JP7164799B2 - 分析装置、分析方法およびプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、学習データが同一の情報源から取得されていない場合、および、学習データと予測対象のデータとに関して情報源の性質が異なる場合に対応する確率モデル推定装置が記載されている。この確率モデル推定装置は、複数の学習データそれぞれの周辺分布と、テストデータの周辺分布とを求め、学習データの周辺分布とテストデータの周辺分布との密度比に基づく目的関数を生成し、この目的関数を最小化して確率モデルの推定を行う。
図1は、第1実施形態に係る分析システムの機能構成の例を示す概略ブロック図である。図1に示す構成で、分析システム1は、分析装置100と、シミュレータサーバ900とを備える。分析装置100は、入出力部110と、記憶部170と、制御部180とを備える。制御部180は、パラメータサンプルデータ算出部181と、第2種類サンプルデータ取得部182と、パラメータ値算出部183とを備える。
分析装置100は、例えばパソコン(Personal Computer;PC)またはワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成される。
例えば、目標データXnの要素は、分析対象を構成している構成要素の状態を表すものであってもよい。目標データYnの要素は、分析対象に関してセンサ等で観測可能な状態を表すものであってもよい。例えばユーザが、製造工場の生産性を分析したい場合、目標データXnは、当該製造工場における各設備の稼働状況を表すものであってもよい。観測データYnは、複数の設備によって構成されるラインにて製造される製品の個数を表すものであってもよい。
分析対象、および、目標データは、上述した例に限定されず、たとえば、加工工場における設備であってもよいし、ある施設を建設する場合における建設システムであってもよい。
あるいは、分析装置100が、分析装置100自らの内部にシミュレータr(x,θ)を備えていてもよい。この場合、シミュレータr(x,θ)がブラックボックス化されているなど、分析装置100にとってシミュレータの回帰関数が未知であってもよい。
線L11は、理想モデルを示す。ここでいう理想モデルは、目標データのデータXとデータYとの関係を最もよく表すモデルである。例えば、理想モデルは、目標データをもっとも高精度に曲線近似する。ここでは、理想モデルの関数をy=R(x)とする。
図2の例では、目標データが点P11のように丸で示されている。線L11は、丸で示される目標データを曲線近似している。
上述したように、理想モデル(線L11)は、必ずしも、数学的な関数(たとえば、一次関数、二次関数、指数関数、ガウス関数)を用いて表されているとは限らず、xと、yとの関係性を便宜的に示したものである。さらには、理想モデルが実際に表現される必要はない。以降、説明の便宜上、関数という言葉を用いるが、関数という言葉を、関係性を表すものという意味で用いる。
分析装置100にとって、シミュレータによる回帰関数は未知でよい。
記憶部170は、各種データを記憶する。記憶部170は、分析装置100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
パラメータサンプルデータ算出部181は、パラメータθに関して仮設定された分布π(θ)に基づいて、パラメータθのサンプルデータを複数算出する。分布π(θ)は、ガウス分布に従う分布であってもよいし、ある数値区間における一様乱数を用いて設定されてもよい。但し、分布π(θ)は、これらの例に限定されない。上記のように、パラメータθは、シミュレータr(x,θ)のパラメータである。シミュレータr(x,θ)は、第1種類のデータ(データX)の値の入力を受けて第2種類のデータ(データY)の値を出力する。
パラメータ値算出部183は、第2種類目標データ(目標データYn)と、第2種類サンプルデータ取得部182が取得した第2種類のサンプルデータ(データYのサンプルデータ)との差異に基づいてパラメータθのサンプルデータの各々に対する重みを算出し、得られた重みを用いてパラメータθの値を算出する。
また、パラメータ値算出部183が算出するパラメータθの値は、分析装置100がパラメータθの適切な値(データXとデータYとの関係を模擬するための値)として決定する値である。
(ステップS11)
パラメータサンプルデータ算出部181は、パラメータθの事前分布(分布π(θ))に基づいてパラメータθのサンプルデータθ<1> jを生成する。<1>は、事前分布に基づくデータであることを示す。
生成するデータの数をm(mは正の整数)とし、jを1≦j≦mの整数として、θ<1> jは式(1)のように示される。
式(1)に示されるように、θ<1> jは、dθ次元の実数として示され、分布π(θ)に従う。この時点では最適なパラメータ値は不明であり、例えばユーザが、得られている情報に基づいてパラメータθの分布を推定し、事前分布π(θ)として登録しておく。
ステップS11の後、処理がステップS12へ進む。
第2種類サンプルデータ取得部182は、ステップS11で得られたサンプルデータθ<1> j毎に、目標データXnに対応するサンプルデータY<1>n jを取得する。第2種類サンプルデータ取得部182は、θ<1> jとXnとをシミュレータr(x,θ)に入力してY<1>n jを取得する。第2種類サンプルデータ取得部182は、サンプルデータθ<1> j毎に、n個(目標データXnの要素数と同数)の要素を有するサンプルデータY<1>n jを取得する。目標データXnの要素と、サンプルデータY<1>n jの要素とが一対一に対応付けられ、X-Y平面にプロット可能である。
Y<1>n jは、式(2)のように示される。
ステップS12の後、処理がステップS13へ進む。
パラメータ値算出部183は、ステップS12で得られたY<1>n jと、目標データYnとに基づいて、θ<1> j毎に重みを算出し、重み付け平均する。
重み付け平均で得られるパラメータ値θ<2>は、式(3)のように示される。<2>は、Y<1>n jとYnとの比較に基づく重みを反映済みのデータであることを示す。
ステップS13の後、分析装置100は、図3の処理を終了する。
パラメータ値算出部183が算出したパラメータ値が、シミュレータが目標データを高精度に近似するパラメータ値となっている場合、このパラメータ値は、目標データが示す目標値を実現するための条件を示している。シミュレータが目標データを高精度に近似するとは、目標データのうち第1種類目標データをシミュレータに入力した場合に、シミュレータの出力値が、その目標データの第2種類目標データに近いことである。
分析装置100は、このパラメータ値をユーザに提示することで、ユーザが示す目標値に対して、その目標値を実現するための条件をユーザに提示できる。
第1実施形態では、パラメータθの推定値がdθ次元の実数値で求まる。これに対し、第2実施形態では、パラメータθの推定値を分布で求める例について説明する。
図4は、第2実施形態に係る分析装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図4に示す構成は、パラメータ値算出部183が、カーネル平均算出部191と、カーネル平均対応パラメータ算出部192と、パラメータ予測分布算出部193と、第2種類予測分布データ算出部194とを備える点で、図1の場合と異なる。それ以外は、図1の場合と同様である。
カーネル平均対応パラメータ算出部192は、カーネル平均算出部191が算出したカーネル平均に基づくパラメータθのサンプルデータを算出する。
パラメータ予測分布算出部193は、カーネル平均算出部191が算出したカーネル平均に基づくパラメータθのサンプルデータを用いてパラメータθの予測分布のカーネル表現を算出する。
第2種類予測分布データ算出部194は、パラメータ予測分布算出部193が算出したパラメータの予測分布のカーネル表現を用いて、第2種類のデータ(データY)の予測分布に従うサンプルデータを算出する。
図5のステップS21~S22は、図3のステップS11~S12と同様である。ステップS22の後、処理がステップS23へ進む。
カーネル平均算出部191は、カーネル平均を求める。
上述した式(3)は、カーネル平均を求める式と捉えて式(6)のように表すことができる。カーネル平均算出部191は、式(6)に基づいてカーネル平均μ^θ|XYを求める。
kyは、式(8)のように示される。
ステップS23の後、処理がステップS24へ進む。
カーネル平均対応パラメータ算出部192は、パラメータθについて、カーネル平均μ^θ|XYに基づくサンプルデータ{θ<3> 1,・・・,θ<3> m}(mはサンプル数を示す正の整数)を求める。<3>は、カーネル平均に基づくデータであることを示す。
カーネル平均に基づくサンプルデータは、カーネルハーディング(Kernel Herding)の手法を用いて帰納的に求めることができる。この場合、jを0≦j≦m(mはサンプル数を示す正の整数)として、カーネル平均対応パラメータ算出部192は、式(11)に基づいて、サンプルデータθ<3> j+1を算出する。
hjは、式(12)により再帰的に示される。
Hは再生核ヒルベルト空間を示す。
ステップS24で得られるサンプルデータ{θ<3> 1,・・・,θ<3> m}には、事前分布に基づくサンプルデータY<1>n jと目標データYnとの近さ(ノルム)に応じた重み付けが反映されている。
ステップS24の後、処理がステップS25へ進む。
パラメータ予測分布算出部193は、シミュレータr(x,θ)に目標データXnおよびサンプルデータθ<3> jを入力して、分布p(y|Xn,θ<3> j)に従う{θ<3> j,Y<3>n j}をシミュレーションにより算出する。
ステップS25の後、処理がステップS26へ進む。
パラメータ予測分布算出部193は、ステップS25で得られたサンプルデータ{θ<3> j,Y<3>n j}を用いて、データYの予測分布(Predictive Distribution)のカーネル表現ν^y|YXを算出する。
予測分布のカーネル表現ν^y|YXは、カーネルサムルール(Kernel Sum Rule)を用いて算出することができる。この場合、予測分布p(y|Xn,Yn)は、式(13)のように示される。
Iは単位行列を示す。
ステップS26の後、処理がステップS27へ進む。
第2種類予測分布データ算出部194は、ステップS26で得られた予測分布のカーネル表現ν^y|YXを用いて、予測分布に基づくサンプルデータY<4>n jを求める。
<4>は、予測分布のカーネル表現に基づくデータであることを示す。
ステップS27でも、ステップS24の場合と同様、カーネルハーディングの手法を用いて帰納的にサンプルデータを求めることができる。ステップS27では、式(18)に基づいてサンプルデータを算出する。
h’jは、式(19)により再帰的に示される。
ステップS27の後、処理がステップS28へ進む。
第2種類予測分布データ算出部194は、ステップS24で得られたサンプルデータ{θ<3> 1,・・・,θ<3> m}から、パラメータθの分布を求める。例えば、第2種類予測分布データ算出部194は、パラメータθの分布がガウス分布など特定の分布に従うと仮定し、サンプルデータから平均値および分散など分布の特徴量を算出する。
あるいは、分析装置100が、ステップS24で得られたパラメータのサンプルデータをそのままユーザに提示する(例えば、グラフで表示する)ようにしてもよい。ユーザは、パラメータのサンプルデータそのものを参照することで、信頼区間、および、カーネル平均対応パラメータ算出部192が算出したパラメータそのものの信頼性を、より高精度に判断することができる。また、例えばパラメータの分布が多峰的である場合、または、パラメータの分布が非対称な場合など、特定の分布でパラメータのサンプルデータを捉えられない場合、分析装置100が、パラメータのサンプルデータをそのままユーザに提示することで、ユーザは、パラメータの分布を把握し得る。
また、第2種類予測分布データ算出部194が、パラメータのサンプルデータに加えて、あるいは代えて、ステップS27で得られたデータYのサンプルデータY<4>n jの分布を求めるようにしてもよい。
ステップS28の後、分析装置100は、図5の処理を終了する。
このように、分析装置100によれば、ユーザは、目標データを実現するための条件(パラメータ値)について、その値を知るだけでなく、分布(例えば分散)も知ることができる。これにより、ユーザは、分析装置100が提示する条件に対して、目標値を実現するためにどの程度の余裕分を見込むかについても検討できる。
第3実施形態では、分析装置が、共変量シフト(Covariate Shift)に対応する場合について説明する。共変量シフトとは、訓練時とテスト時とで入力の分布が異なるが入出力関数は変わらないことである。ここでは、目標データのデータX(第1種類目標データ)の分布と、関係性分析対象(分析したい範囲)のデータXの分布とが異なるが理想モデルは変わらない場合を共変量シフトとして扱う。目標データのデータXの分布をq0(x)と表記し、関係性分析対象のデータXの分布をq1(x)と表記する。
線L21は、理想モデルを示す。ここでは、理想モデルの関数をy=R(x)とする。
また、点P22のように丸で示されるデータ、点P23のように十字で示されるデータのいずれも理想モデルに基づいて生成されている。丸で示されるデータを丸データと称し、十字で示されるデータを十字データと称する。
一方、丸データと十字データとでは、x軸方向の分布が異なる。丸データが図6の左右に広く分布しているのに対し、十字データは、図6の左側に偏って分布している。この分布の違いから、丸データの場合と十字データの場合とで回帰関数が異なる。例えば直線回帰を行う場合、丸データの回帰直線は線L22となり、十字データの回帰直線は線L23となる。
そこで、分析装置100は、目標データのデータXの分布と関係性分析を行いたい範囲のデータXの分布との比較に基づいて目標データに重みづけを行い、関係性分析を行いたい範囲のデータXの分布に対応するパラメータθの値を求める。
分析装置100は、いろいろなデータXの値について、そのデータXの値とそのデータXの値に対して設定されたデータYの目標値との組み合わせを目標データとして使用する。
分析装置100は、設定されたデータXの目標値、および、そのデータXの目標値に対応付けて定められたデータYの目標値をシミュレータが高精度に近似できるパラメータ値を算出する。
第1実施形態では、パラメータ値算出部183は、目標データYnと、サンプルデータY<1>n jとの近さで示される、パラメータのサンプルデータθ<1> jの尤度に基づく重みを算出している。これに対し、第3実施形態では、パラメータ値算出部183は、サンプルデータθ<1> jの尤度に加えて、目標データの分布d1(x)への一致度合いに基づいてサンプルデータθ<1> jの各々を重み付けする。
図7のステップS31~S32は、図3のステップS11~S12と同様である。ステップS32の後、処理がステップS33へ進む。
パラメータ値算出部183は、パラメータのサンプルデータθ<1> j毎に重みを算出し、重み付け平均する。図3のステップS12では、パラメータ値算出部183は、サンプルデータY<1>n jと、目標データYnとに基づいて、θ<1> j毎に重みを算出する。これに対し、ステップS33では、パラメータ値算出部183は、サンプルデータY<1>n jおよび目標データYnに加えて、さらに、目標データXnの分布q0(x)および回帰を求めたい領域を示す分布q1(x)に基づいて重みを算出する。
重み付け平均で得られるパラメータ値θ<5>は、式(20)のように示される。<5>は、Y<1>n j、Yn、q0(x)およびq1(x)に基づく重みを反映済みのデータを示す。
ステップS13の後、分析装置100は、図7の処理を終了する。
これにより、分析装置100は、共変量シフトに対応して、より高精度に関係性分析を行うことができる。従って分析装置100は、ユーザが示した目標値を実現するための条件(パラメータ値)を、より高精度に算出することができる。すなわち、分析装置100によれば、状況に応じて目標値が変化することに対応して、目標値を実現するための条件をユーザに提示できる。
第3実施形態では、パラメータθの推定値がdθ次元の実数値で求まる。これに対し、第4実施形態では、パラメータθの推定値を分布で求める例について説明する。
第4実施形態に係る分析システムの構成および分析装置100の構成は、第2実施形態の場合(図4)と同様である。第4実施形態では、パラメータ値算出部183が行う処理が、第1実施形態の場合と異なる。第3実施形態では、パラメータ値算出部183は、第2種類目標データYnと、第2種類のサンプルデータY<1>n jとの差異、および、第1種類目標データXnが従う第1分布と、第1種類のデータの分布であって関係を求めたい領域を示す第2分布とに基づいて、パラメータのサンプルデータの各々に対する重みを算出し、得られた重みを用いてパラメータの値を算出する。
ステップS41~S42は、図2のステップS11~S12と同様である。
ステップS42の後、処理がステップS43へ進む。
カーネル平均算出部191は、カーネル平均を求める。
上述した式(20)は、カーネル平均を求める式と捉えて式(24)のように表すことができる。カーネル平均算出部191は、式(24)に基づいてカーネル平均μ^θ<6>|XYを求める。<6>は、分布q1(x)への適合度合いに基づく重み付け済みのデータであることを示す。
カーネル平均μ^θ<6>|XYは、XおよびYの下でのθの事後分布に、分布q1(x)への一致度合いに基づく重みづけをしたものを、カーネル平均埋め込みにより再生核ヒルベルト空間上で表現したものに該当する。
ステップS43の後、処理がステップS44へ進む。
カーネル平均対応パラメータ算出部192は、パラメータθ<6>について、カーネル平均μ^θ<6>|XYに基づくサンプルデータ{θ<6> 1,・・・,θ<6> m}(mはサンプル数を示す正の整数)を求める。
カーネル平均に基づくサンプルデータは、カーネルハーディングの手法を用いて帰納的に求めることができる。この場合、カーネル平均対応パラメータ算出部192は、jを0≦j≦m(mはサンプル数を示す正の整数)として、式(29)に基づいて、サンプルデータθ<6> j+1を算出する。
hjは、式(30)により再帰的に示される。
Hは再生核ヒルベルト空間を示す。
ステップS24で得られるサンプルデータ{θ<6> 1,・・・,θ<6> m}には、事前分布に基づくサンプルデータY<1>n jと目標データYnとの近さに応じた重み付け、および、分布q1(x)への一致度合いに基づく重み付けが反映されている。
ステップS44の後、処理がステップS45へ進む。
パラメータ予測分布算出部193は、学習モデルp(y|x,θ)に目標データXnおよびサンプルデータθ<6> jを入力した分布p(y|Xn,θ_mcv j)に従う{θ<6> j,Y<6>n j}を、シミュレーションにより算出する。
ステップS45の後、処理がステップS26へ進む。
パラメータ予測分布算出部193は、ステップS45で得られたサンプルデータ{θ<6> j,Y<6>n j}を用いて、分布q1(x)に対応するデータYの予測分布のカーネル表現ν^y|YXを算出する。
予測分布のカーネル表現ν^y|YXは、カーネルサムルールを用いて算出することができる。この場合、予測分布p(y|X<6> n,Y<6> n)は、式(31)のように示される。
Iは単位行列を示す。
ステップS46の後、処理がステップS47へ進む。
第2種類予測分布データ算出部194は、ステップS46で得られた予測分布のカーネル表現ν^y|YXを用いて、予測分布Y<6>n jのサンプルデータを求める。
ステップS47でも、ステップS44の場合と同様、カーネルハーディングの手法を用いて帰納的にサンプルデータを求めることができる。ステップS47では、式(36)に基づいてサンプルデータを算出する。
h’jは、式(37)により再帰的に示される。
ステップS47の後、処理がステップS48へ進む。
第2種類予測分布データ算出部194は、ステップS44で得られたサンプルデータ{θ<6> 1,・・・,θ<6> m}から、パラメータθの分布を求める。例えば、第2種類予測分布データ算出部194は、パラメータθの分布がガウス分布など特定の分布に従うと仮定し、サンプルデータから平均値および分散など分布の特徴量を算出する。
あるいは、分析装置100が、ステップS44で得られたサンプルデータをそのままユーザに提示する(例えば、グラフで表示する)ようにしてもよい。ユーザは、サンプルデータそのものを参照することで、信頼区間およびデータそのものの信頼性を、より高精度に判断することができる。また、例えばデータの山が複数ある場合または非対称な分布の場合など、特定の分布でサンプルデータを捉えられない場合、分析装置100が、サンプルデータをそのままユーザに提示することで、ユーザは、データの分布を把握し得る。
また、第2種類予測分布データ算出部194が、パラメータのサンプルデータに加えて、あるいは代えて、ステップS47で得られたデータYのサンプルデータY<6>n jの分布を求めるようにしてもよい。
ステップS48の後、分析装置100は、図8の処理を終了する。
図9は、目標値設定対象の組立工程の例を示す図である。図9に示す組立工程では、組立装置が、上側部品、下側部品、および2つのねじの4つの部品を組み立てて製品を生成する。組立装置が組み立てた製品は検査装置に搬入される。検査装置は、製品が4つ搬入されると検査を行う。
図10は、得られたXとYの関係を示す図である。図10のグラフの横軸はデータXを示し、縦軸はデータYを示す。また、点P31のような丸で目標データが示されている。
線L31は、関係性分析の結果得られたXとYの関係を示す線である。
点P31は、パラメータの真の値を示す。ここでのパラメータの真の値は、目標値を実現するためのパラメータ値として予め想定されたパラメータ値であり、いわば、この実験における答である。
点P32は、実験で得られたパラメータの値を示す。点P32は点P31に近く、パラメータ値を適切に算出できている。
上述した組立工程のシミュレーションの実験で、Xの値が110を超えると、θ1、θ2共に値が大きくなる(組立および検査に時間を要する)ように、真のパラメータ値を設定する。
目標データの分布は、q0(X)=N(X|100,10)と、X=100を中心に分布している。これに対し、予測したい領域(目標値を実現するための条件を知りたい領域)は、q1(X)=N(X|120,10)と、X=120の場合について予測したい(目標値を実現するための条件を知りたい)ものとする。
共変量シフトを行わない場合の線L41が、X=100付近のデータを精度よく近似しているのに対し、共変量シフトを行った場合の線L42は、X=120付近のデータを精度よく近似している。このように、共変量シフトに対応した結果を得られた。この場合のパラメータ値は、ユーザが希望するX=120付近で目標値を実現するための条件を示している。
また、図10の場合と同様、階段状の線を得られており、この点でもXとYとの関係を高精度に求められている。
点P51は、パラメータの真の値を示す。点P52は、共変量シフトによるパラメータの真の値を示す。点P51および点P52のうち、点P52の方が、いわば、この実験における答である。
点P53は、共変量シフトで得られたパラメータの値を示す。また、点P54等により、カーネルハーディングで得られたパラメータ値の分布が示されている。
また、カーネルハーディングで得られたパラメータ値の分布は、縦方向の分布が大きい。これにより、パラメータθ1の値の影響よりもパラメータθ2の値の影響の方が大きいことが示されている。また、カーネルハーディングで得られたパラメータ値の分布は、左肩上がりとなっている。これにより、パラメータθ1の値を改善すれば、多少の効率の改善は見込まれることが示されている。
このように、分析装置100が求めるパラメータ値の分布を参照して、ボトルネック解析等の感度解析を行うことができる。
図15は、本発明の実施形態に係る分析装置の構成の例を示す図である。図15に示す分析装置10は、パラメータサンプルデータ算出部11と、第2種類サンプルデータ取得部12と、パラメータ値算出部13とを備える。
分析装置10は、このパラメータ値をユーザに提示することで、ユーザが示す目標値に対して、その目標値を実現するための条件をユーザに提示できる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110 入出力部
170 記憶部
180 制御部
181 パラメータサンプルデータ算出部
182 第2種類サンプルデータ取得部
183 パラメータ値算出部
191 カーネル平均算出部
192 カーネル平均対応パラメータ算出部
193 パラメータ予測分布算出部
194 第2種類予測分布データ算出部
Claims (6)
- 第1種類のデータの入力を受けて第2種類のデータを出力するシミュレータのパラメータに関して仮設定された分布に基づいて、前記パラメータの複数のサンプルデータを算出するパラメータサンプルデータ算出部と、
前記第1種類のデータについての目標値を示す第1種類目標データと前記パラメータの複数のサンプルデータの各々とを前記シミュレータに入力して、前記パラメータの複数のサンプルデータの各々毎に前記第2種類のサンプルデータを取得する第2種類サンプルデータ取得部と、
前記第2種類のデータについての目標値を示す第2種類目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの差異に基づいて前記パラメータの複数のサンプルデータの各々に対する重みとして、前記差異の大きさが小さいほど大きい重みを算出し、算出された前記重みを用いて前記パラメータの複数のサンプルデータを重み付け平均して、前記第1種類目標データおよび前記第2種類目標データに応じた前記パラメータの値を算出するパラメータ値算出部と、
を備える分析装置。 - 前記パラメータ値算出部は、
前記第1種類目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの下での前記パラメータの事後分布を示すカーネル平均を算出するカーネル平均算出部と、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを算出するカーネル平均対応パラメータ算出部と、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを用いて前記パラメータの予測分布のカーネル表現を算出するパラメータ予測分布算出部と、
前記パラメータの予測分布のカーネル表現を用いて、前記第2種類のデータの予測分布に従うサンプルデータを算出し、得られたサンプルデータから前記パラメータの分布を求める第2種類予測分布データ算出部と、
を備える請求項1に記載の分析装置。 - コンピュータが、
第1種類のデータの入力を受けて第2種類のデータを出力するシミュレータのパラメータに関して仮設定された分布に基づいて、前記パラメータの複数のサンプルデータを算出し、
前記第1種類のデータについての目標値を示す第1種類目標データと前記パラメータの複数のサンプルデータの各々とを前記シミュレータに入力して、前記パラメータの複数のサンプルデータの各々毎に前記第2種類のサンプルデータを取得し、
前記第2種類のデータについての目標値を示す第2種類目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの差異に基づいて前記パラメータの複数のサンプルデータの各々に対する重みとして、前記差異の大きさが小さいほど大きい重みを算出し、
算出された前記重みを用いて前記パラメータの複数のサンプルデータを重み付け平均して、前記第1種類目標データおよび前記第2種類目標データに応じた前記パラメータの値を算出する、
ことを含む分析方法。 - 前記パラメータの値を算出することは、前記コンピュータが、
前記第1種類目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの下での前記パラメータの事後分布を示すカーネル平均を算出することと、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを算出することと、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを用いて前記パラメータの予測分布のカーネル表現を算出することと、
前記パラメータの予測分布のカーネル表現を用いて、前記第2種類のデータの予測分布に従うサンプルデータを算出し、得られたサンプルデータから前記パラメータの分布を求めることと、
を含む請求項3に記載の分析方法。 - コンピュータに、
第1種類のデータの入力を受けて第2種類のデータを出力するシミュレータのパラメータに関して仮設定された分布に基づいて、前記パラメータの複数のサンプルデータを算出し、
前記第1種類のデータについての目標値を示す第1種類目標データと前記パラメータの複数のサンプルデータの各々とを前記シミュレータに入力して、前記パラメータの複数のサンプルデータの各々毎に前記第2種類のサンプルデータを取得し、
前記第2種類のデータについての目標値を示す第2種類目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの差異に基づいて前記パラメータの複数のサンプルデータの各々に対する重みとして、前記差異の大きさが小さいほど大きい重みを算出し、
算出された前記重みを用いて前記パラメータの複数のサンプルデータを重み付け平均して、前記第1種類目標データおよび前記第2種類目標データに応じた前記パラメータの値を算出する、
ことを実行させるためのプログラム。 - 前記パラメータの値を算出することでは、前記コンピュータに、
前記第1種類の目標データと、算出された前記第2種類のサンプルデータとの下での前記パラメータの事後分布を示すカーネル平均を算出し、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを算出することと、
前記カーネル平均に基づく前記パラメータのサンプルデータを用いて前記パラメータの予測分布のカーネル表現を算出し、
前記パラメータの予測分布のカーネル表現を用いて、前記第2種類のデータの予測分布に従うサンプルデータを算出し、得られたサンプルデータから前記パラメータの分布を求める、
ことを実行させるための、請求項5に記載のプログラム。
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