されている。なお、遊技球が通過しても賞球が付与されることはない。
また、図389に示した通り、第1特別通過口6904に対して正面視右下方向には、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に開放される小当たり用アタッカー6950が設けられている。この小当たり用入賞装置6950は、右可変入賞装置65と同様の構成となっている。また、右可変入賞装置65は、第1実施形態における右可変入賞装置65(図4参照)と同一の構造である。即ち、小当たり用入賞装置6950は、小当たり用入賞装置6950を開閉する小当たり用アタッカー6950aが閉鎖されている間、その上面を遊技球が転動して下流側へと流下させることが可能となる一方で、小当たり用アタッカー6950aが開放されている間は、到達した遊技球を内部へと誘導することが可能に構成されている。また、小当たり用入賞装置6950は、第1実施形態における右可変入賞装置65(図4参照)と同様に、開閉扉の上面に到達した遊技球が上面を通過しきるまでに要する期間が長くなるように遊技球を開閉扉上で迂回させる迂回路が設けられている。これにより、1の開閉扉の開放で、小当たり有効期間が経過するよりも前に、小当たりにおける上限個数(10個)の遊技球を小当たり用入賞装置6950へと入球(入賞)させることができる。この小当たり用入賞装置6950の内部には、図示しないV領域が設けられており、小当たり有効期間の間にV領域へと遊技球が入球したことを検出した場合に、大当たり待機状態へと移行する。即ち、作動入賞口660へと遊技球を入球させることで大当たり遊技が開始される状態となる。
なお、本第18実施形態では、第1特別通過項6904への遊技球の通過に基づく特別図柄の抽選では、大当たり、または小当たりのどちらかとなる構成としている。大当たりに当選した場合は、直接大当たり待機状態へと移行する一方で、小当たりとなった場合は、遊技球を小当たり用入賞装置6950へと入球させることにより遊技球がV領域を通過して、大当たり待機状態となる。なお、本第18実施形態における小当たり用入賞装置6950は、遊技球が入球すると、必ずV領域を通過する(V入賞する)構造となっている。よって、左打ちを行うことにより第1特別通過口6804を遊技球が通過し、小当たりになった場合も、左打ちを継続していれば、ほぼV入賞が発生して大当たり待機状態へと移行する。図389に示した通り、第1特別通過口6904も、小当たり用入賞装置6950も、左打ちを行った遊技球が比較的容易に入球可能な位置に設けられているため、通常状態において左打ちを行うことにより、比較的短時間で大当たり待機状態へと移行させることができる。より具体的には、左打ちされた遊技球が第1特別通過口6904を通過するまでの期間(約1秒)と、特別図柄の変動時間(1秒間)と、特別図柄の停止表示期間(0.5秒間)と、小当たり遊技の実行期間(6秒)とが経過すると(即ち、8.5秒前後で)、大当たり待機状態に移行する。
また、図389に示した通り、盤面の略中央部分に、遊技球を作動入賞口660、アウト口6962,6973のいずれかへと振り分ける振分装置6960が設けられている。なお、図389に示した通り、本第18実施形態における作動入賞口660には、「V」という文字が付されている。これにより、遊技球が作動入賞口660へと入球することで大当たりになるということを、遊技者に対して直感的に理解させることができる。振分装置6960は、図389に示した通り、その上流が、可変表示装置ユニット80の左側の流路に繋がっており、左打ちにより発射された遊技球が入球可能に構成されている。より具体的には、左打ちされた遊技球が、振分装置6960の入り口部分(開口部)の正面視左側に設けられている遊技釘K1へと衝突(干渉)して、正面視右方向へと跳ね返された場合(経路R1)に、振分装置6960の内部へと入球する可能性がある。ただし、釘K1へと干渉したとしても、必ずしも正面視右方向へと跳ね返される訳ではなく、また、右方向に跳ね返されたとしても、入り口部分(開口部)周辺の遊技釘によって入球を阻まれる可能性もある。よって、左打ちにより発射された遊技球が振分装置6960へと入球する割合は、1/100程度である。
図389に示した通り、振分装置6960は、入り口部分(開口部)から入球した遊技球を内部へと誘導するための誘導流路6961と、その誘導流路の下流側に設けられ、遊技球を作動入賞口660とアウト口6973とのどちらかへと振り分けるための球振分役物6970と、誘導流路6961を通過した遊技球が球振分役物6970へと流下困難になる閉鎖状態と誘導流路6961を通過した遊技球が球振分役物6970へと流下する開放状態とに切替可能な流路閉鎖弁6963と、その流路閉鎖弁6963が閉鎖状態に切り替えられている間に誘導流路6961を流下した遊技球を外部へと排出するためのアウト口6962と、で構成されている。
流路閉鎖弁6963は、通常時は閉鎖されており、大当たり待機状態となったことに基づいて開放され、大当たり開始時には再度閉鎖される。即ち、作動入賞口660への入球が有効となっている間(作動入賞口660へと遊技球を入球させると大当たりが開始される状態の間)のみ、球振分役物6970へと遊技球が到達し得る構成としている。このように構成することで、大当たり待機状態になっていないにもかかわらず、球振分役物6970によって作動入賞口660へと遊技球が振り分けられてしまい、作動入賞口660へと入球したにもかかわらず大当たりが開始されないという状況が発生してしまうことを抑制することができる。よって、大当たりが開始されないことにより、パチンコ機10やホールに対して不信感を抱かせてしまうことを抑制できる。
ここで、図390を参照して、球振分役物6970の詳細について説明する。図6970は、球振分役物6970の拡大正面図である。図390に示した通り、この球振分役物6970は、主として、球振分役物6970へと流下した遊技球が最初に到達する第1クルーン6971と、その第1クルーン6971へと到達した遊技球の一部(約1/3)が到達可能に構成された第2クルーン6972と、その第2クルーン6972に到達した遊技球の一部が入球可能に構成された作動入賞口660と、作動入賞口660に入球しなかった遊技球を球振分役物6970の外部(即ち、パチンコ機10の外部)へと排出するためのアウト口6973と、で構成されている。第1クルーン、および第2クルーンは、それぞれ円形のすり鉢形状で構成されており、その内壁部分を、主として円形の外周と平行な向きに遊技球が転動可能に構成されている。また、各クルーンの底面近傍には、各クルーンの内壁部分を転動した遊技球が入球可能な3つの入球口が設けられている。より具体的には、図390に示した通り、第1クルーン6971の底面付近には、セーフ入球口6971a、アウト入球口6971b,6971cの3つの入球口が設けられている。また、第2クルーン6972の底面付近には、セーフ入球口6972a、アウト入球口6972b,6972cの3つの入球口が設けられている。即ち、第1クルーン、および第2クルーンは、それぞれ公知の3穴クルーンで構成されている。
また、図390に示した通り、第1クルーン6971には、セーフ入球口6971aへと入球した遊技球を第2クルーン6972へと流下させる第2クルーン誘導流路6971nと、アウト入球口6971bへと入球した遊技球をアウト口6973へと流下させるアウト誘導流路6971o1と、アウト入球口6971cへと入球した遊技球をアウト口6973へと流下させるアウト誘導流路6971o2と、が接続されている。更に、第2クルーン6972には、セーフ入球口6972aへと入球した遊技球を作動入賞口660へと流下させる作動入賞口誘導流路6972vと、アウト入球口6972bへと入球した遊技球をアウト口6973へと流下させるアウト誘導流路6972o1と、アウト入球口6972cへと入球した遊技球をアウト口6973へと流下させるアウト誘導流路6972o2と、が接続されている。また、アウト誘導流路6971o1,6972o1は、下流側において、アウト口6973へと向けて遊技球を流下させる1の流路(アウト誘導流路6974a)に合流する。同様に、アウト誘導流路6971o2,6972o2は、下流側において、アウト口6973へと向けて遊技球を流下させる1の流路(アウト誘導流路6974b)に合流する。
まとめると、球振分役物6970へと流下した遊技球は全て、一旦第1クルーン6971へと到達し、その第1クルーン6971へと到達した遊技球の一部(およそ3球に1球の割合で入球するセーフ入球口6971aへと入球した遊技球)が、第2クルーン誘導流路6971nによって第2クルーン6972へと誘導され、その第2クルーン6972へと到達した遊技球の一部(およそ3球に1球の割合で入球するセーフ入球口6972aへと入球した遊技球)が、作動入賞口誘導流路6972vによって作動入賞口660へと誘導される。言い換えれば、球振分役物6970へと到達した遊技球が作動入賞口660へと入球する(振り分けられる)割合はおよそ1/9(1/3×1/3)である。逆に言えば、球振分役物6970へと遊技球が到達したとしても、約8/9の遊技球は作動入賞口660へと入球することなく、アウト口6973へと振り分けられて外部へと排出される。
これらの構成により、振分装置6960は、全体として、遊技球が入球することで遊技者に有利となる作動入賞口660と、作動入賞口660へと入球した場合よりも、遊技球が入球した場合に不利となるアウト口6962,6973と、のいずれかへと振り分ける振分手段と言うこともできるし、球振分役物6970を、比較的遊技者に有利となる作動入賞口660と、比較的遊技者に不利となるアウト口6973とのどちらかに振り分ける振分手段と言うこともできる。更に、球振分役物6970における第1クルーン6971単体として、有利な作動入賞口660へと流下し易い(約1/3の確率で流下する)第2クルーン誘導流路6971nと、作動入賞口660へと流下することが不可能(困難)な(即ち、不利なアウト口6973へと流下する)アウト誘導流路6971o1,6971o2と、のいずれかへと遊技球を振り分ける振分手段と言うこともできる。また、第2クルーン6971単体として、有利な作動入賞口660へと流下させる作動入賞口誘導流路6972vと、作動入賞口660へと流下することが不可能(困難)な(即ち、不利なアウト口6973へと流下する)アウト誘導流路6972o1,6972o2と、のいずれかへと遊技球を振り分ける振分手段と言うこともできる。
このように、本第18実施形態では、大当たり待機状態において、振分装置6960へと入球し難く構成し(左打ちされた遊技球の約100個に1個の割合でしか入球しないように構成し)、且つ、振分装置6960へと入球して球振分役物6970に到達した遊技球が作動入賞口660へと入球し難く構成している。これにより、大当たり待機状態において、振分役物6960へと遊技球が入球すること、および振分装置6960へと入球した遊技球が作動入賞口660へと振り分けられることを期待して遊技を行うという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図389に戻って説明を続ける。遊技盤13における可変表示装置ユニット80の右側の流路には、スルーゲート67が設けられており、そのスルーゲート67の下流側には、電動役物6940aが付随して設けられている第2入球口6940が配置されている。この第2入球口6940は、遊技球が入球することで特別図柄の抽選が実行される契機となる始動入賞口の1つとして構成されている。なお、普通図柄の通常状態においては、スルーゲート67を遊技球が通過したとしても、極めて低確率(1/65536の確率)でしか普通図柄の当たりにならないため、普通図柄の通常状態において右打ちにより遊技球を発射したとしても、第2入球口6940へと入球させる機会が極めて少ない不利な状況を形成する。一方、普通図柄の時短状態においては、高確率(65535/65536の確率)で普通図柄の当たりとなって電動役物6940aが開放されるため、右打ちを行うことにより、特別図柄の抽選が行われ易い有利な状態を形成する。また、この第2入球口6940の内部には、作動入賞口660と同一の機能を有して構成され(即ち、大当たり待機状態において通過することにより大当たりが開始される)、遊技球が通過可能な作動ゲート6600を少なくとも有した振分機構6940bが設けられている。この第2入球口6940の振分機構6940の詳細について、図391を参照して説明する。
図391は、第2入球口6940の振分機構6940bの正面図である。図391(a)に示した通り、第2入球口6940の振分機構6940bは、第2入球口6940へと入球した遊技球を上面に停留させることが可能な閉鎖状態と、振分機構6940bにおける下流側に流下させることが可能な開放状態と、に可動(可変)可能な開閉弁6941cが設けられている。図391(a)は、開閉弁6941cが閉鎖されて、1の遊技球が上面に停留されている状態を示している。
図391(a)に示した通り、閉鎖されている開閉弁6941cの上面に遊技球が停留されている状態においては、第2入球口6940へと入球した遊技球が停留されている遊技球に干渉して、正面視左側に設けられている誘導流路6941aへ向けて反発される。誘導流路6941aの下流側には、遊技球をパチンコ機10の外部へと排出するためのアウト口6941bが設けられているため、開閉弁6941cの上面に停留されている遊技球以外は全て、アウト口6941bを介して外部へと排出される。つまり、開閉弁6941cが閉鎖されている状態において、開閉弁6941cの上部に停留される遊技球を1球に限ることができる。なお、本第18実施形態では、普通図柄の当たりになった場合に、電動役物6940aが開放されることに連動して開閉弁6941cが閉鎖され、電動役物6940aが閉鎖されることに連動して開放される。よって、普通図柄の当たりとなって電動役物6940aが開放され、第2入球口6940へと複数の遊技球が入球したとしても、開閉弁6941cを通過して下流側へと流下する遊技球を1球に限ることができる。
図391(a)に示した通り、開閉弁6941cの下流側には、パチンコ機10に電源が投入されている間、常に一定周期(30秒間で1回転する回転速度)で回転動作を続ける回転部材6940cが設けられており、その回転部材6940cの下方には、遊技球が通過可能な作動ゲート6600が設けられており、更に、作動ゲート6600の下方には、遊技球を外部へと排出可能なアウト口6940dが設けられている。図391(b)に示した通り、開閉弁6941cが開放されると、開閉弁6941cの上面に停留されていた遊技球は、回転部材6940cによって受け止められる。回転部材6940cに受け止められた遊技球は、回転部材6940cの回転動作に合わせて位置が変位していき、回転部材が約180度回転した時点(即ち、約15秒間が経過した時点)で下方へと落下し、作動ゲート6600を通過してアウト口6940dへと入球する。つまり、第2入球口6940に対する始動入賞を検出してから、作動ゲートを通過するまでの間に約15秒の遅延期間を設定することができる。一方、詳細については後述するが、第2入球口6940への始動入賞に基づく特別図柄の抽選が実行されてから、小当たり(最大6秒間)が終了するまでの期間は長くとも7.5秒程度となるように構成されている。これにより、小当たり遊技の実行中に左打ちを行っていれば、7.5秒以内に遊技球を小当たり用入賞装置6950へと遊技球を入球させてV入賞を発生させ、大当たり待機状態へと移行させることができる。つまり、第2入球口6940へと入球した遊技球が作動ゲート6600を通過するよりも前に、大当たり待機状態へと移行させることができる。そして、その後10秒以内に、遊技球が作動ゲート6600を通過することで大当たりを開始させることができる。よって、第2入球口6940への始動入賞に基づいて小当たりになり、V入賞が発生して大当たり待機状態へと移行した場合は、遊技盤13の中央に設けられている振分装置6960の作動入賞口660へと遊技球を入球させなくても大当たりを開始させることができる。これにより、第2入球口6940が開放され易い(電動役物6940aが開放される確率(普通図柄の当たり確率)が高い)時短状態となることにより、遊技者に対して大きな喜びを抱かせることができる。
次に、図392を参照して、本第18実施形態において、普通図柄の当たりとなってから大当たりが開始されるまでの間の各部の動作の経時変化について説明する。図392に示した通り、普通図柄の当たりになると、電動役物(普通電動役物)6940aが5秒間開放される。この普通図柄の当たりに伴う開放期間(普通図柄の当たり遊技)の間に第2入球口6940への入球(始動入賞)を検出すると、特別図柄の変動表示が実行される。本第18実施形態においては、特別図柄の変動時間が1秒間に固定化されている。特別図柄の変動時間(1秒間)、および停止図柄の確定表示期間(0.5秒間)が経過し、抽選結果が小当たりだった場合は、小当たり遊技が開始されて、小当たり用アタッカー6950aが最大6秒間開放される。この開放期間の間に遊技球が小当たり用入賞装置6950の内部へと入球することにより、大当たり待機状態へと移行する。なお、大当たり待機状態へと移行した後も、小当たりアタッカー6950aの閉鎖条件が成立するまでは小当たり遊技が継続される。即ち、小当たりアタッカー6950aが開放されてから6秒間が経過するか、10個以上の遊技球の入賞を検出するまでの間、小当たり遊技が継続される。
また、図392に示した通り、第2入球口6940に対する始動入賞を検出してから、約15秒間が経過すると、第2入球口6940の振分機構6940aにおいて、遊技球が
作動ゲート6600を通過し、当該通貨の間、作動ゲート6600の通過を検出するための作動入賞口スイッチ(図示せず)がオン状態となる。これにより、大当たり待機状態における作動入賞が検出された(即ち、大当たりの開始条件が成立した)と判別されて、大当たり遊技が開始される。
このように、本第18実施形態では、第2入球口6940に対する始動入賞が発生すると、当該抽選で小当たりになり、V入賞の発生によって大当たり待機状態へと移行するよりも後に、第2入球口6940へと入球した遊技球が作動ゲート6940cを通過するように構成されている。これにより、時短状態においては、大当たり待機状態に移行させた後で、極めて遊技球が入球し難い作動入賞口660へと遊技球を入球させるというプロセスを経ることなく大当たりを容易に実行させることができるので、時短状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第18実施形態の電気的構成>
次に、図393を参照して、本第18実施形態におけるROM202の構成について説明する。本第18実施形態におけるROM202(図示せず)は、第1実施形態におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aの規定内容と、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容と、第2当たり乱数テーブル202cの規定内容と、が一部変更となっている点でのみ相違している。
まず、本第18実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について、図393(a)を参照して説明する。この第18実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図393(a)に示した通り、本第18実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0,1」の2個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で(図393(a)の202a1参照)、特別図柄の外れ(小当たり)と判定される乱数値(カウンタ値)として、「2~399」の398個の乱数値(カウンタ値)が規定されている(図393(a)の202a2参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が2個である一方で、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が398個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、1/200(2/400)の確率で大当たりに当選する一方で、199/200(398/400)の確率で小当たりに当選する。よって、特別図柄の抽選が実行されると、ほぼ、小当たりに当選して小当たり遊技が開始される。また、小当たりにおいて小当たり用入賞装置6950へと入球した遊技球はV領域を通過するので、大当たり待機状態へと移行する。よって、パチンコ機10の初期化後(RAM消去スイッチ122を押下しながら電源を投入した後)や、大当たり終了後においては、多くの場合、1回の特別図柄の抽選を実行させるだけで、容易に大当たり待機状態へと移行させることができる。即ち、大当たり待機状態において振分装置6960へと入球すること、および入球した遊技球が作動入賞口660へと振り分けられることを期待する遊技性の遊技を実行可能となる状態に、比較的短時間で移行させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、直接大当たり待機状態に移行する。このため、大当たりになったとしても、小当たりになったとしても、大当たり待機状態に移行するため、1回の特別図柄の抽選を実行させるだけで、容易に大当たり待機状態へと移行させることができる。
次に、図393(b)を参照して、本第18実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図393(b)に示した通り、本第18実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、3種類の大当たり種別(大当たりA21,B21,C21)に対して、それぞれ第1当たり種別選択カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図393(b)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA21」が対応付けて規定されている(図393(b)の202b1参照)。この「大当たりA21」は、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり終了後、特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間普通図柄の時短状態に設定される(時短回数が100回に設定される)大当たり種別(8ラウンド時短大当たり)である。時短状態では、普通図柄の当たり確率が高くなり(1/65536→65536/65536)、右打ち遊技を行ってスルーゲート67へと遊技球を通過させることにより電動役物6940aが開放され易くなるので、第2入球口6940へと遊技球を入球させ易い有利な状態を形成する。また、上述した通り、第2入球口6940へと遊技球を入球(始動入賞)させると、当該入球した遊技球が所定期間(15秒前後)遅延された後に、作動ゲート6600を通過するように第2入球口6940の振分機構6940bが構成されている。この遅延期間は、特別図柄の変動時間と、小当たりの小当たり遊技期間との合計よりも長くなる(長くなり易くなる)ように構成されているので、第2入球口6940への入球に基づく特別図柄の抽選で小当たりとなって、当該小当たり遊技中に遊技球を小当たり用入賞装置6950へと入球させることにより、作動ゲート6600を遊技球が通過するよりも前に大当たり待機状態へと移行させることができる。よって、時短状態において右打ちにより遊技を行うと、小当たり中にV入賞を発生させて大当たり待機状態へと移行させると、数秒後(振分機構6940bにおいて遊技球が作動ゲート6600を通過した時点)に自動的に大当たりが開始される有利な状態を形成する。よって、時短状態が付与される「大当たりA21」は、遊技者にとって有利な大当たり種別となる。
第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA21」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~4」の5個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA20」が選択される割合(確率)は5%(5/100)である。この「大当たりA20」は、ラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定されるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、図393(b)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「5~49」の範囲に対して、「大当たりB21」が対応付けて規定されている(図393(b)の202b2参照)。この「大当たりB21」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後、特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間普通図柄の時短状態に設定される(時短回数が100回に設定される)大当たり種別(8ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB21」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「5~49」の45個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB21」が選択される割合(確率)は45%(45/100)である。この「大当たりB21」は、「大当たりA21」よりもラウンド数が少ないが、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定されるため、遊技者にとって比較的有利な大当たり種別である。
また、図393(b)に示した通り、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりC21」が対応付けて規定されている(図393(b)の202b3参照)。この「大当たりC21」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(8ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別選択カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC21」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「50~99」の50個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC21」が選択される割合(確率)は50%(50/100)である。この「大当たりC21」は、ラウンド数が少ない上に、大当たり終了後の遊技状態も不利となるため、遊技者にとって最も不利な大当たり種別である。
このように、本第18実施形態では、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球が入球、または作動ゲート6600を遊技球が通過することにより大当たりが開始された場合に、50%の割合で、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される一方で、50%の割合で通常状態に設定される構成としている。時短状態では、右打ちにより第2入球口6940へと遊技球を入球させて特別図柄の抽選を実行させると共に、小当たりとなった場合に左打ちによってV入賞を発生させるだけで、容易に作動ゲート6600へと遊技球を通過させて大当たりを開始させることができるので、実質的に、短い間隔で大当たり遊技が連続して実行される有利な状態を形成する。一方、通常状態では、左打ちにより大当たり待機状態へと移行させてから、振分装置6960の内部に設けられている作動入賞口660へと遊技球を入球させる必要があるため、通常状態において移行した大当たり待機状態から、大当たり遊技を開始させることが比較的困難となる。よって、次の大当たりが実行されるまでに、比較的長い期間を要し易くなる。このため、時短状態が付与される「大当たりA21」、または「大当たりB21」のいずれかに当選することを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図393(c)を参照して、本第18実施形態における第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)と同様に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図393(c)に示した通り、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0」が規定されている(図393(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~65535」が規定されている(図393(c)の202c2参照)。よって、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりとなる(ボーナス状態に移行する)確率は1/65536であり、普通図柄の時短状態において普通図柄の当たりとなる確率は1/1(65536/65536)である。このため、普通図柄の通常状態においては、左打ち遊技を行ってスルーゲート67を遊技球が通過したとしても、ほぼ、普通図柄の当たりにならないため、第2入球口6940へと遊技球を入球させて、比較的容易に大当たりに当選させる(作動ゲート6600を遊技球が通過するまでの間にV入賞を発生させて大当たり待機状態に移行させる)遊技方法を困難にすることができる。よって、通常状態においては、左打ちにより第1特別通過口6904を狙って遊技を行わせることができるので、通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図394を参照して、本第18実施形態における遊技の流れ(各種状態間の移行方法)について説明する。図394に示した通り、本第18実施形態では、主として3つの状態間を、大当たり等を契機として行き来する構成となっている。即ち、普通図柄の通常状態(非時短状態)、普通図柄の時短状態、および大当たり待機状態である。上述した通り、普通図柄の通常状態では、大当たり待機状態へと移行させて、その大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球を入球させなくては大当たりとなることがない。つまり、大当たり待機状態に移行させるまでの間のつなぎのような状態である。また、大当たり待機状態では、遊技球が入球し難い上に、入球した遊技球が作動入賞口660へと振り分けられ難い振分装置6960へと遊技球を入球させて作動入賞口660への入球を目指す遊技性となるため、大当たり待機状態に移行してから大当たり待機状態となるまでの期間が長期化し易く構成されており、通常遊技中のほとんどがこの大当たり待機状態となるように構成されている。つまり、本第18実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり待機状態が見かけ上の通常状態に相当する。更に、普通図柄の時短状態は、上述した通り、第2入球口6940へと入球させるだけで、大当たり待機状態へと移行した直後に作動ゲート6600を遊技球が通過して大当たりが開始される極めて有利な状態である。以降の本第18実施形態の説明では、便宜上、大当たり待機状態へ移行するまでのつなぎの状態である普通図柄の通常状態のことを「準備モード」と称し、見かけ上の通常状態である大当たり待機状態のことを「通常モード」と称し、遊技者に有利な普通図柄の時短状態のことを「連荘モード」と称する。
まず、図394の上部に示された準備モードについて説明する。図394に示した通り、準備モードにおいては、特別図柄の抽選で小当たり、または大当たりに当選した場合に他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、特別図柄の抽選で小当たりになり、当該小当たり遊技の実行中にV入賞が発生すると、小当たり終了後に通常モード(大当たり待機状態)へと移行する。また、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、直接通常モードへと移行する。これに対し、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生しなかった場合は、小当たり遊技の終了後も、準備モードが継続する。なお、上述した通り、本第18実施形態における小当たり用入賞装置6950は、内部へと入球した遊技球が必ず通過する位置にV領域が設けられているため、小当たり遊技の実行中に左打ちを行っていれば、V入賞が発生する。よって、V入賞が発生せずに小当たりが終了するケースとしては、遊技者が遊技球を発射せずに待機した場合等の特殊な場合のみである(通常の遊技を行っていれば起きないケースである)。また、上述した通り、特別図柄の抽選が実行されると、必ず小当たりまたは大当たりのどちらかに当選するので、準備モードでは、ほぼ、特別図柄の抽選が1回実行されるだけで通常モードへと移行する。
次に、図394の中央部分に示した通常モード(大当たり待機状態)について説明する。図394に示した通り、大当たり待機状態では、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合にのみ、他の状態へと移行する。具体的には、作動入賞口660へと遊技球が入球して開始された大当たりの種別が大当たりA21、または大当たりB21のどちらかであった場合は、大当たり終了後の遊技状態が連荘モード(普通図柄の時短状態)に設定される。一方、開始された大当たりの種別が大当たりC21だった場合は、大当たり終了後の遊技状態が通常モード(普通図柄の通常状態)に設定される。なお、大当たり種別は、準備モードにおいて特別図柄の抽選を実行した時点で決定されているが、通常モードの間に遊技者が大当たり種別を知る方法は無いため、遊技者に対して、作動入賞口660へと遊技球が入球して大当たりが開始されるまでの間、時短大当たり(大当たりA21,B21のいずれか)となることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、図394の下部に示した連荘モード(普通図柄の時短状態)について説明する。図394に示した通り、連荘モードにおいては、小当たり、または大当たりに当選した場合に他の状態へと移行する可能性がある。より具体的には、第2入球口6940への始動入賞に基づく特別図柄の抽選で小当たりとなって、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生するか、若しくは、大当たりとなった場合に、その後に作動ゲート6600を遊技球が通過することで大当たりが開始される。この場合に、開始された大当たりの種別が大当たりC21であれば、大当たり終了後の遊技状態が準備モードに設定される。一方、大当たりA21、または大当たりB21のどちらかであれば、大当たり終了後の遊技状態が再度、連荘モードに設定される。このため、大当たりA21,B21となって連荘モードが繰り返される(ループする)ことを期待して遊技を行わせることができる。
なお、図示については省略したが、連荘モードにおいて左打ちを行って第1特別通過口6904を遊技球が通過したことにより小当たりとなってV入賞が発生した場合には、作動ゲート6600を遊技球が通過し得ないため、通常モードへと移行する。
<第18実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図395から図398を参照して、本第18実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図395を参照して、本第18実施形態における特別図柄変動処理21(S161)について説明する。この特別図柄変動処理21(S161)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22,S104参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示の設定や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第18実施形態における特別図柄変動処理21(S161)のうち、S202,S214~S218,S220~S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22,S104参照)のS202,S214~S218,S220~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第18実施形態における特別図柄変動処理21(S161)では、まず、現在が、大当たり、小当たり又は待機状態中であるか否かを判別する(S291)。S291の処理において、現在が、大当たり、小当たり又は待機状態中であると判別した場合は(S291:Yes)、変動表示を実行し得ない状態であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、現在が、大当たり、小当たり又は待機状態中のいずれでもないと判別した場合は(S291:No)、処理をS202の処理へ移行する。
また、本第18実施形態における特別図柄変動処理21(図395参照)では、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合に(S218:Yes)、時短中カウンタ203iの値を0にリセットし(S292)、流路切替弁6963の開放を設定することで、球振分役物6970へと遊技球が入球可能となる(即ち、作動入賞口660へと遊技球が入球可能となる)ように設定して(S293)、S220の処理へ移行する。
次に、図396を参照して、本第18実施形態におけるメイン処理21について説明する。このメイン処理21は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理である。この第18実施形態におけるメイン処理21のうち、S1001~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001~S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第18実施形態におけるメイン処理21では、S1005の処理が終了すると、次いで、小当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための小当たり制御処理21を実行し(S10011)、S1006の処理へ移行する。この小当たり制御処理21(S10011)の詳細について、図397を参照して説明する。
図397は、上述した小当たり制御処理21(S10011)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理21(S10011)は、上述した通り、小当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。言い換えれば、上記第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)と同様の制御が実行される処理である。
この第18実施形態における小当たり制御処理21(S10011)のうち、S1301~S1304,S1310,S1311,S1321~S1323,S1325の各処理では、それぞれ第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)のS1301~S1304,S1310,S1311,S1321~S1323,S1325の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第18実施形態における小当たり制御処理21(S10011)では、S1310の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別した場合は(S1310:No)、第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)のV通過検出処理に代えて、V通過検出処理21を実行し(S1341)、本処理を終了する。このV通過検出処理21(S1341)の詳細については、図398を参照して後述する。
また、本第18実施形態における小当たり制御処理21(図397参照)では、S1323の処理が終了すると、流路切替弁6963の開放を設定し(S1342)、入球待機フラグ203jをオンに設定すると共に、待機状態コマンドを設定して(S1343)、S1325の処理へ移行する。
次に、図398を参照して、本第18実施形態における小当たり制御処理21(S10011)の中の一処理であるV通過検出処理21(S1341)について説明する。図398は、V通過検出処理21(S1341)を示すフローチャートである。このV通過検出処理21(S1341)は、第9実施形態におけるV通過検出処理(図204)に代えて実行される処理であり、第9実施形態におけるV通過検出処理(図204参照)と同様に、V領域への入球を監視して、入賞の有無に応じた制御を実行するための処理である。
この第18実施形態におけるV通過検出処理21(S1341)のうち、S1601~S1604、およびS1608の各処理では、それぞれ第9実施形態におけるV通過検出処理(図204)のS1601~S1604、およびS1608の各処理と同一の処理が実行される。また、本第18実施形態におけるV通過検出処理21(S1341)では、S1603の処理において、V有効期間内であると判別した場合は(S1603:Yes)、V通過フラグ203ecをオンに設定して(S1608)、本処理を終了する。即ち、本第18実施形態におけるV通過検出処理21(図398参照)では、V領域が1種類のみ設けられているため、V入賞口の種別に応じた大当たり遊技を設定するためのS1605~S1607、およびS1609の各処理が削除されている。
以上説明した通り、本第18実施形態におけるパチンコ機10では、通常遊技状態(第1状態)から大当たり待機状態(第2状態)へと移行させることを比較的容易に構成する一方で、大当たり待機状態において大当たりの開始条件を成立させることを比較的困難に構成した。即ち、作動入賞口660へと遊技球を入球させたとしても大当たりが開始されない通常遊技状態においては、容易に遊技球を入球させることが可能な位置に設けられている始動入賞口(第1特別通過口6904)へと遊技球を入球させて、特別図柄の抽選を1回実行させるだけで、大当たり待機状態へと移行させることが可能に構成した。また、大当たり待機状態における大当たりの開始契機となる作動入賞口660を、振分装置6960の内部に設け、左打ちにより発射された遊技球が振分装置6960へと入球し難く(約100球に1球程度しか入球しないように)構成し、且つ、振分装置6960へと入球した遊技球が作動入賞口660へと振り分けられ難く(約9球に1球程度しか振り分けられないように)構成した。これにより、通常遊技状態が比較的短い期間で終了されて大当たり待機状態へと移行するのに対し、大当たり待機状態が比較的長い期間継続するという特殊な挙動を実現することができる。よって、振分装置6960へと遊技球を入球させて作動入賞口660へと遊技球が振り分けられることを主な目的として遊技を行うという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第18実施形態では、通常遊技状態として、普通図柄の通常状態、および時短状態の2つの遊技状態が設けられており、普通図柄の時短状態において遊技球が入球し易くなる第2入球口6940へと遊技球を入球(始動入賞)させると、当該入球した遊技球が所定期間(15秒前後)遅延された後に、第2入球口6940の内部に設けられた作動ゲート6600を通過するように構成されている。この遅延期間は、特別図柄の変動時間と、小当たりの小当たり遊技期間との合計よりも長くなる(長くなり易くなる)ように構成されているので、第2入球口6940への入球に基づく特別図柄の抽選で小当たりとなって、当該小当たり遊技中に遊技球を小当たり用入賞装置6950へと入球させることにより、作動ゲート6600を遊技球が通過するよりも前に大当たり待機状態へと移行させることができる。よって、時短状態において右打ちにより遊技を行うと、小当たり中にV入賞を発生させて大当たり待機状態へと移行させると、数秒後(振分機構6940bにおいて遊技球が作動ゲート6600を通過した時点)に自動的に大当たりが開始される有利な状態を形成する。これにより、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が設定された場合においては、振分装置6960へと遊技球を入球させて作動入賞口660へと遊技球を入球させなくても、単に開放され易い第2入球口6940へと遊技球を入球させて特別図柄の抽選を実行させ、大当たり待機状態へと移行させることで、容易に大当たり遊技を開始させることができる。言い換えれば、大当たり終了後に時短状態が付与されると、ほぼ、特別図柄の抽選が1回実行されるだけで再度大当たりに当選する有利な状態となるため、大当たり終了後の遊技状態が時短状態となることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
ここで、従来より、入球した遊技球を大当たりの開始契機となる特定領域(V領域)へと流下させる第1流路と、特定領域へと流下し得ない1又は複数の第2流路と、のいずれかに振り分ける振分装置が設けられているパチンコ機が知られている。係る従来型のパチンコ機では、振分装置へと遊技球を入球させること、および第1流路に振り分けられて特定領域へと遊技球が入球することを主目的として遊技を行わせることにより、遊技者の興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定領域へと遊技球が入球した場合に、予め定められた特定回数(例えば、1回や4回)の大当たり遊技が実行されるのみであり、大当たりの終了後は、再度、振分装置へと遊技球を入球させるところから始めなければならないので、大当たり終了後における遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して本第18実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり終了後の遊技状態として、通常状態と時短状態とを設ける構成とし、時短状態が設定されると、その後、短い間隔で大当たり遊技が実行され易くなるように構成した。言い換えれば、大当たり種別として50%の割合で決定される時短大当たり(大当たりA21,B21のどちらか)に当選し続ける限り、大当たり遊技が短い間隔で連続して実行されるように構成した。これにより、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定されることを期待して遊技を行わせることができるので、大当たり終了後における遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本第18実施形態では、特別図柄の抽選で1/200の確率で大当たりとなるように構成していたが、これに限られるものではなく、大当たり確率は任意に定めることができる。また、大当たりとなる確率を0に設定し、特別図柄の抽選が実行された場合に100%の割合(確率)で小当たりに当選するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選が実行された場合の挙動を毎回同一とすることができるので、遊技者により分かり易い遊技性を実現することができる。
本第18実施形態では、第1特別通過口6904を遊技球が通過したことに基づいて実行される特別図柄の抽選と、右特別入球口6940へと遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選とで、大当たり確率や小当たり確率を共通化していたが、これに限られるものではない。例えば、右特別入球口6940へと遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄の抽選では、小当たり確率を低くする(例えば、1/2)と共に、大当たりでも小当たりでもない単なる外れとなる抽選結果を設定してもよい。このように構成することで、時短状態において時短回数が終了するまでに右特別入球口6940への入球に基づく抽選で小当たり又は大当たりに当選しなければ、時短状態が終了されてしまう構成とすることができるので、時短状態における遊技に対して緊張感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合において、時短回数は任意に定めてもよく、また、大当たり種別に応じて異なる時短回数を設定してもよい。このように構成することで、より多い時短回数が設定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18実施形態では、特別図柄の変動時間を1秒間に固定化する構成としていたが、これに限られるものではなく、変動時間は任意に定めることができる。また、例えば、通常状態において右特別入球口6940へと遊技球が入球したことに基づいて実行された特別図柄の抽選では、右特別入球口6940へと入球した遊技球が作動ゲート6600へと到達するよりも長い期間(即ち、15秒よりも長い期間)が選択される(選択され易くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、通常状態において右打ちを行って右特別入球口6940へと遊技球を入球させ、振分装置6960を介さずに大当たりを実行させるという変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
本第18実施形態では、大当たり待機状態を見かけ上の通常状態となるように構成し、実際の通常状態を、大当たり待機状態へと移行するまでのつなぎの状態という位置づけにしていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態を見かけ上の通常状態として構成したり、潜確状態を見かけ上の通常状態としたり、時短状態を見かけ上の通常状態としてもよい。より具体的には、見かけ上の通常状態において大当たりになると、賞球をほとんど得られない大当たり(大入賞口の開放期間が短い大当たり)に当選する割合が高くなる一方で、実際の通常状態において大当たりになると、賞球を多量に獲得し得る大当たりに当選する割合が高くなるように構成することで、見かけ上の通常状態から実際の通常状態に移行させることを遊技の主目的として遊技を行わせるように構成してもよい。これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第18実施形態では、大当たり待機状態において作動入賞口へと遊技球が入賞した場合には、入賞した作動入賞口の種別(作動入賞口660であるか、作動ゲート6600であるか)によらず、特別図柄の抽選時(大当たり待機状態への移行時)に予め決定された種別の大当たりが開始される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、入賞した作動入賞口の種別に応じて、開始される大当たりの種別を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球が入球した場合には、必ず時短大当たりとなる(若しくは、時短大当たりの割合が高くなる)一方で、作動ゲート6600を遊技球が通過した場合には、通常大当たりとなる(若しくは、通常大当たりの割合が高くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、振分装置6960を突破して遊技球が作動入賞口660へと入球した場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、逆に、作動ゲート6600を通過した場合の方が、作動入賞口660へと入球したばあいよりも、時短大当たりとなる割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、一旦時短状態が付与されると、大当たりと時短状態とが繰り返され易くなる極めて有利な状態を形成するので、時短状態が付与された場合における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第18実施形態の変形例>
次に、図399から図401を参照して、上述した第18実施形態の変形例について説明する。上述した第18実施形態では、大当たり待機状態が見かけ上の通常状態となるように構成して、遊技球が振分装置6960へと入球して作動入賞口660へと振り分けられることを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を実現していた。また、上述した第18実施形態では、連荘モード(普通図柄の時短状態)において入球し易くなる第2入球口6940へと入球した遊技球が、所定期間経過後に通過する位置に作動ゲート6600を設ける構成とし、時短状態においては、大当たり待機状態になってから、ほぼ間隔無く作動ゲート6600を遊技球が通過することで大当たりが開始される構成としていた。
これに対して本変形例では、大当たり待機状態を見かけ上の通常状態にするという遊技性は第18実施形態と共通にしておきつつ、普通図柄の時短状態における遊技性を変更している。より具体的には、普通図柄の時短状態では、球振分役物6970へと遊技球が入球し易くなる(球振分装置6970へと遊技球を流下させることが可能な流路の入り口部分に電動役物6985を配置する)構成とした。つまり、時短状態においては、作動入賞口660へと遊技球が入球し易くなるように構成している。
なお、上述した第18実施形態と同様に、時短状態のままでは(大当たり待機状態以外の状態では)、作動入賞口660へと遊技球を入球させたとしても、大当たりが開始されることはない。よって、時短状態において大当たりを開始させるためには、振分装置6980の内部に遊技球が入球してから、作動入賞口660へと遊技球が入球するまでの間に大当たり待機状態に移行させる必要がある。しかしながら、大当たり待機状態に移行すると、時短状態が終了してしまうため、球振分役物6970へと遊技球が容易に入球する状態が終了してしまうので、大当たり待機状態に移行させたものの、球振分役物6970によってアウト口6973に振り分けられてしまった場合には、不利な通常モードになって遊技者に不利となってしまう。このため、第1クルーン6971や第2クルーン6972における遊技球の挙動から、作動入賞口660へと振り分けられそうかどうかを慎重に判断して、時短状態を終わらせる(大当たり待機状態に移行させる)か否かについて、遊技者に対して判断するという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。
この第18実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、第18実施形態と構成上において相違する点は、主として、遊技盤13の盤面構成が変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第18実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第18実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図399は、本変形例における遊技盤13の正面図である。図399に示した通り、本変形例では、第18実施形態における振分装置6960に代えて、振分装置6980が設けられている点で相違する。また、第18実施形態における可変表示装置ユニット80の正面視右側に設けられていた第2入球口6940、および第2入球口6940の周辺の構成(電動役物6940a、振分機構6940b等)が削除されている点で相違する。
図399に示した通り、本変形例における振分装置6980は、球振分役物6970へと遊技球を流下させるための流路として、2つの流路が設けられている。即ち、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路に向けて開口部(入り口)が設けられている左誘導流路6981と、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路に向けて開口部(入り口)が設けられている右誘導流路6982とが設けられている。いずれかの流路へと流入した遊技球は、アウト口6962u、およびアウト口6962dへと入球しないことを条件に、球振分役物6970へと誘導される。ここで左誘導流路6981の入り口部分の周辺は、第18実施形態における誘導流路6961よりも、遊技釘がまばらに配置されているため、遊技釘等によって左誘導流路6981の方向へと反射した遊技球が入球し易くなるように構成されている。よって、本変形例では、左打ちされた遊技球の約1/50程度が入球する。
一方で、右誘導流路6982の入り口部分には、右誘導流路6982を開放および閉鎖することが可能な電動役物6985が設けられている。この電動役物6985は、普通図柄の当たりとなった場合に所定期間(5秒間の間)開放される。電動役物6985の開放状態においては、右打ちされた遊技球の多くが、開放されている電動役物6985によって右誘導流路6982へと誘導される。即ち、普通図柄の時短状態においては、右打ちを行うだけで、比較的容易に振分装置6980の内部へと遊技球を入球させることができる(左打ちを行うよりも容易に振分装置6980へと遊技球を入球させることができる)。一方で、普通図柄の通常状態では、第18実施形態と同様に、普通図柄の抽選が実行されたとしても、ほぼ外れとなり電動役物6985が開放されない。よって、普通図柄の通常状態においては、左打ちを行った方が振分役物6980へと遊技球が入球し易くなる。
また、図399に示した通り、左誘導流路6981の下流側には、左誘導流路6981の下端を開放及び閉鎖することが可能な通過規制弁6986が設けられている。この通過規制弁6986は、パチンコ機10の電源が入っている間、2秒間の閉鎖状態と、1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すように制御される。また左誘導流路6981の下端部には、通過規制弁6986が閉鎖されている状態で通過規制弁6986の上面まで到達した遊技球を外部へと排出するためのアウト口6987が設けられている。これらの通過規制弁6986およびアウト口6987によって、通過規制弁6986が開放されている間に左誘導流路6981の下端(右端)まで到達した遊技球のみを、球振分役物6970へと流下させることが可能となる。上述した通り、通過規制弁6986は、2秒間の閉鎖状態と、1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すので、到達した遊技球を1/3の割合で球振分役物6970へと流下させる(振り分ける)振分手段としての役目を担っている。
なお、本変形例では、第18実施形態における流路切替弁6963およびアウト口6962(大当たり待機状態以外の状態で球振分役物6970への入球を防止する構成)が削除されている。即ち、本変形例では、大当たり待機状態であるか否かによらず、球振分役物6970へと常時遊技球が入球可能に構成されている。これにより、時短状態において右打ちを行った場合に、球振分役物6970へと容易に遊技球を到達させることができる。
なお、本変形例において、各クルーンに到達した遊技球がいずれかの入球口へと入球するまでの期間は10秒前後となっている。これに対し、特別図柄の変動時間は1秒間固定であるため、第2クルーン6972へと遊技球が到達してから左打ちを行ったとしても、2秒程度で小当たりまたは大当たりに当選する。大当たりの場合は、そのまま大当たり待機状態に移行し、小当たりの場合でも、左打ちを継続していれば、ほぼ、1秒以内にV入賞が発生して大当たり待機状態に移行するため、第2クルーン6972に振り分けられた遊技球がいずれかの入球口(セーフ入球口6972a、アウト入球口6972b,6972c)へと入球するよりも前に大当たり待機状態へと移行させることができる。よって、第2クルーン6972へと振り分けられた遊技球が作動入賞口660へと入球するよりも前に大当たり待機状態へと移行させることができるので、作動入賞口660へと入球させることができれば、大当たりを開始させることができる。なお、大当たり待機状態へと移行させても、アウト入球口6972b、6972cのどちらかへと振り分けられた場合には、作動入賞口660へと入球することがないため、遊技者に不利な通常モードとなる。よって、遊技者に対して、遊技球の挙動をよく観察して、大当たり待機状態へと移行させるために左打ちを行うか、左打ちを行うことを見送って次の入球に期待するのかを判断させる斬新な遊技性を実現することができる。ここで、左打ちを行わない限り、特別図柄の抽選が実行されないため、時短状態が終了する(特別図柄の抽選が100回終了する)ことはない。よって、遊技者の好みのタイミングをじっくりと吟味した上で大当たり待機状態へと移行させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図400を参照して、本変形例における時短状態の遊技の流れについて説明する。ここで、本変形例における時短状態は、第18実施形態における時短状態と異なり、次の大当たりがほぼ確定している状態ではなく、単に球振分役物6970へと遊技球が入球し易くなる状態に過ぎない。よって、本変形例では、時短状態のことを、通常モードに比較して作動入賞口660への入球機会が多いという意味で、「チャンスモード」と称することにする。
図400に示した通り、チャンスモード(普通図柄の時短状態)においては、右打ちにより遊技を行い、スルーゲート67を遊技球が通過すると、1/1(65536/65536)の確率で普通図柄の当たりになって電動役物(普通電動役物)6985が開放される。そして、右打ち遊技を継続して行っていると、振分装置6980へと遊技球が入球する。振分装置6980へと遊技球が入球した後、遊技球が振分装置6980によって作動入賞口660、またはアウト口6973へと振り分けられると(C2)、チャンスモードが維持される。一方、振分装置6980へと遊技球が入球した後で、遊技者が左打ちを行う(大当たり待機状態)という選択を行った場合(C1)には、左打ちにより発射された遊技球が第1特別通過口6904を通過することにより始動入賞が発生する。そして、小当たりに当選して、小当たり中に左打ちされた遊技球が小当たり用入賞装置6950へと入球することでV入賞が発生するか、または特別図柄の抽選で大当たりに当選して、大当たり待機状態(通常モード)に移行する。
通常モードへと移行してから、振分装置6980によって遊技球が作動入賞口660へと振り分けられた(入球した)場合には、大当たり待機状態が終了されて、大当たり遊技が開始される。一方、通常モードへと移行した後で、振分装置6980によって遊技球がアウト口6973へと振り分けられた(入球した)場合には、そのまま不利な通常モードが継続する。つまり、チャンスモードにおいて左打ちを行って通常モードへと移行させた後で、振分装置6980によって遊技球が作動入賞口660へと振り分けられた場合には大当たり遊技が実行される一方で、振分装置6980によって遊技球がアウト口6973へと入球した場合には、大当たり遊技が実行されない上に、チャンスモードへと復帰することもできないため、振分装置6980による遊技球の振り分け先が、その後の遊技者の有利度合いに大きく影響する遊技性を実現することができる。つまり、通常モードにおいて左打ちにより振分装置6980に遊技球が入球した場合よりも、アウト口6973へと振り分けられた場合におけるショックを大きくすることができるので、チャンスモードにおいて遊技球が振分装置6980へと入球した場合に、作動入賞口660へと入球すると予測して左打ちを行う(C1)か、アウト口6973へと振り分けられると予測して左打ちを行わないか(C2)の選択を、より真剣に行わせることができる。つまり、チャンスモード(時短状態)を終了させる(通常モードへと移行させる)か否かの選択を、より真剣に判断させるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図401を参照して、本変形例における特徴的な演出態様について説明する。図401は、本変形例において、チャンスモード(時短状態)の間に、開放状態の電動役物6985を介して振分装置6980の内部へと遊技球が流入したことを検出した場合に実行される選択演出が実行された場合の表示態様の一例を示した図である。図401に示した通り、チャンスモード中に、電動役物6985を介して遊技球が振分装置6980の内部へと入球すると、第3図柄表示装置81の表示画面に、左打ちを行って大当たり待機状態へと移行させ、作動入賞口660へと入球することを期待するか、右打ちを継続して次の普通図柄の当たりを目指す(今回振分装置6980へと入球した遊技球が作動入賞口660へと入球しないことを期待する)かを選択するように促す表示態様が表示される。
より具体的には、表示画面の中央上部に形成される表示領域HR1に対して、「選べ!!」という文字が表示されると共に、表示画面における左半分に、「Vに入賞すれば大当たり確定!!」という文字が表示された表示領域HR41と、「V入賞失敗で時短終了・・・」という文字が表示された表示領域HR42とが表示される。また、表示領域HR42の下方には、「左打ち」という文字が表示された左向きの矢印を模した矢印画像YG41が表示される。この表示内容により、左打ちを行った場合には、「V」という文字が付された作動入賞口660へと入球することで大当たりになるが、アウト口6973へと入球してしまった場合には不利な通常モードへと移行してしまうということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図401に示した通り、表示画面における右半分には、「V入賞に失敗しても時短継続!!」という文字が表示された表示領域HR43と、「V入賞しても大当たり無効・・・」という文字が表示された表示領域HR44とが表示される。また、表示領域HR44の下方には、「右打ち」という文字が表示された右向きの矢印を模した矢印画像YG41が表示される。この表示内容により、左打ちを行った場合には、「V」という文字が付された作動入賞口660へと入球しても(大当たり待機状態ではないため)大当たりにならないが、アウト口6973へと振り分けられても時短状態が終了されないということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
この選択演出を実行する構成とすることにより、パチンコ機10において遊技を行った経験が少ない遊技者であっても、比較的容易に、その遊技性を把握することができる。よって、遊技の初心者でも楽しみ易いパチンコ機を提供することができる。
以上説明した通り、本変形例におけるパチンコ機10では、チャンスモード(時短状態)において普通図柄の当たりとなって振分装置6980の内部へと遊技球が入球した場合に、作動入賞口660へと遊技球が入球しそうか否かを判断して、作動入賞口660へと入球しそうだと判断した場合に左打ちを行って大当たり待機状態へと移行させる(即ち、有利な時短状態を終了させる)という極めて斬新、且つ、特殊な遊技性を実現した。これにより、チャンスモードにおいて振分装置6980へと遊技球が入球する毎に、大当たり待機状態へと移行させるか時短状態を継続させるかを真剣に判断させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本変形例では、第18実施形態と同様に、普通図柄の保留記憶機能を搭載する構成としているが、普通図柄の保留記憶機能は、搭載してもよいし、搭載しなくてもよい。保留記憶機能を搭載した場合は、普通図柄の時短状態において、普通図柄の保留球が存在する状況下で振分装置6980へと遊技球が入球してから左打ちにより大当たり待機状態へと移行するまでの間に、普通図柄の保留球に基づく普通図柄の当たりに再度当選して、追加で遊技球を振分役物6980へと入球させることが可能となる。よって、作動入賞口660へと遊技球を入球させるチャンスが増加し得る構成とすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、保留記憶機能を搭載しない場合は、時短状態において作動入賞口660へと入球する割合をほぼ一定にすることができるので、振分装置6980へと遊技球が入球した際に、遊技球が作動入賞口660へと入球するのか否かをより予測困難に構成することができる。よって、遊技者に対して、左打ちにより時短状態を終了させて大当たり待機状態に移行させるか否かを、より真剣に判断させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本変形例では、普通図柄の通常状態においてスルーゲート67を遊技球が通過したとしても、ほぼ普通図柄の当たりに当選し得ないように普通図柄の当たり確率を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の当たり確率を1/400程度に設定してもよい。このように構成することで、普通図柄の通常状態が設定される大当たり待機状態において、右打ちを行うか、左打ちを行うかを選択させる遊技性を実現することができる。より具体的には、右打ちを行ってスルーゲート67を遊技球が通過し、普通図柄の当たりになると、通過規制弁6986を突破せずに直接球振分役物6970へと遊技球を到達させることができる遊技性となる。一方、左打ちを行った場合は、普通図柄の当たりにならなくても、1/100程度の割合で遊技球を振分装置6980へと入球させることができる代わりに、通過規制弁6986を通過しなければ球振分役物6970へと到達させることが不可能となる遊技性となる。よって、遊技者に対して好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第19実施形態>
次に、図402から図411を参照して、第19実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特に時短状態において、右打ちを行うことにより普通図柄の抽選を容易に行わせること、および普通図柄の当たり遊技を実行させることが比較的容易である一方で、特別図柄の抽選で大当たりに当選することが比較的困難となるように構成していた。
これに対して本第19実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の抽選を行わせることが困難となる代わりに、普通図柄の抽選で当たりとなって右特別入球口7040が開放され、始動入賞が発生すると、ほぼ、始動入賞に基づく特別図柄の抽選が実行される毎に大当たりとなるように構成した。即ち、普通図柄の当たり中に右特別入球口7040へと遊技球を入球させて貯めた保留球の個数分だけ、連続して大当たりが発生するという特殊な遊技性を実現可能に構成した。また、右特別入球口7040へと入球した遊技球によって、普通図柄の抽選条件を成立させ得るように構成し(即ち、右特別入球口7040の内部の右スルーゲート67rを通過し得るように構成し)、1の普通図柄の当たりを契機に貯められた特別図柄の保留球数分の大当たりを消化しきる前に、再度、普通図柄の当たりに当選して保留球を補充する機会を与えることが可能に構成した。これにより、大当たりの連続当選がいつまで続くか予測し難い斬新な遊技性を実現することが可能に構成した。
この第19実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図402を参照して、本第19実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図402は、本第19実施形態における遊技盤13の正面図である。図402に示した通り、本第19実施形態における遊技盤13の中央には、入球した遊技球を、中央スルーゲート67cを通過可能な1の流路と、中央スルーゲート67cを通過し得ない複数の流路とのいずれかに振り分ける振分装置6990が設けられている。この振分装置6990は、上述した第18実施形態における振分装置6960(図389参照)と同様に、遊技球が入球し難く、且つ、入球したとしても中央スルーゲート67cへと遊技球が振り分けられ難い構成となっている。より具体的には、図402に示した通り、本第19実施形態における振分装置6990は、その上流が、可変表示装置ユニット80の左側の流路に繋がっており、左打ちにより発射された遊技球が入球可能に構成されている。左打ちされた遊技球のうち、振分装置6990へと入球する遊技球の割合は、上述した第18実施形態における振分装置6960と同様に1/100程度である。
また、図402に示した通り、振分装置6990は、入り口部分(開口部)から入球した遊技球を内部へと誘導するための誘導流路6961と、その誘導流路の下流側に設けられ、中央スルーゲート67cを介してアウト口6973へと入球する流路と、中央スルーゲート67cを通過せずにアウト口6973へと入球する流路とのどちらかへと遊技球を振り分けるための球振分役物69700とが設けられている。なお、この球振分役物69700は、上述した第18実施形態における球振分役物6970(図390参照)において、作動入賞口660に代えて中央スルーゲート67cを配置している点でのみ相違しているため、その詳細な説明については省略する。
また、誘導流路6961と、球振分役物69700との間には、誘導流路6961の下流側(球振分役物69700の上流側)を開放及び閉鎖することが可能な通過規制弁6991が設けられている。この通過規制弁6991は、第18実施形態の変形例における通過規制弁6986と同様に、パチンコ機10の電源が入っている間、2秒間の閉鎖状態と、1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すように制御される。また誘導流路6961の下端部には、通過規制弁6991が閉鎖されている状態で通過規制弁6991の上面まで到達した遊技球を外部へと排出するためのアウト口6962が設けられている。これらの通過規制弁6991およびアウト口6962によって、通過規制弁6991が開放されている間に誘導流路6961の下端(右端)まで到達した遊技球のみを、球振分役物69700へと流下させることが可能となる。上述した通り、通過規制弁6991は、2秒間の閉鎖状態と、1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すので、通過規制弁6991は、到達した遊技球を1/3の割合で球振分役物69700へと流下させる(振り分ける)振分手段としての役目を担っている。このため、本第19実施形態における振分装置6990は、左打ちされた遊技球が約1/100の割合で入球し、その入球した遊技球のうち約1/3が通過規制弁6991を通過して球振分役物69700へと到達し、その球振分役物69700へと到達した遊技球のうち約1/9が中央スルーゲート67cを通過する。
中央スルーゲート67cを遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が実行される。詳細については後述するが、本第19実施形態では、普通図柄の抽選で100%当たりになる。普通図柄の当たりになって電動役物7040aが開放されると、右打ちにより右特別入球口7040へと遊技球が入球可能な状態となる。本第19実施形態では、右特別入球口7040への入球に基づく特別図柄の抽選が実行されると、高確率(199/200)で小当たりに当選する構成としている。そして、小当たり遊技の実行中に小当たり用入賞装置6950へと遊技球が入球することにより、小当たり終了後に直接(大当たり待機状態を介さずに)大当たりが開始される。つまり、普通図柄の当たりになると、普通図柄の当たりが終了するまでの間に右特別入球口7040へと入球させることで貯まった特別図柄の保留球の個数分のだけ、大当たりに連続して当選する極めて有利な状態を形成する。よって、左打ちにより振分装置6990へと遊技球を入球させること、および振分装置6990へと入球した遊技球が中央スルーゲート67cを通過することを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図402に示した通り、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の正面視右側の流路には、遊技球が入球可能な右特別入球口7040が設けられている。また、右特別入球口7040には、その右特別入球口7040を開放および閉鎖することが可能な電動役物(普通電動役物)7040aが付随して設けられている。この電動役物7040aは、上述した通り、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に所定期間(6秒間)開放される。電動役物7040aが開放されている間に遊技球が右特別入球口7040へと入球すると、第1実施形態における第1入球口64や第2入球口640aへと入球した場合と同様に、特別図柄の抽選が実行されて特別図柄の変動表示が実行される。また、特別図柄の変動表示中(若しくは小当たり遊技中や大当たり遊技中)に右特別入球口7040へと遊技球が入球した場合は、第1実施形態と同様に、その入球に基づく特別図柄の抽選が4回を上限に保留されるように構成されている。
ここで、上述した通り、本第19実施形態では、特別図柄の抽選が実行されると、大当たり、または小当たりのいずれかに必ず当選し、小当たりとなった場合には、小当たり用入賞装置6950へと遊技球を入球させることでV入賞が発生して大当たり遊技が実行される構成としている。つまり、実質的に、特別図柄の抽選が実行される毎に、大当たりに当選する構成としている。よって、普通図柄の当たり中に貯まった保留球の個数は、実質的に、その後に連続当選する大当たりの回数と一致するように構成している。よって、普通図柄の当たりとなって電動役物7040aが開放された場合には、保留球を上限まで貯めたいと強く期待して右打ちにより右特別入球口7040を狙って遊技球を発射させることができる。なお、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物7040aの開放期間は6秒に設定されるので、開放期間の間右打ちを継続して行っていれば、容易に保留球数を上限(4個)まで貯めることができる。よって、普通図柄の当たりとなった場合には、ほぼ、5回分(最初の入球に基づく特別図柄の抽選と、保留球4個分の合計)の大当たりが連続して実行されるので、一般的なパチンコ機では獲得し得ない個数の賞球を、ほぼ一度に獲得することができる。よって、普通図柄の当たりとなった場合(即ち、振分装置6990によって遊技球が中央スルーゲート67cに振り分けられた場合)に、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
また、図402に示した通り、右特別入球口7040の内部には、右特別入球口7040へと入球した遊技球を右普通入球口67rと、各アウト口7041b,7052,7053とのいずれかへと振り分けるための振分機構7050が設けられている。この振分機構7050は、遊技盤13のベース板60よりも奥側に設けられているので、その手前側を遊技球が流下可能に構成されている。この振分機構7050の構造の詳細について、図403を参照して説明する。
図403は、振分機構7050の拡大正面図である。この振分機構7050のうち、上流側は、上述した第18実施形態における振分機構6940b(図391参照)と同様に、1の普通図柄の当たりにおいて振分機構7050における下流側に流下させる遊技球を最大1個に限ることが可能に構成している。より具体的には、振分機構7050のうち上流側に、右特別入球口6940へと入球した遊技球を上面に停留させることが可能な閉鎖状態と、振分機構7050における下流側に流下させることが可能な開放状態と、に可動(可変)可能な開閉弁7041cが設けられている。この開閉弁7041cが閉鎖されて状態においては、1の遊技球が開閉弁7041cの上面に停留されると共に、停留された遊技球よりも後に右特別入球口7040へと入球した遊技球が停留されている遊技球に衝突することで、誘導流路7041bへと反発されて、その下流側のアウト口7041bを介して外部へと排出される。開閉弁7041cは、第18実施形態における振分機構6940bの開閉弁6941cと同様に、普通図柄の当たり中は閉鎖状態に設定され、普通図柄の当たり終了時に開放状態に切り替えられるので、普通図柄の当たり中に右特別入球口7040へと入球した遊技球を、1球を除いて全てアウト口7041bより排出することができる。
また、図403に示した通り、振分機構7050のうち、開閉弁7041cよりも下流側の構成は、上述した第13実施形態における転動装置10675cの構成と略同一となっている。即ち、すり鉢形状の転動面の中央部分において、常時回転体7051が回転動作を行い続けるように構成されており、転動面において常時回転体7051の方向へと転動した遊技球を、羽根部材7051aによって外周壁側へと不規則に弾き返すことが可能に構成している。また、図403に示した通り、転動面の手前側には、アウト口7052,7053、および右スルーゲート67rが設けられており、アウト口7052,7053へと遊技球が入球した場合は、単にそのまま外部へと排出されるのみである一方で、右スルーゲート67rへと遊技球が入球した場合は、普通図柄の抽選が実行される。即ち、電動役物7040aが開放されて、特別図柄の保留球を増加させるチャンスが与えられる。
なお、第13実施形態における転動装置10675cと同様に、各入球口のいずれにも入球し得ない方向へと跳ね返された遊技球は、外周壁に衝突して、再び常時回転体7051へと戻るため、常時回転体7051によって数回程度弾き返されることでいずれかの入球口へと入球する(即ち、普通図柄の当たりが終了してから、最初の大当たりが終了するよりも前にいずれかの入球口へと入球する)場合もあれば、常時回転体7051への衝突と、外周壁への衝突とを延々と繰り返すことにより、1または複数の大当たりが終了した後でいずれかの入球口へと入球する場合もある。最初の大当たりが終了するよりも前に右スルーゲート67rへと入球して普通図柄の当たりとなった場合には、特別図柄の保留球が上限値のままとなっているため、右特別入球口7040へと遊技球を入球させたとしても、保留球数を増加させることはできない。一方で、1または複数の大当たりが終了した後で振分機構7050により右スルーゲート67rへと遊技球が振り分けられた場合には、当該入球に基づく普通図柄の当たりにおいて、右特別入球口7040へと遊技球を入球させることにより、減少した保留球を補充して、保留球数を再び上限値である4まで増加させることができる。即ち、少なくとも1以上の保留球を消化した状態で振分機構7050によって右スルーゲート67rへと遊技球が振り分けられることにより、上限の回数(5回)を超えて、大当たりを連続させることができる。よって、保留球数分の大当たり遊技を消化している最中に、振分機構7050によって遊技球が振り分けられる入球口の種別、および入球するタイミングに注目して遊技を行わせることができる。
ここで、従来より、1の当たり条件を満たすことにより特定回数の大当たりに連続して当選する仕様のパチンコ機が知られていた。しかしながら、係る従来型のパチンコ機では、当たりの条件を満たした場合に実行される大当たり遊技の回数が固定化されているため、当たりの条件を満たした後の遊技が、単に固定回数分の大当たり遊技における賞球を獲得するだけの作業のようになってしまい、遊技が単調となってしまう可能性があった。
これに対して本第19実施形態では、普通図柄の当たりとなって右特別入球口7040へと遊技球を入球させることで5回分の大当たりの実行条件を成立させ、保留球数分の大当たり遊技を実行している最中も、振分機構7050によって遊技球が右スルーゲート67rへと振り分けられることにより、保留球を増加させることが可能に構成している。即ち、大当たりの連続当選回数を増加させることが可能に構成している。これにより、大当たり遊技の実行中であっても、振分機構7050の内部に遊技球が残存している場合には、より長く(即ち、保留球数がより少なくなるまで)遊技球が残存すること、および振分機構7050によって右スルーゲート67rへと遊技球が振り分けられることを期待して遊技を行わせることができる。よって、保留球数分の大当たりを消化している最中であっても、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
なお、本第19実施形態では、振分機構7050に、2つのアウト口と、1つのスルーゲートとを設ける構成としていたが、アウト口とスルーゲートとの比率や、トータルの入球口の個数は任意に定めてもよい。例えば、スルーゲートの比率を高める(例えば、アウト口を1つ、スルーゲートを2つにする)ことにより、スルーゲートへと入球し易くなるため、保留球数分の大当たり遊技を消化する途中で、保留球を補充する(普通図柄の当たりになる)機会をより多く与えることができる。一方、スルーゲートの比率を低くする(例えば、アウト口3つ、スルーゲート1つにする)ことにより、保留球を補充する機会を少なくすることができるので、運良く保留球を補充する機会を得た場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。また、入球口の個数を減らす(例えば、右スルーゲート67rのみにする)ことにより、振分機構7050によって入球口へと振り分けられ難くなり、外周壁と常時回転体7051との間を遊技球がより長い期間、往復し易くなるので、保留球をより多く消化した状態で遊技球を右スルーゲート67rに通過させ易くなる。よって、保留球を補充する機会(即ち、大当たりの連続回数の上限を増加させる機会)をより多くすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、入球口を増加させると、より短時間で振分機構7050によって何れかの入球口へと振り分けられ易くなるため、保留球を補充する機会を少なくすることができる。よって、運良く保留球を補充する機会を得た場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
<第19実施形態の電気的構成>
次に、図404を参照して、本第19実施形態における主制御装置110のROMの詳細について説明する。本第19実施形態におけるROM202(図示せず)は、第1実施形態におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aの規定内容と、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容と、第2当たり乱数テーブル202cの規定内容と、が一部変更となっている点でのみ相違している。
まず、本第19実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について、図404(a)を参照して説明する。この第19実施形態における第1当たり乱数テーブル202aは、第1実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図404(a)に示した通り、本第19実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0,1」の2個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で(図404(a)の202a1参照)、特別図柄の外れ(小当たり)と判定される乱数値(カウンタ値)として、「2~399」の398個の乱数値(カウンタ値)が規定されている(図404(a)の202a2参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が2個である一方で、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が398個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、1/200(2/400)の確率で大当たりに当選する一方で、199/200(398/400)の確率で小当たりに当選する。よって、特別図柄の抽選が実行されると、ほぼ、小当たりに当選して小当たり遊技が開始される。また、小当たりにおいて小当たり用入賞装置6950へと入球した遊技球は必ずV領域を通過するので、小当たり終了後に大当たり遊技が開始される。よって、実質的に、特別図柄の抽選が実行される毎に、大当たり遊技が実行される。このため、特別図柄の保留球が存在する場合は、実質的に保留球数分の大当たりの当選が約束されている状態となるため、保留球が貯まった時点で、遊技者を喜ばせることができる。
次に、図404(b)を参照して、本第19実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図404(b)に示した通り、本第19実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、1種類の大当たり種別(大当たりA22)のみが規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の取り得る全ての値の範囲(「0~99」の範囲)に対して、大当たり種別として「大当たりA22」が対応付けて規定されている。即ち、大当たりになると、100%の割合でこの「大当たりA22」が選択される。この「大当たりA22」は、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される大当たり種別である。なお、本第19実施形態では、通常状態以外の遊技状態が設けられていないため、大当たりに当選することで、大当たり終了後に他の遊技状態へと移行することはない。
次に、図404(c)を参照して、本第19実施形態における第2当たり乱数テーブル202cについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cは、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)と同様に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図404(c)に示した通り、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~239」が規定されている(図404(c)の202c1参照)。即ち、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る全範囲(「0~239」の範囲)に対して、当たりの抽選結果が対応付けて規定されている。これにより、振分装置6990により中央スルーゲート67cに遊技球が振り分けられた場合に、必ず普通図柄の当たりとなって電動役物7040aを開放させることができる。よって、振分装置6990により中央スルーゲート67cへと遊技球が振り分けられた場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図405を参照して、本第19実施形態におけるパチンコ機10の遊技の流れ(各種状態の推移)について説明する。図405に示した通り、本第19実施形態では、主として3種類の状態が設けられている。即ち、遊技者に不利となる通常状態と、普通図柄の当たりとなって特別図柄の保留球を貯めることが可能なボーナスチャージ状態と、特別図柄の保留球が1以上存在し、少なくとも残りの保留球数分の大当たりが実質的に確定しているボーナス消化状態と、の3種類の状態が設けられている。
図405の上部に示した通り、通常状態においては、中央スルーゲート67c、または右スルーゲート67rを遊技球が通過した場合にのみ、他の状態に移行する。即ち、いずれかのスルーゲートを通過することにより、普通図柄の当たり状態であるボーナスチャージ状態に移行する。なお、通常状態において中央スルーゲート67cを遊技球が通過するのは、左打ちにより振分装置6990へと入球した遊技球が中央スルーゲート67cに振り分けられた場合であり、上述した通り、左打ちされた遊技球の約2700個に1個の割合(1/100×1/3×1/9)となる。一方、通常状態において右スルーゲート67rを通過するのは、右特別入球口7040へと入球して振分機構7050の下流側へと流下した遊技球が、いずれの入球口へも入球しないうちに、先に全ての保留球に基づく大当たり遊技が終了し、その後に右スルーゲート67rへと遊技球が振り分けられた場合である。
また、図405の中央部分に示した通り、ボーナスチャージ状態は、普通図柄の当たりの終了と共に終了されて、他の状態へと移行する。このボーナスチャージ状態においては、右打ちを行い続けるだけで容易に右特別入球口7040へと保留球数の上限分以上の遊技球を入球させることができるので、ボーナスチャージ状態に移行することで、容易に保留球を上限個数まで貯めることができる。
また、ボーナスチャージ状態において普通図柄の当たりが終了すると、遊技者に最も有利なボーナス消化状態へと移行する。このボーナス消化状態では、ボーナスチャージ状態において貯めた保留球数分だけ、特別図柄の抽選および変動表示と、大当たり遊技とが繰り返される極めて有利な状態である。図405の下部に示した通り大当たりが終了した時点で、特別図柄の保留球が存在するうちは、ボーナス消化状態をループすることにより特別図柄の抽選と大当たりとが繰り返される一方で、大当たり終了時点で特別図柄の保留球が0であれば、通常状態となる。また、ボーナス消化状態において、右スルーゲート67rを遊技球が通過した(ボーナスチャージ状態において右特別入球口7040へと入球させた遊技球が振分機構7050によって右スルーゲート67rに振り分けられた)場合は、ボーナスチャージ状態に移行することで、再度、保留球を上限まで貯める機会を与えられる。
このように、本第19実施形態では、通常状態において中央スルーゲート67cを遊技球が通過することを比較的困難にする(左打ちにより発射された遊技球のうち、約2700個に1個の割合でしか通過しない)構成とする代わりに、中央スルーゲート67cを通過すると、必ず普通図柄の当たりになる上に、普通図柄の当たり中に特別図柄の保留球を上限個数分まで容易に貯めることが可能に構成している。また、特別図柄の抽選が実行されると、実質的に(遊技者が小当たり中に右打ちを行いさえすれば)、必ず大当たりに当選する構成とした。これにより、保留球数が大当たりの連続回数に実質的に一致するため、1の中央スルーゲート67cの通過により、大当たり5回分の当選が保証されるので、中央スルーゲート67cを通過した場合における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、本第19実施形態では、保留球数分の特別図柄の抽選が終了して、保留球数分の大当たりが終了するまでの間に、右スルーゲート67rを遊技球が通過し得る構成としている。これにより、保留球が減った状態において、保留球を補充する機会が与えられ得る構成とすることができるので、大当たり回数を実質的に上乗せするという遊技性を実現することができる。更に、右スルーゲート67rを遊技球が通過するタイミングがランダムになるように構成しているので、なるべく保留球数が少ない状態で右スルーゲート67rを通過することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第19実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図406から図411を参照して、本第19実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図406を参照して、本第19実施形態における特別図柄変動処理22(S171)について説明する。この特別図柄変動処理22(S171)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第19実施形態における特別図柄変動処理22(図406参照)のうち、S202,S208~S218、およびS223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同一の処理が実行される。また、本第19実施形態における特別図柄変動処理22(図406参照)では、まず、大当たり、または小当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(S255)、大当たり遊技の実行中であるか、または、小当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S255:Yes)、変動表示が実行され得ない状況であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方で、S255の処理において、大当たり中でも小当たり中でもないと判別した場合は(S255:No)、処理をS202へと移行する。
また、本第19実施形態における特別図柄変動処理22(図406参照)では、特別図柄の種類が1種類しか設けられていないことに伴って、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のうち、第2特別図柄の変動表示に関する制御(S203~S207の各処理)が削除されている。更に、本第19実施形態では、時短状態が削除されているため、時短中カウンタ203iを更新するためのS221,S222の各処理が削除されている。加えて、本第19実施形態では、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始される構成としているため、S218の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S218:Yes)、大当たりの開始を設定して(S256)、処理をS223へと移行する。
次に、図407を参照して、本第19実施形態における始動入賞処理22(S172)の詳細について説明する。この始動入賞処理22(S172)は、第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)に代えて実行され、第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)と同様に、始動入賞の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
この第19実施形態における始動入賞処理22(図407参照)のうち、S401~S406の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図24参照)のS401~S406の各処理と同一の処理が実行される。また、本第19実施形態における始動入賞処理22(図407参照)では、上述した通り、特別図柄の種別が1種類のみ設けられているため、第2特別図柄の始動入賞を検出するためのS407~S412の各処理が削除されている。更に、本第19実施形態では、特別図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ、大当たりとなるため、先読みを実行する必要が無い(保留球数さえ分かれば、当該保留球数分の大当たりが実行されるということが分かる)。よって、第1実施形態における先読み処理(S413)が削除されている。
次に、図408を参照して、本第19実施形態における普通図柄変動処理22(S173)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理22(S173)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図26,S106参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における普通図柄変動処理(図26参照)と同様に、普通図柄の抽選を設定するための処理と抽選結果に応じて電動役物の開閉制御処理を実行する。
この第19実施形態における普通図柄変動処理22(S173)のうち、S601~S607,S609,S611~S613,S617~S619,S623の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図26,S106参照)のS601~S607,S609,S611~S613,S617~S619,S623の各処理と同一の処理が実行される。また、本第19実施形態における普通図柄変動処理22(S173)では、S607の処理を実行後、第2当たり乱数テーブル202cを参照して抽選結果を取得し(S641)、S611の処理へ移行する。
また、本第19実施形態における普通図柄変動処理22(図408参照)では、S612、またはS613のいずれかの処理を実行後、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S642)、本処理を終了する。更に、本第19実施形態における普通図柄変動処理22(図408参照)では、S619の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に(S619:Yes)、普通電動役物7040aの開放時間および回数を6秒間×1回に設定し(S643)、S623の処理へ移行する。
なお、普通図柄変動処理(図26参照)に対する普通図柄変動処理22(図408参照)の変更は、普通図柄の保留記憶機能が削除されている点、普通図柄の状態が1種類となった点によるものである。
次に、図409を参照して、本第19実施形態におけるメイン処理22について説明する。このメイン処理22は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理である。
この第19実施形態におけるメイン処理22のうち、S1001~S1003,S1006~S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001~S1003,S1006~S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第19実施形態におけるメイン処理22では、S1003の処理が終了すると、次いで、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えて大当たり制御処理22を実行し(S10021)、次いで、小当たり制御処理22を実行し(S10022)、S1006の処理へ移行する。この大当たり制御処理22(S10021)および小当たり制御処理22(S10022)の詳細については図410および図411を参照して後述する。
次に、図410を参照して、本第19実施形態におけるメイン処理22内の一処理である大当たり制御処理22(S10021)について説明する。この大当たり制御処理22(S10021)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32,S1006参照)に替えて実行される処理である。
この第19実施形態における大当たり制御処理22(S10021)のうち、S1201~S1212,S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32,S1006参照)のS1201~S1212,S1217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第19実施形態における大当たり制御処理22(図410参照)では、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1213~S1216の各処理(大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理)が削除されている。これは、本第19実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として通常状態のみが設けられており、遊技状態を設定する必要がないためである。
次に、図411を参照して、本第19実施形態におけるメイン処理22内の一処理である小当たり制御処理22(S10022)について説明する。図411は、小当たり制御処理22(S10022)を示すフローチャートである。
この小当たり制御処理22(S10022)は、小当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理であり、第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)と同様の制御処理が実行される。
この第19実施形態における小当たり制御処理22(S10022)のうち、S1301~S1304,S1310,S1311,S1321,S1322,S1325,S1326の各処理では、それぞれ第9実施形態(および第18実施形態)における小当たり制御処理13(図203)のS1301~S1304,S1310,S1311,S1321,S1322,S1325,S1326の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第19実施形態における小当たり制御処理22(S10022)では、S1322の処理において、V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合に(S1322:Yes)、大当たりの開始を設定し(S1351)、S1325の処理へ移行する。つまり、本第19実施形態では、遊技状態が通常状態しか設けられていない(時短状態や確変状態が存在しない)ため、大当たり遊技の開始前に遊技状状態をリセットさせるためのS1323の処理が削除されている。
以上説明した通り、本第19実施形態では、特別図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ(遊技者が遊技球の発射を停止しない限り)、大当たりに当選する構成とする一方で、特別図柄の抽選を実行させること(始動入賞させること)が困難になるように構成した。即ち、始動入賞口(右特別入球口7040)に付随する普通電動役物7040aを開放させるための条件が成立し難くなるように構成する代わりに、普通電動役物7040aが開放されることにより、右特別入球口7040へと保留上限個数分以上の遊技球を入球させ、実質的に保留上限個数分の大当たりの権利を獲得することが可能に構成した。これにより、普通電動役物7040aが開放された時点で遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第19実施形態では、普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cを、遊技球が通過し難い位置(遊技球が入球し難い振分装置6990の内部)に設ける構成とする代わりに、遊技球が中央スルーゲート67cを通過することにより普通図柄の抽選が実行されると、100%の確率(割合)で普通図柄の当たりとなって普通電動役物7040aが開放される構成としている。これにより、中央スルーゲート67cを通過させることを主目的として遊技を行うという斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第19実施形態では、始動入賞口(右特別入球口7040)へと入球した遊技球によって、普通図柄の抽選条件を成立させ得るように構成し(即ち、右特別入球口7040の内部の右スルーゲート67rを通過し得るように構成し)、1の普通図柄の当たりを契機に貯められた特別図柄の保留球数分の大当たりを消化しきる前に、再度、普通図柄の当たりに当選して保留球を補充する機会を与えることが可能に構成した。これにより、大当たりの連続当選がいつまで続くか予測し難い斬新な遊技性を実現することが可能に構成した。
ここで、従来より、入球した遊技球を大当たりの開始契機となる特定領域(V領域)へと流下させる第1流路と、特定領域へと流下し得ない1又は複数の第2流路と、のいずれかに振り分ける振分装置が設けられているパチンコ機が知られている。係る従来型のパチンコ機では、振分装置へと遊技球を入球させること、および第1流路に振り分けられて特定領域へと遊技球が入球することを主目的として遊技を行わせることにより、遊技者の興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定領域へと遊技球が入球した場合に、予め定められた特定回数(例えば、4回)の大当たり遊技が実行されるのみであり、大当たりの終了後は、再度、振分装置へと遊技球を入球させるところから始めなければならないので、大当たり遊技の実行中における遊技が、単に特定回数の大当たり遊技を消化する作業のようになってしまうという問題点があった。
これに対して本第19実施形態におけるパチンコ機10では、特定回数(保留上限回数)分の大当たり遊技を消化しきる前に、再度、保留球を補充する機会が与えられ得る構成とした。即ち、特定回数を下限として、右スルーゲート67rへの通過の状況に応じて大当たり遊技の実行回数が増加していく構成とした。このように構成することで、大当たり遊技の実行中も、右スルーゲート67rの通過状況に注目して遊技を行わせることができるので、大当たり遊技の消化中における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
なお、本第19実施形態では、特別図柄の抽選で1/200の確率で大当たりとなるように構成していたが、これに限られるものではなく、大当たり確率は任意に定めることができる。また、大当たりとなる確率を0に設定し、特別図柄の抽選が実行された場合に100%の割合(確率)で小当たりに当選するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選が実行された場合の挙動を毎回同一とすることができるので、遊技者により分かり易い遊技性を実現することができる。
本第19実施形態では、右特別入球口7040へと入球した遊技球が通過し得る位置に右スルーゲート67rを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。通常時(特別図柄の保留球が0個の状態)では通過し得ない位置で、且つ、右特別入球口7040へと遊技球が入球してから保留球数分の大当たりを消化するまでの間に通過し得る位置に設けられていればよく、例えば、小当たり用入賞装置6950の内部にスルーゲートを設けると共に、V領域と、スルーゲートとのどちらかへと振り分ける振り分け手段を設ける構成としてもよい。このように構成することで、ボーナスチャージ状態が再セットされるタイミングを、小当たり遊技中(即ち、大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの間)に限定することができるので、大当たり中にボーナスチャージ状態が設定されたり、ボーナス消化状態が終了してからボーナスチャージ状態が設定されることを抑制することができる。よって、遊技者に対して大当たりにより集中させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、特別図柄の大当たり確率を比較的高くする(例えば、4/5)と共に、特別図柄の小当たり確率を比較的低くする(例えば、1/5)と共に、小当たり用入賞装置6950へと入球した遊技球が必ず通過する位置にスルーゲートを設ける構成としてもよい。このように構成することで、保留球を全て消化するよりも前に小当たりに当選することで、保留球を再度上限個数まで補充する機会を与えることができるので、保留内に小当たり抽選結果が存在すること、およびなるべく時間的に後の保留に小当たりが存在することを期待して遊技を行わせることができる。
本第19実施形態では、右特別入球口7040へと入球した遊技球が入球可能となる位置に右スルーゲート67rを設ける構成としたが、右スルーゲート67rは、必ずしも右特別入球口7040の内部に設ける必要はない。通常時には入球不可能(困難)となり、且つ、普通図柄の当たりが開始されてから、普通図柄の当たり中に貯まった全ての保留団がに基づく大当たりが終了するまでの間にのみ入球可能(容易)となる位置に設けられていればよく、例えば、非電動役物によって閉鎖および開放する構成としてもよい。より具体的には、例えば、中央スルーゲート67c、および右スルーゲート67rに代えて非電動役物を開放する(作動させる)ための作動スイッチを設ける構成としてもよい。そして、非電動役物によって開放されたスルーゲートを遊技球が通過することにより、右特別入球口に付随する普通電動役物が開放されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技盤13の盤面構成の自由度を高めることができる。
<第20実施形態>
次に、図412から図414を参照して、第20実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第19実施形態におけるパチンコ機10では、振分装置6990によって遊技球が中央スルーゲート67cへと振り分けられたことを契機として実行される普通図柄の当たり遊技において、大当たりに当選する権利(特別図柄の保留球)を予め定められた回数分(5回分)獲得することが可能に構成した。これにより、中央スルーゲート67cを遊技球が通過する毎に、少なくとも5回分の大当たりに連続して当選するという状況を発生させることができるため、中央スルーゲート67cを通過した時点で遊技者の興趣をより向上させることが可能に構成した。
これに対して本第20実施形態におけるパチンコ機10では、振分装置8000によって最も有利な流路へと遊技球が振り分けられた場合に、当該遊技球によって、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を特定個数分(5回分)獲得できる構成とした。また、本第20実施形態におけるパチンコ機10では、特定個数分の普通図柄の当たりで、比較的多量の賞球の払い出し(750個前後の賞球の払い出し)を受けることが可能に構成した。即ち、普通図柄の当たり遊技を、大当たり遊技と同様に賞球を多量に獲得し得る有利状態として構成した。更に、普通図柄の当たりとなった場合に、本第20実施形態における始動入賞口である右特別入球口8040へと遊技球が入球し易くなるように構成することで、普通図柄の抽選が1回実行されて10個前後の遊技球を右特別入球口8040へと入球させる毎に、特別図柄の抽選を5回分実行させることが可能に構成した。即ち、振分装置8000によって有利なルートへと遊技球が振り分けられることにより、普通図柄の当たりが連続することで多量の賞球を獲得し得る上に、25回分の大当たり抽選を受けることができるので、大当たりに当選した場合に、更に多くの賞球を獲得することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第20実施形態におけるパチンコ機10が、第19実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、普通図柄の保留記憶機能が搭載されている点、遊技状態として、特別図柄の大当たり確率が1/50となる特別図柄の低確率状態と、大当たり確率が1/20となる特別図柄の確変状態と、が設けられている点で相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第19実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第19実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図412を参照して、本第20実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図412は、本第20実施形態における遊技盤13の正面図である。図412に示した通り、本第20実施形態における遊技盤13は、第20実施形態における遊技盤13(図402参照)における略中央部分に設けられていた振分装置6990に代えて、振分装置8000が設けられている点、および可変表示装置ユニット80の正面視右側に設けられていた右特別入球口7040に代えて右特別入球口8040が設けられている点で相違する。
図412に示した通り、振分装置8000は、第19実施形態における振分装置6990と構造が比較的類似しており、第19実施形態における中央スルーゲート67cに代えて、5つのスルーゲート8067a~8067eが縦に並べて設けられている点でのみ相違している。つまり、第19実施形態における振分装置6990においては、セーフ入球口6972aへと入球した遊技球が中央スルーゲート67cを通過した後にアウト口6973を介して外部へと排出されるのに対し、本第20実施形態における振分装置8000では、セーフ入球口6972aへと入球した遊技球が5つのスルーゲート8067a~8067eを順番に通過してからアウト口8053を介して外部へと排出されるように構成されている。また、図412に示した通り、各スルーゲートの周辺には、遊技釘が植立されており、左右方向から流下した遊技球(即ち、アウト入球口6971b,6971c,6972b,6972cへと入球した遊技球)が、1または複数のスルーゲートを通過することを抑制する構成としている。
この振分装置8000によってセーフ入球口6972aへと振り分けられると、5個のスルーゲートを通過することにより5回分の普通図柄の抽選を受ける権利をほぼ同時に獲得することができる。また、本第20実施形態では、上述した第19実施形態と同様に、普通図柄の抽選が実行された場合に100%の確率で当たりとなる構成としているので、セーフ入球口6972aへと遊技球が振り分けられることで、5回分の普通図柄の当たりの権利を獲得したことになる。よって、セーフ入球口6972aを遊技球が通過した場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第20実施形態における右特別入球口8040は、その構造が、上述した第1実施形態における右可変入賞装置65の構造(図4参照)と同一になっている。即ち、閉鎖状態において、その上面に10個前後の遊技球を同時に通過させることが可能に構成され、且つ、開放状態においては、上面を通過中の遊技球をほぼ同時に右特別入球口8040へと入球させることが可能に構成している。これにより、右特別入球口8040を開閉する開閉扉(普通電動役物)8040aの開放時間を短くした(例えば、1秒間にした)としても、遊技者が解放前から右打ちを行っていれば、多量(10個前後)の遊技球を右特別入球口8040へと入球させて多量の賞球を払い出させることができるので、遊技者の利便性を向上することができる。また、普通図柄の当たり期間を短くすることができるので、各スルーゲートを通過して獲得した5回分の普通図柄の当たりをスピーディーに消化させることができる。
次に、図413を参照して、本第20実施形態において5つのスルーゲートを通過した後における普通電動役物(開閉扉)8040a、および特別図柄の状態の経時変化について説明する。図413に示した通り、振分装置8000によってセーフ入球口6972aへと振り分けられた遊技球がスルーゲート8067a~8067eの5つを通過すると、普通図柄の変動時間として10秒間が設定された後で、普通図柄の当たりが開始される。なお、変動時間の間、右打ちを示す表示態様が第3図柄表示装置81に表示される。これにより、普通図柄の当たり開始時点において、10個前後の遊技球が普通電動役物(開閉扉)8040aの上面に到達した状態とすることができるので、普通図柄の当たり開始とほぼ同時に、10個前後の遊技球を右特別入球口8040へと入球させることができる。
図413に示した通り、普通図柄の当たりになると、普通電動役物(開閉扉)8040aが、最大で1秒間の間開放される。右打ちナビに従って当たりとなる前から遊技者が右打ちを行っていれば、この開放とほぼ同時に10個前後の遊技球を入球させることができる。よって、1の普通図柄の当たりで150個(15個×10)前後の賞球を獲得することができる。また、右特別入球口8040に対する最初の入賞を契機として、特別図柄の抽選が実行されて、その抽選結果を示すための変動表示が実行される。この変動表示の時間は、1秒間に固定されているので、必ず、普通図柄の当たりが終了してから変動表示が終了する。つまり、1の普通図柄の当たりを契機として実行される特別図柄の抽選を5回に限ることができる。また、5回分の各変動において、それぞれ1秒間の変動表示と、0.5秒間の停止表示とが繰り返されるので、次の普通図柄の当たりが開始されるタイミング(普通図柄の当たりが終了してから10秒経過時点)よりも前に、5回分の変動表示を完了させることができる。つまり、毎回の普通図柄の当たりの開始時において、特別図柄の保留球が0の状態とすることができる。よって、変動表示中に次の普通図柄の当たりが始まってしまい、遊技者に対して特別図柄の抽選回数を損してしまったと思わせることを抑制することができる。
なお、図412に示した通り、大当たり時に開放される右可変入賞装置65は、右特別入球口8040よりも下流側に設けられているので、普通図柄の保留球が残っている状態で大当たりに当選したとしても、右打ちを継続しているだけで、普通図柄の当たり時に開放される右特別入球口8040への入賞と、大当たりの各ラウンドで開放される右特定入賞口65aへの入賞とを両立させることができる。よって、大当たりになった場合も、ならなかった場合も、少なくとも普通図柄の当たりに基づく賞球を確実に獲得させることができる。よって、大当たりになった場合に遊技者に損をしたと思わせてしまうことを抑制できるので、安心してパチンコ機10における遊技を行わせることができる。
次に、図414を参照して、本第20実施形態における遊技の流れ(状態移行方法)について説明する。図414に示した通り、本第20実施形態では、4種類の状態が主に設けられている。即ち、特別図柄の低確率状態(非確変状態)である通常状態と、特別図柄の確変状態であるチャンス状態と、普通図柄の保留が存在する状態(即ち、1以上の普通図柄の当たりが確定している状態)であるボーナス状態A,Bとが設けられている。
図414に示した通り、通常状態においては、振分装置8000によってセーフ入球口6972aへと遊技球が振り分けられてスルーゲート8067a~8067eを通過した場合に他の状態へと移行する可能性がある。より具体的には、通常状態においてスルーゲート8067a~8067eを遊技球が通過すると普通図柄の当たりが5回分確約された状態であり、且つ、各当たり中に検出された始動入賞に基づく大当たり確率が低い(1/50)ボーナス状態Aとなる。このボーナス状態Aでは、複数回の普通図柄の当たり遊技の間右打ちを行っているだけで750個前後の賞球が払い出されるので、遊技者にとって比較的有利な状態である。
また、図414に示した通り、ボーナス状態Aにおいては、普通図柄の保留が無くなった場合、および大当たりとなった場合に他の状態へと移行する。より具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなって、確変大当たりである大当たりA23,B23の何れかとなった場合には、チャンス状態、またはボーナス状態Bへと移行する。より具体的には、確変大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていれば、大当たり終了後の状態がボーナス状態B(普通図柄の当たりとなる毎に賞球を獲得でき、且つ、大当たり確率が高い状態)へと移行する。一方、確変大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていなければ、大当たり終了後の状態がチャンス状態となる。また、図414に示した通り、ボーナス状態Aにおいて大当たりとなって、通常大当たりである大当たりC23になった場合には、大当たり終了後の状態が通常状態、若しくはボーナス状態Aとなる。より具体的には、通常大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていれば、大当たり終了後の状態が再度ボーナス状態Aとなり、通常大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていなければ、大当たり終了後の状態が通常状態となる。また、ボーナス状態Aにおいて実行された特別図柄の抽選が全て外れとなって普通図柄の保留球がなくなった場合も、通常状態へと移行する。
また、図414に示した通り、チャンス状態においては、振分装置8000によってセーフ入球口6972aへと遊技球が振り分けられてスルーゲート8067a~8067eを通過した場合に他の状態へと移行する可能性がある。より具体的には、通常状態においてスルーゲート8067a~8067eを遊技球が通過すると普通図柄の当たりが5回分確約された状態であり、且つ、各当たり中に検出された始動入賞に基づく大当たり確率が高い(1/2)ボーナス状態Bなる。このボーナス状態Bは、複数回の普通図柄の当たり遊技の間右打ちを行っているだけで750個前後の賞球が払い出される上に、大当たりとなる確率も高いので、遊技者にとってボーナス状態Aよりも有利な状態である。
また、図414に示した通り、ボーナス状態Bにおいては、普通図柄の保留が無くなった場合、および大当たりとなった場合に他の状態へと移行する。より具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなって、通常大当たりである大当たりC23になった場合には、大当たり終了後の状態が通常状態、若しくはボーナス状態Aとなる。より具体的には、通常大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていれば、大当たり終了後の状態がボーナス状態Aとなり、通常大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていなければ、大当たり終了後の状態が通常状態となる。一方、ボーナス状態Bにおいて確変大当たりである大当たりA23,B23の何れかとなった場合には、チャンス状態へと移行するか、またはボーナス状態Bをループする。より具体的には、確変大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていれば、大当たり終了後の状態が再度ボーナス状態Bとなる一方で、確変大当たりの終了時点で普通図柄の保留球が残っていなければ、大当たり終了後の状態がチャンス状態となる。また、ボーナス状態Bにおいて実行された特別図柄の抽選が全て外れとなって普通図柄の保留球がなくなった場合も、チャンス状態へと移行する。
以上説明した通り、本第20実施形態におけるパチンコ機10では、振分装置8000によって最も有利な流路へと遊技球が振り分けられた場合に、当該遊技球によって、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を特定個数分(5回分)獲得できる構成とした。即ち、振分装置8000によって振り分けられ得る複数の流路のうち、1の流路(特定流路)を流下した遊技球が、特定個数のスルーゲートを通過することで特定個数分の普通図柄の当たりの権利を獲得可能に構成した。また、本第20実施形態におけるパチンコ機10では、特定個数分の普通図柄の当たりで、比較的多量の賞球の払い出し(750個前後の賞球の払い出し)を受けることが可能に構成した。即ち、普通図柄の当たり遊技を、大当たり遊技と同様に賞球を多量に獲得し得る有利状態として構成した。更に、普通図柄の当たりとなった場合に、本第20実施形態における始動入賞口である右特別入球口8040へと遊技球が入球し易くなるように構成することで、普通図柄の抽選が1回実行されて10個前後の遊技球を右特別入球口8040へと入球させる毎に、特別図柄の抽選を5回分実行させることが可能に構成した。即ち、振分装置8000によって有利なルートへと遊技球が振り分けられることにより、普通図柄の当たりが連続することで多量の賞球を獲得し得る上に、25回分の大当たり抽選を受けることができるので、大当たりに当選した場合に、更に多くの賞球を獲得することができる。このように構成することで、振分装置8000によって特定流路に遊技球が振り分けられることを契機として、大当たりとは異なる有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第20実施形態では、普通図柄の抽選で100%当たりになるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、1/2の確率で普通図柄の当たりになるように構成してもよい。また、特別図柄の大当たり確率や小当たり確率も任意に定めてもよい。
本第20実施形態では、振分装置8000を突破した(セーフ入球口6972aに振り分けられた)遊技球が、複数(5個)のスルーゲートを連続して通過することにより、普通図柄の当たりとなる権利を5個分獲得することが可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、振分装置8000を突破した遊技球が、ゲートタイプの複数の始動入賞口(始動ゲート)へと連続して通過するように構成してもよい。この場合において、上述した第19実施形態と同様に、実質的に特別図柄の抽選が1回実行される毎に、大当たりが実行されるように構成してもよい。このように構成することで、振分装置8000を突破した場合に通過した始動ゲートの個数分の大当たりが実行されるという、より解り易い遊技性を実現することができる。
<第21実施形態>
次に、図415から図435を参照して、第21実施形態におけるパチンコ機10について説明をする。本第21実施形態は、上述した第18実施形態の変形例の構成(図399参照)を一部変更したものである。上述した第18実施形態の変形例は、大当たり待機状態を見かけ上の通常状態にするという遊技性は第18実施形態と共通にしておきつつ、普通図柄の時短状態における遊技性を変更している。より具体的には、普通図柄の時短状態では、球振分役物6970へと遊技球が入球し易くなる(球振分装置6980へと遊技球を流下させることが可能な流路の入り口部分に電動役物6985を配置する)構成とした。つまり、時短状態においては、作動入賞口660へと遊技球が入球し易くなるように構成していた。
このように構成することで、普通図柄の時短状態において遊技球を球振分装置6980へと遊技球を入球させ易くし、球振分装置6980内に入球した遊技球が作動入賞口660へと入球するまでの期間に大当たり待機状態へと移行させる遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、上述した第18実施形態の変形例では、遊技者に有利な有利遊技状態(普通図柄の時短状態)が設定された場合であっても、振分装置6960内に入球した遊技球が作動入賞口660に入賞するタイミングと、大当たり待機状態へと移行させるタイミングとがずれてしまうと、具体的には、球が作動入賞口660に入賞した後に、大当たり待機状態へと移行させてしまうと、さらに、大当たり遊技が実行されず、さらに、有利遊技状態が終了してしまうため、有利遊技状態中の遊技を行う遊技者に対して安心して遊技を行わせることができないという問題があった。
また、上述した第18実施形態の変形例では、大当たり待機状態へと移行させる場合には、図399に示した通り、遊技盤13の左下領域に設けられた第1特別通過口6904に遊技球を入球させることで実行される特別図柄の抽選を実行し、その抽選に基づいて実行される小当たり遊技にてV入賞させる必要があるため、遊技者が大当たり待機状態へと移行させようと遊技を開始してから(第1特別通過口6904に球を入球させる遊技を開始してから)、実際に大当たり待機状態へと移行するまでに複数の過程、即ち、第1特別通過口6904に遊技球を入球させる第1過程、特別図柄抽選で小当たりに当選させる第2過程、小当たり遊技を実行させる第3過程、小当たり遊技中に球をV入賞させる第4過程を経るまでに時間差が生じ易くなり、遊技者の意図するタイミングより早く大当たり待機状態へと移行してしまったり、遊技者の意図するタイミングより遅く大当たり待機状態へと移行してしまったりする事態が生じる場合があった。
これに対して、本第21実施形態では、遊技状態として普通図柄の時短状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合において、大当たり待機状態へと移行した後に、電動役物6985を介して球を振分装置6980内に入球させ、作動入賞口660へと遊技球を入球させ得るように構成している。つまり、上述した第18実施形態の変形例では、普通図柄の時短状態が設定されている場合において、球を振分装置6980に入球させた後、その入球した球が作動入賞口660へと入球するまでの期間に、大当たり待機状態へと移行させる遊技を行う必要があるのに対して、本第21実施形態では、大当たり待機状態へと移行してから、電動役物6985を介して所定数の球を振分装置6980内に入球させ得るように構成しているため、遊技者に時間的余裕を持たせながら遊技を行わせることが可能となる。
また、上述した第18実施形態の変形例では、第1特別通過口6904に球を入球させることで実行される特別図柄抽選によってのみ、大当たり待機状態が設定されるように構成しているため、大当たり待機状態として設定される大当たり内容のバリエーションが乏しくなるという問題があった。
これに対して、本第21実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づいて大当たり待機状態へと移行させるか、第2特別図柄の抽選に基づいて大当たり待機状態へと移行させるかを遊技者が選択可能に構成している。詳細な説明は後述するが、普通図柄の時短状態(確変状態、時短状態)が設定された場合において、大当たり遊技が実行され易いが、普通図柄の時短状態が繰り返し設定され難い第1時短遊技と、大当たり遊技が実行され難いが、普通図柄の時短状態が繰り返し設定され易い第2時短遊技と、を遊技者が選択可能に構成している。このように構成することで、遊技者は自身の都合を考慮して遊技方法を選択することができるため、例えば、長時間の遊技を行いたい遊技者は第2時短遊技を選択し、短時間の遊技を行いたい遊技者は第1時短遊技を選択することが可能となる。よって、遊技者が遊技を行い易くすることができる。
また、上述した第18実施形態の変形例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))の2種類の遊技状態を設定可能に構成しているのに対して、本第21実施形態では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))に加え、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の4種類の遊技状態を設定可能に構成しており、大当たり待機状態として設定される大当たり内容のバリエーションをより豊富にすることができる。
この第21実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第18実施形態の変形例と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第18実施形態の変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第18実施形態の変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。なお、上述した相違点における各種制御処理に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様も相違するため、実際には、表示制御装置114の構成、特に、表示画像の画像データが格納されている構成も相違しているが、音声ランプ制御装置113から出力された表示用コマンドに対応する表示画像を表示させる技術は同一であり、用いられる画像データのみが異なるものであるため、本実施形態ではその詳細な説明を省略する。
図415は、本第21実施形態における遊技盤13の正面図である。図415に示した通り、本第21実施形態では、上述した第18実施形態の変形例の遊技盤13の構成(図399参照)に対して、球振分役物6970内に形成される遊技球の誘導流路の構成を変更して点と、遊技盤13の右側領域、即ち、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、可変表示装置ユニット80よりも右側(図415の視点で右側)に形成される遊技領域を、第1右打ち領域(弱右打ち領域)と、第2右打ち領域(強右打ち領域)とに区分けした点と、第2右打ち領域に新たな構成(確変転落ゲート7001、第2特別通過口6964、第2スルーゲート6167)を設けた点と、第1特別通過口6904の下方に第2スルーゲート6067を設けた点と、小当たり用入賞装置6950を削除した点で相違している。
図415に示した通り、本第21実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の遊技領域を大きく3つに区画形成しており、各領域に対して遊技球を発射させる位置を示すための指標が遊技者に視認可能な態様で付されている。具体的には、可変表示装置ユニット80の左側に、第1遊技領域(左打ち領域)が形成され、第1遊技領域の指標として「カメ」を模したキャラクタMK1が第1遊技領域の最上流側に付されている。また、可変表示装置ユニット80の右側には、第2遊技領域(弱右打ち領域)が形成され、第2遊技領域の指標として「タコ」を模したキャラクタMK3が第2遊技領域の最上流側に付されており、第2遊技領域(弱右打ち領域)に対して隔壁7010を隔てて第3遊技領域(強右打ち領域)が形成され、第3遊技領域の指標として「サメ」を模したキャラクタMK2が第3遊技領域の上流側に付されている。
このように、遊技盤13の遊技領域を複数に区画生成した場合において、各領域に向けて遊技球を発射させる位置を示す指標を設けることにより、遊技者が所望の遊技領域へと遊技球を発射させ易くすることができる。また、各指標を各遊技領域の最上流側に付すことにより、発射された遊技球が所望する領域に向けて正しく発射されたか否かを遊技者がいち早く判別することができるため、所望しない遊技領域へと発射される遊技球の数を減らすことができる。
次に、各遊技領域(第1遊技領域~第3遊技領域)の構成について図415を参照して説明をする。まず、第1遊技領域(左打ち領域)は、上述した第18実施形態の変形例の構成(図399参照)と同様に、振分装置6980へと遊技球が流入可能な開口部(第1誘導流路6981の入口部)が形成されており、第1有利領域を流下する遊技球のうち、50球に1球の割合で開口部に流入するよう、遊技盤13に釘が植設されている。そして、第1遊技領域を流下する球が通過可能な位置に、第1特別通過口6904が設けられ、第1特別通過口6904を通過した球が必ず通過し得る位置に第1スルーゲート6067が設けられている。つまり、第1特別通過口6904を通過することにより実行される第1特別図柄の抽選と、第1スルーゲート6067を球が通過することにより実行される普通図柄の抽選と、の実行タイミングに規則性を持たせるために、1個の球が第1特別通過口6904と、第1スルーゲート6067と、を通過するように構成している。
具体的には、第1特別通過口6904と、第1スルーゲート6067との間の距離(遊技球が通過する距離)が、3センチメートルとなるように構成しており、第1特別通過口6904を通過した遊技球が0.1秒後に第1スルーゲート6067を通過するように構成している。即ち、第1特別図柄の抽選が実行されてから0.1秒後に普通図柄の抽選が実行されるように構成している。なお、第1特別通過口6904と、第1スルーゲート6067との間隔は、上述した本実施形態で用いた間隔に限ること無く、第1特別通過口6904を通過した球が必ず通過するように第1スルーゲート6067を配設していれば、本実施形態よりも間隔を空けて配設しても良いし、間隔を狭めて配設しても良い。この場合、第1特別通過口6904と、第1スルーゲート6067との間の間隔は、その間隔を遊技球が流下するのに要する時間よりも、第1特別図柄の抽選結果が表示されるまでの期間(第1特別図柄変動の時間)として設定され得る最短の時間のほうが長くなるように構成すると良い。
このように構成することで、第1特別図柄の抽選(変動)と、普通図柄の抽選(変動)とを規則性を持たせながら重複させて実行することができるため、例えば、第1特別図柄の変動を普通図柄の変動よりも先に停止させるパターンと、第1特別図柄の変動を普通図柄の変動よりも後に停止させるパターンと、第1特別図柄の変動と、普通図柄の変動とを、同時に停止させるパターンと、予め定められている情報に基づいて設定される各図柄の変動時間に応じて容易に実行することが可能となる。よって、遊技者に対して、何れの図柄が先に停止するのかを予測させる楽しみを提供することができる。また、本実施形態では、第1特別通過口6904を通過した球が必ず第1スルーゲート6067を通過するように構成しているが、これに限ること無く、第1特別通過口6904を通過した球のうち、一部が通過し得るように第1スルーゲート6067を配設するように構成しても良い。これにより、1個の遊技球によって、第1特別図柄の抽選と、普通図柄の抽選と、を実行させることができる場合と、何れか一方の抽選のみが実行される場合とを発生させることができるため、遊技者に対して発射された遊技球の挙動を注意深く視認させることができる。
そして、第1遊技流域を流下した球は、その他の遊技領域を流下した球も流下し得る共通領域(下方遊技領域)を流下し、アウト口66へと流入するように構成している。尚、本実施形態では、図415に示した通り、上述した第18実施形態の変形例に対して、小当たり用入賞装置10650を削除している点で相違しているため、第1遊技領域を流下し、第1スルーゲート6067を通過した球は、一般入球口63の何れかに入球するか、アウト口66へと流入することになる。
次に、第3遊技領域(強右打ち領域)は、遊技球を最も強く発射させた場合に到達し得る遊技領域であって、隔壁7010を越えるように発射された遊技球を流下可能となる遊技領域である。この第3遊技領域には、球が通過可能な3つの通過口として、上流側から順に、確変転落ゲート7001、第2特別通過口6964、第2スルーゲート6167が設けられており、第3遊技領域を流下する1個の遊技球が3つの通過口(確変転落ゲート7001、第2特別通過口6964、第2スルーゲート6167)の全てを通過するように各通過口が配設されている。
また、この第3遊技領域は、上述した通り、遊技球を最も強く発射させた場合に到達し得る遊技領域であるため、他の遊技領域に対して、開口部が狭く形成されている。つまり、操作ハンドル51(図2参照)を操作し、最も大きい発射強度で遊技球を発射した場合は、外レール62に沿って返しゴム69に向けて球が移動するため、球の軌跡が安定する。よって、開口部を狭く形成したとしても、最も大きい発射強度で発射した遊技球は第3遊技領域に確実に流入することになる。このように構成することにより、他の発射強度で発射された遊技球が第3遊技領域に流入してしまうことを抑制することができる。
確変転落ゲート7001は、遊技球が通過(入球)することにより、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる制御が実行されるものである。つまり、特別図柄の遊技状態を移行させるための特殊領域の機能を有するものである。具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、遊技球が確変転落ゲート7001を通過することにより、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行する。また、潜確状態である場合は、遊技球が確変転落ゲート7001を通過することにより、遊技状態が潜確状態から通常状態へと移行する。
第2特別通過口6964は、第2特別図柄の抽選契機となる通過口であって、新たな特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態で遊技球が第2特別通過口6964を通過することにより、第2特別図柄の抽選(変動)が実行される。
第2スルーゲート6167は、普通図柄の抽選契機となる通過口であって、新たな普通図柄の抽選(変動)を実行可能な状態で遊技球が第2スルーゲート6167を通過することにより、普通図柄の抽選(変動)が実行される。
上述した通り、第3遊技領域を狙う強右打ち遊技が実行された場合は、第3遊技領域を流下する遊技球が確変転落ゲート7001、第2特別通過口6964の順で通過するように構成しており、遊技球が確変転落ゲート7001を通過すること無く、第2特別通過口6964を通過することが無いように構成しているため、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で第2特別図柄の抽選が実行されることが無いように構成している。また、第2特別通過口6964と第2スルーゲート6167との間隔は、上述した第1特別通過口6904と第1スルーゲート6067との間隔と同一間隔(3センチメートル)で構成されている。
つまり、本第21実施形態では、確変状態が設定されている場合において、左打ち遊技を行った場合には、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))のまま第1特別図柄の抽選を実行することができ、強右打ち遊技を行った場合には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))で第2特別図柄の抽選を実行することになる。このように、本実施形態では、遊技者が選択する遊技方法に応じて、異なる遊技状態で特別図柄抽選を実行することが可能となるように構成しているため、遊技者の選択結果によって後の遊技結果を大きく異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、特別図柄の高確率状態では399/400(約1/1)の確率で大当たりに当選し、特別図柄の低確率状態では100/400(約1/4)の確率で大当たりに当選するように構成している。そして、確変状態中の第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合よりも、時短状態中の第2特別図柄抽選で大当たりに当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、確変状態において何れの遊技方法(左打ち遊技、強右打ち遊技)を選択した場合にも、一長一短があるため、遊技者に遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
最後に、第2遊技領域(弱右打ち領域)について説明をする。この第2遊技領域(弱右打ち領域)は、隔壁7010と可変表示装置ユニット80との間に形成された遊技領域であって、その流入部が、上述した第3遊技領域の流入部(隔壁7010の先端部と外レール62との間)よりも広く形成されている。この第2遊技領域には、第2誘導流路6982と連通する開口部が設けられており、その開口部に球が流入可能な開状態と、流入困難な閉状態とに可変制御される電動役物6985が設けられている。そして、電動役物6985を介して第2誘導流路6982に流入した球の通過を検知するための検知手段として、入球センサSZ10が第2誘導流路の開口部付近に設けられている。この入球センサSZ10を設けることで、遊技球が振分装置6980内(球振分役物6970内)に流入したことを検知することができ、例えば、振分装置6980内における遊技球の残存異常の判別や、振分装置6980内の遊技球の挙動に対応させた演出内容を設定する場合に参照することができる。
なお、それ以外の第2誘導流路6982、及び、電動役物6985の構成や作用については、上述した第18実施形態の変形例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
そして、第2遊技領域、及び第3遊技領域を流下した球は、右側下部領域で合流し、可変入賞装置65に向けて流下し、その後アウト口66へと流入する。なお、この右側下部領域の構成については、上述した第18実施形態の変形例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、振分装置6980の構成について説明をする。本実施形態では、上述した第18実施形態の変形例にて用いられる振分装置6980(図399参照)に対して、遊技球の振分パターンを減らしている点で相違している。ここで、図416を参照して、本実施形態における振分装置6980の構成について説明をする。図416は、振分装置6980の構成を模式的に示した拡大図である。
図416に示した通り、本実施形態では、上述した第18実施形態の変形例に対して、第1クルーン6971に設けられた入球口の数を3個から2個に変更している点と、各誘導流路の出口部分(排出口付近)に球の通過を検知する検知手段(近接センサ)を設けた点とで相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第21実施形態の球振分役物6970は、第1クルーン6971に到達した遊技球の1/2が第2クルーン6972へと流下し、第2クルーンに流入した遊技球の1/3が作動入賞口660に向けて流下するように構成している。即ち、第1クルーン6971に到達した球の1/6が作動入賞口660へと入球するように構成している。また、本実施形態では、第1クルーン6971の入球口の数を2つにし、1/2の確率で作動入賞口660へと誘導されるセーフ入球口6972aが設けられた第2クルーン6972へと球を流下させることができるように構成しているため、球振分役物6970に流入した遊技球が1/6の確率で作動入賞口660に入球する構成として、第1クルーン6971の入球口の数を3つにし、第2クルーン6972の入球口の数を2つにした場合よりも、遊技者に対して作動入賞口660に遊技球が入球することを期待させる期間、即ち、第2クルーン6972上を球が転動する期間を長くすることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、球振分役物6970の構成は上述した内容に限ること無く、第1クルーン6971の入球口の数を3つにし、第2クルーン6972の入球口の数を2つにしても良い。この場合、第1クルーン6971を突破して第2クルーン6972に到達する確率は低くなるが、第2クルーン6972に到達した場合における作動入賞口660への入球確率を高くすることができる。
また、本実施形態では、第1クルーン6971、及び第2クルーン6972のアウト入球口に入球した遊技球を検知するための検知手段(排出センサ)として、アウト誘導流路6974aの排出口付近に排出センサSZ12、アウト誘導流路6974bの排出口付近に排出センサSZ12が設けられている。さらに、作動入賞口660に入球した遊技球を検知するための検知手段(排出センサ)として、作動入賞口誘導流路6972vの排出口付近に排出センサSZ11が設けられている。これにより、球振分役物6970から排出された遊技球の数を計測可能に構成している。
このように構成することで、上述した入球センサSZ10(球振分役物6970に入球した遊技球を検知する検知手段)の検知結果と、各排出センサ(SZ11~SZ13)の検知結果とに基づいて、球振分役物6970内に残存している遊技球の有無、及び、残存している遊技球の個数を算出することが可能となる。よって、球振分役物6970内における残存異常や、球振分役物6970内に流入した遊技球の状況に対応させた演出内容の設定を精度良く実行することができる。なお、本実施形態では、球振分役物6970に流入した遊技球を検知するための検知手段(入球センサ)を、第2誘導流路6982の開口部付近にのみ設けているが、これ以外にも、第1誘導流路6981から流入した遊技球を検知可能な検知手段(入球センサ)を、第1誘導流路6981のうち、アウト口6987よりも下流側に設けると良い。また、第1誘導流路6981と、第2誘導流路6982とが合流する合流部よりも下流側であって球振分役物6970に流入した全ての遊技球を検知可能な位置に1つの入球センサを設けるように構成しても良い。
次に、図415、及び図417を参照して、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れについて説明をする。図417は、本第21実施形態における遊技の流れを示した遷移図である。なお、本実施形態における遊技の流れのうち、上述した第18実施形態の変形例と同一の内容の箇所については詳細な説明を省略する。
本実施形態のパチンコ機10は、過去の遊技内容を初期化する処理(RAMクリア処理)を実行した場合には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が初期状態として設定されるように構成している。このように、普通図柄の時短状態(高確率状態)が設定されておらず、且つ、大当たり待機状態でも無い場合は(「準備モード」中である場合は)、第1特別図柄の抽選を実行するための左打ち遊技、或いは、第2特別図柄の抽選を実行するための強右打ち遊技が行われる。本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態、潜確状態が設定されている場合)において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合とで、設定される大当たり遊技の内容、及び、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を若干異ならせるように構成している。詳細な内容については、図421(b)を参照して後述するが、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、3種類の大当たり種別のうち何れかの大当たり種別が設定されるように構成しており、その3種類の大当たり種別のそれぞれが、大当たり遊技内容(大当たり遊技のラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、を異ならせて規定している。
一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、特定の大当たり種別が設定されるように構成している。ここで本実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定され得る大当たり種別の内容、及び、各大当たり種別の設定割合に基づいて第1特別図柄の大当たり当選時に実行され得る大当たり遊技の期待値(平均値)と、第2特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に基づいて実行される大当たり遊技の内容とが、ほぼ同一となるように構成している。
つまり、「準備モード」中において、第1特別図柄の抽選を実行することにより幅のある大当たり遊技内容の中でも遊技者に有利となる大当たり遊技が実行されることを期待しながら左打ち遊技を行うか、第2特別図柄の抽選を実行することにより安定した内容の大当たり遊技を実行するために強右打ち遊技を行うかを遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。
また、「準備モード」中は、大当たり待機状態へと移行させることを目的とした遊技に加え、振分装置6980内に球を流入させることを目的とした遊技も行う必要がある。ここで、準備モード中において左打ち遊技を行う場合は、第1特別図柄の抽選を行うことで大当たり待機状態への移行を目指しながら、第1誘導流路6981へと遊技球を流入させる遊技も並行して実行することができるのに対して、強右打ち遊技を行う場合は、第2特別図柄の抽選を行うことで大当たり待機状態への移行を目指すことは可能だが、振分装置6980内に球を流入させることが出来ない。よって、大当たり遊技の開始を目的とするのであれば、強右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技方法(打ち方)となる。なお、左打ち遊技を実行した場合において、第1特別図柄の抽選で大当たり当選し、大当たり待機状態へと移行するよりも前に、球が第1誘導流路6981に流入する状況も発生し得るが、その場合は、球振分役物6970に流入した遊技球が作動入賞口660に入球しても大当たり遊技が実行されることが無い。
そして、「準備モード」中に大当たり当選した場合は、大当たり待機状態である「通常モード」へと移行する。この「通常モード」に移行すると、次に、遊技者は作動入賞口660へと遊技球を入球させることを目的とした左打ち遊技を行う。この「通常モード」中に左打ち遊技を行うことで、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1特別通過口6904に入球したとしても、大当たり待機状態であるため、第1特別図柄の抽選が新たに実行されることが無い。
なお、本実施形態では、大当たり待機状態中に第1特別通過口6904、及び、第2特別通過口6964に球が入球したとしても、新たな特別図柄抽選が実行されず、第3図柄表示装置81の表示面においても特別図柄抽選が実行されたことを示す表示態様が表示されないように構成しているが、このように構成した場合では、遊技者に対して現在の遊技状態が「準備モード」なのか「通常モード」なのかを容易に判別されてしまうという問題があった。このような問題を解決するために、例えば、大当たり待機状態中に第1特別通過口6904、及び、第2特別通過口6964に球が入球した場合において、擬似的な演出図柄を第3図柄表示装置81の表示面を用いて疑似変動表示させるように構成すると良い。そして、疑似変動表示の表示態様を、準備モード中において実行される特別図柄の変動に対応する表示態様と同一(遊技者が識別困難な程度の誤差を含む概念で同一)にするように構成すると良い。これにより、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容に基づいて現在の遊技状況が遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、詳細な説明は省略するが、「通常モード」へと移行(大当たり待機状態へと移行)した場合には、現在設定されている大当たり遊技の内容、即ち、大当たり当選した特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)や、大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態種別を遊技者に示唆可能な演出が実行される。このように構成することで、作動入賞口660へと球を入球させた場合に実行される大当たり遊技の内容を予測しながら「通常モード」中の遊技を行わせることができる。
そして、「通常モード」中に、遊技球が作動入賞口660に入球すると、大当たり当選時に設定された大当たり種別に対応した大当たり遊技が実行される。具体的には、第1特別図柄で大当たり当選し、大当たり待機状態へと移行した場合も、第2特別図柄で大当たり当選し、大当たり待機状態へと移行した場合も、全て、大当たり遊技終了後に時短0回(潜確状態)が設定される大当たり遊技)が実行される。よって、準備モード中においては、左打ち遊技を行っても右打ち遊技を行っても大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者の有利度合いが変わることが無い。しかしながら、図415に示した通り、左打ち遊技を行った場合には、第1誘導流路6981へと遊技球を流入させるための遊技も同時に行うことが可能となるため、遊技全体で見た場合は左打ち遊技のほうが右打ち遊技(強右打ち遊技)よりも有利な遊技となる。
ここで、本実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に必ず特別図柄の高確率状態(確変状態、或いは潜確状態)が設定されるように構成しており、特別図柄の高確率状態(確変状態、或いは潜確状態)が連続して設定された回数が所定回数(5回)に到達した状態で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に、特定の遊技状態(リミット状態)が設定されるように構成している。具体的には、特別図柄の高確率状態(確変状態、或いは潜確状態)中に実行された特別図柄抽選において、大当たりに当選し、特別図柄の高確率状態(確変状態、或いは潜確状態)が5回連続で設定された状態(確変リミットに到達した状態)において大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))が設定されるように構成している。つまり、強右打ち遊技によって確変転落ゲート7001に遊技球を通過させて特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させること無く、左打ち遊技を継続して実行している場合には、所定回数の大当たり遊技毎に必ず普通図柄の時短状態が付与されるように構成している。
なお、本実施形態では、準備モードにおける特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合に、第1特別図柄で大当たり当選した場合も、第2特別図柄で大当たり当選した場合も、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選した特別図柄の種別に応じて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせても良い。例えば、第1特別図柄抽選で大当たり当選していた場合は、25%の割合で大当たりA30に対応する大当たり遊技(ラウンド遊技が15R(ラウンド)であって、大当たり遊技終了後に時短2回(確変状態)が設定される大当たり遊技)が実行され、50%の割合で大当たりB30に対応する大当たり遊技(ラウンド遊技が8R(ラウンド)であって、大当たり遊技終了後に時短2回(確変状態)が設定される大当たり遊技)が実行され、25%の割合で大当たりC30に対応する大当たり遊技(ラウンド遊技が8R(ラウンド)であって、大当たり遊技終了後に時短0回(潜確状態)が設定される大当たり遊技)が実行される。即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、75%の割合でラウンド遊技が8R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され、75%の割合で大当たり遊技終了後に確変状態(時短回数2回)が設定されることになるように構成し、一方で、第2特別図柄抽選で大当たり当選していた場合は、100%の割合で大当たりD30に対応する大当たり遊技(ラウンド遊技が10R(ラウンド)であって、大当たり遊技終了後に時短2回(確変状態)が設定される大当たり遊技)が実行されるように構成しても良い。この場合、第1誘導流路6981へと遊技球を流入させるための遊技も同時に行うことが可能な一の特別図柄抽選のほうが、他の特別図柄抽選よりも遊技者に不利となるように構成すると良い。
さらに、上述した構成に本実施形態で用いたリミット状態を設定する機能を設けることにより、25%の割合で大当たり遊技の終了後に普通図柄の時短状態が付与されない第1特別図柄抽選が、第2特別図柄抽選よりも過度に不利になることを抑制することができる。
大当たりA30、大当たりB30、大当たりC30、大当たりD30に応じた大当たり遊技の終了後は、普通図柄の時短状態(確変状態、時短状態)が設定される「連荘モード」へ移行する。本実施形態では、普通図柄の時短状態として最低2回が設定されるように構成しており、普通図柄の時短状態における1回目の特別図柄抽選を実行するまでの遊技性(ファーストチャンス)と、2回目以降の特別図柄抽選を実行するまでの遊技性(ラストチャンス)とを異ならせている。
具体的には、確変状態が設定された場合には、まず、遊技者に第1特別図柄抽選を1回実行するか(左打ち遊技を実行するか)、第2特別図柄抽選を1回実行するか(強右打ち遊技を実行するか)を選択させ、遊技者が任意の遊技方法を選択し特別図柄抽選を実行する。上述した通り、左打ち遊技を実行した場合には、特別図柄の高確率状態(確変状態)を維持したまま第1特別図柄の抽選を実行することができるため、399/400(約1/1)の確率で大当たりに当選する。
一方、強右打ち遊技を実行した場合には、球が確変転落ゲート7001を通過した後に、第1特別通過口6964を通過するため、特別図柄の低確率状態(時短状態)で第2特別図柄の抽選が実行されるため、大当たり確率が100/400(1/4)となる。
そして、何れの遊技方法を選択した場合も、特別図柄の抽選が実行されてから0.1秒後に普通図柄の抽選が実行される。本実施形態では、大当たり遊技終了後1回転目の第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動時間として大当たり当選時には10秒が設定されるように構成しており、普通図柄の変動時間として、普通図柄の時短状態(高確率状態)では9.5秒が設定されるように構成している。つまり、何れの特別図柄抽選を実行した場合であっても、実行された特別図柄変動の停止タイミングよりも、若干(0.4秒)早く、普通図柄変動が停止するように構成している。
そして、ファーストチャンスの特別図柄抽選で大当たりに当選していた場合には、大当たり待機状態へと移行すると共に、現在の遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。ここで、上述した通り、普通図柄の変動停止タイミングは、特別図柄の変動停止タイミングよりも0.4秒早くなるように構成しているため、普通図柄の変動停止後には電動役物6985のロング開放遊技(チャンスタイム)が実行される。
このチャンスタイム中は、最大で10個の球を第2誘導流路へと流入させることができるように電動役物6985のロング開放遊技が実行されるため、遊技者は第2遊技領域を狙う弱右打ち領域を実行することになる。そして、チャンスタイム中に球振分役物6970内に10個の球を入賞させた場合には、そのうちの1個の球が作動入賞口660へと入球する確率が約84%となるため、チャンスタイム中は、高確率で球を作動入賞口660へと入球させることができる有利期間となる。また、ファーストチャンスにて大当たりに当選している場合には、チャンスタイム(電動役物6985のロング開放遊技)が設定された0.4秒後に大当たり待機状態へと移行するため、即ち、第2誘導流路6982を流入した球が作動入賞口660へと到達し得る期間よりも短い期間で大当たり待機状態へと移行するため、チャンスタイム中に球振分役物6970内に入賞した何れの球が作動入賞口660に入球しても確実に大当たり遊技を実行させることができる。
よって、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、確変状態)が設定された場合において、作動入賞口660への遊技球の入球タイミングによって、大当たり遊技が実行される場合と、されない場合とが発生し得る上述した第18実施形態の変形例に対して、遊技者に安心して有利遊技状態中の遊技を行わせることができる。また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態における大当たり確率が約1/1となるように構成しているため、確変状態が設定された状態において、特別図柄の高確率状態で確実に特別図柄抽選が実行される左打ち遊技を行うことにより、有利遊技状態中が設定された場合において、高確率で大当たり遊技を実行させることができる。
一方で、ファーストチャンスにおいて、特別図柄の大当たりに当選しなかった場合、即ち、ファーストチャンスにて強右打ち遊技を選択し、特別図柄の高確率状態を低確率状態(大当たり確率1/4)へと移行させた後に第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選しなかった場合は、特別図柄の変動時間として5秒が設定され、その変動時間中にファーストチャンスが外れであったことを遊技者に報知するための表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される(図420(b)参照)。そして、2回目の特別図柄抽選(ラストチャンス)を促す表示態様が表示され、遊技者は実行中の普図変動が停止するまでに次の特図変動を実行させる遊技(ラストチャンス)を行うことになる。
このラストチャンスにおいて、大当たりに当選した場合は、特別図柄変動の変動時間として8秒が設定されるように構成しており、特別図柄が変動停止する前に(遊技状態が通常状態となる前に)、普図当たり遊技が開始されるため電動役物6985のロング開放遊技(チャンスタイム)が実行される。なお、ラストチャンスを契機に実行されるチャンスタイムは、ファーストチャンスを契機に実行されるチャンスタイムよりも、大当たり待機状態への移行タイミングと、チャンスタイムの設定タイミングとに時間差が生じるため、即ち、時短2回目の特別図柄抽選(変動)を実行させるまでに要する時間(例えば、3秒)と、1回目の特別図柄外れ変動時間(5秒)と、2回目の特別図柄大当たり変動時間(8秒)と、を合算した時間(例えば、16秒)が、ファーストチャンスで大当たり当選した場合の特別図柄変動時間(時短1回目の特別図柄大当たり変動時間)(10秒)よりも長くなるため、大当たり待機状態へと移行してからチャンスタイム(電動役物6985のロング開放遊技)が終了するまでの期間が短くなる。よって、ファーストチャンスで大当たり当選した場合のほうが、ラストチャンスで大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技を実行させ易くすることができる。なお、本実施形態では、ラストチャンスで大当たり当選した場合も、時短状態における普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)中に遊技球を振分装置6980内へと入球させることができるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラストチャンスで大当たり当選した場合に設定される変動時間の長さをより長く設定し(例えば、15秒)、時短状態における普図当たり遊技中に振分装置6980内に入球した遊技球が作動入賞口660へと入球し得るタイミングの殆どにおいて、大当たり待機状態が設定されないように構成しても良い。
一方、ラストチャンスにおいても大当たり当選しなかった場合は、特別図柄の変動時間として2秒が設定される。これにより、変動中の普通図柄が停止表示されるよりも前に2回目の特別図柄変動が外れで停止表示されるため、時短状態の終了条件(時短2回)が成立し遊技状態として通常状態が設定される。そして、普通図柄の当たり遊技として通常状態中の当たり遊技(電動役物6985のショート開放遊技)が実行される。この電動役物6985のショート開放遊技は、電動役物6985のロング開放遊技よりも遊技球が第2誘導流路6982に流入し難い当たり遊技であるため、確変状態が設定されてから実行される2回の特別図柄抽選において何れの抽選結果も外れとなった場合には、遊技球を振分装置6980内に遊技球を入球させ難い遊技状態となる。
また、本実施形態では、確変状態が設定されてから(大当たり遊技が終了してから)3回目の特別図柄変動の変動時間として30秒が設定されるように構成している。この30秒の変動時間は、電動役物6985のロング開放遊技期間よりも長い時間となっている。このように構成することで、例えば、チャンスタイムが設定されている(電動役物6985のロング開放遊技が実行されている)状態において、3回目以降の特別図柄抽選によって大当たり待機状態へと移行することを抑制することができる。
つまり、ファーストチャンスにて強右打ち遊技を実行し、第2特別図柄の抽選で外れ当選した場合は、特別図柄外れ変動(5秒)と、普通図柄変動(9.4秒)とが実行される。その状態において、2回目の特別図柄抽選を実行させずに(時短状態の終了条件を成立させずに)普通図柄の当たり遊技を実行させた場合には電動役物6985のロング開放遊技が実行される。そして、電動役物6985のロング開放遊技中に2回目以降の特別図柄抽選を実行した場合、電動役物6985のロング開放遊技中に、2回目の特別図柄抽選に基づいて大当たり待機状態へと移行させることは可能となるが、3回目の特別図柄抽選の抽選結果は、電動役物6985のロング開放遊技終了後に停止表示されるため、3回目の特別図柄抽選で大当たり当選したとしても、その大当たり当選を契機に大当たり待機状態へと移行した時点で、遊技球を振分装置6980内に入球させ易い遊技状態(普通図柄の時短状態、及び、電動役物6985のロング開放遊技中)が終了していることになる。
このように構成することにより、遊技球を振分装置6980に入球させ易い遊技状態中において、所定回数(時短回数)以上の特別図柄抽選によって大当たり待機状態へと移行させることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、特別図柄の抽選を実行させるために狙うべき遊技領域(第1遊技領域、第3遊技領域)と、遊技球を振分装置6980内へと流入させる際に狙うべき遊技領域(第2遊技領域)と、を分けて形成しているため、確変状態において変則的な遊技(例えば、チャンスタイム中(電動役物6985のロング開放遊技中)に、2回目の特別図柄抽選を実行させる遊技)を行った場合には、遊技方法を変更するための操作をチャンスタイム中に行う必要があることから、遊技球を効率良く振分装置6980内へと流入させ難くすることができる。よって、適正な遊技方法を遊技者に行わせ易くすることができる。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、特定の遊技状態(普通図柄の高確率状態)にて、特定の特別図柄抽選(第2特別図柄の抽選)で大当たり当選した場合にのみ、その大当たり遊技の終了後に時短回数として3回が設定されるように構成している。この場合、ラストチャンスで外れ当選した場合であっても(2回目の特別図柄抽選が終了しても)、時短状態が終了しないため、時短状態を継続したまま3回目の特別図柄抽選が実行される。上述した通り、3回目の特別図柄抽選では比較的長い(30秒)変動時間が設定される。よって、時短回数3回が設定された場合では、3回目の特別図柄抽選の変動が停止するよりも前に(時短終了条件が成立するよりも前に)、普通図柄の変動が停止し、時短状態における普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が実行される。しかしながら、3回目の特別図柄変動が停止するタイミング(1回目外れ(5秒)、2回目抽選実行までの間隔(1秒)、2回目外れ(2秒)、3回目抽選実行までの間隔(1秒)、3回目当たり(30秒)を合算したタイミング)、即ち、1回目の特別図柄変動が実行されてから37秒後では、電動役物6985のロング開放遊技が終了しているタイミングとなる。よって、時短回数3回が設定された場合には、上述したラストチャンス演出の後、引き戻しチャンスとして、3回目の特別図柄抽選を実行させる旨の演出を実行した後に、3回目の特別図柄抽選の実行中に電動役物6985を介して遊技球を振分装置6980へと入球させる旨の演出を実行するように構成している。
そして、振分装置6980に入球した遊技球が3回目の特別図柄大当たり変動停止タイミング(大当たり待機状態への移行タイミング)において振分装置6980内に残存している場合にのみ、引き戻しチャンスとして、作動入賞口660に遊技球が入球すると大当たり遊技が実行される旨の演出が実行されるように構成している。
以上、説明をした通り、本実施形態では、遊技状態として時短状態が設定されている場合であっても、時短1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合、時短2回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、比較的高確率で大当たり遊技を実行可能とし、時短3回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、比較的低確率で大当たり遊技を可能とすることができる。つまり、同一の遊技状態が設定されている状態で大当たり当選した場合であっても、大当たり当選したタイミングによって、大当たり遊技の実行のし易さを可変させることができるように構成している。よって、遊技者に対して、設定されている遊技状態と、特別図柄の抽選結果だけでは無く、大当たり当選したタイミングにも興味を持たせることができる。
さらに、本実施形態のように、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定された場合において、その有利な遊技状態の残期間が長い状態で大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技が実行され易くなるように構成することにより、遊技者に有利な遊技状態の残期間を長く残した状態で大当たり当選した場合において遊技者に勿体ないと思わせることを抑制することができる。
図417に戻り、説明を続ける。ファーストチャンスにおいて、左打ち遊技を選択した場合は、約1/1の確率で大当たり当選する第1特別図柄の抽選(高確率抽選)が実行され、大当たり待機状態へと移行する。そして、チャンスタイム中に遊技球が作動入賞口660へと入球することにより実行される大当たり遊技の終了後には、75%の割合で潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定され、残りの25%の割合で確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))が設定される。つまり、大当たり終了後の75%の割合で連荘モードが終了し、25%の割合で連荘モードが継続することになる。
一方、ファーストチャンスにおいて、強右打ち遊技を選択した場合は、確変転落ゲート7001を通過するため、1/4の確率で大当たり当選する第2特別図柄の抽選(低確率抽選)が実行され、大当たり当選した場合に大当たり待機状態へと移行する。そして、チャンスタイム中に遊技球が作動入賞口660へと入球することにより実行される大当たり遊技の終了後には、100%の割合で確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))が設定される。つまり、大当たり終了後に必ず連荘モードが継続することになる。
このように構成することで、連荘モード中に実行される特別図柄抽選として、高確率抽選(約1/1の確率で大当たり当選する特別図柄抽選)を実行し、且つ、大当たり遊技終了後に連荘モードが継続し難い(継続率25%)特別図柄抽選を実行するための第1遊技(左打ち遊技)と、低確率抽選(約1/4の確率で大当たり当選する特別図柄抽選)を実行し、且つ、大当たり遊技終了後に連荘モードが継続し易い(継続率100%)特別図柄抽選を実行するための第2遊技(強右打ち遊技)と、を遊技者に選択させることができる。よって、遊技者が選択した遊技内容によって、後の遊技結果を大きく変更することができるため、遊技者に対して遊技方法を意欲的に選択させることができると共に、選択した遊技方法に対してどのような遊技結果となるのかを注視させることができる。
<第21実施形態の演出内容について>
次に、図418から図420を参照して、本第21実施形態において第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種演出表示のうち、特徴的な表示内容について説明をする。上述した通り、本実施形態では、連荘モードが設定された場合において、遊技者が遊技方法を選択可能(遊技球を発射させる遊技領域を可変可能)な遊技性を有している。さらに、連荘モード中に実行される特別図柄抽選の結果に応じてそれ以降の遊技性を異ならせるように構成している。このように様々な遊技性を遊技者に提供可能な本実施形態のパチンコ機10では、遊技者に遊技内容を分かり易く報知するための演出表示(案内表示)が実行される。なお、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示内容(表示態様)のうち、上述した各実施形態と同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図418(a)を参照して、確変状態(連荘モード)が設定された場合における表示内容について説明をする。図418(a)は、確変状態(連荘モード)が設定された場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図418(a)に示した通り、確変状態(連荘モード)が設定されると、遊技者に対して遊技方法を選択させるための選択画面が表示される。遊技者は選択画面に表示されている表示内容に基づいて確変状態(連荘モード)中にどの遊技方法で遊技を実行するのかを決定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
この選択画面の表示内容について具体的に説明をすると、表示画面における略中央部分には遊技者に遊技方法を選択させるために「選べ」の文字が表示されると共に、主表示領域Dmを左右方向に分割した領域が形成される。そして、左側の領域には「大当たり期待度高、継続期待度低」という文字が表示された表示領域HR9が形成され、その下方には、遊技者が遊技球を発射する位置の指標となる「カメ」を模したマークMK1を狙う旨が表示され、さらにその下方に、遊技方法として「左打ち」を示す矢印アイコンYG1が表示される。
一方、左側の領域には「大当たり期待度低、継続期待度高」という文字が表示された表示領域HR10が形成され、その下方には、遊技者が遊技球を発射する位置の指標となる「サメ」を模したマークMK2を狙う旨が表示され、さらにその下方に、遊技方法として「右打ち」を示す矢印アイコンYG2が表示される。
このように、表示領域HR9、及び表示領域HR10を形成し、各遊技方法を選択した場合における後の遊技結果の期待度を遊技者に報知することにより、各遊技方法において実行される遊技の内容を遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技が終了した後に、図418(a)に示した選択画面を表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中における再度のラウンド遊技が終了した後に設定されるエンディング期間(可変入賞装置65の閉鎖期間)中から上述した選択画面を表示するように構成しても良い。このように構成することで、選択画面が表示される期間を長くすることができるため、遊技者により分かり易い遊技を提供することができる。
また、上述した選択画面は、遊技者が選択した遊技方法に沿った遊技を行い、特別図柄の抽選が実行されるまで継続表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、選択画面が表示されてからの経過時間を計測し、経過時間が所定時間(例えば、30秒)に到達した場合に、選択画面の表示を終了しても良いし、特別図柄の抽選が実行された後も所定期間、例えば、実行された特別図柄の変動時間よりも短い時間の間、選択画面を継続して表示するように構成しても良い。この場合、実際に実行された遊技内容(左打ち遊技、強右打ち遊技)を、抽選が実行された特別図柄の種別により判別し、その判別結果に基づいて、遊技者が選択した遊技方法を示す領域の表示態様を可変表示させるように構成すると良い。
具体的には、選択された遊技方法が表示されている領域に「決定」の文字を表示したり、選択された遊技方法が表示されている領域のほうが、選択されていない遊技方法が表示されている領域よりも目立つように明度を高くするように表示したりすると良い。このように構成することで、遊技者がどの遊技方法を選択したのかを視覚的に報知することができるため、遊技者により分かり易い遊技を提供することができる。なお、上述した例では、遊技者が選択した遊技方法を示す領域の表示態様を可変させることにより、遊技者が選択した遊技方法を視覚的に報知可能としているが、これに限ること無く、遊技者が選択しなかった遊技方法が表示されている領域が目立たなくなるように可変表示することにより、遊技者が選択した遊技方法が相対的に目立つように(識別可能となるように)構成しても良い。
次に、図418(b)を参照して、確変状態(連荘モード)中に実行した1回目の特別図柄抽選にて大当たりに当選した場合の表示内容について説明をする。図418(b)は、確変状態(連荘モード))中に実行した1回目の特別図柄抽選にて大当たりに当選した場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図418(b)に示した通り、確変状態(連荘モード)中に実行される1回目の特別図柄抽選で大当たりに当選すると、大当たり当選を示唆する「チャンスタイム突入まであと9秒」の文字と、チャンスタイムに突入した場合における遊技内容を事前に遊技者に報知するための事前報知態様として「チャンスタイムに突入したらタコを狙ってね」のコメントと、表示領域23に「タコ」の位置を示す模式図が表示される。
チャンスタイム突入までを示す時間(9秒)は、表示領域HR50に表示されるものであり、実行中の特別図柄変動(大当たり変動)の残期間を遊技者に示すものである。この表示領域HR50では、時間の経過に対応させて秒数を減算するカウントダウン演出が実行される。このように構成することで、大当たり当選するタイミング、即ち、大当たり待機状態へと移行するタイミングを遊技者に分かり易く報知すると共に、特別図柄抽選を実行させるために行った遊技方法(左打ち遊技、或いは、強右打ち遊技)を、弱右打ち遊技へと可変させるタイミングを事前に報知することができるため、遊技者に余裕を持たせて遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本実施形態では、確変状態(連荘モード)における1回目の特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、10秒間の特別図柄変動が実行されると共に、特別図柄変動の0.1秒後に実行される普通図柄変動として、9.5秒の変動時間が設定されるように構成している。よって、第3図柄表示装置81の表示面の表示領域HR50に表示されるカウントダウン表示が0秒となる0.5秒前に普通図柄変動が停止し、当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が実行される。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示内容に基づいて遊技方法を変更した場合に、電動役物6985のロング開放遊技中に遊技球を第2遊技領域へと流下させることができる。
なお、本実施形態では、表示領域HR50に表示されるカウントダウン表示の対象を、大当たりに当選した特別図柄変動の残変動時間としているが、これに限ること無く、例えば、大当たりに当選した特別図柄変動と関連して実行される普通図柄変動(大当たりに当選した特別図柄変動の開始後、0.1秒後に実行される普通図柄変動)の残期間を対象にカウントダウン表示を実行しても良いし、遊技球を発射してから電動役物6985に到達するまでの期間(例えば0.5秒)を考慮して、特別図柄の残変動時間よりも0.5秒早いタイミングを対象としてカウントダウン表示を実行するように構成しても良い。このように構成することにより、電動役物6985のロング開放遊技が実行された直後に遊技球を電動役物6985へと到達させ易くすることができる。
次に、図418(b)に示した状態から9秒が経過し、チャンスタイムに突入した場合における表示内容について説明をする。図418(b)は、チャンスタイム中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
特別図柄変動が停止し、大当たり待機状態へと移行すると、表示領域HR21には、特別図柄の抽選結果が大当たりであって、大当たり遊技を作動させるための作動条件が成立していない状態であることを示す第3図柄の表示態様が表示される。具体的には、大当たりを示す組合せで第3図柄を停止表示させ、その停止表示されている第3図柄を覆うように、大当たり待機状態であることを示す「STOP」のマークが表示される。これにより、遊技者に対して現在の状態が大当たり待機状態であることを容易に判別させることができる。
また、主表示領域Dmには、現在がチャンスタイム中(電動役物6985のロング開放遊技中)であることを示す「チャンスタイム」の文字が表示されると共に、「タコを狙ってクルーンに球を入れろ」の文字が表示される。これにより、チャンスタイム中に実行すべき遊技内容を遊技者が容易に把握することができる。また、「V入賞で大当たり」の文字が表示される。これにより、クルーン(第1クルーン6971、第2クルーン6972)に球を入れた後の遊技内容を遊技者に案内することができるため、指示に従って遊技球をクルーン(第1クルーン6971、第2クルーン6972)に流入させた後の遊技を遊技者に分かり易く案内することができる。
また、チャンスタイム中の表示画面には、チャンスタイムが終了するまでの残期間を示すための表示領域HR50と、クルーン(第1クルーン6971、第2クルーン6972)に入球した球数を累積表示する表示領域HR51と、が形成され、チャンスタイム中の遊技状況を遊技者に分かり易く報知可能に構成している。
表示領域HR50には「チャンスタイム終了まで・・・秒」の文字が表示されると共に、実行中の普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が終了するまでの期間(残期間)がカウントダウン表示される。図419(a)に示した例では、「チャンスタイム終了まで30秒」の文字が表示されている。なお、本実施形態では、電動役物6985のロング開放遊技の終了条件として、電動役物6985内に遊技球が10個入球した場合に成立する第1終了条件と、予め定められた動作シナリオを全て実行した場合に成立する第2終了条件とを設けており、表示領域HR50に表示される内容は、上述した第2終了条件が成立するまでの期間、即ち、遊技者の遊技内容に関わらず、一定の期間として設定されるものとなる。よって、第2終了条件が成立するよりも前に、表示領域HR50に表示される残期間が0となる前に、第1終了条件が成立した場合は、表示領域HR50の表示態様として「終了」の文字が表示される。
表示領域HR51は1回の電動役物6985のロング開放遊技中に開放状態となった電動役物6985から第2誘導流路6982へと流入した遊技球数が表示される表示領域であって、球が振分装置6980内へ流入する毎に1加算される値が表示される。本実施形態では、電動役物6985のロング開放遊技が実行された場合に、上述した第1終了条件として入球数10個となるように設定している。
このように構成することで、表示領域HR51の表示内容に基づいて、現在の遊技方法が適正であるか否かを遊技者が判別することが可能となる。具体的には、作動入賞口660に遊技球が入賞しない期間が所定期間続いた場合において、クルーン(第1クルーン6971、第2クルーン6972)に対して、適正量の遊技球を流入させていないのか、クルーンに到達した遊技球が適正な振分確率で振り分けられていないのかを判別することが可能となる。
なお、本実施形態では、表示領域HR51の表示態様を、チャンスタイムが設定される毎に初期化するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に対して電源を投入してから、遊技情報がクリア(RAMクリア)されるまでの期間を対象にクルーンへの入球数を加算表示するように構成しても良い。
次に、チャンスタイム中(電動役物6985のロング開放遊技中)に振分装置6980内に入球した遊技球が振分装置6980内に残存している状態で、チャンスタイムが終了した場合の表示内容について図419(b)を参照して説明する。図419(b)は、チャンスタイム終了時に振分装置6980内(クルーン内)に遊技球が残存している場合に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。本実施形態では、上述した第18実施形態の変形例と同様に、第1クルーン6971、及び第2クルーン6972のそれぞれを遊技球が転動する期間が約10秒となるように構成している。よって、例えば、電動役物6985のロング開放遊技の終了間際に遊技球が振分装置6980内に流入した場合は、チャンスタイム終了後も延長させて球振分役物6970内の遊技球の挙動を楽しませることができるように構成している。
このようにチャンスタイムは終了しているが、球振分役物697内に遊技球が残存している期間(延長期間)は、新たな遊技球を振分装置6980内へと入球させることができない点でチャンスタイム中とは遊技性が異なるため、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出表示も異ならせている。
具体的には、図419(b)に示した通り、現在が延長期間であることを示す「エキストラタイム突入」の文字が表示され、「クルーン内の球が最後のチャンス!V入賞を祈れ」の文字が表示される。このように構成することで、遊技者に対して遊技球を発射させる遊技を一旦止めて、球振分役物6970内の遊技球の挙動を注視することができる期間であることを分かり易く報知することができる。
また、図419(b)に示した「エキストラタイム」は、チャンスタイムが終了した後に表示されるものであるため、表示領域HR51には、クルーン入球数として「10(個)」が表示され、表示領域HR50には、チャンスタイムが終了していることを示す「0秒」が表示されている。そして、表示領域HR21には、現在が大当たり待機状態であることを示す表示態様として、図419(a)と同一の表示態様が表示される。
チャンスタイム中に振分装置6980内に流入した遊技球が作動入賞口660へと入球すると、図420(a)に示した通り、表示領域HR21に表示される第3図柄の表示態様81から「STOP」を示すアイコンが削除される。これにより大当たり遊技が実行されることを示す第3図柄が表示される。そして、表示面には大当たり遊技が開始されることを示す「V」の文字が表示されると共に、遊技者を祝福するための「おめでとう」の文字が表示される。
次に、確変状態(連荘モード)中に実行した1回目の特別図柄抽選にて外れに当選した場合の表示内容について説明をする。図420(b)は、確変状態(連荘モード))中に実行した1回目の特別図柄抽選にて外れに当選した場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。図420(a)に示した通り、確変状態(連荘モード)中に実行される1回目の特別図柄抽選で外れに当選すると、その外れ変動中に、今回の特別図柄の抽選結果が外れであることを示す「チャレンジ失敗」の文字が表示されると共に、2回目の特別図柄抽選を実行させるための「ラストチャンスへ」の文字が表示される。これにより、実行中の特別図柄変動が外れであることを遊技者に報知することができる。
そして、図示は省略するが、特別図柄外れ変動が停止表示されると、図418(a)に示した選択画面が表示され、2回目の特別図柄抽選を遊技者に行わせるための案内表示が表示される。その後、2回目の特別図柄抽選にて大当たりに当選した場合は、その特別図柄大当たり変動中に上述した図418(b)と同様の表示画面が表示され、特別図柄大当たり変動が停止表示されたタイミングに合わせて、図419(a)に示した表示画面と同一の表示画面が表示される。ここで、2回目の特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、図419(a)に示した表示画面が表示されたタイミングで、既に電動役物6985のロング開放遊技が実行されているため、チャンスタイムの残期間が、1回目の特別図柄抽選にて大当たりに当選した場合よりも短くなる。また、1回目の特別図柄変動が停止表示されてから、2回目の特別図柄変動を実行するまでの期間が長くなればなるほど、チャンスタイムの残期間が短くなる。これに対し、本実施形態では、表示領域HR50を形成し、チャンスタイムの残期間を遊技者に報知可能としているため、チャンスタイムが急に終了してしまい遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
<第21実施形態における電気的構成について>
次に、図421、および図422を参照して、本第21実施形態における主制御装置110のROM202の構成について説明する。本第21実施形態のROM202は、上述した第18実施形態の変形例に対して、第1当たり乱数テーブル202a(図404(a)参照)に代えて、第1当たり乱数テーブル202xaを、第1当たり種別選択テーブル202b(図404(b)参照)に代えて、第1当たり種別選択テーブル202xbを、特別図柄の変動時間を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202dに代えて、変動パターン選択テーブル202xcを設けた点で相違している。また、普通図柄の変動時間を選択する際に参照される普図変動パターン選択テーブル202xdを追加した点でも相違している。それ以外の内容については、上述した第18実施形態の変形例と同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図421(a)を参照して、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202xaの詳細について説明する。この第1当たり乱数テーブル202xaは、第18実施形態の変形例における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図421(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202xaには、特別図柄の確率状態(遊技状態)に対応させた乱数値が規定されており、特別図柄の高確率状態では、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~398」の399個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で、特別図柄の外れと判定される乱数値(カウンタ値)として、「399」の1個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。つまり、特別図柄の高確率状態ではが設定されている場合は、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が399個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、約1/1(399/400)の確率で大当たりに当選する。
特別図柄の低確率状態では、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で、特別図柄の外れと判定される乱数値(カウンタ値)として、「100~399」の300個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。つまり、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が100個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、約1/4(100/400)の確率で大当たりに当選する。
図415を参照して上述した通り、本実施形態では、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選を実行しようとする場合には、特別図柄の高確率状態のまま第1特別図柄の抽選(大当たり確率約1/1)が実行可能に構成しているのに対して、第2特別図柄の抽選を実行しようとする場合には、確変転落ゲート7001を遊技球が通過してから第2特別図柄の抽選が実行されてしまうため、特別図柄の低確率状態で第2特別図柄の抽選(大当たり確率約1/4)が実行されるように構成している。このように、特別図柄の高確率状態が設定されている場合において、抽選を実行させる特別図柄の種別を異ならせることにより、特別図柄抽選を実行する時点から特別図柄抽選の結果が停止表示されるまでの期間において設定される遊技状態(特別図柄の確率状態)を可変させることができる。
なお、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合も、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合も、特別図柄の抽選結果として大当たりであることを示す特別図柄が停止表示されると、上述した第18実施形態の変形例と同様に、大当たり待機状態へと移行し、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。
次に、図421(b)を参照して、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202xbの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202xbは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図421(b)に示した通り、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202xbには、特別図柄の種別が第1特別図柄の場合に3種類の大当たり種別(大当たりA30,B30,C30)に対して、それぞれ第1当たり種別選択カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されており、特別図柄の種別が第2特別図柄の場合に1種類の大当たり種別(大当たりD30)に対して第1当たり種別選択カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。
さらに、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に必ず特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しており、第1当たり種別選択テーブル202xbを参照して選択された大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(普通図柄の時短状態(高確率状態)の終了条件)が異なるように規定している。
具体的には、図421(b)に示した通り、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄であって、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して、「大当たりA30」が対応付けて規定されている。この「大当たりA30」は、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後に、特別図柄の抽選が2回実行されるまでの間普通図柄の時短状態(高確率状態)に設定される(時短回数が2回に設定される)大当たり種別である。なお、本第22実施形態における普通図柄の時短状態では、普通図柄の当たり確率が100%になるため、第1スルーゲート6067、或いは、第2スルーゲート6167に遊技球を1回通過させるだけで、確実に普図当たり遊技を実行させることができる。
また、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「25~74」の範囲に対して、「大当たりB30」が対応付けて規定されている。この「大当たりB30」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態が通常状態、或いはリミット状態である場合には、大当たり遊技終了後に、特別図柄の抽選が2回実行されるまでの間普通図柄の時短状態(高確率状態)に設定(時短回数が2回に設定)され、時短状態、確変状態、潜確状態である場合には、大当たり遊技終了後に時短回数が付与されない(普通図柄の高確率状態が設定されない)大当たり種別である。最後に、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「75~99」の範囲に対して、「大当たりC30」が対応付けて規定されている。この「大当たりC30」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態が通常状態、リミット状態である場合には、大当たり遊技終了後に、特別図柄の抽選が2回実行されるまでの間普通図柄の時短状態(高確率状態)に設定(時短回数が2回に設定)され、時短状態、確変状態、潜確状態である場合には、大当たり遊技終了後に時短回数が付与されない(普通図柄の高確率状態が設定されない)大当たり種別である。
次に、特別図柄の図柄種別が第2特別図柄である場合は、第1当たり種別選択カウンタC2の値が「0~99」の範囲に対して、「大当たりD30」が対応付けて規定されている。この「大当たりD30」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり当選時の遊技状態が通常状態、或いはリミット状態である場合には、大当たり遊技終了後に、特別図柄の抽選が2回実行されるまでの間普通図柄の時短状態(高確率状態)に設定(時短回数が2回に設定)され、時短状態である場合には、大当たり遊技終了後に、特別図柄の抽選が3回実行されるまでの間普通図柄の時短状態(高確率状態)に設定(時短回数が3回に設定)され、確変状態、潜確状態である場合には、大当たり遊技終了後に時短回数が付与されない(普通図柄の高確率状態が設定されない)大当たり種別である。
つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合は、100%の確率で大当たり遊技終了後に時短回数2回の確変状態(連荘モード)が設定される。そして、連荘モード中において第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合は、75%の確率で大当たり遊技終了後に通常モードが設定され、残りの25%で連荘モードが設定される。一方、連荘モード中において第2特別図柄抽選で大当たりに当選した場合は、100%の確率で連荘モード(時短回数3回)が設定される。なお、本実施形態では、正常な遊技が行われている場合には、特別図柄の高確率状態のまま第2特別図柄の抽選が実行されることが無いため、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合であって、当選時の遊技状態が特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)である場合には、ペナルティとして潜確状態が設定されるように構成している。
ここで、当選時の遊技状態の1つである「リミット状態」について説明をする。本実施形態は、上述した通り、大当たり遊技の終了後に必ず特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しており、さらに、特別図柄の高確率状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たりに当選した回数が所定回数(5回)に到達した(リミット状態となった)場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるように構成している。これにより、特別図柄の高確率状態が過剰に設定されることを抑制することができる。そして、本実施形態では、大当たり当選時の遊技状態がリミット状態である場合には、大当たり種別に関わらず時短回数2回が付与されるように構成している。つまり、リミット状態において大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に必ず時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))が設定されるように構成している。
また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態において第2特別図柄の抽選を実行させようとした場合には、確変転落ゲート7001(図415参照)を遊技球が通過し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しており、確変転落ゲート7001を遊技球が通過したことに基づいて、リミット状態への移行条件(当選回数)がクリアされるように構成している。つまり、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の時短状態が設定されない場合がある第1特別図柄の抽選を連続して実行した場合にのみリミット状態が設定され得るように構成している。このように構成することで、第1特別図柄の抽選にて複数回大当たり当選したとしても、普通図柄の時短状態(高確率状態)が設定されず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、潜確状態にて第1特別図柄抽選で大当たり当選する場合よりも、確変状態にて第1特別図柄抽選で大当たり当選する場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の時短状態(高確率状態)が設定され難くなるように構成しているため、例えば、確変状態が設定されている状態がリミット状態となるように大当たり当選回数を管理しながら遊技を行うことにより、大当たり遊技の終了後に普通図柄の時短状態(高確率状態)が設定される確率を飛躍的に高めることができる。
さらに、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に時短回数が付与されないように構成している。これは、図415を示して上述した通り、通常の遊技を行った場合には、転落ゲート7001を通過した遊技球のみが第2特図始動ゲート6964を通過するように構成しているため、通常の遊技を行っている場合には、特別図柄の高確率状態にて第2特別図柄の抽選が実行され得ないためである。よって、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行された場合には、正常では無い遊技が実行されている状態であるため、遊技者にペナルティを付与するために時短回数が付与しないことができる。
次に、図422を参照して、本第21実施形態におけるRAM203の構成について説明する。図422は、本第21実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図422に示した通り、本第21実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203gが削除されている点で相違している。これらの変更は、第1特別図柄、第2特別図柄の保留機能、普通図柄の保留機能を廃止したことに伴うものである。また、新たに、遊技状態格納エリア203xa、リミット回数カウンタxb、時短付与回数格納エリア203xc、入球カウンタ203xd、減算タイマ203xe、延長状況フラグ203xfを追加した点で相違している。
遊技状態格納エリア203xaは、遊技状態に関する情報を一時的に記憶するためのデータ領域であって、現在設定されている遊技状態に関する情報を記憶する現記憶エリアと、特定のタイミングにおける遊技状態(大当たり当選時の遊技状態、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を記憶する想定記憶エリアと、を有している。現記憶エリアには、確変フラグ203hの設定状況や、時短中カウンタ203iに基づいて判別される現在の遊技状況が随時更新されて記憶される。
また、遊技状態格納エリア203xaのうち想定記憶エリアは、過去に設定されていた遊技状態や、今後設定される遊技状態に関する情報が記憶されるものであって、例えば、始動入賞処理30(図427のS20103参照)において、今回実行される特別図柄抽選が大当たりであると判別された場合に(S20406:Yes)、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が格納される(S20413)。このように構成することで、後に設定される遊技状態を決定するタイミングと、実際に遊技状態が設定されるタイミングとに時間差が生じる場合であっても、適正な遊技状態を確実に設定することができる。なお、本実施形態では、後に設定される遊技状態に関する情報を遊技状態格納エリア203xaに格納するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選時に設定されていた遊技状態(当選時の遊技状態)と、設定された大当たり種別と、を記憶可能に構成し、大当たり遊技終了後に、大当たり当選時に設定されていた遊技状態(当選時の遊技状態)と、設定された大当たり種別とに基づいて設定すべき遊技状態を判別し、判別結果に基づいた遊技状態を設定するように構成しても良い。
リミット回数カウンタ203xbは、リミット状態への移行条件が成立したことを判別する際に参照されるものであって、特別図柄の高確率状態で実行される特別図柄抽選で大当たりに当選したことに基づいてカウンタの値が1加算され、カウンタ値が所定値(例えば、5)に到達した場合に、リミット状態への移行条件が成立したと判別されるものである。また、確変転落ゲート7001への球の通過(入球)が検出された場合に、カウンタ値が0にクリアされる。
時短付与回数格納エリア203xcは、大当たり遊技終了後に付与される時短回数が格納されるデータ領域であって、特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に設定される時短回数が記憶され、大当たり遊技終了後に参照されるものである。
入球カウンタ203xdは、振分装置6980に入球している遊技球の数を計測するためのカウンタであって、振分装置6980に遊技球が入球する毎にカウンタの値が1加算され、振分装置6980から排出される毎にカウンタの値が1減算されるカウンタである。具体的には、主制御装置110のMPU201により実行される入球状況判別処理(図430のS20502参照)において入球センサSZ10(図415参照)により、球の入球が検知された場合にカウンタ値が1加算され(図430のS20703参照)、排出センサSZ11~13(図416参照)により、球の排出が検知された場合にカウンタ値が1減算される(図430のS20705)。そして、振分装置6980内に遊技球が残存している状態であるか否かを判別する際に参照される(図430のS20706、或いは、S20712参照)。
減算タイマ203xeは、振分装置6980内に遊技球が入球してからの経過時間を計測するためのタイマであって、振分装置6980内に入球した遊技球が所定期間(30秒)以上排出されないエラー状態の発生を判別する際に参照されるものである。この減算タイマ203xeは、主制御装置110のメイン処理30(図428参照)にて、4ミリ秒毎に定期的に実行される入球状況判別処理(図430のS20502参照)において、入球センサSZ10が遊技球の通過を検知したと判別した場合に(S20701:Yes)、所定期間である30秒に対応する値(7500)がセットされ(S20702)、この入球状況判別処理が実行される毎に1減算される(S20711)。
また、排出センサSZ11~SZ13が遊技球の通過を検知したと判別し(S20704:Yes)、入球カウンタ203xdの値が0になったと判別した場合に(S20706:Yes)、0にリセットされる。このように、振分装置6980に新たな遊技球が入球する毎に新たな値がセットされるように構成しているため、本実施形態では、例えば、電動役物6985のロング開放遊技にて振分装置6980内に最後に入球した遊技球が排出されない状態(入球カウンタ203xdの値が0にならない状態)が所定期間(30秒)継続した場合に、減算タイマ203xeの値が1まで減算されるように構成している。
延長状況フラグ203xfは、普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が終了した状態において、遊技球が振分装置6980内に残存している延長状態を示すためのフラグであって、普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が終了した状態において、遊技球が振分装置6980内に残存している場合にオンに設定される。そして、延長状況フラグ203xfがオンに設定されている状態で入球カウンタ203xdの値が0となった場合に、即ち、普図当たり遊技終了時に振分装置6980内に残存していた遊技球が排出されたと判別した場合にオフに設定される。この延長状況フラグ203xfを用いることにより、現在が延長状態であることを判別することが可能となると共に、延長状態が設定されたことを示す状況コマンドを設定することができる。
リミットフラグ203xgは、現在がリミット状態であることを示すためのフラグであって、リミット回数カウンタ203xbのカウンタ値がリミット状態への移行条件(5)に到達したと判別した場合にオンに設定される。そして、大当たり制御処理30(図429のS20501参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1212:Yes)、確変フラグ203hをオンに設定するか否かを判別する際に参照される(S20601参照)。S20601の処理において、リミットフラグ203xgがオンに設定されていると班別した場合は(S20601:Yes)、確変フラグ203hをオンに設定する処理をスキップし、その後、リミットフラグ203xgをオフに設定する。
次に、図423を参照して、本第21実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成について説明する。図423は、本第21実施形態におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図423に示した通り、本第21実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ203cを削除し、待機タイマ223xa、チャンスタイマ223xb、チャンスフラグ223xcが追加されている点で少なくとも相違している。
待機タイマ223xaは、連荘モード(普通図柄の高確率状態)において大当たり待機状態へと移行するまでの期間を計測するためのタイマである。この待機タイマ223xaには、連荘モード中に実行された特別図柄抽選で大当たりに当選した場合において、大当たり当選した特別図柄変動の変動時間(本実施形態では10秒)に対応する値が設定される。そして、1ミリ秒毎に実行される演出更新処理30(図431参照)において減算され、現在の値を示す表示用コマンドが設定される。ここで設定された表示用コマンドに基づいて、図418(b)に示した表示領域HR50の表示態様が設定される。
チャンスタイマ223xbは、連荘モード中の普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される電動役物6985のロング開放遊技の期間を計測するためのタイマであって、電動役物6985のロング開放遊技が実行される場合に、ロング開放遊技の動作シナリオ期間に対応する値が設定される。そして、1ミリ秒毎に実行される演出更新処理30(図431参照)において減算され、現在の値を示す表示用コマンドが設定される。ここで設定された表示用コマンドに基づいて、図419(a)の表示領域HR50の表示態様が設定される。
<第21実施形態における主制御装置の制御処理>
次に、図424から図430を参照して、本第21実施形態における主制御処理110の制御処理内容について説明をする。本第21実施形態では、上述した第18実施形態の変形例に対して、タイマ割込処理の一部を変更した点と、メイン処理の一部を変更した点とで相違している。
まず、図424を参照して、本第21実施形態におけるタイマ割込処理30について説明をする。図424は、タイマ割込処理30の制御内容を示したフローチャートである。図424に示した通り、タイマ割込処理30は、上述した第1制御例のタイマ割込処理(図21参照)に対して、特別図柄変動処理(図21のS104)に代えて特別図柄変動処理30(S20101)を、始動入賞処理(図21のS105)に代えて始動入賞処理30(S20103)を設け、さらに、転落ゲート通過処理(S20102)を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図425を参照して、特別図柄変動処理30(S20101)の詳細な内容について説明をする。図425は、特別図柄変動処理30(S20101)の内容を示したフローチャートである。本実施形態は、特別図柄の保留機能を有していないため、上述した第17実施形態の特別図柄変動処理(図377のS151参照)と同様の処理が実行される。上述した第17実施形態の特別図柄変動処理(図377のS151参照)と相違する点は、停止表示された特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に(S218:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定する処理(S20201)を追加した点と、停止表示された特別図柄の抽選結果が大当たりでは無い場合(S218:No)において、時短中カウンタ203iの値を1減算(S222)した後に、減算後の時短中カウンタ203iの値を示す状態コマンドを設定する処理(S20202)を追加した点である。それ以外は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図426を参照して、タイマ割込処理30(図424参照)において実行される転落ゲート通過処理(S20102)の内容について説明する。図426は転落ゲート通過処理(S20102)の内容を示したフローチャートである。この転落ゲート通過処理(S20102)では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で遊技球が転落ゲート7001を通過した場合に、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための処理と、リミット状態へと移行させるための条件をリセットするための処理が実行される。
転落ゲート通過処理(S20102)が実行されると、まず、転落ゲート7001(図415参照)に球が入球(通過)したかを判別する(S20301)。このS20301の処理では、転落ゲート7001に設けられた近接センサ(図示せず)が遊技球を検知したかが判別される。なお、近接センサが遊技球を検知したかの判別方法については、上述した各実施形態における遊技球の検知方法と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
S20301の処理において、転落ゲート7001に遊技球が入球したと判別した場合は(S20301:Yes)、次に、確変フラグ203hがオンに設定されているかを判別し(S20302)、オンに設定されていると判別した場合は(S20302:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定し(S20303)、リミット回数カウンタ203xbの値を0にクリアし(S20304)、本処理を終了する。
一方で、S20301の処理において、入球していないと判別した場合(S20301:No)、或いは、S20302の処理において、確変フラグ203hをオンに設定されていないと判別した場合(S20302:No)は、そのまま本処理を終了する。
次に、図427を参照して、始動入賞処理30(S20103)の内容について説明をする。図427は、始動入賞処理30(S20103)の内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理30(S20103)は、特別図柄抽選を実行させるための処理であって、遊技球が始動入賞口(第1特別通過口6904、第2特別通過口6964)に始動入賞(入球)した場合に実行されるものである。本実施形態では、第1特別図柄、第2特別図柄の何れも保留機能を有していないため、遊技球が始動入賞したタイミングにおいて、新たな特別図柄の抽選を実行可能な状態であるかを判別し、新たな特別図柄の抽選を実行可能であると判別した場合に、始動入賞された特別図柄の種別に対応した大当たり抽選が実行される。
さらに、本実施形態では特別図柄の高確率状態で大当たり当選した回数が所定回数に到達した場合に、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されることを強制的に禁止する機能(リミット機能)を設けており、今回実行された特別図柄抽選の抽選結果に基づいてリミット機能を実行するか否かの判別も行うように構成している。図427に示した通り、本始動入賞処理30(S20103)は、上述した始動入賞処理20(図378のS152参照)の一部を変更したものであり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
始動入賞処理30(S20103)が実行されると、まず、始動入賞口(第1特別通過口6904、第2特別通過口6964)への遊技球の入球があったかを判別し(S20401)、入球が無かった場合は(S20401:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、入球があったと判別した場合は(S20401:Yes)、今回の入球が第1入球口(第1特別通過口6904)であるかを判別し(S20402)、第1入球口であると判別した場合は(S20402:Yes)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄1実行エリアに格納し(S20403)、S20405の処理へ移行する。S20402の処理において、今回の入球が第1入球口では無い、即ち、第2入球口(第2特別通過口6964)であると判別した場合は(S20402:No)、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3の各値を特別図柄2実行エリアに格納し(S20404)、S20405の処理へ移行する。
S20405の処理では、今回の処理で実行エリアに格納された各種データと、第1当たり乱数テーブル202xaとを参照して抽選結果(大当たりか否か)を取得し(S20405)、次いで、今回の抽選結果が大当たりである場合は(S20406:Yes)、リミット回数カウンタ203xbの値を読み出す(S20407)。そして、S20407の処理で読み出したリミット回数カウンタ203xbの値が5であるか(リミット状態への移行条件が成立しているか)を判別し(S20408)、5では無い(5未満である)と判別した場合は(S20408:No)、今回の大当たり遊技終了後にリミット機能を発動する場合では無いため、リミット回数カウンタ203xbの値に1を追加(加算)し(S20409)、S20412の処理へ移行する。
一方、S20408の処理において、リミット回数カウンタ203xbの値が5である(リミット状態への移行条件が成立している)と判別した場合は(S20408:Yes)、リミットフラグ203xgをオンに設定し(S20410)、リミット回数カウンタ203xbの値を0にクリアし(S20411)、S20412の処理へ移行する。ここで、オンに設定されたリミットフラグ203xgは、大当たり遊技終了時(大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際)に参照され、リミットフラグ203xgがオンに設定されていると、リミット機能を発動し、大当たり種別や遊技状態に関わらず、特別図柄の高確率状態が大当たり遊技終了後に設定されることが無い。
S20412の処理では、今回当選した大当たりに対する大当たり種別を設定するために、実行エリアのデータと、第1当たり種別選択テーブル202xbを参照して大当たり種別を選択する(S20412)。そして、現在の遊技状態と、S20412の処理で選択された大当たり種別と、リミットフラグ203xgの設定状況に基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を抽出し、遊技状態格納エリア203xaに格納する(S20413)。
S20413の処理を終えると、S20412の処理で選択された大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態(現在の遊技状態)とに対応する時短付与回数を抽出し、時短付与回数格納エリア203xcに格納し(S20414)、上述した始動入賞処理20(図378のS152参照)と同一のS425~S431の処理を実行し、本処理を終了する。また、S20406の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合(S20406:No)も、上述した始動入賞処理20(図378のS152参照)と同一のS427~S431の処理を実行し本処理を終了する。
次に、図428を参照して、メイン処理30の内容について説明をする。図428は、メイン処理30の内容を示したフローチャートである。このメイン処理30は、上述した第18実施形態の変形例におけるメイン処理22(図409参照)に対して、大当たり制御処理22(図409のS10021)に代えて大当たり制御処理30(S20501)を設けた点と、小当たり制御処理22(図409のS10022)を削除し、入球状況判別処理(S20502)を新たに追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図429を参照して、メイン処理30(図428参照)にて実行される大当たり制御処理30(S20501)の内容について説明をする。図429は、大当たり制御処理30(S20501)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理30(S20501)は、上述した第18実施形態の変形例における大当たり制御処理22(図409のS10021参照)に対して、エンディング演出の終了タイミングと判別した場合に実行される制御処理の内容を異ならせている点でのみ相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり制御処理30(S20501)が実行されると、上述した第18実施形態の変形例における大当たり制御処理22(図409のS10021参照)と同一のS1201~S1212の処理を実行する。そしてS1212の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(S1212:Yes)、リミットフラグ203xgがオンに設定されているかを判別し(S20601)、オンでは無い、即ち、現在がリミット状態では無いと判別した場合は(S20601:No)、確変フラグ203hをオンに設定し(S20602)、S20604の処理へ移行する。一方、S20601の処理でリミットフラグ203xgがオンに設定されている、即ち、現在がリミット状態であると判別した場合は(S20601:Yes)、リミットフラグ203xgをオフに設定し(S20603)、大当たり遊技終了後の遊技状態を特別図柄の低確率状態とするために、S20602の処理をスキップし、S20604の処理へ移行する。
S20604の処理では、時短付与回数格納エリア203xcに格納されている情報(時短付与回数を示す情報)を読み出し(S20604)、読み出した情報に対応する時短回数を時短回数カウンタに設定し(S20605)、今回設定した大当たり遊技終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1216)、大当たり終了を設定し(S1217)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、始動入賞処理30(図427のS20103参照)において、大当たり当選した場合に、リミット機能を発動させるための移行条件(リミットフラグ203xgをオンに設定するための移行条件)が成立したかを判別し、移行条件が成立した場合には、その旨を記憶しておき(リミットフラグ203xgをオンに設定し)、移行条件が成立していないと判別した場合は、移行条件成立の対象となる要素(リミット回数カウンタ203xbの値)を更新する処理を行い、大当たり遊技終了時に、記憶しておいた移行条件の成立の有無を示す情報(リミットフラグ203xgの設定状況)に基づいてリミット機能を発動させた遊技状態を設定するための処理を実行するように構成している。これにより、遊技者に対して、特別図柄の高確率状態が過度に設定されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、リミット機能を発動した場合に時短回数2回が必ず付与されるように構成しているため、例えば、第1特別図柄の抽選のように大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に時短回数が付与されない大当たり種別が設定され得るように構成されたパチンコ機10において、遊技者に対して時短回数が付与されない大当たり遊技が過度に設定されてしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、リミット機能を発動させるための制御処理の処理タイミングについては、本実施形態で用いた内容に限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行されるタイミング(例えば、始動入賞処理30(図427のS20103参照)が実行されるタイミング)において、リミット機能を発動させるか否かの判別を実行した後に、その判別結果に基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定しておき、大当たり遊技終了時に、その決定した遊技状態を設定する処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されている期間や、大当たり待機状態が設定されている期間、大当たり遊技中の期間、即ち、特別図柄の抽選が実行されてから、大当たり遊技が終了するまでの期間において、大当たり遊技終了後にリミット機能が発動されるか否かの判別結果に基づいた演出(リミット発動示唆演出)を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して実行される演出の内容を注視させることができ演出効果を高めることができる。
また、本実施形態では、大当たり当選した場合に、リミット機能を発動させるための移行条件(リミットフラグ203xgをオンに設定するための移行条件)が成立したかを判別し、移行条件が成立した場合には、その旨を記憶しておき(リミットフラグ203xgをオンに設定し)、移行条件が成立していないと判別した場合は、移行条件成立の対象となる要素(リミット回数カウンタ203xbの値)を更新する処理(リミット更新処理)を、特別図柄抽選の実行タイミングである始動入賞処理30(図427のS20103参照)において行う例を示しているが、これに限ること無く、上述したリミット更新処理を、異なるタイミングで実行しても良く、例えば、特別図柄が停止表示されるタイミング(例えば、特別図柄変動処理30(図425のS20101)の、S217以降の処理を実行するタイミング)で実行しても良いし、大当たり遊技が終了するタイミング(例えば、大当たり制御処理30(図429のS20501参照)において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した後のタイミング)で実行しても良い。
次に、図430を参照して、入球状況判別処理(S20502)の内容について説明をする。図430は、入球状況判別処理(S20502)の内容を示したフローチャートである。この入球状況判別処理(S20502)では、振分装置6980に入球した遊技球が正常に排出されているかを判別するための処理と、振分装置6980に遊技球が入球し易い状態(普図当たり遊技中)にて振分装置6980へと入球した遊技球が、普図当たり遊技終了後に残存している状況(延長状況)を判別するための処理が実行される。
入球状況判別処理(S20502)が実行されると、まず、入球センサSZ10がオンであるか、即ち、振分装置6980への遊技球の入球が発生したかを判別し(S20701)、入球が発生したと判別した場合は(S20701:Yes)、減算タイマ203xeに30秒に対応する値を設定し(S20702)、入球カウンタ203xdの値を1加算し(S20703)、S20708の処理へ移行する。
ここで、S20702の処理内容について説明をする。本実施形態では図415に示した通り、第2誘導流路6982から流入した球が約2秒の転動期間を経て球振分役物6970へと誘導されるように構成されており、球振分役物6970を構成する第1クルーン6971、第2クルーン6972が約10秒の転動期間を経て遊技球を排出するように構成している。そして、第1クルーン6971、第2クルーン6972から排出された遊技球は最大で3秒の排出期間を経てアウト口6973に入球するように構成している。つまり、電動役物6985のロング開放遊技中に第2誘導流路6982を介して振分装置6980へと入球した球は、最大で27秒の期間を経てアウト口6972に入球するように構成している。
S20702の処理では、振分装置6980に入球した遊技球が正常に排出されているかを判別する際に参照する経過期間として遊技球が正常に排出される期間(27秒)よりも長い期間(30秒)を計測可能に構成している。そして、新たな遊技球が振分装置6980へと入球した場合に、その減算タイマ203xeの値を30秒に再設定するように構成している。これにより減算タイマ203xeの値が所定値(1)となった場合、即ち、振分装置6980に最後に遊技球が入球してからの経過期間が30秒となった時点を判別することができる。そして、振分装置6980に最後に遊技球が入球してからの経過期間が30秒となった時点において、振分装置6980内に遊技球が残存している状態をエラー状態として判別するための処理を実行するタイミングを判別する際に、減算タイマ203xeの値が参照される。このように構成することで、振分装置6980内でエラー状態が発生していることを、精度を高めて判別することができる。
図430に戻り説明を続ける。S20701の処理において、入球センサSZ10がオンでは無いと判別した場合は(S20701:No)、次に、排出センサSZ11~SZ13の何れかがオンであるか、即ち、球振分役物6970から遊技球が排出されたかを判別し(S20704)、排出センサSZ11~SZ13の何れかがオンであると判別した場合は(S20704:Yes)、入球カウンタ203xdの値を1減算し(S20705)、減算後の入球カウンタ203xdの値が0であるかを判別する(S20706)。S20706の処理で入球カウンタ203xdの値が0であると判別した場合、即ち、振分装置6980へと入球した遊技球の数と、振分装置6980から排出された遊技球の数と、が一致している場合は(S20706:Yes)、正常な状態であるため、減算タイマ203xeの値をクリア(0にリセット)し(S20707)、S2078の処理へ移行する。一方で、S20706の処理において入球カウンタ203xdの値が0では無いと判別した場合は(S20706:No)、振分装置6980へと入球した遊技球の数と、振分装置6980から排出された遊技球の数と、が一致していない状態であるため、S20707の処理をスキップしてS20708の処理へ移行する。
S20703の処理、S20707の処理を終えた場合、或いは、S20706の処理において入球カウンタ203xdの値が0では無いと判別した場合(S20706:No)は、次に、現在の入球カウンタ203xdの値を示す状況コマンドを設定し(S20708)、現在が普図当たり遊技中であるかを判別する(S20709)。S20709の処理において、現在が普図当たり遊技中であると判別した場合は(S20709:Yes)、新たな遊技球が振分装置6980へと入球する可能性が高い状態(入球カウンタ203xdの値が可変し易い状態)であるため、エラー状態の判別処理を行うこと無く、後述する減算タイマ203xeの値を更新するための処理(S20710、S20711)を実行し、本処理を終了する。
S20709の処理において、現在が普図当たり遊技中では無いと判別した場合(S20709:No)は、次いで、入球カウンタ203xdの値が1以上であるか、即ち、現在が普図当たり遊技中では無いにも関わらず、振分装置6980内に遊技球が残存している状態であるかを判別する(S20712)。そして、入球カウンタ203xdの値が1以上であると判別した場合は(S20712:Yes)、延長状況フラグ203xfがオンに設定されているかを判別し(S20713)、オンに設定されていない場合は(S20713:No)、延長状況フラグ203xfをオンに設定し(S20714)、延長状況を示すコマンドを設定する(S20715)。
そして、S20715の処理を終えると、減算タイマ203xeの値が1であるか、即ち、エラー状態の判別タイミングに到達したかを判別し(S20716)、減算タイマ203xeの値が1であると判別した場合は(S20716:Yes)、エラー状況(エラー状態)を示す状況コマンドを設定し(S20717)、延長状況フラグ203xfをオフに設定し(S20719)、本処理を終了する。
一方、S20716の処理において、減算タイマ203xeの値が1では無いと判別した場合は(S20716:No)、次に、減算タイマ203xeの値が1よりも大ききかを判別し(S20710)、1よりも大きいと判別した場合は(S20710:Yes)、減算タイマ203xeの値を1減算し(S20711)、本処理を終了する。一方、S20710の処理において、減算タイマ203xeの値が1よりも大きく無いと判別した場合は(S20710:No)、S20711の処理をスキップして本処理を終了する。
また、S20712の処理において、入球カウンタ203xdの値が1以上では無い(0である)、即ち、振分装置6980へと入球した遊技球の数と、振分装置6980から排出された遊技球の数と、が一致していると判別した場合は(S20712:No)、延長状況フラグ203xfがオンに設定されているかを判別し(S20718)、オンに設定されている場合は(S20718:Yes)、延長状況フラグ203xfをオフに設定し(S20719)、本処理を終了する。一方、S20718の処理において延長状況フラグ203xfがオフに設定されている場合は、S20719の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図431から図435を参照して、本第21実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第21実施形態における音声ランプ制御装置113の制御内容は、上述した第18実施形態の変形例に対して、演出更新処理、コマンド判定処理、変動表示設定処理の内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図431を参照して、本実施形態における演出更新処理30(S24501)の内容について説明をする。図431は、演出更新処理30(S24501)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理30(S24501)では、図418(b)に示した表示領域HR50の表示態様、即ち、大当たり待機状態が設定されるまでの期間を示すカウントダウン表示の表示態様を更新するための処理と、図419(a)に示した表示領域HR50の表示態様、即ち、普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が実行されるまでの期間を示すカウントダウン表示の表示態様を更新するための処理とが実行される。
演出更新処理30(S24501)が実行されると、まず、待機タイマ223xaの値が0よりも大きいか、即ち、現在が連荘モード中の大当たり変動中であるかを判別し(S24601)、0よりも大きいと判別した場合は(S24601:Yes)、待機タイマ223xaの値を1減算し(S24602)、減算後のタイマ値に対応する表示用コマンドを設定する(S24603)。なお、演出更新処理30(S24501)は、1ミリ秒毎に実行される処理であるため、本処理が実行される毎に減算後のタイマ値に対応する表示用コマンドを設定するのでは無く、例えば、1秒間隔(待機タイマ223xaの値が1000減算されたタイミング)となる場合にのみ表示用コマンドを設定するように構成しても良い。
S24603の処理を終えると、次に、待機タイマ223xaの値が0であるかを判別し(S24604)、0であると判別した場合は(S24604:Yes)、待機期間終了を示す表示用コマンドを設定し(S24605)、S24606の処理へ移行する。S24605の処理で表示用コマンドが設定されると、そのコマンドが他の表示用コマンドと同様の処理で表示制御装置114へと出力され、第3図柄表示装置81の表示面にチャンスタイムに突入したことを示す表示態様(図419(a)参照))が表示される。
一方、S24604の処理において待機タイマ223xaの値が0では無いと判別した場合は(S24604:No)、次に、チャンスタイマ223xbの値が0よりも大きいかを判別する。尚、このS24604の処理は、S24601の処理において、待機タイマ223xaの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S24601:No)にも実行される。
S24606の処理において、チャンスタイマ223xbの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S24606:No)、その他、実行中の演出内容を更新するための処理を実行し(S24615)、本処理を終了する。一方、チャンスタイマ223xbの値が0よりも大きい、即ち、現在が電動役物6985のロング開放遊技中であると判別した場合は(S24606:Yes)、チャンスタイマ223xbの値を1減算し(S24607)、減算後のタイマ値に対応する表示用コマンドを設定する(S24608)。なお、演出更新処理30(S24501)は、1ミリ秒毎に実行される処理であるため、本処理が実行される毎に減算後のタイマ値に対応する表示用コマンドを設定するのでは無く、例えば、1秒間隔(チャンスタイマ223xbの値が1000減算されたタイミング)となる場合にのみ表示用コマンドを設定するように構成しても良い。
そして、チャンスタイマ223xbの値が残期間5秒に対応する値であるかを判別し(S24609)、5秒に対応する値であると判別した場合は(S24609:Yes)、チャンスタイム終了直前を示す表示用コマンドを設定し(S24610)、S24615の処理へ移行する。S24610の処理で表示用コマンドが設定されると、その表示用コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示面にて、電動役物6985のロング開放遊技が間もなく終了することを示唆する示唆演出が実行される。これにより、残り期間中により多くの遊技球を第2誘導流路6982へと流入させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、電動役物6985のロング開放遊技が急に終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
一方、S24609の処理において、チャンスタイマ223xbの値が残期間5秒に対応する値では無いと判別した場合は(S24609:No)、次に、チャンスタイマ223xbの値が0であるか、即ち、電動役物6985のロング開放遊技の終了タイミングであるかを判別し(S24611)、0であると判別した場合は(S24611:Yes)、入球状況格納エリアに格納されている入球状況を読み出し、クルーン(球振分役物6970)内に遊技球が残存しているかを判別する(S24612)。
S24612の処理において、遊技球が残存していると判別した場合は(S24612:Yes)、エキストラタイムを示す表示用コマンドを設定し(S24613)、S24615の処理へ移行する。S24613の処理によって表示用コマンドが設定されると、その表示用コマンドに基づいて、エキストラタイムに突入したことを示す表示態様が設定され第3図柄表示装置81の表示面に表示される(図419(b)参照)。S24612の処理において、遊技球が残存していないと判別した場合は(S24612:No)、これ以降、遊技球が作動入賞口660に入賞することが無いため、チャンスタイム終了を示す表示用コマンドを設定し(S24614)、S24615の処理へ移行する。また、S24611の処理において、チャンスタイマ223xbの値が0では無いと判別した場合は(S24611:No)、そのままS24615の処理へ移行する。
次に、図432を参照して、コマンド判定処理30(S24701)の処理について説明をする。図432は、コマンド判定処理30(S24701)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理30(S24701)は、上述した第18実施形態の変形例におけるコマンド判定処理(図36のS4112参照)に対して、状態コマンドを受信した場合に実行する処理の内容を変更した点と、入球状況コマンドに関する処理を追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理30(S24701)が実行されると、まず、上述した第18実施形態の変形例におけるコマンド判定処理(図36のS4112参照)と同一のS4301~S4309の処理を実行する。そして、S4309の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4309:Yes)、状態コマンド関連処理(S24801)を実行し、本処理を終了する。この状態コマンド関連処理(S24801)の詳細な内容については、図433を参照して後述する。S4309の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4309:No)、次に、入球状況コマンドを受信したかを判別し(S24802)、受信したと判別した場合は(S24802:Yes)、受信した入球状況コマンドが示す入球状況を、入球状況格納エリアに格納し(S24803)、本処理を終了する。また、S24802の処理で入球状況コマンドを受信していないと判別した場合は(S24802:No)、上述した第18実施形態の変形例におけるコマンド判定処理(図36のS4112参照)と同一のS4313~S4315の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図433を参照して、状態コマンド関連処理(S24801)の内容について説明をする。図433は、状態コマンド関連処理(S24801)の内容を示したフローチャートである。この状態コマンド関連処理(S24801)では、主制御装置110から出力される各種状態コマンドに基づいた演出態様を設定するための処理が実行される。
状態コマンド関連処理(S24801)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドが確変状態(特別図柄の高確率状態)を設定するコマンドであるかを判別し(S24901)、確変状態(特別図柄の高確率状態)を設定するコマンドであると判別した場合は(S24901:Yes)、確変中遊技の選択画面を示すための表示用コマンドを設定する(S24902)。ここで設定された表示用コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に選択画面(図418(a)参照)が表示される。
S24901の処理において、確変状態(特別図柄の高確率状態)を設定するコマンドを受信していないと判別した場合(S24901:No)、或いは、S24902の処理を終えると、次に、大当たり待機状態を示すコマンドを受信したかを判別し(S24903)、大当たり待機状態を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S24903:Yes)、チャンスタイマ223xbの値が0よりも大きいかを判別し(S24904)、0よりも大きいと判別した場合は(S24904:Yes)、チャンスチャイムを示すための表示用コマンドを設定する(S24905)。このように構成することで、電動役物6985のロング開放遊技が実行され、チャンスタイマ223xbの値が減算されている最中であっても、大当たり待機状態へと移行していない状況ではチャンスタイムを示すための表示用コマンドが設定されないようにすることができる。よって、チャンスタイム中に遊技球が作動入賞口660に入球した場合に大当たり遊技が実行されない事態を抑制することができる。よって、遊技者に対してチャンスタイム中に作動入賞口660へ遊技球を入球させるという分かり易い遊技を提供することができる。
次いで、今回受信したコマンドが普図ロング当たり(電動役物6985のロング開放遊技)の実行を示すコマンドであるかを判別し(S24906)、普図ロング当たり(電動役物6985のロング開放遊技)の実行を示すコマンドであると判別した場合は(S24906:Yes)、電動役物6985のロング開放遊技の残期間に対応する値をチャンスタイマ223xbに設定し(S24907)、その他、受信したコマンドに対応する処理を実行し(S24908)、本処理を終了する。また、S24906の処理において、普図ロング当たり(電動役物6985のロング開放遊技)の実行を示すコマンドを受信していないと判別した場合は(S24906:No)、S24907の処理をスキップしてS24908の処理へ移行し、その後、本処理を終了する。
次に、図434を参照して変動表示設定処理30(S25001)の内容について説明をする。図434は、変動表示設定処理30(S25001)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理30(S25001)は、上述した変動表示設定処理に対して、選択変動演出設定処理(S25101)を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図435を参照して、選択変動演出設定処理(S25101)の内容について説明をする。図435は、選択変動演出設定処理(S25101)の内容を示したフローチャートである。この選択変動演出設定処理(S25101)では、連荘モード中における特別図柄変動に対応する変動演出を設定するための処理が実行される。
選択変動演出設定処理(S25101)が実行されると、まず、現在が連荘モード(特別図柄の高確率状態)であるかを判別し(S25151)、連荘モードでは無いと判別した場合は(S25151:No)、そのまま本処理を終了する。一方、連荘モードであると判別した場合は(S25151:Yes)、次に、今回の特別図柄変動が大当たり変動であるかを判別し(S25152)、大当たり変動であると判別した場合は(S25152:Yes)、待機タイマ223xaの値に変動時間(10秒)に対応する値を設定し(S25153)、待機中を示す表示用コマンドを設定し(S25154)、本処理を終了する。
このように構成することで、連荘モード中において大当たり待機状態へと移行するタイミングを待機タイマ223xaの値に基づいて判別することが可能となる。よって、図418(b)に示したように遊技者に対して大当たり待機状態へと移行するまでの時間をカウントダウン表示で遊技者に報知することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
一方、S25152の処理において、今回の特別図柄変動が大当たり変動では無いと判別した場合は(S25152:No)、ファーストチャンス失敗を示すための表示用コマンドを設定し(S25155)、本処理を終了する。このS25155の処理にて表示用コマンドが設定されると、図420(b)に示した表示態様が設定される。
以上、説明をした通り、本第21実施形態では、遊技者が遊技方法を可変することにより、異なる遊技状態での特別図柄抽選を実行できるように構成している。これにより、遊技の幅を増加させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
本第21実施形態では、遊技状態として普通図柄の時短状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合において、大当たり待機状態へと移行した後に、電動役物6985を介して球を振分装置6980内に入球させ、作動入賞口660へと遊技球を入球させ得るように構成している。つまり、大当たり待機状態へと移行してから、電動役物6985を介して所定数の球を振分装置6980内に入球させ得るように構成しているため、遊技者に時間的余裕を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))に加え、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の4種類の遊技状態を設定可能に構成しており、大当たり待機状態として設定される大当たり内容のバリエーションをより豊富にすることができる。
本第21実施形態では、確変状態が設定されている場合において、左打ち遊技を行った場合には、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))のまま第1特別図柄の抽選を実行することができ、強右打ち遊技を行った場合には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の時短状態(高確率状態))で第2特別図柄の抽選を実行することになる。このように、本実施形態では、遊技者が選択する遊技方法に応じて、異なる遊技状態で特別図柄抽選を実行することが可能となるように構成しているため、遊技者の選択結果によって後の遊技結果を大きく異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態では399/400(約1/1)の確率で大当たりに当選し、特別図柄の低確率状態では100/400(約1/4)の確率で大当たりに当選するように構成している。そして、確変状態中の第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合よりも、時短状態中の第2特別図柄抽選で大当たりに当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、確変状態において何れの遊技方法(左打ち遊技、強右打ち遊技)を選択した場合にも、一長一短があるため、遊技者に遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
なお、本実施形態では、図415を参照して上述した通り、強右打ち流路7000aを流下した遊技球の全てが、転落ゲート7001、第2特別通過口6964、及びスルーゲート6167を順に通過するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、強右打ち流路7000aを流下する遊技球が、転落ゲート7001を通過すること無く第2特図通過口6964、及び、スルーゲート6167を通過する第1流下パターン、転落ゲート7001、第2特図通過口6964を通過すること無く、スルーゲート6167を通過する第2流下パターン、転落ゲート7001、第2特図通過口6964、及び、スルーゲート6167を通過しない第3流下パターン、第2特別通過口6964のみ通過すること無く、転落ゲート7001、スルーゲート6167を通過する第4流下パターン、スルーゲート6167のみ通過すること無く、転落ゲート7001、第2特図通過口6964を通過する第5流下パターン、第2特図通過口6964、スルーゲート6167を通過し、転落ゲート7001を通過しない第6流下パターン、転落ゲート7001、第2特別通過口6964、及びスルーゲート6167の全てを通過しない第7流下パターンの全て、或いは一部を形成可能に構成しても良い。
この場合、例えば、第1流下パターンのように転落ゲート7001を通過することなく第2特図通過口6964を遊技球が通過可能に構成し、特別図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、上述した第21実施形態とは異なり、時短回数が2回付与されるように構成すると良い。このように構成することで、強右打ち遊技によって発射された遊技球の流下パターンに応じて様々な遊技性を遊技者に付与することが可能となる。
また、遊技球の流下パターンによって、特別図柄抽選が実行され普通図柄抽選が実行されない状態と、特別図柄抽選が実行されず普通図柄抽選が実行される状態とを設けることが可能となるため、時短状態中に普図当たり遊技を実行させ易くしたり、させ難くしたりすることができるため、遊技者に後の遊技内容を予測させ難くすることができる。
さらに、上述した様々な流下パターンを設ける構成を用いた場合には、強右打ち流路7000aを流下する遊技球の流下パターンを振り分けるための振分手段を設けると良く、上述した各実施形態にて用いられた様々な振分手段の構成のうち何れかの振分手段を、転落ゲート7001よりも上流側、特図2通過口6964よりも上流側、スルーゲート6167よりも上流側の何れか、或いは全部に設けると良い。これにより、遊技球がどの流下パターンで流下するのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
なお、遊技球が流下する流下パターンが振分手段によって振り分けられるのでは無く、遊技者によって流下パターンを選択可能に構成しても良く、例えば、転落ゲート7001、第2特別通過口6964、及びスルーゲート6167の一部、或いは全部を異なる遊技領域に配設し、遊技者が遊技球の発射強度を調節することにより、所望の通過口(ゲート)に、所望の順番で遊技球を通過させることができるように構成しても良い。これにより、遊技球の流下パターンを遊技者に確実に選択させることが可能となり、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
また、遊技者により排除すべき選択パターンのみを選択可能とし、残りの選択パターンのうち、遊技球が実際に流下する流下パターンが振分手段によって振り分けられるように構成しても良い。
上述した第21実施形態では、時短状態中における特別図柄の変動回数によって、大当たり当選時(大当たり待機状態移行時)における普通図柄の遊技状況(普図変動の有無、普図当たり遊技の種別)を可変させるように構成することで、大当たり遊技が実行される期待度を異ならせていたが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に設定される特別図柄の変動パターン(変動時間)を、複数の変動パターン(変動時間)から選択可能に構成し、第1変動時間(例えば、10秒)が選択された場合は、時短状態中に普図当たり遊技が実行され易くし、第2変動時間(例えば、2秒)が選択された場合は、第1変動時間が選択された場合よりも、時短状態中に普図当たり遊技が実行され難くなるように構成しても良い。また、第3変動時間(例えば、60秒)が選択された場合は、時短状態中に実行される普図当たり遊技期間中に大当たり待機状態を設定し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、時短終了条件を可変させること無く、特別図柄の変動時間を可変設定可能に構成するだけで大当たり遊技が実行される期待度を可変させることができる。
<第22実施形態>
次に、図436から図450を参照して、第22実施形態におけるパチンコ機10について説明する。本第22実施形態におけるパチンコ機10は、上述した第20実施形態におけるパチンコ機10の構成を一部変更したものである。上述した第20実施形態におけるパチンコ機10では、図412を参照して上述した通り、振分装置8000によって最も有利な流路(第1スルーゲート8067aを通過可能な流路)へと遊技球が振り分けられた場合に、当該遊技球によって、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を特定個数分(5回分)獲得できる構成としていた。また、上述した第20実施形態におけるパチンコ機10では、特定個数分の普通図柄の当たりで、比較的多量の賞球の払い出し(750個前後の賞球の払い出し)を受けることが可能に構成していた。即ち、普通図柄の当たり遊技を、大当たり遊技と同様に賞球を多量に獲得し得る有利状態として構成していた。更に、普通図柄の当たりとなった場合に、本第20実施形態における始動入賞口である右特別入球口7040へと遊技球が入球し易くなるように構成することで、普通図柄の抽選が1回実行されて10個前後の遊技球を右特別入球口7040へと入球させる毎に、特別図柄の抽選を5回分実行させることが可能に構成した。即ち、振分装置8000によって有利なルートへと遊技球が振り分けられることにより、普通図柄の当たりが連続することで多量の賞球を獲得し得る上に、25回分の大当たり抽選を受けることができるので、大当たりに当選した場合に、更に多くの賞球を獲得することができるように構成していた。
このように構成された第20実施形態では、遊技球がスルーゲート8067a~8067eを通過した場合に、多くの賞球と、多くの特別図柄抽選が付与されるものであり、遊技者に対してスルーゲート8067a~8067eに遊技球を通過させることを目的とした斬新な遊技を提供することができるものであったが、スルーゲート8067a~8067eに遊技球を通過させたことにより付与される遊技(複数回の特別図柄抽選)が終了してしまうと、遊技者に有利な遊技状態が終了してしまい、再度、誘導流路6961に遊技球を流入させる遊技を実行しなければならず、遊技者に対して有利な遊技状態、即ち、普通図柄の当たりに当選する権利を容易に獲得できる遊技状態を継続して設定することが出来ないという問題があった。
これに対して、本第22実施形態では、普通図柄の当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)によって、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を獲得し得るように構成している。このように構成することにより、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を獲得し易い状態を継続して設定することが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態を長く継続させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
この第22実施形態におけるパチンコ機10が、上述した第20実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、特別図柄、及び、普通図柄の確率状態を可変させる機能を削除した点、普図当たり遊技中に遊技球が入球し易くなる流路を変更した点、振分装置8000の構成を変更した点、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部を変更した点、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部を変更した点、音声ランプ制御装置113のMPUによって実行される制御処理の一部を変更した点で相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第20実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第20実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
なお、本第22実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される制御処理では、特別図柄、及び、普通図柄の確率状態を可変させるための制御処理を削除している点で上述した第20実施形態と相違しているが、この相違点については、第20実施形態における制御処理の適宜箇所を削除しているだけであるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図436を参照して、本第22実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図436は、本第22実施形態における遊技盤13の正面図である。図436に示した通り、本第22実施形態における遊技盤13は、上述した第20実施形態における遊技盤13(図412参照)における略中央部分に設けられていた振分装置8000に代えて、振分装置8500が設けられている点、および可変表示装置ユニット80の正面視右側に設けられていた右特別入球口7040に代えて右特別入球口8040が設けられている点で相違する。
図436に示した通り、振分装置8500は、上述した第20実施形態における振分装置8000と構造が比較的類似しており、球振分役物8550に向けて遊技球を流下させることが可能な誘導流路として、第2誘導流路8982を設けた点と、球振分役物8550に設けられた第1クルーン8551、及び第2クルーン8552から流出した遊技球の誘導先(振分先)を変更した点と、振分装置8500内に特別図柄の抽選契機となる始動入賞口である始動入球口8564を設けた点でのみ相違している。
つまり、上述した第20実施形態におけるパチンコ機10においては、振分装置8000へと遊技球を流入させる流路として、遊技状態によって遊技球の流入のし易さが可変しない誘導流路6961のみが設けられているのに対して、本第22実施形態におけるパチンコ機10では、電動役物6985の開閉動作によって遊技球が流入し易い状態と、流入し難い状態とに可変する第2誘導流路8982を追加した構成としている。
この電動役物6985は、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)中に開閉制御されるものであって、遊技球が普通図柄抽選の実行契機となる各スルーゲート8067a~8067eを通過したことに基づいて普通図柄抽選が実行され、その普通図柄抽選で当たり当選した場合に遊技球が流入し易い状態へと可変し得るものである。このように構成することにより、誘導流路6981に流入した遊技球が各スルーゲート8067a~8067eを通過した場合には、誘導流路6981よりも遊技球が流入し易くなる第2誘導流路8982を介して遊技球を球振分役物8550へと入球させることが可能となる。
また、第20実施形態における振分装置8000においては、セーフ入球口6972aへと入球した遊技球が5つのスルーゲート8067a~8067eを順番に通過してからアウト口8053を介して外部へと排出され、それ以外の入球口へと入球した遊技球はそのままアウト口8053を介して外部へと排出されるように構成されていたのに対して、本第22実施形態では、第1クルーン8551、及び第2クルーン8552に形成された各入球口によって入球した遊技球が様々な経路に誘導される構成としている。第1クルーン8551、及び第2クルーン8552から流出した遊技球が誘導される各経路についての詳細な説明は、図437を参照して後述するが、誘導される経路によって、1個の遊技球が通過可能なスルーゲートの個数を異ならせたり、特別図柄の抽選を実行させたりすることができるように構成している。
ここで、図437を参照して、本第22実施形態における球振分役物8550の構成について詳細な説明をする。図437は、本第22実施形態におけるパチンコ機10の球振分役物8550の構成を模式的に示した拡大図である。なお、球振分役物8550の構成のうち、上述した第20実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図437に示した通り、第1クルーン8551には、3つの入球口が形成されており、各入球口への遊技球の入球割合が1/3となるように構成されている。アウト入球口8551bに入球した遊技球はアウト誘導流路8975vを流下し、アウト口8053を介してパチンコ機10の外部へと排出される。また、誘導入球口8551aに入球した遊技球は、誘導流路8551vを流下し第2クルーン8552へと誘導される。そして、セーフ入球口8551cに入球した遊技球は、第1セーフ流路8974vを流下し、スルーゲート8067eのみを通過させてアウト口8053へと流下する。
次に、第2クルーン8552には、3つの入球口が形成されており、各入球口への遊技球の入球割合が1/3となるように構成されている。そして、第1セーフ入球口8552aに入球した遊技球は、第1セーフ誘導流路8972vを流下し、第1スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eの全てを通過しアウト口8053へと流下するように構成されており、第2セーフ入球口8552bに入球した遊技球は、第2セーフ誘導流路8973vを流下し、第2スルーゲート8067b~第5スルーゲート8067eを通過しアウト口8053へと流下するように構成されており、始動誘導入球口8552cに入球した遊技球は、始動誘導流路8971vを流下し、始動入球口8564へと入球するように構成されている。
つまり、本実施形態における球振分役物8550に遊技球が入球した場合には、遊技者に有利となる第1特典(普通図柄抽選の権利獲得)、或いは、第2特典(特別図柄抽選の権利獲得)が付与され得るように構成しており、球振分役物8550に入球した遊技球の1/3の割合で何れの特典も付与されず(アウト入球口8551bへの入球)、1/9の割合で第2特典が付与され(始動入球口8564への入球)、5/9の割合で第1特典が付与される(セーフ入球口8551c、第1セーフ入球口8552a、第2セーフ入球口8552bへの入球)ように構成している。このように、球振分役物8550に入球した遊技球の挙動に応じて異なる特典を遊技者に付与可能に構成することで遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、球振分役物8550に入球した遊技球1個に対して第1特典の付与量(普通図柄抽選の獲得権利数)を可変可能に構成している。具体的には、遊技球1個に対して第1特典の付与量が1個の場合(セーフ入球口8551cへの入球)と、4個の場合(第2セーフ入球口8552bへの入球)と、5個の場合(第1セーフ入球口8552aへの入球)と、を設けている。これにより、球振分役物8550に入球した遊技球が少ない場合であっても多くの第1特典が付与される場合があるため、遊技者に対して球振分役物8550内の遊技球の挙動により注視させることができる。
さらに、上述した通り、本実施形態では、球振分役物8550として、複数のクルーン(振分機構)を設け、各振分機構に設けられた入球口に対する振分割合が均等になるように構成している。そして、付与される第1特典の量が少ない入球口(セーフ入球口8551b)のほうが、付与される第1特典の量が多い入球口(第1セーフ入球口8552a、第2セーフ入球口8552b)よりも入球し易くなるように構成している。加えて、セーフ入球口8551bに入球しなかった遊技球が、第2クルーン8552へと誘導され、セーフ入球口8551bに入球し得ない状態で、第1セーフ入球口8552a、第2セーフ入球口8552bへと振り分け可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して球振分役物8550内を転動する遊技球がどの入球口に入球するのかを段階的に視認させることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、球振分役物8550内における遊技球の転動経過に応じて付与可能な特典の種別や量を可変させているため、どの特典が付与されるのかについての予測内容を可変させながら遊技を行わせることができる。さらに、球振分役物8550内における遊技球の転動経過が最終経過(第2クルーン8552への到達)となった場合に、少なくとも何れかの特典が付与されるように構成しているため、遊技者の長時間の遊技を楽しませた結果、特典が付与されず遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、球振分役物8550の構成はこれに限ること無く、各振分機構における球の振分割合を異ならせても良いし、振分機構の個数を3個以上にしても良い。また、上述した各実施形態における遊技球を複数の流路へと振り分けるための機能を有する各種装置と同一の技術思想を転用して構成しても良い。また、本第22実施形態では、各入球口が異なる特典を付与させるために設けられているが、これに限ること無く、例えば、付与される第1特典の量が少ない入球口(セーフ入球口8551b)を複数設けることで、付与される第1特典の量が少ない入球口(セーフ入球口8551)へと振り分けられる割合が、他の特典が付与される入球口へと振り分けられる割合よりも高くなるように構成しても良い。
図436に戻り説明を続ける。本第22実施形態実施形態におけるパチンコ機10の右側領域には、特別図柄抽選で当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に、可変動作される上アタッカー8565と、下アタッカー(可変入賞装置)65と、が設けられている。また、普図当たり遊技によって可変動作される電動役物6985が設けられている。
本第22実施形態において右打ち遊技を実行し、右側領域へと到達し遊技球は、まず、右側領域の上流側に設けられた上アタッカー8565を通過し、その後、電動役物6985に到達し、最後に下アタッカー65に到達するように各構造が配設されている。そして、上アタッカー8565が開放されている状態では、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆どが上アタッカー8565に入賞するように構成されており、上アタッカー8565よりも下流側に配設された電動役物6985、及び下アタッカー65に遊技球が到達し難くなるように構成している。
一方、下アタッカー65は、電動役物6985よりも下流側に設けられているため、下アタッカー65が開放状態となった場合であっても、電動役物6985へと到達する遊技球の数が可変することが無いように構成している。
なお、詳細な説明は後述するが特別図柄抽選によって大当たり当選、或いは、小当たり当選した場合には、大当たり種別が設定され、その設定された大当たり種別に応じた大当たり遊技が実行される。そして、電動役物6985の可変制御(普図当たり遊技)は、特別図柄抽選とは独立して実行されるものであるため、普図当たり遊技中において、上アタッカー8565が可変制御される大当たり遊技が実行されることもある。この場合、上アタッカー8565に遊技球を入賞させることにより賞球を獲得することは可能だが、その分、普図当たり遊技中に遊技球を第2誘導流路8982へと流入させ難くなる状態となる。
このように、第2誘導流路8982へと新たな遊技球を流入させることが出来ない状態が続くと、普通図柄の保留記憶が消化され、徐々に普通図柄の保留記憶数が減少していくことになる。また、第2誘導流路8982へと流入した遊技球が、各スルーゲート6167a~6167eを通過しない場合、或いは、スルーゲート6167eのみを通過する誘導流路を流下する場合にも、徐々に普通図柄の保留記憶数が減少していくことになる。そして、普通図柄の保留記憶数が0の状態で普図当たり遊技が終了すると、遊技者に有利な遊技状態が終了する。
ここで、本第22実施形態におけるパチンコ機10の遊技性を、図436を参照してまとめると、まず、左打ち遊技を実行し、誘導流路6981に遊技球を流入させるための遊技を行う。そして、約1/50の確率で球が誘導流路6981に流入する。そして誘導流路6981に流入した遊技球が、球振分役物8550(第1クルーン8551、及び第2クルーン8552)へと入球し、スルーゲート6167a~6167eの何れかを通過可能な誘導流路を遊技球が流下すると、普通図柄抽選(当たり確率約1/1)が実行され、当たり当選した場合には、普図当たり遊技として電動役物6985が少なくとも1回は開放状態となる可変制御(当たり制御)が実行される。
そして、普図当たり遊技中は第2誘導流路8982を介して遊技球を振分装置8500へと入球させることが可能となるため、普図当たり遊技が継続して実行されるように、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。そして、普通図柄の保留記憶が残存している限り、即ち、普図当たり遊技が実行され得る状態が継続する限り、右打ち遊技によって球振分役物8550へと遊技球を入球させる遊技が実行される。
球振分役物8550へと入球した遊技球が始動入球口8564に入球した場合には、1/10の確率で大当たりに当選し、1/2の確率で小当たりに当選する特別図柄の抽選が実行される。この特別図柄の抽選で当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合には、設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応する当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)として、上アタッカー8565、或いは下アタッカー65が開放する当たり遊技が実行される。ここで、上アタッカー8565を開放する当たり遊技が実行されると、右打ち遊技によって発射された遊技球が上アタッカー8565に入賞するため、上アタッカー8565よりも下流側に配置された第2誘導流路8982への遊技球の流入が阻害される。このように、普通図柄の保留記憶が残存し、普図当たり遊技が実行され得る状態において、上アタッカー8565を開放させる当たり遊技が実行されると、普通図柄の保留記憶を獲得する機会を減少させる場合があるため、遊技者に不利な当たり遊技となる。
一方、同じ特別図柄抽選に基づく当たり遊技であっても、第2誘導流路8982よりも下流側に配置される下アタッカー65を開放させる当たり遊技は、普通図柄の保留記憶を獲得する機会を減少させること無く、且つ、右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、第2誘導流路8982に流入しなかった球が下アタッカー65に入賞することになるため、遊技者に有利な当たり遊技となる。
上述した通り、本実施形態では、特別図柄や普通図柄の確率状態を可変させる機能は有していないが、普通図柄の保留図柄を獲得している状態(普図当たり遊技が実行され得る状態)が、普通図柄の保留図柄を獲得していない状態よりも、有利な遊技状態となるため、普通図柄の保留図柄を獲得していない状態を「通常、」、普通図柄の保留図柄を獲得している状態(普図当たり遊技が実行され得る状態)を「ループモード」と定義し、以下の説明を行うこととする。
<第22実施形態の演出内容>
次に、図439から図441を参照して、本第22実施形態において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出内容のうち、特徴的な演出内容として、ループモード中の表示内容について説明をする。本実施形態では上述した通り、普図当たり遊技が実行され易い状態へと移行した場合に、演出態様としてループモードを設定するように構成している。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
まず、図439(a)を参照して、ループモードが設定された場合の表示内容について説明をする。図439(a)は、ループモードが設定された場合に表示される表示内容の一例を示した模式図である。本実施形態では、左打ち遊技にて第1誘導流路6981に遊技球を流入させ、役物装置8550に入球した遊技球が第1スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eの何れかを通過し、普図当たり遊技が実行されると、ループモードが設定される。
ループモードが設定されると、図439(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmにて、ウサギを模したキャラクタ810zと、カメを模したキャラクタ811zとが、競争をする演出が実行される。そして、「ループモード突入」の文字と、ループモード中の演出内容を案内する案内表示態様として「カメにつかまったら終了だよ」のコメントが表示される。また、表示領域HR23には、遊技者が狙うべき遊技領域として電動役物6985近傍を模式的に示した模式図が表示される。
そして、ループモードが開始されると、図439(b)に示した通り、キャラクタ810zと、キャラクタ811zとが競争する演出が継続して表示されると共に、普通図柄の保留球数を示すための第1普図保留図柄FH1~第4普図保留図柄FH4が表示される。図439(b)に示した例では、普通図柄の保留球数が3個の状態であり、第1普図保留図柄FH1~第3普図保留図柄FH3が人参を模した表示態様で表示されている。この普図保留図柄の表示態様は、所定条件が成立する場合に可変されるように構成しており、例えば、実行中の特別図柄変動、即ち、普図当たり遊技中に振分装置8550に入球した遊技球が、始動入球口8564に入球(入球確率1/9)したことに基づいて実行される特別図柄変動の抽選結果に基づいて普図保留図柄の表示態様が可変設定されるように構成している。
図439(b)では、第3普図保留図柄FH3の表示態様のみ他の表示態様とは異なっており、「豪華な人参」を模した表示態様で表示されている。この「豪華な人参」を模した表示態様は、実行中の特別図柄変動が遊技者に有利な大当たりに当選している特別図柄変動である場合に設定され易い表示態様であって、実行中の特別図柄変動が停止表示するタイミングに対応する普図保留図柄の表示態様が可変設定されるように構成している。このように構成することで、保留機能を有していない特別図柄に対して、あたかも先読み演出が実行されているように思わせることができる。また、普図保留図柄の表示態様を特別図柄の抽選結果に応じて可変設定することにより、普通図柄の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されているように思わせることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
また、ループモードが継続して設定されている間に実行された各種遊技内容に関する情報が表示領域HR55にループステータスとして表示され、具体的には、ループモード中に実行された大当たり回数が表示領域HR55aに、小当たり回数が表示領域HR55bに、特別図柄の抽選回数がHR55cに、普通図柄の抽選回数がHR55dにそれぞれ表示されるように構成している。このように構成することで、上限期間が設定されていないループモード中においてどの程度の遊技が実行されたかを分かり易く遊技者に報知することができる。
なお、上述したループステータスの表示内容はこれに限ること無く、例えば、ループモード中に獲得した(賞球として払い出された)球数を示すための情報や、ループモード中に振分装置8550に入球した球数を示すための情報や、第1スルーゲート8067aを遊技球が通過した回数を示すための情報を表示するように構成しても良い。
次に、ループモードが終了する間際の演出内容について図440(a)を参照して説明をする。図440(a)に示した例によれば、普通図柄の保留球数が0であり、ループモードが終了する間際の演出として、キャラクタ810zがキャラクタ811zに追いつかれそうな演出が実行されている。この後、実行中の普通図柄抽選が外れで停止表示されると、これ以上、普図当たり遊技を実行させることができない状態となるため、ループモードが終了する。この場合は、キャラクタ810zがキャラクタ811zに追い抜かれ、先にキャラクタ811zがゴールにたどり着き、ループモード終了を示す表示画面が表示される。一方、実行中の普通図柄抽選が当たりで停止表示され普図当たり遊技が実行され、新たに普通図柄の保留球を獲得した場合には、図439(b)に示した表示態様のような競争演出へと戻る。このように、キャラクタ810zとキャラクタ811zとの競争の状況によってループモードが終了しそうな状況であるか否かを遊技者に報知することにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、ループモード中に遊技者に有利な大当たり(例えば、大当たりA)に当選した特別図柄変動が実行されると、図440(b)に示した通り、「豪華な人参」を模したアイコンをキャラクタ810zが獲得し「パワーアップ」の文字が表示され、キャラクタ810zとキャラクタ811zとの間の距離が広がる演出が実行される。これにより、遊技者に対して有利な大当たりに当選したことを事前に示唆することができる。また、普図保留図柄の表示態様として用いていた「豪華な人参」を模したアイコンをキャラクタ810zが獲得する演出を実行するため、遊技者に対して普通図柄の抽選に基づく演出と思わせながら、特別図柄の抽選結果を示唆することができるため意外性のある演出結果(大当たりA当選報知)を遊技者に提供することができる。
また、図440(b)の第4普図保留図柄FH4の表示態様として「貧弱な人参」を模した表示態様が設定されている。この表示態様は特別図柄の抽選結果として遊技者に不利な大当たり(例えば、大当たりB)に当選した場合に設定され得るものである。なお、図440(b)に示した例では、実行中の特別図柄変動は遊技者に有利な大当たりAに当選している場合であり、第4普図保留図柄FH4の表示態様は単なる演出として表示されているものである。このように、特別図柄の抽選結果に関わらず、所定の演出条件が成立した場合に普図保留図柄の表示態様を可変させる処理を実行することにより、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たりに当選したことを分かり難くすることができる。
次に、図441を参照して、遊技者に不利な大当たり(例えば、大当たりB)に当選した場合におけるループモード中の表示内容について説明をする。大当たりBに対応する大当たり遊技が実行されると、上アタッカー8565が開放動作し、遊技球が電動役物6985に到達し難い状態となる。この状態を遊技者に報知するために競争中のキャラクタ810zの前方に「バナナの皮」を模した障害物812z,813zが表示され、キャラクタ810zが順調に走れない演出が実行される。そして、「障害物だ」の文字が表示される。
このように構成することで、遊技者に対して不利な大当たり遊技が実行されていることを分かり易く遊技者に報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、キャラクタ810zが障害物812z,813zを追加する際の演出態様は、普図当たり遊技中における遊技球の第2誘導流路8982への流入状況によって可変されるように構成しており、例えば、不利大当たり遊技が実行されている状態であっても、普図当たり遊技中に第2誘導流路8982へと遊技球が入球したことを検知した場合は、障害物812z,813zを避ける演出態様が設定され、普図当たり遊技中に第2誘導流路8982へと遊技球が入球しなかった場合には、障害物812z,813zでキャラクタ810zが滑る演出態様が設定されるように構成している。これにより、実際の遊技状況に対応した演出態様を設定することができる。
以上、ループモード中に実行され得る各種演出について説明をしたが、これ以外の演出を実行可能に構成しても良く、例えば、普通図柄の変動時間として所定時間(60秒)よりも長い変動時間が設定された場合には、1回の不利大当たり遊技が、複数回の普図当たり遊技の邪魔をし難くなるため、キャラクタ810zが有利に競争を進める演出態様を設定しても良いし、普通図柄の保留球数が所定期間(例えば、2秒)内で所定個数(例えば3個)以上増加した場合に、キャラクタ810zが祝福される演出態様を設定しても良い。
<第22実施形態の電気的構成>
次に、図442から図447を参照して、本第22実施形態における主制御装置110のROMの詳細について説明する。本第22実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブルyaを、第1当たり種別選択テーブル202bに代えて第1当たり種別選択テーブル202ybを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202ycを、変動パターン選択テーブル202dに代えて変動パターン選択テーブル202ydを設けた点と、新たに普図変動パターン選択テーブル202yeと、第2当たり種別選択テーブル202yfと、小当たり種別選択テーブル202ygと、小当たり動作シナリオテーブル202yhと、普電動作シナリオテーブル202yiと、を追加した点とで相違している。
まず、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について、図443(a)を参照して説明する。この第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202yaは、第1実施形態における第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄の抽選を実行するために参照されるデータテーブルである。図443(a)に示した通り、本第22実施形態における第1当たり乱数テーブル202yaには、特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~39」の40個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で(図443(a)の202ya1参照)、特別図柄の小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「200~399」の200個の乱数値(カウンタ値)が規定されている(図443(a)の202ya2参照)、特別図柄の外れと判定される乱数値(カウンタ値)として、「40~199」の160個の乱数値(カウンタ値)が規定されている(図443(a)の202ya3参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が40個である一方で、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が200個であるので、特別図柄の抽選が実行されると、1/10(40/400)の確率で大当たりに当選する一方で、1/2(200/400)の確率で小当たりに当選する。
次に、図443(b)を参照して、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202ybの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202ybは、第1実施形態における第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図443(b)に示した通り、本第22実施形態における第1当たり種別選択テーブル202ybには、3種類の大当たり種別(大当たりA31、大当たりB31、大当たりC31)が規定されている。具体的には、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲「0~4」に対して、大当たり種別として「大当たりA31」が対応付けて規定されており、「5~34」に対して、大当たり種別として「大当たりB31」が対応付けて規定されており、「35~99」に対して、大当たり種別として「大当たりC31」が対応付けて規定されている。
即ち、大当たりになると、5%の割合で「大当たりA31」が選択され、30%の割合で「大当たりB31」が選択され、65%の割合で「大当たりC31」が選択される。「大当たりA31」は、ラウンド数が15ラウンドであり、下アタッカー65が開放される大当たり種別であり、「大当たりB31」は、ラウンド数が8ラウンドであり、上アタッカー8565が開放される大当たり種別であり、「大当たりC31」は、ラウンド数が2ラウンドであり、上アタッカー8565が開放される大当たり種別である。なお、本第22実施形態では、通常状態以外の遊技状態が設けられていないため、大当たりに当選することで、大当たり終了後に他の遊技状態へと移行することはない。
以上、説明をした通り、本実施形態では、特別図柄の大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に開放動作されるアタッカー(可変入球手段)を異ならせるように構成している。そして、上アタッカー8565が開放動作される大当たり遊技が実行されている間は、開放動作されていない場合よりも遊技球が電動役物6985に到達し難くなるように構成している。一方、下アタッカー65が開放動作される大当たり遊技が実行されている間は、遊技球が電動役物6985に到達し難くなることが無いように構成している。
つまり、本実施形態では、電動役物6985のロング開放遊技が実行される期間と、大当たり遊技が実行される期間と、が重複した場合において、大当たり遊技の種別(大当たり種別)に応じて、第2誘導流路8982へと遊技球の流入のし易さを異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対してループ状態を継続し易い状態と、継続させにくい状態と、を特別図柄の抽選結果に基づいて設定することができるため、遊技者に予測し難い遊技を実行することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図444(a)を参照して、本第22実施形態における第2当たり乱数テーブル202ycについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202ycは、第1実施形態における第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)と同様に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図444(a)に示した通り、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~238」が規定されており(図444(a)の202yc1参照)、普通図柄の外れとなる判定値として、「239」が規定されている(図444(a)の202yc2参照)。即ち、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る殆どの範囲(「0~238」の範囲)に対して、当たりの抽選結果が対応付けて規定されている。これにより、振分装置8500内に入球した遊技球がスルーゲート8067a~8067eの何れかを通過した場合に、高確率で普通図柄の当たりとなって電動役物6985を開放させることができる。よって、振分装置8500内を流下する遊技球がスルーゲート8067a~8067eを通過することを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の抽選において、一部(1/240)の確率で外れに当選するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の抽選が実行された場合に、必ず当たり当選するように構成しても良い。
次に、図444(b)を参照して、本第22実施形態における変動パターン選択テーブル202ydの内容について説明する。この第22実施形態における変動パターン選択テーブル202ydは、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動時間を決定するために参照されるデータテーブルである。図444(b)に示した通り、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動種別として、変動時間が40秒間の当たりロング変動が選択される(図444(b)の202yd1参照)。これに対して、特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)の場合には、変動種別カウンタC1の値によらず、変動種別として、変動時間が0.1秒間の外れショート変動が選択される(図444(b)の202yd2参照)。
このように、本22実施形態においては、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、比較的長い変動時間が設定されるため、例えば、ループ状態へと移行した直後に、振分装置6980内に入球した遊技球が始動入球口8564に入球し特別図柄の大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技が実行されるまでの期間として所定期間(40秒)を確保することが可能となる。よって、大当たり遊技として、上アタッカー8565を開放動作させる大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合であっても、その大当たり遊技が実行されるまでに、普図保留を獲得する機会を遊技者に提供することができる。
次に、図444(c)を参照して、本第22実施形態における第2当たり種別選択テーブル202yfの詳細について説明する。この第2当たり種別選択テーブル202yfは、普通図柄の当たりとなった場合に、普通図柄の当たり種別(電動役物6985に対して設定される開放パターン)を選択するために参照されるデータテーブルである。図444(c)に示した通り、普通図柄の当たり種別毎に、第2当たり種別カウンタC6の値の範囲が対応付けて規定されている。具体的には、第2当たり種別カウンタC6の値が「0~74」の範囲に対して、開放パターンA31(図447参照)が設定される普図当たりA31が対応付けて規定されている(図444(c)の202yf1参照)。第2当たり種別カウンタC6の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりA31に対応付けられているカウンタ値の個数が75個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に開放パターンA31が設定されるボーナス状態に移行する割合(確率)は75%(75/100)である。
また、図444(c)に示した通り、第2当たり種別カウンタC6の値が「75~99」の範囲に対して、開放パターンB31(図447参照)が設定される普図当たりB31が対応付けて規定されている(図444(c)の202yf2)。第2当たり種別カウンタC6の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりBに対応付けられているカウンタ値の個数が25個であるので、普通図柄の当たりとなった場合に開放パターンB31が設定されるボーナス状態に移行する割合(確率)は25%(25/100)である。
第2当たり種別選択テーブル202yfを参照して設定される普図当たり種別に基づく電動役物6985の開放動作内容の詳細については、図447を参照して後述するが、本実施形態では、1回の普図当たり遊技中に電動役物6985が開放状態となる合計期間を同一とし、1回の開放期間の長さ、及び、開放状態へと可変させる回数を異ならせた普図当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、どの開放動作態様で普図当たり遊技が実行されるのかを容易に予測させ難くすることができる。よって、電動役物6985が開放状態となる期間のみを狙って遊技球を発射させる行為を行わせ難くすることができる。
次に、図445を参照して、普通図柄の変動時間を選択するための普図変動パターン選択テーブル202yeの内容について説明をする。普図変動パターン選択テーブル202yeは、第1実施形態における特別図柄の変動時間と同様の変動時間を選択するためのデータが規定されており、取得した変動種別カウンタCS2(0~198)の値と、普通図柄の保留球数とに対応して異なる変動種別(変動時間)が規定されている。
具体的には、普通図柄の抽選結果が「当たり」であって、普通図柄の保留球数(普図保留数)が0、又は1である場合は、変動種別カウンタCS2の値が「0~99」の範囲に変動種別として「当たりショート変動A(2秒)」が規定されており、「100~198」の範囲に変動種別として「当たりショート変動B(3秒)」が規定されている。また、普通図柄の保留球数(普図保留数)が2である場合は、変動種別カウンタCS2の値が「0~99」の範囲に変動種別として「当たりミドル変動A(10秒)」が規定されており、「100~189」の範囲に変動種別として「当たりミドル変動B(15秒)」が規定されており、「190~198」の範囲に変動種別として「当たりロング変動A(30秒)」が規定されている。
そして、普通図柄の保留球数(普図保留数)が3である場合(普図保留数が上限値(4)で有る場合に実行される普通図柄抽選である場合)は、変動種別カウンタCS2の値が「0~99」の範囲に変動種別として「当たりロング変動B(60秒)」が規定されており、「100~189」の範囲に変動種別として「当たりロング変動C(120秒)」が規定されており、「190~198」の範囲に変動種別として「当たりショート変動B(3秒)」が規定されている。一方、普通図柄の抽選結果が「外れ」である場合は、普図保留数に関わらず、変動種別カウンタCS2の全範囲(0~198)に対して変動種別として「外れショート変動(0.1秒)」が規定されている。
つまり、本実施形態では、普図保留数が多いほど長い変動時間の変動種別が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、例えば、普通図柄変動が実行されている期間中に特別図柄抽選に基づく当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)を、完了させ易くすることができるため、例えば、上アタッカー8565が開放動作される当たり遊技が実行されている最中に普図当たり遊技(電動役物6985のロング開放遊技)が実行され難くすることができる。
また、普図保留数が多いほど、普図当たり遊技が実行される間隔を長くすることができるため、急激に普図保留数が減少してしまう事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄抽選において1/240の確率で外れに当選した場合は、極端に短い変動時間(0.1秒)が設定され、普図当たり遊技が実行されること無く普図保留を消化することになるため、普図保留数が急に減少することになる。よって、普図保留数を所定数確保している遊技者に対しても緊張感を持たせて遊技を行わせることができる。
次に、図446(a)を参照して、小当たり種別選択テーブル202ygの内容を説明する。この小当たり種別選択テーブル202ygは、特別図柄の抽選で小当たり当選した場合に、小当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。本実施形態では、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技として、上アタッカー8565を開放動作させる小当たり遊技と、下アタッカー65を開放動作させる小当たり遊技と、を実行可能に構成している。そして、上述した大当たり遊技同様に、上アタッカー8565を開放動作させる小当たり遊技は、電動役物6985のロング開放遊技中において第2誘導流路8982への遊技球の流入を阻害する不利小当たり遊技となり、下アタッカー65を開放動作させる小当たり遊技は、電動役物6985のロング開放遊技中において第2誘導流路8982への遊技球の流入に影響を与えることの無い有利小当たり遊技となる。
具体的には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~79」の範囲に、動作パターンとして上アタッカー8565を開放動作させる「小当たりA31」が規定され、「80~84」の範囲に、動作パターンとして上アタッカー8565を開放動作させる「小当たりB31」が規定され、「85~99」の範囲に、動作パターンとして下アタッカー65を開放動作させる「小当たりA31」が規定されている。つまり、小当たり当選した場合の85%は、不利小当たり遊技(上アタッカー8565を開放動作させる小当たり遊技)となり、残りの15%が有利小当たり遊技(下アタッカー65を開放動作させる小当たり遊技)となる。
本実施形態では、特別図柄の抽選が実行された場合の1/2の割合で小当たり当選するように小当たり当選確率が設定されているため、ループ状態(普図当たり遊技を繰り返し実行し易い状態)において、振分装置6980内に入球した遊技球のうち、18球に1球の割合で小当たり遊技が実行されることになる。そして、小当たり遊技のうち85%の割合で上アタッカー8565が開放動作される小当たり遊技が実行される。つまり、ループ状態中において、小当たり遊技の実行タイミングと、普図当たり遊技の実行タイミングとによって、ループ状態の継続率が大きく可変することになる。これにより特別図柄の抽選結果に基づく当たり遊技と、普通図柄の抽選結果に基づく当たり遊技との実行タイミングによって、遊技者に有利となる有利期間の継続のし易さを異ならせるという斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図446(b)を参照して、小当たり動作シナリオテーブル202yhの内容を説明する。この小当たり動作シナリオテーブル202yhは、上述した小当たり種別選択テーブル202ygを参照して選択した小当たり種別に対応した小当たり遊技の動作内容(動作シナリオ)が規定されているデータテーブルである。特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別選択テーブル202ygを参照して選択された小当たり種別に対応する小当たり動作シナリオが小当たり動作シナリオテーブル202yhから読み出され、読み出された小当たり動作シナリオに対応する小当たり遊技が実行される。
具体的には、小当たり種別として「小当たりA31」には、小当たり動作シナリオとして、オープニング期間が0.1秒(S)、上アタッカー8565を0.4秒開放させた後に4秒閉鎖させる動作を4回繰り返すラウンド期間、エンディング期間(球はけ期間)1秒が規定されており、「小当たりB31」には、小当たり動作シナリオとして、オープニング期間が0.1秒(S)、上アタッカー8565を1.6秒開放させるラウンド期間、エンディング期間(球はけ期間)1秒が規定されており、「小当たりC31」には、小当たり動作シナリオとして、オープニング期間が0.1秒(S)、下アタッカー65を1.6秒開放させるラウンド期間、エンディング期間(球はけ期間)1秒が規定されている。
次に、図447を参照して、普電動作シナリオテーブル202yiの内容を説明する。この普電動作シナリオテーブル202yiは、上述した第2当たり種別選択テーブル202yfにより選択された普図当たり種別に対応した普図当たり遊技の動作シナリオ(普電動作シナリオ)が規定されているデータテーブルである。具体的には、普図当たり種別として「開放パターンA31」には、オープニング期間0.1秒(S)、開放3秒、閉鎖3秒を2回繰り返すラウンド期間が規定され、「開放パターンB31」には、オープニング期間0.1秒(S)、開放1秒、閉鎖2秒を6回繰り返すラウンド期間が規定されている。
上述した通り、本実施形態では、大当たり遊技、小当たり遊技、普図当たり遊技のそれぞれに対して、複数の動作パターンで当たり遊技を実行可能に構成しているため、遊技者に対して当たり遊技の内容を予測させ難くすることができる。さらに、本実施形態では、特別図柄の抽選に基づいて実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)と、普通図柄の抽選に基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)と、が重複して実行される場合に、遊技球を振分装置6980へと入球させ難い状態と、その入球させ難い状態よりも入球させ易い状態と、が現出するように構成しているため、各当たり遊技の動作パターンを複数設定することにより、遊技球を振分装置6980へと入球させ難い状態と、その入球させ難い状態よりも入球させ易い状態との何れの状態が現出するのかを遊技者に予測させ難くすることができる。
次に、図448を参照して、本第22実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223について説明をする。本第22実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第1実施形態におけるRAM223に対して、普図保留球数カウンタ223yaと、ループ中フラグ223ybと、ループ中履歴情報格納エリア223ycと、を設けた点で相違している。
普図保留球数カウンタ223yaは、普通図柄の保留球数を計測するためのカウンタであって、主制御装置110から普通図柄の保留球数(普図保留球数)の増加、或いは減少を示す保留球数コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する値が設定されるものである。これにより、音声ランプ制御装置113側でも普通図柄の保留球数(普図保留球数)を判別することが可能となる。
ループ中フラグ223ybは、ループモードへと移行したことを示すためのフラグであって、振分装置8550へと遊技球を入球させ易い状態であるループモードへと移行した場合にオンに設定される。そして、ループモードが終了した場合にオフに設定される。
ループ中履歴情報格納エリア223ycは、ループモード中に実行された各種遊技情報を記憶するためのデータ領域であって、ループモード中に特別図柄や普通図柄の抽選が実行された回数や、大当たり遊技、小当たり遊技が実行された回数の累積値を算出可能に構成している。このループ中履歴情報格納エリア223ycに格納されている情報に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面のループステータスの表示態様が設定される。このループ中履歴情報格納エリア223ycの情報は、ループモードが終了した場合にクリアされる。
<第22実施形態における制御処理について>
次に、図449から図455を参照して、本第22実施形態における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について説明をする。本第22実施形態では、上述した第1実施形態の音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、メイン処理の一部内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図449を参照して本第22実施形態におけるメイン処理の内容について説明をする。図449に示した通り、本実施形態におけるメイン処理は、上述した第1実施形態のメイン処理に対して、演出更新処理(S4111)を、演出更新処理31(S26001)に、コマンド判定処理(S4112)を、コマンド判定処理31(S26002)に、変動表示設定処理(S4113)を、変動表示設定処理31(S26003)に、変更した点と、新たに、ループ状態判別処理(S26004)を追加した点で相違している。
ここで、コマンド判定処理31(S26002)の内容について、図450を参照して説明をする。図450はコマンド判定処理31(S26002)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理31(S26002)では、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(S4112)に対して、普通図柄関連のコマンドを受信した場合に実行される処理と、状態コマンドを受信した場合に実行される処理と、当たり関連のコマンドを受信した場合に実行される処理と、を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理31(S26002)が実行されるとまず、上述した第1実施形態のコマンド判定処理(S4112)と同一のS4301~S4307の処理を実行する。そして、S4307の処理において、普図関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4307:Yes)、普図関連コマンド処理(S26101)を実行し、本処理を終了する。この普図関連コマンド処理(S26101)の内容については、図451を参照して後述する。
一方、S4307の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4307:No)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S4309)、受信したと判別した場合は(S4309:Yes)、状態コマンド関連処理31(S26102)を実行し、本処理を終了する。この状態コマンド関連処理31(S26102)の内容については、図452を参照して後述する。また、S4309の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4309:No)、次に、当たり関連のコマンドを受信したかを判別する。
S4313の処理において、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合は(S4313:Yes)、当たり関連処理31(S26103)を実行し、本処理を終了する。この当たり関連処理31(S26103)の内容については、図453を参照して後述する。一方、S4313の処理において、当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4315)、本処理を終了する。
ここで、図451を参照して普図関連処理(S26101)の内容について説明をする。図451は、普図関連処理(S26101)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S26101)では、主制御装置110から出力された普通図柄に関するコマンド(普図保留球数の可変状況を示す普図保留球数コマンド、普通図柄変動の開始を示し普図変動パターンコマンド)を受信した場合に、受信したコマンドに対応した制御処理が実行される。
普図関連処理(S26101)が実行されると、まず、今回受信したコマンドが普図保留球数コマンドであるかを判別し(S26201)、普図保留球数コマンドであると判別した場合は(S26201:Yes)、受信したコマンドから普通図柄の保留球数を抽出し、普図保留球数カウンタに格納する(S26202)。そして、普図保留球数カウンタの値に対応する表示用コマンドを設定し(S26203)、本処理を終了する。このS26203の処理にて設定された表示用コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に普図保留球数を示す表示態様として人参を模したアイコンFH1~FH4が表示される(図439(b)参照)。
また、S26201の処理において、普図保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S26201:No)、次に、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S26204)、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(S26204:Yes)、受信したコマンドにより通知された普図変動パターンに応じた変動表示態様を決定する(S26205)。次いで、表示用普図変動パターコマンドを設定し(S26206)、普図に関する入賞情報格納エリアのデータをシフトして(S26207)、本処理を終了する。
次に、図452を参照して、状態コマンド関連処理31(S26102)の内容について説明をする。図452は、状態コマンド関連処理31(S26102)の内容を示したフローチャートである。この状態コマンド関連処理31(S26102)では、主制御装置110から出力された各種状態コマンドに基づいてループ中履歴情報格納エリア223ycに格納される履歴情報を更新するための処理が実行される。なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、主制御装置110から出力される状態コマンドとして、少なくとも、特別図柄の抽選が実行されたことを示す状態コマンド、普通図柄の抽選が実行されたことを示す状態コマンド、始動入球口8564に球が入球したことを示す状態コマンド、スルーゲート6167a~スルーゲート6167eの何れかを遊技球が通過したことを示す状態コマンド、役物8550内に遊技球が入球したことを示す状態コマンド、役物装置8550から遊技球が排出されたことを示す状態コマンドが出力されるように構成している。なお、主制御装置110にて上述した各状態コマンドを設定するための処理内容については、上述した各実施形態に記載されている内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
状態コマンド関連処理31(S26102)が実行されると、まず、ループ中フラグ223ybがオンに設定されているかを判別し(S26301)、ループ中フラグ223ybがオンに設定されていると判別した場合は(S26301:Yes)、受信したコマンドに対応する情報を、ループ中履歴情報格納エリア223ycに格納し(S26302)、受信したコマンドに対応する状態を遊技状態格納エリア223iに格納し(S26303)、本処理を終了する。一方、S26301の処理において、ループ中フラグ223ybがオンに設定されていないと判別した場合は(S26301:No)、S26302の処理をスキップしてS26303の処理へ移行する。
このように構成することで、ループモード中(ループ中フラグ223ybがオンに設定されている間)に発生した遊技に関する情報のみをループ中履歴情報格納エリア223ycに格納することができるため、ループモード中の遊技内容を示すループステータスを容易に管理することができる。
次に、当たり関連処理31(S26103)の内容について図453を参照して説明をする。図453は、当たり関連処理31(S26103)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理31(S26103)は、特別図柄の当たり遊技、普通図柄の当たり遊技に関するコマンドを受信した場合に実行されるものであって、特別図柄の当たり遊技の進捗や、普通図柄の当たり遊技の進捗に対応した表示用コマンドを設定するための処理である。さらに、当たり関連処理31(S26103)では、普通図柄の当たり遊技が実行される場合において、ループモードへの移行を示す演出を実行するための処理が実行される。
当たり関連処理31(S26103)が実行されると、まず、特別図柄の当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)のオープニングコマンドを受信したかを判別し(S4404)、受信したと判別した場合は(S4404:Yes)、実行される大当たり種別(小当たり種別)に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S26401)、本処理を終了する。このS26401の処理では、例えば、遊技者に有利となる大当たりA(下アタッカー65を開放動作させる大当たり遊技)に対するオープニングコマンドを受信した場合には、遊技者に対して有利な大当たり遊技が実行されることを報知するための表示態様(図440(b)参照)を示す表示用コマンドが設定され、遊技者に不利となる大当たりB(上アタッカー8565を開放動作させる大当たり遊技)に対するオープニングコマンドを受信した場合には、遊技者に対して不利な大当たり遊技が実行されることを報知するための表示態様(図441参照)を示す表示用コマンドが設定される。同様に、小当たり遊技のオープニングコマンドを受信した場合も、開放動作されるアタッカーの種別に応じて表示用コマンドが可変設定される。これにより、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様によって、今回実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が遊技者に有利なのか不利なのかを分かり易く報知することができる。
S4404の処理において、特別図柄の当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)のオープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4404:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4407)、受信したと判別した場合は、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4408)、本処理を終了する。一方、S4407の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4407:No)、特別図柄の当たり遊技のエンディングコマンドを受信したかを判別する(S4409)。
S4409の処理にて、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S4409:Yes)、大当たり(小当たり)終了を示す表示用エンディングコマンド設定し(S26402)、今回実行された大当たり遊技(小当たり遊技)に対応する情報をループ中履歴情報格納エリア223ycに格納(更新)し(S26403)、本処理を終了する。一方、S4409の処理にて、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4409:No)、次いで、普図オープニングコマンドを受信したかを判別し(S26404)、受信したと判別した場合は(S26404:Yes)、今回の普図当たり遊技が、ループモード中に実行された普図当たり遊技であるか否かを判別するために、ループ中フラグ223ybがオンであるかを判別する(S26405)。
S26405の処理で、ループ中フラグ223ybがオンであると判別した場合、即ち、今回の普図当たり遊技がループモード中に実行された普図当たり遊技であると判別した場合は(S26405:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、ループ中フラグ223ybがオンに設定されていないと判別した場合は(S26405:No)、通常モードにおいて普図当たり遊技が実行された場合であるため、ループモードへの移行を示す表示用コマンドを設定し(S26406)、ループ中フラグ223ybをオンに設定し(S26407)、本処理を終了する。S26406の処理において表示用コマンドを設定することにより、図439(a)に示したループモード突入の演出表示が実行される。
一方、S26404の処理において、普図オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S26404:No)、次に、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S26408)、受信したと判別した場合は(S26408:Yes)、普図当たり終了を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S26409)、今回実行された普図当たり遊技に関する情報をループ中履歴情報格納エリア223ycに格納(更新)し(S26410)、本処理を終了する。また、S26408の処理において、普図当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合は(S26408:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、変動表示設定処理31(S26003)の内容について、図454を参照して説明をする。図454は、変動表示設定処理31(S26003)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理31(S26003)では、上述した第1実施形態の変動表示設定処理に対して、当たり変動(大当たり変動、小当たり変動)に対する演出態様の設定処理を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動表示設定処理31(S26003)が実行されると、まず、上述した変動表示設定処理と同一のS4501~S4504の処理を実行する。その後、今回の特別図柄変動が当たり変動(大当たり変動、小当たり変動)であるかを受信した変動パターンコマンドに基づいて判別する(S26501)。S26501の処理において、当たり変動であると判別した場合は(S26501:Yes)、今回の当たり変動が停止表示されるタイミング、即ち、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されるタイミングに対応する普通図柄保留を抽出する(S26502)。
ここで、S26502の処理内容について説明をする。本実施形態では、普通図柄のみ保留機能を有しており、最大で4個の普通図柄を保留可能に構成している。そして、今回実行される特別図柄の変動時間(40秒)が経過する時点において、実行されている普図保留を判別する処理が実行される。なお、特別図柄の変動時間(40秒)が経過するタイミングにて実行されている普図保留を判別不能な状態、例えば、普図保留が存在しない状態である場合には、特別図柄の変動時間経過時に最も近似する普図保留が対象保留として判別されるように構成している。
そして、S26502の処理によって抽出した普図保留に対応する普図保留図柄の表示態様を当選した大当たり種別(小当たり種別)に対応させた表示態様へと可変させるための設定処理を実行し(S26503)、以降、上述した変動表示設定処理と同一のS4505~S4509の処理を実行し、本処理を終了する。
このように構成することで、ループモード中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される普図保留図柄FH1~FH4の表示態様によって、特別図柄の抽選結果を示唆することが可能となり、保留機能を有していない特別図柄に対して、あたかも抽選結果を先読みした先読み演出を実行しているような演出効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、当たり当選した特別図柄変動が実行されるタイミングで普図保留図柄の表示態様を可変設定するように構成しているが、本タイミングにおいて、特別図柄変動の停止タイミングに対応する普図保留図柄が存在しない場合は、普図保留図柄の表示態様を可変設定する処理を遅延させるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、大当たり当選している特別図柄の変動中に普図保留を獲得した場合に、その普図保留に対応する普図保留図柄の表示態様を実行中の特別図柄変動(大当たり変動)に対応する表示態様へと可変させることができる。また、本実施形態では、普通図柄変動の変動時間が、普図保留球数に応じて可変するように構成しているため、予め普通図柄の変動時間を予測することが困難である。この場合、例えば、特別図柄の変動停止タイミングに対応させた普図保留を仮設定する処理を実行し、その仮設定された普図保留に対応する普図保留図柄の表示態様を可変設定する。その後、特別図柄が変動停止するよりも前のタイミングで、仮設定した普図保留の実行期間が特別図柄の変動停止タイミングに対応しているかを監視する処理を実行し、対応関係がずれていると判別した場合に、仮設定した普図保留から対応する普図保留を変更する補正処理を実行するように構成すると良い。
この場合、第3図柄表示装置81の表示面の普図保留図柄FH1~FH4の表示態様のうち、異なる表示態様へと可変設定されている普図保留図柄が突然シフトする演出が実行されることになる。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
次に、図455を参照して、ループ状態判別処理(S26004)の内容について説明をする。このループ状態判別処理(S26004)では、ループモードの終了タイミングを判別するための処理と、ループモード中におけるループステータスの表示態様を更新するための処理と、が実行される。
ループ状態判別処理(S26004)が実行されると、まず、ループ中フラグ223ybがオンに設定されているか、即ち、現在がループモード中であるかを判別し(S26601)、ループ中フラグ223ybはオンに設定されていないと判別した場合は(S26601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ループ中フラグ223ybがオンに設定されていると判別した場合は(S26601:Yes)、次に、普図保留球数カウンタ223yaの値を読み出し、読み出した値が0であるかを判別し(S26602)、0であると判別した場合は(S26602:Yes)、現在が普図当たり遊技中であるかを遊技状態格納エリア223iに格納されている情報に基づいて判別する(S26603)。
S26603の処理において、現在が普図当たり遊技中では無いと判別した場合は(S26603:No)、次に、振分装置8550内に遊技球が存在している状態であるかを、ループ中履歴情報格納エリア223ycに格納されている情報に基づいて判別し(S26604)、振分装置8550内に遊技球が無いと判別した場合は(S26604:No)、普図当たり遊技が実行され易い状態が継続しない条件が成立した(ループモードの終了条件が成立した)場合であるため、ループモードを終了させるために、ループモードの終了を示す表示用コマンドを設定し(S26605)、ループ中履歴情報格納エリア223ycに格納されている情報をクリアし(S26606)、ループ中フラグ223ybをオフに設定し(S26607)、S26608の処理へ移行する。
一方、S26602,S26603,S26604の処理において、ループモードを終了させるための終了条件が成立していないと判別した場合は、ループモードを終了させるため処理であるS26605~S26607の処理をスキップして、S26608の処理へ移行する。
S26608の処理では、ループ中履歴情報格納エリア223ycに格納されている各種情報に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるループステータスに関する情報を作成し(S26608)、作成したループステータスを示す表示用コマンドを設定し(S26609)、本処理を終了する。なお、本実施形態では、ループ状態判別処理(S26004)の処理が実行される毎にループステータスを作成する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S26608の処理を実行するまでに、ループステータスに関する情報の更新があったかを判別する処理を追加し、その追加した処理において情報の更新があったと判別された場合にのみループステータスを作成するように構成しても良い。このように構成することで、同一内容のループステータスを作成する処理を排除することができるため、ループステータスを作成する処理の処理負荷を軽減することができる。
以上、説明をした通り、本第22実施形態では、普通図柄の当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)によって、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を獲得し得るように構成している。このように構成することにより、普通図柄の当たりに当選する権利(普通図柄の保留球)を獲得し易い状態を継続して設定することが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態を長く継続させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、振分装置8550内に入球した球が複数のスルーゲート(第1スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067e)を通過可能に構成しているため、振分装置8550に入球した球数以上の数の普通図柄の保留球を獲得できる可能性がある。よって、振分装置8550内を流下する遊技球の挙動に最後まで注視させることができる。
さらに、振分装置8550内に振分手段(第1クルーン8551、第2クルーン8552)を設け、振分手段によって振り分けられた結果によって、普通図柄の保留を獲得可能な個数が異なる様に構成している。よって、振分装置8550内を流下する遊技球の挙動に最後までより注視させることができる。
また、振分装置8550内に特別図柄の抽選契機となる始動入球口8564を設け、振分手段によって特定の流路へと遊技球が振り分けられた場合に始動入球口8564に入球し得るように構成したため、普通図柄の当たりに当選する権利を獲得しやすい状態を継続させながら特別図柄の抽選を実行することができる。
加えて、特別図柄の抽選で当たり当選(大当たり、小当たり)した場合に、振分装置8550への遊技球の入球を阻害するように当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されるように構成しているため、普通図柄の当たりに当選する権利を獲得しやすい状態が過度に継続してしまうことを抑制することができる。また、当たり遊技によって振分装置8550への遊技球の入球を阻害するように構成しているため、普通図柄の当たりに当選する権利を獲得しやすい状態は継続させ難くなるが、当たり遊技による賞球を遊技者に付与可能なため、遊技者が極端に不利となることを抑制することができる。
さらに、当たり遊技において長いラウンド数の当たり遊技が実行されるほど、振分装置8550への遊技球の入球が阻害される期間が長くなるため、普通図柄の当たりに当選する権利を獲得しやすい状態を維持する観点では、遊技者に不利な大当たり遊技となる。このように、通常であれば遊技者に有利となる(賞球を多く獲得し易い)大当たり遊技が実行されることにより遊技者が不利な状態が設定されるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、本実施形態では特別図柄の抽選で当たり(大当たり、小当たり)当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)として、振分装置8550への遊技球の入球が阻害される不利当たり遊技と、振分装置8550への遊技球の入球が阻害されない有利当たり遊技と、を実行可能に構成し、当たり当選時に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて、実行される当たり遊技が異なるように構成している。これにより、特別図柄の当たりに当選した場合に、遊技者に有利な当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<第22実施形態の変形例>
次に、上述した第22実施形態の変形例について説明をする。上述した第22実施形態では、球振分役物8550に遊技球が1個流入した場合における普図保留の獲得期待個数が1.3個となり、さらに、1回の普図当たり遊技において電動役物6985を介して第2誘導流路8982に流入し得る遊技球の平均個数が3個となるように構成していた。つまり、一度、ループモードへと移行した(普図当たり遊技が実行された)場合には、第1クルーン8551、第2クルーン8552にてスルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eへと球が誘導されることの無い入球口(アウト入球口8551b、特殊入球口8552c)へと偏って球が振り分けられる場合、或いは、特別図柄抽選によって、上アタッカー8565が開放動作される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されることにより普図当たり遊技中に遊技球が電動役物6985を介して第2誘導流路8982に流入し得ない状況となる場合以外は、ループモードが継続して実行されるように構成していた。
このように、1回の普図当たり遊技が実行された場合において、その普図当たり遊技中に1回以上の普図当たり遊技を実行させることが可能な構成とし、普通図柄抽選とは独立して実行される特別図柄抽選の抽選結果に応じて、ループモードの継続期待度を可変させることにより、遊技者に対して普通図柄の抽選と、特別図柄の抽選の何れにも興味を持たせることができるように構成していた。しかしながら、上述した第22実施形態の構成では、最初の普図当たり遊技において、第5スルーゲート8067eにのみ遊技球を通過させることが可能な第1セーフ入球口8551cに遊技球が入球した場合も、第1スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eの全てに遊技球を通過させることが可能な第1セーフ入球口8552aに遊技球が入球した場合も、略1/1の確率で当選する普図当たりに基づいて実行される普図当たり遊技にて、普図保留の獲得個数が上限である4個に容易に到達し得るため、最初の普図当たり遊技にて球振分役物8550へと入球した遊技球の挙動に対して遊技者が関心を持ち難いものであった。
そこで、本第22実施形態の変形例では、上述した第22実施形態と同一の遊技盤13の構成を用い、各パラメータの値を可変させることにより、異なる遊技性を提供するように構成している。具体的には、上述した第22実施形態に対して普通図柄の当たり当選確率と、普図当たり遊技の動作パターンと、を変更している点のみで相違している。
本第22実施形態の変形例では、普通図柄の抽選が実行された場合に、当たり当選する確率が2/3となるように構成し、更に、普図当たり遊技の動作パターンとして、第2誘導流路8982に流入可能な遊技球の平均個数が1個となる動作パターンが95%、5異なる動作パターンが5%の割合で選択されるように構成している。
このように構成することで、普通図柄の抽選が1回実行された場合における球振分役物8550への普図保留の平均獲得個数を約1個とすることができる。これにより、最初の普図当たり遊技において、第5スルーゲート8067eにのみ遊技球を通過させることが可能な第1セーフ入球口8551cに遊技球が入球した場合は、普図保留を上限まで獲得することなくループモードが終了し易くし、第1スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eの全てに遊技球を通過させることが可能な第1セーフ入球口8552aに遊技球が入球した場合は、ループモードが継続し易くなるようにすることができる。よって、最初の普図当たり遊技にて球振分役物8550へと入球した遊技球の挙動に対して遊技者に強い関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を低下させているため、普図保留の獲得個数(普図保留数)が上限(4個)の状態であっても、普通図柄の抽選結果が連続して外れとなり、急激に普図保留数が減少する遊技性を提供し易くすることができる。よって、普図保留数が上限の状態においても遊技者に危機感を持たせながら遊技を行わせることができる。
なお、上述した変形例では、普通図柄の抽選が1回実行された場合における普図保留の平均獲得個数を約1個としているが、これに限ること無く、普図保留の平均獲得個数が1個未満となるように構成しても良い。このように構成することで、ループモードが過剰に継続してしまう状態を抑制することができる。
さらに、普通図柄の抽選が1回実行された場合における普図保留の平均獲得個数が、約1個、或いは1個未満となるように構成した場合には、普図当たり遊技が繰り返し実行されることにより、徐々に普図保留の獲得個数(普図保留数)が減少し得るため、上述した第22実施形態に記載したように、特別図柄の抽選結果に基づいて普図当たり遊技中に遊技球が球振分役物8550内へと入球することを阻害する阻害手段(上アタッカー8565を開放動作させる手段)を用いなくても良い。
この場合、普図当たり遊技が繰り返し実行される(ループモード中)に実行される特別図柄抽選にて当たり(大当たり、小当たり)に当選した場合には、下アタッカー65が開放動作されるように構成すれば良い。これにより、ループモード中に普図保留を獲得させる遊技性と、特図抽選により当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)を目指す遊技性と、を並行して遊技者に提供することができる。
さらに、上述した第22実施形態では、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、短期間(0.1秒)の変動時間が設定されるように構成し、遊技者が意図しないタイミングで普図保留を減少させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合に複数の変動パターン(変動時間)のうち、何れかの変動時間を選択するように構成し、選択される変動パターン(変動時間)の一部として、比較的長い変動時間(例えば、360秒)が設定される変動パターンを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、360秒の間、特別図柄の抽選に基づいて当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が実行されることが無い状態を設定することが可能となる。よって、1回の普図当たり遊技が実行される毎に、平均で3.9個の普図保留を獲得可能な第22実施形態において、ループモードを高確率で継続させることが可能な遊技状況(超ループモード)を設定することができ、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、上述した長い変動時間(例えば、360秒)が設定される変動パターンが選択されたことを判別し、その判別結果に基づいて、超ループモードが設定された(設定される)ことを、遊技者に報知可能な報知手段を設けると良い。これにより、遊技者に分かり易い遊技を行わせることができる。
また、上述した第22実施形態、及び、第22実施形態の変形例では、遊技状態が可変することの無いパチンコ機10を用いているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の高確率状態(時短状態)と、普通図柄の低確率状態(通常状態)と、を設定可能なパチンコ機10に適用しても良い。この場合、通常状態が設定されている場合では、普通図柄の抽選が1回実行された場合における普図保留の平均獲得個数を1個未満とし、時短状態が設定されている場合では、普通図柄の抽選が1回実行された場合における普図保留の平均獲得個数が1個以上となるように構成すると良い。
即ち、通常状態において第1誘導流路6981へと流入させた遊技球を始動入球口8564へと入球させる遊技を行い、始動入球口8564に遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選にて大当たりに当選(1/10)した場合に、少量の賞球を遊技者に付与可能な大当たり遊技(例えば、2ラウンド大当たり)を実行し、その大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるように構成する。
そして、時短状態が設定された場合には、まず、左打ち遊技によって、第1誘導流路6981へと遊技球を流入させ、球振分役物8550への入球した遊技球をスルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eへと入球させる遊技を行わせる(チャレンジモード)。そして、各スルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eの何れかに遊技球が入球した場合には、時短状態中の普図当たり遊技が実行され、第2誘導流路8982へと遊技球が流入し易い状態となり、右打ち遊技によって普図当たり遊技が繰り返し実行され易いループモードへと移行し、時短状態が終了するまで(例えば、特別図柄抽選の抽選結果、或いは、抽選回数が所定条件を満たすまで)、ループモードが継続する。
このように構成することで、遊技状態に応じて、左打ち遊技により第1誘導流路6981へと流入させた遊技球が入球すべき入球口の種別を異ならせることができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。なお、この場合、球振分役物8550の第1クルーン8551、及び、第2クルーン8552に設けられた複数の入球口のうち、現在の遊技状態にて入球させると有利となる入球口を遊技者に容易に把握させるために、例えば、入球口の近傍に報知手段(LED等の発光手段)を設け、その報知手段によって遊技球を入球させるべき入球口を遊技者に報知するように構成すると良い。
加えて、遊技状態に応じて有利となる入球口の配設位置が対角状となるように構成すると良い。これにより、例えば、パチンコ機10の傾きによって、振分手段による遊技球の振分具合に偏りが生じた場合であっても、全ての遊技状態にて、遊技者に有利となる入球口に遊技球が振り分けられ難くなることを抑制することができる。
また、上述した構成を用いることにより、時短状態中における普図保留の獲得状況に応じて、遊技者に有利な状況(ループモード)と、遊技者に不利な状況(チャレンジモード)とを設定することができる。このように、遊技状態として同一の遊技状態(時短状態)が設定されている場合であっても、遊技状態を可変させるための契機(特別図柄抽選)以外の契機(普通図柄の保留獲得)によって遊技者に有利な状況(遊技状態)と、不利な状況(遊技状態)と、を設定可能に構成することにより、遊技者に対してより多彩な遊技状態を設定することが可能となるため遊技の興趣を向上させることができる。
<第22実施形態における演出内容についての追加例>
次に、第22実施形態における演出内容の追加例について説明をする。上述した第22実施形態では、普図当たり遊技が連続して実行され易い状態となった場合、即ち、普図当たり遊技が実行された場合に、ループモードが設定され、その普図当たり遊技が連続して実行され易い期間が終了するまでループモード演出を実行するように構成していた。これに対して、本追加例では、上述したループモードにおける演出内容をより詳細に説明をする。
具体的には、ループモード終了示唆演出(図440(b))が実行される条件について詳細な説明を行う。上述した第22実施形態では、普図保留数が0となる普通図柄変動が実行された場合に、ループモード終了示唆演出(図440(b))を実行するように構成しているが、このようなタイミングをループモード終了示唆演出の実行タイミングに設定した場合は、遊技者にループモードが終了することを示唆する演出が実行された後にも、普図当たり遊技が実行され、普図保留を新たに獲得し得るものであった。また、ループモード終了示唆演出が実行される時点で球振分役物8550内に残存している遊技球によって新たな普図保留を獲得する場合もあった。
つまり、ループモード終了示唆演出が実行されたにも関わらず、ループモードが終了しない事態が発生し易く、ループモード終了示唆演出に対して遊技者が興味を抱かなくなり、演出効果が低下してしまうという問題があった。そこで本追加例では、ループモード終了示唆演出の実行条件を、上述した第22実施形態よりも成立し難くしている。即ち、ループモード終了示唆演出の実行条件として、上述した第22実施形態よりもループモードが終了し易い状態において成立し得る条件をループモード終了示唆演出の実行条件としている。
具体的には、普図保留数が0である場合に実行される普図当たり遊技中において、普図当たり遊技として、電動役物6985の最後の開放動作が実行されるタイミングを判別するタイミング判別手段を設け、その判別手段において、電動役物6985の最後の開放動作が実行されるタイミングであると判別した場合に、次に、球振分役物8550内に遊技球が残存しているかを判別する残存判別手段を設ける。なお、この残存判別手段は、上述した第21実施形態のパチンコ機10において主制御装置110にて実行される入球状況判別処理(図430参照)を設け、その処理結果を示すためのコマンドを受信することにより音声ランプ制御装置113側で球振分役物8550内の遊技球の残存状況を判別するように構成しているため、その詳細な内容についての説明は省略する。
そして、上述したタイミング判別手段により電動役物6985の最後の開放動作が実行されるタイミングであると判別したタイミングで、球振分役物8550内に遊技球が残存していない場合に、ループモード終了示唆演出の実行条件が成立し、その実行条件の成立に基づいてループモード終了示唆演出が実行されるように構成している。このように構成することで、ループモード終了示唆演出が実行されてから新たな普図保留を獲得し得る状況として考え得る状況が、普図当たり遊技の最後の開放動作中に第2誘導流路8982へと入球した遊技球がスルーゲート8067a~第5スルーゲート8067eを通過する状況のみとなり、上述した第22実施形態のパチンコ機10よりも成立し難くすることができる。よって、ループモード終了示唆演出が実行された場合において、実際にループモードが終了する割合を高めることができ、遊技者に対してループモード終了示唆演出の実行の有無に対して興味を抱かせることができる。
なお、ループモード終了示唆演出の実行条件としては、他の条件を設定しても良く、例えば、普図保留が0の状態で普図当たり遊技が実行される場合に成立する条件を実行条件としても良いし、普図保留が0の状態で普図当たり遊技が終了した場合に成立する条件を実行条件としても良い。この場合、普図当たり遊技終了時において、遊技球が球振分役物8550内に残存していると判別した場合にのみ、ループモード終了示唆演出を実行するように構成しても良い。
<特別図柄抽選に基づく当たり遊技の演出態様を普通図柄遊技の状況に応じて可変させる技術思想について>
上述した第22実施形態のように、ループモードが終了する条件の成立契機になり得ない特別図柄の抽選をループモード中に並行して実行するように構成したパチンコ機10では、ループモードが終了したタイミングにて特別図柄抽選に基づく大当たり遊技が実行されている場合がある。このような場合においてループモードが終了した場合に、ループモードが終了したことを報知してしまうと、大当たり遊技中にも関わらずループモード終了報知が実行されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題が発生してしまうという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、ループモードが終了したと判別した時点で、現在が特別図柄の当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)であるかを判別する判別手段を設け、特別図柄の当たり遊技中にループモードが終了したと判別した場合には、特別図柄の当たり遊技が終了するまで(エンディング期間が設定されるまで)、ループモードの終了報知を遅延させる報知遅延手段を設けるように構成すると良い。
このように構成することで、ループモードとなったことを起因として実行される遊技、即ち、球振分役物8550内に入球した遊技球によって実行される(始動入球口8564に遊技球が入球することに基づいて実行される)特別図柄抽選に基づく当たり遊技が終了するまでの期間をループモードとして報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、上述した構成を用い、ループモードの終了報知タイミングを遅延させる場合には、例えば、図441に示した表示画面、即ち、障害物812Z,813Zが表示される演出にて、ウサギを模したキャラクタ810zが障害物812z,813zで滑ってしまう演出が実行され、その後、カメを模したキャラクタ811zが先にゴールに到達する演出が実行される。そして、特別図柄の当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の終了タイミング(当たり遊技のエンディング期間設定タイミング)に合わせて、ループモード中に記憶されたループステータスに基づく結果表示が実行されるように構成すると良い。
以上、説明をした通り、普通図柄の抽選(第1抽選)と、その第1抽選(普通図柄の抽選)とは異なる特別図柄の抽選(第2抽選)と、を実行可能にし、第1抽選が実行され易い状態(ループモード)中において第2抽選も実行され易くなるように構成されたパチンコ機10において、ループモードが終了したことを報知する報知タイミングを、ループモード終了時に第2抽選に基づく特典遊技(当たり遊技)が実行されておらず、且つ、第2抽選が実行されておらず、且つ、第2抽選を実行する権利を獲得していない場合は、ループモード終了時にループモードが終了したことを報知する報知タイミングを設定し、ループモード終了時に第2抽選に基づく特典遊技(当たり遊技)が実行されている、或いは、第2抽選が実行されている、或いは、第2抽選を実行する権利を獲得している場合は、その第2抽選に関する遊技が終了するタイミングをもってループモードが終了したことを報知するように構成することで、ループモード、即ち、第1抽選が実行され易い状態が終了した後も、遊技者に有利な状態(例えば、当たり遊技状態)が継続し得る限りループモードの終了報知を遅延させることができる。よって、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
また、このように、特別図柄の抽選結果に基づいて実行される特典遊技(当たり遊技)のエンディング期間中に実行される演出の内容を、普通図柄の遊技状況により可変させることにより、独立して実行される特別図柄の抽選に関わる遊技と、普通図柄の抽選に関わる遊技とを関連付けた演出を実行することが可能となる。よって、パチンコ機10において並行して実行され得る複数の抽選遊技を関連付けることにより遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、普通図柄の遊技状況に応じて特別図柄の抽選結果に基づいて実行される特典遊技(当たり遊技)のエンディング期間中の演出内容としては、上述したループモードの終了報知に限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果に基づいて実行される特典遊技(当たり遊技)のエンディング期間が設定される時点における普通図柄の遊技状況を判別し、その判別結果に基づいて特典遊技のエンディング期間における演出態様を設定しても良い。具体的には、上述したループモードの終了を報知するための演出以外に、特典遊技(当たり遊技)のエンディング期間が設定される時点における普通図柄の遊技状況として、普図保留を所定数(例えば、2個)以上獲得している状態であると判別した場合は、特典遊技の終了後にもループモードが問題無く継続することを示す演出(ループモード継続演出)を設定しても良いし、特典遊技(当たり遊技)のエンディング期間が設定される時点における普通図柄の遊技状況が、普図保留数が0の状態で普図当たり遊技が実行されている状態であると判別した場合、或いは、普図保留数が0の状態で普図当たり遊技も実行されておらず、且つ、球振分役物8550内に遊技球が残存している状態であると判別した場合は、ループモードが終了の危機であることを示す演出(ループモード終了示唆演出)を設定しても良い。
さらに、普通図柄の遊技状況に応じて演出内容が可変される期間は、特典遊技のエンディング期間に限ること無く、例えば、特典遊技のオープニング期間中に実行される演出の内容を可変させても良いし、特典遊技のラウンド期間中に実行される演出の内容を可変させても良い。この場合、例えば、特典遊技(小当たり遊技)が実行される時点における普通図柄の遊技状況を判別し、その判別結果が、普通図柄の変動中であり、且つ、残変動時間が所定時間以上(今回実行される特典遊技(小当たり遊技)の遊技時間よりも長い)と判別した場合は、今回実行される特典遊技(小当たり遊技)が普通図柄の変動期間中に開始され、その変動期間中に終了することを示す演出を、特典遊技(小当たり遊技)のオープニング期間中や、ラウンド期間中に設定(実行)するように構成すると良い。このように構成することで、例えば、今回実行される特典遊技(小当たり遊技)が、上述した第22実施形態のパチンコ機10における上アタッカー8565(図436参照)を開放させる特典遊技のように普図保留の獲得を阻害する種別の特典遊技が実行される場合において、今回の特典遊技中に普図当たり遊技が実行されない旨を特典遊技の開始時や実行中に遊技者に報知することが可能となる。よって、遊技者に対して、普図当たり遊技が実行されるか否かを気にさせること無く、上アタッカー8565へと遊技球を入賞させる遊技を行わせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態、および各制御例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。例えば、上記第6実施形態における右可変入賞装置65の通過検出センサ228の構成を、他の実施形態に適用してもよい。例えば、上記第1実施形態に適用することで、待機状態演出の実行中におけるチャンスメーターCMのゲージ数を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数により正確にリンクさせることができる。より具体的には、第6実施形態における通過個数カウンタ223kを第1実施形態におけるRAM223にも設ける構成とし、第4実施形態と同一の方法で通過個数カウンタ223kの値を更新する(図87のS4211,S4212,S4219,S4220参照)。そして、待機状態演出の実行中は、通過個数カウンタ223kの値が更新される毎に、更新後のカウンタ値に対応するゲージ数になるようにチャンスメーターCMの態様を更新する。これにより、チャンスメーターCMの態様を、実際の開閉扉65f1の上面の状況に即した態様とすることができる。他の実施形態についても、同様の方法により第6実施形態の構成を転用することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態、および各制御例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。例えば、上記第6実施形態における右可変入賞装置65の通過検出センサ228の構成を、他の実施形態に適用してもよい。例えば、上記第1実施形態に適用することで、待機状態演出の実行中におけるチャンスメーターCMのゲージ数を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数により正確にリンクさせることができる。より具体的には、第6実施形態における通過個数カウンタ223kを第1実施形態におけるRAM223にも設ける構成とし、第4実施形態と同一の方法で通過個数カウンタ223kの値を更新する(図87のS4211,S4212,S4219,S4220参照)。そして、待機状態演出の実行中は、通過個数カウンタ223kの値が更新される毎に、更新後のカウンタ値に対応するゲージ数になるようにチャンスメーターCMの態様を更新する。これにより、チャンスメーターCMの態様を、実際の開閉扉65f1の上面の状況に即した態様とすることができる。他の実施形態についても、同様の方法により第6実施形態の構成を転用することができる。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(オーバー入賞を意図的に発生させ易い構成)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となった場合に、前記特定流路へと遊技球が到達し易くなる第1の発射速度で遊技球を発射し、前記第1の操作内容とは異なる第2の操作内容となった場合に、前記第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で遊技球を発射することが可能な発射手段と、その発射手段により前記第2の発射速度で遊技球が発射された場合に、前記第1の発射速度で発射された場合よりも成立し易い特定条件が成立したかを判別する判別手段と、その判別手段により前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる遊技価値が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導されやすくなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となった場合に、特定流路へと遊技球が到達し易くなる第1の発射速度で発射手段により遊技球が発射される。一方、第1の操作内容とは異なる第2の操作内容となった場合に、第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で発射手段により遊技球が発射される。発射手段により第2の発射速度で遊技球が発射された場合に、第1の発射速度で発射された場合よりも成立し易い特定条件が成立したかが判別手段によって判別され、その判別手段により特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変するように可変制御手段により制御される。
これにより、所定区間を遊技球が通過中に特定条件が成立することを期待して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記可変制御手段は、前記特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置から前記第2位置へと可変するように制御するものであり、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変手段が第1位置から第2位置へと可変するように可変制御手段により制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件を成立させようと工夫して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記発射手段は、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能なものであり、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能に構成されている。所定区間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記第1位置に可変された場合に、前記所定区間を流下中の全ての遊技球を前記特定領域へと誘導可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、第1位置に可変された場合に、所定区間を流下中の全ての遊技球が特定領域へと誘導されるように可変手段が構成されているので、所定区間を通過中の遊技球の個数を確認することにより、特定条件が成立した場合に特定領域へと誘導される遊技球の個数を知ることができる。よって、特定条件が成立した場合の有利度合いを遊技者により容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段を備え、前記判別手段は、前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球した場合に、判別手段により特定条件が成立したと判別されるので、入球手段を狙って遊技球を発射することにより、遊技者の好みのタイミングで特定条件を容易に成立させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、特定条件が成立した場合に特定領域に誘導される遊技球をより多くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、演出態様を表示可能な表示手段と、前記特定条件が成立するまでの間において、前記特定条件が成立した場合の有利度合いを判別する有利判別手段と、その有利判別手段により判別された有利度合いを示唆する示唆演出を前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定条件が成立するまでの間において、特定条件が成立した場合の有利度合いが有利判別手段によって判別され、その有利判別手段により判別された有利度合いを示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により表示手段において実行されるので、表示手段に表示される示唆演出を確認することで、特定条件が成立した場合の有利度合をより容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記有利判別手段は、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別するものであり、前記示唆演出実行手段は、前記有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を、前記示唆演出として実行するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が有利判別手段によって判別される。有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、示唆演出実行手段により示唆演出として実行される。
これにより、示唆演出を確認することにより、特定条件が成立した場合に特定領域へと入球する遊技球の個数を遊技者が容易に知ることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選で特定の抽選結果となったことに基づいて、前記入球手段に対する入球を有効とする有効状態を設定する有効状態設定手段と、を備え、前記判別手段は、前記有効状態の間に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであり、前記可変制御手段は、前記判別手段により前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される可変遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選で特定の抽選結果となったことに基づいて、遊技球が入球可能な入球手段に対する入球を有効とする有効状態が有効状態設定手段によって設定される。有効状態の間に入球手段へと入球した場合に、判別手段によって特定条件が成立したと判別される。判別手段により特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される可変遊技が可変制御手段により実行される。
これにより、抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A9において、遊技球が前記入球手段へと入球し易い第1動作位置と、その第1動作位置よりも遊技球の入球が困難となる第2動作位置とを少なくとも含む複数の動作位置に動作可能な動作手段と、その動作手段の動作位置を、経過時間に応じて対応する動作位置に動作させる動作制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球手段へと入球し易い第1動作位置と、その第1動作位置よりも遊技球の入球が困難となる第2動作位置とを少なくとも含む複数の動作位置に動作手段が動作可能に構成されている。動作手段の動作位置が、動作制御手段によって経過時間に応じた動作位置に動作される。
これにより、特定条件を成立させるためには、動作手段の動作位置が第1動作位置になるタイミングを狙って遊技球を入球手段へ向けて発射する必要があるので、タイミングよく遊技球を発射させる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
<特徴B群>(オーバー入賞を狙える大当たり、狙えない大当たりを設ける)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して特定の操作が実行された場合に成立し易くなる特定条件が成立したかを判別する条件判別手段と、前記可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記条件判別手段により前記特定条件が成立したと判別された場合に前記可変遊技が開始される第1可変遊技と、前記特定条件の成立有無とは無関係に前記可変遊技が開始される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、ラウンド数が同一であっても各ラウンドにおける大開放口の開放パターンを異ならせることで、各ラウンドにおいて入賞可能な遊技球の個数を異ならせ、有利度合いに差を設けているものもある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる賞球数が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。また、当たり状態中に当たり種別に応じて制御を可変させる必要があるため、当たり状態中の処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機B1によれば、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難になる第2状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変入球手段が第2状態から第1状態へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。遊技者が操作可能な操作手段に対して特定の操作が実行された場合に成立し易くなる特定条件が成立したかが条件判別手段により判別される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、判別手段による判別で特定の判別結果になった後で、条件判別手段により特定条件が成立したと判別された場合に可変遊技が開始される第1可変遊技と、特定条件の成立有無とは無関係に可変遊技が開始される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別が種別決定手段により決定される。
これにより、可変遊技の種別に応じて可変遊技が開始されるタイミングを異ならせることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記操作手段に対する操作に応じた方向へ遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したか判別する入球判別手段と、を備え、前記条件判別手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであり、前記第2可変遊技は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記入球判別手段により前記第2入球手段へと遊技球が入球したと判別されたことに基づいて開始されるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、操作手段に対する操作に応じた方向へ発射手段により遊技球が発射され、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が配置されている。第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置されている。第2入球手段へと遊技球が入球したかが入球判別手段により判別される。第1入球手段へと遊技球が入球した場合に条件判別手段により特定条件が成立したと判別される。判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、入球判別手段により第2入球手段へと遊技球が入球したと判別されたことに基づいて第2可変遊技が開始される。
これにより、可変遊技の種別に応じて開始条件となる入球手段が異なるので、可変遊技の種別に応じて異なる方向へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技球を発射する方向を可変させる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた第3入球手段と、前記第2方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を保持可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が保持され難くなる第2位置とに可能な可変手段と、その可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記第1位置から前記第2位置へと切り替える切替手段と、を備え、前記判別手段は、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行するものであり、前記第2入球手段は、前記第1流路を通過した遊技球が入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第3入球手段が設けられている。第2方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を保持可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が保持され難くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が切替手段により第1位置から第2位置へと切り替えられる。第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行される。第1流路を通過した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置されている。
これにより、判別手段による判別を実行させるには、第2方向へと遊技球を発射する必要があるので、特定の判別結果となるまでの間に第1流路へと遊技球を流入させることができる。よって、種別決定手段により第2可変遊技が決定された場合には、第1流路に保持されていた遊技球を即座に第2入球手段へと入球させることができる。従って、第2可変遊技が決定された場合には遊技者が遊技球を発射しなくても第2可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記第2入球手段は、前記第1流路を流下した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでの期間が、前記第1方向へ発射された遊技球が前記可変入球手段へと入球するまでの期間よりも短くなる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第1流路を流下した遊技球が第2入球手段へと入球するまでの期間が、第1方向へ発射された遊技球が可変入球手段へと入球するまでの期間よりも短くなる位置に第2入球手段が配置されているので、第2可変遊技が決定された場合には、即座に可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が流下可能な特定流路を備え、前記第1状態は、前記特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記可変入球手段へと誘導され易くなる状態であり、前記第2状態は、前記所定区間を流下中の遊技球が前記可変入球手段へと誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる状態であることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態になると、第1方向に発射された遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも可変入球手段へと誘導され易くなる一方で、第2状態になると、所定区間を流下中の遊技球が可変乳球手段へと誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる。
これにより、第1入球手段へと入球する時点で所定区間を通過中の遊技球が多い程、多くの遊技球を可変入級手段に誘導させることができるので、タイミングを計って第1方向に遊技球を発射させる遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機B5において、前記可変遊技実行手段は、1の前記可変遊技において少なくとも最初に前記可変入球手段が前記第1状態に可変された場合に、前記可変入球手段へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変入球手段を前記第2位置へと可変するように制御するものであり、前記所定区間は、前記可変入球手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の可変遊技において少なくとも最初に可変入球手段が第1状態に可変された場合に、可変入球手段へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変入球手段が第2位置へと可変するように可変遊技実行手段によって制御される。所定区間は、可変入球手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件を成立させようと工夫して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記発射手段は、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能なものであり、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、発射手段が、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能に構成されている。第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように、所定区間が構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかが奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、第1入球手段に遊技球が入球した場合に可変入球手段に誘導される遊技球をより多くすることができる。
遊技機B5からB8のいずれかにおいて、演出態様を表示可能な表示手段と、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別する個数判別手段と、その個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する示唆演出を前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B5からB8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が個数判別手段によって判別され、その個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により表示手段において実行される。
これにより、示唆演出を確認することにより、第1入球手段へと遊技球が入球した場合に可変入球手段へとへと誘導される遊技球の個数を遊技者が容易に知ることができるという効果がある。
遊技機B9において、前記示唆演出の実行中において、前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが相違しているかを所定期間毎に判別する相違判別手段と、その相違判別手段により、前記示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが相違していると判別されたことに基づいて、前記示唆演出の態様を、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する態様に更新する示唆演出更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出の実行中において、示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段により判別された遊技球の個数とが相違しているかが相違判別手段により所定期間毎に判別される。相違判別手段により、示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが相違していると判別されたことに基づいて、示唆演出の態様が、示唆演出更新手段により、個数判別手段によって判別された遊技球の個数を示唆する態様に更新される。
これにより、所定期間毎に示唆演出の態様を個数判別手段により判別された個数に対応させて更新することができるので、第1入球手段へと入球させた場合に可変入球手段へとへと誘導される遊技球の個数を遊技者がより容易に知ることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて前記判別条件が成立する第3入球手段と、演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段において、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第1可変遊技が決定された場合に、第1態様を決定し、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合、および前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定された場合に、前記第1態様とは異なる第2態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球したことに基づいて判別条件が成立する第3入球手段が設けられている。演出態様を表示可能な表示手段において、判別手段による判別が実行されたことに基づいて特定演出実行手段により特定演出が実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出の演出態様として、判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第1可変遊技が決定された場合に演出態様決定手段により第1態様が決定される。一方、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合、および判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定された場合に、第1態様とは異なる第2態様が、演出態様決定手段により特定演出の演出態様として決定される。
これにより、第2可変遊技が決定された場合には、特定の判別結果となっていないかのように遊技者に思わせることができる。よって、第2態様の特定演出が実行された後も、判別手段による判別を行わせるために第2方向へと遊技球を発射させ続けることができるので、特定の判別結果になったことに気づかないうちに第2入球手段へと遊技球を入球させることができる。よって、突然第2可変遊技が開始されたかのような印象を遊技者に抱かせることができるので、遊技者に対して驚きと喜びとを抱かせることができるという効果がある。
遊技機B11において、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された前記第2態様の前記特定演出が終了してから、前記第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、前記第2態様の前記特定演出と区別し難い態様の疑似特定演出を実行可能な疑似特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された第2態様の特定演出が終了してから、第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、第2態様の特定演出と区別し難い態様の疑似特定演出が疑似特定演出実行手段によって実行されるので、種別決定手段によって第2可変遊技が決定された場合に、特定の判別結果になったことを遊技者により気付かれ難くすることができるという効果がある。
遊技機B12において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、前記判別手段による判別に用いられた前記判別情報を前記判別情報記憶手段から消去する消去手段と、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の情報数を示唆する情報数画像を前記表示手段に表示させる情報数画像表示手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された前記第2態様の前記特定演出が終了してから、前記第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、前記疑似特定演出が実行される毎に、前記情報数画像を、情報数が1少ない情報数に対応する画像に更新する画像更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が取得手段によって取得される。取得手段により取得された判別情報が、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段に記憶される。判別手段による判別に用いられた判別情報が消去手段によって判別情報記憶手段から消去される。判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数を示唆する情報数画像が情報数画像表示手段によって表示手段に表示される。判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された第2態様の特定演出が終了してから、第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、疑似特定演出が実行される毎に、情報数画像が、画像更新手段により情報数が1少ない情報数に対応する画像に更新される。
これにより、画像更新手段によって情報数画像が更新されることにより、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の数が減少しているかのように遊技者に思わせることができる。よって、種別決定手段によって第2可変遊技が決定された場合に、判別手段による判別を途切れずに実行させたいと考える遊技者に対して、特定の判別結果になった後も遊技球を第2方向に発射させ続けることができるという効果がある。
<特徴C群>(有利な遊技状態では小当たり当選時にオーバー入賞ナビを行う)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記可変手段が前記第1位置へと可変されるよりも前に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機C1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導されやすくなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、可変手段が第1位置へと可変されるよりも前に、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出が実行されたかを確認することにより、第1位置へ可変されるか否かを判断できるので、演出により注目させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、遊技球が前記所定区間を通過中に前記可変手段が前記第1位置へと可変される可能性がある発射タイミングを示唆する演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特定演出として、遊技球が所定区間を通過中に可変手段が第1位置へと可変される可能性がある発射タイミングを示唆する演出が特定演出実行手段によって実行されるので、特定演出により注目させることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記所定期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、所定期間が、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの期間よりも短くなるように構成されているので、特定演出が実行された時点で遊技球を発射させなければ所定の特典を獲得することが困難にすることができる。よって、遊技者に対して特定演出が実行されるかどうかにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと特定回数可変される第2可変遊技を実行する第2可変遊技実行手段を備え、前記第2可変遊技において前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変される期間は、前記所定期間よりも長くなり易いものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと特定回数可変される第2可変遊技が第2可変遊技実行手段によって実行される。第2可変遊技において可変手段が第2位置から第1位置へと可変される期間は、所定期間よりも長くなり易くなるように構成されている。
これにより、第2可変遊技が実行されることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記可変遊技の種別として、前記動的表示実行手段による前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が第1期間に設定される第1可変遊技と、前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が前記第1期間よりも短い第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の可変遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記示唆演出実行手段は、前記動的表示実行手段による前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間に前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。可変遊技の種別として、動的表示実行手段による識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの期間が第1期間に設定される第1可変遊技と、識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの期間が第1期間よりも短い第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の可変遊技の種別が種別決定手段により決定される。動的表示実行手段による識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間に、示唆演出実行手段により示唆演出が実行される。
これにより、第1可変遊技が決定された方が、第2可変遊技よりも多くの遊技球を所定区間に到達させることができるので、第1可変遊技が決定されることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記第1期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも長い期間であり、前記第2期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、第1期間は、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも長い期間で構成されている。一方、第2期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短い期間で構成されている。
これにより、第2可変遊技となった場合には、遊技球を特定流路へと到達させることが困難になるので、第1可変遊技が決定されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、第1演出と、その第1演出とは異なる第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出を決定する第1種別決定手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、その第2特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記第1演出と、前記第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出を決定する第2種別決定手段と、を備え、前記第1演出は、前記第2種別決定手段によって決定される割合よりも、前記第1種別決定手段によって決定される割合の方が高いものであり、前記第2演出は、前記第2種別決定手段によって決定される割合よりも、前記第1種別決定手段によって決定される割合の方が低いものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中に特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1演出と、その第1演出とは異なる第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出が第1種別決定手段によって決定される。判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、識別情報の動的表示の実行中に第2特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1演出と、第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出が第2種別決定手段により決定される。第1演出は、第2種別決定手段によって決定される割合よりも、第1種別決定手段によって決定される割合の方が高くなるように構成されている。一方、第2演出は、第2種別決定手段によって決定される割合よりも、第2種別決定手段によって決定される割合の方が高くなるように構成されている。
これにより、特定演出の内容に応じて可変遊技が実行される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機C7において、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの間の期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであり、前記所定期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置へと可変されるまでの間の期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短くなるように構成されている。所定期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短くなるように構成されている。
これにより、識別情報の動的表示の実行中に特定流路へ向けて遊技球を発射しなければ遊技球を所定区間に到達させることができないので、特定演出の内容から特定の判別結果となるか否かをより真剣に予測させることができるという効果がある。
遊技機C7又はC8において、前記第1種別決定手段は、前記第1演出とも、前記第2演出とも異なる第3演出を所定の割合で決定可能に構成されているものであり、前記第2種別決定手段は、前記第3演出を決定することが不可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C7又はC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出とも、第2演出とも異なる第3演出が、所定の割合で第1種別決定手段により決定される。第2種別決定手段は、第3演出を決定することが不可能に構成されている。
これにより、第3演出が実行された場合に、その時点で特定の判別結果となったことが確定するので、遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
<特徴D群>(大当たり中の閉鎖期間の長さを可変させることでオーバー入賞の発生し易さを可変させる)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中における前記可変手段の制御方法として、第1制御と、前記可変手段が前記第1位置に可変されるタイミングで前記所定区間を通過中の遊技球が前記第1制御よりも多くなり易い第2制御と、を少なくとも含む複数の制御方法の中から1の制御方法を決定する制御方法決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、ラウンド数が同一であっても各ラウンドにおける大開放口の開放パターンを異ならせることで、各ラウンドにおいて入賞可能な遊技球の個数を異ならせ、有利度合いに差を設けているものもある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる賞球数が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機D1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定流路に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技の実行中における可変手段の制御方法として、第1制御と、可変手段が第1位置に可変されるタイミングで所定区間を通過中の遊技球が第1制御よりも多くなり易い第2制御と、を少なくとも含む複数の制御方法の中から1の制御方法が制御方法決定手段によって決定される。
これにより、判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、第2制御で可変手段が制御されることに期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第2制御は、1の前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間が、前記第1制御で制御される場合よりも長くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2制御は、1の可変遊技において可変手段が第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間が、第1制御で制御される場合よりも長くなるように構成されているので、第2制御の方が、所定区間に遊技球をより多く到達させることができる。よって、第2制御で可変手段が制御されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段を備え、前記第1制御は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間となるように制御するものであり、前記第2制御は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が前記第1期間よりも長い第2期間となるように制御するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。第1制御では、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間となるように制御される。第2制御では、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間よりも長い第2期間となるように制御される。
これにより、識別情報の動的表示が終了した後で遊技球を特定流路に向けて発射し続けた場合に、第2制御の方がより多くの遊技球を所定区間に到達させることができるので、可変手段が第1位置に可変された場合により多くの遊技球を特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記可変手段が前記第1位置に可変されている間に、前記特定領域へと第1個数以上の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置へと可変するように制御する可変制御手段を備え、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されている間に、特定領域へと第1個数以上の遊技球が入球したことに基づいて、可変制御手段により可変手段が第2位置へと可変するように制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数以上の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数が、第1個数を上回る個数になってから可変手段が第1位置に可変されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を遊技領域へと所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段と、を備え、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、遊技球を遊技領域へと所定間隔以上の時間間隔で発射手段により発射される。所定区間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させる。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第2制御は、1の前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間である特定期間が、前記発射手段により発射された少なくとも前記第1個数以上の遊技球を前記所定区間に到達させることが可能な長さの期間となるように制御するものであり、前記第1制御は、前記特定期間が、前記発射手段により発射された遊技球を前記所定区間に前記第1個数以上到達させることが困難な長さの期間となるように制御するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2制御では、1の可変遊技において可変手段が第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間である特定期間が、発射手段により発射された少なくとも第1個数以上の遊技球を所定区間に到達させることが可能な長さとなるように制御される。第1制御では、特定期間が、発射手段により発射された遊技球を所定区間に第1個数以上到達させることが困難な長さの期間となるように制御される。
これにより、第2制御で可変手段が制御された場合に、特定期間の間に遊技球を発射し続けることで第1個数以上の遊技球を特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6の奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、可変手段が第1位置に可変された場合に特定領域に誘導される遊技球をより多くすることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記減速手段は、つづら折り状の流路で構成されているものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、減速手段が、つづら折り状の流路で構成されているので、所定区間において遊技球の流下する方向を複数回変更することができる。よって、遊技球の速度をより確実に減速させることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記減速手段は、遊技球と前記所定区間との動摩擦力を、前記特定流路における他の箇所よりも高くするものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、遊技球と所定区間との動摩擦力が、減速手段により特定流路における他の箇所よりも高くされるので、所定区間における遊技球の流下速度をより確実に減速させることができるという効果がある。
<特徴E群>(大当たりが開始された場合の有利度合いを示唆する演出)
演出態様を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、特定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となってから前記特定条件が成立するまでの間の所定期間において、前記特典遊技の実行が開始された場合の有利度合いを遊技者に示唆する示唆演出を、前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
遊技機E1によれば、演出態様が表示手段に表示される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、特定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特定の判別結果となってから特定条件が成立するまでの間の所定期間において、特典遊技の実行が開始された場合の有利度合いを遊技者に示唆する示唆演出が、示唆演出実行手段により表示手段において実行される。
これにより、示唆演出に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球手段と、を備え、前記特定条件は、前記入球手段へと遊技球が入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、発射手段により遊技球が発射される。発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球した場合に、特定条件が成立する。
これにより、示唆演出によって示唆される内容に応じて、遊技球を発射させるタイミングを調節させることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置に所定回数可変させるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定流路に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。特定条件が成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により、可変手段が第2位置から第1位置に所定回数可変される。
これにより、特定条件が成立するタイミングで所定区間を通過中の遊技球の個数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記特典遊技の実行中に、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置から前記第2位置へと可変するように制御する可変制御手段を備え、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に、可変手段が第1位置に可変されてから特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変手段が第1位置から第2位置へと可変するように可変制御手段によって制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が動じに流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件が成立することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段と、を備え、前記所定区間は、前記特定流路へ向けて前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、発射手段により遊技球が所定間隔以上の時間間隔で発射される。所定区間は、特定流路へ向けて所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能なるように遊技球を流下させる。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記所定区間を通過中の遊技球の個数を判別する個数判別手段を備え、前記示唆演出実行手段は、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を前記示唆演出として実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過中の遊技球の個数が個数判別手段によって判別される。個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、示唆演出実行手段によって示唆演出として実行される。
これにより、示唆演出の内容により、特定条件が成立した場合に特定領域に誘導される遊技球の個数を容易に遊技者に理解させることができるので、より多い個数が示唆されている間に特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記示唆演出の実行中において、所定期間毎に、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数に応じて前記示唆演出の演出態様を更新する演出態様更新手段と、その演出態様更新手段によって前記示唆演出の演出態様を更新する際に、前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致しているかを所定期間毎に判別する一致判別手段と、その一致判別手段により前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致していると判別された場合に、前記演出態様更新手段により前記演出態様が更新されることを回避する更新回避手段と、を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出の実行中において、所定期間毎に、個数判別手段により判別された遊技球の個数に応じて示唆演出の演出態様が演出態様更新手段によって更新される。演出態様更新手段によって示唆演出の演出態様が更新される際に、示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致しているかが一致判別手段により所定期間毎に判別される。一致判別手段により、示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが一致していると判別された場合に、演出更新手段により演出態様が更新されることが更新回避手段によって回避される。
これにより、演出態様が更新される頻度を低減させることができるので、演出態様の更新に要する処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機E6又はE7において、前記所定区間は、遊技球の通過を検出可能な複数の通過検出手段が、複数箇所に配置されているものであり、前記個数判別手段は、前記複数の通過検出手段のうち、遊技球の通過を検出している前記通過検出手段の数を、前記所定区間を通過中の遊技球の個数として判別するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E6又はE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球の通過を検出可能な複数の通過検出手段が、所定区間における複数箇所に配置されている。複数の通過検出手段のうち、遊技球の通過を検出している通過検出手段の数が、個数判別手段によって所定区間を通過中の遊技球の個数として判別される。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を正確に判別することができるという効果がある。
<特徴F群>(右打ちを行った場合に有利となるかどうかの期待度を示す演出)
第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射した場合に遊技者に有利となる有利状態を設定する有利状態設定手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段による判別結果を示す前記識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報の動的表示が実行されている間に、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に有利な遊技状態が発生するか否かの期待度を示唆する特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
遊技機F1によれば、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射した場合に遊技者に有利となる有利状態が、有利状態設定手段によって設定される。判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により表示手段において実行される。動的表示実行手段により識別情報の動的表示が実行されている間に、第2方向へと遊技球を発射した場合に有利な遊技状態が発生するか否かの期待度を示唆する特定演出が、特定演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出の示唆内容によって第2方向へと遊技球を発射した方が良いかどうかを遊技者に判断させることができるので、特定演出に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記有利状態は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中における特定期間の間に前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記第2方向への遊技球の発射を開始するよりも遊技者にとって有利となり易いものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出を実行する場合は、前記特定期間の少なくとも一部が含まれる演出期間で前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態になると、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中における特定期間の間に第2方向への遊技球の発射を開始した方が、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから第2方向への遊技球の発射を開始するよりも遊技者にとって有利となり易くなる。特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中に特定演出を実行する場合は、特定期間の少なくとも一部が含まれる演出期間で、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出の示唆内容から、特定演出の演出期間の間に第2方向へと遊技球を発射開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。よって、特定演出の示唆内容により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記有利状態は、前記特定期間の間において、より早く前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、遊技者にとってより有利となり易くなるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、有利状態では、特定期間の間において、より早く第2方向への遊技球の発射を開始した方が、遊技者にとってより有利となり易くなるので、特定演出が実行された場合に、なるべく早く第2方向へと遊技球を発射するかどうか判断しようと遊技者に思わせることができる。よって、特定演出の実行中に、遊技により緊張感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が高くなる第1特定演出と、その第1特定演出よりも前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が低くなる第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する演出種別決定手段を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかにおいて、特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が高くなる第1特定演出と、その第1特定演出よりも特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が低くなる第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が演出種別決定手段によって決定されるので、特定演出の演出種別から、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示であるか否かを遊技者に推測させることができる。よって、遊技者に対して特定演出の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記第2方向へと発射された遊技球が流入可能な位置に設けられた特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記有利状態設定手段は、前記有利状態として、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと特定条件が成立するまで可変させる制御を1又は複数回実行するものであり、前記有利状態は、前記特定期間の間に前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記第2方向への遊技球の発射を開始するよりも、前記特定条件が成立するまでに前記特定領域に誘導される遊技球が多くなり易くなるものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。第2方向へと発射された遊技球が流入可能な位置に設けられた特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。有利状態として、可変手段を第2位置から第1位置へと特定条件が成立するまで可変させる制御が、有利状態設定手段により1又は複数回実行される。有利状態では、特定期間の間に第2方向への遊技球の発射を開始した方が、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから第2方向への遊技球の発射を開始するよりも、特定条件が成立するまでに特定領域に誘導される遊技球が多くなり易くなる。
これにより、所定の特典をより多く得たいと考える遊技者に対して、特定演出の示唆内容から第2方向への遊技球の発射を開始するか否かをより真剣に判断させることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記特定条件は、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記特定領域へと入球した遊技球の個数が第1個数になった場合に成立するものであり、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が少なくとも同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されてから特定領域へと入球した遊技球の個数が第1個数になった場合に特定条件が成立するように構成されている。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第2個数よりも多い第2個数の遊技球が少なくとも同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数が、第1個数を上回る個数になった状態で所定区間が第1位置に可変されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F6において、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段を備え、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間へと1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が発射手段によって所定間隔以上の時間間隔で発射される。所定区間は、所定区間へと1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように構成されている。
これにより、特定演出の示唆内容から特定の判別結果を示す識別情報の動的表示であると判断した遊技者に対して、遊技球を最短の間隔である所定間隔で第2方向に発射させることができるという効果がある。
遊技機F7において、前記特定期間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、少なくとも前記第2個数の遊技球を発射可能な長さの期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、特定期間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、少なくとも第2個数の遊技球を発射可能な長さの期間で構成されているので、特定期間の間に遊技球を第2方向へと発射することで、第2個数の遊技球を所定区間に到達させることができる可能性があるため、第2の方向へと遊技球を発射するかどうかをより真剣に判断させることができるという効果がある。
遊技機F7又はF8において、前記有利状態設定手段により設定される有利状態として、第1有利状態と、その第1有利状態よりも前記有利状態に移行してから前記可変手段が前記第2位置に可変されるまでの間の期間が長い第2有利状態と、を少なくとも含む複数の状態の中から1の状態を決定する状態決定手段を備えるものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F7又はF8の奏する効果に加え、有利状態設定手段により設定される有利状態として、第1有利状態と、その第1有利状態よりも有利状態に移行してから可変手段が第2位置に可変されるまでの間の期間が長い第2有利状態と、を少なくとも含む複数の状態の中から、状態決定手段により1の状態が決定される。
これにより、第2有利状態の方が、可変手段が第2位置に可変されるまでに発射できる遊技球の個数が多くなるので、より多くの遊技球が特定領域に誘導され易くなる。よって、第2有利状態が決定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F9において、前記第1有利状態は、前記有利状態に移行してから前記可変手段が前記第2位置に可変されるまでの間の期間として、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、前記第1個数を超える個数の遊技球を発射することが不可能な長さの期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、第1有利状態では、有利状態に移行してから可変手段が第2位置に可変されるまでの間の期間として、第23方向へと所定感覚で連続して遊技球が発射された場合に、第1個数を超える個数の遊技球を発射することが不可能な長さの期間が設定されるので、第1有利状態が決定された場合に、より多くの所定の特典を得たいと考える遊技者に対して、特定期間の間に遊技球を第2方向へと発射させることができるという効果がある。
<特徴G群>(オーバー入賞を狙える大当たりと、オーバー入賞を狙えない大当たりとを遊技者に選択させる)
遊技球が通過可能な第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域への遊技球の通過を検出可能な第1検出手段と、前記第2領域への遊技球の通過を検出可能な第2検出手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、前記第1検出手段、または前記第2検出手段により遊技球の通過が検出されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、遊技球が入球可能な第1特定領域と、その第1特定領域とは異なる第2特定領域と、前記第1特定領域、または前記第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記第1特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記第1特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な第1可変手段と、前記第2特定領域へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球の入球が困難になる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記第1検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される第1特典遊技を決定し、前記第2検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置へと所定回数可変される第2特典遊技を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選結果が当たりになっただけでは当たり状態が開始されず、遊技盤に設けられた複数の作動入賞口のいずれかに入賞した場合に当たり状態が開始されるものも存在する。この従来型の遊技機では、遊技者が入賞させた作動入賞口の種別に応じて異なる種別の当たり遊技が開始される構成としている。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり種別が決定された時点で、当たり中に得られる遊技価値の量は、当たり種別に応じたほぼ一定の量となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機G1によれば、遊技球が入球可能な第1特定領域と、その第1特定領域とは異なる第2特定領域とが設けられている。第1特定領域、または第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも第1特定領域に誘導され易くなる第1位置と、第1特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに、第1可変手段が可変可能に構成されている。第2特定領域へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球の入球が困難になる第4位置とに、第2可変手段が可変可能に構成されている。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、第1検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、第1可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される第1特典遊技が、種別決定手段によって決定される。一方、第2検出手段により遊技球の通過が検出された場合には、第2可変手段が第4位置から第3位置へと所定回数可変される第2特典遊技が、種別決定手段によって決定される。
これにより、第1領域を遊技球が通過するか、第2領域を遊技球が通過するかに応じて特典遊技の種別を異ならせることができるので、遊技球が通過する領域に注目させることができるという効果がある。
遊技機G1において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を通過した遊技球を前記第1領域と、前記第2領域とのどちらかに振り分けることが可能な振分手段を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通過手段を通過した遊技球が、振分手段によって第1領域と、第2領域とのどちらかに振り分けられるので、振分手段により振り分けられる領域に応じて特典遊技の種別が可変する。よって、振り分けられる領域に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G2において、少なくとも判別手段による判別で特定の判別結果となってから、前記特典遊技の実行が開始されるまでの間に、前記振分手段の状態を、前記第1領域へと遊技球が振り分けられる第1振分状態と、前記第2領域へと遊技球が振り分けられる第2振分状態とに所定周期で切り替える振分状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、少なくとも判別手段による判別で特定の判別結果となってから、特典遊技の実行が開始されるまでの間に、振分手段の状態が、第1領域へと遊技球が振り分けられる第1振分状態と、第2領域へと遊技球が振り分けられる第2振分状態とに、状態切替手段によって所定周期で切り替えられるので、振分手段の振分状態を確認して、通過手段を通過させることにより、遊技者の好みの特典遊技の種別を決定させることができるという効果がある。
遊技機G3において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記振分手段の振分状態を示唆する振分状態示唆演出を前記表示手段において実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、振分手段の振分状態を示唆する振分状態示唆演出が、演出実行手段によって表示手段において実行されるので、表示手段を確認するだけで、遊技者の好みの特典遊技が決定されるタイミングを容易に認識することができるという効果がある。
遊技機G4において、前記演出実行手段は、前記振分状態切替手段によって前記第1振分状態に切り替えられたことに基づいて、前記第1振分状態を示唆する第1振分状態示唆演出を実行する第1示唆演出実行手段と、前記振分状態切替手段によって前記第2振分状態に切り替えられたことに基づいて、前記第2振分状態を示唆する第2振分状態示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、第1領域を遊技球が通過した場合の有利度合いを判別可能な有利判別手段、を備え、前記第1示唆演出実行手段は、前記第1振分状態示唆演出において、前記有利判別手段により判別された有利度合いを示唆可能なものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段において、振分状態切替手段によって第1振分状態に切り替えられたことに基づいて、第1示唆演出実行手段により第1振分状態を示唆する第1振分状態示唆演出が実行される一方で、第2振分状態に切り替えられたことに基づいて、第2振分状態を示唆する第2振分状態示唆演出が実行される。第1領域を遊技球が通過した場合の有利度合いが、有利判別手段により判別される。第1振分状態示唆演出において、有利判別手段により判別された有利度合いが第1示唆演出実行手段によって示唆される。
これにより、第1示唆演出において示唆された有利度合いに応じて第1領域を通過させるタイミングを計らせることができるという効果がある。
遊技機G5において、前記有利判別手段は、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別するものであり、前記第1示唆演出実行手段は、前記有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を、前記第1振分状態示唆演出において示唆可能なものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が有利判別手段によって判別される。有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、第1振分状態示唆演出において、第1示唆演出実行手段により示唆される。
これにより、第1示唆演出を確認することで、第1領域を通過させた場合に第1特定領域へと誘導される遊技球の個数を容易に理解することができるという効果がある。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記第1特典遊技において最初に前記第1可変手段が前記第1位置に可変されてから前記第1特定領域に入球した遊技球が第1個数以上になったことに基づいて、前記第1可変手段を前記第2位置に可変させるものであり、前記所定区間は、前記第1可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技において最初に第1可変手段が第1位置に可変されてから第1特定領域に入球した遊技球が第1個数以上になったことに基づいて、第1可変手段が特典遊技実行手段によって第2位置に可変される。所定区間は、第1可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから第1領域を通過させようと工夫して遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G7において、前記特典遊技実行手段は、前記第2特典遊技において最初に前記第2可変手段が前記第3位置に可変されてから前記第2特定領域に入球した遊技球が、前記第1個数よりも多く、且つ、前記第2個数よりも少ない第3個数以上になったことに基づいて、前記第2可変手段を前記第4位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、第2特典遊技において最初に第2可変手段が第3位置に可変されてから第2特定領域に入球した遊技球が、第1個数よりも多く、且つ、第2個数よりも少ない第3個数以上になったことに基づいて、第2可変手段が特典遊技実行手段によって第4位置に可変されるので、第2領域を通過させると、第1個数よりは多い第3個数の遊技球を安定して第2特定領域に入球させることができる。よって、第2特典遊技の実行中に、安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴H群>(遊技者が操作した履歴に応じて選択メニューの順番を組み替える)
画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、第1条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させる連動画像表示手段と、その連動画像表示手段によって前記連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、前記表示手段に表示されている前記連動画像の態様に応じた種別の演出を実行する演出実行手段と、前記第1条件が成立した場合に前記連動画像表示手段により最初に表示される前記連動画像の態様として、複数の態様の中から1の態様を決定する態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機H1によれば、第1条件の成立に基づいて、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。連動画像表示手段によって連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、表示手段に表示されている連動画像の態様に応じた種別の演出が演出実行手段によって実行される。第1条件が成立した場合に連動画像表示手段により最初に表示される連動画像の態様として、複数の態様の中から1の態様が態様決定手段によって決定される。
これにより、第1条件が成立した場合に、最初に表示される連動画像の態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記態様決定手段は、前記演出実行手段により前回実行された演出の種別に少なくとも応じて1の態様を決定するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、演出実行手段により前回実行された演出の種別に少なくとも応じて態様決定手段により1の態様が態様決定手段によって決定されるので、連動画像の態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機H1又はH2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段を備え、前記連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されているものであり、前記演出実行手段は、前記連動画像の態様に対応する楽曲の音声データを、前記演出として前記音声データ再生手段に再生させるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段によって音声データが再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されている。連動画像の態様に対応する楽曲の音声データが、演出実行手段により、演出として音声データ再生手段に再生させられる。
これにより、視覚的な演出と、聴覚的な演出とを複合させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記態様決定手段は、前記連動画像の態様として、前記演出の種別に応じた情報を示す複数の演出対応画像のうち、1の前記演出対応画像が特定の態様で表示された態様を決定するものであり、前記連動画像表示手段は、前記操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で前記特定の態様で表示される演出対応画像を可変させるものであり、前記演出実行手段は、前記特定の態様で表示されている前記演出対応画像に示されている情報に応じた種別の演出を、前記第2条件が成立したことに基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連動画像の態様として、演出の種別に応じた情報を示す複数の演出対応画像のうち、1の演出対応画像が特定の態様で表示された態様が態様決定手段により決定される。操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、特定の態様で表示される演出対応画像が連動画像表示手段によって所定の順序で可変される。特定の態様で表示されている演出対応画像に示される情報に応じた種別の演出が、演出実行手段によって第2条件が成立したことに基づいて実行される。
これにより、特定の態様で表示されている演出対応画像に示されている情報を確認するだけで、演出実行手段によって実行される演出の種別を容易に遊技者が理解することができるので、遊技者の好みの種別の演出に対応する演出対応画像が特定の態様で表示されるように、操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記態様決定手段は、特定の態様で表示させる1の前記演出対応画像と、前記第1の操作内容の操作が繰り返された場合に前記特定の態様に可変される前記演出対応画像の順序とを少なくとも決定するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、特定の態様で表示させる1の演出対応画像と、第1の操作内容の操作が繰り返された場合に特定の態様に可変される演出対応画像の順序とが、少なくとも態様決定手段によって決定されるので、特定の態様に可変される演出対応画像の順序を予め決定しておくことができる。よって、実際に操作手段が操作された場合に、特定の態様で表示させる演出対応画像をより早期に特定することができるという効果がある。
遊技機H5において、前記演出実行手段により実行された演出の実行回数を、演出の種別毎にカウントするカウント手段を備え、前記態様決定手段は、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が予め定められている特定条件を満たした回数になっている種別の演出に対応する演出対応画像の順序を、特定回数以下の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変される順序に決定するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により実行された演出の実行回数が、演出の種別毎にカウント手段によってカウントされる。カウント手段によりカウントされた実行回数が予め定められている特定条件を満たした回数になっている種別の演出に対応する演出対応画像の順序が、態様決定手段により特定回数以下の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定される。
これにより、特定条件を満たした実行回数の種別の演出を特定回数以下の操作回数で特定の態様に可変させることができるので、特定条件を満たした実行回数の種別の演出を選択し易くすることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記態様決定手段は、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が多い順に第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序を、前記特定回数以下の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変される順序に決定するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、カウント手段によりカウントされた実行回数が多い順に第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序が、態様決定手段により特定回数以下の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるので、これまでに特定の態様に可変された回数が比較的多く、今回も遊技者が特定の態様に可変させたいと考えている可能性が高い演出対応画像を、少ない操作回数で特定の態様に可変させることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H7において、前記態様決定手段は、前記第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序を、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が多いほど、前記特定の態様に可変されるまでの前記第1の操作内容の操作の回数が少なくなるように決定するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序が、カウント手段によりカウントされた実行回数が多いほど、特定の態様に可変されるまでの第1の操作内容の操作の回数が少なくなるように態様決定手段によって決定されるので、遊技者が特定の態様に可変させたいと考えている可能性がより高い演出対応画像を、より少ない操作回数で特定の態様に可変させることができるので、遊技者の利便性をより向上させることができるといく効果がある。
遊技機H6からH8のいずれかにおいて、前記第1条件が成立してから、所定期間以内に前記第1の操作内容の操作が実行された場合に、前記第1条件が成立してから最初に表示された連動画像において特定の態様で表示されていた前記演出対応画像の順序を、少なくとも次回の前記態様決定手段による決定において、第2回数以上の前記第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるように設定する設定手段を備えることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H6からH8のいずれかにおいて、第1条件が成立してから所定期間以内に第1の操作内容の操作が実行された場合に、第1条件が成立してから最初に表示された連動画像において特定の態様で表示されていた演出対応画像の順序が、少なくとも次回の態様決定手段による決定において、第2回数以上の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるように、設定手段によって設定される。所定期間以内に特定の態様から可変された演出対応画像については、次回、連動画像が表示された場合においても、遊技者が特定の態様に可変させたいと思う可能性が低いと考えられるので、そのような演出対応画像を比較的多い第2回数以上の操作回数で特定の態様に可変される順序に設定することにより、遊技者が特定の態様に可変させたいと考える可能性が高い演出対応画像を、比較的少ない操作回数で特定の態様に可変される順序に設定することができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH9のいずれかにおいて、前記第2条件は、前記操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H1からH9のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に第2条件が成立するので、遊技者が操作手段に対して特定の操作内容で操作を行うことにより、その時点で表示されている連動画像の態様に応じた種別の演出を実行させることができる。よって、遊技者の好みの演出を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
<特徴I群>(楽曲が決定された経緯に応じて楽曲の再生位置を可変させる)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる演出として、第1条件の成立に基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択する第1選択手段と、前記演出実行手段に実行させる演出として、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択する第2選択手段と、前記複数の演出のそれぞれに対して設定されている、第1の開始位置と、その第1の開始位置とは異なる第2の開始位置とを少なくとも含む複数の開始位置のうち、前記第1選択手段によって選択された演出の開始位置として前記第1の開始位置を設定し、前記第2選択手段によって選択された演出の開始位置として前記第2の開始位置を設定する開始位置設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として遊技機に予め設定されている複数の楽曲の中から1の楽曲をランダムに選択して再生することが可能なものがある。また、所定期間においてランダムに選択された楽曲を再生することに加え、当該所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技者が所定期間においてランダムに選択された楽曲をあまりよく聴かずに、遊技者の好みの楽曲に変更してしまう場合があり、遊技機に設定されている大半の曲がほとんど再生されない可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機I1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行され、その演出実行手段に実行させる演出として、第1条件の成立に基づいて、第1選択手段によって複数の演出の中から1の演出が選択される。一方、第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、演出実行手段に実行させる演出として、第2選択手段によって複数の演出の中から1の演出が選択される。複数の演出のそれぞれに対して設定されている、第1の開始位置と、その第1の開始位置とは異なる第2の開始位置とを少なくとも含む複数の開始位置のうち、第1選択手段によって選択された演出の開始位置として第1の開始位置が開始位置設定手段によって設定される。一方、第2選択手段によって選択された演出の開始位置として開始位置設定手段によって第2の開始位置が設定される。
これにより、第1選択手段によって選択された演出であるか、第2選択手段によって選択された演出であるかに応じて異なる開始位置から演出を開始させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、前記演出実行手段により実行される演出を選択するための選択期間を設定する選択期間設定手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記選択期間の間に前記操作検出手段により検出された前記操作手段に対する操作内容に応じた態様の演出を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記選択期間設定手段により前記選択期間が設定されたことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段によって検出される。演出実行手段により実行される演出を選択するための選択期間が選択期間設定手段により設定される。選択期間の間に操作検出手段により検出された操作手段に対する操作内容に応じた態様の演出が第1選択手段によって選択される。選択期間設定手段により選択期間が選択されたことに基づいて、複数の演出の中から第2選択手段によって1の演出が選択される。
これにより、遊技者が操作手段に対する操作を行うことによって選択した演出であるか否かによって、演出の開始位置を異ならせることができるので、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機I1又はI2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記演出実行手段は、互いに異なる複数の楽曲のうちいずれかに対応する音声データを、前記演出として前記音声データ再生手段に再生させるものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段によって音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。互いに異なる複数の楽曲のうちいずれかに対応する音声データが、演出実行手段により演出として音声データ再生手段に再生させられる。
これにより、第1選択手段によって選択された楽曲であるか、第2選択手段によって選択された楽曲であるかに応じて楽曲の再生開始位置を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記音声データは、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の楽曲となるデータ群で構成されているものであり、前記開始位置設定手段は、前記第1選択手段によって楽曲が選択された場合に、選択された楽曲に対応する前記データ群を構成する前記複数のデータのうち第1のデータから再生が開始されるように設定し、前記第2選択手段によって楽曲が選択された場合に、前記第1のデータとは異なる第2のデータから再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の楽曲となるデータ群で構成されている。第1選択手段によって楽曲が選択された場合に、選択された楽曲に対応するデータ群を構成する複数のデータのうち、第1のデータから再生が開始されるように開始位置設定手段によって設定される。一方、第2選択手段によって楽曲が選択された場合には、第1のデータとは異なる第2のデータから再生が開始されるように開始位置設定手段によって設定される。
これにより、再生を開始するデータとして、データ群の中から選択手段の種別に対応する1のデータを選択するだけで、楽曲の再生開始位置を異ならせることができるので、再生開始位置を設定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機I4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、前記演出実行手段により実行される楽曲を選択するための選択期間を設定する選択期間設定手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記選択期間の間に前記操作検出手段により検出された前記操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記選択期間設定手段により前記選択期間が選択されたことに基づいて、前記複数の楽曲の中から1の楽曲を選択するものであり、前記第1のデータは、前記特定の順序のうち最初の順序に設定されているデータであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段によって検出される。演出実行手段により実行される楽曲を選択するための選択期間が選択期間設定手段によって設定される。選択期間の間に操作検出手段により検出された操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲が第1選択手段によって選択される。選択期間設定手段により選択期間が選択されたことに基づいて、第2選択手段によって複数の楽曲の中から1の楽曲が選択される。第1のデータが、特定の順序のうち最初の順序に設定されているデータで構成されている。
これにより、遊技者が操作手段を操作することにより選択した楽曲については、楽曲の先頭から再生を開始させることができるので、遊技者が自発的に選択した楽曲を先頭からじっくりと聴かせることができる。よって、楽曲を聴いた遊技者に対して、より大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機I5において、前記第2選択手段は、前記複数の楽曲の中からランダムに1の楽曲を選択するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、複数の楽曲の中から第2選択手段によってランダムに1の楽曲が選択されるので、遊技機に設定されている楽曲を無駄なく再生させることができるという効果がある。
遊技機I5又はI6において、前記第2のデータは、楽曲における最も特徴的なメロディーを少なくとも含んだデータで構成されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I5又はI6の奏する効果に加え、第2のデータが、楽曲における最も特徴的なメロディーを少なくとも含んだデータで構成されているので、選択期間が開始された場合に、第2選択手段によって選択された楽曲のうち、少なくとも最も特徴的なメロディーを聴いてから操作手段に対する操作によって他の楽曲を再生させるかどうか遊技者に判断させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記音声データは、再生することで1の楽曲となる1のデータで構成されているものであり、前記複数の開始位置は、それぞれの楽曲に対応する前記音声データに対して予め設定されている複数の再生位置であることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが、再生することで1の楽曲となる1のデータで構成されている。複数の開始位置が、それぞれの楽曲に対応する音声データに対して予め設定されている複数の再生位置で構成されている。
これにより、音声データを最も単純な形式にすることができるという効果がある。
<特徴J群>(遊技の進行状況に応じて再生中の楽曲のデータを組み替える)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる1の演出を、前記複数の演出の中から決定する演出決定手段と、前記演出実行手段により1の演出を実行するために用られ、複数のデータで構成された演出データ群を、前記複数の演出の種別毎に記憶した演出データ群記憶手段と、その演出データ群記憶手段から、前記演出決定手段によって決定された演出の種別に対応する演出データ群を選択する演出データ群選択手段と、その演出データ群選択手段によって選択された前記演出データ群を構成する前記複数のデータが、予め定められた特定の順序で前記演出実行手段によって用いられるように設定するデータ設定手段と、遊技の進行状況に応じて、前記複数のデータが用いられる順序を前記特定の順序とは異なる順序に可変させることが可能な順序可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲において最も特徴的な部分であるサビ部分のパートが再生されるよりも前に所定期間が終了してしまい、楽曲の再生が終了されてしまう可能性があった。このため、サビ部分を聴くことができなかった遊技者に対して、不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機J1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。演出実行手段に実行させる1の演出が、演出決定手段によって複数の演出の中から決定される。演出実行手段により1の演出を実行するために用いられ、複数のデータで構成された演出データ群が、演出データ記憶手段によって複数の演出の種別毎に記憶されている。演出決定手段によって決定された演出の種別に対応する演出データ群が、演出データ群選択手段により演出データ群記憶手段から選択される。演出データ群選択手段によって選択された演出データ群を構成する複数のデータが、予め定められた特定の順序で演出実行手段によって用いられるようにデータ設定手段により設定される。遊技の進行状況に応じて、複数のデータが用いられる順序が、順序可変手段によって特定の順序とは異なる順序に可変される。
これにより、演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機J1において、前記データ設定手段は、前記特定の順序における最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したことに基づいて、前記特定の順序における最初の順序のデータが前記演出実行手段によって用いられるように設定するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特定の順序における最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したことに基づいて、特定の順序における最初の順序のデータが演出実行手段によって用いられるようにデータ設定手段によって設定されるので、演出実行手段によって1の演出の実行が終了した場合に、演出の最初から再度、演出を実行することができる。よって、最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したとしても、無演出の期間となってしまうことを防止できるので遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1又はJ2において、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に前記複数の演出のうちいずれかを実行するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技の実行中に、演出実行手段により複数の演出のうちいずれかが実行される。
これにより、特典遊技の実行中において、演出を好適に実行できるという効果がある。
遊技機J3において、前記複数の演出の種別毎に設けられている前記演出データ群は、演出の種別毎に設定されている特定の演出態様に対応する第1のデータと、その第1のデータとは異なる第2のデータとで少なくとも構成されているものであり、前記順序可変手段は、前記特典遊技が終了するまでの間に前記第1のデータが少なくとも1回前記演出実行手段によって用いられるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の演出の種別毎に設けられている演出データ群が、演出の種別毎に設定されている特定の演出態様に対応する第1のデータと、その第1のデータとは異なる第2のデータとで少なくとも構成されている。特典遊技が終了するまでの間に第1のデータが少なくとも1回、演出実行手段によって用いられるように、順序可変手段により複数のデータが用いられる順序が可変される。
これにより、特典遊技の実行中に、少なくとも1回、特定の演出態様を実行することができるという効果がある。
遊技機J4において、前記順序可変手段は、前記特典遊技における予め定められている特定期間において、前記第1のデータが前記演出実行手段によって用いられている状態となるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、特典遊技における予め定められている特定期間において、第1のデータが演出実行手段によって用いられている状態となるように、複数のデータが用いられる順序が順序可変手段によって可変されるので、特定期間になることを楽しみの一つとして特典遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された前記音声データに応じた音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記演出実行手段は、予め定められている複数の楽曲のうちいずれかを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであり、前記演出データ群は、1の楽曲を再生するための複数の音声データで構成されているものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J1からJ5のいずれかが奏する効果に加え、音声データ再生手段により音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに応じた音声が音声出力手段によって出力される。予め定められている複数の楽曲のうちいずれかが演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられる。演出データ群が、1の楽曲を再生するための複数の音声データで構成されている。
これにより、楽曲の再生による聴覚的な演出を実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J6において、前記演出データ群は、1の楽曲を構成するパート単位の音声データで構成されているものであることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、演出データ群が、1の楽曲を構成するパート単位の音声データで構成されているので、順序可変手段によって前記複数のデータが用いられる順序を可変させたとしても違和感の少ない音声態様の推移にすることができるという効果がある。
遊技機J7において、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に前記複数の楽曲のうちいずれかを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであり、前記複数の楽曲の種別毎に設けられている前記演出データ群は、楽曲の種別毎に設定されている特定のパートを再生するための第1のデータと、前記特定のパートとは異なるパートを再生するための第2のデータとで少なくとも構成されているものであり、前記順序可変手段は、前記特典遊技が終了するまでの間に前記第1のデータが少なくとも1回前記演出実行手段によって用いられるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技の実行中に複数の楽曲のうちいずれかが演出実行手段によって音声データ再生手段に対して再生させられる。複数の楽曲の種別毎に設けられている演出データ群が、楽曲の種別毎に設定されている特定のパートを再生するための第1のデータと、特定のパートとは異なるパートを再生するための第2のデータとで少なくとも構成されている。特典遊技が終了するまでの間に第1のデータが少なくとも1回、演出実行手段によって用いられるように、複数のデータが用いられる順序が順序可変手段によって可変される。
これにより、特典遊技が終了するまでの間に、少なくとも1回特定のパートを再生することができるので、特定のパートを楽しみに楽曲を聴いていた遊技者を満足させることができるという効果がある。
遊技機J8において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記演出決定手段は、前記複数の楽曲の中から前記操作手段に対する操作内容に応じて1の楽曲を決定するものであることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、複数の楽曲の中から、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じて、演出決定手段により1の楽曲が決定されるので、遊技者が自発的に選択した楽曲における特定のパートを、特典遊技が終了するまでの間に少なくとも1回再生することができるという効果がある。
<特徴K群>(楽曲の再生を終了させる場合に、区切りの再生位置まで再生してから終了させる)
所定の実行条件の成立に基づいて第1の演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により前記第1の演出が実行されている間に予め定められた第1の条件が成立したことに基づいて、前記演出実行手段により実行されている前記第1の演出の進行状況を判別する進行状況判別手段と、その進行状況判別手段により判別された前記進行状況が予め定められた第2の条件を満たす場合に、前記第1の演出とは異なる第2の演出を実行する第2演出実行手段と、前記進行状況判別手段により判別された前記進行状況が前記第2の条件を満たしていない場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲において最も特徴的な部分であるサビ部分のパートの再生中に所定期間が終了してしまい、サビ部分が中途半端で打ち切られてしまう可能性があった。このため、サビ部分を十分に聴くことができなかった遊技者に対して、不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて第1演出実行手段により第1の演出が実行され、その第1演出実行手段により第1の演出が実行されている間に予め定められた第1の条件が成立したことに基づいて、演出実行手段により実行されている第1の演出の進行状況が進行状況判別手段によって判別される。進行状況判別手段により判別された進行状況が予め定められた第2の条件を満たす場合に、第1の演出とは異なる第2の演出が第2演出実行手段により実行される。進行状況判別手段により判別された進行状況が第2の条件を満たしていな場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段によって抑制される。
これにより、第1の演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記抑制手段は、前記進行状況が前記第2の条件を満たすまで少なくとも前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、進行状況が第2の条件を満たすまで少なくとも第2の演出が実行されることが抑制手段によって抑制されるので、第1の演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機K2において、前記抑制手段によって前記第2の演出の実行が抑制されている期間が予め定めた第1期間以上となったことに基づいて、前記進行状況が前記第2の条件を満たすか否かとは無関係に前記第2演出実行手段によって前記第2の演出の実行が開始されるように制御する実行制御手段を備えることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、抑制手段によって第2の演出の実行が抑制されている期間が予め定めた第1期間以上となったことに基づいて、進行状況が第2の条件を満たすか否かとは無関係に、第2演出手段によって第2の演出の実行が開始されるように実行制御手段によって制御されるので、第2演出の実行が抑制されている期間が長くなりすぎて、第2演出を実行するための期間が過剰に短くなってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1演出実行手段は、前記可変遊技が開始されたことに基づいて前記第1の演出を実行するものであり、前記第2演出実行手段は、1の前記可変遊技における最後の前記第1状態への可変が終了してから、予め定めた第2期間が経過するまでの間の期間で前記第2の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変入球手段が可変可能に構成されている。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変入球手段が第2状態から第1状態に所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技が開始されたことに基づいて第1演出実行手段により第1の演出が実行される。1の可変遊技における最後の第1状態への可変が終了してから、予め定めた第2期間が経過するまでの間の期間で第2演出実行手段により第2の演出が実行される。
これにより、所定回数の第1状態への可変が実行されている間に実行されていた第1の演出が、第2の演出の開始によって中途半端で打ち切られてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機K4において、前記第1の演出は、演出期間の中に、特定の演出態様が実行される特定演出期間を少なくとも含んで構成されているものであり、前記抑制手段は、前記進行状況判別手段により前記特定演出期間であると判別された場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の演出の演出期間の中には、特定の演出態様が実行される特定演出期間が少なくとも含まれている。進行状況判別手段により特定演出期間であると判別された場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段により抑制される。
これにより、特定の演出態様をより長く実行することができるという効果がある。
遊技機K4又はK5において、前記抑制手段によって前記第2の演出の実行が抑制される期間を判別する期間判別手段と、その期間判別手段によって判別された期間に基づいて、前記第2の演出として実行可能な複数の演出態様の中から前記第2期間が経過するまでの間に終了する1の演出態様を選択する第2演出態様選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K4又はK5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抑制手段によって第2の演出の実行が抑制される期間が期間判別手段により判別される。期間判別手段によって判別された期間に基づいて、第2の演出として実行可能な複数の演出態様の中から第2期間が経過するまでの間に終了する1の演出態様が第2演出態様選択手段によって選択される。
これにより、第2期間が経過するまでの間に第2の演出を確実に終了させることができるという効果がある。
遊技機K1からK6のいずれかにおいて、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された前記音声データに応じた音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記第1演出実行手段は、所定の楽曲を前記音声データ再生手段に対して再生させることにより前記第1演出を実行するものであり、前記抑制手段は、前記進行状況判別手段により前記所定の楽曲における特定の再生範囲を再生中であると判別された場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K1からK6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段により音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに応じた音声が音声出力手段により出力される。所定の楽曲を音声データ再生手段に対して再生させることにより、第1演出実行手段によって第1演出が実行される。進行状況判別手段により所定の楽曲における特定の再生範囲を再生中であると判別された場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段により抑制される。
これにより、楽曲における特定の再生範囲を再生中に第2の演出が実行され、特定の再生範囲の再生が打ち切られることを抑制できるので、特定の再生範囲を聴きたいと希望する遊技者を満足させることができるという効果がある。
遊技機K7において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第1演出実行手段は、予め定められている複数の楽曲の中から、前記操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲を前記音声データ再生手段に対して再生させるものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、予め定められている複数の楽曲の中から、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲が第1演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられるので、遊技者が自発的に選択した楽曲における特定の再生範囲をより長く再生させることができる。よって、楽曲を選択した遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機K7又はK8において、前記特定の再生範囲は、楽曲におけるサビ部分の少なくとも一部を含んで構成されているものであることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K7又はK8の奏する効果に加え、特定の再生範囲が、楽曲におけるサビ部分の少なくとも一部を含んで構成されているので、楽曲において一般的に最も盛り上がるパートであるサビ部分をより長く再生することができる。よって、遊技者を満足させることができるという効果がある。
<特徴L群>(ランダムセレクトでのみ選択され得る楽曲を設ける)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる演出として、予め定められた特定条件が成立している状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択可能な第1選択手段と、前記演出実行手段に実行させる演出として、前記特定条件が成立していない状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出を選択可能な第2選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、遊技機に予め設定されている複数の楽曲の中から1の楽曲を遊技者に選択させ、遊技者に選択された楽曲を聴覚的な演出の一種として再生することが可能に構成されたものが存在する。また、遊技者が選択可能な選択肢の中には、再生させる楽曲名を示す項目に加え、楽曲がランダムに決定されることを示す項目も含まれているものがあり、多様な遊技者のニーズに最大限応えられる構成としている。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲がランダムに決定されるメリットが少ないため、大半の遊技者が自己の好みの楽曲を選択してしまい、楽曲がランダムに決定される項目の選択頻度が低くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機L1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。演出実行手段に実行させる演出として、予め定められた特定条件が成立している状態で実行条件が成立したことに基づいて、第1選択手段により複数の演出の中から1の演出が選択される。一方、演出実行手段に実行させる演出として、特定条件が成立していない状態で実行条件が成立したことに基づいて、複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から第2選択手段により1の演出が選択される。
これにより、特定条件が成立しているか否かに応じて、特定の演出が実行されるか否かを可変させることができるので、特定条件が成立しているか否かに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1において、画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、所定の表示条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させる連動画像表示手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記特定条件として、前記表示手段に特定の態様の前記連動画像が表示されている状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記表示手段に前記特定の態様とは異なる態様の前記連動画像が表示されている状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記連動画像の態様に対応する演出を選択するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の表示条件の成立に基づいて、操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。特定条件として、表示手段に特定の態様の連動画像が表示されている状態で実行条件が成立したことに基づいて、複数の演出の中から1の演出が第1選択手段により選択される。表示手段に特定の態様とは異なる態様の連動画像が表示されている状態で実行条件が成立したことに基づいて、連動画像の態様に対応する演出が第2選択手段により選択される。
これにより、第1選択手段に演出を選択させるか、第2選択手段に演出を選択させるかを、操作手段を操作することにより遊技者に選択させることができるので、遊技者毎の好みに合った演出の選択方法を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
遊技機L2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されているものであり、前記第2選択手段は、前記連動画像の態様に対応する楽曲を選択するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが音声データ再生手段によって再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されている。連動画像の態様に対応する楽曲が第2選択手段により選択される。
これにより、操作手段を操作して、好みの楽曲を示す態様の連動画像を選択することにより、遊技者の好みの楽曲を再生させることができるので、遊技者毎の趣向にあった音声態様を提供することができるという効果がある。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利設定手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記複数の演出のうちいずれかを実行するものであり、前記第1選択手段は、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となった場合に、前記複数の演出の中から1の演出を選択し、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に、前記複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出を選択するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な裕利遊技状態が有利設定手段により設定される。判別手段による判別が実行されたことに基づいて、複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。判別手段による判別で第1の判別結果となった場合に、第1選択手段により複数の演出の中から1の演出が選択される一方で、判別手段による判別で第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に、複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出が第1選択手段によって選択される。
これにより、第1選択手段により特定の演出が選択された場合に、有利遊技状態が設定されることを遊技者に認識させることができるので、第1選択手段によって選択される演出の種別により注目させることができるという効果がある。
遊技機L4において、前記有利遊技状態が設定されるか否かを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段を備え、前記実行条件は、少なくとも前記報知演出が実行されるよりも前に成立するものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が設定されるか否かを報知する報知演出が報知演出実行手段により実行される。少なくとも報知演出が実行されるよりも前に実行条件が成立する。
これにより、第1選択手段により特定の演出が選択されれば、報知演出を確認するよりも前に有利遊技状態となることが確定するので、有利遊技状態が設定されるか否かを早期に知りたいと考える遊技者に対して、第1選択手段によって演出の選択が行われることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L5において、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果、又は前記第2の判別結果となった場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態を設定する不利設定手段と、を備え、前記有利設定手段は、前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記有利遊技状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に演出を実行するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別で第1の判別結果、又は第2の判別結果となった場合に、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。第2の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態が不利設定手段により設定される。第1の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、有利設定手段により有利遊技状態が設定される。特典遊技の実行中に演出実行手段により演出が実行される。
これにより、特定の演出が実行されると、特典遊技が実行されていることによって遊技者にとって有利となっている上に、更に、特典遊技が終了した後の遊技状態が有利遊技状態になることも確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機L6において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、を備え、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の態様として、第1の識別情報が停止表示される態様の第1態様と、第2の識別情報が停止表示される態様の第2態様とのどちらかを決定する第1態様決定手段と、前記判別手段による判別で前記第2の判別結果となったことに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の態様として、前記第1態様を決定する第2態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により表示手段において実行される。判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて実行される識別情報の動的表示の態様として、第1の識別情報が停止表示される態様の第1態様と、第2の識別情報が停止表示される態様の第2態様とのどちらかが第1態様決定手段により決定される。判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて実行される識別情報の動的表示の態様として、第1態様が第2態様決定手段により決定される。
これにより、第1態様で識別情報の動的表示が実行された場合には、第1の判別結果となったのか、第2の判別結果となったのかを遊技者が識別することが困難になるので、第1選択手段により特定の演出が選択されるか否かにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L7において、前記第1選択手段は、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、前記第2態様で前記識別情報の動的表示が実行されるよりも、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、前記第1態様で前記識別情報の動的表示が実行される場合の方が、前記特定の演出を選択する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7が奏する効果に加え、判別手段による判別で第1の判別結果となり、第2態様で識別情報の動的表示が実行されるよりも、判別手段による判別で第1の判別結果となり、第1態様で識別情報の動的表示が実行される場合の方が、第1選択手段により特定の演出が選択される割合が高くなるので、第1態様で識別情報の動的表示が実行された場合に、第1選択手段により特定の演出が選択されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴M群>(履歴情報の蓄積数に応じて履歴エリアの範囲を可変させる)
画像を表示可能な表示手段と、遊技に関するデータを記憶可能な第1記憶領域と、その第1記憶領域とは異なる第2記憶領域とで少なくとも構成されている記憶手段と、その記憶手段に対して予め定めた複数のデータが記憶されるように制御する記憶制御手段と、その記憶制御手段により前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が前記表示手段に表示されるように制御する表示制御手段と、前記記憶制御手段により前記第1記憶領域に記憶されるデータとして、前記複数のデータのうち、予め定めた特定条件を満たしている特定データを設定可能な第1データ設定手段と、前記記憶制御手段により前記第2記憶領域に記憶されるデータとして、前記複数のデータのうち、前記特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータを設定する第2データ設定手段と、前記第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が予め定めた特定個数に満たない場合に、前記記憶制御手段により前記第1記憶領域に記憶されるデータとして、前記特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータを、前記第1データ設定手段によって設定されたデータに追加して設定する追加データ設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機M1によれば、遊技に関するデータを記憶可能な第1記憶領域と、その第1記憶領域とは異なる第2記憶領域とで記憶手段が構成されている。記憶手段に対して予め定めた複数のデータが記憶されるように記憶制御手段によって制御される。記憶制御手段により第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示手段に表示されるように表示制御手段によって制御される。記憶制御手段により第1記憶領域に記憶されるデータとして、複数のデータのうち予め定めた特定条件を満たしている特定データが第1データ設定手段によって設定される。記憶制御手段により第2記憶領域に記憶されるデータとして、複数のデータのうち、特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータが第2データ設定手段により設定される。第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が予め定めた特定個数に満たない場合に、記憶制御手段により第1記憶領域に記憶されるデータとして、特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータが、追加データ設定手段により第1データ設定手段によって設定されたデータに追加して設定される。
これにより、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合でも、追加データ設定手段によりデータを追加して設定することができるので、データを好適に設定することができるという効果がある。
遊技機M1において、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータの並び順に応じた画像を表示させるものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータの並び順に応じた画像が表示制御手段によって表示されるので、データの並び順に応じて画像を異ならせることができる。よって、表示態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機M1又はM2において、前記追加データ設定手段は、前記第1記憶領域に記憶されるデータの個数が特定個数となるように、前記第1記憶領域に記憶させるデータを追加して設定するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、第1記憶領域に記憶されるデータの個数が特定個数となるように、第1記憶領域に記憶させるデータが追加データ設定手段によって追加して設定されるので、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合でも、第1記憶領域に対して設定するデータの個数を確実に特定個数にすることができる。よって、データをより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機M1からM3のいずれかにおいて、前記追加データ設定手段は、前記特定データとは異なるデータのうち、予め設定されている優先度が高いデータから順に、前記第1記憶領域に記憶させるデータを追加して設定するものであることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M1からM3のいずれかが奏する効果に加え、特定データとは異なるデータのうち、予め設定されている優先度が高いデータから順に、追加データ設定手段によって第1記憶領域に記憶させるデータが追加して設定されるので、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合に、第1記憶領域に対してより好適にデータを設定することができるという効果がある。
遊技機M1からM4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示されている間に、前記操作検出手段によって前記操作手段に対する操作を検出した場合に、前記操作手段に対する操作内容に連動させて前記画像の態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M1からM4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段により検出される。第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示されている間に、操作検出手段によって操作手段に対する操作を検出した場合に、操作手段に対する操作内容に連動させて表示制御手段によって画像の態様が可変される。
これにより、遊技者の操作手段に対する操作内容に連動させて表示態様を可変させることができるので、遊技者の好みの表示態様になるまで操作手段を操作させることができる。よって、遊技者に対して表示態様を選択する楽しみを与えることができるという効果がある。
遊技機M5において、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されている複数のデータに対応する複数の画像で構成された画像群を前記表示手段に表示させるものであり、前記画像群は、前記複数のデータのうち、1のデータに対応する画像が第1の態様で表示され、他の画像が前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるものであり、前記表示制御手段は、前記操作手段に対する操作内容に連動させて、前記第1の態様で表示される画像を可変させるものであることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されている複数のデータに対応する複数の画像で構成された画像群が、表示制御手段により表示手段に表示される。複数のデータのうち、1のデータに対応する画像が第1の態様で表示され、他の画像が第1の態様とは異なる第2の態様で表示される。操作手段に対する操作内容に連動させて、第1の態様で表示される画像が表示制御手段によって可変される。
これにより、遊技者の操作手段に対する操作内容に連動して、第1の態様で表示される画像を可変させることができるので、遊技者に対して第1の態様で表示させたい画像を選択させることができるという効果がある。
遊技機M6において、前記第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像は、前記操作手段に対する操作回数が予め定められた特定回数以内の回数で前記第1の態様に可変可能となるものであることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M6の奏する効果に加え、第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像は、操作手段に対する操作回数が予め定められた特定回数以内の回数で可変可能となるので、第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像を第1の態様に可変させたいと考える遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機M6又はM7において、前記画像群が表示されている状態で予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1の態様に可変されている画像に対応する態様の特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M6又はM7の奏する効果に加え、画像群が表示されている状態で予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、第1の態様に可変されている画像に対応する態様の特定演出が特定演出実行手段により実行されるので、特定演出の態様を遊技者に選択させることができるという効果がある。
遊技機M8において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1の態様に可変されている画像に対応する楽曲を出力するための音声データを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段により音声データが再生される。音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段により出力される。特定演出として、第1の態様に可変されている画像に対応する楽曲を出力するための音声データが特定演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられる。
これにより、再生させる楽曲を遊技者に選択させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴N群>(音声態様を実際のラウンド数に合わせるか、演出上のラウンド数に合わせるかを選択する)
予め定めた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件とのどちらかが成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記第2条件の成立に基づいて、少なくとも前記特定演出が実行されるよりも前に、前記第1条件の成立を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、前記第1条件の成立に基づいて実行される前記特定演出の態様として第1態様を設定する第1態様設定手段と、前記第2条件が成立し、且つ、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されなかった場合に、前記特定演出の態様として前記第1態様とは異なる第2態様を設定する第2態様設定手段と、前記第2条件が成立し、且つ、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行された場合に、前記特定演出の態様として前記第1態様と、前記第2態様とのどちらかを設定する第3態様設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、当たり遊技が付与されるか否かや、当たり遊技の終了後が遊技者に有利な状態(例えば、確変状態)となるのか否か等を演出により示唆することが可能なものも知られている。この従来型の遊技機では、遊技者にとって有利となる示唆内容の演出が実行されるか否かに注目して遊技を行わせることができる。更に、遊技者にとって有利な状態となることが決定している場合において所定期間の間、遊技者にとって不利となることを示唆する内容の演出を実行し、所定期間の経過後に、遊技者にとって有利な状態となることを示唆する演出(所謂、逆転演出)を実行するものも存在する。
しかしながら、有利な状態に移行するか否かを早期に知りたいと考える遊技者にとっては、逆転演出が実行されると、有利な状態に移行するかどうかの結果を知るタイミングが遅くなってしまうので、遊技者に対して不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機N1によれば、予め定めた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件とのどちらかが成立したことに基づいて特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2条件の成立に基づいて、少なくとも特定演出が実行されるよりも前に、第1条件の成立を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。第1条件の成立に基づいて実行される特定演出の態様として、第1態様設定手段により第1態様が設定される。第2条件が成立し、且つ、示唆演出実行手段により示唆演出が実行されなかった場合に、特定演出の態様として第2態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様が設定される。第2条件が成立し、且つ、示唆演出実行手段により示唆演出が実行された場合に、特定演出の態様として、第3態様設定手段により第1態様と、第2態様とのどちらかが設定される。
これにより、第3態様設定手段によって第2態様が設定された場合には、第2条件が成立したことを遊技者に察知させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1条件は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定された場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段によって1の種別が決定される。第1条件は、種別決定手段により第1特典遊技が決定された場合に成立する一方で、第2条件は、種別決定手段により第2特典遊技が決定された場合に成立する。
これにより、第3態様設定手段によって第2態様が設定された場合には、より有利な第2特典遊技が決定されたことを遊技者に察知させることができるので、特定演出の態様により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N2において、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第1特典遊技の有利度合いに対応する第1の有利度合いを報知する第1報知演出を実行する第1報知演出実行手段と、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第2特典遊技の有利度合いに対応する第2の有利度合いを報知する第2報知演出を実行する第2報知演出実行手段と、を備え、前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、前記第1報知演出と区別し難い態様の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別決定手段により第1特典遊技が決定されたことに基づいて、第1特典遊技の有利度合いに対応する第1の有利度合いを報知する第1報知演出が第1報知演出実行手段によって実行される。種別決定手段により第2特典遊技が決定されたことに基づいて、第2特典遊技の有利度合いに対応する第2の有利度合いを報知する第2報知演出が第2報知演出実行手段によって実行される。示唆演出として、第1報知演出と区別し難い態様の演出が示唆演出実行手段によって実行される。
これにより、実行される報知演出の種別に応じて特典遊技の種別を遊技者に認識させることができるので、報知演出の種別に対し、より注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N2またはN3において、前記特典遊技の実行中に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球が入球可能な第2状態に可変される可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも、前記可変入球手段が前記第2状態に可変される回数が多いものであり、前記特定演出は、1の演出期間において特定の演出態様が少なくとも1回実行されるものであり、前記第1態様は、前記特定演出の実行が開始されてから前記特定の演出態様が実行されるまでの期間が、前記第2態様よりも短いものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N2又はN3の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球が入球可能な第2状態に可変入球手段が可変される。可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。第2特典遊技において可変入球手段が第2状態に可変される回数は、第1特典遊技よりも多くなる。1の特定演出の演出期間において特定の演出態様が少なくとも1回実行される。特定演出の実行が開始されてから特定の演出態様が実行されるまでの期間は、第2態様よりも第1態様の方が短くなる。
これにより、第2状態に可変される回数が少なく、特典遊技が終了するまでの期間が短くなり易い第1特典遊技となった場合に、特定の演出態様が実行されるまでの期間を短くすることができるので、特典遊技の種別によらず、特典遊技が終了するまでの間に特定の演出態様をより確実に実行することができるという効果がある。
遊技機N4において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記音声データ再生手段に対して特定の楽曲に対応する音声データを再生させるものであり、前記特定の演出態様は、前記特定の楽曲における特定の再生範囲を再生した場合に出力される音声態様であり、前記第1態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データが第1の再生位置から再生が開始されるように設定するものであり、前記第2態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データが、前記第1の再生位置よりも前記特定の再生範囲の再生が開始されるまでの期間が長くなる第2の再生位置から再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが音声データ再生手段によって再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。特定演出として、音声データ再生手段に対して特定の楽曲に対応する音声データが特定演出実行手段により再生される。特定の楽曲における特定の再生範囲を再生した場合に、特定の演出態様が出力される。特定の楽曲に対応する音声データが第1の再生位置から再生が開始されるように第1態様設定手段によって設定される。特定の楽曲に対応する音声データが、第1の再生位置よりも特定の再生範囲の再生が開始されるまでの期間が長くなる第2の再生位置から再生が開始されるように第2態様設定手段により設定される。
これにより、特典遊技の種別によらず、特典遊技が終了するまでの間に特定の再生範囲を再生させることができるという効果がある。
遊技機N5において、前記特定の再生範囲は、楽曲における最も特徴的なメロディーを含む再生範囲であることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、特定の再生範囲が、楽曲における最も特徴的なメロディーを含む再生範囲なので、遊技者の聴きたい可能性が高い特徴的なメロディー部分を特典遊技が終了するまでにより確実に再生させることができるという効果がある。
遊技機N5又はN6において、前記特定の楽曲に対応する音声データは、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の前記特定の楽曲を再生可能となるデータ群で構成されているものであり、前記第1態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データを構成する前記データ群のうち、第1のデータから再生が開始されるように設定するものであり、前記第2態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データを構成する前記データ群のうち、前記特定の順序において前記第1のデータよりも再生される順序が前の第2のデータから再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N5又はN6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の楽曲に対応する音声データが、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の特定の楽曲を再生可能となるデータ群で構成されている。特定の楽曲に対応する音声データを構成するデータ群のうち、第1のデータから再生が開始されるように第1態様設定手段により設定される。特定の楽曲に対応する音声データを構成するデータ群のうち、特定の順序において第1のデータよりも再生される順序が前の第2のデータから再生が開始されるように第2態様設定手段によって設定される。
これにより、データ群の中の1のデータを選択して再生するという単純な処理により再生位置を異ならせることができるので、楽曲の再生を開始する場合の再生位置を少ない処理負荷で設定できるという効果がある。
遊技機N2からN7のいずれかにおいて、前記示唆演出実行手段は、前記特典遊技の実行が開始されたことを契機として前記示唆演出を実行するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことを契機として前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N2からN7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が開始されたことを契機として示唆演出実行手段により示唆演出が実行される。特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことを契機として特定演出実行手段により特典遊技が実行される。
これにより、示唆演出が実行された場合に特定条件が成立するまでの間、第1特典遊技が決定されたのか、第2特典遊技が決定されたのかを識別困難にできるので、特定条件が成立するまでの間、第2特典遊技に対する期待感を抱かせ続けることができるという効果がある。
<特徴O群>(通常遊技中に使用された楽曲を選択し易いメニュー位置に優先的に配置させる)
画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、第1条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させることが可能な連動画像表示手段と、その連動画像表示手段によって前記連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、前記表示手段に表示されている前記連動画像の態様に応じた種別の第1演出を実行する第1演出実行手段と、所定の実行条件の成立に基づいて、前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の種別を、複数の種別の中から決定する種別決定手段と、前記第1条件が成立した場合に前記連動画像表示手段により最初に表示される前記連動画像の態様として、前記種別決定手段によって決定された前記第2演出の種別に応じた態様を設定することが可能な態様設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機O1によれば、第1条件の成立に基づいて、操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。連動画像表示手段によって連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、表示手段に表示されている連動画像の態様に応じた種別の第1演出が第1演出実行手段により実行される。所定の実行条件の成立に基づいて、第1演出とは異なる第2演出が第2演出実行手段によって実行され、その第2演出実行手段により実行される第2演出の種別が、種別決定手段によって複数の種別の中から決定される。第1条件が成立した場合に連動画像表示手段により最初に表示される連動画像の態様として、種別決定手段によって決定された第2演出の種別に応じた態様が態様設定手段によって設定可能に構成されている。
これにより、連動画像の態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記連動画像は、互いに異なる前記第1演出の種別を示す複数の演出対応画像で構成されているものであり、前記態様設定手段は、前記連動画像の態様として、1の前記演出対応画像が特定の態様で表示される表示態様を設定するものであり、前記連動画像表示手段は、前記操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で前記特定の態様で表示される前記演出対応画像を可変させるものであり、前記演出実行手段は、前記特定の態様で表示されている前記演出対応画像が示す種別の前記第1演出を、前記第2条件が成立したことに基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連動画像が、互いに異なる第1演出の種別を示す複数の演出対応画像で構成されている。連動画像の態様として、1の演出対応画像が特定の態様で表示される表示態様が態様設定手段によって設定される。操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で、連動画像表示手段により特定の態様で表示される演出対応画像が可変される。特定の態様で表示されている演出対応画像が示す種別の特定演出が、第2条件が成立したことに基づいて演出実行手段によって実行される。
これにより、特定の態様に可変されている演出対応画像を視認した遊技者に対して、第2条件が成立したことに基づいて実行される第1演出の種別を遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、操作手段を操作することで、遊技者に対して好みの種別の第1演出の種別を選択させることができるという効果がある。
遊技機O2において、前記態様設定手段は、特定の態様で表示させる1の前記演出対応画像と、前記第1の操作内容の操作が繰り返された場合に前記特定の態様に可変される前記演出対応画像の順序とを少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、特定の態様で表示させる1の演出対応画像と、第1の操作内容が繰り返された場合に特定の態様に可変される演出対応画像の順序とが、少なくとも態様設定手段によって設定されるので、実際に操作手段が操作された場合に、特定の態様で表示させる演出対応画像をより早期に特定することができるという効果がある。
遊技機O2又はO3において、前記態様設定手段は、前記種別決定手段によって決定された前記第2演出の種別に対応する前記演出対応画像が特定回数以内の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように、前記連動画像の態様を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O2又はO3の奏する効果に加え、種別決定手段によって決定された第2演出の種別に対応する演出対応画像が特定回数以内の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、態様設定手段により連動画像の態様が設定されるので、第2演出実行手段によって実行された第2演出の種別に対応する演出対応画像を少ない操作回数で特定の態様に可変させることができる。よって、遊技者の利便性を高めることができるという効果がある。
遊技機O4において、前記第2演出実行手段により実行された前記第2演出の回数を、前記第2演出の種別毎に計数する計数手段を備え、前記態様設定手段は、前記計数手段により計数された回数が予め定められている特定条件を満たしている種別の前記第2演出に対応する前記演出対応画像を、特定回数以内の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように、前記連動画像の態様を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出実行手段により実行された第2演出の回数が、第2演出の種別ごとに計数手段によって計数される。計数手段により計数された回数が予め定められている特定条件を満たしている種別の第2演出に対応する演出対応画像が、特定回数以内の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、連動画像の態様が態様設定手段によって設定される。
これにより、特定条件を満たしている実行回数となっている種別の第2演出に対応する演出対応画像を比較的少ない操作回数で特定の態様に可変させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機O5において、前記態様設定手段は、前記計数手段により計数された回数が多い種別の前記第2演出に対応する前記演出対応画像ほど、少ない回数の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように前記連動画像の態様を設定するものであることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、計数手段により計数された回数が多い種別の第2演出に対応する演出対応画像ほど、少ない回数の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、態様設定手段によって連動画像の態様が設定されるので、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機O1からO6のいずれかにおいて、前記第2条件は、前記操作手段に対する操作内容が第2の操作内容となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O1からO6のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対する操作内容が第2の操作内容となった場合に、第2条件が成立するので、遊技者の任意のタイミングで、第1演出実行手段に対して第1演出を実行させることができるという効果がある。
<特徴P群>(特定の大当たり種別が決定されたことに基づいて、次に大当たりとなった場合に特定の大当たり種別が決定されやすくなる状態を形成する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示において、特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別のうち、1の前記特典遊技の種別を設定する特典遊技種別設定手段と、その特典遊技種別設定手段により前記第2特典遊技が第1の割合で設定される第1状態と、前記第2特典遊技が前記第1の割合よりも高い第2の割合で設定可能となる第2状態と、を可変可能な状態可変手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特典遊技が終了するまでの間に予め定められた特定条件が成立したことを契機として可変されるものであることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たりが実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けることにより興趣向上を図っているものもある。
更に、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した後で、所定領域を遊技球が通過したタイミングで当たりの種別(ラウンド数)を決定するものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、抽選により一定の割合で当たりの種別を決定しているため、遊技が単調となってしまう場合があり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となる虞があった。
これに対して遊技機P1では、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示手段により所定期間動的表示される。動的表示手段による識別情報の動的表示において、特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されたことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別のうち1の特典遊技の種別が特典遊技種別設定手段により設定される。特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が第1の割合で設定される第1状態と、第2特典遊技が第1の割合よりも高い第2の割合で設定可能となる第2状態と、が状態可変手段により可変される。第1状態において特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されてから特典遊技が修了するまでの間に予め定められた特定条件が成立したことを契機として、第2状態に可変される。
これにより、第2状態となることで高い割合で第2特典遊技が設定されるので、第2状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記状態可変手段は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特典遊技が終了するまでの間において前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態が設定されるよりも前に前記第2状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1状態において特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されてから特典遊技が修了するまでの間において特定条件が成立した場合に、少なくとも遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態が設定されるよりも前に、状態可変手段により第2状態に可変される。
これにより、第2状態に可変するか否かと、有利な第2遊技状態に設定されるか否かとを、異なるタイミングで遊技者に認識させることができるので、特典遊技の実行中における遊技が単調となってしまうことを防止できるという効果がある。
遊技機P1又はP2において、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された後で所定の実行条件が成立したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであり、前記所定の実行条件は、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含むものであり、前記状態可変手段は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示す前記識別情報が停止表示された後で前記第2の実行条件が成立したことに基づいて、前記第2状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1又はP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された後で所定の実行条件が成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。所定の実行条件には、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第22の実行条件と、が少なくとも含まれている。第1状態において特定の判別結果を示す識別情報が停止表示された後で第2の実行条件が成立したことに基づいて、状態可変手段により第2状態に可変される。
これにより、第2の実行条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P3において、前記特典遊技種別設定手段は、前記第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、第2の実行条件が成立したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定されるので、遊技者に対して第2の実行条件が成立することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P4において、前記所定の実行条件は、前記第1の実行条件と、前記第2の実行条件と、前記第1の実行条件および前記第2の実行条件のいずれとも異なる第3の実行条件と、を少なくとも含むものであり、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定の判別結果を示す前記識別情報が停止表示された後で前記第3の実行条件が成立し易くなるものであり、前記特典遊技種別設定手段は、前記第3の実行条件が成立したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の実行条件には、第1の実行条件と、第2の実行条件と、第1の実行条件とも第2の実行条件とも異なる第3の実行条件と、が少なくとも含まれる。第2状態では、第1状態よりも特定の判別結果を示す識別情報が停止表示された後で第3の実行条件が成立し易くなる。第3の実行条件が成立したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定される。
これにより、第3の実行条件が成立し易い第2状態となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P5において、前記状態可変手段は、前記第2状態において前記第3の実行条件が成立したことに基づいて前記第1状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P5の奏する効果に加え、第2状態において第3の実行条件が成立すると、第2状態から第1状態に可変するので、第2状態が長く継続し、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機P1からP6のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、前記第1入球領域と、前記第2入球領域とのいずれかに遊技球を振り分け可能に構成され、前記第2入球領域へと前記第1の割合で遊技球を振り分ける振分手段と、前記第1入球領域および前記第2入球領域のいずれとも異なる第3入球領域と、その第3入球領域へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記特典遊技種別設定手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された後で前記第1入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1特典遊技を設定し、前記第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定し、前記第3入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであり、前記状態可変手段は、前記可変手段が前記第2位置に可変した状態において前記第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記可変手段を前記第1位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P1からP6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、のいずれかに、振分手段によって遊技球が振り分けられる。第2領域には第1の割合で遊技球が振り分けられる。第1入球領域および第2入球領域のいずれとも異なる第3入球領域へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された後で第1入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第1特典遊技が設定される一方で、第2入球領域または第3入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定される。可変手段が第2位置に可変した状態において第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて、状態可変手段により可変手段が第2位置から第1位置に可変される。
これにより、特典遊技種別設定手段により設定される特典遊技の種別、および可変手段が第1位置に可変するか否かを、遊技球が入球する入球領域を確認するだけで容易に遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機P7において、前記第1入球領域と、前記第2入球領域と、前記振分手段と、が少なくとも内部に設けられ、遊技球が入球可能に構成されている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1入球位置と、その第1入球位置よりも前記入球手段へと入球困難になる第2入球位置とに可変可能な第2可変手段と、その第2可変手段を、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記第2入球位置から前記第1入球位置へと可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球領域と、第2入球領域と、振分手段と、が入球手段の内部に設けられている。入球手段へと遊技球が入球可能となる第1入球位置と、その第1入球位置よりも入球手段へと入球困難になる第2入球位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。特定の判別結果を示すための識別情報が低指標時されたことに基づいて、第2可変手段が可変制御手段によって第2入球位置から第1入球位置へと可変される。
これにより、特定の判別結果となっていないにもかかわらず遊技球が入球手段へと入球してしまうことを抑制することができるので、通常状態において可変手段が第1位置に可変することを抑制することができる。よって、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機P8において、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能な発射手段を備え、前記入球手段は、前記第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられているものであり、前記第3入球領域は、前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに発射手段が遊技球を発射可能に構成されている。第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられている一方で、第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に第3入球領域が設けられている。
これにより、可変手段が第1位置に可変している状態において特定の判別結果となった場合には、第2方向へと遊技球を発射するだけで、確実に第3入球領域へと遊技球を入球させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機P9において、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難になる第2可変位置とに可変可能な第3可変手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な第2入球手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第3可変手段が前記第1可変位置に可変し易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球した場合と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合とに少なくとも成立するものであることを特徴とする遊技機P10。
遊技機P10によれば、遊技機P9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられている。第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難になる第2可変位置と、に第3可変手段が可変可能に構成されている。第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられている。第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも第3可変手段が第1可変位置に可変し易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1入球手段へと遊技球が入球した場合と、第2入球手段に遊技球が入球した場合と、で判別条件が少なくとも成立する。
これにより、可変手段が第1位置に可変した状態で第2遊技状態が設定された場合には、第1方向へと遊技球を発射し続けるだけで、可変手段を第1位置に維持したまま、判別条件を成立させることができる。よって、可変手段が第1位置に可変した後、特定の判別結果となる前に第2位置に可変してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴Q群>(1種2種の時短で、1種当たりの方が有利になる状態と、2種当たりの方が有利になる状態とを設ける)
第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含む複数の実行条件のうちいずれかが成立したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を設定する種別設定手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、少なくとも前記第2遊技状態において、前記第1の実行条件よりも前記第2の実行条件が成立した方が前記種別設定手段により前記第2特典遊技が設定され易くなる第1状態と、前記第2の実行条件よりも前記第1の実行条件が成立した方が、前記種別設定手段により前記第2特典遊技が設定され易くなる第2状態と、を切り替える状態切替手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けることにより興趣向上を図っているものもある。
更に、従来型の遊技機の中には、始動入賞口へと入賞に基づく抽選とは別に、盤面上に設けられている特定領域へと遊技球が入球した場合にも当たり遊技が実行されるものが存在する。また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞に基づく抽選で当たりになった場合と、特定領域に入球して当たりになった場合とで、有利な当たり種別となる割合を異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、当たりに当選する契機毎に、有利な当たり種別となる割合が固定化されているため、遊技が単調になってしまう場合があった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機Q1によれば、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含む複数の実行条件のうちいずれかが成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。少なくとも第2遊技状態において、第1の実行条件よりも第2の実行条件が成立した方が種別設定手段により第2特典遊技が設定され易くなる第1状態と、第2の実行条件よりも第1の実行条件が成立した方が、種別設定手段により第2特典遊技が設定され易くなる第2状態と、が状態切替手段により切り替えられる。
これにより、第2遊技状態において、第1状態であるか、第2状態であるかに応じて、第1の実行条件が成立することで第2特典遊技が設定され易くなるか、第2の実行条件が成立することで第2特典遊技が設定され易くなるかが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球が入球可能な特定領域を備え、前記第1の実行条件は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第1の実行条件は、特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて成立するので、特定領域へと遊技球が入球するか否かを確認するだけで、容易に特典遊技が実行されるか否かを遊技者が判別することができるよって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q2において、前記特定領域が内部に設けられ、遊技球が入球可能に構成されている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段に入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が第1の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記判別手段による判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段の内部に特定領域が設けられている。入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球手段に入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別手段による判別結果が第1の判別結果になったことに基づいて、可変手段が所定期間、第2位置から第1位置に可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。判別手段による判別結果が第1の判別結果とな異なる第2の判別結果になったことに基づいて、第2の実行条件が成立する。
これにより、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q3において、前記入球手段は、前記特定領域として、第1特定領域と、第2特定領域と、が少なくとも内部に設けられているものであり、前記状態切替手段は、前記第1状態において前記第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段の内部には、特定領域として第1特定領域と、第2特定領域と、が少なくとも設けられている。第1状態において第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、状態切替手段により第2状態に切り替えられる。
これにより、第2特定領域へと遊技球が入球するか否かを確認するだけで、第2状態に切り替わるか否かを遊技者に容易に判別させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q4において、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1特定領域と、前記第2特定領域と、を少なくとも含む複数の領域のうち1の領域へと振り分ける振分手段を備え、前記種別設定手段は、遊技球が前記第1特定領域へと入球したことに基づいて前記第1特典遊技を設定し、前記第2特定領域へと入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が、振分手段により第1特定領域と、第2特定領域と、を少なくとも含む複数の領域のうち1の領域へと振り分けられる。遊技球が第1特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第1特典遊技が設定される一方で、第2特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第2特典遊技が設定される。
これにより、遊技球が入球した特定領域の種別を確認するだけで、容易に実行される特典遊技の種別を遊技者が判別することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q4又はQ5において、遊技球が入球可能に構成され、内部に前記特定領域として第3特定領域が設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも前記第2入球手段へと入球困難となる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、を備え、前記種別設定手段は、遊技球が前記第3特定領域へと入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであり、前記第1状態は、前記第2可変手段が前記第4位置に可変している状態であり、前記第2状態は、前記第2可変手段が前記第3位置に可変している状態であることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q4又はQ5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段の内部に、特定領域として第3特定領域が設けられている。第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも第2入球手段へと入球困難となる第4位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。遊技球が第3特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第2特典遊技が設定される。第2可変手段が第4位置に可変した状態となることで第1状態となる一方で、第2可変手段が第3位置に可変している状態になることで第2状態となる。
これにより、第2可変手段の状態を確認することで、遊技者に対して第1状態であるか、第2状態であるかを容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機Q6において、前記第2可変手段は、前記第3位置に可変している状態で遊技球が前記第2入球手段へと入球したことに基づいて、前記第4位置に可変するものであることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、第2可変手段が第3位置に可変している状態で遊技球が第2入球手段へと入球したことに基づいて、第2可変手段が第4位置に可変するので、第2可変手段が第3位置に配置されている状態が長く継続することを抑制できる。よって、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機Q6又はQ7において、前記種別設定手段は、少なくとも前記第2遊技状態において、前記判別手段による判別結果が前記第2の判別結果となったことに基づいて、第1の割合で前記第2特典遊技を設定するものであり、前記入球手段は、入球した遊技球が前記第1の割合よりも低い第2の割合で前記第2特定領域へと入球するように構成されているものであることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q6又はQ7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも第2遊技状態において、判別手段による判別結果が第2の判別結果となったことに基づいて、種別設定手段により第1の割合で第2特典遊技が設定される。入球手段が、入球した遊技球が第1の割合よりも低い第2の割合で第2特定領域へと入球するように構成されている。
これにより、第1状態においては、判別手段による判別で第2の判別結果となった方が第2特典遊技が設定される割合が高くなるので、判別手段による判別で特定の判別結果となるよりも、第2の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、判別手段による判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q6からQ8のいずれかにおいて、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能に構成されている発射手段を備え、前記入球手段は、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、前記第2方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられているものであり、前記第2入球手段は、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、前記第1方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q6からQ8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に遊技球を発射可能に構成されている。第1方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、第2方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に入球手段が設けられている。第2方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、第1方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に第2入球手段が設けられている。
これにより、遊技球の発射方向により入球させる入球手段の種別を容易に可変させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴R群>(特1のVチャレンジとして、V入賞期待度が異なる複数の種別を設ける)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成されている第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分ける振分手段と、その振分手段により前記第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入球可能となり、且つ、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第1の割合よりも高い第2の割合で入球可能となる位置に設けられている特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも前記入球手段に入球した遊技球が前記第2流路に振り分けられ易くなる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定する種別設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の遊技中に特定領域を通過した場合に付与される特典遊技が有利な種別であるか否かの期待度を示唆する演出を実行することが可能に構成されたものも存在する。係る従来型の遊技機では、有利な種別の特典遊技である期待度が高いことが示唆された場合に、特定領域を通過することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技が実行された場合に遊技球が特定領域を通過する割合自体は共通であるため、有利な種別である期待度が高いことが示唆されたとしても、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機R1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成されている第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに、振分手段によって入球手段へと入球した遊技球が振り分けられる。振分手段により第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入休暇の宇土なり、且つ、第2流路に振り分けられた遊技球が第1の割合よりも高い第2の割合で入球可能となる位置に特定領域が設けられている。特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも入球手段に入球した遊技球が第2流路に振り分けられ易くなる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別が種別設定手段により設定される。
これにより、第1可変遊技よりも、第2可変遊技が設定された方が、特定領域へと入球する割合が高くなるので、判別手段による判別結果が特定の判別結果となった場合に、第2可変遊技が実行されることを強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1において、前記第1可変遊技は、前記入球手段に入球した遊技球が前記第2流路へと流入することが困難に構成されているものであり、前記第2可変遊技は、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路へと流入することが困難に構成されているものであり、前記種別設定手段は、前記第1可変遊技と、前記第2可変遊技と、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路にも前記第2流路にも流入し得る第3可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変遊技では、入球手段に入球した遊技球が第2流路へと流入することが困難になる一方で、第2可変遊技では、入球手段に入球した遊技球が第1流路へと流入することが困難になる。第1可変遊技と、第2可変遊技と、入球手段に入球した遊技球が第1流路にも第2流路にも流入し得る第3可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の可変遊技の種別が設定される。
これにより、種別設定手段により設定される可変遊技の種別によって遊技球が特定領域へと入球する可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1又はR2において、前記特定領域は、前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第1の割合で入球可能となる位置に設けられている第1特定領域と、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第2の割合で入球可能となる位置に設けられている第2特定領域と、で少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、特定領域として、第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入球可能となる位置に第1特定領域が設けられている一方で、第2流路に振り分けられた遊技球が第2の割合で入球可能となる位置に第2特定領域が設けられているので、振り分けられた流路の種別に対応する特定領域を確認することで、遊技球が特定領域に入球したか否かを遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機R3において、前記第1流路は、遊技球が通過可能な通過手段が設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、第1流路に設けられている通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、第1流路へと遊技球が振り分けられた場合における遊技者の特典遊技に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機R4において、前記第1流路は、前記通過手段が設けられている第1経路と、前記通過手段が設けられていない第2経路と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1経路を通過した遊技球と、前記第2経路を通過した遊技球とは、共に、前記第1の割合で前記第1特定領域に入球するものであることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路が、通過手段が設けられている第1経路と、通過手段が設けられていない第2経路と、で少なくとも構成されている。第1経路を通過した遊技球と、第2経路を通過した遊技球とは、共に、第1の割合で第1特定領域に入球するように構成されている。
これにより、第1経路を通過することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R5において、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1経路を通過したか、前記第2経路を通過したかを視認困難とする遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R5の奏する効果に加え、第1流路に流入した遊技球が第1経路を通過したか、第2経路を通過したかが遮蔽手段により視認困難にされるので、第2経路を通過していた場合にも、第1経路を通過していたことを遊技者に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R6において、前記可変遊技が実行されたことに基づいて、前記可変遊技の実行期間の間に遊技球が前記特定領域へと入球したかを示す特定演出を実行する特定演出実行手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記第1流路へと流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球しなかった場合に、前記通過手段を通過したか否かによらず、前記特定領域へと入球しなかったことを示す演出態様の前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技が実行されたことに基づいて、可変遊技の実行期間の間に遊技球が特定領域へと入球したかを示す特定演出が特定演出実行手段により実行される。第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球しなかった場合に、通過手段を通過したか否かによらず、特定演出実行手段により特定領域へと入球しなかったことを示す演出態様の特定演出が実行される。
これにより、通過手段を通過して特典遊技が実行されるのか否かを、より長い期間不明とすることができるので、遊技者の特典遊技に対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機R7において、前記第1流路へと流入した遊技球が前記通過手段を通過し、且つ、前記第1特定領域へと入球しなかった場合に、前記特定演出の終了後に、前記特典遊技が実行されることを示す第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、第1流路へと流入した遊技球が通過手段を通過し、且つ、第1特定領域へと入球しなかった場合に、特定演出の終了後に、特典遊技が実行されることを示す第2演出が第2演出実行手段により実行されるので、第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球しなかった場合に、遊技者に対して第2演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1からR8のいずれかにおいて、前記種別設定手段は、前記第1可変遊技と、前記第2可変遊技と、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1流路にも前記第2流路にも流入し得ない第4可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定するものであることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R9によれば、遊技機R1からR8のいずれかが奏する効果に加え、第1可変遊技と、第2可変遊技と、入球手段へと入球した遊技球が第1流路にも第2流路にも流入し得ない第4可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の可変遊技の種別が設定されるので、判別手段の判別結果が特定の判別結果となった場合に、第4可変遊技が実行されないことを強く願って遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴S群>(時短期待度の低いV入賞口側のルートに遊技球が振り分けられても、その後に入球した遊技球が時短期待度の高いV入賞口に入球し得る構成)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を行う判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1特定領域と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2特定領域と、前記第1特定領域と、前記第2特定領域と、を少なくとも含む複数の特定領域のうちいずれかに遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、前記第2流路に流入した遊技球が前記第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、盤面上に特定領域を複数設け、特定の遊技中に特定領域を通過した場合に付与される特典遊技の有利度合が、特定領域の種別に応じて可変するように構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の特定の遊技において遊技球が入球する特定領域は1つであり、有利度合の低い特定領域へと向けて遊技球が進行した場合には、遊技者の期待感を著しく低下させてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機S1によれば、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間か偏される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。入球手段へと入球した遊技球が流下可能な位置に、第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、が設けられている。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1特定領域が設けられている一方で、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2特定領域が設けられている。第1特定領域と、第2特定領域と、を少なくとも含む複数の特定領域のうちいずれかに遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。第1流路に流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、第2流路に流入した遊技球が第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなり易くなるように構成されている。
これにより、第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの期間を長くすることができるので、第1流路へと遊技球が流入した場合に、第1特定領域へと遊技球が入球して特典遊技が実行されることに対して、より長く遊技者に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第1特定領域へと遊技球が入球した場合に第1の割合で前記第2特典遊技を実行し、前記第2特定領域へと入球した場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特典遊技を実行するように構成されているものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられている。第1特定領域へと遊技球が入球した場合に特典遊技実行手段により第1の割合で第2特典遊技が実行される一方で、第2特定領域へと入球した場合に第1の割合よりも高い第2の割合で第2特典遊技が実行される。
これにより、第2流路へと遊技球が流入することを遊技者に強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1又はS2において、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1流路に振り分けられる第1振分状態と、前記第2流路に振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態に可変可能に構成されている振分手段と、前記可変遊技の実行中に前記振分手段の振分状態を所定の可変パターンで可変させる振分制御手段と、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記振分手段が前記第1振分状態となる第1期間と、前記振分手段が前記第2振分状態となる第2期間と、で少なくとも前記可変手段が前記第1位置に可変される特定可変遊技を設定可能な特定種別設定手段と、を備え、前記遊技機は、1の前記特定可変遊技における前記第1期間の間に前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第1特定領域に入球するタイミングよりも、前記第2期間の間に前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第2特定領域に入球するタイミングの方が早くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1又はS2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段が、入球手段へと入球した遊技球が第1流路に振り分けられる第1振り分け状態と、第2流路に振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態に可変可能に構成されている。可変遊技の実行中に振り分け手段の振分状態が振分制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、振分手段が第1振分状態となる第1期間と、振分手段が第2振分状態となる第2期間とで少なくとも可変手段が第1位置に可変される特定可変遊技が特定種別設定手段により設定される。1の特定可変遊技における第1期間の間に第1流路に振り分けられた遊技球が第1特定領域に入球するタイミングよりも、第2期間の間に第2流路に振り分けられた遊技球が第2特定領域に入球するタイミングの方が早くなり易く構成されている。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球した場合に、第2特定領域へと入球するか否かの結果が出てから、第1特定領域へと入球するか否かが明らかとなるので、第2特定領域に注目すればよいのか、第1特定領域に注目すればよいのかで遊技者を混乱させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機S3において、前記第1流路へと振り分けられた遊技球は、第1の入球割合で前記第1特定領域へと入球するものであり、前記第2流路へと振り分けられた遊技球は、前記第1の入球割合よりも低い第2の入球割合で前記第2特定領域へと入球するものであることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路へと振り分けられた遊技球が、第1の入球割合で第1特定領域へと入球するように第1流路が構成されている。第2流路へと振り分けられた遊技球が、第1の入球割合よりも低い第2の入球割合で第2特定領域へと入球するように第2流路が構成されている。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球した場合は、まず、入球する割合が低い第2特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなってから、入球する割合が高い第1特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなる。よって、可変遊技の進行に伴って特典遊技が実行される期待度を高めていくことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S3又はS4において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第1特定領域へと遊技球が入球した場合に第1の割合で前記第2特典遊技を実行し、前記第2特定領域へと入球した場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特典遊技を実行するように構成されているものであり、前記特典遊技実行手段は、1の可変遊技の実行中に前記第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に前記第1特定領域へと入球したか否かによらず、前記第2の割合で前記第2特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S3又はS4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられている。第1特定領域へと遊技球が入球した場合に特典遊技実行手段により第1の割合で第2特典遊技が実行される一方で、第2特定領域へと入球した場合に第1の割合よりも高い第2の割合で第2特典遊技が実行される。1の可変遊技の実行中に第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に第1特定領域へと入球したか否かによらず、特典遊技実行手段により第2の割合で第2特典遊技が実行される。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球し、第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に第1特定領域へと遊技球が入球したとしても、高い割合で第2特典遊技が実行されるので、第2特定領域へと遊技球が入球した時点で遊技者を安心させることができるという効果がある。
遊技機S1からS5のいずれかにおいて、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、前記第2流路に流入した遊技球が前記第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなるように前記第2流路に流入した遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S1からS5の奏する効果に加え、第1流路に流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、第2流路に流入した遊技球が第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなるように、遅延手段によって第2流路に流入した遊技球の流下速度が遅延されるので、確実に、第2特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなってから第1特定領域へと遊技球が入球するか否かを明らかにするという動作を実現することができるという効果がある。
遊技機S1からS6のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S1からS6のいずれかが奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果とは異なる第2判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1からS7のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果となる確率が低いものであることを特徴とする遊技機S8。
遊技機S8によれば、遊技機S1からS7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実効が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、判別手段による判別結果が特定の判別結果となる確率が低くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態では、判別手段による判別で第2判別結果となることを期待させることができる一方で、第2遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待させることができる。よって、遊技状態に応じて遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴T群>(Vチャレ無しの小当たりかどうかを分かり難くする)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判別条件の成立に基づいて判別を行う判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、1の可変パターンの間に前記特定領域を遊技球が通過し難くなる特定の可変態様が少なくとも設定される第1可変パターンで前記可変手段が可変される第1可変遊技と、その第1可変パターンよりも遊技球が前記特定領域を通過し易くなり、且つ、1の可変パターンの間に前記特定の可変態様が設定される第2可変パターンで前記可変手段が可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を設定する種別設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の遊技の種別として、遊技球が特定領域へと入球可能となる種別と、特定領域へと入球困難となる種別とが設けられているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定領域へと入球困難となる特定の遊技の種別では、入球可能となる種別に対して動作が明らかに異なって構成されているため、即座に入球困難となる種別であるか否かを遊技者が理解できてしまう場合があった。よって、特定領域へと入球困難となる種別であると遊技者が理解してしまった場合には、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機T1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、1の可変パターンの間に特定領域を遊技球が通過し難くなる特定の可変態様が少なくとも設定される第1可変パターンで可変手段が可変される第1可変遊技と、その第1可変パターンよりも遊技球が特定領域を通過し易くなり、且つ、1の可変パターンの間に特定の可変態様が設定される第2可変パターンで可変手段が可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の種別が設定される。
これにより、種別設定手段により複数の異なる種別の可変遊技を設定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様と、その特定の可変態様よりも前記特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様と、が少なくとも設定されるものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に特定の可変態様と、その特定の可変態様よりも特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様とが少なくとも設定されるので、第1可変パターンでも、第2可変パターンでも特定の可変態様が設定される。よって、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを遊技者が認識困難とすることができるので、第2可変パターンに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機T2において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様が設定された後で、前記第2可変態様が設定されるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に、特定の可変態様が設定された後で、第2可変態様が設定されるので、少なくとも特定の可変態様が終了するまでは、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを遊技者に認識困難にすることができる。よって、第2可変パターンに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機T1からT3のいずれかにおいて、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段を備え、前記可変遊技実行手段は、1の前記可変遊技の実行中に特定個数以上の遊技球が前記入球手段へと入球したことに基づいて前記可変遊技を終了するものであることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T1からT3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて遊技価値付与手段により所定の遊技価値が付与される。1の可変遊技の実行中に特定個数以上の遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて、可変遊技実行手段による可変遊技の実行が終了されるので、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを予測して、特定の可変態様の実行中に遊技球を入球手段に入球させるか否かを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T4において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様が設定された後で、前記特定の可変態様よりも前記特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様が設定されるものであり、少なくとも前記特定の可変態様の実行中において前記入球手段へと遊技球を入球させるか、前記入球手段への入球を回避させるかを遊技者に選択させる演出態様の特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に、特定の可変態様が設定された後で、特定の可変態様よりも特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様が設定される。少なくとも特定の可変態様の実行中において入球手段へと遊技球を入球させるか、入球手段への入球を回避させるかを遊技者に選択させる演出態様の特定演出が、特定演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出により入球手段へと遊技球を入球させるか回避させるかを選択すればよいということを遊技者に対して容易に理解させることができるので、解り易い遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機T5において、前記特定演出実行手段は、前記種別設定手段により設定される前記可変遊技の種別によらず、少なくとも前記特定の可変態様の実行中において前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T5の奏する効果に加え、種別設定手段により設定される可変遊技の種別によらず、少なくとも特定の可変態様の実行中において特定演出実行手段により特定演出が実行されるので、可変遊技の種別を遊技者により認識困難にすることができるという効果がある。
遊技機T5又はT6において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる演出態様の第2演出態様と、を少なくとも含む複数の中から1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記演出態様決定手段は、前記種別設定手段により前記第1可変パターンが設定された場合に、前記第2演出態様よりも前記第1演出態様を決定する割合が高くなり、前記種別設定手段により前記第2可変パターンが設定された場合に、前記第1演出態様よりも前記第2演出態様を決定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、遊技機T5又はT6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段により実行される特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる演出態様の第2演出態様と、を少なくとも含む複数の中から演出態様決定手段により1の演出態様が決定される。種別設定手段により第1可変パターンが設定された場合に、演出態様決定手段により第2演出態様が決定される割合よりも、第1演出態様が決定される割合の方が高くなる。一方、種別設定手段により第2可変パターンが設定された場合には、演出態様決定手段により第1演出態様が決定される割合よりも、第2演出態様が決定される割合の方が高くなる。
これにより、特定演出の演出態様により可変遊技の種別を予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1からT7のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記特典遊技を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T1からT7のいずれかが奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1からT8のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果となる確率が低いものであることを特徴とする遊技機T9。
遊技機T8によれば、遊技機T1からT8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態は、第2遊技状態よりも判別手段による判別結果が特定の判別結果となる確率が低くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態では、判別手段による判別で第2判別結果となることを期待させることができる一方で、第2遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待させることができる。よって、遊技状態に応じて遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴U群>(ボタン操作時に表示される表示態様の役割を遊技者の操作状況に応じて可変させる)
所定の演出期間において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、第1特定演出と、その第1特定演出よりも遊技者に有利となることを示唆する第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、前記種別決定手段により前記第2特定演出が決定される割合として、第1の割合と、その第1の割合よりも高い第2の割合と、を少なくとも含む複数の割合の中から遊技の状況に応じて1の割合を設定する割合設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機U1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者が操作可能な操作手段を設け、興趣演出の実行中に操作手段に対する操作を行う毎に、当たり遊技となる期待度等を示唆する示唆演出を実行可能なものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、操作を積極的に行う傾向の遊技者であるか、操作を行わない傾向の遊技者であるかによって、1の興趣演出の間に期待度の高い示唆演出が実行される回数がバラついてしまいうため、興趣演出の期待度についても遊技者の操作の傾向によってバラついてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機U1によれば、所定の演出期間において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて特定演出実行手段によって特定演出が実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1特定演出と、その第1特定演出よりも遊技者に有利となることを示唆する第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の種別が決定される。種別決定手段により第2特定演出が決定される割合として、第1の割合と、その第1の割合よりも高い第2の割合と、を少なくとも含む複数の割合の中から割合設定手段により遊技の状況に応じて1の割合が設定される。
これにより、遊技の状況に応じて第2特定演出が決定される割合が可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機U1において、前記特定条件は、1の前記演出期間において複数回成立し得るものであることを特徴とする遊技機U2。
遊技機U2によれば、遊技機U1の奏する効果に加え、1の演出期間において特定条件が複数回成立し得るように構成しているので、特定条件がなるべく多く成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機U1又はU2において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記特定条件は、前記演出期間において前記操作手段が操作された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機U3。
遊技機U3によれば、遊技機U1又はU2の奏する効果に加え、演出期間において遊技者によって操作手段が操作された場合に特定条件が成立するように構成されているので、特定演出をより多く実行させたいと考える遊技者に対して、操作手段を積極的に操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機U1からU3のいずれかにおいて、少なくとも1の前記演出期間における前記特定条件の成立状況を判別する成立状況判別手段と、その成立状況判別手段による判別結果に応じた情報を、少なくとも次に前記特定演出が実行されるまでの間保持することが可能な保持手段と、を備え、前記割合設定手段は、前記保持手段によって保持されている情報に応じて、前記複数の割合の中から1の割合を設定するものであることを特徴とする遊技機U4。
遊技機U4によれば、遊技機U1からU3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも1の演出期間における特定条件の成立状況が成立状況判別手段によって判別され、その成立状況判別手段による判別結果に応じた情報が、少なくとも次に特定演出が実行されるまでの間保持手段により保持される。保持手段によって保持されている情報に応じて、複数の割合の中から割合設定手段により1の割合が設定される。
これにより、前回の演出期間の間における特定条件の成立状況に応じて、今回の演出期間の間に特定条件が成立した場合に第2特定演出が決定される割合を可変させることができるので、特定条件の成立の傾向に応じて割合を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機U4において、前記成立状況判別手段は、1の前記演出期間において前記特定条件が成立した回数が特定回数以上であるか否かを少なくとも判別可能に構成されているものであり、前記割合設定手段は、前記成立状況判別手段により前記特定条件が成立した回数が特定回数以上であると判別された場合に前記第1の割合を設定し、前記特定回数未満であると判別された場合に前記第2の割合を設定するものであることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の演出期間において特定条件が成立した回数が特定回数以上であるか否かが成立状況判別手段によって判別される。成立状況判別手段により特定条件が成立した回数が特定回数以上であると判別された場合に、割合設定手段により第1の割合が設定される一方で、特定回数宇未満であると判別された場合に第2の割合が設定される。
これにより、特定条件の成立回数が比較的少ない場合には、次の演出期間において第2特定演出が決定される割合を高くすることができるので、1の演出期間内に第2特定演出が決定される回数を均一化することができる。よって、より好適な演出を実現することができるという効果がある。
遊技機U1からU4のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記判別手段の判別結果を示す判別結果示唆演出を前記所定の演出期間で実行する示唆演出実行手段と、を備え、前記種別決定手段は、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間よりも、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間の方が、前記特定条件が成立した場合に前記第2特定演出を決定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機U5。
遊技機U5によれば、遊技機U1からU4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別手段による判別が実行されたことに基づいて、判別手段の判別結果を示す判別結果示唆演出が示唆演出実行手段により所定の演出期間で実行される。特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間よりも、特定の判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間の方が、特定条件が成立した場合に種別決定手段により第2特定演出を決定する割合が高くなるように構成されている。
これにより、特定条件が成立する毎に、第2特定演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機U5において、前記割合設定手段は、前記第2特定演出が決定される割合として、前記第1の割合と、前記第2の割合と、前記第1の割合よりも低い第3の割合と、前記第2の割合よりも低い第4の割合と、を少なくとも含む複数の割合の中から1の割合を設定するものであり、前記割合設定手段は、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間において、前記第1の割合と、前記第2の割合とのいずれかを遊技の状況に応じて設定し、前記外れ判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間において、前記第3の割合と、前記第4の割合とのいずれかを遊技の状況に応じて設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機U6。
遊技機U6によれば、遊技機U5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特定演出が決定される割合として、第1の割合と、第2の割合と、第1の割合よりも低い第3の割合と、第2の割合よりも低い第4の割合と、を少なくとも含む複数の割合の中から割合設定手段により1の割合が設定される。特定の判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間において、第1の割合と、第2の割合とのいずれかが割合設定手段により遊技の状況に応じて設定される一方で、外れ判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間において、第3の割合と、第4の割合とのいずれかが割合設定手段により遊技の状況に応じて設定される。
これにより、第2特定演出が実行された場合に遊技者の特典遊技に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機U6において、前記割合設定手段は、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第1の遊技状況である場合に、前記第1の割合を設定し、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が前記第1の遊技状況とは異なる第2の遊技状況である場合に、前記第2の割合を設定し、前記外れ判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第1の遊技状況である場合に、前記第3の割合を設定し、前記外れ判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が前記第2の遊技状況である場合に、前記第4の割合を設定するものであることを特徴とする遊技機U7。
遊技機U7によれば、遊技機U6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第1の遊技状況である場合に、割合設定手段により第1の割合が設定され、特定の判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第1の遊技状況とは異なる第2の遊技状況である場合に、割合設定手段により第2の割合が設定され、外れ判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第1の遊技状況である場合に、割合設定手段により第3の割合が設定され、外れ判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間であり、且つ、遊技の状況が第2の遊技状況である場合に、割合設定手段により第4の割合が設定されるので、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機U5からU7のいずれかにおいて、前記判別結果示唆演出の演出期間として、第1演出期間と、その第1演出期間よりも長い第2演出期間と、を少なくとも含む複数の期間の中から1の期間を設定する演出期間設定手段を備え、前記種別決定手段は、前記第1特定演出と、前記第2特定演出と、前記第1特定演出および前記第2特定演出のいずれとも異なる第3特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定可能に構成されているものであり、前記第3特定演出は、前記第1演出期間よりも、前記第2演出期間において前記特定条件が成立した場合に決定される割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機U8。
遊技機U8によれば、遊技機U5からU7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別結果示唆演出の演出期間として、第1演出期間と、その第1演出期間よりも長い第2演出期間と、を少なくとも含む複数の期間の中から演出期間設定手段により1の期間が設定される。第1特定演出と、第2特定演出と、第1特定演出および第2特定演出のいずれとも異なる第3特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の特定演出の種別が決定される。第1演出期間よりも、第2演出期間において特定条件が成立した場合に第3特定演出が決定される割合が高くなる。
これにより、第3特定演出が実行された場合に、第2演出期間が設定されていることに対する期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機U8において、前記第3特定演出は、前記第2演出期間が開始されてから、前記第1演出期間の長さ以下の期間が経過するまでの間に前記特定条件が成立した場合に、前記第1演出期間において前記特定条件が成立した場合よりも決定される割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機U9。
遊技機U9によれば、遊技機U8の奏する効果に加え、第2演出期間が開始されてから、第1演出期間の長さ以下の期間が経過するまでの間に特定条件が成立した場合に、第1演出期間において特定条件が成立した場合よりも第3特定演出の決定される割合が高くなるので、第3特定演出が実行されることにより、第1演出期間を超えて判別結果示唆演出が継続することに対する期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機U8又はU9において、前記演出期間設定手段は、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出の演出期間として、前記第1演出期間よりも、前記第2演出期間を設定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機U10。
遊技機U10によれば、遊技機U8又はU9の奏する効果に加え、特定の判別結果を示す判別結果示唆演出の演出期間として、第1演出期間よりも、第2演出期間を設定する割合が高くなるように演出期間設定手段が構成されているので、第3特定演出が実行されることにより、遊技者の特典遊技に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機U8からU10のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、前記第2演出期間の前記判別結果示唆演出が開始されてから前記第1演出期間と同一の長さの期間が経過するまでの間に設定される第1期間と、前記第1演出期間と同一の長さの期間が経過した後に設定される第2期間と、でそれぞれ前記特定演出を実行することが可能に構成されているものであり、前記種別決定手段は、前記第2期間よりも、前記第1期間において前記特定条件が成立した場合の方が前記第3特定演出を決定する割合が高くなるものであり、前記種別決定手段は、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出であるか否かに少なくともよらず、共通の特定割合で前記第1期間において前記第3特定演出を決定するものであることを特徴とする遊技機U11。
遊技機U11によれば、第2演出期間の判別結果示唆演出が開始されてから第1演出期間と同一の長さの期間が経過するまでの間に設定される第1期間と、第1演出期間と同一の長さの期間が経過した後に設定される第2期間と、でそれぞれ特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2期間よりも、第1期間において特定条件が成立した場合の方が種別決定手段による第3特定演出の決定割合が高くなる。特定の判別結果を示す判別結果示唆演出であるか否かに少なくともよらず、種別決定手段により共通の特定割合で第1期間において第3特定演出が決定される。
これにより、第1期間の間は判別結果を示す種別の特定演出が実行され難くなるので、第2期間となるまで特定の判別結果への期待感を維持させることができるという効果がある。
<特徴V群>(演出に応じてボタンの操作有効回数を可変させる)
特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の実行期間に含まれる特定期間において予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、特定の演出態様を実行する特定演出態様実行手段と、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行可能な特定制御実行手段と、を備え、前記特定制御実行手段は、前記第2条件が前記特定期間とは異なる期間において成立するよりも、前記特定期間の間に成立した方が、前記特定の制御を実行し難くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機V1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者が操作可能な操作手段を設け、興趣演出の実行中に操作手段に対する操作を行うことで当たり遊技となる期待度等を示唆する示唆演出を実行可能なものも存在する。
更に、係る従来型の遊技機においては、示唆演出が実行されていない間に操作手段に対する操作を行うことにより、遊技機の各種設定を変更することができるものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、示唆演出の実行中に操作を誤ってしまう等により、遊技機の設定が遊技者の意に反して変更されてしまう虞があるという問題点があった。
これに対して遊技機V1によれば、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段により特定演出が実行される。特定演出の実行期間に含まれる特定期間において予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、特定演出態様実行手段により特定の演出態様が実行される。第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、特定制御実行手段により予め定められた特定の制御が実行される。第2条件が特定期間とは異なる期間において成立するよりも、特定期間の間に成立した方が、特定制御実行手段により特定の制御が実行され難くなる。
これにより、特定期間において特定の制御が実行されてしまい、遊技者が特定の制御に気を取られてしまうことを抑制できるので、特定の演出態様に集中させることができる。よって、特定演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機V1において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第1条件は、前記特定期間の間に前記操作手段に対して第1の操作内容の操作が実行されたことに基づいて成立するものであり、前記第2条件は、前記操作手段に対して前記第1の操作内容とは異なる第2の操作内容の操作が実行されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機V2。
遊技機V2によれば、遊技機V1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定期間の間に操作手段に対して第1の操作内容の操作が実行されたことに基づいて第1条件が成立する。操作手段に対して第1の操作内容とは異なる第2の操作内容の操作が実行されたことに基づいて、第2条件が成立する。
これにより、特定期間の間に特定の演出態様を表示させたいと考える遊技者が、第1の操作内容の操作を行おうとして誤って第2の操作内容の操作を行ってしまった場合に、特定の制御の実行が制限されるので、特定演出により集中させることができるという効果がある。
遊技機V2において、前記特定制御実行手段は、前記特定期間とは異なる期間において前記第2の操作内容の操作が実行される毎に前記特定の制御を実行し、前記特定期間において前記第2の操作内容の操作が予め定められた特定回数成立したことに基づいて前記特定の制御を実行するものであることを特徴とする遊技機V3。
遊技機V3によれば、遊技機V2の奏する効果に加え、特定期間とは異なる期間において第2の操作内容の操作が実行される毎に、特定制御実行手段により特定の制御が実行され得る一方で、特定期間において第2の操作内容が予め定められた特定回数成立したことに基づいて特定制御実行手段により特定の制御が実行されるので、特定期間の間に敢えて特定の制御を実行させたいと考える遊技者の要望を叶えることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機V2又はV3において、前記操作手段は、第1操作手段と、その第1操作手段に隣接して設けられている第2操作手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1の操作内容の操作は、前記第1操作手段に対する操作であり、前記第2の操作内容の操作は、前記第2操作手段に対する操作であることを特徴とする遊技機V4。
遊技機V4によれば、遊技機V2又はV3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段が、第1操作手段と、その第1操作手段に隣接して設けられている第2操作手段と、で少なくとも構成されている。第1の操作内容の操作は、第1操作手段に対する操作であり、第2の操作内容の操作は、第2操作手段に対する操作である。
これにより、第1操作手段を操作しようとして誤って第2操作手段を操作してしまった場合に、遊技者の意に反して第2制御が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、特定演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機V1からV4のいずれかにおいて、前記特定の制御は、遊技機の所定の設定を第1の設定から第2の設定に変更するための制御であることを特徴とする遊技機V5。
遊技機V5によれば、遊技機V1からV4のいずれかが奏する効果に加え、特定の制御が実行されると、遊技機の所定の設定が第1の設定から第2の設定に変更されるので、特定期間の間に遊技機の設定が変更されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者を特定演出により集中させることができるという効果がある。
遊技機V1からV5のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特定演出態様実行手段により実行される前記特定の演出態様の種別として、第1態様と、その第1態様とは異なる第2態様と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する態様種別決定手段と、を備え、前記特定演出は、前記判別手段の判別結果を示すための演出で構成されているものであり、前記態様種別決定手段は、前記特定の判別結果を示す前記特定演出の実行期間において前記第1条件が成立した場合に、前記第1態様よりも、前記第2態様を決定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機V6。
遊技機V6によれば、遊技機V1からV5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段による判別が実行され、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特定演出態様実行手段により実行される特定の演出態様の種別として、第1態様と、その第1態様とは異なる第2態様と、を少なくとも含む複数の中から態様種別決定手段により1の種別が決定される。特定演出は、判別手段の判別結果を示すための演出で構成されている。特定の判別結果を示す特定演出の実行期間において第1条件が成立した場合に、態様種別決定手段による第1態様の決定割合が、第2態様の決定割合よりも高くなる。
これにより、第1条件が成立する毎に第2態様が決定されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機V2において、前記特定期間の間に、前記第2条件が成立した場合に前記特定制御実行手段による前記特定の制御の実行が許容される許容状態と、前記第2条件が成立した場合に前記特定制御実行手段による前記特定の制御の実行が制限される制限状態と、を切り替える状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機V7。
遊技機V7によれば、遊技機V2の奏する効果に加え、特定期間の間に第2条件が成立した場合に特定制御実行手段による特定の制御の実行が許容される許容状態と、第2条件が成立した場合に特定制御実行手段による特定の制御の実行が制限される制限状態と、が状態切替手段により切り替えられるので、特定期間の間に特定の制御が実行されて欲しいと考える遊技者の要望を叶えることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機V7において、前記特定期間が開始されたことに基づいて前記制限状態を設定する制限状態設定手段を備え、前記状態切替手段は、前記制限状態の間に前記操作手段に対して第3の操作内容の操作が実行されたことに基づいて、前記許容状態へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機V8。
遊技機V8によれば、遊技機V7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定期間が開始されたことに基づいて制限状態設定手段により制限状態が設定される。制限状態の間に操作手段に対して第3の操作内容の操作が実行されたことに基づいて、状態切替手段により許容状態へと切り替えられる。
これにより、特定期間の間に敢えて特定の制御を実行させたいと考える遊技者の要望を容易に叶えることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機V8において、前記状態切替手段は、前記許容状態の間に前記操作手段に対して前記第3の操作内容とは異なる第4の操作内容の操作が実行されたことに基づいて、前記制限状態へと切り替えるものであることを特徴とする遊技機V9。
遊技機V9によれば、遊技機V8の奏する効果に加え、許容状態の間に操作手段に対して第3の操作内容とは異なる第4の操作内容の操作が実行されたことに基づいて、状態切替手段により制限状態に切り替えられるので、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機V9において、前記特定演出態様実行手段は、前記許容状態において前記第1条件が成立した場合に、前記特定の演出態様の実行が制限されるものであることを特徴とする遊技機V10。
遊技機V10によれば、遊技機V9の奏する効果に加え、許容状態において第1条件が成立した場合に特定演出態様実行手段による特定の演出態様の実行が制限されるので、許容状態において、特定の制御に集中させることができる。よって、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機V10において、前記第4の操作内容の操作は、前記第1の操作内容の操作と同一であることを特徴とする遊技機V11。
遊技機V11によれば、遊技機V10の奏する効果に加え、第4の操作内容の操作と、第1の操作内容の操作とが同一であるので、許容状態から制限状態への切替と、特定の演出態様の実行とを同一の操作内容の操作により実現することができる。よって、操作をより簡素化することができるという効果がある。
遊技機U8からU10のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、前記第2演出期間の前記判別結果示唆演出が開始されてから前記第1演出期間と同一の長さの期間が経過するまでの間に設定される第1期間と、前記第1演出期間と同一の長さの期間が経過した後に設定される第2期間と、でそれぞれ前記特定演出を実行することが可能に構成されているものであり、前記種別決定手段は、前記第2期間よりも、前記第1期間において前記特定条件が成立した場合の方が前記第3特定演出を決定する割合が高くなるものであり、前記種別決定手段は、前記特定の判別結果を示す前記判別結果示唆演出であるか否かに少なくともよらず、共通の特定割合で前記第1期間において前記第3特定演出を決定するものであることを特徴とする遊技機U11。
遊技機U11によれば、第2演出期間の判別結果示唆演出が開始されてから第1演出期間と同一の長さの期間が経過するまでの間に設定される第1期間と、第1演出期間と同一の長さの期間が経過した後に設定される第2期間と、でそれぞれ特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2期間よりも、第1期間において特定条件が成立した場合の方が種別決定手段により高い割合出第3特定演出が決定される。特定の判別結果を示す判別結果示唆演出であるか否かに少なくともよらず、第1期間において特定条件が成立した場合に種別決定手段により共通の割合で第3特定演出が決定される。
これにより、第1期間の間は判別結果を示す種別の特定演出が実行され難くなるので、第2期間となるまで特定の判別結果への期待感を維持させることができるという効果がある。
<特徴W群>(ミニキャラの出現タイミングに応じて同じ動作でも期待度が可変する構成)
演出態様を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示す特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出の実行中に、前記表示手段に対して予め定められた特定の表示態様を表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により前記特定の表示態様が表示されるタイミングとして、前記特定演出の演出期間に含まれる第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、を少なくとも含む複数の中から1の表示タイミングを決定する表示タイミング決定手段と、を備え、前記第2タイミングは、前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果を示す前記特定演出よりも、前記特定の判別結果を示す前記特定演出の方が決定される割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機W1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、図柄の変動表示に関連する興趣演出とは別で、キャラクタに所定のアクションを実行させることにより所定の期待度等を示すことで、更なる興趣の向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、図柄の変動表示とキャラクタのアクションとの対応関係が理解し難くなってしまう場合があった。
これに対して遊技機W1によれば、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別手段による判別結果を示す特定演出が特定演出実行手段により実行される。特定演出の実行中に、表示制御手段によって表示手段に対して予め定められた特定の表示態様が表示される。表示制御手段により特定の表示態様が表示されるタイミングとして、特定演出の演出期間に含まれる第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、を少なくとも含む複数の中から表示タイミング決定手段により1の表示タイミングが決定される。第2タイミングは、特定の判別結果とは異なる第2判別結果を示す特定演出よりも、特定の判別結果を示す特定演出の方が決定される割合が高くなるように構成されている。
これにより、第2タイミングで特定の表示態様が表示されるか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1において、前記特定演出の実行中における演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様が終了した後で実行され得る第2演出態様と、を少なくとも実行可能な演出態様実行手段を備え、前記第2演出態様は、前記第2判別結果を示す前記特定演出よりも、前記特定の判別結果を示す前記特定演出の方が実行される割合が高くなるものであり、前記特定の表示態様は、前記第2タイミングで実行されることにより、前記第2演出態様が実行されることを少なくとも示唆可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機W2。
遊技機W2によれば、遊技機W1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行中における演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様が終了した後で実行され得る第2演出態様と、が演出態様実行手段により少なくとも実行可能に構成されている。第2演出態様は、第2判別結果を示す特定演出よりも、特定の判別結果を示す特定演出の方が実行される割合が高くなるように構成されている。特定の表示態様は、第2タイミングで実行されることにより、第2演出態様が実行されることを少なくとも示唆可能に構成されている。
これにより、特定演出と、特定の表示態様とを比較して遊技を行う遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W2において、前記表示タイミング決定手段は、前記第2演出態様が実行されない前記特定演出よりも、前記第2演出態様が実行される前記特定演出において前記第2タイミングを決定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機W3。
遊技機W3によれば、遊技機W2の奏する効果に加え、第2演出態様が実行されない特定演出よりも、第2演出態様が実行される特定演出において表示タイミング決定手段により第2タイミングを決定する割合が高くなるので、特定の表示態様の表示タイミングが第2タイミングとなることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機W2又はW3において、前記特定演出は、前記演出態様実行手段により前記第2演出態様が実行されない場合に、前記第1演出態様の終了時に前記判別手段の判別結果を報知するものであり、前記第2タイミングは、前記第2演出態様の開始タイミングを跨いで前記特定の表示態様が表示される表示タイミングで構成されているものであることを特徴とする遊技機W4。
遊技機W4によれば、遊技機W2又はW3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出態様実行手段により第2演出態様が実行されない場合に、第1演出態様の終了時に特定演出により判別手段の判別結果が報知される。第2タイミングで特定の表示態様が表示されると、第2演出態様の開始タイミングを跨いで特定の表示態様が表示される。
これにより、第1演出態様の進行状況と、特定の表示態様の表示タイミングとを比較することにより、第2演出態様が実行されるよりも前に第2演出態様が開始されることを遊技者に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機W4において、前記第1タイミングは、第1演出態様の実行期間の間に前記特定の表示態様の表示が終了する表示タイミングで構成されているものであることを特徴とする遊技機W5。
遊技機W5によれば、遊技機W4の奏する効果に加え、第1タイミングで特定の表示態様が表示されると、第1演出態様の実行期間の間に特定の表示態様が終了するので、第2演出態様が実行されるか否かを特定の表示態様から予測することを困難にすることができる。よって、第2演出態様が実行されることに対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機W1からW5のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の有価価値を付与する価値付与手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な第2特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機W6。
遊技機W6によれば、遊技機W1からW5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変する。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて価値付与手段により所定の有価価値が付与される。入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に特定領域が設けられている。特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、第2特典遊技実行手段により遊技者に有利な第2特典遊技が実行さえる。特典遊技として、特典遊技実行手段により可変手段が所定期間第2位値から第1位置に可変される。
これにより、特定領域へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機W6において、前記入球手段へと入球した遊技球を前記特定領域と、前記特定領域とは異なる第2領域と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記入球手段へと入球した遊技球が前記振分手段により前記特定領域へと振り分けられ易くなる期間において前記可変手段が前記第1位置に可変される第1特典遊技と、前記振分手段により前記第2領域へと振り分けられ易くなる期間において前記可変手段が前記第1位置に可変される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の特典遊技の種別のうち1の種別を決定する特典遊技種別決定手段と、を備え、前記特典遊技種別決定手段は、前記特定の判別結果になったことに基づいて前記第1特典遊技を決定し、前記第2判別結果になったことに基づいて前記第2特典遊技を決定するものであることを特徴とする遊技機W7。
遊技機W7によれば、遊技機W6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が振分手段により特定領域と、特定領域とは異なる第2領域とのどちらかへと振り分けられる。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、入球手段へと入球した遊技球が振分手段により特定領域へと振り分けられ易くなる期間において可変手段が第1位置に可変される第1特典遊技と、振分手段により第2領域へと振り分けられ易くなる期間において可変手段が第1位置に可変される第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の特典遊技の種別のうち1の種別が特典遊技種別決定手段により決定される。特定の判別結果になったことに基づいて特典遊技種別決定手段により第1特典遊技が決定される一方で、第2判別結果になったことに基づいて特典遊技種別決定手段により第2特典遊技が決定される。
これにより、特定の判別結果になることを遊技者により強く期待させることができるという効果がある。
遊技機遊技機W7において、前記第2タイミングは、前記特典遊技実行手段によって前記特典遊技を実行されることが無い外れ判別結果を示す前記特定演出よりも、前記第2判別結果を示す前記特定演出の方が決定される割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機W8。
遊技機W8によれば、遊技機W7の奏する効果に加え、特典遊技実行手段によって特典遊技を実行されることが無い外れ判別結果を示す特定演出よりも、第2判別結果を示す特定演出の法が第2タイミングが決定される割合が高くなるので、第2タイミングで特定の表示態様が表示された場合に、特典遊技が実行されることに対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機W8において、前記第2特典遊技実行手段は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果、前記第2判別結果、および前記外れ判別結果のいずれとも異なる第3判別結果になったことに基づいて前記第2特典遊技を実行可能に構成されているものであり、前記表示タイミング決定手段は、前記外れ判別結果を示す前記特定演出と、前記第3判別結果を示す前記特定演出とで、前記第2タイミングを決定する割合が共通となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機W9。
遊技機W9によれば、遊技機W8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果が特定の判別結果、第2判別結果、および外れ判別結果のいずれとも異なる第3判別結果になったことに基づいて第2特典遊技実行手段により第2特典遊技が実行される。外れ判別結果を示す特定演出と、第3判別結果を示す特定演出とで、表示タイミング決定手段により第2タイミングを決定する割合が共通化されている。
これにより、第2タイミングで特定の表示態様が表示されなかった場合にも、第3判別結果を示す特定演出であることに対する期待感を維持させることができるという効果がある。
<特徴X群>(小当たり中に、時短期待度が高いV入賞口に誘導され易いルートに切り替わっている期待度を示唆する演出を、見てから打っても間に合わないタイミングで実行)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成されている第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分ける振分手段と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により前記可変遊技が実行されたことに基づいて、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1流路へと振り分けられる第1振分状態と、前記第2流路へと振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態が特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段を制御する振分制御手段と、前記可変遊技の実行中において、前記第1振分状態となっていることを示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機X1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、振分部材の状態が分かり難く、V入賞装置の内部に入球した遊技球がいずれの領域に振り分けられるのかが把握し難いという問題点があった。
これに対して遊技機X1によれば、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。入球手段に入球した遊技球が流下可能な位置に第1流路と第2流路とが設けられている。入球手段に入球した遊技球が、振分手段によって第1流路と、第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分けられる。第1流路を流下した遊技球が入球可能となる位置に特定領域が設けられており、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別条件の成立に基づいて判別手段による判別が実行され、判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変遊技実行手段により可変手段が所定期間、第2位置から第1位置に可変される可変遊技が実行される。可変遊技実行手段により可変遊技が実行されたことに基づいて、入球手段へと入球した遊技球が第1流路へと振り分けられる第1振分状態と、第2流路へと振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態が所定の切り替えパターンで切り替わるように振分制御手段によって振分手段が制御される。可変遊技の実行中において、第1振分状態となっていることを示唆する特定演出が特定演出実行手段によって実行される。
これにより、特定演出の実行中に遊技球が入球手段へと入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X1において、遊技球を発射可能な発射手段を備え、前記特定の切り替えパターンは、前記特定演出が開始された後で前記発射手段により発射された遊技球が前記第1振分状態の間に前記入球手段に到達困難となるように前記第1振分状態に切り替えられる期間の長さが設定されているものであることを特徴とする遊技機X2。
遊技機X2によれば、遊技機X1の奏する効果に加え、特定の切り替えパターンは、特定演出が開始された後で発射手段により発射された遊技球が第1振分状態の間に入球手段に到達困難となるように第1振分状態に切り替えられる期間の長さが設定されているので、遊技球が入球するタイミングで運良く特定演出が実行されることを期待させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機X1又はX2において、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成され、前記第1流路および前記第2流路のいずれとも異なる第3流路と、その第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2特定領域と、を備え、前記振分手段は、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路と、前記第3流路と、のいずれかに振り分けるものであり、前記振り分け制御手段は、前記第1振分状態と、前記第2振分状態と、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第3流路へと振り分けられる第3振分状態と、が前記特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段を制御するものであり、前記特典遊技実行手段は、前記特定領域と、前記第2特定領域とのうち少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機X3。
遊技機X3によれば、遊技機X1又はX2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が流下可能な第3流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2特定領域が設けられている。入球手段へと入球した遊技球が、第1流路と、第2流路と、第3流路と、のいずれかに振り分けられる。第1振分状態と、第2振分状態と、入球手段へと入球した遊技球が第3流路へと振り分けられる第3振分状態と、が特定の切替パターンで切り替わるように、振り分け制御手段により振分手段が制御される。特定領域と、第2特定領域とのうち少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。
これにより、特定演出の実行中に遊技球が入球手段へと入球しなくても、第3振分状態の間に遊技球が入球することで特典遊技が実行されるので、特定演出の実行中とは異なるタイミングで遊技球が入球手段に入球した場合にも、遊技者の特典遊技に対する期待感を維持させることができるという効果がある。
遊技機X3において、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第2特定領域に遊技球が入球して前記特典遊技が実行された場合よりも、前記特定領域に遊技球が入球して前記特典遊技が実行された場合の方が前記第2遊技状態を設定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機X4。
遊技機X4によれば、遊技機X3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第2特定領域に遊技球が入球して特典遊技が実行された場合よりも、特定領域に遊技球が入球して特典遊技が実行された場合の方が、遊技状態設定手段による第2遊技状態の設定割合が高くなる。
これにより、特定演出の実行中に遊技球が入球手段に入球することをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機X4において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記可変遊技の実行期間の間に前記第2特定領域へと遊技球が入球して前記特典遊技が実行された場合に、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定される第1可変遊技種別と、前記第2遊技状態が設定される第2可変遊技種別と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する可変遊技種別決定手段、を備え、前記第1可変遊技種別は、前記第2可変遊技種別よりも前記可変遊技種別決定手段により決定される割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機X5。
遊技機X5によれば、遊技機X4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、可変遊技の実行期間の間に第2特定領域へと遊技球が入球して特典遊技が実行された場合に、遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される第1可変遊技種別と、第2遊技状態が設定される第2可変遊技種別と、を少なくとも含む複数の中から可変遊技種別決定手段により1の種別が決定される。第1可変遊技種別は、第2可変遊技種別よりも可変遊技種別決定手段により決定される割合が高くなるように構成されている。
これにより、第2特定領域に遊技球が入球した場合に、第2可変遊技種別が決定されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機X5において、前記第2可変遊技種別の可変遊技の実行中において、前記第3振分状態となっていることを示唆する第2特定演出を実行する第2特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機X6。
遊技機X6によれば、遊技機X5の奏する効果に加え、第2可変遊技種別の可変遊技の実行中において、第3振分状態となっていることを示唆する第2特定演出が第2特定演出実行手段により実行されるので、第3振分状態で第2特定演出が実行されると、第2可変遊技種別になるということを遊技者に認識させることができる。よって、第2特定演出の実行中に遊技球を入球手段へと入球させたいと強く期待させることができるという効果がある。
遊技機X5又はX6において、前記遊技状態設定手段は、前記特定領域に遊技球が入球して前記特典遊技が実行された場合に、前記可変遊技種別決定手段により決定された前記可変遊技の種別によらず、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機X7。
遊技機X7によれば、遊技機X5又はX6の奏する効果に加え、特定領域に遊技球が入球して特典遊技が実行された場合に、可変遊技種別決定手段により決定された可変遊技の種別によらず、特典遊技が修了した後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されるので、特定演出の実行中に遊技球が入球手段へと入球することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機X4からX7のいずれかにおいて、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となり易い遊技状態であることを特徴とする遊技機X8。
遊技機X8によれば、遊技機X4からX7のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態では、第1遊技状態よりも判別手段の判別結果が特定の判別結果となり易いので、遊技者に対して第2遊技状態となることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機X8において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を備え、前記判別手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1判別手段による判別は、前記第2判別手段による判別よりも、前記特定の判別結果となる確率が低く構成されているものであり、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2入球手段へと遊技球を入球させることが困難に構成されているものであることを特徴とする遊技機X9。
遊技機X9によれば、遊技機X8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段とが設けられている。第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段により判別が実行される一方で、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により判別が実行される。第1判別手段による判別は、第2判別手段による判別よりも、特定の判別結果となる確率が低くなるように構成されている。第1遊技状態では、第2遊技状態よりも、第2入球手段へと遊技球を入球させることが困難となる。
これにより、第2判別手段による判別が実行された場合に、可変遊技が実行されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機X9において、遊技球が前記第2入球手段へと入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変可能な第2可変手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記第2可変手段が前記第3位置へと可変され難く構成されているものであることを特徴とする遊技機X10。
遊技機X10によれば、遊技機X9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が第2入球手段へと入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置とに可変可能な第2可変手段が設けられている。第1遊技状態では、第2遊技状態よりも、第2可変手段が第3位置へと可変され難くなる。
これにより、第2遊技状態の優位性をより高めることができるので、第2遊技状態となることをより強く期待させることができるという効果がある。
<特徴Y群>(通常遊技に影響を与えずに磁石ゴトを抑制する小当たり開放制御)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が入球可能となる位置に設けられている特定領域と、予め定められた特定条件の成立に基づいて前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行期間の間に前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと入球した遊技球を前記入球手段の外部へと排出する排出手段と、前記可変遊技の実行が開始されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、前記入球手段へと入球した全ての遊技球が前記排出手段により排出されたか否かによらず、前記可変遊技を終了させることが可能な可変遊技終了手段と、を備えることを特徴とする遊技機Y1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、磁石等を用いた不正行為により、振分部材の状態とは無関係に遊技球を強制的に特定領域へと誘導されてしまった場合に、不正行為者にとって不当に有利になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機Y1によれば、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球手段へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変する。入球手段へと入球した遊技球が入球可能となる位置に特定領域が設けられている。予め定められた特定条件の成立に基づいて可変手段が所定期間、第2位置から第1位置へと可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。可変遊技の実行期間の間に特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる所定の特典が特典付与手段によって付与される。入球手段へと入球した遊技球が排出手段によって入球手段の外部へと排出される。可変遊技の実行が開始されてから予め定められた特定期間が経過したことに基づいて、入球手段へと入球した全ての遊技球が排出手段により排出されたか否かによらず、可変遊技終了手段によって可変遊技が終了される。
これにより、可変遊技をより好適に終了させることができるという効果がある。
遊技機Y1において、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な特定流路と、その特定流路に入球した遊技球を前記特定領域へと振り分ける第1振分状態と、前記特定領域とは異なる第2領域へと振り分ける第2振分状態と、に可変可能な振分手段と、前記特定条件の成立に基づいて、前記第1振分状態と、前記第2振分状態と、が予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段を制御する振分制御手段と、を備え、前記特定期間は、前記第2振分状態の間に前記特定流路を通過し、且つ、前記特定領域へ向けて流下した遊技球が、前記可変遊技の実行期間の間に前記特定領域へと入球することが困難になる長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機Y2。
遊技機Y2によれば、遊技機Y1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が通過可能となる特定流路に入球した遊技球を特定領域へと振り分ける第1振分状態と、特定領域とは異なる第2領域へと振り分ける第2振分状態と、に振分手段が可変可能に構成されている。特定条件の成立に基づいて、第1振分状態と、第2振分状態と、が予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように振分制御手段によって振分手段が制御される。特定期間は、第2振分状態の間に特定流路を通過し、且つ、特定領域へ向けて流下した遊技球が、可変遊技の実行期間の間に特定領域へと入球することが困難となる長さの期間で構成されている。
これにより、第2振分状態の間に特定流路を通過したにもかかわらず特定領域へと流下するという不自然な動作となった場合に、特定領域へと入球するよりも前に可変遊技を終了させることができる。よって、不正行為により無理矢理特定領域へと遊技球を流下させる行為を抑制できるという効果がある。
遊技機Y2において、前記特定期間は、前記第1振分状態の間に前記特定流路を通過し、且つ、前記特定領域へ向けて流下した遊技球が、前記可変遊技の実行期間の間に容易に前記特定領域へと入球可能となる長さの期間で構成されていることを特徴とする遊技機Y3。
遊技機Y3によれば、遊技機Y2の奏する効果に加え、特定期間は、第1振分状態の間に特定流路を通過し、且つ、特定領域へ向けて流下した遊技球が、可変遊技の実行期間の間に容易に特定領域へと入球可能となる長さの期間で構成されているので、自然な動作で特定領域へと入球した場合に、正常に所定の特典を付与することができる。よって、通常の遊技者に影響を与えずに不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機Y2又はY3において、前記振分手段は、前記第1振分状態に可変することで、前記特定流路における特定範囲の底面を閉鎖して前記特定範囲を遊技球が通過可能とし、前記第2振分状態に可変することで、前記特定範囲の底面を開放して前記特定範囲に到達した遊技球を前記第2領域に向けて落下させるものであることを特徴とする遊技機Y4。
遊技機Y4によれば、遊技機Y2又はY3の奏する効果に加え、振分手段が第1振分状態に可変することで、特定流路における特定範囲の底面が閉鎖されて特定範囲を遊技球が通過可能となる一方で、振分手段が第2振分状態に可変することで、特定範囲の底面が開放されて特定範囲に到達した遊技球が第2領域に向けて落下されるので、第2振分状態の間に特定流路を通過したにもかかわらず特定領域へと流下するようなケースを、磁石等により特定流路に対して遊技球を浮かせて無理矢理特定領域まで誘導するような不正行為が行われた場合に限定することができる。よって、正規に遊技を行っている遊技者に影響を与えずに、不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機Y4において、遊技者が遊技領域に触れることが困難となるように遊技領域を遮蔽する遮蔽手段を備え、前記特定範囲は、前記特定流路における他の範囲よりも、前記遮蔽手段に対する距離が遠くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機Y5。
遊技機Y5によれば、遊技機Y4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が遊技領域に触れることが困難となるように遮蔽手段によって遊技領域が遮蔽される。特定範囲は、特定流路における他の範囲よりも、遮蔽手段に対する距離が遠くなるように構成されている。
これにより、磁石等により遊技球を誘導する不正行為を行おうとしても、特定範囲において遊技球に対する磁力の影響を弱めることができるので、特定領域へと遊技球を誘導することを困難にすることができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機Y1からY5のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記可変遊技実行手段は、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて前記可変遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機Y6。
遊技機Y6によれば、遊技機Y1からY5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段による判別が実行される。判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて可変遊技実行手段により可変遊技が実行される。
これにより、判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Y6において、前記特典付与手段による前記所定の特典の付与が終了した後の遊技状態として、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となり難い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の判別結果となり易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機Y7。
遊技機Y7によれば、遊技機Y6の奏する効果に加え、特典付与手段による所定の特典の付与が終了した後の遊技状態として、判別手段の判別結果が特定の判別結果となり難い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも特定の判別結果となり易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定されるので、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Y7において、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な特定流路と、その特定流路に入球した遊技球を前記特定領域へと振り分ける第1振分状態と、前記特定領域とは異なる第2領域へと振り分ける第2振分状態と、に可変可能な振分手段と、前記特定条件の成立に基づいて、前記第1振分状態と、前記第2振分状態と、が予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段を制御する振分制御手段と、を備え、前記特典付与手段は、前記特定領域と、前記第2領域との少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて、前記所定の特典として遊技者に有利な特典遊技を実行するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記特定領域へと遊技球が入球した場合よりも、前記第2領域へと入球した場合の方が、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態を設定する割合が低くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機Y8。
遊技機Y8によれば、遊技機Y7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が通過可能な特定流路に入球した遊技球を特定領域へと振り分ける第1振分状態と、特定領域とは異なる第2領域へと振り分ける第2振分状態と、に振分手段が可変可能に構成されている。特定条件の成立に基づいて、第1振分状態と、第2振分状態と、が予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように振分制御手段によって振分手段が制御される。特定領域と、第2領域との少なくとも一方に遊技球が入球したことに基づいて、所定の特典として特典付与手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特定領域へと遊技球が入球した場合よりも、第2領域へと入球した場合の方が、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段による第2遊技状態の設定割合が低くなる。
これにより、特定領域へと遊技球が入球することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴AA群>(小当たり入賞した球を用いた複数種類のV入賞チャンス)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置或いは前記第2位置へと所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な所定の特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記入球手段に入球した遊技球を前記特定領域へと入球可能な第1流路と、その第1流路とは異なるものであって、遊技球を前記特定領域へと入球可能な第2流路と、を有するものであることを特徴とする遊技機AA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、V入賞可能な流路が1つしか無く、V入賞装置内に入球した遊技球がV入賞するか否かを遊技者に楽しませることができないという問題点があった。
遊技機AA1によれば、入球手段に入球し、第1流路、或いは、第2流路を流下した遊技球を特定領域へと入球させることが可能となる。よって、様々な流路を流下した遊技球を特定領域へと入球させることができるため遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AA1において、前記特定領域は、第1特定領域と、その第1特定領域とは異なる第2特定領域と、から少なくとも構成されるものであり、前記第1流路を流下した遊技球は、前記第2特定領域よりも前記第1特定領域に入球し易くなり、前記第2流路を流下した遊技球は、前記第1特定領域よりも前記第2特定領域に入球し易くなるものであることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、入球手段に入球した遊技球が流下する流路に応じて、異なる特定領域に遊技球を入球させることが可能となる。よって、可変遊技中の遊技を興趣に富んだものにすることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機AA1またはAA2において、前記第1流路を流下した遊技球よりも前記第2流路を流下した遊技球のほうが、前記特定領域に入球し易いものであることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA1またはAA2の奏する効果に加え、遊技球が流下する流路に応じて、特定領域への入球のし易さを異ならせることができる。よって、可変遊技中に特定領域に入球し易い流路を遊技球が流下することを期待させながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AA3において、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路を流下して前記特定領域に到達するまでの第1期間よりも、前記入球手段に入球した遊技球が前記第2流路を流下して前記特定領域に到達するまでの第2期間のほうが短くなり易いものであることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、特定領域に遊技球を入球させ易い第2流路を遊技球が流下する第2期間を、第1流路を遊技球が流下する第1期間よりも短くすることができる。よって、特定領域に遊技球を入球させ易い可変遊技を効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機AA4において、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、第1可変遊技と、その第1可変遊技とは異なる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を決定する種別決定手段を有し、前記第1可変遊技は、前記第2可変遊技よりも、前記可変遊技が実行されてから前記入球手段が前記第1位置になるまでの期間が長い可変遊技であることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA4の奏する効果に加え、種別決定手段により決定された可変遊技の種別に応じて、可変遊技が実行されてから入球手段が第1位置になるまでの期間を異ならせることができる。よって、実行される可変遊技の種別に応じて可変手段が第1位置になるタイミングを予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機AA5において、前記第2可変遊技が実行される場合に、前記第2流路を遊技球が流下し易くするものであることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、第2可変遊技が実行されると、第2流路を遊技球が流下させ易くすることができるため、第2流路を流下させて特定領域に遊技球を入球させる遊技を効率良く行わせることができるという効果がある。
<特徴AB群>(小当たり遊技期間の長さに応じてV入賞率を可変させる)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置或いは前記第2位置へと所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な所定の特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記入球手段に入球した遊技球を前記特定領域に向けて流下させることが可能な第1流路と、その第1流路よりも前記特定領域に向けて遊技球を流下させ難い第2流路と、を有し、前記遊技機は、前記可変遊技の開始後における経過時間に応じて、前記特定領域に対する遊技球の入球のし易さが可変するように構成されているものであることを特徴とする遊技機AB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技においてV入賞装置内に入球した遊技球の流下期間に応じて特定領域への入球のし易さが変わることが無いため、V入賞装置内に球が入球してからの遊技性が乏しく、V入賞装置内に入球した遊技球がV入賞するか否かを遊技者に楽しませることができないという問題点があった。
遊技機AB1によれば、可変遊技の開始後における経過時間に応じて、特定領域に対する遊技球の入球のし易さが可変される。これにより、遊技者に対して、可変遊技の経過期間を意識させながら遊技を行わせることができるため、可変遊技の経過期間が長くなった場合において、遊技に対する間延び感を遊技者に与えてしまい、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機AB1において、第3位置と、その第3位置とは異なる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、その第2可変手段を、前記可変遊技の実行中に特定の可変パターンで可変させる可変制御手段と、を有し、前記第2可変手段が前記第3位置に可変されている状態のほうが、前記第4位置に可変されている状態よりも前記特定領域に対して遊技球が入球し易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、第2可変手段が第3位置に可変されることにより特定領域に対して遊技球を入球させ易くすることができる。よって、第2可変手段の可変状況を遊技者に注視させることができるため、可変遊技における興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AB2において、前記第2可変手段は、前記第3位置に可変されている状態で前記第2流路への遊技球の流下を制限するものであることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB2の奏する効果に加え、第2可変手段を第3位置に可変させることで遊技球が第2流路を流下することが制限される。よって、入球手段に入球した遊技球が第1流路を流下し易くすることができるため、特定領域に対して遊技球を入球させ易くすることができる。よって、第2可変手段の可変状況を遊技者に注視させることができるため、可変遊技における興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AB2またはAB3において、前記特定の可変パターンは、前記可変遊技が開始されてから第1期間が経過したことに基づいて、前記第2可変手段を前記第3位置に可変させる可変パターンで構成されているものであることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB2またはAB3の奏する効果に加え、可変遊技が開始されてからの経過期間が第1期間を経過することにより特定領域に遊技球を入球させ易い状態を提供することができる。よって、遊技者に対して、可変遊技が長く続くことを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AB2からAB4のいずれかにおいて、前記特定の可変パターンは、前記可変遊技が開始されてから前記第1期間よりも短い第2期間が経過するまでは前記第2可変手段を前記第3位置に可変させ、前記第2期間が経過したことに基づいて、前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変させるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB2からAB4のいずれかの奏する効果に加え、可変遊技が開始されてから第2期間が経過するまでは第2可変手段が第3位置に位置するため、遊技球が第2流路を流下させ難くすることができる。よって、可変遊技が開始されたにも関わらず、直ぐに、遊技球が第2流路を流下してしまい、遊技球が第1流路を流下するか否かを楽しむことができず、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴AC群>(1回の小当たり遊技で複数チャンス)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、 その判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置或いは前記第2位置へと所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な所定の特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記入球手段に入球した遊技球を前記特定領域に向けて流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる流路であって、前記特定領域又は前記特定領域とは異なる特定領域に向けて流下可能な第2流路と、を少なくとも含む複数の流路を備え、前記遊技機は、前記可変遊技実行手段により実行される1の前記可変遊技において、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路と、前記第2流路と、の何れにも流下し得るように構成されているものであることを特徴とする遊技機AC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1回の特定の遊技においてV入賞装置内に入球した遊技球が特定領域を通過する可能性が1回しか無く、特定の遊技中に継続して期待感を抱かせることができず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
遊技機AC1によれば、1回の可変遊技中に、第1流路を流下させて特定領域に遊技球を入球させる遊技と、第2流路を流下させて特定領域に遊技球を入球させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、1回の可変遊技中に特定領域に遊技球が入球し得る機会を遊技者に複数回提供することができ、可変遊技中の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機AC1において、前記第1流路を流下した遊技球は第1の割合で前記特定領域に入球可能となり、前記第2流路を流下した遊技球は前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記特定領域に入球可能となるものであることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、1回の可変遊技中に提供される特定領域に遊技球が入球し得る機会のそれぞれに対して、特定領域への入球割合を異ならせることができるため、可変遊技中に多様な遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC1またはAC2において、前記入球手段へと入球した遊技球を、前記複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段を有し、前記1の可変遊技において前記入球手段へと入球した複数の遊技球が、前記第1流路と、前記第2流路とにそれぞれ振り分けられ得るように構成されているものであることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1またはAC2の奏する効果に加え、1回の可変遊技中に入球手段に入球した複数の遊技球が、振分手段により第1流路と第2流路とにそれぞれ振り分け可能となる。よって、1回の可変遊技中に複数の遊技球を入球手段に入球させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機AC1またはAC2において、前記入球手段へと入球した遊技球を、前記複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段と、その振分手段により、前記第2流路へと振り分けられた遊技球を、前記第1流路へと誘導する誘導手段と、を備えることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1またはAC2の奏する効果に加え、1回の可変遊技中に入球手段に入球した遊技球のうち、第2流路へと振り分けられた遊技球を、第1流路へと誘導することが可能となる。これにより、可変遊技中に入球した1個の遊技球が第1流路と第2流路とを流下し得るため、可変遊技中の遊技球の流下状況を遊技者に注視させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC3において、前記可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、特定可変遊技を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を決定する可変遊技決定手段と、前記振分手段によって遊技球が前記第1流路に振り分けられる第1振分状態と、前記第2流路に振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態が予め定められた特定の切替パターンで切り替わるように前記振分手段の状態を切り替える切替制御手段と、を備え、前記可変遊技実行手段は、前記特定可変遊技の実行中において、遊技球が前記入球手段へと入球することで、前記振分手段が前記第1振分状態に設定されている間に前記振分手段へと到達し易くなる第1期間と、前記入球手段へと入球することで、前記振分手段が前記第2振分状態に設定されている間に前記振分手段へと到達し易くなる第2期間と、で少なくとも前記可変手段が前記第1位置に可変するように制御するものであることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、遊技機AC3の奏する効果に加え、切替制御手段により振分手段の状態を切り替えることができるため、遊技球が第1流路を流下する可変遊技と、第2流路を流下する可変遊技と、第1流路と第2流路とを流下する可変遊技とを設定することができる。よって、可変遊技決定手段により決定された可変遊技の種別に応じて、遊技者に対する有利度合いを異ならせた可変遊技を設定することができるという効果がある。
遊技機AC5において、前記第1期間の間に前記入球手段へと入球した遊技球は、前記第2期間の間に前記入球手段へと入球した遊技球よりも、前記特定領域へと到達するタイミングが早くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC5の奏する効果に加え、第1期間の間に入球手段へと入球した遊技球のほうが、第2期間の間に入球手段へと入球した遊技球よりも、特定領域へと到達するタイミングが早くなり易くすることができる。これにより、1回の可変遊技において、特定領域へと入球し易い流路を流下する遊技球のほうが、特定領域へと到達するタイミングを遅らせることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機AC5又はAC6において、前記特定領域は、前記第1流路を流下した遊技球が第1の割合で入球可能となる位置に設けられている第1特定領域と、前記第2流路を流下した遊技球が前記第2の割合で入球可能となる位置に設けられている第2特定領域と、で少なくとも構成されているものであり、前記特典付与手段は、前記特典付与手段は、前記第2特定領域へと遊技球が入球した場合よりも、前記第1特定領域へと遊技球が入球した場合の方が前記所定の特典として遊技者の有利度合いが高い特典を付与する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC5またはAC6の奏する効果に加え、第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、第1特定領域へと遊技球が入球した場合よりも遊技者に有利な特典を付与することが可能となる。よって、遊技球がどの流路を流下するのかを遊技者に注視させることができるという効果がある。
<特徴群BA>(小当たり当選時のV入賞確率を異ならせた複数の時短状態を設定)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変手段と、判別条件が成立した場合に判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変制御手段と、前記入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記可変制御手段による可変制御が実行されることに基づいて、前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域へと入球可能な許容状態と、その許容状態よりも前記特定領域へと入球し難い規制状態とに切り替えられる切替手段と、前記特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別が実行され易い有利遊技状態と、その有利遊技状態よりも前記判別手段による判別が実行され難い不利遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記有利遊技状態として、第1有利遊技状態と、その第1有利遊技状態とは異なる第2有利遊技状態と、を設定可能なものであり、前記遊技機は、前記第1有利遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2有利遊技状態が設定されている場合のほうが、前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球し易いものであることを特徴とする遊技機BA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
さらに、電動役物が開放され易くなる有利遊技状態を設定可能に構成することで、V入賞装置内の特定領域に球を通過させ易い遊技状態と、させ難い遊技状態と、を遊技者に提供可能なものがあった。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利遊技状態を1種類した設定することができず、遊技者に楽しませることができないという問題点があった。
遊技機BA1によれば、遊技状態設定手段により、判別手段による判別が実行され易い有利遊技状態と、その有利遊技状態よりも判別手段による判別が実行され難い不利遊技状態と、が設定可能に構成されており、さらに、有利遊技状態として第1有利遊技状態と、第2有利遊技状態と、が設定可能に構成されている。そして、第1有利遊技状態が設定されている場合よりも、第2有利遊技状態が設定されている場合のほうが、入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球し易くなる。よって、有利遊技状態が設定される場合に、何れの有利遊技状態が設定されるのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1において、前記可変制御手段は、前記第1有利遊技状態が設定されている場合よりも、前記第2有利遊技状態が設定されている場合のほうが、前記入球手段に入球した遊技球が前記特定領域に入球し易くなるように前記可変手段を可変制御するものであることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、可変制御手段による可変手段の可変制御によって、第1有利遊技状態が設定されている場合よりも、第2有利遊技状態が設定されている場合のほうが、入球手段に入球した遊技球が特定領域に入球し易くすることができる。よって、有利遊技状態の種別に応じて特典遊技の実行確率を容易に可変設定することができるという効果がある。
遊技機BA2において、前記可変制御手段は、前記第1有利遊技状態が設定されている場合と、前記第2有利遊技状態が設定されている場合とで、前記可変手段を前記第1状態へと可変させるタイミングを異ならせるものであることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、設定されている有利遊技状態の種別に応じて入球手段に遊技球を入球させるタイミングを異ならせることにより、入球手段に入球した遊技球の特定領域への入球のし易さを異ならせることができる。よって、有利遊技状態の種別に応じて特典遊技の実行確率を容易に可変設定することができるという効果がある。
遊技機BA1またはBA3において、前記切替手段が前記許容状態である場合に前記入球手段に入球した遊技球が流下可能となる第1流路と、前記切替手段が前記規制状態である場合に前記入球手段に入球した遊技球が流下可能となる前記第1流路とは異なる第2流路と、を有し、前記第1流路を流下する遊技球のほうが、前記第2流路を流下する遊技球よりも前記特定領域に入球し難いものであることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、切替手段の状態に応じて入球手段に入球した遊技球が流下する流路を、第1流路と、第2流路とに切り替えられる。そして、第1流路を流下する遊技球のほうが、第2流路を流下する遊技球よりも特定領域に入球し難くなる。このように、入球手段に入球した遊技球が流下する流路を切り替えることにより特定領域への球の入球のし易さを異ならせることで、特典遊技の実行確率を容易に可変設定することができるという効果がある。
遊技機BA4において、前記特定領域として、前記第1流路を流下した遊技球が入球し得る第1特定領域と、前記第2流路を流下した遊技球が入球し得る第2特定領域と、を有するものであることを特徴とする遊技機BA5。
遊技機BA5によれば、各流路にそれぞれ特定領域を設けることができるため、入球手段内部の設計自由度を高めることができるという効果がある。
遊技機BA2からBA5のいずれかにおいて、前記第1流路と、前記第2流路とのうち、少なくとも1の流路は、前記流路内を流下する遊技球を遊技者が視認可能に構成しているものであることを特徴とする遊技機BA6。
遊技機BA6によれば、第1流路と、第2流路との少なくとも1の流路を流下する遊技球を遊技者に視認させることができるため、入球手段に入球した遊技球が、何れの流路を流下したのかを遊技者に視認させることが可能となる。よって、入球手段に入球した遊技球が特定領域へと入球するか否かを遊技者に予測させ易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1からBA6のいずれかにおいて、前記判別手段として、第1判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて前記第1判別とは異なる第2判別を実行する第2判別手段と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記有利遊技状態として、前記第1判別手段による前記第1判別が前記第2判別手段による前記第2判別よりも実行され易い第1有利遊技状態と、前記第2判別手段による前記第2判別が前記第1判別手段による前記第1判別よりも実行され易い第2有利遊技状態と、を設定可能なものであることを特徴とする遊技機BA7。
遊技機BA1からBA7のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別の結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機BA8。
<特徴群BB>(当たり遊技の入賞球エラーを判別する条件を異ならせる)
所定の判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果であることに基づいて特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、複数の特典遊技種別の中から一の特典遊技種別を設定する種別設定手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技として、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球し難い第2状態と、に可変される可変入球手段と、を有する遊技機において、前記可変入球手段の内部に遊技球が残存している状態で所定条件が成立した場合に所定状態と判断する判断手段と、その判断手段により前記所定状態と判断されたことに基づいて所定の報知を実行可能な報知手段と、記種別設定手段により設定される前記特典遊技種別に基づいて異なる前記所定条件を設定可能な条件設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、V入賞装置内において球が残存しているタイミングが正常であるか異常であるかの判別ができず、不正遊技が行われていたとしても気づき難いという問題があった。
遊技機BB1によれば、実行される特典遊技に応じて、判定条件設定手段によって異なる判定条件を設定することができるため、特典遊技に応じた所定状態の判定を適切に行うことが可能となる。よって、故意に遊技球を入球手段の内部に残存させる不正遊技が行われることを抑制し、適切な遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機BB1において、前記条件設定手段は、前記所定条件として、前記特典遊技種別に基づいて異なる判定タイミングを設定可能なものであることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、特典遊技種別に基づいて所定状態の判定タイミングを異ならせることができる。よって、所定状態と判定されるまでの期間を実行される特典遊技の種別に応じて適正に設定することができるため、所定状態が発生したことを遅滞無く判定することができるという効果がある。
前記遊技機BB2において、前記可変入球手段に入球した遊技球を、前記可変入球手段の外部へと排出する排出部を有するものであり、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技の種別として所定の第1種別が設定された場合に前記可変入球手段に入球した遊技球が第1期間で前記排出部から遊技球が排出され得る第1特典遊技を実行し、前記第1種別とは異なる第2種別が設定された場合に前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第1期間よりも長い第2期間で前記排出部から遊技球が排出され得る第2特典遊技を実行するものであり、前記条件設定手段は、前記第1特典遊技が実行される場合よりも、前記第2特典遊技が実行される場合のほうが、前記判定タイミングを遅らせて設定するものであることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、可変入球手段に入球した球が排出部から排出されるまでの期間の長さが異なる特典遊技が実行される場合に、その長さに応じた判定タイミングが判定条件設定手段により設定されるため、特典遊技中において可変入球手段内を正常に遊技球が流下している状況で所定状態と判定されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、前記可変入球手段に入球した遊技球が、前記排出部から排出されるよりも前に通過可能な特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に、前記所定条件を切り替える条件切替手段を有するものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技球が特定領域を通過した場合に、所定条件を切り替えることができるため、可変入球手段に入球した遊技球が流下期間の異なる複数の流路の何れかを流下するような構成を用いた場合であっても、遊技球の流下状況に合わせて適切なタイミングで所定状態の判断を実行することができるという効果がある。
遊技機BB1からBB4のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判断手段により前記所定状態であると判断されなかった場合に、前記特典遊技を終了するものであることを特徴とする遊技機BB5。
遊技機BB5において、前記可変入球手段に入球した遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、切替条件が成立した場合に、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第1流路を流下する初期状態から前記第2流路を流下する切替状態へと可変される切替手段と、を有し、前記判定条件設定手段は、前記切替手段が前記初期状態である場合に成立する前記判定条件を設定するものであることを特徴とする遊技機BB6。
<特徴群BC>(小当たり中の停電対策)
所定の遊技制御を実行する主制御手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記入球手段に入球した遊技球が流下可能な複数の流下領域のうち少なくとも一の特定流下領域に設けられた特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことを検知可能な検知手段と、を有する遊技機において、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果であることに基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変制御手段と、前記入球手段に入球した遊技球が流下する前記流下領域を変化させるための駆動部材を駆動させる駆動制御手段と、前記検知手段が遊技球を検知したことに基づいて、遊技者に有利な所定の特典を付与する特典付与手段と、前記検知手段による遊技球の検知が困難となる特定状態において、前記入球手段に入球した遊技球の流下状況に基づいた特定制御を実行可能な特定制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、特定の遊技中に停電等により遊技を正常に進行することが出来ない場合において、例えば、入賞スイッチが球を検知することが出来ないタイミングで球が特定領域を通過してしまうなどの事態が発生してしまい、遊技者に不具合が生じてしまう虞があった。
遊技機BC1によれば、特定制御手段により、検知手段による遊技球の検知が困難な状態で入球手段に入球した遊技球の流下状況に基づいた特定制御が実行される。よって、特定領域に遊技球が入球しても特典が付与されない事態が発生し、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BC1において、遊技機に供給されている電圧が所定電圧値以下となった場合に電断状態と判別する電断状態判別手段を有し、前記特定制御手段は、前記電断状態判別手段により前記電断状態と判別されたことに基づいて、前記特定状態となる前に前記駆動制御手段により駆動される前記駆動部材を停止させるための制御を実行するものであることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、電断状態と判別された場合に、特定状態となる前に駆動部材の駆動を停止させることができる。よって、特定状態中である特定領域に遊技球が入球してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BC1またはBC2において、前記特定制御手段は、前記電断状態から復帰した場合に、前記検知手段による遊技球の検知が可能となった後に、前記駆動制御手段による前記駆動部材の駆動を開始させるための処理を実行するものであることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC2またはBC3において、前記特定制御手段は、前記可変制御手段による可変制御が実行されている状態で、前記電断状態判別手段により前記電断状態と判別された場合に、前記特定制御を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機BC4。
遊技機BC4において、前記入球手段に入球した遊技球が前記駆動部材に到達し得る状況であるかを判別する状況判別手段を有し、前記特定制御手段は、前記状況判別手段により前記入球手段に入球した遊技球が前記駆動部材に到達し得る状況であって、前記電断状態判別手段により前記電断状態と判別された場合に、前記特定制御を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機BC5。
遊技機BC2からBC5のいずれかにおいて、前記電断状態中も、遊技機に予備電圧を供給可能な予備電圧供給手段を有し、前記主制御手段は、前記電断状態中における前記検知手段の検知結果を記憶可能な記憶手段を有し、前記特定制御手段は、前記電断状態から復帰した場合に、前記記憶手段に記憶された前記検知手段の検知結果に基づいた特定制御を実行するものであることを特徴とする遊技機BC6。
遊技機BC1からBC6のいずれかにおいて、前記入球手段に入球した遊技球が流下し得る第1流路と、その第1流路に設けられ、前記第1流路を流下する球を保持可能な第1状態と、前記第1流路を流下する球を保持しない第2状態と、に可変可能な保持手段と、を有し、前記特定領域は、前記第1流路を流下した球が入球する位置に設けられ、前記規制手段は、前記外部電源からの電源供給が停止される場合に、前記保持手段を前記第1状態へと可変させ、前記外部電源からの電源供給が開始されたことに基づいて、前記保持手段を前記第2状態へと可変させるものであることを特徴とする遊技機BC7。
<特徴BD群>(当たり遊技中の右打ち報知の態様を開放パターンで異ならせる)
遊技球を遊技領域へ発射可能な発射手段と、遊技者の操作に基づいて前記発射手段の発射強度を可変させることで、前記遊技領域のうち遊技球が流下し得る領域を可変させることが可能な発射強度調整手段と、前記遊技領域のうち所定領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変手段と、特定条件の成立に基づいて、前記可変手段を前記第1状態或いは前記第2状態へと所定の可変パターンで可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、複数の可変遊技種別の中から一の可変遊技種別を設定する種別設定手段と、前記可変遊技実行手段により前記可変遊技が実行される場合に、前記所定領域に向けて遊技球を発射させることを案内するための案内報知を実行可能な案内報知手段と、を有する遊技機において、前記可変遊技実行手段は、前記種別設定手段により設定された前記可変遊技種別に応じた可変パターンで前記可変手段を可変するものであり、前記案内報知手段は、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変パターンに基づいた報知態様で前記案内報知を実行するものであることを特徴とする遊技機BD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の遊技に対する興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、V入賞装置の内部に入球した遊技球を特定領域と、非特定領域とのいずれかに振り分ける振分部材が設けられているものも存在し、振分部材による振り分けられ方に注目させることにより遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。また、特定の遊技が実行される際に、V入賞装置が設けられている領域に向けて球を発射させることを案内するための案内報知を実行するものがあった。
しかしながら、特定の遊技が実行されることに基づいて案内報知が実行されるため、案内報知に従って遊技球を発射した場合に閉鎖状態中のV入賞装置に到達してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうという問題があった。
遊技機BD1によれば、案内報知手段によって、可変遊技が実行されることが遊技者に報知される。さらに、案内報知手段の報知態様によって、可変遊技の可変パターンを遊技者に予測させることが可能となる。よって、可変遊技中において遊技球を入球手段に入球させることが可能なタイミングを遊技者に予測させながら遊技球を発射させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD1において、前記可変手段が前記第1状態となる期間を少なくとも含む特定期間を設定可能な期間設定手段を有し、前記案内報知手段は、前記特定期間を報知可能な特定報知態様を含む前記案内報知を実行するものであることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、案内報知の報知態様を把握することにより、可変遊技中において遊技球を入球手段に入球させることが可能なタイミングを遊技者に予測させながら遊技球を発射させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD2において、前記特定期間の残期間を判別可能な判別手段を有し、前記案内報知手段は、前記特定報知態様として前記特定期間の残期間を報知するものであることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、特定期間の残期間を把握することができるため、可変遊技中において遊技球を入球手段に入球させることが可能な期間を遊技者に予測させながら遊技球を発射させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD2またはBD3において、前記可変遊技実行手段は、前記可変手段を前記第1状態へと複数回可変させる可変遊技を実行可能とするものであり、前記期間設定手段は、前記可変手段が前記第1状態へと複数回可変される場合に、第1特定期間と、その第1特定期間とは異なる第2特定期間と、を設定可能なものであり、前記案内報知手段は、前記第1特定期間を報知可能な第1特定報知態様と、前記第2特定期間を報知可能な第2特定報知態様と、を含む前記案内報知を実行するものであることを特徴とする遊技機BD4。
遊技機BD4によれば、可変手段が第1状態へと複数回可変される可変遊技が実行される場合には、各第1状態に応じて異なる特定期間を設定し、各特定期間に対応する報知態様を用いて案内報知を実行することができるため、可変遊技中において遊技球を入球手段に入球させることが可能な期間を遊技者に予測させながら遊技球を発射させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BD4において、前記期間設定手段は、前記可変手段が前記第1状態へと複数回可変される可変遊技が実行される場合において、第1状態へと可変される間隔が所定間隔よりも短い場合は、その前後にて可変される第1状態を1の特定期間として設定するものであることを特徴とする遊技機BD5。
遊技機BD5によれば、可変手段が短い間隔で第1状態へと可変される場合には、1の特定期間として設定されるため、遊技者に分かり易い案内報知を実行することができるという効果がある。
<特徴BE群>(当たり遊技のOP期間の長さに関わらず、一定期間の右打ち報知期間を設定)
遊技球を遊技領域へ発射可能な発射手段と、遊技者の操作に基づいて前記発射手段の発射強度を可変させることで、前記遊技領域のうち遊技球が流下し得る領域を可変させることが可能な発射強度調整手段と、前記遊技領域のうち所定領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変手段と、所定の判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により特定の識別情報が停止表示されたことに基づいて、前記可変手段を前記第1状態或いは前記第2状態へと所定の可変パターンで可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技実行手段により前記可変遊技が実行される場合に、前記所定領域に向けて遊技球を発射させることを案内するための案内報知を実行可能な案内報知手段と、を有する遊技機において、前記可変遊技実行手段は、前記可変遊技が実行されてから前記可変手段を前記第1状態へと可変させるまでの待機期間を異ならせた複数の前記可変パターンに応じた前記可変遊技を実行可能なものであり、前記案内報知手段は、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の前記待機期間の長さに関わらず、一定期間の特定案内報知を実行可能なものであることを特徴とする遊技機BE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数種類の特定の遊技を実行可能にし、遊技者に対して遊技の興趣を高めることができるパチンコ機が提案されていた(例えば、特許文献1:特開2011-010741号公報)。
また、複数種類の特定遊技が実行される遊技機において、特定遊技が実行されることを遊技者に報知するための案内報知を実行することで遊技者に分かり易い、遊技を提供するものがあった。
しかしながら、案内報知が実行されるタイミングによって、次に実行される特定遊技の種別を遊技者に判別されてしまい、遊技の興趣が低下してしまうという問題があった。
遊技機BE1によれば、可変遊技の待機期間に関わらず、一定期間の特定案内報知を実行することができるため、案内報知手段により実行される特定案内報知に基づいて実行される可変遊技の種別が遊技者に判別されてしまうことが無い。よって遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記案内報知手段は、前記待機期間が経過するまでに前記特定案内報知の実行を完了するものであることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、待機期間が経過するまでに特定案内報知が完了するため、案内報知を効果的に実行することができるという効果がある。
遊技機BE1またはBE2において、前記動的表示手段により前記識別情報が停止表示された場合に、その識別情報を所定期間確定表示させる確定表示手段と、その確定表示手段により確定表示される確定期間として、異なる確定期間を設定可能な確定期間設定手段と、を有し、前記可変遊技実行手段は、前記確定期間が経過した後に前記可変遊技を実行するものであり、前記案内報知手段は、前記特定案内報知を前記確定期間と、前記待機期間とに跨がって実行するものであることを特徴とする遊技機BE3。
遊技機BE1からBE3のいずれかにおいて、前記特定案内報知は、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技において、前記可変手段が前記第1状態となるタイミングを示唆可能な示唆情報を含むものであることを特徴とする遊技機BE4。
遊技機BE1からBE4の何れかにおいて、前記特定案内報知が実行される前記一定期間は、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の前記待機期間よりも長いものであることを特徴とする遊技機BE5。
<特徴CA群>(普図当たりを契機として、互いに異なる複数の有利状態が予め定められた順序で成立する構成)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な第1有利状態を設定する第1有利状態設定手段と、その第1有利状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1有利状態とは異なる複数の有利な状態が予め定められた順序で設定され易くなる特定の状態に移行させる状態移行手段と、を備えることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
更に、係る従来型の遊技機の中には、当たり終了後の遊技状態として特定の遊技状態(例えば、潜確状態)が設定された場合に、特別図柄の抽選において高確率で小当たりに当選し、その小当たり遊技において開放される特定の入賞口へと遊技球を入球させることで賞球を多量に獲得し得る有利状態を形成するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機においても、当たりに当選しない限り特定の遊技状態が設定されることがないため、不利な遊技状態が長く継続した場合におけるモチベーションの低下を抑止することは困難であった。
これに対して遊技機CA1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な第1有利状態を設定する第1有利状態設定手段と、その第1有利状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1有利状態とは異なる複数の有利な状態が予め定められた順序で設定され易くなる特定の状態に移行させる状態移行手段と、を備える特定の判別結果となったことを契機に複数の有利な状態が順番に設定されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CA1において、前記複数の有利な状態は、第2有利状態と、第3有利状態と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第3有利状態は、前記第2有利状態の終了条件が成立したことに基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、前記複数の有利な状態は、第2有利状態と、第3有利状態と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第3有利状態は、前記第2有利状態の終了条件が成立したことに基づいて設定される。
これにより、第2有利状態と第3有利状態とが重複することを抑制できるという効果がある。
遊技機CA2において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、第2入球手段と、第3入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可能位置と、その第1可能位置よりも遊技球が入球困難となる第1困難位置とに可変可能な第1可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第2可能位置と、その第2可能位置よりも遊技球が入球困難となる第2困難位置とに可変可能な第2可変手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3可能位置と、その第3可能位置よりも遊技球が入球困難となる第3困難位置とに可変可能な第3可変手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与し、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の特典を付与し、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第3の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第1有利状態は、前記第1可変手段が前記第1困難位置から前記第1可能位置へと、予め定められた第1条件が成立するまでの間可変される状態であり、前記第2有利状態は、前記第2可変手段が前記第2困難位置から前記第2可能位置へと、予め定められた第2条件が成立するまでの間可変される状態であり、前記第3有利状態は、前記第3可変手段が前記第3困難位置から前記第3可能位置へと、予め定められた第3条件が成立するまでの間可変される状態であることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球手段と、第2入球手段と、第3入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可能位置と、その第1可能位置よりも遊技球が入球困難となる第1困難位置とに可変可能な第1可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第2可能位置と、その第2可能位置よりも遊技球が入球困難となる第2困難位置とに可変可能な第2可変手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3可能位置と、その第3可能位置よりも遊技球が入球困難となる第3困難位置とに可変可能な第3可変手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与し、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の特典を付与し、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第3の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第1有利状態は、前記第1可変手段が前記第1困難位置から前記第1可能位置へと、予め定められた第1条件が成立するまでの間可変される状態であり、前記第2有利状態は、前記第2可変手段が前記第2困難位置から前記第2可能位置へと、予め定められた第2条件が成立するまでの間可変される状態であり、前記第3有利状態は、前記第3可変手段が前記第3困難位置から前記第3可能位置へと、予め定められた第3条件が成立するまでの間可変される状態である。
これにより、複数の入球手段が順番に入球可能な状態になるので、異なる入球手段を順番に狙って遊技球を発射する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CA3において、前記状態移行手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特定の状態として前記第2有利状態に移行させるものであり、前記第2可変手段は、前記第2可能位置において、遊技球が前記第2入球手段へと入球したことに基づいて前記第2困難位置へと可変するように構成されているものであり、前記第3可変手段は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第3困難位置から前記第3可能位置へと可変するように構成されているものであることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記状態移行手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特定の状態として前記第2有利状態に移行させるものであり、前記第2可変手段は、前記第2可能位置において、遊技球が前記第2入球手段へと入球したことに基づいて前記第2困難位置へと可変するように構成されているものであり、前記第3可変手段は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第3困難位置から前記第3可能位置へと可変するように構成されている。
これにより、第2入球手段と第3入球手段とが重複して入球可能となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機CA4において、前記第2入球手段は、前記第1可変手段が前記第1可能位置に可変されているよりも、前記第1困難位置に可変されている方が、遊技球が入球し易くなる位置に設けられているものであり、前記第3入球手段は、前記第2可変手段が前記第2可能位置に可変されているよりも、前記第2困難位置に可変されている方が、遊技球が入球し易くなる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2入球手段は、前記第1可変手段が前記第1可能位置に可変されているよりも、前記第1困難位置に可変されている方が、遊技球が入球し易くなる位置に設けられているものであり、前記第3入球手段は、前記第2可変手段が前記第2可能位置に可変されているよりも、前記第2困難位置に可変されている方が、遊技球が入球し易くなる位置に設けられているものである。
これにより、それぞれの有利な状態において、対応する入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機CA3からCA5のいずれかにおいて、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA3からCA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CA6において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記判別手段の判別結果が第1確率で前記特定の判別結果になる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記特定の判別結果になる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA6の奏する効果に加え、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記判別手段の判別結果が第1確率で前記特定の判別結果になる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記特定の判別結果になる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えるので、第2遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、前記第1有利状態の種別として、前記第1可変手段が前記第1困難位置から前記第1可能位置へと第1回数可変される第1種別と、前記第1回数よりも多い第2回数可変される第2種別と、を少なくとも含む複数の中から1の前記第1有利状態の種別を設定する第1有利状態種別設定手段を備え、少なくとも前記第1種別の前記第1有利状態は、前記第1可変手段が前記第1困難位置へと可変されてから次に前記第1可能位置へと可変されるまでの期間が、前記第2可変手段が前記第2可能位置に可変されてから前記第3可変手段が前記第3困難位置に可変されるまでの間の期間よりも長くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1有利状態の種別として、前記第1可変手段が前記第1困難位置から前記第1可能位置へと第1回数可変される第1種別と、前記第1回数よりも多い第2回数可変される第2種別と、を少なくとも含む複数の中から1の前記第1有利状態の種別を設定する第1有利状態種別設定手段を備え、少なくとも前記第1種別の前記第1有利状態は、前記第1可変手段が前記第1困難位置へと可変されてから次に前記第1可能位置へと可変されるまでの期間が、前記第2可変手段が前記第2可能位置に可変されてから前記第3可変手段が前記第3困難位置に可変されるまでの間の期間よりも長くなり易く構成されている。
これにより、第1種別の第1有利状態では、第2入球手段、および第3入球手段へと遊技球を入球させて各入球手段に対応する有利状態を終了させてから、第1可変手段が新たに第1可変位置へと可変されるので、第1有利状態における遊技効率を高めることができるという効果がある。
遊技機CA8において、前記第1種別は、前記第2種別よりも、前記第1有利状態の期間に対する前記第1可能位置に可変されている期間の割合が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA8の奏する効果に加え、前記第1種別は、前記第2種別よりも、前記第1有利状態の期間に対する前記第1可能位置に可変されている期間の割合が低くなるように構成されているので、第1可変位置に可変されている期間の割合が低い方が、遊技効率が向上するという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴CB群>(1の普図当たりにおいて、単位時間当たりの開放期間が短い開放パターンの方がより多くの特典を獲得し易くなる構成)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置に可変された状態となる第1期間と、前記第2位置に可変された状態となる第2期間と、が所定の切替パターンで切り替えられる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段において設定される前記所定の切替パターンとして、第1切替パターンと、その第1切替パターンよりも1の前記可変遊技の実行期間に対する前記第1期間の割合が低くなり易い第2切替パターンと、を少なくとも含む複数の切替パターンの中から1の切替パターンを決定する切替パターン決定手段と、を備え、前記第1切替パターンの前記可変遊技よりも、前記第2切替パターンの前記可変遊技の方が遊技者に有利となり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、当たり抽選の結果が当たりだった場合に、特定の入賞口が開放される当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、特定の入賞口の開放回数(開放パターン)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の入賞口が開放されることにより、特定の入賞口へと遊技球が入球し易くなる結果、特定の入賞口とは異なる第2の入賞口へと遊技球が相対的に入球し難くなり、逆に、特定の入賞口が閉鎖されている間は、第2の入賞口へと遊技球が入球し易くなるように構成されているものも存在する。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
これに対して遊技機CB1によれば、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置に可変された状態となる第1期間と、前記第2位置に可変された状態となる第2期間と、が所定の切替パターンで切り替えられる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段において設定される前記所定の切替パターンとして、第1切替パターンと、その第1切替パターンよりも1の前記可変遊技の実行期間に対する前記第1期間の割合が低くなり易い第2切替パターンと、を少なくとも含む複数の切替パターンの中から1の切替パターンを決定する切替パターン決定手段と、を備え、前記第1切替パターンの前記可変遊技よりも、前記第2切替パターンの前記可変遊技の方が遊技者に有利となり易く構成されているものである。
これにより、第1期間の割合が低い方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CB1において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与することが可能な特典付与手段と、を備え、前記第2切替パターンは、前記第1切替パターンよりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与することが可能な特典付与手段と、を備え、前記第2切替パターンは、前記第1切替パターンよりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されている。
これにより、第2切替パターンが設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CB2において、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記入球手段へと予め定められた第1個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置へと可変動作させる第1可変動作手段と、前記第2入球手段へと予め定められた第2個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変動作させる第2可変動作手段と、を備えることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記入球手段へと予め定められた第1個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置へと可変動作させる第1可変動作手段と、前記第2入球手段へと予め定められた第2個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変動作させる第2可変動作手段と、を備える。
これにより、入球手段へと遊技球を入球させることで、第2入球手段へと遊技球を入球させることが可能になるので、可変遊技の実行中における有利度合いを向上させることができるという効果がある。
遊技機CB3において、1の前記可変遊技の実行期間において、前記入球手段へと前記第1個数よりも多い特定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記可変遊技を終了させる可変遊技終了手段を備え、前記第1切替パターンは、1の前記可変遊技において1又は複数回設定される前記第1期間の平均の長さが、前記第2切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の長さよりも長くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンは、1の可変遊技において設定される前記第1期間の平均の回数が、前記第1切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の回数よりも多くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第1期間は、前記第1個数の遊技球を前記入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第2期間は、前記第2個数の遊技球を前記第2入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものであることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の前記可変遊技の実行期間において、前記入球手段へと前記第1個数よりも多い特定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記可変遊技を終了させる可変遊技終了手段を備え、前記第1切替パターンは、1の前記可変遊技において1又は複数回設定される前記第1期間の平均の長さが、前記第2切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の長さよりも長くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンは、1の可変遊技において設定される前記第1期間の平均の回数が、前記第1切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の回数よりも多くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第1期間は、前記第1個数の遊技球を前記入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第2期間は、前記第2個数の遊技球を前記第2入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものである。
これにより、第2切替パターンが設定されると、第1期間の間に入球手段へと遊技球を入球させ、第2期間の間に第2入球手段へと遊技球を入球させることができるので、効率良く特典を獲得することができるという効果がある。
遊技機CB3又はCB4において、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合に成立し易くなる特定条件が成立したことに基づいて、前記第3可変手段を前記第6位置から前記第5位置へと可変動作させる第3可変動作手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機CB5。
遊技機CB5によれば、遊技機CB3又はCB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合に成立し易くなる特定条件が成立したことに基づいて、前記第3可変手段を前記第6位置から前記第5位置へと可変動作させる第3可変動作手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CB5において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記判別手段の判別結果が第1確率で前記特定の判別結果になる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記特定の判別結果になる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機CB6。
遊技機CB6によれば、遊技機CB5の奏する効果に加え、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記判別手段の判別結果が第1確率で前記特定の判別結果になる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記特定の判別結果になる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えるので、第2遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CB1からCB6のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過手段を備え、前記判別手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行するものであることを特徴とする遊技機CB7。
遊技機CB7によれば、遊技機CB1からCB6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過手段を備え、前記判別手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行するものである。
これにより、通過手段を遊技球が通過することに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CB7において、遊技球が前記通過手段を通過したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別条件が成立するまでの間少なくとも記憶可能な記憶手段と、を備えることを特徴とする遊技機CB8。
遊技機CB8によれば、遊技機CB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が前記通過手段を通過したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別条件が成立するまでの間少なくとも記憶可能な記憶手段と、を備える。
これにより、判別手段の判別をより効率良く実行することができるという効果がある。
<特徴CC群>(大当たり待機状態を見かけ上の通常状態にする)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、予め定められた第1状態において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記第1状態とは異なる第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第2状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2入球手段は、前記第1入球手段よりも遊技球が入球し難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、当たりか否かの抽選で当たりとなった後(大当たり待機状態)で、遊技盤上に設けられた所定の領域に遊技球を通過させることで、大当たり遊技が開始される遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2013-233181号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定の領域を複数設け、抽選で当たりとなった後で(即ち、大当たり待機状態になった後で)遊技球が最初に通過した領域の種別に応じて、開始される大当たり遊技の種別(有利度合い)を異ならせることにより、大当たり待機状態における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
これに対して遊技機CC1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、予め定められた第1状態において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて前記第1状態とは異なる第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第2状態において、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2入球手段は、前記第1入球手段よりも遊技球が入球し難くなるように構成されている第2入球手段へと遊技球を入球させることを主目的として遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CC1において、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を、前記第2入球手段へと流下し得る第1流路と、前記第2入球手段へと流下し得ない第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分ける振分手段と、を備え、前記発射手段により発射された遊技球のうち、前記第3入球手段へと入球して前記第1流路へと振り分けられる遊技球の割合は、前記第1入球手段へと入球する遊技球の割合よりも低くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を遊技領域へと発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を、前記第2入球手段へと流下し得る第1流路と、前記第2入球手段へと流下し得ない第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分ける振分手段と、を備え、前記発射手段により発射された遊技球のうち、前記第3入球手段へと入球して前記第1流路へと振り分けられる遊技球の割合は、前記第1入球手段へと入球する遊技球の割合よりも低くなり易く構成されている振分手段により振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CC2において、前記第2流路に振り分けられるまでに前記発射手段に発射される遊技球の個数は、前記特定の判別結果となるまでに前記発射手段により発射される遊技球の個数よりも多くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、前記第2流路に振り分けられるまでに前記発射手段に発射される遊技球の個数は、前記特定の判別結果となるまでに前記発射手段により発射される遊技球の個数よりも多くなり易く構成されているので、第2入球手段へと遊技球が入球することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CC1からCC3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて前記可変入球手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2状態設定手段は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC1からCC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な特定領域と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて前記可変入球手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2状態設定手段は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2状態を設定するものである。
これにより、特定領域に遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CC1からCC4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第4入球手段と、その第4入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、予め定められた特定の可変条件が成立したことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、前記第4入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている第5入球手段と、を備え、前記判別手段は、前記第1入球手段と、前記第4入球手段とのいずれかへと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行するものであり、前記第1状態は、前記特定の可変条件が成立し難い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の可変条件が成立し易い第2遊技状態と、を少なくとも含むものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第2状態において、前記第2入球手段と、前記第5入球手段とのどちらかへと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機CC5。
遊技機CC5によれば、遊技機CC1からCC4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第4入球手段と、その第4入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、予め定められた特定の可変条件が成立したことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、前記第4入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている第5入球手段と、を備え、前記判別手段は、前記第1入球手段と、前記第4入球手段とのいずれかへと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行するものであり、前記第1状態は、前記特定の可変条件が成立し難い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記特定の可変条件が成立し易い第2遊技状態と、を少なくとも含むものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第2状態において、前記第2入球手段と、前記第5入球手段とのどちらかへと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行するものである。
これにより、第2遊技状態となることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CC5において、前記第4入球手段へと入球した遊技球が前記第5入球手段へと入球するまでの間の期間は、当該第4入球手段への入球に基づく前記判別手段の判別が実行されてから前記第2状態設定手段により前記第2状態が設定されるまでの間の期間よりも長くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機CC6。
遊技機CC6によれば、遊技機CC5の奏する効果に加え、前記第4入球手段へと入球した遊技球が前記第5入球手段へと入球するまでの間の期間は、当該第4入球手段への入球に基づく前記判別手段の判別が実行されてから前記第2状態設定手段により前記第2状態が設定されるまでの間の期間よりも長くなり易く構成されているので、第2遊技状態において第4入球手段へと遊技球を入球させることにより、第2入球手段へと遊技球を入球させなくても特典遊技が実行されるように構成できる。よって、第2遊技状態の有利度合いをより高めることができるという効果がある。
遊技機CC5又はCC6のいずれかにおいて、前記第1状態は、遊技機の設定が初期化されたことに基づいて設定されるものであることを特徴とする遊技機CC7。
遊技機CC7によれば、遊技機CC5又はCC6のいずれかが奏する効果に加え、前記第1状態は、遊技機の設定が初期化されたことに基づいて設定されるので、遊技機を設置しているホールの利便性を向上させることができる。
遊技機CC5からCC7のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1状態を設定する第1状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機CC8。
遊技機CC8によれば、遊技機CC5からCC7のいずれかが奏する効果に加え、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1状態を設定する第1状態設定手段を備えるので、特典遊技の実行が終了した後で、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴CD群>(ST方式で連荘回数を上乗せさせることができる遊技性)
予め定められた第1条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記第1条件が特定回数に渡って連続して成立し易くなる第2状態を設定する第1設定手段と、前記第2状態が設定された後で予め定められた第3条件が成立したことに基づいて、前記第2状態を新たに設定する第2設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機CD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられている特定領域を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与するものがあり、特定領域へと遊技球が入球するか否かに注目させることで遊技者の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特許第2759144号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技球が特定領域を通過した場合に、複数の特典遊技の権利を付与するものも存在し、特定領域を通過した場合における有利度合いをより高めることにより遊技者の興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定領域を遊技球が通過してから、予め定められた特定回数の特典遊技が終了することにより、再度、特定領域へと遊技球を入球させるところから始めなければならなくなるため、特定回数の特典遊技が終了した後において、遊技に対するモチベーションが低下してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機CD1によれば、予め定められた第1条件の成立に基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記第1条件が特定回数に渡って連続して成立し易くなる第2状態を設定する第1設定手段と、前記第2状態が設定された後で予め定められた第3条件が成立したことに基づいて、前記第2状態を新たに設定する第2設定手段と、を備える。
これにより、第2状態が設定された場合に、第3条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CD1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の判別情報を取得する取得手段と、所定の判別条件の成立に基づいて、前記所定の判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を、前記所定の判別条件が成立するまで少なくとも記憶することが可能な記憶手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記第2状態は、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される状態で構成されているものであることを特徴とする遊技機CD2。
遊技機CD2によれば、遊技機CD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の判別情報を取得する取得手段と、所定の判別条件の成立に基づいて、前記所定の判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を、前記所定の判別条件が成立するまで少なくとも記憶することが可能な記憶手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記第2状態は、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される状態で構成されているものである。
これにより、可変手段が第1位置へと可変されることで第2状態となったことを容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機CD2において、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことを前記第1条件の成立として前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機CD3。
遊技機CD3によれば、遊技機CD2の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことを前記第1条件の成立として前記特典遊技を実行するので、判別手段による判別が実行された時点で遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機CD2又はCD3において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、前記第2入球手段へと入球した遊技球を、前記通過手段を通過し得る方向に遊技球を流下させる第1流路と、前記通過手段を通過し得ない方向に遊技球を流下させる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれかに振り分ける振分手段と、を備え、前記第1設定手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことを前記第1条件の成立として、前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機CD4。
遊技機CD4によれば、遊技機CD2又はCD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、前記第2入球手段へと入球した遊技球を、前記通過手段を通過し得る方向に遊技球を流下させる第1流路と、前記通過手段を通過し得ない方向に遊技球を流下させる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれかに振り分ける振分手段と、を備え、前記第1設定手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことを前記第1条件の成立として、前記第2状態を設定するものである。
これにより、振分手段によって振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CD2からCD4のいずれかにおいて、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている第2通過手段と、前記入球手段へと遊技球が入球してから当該遊技球が前記第2通過手段へと到達するまでの間の期間を、1又は複数の前記特典遊技が終了するまでに要する期間よりも長くなるように長期化することが可能な長期化手段と、を備え、前記第2設定手段は、前記第2通過手段を遊技球が通過したことを前記第3条件の成立として、前記第2状態を新たに設定するものであることを特徴とする遊技機CD5。
遊技機CD5によれば、遊技機CD2からCD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている第2通過手段と、前記入球手段へと遊技球が入球してから当該遊技球が前記第2通過手段へと到達するまでの間の期間を、1又は複数の前記特典遊技が終了するまでに要する期間よりも長くなるように長期化することが可能な長期化手段と、を備え、前記第2設定手段は、前記第2通過手段を遊技球が通過したことを前記第3条件の成立として、前記第2状態を新たに設定するものである。
これにより、より多くの特典遊技が終了してから第2通過手段を遊技球が通過することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CD5において、前記入球手段へと入球した遊技球を、前記第2通過手段を通過し得ない方向に流下させる第3流路を備えることを特徴とする遊技機CD6。
遊技機CD6によれば、遊技機CD5の奏する効果に加え、前記入球手段へと入球した遊技球を、前記第2通過手段を通過し得ない方向に流下させる第3流路を備えるので、第2通過手段を通過することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CD5又はCD6のいずれかにおいて、前記長期化手段は、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第2通過手段に到達するまでの間の期間をランダムにすることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機CD7。
遊技機CD7によれば、遊技機CD5又はCD6の奏する効果に加え、前記長期化手段は、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第2通過手段に到達するまでの間の期間をランダムにすることが可能に構成されているので、第2通過手段に到達するまでの期間がより長くなることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CD5からCD7のいずれかにおいて、前記長期化手段は、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第2通過手段が配置されている第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の方向のうちいずれかの方向へと誘導するものであり、前記第2方向は、再度前記長期化手段へと到達し易くなる方向であることを特徴とする遊技機CD8。
遊技機CD8によれば、遊技機CD5からCD7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記長期化手段は、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第2通過手段が配置されている第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数の方向のうちいずれかの方向へと誘導するものであり、前記第2方向は、再度前記長期化手段へと到達し易くなる方向である。
これにより、遊技球が第2方向へと誘導され続けることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴CE群>(待機状態へと移行させるタイミングを遊技者に選択させる遊技性)
遊技者が操作可能な操作手段と、予め定められた第1状態において、前記操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に成立し得る第1条件が成立したことに基づいて、前記第1状態とは異なる第2状態を設定することが可能な状態設定手段と、前記第2状態において、予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機CE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たりが開始される前に遊技者が遊技球を通過させたゲートの種別に応じて、開始される当たりで獲得できる賞球数を異ならせることが可能なものがある。即ち、平均的に賞球を獲得できる当たりが開始される第1のゲートと、少量の賞球を獲得できる当たりと、多量の賞球を獲得できる当たりのうちいずれか一方が開始される第2のゲートとが設けられているものがある。かかる従来型の遊技機では、遊技者に対して第1のゲートと第2のゲートとのいずれかを選択させることにより、遊技者毎の趣向に合った当たりを選択させることができる(例えば、特許文献1:特開2013-233181号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、あくまでも当たりにおいて獲得できる賞球を異ならせることができるのみであり、通常遊技中における遊技性を遊技者が選択する余地はなかった。即ち、通常遊技中が単調となってしまう虞があった。
遊技機CE1によれば、遊技者が操作可能な操作手段と、予め定められた第1状態において、前記操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に成立し得る第1条件が成立したことに基づいて、前記第1状態とは異なる第2状態を設定することが可能な状態設定手段と、前記第2状態において、予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2状態を設定させるタイミングを操作手段に対する操作内容に応じて可変させることができるので、遊技者自身で第2状態に設定させるタイミングを選択させることができるという効果がある。
遊技機CE1において、前記第1状態は、前記特定条件が成立しても前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され得ない状態であることを特徴とする遊技機CE2。
遊技機CE2によれば、遊技機CE1が奏する効果に加え、前記第1状態は、前記特定条件が成立しても前記特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行され得ない状態であるので、特典遊技が実行される可能性がある第2状態を設定させようとして特定の操作内容の操作を積極的に行わせることができるという効果がある。
遊技機CE1又はCE2において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、前記第1入球手段へと入球した遊技球を、前記第2入球手段へと入球し得る第1流路と、前記入球手段へと入球し得ない第2流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、を備え、前記第2条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機CE3。
遊技機CE3によれば、遊技機CE1又はCE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段と、前記第1入球手段へと入球した遊技球を、前記第2入球手段へと入球し得る第1流路と、前記入球手段へと入球し得ない第2流路と、のどちらかへと振り分ける振分手段と、を備え、前記第2条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものである。
これにより、振分手段によって第1流路へと振り分けられることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CE3において、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記第1状態は、前記可変手段が前記第1位置に可変され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され難い第2遊技状態と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第1入球手段へと入球した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでの間の期間は、少なくとも前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が実行されてから前記第1条件が成立するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CE4。
遊技機CE4によれば、遊技機CE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段を備え、前記第1状態は、前記可変手段が前記第1位置に可変され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され難い第2遊技状態と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第1入球手段へと入球した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでの間の期間は、少なくとも前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が実行されてから前記第1条件が成立するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されている。
これにより、第1遊技状態においては、第1入球手段へと遊技球を容易に入球させることができるうえに、第1入球手段へと遊技球を入球させてから特定の操作内容の操作を行うことで第2状態を設定することができるので、遊技者に対して第1遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CE4において、前記振分手段は、第1振分手段と、その第1振分手段よりも下流側に設けられている第2振分手段と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第1振分手段は、前記第2流路と、前記第2振分手段へと流下し得る第3流路と、のどちらかへと遊技球を振り分けるものであり、前記第2振分手段は、前記第1流路と、前記第2流路と、のどちらかへと遊技球を振り分けるものであり、前記第1振分手段によって前記第3流路に振り分けられた遊技球が前記第2振分手段によって前記第1流路へと振り分けられるまでの間の期間は、少なくとも前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が実行されてから前記第1条件が成立するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CE5。
遊技機CE5によれば、遊技機CE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記振分手段は、第1振分手段と、その第1振分手段よりも下流側に設けられている第2振分手段と、を少なくとも含んで構成されているものであり、前記第1振分手段は、前記第2流路と、前記第2振分手段へと流下し得る第3流路と、のどちらかへと遊技球を振り分けるものであり、前記第2振分手段は、前記第1流路と、前記第2流路と、のどちらかへと遊技球を振り分けるものであり、前記第1振分手段によって前記第3流路に振り分けられた遊技球が前記第2振分手段によって前記第1流路へと振り分けられるまでの間の期間は、少なくとも前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が実行されてから前記第1条件が成立するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されている。
これにより、第1遊技状態においては、第2振分手段へと遊技球が振り分けられてから特定の操作内容の操作を行って第2状態を設定するか、特定の操作内容の操作を行わずに第1状態を維持させるかを判断する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CE4又はCE5において、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を前記振分手段へ向けて流下させる第4流路と、前記第4流路を流下した遊技球が前記振分手段へと到達することを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機CE6。
遊技機CE6によれば、遊技機CE4又はCE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと入球した遊技球を前記振分手段へ向けて流下させる第4流路と、前記第4流路を流下した遊技球が前記振分手段へと到達することを抑制する抑制手段と、を備える。
これにより、第2状態においては、第3入球手段へと遊技球が入球しても、抑制手段によって遊技球の入球が抑制されるので、振分手段へと遊技球が到達しただけで遊技者に対して達成感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CE3からCE6のいずれかにおいて、前記操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を発射する発射手段と、その発射手段により第1の発射速度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な特定入球手段と、を備え、前記第1条件は、前記特定入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第1入球手段は、前記発射手段により前記第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機CE7。
遊技機CE7によれば、遊技機CE3からCE6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を発射する発射手段と、その発射手段により第1の発射速度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な特定入球手段と、を備え、前記第1条件は、前記特定入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得るものであり、前記第1入球手段は、前記発射手段により前記第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられているものである。
これにより、第1遊技状態において、第1入球手段へと遊技球を入球させようとして発射した遊技球が特定入球手段へと入球してしまうことを抑制できるので、第1遊技状態において、遊技者の意に反して第2状態に設定されることを抑制できる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴CF群>(大当たり当選時の遊技状態を遊技者に選択させる遊技性)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を決定する遊技状態決定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記第1遊技状態において、前記操作手段に対する操作内容が特定の操作内容になった場合に成立し得る予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、遊技者の有利度合いに関する第1要素が前記第2遊技状態よりも有利となり、前記第1要素とは異なる第2要素が前記第2遊技状態よりも不利となることを特徴とする遊技機CF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものことにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
更に、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の終了後に当たりに当選し易さを異ならせた遊技状態を設定可能にするものがあり、当たり期待度の高い遊技状態が設定されることを目指す遊技を行わせることにより遊技の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、係る従来型の遊技機においても、当たり遊技の終了後に設定される遊技状態が抽選によって設定されてしまい、さらに、当たり当選し易い遊技状態が、当たり当選しに難い遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるだけであり、当たり当選し難い遊技状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機CF1によれば、遊技者の有利度合いに関する第1要素が有利な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも第1要素は不利だが、第1要素とは異なる第2要素が有利となる第2遊技状態とを設定可能な遊技機において、遊技者の操作手段に対する操作内容が特定の操作内容である場合に、遊技状態設定手段により遊技状態を第2遊技状態に設定することができる。
このように構成することで、遊技者自身の判断により遊技を行う遊技状態を設定することができるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CF1において、遊技球を遊技領域へ発射可能な発射手段と、前記遊技領域のうち特定領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球手段と、を有し、前記操作手段は、遊技者の操作に基づいて前記発射手段の発射強度を可変させることで、前記遊技領域のうち遊技球が流下し得る領域を可変させることが可能なものであり、前記特定条件は、前記発射手段により発射された遊技球が、前記特定入球手段に入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機CF2。
遊技機CF2によれば、遊技機CF1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作し、特定入球手段に遊技球を入球させることにより特定条件が成立し、遊技状態が第2遊技状態へと変更される。このように構成することで、特定条件の成立の有無を遊技者が視認可能となるため分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機CF1またはCF2において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となる確率が高確率となる遊技状態であり、前記第1要素は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となる確率に関するものであることを特徴とする遊技機CF3。
遊技機CF3によれば、遊技機CF1またはCF2の奏する効果に加え、判別手段の判別結果が特定の判別結果となる確率が異なる遊技状態を遊技者が選択することが可能となるため、選択した遊技状態によって後の遊技結果が大きく左右されることになる。よって、遊技者に対して、遊技状態を選択させる遊技を積極的に行わせることができるという効果がある。
遊技機CF1からCF3のいずれかにおいて、前記遊技状態決定手段は、前記第1遊技状態として、前記判別手段による判別が実行され易い有利第1遊技状態と、その有利第1遊技状態よりも前記判別手段による判別が実行され難い不利第1遊技状態と、を決定可能なものであり、前記第2要素は、前記判別手段による前記判別のし易さに関するものであることを特徴とする遊技機CF4。
遊技機CF4によれば、遊技機CF1からCF3のいずれかの奏する効果に加え、判別手段による判別のし易さに関する有利度合いが異なる遊技状態を遊技者に選択させることが可能となるため、選択した遊技状態によって後の遊技結果が大きく左右されることになる。遊技者に対して、遊技状態を選択させる遊技を積極的に行わせることができるという効果がある。
遊技機CF4において、前記遊技状態決定手段は、前記第2遊技状態として、前記判別手段による判別が実行され易い有利第2遊技状態と、その有利第2遊技状態よりも前記判別手段による判別が実行され難い不利第2遊技状態と、を決定可能なものであり、前記遊技状態設定手段は、前記有利第1遊技状態が設定されている状態で前記特定条件が成立した場合に、前記有利第2遊技状態を設定するものであり、前記有利第2遊技状態は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記有利第1遊技状態よりも、前記特典遊技の終了後に、前記有利第1遊技状態が設定され易いものであることを特徴とする遊技機CF5。
遊技機CF5によれば、遊技機CF4の奏する効果に加え、有利第1遊技状態で特定の判別結果となる場合よりも、有利第2遊技状態で特定の判別結果となる場合のほうが、特典遊技の終了後に、有利第1遊技状態が設定され易くなる。よって、有利第1遊技状態中にそのまま判別手段による判別を実行するのか、有利第2遊技状態へと遊技状態を変更させた後に判別手段による判別を実行するのかを遊技者に選択させる楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機CF5において、前記有利第1遊技状態、或いは、前記第2有利遊技状態の終了条件を設定する終了条件設定手段と、その終了条件設定手段により設定された前記終了条件の成立を判別する終了条件判別手段と、を有し、前記遊技状態決定手段は、前記有利第1遊技状態が設定されている状態で前記終了条件が成立した場合に前記不利第1遊技状態を決定し、前記有利第2遊技状態が設定されている状態で前記終了条件が成立した場合に前記不利第2遊技状態を決定するものであり、前記終了条件は、前記判別手段による前記判別が少なくとも2回以上実行されるまでは成立し得ないものであることを特徴とする遊技機CF6。
遊技機CF6によれば、少なくとも、判別手段による判別が2回以上実行されるまでは、前記有利第1遊技状態、或いは前記有利第2遊技状態が設定されるため、1回目の判別が特定の判別結果とならない場合であっても、有利第1遊技状態、或いは、2有利遊技状態で再度判別を実行することができる。よって、複数回の判別に対してどのタイミングで遊技状態を変更させるのかを楽しませながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CF1からCF6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態としてのみ設定され得るように構成されていることを特徴とする遊技機CF7。
遊技機CF7によれば、遊技機CF1からCF6のいずれかの奏する効果に加え、第1遊技状態において、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定されると、少なくとも次に特典遊技が実行されるまでは、第1遊技状態を設定させることができないため、遊技者が特定の操作内容で操作手段を操作した行為をやり直すことができないものである。よって、緊張感を持たせて遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CF2からCF7のいずれかにおいて、前記発射手段により前記特定領域に向けて発射された遊技球が、前記特定入球手段に入球するよりも前に、前記遊技球によって前記判別条件が成立し得ないものであることを特徴とする遊技機CF8。
遊技機CF8によれば、遊技機CF2からCF7のいずれかの奏する効果に加え、特定入球手段に遊技球を入球させて遊技状態を変更させようとする遊技者に対して、遊技状態が変更される前に判別手段による判別が実行されることを抑制することができる。よって、遊技者の意図する遊技状態で判別手段の判別を実行することができるという効果がある。
遊技機CF2からCF8のいずれかにおいて、前記特定入球手段は、常時遊技球が入球可能なものであることを特徴とする遊技機CF9。
遊技機CF9によれば、遊技機CF2からCF8の奏する効果に加え、遊技の状況に関わること無く特定入球手段に遊技球を入球させることができるため、遊技者が任意のタイミングで特定条件を成立させることができ、自由度の高い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴CG群>(1の遊技球で複数回の開放契機を成立させ得る構成)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な第1通過手段と、その第1通過手段よりも下流に設けられている第2通過手段と、を少なくとも含む複数の通過手段と、その複数の通過手段のうち少なくとも1の前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別情報を取得する取得手段と、所定の判別条件の成立に基づいて、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を用いた判別を実行する判別手段と、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を、前記所定の判別条件が成立するまで少なくとも記憶することが可能な記憶手段と、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2通過手段は、前記第1通過手段を通過した遊技球が通過可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機CG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤に設けられている特定領域を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与するものがあり、特定領域へと遊技球が入球するか否かに注目させることで遊技者の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特許第2759144号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の特定領域の通過に基づいて獲得される特典遊技は1つのみであるので、遊技者の興趣を向上させることが困難になるという問題点があった。
これに対して遊技機CG1によれば、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な第1通過手段と、その第1通過手段よりも下流に設けられている第2通過手段と、を少なくとも含む複数の通過手段と、その複数の通過手段のうち少なくとも1の前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて所定の判別情報を取得する取得手段と、所定の判別条件の成立に基づいて、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を用いた判別を実行する判別手段と、前記取得手段により取得された前記所定の判別情報を、前記所定の判別条件が成立するまで少なくとも記憶することが可能な記憶手段と、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2通過手段は、前記第1通過手段を通過した遊技球が通過可能な位置に設けられているものである。
これにより、第1通過手段を通過した遊技球が第2通過手段も通過するので、複数の判別情報を一括して取得することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG1において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した遊技球を、前記通過手段を通過し得る第1流路と、前記通過手段を通過し得ない第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれかへと振り分ける振分手段と、を備えることを特徴とする遊技機CG2。
遊技機CG2によれば、遊技機CG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した遊技球を、前記通過手段を通過し得る第1流路と、前記通過手段を通過し得ない第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれかへと振り分ける振分手段と、を備える。
これにより、振分手段によって第1流路へと振り分けられることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG1又はCG2において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機CG3。
遊技機CG3によれば、遊技機CG1又はCG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG3において、識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段において前記第2判別手段の判別結果を示す前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記記憶手段に1以上の前記判別情報が記憶されている状態で前記可変手段が終了してから次の前記可変遊技が開始されるまでの間の期間は、前記動的表示手段により予め定められた特定回数、前記識別情報が動的表示されるまでの期間よりも長くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機CG4。
遊技機CG4によれば、遊技機CG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段において前記第2判別手段の判別結果を示す前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記記憶手段に1以上の前記判別情報が記憶されている状態で前記可変手段が終了してから次の前記可変遊技が開始されるまでの間の期間は、前記動的表示手段により予め定められた特定回数、前記識別情報が動的表示されるまでの期間よりも長くなり易く構成されている。
これにより、1の可変遊技が実行される毎に、少なくとも特定回数の識別情報の動的表示を実行させることができるという効果がある。
遊技機CG4において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得された前記第2取得情報を、前記特定回数の判別に対応する情報数を上限として、当該第2取得情報を用いた判別が実行されるまで少なくとも記憶可能な第2記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記入球手段に対して前記特定回数よりも多い回数、遊技球を入球させることが可能な期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機CG5。
遊技機CG5によれば、遊技機CG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2取得手段と、その第2取得手段により取得された前記第2取得情報を、前記特定回数の判別に対応する情報数を上限として、当該第2取得情報を用いた判別が実行されるまで少なくとも記憶可能な第2記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記入球手段に対して前記特定回数よりも多い回数、遊技球を入球させることが可能な期間で構成されているものである。
これにより、1の可変遊技が実行される毎に、特定回数の判別をより確実に実行させることができるという効果がある。
遊技機CG3からCG5のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第2判別手段の判別において第1確率で前記第2の判別結果となる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記第2の判別結果となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機CG6。
遊技機CG6によれば、遊技機CG3からCG5のいずれかが奏する効果に加え、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第2判別手段の判別において第1確率で前記第2の判別結果となる第1遊技状態と、前記第1確率よりも高い第2確率で前記第2の判別結果となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備えるので、特典遊技の終了後の遊技状態として、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG3からCG6のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難になる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記第2可変手段を所定回数、前記第4位置から前記第3位置へと可変させるものであることを特徴とする遊技機CG7。
遊技機CG7によれば、遊技機CG3からCG6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難になる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記第2可変手段を所定回数、前記第4位置から前記第3位置へと可変させるものである。
これにより、特典遊技が実行さることにより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CG7において、前記第3入球手段は、前記入球手段よりも下流側に設けられていることを特徴とする遊技機CG8。
遊技機CG8によれば、遊技機CG7の奏する効果に加え、前記第3入球手段は、前記入球手段よりも下流側に設けられているので、可変遊技の実行中に特典遊技が実行された場合に、入球手段を狙って遊技球を発射することにより、第3入球手段へも遊技球を入球させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴CH群>(特典をより多く得易いが遊技球が流入し難いルートと、特典を得難いが流入易いルートと、が設けられている)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向に発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている第1流路と、その第1流路とは異なり、且つ、前記特定方向に発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている第2流路と、前記第1流路を遊技球が流下した遊技球が入球可能な第1領域と、その第1領域へと遊技球が入球したことに基づいて第1の特典を付与する第1特典付与手段と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2領域と、その第2領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の特典よりも遊技者の有利度合いが高くなる第2の特典を付与する第2特典付与手段と、を備え、前記第1流路は、前記第2流路よりも、前記特定方向に発射された遊技球が流下し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものことにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、始動入賞口に1個の遊技球が入賞した場合に、最大で1回の抽選が実行されるだけであるため、始動入賞口に入賞する遊技球の個数が少ないと、抽選回数も少なくなってしまうため、始動入賞口に入賞し難い遊技機で遊技を行っている遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
遊技機CH1によれば、遊技球が入球可能な第1領域を遊技球が入球した場合よりも、その第1領域よりも遊技球が入球し難い第2領域を遊技球が入球した場合のほうが、遊技者に有利な特典を付与することが可能となり、入球のし易さに応じた特典を付与することができる。よって、遊技球の挙動に対応した遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CH1において、前記特定方向に発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと入球した遊技球を、前記第1流路と、前記第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段と、を備え、前記第1流路は、前記第2流路よりも、前記振分手段によって振り分けられる割合が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CH2。
遊技機CH2によれば、遊技機CH1の奏する効果に加え、入球手段へと入球した遊技球が振分手段によって第1流路、或いは第2流路を含む複数の流路のいずれかへと振り分けられ、第1流路のほうが第2流路よりも振り分けられ易くなるように振分手段が構成されているため、振分精度を高めることができるという効果がある。
遊技機CH2において、前記振分手段は、遊技者が視認可能なものであることを特徴とする遊技機CH3。
遊技機CH3によれば、遊技機CH2の奏する効果に加え、振分手段による遊技球の振分状況を遊技者が視認することができるため、遊技者に遊技球の挙動を注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CH3において、前記振分手段は、前記複数の流路のうち、一の流路へと振り分けることができなかった遊技球を他の流路へと段階的に振り分け可能とするものであることを特徴とする遊技機CH4。
遊技球CH4によれば、遊技機CH3の奏する効果に加え、振分手段における遊技球の挙動に応じて流下し得る流路を遊技者に段階的に予測させることが可能となる。よって、振分手段による遊技球の振分状況を遊技者に分かり易く視認させることができるという効果がある。
遊技機CH4において、前記振分手段は、前記第1流路へと振り分けることができなかった遊技球を、前記第2流路へと振り分け可能とするものであることを特徴とする遊技機CH5。
遊技球CH5によれば、遊技機CH4の奏する効果に加え、振分手段によって振り分けられる割合が高い第1流路へと振り分けることができなかった遊技球が、有利度合いの高い第2特典を付与可能な第2流路へと振り分け可能となる。よって、遊技者に最後まで期待感を持たせながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CH5において、前記振分手段は、遊技球を前記第1流路と、前記第2流路へと遊技球を誘導可能な誘導流路と、を含む複数の流路へと遊技球を振り分け可能な第1振分機構と、その第1振分機構により前記誘導流路へと振り分けられた遊技球を、前記第2流路と、前記第1領域及び前記第2領域へと遊技球を入球させることが困難な第3流路と、を含む複数の流路へと遊技球を振り分け可能な第2振分機構と、を有するものであることを特徴とする遊技機CH6。
遊技機CH6によれば、遊技機CH5の奏する効果に加え、振分手段が、第1振分機構と、第2振分機構と、を有しているため、遊技者に遊技球の挙動をより分かり易く視認させることができるという効果がある。
遊技機CH6において、前記第1振分機構は、前記第1流路と、前記誘導流路とに対して遊技球を均等に振り分けるものであることを特徴とする遊技機CH7。
遊技機CH7によれば、遊技機CH6の奏する効果に加え、第1振分機構による各流路へと遊技球を振り分ける割合が均等であるため、第1振分機構がどの流路へと遊技球を振り分けるのかを遊技者に楽しませることができるという効果がある。
遊技機CH6またはCH7において、前記第2振分機構は、前記第2流路と、前記第3流路とに対して遊技球を均等に振り分けるものであることを特徴とする遊技機CH8。
遊技機CH8によれば、遊技機CH6またはCH7の奏する効果に加え、第2振分機構による各流路への遊技球の振り分け割合が均等であるため、第2振分機構がどの流路へと遊技球を振り分けるのかを遊技者に楽しませることができるという効果がある。
<特徴CI群>(遊技状態に応じて遊技者に有利となる入球口を異ならせる)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1特典を付与可能な第1特典付与手段と、遊技球が入球可能な入球手段であって、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第2特典付与手段と、遊技状態として第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から一の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有する遊技機において、前記第1特典付与手段は、前記第1遊技状態が設定されている場合に前記第2特典よりも遊技者に有利な前記第1特典を付与するものであり、前記第2特典付与手段は、前記第2遊技状態が設定されている場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な前記第2特典を付与するものであることを特徴とする遊技機CI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものことにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
更に、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の終了後に当たりに当選し易さを異ならせた遊技状態を設定可能にするものがあり、当たり期待度の高い遊技状態が設定されることを目指す遊技を行わせることにより遊技の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、係る従来型の遊技機においても、設定された遊技状態に関わらず、始動入賞口へと遊技球を入賞させる遊技を行う必要があり、遊技が単調となってしまという問題があった。
遊技機CI1によれば、遊技状態設定手段により設定される遊技状態に応じて、遊技者に有利となる入球手段を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、現在設定されている遊技状態に応じた遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CI1において、第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路に振り分け可能な振分手段を有し、前記第1入球手段は、前記第1流路を流下する遊技球が入球可能なものであり、前記第2入球手段は、前記第2流路を流下する遊技球が入球可能なものであることを特徴とする遊技機CI2。
遊技機CI2によれば、遊技機CI1の奏する効果に加え、遊技球が第1入球手段に入球するのか、第2入球手段に入球するのかが、振分手段による振り分けの結果に応じて可変するため、振分手段における遊技球の挙動に対して遊技者に興味を持たせることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CI2において、前記振分手段へと遊技球を誘導可能な誘導手段として、第1誘導手段と、その第1誘導手段とは異なる第2誘導手段とを有し、前記第1誘導手段により誘導された遊技球よりも、前記第2誘導手段により誘導された遊技球のほうが、前記振分手段に到達し易いものであることを特徴とする遊技機CI3。
遊技機CI3によれば、遊技機CI2の奏する効果に加え、振分手段へと遊技球を誘導させるための手段を複数有しているため、振分手段へと遊技球を誘導させるために複数の遊技を行わせることが可能となる。よって、遊技球がどの入球手段に入球するのかを遊技者に注視させるだけでは無く、どの誘導手段によって遊技が振分手段へと誘導されるのかについても遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CI3において、前記第2誘導手段により遊技球が誘導可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の誘導が困難となる第2状態と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第2状態から前記第1状態へと可変制御する可変制御手段と、を有し、前記可変条件は、前記第2遊技状態が設定されている場合のほうが、前記第1遊技状態が設定されている場合よりも成立し易いものであることを特徴とする遊技機CI4。
遊技機CI4によれば、遊技機CI3の奏する効果に加え、遊技状態に応じて、振分手段へと遊技球を誘導させ易い状態と、誘導させ難い状態と設定することができるため、遊技者に対して第2遊技状態が設定されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機CI4において、前記第1遊技状態が設定されている場合は、前記第1誘導手段のほうが、前記第2誘導手段よりも遊技球を前記振分手段へと誘導し易いものであり、前記第2遊技状態が設定されている場合は、前記第2誘導手段のほうが、前記第1誘導手段よりも遊技球を前記振分手段へと誘導し易いものであることを特徴とする遊技機CI5。
遊技機CI5によれば、遊技状態に応じて、遊技者が狙うべき誘導手段を異ならせることができるため、複数設けられた誘導手段のうち、一方の誘導手段のみを狙う遊技ばかり行われてしまい、遊技が単調になってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CI5において、遊技球を遊技領域へ発射可能な発射手段と、遊技者の操作に基づいて前記発射手段の発射強度を可変させることにより、前記遊技領域のうち遊技球が流下し得る領域を、第1領域と、その第1領域を流下する遊技球が流下し得ない第2領域とを少なくとも含む複数の領域のうち、何れか一の領域へと可変させることが可能な操作手段と、を有し、前記第1誘導手段は前記第1領域に設けられるものであり、前記第2誘導手段は前記第2領域に設けられるものであることを特徴とする遊技機CI6。
遊技機CI6によれば、遊技機CI5の奏する効果に加え、第1誘導手段と、第2誘導手段と、を異なる領域に設けているため、発射強度を変更させる遊技を遊技者に行わせ易くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。また、遊技者が意図しない誘導手段に遊技球が到達してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CI1からCI6のいずれかにおいて、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1判別を実行可能な第1判別手段を有し、前記第1特典付与手段は、前記第1判別手段の判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて、前記第1特典を付与するものであり、前記第1特典は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定させるものであることを特徴とする遊技機CI7。
遊技機CI7によれば、遊技機CI1からCI6のいずれかの奏する効果に加え、振分手段により第1入球手段へと遊技球が振り分けられ、第1判別が実行されることに基づいて第2遊技状態が設定される。これにより、遊技状態が第2遊技状態になることで、遊技者に有利となる特典が可変させることができる。よって、振分手段によって振り分けられた遊技球によって、遊技者に有利となる特典を可変させることができるため、振分手段における遊技球の挙動に対して遊技者により興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機CI4からCI7のいずれかにおいて、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段を有し、前記第2特典付与手段は、前記第2判別手段の判別結果が特定の第2判別結果であることに基づいて、前記第2特典を付与するものであり、前記第2特典は、前記可変条件を成立させるものであることを特徴とする遊技機CI8。
遊技機CI8によれば、遊技機CI4からCI7のいずれかの奏する効果に加え、振分手段により第2入球手段へと遊技球が振り分けられ、第2判別が実行された結果が特定の第2判別結果であることに基づいて可変条件が成立する。これにより、振分手段への遊技球の振り分け具合を可変させることができる。よって、振分手段によって振り分けられた遊技球により振分手段への遊技球の振り分けられ易さを可変させることができる。さらに、第2遊技状態が設定されている場合には、可変条件が成立し易くなる。よって、振分手段における遊技球の挙動に対して遊技者により興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴CJ群>(普図当たりを契機に、連続して普図当たりに当選し易い状態となる)
遊技領域に遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を、第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路に振り分け可能な振分手段と、前記第1流路を流下した遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機CJ1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものことにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
更に、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、抽選を実行させ易い遊技状態と、抽選を実行させ難い遊技状態とを設定可能に構成し、設定される遊技状態に応じて抽選のし易さを異ならせることで遊技の興趣向上を図っているものがある。
しかしながら、係る従来型の遊技機においても、当たり当選したことに基づいて抽選を実行させ易い遊技状態と、抽選を実行させ難い遊技状態とを設定可能に構成しているだけであり、抽選に外れ続ける限り当たり中の遊技を楽しむことができないので、抽選に外れ続けるほどに遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があった。
遊技機CJ1によれば、遊技球を通過させることにより実行される判別が特定の判別結果となったことに基づいて可変遊技が実行される。そして、可変遊技が実行されることにより入球手段へと遊技球が入球し易くなる。よって、可変遊技を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CJ1において、前記振分手段は、前記入球手段へと入球した遊技球を前記1の流路に振り分けるものであることを特徴とする遊技機CJ2。
遊技機CJ2によれば、遊技機CJ1の奏する効果に加え、入球手段に入球した遊技球が通過手段を通過し得るように構成したため、入球手段へと遊技球を入球させる遊技と、入球手段へと遊技球を入球させ易くする遊技とに関連性を持たせることができる。これにより、継続的に入球手段へと遊技球を入球させ易くする状態を創り出すことが可能となる。よって、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CJ2において、前記可変遊技の実行期間中に前記振分手段へと入球した遊技球が、前記通過手段を通過する回数の期待値が1以上となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機CJ3。
遊技機CJ3によれば、遊技機CJ2の奏する効果に加え、判別手段の判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて実行される可変遊技中に、判別手段により判別が実行される契機となる通過手段への遊技球の通過期待値を1以上とすることができるため、一度可変遊技が実行されると、可変遊技を繰り返し実行させ易くすることができる。よって、可変遊技を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CJ3において、前記通過手段は、前記入球手段の内部に複数設けられているものであり、前記入球手段に入球した遊技球が複数の前記通過手段を通過し得るものであることを特徴とする遊技機CJ4。
遊技機CJ4によれば、遊技機CJ3の奏する効果に加え、入球手段に入球した遊技球の数よりも、通過手段を通過する遊技球の数を多くすることが可能となるため、入球手段に入球させた遊技球の数が少ない場合であっても、最後まで遊技者に期待感を持たせることができるという効果がある。
遊技機CJ4において、前記第1流路は、1の前記通過手段を通過するように遊技球を流下させることが可能に構成されているものであり、前記振分手段は、前記第1流路と、前記第2流路と、2以上の前記通過手段を通過するように遊技球を流下させることが可能に構成されている第3流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路に振り分けるものであることを特徴とする遊技機CJ5。
遊技機CJ5によれば、遊技機CJ4の奏する効果に加え、入球手段に入球した1の遊技球が流下する流路によって、通過手段を通過する回数を異ならせることができる。よって、入球手段に入球した遊技球がどの流路を流下するのかを遊技者に注視させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CJ5において、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いるための所定の判別情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで少なくとも記憶可能な記憶手段と、を備えることを特徴とする遊技機CJ6。
遊技機CJ6によれば、遊技機CJ5の奏する効果に加え、記憶手段により判別情報を記憶することができるため、遊技球が短期間で複数の通過手段を通過した場合であっても、判別手段の判別回数が著しく減少することを抑制することができる。よって、複数の通過手段を近接配置したとしても遊技者に不快感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機CJ3からCJ6のいずれかにおいて、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特典遊技は、前記可変手段が前記第1位置に可変されていても、遊技球が前記入球手段へと入球し難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機CJ7。
遊技機CJ7によれば、遊技機CJ3からCJ6のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行されることにより、入球手段へ遊技球を入球させ難くすることができる。よって、可変遊技が過度に繰り返して実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CJ7において、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難になる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の有価価値を付与する価値付与手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、複数の種別の中から一の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記種別決定手段により第1種別が決定された場合に、前記特典遊技として、前記第2可変手段を所定回数、前記第4位置から前記第3位置へと可変させるものであり、前記可変手段は、前記第3入球手段よりも下流側に設けられているものであることを特徴とする遊技機CJ8。
遊技機CJ8によれば、遊技機CJ7の奏する効果に加え、第1種別に対応する特典遊技が実行される場合には、第3入球手段への遊技球の入球に伴い、第3入球手段よりも下流側に設けられた可変手段へ遊技球が到達し難くなるが、第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて有価価値が付与される。よって、可変手段へと遊技球が到達し難い状態が遊技者に過度に不利な状態となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機CJ8において、遊技球が入球可能な第4入球手段と、その第4入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難になる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、を有し、前記価値付与手段は、前記第4入球手段へと遊技球が入球した場合にも所定の有価価値を付与するものであり、前記特典遊技実行手段は、前記種別決定手段により前記第1種別とは異なる第2種別が決定された場合に、前記特典遊技として、前記第3可変手段を所定回数、前記第6位置から前記第5位置へと可変させるものであり、前記可変手段は、前記第4入球手段よりも上流側に設けられているものであることを特徴とする遊技機CJ9。
遊技機CJ9によれば、遊技機CJ8の奏する効果に加え、種別決定手段により決定される種別に応じて、可変手段への遊技球の到達具合を異ならせた特典遊技を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して、特典遊技が実行される場合に、どの種別に対応した特典遊技が実行されるかを期待させながら遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CJ9において、前記判別手段による判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報の数に応じて異なる動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機CJ10。
遊技機CJ10によれば、遊技機CJ9の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている判別情報の数に応じて異なる動的表示期間が決定されるため、遊技者に対して可変遊技が実行されるタイミングを分かり難くすることができる。よって、可変遊技の実行タイミングに合わせて遊技が行われてしまい、遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機CJ10において、前記動的表示期間決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報の数が所定数以上である場合のほうが、前記所定数未満である場合よりも長い動的表示期間を決定し易いものであることを特徴とする遊技機CJ11。
遊技機CJ11によれば、遊技機CJ10の奏する効果に加え、判別情報の数を所定数よりも多くすることで長時間の動的表示期間が選ばれ易くなる。よって、判別情報の数が所定数よりも多い状態では、第2可変手段が可変される特典遊技が実行されている場合に、複数回の可変遊技が実行され難くすることができるため、記憶手段に記憶されている判別情報の数が急激に減少してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して記憶手段に多くの判別情報を記憶させようと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を高めることが出来るという効果がある。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8、U1からU11、V1からV11、W1からW9、X1からX10、Y1からY8、AA1からAA6、AB1からAB5、AC1からAC7、BA1からBA5、BB1からBB5、BC1からBC5、BD1からBD5、BE1からBE5、CA1からCA9、CB1からCB8、CC1からCC8、CD1からCD8、CE1からCE8、CF1からCF9、CG1からCG8、CH1からCH8、CI1からCI8、CJ1からCJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8、U1からU11、V1からV11、W1からW9、X1からX10、Y1からY8、AA1からAA6、AB1からAB5、AC1からAC7、BA1からBA5、BB1からBB5、BC1からBC5、BD1からBD5、BE1からBE5、CA1からCA9、CB1からCB8、CC1からCC8、CD1からCD8、CE1からCE8、CF1からCF9、CG1からCG8、CH1からCH8、CI1からCI8、CJ1からCJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8、U1からU11、V1からV11、W1からW9、X1からX10、Y1からY8、AA1からAA6、AB1からAB5、AC1からAC7、BA1からBA5、BB1からBB5、BC1からBC5、BD1からBD5、BE1からBE5、CA1からCA9、CB1からCB8、CC1からCC8、CD1からCD8、CE1からCE8、CF1からCF9、CG1からCG8、CH1からCH8、CI1からCI8、CJ1からCJ9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、当たり抽選の結果が当たりだった場合に、特定の入賞口が開放される当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、特定の入賞口の開放回数(開放パターン)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置に可変された状態となる第1期間と、前記第2位置に可変された状態となる第2期間と、が所定の切替パターンで切り替えられる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段において設定される前記所定の切替パターンとして、第1切替パターンと、その第1切替パターンよりも1の前記可変遊技の実行期間に対する前記第1期間の割合が低くなり易い第2切替パターンと、を少なくとも含む複数の切替パターンの中から1の切替パターンを決定する切替パターン決定手段と、を備え、前記第1切替パターンの前記可変遊技よりも、前記第2切替パターンの前記可変遊技の方が遊技者に有利となり易く構成されている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与することが可能な特典付与手段と、を備え、前記第2切替パターンは、前記第1切替パターンよりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記入球手段へと予め定められた第1個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置へと可変動作させる第1可変動作手段と、前記第2入球手段へと予め定められた第2個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変動作させる第2可変動作手段と、を備える。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、1の前記可変遊技の実行期間において、前記入球手段へと前記第1個数よりも多い特定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記可変遊技を終了させる可変遊技終了手段を備え、前記第1切替パターンは、1の前記可変遊技において1又は複数回設定される前記第1期間の平均の長さが、前記第2切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の長さよりも長くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンは、1の前記可変遊技において設定される前記第1期間の平均の回数が、前記第1切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の回数よりも多くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第1期間は、前記第1個数の遊技球を前記入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第2期間は、前記第2個数の遊技球を前記第2入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想3又は4記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合に成立し易くなる特定条件が成立したことに基づいて、前記第3可変手段を前記第6位置から前記第5位置へと可変動作させる第3可変動作手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置に可変された状態となる第1期間と、前記第2位置に可変された状態となる第2期間と、が所定の切替パターンで切り替えられる可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段において設定される前記所定の切替パターンとして、第1切替パターンと、その第1切替パターンよりも1の前記可変遊技の実行期間に対する前記第1期間の割合が低くなり易い第2切替パターンと、を少なくとも含む複数の切替パターンの中から1の切替パターンを決定する切替パターン決定手段と、を備え、前記第1切替パターンの前記可変遊技よりも、前記第2切替パターンの前記可変遊技の方が遊技者に有利となり易く構成されている。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与することが可能な特典付与手段と、を備え、前記第2切替パターンは、前記第1切替パターンよりも前記第2入球手段へと遊技球が入球し易くなるように構成されている。
これにより、第2切替パターンが設定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球が入球困難となる第4位置と、に可変可能な第2可変手段と、前記入球手段へと予め定められた第1個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第4位置から前記第3位置へと可変動作させる第1可変動作手段と、前記第2入球手段へと予め定められた第2個数の遊技球が入球したことに基づいて前記第2可変手段を前記第3位置から前記第4位置へと可変動作させる第2可変動作手段と、を備える。
これにより、入球手段へと遊技球を入球させることで、第2入球手段へと遊技球を入球させることが可能になるので、可変遊技の実行中における有利度合いを向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、1の前記可変遊技の実行期間において、前記入球手段へと前記第1個数よりも多い特定個数の遊技球が入球したことに基づいて前記可変遊技を終了させる可変遊技終了手段を備え、前記第1切替パターンは、1の前記可変遊技において1又は複数回設定される前記第1期間の平均の長さが、前記第2切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の長さよりも長くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンは、1の前記可変遊技において設定される前記第1期間の平均の回数が、前記第1切替パターンにおいて設定される前記第1期間の平均の回数よりも多くなるように構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第1期間は、前記第1個数の遊技球を前記入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものであり、前記第2切替パターンにおける前記第2期間は、前記第2個数の遊技球を前記第2入球手段へと入球させることが可能となる長さで構成されているものである。
これにより、第2切替パターンが設定されると、第1期間の間に入球手段へと遊技球を入球させ、第2期間の間に第2入球手段へと遊技球を入球させることができるので、効率良く特典を獲得することができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想3又は4記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第3入球手段と、その第3入球手段へと遊技球が入球可能となる第5位置と、その第5位置よりも遊技球が入球困難となる第6位置と、に可変可能な第3可変手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合に成立し易くなる特定条件が成立したことに基づいて、前記第3可変手段を前記第6位置から前記第5位置へと可変動作させる第3可変動作手段と、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備える。
これにより、第2判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。