<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「黒BAR」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「白BAR」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「LUCKY」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の11種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図8(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図8(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図8(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。
図9~図11は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第41小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞~第26小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄、「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「白ベル」図柄又は「LUCKY」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄、「青年」図柄、「白ベル」図柄、「赤7」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「白BAR」図柄が下段に停止した場合には、第8小役入賞となる。図6に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番)と上流側の隣接する位置(12番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「白BAR」図柄(18番)から上流側に1図柄分離れた位置(20番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第8小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞~第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第27小役は、各リール32L,32M,32Rのうち所定のリールとして左リール32Lの停止図柄によって入賞か否かが決定される役であり、具体的には、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止することで第27小役入賞が成立する。この場合、中リール32M、右リール32Rの停止図柄は入賞判定には影響を及ぼさない。言い換えると、中リール32M、右リール32Rの停止図柄に関わらず、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は停止すること、すなわち、「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が有効ライン上に停止することで第27小役入賞が成立する。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第28小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する場合であって、右下がりラインL4に「チェリー」図柄が揃って停止する場合がある入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lに「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mに「赤ベル」図柄、「白ベル」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rに「チェリー」図柄、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると第28小役入賞となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
なお、第27小役と第28小役との関係について補足説明すると、左リール32Lの「チェリー」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止すると中リール32Mと右リール32Rの停止図柄に関わらず第27小役入賞が成立するものの、中リール32Mと右リール32Rの停止図柄によっては第27小役入賞ではなく第28小役入賞が成立する場合がある。すなわち、第27小役入賞となる入賞態様に、第28小役入賞となる入賞態様が含まれる構成であるものの、第27小役入賞と第28小役入賞とは明確に区別されて入賞判定が行われる。
第29小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止する入賞態様である。つまり、右下がりラインL4が有効ラインとされる場合、「スイカ」図柄が右下がりに揃って停止することで第29小役入賞が成立する。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第30小役入賞は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が上ラインL1上に停止する入賞態様である。より詳しくは、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。第30小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「黒BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。第31小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第32小役入賞~第35小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第36小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第36小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄,「スイカ」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄,「白ベル」図柄,「青年」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第37小役入賞となる。図6に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(7番)と下流側の隣接する位置(6番)に「第2リプレイ」図柄が配置されており、主な「白ベル」図柄(3番、12番、15番、20番)と下流側の隣接する位置(2番、11番、14番、19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、主な「赤ベル」図柄(2番,5番,12番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(10番)と上流側の隣接する位置(11番)に「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第37小役入賞が成立する場合には、主に、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第37小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第38小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が上段~下段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第38小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第38小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第39小役入賞となる。第39小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第39小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第40小役入賞となる。第40小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第41小役入賞となる。第41小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第12再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄,「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白BAR」図柄,「LUCKY」図柄,「赤7」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「白BAR」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図12)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。つまり、演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図12及び図13のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図13に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60~62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図14は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図12参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS215に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56~58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56~58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の7種類の遊技状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作されたことに基づいて、その時点での設定値を今回の設定値とし、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図17は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、第1BB、第2BB、CBのいずれかに当選しているか否かを判定する。具体的には、第1BB、第2BB、CBのいずれかを含むインデックス値IV(IV=34~54)にてステップS305で肯定判定したか否かを判定する。ステップS306にて肯定判定した場合には、ステップS307にて対応するボーナス当選フラグ(第1BB当選フラグ、第2BB当選フラグ、CB当選フラグ)を、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を行う。ステップS306にて否定判定した場合、又はステップS307の処理を行った後は、ステップS308にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた各小役の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS307にて第1BB当選フラグをセットするとともに、ステップS308にて第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、IV=17のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS308にて第30小役,第41小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306~ステップS308では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=34のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=35の時に判定値DVが65535を超えた場合、第2BB当選フラグはセットせず、第28小役当選フラグ、第33小役当選フラグ、第35小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BB,CBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS309にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS310ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図17に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約300分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約183分の1である。強スイカに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約300分の1、弱スイカに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約218分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=20の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=21の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=22の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=23~26の際に当選となる確率)はそれぞれ約43.7分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=27~30の際に当選となる確率)はそれぞれ約21.8分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約21800分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約21800分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約32800分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=37の際に当選となる確率)は約32800分の1である。強スイカ重複1に当選となる確率(IV=38の際に当選となる確率)は約32800分の1、強スイカ重複2に当選となる確率(IV=39の際に当選となる確率)は約32800分の1である。弱スイカ重複1に当選となる確率(IV=40の際に当選となる確率)は約65500分の1、弱スイカ重複2に当選となる確率(IV=41の際に当選となる確率)は約65500分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=42~45の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=46,47の際に当選となる確率)はそれぞれ約21800分の1である。特リプA重複1に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複1に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)は約1310分の1である。特リプA重複2に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約1010分の1、特リプAB重複2に当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約1310分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=52,53の際に当選となる確率)はそれぞれ約32800分の1である。CBに当選となる確率(IV=54の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.96分の1である。
なお、通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2~14,31~33,55~58のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS308にて当選フラグをセットした後、又はステップS310にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS311に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS312では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS311の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS312の処理を実行した後は、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS314では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306~ステップS308にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、強チェリーに当選(IV=15の際に当選)となり、強チェリー当選フラグがセットされた場合、第28小役、第32小役~第35小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、強チェリー重複1に当選(IV=34の際に当選)となり、強チェリー当選フラグ及び第1BB当選フラグがセットされた場合、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
続くステップS315では、ステップS314にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、強チェリー重複1に当選し、第28小役、第33小役、第35小役及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第28小役、第33小役、第35小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、特リプA重複1に当選し、第9再遊技及び第1BB入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第9再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。そして、例えば、第1BB当選が持ち越された状況で、通常リプレイに当選し、第1BB入賞及び第1再遊技入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第1再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
また、複数の小役や複数の再遊技が重複して当選となる場合、いずれの小役又は再遊技に対応する図柄が有効ラインに停止するかは、停止操作が行われたタイミングによって異なる。例えば、強スイカに当選し、第30小役及び第41小役入賞に対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、上記のとおり、第30小役と第41小役とで、左リール32Lの対象図柄は「スイカ」図柄で共通している。そのため、左リール32Lの停止操作のタイミングによっては、いずれの小役入賞が成立するかは決定されない。一方、中リール32M及び右リール32Rの対象図柄は、第30小役ではいずれも「赤ベル」図柄であり、第41小役では中リール32Mが「チェリー」図柄及び「黒BAR」図柄であり、右リール32Rが「スイカ」図柄である。例えば、3ベットゲームにおいて、中リール32Mでは、4番目の「スイカ」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第30小役の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄と、第41小役の対象図柄である「黒BAR」図柄のいずれの図柄についても、有効ライン上である中段に停止させることが可能となる。この場合、本実施形態では、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように、停止図柄情報の設定が行われる。その結果、上記の場合、「赤ベル」図柄が中段に停止するように停止駆動制御が行われ、第41小役入賞は成立しないようになり、第30小役が入賞可能となる。
一方、中リール32Mにおいて、8番目の「黒BAR」図柄から12番目の「赤ベル」図柄が中段に到達したタイミングで中ストップスイッチ43の停止操作が行われた場合、第41小役の対象図柄である8番目の「黒BAR」図柄及び11番目の「チェリー」図柄と、第30小役の対象図柄である12番目の「赤ベル」図柄のいずれの図柄についても、中段に停止させることが可能となる。この場合も、スベリ数の少ない図柄を優先して停止するように停止図柄情報の設定が行われるため、8番目の「黒BAR」図柄又は11番目の「チェリー」図柄が中段に停止し、第30小役入賞は成立しないようになり、第41小役が入賞可能となる。
右リール32Rについても同様であり、右ストップスイッチ44の停止操作が行われたタイミングによって、第30小役の対象図柄である「赤ベル」図柄と第41小役の対象図柄である「スイカ」図柄とでスベリ数の少ない図柄が有効ラインである下段に停止するように停止図柄情報の設定が行われる。なお、右リール32Rにおいて、6番目の「第1リプレイ」図柄及び7番目の「黒BAR」図柄が有効位置に到達したタイミングで、右ストップスイッチ44の停止操作が行われた場合、「スイカ」図柄及び「赤ベル」図柄のいずれも停止させることができず、この場合、いずれの小役入賞も成立せずに所謂取りこぼしとなる。
ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS311にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=23~30の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図17参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図19は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、CB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第7小役図柄としての機能も有しており、第9小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第7小役図柄同士、第9小役同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が中段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図20(a)に示すように、7番の「赤ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞、第7小役入賞又は第9小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。中リール32Mには、「白BAR」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第7小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が14番の位置にのみ配置されている。そして、中リール32Mの第9小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番の位置にのみ配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄、第7小役図柄又は第9小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、13番の「第1リプレイ」図柄~17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。9番の「第2リプレイ」図柄~13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図20(b)に示すように、第7小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞の成立する余地が残る。6番の「白ベル」図柄~10番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第9小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「LUCKY」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第7小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第7小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第7小役図柄は「白ベル」図柄である。右リール32Rには、「白ベル」図柄が10番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第7小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、6番の「第1リプレイ」図柄~10番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図20(c)に示すように、第7小役図柄たる「白ベル」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第7小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。例えば、3番の「第2リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図20(d)に示すように、4番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「赤ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第9小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第9小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第9小役図柄は「青年」図柄である。右リール32Rには、「青年」図柄が15番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第9小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、11番の「第1リプレイ」図柄~15番の「青年」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第9小役図柄たる「青年」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第9小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「チェリー」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「白BAR」図柄である。右リール32Rには、「白BAR」図柄が18番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄~18番の「白BAR」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第2小役図柄たる「白BAR」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「白BAR」図柄,「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄、第7小役図柄及び第9小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「LUCKY」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄及び「第1リプレイ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄又は「第1リプレイ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄(「赤ベル」図柄),「LUCKY」図柄(「白ベル」図柄),「スイカ」図柄(「第1リプレイ」図柄)の組合せは、図11に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第7小役入賞が成立する場合と、第9小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第38小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS416にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図21のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、RAM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされているか否かを確認することで、遊技状態が第4RT状態か否かを判定する。第4RT状態である場合には、ステップS502へ進み、固定RTゲーム数の減算処理を行う。詳細な説明は後に行うが、第4RT状態は、実行可能なゲーム数が予め定められているRT状態であり、ステップS502の処理は、当該実行可能な残りのゲーム数を減算するための処理である。続くステップS503では、ステップS502の処理結果に基づいて、第4RT状態における実行可能な残りゲーム数が0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS504にて第4RT設定フラグをクリアする処理を実行してから、本RT状態処理を終了する。ステップS504の処理を行うことで、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。ステップS503にて否定判定した場合、そのまま本RT状態処理を終了する。この場合、第4RT状態が継続される。
ステップS501にて否定判定した場合、ステップS505にて、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS506に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS507にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS505にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS508に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、第4RT状態及び通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS509にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS507にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS507にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図22は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図17参照)と比較した場合、IV=1~5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6~58の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2~5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図22に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1~5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2~4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技~第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技~第8再遊技は、第1昇格リプレイ2~4に当選していても、ストップスイッチ42~44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1~4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1~4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1~4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS508にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS510に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS511にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS512にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図24は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図22参照)と比較した場合、IV=1~10,13,14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11,12,15~58の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約13.2分の1、IV=2~5の際に当選とならず、IV=6~8の際に当選となる確率はそれぞれ約15.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約8.90分の1となる。そして、IV=13の際に当選となる確率は約6.90分の1であり、IV=14の際に当選となる確率は約131分の1である。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、第4RT状態に移行する第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、上述した第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,移行リプレイ1,移行リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1~転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図11参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、赤7・赤7・黒BAR中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
また、図23(d)に示すように、移行リプレイ1,2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞、第2再遊技入賞、及び第11再遊技入賞若しくは第12再遊技入賞が成立する。つまり、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞が成立して遊技状態の移行が生じないか、第2再遊技入賞が成立して第1RT状態への移行が生じるか、第11再遊技入賞若しくは第12再遊技入賞が成立して第4RT状態への移行が生じるか、のいずれかとなる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS510にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS515にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS515にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図24参照)と比較した場合、IV=9~12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1~8,13~58の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞、第4RT状態に移行する第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS409)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図23(c)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS513にて第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS516に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、そのままRT状態処理を終了する。第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合には、ステップS517にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS518にて第4RT設定フラグをセットし、ステップS519にて固定RTゲーム数設定処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS519は、第4RT状態において実行可能なゲーム数を設定する処理であり、かかる処理は、第4RT状態の説明とともに後に詳細に説明する。
以上のように、RT状態処理によって、通常遊技状態、第1RT状態、第2RT状態、第3RT状態及び第4RT状態の移行が行われる。図26は、各状態の移行契機や終了契機とともに、各状態間の移行の有無等をまとめて示している。
遊技状態が通常遊技状態及び第1RT状態である場合、ボーナスとの重複当選となるIV=48~51(特リプA重複1等)を除くいずれかのリプレイ当選となる確率(以下の説明では、単に「リプレイ確率」とも称する)は、約7.30分の1である。一方、第2RT状態~第4RT状態では、リプレイ確率が約1.53分の1となり、持ちメダルの減りを抑えながら遊技を行うことが可能となり、通常遊技状態や第1RT状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。通常遊技状態から第1RT状態へは移行出目が停止することで移行し、第3再遊技入賞によって第2RT状態へ移行する。第2RT状態においては、第2再遊技入賞が成立すると第1RT状態へ移行することとなり、通常時においては、基本的には、通常遊技状態と第1RT状態に滞在する。
第2RT状態及び第3RT状態では、第2再遊技入賞が成立するまでRT状態が継続する。第2再遊技入賞を成立させないようにするための構成は後述するが、第2RT状態や第3RT状態の滞在ゲーム数は、第2再遊技入賞が成立するまでのゲーム数として可変式となることから、これら第2RT状態及び第3RT状態は無限RT状態とも称される。これに対して、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞によって移行する第4RT状態は、滞在ゲーム数が50ゲーム又は200ゲームの固定式となっており、固定RT状態とも称される。
なお、以下の説明では、通常遊技状態及び第1RT状態は、これらの無限RT状態や固定RT状態と対比するため、通常RT状態と称する。また、無限RT状態や固定RT状態において通常RT状態よりもリプレイ確率が高くなることを分かりやすくするため、無限RT状態や固定RT状態を合わせて高RT状態と称し、通常RT状態を低RT状態とも称する。
ちなみに、第1RT状態も滞在するゲーム数が可変式であることから無限RT状態に含まれるが、説明をわかり易くするため、上記のように分類して説明する。
通常RT状態及び無限RT状態(通常遊技状態、第1RT状態~第3RT状態)は、滞在している状態から他の無限RT状態へは移行可能である一方、固定RT状態(第4RT状態)では、無限RT状態への移行が不可となっている。その他、固定RT状態(第4RT状態)への移行は、通常RT状態(通常遊技状態、第1RT状態)では生じない一方、無限RT状態(第2RT状態、第3RT状態)では生じ得るように設定されている。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図27のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602~ステップS613に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604~S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄又は「黒BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS209)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1~52のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=55~58のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図17等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=55の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=56の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=57の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=58の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図28(a)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1~CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第27小役入賞,第31小役入賞,第36小役入賞~第38小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞~第26小役入賞,第28小役入賞~第30小役入賞,第32小役入賞~第35小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
なお、当選役としてのCB、及び遊技状態としてのCB状態に代え又は加えて、当選役として1ゲームの遊技(JACゲーム)を実行可能となるシングルボーナス(SB)、及びそのシングルボーナス当選(入賞)に基づいて移行するSB状態を設けてもよい。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。その後、ステップS612にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。ステップS612でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。
ステップS610~S612の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図29は、第1BBや第2BBで移行するBB状態で選択されるBB状態用抽選テーブルである。BB状態用抽選テーブルでは、IV=1~30,34~58のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=31~33のポイント値として「21845」が設定されている。したがって、BB状態では、BB中第1役に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)が約1.11分の1となり、BB中第2役に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)が約20.0分の1となり、BB中第3役に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)が約20.0分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約65500分の1である。
これらBB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBと第2BBとで共通の当選確率となっている。また、BB中第1役やBB中第2役、BB中第3役の当選確率は、第1BBや第2BBのBB状態への移行契機に関わらず共通の当選確率となっており、例えば、特リプA重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役と、特リプAB重複1当選に基づく第1BB中のBB中第3役との当選確率は同じ確率である。すなわち、いずれのBB状態においても、共通のBB状態用抽選テーブルが参照されて抽選処理が行われる。
図28(b)は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第1役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞のいずれかが必ず成立する。また、第9再遊技入賞についても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中第2役に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第9再遊技入賞が必ず成立する。
第9再遊技入賞及び第10再遊技入賞が可能となるBB中第3役は、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって、いずれの再遊技入賞が成立するかが異なり、ストップスイッチ42~44の停止操作が行われた際に、いずれも入賞可能であれば、スベリ数の少ない側の再遊技が入賞するように停止駆動制御される。より詳しくは、第9再遊技及び第10再遊技が入賞成立となる図柄の組み合わせは、中リール32M及び右リール32Rではいずれも「第1リプレイ」図柄及び「第2リプレイ」図柄で共通している一方、左リール32Lでは異なっている。すなわち、左リール32Lにおいては、第9再遊技の対象図柄は「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である一方、第10再遊技の対象図柄は「青年」図柄及び「スイカ」図柄である。
例えば、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの4番目の「チェリー」図柄から7番目の「赤ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合、第9再遊技の対象図柄である7番目の「赤ベル」図柄及び第10再遊技の対象図柄である8番目の「スイカ」図柄のいずれも、有効ライン上である上段に停止させることが可能であるものの、この場合、スベリ数の少ない7番目の「赤ベル」図柄を上段に停止させるように停止駆動制御が行われる。その結果、第10再遊技入賞ではなく第9再遊技入賞が成立可能となる。その他、左リール32Lにおいて、9番目の「赤7」図柄から12番目の「白ベル」図柄が上段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合も同様に、13番目の「青年」図柄ではなく12番目の「白ベル」図柄が上段に停止するように駆動制御される等、第10再遊技よりも第9再遊技のほうが入賞成立し易いように設定されている。つまり、第10再遊技を入賞させようとするならば、左リール32Lの上段に0番目の「青年」図柄、8番目の「スイカ」図柄、13番目の「青年」図柄が到達したタイミングで左ストップスイッチ42の停止操作を行う必要があり、他のタイミングであれば、第9再遊技入賞が成立することになる。
BB状態は3ベットゲームであるため、BB中第1役当選となり、第1小役入賞,第39小役入賞,第40小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。また、BB中第2役当選となると第9再遊技入賞が成立し、BB中第3役当選となっても多くは第9再遊技入賞が成立する。つまり、BB状態となると、主に第1小役等のベル入賞及び第9再遊技たるリプレイ入賞のいずれかが頻繁に成立する。リプレイ入賞が成立するとメダルの払出が行われない代わりに、リプレイが付与されて、次ゲームをメダル不要で実施することができる。BB状態における外れの確率は約65500分の1であるため、BB状態は、非常に高確率で9枚のメダル払出が行われる遊技状態である、といえる。
ステップS609にて否定判定し、いずれのBB入賞も成立しなかった場合には、ステップS613にて持ち越しコマンドをセットする処理を行う。持ち越しコマンドとは、ボーナス当選ゲームにて当該ボーナス入賞が成立せず、所謂持ち越し状態となったことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、かかる持ち越しコマンドはタイマ割り込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて表示制御装置81へ出力される。
既に説明した通り、持ち越し状態において行われるゲームでは、他のボーナスに当選することが制限される。より詳しくは、通常遊技状態用の抽選テーブル(図17)において、IV=34~51のボーナス(第1BB,第2BB,CB)との重複役等に当選した場合には、これらボーナスに対応する当選フラグはセットされない。そのため、例えば、IV=34~51の各小役又は再遊技との重複役に当選した場合には、これら各小役や再遊技の当選フラグはセットされるものの、ボーナスに対応する当選フラグはセットされず、小役入賞のみが有効となる。すなわち、持ち越し状態とは、ボーナスの抽選が制限される状態ともいえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS614にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602~ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15-2)枚又は25(=14-2+15-2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に約144(=9×24-3×24)枚のメダル増加を期待できる。
ちなみに、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選し、リプレイが付与される場合、残払出数カウンタの減算は行われない。つまり、BB状態においてBB中第2役やBB中第3役に当選した回数は、BB状態において期待できるメダル増加数に影響を及ぼさない。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞のいずれも成立しておらず持ち越しコマンドをセットした場合(ステップS613の処理を実行した場合)と、ステップS605、ステップS612にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS614にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、遊技状態の移行について図30を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態~第4RT状態に移行しない(図17参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2、第4RT状態への移行契機となる移行リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態及び第4RT状態に移行しない。
また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1~転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
さらに、遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行する。第11再遊技入賞と第12再遊技入賞とは、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合に成立する(図23(d)参照)。既に説明した通り、第4RT状態はゲーム数が固定の固定RT状態である。そのため、第4RT状態において移行出目が停止しても第1RT状態には移行しない。なお、第4RT状態用抽選テーブルについては後に説明するが、第4RT状態では第2再遊技には当選しない。そのため、第2再遊技入賞に起因する第1RT状態への移行も生じない。また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持ち越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する点は、上記第1RT状態~第3RT状態と同様である。
本スロットマシン10では、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,BB状態,CB状態の7種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,CZモード(チャンスゾーンモード),ATモード(アシストタイムモード),VBモード(バーチャルボーナスモード、Virtual Bоnusモード、疑似ボーナスモード),BBモード(ビッグボーナスモード、Big Bonusモード)の5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図31は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は約144枚のメダル増加を期待できる。
通常モード又はCZモードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、CZモードへの移行抽選と、ATモードへの移行抽選と、が行われる場合がある。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にATモードに移行し、CZモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にCZモードに移行する。いずれの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。ATモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にATモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1~第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1~転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2,移行リプレイ1,移行リプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、CZモードへの移行抽選と、ATモードへの移行抽選と、が行われる。CZモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからCZモードに移行し、ATモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからATモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態~第4RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
CZモードとは、通常モードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されない表示モードである。CZモードでは、ATモードへの移行抽選が行われる。但し、当該CZモードにおけるATモードへの移行抽選の当選確率は、通常モードにおけるATモードへの移行抽選の当選確率よりも高く設定されている。つまり、CZモードは通常モードと同じように操作順序の報知が行われないものの、ATモードへ移行し易いモードとして設定されている。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、CZモードからATモードに移行する。上記移行抽選に当選することなく所定回数(例えば10回等)のゲームが行われた場合には、CZモードから通常モードに移行する。CZモードからは、VBモードに移行しない。
CZモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、CZモードでは、押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42~44の操作順序が報知されないため、第2RT状態~第4RT状態に移行することは稀であり、ほぼ通常遊技状態又は第1RT状態と対応することとなる。CZモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
ATモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。ATモードは、VBモードへの移行確率が異なるATLV.1モード~ATLV.4モードの4つのATモードによって構成されており、いずれのATモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、ATモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、ATモードから通常モードに移行する。
ATLV.1モード~ATLV.4モードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、ATLV.4モードが最も高く、ATLV.1モードが最も低くなるように設定されており、ATLV.1モード、ATLV.2モード、ATLV.3モード、ATLV.4モードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ATモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、ATモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第2RT状態~第4RT状態と対応することとなる。ATモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。ATモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、ATモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。なお、ATモードであって第2RT状態又は第3RT状態において、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選した場合、第1再遊技入賞となる操作順序が報知される場合と第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞となる操作順序が報知される場合とがあり、第4RT状態へ移行しない場合と移行する場合とがある。これらの構成については、後に詳細に説明する。
VBモードとは、疑似的なボーナスモードであり、所謂疑似ボーナス(Virtual Bonus)と称されるモードである。第1BBや第2BBが対応する図柄(「赤7」図柄揃いや「白BAR」図柄揃い)が停止することでボーナス状態へ移行するのに対して、VBモードは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞となる図柄(中段に「赤7」図柄・「赤7」図柄・「黒BAR」図柄が停止する出目や、中段に「黒BAR」図柄・「黒BAR」図柄・「赤7」図柄が停止する出目や、中段に「黒BAR」図柄・「白BAR」図柄・「白BAR」図柄が停止する出目等)が停止することでボーナス状態への移行は生じないものの第3RT状態への移行が生じ、その概要としては、ATモードと同様に押し順報知が発生するモードである。すなわち、VBモードは、ATモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとATモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、ATモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図23(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42~44の操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42~44を操作した場合、第3RT状態又は第4RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態~第4RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。なお、VBモードにおいても、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選した場合に、その操作順序の報知によって第4RT状態へ移行しない場合と移行する場合とがあり、かかる構成についても、後に詳細に説明する。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからCZモードに移行し、CZモードからATモードに移行し、ATモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、ATモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、ATモードからVBモードに移行し、VBモードからATモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
上記のように、通常モードとCZモードとで比較すると、ATモードへの移行抽選に当選する確率が通常モードよりもCZモードの方が高くなるように設定されている。したがって、CZモードはATモードへの移行を期待させる所謂チャンスゾーンとも称される。
また、ATモードにおいてATLV.1モード~ATLV.4モードが設定されており、各ATモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モード又はCZモードからATモードへ移行する場合、基本的にはATLV.1モードに移行する。ATLV.1モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、ATLV.2モードへの移行抽選が行われる。ATLV.2モードへの移行抽選に当選すると、ATLV.2モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。ATLV.2モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、ATLV.3モードへの移行抽選が行われる。ATLV.3モードへの移行抽選に当選すると、ATLV.3モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、ATLV.3モードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、ATLV.4モードへの移行抽選が行われる。ATLV.4モードへの移行抽選に当選すると、ATLV.4モードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、ATモードに移行した場合、ATLV.1モード→ATLV.2モード→ATLV.3モード→ATLV.4モードとATモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、ATモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、ATモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42~43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、ATモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図16)の抽選結果対応処理(ステップS312)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、今回のゲーム以前にて既に第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、今回のゲームが第1BBや第2BBの持ち越し状態か否かを判定する。
ステップS701にて否定判定した場合、ステップS702~ステップS710の表示モードの移行用の処理等を実行する。一方、ステップS701にて肯定判定し、持ち越し状態中である場合には、表示モード移行用の処理等を行わない。すなわち、ボーナスの持ち越し状態中においては、表示モード移行用の処理等の実施が制限される。
具体的には、ステップS701にて否定判定した場合、ステップS702にて、現状の遊技状態が通常遊技状態、第1RT状態及び第4RT状態のいずれかであるか否かを判定する。ステップS702にて肯定判定し、通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態である場合、ステップS703にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグは、ATモードへの移行抽選に当選している状態であることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、ATモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、ATモードへ移行する際にセットされ、ATモードが最終的に終了する際(ATモードからVBモードや特化ゾーン、BBモードへ移行する際は除く)にクリアされるフラグである。ステップS703にて否定判定した場合には、ステップS704にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第1特定役処理が行われる場合とは、通常遊技状態、第1RT状態又は第4RT状態であって、且つATモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、通常モード又はCZモードが対応する。第1特定役処理では、表示モードをCZモードに移行するか否かの移行抽選が行われるとともに、ATモードに移行するか否かの移行抽選が行われる。また、第1特定役処理では、現状の表示モードがCZモードであれば、CZモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS801にて、現状の表示モードがCZモード中か否かの判定を行う。CZモード中ではない場合とは、現状の表示モードが通常モードであることを意味する。ステップS801にて否定判定した場合には、ステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード抽選用のテーブルとして通常時用テーブルを取得する。一方、ステップS801にて肯定判定した場合には、ステップS803にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード抽選用のテーブルとしてCZモード用テーブルを取得する。通常時用テーブルとCZモード用テーブルとでは、抽選結果(当選役)の種類に応じてATモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。
具体的には、各種テーブル記憶エリア105aに記憶されているモード抽選テーブルでは、現状の表示モードと、抽選契機となる遊技結果の種類とによって、各モード移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、モード移行抽選の抽選契機となる遊技結果としては、図38に示すように、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、強チェリー重複1、弱チェリー重複1、強スイカ重複1、弱スイカ重複1、チャンスA重複1、チャンスB重複1、中段ベル重複1、特リプA重複1、特リプA重複2、単独第1BB、単独第2BBが設定されている(以下、これらをまとめて「移行契機役」とも称する)。これらの移行契機役は、いずれの設定値であっても設定されているポイント値PVが共通しており、当選確率に設定差がない。そして、各モード移行抽選の当選確率についても、設定差がないように設定されている。これに対して、強チェリー重複2、弱チェリー重複2、強スイカ重複2、弱スイカ重複2、チャンスA重複2、チャンスB重複2、中段ベル重複2、特リプAB重複1、特リプAB重複2は、当選確率に設定差があるように設定されており、概して設定1が最も当選確率が低く、設定6が最も当選確率が高くなるようにポイント値PVが設定されている(以下、これらをまとめて「非契機役」とも称する)。そして、これら当選確率に設定差がある非契機役では、各モード移行抽選は実施されない。つまり、出現率が共通している移行契機役にて当選確率に設定差のないモード移行抽選を行う構成とし、各モード移行の移行率は共通なものとなっている。
ステップS802やステップS803にて取得するATモードへの移行用の抽選テーブルでは、移行契機役の種類に応じて、それぞれ移行抽選の当選確率が設定されている。図39に示すように、例えば、移行契機役が強チェリーである場合、通常時用テーブルでは45%の確率でATモードへの移行抽選に当選する一方、CZモード用テーブルでは90%の確率でATモードへの移行抽選に当選し、通常モードよりもCZモードのほうがATモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、移行契機役が強チェリーである場合は、移行契機役が弱チェリーである場合よりも通常時用テーブルおよびCZモード用テーブルのいずれにおいてもATモードへの移行抽選に当選する確率が高く、各ゲームでの当選確率(出現率)が低い結果ほどATモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS802又はステップS803にてATモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS804にてATモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタをRAM106の各種カウンタエリア106eから取得し、ステップS802又はステップS803にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、ATモードへの移行抽選を行う。
ステップS805では、ステップS804の処理結果に基づいて、ATモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。ATモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS806にて、今回当選したATモードがSATモードか否かを判定する。SATモードとは、上乗せ特化ゾーンを経てから開始されるATモードである。例えば、通常のATモードの初期ゲーム数が50とすると、SATモードでは当該初期ゲーム数の50に対し、上乗せ特化ゾーンにて上乗せされたゲーム数を加えたゲーム数でATモードが開始される。そのため、通常のATモードとSATモードとでは遊技者にとっての有利度が異なり、ATモードよりもSATモードの方が遊技者にとって有利なものとなる。
SATモードへの移行抽選は、ATモードへの移行抽選にて当選した場合(ステップS804の抽選処理にて当選した場合)に実施され、この移行抽選は、移行契機役と表示モードの種類によって設定されているSATモード用の移行抽選テーブルに基づいて行われる。SATモード用の移行抽選テーブルは、図39に示すように、通常モード中にATモードに当選した場合よりもCZモード中にATモードに当選した場合のほうがSATモードへの移行抽選に当選し易くなるように設定されており、CZモードの優位性が担保されている。例えば、通常モード中において、強スイカを契機としてATモードへの移行抽選に当選する確率は60%であり、その移行抽選に当選した場合の5%がSATモードに当選するため、実質的に通常モード中に強スイカ当選となった場合の57%がATモードに移行し、3%がSATモードに移行する。その一方、CZモード中において、強スイカを契機としてATモードへの移行抽選に当選する確率は50%であり、その移行抽選に当選した場合の50%がSATモードに当選するため、実質的にCZモード中に強スイカ当選した場合の25%がATモードに移行し、25%がSATモードに移行し、通常モードよりもSATモードへの移行率が高められている。さらに、SATモードへの移行抽選の当選確率は移行契機役によって異なり、例えば、強チェリーと強スイカとを比較すると、通常モードにおいてはSATモードへの移行抽選の当選確率は強チェリーと強スイカとで共通している(5%の当選確率)ものの、CZモードにおいては同移行抽選の当選確率は強チェリーよりも強スイカの方が高くなるように設定されている。
ステップS806にて、SATモード当選であると判定した場合、ステップS807にて、特化ゾーン当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS806にて否定判定した場合、又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にて、ATモード当選フラグをセットする処理を行う。すなわち、ATモード当選時にはATモード当選フラグがセットされ、そのうちの一部で(SATモードに当選した場合には)特化ゾーン当選フラグがセットされることになる。
ステップS808の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812にて前兆モードの設定用の処理を行う。前兆モードとは、ATモードやCZモード等に当選したことを示唆する当選示唆演出が発生し易くなるモードであり、当該前兆モードの各ゲームを経てから、ATモードやCZモード等に当選したことの当選報知が行われる。前兆モードは0ゲーム~32ゲームに亘って継続し、当選したATモードやCZモード等の種類と、ボーナスに同時当選しているか否かとによって、その前兆モードの継続ゲーム数が異なるように設定されている。なお、ATモードやCZモード等がボーナスと同時当選している場合は、前兆モードを経てからボーナスの当選報知が行われ、そのボーナス状態が終了してから、ATモードやCZモード等に当選していたことの報知が行われる。また、前兆ゲーム数が0ゲームとして設定される場合、前兆モードを介さずに当選報知が行われることになる。
具体的には、ステップS809では、先ず、前兆ゲーム数テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する処理を行う。図40に示すように、前兆ゲーム数テーブルでは、現状の表示モード(通常モード又はCZモード)と、ボーナスと同時当選したか否かによって、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定されている。具体的には、現状の表示モードが通常モードである場合であって、ATモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが80%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択される。一方、現状の表示モードが通常モードである場合であっても、ATモードとボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが10%で選択され、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択され、21ゲーム~32ゲームが20%で選択される。すなわち、表示モードが通常モードである場合、ボーナスに同時当選している場合の方が、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。言い換えると、ボーナスに同時当選していない場合には、ATモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該ATモード当選が報知されることになる。一方、現状の表示モードがCZモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてATモードの当選報知が行われる。
また、上乗せ特化ゾーン付きのATモードであるSATモード当選時においては、ボーナスに同時当選していない場合には、1ゲーム~5ゲームが70%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択される。一方、ATモード当選時においてボーナスに同時当選している場合には、1ゲーム~5ゲームは選択されず、6ゲーム~10ゲームが20%で選択され、11ゲーム~20ゲームが30%で選択され、21ゲーム~32ゲームが50%で選択される。すなわち、SATモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、SATモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該SATモード当選が報知されることになる。SATモード当選時においても、現状の表示モードがCZモードである場合には、ボーナス同時当選の有無に関わらず、前兆ゲーム数として0ゲームが選択される。つまり、この場合、前兆モードに設定されず、当選ゲームの次ゲームにおいてSATモードの当選報知が行われる。
なお、ボーナスと当時当選している場合において、重複役の種類によって選択され易い前兆ゲーム数を異ならせてもよい。例えば、特リプA重複1や特リプA重複2のようにリプレイ(第9再遊技)とボーナスとの重複役のほうが、強チェリー重複1や弱チェリー重複1のように小役(強チェリー、弱チェリー等)とボーナスとの重複役よりも長い前兆モードが選択され易い構成としてもよいし、その逆の関係となるようにしてもよい。
ステップS810では、ステップS809にて取得した前兆ゲーム数テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいて、今回の前兆モードのゲーム数を抽選する処理を行う。そして、ステップS811にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了し、ATモード等の移行抽選に当選したことの当選報知が行われる。
ステップS812では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果(前兆モード後に移行する表示モード、上記ステップS812の場合にはBBモード及びATモード)及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS812の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
ステップS805にてATモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS813に進む。ステップS813では、CZモード抽選処理を実行する。CZモード抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZモード抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。CZモード抽選用のテーブルは、移行契機役の種類に応じてCZモードへの移行確率がそれぞれ設定されている(図39)。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもCZモードへの移行確率が高く設定されている。
ステップS813が実施される場合として、表示モードがCZモードである場合も含まれるが、この場合もステップS813ではCZモード抽選処理を実行し、その抽選用のテーブルは通常モードとCZモードとで共通のテーブルとしている。なお、ステップS801~803のように、CZモード中か否かによって、抽選テーブルを異ならせてもよい。
ステップS814では、ステップS813の処理結果に基づいて、CZモードに当選したか否かの判定を行う。CZモードに当選したと判定した場合には、ステップS815にて、現状の表示モードがCZモードであるか否かを判定する。CZモードではなく通常モードである場合、ステップS816にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS816の処理を行った後は、ステップS809~ステップS812と同様にステップS817~ステップS820にて前兆モード用の設定処理を行う。すなわち、ステップS817にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS818にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS819にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS820にて前兆コマンドをセットしてから、第1特定役処理を終了する。
ステップS817にて取得する前兆ゲーム数テーブルでは、図40に示すように、CZモード単独で当選している場合には、1ゲーム~5ゲームが90%で選択され、6ゲーム~10ゲームが10%で選択される。一方、CZモードがボーナスと同時当選であった場合には、1ゲーム~5ゲームが20%で選択され、6ゲーム~10ゲームが30%で選択され、11ゲーム~20ゲームが50%で選択される。すなわちCZモード当選時においても、ボーナスに同時当選している場合のほうが、同時当選していない場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっているし、ボーナスに同時当選していない場合には、CZモード当選ゲームから比較的に短いゲーム数で当該CZモード当選が報知されることになる。
前兆ゲーム数について付け加えると、ボーナスに同時当選しているか否かに関わらず、CZモードよりもATモードのほうが長い前兆ゲーム数が選択され易く、ATモードよりもSATモードの方が長い前兆ゲーム数が選択され易く、遊技者にとって有利な表示モードに当選していれば長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。また、ボーナスに同時当選していない場合には、10ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっており、前兆モードが11ゲーム以上継続すれば、ボーナスと同時当選していることが確定する。また、ボーナスと同時当選している場合であっても、CZモードとボーナスの同時当選では20ゲーム以下の前兆ゲーム数が選択されるようになっている一方、ATモードやSATモードとボーナスの同時当選では21ゲーム以上の前兆ゲーム数も選択されるようになっており、前兆モードが21ゲーム以上継続することで、ボーナス+ATモード又はSATモードであることが確定する。このように、前兆ゲーム数との関係で当選内容を予測する楽しみが追加されている。
さらに本実施形態では、移行契機役当選時においてATモードやCZモード等に非当選の場合や非契機役当選時において、疑似前兆モードに移行する場合がある。かかる処理については後述するが、疑似前兆モードとして設定されるゲーム数は、1ゲーム~20ゲームのいずれかとなっている。そのため、当選示唆演出が21ゲーム以上に亘って頻繁に発生することにより、移行した前兆モード又は疑似前兆モードが、前兆モードであることが確定することになる。
ステップS815にてCZモード中に再度CZモードに当選したと判定した場合には、ステップS821~ステップS825にて、CZモードの継続ゲームの上乗せ用の処理を行う。すなわち、ステップS821では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS822に進み、CZモードの上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。
ここで、上乗せとは、CZモードやATモードの継続ゲーム数(残数)を加算する(増加させる)ことをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値(増加させる値)に対応する。ステップS822では、CZモードの継続ゲーム数に加算する値を抽選により決定する。
具体的には、上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。CZモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。具体的には、図41に示すように、例えば、強チェリーでは2ゲームから20ゲームのCZモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は15ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから30ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は10ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値(期待上乗せゲーム数)としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS823では、CZモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、CZモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたCZモード継続カウンタ)に、ステップS822により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する。そして、ステップS824にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第1特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象(CZモード又はATモード)の情報が含まれている。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明するが、表示制御装置81では、上乗せコマンドを受信したことに基づいて、これら上乗せコマンドに含まれる情報の報知としての上乗せ報知(上乗せ演出)を行う。
ステップS821にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS825に進む。ステップS825では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZモード上乗せフラグをセットしてから、本第1特定役処理を終了する。CZモード上乗せフラグは、CZモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、CZモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にCZモードの上乗せが行われる。すなわち、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
抽選結果対応処理の説明(図32)に戻り、ステップS702にて否定判定した場合、又はステップS703にて肯定判定した場合、ステップS705に進む。ステップS705では、現状の遊技状態が、第2RT状態又は第4RT状態か否かを判定する。第2RT状態又は第4RT状態である場合には、ステップS706にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグ及びVBモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。BVモードフラグは、表示モードがVBモードであることをCPU102が特定するためのフラグであり、VBモードへ移行する際にセットされ、VBモードが終了する際にクリアされるフラグである。ステップS706にて否定判定した場合には、ステップS707にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS705にて否定判定した場合は、ステップS708にてボーナス状態中か否かを判定する。ボーナス状態中ではない場合、又はステップS706にて肯定判定した場合には、ステップS709にて、第3特定役処理を実行する。ボーナス状態中である場合には、ステップS710にて、第4特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第2特定役処理が行われる場合とは、第2RT状態又は第4RT状態であって、且つVBモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、ATモードが対応する。第2特定役処理では、表示モードをVBモードや上乗せ特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。なお、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、ATゾーンの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。また、第2特定役処理では、ATモードのレベルの昇格抽選を行うとともに、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS901では、ATモードのレベルを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、ATLV.1モード~ATLV.4モードの4つのATモードのレベルが設けられており、各レベルでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS901は、現状のATモードのレベルがATLV.1モード~ATLV.4モードのいずれであるかを判定する。
ステップS902では、ステップS901で把握したATモードのレベルに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。図39に示すように、例えば、強チェリー1と弱チェリーとでは、強チェリー1の方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各レベルのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、ATLV.1モードのものよりもATLV.2モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、ATLV.2モードのものよりもATLV.3モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、ATLV.3モードのものよりもATLV.4モードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS903では、ステップS902にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS904にて、ステップS903の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。なお、本実施形態では、ボーナスとの重複役を移行契機役としてVBモードの移行抽選が行われる場合、当該VBモードへの移行抽選に当選しないようになっている。つまり、BBモードへの移行とVBモードへの移行とがなるべく重複して生じないようにし、これらボーナスとの重複役の有利度が高まりすぎないようにしている。
ステップS904にて肯定判定した場合、ステップS905にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS906~ステップS909にて、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS906にて前兆ゲーム数テーブルを取得し、ステップS907にて前兆ゲーム数を抽選し、ステップS908にて前兆ゲーム数をセットし、ステップS909にて前兆コマンドをセットしてから第2特定役処理を終了する。但し、本実施形態においては、図40に示すように、ATモード中のVBモード当選については、いずれも前兆ゲーム数が0となるように設定されている。そのため、ATモード中にVBモードに当選した場合、次ゲームでその当選報知が行われることとなる。
ステップS904にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS910に進む。ステップS910~ステップS913は、ATモードレベルの昇格用の処理である。
ステップS910では、ATモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用のカウンタを取得する。昇格抽選用のテーブルは、ATモードのレベルに応じて複数設けられており、具体的にはATLV.1モード用のテーブル、ATLV.2モード用のテーブル、ATLV.3モード用のテーブルと、計3つ(ATLV.4モードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、抽選契機となる遊技結果の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各ATモード用のテーブルでは、ATLV.1モード用のテーブルよりもATLV.2モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、ATLV.2モード用のテーブルよりもATLV.3モード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、ATモードのレベルが昇格するにつれて、次のレベルに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS911では、ステップS910の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS912にて、ATモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたレベルフラグを、現状のATモードのレベルに対応するレベルフラグから1つ上位のレベルフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS913にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のATモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のレベルのATモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるATモード用の演出として、例えば、ATモードのレベルに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、ATモードのレベルが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のレベルに応じた背景色でATモード用の演出を行うように制御する。
ステップS911にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS913の処理を実行した後は、ステップS914~ステップS921にてATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS914では、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。ATモード上乗せ抽選用のテーブルは、図42に示すように、抽選結果の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。
ここで、本実施形態では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選に関しては、押し順ベルや押し順リプレイでも抽選契機となるように設定されている。押し順ベルや押し順リプレイ(以下、これらをまとめて「押し順役」ともいう)は、図38に示すように設定値に関わらず共通のポイント値PVが設定されており、当選確率に設定差がない。そして、押し順役を契機として行われるゲーム数上乗せ抽選の当選確率や当選時の上乗せゲーム数についても設定差がないように設定されている。つまり、押し順役を契機とする上乗せ性能に設定差はない。なお、これら押し順役に上記移行契機役を含め、指示機能に関する抽選の契機となる役として、以下の説明では特定役とも称する。
図42に示すように、特定役のうち、押し順役は、移行契機役と比較してATモードのゲーム数上乗せ抽選の当選確率は低く設定されている。そのため、各ゲームの抽選結果として押し順役が出現した場合よりも移行契機役が出現した場合のほうが、ATモードのゲーム数上乗せに期待が持てることになる。そうすると、遊技者は、それを前提として移行契機役当選となることに期待しながらゲームを進めると考えられる。その一方で、押し順役は移行契機役と比較して各ゲームにおける当選確率が高く、比較的出現し易い遊技結果といえる。このような役構成とすることで、押し順役を上乗せ契機役としての存在感を低くし、上乗せが発生した場合の意外性を高めることができる。しかも、これら押し順役に基づく上乗せが行われる機会がATモード中に現実的に生じ得る程度のもの(より詳しくは初期ゲーム数である50ゲームを2~3回実行すれば1回は発生するであろう程度の出現率)となっている。そのため、上記のような押し順役を契機とする上乗せといった意外性のある上乗せを、好適に発生させることが可能となっている。
上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS916にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS917に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。ATモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、図41に示すように特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは20ゲームから200ゲームのATモードの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は30ゲームとなっている。また、弱チェリーでは5ゲームから300ゲームの上乗せを行い、その平均上乗せゲーム数は20ゲームとなっており、強チェリーの場合よりも弱チェリーのほうが多いゲーム数が選択される場合があるものの、その平均値としては強チェリーのほうが多いゲーム数となるように設定されている。
ステップS918では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、ATモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタ)に、ステップS917により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。続くステップS919では、上乗せ抽選に当選したことやそのゲーム数を報知するための上乗せ報知用処理を行う。
<上乗せ報知用処理>
ここで、本スロットマシン10では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の上乗せ報知の態様が複数設定されている。より詳しくは、上乗せ報知の態様として、上乗せ報知が行われるゲームが異なる複数の態様を有しており、上乗せが発生したゲーム又は上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームにて上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「即乗せ報知」とも称する)と、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって報知ゲームが事後的に決定される上乗せ報知を行う場合(以下の説明では「後乗せ報知」とも称する)とが設定されている。
即乗せ報知において、上乗せが発生したゲームを契機とする一連のゲームとは、例えば、上乗せが発生したゲームを契機として、前兆モードが発生したり連続演出が発生したりする場合等を示し、当該上乗せが発生したゲームから複数のゲームに亘って継続し得るゲームを一連のゲームと称する。当該一連のゲームは、連続した演出が発生しない場合も含み、例えば、上乗せが発生したゲームにおいては対応する演出は発生せず、次のゲームや複数ゲーム後において上乗せ報知が発生する態様も、当該上乗せが発生したゲーム及び上乗せ報知が発生するまでの間のゲームを一連のゲームとし、かかる上乗せ報知の態様も即乗せ報知に含まれるものとする。
一方、後乗せ報知において、上乗せが発生したゲームよりも後のゲームであって事後的に決定される報知ゲームとは、上乗せが発生したゲームにおいて定められるのではなく、例えばATモードの終了間際のゲーム等、ATモードの進行に伴い事後的に報知タイミングが決定される点で、上記即乗せ報知における一連のゲームとは異なっている。言い換えるならば、上記報知ゲームは、上乗せが発生したゲームを契機とせずに設定されるゲームともいえる。
即乗せ報知と後乗せ報知について、図43を参照しながら、補助表示部65の表示内容の概要を説明する。
上記のとおり、即乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)のうちの一部のゲーム数を報知するものであり、後乗せ報知は、ATモード等の残りゲーム数を後から報知するものである。先に報知する側のゲーム数を表示用残数カウンタHGとし、後から報知する側のゲーム数を後乗せカウンタBGとすると、ATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)は、表示用残数カウンタHGと後乗せカウンタBGとの合計値に等しくなる。表示用残数カウンタHGはゲームを消化する度に1ずつ減算され、後乗せカウンタBGはゲームを消化しても後乗せ報知が発生しない限り減算はなされない。
図43に示すように、本実施形態では、ATモードを消化している最中において、補助表示部65に表示される表示上の残りゲーム数(残りゲーム数表示ZGP)が所定数(1)となった場合に、すなわち、表示用残数カウンタHGが所定数(1)となった場合に、後乗せ報知が発生する。後乗せ報知では、後乗せカウンタBGに対応するゲーム数(図では150)の上乗せが行われたことが報知される。この場合、後乗せカウンタBGはその報知分減算される(図では0となる)とともに、表示用残数カウンタHGは後乗せ報知による報知分が上乗せされて更新され、補助表示部65における残りゲーム数表示ZGPも表示用残数カウンタHGに対応した値となる(図では1ゲーム消化して150)。
このように、上乗せ当選時において、後乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じ得る。その一方で、即乗せ報知が選択されると表示用残数カウンタHGと実際のATモード等の残りゲーム数(有利区間残りゲーム数ZG)とに差が生じない。本スロットマシン10では、上乗せ当選時に後乗せカウンタBGが参照され、現状の後乗せカウンタBGの値によって、後乗せ報知が選択されるか即乗せ報知が選択されるかが異なっている。
上記のステップS919における上乗せ報知用処理では、上乗せ報知を行うゲームの設定を行うとともに、当該ゲームにて上乗せ報知を行う場合、その上乗せ報知の実行タイミングの設定を行う。すなわち、図35に示すように、先ずステップS1001にて各種カウンタエリア106eの後乗せカウンタBGを把握する処理を行う。続くステップS1002では、報知ゲーム抽選処理を実行する。報知ゲーム抽選処理は、今回の上乗せ報知を、後乗せ報知とするか即乗せ報知とするかの抽選処理である。報知ゲーム抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから後乗せ抽選テーブルを取得し、ステップS1001にて把握した後乗せカウンタBGの値に応じて後乗せ報知とするか否かの抽選を行う。
後乗せ抽選テーブルは、図44に示すように、後乗せカウンタBGの値と、上乗せ当選の契機となった特定役の種類とによって、後乗せ報知が選択される確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーを契機とする上乗せ時においては、後乗せカウンタBGが30未満である場合には20%で後乗せ報知が選択される(80%で即乗せ報知が選択される)一方、後乗せカウンタBGが30以上100未満では10%で後乗せ報知が選択され、後乗せカウンタBGが100以上では5%で後乗せ報知が選択される、といったように、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、後乗せ報知の選択率が低くなるように設定されている。
また、上乗せ当選の契機となった特定役の種類として、強チェリーや弱チェリー、強スイカ、弱スイカといった当選確率が比較的低い所謂レア役(低確率契機結果、低確率結果)よりも、各種押し順リプレイや各種押し順ベルといった当選確率が比較的高い所謂通常役(高確率契機結果、高確率結果)のほうが、後乗せカウンタBGの値が小さい場合の後乗せ選択率が高くなるように設定されている。より詳しくは、各種押し順リプレイや各種押し順ベルを契機とする報知ゲーム抽選処理では、後乗せカウンタBGが30未満である状況では100%の確率で後乗せ報知が選択される。
上記のように、後乗せカウンタBGは、表示用残数カウンタHGが所定数となってから上乗せ報知が行われて、その上乗せ報知分減算される。そのため、基本的には、ATモードの遊技が進行するにつれて、後乗せカウンタBGの値は大きく場合が多く、逆に、ATモードの遊技の序盤においては、後乗せカウンタBGの値は0又は小さい値である可能性が高い。
すなわち、ATモードの遊技の序盤において上乗せ当選した場合、後乗せ報知が選択される確率が高く、特に、押し順リプレイや押し順ベルのようなレア役ではない通常役を契機として上乗せ当選した場合には、ATモードの序盤であれば必ず後乗せ報知が選択される。その結果、ATモードの開始後、後乗せカウンタBGは比較的早期に溜まり易くなる。
ステップS1002にて報知ゲーム抽選処理を実行した後は、ステップS1003にて、後乗せ当選したか否かを判定する。後乗せ当選しておらず、即乗せ報知が選択された場合、ステップS1004にて、各種カウンタエリア106eに設けられた表示用残数カウンタHGに、今回の上乗せ当選ゲームを加算する処理を行う。そして、ステップS1005にて、今回のゲームにおいて、いずれのタイミングにて上乗せ報知を実行するかを設定するための、報知タイミング設定処理を実行する。報知タイミング設定処理では、今回のゲームにおけるどのタイミングで上乗せ報知を行うかを設定する処理である。
一のゲームにおいて上乗せ報知は、上乗せゲーム数に応じて実行タイミングが異なるように設定されている。具体的には、図45の実行タイミングテーブルに示すように、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングとして、各リール32L,32M,32Rの停止操作順に、第1リール、第2リール、第3リールとすると、第1リールの停止操作時、第2リールの停止操作時、第3リールの停止操作時が設定されている。そして、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたタイミングと、当該押圧操作を終了したとする停止OFF操作が行われたタイミングと、が設定されている。
ここで、ストップスイッチ42~44の操作態様について、補足説明する。ストップスイッチ42~44は最も手前側に配置される初期位置から、最も奥側に配置される操作位置まで変位可能となっている。初期位置に配置される状況では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号はLOW状態となっており、初期位置から操作位置まで操作されることによって、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が行われたとする停止ON操作が行われたと把握する。
また、ストップスイッチ42~44は、バネ等によって初期位置に向けて付勢されている。そのため、ストップスイッチ42~44から手を離して、操作位置に向けて押し込んだ操作力(押圧力)を付与しないようにすると、ストップスイッチ42~44は、上記バネ等の付勢力によって、初期位置に復帰する。この場合、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号は、HI信号からLOW信号に切り換わる。そして、主制御装置101では、検知信号がHI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、ストップスイッチ42~44の押圧操作が終了されたとする停止OFF操作が行われたと把握する。
上乗せ報知は、各ストップスイッチ42~44の停止操作として、停止ON操作時と停止OFF操作時とのいずれでも発生し得るように設定されている。つまり、上乗せ報知が発生するゲームでは、ストップスイッチ42~44を押圧操作したタイミングだけでなく、押圧操作を終了したタイミングでも当該上乗せ演出が発生し得る。
上乗せ報知の実行タイミングテーブルでは、上乗せゲーム数が比較的少ないゲーム数として、例えば5ゲーム~10ゲームの上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は15%、第2リールの停止OFF操作は20%、第3リールの停止ON操作は20%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は30%で、それぞれ選択される。この場合、各リールの停止ON操作時の方よりも、停止OFF操作時の方が選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が選択され易くなっている。
一方、上乗せゲーム数が比較的多いゲーム数として、例えば100ゲーム以上の上乗せが発生する場合、第1リールの停止ON操作が行われたタイミングが5%で選択され、第1リールの停止OFF操作が行われたタイミングは10%、第2リールの停止ON操作は5%、第2リールの停止OFF操作は30%、第3リールの停止ON操作は5%、第3リールの停止OFF操作(全リール停止時)は45%で、それぞれ選択される。この場合も、各リールの停止OFF操作時の方が、停止ON操作時よりも選択され易くなっているとともに、後側の操作の方が比較的、選択され易くなっている。
つまり、本実施形態では、各リールの停止ON操作時よりも停止OFF操作時の方が、上乗せ報知が発生し易くなるように設定されている。また、第1~第3リールを比較すると、第3リールの停止操作時(ON操作、OFF操作)が最も選択され易く、第2リールの停止操作時が次いで選択され易く、第1リールの停止操作時が最も選択されにくくなるように設定されている。
上乗せゲーム数との関係からすると、上乗せゲーム数が多いほど、特に第3リール停止OFF操作時のタイミングが選択され易くなっている。つまり、上乗せ報知が発生することを事前に察知している場合、第3リール停止ON操作時までに上乗せ報知が発生しなければ、遊技者は、多量のゲーム数の上乗せが発生することに大いに期待しながら、第3リール停止OFF操作を実行するものと考えられる。
ステップS1005では、上記上乗せ報知の実行タイミングテーブルに基づいて、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングを設定する。その後、本上乗せ報知用処理を終了する。この場合、今回の上乗せが即乗せ報知として、今回のゲームにて報知されることの情報、及び、今回のゲームにおける上乗せ報知の実行タイミングに関する情報は、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理(ステップS920)にて、上乗せコマンドに設定される。これらの情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、これらの情報に基づいて、上乗せ報知演出の設定を行う。この処理については、後に説明する。
ステップS1003にて後乗せ抽選に当選したと判定した場合、ステップS1006に進む。ステップS1006では、各種カウンタエリア106eに設けられた後乗せカウンタBGに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。そして、ステップS1007にて各種フラグ格納エリア106dに後乗せフラグをセットする処理を行ってから、本上乗せ報知用処理を終了する。
後乗せフラグは、後乗せカウンタBGの値が0よりも大きく、表示用残数カウンタHGが所定値となった場合に後乗せ報知そ行うべき状況であることを、主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。また、この場合、本上乗せ報知用処理に続けて実行される上乗せコマンドのセット処理では、今回のゲームにて上乗せ報知が発生しないことの情報が上乗せコマンドに設定される。この情報を含む上乗せコマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームでは上乗せ報知が発生しないように制御する。
第2特定役処理(図34)の説明に戻り、ステップS919にて上乗せ報知用処理を実行した後は、ステップS920にて上乗せ報知用処理の処理結果を含む上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。
ステップS916にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS921に進む。ステップS921では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにATモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグは、ATモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、ATモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にATモードの上乗せが行われる。すなわち、CZモードのゲーム数上乗せ報知と同様に、ボーナス同時当選か否かによって、上乗せ報知が行われるゲームが異なるように設定されている。
ステップS915にて上乗せ抽選に非当選であると判定した場合、ステップS922に進む。ステップS922では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、ATモード中に特定役に当選した場合において、VBモードへの移行抽選やATモードのゲーム数上乗せ抽選等に当選しなかった場合に、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから特化ゾーン移行抽選用のテーブルを取得するとともに、抽選用のカウンタ等によって、表示モードを特化ゾーンへ移行させるか否かの抽選を行う。特化ゾーン移行抽選用のテーブルは、図39に示すように、特定役のうち移行契機役の種類によって移行抽選の当選確率が異なるように設定されている。既に説明したとおり、移行契機役のうちボーナスとの重複役についてはVBモードへ移行抽選に当選しないようになっている一方、図41に示すように、当該ボーナスとの重複役はATモードのゲーム数上乗せ抽選に必ず当選する(100%の確率で当選する)ように設定されている。そのため、これらボーナスとの重複役を契機として特化ゾーン移行抽選が行われることはなく、特化ゾーン移行抽選は、ボーナスとの重複役ではない強チェリーや弱チェリー等の当選時であって、VBモードへの移行抽選及びゲーム数上乗せ抽選に非当選となった場合に当選し得るように設定されている。例えば、強チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選し、弱チェリーに基づく特化ゾーン移行抽選では0.5%の確率で当選する。一方、強スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では15%の確率で当選し、弱スイカに基づく特化ゾーン移行抽選では5%の確率で当選する。
ステップS923では、上記ステップS922の処理結果に基づいて、特化ゾーンへの移行抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS924にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン当選フラグをセットする処理を行う。そして、ステップS925にて前兆ゲーム数テーブルを取得する処理を行い、ステップS926にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS927にて前兆ゲーム数をセットする処理を行い、ステップS928にて前兆コマンドをセットする処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。ステップS925~ステップS928の処理は、例えばステップS906~ステップS909の処理と同様であり、前兆モードを設定するための処理である。
ステップS923にて否定判定し、VBモードへの移行抽選、ATモードのゲーム数上乗せ抽選、及び特化ゾーンへの移行抽選のいずれにも非当選であった場合、ステップS929にて疑似上乗せ報知用処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。疑似上乗せ報知用処理は、これら抽選に非当選であったとしても当選時と似た演出を発生させることによって期待感を持続させるための処理である。
<第3特定役処理>
次に、ステップS709にて実行される第3特定役処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理が行われる場合とは、第3RT状態である場合、又は第2RT状態や第4RT状態であって、且つVBモードに当選している状態である。この場合の表示モードとしては、ATモード又はVBモードが対応する。第3特定役処理では、ATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理や特化ゾーンに移行させるか否かの移行抽選を行う。
すなわち、ステップS1101では、ATモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS914の処理と同様である。なお、ステップS914の抽選処理とステップS1101の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1102では、ステップS1101の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1103にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1104に進み、ATモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1105にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1106にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1107にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1103~ステップS1107の処理は、ステップS916~ステップS920の処理と同様である。なお、ステップS916の抽選処理とステップS1104の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1102にて否定判定した場合には、ステップS1109へ進む。ステップS1109では、特化ゾーンへの移行抽選を実行する。すなわち、VBモード中に特定役に当選した場合において、ATモードのゲーム数上乗せ抽選に当選しなかった場合にも、特化ゾーンへの移行抽選が行われる。特化ゾーン抽選処理は、上記ステップS922の処理と同様であり、特化ゾーン移行抽選用のテーブルに基づいて行われる(図39)。ステップS1110~ステップS1116の処理は、上記ステップS923~ステップS929の処理と同様である。また、ステップS1103にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1107にてATモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。ATモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図31)の説明に戻る。ステップS710の第4特定役処理について、簡単に説明すると、既に説明した通り、第4特定役処理は、ボーナス状態中に実施される処理である。ボーナス状態中の遊技結果としては、BB中第1役とBB中第2役とBB中第3役とが設定されており、基本的にはBB中第1役に当選し、稀にBB中第2役又はBB中第3役に当選する(図29)。BB中第1役入賞が成立すると9枚のメダル払出が行われる。一方、BB中第2役やBB中第3役当選となると、ATモード等への移行抽選や、ATモード等のゲーム数上乗せ抽選が行われる。移行抽選に当選した場合にはボーナス状態の終了後にその内容が報知され、上乗せ抽選に当選すると、上記のATモード中等において当選した場合と同様に、上乗せ報知用処理が実行されて上乗せ報知が発生する。
ステップS701にて持ち越し状態中であると判定した場合、又はステップS704、ステップS707、ステップS709及びステップS710のいずれかの処理を実行した後は、ステップS711にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベルの押し順役当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS712にて押し順役処理を実行する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS711にて否定判定した場合、又はステップS712の処理を実行した後は、ステップS713に進む。ステップS713では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、上記のとおり、SATモードへの移行抽選や特化ゾーンへの移行抽選に当選することに基づいて特化ゾーン当選フラグがセットされた後、特化ゾーンへの移行が生じた場合(第7再遊技入賞が成立した場合)にセットされるフラグである。ステップS713にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS714にて特化ゾーン用処理を実行する。ステップS713にて否定判定した場合、又はステップS714の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
特化ゾーン用処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1201にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1202では、ATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1203では、ATモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1204にて、上乗せ報知用処理を実行し、ステップS1205にて上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1202~ステップS1205の処理は、ステップS917~ステップS920の処理と同様である。但し、ステップS1202の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS917の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている(図41)。また、特化ゾーンにおいては、遊技結果に関わらず、必ずATモードのゲーム数上乗せが発生するように設定されている(図42)。
以上のように、抽選結果対応処理においては、持ち越し状態中ではないことを条件として、CZモード、ATモード又はVBモードへの移行抽選や、CZモード又はATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。言い換えると、特定役当選となった場合でも、持ち越し状態中においては、CZモード、ATモード又はVBモードの移行抽選や、CZモード又はATモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等は行われず、その実施が制限される。CZモード、ATモード又はVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図15)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1302にてボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードがボーナス当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS1303にてボーナス当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。ボーナス当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、例えば、補助表示部65にて「ボーナス確定!!」と表示することにより、ボーナスに当選していることの報知を行う。なお、当選しているボーナスの種類(第1BB及び第2BBのいずれか)を合わせて報知する構成としてもよい。
ちなみに、本実施形態では、ボーナスとATモードやCZモード等が同時当選している場合、ステップS1303にて報知したボーナスの終了時にこれらATモード等の当選報知が行われる構成としている。かかる当選報知に関する処理については後に詳細に説明するが、ボーナス当選報知に合わせてATモード等の当選報知を行う場合、ステップS1303にて設定するボーナス当選報知コマンドに合わせて、ATモード等の当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。
ステップS1302にて否定判定した場合、ステップS1304に進む。ステップS1304では、CZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、CZモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。CZモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1305にて、CZモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1306にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグをセットする。CZモードフラグは、現状の表示モードがCZモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS1307では、CZモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。CZモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS1308にて、CZモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたCZモード継続カウンタにCZモードの継続ゲーム数の初期値(例えば10)をセットする。ステップS1308の処理を行った後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1304にてCZモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1309にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、ATモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1310にて、ATモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1311にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグをセットする。AT用報知フラグは、ATモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1312にてATモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1312の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、SATモードの当選報知の態様は、ATモードの当選報知の態様と異なる態様としている。そのため、ステップS1312では、SATモードか否かの情報を含むように、ATモード当選報知コマンドを設定する構成とするとよい。ATモードの当選報知の態様と、SATモードの当選報知の態様とは、遊技者が識別可能な程度に異なる態様であればよく、より好ましくは、有利度の高いSATモードの当選報知の態様の方が、ATモードの当選報知の態様よりも派手な態様であるとよい。
なお、これらATモードとSATモードの当選報知の態様を共通化させる構成としてもよい。このようにすることで、ATモード当選報知ゲームから開始報知ゲームまでの間に、当選している内容が、ATモードからSATモードに昇格したかのように見せることが可能となり、ATモード当選報知ゲームと開始報知ゲームとが異なることによる間延びを解消することができる。
ステップS1309にてATモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1313にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1314にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1315にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1316にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1316の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1313にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、ステップS1317に進む。ステップS1317では、特化ゾーン当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS1318にて、当該特化ゾーン当選フラグをクリアする処理を行う。そして、ステップS1319にて、各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーン用報知フラグをセットする処理を行う。特化ゾーン用報知フラグは、第7再遊技入賞に対応する押し順報知を実行するためのフラグである。ステップS1319の処理を実行した後は、ステップS1320にて特化ゾーン当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本モード移行報知用処理を終了する。特化ゾーン当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、特化ゾーンに当選したことの報知を行うように、補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS1317にて否定判定した場合には、そのままモード移行報知用処理を終了する。
すなわち、前兆モードを経て移行するCZモード、ATモード、VBモード及び特化ゾーンのうち、CZモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて当該CZモードが開始される。一方、ATモード、VBモード及び特化ゾーンについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、ATモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもATモードやVBモード、特化ゾーンは開始されない。これは、表示モードとしてのCZモードは遊技状態の移行を伴わないものである一方、ATモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはATモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることの違いに起因するものである。なお、特化ゾーンについては遊技状態の移行を伴わない場合(第3RT状態→第3RT状態)もあるが、本実施形態では第3RT状態中の第7再遊技当選ゲームを開始ゲームとしているため、上記処理構成となる。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1~4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1~4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、ATモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、ATモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、ATモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図32)における、押し順役処理(ステップS712)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42~44の操作順序が報知される場合の概要について図47を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知、押し順報知演出、順序報知、態様報知)は、主に補助表示部65及び指示モニタ68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。指示モニタ68における押し順報知については、後に詳細に説明する。
図47(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図47(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図47(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図32)におけるステップS712にて実行される押し順役処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1401にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1402に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、AT用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、ATモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1403にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(a)参照)。その後、ステップS1404にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
なお、ステップS1403にて第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知を行う場合とは、基本的には、ATモードへの移行抽選に当選し、前兆モードを経てATモードの当選報知が行われた後であって、ATモードへの移行前が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1~4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1~4に当選する。但し、ATモード中であっても、誤操作等によって遊技状態が第2RT状態から第1RT状態へ転落してしまう場合もあり、このような場合であっても、第1昇格リプレイ1~4に当選することで、早期に第2RT状態へ復帰させることが可能となっている。
ステップS1401にて否定判定した場合、ステップS1405にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1405にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1406にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1407にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1408にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、ATモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1~4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1402にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1~3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1406にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、ATモードが終了してAT用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態や第3RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、ATモードに当選することなく第1昇格リプレイ1~4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1~3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、ATモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1405にて否定判定した場合、ステップS1409にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1409にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1410にて、上記AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1411にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。また、特化ゾーン用報知フラグは、モード移行報知用処理(図46)において、特化ゾーンへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグ又は特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1412にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(b)参照)。その後、ステップS1413にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1410にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1411にて否定判定した場合には、ステップS1407にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1408にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、ATモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1409にて否定判定した場合、ステップS1414にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。ステップS1414にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1415にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1416にて特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされており、且つ特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1417にて、第7再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技~第8再遊技のうち、第7再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(c)参照)。その後、ステップS1418にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1415にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1416にて否定判定した場合には、ステップS1403にて第3再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1404にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードや特化ゾーンに当選することなく、BARリプレイに当選した場合において、ATモード中であれば第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われて第2RT状態への移行が生じ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1414にて否定判定した場合、ステップS1419にて、今回の抽選結果が移行リプレイ1又は移行リプレイ2であるか否かを判定する。ステップS1419にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第2再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1420にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1421にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立した場合にセットされるフラグである。当該移行用報知フラグをセットすることとなる処理については、後に詳細に説明する。AT用報知フラグがセットされており、且つ移行用報知フラグがセットされている場合、ステップS1422にて、第11再遊技又は第12再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第2再遊技、第11再遊技及び第12再遊技のうち、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図23(d)参照)。その後、ステップS1423にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1420にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1421にて否定判定した場合には、ステップS1407にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1408にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、第4RT状態への移行を可能とする条件が成立することなく移行リプレイ1,2に当選した場合において、ATモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、ATモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1419にて否定判定した場合、ステップS1424にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1425にて、現状の表示モードが通常モード又はCZモード中であるか否かを判定する。通常モード又はCZモードではない場合には、ステップS1426にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図19参照)。その後、ステップS1427にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1424にて否定判定した場合又はステップS1425にて肯定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
なお、CZモードにおいて少なくとも所定回数(1回)の押し順報知を実行する構成とする場合、ステップS1425において、当該CZモード中に所定回数の押し順報知を実行したか否かの判定を行う構成とするとよい。そして、かかる判定にて否定判定した場合、所定回数のカウントを行うとともに、ステップS1426側の押し順報知用の処理へ進む構成とするとよい。
また、AT用報知フラグがセットされている状況で押し順ベル当選した場合(ステップS1425にて否定判定した場合)、今回の遊技状態が通常遊技状態であれば、第1小役入賞に対応する押し順報知を行わないようにするとよい。このようにすることで、移行出目が停止することとなり、遊技状態を第1RT状態へ移行させること、すなわち、その後に第1昇格リプレイ1~4当選となって高RT状態へ移行させることが可能となる。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する(3)。この処理は、リール制御処理(図18)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、CZモード、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウント等を行う。続くステップS1502では、後乗せ報知用処理を実行する。後乗せ報知用処理は、上記図43にて説明した後乗せ報知を行うための処理であり、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったことに基づいて後乗せフラグがセットされていることを条件として後乗せカウンタBGに対応する上乗せ報知(後乗せ報知)を実行する。そして、実行した上乗せ報知に対応する値を表示用残数カウンタHGに加算するとともに後乗せカウンタBGから減算し、後乗せカウンタBGが0であることを条件として後乗せフラグをクリアする。
続くステップS1503では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1504にて、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT報知用フラグがセットされていない場合とは、ATモードへの移行条件が成立することなく第3再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ATモード開始用の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS1505にて、現状の表示モードがATモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグがセットされているか否かを判定する。上記のとおり、ATモードフラグは、表示モードがATモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、ATモードフラグの他、CZモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがATモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、ATモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1505にて、ATモードフラグがセットされていると判定する場合とは、ATモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1505にて、ATモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがATモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、ATモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1506~ステップS1509にてATモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1506では、ATモードフラグをセットする。続くステップS1507では、ATモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからATモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1508にて、ATモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタにATモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。
ステップS1508の処理を行った後は、ステップS1509にて特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1509にて肯定判定する場合とは、今回当選したATモードがSATモードであることを意味し、この場合、ステップS1510にて特化ゾーン当選フラグをクリアしてから、上乗せ特化ゾーン開始用の処理(ステップS1519~ステップS1521)に進む。上乗せ特化ゾーン開始用の処理については、後に説明する。ステップS1509にて否定判定した場合は、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1503にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1511に進む。ステップS1511では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1512にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされていない場合は、VBモードの移行抽選に当選することなく第4,第5再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、VBモード開始威容の処理を行うことなく、そのまま入賞結果対応処理を終了する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1513にて、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1514~ステップS1516にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1514では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがATモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずATモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1515にてVBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1516にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば25)をセットする。ステップS1516の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1511にて第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1517に進む。ステップS1517では、今回の停止結果として第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段に「黒BAR」図柄、中リール32Mの中段に「黒BAR」図柄、右リール32Rの中段に「黒BAR」図柄が停止して、中段の組合せラインに「黒BAR」図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合である(図23(c))。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1518にて、特化ゾーン用報知フラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーン用報知フラグがセットされている場合、ステップS1519~ステップS1521にて特化ゾーン開始用の処理を行う。なお、既に説明したとおり、SATモードの開始時において、ステップS1509にて肯定判定してステップS1510の処理を行った場合にもステップS1519~ステップS1521の処理が行われる。
具体的には、ステップS1519では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、VBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、ATモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存する場合がある。
その後、ステップS1520にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1521にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1521の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1517又はステップS1518にて否定判定した場合、ステップS1522に進む。ステップS1522では、今回の停止結果として、第11,第12再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第11,第12再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図21)では、遊技状態を第4RT状態に移行させるための処理が行われる。この場合、ステップS1523にて、移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグがセットされている場合は、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立してから第11,第12再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ステップS1524にて、第1固定RT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。第1固定RT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、第4RT状態への移行が生じたことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。一方、ステップS1523にて移行用報知フラグがセットされていない場合、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立していない状況で第11,第12再遊技入賞が成立した場合であり、この場合、ステップS1525にて、第2固定RT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。第2固定RT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、第4RT状態への移行が生じたことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明するが、第1固定RT開始コマンドを受信した場合の報知と、第2固定RT開始コマンドを受信した場合の報知とは遊技者が識別可能な程度に異なっている。ステップS1522にて否定判定した場合、ステップS1522及びステップS1525のいずれかの処理を実行した後は、入賞結果対応処理を終了する。
以上のように、特に、遊技状態を第2RT状態や第3RT状態へ移行させることに対応する役(第3~第5再遊技)の入賞に基づいて、RT状態処理(図21)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてATモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードやCZモードからATモードへ移行する場合や、ATモードからVBモードへ移行する場合、又はATモードやVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードの移行と遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合には、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する際に、表示モードの移行は行われない。下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1501にて実行される、ゲーム数管理処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、CZモード、ATモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1601にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、各遊技を1~3のベット数にて実施可能となっており、ステップS1601では、このうち特定数として、3ベットであるか否かを判定する。3ベットではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、1ベットや2ベットのゲームでは、前兆モードのゲーム数や、CZモード等の継続ゲーム数のカウントは行われない。なお、ベット数に関わらずカウントを行う構成としてもよい。
今回のゲームが3ベットゲームであった場合、ステップS1602に進む。ステップS1602では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1602にて肯定判定した場合、ステップS1603にてCZモードフラグ、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各表示モードフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はATモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1603にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1603では、ATモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、AT用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、ATモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。その一方で、CZモード又は特化ゾーン中にボーナス当選した場合には、ボーナス当選によって当該CZモードや特化ゾーンは終了する構成としている。また、ステップS1603では、CZモード当選フラグやATモード当選フラグ等についてもクリアしない。そのため、ATモード等とボーナスとに同時当選した場合、ボーナス終了後にこれら当選フラグに基づく当選報知が行われる。
ステップS1602にて否定判定した場合、ステップS1604にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1605にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1604にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606~ステップS1628にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1606では、現状の表示モードがCZモードであるか否かを判定する。CZモードである場合には、ステップS1607に進み、CZモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、CZモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1608にて、CZモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1609にてCZモードフラグをクリアし、ステップS1610にてCZモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。CZモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてCZモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。ステップS1610の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1606にてCZモードではないと判定した場合、ステップS1611に進む。ステップS1611では、現状の表示モードがATモードであるか否かを判定する。ATモードである場合には、ステップS1612に進み、ATモード中の特化ゾーンか否かを判定する。すなわち、SATモードのようにATモード開始時に特化ゾーンに移行する場合、ステップS1612にて肯定判定することになる。特化ゾーン中である場合には、ステップS1625~ステップS1628にて特化ゾーン用のゲーム数管理処理を行う。これらの処理については、後に説明する。
ステップS1612にて特化ゾーンではないと判定した場合、ステップS1613にて、ATモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、ATモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1614にて、ATモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1615にてATモードフラグをクリアし、ステップS1616にてAT用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1617にてATモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてATモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1617の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1611にてATモードではないと判定した場合、ステップS1618に進む。ステップS1618では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1619に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1620にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1621にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1622にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1623にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1624にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1624の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1619にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1625に進む。既に説明したとおり、ステップS1612にてATモード中の特化ゾーンであると判定した場合もステップS1625に進む。ステップS1625では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1626にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1627にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1628にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1628の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1618又はステップS1626にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図27)におけるステップS614にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナスと重複当選等したATモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ボーナスと重複当選等したATモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1701では、小役入賞が成立したか否かを判定する。既に説明したとおり、第1BBや第2BBのボーナス中はBB中第1役が高確率で成立し、一部、BB中第2役やBB中第3役の成立する(図28)。BB中第1役当選時には、主に第1小役入賞が成立して、所定数(9枚)のメダル払い出しが発生し、BB中第2役及びBB中第3役は第9再遊技や第10再遊技のリプレイであり、入賞が成立してもメダル払い出しは発生しない。また、CB中においては、CB中小役1~CB中小役4のいずれかに当選し、いずれに当選した場合であっても、主に第1小役入賞が成立して所定数(15枚)のメダル払い出しが発生する。ステップS1701は、これらボーナスやCB中に当選する役のうちメダル払い出しの発生する小役入賞が成立したか否かを判定する処理である。
ステップS1701にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1702にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1704にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1705~ステップS1719にて、ATモード等の当選報知用の処理や、ATモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1705では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1706にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1707にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1708にて前兆コマンドのセットを行う。ちなみに、本実施形態では、ステップS1706の前兆ゲーム数の抽選処理では、100%の確率で前兆ゲーム数が0となる抽選を行う。すなわち、ステップS1707では、必ず0ゲームの前兆ゲーム数をセットすることになり、ボーナス終了ゲームの次ゲームにてATモード等の当選報知が行われることになる。ステップS1708の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1705にてATモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1709にて、CZモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。CZモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1706~ステップS1708の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。ステップS1709にてCZモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1710にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1706~ステップS1708の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。すなわち、CZモードやVBモードについても当選している状況でボーナスが終了すると、ボーナス終了後、前兆ゲームを経て、CZモードやVBモードの当選報知が行われる。
なお、ATモード当選フラグ又はCZモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモードやCZモード等とボーナスに同時当選した場合か、ATモードやCZモード等の当選報知の前兆モード中にボーナスに当選した場合である。一方、VBモード当選フラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合とは、ATモード中においてVBモードとボーナスとに同時当選した場合か、VBモードの当選報知の前兆モード中(この場合、0ゲームの前兆モードが選択されるため、VBモードに当選した次ゲーム)にボーナスに当選した場合である。
ステップS1710にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1711に進む。ステップS1711では、ATモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。ATモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1712にてATモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1713にてATモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1714にて上乗せ報知用処理を行い、ステップS1715にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1712~ステップS1715の処理は、ステップS917~ステップS920の処理と同様である。ステップS1715の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1711にてATモード上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS1716にて、CZモード上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。CZモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1717にてCZモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1718にてCZモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1719にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1717~ステップS1719の処理は、ステップS822~ステップS824の処理と同様である。ステップS1716にて否定判定した場合、又はステップS1719の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
以上のように、主制御装置101側において、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、の各処理が行われる結果、補助表示部65による押し順報知演出が発生して表示モードの移行に追従するように遊技状態も移行し、更に、補助表示部65による押し順報知演出により押し順ベル入賞を発生させることが可能となり、多量のメダル獲得が期待できるようになる。
ここで、押し順リプレイや押し順ベル当選時において、補助表示部65による押し順報知演出(表示制御装置81による押し順報知演出)が行われる場合、当該押し順報知演出の他に、主制御装置101に接続された指示モニタ68でも押し順報知が行われる。この指示モニタ68の構成について、図52を参照しながら説明する。図52(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図52(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図52(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図52(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、表示モードが通常モードである状況において、ATモードやSATモード、CZモードへの移行抽選に当選した場合や、ATモードやSATモード、CZモードに同時当選し得るボーナス(第1BB)に当選した場合に点灯される。また、ATモードやSATモード、CZモード、第1BBが終了して通常モードへ移行する場合(前兆モードを経る等して再度ATモード等へ移行する場合を除く)に消灯される。
つまり、押し順ベルや押し順リプレイの操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなるナビ状態(ATモードやSATモード、高頻度モード)、当該ナビ状態への移行抽選に当選し易くなるチャンス状態(CZモードや第1BB、高確率モード)、又はナビ状態やチャンス状態への移行抽選に当選しているもののこれらナビ状態やチャンス状態に移行していない当選状態(当選モード)を含む区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間中は消灯することにより、有利区間か否かを明確に示すための区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
第8表示用セグメントN8は、これらナビ状態、チャンス状態、当選状態等の有利区間の契機となった遊技結果(強チェリー等の特定役等)に当選し当該遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者による遊技操作が許容されるよりも前のタイミングで、有利区間となることの報知として点灯が開始される。より詳しくは、本実施形態では、有利区間の契機となった遊技結果入賞が成立するか否かに関わらず、すなわち、取りこぼしが生じるか否かに関わらず、当該遊技結果当選となったゲームを開始ゲームとし、次のゲームにおいて遊技者による遊技操作としてベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、第8表示用セグメントN8を点灯させる。つまり、第8表示用セグメントN8は、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次のゲームの開始前には点灯が開始される。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
以下、第8表示用セグメントN8の点灯/消灯に関する処理として、区間表示第1処理及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図53を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図16)におけるステップS316にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1801では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。上記のように、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間として、ATモードやSATモード、CZモードへの移行抽選に当選している状態、又はこれらのモード中である場合を示している。ステップS1801にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、CZモード当選フラグ又はATモード当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第8表示用セグメントN8が消灯しており、且つCZモード当選フラグ又はATモード当選フラグのいずれかがセットされている場合とは、今回の抽選処理において、CZモードへの移行抽選や、ATモードやSATモードへの移行抽選に当選した場合である。既に説明したとおり、第1特定役処理(図33)では、CZモードへの移行抽選に当選した場合には、CZモード当選フラグをセットし、ATモード又はSATモードへの移行抽選に当選した場合には、ATモード当選フラグをセットする。ステップS1802にて、いずれのフラグもセットされていない場合には、そのまま本区間表示第1処理を終了する。
CZモード当選フラグ又はATモード当選フラグのいずれかがセットされている場合、ステップS1803に進み、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。付け加えると、主制御装置101では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯状態として表示を開始する際には、スピーカ64から所定の効果音(例えば、機械音で「ガゴッ!」という音)が出力されるように表示制御装置81へ音出力用のコマンドを出力する。表示制御装置81は、当該音出力用のコマンドに基づいて、上記所定の効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。なお、第8表示用セグメントN8の表示開始に際して、補助表示部65や他の表示部において演出を発生させる構成としてもよく、この場合、表示制御装置81に対して対応するコマンドを出力するとともに、表示制御装置81にて対応する演出が行われるよう補助表示部65等の制御を行う構成とするとよい。
ステップS1803の処理を実行した後は、ステップS1804にて、有利区間の継続ゲーム数の計測を開始する処理を実行してから、区間表示第1処理を終了する。有利区間の継続ゲーム数としては、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間ゲーム数AGの計測により行われ、ステップS1804では、当該有利区間ゲーム数AGを初期値である0に設定する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中の各ゲームにおいて1ずつ加算する処理が実行される。
ステップS1801にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1805にて、有利区間中の表示を継続する処理を行ってから、本区間表示第1処理を終了する。ステップS1805について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS415にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1901では、区間表示器として第8表示用セグメントN8を点灯表示中か否かを判定する。消灯(非点灯、非表示)である場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。点灯表示中である場合には、ステップS1902に進む。ステップS1902では、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間中のゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、第8表示用セグメントN8が点灯されている状況で実施されるゲームの回数が計測される。ステップS1902の処理を実行した後は、ステップS1903にて、残ゲーム数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。
具体的には、図55のフローチャートに示すように、先ずステップS2001にて、前兆ゲーム数G1を把握する。前兆ゲーム数G1は、例えば現状が有利区間中における前兆モードである場合、残りの前兆モードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2002では、CZモード継続数G2を把握する。CZモード継続数G2は、例えば現状が有利区間におけるCZモードである場合、残りのCZモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2003では、ATモード継続数G3を把握する。ATモード継続数G3は、例えば現状が有利区間におけるATモードである場合、残りのATモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2004では、VBモード継続数G4を把握する。VBモード継続数G4は、例えば現状が有利区間におけるVBモードである場合、残りのVBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2005では、特化ゾーン継続数G5を把握する。特化ゾーン継続数G5は、例えば現状が有利区間における特化ゾーンである場合、残りの特化ゾーンのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)にて1ゲーム毎に1ずつ減算される。ステップS2006では、BB残りゲーム数G6を把握する。BB残りゲーム数G6は、例えば現状が有利区間におけるBBモード(ボーナス状態)である場合、残りのBBモードのゲーム数を表しており、ゲーム数管理処理(図50)が1回起動されるごとに、BBモード中であることを条件に図示しない減算処理にて1ずつ減算される。
ここで、これら継続数G1~G6は、現状が対応するモードやゾーンではない場合であっても0以上の値が入力されている場合がある。具体的には、例えば、VBモードや特化ゾーンやBBモードにおいては、ATモードの残りゲーム数のカウントが停止されるところ、ATモード中にこれらのVBモードや特化ゾーンやBBモードへの移行が生じた場合、ATモード継続数G3と、これら各モードの継続数とに0以上の値が入力されている。
ステップS2007では、上記ステップS2001~ステップS2006の各処理で把握したG1~G6を積算することで、有利区間の残りゲーム数ZGを算出する処理を行う。かかる処理を行うことにより、有利区間が後何ゲーム継続するかを把握することが可能となる。続くステップS2008では、これまでに実施してきた有利区間のゲーム数(有利区間ゲーム数AG)と上記残りゲーム数ZGとを加算することで、総有利区間ゲーム数SGを算出する処理を行う。そして、ステップS2009にて、有利区間の継続上限ゲーム数である1500Gから上記総有利区間ゲーム数SGを減算することで、空きゲーム数(上乗せ可能な空きゲーム数、残ゲーム数)FGを算出する処理を行う。
ステップS2009の処理を行った後は、ステップS2010にて、空きゲーム数FGが0よりも大きいか否か、すなわち、空きゲーム数があって上乗せ可能であるか否かを判定する。空きゲーム数FGが0よりも大きい場合には、そのまま残ゲーム数管理処理を終了する。一方、空きゲーム数FGが0以下である場合には、ステップS2011にて各種フラグ格納エリア106dに超過フラグをセットする処理を実行してから、残ゲーム数管理処理を終了する。超過フラグは、有利区間の継続ゲーム数の上乗せを行えない状況、より詳しくは、上乗せを行っても、1500ゲーム時の強制終了によって当該上乗せ分のゲームが実施されない状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
超過フラグがセットされることにより、本実施形態においては、有利区間中に特定役当選となったとしても、ATモード中のゲーム数上乗せ抽選等の実施が制限される。より具体的には、例えば、ステップS914や、ステップS1101等のATモードのゲーム数上乗せ抽選処理において、超過フラグがセットされている場合には、かかる抽選処理の実施が制限され、上乗せ当選しなくなる(又は、当選しても0ゲームの上乗せが発生する)。これにより、継続し得ない分まで上乗せを行ってしまって、有利区間が上限ゲーム数以上継続するかのような誤解が生じてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、一旦、超過フラグがセットされた後は、今回の有利区間においては残ゲーム数管理処理が実施されない構成としてもよい。
区間表示第2処理(図54)の説明に戻り、ステップS1903の処理を実行した後は、ステップS1904にて、固定RT用処理を実行する。固定RT用処理は、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件の成否を判定するとともに、条件成立に基づき第4RT状態へ移行させるための報知用のフラグ(移行用報知フラグ)をセットする処理である。かかる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1905にて、今回のゲームで有利区間ゲーム数AGが上限値である「1500」に達したか否かを判定する。「1500」に達した場合には、ステップS1906にて、有利区間ゲーム数AGを0にクリアしてから、ステップS1907にて区間表示器の表示の終了処理として、第8表示用セグメントN8を消灯させる処理を行う。そして、ステップS1908にてデータ初期化処理を行ってから、区間表示第2処理を終了する。
データ初期化処理は、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理である。例えば、有利区間への移行に際してCZモード当選フラグやATモード当選フラグ等がセットされたり、ATモード中にVBモード当選フラグがセットされたりし、本初期化処理まで当該フラグがセットされたままであれば、これらの当選フラグをクリアする。また、初期化処理では、AT用報知フラグや、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ等がセットされていれば、これらのフラグもクリアする。さらに、前兆カウンタ、ATモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1905にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達していないと判定した場合、ステップS1909に進み、有利区間が終了したか否かを判定する。すなわち、ステップS1909では、CZモード当選フラグ及びATモード当選フラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定し、ステップS1910では、CZモードフラグ及びATモードフラグのいずれもがセットされていない状態か否かを判定する。ステップS1909及びステップS1910のいずれでも肯定判定する場合とは、有利区間の上限ゲーム数に至る前に当該有利区間が終了したことを意味し、この場合、ステップS1906に進み、有利区間ゲーム数AGを0にクリアするとともに、ステップS1907にて区間表示器の表示の終了処理を行い、ステップS1908にてデータ初期化処理を行ってから区間表示第2処理を終了する。ステップS1909及びステップS1910のいずれかで否定判定した場合は、未だ有利区間中であるとして、そのまま区間表示第2処理を終了する。この場合、区間表示器(第8表示用セグメントN8)の点灯表示は継続することになる。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図56を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図56に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知演出は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、弱スイカ役当選等によってCZモードやATモード等の有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームを開始ゲームとし、当該開始ゲームの次のゲームにおいて遊技者によるベット操作が許容されるよりも前のタイミングで、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間の報知が開始される。
この場合、上記のように弱スイカ役当選となったゲームにおいては、有利区間への移行前の状態であり、通常区間に含まれるゲームである。そうすると、有利区間を示す区間表示器としての第8表示用セグメントN8について、当該有利区間であることの報知が、当該弱スイカ役当選となった開始ゲームの次のゲームのベット操作を許容するタイミング、つまり、有利区間が開始されるゲームを遊技可能となるタイミングで行われるものとしてとらえると、上記のように、弱スイカ役当選ゲーム(開始ゲーム)において第8表示用セグメントN8を点灯状態とする報知は、有利区間であることの報知(状態中報知、モード中報知)よりも前に行われる先報知といえる。
その後、有利区間であることの報知がなされている状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。有利区間のゲーム数は、第8表示用セグメントN8が点灯しているゲームにおいてカウントされ、具体的には、開始ゲームの次のゲームを1ゲーム目とし、第8表示用セグメントN8が消灯する最終ゲームまでが有利区間のゲーム数となる。
本実施形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払い出しが行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
このように、有利区間となると第8表示用セグメントN8が点灯し、有利区間が終了すると第8表示用セグメントN8が消灯する。そして、第8表示用セグメントN8は、CZモードやATモード等に移行することに基づいて点灯が開始されるだけでなく、CZモードやATモード等への移行抽選に当選したことに基づいても点灯が開始される。つまり、これらのモードへの移行抽選に当選したゲームにおいてその報知がなされなくても、第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、移行抽選に当選している状況か否かを明確に把握することができるようになっている。このようにすることで、これらのモードへの移行抽選に当選しているのにも関わらず、それを知らずにゲームを終了してしまう遊技者と、その後に着席する後任の遊技者との有利度に差を生じないようにすることができる。
付け加えると、本スロットマシン10においては、CZモードやATモード等の押し順報知により有利度を変化させる遊技性に関し、設定値による有利度の差がないよう構成されている。そのため、押し順報知による遊技性を、各遊技台(設定値)や各ゲーム(状況)において一律の有利度とすることで、遊技者間の有利/不利を排除するとともに、絵柄を狙って特典を得るというスロットマシン10本来の遊技性を存分に楽しみつつ、そしてその付随する押し順報知による遊技性との関連性によりバランスのとれた遊技機とすることが可能となる。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS2101にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2102にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2101にて否定判定した場合、又はステップS2102の処理を実行した後は、ステップS2103にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図46)におけるCZモード開始コマンドや、ATモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド、ボーナス当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS2104にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2103にて否定判定した場合、又はステップS2104の処理を実行した後は、ステップS2105にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS313にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1~第3特定役処理(図33~図36)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図48)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2106にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2105にて否定判定した場合、又はステップS2106の処理を実行した後は、ステップS2107にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2108にて各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2107にて否定判定した場合、又はステップS2108の処理を実行した後は、ステップS2109にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図18)のステップS411にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図49)にてセットされるATモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、CZモード終了コマンド、ATモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド、第1固定RT開始コマンド、第2固定RT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2110にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2109にて否定判定した場合、又はステップS2110の処理を実行した後は、ステップS2111にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2111では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、各停止操作時演出設定処理、全停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図67~図73の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図58のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2201では、今回受信したベット時コマンドとしてCZモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。CZモード開始コマンドが含まれている場合、ステップS2202にて、CZモード開始演出を設定する処理を行う。CZモード開始演出では、例えば、図68(a)に示すように、補助表示部65にて、「チャンスゾーンスタート」という文字表示を行うとともに、移行する表示モードがATモード移行抽選に当選し易い状況であることを示唆する表示(例えば所定のキャラクタ表示)を行う。その他、CZモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の野太い声で「チャンスだぞ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2201にてCZモード開始コマンドが含まれていない場合、ステップS2203にて、今回受信したベット時コマンドとしてATモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2204にて、ATモード当選報知演出を設定する処理を行う。ATモード当選報知演出では、例えば、図69(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT確定」という文字表示を行う。その他、ATモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「やったわ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2203にてATモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2205にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2206にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図69(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「スーパーラッキー!」)が発せられるように制御する。
ステップS2205にてVBモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2207にて、今回受信したベット時コマンドとしてボーナス当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2208にて、ボーナス当選報知演出を設定する処理を行う。ボーナス当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ ボーナス確定」という文字表示を行う。その他、ボーナス当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「やったぜ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2207にてボーナス当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS2209にて、今回受信したベット時コマンドとして特化ゾーン当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS2210にて、特化ゾーン当選報知演出を設定する処理を行う。特化ゾーン当選報知演出では、例えば、補助表示部65にて、「乗せまくれ!!」という文字表示を行う。その他、特化ゾーン当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、恍惚とした男性の野太い声で「ノリノリィ!」)が発せられるように制御する。
ステップS2202、ステップS2204、ステップS2206、ステップS2208及びステップS2210の何れかの処理を実行した後、又はステップS2209にて否定判定した場合には、ステップS2211にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2211の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56~58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、CZモード、ATモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、CZモードフラグ、ATモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。例えば、上記ステップS2202のCZモード開始演出の設定処理に際しては、CZモードフラグをセットする。ステップS2301では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS2302では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2303にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1~4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1~4である場合には、ステップS2403にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2402にて第1昇格リプレイ1~4当選ではないと判定した場合、ステップS2404にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1~3であるか否かを判定する。転落リプレイ1~3である場合には、ステップS2405に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2404にて転落リプレイ1~3ではないと判定した場合、ステップS2406にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2407にて、既にVBモード当選報知演出又は特化ゾーン当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS2206のVBモード当選報知演出やステップS2210の特化ゾーン当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選や特化ゾーン当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモード又は特化ゾーンへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2407にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2408にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード又は特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、ステップS2405に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2406にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2409にて、今回の抽選結果がBARリプレイであるか否かを判定する。BARリプレイである場合には、ステップS2410にて、特化ゾーン当選報知演出を実行済みであるか否かを判定する。特化ゾーンの当選報知済みである場合には、ステップS2411にて第7再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。特化ゾーンの当選報知済みではない場合には、上記ステップS2403に進み、第3再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2409にてBARリプレイではないと判定した場合、ステップS2412にて、今回の抽選結果が移行リプレイ1,2であるか否かを判定する。移行リプレイ1,2である場合には、ステップS2413にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに移行リプレイ報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行リプレイ報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを可能とする条件が成立している状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。移行リプレイ報知フラグがセットされている場合、ステップS2414にて第11,第12再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。移行リプレイ報知フラグがセットされていない場合には、上記ステップS2405に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2412にて移行リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2415にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2416にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。ステップS2415にて否定判定した場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図59)に戻り、ステップS2302にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2304にて、移行契機役当選か否かを判定する。移行契機役当選である場合には、ステップS2305にて移行契機役報知用処理を行う。移行契機役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2304にて否定判定した場合、又はステップS2303若しくはステップS2305の処理を実行した後は、ステップS2306に進む。ステップS2306では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS2307にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する処理を行う。上乗せ演出としては、例えば、図63に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。
ステップS2307の上乗せ演出の設定処理の詳細について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2501では、今回受信した上乗せコマンドに基づいて、報知する上乗せゲーム数を把握する処理を行う。続くステップS2502では、報知タイミングを把握する処理を実行する。報知タイミングとは、上乗せ演出を実行するタイミングであり、上記の主制御装置101側の処理(上乗せ報知用処理)にてそのタイミングが決定される。決定されたタイミングの情報は、上記上乗せコマンドに設定されて出力される。そのため、表示制御装置81側では、かかる上乗せコマンドを読み取ることで上乗せ演出を実行すべきタイミングを把握することが可能となる。報知タイミングとしては、上乗せ演出を実行すべきゲームと、各ストップスイッチ42~44の停止操作に対応するタイミングと、が設定される。
ステップS2502にて、報知タイミングを把握した後は、ステップS2503にて、ステップS2502の把握結果が、今回のゲームで上乗せ演出を行うものであったか否かを判定する。今回のゲームにて上乗せ報知を行うものではない場合とは、後乗せ報知が選択された場合であり、この場合には、そのまま上乗せ演出の設定処理を終了する。今回のゲームで上乗せ演出を行うものである場合、ステップS2504にて、今回のゲームにおける上乗せ演出の実行タイミングとして、いずれかのリールの停止ON時であったか否かを判定する。停止ON時であった場合、ステップS2505にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止ON操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止ON操作時フラグ~第3リール停止ON操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグは、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2505では、かかる停止ON操作時に発生させる上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。CPU181は、上記停止ON操作時フラグに対応するタイミングで上乗せ演出が発生することを把握した場合、上記演出データ設定エリアに一時記憶された演出データを読み出し、上乗せ演出が行われるようにする。
ステップS2504にて否定判定した場合、ステップS2506にて、第1リール又は第2リールの停止OFF操作時であったか否かを判定する。これらのリールの停止OFF操作時であった場合、ステップS2507にて、上乗せ演出を発生させる対象リールを設定し、当該対象リールの停止OFF操作時に上乗せ演出が発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第1リール停止OFF操作時フラグ、第2リール停止OFF操作時フラグのいずれかをセットする処理を行う。これらのフラグも、上乗せ演出発生タイミングをCPU181が把握するためのフラグである。また、ステップS2507でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データを、演出データ記憶エリア182bから読み出し、予め定められた演出データ設定エリアに当該データを一時記憶させる処理を行う。
ステップS2506にて否定判定した場合、ステップS2508にて、今回の上乗せ演出を全リール停止時(第3リールの停止OFF操作時)に発生するように設定する。具体的には、各種フラグ格納エリア183aに、第3リール停止OFF操作時フラグをセットする処理を行う。また、ステップS2508でも、上乗せゲーム数に対応する上乗せ演出の演出データの一時記憶処理を行う。ステップS2505、ステップS2507又はステップS2508の処理を実行した後は、上乗せ演出の設定処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明に戻り、ステップS2306にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS2307の処理を実行した後は、ステップS2308にてボーナス中演出設定処理を実行し、ステップS2309にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS2310にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス中演出設定処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS2310の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<各停止操作時演出設定処理>
次に、ステップS2108にて実施される各停止操作時演出設定処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2601では、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止ON操作コマンドであるか否かを判定する。停止ON操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作が行われた場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2601にて肯定判定した場合、ステップS2602に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止ON操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2603にて、今回受信した停止ON操作コマンドが、設定されている停止ON操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止ON操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止ON操作である場合、ステップS2604にて、停止ON操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止ON操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図67(a)に示すように、ストップスイッチ42~44を押圧操作(ON操作)したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
また、例えば今回のゲームが押し順役当選であって、押し順報知演出が設定されている場合、各停止ON操作に基づき対応するリールが停止することによって、押し順報知演出が次の操作対象となるリールを示す演出に変化する。具体的には、当該停止ON操作時演出前に全リール32L,32M,32Rが回転している状況であれば、図47(a)に示す第1リールを操作対象とする表示がなされている。そして、第1リールに対応する停止ON操作によって対応するリール(図では中リール32M)が停止すると、図47(b)に示す、次の操作対象となるリール(図では右リール32R)を示す演出に変化する。また、当該停止ON操作時演出前に2つのリールが回転している状況であれば、図47(b)に示す第2リールを停止対象とする表示がなされており、停止ON操作によって第2リールが停止することに基づき、第3リールを停止対象とする表示(図47(c))に変化する。
ステップS2601にて否定判定した場合、ステップS2605に進み、今回受信した各停止操作時コマンドが、停止OFF操作コマンドであるか否かを判定する。停止OFF操作コマンドは、各リールの停止操作のうちストップスイッチ42~44の押圧操作を終了した場合に主制御装置101から出力されるコマンドである。
ステップS2605にて肯定判定した場合、ステップS2606に進み、今回のゲームの演出として、リールの停止OFF操作時に発生する演出が設定されているか否かを判定する。設定されていなければ、そのまま本設定処理を終了する。設定されている場合、ステップS2607にて、今回受信した停止OFF操作コマンドが、設定されている停止OFF操作時の演出の対象となっているリールの停止操作のものか否かを判定する。対象リールの停止OFF操作ではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。対象リールの停止OFF操作である場合、ステップS2608にて、停止OFF操作時演出が行われるように、補助表示部65等を制御して、その後、本設定処理を終了する。
例えば、今回の停止OFF操作時演出として、上乗せ演出が設定されている場合、図67(b)に示すように、ストップスイッチ42~44の押圧操作を終了して、当該ストップスイッチ42~44から手を離したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。ステップS2605にて否定判定した場合は、そのまま本演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
次に、全停止時演出設定処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2701では、今回受信している停止時コマンドとしてCZモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。CZモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2702にて、CZモード終了演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。CZモード終了演出では、例えば、図68(b)に示すように、補助表示部65にて、「チャンスゾーン 終了」という文字表示を行う。その他、CZモード終了演出では、CZモードが終了することに対応させた効果音(例えば、男性の野太い声で「もっと精進せい!」)がスピーカ64から発せられるように制御する。
ステップS2701にてCZモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2703にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2704にて、ATモード開始演出を設定する処理を行う。ATモード開始演出では、例えば、図70(a)に示すように、補助表示部65にて、「AT開始!! LV.1」という文字表示を行う。その他、ATモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「いくわよー!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、ATモード開始演出における「LV.1」の表示は、ATモードのレベルに対応している。つまり、今回開始されるATモードがATLV.1モードであることを示す表示である。そして、ATモードのレベルがATLV.2モードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「LV.2」という文字表示が行われる。また、ATモードのレベルがATLV.3モードに昇格すると、「LV.3」という文字表示が行われ、ATLV.4モードに昇格すると、「LV.4」という文字表示が行われる。
ステップS2703にてATモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2705にて、今回受信している停止時コマンドとしてATモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ATモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2706にて、ATモード終了演出を設定する処理を行う。ATモード終了演出では、例えば、図70(b)に示すように、補助表示部65にて、「AT END」という文字表示を行うとともに、今回のATモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ATモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2705にてATモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2707にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2708にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図71(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 ラッキー!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ボーナス開始!!」)が発せられるように制御する。
ステップS2707にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2709にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2710にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図71(b)に示すように、補助表示部65にて、「V-BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のATモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2709にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2711にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2712にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図72(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、ATモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2711にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2713にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2714にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2713にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2715にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2716にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、ATモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、ATモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、ATモードの当否、CZモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2702、ステップS2704、ステップS2706、ステップS2708、ステップS2710、ステップS2712、ステップS2714及びステップS2716のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2715にて否定判定した後は、ステップS2717に進む。ステップS2717では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS2307にて行われる。具体的には、上乗せ演出の設定処理(図61)にて、今回の上乗せ演出の発生タイミングが全停止時に設定された場合、図67(c)に示すように、全ての各リール32L,32M,32Rが停止したタイミングで、補助表示部65にて上乗せ演出が発生する。またこの場合、当該上乗せ演出に対応する効果音がスピーカ64から発せられる。
その後、ステップS2718にて、固定RT状態報知処理を実行する。固定RT状態報知処理は、第4RT状態用の処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS2719にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2719では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、ボーナス中演出や連続演出が設けられている。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやATモード、CZモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。
<ボーナス中演出設定処理>
先ず、ボーナス中演出設定処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。ボーナス中演出設定処理は、開始時演出設定処理(図59)のステップS2308にて実施される処理である。
ボーナス中演出設定処理では、ステップS2801にて、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB又は第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS2801にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB又は第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS2802にて、今回のボーナス種別を把握する処理を行う。より詳しくは、今回のボーナスゲームが第1BB入賞に基づくものか、それとも第2BB入賞に基づくものかを把握する。そして、ステップS2803にて、ステップS2802にて把握したボーナス種別に対応するボーナス演出の設定を行う。ステップS2801にて否定判定した場合、又はステップS2803の処理を実行した後は、ボーナス中演出設定処理を終了する。
ちなみに、本実施形態では、第1BB入賞に基づくボーナスゲームの場合と、第2BB入賞に基づくボーナスゲームの場合とで、ボーナス演出の内容が遊技者に識別可能な程度に異なっている。より詳しくは、第1BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にて実写による動画演出が行われるボーナス演出が設定されており、第2BB入賞に基づくボーナスゲームでは、補助表示部65にてアニメーションによる演出が行われるボーナス演出が設定されている。また、スピーカ64から出力される効果音(歌)も第1BBと第2BBとで異なっている。
いずれのボーナス演出も、ゲームの進行に関わらず独立して実施される演出であり、ボーナスゲームが継続する限り繰り返し実施されるように設定されている。例えば、5分間の動画演出又はアニメーション演出を単位演出とし、ボーナス演出開始後5分が経過して当該単位演出が終了すると、再度、当該単位演出を再度最初から開始するように設定されている。なお、補助表示部65における演出については単位演出終了時の画面で停止し、且つ効果音(歌)のみが繰り返される構成としてもよい。また、補助表示部65における演出については各ゲームの進行に同期して実施され、且つ効果音(歌)のみが各ゲームの進行に関わらず独立して実施される構成としてもよい。
上記のように、第1BB入賞に基づくボーナス演出と、第2BB入賞に基づくボーナス演出とが識別可能である一方で、第1BB入賞や第2BB入賞の契機となった遊技結果は、ボーナス演出から識別不可又は識別困難となるように設定されている。すなわち、第1BB入賞に基づくボーナス演出について、例えば、特リプA重複1当選を契機として第1BB入賞した場合と、特リプAB重複1当選を契機として第1BB入賞した場合とで、ボーナス演出は識別不可又は識別困難であり、より具体的には同じボーナス演出が実行される。また、第2BB入賞に基づくボーナス演出についても、同様であり、例えば、特リプA重複2当選を契機としたボーナス演出と、特リプAB重複2当選を契機としたボーナス演出とが識別不可又は識別困難であり、同じボーナス演出が実行される。
<連続演出用の処理>
連続演出について、その概要を、図73を参照しながら説明する。
例えば、図73(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図73(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図73(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図73(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
以下、上記連続演出に関する処理として、開始時演出設定処理(図59)における移行契機役報知用処理(ステップS2305)、連続演出設定処理(ステップS2309)について、それぞれ説明する。
<移行契機役報知用処理>
移行契機役報知用処理では、図65のフローチャートに示すように、先ず、ステップS2901にて、チャンス演出を今回のゲームの演出として設定するか否かのチャンス演出抽選処理を実行する。チャンス演出では、図72(b)に示すように、例えば、補助表示部65にて、「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。その他、チャンス演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュイ」)が発せられるように制御する。チャンス演出抽選処理では、例えば、移行契機役当選時の約2分の1でチャンス演出が発生するように抽選を行う。なお、チャンス演出抽選処理の当選確率が移行契機役の種類、表示モードや遊技状態、設定値等によって異なる構成としてもよい。続くステップS2902では、ステップS2901の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2903にて今回のゲームの演出としてチャンス演出が行われるように設定する。
ここで、本スロットマシン10において、移行契機役を含めて各小役の入賞を成立させるために推奨される遊技態様について説明する。
各ゲームにて当選し得る役のうち、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによって入賞させることができない所謂取りこぼしが発生する小役は、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカが設定されている。より詳しくは、既に説明したとおり、強チェリーは、第28小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第28小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強チェリー役の取りこぼしが発生する。
また、弱チェリーは、第27小役、第32小役~第35小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄は「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、7番目の「赤ベル」図柄から20番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、上記第27小役図柄、第32小役図柄~第35小役図柄たる「チェリー」図柄及び「第2リプレイ」図柄のいずれをも、有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱チェリー役の取りこぼしが発生する。
強スイカは、第30小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第30小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第30小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、強スイカ役の取りこぼしが発生する。
弱スイカは、第29小役及び第41小役のいずれかが入賞し得る役であるところ、左リール32Lについての第29小役図柄及び第41小役図柄は、「スイカ」図柄である。この場合においても、3ベットゲームにおいて、9番目の「赤7」図柄から3番目の「白ベル」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで左リール32Lの停止操作が行われた場合、第29小役図柄及び第41小役図柄たる「スイカ」図柄を有効ラインに停止させることができない。そのため、これらのタイミングで左リール32Lの停止操作が行われると、弱スイカ役の取りこぼしが発生する。
そうすると、これら取りこぼしが発生し得る役のいずれについても入賞可能性を残しながら左リール32Lを停止操作する場合、4番目の「チェリー」図柄から6番目の「第2リプレイ」図柄が左リール32Lの上段に到達したタイミングで停止操作する必要がある。なお、以下の説明では、かかる左リール32Lの操作態様を、取りこぼしを生じさせない操作態様として、特定操作態様(第1操作態様)とも称し、これに対する上記の取りこぼしが生じる各操作態様を非特定操作態様(第2操作態様)とも称する。
ステップS2903にて設定するチャンス演出では、今回の当選役が移行契機役のうちのいずれかであることが示唆されるものの、いずれの移行契機役であるかは判別できない又は判別しにくいように設定されている。すなわち、チャンス演出が行われた場合、今回のゲームの当選役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ等のいずれかである可能性が高いものの、強チェリー及び弱チェリーのいずれであるかの判別、強スイカ及び弱スイカのいずれであるかの判別、強チェリー及び強スイカのいずれであるかの判別等が行えないようになっている。そのため、遊技者としては、各移行契機役のいずれに当選している場合であっても取りこぼしを発生させないように、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うこととなる。
また、チャンス演出は移行契機役の当選したゲームで必ず発生するわけではなく、チャンス演出抽選処理(ステップS2901)にて当選したことを条件として発生する。そうすると、移行契機役の取りこぼしを発生させないように、通常時から毎ゲーム、上記の特定操作態様にて左リール32Lの操作を行うことが推奨されることになる。
ステップS2902にて否定判定した場合、又はステップS2903の処理を行った後は、ステップS2904に進む。ステップS2904では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS2905にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS2906にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として強チェリーや弱スイカ等の移行契機役当選であった場合であって、CZモードやATモード、VBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS2907にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(CZモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS2907では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している移行契機役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS2908では、ステップS2907の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2909にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS810等に対応するものであり、1~20のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。但し、上記のとおり、各種当選に基づく前兆モードとは異なり、疑似前兆ゲーム数は20ゲーム以下となるように決定される。また、疑似前兆ゲーム数の抽選においては、0ゲームは選択されない。続くステップS2910では、ステップS2909にて決定した擬似前兆ゲーム数を、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタにセットする処理を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS2910にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS2911では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS2912では、連続演出フラグをセットする。その後、移行契機役報知用処理を終了する。また、ステップS2904~ステップS2906のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS2908にて否定判定した場合は、そのまま移行契機役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図59)のステップS2309にて行われる連続演出設定処理について、図66のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3001では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS3002にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。なお、ステップS3002にて1ゲーム~3ゲームの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS3002にて連続演出カウンタに2を入力すると、連続演出は今回のゲームから開始され、図73(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。また、連続演出カウンタに0を入力する場合、すなわち、前兆モードを経ずにATモード等の当選報知が行われる場合には、連続演出は実行されない。ステップS3002の処理を行った後は、ステップS3003にて、連続演出フラグをセットする。
ステップS3001にて否定判定した場合、又はステップS3003の処理を実行した後は、ステップS3004に進む。ステップS3004では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS3005にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS3006にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0~3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS3007にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS3008に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3009にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS3007にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3010に進む。ステップS3010では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3011にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1~3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1~3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図73(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図73(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS3009又はステップS3011の処理を行った後は、ステップS3012にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS3013にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS3004、ステップS3006若しくはステップS2912にて否定判定した場合、又はステップS3013の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数の無限RT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することで無限RT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42~44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる表示モードの移行抽選に当選することで行われる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42~44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、リプレイ確率が向上する無限RT状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させ、且つ操作順序の報知が行われる表示モードに移行させることで、その無限RT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
既に説明したとおり、多量のメダルの獲得が期待できるモードとして例えばATモードへ移行すると、初期ゲーム数(50)が設定され、当該初期ゲーム数に亘ってATモードによる遊技が可能となる。ATモード等において上乗せ抽選に当選すると、ATモードの継続ゲーム数の上乗せが行われ、ATモードによる遊技を行うことが可能となるゲーム数が増加する。その結果、当該ATモードにて獲得できるメダル数も増加し得ることとなる。
更に、本スロットマシン10では、リプレイ確率が向上する状態として、上記の第2RT状態や第3RT状態の無限RT状態の他、実行可能なゲーム数が予め定められている固定RT状態としての第4RT状態が設けられている(図26参照)。既に説明した通り、第4RT状態へは、第2RT状態や第3RT状態において移行リプレイ1,2に当選した場合であって、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44が操作されることで移行する。本実施形態では、上記第2RT状態や第3RT状態となるATモードの終了間際に第4RT状態へ移行させることで、ATモードの終了後、第2RT状態や第3RT状態のように転落リプレイ当選時に押し順報知が行われないことに起因して高RT状態が終了してしまう事象を回避し、高RT状態を延長可能とする。
先ず、第4RT状態用抽選テーブルについて、図74を参照しながら説明する。第4RT状態用抽選テーブルは、抽選処理のステップS302にて、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて選択されるテーブルである。
第4RT状態用抽選テーブルは、他のRT状態用抽選テーブル(図22等参照)と比較して、IV=1~14のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=15~58の際に当選となる確率は他のRT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約1.25分の1であり、IV=2~14の際には当選とならない。つまり、第4RT状態に移行した場合には、第2RT状態や第3RT状態と同様に、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態のトータルのリプレイ確率は、第2RT状態や第3RT状態と同等であり、同じ確率となるように設定されている。一方、第4RT状態に移行すると、遊技状態の移行契機となる第1昇格リプレイ1~4や、転落リプレイ1~3、第2昇格リプレイ1,2、BARリプレイ1,2に当選せず、これらの再遊技入賞に基づく遊技状態の移行は生じないようになる。また、第4RT状態において移行出目が停止した場合においても、第1RT状態へ移行しないことは、既に説明した通りである。そして、第4RT状態は、予め定められたゲーム数を実行することで通常遊技状態へ移行する。
第4RT状態をATモードにて遊技すると、第2RT状態や第3RT状態と同様のメダル増加を見込め、より具体的には、1ゲーム当たり約1.90枚のメダル増加を見込むことができる。これに対して、第4RT状態を通常モードにて遊技すると、ATモードにて遊技した場合よりも期待できるメダル増加数は少なく、メダル増加を見込めないものとなっている。より詳しくは、1ゲーム当たり約0.06枚のメダル減少を見込むことができる。言い換えると、第4RT状態を通常モードにて遊技すると、メダル増加は見込めないものの、メダルの減少も抑えられ(減少もなく)、持ちメダルを減少量を抑えながら、次のATモード当選やBB当選を待つことが可能となる。なお、通常モードにて遊技した場合の、メダル増加数は、第4RT状態と第2RT状態や第3RT状態は同等であり、第2RT状態や第3RT状態においても通常モードにて遊技した場合には、メダル増加も減少も生じないように設定されている。
第4RT状態のゲーム数は、ステップS519にて設定される。そこで、当該ステップS519にて実施される固定RTゲーム数設定処理について、図75のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3101では、第11再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞が成立している場合には、ステップS3102にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた固定RTゲーム数カウンタに、今回の第4RT状態の継続ゲーム数として「50」を入力する処理を実行してから、本固定RTゲーム数設定処理を終了する。一方、ステップS3101にて第11再遊技入賞が成立していないと判定した場合とは、第12再遊技入賞が成立していることを意味し、この場合、ステップS3103にて、上記固定RTゲーム数カウンタに、今回の第4RT状態の継続ゲーム数として「200」を入力する処理を実行してから、本固定RTゲーム数設定処理を終了する。
ステップS3102やステップS3103にて入力される固定RTゲーム数カウンタは、ステップS502の減算処理によって1ゲーム毎に1ずつ減算される。そして、当該固定RTゲーム数カウンタが0となることに基づいて、ステップS504にて第4RT設定フラグがクリアされて、遊技状態は通常遊技状態へ移行する。
<固定RT用処理>
次に、ATモード中において、第4RT状態への移行を生じさせたり、第4RT状態への移行が生じないようにするための処理について説明する。かかる処理は、区間表示第2処理(図54)におけるステップS1904の固定RT用処理として設けられている。
図76のフローチャートに示すように、ステップS3201では、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、AT用報知フラグは、ATモードへの移行抽選に当選し、当該ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が行われることに基づいてセットされ、ATモードの終了に際してクリアされるフラグであり、当該AT用報知フラグがセットされている状況が押し順報知が発生し得る状況である。AT用報知フラグがセットされていない場合には、そのまま本固定RT用処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS3202に進む。なお、AT用報知フラグは、遊技状態が第2RT状態や第3RT状態へ移行してATモードが開始された後、BB状態へ移行させたり、操作ミス等でATモード終了前に第1RT状態へ移行した場合であっても、当該AT用報知フラグはクリアされない。そのため、上記のように、ATモード終了前に第1RT状態へ移行した場合であっても、ステップS3202へ進むこととなる。
ステップS3202では、ATモードの残りのゲーム数が所定値として10となったか否かを判定する。なお、当該ステップS3202で判定する所定値とは、第4RT状態へ移行した場合の継続ゲーム数(50又は200)よりも少ない値である。ステップS3202にて否定判定し、ATモードの残りのゲーム数が10より多く、まだまだATモードが継続し得る状況である場合には、そのまま固定RT用処理を終了する。ATモードの残りの継続ゲーム数が10となり、当該ATモードが終盤に差し掛かった場合には、ステップS3203へ進む。
ステップS3203では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに移行用報知フラグをセットする処理を実行する。移行用報知フラグは、第4RT状態へ移行させることを許容する状態となったことをCPU102が把握するためのフラグである。なお、当該移行用報知フラグは、ATモード終了時にクリアされる。ステップS3203の処理を実行した後は、ステップS3204にて、移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定してから、本固定RT用処理を終了する。
既に説明した通り、第4RT状態へは移行リプレイ1,2当選に基づいて移行し、より詳しくは、移行リプレイ1,2当選時のストップスイッチ42~44の操作順序が第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に合致したものであれば、第4RT状態への移行が生じる。ここで、ATモード中に主に滞在する第2RT状態や第3RT状態では、移行リプレイ1,2の当選確率が約6.5分の1である(図24、図25)。そして、1を上記所定値として設定している10にて除算した数(10分の1)と、上記移行リプレイ1,2の当選確率とを比較すると、移行リプレイ1,2の当選確率の方が大きい値(高い確率)である。そうすると、ATモードの残りゲーム数が10となって、上記移行用報知フラグがセットされてからATモードの残りゲーム数が0となるまでの10ゲーム間で、1回以上の移行リプレイ1,2当選が見込めるように、移行リプレイ1,2の当選確率及び移行用報知フラグをセットする所定値(10)とが設定されているといえる。
<固定RT状態報知処理>
次に、表示制御装置81側の固定RT状態に関する処理を説明する。かかる処理としては、全停止時演出設定処理(図63)におけるステップS2718の固定RT状態報知処理が設けられている。既に説明したとおり、全停止時演出設定処理は、主制御装置101からの全停止時演出用のコマンドに基づいて実施される処理であり、全てのリール32L,32M,32Rが停止する際に発生する演出用の処理である。
図77のフローチャートに示すように、ステップS3301では、上記の移行用コマンドを受信して、ATモードの終盤に差し掛かったか否かを判定する。移行用コマンドを受信している場合、ステップS3302にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに移行リプレイ報知フラグをセットする処理を実行する。移行リプレイ報知フラグは、主制御装置101から移行用コマンドを受信している状況であることをCPU181が把握するためのフラグである。その後、ステップS3303にて、第1RT移行期間演出を設定する処理を実行する。第1RT移行期間演出では、例えば、図78(a)に示すように、補助表示部65にて、「RT延命チャンスよ」という文字表示を行うとともに、ATモードの終了に際して無限RT状態(第2RT状態や第3RT状態)も終了するのではなく、固定RT状態へ移行させることで高RT状態自体は延長され得る状況であることを示唆する表示(例えば女性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第1RT移行期間演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の優しい声で「あなたならできるわ」)が発せられるように制御する。
ステップS3301にて否定判定した場合、又はステップS3303の処理を実行した後は、ステップS3304にて、今回のゲームにてATモードが終了したか否かを判定する。ATモードが終了した場合には、ステップS3305にて、上記の移行リプレイ報知フラグをクリアする処理を実行し、ステップS3306にて第2RT移行期間演出を設定する処理を実行する。第2RT移行期間演出では、例えば、図79(a)に示すように、補助表示部65にて、「RT延命チャンスだ まだまだ続くぞ」という文字表示を行うとともに、ATモード終了後において無限RT状態(第2RT状態や第3RT状態)が終了するよりも前に、固定RT状態へ移行させることで高RT状態自体は延長され得る状況であることを示唆する表示(例えば男性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第2RT移行期間演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の荒々しい声で「あきらめるな まだ大丈夫だ」)が発せられるように制御する。
ここで、第1移行期間演出が行われる場合と、第2移行期間演出が行われる場合との相違点について説明する。第1移行期間演出が行われる場合とは、上記のとおりATモードが終了間際になった場合であり、より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が10となった場合である。この場合、移行リプレイ報知フラグがセットされ、この状況にて(ATモードが終了する前に)移行リプレイ1,2に当選すると、押し順報知用処理(図60)において、ステップS2413にて肯定判定し、ステップS2414にて第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する操作順序の押し順報知が発生する。その結果、ATモードの終盤に際し、RT状態を第2RT状態や第3RT状態から第4RT状態へ移行させることが可能となる。つまり、第1移行期間演出が行われる場合とは、ATモードはその後終了するものの、ATモード終了前に転落リプレイ1,2に当選させれば押し順報知が発生し、固定RT状態へ移行させてATモード終了後も高RT状態を継続させることが可能となる状況である。この場合、移行リプレイ当選ゲームにて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する押し順報知とともに、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を祝福する演出を発生させるとよい。例えば、図78(b)に示すように、補助表示部65にて、当該押し順報知演出とともに、第1RT移行期間演出にて登場したキャラクタを再度登場させ、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の優しい声で「いっけー!!」)が発せられるように制御する。
一方、第2移行期間演出が行われる場合とは、上記のとおりATモードが終了する場合であり、より詳しくは、ATモードの終了に際して、次ゲームから押し順報知演出が発生しない状況である。この場合、移行リプレイ報知フラグがクリアされる。そして、当該状況で移行リプレイ1,2に当選すると、主制御装置101から押し順報知コマンドも受信しないため、押し順報知用処理(図60)において、ステップS2401にて否定判定して、押し順報知演出は発生しなくなる。つまり、第2移行期間演出が行われる場合とは、ATモードは既に終了しているものの、転落リプレイ当選・入賞前に移行リプレイに当選させ、当該移行リプレイ当選ゲームにおいてストップスイッチ42~44の操作順序さえ第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に合致させることができれば高RT状態を継続させることが可能となる状況である。この場合、移行リプレイ当選ゲームにて、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞を成立させることが可能である状況を知らしめる演出を発生させるとよい。例えば、図79(b)に示すように、補助表示部65にて、押し順を「? ? ?」として表示するとともに、第2RT移行期間演出にて登場したキャラクタを再度登場させ、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の荒々しい声で「儂のは大分荒々しいぞォ」)が発せられるように制御する。
ステップS3304にて否定判定した場合、又はステップS3306の処理を実行した後は、ステップS3307に進む。ステップS3307では、第1固定RT開始コマンドを受信したか否かを判定する。第1固定RT開始コマンドは、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図49)において、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合であって、且つ移行用報知フラグがセットされている場合に、出力されるコマンドである(ステップS1524)。第1固定RT開始コマンドを受信している場合、ステップS3308にて第1固定RT開始演出を設定する処理を行う。第1固定RT開始演出では、例えば、補助表示部65にて、「RT延命成功!!」という文字表示を行うとともに、高RT状態が延長されることを示唆する表示(例えば女性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第1固定RT開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の優しい声で「やったわね まだまだやれるわ」)が発せられるように制御する。
ステップS3308の処理を実行した後は、ステップS3309にて第1固定RT演出フラグをセットする処理を実行する。かかる演出フラグは、開始時演出設定処理(図59)において、ステップS2301の表示モード設定処理にて参照される。例えば、第1固定RT演出フラグがセットされている場合、ステップS2301では、今回のゲームの演出内容(例えば、補助表示部65の背景色)を、今回のゲームが第4RT状態であることが把握可能となるような内容に設定する。
ステップS3307にて否定判定した場合、又はステップS3309の処理を実行した後は、ステップS3310に進む。ステップS3310では、第2固定RT開始コマンドを受信したか否かを判定する。第2固定RT開始コマンドは、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図49)において、第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立した場合であって、且つ移行用報知フラグがセットされていない場合に、出力されるコマンドである(ステップS1525)。ちなみに、移行用報知フラグがセットされていない場合とは、移行用報知フラグのセット前か、ATモードではない場合、すなわち、主にATモード終了後が相当する。第2固定RT開始コマンドを受信している場合、ステップS3311にてATモード中であるか否かを判定する。ATモード中である場合には、そのまま固定RT状態報知処理を終了する。ステップS3311にて肯定判定する場合とは、ATモードの最中(終盤の移行用報知フラグがセットされるよりも前)に、第2RT状態や第3RT状態から第4RT状態へ移行した場合であり、この場合、リプレイ確率自体は変わらないし、押し順報知の有無も変化しないため、それ用の報知は行わない。
ステップS3311にてATモード中ではないと判定した場合、ステップS3312にて第2固定RT開始演出を設定する処理を行う。第2固定RT開始演出では、例えば、補助表示部65にて、「やったぜ 延命成功!!」という文字表示を行うとともに、高RT状態が延長されることを示唆する表示(例えば男性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第2固定RT開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の優しい声で「よっしゃー!」)が発せられるように制御する。
ステップS3312の処理を実行した後は、ステップS3313にて第2固定RT演出フラグをセットする処理を実行する。かかる演出フラグは、開始時演出設定処理(図59)において、ステップS2301の表示モード設定処理にて参照される。例えば、第2固定RT演出フラグがセットされている場合、ステップS2301では、今回のゲームの演出内容(例えば、補助表示部65の背景色)を、今回のゲームが第4RT状態であることが把握可能となるようにする演出であって、且つ第1固定RT演出フラグがセットされている場合とは遊技者が識別可能な程度に異ならせた内容に設定する。ステップS3310にて否定判定した場合、又はステップS3313の処理を実行した後は、固定RT状態報知処理を終了する。
<高RT状態が延長される様子>
無限RT状態と固定RT状態とを利用して、ATモード終了後の高RT状態が延長される様子について、図80~図82のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、固定RT状態(第4RT状態)移行させないでATモードが終了する場合について説明する。
ATモード中であって、当該ATモードの残りゲーム数が10より多い場合であるt1のタイミングにおいて、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選したとする。この場合、ATモード中であっても移行用報知フラグはセットされていないため、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する固定RT移行用の押し順報知は行われず、第1再遊技入賞に対応するRT移行無し用の押し順報知が行われる。その結果、RT状態は第2RT状態又は第3RT状態の無限RT状態が維持される。
ATモードの残りゲーム数が10となるt2のタイミングでは、移行用報知フラグがセットされる。移行用報知フラグがセットされることにより、移行リプレイ当選時の押し順報知が、RT移行無し用の押し順報知から固定RT移行用の押し順報知に切り替わる。但し、この例では、移行用報知フラグがセットされている状況での移行リプレイ当選は生じない。
t3のタイミングでATモードの残りゲーム数が0となると、報知モード(表示モード)はATモードから通常モードへ移行する。そして、上記移行用報知フラグはクリアされ、仮にその後に移行リプレイに当選した場合であっても、押し順報知は発生しなくなる。
t4のタイミングで転落リプレイ1~3のいずれかに当選した場合、押し順報知は発生しないため、ストップスイッチ42~44の操作順序が第2再遊技入賞に対応するものである場合、RT状態は第1RT状態の通常RT状態へ移行することとなる。
次に、ATモードの終盤に第4RT状態へ移行させる場合について説明する。
ATモード中であって、当該ATモードの残りゲーム数が10より多い場合であるt5のタイミングにおいて、移行リプレイ1,2のいずれかに当選した場合であっても、上記t1のタイミングと同様に、固定RT移行用の押し順報知ではなく、RT移行無し用の押し順報知が行われる。その結果、RT状態は第2RT状態又は第3RT状態の無限RT状態が維持される。その後、t6のタイミングでATモードの残りゲーム数が10となると、移行用報知フラグがセットされる。
移行用報知フラグがセットされている状況であるt7のタイミングで、移行リプレイ1,2のいずれかに当選すると、固定RT移行用の押し順報知が発生する。その結果、当該押し順報知に従った順序でストップスイッチ42~44を操作することで、RT状態を固定RT状態(第4RT状態)へ移行させることが可能となる。
t8のタイミングでATモードの残りゲーム数が0となると、報知モード(表示モード)はATモードから通常モードへ移行する。但し、第4RT状態においては転落リプレイ1~3に当選しないように設定されており、予め定められたゲーム数(50又は200)を消化するt10のタイミングまでRT状態が継続することとなる。この場合、上記図80において通常RT状態(第1RT状態)への移行が生じたt4のタイミングに相当するt9のタイミングよりも、高RT状態が延長されている。
次に、ATモードの終了後に第4RT状態へ移行させる場合について説明する。
t11のタイミングでATモードの残りゲーム数が10となると、移行用報知フラグがセットされる。この例では、ATモードの終了までに移行リプレイに当選しなかった場合を示している。すなわち、ATモードの残りゲーム数が0となるt12のタイミングまでに移行リプレイに当選せず、そのまま移行用報知フラグがクリアされている。
既に説明した通り、ATモードの終了後も、第2再遊技入賞が成立するまで第2RT状態や第3RT状態は継続する。t13のタイミングでは、当該第2再遊技入賞が成立するよりも先に、移行リプレイに当選し、且つ第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する停止順序でストップスイッチ42~44が操作された場合を示している。この場合、RT状態は固定RT状態に移行し、当該移行に成功したゲームから固定RT状態における所定ゲーム数分だけ高RT状態が延長されることとなる(t14のタイミングまで)。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモードの残りゲーム数が10となると、移行用報知フラグがセットされ、移行リプレイ当選時に固定RT状態移行用の押し順報知が発生し得る状態となる。このようにしたことで、ATモードの残りゲーム数よりも多いゲーム数が規定ゲーム数として設定されている固定RT状態へ移行させることが可能となる。よって、ATモード終了後において、高RT状態を延長することが可能となり、ATモードの有利度を高めすぎることなく、ATモード及びそれに付随する遊技の遊技性を向上することが可能となる。
ここで、固定RT状態への移行は、移行用報知フラグがセットされた後、移行リプレイに当選することを条件として発生し得るのであって、移行用報知フラグがセットされたからといって、一律で、固定RT状態への移行が生じるものではない。このようにすることで、移行用報知フラグがセットされた後、すなわち、ATモードの終盤においては、移行リプレイに当選するか否かに注目させ、当該ATモード終盤の遊技性が劇的に高められる。しかも、各ゲームの抽選結果とリンクしているため、ATモード終盤のゲームにおいては、毎ゲーム、スタートレバー41の操作に力が入り、強烈なドキドキ感を提供することが可能となっている。
移行用報知フラグがセットされてからATモードが終了するまでの間のゲームにおいて1回以上の移行リプレイ1,2の当選が期待できるように、移行リプレイ1,2の当選確率及び移行用報知フラグがセットされるタイミング(ゲーム数)が設定されている。このようにすることで、ATモード終盤において、よほど運が悪くない限り、固定RT状態への移行が見込める遊技性となる。つまり、基本的には、固定RT状態への移行が生じることを前提として遊技を行わせることができ、ATモードが終了しても固定RT状態が継続することを通じて、ATモード終了時の消失感や、達成感を和らげ、ATモード終了後に遊技を継続させる動機付けとすることが可能となる。
移行リプレイ1,2を、固定RT状態への移行が生じる第11再遊技や第12再遊技だけでなく、第1RT状態への転落が生じる第2再遊技との重複役として設定した。そして、移行リプレイ1,2当選時のストップスイッチ42~44の操作順序によっては、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞ではなく、第2再遊技入賞が成立し得る構成としている。このようにしたことにより、移行リプレイ1,2当選時により慎重な停止操作が必要とされることを通じて、移行リプレイ1,2当選時の注目度が高められる。
更に、移行リプレイ1,2を、固定RT状態への移行が生じる第11再遊技や第12再遊技だけでなく、RT状態の移行が生じない第1再遊技との重複役として設定した。そして、移行リプレイ1,2当選時のストップスイッチ42~44の操作順序によっては、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞ではなく、第1再遊技入賞が成立し得る構成としている。このようにしたことにより、ATモードの終盤に差し掛かる前、すなわち移行用報知フラグがセットされるよりも前に移行リプレイ1,2に当選した場合に、固定RT状態へ移行してしまうことを回避させることが可能となる。
ATモード終盤において、固定RT状態への移行が生じても、ATモードの残りゲーム数自体は引き継がれる。つまり、ATモード自体は、高RT状態の種類(第2RT状態~第4RT状態)に関わらず、残りゲーム数を消化することで終了する。このようにすることで、移行用報知フラグがセットされた後、早期に固定RT状態へ移行させた場合に、ATモードの恩恵が侵食されてしまうといった事象は生じず、高RT状態の延長分の長短といった点に差が生じるだけとなる。よって、ATモードの楽しみを損なわせることなく、高RT状態を延長させる遊技性をより純粋に楽しませることができる。
第2RT状態や第3RT状態にてATモードが終了した場合であっても、第2再遊技入賞が成立するまで高RT状態は継続するところ、当該ATモードの終了後の第2RT状態や第3RT状態(復帰区間)において移行リプレイ当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ42~44の操作順序が第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に合致していれば、固定RT状態へ移行させることが可能である。つまり、当該ATモードの終了後であって高RT状態が終了するまでの間において、高RT状態の延長が許容されている構成といえる。このようにすることによっても、ATモードの有利度を高めすぎることなく、ATモード及びそれに付随する遊技の遊技性を向上することが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、ATモードにおいて移行用報知フラグがセットされるよりも前に、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させて固定RT状態への移行が生じた場合について説明する。先ず、図83及び図84のタイミングチャートに基づいて、上記固定RT状態への移行が生じた場合の様子について説明する。
ATモード中であって、当該ATモードの残りゲーム数が10より多い場合であるt15のタイミングにおいて、移行リプレイ1又は移行リプレイ2に当選したとする。この場合、ATモード中であっても移行用報知フラグはセットされていないため、固定RT移行用の押し順報知は行われず、RT移行無し用の押し順報知が行われる。しかし、どのような操作順序でストップスイッチ42~44を操作するかは遊技者の自由であり、押し順報知に従わずに操作することも可能であるし、誤って押し順報知の内容とは異なる操作順序で操作する場面も考えられる。例えば、t15のタイミングにおいて、RT移行無し用の押し順報知が行われていても第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42~44を操作したとする。この場合、ATモードの残りゲーム数が10よりも多い場面であるものの、固定RT状態への移行が生じる。
例えば、図83では、このt15のタイミングでのATモードの残りゲーム数よりも、固定RT状態で消化可能となるゲーム数のほうが多い場面を示している。
この場合、t16のタイミングでATモードの残りゲーム数が10となり、移行用報知フラグがセットされ、t17のタイミングでATモードの残りゲーム数が0となり、ATモードが終了するものの、この間、RT状態は上記固定RT状態のままである。そして、上記のように固定RT状態への移行時のATモードの残りゲーム数が固定RT状態にて消化可能となるゲーム数よりも少ないため、t17のタイミングよりも後のタイミングであるt18のタイミングまで固定RT状態は継続する。この場合、少なくとも、ATモードは高RT状態下にて実施可能であり、遊技者は、高RT状態によって持ちメダルの減りを抑えつつ、押し順ベルの押し順報知によってメダル増加を見込めるといった、ATモードによる恩恵は十分に享受できている。
一方、図84では、ATモードの残りゲーム数が固定RT状態にて消化可能となるゲーム数よりも多い状況であるt19のタイミングで、固定RT状態への移行が生じた場面を示している。
この場合、t19のタイミングで移行した固定RT状態は、未だATモード中であるt20のタイミングにて終了する。つまり、t20のタイミングで遊技状態は第1RT状態へ移行し、リプレイ確率の低い低RT状態(通常RT状態)となる。その後、t21のタイミングにて第1昇格リプレイ1~2当選時の押し順報知によって、第2RT状態(高RT状態)へ移行するとしても、少なくともt20のタイミングからt21のタイミングまでの間のゲームは、低RT状態にて消化されることとなり、上記のATモードによる恩恵を享受できない状況となる。そこで、本変形例では、そのような場面であることを、遊技者に報知する構成とする。
なお、t21のタイミングにて高RT状態へ移行した後は、t22のタイミングにて移行用報知フラグがセットされ、t23のタイミングにてATモードが終了し、t24のタイミングにて第2再遊技入賞によって高RT状態が終了する。
図85は、本変形例における固定RT状態報知処理を示すフローチャートである。
ステップS3401~ステップS3413の処理は、上記ステップS3301~ステップS3313の処理と同様であり、ATモードの残りゲーム数が10となると移行リプレイ報知フラグがセットされるとともに第1RT移行期間演出を設定し、ATモードが終了すると第2RT移行期間演出を設定する。また、ATモードの残りゲーム数が0~10の間で固定RT状態への移行が生じた場合には第1固定RT開始演出を設定し、ATモードの終了後に固定RT状態への移行が生じた場合には第2固定RT開始演出を設定する。
本変形例では、ATモード中である状況で固定RT状態への移行が生じた場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS3411にてATモード中であると判定した場合、本変形例では、ステップS3414に進み、今回移行する固定RT状態にて実施可能となるゲーム数とATモードの残りゲーム数とを比較する処理を行い、固定RT状態にて実施可能となるゲーム数がATモードの残りゲーム数以上であるか否かを判定する。すなわち、今回の固定RT状態への移行が、図83の場面であるか、図84の場面であるかを判定する。固定RT状態にて実施可能となるゲーム数がATモードの残りゲーム数以上であり、図83の場面であると判定した場合、上記第1の実施形態と同様に、固定RT開始演出を設定することなく、そのまま固定RT状態報知処理を終了する。
ステップS3414にて固定RT状態にて実施可能となるゲーム数がATモードの残りゲーム数よりも少なく、図84の場面であると判定した場合、ステップS3415にて第3固定RT開始演出を設定する処理を行う。第3固定RT開始演出では、例えば、図86(a)に示すように、補助表示部65にて、「ガーン・・・」という文字表示を行うとともに、低RT状態にてATモードを消化しなくてはいけない場面が生じ得ることを示唆する表示(例えば落胆した男性のキャラクタ表示や説明文)を行う。その他、第3固定RT開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の慌てた声で「やばいよやばいよ」)が発せられるように制御する。
ステップS3415の処理を実行した後は、ステップS3416にて第3RT演出フラグをセットする処理を実行してから、本固定RT状態報知処理を終了する。例えば、第3固定RT演出フラグがセットされている場合、上記のステップS2301では、今回のゲームの演出内容(例えば、補助表示部65の背景色)を、現状又は今後、低RT状態にてATモードが消化されることが把握可能となるようにする演出であって、且つ第1固定RT演出フラグや第2固定RT演出フラグがセットされている場合とは遊技者が識別可能な程度に異ならせた内容に設定する。そして、例えば、固定RT状態が終了して低RT状態に移行してしまった後は、第1昇格リプレイ1,2に当選し、第3再遊技入賞が成立するまでの間は、図86(b)に示すように、押し順報知演出とともに、「RT復帰中」という文字表示を行う構成とするとよい。このようにすることで、第1RT移行期間演出が発生するよりも前に固定RT状態への移行を生じさせてしまったことにより、不利益が生じていることを遊技者は明確に把握可能となり、その不利益分を今後の遊技にて取り返そうとする等、遊技意欲を増進させることが可能となるし、今後、そのような不利益を被らないように、報知内容を十分に確認したうえで遊技を行うように促すことも可能となる。
なお、上記変形例1においては、第1の実施形態からの処理や構成の変更箇所として、特に、固定RT状態報知処理の構成や演出内容について説明したが、それ以外の構成については、上記変形例1にて説明した処理や構成の変更箇所に合わせて適宜修正するとよい。例えば、上記第3固定RT開始演出にて開始された固定RT状態が終了した後に、低RT状態から高RT状態へ復帰した場合には、ATモード中に押し順ミス等に起因して低RT状態へ移行した際に高RT状態へ復帰した場合の演出とは異なる演出としてもよく、この場合、第3再遊技入賞が成立した際に、AT用報知フラグの有無だけでなく、第3固定RT演出フラグの有無によって、上記のように演出を異ならせる構成とするとよい。このような説明箇所以外の修正を適宜行うべきことは、以下の変形例や実施形態においても同様である。
<変形例2>
本変形例では、固定RT状態にて実施可能となるゲーム数がATモードの残りゲーム数以上である場面での変形例を説明する。
既に説明した通り、ATモードの残りゲーム数が10となり移行リプレイ報知フラグがセットされた後に固定RT状態への移行を生じさせることで、高RT状態を延長させることが可能である。また、図83の場面であっても、少なくともATモード終了時までは高RT状態は継続するため、ATモードの恩恵は十分に享受可能である。但し、これらの状況の中でも、固定RT状態への移行が生じるゲーム数によっては、遊技者にとっての有利度に差が生じ得る。
すなわち、図87(b)に示すように、ATモード中であって押し順報知が発生し得る(1)の場面で移行リプレイに当選し固定RT状態への移行が生じた場合と、押し順報知が発生し得る状態であって且つ(1)よりも後の(2)の場面で移行リプレイに当選して固定RT状態への移行が生じた場合とを比較すると、(1)の固定RT状態よりも(2)の固定RT状態のほうが高RT状態が長く継続する。つまり、高RT状態の延長分は(1)の場合よりも(2)の場合の方が長くなる。そうすると、ATモードにおいて、より終盤にて固定RT状態への移行を生じさせた方が有利ともいえる。
その一方で、固定RT状態への移行は、移行リプレイ1,2に当選することで生じ得るものであり、例えば、ATモードの残りゲーム数が10となってから0となるまでに、移行リプレイに当選しない場面も生じ得る。そして、例えば、ATモードが終了した後の(3)の場面で移行リプレイに当選した場合、そのゲームでのストップスイッチ42~44の操作順序によって、固定RT状態への移行を生じさせることに成功する可能性もあるが、第2再遊技入賞が成立して高RT状態が終了してしまうことも考えられる。
そこで、本変形例では、このような移行リプレイ当選時のATモードの残りゲーム数による有利度の差を考慮させながら、固定RT状態への移行を生じさせるか否かを遊技者に選択させる演出を、移行リプレイ当選ゲームにて行う。例えば、図87(a)に示すように、移行リプレイ当選ゲームでは、補助表示部65にて、「運命の選択!!」という文字表示を行うとともに、操作順序によっては、固定RT状態への移行が生じたり、固定RT状態への移行も低RT状態への移行も生じなかったりすることを示唆する報知を行う。この場合、ATモードの残りゲーム数を報知する(図では「残り8G」として表示)ことで、ATモードの残りゲーム数による有利度の差を考慮させる手助けとなる。
移行リプレイに対応するインデックス値IV=13,14にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技と第11再遊技と第12再遊技とを設定し、第2再遊技を設定しないようにしてもよい。すなわち、移行リプレイ当選時の操作順序によって、固定RT状態への移行が生じるか、それともRT状態の移行が生じないか、のいずれかとなるようにし、低RT状態への移行が生じないようにしてもよい。この場合、移行リプレイ当選時の操作順序をより単純化することができるし、図87(a)のように、左リール32Lから停止させることで第1再遊技入賞が成立し、右リール32Rから停止させることで第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する、といったように、左右いずれかを選択させるというわかり易い選択となり、遊技者の遊技への理解度の向上が見込まれる。
なお、移行リプレイに当選となった場合の各再遊技に対応する操作順序の具体的な構成は、例えば、以下のとおりである。各リール32L,32M,32Rが、左→中→右、及び、左→右→中の順で停止操作された場合には第1再遊技入賞が成立し、右→中→左、及び、右→左→中の順で停止操作された場合には第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する。また、中→左→右の順で停止操作された場合には第1再遊技入賞が成立し、中→右→左の順で停止操作された場合には第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立する。
また、このように左右いずれを選択させることが可能な操作順序と入賞態様とが設定されている移行リプレイを、上記第1の実施形態の移行リプレイ1,2とは別途設け、これらが併存する構成としてもよい。
<変形例3>
本変形例では、後乗せ報知の分を加味して固定RT状態への移行を生じさせる。先ず、図88のフローチャートを用いて、後乗せ報知用処理を説明する。後乗せ報知用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理(図49)におけるステップS1502にて実施される処理である。
ステップS3501では、各種フラグ格納エリア106dにAT用報知フラグがセットされているか否かを判定することで、現状の表示モードがATモード、VBモード及び特化ゾーンのいずれかであるか否かを判定する。これらのモードではない場合には、そのまま本後乗せ報知用処理を終了する。ATモード、VBモード及び特化ゾーンのいずれかのモードである場合、ステップS3502にてボーナス状態中であるか否かを判定する。第1BBや第2BBに基づくBB状態やCBに基づくCB状態のいずれかである場合は、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。ステップS3502にて否定判定した場合、ステップS3503に進み、表示用残数カウンタHGの減算処理を行う。この場合、ステップS3503では、表示用残数カウンタHGの減算後の値を含むコマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。かかるコマンドを受信した表示制御装置81では、残りゲーム数表示ZGPの表示を更新するように、補助表示部65を制御する。なお、表示制御装置81にて表示用残数カウンタHGに対応するカウンタ等を設け、表示制御装置81側で残りゲーム数表示ZGPの更新用の処理を行う構成としてもよい。
ステップS3504では、ステップS3503の処理結果として、表示用残数カウンタHGが後乗せ報知の契機となる所定値(1)となったか否かを判定する。所定値となっていない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。所定値となった場合には、ステップS3505にて後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていなければ、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。
ステップS3505にて後乗せフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3506に進む。ステップS3506では、後乗せカウンタBGの値を把握する。そして、ステップS3507にて、後乗せカウンタBGの値に応じた上乗せ報知が行われるように、上乗せコマンドをセットする処理を行う。この場合の上乗せコマンドには、当該ゲームにて上乗せ報知を行うことの情報とともに、後乗せカウンタBGの値に応じたゲーム数の上乗せが行われることの情報が含まれている。なお、後乗せカウンタBGの一部を上乗せする構成としてもよく、例えば、抽選により一部を上乗せするか否かを決定したうえで、一部とする場合にはその一部のゲーム数の上乗せが行われることの情報を上乗せコマンドにセットするとよい。
続くステップS3508では、上記ステップS3507にて上乗せコマンドに設定した上乗せゲーム数に対応する値を、後乗せカウンタBGから減算する処理を行う。そして、ステップS3509にて、ステップS3508の処理結果として、後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま後乗せ報知用処理を終了する。0である場合には、ステップS3510にて後乗せフラグをクリアする処理を行ってから、後乗せ報知用処理を終了する。
上記のように、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて、上乗せコマンドが表示制御装置81へ送信される。既に説明した通り、表示制御装置81では、全停止時演出設定処理の上乗せ報知用処理にて、上乗せ報知演出を行うための処理が実行される。これにより、表示用残数カウンタHGが所定値となったゲームにおいて、全リール32L,32M,32Rが停止した後に後乗せ報知として上乗せ報知が実行される。そのため、表示用残数カウンタHGが所定値(1)となったゲームにおいては、当該ゲームの入賞結果に関わらず、上乗せ報知(後乗せ報知)が行われることに期待しながら、第3リールの停止OFF操作が行われることとなる。
ちなみに、即乗せ報知を行う場合に選択される上乗せ報知のタイミングのうちの第3リール停止OFF操作時と、後乗せ報知を行う場合の全停止時とは、異なるタイミングとなり得る。すなわち、第3リール停止OFF操作時とは、第3リールの停止OFF操作を行ったタイミングであり、当該タイミングにて対応するリールが停止する場合もあれば、スベリ制御を伴って若干遅れたタイミングにて対応するリールが停止する場合もある。そのため、第3リール停止OFF操作時とは、全リール32L,32M,32Rが停止するタイミングよりも若干早いタイミングとなり得る。その一方、入賞結果対応処理における後乗せ報知用処理にて設定される後乗せ報知の実行タイミングは、当該入賞結果対応処理が実行された後のタイミングであり、全リール32L,32M,32Rが完全に停止した後であって、小役入賞が発生していればメダル払い出しが行われた後(ステップS413の払出判定処理が実行された後)のタイミングである。そのため、即乗せ報知における第3リール停止OFF操作時よりも、後乗せ報知が実行されるタイミングは後のタイミングとなり得るものである。
次に、本変形例における固定RT用処理について、図89のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3601では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ、そのまま固定RT用処理を終了する。セットされている場合、ステップS3602にて表示用残数カウンタHGが10となり、ATモードの残りゲーム数の表示が見た目上10ゲームとなっているか否かを判定する。表示用残数カウンタHGが10ではない場合には、そのまま固定RT用処理を終了する。表示用残数カウンタHGが10である場合、ステップS3603に進む。
ステップS3603では、上記の後乗せフラグがセットされているか否かを判定する。後乗せフラグがセットされていない場合には、後乗せカウンタBGが0であって、表示用残数カウンタHGの値が実際のATモードの残りゲーム数と等しいことを意味する。この場合、ステップS3604にて移行用報知フラグをセットするとともに、ステップS3605にて移行用コマンドを出力設定してから、固定RT用処理を終了する。移行用報知フラグがセットされることにより、移行リプレイ当選時に固定RT移行用の押し順報知が発生すること、及び移行用コマンドが出力されることにより、第1移行期間演出が発生することは、既に説明した通りである。
ステップS3603にて肯定判定し、後乗せフラグがセットされている場合、ステップS3606に進む。ステップS3606では、各種フラグ格納エリア106dに疑似移行用報知フラグをセットする処理を実行する。疑似移行用報知フラグは、後乗せ報知が発生し得る状況で移行リプレイ当選した場合に、それ用の演出を行うことを主制御装置101のCPU102が把握するためのフラグである。ステップS3606の処理を実行した後は、ステップS3607にて疑似移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、固定RT用処理を終了する。疑似移行用コマンドを受信した表示制御装置81は、移行用コマンドを受信した場合と同様に、第1移行期間演出が発生するように補助表示部65等を制御する。
次に、本変形例における押し順役処理について、図90のフローチャートを参照しながら説明する。
本変形例においては、概して、ATモード中の移行用報知フラグがセットされていない状況で移行リプレイに当選した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS3701~ステップS3723の処理は、上記ステップS1301~ステップS1323の処理と同様であり、ステップS3721にて否定判定した場合の処理が異なっている。
具体的には、ステップS3719にて移行リプレイに当選したと判定し、ステップS3720にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合であって、ステップS3721にて移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、本変形例では、ステップS3728に進む。ステップS3728では、上記ステップS3606にてセットする疑似移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。疑似移行用報知フラグがセットされている場合とは、後乗せフラグがセットされている状況で表示用残数カウンタHGの値が10となり、見た目上、ATモードの残りゲーム数が10となって第1移行期間演出が発生し、更に、移行リプレイ当選となった場合である。すなわち、実際にはATモードは終盤に差し掛かっているわけではなく、固定RT状態へ移行させると遊技者に不利益が生じ得る(上記変形例2参照)場合である。
この場合、本変形例では、遊技進行を一時的に制限する所謂フリーズ演出を発生させる。すなわち、ステップS3728にて疑似移行用報知フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3729に進み、フリーズタイミング抽選処理を実行する。フリーズタイミング抽選処理では、後乗せ報知によって報知され得るATモードのゲーム数に応じて、フリーズ演出の発生タイミングを抽選する。より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eから後乗せカウンタBG及び抽選用のカウンタを取得するとともに、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからフリーズタイミングテーブルを取得し、後乗せカウンタBGの値に応じたフリーズタイミングを抽選により決定する。フリーズタイミングテーブルは、図91に示すように、フリーズタイミングとして、第1停止ON操作時、第2停止ON操作時、第3停止ON操作時が設定されているとともに、後乗せカウンタBGの値に応じた振分率でいずれの操作時にフリーズを発生させるかが定められている。そして、後乗せカウンタBGの値が大きいほど、先側の操作時よりも後側の操作時のほうが選択され易くなるように設定されている。
ステップS3729にてフリーズタイミング抽選処理を実行した後は、ステップS3730にて、各種フラグ格納エリア106dに、ステップS3729の抽選結果に応じたフリーズフラグをセットする処理を実行する。具体的には、ステップS3729の抽選結果が第1停止ON操作時であれば第1停止ON時フリーズフラグをセットし、抽選結果が第2停止ON操作時であれば第2停止ON時フリーズフラグをセットし、抽選結果が第3停止ON操作時であれば第3停止ON時フリーズフラグをセットする。
ステップS3728にて疑似移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS3730の処理を実行した後は、ステップS3707の第1再遊技用の押し順報知を行う処理へ進む。
なおこの場合、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の指示モニタ68による押し順報知と、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の指示モニタ68による押し順報知とは、いずれも第1再遊技入賞用の押し順を報知する点で共通している。一方、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容と、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容とは異なっており、より詳しくは、疑似移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容は、移行用報知フラグがセットされていない場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む第1再遊技入賞用の演出内容と共通しており、疑似移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による押し順報知演出を含む演出内容は、移行用報知フラグがセットされている場合の補助表示部65による第11再遊技入賞用又は第12再遊技入賞用の演出内容と共通しており、押し順報知の順序だけが第1再遊技入賞用のものとして報知される。つまり、疑似移行用報知フラグがセットされている状況で移行リプレイ当選した場合、押し順報知や押し順報知演出としては第1再遊技入賞用の操作順序のものが報知されるものの、移行用報知フラグがセットされている状況で移行リプレイ当選した場合と、補助表示部65等による演出内容からは区別することが困難となっている。
本変形例におけるフリーズ用処理について、図92を参照しながら説明する。フリーズ用処理は、主制御装置101によるリール制御処理(図18)において、ステップS404にてストップスイッチ42~44の操作が行われたと判定した場合に、ステップS405の停止指令コマンドをセットするよりも前に実施される処理である。なお、本フリーズ用処理を、各ストップスイッチ42~44の無効期間中に実施する構成としてもよい。
ステップS3801では、今回の停止操作が第1停止ON操作であったか否かを判定する。第1停止ON操作である場合、ステップS3802にて、上記の第1停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのままフリーズ用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS3803にてフリーズ処理を実行する。フリーズ処理では、対応するリール32L,32M,32Rの回転を停止させることなく、且つ他のストップスイッチ42~44の操作を一時的に無効とする処理である。すなわち、当該フリーズ処理により、ストップスイッチ42~44の操作に基づき対応するリール32L,32M,32Rを停止させるといった、通常遊技の進行が一時的に制限される。
ステップS3803にてフリーズ処理を実行した後は、ステップS3804にて、特別演出コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行する。特別演出コマンドは、フリーズ処理に対応する演出を発生させるようにするためのコマンドであり、表示制御装置81では、当該特別演出コマンドを受信したことに基づいて、特別演出が補助表示部65やスピーカ64等にて行われるように制御する。その後、ステップS3805~ステップS3808にて後乗せ報知を発生させるための処理を実行する。すなわち、ステップS3805では、後乗せカウンタBGに応じた上乗せコマンドをセットし、ステップS3806では、後乗せカウンタBGの減算処理を実行する。ステップS3807では、後乗せカウンタBGが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS3808にて後乗せフラグをクリアする処理を実行する。0となっていない場合には、そのままフリーズ用処理を終了する。
ステップS3801にて否定判定した場合、ステップS3809に進み、今回の停止操作が第2停止ON操作であったか否かを判定する。第2停止ON操作である場合、ステップS3810にて、第2停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第2停止ON時フリーズフラグがセットされていない場合、そのままフリーズ用処理を終了する。第2停止ON時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3803に進み、フリーズ演出、特別演出及び後乗せ報知を発生させるための処理を行う。
ステップS3809にて否定判定した場合、ステップS3811に進み、今回の停止操作が第3停止ON操作であったか否かを判定する。第3停止ON操作である場合、ステップS3812にて、第3停止ON時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS3811にて否定判定した場合(今回の停止操作がいずれかの停止OFF操作であった場合)や、第3停止ON時フリーズフラグがセットされていない場合は、そのままフリーズ用処理を終了する。ステップS3812にて第3停止ON時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3803に進み、フリーズ演出、特別演出及び後乗せ報知を発生させるための処理を行う。
フリーズ演出が発生する様子及び特別演出について、図93を参照しながら説明する。図93においては、第2停止ON時フリーズフラグがセットされている場合のフリーズ演出及び特別演出を示している。
図93(a)に示すように、例えば、第1停止リールとして中リール32Mが停止している状況で、第2停止リールとして右リール32Rを停止操作しようとして、右ストップスイッチ44を停止ON操作したとする。この場合、上記のとおり第2停止ON時フリーズフラグがセットされているため、当該右ストップスイッチ44の停止ON操作に基づいて右リール32Rの停止制御が制限される。またこの場合、左ストップスイッチ42の停止ON操作に基づく左リール32Lの停止制御も制限され、所謂フリーズ演出が発生する。
補助表示部65やスピーカ64では、フリーズ演出に対応させて、特別演出が発生する。特別演出では、例えば、図93(b)に示すように、炎に包まれた男性のキャラクタを表示するとともに、男性の野太い声で、「きさまがみていたのはまぼろしにすぎん!」とのセリフがスピーカ64から発せられ、それまでの表示、すなわち、第1移行期間演出や、固定RT状態への移行を生じさせるための押し順報知が疑似的な表示であったことの説明がなされる。なお、当該セリフは補助表示部65にて文字表示もなされる構成とするとより好ましい。特別演出は、フリーズ演出が行われる期間、すなわち、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止制御が制限される期間に亘って実行され、ストップスイッチ42~44の停止操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止制御が再開されると当該特別演出が終了して、上記の後乗せ報知が発生する(上乗せ報知演出が発生する)。遊技者は、各リール32L,32M,32Rの停止制御が制限されることを通じて、特別演出が発生することを把握可能となる。そして、当該特別演出により、移行リプレイ当選に基づいて固定RT状態へ移行させようとしたものの、固定RT状態へ移行させるべき状況ではないこと、すなわち、ATモードがまだまだ継続することを把握可能となり、且つ、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させて固定RT状態へ移行させるのではなく、第1再遊技入賞を成立させて無限RT状態を維持させることが可能となる。しかも、それと同時に、ATモードの上乗せ(後乗せ)が発生する。
このように、本変形例では、ATモード終了間際に固定RT状態へ移行させるための構成を利用しながら、後乗せ報知との関係により、上記特別演出が発生し得る構成としたため、ATモードが終了することの残念感をATモードが継続することの嬉しさ変え、更にそのATモードの継続数が報知される、といった強烈なドキドキ感を提供可能な演出とすることができる。
<変形例4>
本変形例では、固定RT状態(第4RT状態)において実施可能となるゲーム数が、抽選により決定される。図94(a)は、本変形例における固定RTゲーム数設定処理を示すフローチャートである。
ステップS3901では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aに記憶されている固定RTゲーム数テーブルを取得する。固定RTゲーム数テーブルは、図94(b)に示すように、遊技媒体の増減率や増減態様を変化させる設定値によって、固定RT状態において実行可能となるゲーム数が異なるように設定されている。より詳しくは、複数段階である6段階の設定値に対して、複数のゲーム数種である50ゲーム、100ゲーム、200ゲームのいずれかが選択されるように選択率がそれぞれ設定されている。例えば、設定1,3,5,6では、200ゲームが選択され得るものの、設定2,4では200ゲームは選択されない。また、設定1,3は50ゲームの選択率が最も高い一方、設定2,4は100ゲームの選択率が最も高くなるように、各ゲーム数種の選択率が設定されている。そして、設定1よりも設定2、設定2よりも設定3、といったように、設定値が高くなるほど、多いゲーム数となるゲーム数種が選択され易くなるように設定されている。
ステップS3901にて固定RTゲーム数テーブルを取得した後は、ステップS3902にて、上記ゲーム数テーブルに基づいてゲーム数抽選処理を実行する。そして、ステップS3903にて抽選結果に応じたゲーム数を固定RTゲーム数カウンタに入力する処理を実行してから、固定RTゲーム数設定処理を終了する。
以上のように、ATモード終了後のRT状態のゲーム数を、設定値によって差が生じ得るようにすることで、ATモードの継続率等とは関係のない範囲で設定値による遊技媒体の増減率や増減態様の差を実現することができる。よって、ATモードの押し順報知によってメダル獲得を目指す遊技性における設定差を少なくしたり、なくしたりしながらも、当該遊技性と、第1BBや第2BB等のボーナスによってメダル獲得を目指す遊技性とのバランスをうまく調節することが可能となる。
<変形例5>
本変形例では、固定RTモード中にATモードへ移行した場合に、ATモードの継続数を異ならせる。図95は、本変形例におけるATモード継続数のカウント開始処理を示すフローチャートである。当該カウント開始処理は、入賞結果対応処理(図49)において、AT用報知フラグがセットされている状況下で第3再遊技入賞が成立した場合に、ステップS1508にて実施される処理である。ちなみに、上記第1の実施形態では、各種カウンタエリア106eに設けられたATモード継続カウンタに一律の初期値(50)を入力し、ATモードの継続数を50ゲームとしてカウント開始する構成としている。
本変形例では、ステップS4001にて、初期ゲーム数抽選処理を実行する。初期ゲーム数抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからATモードゲーム数テーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得し、複数種あるゲーム数から一のゲーム数を選択し、今回開始するATモードの継続数の初期値として設定する。複数種あるゲーム数としては、例えば、50ゲームと100ゲームが設定されており、例えば、90%で50ゲームが選択され、10%で100ゲームが選択されるように設定されている。この場合、当該選択率は、設定値による差が生じないように設定されていると好ましい。初期ゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS4002にて、ATモード継続カウンタに上記抽選結果に対応する値を入力する処理を実行する。
ステップS4003では、現状の遊技状態が第4RT状態等の固定RT状態であるか否かを判定する。固定RT状態ではない場合には、そのまま、本カウント開始処理を終了する。この場合、上記ステップS4002にて入力した値に対応するゲーム数を初期ゲーム数とするATモードが開始される。
ステップS4003にて固定RT状態であると判定した場合、ステップS4004に進む。ステップS4004では、固定RT状態の残りゲーム数を、固定RTゲーム数カウンタから把握する処理を実行する。そして、ステップS4005にて、固定RT状態の残りゲーム数に対応する値を、上記ATモード継続カウンタに加算したうえで、本カウント開始処理を終了する。この場合、上記ステップS4002にて入力した値に、固定RT状態の残りゲーム数が加算されたゲーム数を初期ゲーム数とするATモードが開始される。
以上のように、本変形例では、固定RT状態中にATモードへの移行抽選に当選した場合には、固定RT状態の残りゲーム数が加味されてATモードの初期ゲーム数が設定されるため、ATモード移行抽選の当選タイミングによらず固定RT状態による恩恵を余すところなく享受可能となり、固定RT状態における遊技性が向上する。すなわち、例えば、固定RT状態の残りゲーム数がATモードに加味されない構成であると、固定RT状態への移行直後にATモードへの移行抽選に当選した場合には、固定RT状態の残りゲーム数分の恩恵を享受することができなくなり、せっかくATモードへの移行抽選に当選したのにもかかわらず、所謂引き損として感じてしまう遊技者もいると考えられる。その点、上記のようにすることで、固定RT状態中のATモード抽選を存分に楽しませることが可能となり、固定RT状態を介するATモードの連荘性を好適に実現することができる。
<変形例6>
本変形例では、固定RT状態への移行ルートを上記第1の実施形態と異ならせる。図96は、本変形例における遊技状態の移行ルートを説明するための図である。
本変形例では、固定RT状態としての第4RT状態へは、第3RT状態から移行可能とし、第1RT状態や第2RT状態、通常遊技状態からは移行不可とする。すなわち、上記第1の実施形態では、第2RT状態及び第3RT状態から第4RT状態へ移行可能となる構成としていたところ、本変形例では、第2RT状態からの移行を不可とする構成となる。
図97は、本変形例における第2RT状態用抽選テーブルの一例を示す図である。上記第1の実施形態における抽選テーブルと比較すると、インデックス値IV=13,14のポイント値PVが0として設定されており、第2RT状態においては移行リプレイ1,2に当選しないように設定されている。なお、上記インデックス値IV=13,14のポイント値の分は、インデックス値IV=6~10にそれぞれ加算されており、第2RT状態におけるトータルのリプレイ確率は、上記第1の実施形態のものと同じ確率となっている。
本変形例における第3RT状態用抽選テーブルは、上記第1の実施形態のものと同じであり、インデックス値IV=13,14にて当選となるとともに、ストップスイッチ42~44の操作順序が第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応するものであれば、遊技状態が第4RT状態へ移行する。
すなわち、本変形例では、ATモードとなることで第2RT状態へ移行するものの、その第2RT状態にてATモードが終了する場合には、固定RT状態への移行は生じない。そして、ATモードにおいて第2RT状態から第3RT状態への移行が生じたうえで、当該第3RT状態にてATモードが終了する場合には、固定RT状態への移行が生じ得る構成となっている。なお、上記第1の実施形態では、第3RT状態への移行を生じさせる表示モードをVBモードと称して説明したが、本変形例では、固定RT状態への移行が可能となるモードとして、移行モードと称して説明する。つまり、移行モードへの移行抽選に当選することで第3RT状態への移行が生じるようになり、より詳しくは、移行モードへの移行抽選に当選することで、第2昇格リプレイ1,2当選時に第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるようになる。
図98は、本変形例における第2特定役処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、第2特定役処理は、主に、第2RT状態や第4RT状態によるATモード中の各ゲームの抽選結果に基づき実施される処理である(図32、ステップS707)。
本変形例では、ステップS4101にてATモードの残りゲーム数を把握する処理を実行する。既に説明した通り、ATモードの残りゲーム数は、ATモード継続カウンタから把握可能である。ステップS4102では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから移行モード抽選テーブルを取得する処理を実行する。移行モード抽選テーブルは、ATモードの残りゲーム数によって、移行モードへの移行を生じさせる確率が異なるように設定されており、より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が少なくなるほど、移行モードへの移行を生じさせる確率が高くなるように設定されている。例えば、残りゲーム数が50ゲーム以上である場合には0%の確率で移行モードへの移行が生じ(移行モードへの移行抽選に当選せず)、残りゲーム数が49ゲーム~30ゲームである場合には5%の確率で移行モードへの移行が生じ、残りゲーム数が29ゲーム~10ゲームである場合には10%の確率で移行モードへの移行が生じ、残りゲーム数が10ゲーム未満である場合には30%の確率で移行モードへの移行が生じるように移行モード抽選テーブルが設定されている。
ステップS4103では、ステップS4101にて把握したATモードの残りゲーム数と、ステップS4102にて取得した移行モード抽選テーブルに基づいて移行モードへの移行を生じさせるか否かの移行モード抽選処理を実行する。ステップS4104では、ステップS4103の抽選結果が移行モードへの移行を生じさせる結果である当選結果であるか否かを判定する。当選結果である場合には、ステップS4105にて各種フラグ格納エリア106dに移行モード用フラグをセットする処理を実行してから、第2特定役処理を終了する。移行モード用フラグは、移行モードへの移行を生じさせることが可能な状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、移行モード用フラグがセットされている状況で第2昇格リプレイ1,2に当選すると、押し順役処理(図48)におけるステップS1311にて肯定判定して、ステップS1312にて第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理が行われる。
ステップS4104にて当選結果ではないと判定した場合、ステップS4106に進む。ステップS4106~ステップS4121の処理は、上記ステップS914~ステップS929の処理と同様であり、ATモードの上乗せ用の処理や、特化ゾーン用の処理、疑似上乗せ報知用の処理を実行する。
本変形例における入賞結果対応処理について、図99のフローチャートを参照しながら説明する。本変形例においては、概して、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立して、遊技状態が第3RT状態へ移行する場合の処理が、上記第1の実施形態のものと異なっている。
すなわち、ステップS4201~ステップS4210のゲーム数管理処理、後乗せ報知用処理、及び第3再遊技入賞に基づく処理は、上記ステップS1501~ステップS1510の処理と同様である。ステップS4203にて今回のゲームの入賞結果が第3再遊技入賞ではないと判定した場合、ステップS4211に進み、今回のゲームの入賞結果が第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞であるか否かを判定する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞である場合には、ステップS4212へ進み、上記移行モード用フラグがセットされているか否かを判定する。移行モード用フラグがセットされていない場合には、移行モード抽選(ステップS4103)に当選することなく、たまたま第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立して第3RT状態へ移行する場合であり、この場合、そのまま本入賞結果対応処理を終了する。移行モード用フラグがセットされている場合、ステップS4213に進む。
ステップS4213では、移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。移行用報知フラグは、上記のとおり、移行リプレイ1,2に当選した場合に、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させるためのフラグである。移行用報知フラグがセットされている場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。セットされていない場合には、ステップS4214に進む。
ステップS4214では、移行用報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4215にて、移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。すなわち、ステップS4214及びステップS4215の処理は、上記第1の実施形態において固定RT用処理(図76)のATモードの残りゲーム数が10となることで実施されるステップS3203及びステップS3204の処理に対応するものである。そして、本変形例では、固定RT用処理は実施されない。
すなわち、本変形例では、移行モードへの移行抽選に当選したうえで第3RT状態へ移行することで移行用報知フラグがセットされ、移行リプレイ1,2当選時に第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知が発生することとなり、移行モードへの移行抽選に当選しなかったり、第3RT状態への移行が生じなかったりすると、ATモードの残りゲーム数が10となっても移行用報知フラグはセットされず、固定RT状態への移行を生じさせることなく高RT状態(第2RT状態又は第3RT状態)が終了することとなる。
ステップS4211にて否定判定した場合の、ステップS4216~ステップS4220の処理は、上記ステップS1517~ステップS1521の処理と同様である。
本変形例においてRT状態の移行の様子を、図100のタイミングチャートを参照しながら説明する。
移行モード抽選処理(ステップS4103)では、ATモードの残りゲーム数が50ゲーム未満となるt25のタイミング以降で、移行モード抽選に当選するようになる。例えば、ATモードの残りゲーム数が50ゲーム未満であるt26のタイミングで移行モード抽選に当選すると、第2昇格リプレイ1,2当選時に、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞用の押し順報知が発生するようになる。
t27のタイミングで第2昇格リプレイ1,2に当選し、押し順報知に従った停止操作により、遊技状態が第3RT状態へ移行すると、移行リプレイ1,2に当選し得るようになる。また、t27のタイミングにおいて第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させることにより、移行用報知フラグがセットされる。これにより、第3RT状態において移行リプレイ1,2に当選した場合に、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する押し順報知が発生するようになり(t28のタイミング)、当該押し順報知に従ってストップスイッチ42~44を操作することにより、ATモードの終了するt29のタイミングよりも後である予め定められたゲーム数を消化するまでリプレイ確率の高い状態が維持される固定RT状態へ移行させることが可能となる。なお、t26のタイミングにて移行モード抽選に当選するよりも前のタイミングでも、第2昇格リプレイ1,2に当選し得るものの、当該当選時の押し順報知は第1再遊技入賞に対応する操作順序のものであるし、仮に当該押し順報知とは異なる操作順序によって停止操作して第4再遊技入賞や第5再遊技入賞を成立させることに成功した場合であっても、移行用報知フラグはセットされない。そのため、仮に第2RT状態において、たまたま第3RT状態へ移行させることに成功した場合であっても、その後、固定RT状態へ移行させることは困難となっている。
以上のように、ATモードにおいて、第2RT状態から直接固定RT状態へ移行させるのではなく、移行モード(第3RT状態)といった固定RT状態への移行抽選に当選し得る状態を介在させて固定RT状態へ移行させる構成とすることで、たまたま固定RT状態への移行が生じる事象の発生を抑制することが可能となる。
また、第2RT状態と第3RT状態とを固定RT状態への移行し易さという観点で比較すると、第2RT状態よりも第3RT状態のほうが固定RT状態へ移行し易い状態であり、第2RT状態を低確率状態、第3RT状態を高確率状態とも称することができる。この場合、上記のとおり、ATモード中の固定RT状態への移行率による遊技性の向上を見込めるだけでなく、第3RT状態にて固定RT状態への移行が生じることなくATモードが終了した場合であっても、第2RT状態の低確率状態にてATモードが終了した場合よりも、ATモード終了後であって高RT状態が終了するまでの復帰区間中に固定RT状態への移行が生じ易くなる、といった遊技性も実現される。つまり、ATモード終盤に第3RT状態への移行が生じるか否かによって、復帰区間において固定RT状態への移行が生じ易くなったり移行が生じにくくなったりする。このように、ATモード中に上記高確率状態としたり、低確率状態とすることで、復帰区間を含めた遊技性の大幅な向上が見込め、ATモードの押し順報知によってメダル獲得を目指すだけの遊技性から脱却した、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例7>
本変形例では、固定RT状態としての第4RT状態への移行が、通常遊技状態中にのみ生じるようにする。既に説明した通り、第1RT状態へは、押し順ベル当選時の操作順序によって移行出目が停止すると第1RT状態へ移行する一方、通常遊技状態へは、電源投入時やBB状態の終了後、第4RT状態の終了後に移行するのみである。そうすると、通常時に多く滞在し得る状態としての通常遊技状態と第1RT状態とを比較すると、第1RT状態に滞在している割合のほうが通常遊技状態に滞在している割合よりも圧倒的に高い。
図101は、本変形例における通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。本変形例では、インデックス値IV=1の通常リプレイの分のポイント値PVが、IV=13,14の移行リプレイ1,2に割り振られている。すなわち、通常遊技状態において、通常リプレイには当選せず、移行リプレイ1,2に当選し得る構成としている。
図102に示すように、通常遊技状態にて、移行リプレイ1,2当選に基づく第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立すると、第4RT状態へ移行し、予め定められたゲーム数を高RT状態にて遊技可能となる。上記のとおり、通常遊技状態と第1RT状態とは圧倒的に第1RT状態に滞在している割合が高く、第4RT状態へ移行可能とする通常遊技状態は、主に朝一状態(電源投入直後)か、BB状態終了後に限定される。このようにすることで、朝一状態やBB状態終了後といった限られた状況下にて、第4RT状態への移行を生じさせることが可能か否かといった遊技性が実現される。
ここで、移行リプレイ1,2当選時には第11再遊技入賞や第12再遊技入賞に対応する操作順序にてストップスイッチ42~44を操作することで、当該第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立する。そのため、朝一状態やBB状態終了後の状態が通常モードであれば押し順報知は発生しないため、これら第11再遊技入賞や第12再遊技入賞が成立するか否かは、遊技者の勘に依存し得る。つまり、通常遊技状態下にて第4RT状態への移行が生じる確率がより低確率となる。
これに対して、ATモード等の押し順報知が発生し得る状況下にてBB状態が終了した場合には、通常遊技状態を押し順報知が発生し得る状況で遊技可能となる。そうすると、移行リプレイ1,2当選時に第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させることが可能となり、第4RT状態へ容易に移行させることができる。しかも、ATモード中の通常遊技状態においては、押し順ベル当選時にも押し順報知が発生するため、押し順ベルの取りこぼし目となる移行出目は、第1RT状態へ移行させるための場合以外は、基本的には停止しない。そうすると、移行リプレイ1,2に当選しない第1RT状態への移行前に、移行リプレイ1,2当選が生じる可能性はより高くなる。
図103は、本変形例における固定RT用処理を示すフローチャートである。
ステップS4301では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS4302にて各種RT設定フラグ等がセットされているか否かを判定することにより、現状の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合には、ステップS4303にてATモードの残りゲーム数が10以下であるか否かを判定する。ステップS4301~ステップS4303のいずれかで否定判定した場合には、そのまま固定RT用処理を終了する。
ここで、本変形例においても、ATモード開始時の初期ゲーム数は10よりも大きく、ステップS4303にて残りゲーム数が10以下である場合とは、一旦、第2RT状態へ移行してATモードが開始されてから、その後、遊技状態が通常遊技状態へ移行した場合であり、より詳しくは、ATモード中にボーナス当選し、BB状態終了後におけるATモードの残りゲーム数が10以下となっている場合である。この場合、ステップS4304にて移行用報知フラグをセットするとともに、ステップS4305にて移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、固定RT用処理を終了する。この場合、移行リプレイ1,2に当選すれば、第11再遊技入賞や第12再遊技入賞を成立させるための押し順報知が発生する。
このように、本変形例では、ATモード中にボーナス当選した場合であってそのBB状態の終了後において、高RT状態(第2RT状態)へ復帰させるための復帰区間中に、固定RT状態への移行が許容される。このようにすることで、固定RT状態への移行を生じさせることの困難性が高くなり、当該固定RT状態の希少性が高められる。
また、通常遊技状態への移行がボーナス当選を経ることで生じるようにし、当該通常遊技状態中にのみ固定RT状態への移行を許容しているため、押し順リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序等に基づいて、固定RT状態への移行が生じ得る状態(上記第1の実施形態では第2RT状態や第3RT状態、移行状態)へ移行可能となる構成と比較して、操作順序がたまたま合致する等して意図せず当該移行状態へ移行してしまう事象を生じにくくすることができる。よって、意図せず固定RT状態へ移行してしまうことを抑制することができるし、当該移行状態への移行を抽選にて勝ち取った印象を強め、遊技性を向上させることが可能となる。
<変形例8>
本変形例では、ATモードを基本的には第3RT状態にて遊技する構成とし、第2RT状態を、ATモードへ移行する前段階の準備状態とする場合の適用例について説明する。すなわち、図104に示すように、ATモードのカウント開始を第4再遊技入賞や第5再遊技入賞に基づいて行うものとし、通常遊技状態や第1RT状態においてAT用報知フラグがセットされることにより、第3再遊技入賞によって上記準備状態としての第2RT状態へ移行し、第2RT状態中において第4再遊技入賞や第5再遊技入賞が成立することで第3RT状態へ移行してATモードが開始される。
本変形例における固定RT用処理では、図105のフローチャートに示すように、ステップS4401にてAT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4402にて第2RT状態か否かを判定する。第2RT状態である場合には、ステップS4403にてATモードの残りゲーム数が10以下であるか否かを判定する。ステップS4401~ステップS4403のいずれかで否定判定した場合には、そのまま固定RT用処理を終了する。ステップS4403にて肯定判定した場合には、ステップS4404にて移行用報知フラグをセットするとともに、ステップS4405にて移行用コマンドをセットする処理を実行してから、固定RT用処理を終了する。
この場合、ATモードが基本的には第3RT状態にて実施される構成であるため、ステップS4402にて肯定判定する場合とは、(1)ATモード中にボーナス当選して、そのBB状態後に第3RT状態へ復帰させるまでに期間中である場合、(2)第3RT状態において、押し順役当選時のストップスイッチ42~44の操作を押し順報知とは異なる順序で行った場合において、その後、第3RT状態へ復帰させるまでの期間中である場合、のいずれかである。このような状況がATモードの終盤に生じた場合に、固定RT状態への移行を許容する構成とすれば、ボーナス当選を介することの効果だけでなく、意図せず低RT状態へ移行させてしまった場合の救済とすることも可能であるし、さらに、あえて低RT状態へ移行させて固定RT状態への移行を勝ち取るといった遊技性も実現可能となり、遊技の楽しみ方を大幅に多様化することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、有利区間の上限ゲーム数との関係で、固定RT状態へ移行させる構成を説明する。既に説明した通り、CZモードを含むATモード等の有利区間は、上限ゲーム数が予め定められており、本スロットマシン10では1500ゲームを上限として有利区間を強制終了する構成としている(図54参照)。ここで、ATモード等において特定役当選に基づいて行われるゲーム数の上乗せと、上記の上限ゲーム数との関係を、図106を参照しながら説明する。図106は、ATモードのゲーム数上乗せ処理を示すフローチャートであり、当該ゲーム数上乗せ処理は、例えば、図34のステップS918にて実施される処理である。なお、本実施形態は、上記第1の実施形態において第2RT状態や第3RT状態にて固定RT状態への移行が可能となる構成(第2RT状態用抽選テーブルや第3RT状態用抽選テーブルにて移行リプレイに当選し得る構成)をベースとして説明する。
ステップS4501では、今回発生する上乗せにおける上乗せゲーム数を把握する処理を行う。ステップS4502では、各種フラグ格納エリア106dに超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグは、区間表示第2処理(図54)における残ゲーム数管理処理(ステップS1903、図55)にて、有利区間の上限ゲーム数と、現状消化してきた有利区間のゲーム数と、消化予定の有利区間のゲーム数と、から、加算可能な空きゲーム数FGが0となった場合にセットされるフラグである(ステップS2011)。超過フラグがセットされていない場合には、ステップS4503に進む。
ステップS4503では、今回の上乗せゲーム数と、現状の加算可能な空きゲーム数FGとから、今回の上乗せによって空きゲーム数FGが0以下となり超過フラグがセットされるか否かを判定する。今回の上乗せを行っても超過フラグがセットされない場合には、ステップS4504に進み、ATモードの残りゲーム数に今回の上乗せゲーム数を加算する処理を行ってから、本上乗せ処理を終了する。
ステップS4502にて、超過フラグがセットされていると判定した場合、ステップS4505に進む。ステップS4505では、今回の上乗せゲーム数に対応する値を、各種カウンタエリア106eに設けられた超過カウンタに加算する処理を行ってから、本上乗せ処理を終了する。すなわち、超過フラグがセットされている状況では、実質的に上乗せは発生せず、その超過分が、超過カウンタに加算されるだけである。
ステップS4503にて、今回の上乗せによって超過フラグがセットされると判定した場合、ステップS4506に進む。ステップS4506では、今回の上乗せゲーム数から現状の空きゲーム数FGを減算することで、超過分を把握する処理を行う。そして、ステップS4507にて、ATモードの残りゲーム数に、上記超過分を除いたゲーム数を加算する処理を実行する。その後、ステップS4508にて、上記超過分を超過カウンタに加算する処理を実行してから、本上乗せ処理を終了する。
上記のように、ATモードのゲーム数上乗せ処理では、有利区間の上限ゲーム数との関係で、上限ゲーム数を超える上乗せを発生しないようにしながら、当該上限ゲーム数を超える分のゲーム数を超過カウンタにて記憶する構成としている。
図107は、本実施形態における固定RT用処理を示すフローチャートである。
ステップS4601にてAT用報知フラグがセットされていると判定した場合、本実施形態では、ステップS4602にて、超過フラグがセットされているか否かを判定する。超過フラグがセットされている場合、ステップS4603にて、有利区間の上限ゲーム数(1500)まで残り50ゲームであるか否かを判定する。ステップS4601~ステップS4603のいずれかで否定判定した場合には、固定RT用処理を終了し、ステップS4601~ステップS4603のいずれでも肯定判定することで、ステップS4604以降の固定RT状態への移行を許容するための処理に進む。
すなわち、本実施形態では、有利区間において加算可能な空きゲーム数FGが0であって、既に有利区間の上限までATモードの継続が確定している場合であり、その有利区間の上限までの残りゲーム数が所定数として50ゲームとなった場合に、固定RT状態への移行を許容するための処理が行われる。
より詳しくは、ステップS4604にて、上記の超過カウンタに基づいて、これまでに発生した上乗せの超過分を把握する処理を実行する。そして、ステップS4605にて、固定RTゲーム数抽選処理を実行する。固定RTゲーム数抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから固定RTゲーム数テーブルを取得し、上記ステップS4604にて把握した超過カウンタの値に基づいて、今回許容する固定RT状態のゲーム数を抽選する。
本実施形態における固定RTゲーム数テーブルは、図108に示すように、超過カウンタの値によって、複数種ある固定RT状態のゲーム数がそれぞれ振り分けられており、超過カウンタの値が大きくなるほど、長いゲーム数の固定RT状態が選択され易く設定されている。より詳しくは、例えば、超過カウンタの値が50以下である場合には、50ゲームが選択され、超過カウンタの値が51~75である場合には、50ゲームと100ゲームとがそれぞれ70%と30%との割合で選択される。超過カウンタの値が76~100であれば50ゲームが30%で選択され、100ゲームが60%で選択され、200ゲームが10ゲームで選択される。超過カウンタの値が101~199であれば100ゲームが60%で選択され、200ゲームが40ゲームで選択され、超過カウンタの値が200以上であれば必ず200ゲームが選択される。つまり、超過カウンタの値となるべく同じゲーム数となる固定RT状態のゲーム数が選択されるように、固定RTゲーム数テーブルが設定されている。
ステップS4606では、上記ステップS4605の抽選処理の結果が、50ゲームであったか否かを判定する。50ゲームであった場合には、ステップS4607にて、各種フラグ格納エリア106dに第1移行用報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4608にて移行用コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、固定RT用処理を終了する。
ステップS4606にて50ゲームではないと判定した場合、ステップS4609にて100ゲームであったか否かを判定する。100ゲームであった場合、ステップS4610に進み、各種フラグ格納エリア106dに第2移行用報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4608にて移行用コマンドをセットしてから、固定RT用処理を終了する。
ステップS4609にて否定判定する場合とは、ステップS4606の抽選結果が200ゲームであったことを意味し、この場合、ステップS4611にて各種フラグ格納エリア106dに第3移行用報知フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4608にて移行用コマンドをセットしてから、固定RT用処理を終了する。
上記の第1移行用報知フラグ、第2移行用報知フラグ、及び第3移行用報知フラグは、それぞれ異なる固定RT状態への移行を許容するためのフラグである。すなわち、図109(a)に示すように、本実施形態においては、固定RT状態への移行用の再遊技として、第11再遊技と第12再遊技の他に、第13再遊技が設けられている。第13再遊技は、左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「黒BAR」図柄又は「スイカ」図柄が有効ラインに停止した場合に入賞が成立するように、その入賞態様が設定されている。
本実施形態では、第11再遊技入賞が成立すると50ゲームの固定RT状態としての第4RT状態へ移行し、第12再遊技入賞が成立すると100ゲームの固定RT状態としての第5RT状態へ移行し、第13再遊技入賞が成立すると200ゲームの固定RT状態としての第6RT状態へ移行する。
なお、本実施形態における第4RT状態用抽選テーブル~第6RT状態用抽選テーブルは、いずれも上記第1の実施形態における第4RT状態用抽選テーブルを用いる構成とする。すなわち、第4RT状態~第6RT状態において、1ゲーム当たりの有利度は共通している。これら、固定RT状態の各状態において抽選テーブルが共通する点は、特に記載がない限り、他の実施形態や変形例等においても同様である。
図109(b)は、本実施形態における第2RT状態用抽選テーブルと第3RT状態用抽選テーブルの一部を示している。
本実施形態では、インデックス値IV=13にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技、第2再遊技及び第11再遊技が設定されており、インデックス値IV=14にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技、第2再遊技及び第12再遊技が設定されており、インデックス値IV=57にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技、第2再遊技及び第13再遊技が設定されている。
図110は、本実施形態における固定RTゲーム数設定処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態におけるRT状態処理(図21)では、第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞に加えて第13再遊技入賞が成立した場合にもステップS516にて肯定判定する。そして、ステップS517にて、既に設定されているRT設定フラグをクリアし、ステップS518にて、入賞成立した再遊技に対応するRT設定フラグをセットしてから、ステップS519の固定RTゲーム数設定処理に進む。ステップS518についてより詳しくは、第11再遊技入賞が成立している場合には第4RT設定フラグをセットし、第12再遊技入賞が成立している場合には第5RT設定フラグをセットし、第13再遊技入賞が成立している場合には第6RT設定フラグをセットする。
本実施形態における固定RTゲーム数設定処理では、先ずステップS4701にて、第11再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第11再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4702にて固定RTゲーム数カウンタに50を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を50ゲームとする。ステップS4701にて否定判定した場合、ステップS4703にて第12再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第12再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4703にて固定RTゲーム数カウンタに100を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を100ゲームとする。ステップS4703にて否定判定した場合とは、第13再遊技入賞が成立したことを意味し、この場合、ステップS4705にて固定RTゲーム数カウンタに200を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を200ゲームとする。ステップS4702、ステップS4704及びステップS4705のいずれかの処理を実行した後は、固定RTゲーム数設定処理を終了する。
図111は、本変形例における押し順役処理の一部を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS1314にてBARリプレイ当選ではないと判定した場合、ステップS4801に進む。ステップS4801では、移行リプレイ1当選であるか否かを判定する。移行リプレイ1に当選している場合、ステップS4802では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、押し順報知を発生させることなく、そのまま押し順役処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS4803にて、上記の第1移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、50ゲームを規定ゲームとする第4RT状態への移行が許容されている状態か否かを判定する。第1移行用報知フラグがセットされている場合、ステップS4804に進む。ステップS4804では、第11再遊技入賞に対応する停止順序の押し順報知を行うように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS4805にて、上記第11再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。
ステップS4803にて第1移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4806に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行うための処理を実行した後、ステップS4807にて第1再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。
ステップS4801にて移行リプレイ1当選ではないと判定した場合、ステップS4808に進む。ステップS4808では、移行リプレイ2当選であるか否かを判定する。移行リプレイ2に当選している場合、ステップS4809では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、押し順報知を発生させることなく、そのまま押し順役処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS4810にて、上記の第2移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、100ゲームを規定ゲームとする第5RT状態への移行が許容されている状態か否かを判定する。第2移行用報知フラグがセットされている場合、ステップS4811に進む。ステップS4811では、第12再遊技入賞に対応する停止順序の押し順報知を行うように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS4812にて、上記第12再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。
ステップS4810にて第2移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4806に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行うための処理を実行した後、ステップS4807にて第1再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。
ステップS4808にて移行リプレイ2当選ではないと判定した場合、ステップS4813に進む。ステップS4813では、移行リプレイ3当選であるか否かを判定する。移行リプレイ3に当選している場合、ステップS4814では、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、押し順報知を発生させることなく、そのまま押し順役処理を終了する。AT用報知フラグがセットされている場合には、ステップS4815にて、上記の第3移行用報知フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、200ゲームを規定ゲームとする第6RT状態への移行が許容されている状態か否かを判定する。第3移行用報知フラグがセットされている場合、ステップS4816に進む。ステップS4816では、第13再遊技入賞に対応する停止順序の押し順報知を行うように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS4817にて、上記第13再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。
ステップS4815にて第3移行用報知フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4806に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行うための処理を実行した後、ステップS4807にて第1再遊技入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドをセットしてから、本押し順役処理を終了する。また、ステップS4813にて移行リプレイ3当選ではないと判定した場合は、ステップS1324に進み、押し順ベル用の処理を実行する。
本実施形態の入賞結果対応処理(図49)では、ステップS1522にて第11再遊技入賞、第12再遊技入賞及び第13再遊技入賞のいずれかが成立しているか否かを判定し、いずれかの入賞が成立していれば、ステップS1523にて各移行用報知フラグの有無によって、固定RT状態開始時の演出を異ならせるための処理を行う。すなわち、いずれかの移行用報知フラグがセットされている場合には第1固定RT開始コマンドをセットし、いずれの移行用報知フラグもセットされていない場合には第2固定RT開始コマンドをセットする。
以上のように、本実施形態では、有利区間の上限ゲーム数を超える上乗せが発生した場合には、その分のゲーム数を加味した固定RT状態への移行が許容される。このようにすることで、せっかく多くの上乗せを発生させたのにもかかわらず、上限ゲーム数によってそれが消失してしまうことへの失望感を高RT状態へ移行させることで軽減することが可能となる。
実行可能となる規定ゲーム数が異なる固定RT状態を複数設けたうえで、超過分に近い固定RT状態を選択する構成としたことにより、超過分そのもの(超過分と等しい)ゲーム数の固定RT状態への移行を生じさせる構成と比較して、設ける固定RT状態の種類数が圧倒的に少なくなる。よって、遊技機の限られた記憶容量が固定RT状態のための情報によって浸食されることを抑制し、他の情報をより記憶可能とすることで、遊技の多様化乃至遊技の充実化が図られる。
固定RT状態への移行は、有利区間の上限に達する前に生じるように、上記第1の実施形態よりもより早期に移行用報知フラグがセットされる構成とした。このようにすることで、固定RT状態の移行が生じることなく有利区間の上限に達してしまう事象を、より好適に回避することができる。
<変形例1>
上記第2の実施形態では、一の移行リプレイに対して移行可能な固定RT状態を一種類としたが、本変形例では、一の移行リプレイに対して移行可能な固定RT状態を複数種類設定する。図112(a)は、本変形例における第2RT状態用抽選テーブル及び第3RT状態用抽選テーブルの一部である。また、図112(b)は、本変形例における移行リプレイ1,2当選時の入賞となる結果とストップスイッチ42~44の操作態様との関係を示す図である。
本変形例では、インデックス値IV=13にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技、第2再遊技、第11再遊技及び第12再遊技が設定されている。また、インデックス値IV=14にて当選となった場合の当選役として、第1再遊技、第2再遊技、第12再遊技及び第13再遊技が設定されている。インデックス値IV=13の移行リプレイ1に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作態様のうち、第1操作態様(中→右→左)にて操作すると第11再遊技入賞が成立し、第1操作態様とは異なる第2操作態様(右→中→左)にて操作すると第12再遊技入賞が成立する。また、インデックス値IV=14の移行リプレイ2に当選となった場合、ストップスイッチ42~44の操作態様のうち、上記第1操作態様及び第2操作態様とは異なる第3操作態様(中→左→右)にて操作すると第12再遊技入賞が成立し、第1操作態様~第3操作態様とは異なる第4操作態様(右→左→中)にて操作すると第13再遊技入賞が成立する。
第11再遊技入賞が成立すると50ゲームの第4RT状態へ移行し、第12再遊技入賞が成立すると100ゲームの第5RT状態へ移行し、第13再遊技入賞が成立すると200ゲームの第6RT状態へ移行することは上述のとおりである。
ちなみに、移行リプレイ1の第3操作態様や第4操作態様は第2再遊技入賞に対応付けられており、また、移行リプレイ2の第1操作態様や第2操作態様は第2再遊技入賞に対応付けられている。そして、移行リプレイ1及び移行リプレイ2当選時において、停止前にいいずれの移行リプレイに当選しているかは識別不可となっている。そのため、第1再遊技入賞、及び第11再遊技入賞~第13再遊技入賞のいずれかが入賞可能となって高RT状態が維持される点で、押し順報知に従って操作したほうが遊技者にとって有利となる。
押し順役処理では、移行リプレイ1に当選した場合において、AT用報知フラグ及び第1移行用報知フラグがセットされている場合には、第11再遊技入賞を可能とする第1操作態様の押し順報知用の処理が行われる。一方、移行リプレイ1に当選した場合において、AT用報知フラグ及び第2移行用報知フラグがセットされている場合には、第12再遊技入賞を可能とする第2操作態様の押し順報知用の処理が行われる。そして、移行リプレイ1に当選した場合において、AT用報知フラグはセットされているものの、第1移行用報知フラグ及び第2移行用報知フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1再遊技入賞に対応する操作態様の押し順報知用の処理が行われる。移行リプレイ2に当選した場合においても、同様であり、AT用報知フラグ及び第2移行用報知フラグがセットされている場合には、第12再遊技入賞を可能とする第3操作態様の押し順報知用の処理が行われる。一方、移行リプレイ2に当選した場合において、AT用報知フラグ及び第3移行用報知フラグがセットされている場合には、第13再遊技入賞を可能とする第4操作態様の押し順報知用の処理が行われる。そして、移行リプレイ2に当選した場合において、AT用報知フラグはセットされているものの、第2移行用報知フラグ及び第3移行用報知フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1再遊技入賞に対応する操作態様の押し順報知用の処理が行われる。
このように、一の移行リプレイに複数種類の固定RT状態への移行役を設定することで、いずれのRT状態へ移行させるかを押し順報知や操作順序によって調節することができる。このようにすれば、抽選テーブルの簡素化が図られるし、せっかく移行リプレイに当選したのにもかかわらず、移行させるべきRT状態とは異なる移行リプレイであるとして、RT状態の移行を生じさせることができない、といった事象の発生を少なくすることができる。つまり、より確実に所望のRT状態へ移行させることが可能となる。
<変形例2>
上記第2の実施形態では、有利区間の上限ゲーム数を超える超過分を、固定RT状態による高RT状態にて補填する構成を前提としたが、本変形例では、その超過分を無限RT状態による高RT状態にて補填する構成について説明する。図113は、本変形例において移行可能となる第7RT状態~第9RT状態の抽選テーブルの一部を示す図である。
本変形例では、第11再遊技入賞が成立すると第7RT状態へ移行し、第12再遊技入賞が成立すると第8RT状態へ移行し、第13再遊技入賞が成立すると第9RT状態へ移行するものとする。上記のとおり、第7RT状態~第9RT状態は無限RT状態であって、リプレイ確率が通常遊技状態や第1RT状態の低RT状態よりも高い高RT状態である。第7RT状態~第9RT状態では、インデックス値IV=1の通常リプレイの他、インデックス値IV=7~9の転落リプレイ1~3に当選し得る構成となっており、その他の押し順リプレイ(IV=2~6、10~14)は当選しない。
第7RT状態においては、インデックス値IV=7~9のいずれかの転落リプレイ1~3にて当選となる確率が、約33.1分の1となっている。転落リプレイ1~3において、第1RT状態への移行が生じる第2再遊技入賞に対応する操作順序は、6態様ある操作順序のうち4態様に設定されているため(図23)、転落リプレイ1~3当選時に第2再遊技入賞が成立する確率はそれぞれ6分の4である。そうすると、第7RT状態において、1ゲーム当たりの第2再遊技入賞が成立する確率(以下、転落確率とも称する)は、約50分の1である。つまり、第7RT状態に移行すると、高RT状態が維持されるゲーム数は長短となり得るものの、その平均継続ゲーム数は約50ゲームとなる。
第8RT状態においては、インデックス値IV=7~9のいずれかの転落リプレイ1~3にて当選となる確率が、約66.2分の1となっている。また、転落リプレイ1~3当選時に第2再遊技入賞が成立する確率はそれぞれ6分の4である。そうすると、第8RT状態において、1ゲーム当たりの転落確率は、約100分の1となる。つまり、第8RT状態に移行すると、高RT状態が維持されるゲーム数は長短となり得るものの、その平均継続ゲーム数は約100ゲームとなる。
第9RT状態においては、インデックス値IV=7~9のいずれかの転落リプレイ1~3にて当選となる確率が、約132.4分の1となっている。また、転落リプレイ1~3当選時に第2再遊技入賞が成立する確率はそれぞれ6分の4である。そうすると、第9RT状態において、1ゲーム当たりの転落確率は、約200分の1となる。つまり、第9RT状態に移行すると、高RT状態が維持されるゲーム数は長短となり得るものの、その平均継続ゲーム数は約200ゲームとなる。
以上のような第7RT状態~第9RT状態を、有利区間の超過分に合わせて移行可能とすれば、固定RT状態ではなく無限RT状態によっても、当該超過分の補填とすることが可能となる。
この場合、固定RT状態から無限RT状態の移行は生じ得ないものの、無限RT状態から無限RT状態の移行や、無限RT状態から固定RT状態の移行は生じること(図26)からすると、上記のような無限RT状態としての第7RT状態~第9RT状態を利用したほうが、遊技構成の拡張性は圧倒的に高められる。その一方で、無限RT状態では、継続ゲーム数が運に左右され、超過分の補填をより確実に行う、といった観点からすると、上記固定RT状態を利用したほうが好ましい。
<第3の実施形態>
上記第1、第2の実施形態では、主に、固定RT状態へ移行させることによってATモード終了後に高RT状態を延長可能とする発明について説明したが、本実施形態では、ATモード終了間際に、固定RT状態へ移行させることによりATモード終了ゲームにて高RT状態が終了し易くする。
本実施形態では、固定RT状態への移行役として、第11再遊技~第15再遊技が設定されている。第11再遊技入賞、第12再遊技入賞及び第13再遊技入賞となる図柄の組み合わせは上記のとおりであり、第14再遊技入賞となる図柄の組み合わせは、図114(a)に示すように、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、右リール32Rの「黒BAR」図柄又は「スイカ」図柄が対応付けられている。また、第15再遊技入賞となる図柄の組み合わせは、左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄、中リール32Mの「スイカ」図柄、「黒BAR」図柄又は「チェリー」図柄、右リール32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が対応付けられている。
第11再遊技入賞が成立すると、1ゲームの固定RT状態としての第10RT状態への移行が生じる。第12再遊技入賞が成立すると、2ゲームの固定RT状態としての第11RT状態への移行が生じる。第13再遊技入賞が成立すると、3ゲームの固定RT状態としての第12RT状態への移行が生じる。第14再遊技入賞が成立すると、4ゲームの固定RT状態としての第13RT状態への移行が生じる。第15再遊技入賞が成立すると、5ゲームの固定RT状態としての第14RT状態への移行が生じる。
第2RT状態用抽選テーブルや第3RT状態用抽選テーブルでは、図114(b)に示すように、インデックス値IV13,14,57~60が移行リプレイ1~6として対応付けられている。インデックス値IV=13,14,57~59にて当選となった場合の当選役としては、第1再遊技及び第2再遊技の他、IV=13では第11再遊技~第14再遊技が対応付けられており、IV=14では第12再遊技~第15再遊技が対応付けられており、IV=57では第11再遊技及び第13再遊技~第15再遊技が対応付けられており、IV=58では第11再遊技、第12再遊技、第14再遊技及び第15再遊技が対応付けられており、IV=59では第11再遊技~第13再遊技及び第15再遊技が対応付けられている。そして、インデックス値IV=60にて当選となった場合の当選役としては、第1再遊技及び第11再遊技~第15再遊技が対応付けられている。
図115は、移行リプレイ1~6当選時のストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。
移行リプレイ1~5には、6通りの操作順序のうち4通りの操作順序に固定RT状態への移行役(第11再遊技~第15再遊技のいずれか)が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技と第2再遊技とが対応付けられている。また、移行リプレイ6には、6通りの操作順序のうちの5通りの操作順序に固定RT状態への移行役が対応付けられており、1通りの操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
本実施形態におけるRT状態処理(図21)でも、第11再遊技入賞及び第12再遊技入賞に加えて第13再遊技入賞~第15再遊技入賞が成立した場合にもステップS516にて肯定判定する。そして、ステップS517にて、既に設定されているRT設定フラグをクリアし、ステップS518にて、入賞成立した再遊技に対応するRT設定フラグをセットしてから、ステップS519の固定RTゲーム数設定処理に進む。ステップS518についてより詳しくは、第11再遊技入賞が成立している場合には第10RT設定フラグをセットし、第12再遊技入賞が成立している場合には第11RT設定フラグをセットし、第13再遊技入賞が成立している場合には第12RT設定フラグをセットし、第14再遊技入賞が成立している場合には第13RT設定フラグをセットし、第15再遊技入賞が成立している場合には第14RT設定フラグをセットする。
本実施形態における固定RTゲーム数設定処理では、図116に示すように、ステップS4901にて第11再遊技入賞が成立したか否かを判定し、第11再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4902にて固定RTゲーム数カウンタに1を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を1ゲームとする。ステップS4901にて否定判定した場合、ステップS4903にて第12再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第12再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4904にて固定RTゲーム数カウンタに2を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を2ゲームとする。ステップS4903にて否定判定した場合、ステップS4905にて第13再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第13再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4906にて固定RTゲーム数カウンタに3を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を3ゲームとする。ステップS4905にて否定判定した場合、ステップS4907にて第14再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第14再遊技入賞が成立した場合には、ステップS4908にて固定RTゲーム数カウンタに4を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を4ゲームとする。ステップS4907にて否定判定した場合とは、第15再遊技入賞が成立したことを意味し、この場合、ステップS4909にて固定RTゲーム数カウンタに5を入力して、今回の固定RT状態のゲーム数を5ゲームとする。ステップS4902、ステップS4904、ステップS4906、ステップS4908及びステップS4909のいずれかの処理を実行した後は、固定RTゲーム数設定処理を終了する。
本実施形態における押し順役処理について、図117のフローチャートを参照しながら説明する。
押し順役処理(図48)においてステップS1314にてBARリプレイ当選ではないと判定した場合、ステップS5001に進む。ステップS5001では、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のいずれかに当選しているか否かを判定する。移行リプレイ1~6のいずれにも当選していない場合には、ステップS1324の押し順ベル用の処理へ進む。移行リプレイ1~6のいずれかに当選している場合には、ステップS5002へ進み、AT用報知フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま押し順役処理を終了する。
AT用報知フラグがセットされている場合、ステップS5003に進み、ATモードの残りゲーム数を把握する処理を実行する。そして、ステップS5004にて、上記ステップS5003の処理結果に基づいて、残りゲーム数が6ゲーム以上であるか否かを判定する。6ゲーム以上である場合には、ステップS5005に進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御し、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、RT状態の移行は生じず、基本的には第2RT状態や第3RT状態が維持される。
ステップS5004にてATモードの残りゲーム数が6ゲーム未満であると判定した場合、ステップS5007に進む。ステップS5007では、残りゲーム数が1ゲームであるか否かを判定する。残り1ゲームである場合、ステップS5008へ進み、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のうちの移行リプレイ2であるか否かを判定する。移行リプレイ2当選ではなく、移行リプレイ1,3~6のいずれかである場合、ステップS5009に進み、規定ゲーム数が1ゲームとして設定されている第10RT状態への移行役としての第11再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、押し順報知に従った操作を行うことで、1ゲームで終了する第10RT状態への移行が生じる。
ステップS5008にて移行リプレイ2当選である場合、規定ゲーム数が1ゲームに設定される第10RT状態への移行役としての第11再遊技が対応付けられていないため、ステップS5005へ進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理を行う。
ステップS5007にてATモードの残りゲーム数が1ゲームではないと判定した場合、ステップS5010に進む。ステップS5010では、残りゲーム数が2ゲームであるか否かを判定する。残り2ゲームである場合、ステップS5011へ進み、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のうちの移行リプレイ3であるか否かを判定する。移行リプレイ3当選ではなく、移行リプレイ1,2,4~6のいずれかである場合、ステップS5012に進み、規定ゲーム数が2ゲームとして設定されている第11RT状態への移行役としての第12再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、押し順報知に従った操作を行うことで、2ゲームで終了する第11RT状態への移行が生じる。
ステップS5013にて移行リプレイ3当選である場合、規定ゲーム数が2ゲームに設定される第11RT状態への移行役としての第12再遊技が対応付けられていないため、ステップS5005へ進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理を行う。
ステップS5010にてATモードの残りゲーム数が2ゲームではないと判定した場合、ステップS5013に進む。ステップS5013では、残りゲーム数が3ゲームであるか否かを判定する。残り3ゲームである場合、ステップS5014へ進み、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のうちの移行リプレイ4であるか否かを判定する。移行リプレイ4当選ではなく、移行リプレイ1~3,5~6のいずれかである場合、ステップS5015に進み、規定ゲーム数が3ゲームとして設定されている第12RT状態への移行役としての第13再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、押し順報知に従った操作を行うことで、3ゲームで終了する12RT状態への移行が生じる。
ステップS5014にて移行リプレイ4当選である場合、規定ゲーム数が3ゲームに設定される第12RT状態への移行役としての第13再遊技が対応付けられていないため、ステップS5005へ進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理を行う。
ステップS5013にてATモードの残りゲーム数が3ゲームではない判定した場合、ステップS5016に進む。ステップS5016では、残りゲーム数が4ゲームであるか否かを判定する。残り4ゲームである場合、ステップS5017へ進み、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のうちの移行リプレイ5であるか否かを判定する。移行リプレイ5当選ではなく、移行リプレイ1~4,6のいずれかである場合、ステップS5018に進み、規定ゲーム数が4ゲームとして設定されている第13RT状態への移行役としての第14再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、押し順報知に従った操作を行うことで、4ゲームで終了する第13RT状態への移行が生じる。
ステップS5017にて移行リプレイ5当選である場合、規定ゲーム数が4ゲームに設定される第13RT状態への移行役としての第14再遊技が対応付けられていないため、ステップS5005へ進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理を行う。
ステップS5016にてATモードの残りゲーム数が4ゲームではないと判定した場合とは、残りゲーム数が5ゲームであることを意味する。この場合、ステップS5019へ進み、今回のゲームの抽選結果が移行リプレイ1~6のうちの移行リプレイ1であるか否かを判定する。移行リプレイ1当選ではなく、移行リプレイ2~6のいずれかである場合、ステップS5020に進み、規定ゲーム数が5ゲームとして設定されている第14RT状態への移行役としての第15再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS5006にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、押し順役処理を終了する。この場合、押し順報知に従った操作を行うことで、5ゲームで終了する第14RT状態への移行が生じる。
ステップS5019にて移行リプレイ1当選である場合、規定ゲーム数が5ゲームに設定される第14RT状態への移行役としての第15再遊技が対応付けられていないため、ステップS5005へ進み、第1再遊技入賞に対応する押し順報知用の処理を行う。
ATモード終了間際に固定RT状態への移行が生じる様子について、図118を参照しながら説明する。
ATモードの残りゲーム数が5ゲームであるt30のタイミングにおいて、移行リプレイ1~6のいずれかに当選した場合、より詳しくは、移行リプレイ1を除く、移行リプレイ2~6のいずれかに当選した場合、5ゲームの固定RT状態となる第14RT状態への移行役としての第15再遊技入賞に対応する押し順報知が発生する。この場合、図118(a)に示すように、ATモードの残りゲーム数が0となるt32のタイミングにて、第14RT状態としての固定RT状態の残りゲーム数(固定RTゲーム数カウンタ)が0となり、ATモードの終了ゲームにて高RT状態も終了し、低RT状態へ移行する。
ATモードの残りゲーム数が1ゲームであるt31のタイミングにおいて、移行リプレイ1~6のいずれかに当選した場合、より詳しくは、移行リプレイ2を除く、移行リプレイ1,3~6のいずれかに当選した場合、1ゲームの固定RT状態となる第10RT状態への移行役としての第11再遊技入賞に対応する押し順報知が発生する。この場合、図118(b)に示すように、ATモードの残りゲーム数が0となるt32のタイミングにて、第10RT状態としての固定RT状態の残りゲーム数(固定RTゲーム数カウンタ)が0となり、ATモードの終了ゲームにて高RT状態も終了し、低RT状態へ移行する。
以上のように、ATモード終盤において、固定RT状態への移行を生じさせる構成を利用して、ATモードの終了ゲームにて高RT状態を終了させることができ、例えば、ATモードが終了したのにもかかわらず高RT状態が継続することを知らずにATモード終了により遊技を終了してしまう遊技者と、高RT状態が継続することを知って遊技を継続する遊技者や、ATモード終了により遊技を終了してしまった後に着席する遊技者との、遊技者間の有利不利をなくすことができ、遊技の公平性が高められる。また上記構成のようにすることで、よりATモードと通常モードとの区別をはっきりさせることができる。
<変形例1>
上記第3の実施形態のようにすることで、ATモード終了ゲームにて高RT状態が終了するようになるものの、既に説明した通り、ATモード終盤に固定RT状態への移行が生じると後乗せ報知が発生しないことが確定する。そこで、本変形例では、固定RT状態に移行することで遊技者にとって有利な状態となるようにし、より詳しくは、上乗せ当選率を変更する。図119は、本変形例における上乗せ抽選テーブルを示す図である。
既に説明した通り、上乗せ抽選テーブルでは、特定役の種類に応じて上乗せ当選確率が異なるように設定されており、更に、ATモードやVBモード、特化ゾーンといったように滞在している表示モードによっても上乗せ当選率が異なる。本変形例では、更に、遊技状態が無限RT状態かそれとも固定RT状態かで上乗せ当選率が異なり、固定RT状態における上乗せ当選率のほうが無限RT状態における上乗せ当選率よりも高くなるように設定する。具体的には、固定RT状態においては、いずれの特定役であっても上乗せ当選率が100%となるように設定されている。
つまり、ATモード終盤において、固定RT状態への移行が生じることで、ATモードが残り数ゲームで終了することが事前に察知されるものの、当該残り数ゲームのATモードにおいては、上乗せ当選率がそれまでと比較して圧倒的に高くなるように設定されている。したがって、ATモード終盤に移行する固定RT状態によるATモードは、所謂特化ゾーンの一種をなすものとなる。
固定RT状態中の補助表示部65による表示演出の例を、図120を参照しながら説明する。
図120(a)は、第13RT状態の固定RT状態へ移行した際の表示演出の例を示している。例えば、補助表示部65に、複数の識別情報としての1~9までの数字のいずれかを3つ並べて表示する。固定RT状態における各ゲームにおいて、これら複数の識別情報の変動表示を行い、上乗せ抽選の結果に応じた停止態様にて停止させる。そして、上乗せ抽選に当選した場合に、これら識別情報の組み合わせが所定の態様(例えば、333等のぞろ目)となるようにし、非当選の場合には、所定の態様とは異なる態様(例えば、334等のばらけ目)となるようにする。補助表示部65においては、固定RT状態における消化ゲーム数に対応させて、固定RTゲーム数対応キャラクタ(図では、弾丸を模した画像)がゲーム数分だけ表示されており、固定RT状態において1ゲーム消化毎に当該固定RTゲーム数対応キャラクタを1つずつ(例えば右から1つずつ)消滅させる。
つまり、補助表示部65に表示される固定RTゲーム数対応キャラクタの数だけ、固定RT状態のゲームを実行可能であり、上乗せ抽選が高確率で行われるゲームの実行可能数に対応付けられている。そして、毎ゲーム、当該固定RTゲーム数対応キャラクタが消費されるとともに、上乗せ抽選の結果が識別情報の停止結果によって報知される。
図120(b)は、第11RT状態の固定RT状態へ移行した際の表示演出の例を示している。上記図120(a)の第13RT状態のものと比較して、固定RTゲーム数対応キャラクタの表示数が異なっており、第13RT状態のものは4ゲームに対応して4つであるのに対し、第11RT状態のものは2ゲームに対応して2つである。つまり、遊技者は、固定RTゲーム数対応キャラクタの数によって、チャンスの回数を把握することができる。
以上のようにすることで、固定RT状態へ移行することでATモードが終了することが事前に察知されてしまう構成において、その固定RT状態における遊技性を大幅に向上させることができる。つまり、図120(a)の第13RT状態のように比較的多いゲーム数の固定RT状態へ移行する場合、図120(b)の第11RT状態のように少ないゲーム数の固定RT状態へ移行する場合よりも、ATモード終了を事前に察知するという観点からすると、早い段階にてその終了を察知することとなり、後乗せ報知に期待している遊技者からすると、残念な結果といえる。その一方、上記のように固定RT状態において実行可能なゲーム数が多いほど、上乗せ当選となるチャンスが増えるため、上乗せに期待するという観点からすると、多いゲーム数の固定RT状態へ移行したほうが好ましい結果といえる。このように、ATモードの終了を察知させるタイミングが早いほど、特化ゾーン(固定RT状態)のゲーム数が多くなる構成とすることで、ATモードを最後まで楽しませる斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、上記変形例1のように固定RT状態中に上乗せが発生した場合の遊技状態の移行態様等について説明する。
図121(a)に示すように、例えば、第2特定役処理においてステップS915にてATモードの上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS5101にて、現状の遊技状態が固定RT状態か否かを判定する。固定RT状態ではない場合には、ステップS916に進み、ATモードの上乗せ用の処理を行う。固定RT状態中の上乗せ当選である場合、ステップS5102に進み、今回の上乗せゲーム数を把握するとともに、把握した上乗せゲーム数を各種カウンタエリア106eに設けられた潜伏カウンタに加算する処理を行う。そして、ステップS5103にて、各種フラグ格納エリア106dに潜伏フラグをセットしてから、第2特定役処理を終了する。すなわち、固定RT状態においてATモードの上乗せに当選しても、すぐには、ATモードの残りゲーム数に加算する処理は行わらず、一旦、潜伏カウンタに加算されてそのATモードの上乗せが持ち越される。
また、図121(b)に示すように、ゲーム数管理処理において、ステップS1614にてATモードの継続数が0となった場合には、ステップS5111にて、上記の潜伏フラグがセットされているか否かを判定する。潜伏フラグがセットされていない場合には、ステップS1615に進み、ATモード終了用の処理を行う。一方、潜伏フラグがセットされている場合には、ステップS5112へ進み、潜伏フラグをクリアするとともに、ステップS5113にて潜伏コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する処理を行ってから、ゲーム数管理処理を終了する。潜伏コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモード終了演出後の表示演出に関し、補助表示部65の表示を、ATモード終了後の通常時の表示とは異なる表示として表示する。例えば、ATモード終了後の通常時の表示が夕方の背景画像であれば、潜伏コマンドを受信した場合は夜の背景画像とする。また、ATモード終了後の通常時の表示が山をバックにした背景画像であれば、潜伏コマンドを受信した場合は神殿をバックにした背景画像とする。
上記のとおり、潜伏フラグがセットされている場合には、AT用報知フラグはクリアされないし、ATモードフラグもクリアされない。そのため、固定RT状態終了後に、第1昇格リプレイ1~4に当選すると、押し順報知が発生して高RT状態である第2RT状態へ復帰させることができる。図による詳細な説明は省略するが、入賞結果対応処理においては、第3再遊技入賞が成立して第2RT状態へ復帰した際には、ステップS1503~ステップS1505にて肯定判定する。そして、ステップS1505の後に、上記の潜伏フラグの有無を判定し、潜伏フラグがセットされていれば当該フラグをクリアするとともに、上記の潜伏カウンタに対応する値をATモードの継続数に加算してから、入賞結果対応処理を終了する。つまり、上記の固定RT状態中に発生した上乗せゲーム数をそのまま消費することなく、高RT状態が再開される。
図121(c)を利用しながら、遊技状態の移行の様子を再度説明する。
無限RT状態によるATモード中であるt33のタイミングで上乗せが発生すると、当該上乗せ分がATモード継続数に加算されて、そのゲーム数の報知(上乗せ報知)も発生する。一方、ATモード終盤において、t34のタイミングにて固定RT状態へ移行した後、t35のタイミングで上乗せが発生した場合には、その上乗せゲーム数はATモードの継続数に加算されない。その結果、ATモードはその後、固定RT状態の終了とともにt36のタイミングにて終了する。固定RT状態終了後は、通常RT状態(通常遊技状態、低RT状態)となるものの、押し順報知が発生し得る状態であるため、速やかに第1昇格リプレイ1~4当選時には第3再遊技入賞を成立させることが可能であり、例えばt37のタイミングで第2RT状態への移行が生じる。この場合、上記t35のタイミングで発生した上乗せ分が潜伏カウンタとして記憶されており、当該潜伏カウンタの値がt37にてATモードの継続数として加算される。
このようにすることで、固定RT状態中に上乗せが発生した場合、当該固定RT状態終了後から高RT状態(無限RT状態)へ移行させるまでの低RT状態の間のゲーム数の分だけ、ATモードのゲーム数が少なくなる事象を好適に回避することができる。ちなみに、固定RT状態終了から高RT状態へ移行させるまでの低RT状態の間は、ATモードの残りゲーム数の減算をストップする構成でも、上記のATモードのゲーム数が少なくなってしまう事象を回避可能である。但し、仮に固定RT状態中に上乗せ報知を行う構成とすると、その後、確実に上記ゲーム数の減算をストップが生じるのにも関わらず、上乗せ報知が行われる、といった不自然感が拭えない演出となる。しかも、直後に、高RT状態が中断されることが確実であるのにもかかわらず上乗せ報知を行ってしまうと、つまり高RT状態の中断前に上乗せ報知を行うと、上乗せ報知を前提として中断状態(低RT状態)を遊技することとなり、高RT状態ではないことへのいら立ちを感じさせてしまう可能性が高くなる。その点、上記構成のように、一旦、低RT状態へ移行させてから、高RT状態に復帰した際に、上乗せ報知(潜伏カウンタの値を入力)する構成とすることで、より新たな気持ちで、復帰後の高RT状態且つATモードを楽しませることができるし、中断状態においては、その潜伏カウンタの値が報知されていないので、低RT状態であることへのいら立ちよりも、かえって、復帰後にその潜伏カウンタの値が報知されることを楽しみにしながら遊技させることが可能となる。以上の結果、高RT状態且つATモードにおいて、固定RT状態を介在させることによって低RT状態が生じるといった不都合を逆に演出効果が期待できる構成とすることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、有利区間の上限との関係で上記構成を利用する。図による詳細な説明は省略するが、本変形例における押し順役処理では、上記図117のフローチャートのステップS5003にて有利区間の上限(1500)までの残りゲーム数を把握する処理を行う。そして、有利区間の残りゲーム数が6ゲーム以上であれば第1再遊技入賞用の押し順報知を行うようにし(ステップS5005)、5ゲーム以下であれば、そのゲーム数を規定数とする固定RT状態への移行用の押し順報知を行う(ステップS5007~ステップS5020)。このようにすることで、有利区間の上限ゲームにてATモード等を強制終了する構成において、当該ATモードの強制終了に合わせて高RT状態も終了させることが可能となる。よって、上限ゲームにて強制終了する意義をより厳密に守ることが可能である。
<第4の実施形態>
本実施形態では、ATモード終了間際に固定RT状態へ移行させる構成を、ATモード中の演出との関係で利用する。図122は、本実施形態における押し順報知用処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS2409にて、今回のゲームの抽選結果がBARリプレイ当選ではないと判定した場合、ステップS2412にて移行リプレイ当選であるか否かを判定する。移行リプレイ当選ではない場合には、ステップS2415にて押し順ベル用の処理に進む。移行リプレイ当選である場合には、ステップS2413にて、移行リプレイ報知フラグがセットされているか否かを判定する。かかる移行リプレイ報知フラグは、上記第1の実施形態にて説明した通り、ATモードの終盤にセットされるフラグであり、固定RT状態へ移行させることを可能とするフラグである。セットされていない場合には、ステップS2405に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知演出を発生させる。
ステップS2413にて移行リプレイ報知フラグがセットされていると判定した場合、本実施形態では、ステップS5201にて、実行中の演出を把握する処理を行う。ここでは、実行中の演出(特定演出)として、ATモード用の音楽(特定演出)を例として説明する。ATモード用の音楽は、所定期間に亘って継続する演出であり、当該所定期間を1セットとしてATモードにおいて繰り返し再生されるものである。また、ATモード用の音楽が複数種類設定されている場合には、その音楽によって所定期間の長さは異なり、上記ステップS5201は、実行中(再生中)の音楽の種類と対応する所定期間の長さを把握する処理ともいえる。
続くステップS5202では、ステップS5201にて把握した音楽の種類と所定期間の長さから、実行中の1セットが終了するまでの期間(区切りまでの期間)を把握する処理を実行する。例えば、60secを所定期間とする音楽を再生中であって、ステップS5202の処理タイミング(スタートレバー41の操作タイミング)が当該音楽の1セット開始から15sec経過した時点であれば、ステップS5202では、残り期間を60sec-15secで、45secとして把握する。
そして、ステップS5203にて、上記ステップS5202にて把握した期間中に実行され得るゲーム数を把握する処理を行う。この場合、例えば、1ゲーム消化するのに約5sec要するものとして計算を行い、上記例では(残り期間が45secであれば)、ステップS5203では、45sec÷5secで、9ゲーム要するものとして算出する。
続くステップS5204では、算出したゲーム数が、ATモードの残りゲーム数よりも多いか否かを判定する。算出したゲーム数がATモードの残りゲーム数以下であれば、ステップS2405へ進み、第1再遊技入賞用の押し順報知演出を発生させるための処理を行う。
算出したゲーム数の方が、ATモードの残りゲーム数よりも多い場合、ステップS5205へ進む。ステップS5205では、算出したゲーム数に対応するゲーム数の消化を可能とする固定RT状態へ移行させるための押し順報知演出を発生させてから、押し順報知用処理を終了する。なお、ステップS5205においては、例えば上記第3の実施形態のように、複数種類の固定RT状態への移行役を重複役として移行リプレイを構成し、いずれの移行役を入賞させるかを、対応する固定RT状態のゲーム数から決定する構成とするとよい。
本実施形態におけるATモード終了演出の設定について、補足説明する。図123は、本実施形態における全停止時演出設定処理の一部を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS2703にてATモード開始コマンドを受信していないと判定した場合、ステップS2705にてATモード終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ATモード終了コマンドを受信しており、今回のゲームでATモードが終了する場合、ステップS5301に進む。ステップS5301にて、固定RT状態中か否かを判定する。固定RT状態ではない場合には、ステップS5302にてATモード終了演出が行われるように設定する。ATモード終了演出では、今回のATモードで獲得したメダル数や継続ゲーム数の報知等が行われる。
ステップS5301にて固定RT状態である場合とは、上記のようにATモード中の音楽(特定演出)との関係で固定RT状態へ移行させた場合である。この場合、ステップS5303にて、各種フラグ格納エリア183aにエンディング延期フラグをセットする処理を実行する。エンディング延期フラグは、ATモードの終了ゲームよりも後のゲームにてATモード終了演出を実行するためのフラグである。なおこの場合、今回のゲームにてATモード終了演出は実行されないため、上記のATモード中に獲得したメダル数や継続ゲーム数の情報をRAM183の一時記憶エリア等に記憶しておくとよい。
なお、エンディング延期フラグがセットされている場合、ATモード中の演出も継続して実施される。より詳しくは、本実施形態における各ゲームの表示モード設定処理(ステップS2301)では、ATモードフラグがセットされていなくても、エンディング延期フラグがセットされている場合には、ATモード中の演出が行われるようにして、当該ゲームの演出を設定する。
ステップS5302又はステップS5303の処理を実行した後は、上記ステップS2717に進み、全停止時上乗せ報知用処理を行う。そして、ステップS2718にて固定RT状態報知処理を実行する。
ステップS2718の処理を実行した後は、ステップS5304に進む。ステップS5304では、今回のゲームが固定RT状態の終了ゲームであるか否かを判定する。終了ゲームである場合、ステップS5305に進み、上記のエンディング延期フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップS5306にて当該延期フラグをクリアするとともに、ステップS5307にて上記のように一時記憶しておいた内容にて、ATモード終了演出が行われるように設定する。ステップS5304又はステップS5405にて否定判定した場合と、ステップS5307の処理を実行した後は、ステップS2719へ進み、その他の停止時演出を設定してから、全停止時演出設定処理を終了する。
すなわち、ATモード中の特定演出の区切りに合わせて固定RT状態へ移行させた場合、ATモード終了演出は、当該固定RT状態が終了するまで延期され、固定RT状態が終了する際にATモード終了演出が発生する。
ATモード中の特定演出との関係で固定RT状態への移行が生じる様子を、図124のタイミングチャートを参照しながら説明する。
ATモード中の特定演出として、例えば図124(a)では、t40のタイミングからt42のタイミングを1セットの所定期間とする音楽が再生されているものとする。t41のタイミングで移行リプレイに当選すると、現状再生成している音楽の区切りであるt42のタイミングまでの期間が把握される。そして、そのt41からt42までの期間にて実行され得るゲーム数の算出が行われ、そのゲーム数とATモードの残りゲーム数との比較がなされる。この場合、ATモードの残りゲーム数の方が多く、t41のタイミングで当選した移行リプレイでは、第1再遊技入賞となる押し順報知演出が実行されることになる。
t44のタイミングで移行リプレイに当選した場合、上記t41の場合と同様に、再生中の音楽の区切りであるt46までの期間が把握され、その期間にて実行され得るゲーム数の算出と、ATモードの残りゲーム数との比較が行われる。t44のタイミングにおいては、t46のタイミングまでに実行され得るゲーム数の方が多く、この場合、当該実行され得るゲーム数に対応する固定RT状態への移行用の押し順報知演出が発生する。そうすると、t45のタイミングにてATモードは終了するものの、音楽はt46の区切りのタイミングまで再生される。t46のタイミングで固定RT状態が終了して通常RT状態へ移行する際には、ATモード終了演出が発生する。
同様に、図124(b)に示すように、t44のタイミングで移行リプレイに当選した場合に把握する特定演出が、t43のタイミングから開始されたものであって、区切りがt47のタイミングであれば、当該t44からt47までの期間の把握と、当該期間にて実行され得るゲーム数の算出と、ATモードの残りゲーム数との比較が行われる。そしてこの場合も、上記実行され得るゲーム数の方が多く、当該実行され得るゲーム数に対応する固定RT状態への移行用の押し順報知演出が発生する。そうすると、t45のタイミングにてATモードは終了するものの、音楽はt47の区切りのタイミングまで再生される。t47のタイミングで固定RT状態が終了して通常RT状態へ移行する際には、ATモード終了演出が発生する。
つまり、同じ残りゲーム数であるt44のタイミングで移行リプレイに当選した場合であっても、実行中の特定演出の状況によって、移行させる固定RT状態の種類(ゲーム数)が異なっており、その結果、ATモード終了演出の実行タイミングも異なることとなる。
以上のようにすることで、ATモード中の音楽における所定期間の区切りのよりタイミングまで高RT状態が継続することになる。よって、例えば、当該音楽の盛り上がるタイミング(サビ等)で当該音楽が終了してしまう事象を回避し、遊技者を存分に楽しませることができる。
この場合、固定RT状態への移行を生じさせても、ATモード自体は先に終了するため、延長分については押し順報知は発生しないので有利度を高めすぎることにはつながらないし、それを利用して遊技進行を調節する遊技者とそうではない遊技者との有利度の差もさほど生じない。かといって、高RT状態は継続するため、単に演出だけ延期させる構成と比較して、当該演出を最後まで楽しむ動機付けとすることが可能となる。
固定RT状態を利用して、ATモード中の音楽における区切りまで高RT状態を延長する場合、ATモード終了演出も延期する構成としたため、ATモード終了演出を見たい遊技者(獲得メダル数を把握したい遊技者等)にとっても、当該ATモード中の音楽における区切りまで遊技を続行する意義が生じるし、更に、ATモード自体が延長されたかのように思わせる効果も期待できる。
なお、上記構成においては、ATモード中の音楽との関係を説明するために、表示制御装置81側の処理によって固定RT状態への移行を許容する構成としたが、上記他の実施形態のように主制御装置101側の処理によって固定RT状態への移行を許容する構成としてもよく、この場合、主制御装置101側で、特定演出の実行状況を把握可能な構成とすることが好ましい。
<変形例>
本変形例では、エンディング演出が、ATモードの終盤において特定数のゲームに亘って行われる遊技機に対して上記実施形態を適用する場合の説明を行う。エンディング演出は、ATモードの終了を報知するとともに、ATモードが長く継続した場合等、当該ATモードが長く続いたことを祝福するような演出が設定されている場合がある。ここでは、有利区間の上限に到達する際に、当該有利区間の上限ゲームよりも複数ゲーム前からエンディング演出が行われる場合を例として説明する。
図125に示すように、t50のタイミングで、ATモードの終盤に実施されるエンディング演出が開始される。この場合のエンディング演出は、特定数のゲームとして、10ゲームに亘って実施されるものとする。すなわち、この場合のエンディング演出は、有利区間の上限である1500ゲームよりも10ゲーム前から開始されるものであり、t50のタイミングは有利区間のゲーム数が1490となった場合を示している。
エンディング演出における表示演出は、ゲームの進行にあわせて1ゲーム毎にフレーム等の区切りが明確に設定されており、より詳しくは、各ゲームの開始に際して(スタートレバー41の操作に基づいて)それまでのフレームから次のフレームに更新されるように設定されている。つまり、遊技進行速度にかかわらず、開始から10ゲームで終了する演出として設定されている。
エンディング演出が開始された後のt51のタイミングで移行リプレイに当選した場合、実行中のエンディング演出を特定演出として、当該特定演出の所定期間である10ゲームが把握される。そして、その10ゲームの残りゲーム数を把握し、残りゲーム数に合わせた固定RT状態への移行が生じるようにする。すなわち、t51のタイミングでは、エンディング演出の残りゲーム数が5ゲームであり、5ゲームを規定数とする固定RT状態への移行が生じる。
t52のタイミングで有利区間の上限ゲーム数である1500ゲームに達し、ATモードが終了する。この場合、エンディング演出も当該t52のタイミングのゲームにて終了する。そして、上記の通り、移行させた固定RT状態の残りゲーム数もt52のタイミングで0となり、高RT状態から低RT状態への移行も当該t52のタイミングで生じる。つまり、有利区間の強制終了ゲームにおいて、ATモードの終了と、エンディング演出の終了と、高RT状態の終了と、が合致する。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)移行用報知フラグを、ATモードの残りゲーム数が10となった場合にセットする構成としたが、それよりも多い残りゲーム数にてセットする構成としてもよいし、それよりも少ないゲーム数にてセットする構成としてもよい。移行用報知フラグがセットされることによって、固定RT状態への移行が許容される状態となるところ、固定RT状態の規定ゲーム数よりも少ない残りゲーム数にて、当該移行が許容される構成であることが好ましい。また、第1の実施形態において、移行用報知フラグがセットされることにより、50ゲームの固定RT状態及び200ゲームの固定RT状態のいずれも移行が許容される構成としたが、例えば、所定ゲーム数にて所定の移行用報知フラグがセットされると一方の(200ゲームの)固定RT状態への移行は許容されるものの、他方の(50ゲームの)固定RT状態への移行は許容されない、といったように、移行が許容されるゲームによって固定RT状態の種類が限定される(セットされる報知フラグによって移行が許容される状態が異なる)構成としてもよい。更に、第2の実施形態における変形例2のように固定RT状態ではなく無限RT状態への移行を許容することでRT状態の延長を図る構成においては、ATモードの残りゲーム数が当該移行させる無限RT状態の転落再遊技の当選確率における分母以下となる場合に移行用報知フラグがセットされる構成としてもよい。すなわち、例えば、移行させる無限RT状態の転落再遊技の当選確率を50分の1とすると、当該無限RT状態は押し順報知が発生しなくても平均50ゲーム継続することになるところ、上記のように、ATモードの残りゲーム数が、当該当選確率(50分の1)の分母である50以下である10となった場合に、当該無限RT状態への移行を許容する構成とすれば、移行前の無限RT状態のままATモードが終了するよりもRT状態を延長させることが可能である。
(2)第1の実施形態において、移行リプレイ1当選となると第11再遊技入賞が生じて50ゲームの固定RT状態へ移行し、移行リプレイ2当選となると第12再遊技入賞が生じて200ゲームの固定RT状態へ移行する構成としたうえで、移行リプレイ1と移行リプレイ2との当選確率を異ならせることで、有利度(移行する固定RT状態のゲーム数)とのバランスを担保したが、例えば、第11再遊技と第12再遊技とを同じ移行リプレイにて重複当選する構成とし、押し順報知等の発生率や選択率によって第11再遊技入賞と第12再遊技入賞との成立し易さを異ならせて、有利度(移行する固定RT状態のゲーム数)とのバランスを担保する構成としてもよい。
(3)移行リプレイ当選時に押し順報知が発生していないのにもかかわらず、固定RT状態への移行が生じる移行役(第11再遊技等)の入賞が成立した場合には、固定RT状態へ移行させない構成としてもよい。また、移行リプレイ当選時に押し順報知が発生していないのにもかかわらず、固定RT状態への移行が生じる移行役(第11再遊技等)の入賞が成立した場合には、ペナルティを付与する構成としてもよい。ペナルティとしては、例えば、所定ゲーム数に亘って、ATモードやCZモードの移行抽選や上乗せ抽選等の実施が制限されたり当選確率が低くなったり、当選時の恩恵(上乗せゲーム数や移行するモード)を少なくする構成等が挙げられる。
(4)固定RT状態中にボーナス当選した場合と、無限RT状態中にボーナス当選した場合とで、ボーナス当選が持ち越される持ち越し状態中の有利度を異ならせてもよく、例えばリプレイ確率を異ならせてもよく、固定RT状態中にボーナス当選した場合の方が無限RT状態中にボーナス当選した場合よりも有利度を高くする、リプレイ確率を高くする構成としてもよい。
(5)高RT状態中にボーナス当選した場合と、低RT状態中にボーナス当選した場合とで、ボーナス当選が持ち越される持ち越し状態中の有利度を異ならせてもよく、例えばリプレイ確率を異ならせてもよく、高RT状態中にボーナス当選した場合の方が低RT状態中にボーナス当選した場合よりも有利度を高くする、リプレイ確率を高くする構成としてもよい。
(6)固定RT状態中の種類に応じて、所定の固定RT状態中にボーナス当選した場合と、他の固定RT状態中にボーナス当選した場合とで、ボーナス当選が持ち越される持ち越し状態中の有利度を異ならせてもよく、例えばリプレイ確率を異ならせてもよく、所定の固定RT状態中にボーナス当選した場合の方が他の固定RT状態中にボーナス当選した場合よりも有利度を高くする、リプレイ確率を高くする構成としてもよい。
(7)移行リプレイ当選時に、固定RT状態への移行役としての第11再遊技等の他、RT状態の移行が生じない維持役としての第1再遊技や、第1RT状態への転落役としての第2再遊技を重複当選させる構成としたが、これら維持役や転落役のいずれをも含まない構成としてもよいし、いずれか一方を含まない構成としてもよい。
(8)移行リプレイの当選確率は上記各実施形態や変形例に記載したもの以外であってもよい。例えば、第1の実施形態において、移行用報知フラグがセットされてからATモードが終了するまでに1回は当選することが期待できる程度の当選確率としたが、移行用報知フラグがセットされてからATモードが終了するまでに当選しにくい又はほとんど当選しない当選確率としてもよい。より詳しくは、例えば、移行リプレイの当選確率を約100分の1とし、移行用報知フラグがセットされてからATモードが終了するまでの10ゲーム間で10回に1回程度、当選することが期待できる当選確率としてもよい。
(9)移行用報知フラグを、ATモードの残りゲーム数によって(残り10ゲームとなることで)セットする構成としたが、抽選等を介してセットする構成としてもよい。例えば、残り10ゲームとなった場合に、移行用報知フラグをセットするか否か、すなわち、固定RT状態への移行を許容する状態とするか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した場合に、移行用報知フラグをセットする構成としてもよい。
(10)移行用報知フラグを、ATモードの遊技状況に応じてセットする構成としてもよい。例えば、ATモードの実行数(継続数)が所定ゲーム(100ゲーム)未満なら、残り10ゲームとなった際に移行用報知フラグをセットする又はセットし易い一方、ATモードの実行数(継続数)が所定ゲーム以上なら、残り10ゲームとなった際に移行用報知フラグをセットしない又はセットしにくい構成としてもよい。また、ATモードにおける獲得メダル数や払出メダル数が多ければ、移行用報知フラグをセットしにくく又はセットせず、獲得メダル数や払出メダル数が少なければ、移行用報知フラグをセットする又はセットし易い構成としてもよい。
(11)ATモード中に固定RT状態へ移行した時点で、ATモードが終了する構成や、ATモードにおける押し順報知が発生しなくなる構成、押し順報知が発生しにくくなる構成としてもよい。
(12)後乗せフラグがセットされている場合には、表示用残数カウンタHGが所定値(10)となっても固定RT状態への移行が生じないようにしたが、後乗せフラグがセットされていても、表示用残数カウンタHGが10となることで、一律で又は抽選により一部、固定RT状態への移行が生じるように押し順報知等を行う構成としてもよい。
(13)移行する固定RT状態における消化可能となる高RT状態のゲーム数によって、固定RT状態開始時の演出を異ならせてもよい。また、固定RT状態中の演出内容を異ならせてもよい。
(14)固定RT状態の種類によって、トータルのリプレイ確率が異なる構成としてもよい。この場合、リプレイ確率が高い固定RT状態へ移行するほど、持ちメダルの減りが少なく済む、という観点からすると、リプレイ確率が高い固定RT状態へ移行させるほど、遊技者にとって有利な構成となる。例えば、有利区間の超過分に応じて固定RT状態へ移行させる構成に、本構成を適用するならば、有利区間の超過分が多いほど、高いリプレイ確率の固定RT状態へ移行させる構成としてもよい。
(15)ボーナス終了後に通常遊技状態を介さずに固定RT状態へ移行させる構成としてもよい。この場合、ボーナス終了後に移行する固定RT状態からは、他の固定RT状態への移行を許容する構成としてもよい。例えば、当該固定RT状態から固定RT状態への移行を、ATモード終了後の高RT状態を延長する構成に利用してもよく、より詳しくは、ATモード終了間近でボーナス当選したりボーナス終了した場合には、先の固定RT状態において、後の固定RT状態への移行を押し順報知等を利用して許容する一方、ATモードの序盤や中盤においてボーナス当選したりボーナス終了した場合には、先の固定RT状態から後の固定RT状態への移行を押し順報知等を利用して制限する構成としてもよい。
(16)ATモード終盤において、固定RT状態への移行を許容する構成としたが、序盤から固定RT状態への移行が許容される構成としてもよい。例えば、固定RT状態の一種として、有利区間の上限である1500ゲームや、上限に近い1800ゲームや1200ゲーム等を規定ゲーム数とする固定RT状態を設け、当該固定RT状態への移行を可能とする移行役に当選した場合には、ATモードの残りゲーム数にかかわらず、移行が生じるように押し順報知等を行う構成としてもよい。
(17)押し順報知を利用して、移行リプレイ当選時の固定RT状態への移行を許容したり移行を制限したりする構成としたが、移行リプレイ当選時には必ず固定RT状態への移行が生じる構成としてもよい。
(18)移行リプレイ当選時のストップスイッチ42~44の操作順序によって、固定RT状態への移行が生じたり、移行が生じなかったりする構成としたが、移行リプレイ当選時の停止操作態様よって、固定RT状態への移行が生じたり、移行が生じなかったりすればよく、例えば、所定のリールを所定タイミングにて停止操作した場合には、所定の停止出目となって固定RT状態への移行が生じ、当該所定のリールを所定タイミングとは異なるタイミングにて停止操作した場合には、当該所定の停止出目とは異なる停止出目となって固定RT状態への移行が生じない構成としてもよい。
(19)固定RT状態をATモードではなく通常モードにて遊技を行うと、メダル増加を期待できない構成としたが、メダル増加が期待できる構成としてもよく、この場合であっても、固定RT状態をATモードにて遊技を行った場合に期待できるメダル増加数よりも通常モードにて遊技を行った場合に期待できるメダル増加数のほうが少なければよい。また、固定RT状態を通常モードにて遊技を行うと、メダル減少が生じにくい構成としたが、メダル減少が生じ得る構成としてもよく、この場合であっても、固定RT状態を通常モードにて遊技を行った場合のメダル減少数のほうが、低RT状態を通常モードにて遊技うを行った場合のメダル減少数よりも少なければよい。
(20)有利区間の上限の超過分を、通常モード且つ高RT状態にて担保する構成において、固定RT状態の規定ゲーム数や無限RT状態の転落率を利用して、当該超過分を担保する例を示したが、これら固定RT状態と無限RT状態とが混在する構成(いずれにも移行可能となる構成)としてもよい。また、遊技者が固定RT状態と無限RT状態とを選択可能な構成としてもよく、この場合、同等の担保となる固定RT状態と無限RT状態とを選択させる構成が好ましく、例えば、50ゲームを規定数とする固定RT状態と、50分の1の転落率となる無限RT状態とを選択させる構成とするとよい。また、これらの構成は有利区間の上限の超過分への担保とする構成に適用するだけでなく、高RT状態を意図的に延長させる構成(例えば第1の実施形態)に適用してもよい。
(21)固定RT状態中にATモードへの移行抽選に当選した場合、当該固定RT状態が終了した際の低RT状態においては、ATモードの残りゲーム数のカウントを停止する構成としてもよい。この場合、ATモード中に固定RT状態へ移行させて、当該固定RT状態が終了した際の低RT状態においては、残りゲーム数のカウントを継続する構成とすると、固定RT状態を利用したATモードが連荘することの優位性と、ATモード中に操作ミス等によって固定RT状態へ移行させてしまった場合のペナルティとを、担保することができる。
(22)有利区間の超過分が生じている場合には、固定RT状態への移行を許容する構成において、移行が許容される固定RT状態の種類(ゲーム数)の選択率に、設定値による差が存在する構成としてもよい。このようにすることで、固定RT状態の種類から、設定値を予測する余地が生じ、その予測を超過分の担保とすることも可能である。
(23)固定RT状態を利用して、ATモードの終了ゲームと高RT状態の終了ゲームとを合致させる構成においても、ATモード終盤に固定RT状態への移行が生じ易い高確率状態に移行させる構成としてもよい。すなわち、例えば、第2RT状態を移行リプレイ当選となりにくい低確率状態、第3RT状態を移行リプレイ当選となり易い高確率状態とし、ATモード終盤に差し掛かった場合に(例えば残り20ゲームとなった場合に)第2RT状態から第3RT状態への移行を許容する(第2昇格リプレイ当選時に第4,第5再遊技入賞に対応する押し順報知を発生させる)構成としてもよい。特に、ATモードの終了ゲームと高RT状態の終了ゲームとを合致させるための固定RT状態の規定ゲーム数は短くなり易いところ、上記のようにすることで、意図せず固定RT状態へ移行させてしまう事象による不利益の発生を抑制することができる。
(24)固定RT状態を利用して、ATモードの終了ゲームと高RT状態の終了ゲームとを合致させる構成において、固定RT状態の規定ゲーム数が短いほど、移行することによって後乗せ報知の存在を否定してしまうといった点から好ましい。但し、規定ゲームが短いほど、移行リプレイに当選しなかった場合に、固定RT状態への移行を生じさせることができない事象が発生し易く、この場合、移行リプレイの当選確率をより高くするとよい。
(25)固定RT状態を利用して、ATモードの終了ゲームと高RT状態の終了ゲームとを合致させる構成において、ATモードの残りゲーム数と同じ規定数としての固定RT状態の移行役が存在しない場合には、残りゲーム数に近い規定数の固定RT状態へ移行させる構成としてもよい。
(26)固定RT状態においては、ATモードの上乗せ当選確率が無限RT状態よりも高くなる構成としたが、当選時の上乗せゲーム数が固定RT状態のほうが多くなり易い、といったように、上乗せ性能が向上する構成であってもよい。この場合、ATモードの上乗せ当選確率は同じや同等であってもよい。
(27)固定RT状態においてATモードの上乗せ当選確率を高めることで、固定RT状態へ移行することによって後乗せ報知の存在が否定されることとのバランスを担保したが、固定RT状態が遊技者にとって好ましい状態であればよく、例えば、固定RT状態へ移行することでそれまでよりもレア画像が見やすくなる状態に設定されたり、固定RT状態へ移行することで設定値の判別や予測がそれまでよりも行い易くなる構成としてもよい。
(28)ATモード中の特定演出の実行状況に応じて、固定RT状態を設定する構成において、ATモード中に再生される音楽や表示演出を例として説明したが、特定演出は音楽や表示演出に限定されず、役物動作やスピーカによる振動演出等であってもよい。また、特定演出の実行期間としての所定期間は、特定演出の種類によって異なるものであってもよいし、一の特定演出に対して複数の長さの所定期間が定められているものであってもよい。
(29)特定演出の所定期間は、特定演出の初めから終わりまでの期間に限定されず、特定演出が区切りを挟んで複数の所定期間によって構成されるものであってもよい。より詳しくは、特定演出の開始から、第1所定期間、第2所定期間、第3所定期間、、、といったように、特定演出が複数の所定期間によって構成されるものとし、当該第1所定期間と第2所定期間との区切りや、第2所定期間と第3所定期間との区切りが、演出上、音量の差が所定値以上あったり、表示演出におけるフレームの更新タイミングであったりする等、処理として明確に区切られている構成であると好ましく、より好ましくは、遊技者が識別可能な程度な区切りであると好ましい。
(30)固定RT状態への移行が生じ易い高確率状態(移行リプレイ当選確率が高い状態、例えば、第1の実施形態の変形例における第3RT状態)と、固定RT状態への移行が生じにくい低確率状態(移行リプレイ当選確率が低い状態、例えば、第1の実施形態の変形例における第2RT状態)とを設ける構成において、上記高確率状態を、固定RT状態への移行は生じ易いものの、低確率状態や低RT状態への移行が生じ易い構成としてもよい。より詳しくは、上記高確率状態を第3RT状態とするならば、第3RT状態用抽選テーブルにおいて、BARリプレイ当選確率を高めることで第2RT状態への移行確率が高まり、転落リプレイ当選確率を高めることで低RT状態への移行確率が高められる。前者のように低確率状態への移行確率を高めることで、ATモード中における高確率状態の優位性が高めれるし、後者のように低RT状態への移行確率を高めることで、高確率状態にてATモードが終了した場合と、低確率状態にてATモードが終了した場合とで、固定RT状態への移行し易さだけでなく、無限RT状態の終了し易さ(移行期間の継続率)を異ならせることが可能となる。
(31)特定演出の所定期間から、残り期間を把握し、残り期間において実行され得るゲーム数を算出する構成において、1ゲーム実行するのに要する期間の長さを一定の期間(5sec)として算出する構成としたが、当該1ゲーム実行するのに要する期間の長さは上記のものに限定されない。例えば、それまでに実行されたゲームから1ゲーム実行するのに要した期間の平均値を算出して、上記残り期間にて実行され得るゲーム数の算出に用いる構成としてもよい。このようにすることで、遊技進行が速い遊技者と、遊技進行が遅い遊技者とのいずれにおいても、特定演出の区切りの良いタイミングで高RT状態を終了させることが可能となる。また、実行されている特定演出の種類や、特定演出のそれまでの実行数や、それまでに実行されたATモードのゲーム数によって、1ゲーム実行するのに要する期間を設定してもよい。特定演出の種類が珍しかったり、特定演出のそれまでの実行数が少なかったり、ATモードの実行ゲーム数が少ない場合には、ATモード終盤においても実行されている当該特定演出をかみしめながら(より楽しみながら、堪能しながら)遊技を行うものと考えられ、そうすると、1ゲーム実行するのに要する期間の長さは長くなり得るものと考えられる。
(32)高RT状態における無限RT状態において、転落再遊技として第2再遊技入賞が成立することで低RT状態としての第1RT状態へ移行する構成とし、ATモード中においては第2再遊技入賞が成立しない押し順報知を行って、当該第1RT状態への移行を回避させる構成としたが、ATモードの残りゲーム数がある状況等、第1RT状態への転落条件が成立していない状況では、第2再遊技入賞が成立しても第1RT状態へ移行させない構成としてもよい。また、高RT状態における固定RT状態において、転落再遊技として第2再遊技当選とならないようにしたが、第2再遊技当選となり得るものの、第2再遊技入賞が成立しても当該固定RT状態が終了しない構成としてもよい。
また、上記各実施形態やその変形例、及びその他の実施形態において、固定RT状態にて説明している発明を無限RT状態にて置き換えて適用してもよく、無限RT状態にて説明している発明を固定RT状態にて置き換えて適用してもよい。この場合、固定RT状態の規定ゲーム数と、無限RT状態の転落再遊技の当選確率の分母とが同じ又は同程度である場合、同等のゲーム数が実行され得るRT状態となる。また、固定RT状態と無限RT状態とが混在するようにしてもよい。
(33)有利区間を以下のように定義してもよい。最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が少なくとも1回は発生する区間。より詳しくは、停止順序によって9枚、3枚又は0枚のメダル払出が行われ得る押し順ベルにおいて、9枚のメダル払出が発生することとなる押し順報知を少なくとも1回は発生することとなる区間。また、有利区間への移行が生じてもCZモードのみで終了する場合には、最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が発生しない場合も含まれる構成としてもよい。すなわち、ATモードへの移行が生じることで最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が少なくとも1回は発生するようにし、CZモード中においては、最大払出枚数に係る入賞に対応する押し順報知が発生しないまま終了し得る構成としてもよい。
(34)設定値によってATモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に差が生じないように、特に設定差の無い抽選結果に基づいてこれら抽選を行う構成としたが、設定差のある抽選結果に基づいて抽選を行うものの、当選時の恩恵(特典、移行抽選等の当選確率や上乗せゲーム数)を調節することで設定差が生じないようにしてもよい。例えば、設定1では100分の1の確率で当選し、設定6では10分の1の確率で当選する特定役を設け、当該特定役当選時のATモードの上乗せ抽選の当選確率を、設定1では2分の1とし、設定6では、20分の1とする。このようにすることで、トータルの上乗せ当選確率は、いずれの設定値であっても200分の1となり、設定差がなくなる。
(35)設定値によってATモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に差が生じないように、特に設定差の無い抽選結果に基づいてこれら抽選を行う構成としたが、設定差のある抽選結果に基づいてこれら抽選を行う構成としてもよい。この場合、設定値によって、ATモード等への移行抽選や上乗せ抽選の確率や有利度に差が生じることとなり、遊技媒体の増加率や増加態様に変化を生じさせる設定値によって、ATモード等の性能も差を生じさせることが可能となる。
(36)ベット数が3である状況でのゲームについて主に説明したが、ベット数が1である1ベットゲームやベット数が2である2ベットゲームに上記発明を適用してもよい。例えば、固定RT状態か無限RT状態かによって、1ベットゲームや2ベットゲームにて消化可能(遊技可能)であって、他のベット数では消化できない(遊技できない)構成としてもよい。
(37)有利区間の強制終了ゲームは上記の数(1500)に限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。
(38)有利区間の強制終了条件は、上限ゲーム数(1500)の消化だけでなく、それに加えて又はそれに代えて上限払出メダル数(3000枚)を設けてもよい。
(39)有利区間の強制終了条件は、上限ゲーム数(1500)の消化だけでなく、それに加えて又はそれに代えて、上限純増メダル数(例えば2400枚)を設けてもよい。なお、純増メダル数とは、払出枚数からベット数を差し引いたメダル数であり、その純増メダル数が有利区間の上限に達した場合に、当該有利区間を強制終了する構成としてもよい。この場合、有利区間中の各ゲームにおいて、消化ゲーム数が上限ゲーム数に達したか、純増メダル数が上限純増メダル数に達したかを判定し、いずれの上限に達している場合に有利区間を強制終了する構成とするとよい。
(40)上乗せ抽選テーブルや上乗せゲーム数抽選テーブルは上記のものに限定されず、その当選確率や当選時の上乗せゲーム数の範囲や平均等も任意である。例えば、上乗せゲーム数として、有利区間の上限数を超えるゲーム数(2000ゲーム等)が選択され得るものであってもよい。
(41)疑似ボーナスとしてのVBモードをATモード中にのみ移行可能な構成としたが、通常モード中からでも移行可能な構成としてもよい。この場合、VBモードへの移行抽選に当選した場合には、当該当選ゲームを開始ゲームとし、開始ゲームの次のゲームの操作を許容するよりも前のタイミングで区間表示器の表示を開始する構成とすればよい。また、この場合、第1BBや第2BBにVBモードと同時当選した場合には、第1BBや第2BBへの入賞が成立するゲームを開始ゲームとするとよい。
(42)有利区間への移行抽選や上乗せ抽選等を行う契機となる特定役として、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカ、等のメダル払出を伴う小役や、これら強チェリー等と入賞態様が共通する特定再遊技、及びこれら小役や特定再遊技とボーナスとの重複役を例として説明したが、上記抽選契機となる結果はこれらの結果に限定されない。例えば、所定のボーナスの単独役や、通常リプレイでも有利区間への移行抽選等を行う構成としてもよい。また、消化ゲーム数や、各結果に基づいて別途付与されるポイントの累積数等に基づいて移行抽選等を行う構成としてもよい。いずれにしても、有利区間への移行抽選等の契機が、設定値による当選確率や発生頻度に差が生じないものであればよい。
(43)有利区間に関し、設定値に関わらず移行抽選の当選確率や当選時の特典(移行モードや上乗せゲーム数等)等が共通する構成としたが、設定値によって当選確率等が異なる構成としてもよい。この場合、移行抽選等の抽選契機となる結果の種類によって、設定値による確率や当選時の特典の差が生じるものと、設定値による確率や当選時の特典の差が生じないものとが存在する構成としてもよい。
(44)有利区間中の継続ゲーム数を有利区間ゲーム数AG等により管理する構成としたが、例えば、所定ゲーム数消化するまで(例えば50ゲーム)や所定の終了条件が成立するまで(例えば、リプレイが3連続当選するまで)を1セットして、そのセット数により管理する構成としてもよい。具体的には、ATモードを、所定ゲーム数(50ゲーム)を1セットとし、ATモード開始時やATモード移行抽選時にセット数を抽選により決定する。そして、その決定されたセット数が消化されることでATモードを終了するようにする。この場合、ATモード中等において特定役当選等、特定条件が成立した場合に、ATモードの上乗せ抽選として、セット数の上乗せ抽選を行う構成とし、かかる抽選に当選した場合に、その当選内容に応じたセット数の上乗せを行う構成とするとよい。
(45)押し順ベルや押し順リプレイ当選時において、各リール32L,32M,32Rの停止順序によって入賞する役が異なり、付与される特典が異なる構成としたうえで、その停止順序の報知を行うか否かによって遊技者にとっての有利度を異ならせる構成としたが、停止操作に関する報知を行うことで遊技者にとっての有利度が異なることとなる役を用いたものであればよい。
例えば、所定のリールとして左リール32Lにおいて、第1図柄(例えば「黒BAR」図柄)と第2図柄(例えば「赤7」図柄)とを同時に狙えない個所に(5図柄以上離れた位置にそれぞれ)配置する。そして、左リール32Lの第1図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第1結果入賞が成立し、左リール32Lの第2図柄と、中リール32Mの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、右リール32Rの所定絵柄(例えば「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄)と、が有効ラインに停止した場合に第2結果入賞が成立するように、第1結果と第2結果との入賞態様を設定する。この場合、第1結果当選時に第1図柄を狙って停止操作すれば、当該第1結果入賞が成立し得るものの、第1図柄ではなく第2図柄を狙って停止操作すると、第1結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。同様に、第2結果当選時に第2図柄を狙って停止操作すれば、当該第2結果入賞は成立し得るものの、第2図柄ではなく第1図柄を狙って停止操作すると、第2結果入賞は成立せず、対応する特典は付与されない。そのうえで、第1結果と第2結果とのいずれかが当選することとなる特定役を設け、当該特定役当選時に、第1結果及び第2結果のいずれに当選しているか(第1図柄及び第2図柄のいずれを狙って左リール32Lを停止操作すればよいか)を報知可能とする。このような構成においても、当該報知によって当選している結果(第1結果及び第2結果のいずれか)を入賞させることが可能となり、当該報知の有無によって遊技者にとっての有利度が変化する。そして、かかる報知が行われやすくなるモードや、当該報知が行われやすくなるモードへの移行確率が高くなるモードや、これらのモードへの移行抽選に当選したものの移行前であるモードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよく、また、上記各モードと押し順役に基づく各モードを含めて、上記各モードの少なくともいずれかのモードを含む状況を有利区間としてもよい。
すなわち、同じ当選役であっても停止出目を異ならせるための停止操作は停止順序に限定されず、停止操作タイミングを含む停止操作態様であればよく、かかる停止操作態様を行わせるための報知は、押し順報知に限定されず操作態様に関する態様報知であればよい。
さらに、所定のインデックス値IVにて当選となった場合に複数の当選役を設定したうえで、停止順序や停止操作タイミング等の停止操作態様によって入賞成立となる役を異ならせたが、以下のようにしてもよい。すなわち、特定のインデックス値IVにて当選となった場合に特定役に当選したものとし、特定役に対応する停止操作態様をその後抽選により決定したうえで、遊技者の停止操作態様が当該停止操作態様の抽選結果に合致したものであれば特定役入賞を成立させ、遊技者の停止操作態様が当該停止操作態様の抽選結果に合致したものではなければ特定役入賞を成立させない、又は特定役とは異なる役入賞を成立させる、といったように、遊技結果の抽選と停止操作態様の抽選とが別々の抽選(2段階抽選)となるようにしてもよい。
(46)CZモードや前兆モードにおいても押し順報知が行われる構成としてもよい。より具体的には、ATモード、CZモード、前兆モード等を含めて、有利区間としても特定遊技状態へ移行した場合、押し順報知が少なくとも所定回数(1回)は発生するまで当該有利区間が終了しない構成としてもよい。
(47)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(48)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(49)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間を高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が通常遊技状態(通常遊技状態及び第1RT状態、通常RT状態、低RT状態)よりも高くなる再遊技状態(高RT状態)として、
予め定められた所定の終了条件(転落再遊技当選、第2再遊技当選)が成立した場合、前記通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態(第2RT状態、第3RT状態、無限RT状態)と、
予め定められた特定数のゲームが実行されることで前記通常遊技状態へ移行する、又は前記所定の終了条件が前記第1再遊技状態よりも成立しにくいように設定された第2再遊技状態(第4RT状態等、固定RT状態)と、
が設定されており、
前記第1再遊技状態において、前記所定の終了条件を成立させないようにする(第2再遊技入賞を回避する)ことを可能とする前記停止操作手段の操作態様を含む複数の停止態様についての態様報知を、所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)と、
を備え、
前記態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が相対的に高低となるように低報知状態(例えば通常モード)と高報知状態(例えばATモード)とが設定されており、
前記高報知状態における前記第1再遊技状態の残りゲーム数を把握可能な把握手段(主制御装置101による固定RT用処理においてステップS3202等のATモード継続数を把握する処理を実行する機能)と、
前記把握手段により把握される残りゲーム数が、前記特定数以下となる、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率における分母以下となる特定状況において、前記第2再遊技状態への移行を許容する許容手段(主制御装置101による移行用報知フラグをセットする処理及び移行リプレイ当選時に第11再遊技入賞等の押し順報知を行うための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定の終了条件が成立することで通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態と、特定数のゲームが実行されることで通常遊技状態へ移行する、又は所定の終了条件が第1再遊技状態よりも成立しにくいように設定された第2再遊技状態と、が設定されており、第1再遊技状態において所定の終了条件を成立させないようにすることを可能とする操作態様を含む態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるため、当該態様報知の有無により第1再遊技状態の継続が管理される。そのうえで、第1再遊技状態の残りゲーム数が第2再遊技状態の継続数である特定数以下となったり、当該第1再遊技状態の残りゲーム数が、第2再遊技状態における所定の終了条件の成立確率における分母以下の値となる特定状況となると、第1再遊技状態から第2再遊技状態への移行が許容される。そのため、再遊技結果となる確率が高くなる第1再遊技状態を第2再遊技状態の分だけ、実質的に延長することが可能となる。よって、第1再遊技状態や第2再遊技状態を利用した新たな遊技性を創出することが可能となる。
なお、「前記把握手段により把握される残りゲーム数が前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率における分母以下となる特定状況」とは、より詳しくは、「1を前記把握手段により把握される残りゲーム数にて除算した値が、前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率以上となる特定状況」と表現することができる。このような表現の修正は、他の特徴群や他の特徴においても適用可能である。
特徴A2.前記第1再遊技状態において、前記把握手段により把握される残りゲーム数が前記特定数未満である、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率における分母よりも大きい通常状況では、前記許容手段により前記第2再遊技状態への移行が許容されることを制限する手段(主制御装置101による移行リプレイ当選時に第1再遊技入賞用の押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、残りゲーム数が特定数以下となる前や、第2再遊技状態における所定の終了条件の成立確率における分母より大きい状況で第2再遊技状態へ移行してしまわないようなる。このようにすることで、第1再遊技状態にて実行可能なゲームを消化することなく再遊技状態が終了してしまう、といった事象により遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
特徴A3.前記特定状況において、予め定められた特定条件が成立するか否かを判定する条件判定手段(主制御装置101によるゲームの抽選結果が移行リプレイ当選か否かの判定を行う機能)を備え、
前記許容手段は、前記条件判定手段により前記特定条件が成立したと判定した場合に、前記第2再遊技状態への移行を許容することを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、一律で再遊技状態が延長されるのではなく、特定条件が成立すれば再遊技状態が延長され得るし、特定条件が成立しなければ延長されないようになる。そのため、特定状況となった後、特定条件が成立することに期待させる、といった遊技性が実現され、特定状況におけるドキドキ感を高めることができる。
特徴A4.前記特定条件の成立確率は、1を前記特定数にて除算した数以上となる確率、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率以上であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴A3の構成において、残りゲーム数が特定数以下となったり、残りゲーム数が第2再遊技状態における所定の終了条件の成立確率における分母以下の値となる特定状況となってから、概ね特定条件が成立するものとして当該特定状況における遊技を楽しませることができる。このようにすることで、第1再遊技状態の継続ゲーム数を、実質的には態様報知が行われ得るゲーム数よりも多いゲーム数とすることが可能となり、第1再遊技状態へ移行することへの期待感を大いに高めることができる。
なお、上記構成は、「前記特定条件の成立確率における分母が前記特定数以下である、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の成立確率における分母以下である」と表現することも可能である。
特徴A5.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第11再遊技、第12再遊技)であり、当該移行結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第11再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する出目)が前記有効位置に停止することで、前記第2再遊技状態に移行する構成であり、
前記特定条件とは、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果当選となることであることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づいて実施される抽選にて、特定条件の成否が決定される。そのため、特定条件の成否に遊技者の操作が介入することとなるため、遊技機側でのみ進行する処理とは異なり、遊技者が自らの操作によって特定条件を勝ち取った、という印象を抱き易い。よって、特定状況における始動操作手段の操作に力が入り、当該状況における遊技性が大いに高められる。
特徴A6.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果(第2再遊技)であることで前記所定の終了条件が成立し、当該終了結果に対応する終了用の絵柄組合せ(第2再遊技入賞に対応する出目)が前記有効位置に停止することで、前記1再遊技状態又は前記第2再遊技状態が前記通常遊技状態へ移行可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記終了結果及び前記移行結果の重複結果である場合、前記停止操作手段が終了用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記終了用の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記終了用の操作態様とは異なる移行用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果当選となると、そのゲームでの停止操作手段の操作態様によって、第1再遊技状態が終了するか第2再遊技状態へ移行するかのいずれかが生じ得るようになる。このように、遊技者にとって嬉しい事象と嬉しくない事象との両極端となる結果が重複することで、重複結果当選となることへの期待感を煽りながら、重複結果当選となった場合の操作態様への注目度を好適に高めることができる。
特徴A7.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた継続結果(第1再遊技)であり、当該継続結果に対応する継続用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで、前記第1再遊技状態は継続する構成であり、
前記移行結果は、前記継続結果と重複して当選し得る結果であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記継続結果及び前記移行結果の重複結果である場合、前記停止操作手段が継続用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記継続用の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記継続用の操作態様とは異なる移行用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止可能となることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、重複結果当選となると、そのゲームでの停止操作手段の操作態様によって、第1再遊技状態が継続するか第2再遊技状態へ移行するかのいずれかが生じ得るようになる。このように、遊技者にとって嬉しい事象と嬉しくない事象との両極端となる結果が重複することで、重複結果当選となることへの期待感を煽りながら、重複結果当選となった場合の操作態様への注目度を好適に高めることができる。
特に、本構成を特徴A6に適用すると、終了結果と継続結果と移行結果とが重複する構成となり、その重複結果当選時の操作態様によって、第1再遊技状態が終了するか、継続するか、それとも第2再遊技状態へ移行するかのいずれかとなることから、重複結果当選となった場合の注目度がより好適に高められる。
特徴A8.前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記停止操作手段が移行用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記態様報知手段は、前記特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記移行用の操作態様に関する態様報知としての特定態様報知を、前記所定の報知手段にて実行可能であることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、態様報知手段による態様報知に従うことで、特定状況にて第2再遊技状態へ移行させ、再遊技状態の延長を図ることが可能となる。このようにすることで、態様報知への注目度向上が期待できるだけでなく、報知の有無といった比較的簡素な構成によって再遊技状態の延長の有無を異ならせることが可能となる。
特徴A9.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた継続結果(第1再遊技)であり、当該継続結果に対応する継続用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで、前記第1再遊技状態は継続する構成であり、
前記移行結果は、前記継続結果と重複して当選し得る結果であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記継続結果及び前記移行結果の重複結果である場合、前記停止操作手段が継続用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記継続用の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記継続用の操作態様とは異なる移行用の操作態様にて操作されることで、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止可能となるものであり、
前記態様報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記継続結果及び前記移行結果の重複結果である場合、前記継続用の操作態様に関する態様報知と前記移行用の操作態様に関する態様報知とを含む特定態様報知を、前記所定の報知手段にて実行可能な特別手段(表示制御装置81において、図87(a)の演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続結果と移行結果との重複結果である場合、継続用の操作態様に関する態様報知と、移行用の操作態様に関する態様報知とを含む特定態様報知が所定の報知手段にて実行される場合があるため、第1再遊技状態を継続させるか、それとも第2再遊技状態へ移行させるかを遊技者の選択に委ねることができる。このようにすることで、重複結果当選のタイミング(態様報知が行われ得る残りゲーム数)や、第2再遊技状態のゲーム数との兼ね合いで、継続と移行との判断を遊技者が行う、といった新たな遊技性を創出することが可能となる。
特徴A10.前記特別手段による報知が行われた後、前記態様報知が実行可能な状態にて、少なくとも前記移行結果を含む結果に当選した場合、前記特定態様報知が実行され得ることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が重複結果に基づく報知に基づいて、継続結果入賞を選択した場合であっても、その後に移行結果当選となれば、第2再遊技状態へ移行させることが可能となる。ただし、残りゲーム数によっては、移行結果当選となりにくい状況もあり、このような構成を前提として、特徴A9のようにいずれかを選択させることで、どのタイミングで第2再遊技状態へ移行させるかを遊技者が判断する遊技性がより面白みのあるものとなる。
特徴A11.前記態様報知手段は、前記態様報知を前記第2再遊技状態においても実行可能であり、前記第1再遊技状態から前記第2再遊技状態へ移行した場合、前記把握手段により把握される残りゲーム数が引き継がれることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2再遊技状態へ移行させることで態様報知が行われなくなってしまうわけではないし、かといって、第2再遊技状態へ移行させることで再遊技状態が延長される分だけ態様報知を実行可能なゲーム数も伸びるわけでもなく、より純粋に再遊技状態を延長させることのメリットだけを享受させることができる。
特徴A12.前記第2再遊技状態において、前記態様報知手段による前記態様報知が実行されない状況では、遊技媒体の増加が期待できないことを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2再遊技状態を利用して再遊技状態を延長する構成において、有利度を高めすぎないようにすることができるし、このようにすることで、第1再遊技状態を延長するのではなく第2再遊技状態へ移行させることの意義が担保される。
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果(第2再遊技)であることで前記所定の終了条件が成立し、当該終了結果に対応する終了用の絵柄組合せ(第2再遊技入賞に対応する出目)が前記有効位置に停止することで、前記1再遊技状態又は前記第2再遊技状態が前記通常遊技状態へ移行可能となる構成であり、
特徴A13.前記態様報知手段により前記態様報知が実行可能となる残りのゲーム数に対応する残数報知を実行可能な残数報知実行手段(表示制御装置81による表示用残数カウンタHGに基づく報知を実行する機能)と、
前記態様報知手段により前記態様報知が実行可能となる状態の上乗せ処理を実行する上乗せ処理実行手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記上乗せ処理実行手段により前記上乗せ処理が行われたことに基づいて、当該上乗せの処理についての上乗せ報知を行う上乗せ報知手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出用の処理を実行する機能)と、
前記上乗せ報知手段による前記上乗せ報知が行われることに基づいて、前記残数報知実行手段による前記残数報知を更新する更新手段(表示制御装置81による上乗せ報知演出用の処理を実行する機能)と、
前記残数報知実行手段による前記残数報知が前記特定状況に対応する報知内容である場合において、前記上乗せ処理実行手段による前記上乗せ処理が実行され且つ前記上乗せ報知手段による前記上乗せ報知が未実行である第2特定状況であれば、前記許容手段により前記第2再遊技状態への移行が許容されることを制限する特定手段(主制御装置101によるステップS3602~ステップS3603の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上乗せ処理が実行されたものの上乗せ報知が未実行である所謂後乗せ報知がなされる状況であれば、残数報知が特定状況に対応するものであったとしても、第2再遊技状態への移行が許容されない。このようにすれば、実際の第1再遊技状態の残りゲーム数が残数報知の内容よりも多いのにもかかわらず、第2再遊技状態への移行が生じてしまう、といった事象が生じないようにすることができる。仮にこのような状況で第2再遊技状態への移行が生じると、特定数のゲーム数を消化することで通常遊技状態へ移行してしまい、遊技者が不利益を被り得るからである。
特徴A14.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果(第11再遊技、第12再遊技)である場合、前記第2再遊技状態へ移行し得る構成であり、
前記特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、予め定められた特別報知を実行可能な手段(主制御装置101による移行リプレイ当選時の押し順報知を発生させるための処理を実行する機能)と、
前記第2特定状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記特別報知又は当該特別報知と遊技者が識別不可又は識別困難な報知を実行可能な手段(主制御装置101による移行リプレイ当選時の押し順報知を発生させるための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果当選に基づいて第2再遊技状態への移行が生じ得る構成において、特定状況にて移行結果当選となった場合に特別報知が発生することにあわせて、第2特定状況においても移行結果当選となった場合に特別報知やそれに似た報知が発生するようにしたため、特別報知等が発生しないことを通じて第2特定状況であること、すなわち、上乗せ処理の未実行分(後乗せ報知)が存在することが悟られてしまう事象を回避することができる。よって、せっかく用意している後乗せ報知の演出効果を抹殺しない範囲で、第2再遊技状態へ移行させることによる効果を享受させることができる。
特徴A15.前記把握手段により把握される前記残りゲーム数に基づいて、当該残りゲーム数を前記特定数とする前記第2再遊技状態へ移行させることが可能な手段(主制御装置101によるステップS5004~ステップS5020の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1再遊技状態において態様報知が行われる残りゲーム数に合わせて、第2再遊技状態を設定することで、当該残りゲーム数で再遊技状態を終了させることができる。つまり、第1再遊技状態のままであると、態様報知が行われる残りゲーム数が0となった後も、終了用の絵柄組み合わせが停止するまでは再遊技状態が継続し得るところ、出玉率を高めすぎないようにしたり、遊技の公平性を担保したりするために、態様報知の残りゲーム数に合わせて再遊技状態を終了すべきとのニーズもある。そこで、上記構成を用いることで、当該ニーズにも応えることができ、多様なニーズに応じた遊技機を提供することが可能となる。
特徴A16.前記残りゲーム数を前記特定数とする前記第2再遊技状態へ移行させることが可能な手段により、前記第2再遊技状態への移行が生じた場合、当該移行が生じる前よりも移行が生じた後のほうが、遊技者にとって有利とすることが可能な手段(第3の実施形態における上乗せ抽選テーブル)を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
態様報知が行われる状態の上乗せが生じるような遊技性においては、当該上乗せを最終段階まで報知しない、所謂後乗せ報知が行われる場合がある。このような後乗せ報知を設けることで、最終段階まで遊技を楽しませる効果が期待できる。このような構成において、上記のように、残りゲーム数通りとなる再遊技状態へ移行すると、後乗せ報知が存在しないことが悟られてしまう可能性もある。そこで、上記構成では、後乗せ報知とは別途、それまでの状態よりも有利なものとなるようにすることで、後乗せ報知への期待感の代わりとすることができ、残りゲーム数通りで再遊技状態が終了することの効果を奏しながらも、遊技の楽しみを提供することができる。
特徴A17.前記許容手段により許容されていない状況にて、前記第2再遊技状態への移行が生じた場合、当該移行が生じる前よりも移行が生じた後のほうが、遊技者にとって不利とすることが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、許容手段による許容がなされていない状況で、たまたま第2再遊技状態に移行してしまった場合には、遊技者にとって不利な事象が生じ得る。このようにすることで、第2再遊技状態への移行が生じることを遊技者にとって有利なものとしながら、その有利となることを逆手にとって、許容手段による許容前に、意図的に第2再遊技状態へ移行させる行為を抑止することができる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態(有利区間)と低有利状態(通常区間)と、を設け、
前記態様報知手段は、前記高有利状態にて前記態様報知を実行し易くなる構成であり、
更に、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる状態であって、実行可能なゲーム数が異なる複数の再遊技状態を設け、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態の残りの実行可能回数を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において実行したゲーム数が予め定められた上限に達したことに基づいて、前記実行可能回数にかかわらず当該高有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記上限終了手段により前記高有利状態が終了される場合の前記実行可能回数を把握する残数把握手段(主制御装置101による超過カウンタの値を把握する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される前記実行可能回数に基づいて、複数の前記再遊技状態のうちの一の再遊技状態を選択する選択手段(第2の実施形態における、主制御装置101による固定RT用処理を実行する機能)と、
前記選択手段により選択された再遊技状態への移行を許容する許容手段(第2の実施形態における、主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止操作態様によって入賞可能となる結果が異なる場合があり、遊技者にとって有利な高有利状態においては、かかる停止操作態様に関する態様報知の実行頻度が高くなるため、態様報知の有無によって高有利状態と低有利状態の有利度が設定され得る。
このような遊技性において、高有利状態の残りの実行可能回数が増加される増加処理が行われる場合があり、増加処理の実行契機となる特定条件成立への期待感が高められている。その一方で、高有利状態はその実行ゲーム数が予め定められた上限に達すると、実行可能回数の残りにかかわらず終了する場合があるため、高有利状態の有利度を高めすぎることなく遊技の健全性が担保されている。但し、このように上限を設けると、実行可能回数が上限を超える状況が生じた場合には、その分のゲーム数が搾取されたかのような印象を与えかねず、遊技者の遊技意思が削がれてしまう可能性がある。
そこで、上記構成では、上限に達して高有利状態を終了させる場合、残りの実行可能回数に基づいて再遊技状態を選択し、選択した再遊技状態への移行を許容する構成とした。再遊技状態においては再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高いため、当該通常遊技状態よりも遊技媒体の減りを少なくしながら遊技を行うことが可能である。つまり、高有利状態において上限を超えるゲーム数が消滅してしまうといった遊技者にとって好ましくない事象を、再遊技状態に設定するといった遊技者にとって好ましい事象によりフォローする構成となり、上記のように遊技者の遊技意思が削がれてしまう可能性を低減することができる。
特徴B2.前記選択手段は、複数の前記再遊技状態から、前記実行可能回数に近い数のゲーム数を実行可能となる再遊技状態を選択可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限を超えるゲーム数が消滅してしまうことを再遊技状態によって担保することの意義が高められる。特に、増加処理の態様によっては、上限を超える場合の残りの実行可能回数の種類は無限に増えるであろうところ、その実行可能回数ピッタリの再遊技状態への移行を生じさせるようにしようとするには、上記上限を超える実行可能回数の種類の増大化に合わせて、用意すべき再遊技状態の種類も膨れ上がることになる。これに対して、上記構成のようにすることで、用意すべき再遊技状態の種類を少なくすることができ、限られた遊技機の記憶容量を削減することが可能となる。
特徴B3.前記許容手段は、前記高有利状態が終了するよりも前に前記選択手段により選択された再遊技状態への移行を許容することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利状態が終了してから選択された再遊技状態へ移行するのではなく、終了前に移行する。このようにすることで、高報知状態と選択された再遊技状態とを途切れなく遊技させることができる。
特徴B4.前記高有利状態が終了するよりも前に前記選択手段により選択された再遊技状態へ移行した場合であっても、前記高有利状態の上限までは前記態様報知が実行され得ることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段により選択された再遊技状態へ移行することで、態様報知という高有利状態による恩恵が受けられなくなる不都合を生じないようにすることができる。このようにすれば、上限到達前に再遊技状態へ移行させることのメリットを最大限に享受させることができる。
特徴B5.前記高有利状態となることで移行可能となる前記所定の再遊技状態と、前記選択手段により選択される再遊技状態と、で前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率が同じ又は同程度であることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、超過分に応じて移行させる再遊技状態の有利度を高めすぎず、且つ超過分が消失することのフォローとすることができる。つまり、所定の再遊技状態よりも選択手段により選択される再遊技状態のほうが再遊技結果となる確率が高くなると、超過分に応じて移行させる再遊技状態の有利度が高くなりすぎるし、仮に高有利状態中において超過分がないのにもかかわらず途中で当該選択手段により選択される再遊技状態への移行が生じてしまうと、高有利状態中の有利度が劇的に高くなってしまう。一方で、所定の再遊技状態よりも選択手段により選択される再遊技状態のほうが再遊技結果となる確率が低くなると、超過分に応じて再遊技状態へ移行させる意義が低くなり、超過分が消失してしまうことへのフォローになりにくい。よって、上記構成のようにすることで、このような両面の不都合を生じさせることなく、且つ両面の効果を奏することが可能となる。
特徴B6.前記上限終了手段により前記高有利状態が終了されることに基づいて、前記態様報知に関する情報の初期化処理を実行可能な手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段により選択された再遊技状態は、前記初期化処理が行われた場合であっても継続し得ることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、上限終了手段により高有利状態が終了される場合に、移行させる再遊技状態については、初期化処理が行われても終了せず、その後も継続し得るも野であることが明確化される。このようにすることで、上限の超過分に基づいて再遊技状態を設定する効果がより明確に奏されるものとなる。
特徴B7.前記再遊技状態として、
予め定められた所定の終了条件(第2再遊技当選)が成立することで終了し得る第1再遊技状態(無限RT状態)と、
予め定められたゲーム数を実行することで終了する第2再遊技状態(固定RT状態)と、
を有し、
実行可能なゲーム数が異なる複数の第2再遊技状態が設定されており、
前記選択手段は、前記第2再遊技状態から一の再遊技状態を選択可能であることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了条件が成立することで終了する第1再遊技状態と、実行ゲーム数によって終了する第2再遊技状態とを有する構成において、高有利状態が上限によって終了する場合に、第2再遊技状態への移行が許容される構成となる。このようにすることで、せっかく移行させた再遊技状態が終了条件成立によって終了してしまう、といった事象を生じにくくさせることができ、高有利状態が上限にて終了する場合のフォローとする意義をより好適に担保することが可能となる。
なお、「所定の終了条件」とは、例えば、「抽選手段による抽選結果が所定の終了結果であること」や「終了用の絵柄組合せが停止すること」である。
また、上記構成においては、「第2再遊技状態」と「第1再遊技状態」とをいずれも備えたうえで「第2再遊技状態」へ移行させる構成を示したが、「第2再遊技状態」のみを備える構成において「第2再遊技状態」へ移行させる構成としてもよい。
特徴B8.前記再遊技状態として、
予め定められた所定の終了条件が成立することで終了し得る第1再遊技状態(無限RT状態)を有し、
当該第1再遊技状態には、前記所定の終了条件が成立する確率が異なる複数の第1再遊技状態が設定されており、
前記選択手段は、前記複数の第1再遊技状態から一の再遊技状態を選択可能であることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了条件が成立することで終了する第1再遊技状態を有する構成において、第1再遊技状態は、所定の終了条件の成立確率が異なり、例えば、成立しにくい第1再遊技状態へ移行させると高有利状態が上限にて終了する場合のフォローを厚くする構成となるし、成立し易い第1再遊技状態へ移行させると同フォローを薄くする構成となるできる。しかも、このような構成であれば、移行した再遊技状態がいつ終了するかといったドキドキ感も提供することができ、遊技性が向上し得る。
特徴B9.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果である場合、前記所定の終了条件が成立し得るようになる構成であり、
前記複数の第1再遊技状態では、前記抽選手段による抽選結果が前記終了結果となる確率が異なることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的簡素な構成で終了条件が成立する確率が異なる複数の第1再遊技状態を設定することができる。
特徴B10.前記終了結果は前記再遊技結果に含まれており、
前記複数の第1再遊技状態では、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技結果となる確率が同じ又は同程度であることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の第1再遊技状態における再遊技結果となる確率は共通するため、これら複数の第1再遊技状態の差異が終了用の絵柄組合せが停止する確率であることを際立たせることができる。つまり、再遊技結果となる確率まで異なると、いずれの第1再遊技状態へ移行するかで、遊技媒体の減り方が異なる等、有利度に大きな差が生じるが、所定の終了条件が成立するようになる確率だけが異なる構成とすれば、超過分を担保する意義がより明確化される。
特徴B11.複数の前記再遊技状態は、対応する移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することでそれぞれ移行する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果である場合、複数の前記再遊技状態のうちの第1の再遊技状態へ移行可能となる第1移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となり、且つ前記第1の再遊技状態とは異なる第2の再遊技状態へ移行可能となる第2移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止可能となる構成であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の再遊技状態のうちの一の再遊技状態へ移行させる構成において、移行可能となるゲームがそれぞれ異なるわけではなく、一のゲームにて複数の再遊技状態への移行が可能となる。このようにすることで、選択手段によって選択された再遊技状態への移行が可能となるゲーム(抽選結果)がなかなか発生しないことにより、所望の再遊技状態へ移行させることができなかったり、当該移行が可能となるゲームを待つ間のゲーム数によって選択手段により選択された再遊技状態にて実行可能となるゲーム数と上限を超える実行可能回数とに乖離が生じるといった不都合も生じにくい。よって、選択手段により選択された再遊技状態へより確実に移行させることができ、且つ当該選択手段により選択された再遊技状態がより再遊技状態へ移行させる意義に合致したものとすることができる。
特徴B12.前記態様報知手段による報知対象となる遊技結果として、前記特典付与手段により付与される特典が所定数の遊技媒体として設定される払出結果と、再遊技が付与される再遊技結果とが設定されており、
前記高有利状態となることで、前記再遊技状態のうちの所定の再遊技状態へ移行することが可能となる構成であり、
前記選択手段は、前記高有利状態となることで移行可能となる前記所定の再遊技状態とは異なる再遊技状態を選択することを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高有利状態となることで、払出結果や再遊技結果となると態様報知が実行され、再遊技結果入賞によって遊技媒体の減りを少なくしながら払出結果入賞によって遊技媒体の増加を見込むことが可能となる。このような構成において、高有利状態の上限となることで、超過分を加味して、既に移行している再遊技状態とは異なる再遊技状態への移行が許容され得るようになる。このように、高有利状態による再遊技状態と、その超過分による再遊技状態とを異なるものとしておけば、仮に超過分がない場合において通常通りに再遊技状態を終了させる等に際して、超過分側の再遊技状態へ移行させないようにすればよいだけとなり、再遊技状態を途中で強制的に終了させるといったような複雑な構成を用いる必要が生じない。
特徴B13.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態(有利区間)と低有利状態(通常区間)と、を設け、
前記態様報知手段は、前記高有利状態にて前記態様報知を実行し易くなる構成であり、
更に、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる状態であって、実行可能なゲーム数が異なる複数の再遊技状態を設け、
予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記高有利状態において遊技者が受けることが可能な有利度としての残有利度を増加させる増加処理を実行可能な増加手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)と、
前記高有利状態において予め定められた実行上限に達したことに基づいて、前記残有利度にかかわらず当該高有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)と、
前記上限終了手段により前記高有利状態が終了される場合の前記残有利度を把握する残数把握手段(主制御装置101による超過カウンタの値を把握する処理を実行する機能)と、
前記残数把握手段により把握される前記残有利度に基づいて、複数の前記再遊技状態のうちの一の再遊技状態を選択する選択手段(第2の実施形態における、主制御装置101による固定RT用処理を実行する機能)と、
前記選択手段により選択された再遊技状態への移行を許容する許容手段(第2の実施形態における、主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、周回体の停止操作態様によって入賞可能となる結果が異なる場合があり、遊技者にとって有利な高有利状態においてはかかる停止操作態様に関する態様報知の実行頻度が高くなるため、態様報知の有無によって高有利状態と低有利状態の有利度が設定され得る。
このような遊技性において、高有利状態において遊技者が受けることが可能な有利度としての残有利度が増加される増加処理が行われる場合があり、増加処理の実行契機となる特定条件成立への期待感が高められている。その一方で、高有利状態は実行上限に達すると、残有利度にかかわらず終了する場合があるため、高有利状態の有利度を高めすぎることなく遊技の健全性が担保されている。但し、このように上限を設けると、残有利度が上限を超える状況が生じた場合には、その分の有利度が搾取されたかのような印象を与えかねず、遊技者の遊技意思が削がれてしまう可能性がある。
そこで、上記構成では、上限に達して高有利状態を終了させる場合、残有利度に基づいて再遊技状態を選択し、選択した再遊技状態への移行を許容する構成とした。再遊技状態においては再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高いため、当該通常遊技状態よりも遊技媒体の減りを少なくしながら遊技を行うことが可能である。つまり、高有利状態において上限を超える有利度が消滅してしまうといった遊技者にとって好ましくない事象を、再遊技状態に設定するといった遊技者にとって好ましい事象によりフォローする構成となり、上記のように遊技者の遊技意思が削がれてしまう可能性を低減することができる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が通常遊技状態(通常遊技状態及び第1RT状態、通常RT状態、低RT状態)よりも高くなる再遊技状態(高RT状態)として、
予め定められた所定の終了条件(転落再遊技当選、第2再遊技当選)が成立した場合、前記通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態(第2RT状態、第3RT状態、無限RT状態)と、
予め定められた特定数のゲームが実行されることで前記通常遊技状態へ移行する、又は前記所定の終了条件が前記第1再遊技状態よりも成立しにくいように設定された第2再遊技状態(第4RT状態等、固定RT状態)と、
が設定されており、
前記第1再遊技状態において、前記所定の終了条件を成立させないようにする(第2再遊技入賞を回避する)ことを可能とする前記停止操作手段の操作態様を含む複数の停止態様についての態様報知を、所定の報知手段にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知実行手段による前記態様報知の実行頻度が相対的に高低となるように低報知状態(例えば通常モード)と高報知状態(例えばATモード)とが設定されており、
予め定められた特定条件が成立することで前記高報知状態が終了して前記低報知状態とされる構成であり、
前記高報知状態が終了してから、前記終了用の絵柄組合せが停止するまでの特定状況(復帰区間)において、前記第2再遊技状態への移行が許容されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定の終了条件が成立することで通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態と、特定数のゲームが実行されることで通常遊技状態へ移行する、又は所定の終了条件が第1再遊技状態よりも成立しにくいように設定された第2再遊技状態と、が設定されており、第1再遊技状態において所定の終了条件を成立させないようにすることを可能とする操作態様を含む態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるため、当該態様報知の有無により第1再遊技状態の継続が管理される。態様報知については高報知状態と低報知状態とがあるところ、第1再遊技状態において、高報知状態が終了した後、所定の終了条件が成立するまでの特定状況では、第2再遊技状態への移行が許容されている。そのため、当該特定状況において第2再遊技状態へ移行すると、高報知状態は終了するものの、再遊技状態としては延長されることとなる。よって、第1再遊技状態や第2再遊技状態を利用した新たな遊技性を創出することが可能となる。
特徴C2.予め定められた第2移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで、前記第2再遊技状態への移行が生じる構成であり、
前記態様報知手段による態様報知は、前記第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様に関する第2態様報知を含み、
前記高報知状態においては前記態様報知手段による前記第2態様報知の実行が許容される一方、前記特定状況においては前記態様報知手段による前記第2態様報知の実行が制限されることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高報知状態においては第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする第2態様報知が行われるため、遊技者は第2再遊技状態へ移行させようとするならばその報知に従えばよく、第1再遊技状態を継続するかそれとも第2再遊技状態へ移行させるかを遊技者が選択可能な遊技性としたり、第2再遊技状態への移行を高報知状態終了前に生じさせることで、再遊技状態の延長が可能な遊技性としたりすることができる。その一方、高報知状態が終了して所定の終了条件が成立するまでの特定状況では、第2態様報知の実行が制限されるため、第2再遊技状態へ移行させようとするならば、第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様となるように、勘を働かせる必要がある。このようにすれば、態様報知による有利度を高めすぎることはないし、特定状況で第2再遊技状態へ移行させることに成功した場合、遊技者が自らの勘や操作によって勝ちとったかのような印象を強く与えることが可能となり、遊技性を大いに向上させることができる。
特徴C3.前記第2再遊技状態は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2移行結果であり、前記有効位置に当該第2移行結果に対応する第2移行用の絵柄組合せが停止することで移行する構成であり、
遊技状態として、前記抽選手段による抽選結果が前記第2移行結果となる確率が異なる複数の状態が設定されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2移行結果当選となったゲームにおいて第2移行用の絵柄組合せが停止すると第2再遊技状態へ移行する構成において、第2移行結果当選となる確率が異なる状態が複数存在するため、第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする態様報知の実行頻度や実行の有無等に頼らずに、第2再遊技状態へ移行し易い状態や移行しにくい状態を実現することができる。このように、第2再遊技状態へ移行させたい場面や移行させたくない場面を、これらの状態を使い分けるだけで実現する構成とすれば、より簡素な構成でより設計通りの遊技性を実現させることができる。例えば、特定状況において第2再遊技状態へ移行させたい場合には、第2移行結果当選となり易い状態にて高報知状態が終了する等すればよいし、また、高報知状態へ移行することなく第1再遊技状態へ移行した場合には第2移行結果当選となりにくい状態とする等、設計者が意図しない場面で第2再遊技状態への移行が生じる場面を少なくすることもできる。
特徴C4.再遊技状態として、前記第2移行結果当選となる確率が相対的に高低となる高確率状態(例えば第1の実施形態の変形例における第3RT状態)と低確率状態(例えば第1の実施形態の変形例における第2RT状態)とを有し、
前記高報知状態において前記特定条件が成立するよりも前に、遊技状態を前記高確率状態とする特定手段(第1の実施形態の変形例における移行モードへ移行させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立して高報知状態が終了する際には、高確率状態である状況となり易くなる。このようにすれば、高報知状態が終了して所定の終了条件が成立する前の特定状況にて、第2移行結果当選となり易くすることができ、当該特定状況にて第2再遊技状態へ移行させ易くすることができる。
特徴C5.前記高確率状態は、予め定められた高確率移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで移行する構成であり、
前記態様報知手段による態様報知は、前記高確率移行用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様に関する高確率態様報知を含み、
前記特定手段は、前記高報知状態においては前記態様報知手段による前記高確率態様報知の実行が許容される一方、前記特定状況においては前記態様報知手段による前記高確率態様報知の実行が制限されるようにして、前記高報知状態において前記終了条件が成立するよりも前に、遊技状態を前記高確率状態とすることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、高報知状態においては高確率移行用の絵柄組合せを停止可能とする高確率態様報知が行われるため、遊技者は高確率状態へ移行させようとするならばその報知に従えばよい。その一方、高報知状態が終了して所定の終了条件が成立するまでの特定状況では、高確率態様報知の実行が制限される。つまり、高報知状態ではない低報知状態において第2再遊技状態へ移行させるためには、運よく高確率移行用の絵柄組合せを停止させて高確率状態へ移行させたうえで第2移行結果当選となるか、低確率状態にて第2移行結果当選となり、更に第2移行用の絵柄組合せを運よく停止させることが可能であれば第2再遊技状態へ移行させることができる、といったように、低報知状態において第2再遊技状態へ移行させることのハードルが高くなる。このようにすることで、設計通りの遊技性が実現され易くなるし、設計者が意図しない状況で第2再遊技状態へ移行してしまうことを抑制することが可能となる。
特徴C6.前記態様報知実行手段は、前記特定条件が成立する所定数前のゲームである特定ゲームよりも後のゲームにおいて、前記高確率態様報知を実行可能とする手段(主制御装置101によるステップS4105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、高報知状態の終了条件が成立するよりも所定数前の特定ゲームよりも後のゲームにおいて、高確率態様報知が発生し得るようになり、その報知に従って操作することで、高確率状態へ移行させることが可能となる。このように、高報知状態が終了する間際に高確率状態へ移行させておけば、その後、第2再遊技状態へ移行させて高報知状態の終了後においても再遊技状態を継続させること、又は、高報知状態の終了後において所定の終了条件が成立するよりも前に第2再遊技状態へ移行させて再遊技状態を継続させることが可能となる。言い換えると、高報知状態が開始されてから直ぐに高確率状態へ移行させ、その後第2再遊技状態へ移行してしまう事象を抑制することで、高報知状態が第2再遊技状態の終了によって通常遊技状態下で実施されてしまうことを回避することができる。
特徴C7.前記所定数は、前記特定数以下である、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の分母以下であることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に、高確率状態へ移行した直後に第2再遊技状態へ移行したとしても、高報知状態の終了ゲームよりも再遊技状態が長く継続し易くなる。このようにすることで、特徴C6の効果を好適に奏することが可能となる。
なお、上記構成による効果をより好適に奏するためには、「前記所定数は、前記特定数よりも少ない数である、又は前記第2再遊技状態における前記所定の終了条件の分母未満である」とした方が好ましい。
特徴C8.遊技状態として、前記第2移行結果当選となる確率が相対的に高低となる高確率状態(例えば第1の実施形態の変形例における第2RT状態)と低確率状態(例えば第1の実施形態の変形例における第3RT状態)とを有し、
前記高報知状態は前記低確率状態としての前記第1再遊技状態にて実行され易く、
前記低確率状態への移行が、前記高確率状態を介して生じることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高報知状態における第1再遊技状態は、高確率状態を経て移行する低確率状態となるため、高報知状態の終了間際や終了後に第2再遊技状態へ移行可能となる事象がより限定的となる。より詳しくは、例えば、通常遊技状態から高確率状態を経て低確率状態へ移行し、低確率状態にて所定の終了条件が成立すると通常遊技状態へ移行し得るようになる構成として説明すると、高報知状態の終了間際や終了後に第2再遊技状態へ移行させるためには、高報知状態中に、一旦、通常遊技状態へ移行させる必要が生じる。つまり、高報知状態中に、あえて所定の終了条件成立時に通常遊技状態へ移行させることで、高確率状態である期間が生じることとなり、第2再遊技状態へ移行可能となる確率が高められる。よって、第2再遊技状態へ移行させることの操作やルートがより複雑化し、遊技の困難性を高めることで、それに挑む遊技者のやる気を引き立てることができる。
特徴C9.前記抽選手段による抽選結果として、遊技者にとって有利な有利状態への移行を可能とする有利結果(第1BB、第2BB)が含まれており、
前記抽選手段による抽選結果が前記有利結果であり、当該有利結果に対応する有利用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで前記有利状態への移行が生じる構成であり、
前記有利結果当選であることの情報は、前記有利用の絵柄組合せが前記有効位置に停止するまで留保されるものであり、
前記有利状態が終了した後、少なくとも前記高確率状態を経て前記低確率状態へ移行するものであることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態としての所謂ボーナス状態が高報知状態中に発生した場合、高確率状態を経てから低確率状態としての第1再遊技状態へ復帰する。この場合、当該ボーナス状態の終了が高報知状態の終了間際であれば、高確率状態において低確率状態へ移行させるのではなく、第2再遊技状態へ移行させることも可能である。つまり、このような構成を用いれば、高報知状態終了間際や終了後の状態が高確率状態となって第2再遊技状態への移行が生じ易い状況が、ボーナス状態を介することで生じるようにすることができる。ボーナス状態は、報知態様によらずに小役の当選確率が高くなる等して多量の遊技媒体の獲得が期待できることが一般的であり、高報知状態中にボーナス状態が発生すると、その分、高報知状態のメリットが侵食されるともいえる。高報知状態中のボーナス状態では高報知状態の継続ゲーム数の減算を停止することも可能であるが、ボーナス状態を含めた高報知状態の上限ゲーム数によって、高報知状態を強制的に終了する構成もあり、このような構成からしても、高報知状態中のボーナス状態は好ましくない。そこで、上記構成のように、高報知状態中にボーナス状態への移行が生じることで、第2再遊技状態へ移行させて再遊技状態の延長を図れる構成としたことで、ボーナス状態によって高報知状態のメリットが一部浸食されることに対する補填とすることが可能となる。
特徴C10.遊技状態として、前記第2移行結果当選となる確率が相対的に高低となる高確率状態(第1の実施形態の変形例における第3RT状態)と低確率状態(第1の実施形態の変形例における第2RT状態)とを有し、
前記所定の終了条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果である場合に成立し、当該終了結果である場合において前記停止操作手段が予め定められた終了用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様にて操作された場合に、前記有効位置に前記終了用の絵柄組合せ停止可能となり、当該終了用の絵柄組合せが停止することで前記通常遊技状態へ移行する構成であり、
更に、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた高確率結果である場合において前記停止操作手段が高確率用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様にて操作された場合に、前記有効位置に前記高確率用の絵柄組合せが停止可能となり、当該高確率用の絵柄組合せが停止することで前記高確率状態へ移行する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記終了結果と前記高確率結果とを含む重複結果が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了用の絵柄組合せが停止し得るゲームにおいて、その操作態様によっては、高確率用の絵柄組合せが停止し得るようになる。つまり、特に第1再遊技状態が終了し得るゲームにおいて、高確率状態へ移行し得るようになる。このように、遊技者にとって嬉しい事象と嬉しくない事象といった両極端の事象が発生し得るゲームを設定することで、当該ゲームの遊技性が大幅に高められるし、当該ゲームでの停止操作手段による操作をより慎重に行わせることができる。
特徴C11.前記所定の終了条件は、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた終了結果である場合に成立し、当該終了結果である場合において前記停止操作手段が予め定められた終了用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様にて操作された場合に、前記有効位置に前記終了用の絵柄組合せ停止可能となり、当該終了用の絵柄組合せが停止することで前記通常遊技状態へ移行する構成であり、
更に、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第2移行結果である場合において前記停止操作手段が第2移行用の絵柄組合せを停止可能とする操作態様にて操作された場合に、前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せが停止可能となり、当該第2移行用の絵柄組合せが停止することで前記第2再遊技状態へ移行する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果として、前記終了結果と前記第2移行結果とを含む重複結果が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了用の絵柄組合せが停止し得るゲームにおいて、その操作態様によっては、第2移行用の絵柄組合せが停止し得るようになる。つまり、特に第1再遊技状態が終了し得るゲームにおいて、第2再遊技状態へ移行し得るようになる。このように、遊技者にとって嬉しい事象と嬉しくない事象といった両極端の事象が発生し得るゲームを設定することで、当該ゲームの遊技性が大幅に高められるし、当該ゲームでの停止操作手段による操作をより慎重に行わせることができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が所定の再遊技結果となる確率が通常遊技状態(通常遊技状態及び第1RT状態、通常RT状態、低RT状態)よりも高くなる再遊技状態(高RT状態)として、
予め定められた所定の終了条件(転落再遊技当選、第2再遊技当選)が成立した場合、前記通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態(第2RT状態、第3RT状態、無限RT状態)と、
予め定められた特定数のゲームが実行されることで前記通常遊技状態へ移行する第2再遊技状態(第4RT状態等、固定RT状態)と、
が設定されており、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による報知状態として、当該態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が相対的に高低となる低報知状態(例えば通常モード)と高報知状態(例えばATモード)と、を設け、
前記高報知状態を実行可能な残りゲーム数を把握可能な把握手段(主制御装置101によるステップS5003の処理を実行する機能)と、
前記高報知状態が前記第1再遊技状態にて実行されている場合、前記把握手段により把握されるゲーム数を前記特定数とする前記第2再遊技状態へ移行させる特定手段(主制御装置101によるステップS5004~ステップS5020の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、所定の終了条件が成立することで通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態と、特定数のゲームが実行されることで通常遊技状態へ移行する第2再遊技状態と、が設定されており、いずれにおいても再遊技結果となる確率が高められているので、遊技媒体の減りを抑制しながら遊技を進行することができる。更に、停止操作手段による操作態様によって入賞する結果が異なる場合があり、その操作態様に関する態様報知が所定の報知手段にて行われる場合があるため、再遊技状態と態様報知によって、遊技媒体の減りを抑えるだけでなく、遊技媒体の増加を期待できる遊技性が実現される。
そのような遊技性において、第1再遊技状態と第2再遊技状態とでは、第1再遊技状態では実行可能なゲーム数が延長されたり短縮されたりし得るため、高報知状態の長さが延長されたりする場合(所謂上乗せされる場合)もあることを前提とするならば、第1再遊技状態のほうが高報知状態にはマッチしているといえる。その一方で、第1再遊技状態は所定の終了条件が成立するまでその状態が継続するため、仮に、高報知状態が終了する際にあわせて再遊技状態をも終了させようとするならば、実行可能なゲーム数が変化しない第2再遊技状態のほうが好ましいともいえる。そこで、本遊技機では、基本的には第1再遊技状態にて高報知状態を実行させる構成を前提としつつも、高報知状態の残りゲーム数によって第2再遊技状態へ移行させる構成としていることから、第1再遊技状態の拡張性により高報知状態の遊技性を低下させないようにしながらも、第2再遊技状態によって高報知状態の終了後も延々と再遊技状態が継続する事象を抑制することができる。
特徴D2.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果である場合であって、前記有効位置に前記移行結果に対応する第2移行用の絵柄組合せが停止することで前記第2再遊技状態へ移行する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せとは異なる特定の絵柄組合せ(第1再遊技入賞用の停止出目)が停止することで前記第1再遊技状態が維持される構成であり、
前記特定手段は、前記把握手段により把握される残りゲーム数と、前記第2再遊技状態の前記特定数とが異なる場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とすることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果によって第2再遊技状態への移行が生じるような構成において、第2再遊技状態のゲーム数と高報知状態の残りゲーム数とが合致しなければ、第2再遊技状態への移行が見送られ、第1再遊技状態が継続される。このようにすることで、高報知状態の残りゲーム数と異なる第2再遊技状態へ移行することを回避することができる。
特徴D3.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行結果である場合であって、前記有効位置に前記移行結果に対応する第2移行用の絵柄組合せが停止することで前記第2再遊技状態へ移行する構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果である場合、前記有効位置に前記第2移行用の絵柄組合せとは異なる特定の絵柄組合せ(第1再遊技入賞用の停止出目)が停止することで前記第1再遊技状態が維持される構成であり、
前記特定手段は、前記把握手段により把握される残りゲーム数の方が、前記第2再遊技状態の前記特定数よりも多い場合には、前記特定の絵柄組合せを停止可能とすることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果によって第2再遊技状態への移行が生じるような構成において、第2再遊技状態のゲーム数の方が高報知状態の残りゲーム数よりも少なければ、第2再遊技状態への移行が見送られ、第1再遊技状態が継続される。このようにすることで、高報知状態の終了前に再遊技状態が終了してしまう事象を回避することができる。
特徴D4.前記第2再遊技状態として、前記特定数が異なる複数の第2再遊技状態が設定されており、それぞれの第2再遊技状態に対応する第2移行用の絵柄組合せが前記有効位置に停止することで、停止した絵柄組合せに対応する第2再遊技状態へ移行する構成であり、
前記特定手段は、前記把握手段の把握結果に応じて、移行させる第2再遊技状態を選択可能であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、高報知状態の残りゲーム数に応じて第2再遊技状態の種類が選択されるため、例えば、ゲームの結果によっては第2再遊技状態へ移行させることができない場合であっても、高報知状態の終了と、再遊技状態の終了とを、より好適に同調させることが可能となる。
特徴D5.遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利状態(有利区間)と低有利状態(通常区間)と、を設け、
前記高報知状態は前記高有利状態に含まれるものであり、
前記高有利状態のゲーム数が予め定められた上限数(1500)に達したことに基づいて、前記残りゲーム数に関わらず、当該高報知状態を終了する上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記上限数までのゲーム数を前記特定数とする前記第2再遊技状態へ移行させることが可能であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
高有利状態の上限数を設けることで、出玉率の高騰を抑制することが可能となるところ、上記構成では、その上限数に合わせて再遊技状態を終了させる構成となり、当該上限を設けた意義をより担保可能な遊技機とすることが可能となる。
特徴D6.予め定められた上乗せ条件が成立したことに基づいて、前記高報知状態の上乗せ処理を実行可能な上乗せ処理実行手段(主制御装置101によるATモードのゲーム数上乗せ処理を実行する機能)を備え、
前記第1再遊技状態よりも前記第2再遊技状態のほうが、前記上乗せ条件が成立し易いことを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
高報知状態において上乗せが発生し得る構成では、高報知状態の終了間際に上乗せ報知を行うといった、所謂後乗せ報知が設定される場合がある。後乗せ報知が設定される場合があることを前提として遊技することで、遊技者は高報知状態を最後まで楽しむことが可能となる、といったメリットがある。その一方で、上記特徴D1のように、高報知状態の残りゲーム数に応じて第2再遊技状態へ移行させる構成とすると、その第2再遊技状態への移行によって高報知状態の後乗せ報知が存在しないこと、すなわち、後、数ゲームで高報知状態が終了することが明確に把握されてしまう、といった不都合が考えられる。そこで、上記構成のように、第2再遊技状態では上乗せ条件が成立し易いようにすることで、第2再遊技状態への移行が生じることで後乗せ報知が存在しないことを把握しつつも、第2再遊技状態で上乗せを発生させるように最後のチャンスに望みを繋ぐ、といった楽しみが実現される。よって、遊技の注目度を好適に高めることができる。
特徴D7.前記第2再遊技状態への移行が生じた場合に、その旨の移行報知を行い、当該第2再遊技状態において実行可能となるゲーム数を報知可能な手段(第3の実施形態における、表示制御装置81にて、上乗せ結果報知用の識別情報、及び固定RTゲーム数対応キャラを補助表示部65にて表示させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、上乗せ条件が成立し易い第2再遊技状態へ移行したこと、及びそのゲーム数を明確に把握させることができる。高報知状態が終わってほしくない遊技者としては、なるべく第2再遊技状態へ移行して欲しくないと考えられるが、上記のように、第2再遊技状態が上乗せ条件が成立し易い状態であるため、なるべく早く、すなわち、なるべく多いゲーム数の第2再遊技状態へ移行して欲しい、という考えもある。上記構成は後者の考えをより尊重するものであり、上記のような報知を行うことで、高報知状態の最終段階において、高報知状態が終了するか、それとも、高報知状態が継続するか、といった強烈なドキドキ感ある遊技性が実現される。
特徴D8.前記第2再遊技状態にて前記上乗せ条件が成立した場合、前記通常遊技状態へ移行してから、前記第1再遊技状態への移行が生じた場合に、前記上乗せ処理に対応する報知を実行することが可能な手段(主制御装置101による潜伏カウンタに対応するゲーム数のATモードを再開させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数のゲーム数を実行することで通常遊技状態へ移行することとなる第2再遊技状態を利用した構成を前提とし、当該第2再遊技状態中に高報知状態の上乗せ条件が成立した場合には、一旦、通常遊技状態へ移行させた後、その後に、第1再遊技状態への移行が生じたことに基づいて、上乗せ処理に対応する報知が行われる。このようにすることで、間近に確実な終了が迫っているのにもかかわらず、上乗せが報知される事の不自然感を解消することができる。言い換えると、上乗せが報知されたのにも関わらず、直後に、再遊技状態が終了することの不自然感を与えないようにすることができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技状態として、遊技者にとって有利な第1有利状態(高RT状態)と、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態(ATモード)と、を有し、
少なくとも前記第2有利状態である特定状況(ATモード、高RT状態のART状態)にて、所定期間に亘って実行される特定演出(例えばATモード中の音楽)が設定されており、
前記特定状況において、予め定められた把握条件が成立したことに基づいて、前記特定演出の残り期間を把握可能な把握手段(表示制御装置81によるステップS5201~ステップS5202の処理を実行する機能)と、
前記把握手段により把握される前記残り期間に応じて、前記第1有利状態とする期間を設定する設定手段(表示制御装置81によるステップS5205の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、少なくとも2有利状態である特定状況において、特定演出の残り期間に応じて、第1有利状態とする期間が設定される。このようにすることで、特定状況にて発生する特定演出が、特定状況の終了に伴って、途中で終了してしまう事象の発生を抑制することができる。この場合、第2有利状態を延長してしまうと、有利度が高くなりすぎる等、不都合が生じる可能性がある。また、単に特定演出だけを特定状況終了後も継続させる手法も考えられるが、この場合、有利度とは全く関係のない単なる演出が継続しているだけとなり、かえって、興ざめさせてしまう結果となり得る。そこで、遊技者にとって有利であるものの、第2有利状態よりも不利な第1有利状態を設定して特定演出の残り期間に合わせる構成としているため、上記のような有利度を高め過ぎたり、興ざめさせたりすることなく、存分に特定演出を楽しませることが可能となる。
特徴E2.前記特定状況における前記第2有利状態が終了した後、前記設定手段により設定された前記第1有利状態にて前記特定演出を継続させることが可能であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも2有利状態である特定状況において、特定演出の残り期間に応じて、第1有利状態とする期間が設定され、その期間においては、第2有利期間が終了しても特定演出が継続される。このようにすることで、特徴E1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴E3.前記特定状況において、前記第1有利状態と前記第2有利状態とは重複し得るものであり、
前記設定手段は、前記把握手段により把握される前記残り期間に応じて、前記第1有利状態の終期を設定可能であることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利状態の終期が特定演出の残り期間に応じて設定されるため、第2有利状態終了後において、第1有利状態が終了するタイミングと特定演出が終了するタイミングとが合致することになる。よって、有利な状態が終了すると同時に特定演出が終了するといった、特定状況における最高のフィナーレを演出することが可能となる。
特徴E4.前記特定演出の前記所定期間として、長さが異なる複数の期間が設定されており、
前記把握手段は、前記把握条件が成立した場合の前記所定期間を把握することを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出の多様化が図られるし、把握条件が成立した際に把握手段によりその都度把握する意義が担保される。つまり、仮に所定期間が一律であれば、所定期間の開始時等、ある程度前から所定期間の終了タイミングと特定状況(第2有利状態)の終了タイミングとを予め合致させるように設定することも可能と考えられるところ、複数種類の期間となると、その予め合致させるように設定するための構成が複雑となるか、合致できなくなる可能性がある。その点、上記のように、その都度、把握する構成とすれば、特定演出の多様化を図りながらも、特定演出を最後まで楽しませる効果を好適に奏することが可能となる。
特徴E5.前記第1有利状態は、予め定められた特定数のゲーム数に亘って実行可能であり、
前記設定手段は、前記把握手段により把握された前記残り期間から、当該残り期間にて要するゲーム数を算出し、前記特定数が前記算出したゲーム数となるように、前記第1有利状態を設定可能であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数に亘って実行可能となる第1有利状態を利用して、残り期間に対応するゲーム数の第1有利状態を設定する構成となり、特定演出の残り期間に応じて第1有利状態を設定する具体的構成が明確化される。
特徴E6.前記特定演出として、所定数のゲームを前記所定期間とする演出が含まれており、
前記把握手段は、前記所定数の残りゲーム数を前記所定期間の残り期間として把握可能であることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定数のゲームに亘って実行される特定演出であれば、その残りゲーム数を把握することは容易であり、更に、残りゲーム数に応じた第2有利状態を設定することも容易なものとなる。このようにすることで、簡素な構成にて特徴E1の効果を奏することが可能であるし、より特定演出と有利状態とを対応付けながら特定状況を終了させやすくすることが可能となる。
特徴E7.前記特定状況にて実行可能なゲーム数が予め定められた上限数(1500)に達したことに基づいて、前記第1有利状態を終了させる上限終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理を実行する機能)を備え、
前記特定演出は、前記上限終了手段により前記第1有利状態が終了される場合に、当該上限数に達するよりも前のゲームから開始される演出であることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況の上限が定められている構成において、特定演出はいわばエンディング演出となる。このようなエンディング演出は、その終期が上限数に達するゲームとして定められているものの、その始期は、上限数に達するよりも前のゲームであるものの、特定状況の開始からのゲーム数は開始時に定められるものではなく、事後的に成立する開始条件に基づいて開始される演出である。そうすると、当該エンディング演出の終了に合わせて第1有利状態を終了しようにも、それが困難な場面も考えられる。そこで、このような遊技機に特徴E1の構成を適用することで、エンディング演出に合わせて有利状態を終了させることができ、エンディング演出としての機能をより好適に発揮させることが可能となる。
特徴E8.前記特定状況が終了する際に、当該特定状況の終了演出を実行可能な終了演出実行手段(表示制御装置81によるATモード終了演出を実行する機能)と、
前記設定手段により前記第1有利状態の期間が設定される場合、前記終了演出実行手段による前記終了演出の実行を、前記第1有利状態の終了に対応させて行う手段(表示制御装置81によるステップS5303の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出の終了に合わせて第1有利状態が設定される場合には、終了演出も延期される。このようにすることで、終了演出から特定状況の内容(得た遊技媒体数等)を把握したい遊技者に対しては、特定演出を最後まで楽しむメリットが生じるし、特定状況が延長された印象をも与えることが可能である。
特徴E9.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合、前記所定結果に対応する特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、各前記停止操作手段が第1の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第1結果と、各前記停止操作手段が前記第1の停止操作態様とは異なる第2の停止操作態様で操作された場合に入賞可能となる第2結果とを有し、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記第1の停止操作態様及び前記第2の停止操作態様を含む操作態様に関する態様報知(押し順報知)を所定の報知手段(指示モニタ68における第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7)にて実行可能な態様報知手段(主制御装置101による押し順役処理を実行する機能)を備え、
前記態様報知手段による報知状態として、当該態様報知手段による前記態様報知の実行頻度が相対的に高低となる低報知状態(例えば通常モード)と高報知状態(例えばATモード)と、を設け、
更に、前記抽選手段による抽選結果が再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる再遊技状態を設け、
前記第1有利状態は前記再遊技状態であり、
前記第2有利状態は前記高報知状態であることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成は、始動操作手段が操作されると抽選手段による抽選が行われるとともに周回体の周回が開始され、停止操作手段が操作されると周回中の周回体が停止して、その停止出目が抽選結果に対応するものであれば特典付与手段により特典が付与されるといった所謂スロットマシンにおいて、再遊技結果となる確率が通常遊技状態よりも高くなる再遊技状態が第1有利状態であり、停止操作態様に関する態様報知の実行頻度が高くなる高報知状態が第2有利状態となる。このような遊技性のスロットマシンに、上記特徴E1の構成を適用することで、高報知状態を含む特定状況にて実行される特定演出を、高報知状態を延長することなく再遊技状態を設定することで、特定演出を最後まで楽しませる効果を高めることができ、高報知状態の有利度を高めすぎることなく、高報知状態を含む特定状況の演出効果を好適に発揮させることができる。
特徴E10.前記再遊技状態として、
予め定められた所定の終了条件が成立することで前記通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態(第2RT状態、第3RT状態、無限RT状態)と、
予め定められた特定数のゲームが実行されることで前記通常遊技状態へ移行する第2再遊技状態(第4RT状態等、固定RT状態)と、
が設定されており、
前記設定手段は、前記残り期間に対応する前記特定数となる前記第2再遊技状態を設定可能であることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了条件が成立することで通常遊技状態へ移行し得る第1再遊技状態と、特定数のゲームが実行されることで通常遊技状態へ移行する第2再遊技状態と、が設定されている構成において、第2再遊技状態を利用して特定演出の残り期間に対応付ける構成となる。仮に第1再遊技状態を利用してしまうと、せっかく特定演出の残り期間に対応付けて設定したのにもかかわらず、終了条件が成立しないことを通じて、結局は、再遊技状態と特定演出とが対応付けられていないといった結果となりかねないからである。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。