JP7162434B2 - 注射器及びこれを用いた注射管理システム - Google Patents
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Description
図1は、注射管理システムの全体構成を示す図である。本図の注射管理システム1は、注射器10と、レコーダ20と、情報処理端末30と、クラウドサーバ40とを有する。
次に、注射管理システム1の動作について説明する。患者が注射器10を用いて自己注射を行う際には、プランジャ12がシリンジ11の内部に押し込まれるので、プランジャ12に設けられた磁石13aがシリンジ11に設けられたホールIC13bに接近する。従って、ホールIC13bで磁石13aが生じる磁界(磁気)を検出することにより、シリンジ11とプランジャ12との相対運動(=プランジャ12をシリンジ11に押し込む動作)を捉えることができるので、自己注射の実施有無を確認することが可能となる。
図2は、コネクタ14の一構成例を示す図である。本構成例のコネクタ14は、ホールIC13bが搭載される基板に取り付けられる電子部品であり、例えば、ケーブル70の先端に設けられたコネクタ着脱部71と磁石などで容易に着脱することができる。なお、コネクタ14の形状や磁石のS/N設定を適切に設計しておけば、ケーブル70を容易に着脱することができるだけでなく、ケーブル70の誤接続を防止することも可能となる。
図3は、センサ13の第1構成例を示す図である。本構成例のセンサ13では、患者が注射器10を用いて自己注射を行うとき(=プランジャ12をシリンジ11に押し込むとき)に、プランジャヘッド13aに設けられた磁石13aが、フランジ11aに設けられたホールIC13bのパッケージ表面に対して、その真上方向から接近する。このような構成を採用した場合、ホールIC13bは、磁石13aとホールIC13bとの距離L1が数mmとなった時点で、磁石13aの生じる磁界を検出した。このように、磁石13aとホールIC13bは、互いに正対するように配置することが望ましい。
図4は、センサ13の第2構成例を示す図である。本構成例のセンサ13では、患者が注射器10を用いて自己注射を行うときに、プランジャ13の軸部分に設けられた磁石13aが、フランジ11aに設けられたホールIC13bのパッケージ表面に対して、その横上方向から接近する。このような構成を採用した場合でも、ホールIC13bは、磁石13aとホールIC13bとの距離L2が数mmとなった時点で、磁石13aの生じる磁界を検出した。
図5は、情報処理端末30(本図ではスマートフォンまたはタブレット)にインストールされて実行される注射管理アプリケーションの実行画面の一例を示す図である。患者が注射管理アプリケーションを実行したとき、情報処理端末30のタッチパネル31には、日時記録ボックス32、体調記録ボックス33、変化記録ボックス34、体温記録ボックス35、部位記録ボックス36、コメント記録ボックス37、及び、記録ボタン38を含む実行画面が表示される。
図6はホールIC13bの一構成例を示す図である。本構成例のホールIC13bは、S極でもN極でも磁界を検出したら検出信号OUTをオン(アクティブLow)するデジタル出力方式の両極検出型ホールICであり、ホール素子b1と、動的オフセットキャンセラb2と、差動アンプb3と、サンプルホールド部b4と、ヒステリシスコンパレータb5と、ラッチ部b6と、出力部b7と、タイミングロジック部b8を集積化して成る。
図7は、ホールIC13bによるデジタル出力動作の一例を示す図である。なお、本図の横軸には、ホールIC13bで検出される磁束密度B[mT]が示されており、本図の縦軸には、検出信号OUT[V]が示されている。本図に示すように、ホールIC13bが両極検出型である場合、ホールIC13bは、検出される磁界がS極であるかN極であるかを問わず、パッケージ上面に対して垂直方向の磁界を検出する。
上記では、デジタル出力方式のホールIC13bを例に挙げたが、ホールIC13bをアナログ出力方式とすることも可能である。図8は、ホールIC13bがアナログ出力方式である場合において、そのアナログ出力動作の一例を示す図である。なお、本図の横軸には、先出の図7と同じく、ホールIC13bで検出される磁束密度B[mT]が示されており、本図の縦軸には、検出信号OUT[V]が示されている。
図9は、補助具使用時の一例を示す図である。自己注射を行う場合、注射器10をそのまま用いる使用方法のほかに、本図のように、注射器10に補助具15を取り付けることで、注射姿勢を正しく設定したり、注射針をカバーして見えなくし、注射する際の恐怖心を薄める使用方法がある。この場合、磁石13aとホールIC13bは、本図で示したように配置するとよい。より具体的に述べると、磁石13aをプランジャヘッド12aに設け、ホールIC13bを補助具15の適切な位置(=例えば磁石13aと正対する位置)に設けるとよい。このような構成とすることにより、先と同様の注射管理システム1を構築することが可能となる。
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。例えば、自己注射の実施状況の確認だけでなく、病院内での患者に対する注射の実施状況の確認にも使えるし、注射以外への応用も可能である。また、磁石による磁束密度の変化を検出する場合のみを説明したが、容量値の変化、抵抗値の変化、或いは、加速度の変化などを検出するようにしても構わない。
10 注射器
11 シリンジ
11a フランジ
12 プランジャ
12a プランジャヘッド
13 センサ
13a 磁石
13b ホールIC
14 コネクタ
15 補助具
20 レコーダ
21 バッテリ
22 RTC
23 マイコン
24 メモリ
25 通信部
30 情報処理端末(スマートフォン)
31 タッチパネル
32 日時記録ボックス
33 体調記録ボックス
34 変化記録ボックス
35 体温記録ボックス
36 部位記録ボックス
37 コメント記録ボックス
38 記録ボタン
40 クラウドサーバ
50 病院
60 サービスサポート企業
70 ケーブル
71 コネクタ着脱部
A1、A2 接地端子
B1 電源端子
B2 出力端子
C1 キャパシタ
b1 ホール素子
b2 動的オフセットキャンセラ
b3 差動アンプ
b4 サンプルホールド部
b5 ヒステリシスコンパレータ
b6 ラッチ部
b7 出力部
b8 タイミングロジック部
Claims (10)
- 注射器と、
前記注射器から入力される検出信号に日時情報を自動付与して注射実施データを生成するレコーダと、
を備える注射管理システムであって、
前記注射器は、注射される薬液を保持するシリンジと、前記薬液を前記シリンジから押し出すためのプランジャと、前記シリンジと前記プランジャとの相対運動に応じた前記検出信号を出力するセンサと、を有し、
前記レコーダは、前記レコーダが前記注射器に接続されたときにのみ前記レコーダを起動するマイコンを備え、
前記センサは、
前記シリンジ及び前記プランジャの一方に設けられた磁石と、
前記シリンジ及び前記プランジャの他方に設けられた両極検出型のホールICと、
を含み、
前記ホールICは、
ホイートストンブリッジと等価に構成されたホール素子と、
前記ホール素子のオフセット電圧を動的にキャンセルして差動入力信号を生成するように構成された動的オフセットキャンセラと、
前記差動入力信号を所定のゲインで増幅することにより差動増幅信号を生成するように構成された差動アンプと、
前記差動増幅信号を所定のタイミングでサンプル/ホールドすることにより検出磁界に応じた信号成分のみを抽出した差動出力信号を生成するように構成されたサンプルホールド部と、
前記差動出力信号を互いに比較することにより比較出力信号を生成するように構成されたヒステリシスコンパレータと、
前記比較出力信号を所定のタイミングでラッチすることによりラッチ出力信号を生成するように構成されたラッチ部と、
前記ラッチ出力信号に応じた前記検出信号を生成して前記ホールICの外部に出力するように構成された出力部と、
所定周波数のクロック信号に同期して前記動的オフセットキャンセラによる回路配線の切替制御を行うように構成されたタイミングロジック部と、
を集積化して成る、注射管理システム。 - 前記ホールICは、デジタル出力方式である、請求項1に記載の注射管理システム。
- 前記ホールICは、アナログ出力方式である、請求項1に記載の注射管理システム。
- 前記注射器は、前記レコーダとの接続を確立するためのケーブルが着脱されるコネクタをさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の注射管理システム。
- 前記注射器の使用者自らによる付帯情報の手入力を受け付けて前記レコーダから入力される前記注射実施データを拡充する情報処理端末をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の注射管理システム。
- 前記付帯情報は、予め用意しておいた選択肢から選択的に入力される、請求項5に記載の注射管理システム。
- 前記情報処理端末で拡充された前記注射実施データを格納するクラウドサーバをさらに有する、請求項5又は6に記載の注射管理システム。
- 前記レコーダは、前記検出信号に前記日時情報を自動付与した後、メモリへの自動記録と情報処理端末への自動送信のうち、少なくとも一方を実施する、請求項1~7のいずれか一項に記載の注射管理システム。
- 前記磁石は、前記プランジャの端部に形成されたプランジャヘッドに設けられており、
前記ホールICは、前記シリンジの端部に形成されたフランジに設けられており、
前記磁石は、前記ホールICのパッケージ表面に対して、その真上方向から接近する、請求項1~8のいずれか一項に記載の注射管理システム。 - 前記タイミングロジック部は、前記ホール素子、前記動的オフセットキャンセラ、前記差動アンプ、前記サンプルホールド部、及び、前記ヒステリシスコンパレータを所定のパルス駆動周期で間欠動作する、請求項1~9のいずれか一項に記載の注射管理システム。
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