JP7152262B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、RFタグから識別情報を読み取るアンテナ装置に関する。
特許文献1には、RFタグから無線送信される識別情報の読み取りに使用するアンテナ装置として、パッチアンテナを用いる遠方界通信用アンテナと、メアンダライン構造のストリップラインを用いる近傍界通信用アンテナとを組み合わせたものが記載されている。
この従来装置では、遠方界通信用アンテナの二つの給電点からの受信信号を合成するハイブリッドリングの出力端に近傍界通信用アンテナを直列接続することで、両アンテナからの受信信号を、アンテナの動作を切り替えることなく受信するように構成されている。
特開2017-17380号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来装置では、遠方界通信用アンテナから見た近傍界通信用アンテナは、単なる伝送路に過ぎず、その伝送損失によって遠方界通信用アンテナのゲインを低下させてしまうという問題があった。
本開示では、近傍界通信用アンテナによる遠方界通信用アンテナのゲイン低下を抑制する技術を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、誘電体基板上の導電体パターンによって形成されるアンテナ装置であって、第1アンテナ部と、第2アンテナ部と、信号合成回路と、を備える。第1アンテナ部は、パッチアンテナにより構成され、二つの給電点を有する。第2アンテナ部は、ストリップラインにより構成され、一つの給電点を有する。信号合成回路は、二つの共通端および二つの分配端を有するハイブリッドリングを用いて構成され、二つの分配端に、第1アンテナ部の二つの給電点が接続され、二つの共通端のうちの一方を第1共通端、他方を第2共通端として、第1共通端が、第1アンテナ部および第2アンテナ部に対する信号の入出力端として使用され、第2共通端に、第2アンテナ部の給電点および終端抵抗が接続される。
この場合、信号合成回路にて合成された第1アンテナ部からの受信信号を、第2アンテナ部を介することなく直接出力することができるため、第1アンテナ部の利得を低下させることなく、第2アンテナ部を接続することができる。
また、特に本発明のアンテナ装置は、基板上に2種類のアンテナ部を構成する導電体パターンを形成することにより、シート状の平面アンテナとして構成されることから、レジ台に載置して使用することが可能となり、レジ台に容易に設置することができる。
本開示の一態様では、第2アンテナ部を構成するストリップラインは、メアンダライン構造を有してもよい。また、メアンダライン構造を形成することで隣接して配置されるストリップライン同士の間隔が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように設定されてもよい。
この場合、誘電体基板の基板表面上において、近傍界通信を実施し得る領域を拡張できるだけでなく、開口面の外形が異なる複数種類の通信対象アンテナとの近傍界通信に対処できる。
本開示の一態様では、第2アンテナ部は、ストリップラインの非給電端が開放された構造を有してもよい。
この場合、ストリップラインの非給電端が短絡または終端されている場合と比較して、第1アンテナ部を接続することによる第1アンテナ部の利得の低下を抑制することもができる。
本開示の一態様では、誘電体基板は、一方の基板面である基板表面に、第1アンテナ部の放射器となるパッチアンテナを構成する導電体パターンが形成され、他方の基板面である基板裏面に、グランドとなる導電体パターンが形成されてもよい。パッチアンテナを構成する導電体パターンには、複数のスリットが設けられてもよい。複数のスリットは、当該スリットにて区切られる第1アンテナ部の幅が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように配置されてもよい。
この場合、第1アンテナ部を構成する導電体パターンは、スリットで区切られた幅の狭い部分が近傍界用アンテナとして機能するため、遠方界及び近傍界兼用のアンテナとなる。
本開示の一態様は、第1アンテナ部が有する二つの給電点と信号合成回路が有する二つの合成端とを接続するマイクロストリップラインからなるインピーダンス変換器を更に備えてもよい。
この場合、第1アンテナ部を構成する導電体パターンにおいて、信号合成回路の合成端と同じインピーダンスダンス特性が得られる位置に給電点を設定できなくても、これら合成端および給電点での信号の反射等を抑制し、合成端と給電点との間を好適に接続することができる。
本開示の一態様では、第2アンテナ部は、第1アンテナ部の周囲に配置されてもよい。
この場合、第1アンテナ部の周囲にて、通信対象アンテナとの間で近傍界通信を行うことができるため、より確実に、RFタグから識別情報を読み取ることができる。
本開示の一態様では、信号合成回路を構成するハイブリッドリングは、誘電体基板の一つの角部に沿ってL字形状に屈曲して配置されてもよい。
この場合、ハイブリッドリングを、第1アンテナ部周囲の空き領域に形成することができ、ハイブリッドリングを形成するために誘電体基板の基板面積を広げる必要がないため、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
アンテナ装置を誘電体基板の外周端縁側から見た状態を表す説明図である。 アンテナ装置の誘電体基板の基板表面に形成された導電体パターンを表す説明図である。 アンテナ装置の信号合成回路周辺の導電体パターンおよび同軸ケーブルの接続部分の構成を表す説明図である。 アンテナ装置を構成する各部の接続関係を示すブロック図である。 比較例における信号合成回路周辺の導電体パターンを表す説明図である。 比較例における各部の接続関係を示すブロック図である。 第2アンテナ部の非給電端が開放である場合のアンテナ装置の利得を表す特性図である。 第2アンテナ部の非給電端が短絡である場合のアンテナ装置の利得を表す特性図である。 第2アンテナ部の非給電端が終端である場合のアンテナ装置の利得を表す特性図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[1.全体構成]
本実施形態のアンテナ装置2は、商店等のレジ台に載置されて、商品等の物品に添付されたRFタグから識別情報を読み取るのに利用されるものであり、図1に示すように、アンテナ装置本体となる誘電体で形成された基板(以下、誘電体基板)10を備える。
誘電体基板10は、一方の基板面(以下、基板表面)10aに、放射器となるパッチアンテナ等を構成する導電体パターンが形成され、他方の基板面(以下、基板裏面)10bの略全域に、グランドとなる導電体パターン(即ち、グランドパターン)が形成される。このため、誘電体基板10は、基板表面10aから電波を放射可能な平面アンテナとして機能する。
誘電体基板10は、図1の上方から見た平面形状(図2参照)は略正方形であり、4つの角部の1つには、接続部22が形成されている。接続部22には、圧着端子42を介して、送受信信号を入出力するための同軸ケーブル30が固定される。
同軸ケーブル30の中心導体32は、基板表面10aに形成された導電体パターンの出力端に接続(半田付け)され、外部導体34は、基板表面10aの基板面の外周部分に形成されたグランドパターン28に接続(半田付け)される。
誘電体基板10において、接続部22には、基板表面10a側から、シート状の衝撃吸収材52が被せられる。更に、誘電体基板10全体は、合成樹脂製の保護シート50で被覆される。
衝撃吸収材52には、高機能ウレタンフォーム(マイクロセルポリマーシート)が用いられ、保護シート50には、塩化ビニールシートが用いられる。
保護シート50は、2枚のシート材にて誘電体基板10を両面側から覆い、誘電体基板10の外周部分で、2枚のシート材を圧着することにより、誘電体基板10全体を収納して保護する。
2枚のシート材を圧着する際、一方のシート材を基板裏面10bに沿って配置し、他方のシート材を基板表面10a側から被せることで、圧着部分が、誘電体基板10の厚み方向の中心よりも下方に位置するようにされている。
これは、アンテナ装置2をレジ台に載置した際に、保護シート50の圧着部分がレジ台の板面に沿うようにするためである。これによって、レジ台で作業者が商品を移動させる際に、保護シート50の圧着部分が邪魔になることを防止する。
[2.基板表面の導電体パターン]
次に、誘電体基板10の基板表面10aに形成される導電体パターンについて説明する。
図2に示すように、誘電体基板10の基板表面10aには、略中央に、第1アンテナ部12が形成されている。第1アンテナ部12は、パッチアンテナの放射器となる、外形が略正方形の導電体パターンである。
第1アンテナ部12は、その中心部分に、第1アンテナ部12と相似な矩形状に、導電体パターンを除去した中央パターン除去部13が形成されている。これは、パッチアンテナにおいて、放射器を構成するパッチの中心部分は、パターンを除去しても、アンテナ特性に与える影響が少ないからである。
また、第1アンテナ部12において、第1アンテナ部12の外周と中央パターン除去部13との間には、第1アンテナ部12の外周と相似な形状を有する2重のリング状スリット14a,14bが形成されている。
これにより、第1アンテナ部12は、二つのリング状スリット14a,14bにて区切られた3重のリング状の導体パターン(以下、リング状パターン)を有する。なお、リング状スリット14a,14bは、リング状パターンの幅Lが、RFタグに設けられた通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように、所定の間隔を空けて配置される。
また、各リング状スリット14a,14bは、第1アンテナ部12の縦方向及び横方向の中央にてそれぞれ分断されている。つまり、各リング状スリット14a,14bは、それぞれ、第1アンテナ部12の外周の角部の2辺に沿ってL字状の形状を有した4つのスリットで構成される。また、第1アンテナ部12における3重のリング状パターンは、リング状スリット14a,14bの分断箇所で互いに導通する。以下では、リング状スリット14a,14bを分断し、3重のリング状パターンを導通させる縦方向及び横方向に横切る十字形状の導体パターンをクロスパターンという。
第1アンテナ部12にクロスパターンを設ける理由は、このクロスパターンを省略すると、第1アンテナ部12がループアンテナとして機能し、パッチアンテナとしては機能しなくなるためである。つまり、クロスパターンにより、パッチアンテナに必要な互いに直交する垂直方向及び水平方向の放射性能を確保している。なお、図2に示す第1アンテナ部12では、中央パターン除去部13にクロスパターンが設けられていないが、中央パターン除去部13にクロスパターンを設けてもよいことは、いうまでもない。
このように構成された第1アンテナ部12は、基本的には、遠方界用のアンテナとして機能するが、リング状スリット14a,14bが設けられていることによって、近傍界用のアンテナとしても機能する。
即ち、パッチアンテナは、その全域が導電体パターンにて形成されている場合、パッチアンテナの近傍にRFタグが位置すると、RFタグに設けられている通信対象アンテナの共振周波数がずれる。すると、同軸ケーブル30を介して接続される読み取り装置(リーダライタ)側では、RFタグから識別情報を読み取ることができなくなり、近傍界用のアンテナとして機能することができない。これに対して、第1アンテナ部12のように、リング状スリット14a,14bを設けると、通信対象アンテナの共振周波数のずれが抑制されるため、読み取り装置では、RFタグから識別情報を読み取ることが可能となり、近傍界用のアンテナとして機能することになる。
なお、読み取り対象となるRFタグには、大きさの異なる複数の種類が存在し、これに応じてRFタグが有する通信対象アンテナの大きさも様々に異なる。このため、リング状スリット14a,14bにて区切られる第1アンテナ部12のリング状パターンの幅Lは、大きさの異なる通信対象アンテナの中で開口面の外形の長さが最も小さいアンテナを基準として設定される。
この結果、アンテナ装置2は、第1アンテナ部12によって、識別情報の読み取り対象となるRFタグに設けられた全ての通信対象アンテナとの間で遠方界通信及び近傍界通信を実施し得るアンテナ装置となる。
第1アンテナ部12は、当該第1アンテナ部12によって実現されるパッチアンテナが円偏波アンテナとして機能するように、第1アンテナ部12の外周で隣接する2辺の中心部のそれぞれに給電点Pが設けられている。
これは、RFタグには、通信対象アンテナとして直線偏波のアンテナが用いられており、アンテナ装置2とRFタグとの位置関係がどの様な状態であっても、アンテナ装置2は、RFタグの通信対象アンテナとの間で遠方界通信ができるようにするためである。
第1アンテナ部12が有する二つの給電点Pは、第1アンテナ部12と同じ基板表面10aに形成された二つのインピーダンス変換器16を介して、個別に信号合成回路18に接続される。
インピーダンス変換器16は、上記各給電点Pに接続されるハイインピーダンスのマイクロストリップライン16aと、信号合成回路18に接続される特定インピーダンス(例えば50Ω)のマイクロストリップライン16cと、マイクロストリップライン16a、16c同士を接続しこれらの中間のインピーダンスを有するマイクロストリップライン16bと、により構成される。
そして、これら各マイクロストリップライン16a~16cの長さは、RFタグとの通信周波数(本実施形態では900MHz帯)の中心周波数の波長λに対し、4分の1の長さ(λ/4)に設定されている。なお、波長λは、波長短縮率を考慮した値である。以下、本発明・明細書で長さを規定する際に用いる波長も同様である。
信号合成回路18は、上記一対のインピーダンス変換器16(詳しくは特定インピーダンスのマイクロストリップライン16c)が接続される2つの合成端Ti,Tiと、2つの共通端To1,To2とを有するハイブリッドリングにて構成される。
信号合成回路18を構成するハイブリッドリングは、第1アンテナ部12と同じ基板表面10aに形成された導電体パターン(ここでは、マイクロストリップライン)にて形成される。この種のハイブリッドリングは、通常、矩形に形成されるが、本実施形態では、第1アンテナ部12の周囲の基板表面10aを有効利用し、且つ、誘電体基板10の角部に同軸ケーブル30の接続部22を形成するために、L字形状に変形させている。
ハイブリッドリングの一方の共通端である第1共通端To1は、同軸ケーブル30の接続部22まで延設される。以下では、この接続部22まで延設され、同軸ケーブル30が接続される導電体パターンの端部を接続端Txという。
ハイブリッドリングの他方の共通端である第2共通端To2は、終端抵抗44を介して、誘電体基板10の基板表面10aの外周部分に形成されたグランドパターン28に接地される。グランドパターン28は、基板裏面10bに形成された導電体パターンに、スルーホールを介して接続される。また、第2共通端To2は、基板表面10aにおいて、第1アンテナ部12の周囲を囲むように形成されたマイクロストリップラインからなる第2アンテナ部26に接続されている。以下では、第2アンテナ部26の両端のうち、第2共通端To2に接続される側を給電端とよび、他方の側を非給電端とよぶ。第2アンテナ部26の非給電端は、第1共通端To1の近くに位置し、開放状態とされている。なお、第2アンテナ部26の非給電端は、短絡または終端されてもよい。
第2アンテナ部26を形成するマイクロストリップラインは、コの字状の屈曲を繰り返すメアンダライン構造を有し、屈曲することで互いに隣接するマイクロストリップライン同士の間隔が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように設定されている。
このような第2アンテナ部26を備えることにより、アンテナ装置2によれば、第1アンテナ部12だけでなく、第1アンテナ部12の周囲でも、通信対象アンテナとの間で近傍界通信を実施できる。
[3.接続部]
次に、誘電体基板10の角部に形成された同軸ケーブル30の接続部22について説明する。図3は、接続部22が設けられた誘電体基板10の角部を基板表面10a側から見た平面図である。
図3に示すように、誘電体基板10の角部のグランドパターン28部分には、圧着端子42を固定するための貫通孔24が形成されており、この貫通孔24には、鳩目46を介して、圧着端子42が固定される。
接続部22では、同軸ケーブル30を、圧着端子42を介して固定できるように、誘電体基板10の角部が切り欠かれていてもよい。また、誘電体基板10において、圧着端子42にて同軸ケーブル30を固定した状態で、先端の外部導体34が配置される部位には、この外部導体34を通すための切り欠きが設けられていてもよい。
誘電体基板10には、外部導体34が配置される部位を挟むようにグランドパターン28が形成されており、このグランドパターン28に、同軸ケーブル30の外部導体34は半田付けされる。
誘電体基板10の角部に固定される同軸ケーブル30の更に先端部分には、第1共通端Toから延設されたマイクロストリップラインの先端が配置されており、そのマイクロストリップラインには、同軸ケーブル30の中心導体32が半田付けされる。
終端抵抗44が取付けられる誘電体基板10の部位には、チップ部品にて構成された終端抵抗44を収納する凹部が形成されていてもよい。凹部は、誘電体基板10に終端抵抗44が実装されたときに、その厚みによる基板表面10aからの突出量を抑制するためのものである。なお、この構成は一例であり、凹部に代えて、終端抵抗44を収納可能な貫通孔を設けてもよい。
[4.測定]
上記のように構成された本実施形態のアンテナ装置2(以下、実施例)の周波数対ゲインの特性を測定した結果を、図7~図9に示す。ここで、特許文献1に示されたアンテナ装置を比較例として、比較例の測定結果も示した。
なお、実施例では、第1アンテナ部12と、信号合成回路18と、第2アンテナ部26と、終端抵抗44との接続関係は、図4に示す通りであり、第1共通端To1がそのまま接続端Txに接続され、第2共通端To2に、終端抵抗44と第2アンテナ部26とが接続されている。
一方、比較例では、図5及び図6に示すように、第1共通端To1に終端抵抗44が接続され、第2共通端To2に第2アンテナ部26の給電端が接続され、第2アンテナ部26の非給電端が接続端Txとされている。
つまり、実施例と比較例とでは、第2アンテナ部26を接続する位置、同軸ケーブル30が接続される接続端Txの位置が異なっている。
また、図7は、実施例において第2アンテナ部26の非給電端が開放されている場合、図8は、短絡されている場合、図9は、終端されている場合を示す。
この測定結果から、第2アンテナ部26の非給電端の状態に関わらず、いずれの場合も、少なくとも920MHz以下の周波数領域にて、比較例より、利得が1dB以上改善することが判る。
[5.効果]
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)アンテナ装置2では、第2アンテナ部26が、信号合成回路18において終端抵抗44が接続される第2共通端To2に接続されており、第1アンテナ部12の受信信号が、信号合成回路18の第1共通端To1から、同軸ケーブル30が接続される接続端Txに供給される。
つまり、従来装置(即ち、比較例)とは異なり、信号合成回路18にて合成された第1アンテナ部12からの受信信号を、第2アンテナ部26を介することなく直接出力できるため、第2アンテナ部26を設けることによる第1アンテナ部12の利得の低下を抑制できる。
(2)アンテナ装置2では、第2アンテナ部26を構成するストリップラインがメアンダライン構造を有しており、メアンダライン構造を形成することで隣接して配置されるストリップライン同士の間隔が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように設定されている。このため、誘電体基板の基板表面上において、近傍界通信を実施し得る領域を拡張できるだけでなく、開口面の外形が異なる複数種類の通信対象アンテナとの近傍界通信に対処できる。
(3)アンテナ装置2では、第2アンテナ部26が、第1アンテナ部12の周囲に配置されているため、通信対象アンテナとの間で近傍界通信を行うことができる範囲を拡張することができる。
(4)アンテナ装置2では、第1アンテナ部12を構成する導電体パターンに設けられたリング状スリット14a,14bが、第1アンテナ部12に近接したRFタグの通信対象アンテナの周波数がずれることを抑制する作用を有するため、第1アンテナ部12を、近傍界用アンテナとしても機能させることができる。つまり、第1アンテナ部12を、遠方界及び近傍界兼用のアンテナとして機能させることができる。
(5)アンテナ装置2では、第1アンテナ部12が有する二つの給電点Pと信号合成回路18が有する二つの合成端Tiとが、インピーダンス変換器16を介して接続されている。このため、第1アンテナ部12を構成する導電体パターンにおいて、信号合成回路18の合成端Tiと同じインピーダンスダンス特性が得られる位置に給電点Pを設定できなくても、これら合成端Tiおよび給電点Pでの信号の反射等を抑制し、両者の間を好適に接続することができる。
(6)アンテナ装置2では、信号合成回路18を構成するハイブリッドリングは、誘電体基板10の一つの角部に沿ってL字形状に屈曲して配置されている。このため、信号合成回路18を、第1アンテナ部12および第2アンテナ部26の周囲における誘電体基板10上の空き領域に形成することができる。その結果、信号合成回路18を形成するために誘電体基板10の基板面積を拡張する必要がないため、アンテナ装置2の小型化を図ることができる。
(7)アンテナ装置2では、終端抵抗44が実装される誘電体基板10の角部(同軸ケーブル30の接続部22)に、衝撃吸収材52が設けられている。従って、アンテナ装置2の使用時に、終端抵抗44や同軸ケーブル30の接続部22(特に半田付け部分)が、外部から衝撃を受けて、アンテナ装置2の特性が劣化するのを防止できる。
(8)アンテナ装置2は、単一の誘電体基板10上に第1アンテナ部12および第2アンテナ部26を構成する導電体パターンを形成することにより、シート状の平面アンテナとして構成されている。従って、レジ台に設置して、商品に添付されたRFタグから識別情報を読み込むアンテナ装置として利用すれば、RFタグの位置に影響されることなく、RFタグから識別情報を読み取ることができる。
[6.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
(a)上記実施形態では、第1アンテナ部12と信号合成回路18とを接続するインピーダンス変換用のマイクロストリップラインの接続段数を3段に変化させているが、接続段数は、2段であっても、4段以上であってもよい。マイクロストリップラインの接続段数が多いほど、通信可能帯域幅を広くすることができる。
(b)上記実施形態では、誘電体基板10の基板表面10aの周囲にグランドパターン28が設けられているが、このグランドパターン28は、基板の反りを防止するために設けたものであり、必要に応じて、省略してもよい。
(c)上記実施形態では、第2アンテナ部26を構成するマイクロストリップラインをコの字状に屈曲させているが、波形の曲線状に屈曲させてもよい。
(d)本実施形態では、第1アンテナ部12を形成する導電体パターンの外形形状は、略正方形としているが、これに限定されるものではなく、例えば、円形、長方形、楕円形、方形以外の多角形(例えば、6角形)等であってもよい。但し、何れの形状であっても、近傍界通信を実施できるようにするには、導電体パターンにリング状スリットを形成する必要はある。
(e)上記実施形態では、リング状スリット14a,14bを、複数のL字状のスリットの組み合わせで形成したが、これに限定されるものではない。例えば、直線状のスリットの組み合わせであってもよいし、自由曲線を含む曲線状のスリットの組み合わせであってもよいし、或いは、直線と曲線とが組み合わされた任意形状のスリットの組み合わせであってもよい。
なお、第1アンテナ部12に形成する複数のスリットは、第1アンテナ部12を構成する導電体パターンの幅が通信対象アンテナの外形の最短幅よりも短くすることができれば良いので、必ずしもリングを形成するように設ける必要はない。例えば、直線状のスリット、自由曲線を含む曲線状のスリット、若しくは、直線と曲線を組み合わせた任意形状のスリットを、間隔を空けて設けるようにすればよい。また、各スリット同士は平行に配置してもよいし、任意の傾きを持たせて配置してもよい。
(f)上記実施形態では、第1アンテナ部12を、2点給電方式の円偏波アンテナとして機能させるために、誘電体基板10上の導電体パターンにて構成されたハイブリッドリングを利用している。このハイブリッドリングは、必ずしも誘電体基板10上に導電体パターンにて形成する必要はなく、例えば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)等の電子部品を用いて構成してもよい。
(g)上記実施形態では、信号合成回路18をハイブリッドリングにより構成したが、これに代えて、例えば、90度移相器と、分配・混合器とを用いて構成してもよい。この場合、90度移相器は、誘電体基板10に形成したマイクロストリップラインにて構成することができる。また、分配・混合器としては、例えば、ウィルキンソン電力分配合成器等を利用することができる。
(h)上記実施形態では、アンテナ装置2は、レジ台で使用されるものとして説明したが、アンテナ装置2は、遠方界通信と近傍界通信との両方を実施可能であることから、こうした通信特性が必要な場所であれば、レジ台に限らず、どこでも利用することができる。
2…アンテナ装置、10…誘電体基板、10a…基板表面、10b…基板裏面、12…第1アンテナ部、13…中央パターン除去部、14a,14b…リング状スリット、16…インピーダンス変換器、16a~16c…マイクロストリップライン、18…信号合成回路、22…接続部、24…貫通孔、26…第2アンテナ部、28…グランドパターン、30…同軸ケーブル、32…中心導体、34…外部導体、42…圧着端子、44…終端抵抗、46…鳩目、50…保護シート、52…衝撃吸収材、P…給電点、Ti…合成端、To1…第1共通端、To2…第2共通端、Tx…接続端。

Claims (7)

  1. 誘電体基板上の導電体パターンによって形成されるアンテナ装置であって、
    パッチアンテナにより構成され、二つの給電点を有する第1アンテナ部と、
    ストリップラインにより構成され、一つの給電点を有する第2アンテナ部と、
    二つの共通端および二つの分配端を有するハイブリッドリングを用いて構成され、前記二つの分配端に、前記第1アンテナ部の二つの給電点が接続され、前記二つの共通端のうちの一方を第1共通端、他方を第2共通端として、前記第1共通端が、前記第1アンテナ部および第2アンテナ部に対する信号の入出力端として使用され、前記第2共通端に、前記第2アンテナ部の給電点および終端抵抗が接続される信号合成回路と、
    を備えるアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置であって、
    前記第2アンテナ部を構成するストリップラインは、メアンダライン構造を有し、前記メアンダライン構造を形成することで隣接して配置される前記ストリップライン同士の間隔が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように設定されたアンテナ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置であって、
    前記第2アンテナ部は、前記ストリップラインの非給電端が開放された構造を有する
    アンテナ装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記誘電体基板は、一方の基板面である基板表面に、前記第1アンテナ部の放射器となるパッチアンテナを構成する導電体パターンが形成され、他方の基板面である基板裏面に、グランドとなる導電体パターンが形成され、
    前記パッチアンテナを構成する導電体パターンには、複数のスリットが設けられ、
    前記複数のスリットは、当該スリットにて区切られる前記第1アンテナ部の幅が、通信対象アンテナの開口面の外形の最短幅よりも短くなるように配置された
    アンテナ装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記第1アンテナ部が有する前記二つの給電点と前記信号合成回路が有する前記二つの合成端とを接続するマイクロストリップラインからなるインピーダンス変換器を更に備える、
    アンテナ装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記第2アンテナ部は、前記第1アンテナ部の周囲に配置された
    アンテナ装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記信号合成回路を構成する前記ハイブリッドリングは、前記誘電体基板の一つの角部に沿ってL字形状に屈曲して配置された
    アンテナ装置。
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