(1)概要
以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記の構成に限定されることはなく、下記の構成以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態のテーブルタップ1は、一方向に沿って長尺の器体10を備えている。テーブルタップ1は、図2に示すように、各々に電気器具等の電源コードの差込プラグ101(第1プラグ)が接続可能な4個口のコンセントを有している。すなわち、器体10は、差込プラグ101の導体(一対の栓刃101A及び接地端子101B)が差し込まれる差込口21を4つ有している。テーブルタップ1は、各差込口21に差し込まれた差込プラグ101の導体が電気的に接続される接続部(512,522,532)を備えている。器体10から引き出されている電源コード6が、例えば壁等に設けられたコンセントに接続されることで、外部電源(例えば商用の交流電源)からの交流電力を供給することができる。つまり、例えば電気器具が壁に設けられたコンセントから離れた場所に設置されていても、テーブルタップ1の差込口21に電気器具の差込プラグ101を差し込むことで、電気器具は、テーブルタップ1を介して交流電力を受け取ることができる。電源コード6は、壁等に設けられたコンセントに接続される電源プラグではなく、ジョイントボックスに接続されるハーネスプラグを有していてもよい。
器体10は、更に差込口22を有している(図7A参照)。また、テーブルタップ1は、導電部分と、コネクタ7と、変換回路と、第1基板11と、第2基板12とを備えている。導電部分は、外部電源と接続部(512,522,532)とを電気的に接続し、外部電源から受ける交流電力を差込プラグ101の導体に供給する。ここで言う「導電部分」とは、例えば、電源コード6、導電部511,521,531、固定片513,523,533に相当する。コネクタ7は、器体10に収容され、差込口22に差し込まれたプラグ102の導体1020(図13参照)と電気的に接続されることで導体1020に直流電力の供給がなされる。変換回路は、交流電力を直流電力に変換して、コネクタ7を通じてプラグ102の導体1020に供給する。
本実施形態では、差込口22に差し込まれる「プラグ102」とは、一例として、USB(Universal Serial Bus)プラグ102(第2プラグ)である(図12~図14参照)。したがって、コネクタ7は、USBプラグ102が挿入されて接続可能なUSBコネクタ7(ソケット)である。要するに、テーブルタップ1は、例えば携帯端末機器等に内蔵されているバッテリを充電するための直流電力を供給できるようにUSBポート(一例として2つ)を備えている。ただし、コネクタ7は、USBプラグ102が接続されるUSBコネクタ以外にも、例えば、VGA(Video Graphics Array)端子が接続されるVGAコネクタであってもよい。
以下の説明では、テーブルタップ1において、差込口21と差込口22を区別するために、「第1差込口21」「第2差込口22」と呼ぶ。また、以下では、説明を簡略化するために、テーブルタップ1において、第1差込口21を通じて交流電力を供給するための構成部分を「第1ブロック1A」と呼ぶ。また、テーブルタップ1において、第2差込口22を通じて直流電力を供給するための構成部分を「第2ブロック1B」と呼ぶ。第1ブロック1Aは、器体10において、図1及び図2の二点鎖線A1よりも左側の部分に相当する。第2ブロック1Bは、二点鎖線A1よりも右側の部分に相当する。
本実施形態では、図4に示すように、USBコネクタ7は第1基板11に実装され、変換回路を構成する電子部品15は第2基板12に実装されている。第1基板11と第2基板12とは、USBプラグ102の導体1020が差し込まれる差込方向の一方から見たときに、互いに重なることなく、第1差込口21と第2差込口22とが並ぶ並び方向に沿って並んで器体10内に収容されている。
この構成では、第1基板11と第2基板12とは、上記並び方向に沿って並んで器体10内に収容されている。したがって、仮に異物(例えば飲み物等の液体)が第2差込口22から器体10内に侵入したとしても、種々の電子部品15が実装されている第2基板12に、異物が直接当たることを抑制することができる。その結果、器体10内に侵入した異物によって信頼性が低下することを防ぐことができる。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態のテーブルタップ1について、図1~図15を参照して詳しく説明する。以下では、特に断りの無い限り、テーブルタップ1の上下、左右、前後の方向を、図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。つまり、一例として、テーブルタップ1の器体10の長手方向が左右方向、器体10の短手方向(幅方向)が前後方向となる。USBプラグ102の導体1020が差し込まれる差込方向が下方向となる。ただし、これらの方向はテーブルタップ1の使用方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。本実施形態では、テーブルタップ1が机等の水平な面に載せ置かれていることを想定して説明するが、特に限定されるものではない。
テーブルタップ1は、「(1)概要」の欄で説明したように、左右方向に沿って長尺の器体10を有している。器体10は、左右方向に長尺で下面が開放された略矩形箱状の外カバー2と、左右方向に長尺で上面が開放された略矩形箱状の外ボディ3とを有している。また、器体10は、4つの中カバー4Aと、中ボディ4Bと、を有している。外カバー2と外ボディ3とは、互いの開放された面同士が対向するように取り付けられている。4つの中カバー4Aと中ボディ4Bは、外カバー2と外ボディ3とによって収容されている。
テーブルタップ1は、「(1)概要」の欄で説明したように、図1及び図2の二点鎖線A1を境界線として第1ブロック1Aと第2ブロック1Bとから構成されている。二点鎖線A1は、説明の便宜上図示されていて、実体を伴わない想像線である。
外カバー2において、二点鎖線A1よりも左側の部分が第1ブロック1Aの第1外カバー2Aとなり、二点鎖線A1よりも右側の部分が第2ブロック1Bの第2外カバー2Bとなる。第1外カバー2Aと第2外カバー2Bは、一体となって形成されている。なお、器体10の「壁部」とは、後述する天板20Bに相当し、「第1壁部」とは、後述する天板20A及び天板20Bに相当し、器体10の「第2壁部」は、底板30A及び30Bに相当し第1壁部に対向している。
外ボディ3において、二点鎖線A1よりも左側の部分が第1ブロック1Aの第1外ボディ3Aとなり、二点鎖線A1よりも右側の部分が第2ブロック1Bの第2外ボディ3Bとなる。第1外ボディ3Aと第2外ボディ3Bは、一体となって形成されている。以下では、第1ブロック1Aを先に説明してから第2ブロック1Bの説明を行う。
(2.2)第1ブロック
(2.2.1)第1ブロックの全体構成
第1ブロック1Aは、電気器具の差込プラグ101を差し込むことで、外部電源(例えば商用の交流電源)からの交流電源を供給することが可能な4個口のコンセントを有している。具体的には、第1ブロック1Aは、第1外カバー2Aと第1外ボディ3Aと4つの中カバー4Aと中ボディ4Bと端子ブロック5と電源コード6と2つの吸着部9(9A,9B)を備えている。
(2.2.2)第1外カバー
第1外カバー2Aは、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。第1外カバー2Aは、図1に示すように、天板20Aと一対の第1側板21A,21Aと第2側板22Aとで、下面及び右面が開放された扁平な箱状に形成されている。天板20A及び一対の第1側板21Aのいずれの右端も第2ブロック1Bの第2外カバー2Bにつながっている。
天板20Aは、上下方向の一方から見たときに、左右方向に長い矩形板状である。天板20Aは、その厚み方向(上下方向)に貫通している4つの貫通孔201を有している(図1参照)。4つの貫通孔201は、左右方向に沿って等間隔に設けられている。各貫通孔201は、上下方向の一方から見たときに、矩形状となっている。
天板20Aは、その下面において下方に突出する一対のボス202と1つのボス203と(図3及び図6参照)を有している。各ボスは、円筒状であり、ねじ孔を有している。一対のボス202は、天板20Aの下面における左端付近において、前後端寄りにそれぞれ設けられている。ボス203は、左から3番目の貫通孔201と4番目の貫通孔201との間における、前後方向の略中央に設けられている。これらの3つのボスは、第1外ボディ3Aの後述する3つのボスと、それぞれ一対一に対応して接触する。
また、天板20Aは、その下面において下方に突出する一対の引掛部204を4組有している(すなわち、合計8つ)。各組の引掛部204は、図6に示すように、4つの貫通孔201のうち対応する貫通孔201における前縁と後縁とに設けられている。各引掛部204は、前後方向の一方から見たときに、矩形板状に形成されている。引掛部204は、その先端に、対となる引掛部204に近づく向きに突出する爪204Aを有している。
また、天板20Aは、図3及び図6に示すように、その下面において下方に突出する一対の位置決め壁205を4組有している(すなわち、合計8つ)。各組の位置決め壁205は、対応する貫通孔201における左縁と右縁とに設けられている。各位置決め壁205は、左右方向の一方から見たときに、おおむね矩形板状に形成されている。各位置決め壁205の前後両端は、それぞれ、第1側板21A,21Aの互いに対向する内面に対して一体となって形成されている。
更に、天板20Aは、その下面における左端付近において、第1外ボディ3Aの後述する第2受部308とともに電源コード6を受けるための第1受部206を有している。第1受部206は、下方に突出する一対の壁206Aを有している。一対の壁206Aは、左右方向において互いに対向する。各壁206Aは、その下端において、左右方向の一方から見たときに上方へ半円状に凹んだ半円溝206Bを有している(図3参照)。
一対の第1側板21Aは、天板20Aの前後方向における両端から下方に突出している。各第1側板21Aは、前後方向の一方から見たときに、細長い矩形板状に形成されている。第2側板22Aは、天板20Aの左端から下方に突出している。第2側板22Aは、左右方向の一方から見たときに、全体として略矩形板状に形成されていて、上方へ半円状に凹んだ第1半円溝220を有している(図3参照)。第1半円溝220は、第1外カバー2Aが第1外ボディ3Aに取り付けられたときに、第1外ボディ3Aの後述する第2半円溝320とともに1つの通線孔を形成する。
(2.2.3)第1外ボディ
第1外ボディ3Aは、第1外カバー2Aと同様に、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。第1外ボディ3Aは、図3及び図5Aに示すように、底板30Aと一対の第1側板31A,31Aと第2側板32Aとで、上面及び右面が開放された扁平な箱状に形成されている。底板30A及び一対の第1側板31Aのいずれの右端も第2ブロック1Bの第2外ボディ3Bにつながっている。
底板30Aは、上下方向の一方から見たときに、左右方向に長い矩形板状である。底板30Aは、その上面に、上方に突出する一対のボス303と1つのボス302とを有している(図5A参照)。各ボスは、円筒状であり、上下方向に貫通する挿通孔304を有している。一対のボス303は、底板30Aの上面における左端付近において、前後端寄りにそれぞれ設けられていて、第1外カバー2Aの一対のボス202の先端とそれぞれ接触するように構成されている。ボス302は、第1外カバー2Aのボス203の先端と接触するように構成されている。
また、底板30Aは、その上面に、上方に突出する位置決め筒305を有している(図5A参照)。位置決め筒305は、上端面が開口した円筒状に形成されている。位置決め筒305は、底板30Aの前後方向の略中央において、左右方向にボス303と並ぶ。
底板30Aは、その上面に、中ボディ4B及び端子ブロック5の位置決めを行うための複数のリブ306を有している(図5A参照)。また、底板30Aは、その上面に、中ボディ4Bを固定するための一対の係止部307を2組(すなわち合計4つ)有している。複数のリブ306は、矩形板状であり、上方に突出している。各組の係止部307は、前後方向において互いに対向するように配置されている。各係止部307は、前後方向の一方から見たときに、矩形板状に形成されている。各係止部307は、その先端において対となる係止部307に近づく向きに突出する爪307Aを有している。
さらに、底板30Aは、その上面の左端付近において、第1外カバー2Aの第1受部206とともに電源コード6を受けるための第2受部308を有している(図5A参照)。第2受部308は、前後方向において互いに対向する一対の起立片308Aと、一対の起立片308Aを繋ぐ連結片308Bと、を有している。第2受部308は、各起立片308Aから他方の起立片308Aに向かって突出する2つの突起308Cを更に有している。要するに、第2受部308は、合計4つの突起308Cを有している。
各起立片308Aは、前後方向の一方から見たときに、矩形板状であり、上方向に突出している。連結片308Bは、左右方向の一方から見たときに、上端に下方へ半円状に凹んだ窪みを有している。電源コード6の3本の電線61~63(図4参照)を束ねているシース60の先端部分は、器体10内において当該窪みに載せ置かれている。4つの突起308Cは、シース60の先端部分に接触しており、前後方向に対する電源コード6の変位を規制する。第1外カバー2Aの第1受部206は、第2側板32Aと一対の起立片308Aと連結片308Bとによって囲まれた収容空間内に収容されている。シース60の先端部分は、連結片308Bと第1受部206の一対の壁206Aとによって上下方向における変位が規制されている。要するに、第1外カバー2A及び第1外ボディ3Aは、器体10内において電源コード6のシース60を安定的に支持するように構成されている。
また、底板30Aは、その下面の左右方向の両端付近において、2つの吸着部9A,9Bがそれぞれ収容されるための2つの収容凹所36(36A,36B)を有している(図3参照)。具体的には、吸着部9Aは、底板30Aの下面の左端付近に設けられた収容凹所36A内に収容され、吸着部9Bは、底板30Aの下面の右端付近に設けられた収容凹所36B内に収容されている。各収容凹所36は、上下方向の一方から見たときに矩形状に形成されていて、上方に向かって窪んでいる。
また、底板30Aは、その上面において、各収容凹所36に対応する領域の面が周囲の面に比べて一段高くなるように形成されている。言い換えると、底板30Aは、その上面において上方に向かって矩形状に突出した2つの突出台37(37A,37B)を有している(図5A参照)。各突出台37と後ろ側の第1側板31Aは、それらの間に隙間が形成されるように互いに対向している。一方、各突出台37と前側の第1側板31Aとは、隙間無く一体となって形成されている。
底板30Aは、各収容凹所36の内底面における前寄りの位置において、下方に向かって突出しさらに先端が内向きに突出した係止爪360を有している(図3参照)。また、底板30Aは、各収容凹所36の後ろ側の内側面において、突出台37の後端面にまで貫通した係止孔361を有している(図5A参照)。
ここで、本実施形態の底板30Aは、図5Aに示すように、器体10の外部空間と器体10の内部空間とをつなげる一対の排水口18(18A,18A)及び一対の排水口18(18B,18B)を有している。一対の排水口18Aは、突出台37Aの上端面における前端付近において、上下方向に貫通しており、左右方向に沿って互いに並んでいる。一対の排水口18Bは、突出台37Bの上端面における前端付近において、上下方向に貫通しており、左右方向に沿って互いに並んでいる。一対の排水口18Aは、底板30Aを下方から見たときに、収容凹所36A内の係止爪360の左右両脇に配置されている。また、一対の排水口18Bも、底板30Aを下方から見たときに、収容凹所36B内の係止爪360の左右両脇に配置されている。
一対の第1側板31Aは、底板30Aの前後方向における両端から上方に突出している。各第1側板31Aは、前後方向の一方から見たときに、細長い矩形板状に形成されている。第2側板32Aは、底板30Aの左端から上方に突出している。第2側板32Aは、左右方向の一方から見たときに、矩形板状に形成されており、下方へ半円状に凹んだ第2半円溝320(図4参照)を有している。第2半円溝320は、第1外カバー2Aの第1半円溝220とともに1つの通線孔を形成する。電源コード6は、当該通線孔を通じて、器体10内から引き出されている。
(2.2.4)中カバー
各中カバー4Aは、例えばユリア樹脂などの熱硬化性樹脂で形成されている。各中カバー4Aは、図1及び図4に示すように、全体として扁平な直方体形状に形成されている。各中カバー4Aは、上方から見たときに矩形状の外形を有する本体部40と、本体部40の周縁縁から外方に突出しているフランジ部41とを有している。フランジ部41は、本体部40の前縁と後縁の各々の左右方向における中央付近には形成されていない。言い換えると、各中カバー4Aは、その前端部と後端部とにおいて、本体部40に向かって窪んだ凹部42,42を有している(図1では前側の凹部42のみ図示)。
各中カバー4Aの本体部40は、図1に示すように、第1差込口21を有している。具体的には、第1差込口21は、一例として、一対の刃挿通孔210と、端子挿入孔211と、から構成されている。一対の刃挿通孔210は、差込プラグ101の一対の栓刃101Aがそれぞれ挿入されるための孔であり、本体部40を上下方向に貫通している。端子挿入孔211は、差込プラグ101の接地端子101Bが挿入されるための孔であり、本体部40を上下方向に貫通している。
各中カバー4Aの本体部40は、その下面に、端子ブロック5の後述する接続部512,522及び接地用接続部532が一対一で収まるように、上方に窪んだ3つの収容部を有している。接続部512,522及び接地用接続部532は、当該3つの収容部内に収められることで、一対の刃挿通孔210と端子挿入孔211とにそれぞれ対向する。
上下方向の一方から見たときの本体部40の外形寸法は、第1外カバー2Aの貫通孔201の開口寸法よりも僅かに小さいように寸法関係が規定されている。各中カバー4Aは、本体部40の上端面が第1外カバー2Aの天板20Aの上面と略面一となるように、貫通孔201に挿入されて第1外カバー2Aに取り付けられている。具体的には、貫通孔201の前縁と後縁とに設けられている一対の引掛部204が、中カバー4Aの一対の凹部42を通って各引掛部204の爪204Aが本体部40の下面に引っ掛かることで、各中カバー4Aが第1外カバー2Aに取り付けられている。要するに、各中カバー4Aは、一対の引掛部204によって下方向への脱落が抑制されている。また、フランジ部41が貫通孔201の周縁部に引っ掛かっているため、中カバー4Aが貫通孔201を通じて上方向に脱落することも抑制されている。
(2.2.5)端子ブロック
端子ブロック5は、図4に示すように、第1端子板51と第2端子板52と第3端子板53とを有している。第1端子板51、第2端子板52及び第3端子板53の各々は、例えば黄銅からなる1枚の金属板に対して折り曲げ加工を施すことにより形成されている。本実施形態では、第1端子板51及び第2端子板52の一方が電圧極、他方が接地側極であり、第3端子板53が接地極である。
第1端子板51は、図4に示すように、左右方向に沿って延びる帯板状の導電部511と、左右方向に沿って等間隔に配置された4つの接続部512とを有している。また、第1端子板51は、矩形板状の固定片513と、矩形板状の突起片514とを有している。導電部511は、その厚み方向が前後方向に沿うように向けられて中ボディ4B内に収容されている。4つの接続部512は、導電部511に連結されており、導電部511に電気的に接続されている。各接続部512は、一対の接触片を有する刃受けばねであり、一対の接触片の間に差込プラグ101の栓刃101Aを挟み込むことで栓刃101Aと接続部512とが電気的に接続される。
固定片513は、導電部511の左右方向における略中央において、前方へ突出している。固定片513は、その厚み方向が上下方向に沿うように向けられている。固定片513は、その厚み方向に沿って貫通するねじ孔を有している。電源コード6の電線61は、例えば、その先端に取り付けられている圧着端子の孔に挿入されたねじ515を固定片513のねじ孔に挿通してねじ止め固定することで、第1端子板51に対して電気的に接続されている。
突起片514は、導電部511の左右方向における略中央よりも右端寄りの位置において、前方へ突出している。突起片514は、固定片513と同様に、その厚み方向が上下方向に沿うように向けられている。突起片514は、その厚み方向に沿って貫通する孔を有している。第2基板12から延びる一対のリード線120のうちの一方は、突起片514の孔に挿入されてはんだ等によって固定されることで、第1端子板51に対して電気的に接続されている。
第2端子板52は、第1端子板51と同様に、左右方向に沿って延びる帯板状の導電部521と、左右方向に沿って等間隔に配置された4つの接続部522とを有している。また、第2端子板52は、矩形板状の固定片523と、矩形板状の突起片524とを有している。導電部521は、その厚み方向が前後方向に沿うように向けられて中ボディ4B内に収容されている。4つの接続部522は、導電部521に連結されており、導電部521に電気的に接続されている。各接続部522は、一対の接触片を有する刃受けばねであり、一対の接触片の間に差込プラグ101の栓刃101Aを挟み込むことで栓刃101Aと接続部522とが電気的に接続される。
固定片523は、導電部521の左右方向における略中央において、後方へ突出している。固定片523は、その厚み方向が上下方向に沿うように向けられている。固定片523は、その厚み方向に沿って貫通するねじ孔を有している。電源コード6の電線62は、例えば、その先端に取り付けられている圧着端子の孔に挿入されたねじ525を固定片523のねじ孔に挿通してねじ止め固定することで、第2端子板52に対して電気的に接続されている。
突起片524は、導電部521の右端において、右方へ突出している。突起片524は、固定片523と同様に、その厚み方向が上下方向に沿うように向けられている。突起片524は、その厚み方向に沿って貫通する孔を有している。第2基板12から延びる一対のリード線120のうちの他方は、突起片524の孔に挿入されてはんだ等によって固定されることで、第2端子板52に対して電気的に接続されている。
第3端子板53は、図4に示すように、左右方向に沿って延びる帯板状の接地用導電部531と、左右方向に沿って等間隔に配置された4つの接地用接続部532とを有している。また、第3端子板53は、矩形板状の固定片533を有している。接地用導電部531は、その厚み方向が前後方向に沿うように向けられて中ボディ4B内に収容されている。4つの接地用接続部532は、接地用導電部531に連結されており、接地用導電部531に電気的に接続されている。各接地用接続部532は、一対の接触片を有する刃受けばねであり、一対の接触片の間に差込プラグ101の接地端子101Bを挟み込むことで接地端子101Bと接地用接続部532とが電気的に接続される。
固定片533は、接地用導電部531の左右方向における略中央よりも右端寄りの位置において、後方へ突出している。固定片533は、その厚み方向が上下方向に沿うように向けられている。固定片533は、その厚み方向に沿って貫通するねじ孔を有している。電源コード6の電線63は、例えば、その先端に取り付けられている圧着端子の孔に挿入されたねじ535を固定片533のねじ孔に挿通してねじ止め固定することで、第3端子板53に対して電気的に接続されている。
本実施形態のテーブルタップ1は、電源コード6の電源プラグが壁等に設けられたコンセントに接続されることで、商用の交流電源(例えば、100V、60Hz)のような電源から電力を電気器具へ供給可能となっている。
(2.2.6)中ボディ
中ボディ4Bは、中カバー4Aと同様に、例えばユリア樹脂などの熱硬化性樹脂で形成されている。中ボディ4Bは、上面が開口する扁平な矩形の箱状に形成されている。中ボディ4Bは、端子ブロック5の第1端子板51、第2端子板52及び第3端子板53を、個別に収容可能に構成されている。中ボディ4Bは、その内底面から上方向に突出する絶縁壁を有している。絶縁壁は、各第1差込口21に対応する隣り合う接続部512と接続部522とを電気的に絶縁するように形成されている。また、絶縁壁は、左右方向に沿って並ぶ4つの接地用接続部532を、各組の接続部512,522に対して電気的に絶縁するように形成されている。
(2.2.7)吸着部
吸着部9A,9Bの各々は、図3に示すように、扁平な矩形板状の永久磁石91と、ヨーク92とを有している。ヨーク92は、その下面と前後両端面とが開放されていて、前後方向の一方から見たときに逆U字形状となっている。永久磁石91及びヨーク92の各々は、前後方向及び左右方向における中央において、厚み方向に貫通する孔を有している。永久磁石91がヨーク92内に収容された状態で、例えば、かしめ用のピンを永久磁石91及びヨーク92の上記孔に挿通させて、ピンの端部をかしめることで永久磁石91がヨーク92に固定されている。ヨーク92は、その後端に、後方へ突出する突片920(図4参照)を有している。各吸着部9は、突片920を収容凹所36の係止孔361に係止させて、さらにヨーク92の前端を収容凹所36の係止爪360に係止させることで、第1外ボディ3Aに取り付けられている。テーブルタップ1は、吸着部9A,9Bと後述する第2ブロック1Bの吸着部9Cとによって、鉄製の机やロッカーなどに取り付けることができる。
(2.3)第2ブロック
(2.3.1)第2ブロックの全体構成
第2ブロック1Bは、USBプラグ102を差し込むことで、直流電力を供給可能なUSBポートを2つ有している。具体的には、第2ブロック1Bは、第2外カバー2Bと、第2外ボディ3Bと、2つのUSBコネクタ7(7A,7B)と、一対のカバー8(8A,8B)と、を有している。また、第2ブロック1Bは、第1基板11と、変換回路と、第2基板12と、を備えている。さらに、第2ブロック1Bは、2つの弾性材13,13と、表示素子14と、吸着部9(9C)とを備えている。
(2.3.2)第1基板と第2基板
第1基板11は、図1及び図4に示すように、2つのUSBコネクタ7(7A,7B)がその上面(実装面)の左端付近に実装されたプリント配線基板である。第1基板11は、上下方向の一方から見て、左右方向に沿って細長い略矩形の板状とっている。第1基板11は、その前縁及び後縁の右端に内側へ窪んだ窪み111,111を有している。また、第1基板11は、その前縁及び後縁の左端に内側へ窪んだ窪み112,112を有している。さらに、第1基板11は、前後方向の中央で、かつ、やや右寄りの位置に、その厚み方向に貫通する挿通孔110を有している(図1参照)。挿通孔110は、第2外カバー2Bにあるボス207(図3参照)が挿通するための孔である。
第1基板11の実装面には、USBプラグ102の導体1020に対する直流電力の供給状態に応じて表示用の光を発する表示素子14が実装されている。本実施形態では、表示素子14は、第1基板11において、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向における第2基板12とは反対側の端部(右端部)に実装されている。表示素子14は、例えば表面実装型のLED(Light Emitting Diode)チップであり、USBコネクタ7に対して直列に接続されている。すなわち、表示素子14は、USBプラグ102がUSBコネクタ7に接続されて通電状態となると点灯し、USBプラグ102がいずれのUSBコネクタ7にも接続されていないときには消灯している。したがって、表示素子14を通じて、通電確認、及び基板上の回路異常の有無の判断を行うことができる。また、表示素子14には、抵抗器が直列に接続されていて、表示素子14に流れる電流を制限する。
各USBコネクタ7は、例えばUSBタイプAプラグ(図12~図14参照)と接続可能なコネクタ(ソケット)である。ただし、USBコネクタの種類は特に限定されない。本実施形態では、USBコネクタ7A,7Bは、その向きが揃うように、第1基板11に並べられている。つまり、USBコネクタ7A,7B内の4端子(VBUS、-DATA、+DATA、GND)が形成されているプラスチック基板が、それぞれ左右方向の同じ方の側に寄って配置されるように、向きを揃えている。したがって、2つのUSBプラグ102の表面に印されているUSBのマークは、2つのUSBコネクタ7A,7Bにそれぞれ接続されたときに、いずれも左右方向の同じ方(例えば右方向)を向くことになる。
各USBコネクタ7の電源端子(VBUS)とグランド端子(GND)は、それぞれ第1基板11に形成されている配線導体(例えば銅はく)にはんだにより接続されている。各USBコネクタ7は、第1基板11の配線導体と複数のリード線121(図4参照)とを介して、第2基板12側の直流出力端に電気的に接続されている。
第2基板12は、変換回路を構成する複数の電子部品15が実装されたプリント配線基板である。変換回路は、例えば、端子ブロック5側から受け取る交流電力(例えば100V)を用いて、高周波の交流電圧を生成したのち、ダイオード及び電解コンデンサ等により整流及び平滑化した直流電圧を生成する。そして、変換回路は、生成された直流電圧に対してスイッチング調整を行うことで、安定化された直流電圧(例えば5V)を出力する。要するに、変換回路は、端子ブロック5側からの交流電力を直流電力に変換するように構成される。変換回路の一対の交流入力端は、図4に示すように、リード線120,120を介して、端子ブロック5における第1端子板51の突起片514と第2端子板52の突起片524とにそれぞれ電気的に接続されている。変換回路は、直流出力端を通じて、安定化された5Vの直流電圧を第1基板11側に供給する。
(2.3.3)第2外カバー
第2外カバー2Bは、第1ブロック1Aの第1外カバー2Aと一体となって形成されていて、第1外カバー2Aとともに外カバー2を構成する。したがって、第2外カバー2Bは、第1外カバー2Aと同様に、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。第2外カバー2Bは、図1に示すように、天板20Bと一対の第1側板21B,21Bと第2側板22Bと連結板23Bとで、下面及び左面が開放された扁平な箱状に形成されている。連結板23B及び一対の第1側板21Bのいずれの左端も第1ブロック1Aの第1外カバー2Aにつながっている。
天板20Bは、上下方向の一方から見たときに、左右方向に長い矩形板状である。天板20Bは、その第1端面2001(上面)において、対となる2つの第2差込口22を有している。各第2差込口22は、天板20Bの厚み方向に貫通している。各第2差込口22は、上下方向の一方から見たときに、矩形状となっている。第2差込口22,22は、各々の長手方向が前後方向に沿うように、左右方向において並んで設けられている。以下では、2つの第2差込口22を互いに区別する場合、第1ブロック1A寄りに配置されている一方の第2差込口22を「第2差込口221」と呼び、他方を「第2差込口222」と呼ぶこともある(図7A参照)。
天板20Bは、第1端面2001における各第2差込口22を囲む領域からそれぞれ上向きに突出したせき部23を有している(図7A参照)。各せき部23は、上下方向の一方から見たときに4つの壁によって矩形枠状となっている。以下では、4つの壁を前壁231、後壁232、第1側壁(対向壁)233、第2側壁234と呼ぶ。第1側壁233及び第2側壁234は、いずれも前後方向に長尺である。第1側壁233の左右方向における幅寸法は、第2側壁234の左右方向における幅寸法よりも小さい。
各せき部23は、平坦な上端面230(4つの壁231~234の上端面)を有している(図7B参照)。上端面230は、周囲の平坦な第1端面2001よりも高い位置にある。2つのせき部23は、左右方向において面対称となる構成を採用している。すなわち、2つのせき部23において、幅の狭い2つの第1側壁233同士が互いに隣接して対向している。一方、幅の広い2つの第2側壁234は、互いに離れた位置にある。
また、天板20Bは、図7Aに示すように、溝240を有している。溝240は、前後方向に沿って延びている。溝240は、2つのせき部23の互いに隣接して対向する第1側壁233によって形成されている。つまり、溝240の底面は、第1端面2001の一部である。
天板20Bは、図7Aに示すように、各せき部23の第2側壁234と隣接するよう設けられた収容部241を有している。収容部241,241は、2つの弾性材13をそれぞれ一対一に収容可能に下方へ窪んでいる。各収容部241は、上下方向の一方から見たときに、左右方向に沿って長尺である。
また、天板20Bは、図7Aに示すように、第1端面2001における前縁と後縁とに下方へ窪んだ凹所242,242を有している。凹所242,242は、上下方向の一方から見たときに、第1端面2001に対するカバー8A,8Bの両方を合わせた1つの矩形状の投影領域における四隅のうち対角位置にある二隅(左前隅と右後ろ隅)の近傍に設けられている。各凹所242は、上下方向の一方から見たときに、左右方向に沿って延びている。各凹所242は、対応するカバー8の後述するガイド片87を左右方向に沿ってガイドするように構成されている。
天板20Bは、図7Aに示すように、右端近くにおいて、その厚み方向に貫通する貫通孔243を有している。貫通孔243は、上下方向の一方から見たときに、前後方向に細長い矩形状である。この貫通孔243は、第1基板11に実装されている表示素子14と対向するように配置されている。天板20Bには、透光性を有するランプカバー16が貫通孔243を塞ぐように取り付けられている。ランプカバー16は、例えばアクリル樹脂などの透光性樹脂によって形成されている。表示素子14から放射された光が、ランプカバー16を通じて器体10の外部へ出射される。
天板20Bは、図6に示すように、その下面2002において、下方に突出するボス207を有している。ボス207は、円筒状であり、ねじ孔を有している。ボス207は、貫通孔243の左横に設けられている。ボス207は、第2外ボディ3Bの後述するボス310と対応して接触する。
また、天板20Bは、図6に示すように、その下面2002において、下方に突出する複数の規制リブを有している。具体的には、天板20Bは、一対の第1規制リブ251、一対の第2規制リブ252、一対の第3規制リブ253、及び、一対の第4規制リブ254を有している。これらの規制リブは、第2外ボディ3Bに設けられている(後述する)規制リブ371~374とともに上下方向において第1基板11を挟み込むように構成されていて、上下方向に対する第1基板11の変位を規制する。
2つの第1規制リブ251は、図6に示すように、天板20Bの下面2002における右端において、前後方向に並ぶように形成されている。各第1規制リブ251は、上下方向に沿って長く延びる帯板状となっていて、第2側板22Bと一体となって形成されている。各第1規制リブ251の上下方向における寸法は、第2側板22Bの上下方向における寸法と略等しい(図3参照)。各第1規制リブ251は、第1基板11の右端と対向している。各第1規制リブ251は、第1基板11の右端と接触していてもよいし、僅かに離れていてもよい。
第2規制リブ252、第3規制リブ253、及び第4規制リブ254は、図6に示すように、天板20Bの下面2002の前縁と後縁とにおいて、右端からこの順番に配置されている。
2つの第2規制リブ252は、上下方向に沿って長く延びる帯板状となっていて、前後方向において互いに対向している。各第2規制リブ252は、第1側板21Bとそれぞれ一体となって形成されている。各第2規制リブ252の上下方向における寸法は、第1側板21Bの上下方向における寸法と略等しい(図3参照)。また、各第2規制リブ252は、左右方向の一方から見たときに、略L字状に形成されている。つまり、各第2規制リブ252は、他方の第2規制リブ252と互いに対向する端部において、当該他方の第2規制リブ252から離れる方向に窪んだ凹み252A(図3参照)を有している。第1基板11は、各第2規制リブ252の凹み252A内に収められることで前後方向及び上方向に対する変位が規制される。各第2規制リブ252は第1基板11と接触している。
2つの第3規制リブ253は、左右方向の一方から見たときに矩形板状(図3参照)となっていて、前後方向において互いに対向している。各第3規制リブ253は、第1側板21Bとそれぞれ一体となって形成されている。各第3規制リブ253の上下方向における寸法は、例えばUSBコネクタ7の上下方向における寸法と略等しい。各第3規制リブ253の下端は、第1基板11の上面と対向している。各第3規制リブ253は第1基板11と接触している。
2つの第4規制リブ254は、上下方向の一方から見たときにT字形状となっていて、前後方向において互いに対向している。T字形状の各第4規制リブ254における前後方向に沿って延びる部位の端部は、第1側板21Bとそれぞれ一体となって形成されている。各第4規制リブ254の上下方向における寸法は、例えばUSBコネクタ7の上下方向における寸法と略等しい。各第4規制リブ254の下端は、第1基板11の上面と対向している。各第4規制リブ254は第1基板11と接触している。
また、天板20Bは、図6に示すように、その下面2002において、第1基板11に向かって突出する複数の補強リブを有している。具体的には、天板20Bは、1つの第1補強リブ261と、一対の第2補強リブ262を2組(すなわち合計4つ)と、を有している。これらの補強リブは、第2差込口22,22の周囲に設けられていて、USBプラグ102の抜き差しに伴う上下方向に対する天板20Bの変形を抑制する。第1補強リブ261は、矩形板状となっていて、天板20Bの下面2002から見たときに2つの第2差込口22の間に配置されている。各組の一対の第2補強リブ262は、矩形板状となっていて、対応する第2差込口22の前縁及び後縁の近傍にそれぞれ配置されている。
ここで、本実施形態の天板20Bは、図3及び図6に示すように、その下面2002において、第1凸壁171と第2凸壁172を有している。第1凸壁171及び第2凸壁172は、下面2002から下方に向かって突出するように形成されている。第1凸壁171と第2凸壁172は、第2外ボディ3Bの後述する第3凸壁173とともに隔壁17を構成する。第1凸壁171は、左右方向の一方から見たときに、L字の板状に形成されている(図3参照)。すなわち、第1凸壁171は、前後方向に沿って延びる第1部位171Aと、第1部位171Aの前端から上下方向に沿って延びている第2部位171Bとから構成されている。第2部位171Bは、前側の第1側板21Bと一体となって形成されている。第2凸壁172は、前後方向において、第1凸壁171の第2部位171Bと対向する。第2凸壁172は、後ろ側の第1側板21Bと一体となって形成されている。
第1凸壁171の第2部位171Bの下端、及び第2凸壁172の下端は、いずれも第1側板21Bの下端にまで延びている。具体的には、第1凸壁171の第2部位171B、及び第2凸壁172は、各第1側板21Bの後述する(スリット27を構成する)切欠き部270よりも下に突出することなく延びている。
また、図6に示すように、第1凸壁171の第1部位171Aの後端と、第2凸壁172との間には、凸壁が形成されておらず、隙間が存在する。したがって、第2外ボディ3Bの第3凸壁173が上下方向において第1凸壁171及び第2凸壁172と合わさることで、複数のリード線121が通るための挿通口174(図3参照)が形成される。
さらに、天板20Bは、図6に示すように、その下面2002の第1凸壁171及び第2凸壁172よりも左側の領域において、下方に突出する5つの延出リブ255を有している。5つの延出リブ255は、いずれも上下方向に沿って長く延びていて、第1側板21Bの下端よりも僅かに突出している。これらの延出リブ255は、第2外ボディ3Bの後述する複数の支持リブ375とともに上下方向において第2基板12を挟み込むように構成されていて、上下方向に対する第2基板12の変位を規制する。
連結板23Bは、図3及び図6に示すように、天板20Bの左端と、当該左端よりも下にある第1ブロック1A側の天板20Aの右端とを連結している。連結板23Bは、矩形板状に形成されていて、上下方向に対して僅かに傾斜している。連結板23Bは、その内表面(下面)において、下方に突出するボス208を有している。ボス208は、円筒状であり、ねじ孔を有している。ボス208は、第2外ボディ3Bの後述するボス311と対応して接触する。
第1側板21B,21Bは、天板20Bの前後方向における両端から下方に突出している。各第1側板21Bは、前後方向の一方から見たときに、左右方向に沿って細長い矩形板状に形成されている。第1側板21B,21Bは、その左端において、略下半分が第1外カバーの第1側板21A,21Aの右端と、略上半分が連結板23Bの前後端と、それぞれ連続してつながっている。各第1側板21Bの上下方向における寸法は、第1側板21Aの上下方向における寸法よりも大きい。
各第1側板21Bは、図7Bに示すように、その第2端面2003(外表面)において、第2外ボディ3Bとともにガイド溝28を構成するための凹部280を有している。凹部280は、第1側板21Bの下端から僅かに上方へ窪んでいる。凹部280は、左右方向に細長く延びている。凹部280は、前後方向の一方から見たときに、左右方向における2つの第2差込口22間の中心位置(すなわち溝240)から下方向に真っ直ぐ降ろした直線が、凹部280の左右方向における中央を通るように配置されている。
ここで、凹部280は、一対の切欠き部270を有している。各切欠き部270は、凹部280内の上面よりもさらに一段上方へ窪んでいる。一対の切欠き部270は、凹部280内の上面において、左右方向に沿って並ぶように配置されている。一対の切欠き部270は、前後方向の一方から見たときに、上記直線に対して左右対称となるように配置されている。ガイド溝28及びスリット27については、「(2.3.5)スリットとガイド溝」の欄で詳しく説明する。
(2.3.4)第2外ボディ
第2外ボディ3Bは、第1ブロック1Aの第1外ボディ3Aと一体となって形成されていて、第1外ボディ3Aとともに外ボディ3を構成する。したがって、第2外ボディ3Bは、第1外ボディ3Aと同様に、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。第2外ボディ3Bは、図5Aに示すように、底板30Bと、一対の第1側板31Bと、第2側板32Bとで、上面及び左面が開放された扁平な箱状に形成されている。
一対の第1側板31Bは、底板30Bの前後方向における両端から上方に突出している。各第1側板31Bは、前後方向の一方から見たときに、細長い矩形板状に形成されている。各第1側板31Bは、その左端において、第1ブロック1Aの第1外ボディ3Aの第1側板31Aの右端とそれぞれ連続してつながっている。各第1側板31Bの上下方向における寸法は、第1側板31Aの上下方向における寸法と等しい。第2側板32Bは、底板30Bの右端から上方に突出している。第2側板32Bは、左右方向の一方から見たときに、矩形板状に形成されている。
底板30Bは、上下方向の一方から見たときに、左右方向に長い矩形板状である。底板30Bは、その上面に、上方に突出する2つのボス310,311を有している(図5A参照)。各ボスは、円筒状であり、上下方向に貫通する挿通孔304を有している。
ボス310は、底板30Bの上面における右端寄りに設けられ、第2外カバー2Bの天板20Bにあるボス207の先端と接触するように構成されている。ここで、天板20Bにあるボス207が第1基板11に設けられている挿通孔110(図1参照)に挿通された状態で、ボス310と接触しているため、第1基板11は、前後及び左右方向における変位が規制されている。
ボス311は、底板30Bの上面における左端付近に設けられ、第2外カバー2Bの連結板23Bにあるボス208の先端と接触するように構成されている。ここで、第2基板12は、その左端がボス311と接触しているため、左方向への更なる変位が規制されている。
底板30Bは、その下面において、吸着部9(9C)が収容されるための1つの収容凹所36(36C)を有している(図3参照)。収容凹所36Cは、底板30Bの下面の右端付近に設けられている。収容凹所36Cは、上下方向の一方から見たときに矩形状に形成されていて、上方に向かって窪んでいる。
また、底板30Bは、その上面において、収容凹所36Cに対応する領域の面が周囲の面に比べて一段高くなるように形成されている。言い換えると、底板30Bは、その上面において上方に向かって矩形状に突出した突出台37(37C)を有している(図5A及び5B参照)。突出台37Cと後ろ側の第1側板31Bは、それらの間に隙間が形成されるように互いに対向している。一方、突出台37Cと前側の第1側板31Aとは、隙間無く一体となって形成されている。底板30Bも、底板30Aの収容凹所36A,36Bと同様に、収容凹所36Cの内底面に、係止爪360と係止孔361とを有している。
ここで、底板30Bは、図5A及び5Bに示すように、底板30Aの排水口18A及び18Bと同様に、器体10の外部空間と器体10の内部空間とをつなげる一対の排水口(排水孔)18(18C,18C)を有している。一対の排水口18Cは、突出台37Cの上端面の前端付近において上下方向に貫通しており、左右方向に互いに並んでいる。
また、底板30Bは、図5Aに示すように、その上面に、上方に突出する複数の規制リブを有している。具体的には、底板30Bは、一対の第1規制リブ371、一対の第2規制リブ372、一対の第3規制リブ373、及び、一対の第4規制リブ374を有している。これらの規制リブは、第2外カバー2Bの複数の規制リブ251~254とともに上下方向において第1基板11を挟み込むように構成されていて、上下方向に対する第1基板11の変位を規制する。
第1規制リブ371、第2規制リブ372、第3規制リブ373、及び第4規制リブ374は、図5Aに示すように、底板30Bの上面の前縁と後縁とにおいて、右端からこの順番に配置されている。
2つの第1規制リブ371は、図5Aに示すように、底板30Bの上面の右端付近(突出台37Cの左側)において、前後方向に互いに対向している。各第1規制リブ371は、上下方向に沿って長く延びていて、第1側板31Bと一体となって形成されている。各第1規制リブ371は、上下方向の一方から見て、T字状に形成されている。
各第1規制リブ371の上下方向における寸法は、第1側板31Bの上下方向における寸法よりも大きい。すなわち、各第1規制リブ371は、その上端が第1側板31Bの上端よりも上に突き出ている(図1参照)。さらに、各第1規制リブ371は、図1に示すように、その上端に、第1基板11を支持する支持凹所371Aを有している。すなわち、前側の第1規制リブ371の上端後部と、後ろ側の第1規制リブ371の上端前部とが切り欠かれている。第1基板11は、支持凹所371A,371Aの底面に載せ置かれることで、前後方向及び下方向への変位が規制される。さらに、各第1規制リブ371は、図1に示すように、左方へ突出する支持突片371Bを有している。第1基板11の各窪み111内の左端面が支持突片371Bに当てられているため、第1基板11の右方への変位も規制される。
2つの第2規制リブ372は、図5Aに示すように、底板30Bの上面の左右方向における中央よりもやや右寄りの位置において、前後方向に互いに対向している。各第2規制リブ372は、上下方向に沿って長く延びる帯板状となっていて、第1側板31Bとそれぞれ一体となって形成されている。各第2規制リブ372は、その上端が第1側板31Bの上端よりも上方に突き出ている(図1参照)。ただし、第2規制リブ372の上下方向における寸法は、第1規制リブ371の上下方向における寸法よりも小さく、底板30Bの上面から第1規制リブ371の支持凹所371Aの内底面までの距離と略等しい。
第1基板11の下面は、第2規制リブ372,372に接触している。すなわち、第2規制リブ372は、他の規制リブ371、373及び374とともに第1基板11の下方向への変位を規制している。
ここで、第2規制リブ372,372は、図4に示すように、上下方向の一方から見たときに、第1基板11上に実装されている右側のUSBコネクタ7Bよりも僅かに右の位置に配置されている。したがって、USBプラグ102が差し込まれるときに第1基板11が受ける応力を効果的に器体10側に逃がすことができる。要するに、第1基板11の変形を抑制することができる。
2つの第3規制リブ373は、図5Aに示すように、第2規制リブ372よりも左側の位置において、前後方向に互いに対向している。各第3規制リブ373は、上下方向に沿って長く延びる帯板状となっていて、第1側板31Bとそれぞれ一体となって形成されている。第3規制リブ373の上下方向における寸法は、第2規制リブ372の上下方向における寸法と略等しい。第1基板11の下面は、第3規制リブ373,373に接触している。すなわち、第3規制リブ373は、他の規制リブ371、372及び374とともに第1基板11の下方向への変位を規制している。
ここで、第3規制リブ373,373は、図4に示すように、上下方向の一方から見たときに、第1基板11上に実装されているUSBコネクタ7A,7Bの間の位置に配置されている。したがって、USBプラグ102が差し込まれるときに第1基板11が受ける応力を効果的に器体10側に逃がすことができる。要するに、第3規制リブ373は、第2規制リブ372とともに、第1基板11の変形を抑制することができる。
2つの第4規制リブ374は、図5Aに示すように、底板30Bの上面の左右方向における中央付近において、前後方向に互いに対向している。各第4規制リブ374は、上下方向に沿って長く延びていて、第1側板31Bと一体となって形成されている。また、各第4規制リブ374は、上下方向の一方から見て、T字状に形成されている。
各第4規制リブ374は、その上端が第1側板31Bの上端よりも上方に突き出ている(図1参照)。さらに、各第4規制リブ374は、図1に示すように、その上端に、第1基板11を支持する支持凹所374Aを有している。すなわち、前側の第4規制リブ374の上端後部と、後ろ側の第4規制リブ374の上端前部が切り欠かれている。第1基板11は、支持凹所374A,374Aの底面に載せ置かれることで、前後方向及び下方向への変位が規制される。さらに、各第4規制リブ374は、図1に示すように、右方へ突出する支持突片374Bを有している。第1基板11の各窪み112内の右端面が支持突片374Bに当てられているため、第1基板11の左方への変位も規制される。
また、第4規制リブ374,374は、図4に示すように、上下方向の一方から見たときに、第1基板11上に実装されているUSBコネクタ7Aよりも僅かに左の位置に配置されている。したがって、USBプラグ102が差し込まれるときに第1基板11が受ける応力を効果的に器体10側に逃がすことができる。要するに、第4規制リブ374は、他の規制リブ372,373とともに、第1基板11の変形を抑制することができる。
ここで、本実施形態の底板30Bは、図5Aに示すように、その下面に、第3凸壁173を有している。第3凸壁173は、底板30Bの下面から上方へ突出するように形成されている。第3凸壁173は、第2外カバー2Bの第1凸壁171及び第2凸壁172とともに隔壁17を構成する。第3凸壁173は、左右方向の一方から見たときに、略矩形の板状に形成されている。第3凸壁173は、その上端が第1側板31Bの上端よりも上方に突き出てさらに第1基板11の上面よりも上に配置されるように形成されている。第3凸壁173の上下方向における寸法は、例えば、第1規制リブ371の上下方向における寸法よりもやや大きい。
第3凸壁173の前端の下部と後端の下部とは、第1側板31B,31Bとそれぞれ一体となって形成されている。第3凸壁173は、その前端と後端とにそれぞれ下方に窪んだ窪みを有し、これらの窪みに第1凸壁171の第2部位171Bと第2凸壁172とが嵌まり込んでいる。これらの凸壁171~173によって構成された隔壁17は、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向(左右方向)における、第1基板11と第2基板12との間に設けられている(図4参照)。また、隔壁17は、左右方向に貫通する挿通口174を有している。第1基板11の入力端と第2基板12の直流出力端とを電気的に接続する複数のリード線121は、挿通口174を通るように配線されている。
さらに、底板30Bは、図5Aに示すように、その上面の第3凸壁173よりも左側の領域において、上方に突出する7つの支持リブ375を有している。7つの支持リブ375のうち、2つは前側の第1側板31Bと、2つは後ろ側の第1側板31Bと、2つは第3凸壁173と、最後の1つはボス311と、それぞれ一体的に形成されている。7つの支持リブ375は、いずれも第1側板31Bの上端までは延びておらず、第1側板31Bの上下方向における寸法に比べて十分に短い寸法(例えば第1側板31Bの半分程度の寸法)を有している。言い換えると、支持リブ375は、第1基板11が上に載せ置かれる第2規制リブ372及び第3規制リブ373の各々の上下方向における寸法に比べて十分に短い寸法を有している。
7つの支持リブ375は、その上端に載せ置かれた第2基板12を、第2外カバー2Bの5つの延出リブ255とともに上下方向において挟み込むように構成されている。要するに、支持リブ375と延出リブ255は、上下方向に対する第2基板12の変位を規制している。また、第2基板12の前端と後端とは、各第1側板31Bから内側に向かって僅かに突出している複数の小突起と接触しているため、第2基板12の前後方向における変位も規制されている。さらに、第2基板12の右端は、隔壁17の第3凸壁173に接触し、その左端は、ボス311に接触しているため、第2基板12の左右方向における変位も規制されている。
要するに、本実施形態の器体10は、第1基板11と第2基板12とが左右方向に並ぶ状態でこれらを支持し、さらに、隔壁17によって、第1基板11及び第2基板12が収容されている空間を分け隔てるように構成されている。さらに、上下方向の高さ位置で言えば、第1基板11は、器体10内において、第2基板12よりも高い位置で支持されている。これにより、第1基板11に実装されている2つのUSBコネクタ7は、第2差込口22に対して出来るだけ近い位置で対向している。一方、第2基板12は、出来るだけ底板30Bに近い位置に配置されているため、第2基板12の上面に実装されている複数の電子部品15を収容可能な空間が器体10内において形成されている。
(2.3.5)スリットとガイド溝
ところで、外ボディ3は、図1に示すように、その開放された上面の周縁部において上方へ僅かに突出した嵌合突起312を有している。嵌合突起312は、その周縁部全体にわたって形成されている。嵌合突起312は、外ボディ3の外表面(例えば第1側板31Bの外表面)よりも内側に設けられている。この嵌合突起312は、外カバー2の開放された下面から外カバー2内に嵌め込まれて、外ボディ3の外表面と外カバー2の外表面とが互いに略面一となっている。
ここで、上述したように第2外カバー2Bの各第1側板21Bは、その第2端面2003に、凹部280を有している。ただし、嵌合突起312は、上下方向の一方から見たときに、凹部280よりも器体10の内側に配置されるように構成されている。言い換えると、嵌合突起312の一部が凹部280を通じて露出している(図7B参照)。要するに、外カバー2と外ボディ3とが組み合わさることで、左右方向に細長く延びている内側に窪んだガイド溝28が構成される。
さらに、上述したように第2外カバー2Bの各第1側板21Bには、凹部280内の上面よりもさらに一段上方へ窪んでいる切欠き部270,270が設けられている。ただし、嵌合突起312は、図7Bに示すように、前後方向の一方から見たときに、切欠き部270を塞ぐほど上方へ延びていない。したがって、外カバー2と外ボディ3とが組み合わさることで、器体10の側板を厚み方向に貫通するスリット27が構成される。
(2.3.6)カバーと弾性材
一対のカバー8は、同一の成形品であり、互いに同形、同寸法を有している。各カバー8は、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂で形成されている。各カバー8は、器体10に取り付けられて、カバー対象となる第2差込口22を覆う第1の位置と、第2差込口22を露出する第2の位置との間で、器体10に対してスライド移動可能に構成されている。本実施形態では、第2差込口22の数は2つであり、カバー8の数も2つである。つまり、各カバー8のカバー対象となる第2差込口22の数は、それぞれ1つである。以下、左側の第2差込口221をカバー対象としているカバー8を「カバー8A」と呼び、右側の第2差込口222をカバー対象としているカバー8を「カバー8B」と呼ぶ。
各カバー8は、カバー対象となる第2差込口22に対して、他のカバー8とは独立してスライド可能に構成されている。つまり、カバー8Aとカバー8Bとは、互いに独立して可動である。以下では、カバー8がスライドする方向を「スライド方向」と呼ぶこともある。「スライド方向」とは、後述する本体部81の第1対向面810(下面)と各側部82の第2対向面820(内表面)の両方に(交差せずに)沿った方向である。本実施形態では、「スライド方向」は、左右方向に相当する。各カバー8は、第1対向面810が第1端面2001に沿い、かつ、第2対向面820が第2端面2003に沿うように、第1の位置と第2の位置との間でスライド移動するように構成されている。
各カバー8は、図8A、8B及び図9に示すように、本体部81と、一対の側部82(82A,82B)と、を有している。さらに、各カバー8は、ガイドリブ83,83と、引掛爪84,84と、第1突出部85(突出部)と、一対の第2突出部86,86(突出部)と、ガイド片87と、押付片88と、を有している。
本体部81は、図8Bに示すように、上下方向の一方から見て、略矩形の板状に形成されている。本体部81は、図8Aに示すように、上方向に凸となるように緩やかに湾曲している。本体部81の第1対向面810(下面)は、器体10の第2差込口22が設けられている第1端面2001(上面)と対向する。本体部81の上面には、カバーのスライド方向を示すためのマーク80(図10参照)が設けられている。マーク80は、例えば、本体部81の上面の一部の領域を三角形状に上方へ凸とすることで形成されている。
側部82A,82Bは、図9に示すように、本体部81の前後方向における両端から下方に向かって突出している。すなわち、本体部81及び側部82A,82Bは、左右方向の一方から見たときに、全体として逆U字形状となっている。各側部82の第2対向面820(内表面)は、第1側板21Bの第2端面2003(外表面)と対向する。
ガイドリブ83,83は、図9に示すように、側部82,82の第2対向面820の下部において、前後方向に沿って互いに近づく方向に突出している。各ガイドリブ83は、前後方向の一方から見たときに、左右方向に沿って細長く形成されていて、その左右方向における寸法は、側部82の左右方向における寸法と略等しい。
ガイドリブ83,83は、スライド方向に沿って延びる器体10のガイド溝28,28に嵌め込まれている。カバー8は、ガイド溝28によって、第1側板21Bの第2端面2003に沿いスライド方向に交差する方向(例えば上下方向)への移動が規制される。
引掛爪84,84は、図9に示すように、側部82,82の第2対向面820において、ガイドリブ83の左右方向における中央の上付近に設けられている。各引掛爪84,84は、第2対向面820から前後方向に沿って互いに近づく方向に突出している。各引掛爪84は、その先端部から下方に突出する突出片840を有している。引掛爪84,84の突出片840,840は、器体10のスリット27,27の縁部にそれぞれ引っ掛けられている。したがって、カバー8は、第1側板21Bの第2端面2003に沿いスライド方向に交差する方向(例えば上下方向)への移動がさらに規制される。
カバー8Aは、引掛爪84がスリット27内の右端面に接触したときに第1の位置となり、引掛爪84がスリット27内の左端面に接触したときに第2の位置となるように、スリット27の左右方向の寸法が規定されている。また、カバー8Bは、引掛爪84がスリット27内の左端面に接触したときに第1の位置となり、引掛爪84がスリット27内の右端面に接触したときに第2の位置となるように、スリット27の左右方向の寸法が規定されている。要するに、各カバー8は、引掛爪84とスリット27によって、左右方向における可動範囲が制限されている。
第1突出部85は、図9に示すように、本体部81の第1対向面810において、スライド方向の両端のうちの一方の端に設けられている。一方、第2突出部86,86は、本体部81の第1対向面810において、上記両端のうちの他方の端に設けられている。第1突出部85及び第2突出部86,86は、いずれも天板20Bの第1端面2001に近づく向きに突出している。これらの突出部は、第1端面2001の上をスライド可能な程度に接触しているか、又は第1端面2001に対して僅かに接触しない程度に近接している。
カバー8Aの第1突出部85は、第1対向面810の左端に設けられ、第2突出部86,86は、第1対向面810の右端に設けられている。一方、カバー8Bの第1突出部85は、右端に設けられ、第2突出部86,86は、第1対向面810の左端に設けられている。要するに、カバー8Aとカバー8Bとは、それらが並ぶ左右方向において、面対称となる構成を採用している(図10参照)。
各カバー8の第2突出部86,86は、前後方向において互いに所定の間隔を空けて設けられている。この所定の間隔は、せき部23の前後方向における寸法よりも僅かに大きい。要するに、第2突出部86,86は、カバー8のスライド移動時に、カバー対象となる第2差込口22の周辺にあるせき部23に引っ掛からないように構成されている。
ガイド片87は、図9に示すように、本体部81の第1対向面810において、下方に向かって突出している。ガイド片87は、左右方向の一方から見たときに、略矩形の板状となっている。本実施形態では、ガイド片87は、側部82A,82Bのうち側部82B寄りの、第1対向面810の端に設けられている(図9参照)。したがって、カバー8Aのガイド片87は、第1対向面810の前端に、カバー8Bのガイド片87は、第1対向面810の後端に、それぞれ配置されている。
ガイド片87,87は、図7Aに示すように、スライド方向に沿って延びている第2外カバー2Bの凹所242,242にそれぞれ嵌め込まれている。したがって、カバー8は、凹所242によって、天板20Bの第1端面2001に沿いスライド方向に交差する方向(例えば前後方向)への移動が規制される。
押付片88は、図9に示すように、本体部81の第1対向面810において、下方に向かって突出している。押付片88は、本体部81の第1対向面810の左右方向及び前後方向における中央に設けられている。押付片88は、左右方向の一方から見たときに矩形の板状となっている。押付片88は、第2外カバー2Bの収容部241に収容されている弾性材13から弾性力を受けるように、収容部241内に嵌め込まれている。
2つの弾性材13は、例えばらせん状のコイルばねである。各弾性材13は、押付片88を通じて、カバー8が第2の位置から第1の位置へスライド移動する向きの弾性力をカバー8に付与する。具体的には、カバー8Aは、弾性材13から右向きの弾性力を受けていて、カバー8Bは、弾性材13から左向きの弾性力を受けている。したがって、USBコネクタ7が使用されていないとき、図7A及び7Bに示すように、カバー8A,8Bは、いずれも第1の位置で維持される。
ここで、カバー8Aとカバー8Bとは、スライド方向において、互いに対向する一端部を有している。すなわち、カバー8Aとカバー8Bとは、カバー8Aの右端部とカバー8Bの左端部とが互いに対向するように、器体10に対して左右方向に沿って一列に並んで取り付けられている。本実施形態では、カバー8Aの右端部とは、本体部81及び一対の側部82の右端に相当し、カバー8Bの左端部とは、本体部81及び一対の側部82の左端に相当する。カバー8A及びカバー8Bは、一方のカバー8が第1の位置から第2の位置へスライド移動するとき他方のカバー8から離れ、一方のカバー8が第2の位置から第1の位置へスライド移動するとき他方のカバー8に近づくように構成されている。
カバー8Aとカバー8Bとは、いずれもが第1の位置にあるとき、対向する右端部と左端部とが互いに合わさるように、スリット27の左右方向の寸法及び弾性材13の弾性力等が設定されている。また、カバー8Aとカバー8Bとは、いずれもが第1の位置にあるとき、上下方向の一方から見て、右端部と左端部とが第2外カバー2Bの溝240に沿って互いに合わさるように構成されている(図7A参照)。
(2.4)外カバー、外ボディ及びカバーの組立手順
以下、外ボディ3に対する外カバー2及びカバー8の組立手順について簡単に説明する。ただし、第1基板11、第2基板12、中ボディ4B、端子ブロック5は、外ボディ3内に予め収容されているものとする。電源コード6の電線61~63は、端子ブロック5に接続されて、シース60の先端部分は、外ボディ3の第2半円溝320(図4参照)に嵌め込まれているものとする。また、3つの吸着部9も、外ボディ3の下面にある3つの収容凹所にそれぞれ嵌め込まれているものとする。以下で説明する組立手順(A)~(F)は単なる一例であり、下記の手順とは異なる手順によって組み立てられてもよい。
(A)組立作業者は、まず、外カバー2の収容部241,241内にそれぞれ弾性材13,13を嵌め込む。このとき、弾性材13は、そのコイルばねの圧縮方向がカバー8のスライド方向(左右方向)に一致するように嵌め込まれる。
(B)組立作業者は、外カバー2の第2差込口221に対応するカバー8Aを外カバー2に取り付ける。具体的には、カバー8Aのマーク80の先が左を向くようにカバー8Aを把持する。そして、左の弾性材13の右端を左方へ撓ませた状態で、側部82,82を少し外方に撓ませながらカバー8Aを外カバー2の第1端面2001と第2端面2003とを包むように外カバー2に嵌め込み、カバー8Aの押付片88を収容部241に挿入する。このとき、図7Bに示すように、カバー8Aの引掛爪84を切欠き部270に挿入し、図7Aに示すように、カバー8Aのガイド片87も凹所242内に挿入する。
なお、収容部241の底面には貫通孔が設けられているため、外カバー2の裏側からドライバー等の工具の先端を挿通孔に入れて弾性材13を左方へ撓ませた状態で、外カバー2の表側からカバー8Aの押付片88を挿入することができる。弾性材13の撓みを解除すると、弾性材13が弾性復帰し、その右端が押付片88を右方へ押すため、カバー8Aが外カバー2に仮保持される。
(C)続いて組立作業者は、外カバー2の第2差込口222に対応するカバー8Bを外カバー2に取り付ける。具体的には、カバー8Bのマーク80の先が右を向くようにカバー8Bを把持する。そして、右の弾性材13の左端を右方へ撓ませた状態で、側部82,82を少し外方に撓ませながらカバー8Bを外カバー2の第1端面2001と第2端面2003とを包むように外カバー2に嵌め込み、カバー8Bの押付片88を収容部241に挿入する。カバー8Aと同様に、カバー8Bの引掛爪84を切欠き部270に挿入し、カバー8Bのガイド片87も凹所242内に挿入する。弾性材13の撓みを解除すると、弾性材13が弾性復帰し、その左端が押付片88を左方へ押すため、カバー8Bが外カバー2に仮保持される。
(D)組立作業者は、4つの中カバー4Aを、外カバー2の4つの貫通孔201内にそれぞれ嵌め込む。すなわち、各貫通孔201の前縁と後縁にある引掛部204,204を、中カバー4Aの凹部42,42に挿入して、引掛部204の爪204Aを中カバー4Aに引っ掛けさせる。その結果、中カバー4Aが外カバー2に対して取り付けられる。
(E)組立作業者は、4つの中カバー4Aとカバー8A,8Bとが外カバー2に取り付けられた状態で外カバー2を把持し、外カバー2の開放された下面を外ボディ3の開放された上面に向ける。そして、外ボディ3の上面の周縁部の全体にわたって突出した嵌合突起312が外カバー2内に入り込むように外カバー2を外ボディ3に嵌め込む。
(F)最後に、組立作業者は、5本のねじ103を外ボディ3の裏側からボス302,303,303,310,311の挿通孔304に挿通してねじ込む。その結果、5本のねじ103の先端は、外カバー2側にあるボス203,202,202,207,208のねじ孔に入り込む。これにより外ボディ3と外カバー2の組み立てが完了する。
(2.5)USBプラグの取付け及び取外し
以下、テーブルタップ1に対するUSBプラグ102の取付け及び取外しについて、主に図10~図14を参照しながら説明する。ここでは、例えば、スマートフォン等の携帯端末機器の利用者が、その携帯端末機器内に内蔵されているバッテリを充電するために、テーブルタップ1を利用することを想定する。
利用者は、携帯端末機器側に接続されたUSBケーブルの先端にあるUSBプラグ102を、テーブルタップ1のUSBコネクタ7A,7Bのいずれかに選択的に接続することができる。例えば、右側にあるUSBコネクタ7BにUSBプラグ102を接続する場合、利用者は、図10に示すように、カバー8Bの三角形状のマーク80の先端が指す向き(右向き)に沿って指先でカバー8Bを動かす。すると、カバー8Bは、その押付片88が収容部241内の弾性材13の弾性力に抗して弾性材13を撓ませながら、右方向へスライド移動する。このとき、カバー8Bのガイドリブ83,83がガイド溝28,28内を右方向に移動するとともに、引掛爪84,84もスリット27,27内を右方向へ移動する。同じく、カバー8Bのガイド片87も、凹所242内を右方向へ移動する。カバー8Bが右方向へある程度スライド移動すると、各引掛爪84がスリット27内の右端面に当たるため、カバー8Bの更なる右方向への移動が規制される。
この状態になると、右側の第2差込口222がせき部23とともに外部に露出する。すなわち、カバー8Bの(第2差込口222を覆っていた)第1の位置から(第2差込口222を露出する)第2の位置への移動が達成される(図10参照)。
利用者は、この状態を指先で保ちながら、図12に示すように、USBプラグ102の導体1020(図13参照)を第2差込口222に差し込むことで、USBプラグ102とUSBコネクタ7Bとが電気的に接続される。その後、利用者は、指先をカバー8Bから離すと、弾性材13の弾性復帰によりカバー8Bの押付片88が左方向へ押されて、カバー8Bが左方向へ移動する。ただし、カバー8Bは、その本体部81の左端がUSBプラグ102の金属部分1030(図13参照)に当たるため、そこでカバー8Bのスライド移動は止まる。これでUSBプラグ102の取付けが完了する。なお、このときカバー8BがUSBプラグ102をあまり強く押さないように弾性材13の弾性力が設定されていることが望ましい。
そして、携帯端末機器のバッテリの充電が完了すると、利用者は、カバー8Bを指先で少し右方向へスライドさせてから、USBプラグ102を第2差込口222から抜き取り、カバー8Bを放せばよい。カバー8Bは、弾性材13の弾性復帰により自動的に元の(第2差込口222を覆う)第1の位置へ戻る。
詳しい説明は省略するが、利用者は、USBプラグ102を左側にあるUSBコネクタ7Aに接続する場合には、図11及び図13に示すように、カバー8Aの三角形状のマーク80の先端が指す向き(左向き)に沿って指先でカバー8Aを動かせばよい。その後、左側の第2差込口222がせき部23とともに外部に露出するので、USBプラグ102の導体1020を第2差込口221に差し込むことで、USBプラグ102とUSBコネクタ7Aとが電気的に接続される。
また、言うまでも無く、利用者は、図14に示すように、USBコネクタ7A,7Bを同時に利用することができる。例えば、携帯端末機器側のUSBプラグ102をUSBコネクタ7Aに接続した状態で、別の携帯端末機器側のUSBプラグ102をUSBコネクタ7Bに接続することができる。
(2.6)異物に対する構造1
以下、テーブルタップ1における異物(埃、飲み物等の液体、及び食べ物等のかす)の第2差込口22からの侵入を抑制するためのカバー8及び器体10の構造に着目して説明する。
まず、テーブルタップ1は、カバー8が第1位置、すなわち第2差込口22を覆っている状態にあるとき、第2差込口22に対する直接的な異物の落下を防止することができる。また、カバー8は、単に第2差込口22及びその周縁のみを覆っているのではない。つまり、カバー8は、第2差込口22が設けられた天板20Bの第1端面2001と、第1側板21B,21Bの第2端面2003の両方にわたって覆うように構成されている。したがって、異物が第2差込口22に対して器体10の側方(前後方向)から侵入することも抑制している。
さらに、カバー8は、左右方向における一端に第1突出部85(突出部)を有し、他端に一対の第2突出部86,86(突出部)を有している。したがって、異物が第2差込口22に対して器体10のスライド方向(左右方向)から侵入することも抑制している。特に、異物が飲み物等の液体の場合、液体が器体10にかかると、天板20Bの第1端面2001上を伝って第2差込口22に向かい易いが、上記の突出部85,86,86が、より効果的に液体の浸入を抑制する。
一方、器体10は、その第1端面2001における各第2差込口22を囲む領域からそれぞれ上向きに突出したせき部23を有している。したがって、液体が器体10にかかって天板20Bの第1端面2001上を伝って第2差込口22に向かったとしても、せき部23によりせき止めることができる。また、第2差込口22,22の間には、前後方向に沿って延びる溝240が設けられているため、液体が溝240内に入り、溝240を伝って前後方向にはけ易い。特に、溝240は、カバー8Aとカバー8Bのいずれもが第1の位置にあるときこれらの右端部と左端部とが合わさる境目の真下に配置されている。したがって、液体がカバー8Aの右端部とカバー8Bの左端部との間のほんの僅かな隙間から下に流れ落ちたとしても、その真下にある溝240で液体を受けて、第2差込口22への浸入を抑制することができる。
(2.7)異物に対する構造2
以下、テーブルタップ1において、器体10内に浸入した飲み物等の液体(異物)に対する器体10の内部構造に着目して、図15A及び15Bを参照しながら説明する。図15Bにおける点線矢印B1~B4は、液体の流れを簡易的に示したものである。
まず、第1基板11に関して、その上面にはUSBコネクタ7及び表示素子14等のみが実装されていて、例えば5V程度のような比較的低い直流電圧が供給されている(弱電側基板)。したがって、仮に液体が第1基板11にかかっても、USBコネクタ7が接触不良を起こす程度であって、例えば種々の電子部品が破損する、あるいは絶縁低下が生じて信頼性が低下するといった事態は起こり難い。
一方、第2基板12に関して、直流電力へ変換するための交流電力(例えば100V)を端子ブロック5から供給されている(強電側基板)。そして、第2基板12には、変換回路を構成する種々の電子部品15が実装されている(図15A参照)。したがって、仮に液体が第2基板12にかかると、種々の電子部品15が破損する、あるいは絶縁低下が生じて信頼性が低下するといった事態が起こり易い。
これに対して、本実施形態では、まず、第1基板11と第2基板12とが、器体10内において、上下方向に沿って並んで収容されているのではなく、第1差込口21と第2差込口22とが並ぶ並び方向、すなわち、左右方向に沿って並んで収容されている。具体的には、第1基板11と第2基板12と端子ブロック5(接続部512,522,532)とが、上下方向の一方から見たときに、第1基板11、第2基板12、端子ブロック5の順に左右方向に沿って一列に並んで器体10内に収容されている。つまり、第2差込口22の真下にある基板は、USBコネクタ7が実装されている第1基板11のみである。したがって、仮に飲み物等の液体が第2差込口22を通じて器体10内に浸入したとしても(点線矢印B1)、液体が直接第2基板12にかかるといった事態を回避することができる。
さらに、本実施形態では、単に第1基板11と第2基板12とが左右方向に沿って並んで収容されているだけではなく、第2基板12は、隔壁17によって第1基板11が収容されている空間から隔離されている。したがって、水位が隔壁17の(リード線121が通る)挿通口174を超えるほどの大量の液体が浸入しない限りは、第2基板12が収容されている空間側へ液体が流れ込むことを抑制することができる。
また、本実施形態の器体10は、器体10の外部空間とつながっている、対となる排水口18を3組(合計6つの排水口)有している。したがって、器体10内に浸入した液体を器体10から排出することができる。
特に、排水口(排水孔)18C,18Cは、上下方向の一方から見たときに、器体10の底板(第2壁部)において、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向における第1基板11の第2基板12とは反対側の端部側(右端部)の領域に配置されている。第2差込口22を通じて器体10内に浸入した液体は、第1基板11の上を伝って周縁部から下方へ流れ落ち(点線矢印B2)、器体10の底に溜まる。そして、液体がある程度器体10の底に溜まり、その水位が器体10の底の右端にある突出台37Cの上端面を超えると(点線矢印B3)、液体が排水口18C,18Cから排出される(点線矢印B4)。したがって、第2基板12が収容されている空間側へ液体が流れ込むことをより抑制することができる。
また、排水口18B,18Bは、上下方向の一方から見たときに、器体10の底板(第2壁部)において、第2基板12と端子ブロック5との間の領域に配置されている。したがって、仮に第2基板12が収容されている空間側へ液体が流れ込んでも、液体を排水口18B,18Bから排出することができる。
ところで、本実施形態では、各排水口18は、図15A及び図15Bに示すように、器体10の底板30Bの下面に直接設けられているのではなく、吸着部9が収容されている収容凹所36内に設けられている。つまり、各排水口18の下方には吸着部9が配置されている。したがって、例えば排水口18から誤ってピン等の異物が入り込み、器体10内の電子部品15等が破損することを、吸着部9によって防ぐことができる。
(3)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。以下に説明する変形例も、上述した基本例と適宜組み合わせて適用可能である。
基本例では、電気器具等の電源コードの差込プラグ101が接続可能なコンセントの口数が、一例として4個である。しかし、コンセントの口数は特に限定されない。また、基本例では、USBプラグ102が接続可能なUSBコネクタ7及び第2差込口22の数は一例として2つずつである。しかし、これらの数は特に限定されない。
基本例では、1つのカバー8のカバー対象は、1つの第2差込口22である。しかし、1つのカバー8のカバー対象が、2つ以上の第2差込口22であってもよい。また、第2差込口22の数は、特に限定されない。つまり、第2差込口22の数が1つの場合、カバー8は、1つであってもよい。
基本例では、溝240が2つのせき部23の互いに対向する第1側壁(対向壁)233,233によって形成されている。しかし、溝240は、せき部23とは別に、天板20Bの第1端面2001の一部の領域を凹ませることで形成されていてもよい。ただし、基本例のように溝240がせき部23によって形成される方が、器体10の製造が容易となる。
基本例では、カバー8A,8Bが互いに独立してスライド移動可能となっている。しかし、カバー8A,8Bは、互いに連動してスライド移動可能となっていてもよい。ただし、基本例のようにカバー8A,8Bが互いに独立してスライド移動可能である方が、異物が侵入する可能性をより低減することができる。
基本例では、第1基板11は、上下方向において、第2外カバー2Bの第2規制リブ252、第3規制リブ253及び第4規制リブ254と接触している。しかし、第1基板11は、これらの規制リブと僅かに離れた状態で器体10内に収容されていてもよい。
基本例では、第1基板11は、上下方向において、第2外カバー2Bの第1補強リブ261及び第2補強リブ262と接触していない。しかし、第1基板11は、これらの補強リブと接触した状態で器体10内に収容されていてもよい。
基本例では、第2基板12は、上下方向において、第2外カバー2Bの延出リブ255と接触している。しかし、第2基板12は、これらの延出リブと僅かに離れた状態で器体10内に収容されていてもよい。
基本例では、カバー8の各引掛爪84の突出片840は、下方に突出している。しかし、突出片840は、上方へ突出していてもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係るテーブルタップ1は、第1差込口21及び第2差込口22を有する器体10と、接続部(512,522,532)と、導電部分と、コネクタ(USBコネクタ7)と、を備える。また、テーブルタップ1は、変換回路と、第1基板11と、第2基板12と、を備える。接続部には、第1差込口21に差し込まれた第1プラグ(差込プラグ101)の導体(一対の栓刃101A及び接地端子101B)が電気的に接続される。導電部分は、外部電源と接続部とを電気的に接続し、外部電源から受ける交流電力を第1プラグの導体に供給する。コネクタには、第2差込口22に差し込まれた第2プラグ(USBプラグ102)の導体1020が電気的に接続される。変換回路は、交流電力を直流電力に変換して、コネクタを通じて第2プラグの導体に供給する。第1基板11には、コネクタが実装されている。第2基板12には、変換回路を構成する電子部品15が実装されている。第1基板11と第2基板12とは、第2プラグの導体が差し込まれる差込方向の一方から見たときに、互いに重なることなく、第1差込口21と第2差込口22とが並ぶ並び方向に沿って並んで器体10内に収容されている。第1の態様によれば、器体10内に侵入した異物によって信頼性が低下することを防ぐことができる。
第2の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1の態様において、変換回路の交流入力端は、接続部に電気的に接続されていることが好ましい。第2の態様によれば、変換回路は、接続部から供給される交流電力を用いて直流電力を生成することができる。
第3の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1又は2の態様において、第1基板11と第2基板12と接続部とは、以下の順に、並び方向に沿って一列に並んで器体10内に収容されていることが好ましい。当該順とは、差込方向の一方から見たときに、第1基板11、第2基板12、接続部の順である。第3の態様によれば、信頼性が低下することをより効果的に防ぐことができる。
第4の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、第2プラグ(USBプラグ102)の導体1020に対する直流電力の供給状態に応じて表示用の光を発する表示素子14を更に備えることが好ましい。表示素子14は、第1基板11において、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向における第2基板12とは反対側の端部に実装されている。第4の態様によれば、表示素子14を通じて、通電確認、及び基板上の回路異常の有無の判断を行うことができる。また、表示素子14が上記端部に実装されているため、器体10内に侵入した異物による表示素子14の破損を抑制することができる。
第5の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、器体10は、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向における、第1基板11と第2基板12との間に隔壁17を有していることが好ましい。第5の態様によれば、第2基板12は、隔壁17によって第1基板11が収容されている空間から隔離されている。したがって、第2基板12が収容されている空間側へ異物が浸入することを抑制することができる。
第6の態様に係るテーブルタップ1は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、器体10は、規制リブ(251,252,253,254,371,372,373,374)を有していることが好ましい。規制リブは、差込方向(上下方向)に対する第1基板11の変位を規制するように、差込方向の少なくとも一方から第1基板11に接触する。第6の態様によれば、器体10内で、差込方向に沿った第1基板11の変位(がたつき)を抑えることができる。
第7の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、器体10は、第1基板11と対向する壁部(天板20B)を有することが好ましい。器体10は、壁部において、第2差込口を少なくとも2つ有する。壁部は、第1基板11に向かって突出する補強リブ(第1補強リブ261)を有する。補強リブは、差込方向の一方から見たときに、壁部における2つの第2差込口の間に設けられている。第7の態様によれば、第2プラグ(USBプラグ102)の抜き差しに伴う器体10の壁部の変形を抑制することができる。
第8の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、器体10は、第1壁部(天板20A及び天板20B)と、第2壁部(底板30A及び30B)と、を有することが好ましい。第1壁部には、第1差込口21及び第2差込口22が形成されている。第2壁部は、第1基板11及び第2基板12を介して、第1壁部と対向する。第2壁部は、器体10の外部空間と器体10の内部空間とをつなげる排水口18Bを有する。排水口18Bは、差込方向の一方から見たときに、第2壁部において、第2基板12と接続部との間の領域に配置されている。第8の態様によれば、仮に第2基板12が収容されている空間側へ液体(異物)が浸入しても、液体を排水口18Bから排出することができる。
第9の態様に係るテーブルタップ1に関して、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、器体10は、第1壁部(天板20A及び天板20B)と、第2壁部(底板30A及び30B)と、を有することが好ましい。第1壁部には、第1差込口21及び第2差込口22が形成されている。第2壁部は、第1基板11及び第2基板12を介して、第1壁部と対向する。第2壁部は、器体10の外部空間と器体10の内部空間とをつなげる排水孔(排水口18C)を有する。排水孔は、差込方向の一方から見たときに、第2壁部において、第1基板11と第2基板12とが並ぶ並び方向における第1基板11の第2基板12とは反対側の端部側の領域に配置されている。第9の態様によれば、仮に液体(異物)が第2差込口22から浸入しても、液体を排水孔(排水口18C)から排出することができ、第2基板12が収容されている空間側へ液体が流れ込むことを抑制することができる。